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1993/03/26 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第3号
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1993/03/26 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第3号

#1
第126回国会 環境特別委員会 第3号
平成五年三月二十六日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     野別 隆俊君     竹村 泰子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                石川  弘君
                西田 吉宏君
                堂本 暁子君
                広中和歌子君
    委 員
                石渡 清元君
                狩野  安君
                河本 英典君
                釘宮  磐君
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                大脇 雅子君
                竹村 泰子君
                中尾 則幸君
                本岡 昭次君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                有働 正治君
                粟森  喬君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  林  大幹君
   政府委員
       公害等調整委員
       会事務局長    麻植  貢君
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       八木橋惇夫君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  松田  朗君
       環境庁自然保護
       局長       大西 孝夫君
       環境庁水質保全
       局長       赤木  壯君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       国土庁地方振興
       局総務課長    斉藤 恒孝君
       林野庁業務部経
       営企画課長    弘中 義夫君
       水産庁研究部研
       究課長      後藤  曉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成五年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、環境庁))
○公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 去る三月二十三日、予算委員会から、三月二十六日の午前の半日間、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大脇雅子君 大脇です。
 公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案が上程されておりますのに関しまして、昨日、三月二十五日、熊本地方裁判所の第三次訴訟第二陣の判決は、水俣病の発生と拡大の過程で国が被害防止の義務を怠ったとして国の責任を認めて、環境庁の資料によれば、判決は原告二百三十八名中百九十八名の者は、メチル水銀化合物によって健康障害を受けたと認定し、総額約五億五千八百八十万円の支払いを命じております。水俣病が公式に発病したことを確認されて三十七年、認定によって棄却をされた原告に救済を命じたこの判決の意味を国の環境行政をつかさどる環境庁としてどのように受けとめられたか、環境庁長官にお伺いいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(林大幹君) 大脇先生の御質問にお答え申し上げます。
 昨日、水俣病の第三次の第二陣判決が出ましたことはお説のとおりでございまして、実は今環境庁といたしましても判決の内容につきまして詳細に検討しなければならないということでおりますが、特に国の賠償責任を認めているということなどなりますと、環境庁の主張が十分に理解されなかったということにつきましては極めて厳しい判決であると環境庁としては受けとめております。
 したがいまして、今後の対応につきましても、判決内容を詳細に検討いたしまして関係の省庁とも協議して対応を決定したい、そのようにも考えております。
#5
○大脇雅子君 控訴期限は判決送達の翌日から十四日以内ということでありますけれども、国は控訴するかどうかについてお尋ねしたいと思います。
 どのように控訴をするか否かの意見を集約してどこの部局で決定されるのか、各省庁はどのような形で協議をされるのか、そしてこの決定に関して環境庁はいかなる意見を述べられるおつもりか御回答いただきたいと思います。
#6
○政府委員(赤木壯君) 控訴するかどうかの検討についてでございますが、先ほど環境庁長官から話がございましたように、判決の内容を十分詳細に検討いたしまして、関係省庁いろいろあるわけでございますが、これらが相互に相談しながら決定するということになるわけでございますが、国が訴訟の当事者になっている場合は、一応窓口は法務省が中心になって、関係各省いろいろあるわけでございます。今回の場合は、厚生省、我が方、当時は経済企画庁ということになってございましたが、経済企画庁を引き継いだ環境庁、それから通産省等、あるいはもともと原告からの訴えでは農林水産省も入っておるわけでございます。こういうところでお互いに判決の内容を詳細に検討した上で相談を進めていくということになろうと考えでございます。
#7
○大脇雅子君 法務省を中心にして協議をなさる期日は既に打ち合わせ済みでしょうか。それからさらに先ほどお尋ねいたしましたが、この会議で環境庁としてはどのような意見を述べられるかという点についてお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(赤木壯君) 控訴期限四月八日ということになるわけでございますので、それまでの間にいろいろ相談しながら決定していくということになるわけでございますが、これについての環境庁どういうふうな意見になるのかというお尋ねでございますが、これも判決の中身を詳細に検討して固めていくということでございます。これから検討するということでございます。
#9
○大脇雅子君 今国会におきましては、政府は環境基本法を上程し、新たな公害環境行政の転換を図ろうとしておられます。被害、加害の対立の構図を克服して大きな視野に立って質的に転換が図られようとしている現在、このような判決が出た意味というものを重く受けとめていただきたいと思います。被害者の救済を行って、過去の不幸な対立に一刻も早く終止符を打つことこそが新しい環境行政の出発点であると考えます。
 私たちは、歴史の必然としてこの判決を受けとめなければならないと私は考えておりますが、今後環境庁はその観点からどのようにこの判決に対処されるおつもりかお伺いいたしたいと思います。
#10
○政府委員(松田朗君) お答えいたします。
 今回の判決に対する今後の対応ということだと思いますが、先ほど林長官からもお答えがありましたように、判決内容をまず詳細に検討するということでございます。それから非常にこの判決には関係省庁絡んでおりますので、その関係の省庁とも十分相談しながら対応するということでございます。
#11
○大脇雅子君 けさの社説を見てみますと、すべての社説が一貫して言っておることは、この判決は国に和解を迫る判決である。「責任論争で時間を空費するな」、「水俣問題の解決に政治決断を」、「政治判断で水俣病救済せよ」と、こう申しておりますが、環境庁の長官としてこの世論をあらわした社説について、いかなるお考えがお伺いいたしたいと思います。
#12
○国務大臣(林大幹君) 水俣病の問題につきましては、これは我が国の公害問題の原点とも言うべきそういう大事な問題であるというように環境庁も理解して認識しておるところでございますので、環境行政の重要課題の一つとしてこれは取り組まなきゃいけないという気持ちは一貫して環境庁の姿勢でもございます。
 ただ、環境庁といたしましても、実は既に公健法に基づく認定のもとに二千九百四十五名という患者さん、公健法で認定した患者さんに対しては、これはそれなりに対応をしまして、特にこの認定患者の方は原因者負担の原則から年々約三十億近い経費をチッソとしては出しまして、そして認定患者に対する救済という言葉を使うのはどうかと思いますけれども、対応しておることが一つであります。
 しかし、それだけではなかなかまだ十分ではないということもございますものですから、特に認定患者の二千九百四十五名という方々は、医学を基礎とした公正な救済を推進してきたということにつきましては、環境庁としてもこれはそれなりの信念を持って進めてきたことでありますが、そのほかにまた平成四年度からは新たに中央公害対策審議会の答申を受けまして、つまり中公審の答申を受けまして水俣病の総合対策事業を実施しておりますことは諸先生の御存じのとおりでございます。この対応もやはり約三千名に上る方々に対して、既に医療費や医療手当の支給ということも十分に環境庁としては考えながら行っておりますので、率直に言いまして平成五年度の本予算を、環境庁予算を通していただけますならば、この総合対策事業を実施して三千名余りに対するだけでも約十七億くらいのお金をかけて対応するということで進めでおります。
#13
○大脇雅子君 論点が少し違うのではありませんか。公健法のもとにおける水俣病の認定基準というものが余りにも厳し過ぎるために、こうした判決が相次ぎ、多くの原告の人たちが訴訟を提起しているわけだと思います。この判決におきましても、いわゆる病像論の認定については裁判所が国の認定基準を広く拡大をしているという点に注目しなければならないと思います。水俣病が有機水銀による不知火の海一帯にわたる大規模な生態系の破壊、食物連鎖の汚染事件であるということを考えれば、今回の判決は国の厳正な認定基準よりもはるかに裁判所の判決の方が素直に受け入れられる、納得できるというのが新聞でも言われていをわけでありまして、これは国民のすべての感情であると考えられると思います。
 現に水俣病でないと申請を国が棄却した七十一人を死後解剖した結果、十九人に水俣病に特有の神経細胞の脱落などの病理変化が見られたという報告もなされております。国の認定基準の厳しいやり方に対するこの判決の批判をどのように受けとめられるか、お聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(松田朗君) お答えいたします。
 今回の判決を受けまして、公健法に基づいてやっております水俣病の判断の認定基準を見直すべきじゃないかということでございますが、国といたしましてはこれまで医学界の定説となっております知見を基礎としまして集約しまして、公健法等に基づき水俣病患者の救済に当たってきておるわけでございます。この医学界の定説をもう少し具体的に申しますと、判断条件に関します医学専門家会議を昭和六十年にやり、またその後つい最近では平成三年度でございますが、中央公害対策審議会の答申におきましても現時点の判断条件を変更する必要はない、変更するような新たな知見は見出せないというような答申も、結論もいただいておりますものですから、私どもとしては現在の判断条件でよろしいんではないかと思うわけでございます。
 この判断条件、認定基準が厳し過ぎるんじゃないかという御指摘でございますが、現在の医学を基礎にして、可能な限りぎりぎり患者を救済しているというふうに私どもは考えておりまして、例えばいろんな症状の組み合わせによりまして、これは確実に水俣病であると診断できる者、あるいはいろんな段階がありますが、水俣病の疑いを否定できない、こういう者までこの判断基準で救っておるわけでございまして、私どもとしてはこの判断基準で公健法のもとに患者の救済に努めていきたいというふうに思うわけでございます。
 以上でございます。
#15
○大脇雅子君 今回の判決によりますと、本人に聞き直しますと百十八名中百五名の者がメチル水銀化合物によって健康障害を受けたと認定しているわけでありますし、ただ見直さないというだけで国の環境行政の姿勢が勤まるかどうか、環境庁長官にお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(林大幹君) この認定の問題は非常に重要な問題でございます。
