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1993/03/22 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第6号
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1993/03/22 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第6号

#1
第126回国会 予算委員会 第6号
平成五年三月二十二日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十九日
    辞任        補欠選任
     荒木 清寛君    浜四津敏子君
     林  紀子君    有働 正治君
 三月二十二日
    辞任        補欠選任
     岩崎 純三君    河本 三郎君
     松谷蒼一郎君    服部三男雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        遠藤  要君
    理 事
               井上  裕君
               石川  弘君
               上杉 光弘君
               柳川 覺治君
               角田 義一君
               村沢  牧君
               山本 正和君
               白浜 一良君
               寺崎 昭久君
    委 員
               井上 章平君
               石井 道子君
              大河原太一郎君
               大島 慶久君
               沓掛 哲男君
               河本 三郎君
               下稲葉耕吉君
               成瀬 守重君
               野間  赳君
               野村 五男君
               服部三男雄君
               林田悠紀夫君
               星野 朋市君
               松浦 孝治君
               穐山  篤君
               及川 一夫君
               喜岡  淳君
               久保田真苗君
               櫻井 規順君
               清水 澄子君
               種田  誠君
               堂本 暁子君
               肥田美代子君
               三重野栄子君
               山口 哲夫君
               猪熊 重二君
               浜四津敏子君
               広中和歌子君
               長谷川 清君
               有働 正治君
               吉岡 吉典君
               磯村  修君
               乾  晴美君
               島袋 宗康君
               武田邦太郎君
  国務大臣
      内閣総理大臣   宮澤 喜一君
      法 務 大 臣  後藤田正晴君
      外 務 大 臣  渡辺美智雄君
      大 蔵 大 臣  林  義郎君
      文 部 大 臣  森山 眞弓君
      厚 生 大 臣  丹羽 雄哉君
      農林水産大臣   田名部匡省君
      通商産業大臣   森  喜朗君
      運 輸 大 臣  越智 伊平君
      郵 政 大 臣  小泉純一郎君
      労 働 大 臣  村上 正邦君
      建 設 大 臣  中村喜四郎君
      自 治 大 臣
      国 務 大 臣  村田敬次郎君
      (国家公安委員
      会委員長)
      国 務 大 臣  河野 洋平君
      (内閣官房長官)
      国 務 大 臣  鹿野 道彦君
      (総務庁長官)
      国 務 大 臣
      (北海道開発庁
      長官)      北  修二君
      (沖縄開発庁長
      官)
      国 務 大 臣  中山 利生君
      (防衛庁長官)
      国 務 大 臣
      (経済企画庁長  船田  元君
      官)
      国 務 大 臣
      (科学技術庁長  中島  衛君
      官)
      国 務 大 臣  林  大幹君
      (環境庁長官)
      国 務 大 臣  井上  孝君
      (国土庁長官)
  政府委員
      内閣官房内閣外
      政審議室長
      兼内閣総理大臣  谷野作太郎君
      官房外政審議室
      長
      内閣法制局長官  大出 峻郎君
      国際平和協力本  柳井 俊二君
      部事務局長
      公正取引委員会  小粥 正巳君
      委員長
      公正取引委員会  矢部丈太郎君
      事務局経済部長
      警察庁刑事局保  中田 恒夫君
      安部長
      総務庁行政監察  田中 一昭君
      局長
      北海道開発庁計  戸島 英之君
      画監理官
      防衛庁参事官   高島 有終君
      防衛庁参事官   三井 康有君
      防衛庁参事官   太田 眞弘君
      防衛庁長官官房  村田 直昭君
      長
      防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
      防衛庁教育訓練  諸冨 増夫君
      局長
      防衛庁経理局長  宝珠山 昇君
      防衛施設庁総務  竹下  昭君
      部長
      防衛施設庁施設  江間 清二君
      部長
      防衛施設庁労務  荻野 貴一君
      部長
      経済企画庁調整  長瀬 要石君
      局長
      経済企画庁総合  田中 章介君
      計画局長
      経済企画庁調査  土志田征一君
      局長
      科学技術庁長官  興  直孝君
      官房会計課長
      環境庁長官官房  森  仁美君
      長
      環境庁企画調整  八木橋惇夫君
      局長
      環境庁企画調整  加藤 三郎君
      局地球環境部長
      環境庁自然保護  大西 孝夫君
      局長
      環境庁水質保全  赤木  壯君
      局長
      国土庁長官官房  藤原 和人君
      長
      国土庁長官官房  藤田  修君
      会計課長
      国土庁土地局長  鎭西 迪雄君
      国土庁大都市圏  内藤  勲君
      整備局長
      法務省民事局長  清水  湛君
      法務省刑事局長  濱  邦久君
      法務省人権擁護  筧  康生君
      局長
      法務省入国管理  高橋 雅二君
      局長
      外務大臣官房審  津守  滋君
      議官
      外務大臣官房文  木村 崇之君
      化交流部長
      外務省アジア局  高野 紀元君
      長事務代理
      外務省北米局長  佐藤 行雄君
      外務省欧亜局長  野村 一成君
      外務省経済局次  林   暘君
      長
      外務省経済協力  川上 隆朗君
      局長
      外務省条約局長  丹波  實君
      外務省国際連合  澁谷 治彦君
      局長
      大蔵大臣官房審
      議官       永田 俊一君
      兼内閣審議官
      大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
      大蔵省主税局長  濱本 英輔君
      大蔵省理財局長  藤井  威君
      大蔵省理財局次  根本 貞夫君
      長
      大蔵省理財局た
      ばこ塩事業審議  寺本  泉君
      官
      大蔵省証券局長  小川  是君
      大蔵省銀行局長  寺村 信行君
      大蔵省国際金融  中平 幸典君
      局長
      国税庁次長    瀧川 哲男君
      文部大臣官房長  吉田  茂君
      文部省生涯学習  前畑 安宏君
      局長
      文部省学等中等  野崎  弘君
      教育局長
      文部省高等教育  遠山 敦子君
      局長
      文部省学術国際  長谷川善一君
      局長
      文部省体育局長  奥田與志清君
      厚生大臣官房総  瀬田 公和君
      務審議官
      厚生大臣官房会  高木 俊明君
      計課長
      厚生省保健医療  谷  修一君
      局長
      厚生省生活衛生  柳沢健一郎君
      局長
      厚生省生活衛生  藤原 正弘君
      局水道環境部長
      厚生省薬務局長  岡光 序治君
      厚生省老人保健  横尾 和子君
      福祉局長
      厚生省児童家庭  清水 康之君
      局長
      農林水産大臣官  上野 博史君
      房長
      農林水産大臣官  堤  英隆君
      房予算課長
      農林水産省構造  入澤  肇君
      改善局長
      農林水産省畜産  赤保谷明正君
      局長
      食糧庁長官    鶴岡 俊彦君
      林野庁長官    馬場久萬男君
      通商産業大臣官  清川 佑二君
      房審議官
      通商産業省通商  岡松壯三郎君
      政策局長
      通商産業省産業  熊野 英昭君
      政策
      通商産業省立地  堤  富男君
      公害局長
      資源エネルギー  黒田 直樹君
      庁長官
      運輸大臣官房長  豊田  実君
      運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
      局長
      運輸省運輸政策
      局次長      利田 義文君
      兼内閣審議官
      運輸省自動車交  土坂 泰敏君
      通局長
      運輸省港湾局長  坂井 順行君
      郵政大臣官房財  新井 忠之君
      務部長
      郵政省通信政策  松野 春樹君
      局長
      労働大臣官房長  七瀬 時雄君
      労務大臣官房審  征矢 紀臣君
      議官
      労働省労政局長  若林 之矩君
      労働省労働基準  石岡慎太郎君
      局長
      労働省婦人局長  松原 亘子君
      労働省職業安定  齋藤 邦彦君
      局長
      建設大臣官房総  市川 一朗君
      務審議官
      建設大臣官房会  木下 博夫君
      計課長
      建設省建設経済  伴   襄君
      建設省都市局長  鹿島 尚武君
      建設省道路局長  藤井 治芳君
      建設省住宅局長  三井 康壽君
      自治大臣官房総  遠藤 安彦君
      務審議官
      自治大臣官房審  松本 英昭君
      議官
      自治大臣官房審
      議官       小川 徳洽君
      兼内閣審議官
      自治省行政局長  紀内 隆宏君
      自治省行政局選  佐野 徹治君
      挙部長
      自治省税務局長  滝   実君
  事務局側
      常任委員会専門  宮下 忠安君
      員
  参考人
      森林開発公団理  松田  堯君
      事長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に、森林開発公団理事長松田堯君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(遠藤要君) 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、総括質疑を行います。星野朋市君。
#5
○星野朋市君 私はきょう、主に経済と労働の問題について質問いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、総理にお伺いいたします。
 現在の景気の実態とその認識ということでございますけれども、この質問については今までかなりの方が総理に御質問なさいました。その中で総理は、従来の循環型の景気と資産デフレが重なっている、こういう形で今まで日本の中で見られなかった景気の後退が起こっている、こういうような御説明をされておりますけれども、私はまたちょっと別な考えを持っておるんで、その点について総理のお考えをお聞きしたいと思います。
 景気の循環ということの中に、主としてこれは在庫の調整である、こういうことが主に言われておるわけでございますけれども、私は、成熟した資本主義の経験の原則によれば、そのほかにもう一つ、いわゆるジュグラー波と申しましょうか、大体七年から十年でのサイクルであるいわゆる設備投資の後退が一九九一年の春から起こっておると思います。それは、大蔵省の統計によりますと、一九九一年の七−九月期に日本の産業の償却額がピークに達している、このことでも裏づけられているわけでございますけれども、その前に、年率約二〇%というような膨大な設備投資が行われました。その反動が今起こっておると思います。それで、これをほっておきますともうしばらくの間設備全体としては下降局面に向かう。
 それからもう一つ、そのほかに、これはアメリカの経済学者であるクズネッツが提唱いたしました建築のサイクル、これは約二十年ぐらいのサイクルで回ってくるんですが、これも一九九一年の春から下降局面に向かっている。
 こういうふうないわゆる短期、中期、それから若干それより長い中期のもの、これらが一様に今重なっている、これは資本主義の経済原則から照らし合わせればいわゆる資産デフレとは多少違う形の景気後退が起こっておる、こういうふうに思うんです。経済にお詳しい総理のことですから当然それはおわかりになっていると思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) これは専門家からお答えをすべきかと思いますが、むしろもっと大づかみに物を考えてというお尋ねだと思いますので申し上げますけれども、確かにジュグラーであるとかクズネッツであるとか、そういう短期、中期、長期の波というものは経済学界でもかなり確立された議論になっておるとは思いますが、ただ、これはしばしばむしろ過ぎ去った後になりましてそれを分析した結果として今まで言われておるように思います。進行的に今その波のどこにあるというような精緻な議論はまだ私はそこまで進んではいないのだと思います。
 ただ、おっしゃいますことは、私は真実ではないかと思いますのは、プラザ合意後大変な円高がございまして、それに対応しまして長い景気が続いたわけでございますが、その間民間設備投資というのは二けたの上昇が三年余り続いたわけでございます。それは当時は主として合理化投資であって生産増強投資ではないと、合理化投資が大部分だというようなことを言われておりましたけれども、しかしいやしくも設備投資をするときに生産がマイナスになる投資をするとは考えにくいわけでございますから、いろんな意味でこれはやはり生産力の増強につながったということは否定できないと思います。
 そうしますと、三年も四年も二けたの設備投資があれば、その裏が来るのはこれは当然だと考えなければなりません。そういう意味で、星野委員の言われますように、今そういうことの裏がひとつ来ているんではないかとおっしゃることは、私はそのとおりであろうと思います。そのことは、裏を返して申せば、今回の不況の回復時における設備投資の動向については余り急激、急速な回復は見られないと考えておく方が無事ではないかということになろうかと思います。
#7
○星野朋市君 私が今申し上げまして、総理からもお答えいただきましたけれども、その一番典型的な例が自動車産業だと思うんですね。自動車産業が現在売れ行き不振で、一月、二月若干持ち直しはしましたけれども、現在の生産、販売台数というのは数年間のトレンド上にまだあって、それよりかなり下回っているという状況じゃないんですね。
 そうすると、その前の三年間ぐらいは要するに日本の需要のトレンド以上に売れてしまった。日本はドイツのようにちょっと待てというようなことを言いませんから、一斉に設備投資をする。そこで大量にバブルのときに売れてしまった。その反動が今残っておるわけでございますから、しばらくの間は、これはトレンド上、もしくは若干それよりもその間に余計売れた分だけ、下降まで行かないですけれども、横ばいぐらいになるんじゃないか。そういうものが要するにみんな不況不況と言う中で集約されているというところに私は若干の疑問を持っておるわけでございます。
 それからもう一つは、かなりこれは格好のいいことを言うわけですけれども、消費者のマインドに若干の違いが出てきた。それは、大量生産、大量消費、大量廃棄という従来の日本の成長を支えてきた産業構造に対しまして、少し違った面から需要というものが今なされていると思うんです。これは特に女性についてその考えが顕著であるわけですけれども、そうすると、今までのような形でもっての消費が持ち上がる、こういうふうには考えておらないわけでございます。それがこれからの景気対策の重要な視点になるかと思うのでございますけれども、日本の公共投資が全GNPに対して七、八%の効果しかないということになればやっぱりその活力は民間企業であるわけでございます。
 例えば、大阪に扇子商法というのがあるんですね。これはどういうことかといいますと、みんなが景気がいい景気がいいと騒いているときには扇子は半開きにしておけ、そして景気が落ち込んできたら開いてあおげ、これは長い間の商法の中で身につけたことだと思うんです。
 今、日本では先ほど申し上げましたように設備投資がかなり下向いている。半導体装置産業について若干上向きの気配が出ておりますけれども、全体ではかなり下向く。そういう中で今こそ省力化の投資であるとか研究開発投資であるとか民間がもっと力を、いわゆる勇気を持ってこの事態に対処していただきたい。何でもかんでも政府に頼る、そういうときではないとあえて申し上げるのでございますけれども、首相、どうお考えでございますか。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 国民消費がGNPの五割を超えておるわけでございますから、そういう意味で日本の市場経済の力というものは非常に大きい。財政なりなんなりがなし得ることは比率としては決して大きくはないわけでございます。しかし、今やっておりますことは、御承知のように、そういう消費が落ち込んでおる、あるいは設備投資が落ち込んでおるときに、財政ができる限りの努力をして民間の経済活動を刺激してそっちへつないでいこう、そういう役割を財政は今しつつある、そういうふうな認識をお持ちの点は私も同様でございます。
 それから、先ほど自動車の生産台数の話がありまして、実はその点が今度の景気動向について政府エコノミストが考えていたことで世の中からいろいろ御批判を受けたことであるわけです。
 政府のエコノミストたちによれば、確かに景気はいっときのようでなくなってもまだまだ自動車の生産台数というものは数百万というその水準がかつての水準をもうかなり踏み上げておりますと、それがかつての水準より落ちたわけではございませんから、決してそういう意味では経済全体が縮小しているわけではないということを言わんが余りに、エコノミストはよくわかっていないという議論をいろいろ受けたわけですから、今の星野委員のお話は、こういうエコノミストたちにしてみると、まさによくわかって言ってくださったと申し上げたいところがあるだろうと思います。それはしかし、やっぱり消費水準の踏み上げというふうに考えていいのではないかなと私自身は思いますけれども、そういう面もございます。
 ただ、かつて一九八〇年ごろ、国民はもう物離れをしたという議論がございました。ですから、もう大きな耐久消費財の需要はないんだ、みんなうちにいっぱいありますという議論があって、それに対して、いや、ハイテクというものが出てくるとそれはそうではないという議論が片方でございました。これは、やっぱりどうも物離れというのは必ずしもそうでなかったなということに一遍はなっておるわけでございますので、今の段階を考えますと、やはりそれは例えば自動車について言えば、ある程度、すぐ買いかえにならずとも今の性能からいえばもう少し二年のものは三年持ってもいいというようなことはあり得ましょうし、耐久消費財についてもそうであるかもしれません。
 また、需要の方向がそういう財から違うものへウエートが少しずつ移っているということはありそうなことでございます。教養とか娯楽とか旅行とかそういうものでございますけれども、ありそうなことだと思いますので、そういう需要の動向というのはやはり常に、これはもともと民間企業がそういうふうに見ておられるわけですけれども、見なければならないものでありますけれども、政府も需要の動向というのはやはり絶えずよく見ておく必要がある。おっしゃいますことは、いろいろなことをいろんな角度から言っておられますので、従来と同じような需要の形態が続くというふうに考えることは、あるいはこれはひとつ考え直しておく必要があるということは思っております。
#9
○星野朋市君 それでは、経済企画庁にお尋ねいたします。
 ここ数年間の日本のGNPの平均成長率、これは大体四%と見ております。一番高かったのは九一年ですか、五・五%というのがありましたけれども、そういう平均的な成長率四%から見ると、現在の成長率はほぼゼロ、先日の最新の統計ではしかも内需がマイナスであるということで、いわゆる景気の乖離感というのは非常に強いと思うんですね。
 それで、平成五年度の経済成長率三・三%という見通しを立てておられますけれども、今までの長官の御説明ですと、大体前半はややプラスへいって後半に期待する、こういう御答弁だったと思うんです。大体、経済企画庁は、この三・三%という成長率を計算されたときに、四半期ごとにどういうような推移をするのか、こういうふうなお考えはなかったのでございましょうか。
 私は、いわゆるディフュージョンインデックス、景気動向指数について日本がこれを導入したときは、そもそも景気の転換点を見つけるためにこのディフュージョンインデックスを導入したと解釈しているんです。それで、いわゆる日本の経済の成長期においては、このディフュージョンインデックスは、非常に高い成長を示しましたからトレンドの中に飲み込まれてなかなか見つけにくい。後でだからいろんな精査をして、この転換点というのが、山がどこで谷はどこだというのを合わせていたように思うんです。だけれども、そもそもアメリカがこれを導入していたときはもう既に成熟して成長率が三ないし四%、こういうときにまさしく日本も今差しかかっていると思うんですね。
 そうすると、ディフュージョンインデックスというのは、いわゆる景気の転換点がどこにあるかというのを見つけるのが最大の主題であるわけでございまして、そういうことからいうと、経済企画庁はもう少し大胆に、ここら辺で景気の転換点は迎えると。これ、森通産大臣があるところで大体四月から六月ぐらいが底じゃないかと、総理も先日、株価の上昇について底が見えたと、こうおっしゃっておりますけれども、景気の転換点がどこであるかということをかなり大胆に言ってもらって、そしてこれからの景気はどこら辺をもって上向くんだ、こういう明るい展望を示してもらわないと。今、消費者の心理は先行きがわからないために心理的不況に陥っている面が随分あると思うんですね。
 それが、例えば本来的に不況である部分とそうでない部分が一緒になって報道されてしまう。例えばホワイトカラーのリストラなんかは私から言わせれば当たり前な話でありまして、日本の労働生産性は全体として見ると欧米に劣っているというのが生産性本部の調査でわかっております。ドイツなんかは、最近そこら辺をもとにいたしまして反撃を開始してきまして、日本の経済力の強いところというのは上位十社ぐらいであって、全体を見ると日本の生産性というのはかなり低いんだ、こういうような議論が最近出始めたんです。
 そういうことから見ますと、リストラの部分とそれから本来的に不況である部分、さっきから何回も言っているんですが、そういう部分を分けて考えていただいて、実際、景気の転換点はどこにあるのかというようなことを経済企画庁ははっきり物を申した方がいいと思うんですが、いかがでございますか。
#10
○国務大臣(船田元君) お答えいたします。
 今の星野委員の御指摘、大変多岐にわたっておりますので若干時間かかるかもしれませんが、できる限りお答えいたしたいと思っています。
 まず、経済の成長率の話でございますが、確かに私ども三・三%の見通しを昨年十二月の二十日前後にさせていただきました。もちろんその後、昨年の十−十二月期のQEの発表とかいろいろありまして、どうなんだという御質問も既にあったわけでございますが、私どもとしてはやはりこの経済見通し三・三%ということでとにかく政策努力をやっていきましょう、こういう立場にあるわけでございます。
 そして、四半期ごとに例えば年率成長率ということで示すことはできるかどうか、こういうことでございますが、私どもは、年度全体としてどのくらいの成長があるか、あるいはどのくらいの成長をターゲットにして政策努力をやっていきましょう、こういう性格のもので経済見通しというのを出しておりますので、四半期ごとということは特に計算の根拠にはいたしておりませんので、その辺は御理解いただきたいと思います。
 ただ、物の感じ方として、例えば年度前半がゼロ成長で、年度後半は年率にしますと全体で三・三%ということを達成するためには、年度前半がゼロですと後半が五%あるいはそれ以上、こういうのは模式的にはあるかもしれませんが、現実にはなかなかそういう状態というのは起こりにくいし、もし仮に政策でそのような誘導をするということは、これはやはり後半におけるしわ寄せが出てきて、これがまたバブルの再燃ということにもあるいはつながりかねない。そういうことを考えますと、やはり年度前半から緩やかではあるけれども成長をきちんと遂げていく、こういう形を私どもはある程度描いていかなければいけないなというふうに思っております。
 そういうことを考えますと、十−十二月期、この前ですけれども、それがプラスの〇・一%であったということを考えますと、この一−三月期、もう少しこれは伸ばしていかなければもちろんいけませんし、また四−六月期以降もある程度の伸びを示さなければいけない、そのためには即効性のある経済対策というものがこれは当然必要ではないかなということでございまして、今後ともこの面における努力をしていきたいと思っています。
 それともう一つ、DI、ディフュージョンインデックスを景気の転換点の確定に利用できないか、活用してはどうか、こういう御質問でございました。
 確かにディフュージョンインデックスというものが景気の現在の足元あるいは現在に近い状態の足元を判断していくということでは大変有効な手段である、このようには考えておりますが、ただ、景気の転換点をきちんと山、谷を決めていくというときには、これはそれだけの材料ではやっぱり不安ではないか。その他のさまざまな経済指標、こういったものをきちんと見まして、そして山、谷をきちんと専門家の意見も把握をしながら決めていくということでございます。
 この転換点を決めるというのは、どちらかというと景気の歴史をつくっていくというような、あるいは歴史を確定していく、こういうことでございまして、やはり現状の判断というものにはDIというのはかなり有効な手段でありまして、転換点をきちんと技術的に決めるという問題と、それから、現在の景気の足元がどうであってそれを直していくためには政策として何をやっていくかというそういう実体経済を踏まえた政策を行っていくという面でのDIの活用とは、これはやっぱりおのずから違うものということで理解をしていただいた方がよろしいのではないかな、こんなふうに感じております。
#11
○星野朋市君 それでは次に、株と土地の問題についてお伺いをしたいと思います。
 いわゆるバブル期に株式は約三百五十兆ふえ、土地は約一千兆増加した、これは経済企画庁が出されたデータではっきりしております。土地の場合は平成三年度までしか出ておりませんけれども、株式はその時期で行ってこいをしましたから大体正確だと。若干今株価が上がりましたから総理もこの間のような御発言があったと思うんですが、株式はどうしてもやっぱりこれは経済の先行指標として重要な役割を持っておりますから、私流に言えば約六カ月ぐらい先を見ている。
 それで、いわゆるダウの問題でなくてもう一つTOPIXの問題がありますけれども、今一四〇〇ぐらいになっております。これで銀行の要するに有価証券の含み損というのは大体ほとんどなくなったと見ていいと思うんですね。これが一三〇〇を割るようなときになると、恐らくBIS規制の中で都市銀行の中で一、一行問題が出てくると思うんですけれども、今やそういうときではなくなった。これは要するに、一たん上がったものがほとんど下がりましたから、外人買いなんかを起点としまして若干の反発をしていると私は認識しておりますけれども、まだ株式はエクイティーファイナンスによって膨大な株式が市場に供給されましたから、この処理でしばらくは難しいと思っています。
 もう一方、土地の方でございますけれども、土地の方は約一千兆上がって平成三年度のデータでは約百兆しか下がってないんです。平成四年度でもう少し下がりましたから、恐らくピーク時に比べて二百兆ないし二百五十兆ぐらい下がっておると思うんですけれども、ここにまた非常に問題があると思うんです。
 国土庁長官にお伺いしたいのは、土地というのはまだ当然下がってしかるべきものなのかどうか。もとへ戻れというわけじゃありません。土地が横ばいということはあり得ないんですから。ただ、土地が十分な実勢価格にまで下がっていないために実需が起こってこなくて、それでまだそのために貯蓄率が非常に高いという、この両面があると思うんですが、国土庁長官に御見解をお伺いしたい。
#12
○国務大臣(井上孝君) 星野さんおっしゃるとおり、企画庁の出しております国民経済計算報告書によりますと、六十一年と平成二年ですか、約一千兆土地が上がっております。それで、平成三年の推計値でおっしゃるように百兆ぐらい下がりましたけれども、平成四年さらに私は下がっておると思います。特に、今申しました平成二年をピークにいたしましてずっと下がり続けておりますが、大都市圏ではさらに非常に下がっておりますし、先般申しましたが、まだ昨年の下落の傾向ははっきりつかんでおりませんけれども、東京圏におきましても大体パーセンテージで対前年二けたぐらい下がっておるんじゃないかと思います。しかし、生活大国を目指すためには年収の五倍程度で持ち家が持てるというような状況に比較しますと、まだまだ高いと思っておりますし、昨年の結果を見ましてもまだ当分しばらくは下落の傾向が続くだろうと思っております。
 そういったことを考えながら、御承知の総合土地政策推進要綱に従ってさらに適正な価格で鎮静化をするように土地政策を運営してまいりたいと思っております。
#13
○星野朋市君 今、国土庁長官が御見解を述べられましたけれども、私にとってみれば土地はまだ下がってしかるべきだ。金融機関が変な買い支えをして途中でとめていることが大きな問題だと思っておりますが、その点に触れますと長くなりますので、次は持ち株会のことについて大蔵省にお聞きしたいと思います。
 株価が低迷しておったときにいわゆる一万円の累積投資というのが民間で導入されまして、今まだ発足間もないから実績が出ていないと思うんですが、同じようなことならばかねてからいわゆる持ち株会というのがありまして、恐らく現在の推計では約二百三十万人ぐらいが加盟しておる。さらにその事業会社の五〇%支配の関連会社について約二十万人、合計二百五十万人が参加しておって、そのほかに関連会社持ち株会というのがあると思うんですけれども、従来この持ち株会につきましては、企業が千円に対して三十円ないし五十円のいわゆる奨励金というのを出しているわけです。これはしかし給与になってしまいますので、当然それに課税されるわけでございます。
 持ち株会のいいところは、ある単位になったときに例えば子供の入学金に充てるとか、それから長い間一つの会社に勤めておって持ち株会を長く続けておってかなりの株数に達した定年退職者が、そのうちの単位株を売って老後の夫婦での海外旅行に充てるとか、こういうメリットがたくさん出ておるわけですけれども、一つ問題なのは、いわゆる勤労者の貯蓄に対しては先般改正されて五百五十万円まで非課税になったいわゆる財形貯蓄がある、それから生命保険に関しましては約十万円までの所得控除があるわけですけれども、持ち株会については、これは確定利付でないということもありまして、何らかのインセンティブを与えればもっとこれが活性化すると思うんですが、大蔵省の御見解をお聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(小川是君) 従業員持ち株会の制度に対するインセンティブの問題でございますが、現在は従業員持ち株制度につきましては、お話のございましたように、主としてこれは上場会社を対象にして実行されております。当然のことながら、上場株式の購入という形で持ち株会が運営されているわけでございます。運営の状況は、ただいま委員からお話のございましたとおり関連会社の従業員を含めますと約二百六十万人が対象になっておりますし、また上場会社では約九四%の会社がこの従業員持ち株会を持っているわけでございます。
 昨年来、個人の株式投資をよりやりやすくするようにということで、この持ち株会制度につきまして、例えば加入の時期、大体年一回となっておりました、あるいは参加して購入する単位金額の変更といったようなものにつきましてより弾力化する措置をことしの一月から実施しているところでございます。
 こうした持ち株会投資についてさらにインセンティブをというところにつきましては、これがやはり一定の勤労者だけを対象にした制度であるといったようなところから、なかなか難しい点がございます。むしろ、そうした点からは、実は財形貯蓄制度につきまして、株式投資信託を財形貯蓄で購入するというような形で制度のインセンティブを活用できないかといったようなことで、実は労働省にもお願いをしていろいろ検討していただいてきた、こういった経緯にございます。
#15
○星野朋市君 通産大臣にお伺いいたします。
 ここのところで急激な円高状況が起きました。これは前に二百二十円から百六十円ぐらいに円が急騰したときに、こんな川柳が詠まれたことがあるんですね。「働いて円高にして首を絞め」。こういうふうな川柳が、これはジェトロが募集した川柳の中にございました。
 ところが、ここのところいわゆる経済が不況ですからさらに円高の問題がそれに輪をかけるというようなことがありますけれども、日本のいわゆる貿易について統計をとってみますと、約三千四百億ドルの輸出に対して円建てというのが約四〇%あります。それから輸入については円建ては一七%ぐらいですか、ドル建てが八三%ぐらいですから。仮に今十円円高になっても約二兆円対二兆円ぐらいで、トータルで言えばツーペイになりますね。
 ところが、輸出産業の方が先行しますから、そこで不況感が出る。ところがいわゆる輸入の差益といいますか、これは徐々に効いてくるわけですけれども、この点について遅いということと輸入差益がなかなか出てこないというのは、要するに流通に非常に問題があって、日本は余りにも多段階過ぎる、そこに大きな問題があってなかなか消費者にそれが還元されない、こういう形になっていると思うんですが、これは通産大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(森喜朗君) 星野委員から、今の円建て比率、それからドルベースの件、数字を挙げておっしゃいました。まさにそのとおりでございまして、そういう意味では我が国は過去最高の実は、輸入の円建て比率も金額ベースで一七%とおっしゃいましたが、過去最高の水準であるというふうに申し上げて差し支えございません。
 しかしながら、依然としてドル建て輸出比率は円建て輸出比率を上回っておりまして、当省が先般もこの委員会で御報告申し上げましたが、主要産業二十二業種、輸出型産地二十五地域に対しまして、二月下旬に円高影響調査の結果を見まして、急激な円高が輸出関連企業の企業収益に悪影響を与える。それだけではなくて、直接の原因ではないんですが、これはすそ野の広い加工組み立て産業が日本の場合多うございまして、これに対しまして直接的には影響がないけれども極めて間接的に悪影響を及ぼしている。
 こういう意味で実は今の円高の推移を非常に注意深く見守っておりますが、この円高の差益をどうするかという問題はやはりかなりの長期的な期間、前のときには恐らく九カ月間から一年というふうに見ていたようでございますが、やっぱりそれだけの数字をきちっと見届けませんといろんなまた逆作用もあるわけでございまして、また、これも私どもとして今そのことのいろいろ業種調査をしたり対応に踏み切りますと、今の円高の変化そのものを認めてしまうということになってしまいます。基本的には、総理もお答えになっておられますが、将来、長い目で見まして緩やかな日本の円高基調というのはこれは国力をつける意味からいっても好ましいことでございますが、今のように思惑的ないわゆる市場原理というものが動いておりますときに円高傾向を認めるということは私どもとしては好ましいことではない、このように実は考えております。
