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1993/06/14 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第11号
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1993/06/14 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 環境特別委員会 第11号

#1
第126回国会 環境特別委員会 第11号
平成五年六月十四日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     野間  赳君     上野 公成君
     会田 長栄君     竹村 泰子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松前 達郎君
    理 事
                石川  弘君
                西田 吉宏君
                堂本 暁子君
                広中和歌子君
    委 員
                石渡 清元君
                上野 公成君
                狩野  安君
                河本 英典君
                釘宮  磐君
                須藤良太郎君
                真島 一男君
                大脇 雅子君
                竹村 泰子君
                中尾 則幸君
                本岡 昭次君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                有働 正治君
                粟森  喬君
       発 議 者    大脇 雅子君
   委員以外の議員
       発 議 者    穐山  篤君
       発 議 者    今井  澄君
   国務大臣
       内閣総理大臣   宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  林  大幹君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       秋山  收君
       総務庁行政管理
       局長       増島 俊之君
       経済企画庁総合
       計画局長     田中 章介君
       環境政務次官   合馬  敬君
       環境庁長官官房
       長        森  仁美君
       環境庁企画調整
       局長       八木橋惇夫君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  加藤 三郎君
       環境庁企画調整
       局環境保険部長  松田  朗君
       環境庁自然保護
       局長       大西 孝夫君
       環境庁大気保全
       局長       入山 文郎君
       環境庁水質保全
       局長       赤木  壯君
       外務省経済局次
       長        林   暘君
       外務省国際連合
       局長       澁谷 治彦君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        小林 正二君
   説明員
       外務省経済協力
       局審議官     内藤 昌平君
       外務省経済協力
       局外務参事官   上田 秀明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○環境基本法案(内閣提出、衆議院送付)
○環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○環境影響評価法案(穐山篤君外二名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松前達郎君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、会田長栄君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君が選任されました。
#3
○委員長(松前達郎君) 環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○堂本暁子君 いよいよ環境基本法も大詰めでございます。きょうは総理にも御出席いただきましてありがとうございました。最後の確認と申しますか、いろいろ伺いたいことがございます。
 リオの総理の演説からさらに今国会での本会議、予算委員会、そして衆議院の環境委員会と、総理は一貫して環境の問題は地球規模の空間的な広がりと、それから二十一世紀に向けての時間的な広がりとを持つと。しかも、人類の生存基盤にかかわる問題だということを指摘されてこられまして、国民的課題であると同時に全人類の課題であるともおっしゃっていらっしゃいました。
 こういった時代認識のもとにつくられた環境基本法でございますけれども、第四条で言うところの「環境への負荷をできる限り低減する」ということが最も基本的な方針なのではないかというふうに私は読みましたけれども、この点を確認させていただきたいと思いますが、基本的な理念、そしてさらに方針としてそういった環境への負荷を減らしていくということでよろしゅうございましょうか。
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお話しになりましたように、この問題は時間的な規模と空間的な規模を持っておる問題だと思っておりまして、殊に我が国はこれから二十一世紀にかけまして本当に豊かな社会をつくりたい、またそれができる国であると考えておりますが、その中でやはり環境問題というのはそういうことから考えますと大変大事な問題になっております。
 また御指摘のように、昨年のリオの会議でもこれが世界的な規模の問題であるということもよく認識をされたところでございますから、結局かつてのように環境か成長がというようなそういう選択の問題ではなくて、持続可能な発展、サステーナブルな発展をしていくためには環境に負荷をできるだけ与えないということが大事である、そういう考え方に法律が立っております。四条はそれを言っておるわけでございますから、御指摘のとおりであると考えております。
#6
○堂本暁子君 大変基本的な社会構造にかかわる理念であり方針かと思いますけれども、恐らく今総理おっしゃいましたサステーナブルディベロプメントという言葉をノルウェーのブルントラント首相がおっしゃったときも、ディベロプメントの方にもサステーナブルであるということと同時に、生態系やあらゆる意味での大気とか水とかそういった問題、自然環境の持続性ということの二つの意味を持って多分サステーナブルという言葉を彼女は使ったんだと思っております。
 それだけに、G7も近く開かれますけれども、そこで日本がこういった基本法をつくったということがまた非常に先進国へも大きな影響を与えていくんではないかと思いますが、そういった中で環境への負荷という言葉はなかなか日本語でもな
じみがございませんけれども、大量消費社会から環境保全型の社会への転換であるかもしれませんし、それからエネルギーの多量な消費とかごみの発生を抑止していく、むしろリサイクルを実行するような循環型の社会に転換していく、そういった目的が基本法の中に脈々と私は流れているのではないかというふうに読めるのですけれけども、総理もそのように認識しておられますでしょうか。
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) 殊に我が国は戦後の高度成長で世界的に知られております、かつては七〇年代にそれが大きな公害問題を生んだ、そういう経験も持っておりますが、なお日本は高度の成長国家であるという中で、その我が国がこの環境問題を大変大事に取り上げているということは、世界的にも私は意義のあることであるというふうに思っております。
#8
○堂本暁子君 ヨーロッパや北欧、アメリカも少しそうなってきたかもしれませんが、大変リサイクルということを重視して、循環型社会へ先進国は特に転換しているときだと思います。それだけに、今言われたような日本の立場というのも大変大事だと思うんですけれども、問題は環境庁が調整官庁であるということ、そのことの大変プラスの機能もこれから基本法をもとに発揮されることと思いますが、同時に限界もあるのではないかということが危惧されております。
 総合的な見地からの対応が必要な場合、どこでどのような総合的な指揮と申しますか決定がなされるのか、その辺を総理はどのような御認識と申しますか方針をお持ちか伺わせていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 行政というものを考えますと、環境行政というのは確かに今おっしゃいましたように環境庁が中心になってやる行政ということでございますけれども、ここでこういう法律が一つできるということはやはりこの問題についての行政全体の取り組みに非常に大きな影響を与えます。それは法律あってもなくても同じことというふうにはまいりませんで、これだけの法律に基づいて行政をやっていく。
 そもそも、もっと申せばこの法律をつくりますときに各省庁の間でいろんな議論があって、そして最終的には内閣官房がその法律の取りまとめについてのいろいろ調整をやったようなこともございまして、そういう中から行政の姿勢というものが自然にできてまいりますので、この法律ができますとその運用はもとより最終的には閣議が中心になっていたしますが、この法律を背景にしましてやはり環境庁は非常に力強い行政ができるようになる、またそうでなければならないと思っております。
#10
○堂本暁子君 大変心強く伺ったんですけれども、運用の中で、また内閣の方で御決定いただかなきゃならないことが具体的にも多々出てくるのではないか。そういうときにやはり臨機応変に対応していただく必要が現実にはあるんではないかと思いますので、そのことを篤とお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、この法案を見ている間に気がついたことですが、予算委員会でもこの間少し問題にしたことですけれども、今回の法律は公害対策基本法を全面的に取り入れて、そして自然環境保全法の一部ということですけれども、法律全体のバランスを考えますとどうしても公害の方に偏っている。それは、日本の環境行政が公害国会という言葉があり四大公害裁判というようなことがあり、ずっと公害に対応してきた、そういった歴史的なこともございますでしょうけれども、それに気がつきますとどうしても少ない方の生態系の問題がやはり気になります。