 これはもう御質問なさる先生もおわかりと思いますけれども、まして認定につきましてはそれなりに権威を持たなければなりませんので、環境庁としましても、先ほど所管部長が話されましたように、昭和六十年には判断条件に関する医学の専門家会議を行いまして、その結論も十分に尊重することにしておりますし、さらにまた平成三年には中公審の答申を得まして、そのときにも従来の判断条件に対しては変更を必要とするような新しい知見はなかったということが示されておりますので、そのような専門家の考え方を十分に尊重しながらこの問題を進めてきているというのが環境庁の姿でございます。
#17
○大脇雅子君 環境行政のいわば施策の原点は、現場において現場で発生した被害をかっちりつかまえるということで、専門家だけの意見によって立つものではないということを強く申し上げて次の質問に移ります。
 さらに総合環境対策によって、いわばグレーゾーンにおける患者の救済が行われているというふうに言われておりますが、現実にはこの総合対策におきます申請は一発審査で、いわば異議が申し立てられないという制度上の問題がありまして、特別医療事業の対象者だけに限定されている現状というものをいかがお考えか、重ねて伺いたいと思います。
#18
○政府委員(松田朗君) お答えいたします。
 お尋ねの水俣総合対策についてでございますが、これの主な事業は三つありまして、処分困難者、これは寝たきりの方だとか、熊本等から離れた遠くにおられる方、いろんなそういう処分認定作業を促進するのに非常に検査を受けにくい、そういう方たちをいかにいろんな方法で検査をし認定作業を進めるかというこの対策が一つ。
 もう一つは、健康管理事業と申しまして、水俣病が発生した地域におきまして、いろんな程度でございますが、メチル水銀を摂取した可能性のある住民がたくさんいらっしゃいます。そういう方々はやはり何らかの健康の不安を持っているんじゃないかということで、その不安解消のために、そこの該当する地域の住民全部を対象にいたしまして健康診断をやる、あるいはその健康情報を管理しまして、あるいは相談窓口でそれに基づいて相談に乗るとか、こういう健康管理事業。
 それから今大脇先生がおっしゃいました医療事業と申しますのは、まさに水俣病が発生した地域におきまして、もちろん健康の不安だけじゃなくて、四肢末端に感覚障害がある、自分は水俣病じゃないんだろうかとか、いろんな不安を持っている方に対しまして医療費を助成する、あるいは療養手当を支給するというようなことをやっているわけでございます。
#19
○大脇雅子君 私が聞いたのは、総合対策事業の内容はみんなわかっているわけで、総合対策事業で救済すると言っていられるのに、そのシステムが一発審査主義で、現状のところ特別医療事業の二千六百人がその主たる対象であるということについて、本当の水俣病の未認定患者の救済になっていないということをお尋ねしたのであります。結構です、お答えは。
 次にお尋ねいたしますが、平成二年九月以降二年半の間に福岡高等裁判所が和解勧告をいたしました。全国で五つないし六つの裁判所で和解勧告が相次ぎまして、一九九三年一月に示された福岡高裁の和解案というものが今回の判決にも影響を与えていると言わざるを得ない状況であります。
 熊本県とチッソの間で和解の協議が続けられ、いわば一つの解決の枠組みができ上がりつつあるという今の現状、これは大変な状況だということを御理解いただきたいと思います。三十一回の和解交渉を経て絞りに絞られたこの和解案、そして国に対して和解勧告を幾つかの裁判所が呼びかけている現状において、国が現段階において和解に応じないという平成二年十月二十九日の環境庁ほか三省の見解に今こだわるときではないと思います。判決を契機に国はぜひ和解のテーブルに着いてほしいと思います。どうかその点について環境庁長官から御見解を承りたいと思います。
#20
○国務大臣(林大幹君) 大変重要な御発言でもございますし、私どももそのことについては片時も忘れたことはございません。
 ただ、環境庁の責任といたしましては、国民に対していかなる責任がとれるかということもまず大前提でもございます。したがいまして、今回の判決におきましても判決の内容を十分にまず分析、研究してみなければならないということが前提でありますけれども、ただ、現時点で和解に対して環境庁長官はどう考えるのかという御質問になりますと、私の立場としましては、例えばその訴訟の争点が最終的に何らかの損失を生じた場合に、どこまでそれを国民全体の負担として補てんできるかという行政としての揺るがせにできない重要な問題をまず考えなきゃなりませんので、そのためにも和解という交渉の場による形で一つの結論が出るというだけで国民に対する、いわゆる端的に言うならば補てんの責任を国民の名においてするということについては、やはり水俣病訴訟に関する国の見解を述べられているこのときの関係閣僚の立場もございますので、それを十分に踏まえて検討しなきゃならぬということでございますから、きのうの判決が出たその時点で今すぐ和解にということには環境庁の長官としては踏み込むことができないというのが現状でございます。
#21
○大脇雅子君 和解による補てんの責任がとれないということは、法的責任が明確にならなければいわば解決に踏み込めない、こういう趣旨でございますか。
#22
○国務大臣(林大幹君) 端的に申し上げますと、お説のとおりでございます。
#23
○大脇雅子君 重ねて私は、裁判所の呼びかけを環境庁としては率先して真摯に受けとめていただきたいと思わざるを得ません。
 判決は現在のところ二対二といわば原告、被告、勝敗を分けたような形になっておりますけれども、水俣病については私はむしろ二・五対一・五ないしは三対一と解釈した方がいいと考えているわけです。と申しますのは、東京地方裁判所の判決では国の法的責任を認めなかったけれども、被害の拡大を防止できなかったことについて、国、熊本県にも政治的責任がある。本判決が契機となって「和解によって解決しようとする機運が全当事者間に生まれてくることを期待したい。」と説示しているわけであります。
 福岡高裁のいわば基準に関しましては、原告は涙をのんでその和解のテーブルに着いているわけでありますから、そういった状況で国だけがいたずらに法的責任にこだわり続けるということが本当に国民のための政治なのかと、私は叫びたいと思います。もう一度環境庁長官のお答えをいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(林大幹君) 気持ちの上では大脇先生のお気持ちも理解できないことはございません、私も同じ日本人でございますから。
 ただ、私の立場にしますと、やはり国民の税金をもって補てんしなきゃならないという事態になったときに、これがその法的根拠が示されてのことであるならば国民の御納得も得られますけれども、今の段階で話し合いの内容だけからその答えを引き出すということは、私としては無理があるという判断を現在しております。
#25
○大脇雅子君 既に裁判所が一つの枠組みをつくって、今回の判決でも拡大の責任は一割、私はこの一割というのは余りにもひどいと判決に対して考えますけれども、少なくとも一割として、いわば水が流れるように国に呼びかけだというこの判決を、私はもう少し真摯に謙虚に被害の救済という観点に立ってお考えいただきたいと思います。
 とりわけ一九九二年六月にブラジルで開かれました地球サミットで、水俣病の歴史の報告が地球上のすべての環境団体の人たちの注目を集めまして、まさに水俣というのは世界の公害を克服する一つの象徴的な意味を世界的に持っているわけであります。日本が地球環境問題について積極的、指導的な立場をこれから果たそうとしているときに、この水俣病の被害者の救済の早期解決なしには日本の指導的、積極的な立場というものは決して世界に受け入れられることはないと思います。
 石原長官もかつて、この水俣病は日本人が日本人に投じた原爆だと言われたことがあります。早期解決のために今国は何をなすべきか、しっかりと考えていただきたいと思います。
 早期解決について、国の行政の責任者として政治的ないわば大局的な見地に立って解決を望まれるかどうか、最後に重ねてお伺いいたしまして質問を終わります。
#26
○国務大臣(林大幹君) 環境庁としての行政施策を推進する責任上、水俣病問題の早期解決は、これはもう一日も早く図らなきゃならないという気持ちにおいては、私は大脇先生と違わないと思うのです。私も先生と同じように、この問題を一日も早く解決したいという気持ちは持っております。そして、環境庁長官にも就任いたしました。
 ただ、立場が違いますのは、私の場合ですと、やはり絶えず解決の道は後世にわたって国民から批判されることのないような公正な解決に向かってあくまでも努力していく。その一つの目安は平成二年の十月に国の見解が示されておりますので、国の見解を今この時点で変えなきゃならないというところまでは私の考えは固まっておりませんので、国の見解を重要視しながら、しかも早期解決のためにどうすればいいかということについて苦心しておるというのが今の私の姿でございます。
#27
○大脇雅子君 最後に、公正さと今環境庁長官は言われましたけれども、さらに訴訟が継続されればこれから二十年、死者を弔い続けることになるのであります。これを座視できるのかというのが率直な国民の意見だと思います。ともかく、被害の早期解決というのは公正さの第一にとるべき基準だと私は思います。
 終わります。
#28
○堂本暁子君 私は、きょう野生生物の質問をさせていただきますが、その前に今の長官の水俣病についての御答弁は大変残念に思います。
 今、公正にとか、それから国民の同意を得てとおっしゃいましたけれども、今日本の国民で水俣の解決の一日も早からんことを望まない国民なんていないんじゃないかと私は思っております。これは余りにも行政の横暴としか言いようがございません。そして、二十年前にストックホルムで国連人間環境会議が行われたときに、タラップを水俣の患者さんたちが降りてこられたときに、世界の人たちは唖然とした。それから二十年間、リオまでずっと水俣は世界じゅうで問題にされてきた問題です。
 今度またきょう長官がそういうことをおっしゃることが世界じゅうに報道されたときに、何で日本が環境先進国なんて言えるんでしょうか。絶対に言えないと思います。世界じゅうの人が三十何年水俣を引きずってきている日本の政治と行政に対してどれだけ批判的であるかということを長官は御存じないんでしょうか。これは本当に日本にとって私は恥ずべきことだと思います。とても残念、お答えはるる大脇さんがお聞きになったのでしていただく必要はございませんけれども、私は随分と世界のいろんな人たちの中から水俣水俣と言われてきたその自分の経験から、きょうの長官の御答弁には何とも納得がいかない。やはりここは政治決断が必要なときであって、気持ちでは同じだとおっしゃるんだったら、あなたは長官なんです、行政官ではないんです、政治家なんです。だったら長官は長官らしく政治家として決断をするべきときではないでしょうか。それが環境庁長官の私は職務だと思います。
 官僚の方はできなくても、長官は政治家なんですからできるはずです。そこのところをだれが決断するんですか。気持ちでは同じだとおっしゃるんだったら、日本国民の気持ちを代表して決断するのは長官でしょう。長官以外のだれが決断するんですか。いないと思います。長官が決断しなければだれも決断できない。そういう事態の中できょうのような御答弁は非常に官僚的な御答弁で、政治家同士としては残念に思うということをどうしても私は申し上げないわけにはまいりません。
 では、私の一いいえ、もう結構でございます。御答弁はさんざん伺いました。新しい御答弁、もし決断をして和解に向かうという御答弁をいただけるのならぜひ伺いたいけれども、そうじゃない限りは結構でございます。
#29
○国務大臣(林大幹君) 実はその決断の問題でありますけれども、私は環境庁の職員の皆さんにも私の口から率直に話をしてございます。それは、職員の皆さんは三十何年、環境庁生まれてから二十一年この問題に取り組んできております。したがいまして、行政的な推進から決めなきゃならぬということがあるならば、既に皆さんの手で決まっているはずです。それが今日まで決まっていないということには、いろんな難しい問題が重なっておりましたと。しかし、そこで私は、決断するときは環境庁長官が決断するということを環境庁の内部には申し上げておりますけれども、今決断する時期ではないということであります。
#30
○堂本暁子君 私は、判決が出た今が決断のときだと思います。そのときを除いていつ決断のチャンスがあるんですか。近い将来に一刻も早く御決断いただきたいというお願いだけをして、質問に入らせていただきます。
 野生生物、予算委員会の総括質問でもさせていただきましたが、きょうは予算画から伺いたいと思います。実態調査が行われているわけですけれども、例えばレッドデータブックに掲載されている動物種の四五%は全く調査の対象種になっていないということが、行監の「絶滅のおそれのある野生動植物の保護対策の現状と課題」に書いてございます。これに対して環境庁は、今後もっと充実した調査をなさるおつもりがあるかどうかお答えいただきたい。
