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1993/04/16 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1993/04/16 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第126回国会 災害対策特別委員会 第4号
平成五年四月十六日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     竹村 泰子君     野別 隆俊君
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     高崎 裕子君     林  紀子君
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     風間  昶君     山下 栄一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         稲村 稔夫君
    理 事
                大塚清次郎君
                松尾 官平君
                篠崎 年子君
                常松 克安君
    委 員
                浦田  勝君
                下条進一郎君
                松浦 孝治君
                松谷蒼一郎君
                山崎 正昭君
                上山 和人君
                櫻井 規順君
                野別 隆俊君
                渡辺 四郎君
                山下 栄一君
                江本 孟紀君
                林  紀子君
                乾  晴美君
                寺澤 芳男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  井上  孝君
   政府委員
       国土庁地方振興
       局長       秋本 敏文君
       国土庁防災局長  黒川  弘君
       農林水産大臣官
       房審議官     今藤 洋海君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        駒澤 一夫君
   説明員
       防衛庁長官官房
       防衛審議官    上野 治男君
       防衛庁教育訓練
       局衛生課長    土居  眞君
       科学技術庁研究
       開発局企画課防
       災科学技術推進
       調整官      葉賀  史君
       外務省経済協力
       局国際緊急援助
       室長       設楽  清君
       文部省学術国際
       局学術課長    長谷川正明君
       厚生省健康政策
       局指導課長    今田 寛睦君
       厚生省社会・援
       護局保護課長   酒井 英幸君
       林野庁林政部森
       林組合課長    関川 和孝君
       林野庁指導部計
       画課長      伴  次雄君
       林野庁指導部造
       林保全課長    後藤 武夫君
       林野庁業務部業
       務第一課長    田尾 秀夫君
       中小企業庁長官
       官房総務課倒産
       対策室長     稲見 雅寿君
       気象庁総務部企
       画課長      山本 孝二君
       気象庁地震火山
       部地震火山業務
       課長       森  俊雄君
       建設大臣官房技
       術調査室長    城処 求行君
       建設省河川局河
       川計画課長    和里田義雄君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   大久保 駿君
       建設省河川局砂
       防部傾斜地保全
       課長       瀬尾 克美君
       建設省道路局企
       画課道路防災対
       策室長      大石 久和君
       建設省住宅局住
       宅総務課長    吉野 洋一君
       建設省住宅局住
       宅建設課長    那珂  正君
       建設省住宅局建
       築指導課建築物
       防災対策室長   磯田 桂史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (地震予知に関する件)
 (雲仙・普賢岳噴火災害対策に関する件)
 (震災時応急医療に関する件)
 (急傾斜地崩壊対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(稲村稔夫君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○櫻井規順君 最初に、国土庁長官に表敬的な意味での質問になろうかと思いますが、私、きょうは地震予知の問題一本に絞りまして、時間は短いですが質問させていただきます。
 改めて、災害対策特別委員会は各省庁多岐にわたりまして、質問する側もどなたに質問していいか戸惑うこともあるわけでありますが、冒頭、防災という観点に立って見た場合に、予知体制の確立というものを長官はどんなふうにお考えになっていますか。国土庁、あるいは災害対策という分野からになりますでしょうけれども、閣議においてこれから大いに御活躍をいただかなければ予知体制の確立についてはならないというふうに思うわけでありますが、予知体制、特に地震予知体制の確立についてどんな所感を長官はお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
#4
○国務大臣(井上孝君) 御指摘のように、国土庁は災害対策を所管いたしておりますが、御承知と思いますが災害に関係する省庁はざっと数えて二十省庁ございます。したがいまして、その二十省庁が足並みをそろえて災害が起きた場合に救援をしたり対策を立てたりというためには、どこかの省庁がやはりリードしていかなきゃならぬ、そういう関係から数年前に国土庁に防災局という局ができまして、各省庁の施策の足並みをそろえるような体制をとっておるわけでございます。その中に、今先生御質問の地震に対する予知体制、これは地震だけではなくて台風とかその他の問題も予知という問題はあろうかと思いますが、まず御質問は恐らく地震の予知の問題だと思います。
 地震の予知に限って申しましても、科学技術庁、運輸省の気象庁、それから建設省の国土地理院、通産省の工業技術院、そういったいろいろなところで予知に関する体制といいますか仕事をやっておるわけでございます。これを一元化できればいいわけですが、私もいろいろ考えてみましたが、やはりそれぞれの機関がそれぞれの目的を持ってやっておりまして、地震に関係する予知、観測というものはそのまた一部になるわけでございます。これを一つ一つ分離させて一元化するというのはいかがなものかと思います。こういった各省の持っております体制を一元化に近いといいますか足並みをそろえるというところにこそ、私ども国土庁としての大きな使命があると思っております。最近は二十省庁、大変協力といいますか体制を整えて災害対策に臨んでいただいておりますので、私どもこの窓口といいますよりも、むしろリーダーシップをとるつもりで国土庁は防災体制、特に予知体制に取り組んでまいりたいと思っております。
#5
○櫻井規順君 また現在は、予知につきましては観測、研究という分野が中心で、予知行政という面から見てみた場合に多くの問題があるものですから、もう一度最後に長官に見解を伺いたいと思いますが、以下、地震予知の確立についてあれこれと質問してまいりたいと私は思います。
 最初に、地震予知とは何かということについてお伺いをしたいと思います。
 これは通常、いつ、どこで、どの程度の、時期、場所、規模について予知するのが予知と言われているわけですが、いつというのは二問目にいたしますので、今は場所と規模について質問するわけであります。場所というのは震源地、震源域、被害の及ぶ範囲、こうあるわけですが、そのどれを指すのか。規模はマグニチュード、震度とありますが、どれを指すのか、総体を指すのか。それをひとつ質問して、あわせて予知とは研究者なり研究機関があらかじめ知ることを意味するのか、あまねく知ったことを知らせることに重点があるのか、その辺をまず質問いたしたいと思います。
#6
○説明員(長谷川正明君) 文部省にございます測地学審議会、先生御承知ですけれども、ここには二十七人の地球科学を専門とされる日本でトップレベルの学者、それから先ほども話が出ておりますけれども、関係省庁の機関の方々が参加していただいております審議会でございます。ここで昭和四十年にスタートいたしました地震予知計画というものを策定しております。
 それで、地震予知計画を策定しております測地学審議会における議論の中で考えられておりますことから御説明申し上げますれば、地震予知というのはどういうものかということですが、それは今先生がまさに御指摘になりましたように、我が国で災害を引き起こすおそれのあるような規模の地震がどこで、そしてまたいつ起こるかということを予測する、これが災害を最小限に防ぐ上で大変重要な要素ということで、そのことを目的として予知計画に従って観測、研究が行われているわけでございます。
 それで、規模あるいは場所というものがどういうことを意味しているのかということですけれども、地震予知計画の中でこれは特に第三次計画以降はっきり出てきた戦略、地震予知をめぐっての戦略でございますけれども、長期的予知、つまり全国を対象にいたしました測地測量を中心とする観測、それから過去の地震の歴史等を全国にわたってきちんと調べていく。こういうことによって過去の地震の起き方というもの、それから現在の大きな意味での地殻活動の状況というものを調べて、どの辺が地震が起こる可能性があるかということを探り出す、これが場所でございます。その場所がどのくらいの広さを意味するのかということになりますと、その辺は地震の大きさというものにも関係をしてくるわけでございます。
 その地震の大きさですけれども、測地学審議会が議論しております予知計画の中でターゲットとして考えております地震というものは、一つはプレート境界型地震ということで、日本あるいは日本の周辺というのは、フィリピン海プレート、太平洋プレート、それから大陸プレートの三つのプレートがせめぎ合っておるというところで、このプレートの境界でひずみがたまって滑ると。そこで起きる地震がいわゆる大地震と言われるものでございます。これは相当影響の域も広くなろうかと考えております。それからもう一つ、それに比べますと、規模は、マグニチュードといいますか、エネルギーとしては小さくはなりますけれども、災害が恐れられます内陸型の地震というものがございます。
 規模、場所、それから地震予知についての測地学審議会における考え方をかいつまんで申し上げれば以上のとおりでございます。
#7
○櫻井規順君 ちょっと質問を聞いて答えてくれませんか。
 場所というのは震源地を指すのか、震源域を指すのか、被害範囲を指すのか。それから規模はマグニチュードを言うのか、震度を言うのか。知ると知らせるということはどういうのだと一つも答えていない。
#8
○説明員(長谷川正明君) 場所と申しますのは、科学的に言えば、当然震源、その上の方が震央というふうになるわけですけれども、震源を指すものというふうに考えております。それからもう一つ、規模、これは先ほどもちょっと触れましたとおり、大地震というものはマグニチュード八クラス、それからそれよりもやや小さいもの、具体的には七クラスのものであっても内陸型地震というものは防災上大変恐れられるレベルの地震でございますので、こういうレベルのものが地震予知計画では対象として研究、観測が行われている、こういうことでございます。
#9
○櫻井規順君 予知というのは研究者、研究機関が知ることを指すのか、あまねく知らせることを指すのか。用意がないですか。
#10
○説明員(長谷川正明君) その知らせる云々のところになりますと、これは行政対応の問題になりますので、また関係当局から答えていただきたいと思いますけれども、測地学審議会における予知というものは、今先生御指摘ございました、最初におっしゃいましたとおり、いつ、どこで、どの程度の地震が起こるか、これを見つけ出す、こういうことでございます。
#11
○櫻井規順君 これは重要なところですけれども、まあいいです。参った。
 その次に期間の問題であります。予知の期間、これはおおむね長期的予知と短期的予知というふうに分けられると思うんですが、この長期的予知と短期的予知という具体的な期間、これはどういうふうに見たらよろしいでしょうか。短期的というのはもう数時間後、一日二日後というふうに理解してよろしいか。それから、長期的予知というのはそれ以外の長い期間を指すというふうに理解するほかはないなと私は見ているわけですが、その辺の長期的予知と短期的予知を簡潔に説明してくださいますか。
#12
○説明員(長谷川正明君) 地震予知計画の中では長期的予知というのは、長期的予知という言葉は使っておりますけれども、具体的には地震の起きるその規模、それからどこで起きるかという場所、ここを見つけ出す、探り出す、それを予測する、これが長期的予知。それから短期的予知というのは、いつ起こるか、このいつという幅については今の水準の中で明確に何時間とか、それから何日間とかということはまさにその前兆現象の出方の中で判断がされる、こういうふうに考えておりまして、あらかじめこの期間を意味しておるということはちょっと申しかねるところでございます。
#13
○櫻井規順君 結局、期間を定めることは無理である。内容的に、規模なり場所なりを予知するのが長期的なもので、ある時期というのを見定めるのが短期的なあれである。中身的にそういうふうに理解できればよろしいかと思いますが、本当なら期間的なものがわかるとよろしいわけですけれども、わからない、無理だと。もう一つ、長期的というのはもう長い有史以来の記録が残っている、整理をして空白地帯を設定するとかということが出てくるわけであります。
 もう一つ、これは測地学審議会、文部省でよろしいかどうか。地震の瞬間危険率というのがありますが、この地震の瞬間危険率という概念、それから予知上この概念というのは使われていますでしょうか、どうでしょうか。行政サイドではどういう位置づけになっていますでしょうか。
#14
○説明員(葉賀史君) 瞬間危険率という言葉でございますが、これはなかなか説明するのが難しゅうございますけれども、東大の力武先生がお使いになっております、算出しています瞬間危険率、いろいろな算出の方法はあると思いますけれども、基本的なところでは、ある時点まで地震が起こっていないことを条件に、その時点からある期間をとりまして地震が発生する確率ということでありまして、簡単に言えば地震の発生確率というような言い方もできるわけですが、この言葉自身は品質工学上の言葉でございまして、ある時点まで起こっていなかったということを踏まえて、それから将来どのくらいの地震が起こるだろうという確率を出しているものでございまして、地震予知計画とかそういうところでは使われておりません。
#15
○櫻井規順君 これはぜひ御検討いただきたいと思うんです。おっしゃるように私も力武先生の論文を読んでこれは頭に入っているわけですが、要するにある時点から十年以内に地震発生になる確率というのがこの地震の瞬間危険率である。とにかく短期的予測でいつ起きるかということは実際にはわからないわけで、しかしもう少し中期的な目盛りで、十年なら十年という目盛りで見ればかなりの確率を理論的に出すことができる。この概念は非常に防災上、プレート境界型の地震にせよ断層型の内陸型の地震にせよ、特に内陸型の地震の防災上非常に有効な概念だというふうに思うんですが、これはぜひ取り上げていただきたいというか、真剣に検討願いたいと思うわけですが、これはいかがなものでしょうか。なじまないんでしょうか。
#16
○説明員(葉賀史君) これは私必ずしも研究者ではないのでお答えが適当かどうかわかりませんが、少なくとも力武先生の出しております瞬間危険率というものにつきましては、まだ学会で過去のどのぐらいのところからとったらいいのか、過去のデータを持ってきまして、過去に起こった地震の発生を将来に向けていろいろな操作をしていくということになりますので、学会で検討されているということでございまして、十分に勉強していかなきゃいけないと思いますが、すぐにこれをもってやるには今後研究なり検討が必要ではないかと思っております。
#17
○櫻井規順君 次に、先ほど文部省の方から地震の種類については先に御回答いただいているわけでありますが、先ほどの答弁にありますように、大きく言ってプレート境界型のいわば太平洋沿岸型の地震とそれから活断層型の内陸型の地震と二種類我が国の暗合はあると。
 それで問題は、この内陸型の地震で非常に危険視されている、地震発生のおそれのある地域というのが、これも力武先生の危険率の指摘でいきますと危険率七〇%、向こう十年にマグニチュード五、六の規模の地震が起きる可能性として神奈川県西部ほか幾つか指定しているわけでありますが、内陸型で特筆する危険地域というものを関係当局で挙げられているところはあるでしょうか。
 これはどこ、やっぱり科学技術庁でしょうか。どこかあればいいんだけれども。やめておきましょう。とにかく地震の問答はこういうふうになっちゃうんですよ。かなり慎重にセットしたつもりですが、またもう一遍後で戻ります、この話は。
 次に東海大地震。実は私静岡県出身で、余り大声を出して質問するような立場ではないわけでありますが、大変お世話になっておりまして、関係当局に大変感謝をするものでございます。
 東海大地震は文字どおりプレート境界型の大地震として一番危険性が現実性を持って迫られている問題でございます。御案内のとおりであります。そこで、東海大地震がこういうふうに我が国の予知体制の確立で、たった一つ予知が可能だというところまでいろいろな機器の整備をしていただいているわけであります。この長期的な予知という観点に立ってみた場合に、それしかないと思うんですが、長期的予知という観点に立ってみた場合に、東海大地震がそういうふうに特筆される条件というのは、かいつまんででよろしいわけですけれども、権威のある御説明をいただけますでしょうか。
#18
○説明員(長谷川正明君) 権威のある説明と先生おっしゃられまして、ちょっと私も専門の研究者ではございませんので申しわけないわけですけれども、測地学審議会の審議のフォローをしておる立場で申し上げますれば、あの東海地域におきまして予測されておりますのは、先生が先ほどお触れになりましたまさにプレート境界型のマグニチュード八クラスの大地震ということでございまして、こういう地震については過去の地震の発生の歴史から見てあの辺に空白域というものが残っておって、いずれ起こることが極めて高い確率で予測される、こういうことでございます。そういう意味では長期的予知、それから測地測量その他の測量からいっても理論的に説明し得るデータが蓄積されつつありまして、そういう意味では長期的予知として東海沖が想定される。現在私ども進めております地震予知計画では短期的予知を東海地震についてはやろう、こういうことで東海地震、先ほど申し上げましたような規模のマグニチュード八クラスの大地震になれば必ず相当の前兆現象というものがしかるべく今の予知の観測体制の中でキャッチし得るということで予知観測の精度を高め、そのための体制の充実に努めておるところでございます。
 そういうわけで、東海地震につきましては先生、短期的予知は無理だとおっしゃいましたけれども、考え方としては短期的予知を目指しておる、こういうことでございます。
#19
○櫻井規順君 そのとおりであります、どうも。
 それで、建設省の国土地理院の地震予知連絡会の会報を見させていただきました。総合的に情報を収集されて予知の検討をされているわけでありますが、今文部省から御答弁されましたように、東海大地震、非常に長きにわたって、百三十年ですか、東海沖に地震空白地帯がある、そしてまたあそこに地震が起きる可能性のあるのは周辺の地震が非常に活発化してきている、それからその活発化した周辺の地震が深度が徐々に深くなっている、こういうふうなことが東海大地震が起きる、長期的な目で見た場合に起きる必然性として指摘されているわけでありますが、その傾向というのは、年四回でしょうか予知連をやりまして情報を収集する中で、その傾向というのは確実に進んでいるんでしょうか。そしてかなり短期的予知で、それこそあす起きても不思議ではないというような状況まで来ているのかどうなのか、御答弁いただきましょうか。
#20
○説明員(城処求行君) お答え申し上げます。
 お話にもございました地震予知連絡会でございますが、これは地震予知の実用化を促進する、さらには地震予知に関する観測、研究を効率的に進めるという観点から設けられております。私ども建設省の国土地理院で事務局をさせていただいておりますが、地震予知に関する情報交換と専門的な検討をしておるところでございます。