 したがいまして、例えばエネルギーに対する円高の還元などという議論もよく出ておりますけれども、逆に言えばまた原材料という面での相殺される面もございますわけですから、したがってまたこの時期に還元論ということを申し上げるというのはまだ時期尚早であるというふうに私どもは考えております。
 その中の流通の部門のこともいろいろ今お話ございましたけれども、日本の多段階な卸売といいますかこういう経路、これもまた一長一短あるわけでございまして、それぞれの企業が対外国との通商の話し合いができるわけでもないという面もあるわけでございますし、またリスクも背負っていかなきゃならぬ面もございますから、そういう面での今日の日本の流通の機構というのはそれなりの役割を果たしておりますけれども、しかし、確かに流通の面につきましては、やっぱり適切な合理化を図っていくということも私は大事なところだというふうに考えておりまして、円高に限って申し上げますならば、もう少しこの状況、推移を見届けていく。
 もう一つは、やはり景気回復という問題がございますから、どうしてもやはり景気回復のせっかく今先ほどから委員と総理との御議論がございましたように大変微妙な段階に来ておるときでございますので、景気の回復の足を引っ張ることのないように十分このことも考えておかなければならぬというふうに考えておるところでございます。
#17
○星野朋市君 今、通産大臣からエネルギーの問題についてお触れになりましたんですが、これに関連いたしまして、日本のエネルギーの需給計画についてお伺いしたいと思います。
 ちょうど二年前に、資源エネルギー庁が中心になりまして石油代替エネルギーをもとにするいわゆる二〇一〇年までの日本のエネルギー計画というのが発表されておりますけれども、この根拠になりましたのは、その前の十年の日本のGNPに対するエネルギー弾性値約〇・四弱というのが根拠になっているわけですけれども、その時点で日本のエネルギー弾性値は一・一ぐらいだったと思うんですね。それを省エネというのを中心にしまして二〇一〇年までの策定をなさっておる。石油の依存度を五〇%以下にするためにかなりほかの点で無理な積み重ねが行われていると思うんです。まだ二年ですから乖離が少ないんですけれども、このエネルギーの需給計画について改めて御見解をお伺いしたい。私はその面でかなりこれは難しいと思っているんですが。
 そこで、いわゆる円高によって、電気会社は電気料金を下げろとかガス料金を下げるというのが非常に簡単に評論家あたりから俗受けをねらって言われているわけですけれども、私は、もしこれで円高が続いて差益が出ても、これはあくまで将来の研究投資であるとか設備であるとかそういうところに重点的に配分すべきだと思っておるんですが、あわせて御見解をお伺いしたい。
#18
○国務大臣(森喜朗君) 平成二年に今委員が御指摘ございましたように長期エネルギー需給見通しを策定いたしておりまして、地球環境保全にも十分配慮しながらエネルギーの安定供給の確保と経済の持続的発展を図るという課題に向けまして、二十一世紀初頭における我が国のエネルギー需給の望ましい姿を内外に示したものでございます。一委員の難しいのかなという御指摘、お考えが示されましたが、この見通しの達成は、エネルギー需要面におきましては最終エネルギー消費の大幅な伸び、それからエネルギー供給面におきましても原子力発電所の立地の困難化、新エネルギーのコストの面、それから信頼性に関する課題克服というそういう状況に実は今直面をいたしておりまして、そういう面から見ても委員の御指摘のように必ずしもこれは容易ではないのではないかという御指摘が出ておるわけでございます。
 しかし、私どもといたしましては、今後エネルギーの有効利用対策が十分に社会経済システムに浸透していく、かつ非化石エネルギー等の導入促進に最大限の努力を傾注してまいりたい、こういうことを前提にいたしますればこれを達成させることは必ずしも不可能ではないというふうに考えておるわけでございます。
 それから、先ほどのいわゆる円高との兼ね合いで、設備、開発、研究等に投資すべきではないかというのはまさにそのとおりでございまして、もちろん経済対策といいましょうか景気対策で、過去二回にわたりまして民間側のいわゆる設備投資の牽引的役割をこの電気あるいはガス業界にお願いをいたしたわけでございますし、また先日も目いっぱいの投資計画をできるだけやっていただきたいというお願いを申し上げたわけでございます。
 先ほどの答弁で申し上げましたように、この円高は少し長期的に見ないと結論は出ないわけでございまして、かつての私どもの経験からいいましても、一軒の家に四十円とか五十円というような還元が本当にこれは国民の求めておられるところなのかどうかということについてもかなり当時議論が分かれたところでございまして、むしろそのことよりも将来的にいわゆるエネルギーの供給に対しての設備投資をすることの方が、またあるいはそれは景気の面からいいましても、大変プラス面になるのではないかという意見があったわけでございます。
 そういう意味で、まだまだ我が国のエネルギー対策に対して研究あるいは投資についても十分にやるべき範囲が多うございますので、先生のおっしゃるとおり、そのような考え方を私どもとしては持っていくべきであり、当然業界が自主的に判断をしていかなきゃならぬところでございますが、私どもとしてもそういう指導をしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
#19
○星野朋市君 今までの議論を通じて私が強調しておきたいのは、現在の不況に対しまして政府が主導でもって公共投資を中心とした景気対策を講じる。それで、いわゆる土木を中心とする従来の公共投資、これもまた二〇〇〇年になって日本が高齢社会に突入すると貯蓄率の低下という問題を来しますので、二十世紀中にいわゆる社会基盤の整備というのは十分進めておくべきだというふうに考えておりますけれども、同時に、先ほど総理との間に議論いたしましたいわゆるジュグラー波の問題、こういうものを含めますと、設備投資の面でもう少し景気刺激策を与えてやらないと本当に景気は浮揚しないのではないか。
 そういう意味で、通産省が非常に熱心におやりになっている新社会資本、この問題については何を対象とすべきかということはこれからの問題でありますけれども、これは一つにはそういう設備投資の低落をかなり下支えするという意味で意義があると思っておるわけでございますけれども、その点について通産大臣の御見解を伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどの総理と星野委員との間の御論議にすべて尽きておりますし、景気全体から見て、船田長官の景気に対する御判断、私どもそれに基づいて進めていくべきだと考えております。
 今の御質問とちょっと違うかもしれませんが、私ども通商産業政策を預かっておる立場といたしましては、常に、景気動向を見る上において、一つには鉱工業生産指数というものを重要に見ておりますし、それから先ほど委員からもお話がございましたように在庫というものをやはり見ていかなきゃなりません。この在庫の調整というのは非常に大事でございます。
 このところ、耐久消費財、資本財、生産財、こう見てまいりますと、やはりまだもう一つはかばかしくないんです。そのことを企業が全体的に業況のやはり障りというふうにとっているんだろうと思います。少し順調だったなと思っておりました生産財も少しまた変化が見えておりまして、先ほど私が四−六の底打ちというようなことを発言したということの御指摘がございましたが、本来で言えば一−三月が底を打ったなという感じを出してほしいという神にも祈るような気持ちでおりましたけれども、先般のQEを見ましても〇・一%、そして、この三月というのはあと十日ばかりでございますけれども、そこから一−三月にかなりの伸びというものは肌で感じられない、それは先ほど申し上げたような在庫などを見ているとそんな感じ。
 そこで、四−六というところに本当に希望を持っておりますけれども、先ほど委員が細かく御研究なさった資料をお話しになっておられましたように、やはり車でありますとか電気製品でございますとかそうしたいわゆる耐久消費財の動きというものの指数を見ておりますと必ずしも期待感が出てこないということでございます。
 そういう面で、私どもは産業政策をお預かりしているということを申し上げましたけれども、企業というのはやっぱり生々はつらつと動いてくれるということが大事でございまして、これは自由主義社会でございますから企業が独自性で自分たちで動いていくことが大事なんですが、やはり行政の立場からいえば、金融面でありますとか税政面でありますとか、あるいは貿易がございますので通商問題での環境を整えてあげるということが私ども政府の大事な立場だと考えております。
 ですから、生々はつらつと企業が動いてくれるということもございますが、やはり一番大事なことは、もう一つは企業が倒産をしたりあるいは失業ということが社会に対して大きな不安感をもたらす、そういう意味で、十分に財政出動等も期待をされるというのはそこにあるんだろう、こう思っております。
 しかし一方には、政府としても財政当局から見ましても、やっぱりインフレなき成長を持続するということがこれは一番大事なことでございますから、委員のおっしゃりたいお気持ちは、日本はそんなにほかから見ても悪くないんじゃないか、余りそうじたばたしなさんなというようなことも私は御発言の中にも少し含まれておったような気がします。
 しかし、一方におきましては大変な実は黒字を抱えておりますということがございますし、それから世界全体から見て、貿易のインバランスという面から見ても国際貢献という立場からも、またあるいは世界経済全体に対する日本の責任というものから考えても、いろんな意味で大変難しいかじ取りを今総理がなさっておられるというふうに私ども考えておるわけでございます。
 そういう意味で、従来の公共事業はそれなりの速効性もございますしまた景気の下支え的な役割をずっと果たしてきたことは間違いございませんが、今私が長々と申し上げましたように、在庫調整とかそういうものから見てまいりますと、今までの型の公共事業では波及効果がやはり少し足りないのではないか。世の中はさまざまな変化をしておりますから、そういう意味では短期的には景気の浮揚、中長期的には生活大国ということから考えて、新たな社会資本、むしろおくれておる社会資本などの整備をすることの方が国民に明るい、また経済界にも先々明るいマインドを与えるのではないか。
 同時にまた、そのことがやはり私どもが一番の願いでございます在庫の変化が出てくるのではないか。つまり、最終需要の変化が起きてくるのではないかという考え方でこのような考え方を、多少他省庁のことにまで少し手を伸ばしつつでございますが最終的には産業界全体が明るくなることでございますので、そういう希望も含めて新社会資本の整備ということをお願い申し上げておるところでございます。
#21
○星野朋市君 今までの議論を総合いたしまして最後に総理にお伺いしたいのでございますが、こういうことからいいまして、赤字国債を前提とするいわゆる戻し減税的な所得税の減税、こういうものは余り意味がないと思っているんです。しかも、これは昨年のボーナスでも約六〇%というのが貯蓄に回ってしまっている。現在の状況で、ここ数年先の財政状況を見ましても要調整額というのが数兆円ずつまだ残っております。基本的な所得税減税というのは、直間比率の見直しを含めましてこれは近い将来にやらなくてはいけませんけれども、赤字国債を短期で出してそれがすぐ償還されるような状況には今ないわけでございますから、そういう意味で戻し減税的な所得税減税は私は無意味であると思っておりますが、総理の御見解はいかがでございますか。
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十一、二年ごろにいたしました税法の抜本改正の際に、所得税の累進構造につきましては将来もう少し思い切ったことをやはりする必要があるであろう、中所得のところの重税感がなお残っておりますから、ということはあれ以来考えておりました。
 で、今、星野委員の言われますように、やがて国民年金の財政再計算のこともございますし、いろいろな意味で二十一世紀に向かいましての国民負担をどうするかということとの関連で、税制というものを直間比率もあわせまして考える時期が遠からずあるということは考えておりまして、それは御指摘のとおりでございます。ただ、それをこの際ということになりますと、ちょっとタイミングとしては合いにくいことがございますし、御指摘のように財源をどうするかということもございます。いろいろそれにつきましては、各党におかれましても、自民党を含めまして、また民間の経済界あるいはエコノミストの間におかれましても、いろんな議論があることを承知いたしております。
 いっときは、戻し税が有効ではないか、その場合、しかし税財源をどうするかということ。いやその戻し税自身がそんなに実は景気対策としては有効ではないのではないか。と申しますのは、その方々の議論では、一つは、すべて給与が銀行払い込みになっておりますから戻し税の減税があったとしてもそれは小切手を送ってくるというような話ではないのであって、銀行の振り込みの源泉徴収分が少しその月に減っておったということを気がつくかどうかというようなことではないかという御議論。私はそれは確かにそういうことがあろうと思うのでございますけれども、それであったら、それだけの財源をむしろ政策減税のようなものに使ったらいいんじゃないかと。
 いろいろな御議論がございますことを承知いたしておりますが、政府といたしましては、ともかくこの予算を本院において御審議をいただき審議を終了していただきまして、できるだけ新年度早々に施行さしていただきたい。その上で、また今後あるべき施策について必要であればいろんな御意見を伺って考えてまいりたい、こう思っているところでございまして、またその段階におきまして御教示を仰ぎたいと思います。
#23
○星野朋市君 次に、環境問題についてお伺いいたします。
 私は先ほど総理に、今の消費の実態が大量生産、大量消費、大量廃棄というこの面から多少変わったということを申し上げましたけれども、実際、今日本に世界各国から何億トンの物が一年間に輸入されて、一部燃えたり、それから食べ物みたいに消費され、それから一部はもちろん輸出として海外へ出ていく、日本に年間何億トンの物資が滞留するんだろうかという観点からいろんな省庁にお伺いしたんですけれども、そういう統計をとっているところがどこもないんですね。要するに、そういう量的な問題でつかんでいるというのがないんです。それで、これは国民生活のスタイルに相当な影響を及ぼすと思うのでございます。
 それから、環境問題というのは、とかく経済成長にマイナス面でとらえがちなんですが、例えばリサイクル技術であるとか、当然過去日本は公害防止技術に関しては世界に冠たる先進国でありましたわけでございますから、要するに環境問題が厳しくなると新しい技術をもとにした成長が生まれると思うんです。
 環境庁はそこについてどういう御見解を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(林大幹君) 星野先生にお答えいたします。
 まさに先生おっしゃるとおり、大量生産、大量消費あるいは大量廃棄、そういう時代に今急激に突入してしまっております。したがいまして、大量廃棄の面一つとりましても大変なことでございまして、特に今、自治体なども廃棄物の処理については一番頭を悩ませているということでもございます。このことはやはり環境問題としてもゆるがせにできない問題でございます。したがいまして、個々の政策につきましてはまたそれなりにお答えする時間があろうかと思いますけれども、大きくこれをとらえますと、その意味からも実は環境基本法の制定というまず大もとになる基本法をつくって、そして個々の実体法に入っていければという考えを持っておるわけであります。
 特に、時間と空間という形で人間の生活を分けますと、地球環境という空間的な面、それからまたこれを後世代にいかにしていい環境を伝えていくかという面になりますと、ここにやはり時間的な持続の問題が出てきます。こういう問題はひとり我が国の環境政策のみが当面する問題じゃありませんで、今や世界人類の当面する問題にもなっておると申し上げても過言ではないと思っております。
 そういうことから、できるだけそのような経済社会構造のあり方や行動様式などを見直しまして、後世代に持続可能な、そしてまた環境負荷の少ない、そのような経済社会の構築に努めるということが大事になってきております。環境基本法はまさにそういう理念を持ってこれから、総理の御指導によりまして国会に提出させていただきましたので、またその時期が参りましたら先生方の御審議を賜りたいと思っております。
 いずれにしましても、環境基本法を閣議決定して国会に御審議をお願いするということになりましたのは、そういう意味が一番の根本でございます。
 特に、私は、今まで人間と自然というものは必ずしも同じ基盤で物を考えなかった、人間は自然よりも優位であるといったような増長の気分があったと思いますね。そういうことがこれからはもう通用しなくなってきておる。人間もやはり自然の中の一部である。したがいまして自然とともに生きていかなきゃならないということでございますから、そのためにも地球化時代の環境政策を積極的に進めていくことがこれからの環境行政の基本であるというような決意を抱いておるところでございます。
#25
○星野朋市君 時間が少なくなりましたので、最後に労働省にお聞きいたします。
 今、一般の人たちが不況に対しまして一番関心を持っているのは雇用の面だと思うんです。それで労働省は例の雇用調整助成金によって必死になって失業を防いでいるわけですけれども、私の手元にあるデータだと三月一日現在で大体百十業種、対象人員が二百五十万人、こういうふうに膨れ上がりました。これは去年の秋ごろから急速に毎月毎月日を追って業種がふえているわけでございますけれども、あとどのくらいふえるのか。労働省は恐らく、これ申請を受け付けているわけですから、少なくとも二カ月ぐらい前にはわかるわけでございます。
 それからもう一つは、それに対する十分な予算措置ができておるのかどうか。
 もう一つ、統計上はっきりしている大企業、中堅企業を重点とした業種指定はこれは明らかでありますけれども、中小企業についてデータがはっきりしていない。なかなか指定を受けにくいという実情があると思うんですが、そこら辺について労働省の御見解をお伺いしたいと思います。
#26
○政府委員(齋藤邦彦君) お答えをいたします。
 まず、対象業種でございますが、現在、三月一日まで指定業種百五業種ございます。現在、四月一日向けの指定業種を調整中でございますが、今のところ四月一日付で大体十四業種ぐらい指定をいたしたいというふうに考えております。
 さらに、その後でございますが、現在いろいろと御相談に来られる業界の方、多々ございますので、そういう意味におきまして、今後の景気の動向にもよると思いますけれども、まだまだふえてくるんではなかろうかというふうに思っております。
 それからさらに、資金的な面でございますけれども、来年度予算五百億を超える規模の額を確保いたしておりますので、現在の状況でまいりますればそれで足りると申しますか、十分だろうというふうに考えております。
 ただ、今後の景気動向いかんにもよりますし、またさらにいろいろな面で現在のシステムと申しますか、仕組みでいいかどうか少し検討しなければならないと考えておりますので、そういうことになりますと資金的な面でもやや問題が出てくる場合があるかもしれない、このように思っております。
 さらに、中小企業の方々にこの雇用調整助成金を十分御活用いただきたいと思ってはおりますが、一つは制度そのものと申しますか、申請手続になかなか複雑なものがある、こういうような御指摘とあわせて指定業種の指定の際の手続の問題、この二通りの問題点がいろいろ指摘されております。
 第一点の申請手続の方につきましては、現在鋭意申請手続の簡素化の作業をやっておりまして、でき得れば四月からでも実施をいたしたいと思っております。従来の申請手続に比べまして大体半分ぐらいの負担でできるようにということで、それを目指して現在やっておる最中でございます。
 それからもう一つ、指定業種の申請の際の要件といたしまして、前三カ月の生産量が前年同月に比べまして五%以上減少していることという要件がございまして、この五%の要件を立証するためにいろいろな統計が要るということでございます。私どもしゃくし定規に物事を考えておるわけではございませんで、必ずしも公式的な統計がない業界におきましても指定ができるようにということで、十分にその辺は弾力的に業界の皆様方と具体的にお話をして指定業種にいたしたいというふうに思っております。その辺は十分必要な資料が提出されればいいわけでございまして、その辺業界の実情を十分踏まえた形での指定をやっていきたい、このように考えておる次第でございます。
#27
○星野朋市君 次に、いわゆる出生率と高年齢者労働対策について労働省からまとめてお答えいただきたいんですが、何回もこの委員会で出ております日本のいわゆる出生率が一・五三という数字であります。私は今結婚式に呼ばれましてあいさつすると、ばかの一つ覚えみたいにぜひ丈夫な子供を二人以上産んでください、一・五三という出生率は、実際はこういうことはあり得ないんですが、計算上だと八百年後に日本の人口というのは後楽園ドームにおさまってしまう、そんな趨勢である、だからぜひ二人以上産んでほしい、こういうことを言っておるわけです。
 若年労働者の減少だけでなく、いわゆる生産年齢人口というのが一九八〇年代には約一千百万、一九九〇年代で約六百万ぐらい増加すると思うんですが、日本の人口は二〇一〇年に一億三千万でほぼピークを迎えるという推測がなされております。そうすると、これからは高年齢者のいわゆる労働対策というのが非常に重要な役割を果たしてくると思うんですが、労働省はそれについてどういうふうに対策を立てておられるか、お考えをお示しいただきたい。
#28
○政府委員(齋藤邦彦君) 先生御指摘のように、将来我が国の労働力人口が二〇一〇年ぐらいをピークといたしまして減少していくということが今の状態では見込まれるわけでございます。したがいまして、このような高齢化社会を控えて活力ある経済社会を維持していくためにどのようにすればいいかということは非常に大きい問題だというふうに思っております。
 高齢者の方々の知識、経験を十分に生かしながら働く場を確保していく、それが重要だろうというふうに思います。それはやはり高齢者の方々自身にとっても、また我が国社会の活力ある発展を維持していくためにも欠かせない問題だというふうに考えております。
 現在の対応策といたしまして、定年延長を含めました六十五歳程度までの継続雇用の推進ですとか、あるいはシルバー人材センターを活用して高齢者の方の就業機会の確保というようなことを重点に置いてやってきておりますが、やはり高齢者の方々の就業ニーズに合った形での就業機会の確保ということを今後もいろいろと工夫をしながら充実していかなければならない、このように思っておる次第でございます。
#29
○星野朋市君 労働大臣にお尋ねいたします。
 労働基準法の改正について改めて御決意を伺いたいのと、それから同時に、こういう時短の問題に関しまして企業もフレックスタイムというのをもっと大胆に導入してはどうかという提言がございます。
 それからもう一つ、地方へ行きますとまだ休日の数が六十四日以下、一五%なんというところがあるんです。休日六十四日以下といいますと、週一回の休みと国で定めた祭日を下回っているんですね。こういうような事業所が現存している問題に関しまして、労働基準法の改正と、それからそれに伴う若干の期限延長であるとか、そういう形が今論議されておるわけですけれども、そういうことを含めまして労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(村上正邦君) 平成四年の中小企業の所定内労働時間は千八百四十六時間となっておりまして、五年前の昭和六十二年の数字と比べますと大体百三十時間減少しております。この数字が示すように、中小企業の事業主の方々も時短は時代の要請であると考えて大変御努力をいたしておられることも思いをいたしていただきたい、このことを申し上げておきたいと思うのでございます。
 そしてまた、最近は経済情勢が非常に悪化する中で中小企業は売上高の減少、収益の悪化、取引条件の悪化など厳しい事態に直面しておりまして、今回の猶予措置の延長は、中小企業がまさに今日生きるか死ぬかという事態に立っての緊急避難的な措置としてぎりぎりの決断を私どもはした、こう思っておりますので御理解を賜ればと。もとより、この措置によって労働時間短縮が停滞することであってはならない、むしろこれを機会にして積極的に中小企業の労働時間短縮対策を講じていく考えでおります。
 今お話ございました、そういう地方に参りますとまだまだ過酷な条件もあろうかと思いますが、私たちといたしましては懸命にそうした努力をしてまいりたい、時短に取り組む努力を積極的に推し進めていきたい、こう思っております。
#31
○星野朋市君 どうぞよろしくお願いいたします。
 時間が余りございませんので、私、先ほどの出生率の低下とそれから高年齢者対策とあわせて、日本もこれからボランティアの面を大いに活用しなくてはならない時期に来ていると思います。
 例えば、アメリカの場合ですと、企業は大学在学中にボランティアをどのくらいやったかというのを入社基準にしておる。大学は高校時代のボランティア活動についてやはり入学の評価基準にしておる。日本じゃこういうことが行われておりません。若い人たちが御老人などに触れて、日常会話を交わすことによって御老人も喜ぶと。
 専門職でなくてもこのボランティアの活動分野というのはたくさんあるわけでございまして、私はすぐとは申しませんけれども、文部省のカリキュラムの中に少なくとも週一回ぐらいは老人対策だけではなくてボランティア活動に従事するというような構想をお考えになってはいかがかと思いますが、文部大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(森山眞弓君) これからの教育におきましては、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図るということが重要でございまして、御指摘のようなボランティア精神というものも大変大切だというふうに考えております。
 新しい学習指導要領におきましても、社会奉仕の精神を酒養して、公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成するということを重視いたしておりまして、例えば特別活動というのがございますが、その場で奉仕的な活動を明示いたしまして、その内容の一層の充実を図っているというところでございます。
 具体的には特別活動の中で、地域の実情に応じ、各学校において地域の清掃とかあるいは老人ホームの慰問とか奉仕活動など、さまざまなことが実際に行われております。また、昭和六十三年度からは奉仕等体験学習研究推進校というのを各都道府県ごとに指定いたしまして、その成果を刊行物にいたしまして全国に普及するなど、いろいろな方法で推進をいたしております。子供たちがボランティア活動に取り組むということは大変重要でございまして、今後とも学校の実情に応じ、特別活動の中で適切な時数が確保されるように指導してまいりたいと思います。
 また、大学のことにもちょっとお触れになりましたが、大学の入学試験では学力検査も非常に重要ではございますけれども、それに偏ることなく、評価尺度を多元化、複数化いたしまして、受験生の多面的な面を判定する方法で改善していきたいというふうに考えております。そのような観点から、ボランティア活動を入試の上で評価の対象に加えるということも有益な方法の一つだと考えております。
 ただし、ボランティア活動の評価というのがなかなか客観的に評価基準をつくることが難しいものでございますから、そこは相当留意をしなければならないと考えますけれども、かねて高等学校から大学に提出されます調査書の中にボランティア活動などの諸活動を記入するということが望ましい、これらの適正な評価について配慮をしてほしいというようなことを申しておりまして、大学によりましては既にその実施をしているところもあるようでございます。今後ともこのような面に力を入れていきたいと考えております。
#33
○星野朋市君 最後に、総理にもう一問だけお許しいただきたいと思います。
 私は、ずっと今までの議論を通じて主張してまいりましたことですけれども、日本の将来のあるべき姿ということについて、今までは一つの目標を定めてそれにいろんなものを合わせていくというやり方だったわけですけれども、これからの時代いろいろ制約条件もありますから、高成長を望むのか、もう少し低い成長でいいのか、これからはいろんな制約の条件のもとで幾つかのシミュレーションで目標を幾つかつくっていただいて、国民的コンセンサスはどこにあるのか、そういうふうなものに将来は持っていくべきだと思いますけれども、総理の御見解をお伺いいたしまして最後の質問にいたします。
#34
○国務大臣(宮澤喜一君) そのことは政府の施策の各分野と申しますか、国民生活のいろんな分野において大事なことであると考えておりまして、政府が各種の審議会を持っておりますのも、そこで国民の皆さんの御意見を聞いて、そういう選択をしていきたいというふうに考えておるからでございます。
 しばらくの間、高齢化社会に進むということがもう疑いのないことになってまいりましたので、そういう与件のもとに、これからどのような国民生活を、あるいはこれから我が国がどのような国際貢献をしていくべきかということについて、その中でいろんな選択肢があると思いますので、そういう各政策の展開の過程において審議会等々の御意見を聞いて、それは慎重にやってまいりたいと思います。
 それはもう各分野についてあることでございますが、先ほど星野委員の御指摘になりました例えば国民負担の問題につきましても、これから社会福祉との関係で国民がいわゆる高福祉高負担を望まれるのか、むしろ負担が少ない、したがって福祉は多少高くなくてもやむを得ないと考えられるのか、あるいはその辺の中間であるのか、そういう選択も一つの国民生活の大事な面の選択だと思いますが、それは何も負担に限りません、いろんな面においてそのような国民の意向を国の施策がよく反映していくということが大事なことであると思います。
#35
○星野朋市君 終わります。
#36
○委員長(遠藤要君) 以上で星野君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○委員長(遠藤要君) 次に、櫻井規順君の質疑を行います。櫻井君。
#38
○櫻井規順君 私の本論に入る前に二つほど質問をさせていただきます。
 一つは、昨晩、富士山のふもとの住宅団地で三十人くらいの市民の皆さんが出席して、時間をかけて懇談会を私持ちました。非常に驚いたものですから冒頭触れるわけでありますが、もう本当に国会の状況を皆さん見ていて、金丸がどうした、各政治家はどうなんだということでもう話は持ち切りであります。私が、百三十万ぐらいの報酬のうち手取りは二十万であと百十万円ぐらいは政治献金をしているようなもので、政治活動に使っているよ、逆だよ、私は幾らクリーンだと説明しても場はとてもおさまるものじゃありません。
 とにかく今の疑惑解明というものは非常に深刻なところに来ていると改めて思うわけでありますが、その中である主婦の方が、この不況がいつまで続くか、そしてこのいわば政治スキャンダルの解明がいつまで続くか、これがどうも同時進行だと。要するに、政治スキャンダルが解明されないと不況はこれ終わらないぞというふうなことを言っておりました。大変な市民感覚といいますか、我々からいくとちょっと筋違いもいいところだと思いますが、そういう市民感覚ております。
 いま一つは、私も今やっとここに質問に立つわけでありますが、内外に実にたくさんの国会で審議すべき課題があるわけであります。言うならば、同僚議員というと幅が広いわけでありますが、自民党のいわば大立て者の一部が大変なスキャンダルを起こしたがために、みずからの不始末を国会の大半の時間をとって、内外重要な課題が本格的に審議できない、制約されているということはまことに憂うべき事態だというふうに思うわけであります。
 そういう立場から見ますと、総理がもっと前向きにこの政治スキャンダルの解明に、一刻も早くすっきりさせるように努力する基本姿勢が大事だというふうに思うわけでありますが、そういう意味において、総理、この解明に対して、その場を何とかしのぐとか逃げるとかということではなくて、真っ正面から霧を晴らすという意欲はお持ちでしょうか、どうでしょうか。まず冒頭お伺いしたいと存じます。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に言われましたように、国民の目からごらんになりますと、この政治に対する不信と不況というものが一様に毎日の生活を暗くしておるという意味で、両方の問題を一つの背景として考えられることは私は今の国民感情として無理からないことであると思います。
 いろいろな政治の不祥事件が起こってまいりました。政府の対応あるいは私の対応が十分でないという何かいら立ちみたいなものを国民が持っておられることも知っております。ただ、この一つ一つの出来事というのはいずれも法律を犯すという種類の出来事でございますから、それはやはり法によってそれに対応していかなければならない。デュープロセスというのは、これは民主主義社会のやはり原則でございますから、どうもけしからぬから早く何とかしてしまえという気持ちはわかりますけれども、それはやはり一つ一つのプロセスを踏んでまいらなければならないし、私の立場として、あることが報道されたからそれはすぐに、何の証拠もなく何の裁きもなく、そいつはけしからぬと簡単に申してはならないということも御理解をいただけると思います。ただ、一つ一つの事件について考えますならば、そのデュープロセスはちゃんと間違いなく進行しておると私は思っておりまして、その点で政府の対応に欠くるところがあるとは思いません。
 現在また問題になっておりますことにつきましても、当局は厳正に法の適用をしていくことは信頼をして間違いのないところだと思っておりますし、国会におきましても累次の真相解明についての御努力があるわけでございます。この点は、国民のいら立ちはわかりながら、しかしそれだけのやはり手続を進めていくということ、それが多少いら立ちがあっても民主主義というものの私はプロセスだというふうに国民にも御理解をいただきたいと考えておりますが、他方でしかしこういうことが頻発するということはもう許せない、我が国の民主主義にとりましては非常なピンチであるというふうに、これはお互いに国会に籍を置きます者は気持ちを同じくしておると思います。
 そのために、昨年、政治改革のうち緊急分をお認めいただきまして施行せられましたが、この国会におきましてさらに根本的な政治改革をいたさなければならない。よく一八八三年のイギリスのことが話題になりますが、まさにそのような事態に我が国はある。これをやり遂げますことによって国民が初めて政治に対する信頼をもう一遍考え直してもらう、そういう契機に私はしなければならないというふうに考えております。
#40
○櫻井規順君 もう一つの前段の質問ですが、新聞、テレビで、小針福島交通会長がロサンゼルスに大変元気な姿を見せた映像が映りました。これの映像の中であるいは新聞の中で検察が出国を認めだということを言っております。これは事実なのかどうなのか、検察は認めたのかどうか、それから検察はこれだけの客観的に容疑がある方で検察庁なりあるいは病床で事情聴取は終わっているのかどうなのか、その辺を御回答ください。
#41
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質問のことですが、検察が小針さんが外国に行くことを許可するとか許可しないとかといったような立場にはないはずでございますから、そのようなことは私はないと、かように考えております。
#42
○櫻井規順君 事情聴取。
#43
○国務大臣(後藤田正晴君) 事件は現在捜査中でございますから、どういう人についてどういうことを聞いたといったようなことはまことに残念ながらここでお答えをすることができないことを御了承願いたい、こう思います。
#44
○櫻井規順君 議院証言法に基づいて衆議院では証人喚問して、医師の判断でそう処置されたわけでありますが、やや手続的に問題があるものですから委員長にも一言また御配慮くださるように御要望を申し上げます。
 それでは、本論に入らせていただきます。
 私は、アジア外交の問題を中心に質問を前段させていただきます。
 少々格調が高いですが、岡倉天心が「アジアは一つである。」、こういう言葉を「東洋の理想」の冒頭で述べて、我々に夢を与えてくれているわけであります。天心は、これは日本の芸術史の中でアジアの芸術の粋が標本のように凝縮されているということを指摘したわけでありますが、非常に文化遺産として大変なものだと思います。その後の現代の、二十世紀の前半の日本の侵略の傷跡の反省と償いの上に立ち、現在の我が国のもろもろの経済力や文化というもの、世界的な国際的な力というもの、そういう立場を心得ながらアジアの外交を進めていかなきゃならないときに来ているというふうに思うわけであります。
 最初に、総理大臣、ASEANを訪問されたわけですが、この中でバンコク・ドクトリンを発表されて、私はこの内容はいい内容だというふうに思うわけでありますが、新しい情勢をどう確認され、そして我が国の外交の新しい展開をどう確認されているかかいつまんでお話しいただけますか。
#45
○国務大臣(宮澤喜一君) ASEANの幾つかの国を訪問いたしました。そのときの私の基本的な心構えは、幸いにしてこの地域が世界の一番明るい地域と言われるほど二十一世紀に向かっての明るい将来を持っておる。それは経済発展の段階がかなりここ数年で進みまして、生活水準も高くなっておる。そして、いわゆる人権の問題についても、これは国によってやむを得ない多少の差はございますけれども、全体としては人権問題についても進歩が見られる。そして、各国がみんな開かれた体制で進もうということでございますので、全体として私は大変に我々のこの地域は順調な展開をしている。