#31
○政府委員(大西孝夫君) 私ども昨年十一月に総務庁から野生動植物の保護対策に関しまして幾つかの御指摘をいただいておりまして、これを踏まえて今後逐次改善を図っていかなきゃならぬとまず考えております。
 今御指摘の点につきましては、従来私ども環境庁自身でつくっておりますレッドデータブックの場合ですと動物版だけでございましたので、平成五年度からは植物版についても作成に着手したいと考えております。そのためには、都道府県等を通じましていろいろな植物の生育状況の把握にまず努める必要がありますが、そういう過程を通じましてその資料、データの集積をまず図りたいと思っております。これがその総務庁の御指摘に直接にこたえ得るかどうかは別にいたしまして、第一歩としてそこからスタートしたいと思っております。
#32
○堂本暁子君 二つ伺いたいんですが、レッドデータブック一〇〇%をもし調査なさるとすれば、どのくらいの予算が必要で、また今の何倍ぐらいの人員が必要か、それを伺いたいことが一つ。
 次に、同じくこれの十六ページですけれども、動物についてですけれども、種ごとの生息数、生息地の現地調査が行われていないというふうに書いてございます。生息地そして生息数というのは、動物にとっては大変大事なことだと思います。こういった調査は今後どうなさいますか。
#33
○政府委員(大西孝夫君) まず最初に、全部やったときにどれぐらいになるかというのは、正直申しましてまだ試算したことはございませんが、予算的にも相当膨大な額になろうかと思いますし、特に調査人員がかなりの数になって、実際問題できるかどうかわからないという意味の、そういう難しさを含んでいるのではなかろうかと思います。
 それから、今その十六ページのところでお尋ねがございましたけれども、私どもやっぱり生息地等の調査をあらゆる種についてやれれば理想的かと思いますが、レッドデータブック編成の際に、そのデータがないから全部落としてしまうというわけにもなかなかまいりませんので、既存の学者の研究成果なりあるいは各都道府県なり研究機関が行った調査等既存のデータも活用させていただきまして、そういうものを総合的に判断した上でデータブックに載せると、こういう形をとっております。
 したがいまして、その根拠としてのデータの精密さについては必ずしも問題がないわけではございませんが、データがないから外すということの方がより問題が大きいかと思っておりまして、今後とも可能であれば生息地等のデータもできる限り幅広く拾い集めたいと思いますし、私ども自身がそういうところまで手を伸ばした調査ができるように、必要な予算獲得等も進めてまいりたいと思いますが、これも逐次改善をしていく課題かと思っております。
#34
○堂本暁子君 今学者とおっしゃいましたけれども、学者の方からの環境庁への批判がございまして、それは調査員の指定が余りにも権威主義であると。調査員の選定は具体的にどうしていらっしゃるか。例えば、遺跡の発掘調査なんかは一般の方も非常に参加していらっしゃるんですね。動植物は日本じゅう至るところで、例えば中学の先生とかいろんな方が実際は非常に観察をしている、子供たちもやっています。なのに、環境庁はいささか権威主義ではないかという批判がありますが、これについては局長どうお考えでしょうか。
#35
○政府委員(大西孝夫君) 余り権威主義というつもりではないのでありますが、やはり調査をする場合に、その問題について十分な学識経験を持った方にまず相談をして、その御意見を伺いながらメンバーの選定やら調査の実施方法等について議論していくという形をとらざるを得ないと思いますし、その過程であるいは言うなれば環境庁の方が独善的になっておるということがあればこれは今後十分反省をいたしたいと思いますが、やはり権威ある先生の御意見を踏まえつつ進めるという意味では、その部分が権威的と言われれば、これはまあやむを得ないのかなと思います。
 それから、一般の方々の協力を得るにつきましては、もちろん動植物についての専門的知識をある程度お持ちいただく必要もありますから、その研究メンバーに入っていただく過程でいろいろ研修等もする必要がありますし、そういう過程でできる限り十分とは言えないまでも必要な知識をある程度持っていただいた方を一人でも多く養成して、そういう方の協力を得てやれるという形にもっていく必要があろうと思います。そういう意味では今後調査組み立ての段階から実施の段階まできめ細かい配慮をしながらできる限り精密な調査ができるように一歩でも二歩でも努力するという姿勢が必要かとは思っております。
#36
○堂本暁子君 確かに学識経験者は必要だと思います。権威のない学問では困るんですけれども、やはり日本全国に動植物はあるわけですから、啓蒙的な意味を含めても、もうちょっと組織の仕方、調査の仕方というのを研究していただけたらもっと有機的になるのではないかという意見だけ申し上げさせていただいて、きょう水産庁おいでいただいていると思うので、特に生物の多様性とか生態系ということになりますと、比較的日本は利用ということに重きを置いていて、海や川の水産動植物の研究が遅いおくれているというふうに言われております。
 水産庁は、どのようにそういった環境的な視点を入れて今後海の動植物を調査していくおつもりがあるか、伺わせてください。
#37
○説明員(後藤曉君) 水産庁といたしましては、水産動植物は海洋生態系の重要な構成要素でありまして、自然環境の重要な一部としてその存在自体が人類共通の財産であると認識しております。また、野生水産動植物の存在する生態系を良好に保存していくということが、漁業の健全な発展を図る上からも極めて重要であるというふうに考えております。
 したがいまして、水産庁におきましては、従来から行っております水産動植物の持続的利用等のための調査研究に加えまして、海洋生態系の保全、希少野生動物の保護等の観点から、平成五年度から新たに水性生物の生息状況等に関する情報を体系的に整理いたしまして、また分布、生態についての調査研究を行います。
 さらに、減少の著しい魚類等につきましては、増殖を図っていくというための技術開発を開始いたしまして、水産動植物の調査研究の内容を充実強化していくことといたしております。
#38
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。また詳しいことは追って伺わせていただきます。
 林野庁もお越しいただいていると思いますが、同じように国有林の生態系についてはどのような研究をしていらっしゃいますか。
#39
○説明員(弘中義夫君) 林野庁といたしましては、森林資源は木材の供給、水源の涵養、山地災害の防止、自然環境の保全、形成等、非常に幅広い分野におきまして国民経済や国民生活と密接に結びついた多面的な機能を有するものと考えておりまして、その適切な管理を通じましてこれらの機能が総合的かつ高度に発揮されることを基本と考えております。
 国有林野におきましても、このような国有林に対する国民の多様な要請にこたえていくため、森林が有する多面的な機能のうち重点的に発揮すべき機能によって国有林を四つに分類しております。
 一つが国土全林、自然維持林……
#40
○堂本暁子君 もう時間がありませんので、そこは存じておりますから結構でございます。
#41
○説明員(弘中義夫君) それじゃ、調査ということでございますのでそちらに重点をおいてお話しします。
 そういう原生的な森林生態系維持等、自然環境の保全を第一とすべき国有林野は、自然維持林に区分してございます。その中でも、特に重要なものにつきましては森林生態系保護地区等の保護林に設定してございますが、まずそういう森林生態系の調査ということにつきましては、五年ごとに実施されます施業管理計画樹立時の森林調査によりまして、森林の状況を把握しております。野生動植物種に関する調査もその中に含まれてございます。
#42
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 最後になりますが、長官、環境庁としては予算も人も足りないと今おっしゃいました。ですけれども、このように水産庁とか林野庁では別のシステムで行っているわけです。これでは日本全体の森の中の生態系、それからマリン・バイオダイバーシティーというようなものがはっきりわかりません。すべてそれをコンピューターに入れるなり、情報を一本化するなりして、そして環境庁でそういった日本の総合的な生態系のデータをつくる、そういった前向きのお考えはないでしょうか、長官。もう時間がないので長官に決意のほどをお伺いいたします。
#43
○国務大臣(林大幹君) 堂本先生の御意見はまことに私も同感でございます、率直に言いまして。
 そこで、そのような基本課題も含めた環境行政に取り組むためにも、今回環境基本法案を国会の方に提出させていただきました。したがいまして、今環境行政にかかわる省庁は十七省庁とも言われるし、今回の基本法をつくるときには二十四の省庁とそれから関係する団体がお互いに意見を出し合って決めておりますだけに、非常に幅広い内容でございますので、それなりに環境のあり方が変わってきておりますから、環境基本法も通していただきまして、今堂本先生のおっしゃったようなお考えも盛り込みたいというような考えを持っております。
#44
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
#45
○石渡清元君 先ほどの水俣病問題についてですが、何かすれ違いのような、そんな感を得ておるわけでございまして、もう一度お伺いをいたしますけれども、国も一年間三十億あるいはチッソ自体も九百四十三億、ずっと金融支援に支えられながらも来ておるわけでありますけれども、改めて昨日の熊本地裁における判決についてもう一度簡単で結構でございますから、長官がこの判決をどう受けとめ、これからどういうふうに対処するかということをもう一度簡単にコメントをお願いします。
#46
○国務大臣(林大幹君) 石渡先生にお答え申し上げます。
 昨日の判決内容を、今環境庁といたしましても詳細に検討しておるところでございますけれども、国の賠償責任を認めているという、従来からの環境庁あるいは政府側の主張が理解されなかったということがまず極めて厳しい判決であると受けとめる第一でございます。
 したがいまして、判決内容につきましては環境庁としましても大変厳しく受けとめておりますので、さればといって、これは先ほど諸先生の御質問にございましたように、環境庁としてもこれはもう一番大事な課題の一つとしての解決に向けて進まなきゃなりませんので、今後の対応につきましては判決内容を詳細に検討した上で、関係の省庁とも協議をいたしまして、その上で対応を決定したい、かように考えております。
#47
○石渡清元君 委嘱審査でありますので、もうこれ以上判決については申し上げませんけれども、かつて水俣総合調査団に参加いたしました上智大学の宗像先生、この先生が漁民の心の調査をした。そのときに、漁民の心の中にはある潜在的な宗教的な価値観を持っているというようなことを発見したということを発表いたしております。いわゆる水俣は環境破壊を通じて神のすむべき自然、水俣で言えば海です、を失った。神は死んだのであるというような、そういったような気持ちというのが底流にあるということを発表いたしましたけれども、太古の昔から日本人にとっては神のすみかとは自然だという、そういう発想も確かにございます。
 長官は東洋思想の大家ということをお伺いしておりますけれども、いわゆる長官の学ばれました東洋思想あるいは哲学の英和をこの環境行政にどのように生かしていかれるか、御所見をお伺いしたいと思います。
#48
○国務大臣(林大幹君) 石渡先生から大変重い質問をいただきまして、現実の政治家として政治活動をするということを踏まえて、今の先生の御質問の中における東洋思想、東洋哲学をどう見るのかということになりますと、率直に言いまして大変これ重い御質問でございまして、私としてもこれは非常に一般論として申し上げて、そしてあと個々のことにつきましては、それなりの責任を持って進めていくということしか言えないと思うんです。
 端的に言いまして東洋思想からいきますと、自然と人間というものはもともと一つのものである、一体である、あるいはともに生くべき共生のものである、あるいは運命共同のものであるといったような考えが東洋思想にはございます。したがいまして、今水俣の皆さんが海の水の汚れというものあるいはその中からそこに生息する魚から大変な毒物を人体にうつされたというようなことにつきまして、何か神というものが一体あるのかといったような疑問にお立ちになったということについては私も大変悲しい思いでございます。