 それで、お話にございましたまず周辺地域の地震活動の活発化に関する件でございますが、この件につきましては各種いろいろデータを集めて情報交換に供しているわけでございますが、その一つとして報告はされております。ただ、現在のところでは地震予知連絡会としてのまとまった解釈というものは出されておらないわけでございます。
 それから、さらに震源がだんだん深くなっていくという視点でございますが、これにつきましても予知上の一つの視点であるということでございますけれども、今のところ予知連絡会の方にそういった報告があるかということになりますと、報告がなされてないというのが実情でございます。
 いずれにいたしましても、地震予知に関します現象につきましては今後とも関心を払って専門的な検討が進められていくものというふうに考えております。
 以上でございます。
#21
○櫻井規順君 どうもありがとうございました。
 気象庁の方の地震防災対策強化地域判定会というものが毎月持たれていて、この東海大地震の刻々の地殻変動やあるいは水位の変動やさまざまな情報をリアルタイムに把握されて短期予知というものに挑戦をされているわけであります。地元の新聞等でも報道されているわけでありますが、昨年の秋に非常に地盤の上下変動が顕著になってきている。これは一九六二年から掛川という地点と御前崎とをはかっている国土地理院の観測でございますが、その観測から見ても春に地殻は概して上昇して、そして秋には沈降するというぎざぎざのパターンをとりながら年々御前崎の地盤というのは低下をしてきております。ところが、昨年は沈むべき秋に過去一年分くらい上昇をして、そしてことしの二月もまた二ミリ程度上昇をしている。今四月の観測結果というのを非常に注目しているわけですが、大変異常な地殻変動の上下変動については記録が出てきている感じがするわけであります。問題は、もろもろのたくさんのデータをあの地域から気象庁把握されているわけでありますが、これは掛川と御前崎の地盤の変化だけで他の水位とかあるいは地下水の水位だとか、他の要素はどんなぐあいなのか、特に地盤沈下についてどんなふうに分析されているのか、いかがでしょうか。
#22
○説明員(森俊雄君) 御説明させていただきます。
 今先生御指摘のとおり、御前崎周辺の地殻変動につきましては沈降しているということと、それから秋に沈むべきところが沈まないという報告が国土地理院からもなされておりますけれども、気象庁の体積ひずみ計、その他の観測によりますと、体積ひずみ計による観測では確かにほぼ一定の間隔でずっと縮んでおります。しかし、現在のところそれ以外につきましては特に変わった変動がございませんので、そういった意味では直接結びつくというものは観測されておりません。
#23
○櫻井規順君 ありがとうございます。
 それで問題は、体積ひずみ計等々、全部で大変な数ですね、百幾つかの観測網をしいて気象庁におおむねリアルタイムに情報を集めているわけでありますが、今の例えば掛川と御前崎の地殻変動の上下変動というのは、傾斜変動というのは従来三月に一遍やってたのを今度二月に一度ということに短縮をしてきてくれているわけでありますが、これはそういう性質のものなんでしょうか。もっと短期間の変動というものを把握するということはできないものなんでしょうか。短期間のものは他の計器でもってはかるという意味になっているんでしょうか。気象庁にお伺いします。
#24
○説明員(森俊雄君) 今の地殻変動の測定につきましては、短期間のものにつきましては傾斜計、体積ひずみ計、そういったもので地殻の観測をしております。それから、私ども気象庁といたしましては短期的な前兆を捕捉することを主な目的として監視しているわけでございますが、この場合の短期的前兆と申しますのは、大体数時間とか数日前から発生するだろうというふうに想定されておりますけれども、そういうものにつきましてはリアルタイムの地震計とか傾斜変動、これは傾斜計それから体積ひずみ計、その他のずっと連続的に観測している観測種目を対象にしておりますけれども、そういうものについては常時監視という立場をとっておるわけでございます。ただ、国土地理院でおやりになられております地殻変動につきましては特段リアルタイムという観測には当たらないというふうに考えております。
#25
○櫻井規順君 これはなお調べてみますが、リアルタイムに上下変動についても把握できるようにしなければ、二月に一度であした、あさってのやつがという感じがいたしますので、なお取り上げてまいりたいというふうに思います。
 次に、関東直下型の地震の関係でございます。
 これも観測強化地域になって気象庁も集中しているわけでありますが、いわゆるプレート境界型の方の南関東地震はおいて、関東直下型の地震の予知、観測の問題でありますが、今これは科技庁がおやりになっていますでしょうか、国立防災科学技術研究所を中心に四つの観測井を掘り下げてやっているわけでありますが、この四本の三千メートル級の観測井とそれからあと二千メートル級の観測井を何本か整備しているわけでありますが、関東直下型の地震の予知体制としてこれで把握できるというふうにごらんになっているんでしょうか、どうでしょうか。
#26
○説明員(葉賀史君) ちょっと説明が長くなりますが……
#27
○櫻井規順君 短くしてください。
#28
○説明員(葉賀史君) 失礼しました。
 事実関係でいきますと、防災科学技術研究所では三千メートル級の観測井三本をつくっておりまして、それで今までいわゆるプレートの形状が鮮明に把握できるとか、東京直下の三十キロ程度の浅い地震を発見するとか効果を上げてきました。こういう成果を踏まえまして、平成三年度から三千メートル級の観測井一カ所、それから二千メートル級観測井で十二カ所、ケーブル式海底地震計一カ所、それからGPSに関する観測箇所十二カ所を整備するということをしまして、これによりまして我々としましては首都圏周辺に発生します地震のいわゆる震源能力といいますか、マグニチュードでいきますと一・五クラスの非常に微小な地震につきましても検知範囲が広がるということをしまして、こういう施設から得られました観測データを今後可能な限りデータ蓄積していって予知研究を進めていくということになれば、同地域における直下の地震予知の確立に貢献できるんじゃないかと考えてやっております。
#29
○櫻井規順君 ちょっと理解に苦しむわけであります。一体関東直下型の地震が把握できるかどうかという点についてお伺いしたいわけでありますが、現在やっていることについての説明だったというふうに思うわけであります。
 問題は、こういう内陸型の地震に対する我が国の予知体制というのは、研究機関の研究、観測はそれなりに行われているにいたしましても、果たして行政から見て、予知体制、予知行政という面から見てみた場合に一体どうなのかというと非常に立ちおくれているというふうに思うわけであります。関東直下型も観測の強化地域になっていてこういう状態でありまして、全国地震列島の日本全体を見てみた場合に非常に実際の予知観測体制というのはおくれているというふうに思うわけであります。
 いずれにしても、我が国の今の予知というのはそれぞれ研究、観測というところに重点があって、実際に地震の発生を防災機関に知らせるというふうな予知体制にはとてもなっていない状況があるわけであります。そういう意味で今後、かなり研究は新潟地震の前ぶれ現象にしてもプレート境界型の過去の関東大震災を含めまして前ぶれ現象は調べ上げているわけであります。それを生かして予知行政として確立するときに来ているというふうに思うわけでありますが、これは国土庁になりますでしょうか、科学技術庁になるでしょうか、ごく簡潔に御答弁いただけますか。
#30
○説明員(葉賀史君) 予知でまいりますと、東海地震以外につきましてはまだ予知研究の段階でございます。こういうことでございまして、我々としましては研究を進めているわけでございますが、これらの研究の見通しにつきましては、予知研究を充実することがまだ十分進んでいないということでございまして、今後緊急にこれを進めていこうと思いまして、鋭意これに努力しているところでございます。ですから、東海地震以外は研究段階でございまして、このような見通しが明らかになった段階におきまして東海地域におけるような常時監視体制による監視網の整備というものを検討すべきではないか、こういうように考えているところでございます。
#31
○櫻井規順君 現在のままの予知観測の行政姿勢でいくならば永久に研究段階で終わるであろうということを私は予知をしておきます。
 要するに、かなり行政サイドとして予知行政で確立できる成果はあるわけですよ。それを生かしてやっていくときに来ているというふうに思うわけであります。恐らく東京もここ戦後大きな地震を経験していないから地震に関しては天下太平をむさぼっていると言うと言い過ぎかもしれません、静岡の人間がこう言うと、静岡はかなり完璧な体制をしいてくださっているものですから。日本列島というものを考えた場合に大変憂うべき事態になっているというふうに思うわけであります。
 アメダスというのが全国千三百十三カ所に気象観測のポイントを自動ロボットを含めて置いております。建設省の国土地理院の精密測地網測量、一次基準点六千点というのがあるわけでありますが、そこまでいかなくても、中距離網の、中距離のネットワークのところに地震計を設置するときに来ているというふうに思うわけであります。あるいは地殻変動の体積ひずみ計等々必要最低限の装置をセットして日本列島全体を観測するときに来ているというふうに思うわけでありますが、その辺の必要性について、現実性についてはほど遠いことでしょうか。日程に上せるべき時期だというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#32
○政府委員(黒川弘君) 地震の短期予知につきましては、今科学技術庁、気象庁あるいは文部省からお答えがあったように、現在具体的に予知が可能だとされているのは東海地域だけでございます。それ以外につきましては、研究段階を含めていろいろデータを取り寄せたものを国土地理院が事務局をやっていただいている地震予知連絡会でいろいろ学者の方々あるいは関係機関が入りまして情報交換をしまして、その中でさらに具体的に対応する必要がある、例えば南関東の直下型地震につきましては先般中央防災会議の専門委員会から範囲等について昨年の八月に報告があって、それをもとにいろんな大綱をつくったりいたしましたけれども、そういった段階に移っていくという意味では非常に重要なべースでございますので、今後ともそこのところを関係省庁含めまして強化させていただいて、それをさらに必要なものについては行政に結びつけてまいりたい、そういう考え方で進めているところでございます。
#33
○櫻井規順君 たくさん提言型の質問を用意したわけですが時間がございません。
 最後に国土庁長官に質問させていただきますが、地震予知については今大変各省庁にわたりまして文部省の測地学審議会から予知計画が出て、そして科学技術庁の方でその推進のための本部をおつくりになって、年々の情報キャッチは国土地理院の方で予知連絡会でやっていると。御案内のように今の予知というのは学者、研究機関があらかじめ知るための、研究のための予知であって、行政に防災にどうのせるかという点については東海地震を除いて日本列島全体見た場合に非常に弱いわけであります。
 いずれにしましても、ここまで五カ年の予知計画をお立てになって、推進機関もあり、情報の連絡機関もあり、静岡県自体も予知をやっております、それなりにやっております。それから高校生の研究テーマに、また調査もしたり、住民も参加しております。これから漁業者だとかいろんな人の知恵をかりなければ予知は成功しないというふうに思うわけであります。もうここまできますと地震基本法といったら言い過ぎですけれども、そういった法制化の段階に来ているというふうに思うわけでありますが、大いに閣議の中で御奮闘願いたいわけでありますが、国土庁長官の御見解を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#34
○国務大臣(井上孝君) ただいま先生の御質問、また政府側の答弁を聞いておりまして、ようやく櫻井委員が冒頭予知行政とおっしゃいました言葉の意味が私にもよくわかりました。研究はどんどん進める必要がございますが、これを何かの形で防災の方に結びつける必要がある。
 実はそれを伺いながらちょっと考えたんですが、南関東直下型の中央防災会議の検討も、はっきりした時期とかそういうのはわかりませんけれども、これはありそうだということで自衛隊なんかがそのための出動計画なんかも既に実は立ててくださっているようでございます。そういう点にも生かせると思います。
 今先生法制化とおっしゃいました。まだ私どもそこまで考えておりませんが、ともかく予知に関する各省各庁の予算の獲得、それからそれを何とか防災の方へ結びつけるような努力を国土庁としてもやってみたいと思っておる次第でございます。
#35
○櫻井規順君 終わります。
#36
○篠崎年子君 お尋ねいたします。
 一九九一年六月三日の大火砕流で四十名の死者と三名の行方不明者を出しました大惨事から間もなく九二年を迎えようとしております。その間、政府におかれましては早速翌六月四日に雲仙岳噴火非常災害対策本部を設置されまして救済措置をとられましたし、また代々の総理、担当大臣、関係閣僚の皆様方に次々に現地を視察していただきました。このことにつきましては、地元選出の議員といたしましても大変ありがたくお礼を申し上げる次第でございます。そして、第一回の本部会議の中で七項目、それから第三回では十八項目のいろいろな分野にわたりましての救済措置、そして最後には二十一分野九十四項目にわたりましての対策をしていただくことになっております。
 ところで、雲仙岳は昨年の十二月からことしの一月にかけまして噴火が一時おさまるかに見えまして安堵の色をみんなが持ちかけましたら、そのやさきに第十一ドームが出現をいたしました。最近では毎日火砕流が七回から八回起こっているという状況でございまして、特に四月九日前後にはちょっと大きな火砕流がありました。九日に大学合同観測班が発表しておりますし、また四月九日には通産省の地質調査所が火砕流の堆積物は既に噴火以来一億五千万立方メートル、東京ドームにして百二十一杯分たまっている、こういうような発表をいたしておりますので、いかに噴火が大きなものであったかということがおわかりいただけると思うわけです。この間深江町、島原市の住民にとりましては国、県、市、町のそれぞれの対策に感謝をしながらも、一日として心安まるときがなかった、こういうふうに思っておりますこの二年間でありました。
 今被災地の人々が最も願っておりますのは何かと申しますと、それはそれぞれの生活設計をしていく上に今後どのようにしていったらいいだろうかということがまず第一でございます。次に火砕流あるいは土石流が起こったときに私たちは十分に安全に守られていくだろうか、その対策は十分にとられるだろうかということが今のその地域の人々の一番最大の関心事であり、また願いであろうかと思うわけでございます。
 そこで、まず初めにお尋ねいたしますけれども、先ほども申しましたように二十一分野九十四項目にわたりましての対策が講ぜられましたが、その中には既にその対策が終わっているものもあるのではないだろうか、また今もなお続けられているのがあるんではないかと思いますけれども、終わりました対策の項目について御説明いただきたいと思います。
#37
○政府委員(黒川弘君) 二十一分野九十四項目の総合的な対策でございますけれども、例えば避難していただいた場合にどうするかというような対策ももちろん入っているわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、現在まだ噴火が続いておりまして、どういう事態があるかわからないということを前提にいたしますと、例えば最初の段階でいろいろ発生したことについて対応がその時点では終了しているものもございますけれども、大きい意味で言いますと今後ともその措置というのは制度としては存続させておりますので、またすべての項目を使わせていただいて安全対策と、それから生活再建対策といいましょうか、そういったことをやらせていただくということでございまして、全体がまだ生きているというふうに理解しております。
#38
○篠崎年子君 ちょっと重ねて念を押してお尋ねして申しわけないんですけれども、この二十一分野九十四項目にわたりますものは全部そのまま生きているというふうに解釈してよろしいわけですね。
#39
○政府委員(黒川弘君) そのように理解しております。
#40
○篠崎年子君 次にお尋ねいたしますけれども、まず土石流の対策として今砂防ダムあるいは導流堤、水無川の拡幅工事等が行われているようですし、また緊急バイパスの建設も予定されているということですけれども、そのあらましについて御説明いただきたいと思います。
#41
○説明員(大久保駿君) それでは土石流対策についてまず御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、現在水無川の周辺におきまして砂防ダムあるいは導流堤等から成る砂防計画をつくっております。これは長崎県が昨年の二月二十二日に基本構想を地元に提示いたしております。その後赤松谷、これは水無川の右支川でございますけれども、赤松谷の火砕流の堆積物が増大いたしました。それを考慮いたしまして、基本構想の考え方そのものは変えることなく一部手直ししました砂防計画の基本構想をつくりまして、昨年の十月十三日に地元にお示しいたしております。
 この内容でございますけれども、水無川流域には今現在約一億数千万立米という大量の火砕流堆積物が堆積しております。これが流出いたしますと土石流となるわけでございますけれども、砂防ダム群を上流に配置いたしましてそういう堆積物が動かないように、あるいは土石流となって流れてきた場合に大規模な砂防ダムによって捕捉するというような計画と、さらにもっと大規模な土石流が発生しました場合に、下流にあふれ出た場合にそれをはんらんさせないようにという目的の導流堤を設置することにしております。ことしの一月二十六日にはこれらの施設の水理模型実験を行っております。これは、一つは現在の状況下でどういうふうに土石流がはんらんするかというのと、それから基本構想でつくっております砂防施設ができ上がった後にどういうふうになるかという二つの実験をやりまして、地元代表者の方々にも見ていただきまして、砂防施設の効果を確認していただいております。
 その後、用地等につきましては被災されました住民の方々の生活再建の参考にしていただくということで、長崎県が昨年の十二月二十二日に施設にかかわる用地の標準的な分類を行いまして、それぞれについての基準価格を説明いたしております。さらに、ことしの二月二十八日には国道五十七号より下流区間、主として導流堤をつくる区間でございますけれども、警戒区域外でございますので、詳細な設計ができ上がりましてこれを地元に事業説明会ということで説明会を開いております。さらに、三月二十八日にはこれらにかかわる用地の説明会を開催いたしております。
 今後、できるだけ早い時期に個々の土地の買収価格を提示いたしまして買収契約が締結できるようにというふうに考えておりまして、できるだけ早い時期に導流堤等に着手してまいりたい、こういうふうに考えております。
#42
○篠崎年子君 着々として計画が進められる、あるいは実験も行われているということで大変結構なことだと思いますけれども、この砂防ダムにしましても、導流堤にしましてもあるいはバイパスにしましても、どうしても土地の買収ということがかかってまいりますね。そうしますと、それにかかってくる人たちにとりましては、どういう価格で買収してもらえるかということが一番大きな問題ではないかと思うわけですね。
 先日、新聞の報道によりますと、県の方で提示しましたのは被災前の七割ぐらいを下限にするというようなことの説明があっているようでございますけれども、住民としては十分に納得できる価格とお思いになりますか。
#43
○説明員(大久保駿君) 買収の価格につきましては、先ほど申しましたように、昨年の十二月二十二日に基準価格を提示させていただいたわけでございます。
 この基準価格といいますものは、用地を幾つかの標準的な分類を行いまして、それぞれについて公共用地の取得に伴う損失補償基準というのがございますけれども、これに基づきまして被災前の標準的な使用状況を前提にいたしまして、今後の土地利用計画の動向、地域の復旧の時期、今後の災害の見通しあるいは地盤、地質等の土地価格形成上のいろんな要素を総合的に勘案して算定したものでございます。この価格は、先ほど申しましたように、標準的な分類を行った基準価格ということでございまして、これから個々の土地の価格を算定していくことになるわけでございます。
 先生御指摘のように、私どもも長崎の方の新聞にこの基準価格が被災前価格の七割以上というような新聞報道があったことも承知しております。これにつきましては、今後地元の方々の地権者の御理解と御協力を得ながら、現地に雲仙復興工事事務所ができました。そこと、県、市、町といろいろ打ち合わせをしながら価格を定めてまいりたい、こう考えております。
#44
○篠崎年子君 この買収価格につきましては、雲仙の地域だけではなくて、ここが一つの例となって他の地域にもこれが及ぼされていくということから考えますと、十分に検討されなければならない。それは、国の立場としても、また住民側の立場としても大変大きな問題であろうかと思うわけです。