 今国会で生物多様性条約も批准したことでもありますし、この機会に生態系の全般的な国土の中での把握、今のところは組織的にまた長期的展望を持って計画的な生物種の調査はなされておりません。これをやることが大変大事だと思います。全国的分布の状況を組織的に調査すべきだと考えますが、総理はいかがお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、我々としては七〇年代に公害という非常に、それもかなり病状が重い公害問題の経験をいたしましたものですから、環境ということをイコール公害というふうにとらえやすい。そういう傾きがございますけれども、この間のリオの条約でもそうでございますが、公害というのは環境問題の一つであって、生態系なんてものはいろんな意味でまたそれとは違った別の大きな問題でございますから、そういうことについて行政が、これはこれからほとんど取り組むことになると思いますが、大事に取り組まなきゃならないと思います。
#12
○堂本暁子君 アメリカも生物多様性条約にサインするに当たって、クリントン大統領は八百五十人の生物の専門家、そして年間二百億円を使うということをアースデーに宣言しましたけれども、そのことを考えますと、十四条に生態系と野生生物種の多様性を保存するということをうたっているのですから、やはり大幅に予算、人員の確保をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) この間、私がワシントンでクリントンさんに会いました直前にクリントンさんは、あれはオレゴンでしたでしょうか、ワシントンでしたでしょうか、例のフクロウでございますね。
#14
○堂本暁子君 そうです、森林会議。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことがあれだけ大きな全国民的課題になるというのは、やはり大変に時代が変わったなと思います。我々も、したがいましてすぐにというわけにはいきませんでしょうけれども、そういう行政の陣容を整えていくことを将来に向けて考えなきゃならないと思います。
#16
○堂本暁子君 本当に日本のシーリング予算を考えますと、なかなか一気にとはいかないでしょうけれども、少なくとも予算面でも相当大幅にスタートしていただきたいというお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(林大幹君) 基本的には総理のお答えになったとおりでございますけれども、日本の環境庁そのものがスタートしたのが本来は公害対策が最初は主でございました。それがこの二十年の成長の過程において、今先生の御質問にあるような生物の多様性を保全するという形における取り組みが非常に大事になってきたということも明らかでございまして、そのために今度の基本法案の御審議も願っているわけでございますが、実は先般、具体的な取り組み方につきましては非常に広範に各省庁にまたがっておりますものですから、官房長官もその点に配慮されまして、総理の御指示をいただいて各省庁との調整を図るということで進めていただいております。
 特に、自然環境保全法に基づく自然環境保全の基礎調査を実施しながら、生物多様性の保全の重要性をそれなりの実際の資料に整理していくということは非常に大事なことでございますので、総理の御指示をいただきながらそのように取り組んでまいりたいと思います。
#18
○堂本暁子君 今整理というふうにおっしゃいましたけれども、標本とかそういった調査結果も今アメリカのスミソニアンとか大英博物館に流出しているような現状だと聞いております。少なくともきちんとした国立の公害研、今の環境研に対応できるようなそういった調査研究機関をぜひ設置していただくということが急務かと思います。日本の資料がイギリスやアメリカやヨーロッパへ行ってしまうというのは何とも情けないことです。
 そんなに予算も大きくかかることではございませんし、将来世代にわたって今度は日本が産業の面でも自然保全の面でも非常に不便をする、そういったようなことがないように、ぜひこれは総理にもお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#19
○国務大臣(林大幹君) 今先生の申されましたような調査研究の成果を何らかの形で保存し、保管し、そして国民がこれを利用できるようにすると
いうことは大変大事な考え方でございまして、さればといいまして、行財政改革に取り組んでおるときでもございますので、新しい制度をあるいは新しい機関を設けるということは必ずしも妥当とは考えられませんので、今考えられることは、国立環境研究所、これの機能、組織を充実しまして、しかも専門的な知識もございますから、ここでそのような問題に対応したいと思っております。
#20
○堂本暁子君 最後に、環境研でもモニタリングですとか大気の研究は機械とか科学でできますけれども、生物への対応、植物への対応は大変人の手を必要といたします。
 そういった意味で、専門家だけではなく、ボランティアやNGOの参加もぜひ積極的に組織していただきたい。そして同時に、中央環境審議会もぜひ公害に偏ったものではなく、しかも市民やNGOの代表も参加させていただきたい、そういうふうに思いますが、その二点について環境庁長官いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(林大幹君) 今回、先生方に御審議を賜っております基本法案が成立いたしますと、当然基本法の方向に従いまして中央環境審議会がスタートすることになります。この審議会の委員などにつきましては、当然これは総理の御任命になるところでございますが、環境の保全に関しての学識経験のある者のうちから選ばれるということになっております。
 したがいまして、これは広い国民各層の意見が反映できるような形で人選が進められるものと期待申し上げておるわけでございますが、その中で特に今先生が直接触れられました市民あるいはNGOの代表という立場の方も委員に入れるべきではないかという御発言であると理解いたします。これは当然そのような形で、市民あるいはNGOの方々の存在を環境庁といたしましても大変重視いたしておりますので、ただ、委員の具体的な人選の中にどう取り上げるかということにつきましては、この法案が成立した後で具体的な取り組みに入らなきゃならないということでございますが、趣旨といたしましては十分尊重したいと思っております。
#22
○堂本暁子君 ぜひ、公害関係の方とそれから自然環境の方とちょうどバランスがとれるように委員を選んでいただきたい、そのことのお願いもいたします。
 そして、自然環境から離れます前に、総理には予算委員会のときにアマミノクロウサギのことをお願いいたしました。それがきっかけでいろいろ調べているうちに、とてもクロウサギまではなかなか手が及ばないような状況であるということにも気がついたわけですけれども、やはりクロウサギはクロウサギで世界じゅうが注目している生物ですので、日本がこの時代にクロウサギをだめにしてしまったというようなことがないように、クロウサギにも特に目をかけていただきたいというお願いをさせていただきとうございます。
 次に、大脇委員からも環境基本計画について触れていただくことになっていますけれども、私から一点、政府の環境計画でございますが、環境基本計画とその他の計画は計画の保全に関して調和が保たれるようにすべきだというふうに考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(林大幹君) 国には、先生御指摘のように、幾つかの基本計画と命名された計画がございます。その中で環境基本計画が策定された場合に、ほかの基本計画との整合性はどうなるのかということであろうと思います。
 環境基本計画と他の計画との関係に関しましては、環境基本計画が環境の保全に関する政府全体の基本的な計画という立場で政府部内での調整、そして閣議決定を経て策定されるものでございますので、国の策定する各種計画と矛盾することは避けて通れると思います。また、仮に何らかの形でダブるようなことがあった場合にも、環境の保全に関する面におきましては環境基本計画の基本的な方向に沿った内容となるものと、それが十分に担保されるものというように考えております。
 したがいまして、環境基本計画と国の他の計画が矛盾することは原則的にはないと考えております。また、個々の計画につきましてもそれなりに環境保全の基本計画の趣旨が達成されまするようにしかるべき対応がなされるものと信じております。
#24
○堂本暁子君 細かいことなので、局長に言葉を確認させていただきたいんですが、環境基本計画とその他の計画は環境の保全に関して調和が保たれるというふうに理解してよろしいでしょうか。
#25
○政府委員(八木橋惇夫君) 当然調和が保たれることになるというぐあいに考えております。
 ただいま大臣からお答えいたしましたように、環境基本計画が環境の保全に関する基本的な方向を示すということになりますから、たとえ環境に関する表現が入っていない計画におきましても、法律第十九条の規定もあることでございますし、当然環境基本計画に沿って環境保全の施策が政府全体として行われるということになろうかと考えております。
#26
○堂本暁子君 次に、情報公開について伺いますが、情報公開についても広く適切に提供するという文言が入っておりますが、その条件あるいは範囲、手続をどういうふうになさるおつもりか、伺わせていただきたいと思います。
#27
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のように、今回基本法には情報の提供に関する条項を置かせていただいたところでございます。これは先生既に何回かごの議場で御指摘になっておりますように、今後の環境保全に関する施策というものは市民、国民の積極的な協力をまたなければ全うし得ないという局面が非常に多くなるわけでございます。
 そういうことで、私どもといたしましてはなるべく広く情報の提供についてこの条項をもとにして適切に提供してまいりたいというぐあいに考えますが、御指摘になりますように、個々の問題ごとに個人のプライバシーに関する問題、または企業の営業機密に関するような問題というものも中にあるわけでございます。それは個別法または個別の施策ごとにそういうことをこの基本法の提供の努力義務の規定に従ってこれから個々具体に検討されていくという手順を踏んでいくべきだと考えております。
#28
○堂本暁子君 外務省、お越しいただいているのでお願いいたしますが、この基本法の中に国際協力の面も強くうたわれておりますけれども、そういった中で、今まで日本のODAあるいは海外進出企業の海外における環境破壊とかそれから汚染というのが問題になってまいりました。基本法ができたからには国内だけではなくて海外においてもこれから非常に期待されるところが大きいわけですけれども、外務省は今回の基本法でどのように対応なさるのか伺わせていただきます。
#29
○説明員(内藤昌平君) 政府としましては、これまでも政府開発援助の実施に際しましては環境に対し十分配慮を払ってまいりました。
 環境基本法第三十五条に、国は国際協力の実施に当たって環境配慮に努めると規定されていることを踏まえまして、必要に応じ環境庁の知見とノウハウを十分活用しつつ、政府開発援助の実施が開発途上国の環境に悪影響を与えないよう、今後とも環境配慮に努めてまいる所存でございます。
#30
○堂本暁子君 私は、今まで外務委員会でずっとODAの問題を取り上げてまいりましたけれども、今審議官がおっしゃったように、日本の環境配慮が十分だとは全く思っておりません。現に、どこへ参りましても日本の企業の汚染、それからODAによる汚染、それから自然環境の破壊、多々見てきたわけで、今おっしゃったように、今まで十分なことがやられていたとは全く思ってないんです。