 といいますのは、東洋思想からいきましても、人間は必ずひとりではないという原則があるんですね。よろしゅうございますか、こんな話してしまって。――ひとりではない、必ず複数である、それが人間である。ですから、お母さんのおなかに身ごもったときからその人はもうひとりじゃないんです。必ずこれは二人以上の世界になるわけです。その二人以上の世界の最小単位が家族であるわけです、まあ一つの社会になるわけですけれども。そこで、どんな人間でも必ず社会の一員であるということが原則であって、それから離れることはできないんだということから東洋哲学というものが生まれてきておりますと私は解釈しているんです。ですから、それだけの社会の中で生存する以上は社会に対する責任を持たなきゃならない、個人個人が。
 そこで、その責任をどうして持つかといえば、一番端的なのはやはりお母さんの姿がそのままあらわれてくるということから動くわけでございますね。したがって、それは何かといえば仁です。仁愛です。愛情ですね。その仁がやはり自分の体を愛すると同じような気持ちで相手にもこれを、その相手の身の上を心配してあげるというこの思いやり、これがまず基礎になるわけですね。
 ところが、思いやりそのものがひとりよがりであってはいけない、独断であってはいけない。したがって、思いやることが人間社会の筋道と合致しているかどうかという、その合致している筋道を見つけるのが義なんです。正義とか大義とかいろいろ言いますね、この義ですね。つまり、私なら私がこういうことをすることがいいのか悪いのかという判断の基準になるものが義なんですね。ですから、仁は義の判断によって本当の仁の姿が生まれてくる。
 しかし、それだけでも十分でない。やはり大衆の世界、社会ですからひとりじゃないんですね。一人一人はその部分をなしているかもしれない。そこで、部分と全体との調和が必要ですね。この調和する姿が礼です。ですから、きょうの環境問題を議論していただいている先生方のグループでも、委員長さんを中心にして諸先生がそれぞれお立場を持ってやっているわけですが、これらが調和されていく姿、その秩序が礼ですから、委員長さんの決められたことあるいは理事会の決められたことに対して、私なら私が勝手におしゃべりしたり何かして時間をつぶすということは、これは礼に欠けるわけであります。これがやはり秩序ですから、したがってそのような礼を持たなければ社会の構成はできないんです。
 しかし、それだけではまだ十分じゃない。お互い同士がうそをつき合ったり、相手をだまして平気でいるというようなことがあってはならないわけですね。そうなってくると、おまえ、水俣でどうしているのかと、まだおまえうそをついているんじゃないのかという反論が出てくるかもしれませんけれども、そういうことを踏まえて私もできるだけ誠意を通してという気持ちで貫こうとしているわけでありますけれども、つまり相手にうそをつかないということが、それは社会には不動のもの、変わってはならないもの、普遍のものがなければならない。普遍の原理原則、これが信なんですね。信もってということをよく政治家は色紙に書きますけれども、信ということはそれなんです。ですから、これは信なんです。うそじゃなくて「まこと」と読むんですね。
 それだけでは人間社会は進歩しません。進歩させるためには、きょうよりはあす、あすよりはさらにというような充実した人間の生活の基礎をつくらなきゃならない、これが智でありますね。つまり、この五つが東洋哲学の基本になるものであります。
 それで、私も実は環境庁長官になりましたときも、こういう問題に対しておまえは自分の思想、信念に恥じない行動をするためにどうすればいいのかということを四六時中自分の心に言い聞かせております。
#49
○石渡清元君 そういう問題意識の中でひとついち早い調和を期待をするものでございます。
 それから次は、米国のクリントン政権になりましての環境政策についてお伺いをいたします。
 クリントン大統領は、大統領就任演説の前の演説で既に、我々はこの新時代において多くの緊急の危険に直面している、旧ユーゴスラビア及び旧ソ連諸国における民族的憎悪の勃興、ハイチにおける騒乱、新型兵器の拡散、テロ及び麻薬密輸の拡大、エイズの流行及び地球環境の悪化等であるということを、もう大統領就任前の演説で地球環境の悪化を言っておりました。これらのいずれの問題を克服するに当たっても強力な米国のリーダーシップが必要とされていると言いながら、私は問題となっている紛争を解決し、また次世紀の種々の挑戦に対処するため、国連やその他の重要な機構を通じて国際社会と密接に協力していく、米国は単独で世界的な負担を負うことはできないし、また負うべきでないという演説をもう既にやっちゃっているわけでありますけれども、この米国の環境政策、特にゴア副大統領あたりは非常に環境問題を強力にやっていくタイプの副大統領と聞いておりますけれども、我が国の環境政策が国際的な展開にどう対処しているのか、まずお伺いをいたします。
#50
○政府委員(加藤三郎君) まさに今先生お触れになりましたように、ブッシュ政権にかわりましたクリントン政権におきましては、環境問題に非常に熱心な取り組みが開始されたやに見られるわけでございます。就任したのが一月二十日でございますので、まだそう長い時間たっておりませんので、現実にどういう政策をとっていくかというのはさらに私ども注視していかなくちゃいかぬと思っておりますが、今先生お触れになられましたように、既に幾つか人事面で大きな展開が見えております。
 まず第一に、環境問題に長いこと非常に熱心に取り組んでこられたゴアさんを副大統領に据える。そして実務を担当する環境保護庁の長官にはそのゴアさんをサポートしてきましたブラウナーさんという女性の方が就任しているところでございます。それで、またホワイトハウス内におきましても、ハイレベルで環境をめぐる政策の調整を担当するいわば環境政策局といったようなものを新設いたしまして、その局長にもこれまたゴアさんのスタッフを務めておりましたマクギンティさんという、この方も女性の方でございますけれども、その方を充てているわけでございます。
 このように人事面でも非常にゴア色、少なくとも環境政策に関する限りゴア色というのが出ているかと思いますが、それにとどまりませんで、例えば環境保護庁、EPAと私ども申しておりますが、それを省にいわば昇格する問題も熱心に推進しようとしておりますし、また昨今におきましては、御高承のとおり、環境保護というものも十分に視野におさめた新エネルギー税というものを提案しておるといったようなことでございます。
 このようにクリントン政権が環境問題についてより積極的な姿勢を示すということになりますと、我が国としてもこれを歓迎をいたしたいというふうに思っております。そして日米二国間の環境協力を一層進めるということはもとよりですが、昨年六月の地球サミットの成果を着実に実施するということで、いろんな国際会議、そういったところで日米が協調して積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#51
○石渡清元君 今、クリントン政権の新エネルギー税等々も歓迎しているという御答弁ありましたけれども、我が国ではそれではその種の税等々についてはどのようにお考えなのか。
#52
○政府委員(加藤三郎君) まず、アメリカの新エネルギー税でございますけれども、これは基本的にはアメリカの財政赤字の削減というものを目的にいたしておるわけですが、先ほども申し上げましたように、環境保全、具体的に申し上げますと、環境汚染を削減する効果、あるいは省エネといいますか、効率的なエネルギーの利用を促進する効果、そういったものも明確にねらっておりまして、その意味でこのアメリカの包括的なエネルギー税案、クリントン政権が提案いたしておりますエネルギー税というものは環境税的な効果を強く意図したものではないかというふうに思っているわけでございます。
 で、私どもといたしましても、今こういった環境にかかわる税制につきましてOECDなどで盛んに検討が進められております。私どもとしてはそういった状況をよく見守って、私ども自身もいろいろと勉強しておりますが、そういった国際的な動きなどもよく見ながらこの問題について取り組んでまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#53
○石渡清元君 そういう中で、いよいよ東京サミットが近づいてきたわけでございますけれども、この東京サミットの中で、環境問題について日本が何か具体的な提案をして、先進国間との合意を図る用意があるのかどうか、環境庁としての考え方をお伺いします。
#54
○政府委員(加藤三郎君) 本年七月に東京で開かれることになっております先進国首脳会議、いわゆる東京サミットでございますが、これはロシアの情勢などもいろいろと流動的な要素があるようでございまして、現時点で議題が明確にされているというわけではございません。しかしながら、地球環境問題をめぐる国際的な動きは、先ほども申し上げましたように地球サミット、それのフォローアップといったように非常に急速に動いているわけでございます。
 一、二具体的に申し上げますと、例えば国連の中に持続可能な開発委員会というものが設立をされまして、日本もそのメンバーになり、地球サミットのフォローアップをここでしっかりと見ていくという格好になりました。また、地球サミットの一つの成果でございます砂漠化防止条約をつくろうという動きも本格的に動き始めました。正式に条約交渉委員会も設立をされておるわけでございます。
 その一方で、昨今世界的な経済不況なり、あるいは政治的ないろいろな動揺等が見られるわけでございますが、私どもといたしましては東京サミットにおいても地球環境問題を中心とする環境問題というのが議題の一つというふうになるものというふうに期待をしているわけでございます。環境庁といたしましては、我が国が地球サミットの成功に向けて積極的なリーダーシップを発揮してきたということ、それから地球サミットを機に高まっております地球環境保全に向けての国際的な機運というものを維持する、継続させるということから、引き続き我が国としても国際的なイニシアチブをとっていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、状況はやや流動的でございますが、その流動する状況の中で環境問題の視点が欠落することのないように私ども的確に対応してまいりたいということで、関係省庁と話し合っているところでございます。
#55
○石渡清元君 確かに環境問題は大きなテーマの一つになるんですが、そのテーマの中でも何か環境庁としては、日本としては新しい具体的なものがあるかということを聞いたわけであります。
 それでアジェンダ21、これも対外的にも発表しなければいけない、その準備状況なり、東京サミットに表明できる、そういう状態になっているかどうかを中心にお答えをいただきたいと思います。
#56
○政府委員(加藤三郎君) 先生お尋ねのアジェンダ21、これは言うまでもなく昨年の地球サミットで国連としては合意を得まして、今度は各国にそういった実施を求められているわけでございます。
 私どもの、いわばアジェンダ21ジャパンともいうべきものにつきましては、昨年ミュンヘンでサミットが行われましたときに日本を含む先進国はこれを少なくとも九三年末までには策定をして、公表しようということを約束し合っている、申し合わせているところでございます。
 そこで、このミュンヘンでの合意を受けまして、我が国としても昨年の秋から関係省庁とこの問題について話し合いを開始いたしまして、現在作業をしておるところでございます。東京サミットまでに間に合うかどうかということはちょっとはっきりいたしませんが、少なくともミュンヘンで合意いたしました九三年末までにはまとめるということで鋭意作業を進めておるわけでございます。
#57
○石渡清元君 いいチャンスですので、やはり区切り区切りで考え方を出した方が私は対外的にもよくわかると思うんですね。
 それと当面の問題としては、ラムサール条約締約国会議、六月に釧路で行われることになっておりますけれども、これについても国際会議でどのような取り組みをし、またこの会議の開催に向けて登録湿地等々をふやすような、そんな方向があるのかどうか、それも含めてお答えをいただきたいと思います。
#58
○政府委員(大西孝夫君) ラムサール条約締約国会議が我が国で開催されますことは、世界の自然環境保全への我が国の積極的な姿勢を示すという意味で非常に重要なことでありますし、また国内的にも湿地の重要性を国民に訴えるにも非常にいい機会であるというふうに考えております。そういう意味で何とか成功に導きたいと思っておるわけでありますが、そういう観点で、まず昨年十月にはアジア湿地シンポジウムなども開いて、既にいろいろ準備運動から始めておりますが、釧路市との間でも人間の交換、人事交流をさせていただいておりまして、連係プレーで会議が成功できるようにということもやっておりますし、またことしの二月からは、庁内に準備室を設けて鋭意準備を進めております。
 今後とも外務省とか地元自治体と十分連携を図りながら成功をさせていきたいと思っておりますが、せっかくこういう会議を開くわけでありますので、国内における登録湿地も現在の四カ所を、せめてあと数カ所は何とかふやしたいなと思っておりまして、そういう可能性のある自治体に従来からいろいろ接触をしてまいりました。今そろそろ最終の段階にかかりつつあるわけでありますが、その調整がつき次第、現時点で数カ所と申し上げておきますが、そこにつきまして確認がとれれば、その上で自然環境審議会に一応お諮りした上で、できれば会議までに登録というような手順に持っていきたいというふうに考えております。