 そこで、地域的に見ますと、前農地だったところ、果樹園だったところあるいは家があったところ、いろいろに分けられますし、中には墓地もあるかと思うわけですね。その中で特に農業を営んでいた方々、あの地域は葉たばこの大変優良な産地でございましたので、かなりの収入を上げていたと思うわけですね。ところが、今葉たばこの産地のところはもう絶対に入ることのできないような深い灰の底に埋まってしまっている状況でございますので、この人たちが他の地域に移って、またやっぱりもとの仕事をしたいと思うときに、もとの地域をどういう価格で買い上げてもらえるかということは、次のその生産者の人たちの生活にかかわるし、また再建にかかわってくる問題でございます。
 この点につきましては、最高の収入を上げていたときの価格というものを十分に御調査いただきたいと思うんですけれども、この点はいかがでございましょうか。
#45
○説明員(大久保駿君) 個々の土地の価格の算定をできるだけ速やかにいたしまして、地元の県、市、町と連携をとりつつ、それぞれについて適切に対応してまいりたいと考えておりますが、先ほど申しましたように、砂防設備に係るところの用地につきましては標準的な公共用地の取得に伴う損失補償基準というのがございまして、これにのっとってやっていきたい、こういうふうに考えております。
#46
○篠崎年子君 次に、集団移転の問題でちょっとお尋ねをしたいと思いますけれども、集団移転の場合には一つの条件がございますね、例えば十戸以上とか、一つの部落の半数以上とかという。今島原の方でこういう話は持ち上がっているんでしょうか。
#47
○政府委員(秋本敏文君) 雲仙岳噴火災害に伴います住居の移転にっきましてでございますけれども、現在、長崎県それから地元市町で、住民の皆さんの意向を踏まえながら具体的にどういう進め方をしていくかということを検討しておられるというふうに聞いておりまして、私どももこれまでにもいろいろ地元の状況を伺いながら、必要な検討を進めているというところでございます。
 現在のところ、私どもが所管しております防災集団移転促進事業だけでなくて、砂防事業でありますとか、あるいはがけ地近接等危険住宅移転事業、こういったものを組み合わせて進めていこうということを検討しておられるようでございまして、そういった考え方に私どもとしても各省連携をして適切に対応していきたいというふうに考えております。
 防災集団移転促進事業につきましては、戸数等にっきましても一定の要件がございますけれども、今申しましたように、砂防事業でございますとか、がけ地近接等危険住宅移転事業、これらをそれぞれの住民の皆さんの御意向あるいはまた被災の状況、それらに応じてうまく組み合わせていくということで何とか対応できるのではないだろうかというふうに考えられているところでございますけれども、これからさらに具体的な内容が固まっていく過程で検討が必要になってくるということでございましたら、私どもとしても必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、各省緊密な連携をとりながら適切に対処していきたいと考えております。
#48
○篠崎年子君 ただいまの件は住民の要望に沿うようにぜひとも御努力いただきたいと思っております。
 それから次に、住宅の問題でお尋ねをしたいと思います。
 現在、被災者の皆さんあるいは警戒区域の住民の皆さんで、仮設住宅等に入居をしている状況あるいは公営住宅の建設状況等について御説明いただきたいと思います。
#49
○説明員(酒井英幸君) 仮設住宅に入居されている方々の状況について御説明申し上げます。
 三月二十七日、先月末の時点で四百五十二世帯、千七百三十六人の方が応急仮設住宅に入居されているというふうに県から報告を受けております。
#50
○説明員(那珂正君) お尋ねの件のうち公営住宅の建設状況についてお答え申し上げます。
 住宅対策といたしましては、被災住民の方々、とりわけ災害によりまして御自分の住宅が全壊あるいは半壊された方々あるいは現在警戒区域内等に御自宅があって事実上住宅を失った方々、こういう方々を中心にその方々の生活再建に資するため鋭意住宅対策を講じてきたところでございます。
 その対策の柱の一つでございます公営住宅の建設につきましては、平成三年度、災害公営住宅五十戸を含む公営住宅百三十六戸を建設いたしました。既に入居済みでございます。また平成四年度につきましては、地域特別賃貸住宅A型を含む公営住宅等百四十二戸及び民間賃貸住宅の借り上げ方式によります住宅六戸の建設を行ったところでございます。またさらに平成五年度にっきましては、公営住宅及び借り上げ公共賃貸住宅合わせて約二百七十戸の建設を予定しております。
#51
○篠崎年子君 今御説明の中にありましたが、厚生省の方からの御説明で、現在仮設住宅に入っている人たちが四百五十二世帯、それから建設省の方の予定では約六百戸近くぐらいのようですけれども、そうするとこれは全部大体完成をしたらそこに入れるという状況にあるかと思うんです。一日も早く安心してそういう住宅に入れるような状況をぜひともつくっていただきたい。これは要望いたしておきます。
 ところで、仮設住宅に今入っている人たちがあとまだどのくらいの期間、仮設住宅の中に残っていなければならないかということで、その最長の期間はどのくらいでしょうか。
#52
○説明員(酒井英幸君) 今仮設住宅は、一応従来より最長の仮設住宅の入居の決まりは二年ということに、今先生御指摘になりましたようにあったわけでございますけれども、そういうふうになっておるわけでございますけれども、次は順次公営住宅等の恒久住宅のでき上がりのぐあいともこれは関係するんだろうと思うわけでございまして、二年を引き続いて県がそれを利用されるというような問題もあるようには聞いておるんですが、公営住宅のでき上がりぐあいとの関連で期間が決まるわけでございますけれども、最長で平成六年度末というような話も県から聞いておりますが、公営住宅のできるぐあいとの関連だと思いますので、ちょっと有権的に申し上げる能力がないのでございますが、一応そんなような感じの話を聞いております。
#53
○篠崎年子君 今、突然お尋ねをいたしましたので、大変失礼いたしましたけれども、大体の期間を考えてみますと、一年半ぐらいはあと仮設住宅に残らなければならないところがあるということですね。そうしますと、大体仮設住宅というのは災害救助法という法律の中にありますように二年間ということで、その二年間の期限が切れた、公営住宅はまだできていない、そうするとあと残りの日数はどうするかということになりますよね。
 その場合に法律的に言うと、これはちょっと法律か規則か知りませんが、期間が来たらやっぱり立ち退いていかなければならないということになります。厳密に言うと立ち退かなければならないけれども、そうすると何というんでしょうか、超法規的と申しましょうか、あるいは思いやりと申しましょうか、そういうことでまだそこに住んでもよろしい、そういうことで、まさかその期間が来たから追い出されるというようなことはないんでしょうね。
#54
○説明員(酒井英幸君) 今先生がおっしゃいましたように応急仮設住宅でございますから、いろいろはっきり言って通常の住宅と比べて不自由なわけでございまして、一時的な居住を図る場ということで、従来より法令等を踏まえて二年ということであるわけでございます。したがって私どもも、先生の御指摘にありましたように、できるだけ早く被災者の方がこういう状態じゃなく公営住宅等にお入りいただくということを県当局にもお願いをしたわけでありますが、であっても、さらに引き続きこれを活用せざるを得ないという県の御判断としてあった場合に、非常に私どもとしましてもどのようにこういうことに関与できるか難しい面があるのでございます。しかし、そういう本件の特殊な事情もかんがみまして、県がそういうことで利用し続けるということについて異論を唱えるといいますか、だめだというようなこと童言うことはしないようにしたいというふうな気持ちでございます。
#55
○篠崎年子君 仮設住宅のことでもう前々から再々質問いたしておりますけれども、今もお話にありましたように、長い人になりますと三年以上、四年近くそこに住まわなければならないわけですね。そうしますと、今の仮設住宅の基準からいいますと、非常に狭いということ。いつかもお話ししましたけれども、おふろなども非常に狭い状況ですね。ですから、設計はこういったような長期災害を見越しての仮設住宅ではなかったということになってくると思うわけです。
 この災害は長期である、この災害は短期であるというふうに分けることはできないし、わからないと思いますけれども、これだけ経済大国になってきた日本ですから、仮設住宅をつくる場合に初めから少し余裕を持った仮設住宅の設計というものを今後考えていただかなければならないんじゃないだろうか。それがこれからの日本の行き方ではないだろうかと思いますので、これはぜひともお考えいただきたいと思うわけでございます。
 ところで、今なお仮設住宅に入っている人々にとりまして、間もなく梅雨がやってまいります。そうしますと、大変問題になりますのは、横風が打ち上げると申しましょうか横から風と一緒に雨が入ってくるときに、たてつけがだんだん悪くなってきまして、今でももう二センチぐらいあいているところがあるわけですね、そういうところから雨漏りがしてくる。その雨漏りを防ごうと思うけれども、その防ぐ手段はないわけです、真っすぐ建っていますので。そういうことから考えてそういう対策を、例えばひさしをつけるとかあるいは何か修理をするとかそういう方法をとっていただきたいと思うんですけれども、これ何とかできないでしょうか。
#56
○説明員(酒井英幸君) 仮設住宅ということでございますので、先ほども申し上げましたように、被災者の不便、不安ということを考えますと、余りに長期間にそこにお入りいただくということで果たしていいかどうかという問題、根本問題もあるかと思うのでございまして、そういうことをも含めまして、今二年ということでそのまま恒久的な住宅に切りかえるという考え方で成り立っておるわけでございますが、もう一つ不自由ではないかという点につきましては、実は先生方の御指摘等も踏まえまして、今回の雲仙の仮設住宅につきましてはクーラーをつけるとかあるいは断熱材で建物を維持するとかというようなこともいろいろ特別基準でやってまいりました。
 かなり従来の基準を上回るような形の対応はさせてもらってきておるわけでございますが、ただいまのひさしの問題にっきましても、玄関側のひさし、それは当初にそのような措置をいたしまして、それからその後に昨年の三月でございましたでしょうか、その後ろのいわば出口側といいますか。そういうところもひさしをつけるというような措置もどって、できるだけ現場の状況に配慮するように実は努めさせていただいてきているところでございまして、いろんな現場のお気持ちもあろうかと思いますので、それはまた県にそういう状況を、いろんな状況をまた聞いてみたいとは思っております。
#57
○篠崎年子君 現地から要望がありましたら、ぜひその要望がかなえられるように御努力をいただきたいと思うわけでございます。
 ところで、ちょっと後先になりますけれども、先ほど導流堤のところあるいは砂防ダムの中に入るところ、こういうところの買収についてお話があっております。
 ところが、導流堤が計画されておりますね、そのちょっと外側になって、導流堤にはかからないけれども、しかしもうそこは自分は住むのにどうも危険性があると。そういったような人たちが買収を希望する、あるいは買い取っていただきたいと、こういうようなときにはその要望に応ぜられますでしょうか。
#58
○説明員(大久保駿君) 非常に難しい御質問でございますけれども、基本的には砂防事業に必要な用地の範囲にっきましては先ほど御説明いたしました二月二十八日に長崎県が詳細な導流堤の計画、設計ができ上がりまして、それを説明いたしております。砂防事業による用地買収は原則として砂防設備等に係る部分に限られておりまして、隣接している土地につきましてそれが砂防事業用地等でなければ買収の対象にならないというのが基本でございます。
#59
○篠崎年子君 基本がそうなんですね。ところが、基本にかからないでそういう希望する人たちがいるという場合に、その人たちはやっぱり危険性を感じてどこかへ移りたいと思っているんですね。これは現地に行ってごらんになった方はよくおわかりになると思うんですけれども、導流堤をつくってもらったって本当に大丈夫だろうかという気持ちがあります。この点につきましては、今後いろいろ折衝があるかと思いますけれども、ぜひ皆さんの気持ちを酌んでいただいて、御努力いただきたいと思うわけでございます。
 ところで、私、食事供与が打ち切られまして島原の人達がその後どんなふうな状況だろうかということ、中には収入がなくて生活保護に移った方がいらっしゃるんじゃないだろうかということを調べてみましたところ、今のところ島原一、深江が二ということで大変少ない数でございました。
 思ったよりも少のうございましたので、どういうわけだろうかということで現地の皆さんにいろいろお尋ねをいたしましたところが、二通りの答えが返ってきたわけです。一つは、生活保護を受けるということになじまないと申しましょうか、それを快しとしないということで何とか自立をしていきたい、そういう考え方で生活保護を受けないんだということがあるということなんです。
 もう一つあるわけですね。それは何かと申しますと、生活保護を受けようと思えば、今自分が持っている財産を全部ゼロにしなければ生活保護が受けられないわけです。そうしますと、例えば農地を持っている人はその農地を持っている限りは生活保護が受けられない、貯金があればその貯金がなくならなければ生活保護は受けられない。しかし、自分たちはいつかは農業を再開したい、あるいは何か商業を再開したいというときのためにそれをとっておきたい。それをゼロにしてまで生活保護を受けられないので、それはもう日雇いでも何でもやらなきゃ、頑張ってやっていかなきゃしようがないということなんです。こういうところに法の壁があるんじゃないかと思いますが、この点については、これは厚生省の方でしょうかどっちでしょうか、いかがお考えでしょうか。
#60
○説明員(酒井英幸君) 大変に難しい御質問なんでございますが、生活保護制度にっきましては今先生おっしゃったようなことでございまして、やはり最後のとりでといいますか、地法あるいは諸施策を活用した上で、力足らずあるいは及ばず生活費がその分足りないという場合にやるということで生活保護制度というものは成り立っておるものでございますので、活用できるものは活用していただくという原則は生活保護法の場合なかなか崩しがたい面があろうかというふうな感じをしております。
#61
○篠崎年子君 大変難しい問題だと思いますけれども、今後もお考えいただきたいと思うわけです。
 最後に、大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 それは、私どもの手元に、皆さんのお手元にも来ているかと思いますけれども、普賢岳噴火災害流焼失家屋被災者の会という方からいただきました要望書なんですけれども、そこの中にこういうことがあるわけです。
 私たちがこういう被害を受けたということについての一つは、警戒区域というものが設定されて、そのためにみすみす自分の家が目の前にあるけれどもそこの中から家財道具も出すことができなかった、あるいは畑の収入も得られなかった、そういったようなこともあるし、また先ほど来いろいろ皆さんの御答弁の中にもありましたけれども、いろいろ決まりがありますけれども、その決まりを越えていろんな方法をとっていただいているということで、大変その点につきましては感謝すべきことかもしれませんけれども、一方法律を守らなければならないという国の立場からするとこれは法を越えたものになるんじゃないだろうか。
 そういうことから考えてみると、この被災者の会の方がこういうことを言っているわけですね。「警戒区域という法律のもとの災害とも考えられると思うのであります。」「前例のない災害ならば、前例のない方法で救済してもらうのは当然」ではないでしょうかということを言っているわけです。
 先日、日弁連が見直し作業に入るということで、やはり災害対策基本法をつくらなければ本当の救済はできないんじゃないだろうかと。これは四月十四日に「九州弁護士連合会は、長期災害を想定していない現行法は問題点が多いとして昨年九月、抜本的な法制度の改正、整備を盛り込んだ「雲仙普賢岳噴火災害に関する意見書」をまとめ、」た。これをもとにして日弁連の方でもこれを何とかしていかなければならないということで災害対策基本法というものを新しくつくってはどうだろうか、そういう意見が出ているということが新聞に報道されていたわけでございます。
 このようなことを見てまいりました場合に、今私たちの周りで起こっていること、これはいろんな施策をする場合には国としては法律をもとにしてやっていかなければならない。その法律を越えたものをつくっていったということになれば、それを前例としてまた新しい法律でもってそれを救う方法を考えていかなければ、弾力運用弾力運用ということでやっていてはやはり決まりがないのではないだろうか、こう考えました場合に、今皆さんが大変強く要望いたしております災害対策基本法的なものを新しくつくるべきではないだろうかと思うのでございますけれども、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
#62
○国務大臣(井上孝君) 先生今御指摘の地元のいろんな御要望は、私も拝見をいたしております。
 ただ、今回のこの雲仙・普賢岳に関しましては、既にできております災害対策基本法、これにのっとって、この範囲内でいろんな施策をやってまいりました。そのためには、各省もそれぞれ法律
に従っていろんな施策が定められておるわけでございますが、それを適時適切、非常に弾力的に扱っていただいて、ほぼ私はこれで今やれるものはもうすべてやり尽くしておる、こう心得ておりますが、中には政令、省令の改正もしてくださった役所もあるようでございますが、今やはり一番大切なことはあの地域の復興、再建でございます。したがいまして、それに向けて今各省が頑張っておるわけでございまして、私といたしましては今ここで特別の立法が必要であるという段階にはまだないんじゃないかと思います。
 ただ、この雲仙・普賢岳のような長期にわたる火山災害というのは実は初めての経験でございますので、例えて申しますならば二十年ほど前に桜島だと思いますが、ああいう噴火に対してどうするかというので活動火山対策特別措置法というのができております。今回これも役には立ちましたけれども、この活動火山対策特別措置法だけでは何もこんな今までの二十一分野九十四項目なんというのはできません。
 したがいまして、この雲仙・普賢岳の経験を踏まえて各省が無理してやったいろんな施策も十分調べまして、法的な措置が必要であればその段階で考えたい、こう思っておりますけれども、現段階では既存の法律の範囲内でやらせていただく、こういう考えでございます。
#63
○篠崎年子君 終わります。ありがとうございました。
#64
○松谷蒼一郎君 私は、雲仙・普賢岳災害に関連をいたします質問に絞ってお願いをいたしたいと存じております。
 既に篠崎先生から御質問がございましたので、若干重複するところがございますが、御勘弁をいただきまして質問をいたしたいと思います。
 一昨年の六月三日の大火砕流によりまして四十三人のとうとい犠牲者を見たわけでございますが、もうそろそろ二年に近くなろうとしております。一時終息の兆しが見えるような雰囲気もございましたし、現に観測陣の中からもそういうような、それに近いような御見解も発表されたこともございますが、しかしまたその後溶岩の噴出量はふえてまいりまして、最盛期の三十五万立米に近いような、三十万立米ほどの溶岩が噴出をしているというように聞いております。
 先日も建設省の雲仙復興工事事務所の開所式に参りましたところ、非常に異様な隆起が雲仙岳に見られております。そういうことで、この災害は一体どこまで続くのやらと、地元の出身の議員としても大変に心を痛めておるわけでございます。
 気象庁の方いらっしゃいましたら、現況とその見通しにつきましてお答えをお願いいたしたいと思います。
#65
○説明員(森俊雄君) 雲仙岳の活動状況と見通しにつきまして御説明させていただきます。
 雲仙岳の溶岩噴出量は昨年来次第に減少してきましたけれども、ことしの二月から再び増加いたしまして、二月二日ごろからは第十溶岩ドーム、三月十七日ごろからは第十一溶岩ドームが成長を始め、現在も成長を続けております。また、火砕流につきましても、昨年十二月から一日一回程度という程度に少なくなっておりましたけれども、三月に入りましてからは増加いたしまして、最近では一日十回程度になっております。三月には、北上木場に達するようなやや大きな火砕流も発生しております。
 このように、現在も依然として溶岩の噴出、火砕流の発生など、雲仙岳の火山活動は引き続き活発でございますので、大きな火砕流も含めまして、今後も火山活動に対する警戒が必要というふうに考えております。
 以上でございます。
#66
○松谷蒼一郎君 なかなか先行きの見通しがつかないような状況でございます。
 既に二年近くになるわけでございますが、当初、雲仙岳噴火非常災害対策本部が設置をされまして、本部長に国土庁長官が任じられたわけでございますが、その際二十一分野九十四項目の災害対策が決定されております。その後二年近くになるわけでございますが、これらのうち主要な項目の実施状況について御説明をいただきたいと思います。
#67