 それは例えばガイドラインがあります。JICAにもガイドラインがあります、OECFにもガイドラインがありますとおっしゃいますけれども、そういったものは相手国に要求することであって、環境庁の第三者的な立場で日本のODAのプロジェクトもきちっとアセスメントをすべきではないか。アセスメントという言葉がまずけれ
ばその環境的な配慮が十分になされているか、そういった環境庁にひとつチームをつくってもいいんではないかということを今まで予算委員会の席でも随分提案してきました。そういった意味で、この基本法ができて、今おっしゃった三十五条のような条文が入ったのですから、やはり環境面の保全については十分に環境庁と連絡をとっていただきたい、そういうお願いをしたいと思います。
 次に、先日北京で、生物多様性あるいはその他気候温暖化についてもアメリカは、グローバル・エンバイロメント・ファシリティー、GEFについては世銀だけではなく、世銀と独立した形でこれを運用すべきだという意見を出しました。日本はそれに対してどのようなこれから対応をしていかれるんでしょうか。
#31
○政府委員(澁谷治彦君) 現在、まさにGEFの改革に関する交渉が行われております。米国も含め各国から種々の意見が出されております。先生御指摘の米国の意見はその一つでございます。
 我が国としては、GEFは地球環境問題解決のための中核の役割を果たすべきであるというぐあいに考えており、この観点より、この改革が各国の納得のいく形で行われることが重要であるという立場から、各国の意見を参考にしつつ、積極的に改革の交渉に臨んでいく考えでございます。
#32
○堂本暁子君 総理、お聞きのように、各国の意見を聞きながらとおっしゃるんですけれども、過去UNCEDのプロセスでも日本は意見を聞きながら事を決めていると思うんです。それで、生物多様性などというのは、アメリカの方がはるかに後に来た国で日本の方が先を行ってたのに今やいろいろ意見をどんどん言ってくると。これから採決は大詰めでございますけれども、基本法ができたからには、私は、最初に総理がおっしゃったような理念で日本はイニシアチブをとっていくだけの積極性を持つべきではないかというふうに思います。
 特に国内でも、それから国際的な場面でもそういった時代の要請があるように思うんですけれども、最後にそういった面に対して総理がどのようにお考えか、伺わせていただいて終わりたいと思います。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) まさに御指摘のとおりであると思っておりまして、これはほんの一例でございますけれども、先般日米首脳会談をやりましたときに、今後の両国間のいわゆるフレームワークをつくろうということで、その中に環境問題を取り上げたいと私から申しまして、先方も、首脳部はこの問題に熱心な人たちですから、異議がありませんで、今フレームワークの作業をちょうど先週ぐらいから始めたところでございますが、これは一例でございますが、そういうふうにしてまいりたいと思っております。
#34
○大脇雅子君 私は、かけがえのない地球はまさに子孫のために私どもが預かっている、そしてそれをできるだけ豊かな形で子孫に手渡していくのが人類の責務だと考えております。環境の保全は、公害や自然破壊などの問題が発生してしまってから対策を講ずるのではなく、こうした問題を未然に防止するために十分に配慮を行うことが原則であります。
 この観点から、環境アセスメントは非常に重要な施策でありまして、いわば社会的な技術としてぜひとも今後環境アセスメント法を制定してその徹底を図るべきであると思います。こうした考え方から、日本社会党では環境影響評価法案を取りまとめまして、今回参議院に提出したところでございます。
 環境アセスメントが環境基本法第二十条に位置づけられたということは十分に評価できると思いますが、この条文は環境アセスメント法を制定するといった明文の規定にはなっておりません。この点に関し、衆議院環境委員会及び参議院本会議において、総理は法制化も含めて検討していくという御答弁をなさっておられますけれども、環境基本法案の審議を締めくくるに当たりまして、今後の環境アセスメント制度の見直しについての総理のお考えを改めてお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境基本法が成立いたしましたならば、現行制度の適正な運用に一層努めることはもちろんでありますが、内外の制度の実施状況等につきまして関係省庁、各省庁一体になって調査も研究も行います。その結果を踏まえまして、経済社会情勢の変化を考えながら所要の見直しをする必要がある、法制化も含めまして所要の見直しについて検討してまいりたいと思っております。
#36
○大脇雅子君 次に、環境庁長官に伺いますが、総理の御答弁にある環境アセスメントの見直しにっきまして、環境庁として具体的にどのようにこれから取り組んでいかれるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#37
○国務大臣(林大幹君) 環境影響評価の取り組みにつきましては、ただいま総理の御答弁にありましたとおりでございますが、環境庁といたしましても、総理答弁を受けましてこの問題に真剣に今取り組んでいるわけであります。
 環境影響評価のあり方の見直しの検討に係る具体的な進め方につきましては、当然環境基本法案の成立後に環境影響評価技術検討会というものがつくられます。そして、この技術検討会におきまして諸般の状況を踏まえつつ、総理答弁に従いまして、関係省庁と具体的な相談をしながら考えていきたい、そのように考えております。
#38
○大脇雅子君 私はこれまで弁護士としてごみ焼却場の建設など、幾つかの個別の環境アセスメントの事例に住民の側から携わってまいりました。こうした経験の中で、現行制度のもとで事業による環境影響の評価を受ける立場にある住民が、環境アセスメントに関与していくことの重要性と困難性を身にしみて感じてまいりました。
 こうした私自身の経験も踏まえまして、今回の日本社会党の環境影響評価法案では、住民参加について最も意を用いまして、環境影響評価のための調査計画の段階及び環境影響評価報告書の作成、そして評価の是非に対する段階で、公告、縦覧、説明会、意見書の提出、公開の審理を経た認定といった手続を定めまして、十分な住民参加が保証されるように配慮してまいりました。また、事業の事前のみならずフォローアップに関しましても、環境アセスメントの実施後、関係地域の状況の著しい変化や科学的知見の進捗によって再調査が必要である場合にはさらに再調査ないしは再評価を行うことができる旨を定めております。
 今後、政府といたしましても環境アセスメントの見直しをなさいます場合には、このような論点についても十分に御考慮いただきたいとお願いをいたします。そして、現行の制度を閣議、省議を含めまして抜本的に見直していただきたいと思います。そして、できるだけ早期に政府といたしましても環境影響評価法案を出していただくような形になり、国会の場で国民に見える形で十分な議論ができればと願っております。
 そこで、総理に伺います。今後、政府全体として環境アセスメントの見直しを行うに当たっては、総理が強力なリーダーシップを振るわれることを期待しております。この点について御決意はいかがでしょうか。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) だんだんそういう時代に確かになってまいっておるわけでございますから、どのようなことをすれば一番この法律の目指すところに沿うことになるのか、その辺は十分考えまして、私としてのリーダーシップをとってまいりたいと思っております。
#40
○大脇雅子君 環境アセスメントとともに総理の強力なリーダーシップに大いに期待しておりますのが環境基本計画であります。環境基本法案第十五条に定められました環境基本計画を、環境政策を強力に推進していくための道具として策定し、この計画の示す基本的な方向に沿って個々の施策を総合的に講じていくことが重要であると考えます。
 しかしながら、環境基本法案においては、環境基本計画と他の国の計画の関係が明確ではありません。環境基本計画が真に環境保全についての基本計画となるためには、経済計画とか全国総合開
発計画を初めといたします国の既存の計画、そして将来にわたる各種の計画は、環境の保全に関する限り環境基本計画の基本的な方向に沿ったものとすべきであると考えます。私は、この点について委員会の質疑においてこれまで明らかにしてきたわけでございますが、確認の意味を込めまして、総理に御質問したいと思います。
 経済計画や全国総合開発計画など国の各種の計画は、環境の保全に関しては環境基本計画の基本的な方向に沿ったものとすべきと考えますが、総理の御見解はいかがでしょうか。
#41
○国務大臣(宮澤喜一君) それらの既存の計画が今まで環境問題を全然考えずにつくられているわけではございませんけれども、こういうふうに環境基本法が制定され、また環境基本計画ができました暁には、さらにそのことが一層重要になる、それはおっしゃるとおり明らかなことだと思っております。
#42
○大脇雅子君 重ねて御質問をいたしますけれども、そういたしますと、環境の保全に関しましては環境基本計画の基本的な方向でそれに沿ったものとするというふうに総理のリーダーシップをお願いできるでしょうか。
#43
○国務大臣(宮澤喜一君) そういたしたいと思っております。
#44
○大脇雅子君 終わります。
#45
○石渡清元君 宮澤総理、どうも御苦労さまでございます。いよいよ環境の憲法とも言えます基本法も締めくくり総括に相なったわけでございます。
 我が国は第二次世界大戦後の世界秩序が大きく変わる中で、特に世界に冠たる経済大国になってまいりました。しかし、資源小国というよりも、むしろほとんど資源を海外依存をしている、そういう我が国の経済活動をある程度維持しながらこれを進めていく、特にいわゆる地球環境を基盤にそのような活動をしていく、そういう日本の今の現状を見たときに、総理の地球環境保全に対する取り組みの決意をお伺いいたします。
#46
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国は確かに戦後高度成長をした国でございますし、ただいま石渡委員の言われますように、本来的に自分の資源に乏しい国であるといったようなこともいろいろございまして、一九七〇年代に大変深刻な公害問題を生んだわけでございます。ほとんどいっときは絶望ではないかと思われるほどの重体でございましたけれども、国民的努力によってほぼ十年の間にその問題はともかく一応解決をした。
 そういう経験がございますが、これからもいよいよいわば成長を続け、そうして本当に豊かな国をつくるという二十一世紀に向かっての課題は、やっぱり一つの非常に大事な問題は環境問題であると思います。
 これは先ほども申し上げましたが、したがって、そういう長い時間的な規模を持ちますとともに、これは国際的な、地球の問題でございますから地球的な広がりも持っている。そういう中で我が国自身がこの法律に示しますような努力をしなければならない、自分の国においてしなければならないばかりでなく、先ほどからお尋ねもございましたが、各国に対して援助をしている立場から申しますと、その援助というものの中で環境問題というのを大事に考えていかなければならない。そういう意味で我が国は、自分の国に対してはもちろんですが、国際的なそういう責任を持っておる、それを遂行していかなければならないという認識でございます。
#47
○石渡清元君 それでは、具体的にお伺いをいたします。
