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1993/04/21 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第7号
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1993/04/21 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第7号

#1
第126回国会 環境特別委員会 第7号
平成五年四月二十一日(水曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                石川  弘君
                西田 吉宏君
                堂本 暁子君
                広中和歌子君
    委 員
                石渡 清元君
                狩野  安君
                河本 英典君
                釘宮  磐君
                須藤良太郎君
                野間  赳君
                真島 一男君
                大脇 雅子君
                竹村 泰子君
                中尾 則幸君
                本岡 昭次君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                有働 正治君
                粟森  喬君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  林  大幹君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       八木橋惇夫君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       環境庁大気保全
       局長       入山 文郎君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       外務省アジア局
       地域政策課長   小島 誠二君
       外務省経済協力
       局調査計画課長  黒木 雅文君
       通商産業省貿易
       局輸入課長    仁坂 吉伸君
       郵政省貯金局総
       務課長      玉井 弘明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○環境事業団法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 環境事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○中尾則幸君 おはようございます。中尾でございます。
 昨年、北海道から選出されまして、この委員会で初めての質問であります。まだオープン戦も、十分に肩ならしもしていないので、ちょっと粗相があるかもしれませんが、ひとつよろしくお願いします。私、北海道出身なものですから、先日テレビのニュースを見ておりまして、人類と自然との調和といいますか、共生というのは大変難しいなと感じました。と申しますのは、北海道は野性のエゾシカがたくさんおりまして、交通事故に遭ったその悲惨な風景がテレビに映し出されました。人間は豊かさを求め、開発をする。しかし、そのためにエゾシカが追われていくという姿に、改めて人類が自然の中に生きていく、共生というのは大変難しいなと思いました。
 前置きはそのぐらいにしまして、早速環境庁長官に伺いたいと思います。
 昨年の地球サミットで政府がようやく、ようやくと言ったら失礼ですけれども、環境問題に関して民間の草の根団体の役割の重要性を認識された。大変いいことだと思います。そしてその結果、今回地球環境基金の創設によりその支援をしていこう、こういう姿勢は私は大変評価できると思います。そこで、まず長官に伺いたいと思いますが、今回の支援の対象となる環境NGOは、ちょっとなまりますけれどもノンガバメンタル・オーガニゼーション、政府による環境保護政策と比較して、どういった点にその特質あるいは役割があるとお考えなのか、まず伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(林大幹君) 中尾先生にお答え申し上げます。
 中尾先生が今自然と人間との共生の難しさというものを、北海道におられてエゾシカなどの生態からしみじみと感じられたということでございますが、これは大変貴重な観察ではないかと私は思います。地球環境問題の中で、特に非政府あるいは政府によらない活動というものは非常に大事であるというのは、今先生のお感じになったことを地でいくようなことでございます。そのためにもむしろそういう環境問題に非常な関心を持たれる国民がこぞって認識を深めて、それぞれが取り組んでいただくということが何よりも大事でありまして、これは政府の施策と相まって、独自の形で進めていただくということが私はこれからも非常に大事なことであろうと思っておりまして、この点に大変重大な関心を持っております。
#5
○中尾則幸君 国内的に活動しているNGOはいろいろありますけれども、ほとんど国内全般にわたる環境保護活動といいますよりも、どちらかというと地域密着型の活動が多いというふうに私は理解しております。そういった地域的な活動をしているNGOについて、政府は積極的に支援していこうという姿勢なのかどうか、まず確認したいと思います。長官にお願いします。
#6
○国務大臣(林大幹君) そのとおりと理解してよろしいと思います。特に、今度の地球環境基金のような問題もそういう意味で創設することになりますので、そのとおりであります。
#7
○中尾則幸君 ところで、環境NGOは、特に政府が開発に積極的な施策をとっている場合どうしてもひずみが出てくる、政府の施策に批判的な活動をせざるを得ない。環境NGOをとってみますと、そういうふうに私は思うんですが、こういったNGOの活動について長官はどういうふうにお考えなんでしょうか。
#8
○国務大臣(林大幹君) 実は、先ほどのエゾシカを思い出すわけでございます。つまり、エゾシカをみんなが大事にしようとする気持ちのものと、それからエゾシカが道路上で交通事故に遭ってしまっているというその姿、これが私は人間と環境との非常に難しい姿だと思います。
 ですから、環境NGOが政府を非難するということではなくて、政府によりきめ細かい施策を進めてもらうためにも、環境NGOの意見というものは大事であるということでなければいけないのでありまして、そこに俗な言葉で言えば建設的な意見ということで、表現すればそのようなことかと思います。要するに、環境NGOの皆さん方がそれぞれのお立場で感じておられることが、必ずしも政府の施策の中で生かされていない面があるいはあるでしょう。しかし、それは政府の怠慢だから政府はけしからぬということよりも、非常に自然と人間との共生の難しさというものがその底辺にあるんだということから、政府に大いにいい環境行政をしていただかなきゃならぬということも含めまして、環境NGOの率直な意見が出てくるということは歓迎いたします。
#9
○中尾則幸君 ここも大変大事なことなので、もう一度長官に確認をしたいんです。私のみ込みが余りよくないものですから、もう一度確認します。
 つまり、政府に批判的な、これはいろいろ批判的ということは大変定義が難しいと思いますけれども、おわかりだと思います、批判的なNGOの活動も今後尊重していくということでございますか。それだけ確認させてください。
#10
○国務大臣(林大幹君) 政府に批判的という内容でございますけれども、つまり政府の取り組む環境政策に対して、それがあくまでも国民のニーズと合致するような形でいくべきであって、それがまだそこまで行き届いていないというときに、環境NGOの方でそれを感じておった場合に出してくれる意見というものは、これは大事な意見だろうと思っております。
#11
○中尾則幸君 尊重するということで承っておきます。
 次に、環境NGOのあり方について御質問申し上げます。基本的にNGOの活動は、一般の市民がお金を集めて、自発的といいますか、一般の市民からの浄財が直接その活動を支援するというのが私は本来の姿だと考えております。しかしながら、現在の我が国のNGOは、欧米と比較しまして、一般の市民からの直接の資金がなかなか集めにくい。国民性も私はあるかと思います。こういう状況の中で政府としては、市民の直接支援が本来の姿であり、政府の資金援助はあくまでも補完的なものと認識しておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、NGOが本来民間の自発的な活動を、また民間の発意をもってなされる活動でありますことからいたしますならば、その活動が民間団体により貫徹されることが極めて望ましいことではあると思います。
 しかし、そのようなことを政府としては側面から援助するようなことも大事でありまして、特に今日の環境問題がいわゆる国民生活や事業活動一般そのものから生じている側面が非常に多くなったという場合におきまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、環境に関するNGOの活動というのは極めて重要になってくる。
 そう言いましたときに、例えば、税制面からそれを援助していく、または資金が不足な場合にどう対応していくのか。また環境問題に対する情報が不足している、そういった場合に政府としてはどのように対応していくべきかということで、環境問題に関しましては政府がやるべきこともございますけれども、民間団体にやっていただかなきゃならぬ局面というのは非常に大きくなってくる。そういう局面において健全なNGOというのが育っていくためには、そういった支援ということも必要になってくるのではなかろうかというぐあいに考えているところでございます。
#13
○中尾則幸君 もう一つ確認したいんですが、政府の環境NGOに対する基本的な認識をもう一度確認させてください。
 環境NGOの活動における自主性、独立性という点は大変重要な点であると私も今強調したわけですけれども、これの認識について、今度は長官からお答えをいただきたいと思います、環境NGOの重要性等をどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。
#14
○国務大臣(林大幹君) 環境NGOの団体、いろいろございますので、政府としてはその団体を団体別に色分けするという考えは持っておりません。
 ただ、あくまでも事業が大事でございますので、その事業はどういう内容の事業がなということはこれは検討いたしますが、しかし、国民世論が分断されるような形でこれを決めていくということは政府としてはできないことでありますので、あくまでも公平公正に考えたいと思っております。
 特に、環境保全に熱意と関心を持つ人々が参加してその発意に基づいて行動を行う民間団体は、国民一人一人の足元から行動を促進し、あるいは開発途上の地域の住民等のニーズに応じた草の根の環境協力ということも進めていることでありますので、そういう重要な役割に対して政府としては正しくこれを見ていきたいと思っております。
#15
○中尾則幸君 ただ、大変心配なのは、政府が環境NGOに対して資金援助をしていきますと、言葉は悪いんですが、政府が自分の都合のよい活動をしているところだけに助成をするという、これは私の懸念じゃなくてそういうのが随分あるんです。私、NGOの方にもたくさんお会いしました。これについてはどうお考えになりますでしょうか。
 例えば、具体的な例を申し上げますと、長良川の河口ぜきの問題、これは大変な問題になっておりますけれども、それに反対して、例えばある団体が魚類の生態の調査をされている、そういうところに私は当然資金援助はなされるべきだと思うんですが、そういった点も踏まえていかがお考えなのか、お答えいただきたいと思います。できれば長官にも一言後ほどお願いしたいと思います。
#16
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほど大臣から御答弁申し上げたことに尽きるわけでございますが、私どもは政府ベースの環境協力というものは限界がある、草の根の活動、実際の住民等のニーズに見合った環境協力等をやっていく上におきましては、民間団体の果たす役割というのは非常に大きいというぐあいに考えているわけでございます。
 そういった場合におきまして、私どもは民間団体がやります活動でありますことから、それが政府によって少なくとも統制されるというような色彩を持ったものであってはならぬというぐあいに考えておるところでございます。今回この地球環境基金という構想をつくりました場合におきましても、私どもはあくまでも民間団体がみずからやっていく、それを側面から援助していくというような趣旨に従ってこういう構想は組むべきであるという考え方に立ちまして、例えば手続的に見ましても、民間団体がまずその発意によって具体的な活動計画をつくっていただく、それに基づいて政府に助成を求めてきた場合に、それを受けた格好で基金で用意できます資金の範囲内でそれを助成していくというような格好にいたしたいということを考えているわけでございます。
 もう一つの御質問は、団体がそれによって色分けされるのではなかろうかという御指摘であったかと思います。私どもは、この団体はどう、あの団体はどうというような考え方はとっておりませんが、基金が対象とする助成というのは、あくまでもその対象となっている事業がどのような活動をなさろうとしているのか。その活動そのものが、その活動を行おうという地域においてどのような効果を持っているのか、また住民のニーズとの対応関係はどうなのかということの事業を中心にして考えてまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。
 その際、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この基金の事業というものは国民の税金であり、また国民の浄財を財源とする事業でありますことから、国民の間、住民の間に意見の分かれるようなものについて助成することは若干問題があるのではなかろうかという趣旨で大臣はお答え申し上げたところでございます。
#17
○中尾則幸君 初めの御意見を伺っておると大変進歩した御意見だなと。ちょっとメモをとっていると、結局何も変わっていないんですよ、いいですか。事業がどのような活動をなさろうとしているのか。住民のニーズはどうなのか。ニーズとはどういうことなのか。国民の間にそれぞれの合意と、これは何にもならないじゃないですか。
 つまり、私が最初に質問した環境NGO、例えば開発、いろいろ公害があった、その中で先進的にその人たちがこれはいかぬぞといってやってき
たわけです。それは大臣も認めていらっしゃる。ところが今の答えだったら、何だか一足すは二、二で割ったら一だと。はっきりしてくださいよ、大臣。こういうことで、私は大変今回のこの地球環境基金、環境庁長官よくやったと。私は応援団で参ってきたんですが、今のこの答えでは応援もできません。このことについてもう一度言ってください、住民のニーズとは何なのか、はっきりしてください。
#18
○国務大臣(林大幹君) 中尾先生の御質問、非常にこれは大事な御質問でありまして、我々も絶えずそのことを念頭に置いておるわけでございます。
 特に今度、事業団法の改正によって新しく活動の分野が与えられる今回のこの地球環境基金などの制度、こういうものにしましても、先生御案内のように、この原資は国民の税金の一部が充てられるということと、それからまた、この事業に理解をされる国民の、環境を大切にしようとする国民の浄財が充てられるということであります。いずれにしましても、その原資をもとにした運用というものは、これは国民に対していつでも説明できるし、また開かれたものでないといけないので、そういう意味において、先ほど局長も答弁したように、偏った資金の配分ということは全く考える余地のないことでありますので、あくまでも公平公正に運用していきたいということからの答弁であるわけでございます。
 したがいまして、今度の地球環境基金というものは、個人の意思やあるいは政府の特定の圧力でもって決められるというべき性質のものではありませんで、そういうことがあるならばこういう提案を国会に政府は出せないわけであります。政府があくまでもこの提案を出す以上は、国民の皆さんの目から見て公平に公正に運用しているなということでなければいけないので、それを申し上げたわけでございます。
#19
○中尾則幸君 公平公正の運用というのはこれは当たり前のことです、税金でやるわけですから。私が伺わなくてもそれは当たり前のことです。
 じゃ、次にちょっとちなんでいきます。今私の手元にあるんですが、今回の基金の参考にするためにまとめられた環境保全団体の活動の支援方策に関する懇談会報告書というのを私持っているんですが、この中にこう書いてあるんです。一部をカットして読みます。「助成を公的部門が直接に行うとすれば、その対象団体の範囲について何らかの選別をせざるを得ないはずであり、結果として、民間団体としての自主性、自律性を損なうおそれがあると言わざるを得ない」と。懇談会はこの危険性を指摘しておるんです。この点について一言ちょっといかがですか。これは懇談会です、報告書がある。これについてどう認識されていますか。
#20
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま先生が御引用なさいましたのは、日環協が独自の事業としてまとめました環境保全団体の活動の支援方策に関する懇談会の報告書であろうかと思います。
 その中に、そういった記述がございまして、民間団体に対して例えば運営面の助成をするとか、また管理費について助成をするというようなことになりますと、それは民間団体としての独自性を失う、自発性を失うということから問題であるというようなことであろうかと思います。
 私どもは、その意見についてはそのとおりだろうというぐあいに考えております。
#21
○中尾則幸君 そのとおりであるということで、きょうはそのために審議をしているわけなんで、ひとつしっかりとこの報告書の精神を、こんなふうに選別のおそれがあってはまずいんですよ。
 今回の法案の第二十条にこう書いてあります。「事業団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。」と。今回ふえましたね、六省庁になっている。縦割り行政が批判されている、横割りにいった。違うんです、認可を受けなければならない。手続を複雑にした、そう言わざるを得ない。これは私は、独立して運用しなければ大変危険だと思うんです。そういう意味では、環境庁が主体になってやるべきです。やっていらっしゃると言いますけれども、この第二十条の精神になりますと、建設行ったり農水行ったり、そういうおそれは十分あるわけですよ。だからこの懇談会の報告書も遠回しにそれを言っているんですよ。ですから、ある人は言いましたよ、御用NGOだと。御用というのは非常に古い言葉ですが、そうならないように、ぜひとも環境庁が各省庁の顔色をうかがうことなく主体的にやっていただきたいと私は思うんです。大変心配です。
 そこで、郵政省、国際ボランティア貯金についてお尋ねします。郵政省は平成三年度から国際ボランティア貯金を始められております。これは、民間の出損金で大変評判がいいと聞いております。今回の地球環境基金とすべてが同じじゃないんですけれども、同じ目的の制度だと私は思っております。この制度における助成基準を簡単に述べていただきたい。特に助成を申請した団体に対し、政府の方針に合致している、あるいはしていないというのが選考基準になっているのかどうか。それを含めてお答えいただきたいと思います。
#22
○説明員(玉井弘明君) お答え申し上げます。
 御指摘の国際ボランティア貯金につきましては、預金者から通常郵便貯金の利子の二〇%を寄附していただきまして、民間の海外援助団体のNGOを通じまして開発途上地域の人々の福祉向上に役立てることを目的といたしまして、平成三年一月から取り扱いを開始したところでございます。御指摘の配分を決定する際に私どもがどうやって決定しているかということにつきまして申し上げさせていただきますと、いろいろな団体から申請がなされます。その申請内容の検討に当たりましては、国際ボランティア貯金の寄附金が預金者の方々から寄せられた善意の浄財であるということを踏まえまして、慎重にかつ適正に行わなければならないというふうに考えております。
 このため、本省にこの国際ボランティア貯金に携わる職員を配置しておりますけれども、その私どもの職員がそういういろいろな団体、申請なされた団体からヒアリングを行います。その後国際援助及びNGOの活動等に詳しい専門家の方々からも幅広く意見を聴取します。かつ関係の行政機関とも協議いたしまして、その団体や事業内容について慎重に検討、審査をいたしまして、さらに郵政審議会での審議を経まして配分決定をしているということでございます。
#23
○中尾則幸君 大変私は理想に近い形だと思います。統計によりますと、初年度百三団体がたしか申請されていまして、そのうち百二団体に助成、配分を決定した。これは、申請した団体にほぼすべてに柔軟に助成をしていたと私は思っております。
 この出資金が税金でなくて個人の浄財であるからということなんですか。そうであるというならそうであるというふうに簡単にお答えください、違うなら違うと。個人の、民間からのお金だと、今の御説明で大体わかりましたけれども、確認だけさせてください。
#24
○説明員(玉井弘明君) お答え申し上げます。
 初年度は御指摘のとおりでございますが、二年目に当たります昨年度におきましては申請が二百八十四団体ございましたけれども、実際に配分できました団体は百八十五団体ということで、御希望の団体がすべて配分されたというわけではございません。
 先ほど申し上げましたように、限度がございますので、その中でいろんな専門家の方々から意見を聞いて開発途上の地域の方、住民により喜ばれるであろうというようなことを審査していただいて決定しているということでございます。
#25
○中尾則幸君 御説明ありがとうございました。今お答えいただいたんですけれども、この国際ボランティア貯金の精神というのは、長官、大事にしていただきたい。本当にすごい勢いといったらおかしいですけれども、大変ふえているんです。これは民間の浄財です。そういう意味で、この精神をぜひとも大事にしていただきたいと思います。
 それではまた環境庁に伺いたいと思います。今回の地球環境基金は、第二十八条の二によりますと、政府資金とそれから政府以外の者からの出損金、個人と企業と書いてあります。運用されることになっております。まず、この政府資金でありますけれども、この内訳は、今年度は環境事業団への出資分が十億円、環境事業団への補助金として五億円が資金となり、この五億円と、十億円の運用益三千万円の合計五億三千万円が今年度出し得る額と聞いております。
 今度の改正法によりますと、民間からの資金は政府の資金とプールされるといいますか、一緒になって政府資金と同じような扱いを受ける格好になります。これは少なくとも今聞きましたけれども、ボランティア貯金の場合は個人の意思を大事にして、具体的に言えば選別を行わないということを私は聞いております。こういった今の精神から見ますと、政府のお金と民間のお金、企業も入っていますから、一緒にしてその配分先を決めるというのは私はおかしいんじゃないかと思うんです。
 といいますのは、私は疑ってかかってきているんですよ今、この二十五分間の間に。そうでなければお任せしたいと思うんですが、先ほど言いましたですね、ニーズにこたえるとか、いわゆるどちらかというと反政府的な運動については偏っているから支援できないと。これはもう明確なんです。ですから、それであれば今回の地球環境基金のいわゆる税金、それから個人、企業という、それを一緒くたにするというのは私はおかしいんじゃないかと思うんですが、これについてどうお考えですか。
#26
○政府委員(八木橋惇夫君) 私どもこの地球環境基金を考えるに当たりまして、NGOの環境協力を助成するということに関しまして、これは民間だけの力に頼って税制面で助成措置を講ずるという方法も従来からとられておりますけれども、それだけではまだ不十分である。チャンネルをいろいろふやした方がいいのではなかろうかというようなことから、国、民間がお互いに力を合わせて環境に関する国際協力等を充実させていく必要があるという観点から、このような構想を立てたところでございます。
 したがいまして、この基金は国も出資すれば民間からの浄財もいただく、それが相まって環境NGOに対する助成を促進していくというようなことにしたものでございますから、これは国の資金それから民間の資金を合わせて入れていくという構想になっているものでございます。
#27
○中尾則幸君 それではちょっと聞かせてください。