○政府委員(黒川弘君) 二十一分野九十四項目の中には、民生、住宅、農林漁業、中小企業、雇用対策等々ございますけれども、そのうち主なものについて申し上げますと、その中に従来なかった制度で、食事供与事業の実施とか生活安定資金の貸し付け、それからいわゆる雲仙災害対策基金、そういったものもございますので、そちらの方からお話ししたいと思います。
 まず、食事供与事業でございますけれども、特別食事供与事業とあわせまして、一年間実施されまして、七百六世帯、二千七百二名の方に生活の自立の支援を行ってまいりました。
 また、生活安定資金の貸し付けにつきましては、基金の方からの利子補給によりまして、実質上は無利子融資という形になっておりますけれども、二千三百四十五世帯の方々の生活再建に支援をしてまいりました。
 また、基金については、御承知のとおり、地方財政措置等を行っていただきまして、現在では総額六百三十億円の基金でございまして、住民の方々の生活再建あるいは住まいの確保、就業あるいは事業再開の支援、こういったきめ細かい措置が実施されております。
 住宅については、先ほど建設省の方からお話がありましたように、公営住宅あるいは持ち家取得などのための団地造成が行われております。
 また、土石流対策といたしまして、実際上避難区域からもとへ帰られた場合でも、今後土石流があるというような場合のために、個室型の避難施設の設置もこれも新しい制度として実施いたしました。既に三棟が完成しておりますけれども、収容能力を上げますために、さらに五棟の追加建設を行っているところでございます。
 また、砂防事業、それから道路事業等については、御存じのとおりでございます。
 また、そのほか農地の復旧整備あるいは町づくりの基盤となる区画整理、こういったことについても調査が進められておりまして、安全対策、それから住宅対策、生活再建対策、そういったことにつきまして、県それから地元の市、町、各省庁一丸となって取り組んでいるところでございます。
#68
○松谷蒼一郎君 ただいまお話をお伺いいたしまして、当初の対策、対応としては、二年近くも長期間にこういった災害が継続するというような予測があったかどうかわかりませんが、しかし今後さらに長期間に災害が続く場合には、また改めてその実施対策につきまして見直しを図る必要があるというような時期もあるかもしれません。そのときはひとつよろしく早急に対策をとっていただきたいと切望をする次第でございます。
 雲仙・普賢岳の災害地域は主として農村地域でございまして、農家の方が非常に困っていらっしゃる。それと、観光を含めた商工業者の方がたくさんいらして被災をしているわけでございますが、それらについてお伺いいたしたいと思います。
 農業が長期間営農再開できないような状況になっておりますが、農林水産省としてどのような措置をこれまで講じてまいられたか。また、今後農地の災害復旧や農業者へどのような措置を講じられるか。
#69
○政府委員(今藤洋海君) 島原半島地域、ただいまお話ございましたように、たばこ、野菜、畜産といったものを中心といたしまして、大変優良な農業地帯でございます。また、水産業も盛んな地域でございますので、一日も早い営農再開を望んでおるわけでございますが、この噴火に伴います農林水産業の被害、現在までの報告によりますと、林地荒廃防止施設等で約四百九億円、それから農地、農業用施設につきましては、国道五十七号線から海側の方でございますが、これにっきまして約三十六億円ということで、山側の方につきましてはまだ未詳でございます。農作物等で約八十六億円というようなことで、トータル五百六十六億円という大きな被害が起こっておるわけでございます。
 農水省といたしましては、こうした深刻な被害状況にかんがみまして、各種の対策を講じておるところでございますが、特に農家の方々が収入がなくなって生活がなかなかやっていくのが大変だということにつきまして、自作農維持資金というのを用意してございます。通常でございますと、百五十万円、一戸当たりでございますが、特に三百万円ということにいたしまして、現在までのところ約六百戸近いほとんどの農家に借りていただいておりまして、十四億円ほどの貸し付けに以来なっておるところでございます。
 また、周辺地域を含めまして降灰が相当ございますというようなことで、防災営農施設整備事業というのを島原市ほか十市町におきまして、実施を既にしておるわけでございます。総額では三十数億円という計画を実施することにいたしております。
 また、特に山の方につきましては、災害関連の緊急治山事業の実施ということをできるところから順次行ってきておるところでございます。
 今後でございますが、長崎県を中心にいたしまして、ただいまお話にございました地域農業の復旧、復興構想というのを策定しておられるところでございます。その中で、被災農地の災害復旧とあわせまして、隣接いたします未被災農地につきましても全体として一体的な整備を行ってほしい、地域全体を今後より近代的な農業ができるような基盤づくりをやってもらいたい、こういう話がございます。
 こういうことに対応いたしまして、災害復旧事業、災害関連事業、そういった各種の災害関連の制度を積極的に活用できるように指導いたしておるところでございます。
 また、営農再開が本格的になってまいりますれば、各種の融資制度、先ほどの防災営農対策事業、こういったものを県とも十分連絡をとりながら適切に実施してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#70
○松谷蒼一郎君 災害復旧対策につきまして、農業関係で非常にいろいろなことをやっていただいて大変感謝をしておりますが、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に商工業関係でございますが、災害が長期化いたしまして、被災地域の中小企業者の経営状況が従前の業績に対して非常に落ち込んできている。特に観光客依存型の中小企業関係の業績が大変に今厳しいものがあるわけでございます。
 その対策として、災害発生後直ちに地域産業対策資金の取り扱いをやっていただいているわけでございますが、これにつきましてはいろいろと御考慮をいただきまして、たびたび取り扱い期間の延長をいただいておりますが、さらに平成五年の七月三十一日で延長された期間が切れるということに相なりますが、さらなる延長をひとつよろしくお願いを申し上げたいと思いますが、いかがでございますか。
#71
○説明員(稲見雅寿君) 雲仙・普賢岳の噴火災害につきましては、平成三年七月二十三日の閣議決定におきまして激甚災害に準ずる措置を講ずるということになっております。その後半年ごとに延長しておりまして、現在の措置の期限は、先生御指摘ございましたように、本年七月三十一日ということになっております。その後の取り扱いでございますけれども、事態の推移を見まして、七月時点で終息の見通しが立たないということで、引き続き諸般の対策を講ずる必要があるということでありますれば、今回の特別金融措置も延長する方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
#72
○松谷蒼一郎君 どうかひとつよろしくお願いいたします。
 次に、住宅関係の質問に移ります。
 先ほどの質問にもございましたように、応急仮設住宅が直ちに建設をされたわけでございますが、その入居の状況について伺います。
#73
○説明員(那珂正君) 本年三月末現在、被災者等のうち四百五十二世帯の方が五百四十九戸の応急仮設住宅に入居していると承知しております。
#74
○松谷蒼一郎君 応急仮設住宅に入居をされている方、原因別にどういうような入居の状況であるのか。それからさらに、地域の問題、そういった面についてお答えください。
#75
○説明員(那珂正君) 現在、応急仮設住宅にお入りになられている方々のお一人お一人といいますか、世帯ごとの詳細なデータの把握はないんですが、県からの報告等に基づいて私どもの方で若干の推計も含めて整理したものといたしましては、現在警戒区域、避難勧告区域内に住居のある方の世帯が四百四十五世帯。現在警戒区域等以外でありましても、住宅が全壊または半壊した方の世帯のうち、仮設住宅に入居しておられる方が七十七世帯。同じく警戒区域等以外の地域で、住宅が一部損傷された方で、現在仮設住宅に入居しておられる方が九十五世帯でございます。
#76
○松谷蒼一郎君 原因別にはそういうことでございますが、さらに現在仮設住宅への入居は四百五十二世帯、これが五百四十九戸の中に居住をしている。それから、被災者のうち公営住宅へ入居をしたというのが百四十六世帯、その他知人宅等々に入居したのが十九世帯、合計で六百十七世帯というように聞いているわけです。
 いよいよ応急仮設住宅の期限が切れまして、ことしの十月ですか、そこで直ちにその住宅を退去というわけにはならないと思います。しかし、従来からの考え方からしまして、災害が発生しまして、被災者をすぐに収容しなくちゃいけない、そこで応急仮設住宅を建ててそこに収容をする。まさか二年も続くとは思わないから、二年が限度であるということで期限を切っていたわけですが、非常に今回の災害は特異な例として災害が長く続いた。さらに、これから先もいつ終息するかわからないような状況にある。そうなってまいりますと、応急仮設住宅に入居されている方を、できるだけ早く正規な住宅に入居する計画といいますか、対策を至急に手を打っていただく必要があるんじゃないか。
 そもそも応急仮設住宅というのは応急の住宅でありますから、夏は暑くて冬は逆に寒い。それで、非常に狭いし、それこそ私どもも中に入りましても大変悲惨な感じのする住宅であります。そのためにも公営住宅だけに限らず、公庫融資住宅あるいはがけ地近接等危険住宅移転事業、そういったいろいろな事業を駆使して、何とか応急仮設住宅に住んでいる世帯の方々を住宅対策として取り上げていただきたいと思う次第でございます。
 そういう意味で、今後公営住宅を中心として、平成四年度から五年度にかけて公営住宅でどのようにその入居者を救済していくか、その計画についてちょっとお答えをいただきたいと思います。
#77
○説明員(那珂正君) まず、現在進めております住宅対策についてでございますが、その対策の柱の一つでございます公営住宅の建設にっきましては、平成三年度は百三十六戸の建設を行って、既にこれは入居済みでございます。平成四年度につきましては、地域特別賃貸住宅を含めまして百四十二戸の公営住宅並びに借り上げ公共賃貸住宅六戸を既に現在鋭意工事中でございまして、この四月から七月にかけて入居の予定でございます。
 また、この間既設の公営住宅の空き家に対する入居のあっせんを行う等公営住宅の活用についても意を用いてきたところでございますし、また住宅金融公庫の災害復興住宅資金の貸し付けなどの措置も講じているところでございます。
 今後の住宅対策といたしましては、特に平成五年度に公営住宅等を新たに二百七十戸建設いたしまして、平成四年度の分と合わせて約四百戸を何とか秋までに完成させ、現在応急仮設住宅での居住を余儀なくされておられる被災者の方々に入居していただけるようにということで、事業主体であります長崎県及び島原市、深江町等と協議を進めつつ努力している所存でございます。
 また、持ち家取得を支援するために、県住宅供給公社による住宅団地の造成あるいは地元市町による自力による持ち家取得への誘導等を行い、あわせて被災者の方々の居住の安定と定住の促進を図ってまいりたいと存じます。
#78
○松谷蒼一郎君 できるだけ早期に県や市と一体となって、現在応急仮設住宅に住んでいる方々を公営住宅その他正規の住宅へ入居移転させていただくよう対策をとっていただくようお願いをいたします。私どもがことしの年末に伺ったときはもう応急仮設住宅はない、立派な住宅に皆さん住んでいるというようなことにしていただくようお願いをする次第でございます。
 ただ、住宅対策上私もちょっと懸念をいたしますのは家賃の問題であります。公営住宅は公営住宅法によって収入制限もありますし、それから家賃の問題がございますが、公営住宅の入居にかかわります収入制限についてはどのような運用をされているのか、お伺いします。
#79
○説明員(吉野洋一君) 先生御承知のとおり、公営住宅の入居資格といたしましては三つの要件がございます。一つは原則として同居親族があること、二つ目が今御指摘の一定の額の収入であること、それから三つ目が住宅に困窮しておること、そういった三要件があるわけでございます。
 第二の要件でございます収入でございますが、これにつきましては住宅に困窮する低額所得者に対しまして住宅を供給するという、こういった公営住宅法の趣旨から重要な基準でございまして、現在公営住宅の入居の際の収入基準につきましては、標準世帯四人家族の場合で、第一種にっきましては年収約四百九十万円、第二種につきましては年収約三百六十六万円となっておるところでございます。
 しかしながら、雲仙岳噴火で住宅を失った方等に対します公営住宅への入居につきましては、公営住宅を一時的な避難場所として被災者に使用させるために、公営住宅の目的外使用許可によりまして入居させてきておるところでございます。この場合、収入に関しましては特段の制限は必要ないものといたしまして、弾力的な運用を図ってきておるところでございます。
 なお、一時的な入居を行っている方で、その後の事情によって公営住宅法等の入居要件に該当することとなった方にっきましては必要に応じて正式入居といたしまして、被災者の生活の安定を図ってきておるところでございます。
#80
○松谷蒼一郎君 家賃についてはいろいろな面で救済をしているあるいは減免措置をとっている、そういうことでございますね。
#81
○説明員(吉野洋一君) ただいまお話がございました家賃でございますが、先ほど申し上げました目的外使用のものにつきましては、減免ないし徴収猶予というのを適宜行うように指示をいたしております。
 それから正式入居につきましては、公共団体の裁量によりまして減免、それから徴収猶予ができるということになっております。
#82
○松谷蒼一郎君 次に、平成五年度の予算で、住宅を移転するための支援策としてがけ地近接等危険住宅移転事業、いろいろと予算補助の面が改善をされたというように聞いておりますが、その事業概要についてお願いいたします。
#83
○説明員(磯田桂史君) がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、がけ地の崩壊あるいは土石流あるいは地すべり等により住民の生命に危険を及ぼすおそれがあるとして、建築基準法第三十九条第一項に基づきまして地方公共団体が条例で指定しました災害危険区域あるいは同じく建築基準法第四十条の規定により、条例で建築が制限されております区域におきまして、二ログの場合であっても危険住宅の移転を行う者に対しまして市町村が既存住宅の除却費、それから代替住宅の建物助成費、これらをその移転を行う者に交付する際、当該市町村に国が補助するという制度でございます。
#84
○松谷蒼一郎君 このがけ地近接等危険住宅移転事業と、それから国土庁で所管されております防災集団移転促進事業、これは非常に似たような事業であるわけですが、今回の雲仙岳噴火災害についてはどちらをどういうふうに適用をしていただけるのか。どちらが有利かというのはちょっとよく、いろいろな適用の条件があるんだろうと思いますが、その点について。
#85
○政府委員(秋本敏文君) 雲仙岳噴火災害に伴います住居の移転につきましては、今先生からも御指摘ございましたように、防災集団移転促進事業あるいはがけ地近接等危険住宅移転事業、さらには砂防事業、それらを組み合わせてそれぞれ適切に運用していこうというようなことを地元でも考えておられますが、その場合に防災集団移転促進事業とかけ地近接等危険住宅移転事業、それらをどのように運用していくかということになりますと、一般的あるいは基本的なことでございますけれども、住民の皆さんの移転先が住宅団地である場合は防災集団移転促進事業、そしてまた住宅団地の外である場合はかけ地近接等危険住宅移転事業、これが一般的に適用されるということになろうかと思います。
#86
○松谷蒼一郎君 いずれも地元では大変に期待をしておりますので、積極的な活用をぜひお願いいたします。
 次に、砂防事業について御質問をいたしたいと思います。
 今年度から長崎に新しく従来の長崎工事事務所とは別途に雲仙岳災害復興工事事務所でしたか、ということで二十四人の人員を擁して復興事業を実施していただくということで、大変に地元も期待をしておるわけでございますが、今年度からその直轄事業の今後の進め方、工事のスケジュールについてお伺いします。
#87
○説明員(大久保駿君) 先生御指摘のとおり、この四月から建設省の直轄の事務所が設置されております。名称は正確には雲仙復興工事事務所でございます。
 雲仙地区の砂防計画につきましては、先ほども御説明いたしましたが、この基本構想に基づく砂防事業は非常に大規模で、また広範囲に及ぶ。あるいはまた、この事業を集中的に迅速に実施しなければならない。さらに工事そのものが、火砕流の大量堆積物の処理ということで、これまで余り経験したことのないような大変難しい仕事をやるということで建設省の直轄事務所になった、こういうことでございます。
 直轄事業を実施するに当たりましては、当然県あるいは地元の市、町等の行政機関との連携が重要であると考えております。また、応急工事等も頻繁に出てくる可能性もございますし、それらにつきまして現地での迅速な対応の必要性あるいは地元の地域の方々との対話の必要性、こういったことから、この直轄事業を進めるために現地に直轄の事務所が設置されたわけでございます。
 現在のところ、基本計画に基づきます設計を進めておりますし、国道五十七号より下流につきましては警戒区域外でございまして、設計もでき上がって地元の皆様方に設計内容を説明し、また用地の進め方等についての御説明もいたしまして、今後個々の用地買収価格を提示いたしまして用地買収を進めていきたい。できるだけ早期に事業着手できるようにというふうに考えております。
 また、警戒区域内に砂防ダム等を計画しておりますけれども、これらにっきましても警戒区域が外れるのを待つまでもなく、航空写真等を使いまして図面をつくったりという準備も進めてまいりたいということでございます。
 いずれにいたしましても、一日も早い地元の復興を目指しまして、この直轄の事務所がその拠点としての役割を担うようにということで、地元の皆様方の協力を得まして早急な用地買収と事業着手に向けて努力してまいる所存でございます。
#88
○松谷蒼一郎君 平成五年三月二十八日に現地で用地の説明会が実施されております。その反応はどうであったか。価格については、先ほど質問がございましたように、基準価格が被災前の価格なのか、そうでなければどうなのかというようなこと。さらに、国道五十七号より山側の警戒区域内では測量もできないわけですが、この用地買収はどう進めていくのか等々にっきましてお答えいただきたいと思います。
#89
○説明員(大久保駿君) 用地につきましては、国道五十七号より下流区間につきましては先ほど申しましたように警戒区域外でございますので、既に立入測量も終わりまして、導流堤の設計もでき上がっております。その設計につきましての事業説明はことしの二月二十八日に実施しておりますけれども、それを受けまして三月二十八日に導流堤等の敷地の用地買収についての手順あるいは土地建物等の補償項目、さらには税等の優遇措置等、種々の説明を行うための用地説明会を実施いたしております。既に先生御承知のとおりでございます。この説明会はたくさんの町内会を幾つかのグループに分けて行っておりまして、県の方から説明をさせていただきまして、地権者等の質問に答えたという形でございます。
 現在我々がお聞きしておりますのは、種々御質問もありましたけれども、全般的に導流堤の計画に対しまして地権者の皆様方の御理解は得られたということで、これから個々の用地買収に入るための準備ができたのではないか、こういうふうに考えているところでございます。できるだけ早い時期に、今度は個々の土地の買収価格を提示して買収契約を締結していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 それから、昨年の十二月二十二日に基準価格を地元にお示ししておりますが、これも先ほど来御質問があったとおりでございまして、基準価格を算定する考え方は、公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づいておりますし、これは被災前の標準的使用を前提に、重複いたしますけれども、今後の土地利用計画の動向あるいは地域の復旧の時期、今後の災害の見通し、地盤、地質等の土地価格形成上のいろんな要素を総合的に勘案して算定いたしております。簡単に申し上げますと、被災前の価格から復旧に要する経費を差し引いたものというふうに考えていただければと思っているわけでございます。この基準価格が、昨年の暮れの長崎での新聞では被災前価格の七割以上というふうに報道されたことについても私どもは承知いたしております。
 それから、国道五十七号より上流区間になりますとまだ警戒区域が残っているところがございまして、砂防計画の基本構想によりますとこの区域に大型の砂防ダムを設置するという計画になっているわけでございます。警戒区域が設定されておりますので、施設の設計測量あるいは用地測量が現地でできない状況でございます。したがいまして、航空写真等を使いまして用地測量図を作成いたしまして、これをもとに地権者の皆様方の同意が得られれば、あるいは買収地が確定できれば買い取り請求には応じてまいりたい、こういうふうに考えております。
#90