 四月十六日に、総理はアメリカのクリントン大統領と初めての日米首脳会談を持たれました。そこで総理は、CO2の固定化の技術の基礎的な開発を提案したやにお伺いをしておりますけれども、こういう問題は日本一国でやるのではなくて、日本とアメリカとやれば、合わせるとGNPは四〇%を超えるわけでありますので、そういう共同研究等々を通じて取り組むという基本的な精神というのは非常によろしいかと思いますが、環境分野でクリントン大統領とどのようなお話をされたか、お伺いをいたします。
#48
○国務大臣(宮澤喜一君) クリントン大統領と話をいたしましたときに、当然先方の大きな関心は日米間の貿易、経済というような問題でございますけれども、しかし実は日米間、おっしゃいますように世界のGNPの四割を占めておる両国の間にはそれも大事でございますけれども、やはり世界全体の平和あるいは繁栄といったようなもの、両国の当然の関心事でございます。
 また、今仰せになりましたような直接経済でない問題につきまして、例えば環境であるとかいわゆるハイテクノロジーであるとかあるいはお互いの、人的資源というのはちょっと嫌な言葉でございますけれども、そういうものをどうやって開発していくとかいうことは直接に経済、貿易の問題でないにしても非常に大事な問題だということを私が申しまして、大統領も副大統領もそれにはすぐに同意をされまして、それで私、プレスリマークにもそういうことを申しましたし、また記者に対してのブリーフィングでもそういうことを申しております。
 これから日米間のフレームワークを、ちょうど先週ワシントンで最初の作業がございまして、今月の二十三、四日でございましたか、東京でその続きをいたしますが、そういう中でやはり環境問題というのをお互いの協力の問題として取り上げてまいりたいと思っております。
#49
○石渡清元君 それでは国内的な問題を長官にお伺いをいたしますけれども、確かに今の炭酸ガスの固定化とかあるいは新エネルギーの開発だとか温暖化のメカニズムを解明する、これはある程度技術的にも政策的にも時間がかかる問題かと思いますけれども、しかし、そういう問題をいつまで待てるかというのはありますけれども、先見性とかあるいは予防的な面でも今回の基本法である程度その気持ちというのが読み取れるわけで、またそういう方向でこの基本法を進めていかなければいけないと思いますけれども、特に企業行動の変革に向けて今回環境監査あるいはエコラベリングの普及など、具体的な施策について環境庁はどのような対応を考えているか、お伺いいたします。
#50
○国務大臣(林大幹君) 恐らく先生の頭の中には、環境と経済の並立あるいは統合といったような、経済行為が環境を破壊しないようにするためにどうすればいいのかということが御念頭にありましての御質問だと思います。
 これは、先生の御認識と私も一致していると思うのでありますが、エコラベリングのようなそのような環境の負荷を少なくするためにとる一種のエコマーク的な、そういうものを取り上げてするということも非常にこれから大事でありまするし、それから環境監査のような問題についても、これはゆるがせにできない問題であろうと思っております。特に、企業活動そのものが大きく環境問題に取り組む一つのキーポイントになっているということは、これは申し上げるまでもございません。別に企業だけがキーポイントではありませんで、今度の基本法にも明らかにしておりますように、国を初め自治体、国民あるいは企業活動、そういう中に一つ一つの責務も明確にうたっておるところでございますので、そういう意味からいきましても、企業活動における社会とのつながりにつきましては大きなキーポイントをなすものであろうと思います。
 そういうことを考えまして、今後ともそれぞれの経済情勢、経済活動、企業活動、そういうものを注視しつつ、我が国としての適切な方向のあり方について一層精密に検討してまいりたいと存じております。
#51
○石渡清元君 私は環境と経済という、ちょっと経済活動にウエートを置いたようにおとりになったかと思いますけれども、やはり企業活動もあるいは国民一人一人の生活者もかなり環境に負荷をかけている、いわゆる加害者であると同時に被害者、両方の面をみんな持っていると思うんです。
 そういう中で、環境の日というのをつくって、もう少しそれを啓蒙しようじゃないか環境教育
とか環境学習などをさらに広げようというような考え方があるようでございますけれども、もう少し具体的に御説明をいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(林大幹君) 環境の日の制定につきましては、衆議院の環境委員会におきまして今回の基本法の修正がございまして、環境の日を加えるということでございます。
 我が国では従来より、国連の世界環境デーが六月五日でございますので、五日を中心に環境庁としても環境週間あるいは環境月間をそれぞれ設けまして、国民が環境保全にかかわる活動を実践するような行事を実施して、それをまた奨励してまいりました。そして、そのような行事の普及活動のためのそれぞれの講演会なりシンポジウムなりあるいは環境保全功労者の長官表彰など、いろいろの事業を行ってきておるところでございます。
 環境の日が法律上に位置づけられることを契機にいたしまして、国民の環境保全への取り組みを一層促進するために、環境の日の趣旨にのっとりまして、関係省庁、地方公共団体、あるいはそれぞれのNG0のような民間団体も含めまして連絡をとりながら、環境の日にふさわしい事業をさらに推進していきたいと考えております。
#53
○石渡清元君 今の我が国の環境問題は、議論の段階からもうまさに行動の時代に入っていると思っておるわけでございます。したがって、今長官の御答弁の中で、いろいろ表彰したり、よく役所流に言います何々記念日とか何とかの日というのはそういう傾向が多いわけでありますけれども、私は、例えば環境の日はナショナルアクトとしてもう全国民が環境美化でもよし、あるいは自然保護でもよし、何らかの形で環境について具体的な行動、実践を行うような、そういう方向に環境庁がリーダーシップをとった方がいいんじゃないか。
 ちょうど学校が第二土曜日が今休みになっておりますので、そういうようなこともとらえて、具体的に子供たちだけでなくて全国民がやる日に行動していきませんと、何かいろいろ環境問題が非常に議論をされているんですが、地球に優しいだとか、その言葉だけがひとり歩きしているような気がして私はならないので、その辺のところはいかがでしょうか。
#54
○国務大臣(林大幹君) 先生の仰せのとおりであろうと思います。
 特に今それぞれの地方団体あるいは民間グループが自発的に環境問題に取り組む行事をそれぞれ進めております。例えば空き缶を拾って歩く日を決めるとか、あるいはごみ処理に対する啓蒙をするとか、いろいろ具体的なことがございますので、そういう具体的なそれぞれの国民各層が考えながら実践してくれていることも踏まえまして、それらを大きく奨励する意味も含めまして、環境庁としても一層取り組んでいきたいと思っております。
#55
○石渡清元君 最後に、総理にお伺いをいたします。
 持続可能な社会あるいは環境保全型の社会を構築するに当たって、今回の基本法案でいきますと環境基本計画が一番かぎを握っていると言って過言でないと思うわけでございまして、そのような重要な環境基本計画の策定に向けてどのようなお取り組み、あるいは総理がどのように積極的にリーダーシップをとられるかこれをお伺いをいたします。
#56
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境基本計画は、この法律案にもございますように、環境の保全に関しての基本的な計画でございますし、これによりまして今後の政府における環境政策の基本が定まってまいりますので、環境政策の推進にとっては最も重要な部分でございます。その具体的な内容につきまして、環境政策の総合的、計画的な推進のために十分効果が発揮できるように、そういうものとして計画をつくってまいりたい、こう考えております。
#57
○石渡清元君 ありがとうございました。
 とにかくこの基本法が成立した暁には、環境基本法の精神に照らして、ありとあらゆる国内法、特別法等々の見直しが必要になってくるんではないかと思っておるわけでございます。例えば特別措置法がこの前、大阪ベイエリアの関係等々でできましたが、そういう大規模な開発のときには環境庁長官が相談にあずかる、こういうことになっておりますけれども、私はむしろそのベイエリアの開発のその計画の段階で環境庁長官がどんどん入っていって具体的に進めていかないと、ある程度成案が煮詰まったときに環境庁が出ても、ややそれでは時間的なおくれがないかなというような心配をしておるわけでございます。
 これから主要閣僚としてできるだけ大きな問題についてどしどし入っていっていただきたいと思うわけでございますけれども、長官の決意をお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(林大幹君) ただいま先生の御質問の例のベイエリアにつきましては、実は環境庁も主務官庁の一つになっております。でありますので、これは事前からいろいろそういう携わることについては進めております。
 それからまた、これからの取り組みの一つとして、先ほどちょっと御答弁の中で申し上げましたけれども、環境影響評価技術検討会のようなそういうものは、これは環境庁の中につくる一つの組織でございまして、これをつくりました上で関係省庁と具体的な問題について綿密に詰めていくということになりますので、先生の御質疑の内容についてはできるだけ努力していきたいと思っております。
#59
○石渡清元君 私の言いたかったのは、各省庁がそれぞれ異なった政策目標で政策を展開しておるわけでございまして、それを環境庁が横から環境サイドでのチェックをするというメカニズムを、政府部内にある程度システムをつくっておいていただくのがいいんではないかと思って申し上げたわけでございます。
 以上で質問を終わります。
#60
○広中和歌子君 過去四回にわたりまして、この基本法の審議の中で、各条文について環境庁長官並びに政府委員に細かく質問させていただいたわけです。きょうは環境保全が経済に与えるインパクトにつきまして四点、経済の専門家としての総理にお伺いさせていただきます。
 第一に、経済成長と環境保全とのかかわりについてでございます。
 生活大国五カ年計画では、昨年六月、リオで開かれましたUNCEDにうたわれている持続的開発とか、あるいは環境基本計画、この基本計画でございますけれども、理念が取り込まれていると、そのように理解しておりますけれども、それは正しいでしょうか。
 そこで、予算委員会での補正予算審議の際なんでございますけれども、補正予算の提出の理由というのは、この三・五%、GNP三・五%の成長をより確かなものにするためということを総理はたびたび答えていらっしゃるわけですけれども、環境の視点あるいは生活大国の視点に立ちますときに、GNP年三・五%の成長というのは可能なのかそしてまた望ましいものか、これをお伺いしたいと思います。
 バブル経済を経て日本の経済は胃拡張になっているというコメントもございます。過剰にして不必要な消費を含む過大な経済活動に対する抑制策、そういうものが必要ではないかといったような意見もございます。仮にGNPが減りましても、実質的な豊かさが得られるような経済体制、エネルギーが減ってもカロリーが高い生活、そういうものが現在求められているのじゃないか、日本の経済はその転換期に来ているんじゃないか、そういうような気もいたしますけれども、これが第一問目でございます。
 総理、よろしくお願いいたします。
#61
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国が一九七〇年代に深刻な公害問題を経験したことは、先ほども申し上げたとおりでございますけれども、そういう経験を過去にしてまいりましたこともありまして、長期経済計画、殊にこのたびの生活大国五カ年計画では、かなり環境の問題を意識して、計画
