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1993/02/17 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 科学技術特別委員会 第2号
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1993/02/17 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 科学技術特別委員会 第2号

#1
第126回国会 科学技術特別委員会 第2号
平成五年二月十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     萩野 浩基君     池田  治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         刈田 貞子君
    理 事
                永野 茂門君
                三上 隆雄君
                大久保直彦君
    委 員
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                志村 哲良君
                椎名 素夫君
                前島英三郎君
                前田 勲男君
                今井  澄君
                峰崎 直樹君
                吉岡 吉典君
                池田  治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中島  衛君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        渡海紀三朗君
       科学技術庁長官
       官房長      井田 勝久君
       科学技術庁長官
       官房審議官    笹谷  勇君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   興  直孝君
       科学技術庁科学
       技術政策局長   長田 英機君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   島  弘志君
       科学技術庁研究
       開発局長     石井 敏弘君
       科学技術庁原子
       力局長      石田 寛人君
       科学技術庁原子
       力安全局長    佐竹 宏文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (科学技術振興のための基本施策に関する件)
 (平成五年度科学技術庁関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(刈田貞子君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、萩野浩基君が委員を辞任され、その補欠として池田治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(刈田貞子君) この際、中島科学技術庁長官及び渡海科学技術政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。中島科学技術庁長官。
#4
○国務大臣(中島衛君) このたび科学技術庁長官を拝命いたしました中島衛でございます。
 申すまでもなく、私どもの生活は科学技術の成果の上に成り立っており、その振興を図ることは、二十一世紀に向けて我が国が平和で豊かな潤いのある生活大国を築いていくために不可欠な課題であります。
 さらに、近年我が国には、科学技術を通じて世界に貢献していくことが求められており、これにこたえるため、創造的な基礎的研究の強化や国際協力を通じて人類全体の知的資産を生み出すことが我が国の責務となっております。
 また、原子力、宇宙、海洋、ライフサイエンスなど、先導的な研究開発についても積極的に推進していくことが重要であります。
 今後一層重要となる科学技術の振興に当たり、政府に課せられた重大な使命に思いをいたすとき、科学技術行政の責任者として、微力ではございますが、全力を尽くしてまいりたいと思います。
 委員長を初め各委員の皆様におかれましては、よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
#5
○委員長(刈田貞子君) 次に、渡海科学技術政務次官。
#6
○政府委員(渡海紀三朗君) このたび科学技術政務次官を拝命いたしました渡海紀三朗でございます。
 ただいまも大臣のごあいさつにございましたとおり、科学技術の振興を図るということは、単に我が国の問題であるというのみならず、世界全体にとりましても大変重要な課題でございます。
 委員長初め委員の先生方の御指導を賜りまして、政務次官として科学技術の振興に努力をしてまいる所存でございますので、何とぞよろしく御指導いただきますようにお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○委員長(刈田貞子君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、中島科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取いたします。中島長官。
#8
○国務大臣(中島衛君) 第百二十六回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 科学技術の振興は、二十一世紀に向けて我が国及び世界が安定的発展を遂げ、平和で豊かな社会を確立していくために欠くことのできない最重要課題の一つであります。
 特に近年は、地球環境問題、エネルギー問題を初めとする人類共通の課題を解決するとともに、我が国の発展基盤を構築し、生活大国を実現していくために、科学技術に対する期待がとみに高まっております。また、国際社会における我が国の立場を踏まえ、科学技術によって国際社会と人類全体に貢献していくことがこれまで以上に強く求められております。さらに、国民の意識が、量的な豊かさだけでなく、ゆとり、潤いといったものを求めるものに変化してきております。