 そういう基本的な認識のもとに、その中で我が国がこれらの国々のこれからの発展のために何ができるかということを謙虚に学んでいきたい、そういうふうに考えました。したがいまして、各国には、これからともに考え、ひとつともに行動しましょうと呼びかけてまいったわけでございます。これは決して我が国がその中でリードをとろうというようなことではなく、これらの国々のためにあるいはこれらの国々の全体の地域のために日本として今後なし得る貢献を考えていきたかったからでございます。
 そういうことの中で、たまたま冷戦後という時代になっておりますので、冷戦後の我々の地域の安全をどのようなふうに考えていくべきかということも問題としては私は提起をいたしておりますが、しかし、これはヨーロッパと違いまして、いろいろな歴史、背景が異なりますから、何か一つの仕組みが急に仕上がるというわけにはどうもいかないであろう、むしろその各国、国々が経済を一歩超えてお互いの安全というものを考えていく、そういうことが促進されればそれは非常に望ましいことではないかというような気持ちでこの話をしております。
 それからもう一つ、これは短期的なことでございますけれども、たまたまインドシナ半島に平和が訪れようとしておりますので、この平和建設についてはみんな一緒に力を合わせてやろうじゃありませんかそういう御相談をよろしければ東京にでもお集まり願ってことしの秋にでもひとつまず下相談をしようではないかということは、これは短期の問題でございますけれども、呼びかけてまいりました。
#46
○櫻井規順君 そういう輪郭は今の御答弁に出ているわけですが、私も若いものですから単刀直入に言わせていただきますが、要するに今までの二国間のアジアの安全保障の体制をもう少し地域的に多国間で政治、安全保障というものを考える協議の場をつくろうといいましょうか、そういう姿勢で臨みたいということ、そしてまた、将来のそうした地域的な安全、政治のいわば協議の場を長期的なビジョンで立てなければならないというようなことをおっしゃったように理解するわけですが、従来の二国間安全保障から多国間の地域の安全、政治協議の場というお考えは明確にお持ちなんでしょうか、どうでしょうか。
#47
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はこのASEANの国々にとりまして安全保障というのはいわば政治的な問題でございますけれども、必ずしも安全保障というものが当面の問題として、各国がいろんな事情のゆえに当面緊急な課題だと考えたくないと申しますかそれよりもむしろ経済的なお互いの協力関係、近接関係を深めていく方がむしろ先々考えていいのではないかというような意識が強うございまして、と申しますのは、おのおのの国が自分の安全を考えますときに、仮にどこの国の脅威が一番大きいかというようなときに、端的に申しましたら、これはよく御存じのとおりですが、例えばNATOの場合ですとみんなソ連の脅威というものでは一致した物の考え方ができた、かつて。ですから、ワルソー体制との対立におきましてNATOというようなものが比較的自然にできていったと思います。
 しかし、アジアの国々にはそういうみんなの共通したただ一つの脅威というものがございませんで、おのおのみんな自分の国々によって脅威感、脅威の対象が違うということがございまして、安全保障というものを余り議論の正面に出したくないという時代がかなり長く続いておりました。ちょうど一昨年になりまして初めてひとつそういうことも、昨年でございますか、そういうことも考えてみるかと。ASEANの会議でもひとつそういうこともやはり少しずつ考えてみるかという動きが自然に出てきましたのがもうごくごく最近でございますので、それでこの問題については方向としてはやがてその議論は深まっていくと思いますけれども、今その話を短兵急にするということはどうも実際的でもないし、また効果的でもないという見方を私はいたしております。
 実は、先々のASEAN各国訪問に備えまして、私は昨年ずっとアジア問題についての懇談会を有識者にお願いをいたしまして、自分もその議論に数カ月入らせていただきましたが、この皆さんの考えもやはり、安全保障の問題は確かに将来にあるわけだけれども、しかし今これを余り短兵急に詰めていくことは賢明ではないし、またそれだけの成熟した土壌もないように思うというのがこの懇談会の御意見でありました。それは私も同様に考えておりますので、今御指摘のような問題は確かに、確かにあるわけでございますけれども、だんだんにそういう認識が成熟していくその途中の段階にあるかというふうに思っております。
#48
○櫻井規順君 今、総理がおっしゃった二十一世紀のアジア・太平洋と日本を考える懇談会の答申の文章をよく読ませていただきました。その中にも「局地的紛争解決のための協力と全域的な安全保障対話を並行して追求していく」云々と。そして、バンコク宣言と軌を一にした内容になっているというふうに思います。
 それで、そのバンコク宣言の中でそうした地域の安保について長期的ビジョンを明確にしていきたいと。この輪郭はもう出ているでしょうか、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(宮澤喜一君) まだ輪郭としては出ていないと申し上げる方がいいかと思います。
 先ほども申しましたが、ASEANの拡大外相会議等において安全保障の問題も取り上げるのがいいなということになりましたのはごく最近でございますので、それがどういうふうに展開をするのか。また、御承知のように、APECという仕組みは世界のもうちょっと広い範囲の国々が入っておりますけれども、これは経済的な問題を考える仕組みでございまして、これ自身はまだ安全保障とか政治とかいうものは入っておりません。ただ、そのようなASEAN自身がASEAN以外の国々との間の協議体をたとえ経済であれ持ち始めているということは、櫻井委員の言われますような将来へのそのような問題につながる可能性は確かにある、私はこう申し上げることはできると思います。
#50
○櫻井規順君 これは宮澤総理御自分のお考えといいましょうかじわじわ外交政策の中で出してきたなというふうに読むのはちょっと読み違いかなという感じも答弁を聞いていて思うわけでありますが、しかし、かなり前向きな方向をお出しになっていると思います。
 それで問題は、クリントン政権が成立いたしまして、従来アメリカは二国間の安全保障条約を基礎にして安全保障を考えてきたわけでありますが、アジア外交政策の面ではクリントン政権との、何といいましょうか、調整作業というのはなされているでしょうか、いかがでしょうか。
 そしてもう一つは、クリントン政権のアジア政策というのはかなり大きく変わってくるでしょうか、いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど私がASEANの国々の首脳にもう一つ申しましたことは、将来我々のこの地域の安定を考える上で、アメリカの存在というものが私はやはり安定的な要素として大切であるということを自分の意見として申してまいったわけでございます。それはアジア地域というものをどのぐらい広く考えるかにもよりますけれども、先ほども申しましたように、各国が脅威と感じておる仮想敵な国がおのおの異なるものでございますから、その間にあってアメリカの存在というものがやはりお互い共通の安定的な要素になるんではないかということを私は訪ねた各国で申してまいったわけでございます。
 それは我々の側の考え方でございますけれども、アメリカ側としましても、これはクリントン政権ではまだそれほどはっきりいたしておりませんけれども、従来、冷戦後の時代においてもアジアにおける自分たちの存在というものをよく認識しておりますし、またそこから退くということはないということを何度かブッシュ大統領は言明をしておりました。恐らくそのことはクリントン政権においても異なることはないと考えます。クリントン氏自身はアジアをそれほど従来旅行しておられませんけれども、しかし今のような前政権からの考え方は引き続いて米国政府がとっておるものと、それについては疑いがないというふうに私は考えております。
#52
○櫻井規順君 ことしの五月にASEANの重要会議が持たれるようでありますが、それに向けて、これまた新聞報道で恐縮ですが、アメリカはこの五年以内に、従来の二国間条約にとらわれないで、それは基礎としながらも、その二国間条約を覆う形で全アジア安保協議のような場を切り開いていきたいというようなことが報道されております。これは日本の対応もあるもので五年の期間を置いたというふうな報道があるわけですが、この辺はいかがなんでしょうか。
#53
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは報道だけであって、詳しいことをつかんでおるわけではありません。ありませんが、いずれにいたしましても、アジアの国はなかなか同じような考えばかりではありません。宗教的にも仏教もあれば大乗教も小乗教も回教もヒンズー教もいっぱいあるわけですね、ラマ教もあるし。そういう点で、キリスト教が大半を占めるヨーロッパとはかなり違う点もございますし、また共産主義というようなものについてソ連がこれを放棄したというようなことは、北朝鮮それから中国においても変わりつつはありますが、公にそういうことを言っておるわけでもない。
 そういうような中で、特に北朝鮮の問題等については核疑惑というような問題もこれあり、いろんな点でアジアの安保というものを広く進めるということは、口では言えるが現実にはそう簡単ではない。しかしながら、今やAPECというのがありますから、APECで外相会議ということをやると、APECの中には中国も入っていますし韓国も入っていますし、みんな入っている。だから、そういう中で少しずつ共通的な最大公約数の土俵がつくられるように今後ともそういうのを進めていったらいいじゃないか。それが現実的対応ではないか。
 余り理想的なことを言ってもまとまるわけないですから、だから現実的に少しずつ、先生のおっしゃるような方向はこれは理想的に私はいいと思いますので、そういうものを頭の隅っこに置くか真ん中に置くかは別として、そういう方向で進めていくことはよろしい、そう思っております。
#54
○櫻井規順君 これも新聞報道で恐縮ですが、柿澤政務次官がこの五月のASEAN拡大外相会議の高級事務レベル協議に臨むに当たって、従来の二国間関係からむしろ日本、アジアの集団安保の体制に協議の中心が移るであろうかのような談話を発表されておりますが、この真意というのはどこにあるでしょうか。
#55
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは柿澤君が理想論を言ったのであって、今、委員が質問をすると同じような物の考え方から、将来的には国連も、それは世界全体の安保ができれば一番いいんですよ、実際は。世界連邦みたいなことになれば戦争もなくなって非常にいいのかもしれませんが、一挙にそこへいくわけにはいかない。いかないけれども、やはりこれからの二極の冷戦構造というものが本当になくなっていくとすれば、私は、世界全体、国連中心の安保というものだって考えていっていいはずでありますから、したがって部分的にはヨーロッパにもそういうふうな動きが、もちろんヨーロッパ全体の安保会議というのがあるわけですし、アジアにおいてあっても不思議はない。だから、そういう方向に努力をしようという趣旨の発言であったと思います。
#56
○櫻井規順君 私の主張にこれからなるわけでありますが、ここからはひとつ頭の隅っこでなくて真ん中に入れておいてほしいわけですが、冷戦崩壊後のアジア外交の基本というものは、二国間条約があってよろしいわけです。問題は、それを包む多国間の安全協議の場が必要だというふうに思うわけでありますが、その場合、柱にあるのは三つありまして、一つはいかに各国間で信頼醸成の活動をやるかということ、いま一つは軍縮、それからいま一つは日本の場合は戦後処理の問題といったらよろしいでしょうか、この三つの問題がポイントとしてあるように思います。
 それで、まず軍縮の関係ですが、アジアは今大変な軍拡の時代を迎えております。一体このアジアの軍拡の状況はどうなのか、それでこの原因はどうあるとごらんになっているのか。これは防衛庁長官でしょうか。
#57
○国務大臣(中山利生君) 先ほどから総理がお答えをしておりますように、この地域の安全保障というものを全うするためには各国間の理解と信頼というものが大事でありまして、そのためのいろいろな対話、外交努力、あるいは経済面での努力も必要だろうと思います。
 ただ、御承知のように、冷戦崩壊後、地域の各国が確かに、軍事力の増強といいますか質的な増強でございましょうか、近代化を進めていることは事実でございます。今、発展の目覚ましい諸国は本当に力を入れて近代的な兵器の整備をしておりますし、中国あるいはロシアにおきましてもかなり質的な、量はかなり減らしているようでありますが質的にはかなり強化をしているというのが実情でございます。
 覇権を求めるような意図があるかどうかは別にいたしまして、そういうパワーが我が国の周辺に存在しているということは非常に関心を持たざるを得ないわけであります。一番心配をしておりました朝鮮半島におきましても、北朝鮮があのような行動をとったわけでありまして、これもこの周辺の安全保障にとりましては重大な関心を持たざるを得ない。どういう事情でああいうことになったかは別といたしまして、我が国といたしましてもこれまでとってまいりました基盤的防衛力、節度のある防衛力を整備して、我が国自体が安全という面での空白をつくらないという信念を貫いて、そして周辺諸国にも御理解を求めていく、そういうことが現在の我々のとるべき方針ではないかというふうに考えております。
#58
○櫻井規順君 一昨年の湾岸戦争が、悪い影響として、ああしたアメリカ、多国籍軍の攻撃に耐え得るような装備をしなければならないという一つの拍車をかけた原因になっているでしょうか、どうでしょうか。
#59
○国務大臣(中山利生君) お話のように、湾岸戦争における新しい兵器の発展、いわゆるピンポイント爆撃というものに見られるような、本当に私どももびっくりするような発展といいますか交代といいますか、あったわけであります。そういうことについて、やはり旧式な旧来の装備だけでは国が防衛できないという感じで新しいそういう兵器の性能の向上というものに対応するような近代化というものを各国が図っているのではないかと、おっしゃるような意味も確かに含まれているのではないかというふうに考えております。
#60
○櫻井規順君 原因として幾つかあるわけですが、二つばかり。
 一つは、米軍がフィリピンから撤退する、アジアから撤退していく。その不在の後をアメリカ側から、例えば日本に対しても何らかの形でカバーしてくれというような要請というのはあるのでしょうか。
#61
○国務大臣(中山利生君) 私からお答えすべきかどうかちょっとわかりませんが、アジア・太平洋地域におきましても、これまではアメリカもソ連という超大国と対峙をしていたという関係もありましてそれなりの装備をこの地域にも備えていたと思うわけでありますが、今やその両大国の激突という事態はなくなったわけでありまして、その面では兵力の削減なども積極的に行っている。しかし、クリントン政権の成立後のいろいろなお話を承りましても、基本的なアジア・太平洋における存在というものは維持していくという方針をとっているようであります。
 それにつきまして日本がこれまで以上の貢献、協力をすべきかどうかということについて、いまだはっきりした要請があったということは聞いておりません。
#62
○櫻井規順君 アメリカの国防総省の提携しておりますランド・コーポレーションという研究機関がありまして、そこが昨年国防総省に報告を出しております。その中身に「太平洋における新戦略と兵力削減」というくだりがありまして、その意図とは逆に、兵力削減、米軍の削減という意味ですが、アジア諸国が一番警戒すべきことは、日本が軍事力を増強することに対してアジア諸国にも警戒心があるし、アメリカとしても警戒をし、兵力削減を一五%にとどめるべきだというような報告がなされておりますが、御承知でしょうか。また、そういう中身についてどういうふうにお考えになったでしょうか。
#63
○国務大臣(中山利生君) 残念ながらその報告書を拝見しておりませんけれども、そのような議論がある。我が国がとっております基盤的防衛力につきましても、大き過ぎるとかまだ足りないのではないかと、いろいろな議論があろうかと思います。
 しかし、私は、周辺諸国もいろいろの立場でいろいろな批判をなさっているかと思いますけれども、日本の専守防衛に徹した節度ある防衛ということについては御理解をいただいているものと思っておるわけでありますが、我が国は何分にも潜在的ないろいろな能力がございます。そういう面を加えてのいろいろな不安などもおありになるのではないかという感じもしないわけではございません。
#64
○櫻井規順君 アジアの軍拡という場合に、日本がとにかく軍事力は増強しているわけですから、日本、中国の軍事力増強がアジア諸国の軍事力増強に拍車をかけているという関係はあるというふうに考えますけれども、これは外務大臣、防衛庁長官、どちらでしょうか、その関係は歴然とあると思いますけれども、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(渡辺美智雄君) 表面だけから言えば、そういう意見もあるいはあるかもしれません。
#66
○国務大臣(中山利生君) 私どもといたしましては、毎々申し上げておりますように、専守防衛に徹した最小限度の防衛力を持ってこの地域の安全を図っていく、そのことが周辺の安全保障のためにも非常に大事なんだという基本的な姿勢でございまして、我が国がそれ以外の覇権を求めるような、外国を攻撃できるような、そういう装備をこれまでもしてきたということは周辺諸国の専門家の皆さんもこれは考えていないと思いますし、第一、我が国がそういう意図があるというふうなことをお考えの諸国というものは私はほとんどないのではないかというふうに感じております。
#67
○櫻井規順君 しつこいですけれども、ソ連と韓国の国交回復の条約、あれが成立したのは日本に対する警戒心が一つあるというとらえ方が一般的に評価されておりますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、私が外務大臣になる前にシベリア等を訪問して、参謀総長とかそれから極東軍司令官とか、そういう人らと夕飯食ったりいろんな懇談をしたときにざっくばらんに聞いてみたんですよ、海軍のこと、空軍のこと。バックファイアなんかシベリアのハバロフスク近郊にあれだけ並べたって、どこに向かってこれ並べておくんだ、日本の防衛力なんていうのは知れたもんじゃないかという話をしたところが、そうだと言いましたよ。それは第七艦隊だと、彼らが言うのはね。
 したがって、米ソの対立というものがある時代にはそういうふうな彼らは警戒心を持っておったんでしょう。日本の自衛隊がシベリアを攻撃するとかそういうふうに思っている人はいませんよ、実際は。お互いの不信感ですから。ところが、たまたま米ソの関係というものが急転直下して、そういうような対立関係から、まあ同盟とまではいかないが、協調関係になってきつつあるわけですよ。がらっと世の中変わってきた。
 こういうようなこともあるから、私は、米ソの関係でやはり軍縮問題というものが非常に真剣に考えられ、特にアメリカなどがソ連支援をしようという中には、やはりその方がはるかに安上がりじゃないかと。要するに、軍縮をやらなきゃアメリカの赤字というものはなくならぬですからね。だから、そのためには、やはりソ連の方もまたいつ息を吹き返すかわからぬ、まだ持っているものは持っているわけですからね。だから、それが息を吹き返さないようにしていくことの方が安上がりだという論調があって不思議はないんですね。これはあって不思議はない、表ざたにそう言っておりませんが。したがって、私は、こういうふうな傾向をぜひとも、いいですか、そういう傾向をぜひとも助成する方向で我々もそれには同調していくということは結構なことじゃないかと、私はそう思っておるんです。
#69
○委員長(遠藤要君) 櫻井君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時一分開会
#70
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 休憩前に引き続き、櫻井規順君の質疑を行います。櫻井君。
#71
○櫻井規順君 アジア外交の問題、引き続いてあと三問ばかりさせていただきます。
 これは「外交フォーラム」という雑誌ですが、外務省がASEAN諸国五カ国に対して世論調査をやった結果が昨年の十月号に載っております。それは、「第二次世界大戦中の日本について、現在あなたはどうお感じですか。」と。アジア五カ国であります。「悪い面で忘れる事はできない」という答えが、一九八三年、八七年、九二年と三回あるわけですが、回がこちらに近づくにつれて「忘れる事はできない」というのがマレーシア、フィリピン、シンガポールでふえているわけであります。そして、「全く問題にしたことはない」という人が減っているのはインドネシアのみで、近づけば近づくほど「悪い面で忘れる事はできない」という人の数がふえているという現実が外務省のアンケートで出ております。
 今度、ASEAN諸国に宮澤総理訪ねまして、そうした戦争のいわば傷跡といいましょうか、そういう面で補償なりあるいはそういう申し入れなり、そういうことを受けたような機会はないのか。基本的に、こういうアジア諸国にそういう底流は年がたつごとに忘れてくるのではなくて、年がたつごとにそういう声が強くなっているという現実、これをどう今後補償していくかということを、総理、どういうふうにお考えになっていますか。あるいは関係大臣でお答えいただければありがたいと思います。
#72
○国務大臣(渡辺美智雄君) その世論調査のことはお聞きしましたが、やはり聞かれれば、私は、忘れたことがないとか、聞き方にもよりましょう、よりましょうけれども、年限がたてばたつほどそういうのが強くなっていると、そうは実は思わないんですね。
 賠償問題というのはどの国に対しても、多い少ないはいずれにせよ、各国、中国は別な形で解決したんですが、一応終わっておって、あとは経済協力等で友好関係を含めそれなりの日本は貢献をしてきたことでございます。しかしながら、日本としては忍びがたき被害を与えたという事実は事実でございますから、そういうことが二度と起きないように深く反省をして今後も注意していくという基本姿勢には変わりはありません。
#73
○櫻井規順君 いずれにしても、国と国と基本条約が結ばれていて国家間の問題があるわけでありますが、東西冷戦という状況の中でこうした問題を封じ込めていた封印が解かれて、今新たにこういう問題が起きているという特徴があると思います。
 私も昨年の末、マレーシアに行きまして嫌というほど現地の新聞の記事も見ましたし、それから、そういう関係者十人の方にお会いしたいと言ったら百人くらいの方が私を訪ねてくるというような状況にぶつかったわけであります。いずれにしても国と国との関係でございますからその枠は心得ながらやってまいりますが、しかし、これからこの声は強くなる。それに対して我が国として何らかの補償措置というものは国と国との関係で処置しないと、後々に問題を残すと思います。経済援助の一部でもそういう基金というふうな形で設けて今後に備えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、条約上の問題は事務当局から答弁させます。
#75
○政府委員(丹波實君) これは先生の御質問の中で先生自体がお認めになっておられますとおり、条約上の戦争に関連しますところの財産請求権の問題は、例外はございますけれども、基本町にはアジアの各国と処理が行われておると。しかし、先生がおっしゃっておられるのは、最近いろんな問題がまた新たに出てきておる、そういうものを現在の視点に立って日本としてどうその条約的な枠外で政治的な考え方として処理するのかという御質問だと思います。
 この点につきましては、いろんな真相究明が現在行われておりますけれども、そういうものを踏まえて日本として何らかの政治的な意味合いで姿勢を示していく、それがどういうものが適当であるかということについて現在進行形の事実調査を踏まえて政府として考え方を煮詰めていく、そういう段階にあることは先生御承知のとおりだと思います。
#76
○櫻井規順君 これまた、宮澤総理のASEAN訪問のバンコク・ドクトリンの中にこういうくだりがございます。「私は、日本国民の日々の行動の中にも歴史の教訓が活かされていくよう、わが国における教育の充実に一層意を用いて参る所存であります。」
 これは文部大臣でしょうか、どういうふうに我が国のこれからの対応としてお考えになっていくのか、具体的に御回答いただければありがたいですが。
#77
○国務大臣(森山眞弓君) 我が国とアジアの近隣諸国との近現代史の取り扱いにつきましては、従来から、学校教育において国際理解と国際協調の見地に立ってその友好親善を一層進めるように指導するということにしているところでございます。
 学習指導要領におきましては、平成元年に改訂されました今回のものの内容といたしまして、国際社会に生きる日本人の育成という観点から歴史学習の改善を図ったところでございます。
 具体的には、高等学校の科目といたしまして近現代の歴史を中心に指導する科目、すなわち日本史Aと世界史Aというのを新設いたしまして、また中学、高等学校の指導書におきまして、第二次世界大戦について指導するに当たっては、アジア諸国との関係に着目させ、大戦が人類全体に多くの惨禍を及ぼしたことを踏まえ、世界平和の実現に努めることが大切であることを理解させるようにするなどと示しているところでございます。
 また、教科書における取り扱いにつきましても、昭和五十七年に教科書検定基準を改正いたしまして、国際理解と国際協調の見地に立って適切に検定を行っておりまして、その結果、第二次大戦において我が国がアジア諸国に大きな損害を与えたことについて具体的に記述されるようになっております。
 さらに、学校における実際の指導におきましても、一層適切な指導が行われますように、教育課程講習会など機会がありますたびに関係者に対して特に指導してまいっております。
 今後とも学校教育におきまして、子供たちが我が国とアジア諸国との間の近現代史を正しく理解してこれらの諸国との友好親善を一層深めるように努めてまいりたいと考えております。
#78
○櫻井規順君 いや、これまでの話を宮澤総理はここで言っているのではなくて、これまでの話はわかりました。むしろ、学習指導要領の社会科の扱いは問題がございます、こういう観点から見た場合に。問題はこれからのことを問題にしましょう。
 宮澤総理、これはどういう中身を込めておっしゃったのか、そこのところを御説明くださいますか。
#79
○国務大臣(宮澤喜一君) この教科書、学習指導要領の問題は、実はかつてこの問題は韓国との間で起こりましたときに、私は官房長官をいたしておりまして、いろいろ体験したことがございます。
 その後また今回こういうことになっておりますのですけれども、今、文部大臣の言われましたように、指導要領は改まりましたし、そういうことについてできるだけ学校で教科書の中に取り込んでもらうということをしておるわけですけれども、どうも実情を聞いてみますと、いろんな意味でその部分が十分教えられていない。
 教えられていないという意味は、一つは、現代史の中で非常に後の部分なものですから、そこまで授業が進行しないということ、もう一つは、もっとそれより実は問題なのは試験に出ないのでみんな習わないという何とも情けない話なんですけれども、そういったようなことが現実にはどうもあるらしゅうございますから、やはりこれから日本を背負っていく人たちにはこういうことは正確にいろんな意味で知ってもらっておかなければならないということを感じておりまして、改めてそういうことを申したわけでございます。
#80
○櫻井規順君 これはまた改めてやらせていただきたいと思います。
 次に、環日本海圏の開発と環境の問題でお伺いします。
 ここ一年間、経済企画庁、運輸省等々に環日本海という視野でとらえる行政あるいはプランが立てられるようになって非常にいいことだというふうに思います。経済企画庁はこうした環日本海時代と地域の活性化という展望をお示しになっておりますが、この積極的な意味と、それからこの中で展開されております関係国の皆さんと環日本海国際交流会議(仮称)を設ける、あるいは産官学で構成される環日本海経済協力会議(仮称)を設けるという構想が示されておりますが、これはどんなぐあいに進展していますでしょうか。
#81
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。
 今、櫻井先生から御指摘をいただきましたものでございますが、これは平成三年度に民間に委託調査をいたしました「環日本海時代と地域経済活性化に関する調査研究」、その報告書の中で環日本海経済協力会議のようなものを設置してはいかがか、こういう提言をいただいたということでございまして、この件については私も承知をいたしておるわけでございます。
 考え方としては、従来、アジア・太平洋地域と我が国との経済協力なりあるいは経済圏の考え方なり、こういったものは、大変恐縮でありますけれども、日本をいわゆる太平洋側と日本海側に分けた場合には、どちらかというと太平洋側とアジアの他の諸国との経済関係というものがどうしてもそのウエートとしては大きくなるのではないかと。そういうものはもちろんであるけれども、同時に、日本全体がバランスのとれた経済発展を遂げていくためにはやはり地理的にもいわゆる環日本海側、そちらの経済発展というものにも先を当て力を入れなければいけない。そこに一つ環日本海の経済協力関係あるいは経済圏の形成、こういう視点も大事ではないか、こういう御指摘であろうというふうに理解をしております。
 またもう一つは、ロシアを初めとする旧ソ連諸国を初めとして、市場経済に移行をしようと。しかしながら、なかなか困難さがございまして、今大変困難な経済状況を迎えている。そういう国々を知的支援を初めとして、ソフトの面においてもこれは助けていかなければいけない、こういう考え方もまた背景の一つにはあるんではないかというふうに考えております。
 そのような視点から考えますと、この環日本海時代あるいは環日本海経済協力会議のような協力関係を持つことは非常に大事である、こう考えております。
 ただ、御承知のように、ロシアが抱えるさまざまな問題点がございます。現状としては会議自体というものも設置をされていない現状でありますが、今後の我が国の経済発展にとっても、あるいは地域全体の経済発展にとりましても大変大事な視点である、こういう観点で今後とも注目をし、あるいはさまざまな関係省庁とも連絡をとり合いながら努力をしていくべき問題であろうと思っております。
#82
○櫻井規順君 経済企画庁、この中で日本海対岸諸国とはどこの国か。そして、こうした国をこの国際交流会議の中に入れていくということだと思うんですが、その国はどこになりますでしょうか。
#83
○国務大臣(船田元君) 大変恐縮でございますが、突然の御質問でございましたので対岸諸国の具体名というのはちょっと私つまびらかにしておりませんけれども、常識的な環日本海地域ということだと思っております。
#84
○櫻井規順君 時間がなくてちょっと飛ばしちゃいますが、外務省に。
 UNDP、国連開発局というんでしょうか、ソウルのUNDPが豆満江を中心とした北東アジア経済圏、これは全く環日本海の経済圏と同じになるわけでありますが、そのためのたくさんの国際会議を持ってプロジェクトを進めているわけでありますが、これへの取り組みはどんなぐあいになっているでしょうか。
#85
○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。
 御質問のUNDPの計画でございますが、豆満江開発の計画と承知しております。
 この計画につきましては、UNDP及び中国、ロシア、北朝鮮、韓国、モンゴルの関係国が開発計画の検討を行ってまいりまして、我が国もUNDPの会合にオブザーバーを参加させるなど情報の収集に努めてきているところでございます。現在のところ、この豆満江地域の開発計画は詳細が固まっていないと承知しておりますが、この計画の進捗を今後とも慎重に見守っていきたいと、こういうふうに考えております。
#86
○櫻井規順君 環日本海の開発と全く重複しますこのUNDPの開発計画に対しては、ぜひひとつ積極的に外務省も乗り出すことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、NPT脱退問題。
 朝鮮民主主義人民共和国、略して、私、朝鮮と言わせていただきます。大韓民国を略して韓国と言わせていただきます。
 朝鮮のNPT脱退問題。これは実は朝鮮がNPTに具体的に入ったのは一九九二年の正月、一月であるわけですが、このときに、朝鮮が置かれている特殊な軍事情勢があって、朝鮮がこのNPTに加盟するときに条件を出して、その条件が解決したのでNPTに入ったという経過がありますが、この点について、防衛庁になりますでしょうか外務省になりますでしょうか、事情説明できますでしょうか。
#87
○政府委員(高野紀元君) お答え申し上げます。
 今、先生の御指摘のNPTでございますが、北朝鮮は一九八五年に加盟しております。その後、種々の経過を経まして、IAEAとの間の査察協定を御指摘のとおり去年締結する段になったわけでございます。
 今回の脱退の関連で北朝鮮側が述べております理由といたしましては、米韓合同軍事演習、チームスピリットなど米国の核脅威の存続及びIAEA事務局による特別査察の要求等を挙げております。
 本年のチームスピリットの演習は、北朝鮮が南北相互査察を拒否するなど、依然不安定な朝鮮半島情勢を踏まえて行われたものと承知しております。また、IAEA事務局は、過去六回の査察の結果、その調査の結果出てまいりました重大な不一致に関して特別査察を要求したものでございます。この点について、現在IAEAを中心といたしまして北側と話をしているところでございます。
#88
○櫻井規順君 ちょっと私の発言が誤解を呼んだかもしれませんが、NPTではなくて核保障措置協定、IAEAですね。これに入ったのが九二年の一月三十日です。おっしゃるようにNPTに入ったのは八五年。問題は措置協定、IAEAに調印をしたときの二つの条件というのがあったのですけれども、その辺は説明できますでしょうか。
#89
○政府委員(高野紀元君) 私どもが承知している限り、北朝鮮がセーフガード協定を締結するに当たって特に条件をつけているということはないと了解しております。
#90
○櫻井規順君 実はこのIAEAに調印をしたときに朝鮮が出したのは、一つは南の核ミサイルを撤去すること、もう一つは米韓合同演習のチームスピリットをやめること、この二つの条件を提起したわけです。その後、この二つの経過はどうなったか。防衛庁でしょうか、外務省でしょうか、どういうふうに理解しているでしょうか。
#91
○政府委員(高野紀元君) 今、先生が御指摘の二つの点は、NPTに北朝鮮が加盟いたしましたときに北側が条件をつけているという点だと考えておりますが……
#92
○櫻井規順君 違うんですよ。九二年の正月のIAEAへの調印の時点の話をしているんですよ。一九八五年じゃない。一九九二年の正月の話をしているんですよ。わかりませんか。
#93
○政府委員(高野紀元君) 先ほど申し上げましたとおり、このセーフガード協定の方の締結に際しましては、明確な条件ということは北側は述べていないと了解をしております。
 なお、今、先生御指摘のチームスピリットは、ことし三月に一年の休止を経て再度再開されるという事実はございます。
#94
○櫻井規順君 全然話がかみ合わない。九一年の末に朝鮮は、チームスピリットの中止と南から核がないという証拠があれば調印しましょうということだった。韓国は早速十二月十八日に核不在宣言をする、そして九二年の正月に米韓合同演習を中止するということを米韓軍部が声明をして朝鮮はIAEAに入ったわけです。
 ときに、ことしになってチームスピリットはどういうふうな演習が行われているか、規模、目的、期間をちょっと御説明いただけますか。
#95
○政府委員(高島有終君) お答えいたします。
 本年のチームスピリットにつきましては、演習期間は一月二十一日から四月二十日までというふうに発表されておりますが、その中核をなします野外機動演習部分につきましては、去る三月九日から始まりまして十八日に終了したと発表されております。
 その参加兵力などを含めました規模でございますが、参加総兵力十二万六千、そのうち米軍が五万六千、韓国軍が七万ということでございます。また参加艦艇は約七十隻。その中には空母一隻、潜水艦二隻が含まれております。また、約六百機の航空機が参加したというふうに承知いたしております。
 また、演習の内容につきましては、指揮所演習と野外機動演習が中心をなしているというふうに理解いたしております。
#96
○櫻井規順君 そんなわけで、大変な大規模なチームスピリットが朝鮮を包囲するような形で展開をされたわけです。その過程の中でNPT脱退の問題が朝鮮側から出されてきた。で、チームスピリットの中止を発表すると同時に、米朝の会談が北京で開かれるという状況を迎えているわけであります。日本はしたがって、久保田委員の質問でかなり済んでおりますので繰り返しませんが、アメリカにもアジア局長が出かけた。
 問題は、朝鮮と直接話をすること、それから北京と直接話をすること、その必要が日本として外交姿勢として大ありだというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#97
○政府委員(高野紀元君) 北朝鮮のNPT脱退は重大な事態をもたらすということで、政府といたしましてもこれの憂慮及び懸念の念を表明しているわけでございますが、できるだけ早い復帰を求めたいという立場から、現在IAEAなどを通じまして北朝鮮との対話、話し合いが行われております。我が国としてもこれにできる限りの支援を行う考えでございます。我が国が独自に北に直接働きかけるかは、これらの動きを見つつ、また韓国、米国等とも話をしながら慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