の議論の段階から審議が行われてまいりました。生活大国五カ年計画は、副題で地球社会と共存する生活大国というような考え方をいたしております。
 ですから、基本的にこの計画そのものは地球社会、環境ということを、たまたま計画がつくられました昨年の段階でリオの会議がありましたから殊さらそうでございますけれども、つまり環境と調和したサステーナブルな経済社会の発展ということから、これまでのライフスタイルをやはり変えていく必要がある。それは生産、消費活動、企業行動、我々の生活自身等々でございますが、そういう観点から資源エネルギーをどのように節約して有効に利用するかといったようなことをかなり立ち入りましてこの計画で書いております。
 そういう意味ではこの計画はちょうど昨年発足いたしましたこともありまして、この基本法が考えておりますような思想をかなり具体的にどうやっていくかということについて述べております。また、そういうことでこれからのこの計画を運営してまいりたいと思っております。
 三・五%という成長率そのものは、我が国の潜在力から考えまして、環境破壊あるいはいろいろな条約で定められた問題と相反するかということになりますと、これもこの五カ年計画の審議の過程で随分議論になったことでございますけれども、まあまあこの程度の成長率でございますとそういうことは起こらずに済むと申しますか、先ほど申しましたような配慮をした上での成長の可能性を考えておりますから、この世の中になりますと、七〇年代のようなもうむちゃなことは実際できなくなっておりますし、またそういうことでございますと国民が到底そういう政策というものを受け付けない、それだけの世論ができつつございますので、その点はまず間違いなくこの計画を進めていけるであろう。そして、この程度の成長ならば可能であろうというふうに私は思っております。
#62
○広中和歌子君 では二番目に経済的手法、エコノミックミーンズについてお伺いいたします。
 環境保全のための規制策、さまざまございますけれども、それにはやはり限界があるのではないかと思います。特に、生産と消費にかかわるものにはデポジット制とか、ごみ回収有料化とか、炭素税等、排出を抑制するための経済的手法が必要だと思いますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。
#63
○国務大臣(宮澤喜一君) 都市あるいは生活型の公害、地球環境問題に見られるように、今日の環境問題を解決するに当たりまして通常の事業活動、あるいは日常の生活を含めて幅広い社会経済活動が環境への負荷をできるだけ少ない形で営まれていかなければならないということでございます。
 そのためにいろいろな規制措置がございますけれども、それに加えまして、例えば市場メカニズムを通じましての経済的な手法、これを活用することがやはりいろいろ考えられていくのではないか。経済的な、インセンティブの反対の言葉ディスインセンティブといったようなものもやはり考えることが大事ではないかと。そのための国民的な議論、国民的な理解というものも入り用ではないかと思っております。
#64
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 それと多少かかわるわけでございますけれども、次に環境とガットについて、そのかかわりについてお伺いいたします。途上国の資源、なかんずく森林資源の利用に関しては、いわゆる環境価格というんでしょうか、その還元が必要ではないかなと、そういうふうに思うのでございますけれども、お考えを伺います。
 いわゆるリプレースメントコストというんでしょうか、森林資源など一たん切りますとそれがまた再び生えて成木となるにはかなりの時間がかかるわけでございます。そうしたいわゆる環境価格というものを無視した値段で木材など日本に輸入されてくるわけでございますけれども、そういうことについて、そしてまた現在、例えば日本の米を守りたいということで環境の視点がいろいろ言われているわけでございますけれども、こうした環境の視点というものが導入されますときに、自由貿易体制、今のガットとのかかわりはどうなるんでしょうか。
 私はある程度、今度のウルグアイ・ラウンドが終わりました次のラウンドは環境を配慮に入れた、そうした自由貿易体制というんでしょうかそうしたものが必要ではないかと思うのでございますけれども、御見解を伺います。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) ガットにおきましては、実は意外に早い段階から環境というものを議論いたしております。私は、むしろそれに驚いた経験を自分で持っておりますが、北欧の国あたりがそういうことを最初に言い始めたように記憶しておりますけれども、それで一、二年前から貿易と環境に関する作業部会がガットにできております。
 それは今、広中委員の言われましたような問題意識からでございますけれども、環境問題というのは当然、貿易に影響を与える、あるいは環境保護のためにいろいろな措置をとらなければなりませんが、それがガットの自由貿易体制というものにどういうかかわりがあるだろうかといったような、結局、ですから環境を保護しながら開放的な多角的貿易体制をつくっていく必要がある、こういうのが大体コンセンサスになりつつございますし、発展途上国に対しましてもそういう物の考え方、殊に我々が援助をするとかあるいは貿易をするとかいうときに、途上国側もそういう意識を持ってもらうことが大事ですが、やはり先進国側が持っていきませんと、どうしても途上国は開発、開発という意識がございますから、そういう意味で、ガットはこの問題を取り上げているし、我々先進国側としてもそれは配慮していかなければならない問題だと。
 その結果、成長がある程度私は影響を受けるんだろうと思いますが、そのことはもうそれがサステーナブルということだというふうに割り切って認識されていかなければならないと思います。
#66
○広中和歌子君 そうした場合、例えば木材、熱帯雨林とか、これからはシベリアの木材あるいは原木というんでしょうか、そういうものが輸入される場合に、向こうが現金が欲しいということで安く輸出されるということになりますと、やはり将来的には問題になるんじゃないかと思うんです。
 そういうようなときに、木材に高い関税をかける。それを例えば森林開発に使うとか、さまざまな形の環境ODAに使うといったようなことも考えられるのではないかと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
#67
○国務大臣(宮澤喜一君) 現に今、広中委員の言われますような問題意識が、我々の近いところで申しましても東南アジアの国々には随分ございまして、南洋材というものの入手は極めて困難になりつつございます。それがまた合板の値段に非常に影響したりいたしております。
 私は、シベリア材がどれだけ代替性を持っているか、ちょっと専門でございませんのでよく存じませんが、南洋材についてはもう現実にそういう問題になってきておりまして、これはしかしある意味でやむを得ないのだろうと、そういうものを安く使える時代というものが去りつつあるというふうに考えてまいらないといけないのではないかと思います。
#68
○広中和歌子君 シベリアの木材についてもぜひ環境的な配慮がなされるように心から期待しているところでございます。
 では最後に四点目、ODAと環境についてお伺いいたします。
 昨年六月、総理は御出席になれなかったんですけれども、ブラジルのリオでのUNCEDにペーパーを提出されました。その中で、日本は地球環境のために向こう五年間で九千億から一兆円をコミットすると述べていらっしゃるわけですけれども、これが実行されるのかどうかお伺いいたし
ます。
 そして、特に環境におきましては草の根に届くようなODAが非常に必要だと思いますけれども、もっとNGOを信頼し、NGOへの資金援助をふやすことが必要だと思います。NGOですと、これはボランティアなんだから国とかかわりないところでという考えもありますけれども、政府のお金というのは言ってみれば税金、国民のお金でございますから、そういう形で援助するというのもあながちおかしなことではないと私は思っておりますけれども、その点も含めましてお答えいただきたいと思います。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年リオで、これから九千億ないし一兆円という0DAの中での環境に関する経済支援、そういうことを申しました。
 既に、たしかODAの一三%ではなかったかと思いますけれども、そのぐらいのものが現に環境関連に使われておるという事実がございまして、昨年あれを申しましたときに、ODAはちょうど五年を終了いたしますので、新しい計画をつくらなければならない。そのことが私の頭にありまして、大体新しい計画を間もなく確定することができますが、過去五年間かの何割増しかになっていくわけでございます。したがって、あの数字はまず確約をして間違いがない数字だと今申し上げることができると思います。
 それから、NGOですが、政府開発援助大綱にもやはりNGOには適切な支援をすることが大事であるということを述べておりまして、小規模無償資金協力、それからNGO事業補助金制度等々によりまして環境分野においてもNG0に活動してもらえますような援助体制をとっております。
#70
○広中和歌子君 最後にお願いでございますけれども、その場合現地のNGOだけではなくて、先進国の他の国のNGOも含めまして、それから我が国のNGOももちろんでございますけれども、こういう世界的なネットワークの中でNGOを御支援いただきますと、国際的な関係でも非常にいい効果が生まれるんじゃないかなと、そのように思っている次第でございまして、よろしくお願い申し上げます。
#71
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと今の答弁を政府委員からさせていただいてよろしゅうございますか。
#72
○説明員(上田秀明君) ただいまの御指摘でございますけれども、NGOの活動に関しましては小規模無償資金協力という形で、日本のNGOに限りませず、外国で、第三国で活動する先進国のNGOの事業に対しても支援ができるような仕組みになっております。
 今後とも、この小規模無償資金協力についての支援体制を拡充していくということに努力したいと考えております。
#73
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
#74
○勝木健司君 宮澤総理にまずお尋ねいたしたいと思います。
 総理は昨年の春ですか、環境基本法の策定を指示されたということで、また閣議決定に際しても地球サミットの成果に沿った新たな取り組みを世界に先駆けて始めるための挑戦であるというような総理談話を出されるなど、イニシアチブを発揮されておるわけでありますが、環境問題、特に地球環境問題は国内的には広範な分野にわたる対策を要する問題でありますし、また国際的にも我が国が率先してその推進に努めなければならない重要な課題であるわけであります。
 それだけに、今後とも総理のイニシアチブが大変重要になってくるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、地球環境保全のための取り組みについての政府一体となった取り組み、この総理のイニシアチブを発揮していただくことが大事だというふうに思いますが、決意のほどをまずお伺いしておきたいと思います。