 今回の法律改正、地球環境基金の創設によってこれは部がふえます。一部二課ふえるというふうに聞いております。六名ふえると聞いておりますけれども、今言いました国と民間お互いに力を合わせていこうと、これは大変すばらしいことです。それであれば六名の職員の選考について、民間のNGOの一緒にやっていらっしゃる方、これは運営委員会については今後同僚の堂本議員が聞くと思いますから重複は避けますけれども、そういった六名のスタッフの中にぜひとも一、二名NGOで活躍している人たちも入れるというふうなお考えに私は通ずると思うんですが、それについてはいかがですか。
 こんなこと言ったら失礼ですけれども、今度六省庁ある、六人のスタッフだからみんな均等配分するなんということは私はないと思います。NGOを入れるか入れないか、私は当然入れると思いますけれども、それについてお答えください。
#28
○政府委員(八木橋惇夫君) この基金の管理それから助成の実施等につきましては、これは環境事業団の事業として行うわけでございます。したがって、この地球環境基金で行う事業を円滑に行うためには、やはり適材適所の人材を選ぶということになろうかと思います。
#29
○中尾則幸君 答えてませんね。
 適材適所、これはどこの企業だって同じです。その中で、例えばNGOでやっていらっしゃる方に門戸を広げるのかどうか、簡単に答えてください。六人のスタッフと私は聞いてますから。これは重要な問題なんです。この精神の問題を私は言っているんです。それでなかったら先ほどから言っているように国そして個人、地球環境基金という名前で全部プールして、あとはお任せくださいと。任せられないから言っているんです。もう一度答えてください。入れる方向なのかどうかということを。
#30
○政府委員(八木橋惇夫君) この事業は、環境事業団の事業として地球環境基金というものを国民の税金及び国民の浄財をもとにしてやるわけでございますので、適正な管理というのは行われなければならない。もちろん、助成をするに当たっては民間のNGOの意見というものが反映されるような格好でやらなければならないわけでございますが、そのこととこの基金業務に携わる人員がNGOの人でなければならぬということは別問題であるというぐあいに私は考えております。
#31
○中尾則幸君 あなた、論理をすりかえちゃいかぬよ。
 NGOの人でなければならないなんて言ってないでしょう。初めからNGOの人を入れる方向にあるんですか、どうかと言っているんです。六名をNGOの人で全部しなさいなんて言ってない。そういう考え方僕は聞いたことない。聞いていればこんな質問しませんよ。
 ですから、それに答えてください。門戸を閉ざさないのか。例えばその六人の中のスタッフにそういう希望があれば公平に、さっき長官が言った、今回のあれは大変大切なものだから公平かつ公開してやりたいと言っているわけです。これは大変な問題ですからもう一度答えてください、逆言っちゃいけませんよ。
#32
○政府委員(八木橋惇夫君) この事業に関しましては、基金事業を円滑に軌道に乗せるということから、適材適所の職員を配置をしておくということで、NGOから希望なさって環境事業団の職員になりたいという方がおりますれば、それは環境事業団において選考なさることでしょうから、初めからそれを排除するということにはならぬかと思います。これは適材適所、環境事業団の職員として適当であるかどうかという観点からそれは選考なされることになろうかと思います。
#33
○中尾則幸君 こればっかりやったらもう時間ないからあれですけれども、今回の制度は、衣のそでからよろいが見えているんですよ。ですから言うんです。これは大変大事なんですよ、地球環境。だから、私も本当は穏やかなことを聞きたいんですが、民間の浄財を集め、そして地球環境を守ろうという精神は大変大事だから私は言っているんです。
 もう一つ聞きます。資金は分けませんか。基金がありますね、例えば五億円あるいは十億円、運用益含めての。個人それから国、国といったら税金です、国民の浄財ですよ、税金も、そして企業という形で。私はそうであれば管理運営を分けるべきだと思います。つまり、国の出資金ですね、税金。これは行政官庁に管理運営はゆだねると、従来どおり。しかし、個人、企業からの資金については、先ほど郵政当局からも話がございましたけれども、国際ボランティア貯金の制度に準じた扱い、運営をする。私は、こういった提案を申し上げたいんですけれども、これについていかがですか。
#34
○政府委員(八木橋惇夫君) 基金の運営に当たりましては、やはり国民の税金とそれから国民の浄財から成る寄附をもとにして事業を行うわけでございますから、先ほど一番最初に大臣がお答え申し上げましたように、信頼性、公平性とまたその効果といったようなものを勘案いたしますと、運営委員会といったようなものを設けまして、そこの意見を聞きながら運営することが適当であろうというぐあいに考えているところでございます。
 その原資をこれは税金分、これは寄附分というぐあいに分けて運用すべきかどうかという委員の御質問でございますが、私ども現在そのように分けて運用するということは考えておりませんが、なおこれは運営委員会の意見も聞いて決めることになろうかと存じます。
#35
○中尾則幸君 その運営委員会、これは先ほど郵政当局が言っておりました郵政審議会に諮問し答申を受ける。そして厳正に手続をとる。この運営委員会なるもののアウトラインといいますか、それについてはどのようにお考えですか。
 例えば、お話を聞きましたらNGOの現場でやっていらっしゃる方への門戸がどうも閉ざされている。厳正かつ公平に運用すると言うんであれば、当然運営委員会の中に民間を含めて、メンバーには当然入れるんでしょうね。
#36
○政府委員(八木橋惇夫君) 運営委員会の委員構成等につきましては、今後検討していかなければならないものでございますが、その中にはやはり環境NGOの実情に明るい有識者を参加してもらうことがぜひ必要であるというぐあいに考えております。
#37
○中尾則幸君 実情に明るい人、当然のことでありますけれども、もちろん現役も含めてということでございますね。
#38
○政府委員(八木橋惇夫君) それは現役を含めまして実情に明るい方の中からということを考えております。
#39
○中尾則幸君 わかりました。持ち時間があと十分ですから、ちょっと先を急ぎます。
 今度は優遇税制措置についてお伺いします。今回の改正に伴って、環境事業団を特定公益増進法人にすることによりまして、地球環境基金に対する法人による寄附についての税制優遇措置がとられると聞いております。現在、環境に関連する特定公益増進法人、助成型の財団法人に限って、この特定公益増進法人に対する寄附は河団体、トータルで幾らぐらいあるか、簡単にお答えいただきたいと思います。環境庁認可の公益法人は五十一団体と聞いております。ただ、助成型の財団法人についてはかなり数が少ないと聞いておりますけれども、それについて実数だけちょっとお答えください。
#40
○政府委員(八木橋惇夫君) 環境事業団ではなしに環境庁が所管している助成型財団、また公益信託に関する御質問であろうかと存じますが、環境庁認可の公益法人、公益信託は、現在合わせまして約六十件ございます。
 このうち民間団体への助成を主たる目的としているものは、固有名詞を挙げますと、例えばイオングループ環境財団、日野自動車グリーンファンド、サントリー世界愛鳥基金など十一件ございますが、この十一件の団体等につきまして八件が税制上特定公益増進法人、または特定公益信託等の認定を受けているところでございます。
#41
○中尾則幸君 金額は。
#42
○政府委員(八木橋惇夫君) これら十一件の財団等による年間助成総額は、おおむね合わせまして三億円程度ということになっております。
#43
○中尾則幸君 今の説明を聞いていましてもわかるように大変規模が少ない。三億円、これだけ環境問題が大変な折から少ない。この少ないところへ、もし今回事業団が特定公益増進法人となった場合、これまで直接個人個人でいろいろあります、例えば個人が浄財を寄附する、その環境NGOに対する寄附金のほとんどが今度は地球環境基金、その税制で優遇措置をとられた場合、どうもそちらに回るというおそれがこれは多分にあるということなんです。
 こうなりますと、官主導型、宮シフトといいますか、これは長官も望ましいことだとお考えになっていないと思いますけれども、事実上そういうおそれがあるということについてはいかがお考えですか。つまり、そうであれば今までの税制の優遇措置の枠を拡大するというふうにしなければ、結局は地球環境基金だけが膨れ上がるというような懸念が私にはあるんですが、それについてはいかがお考えですか。
#44
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のような御懸念でございますが、環境分野におけるNGO活動を助成する財団等の、先ほど十一件というぐあいに申し上げたんですが、これらについて見ますと、特定の拠出企業がございまして、多くの場合はその企業の名称が財団等の名称に明示されているとか、またはその助成対象が特定されているといったようなことで、特定の企業による社会貢献の活動という側面もあるやに見られるわけでございます。
 私は、それはそれなりに一つの意義があるというぐあいに考えますし、またそういう特定の企業活動と関連したような格好で助成をしていくという道も開いていいのではなかろうかと。こういうものが相まって、NGOに対する活動が、むしろ現状では先生御指摘になりましたように、日本の場合はまだ非常に貧弱でございますので、両方相まって、こういう道を開いていく方がいいのではなかろうかと考えます。
 その場合に、先生の御懸念は、両方相まっていないんじゃなかろうかという御懸念だろうと思いますが、私どもはそれぞれにまた、先ほど申し上げましたが、意義あることでございますので、そのようなことにはならないようにしてまいりたいというぐあいに考えます。税金の優遇措置について枠をふやすべきではなかろうかという御議論、これは非常にわかる議論ではございますが、逆に大蔵当局に申しますと、まだその枠の消化率というのは極めて低い段階にあるというようなことから、この点に関してはなかなかまだ賛同を得られないという状況にございます。
#45
○中尾則幸君 くれぐれも政府横取りなんというふうな悪口をたたかれないように、ひとつお願いします。
 あと五分持ち時間があります。イギリスにはグランドワーク事業団というのがあるそうでございます。民間団体の助成のあり方について伺いたいんですが、これはもっと一般市民それから企業、自治体などがNGOと非常に今密接な連絡をとって事業を進めておる。これに比較しますと、私も先ほどから指摘していますけれども、今回の基金は、官主導型、政府主導といいますか、一般市民の参加が非常に希薄である。こういった制度を導入する際、本来の環境NGOがこういった形では私は育たないと思います。それについて長官、いかがですか。一般の市民あるいはNGOの現場で汗を流していらっしゃる方が参加できるとお思いですか。私はそこを聞きたいんです。
 環境庁長官は東洋哲学の大家だと聞いておりますから、ここでひとつ一般参加の道を開くということだったら、ひとつ演説をしてください。私の残り時間はあと四分ですが、全部差し上げます。どうぞ。
#46
○国務大臣(林大幹君) まず幾つかに分けてお答え申し上げなきゃならないと思いますけれども、今度の地球環境基金の設立といいますか、これを設けることが環境NGOの活動に対してえこひいきがあってはいけないという先生のそういう切実な気持ちが今の御質問にあらわれていると思うのでありますけれども、これは我々も全く同じであります。
 ただ、日本におきましては、先生も御存じのように、民間のこういう奉仕活動をするような事業が大変伸びないんです。これはむしろ諸外国、特に欧米に比べますと非常に伸びが少ない。欧米の場合ですと、数百万の会員を擁する団体が幾つか存在して、大変強力な活動をしておる。むしろそういうところは政府に関係なしに本当に独自性を持って活動できるという、そういう姿も欧米には見られます。これは日本において非常に残念なところでありますが、しかし、これからはそうあってはいけないと私は考えております。
 ただ、今回の場合も政府がどこまでも主導権を握って、これから長い長い年月を政府主導でもってやっていくんだと、だからそのために環境NGOはますます差別つけられるんだという、そういう心配は全くないように公平公正に運営しなきゃいけないというのは、そこを申しておるところであります。そのためにも私は、日本人の心理状態といいますか、民族の性格といいますか、そういうものも背景に考えなきゃならないのかなという気持ちを実は持ちながらしております。
 先生の御質問もあろうかと思いますので、まだ時間が若干ありますけれども、これで切ります。先生何かございますか。
#47
○中尾則幸君 あります。済みません。
#48
○国務大臣(林大幹君) それじゃ、どうぞ。
#49
○中尾則幸君 一般市民の参加ということで、最後にちょっと、大変僭越ですけれども、つけ加えていただきたい。
 最後に、もう一点だけ指摘させてください。我が国のこれまでのNGOの助成、特に海外のNGOに対する資金援助は、いわゆる物中心、例えば毛布を送ったり、あるいは自転車を送ったりといったこと、これもまた大変大事なことだと私は思っているんですけれども、これからのNGOの活動にとって重要なことは、情報、いわゆる物じゃなくて情報の入手あるいは交換、これが大変重要な役割になっていくんではないか。その意味では、例えば人の交流、それから民間ベースでの国際会議等の開催が重要になってくると思うんです。私は、こういったものにも積極的に助成を惜しむべきじゃないというふうに考えております。
 長官、これはお約束していただきたいんです。私の初質問なんです。一般住民の参加と、それから今回のこういった目に見えない形の情報交換、それにも積極的に助成していくということを、ここでお約束していただきたいと思うんです。お約束いただければ、私はこれで終わります。長官です。
#50
○国務大臣(林大幹君) 実は、この法律を通過させていただきました暁には、現実にこれは動くわけでありますので、そのときには当然、事業団の方で運営委員会をどうするかという、先ほど先生の御質問にもありましたし、局長も答えておりますが、こういう中で運営のいろんな問題が具体的に決められていきます。その中で今先生の申された御趣旨は十分これは反映したいと思っております。
#51
○中尾則幸君 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#52
○堂本暁子君 中尾議員に引き続きまして質問させていただきます。
 長官、正本では民間のNGOが育たなかった、これはなぜだとお考えでしょうか。今民間のNGOが日本では非常に貧弱であるとおっしゃいましたけれども、どうして諸外国で育ちながら日本では育たなかったとお考えでしょうか。
#53
○国務大臣(林大幹君) 大変手厳しい御質問をいただいておりますが、私は、これは日本人の今日まで民族を形成してきた歴史的背景に非常な要因があるのではないかという気がいたします。特にそれは民主主義、自由主義、そういう新しい西欧思想の習熟が日本はまだ十分でなかった。したがって、個々の独立性、自立性、そういうものが大変おくれている。
 それから、日本の場合には、これは数千年の歴史を有する稲作農業を中心にしてきた民族でありますので、どうしてもこれはリーダーに頼りがちであります。ですから、リーダーに頼っておればそれで自分たちの自治行政が何とか保っていけるという村落をつくってやってきました。そういう歴史がありますので、ここへきて急に個人個人が自立性、独立性というものを自分で認識して自分で羽ばたいていくというこの努力が、それからその目標の定め方が欧米からおくれておると。
 しかし、日本が永久にこうであるとは私は思っておりません。今のNGOの問題にしましても、それからまた今先生方に御審議賜っております団法の改正にしましても、そういうものを乗り越えていくための一つの私は土台になるということをかたく信じて、やがて日本人の英知は諸外国に劣らない、そういう場を獲得するということはもう目に見えて近い将来に実現できるという信念を持っております。
#54
○堂本暁子君 私は一部賛成、一部違うと思っています。
 住民というのはたくましいものでございます。足尾銅山で百年前にこの国会を取り囲んだのは農民であり、労働者でした。一木一草全部汚染されて自分たちが病気になったときに、そういうときに投獄されようが、男は投獄されました、その後の運動を引き継いだのは女でございます。そういうのをずっとつぶしてきたのは、やはり私は国家の権力ではないかと、そういうふうにおっしゃるなら言わざるを得ない。やはりリーダーの方に原因があったのではないか。
 水俣を考えてもそうです。この間もみんなお会いになっていると思いますけれども、もう本当に血が出るような思いで住民は立ち上がったわけです。日本が公害先進国なんという言い方をされますけれども、それは行政が先にやったことではない。四日市だろうが川崎だろうがどこでも、本当に住民が立ち上がって運動をして展開していった。にもかかわらず、やはりこういうふうに貧弱であった。それはむしろリーダーの側でどれだけそういう住民というか、市民運動を抑えてきたかという、日本の歴史の方が私は原因ではないかと思っております。
 このUNCEDのプロセスの中で、私、ジュネーブの第三回の準備会からですが、参りました。そこで世界のNGOが全部集まって毎日会議を開いておりました。日本からはJVCの岩崎さんと私が初めて行ったぐらいで一人か二人しかいない。それも私たちそんな一カ月なんていられませんから、せいぜい一週間いるということでございました。でも、みんなから聞かれました、どうして日本のNGOは来ないんですか。逆に言われたのは、日本のおかげで私たちお金もらって来ています。日本のNGOはお金がないから行けなかったんです。情報もなかったんです。環境庁にもいろんな情報が来た。しかし、NGOにそれが流れないというようなこともございました、現実に。そういった形で、政府の代表は四十人、五十人とジュネーブにいる。NGOは一人もいない。これが日本の現実だったんです。
 ですけれども、じゃ国連の場で今どういう事態がといえばスーパーパワー、安保理の五大国から今ピープルズパワーに転換の時期が来たとまで言われている、そういう世界の情勢でございます。そういった中で日本は、今大臣がおっしゃったように、本当に民主主義なり住民の立場を大事にしてくださるのであれば、この事業団法は本当にそういった理念で運営していただきたい、それが最初のお願いでございます。
 そして、なぜそう言うかといいますと、中尾さんがるる言ったような危惧を私も抱くわけなんですけれども、例えばブルントラントさん、ブルントラント委員会を指揮して地球サミットを開いた総理として大変有名な方ですけれども、私がオスロの事務所に訪ねたときにこういうことがございました。ちょうど各国がその国のナショナルレポートをつくった、環境に関しての報告を七月までに国連に提出したわけです。日本は環境庁の三人の方が全部起草なさる。NGOの意見を少しだけ聞いて、それが後ろに添付される。私は、ノルウェーの環境庁に行ってそれをつくっている担当官に会いました。このぐらい分厚いものでした。みんなNGOからいろんな意見を聞いた。そして、国連のガイドラインには女性、若者、労働組合、教会それから企業、ありとあらゆる考えられるセクターが全部参加してつくるようにと書いてあったわけですが、日本は一切実行しなかった。
 私が国連の場で、中尾さんはきょう初めての質問だとおっしゃいましたけれども、初めてした演説は、日本のナショナルレポートは環境庁のオフィサーが書きました、日本の私たち女性も、労働者もそれから市民も参加しておりませんという演説だったんです。そういうときに、ノルウェーは出さなかったんですね。なぜ出さなかったか。一番ラジカルで反政府的なNGOがこれでは不満だと言った。そうしたら、ブルントラントさんが国連に間に合わなくてもいい、一番ラジカルなNGOまでが賛成したナショナルレポートをノルウェーはつくるべきだ。そのためにノルウェーはおくれたんです。その担当官が私に見せてくれました、こんな厚い。これからこれをこのぐらい薄くつくらなきゃならないのよと、女の人ですけれども、そう言った。
 私はそのとき、世界の環境の地球サミットをリードしただけの総理大臣だなとつくづく思いました。彼女の目線は市民と同じ目線にあったんです。今たまたま長官がるるおっしゃったので、私もあえてこんな長い話をしているんですけれども、これから長官並びに環境庁が本当にNGOと同じ目線に立って本気でNGOを民主的に育ててくださるのかどうか、その御決意を伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(林大幹君) 大変、堂本先生から貴重な御経験談をいただきました。まさにこれからの運営につきましては、先生のそういう御趣旨が当然生かされなければならないと思っております。
 ただ、私どももこれに対してある意味においては独断のような形でできかねるというのは、日本人というのは今徐々に個性を生かす生活になれてきておりますけれども、それでも例えば御婦人の方が自分の子供を育てる場合、子供の意思に関係なしに自分の意思で学校を選ばせたり、御婦人の意思で、お母さんの意思でこの学校に行かせたいとかそういうことで子供をどんどん強制していくという、そういうことがまだ残っております。しかし、アメリカなどに行きますと、もっともっと子供に自由に選ばせております。こういうところにまだ日本と欧米とのそういった精神的な差を感ずるのであります。
 しかし、今諸先生に御審議いただきまして御決定をお願いする事業団法の改正にしましても、今堂本先生のおっしゃいましたそういう国際的な経験が現実の運営の中で生かされていかなければいけないという、そういう感じを痛切に抱いております。
#56
○堂本暁子君 一番伺いたいのは、公平であること、だからブルントラントさんは一番反政府なんです。彼女のやり方は、たしか環境税の問題だと思いますけれども、環境税のことが書いてない、けしからぬと言ってNGOは怒っていたわけですけれども、そことも丁寧に話し合った。とにかく役所リードじゃないんです。日本は環境庁が期日までに間に合わせる、向こうは自分のNGOの方を大事にしているわけです。
 ですから、これから本当に長官も環境庁もNGOの、NGOということは市民のですけれども、一般の市民の環境のことをやっている人たちのところまで、上からリーダーとおっしゃらずに、長官も市民の立場でお考えくださるかと、そのことに一言でお答えいただきたい。
#57
○国務大臣(林大幹君) 私は、堂本先生の御意見を拝聴する以前から、環境庁長官を拝命したときからその信念でおります。
#58
○堂本暁子君 安心いたしました。
 では、もう少し具体的なことを伺いたいと思いますけれども、この環境基金による民間団体への助成の決定が適正になされるために今回運営委員会が、先ほどから中尾さんが言っていましたが、設置されるということなんです。この委員会について伺いますが、政府による民間団体への助成ということの性質の上から、適正な決定がなされなければならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#59
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のとおりだと思います。地球環境基金による助成の決定につきましては、そのような必要性はございます。
 助成事業の具体的な対象案件につきましては、環境事業団が責任を持って審査し、決定するわけではございますが、その過程におきまして事業の、先ほど先生おっしゃいました信頼性また公平性を一層高める見地からは、事業実施上の措置といたしまして、各方面の有識者から成る委員会の意見を得て決めるべきだろうというぐあいに考えております。
#60
○堂本暁子君 その適正な決定のチェックをするために、どうして今回は法律にそれが書かれていないんでしょうか。
#61
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、事業団の事業全般にわたりまして、そういう諮問機関また評議機関を設ける場合は直接法律で定める例もございます。
 しかし、特定の事業に限って、例えば今回の地球環境基金のようなものを設ける場合におきまして、それを法律によるところの評議員会とするか、または事業団の業務方法書に基づいてそういう組織を構成するかという点につきましては議論がございまして、私ども、法制局とこの事業団改正法案を策定するに当たりましては、日本におきましてたまたま前例としてつくられております国際芸術文化振興会における基金または日本体育・学校健康センターにおけるスポーツ振興基金の例を引きまして、それと同様の法構成にさせていただくということから、業務方法書に基づくところの運営委員会とさせていただくことが適当だろうと判断した次第でございます。
#62
○堂本暁子君 先ほど郵政省からのお話ありましたけれども、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律、第四条第四項によりますと、郵政大臣は、助成は審議会の諮問を受けて決定しなければならないというふうに書いてございます。一番これが近い事業だと私は思うんですね。そしてスポーツとか、そういったものと何が本質的に違うか。