 このような科学技術を取り巻く環境の変化に的確に対応し、従来以上に科学技術の振興に積極的に取り組んでいくことが重要であります。
 平成五年度におきましては、かかる観点を踏まえ、次のとおり各種施策の積極的展開を図ってまいります。
 第一は、新たな科学的知見を開拓し、次の世代の技術を培う創造的・基礎的研究の充実強化を図るとともに、科学技術振興基盤の整備を進めることであります。
 とりわけ、基礎的研究の推進については、世界に誇り得る卓越した研究所としての中核的研究拠点、いわゆるセンター・オブ・エクセレンスの育
威を図る等、科学技術振興調整費を大幅に拡充するとともに、創造科学技術推進制度、独創的個人研究育成制度、フロンティア研究制度等の重要な基礎研究推進制度の充実強化を図ってまいります。また、研究組織、研究分野等を超えた研究者の交流等を総合的に促進するための体制の整備を図るため、今国会に新技術事業団法の一部を改正する法律案を提出し、御審議いただくことといたしております。
 さらに、国の研究所等の施設の整備を進めるとともに、大型放射光施設の建設、科学技術情報の流通の促進、科学技術人材対策の充実、科学技術の地域展開等、研究開発の基盤の整備を図ることといたしております。
 第二は、科学技術を通じて国際社会に積極的に貢献することであります。
 特に、宇宙ステーション計画、国際熱核融合実験炉計画、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム等の国際貢献型プロジェクトの推進を図ってまいります。
 また、地球温暖化等、人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある地球環境問題の解決等に向けて国際協力を充実するとともに、米国、EC等の先進諸国はもちろん、旧ソ連、東欧、アジア・太平洋諸国等との協力を進めてまいります。
 第三は、より豊かで安全な社会を達成するための科学技術を推進することであります。
 首都圏直下型地震の予知のための広域深部観測施設の整備を進める等、地震予知研究の強化を図るとともに、国民の死因の第一位を占めるがんの克服を目指し、その画期的な治療法である重粒子線によるがん治療装置の建設及び治療体制の整備を進める等、がん研究の強化を図ってまいります。また、人間そのものの本質に迫り、がん等の克服につながるヒト遺伝子解析等を積極的に進めてまいります。
 第四は、科学技術振興調整費の拡充、科学技術政策推進機能の充実強化等により、科学技術行政の総合的推進機能を強化することであります。一第五は、原子力の開発利用及び安全対策の推進であります。原子力を我が国のエネルギーの安定供給に不可欠な基軸エネルギーとして位置づけ、安全確保を大前提に、着実にその推進を図ってまいります。このため、原子力安全対策と核不拡散対策の充実強化を図るとともに、核燃料サイクルの確立、新型動力炉の開発等のプルトニウム利用の推進を図ってまいります。また、核融合の研究開発等を進めてまいります。
 第六は、大きな飛躍が期待される宇宙の開発利用を積極的に推進することであります。先般、日本人宇宙飛行士が米国のスペースシャトルに搭乗し、宇宙実験を成功裏に終了させ、我が国宇宙開発に大きな足跡を残しましたが、技術基盤の確立を目指し、信頼性及び安全性を確保しつつ、人工衛星、ロケット等の開発並びに宇宙環境の利用を総合的に進めてまいります。
 第七に、海洋開発につきましては、一万メートル級無人探査機の開発等による深海調査研究、地球規模の環境変動に大きなかかわりを有している海洋現象の実態解明のための海洋観測技術の研究開発等を総合的に進めてまいります。
 第八に、人工衛星等を利用した地球観測技術の研究開発、地球規模で発生する諸現象の解明研究等を進めるとともに、防災科学技術の研究開発に力を入れてまいります。
 また、技術革新の先導的役割を果たしていくことが期待されている物資・材料系科学技術に関し、超電導材料、インテリジェント材料等の研究開発を進めてまいります。
 さらに、広範な分野で人類の福祉の向上に資するライフサイエンスに関し、ヒト遺伝子解析、がん関連研究等、基礎的・先導的研究開発を推進いたします。
 このようなさまざまな領域における科学技術の振興を適切に図っていく上で、国民の理解と協力を得ることが重要であることから、原子力の分野を初めとして、きめ細かくわかりやすい広報活動等を充実強化してまいります。
 以上、平成五年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し述べましたが、我が国の科学技術のより一層の発展のために、私といたしましても誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#9
○委員長(刈田貞子君) 次に、平成五年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。井田官房長。
#10
○政府委員(井田勝久君) 平成五年度科学技術庁関係予算の概要を御説明申し上げます。
 平成五年度一般会計予算において、科学技術庁の歳出予算額四千三百七十五億七千五百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、二百五十七億九百万円、六一二%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として歳出予算額一千四百二億二百万円を計上するほか、産業投資特別会計から、日本科学技術情報センターに対し、三十八億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁の歳出予算額は、五千八百十五億七千七百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、二百九十七億九千九百万円、五・四%の増加となっております。
 また、国庫債務負担行為限度額として一般会計一千三百二十七億二百万円一電源開発促進対策特別会計二百九十九億五千七百万円を計上いたしております。
 さらに、一般会計予算の予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を九千六百十二億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額として三百三十五億円を計上いたしております。