#75
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたように、この問題は時間的な広がりと空間的な幅を持った問題で、もはや我々として忘れてはならない大事な問題になってまいりました。
 我が国が、我が国自身についてばかりでなく、国際的な援助をする立場にある我が国でございますから、そういう意味でのよその国に対する我が国の責任もございます。そういう意味で、時間と地球という大きな幅の中で、我が国の果たす役割をしっかりひとつリードしてまいりたいと思っております。
#76
○勝木健司君 続いて、また総理にお尋ねをいたしますが、環境問題は温暖化問題など全地球的な課題も大事なことであるわけでありますが、地域においても豊かな環境をいかに保全していくかという、そういう観点も重要な問題があるわけであります。
 この環境保全の推進を図っていくためには、もちろん国の中で総合的な行政の推進体制が確保されていかなければいけない。同時に、国と地方とが相協力して環境保全施策を進めていくことが当然必要になってくるというふうに思います。したがいまして、この環境基本法案を進めるに当たっては国と地方が相互に協力する旨をはっきりとこの法案の中に明記することが重要じゃないかと考えるわけでありますが、総理の見解を伺っておきたいと思います。
#77
○国務大臣(宮澤喜一君) これは過去における経験からいたしましても、今委員の言われますことは私は至極ごもっともなことである、法律にございませんでもそうしなければならない、そうでありませんと問題の処理ができないわけでございますから。そう考えておりますので、その趣旨を法律に明記する必要があるという院の御見解であれば、それはもとより政府といたしましても、まことにごもっともなお考えであると申し上げることができると思います。
#78
○勝木健司君 特に国と地方の連携の観点から環境アセスメントについて環境庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 環境アセスメントについては閣議決定要綱等に基づいて各種措置の推進が図られておるわけでありますし、また、地域でも地方公共団体においても条例あるいは要綱等において地域の実情に応じた環境アセスメントの推進が現在図られてきておるところであります。
 この環境アセスメントについては、問題は中身じゃないかということで、まずは現行のこの閣議決定要綱の内容について、本当に地域住民の、また自治体の信頼を得るものであるかどうかを検討し、そして、その上で見直しを行うことを基本とすべきではないかというふうに考えるわけでありますが、環境庁長官の見解を伺っておきたいと思います。
#79
○国務大臣(林大幹君) 委員にお答えいたします。
 環境影響評価のあり方につきましては、衆議院の環境委員会における、そしてまた本会議における総理の御答弁に従いまして所要の見直しについて検討してまいる所存でございますし、また具体的には、まず現行の環境影響評価を適正に実施することを通じましてどういう問題点があるのか、また、どういうところに改善すべき点があるかにつきましても十分に検討する必要があると考えております。
#80
○勝木健司君 そこで、総理にお尋ねをいたします。
 私はこの現行の閣議あるいは省議決定アセスメントは制度として定着しておるんじゃないかというふうに思います。問題点があればそのときどきに応じて評価手法あるいは評価基準等に最新の科学的知見を柔軟に取り込むことができるんじゃないかというふうに思うわけであります。先進国でアセス法がないのは日本だけと言われておるわけでありますが、私はこの既存の法律あるいは現行制度の見直し、充実を図ることをまず検討すべきではないかというふうに思います。
 もちろん現行のアセス制度についての実態調査が必要なことは言うまでもないわけでありますが、法制化を前提とした検討というのは問題ではないのかということで、先に法制化ありきではなく、あくまでこの現行制度の見直しを基本とした
検討を行うべきであるというふうに考えるわけでありますが、総理の見解をお伺いいたしたいと思います。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) そのように考えております。
#82
○勝木健司君 最後に、同じく総理に見解を伺いたいというふうに思います。
 環境基本法を受けて新しい施策の展開を図っていかれるわけでありますが、現在のような縦割りの行政組織ではなかなか不十分じゃないか、また総合的な見地に立って環境行政を強力に推進していく体制の整備というのが今後必要になってくるだろうというふうに思います。
 したがいまして、国と地方公共団体が相協力して施策を実施するということももちろん大切なことでありますけれども、総理の強力なリーダーシップを発揮されて、環境庁の総合調整機能というものを強化していただきたい。そして、総合的見地に立った行政組織の整備と行政運営の改善に努めることがこれから最も大事なことになってくるんじゃなかろうかと思うわけでありますが、総理の見解をお伺いしておきたいと思います。
#83
○国務大臣(宮澤喜一君) 従来でも環境庁はこの問題については非常に熱心で、また効率的な行政をやっていってもらいますけれども、こういう法律ができるということで、これはその間のやはりぐんと違いが出てまいります、そしてまたそうでなければなりません。
 最終的には閣議で各省庁の調整をするわけですが、その際には十分注意をいたしまして、この法律の趣旨が環境庁によって十分に生かされますように私も注意をいたしてまいります。
#84
○勝木健司君 ありがとうございました。終わります。
#85
○有働正治君 総理、きょうは御苦労さまであります。
 私は大気汚染対策について質問いたします。
 環境基本法が成立して、その施行に伴いまして公害対策基本法が廃止されることになります。五月二十四日の参議院本会議で、我が党の西山議員の質問に対しまして宮澤総理は、公害対策は後退させることはない、さらに推進して万全を尽くすと答弁されています。
 私はここに、八六年に東京で大気汚染に苦しみながら自殺をなされた当時五十八歳の公害患者の筆談を持っています。読み上げます。
 子供達よ、お父ちゃんの最後のわがままを許しておくれ。もう疲れた  …(奥さんの名前を呼びながら)長いあいだ、お前には苦労のかけっぱなしでちっとも夫らしい優しい事もせず やさしいかあちゃん、許しておくれ、許しておくれ 何を書いたらよいかわからなくなってきた やさしいかあちゃん さようなら 体に気をつけて僕の分も長生きしておくれ やさしいかあちゃん さようなら
こういうように記しています。
 総理、生活・都市型公害はもちろんのこと、今なお公害に苦しんでいる人が大勢います。公害患者の苦しみは本当に筆舌に尽くしがたいものであります。
 改めて公害対策は後退させないという決意、それを伺いたいと思います。
#86
○国務大臣(宮澤喜一君) 大気汚染についての問題でございますけれども、硫黄酸化物の大気汚染がかつて非常に問題でございましたが、これはかなり改善されたと思います。が、窒素酸化物、大都市における窒素酸化物の大気汚染は、まだまだ改善されたと申すには遠い状況にあると見ておりますから、その点の大気環境の一層の改善をさらにしていかなければならないという現状と思います。
#87
○有働正治君 総理も窒素酸化物については非常に深刻に受けとめておられるという感じがいたしました。
 例えば、総量規制制度が導入されています三つの地域の環境基準の達成状況を見ますと、未達成の局が一般局百十二局のうち五十九局、自排局七十二局のうち六十七局も占めています。八七年の公健法の、私どもから言わせれば改悪の際に、主要幹線道路沿道等の局地的汚染について、その健康影響に関する科学的知見が十分でないとして、おおむね五年間かけて調査研究を推進し、その結果に基づいて被害救済の対策を行うこととなっていました。当時、中曽根総理は、科学的調査の結果によりまして、その結果が非常に憂慮すべき状況というものが出てくれば再び当然指定することも含まれていると答弁されています。
 六年たった今国会での公健法の改正時には、残念ながら局地的大気汚染の健康影響の調査手法に関する調査報告書という中間取りまとめだけとなりまして、被害救済の対策は先送りとなりました。六年前に比べまして事態は深刻となっているこの大気汚染の状況から見まして、私は、当時の中曽根総理の姿勢以上の姿勢が求められているんではないかと考えるわけでありますが、総理、いかがでありましょうか。
#88
○国務大臣(林大幹君) 公健法の指定地域の問題が含まれておりますので、私から答弁させていただきます。
 実は、昭和六十三年の三月に行いました公害健康被害の補償等に関する法律に基づきまして、大気汚染系疾病にかかわる第一種地域の指定解除を検討いたしまして、近年の大気汚染はぜんそく等の疾病の主たる原因をなすものとは考えられないという科学的知見に基づいて行われたものでありますことを申し上げたいと思います。
 したがいまして、指定解除後の各種調査の結果によりましても、この評価を変更するような状況は認められておらないということでございまして、現状におきましては、第一種地域の再指定を行うことは適当とは考えられないことであります。
#89
○有働正治君 例えば昨年の地球サミットのリオ宣言原則十五で、深刻な被害が存在する場合には、「完全な科学的確実性の欠如が環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由として使われてはならない。」と明記しているわけであります。
 基本法案の第四条の「環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等」でも、「科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。」と、こういうふうにしているわけであります。つまり、科学的知見が充実しなければ対策をとらないということであっては私はならないと考えるわけであります。
 その点で、大気汚染による健康被害が、総理の御発言もありましたように、深刻なもとで調査研究が完全ではないとしましても、公害防止と被害救済の対策、これはおくらせてはならないと私は考えるわけでありますが、いかがでありますか。
#90
○国務大臣(林大幹君) 今日の大気汚染の状況がなお改善を要する現況であるということは認識いたしております。しかし、それが公健法による再指定という意味のものとは受けとれないという科学的知見をもとにいたしておりますが、もし公健法による再指定ということになりますると、民事責任を踏まえた補償制度としての本制度の適用を前提としなきゃならないということもございまして、地域のぜんそく等の主たる原因が大気汚染であると見せることが、そのためにはどうしても必要となります。
 政府といたしましては、現在の大気汚染の状況は、公健法の指定を行うべき状況ではないと判断しております。
#91
○有働正治君 極めて消極的だと言わざるを得ません。
 自治体の条例に基づく認定患者が急増していますのは、私、例証しませんでしたが、東京都の場合、東京の条例に基づく認定患者数というのは、十八歳未満という制限があるにもかかわらず、八八年度の一万九千人弱から、九二年度は三万二千人弱と、約一・七倍も急増しているわけであります。その急増しているのは、窒素酸化物や浮遊粒子状物質、SPMを中心とする大気汚染が健康被害を広げているからであります。
 九一年の東京都衛生局の大気汚染保健対策等に係る健康影響調査結果、あるいは九一年の環境庁の大気汚染健康影響継続観察調査報告書、あるいは国立環境研究所と東日本学園大薬学部の共同研究グループによる動物実験報告など、科学的にも裏づけられているわけであります。