 それは、先ほどからるる中尾議員が指摘していたように、環境というのは、もう足尾銅山から水俣、長良川などと言わなくても、数は少ないかもしれません、ほかのこともあるかもしれませんが、ほとんどは建設省の事業であったり、運輸省の事業であったり、それから農水省の事業であったり、それに対して住民の側から反対をしているというような性格のもので、私は本当は一省庁で、本当に環境庁だけでやっていただきたかった。そしてなおかつ環境庁だけではなくて、六つの省庁が関係するようになるとすれば、なおのことこれは法律に明記すべきだったと思うんです。そうしないと、きちっとしたチェックができない。内部チェック的な形では絶対に足りないと思いますが、どうでしょうか。
#63
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘の郵政省におけるボランティア貯金の場合は、郵政省におきます郵政審議会を使って、そういうことを審議していただくということを予定しておるようでございます。これも郵政省が国の中央機関の一つとして運用をなさる場合に、郵便貯金また郵政事業に関する基本的な事項は、この審議会の議を経てやるということになっておりますことから、そのような対処をなさったことであろうかと思います。
 私どもの、この地球環境基金につきましても、先生御指摘のようなこともございますが、私どもは基金というものをいかに適正に運用するかという観点から、先ほど申し上げましたような日本の例を引きつつやって法構成を行ったわけでございますが、実際にこの運営委員会ができます場合には、国会における御議論等を踏まえて適正な運営がなされるように、その点は十分配慮していくべきだというぐあいに考えております。
#64
○堂本暁子君 資料をお配りしてございますが、その資料をごらんのとおり、それぞれ運営審議会、いろいろな形で出ているわけです。スポーツ、芸術を例におとりになるよりは、きちんとこういった社会福祉・医療事業団法ですとか、中小企業事業団法、それから日本下水道事業団法いろいろございますが、みんなそれぞれに評議員会があるわけです。それがどうしてないのか。もしこれがないとすれば、本来法改正していただきたいぐらいの気持ちでいるんですが、私は手続を公開なさるべきだと思います、きちっと。それはできますか。
#65
○政府委員(八木橋惇夫君) 運営委員会の手続をできるだけ公開すべきである、公表すべきであるという御議論でございます。私どもといたしましては、この事業が国民の間に信頼され、また公平性を確保するという観点から、できるだけそれはオープンな格好で運営されるべきだと思いますが、実際に個々の問題にわたりますと、それぞれのプライベートな問題がかかわってきたり、そういう問題もあろうかと思いますが、御趣旨の線に沿ったような運営はなされるべきだというぐあいに考えております。
#66
○堂本暁子君 ここに、ボランティア貯金のをいただきましたけれども、全部こういうふうにきちんと決まったものを公開しています。
 それから同時に、私はボランティア貯金と何が違うか。ボランティア貯金は、一つは法律に明記されていること、それからもう一つは、審議委員がやはりだれが考えても平等公平な判断をするであろうと思われる、例えば上智の村井先生、非常にODAについては反体制的な本を何冊も何冊も書いている方ですが、そういう方が入っている。あらゆるところを平等に考えているという方が右代表で入っておられる。それから事後評価も西川潤さんがその委員長をやっていらっしゃいますが、二人とも、例えば村井さんはインドネシアのエビの問題に関して言えば、本一冊を書かれるほどODAに関しては批判をしておられる。西川潤さんもネグロスキャンペーンというものの責任者でいらっしゃいますし、村井さんもパルクというところの責任を持っていろいろやっていらっしゃる。
 そういった皆さんは、非常に御自分でもNGOのことをよく御存じで、しかも今も外国へ行って欧米ともアジアとも積極的にNGOのことをやっていらっしゃる。ですから、NGOの人がみんな信頼できるということがあります。そういった点で今回、運営委員会は事業団法の二十条の業務方法書に規定することになっているようですけれども、その二十条によりますと、十八条八号については環境庁長官、厚生大臣、農水大臣、通産大臣、運輸大臣、建設大臣、この六つの省庁、その方たちがその省庁によって内容を審議して決めるとあります。こういった建設とか運輸とか、ある意味でいえばむしろそういったNGOから批判される側に立つ省庁があって、そういった人選が、構成が可能だとお考えですか。
#67
○政府委員(八木橋惇夫君) この業務方法書を定めるに当たって各主務省がそれぞれ認可にかかわっているではないか、それによって公正な人選が保たれるのかどうかという御趣旨の質問だろうと存じます。
 今回、環境事業団の地球環境基金に関しまして主務大臣をふやしましたのは、従来の環境事業団における事業が、どちらかと申しますと都市型の公害を対象とした事業が中心になっていたということからそういう人選になっておったわけでございまして、今後の例えば環境国際協力等を中心にしますと、例えば植林でございますとか野生生物種でございますとか、そういった農林水産関係の知識を持っていることが必要である。それに、さらに今度は海とかそういったことを対象としますと、運輸省の専門家の意見も聞く必要があるというようなことから主務官庁として参加をしていただくことになったわけでございます。
 そういうことで、こういうところも主務官庁になるわけでございますが、やはり管理業務そのものにつきましては、これは環境庁が責任を持って主務大臣として携わることになります。この運営委員会の先生の選定に当たりましては、先ほど申し上げましたような国民の信頼性を高めるという観点からはぜひともそういう視点で選ぶべきでございますし、また基金業務全般の有効性を高めるということからいたしますと、そういう関係主務官庁の御意見も聞かなければなりません。
 民間団体に対し助成をしていくということでございますから、そういう方々に信頼されるような方で運営される格好でなければならぬという先生の御指摘でございます。私どもとしては全くそのとおりだと思いますので、そういった趣旨に立って人選は進めていくべきであるというぐあいに考えております。
#68
○堂本暁子君 目をしっかりあけましてどういう人選をなさるか、しかと見せていただきたいというふうに思います。
 ただ、私大変心配しております。きょう動物のことをやっているNGOの方も、それから水のことをやっている方もみんな傍聴に見えていますから、それもしっかりと考えていただきたいと思うんです。私は別に農水省が入らなくても、野生動物のことをもしかしたら各地で運動している人の方がもっとよく知っている。中央官庁にわからないことを、北海道で沖縄で岩手で、もう日本じゅうでみんな運動しているわけです自分の地域の村で町で、その人たちの方がよっぽどよく知っていると思います。
 私は、あえて場所とか人は申しませんけれども、今一つ非常に心配になる理由は、ある動物を保護しようとした。そこは農水省が農地改革をしようとしているところなんです。だけれども、トラスト運動やそれから一般の運動をやったら、もうけしからぬという圧力があらゆる形でかかっています。ですから逆に、そういった運動を申請して農水省やなんかに回ったらば、それ、たたけということで逆にNGOがたたかれるようなことすら今は起こっているわけです。運動をするために申請をする、そうすると、お金が行かないだけならまだいいです、行かないところかその運動がつぶされるという。例えばサツキマスの研究、これはどこか申請が出ていました。建設省の圧力でだめになった、こういう話も聞きます。あっちこっちでその話は聞きます。
 いろんな自然保護の団体をやっている人たちがなぜ日本で育たなかったか。それは、さっき長官がおっしゃってくださったように、長官に就任したときから本当に住民の目線でというふうにおっしゃいましたけれども、現実は違うんです。百年前の足尾銅山のときと永田町は大して変わってないんです。住民は私はむしろアメリカに近いと思います。お母さんたちもアメリカに近いと思います。みんな今はもう本当に、変に経済的に豊かになることよりも自分たちの環境を守ろう、生活を大事にしようと。だからこそみんなNGOの人たちは一生懸命やっているんです。それを官庁から手を回されてどれだけつぶされているか。
 私は、たまたま環境委員会に来てそのことを知りました。ここに書いてある主務官庁、六つの官庁全部を通してオーケーをとるということなんです。そうだとすると、逆に情報が流れて、それじゃあそこはとにかく村長さんに手を回して、私が聞いたところなんか開発に反対した校長先生まで首にされた、そういう事実もあるわけです。
 今東京だけではないとおっしゃった、東北へいって、九州へいって、地方へいけばいくほど長官のおっしゃる古さが残っているとすれば、そういった手が中央官庁から、ときには地方自治体から回ることがあります。村八分になるという話は、環境運動をすれば、ほとんどそういう思いをしないでやるということは難しいぐらい村八分になるんです。そういったときに、こういった構造がつくられるということに対して私は大変危惧するんですけれども、その辺を長官はいかがお考えでしょうか。
#69
○国務大臣(林大幹君) 現実の中には堂本先生のお説のような面もこれは私は否定いたしません。しかし、これは日本民族として取り組まなきゃならない私は大きなハードルではないかと思います。
 したがいまして、仮に中央官庁がそういうことを理解できない面があれば、堂本先生が今この中央の場でおっしゃっているんじゃありませんか。そのような心配をする、憂いを持つ先生方の御意見がこの中央官庁にもほうはいとして集まってくる、こういう仕組みが私は民主主義の大事なところだと思います。ですから、そういう中でそれぞれの地域地域で大変苦闘しておられる、地球環境のことを心配してくださるNGOの方々の働きぶりも、私なども実は率直に言って環境庁長官に就任するまではよくわからなかった点がございます。長良川の問題にしましても水俣の問題にしましても、新聞でちょっと目にする程度で深くわからなかった。しかし、この場に立ってみると、これは容易ならざることだという気持ちを持つものです。
 ですから、中央官庁のエゴ的な面があれば、それを正すためにも今度の運営委員会というものの運営は非常に大切である。したがって、その運営の中心は先ほど先生がおっしゃったように、これはNGOの末端でいろいろ御心配してくださる、苦闘してくださる方々と目線を同じにすることだ、運営委員会もそうあるべきだと私は思うんです。それによって私は徐々にそこを抜け出すし、また進歩も期待できると思っております。
#70
○堂本暁子君 大いに長官のおっしゃったことに期待をし、そしてそのように運営していただきたいと思います。幾つのプロジェクトになるかわかりませんが、ボランティア貯金がこれだけありますように、これから環境基金で助成される一つ一つのプロジェクト全部が今長官がおっしゃった運営委員会に諮問され、決定されることをお約束いただけますか。
#71
○政府委員(八木橋惇夫君) ただいま長官からお答えしたところでございますが、そういう精神のもとに当たってまいるということでございます。
#72
○堂本暁子君 精神と、きちっとそういうふうにやると、ここは国会の答弁ですから非常に大事な場ですけれども、精神というのは一つ一つのものを、少なくとも郵政省のボランティア貯金に負けたくないということですから、郵政省のボランティア貯金がやっているように、同じようにやってくださるということをお約束いただけますでしょうか。
#73
○政府委員(八木橋惇夫君) 同じようにやっていくというそのことでございますが、郵政省のボランティア貯金とそれから私どもの地球環境基金ということでは制度の趣旨または資金の原資も若干異なることから、そういった性格の相違はございますが、同じような精神で、これは運営委員会をこの民間NGOに対する草の根の環境協力を実施していくという基本的なラインに沿って、その重要性を助長するような格好での運営に当たるということで、その精神において全く同様にやってまいりたいというぐあいに考えております。
#74
○堂本暁子君 どうして約束できないんですか。どうしても納得まいりません。今までの議論で言えば、当然一番公正にできるのはそこのところのはずです。
 役所の決定では不公平になる可能性があるかというのはもう申し上げる必要はないわけでございます。公正にするためにはそういった運営委員会、そこにきちっとした、民間からNGOの代表になる人もきちんと入っていて、すべての審議がわかるというところで決定するのが、大臣がおっしゃった民主的で自立した、そして一番草の根のNGOに届く方法だと思うんですが、どうしてそれに対してイエスとおっしゃれないんですか。何か理由があるんでしょうか。
#75
○政府委員(八木橋惇夫君) 運営委員会の運営につきまして、先生が御指摘になりましたように、ボランティア貯金と同じような公開性、公平性を保持するというような視点でそれはやってまいります。
#76
○堂本暁子君 どうしてもお約束いただけないということは、どういう理由でそれをイエスとおっしゃれないのか。ではその理由をお聞かせいただきたい。
#77
○政府委員(八木橋惇夫君) 私がお約束していないという趣旨を、先生はどういうところをお指しになっているのか、私必ずしも理解できないんですが。
 地球環境基金について運営委員会がやるときに、個々の案件ごとにそれを、これは助成する、助成しないということを一件ごとにやりますと、逆に助成しなかったということに関して、それを公表するということがどういう影響をもたらすかということに関しては、必ずしも私はいい結果ばかりをもたらすというぐあいには考えられないわけでございます。ただ、何件ぐらいの要望があって、このうち助成することにしたのは何件と、助成した案件はこれこれこのとおりというぐあいに公表することは、私はそれは可能であるし、お約束できるかと存じます。
#78
○堂本暁子君 もうとても期待できない気持ちになってまいりました。なぜボランティア貯金がみんな納得いっているかといえば、それは一つ一つの案件をその委員会を通しておられるからなんです。どうしてそれができないんですか。とても不思議です。例えば今もう何百とある、数は覚えていませんけれども、そのうちの三分の一ぐらいしかここには出てないわけです。でも、私はいっぱいNGOの人知ってますけれども、今度出したけれども半分だったとか、この次もらえるかなという、そういう声は聞きますけれども、不公平だという声は今のところは少なくとも聞こえてこない、少しはあるんですけれども。でも、大体のところみんな公平にと思われているわけです。
 今環境庁についてなぜこんなに申し上げるかというと、始まる前からはっきり言えば選別が始まったと、そういうのがNGOの間のうわさなんです。ですから、皆さんこうやってきょうも来ていらっしゃる。とすれば、そういったうわさを吹っ切って本当に大臣がおっしゃったような、環境NGOへ助成をして育てていこうという決心がおありになるんだったら、一つ一つのNGOから、申請されたものをその運営委員会を通すと。私は、その代表になる方がそれを漏らしたり、言ったりするようなことはないと思いますので、もう一度そのところを確認させてください。
#79
○政府委員(八木橋惇夫君) 御質問の趣旨はわかりました。
 個々の案件を環境事業団だけが決めるんじゃなしに、公正な人選による運営委員会にかけてそれを決定するのかどうかという御質問でございますれば、運営委員会またはそのもとにおける専門委員なりなんなりというような構成は考えますが、そのような措置はとってまいりたいというぐあいに考えております。
#80
○堂本暁子君 じゃ、しかとよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 では次に移りますが、もう一つ六人の方、大変気になります。事業団というところがきちっとあるわけですから、そのスタッフは私はぜひ事業団の方にやっていただきたいし、さっき中尾さんが言われたように、NGOから入ってもいいんじゃないかと思うんです。JICAなんかでは今、会社からの出向とかNGOから一時的にとか、NGOの活動をずっとやってきた人たち、それから市民運動をやってきた人が随分とスタッフになっている。JICAの理事さんなんかに伺っても、大変にNGOの人たちは経験を持っているので、役所の人よりは本当に実情を知っているので助かっているという声を聞いているんです。ですから、私は少なくとも、大変そのほかの省庁が気になるわけで、そこから本当に情報が漏れたり、情報が国民に漏れることよりは、私は役所に漏れることの方が怖いんです。建設省に漏れること、怖い。運輸省に漏れること、怖い。反対運動している人は、みんなそう思います。
 しかし、そこに計画を出さない限り、今度は申請ができない、そういったジレンマがあるわけです。とすれば、そのスタッフはぜひ経験を持っているNGOの方とか、それから環境庁プロパーの方とか、そして事業団の方で固めていただきたいというふうにお願いいたしたいんですが、いかがでしょうか。
#81
○政府委員(八木橋惇夫君) 実際に地球環境基金の業務を携わる環境事業団の人員をどういうぐあいに構成していくかという御質問かと存じます。
 これにつきましては、環境事業団におきましてこの地球環境基金というものを的確に運営するように人員配置をすることになろうかと存じます。これにつきましては、この事業団が適正、円滑に運営されるように適材適所の職員配置が行われるように、私どもも環境事業団を指導してまいりたいというぐあいに考えます。
#82
○堂本暁子君 長官、この人事の件はくれぐれもよろしくお願いをいたします、長官を信じておりますから。
 そして次に、十八条なんですけれども、十八条のイ、ロ、ハとそれぞれ政令によって定めるというふうに書いてございますが、この「政令」の内容をお答えいただきたい。
#83
○政府委員(八木橋惇夫君) 法律第十八条第一項八号イ、ロ、ハで「政令で定める」ということになっているんですが、一体何を定めるのかという御質問かと存じます。
 この「政令」では、地球環境基金の助成対象にふさわしい草の根の環境保全活動の要件を定めることを考えてございまして、具体的には、このイ、ロの「政令」、これは内外の民間団体による開発途上地域の環境保全活動でございますが、ここでは、開発途上地域の住民のニーズにこたえ、現地において行う植林、野生生物保護といったような実践的な事業、または住民等がこれらの事業を行う上で必要な知識の提供、それからこれらの活動の推進に資する調査研究または国際会議といったようなものを予定しております。
 それから、ハの「政令」、これは我が国の民間団体による国内での環境保全活動でございますが、ここにおきましては、広範な国民の参加を得て行う緑化、リサイクル等の実践的な事業活動、広範な国民に対する普及啓発、それからこれらの活動の推進に必要な調査研究というようなものをそれぞれ定めることを予定しているところでございます。
#84
○堂本暁子君 なぜ政令なのかと思うんです。これはむしろ法律に書き込んでいただいた方がみんなわかりやすいと思うんですけれども。きょうまでその内容を教えていただきたいとお願いいたしましたけれども、教えていただけなかった。大変それは私ども審査するについても不親切だと思うんです。きちっとこういうことは法律に書くか、事前に政令のそういう内容がわかっているのであれば教えていただいていいと思うんです。NGOの方から逆に聞きました。NGOは、もうとっくの昔にみんな知っているんです。私たち国会議員は教えていただけない、こういう矛盾がございます。
 住民の生活に起因する公害というふうにおっしゃいましたけれども、例えば工場に起因する公害、そういった公害は入らないんでしょうか。
#85
○政府委員(八木橋惇夫君) 私ども、いわゆる産業公害の防止につきましては、産業が防止することが当然のそれは任務であるというぐあいに考えておりますことから、産業公害を防ぐために住民運動でそれをやるということは、私はこの事業対象としてはふさわしくないんではないか。むしろ産業にそういうことはきちっとやってもらうべきであるというふうに考えております。
#86
○堂本暁子君 これは大問題です。今までも水俣はチッソでしたし、四日市はあらゆる工場でしたし、そういった住民に起因するだけの公害といったらそれこそごみとか、そういうことに限定される。それはおかしいんじゃないんでしょうか。
#87
○政府委員(八木橋惇夫君) 私どもとしまして、現在の環境問題が一般的な生活または事業活動そのものに起因する、そのものが特に公害をもたらすというようなことではないけれども、事業活動そのものが行われることによって例えば炭酸ガスが出てくるとか、そういったようなことから回り回って環境が汚染されるというような問題に対してそれぞれ政府が行うべきこと、産業が行うべきこと、または民間団体、国民のレベルでやっていただくこと、いろいろあろうかと思います。
 その中で私は、産業そのものが引き起こしているということが明確になっているようなものにつきましては、それは産業が例えば二酸化硫黄を削減するために産業活動の中でそういうことをやっていただく必要があるということで、やはり産業自体にそういうことはきちっとやっていただく必要があるというぐあいに思っているところでございます。
#88
○堂本暁子君 これは、またもう一回しっかりと伺わなければいけないと思いますけれども、例えば公共事業ですね、それの例えば干潟にしても、ラムサール条約に関しての湿地の埋め立てに対しての反対運動、これはもう日本は非常に少ないと外国から非難されているぐらいに日本の干潟それから湿地はどんどんどんどん埋められています。それに対しての湿地のネットワークもございますし、野生生物にしても、それこそリゾート法の反対、それから企業がつくる観光開発の反対、それからゴルフ場だけじゃありません、スキー場の反対、それから国がやっている事業の反対、地方自治体がやっていることの反対、こういったことの環境保全のものを残したら一体何が残るでしょう。リサイクルとかそういうものはあるかもしれませんが、私は大半がそういうことだと思うんです。
 もう時間がないので、私はそのことをあえて御答弁いただくより話を進めますが、カナダはこういったNGOの助成を始めたのが二十五年前でございます。私は先人の経験というのをすごく大事にすべきだと思うんですけれども、カナダの政府が主に途上国への援助に関してですけれども、どういうマイナス面が政府資金を出すことによって起こったかということを書いているんですね。それは、政府の方針がNGOの目的もしくは受益者の利益と一致しないことがあり、利害の衝突が起こり得る。政府から十分な資金を受けられることに甘んじて、NGOもしくは受益者は本来の目的や力量に合わせたプロジェクトに巻き込まれてしまうことになる。だけれども、日本の場合は二十五年たたなくてももう始める前から国とか産業に対してやっている住民、公害の防止に対しての運動には助成しないということが政令でこれから出てくる。これは政令ですから、まだ書いてないわけですが、やめていただきたい。お願いいたします。
 あらゆる公害に対して、あらゆる自然破壊に対して、地球環境の破壊に対して、例えば海外に進出している日本企業が環境破壊している場合、そういったものに対して外国のNGOが反対運動を起こしている。日本のNGOが行ってそこで一生懸命住民に、逆に言えば医療活動をやっているようなそういった非常にすてきなNGOもあるんです。私は現地でそういったのをいっぱい見てまいりました。日本がさんざん垂れ流しをして、水俣と同じに海が死んじゃった。そこへ日本のNGOが行っていっぱい湿疹の出た子供たちとかそういったのを、まさに補完的になりますけれども、政府がやったことのあとのことをNGOがやって日本の多重な、多層な外交を展開している、それこそが私はNGOだと思います。そこに政府がNGOを助成することの意味があると思うんです。そして、カナダが二十五年たって書いていることは、そういったNGOが反政府的なものに対して自己規制してしまう、そのことが一番よくない、NGOはあくまでもそういった自立性を持って、なおかつやっていくようにしなければいけないということです。これは一回長官にお渡ししますので、ぜひ読んでいただきたいんですが、そういったことがスタートする前からあるのでは大変に私は不安です。
 そういったことがないように、長官、あらゆる公害あらゆる自然の保全、地球であろうが地域であろうが、そういったものに対して本当にNGOの人たちが、市民運動がこれから日本で育つためのこれは基金であるということの御決心をぜひ伺いたいんですが、いかがでしょうか。
#89
○国務大臣(林大幹君) NGOの活動そのものを端的な言葉で言うと、育てるという言葉を使うとしかられると思いますけれども、NGOの活動を助長するために大変協力するという意味においては、今先生の申されたような、そういうことを十分認識いたしまして、そして十分念頭に置きましてこれからのNGOに対する態度を決めていきたいと思っております。
#90
○堂本暁子君 十分にというお言葉ですと、もうひとつまだ漠然としているような気がするので確認をさせていただきたいんですけれども、産業公害ですとか、それから公共事業による自然破壊とか、それから動物の絶滅の可能性がある、そういったものに対して運動をしているNGO、市民運動にも助成していただけるわけでございますね。