#59
○石渡清元君 終わります。
#60
○横尾和伸君 私からは、今ちょうど直前の質問でありましたラムサール条約に関連しまして、何点がお聞きしたいと思います。
 来る六月に釧路市においてラムサール条約に関する第五回締約国会議が開催されるわけですけれども、御存じのとおり、ラムサール条約は水鳥と湿地、これを保全するという条約でございます。大地と水と空気が一緒になってその接点とも言えるのが湿地だろうと思います。大地がみずから呼吸をしながら水鳥を初めとする多種多様な生物の生命をはぐくむと、こういう大事な役割を担っているということが言えると思います。また水鳥につきましても、渡り鳥を中心として地球上至るところで国境のない生活、国境のない存在であります。また水鳥そのものは自然の恩恵を享受するという意味で、私たち人間よりも数段高いデリカシーを備えているという存在でもあります。ゆえに、水鳥はそれ自体美しいということのみならず、人間の永続的な生存にとっての鋭敏なバロメーターと、こういう大事な役割も担っているかと思います。
 さらにそれに加えまして違う観点から申しますと、国際的な分野におけるリーダーシップあるいは国際貢献という意味からも大変重要な分野であろうかと思います。こういったことを踏まえまして、まずラムサール条約に係る今回の釧路における締約国会議を成功させるための大臣の御所見と決意を、あるいは哲学でも結構でございます、お聞きしたいと思います。
#61
○国務大臣(林大幹君) 横尾先生から今私どもに大変な激励になるお言葉をいただいたわけでございます。
 ラムサール条約の締約国会議がこの六月に釧路で開かれますことは、既に諸先生の御認識のとおりでございますけれども、このために環境庁としましても、実は先ほども自然保護局長からもありましたけれども、できるだけラムサール条約に基づくところの湿地を我が国としてもこれを決めていくということにつきましては、実は非常に環境庁も努力してきておりまして、現在四カ所でございますけれども、いずれ締約国会議に間に合うように何とか倍増を図りたいということで努力していることもございますので、また諸先生のいろいろ御指導も賜りたいと思っております。そのような積極姿勢を示すことによって、多様な生物がそれぞれの生物特有の生きる姿というものをつくっておりますので、そのためにも条件としての湿地が大変大事な保護地域になりますから、環境庁もその重要性を深く考えまして、これに鋭意取り組んでおります。
 したがって、この会議を成功させるためにも、先ほど御報告がありましたように、この春から準備室を設けて鋭意取り組ませておるのが現状でございます。
#62
○横尾和伸君 ラムサール条約の登録地になった場合の義務といいますか、あるいはメリットという面で簡単に御説明いただきたいと思います。
#63
○政府委員(大西孝夫君) ラムサール条約の登録湿地に係ります条約上の義務といたしましては、例えば登録地の保全を促進し、その適正利用をすることを促進するための計画をつくって実施するということでありますとか、登録湿地の生態学的特徴が人為的な干渉の結果変化したり変化するおそれがあるというような場合に、事務局に通報するというようなことも義務づけがあります。それから、登録地の区域を何らかの事情で廃止したり縮小するという場合には、その代替措置といいますか、できる限りその損失を補う義務もあります。これは、言うならば国としてもちろん負う義務でございます。
 それから、メリットということになりますと、これはなかなかちょっと申し上げにくいことではございますが、まず登録によりまして湿地保全の重要性ということにつきまして、地域住民あるいは国民の理解も深まりが得られますし、そういうことを通じまして、湿地の持つ生物多様性の保全、あるいは水質の浄化機能、あるいは景観の保持といった湿地の持ついろんな重要な機能というものを改めて国民の理解を得て、そういうことを含んで自然保護が進むというような効果が期待されると思いますし、言うならば社会的なメリットとでも言うんでございましょうか。
 ただ、指定された地域にどんなメリットがあるかということ、これはなかなか難しいところでございますが、例えば我が国でこれまで登録されました四カ所について見ますと、いずれも国際的に重要な湿地であるという、いわばお墨つきをいただいた形になりまして、その湿地の指定後、観光客がふえるというような形でメリットとしてあらわれているところもございます。
#64
○横尾和伸君 私は一昨日、二十四日に谷津の干潟に行ってまいりました。近々にラムサール条約の登録湿地として登録が予定されているということで行ってきたわけですけれども、地元で県及び市が中心となっていろいろ懇談をしたときに、特に管理の問題について御要望があったわけなんです。
 実は、その件をきょうは主にお聞きしたいわけなんですけれども、まず一般論として、鳥獣保護法に基づく国設鳥獣保護区に指定をする、指定をした後に管理というのはどういう内容があるのか、その点をお伺いします。
#65
○政府委員(大西孝夫君) 国設の鳥獣保護区に指定した後でございますが、まず基本的には都道府県にその管理を委託いたしております。その委託された都道府県におきましては、保護管理員を配置いたしまして、標識でありますとか制札あるいは保護施設の管理、密猟の防止、利用者の指導、鳥獣の生息状況調査などを行っていただいております。
 それから環境庁も、直接に必要に応じましては標識、制札あるいは管理棟、観察舎等の整備も行っております。それから、保護区内の環境維持という観点で、特別保護地区内の民有地の買い上げということが必要になっている場合には、都道府県に対する補助という形で行っております。
 それから、伊豆沼が例でございますが、環境がかなり悪化しているというようなケースにつきましては、例えばマコモの植栽というような形で、環境改善に資すると思われる事業については、やっぱり都道府県に委託して実施するというような形で国設保護区指定後の管理を行っているところでございます。
#66
○横尾和伸君 今、言われた管理の面なんですけれども、環境庁が御自身で評価して、その管理の内容あるいは予算面での手当ては十分だとお思いになっているんでしょうか。
#67
○政府委員(大西孝夫君) なかなかお答えしにくい質問でございますが、まあ満腹という状態ではございませんが、現時点において必要な額は何とか確保させていただいていると思っております。
#68
○横尾和伸君 この管理の面なんですけれども、例えば谷津干潟について私が地元で聞いてきたお話の一部は、例えば管理委託について非常勤の県嘱託の職員を二名置いている、月に二回回るという程度のものだそうでございます。実際これは谷津干潟が登録されますと、首都圏に近いということもあります、またすばらしい施設の整備もなされているところでございます。そうなりますと、大変な混雑が予想される。環境庁は、指定なりあるいは登録なりをして、それで決められた先ほど言った程度の、月に二回程度の現場を回るというような感覚でいらっしゃるけれども、実際は車の整理といいますか、混雑した車、駐車場、それから近隣に住む人たちの迷惑、こういったことには地元が対応しなきゃいけない。
 つまり、管理というと狭い意味ではなくて、もっと広い意味で管理ということを考えたときに、地元では、指定といいますか登録をしたために、義務といいますか、大変な仕事をしなければならないということがございます。上辺だけから見ると大変きれいなことなんですけれども、地元の方にとっては広い意味での管理という内容は大変な重荷になっている。そこに私、非常にギャップを感じるんです。
 そういう観点から私はもう一度お伺いしますけれども、登録主体、つまり登録をする主体は国だと思うんですが、間違いないでしょうか。
#69
○政府委員(大西孝夫君) 国際条約でございますので、条約事務局に登録を行う主体という意味では、国といいますか日本政府でございます。
 ただ、どこの土地を登録するかという国内における意思決定における主体は何かということになりますと、ただ単に国ということではなくて、関係の市町村といいますか、自治体も含めた関係者全体ということになろうかと思います。
#70
○横尾和伸君 ちょっと元に戻りますけれども、管理の内容について先ほどお伺いしたら満腹ではないというお話だったのですが、地元の感覚からすると満腹とかそういうものではなくて、むしろほとんどない、飢えている、そういう感覚なんだそうです。環境庁にお話をすると、もともと金はないんだから話にならない、そういうことでなかなか、上級官庁でもありますし、県、市からはずばり言いたいことが言えない、こういう状況なんだそうです。
 恐らく、これからこの登録をふやしていくというようなことをお考えでしたら、その辺の実態を踏まえた対応が必要なんじゃないか。つまり、管理ということをもっと広く考えて、その広く考えた管理について手当てをする。国が登録するわけですから、地元がするんじゃないんです、国が登録をして、そしてその管理は地元が、目に見えない非常に大変な部分を地元がやるわけです。しかも、その恩恵をこうむるのはその地元の近隣の人たちだけではなくて、もっと広い観点からの人たちが恩恵を受けるわけです。
 そういうことで、もう少し管理ということを広く考えて、そして予算の面でもそれに見合うような御努力というのをすべきだと思うんです。その点について、これまでの御努力の成果あるいはこれからの考え方をお伺いしたいと思います。
#71
○政府委員(大西孝夫君) まず、考え方の整理として最初に申し上げさせていただきたいのでございますが、ラムサールの登録湿地ということで指定する際の言うならば前提条件ということで、例えば国設鳥獣保護区等の言うならば保全制度ができておるということを条件にしておるということでありますが、その国設鳥獣保護区としての管理に今私どもが予算措置を講じておるということでございます。したがいまして、ラムサールに登録したからどういう管理費用を計上するとかいうことではなくて、国設鳥獣保護区としての管理費を計上しているということでございます。
 この国設鳥獣保護区は、全国五十四カ所ほどあるんでございますが、いろんな地権もありますし、これは先ほども申しましたように、巡回をしていろいろ、場合によれば表札等も立てたり、あるいは密猟を防止したりということでその巡視が中心になるわけでありますけれども、そういうことに要する経費という意味では、常時毎日巡回しなきゃならぬような地域もあるかもしれませんが、平均的に言えば月に何回かというような形でやることで最小限の目的は達し得るということが言えまして、平均的な姿で申し上げて、この国設鳥獣保護区の管理としての予算は、まあ満腹ではないけれども、まあまあ必要な最小限度は何とか確保できているところかなというふうに感じておると申し上げた次第でございます。
#72
○横尾和伸君 先ほどラムサール条約の登録地となった場合のメリットとして観光というようなことが挙げられましたけれども、必ずしも観光がメーンではないということも恐らくお考えだと思います。
 それで、今こういった観光ということをそれなりにお考えだということは、やはり人が集まる、それが場所によっては集まり過ぎるという場合がある。これはやっぱり湿地そのものは場所場所によってみんなかなり個性があると思うんです。特に、今回の谷津の干潟については、極めて先ほど言いましたように人が集中しやすい。むしろそれがメリットであり、集中し過ぎたときにデメリットとなるわけですけれども、そのデメリットが前面に出てきたときには管理の問題というのは大変な問題になるわけです。それを、先ほど言われました中で巡回だけしていればいいと、そういう考え方でいる限りは、やはりいつまでたってもラムサール条約のこの登録地というのは、長官が冒頭で言われたふやしていきたいというお考えのとおりには動かないんではないかと思うんです。
 そこで、重ねてお伺いしますけれども、その管理の考え方をもう少し広くする御努力をしていただきたいこと、またそのための管理費を国費で十分な額を確保するという御努力をさらに続けていただきたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います
#73
○政府委員(大西孝夫君) 確かに湿地登録をいたしてもらった場合に来訪者がふえるということで、それが経済的なメリットではね返る部分もあるでしょうが、一方で騒音問題、あるいはその敷地内を踏み荒らす等、いろいろな悪影響の方も出てくるという問題は確かにあろうかと思います。
 私どもが現在考えておりますのは、ラムサール条約登録湿地ということを前提にその湿地の管理という観点ではございませんで、例えば釧路で申しますと、釧路は国立公園区域であり、その中に特別鳥獣保護区も設定をされておる、そういう既存の保存体系、その自然を保全する体制が整っているところを湿地に登録していくということでありまして、その前提となっている制度における管理費というものを一応中心に考えておるわけでございます。