○松谷蒼一郎君 時間がございませんので若干割愛をいたしますが、島原半島を循環いたします国道二百五十一号線がございます。それから国道五十七号線がございます。これらの道路は災害とは関係なく非常に渋滞をしておるわけでございますが、特に災害が発生をいたしまして緊急のときには非常に混雑をいたします。そういうこともありますので、今後島原半島地域全体の復興を考えます場合に、やはり道路の建設計画につきましても災害復興のことも関連をしていろいろ計画を練っていただけないかと思うわけでございますが、道路の計画について御答弁をいただきたいと思います。
#91
○説明員(大石久和君) 御説明申し上げます。
 島原半島には循環いたしております国道二百五十一号、五十七号等の幹線道路から市町村道に至ります道路がネットワークとして存在しておるわけでございますが、今先生御指摘のとおり、地域の復興あるいは災害緊急時の活動のためにはこれらの道路が相互に連関して機能する必要がございます。
 まず、地先の道路につきましては避難施設緊急整備計画等に基づきまして市町村道の整備を推進しておるところでございますし、また当該土石流の起こった地域につきましては広域的な幹線交通の確保のための緊急連絡橋の設置でありますとか、あるいは一般国道五十七号といたしまして、平成五年度より設立されました、先ほどから議論になってございます建設省雲仙復興工事事務所におきまして島原―深江道路の事業に着手いたしたところでございます。また、さらに島原半島全体の広域的な道路ネットワークに関しましては、現在地方建設局及び都道府県とともに広域道路整備基本計画の策定に向けましてその準備を進めておるところでございまして、この中で島原地域の復興を図り、拠点として生かすための広域道路のあり方について検討しておるところでございます。
#92
○松谷蒼一郎君 雲仙・普賢岳の災害につきましては、既に大火砕流発生以来二年近くになったわけでございます。依然として冒頭申し上げましたように日量三十万立米の溶岩が噴出をしておる。さらに噴火が長期に継続することも考慮に入れなければならないような状況でございます。
 こういった状況の中で、今後国土庁としてまた非常災害対策本部長としての国土庁長官の御決意をぜひ伺いたいと思います。
#93
○国務大臣(井上孝君) 松谷さん冒頭の御質問のときにおっしゃいましたが、私も実は「月二十一日に、国土庁へ参りましたので現地へ行ってまいりました。そのときはもう何となく明るい、山もおさまってきたという空気がみなぎっておりました。これはよかったなと。私も応急仮設住宅におられる方にお見舞いを申し上げると同時に、だんだん山もおさまってきましたねということも申し上げたんですが、帰ってまいりましたら数日後にまた大変な火砕流が起きたというようなことを聞きまして、実は落胆をしておる次第でございます。
 ただ、火砕流、土石流に対する、ともかく人命、財産を守らなきゃいかぬという体制はいっときも緩めることなく今後も続けていかなきゃならぬ。そのためには、今も道路関係で申しましたが、二百五十一号の緊急連絡橋とか遊砂地とか、そういうものをつくっておりまして、こういうものも十分織り込みながら、今までの体制を緩めることなく、一層警戒に当たってまいりたいと思います。
 一方、先ほど来御質問に各省がお答えしておりますような、被災者の方々の生活の安定、こういうものも一方では進めますけれども、ともかく危険な火砕流、土石流に対する警戒を怠りなく続けるという決意でございます。
#94
○松谷蒼一郎君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#95
○常松克安君 長官、先日は大変失礼いたしました。予算委員会で答弁をせっかくしようとしていらしたのに、時間の関係もありまして、きょうは存分に時間がございますので、どうぞ大いにおっしゃっていただいて結構です。
 局長にお伺いいたします。
 まず、南関東地域地震応急対策大綱、要領、これに合わせまして中を見ますと、三本の柱である。第一番目には人命救助であり、第二番目には交通アクセスの整備、確保及び危険解除である。第三番目にはあくまで復旧、こういう三本の柱と見てよろしゅうございましょうか。
#96
○政府委員(黒川弘君) 今御指摘のとおりでございます。
#97
○常松克安君 じゃその中で、本日私はあくまで人命救助と災害医療体制ということを基軸にして質問展開をさせていただきたいと思います。
 まず、厚生省にお尋ねいたします。その前に、国土庁といたしまして、この策定の中で死傷者及び負傷者は何名と想定されていらっしゃいますか。
#98
○政府委員(黒川弘君) 全体の被害想定でございますけれども、六十三年の十二月に応急対策をつくるための前提といたしまして、南関東地域で関東大震災クラスの地震が起こった場合の想定をいたしました。
 これは想定が三つございまして、冬の夕方、冬の深夜あるいは秋の正午という三つでございますけれども、一番数字の多い冬の夕方というところをとってまいりますと、死者十五万人、負傷者二十万三千名、こういうことでございます。
#99
○常松克安君 じゃ、それとあわせて、過日東京都防災として計画された死傷者は何名になっているんでしょうか。
#100
○政府委員(黒川弘君) 東京都の方で想定されている数字でございますけれども、全体としまして死者九千三百六十三名、負傷者十四万七千六十八名ということになっております。
#101
○常松克安君 じゃ、十五万の死者、国はこう立てた。東京都は九千五百。当然国は千葉だとか埼玉周辺も入っておりますから、それを差っ引いたとしてもこの乖離はどう判断したらいいんでしょうか。
#102
○政府委員(黒川弘君) 国土庁が行っております想定でございますけれども、広域的な南関東全域について地震が起こったという想定のもとに総合応援体制、そういったことを中心にどういうことをすべきかということで応急活動要領を六十三年につくったわけでございますが、その前提としてそういった想定をいたしました。
 それぞれございますけれども、具体的には全体の把握に中心を置いて私の方ではやっておりますし、東京都の方では個別的な対応、対策ということで、要因別、地域別、時系列別ということで、個々の具体的なものに中心を置かれたということで、全体としてはそれぞれ検討の対象としまして、どういうことに使うかということでございますので、私の方では広域対応をするための前提でございますので、差が出てくるということはあり得るかと思います。
#103
○常松克安君 意味がわからない。片方は十五万名死ぬとおっしゃる、片方は九千五百だと言う。一万二万の想定ならわかりますよ。十万からして違うということにはその計画とは不一致。そして、いざこれが起こった場合は指令塔が二つになっちゃう。こういうところに対する、じゃ次の第二出動としての災害医療体制というものは全然とっちんかっちんになっちゃうというおそれこれあり、まあ後ほどまた研究してください。
 もう一度お聞きします。じゃ十五、六万名死ぬとされる中で、ドクターは、ナースは何名死ぬと想定されているんですか。
#104
○政府委員(黒川弘君) 先ほど申しましたように、国土庁の推定については全体の推定でございまして、ドクターの方とかそういった内訳について推計しているわけではございません。
#105
○常松克安君 それは当然です。私もわからないです。それは当然ですよ。ただし、こういう教授が中心になってお考えになるときは、もういつもおっしゃるんです。大体計画立てるときはおれたちは死なぬことをべースにして立てるんだと。それはそうです。計画を立てるとき私も死ぬと思って立てる人だれもいないわけですよ。でありますから、そこは想定でありますから非常にそういう問題、なぜこんなことを質問するか。いざ起きたときに医療機関というものが果たしてお立てになっていらっしゃるほどまでがいいんだろうか。
 厚生省にお伺いいたします。
 これを受けまして日本医科大の大塚理事長を中心にいたしまして懇談会をつくられ、報告書を提示されました。その中からいきますと、救護班、非常に大事な最先端の先兵です、救護班が都内にある病院において七五%はそれは用意できぬというふうなアンケート調査が出ておるようですが、これに対する検討はどうなっていますか。
#106
○説明員(今田寛睦君) 厚生省の防災業務計画というものを策定しておるわけでございますが、その中で各医療機関にも要請をしておるわけでございますし、国立病院・療養所が率先垂範をしてこれに当たるということで、国立関係の医療機関にはそういった体制をつくっておるわけでございますが、御指摘のようなことにつきましてはさらに協力を求めていきたいと思っております。
#107
○常松克安君 じゃ、もう少しくだいてお尋ねいたします。
 このペーパーに出ておりますところの救護班と医療班の違いを教えてください。では、後ほどまた研究して御報告ください。
 この中においていま一つ、問題はなぜさようなことを申し上げたかといいますと、救護班、少なくともストレッチャーを持って負傷者をそこに入れて、収容して、そしてしかるべきところまで運ぶ、こういうことが主たる目的になっております。ところが考えてみますと、その救護班の一チームの編成は、内容はどうなっているんでしょうか。その内容は、一チーム編成はドクターが一名、ナースが三名、補助員が二名、こうなっております。こうなっておりますのを、大体医学上の専門、災害医療、救急医療あるいは世界に出ておりますところのそういう救護のための編成は一日に一体何名が診療可能な数と測定されておりますか。
#108
○説明員(今田寛睦君) 厳密な意味で申し上げるわけにも、資料がございませんけれども、こういった災害に対します医師を中心とするチームが対応できる数というものは、むしろ現在関東地区に働いていらっしゃる医師すべてが参加していただいて最大限の努力をするという形で対応いただくということが現実的なのではないかと思っております。
#109
○常松克安君 一日百二十名と想定して編成されているわけです。そういうふうにいたしますと、一チームで百二十名、十チームで一千二百、百チームで一万二千、一千チームあって十二万です、この積算をベースにして考えますと。今局長は死亡者約十万、負傷者三十万と想定をおっしゃいました。
 じゃ、お伺いします。東京都、千葉、埼玉、神奈川、山梨、これに合わせて今厚生省に編成可能なチームが何チームあると思われますか。
#110
○説明員(今田寛睦君) 詳細については承知をいたしておりません。
#111
○常松克安君 今こちらに提示されておりますその懇談会で研究をなさいました資料、これを基盤にして計算をこのまま素直にいたしました。
 何チームあるか、百チームないんです。じゃ、あとの人はどうなるんですか。当然これから厚生省も汗をかき、あるいは国土庁の方も汗をかいていただいて、そういうことのないように、憂いのないように対応をつけていただきますから、こういうふうな視点というものをどうか非常に一番、この大綱、要領は長官のもとにあるんですから、中央防災会議、人命第一と第一条に書いてきているんですから、そうならそういう方向に対応できるようなことをしていただきたい。
 もう一つ。ここには文部省呼んでおりませんけれども、一番私腹立たしいのは、国立病院と言いたるものがこういうことになかなか協力をしない現状であります。これはもう大問題だと私は申し上げておきたい。これがまず一つであります。
 第二番目に行きます。
 この報告書から見ますと、負傷者を病院に運ばれてこられてもベッドが今でもいっぱいなのに、廊下に寝させておくわけにはいかない、やっぱり災害用の簡易ベッドというものが必要であろう。それが、少なくとも全病院に対して諮ったアンケートでは六三%がない、入れるベッドもなければ、満杯だと言うんです。災害といっても受け入れることはできない。たとえ受け入れたとしても簡易ベッドが用意できていないのが六三%になんなんとする。意思をはっきりしておられる。これに対する対策は厚生省、どうお考えでしょうか。
#112
○説明員(今田寛睦君) 簡易ベッドの保有につきましてはそれぞれの医療機関で保有をいただいておるわけでございますし、一医療機関で平均保有台数十五・三という防災会議でのアンケートの結果が出ております。できるだけ多くの対応が可能な形で関係医療機関の協力を求めていく必要があろうかというふうに思っております。
#113
○常松克安君 よくまたその辺のところを精査して研究の課題にしていただきとう存じます。
 さて、そこで一番このときに問題になりますのは、一般の病院の医療とそれから災害医療の差といいますのが的確に言えますのは、第一発見したときにヨーロッパ、アメリカなんかへ行きますと必ず患者の観察を五種類に分けちゃいます。これをちなみにそういう専門の方々はトリアージというふうにおっしゃっておられます。患者の分析、どういう状況であるか。少なくとも、いろいろ国によっては違いましょうけれども、これはもう運んでもだめだという人はストップ、助け得ると判断した人は運ぶ、軽いけがということであればそこの近くの診療所においてやる、重い人は後方支援の病院へ送る、その判断を的確に瞬時にするというのがベースに全部なっておるわけであります。
 日本とアメリカの違いは、アメリカにおいては大統領直轄にこの医療班がつくられている。三十万の負傷者については、既にどこの病院、どこの施設、どこの公共施設に入れ、ドクターは何千名掛けるナースは何名、輸送機関はどうするか、立案ができておるわけです。国家としての危機管理という意識がはっきりしておるわけです。これは一省庁に任せて立てられるものではないということは、長官、ここで深刻にひとつ受けとめていただきたいわけであります。
 厚生省の課長さんはドクターでございますから、非常に素人っぽいことを言うて申しわけないが、とりあえず現実に一般の医学部において専門的にこういうことを勉強させておるんでしょうか。これだけ教えてください。
#114
○説明員(今田寛睦君) 一般論で申し上げますが、まず私ども一番関心を持っておりますのは、一般のドクターが緊急時に行うべき救急処置について基礎的教育をもっと充実すべきではないかという御意見が一つございます。これは医師あるいは看護婦にも言えることかと思います。
 もう一つは、一般の元気な方々がけがをされたところに手を差し伸べるときの教育が果たしてこのままで十分であるのかどうかといった視点から申し上げますと、初期救急の一端を担っていただきます一般の方々に救急蘇生法を初めとする教育をする必要があるのではないか、こういった問題認識を持っております。
#115
○常松克安君 合いろいろお尋ねいたしましたけれども、なかなかこれは民間だけの力ではだめだ、どうしたらいいものだろう。
 ところが、よくよく精査しますとあった。防衛庁にはこの大網、要領にすぐ即応できるように二万二千九百名を第一次で出動させる。事によって災害緊急の第二次三万六千九百、第三次五万七千四百名出動させる。第一次は航空機八十機。国という名においてきちんとベースを持っていらっしゃる。ところが、なかなかこの防衛庁さんも遠慮しがちで、これを防衛庁が大きな声で言うとまた第九条にひっかけられてごてごて不毛の議論になりはせぬかとおっかなびっくりで、あっちゃこっちゃ顔色を見ながら報告を出す。これじゃ困る。正式に出されたから、それをお聞きします。
 二万二千九百名の中でドクターが何名、ナースが何名、看護兵が何名この中に加えられて、どこの方面からそれを結集されるんでしょうか。
#116
○説明員(上野治男君) 今先生のお話のありました二万二千九百というのは、南関東地域の地震が起こった場合に第一次に派遣を予定されるだろう自衛官の規模でございます。その場合、その中で衛生関係の隊員に限りましては八百名の人を含んでいるわけでございます。
#117
○常松克安君 医官が八百でしょうか。
#118
○説明員(上野治男君) 医師は約五十名、その他衛生隊員合わせて八百でございます。
#119
○常松克安君 ナース及び看護兵は何名でしょうか。
#120
○説明員(上野治男君) 看護婦ないし看護士は二百八十名でございます。
#121
○常松克安君 衛生兵。
#122
○説明員(上野治男君) 医師五十名、看護士二百八十名、その差になりますので、四百七十でございます。
#123
○委員長(稲村稔夫君) この際、ちょっと政府の方に申し上げたいんですが、先ほどからの御答弁を聞いておりますと、質問者の趣旨を体してきちんとお答えをいただいていれば問題なく進むのに、十分に理解をした御答弁になっていないというふうに思いますので、その辺はしっかりと踏まえて御答弁を以後いただきたいと思います。
#124
○常松克安君 ありがとうございます。
 医官が五十、ナースが二百八十。衛生兵は何名かと、こう聞いているんですが、きのう通告してありますよ、これはきちっと。
#125
○説明員(上野治男君) 失礼いたしました。
 衛生隊員は四百八十名でございます。
#126
○常松克安君 こういうときに集まってくれる場所はどこに一応指定してあるのでしょうか。
 と申しますのは、こっちから申し上げます。案外皆さんの計画というのは、災害の起こった地域周辺というのじゃなくて地域から集めてくる。我が家が倒れ、我が子が死にそうになって、我が妻が倒れておるのに、さあ指定した場所に来るというのはよほどのことでなければ、災害が起きて交通アクセスが全部遮断されているとしたならば。さすが私は防衛庁だと思ったのは、この集まってくるのは周辺をもって計画していらっしゃる、さすがだなと思った、このことを見て。
 周辺、どこから持ってくるんですか、この兵隊さん。
#127
○説明員(上野治男君) 質問の意味を間違えていましたら恐縮でございます。
 南関東でございますので、したがいましてその地域にある私どもの基地に人が集合するという前提でございます。
 それから、最初に来ますのはその周辺の、特に陸上自衛隊の場合は東部方面総監部の指揮下にある部隊から集まるのが第一次だと思っております。
#128
○常松克安君 何かとっちんかっちん、とっちんかっちんしちゃうんですね。
 じゃ、次にいきます。
 第二番目に、航空機を八十機と書いていますが、その内容を教えてください。
#129
○説明員(上野治男君) 計画によりますと、陸上自衛隊から百六十機、そのうちヘリコプターは百五十機を予定しております。
#130
○常松克安君 第一次出動に八十機と書いてあるというのに、今のお答えは百五十機出ますと言う。私は八十機をどういう種類の飛行機ですかと聞いておるのに、それをまたオーバーラップして百五十機と言う。どうなっているんですか、こっちが迷いますよ、聞いておって。そっちが書いた書類じゃないですか、これは。
 結構ですよ。じゃ、後ほどまた精査して御通知ください。でも、はっきり申し上げておきますよ。とっさの質問じゃないということだけは、昨日きちっと申し上げてありますから。それだけははっきりいたしておきます。私の名誉にかけて申し上げなきゃならぬ。
 じゃ、次に移ります。
 一番我々懸念いたしますのは、災害が起こったときにいろいろな医療機関に搬送するのが無理になるが、そのときにはベースには野外、野戦病院のようなテントがどうしても必要だろうと。これはやはり防衛庁、自衛隊でなければ、ほかでは急にそのようなテントというのは災害用に用意はしづらいだろうと。そうしまして、こういうふうに医師が五十名、ナースが二百八十名、衛生兵が四百八十名出動される。いろいろな輸送はヘリも使われるでしょう。
 しかし、そのときの医療資機材とあわせて、今集めて可能な野外テントは何張りぐらい出動が可能でしょうか。
#131
○説明員(上野治男君) 現在私どもでは合計七十のテントを所持しております。そのうちかなりの量がカンボジアヘ現在行っておりますので、現在使えるのはおよそ三十ということになっております。
#132
○常松克安君 長官、三十しかないんですよ。こういう現況でございます。長官のもとには各方面、各地方団体、国あるいは各企業からもいざ起こったときにこうしますという活字は集まるでしょうけれども、内容を分析してまいりますと現実に沿わないようなものがいろいろそこには書いてあるわけでございます。こういうふうな視点というものは非常に大事な視点であろう。
 なぜ私が看護兵にこだわったか。失礼でございますけれども、あのストレッチャー、今平均的に
消防署で使われているストレッチャーは何キロなんでしょうか。あるいは病院で使われているストレッチャーは何キロあるのか。防衛庁が使っているストレッチャーは何キロなのか。全部違うんです、重さは。平均的に言って二十四・七キロ。ここへ五十キロ、六十キロが乗り、まあ人の体重ですが、それをここにありますところのドクターとナースが三名、補助員が二名で一体何名を二十四時間連続の災害、緊急ということで運べるだろうかと考えてあげたときには、平素から有事を想定し訓練し、国を守ることにかけては命をかけるという、そのようなマンパワーを持っていらっしゃる防衛庁の平素の訓練の中においてこういう方々はやはり今申し上げましたように数字が足らない、看護人が。そのときには出動していただいた方々がそれに対応してたった一名でもいいから、一名でも多くの命を助けていこうというのが国土庁長官の決意でなきゃならない。これが災害の第一条件のベースにならなきゃいけない。私は、そういうふうな意味合いで事細かにあれやこれやと今お聞きしてきたわけです。テントがない、看護人はだめだ。
 そうした考えの中で、防衛庁にもう一度お尋ねいたしますけれども、やはりそういうふうに看護兵の方々は准看という制度で全部国家試験を合格なさった方であります。そういう方々を少なくとも災害時においてもう一歩前進して救急救命士にその中で育てそういうふうな対応に、人命を預かる上においては高度にレベルアップをした方が私はいいと、こういうふうに提案を今日までし抜いてまいりましたが、その後どういうふうな検討の内容になっているんでしょうか。
#133