#91
○政府委員(八木橋惇夫君) 私どもはNGOの行います実践活動に対してそれを中心にして助成するという考え方でございます。
 産業公害そのものを防止するための措置については、必ずしもこの地球環境基金で対象にするよりはむしろ企業にそこはしっかりやっていただくということを中心に考えるべきである。ただ、私どもはNGOがやるにふさわしい事業に対しては、それは助成していくべきであるというぐあいに考えております。
#92
○堂本暁子君 今まで企業がみずからやった例がありますか。チッソを見てください。それは反対運動が起こって、その反対運動の中からみんな規制ができてきて、四大公害裁判があったんじゃないですか、日本は。それはもう本当に釈迦に説法でございますけれども。
 そういう運動があったからこそ、そういった日本の技術というものも進んだわけで、運動なしだったらば今はもっともっと日本の国土は荒れていたと思います。住民が守っているんです。そういうところには補助しないということであれば、この基金は本当に私も心配になりますので、そういった産業公害やそれから公共事業にきちんと反対している人たちにも助成をするということを、少なくともボランティア貯金はそういうことはやっているわけですから、そのことを長官、最後にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#93
○国務大臣(林大幹君) 実は産業公害という一つのことでございますけれども、実は全体を通しまして、これは日本だけの概念じゃありませんけれども、地球環境そのものに取り組む国際的な概念としても汚染者、原因者の負担ということを明確に、つまり汚染者、原因者の責任を明確にしておりますし、いずれまた先生方に御審議をいただかなきゃならぬ環境基本法案につきましても、その責任ということにつきましては産業の持つ責任、つまり事業者の責任ということもはっきりうたっておりますので、今の場合、これは二つに分けて考える必要があると思います。
 というのは、それに対して足元からほうはいとして起こったNGOの活動、つまり何らかの公害に対してあるいは産業の環境汚染そのものに対するNGOの考え方がほうはいとして起こってきた場合に、それはそれなりに評価されるわけであります。
 したがいまして、ただそれを今このときにこのケースはこうだ、あれはこうだということを決めてかかるということよりは、当然その事業に対して、NGOにどういう助成をするかということも当然これは委員会で審議しなければなりませんので、そういう中に一つ一つのケースとして検討されるというように解釈していただいていいんじゃないかと思います。
#94
○堂本暁子君 非常に心配なことは、これではまさに選別が行われる、選別の基金になってしまう。今まで地球サミットに向かって本当に日本のNGOは一つにまとまってパビリオンを開いたわけです。いい運動を今やっている中でこういった選別が行われるようなことは非常に困ります。
 ここのところはもう一度お考え直しいただきたい。政令のここのところは考えていただきたい。なぜならば、最初に中尾さんが言った矛盾がまさに露呈したと思うんですけれども、税金と企業からの膨大な寄附と国民の浄財と、この三つが全部一緒になってしまう。だから、恐らく産業界に対してはおっしゃれない。それから、国の公共事業に対しては建設省云々が入ってきている。それでは鳥を守るために、そして木を守るために、ここに募金をすれば本当にそういうふうに使われるんだと思って募金する国民は、これはとっても汚い言葉ですけれども、だまされることになります。
 そういうことにならないために、そうだとすれば産業界の基金と国民の浄財と税金とを分けて、本当に国民からの浄財は野生動物の保護や、それから公共事業に対しての反対にも出すと。それから産業界の基金は、これは産業界からのものですということで研究なりなんなりに使う。また税金は税金でそういうふうに、むしろ分けた方がすっきりすると思います。国民からの浄財を吸い上げて、そういった政府の判断でろ過して国民やまたNGOに配られるとすれば、これは一つの欺瞞がそこにあるような気が私はしますので、ぜひそこのところはもう一度御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
 終わります。
#95
○国務大臣(林大幹君) 基金の配分ということになると思いますが、それにつきましては、政府としましてもあるいは環境庁としましても、その団体が政府に対して協力的であるのか、非協力的であるのかということで選別するということはいたしませんということは先ほどから局長も私も繰り返して答弁しておりまして、そのためにすべて公平公正でなきゃならないということを貫くわけであります。
 運営委員会の委員の構成もその意味においてはあくまでも国民のどこから見ても正しい人選がされているという形で委員会を構成していかなきゃなりません。したがいまして、今度委員会にかかってくるいろんな案件につきましても、これもまた国民の納得いただけるような公正な、そしてまたそれなりの有効性も含めた形でそれぞれのものに取り組んでいくということでありますので、その意味におきましては、私はあくまでも委員会そのものがその原則を守っていくということで人選も固めていけるものだと思っております。
#96
○委員長(松前達郎君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分閉会
#97
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#98
○野間赳君 自民党の野間と申します。当委員会での発言は初めてでございますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 環境問題は今や世界人類が国家、地域、文化、歴史などの違いを乗り越えて力を合わせて取り組むべき国際社会の最重要課題となっております。現に、昨年六月にはブラジルのリオで地球サミットがあのように開催をされまして、世界人類が地球環境の保全を図っていくための行動原則でありますリオ宣言や、二十一世紀に向けての行動計画でありますアジェンダ21が採択をされました。また、気候変動や生物多様性の問題に関します条約を初めといたしまして数々の成果も得られたものであります。このように、地球環境保全の取り組みは国際社会の中にありましてまさに加速をされつつあるのであります。
 そこで、地球環境問題担当大臣でもあらせられます林環境庁長官にお伺いをいたしたいのであります。地球環境問題に対する我が国の取り組みについて、どのような基本方針を持たれてお臨みになられるのか、まずお尋ねを申し上げたいと思います。
#99
○国務大臣(林大幹君) 地球環境の問題につきまして野間先生の御見識を承ったわけでございますけれども、野間先生の御見識に全く同感でございます。
 その中で、これに取り組む基本方針はどうなんだ、どういう考えかというお問いでございますので、その基本的な原則を申し上げますと、見識あるいは認識の立場といたしましても地球環境問題が人類の生存基盤を維持する上で欠かせないものになってきておるという認識は先生と全く同じでございます。我々は限りのある地球環境の中でこれから人間が生きていく以上、開発行為というものは避けることはできないと思いますが、その中で、環境の保全を十分に考えて持続可能な開発を目指すという経済社会を形成していかなければならないという、そういう考え方の原則は十分堅持したいと思っております。
 このために、非常に高い経済活動を営みながら地球環境に大きなかかわりを持つ我が国自身が一体とうすればいいのかということにつきましては、環境負荷の少ない、そういう中で持続可能な経済運営をしていくということになろうかと思います。私どもとしてはあくまでも環境保全の分野における経験と技術を生かして、地球環境の保全に向けた国際的な取り組みに積極的に役割を果たすことによって、地球環境問題における日本の立場というものをはっきりしていきたいと思っております。
#100
○野間赳君 昨年の地球サミットの際、世界各国より我が国に大変大きな期待が寄せられました。それは資金面での貢献は無論でありますが、多くの困難な問題を抱えます開発途上国への技術の援助協力も大変重要だということであります。
 開発途上国におきましては、著しい人口の増加や経済的混乱の中で熱帯林の破壊等が進行しますとともに、我が国がかつて経験をしてきたような公害問題にも直面をいたしております。また、オゾン層の破壊、地球温暖化といった問題についても先進国と途上国が相協力して取り組んでいくことが必要不可欠であると思うのであります。今世界の資源に依存をして高度の経済活動を行っております我が国は、世界に対する貢献の意味からも開発途上国への環境協力、特にいわゆる環境ODAの一層の強化を図るべきではないかと考えております。
 そこで、政府の環境ODAの推進に対する方針をお伺いいたしますとともに、環境センタープロジェクト等各国よりの要望があり、実施されているように聞き及んでおりますが、我が国の進んだ公害対策技術を途上国に移転するためにどのような協力を実施しようとしているのか具体的にお示しをいただきたい、このように思います。
#101
○政府委員(加藤三郎君) 先生が触れられました昨年六月の地球サミットにおきまして、我が国は環境分野の政府開発援助、いわゆるODAを大幅に拡充強化するということを表明してまいりました。また地球サミット直後の昨年六月に政府といたしまして政府開発援助大綱、いわゆるODA大綱なるものを決定をいたしておりますが、そこでも環境保全を基本理念の一つと位置づけたところでございます。さらに申し上げれば、現在国会で御審議をいただくことになっております環境基本法案におきましても、環境保全に関する基本的施策として地球環境保全等に関する国際協力等の推進が位置づけられているわけでございます。このため、我が国といたしましては、持続可能な開発の達成に向けた開発途上国の自助努力に対する支援に、先生もお触れになられましたように全力を挙げて取り組むべきというふうに考えております。
 環境庁自体の動きをちょっと申し上げますと、環境分野の協力を円滑に推進するため、途上国の環境問題の把握など所管のODA予算の拡充強化を図ってきております。平成五年度は約四億七千万円というぐあいに、前年に比べまして三九%の大幅な増になってございます。また外務省及び国際協力事業団、JICAなどと協力をしまして各種の環境協力を推進してまいりたいというふうに思っております。
 さらに申し上げますと、先ほど触れましたODA大綱及び環境庁に設置されております審議会での答申、国際環境協力のあり方という御答申をいただいておりますが、こういったものに沿いまして今後とも開発途上国との政策対話を強化しながら関係省庁等との協力のもとに環境ODAの着実な推進に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、先生のお触れになられましたもう一つの重要な点、すなわち公害対策技術を途上国に移転する我が国の活動についてお答えをさせていただきたいと思いますが、先生もお触れになられましたように、我が国はこれまで環境保全に関する多くの経験とすぐれた技術を蓄積してまいりました。これを生かしまして、開発途上国における環境問題に対する取り組みを支援していくということが我が国の国際貢献の大きな柱だというふうに考えております。
 環境庁といたしましては、開発途上国に対しまして日本の進んだ技術を移転するために、従来JICAなどを通じました専門家の派遣あるいは途上国からの研修員の受け入れなど、協力をずっと続けてまいったところでありますが、最近になりますとモニタリング、研究、研修などの機能を持ちます、いわゆる環境研究研修センターといったものの設立への支援を対中国、インドネシアなどの国において行ってきております。
 また、環境庁独自の取り組みを御紹介申し上げますと、昨年度と今年度の二年間にわたりまして環境保全技術移転促進調査というものを実施してまいりました。このほか、昨年十月に我が国にUNEPの国際環境技術センターというものを誘致いたしまして、ここにおきまして途上国に移転すべき技術のデータベースをつくるとか、あるいは先ほど申し上げました各国の環境研究研修センターといったものとの間の有機的なネットワークをつくっていこうということで、そういう支援をいたしたいと思っております。いずれにいたしましても、途上国への環境分野などへの協力を一層推進してまいりたいというふうに考えております。
#102
○野間赳君 今御説明のありましたような環境ODAなど、途上国に対します公的援助と並んで、特に資金面での貢献として新たに地球環境基金の制度を設けようとする背景について、この際お聞きをいたしたいと存じます。
 地球環境基金を創設いたしますに当たりましての理念、目的、どの辺にあるのか、お尋ねを申し上げます。
#103
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほど先生御質問になったところでございますが、今日地球環境問題の解決のためには、いわゆる官ベースの環境ODAを初めとする公的部門の取り組みだけではどうしても十分ではない、民間の自主的、積極的な取り組みが不可欠であり、とりわけきめの細かい実践活動によるもの、草の根の環境協力や国民の足元からの行動を進めるための民間団体の活動は極めて重要であるという認識が一般的になってきているところでございます。
 それに対しまして、環境保全に取り組む我が国の民間団体の実情を見ますと、国際的に見ましても極めてその活動基盤が脆弱でございます。資金、人材、情報等の各面でも極めて厳しい状況にあるわけでございます。そこで、国といたしましても、民間団体による地球環境保全活動の一層の振興を図るためには、国、民間が力を合わせましてこういった地球環境基金のようなものを設けまして、民間のこれらの活動に対する資金助成や情報提供、また人材育成といったような支援を行う必要があるというぐあいに考えたところでございます。
 これは、昨年東京で開かれました地球環境賢人会議におきましてもそういうことが提言されたところでございますし、リオデジャネイロにおける会議におきましてもそういう認識が行われたところでございます。そういう背景を踏まえているわけでございます。
 なお、この基金に対しましては、もう一つつけ加えさせていただきますならば、広く国民、企業等の資金拠出を募ることを通じまして、各界各方面の参加意識を高めることにも相なると考えられるわけでございまして、地球環境保全に向けたいわば国民的運動の展開にも資することができるというぐあいに私どもは考えているところでございます。
#104
○野間赳君 午前中にも議論が重なりましたが、きめ細かな国際環境協力などを進めます上におきまして、NGO等民間の草の根の環境協力は大変大切なことであります。地球環境基金のような支援制度は極めて重要なものであると考えております。
 そこで、この基金は具体的にどのような種類の民間活動を支援の対象とするのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#105
○政府委員(八木橋惇夫君) この地球環境基金は、目的は地球環境保全という観点からなされるものでございまして、草の根の環境協力等のために地道に汗を流す民間団体の活動を支援しようとすることを目的とするものでございます。
 そこで、その支援対象となる活動といたしましては、まず一つの要件としましては営利を目的としない民間団体ということで、財団法人、社団法人等のほか、権利能力がない団体を含めて考えておりますが、企業等は対象とすることは考えておりません。そういった団体が民間の発意に基づき行う活動を対象とするということが一つの要件でございます。
 二番目に、それではどういう活動がということでございますが、開発途上地域におきまして植林とか野生生物の保護といったような活動を行うこと、またこういった活動に必要な知識の提供というようなもの、あるいは開発途上地域ではなく我が国で行う活動でございますが、我が国で広く国民の参加を得て行う緑化とかリサイクルといったような活動や、またさらに、これらについての普及啓発等を行います地球環境保全に資するものを対象とする、こういうことを考えておるわけでございます。
 この基金の運営に当たりましては、民間団体の発意や創意工夫に基づく多様な活動、ニーズに対応しながら、制度の適切、公正な運営が図られるよう私どもとしては最大限の努力を払ってまいりたいというぐあいに考えております。
#106
○野間赳君 途上国への環境協力も大切でありますが、一方国内への環境対策も忘れてはならない大事なことであると考えます。事業団は昭和四十年に設立をされて以来、各事業を推進してまいりまして、その成果を上げてまいりました。今回の制度改正によりまして、国内対策がおろそかになるようなことがなく、むしろ一層推進すべきでないかと考えております。
 そこで、今後も環境事業団の既存事業が国内各地で事業ニーズにどのようにこたえて、どのように推進をされていかれるのかお尋ねをいたしたいと思います。
#107
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、環境事業団の役割といたしまして、従来から進められてまいりました公害防止を中心といたします国内の環境保全のための事業も、今後引き続き重要な役割を持っているというぐあいに私ども認識しております。このため、環境事業団におきましては、全国の地方公共団体、商工組合といったような団体に対する調査や日常的な融資相談を行っておりまして、これらを通じて事業ニーズの的確な把握を行いながら、これを踏まえた事業の展開を図ってまいりたいというぐあいに考えている次第でございます。
 平成五年度の事業計画案といたしましては、工場団地等の造成、建設事業として六百三十億、これは前年に対しまして一七%弱の伸びでございますが、それに公害防止施設等に対する貸付事業、これは三百七十億を予定しております。合計いたしますと一千億を予定しているところでございます。
 これからも先生御指摘のとおり、事業団の国内事業に対するニーズに的確に対応するため、その的確な把握、事業費の確保に努めてまいりたいというぐあいに考えております。
#108
○野間赳君 環境基金につきましては、初年度十億円ということでありますが、余りにも小さい額であると私は感じております、
 私の地元の愛媛県におきましても、十億程度の基金というのはぼつぼつあるわけでございますし、県の環境保全基金におきましても、もう既に四億円ということでスタートさせていただいています。これらの類似のものを全国で合わせましても四百億というような額に到達をしておると私は考えております。
 地球環境基金につきましては、昨年来我が自民党がその実現に向けて大変努力をしてきたものであるわけでございますし、国民も大いにそのことに期待を寄せております。十億円といいますと、その果実の運用ということになりましても約三千万円ということでございますので、大した事業を行うことができないと私は思います。立ち上がり、初年度ということでございますので、この十億円の評価も大変また一面大きなものがあるわけでございますが、今後の基金の拡充に向けて長官のお考えがございましたらこの際お聞かせをいただきたいと、このように考えます。
 また、民間基金の導入をなされるということでございます。今どのようなことで民間基金を集めようとなされておられるのか、そしてまたその基金、税制上の扱いがどのようなことになりますのか、あわせましてお尋ねを申し上げたいと思います。
#109
○政府委員(八木橋惇夫君) 長官がお答えする前に、私から若干御説明申し上げたいと思います。
 御指摘のように、地球環境基金の本年度の事業費といたしましては十億円の基金から生ずる利息とそれから補助金として五億円ちょうだいいたしました五億三千万程度の事業額になろうかと思います。この予算額につきましては、実は政府が予算編成を行います際に、予算のシーリング制度というのがございまして、本年度は環境庁が要求できる金額としては十億円の出資金しかなかったわけでございます。これに対しまして、その利息ですとほとんど仕事をなし得ないというようなことから与党の御支援も受けまして、予算折衝の最終段階におきまして五億円の事業費をちょうだいしたと。
 なお、これにつきましては現下のような低金利の時代におきまして、なおかつ財政事情が非常に厳しいという中で基金というお金でもらいますとその利息分しか事業ができないという事情にありますことから、現在のような財政事情、一方では基金に対する要望ということを踏まえまして、実際に生身として使える格好で五億円の補助金をちょうだいしたという経緯がございます。私どもは、この基金制度というのを今後充実させていくために、またこの基金制度というものの育成を図っていく上において今後充実させていかなければならぬというふうに考えているところでございます。
 一方、この基金におきましては、先生御指摘のように民間資金の導入ということも予定しているところでございます。これは先ほども申し上げましたように、地球環境保全を考えていく上で考えますと、みんなで地球環境を守っていこうというような国民運動にも資するということが大事だということとも裏腹になってそういうことを考えておるわけでございます。具体的にそれでは民間の寄附の目標とか方法、税制上の措置についてどういうことを考えているのか、こういう御質問でございました。
 私どもは、この基金が国と民間が力を合わせて民間団体の地球環境保全活動を支援していこうという趣旨でございますので、民間拠出について具体的に目標を持って、これだけのものを出してくれといったような割り当て的なことは余り考えることは適当ではないのではなかろうかというふうには考えておるわけでございます。しかし、本制度の趣旨を考えれば、先ほど申し上げましたように国民運動的な色彩も同時に持つ必要があるというようなことから、国民、企業等の積極的な協力が得られるよう適切な広報とか呼びかけ等を積極的にやっていく必要があるというぐあいに考えている次第でございます。
 さらに、本基金に対する国民の寄与や寄附につきましては、幅広い協力が得られる必要がありますことから、所得控除、損金算入といった税制優遇措置を講じることといたしているところでございます。
#110
○国務大臣(林大幹君) 野間先生の御質問につきまして、ただいま企調局長の方からお答えになりましたことで実務的には尽きております。
 私の決意いかんということでございますが、私としましては、地球環境保全に取り組むということは、これは最大課題に今なってきておりますので、これに取り組む民間団体の活動を大きく支援していきたいという気持ちでおりますので、そのためにも地球環境基金の拡充ということは欠かせない要素になっておりますから、さらにさらに本制度の育成に最善の努力を払うということを申し上げたいと思います。
#111
○野間赳君 民間のお金を集めるということでありますが、それに対します広報の方法また普及の方法、そういったことにつきまして具体的に御説明がいただければと思います。
#112
○政府委員(八木橋惇夫君) 地球環境基金への民間からの拠出につきましては、国民、企業等の実質的、積極的な協力なしには期待し得ないものだというぐあいに考えられるわけでございます。また、国民各界各層の方々に対し、この基金に対する広報を行いまして、拠出を呼びかけていくこと自体が高度の啓発効果を持って地球環境保全に対する国民的な取り組み機運、先ほど国民運動的というような表現をいたしたわけでございますが、そういった取り組み機運を高める意義があるというぐあいに考えられるわけでございます。
 どういった広報が適当かということは私どもこれから十分詰めてまいりたいと考えておりますが、まず当面考えられる問題といたしましては、環境事業団自身ができる限りさまざまな広報媒体、またイベントを通じまして、この基金の趣旨、意義といったものの普及を図るということが一つございます。二つ目には、政府広報、または関係各省、地方公共団体の啓発事業の中でも積極的に取り上げていただくよう協力依頼をしまして、そういった媒体を通じて協力を求めていくということが二つ目に考えられるかと思います。三つ目には、一般的な報道機関に対してもぜひ協力をお願いしてまいりたいというぐあいに考えております。
 本法案を成立させていただきますれば、早速私どもはこれらを検討いたしまして、効果的な広報に当たってまいりたいというぐあいに考えております。
#113
○野間赳君 時間でございますので質疑は終了させていただきますが、国民と国際社会の期待に応じられますように大いに頑張っていただきたいと思います。
 以上でございます。
#114
○横尾和伸君 これからの環境対策を考える上で、国民一人一人、人間一人一人のライフスタイルによるところがますます大きくなってきているわけです。そういう観点からしても、政府や利潤を追求する企業という立場だけではなくて、今回のようにNGOに着目したということは大変結構なことだと思っております。
 そういう意味で、NGOに着目したことは評価するわけですけれども、まず大臣に今回の法改正の趣旨を改めて御説明いただきたいと思います。
#115
○国務大臣(林大幹君) 地球環境問題が現下の最も緊急な、かつ重要な政策課題であるということ世横尾先生の仰せのとおりでございます。したがいまして、これに対応するためにも事業団法の改正をして、そして国やまた民間の自主的な積極的な取り組みがどうしても欠かせませんので、それを促す意味において法改正が必要であるということから取り組みました。