 また、中国との点でございますが、我が国といたしましても中国の本件に関する役割というのは極めて重大だというふうに考えておりまして、既に中国との間で何度がにわたりましてこの問題について話し合いを行っているところでございます。
#98
○櫻井規順君 外務大臣、いずれにしても日本は朝鮮の情報を正確に当事者から聞く機会が少な過ぎます。どうぞ日本と朝鮮との間の政治会談を即刻に開くことを求めますが、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(渡辺美智雄君) 北朝鮮の核疑惑が晴れなければ、日本と北朝鮮との国交の正常化は難しいだろうと考えます。しかしながら、国際原子力機構脱退というような機関と条約を脱退するということについて、我々はまことに遺憾であるし、いろんな国を通して思い直すように働きかけていきますが、それがまとまらないからといって、日朝間の交渉がまとまるまでは中断だということはさせないようにします。それは続けて、やはり並行的に、まあ糸口は、糸口といいますか、つながりの面をなくしないように努めていきたいと、そう思っております。
#100
○櫻井規順君 以上で外交問題は終わりにしまして、次に、ことしの予算に組まれています軽油引取税の税率の特例措置の延長、引き上げについて質問をいたします。
 一体、なぜ軽油引取税のみ税制改革の中で、これは大蔵省に聞いたらよろしいでしょうか、ガソリン税全般で出されていたと思います。ガソリンを否定するならば、不況、もろもろの事情で軽油引取税もまた対象にすべきものと考えますが、いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 ただいま御指摘をいただきました、なぜ軽油を引き上げるのかという御質問でございますが、先生御承知のとおり、我が国の道路事情は欧米の国々と比べても非常に立ちおくれた状況にあるわけでございます。総理府が平成二年に出しました住宅周辺の社会資本の整備に対する要望というもので見ますると、下水に対する要望が二四・一%、そして医療施設二三%に対して、この道路の整備に対しては二九・四%という非常に高い住民の方々の要望があるわけでございます。
 しかし、それに対して我が国の道路網は、例えば高速道路一つ例をとって見ますると、アメリカの場合は一万台に対して三・七九キロ、そしてフランスは二・七一キロ。我が国は一・〇八キロ整備されているような状況にしかございません。そこに、今度アメリカは一九九一年に自動車運送合理化法というのができまして、現在の七万二千キロをさらに二十五万キロ、二十兆円のお金を費やして六カ年間で整備する。そしてECにおいても十カ年間で一万三千キロ整備する、このような状況になっておりますので……
#102
○櫻井規順君 ガソリン全般を問題にしないで、なぜ軽油だけかということを聞いているんです。
#103
○国務大臣(中村喜四郎君) そこで、今の御質問に対して答弁させていただきますが、軽油負担率に対しましては、イギリスの場合が六七%、ドイツ、イタリア、こういったところが六三%に対して我が国は三六%でございます。そして、リッターに対して大体現在二十九円五十銭の値段の差があるということを考えますと、これから道路整備をしていくためには一般財源を一%ふやすためには一千九百四十億円必要でございますので、これだけ一般財源でふやすということは到底難しいということで、第十一次道路整備五カ年計画の中で七十六兆円の予算を確保するためにやむを得ざる方法として今回軽油税の引き上げをお願いする、このようなことになりましたのでぜひ御理解をいただきたい、このように思います。
#104
○国務大臣(渡辺美智雄君) ちょっと先ほど言い違いがあったものですから、今のうちに訂正をしておきます。
 北朝鮮が脱退したのはいわゆる核不拡散条約であって、それを国際原子力機構であるがごとく言ったことは間違いですから訂正させていただきます。
#105
○櫻井規順君 道路財源が必要なことはもう重々わかっている。問題は、なぜ軽油引取税を上げたかという事情が今の説明ではわからないわけであります。わずか一千億円です。一般財源からやってもいいじゃないですか。
 ちょっとお門違いかもしれませんが、通産省、ガソリン税を上げなくても道路財源は賄えるという見解を発表した時期がありますけれども、それはどういう見解だったんでしょうか。
#106
○国務大臣(森喜朗君) お答えを申し上げます。
 通産省といたしましては、現下の景気情勢あるいは関係業界が打撃をこうむるおそれ等に留意をし、今委員からもいろいろと前提のお話がございました昨年末の税制改正の検討におきまして、増税は極力回避すべきと考えまして、第十一次道路整備五カ年計画につきましても、調整費の計上、特定財源依存度の低い地方単独事業の拡大、一般財源の活用等を行えば増税しなくても同計画は組めるはずだという主張を行ったところでございます。
 同計画は、以上のような議論を踏まえまして要求原案に一兆四千億円の調整費が計上され、一兆二千億円の地方単独事業拡大等の修正が施されました。これに対応して財源面でも軽油引取税の税率引き上げ幅の圧縮と実施期間の延期、これは十二月からでございます。さらにこれに加え、ガソリン税については税率引き上げは見送られるということなどもございまして、部分的に当省、私どもの意見が受け入れられたというふうに理解をいたしました。
 今回の軽油引取税の引き上げは、極めて厳しい財政事情のもとで国民のニーズが強い道路整備を今後とも着実に推進していくために、以上のようなさまざまな議論を重ねた結果、政府としても熟慮の結果決断をいたしたものである、このように御理解をいただきたいと思います。
#107
○櫻井規順君 運輸省にお聞きします。
 この軽油を使ってやる事業に対しての影響というものはどんなふうにごらんになっていますでしょうか。
#108
○政府委員(土坂泰敏君) バスとトラックに影響があるわけでございますが、トラックについて申し上げますと、現在軽油引取税について年間三千億円の納税をいたしておるわけでございますが、この引き上げによりまして約一千億円の負担増になる、したがいまして納税額が約四千億円程度になろうというふうに思っております。それからまた、バスにつきましては現在納税額三百五十億円でございますが、百二十億円増加をいたしまして四百七十億円程度の増税に、負担になるであろうというふうに見込んでおります。
 これらにつきましては、いずれも利用者等の御理解を得て適正な転嫁に今後努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#109
○櫻井規順君 貨物トラックの荷主側が大変な値下げ交渉をしている中で、バスは赤字を積み重ねている中で、この転嫁はどんな見通しになっていますでしょうか。
#110
○政府委員(土坂泰敏君) 物流需要全体が低迷をいたしておりまして、トラック事業と荷主の関係は大変厳しいものがございます。それからバス事業も全体が赤字基調で推移をしておりまして同様に厳しい経営環境にあるわけでございますが、しかしながら、そういう状況でありますだけに、こういう負担増につきましてはぜひ関係者の御理解を得て適正な転嫁が図られるように私どもも努めたいと思いますし、業界としても努力をしていただきたい、とういうふうに思っております。
#111
○櫻井規順君 建設省、値上げについて、業者団体との合意の手続ってどんなぐあいになっていたでしょうか。
#112
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 関係業界との話し合いも進めましたし、また各都道府県、市町村の皆様方の御理解をいただけるような手続を踏みながらこのことを進めてまいりました。
#113
○櫻井規順君 まことに時間がなくてしり切れトンボの質問になって。
 いずれにしても、業界に内閣が挙げて協力を要請したというよりも、自民党税・調が全部取り仕切ったというところに現状があったのではないでしょうか。
 次に、わずか時間が二分しか残ってないんですが、ちょっとお待ちください、ちょっと小道具を用意する関係で。(「理事会に言ってないよ」と呼ぶ者あり)
#114
○委員長(遠藤要君) 委員長がいいと言うんだから、やりなさい。
#115
○櫻井規順君 何も危険なものじゃありません。
 次に酪農の問題、二分で。
 酪農家が今大変急激に減少しております。平成四年はほぼ五千戸いわば倒産しました。その前の三年、二年、元年というのはおおむね三千件台。ここで急激に減っております。この酪農家急減の原因というのはどういうふうにとらえていますでしょうか。
#116
○政府委員(赤保谷明正君) お答えを申し上げます。
 酪農の戸数はここ数年、年率五%台で減少してまいりましたが、平成四年度には前年に比べまして七・九%減少しております。その内訳を見てみますと、小規模が減っておりまして、大規模層については逆に増加をしておる。お尋ねの中止した理由でございますが、経営主の高齢化だとか後継者がいない、病気、けが、事故、そういうことによるものが多くて、牛肉の輸入の自由化による経営の収益性の低下という面もありましょうが、それが主要な原因であるとは考えておりませんで、今申し上げましたような高齢化とか後継者不在とかそういうところが数字の上では多くなっております。
#117
○櫻井規順君 やはり牛肉の輸入自由化が酪農家の子牛や老廃牛の価格を暴落させて、ただ同然にさせたということが一番大きな原因として指摘できるのじゃないでしょうか。
#118
○政府委員(赤保谷明正君) ただいまお答えを申し上げましたように、数字の上で見てみますと経営主の高齢化だとか後継者がいない、けがだとか病気だとか自然災害とかいうのが比率の上では多くなっています。ただ、先ほど申し上げましたように、牛肉の自由化による酪農経営の収益性の低下、そういう面もありましょうが、それが主要な原因ではないのではないかというふうに考えております。
#119
○櫻井規順君 大分認識違いだというふうに思います。
 そこで、乳価が安いのも一つの原因になっているんですが、(資料を示す)これ、総理大臣、牛乳は幾らで、このコーラが幾らで、普通のお水、これは幾らでしょうか。わかりますでしょうか。
#120
○政府委員(赤保谷明正君) 私、職業柄いつも一リッター瓶の牛乳を見ております。値段いろいろございますが、今そこに並べておられるもの、おおむね牛乳の二百ccの紙パックにつきましては七十円程度かなと。それから缶入りの牛乳、これはミネラル入りとかいうものでございます。それが百九十グラムで百十円程度、コーラは二百五十ですか三百五十、それぞれ同じ百十円程度であろうと思います。それから水がございますが、その缶の水はちょっとあれですが、一般的な一・五リットルのペットボトル、あの水について見ますとおおむね二百円程度というふうに承知をいたしております。
#121
○櫻井規順君 この牛乳は五十五円です。農協のブランドです。このお水は百十円。缶は全部百十円です。こういう状況です。とにかくすごく農家が努力してここまで持ってきて、消費者に喜ばれる高品質も提供しているわけです。しかし、それがやっていけない。大学を出た息子が農家をやろうとしても、五十頭、百頭乳牛を持っていても親がやめろという状況なんです。
 そこで問題は、いよいよ畜産審議会が二十六日ですか、開かれて乳価の保証等々の検討がなされるわけですが、一つ建設大臣にお伺いします。
 畜舎、サイロ等の建設で建築基準法適用が厳しくて、それが補助基準になっている関係で牛舎には不つり合いな強固な建築物ができるという状況がある。その負債がまた大きいということがありますが、建築基準法を牛舎、畜舎については見直すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
#122
○政府委員(三井康壽君) 畜舎につきましては建築基準法を適用いたしているわけでございます。従来から、なるべく何といいますか制限を緩和する、合理化をする、こういう御意見をいただいております。
 昭和六十二年にも防火関係の緩和をさせていただきました。法改正いただきました。防火関係につきましては、その後の議論をまたさせていただきまして昨年の六月に建築基準法の改正が相当部分ございました。その中に簡易な建築物というカテゴリーをつくりまして、畜舎はその中に入れさせていただいたわけでございます。もとより、構造、すなわち地震とか台風、これで倒れてはいけませんので、これは緩和はできないわけでございますけれども、値段の高い屋根を不燃材料でふくとかあるいは柱とか壁を不燃性を高めるとか、こういった点につきましては、今回の基準法の改正、簡易な建築物につきましては合理化を図っていくということで現在政令の検討をしているところでございます。
 ことしの六月までには施行いたしたいと思っておりますので、御意見を拝聴いたしながら決めていきたい、こういうふうに考えております。
#123
○櫻井規順君 最後の質問です。
 とにかく水よりも安い牛乳でございます。畜産審議会を迎えてどうぞこの加工原料用乳価の保証価格の引き上げ、それとその扱う限度数量の引き上げ、あわせて、この牛肉の自由化は関税率五〇%まで落ちてきました。これは当面堅持するということをひとつ強く農林水産大臣に望んでおきます。農林水産大臣の所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#124
○国務大臣(田名部匡省君) 平成五年度の加工原料乳の保証価格につきましては、もう御案内のとおりでありますが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づいて、生乳の生産条件あるいは需給事情その他の経済事情を考慮して、農家の再生産も確保できるということを考慮しながら決定するものでありまして、いずれにしても、畜産振興審議会の意見を聞きながら、三月までに決定をしたいと考えております。
 いろいろとお話がございましたが、自由化の影響の対策、あるいは負債等が多いという話もありますが、それとこれと全部ごっちゃにしまして私の立場で申し上げますと、一方には消費者がおるわけでありまして、もう幾らでも高くしていいかという問題があります。あるいは先ほどもいろいろとお尋ねになっておりましたが、水と比べてどうかとかこうだということは消費者との関係でありまして、消費者が一体何を望むかということで値段というものは決まっていくわけでありますが、いずれにしても、地域経済を相当部分支えておる農業経営というものを私たちが立派になし遂げていかなきゃならぬというふうには考えておるわけでありますけれども、かねてから、新農政の中で経営管理にすぐれた企業的な感覚でやるということをより徹底していかなきゃいかぬ。
 結局、負債が多い、経営が苦しいというもの等を資料等で全部私ども見ておるわけでありますけれども、そういうことをきちっとおやりになっている農家はまあ何とか経営がうまくいっている。しかし、そうでない、そこまでやれなかった人たちというものは一体どれだけの収益が上がるかということとどれだけ投資するかということがバランスがうまくとれていないという面もあるわけでして、そういうところは非常にやっぱり苦しい経営になっておるということからいたしますと、多少大ざっぱであってもそういう基調といいますか、そういうものをやりながら、みずからもやっぱり努力をしていただくという両面、我々のてこ入れと農家の努力、こういうものと相まって振興計画というものを立てていかなきゃいかぬ、こう考えております。
#125
○櫻井規順君 終わります。
#126
○委員長(遠藤要君) 以上で櫻井君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#127
○委員長(遠藤要君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本君。
#128
○堂本暁子君 今回も環境の質問なんですけれども、基本法が国会に出されましたので、きょうは基本法について伺います。
 総理は地球サミットの折に、地球に優しい日本にしていく、それが国際責務であるというふうにお述べになっていらっしゃいますけれども、今回基本法ができた。そのときに、やはり世界の期待とそして注目が集まっているかと思います。この機会に、総理がどのような理念で環境の政策を推進していらっしゃるのかまずその点から伺わせてください。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) 今日の環境問題というものは、申し上げるまでもないことでありますけれども、地球という空間的な大きな広がりの中で、しかも我々の時代だけでなく将来に向かって我々の子孫というそういう時間的な広がりを持つ、空間と時間との広がりを持つ大きな問題でありますから、そういう状況の中で、我々のライフスタイルであるとかあるいは社会経済システムというものをここで変えていかなければ将来にわたってあるいは地球的規模において大きな問題を引き起こす、こういう認識はほぼ定着しつつあると思います。したがいまして、環境への負荷の少ない持続的な、つまりサステーナブルな経済発展というものを、あるいはそういうものをベースにした社会をつくっていかなきゃならないというそういうのが基本的な考えであると思います。
 そういう今日的な課題にどのようにこたえていくかということで、実は昨年の春ごろから環境の基本的な法案をやはり考えていくべきではないかと思いまして、関係各省庁に協力してこの法律案をつくるように指示をいたしたわけでございますが、そういう努力の結果、ただいまお触れになりました環境基本法というものを御提案いたしたところでございます。
 ただいま申しましたように、現在及び将来の世代の人々がいわゆる地球的な環境を十分に保全して、そして環境への負荷の少ない持続的な発展を考えていく。それはまた国際的な協調も必要とすることでございますから、そういうことを考えながらひとつこれからの我々の社会のシステムをつくっていこう、またそういう心構えを持とうというそのような目的意識を持ちまして今度の基本法を作成いたしました。
#130
○堂本暁子君 今、総理おっしゃった時間的広がりそして空間的広がり、きょうはその次元でできるだけ話を進めていきたい、こう思っております。
 今るるおっしゃった理念、それが今回の基本法の中で特に特徴的な政策としてどういうことがございましょうか。
#131
○国務大臣(林大幹君) 今、堂本先生の空間的な広がりあるいは時間的な継続という、こういうことについて今度の基本法はどうこたえられるかということだろうと思います。
 基本法の御審議をこれから国会でお願いするわけでございますけれども、基本法がなぜ必要であって、そしてどのような経過でここに生まれたかということはただいま総理の御答弁のとおりでございますが、特に地球温暖化問題などというものが急速に地球を覆うようになりまして、そして今までのような環境問題そのものが地域を中心にした公害対策とかあるいは自然の景観の保持とかそういうことももちろん含めましてさらに大きく幅が広がってきたのは、都市型あるいは生活型公害とでも言うべき我々の日常生活から産出される水や土壌や空気、大気の汚染というようなものが非常に大きく出てきておりますので、これらを踏まえて対応しなければならないということがございます。
 そのためには、国民生活やあるいはまた事業活動一般に起因する部分が多くなりましたから、環境に取り組む国民の責任というものあるいは国の責任というもの、あるいはまた自治体の責任というもの、事業体の責任というもの、そういうものをそれぞれにしっかりと自覚しながらその責任分担を果たしていくということも踏まえないとこれからの新しい社会活動の中にはなじまないということもございまして、今度の基本法案にはそのようなことも理念づけてございます。
#132
○堂本暁子君 総理、環境に負荷の少ない社会をつくるというお話ですけれども、そのためには今までのシーリング重視の予算編成ではとても実現できないと思いますけれども、予算もそういった形にお変えになるのか、ぜひ総理と大蔵大臣に伺いたいと思います。
#133
○国務大臣(林義郎君) 政策の重点につきましてはいろんな工夫をしていかなければならないと思いますが、いわゆるシーリング方式と申しますのは、予算を編成する過程におきましてやはりあらかじめの基準をつくっておかなければ、予算というのはどこからもかしこからもみんな要望があるわけでございますからなかなか難しい、そういった意味で各省に一応のシーリングというものを設けまして、それで各省の中でそれぞれ各省の中での重点を勘案してやっていただく、こういうふうな形で予算の運営を図っているところでございます。
 シーリング方式が私も絶対だとは申しませんけれども、やっぱり予算というものを作成する上の一つの手段である、また今のところでは私は相当有効に働いてきている手段だというふうに考えておるところでございます。
#134
○堂本暁子君 環境保全型社会は、大変予算編成が質的に違ってくるというふうにはお考えになりませんか。
#135
○国務大臣(林義郎君) 環境基本法の中にもいろいろ新しい問題が出ておりますし、新しい施策をやっていかなければならない。たしか二十一条だったと思いますけれども、その中にも、いろんな施策を講じて環境保全のためのいろんな助成措置をやっていくということも必要であろう、また発生源、発生をいろいろな規制をしてやっていくということも必要であろう、また国際的な問題でいろんなこともやっていかなければならないというような方向が出ていると思います。
 私は、そういった方向というのが出てくれば、そういったものをどういうふうに取り上げていくかというのはこれからのやはり予算の問題であって、法律ができましたらすぐにいろんなものが出てくるかはわかりません。予算でございますから、具体的にいろんな話が出てきたならばその上でいろいろ考えていかなければならない問題ではないだろうか、こう思っておるところでございます。
#136
○堂本暁子君 環境権はもう国際的には一九七二年から認められていると思います。今回どうして基本法には環境権が書き込まれなかったんでしょうか。
#137
○国務大臣(林大幹君) お答えいたします。
 環境権という言葉は今日本では使っておりませんけれども、ストックホルム宣言あるいはリオ宣言、こういうものを内容的に見ますと、環境保全の必要性と同時に、良好な環境をみんなが享受するというためにはそれなりの権利が唱えられておるということはこれは先生の申される中にございますが、ただこの中で、ストックホルム宣言及びリオ宣言におきましても、人間の福祉にとって環境が基本的に重要であるという考え方あるいはまた人間が健康で生産的な生活を送るためにはそれを可能にする良好な環境がなければならない、これは欠くことのできない条件であるということもうたわれております。
 したがいまして、これらはあくまでも今度の環境基本法の中を見れば、一つの権利の宣言ということよりはむしろ政策宣言とでも言うべき形に環境基本法では取り上げるようにしてございまして、実定法上の権利として定めてはございませんけれども、しかし環境政策を進めていく上で最も基本的な理念としてこれをとらえておりますので、その点につきましては今後国会における御審議の中でまた御理解賜れると思っております。
#138
○堂本暁子君 そういう権利を理念づけていらっしゃるというのであれば、お書きになればいいと私は思うんですね。と申しますのは、総理、環境分野でイニシアチブを日本はとっていくということであれば、政策的な基本法であるよりは、やはり世界に対して宣言していいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#139
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は専門家の中でも非常に御議論があって、今環境庁長官が言われましたように、ストックホルム宣言やリオ宣言ではこれを権利として環境権というようなものとしては位置づけていないということだというふうに聞いております。
 つまり、権利といいますと権利の内容だとか法的にどういう性格を持つかということが定義づけされなければなりませんので、そういうこととの関連があったのであろうと。これはしかし大変難しい議論がいろいろにございます。そうですから私は全部を知ったように申し上げるわけにはいきませんけれども、そういうことから環境権という言葉は使わなかった。しかし、人の生存するために必要な内容等というような良好な環境とかいったようなことにつきましては、先ほど環境庁長官が言われましたように法案の中では十分に考えておるということだと思います。
#140
○堂本暁子君 確かに裁判の判決のような場合には環境権はございませんけれども、私はやはり環境を享受する基本的人権というふうにストックホルム宣言も読みたいと思っております。
 法制局長官に伺いたいんですが、国際的には認められると思われるこの権利、基本的人権ですけれども、憲法上、環境権は我が国ではどのように位置づけられていますか。
#141
○政府委員(大出峻郎君) いわゆる環境権といいますのは、学説などにおきますと国民が良好な環境を享受する権利として提唱されているようでございますが、その内容につきましては、国民は良好な環境を享受する権利を持つというそういう原則を示したものであって、いわゆる具体的な権利というものではないと、こういうような考え方をとる者もありますし、そうではなくて、侵害行為の差しとめだとかあるいは損害賠償の請求の根拠となるそういう実体的な権利であるというような考え方など、まあ学説においてはいろいろあるわけでございますが、現在のところいわゆる定説と言われるようなものはないというふうに承知をいたしておるわけであります。
 憲法との関係でございますけれども、環境権という名前の権利がその名前において憲法上保障されているわけではない、これは言うまでもないところでございますが、憲法第二十五条第一項におきまして、国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、こういうふうにされていることから、国は国民が健康で文化的な最低限度の生活ができるように環境保全のための諸施策を実施するそういう責務があり、このような国の責務を果たすための基本理念というようなことであるといたしますれば、それは憲法二十五条に由来するものと言うことができるのではないかというふうに考えられるわけであります。
#142
○堂本暁子君 次の質問に移ります。
 地球サミットの折に自然保護と申しますか生態系の保全あるいは生物の多様性といったようなものの理念が非常にグローバルに確立されたというふうに理解しておりますが、今回の基本法にこういった理念がどのように反映されているのか、環境庁長官、お答えください。
#143
○国務大臣(林大幹君) 堂本先生にお答えいたします。
 環境基本法に生態系の保全などに関する考え方がどのように位置づけられているかという御質問と理解いたしますが、御指摘の点に関しまして環境基本法第三条の基本理念におきまして、環境は生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っているという基本的な認識をまず述べております。それからまた、施策等の策定にかかわる指針を定めた第十三条におきましては、生態系の多様性の確保を図ることとしております。実はそこまで条文の内容に触れて申し上げなければならないかなというちょっと迷いも私にございましたけれども、予算委員会でございますのでそこまで触れさせていただきました。
 これらの規定は、生物多様性に関する条約等に示されている生態系の保全に関する国際的な考え方が十分に盛り込まれているものと私どもは考えております。
 また、このような施策の方向に沿った生態系の保全のための具体的施策といたしましては、現行の関連法規の的確な実施を初めといたしまして、地域の自然的あるいはまた社会的条件に応じた多様な自然環境の体系的な保全が図られるように基本法の中には努めてそれを表明してございます。
#144
○堂本暁子君 それでは具体的に、総理もいらっしゃいました釧路湿原、タンチョウがいるところですが、質問に入りたいと思います。
 この六月にはラムサール条約の締約国会議も開かれますが、釧路は日本で最大の湿原ですが、この現状を環境庁、御報告ください。
#145
○政府委員(大西孝夫君) お答えを申し上げます。
 釧路湿原は先生御指摘のとおり我が国最大の湿原でございまして、面積約二万一千ヘクタールでございます。この中にはヨシやスゲを中心とします低層湿原あるいはミズゴケを主とします高層湿原など発達段階のいろいろ異なります湿原の植生がまず見られるという特徴がございますし、動物で見ますと、例えば哺乳動物であれば九科二十四種、鳥類なら三十八科百六十四種、昆虫で言えば千百四十二種というように大変たくさんいろんな種類の生物の確認がされておりまして、多様で豊かな生態系を有する貴重な地域であるというふうに私ども評価いたしております。
 したがいまして、そういう点を踏まえ、また自然景観としても極めてすぐれておりますのでそういう点を踏まえまして、一つには国立公園として指定しておりますし、国設の鳥獣保護区も設定しております。さらにはラムサール条約の登録湿地としても指定している。こういう状況でございます。
#146
○堂本暁子君 大変貴重な動植物の生息地である。貴重なところなんですけれども、お手元に配らせていただきましたが、その貴重な湿原の周辺、国立公園の外ですけれども、ゴルフ場が今二カ所ですが、建設予定地が何と十カ所以上、十八カ所もあるということなんです。そして、タンチョウのえさ場からわずかに二キロしか離れていない。ゴルフ場ができると農薬が湿原に入ってきて汚染される可能性も非常に高いということなんですが、ずばり伺いますが、環境庁はこれを何らか規制することができますか。
#147
○政府委員(大西孝夫君) お答えを申し上げます。
 まず、現在、北海道庁として計画申請を受けているものは私どもの聞いたところでは六カ所、こういうふうに聞いておりますが、いずれも御指摘のとおり国立公園区域外でございます。これらのゴルフ場開発につきましては、北海道庁の方におきまして自然環境等保全条例という条例がございまして、これに基づく許可がまず必要でございます。それから、ゴルフ場開発の規制に関する要綱というのを定めてございまして、それに基づきます環境影響調査が義務づけられておると理解いたしております。これらの制度に基づきまして、北海道庁におきまして事業者の指導が適切になされれば湿原への影響は必要最小限にとどめられる、あるいは回避され得るというふうに考えております。
 なお、私どもの立場で申しますと、御指摘のとおり周辺地域には直接の私ども権限ございませんので、人為的な影響によって周辺からその湿原の方に影響がないかどうか鋭意監視をいたしておる状況でございますし、もしそういう事実が確認されれば北海道なり地元自治体にその旨をお告げして十分注意を喚起してまいりたいと考えております。
#148
○堂本暁子君 監視しても結局だめなんですね、実際にできてしまったらば。農薬はどんどん湿原に流れ込むわけなんです。
 では、基本法ができたらば環境庁は直接に何か規制なされるんでしょうか。
#149
○政府委員(大西孝夫君) お答えを申し上げます。
 基本法におきましては、環境の保全は、国ないし地方公共団体はもとより、事業者あるいは国それぞれがそれぞれの役割を分担し合いながら後世代に承継できるような環境保全をすべきであるという考え方に立ちましてそれぞれの義務を定めているわけでございまして、今後こういう問題に対処するには、一環境庁を超えてやはり国のいろいろな分野のいろいろな機関がそれぞれの立場で環境保全に努力するという姿勢が必要だろうと思いますし、そういう理念が盛り込まれたことで国民の意識が変わってくることを期待したいと思っております。
#150
○堂本暁子君 総理、やはり環境庁に権限がないんですね。ですから、農林水産大臣にも伺いたいんですが、例えばここでは農地改良事業も行われている、それから牧草地も、これはもう本当に三十年ぐらい前からの、開拓時代からの方針で行われているわけなんですが、川べりまで開拓しちゃうものですからどんどん土砂が流れ込んで湿原が埋まってしまうという、入り口のところが埋まるらしいんです、大変環境に悪い影響が出ている。
 それじゃ、こういう計画を具体的に基本法ができたら農林水産省としては変更してその湿原を守るだけの決心がおありになるのかどうか、これは農水大臣に伺います。
#151
○国務大臣(田名部匡省君) 釧路湿原に隣接して実施しておりますトリトウシ地区の国営農地開発事業は昭和六十一年度に実は着工いたしております。工事の実施に当たりましては、公園管理関係機関と打ち合わせを行って、おっしゃるような土砂の流出を防止するための沈砂地の設置、そういうことを行って、一定の距離を置いて流れないような仕組みというものをつくりながら実はやっております。今後とも十分環境保全に配慮しながらよく相談をして実施していきたい、こう考えております。
#152
○堂本暁子君 現地へ行ってまいりましたけれども、そういう状況じゃございませんね。もうどんどん開発は開発で進んでいってしまう。協議をしてもとまるということではないんです。
 それから、北海道開発庁長官にも伺いたい。
 国立公園の特別区の中、(資料を示す)この赤い線なんですけれども、この赤い線のところで今堤防の改築工事をやっている。これも基本法ができたらば湿原を守る観点から、変更してまで違う形でやっていただけるか、それもお答えください。
#153
○国務大臣(北修二君) 北海道開発庁といたしましては、北海道の総合開発に当たっては自然と共生するという、これがテーマでございまして、積極的にこれからも自然の美しい環境を保全してまいりたい、かように考えておるところでございます。
 なお、今築堤のお話がございましたが、築堤の最終的なところに横堤をつくりまして、もう少し全部の水位を上げて、どなたも入ってこれないようにこの大事な資源を今後とも確保していこうと、かように考えておるところでございます。ぜひこの点については御協力をちょうだいいたしたいと、かように存じております。よろしくお願いいたします。
#154
○堂本暁子君 ツルの立場に立ちますと、なかなか御協力もできないという気がいたします。ツルにとっては危機的状況でございます。
 総理、釧路湿原を実際に指定するためには、周りの木の部分とか林の部分も指定するのが外国なんかでもやっているわけですけれども、日本は本当に真ん中の水のところだけが特別区。ですから、周りの民有地もどんどん切られていますし、それから企業に売られているというようなことがあります。それはやはり関係機関とあくまでも協議をしないと指定できない。ですからどうしても開発を変更してまで、先に開発ありきでそれを変更してまで、国立公園の特別区というのはそんなに多くないんですが、その特別区を守ることができない。基本法ができたら、やはりその辺を抜本的に変えていただきたいと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(宮澤喜一君) 広い国でありませんから、そういう意味でいろいろな仕事がお互いにぎりきり譲り合いながら行われてきたというのが今までのことだと思います。
 それで、環境という問題は何といっても従来今日ほど注目を浴びていなかったわけでございますから、環境基本法もでき、こういうことになりますと、これは法律の問題というよりは行政のお互いお互いの中で環境も一つのそれこそ主張に立つ、人格に立つといいますか、法律の上に立って主張するということがもう少し恐らくやりやすくなるであろう。それは結局、法令の問題よりは行政のお互いの共通の理解、相互理解の問題だというふうに思いますが、それはぜひひとつ、こういうふうに環境基本法もできて環境ということがこれだけ国民の意識に強く反映されるようになっておりますから、行政もおのずからそれを映すように、そういうふうに指導をしてまいらなければならないと思います。また、そういうふうにいたしたいと思います。
#156
○堂本暁子君 大変うれしい御答弁をいただきましたが、アメリカのクリントン大統領は今度初めてホワイトハウスに環境担当官を置く。私も一緒に仕事をしていた女性が担当官になったものですからもうびっくりいたしました。若い二十九歳の女性なんですけれども、日本へも来て一緒に地球環境のことをやっていた方です。あらゆる政策に環境の視点を大変入れていく、例えば外交とか防衛とか、そういったところにまで参加して意見を言う。
 そこで提案でございますが、内閣審査室、外交審査室もおありになる。総理直属に環境審査室をおつくりになってはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
#157
○国務大臣(宮澤喜一君) 本当に狭い国土の中にたくさんの行政がひしめき合っておる中で、環境はニューカマーでございますからなかなかその存在を主張するということにいろいろ関係者骨を折られるだろうと思いますけれども、まあしかし、やはりそれは今まであったものが譲り合って、ニューカマーはニューカマーとしてちゃんとした国民のニーズを反映するようにならなきゃならないと思います。どういう仕組みをするか今にわかに考えておりませんけれども、行政としては私はそういうふうにやってもらいたいと思っています。
#158
○堂本暁子君 北海道から南へ参ります。鹿児島です。
 奄美大島は大変貴重な自然が残っているそうですが、この特徴を、環境庁、お知らせくださいますでしょうか。
#159
○政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。
 奄美大島は南西諸島の一部ということもございまして、この地域は比較的固有の動物種が多いということでありますが、奄美大島の場合でありますと、アマミヤマシギ、オーストンオオアカゲラ、アマミノクロウサギ、オットンガエルなど脊椎動物やら高等植物に限っても約四十種類の固有動植物種の生息が確認されておりまして、私どももその生息状況の把握に努めておるところでありますが、これらの特殊な固有動植物の生息する地域という意味で極めて重要な価値を有する地域だと考えております。
#160