○説明員(土居眞君) 先生のおっしゃいますように、レベルを上げるということは非常に重要なことだというふうに考えております。
 ちなみに、今救急救命士の資格を持っております者が二百七十名にふえておりまして、今後も引き続き養成していきたいというふうに考えております。
#134
○常松克安君 確認だけいたしますけれども、看護兵の中で救急救命士の国家試験を合格した人が二百七十名いらっしゃるんですね。
#135
○説明員(土居眞君) はい。
#136
○常松克安君 じゃ、それを今後何年の間に全国の看護兵は何名にするんでしょうか。
#137
○説明員(土居眞君) 将来的に何名ぐらいの規模にするかというのは今検討しておりまして、今後我々の方の平素の隊員運用といいますかそういうものを念頭に置きながらということで今検討中でございます。
#138
○常松克安君 じゃ、ここで国土庁長官、今までの論議を聞いていただきました。
 先日、決算委員会においてはこういう意を含めてあくまでそういうふうな出動というものを明確化し、内部のマンパワーからそれを整えていくべきであると。今日まで何十兆円という税金をつぎ込んで、そして国を守るという立場において組織をつくってきていただいたわけであります。それを災害の人命救助とあらばどこに異論がございましょう。そういうときにこそまた出動が可能なような状態にはっきりとした任務明確化というふうな面を含めてのお考えはいかがでございましょうか。
#139
○国務大臣(井上孝君) きょう先生から御質問を通告いただきました南関東地域震災応急対策活動要領から始めて、自衛隊の出動が、派遣計画ができておるということを私御答弁申し上げようと思ってここへ来たのでありますが、ただいまの先生の鋭い御質問で、私はこの答弁はやめます。そして、印刷にしたもの書いたものを信用しないで、やはり実物に当たってみる。できれば、毎年やっております九月一日の防災の日、このときに全省庁が訓練をするわけですが、あれも何だがもう毎年同じようなことをやっているんじゃないかなという、今先生の御質問聞いていてそういう感じがいたしました。
 ああいう際に、防衛庁なら防衛庁の方の体制は一体どうなっているのかというのを和しっかり見届けてみたいと、そういう今つもりで先生の鋭い御質問伺っておりましたことを申し上げて、答弁にかえさせていただきたいと思います。
#140
○常松克安君 じゃ、角度を変えまして建設省にお伺いいたします。
 いろいろ対策ございましょうけれども、過日、高速道路上における救急医療という問題が非常に欠陥これあり。これに対して建設大臣は、大いに各省庁にまたがることであろうとも私みずから汗をかいて抜本的にこれを立て直していきたいというような御答弁をいただきましたが、特にこの災害におけるところのグレーゾーンは、高速道路上における問題は非常に困難をきわめると思うんですが、今のところどういうふうに対策を想定していらっしゃるかお願いいたします。
#141
○説明員(大石久和君) 地震等の災害時に高速道路等におきます安全対策につきましては、まず道路構造物そのものが安全であるというのが第一と考えておりまして、関東大震災のようなまれな地震に対しても落橋等が生じないということが対策の基本だろうと思っております。また、そのような設計をしておりましてもチェックが重要でございまして、昭和四十六年のロサンゼルス地震を契機といたしまして、その後定期的に構造物の震災点検を続けております。
 その中で、そのときどきの地震被害の状況に応じまして点検の項目や対象を拡充しております。例えば、釧路沖地震につきましても直ちに全国的な盛り土の緊急点検を実施する等努力を続けておるところでございますが、構造物がそのように安全でありましても、地震等が起こりますと高速道路上等で事故が発生する場合がございます。御指摘のとおりでございます。そういう場合には、人命救助の観点から負傷者を速やかに救出するというのが対策の第一かと思います。そのために例えば首都高速道路におきましては緊急避難用の非常口を、例えばトンネル部におきましては四百メートルに一カ所、高架部におきましては一キロメートルに一カ所、あるいは高速自動車国道におきましては緊急開口部、これは救急車の出入り等のための出入り口でございますが、こういったものを四、五キロに一カ所等を整備しております。
 先ほど御指摘がございましたように、建設省が汗をかいて努力するという建設大臣の答弁も受けまして、現在高速自動車国道等につきましては救急業務検討委員会のようなものを構想いたしまして、そのための検討をしたいという準備を進めておるところでございます。
#142
○常松克安君 通産省、お待たせいたしました。
 まず、これは質問といいますよりもお教え願いたい点であります。
 地震が起きた場合に、一番コンピューター社会にありますところの問題点は、どうしても電源が下がりますとコンピューターがストップしてしまう、非常にデリケートに作用してしまう、よって各大企業においてはCVCFなる装置をつけてそれに対応いたしておる、こういうようなことでありますけれども、これに対して電力会社はいろいろとお立てになっているんでしょうけれども、なお一層のこの対応というものをお考えいただきたい、こう思います。
 これにあわせて、ガスの方にっきましてもお見事に東京都内におきましては百ブロックに分け、震度約五というものが出ればその元日が震災に微妙に反応してストップしてしまう、こういうふうなことのような百ブロック体制をおしきになっていらっしゃることも現場に行って目の当たりにしてまいりました。
 がしかし、なかなかこれはそれだけじゃなくて、東京都というのはモグラみたいなものでございまして、いろいろな地下三十メートル、百メートル穴を掘って掘って掘りまくっておるものですからどこでどういうふうに、この問題は安全と承知があったとしてもそれ以外のところで微妙にこれは影響し、ガス爆発的なものがあれば地域住民の皆さんも一番心配をいたすことでありますから、なお一層の今後の特段の、遮断というものがありましたならば、特に我が床の間の下をガス管が、三十年、三十五年、四十年前の管が通っておるということを承知して寝ている人は一人もいないわけであります。
 現実はそういうふうになっておるんですから、そういうことになってくるとなおのこと目に映らないところの対策でありますから、その辺のところをよろしく対応策というものをなお一層努力していただきたい、こういうふうな御要望をいたしまして、質問時間が参りましたので、これで終わります。
#143
○江本孟紀君 それでは、私は災害対策の取り組みに関連して二、三質問をさせていただきます。
 多少重複するかとは思いますけれども、やはり一番怖いのは、怖いというよりも知りたいということが一つあるんですけれども、これは地震の予知の問題です。今常松先生は起きた後の話をされておりましたけれども、それができたら先にわかっておれば一番いいかなと大概の人がそう思っておるわけです。
 そこで、地震予知に関する体制についていろんな省庁で大変な数の中で寄ってたかって何とかしようというふうな研究をされておると思いますけれども、それぞれのデータなどはどのように集まって解析され、どこで予知の判断をしているのか。それからまた、地震予知観測網のオンライン、リアルタイム化が対東海地震以外の観測強化地域や特定観測地域でいつごろまでに図られる見通しか科学技術庁並びに気象庁にお伺いしたいと思います。
#144
○説明員(葉賀史君) 御説明申し上げます。
 地震は、御承知のとおり、発生しますと社会的、経済的に大きな影響を与えるものでして、地震国である我が国としまして地震の予知は重要な課題でございます。しかし、先生御指摘のとおり、東海地震と言われております地震以外につきましては地震の発生の場所が地下の深部であるということから、その予知につきましては現在の科学技術水準をもってしましても非常に難しい問題でございます。
 政府としましては、現在測地学審議会の建議しました第六次地震予知計画の趣旨に沿いまして、地震予知推進本部を通じまして、気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所などの政府関係機関及び国立大学が緊密な連携のもとに、微小地震観測、大中小地震観測、地殻変動等の観測等を、地震予知のための観測研究を全国的に実施しているところでございます。これらの観測データにっきましては、地震についての我が国の権威であります専門家によって構成されています地震予知連絡会に集中されまして総合的な判断がなされているところでございます。
 また、地震発生メカニズムが明らかになっております東海地震につきましては、関係機関の地震、地殻変動等のデータが気象庁に集中されていまして、常時監視がされておるところであります。地震防災対策強化地域判定会により大規模地震の発生のおそれについての判定が行われるということになっております。
#145
○説明員(森俊雄君) 気象庁の地震観測体制等について御説明させていただきます。
 気象庁では、今御説明がございましたけれども、測地学審議会が建議いたしました地震予知計画に従いまして日本全国の大中小地震の観測をしております。特に東海地震につきましては、東海地域及びその周辺地域に体積ひずみ計や海底地震計等を整備いたしましたほかに、大学関係機関等の協力を得まして百三十三項目の観測データを気象庁にテレメーターしております。これらのデータを迅速かつ総合的に処理するために、地震活動等総合監視システム、通称エポスと呼んでおりますけれども、そういう整備を行いまして東海地震の直前短期予知のための常時監視システムを強化しております。
 なお、この地震活動等総合監視システムにつきましては、平成五、六年度をかけましてシステムの改良、更新を計画しているところでございます。
 もし、これらの集中しておりますデータに異常が発見された場合には直ちに地震予知の専門学者から成ります地震防災対策強化地域判定会を招集いたしまして、大規模な地震に結びつくと判断された場合には内閣総理大臣に地震予知情報を報告するようになってございます。
 今後とも、関係機関と連携を密にしつつ、観測・監視を行ってまいりたいと存じております。
 以上でございます。
#146
○江本孟紀君 今の御説明でもわかるんですけれども、東海地震以外は実際にはかなり不可能に近いということでございますね。
 それでは、そのために予知に関する研究というのはいつごろ大体南関東やそれから特定観測地域での予知が可能になるのか、それからそのための予算はどれぐらいのものが必要なのか、その見通しについて科学技術庁にお聞きしたいと思います。
#147
○説明員(葉賀史君) 地震の予知の見通し、研究がいつできるか、実用化がいつできるかということでございますが、非常に地震の予知は難しゅうございまして、地震現象がいわゆる地域性がある、前兆現象が複雑だということで一概にいつだと言うことはできませんで、今一生懸命研究を続けている段階でございます。
 我々としまして研究のために、ただ南関東におきましては防災科学技術研究所におきましては深井戸といいますか三千メートル級の観測井を三カ所設けて研究をやっておりましたが、それの研究成果からさらにもう一本三千メートル級のものを設置し、首都圏における観測の非常に難しい状況におきまして、できるだけ予知につながるよう研究の推進と研究施設の整備に努めているところでございます。
 非常にいつかということはなかなか難しい状況で、ただ一生懸命やらせていただいております。
#148
○江本孟紀君 我々一般人も多くの人が予知は難しいというふうに思っておりますので、非常に難しいということをもっとちゃんと言った方がいいと思います。その方が、突然起きてもやはりそれまでにいろんな対応というか自分で心構えというのがあると思います。
 それから、今言われましたように、予知技術の導入として最近では人工衛星とかそれからハイテクの活用というのが非常に注目をされておりますけれども、以前にちょっと聞いたところではナマズの研究とかというのがありましたけれども、あれは今どうなっているんでしょうか。僕の記憶だと、たしかあれはなくなったというような記憶があるんですけれども。
 それから、先日災害対策で釧路へ行ったときにたまたまタンチョウヅルの公園に行ったんですけれども、地震の起きる前にはツルは食いだめをするそうですね。それから、そのそばにエゾジカがいまして、エゾジカは普通は地震とか何か災害が起きるときというのは自然に安全な場所に移動する。そのときも釧路で飼っている何百頭かのエゾジカが、普通はクマの道といって大体クマの通る道のところには行かないそうですけれども、そこにもうほとんど移動していて、ふだんいるところには全くいなかったというようなことをたまたま僕がついでにその公園に行ったときに園長さんが説明してくれました。
 これはそう考えてみると、人間の力よりも動物の方が何か予知する能力があるのかなというふうに思うこともあるんですけれども、いろんな方法で予知技術というのを高めていただきたいと思います。
 次の質問ですけれども、一説にはマグニチュード六以上の東京圏の直下地震というのは十年以内に四〇%の確率で来るんじゃないかと言われておりますけれども、そこまで高い確率が予想されるのであればもっと地震に対する調査や分析データを広く国民に公開して、中期的兆候があらわれた場合と、それから短期的、また直前の兆候があらわれたときの対処の仕方を状況別にマニュアル化して、注意報や警戒宣言に対して冷静に国民が対処できる訓練を日ごろから講じておくべきだと考えますけれども、国土庁長官、お願いしたいと思います。
#149
○政府委員(黒川弘君) 今それぞれの予知あるいは研究の段階でいろいろ行政的な対応をすべきだという御指摘でございます。
 これにつきましては、例えば東海地震の場合は正式な予知情報というのを気象庁長官に判断していただいて総理大臣に御連絡がある。それから、具体的に行政が対応するということでございますが、行政が具体的に対応いたします場合にはやっぱり中身がこういうことだという明確な内容の明示のもとに御連絡いただくといろんな対応ができるのでございますが、学者の先生方がいろんなことをおっしゃっているという段階でなかなか動けないことがございます。
 ただ、そうは申しましても、やはり地震に対する一番重要なことは備えをしていくということでございます。これは行政も対応でございますし住民の方々にも、例えば本当に起こった場合には自分の身を守っていただいて、また火をすぐ消していただく。そこのところで相当な結果が出るわけでございますので、そういったことを含めまして、住民の方々にも参加していただいた避難訓練等を通じまして具体的にそういったことについては従来にも増して対応してまいりたいと考えております。
#150
○江本孟紀君 ことしは国際防災の十年の四年目に当たりますけれども、大災害時に救援医療や復旧、それから二次災害の防止など人的国際貢献がタイムリーに行われるよう、昨年のインドネシアのフロレス地震の教訓も踏まえまして関係諸国と相互主義に基づく救援活動の事前協定を締結していくべきだと考えますが、外務省の所見をお伺いしたいと思います。
#151
○説明員(設楽清君) お答え申し上げます。
 我が国が、海外で大規模な災害が発生いたしました場合には被災国政府もしくは国際機関の要請に基づいて国際緊急援助隊を派遣する体制をとっているわけでございますけれども、これは被災国政府あるいは国際機関等と協力いたしまして被災国の真の需要に直結した援助を行うためには、我が国独自の判断で援助を行うよりも被災国政府等の要請に応じまして援助を行う方がより効果的であるというふうに考えられるためでございます。
 従来から災害緊急援助のために、海外、特に開発途上国に人員を派遣しております重立った欧米の諸国におきましても我が国と同様、基本的には災害発生の都度被災国政府等の要請に基づいて当該人員を派遣しているものと承知いたしております。
 事前に各国と二国間協定を締結し、これをもとに各国政府の要請なしに援助隊を派遣するということは、さきに申し上げましたとおり、被災国の真の需要に直結した援助を行うという観点からいたしますと必ずしも好ましいとは考えられないというふうに認識しております。
 また、我が国は要請の発出を拱手傍観しているわけではございませんで、海外におきまして大規模な災害が発生いたしました場合には被災国政府に援助隊を派遣する用意がある旨を伝えまして、要請の有無を積極的に確認しているところでございまして、要請がある場合には迅速に援助隊を派遣する等、現在の体制のもとで的確に対応しているというところでございまして、この点は各国よりも高い評価を得ていると認識しております。
 政府といたしましては、今後とも、国際緊急援助隊の迅速かつ効果的な派遣に鋭意努めてまいりたいと考えております。
#152
○江本孟紀君 確かに、相手から要請されて行くというのはいいんですけれども、例えば新聞に書いてあったんですけれども、災害による負傷者に対する救援、医療活動は最初の四日間が勝負であると言われております。閉じ込められた生存者の九五%以上は二日以内に救出され、四日目以降新たな負傷者が救出されることはまれであるということですから、災害が起きたときには大混乱していて、わざわざいろんな国へ早く来てくれなんていって連絡をするような落ちついた状態ではないと思うんですね。
 だから、そういうときには勝手に行けるぐらいの相互救援活動といいますか相互主義に基づく救援活動というのができるような事前協定というものを結んだらどうかなということで一つ言わせていただきました。
 次に、雲仙の問題ですけれども、雲仙の噴火に伴う住民の精神的な被災というのは非常にはかり知れないものがあると思います。
 去年、僕も十月ごろに個人的に雲仙に行ってまいりましたけれども、ちょうど参議院議員になりたてでお金もなかったものですから寄附をほとんどしなかったんですけれども、何かできることはないかということで当時のひげの市長さんに話したら、まあ野球教室でもやってくれと言われて、子供を集めてどこか講堂というか建物の中で野球教室をしてあげたんです。
 私は、先ほど雲仙の災害援助ということでいろんな援助をされていることをお聞きしましたけれども、それだけではなくて、例えばいろんなスポーツ企画だとかイベントだとか、そういったことによっての精神的な援助というものを雲仙の方々にもしてあげたらどうかなと。島原は昔は西鉄ライオンズというチームがキャンプを張っておるという、非常に気候の温暖なすばらしいところです。ことしの春先もわざわざ韓国のピングレというプロ野球のチームが来てキャンプをして、それは韓国のプロ野球チームも島原の雲仙を何とかもう一つ世間にアピールしようというような心遣いもあってキャンプ地を選んできたわけですね。
 そういう貢献の仕方もしておりますので、何かそういったメンタル的な部分での救援といったものを企画されてはどうかということで、その辺を国土庁長官にお伺いしたいと思います。
#153
○国務大臣(井上孝君) 雲仙・普賢岳の災害はこんなに長く続くとは私ども思っておりませんでした。
 確かに、おととし、被災直後私参りましたけれども、もう打ちひしがれておって、体育館に集団でごろ寝で避難しているというような状況から、この一月の二十一日に二度目行ってまいりましたが、そのときはちょうど山がおさまりかけておったせいもございますけれども、大分住民の方々に希望がわいてきたな、再建復興への気持ちが高くなってきたなという印象を受けて帰ってまいりました。
 残念ながら、また二月に入って山が荒れ出しておるわけでございますが、私どもとかく救援とか避難とかそういうハード面ばかり考えますが、今江本さんおっしゃいましたような精神面の問題もこれは取り上げていかなきゃいかぬなと、大変私は虚をつかれた御質問のような気がいたしました。やはり人心の安定というのが大切でございますし、特に子供たちが希望を持てるような雰囲気にしなきゃいかぬということを痛切に考えております。
 ただ、せっかくの御質問でございましたので調べてみましたら、例の雲仙岳災害対策基金というこの基金の助成を得て、昨年ですか一九九二年、グレッグ・レモン・スーパーチャレンジ島原大会、何か自転車レースのような、これも基金の助成でやったそうですし、ふるさとまつりイン島原というようなものも現地でおやりになった。それから、今もおっしゃいましたが、韓国からわざわざプロ野球がキャンプに来てくれた、こういうようなことを非常に地元では喜んでおるようでございます。また地元とも相談をして、こういった面でも手を打っていきたいなと思っております。
 どうか江本さん、その辺非常に該博な知識をお持ちですから、何かいいアイデアがあれば御提案くだされば、私ども現地と相談したいと思います。
 ありがとうございました。
#154
○林紀子君 私は、まず急傾斜地崩壊対策事業についてお伺いしたいと思います。
 建設省では九三年度から第三次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画をスタートさせましたね。制度発足から二十五年たって、整備の進捗状況というのが二二%、百五十万人の人々に恩恵があるという状況で、八割は未着手でまだまだ多くの国民ががけ崩れの災害の危険にさらされているわけです。
 そこで、第三次ではがけ崩れ危険箇所およそ八万二千カ所、六百万人の方々が生活しているということですが、これをどれだけ整備する計画かというのを初めにお聞かせいただきたいと思います。
#155
○説明員(瀬尾克美君) 急傾斜地の崩壊、いわゆるがけ崩れ災害でございますが、これにつきましては昭和四十二年から工事をやっております。それで、ただいま御指摘がありましたように、第三次の五カ年計画、これをことしの一月に閣議了解を得たところでございます。