 本制度を、国と国民各界各層が力を合わせて、地球環境基金を設け、民間団体の行う地球環境保全の活動に対しまして、その活動を積極的に支援できるような、そういう内容を持った充実したものにしたいと思っております。
#116
○横尾和伸君 改正案の法文を見ますと、今御説明いただいた趣旨からしてちょっと首をかしげるような表現があるんですが、その点についてお伺いしたいと思うんです。
 今回の改正のポイントになっていると思うんですけれども、改正案の十八条一項八号の中に助成対象についてイ、ロ、ハとありますが、そのイ、ロ、ハの前段に説明されている二つの必要条件がございます。一つは「環境の保全を通じて人類の福祉に貢献する」ということ、これは今大臣から御説明いただいた点だと思います。さらに、「するとともに」ですから、かつという位置づけになると思いますが、「するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する活動」でなければいけない。この二つの要件が満たされて初めてその後のイ、ロ、ハというのは該当するか否かということになると思うんですけれども、つまり二つとも要件が満たされていなければいけない、こういうことになるわけです。
 後者の「国民の健康で文化的な生活の確保」ということが必須の条件となっているその本意をまずお伺いしたいと思います。
#117
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、本法案十八条第一項八号の柱書きに「環境の保全を通じて人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する活動であって」ということを書いているわけでございますが、これは実は限定的なことをねらいとしたものではなしに、我が国の法律に位置づける趣旨からこういう規定を置いたものでございます。
 若干長くなりますが御説明させていただきますと、いわゆる地球環境問題は国境を越え、ひいては地球規模にまで広がる環境問題でございまして、その解決が世界の人々と我が国の国民の福祉の向上につながるという点に最大の特徴があるのではないかというぐあいに考えます。
 開発途上地域を中心といたします地球環境問題の代表例としまして例えば熱帯林の森林の減少というものを挙げますと、民間団体が現地で汗を流して植林を行うということは、これが積もり積もって地球の生態系を維持し、二酸化炭素の吸収源をふやすことになり、その結果として世界の人々のためにもなり、また我が国の国民のためにもなるという関係にあるわけでございます。また、我が国の中で民間団体がリサイクル活動を行うことは、直接的にはごみの発生量を減らし、我が国の環境を守って国民のためになると同時に、それはごみの焼却に伴う二酸化炭素の発生を減らすことになりますし、あるいは地球の資源を大切に使うということにもなるわけでございまして、これは積もり積もれば地球の環境を守り世界の人々のためにもなるという関係になる、そういう関係をここでは書いたところでございます。
 そこで、こういうことを踏まえますと、本制度の支援対象となる活動のメルクマールといたしまして法文上「環境の保全を通じて人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する活動」という規定を行ったわけでございます。この規定の精神といたしましては、いわば地球市民または世界の人類のために貢献する、あるいは地球的規模で考え足元から行動するといったような環境保全団体の関係者の皆さん方が考えている活動そのものが広く本制度の対象になるのではないかというぐあいに考えているところでございます。
#118
○横尾和伸君 今の御答弁を聞いて半分は安心しました。日本国民のためでないといけないという限定、そのまま読みますとまさにそのとおりなものですから大変気になったんですが、今の御説明に半分と言ったのは、中核部分というのはよくわかるんです。国民のためになるのかどうか例えばなるだろうと思われる一つの例を、ボーダーラインに近いところの例について御判断を伺いたいんです。
 例えばツルの繁殖地を保全する。繁殖地はシベリアにある場合が多い、ほかにあるのかどうかわかりませんけれども。シベリアのある一定の土地を地元のNGOが買い取って保全を図ろうというようなこういう例があるそうですけれども、そういうような場合はそれが「国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する」と読めるのかどうかというのは、渡り鳥ですから日本にもやってきますので、これは読めると思うんですけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
#119
○政府委員(八木橋惇夫君) 具体的な案件にかかわる助成につきましては、個別の助成応募等を受けた上で判断することになりますが、先生御指摘になりましたお話を伺っておりますと、地球の生態系上貴重な渡り鳥ということになろうかと思います。それで、我が国への渡米も推定されるそういったものの保護活動をしたいということは、当然私どもは本制度の支援の対象になり得るものというぐあいに考えております。
#120
○横尾和伸君 もう一つ別な例で言いますと、これは地球環境保全に当たりにくいという例なんですけれども、どこでもいいんですけれども、例えばアフリカの土地のある種の野生生物の保護をするというような場合、つまりそのある種というのは、特別な特効薬に使うとかそういう特別な意味ではなくて、極めて純粋な自然環境の保全だと。そこである種の野生生物を保護する、あるいは自然環境問題ではなくて、そのアフリカの土地の小さな河川の水質保全を図る、この種の話については、定性的な意味でこの対象になるのかどうか。
 つまり、もう一回申し上げますと、日本国民の「健康で文化的な生活の確保に寄与する」とそのまま読むとどうも読みづらい。逆に言うと、そういう今申し上げた例などはこの前段の部分で先に落とされちゃうんではないか。私は、環境保全というのはもっと広い意味、もっと目に見えないところで人的交流、精神的な交流、そういうことも含めてグローバルに考えるべきだと思います。
 逆に切ってほしいという意味ではなくて、日本国民と直接関係ないからこの支援の対象には当たりませんということで門前払いを食わせるようなことがあっては困るので、念のためにここで聞いておきたいと思います。
#121
○政府委員(八木橋惇夫君) 私、先生の御質問に一番最初にお答え申し上げましたように、この規定は対象を限定する趣旨から置いた規定ではございませんで、我が国の法体系になじむような格好での書き方をしたということでございますので、一般的に申し上げまして、これを限定的に解釈するつもりはございません。
 その上で今の先生の御質問にお答えいたしますならば、地球の生態系の見地から、それが我が国と直接的に関係がないものであったといたしましても、貴重な生物種の保護という観点から見て、全人類的に見てそれが地球環境保全という観点から重要でありますならば、それは直接的または間接的に我が国にとっても意義のある問題になるわけでございます。そこで、それは支援の対象になるというぐあいに私どもは考えております。
#122
○横尾和伸君 明快なお答えをいただきまして、私の望んでいる方向ですので、一応納得をしました。
 今度、基金についてお伺いしますけれども、昨年の八月に新聞報道によりますと、自民党の環境部会が二千億円の地球環境基金の考えを明らかにしている。これは自民党であって政府ではないということもあるんですけれども、政府を担当する自民党が決めたということもございます。その二千億と仮に対比すると二百分の一、十億というのは二百分の一、今度の補助金を入れたとしても十五億、百三十分の一、パーセンテージからすると〇・五%、あるいは〇・八%弱、一%にも満たない。先ほどの別な方の御指摘にもありましたけれども、十億円程度というのは一つの県内の基金のレベルであるということも御指摘がありました。そんな中で、ざっくばらんに自民党と政府が決めたものを対比させること自体がちょっと無理があるんですけれども、そこには共通する願いというか、目標があったような気がするんです。
 そこで、なぜこんな二百分の一の、あるいは百三十分の一というここまでけたというか、けたけた外れになってしまったのか。情報公開を踏まえて、少しざっくばらんに事情をお聞かせいただきたいと思います。
#123
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほど野間先生の御質問にお答えしたところに尽きるわけでございますが、政府の予算折衝におきましては、この厳しい財政状況のもとでシーリング制度をとっておるということから、政府の予算を編成する過程で環境庁が要求できる範囲におのずから限度があったという事情が一つございます。
 それともう一つは、この基金の構想をつくるに当たりまして、これは東京賢人会議におきましてこういう構想が生まれてきたものでございますが、この基金構想をつくるに当たりまして、与党関係者など各方面からいろいろな御提案、また希望の表明等があったところも事実でございまして、その中にそういう議論も確かにあったものでございます。
 しかし、その場合におきましても、事情といたしまして、例えば数年前に行われたような、補正予算で基金を積めないかという議論も確かにございました。しかし、税収が大幅に落ち込んでいる事情の中、それに景気対策を中心にした補正を組むというような中で、そういうことが具体的に政府の案として成立するまでに至らなかったという事情もございまして、五年度当初予算でこの問題を発足させるということに相なったわけでございます。
 その際、先ほど申し上げましたように、政府の要求案としては十億円の出資しかなかったわけでございますが、制度発足当初から動かしていくためにはそれだけでは余りにも不十分で、実際に事業をやるだけの予算措置が欲しいということから、予算編成の最終段階におきまして、与党の御支援、御協力も得ながら、五億円の事業費助成ということをいただきまして、かような格好で発足することができたという事情にあるわけでございます。
 私どもとしては、ここの基金制度というものをことし曲がりなりにも発足できたということはそれなりに非常に大きい意味があると思っておりますし、またこの基金制度というものは財政または民間拠出を通じまして今後大いに育成していく必要があるというぐあいに考えております。その方向に向かいまして、私どもは最大限の努力を今後とも続けてまいりたいというぐあいに考えております。
#124
○横尾和伸君 その点に関してもう一つだけ確認をしたいんですけれども、つまり二千億、そういう規模で大変な意気込みで環境問題に取り組むと、こういう姿勢のあらわれだったと思うんです。それが二百分の一になったということは自民党の考えていた方針なり勢いというものが政府に至ってなくなってしまったのか、あるいは今回額がこういうことになったのは、いろいろな財政事情等でなったのか。いわゆる環境に対する考え方、方針が変わったのかどうかをお伺いしたいと思います。
#125
○政府委員(八木橋惇夫君) 私ども予算編成を行うに当たりましていろんなところでいろいろ政策対話を行ったりするわけでございますが、環境に対する熱意が変わったとか夢が変わったとかそういうことでは一切ございません。私どもは夢は大きく持ちつつ、他方現実の問題もございますので、地道に着実に充実するというようなことを考えてまいりたいというぐあいに考えております。
#126
○横尾和伸君 夢を持ち続けていただきたいと思います。
 次に、このNGOに関する支援の問題は我が国ではそんなに歴史がないということですけれども、数年前から始めているものが幾つかあると。環境に関連したものについてちょっとお伺いしたいんですけれども、外務省のNGO事業補助金、また実質的にNGOの支援につながる小規模無償資金協力が数年前からスタートしていると思いますが、その趣旨と実態と今後の展望について御説明をいただきたいと思います。
#127
○説明員(黒木雅文君) 外務省がやっております事業について御説明いたします。
 NGOの実施します援助活動はさまざまなレベルに直接届くきめ細かさとその迅速性におきまして政府レベルでの援助にはない特色を有しておるということから、開発途上国の発展にとって極めて重要な役割を果たしていると考えております。
 政府としましては、NGOの自主性を尊重しつつ、NGOとの協力関係を一層促進していくという観点から、平成元年度より、開発途上地域で我が国NGOが実施しております開発事業を対象とするNGO事業補助金制度及び開発途上国の地方自治体研究医療機関、さらには現地で活動するNGOの実施する小規模プロジェクトへの支援を行うということから小規模無償資金協力制度を導入いたしました。
 NGO事業補助金制度及び小規模無償資金協力ともに導入以来制度の拡充に努めておりまして、平成四年度の実績につきましては、NGO事業補助金につきましては二十三カ国において五十五の事業に対して合計約二億八千万円の協力を実施しております。また小規模無償資金協力につきましては五十五カ国におきまして二百二十七の事業に対して合計約七億円の協力を実施しております。また、平成五年度の予算におきましては、それぞれNGO事業補助金につきましては四億四千万円、小規模無償資金協力につきましては十億円を計上しております。
 今後ともNGOの活動を支援して、ODAの幅を広げるという観点からこれら制度の拡充に努めてまいりたいと思っております。
#128
○横尾和伸君 同じように郵政省の行っているボランティア貯金についてお伺いしたいんですが、先ほどから何回か話題になっておりますので、重複はできるだけ避けて、アウトラインがわかるように御説明いただきたいと思います。
#129
○説明員(玉井弘明君) お答え申し上げます。
 国際ボランティア貯金は、預金者から通常郵便貯金の利子の二〇%を寄附していただくということで、NGOを通じまして開発途上地域の人々の福祉向上に役立てることを目的といたしまして平成三年一月から取り扱いを開始したところでございます。その開始以来非常に順調に推移しておりまして、このボランティア貯金をお申し込みいただいた方々も本年の三月末で累計で一千四十五万人となっております。これもひとえに国民の皆様方の国際貢献に対する理解と関心の高さのあらわれであろうというふうに考えておるところでございます。
 また、寄附金の配分につきましては、昨年六月、郵政審議会の答申を得まして、百八十五団体が実施する二百五十事業に約二十三億二千六百万円を配分決定いたしまして、現在アジア、アフリカを中心とした四十九カ国で援助活動が実施されているところでございます。預金者の善意は、開発途上地域で貧困や災害で苦しんでいる方々のため、医療、保健衛生指導や教育関係を中心とし、自立を促すための職業訓練や農業等の技術指導、環境保全対策、食糧援助等に広く役立てられておるところでございます。
 なお、特にこの環境保全事業に対しましては、洪水防止や砂漠緑化等のための植林や環境保全指導者の育成、環境教育のための研修センターの設置等、三十三事業に対しまして総額三億五千六百九十七万円を配分決定したところでございます。
 今後は職員による周知努力、あるいはポスターやチラシ等々による周知施策とあわせまして、開発途上国での活動の成果等を的確にお知らせすることにより国民の理解を深め、一層この制度を発展させてまいりたいというふうに考えております。
#130
○横尾和伸君 今お伺いした外務省それから郵政省のNGO事業補助金、小規模無償資金協力及びボランティア貯金、これに関するNGO支援、大変な勢いだと思います。
 そこに、また今回環境事業団で新たに発足するということで、発足して進むことは大変結構で、私はそれにブレーキをかけるつもりはなくて、この関係がどうなっていくのか。この関係といっても決してボーダーラインをしっかりするという単純な意味ではなくて、要するに縦割りを促進したいという意味ではなくて、考え方なり、既にスタートしている三つの制度とこれからスタートする今回の環境事業団の基金とどういう形で調和なり連携を図っていくのか、その関連性をお伺いしたいと思います。
#131
○政府委員(八木橋惇夫君) 外務省のNGO事業補助金、また郵政省の国際ボランティア貯金制度の概要につきましてはそれぞれの省からただいま御答弁のあったところでございます。
 一言で申し上げますならば、それぞれの趣旨、目的に基づいて行われ、助成の対象も必ずしも環境保全分野だけに限られるものではなく、それぞれ外交政策の見地、または住民福祉の向上に寄与するNGO活動ということで幅広くとっておられるところでございます。そういう中で、私ども、地球環境保全を専門とする基金制度を発足させるわけでございますが、そういう意味におきましては、正直なところ、事業分野としては重複するところもあろうかと存じます。
 ただ、NGOに対する我が国の助成制度の現況から見ますと、まだそれぞれ分野調整をするといったようなところまで発達しておりませんで、私どもはこういった制度が幾つも併存しながら、お互いに重複しないように調整しながら助成の量及び質をふやしていくという方向に向かう方がむしろ現状においては望ましい方向ではなかろうかというぐあいに考えております。
 さらにもう一つ、本基金制度の特色について申し上げさせていただきますならば、環境NGOの多様な活動ニーズに対応できますよう、また我が国における環境NGOの現況を見まして、情報提供とか人材研修とか、そういったような基盤的な活動に対しても私どもは目を向けていくべきではなかろうかということで、その辺の支援措置も重点を置いてやってまいりたいということを考えているところでございます。
#132
○横尾和伸君 ぜひ各省庁の縄張り争いにならないようにしていただきたいと思います。そういう観点からも、現状でもう既に走り出している三本の事業と今回のものと、今後関係者間の協議とか調整というのはどんな形で図られていくのか、今わかっている、お話しできる範囲内で結構です、御説明いただきたいと思います。
#133
○政府委員(八木橋惇夫君) この点に関しましては、具体的な実施に関しまして外務省、郵政省と緊密な連絡をとって調整を図っていく必要があるというぐあいに考えまして、これは何らかの懇談会を設けるとか、または連絡会議を設けるとかといったような格好で緊密な連絡をとってまいりたいというぐあいに考えております。
#134
○横尾和伸君 先ほど来、NGOに対して支援をするということは活動の制限なり拘束になりやすい、つまり具体的にはお金を出すということだということで、その点についていろいろ御説明をいただいたわけですけれども、それを防止するためにいわゆる公平性、公正性といいますか、そういった面を確保するためにいろんな御努力をされるという御説明もいただきました。
 その中で一つ追加的にお伺いしたいのは、公平性を確保するためにいろんな努力をする中で、特に公表の部分、運営委員会をつくって、その運営委員会については国民からの信頼を高める人選をするという御答弁もいただきましたけれども、その結果、公表の方法についてはどんな手段で、頻度あるいは時期、これは大変大事なことだと思うんですけれども、公表についてはどういうお考えでいらっしゃるのかをお尋ねいたします。
#135
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、基金の運営に関しまして公平性、公正性、信頼性を高める観点からいろいろなことを考えて工夫していかなければならぬというぐあいに考えているところでございます。これは基金でございますから当然国の資金も入りますし、公法人がやりますことから会計検査の対象にもなるところでございます。
 そういうことが一つございます上に、先生御指摘になりましたように、各界の有識者から成る委員会の意見に基づいてこれを運営するようなことも考えてまいりますし、ただいま御指摘の助成の対象とした活動の内容についての国民に対する公表の問題でございます。これも非常に重要なことだと考えております。これにつきましては、助成を年何回に分けて決定するのかということも正直なところまだ決めておりません。私どもいろいろ腹案をつくりつつありますが、そういったこと自体も運営委員会の先生方に諮りながら実質は決めてまいりたい。
 しかし、これは例えば助成対象とした活動の内容につきましては件名ごとにそれは国民の目に明らかになるように、年一度とか二度とか決定するたびにそれは公表していくべきだというぐあいに考えております。
#136
○横尾和伸君 透明性の確保、これはこれからの公平性にもつながりますので、今後ともぜひその確保をお願いいたしたいと思います。
 NGOについては以上でございます。次に、環境分野のODAについてお尋ねしたいんですが、環境分野のODA、最近の十年を見ても大変な勢いで伸びている。伸びているというのは、その背景には国際貢献の一つの柱という意味合いもあるんではないかと思うんですけれども、この環境分野のODAの現状と展望について概略で結構です、御説明をいただきたいと思います。
#137
○政府委員(加藤三郎君) 横尾先生お触れになられましたように、最近環境分野のODAが非常に急速に伸びつつございます。
 数字を申し上げますと、最近の平成元年度、一九八九年度でございますけれども、政府全体の環境分野のODAといたしましては千二百九十四億円、また平成二年度におきましては千六百五十四億円、三年度におきましては千百二十七億円というぐあいになってございます。その結果、平成元年度のアルシュ・サミットで政府が表明いたしました三年間三千億円という目標も優に達成いたしまして、一千億円余り超過を、超過といいますか十分に余裕をもって達成をいたしたところでございます。
 それから、大体どういう分野でやっているかということでございますけれども、分野の割合を申し上げますと、居住環境分野で約四割、それから森林保全関係で約一割、公害対策分野で二割、自然災害防止関係で二割弱、環境行政、自然環境等々のその他というのが一割弱というような状況になってございます。それから、専門家の派遣数も年々増加しておりますが、JICAベースの環境全体で申し上げますと、平成元年度で三百六十二名、これは対前年度比で申し上げますと三四%増でございますし、二年度におきましては四百三十五名、これは二〇%増、さらに三年度におきましては四百六十三名、六%増というような状況でございました。
 さらに、先生御高承のとおり昨年の六月の地球サミットにおきまして、環境分野のODAを平成四年度からの五年間で九千億円ないし一兆円をめどに拡充強化する旨表明いたしております。私どもといたしましては、外務省を初めとする関係省庁と協力をしながら拡充に努めてまいりたいというふうに思っております。
#138
○横尾和伸君 今の御説明で、ちょっと私聞き落としたのかもしりませんけれども、もしそうだったら御指摘いただきたいんですが、環境庁ODA予算、その点については大変な伸びをして、たしか私の記憶では一時期百何十%の伸び、最近では毎年四割とか伸びているようなんですが、それは本当でしょうか。ちょっと数字でお答えいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事堂本暁子君着席〕
#139
○政府委員(加藤三郎君) まさに横尾先生御指摘のとおりでございます。
 環境庁は、役所の性格上金額は小そうございますが、伸び率で申し上げますと大変大きうございます。平成元年度、これはほぼ一億で出発をいたしました。これが先ほど先生お触れになりました対前年度比、これは三千八百万円ほどでございましたので一六六%増ということに相なります。平成二年度におきましては一億八千万、平成三年度で二億五千万、平成四年度で、昨年度でございますが三億四千万、そして今年度、平成五年度が四億七千万ということで今年度の伸びが約四割、三九%というような伸びになってございます。
#140
○横尾和伸君 ちょっと考えられないような大変恵まれた分野というか、むしろ期待を一身に集めている分野だと思います。
 後ほどまた触れたいと思うんですが、そこで今主にお金の部分を中心に述べられたと思うんですけれども、いろいろのサイド、いろんな場面で聞くことには、金額的には大変伸びているけれども、人材的な意味で追いつかないというお話を伺うんですけれども、その辺の実態について人材不足、つまりお金の伸びと相対的に人材が追いついていない。人材がいないとは言いません、いるんですけれども、お金の伸びが一〇〇%とか四割とか五割とかという毎年毎年の伸びに人の補充がついていかない、こういうことのようですけれども、その辺を少し詳しくお尋ねします。
#141
○政府委員(加藤三郎君) まさに先生御指摘のとおりでございます。
 先ほど申し上げましたように、ODAに対する需要は近年急速に高まっております。実際人材の分野で申し上げますと、例えば政策立案でありますとか、環境の分析、モニタリング等の技術的な指導のための専門家あるいは研究協力のための専門家等多岐にわたる分野の人材が必要とされておるわけでございます。
 しかしながら、正直申し上げまして現時点でこれらのニーズに十分にこたえられるような人材が確保されているということは残念ながら言えない状況にございまして、我が国としても積極的に環境協力をし得る人材の確保、養成をしていかなければいかぬというふうに思っております。