○堂本暁子君 ここに地図をつけてございますが、貴重なとおっしゃいました。エディンバラ公はわざわざイギリスからこのクロウサギを見に奄美大島までいらした。ところが今、このウサギが大変危機に立っております。というのは、ここまたゴルフ場の建設が進められようとしています。これも環境庁は規制することができますか。
#161
○政府委員(大西孝夫君) お答えいたします。
 奄美のケースでも私どもが所管しております国定公園ないしは鳥獣保護区域以外における計画でございまして、職掌柄直接これに対応するということは困難でございます。
#162
○堂本暁子君 総理、お聞きのように、環境庁は何もできないんです。
 一体どういうことになっているかといいますと、一ヘクタールわずか二百円でそのゴルフ場の建設用地を岩崎産業というところが買ってしまった。そして、用地に今や研究者すら立ち入れない。地元の人たちも入れない。何が必要かといえば、客観的なデータがない。環境庁はほかの省庁と協議をするにも説得するデータすら持てない。何もできないんです。まず私は、必要なのはクロウサギの実態を把握する、その調査をやっていただく、これはもう本当にエディンバラ公にかわって総理にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#163
○政府委員(大西孝夫君) ちょっと具体的なケースでありますので、まず私から答弁をさせていただきます。
 この奄美におきますいろいろな動植物に関する調査を私どもいろいろな機関を通じてやっております。最近ですと、平成四年度には植生調査、五十九年度から六十一年度には植物群落の分布状況の調査、それから平成二年度から四年度にわたりましては動物の分布調査などをしておりますし、それから南西諸島全体につきまして、昭和六十二年度から平成二年度にわたりまして、南西諸島における野生生物種の保存に不可欠な諸条件の研究ということで、延べ二百五十人の学者の方にお願いいたしまして調査をいたしております。
 ただ、哺乳動物の調査と申しますのはなかなか調査が難しゅうございまして、特に島全域にわたってこれを調査するということになりますと相当膨大な人員を要する調査でございますので、なかなか難しい面がございます。ただ、絶滅等のおそれがあるということで危急種に指定されている状況でもございますので、私どもも非常に関心を持っておりまして、機会をとらえてはこの調査をしてまいりたいと考えております。
#164
○国務大臣(林大幹君) ただいまの奄美のクロウサギの調査の問題につきましては担当局長が御説明したとおりでありますけれども、一言私の立場から申し上げたいのは、環境庁は、例えば今度環境基本法を先生方のお力によって成立させていただきますと、この基本法ができた、あるいは基本法がそこまで内閣全体の使命として持ってきたということは、大きな私は躍進ではないかと思っております。
 したがいまして、先ほど総理が御答弁なさいましたように、これは法律でございますけれども一つ一つを個別に実定したものではありませんから、それぞれのものを規制していくためには基本法だけですべてが規制できるというものではございません。しかし、基本法が内閣挙げて取り組んでここに一つの成案を見たということは大変な進歩でございまして、今度基本法の制定に全力を挙げてくださいました各省庁、関係省庁も、今後の法の運営につきましてはそれなりに私は御協力と御理解を賜れるものと信念いたしておりますので、今先生が申されたようなことも法の運営の中でこれから一つ一つ私は解決の道を採れるものであると確信いたしております。
#165
○国務大臣(宮澤喜一君) 今専門家から話をちょっとの間でしたが聞いてみましたんですが、島全体にわたって調査をする、動くものでございますからなかなか難しいんだそうですけれども、これ拝見しますとレッドデータブックにも載っているという話なので、できるだけ行政の方でひとつ努力をしてもらいたい。予算が要るのなら、金の方はいいんですが、人の方が難しいんでしょうか、せっかく御指摘のある問題ですから、行政の方でも力をひとつ尽くしてもらいたいと思います。
#166
○堂本暁子君 クロウサギにかわって、ありがとうございました。
 そして、総務庁長官に伺いたいんですが、この絶滅のおそれのある野生動物の保護対策の現状と課題を発表していらっしゃいますが、概要をお知らせください。
#167
○政府委員(田中一昭君) まずこの調査の目的でございますが、野生動植物の中には自然環境の悪化等によりまして絶滅または絶滅の危機に瀕しているものが多く、野生動植物の保護が重要な課題となっております。このために野生動植物の保護等に関する施策を総合的、効果的に実施する観点からこの調査を行ったわけでありまして、平成四年十一月二十日、環境庁、文部省、農林水産省及び通商産業省に対しまして改善措置を講ずるよう勧告したものであります。
 お尋ねの勧告の概要について簡単に御説明したいと思います。
 まず第一に、野生動植物の保護等に関する各施策を総合的、効果的に推進するためには、まずもって野生動植物の生息状況、生息環境の実態を把握することが、今お話もございましたが、非常に重要でございます。しかし、環境庁いろいろ御努力なさっておりますが、そのやっておられる調査というのは、対象種が少ないなど不十分な状況が見られましたので、調査員を確保する等によりましてその充実を図るよう指摘した次第であります。
 第二に、生息数が少なくなっている野生動植物の種につきましては、その生息環境の保全を図ることにより種の絶滅を防止していくことが重要であります。そのため、新たに施行されるいわゆる種の保存法に基づく生息地等保護区を指定する等のほかに、自然環境保全法に基づく特別地区の指定等に際して絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に十分配慮するよう勧告いたしました。
 このほか、計画的な保護・増殖事業の推進とか、捕獲規制等の制度及びその運営の改善とか、ワシントン条約の規制対象種に関する譲渡等の規制の適正化についても勧告した次第でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
#168
○堂本暁子君 ぜひこの勧告を大事にしていただきたいと思います。いかに予算がないか、人がないかということがはっきり調べられているわけですので、何しろ調査のための予算をつけていただきたいというお願いでございます。
 次に、森林のことなんですけれども、環境庁長官、どうして森林のことは基本法には書き込まれなかったのでございますか。
#169
○政府委員(八木橋惇夫君) お答え申し上げます。
 森林が自然環境を構成する重要な要素でありますことから、基本法に書き込まれなかったかのような御質問でございましたが、私どもは政府の施策の策定等に係る指針を決める条項におきまして「森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。」を旨として政策を講じていくべきであるという指摘を行っておりますと同時に、環境保全上いろいろ公共事業等をやっていかなければならぬということはあるわけですが、その事業の例示といたしまして、例えば地球温暖化防止行動計画におきましても、森林が持つ二酸化炭素の吸収能力等も重要であるというようなこともございますので、本法案の二十二条の「環境の保全に関する施設の整備」の中に「森林の整備」ということを例示として掲げさしていただいているところでございます。
#170
○堂本暁子君 私は、もう少し積極的に森林の保全ということが例示ではなくあってもよかったんではないかというふうに思っていますが、日本の国有林も大変危機的な状況にございまして、累積赤字を抱えて国有林が今売られたり貸し付けられたりしているんですけれども、その国有林がどんどん開発されるんではないかというのが国民の心配です。
 林野庁は実際に売り払ったり貸したりなさる場合は、これは環境アセスメントはやっていらっしゃいますか。
#171
○政府委員(馬場久萬男君) お答えいたします。
 林野庁におきましては、国有林野事業の改善ということで、おっしゃるように国有林の中で、例えば直接事業に関係ないが保有しているような土地の処分、あるいは国有林野であっても孤立した小団地でありますとか都市近郊で他の土地利用に供した方がより適切なものでありますとかというものを売り払うということをやっております。
 また、地域の振興のために農山村等におきまして、国有林野を従来の木材生産でなくてほかの用途に使った方がよりよいというのについては、今おっしゃられましたいわゆる貸し付けというような形、あるいは使用許可というような形で地域と一体となって空間利用をするというようなことをやっておりますが、主として環境面で大きな問題になりますのはそういう地域の振興のために国有林野を使う場合かと思いますが、これらにつきましては、私ども自身定めています林地開発許可基準というようなものの審査基準に照らしまして、自然環境の保全にも十分配慮しながらやっているというのが現状でございます。
#172
○堂本暁子君 国民が心配していますので、もしそのような基準に合わせて調査をしていらっしゃるのであれば公開していただきたいと思います。
 例えばヒューマン・グリーン・プランなどでは、リゾート法と重なって会員制のゴルフ場すらある。この実情は全く不透明なので、現在二十二カ所あるんですけれども、国の貸付料、それから収支決算、そして今おっしゃった調査の内容をぜひこの委員会に出していただきたいと思います。林野庁、いかがですか。
#173
○政府委員(馬場久萬男君) ヒューマン・グリーン・プランというのは、国有林の中で森林の多面的な利用をするために事業を組んでいるものでございます。その中におきましては、地方公共団体、第三セクターあるいは会社等々がいろいろな事業をやっているわけでございます。この全体を明らかにするというのはなかなか難しゅうございますが、特定の問題があるものがあるとすれば、それらについては内容を精査の上御報告するようにいたしたいと思っております。
#174
○堂本暁子君 二十二カ所に関して御報告いただけますか。
#175
○政府委員(馬場久萬男君) 先ほど申しましたように、いろいろな事業主体がいろいろな事業を営んでおりまして、それすべてを報告するということについてはなかなか難しいかと考えておりますが、特に問題があるという御指摘があれば、それらについて精査の上御報告いたしたいと思います。
#176
○堂本暁子君 では、それは後ほどよろしくお願いしますが、第三セクターだから中身はわからないというようなことは許されないと思います。林野庁のやはり自然保護に関しての責任があると思います。国有林というのは、総理がおっしゃったように、現在と将来の国民の財産であり、責任なのですから、勝手にいろいろされては困ります。
 次に、きょうは森林開発公団の理事長においでいただきましたが、大規模林道、これも同じく生態系の破壊につながらないようにどのような方策を講じておられるか、お答えいただきたい。
#177
○参考人(松田堯君) 松田でございます。
 森林開発公団におきます事業は、公団造林、それから大規模林道事業と二つございますが、大規模林道事業につきましては、事業の着手までいろいろの段階を経て事業に着手いたしております。
 まず、農林水産大臣の地域の指定がございます。その段階で環境庁を初め関係省庁に協議をいたしております。次の段階は大臣が策定をいたします基本計画でございますが、その段階でも関係省庁等に協議をいたしております。さらに、公団で実施協議、実施計画の策定をいたすわけでございますが、その段階におきましても、利害関係者を含むこの事業に関係のあります方々に対しまして計画の内容を公示して意見等を求めているところでございます。さらに、事業の着手前に必要に応じて環境アセスメントを行いまして、工種、工法の採用に当たりまして誤りなきを期するということで、そのような手続を踏みながら事業を実行しているところでございます。
#178
○堂本暁子君 理事長、そのアセスメントは第三者がやるんでしょうか。それから、そのアセスメントは地元民に公開されて、十分に討議の上にコースなどは決められたんでしょうか。
#179
○参考人(松田堯君) いわゆる環境影響評価実施要綱に基づくものではございません。公団の自主的判断に基づきまして必要に応じてアセスメントを行っている、こういうことでございます。したがいまして、いろいろの事業に対します御意見に対しましてそれらのアセスメントの結果を活用しながら説明をし、御理解を求めているところでございます。
 公団の自主的なアセスメントでございますから積極的に公開をするということではございませんけれども、必要に応じて閲覧に供する等につきましては検討してまいる所存でございます。
#180
○堂本暁子君 総理、日本じゅう今北海道から九州まで大規模林道をつくられていますが、自主的アセスメントというのはやはり弱いと思うんですね。
 自分のところで自分でアセスするのであれば客観的な判断が入らない。そういう意味でやはり自主的ではまずいと思いますが、いかがでしょうか。これは環境庁長官、お答えいただきたい。御自分でやるとこれは余り意味ないわけですから。
#181
○参考人(松田堯君) 判断は自主的に、どこをどうアセスメントするかということについて自主的にやっているわけでございまして、外部の専門家にお願いをいたしましてアセスメントを行っている、こういうことでございます。
#182
○堂本暁子君 当事者がやっても余り意味はありません。
 例えば山形県の大規模林道、真室川−小国間ですけれども、ここのアセス、ここには絶滅危険種のイヌワシとか、その他大変美しいブナの林がありますけれども、公団のアセスメントではイヌワシはもちろん入ってないということでした。やはりそういったアセスなんかはもう一度やり直して、きちんと結果を知った上で計画を見直すぐらいのことをしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。それは理事長に。
#183
○参考人(松田堯君) 御指摘の朝日−小国区間でございますが、昭和五十九年度にアセスメントをやっております。
 アセスの内容につきましては、地形、地質、気象、植生、動物、景観、文化財あるいは産業環境、こういったようなことにつきましてアセスをいたしておりまして、その中で、動物の調査の中で、鳥類等につきましても約六十七種の鳥類がその地域に存在をするということが確認をされているところでございます。
 この調査につきましては、私どもといたしましては客観的な内容も整っているものである、このように考えているところでございまして、改めて再調査をするという考えはございません。
#184
○堂本暁子君 伺いますが、大規模林道の目的は何ですか。
#185
○参考人(松田堯君) 大規模林道につきましては、森林の管理の上から林道の必要性につきましては今ここで申し上げるまでもないわけでございますけれども、旧薪炭林、かつて薪炭生産をした大規模な森林、これが十分に活用されないまま現在大面積にわたって存在するわけでありまして、その森林の多面的な活用を図るということから大規模林道を開設をしているところでございます。
#186
○堂本暁子君 東北の林道をルポした大変いい本がありますが、そこに、林道の目的ではない奥のブナ林の伐採、ブナはもう切ってはいけないと私は思っているんですけれども、あるいは観光道路として利用する意図になったとき、そのイメージは一変して山を荒廃させる元凶となっているというふうに書いてあります。
 私は、今まで道路というのは大変私たち大事にしてきたんですけれども、そろそろやはりターニングポイントではないか、道路行政というのは林道に限らず今ターニンポイントなのではないかという気がいたします。行政改革に関する第五次答申でもはっきりと大規模林道の見直し、新区間の着工の見合わせを求めるというふうになっているのに、どうしていまだにそれが見直しがなされないのか。これは農林水産大臣にお答えいただきたい。
#187
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、私どもも行政を預かっておって、どういうところをどういうふうにするかというのは非常に難しい問題なんですね。一方では、おっしゃるように、大事にしなきゃいかぬと言う人もおりますし、場合によってはどうしてもその道路を整備することによって地域の活性化のために利用したいというさまざまなケースがございます。遊びに行くような道路が必要かどうかということはこれは別でありますが。
 いずれにとっても、そういう森林を抱えた町村、わけても東北、北海道、あるいは山間地、地域経済が非常に活性化しないそういうところはどうも私ども心打たれまして、何とかそういうことで地域の活性化を図れるものならという面と、一方、その地域でない人から見れば、いや、保存して大事にしておくべきだと。こういう悩みに時々苦しむ場面があるわけでありますけれども、よくよく相談して、環境保全という目的が十分果たされながら、守らなければならぬものは守りながら、やれるところについてはやっぱり極力相談しながらやっていくという考え方でおります。
#188
○堂本暁子君 やはり何百年も昔から私たちが引き継いできた木は、またこれから二十一世紀に残していかなければいけないと思います。今、切ってしまったら、もうこれからそういう大きいブナはまたそこで植生が変わっていってしまう。私は、道路が不必要だとは申しません、しかしあくまでも乱暴な開発はしてほしくない。そのことをきちっと申し上げておきたいと思います。
 次に、環境税の問題に移りますが、OECDレポート、そこでは今、説とか課徴金とかデポジットといった経済的手法が検討されています。ところが、我が国の経済的手法について書かれた二十一条、ここに書きましたけれども、この二十一条はさっぱりわかりません。環境庁、国民のだれにでもわかるように御説明ください。
#189
○政府委員(八木橋惇夫君) 政府の提案しております環境基本法案の第二十一条につきまして御配付いただきましたそうで、恐縮に存じます。
 この二十一条の第二項は、先生御指摘になりました環境保全上の活動、また環境保全上支障があるものを減らすために経済的措置が有効であるというような国際間の議論を踏まえて作成したものでございますが、一方、御指摘にもございますように、国民の負担等に関する規定でもございますので、かなり丁寧にこの条文はつくらせていただいております。
 まず、ごらんになっております条文のうち、四行目までが一つのことを言っております。ここでは、環境への負荷の低減のために経済的な負担を課す施策が一般的認識といたしまして有効性が期待され、国際的にも推奨されているという事実を述べて、そういう認識をまず述べているわけでございます。これは先生御指摘になりました先進七カ国サミットや、また昨年のリオデジャネイロにおける地球サミット、さらにはOECD等で示されている認識を踏まえてここまでは書かせていただいております。
 その次のパラグラフが「その施策に関し、」からその次の行と次の行までのところでございまして、第二点で述べておりますのは、その施策に係る措置、つまり説とか課徴金とかデポジットといったような経済的な措置を講じた場合においてその効果、影響等を適切に調査し研究する必要がある、こういうことを次に述べているわけでございます。
 そういたしまして、調査研究した結果その措置を講ずる必要がある場合にはというのが第三点で申し述べていることでございまして、個別の措置が必要である場合には、経済的な負担を課す施策を活用して環境の保全上の支障を防止することについて国民の理解と協力を得るように努めるということでございます。やはり負担に関するものでございますから、国民の理解と協力を得られなければそういう施策は講じ得ない。そこでその趣旨をここで書いたものでございます。
 それから最後の一行でございますが、これは、個々の施策を実施する場合においてその措置が地球環境保全のための措置である場合には、その施策を導入することが一カ国だけでやる場合ですと効果が減殺されることになりますから、国際的な連携に配慮する必要がある、その効果が適切に確保されるようにするため国際的な連携に配慮するものとするというのを述べましたのが第四点でございます。
 いずれにいたしましても、この基本法は、経済的措置を講ずるに当たりましては個別の実定法が必要なわけでございますが、基本法におきましては、その立場といたしまして、調査研究をする必要があること、国民の理解と協力を得る必要があること、さらには地球環境保全といったような国際的連携を保つ必要がある場合についてはそういったことを考えてやりなさいという趣旨のことを述べたものでございます。
#190
○堂本暁子君 さっぱりまだわからないんですけれども、大蔵大臣、環境税についてはどのようにお考えでしょうか。
#191
○国務大臣(林義郎君) 私も代議士になりましてから長いこと環境問題をいろいろとやったことがあるんです。環境税というのは昔から議論ありましたけれども、私が思いますのに、いろんな議論がありますから、その哲学的な問題とかあるいは法制上の問題、いろいろ考えてやらなくちゃならない点があると思います。
 ただ、この法案の中にもありますけれども、今まで二つ問題がありまして、環境への負荷、いかにして環境が汚れているのを直していくか、そのためには排出者にいろんな負担をかけていくという問題が私は一つあると思うんです。これをどうするかという問題であります。それからもう一つは、世界的な問題としまして、世界の環境をどういうふうにしてやっていくかこういったような問題があります。これをだれがどういうふうな形で負担をしていくのか。CO2を出したりあるいはNOxを出したりなんかしている人に負担をしてもらうのか、一般の人々には負担をしてもらうのか、私はまだいろんな議論があるだろうと思うんです。
 今説明しました二十一条には、そういったものについての哲学というか物の考え方が書いてあると思うんです。基本法でありますからやはりそういった基本的な問題をここに書いて、国民の前に、非常に難しいふうに書いてあるとは思いますけれども、私はここはやっぱりこのことをベースにしていろいろ議論をして、そうした上で実定法としてどういったものをつくっていくか、これはその次の問題だろう、こういうふうに考えているところでございます。
 これからも私の方は一生懸命勉強させていただきたい、こう思っております。
#192
○堂本暁子君 通産大臣に伺います。
 その「国民の理解と協力を」というところは通産省の主張で入ったということですが、どういう意味でしょうか。
#193
○国務大臣(森喜朗君) 通産省は、先ほどもこの委員会で午前中申し上げたように、我が国の産業が生き生きとして経済行為が営まれるように、それが社会のためになるようにという基本的な指導理念があるわけでございます。そういう意味で、先ほどからの御議論、私も大変感銘深く承りました。しかし、答申にございますように、広く国民的合意というのは、やはり負荷に耐え得るようなそういう産業社会でなければいけないという面もあるわけでございます。
 それからもう一つ、今、林大蔵大臣おっしゃいましたように、地球環境は世界全体で考えていかなきゃなりません。ですから、日本だけでこのような措置をとっても、逆に言えば、非常に日本の国の場合は高度な環境対策ができつつございますし、そのことを他の国にまた求めることが当然ではございますが、他の国をほっておいていいというものでもない。
 そうなりますと、非常にそれだけ余計経済的にプラスオンされてくるわけですね、いろんな要件が。そうしますと、今度は日本の経済が外国に移動するということも当然考えられますね。そうなったときにかえって、地球環境全体から見たときに、世界全体がこの地球環境というものを守っていかなきゃならない。逆に言えば、どちらかというと地球環境に甘くなるといいましょうか、まだそこまでいかないところにむしろそうした産業が集中的に行われるということになりますと、地球全体から見たらどのようなものかなという見方も私はあると思うんです。そのように重要なことは十分我々も認識しております。
 ただ、通産省としてこのように書き直させたとかどうとかいうのはいろいろ伝聞に基づくものではないかなと思っておりますが、国民的な合意が得られるように、そして環境を大切に考えていくということを十分踏まえながら、通産省としてはこの種産業界への指導をしていかなきゃならぬ、このように考えております。
#194
○堂本暁子君 今のところですが、例えば炭素税を導入した場合、企業が税負担を価格に上乗せした場合、そうすると物価上昇を招く。それで、国民がそれを引き受けるということが国民の理解と協力という意味だと理解してよろしゅうございますか。
#195
○国務大臣(森喜朗君) 今御指摘があったような問題もございますが、先ほどちょっとくどくど申し上げたんですが、もう一つは、地球環境は世界全部で考えなきゃなりません。だから、一国のみでこれを導入されるということは国際的な整合性の問題でどうなのか。そうしますと、産業が国際的に移動をしていく。
 こういう場所で申し上げていいのかどうかわかりませんが、酸性雨の問題が一応我々日常の生活の中で国民の問題意識にありますが、酸性雨というのは日本の国で発生した主たる原因よりもよその国から原因が起きてくるということもあり得るわけでございますね。
 ですから、そういう意味で、日本だけが厳しくした場合、今先生がおっしゃるように、みんなそれを日本人が国民的合意を得て負担をいたしましょうということに仮になったとすると、それだけ企業の負担が非常に大きくなってまいりますと、その産業そのものが国際的な移動を招く結果になってしまう。そうしますと、果たして地球全体を守るということと少しまたずれてくるような感じがするわけでございまして、でき得る限りそのことを大事に守っていく、そういう考え方をやはり産業政策全体としてとっていきたいというふうに申し上げているつもりでございまして、御理解をぜひ願いたいと思います。
#196
○堂本暁子君 私も、くどいようですが、OECDでの議論は、やはりインセンティブとして抑止的に税を使う、課徴金を使うということだと思いますが、そういたしますと、今大臣のおっしゃったことは、企業の内部努力で実際に公害を減らすということではなく、国民が負担するということですか。
#197
○国務大臣(森喜朗君) 企業も十分そのことを踏まえて、技術的にもそれにたえ得るような研究を進めていくということもより私は優先すべきだと考えております。
#198
○堂本暁子君 負荷活動を行うものに対してインセンティブというのはかかるものであるというふうに了解してよろしゅうございますね。
#199
○政府委員(清川佑二君) 一言、補足的に御説明をさせていただきます。
 経済的手法の活用につきまして、この法律、基本法は、昨年十月に中央公害対策審議会等で答申がありました「環境基本法制のあり方」、これに準拠しているというふうに考えているわけでございます。すなわち、その答申の中には、例えば個々の施策の必要性につきましては、「施策の必要性及び効果、経済社会への影響等につき十分な議論を行い、広く国民各層の合意を得ることが必要とされるものであり、」、あるいは「とりわけ環境税・炭素税については、更にエネルギー課税水準、他の施策と組み合わせた総合的効果、国際的な整合性、税収の使途等について解決すべき課題が存在している。こうした広範かつ慎重な議論による国民的合意が形成されていない分野がある以上、」云々とありますように、この法案そのものにつきましては答申に準拠した形でつくられているというふうに考えられるわけでございます。
 なお、先ほどの法律の中身につきましてのお尋ねにつきましては、私、通産省の方から法案について御説明をするということにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
#200
○堂本暁子君 私は、この二項が英訳されたら一体どういう文章になるのかさっぱり予想がつきません。外国の人に、一体日本はどういう方針を持っているのかと。例えば、クリントンはちゃんと大変インセンティブを大事にしたエネルギー税を打ち出しているわけでして、これは哲学どころか、伝聞かもしれませんが、各省庁の言い分を全部一緒にするとこういう文章になったというふうに私は聞いております。そういうものでは全く我が国の国際的な立場では通用しないのではないか。もっとわかりやすいものにぜひ総理の力でこれも書き直すようにしていただきたいなというのが私の願いです。
 次に移りますが、大蔵省は今ウイスキーの減税をしようとしております。その内容と目的についてお答えください。
#201
○政府委員(濱本英輔君) 現行の酒税法は、お酒を細かく分類、区分いたしまして、それぞれの酒類において基準税率というのを設けまして、アルコール分の濃度に応じた加減算税率というのをそれぞれに設定する、それでアルコール度数課税というのを行っているわけでございます。減算税率につきましては下限を設けておりまして、例えばウイスキー類、スピリッツにつきましては三十八度未満、しょうちゅうにつきましては二十一度未満のものにつきましては一定の税率にとどめておる、そういう仕組みをとっておるわけでございます。その中で、例えばウイスキーを炭酸水で割りましたもの、いわゆるハイボールでございますけれども、こういったものはアルコール分が十三度未満のものにつきそのアルコール度数に応じた税率を既に適用しておる、そういう状況にございます。
 ところで、今回、蒸留酒に係ります低アルコール分の税率の設定を御提案申し上げておるわけでございますけれども、これは最近酒類の消費が低アルコール化傾向を示しておりまして、そういう中で蒸留酒の低アルコールのものに係る税負担が加重になっておる、あるいは先ほど申し上げました炭酸割りのものに比べまして税負担が不公平であるといった指摘があり、これによって製品の新しい開発を阻害しておるとかあるいは税制の中立性の観点から問題があるということが言われておりまして、こういった状況を解消して税制の合理化、適正化を図ろうとするねらいを持つものでございます。
 すなわち、アルコール分が十三度未満のものにつきましては現行税率とアルコール分一度当たりで同じ税率を適用するということにいたしまして、アルコール分に応じた適正な負担を求めようとするそういう税制改正をお願いしているわけでございます。
#202
○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#203
○委員長(遠藤要君) 速記を起こしてください。
#204
○堂本暁子君 大蔵大臣に伺います。
 まさに減税をすれば水割りウイスキーがこういう形で、ここにちょうどありますけれども、自動販売機で売られる、そうすると、ぽい捨ての缶がまたふえる、ごみがふえる。それに対しての対策がおありになるかどうか。
 それからもう一つ、今のOECDのインセンティブということで言いましたらば、インセンティブ、抑止的ではなくて道なんです。缶がふえるんです。ですから、これは逆インセンティブではないかということを伺いたい。
#205
○国務大臣(林義郎君) 缶がごみ捨てになりますとごみになります。だからそれをどうするかという問題ですが、大蔵省も環境をいろいろ配慮いたしまして、酒の販売をしています業界を指導いたしまして、その回収に努めるようなことをやりましたり、缶もありますし瓶もありますし、それから紙袋もありますから、それぞれ分けてみんな回収するようなことをやっているところであります。
 それから、OECDというお話がありましたが、OECDの方では特にアルコール分の税金を下げたからどうだこうだという話じゃなくて、一般論としての話じゃないかな、私はこう思っております。私はそういうふうに今OECDの方は理解をしております。
#206
○堂本暁子君 警察庁に伺います。
 日本には未成年者禁酒法というのがありますが、自動販売機でアルコールを売った場合、検挙した例はありますか。
#207
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。
 未成年者飲酒禁止法でございますけれども、これは酒類の販売を業とする者が未成年者に対して未成年者の飲用に供することを知りながら販売してはいけないということを規定しているところでございまして、自動販売機で酒類を販売したということだけをもって直ちに未成年者飲酒禁止法に違反することにはなりません。したがいまして、未成年者に自動販売機で酒類を販売して同法で検挙されたという事例については報告を受けておらないところであります。
#208
○堂本暁子君 結局、取り締まれないということですね、警察庁。どんなに未成年がふえても取り締まれないということですね。
#209
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。
 ただいま申し上げましたように、個別の個々具体的なケースで、販売者が未成年者の飲用に供するということを知って売っておるということでなければ検挙はできないということであります。
#210
○堂本暁子君 大蔵大臣、どうも逆説のように私は聞こえます。
 こうやって自動販売機でお酒を売っているのは日本だけだそうです。世界じゅうどこもない。日本は二十万台もある。これからやはり未成年の者がアルコールを飲むことを助長するんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#211
○国務大臣(林義郎君) 未成年者にアルコールを飲ませるにはいかない、確かに大正年代の法律ですね。日本ではやっぱり未成年者には飲ませちゃいけない、こういうことになっています。だから、自動販売機でやるというのもやっぱり注意をしなきゃならない。国税庁長官の告示で未成年者に法律で禁止されているということを表示するようなことをやりましたり、それから販売停止期間、午後十一時から翌日午前五時までは販売を停止するというようないろんな指導はやっておるところであります。
 ただ、私は、今のお話で外国でやっていないというのはちょっと私も初耳でございまして、フランスなんかは売っていたんじゃないかな、こう思っていますが、調べてみます。
#212
○堂本暁子君 ところで、大臣、未成年者がどのくらい自動販売機で買っているかは御存じですか。
#213
○国務大臣(林義郎君) 残念ながら数字は今持っておりません。何でしたら、事務当局わかれば  どうもわからないようでございますから、わからないということでお答えします。
#214
○堂本暁子君 では厚生省、もしデータをお持ちだったら教えてください。また、アルコール依存症と未成年者の関係、それからアルコールについてのWHOの勧告についても御報告ください。
#215
○政府委員(谷修一君) お答えをいたします。
 未成年者のアルコール飲料購入の実態というのは私ども厚生省としての調査を行っておりませんが、アルコール問題についての専門医療機関であります国立療養所久里浜病院において、首都圏の高校生八千五百人を対象にしたアンケートをやっております。そのデータによりますと、四二%の方が自分で飲むために自動販売機で酒を買った経験があるという回答がございます。
 それから二番目の点でございますが、若いときから酒を飲んでいるとアルコール依存症にかかりやすいかどうかということでございます。同じく久里浜病院での調査でございますけれども、先生の御質問と同じあれではございませんけれども、アルコール依存症の人についてさかのぼって調査をすると、問題のある人ほど若いときから酒を飲み始めていたというデータはございます。
 それからWHOの勧告でございますが、これは、平成三年四月にアルコール関連問題国際会議が行われておりまして、アルコール問題についての全般的な対応についていろんな御意見がなされております。その中で、いわゆるアルコール関連問題を減少させるということで、有効な規制対策としては、例えば飲酒が許される最低年齢の設定ですとかあるいは酒類の価格等の引き上げといったような幾つかの御意見が出されております。
#216
○堂本暁子君 厚生省、アルコールはほかの飲料とは区別していらっしゃいますでしょうか。
#217
○政府委員(谷修一君) 私ども特に区別をしていないんじゃないかというふうに理解していますが、ちょっと御質問の趣旨があるいはとらえかねているかもしれません。
#218
○堂本暁子君 公取委……
#219
○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#220
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
#221
○堂本暁子君 公取委の委員長に伺いますが、酒屋さん組合が自動販売機に反対の決議をしました。自発的、自主的にアルコール類の自動販売機を撤去した場合には公取委はどう対応されますか。
#222
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますけれども、自動販売機は酒類小売業の実態として競争手段の一つとなっておりますので、今の御指摘のように業界団体が自販機の全面撤去を決議してその構成者に撤去させるということは、一般的に申し上げれば小売業者の競争手段の制限になって独禁法上問題となる場合があります。
 ただ、ただいまの御議論のように、未成年者の飲酒防止といういわば公共目的への配慮のためである、それからほかに法令等に基づく適当な措置がないという前提で考えますと、業界団体が自販機の撤去を申し合わせる、そして御指摘のようにその実施について業者に遵守を強制しない、あくまで自主的な判断にゆだねるということでありますれば、原則として独禁法違反になるとは考えておりません。
#223
○堂本暁子君 大蔵大臣、お聞きのようにいろいろ問題ございます。
 私は、青少年への影響を考えて、ごみのことも考えて、ぜひウイスキーの税の値下げ、それからアルコールの自動販売機を撤去すること、この二つをお願いいたしたいと思いますが、いかがですか。
#224
○国務大臣(林義郎君) 確かに、未成年者の飲酒を禁止するということは、私はやらなければならない一つの方向だと思います。しかしながら、自動販売機で売っておりますのは未成年者だけに売っているわけじゃありません。我々成人者も皆そこで買うわけでありますし、私は、一つの販売手段ということでございますから、これを法律的に強制する云々というのはどうだろうかな、やっぱりアルコールも飲んでいいということでありますから、これを強制してやるというのはいかがなものかなと、こう思っておるところであります。