 したがって、私はこうした一連の調査研究から見ましても、また事態の深刻さ、さきに述べましたリオ宣言の原則や基本法案の精神から見ましても、たとえ局地的大気汚染の健康影響の調査手法に関する調査が完全でなくても、現実から出発するという意味で、当時、中曽根総理が約束された対策を速やかに実行するという点で、総理の積極的な対応、リーダーシップが私は求められていると思うわけであります。
 最後に、総理の見解を求めます。
#92
○政府委員(松田朗君) ただいま先生御指摘の点でございますが、確かに地域指定解除後におきましても、引き続き自治体が独自の制度として認定制度をとっているところもございます。
 しかし、それ以外の地域を見ましても、ぜんそくの患者等がふえておりますのは全国的な傾向でございまして、先ほど大臣から申しましたように、その原因が大気汚染によるものであって、しかも地域指定をした場合に、その地域から発生する大気系の患者さんが全部そのせいであって、しかもその責任を大気汚染の原因者で負担すると、こういうものにはまだなじまない状況であるということでございまして、地域指定をするには至らないという現状でございます。
#93
○有働正治君 基本法をつくる以上、こういう現実の問題に積極的に対応すべきであると。そういう点で、事態の深刻さ、一連の宣言等から、また一連の調査研究から見まして私は環境庁の対応、政府の対応が極めて不十分である、そういう点で積極的な対応を求めることを主張しまして、時間ですので質問を終わります。
#94
○粟森喬君 総理にお尋ねをしたいと思います。
 一つは、行政情報の提供なり公開のあり方の問題でございます。
 本来、行政の持つ情報というのは、国民の共有財産ではないかと思います。それは、行政組織の運営というものが税によって成り立っているわけでございますから当然のことのようでございますが、今日行政の情報公開や提供のあり方についていろいろ意見が出ています。例えば行政手続法というのはちょっと質が違うところがありますが、前段的な意味では非常に重要な意味を持っております。
 それから、参議院で議員立法で情報公開法の制定を求めるという動きがある。このようなことを考えますと、行政情報というのは一般的に何らかの格好で提供され公開をされるという原理原則があるべきではないかと思いますが、まずこの点について総理の見解をお尋ねしたいと思います。
#95
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には私はおっしゃるとおりであると考えます。行政自身がフェアでなければ、民主的でなければなりませんし、また国民の信頼をかち得るという意味からもこの行政情報の公開は前向きに考えるべきである。また、実際に文書閲覧の窓口制度を充実するとか、あるいは行政情報公開基準をつくるとかといったようなことで積極的に対応してまいったつもりでありますし、またそういうことが基本の姿勢であろうと思いますけれども、これを法律等々で制度化するかどうかということについてはやはりいろんな問題がありまして、なお検討を必要とするのではないかと思います。
#96
○粟森喬君 いろんな問題をきょうは聞くだけの時間がないと思いますが、私は今回の環境基本法案は、この国会の法案の中で非常に国民の関心が高い法案だと思っています。
 環境フォーラム・ジャパンというのですか、これは市民であるとか学者であるとかNGOの方あるいは労働組合の方などが参加をして、私はその構成を見てもこの人たちがよくそれぞれの立場の違いを超えて環境に対して結集をしたということについては評価をするものでございますが、その中でも特に環境基本法においての情報の提供のあり方がかなり重要な論議の的になっていました。
 したがって、いろんな事情があるというふうに言われましたが、他の法律では既に情報の提供ということについてかなり進んだところもございます。今回の場合は、二つの意味で「努める」という言葉と、もう一つは「提供」にとどまる、それから個別のプライバシー、企業の内部の情報というものも配慮するとか、いろいろ書いてあるんですが、基本的にこれからは環境情報については提供とか公開の方向を鮮明にしておくべきではないか。
 それは、NGOの方々がいわゆる行政の枠を超えて相協力してやるときに非常に重要なポイントではないかと思いますが、この点について総理の見解をお尋ねをしたいと思います。
#97
○国務大臣(林大幹君) 委員にお答えいたします。
 環境保全の的確性あるいは効果的な推進を図るという上で、国民や事業者に対しまして必要な情報が適切に提供されるということは、これは望ましいことであると考えております。
 しかしながら、基本法におきまして情報を提供するあるいは情報を公開するといったように、国に一定の情報の提供を一般的に義務づけたり、あるいはまた国民一人一人に情報の開示を請求できる権利を付与するということにつきましてはいろいろまだ検討、研究を要する問題がございまして、慎重に処理すべき問題であると考えております。
#98
○粟森喬君 ここは総理、ぜひともお答えいただきたいんですが、なお検討を要するというふうに言いましたが、これはどこかの時期でそういうものを公開していくことが、先ほど申し上げたように、行政の情報の提供が結果として十分じゃない。こういうことについて聞きたいといったときに、これは前向きに、特にNGOといいますか非政府組織にとって、行政の情報が公開なり提供されないと、運動の上で、国民運動として展開をするときに非常に大きなポイントになるかと思うんです。
 総理はこの点についてどういうふうにお考えか、さらにお尋ねしたいと思います。
#99
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、その観点からの話はわかっておりますので、やはり情報提供の窓口、文書閲覧の窓口を整備するとか、あるいは行政情報公開基準を決めるとかいうことは必要であって、そういう積極的な公開の姿勢は必要だと思いますが、ただ、これを義務である、権利であるということにいたすことについていろいろ環境庁長官の言われましたような問題がある。そういう点をなお検討していかなければならないというふうに思っております。
#100
○粟森喬君 基準をつくる、守るということがそういう格好で繰り返し述べられるというのは、行政民主主義やこれからの環境基本法に基づくあり方の中では、ある意味では改善をしていかないと、今の答弁のままではこれは大きな問題が残るというふうに私は思います。したがって、きょうはそれ以上答弁ができない客観的な事情もあるのだろうというふうに理解をしましてその程度にしておきますが、これからも引き続きこの情報の公開については求めていくという立場を明らかにしておきたいと思います。
 最後に、今回の法案作成の経過やこれまでの質疑の中で、私は法案のできぐあいというものを見たときに、この法案を提出をした環境庁が相当各省庁との政策調整、法案の文言修正をやったことがありありとわかります。努力が二十四、配慮が七という決まり文句みたいで申しわけございませんが、本来的には努力でなかったり配慮でなかったりするのが基本法でありたいと。しかし、それは一方では、今の環境庁の置かれた状況を、私はある意味では現状を正しく反映しているのかなと、こういう感じで受けとめております。
 そこで、総理に、これは私は環境庁の問題ではないと思うんです。総理が先ほど行政機能の強化について幾つかのことを前向きに申されておりますが、私は環境庁を環境省にするということがあ
る種の日程としてどこかで上っていかなければ、この環境基本法に真の意味で魂を入れていくということにならないんではないか。
 こういう意味でこれはいわゆる総理の内閣法に基づく指導、指示の重要なポイントでもあるし、ほかの法との問題が、行政組織法があるわけでございますから、そういう意味で総理が具体的に環境庁を環境省にするという、そういうことを念頭に置かれているのか。置かれているとすれば、それはどういう条件の中でそういうものができ上がっていくのかお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
#101
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の各省庁、文字どおり省庁でございますが、あの中で省もございますし庁もございます。それはその行政の重要性といったようなことに全く関係がございませんで、全体にいろいろかかわる、あるいは調整機能があるといったような場合にしばしば序として、内閣のいわば手元にというのは表現が悪うございますが、そういう立場で行政をしてもらう方がいいといったような場合にしばしば庁になっております。
 ですから、その間に重要性という問題は全く私はないと考えておりまして、おっしゃいますように環境庁というのは各省庁に関係する大変ないわば仕事をやっていくわけでございますから、庁という立場がいいのか、省という立場がいいのかその辺はやはり行政をやってみまして考えるべきことではないかと。その間に重要度に違いがあるというふうには私は認識いたしておりません。
#102
○委員長(松前達郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございません
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#104
○委員長(松前達郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、野間赳君が委員を辞任され、その補欠として上野公成君が選任されました。
    ―――――――――――――
#105
○委員長(松前達郎君) 両案の修正について石川君及び有働君からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。石川君。
#106
○石川弘君 私は、ただいま議題となりました環境基本法案に対する修正案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合及び民主改革連合の各派を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、環境基本法案に対する修正案について申し上げます。
 この修正案は、国及び地方公共団体は、環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする旨の条文を追加するものであります。
 次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案について申し上げます。
 この修正案は、環境基本法案に国及び地方公共団体の協力に関する条項を追加したこと等に伴い、所要の規定の整理を行うものであります。
 何とぞ、両修正案につきまして、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#107
○委員長(松前達郎君) 次に、有働君。
#108
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、環境基本法案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 政府原案は、環境保全の対象に地球環境を含め、国の責任で環境基本計画を策定するなどの前進面はありますが、環境保全対策の基本原則が不明確であること、環境アセスメントの法制化を見送っていること、汚染原因者負担の原則をあいまいにし、被害者、国民に責任を転嫁するおそれのあること、大企業の横暴に対する規制が甘いことなど、基本的な点で不十分であり、この是正が必要であると考えます。