 これによりますと、現在平成四年度末で整備率が実は二二%です。非常に低い数字であるわけでありますが、これを第三次におきましては三〇%まで引き上げたい、こう思っております。投資金額は、一応平成九年度まで五カ年で一兆一千五百億円、こういう規模でございます。
#156
○林紀子君 建設省では九一年の十二月二十五日付で急傾斜地崩壊対策事業に関する受益者負担金標準条例案というのを各都道府県に示したそうですが、これはどういうものでしょうか。
#157
○説明員(瀬尾克美君) 急傾斜地崩壊対策事業は、がけ崩れ災害の頻繁にかんがみまして四十二年から予算は予算補助としてやりましたけれども、法律といたしましては昭和四十四年に急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、非常に長いんですが、これは以下ちょっと急傾斜地法と呼ばさせていただきます。これで実施してきているところであります。
 この法律によりますと、第二十三条の第一項に、いわゆる受益者負担金を徴することができるという項目がございます。この受益者負担金を徴するためには、同条の第二項によりまして徴収する場合には、徴収を受ける者の範囲とか徴収方法について条例で定めるというふうに規定がされているところであります。
 それで、基本的には都道府県が法律の趣旨を踏まえまして、そして条例を制定するものでありますが、条例制定の促進を図るということ並びにモデル的な条例の案の提示の要望がございましたところから、一応標準条例案というものを出して、そして作成させていただいたというものでございます。
 それで、この条例の案の内容でございますが、ただいまその法によりまして受益者の範囲、それから負担金の総額、各受益者の負担金の額、負担金の賦課及び徴収、それから負担金の免除及び減免等、こういうものについて標準的な考え方を示しておる、こういうものでございます。
#158
○林紀子君 今お話を伺ったところによりますと、ですから受益者に負担を求める、そういうモデル条例案ということになるんだと思うんですけれども、どうして二十五年もたった今、改めてこのように受益者に負担を求めるということを言い出したのでしょうか。
#159
○説明員(瀬尾克美君) この急傾斜地法におきましては、第二十三条第一項によりまして受益者負担金が徴収できるということで、既に個人からの負担というのは実質取っておるところもあります。ただ、それが各県非常にばらばらであります。そして、なおかつ条例が制定されないままに一応取られている、こういう実態があるわけであります。
 それで、今回ちょうどこの事業が始まりまして約二十数年になるわけでありますが、そこでだんだんいろいろその事業の性格もはっきりしてきたということもありまして、そういった各県統一できていないようなところにつきましてこの際しっかりと標準的なものを定めよう、こういうことで今回こういう通達という形になったわけであります。
#160
○林紀子君 今取っているところ取っていないところ、個人の負担ですね、あるというお話ですけれども、今個人に負担を求めている自治体というのは割合としてどのくらいあるわけでしょうか。
#161
○説明員(瀬尾克美君) これは年によって多少変わっておりますが、個人が受益者として負担金の一部を負担しているといいますのは、実施しております市町村の数にいたしまして大体約千百市町村ございますが、そのうちの約四分の一程度ということでございます。
#162
○林紀子君 私が住んでおりますのは広島県なんですが、広島県というのはがけ崩れの危険箇所が全国一多いと言われているところなんです。広島県では建設事業負担金条例というものに基づいて河川などと同様に市町村に負担をさせているという状況なんです。
 私は、先日呉市に行きまして現地も見てまいりました。一九六七年の集中豪雨によるがけ崩れで八十八人が死亡した、こういう呉市では現在七百二十カ所の危険箇所のうち既に六八%工事を進めている。ですから、二二%の国の割合から見ますと随分進んでいるわけですけれども、この県条例に基づいて受益者負担というのはすべて市が負担しているわけですね。また、国庫補助事業に該当しない箇所については県の事業として二分の一補助を行っている。また、呉市単独で急傾斜地復旧整備融資五十万円から三百万円というものを用意して手当てをしている。まさに、呉市では市政の中心的な施策になっているわけです。
 こうした中で、建設省のモデル条例案に基づいて危険箇所に住んでいる市民から受益者負担だということで新たに負担をしてもらう、こういうことはもう到底できない、もう二十五年もたっているのにと、こういうことが市の担当者の話だったわけです。建設省のモデル条例案によって新たに受益者負担ということで個人に負担を求めるようなことになりますと、整備がさらにおくれてしまうというおそれもあるんじゃないかと思うわけです。
 ですから、もう既に二十五年もたっているわけですから、このモデル条例案を各都道府県に押しつけて、今になって個人の負担を取るというようなことをするべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#163
○説明員(瀬尾克美君) 受益者と言われますのは、この急傾斜地法によりますならば、特に「都道府県営工事により著しく利益を受ける者」と、こういうふうに規定されておるわけでございます。それで、この法律の趣旨からいたしますと個人がそれに当たるという形で解釈がされているところでございます。
 ただしかし、ただいま先生がおっしゃいました各県での事情というのはそれぞれに違っております。それで、現在はこの標準条例案を一応出してはおりますが、これは各県でそのときの事情、歴史、いろいろございます。現在検討してもらっておる段階でございます。
 それで、これの結果をもちまして、今後とも公平で適正な負担になるように各関係の省庁と連携あるいは調整をとりまして受益者負担金の制度を進めていこう、そして急傾斜地事業の一層の促進が図れますように、さらに地域の住民の方々が魅力ある事業というふうに思っていただけるような形でさらに工夫をし検討をこれからしていこう、こういうふうに思っておるわけでございます。
#164
○林紀子君 そうしますと、それぞれの県によって今までの経過もあるから必ずしも個人負担にはならないんだというふうに承ってよろしいわけですね。
#165
○説明員(瀬尾克美君) その検討の結果がどういう形になるかによりまして各関係の省庁ともしっかりと協議をしていきたい、こう思っております。
#166
○林紀子君 見てまいりました呉市では、二十年前に着工したところというのは既にまたそこがひびが入って再び補修をしなければいけない、そういうような状況にもなっています。また、斜面問題懇談会というのをやって、その傾斜地というのも緑の斜面空間とする。環境ということも考えて、そういう美観的なことも考えてそういうふうにやっていった方がいいというような話も出ているということも聞きまして、呉でも実際にただコンクリートで塗り固められただけではなくて、その間に緑を入れるような工夫もされているところも見てまいりました。
 しかし、そうなりますと費用の方はさらに倍ぐらいかかるというお話も聞きましたし、大きな斜面というのはそれだけまた費用も大変かかるということで、やはり個人の負担の状況というのを超えているものじゃないかと思うわけですね。
 そこで、国土庁長官にお伺いしたいんですけれども、先ほど、二十数年かかって二二%の進捗率、これから五年かかって八%伸ばそうかということなわけですから、この状況でいきますとまだ七十年か八十年は全傾斜地をカバーするにはかかるということになると思うわけですね。今政府は総合的な経済対策に取り組もうとしているわけですけれども、がけ崩れ対策など防災対策にかかわる公共事業というところにこそ大幅な予算を確保して投資が必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#167
○国務大臣(井上孝君) 一口で申し上げると、仰せのとおりでございます。
 ただ、全国にたくさんまだ残っております急傾斜地で危険な箇所、やはり優先順位をつけて、それぞれ建設省あるいは府県で実施いたしておりますので、まああとは予算でございます。国土庁は別に予算を持っておりませんけれども、仰せのとおりのことでございますから、予算折衝の際には建設省を応援すると言うと建設省からしかられるかもしれませんが、私も応援をさせていただきたいと思っております。
#168
○林紀子君 くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
 今までいろいろな方から御質問がありましたけれども、私も雲仙・普賢岳の復興について質問させていただきたいと思います。
 復興対策に関しましては、二月に島原市で復興基本構想が明らかにされました。また土石流対策としましては、先ほど来お話がありましたが、導流堤の計画が進められている、約一千億円をかけた国の直轄事業ですね。しかし、この進行がおくれているのではないかという話も聞いているわけですが、この進行状況にっきましては先ほどのお答えの中で私も聞かせていただきました。
 しかし、住民の方々から導流堤に対して本当に安全なのかといった不安の声があるというんですね。計画全体が論議されないまま計画が進行されている。住民の間でも計画に不安がある中で、土地を売るか売らないかと、そういう話だけになっていて住民はわだかまりを持っている、こういう声もあるそうですが、今進行がおくれているという原因の一つにこの辺があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#169
○説明員(大久保駿君) 現在、砂防基本計画構想に基づきまして準備を進めているところでございますが、一つには警戒区域が設定されている区間がまだございまして、その区域にっきましては現地での測量はできないという実態がございます。
 さらに、国道五十七号から下流の区間につきましては現在は警戒区域から外れておりますけれども、したがいまして導流堤の施設設計は終了しておりますけれども、それまでの間やはりその区域も警戒区域に入っておりました。そういうことで現地での測量等はできなかったということで、多少のおくれといいますか少し時間がかかっているという実態でございます。
#170
○林紀子君 現地の方々からは、なるほど計画は立派だ、しかし私たちの意向が反映されていない、こういう声があるということです。
 一番地元中の地元である安中地区町内会連絡協議会が行った土石流対策に関するアンケート、これでは、今回の計画では恒久的な土石流対策は不十分じゃないか、こういうふうに答えた住民が七三・五%に上る、導流堤よりも安全性が高いとして流路工の建設を求める声が数多く寄せられているということですね。
 島原市がつくりましたこの復興基本計画によりましても、遊砂地の連続化などによる流路形成を関係機関に働きかけます、水無川の強化、堤防のかさ上げや川底の掘削などを働きかけますと、こういうことが緊急土石流対策の中には掲げられているわけですね。しかし、国は、実験の結果はこちらの方がベターだということで導流堤の計画を進行させている。どうも国と市がばらばらなんじゃないかという印象を受けるわけです。
 さきの市議会で吉岡市長は、建設省の雲仙復興工事事務所が開設されたのに伴って、国、県、市の三者で話し合いの場、協議機関の設置を国や県に働きかけていきたいというふうにおっしゃっているということですけれども、この雲仙復興工事事務所の設置に伴って、こういうことを考えていらっしゃるのでしょうか。
#171
○説明員(大久保駿君) 先生御指摘のとおり、雲仙復興工事事務所はこの四月に現地に設置いたしました。現地に事務所を設置いたしますと、当然ながら地元に密着した仕事ができるようにという効果が期待できるわけでございます。私どもの仕事を進める上に当たりまして、当然用地の問題、それから設置いたします砂防設備の問題、種々ございまして、当然ながら地元、県の機関あるいは市、町の機関、地域の方々と密接な連携をとりつつ仕事を進めていきたい、こういうふうに考えております。
 それから、御指摘の島原市長が市議会で協議機関を設置したいという意向を示したということも聞いております。私どもも仕事を進める上でそういう協議する場があるというのは非常にいいというふうに考えておりまして、島原市、町と連携をとりつつ、そういう協議機関が設置されれば当然ながら積極的に参加しまして仕事がうまくいくように進めてまいりたい、こう考えております。
#172
○林紀子君 積極的なお答えだったわけですけれども、最後に長官にお聞きしたいんですが、今土石流対策の問題で建設省にはお伺いしたわけですけれども、これだけ災害が長期化している、そういう中ではまだこういう状況の普賢岳とおつき合いをしながら復興の対策を進めていかなくちゃいけないというところはあると思うわけですね。
 そうしますと、建設省サイドの問題だけではなくて、先ほど来いろいろ御論議がありましたけれども、農業問題にしましても商業問題にしましても、また住環境の問題などにいたしましても同じようなことがあると思うんですね。そういうことで、この復興対策はぜひ国や県や市と連携して住民の皆さんの声を本当に反映させる施策、そういうものを検討する場、名前は協議会でも何でもいいわけですけれども、そういうものをつくるために国土庁が、先ほど各省庁の足並みをそろえるために国土庁がリーダーシップをとるというふうに最初におっしゃってくださったわけですが、政府間の各省庁だけではなくて地元の住民の声を本当に吹い上げる場といいますか国、県、市が一体となったそうした場を考えていくというふうな音頭をとっていただけないかということですが、それはいかがでしょうか。
#173
○国務大臣(井上孝君) この雲仙・普賢岳の対策につきましては、もう何遍も御説明申し上げておりますように、各関係省庁挙げて真剣に取り組んでおります。
 ただ、こんなに長くかかるとは思っていなかったわけでございますが、いずれにしても二十一分野九十四項目について、しかもこれをつくるときには県や市、町と十分相談をしてつくり上げてきましたので、今まで県、市、町と国とがパイプが詰まっていたというようなことは一切ないと私は信じております。しかも、今度は国がみずから現地で仕事をしようということで建設省が雲仙復興工事事務所というのをつくりましたから、今度はもう具体的な問題について地元でも県、市、町、それと国の機関と十分協議をしていくと思っております。
 したがいまして、特別に県と市、町、国の協議機関をさらにつくるというようなことは今考えておりません。何か支障があれば必要が出てくるかもしれませんが、ただいまのところは考えておりません。
#174
○乾晴美君 きょうは林野をめぐる現状についてお伺いしたいと思います。
 まず、現在どれくらいの人が林業に従事しているのでしょうか、最近の十年間での動向もあわせ
てお教えいただきたいと思います。
#175
○説明員(関川和孝君) 我が国の林業就業者につきましては、最近におきます林業の採算性の低下でございますとか山村の過疎化の進行等を反映いたしまして大幅に減少しでございます。昭和五十五年には十七万人でございましたけれども、平成二年には十一万人と、十年間で三分の二に減少しております。
#176
○乾晴美君 その中で新規学卒の就業者は、ここ数年どれくらいの数になりますでしょうか。
#177
○説明員(関川和孝君) 新規学卒の就業者につきましても減少傾向にございまして、最近で言いますと年間約二百人程度ということになっております。
#178
○乾晴美君 それでは五十歳以上の就業者の占める割合はどれぐらいでしょう。
#179
○説明員(関川和孝君) 五十歳以上の割合も六八%に達するということで、高齢化も著しく進行してございます。
#180
○乾晴美君 私の地元の徳島県でも非常に林業の担い手というのは減少しているわけでございます。
 その結果、森林が非常に荒れまして山火事が懸念されるというような状況もあるわけでして、災害の発生する前にこういった災害予防対策というのが行われなければならないというふうに思うわけなんですが、林業というか森林の管理、それはいろいろあると思いますし大切なことはおわかりだと思いますけれども、植えつけだとか下刈りだとかつる刈りとか除伐というんですか、そういったものの育成だとか間伐とか、そういった適切な伐採の実施などが不可欠じゃないかと思うんですけれども、こういったことで政府は森林管理というのをどのようにお考えでありましょうか。
#181
○説明員(伴次雄君) 先生、今指摘いただいたところでございますが、森林というのは非常に国土の保全なり水源涵養なりいろいろな面で重要なものであるというような認識に立っておりまして、森林の整備というものを林政の重要な課題として認識しているところであります。
 そのような考え方から、従来からも公共事業を中心に造林、それから林道、そういうものの整備を進めまして健全な森林を整備していくということに鋭意努めているところでございます。
#182
○乾晴美君 それでは次に、我が国の林野の火災についてちょっと調べさせていただきますと、平成三年は出火件数が二千五百三十五件ということで、前年度の平成二年の二千八百五十八件よりは件数は減っているんです。しかし、その焼損面積といいましょうか、そういった面積が二千七百三十九ヘクタールということで平成二年の一千三百三十三ヘクタールよりも多くなっているわけです。ですから、損害額も平成二年は五億何ぼだったんだけれども、平成三年は六億三千万円というようにそれぞれ前年に比べて増加しているわけなんです。
 その主な原因を調べてみますと火の不始末ということが一番大きいんですけれども、その背景として十分な森林管理が行われていないのではないかという、そういう実態が拍車をかけているんじゃないかと思われるわけです。
 我が徳島県もどうなっているかなと調べさせていただきましたら、平成元年の出火件数が二十六件なんです。焼失面積が三百五十一アールであったんですけれども、これが平成三年には出火件数が十六件ということで十件減っているわけなんです。そうだけれども、焼失面積が三千二百六十七アールと約十倍になっているわけなんです、焼けたところが。
 そういうことになっておりますので、これは十分な森林管理が行われていないという上に初期消火が不十分だったのではないかと思ったりもするわけです。そのほかにもいろいろ要因があると思いますが、こういった実態の要因はどのように分析されますでしょうか、把握されておられますでしょうか。
#183
○説明員(後藤武夫君) 林野火災の発生につきましては近年は減少傾向にあったわけでございますが、先生御指摘のとおり、平成二年から平成三年度にかけてこれは全国的にふえております。
 この主な現象は、特に北海道、それから福岡における原野の大規模な焼失、それから茨城県の日立市における火災等によるものでございます。これら林野火災の主な原因は、先生御指摘のとおり、たき火の不始末とかたばこの投げ捨てなどによるものでございます。
 林野火災対策といたしまして、林野庁では消防庁と密接な連携をとりながら、一つといたしましては先ほど言いましたように、全国山火事予防運動ということを実施しまして防火思想の普及啓発をまず重点にやっております。それから二つ目といたしまして緑のレンジャーによります森林パトロールの実施、それから三つ目といたしましては航空機による空中巡視、それから林野火災の予防組織の育成、初期消火機材の配置ということをやっております。それから、四番目といたしましては地域住民等による自主的な予防活動の推進等を実施しておるわけでございます。また、機動的な消火活動や延焼防止に効果のございます防火林道、それから防火森林の整備等も実施しているところでございます。
 今後とも、林野庁といたしましてはこれら対策の推進を通じて林野火災の被害の復旧に努めてまいりたいと存じております。
#184
○乾晴美君 平成五年度の予算を見せていただきましたら、こういった林野の火災対策として林野火災予防対策事業費というのが六千九百三十九万六千円ということで、防火林道の整備事業費が十億四千六百万円、それから防火森林の整備事業費が四千三百五十万円というように計上されているわけなんですが、そういうことですべてのこういった事業を講ずるのに十分なんでしょうか。もうこれでいいんだというふうにお考えなんでしょうか。そこら辺を聞かせていただきたいと思います。
#185
○説明員(後藤武夫君) 先生御指摘の今の予算でございますが、それに加えまして国営森林保険の山火事予防対策事業、それから国有林野事業にも国有林防火対策総合事業、これら全部合わせまして大体二十二億の予算でやっております。
 もちろん、もう万全の十分ということではございませんが、私ども来年度に向けてまた予算の確保に努めてまいりたいと存じております。
#186
○乾晴美君 さらに、林業就業者が減少しているわけなんで、もうこれは何としても強力な担い手確保対策というのが要るのではないかと思うんです。
 先ほど教えていただいた中で、地域の住民の方々の応援も頼むんだというんですけれども、消防団員だとか女子労働力を投入しても適正なそういった森林の管理は追いつかないのではないかというように思うわけです。
 それで、災害を未然に防ぐためにも強力な担い手確保というのが大事だと思うんですが、そこら辺は、担い手についてはどのようにお考えでしょう。
#187
○説明員(関川和孝君) 御指摘のとおり、林業の担い手を育成確保するということは適正な森林を管理していくという面からも極めて重要な課題でございます。