 しかし、お話の趣旨もありますから、どういうふうにしたならば未成年者に対する飲酒を抑えることができるか、抑制的なことができるか、何か方法があるのか、少し考えさせていただきたい、こう思っております。
#225
○堂本暁子君 私も嫌いじゃないお酒ですけれども、ぜひ前向きに御検討ください。
 次に、外務省に伺いますが、ラムサール条約の締約国会議を前にアジア各国で湿地を調べたところ、ODAによる被害が大きいという大変問題のレポートが出ております。
 例えば、タイのブンボラペット湖ではしゅんせつ工事で水をすっかり出してしまった。その結果、そこで生息していた島とか魚とか植物が枯れてしまったということなんですが、OECFはきちんとこれは環境アセスメントを事前になさいましたでしょうか。
#226
○政府委員(川上隆朗君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘なのはタイのケースと存じますけれども、タイにつきましては、私ども承知いたしております限りでは、タイ側がまず国家経済社会開発庁、あるいは幾つかの大学でございますが、共同でFS、フィージビリティースタディーをやったというふうに承知いたしております。これをレビューする今度はエンジニアリングサービスの、これは詳細設計でございますが、この中でも環境への影響をチェックするための環境アセスメント評価を実施するということを円借款の供与の前段階としてタイの農業組合省水産局というところが実施しているというふうに承知いたしております。
#227
○堂本暁子君 相手がやればいいというものではないと思います。そして、OECD勧告は援助国も湿地や熱帯林についてはきちんとアセスメントをしなければいけないと求めているんですから、これは日本側がやらないのは無責任ではないでしょうか。
#228
○政府委員(川上隆朗君) 私どもといたしましても、円借款等ODAの案件を実施するに当たりましては、そういうプロジェクトが今御指摘のような湿地の生態系を含めまして環境に与える影響等につきましては、これは基本的に主体は先方政府でございますけれども、そういう政府との対話を深めながら、先方がまず十分な環境影響評価を行うように我が方から働きかけるということを行いますとともに、実施に当たりましてはOECF、JICAの既に存在いたしております環境ガイドライン、種々の形で存在しておりますが、こういうものに従いまして現地調査等を含めて環境調査を行ってまいる、そういう基本姿勢でございます。
#229
○堂本暁子君 姿勢ですか。このケースに関してアセスメントをなすっているのならば、それをぜひこの委員会に提出していただきたいと思いますが、いかがですか。
#230
○政府委員(川上隆朗君) 本件につきましては、基本的にタイとの政策対話におきまして、先ほど申しましたようなフィージビリティースタディー及びエンジニアリングサービス、これは我が方の円借款で実施したわけでございますけれども、そういうものを通じて湿地保護に関する配慮を行ったという姿勢でございます。
#231
○堂本暁子君 資料は出していただけますか。
#232
○政府委員(川上隆朗君) この点は、実施した主体がタイ政府でございますので、必要に応じましてタイ側と相談をしながら出せるかどうかということで検討させていただきたいと思います。
#233
○堂本暁子君 湿地ですとか干潟とか、それから海岸に関して日本は非常に配慮が足りないと思います。きちんと日本側でもそういった認識を今後ODAに関しては持つ必要があると思います。
 次に移ります。
 カンボジアに対する農薬援助ですが、これもインドネシアで同種の農薬を使って害虫が大発生した、そしてむしろ米が減収になった。この点について、日本はもうプノンペンに三十トンの農薬を運んでいるそうですが、アセスメントをやっているのかそれからこの三十トンの農薬はどうするのかお答えください。
#234
○政府委員(川上隆朗君) カンボジアの農薬についての御質問でございますが、先生御指摘のとおり、事実の問題といたしましては、昨年我が方とカンボジア政府との交換公文によって決めました農薬等の、これは2KRと我々言っておりますけれども、食糧増産援助の計画の一環でございますが、それによって供与した農薬につきましては既に先方に着いておりまして、これを今後どうするかという時点になってございます。
 我々といたしましては、農薬の供与に当たりましては昨年の三月、四月の時点で政府の食糧増産援助にかかわります基本的な調査団を先方に派遣して先方政府との政策対話を行う、その過程におきまして、食糧増産のためには、カンボジアの一ヘクタール当たりの生産高というのは世界最低水準にございますので、食糧増産、特に稲の増産が今焦眉の急ということになっております。そのためにはどうしても農業資機材の投入ということが必要であるという認識がございまして、先方から要請を受けまして今のような援助に至ったということでございます。
 今の御質問はアセスメントについての御質問と存じますけれども、我々はそのような調査を経まして、先方のニーズがあるということで、先ほど申しましたように、こういう援助を行うに当たっての環境の重視という基本姿勢でございますから、我が国としての使用時における安全対策というものを非常に重視するという姿勢で先方と話し合いを行っておるところでございます。
 ちなみに、カンボジア政府側といたしましては、今回の農薬援助を極めて限定的に治療的に使用する、しかも使用する領域もこれを限られたものにするという非常に慎重な姿勢をとっておりまして、我が国としてもそのような慎重な姿勢を慫慂するという基本的な立場で対処いたしたいと思っております。
 それから、先生、今、リサージェンスの問題について御指摘がございました。害虫が発生するという状況があるから農薬を使用するというのがもちろん基本でございますが、過去にインドネシア等でそのようなリサージェンスが起こったという状況があることも我々存じ上げております。ただし、このリサージェンス自体は農薬の使用のみが影響しているわけじゃなくて、気候の変動だとか品種なども影響しているというのが我々専門家を通じて得たところでございまして、必ずしも大量に農薬を使ったからリサージェンスが発生するとは断定できないというふうに承知いたしております。
 全体といたしまして、我々はOECDでも環境アセスメントということが盛んに言われておりますけれども、これにつきましては一般的にアセスメントの項目とされております相手国、この場合カンボジアでございますが、の農薬管理能力でございますとか訓練計画、それから農薬に現地語のラベルを添付するといったようないろんな措置を講じて、極めて慎重にこの農薬援助というものを進めてまいりたいという姿勢でございます。
#235
○堂本暁子君 安全だとおっしゃいましたけれども、私の聞く限りでは、国際的なNGOですとか学者とか専門家から非常に批判が出ております。こういった批判を受けている中で、万一、二年後、三年後に害虫が大量発生したりしたら一体だれが責任をとるんですか。やはりきちんと日本でそれは調べるべきだと思いますが、もう一度答えてください。
#236
○政府委員(川上隆朗君) 害虫が発生するかどうかという点につきましては、断定的に発生するともしないとも、私自身も専門家ではございませんものですから、基本的には専門家の御意見を参考にして申し上げておるわけでございますが、今まで、ちょっと長くなりましたけれども、申し上げましたようなラインで慎重に援助を進めてまいりたいというのが基本姿勢でございます。
#237
○堂本暁子君 総理、私はやはり環境ODA、そして環境でイニシアチブを日本がとるというときに、我が国のODAが国際的に非常に被害が出るかもしれないというそういった批判を受けるようなことが余りにも多過ぎると思います。湿地にしても、それから川にしてもダムにしても、そして今の農薬にしてもそうです。やはり環境については、国の中もそうですけれども、海外に対しても、慎重と今おっしゃいましたけれども、言葉ではおっしゃっているんですが、実際にそれではそのアセスメントの資料を提示して外国のNGOや専門家にきちんと了解を得ているかといえば日本はやっていない。説得力がないんですね。ですから、やはりそういうことをこれからやっていただきたいと思います。
 それで、今度の基本法の第二条では、地球環境保全の定義として当初あった開発途土地域の環境保全というのが落ちてしまいました。具体的に、どうしてこれが落ちたのか、どのような違いがあるのとないのではあるかということを環境庁長官、お答えください。
#238
○政府委員(八木橋惇夫君) 御指摘のような新聞報道がありましたことは私ども承知しておりますが、政府部内においていろいろ検討しました結果の成案がただいま国会に提出している法案であることをまず御理解いただきたいわけでございます。
 そこで、途中経過にありましたような案について、従来開発途土地域の環境保全が含まれていたけれども今回なぜ落ちたか、また落ちたことによって後退したのではなかろうか、こういう御質問でございました。
 結論的に申し上げますならば、これは法文上の考え方の整理の結果でございまして、法案の内容としては何ら後退しておらないものでございます。具体的には、開発途上国の環境の保全、南極等国際的に高い価値が認められる環境の保全につきましても、第六節の「地球環境保全等に関する国際協力等」というところにおきましてすべて規定の対象としているところでございます。したがって、途中経過いろいろございましたが、変わっているところはございません。
#239
○堂本暁子君 開発官庁、例えば建設省、通産省、農水省、本当に基本法ができて、具体的に態度をお変えになるのかどうか、三大臣に伺いたいと思います。
#240
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 建設省といたしましては、環境基本法に示された諸課題につきましては、みずからの課題として積極的に主体的に取り組んでいく考え方でございます。環境保全のために社会資本の整備等の事業を推進し、下水道、都市公園、こういった諸施策を一層充実していきたい、このように考えております。
#241
○国務大臣(森喜朗君) 通産省といたしましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
#242
○国務大臣(田名部匡省君) もともと農業は環境維持あるいは保全に大変な役割を果たしておりますので、今後とも環境のあり方も視野に入れて十分考えていきたいと考えております。
#243
○堂本暁子君 総理、やはりそれぞれ独自に環境についてお考えになるということで、まさに総理がおっしゃった総合的、体系的なビジョンが見えてまいりません。それで、ぜひとも各省庁間の調整を含めて、総理にイニシアチブをとっていただきたい。そして、現在並びに将来の国民に見えるような環境行政を展開していただきたい。そのことをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから申し上げておりますとおり、各省庁がいろいろな仕事をやっております。環境問題というのは、比較的我々の意識に最近上ってきた問題でございますから、いわば行政としてはレイトカマーである。そのことはしかし大事でないというわけではありませんので、そういう新しいニーズがみんなに認識されたわけですから、各省庁は今までやっている行政をそういう新しい事実の中でもう一遍考え直しをしなければならない。これは当然のことであって、そのためにこの法律がつくられるということも言えます。この法律をこれから政令をつくり運用をしていきます上で、当然のことながら、各省庁とも今までの行政をこの法律に照らしてやはりやってもらわなければいけない、こういうふうに思います。
#245
○国務大臣(林大幹君) 一言、お答えいたしま
す。
 実は、先ほど三大臣と申されましたけれども、私の場合それとは異なります。ただ、環境基本法案を提出するにつきまして、基本法案としてまとまるまでにはいろんな意見もございました。しかし、その中ですべてベターと思われるものを、ベスト、ベター、いろいろありますけれども、これならばというものでまとめてありますので、政府としては最善の案として提出してございますので、よろしく御審議願います。
#246
○堂本暁子君 防衛庁に伺います。
 この「平成五年度予算及び財政投融資計画の説明」に、六ページですけれども、「正面装備について更新・近代化及び欠落機能」と書いてあるんですが、この「欠落」とはどういう意味ですか。
#247
○政府委員(畠山蕃君) 防衛計画の大綱に従って我々防衛力整備を行っているわけでございますが、防衛計画の大綱に想定した機能がいまだ整っていない、それを今回一部充足するという意味で、これまでのところ整えられていない機能という意味でございまして、具体的にとおっしゃるならば例を申し上げますが、AWACSを念頭に置いてそう書いているところでございます。
#248
○堂本暁子君 今まで三次防、四次防とずっと重ねてきた防衛が「欠落」ということはないんじゃないですか。一体税金をどういう使い方をしたのか。この「欠落」はどうしても納得がいきません。
#249
○政府委員(畠山蕃君) 我が国の防衛力整備につきましては、ただいま申しましたように防衛計画の大綱に従って整備をいたしているところでございまして、量的にある程度充足されましたけれども、質的に申しますと、これは周辺のあるいは世界の軍事技術水準というものがございまして、これに見合った形で対応していかなきゃいけない。その観点からいいますと、現下におきます国際軍事技術水準の動向というものから踏まえますと、AWACSみたいな機能つまり情報収集機能の一環としての早期警戒監視機能というものが整備されていないことが、我々にとってはこれを整備することが必要であるというふうな意味合いで、そういうふうに述べているところでございます。
#250
○堂本暁子君 領土、領空、領海から出ないのが我が国の自衛だったはずです。それでは、その超近代兵器、ピンポイント戦争に役に立つようなそういったものがなければ「欠落」というのであれば、それは間違っているんじゃないですか。
#251
○政府委員(畠山蕃君) 御質問の中にあった話とはおよそ違う話であると私どもは考えておりまして、要するに一つは平時におきます情報の早期収集のための手段ということでAWACSを考えております。
 それからもう一つ、いざ有事になった場合にも、先ほど申しましたように周辺諸国の軍事技術の動向が、つまり航空機の性能が非常に向上いたしまして非常に航続距離が延びた、あるいはミサイルの射程距離が延びたということになりますと、洋上遠くから我が国の国土を攻撃することがあり得るという状態が一般化してきつつある。そうなりますと、我が方は早くからその情報をキャッチしてそれに対応する態勢を整えなければいけない、そういう意味でありまして、我が国の国土、領空、領海を守るということにおいては全くそのとおりでございます。
#252
○堂本暁子君 「欠落」という言葉を使っていらっしゃるということは、今まで間違っていたということですか、そうしますと。
#253
○政府委員(畠山蕃君) 先ほど申しましたように、環境、周りが変化した、状況が変わったということでございます。
#254
○堂本暁子君 では、「欠落」という言葉は使うべきではないんじゃないでしょうか。やっぱりこの言葉は私たちの税金が間違って使われたというふうに私は理解しますが、どうでしょうか。
#255
○政府委員(畠山蕃君) 以前のような状態のままであれば「欠落」ではありませんでしたが、周りの状況が変わったために、今日において判断するに、それは現時点で欠落しておるということでございます。
#256
○堂本暁子君 終わります。
#257
○委員長(遠藤要君) 以上で堂本君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#258
○委員長(遠藤要君) 次に、広中和歌子君の質疑を行います。広中君。
#259
○広中和歌子君 総理、今、国民の政治不信は極限に達しております。日本への国際的評価、信用も急速に下降しているんではないかと心配しているところでございます。自民党前総裁宮澤内閣の生みの親と言われる金丸氏の所得税法違反の容疑に見る逮捕と起訴について、総理は遺憾とおっしゃる以外にいかなる形で内閣の責任をとられるおつもりか、お伺いいたします。
 ちなみに遺憾の意味は、思いどおりでない、心残りで悔しいこと、残念であること等でございます。
#260
○国務大臣(宮澤喜一君) たび重なるこのような事件が起こりまして国民の不信が強まっておりますことを痛切に感じております。金丸前議員が逮捕せられましたときに、遺憾で残念であるということを申し上げました。また、起訴せられましたときには、このような自民党の要職にもあられた前議員でもある人がこういう起訴を受けられたことはまことに国民に対して申しわけないことだと、政治の不信に対しておわびをいたしました。
 それが私の考え方でございますが、やはり政府としては、この事態を厳正に司直によりまして解明し、またそれに対応するということ、並びに、しばしば申し上げておりますように、これは政治改革を先般の緊急改革に続きましてこの国会でひとつお認めを願って、我が国の民主主義が新しいいわば出発をすると言われるほどの政治改革をここでしなければならないと思います。
#261
○広中和歌子君 検察の取り調べにより莫大な額の蓄財の事実が次々に明らかになっております。
 新聞報道によれば、甲州金脈と言われ、公共事業を通じ集金がなされたということですが、公共工事と政治資金のかかわりは広く関係議員に及んでいるとささやかれております。この際、徹底的な解明がなされるべきだと思いますけれども、総理の御決意をお伺いいたします。
#262
○国務大臣(宮澤喜一君) もとより当然のことと考えております。
#263
○広中和歌子君 金丸事件の特捜部の規模は今後人員の点でも拡大され、捜査の範囲は大手ゼネコンを含め広げられると思ってよろしいでしょうか法務大臣にお伺いいたします。
#264
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員も御案内のとおり、現在、検察当局におきまして金丸前議員及び生原元秘書に係る脱税事件につきましてその全容解明のために鋭意捜査を進めているところでございます。
 今、委員が御指摘になられました検察当局におけるこの事件の捜査態勢につきましても、東京地検の特捜部におきまして必要に応じてほかの部やあるいはほかの地検からも応援を求めるなどいたしまして捜査に当たっているわけでございまして、その全容解明のために国税当局とも連携をとりつつ鋭意捜査を行っているというのが実情でございます。
#265
○広中和歌子君 やみ献金の原資とされる使途不明金には重加算税がかけられております。現状でもかけられているにもかかわらず、八九年から九一年の三年間、資本金一億円以上の企業の使途不明金は千五百九十七億円、そのうち建設業関係は六七%の千九十五億円でございます。
 国税庁は使途不明金に現在よりもさらに重い重加算税をかけるおつもりがおありでしょうか、お伺いします。
#266
○政府委員(瀧川哲男君) 重加算税は法律によって決まっておりまして、それ以上の重加算税というのは無理でございまして、今精いっぱい仮装隠ぺいに対して厳しくやっているところでございます。
#267
○広中和歌子君 ニューヨーク・タイムズに掲載された長良川河口ぜきにかかわる意見広告では、日本の公共事業の灰色の部分が指摘されております。
 総理は、こうした日本の政治の信頼性を損なううわさをきっぱり公に否定し、不確実な記事を載せたことでニューヨーク・タイムズに抗議がおできになりますか、お伺いします。
#268
○国務大臣(宮澤喜一君) 記事の内容を存じませんけれども、もし不正確なことがあれば、それは記事を書かれた、掲載されたその新聞ではなくて掲載されたそのどなたの責任でございますか、そういうことであろうと思いますが、私、中身を存じませんので何とも申し上げられません。
#269
○広中和歌子君 指名入札制度、談合、政治献金について、この際徹底的にメスを入れるお気持ちがあるか法務大臣に伺います。国民は検察を応援しております。世論を追い風にぜひ御健闘を祈っているところでございます。
#270
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 公共工事についての入札・契約制度につきましては、中建審におきまして昨年の十一月に答申をいただきました。その中身は、従来の入札制度をさらに透明性の確保、競争性の確保の改善、民間の技術力、参加意欲を重視した多様な入札・契約方式の導入、こうしたものを今まで以上に厳正に、そして公共事業の一層の適正かつ執行に努めていきたい、このようなことで取り組んでいきたいと考えております。
#271
○広中和歌子君 現在の国民の政治不信を払拭する唯一の道は総理は政治改革関連法案を今国会で通すことだ、そういうふうに言われています。再び起こらないような法手続を整備し、それを実行すべきだと私も思います。
 しかしながら、単純小選挙区か比例併用がで選挙制度に関しましては与野党間に越えがたい溝があるように思います。いわば水と油でございます。この政治改革関連法案を一括して通そうとするならば、与党自民党、多数党である自民党が歩み寄るのが政治の王道ではないかと思うわけでございますけれども、総理のお考えを伺います。
#272
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の初めから政治改革のことを考えておりまして、緊急改革はまず昨年中に、抜本改革はこの国会でと考えておりました。私どもの党におきます案は既にほとんど最終段階になっておりまして、衆議院の特別委員会にやがて提案をいたしたいと考えておるわけですが、各党におかれましてもおのおの案を準備しておられるようでございますので、それらを特別委員会におきまして一緒に御検討されることになるのであろうと思っております。
 いつかも申し上げましたけれども、私どもの考えでは、本当に資金の問題その他を抜本改革いたそうとしますとやはり四つぐらいの法案がどうしても必要であって、と申しますのは、やはり公費助成というような問題が入ってまいりますものですから選挙制度の問題にも関係があるということで、不可分のものだというふうに私としては考えております。各党がどういう案をお出しになられますかがまだはっきりいたしませんのでそこは何とも申し上げかねますけれども、衆議院の特別委員会において恐らく各党案を一括して御審議になられるのであろうと思いますから、その間、委員会の御審議の中でいろいろな御意見が出てくるであろうと思っています。
 今、広中委員の言われますように水と油というようなことであるのか、あるいはどういう案がそもそも出てくるのかわかりませんので何とも予断をいたしかねますし、仮にいろいろ違った案が出てきましても、その間でいろんなメリット、デメリットの御議論があるのだろうと。私は随分考え詰めまして自民党が出した案がベストだというふうに実は思っておりますんですけれども、衆議院でこれから御審議になることでございます。どの党もしかしこの際政治改革は何としてもしなければいけないということは共通に認識をしておられると思いますので、その中からベストの案が出て、そしてこの国会で政治改革が法案化されるということを心から期待をいたしておるものでございます。
#273
○広中和歌子君 総理のリーダーシップを期待しているところでございます。そして、もし通らないんであれば、国民に信を問う意味で解散、総辞職、そして総選挙と、そういうふうな形をとるお覚悟があるのではないかと期待しているところでございます。
 さて、ある世論調査によりますと、今回の金丸事件のように、すべての政治家は政治資金を流用して蓄財しているに違いないと考えている人が九九%に上っております。大臣方を含め、そしてここにいる委員を含めまして、少なからぬ議員はこうした世間のイメージに悔しい思いをしていると思います。
 こうした疑惑が持たれる背景は、これまでの政治資金規正法がざる法であったことと、個人の収入の捕捉が給与所得者以外公正になされていない税法上の問題もあると思います。現在、法案が提出されている政治資金規正法の公開性を高めるとともに、税制改革も私は必要だと思います。つまり、これまでも税制調査会などで審議されてきた納税者番号の導入を検討することが急務だと思いますが、総理の御所見をお伺いいたします。
#274
○国務大臣(林義郎君) 広中議員の御質問にお答え申し上げます。
 納税者番号制度というのはもう随分古い歴史がございます。もう長いこと申しませんけれども、かつてグリーンカードというのがありました。あの郵便貯金の中で、非常に問題があるという形でいわゆるキャピタルゲインに課税をしていこうというような話を随分やったことがありましたが、なかなかそれがうまくいかないということでありました。
 この前も税制調査会で納税者番号制度をどうするかということであります。住民台帳に基づいてやるか、年金番号に基づいてやるか、どちらがいいかということもありました。そういったことを今検討しているところでありますが、やはり税金というものは、特にお話のありました給与所得者の勤労性所得よりはキャピタルゲインであるとかなんとかというふうに限るのが私はいいんだろうと思います。しかし、現実の問題としてこれを捕捉するのが非常に難しい。どちらも難しいという問題ございますし、もう一つ言いますと、それぞれのプライバシーの問題があるわけでございまして、その辺をどうしてやっていくかというのが私は非常に難しい実際の問題だろうと思っています。
 これは方向としては何とかやっていく方向でいかなければならない、私はこういうふうには思っていますが、今そういう状況で税制調査会でも鋭意御検討いただいていることだけは御報告しておきたいと思います。
#275
○広中和歌子君 私はこの問題につきまして宮澤総理にかつて大蔵大臣のころお伺いしたことがございまして、そのときは、アメリカと違って日本は年金番号と連係していないし、つまり土壌が違う、そのようなお答えをいただいたことを覚えているわけでございますけれども、ともかく日本でも国民年金、健康保険などと一体化し公正な税制をつくるとともに、高齢社会に向けまして年金、医療、福祉の整合性ある体系をつくる時期に来ているのではないか、そんなふうに思います。
 プライバシーのことでございますけれども、金融機関での金の出入りや株式、債券の売買が透明化され、データがあれば疑われることがないということ、そちらの方に注目していただきたいと思うわけでございます。
 大蔵大臣に重ねて御意見をお伺いいたします。
#276
○国務大臣(林義郎君) 御指摘のように、いろんな形で調査をして何かやっていくということになると、私はそう簡単な話でないような実務問題があるだろうと思います。税制調査会におきましても、御議論ありましたのは、そういったいろんな難しい問題がありますということがあるものだから引き続き検討という形になっているんだろうと思います。
 今後とも、いろいろと税制調査会で御検討いただくということになっておりますので、我々としましては税制調査会の先生方の御検討の経過を見守っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#277
○広中和歌子君 では、次の国際協力と国際貢献の問題に移ります。
 ポスト冷戦の世界は決して平和ではございませんでした。湾岸戦争を初め、ソマリア、カンボジア等各地で民族紛争、地域紛争が起こっております。旧東側陣営の解体は多くの混乱を引き起こし、なかんずくユーゴの内戦は悲惨でございます。西側のリーダーであった米国は国内にさまざまな問題を抱え、ヨーロッパ諸国もEC統合への産みの苦しみの中にある。そうした中で、日本は冷戦後の世界の秩序づくりにいかに取り組むか、どのような分野でリーダーシップをとられるか、お伺いいたします。
#278
○国務大臣(宮澤喜一君) それは大変大きな問題でございますけれども、本会議でも申し上げましたように、冷戦というものが終わって新しい平和ができようとしていろんなことが世界じゅうございますけれども、大きな流れはそういうふうにやはりとらえていって、我が国としては戦後軍事大国にならないことを心がけてまいりましたから、まさにここは我が国のような考え方、行き方というものが国連を中心として可能になるというそういう時代になったと思いますので、したがって、我々は、そういう自分たちのしてきた努力をさらにこの際世界の流れの先頭に立ってこの流れを促進すべきであると思いますし、また幸いにして経済大国にもなっておりますから、それなりの経済力によって寄与することもできる、大まかにはそういう考えでございます。
#279
○広中和歌子君 もうちょっと国連の果たすべき役割について具体的に伺いたかったわけでございますけれども、来る七月の東京サミットにおいて総理は国連改革を主要テーマとして提言されていると伺っておりますが、その内容と概略をお伺いいたします。
#280
○国務大臣(宮澤喜一君) サミットのテーマに特に国連改革とまでは考えておりませんのですけれども、ただ確かにそうおっしゃられれば、国連のあり方についてどう思うか、安保理事会等を中心にしてという各国の意見をことしの六月か何かまでには出さなければならないことになっておりまして、私も、昨年の正月にニューヨークで申しましたことをさらに敷衍いたしまして、今後の国連のあり方について意見を我が国としてはまとめなければならないと思っております。
 これは申し上げるまでもなく、五十年近くたっておりますし、今もう加盟国は百八十カ国でございますが、あの憲章というものはあのように冷戦以前の部分を含んでおるようなものでございます。それがそのまま残っておることが象徴いたしますように、いろいろ直さなければならない。
 ただ、それを現実にどういうことから始めていくか。憲章全体を全部取り上げようとなればこれはなかなか簡単なことではございませんでしょうから、例えば安保理事会のあり方であるとかいうようなことについては比較的問題が、難しゅうございますけれども、それでも憲章全体ということでもございませんから、まあそういったようないろいろな我が国としても意見を出し、また各国の意見が出てまいりますので、やがて国連でそういうことについての討議が始まるというふうに思います。
#281
○広中和歌子君 非常に大ざっぱなお話でございますけれども、もうちょっと具体的に、例えば安保理につきましてどのようにお考えか。そして特に、日本はもしかしたら安全保障理事国参加を求められる、そういう可能性もあるかもしれません。そうしたときにはどのように対応なさいますか、そしてこのメンバーとしての役割をどういうふうにとらえていらっしゃいますか、お伺いいたします。
#282
○国務大臣(宮澤喜一君) 安保理事会の定員の衡平な再分配と増員ということについては基本的な合意があるわけでございます。それをしかしどうするかということはもう御推察のとおり大問題でございますし、今十五カ国でございますか、これだけ加盟国が多くなった、しかも世界各地域から加盟をしておりますから地域的な分配ということもございましょうし、いろいろな問題がありまして、議論は私はなかなか長いしかも複雑な経緯をたどるんではないか、こう思っております。
 私が一つ大事だと思いますのは、そういう議論が複雑化しまして安保理事会がその機能をちょっと失ってしまうというふうなことが一番困るわけでございますから、議論は議論として、安保理事会はちゃんと機能をしていくということは確保しておかないといけないと思っております。そういう中で、我が国への期待は恐らく大きいものと思います。ですから、言われれば決してこの責任を回避したいとは思っておりませんけれども、そうかといって鳴り物入りで売り出すというようなことは、さっき申しました安保理事会が円滑に機能をし続けていく上でひょっとしたら障害になるかもしれないということは常に考えておかなければならない、こういう心構えております。
#283
○広中和歌子君 ブトロス・ガリ国連事務総長は四段階の地球管理構想を打ち出しているわけでございます。予防外交、平和執行、平和の維持、平和の再建、この四つでございますけれども、この構想について総理の個人的なお考えと、日本としてはもし国連がこうした方向で非常に活発に活動するとしたらどの分野にかかわることが好ましいとお考えになっているか、お伺いします。
#284
○国務大臣(宮澤喜一君) 国連がにわかに重い役をしょわされることになりましたので従来の国連ではとてもこれはやっていけない、新しい発想に立たなければというのがブトロス・ガリさんがああいう提案をされた背景だと思います。その意欲は私は買います、評価いたします。
 ただ、読んでいきますと、現に一番いい例はあるいはソマリアであるかもしれません、もっといい例はユーゴかもしれないのですけれども、そうかといって簡単に国連が飛び込めない。とにかく食料が渡らなければ何ともなりませんから人道的な見地でアメリカがしたことはいいとして、そのアメリカが引いてしまえばもとに戻ってしまう。そのときに、しかしそういう状況の中で国連の今までのような平和維持ではやっていけないわけでございますから、それでガリさんは多少重大器でも持ってやっぱり鎮圧するものは鎮圧しなきゃならぬとお考えになったんだろうと思いますけれども、それがいわば平和執行ユニット、ピース・エンフォースメント・ユニットですか、しかしこれは国連憲章には御案内のように具体化していない。今までない種類の提案でございますから、よほどみんなで議論をしないといけないんじゃないか。
 つまり、心余って実は道が必ずしも憲章の中にはないと。気持ちだけはわかるがというような提案になりかねない。その辺のところはですからよほどよくみんなで議論をしていかないといけませんし、いわんや、そのことと我が国がそれならばどういうことに参画できるかということになれば、それは昨年成立いたしました平和協力法の範囲でということにならざるを得ないと思います。
#285
○広中和歌子君 既に起こっている紛争に停戦の合意が得られてから参加するのがPKO、平和維持活動だと思うのでございますけれども、本当に予防外交とか、それから戦争が拡大する前に、例えばモザンビークとかソマリアなどあのような状況、飢えでございますけれども、あのような状況が発生する前に何とかできないか、そのような活動が国連に求められているんじゃないかなとしきりにするわけでございますけれども、総理としてはもっと強力なリーダーシップをと、そういうお考えはないんでしょうか、お伺いします。
#286
○国務大臣(宮澤喜一君) それはブトロス・ガリさんも確かに考えておられて、事の始まる前に情報を十分キャッチできておればそこまで至らないで済んだであろう。その間に国連の人たちが部隊といいますか何といいますか出て、そういう騒乱に至らずに事態を処理するということができればこれは国連憲章にもちろん違反するものではないと思いますけれども、ただ、その場合にはその主権国に対して国連が干渉をするということに非常になりかねませんので、そこはまたそれで新しい問題があるという議論はあろうと思います。
#287
○広中和歌子君 日本は現在カンボジアに参加しておりますけれども、PKO法案の制約から一回に六百名という限られた人数が参加しているだけでございます。あのときの討議で、自衛隊以外で民間人も参加してもいいといったような声が出ていたわけでございますけれども、現実には民間人の参加というものはあるんでしょうか。それから、そうした民間人をトレーンするというんでしょうか、一緒に協力してやっていこうという姿勢というんでしょうか、態勢、そういうものがあるのか、お伺いいたします。
#288
○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。
 カンボジアに関しましてはこれまでに国連から、非公式ではございますけれども、選挙監視要員を出してくれればありがたいというお話がございました。まだ正式要請には接しておりませんけれども、私どもといたしましては、正式な要請が参りましてこれに応ずるということを決定した場合に備えまして、現在、選挙監視要員の募集、研修等を行っているわけでございます。準備段階ということでございます。その中にはかなりの数の民間の方々も応募されておりまして、正式に決まれば民間の方々もいらっしゃるということになろうかと思います。
 なお、昨年アンゴラに選挙監視要員を出しましたときに、これは三名という非常に小さい規模でございましたけれども、そのうちの一人は民間の方でございました。選挙監視に限らず、将来的に民間の方々に御活躍いただくという場面もあろうかと思います。
 なお、研修、トレーニングということにつきましては、私ども要員を派遣する場合には必ず研修をやっております。これは御案内のとおり、国際平和協力法の中にも研修をすべしという条項があるわけでございまして、できるだけの研修をいたしたいというふうに考えております。
#289
○広中和歌子君 現在、国連事務局には公式非公式に二十カ所からPKO派遣のリクエストがあるそうでございます。実に国連は背負い切れないほどの問題を抱えておりまして、欧米先進国はそれぞれに多大な貢献をしていると伺っております。
 例えばカンボジア、我々としては六百人出しただけでも非常な決心だったわけでございますけれども、イギリスから千五百人、そんなような数を聞いておりますけれども、我が国はお金だけではなく人的貢献をするべきですし、この方途を官民ともに考えるべきではないか。そんなふうに思いまして、現在の状況、それをさらにもっと進展させていくお考えがおありなのか、総理にお考えをお伺いいたします。
#290
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、国際平和協力法の審議に当たりまして御賛成をいただいたわけでございますけれども、この法案につきましては御記憶のように両院とも賛否両論がございまして、また国民的にも大きな関心を呼び、かつ議論を呼び起こしました。
 私どもとしては、これは子供を戦場に送るという種類のいわば評価から、何とかそうではないということを現実に国民に見ていただきたい、国民がごらんになったらわかるという気持ちでおりましたが、幸いにして自衛隊の諸君を中心にカンボジアの国づくりというものを国民にテレビで見ていただいておって、こういうことかとかなり国民も納得をしておられるというのが今の姿ではないかと思います。思いますが、しかしあれだけ激しい議論がございましたから釈然としておられない向きもそれは少なからずあるに違いありません。