 以下、本修正案の概要を御説明申し上げます。
 その第一は、基本理念に「良好な環境が国民共通の財産であること及びその下で健康かつ安全で文化的な生活を営むことは国民の権利であること」を明記するとともに、汚染原因者負担の原則、住民の意見の尊重、地方公共団体の施策の尊重、情報の公開、環境管理計画以外の計画との調和等を規定することによって、原案が不明確にしている環境保全の基本原則を明確にしております。
 第二は、環境影響評価制度を確立するため、必要な措置を講ずるものとするとして環境アセスの法制化を規定し、あわせて地域住民の意見が反映される手続を措置することによって、原案が国民の声を真正面から受けとめず、その法制化を見送った環境アセスメントの法制化を明確にしております。
 第三は、企業が負担すべき環境税を国民にしわ寄せすることにならないように経済的措置の条項を削除すること。また、事業者の責務に基づいて事業活動を行う範囲を「本邦の内外において」と規定することによって、原案があいまいにしている事業者の汚染原因者負担の原則を明確にし、大企業の横暴な海外活動に対する甘い規制を厳しくしております。
 第四は、企業の無過失責任制と立証責任制の制度を整備し、地方自治体の自主的な施策として、国の規制措置より厳しい規制措置を講ずることができるとすることによって、原案が改善を図ろうとしない被害者救済を拡充強化し、不十分な地方自治体の行政と権限を拡充強化しております。
 以上が本修正案の主な提案理由です。
 何とぞ、委員各位におかれましては御賛同のほどよろしくお願いいたします。
#109
○委員長(松前達郎君) これより両案並びに両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。
 環境基本法案について採決を行います。
 まず、有働君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(松前達郎君) 少数と認めます。よって、有働君提出の修正案は否決されました。
 次に、石川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#111
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、石川君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、石川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、石川君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#114
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、堂本君から発言を求められておりますので、これを許します。堂本君。
#115
○堂本暁子君 私は、ただいま可決されました環境基本法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    環境基本法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 健康で文化的な生活を営む権利を確保するためには環境の恵沢の享受が重要であることにかんがみ、現在及び将来のすべての者が環境の恵沢を等しく分かち合うことができるよう、第三条の基本理念にのっとって、政策全般にわたり、環境の保全に努めること。
 二 有害な化学物質については、その環境中での挙動や人の健康や生態系に与える影響に関して、国際的な連携をとりつつ、引き続き調査研究に取り組むとともに適切な措置を講ずることにより環境の保全に万全を期すこと。
 三 生態系、生物種、遺伝子の各レベルにおける生物多様性の保全の重要性にかんがみ、自然環境の現状を把握するための調査研究を充実するとともに、野生動植物について絶滅のおそれが生ずることを未然に防止するため、種ごとの分布、生息地その他の現況の調査を行い、必要な施策を講ずること。
 四 今日の大量消費社会において、国民の環境の保全についての意識を高め、日常の消費生活において、環境への負荷の低減に資する製品等を利用するよう促進するために必要な措置を講ずること。
 五 ごみ、生活雑排水、大気汚染など多様な環境への負荷の発生源において環境への負荷の発生を抑制するとともに、環境への負荷の低減に資する製品等の開発を促進するために必要な措置を講ずること。
 六 国際協力の実施に当たっては地球環境保全等に十分配慮し適切な措置を採るとともに、事業者が海外活動においても環境保全に努めるようにすること。
  右決議する。
 以上でございます。
#116
○委員長(松前達郎君) ただいま堂本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(松前達郎君) 全会一致と認めます。よって、堂本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林環境庁長官。
#118
○国務大臣(林大幹君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#119
○委員長(松前達郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(松前達郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(松前達郎君) 次に、環境影響評価法案を議題とし、発議者穐山篤君から趣旨説明を聴取いたします。穐山篤君。
#122
○委員以外の議員(穐山篤君) 日本社会党・護憲民主連合の穐山でございます。
 ただいま議題となりました環境影響評価法案につきまして、発議者を代表してその提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国はかつて、世界に例を見ないスピードで高度経済成長を遂げ、国民生活においても便利さを追う日常生活になれ親しんでまいりました。しかし、そのツケが公害問題として一気に吹き出し、そのころから全国各地で公害追放への取り組みが高まり、ある程度の成果を上げてまいりましたが、水俣病を初め深刻な問題は現在まで尾を引き、根本的な解決には至っておりません。すなわち問題が起きてしまってからでは、対策を施そうとしても経済的にも技術的にも、完全にもとどおりにすることなど不可能であります。事が起きてしまってからでは手おくれなのであり、その未然防止を図っていくことこそが必要なのであります。
 今回、環境基本法案の審議に際し、環境アセスメント制度見直しについての質問に対して、宮澤総理から「内外の制度の実施状況等に関して、関係省庁一体となって調査研究を行い、法制化も含め所要の見直しについて検討することが大事である」との前向きな御答弁をいただいたことに感謝しております。既にアメリカを初め数多くの国々におきましては、環境アセスメント制度を法律として制定し、国民の間に定着をいたしております。そこで環境先進国を自負する我が国が、環境アセスメントの法律を持っていないというのは、大変残念に思うところであります。
 目下、北海道釧路市において、ラムサール条約締約国会議が開催されているときだけに、環境基本法を環境憲法と位置づけるためにもアセスメントの法制化は不可欠の要件だと考えます。
 以下、法案の概要について御説明申し上げます。
 まず第一に、対象とする開発事業につきましては、埋め立て・干拓、飛行場の設置、道路、鉄道の建設など環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業のうち、規模の大きいものといたしております。
 第二に、環境影響評価に関する手続についてでありますが、まず、事業者が開発事業の開始前に、事業の種類ごとに定める環境影響評価指針に従って、どのように環境影響評価をするかとの調査計画を作成し、中央と都道府県ごとに設置する環境影響評価委員会に提出をいたします。委員会は、その調査計画を公告・縦覧するものといたしております。そして、その調査計画について、関係都道府県知事、関係市町村長や関係地域の住民などは、意見を述べることができます。委員会は、それらの意見を聞き、公開で審理を行い、調査計画を認定するかどうかを決定いたします。
 事業者は、調査計画の認定を受けましたら、次にその認定された調査計画に基づいて、調査、予測及び評価を行い、環境影響評価報告書を作成し、委員会に提出をいたします。ここでも委員会は、その報告書を公告・縦覧することといたします。その報告書について、関係都道府県知事、関係市町村長や関係地域の住民などは、意見を述べることができます。委員会は、それらの意見を聞き、公開で審理を行い、報告書を認定するかどうかを決定いたします。
 委員会はこの決定を事業者に伝え、報告書を認定することを決定したときはその事業について許認可権などを持つ監督官庁などに報告書と環境保全上の見地からの意見を送付をいたします。
 なお、事業者は、調査計画、環境影響評価報告書について、それぞれ縦覧期間内に説明会を開催し、説明をしなければなりません。
 第三に、開発事業の実施につきましては、事業者は報告書が認定されるまで、工事を実施をしてはなりません。また、監督官庁などは、委員会からの報告書の送付があるまで許認可などをしてはならず、報告書の送付があったときは事業実施による環境への影響を考慮してこれらをしなければなりません。
 そして、事業者は、事業実施による環境への影響を考慮して事業を行わなければなりません。
 さらに、事業実施中についての対策も盛り込んでおります。つまり委員会は、報告書を認定したときと著しく地域の状況が異なっている場合などは再調査の勧告ができることとし、勧告をしても事業者が応じない場合などにつきましては、委員会がみずから再調査ができるようにいたしております。
 第四に、環境影響評価についての資料の開示に関しては、関係都道府県知事、関係市町村長や関
係地域の住民などは、事業者や委員会に対して資料の開示を求めることができ、事業者や委員会は資料を開示するよう努めることといたしております。
 第五に、地球レベルの環境保全を図る意味から、外国から環境影響評価について技術的財政的支援を求められた場合は協力するよう努め、国が国際協力を実施する場合は環境影響評価についての必要な措置を講ずるよう努めることといたしました。
 また、事業者が海外で事業活動を行う場合についても、環境影響評価の実施を推進するために必要な措置を講ずるように努めることといたしております。
 以上のほか、この法律で定める手続などに加えて、あるいはこの法律で対象とする開発事業以外の事業について、環境影響評価に関して地方公共団体がその地域にふさわしい条例を制定することを妨げないようにいたしております。
 以上が、この法案の提案理由と内容の概要でございます。
 冒頭にも触れましたが、アセスメント制度につきましては、宮澤総理からも踏み込んだ御答弁をいただけましたことからも、この法案を真剣に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
 以上でございます。
#123
○委員長(松前達郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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