 次に、予算額のうち主要沈項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、創造的・基礎的研究の充実強化と科学技術振興基盤の整備のため、五百九十一億五百万円を計上いたしました。
 まず、世界に誇り得る卓越した研究所としての中核的研究拠点、いわゆるセンター・オブ・エクセレンスの育成を図る等、科学技術振興調整費を拡充し、百三十三億円を計上いたしました。
 また、創造科学技術推進制度等の重要な基礎研究推進制度の充実に必要な経費として百二十八億六百万円を計上いたしました。
 また、産学官の研究交流等を促進するため、五十億三千四百万円を計上いたしました。このうち、新技術事業団において、研究組織、研究分野等を超えた研究交流を総合的に促進する体制の整備を図るため、七億五千七百万円を計上いたしました。
 また、科学技術振興基盤の整備のため、地域における研究開発機能の高度化に必要な経費として十六億六千三百万円を計上するとともに、大型放射光施設の整備のため、九十億九百万円を計上いたしました。
 このほか、人当研究費の拡充を図るとともに、国の研究施設の整備を進めることとしております。
 さらに、日本科学技術情報センター等における科学技術情報の流通を促進するため、一般会計に二十五億四千九百万円を計上するとともに、産業投資特別会計から同センターに対し三十八億円の出資を予定いたしております。
 第二に、科学技術による国際社会への積極的貢献を図るため、一千二百七十八億円を計上いたしました。
 まず、宇宙ステーション計画、国際熱核融合実験炉計画、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム等の国際貢献型プロジェクトに積極的に参加することとしております。
 さらに、地球科学技術への取り組みを強化するとともに、アジア・太平洋諸国、旧ソ連等との科学技術協力、支援を推進することとしております。
 このほか、外国の研究者の受け入れ等、国際研究交流を促進するとともに、研究情報等の国際流通を図ることとしております。
 第三に、より豊かな生活を目指した科学技術の推進を図るため、地震予知研究、がん研究、ヒト遺伝子解析等を推進することとし、百六十三億四千六百万円を計上いたしました。
 また、科学技術振興調整費を活用して地域住民の生活の向上等に資する生活・地域流動研究を実施することとしております。
 第四に、科学技術行政の総合的推進機能の強化を図るための経費として百四十億七千万円を計上いたしました。
 第五に、原子力の研究開発利用及び安全対策の推進のため、三千二百三十六億三千七百万円を計上いたしました。このうち、一般会計において一千八百三十四億三千六百万円を計上しております。
 まず、原子力安全規制行政及び核不拡散対応に必要な経費として二十二億一千八百万円を計上いたしました。
 次に、日本原子力研究所においては、国際熱核融合実験炉工学設計活動参加を初めとする核融合の研究開発、高温工学試験研究炉の建設、放射線高度利用研究等を進めることとし、一千三十三億七千九百万円を計上いたしました。
 また、動力炉・核燃料開発事業団においては、新型動力炉の研究開発及び核燃料サイクル確立のための研究開発等を進めることとし、五百十六億一千七百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所における重粒子線がん治療等の推進、理化学研究所及び国立試験研究機関等における原子力試験研究に必要な経費として二百五十五億二千百万円を計上いたしました。
 次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算額のうち、科学技術庁分として一千四百二億二百万円を計上しております。
 このうち、電源立地勘定においては、国民の理解と協力を増進し、原子力施設の立地を一層促進するための経費として三百三十七億五千二百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定においては、高速増殖原型炉「もんじゅ」の臨界を達成するとともに、核燃料サイクル確立のための研究開発等を推進するため、一千六十四億五千万円を計上いたしました。
 第六に、宇宙開発利用の推進のため、一千五百七十億七千五百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団において、HUロケット及びJIロケットの開発の推進、宇宙ステーション計画への参加を進めるとともに、地球観測プラットホーム技術衛星、熱帯降雨観測衛星等の各種人工衛星の開発及び光衛星間通信実験衛星の開発研究等の推進のため、一千五百二十一億八千四百万円を計上いたしました。
 また、航空宇宙技術研究所における宇宙科学技術の基礎的、先行的研究を進めるため、四十二億五千八百万円を計上いたしました。
 第七に、海洋開発の推進のため、海洋科学技術センターにおける一万メートル級無人探査機の開発、深海環境研究開発、海洋観測技術の研究開発等を行うこととし、百二十二億四千五百万円を計上いたしました。
 第八に、人工衛星等を利用した地球観測技術の研究開発及び地球的規模の諸現象の科学的解明研究等、地球科学技術の研究開発の推進のため、二百八十七億八千九百万円を計上いたしました。
 第九に、首都圏直下型地震予知のための広域深部観測施設の整備等、防災科学技術の研究開発の推進のため、五十一億六千九百万円を計上いたしました。
 第十に、超電導材料研究の推進、インテリジェント材料、スーパーダイヤモンドの研究開発の推進等、物質・材料系科学技術の研究開発の推進のため、百五十三億七千三百万円を計上いたしました。
 第十一に、ライフサイエンスの研究開発の推進のため、二百五十一億一千八百万円を計上いたしました。
 最後に、革新航空宇宙輸送要素技術の研究等、その他の重要な総合研究を推進するため、二百二十一億五千六百万円を計上いたしております。
 以上簡単でございますが、平成五年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
#11
○委員長(刈田貞子君) 以上で所信の表明及び予算の説明は終了いたしました。
 これらの質疑は次回の委員会で行いたいと思います。
 次の委員会は二月二十六日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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