 やはり、これは時間と事実とによって国民の中に我々の人的な国際協力というものが受け入れられていく、そういう時間の経緯というものが私は大切であると思っておりますものですから、やはりそこは立場立場によって多少不満足であっても、十分時間を使い国民の理解を得ながら、我々のしていいこと、国民が受け入れられることをだんだんだんだんにやはり深いもの、大きなものにしていきたいとは考えておりますが、それだけに十分これはやはり時間をかけて、国民の理解を得てやっていきたいと思っております。
#291
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 ちょっと話題を変えまして、ガットの問題でございます。
 農業自由化に関する最近のNHK調査によりますと、自由化賛成あるいはやむなしが過半数を占めているわけでございます。公明党による農村地区に限って調査したその結果によりましても、半数以上がやむなしあるいは賛成ということでございまして、農業従事者もNHKでも同様の回答をしているわけです。米の自由化阻止という政府の方針との乖離、これを農林大臣はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
#292
○国務大臣(田名部匡省君) 世論調査は各社いたしておりますけれども、設問の設定の仕方でありますとか対象のとり方、これによって結果に差が出てくるものと考えております。
 最近の世論調査を見ますと、委員御指摘とは逆に、米の自由化に反対と答える人が多くなっているという結果のものがむしろ多く見受けられるのでありまが、ただ、国会は満場一致で決議であります。こういう世論調査を見ますと、反対が四七%程度、賛成をちょっと下回るというふうに我々の意思とは若干違う結果が出ておることも事実でありますけれども、国民にはどういうことで自由化反対か賛成がということまで問うておりませんので、その内容が十分説明されてから調査するともっと別なことが出るのではないだろうかというふうに考えております。
#293
○広中和歌子君 国民の中に日本は自由貿易体制で経済発展を遂げてきたという思いが強く、したがってガット・ウルグアイ・ラウンドを成功さすべきだという考え方を持っている人が少なくないだろうと思いますけれども、それ以上に自由化後の日本農業の競争力の高さへの自負があると、そんなふうにお思いになったことはございませんか。
#294
○国務大臣(田名部匡省君) これからお願い申し上げます新農政、新しい法案を出しておりますけれども、こういうことが順調にいけば相当日本農業というものは強くなってくる、こう思います。
 ただ、米に関する限りは相当の努力をいたしましてもアメリカやタイのように安くはならないということは、これは事実であります。ですから、味のいいものであるとか安全なものであるとか、そういう面で勝負できるかどうかということがこれからの大事なポイント。いずれにしても、私どもは国会の決議を体して国内で自給するという立場で貫いていきたいと考えております。
#295
○広中和歌子君 私も日本の米のおいしさを非常に評価しているものでございまして、こうした現状を踏まえまして、我が国は農業問題で行き詰まっているガット新ラウンドを成功させ、自由貿易体制を推進するために進んでリーダーシップをとられるべきではないか、そのように思いますけれども、総理の御決意を伺います。
#296
○国務大臣(宮澤喜一君) 全体としてウルグアイ・ラウンドが成功するということは我が国のため世界貿易のために私はいいことだと思いますので、これを推進しなければならないということはしばしば申し上げておりますけれども、ただ、いわゆるダンケル案と言われるものにつきまして、殊に例えば関税化というようなものにつきましては私はいろいろ問題があるというふうに考えておりますものですから、全体の妥結をいたします際に我が国の主張はやはり十分にしなければならない、今はそういう段階だと思っております。
#297
○広中和歌子君 その点に関しては私も同意いたします。
 では、ロシア支援についてお伺いいたします。
 経済の急速な悪化に悩むロシアに対しまして、先進七カ国の対応が非常に注目されているところでございます。九一年に表明した二十五億ドルの金融支援はいまだ実行されていませんが、その理由と今後の対応を伺います。
 続いて、昨年のミュンヘン・サミットで合意したG7の金融支援二百四十億ドルのうち二国間支援は百十億ドルですけれども、そのうちの日本の負担は約二十七億ドルです。その実施状況はどうなっているか、外務省にお伺いいたします。
#298
○政府委員(野村一成君) お答え申し上げます。
 二十五億ドルの件につきましてはまだ具体的に、特に貿易保険の部分が結構多いわけでございますけれども、特にガスにつきましては約七億ドル規模でございますが、ほぼ契約ができている段階でございます。あと、まだ具体的な現実のディスバースの段階までは至っておらない状況でございます。
 それから、これは昨年のミュンヘン・サミットの段階で二百四十億ドルの一つのパッケージが行われました。その際にバイの支援ということで我が国の、コミットベースで申し上げますと大体約二十八億ドルに上るわけでございますけれども、そのディスバースになりますと、正確な数字をちょっと私今手に持っておらないのでございますけれども、約五億ドル弱ぐらいの規模かなというふうに考えておる次第でございます。
#299
○広中和歌子君 日本は対日支援に対して非常に消極的であるとフランスのミッテラン大統領に指摘されているようですけれども、実情はどうなんでしょうか。今のお話を聞いていると、やはりそのような批判をされても仕方がないのかなと思うわけでございますけれども、総理は対日支援についてどのようなお考えか、お伺いいたします。
 それからさらに、アメリカは旧ソ連、東欧版の総合的復興構想を明らかにしています。この構想はこれまで各国が旧ソ連に個別に行ってきた援助を統括して一つの組織を通じて効果的に行う、そういうものでございますけれども、いわば戦後の欧州復興に寄与した東欧版マーシャル・プランといったものでございますけれども、日本ではこの構想をどのように評価し、日本の東欧支援とどのように整合性を持つようにしむけていかれるお考えなのか、お伺いいたします。
#300
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の対ソ支援でございますけれども、先ほど政府委員から申し上げ、また広中委員もおっしゃいましたが、二十数億ドルというものをはっきり政府として約束しておるわけでございますし、それから昨年のミュンヘン・サミットにおける二百四十億ドルのパッケージにも日本はちゃんと入っておるわけでございます。ミッテラン大統領は全くそういうことを知らずに誤って何かおっしゃったように考えます。
 なぜ二十五億ドルが使われていないか。今もうちょっと申し上げればよかったのだと思いますが、例えば今七億ドルのガス関係の輸出信用というものを決めておると申し上げました。これが実行されていないのは、どのようにロシアがそのガスの売上代金あるいは石油の売上代金を積んでおくか、そこのところがはっきりいたしませんものですから返済の約束ができていないわけでございます。これはもう日本としてははっきり関係のメーカ1も商社も決まっておりますし、通産省が七億ドル、七億ドル、十数億ドルの輸出保険を引き受けるというところまで決まっておりますが、それが一向に動いていないのは残念ながら先方の事情によるものでありまして、我が方から何度も関係者を先方に派遣してもそれでもなかなか進行しない。残念なことでございますけれども、まあやむを得ないのかもしれません。
 しかし、例えばそのほかにソ連の原子力発電所は相当危険なものがございますから、その修復のために我々としては二千万ドルぐらいの金は出そうと、あるいはソ連の技術者が拡散いたしませんために技術支援のための財団をつくろうと、これも各国とともに日本も二千万ドルぐらいの支出を約束しております。前者はやや実行に移りましたが後者はまだ実現しておりません。無理もないことでございますけれども、ソ連の中のそのような事情でなかなかディスバースメントが進行しない、そのことが我が国の善意を疑う形になって返ってきているのは大変残念なことで、機会あるごとにこのことは申しております。
 これからも人道的な支援については日本としてはもとよりできるだけのことをいたしますし、またエネルギー、それは天然ガスや石油でございますけれども、いわゆる技術支援に関しましてもできるだけのことはまだまだ幾らでもやってまいる余地があるというふうに考えております。
#301
○広中和歌子君 サミットでぜひ誤解がないように説明していただきたいと期待しております。日本が望むと望まざるとにかかわらず、対日支援には政経分離が求められているわけでございます。そうしたとき、領土問題に新しい視点をとり入れてみたらいかがかなと思うわけでございます。
 GLOBEという環境会議でお目にかかった旧ソ連の環境大臣ニコライ・ボロンゾフ氏は、北方領土を含む千島列島を環境サンクチュアリーとし、アラスカまでオホーツク海を非核軍事化しようという提案でございます。ロシア、アメリカ、日本の安全保障にとってプラスだと思われますけれども、総理の御所見を伺います。少なくともロシアにこういうことを申し出て伺ってみる、そして北方四島の環境調査なども始められたらいかがかと思いますけれども、総理の御意見をお伺いいたします。
#302
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の領土であるということがはっきり確認されますれば、その後これらの領土についてどういうことをするのがいいかということは十分にいろいろ考える余地があろうと思います。
#303
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。浜四津敏子君。
#304
○浜四津敏子君 子供の現状を見ればその国の将来がわかると言われております。そこで、日本の将来を決する子供たちの現状をめぐる問題について何点かお伺いいたします。
 まず総理に、子供の権利条約はほとんどの先進諸国は批准し、そして既に積極的にその実施を進めておりますけれども、日本政府としては早期批准、そしてまた積極的な完全実施への対応をどのようにお考えでしょうか。
#305
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、今政府委員がおりますので申し上げさせますけれども、子供という、児童ということの、どういう名前を使えばいいかということで大変にあちらこちらに御議論がございまして、それを十分に決め得ないでいるということを私はちょっと報告で聞きましたけれども、政府委員からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
#306
○政府委員(丹波實君) 事実関係を私の方から御説明させていただきたいと思いますが、先生おっしゃいましたとおり、今日まで大変多くの国がこの条約に既に加入済みでございまして、私たちの持っておる数字では百三十二カ国が入っておる。日本政府は平成二年に署名いたしまして、実は非常に全速力と言ってもいいぐらいのスピードで国会に提出いたしまして、具体的には昨年の三月でございますけれども、その後いろんな状況の中で今日まで継続、継続ということで、今会期にも継続審議の対象になっておるわけでございます。政府といたしましては本当にできるだけ早い時期における国会の御了承を得たいというふうに考えておる次第でございます。
 その国会審議の過程の中で、今総理がちょっと申されましたけれども、この権利条約の名称を、政府といたしましてはいろんなことを考えて児童が最適であるということで児童の権利条約というふうに今したわけですが、この児童という言葉のかわりに子供にすべきではないかというようなことも含めていろんな問題が御議論の対象になっておりますけれども、主管の委員会で今後十分、しかしできるだけ早く審議していただきたいと思っておる次第でございます。
#307
○浜四津敏子君 そうしますと、日本政府としては早期批准とともに子供の権利条約が真に目指すもの、そしてまたその精神を十二分にまた積極的に完全に実現させる意思がある、そのために広く意見を聞いて柔軟に取り組む姿勢があるというふうに理解してよろしいでしょうか。
#308
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本政府といたしましては、既に条約の批准を国会にお願いを申し上げておるわけでございますから、その範囲では関連法案もすべて矛盾するものがないということでこれは条約を認めていただいていいという、基本的にそういう立場でございます。
#309
○浜四津敏子君 時間がありませんので次に移ります。
 厚生省に伺います。
 乳幼児の医療費の無料化につきましては、地方自治体はそれぞれ独自に支給額あるいは条件を決めて既に実施しているところが多くあります。その実態がどうなっているか掌握しておられますでしょうか。
#310
○政府委員(清水康之君) お答えいたします。
 各自治体が乳幼児の医療に伴う自己負担分についていわゆる公費によって肩がわりをしているという制度につきましては、平成四年の十二月現在で把握しましたところ、四十二道県、十政令指定都市が実施をしております。
 なお、未実施の府県におきましても平成五年度の予算においていろいろな措置をとっているところが多いようでございまして、平成五年の十二月あるいは平成六年の一月から何らかの形で無料化を実施するというような状況になっているということは承知しております。
#311
○浜四津敏子君 その条件が各地方自治体によってばらつきの状態にあります。
 厚生大臣にお伺いしますが、こうした国民の医療の問題、地方自治体によってばらつきの状態にある、この状態を好ましいとお考えでしょうか。
#312
○政府委員(清水康之君) 御指摘のように、乳幼児の医療の無料化制度については、それぞれの自治体の地域の実情によっていわゆる単独事業として行われているわけでございます。
 したがいまして、対象年齢も乳児だけに限定しておったり、三歳未満であったり、あるいは入院のみ、あるいは通院も含めてとか、それから自己負担部分を全額公費で負担するかあるいは一部、一定の負担を求めるかとか、さまざまな違いが出ております。私は、このことは自治体の単独政策として地域の実情を反映して行われているものですから、ある程度の地域差があるのはやむを得ないことではないかというふうに考えているわけでございます。このばらつきを是正するという観点に立って、国として新たな対策をとるということは現時点では考えておりません。
#313
○浜四津敏子君 本来、国民の健康とかあるいは医療に関することというのは、地方によって異なっていいという問題ではないんじゃないでしょうか。国が統一的に取り組むべき問題と考えますが、ぜひ厚生大臣のお考えをお聞かせください。
#314
○国務大臣(丹羽雄哉君) お答えをいたします。
 まず、乳幼児の医療費でございますけれども、難病であるとか未熟児であるとか、あるいは障害者、こういうものに対しましての治療、援護につきましては国の方で全面的に無料で行っておるわけでございます。問題は、今御指摘がなされております各自治体で行われておる、こういうことでございまして、私どもも十分に承知いたしておるわけでございますが、そもそも医療というのは基本的にすべての者が等しく要するに医療を受けられる、こういうことでございまして、いわゆる社会保険方式というものをとっておるわけでございます。
 それから、医療を受けなければならない子供と医療を受ける必要がない子供、こういうバランスもあるわけでございますので、私どもといたしましてはいわゆる社会福祉的な観点から現在こういうお気の毒な子供に対しては手厚い保護を行っておる、こういう観点でございますので、いわゆるこれを全面的に拡大する考え方はございません。
#315
○浜四津敏子君 来年度からは沖縄を除くすべての都道府県が助成を行うということになっているというふうに承知しております。今後さらに少子社会へ向かうと言われております観点からも、もう既に国として統一して実施する時期に来ているのではないか、国として積極的に取り組んでいただきたい、これを希望しておきます。
 次に、厚生省に伺います。
 小児成人病の実態及び対策について、小児成人病が大変ふえていると言われておりますが、その実態を把握しておられるでしょうか。
#316
○政府委員(清水康之君) お答えをします。
 いわゆる子供の成人病という概念につきましては研究者の間でもいろんな意見があるようでございまして、私どもとしては小児成人病というのが概念として独立して存在するのかどうか、いろんな疑問があると思います。しかし、おっしゃるとおりバランスを欠いた不規則な食生活によって大変幼児期でも成人病の危険因子である肥満とか高脂血症とか、そういうものが見られまして、それによって将来大きな問題が出てくるということについては理解をしておりますので、私どもとしましても、いろんな小児肥満予防教室であるとか、市町村の母子保健メニュー事業による応援とか、そういうことをいろいろやろうと思っております。
 実際のこの糖尿病とか高血圧とか心疾患とかの患者がどうなっているかという実態でございますが、平成三年度で見ますと、いわゆる糖尿病は五千八百人ほど、慢性心疾患は約七千八百名ほどという数字がございます。
#317
○浜四津敏子君 専門家の指摘によりますと、今の子供たちの四人に一人がこうした小児成人病の予備軍にあるというふうに言われております。今少しお話ありましたが、こうした大変問題になっております、また母親にとっては看過できない大変不安な材料になっております小児成人病の原因が、厚生省としてはどのあたりにあるというふうにお考えでしょうか。
#318
○政府委員(清水康之君) 先ほどもちょっとお答えしたと思いますが、やはりバランスを欠いた不規則な食生活といったようなことによりまして、いわゆる成人病の危険因子というものが既に小児期において見られるというような指摘がございますので、私どもとしては、肥満児あるいは高脂血症、高血圧症児といったような問題が起こらないように、今後とも十分原因の究明に努めてまいりたいというふうに思います。
#319
○浜四津敏子君 糖尿病を早期発見また早期予防するために、学校保健法及びその施行規則で定めます学校の健康診断の検査項目に糖尿検査は実施されることになりましたが、心電図、血圧測定を検査項目に入れるお考えはないでしょうか。
#320
○政府委員(奥田與志清君) お答え申し上げます。
 文部省におきましては、財団法人の日本学校保健会に置かれております健康診断調査研究委員会に委託いたしまして、児童生徒の健康問題の変化に対処するため、これまで健康診断項目などの見直しを進めてきているところでございます。
 先生御指摘のように、この委員会におきまして今年度から糖尿病の関係で糖尿検査を実施すべきだというふうな結論をいただきましたので、所要の改正をいたしまして今年度から小中高におきましてこれを義務づけることとしているわけでございますが、同様にこの委員会におきまして今後どういうふうな検査をすべきかというふうなことも引き続き検討していただいておりまして、心電図や血圧検査につきましても御検討いただいておりますけれども、現在までのところ検査項目に加えるべきだというふうな結論にまだ至っておりません。
#321
○浜四津敏子君 ぜひとも入れてくださるよう、前向きの御検討をお願いいたします。
 ところで、厚生大臣にお伺いしますが、子供の一日の糖の摂取量、適切な糖の摂取量は何グラムか、御存じでしょうか。
#322
○政府委員(谷修一君) 子供の糖の摂取量についてどれぐらいかということについては私ども把握はしておりませんが、国民栄養調査というのをやっておりまして、その中で国民一人一日当たりの砂糖、これは主として調味料に使われるものでございますが、約九・六グラムというデータが出ております。
 一方、糖ということではなくて、炭水化物全体として見た場合、国民一人一日当たりの摂取量が二百八十七グラムと。なお、子供の場合にどのくらいの糖の所要量が必要かということで炭水化物に換算いたしますと、平均約二百八十五グラムぐらいというふうに承知しております。
#323
○浜四津敏子君 文部省の補助金で作成されております日本学校保健会のこのパンフによりますと、砂糖は二十グラム以下、子供たちについては二十グラム以下というふうに言われております。
 ところで、きょうちょっと現物を持ってまいりました、こうした清涼飲料水あるいはコーヒー等の飲み物、これ一缶にどれくらいの糖が含まれているか御存じでしょうか。
#324
○政府委員(柳沢健一郎君) 商品ごとに違うと思うのでございますけれども、大体一〇ないし一三%程度の糖質が含まれているということになりますと、三十二から四十二グラムぐらいになるという見当じゃないかと思います。
#325
○浜四津敏子君 大体これが四十四グラム、そしてまた三十八グラム、あるいは二十六・八グラム。(資料を示す)一日の子供の摂取量二十グラムをはるかにこの一本でオーバーする、こんな状況になっております。こうした缶ジュースあるいは清涼飲料水の缶に糖分表示はありません。これを表示させるお考えはないでしょうか。
#326
○政府委員(柳沢健一郎君) 糖分の過剰摂取を防ぐために、財団法人日本健康・栄養食品協会を指導いたしまして、清涼飲料水等の加工食品に対しまして栄養成分表示の推進を図っているところでございます。また、平成五年度予算案におきましても、我が国における加工食品の栄養成分表示のあり方等に関しまして検討を行うための経費を計上しているところでございます。
#327
○浜四津敏子君 次に、中学、高校生の飲酒、喫煙についてお伺いします。先ほど飲酒についてはお答えありましたので、特にたばこについてお伺いします。
 中学、高校生がどれぐらいたばこを吸っているのか、その実態は調査しておられますでしょうか。
#328
○政府委員(奥田與志清君) 喫煙でございますけれども、実態といたしましてこれは国立公衆衛生院で調べていただいたのがございます。
 これによりますと、現在、中学生で月一回以上喫煙している者、男七・一%、女二・五%、高校生につきましては同様に男二〇・一%、女囚・七%という数字がございます。
#329
○浜四津敏子君 この調査によれば、簡単にお話ししますと、中学一年生の四人に一人吸ったことがある。高校三年生は二人に一人が吸ったことがある、あるいは吸っている。こんな調査の結果が出ております。そして、その吸うに至ったきっかけですけれども、コマーシャルの影響が非常に大きい、そしてまた自販機で買いやすい、こういう結果が出ておりますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
#330
○政府委員(寺本泉君) お答えいたします。
 最初に、自動販売機についてでございますが、大蔵省といたしましても未成年の喫煙についてはもちろん好ましくないというふうに思っておりまして、平成元年度以降、たばこの自動販売機を小売店の管理が行き届くよう店舗等に併設するように規制いたしております。今後とも管理の徹底に努めていきたいと思っております。
 しかしながら、一方たばこの自動販売機は、現在全国に二十八万店たばこの小売店がございますが、そこにおいて消費者ニーズそれから小売店の経営の省力化に資するという利点もございます。特に小売店の大半は零細な業者でございまして、売り上げの相当部分を自動販売機での販売に依存しております。したがいまして、今申し上げましたように店舗に併設して目が行き届きゃすくするということはいたしておりますけれども、自動販売機での販売全体を政策的に抑制するというのは困難であるというふうに御理解いただきたいと思っております。
 それから広告についてでございますが、この点につきましては、平成元年五月に大蔵大臣の諮問機関でございますたばこ事業等審議会から出されました「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」の答申の中で、未成年の喫煙は当然回避されるべきでございまして、関係各方面においても未成年の喫煙防止について一層適切な措置が講じられる必要があると指摘をされております。
 上記答申を受けまして、たばこ広告につきましては平成元年十月にたばこ事業法に基づく大蔵大臣指針の告示を行いまして、これを受けまして、たばこ業界の団体であります日本たばこ協会におきまして自主規制の強化が決定されまして、現在業界が実施しております。規制の内容といたしましては、未成年を対象とする広告は行わないこと、これはメディアのいかんを問わず行わないことでございます。
 それで、具体的には四点ございまして、最初は、テレビ広告につきましては朝の五時から二十二時五十四分の間は行わないことにいたしております。これはこの間においては未成年が見ている可能性がかなりあるということでございます。深夜に限っております。それから、主として未成年に人気のあるタレントまたはモデルは広告に用いないという自主規制を行っております。これは人によってそういうのがございますが。それから、テレビ、新聞及び雑誌による広告には未成年の喫煙禁止に関する注意表示、これは未成年の喫煙は禁じられておりますというのを必ず挿入するようにいたしております。それから、未成年向けの新聞及び雑誌におきましては広告を行わないとの実施をいたしております。
 以上でございます。
#331
○浜四津敏子君 先進諸国の中では日本ほどこれほどたばこのコマーシャルが自由になされているところはないというふうに言われておりますので、ぜひとも規制の方向で取り組んでいただきたいというふうに思います。
 最後に、総理、これをごらんになったことがおありでしょうか。(資料を示す)これは子供用の栄養ドリンクでございます。これを飲みながら子供たちは塾に通う、あるいは疲れたら飲む、こうした子供が三割という調査結果が出ております。そしてまた、過労児あるいは保健室登校という言葉を御存じでいらっしゃいますでしょうか。今の子供たちの体と心、どこかおかしいと言われましてもう大分久しいわけですけれども、学校ではいじめや体罰、あるいは生活の周辺にはたばこや酒、そしてまた健康を脅かすような食品や飲み物、また小児成人病とかあるいはアトピー、アレルギー、腰痛、ぜんそく、疲れやすい、あるいは低体温、立ちくらみ、目まい、今の子供たちが本当にこんな状況にあります。
 子供たちの本当に健全な育成を図るために、平和主義者でいらっしゃる宮澤総理、子供たちも大変大切にされている、こういうふうに理解しておりますが、総理みずから陣頭指揮をとられて、もはや個別の対応ではなくて子供の健全育成大綱をつくって、プロジェクトを組んで総合的な対策に取り組むべきときが来ているんじゃないんでしょうか。お取り組みいただく意向がおありかどうか、お答えいただけますでしょうか。
#332
○国務大臣(宮澤喜一君) やはり、まず塾のところから直さないといけないのだと思います。そして、どうしてもお母様はいわゆる共働きをなさることが多くなってくるのはこれはもう必然だと思いますので、そういうこともあわせまして、子供さんに本当に立派に育ってもらうためにこれは政府全体として考えませんと、もうほっておけない問題だと私も思っています。
 余りに問題が大きいのでどこから着手するのかいろいろ議論があると思いますけれども、どうかいたしませんとこれはまことに申しわけない問題に将来なると思って心痛をいたしております。
#333
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
#334
○広中和歌子君 では、経済対策と経済の今後の見通しについてお伺いいたします。
 一九九二年の貿易統計によりますと、我が国の貿易黒字額は過去最高の十三兆五千億円に上ります。対米が総額の四割、対欧州とアジアの黒字も過去最高でございます。これを裏返せば世界じゅうの多くの国々に莫大な赤字をつくらせているわけで、さらなる経済摩擦に発展しないかと恐れているわけでございますが、この黒字解消への方途は何か伺います。
#335
○国務大臣(船田元君) お答えいたします。
 今、広中先生御指摘のように、我が国の経常収支黒字幅、引き続き前年水準より拡大をいたしておりますが、これはやはり円高及び輸出品の高付加価値化によるドル建て輸出価格が上昇しているという点、それから景気調整の影響を受けました輸入数量の減少あるいは投資収益収支の黒字の拡大、そういうものが主な原因として黒字幅の拡大ということにつながっていると認識をしております。
 今後の動向につきましては、我が国経済は、過去最大規模の総合経済対策あるいは平成五年度予算、さらには第六次の公定歩合引き下げなどによりまして内需を中心としたインフレなき持続可能な成長経路に移行するもの、このように考えられておりまして、景気の回復に伴って輸入の伸びが輸出の伸びを上回ると見込まれることなどから、五年度の我が国の経常黒字は縮小の方向に転じるものと、このように理解をしております。
 もちろん、内需を中心とした持続可能な成長ということ、大事でございますし、また同時に、いわゆるOTO、私どもで庶務をやらしていただいておりますけれども、市場アクセスの改善ということをそういう手だてを通じながらやっていかなければいけない。このようなこともあわせて強力に推進をしてまいりたいと思っています。
#336
○広中和歌子君 莫大な貿易黒字は我が国の消費が生産に追いついていないことを意味するのではないかと思います。つまり日本人は働いただけ消費していないという見方でございます。海外で黒字をため、国内では貯金をしている。現在、我が国は不況のさなかでございまして国民の消費意欲は減退しているわけですけれども、それでは我々は豊かさを実感しているかというと決してそうではなくて、必ずしも豊かではない。豊かさが感じられる分野への消費を高めることが必要だと思います。
 宮澤総理は生活大国の推進と言われているわけですけれども、豊かさへの投資や消費を喚起する分野は何だと思われますか、お伺いいたします。
#337
○国務大臣(林義郎君) お答えを申し上げます。
 今のお話でございますが、今、消費を刺激したならば貿易の黒字が直るとこういうふうなお話でございましたが、私はそうではなくて、やっぱり王道は内需拡大だろう、こう思います。いろんな形で内需を拡大していくことが必要でありますし、我々といたしましても、昨年八月の総合経済対策、また平成五年度予算案、それらを通じましてこうした内需拡大の方策、不況に配慮したところの予算をつくり上げてせっかく今努力をしているところでありまして、そういった形によってやれば必ずいい影響が出てくるものだろうと思っております。
 ただし、この貿易収支あるいは経常収支の黒字というのは、私は一遍で、やったからすぐに解消してゼロになるというものではないと思うんです。国際的な競争力の問題もありますし、その他種々の要因がありますから、そういった要因を考えてやっていかなければならない、こういうふうに考えておりますし、長い目で私はこの問題は解決を図っていくということが必要であろう、こういうふうに考えているところでございます。
#338
○広中和歌子君 私に言わせますと、日本人にとって豊かさで最も欠けているのはスペース、なかんずく居住スペースだと思っております。しかも、内需を拡大し国民の消費を喚起し、経済活性化の一助となるのは住宅投資だと思います。しかし、土地が十分下がり切っていない中で住宅はなかなか持てない、建てられない、そういう現状です。年収の五倍の住宅と言われますけれども、それでさえ首都圏では手に入らない。
 土地にお金をかけない住宅投資は、建てかえ、容積率を上げて相対的に地価を下げるか、国公有地に住宅を建てること、それには公務員住宅、大学敷地内の学生寮や職員のためのアパートなども考えられると思います。
 容積率の見直しや建てかえの推進など、土地代のかからない住宅供給推進政策について、建設大臣にお伺いいたします。
#339
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 先生御指摘いただきましたように、豊かさを実感できるようなものをつくっていくためにはやはり住宅がその大きな一役を担っているという御指摘、私たちも全く同感でございます。そのために、現在の地価の水準のもとで良質な住宅を供給するために土地の有効高度利用が重要な課題である、このように認識しております。しかしながら、現実には住宅地の高度利用やあるいは狭小な敷地の共同化についてはなかなか地域住民の理解を得にくいという面もございます。こうしたものを基本的な課題としながら、建設省といたしましては、公共賃貸住宅建てかえ十カ年計画に基づいて、公営公団住宅の建てかえやあるいは老朽の木造の賃貸住宅等の建てかえ等を今推進しているところでございます。
 特に、御指摘をいただきましたように、住宅の供給に資する事業については、特別な容積率の割り増しを行う市街地住宅総合設計制度の活用等によって土地の有効高度利用による住宅供給に努めておるところであり、今後とも地方公共団体と相談をしながら、都市計画、建築規制制度の活用、各種事業の総合的な推進に努めていきたい、このように考えております。
#340
○広中和歌子君 次に、大蔵大臣に伺います。
 住宅減税は建てかえにも及ぼすこと、企業の場合のように、個人の金利負担分は期限を限らず控除の対象にするなど、思い切った住宅振興の対応が必要だと思うんです。御所見を伺います。
 国公有地に新規の住宅建設あるいは建てかえ、場合によってはオフィスとの混合住宅を建てる可能性につきましてもあわせてお答え願います。
#341
○国務大臣(林義郎君) 広中議員はアメリカにおられたんだと思いますから、恐らくアメリカでの住宅税制のことを頭に置いてのお話だろうと思いますが、アメリカでの税制では法人と同じような格好でやるということでやっておられる、こう思いますが、ちょっと日本はそこまではやってない。今、所得税でやっておりますから、所得税減税という形で住宅投資促進税制をやっているところでございます。
 そういたしますと、現在やっていますのは二十五万円ということでございまして、これは平均サラリーマン四百五十万円、大体この所得の人が払うところの税金に当たっているわけでございますから、私は相当な住宅減税というのをやってきているのが実情だろうと思います。それ以上のことになりますと、実は所得が、まあ広中先生相当高いのかもしれませんけれども、高い人の所得でないと減税の効果が及ばない、こういうことになるわけでございまして、やはり減税ということになれば平均的な人のところを考えてやろう、金持ちだけの税金という形じゃないようなものを私は考えていくのが筋ではないだろうかなと、こう思っておるところでございます。
 それから、もう一つございました。内需拡大のために国有地に新規のものを建てろ、こういうお話だったと思いますが、これにつきましては公務員宿舎の整備等につきまして従来から集約高層化を行って積極的に整備を図ってきているところでございまして、今後もそういった方向でやってまいりたい。公務員宿舎などというのはかっては割と伸びがなかったわけでありますが、この両三年にわたりまして割と伸びを見て、住宅の建設その他もやっていくような格好でいたしておるところでございます。
 もう一つは、オフィスと一緒にやったらどうかと、こういうことでございますが、郵便局であるとかその他のところでオフィスと住居と混合したようなものも新しい方向として考えていることを申し上げておきたいと思います。
#342
○広中和歌子君 労働大臣に伺いたいんですけれども、我が国の人間を大切にする終身雇用制あるいは年功序列制、それは最近揺らいでいるんじゃないか。サラリーマンハラスメントというような言葉を聞くわけでございますけれども、この日本的雇用の行方についてコメントしていただきたいと思います。
 今後、中高年の雇用を首切りなしに安定したものにするためには、時短とか、ボーナス、給料カツト等、労働の再配分が必要だと思いますけれども、あわせてお答え願います。
#343
○国務大臣(村上正邦君) 事業の再構築を目指してさまざまな雇用調整の動きが見られております。私といたしましては、このような動きについては、特に長期的な観点からの雇用の安定を大切にする我が国社会において、日本の伝統的なよき慣習であります終身雇用制が崩れることは勤労者生活の安定を損なうものであり、大変憂慮すべき事態であると認識いたしております。事業主の方々に雇用を最大に維持していくための雇用調整助成金制度を積極的に活用していただこうと、そのために広報に努めてまいります。
 それからまた、申請手続の簡素化をこの四月から実施できるよう準備を進めております。
 さらに、これは初めてお答えすることでございますが、労働省といたしましては、この助成金を弾力的な運用をさせようということで、企業が事業再編成を余儀なくされている場合には指定業種以外でも雇用調整助成金制度を適用できるような方策をただいま検討いたしております。
 さらに、御指摘の場合のように中高年齢者の方々でございますが、今までの知識、経験を生かしながら短期的な就業や海外での就業が可能となるような仕組みをつくるように検討いたしておるところでございます。
 また、今後の雇用対策を進めるに当たりましては地方自治体の果たすべき役割が重要でありまして、知事が景気対策や雇用について先頭に立って旗振りをするよう要望していきたいと、自治大臣にもお願いをいたしておるところであります。
 いずれにいたしましても、全国の雇用動向を敏速に把握し、雇用を守るよう、また雇用創出を含め積極的な対策を講ずべく各方面の御意見を聞きながら最大限の努力をしてまいりたい。
#344
○広中和歌子君 雇用調整というのは避けたいといいましても、企業にとっての生き残りあるいは日本の経済発展のために必要なリストラは行わざるを得ないという視点に立ては、余剰人員のために新たな職場、再就職の場を開拓しなければならないと思います。
 今後の日本の経済を引っ張っていく、そして新たに雇用が創出できる分野はどこか、通産大臣、経済発展の長期ビジョンを含めてお伺いいたします。
#345
○国務大臣(森喜朗君) 長期ビジョンをお話をしろと申されましても、限られた時間でございます。委員会の運営上でまた委員長からおしかりをいただいてもいけません。