 例えば釧路で申しますと、そういうことでせっかくの湿原を踏み荒らしたりしないようにということで、木道をつくりますとか、あるいは観察台をつくりますとかいうような形で多くの方々にできるだけたくさん見ていただけると同時に、その多過ぎたことによる弊害を少しでも減らせるような方法という観点で利用とその悪影響のちょうど寄り合えるところ、妥協点を見出すようなそういう工夫をしながら利用の促進を一方で図ると、こういう考え方でございます。
 谷津干潟のような場合は、逆にまた鳥獣保護区ということがコアでございまして、その鳥獣保護区としての管理そのものについては、先ほど申しましたように、それほど多額を要するということではございませんが、ただその周辺地域における騒音であるとかなんとかという問題について影響があるということはそれは事実でございましょうし、それについては例えばそういう湿地に指定するときに地元自治体等ともそういう点も含めてよく御相談をすべきだろうと思います。そういうことも踏まえた上で湿地に登録して、メリット、デメリットがうまく調和できるような形がまあまあ可能なところかなと思うわけでありますが、国として予算措置をというケースの場合に、私どもとしては登録湿地自体ではなくて、その前提となっておる自然保全体系の制度における管理費という観点から必要な額の確保を図るという考え方でこれまでまいっておるわけでありまして、そちらの方の管理費については引き続き今後とも十分確保に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#74
○横尾和伸君 私の申し上げたいのは、登録湿地だけにこだわらずに実態的に、今の例ですと鳥獣保護法に基づく国設鳥獣保護区、この管理の内容も拡大的に、もっとむしろ拡大的に、現在が矮小過ぎる、実態を見ていないということですので、もう少し実態を見れるような考え方に立っていただきたい。また、その予算の確保についても全力を挙げていただきたい、こう思うわけであります。
 最後に、この管理の問題について、広い意味での管理ですけれども、大臣にお伺いしたいんですが、この管理費を確保するために今後も最大限の努力をすべきと思うんです。大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(林大幹君) 全くお説のとおりで、賛成でございます。特に、これからこの登録湿地として一つ一つがきちっとした形になりましたとき、先生おっしゃるような周辺住民あるいはまた遠隔地からかもしれませんけれども、観光的な目的でそういうところを訪ねる者がふえるということは大変私はいいことだと思っておりまして、そのためにまた大気汚染とか、あるいは別の意味における公害を引き起こすということがあってはいけませんので、それも含めて管理費につきましては十分に検討して、努力していきたいと思っております。
#76
○横尾和伸君 終わります。
#77
○勝木健司君 まず、地球環境保全のための国際貢献についてお伺いしたいと思います。
 昨年の地球サミット首脳会議への宮澤総理のメッセージの中で、日本として一九九二年から環境分野への政府間開発援助総額として五年間で九千億円から一兆円をめどとして大幅な拡充強化に努めると述べられておるわけでありますけれども、これらの援助に当たって環境庁はどのような視点でこの援助を決定するつもりなのか、最重要と考えておられる援助内容についてお伺いをしたいと思います。
#78
○政府委員(加藤三郎君) 先生おっしゃったとおり、昨年の地球サミットにおきまして、日本政府は、五年間で九千億から一兆円をめどに拡充強化するということを表明いたしたわけでございます。この表明の背景といたしましては、やはり開発途上国の持続可能な開発を支援をすると。で、自助努力をまず基本とし、日本政府としてもそういう自助努力に対して支援をしていくということで、私ども施策を進めているわけでございます。
 環境庁といたしまして、途上国で一体今環境問題としてどういう問題があるのか、またどういう努力をされていらっしゃるのかというのはいろんなルートを通じまして把握に努めておるわけでございますが、それにとどまらず、外務省などと協力をいたしまして、いわゆる政府環境ミッションというものを派遣などをいたしまして、途上国において持続可能な開発を進める上で、環境保全をしっかりと盛り込んでいただくことの重要性といったものについてアピールをしますとともに、いわゆる優良な環境案件といったものの形成に努めているわけでございます。
 私どもといたしましては、人口圧力下にある途上国が持続可能な開発を進めていく、その上で、開発を進める際に環境というものを十分に取り入れていただく、そういうことが重要ということで、大気汚染、水質汚濁等々、その国々の問題に合った支援をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#79
○勝木健司君 特に途上国への支援についてこれから重要になってくると思うんですが、この援助に際しましては、何よりもやはり事前調査あるいは事後評価の充実、透明性の確保など、質的な面での改革の実行が今後必要不可欠になってくるんじゃないかというふうに思いますので、これについての環境庁の見解をお伺いいたしたいと思います。
#80
○政府委員(加藤三郎君) 地球サミットの直後とも言うべき昨年の六月三十日に政府開発援助大綱、いわゆるODA大綱と言われるものが閣議決定をされております。その中で、今先生がお触れになりましたきちっとしたプロジェクトを推進するためのことについても触れられておりまして、プロジェクトに関する事前調査と事後の評価に関しまして、「適切な案件を採択できるよう案件発掘・形成のための協力及び調査を充実する。また、今後の協力にも資するよう第三者による評価及び他の国との合同評価を含めた評価活動を充実する。」ことというふうにされておるところでございます。さらに、ODA全体の評価に関しましても、「政府開発援助の総合評価等を推進する。」ことというふうにされているわけでございます。
 環境庁といたしましては、もちろん広い環境分野のプロジェクトに関与するわけでございますけれども、外務省、国際協力事業団その他の関係機関とも密接な協力のもとに、これらの実現に努めてまいりたいというふうに考えております。
#81
○勝木健司君 次に、この環境アセスメント法につきましてお伺いしたいと思いますが、アセスメント制度に関して、国の制度によるもののほかに、多くの地方公共団体が地域の実情に合わせた条例あるいは要綱、運用指針というような形式で実施しておるわけてありますが、その実態と効果について、かいつまんでお聞きをしたいと思います。
#82
○政府委員(八木橋惇夫君) 今先生御指摘になりましたように、現在四十二の都道府県、政令指定都市におきまして、条例または要綱等によりまして環境影響評価の推進を実施しているところでございます。
 私どもといたしましては、やはり環境の悪化を未然に防止するというようなことから、地方公共団体がこういった形で環境影響評価を推進していくということは、地域の実情に応じて未然防止を図るという観点から極めて望ましい姿でないかというぐあいに考えておりまして、今後とも地方公共団体のこういった取り組みを積極的に支援していく必要があるというぐあいに考えているところでございます。
#83
○勝木健司君 日本は南北に長いわけでありまして、人口密度なども一定ではない。当然、地域地域によりまして環境の状態も異なっておるわけであります。今後、環境アセスメント法が制定をされるわけでありますが、全国画一的な環境アセスメントの実施を義務づけるといたしますと、現在のアセスメント基準よりも基準が緩くなるような地域も出てくることも予想されるんじゃないかと思われますので、これについてはぜひ全国一律に統一するのではなく、例えば昭和五十九年に閣議決定をされております「環境影響評価の実施について」の内容を再検討していただきまして地方公共団体の制定する環境アセスメント条例の最低限度のガイドライン的なものにするなど、国が最低限度の基準を設けて、あとは地方公共団体の地域の独自性に任せていくというのが最善じゃないかというふうに考えるわけでありますが、環境庁長官の見解をお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(林大幹君) 確かに先生おっしゃるように、日本は東西に非常に細長い国でございますので、環境にかかわるいろいろな条件はその地域地域で大変異なっている点もございます。したがいまして、政府といたしましても、昭和五十九年以来、閣議決定の要綱などに基づきまして、環境影響評価をある意味においては国が進めなきゃならぬ問題につきましてはこれは国として、それからまた地方において十分に取り組ませなきゃならぬ問題についてはそれぞれの地方の特色を生かして取り組ませるようにしてまいっております。
 したがいまして、当面やはり地方公共団体の地域の事情に応じた対応というものはこれは大事なことであるというように認識しております。
#85
○勝木健司君 次に、時間の関係で、リゾート問題についてお伺いしたいと思います。
 現在、リゾート開発といいますと、ゴルフ場とかマリーナとかホテル等の建設がメーンというまさに金太郎あめ的な開発でありまして、本当にこれが国民のゆとりある国民福祉の向上に寄与しているのかどうかということで疑問を呈せざるを得ないような状況もあるわけでありますが、現在実施されておりますこのリゾート基本構想がリゾート法制定の趣旨にふさわしいとお思いかどうか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
#86
○説明員(斉藤恒孝君) 総合保養地域整備法につきましては、先生御指摘のように、国民が滞在しつつ行う多様な活動に資するための整備という方向づけがされておりまして、また、基本方針においてもそのような国民が滞在しつつスポーツ、レクリエーション、教養文化活動など多様な活動を行うという施設の整備に努めるということが定められておりまして、そのような基本構想を承認してまいっているところでございます。
 現在承認されている基本構想につきましては、ゴルフ場、スキー場というような御指摘のような施設に加えまして、観光牧場、遊歩道、野外音楽堂、キャンプ場、ペンション、コテージ等、国民が多様な活動を行うことができるというような施設の整備をするものが相当含まれておるところでございます。
 また、この二月八日に有識者から成る総合保養地域整備研究会の提言をいただいたところでございますが、そこでも、国民一般が広く利用可能な多様な施設整備を推進すべきということが提言されておりまして、現段階でもかなり目立ったものもございますが、目立たないものもございますし、また今後も関係省庁の協力を得ながら、国民が滞在しながら多様な活動が行えるような施設整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#87
○勝木健司君 過疎化の悩む地域にとりましては、このリゾート開発は確かに地域振興のための切り札になり得る可能性もあるわけでありますが、現に一部の地域においては成功をおさめておる、地域振興に役立っておるところもあるわけであります。しかし、このリゾート開発に絡む贈収賄事件とか、あるいは自然環境破壊問題も枚挙にいとまがないわけであります。加えまして、バブル経済崩壊によりますリゾート計画の失敗あるいは見直しというのも今噴出をしておるわけでありまして、自然破壊と利権あさりのためとの印象が国民感情の中でも強くなってきておるわけでありますので、このような現状を払拭するためにも、やはりこの運用の見直しという小手先の施策ではなく、もう一度この法改正すべきところは法改正をすべきだというふうに思うわけでありますが、これについての考え方をお聞きしたいと思います。
#88
○説明員(斉藤恒孝君) リゾートの整備を進めるに当たりまして、自然環境の保全との調和を図るということは、ただいま先生からおっしゃるまでもなく非常に重要なことでございます。そのような意味で、先ほどの総合保養地域整備研究会の提言におきましても、国民のためのリゾート、地域のためのリゾート、あるいは環境と調和した新たな国土形成におけるリゾートといった政策理念の再確立が提言されております。
 若干経済が加熱していた時期に、かなり消費単価の高いものを見込んでいろんなプロジェクトがあったことは事実でございますが、この提言におきましても、総合保養地域整備法はリゾートの理念に基づいて適切に運用されることによりまして将来にわたって必要とされる我が国のリゾート整備に寄与することができるものであり、その適切な運用を図っていく必要があるということにされております。
 私たち国土庁初め主務六省庁及び関係省庁とも十分連携を踏まえながら御提言の趣旨を踏まえた法の適切な運用を図り、自然環境破壊等といった批判を招かないような、むしろ自然の貧弱なところに自然を創造するようなリゾートも整備するというようなところも含めまして取り組みができますように努めてまいりたいというふうに考えております。