 その点につきまして、環境庁で今どんなことを考えているか、またやってきたかということを申し上げますと、昭和六十三年度より地方公共団体その他民間団体、企業等の協力を得まして環境分野のいわゆる人材バンクの整備を始めました。これは、私ども環境技術協力にかかわる専門家の登録制度というふうに一応名づけておりますが、簡単に言えば人材バンクでございますが、その整備を行いまして人材の発掘に努めてきております。現時点で約三百八十名の登録をいただいておりまして、専門家をリクルートするに当たりまして貴重な情報源となっておるわけでございます。当然これも拡充を図っていきたいというふうに考えております。また環境庁で、昨年五月に私どもの中央公害対策審議会と自然環境保全審議会から国際環境協力のあり方というものにつきまして答申を受けまして、その答申の中で国際環境協力を進める実施体制の整備をせよということ、そういう御意見をいただいてございます。
 そこで、それを受けまして、社団法人で海外環境協力センターというものがございますが、昨年十二月にその中に環境専門家養成長期戦略検討会という、ちょっとおどろおどろしい名前で恐縮でございますけれども、長期の専門家を養成する戦略検討会なるものを設置いたしまして、環境専門家の養成、派遣を円滑に進めるための方策を検討しているところでございます。
 今後とも外務省、JICA等々の機関と密接に連携をとりながら養成、確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
#142
○横尾和伸君 そういった意味で、昨日だったか一昨日だったか、地方公共団体のアンケート調査、環境分野での人材が中心だったと思いますけれども、結果が公表されました。そこには専門家派遣に当たっての問題点として、特に長期派遣に当たっての後任者の補充の問題が最大のネックになっている、こう書いてありますが、これは要するに根本的な問題で人がいないということなんで、今環境庁からお答えいただきました方策で、さらに頑張って人材の確保をしていただきたいと思います。
 ちょっと枝葉の部分になりますけれども、そのアンケート調査の結果の一部に、派遣中、帰国後の処遇の問題があるからなかなか派遣ができないんだという答えをしている部分がございます。その部分は派遣条例の未制定に問題があるのか、あるいは運用に問題があるのか、その辺も一部でありますけれども、今後解決していかなければいけない問題だと思います。いかがでしょうか。
   〔理事堂本暁子君退席、委員長着席〕
#143
○政府委員(加藤三郎君) 先生お触れになりましたアンケートでございますが、私先ほどお答えさせていただきました戦略検討会の作業の一環といたしまして、四十七都道府県及び十二の政令市、全部で五十九の地方公共団体でございますが、を対象にいたしまして、環境分野で専門家を派遣する御協力の状況あるいは問題点などについて調査をしたわけでございます。
 先生の御質問に直接お答えする前にその調査の結果のポイントを幾つか御紹介だけ申し上げますと、五十九の団体中二十八の団体、これは四七%、約半数になりますが、二十八の団体においてJICAのプロジェクトに乗り、あるいは自治体が持っております友好都市間の協力などを通じまして、環境分野での協力をしていただいております。先ほど申し上げました都道府県及び十二の政令都市におきましては約半数がもう既に実績がある。それから、先生のお触れになりました条例につきましてもかなりの整備が進んできております。
 しかし問題は、特に近年ニーズが高まっております長期の専門家派遣、長期と申しますと一年以上、途上国の任地に滞在をしていただくお方でございますが、この長期の派遣専門家につきましては、積極的に対応したいとする団体が約二割というふうにとどまっております。それは幾つか問題点がありますが、その問題点の最大のものは、先ほど先生がお触れになられました、職員を一年以上の長期にわたって派遣する場合に、派遣された職員の欠員を埋める問題、そういったいわば人事上の問題が最大のネックというふうに答えているわけでございます。
 この問題は、今後長期の専門家を円滑に派遣するためにはどうしても解決しなくちゃいかぬ問題の一つというふうに私ども思っておりまして、これは地方公共団体の人事当局なり財政当局なりの一層の御理解と御協力を得ないとどうにもならぬということで、そういった方面を含めまして、人事、財政当局に対しまして今後一層働きかけをしていきたいというふうに思っております。
 ただ、もう一つだけ追加して申し上げますと、定年退職した方を環境専門家として活用するということに対しましては、適当な人材がいれば対応したいという自治体が六割ほどございまして、これはむしろ勇気づけられることだということで、私どもとしては対象者名簿の作成なり退職者との連絡なり情報提供なり、いろんなことをしてまいりたいというふうに思っております。
#144
○横尾和伸君 人材の問題は大変厳しいと思いますけれども、御努力いただきたいと思います。
 先ほど予算の伸びについてのお話も伺いましたけれども、大変な勢いで伸びている。また一方では自民党としての基金構想二千億ということもありました。これはその二千億についてのお話の中で、政府としてもその勢い、方針、意気込みといいますか、変わっていないということだったんですが、それはとりもなおさずPKO等で今国際貢献という道を開くことに日本としては最大限の努力をしなければいけないという中で、それと並ぶもう一つの柱というのが環境分野での国際貢献策ではないか。あの三十年代、四十年代の公害問題、それで苦しみそれを乗り越えてきたというのはそのまま埋もれさせてしまってはもったいない、その経験を十分に生かしてこれから国際貢献を果たしていくということが大切だと私は思うんです。そういう観点からしますと、環境問題、四十年代には大分新聞等に出まして、それから以降少し元気がなくなって、先ほど来ありましたようにこの五、六年前からまた地球環境問題ということである意味では復活してきた、大変失礼な言い方で申しわけないんですが。
 そういう中で少しPRが足りないのではないか、国外に対しても国内に対しても。国外に関しては、ちょっとこれは想像になりますけれども、担当の方が最大限の努力をしてPRをしている、そのために援助案件については相当ふえている、その成果だと思うんです。しかし、それは非常に細い糸で、説明のできる能力のある限られた人材しか、しかというのはちょっと失礼ですけれども、その活躍によるところが多いような気がします。また、国内についても事件物についてはPRなされますけれども、継続的な認識、つまり国際貢献の柱の一つという認識などはまだまだ足りない、抽象的にそういう認識があったとしても具体的な情報が今ないんです。
 先ほどの、外部に対しては限られた人に頼り過ぎているというのはどういうことかというと、例えば外に環境問題で出かける人はこういう教科書を持っていくとか、何か一貫したものがあってもいいんじゃないかという、そういうニュアンスなんですけれども、そういう意味で内外ともにPRが不足しているような気がします。先ほど、人材の確保については戦略検討会というような、戦略という大変勇ましいお言葉がついているそうですが、PRについても戦略的、計画的なPR、継続的なといいますか流れをつくるPRといいますか、長期的な流れ、例えば副読本をつくるとか、ビデオライブラリーを常設するとか、あるいは海外向けのパンフをいつ行く人にも提供できるというようなことが必要なんではないか。
 環境庁の広報担当の方が当面する問題に追われているという姿はよく見かけておりますけれども、その当面する問題に対応するだけで手いっぱいではちょっと困るんじゃないか。長期的な対応ということで長期的な戦略的な広報ということをもっと充実していただきたい。頑張っていただくにもまた組織、人員の拡充が必要ではないか、このことも含めて、環境庁としての戦略的PRの考え方をできたら前向きにお答えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#145
○政府委員(加藤三郎君) これまた横尾先生おっしゃるとおりでございます。
 私ども、よくPRが下手だ、不足だということをいろんな方面からおしかりを受けております。ただ、私どもとしてはそれなりに限られた予算、限られた人員の中で最大の効果を上げるべくいろんな努力をしてまいりまして、最近では少なくとも専門家のレベルでは国際的にかなり日本の努力も知られるようになってきたのではないかというふうに思っております。私どもの努力の一端を御紹介いたしますと、政府広報、これは外務省の海外広報活動とも御一緒に私ども環境庁としてもかなり積極的にやっているつもりでございます。それから各種セミナーの開催、例えば昨年の地球サミットのときに地球サミット自体で外務省と御一緒にかなり大々的な海外広報をさせていただきましたけれども、同時に例えばジャパンデーというものを開催いたしまして、日本の取り組みについて政界、財界、学界の方々を含めて、まさにある意味で戦略的なPRもできた、こういうふうに思っております。
 それから、パンフレットの作成あるいは白書、これも英文白書として出すというように最近はしておりまして、少なくとも私が知る限り、海外の専門家からは最近日本のPRもかなりアグレッシブになってきたなというふうに評価をいただいているわけです。ただ、じゃ一般レベルまでそれがずっと行き渡っているかというと、残念ながらそのレベルにはまだいってはいないかと思いますが、各種国際会議などにおきまして積極的にPRをしてまいりたいというふうに思っています。これは単に環境庁だけでできることでございませんので、外務省や関係する省庁、それからそれこそNGOとかいろんな民間団体とか、総体的にPRが必要というふうに考えている次第でございます。
#146
○横尾和伸君 ぜひ頑張っていただきたいと思うんですけれども、私が申し上げたいのは、このPRについてまだまだ国民の間に浸透していないというのは、例えばPKOの議論があったときに国際貢献、それ以外何にもしていないじゃないか、こういうある意味では乱暴な話が前提となって話が進む、別にPKOじゃなくてもいいんですけれども。
 そういう情報を得たときに国民一人一人が、いや違うんだ、環境問題でも国際貢献をそれ相当にやっているじゃないか、そういう認識があれば世論の形成にしても違ってくる面がこれからも多々あるんじゃないか、そういう意味で申し上げたわけであります。日本が努力している国際貢献の実態を正しくわかりやすく末端までという、そういう御努力をこれからも続けていただきたいと思います。
 話がちょっと長くなりましたけれども、最後に、大臣に。もとに戻りましてNGOの役割と位置づけを踏まえて今回の法改正とその後の施行についての御決意をいただきたいと思います。短時間で結構でございます。
#147
○国務大臣(林大幹君) 横尾先生から、環境分野における国際貢献ということが日本そのものの国際貢献の中で大変重大な、あるいはまた大事な大切な一つの柱をなすのじゃないかという御指摘でございまして、私も全く同感でございます。
 したがいまして、NGOの役割を考えましても、当然これは環境保全に熱意を持っている人々がその発意に基づいて活動を行うという民間団体がこれが非常に大事でありまして、そのために国民一人一人の足元から行動を促進するという重要な役割を果たせるのは、NGOが私は一番これに対しては適切だと思っております。
 今後も、地球環境基金の制度の的確な運営を含めまして、NGOの積極的な取り組みを支援していくことが大事であると考えております。
#148
○横尾和伸君 終わります。
#149
○勝木健司君 質問させていただきます。
 近年、地球環境問題が高まりを見せておるわけでありますが、NGOのさまざまな活動がその中でも世間の注目を浴びておるわけであります。環境保全のためのこのNGOの活動を環境庁としてどのように評価あるいは認識をされておるのか、まずお尋ねをしたいというふうに思います。
#150
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、最近の環境問題は都市・生活型公害というものが前面に出てきている。また、地球環境問題というものが前面に出てきているというようなことから、今日の環境問題の特徴といたしましては、国民生活や事業活動一般に起因する部分が非常に多うございます。したがって、その解決のためには政府または行政を通ずる施策だけでは限界がございまして、国民、事業者等の自主的、積極的な取り組みが不可欠になってきているというぐあいに考えられるわけでございます。
 そういう意味におきまして、環境保全に熱意と関心を持っている人々が参加いたしまして、その発意に基づきまして地道に汗を流しながらやっております活動というものは、国民一人一人の足元からの活動を促進することでもあり、また開発途上地域の住民等のニーズにきめ細かに対応した草の根の環境協力を進める上におきましても極めて重要だというぐあいに認識しております。
 そこで、国といたしましては、環境に対する影響の少ない経済社会をつくっていく必要があるというようなこと。さらには、国際的な環境協力を進めていくという上におきましてもこういった民間団体の環境保全活動は極めて大切であり、また積極的に支援していく必要があるというぐあいに考えているところでございます。
#151
○勝木健司君 環境庁では、昨年の秋ですか、我が国の環境保全団体の状況についてのアンケート調査を行ったようでありますが、その調査結果についてかいつまんでお伺いをしたい。そして、我が国の環境NGOの実態が欧米諸国と比較して一体どうなのかということも簡潔にお願いをしたいというふうに思います。
#152
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、地球環境問題を初めといたしまして、今日の環境問題に対する国民的な関心の高まりから、我が国におきましても、環境保全活動を行う民間団体の活動意欲というものほかってないほど高まっているんではないかというぐあいに思うわけでございます。我が国の環境保全団体は、欧米諸国に比べますとやはり総じてその歴史が浅いということもございまして、活動基盤が脆弱であるというぐあいに私どもは言わざるを得ないというぐあいに思っているわけでございます。
 この点に関しまして、データを若干挙げて申し上げますれば、欧米の環境保全団体の中には数十万人、または数百万人という会員を擁している団体がございますし、年間予算でも百億円台または数十億円台という団体があるのに対しまして、我が国で見ますと、最大の団体でも会員数は四万人弱、予算も二けたにはいっておりませんで一けたの億円の団体が幾つかあるというぐあいにすぎないわけでございます。
 そういうような状況にあることも私どもにらみながら、去年の秋に、御指摘の環境保全団体に対するアンケート調査をやってみたんですが、その結果、約四百団体から回答をちょうだいいたしました。その団体の問題意識を見ますと、六六%が資金不足を訴えております。また六割の団体が人材不足を挙げております。さらには四五%が情報不足を訴えているわけでございます。こういったところが私どもこれから考えていかなければならない問題点というぐあいに考えられるわけでございます。
 さらに、西欧諸国と比べてみろということでございますが、OECDのDACの統計を見ますと、我が国の民間団体による開発途上国援助の実績は、環境だけをとっているものはございませんので、ODA総額に対する比率ということでちょっと見させていただきますが、ODA総額に対する比率で、DAC諸国の平均では一〇・七%というのに対して、もう一度正確に申し上げます、NGO援助額の対ODA比でございますが、DAC諸国平均では一〇・七%、それに対して我が国では一・九%と、約五分の一にとどまっておる。さらには、国民一人当たりNGOの援助額で見まして、DACの平均の七・九ドルに対して我が国は一・四ドルということ、約六分の一にとどまっているわけでございます。
 そういう状況にあるわけでございます。
#153
○勝木健司君 今回、基金の創設によりまして、NGOの環境保全活動に対して、アンケートの結果にも出ておりますように、資金的援助を行うことについてはそれなりの評価ができるんじゃないかというふうに思いますが、活動基盤が脆弱な我が国の環境NGOに対して、人材不足あるいは情報面の不足ということもアンケートの結果出ておるわけでありますので、そういった面での支援、育成策もより重要になってくるんじゃないかというふうに思いますが、これについての見解、また考え方を述べていただきたいと思います。
#154
○政府委員(八木橋惇夫君) まさに御指摘のとおりでございまして、地球環境保全に取り組む民間団体の活動に対しまして、効果的な支援を行わなければならぬということに相なるわけでございます。先ほど申し上げましたように、環境保全団体のアンケート調査による要望では、資金不足、人材不足、情報不足、この三つの不足を挙げているわけでございます。
 そこで、民間団体の具体的な活動への資金助成、これは今回十八条第一項第八号でそれを規定したところでございますが、それ以外にやはり民間団体の活動の振興に必要な情報、または人材といった面での支援を行う必要があるということから第九号を規定したところでございます。具体的に申し上げますならば、環境事業団が、地球環境保全に取り組む民間団体の活動状況につきまして調査等を行いまして、それの情報を収集整理し、今後の活動のために情報を必要とする団体に対しましてこれらの情報を提供するということが一つございます。さらには、民間団体で現に環境保全活動に取り組んでいる人々あるいは参加の希望を有している人々に対して研修を行うということも予定しているところでございます。
 こういった、言ってみますれば基盤整備に対する支援につきましては、現に活動費の助成を受けるに至っていない団体に対してもこういうニーズには応じていく必要があるということが考えられますことから、助成を受けるに至っていない団体に対しても提供することといたしまして、地球環境保全に取り組もうとする団体の全般的な対処能力の向上を図ってまいるようにいたしたいというぐあいに考えている次第でございます。
#155
○勝木健司君 NGOとはまさに民間の発意、活力によって活動するからこそ、その意義があろうかというふうに思います。国の地球環境基金で助成を受けるようなNGOはややもすれば民間の活力を失う、そしてもはや本当のNGOとは言えなくなるのではないかという懸念もあるわけであります。それについてお伺いをしたいと思います。
 それと、地球環境保全のためには当然NGOの自主的な活動というのが極めて重要であるわけでありますが、今回主務官庁が六省庁にもなりまして、基金の運営も国の機関が行うということになりますと、NGOの自主性というのが損なわれるのじゃないかという懸念もあるわけでありますけれども、これについての見解をお願いしたいというふうに思います。
#156
○政府委員(八木橋惇夫君) おっしゃる御懸念につきましてはわかるわけでございますが、私どもはそういうことのないよう運営上十分気をつけてまいるということを考えております。
 一つは、そういうことを担保する上におきましても、まず手続的に見まして、これは民間団体に、その発意によりまして具体的な活動計画をつくっていただきまして、それに基づいて基金の助成を要望なさってきた場合にそれを私どもは基金の財源の範囲で助成をしようとするものであって、あくまでもこれは民間の方のイニシアチブに基づいてやっていただくということを考えているところでございます。
 さらに、民間団体の自主性、自立性を尊重する観点から、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたような情報提供、人材育成等の活動に伴う基盤整備について助成することは必要ではあると思っておりますが、それ以外に団体の存立基盤にかかわる経費そのもの、いわゆる管理的経費そのものを助成していくということはむしろ予定しない方がいいのではないか、むしろ団体の活動に着目して助成をしていく方がよろしいのではないかというぐあいに考えているところでございます。
 こういうぐあいに、手続的におきましても、また助成の内容におきましても、私どもは民間の発意、活力というものが失われることのないよう、またNGOの活動の特性が失われることのないように十分注意してまいりたいというぐあいに考えております。
 さらに、関係省庁が六つになって基金の運営も国の機関が行うことになるので自主性が失われることになるのではなかろうかという御指摘でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたような手続及び助成の内容をとるということでございますし、さらに、この制度の主務官庁は、民間団体の地球環境保全活動にかかわる主要な行政事務を担当する省庁として、その活動の内容に積極的な協力を得る見地から、関係各省の参画をいただくこととしたところでございます。環境事業団といたしましても、この制度の本来の趣旨を考えますと、やはり助成金交付要綱等を作成すると同時に、これを一般に公表し、これに基づいて民間団体からなされた助成応募等を受けて助成その他の支援を行うということを考えているわけでございます。
 こういうことをやりますことによりまして、そのおそれはないというぐあいに考えておりますが、なお一層その運用について私どもは心してまいりたいというぐあいに考えております。
#157
○勝木健司君 政府が対象といたしておりますNGOの条件は、組織がしっかりしておる、かつまた定款がある、あるいは地球環境保全活動のための事業活動を実施する能力があるということをお聞きしておるわけでありますけれども、これらの条件を満たすNGOというのは相当規模の団体となろうかというふうに思います。
 結果といたしまして、草の根NGOを幅広く支援するのではなく、政府が実施するような地球環境保全活動を支援するような形にならないのか、助成対象団体が選別をされて公平性を欠くことにはならないのか、あるいはまた助成対象外となったNGOについては政府の施策に反対するような団体あるいは国から正当に認知されない団体として国民に認識をされかねないという可能性も出てくるわけでありますけれども、そういう懸念についての考え方をお聞きしたいと思います。
#158
○政府委員(八木橋惇夫君) この助成制度におきましては、国の税金を財源とすること、また民間の浄財を財源といたしますことから、助成対象の決定に当たりましては、その団体の事業実施が確実に行われるというようなことについて十分審査することが必要だというぐあいに考えておるわけでございます。
 そこで、先生御指摘になりましたように、助成対象団体の規約、その体制、実施能力等に対する配慮というものは必要であるということを考えておりますけれども、一方、民間団体の積極的な活動を促進するという見地から、団体の予算規模の面で上限を設けるとか、逆に下限を設けるということは私どもは考えておらないところでございます。そこで、予算規模等の小さい団体であっても、その活動が草の根の環境協力にふさわしい、地球環境保全の観点から意義がある、しかもそれを実施していける能力があるという場合には十分助成対象にしたいというぐあいに考えております。また、実際に助成対象にならないような団体でありましても、先ほども申し上げましたように広く情報提供、研修等を通じまして活動基盤に対する支援を行うということも考えているわけでございます。
 法案を可決していただきますれば本年度からこの制度を出発させるわけでございますが、今後、基金の充実を図りながら、地球環境保全に取り組むいろいろな団体の活動が国民的な支持、協力のもとに全般として促進されるように十分この制度の育成を図っていく必要があるというぐあいに私どもは考えております。
#159
○勝木健司君 NGOに対する国の助成制度というのはいかにも日本的な仕組みのようにも思えるわけであります。海外にもこのような国費によるNGO活動への助成制度があるのかどうか、お伺いしたいというふうに思います。
#160
○政府委員(八木橋惇夫君) おっしゃるように、本来民間の自発的な活動、それに政府が助成するのは本来から見てどうかということからする御質問であろうかと思います。
 私どももこの点に関しまして調べてみたわけでございます。外国におきましてこの地球環境基金と同じような要素を持つNGOの助成制度としては、例えばイギリスにおきましては、地域の環境改善等を行う民間団体に対しまして助成を行うグランドワーク事業団というものがございまして、その財源は環境省と民間の拠出によっているというぐあいに承知しております。同じくイギリスにおきまして、途上国へのNGOに対し研修や資金協力を行う国際環境開発研究所がございまして、その財源は各国政府、民間からの拠出によっているというぐあいに承知しております。また、カナダにおきましても、途上国と先進国の研究者の共同研究等を助成する国際開発調査センターというものがございまして、その財源は全額カナダ政府の拠出によっているというところでございます。
 以上が、政府が拠出をしているという側面からの助成策でございますが、一方、各国においてやっております一般的なものは、民間団体の活動が民間からの寄附を得て行う場合におきまして、その寄附について税制上の優遇措置をとるということで、これにつきましては広く一般的に見られるわけでございます。我が国においてもこの措置は従来から講じておるわけでございますが、これは大臣が午前中にもお答え申し上げましたとおり、我が国においてはまだ寄附というものが一般化していないということもありまして、税制上の特別措置については必ずしも十分活用されておらないという現状にあるようでございます。