 このため、林業事業体の体質強化でございますとかあるいは高性能林業機械の導入促進あるいは就労条件の改善、労働環境の改善等を重点とした諸施策を講じておるところでございますけれども、特に平成五年度におきましてはこれまでの施策に加えまして青年林業者等育成確保資金などの創設を内容とする法制度の改正でございますとかあるいは流域単位に林業事業体の体質強化等を図るための林業担い生育成強化総合対策を実施するとか、あるいは関係省庁の御協力も得まして森林整備の担い手対策のための基金の造成という地財措置等の各般の施策を講ずることとしているところでございます。また、あわせて労働基準法に林業を全面的に適用するという労働基準法の改正法案も現国会に提出されてございます。
 このような予算、金融、法制度等各般の施策を総合的に活用しながら確保を図ってまいりたい、こう考えております。
#188
○乾晴美君 昨日の毎日新聞の夕刊に、「ほっぷステップ」というのがあるんです。そこに私がきょう質問させていただきたいなと思うことが載っておりまして、やっぱり「今、日本の林業が危ない。」、そういうことを言っても、これは「酸性雨や乱伐採のせいではない。」、いわゆる「森林作業員といわれる人たちの絶対数不足が原因なのだ。」ということでるる書いてあるわけです。
 この中で、「週刊ビーイング」というようなのに、もっと森林組合に入ってくださいということを呼びかけましたら、Uターンの方とかIターンの方が来てくださった。そういう中で、「都会のホワイトカラー層をはじめ多種多様なキャリアの人たち」がやってきた。そういう中で「共通しているのは、ほとんどの人がこんな仕事があるなんて知らなかった」というふうなことなんです。
 ですから、今るる教えていただいた対策も講じると同時に、もっといろいろなところで、こういうすばらしい仕事があるんだということをPRもしていただきたいなというように思いますが、いかがでしょうか。
#189
○説明員(関川和孝君) 私もその記事を読ませていただきまして、なるほどなと思ったわけでございます。最近の経済情勢の変化もございまして、今までは林業労働力といいますとなかなか古いイメージがあったわけでございますけれども、最近はそういう変化の中で、こういった山の仕事も何か生きがいの一つとしてのかかわりで位置づけたいという方々も大分ふえているところでございます。
 そういった自然環境をめぐる状況、今のような動き等いろいろな面の変化がございますので、私どももいろいろな面でその担い手対策といったことを先ほど申し上げました対策ともども大事にしてまいりたいと考えております。
#190
○乾晴美君 森林は環境保全というような非常に多面的な機能を持っていると思います。今は森林の大切さというのが地球規模で語られたり、中でも地球サミットができるぐらい大きく取り上げられている問題だろうというように思うわけですね。そういうことにスポットが当たっているにもかかわらず、一方ではそういった林業就業者が減少していってしまうということなんです。
 これは、トータルな森林資源の活用というのは社会的な使命を負っておるというように私も思うわけなので、やはりそこら辺は森林の存在している上流地域の人だけがその森林の管理を任されるというような考え方ではなくて、やっぱり下流域の住民も、そしてまた自治体もさまざまな形で森林の管理に参加してもらって、もちろん資金面の協力、それから労働面での協力がなされるということで森林の適正な管理がなされていくのではなかろうかというように思うんです。
 こういった上流域と下流域の相互の協力による森林の管理の必要性について、政府はどのようにお考えでしょうか。
#191
○説明員(伴次雄君) 今先生から指摘があったとおりでございまして、非常に林業は収益性が低いということで、川上だけではとても難しい状況になってきておるというのが現実ではないかというふうに思っております。
 それで、林野庁としては、やはり下流の方からも支援をいただくというような仕組みを実は考えているところでございまして、平成三年度には森林法の一部を改正して森林整備協定ということで下流の方から負担していただきまして上流の森林の整備をするというようなあっせんの制度とかの法改正をしたところでございます。
 そのほかに、分収育林制度といいまして、上流の人が森林を造成する際に権利設定して資金を出資してもらって、収穫の際にある一定の案分で配分するというような先行投資的な、そういうような分収林の制度等を進めまして、やはり上流と下流が一体となって森林の整備を進めたいというように思っております。
#192
○乾晴美君 林野庁、ありがとうございました。
 私は、日本は火山国でございますので、雲仙・普賢岳の方の質問もさせていただきたいと思います。
 長官もおっしゃっていますように、こんなに異例の長期化だったと、こんなに長くかかると思わなかったということで、政府は先ほどからおっしゃっておりますように、二十一分野九十四項目にわたるいろいろな災害復旧のための施策をしているんだということなんですが、同僚議員もおっしゃいましたように、地元の人たちはそれで満足しているということでもないわけなんですね。
 そこら辺でやっぱり不安の大きいものは警戒区域ですね。そういった設定に伴うところの補償の問題があるのではないかというように思うわけです。前の島原市長さんも警戒区域の設定のときは非常に苦慮したというように言っているんです。これは設定が市町村長の判断に任されているんですけれども、設定に伴う損失補償の制度が整備されていない。ですから、設定するということに迷うということは当然だろうと思うんです。
 この設定によって、住民権を奪うばかりでなくて職業とか生活の糧を奪うことにもなるわけなんですが、そういうことを設定するということが結果的には人命を救うことにはなるんでしょうけれども、やっぱり損失補償の制度を整備することによってもっと迷わずに早期の設定がなされるのではないかというように思うわけです。ですから、人的損失も最小限にとどめられるという観点からも補償制度の整備について国土庁長官はどのように考えられておいででしょうか。
#193
○政府委員(黒川弘君) 警戒区域につきましては、六月三日の火砕流の後、島原市長、それから深江町長が災害対策基本法に基づきまして設定いたしました。その後、経緯を経まして、昨年の九月あるいは十二月に範囲としては五十七号より下流はなくするというようなことで狭まってきておりますけれども、所期の目的を達成いたしまして、非常にその結果、そういった火砕流などについての被害がないというのも事実でございます。
 確かに、市長さんあるいは町長さんがやられる場合にいろいろ御判断があろうかと思います。これにつきましては、実際にやる際は長崎県知事とかあるいは気象庁の雲仙岳の測候所長さんあるいは九州大学の島原地震火山観測所長さんなどといろんな協議をしてやっていただいておるわけでございますけれども、基本的には災害対策の防災面での基礎的な公共団体ということで市長さんにやっていただいて、実際の地域住民の生命、身体、財産を守っていただこうというのが法の趣旨でございます。
 その中で、先生御指摘の補償の問題でございますけれども、これについてはいろんな御意見が出ているわけではございます。この制度そのものはやはり住民の方々の生命、身体を守るという立場で具体的に地域を指定させていただいて、まさに身体、生命を守ろうということで、これ自身は土地の所有権の中の受忍すべき限界だというふうに認識して今まで対応してきているわけでございます。
 ただ、具体的にその方たちがいろんな生活再建をされる、あるいは生業対策をされる、あるいは住宅対策をされていることにつきましてはいろんな面から国、県、市等で対策を講じていき支援することは当然なのでございますけれども、そのこと自身についてはそういった考え方で対処させていただいているところでございます。
#194
○乾晴美君 やっぱり、その警戒区域の設定権というのを国が持つともっと皆さん助かるのではないかというように思うわけです。問題点はあるかと思いますけれども、今回のようにまた長期にわたるというようなことになりましたら、損失補償ぐらいは国の責任でできるようになったらいいのになというように思います。
 時間が来ましたので、最後に国土庁長官にお伺いしたいと思います。
 やっぱり、世界の中でも火山が一番多い日本の国ですから、この雲仙・普賢岳のようなことが起こらないということはないわけだと思います。いつ起こってもおかしくない状況だと思いますので、こういった雲仙・普賢岳の災害を教訓として今後どのような対策をしていくのかそしてまた私は早期にいろんなことを検討していただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#195
○国務大臣(井上孝君) 乾委員仰せのとおり、何か地球上に活火山は八百あるそうですが、そのうち八十ぐらいが日本にある、一割あるということでございます。大変な火山国だなということでございます。
 火山の噴火に対する従来の施策といたしましては、噴火を予知する観測・研究体制というものをとる、それから二つ目は、既に二十年前につくりました活動火山対策特別措置法、この二つしかなかったわけであります。この二つで対処しておったわけでございますが、るる申し上げておりますように、今回の雲仙・普賢岳の災害ではこの二つでは十分でないといいますか、その法律に基づいているだけではだめだ、やはり災害対策基本法に基づいて各省の持っておるいろんな施策を総合いたしまして、足らぬところは補って弾力的な扱いもするということで二十一分野九十四項目をやってきたわけでございます。
 しかし、今回のこういうのは初めてですが、またこういうのが起こらないとも言えませんので、私どもとしては今対策を講じておる反面、一体どういう点に問題点があるか。雲仙・普賢岳の初めての経験ですから、今ささやかな予算ではございますが、あるところに委託をしまして研究をしていただくというような措置もいたしております。
 この雲仙・普賢岳の初めての経験を十分生かして今後に対処したい、こう思っておりますので、御了解をいただきたいと思います。
#196
○乾晴美君 ありがとうございました。
 終わります。
#197
○寺澤芳男君 今から約千三百年前の話ですが、藤原京とかあるいは平城京造営のために大量の木を切り出された山がありました。江戸時代以来の砂防事業にもかかわらず、このはげ山はもとの姿に戻るまであと半世紀の時間が必要であると言われております。一度失われた緑を回復することは本当に難しいと思います。
 この山は田上山と言いまして、滋賀県の大津市にあります。この山の砂は真砂と呼ばれる花崗岩が風化してさらさらになった砂であります。これでは植物は育たず、雨が降れば土砂崩れなどの災害を引き起こしてしまいます。実際、昭和二十八年八月、田上地区に一夜のうちに三百ミリを超す豪雨がありまして、山津波が各所で発生、全村の四割の家が破壊され、四十四人の死者が出ました。穏やかに見えるはげ山も、たった一夜の集中豪雨で一つの村を破壊するほど荒れ狂うわけであります。
 また、一九九一年九月に襲来した台風十七号、十九号は全国各地で膨大な被害をもたらしました。特に、九州では大規模な森林破壊に陥り、今でも惨状をさらしております。こういった山林を回復しなければならない地区は日本全国至るところにあります。森林破壊がいかなる災害を引き起こすか、皆様よく御承知のとおりであります。
 この点につきましては、同僚の乾委員が既にお尋ねいたしました点ではありますが、この森林破壊に対する森林行政は今後どのようになっておりますのか具体的に教えていただきたいと思います。
#198
○説明員(田尾秀夫君) お話がございました大津市の田上山の荒廃地につきましては、お話がありましたように、奈良、平安時代に藤原京の造営などのために大量の木材が伐採されまして荒廃したわけであります。江戸時代にその復旧が試みられまして、明治以降は治山事業によりまして森林の再生に努めてきたところでございます。
 この結果、森林がよみがえっておりまして、土砂の流出もおさまってきておるところでございますけれども、先生御指摘のとおり、当地域は花崗岩の風化地帯でもありまして小崩壊も見られますので、今後とも治山事業によりまして森林の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
#199
○寺澤芳男君 本委員会は災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するためという目的のもとに設置されております。そのため、本委員会で取り扱う問題は自然災害に限定されております。また、自然災害に対比されるものとして公害があります。この問題については本院参議院においても環境特別委員会が設置されております。政府部内においても、防災については国土庁、公害・環境問題については環境庁が担当することになっております。
 この自然災害と公害は何に基づいて区別されてきたのか、国土庁にその基準をまずお伺いしたいと思います。
#200
○政府委員(黒川弘君) 公害につきましては、公害対策基本法あるいは現在国会に出ております環境基本法案では、事業活動その他の人の活動によって生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁等によって、人の健康または生活環境に係る被害が生ずることとされております。一方、災害につきましては、災害対策基本法で暴風、豪雨、洪水、高潮などの異常な自然現象により生ずる被害または大規模な火災、爆発などにより生ずる被害とされているところでございます。
 これにつきましては、基本的には人の活動によって生ずるという若干時間を置いて出てくる被害という問題と、自然災害につきましては一挙に結果が出てくるような災害、そういったことで現在については分けられているのかなと考えております。
#201
○寺澤芳男君 環境問題が地球規模で叫ばれるようになった今日、自然災害と公害の差が相対化しつつあります。人間の活動によって気象面でも影響があらわれるようになってきました。
 例えば、地球の温暖化は二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの濃度上昇によるものであることが明らかにされております。これを人間の活動によるものであるからといって、その効果として発生する海面水位の上昇、異常現象に伴う干ばつ、洪水などは災害対策の側においても無視できないことになってまいりました。また逆に、火山発散物による環境汚染は水質汚濁、大気汚染につながり、通常の公害と非常に似ております。同じく、火山噴火物が成層圏まで上昇し気候の寒冷化をもたらすという現象も環境問題として見逃せない事柄であります。
 そこで、我が災害対策委員会においてもそうですが、政府部内の取り組みにおいても、国土庁と環境庁との間での所管分担で柔軟な対応が必要であると考えます。
 現在、自然災害と公害の境界はどのように変容してきているのでありましょうか。また、それに伴って国土庁の取り組み、所管範囲にどのような影響が出ているのでしょうか、国土庁長官にお聞きいたします。
#202
○政府委員(黒川弘君) 先生の御指摘のとおり、いろいろ地球温暖化、CO2の温暖化の問題で気候は変わってくる、あるいは山の森林を切ることによって洪水が起こりやすくなる、そういう問題はまさに御指摘のとおりでございます。
 そういったことで、我々としても災害対策の所管庁でございますけれども、原因が何であれ、やはり災害が起こったことについては対応するという考え方は当然でございますけれども、その原因となる環境問題、特に森林の保護、そういったものにつきましては我々も大いに、非常に関心を持っている事柄でございまして、これらにっきましては手を携えて対応していくべきものだというふうに考えております。
#203
○寺澤芳男君 具体的に地球の温暖化に伴う異常気象についてお伺いいたします。
 気象庁は温室効果気体の増加に伴う気象変化を検討しているようですが、その概要を簡単に述べてください。また、実際に起こったバングラデシュの大洪水、アメリカでの一世紀に一度来るか来ないかというような規模のハリケーンといった、温暖化との関連を指摘する学者がいるようですが、その点についての気象庁の見解を教えてください。
#204
○説明員(山本孝二君) お答えいたします。
 気象庁では、先生御指摘のように、気候問題懇談会というところに温室効果検討部会を設置して、気象、気候の変動についてさまざまな角度から検討しているわけでございます。
 この私どもの検討部会あるいは気象庁の独自の調査、あるいは世界気象機関あるいは国連環境計画の気候の変動に関する政府間パネル、これらの総合的な検討の結果では、十九世紀末から現在までのおよそ百年間の間に地球全体の平均地上気温は〇・三度から〇・六度上昇したものと見積もられているわけでございます。この温度上昇は、気候モデルによって推定いたしました二酸化炭素など温室効果気体の増加による昇温量と大まかに一致しているわけでございます。
 しかしながら、二酸化炭素等の温室効果気体と自然的要因による気候変動も同じような程度の大きさがございまして、現時点では明確に温室効果気体の濃度増加による温暖化、これが起こっているかどうかについて結論できる段階には至ってはおらないのが状況でございます。
 来世紀中における地球全体の平均気温については、仮に現在のまま特段の対策をとらないで温室効果気体濃度が一定の割合で増加したとした場合には、十年当たり約〇・三度の割合で気温が上昇するのではないかと見積もられているわけでございます。
 御指摘の異常気象とのかかわりでございますが、異常気象というのは毎年世界のどこかで発生しているわけでございまして、異常気象についての年々の変化はあるわけでございますが、さっき先生御指摘のような現象が最近になって特にふえたというような傾向にあるとは考えられません。現時点で科学的な水準で申し上げますと、温暖化と異常気象とのかかわりについては十分解明されておりませんで、今後の課題と学界ではされているわけでございます。
#205
○寺澤芳男君 地球温暖化の効果として海水面の上昇が挙げられております。IPCC、気候変動に関する政府間パネルの報告によりますと、二十一世紀末までに平均気温三度の上昇。これは今御説明にありました、今から十年間で約〇・三度の上昇、二十一世紀末には三度の上昇。海面水位が最大で一メートル上昇すると言われております。これはまた随分先の話ではありますが、それまでに海水面は徐々に上昇していくわけです。
 建設省では、今後の河川、海岸の堤防のかさ上げについてどのようなシミュレーションを行っているのでしょうか。
#206
○説明員(和里田義雄君) 建設省では、平成元年の四月に河川局内におきまして地球環境問題検討委員会というのを設けまして、温暖化を初めといたします地球環境問題が生じた場合の海面上昇あるいは雨の降り方の変化等々、国土保全あるいは水資源確保上の課題の検討をしてまいっておるわけでございます。
 今先生がIPCCの予測した数字を申されましたが、仮に一メートル海面の上昇があったと仮定いたしますと、全国の朔望平均満潮位以下のいわゆるゼロメートル地帯の面積は現況の千二百平方キロメートルが二千九百平方キロメートルとなりまして、およそ二・五倍ぐらいに拡大するということを予測いたしております。
 このとき、全国百九の一級水系がございますが、計画高水位の見直しが必要となります区間は約六百八十キロメートルにも達します。さらに、二級水系等ほかの水系も加えますと、その影響区間はかなりの延長になるものと考えられています。また、海岸堤防におきましても、堤防前面の水深が深くなるために波の打ち上げ高が高まりまして、海面上昇量をかなり上回る高さの堤防のかさ上げが全区間にわたって必要となるとともに、消波ブロックなどを波のエネルギーの高まりに応じて大型のものに取りかえる必要が生じるものと考えております。
 地球温暖化が河川や海岸に与える影響は、このほかにも降水特性の変化に伴います洪水、渇水状況、これらもろもろの変化等が考えられます。これらも含めまして、現在引き続き調査検討を進めているところでございます。
#207
○寺澤芳男君 地球環境問題は今や全世界の注視する問題であります。皆さん御存じのように、去年の六月にはブラジルで地球サミットが開かれ、参加国百五十五カ国という史上最大の国際会議となりました。そこでは気候変動枠組み条約、温暖化防止条約が調印されております。他方、自然災害対策面においては、現在国際防災の十年に当たっております。
 さきに述べた自然災害と公害の区別の相対化というのは国際社会においてはより一層顕著なものになるのではないかと推測されております。人間の活動を原因とする災害は特に地球規模で発生するものであり、それはたとえ地球環境問題として取り上げられたものであっても、災害対策面においても災害発生抑制の第一歩として国境を越えた対応が必要だからであります。
 その点は、国際防災の十年事業推進の基本方針において余り意識されていないようでありますが、国際防災協力活動の中での環境問題の視点はどのような扱いを受けているのでしょうか、国土庁にお伺いしたいと思います。
#208
○政府委員(黒川弘君) 環境との関係でございますけれども、特に自然災害による死者がとりわけ途上国において増大傾向にございます。その原因の一つとして、森林の伐採等の開発による環境破壊ということも指摘されております。
 こういったことで、開発による防災への配慮ということと環境保全の努力ということ、この二つが今後の災害対策上も国際的な意味で大きな課題であるというふうに認識しております。
#209
○寺澤芳男君 以上です。
#210
○委員長(稲村稔夫君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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