#89
○勝木健司君 時間が参りましたので、最後に環境庁長官に水俣問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 公害の原点とも言われております水俣病発生から三十八年たった現在に至るまで、ほとんど解決を見ずに来たことは、被害者の方々のことを思いますと、私も同郷出身の者として心痛きわまりない思いであります。
 昨日、熊本地裁にて、国、県の行政責任を認める判決がなされましたわけでありますが、私は行政責任はもちろんのこと、水俣病発生からその原因にいて国が統一見解を出すまで十年以上もかかっておる、被害の拡大を防止できず、これほどの大きな社会問題になるまで放置してきた行政の政治的責任というのは極めて大きいと思います。加えまして、また、昨年六月にブラジルで開かれました地球サミットでも水俣病の歴史の報告が注目を集めるなど、水俣問題は今や世界の公害克服の象徴とまでにもなっておるわけであります。また、患者の方々の高齢化も深刻になっておりわけでありますので、法律上の争いは尽きないといたしましても、ぜひ国はもう控訴をせずに人道上の立場に立って大局的な見地から和解のテーブルに一日も早く着きますように強く希望をし、長官の所信をお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(林大幹君) この問題につきましては、先生の御意見も踏まえまして、またほかの諸先生からもいろいろ御意見が出されております。したがいまして、私としましても非常に問題の深刻な姿、重要性というものを考えておりますけれども、それなりに今先生のおっしゃったような姿で、きのうの判決をもとにしてすぐにそれに対応できるというような状況ではございませんので、私としては判決の内容を十分に調査検討いたしまして、その上で関係する各省庁とも相談しまして決めなきゃならないなと思っております。
 ただ、先ほども私申し上げましたように、この問題は既に環境庁がスタートしてから二十一年、それ以前の時期を加えますと三十七、八年、この問題が大変大事な国の行政の一つになっておるわけであります。したがいまして、この次には環境庁全部の責任で決断しなければなりませんけれども、しかしあくまでも環境庁の役人の決断を待つということでなく、これは環境庁長官の決断でするということを私の腹に決めておる問題でございます。ただ、今その時期ではまだないと、私自身判断いたしております。
#91
○勝木健司君 終わります。
#92
○有働正治君 私は、まず水俣問題についてお尋ねいたします。
 先日、党として、私も文書で要請し、申し入れも長官に直接行ったところでありますので、きょうは簡潔にお尋ねいたします。
 宮澤総理は、昨年一月の通常国会の答弁の中で水俣病問題の早期解決に努力する旨答弁されておられますが、長官も当然同じ立場だと考えますけれども、いかがですか。
#93
○国務大臣(林大幹君) 同じことを私が繰り返すようで大変有働先生にも恐縮でございますけれども、宮澤総理の申されたことは、宮澤総理もそれなりにやはり解決についてはいろいろ深く考えを、また悩みも持っておられると思います。私もその点については同じ立場でございますので、解決に対してこれをただ時間だけ稼ぐため後回しにするという、そういうひきょうなことはいたしません。
 いずれにしましても、きのう判決をいただいた直後でございますので、それよりも数日前に有働先生にお目にかかりましたんですけれども、その時点と、きのうの判決をいただいた時点においても私の気持ちにおいては変わりはありませんということを有働先生に申し上げたいと思います。
#94
○有働正治君 私は、本当に一刻も猶予できないと思います。例えば、裁判所による和解勧告が出された後の二年間だけで何人患者の方がお亡くなりになったのか、被害者の方がお亡くなりになったのか、御存じでありましょうか。
#95
○政府委員(松田朗君) 詳しい数字は承知しておりません。
#96
○有働正治君 十日に一人の割合で命が奪われている、極めて深刻な事態であります。先ほど東洋哲学をいろいろ御披瀝なされましたけれども、人間の死、生という問題は最も厳粛な問題であるわけで、いたずらに時を過ごすべきではないと私は考えます。そういう点ではいたずらに論争すべきでないし、まして控訴などするべきではないと厳しく要求しておきたいと思います。
 長官は先ほどの発言の中で、調和することが大事だということも申されました。そういう調和という点からいえば、文字どおり政治決断を示し、和解による解決とその調和ということが今必要だと考えますけれども、改めてそのことを要求しておきます。
 同時に、長官は国民の同意を得ること、納得を得ることが重要だと。これは当然の立場だと思うんです。国民の意向なり同意という点で申しますと、きょうの各新聞の社説、これは一定のやはり世論、国民の意向、気持ちの反映でもあると私は思います。社説の中では、いたずらな論争を避けて和解による解決のために政治決断をすべきであるというのが大方の論調になっていると思います。世論の反映という立場から見て、この論調なり社説なりはやっぱり厳粛に受けとめるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(林大幹君) 昨日の判決を見て以来、各紙の新聞論調、先生のおっしゃったような論調が中心でございます。
 それにつきましては、私も各紙の新聞論調を慎重に目を通しております。ただ、目を通しておりますけれども、さればといって、それではきのうのきょうという姿において、いわゆる判決内容をまだ詳細に検討する時間がないままで結論に結びつけるということは今の立場でできませんものですから、もう少しこれは詳細に検討したいと思っております。
#98
○有働正治君 政府としての、その先頭に立つべき長官の政治決断を一刻も早く前向きにやられて解決に努力されるということを、私も比例選出でありますけれども出身は熊本でありますので、特に強く要望しておきます。
 次に、福岡の和白干潟のラムサール条約の湿地登録に関連して質問をいたします。
 和白干潟のラムサール条約の指定をめぐりましては、幾百千万人の自然環境を守る団体、人々、市民の方々から強い要求が出されています。既に十二万に上る署名が衆参両院議長に出されていますし、また環境庁に対しても幾度も直接の要請が行われています。
 長官にお尋ねします。十二万に上る署名というのは極めて重いと思いますが、どう受けとめられるのでありましょうか。
#99
○国務大臣(林大幹君) 十二万人の署名が衆参両院議長に届けられているということは報告を受けております。したがいまして、それだけの署名を集めることにつきましては、大変その重さは感じております。
#100
○有働正治君 この和白干潟、私も現地に行ってまいりました。国際的にも極めて重要な湿地だと考えます。この重要性を環境庁としてどう認識されておられるのか。また、日本野鳥の会の人々の調査によりますと、野鳥の種類は昨年、ことしと二年間全国一をキープしているとお聞きしました。その重要性についての認識をお尋ねします。
#101
○政府委員(大西孝夫君) 和白干潟は、御承知のとおり、博多湾の東側にございまして、和白川から唐原川の河口にかけての海岸線約二キロにわたる帯状に形成された砂質の干潟ということでありまして、面積も約八十ヘクタールに上っておりますし、御指摘のように、渡り鳥を初め鳥類等の生息地として極めて貴重な位置づけを持っていると思います。
 国際的に重要かどうかということにつきましては、締約国会議の勧告で一定のクライテリアがあるわけでありますが、そのクライテリアの一つに二万羽の水鳥を定期的に維持している場合というのがありまして、福岡市港湾局の調査でも最大個体数が二万羽を超えるという調査がございますので、そういう観点からいいまして、一応国際的に重要な湿地に関するクライテリアを満たしているとも考えております。
#102
○有働正治君 渡り鳥条約は、渡り鳥の生息環境の保護のため保護区の設定に務めるとしています。この博多湾の渡り鳥は、中国、カムチャツカから飛来するという、しかも珍しい種類で、私も現場で見てまいりした。また、国際的に死滅のおそれのある鳥類、シギ、カモ類も生息しています。そういう点から見て、国際的な立場、責任から見ましても、国設鳥獣保護区などに設定して保護するというのは重要ではないかと思いますが、その点での検討を求めたいと思います。
#103
○政府委員(大西孝夫君) 和白干潟は、博多湾に残る数少ない干潟でございまして、九州北部における渡り鳥の有数の渡来地でございます。そこで、福岡県におきまして、ほぼ全域を対象に県の鳥獣保護区に設定をいたしております。しかしながら、水面の埋め立て等を規制できるいわゆる特別保護地区の指定はなされていないという状況にございます。
 私どもの立場で、ラムサール条約登録湿地の指定ということを念頭に置きまして国設鳥獣保護区の設定を考えます場合に、水面の埋め立て等を規制できる特別保護地区の指定が必要であろうと思いますが、現在地元自治体におきましては博多港の港湾計画が進められているという状況でございまして、そういう状況を考えますと直ちに指定ということはなかなか難しいことかと考えております。
#104
○有働正治君 その干潟の中に、埋め立てによる四百ヘクタールに上る人工島計画が福岡市によってなされていますが、その影響は極めて甚大だと考えますけれども、その点は環境庁としてどう認識されておられますか。
#105
○政府委員(八木橋惇夫君) 博多港に人工島をつくるという計画があることは御指摘のとおりでございまして、この計画につきましては、私ども二度にわたって意見を申し述べる機会がございましたので、意見を申し述べさせていただいております。
 一度目は六十二年の十一月でございますが、博多港内の公有水面埋立、いわゆる香椎パークポート事業というものでございますが、このときに、この博多湾の東部地域の自然環境の重要性にかんがみまして、港湾整備の検討に際しましては自然海岸や干潟の保全に十分な配慮が必要であるという趣旨、また鳥類等の生息の場の形成に配慮してほしいという趣旨の意見を申し述べたところでございますし、また一九八九年の六月二十三日に、博多港の港湾計画を審議する港湾審議会がございましたので、そのときにおきましても周辺地域の景観、海浜地形等の自然環境に及ぼす影響等につきまして、計画の具体化に当たっては十分な検討を行い良好な自然環境の保全に支障が生じないよう配慮する必要があるといったような趣旨、その他の意見を申し述べており、環境庁としては関心を持ってこの動きを見ているところでございます。
#106
○有働正治君 埋立人工島の計画の影響は極めて大きいと、それは市の調査によっても一定認められています。環境庁は毅然として対応して環境、自然保護に当たるべきだと考えます。
 その立場から見まして、私は、和白干潟の国際的、国内的重要性にかんがみまして環境庁独自の環境調査を行うべきだ、二つ目に、その調査に基づき県、市に対して積極的な行政指導も行うべきだ。そして本当の意味での保護のためにもラムサール条約指定による保全ということが重要だと考えますけれども、長官の検討を求めるものであります。
#107
○政府委員(八木橋惇夫君) 私、先ほどお答え申し上げましたように、環境庁としては重大関心を持ってこの経緯を見ているところでございまして、現在地元の福岡県、福岡市におきまして、当方で述べた意見をもとに十分に今対処、検討をしているところでございます。
 ただ、これは先ほど自然保護局長の方からお話もございましたように、かなり広範な埋立計画でございますし、公有水面埋立法に基づく手続の中で当方といたしましては意見を述べる機会があるわけでございます。そのときに向けまして当方としては十分な審査を行ってまいりたいというぐあいに考えております。
#108
○有働正治君 最後に一問。
 やはり環境庁長官として毅然たる指定に向けての決断を求めるわけであります。この博多湾の和白干潟だけではなく、東京湾の三番瀬あるいは名古屋の藤前干潟を含む十九の湿地につきまして、昨年五月、日本野鳥の会からラムサール条約登録湿地、これを早期指定していただきたいと要望も出されているわけで、これに最大限にこたえるべきであるということを申し述べ、最後に長官の最大限の決意をお聞きして終わりたいと思います。
#109
○国務大臣(林大幹君) 今、東京湾三番瀬のことも具体例として出てきておるわけでありますが、一つ一つの湿地がそれぞれにやはりその湿地としての使命を宿した大事な地点でありますので、環境庁としては、環境、自然保護の立場からも、それからまた環境行政全体に取り組む姿勢からも真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
#110
○有働正治君 終わります。
#111
○粟森喬君 私は、まず環境保全経費の取りまとめの仕方についてお伺いをしたいと思います。
 環境庁の環境保全経費の取りまとめは環境庁設置法第四条三号に基づくものだというふうに私は理解をしております。