#161
○勝木健司君 この地球環境基金の制度について、NGOのニーズに対応することが当然重要になってくるわけでありますが、環境庁はこの立案に際してNGOの声を聞かれたのかどうか、また今後もNGOの意見を聞いていく考えがあるのかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。
#162
○政府委員(八木橋惇夫君) この制度をつくるに当たりまして私どもはいろいろ検討を行ったわけでございますが、その検討過程におきまして、環境庁としては我が国の環境保全団体に対するアンケート調査を先ほど申し上げましたとおり実施したところでございます。
 また各団体の現状や抱えている問題点について把握するために関係の団体、有識者との対話、意見交換を何回かやって、本制度への要望の把握に努めてきたところでございます。私どもはそういった成果に基づいて今回立案をさせていただいたものでございますが、今後ともこの制度を発足させてからも運営の実際に当たっては、環境保全団体の意見に十分耳を傾けながら、そのニーズに応じたような格好での適切、効果的な制度運営に努めていく必要があると考えまして、その点に向かって私どもは努力してまいりたいというぐあいに考えます。
#163
○勝木健司君 この地球環境基金でありますが、国と民間との拠出によって設立をするとしておるわけでありますけれども、この地球環境基金の将来展望を含めた規模、そして民間拠出の予定がどれだけなのかということが極めて不明確じゃないかというふうに思います。
 民間拠出がスムーズに進まない場合の対策ということも考えておられるのかどうか。広報とか呼びかけとかいろんなことをやるということでありますが、そういうことも含めて、民間拠出のあるいは地球環境基金全体の展望も含めてお伺いをしたいというふうに思います。
#164
○政府委員(八木橋惇夫君) なかなか難しい御質問でございます。
 具体的な案件に即して助成応募等を得ていない段階で将来規模について私どもはこういう公式の席で申し上げることはなかなか困難なわけでございますが、いずれにいたしましても、国及び民間の双方が力を合わせまして民間団体の地球環境保全活動を支援していく必要があるということでございます。また、地球環境保全のためにそういう呼びかけを行うこと自体が私どもは運動の一つになるというぐあいに考えておりますことから、本制度の趣旨を国民各界各層に普及、広報することをいろいろ通じてやってまいりたいというぐあいに考えているわけでございます。これは先ほど、前の議員にもお答えしたところでございますが、環境事業団自身による広報、政府広報、関係省庁広報、地方公共団体の協力、さらには報道機関の協力もお願いしながら、これについては私ども力を入れてやってまいりたいということでございます。
 なお、この基金につきまして私ども当初から、割り当て的なものとか目標額を設けてやるということは必ずしも適当ではないんじゃなかろうかと考えております。いずれにいたしましても基金の充実を図るためには、私どもいろんなこれから広報、普及の施策を講じてまいりたいというぐあいに考えております。
#165
○勝木健司君 民間拠出といいましても、ほとんどが企業等に協力を依頼せざるを得ないのじゃないかというふうに思うわけであります。
 そうした場合に、助成対象活動選定に当たって企業等の意向が反映されるようなことにつながらないのかあるいはNGOの支援費用は基金の運用益で実施されるわけでありますので、この基金の財源については国民の税金あるいは寄附金で構成されておるわけでありますから、運用に当たって十分なそういった面での注意、留意が必要だというふうに考えるわけでありますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
#166
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、本件の基金につきましては国民の税金に基づく国の資金が入るという性格から、この制度におきましては当然会計検査院の検査の対象になるということが一つございます。
 これに加えて、さらに制度の運営上におきましても国民各界各層の信頼が得られるよう、また公平性が保たれるようにするためには、午前中からいろいろ議論がございましたが、一つは基金事業の重要事項につきまして各界の有識者から成る委員会の意見を得、それに基づいて選定をしていくというようなことが必要であろうというぐあいに考えますし、助成対象とした活動の内容につきましても、国民にこれは公表し明らかにしていく必要があるということを考える等適切な配慮を払ってまいりたいというぐあいに考えております。
#167
○勝木健司君 今回のこの地球環境基金については、基金部が独立をして創設されておる、そして財政面は事業団から切り離されておるわけであります。平成五年度、基金十億、事業費五億が計上されておるわけでありますが、今年度実際にNGO活動助成のために使われる金額は一千万円規模で三十件程度とのことをお聞きしておるわけでありまして、わずか三億円程度にすぎないわけでありまして、鳴り物入りで設立された割には余りにも寂しいのではないかというふうに思います。
 今後幅広くNGO支援を行うために地球環境基金について国の拠出を一層充実していく必要があるんではなかろうか。また、民間の環境保全活動を進める上で、今回のこの地球環境基金はその対策の一部にすぎないわけでありますから、広く国民や、直ちに地球環境保全と言えない足元からの環境保全活動を行う人々の努力を促すためにも総合的な対策が当然必要になってくるんじゃなかろうかというふうに思います。
 このような本当の意味での国民規模の環境保全活動の促進について、もう時間もありませんので環境庁長官、この取り組みについての御決意のほどを、お伺いいたしたいというふうに思います。
#168
○国務大臣(林大幹君) 先生御指摘のように、民間団体に協力していただくとか、あるいはこれを育成するということは非常に大事なことでありまして、そのためにも実は本来ならば純粋な民間資金だけで行えれば一番いいのでありましょうけれども、日本の場合には最初からそこまではいきませんので、まず政府がこれをスタートさせる。そして政府がある程度の応援もする、その過程で民間にも協力を求めるという姿でいくということをとらないと、民間に最初からではなかなか進まないだろうということからこのような形になりました。しかし、これはまだ初年度でありますので、これをさらに充実させるということは何より大事なことでございます。
 先ほども申し上げましたように、NGOの姿というものは地球環境の問題をとらえても大変大事でありますし、さらにまた日本の国際貢献という面から見ましてもNGOの力がついてくるということは非常に大事なことでありますので、この際、国民全体の盛り上がった力でこの制度を育成していくということに環境庁としては最善の努力を払いたいと考えております。
 なお、環境NGOの目的と同じでありますけれども、地球環境問題などを取り上げる場合には、あくまでも国民の各界各層に、NGOでなくとも広く国民にこれを理解していただくということも考えまして、そういう意味においても地球環境基金が役立つように環境庁としては最大の努力を続けていきたい。そして、国民の一人一人が足元から行動を起こすということを大いに促進しまして、その目的を達成できるということを考えたいと思います。そのためにも環境教育などということが大変重要になってきておりますので、環境庁はそれらの問題に対処しまして最善の努力を続けたいと思っております。
#169
○勝木健司君 終わります。
#170
○有働正治君 私は、これまでの論議に対する政府の答弁との関連で、まず基本認識をお伺いいたします。
 私は、社会が進歩発展する上におきまして民意を尊重するというのは極めて重要だと考えます。その中では当然現状への改善意見、不満あるいは批判的意見、そうした立場からの積極的対案等も含まれるわけでありますが、今流に言いますればこうした現状への改革の意見があってこそ現状の不十分さ、弱点も克服されていくわけであります。この点で、社会の進歩発展、改革の原動力ともなるものであるとして一連の改革の意見、批判的意見を含めた民意が重要であると考えるわけであります。
 環境問題を考えてみますと、政府も繰り返されていますように、環境を守る上で行政当局は行政当局として、あるいは企業は企業としてそれぞれの責任できっちり対応することが重要である、これは言うまでもないことであります。このことに異論を差し挟むものではないわけでありますが、同時に、環境保全の上で忘れてならないことは、政府が本来進取の気概に満ちていれば満ちているほど不十分、弱点あるいは逆流が公害行政の上、環境保全の上で、ある場合において批判的な意見を含め、環境NGOの活動、意見、提案というのは現状を改革していく上で決定的とも言える重要性を私は持つものだと考えるわけであります。
 そうした社会の進歩発展、環境保全に対する立場から見ましてもNGOの活動の重要性は極めて重要だと考えるわけでありますが、長官の基本認識をお伺いいたします。
#171
○国務大臣(林大幹君) NGOの組織、活動あるいはその団体としての方向、それは非常に大事でありまして、先生が申されるまでもなく、国民の一人一人の意見が反映される政治こそ大事であるわけであります。
 したがいまして、そういう意味で我々として注意しなきゃならないのは、NGOの意見もよく聞きながら、しかもその運営に当たっては適正であり公平である運営を常に重視して当たっていくということが何よりも大事でありますので、その点については片時も国民の声をゆるがせにするということはできないわけであります。
#172
○有働正治君 そこで、地球環境基金の運用の問題についてお尋ねします。
 この運用の仕方によりましては、政府の言い分とは必ずしもならないことが危惧される。NGOが選別されたり、あるいは環境庁のひもつき化になるという危惧の念も早くも出されているわけであります。今回の基金の運用につきましては民主的で公正な支援措置がとられることが必要であるわけで、その点でNGOの自主性、自立性、これが保障されることが何よりも重要だと考えますが、この点を御答弁願います。
#173
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のとおり、民間団体が自主的、自立的にその積極的な発意に基づく活動をなさるということがやはり基本であり、それが大事であるというぐあいに私どもは考えているわけでございます。
 そこで、この地球環境基金の助成制度につきましても、そういうことを阻害するようなものであってはならないということから、本件基金の助成につきましては、手続的にはまず民間団体がその発意に基づいて具体的な活動をみずからつくっていただく、それに基づいて基金の助成を要望してきた場合については基金の財源の範囲で助成をしようというものでございます。そして、この助成をするに当たっては、広く国民の声一般を代表し、またNGOについても学識経験を有する者を含めた運営委員会等の意見に基づいて、その意見のもとに助成案件を選定していくというようなことを考えているところでございます。さらには民間団体の自主性、自立性を尊重するということからは、活動に着目して助成をすべきであって、その団体の存立基盤であるような運営費、管理費そのものに対して助成をしていくということは適当ではないというぐあいに考えているところでございます。
 私どもといたしましては、NGOの発意に基づく環境保全活動を促進するという視点からこの制度の運用を図っていくべきだというぐあいに考えております。
#174
○有働正治君 次に、主務大臣に関連してでありますが、この基金につきまして六つの省庁が主務官庁となっています。環境行政に横断的に取り組むために環境庁が設置されたのであることからかんがみますれば、私は環境庁専管とするのが筋だと考えるわけであります。この点につきましては、一九八七年の公害防止事業団の新規業務の追加の大幅改正の際にも、衆参の環境委員会で附帯決議がつけられ、本委員会の決議の中でも「公害防止事業団に対する監督手続きのいたずらな繁雑化を避け、その経営の自主性を尊重し、組織の活性化を図るとともに、職員の雇用不安や労働条件の悪化をもたらさないよう配慮すること。」と述べているところであります。政府も尊重することを確約しています。
 そこで、お尋ねします。今回の法改正で本基金の運営は原則として独立した法人である環境事業団にゆだねるべきである、六省庁のいわゆる省益あるいは庁益の関与によって、支援の名のもとに環境NGOの多様な活動が阻害されないようにしなければならないと私は考えるわけでありますが、簡潔に御答弁願います。
#175
○政府委員(八木橋惇夫君) 簡潔に答弁しろということでございます。
 今回追加される業務につきましては、その内容が民間団体によるいろいろな地球環境保全活動の支援を対象としております。したがって、従来、主務大臣として入っておりました三大臣のほかに、森林とか生物とかといったものについて専門行政分野である農水省及び海といったようなものを対象とする運輸省の主務大臣としての参加を今回の法案ではお願いしているところでございます。これは環境庁が中心となって、これらの緊密な連携、協力のもとに業務の円滑な実施を図ってまいるということにおいては変わりはないわけでございます。
 そこで、先ほどの附帯決議との関係でございますが、私どもその附帯決議はよく承知しておりまして、それに基づいて私どもは運用を図っていくように考えているわけでございます。そして、この場合におきまして、従来は環境事業団の業務方法書の変更等に対しましては、すべての主務大臣の認可を要するというぐあいになっておったところでございますが、今回の改正におきましては、その変更内容にかかわる主務大臣の認可を受ければいいということで、関係する大臣についてだけの認可というふうに今回簡略化させていただいたところでございます。
 このように、事業団の事務の簡素化につきましては、運用上また所要の法制上の配慮も加えて、今後とも研究してまいりたい、努力してまいりたいというぐあいに私どもは考えております。
#176
○有働正治君 それとの関連で、基金事業部の職員構成の問題であります。この事業の推進のために事業団の中に二つの課、定員六名から成る地球環境基金部を新設されるとのことであります。
 これらの職員につきましては、事業団は設立以来二十八年を経過しておりまして、この間の公害防止、環境保全対策事業の経験やノウハウの有効活用を図る上からも、また事業を独立した法人にゆだねるとした趣旨からいっても、各省庁からの出向人事は行わないで、事業団採用のプロパー職員をもって充てるべきではないかという事業団の中の強い要望も出されているようであります。この要望は当然考慮すべきではないかと考えますが、この点について。
#177
○政府委員(八木橋惇夫君) 基金事業の実施のために、環境事業団に今のところ地球環境基金部というものを新たに設けまして、基金の管理運用、助成の実施等基金事業に関する事務を担当する所要の職員を配置することを現在私ども予定させていただいております。
 そこで、この部に配置される具体的な職員の任命等についての問題でございます。現時点ではこれは未定であるというぐあいに聞いておりますが、地球環境基金という新しい事業を円滑に軌道に乗せる観点から、適材適所の職員を充てる必要があるというぐあいに考えておりますし、その中で、事業団職員の活用について配慮することは、当然必要だろうというぐあいに考えております。
#178
○有働正治君 次に、環境NGOの活動というのは、国境を越え、また省庁のテリトリーを越える、そしてまた時間を越えるというところに特徴があるわけであります。したがって、この基金の運営におきましても、お役所の都合を優先させたいわゆる単年度主義にいたずらに拘泥することなく、中長期的な観点も当然考慮されるべきだと考えるわけであります。つまり、数年計画のNGOの事業もあるわけで、そのことを考慮した対応を願いたいという要望も私のところに寄せられているわけでありますが、この点、いかがでありますか。
#179
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほどもお答えしたところと若干ダブりますが、本制度を検討する過程におきまして、環境庁といたしましては、環境保全団体との意見交換を行いました。そこで、そのような御要望も私どものところにも寄せられております。
 私どもといたしましては、この助成事業につきましては、これは国の会計制度とのかかわりもございまして、基本的には各年度ごとに助成決定を行うということになるわけではございますが、御指摘のような、複数年度にわたり、長期間にわたるケースというものがあることも事実でございます。そこで、あらかじめ全体の事業計画の提出を求め、その事業が適切に実施される場合には、結果としてその助成が継続するというように、適切な配慮を払っていくということが必要であるというぐあいに考えておるところでございます。
#180
○有働正治君 国際的なNGO活動との関係で、次に熱帯林の伐採問題、特に東南アジア、カンボジアの事態をめぐって幾つかお尋ね申し上げます。
 地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨などの地球環境問題が、森林の減少やその劣化と深くかかわっているわけであります。政府の林業白書によりましても、世界の森林面積が十年前に比べて二%減少、途上国が五%減少、特に熱帯林は九%も消滅して、このまま推移すれば今後百年間ですべての熱帯林が失われると警告しているわけであります。
 東南アジア地域では、特に日本の総合商社によります熱帯林の伐採が重大な環境破壊をもたらしていることが厳しく批判され、国際NGOもこの点を内外の世論に訴え、森林保護のために積極的な活動をしているところであります。この総合商社による熱帯林伐採による環境破壊の問題に対する批判等につきまして、環境庁はどう認識されておられるのか、まずお伺いします。
#181
○政府委員(加藤三郎君) 熱帯林を含みます森林は、私どもから見ますと、生物資源の貴重な涵養地でありますし、それから気候の安定化でありますとか、あるいは炭酸ガスの吸収源でありますとか、土壌の保護とか、極めて重要な役割を環境上果たしているというふうに思っておりまして、熱帯林あるいはその他の森林を問わず、環境を保全していくということは極めて重要というふうに認識をいたしております。
 今先生お尋ねのカンボジアの件、私ども直接的には存じ上げておりませんが、私どもとしてそういう問題があるとすれば、重大な関心を持って見てまいりたいというふうに思っております。
#182
○有働正治君 そこで、カンボジアの問題に入りますけれども、カンボジアの森林破壊については、昨年の地球サミットに提出されました国連開発計画、UNDPのカンボジアの環境資源問題についての報告、提言の中で、森林が年二十五万ヘクタール消滅し、二十七年前に国土の七割以上を占めていた森林が今では四割ほどに減少して、現状のままでは国土復興に取り返しのつかない大打撃になると警告しています。既に伐採による洪水や逆の渇水などの深刻な事態も発生していると、我が党の赤旗特派員も指摘しているところであります。
 そこで、カンボジアからの原木輸出禁止について、昨年の九月のSNCの決定を受けて、昨年十一月三十日の国連安保理の決議七九二の木材禁輸措置についての違反事例がUNTACによって二月十六日に発表されました。その概要を日本との関係で外務省の方から簡潔に御説明願いたいと思います。
#183
○説明員(小島誠二君) お答え申し上げます。
 UNTACは、二月の十六日のプレスブリーフにおきまして、日本政府はUNTACへの協力に大変熱心であるということを言いつつも、同時に、本年一月の違反事例ということで、全体で四十六件でございますけれども、量にいたしますと四万八千立方メートル、こういう違反事例があり、そのうち三件、量にいたしますと一万三千立方メートルでございますが、これが日本向けであるという発表をいたしております。ちなみにこれは、量的に申し上げますとタイに次いで二番目に当たるわけでございます。
 なお、その後UNTACは、今申し上げましたのは一月の違反事例でございますけれども、二月、三月と違反事例を公表しておるわけでございますけれども、その中に日本向けのものは含まれていないというふうに承知しております。
#184
○有働正治君 一月も二月もですか。
#185
○説明員(小島誠二君) 冒頭に申し上げましたのは一月の事例でございます。
 二月と三月の事例については日本向けのものは含まれていないということでございます。
#186
○有働正治君 先ほど私が赤旗と述べたのは、私が現地に行って直接確かめてないということで、現地の特派員を通じて確かめたという趣旨で紹介したわけでありますので、一言付言しておきます。
 そこで、通産省に求めます。今の外務省の報告の中の日本向けの三件の中に、日本の商社、どういうのが入っていて、それから、この問題の今後の措置の見通し等について御説明願います。
#187
○説明員(仁坂吉伸君) 質問が二つあったかと存じます。
 第一の点につきまして、日本の商社が発表の中にどうあったかということでございますが、私ども輸入承認を、後で御説明いたしますが、一月から行っております。この関係で承認をしてほしいという希望の商社がいることも事実でございますが、承認に係る法律の手続に関して相手側の名前を公表するということは、私たちのモラルとして差し控えたいと思います。ただ、その新聞報道がありましたときに、三井物産という会社がございますが、この会社については原木の輸入を行おうとしているということを否定しておりません。したがって、このことは公知の事実かと思っております。
 それから、第二番目の御質問でございますが、私どもは、カンボジアからの原木輸出を禁止するSNC決定を支持しなさい、あるいは支持しようという、昨年十一月三十日に出されました国連の安保理事会の決議を受けまして、一月以降にカンボジアから輸出される原木については、すべて外国為替及び外国貿易管理法に基づきまして、輸入承認にかかわらせておる次第でございます。この件につきましては、先ほど申しましたように、こういう案件があるんだというようなことをある会社から言われている次第でありますけれども、この件に関しましてはまだ承認をしておりません。
 私どもの基本的な考え方といたしましては、本件の輸入承認は、国連の決議を受けまして、カンボジアの輸出禁止、これに対して協力をしようという趣旨で行っているものでございます。したがいまして、カンボジアの権限ある当局が最終的にこのカンボジアの輸出案件、日本から見ると輸入になりますが、これが違法であって輸入しないでくれ、こういうことでございますれば、我々はこれを輸入承認しないという方針で臨みたいと考えている次第でございます。
 現在、先生御指摘のようにカンボジアの方でこういうふうに日本に入ろうとしている案件があるということを発表したわけです。これについて我々が調べたところによりますと、カンボジアの地方政府に適法な手続を経てカンボジアの輸出業者が輸出をしたらしいということがわかってまいりまして、この辺の調べました事実関係をUNTACの方に照会をいたしておりまして、UNTACの方の最終的な法律上及び彼らの最終的な意思決定を聞いて、それから私どもは法律上の手続をとろう、こういうふうに考えております。
#188
○有働正治君 先ほども一部お話しございましたけれども、ことしの一月の不法輸入事例の原木の量から見ますと、タイが一番多くて二万一千八百立方メートル、違反事例の四五%であります。次いで日本が一万三千立方メートル余で二七%強であります。タイ、日本で一月分の違反量の実に七割以上を占めているわけで、日本の責任は極めて重大であります。
 現地からの報告によりましても、UNTACの違反事例の発表の中には、UNTACが近づけないポル・ポト派支配地域のタイ国境を通過するものは含まれておらない、したがって実際にはさらに多くの原木が輸出されているということが言われているわけであります。さらに二月分の違反事例はUNTACから十一件が発表されています。うち、タイが量で九割以上を占めているわけであります。タイに密輸されたカンボジアの原木や、ポル・ポト派支配地域からタイ国境を通過した原木が日本に輸入される事態があってはならないというふうに考えるわけでありますが、そこでお尋ねします。
 第一に、安保理決議違反のチェックをどのように行っているのか。第二に、近隣諸国から入ってくる可能性のチェックはどのようにしているのか。簡潔にお答えください。
#189
○説明員(仁坂吉伸君) まず第一の点につきましては、基本的にはSNC決定に違反してカンボジアから輸出された原木、カンボジアもこの輸出についてはきちんとチェックしなければいけないわけですが、それを輸入しないように措置をするということについては、基本的にはそれぞれの国の責任であると思います。
 私どもといたしましては、先ほど御説明しましたように最大限の協力をしているつもりでございまして、我が国の外為法上の権限を発動いたしまして、カンボジアを原産地とする及びカンボジアを船積み地とするこの二つのケースの原木につきましては、すべて輸入承認にかかわらしめまして、先ほど申しましたような現地政府との間の外交ルートを通じました慎重なチェックを経て法手続を遂行しているところでございます。
 先ほどのお話でございますが、例えばカンボジアの原産のもの、これについては私どもとしては、それがどういうところを経て日本にたどり着こうとも、輸入承認にかかわらしめて、ただいま言いましたような慎重なチェックをするという体制をとっておりますので、そのような手続の中で処理していきたいと思っております。
#190
○有働正治君 私がなぜこの問題を重視しているかと申しますと、国土の四割と言われています森林の多くのところがポル・ポト派支配地域にありまして、この木材輸出が彼らの重要な資金源になっていると言われているからであります。
 私は、ことし一月十七日、テレビ朝日「サンデープロジェクト」の森林破壊をめぐる現地レポート「ポルポト金脈と日本」を拝見しましたが、その中でもこのことは明白な事実として指摘されていました。原木輸入は、ポル・ポト支援としての客観的な役割を日本が加担する、協力するということになりかねないということを重視するからであります。原木はもちろんでありますが、半製品を含めていやしくもポル・ポト派への資金源の手助けとなるようなことは日本としてすべきでないと考えるわけであります。
 そういう点から申しまして、カンボジア近隣諸国とも協力してきっちり対応すべきだと思うわけであります。もともとポル・ポト派に対する対応というのは、国際的には日本は極めて甘いという状況が指摘されていたわけであります。そういう点で、国務大臣としての、この点でのきっちりした対応についての見解を求めます。
#191
○国務大臣(林大幹君) カンボジアからの木材、カンボジアの輸出問題でございますけれども、この件につきましては、先ほど外務省あるいは通産省からも説明がありましたけれども、その措置につきまして私の見解いかんというお尋ねでございます。
 行政にはそれぞれの所管がございますので、私がとかく申し上げるということよりは、それぞれの所管のそれぞれの機関でこの問題を十分に検討すべきものであると考えております。
#192
○有働正治君 これは森林破壊、環境破壊とも関係があるわけで、私は特別に重視して長官の見解を求めたものであります。
 そこで、少し視野を広げてお尋ねしますけれども、熱帯林の保全、カンボジアに限らず熱帯林の保全のためには再生、回復の保証がない伐採を禁止すべきである、これは先ほどのカンボジアの調査報告等もそのことを指摘しているところであります。熱帯林伐採が指摘されています日本の総合商社を中心といたします多国籍企業の責任は、その点では非常に大きいというふうに考えるわけであります。何らかの有効な規制なしには地球環境保全が図れないという深刻な指摘が国際的になされているわけであります。また、日本国内での熱帯材の用途は、その多くの一つは合板材です。その大半が建設用のコンクリートパネルとして使用されて大量に使い捨てされているという状況があるわけで、こうした浪費的な使用を改めれば過度の熱帯材の輸入をやめることも可能になるはずであります。
 そこで、環境庁としてこの点どう対応しているのか関係省庁とも連絡を密にしながら熱帯材の過度の輸入をやめるべく対応すべきではないかと考えるわけでありますが、見解を求めます。
#193
○政府委員(加藤三郎君) 先ほども申し上げましたように、私ども熱帯林も含めまして森林は環境上極めて重要な役割を果たしている、したがってその保全については各般の施策を講じていくべきであるというふうに考えております。
 私どもといたしましては、特に輸入木材等の利用の合理化に努めることはもちろんでございますが、基本的には先生もお触れになられましたけれども、持続可能な森林の経営と管理が確立されることが重要であるというふうに考えておりまして、ITTOあるいはFAOなど国際機関の活動を積極的に外務省、林野庁等の関係省庁ともども支援しますとともに、二国間協力などを通じまして森林の保全に貢献するようこれからも努力してまいりたいというように考えているわけでございます。
#194
○粟森喬君 回しような趣旨の質問が続いておりますので、できるだけ重複を避けるという立場で質問をしたいと思いますが、多少重複するところはお許しを願いたいと思います。
 まず最初に、この法が適用される団体の問題で、いわゆるNGO団体、民間団体というのはどういう規定なのかということに論議が集中しております。私もこの法を読んで、この八号のところでございますが、余りにも抽象的過ぎて範囲が広いといえば大変範囲が広いんですが、私が読み取るとすればここだけです。民間団体の中で「民間の発意に基づき活動を行う営利を目的としない法人その他の団体」と。私は、これは法人がまず最初にあって、その次にその他の団体という区分け方も果たしていかがなものかという感じもするんでございますが、あとはもう抽象論ばかりでございます。範囲が全部あるといえばそのとおりでございますが、法のつくり方としてはそのことに問題があろうかと思います。
 その上で、もう一つの問題は、全部各項に基づくものは「その他の政令で定める要件に該当するもの」、こうなっておるんです。ここはきちんとお尋ねをしたいと思うんですが、これは公布の日からということですから、公布というのはいつなのか。それから、そのときに当然政令が出されるわけでございますが、この政令事項によって例えば申し込みをしたときに、この政令事項の要件に該当しないからこれは受理されないとか、これはだめですというふうになるようなその他の政令事項という書き方なのか。
 ここは、きちんと整理をしておかないと、私は省庁権限がそんな格好でひとり歩きすることも問題だし、法の理念に基づくなら少なくとも「その他の政令で定める要件」で、例えば公的な資金の助成を受ける団体が拒否されるような事態は起こり得ないのかどうか、このことについてまずお尋ねをしたいと思います。
#195
○政府委員(八木橋惇夫君) まず最初に、民間団体としての書き方の問題の御指摘がございました。これは、この法律におきまして「営利を目的としない法人その他の団体をいう。」という言い方、これは括弧内で書いているわけでございます。ここにおきまして、財団法人、社団法人といったような法人格を持っている団体のほかに、いわゆる権利能力なき社団といったようなものにつきましても、当然NGOとして対象にしていくべきであるという趣旨で、こういう書き方をさせていただいておるわけでございます。
 次に、政令で要件を絞っているじゃないかということでございます。おっしゃるように、ここで開発途上地域の現地において事業を実施するものであるとか、「その他の政令で定める要件に該当するもの」ということで、政令から決まってこないとその該当になる事業が確定しないじゃないかという御指摘であろうかと思います。
 この点につきましては、私どもは、これについて絞るという趣旨よりは、むしろ該当する事業を明確化するような視点から、これは書いてまいりたいということを念頭に置きまして書いておるものでございます。具体的にこのイ、ロの政令におきましては、開発途上地域の住民のニーズにこたえまして、現地において行う植林、野生生物保護等の実践的事業といったようなもの、また住民等がこれらの事業を行う上で必要な知識の提供とか、これらの活動を推進する調査研究及び国際会議という具体的なイメージが出るような格好での政令を書きたいというぐあいに考えております。また、ハにおきましても、これは我が国の民間団体による国内での環境保全活動でございますが、広範な国民の参加を得て、緑化、リサイクル等の実践的事業、広範な国民に対する普及活動、これら等の推進に必要な調査研究といったようなものをそれぞれ定めることを予定させていただいているところでございます。
#196
○粟森喬君 質問の趣旨に答えてください。公布の日はいつなのか。「その他の政令で定める要件に該当する」ということで、資格要件をとるようなことはしないのか、こういうふうにお尋ねをしておるので、そのことについて答えていただきたいと思います。
#197
○政府委員(八木橋惇夫君) この法律を国会で通させていただきますれば、私どもは所要の準備を、今でもやっておりますけれども、完了させて、なるべく早く公布させていただきたいと思っております。
 そのときには、同時にこの政令も明らかにするようにしてまいりたいというぐあいに考えております。
#198
○粟森喬君 いつごろなのかを聞いておるんです。
#199
○政府委員(八木橋惇夫君) 時期的な御質問でございますが、本委員会で可決をしていただき本会議を通していただきまして、所要の準備をいたしますれば、五月中、それも遅くないような時期にはぜひ公布、施行いたしたいというぐあいに考えております。
#200
○粟森喬君 もう一つ、政令で縛るのかどうかということについて、練らないというふうにはっきり言ってください。
#201
○政府委員(八木橋惇夫君) 先ほど申し上げましたように、政令におきましては、具体的な事業が明確になるような格好で考えているところでございまして、縛るという趣旨で政令を書こうというぐあいには考えておりません。
#202
○粟森喬君 しつこいようですが、ここだけ聞いておきます。政令でこう決まったから、あなたの団体はだめですということは言わないということですね。そのとおりですというふうに答えてください。
#203
○政府委員(八木橋惇夫君) その「政令で定める」ということですが、この地球環境保全という目的にそもそも該当しないようなものでありますれば、それは政令で定める定めないとにかかわらず、それは該当しないことになりますが、「政令で定める要件」というのは、具体的な要件を書いていくということを念頭に置いておりますので、政令でこう決まったから対象外になるというようなことはないものと信じております。
#204
○粟森喬君 法があるんですから、法の要綱に基づいて提出するわけですから、政令でとめるようなことはしないでくださいということを言ったんでございます。
 次に、具体的なことを幾つかお尋ねをしたいと思います。団体が申し込みをしたとします。却下されるときは理由などが明示されますのか、されませんのか、そういうことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#205
○政府委員(八木橋惇夫君) 具体的にその御要望に応じられなかった場合、資金枠によったのか、それともその事業目的がこの目的から外れていたのか、そういうことに関しましては、できるだけ団体の御要望に応じたような格好でそれを運営してまいる方向で検討してまいります。
#206
○粟森喬君 これは私のお願い、要望です。審査の結果、却下でございますという却下の仕方は絶対しないでください。次のとおり資金がこれだけたくさんあって、優先順位をこう決めたとか、そういう客観的にそれぞれの団体が申し込んだものについて、却下される場合も、そういう理由を付してやっていくということが公開制であるとか民主的というのか、この種のお金を使うときの非常に大事なことでございますから、特にその点は要望を申し上げておきます。
 そこで、もう一つだけ聞いておきたいんですが、これは事前に質問通告をしていなかったので申しわけございませんが、日本環境協会という財団法人があります。これは、行政官OBの方も行っておると思いますが、例えばもしこの団体が申請をして、この資格要件に合えば、ここは受けることになるんですか。私は、民間団体と言いますが、そこはいろいろ十分検討してほしい。特に行政官OBの方が行っておると、そこにばかり行くような雰囲気というのは、今回の法律の趣旨を正しく読んだときにというか、客観的に読んだときに、そういうところに採用されるというのは、私はよろしくないんではないかと思います。例えば日本環境協会が申し込みをしたら、それはもらう団体になるのかどうかを含めてお尋ねをいたします。
#207
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘の団体につきましては、概念的には一応対象になり得るものというぐあいに考えますが、従来からこの団体については民間団体に対するアンケート調査をやっていただいたり、むしろ行政支援的な活動を従来やってきてもらっております。したがって、そういった性格の事業をやっていただいて、支援対象に回るということは必ずしも適当かどうかということには問題があろうかと思うんです。
#208
○粟森喬君 わかりました。
 そこで、環境庁にお尋ねをしますが、この基金は税金と浄財で賄われるということが再三にわたって強調されております。ところで、環境庁の認識する浄財というのはどんなものですか。私は浄財というのは基本的にどこに、どんな格好であるのか、どういう認識をされているか。私は、ちょっと言葉の使い方として適当ではないと思う。
 私どももボランティア運動をやったりいろんなことをやっています。浄財があるからよこせと言ったって、それはだれも絶対くれないですよ。少なくともこの趣旨に賛同した人が出すという積極的な意味からいくと、この浄財という表現は適切ではないんではないかと思います。民間からいただくというお金に対する基本的な認識の問題を、まずお尋ねをしたいと思います。
#209
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生ただいま御指摘になったことと私どもの考えとはそれほど違わないとは思うんですが、この事業に積極的に賛同を示していただきまして、そうでなければ、みずからの目的に使い得たようなお金をこの目的のために寄附していただくという趣旨で考えております。
#210
○粟森喬君 そうすると、やはり浄財という表現は私は余り適当じゃないと思う。いわゆる企業でも、私どもが任意の団体で行ったときに、その団体の趣旨に賛同するからお金を出すんです、その企業に浄財があるかないかじゃないんです。この辺の認識を基本的に押さえておかないと、どうも二千億構想とか一千億構想とかいろいろあるときに、どうも環境庁の基本的な姿勢にかかわる問題だと思いますので、趣旨に賛同していただくためにどういうふうに運動を起こすかという立場から考えたときに、浄財概念とは違った意味でやらないと、とりわけ今民間企業を取り巻く環境や個人の所得をめぐる環境を見たって厳しいんです。
 環境税を入れてこの財源に充てるというのも一つの方法かもしれませんが、私は今環境税の問題を論議する時期でもないし、なじまない段階だと思いますから、これからのこの基金の運用の中で民間企業から積極的にそういうふうに協力をしていただける施策について、もう少しきちんとした姿勢をいただきたい。
 例えば、私が一つの例として考えたのは、売り上げの一%と言ったら大き過ぎますので、一千分の一でも一万分の一でもいい、一部でもいいからこの基金に出すために使われますというふうに明示した製品があったって私はいいんじゃないかと。そのくらいの積極性をどこかで売り込まなかったら、基金をつくるというのはいわゆる税制上の優遇措置なども受けるんですが、この種の基金は運用し切れない状況に今あるんじゃないか、こういうふうに私は思うわけでございます。
 したがって、この種のことについてどこで検討して、具体的に年次計画の中で織り込んでいただけるのか、その辺のことについてお尋ねをしたいと思います。
#211
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生御指摘のように、売り上げの一%協力運動でございますとか、先ほど郵政省の方が御説明しておりましたように、利息の何割を御寄附いただくとか、そういうメルクマークを設けてやっている基金もありますし、現にそのような活動も私ども承知しております。
 私どもが具体的に民間からの御協力を仰ぐ手段として、どういった方法がいいのかということにつきまして、現段階で確たる方針を決めているわけではございませんが、先生御指摘なさいました点も含めまして、これから運営委員会等におきまして御意見を承りながら、今後の活動方針というものも固めてまいりたいというぐあいに考えております。
#212
○粟森喬君 大臣にお尋ねをしたいと思います。
 これは、あくまでも環境事業団がやる事業でございますが、ある種の意味では環境庁長官が積極的な旗振りをしてそういう役割を担っていかないといけない。事業団は事業団であくまで環境庁長官の監督権限下にあっても、この部分だけ積極的に推進運動をやる部隊とか、そういうものを別につくっていかないと、とてもじゃないが今日の財政運営状況や民間経済の今置かれた状況などから見ても、そういう積極的な意思をどっかでつくらにゃいかぬ。
 ですから、環境事業団の運営委員会というだけではなく、環境庁本体がそのことについて積極的な役割を果たすという意味で、環境庁長官としての決意や具体的な方策があるようでしたら答弁を願いたいと思います。
#213
○国務大臣(林大幹君) 特に、運営委員会の運営というものが非常に重大になってくると思いますけれども、当然運営委員会の中には六省庁が入るということもありますけれども、それはそれとして、環境庁長官としてはこれは重大な決意と、それから信念を持って取り組みたいと思っております。
 特に、先ほどから諸先生の、粟森先生の御意見という意味じゃありませんで、この委員会における諸先生のお考えの中に、環境庁が当然中心になって運営すべきであって、六省庁が入った場合にはそれぞれ省庁のエゴが出てきて運営が難しいんじゃないのかという御懸念もありますが、私はまたそれを逆に考えたいと思っているんです。むしろ、六省庁が入ることによって、六省庁が今までこの問題についてそう熱意は持てなかったものがさらに熱意を持って協力できるように運営したい、それが運営委員会の一つの方向だという考えも含めております。――いや、運営委員会には六省庁入りませんけれども、しかし運営委員会が取り組む中で六省庁の意見が出てきたものをどうするのかというようなことが出てきますから、むしろ六省庁にも大いにこれから、先ほどPRの問題も出てきておりますので、積極的に取り組んでいただくためにも、むしろ運営委員会を環境庁としては十分に重視したいと考えております。
#214
○政府委員(八木橋惇夫君) 若干大臣の御答弁を補足させていただきますが、運営委員会は広く国民の意見を聞くということから、役所がそこに入ることはございません。
 ただ、先生御指摘のように、確かに財政資金の導入にしても民間資金の導入にしても厳しい経済情勢の中では大変でございます。私ども環境庁といたしましては、この制度を育成していくためには、役所自体も努力していかなければならぬ。そのために私ども大いに努力していくつもりでございます。
#215
○粟森喬君 趣旨は何となくおわかりいただいたと思う。
 環境事業団の運営委員会ですから、どう考えたってそれは、省庁全体から見たって事業団の一つですから、そこを監督するというだけではもうだめだと思う。環境庁が自分たちの運動として、それはもう大臣にもまずポケットマネーから出してもらうぐらいしてみんながやっていくとか、まず自分から始めるぐらいの気持ちでやらなかったら、私、お金というのは常に集まらないと、そういう思いでございます。ですから、大臣の決意を非常に謙虚に私は受けとめまして、より積極的にこれからやってほしいという意味で、私どもももちろん協力をいたしますから、そういう意味でお願いを申し上げたいと思います。
 この問題はこのぐらいにいたしまして、環境事業団の事業にかかわる問題として一つだけお尋ねをしたいと思います。フロンの問題が二十一世紀へ向けて国際機関の中で一九九六年に全廃ということで前倒しになりました。私、質問の際にその状況をお尋ねしようということで、環境庁にも問い合わせをして、環境事業団がフロンの廃止のための改善のための制度融資をつくってあります。どのくらい使われておるんだというふうに聞いたら、ゼロだと聞いてちょっとがくっときたわけです。なぜかというと、制度が通産省にもある、厚生省にも似たような同趣旨のものもある、環境事業団にもある。
 環境事業団の方が何となくその資金枠も小さくて、例えば制度をダブって借りるというのも非常に難しいとか、いろんな制約があったりしてこれは実際使われていないということと、フロン全廃への動きというのが比較的私は順調に経済社会状況としても進んでいるというふうには認識していますが、これからの事業団のこの融資制度をどう活用するかというときに、まず現状と、この種の重複をするような融資制度について、何となく省庁間の権益みたいな話で、私らも聞いておっても何となくどこかで一本化できないかと、こういうふうに思うんです。
 歴史やいろんなことを聞くと、なかなかできないということを承知しつつも、この種の制度のあり方についてまず見直す気があるのかないのかそのことをお尋ねしたいと思います。
#216
○政府委員(八木橋惇夫君) 先生、御指摘のとおりに、環境事業団におけるフロン融資の実績は残念ながらございません。環境事業団では、平成元年五月の政令改正によりまして、特定フロンに対して、排出抑制、回収、再利用ということのために事業者が設置する施設に対して融資を行い得るように対象範囲を決めたということになっております。一方、フロンを使用しない施設への転換に要する費用というものは、これは生産設備であるという考え方から、開発銀行、中小企業金融公庫その他の公庫が受け持つということに領域が決められたところでございます。そこで、現実にフロンの問題といたしましては全廃への流れが急速に高まっているというようなことから、フロンを使用しない施設へ転換するということがむしろ主流になってしまったということもございまして、環境事業団による具体的な融資の実績は現実にないというのが実情でございます。
 そこで、そういう実情に合わないような融資制度、また実情に合ったように制度をどのように改善したらいいのかというのは、絶えず問題点を勉強しながらそこは検討していくべきなどの御指摘でございます。私どももそういうことは勉強してまいりたいと思っております。
#217
○粟森喬君 せっかくの資金をそれなりにプールしておるわけでございますから、できるだけ利用者が使いやすいように、そしていろんな制度が重複をしているところがあっても、現状の立場からいうとぜひとも使いやすいように改善をすることをお願い申し上げたいと思います。
 環境庁長官にもお尋ねをしたいと思いますが、一九九六年に全廃をする見通しについて、私は比較的順調にいっておると思いますが、土壇場になるとこれは民間の企業ができないなんということがもし出てきて、また繰り延べということに絶対ならないように、環境庁としてはある意味では省庁の存立をかけてぐらい、ここはきちんと必ず守っていただくことを私はお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#218
○国務大臣(林大幹君) フロンがオゾン層破壊の元凶であるということにかんがみまして、地球環境問題を取り上げるためにはこの対策が不可欠でございます。
 したがいまして、これを全廃するあるいは前倒し等の措置につきましてはどうしてもやり抜かなきゃならない対策であると考えておりますし、我が国としましても国際的責務を果たすべく、昨年十一月のモントリオール議定書第四回締約国会合で合意されましたフロン全廃等の規制強化に向けて率先して努力してまいる所存でございます。
#219
○粟森喬君 終わります。
#220
○委員長(松前達郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論を行います。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 環境事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、堂本暁子君から発言を求められておりますので、これを許します。堂本君。
#222
○堂本暁子君 私は、ただいま可決されました環境事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    環境事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 「地球環境基金」による民間団体の環境保全活動に対する助成については、民間団体の自主性を損なうことのないよう配慮するとともに、有識者によって構成される諮問機関の意見を聴いて、適切に実施されるよう努めること。また、その諮問機関については、民間団体の実情に明るい者の参加など適正に構成されるよう配慮すること。
 二 民間団体の環境保全活動を一層充実させるため、引き続き、その支援の充実に努めること。
 右決議する。
 以上であります。
#223
○委員長(松前達郎君) ただいま堂本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、堂本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。林環境庁長官。
#225
○国務大臣(林大幹君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#226
○委員長(松前達郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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