 まず、その中で文章等を見ますと「調整」という言葉が入っています。多少法律の部分は別として、私の手元に持っておるのでは環境保全にかかわる経費の見積方針を調整し、その方針に基づいて各省庁などにより当該省庁にかかわる環境保全経費のヒアリングを行った後、同経費の取りまとめを行うことになっております。
 つまり、環境庁は環境庁として各省庁に意見を言いながら、結果としてそのヒアリングを聞いたものをまとめたというのがこれだと思いますが、例えばことしの経費の中で、私は個別のことについては事前にどこというふうに言ってないから、個別のところの中身についてとりたてて聞くという意味じゃございませんが、例えば公害防止調査研究の推進というのは、これ減額になっています。トータルとしてふえているのはわかるわけでございますが、調整という意味を含めまして、この辺はどうなのか。そして一方では、進めますと平成四年度環境保全経費主要補助金調べというのが出て、このことについてもるる説明があったわけでございますが、調整というのはこの両方にかかるのですか、それとも片一方にかかるのですか。そこをまずお尋ねをしたいと思います。
#112
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、この環境保全経費の取りまとめにつきましては、環境庁設置法第四条三号に基づくところの仕事でございまして、この目的は環境保全に関する施策が政府全体にわたりまして取り組まれているということから、政府全体といたしまして整合性のとれた形で、また効率的、効果的な展開が図られるようにということで政策、また施策相互間の調整を図るためにこの規定が設けられているということでございます。
 ただ、実際の運用に当たりましては、先生今御指摘になったところでございますが、政府全体として環境保全に関する経費を私どもとしては大いに積極的にまだ推進していくべきであるという立場にございますので、なるべく多くの経費を充実させていく必要があるという観点から現在では運用しているというところでございます。
 ただ、現実にはもう不要になったりなにしたりするというような場合には調整の対象になるということは理論上はありますわけですが、現在といたしましては、主として充実するためにということでこの条項を使わせていただいているところでございます。
#113
○粟森喬君 先ほど申し上げたように、どこかで減ってどこかでふえているというトータルだけでなしに、いわゆる目というんですか項目で減額をされたときに、ここで環境庁の行政のあり方が問われているんだと。どこがなぜ減ったのか。トータルとしてふえていますが、この種のあり方について、環境庁がこの設置法に基づくいわゆる第四条三号の機能を十分に機能させてないというふうに私は思うから言っておるわけでございます。
 具体的な中身で幾つか申し上げると、例えば防衛庁の予算の環境関係がここで問題にされておるわけです。ところが防衛庁の飛行場といいますか基地の騒音に対しては環境庁は何らかかわりを持つことができないわけです。ここで見ますと、例えば基地周辺対策でいろんなことを書いてあるわけですが、テレビの受信障害の対策までこれ金額に入っておる。郵政省を見ますと、それは書いてないわけです。なぜ書いてないのかということについて、私は調査がまだ十分じゃないんですが、恐らくNHKの予算にこれ入っているんだと。そうしますと、この「環境保全経費等調」というのはどういう組み立てでどうやっているのか。これは四十七年から同じ手法で同じことをやっているとすれば、これはどこかで、環境という言葉さえついていればいいということにこれはなりかねないんではないか。
 今、一つの例を申し上げましたが、もう一つは、例えば農業集落、漁業集落における排水事業がこれ環境だという言葉で、これはここの予算にも入っています。乱やることは悪いことじゃないと思いますが、保全経費の取りまとめに少なくとも今日的に少し項目の挙げ方ややり方について多少見直しをしなかったら、私はこんなことを言っちゃ何でございますが、各省庁にお聞きをしてこれ調査して出したぐらいかなと、本当に調整が働いているのかなということについて疑義を持っている一人でございます。疑義というのはちょっと適当じゃないかもしれないけれども、十分じゃないというような感じを非常に受けるんで、この辺のところについて、今後の環境経費の取りまとめについて、昭和四十七年から始まっているわけですが、何らかの調査の方法についてこれは見直しをする段階に来ているのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#114
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生から今手厳しい御指摘を受けたわけでございます。
 まず、この経費全体といたしましては、政府予算の見積もりにおける調整ということでございますので、御指摘のようにNHK等の経費は含まれないで調整を図っているということは事実でございます。
 そこで、一体この経費の見積方針の調整なり作成ということがマンネリ化しているのではないか、また当初目的とされた機能をうまく果たしていないのではないかという御指摘でございますが、私どもはそういった御指摘に対しましては、謙虚にこの問題に対しては検討課題としてこれからの事務の進展を図る上で注意深く受けとめてまいりたいというぐあいに考えております。
#115
○粟森喬君 この際、大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
 私は、例えば大蔵省についていた財投融資が環境庁の事業団の方に振り分けたのかどうかというのがよくわからないところがある。もう少し見てわかるように項目のあり方、例えばそういうものをどこかで見直しをして、環境基本法も上程されている段階でございますから、この種の見直しについて前向きに取り組んでいただけるのかどうか、そこについて見解をいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(林大幹君) 実は粟森先生の御発言、その中の幾つかは一々私の胸にも響いている言葉でございます。
 特に、先生も御案内のように、環境全体を考えた経費、つまり宮澤内閣そのものの環境関係の経費だけ見ますと、現在の環境庁の予算の恐らく三十倍を超えているんじゃないかと思うんですね。つまり、事業をそれぞれ組みますとそれなりの予算の額が決まりますから、したがってそういう点から比べますと、環境庁としてはもう少し環境庁独自の予算獲得があってもいいではないかという気持ちは、恐らく環境庁のことを心配してくださる先生方みんなお持ちだろうと思います。
 したがいまして、現在の立場から言いますと、それぞれの省庁で、例えば十七省庁と言われる中で環境予算に取り組んでおるのは、それぞれの省庁は我が省こそこの問題ではということで、それなりの誇りを持って取り組んでおられるところでございますので、国全体から見れば枠が広がっていくことでありますから、国全体の環境ということから見れば、必ずしもそれだけで悪いとは言いませんけれども、しかし環境庁という立場になりますと、むしろ環境行政そのものをそれぞれの予算が十分に消化できるように、また使途されるようにするためにも大事なことでございますので、特にそういう意味では今度の環境基本法を国会の方に御提出させていただきまして、これから御審議を願うわけでございますけれども、このような環境基本法のあり方から見ましても、徐々に今先生のおっしゃられたようなことが解決されていかなきゃならないという気持ちを持っております。
#117
○粟森喬君 ゴルフ場の問題について、環境庁が平成四年九月に環境配慮指針というのを出したときに、新聞のコメントも出ています。その後の資料も見させていただきました。しかし、ちょっと環境庁はゴルフ場問題について、私もゴルフをする一人でございますが、環境行政という立場から見ると非常に手ぬるいというか、配慮という言葉があるように何に配慮をするのかと。言葉を見ると環境という立場から配慮をすべきだという言葉は出ているんですが、その後の各地方公共団体に出した文書などを見ていても、果たしてこれでいわゆる環境の立場からゴルフ場を問題にされる方の意見に本当に対応されるのかどうか、意見にこたえることができるのかどうか、ここはかなり私疑問だと思っているんですが、そのことについてまず見解をお尋ねしたいと思います。
#118
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘の「ゴルフ場の建設及び運営に係る環境配慮指針」というものを昨年九月、私どもは明らかにしたわけでございますが、これは各地方公共団体が現在ゴルフ場の開設等についていろいろ指導を行ったりまた許認可を行っている、そういった際にどういったような技術的なことを重点的に調べ、またアセスをやったらいいのかということに対し、環境庁に助言を求められたということがありますことから、私どもといたしましては学識経験者による検討会を設けまして、その検討をしていただいた結果、このことを取りまとめたものでございます。
 私どもといたしましては、そういう意味で地方公共団体の御要望に基づいて取りまとめ、現に地方公共団体からこの指針につきましてかなりの引き合いもございますし、また業者からの引き合いもあるということでございますので、それなりに機能は発揮したというぐあいに考えております。
#119
○粟森喬君 私は機能を発揮してないと思います。というのは、地方公共団体ごとに地域的な条件もいろいろあるんでしょうが、私は地方公共団体が環境庁に一つの指針を出してくれと言ったのは、ある種の地方公共団体全体に網をかける一つの具体的な指針が求められたんだろうと思います。この配慮指針というのはそういう意味で言うと、ある種の抽象的概念と言ったら申しわけないけれども、もう一歩具体的に突っ込んでこのガイドラインをちゃんとやるということが、じゃ現実に地方公共団体の中で、これが出たことによって地方公共団体の対応の中で変化が出たとは思われない。その程度の配慮というのは問題だろうと思います。
 きょうは時間がございませんので、この程度にしておきますが、やはり行政のあり方としてここは再考を願いたいと思います。
 最後に、私は予告もしてございませんでしたが、水俣判決のことについて大臣に申し上げておきます。
 各党ともそれぞれの立場で早期解決を望んでいることは事実でございます。しかし、この間のいわゆる法に基づく行政の見解というのがこれほど離れていていつまでもほっておくということは、少なくとも私たち立法府にある者としては放置しておける問題ではない。法にもしそこに行き違いがあったり不十分があるんなら、それは私どもは場合によっては行動を起こして議員立法をやっていくとか、そういうことにまで来なければならない状況に私はあるというふうに思っております。
 したがって、環境庁としても当面は言えないということじゃなく、早急にそういうための具体的な対応、私どもは私どもできょうまでの答弁を聞いている限りは、これは具体的に何かをやらなかったら、議員連盟でもつくって立法化するとか何かしなかったら、これはとてもじゃないがそんな答弁をいつまでも聞いておられない、こういう感じでございますので、最後にそれを申し上げて私の発言を終わります。
#120
○委員長(松前達郎君) 以上をもちまして、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#122
○委員長(松前達郎君) 次に、公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。林環境庁長官。
#123
○国務大臣(林大幹君) ただいま議題となりました公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公害健康被害の補償等に関する法律は、公害の影響による健康被害者の迅速かつ公正な保護を図るため、補償給付の支給等を行うものであります。
 今回の改正は、このうち、既に認定したぜんそく等の大気汚染系疾病の患者に係る補償費用の財源を確保するために、所要の改正を行うものであります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 今回の法律案は、大気の汚染の影響による健康被害に対する補償給付の支給等に要する費用の一部に充てるため、平成五年度から平成九年度までの五年間、政府は、引き続き、大気汚染の原因である物質を排出する自動車に係る費用負担分として自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を公害健康被害補償予防協会に対して交付することとするものであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#124
○委員長(松前達郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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