 確かに今、いわゆる企業の構造改善というのは進めていかなきゃならぬときでもあると思いますが、一方においては非常に難しいのは、こういう景気の悪いときだからこそリストラをやるんだということになりますと、かえって景気そのもののまた足を引っ張る、助長していくことになる、そこが難しいところであります。
 しかし一方、企業としては、午前中の委員の御質問にありましたが、景気のいいときは扇をむしろ半分ぐらいにしておけ、景気の悪いときこそ広げるという意見があるわけですけれども、逆にこういうときでないと全体の企業の経営改善というのはなかなか進まないという面もあると思いますが、ここをどう調整をしていくかということが非常に大事なところだと思います。
 ただ、私はよく申し上げておりますように、公共事業などにも新たな分野というものを考える必要があると、これも一種の私はまたリストラだろうと思うんですね。そういう面からいきますと、日本の企業というのはまだまだやはり労働人口というものを、むだとは言いませんけれども、今までの考え方からいえば少しぜいたくに使い過ぎている面もあるのではないか。機械化、省力化と進めていく。
 あるいはこれは特定のことを申し上げていいかどうかわかりませんが、これは個人的な私のいつも言うことなんですが、デパートにあれだけ若い人たちを全部そろえる必要があるんだろうか。デパートなどというのはむしろ経験の深い人が販売促進に当たる方がいいのでむしろそういう意味からいうと、オープンの時間も十時とか遅い時間でありますから、逆にそういう結婚、子供の育児など経験者がむしろデパートなどの店員に当たるべき方向がいいのではないか。エレベーターとかエスカレーターの前にきれいなお嬢さんがおられるというのは非常にいいんですけれども、何かちょっとむだな使い方をしているなという感じが私はいたします。
 そういう意味で、全体としてやはり、これは労働大臣の領域になると思いますけれども、企業のリストラと同時に、そういう意味では企業がいろんなふうに変化をしていくということであればやはり働く場所もいろんな意味で変化をしていく、新しい時代に即応した考え方というのは当然必要だろうと、こう思っております。
 長期ビジョンについては、また後日、機会がございましたら申し上げさせていただきたいと思います。
#346
○広中和歌子君 公共投資に新機軸をということが最近非常に多く言われているわけでございますけれども、郵政大臣、情報通信基盤整備構想というのをお持ちだそうでございますけれども、ちょっと簡単にお話しいただければと思います。
#347
○国務大臣(小泉純一郎君) 景気対策の中で、今までの公共工事とは違って情報通信基盤の整備、これはかなり波及効果が大ではないかということの御趣旨の御質問だと思いますが、これから光ファイバー網を初め情報通信基盤の整備というのは大変国民生活にも影響力があり、大事なことだと思っております。しかも、投資効果、波及効果も大きいということで、一単位の通信放送関連投資を行った場合、その波及効果は二・〇九となると郵政省は見ております。
#348
○広中和歌子君 ともかく、さまざまないわゆる波及効果の大きい内需拡大、そしてついでに国民生活が豊かになる、そうした方向をぜひ模索していただきたいわけでございます。
 高齢者保健福祉推進十カ年計画などを見ましても、この今の進捗状況では果たして十年後に達成できるのかということも心もとないし、それに同時に、この高齢者のためのゴールドプランは本当に豊かな高齢社会に対応できるのかどうかということも心配なんでございますけれども、厚生大臣に一言御答弁をお願いいたします。
#349
○国務大臣(丹羽雄哉君) ゴールドプランは、御案内のように、国民の四人に一人が六十五歳以上になるいわゆる二十一世紀の高齢化社会においても安心して老後を過ごせる、こういうような観点からこの計画を立てたわけであります。例えばホームヘルパーを十万人確保するとか、あるいはショートステイを五万床確保するとか、あるいはデイサービスを各中学校区ごとに一カ所ずつつくる、こういうようなことでございまして、大変今厳しい環境下でございますけれども、地方自治体の御理解も得ましておおむね順調に進んでおるわけでございます。
 この中でも、例えばデイサービスにつきましても、デイサービス事業の枠の中においていわゆる配食サービスを行うとかあるいは訪問入浴を行う、こういうようなことによって、いずれにいたしましても、今、平均寿命八十年時代でございますけれども、世界の最長寿国の中で我が国は高齢社会の中においても世界に冠たる水準を持つと、このように確信をいたしておるような次第でございます。したがいまして、現在はまずこのゴールドプランを着実に実行していくことが先決であると、このように考えておるような次第でございます。
#350
○広中和歌子君 文部省にもお伺いしたかったわけですけれども、時間がないので、大学の知的インフラ整備につきましてもよろしくお願いしますと申し上げるだけにいたします。
 そして最後に、国会移転についてお伺いしたいと思います。
 今後のスケジュールと、国会移転に伴う行政機関、首都機能移転についての政府の御見解をお伺いいたします。
#351
○国務大臣(井上孝君) 広中先生、この問題についてはかねてより深い関心をお持ちでございますし、いろいろと研究をしておられると承知いたしておりますので、釈迦に説法になるかと思いますが、国会等の移転につきましてはさきの臨時国会におきまして議員立法で法律が制定をされました。国会等の移転という問題は、もう二十一世紀の我が国の政治、経済、文化、各般に非常に大きな影響を及ぼすものでございますので、非常に重要な課題として国土庁も政府の窓口として取り組んでまいりたいと思っております。
 御承知のように、法律におきましては、この移転等に関する検討は国の責務で行うということがまず明記されておりますし、そのために、国会等移転調査会を設置するということが規定をされておりまして、ただいまその調査会の設置について鋭意事務的な処理を進めておる次第でございます。
 これまた御承知のとおりでございますが、調査会におきましては、移転対象の範囲、移転先の選定基準、移転の時期の目標いわゆるスケジュール、移転先の新都市の整備に関する基本事項、また移転後の東京都の整備の基本事項、こういった重要なことを審議することになっておりますので、この調査会の審議を通じてこれからも移転について真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
#352
○広中和歌子君 最後に、おっしゃいましたように、首都機能移転については、できるだけ早く新都の青写真を描くとともに、東京発展の未来ビジョンも同時に描き、国民の間に理解とコンセンサスを得ることが大切だと思います。新都と決まった地域周辺の地価抑制策というのも非常に大切だと思います。さらには、新都建設をきっかけに中央集権から地方分権への当然移行する方向に向かうと思われるわけですけれども、そのビジョンも描いていただきたい。
 自治大臣に最後に御所見を伺って、私の質問を終わります。
#353
○国務大臣(村田敬次郎君) 広中委員にお答えいたします。
 今、全般的な問題について井上大臣からお答えがあったとおりでございますが、地方分権ということになれば、市町村、都道府県の権限の問題が当然非常に重要になってまいります。基本的に申し上げれば、中央政府はしなやかな小さな政府、そして住民の近いところにある市町村や都道府県は本当に自治をしっかりと扱っていかなければならない。
 したがって、国会等移転、つまり首都移転の大きな問題点の中心は、私は地方分権、地方自治にあるということを確信いたしておりまして、今後市町村、都道府県の権限を強化していく。それには、総理がいつも言われますように権限の分担と同時に財源を分与しなきゃならぬ。権限においても財源においても文字どおり地方分権というものを実質的にしっかりとやっていくことが私は大きな意味で地方政治改革の主要点の一つでさえあると思っておるわけでございます。よろしくお願い申し上げます。
#354
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
#355
○委員長(遠藤要君) 以上で広中君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#356
○委員長(遠藤要君) 次に、種田誠君の質疑を行います。種田君。
#357
○種田誠君 私は冒頭、政治資金と所得税法違反、こういうことに関してお伺いをしていきたいと思います。
 ずっと委員会が始まって以来、政治不信に対しての政治改革、さらには金丸事件によって引き起こされた政治家と金の問題、ここまで至りますと、政治が地に落ちたというよりは、政治が地に落ちていることが表にあらわれた、こうやゆされてもいたし方ないような状態に今あるんではないだろうかなと、私自身、一国会議員として日本の民主政治の危機意識を覚えるところであります。そういう思いを込めてこれから質問をさせていただきます。
 最初に、政治資金に対しても所得税はかかってくると思うんですが、あたかも非課税扱いになっているかのような認識を持っている方が政治家の中に多いんではないだろうか、そう思いますが、政治資金と所得税について、まず国税、説明をしてください。
#358
○政府委員(濱本英輔君) 政治家個人が得た政治献金等政治資金の収入につきましては、雑所得の収入金額となりまして、政治活動のために費消した金額を控除して残余がございます場合には、その政治家個人の雑所得として所得税が課されることになります。
 なお、選挙運動に関して受けられるものにつきましては、所得税法あるいは相続税法に特別の規定がございまして非課税とされております。
#359
○種田誠君 今述べられたような形で雑所得方式によって課税していくというこういう方式は、いつごろから、どういう理由で採用されたんですか。
#360
○政府委員(瀧川哲男君) 今、主税局長から申し上げましたように、政治資金収入はいわゆる所得税法上非課税所得ではないということで、今先生おっしゃったように雑所得の収入になっていると。そして、それについて今おっしゃったのは、一体いつからかとおっしゃるわけでございますけれども、以上のような取り扱いというのは、昭和四十一年ごろでしょうか、解釈上いろいろ問題提起されまして、いろいろ御議論があったわけでございますけれども、その時期にそういった取り扱いでやっていくということを明確にしたという経緯がございます。その後、今日まで長年にわたってこの取り扱いが定着してきたということでございます。
#361
○種田誠君 どういう理由で、いつごろ。
#362
○政府委員(瀧川哲男君) 雑所得に区分される理由ということでしょうか。
#363
○種田誠君 どういう理由でそうなっておるか。前は違っておったのか。
#364
○政府委員(瀧川哲男君) いえ、実は前からもそうであったわけです。ただ、田中彰治事件と申しますか、のときに議論が起きたということでございまして、贈与にするか一時所得にするか雑所得にするかということでいろんな御議論があった。私どもの方は、経緯からいいますと従来から雑所得扱いをしておった。そこにいろんな御意見があって、それできれいに明確にしたということでございます。
#365
○種田誠君 わかりました。
 そうしますと、今述べられたように、雑所得、別の言葉で言えば必要経費等を認めていく、こういうふうなシステムになっている、こういうふうに理解していいわけですね。
#366
○政府委員(瀧川哲男君) さようでございまして、実は確定申告の時期に私どもの方からパンフレットをそれぞれ議員の方々にお渡しして正しい申告をしていただくようにしております。
#367
○種田誠君 どうでしょうか。実際、必要経費としてしっかりと疎明資料をつけて提出されているなんというケースはありますでしょうか。
#368
○政府委員(瀧川哲男君) 今、先生おっしゃった疎明資料というのは、領収書であるとか請求書であるとか、あるいは預金通帳であるとか、そういったものになろうかと思いますけれども、遺憾ながら、全部が全部とは申し上げませんけれども、そういうものがたくさん出ている状況でないことは事実でございます。
#369
○種田誠君 ところで、必要経費というのは一体、一般的にどういうものを必要経費とされるのでしょうか。
#370
○政府委員(濱本英輔君) 所得税法の規定に則しまして簡単にお答えいたしますと、所得税法の三十七条にございますが、「計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする。」と定められております。
#371
○種田誠君 今述べたような形で、一般の例えば中小企業の社長さんや、さらには自営で仕事をしている方たちが必要経費を認められるためにはどのような書類が具体的に必要でしょうか。
#372
○政府委員(瀧川哲男君) 先ほど申し上げましたように、一般的には領収書であるとか請求書であるとか、そういったものを紙として出していただければありがたいわけでございますけれども、もしそういうものがないとしても、私どもの質問検査権の行使によりまして出たという事実を確認するというような方向で実態解明をしているのが事実でございます。
#373
○種田誠君 そうしますと、かなり厳密な疎明資料なり調査をした上で必要経費というのが認定されておる。もっともだと思うんですね。
 それでは、政治家の場合の政治活動というのは、いわゆる必要経費が認められる政治活動というのはどういうものとして認定しておりますでしょうか。
#374
○政府委員(瀧川哲男君) 先ほど申し上げました国税庁作成のパンフレットに載っておりますので、それをちょっと読ませていただきますと、まず、「専ら政治活動のために使用した秘書、事務所職員の給料、手当など」、「専ら政治活動のために使用した事務所の賃借料その他事務所の費用」、「専ら政治活動のために使用した通信費、旅費」、「国会報告、政見発表などのための費用」、「専ら政治活動のために支出した委託調査費、図書費、会議費」、「政党の政治活動の費用を賄うために経常的に負担する本部費、支部費」、「政治活動に関する交際費、接待費、寄付金」。
 以上でございます。
#375
○種田誠君 そうしますと、今説明していただいたものならば堂々と領収書などが添付できる種類の活動だろうと思いますが、例えば政治家の票集めのため、私たちもやりますけれども、そのための後援会の維持活動、こういうものは必要経費に入りますか。
#376
○政府委員(瀧川哲男君) 私も、政治やっておりませんけれども、多分それは政治活動ではなかろうかなと思っておりますが。
#377
○種田誠君 実は、その辺のところは非常に議論のあるところでありまして、そこまで認めてない方も税法学者の中にはたくさんおるわけです。したがって、この辺はこれから我々政治に携わる上で、厳密に私たち政治家が政治活動をしていく上で認められる必要経費とは一体何なんだろうかと、ここを議論しないと、本当の意味で私たちが国民の皆さん方に私たちはお金がかかるんですよと、こう言えないと思うんです。
 私自身、これは政治家でありますから、お前は自分の手を自分で縛っているんじゃないかと。これは民主主義社会であれば仕方ないと思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。
#378
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、いかがでしょうかと言われます意味は……
#379
○種田誠君 みずからの手を縛っても仕方ないんじゃないかと。
#380
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、経費であるということはきちんと内容をやはり開示できるようにしていかなきゃいけないと思います。
#381
○種田誠君 先ほど冒頭伺ったように、政治家の政治活動関係の必要経費に関して、余り残念ながら領収書と疎明資料はないケースが多いということですから、まずここから改めていこうじゃありませんか。
 総理はみずからの政治活動に関して、領収書をつけて、今言われたような形で来年度から確定申告等をしていく御意思はございますか。
#382
○国務大臣(宮澤喜一君) それはそういうことであるとすれば、制度として国税庁がどういうものを求められるかということをやはりきちんとした方がよろしいと思います。
#383
○種田誠君 そこで、もう一つ伺いたいのは、政治資金の調査を難しくしている理由が実はあるんだと、こういうことが昨今マスコミはもとより識者の方からも言われております。
 国税庁、どういうところに政治家の資金調査をすると難しいところがあるんでしょうか。
#384
○政府委員(瀧川哲男君) まさに先ほど先生おっしゃったように、資料といいますか、そういった領収書等が作成されないケースが多いということが我々の調査を難しくしている原因であることは事実でございます。
#385
○種田誠君 そればかりじゃないと思うんですよね。問題は、じゃ今言ったように政治資金をいただいた、政治資金規正法にのっとって、当然領収書を発行するんですから領収書入っているでしょう、入ってないのがおかしいんであって。
 それからさらに、もっと難しいのは、先ほど来議論したように、政治活動の範囲というのを国税庁の方でもしっかり政治家に言えないからじゃないんですか。
#386
○政府委員(瀧川哲男君) 政治活動の範囲でございますけれども、これは政治資金規正法におきましても、また所得税法におきましても実は定義規定が設けられておりません。
 ただ、解釈上、一般的に次のように言われておりますので御紹介しますと、政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う直接、間接の一切の行為を言う、こういうのが通常の解釈でございます。
#387
○種田誠君 それじゃ、平成二年の衆議院総選挙前になされた金丸さんの政治資金五億円、この扱いに関して、五億円が入ったことは間違いない、しかしながら政治資金規正法の量的規制違反であるという形で終わってしまいましたけれども、これに関して国税の方で所得税法違反という形で課税をする余地というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#388
○政府委員(瀧川哲男君) いつものとおりでおしかりいただくかもしれませんけれども、個別の事柄につきまして具体的に答弁することは御勘弁いただきたいと思うわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、政治資金を政治活動のために他の政治家に一般的に提供した場合には、その提供を受けた政治家にとって雑所得の収入金額となる、提供した場合にはそれは雑所得の必要経費となるということで、もし全額を提供した場合には課税関係は生じないということになるわけです。ただし、その資金が例えば政治家個人の私的な消費に回ったり、あるいは私的な財産の形成に使われたというような場合には、政治活動のために使用されなかったわけでございますからそれは必要経費にはならない、したがって当該提供した政治家個人について課税関係が生ずる、こういうことになります。
#389
○種田誠君 あわせてこの問題に関して法務省の方にも伺いますけれども、政治資金規正法に違反するような形で取得した金だけれども、この金が現実に、それを例えばある政治家から受け取ったという人が受け取っていなかった、その金はいったかどうだかわからない、そういう状態の場合、これは最初に受け取った政治家の所得税法違反という形での構成要件に該当しませんか。
#390
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、委員のお尋ねは一般的な理論上の問題としてのお尋ねと思うわけでございます。
 政治家に限らず、所得税法違反事件の捜査をするに当たりましては、その人の一年間の収支活動の全体にわたる捜査が必要となることは申すまでもないところでございます。所得税法違反としての所得税逋脱の罪は、これはもう委員も御案内のとおり、税法の規定に従って計算されるところのその人の所得税額に関しまして、納税義務者が偽りその他不正の方法を用いてその全部または一部を免れた場合に成立するものでございます。
 そのような所得税の課税対象としての所得に関しまして、当該所得の額を構成するだけの収入があったという事実と、それから当該所得の額を否定するような例えば簿外経費などの支出はなかったという事実、これは刑事裁判の原則どおり、いずれも検察官において合理的な疑いを入れない程度の立証責任を負うものでございますから、その点の捜査は綿密に行うということになるわけでございます。
#391
○種田誠君 この問題だけを議論していってもまだまだ尽きないんですけれども、ちょっとまとめてみますと、一つには、政治資金に関しまして入りの問題として、やはりもらったらば必ず領収書を出す、政治資金規正法の範囲の中で。それからもう一つ、世間一般の方が、いわゆる中小企業の社長さんや自営業者の方がやっているように、我々政治家も必要経費を認めてもらいたいんならば、だれが見てもああなるほどねという疎明資料をつけて出す。さらにもう一つ、それができない場合にはこれは違法な金として認めていく、所得税法違反にもなる、こういうふうなシステムをつくっていくということは、総理どう思いますか。
#392
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃっていることの意味はよくわかっておりますが、それはちょっと専門家に検討させませんと、どういうものがあるだろうかと。先ほど申し上げたことと同じになるのですが、国税の立場からどういうものについての開示が必要かということになってくると思いますので、ちょっとその辺は専門家に検討させませんと申し上げかねます。
#393
○種田誠君 それじゃ、もう少し専門家である法務大臣、今の私の見解は多分国民一般の方の物の見方だと思うんですよ、いかがでしょうか。
#394
○国務大臣(後藤田正晴君) その点は、それは私がお答えする範囲ではないんじゃないですかね。政治資金のあり方の問題と所得税法上のあり方の問題、極めて専門的な私は知識を必要とすると思いますので、それは政治資金を扱っている自治省なりあるいは所得税を扱っておる大蔵省の専門家にひとつお聞きいただきたい、こう思います。
#395
○種田誠君 これは今、日本の政治がまさに危機に瀕しているときに、私たち一人一人の政治家が国民の声を真っ正面から聞いてこれにどうこたえようかということでございますから、ほかの省庁にやらせようとかやらせまいじゃなくて、きょうお集まりの閣僚の皆さん方、今度の閣議の中で御検討していただきたいと思います。
 次の質問に参りたいと思います。
 総理は三月十八日、都内で行われた日商の総会で、「大変長い困難な低迷状態だったが、先が見えてきたと申し上げでいいのではないか」、経済の見通しですね、新聞は「景気、先見えた」という形で報道をしております。私この記事を拝見したとき、総理には、本当に今倒産するかしないか、雇用調整、そういうところであえいでいる町の皆さん方の声や勤労者の生活の実態が届いているんだろうかと、こう思ったわけであります。
 今月発表されている世論調査などを見ますと、不景気は深刻である、五〇%以上の方。何としても所得減税などを行ってもらいたい、四八%の方。多くの方が今あえいでいる。決して日本経済はまだ先が見えていない、むしろ今設備投資も個人消費も全く振るわないで地の底をはっている、こういう状態がと私自身は認識しているわけですが、総理が先が見えたと、こう言われた根拠はどういうところにあるんでしょうか。
#396
○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねの御趣旨は、私は実はそういうことを申しました後に、しかし、よく、もうはまだなりと申しますと。ですから、そう申しましたからといって、政府がこれでもういいんだと思っておるわけではございませんということを申しておりまして、ちょうど今委員のおっしゃいますように、いろいろなことをやっぱり考えていかなきゃならぬということは他方で私は自分の考えとして申しておるのでございます。これでもう済みましたと申しておるのじゃありません。
#397
○種田誠君 そうですよね。総理はその後に、この予算が通ったら直後に追加経済対策を打ち出す意向があると。さらには自民党の幹事長の梶山さんも、今国会中に十数兆円の前臨時国会以上の大型補正予算を組みたい、こういう発言が続いているわけであります。
 私は参議院の予算委員の一人として極めて残念に思うと同時に、それであるならば、なぜこの委員会でそのことを正々堂々と議論をしてやっていかないんだろうか。果たして総理、会期期間中に補正を組んだなんということは過去に一回か二回あるかもわかりませんが最近ないと思うんですが、総理の記憶にございますか。
#398
○国務大臣(宮澤喜一君) それも正確な御質問ではないのでして、梶山幹事長が何か言われたかどうか、これは私がここで申し上げる限りではございません。
 私が商工会議所で申しましたことは、しかし、もうはまだなりと申しまして、やはり経済の動向は十分注意をして見てまいらなければならないと思いますと。したがいまして、仮にこの予算が年度内に成立をさせていただきましたら、できるだけ早く執行いたしますことと、なおその後いろいろな状況の変化がございますれば、それには遅滞なく対処をいたすつもりである、こういうことを申したのであります。
#399
○種田誠君 いずれにしろ、今まさに参議院で私たち来年度予算を真剣に議論しながら景気回復に向けて精いっぱいの努力をしているところでございますから、その辺のところを十分配慮していただきたいということです。
 そう言いながらも、さらに景気の状況は来年度予算が通ってもなかなか厳しいんじゃないかという声も現実問題としてございます。そういう意味で、私、次の形の質問をさせていただきたいわけでありますけれども、ここで先ほど私申し上げたように、かなり景気は今厳しい状態だろう、こう思います。何としてももう一つ景気浮揚策になるような決め手となるものをこの時期に考えていかなければならないであろう、こうも思うわけであります。そういう意味で、自民党さんを中心にして政府の方も私は次の景気対策の手段を議論しているというのはやむを得ないだろうとも思います。
 そういう中で、実は最近、新社会資本論とか、それから国債に関しても新建設国債論、こういうことも出ております。そういう意味で、仮にこれから補正予算を大型のものを組むとしても、その財源はどのようなものを考えておるのか、大蔵大臣、考える余地があるならば述べていただきたいと思います。
#400
○国務大臣(林義郎君) 種田議員の御質問にお答え申し上げますが、私は今予算案をお願いしているところでございまして、この予算案をやっていけば、平成五年度の予算でございますから、私たちといたしましては、これやっていけば相当なことがいけるんだ、目標も相当達成できるんだということでお願いをしているところでございます。
 種田議員も御指摘のようにいろんなお話がありまして、景気がよくなったとか、いやまだ大変だとかいろいろな御議論があります。それはいろんな方が言われますけれども、国会の場におきまして、また公式の場におきまして私が申し上げますのは、今回の予算を早く成立させてその執行をできるだけ早くやらせていただくことが一番の景気対策になるだろう、こういうことでございます。
#401
○種田誠君 まさに大蔵大臣の今の発言が参議院の予算委員会にふさわしい発言なんですけれども、もう既に車は走り出しまして、大蔵省はいや新建設国債はだめであって何としても財投資金の大幅積み増しをして、そのためには弾力条項を発動していきたい、こういうふうなことがあたかも大蔵省が見解を表明したような形のものが新聞報道になっているわけですね。さらには、通産省などにおいても新建設国債論なども議論をされていると、こういうような報道も新聞になされているわけであります。
 そういう意味で、問題は、今回の予算も本当に緊縮の形で赤字国債を出さない、建設国債を抑えよう抑えようという形で組んでいただいた。しかし、これから新たに大型の補正予算を組むといった場合、一体何を財源にしていこうと通産省や大蔵省は考えておりますでしょうか、あえて伺います。
#402
○国務大臣(林義郎君) 先ほども申し上げましたように、今予算案の審議をお願いしているところでございますから、公式と申しますか、その予算案の審議をするときに別のものを考えているということになれば、これは予算を修正かなにかしなくちゃならないわけでございますから、そういったことは私は今のところ申し上げる段階にないと思うんです。
 正直申し上げてそうでありますが、いろいろな御意見があることも私は事実だと思います。景気の状況は予想されたよりはどうも余りよろしくないではないかと心配されている方があります。この前の十−十二のQEを見ましても、あのぐらいじゃ正直言って平成四年度の成長率の伸びはなかなか達成できないんじゃないかというようなこともあります。私も正直申しまして、これはなかなか難しいことになってきたなという実感、感じを持っているわけであります。だから、そういった意味でいろんなことが御議論されるということがあってもそれはおかしくない話で、私どもお願いをしていますのはこの予算案を早く通していただくことだと、これをお願いをしているところであります。
 そこで、先生のお話ですけれども、いろんな話がありますけれども、私は今の財政法の四条にありますところの建前、この建前は余り崩すべきでないだろう。安易なことをやると日本の財政の根幹を私は覆すような話になりますから、今まで伝統的にとってきた物の考え方というものはやっぱり踏襲していくべきものではないか。しかし、世の中大分変わってきておりますから、例えば公共事業におきましても、かつては道路とか農業とかそういったものが非常に中心でありましたが、それが今や廃棄物処理事業であるとか下水道というようないわゆる生活関連的なものがふえてきていることも長い目で見れば事実だと思います。
 私は、今までの建設国債の考え方に基づきまして、そうした意味で新しい社会経済の変動に応じたような物の考え方をしていくということはあるべき姿としては一つの方向かもしれないな、こういうふうに思っていることを申し上げておきたいと思います。
#403
○種田誠君 私も、今、大蔵大臣が述べられたいわゆる建設国債の対象となるものの範囲というのはやっぱり歴史、社会情勢、そういうのによって変わってくるだろう、当然だろうと思うんですね。
 その場合、ただ問題なのは、今、日本が財政法四条によって例外的に認めていく建設国債、六十年償還と、こういうふうになっておりますけれども、六十年償還ということが道路とか橋の耐用年数だというふうに決めましたけれども、そのこと自体、果たして決めた当時から今日、大分もう二十数年の期間がありますので、これもまた考えなきゃならないだろう。
 公共投資の耐用年数というのは一体どうなんだろうかとか、そういうことも今検討していけば、私は、建設国債と赤字国債それから新国債と言われるようなもの、余り差がなくなってきちゃうんじゃないかな。大事なことは償還計画があるかないか、いわゆる回収性、収益性、そういう問題について考えた場合に、この問題は財政法四条をもう一度この時期に検討していって、新しい時代に対応できるような国債のあり方というのを考えてみるという、そういうお考えはございませんでしょうか。
#404
○国務大臣(林義郎君) お話にございましたような物の考え方というのは、私は一つの考え方だろうと、こう思います。それは、六十年というのは、やはり六十年に見合うようにやったものであった、しかしながら償還はしていかなくちゃならない、こういうことだと思いますし、私は、いずれにいたしましても、償還財源見合いの資産というものがやっぱりなければならないということは当然のことだと思うんですね。それなくして単に飲み食いをするとかなんとかというわけにはなかなかいかないわけでございますから、そういった点は物の考え方としてやっていくことが必要ではないだろうか。
 ただし、今のお話のような物の考え方をして、六十年以外のものをつくっていくということであれば、新しいルールをどうつくっていくかということになってくる。それは、そのときのルールというのは一体何だろうか、耐用年数をどう見るんだろうかどうだろうかというような議論が当然あってしかるべきだろうと、こう思いますし、また、その範囲をどのくらいまでやっていくか、今までのところは建物がありますから、建物に附属したような施設というものはその中に含まれて考えておられると、こう思うんですね。しかしながら、それじゃ、それ以外のものを一体どういうふうに考えていくのかねと、こういうふうな話になればいろいろと議論をしていかなくちゃならない問題だろうと、私はこういうふうに思っています。
 現在、まだそんなところで、議論をするべきところだなというところでございまして、これをこうしたらどうだろうかというところはもちろん私の方には持っていないことだけは申し上げておきたいと思います。
#405
○種田誠君 今、大蔵大臣申していただいたことが出発だと思うんですね。やはり時代の大きな流れ、今日の経済の状況、そして、私たちがこれからの子供たちに先行投資として出すものもさまざま変わってまいりますから、ぜひとも財政法四条をそれこそ弾力的に運用してみたり条文にこだわらず新しい条項を入れてみたりして、新ルールをつくっていただきたい。私たちもそういう議論に参加していきたいと思います。よろしくお願いをします。
 そして、時間が大分過ぎてしまいましたので次の質問に入りたいと思います。
 平成二年三月一日に、「特例公債依存体質脱却後の中期的財政運営の在り方についての報告」というのを拝見しました。これによっていわゆる財政再建が第二段階に入ったと言われております。しかし、第二段階の目標は国債依存度を七年度をめどに五%未満にしたい、こういうことのようでありますけれども、今日この目標は達成できるでしょうか。
#406
○国務大臣(林義郎君) 財政の中期目標といたしまして、公債依存度を五%未満にするという形で今やっております。平成七年度をめどにしてこういった形でやっておりますけれども、なかなかこれは正直申しまして容易ならざる事態であることはもう議員御承知のとおりだと思います。
 ことし、歳出予算を分母にしまして国債費を割れば二一・三%、公債依存度は一一・二%というような状況でございまして、容易ならざる事態でありますが、やはり財政のあり方としてそういう目標をつくってやっていかなければならない。これは私たちの一つのあり方でございますから、そういったことを目標にしてこれからも努力を最後まで続けてまいりたい、私はこういうふうに考えているところでございます。
#407
○種田誠君 ところが、単にその目標が達成されないということではなくて、平成四年、平成五年度の予算、補正予算を拝見しておりますと、国債依存度が極めて大きくむしろ伸びてしまっている。そして、このままいきますと、公共事業の基本目標達成ということと兼ね合わせてみますと平成十二年には何と二百五十兆円になってしまうんじゃないかという、こういうことを権威ある方がしっかりと出しておるんですね。
 大蔵大臣、どういたしましょう。
#408
○国務大臣(林義郎君) 今、権威ある方が二百五十兆円とこうおっしゃいましたが、ちょっと私もその数字は持っておりませんが、いずれにいたしましても、財政のあり方としてはやはり節度を持った財政を組んでいかなければならない。これはもう当然のことでございまして、そういった目標があるからこそ先ほどお話のありましたような目標をつくり、なかなか難しいけれどもやっていく、やはりいろんな形での節減を図っていく、財政の規律をもう一遍立て直していく、いろんな努力をこれからも続けていくのが私たちの与えられたところの役割だろう、こう思っているところでございます。
#409
○種田誠君 さらにもう一つ、去年、ことしの予算を拝見しておりますと、いわゆる財政投融資関係のお金が急激に増加しております。そして、むしろもう今日的には一般会計との比率では六四%、三分の二になっているとこういうように計算されておりますけれども、こうなってまいりますともう歳出の肩がわりをこのシステムがしている、こういうふうな時代に今来ているんじゃないかと思うんですね。
 そうなってきますと、この財政投融資のあり方に関して、今までのように五年未満のものは国会の議決が要らないとか、それからいわゆる公団、事業団のものは審議の対象ではないとか、こういう時代ではなくて、やはりこの辺も含めまして、国債のあり方なども含めまして、全面的に財政のあり方というのを見直す時期に来ていると思うんですが、総理いかがでしょうか。
#410
○国務大臣(林義郎君) 担当でございますから私からお答え申し上げます。
 確かに財政投融資の規模というのは相当大きくなってきていることは委員御指摘のとおりでございまして、これがやはり確実かつ有利な方法で運用するということが決められておるところでございます。そうしたことでございますが、そういった金の運用に当たりまして、国の政策を遂行すべき分野におきまして、いわゆる無償資金と申しますか、税金で集められた金との組み合わせをうまく図りながら各種の財政的な運営をやっていかなければならない、私はそういうふうに思っております。
 そういった意味で、いろんな点で国会に御説明したりなんかすることも今までやっておりますが、御要望があればまたいろんな点で資料その他の点につきまして提出をいたしたいと思っておりますし、それから対象におきましても対象の見直しであるとかというようなことは常に不断にやっていかなければならないことだと私は思います。安易に単に今までやっていたからどうだという話ではないと思いますから、そんな点をいろいろと考えていくということが私たちに与えられたところの役割でもあろうかな、こう思っているところでございます。
#411
○種田誠君 総理、私も今大蔵大臣が述べられたような視点に立った上で、さらに今この時期に、日本の財政のあり方の中における国債の問題、さらには財政投融資の問題、さらには法人税のいわゆる安定化基金みたいなのを何とかつくっていったりするとか、さらには直間比率の見直しをして、私たちのこれからの税制はどうあるべきか、ここまで踏み込んで今日議論をすべきときじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#412
○国務大臣(林義郎君) 当面の不況問題に対してどうだという問題と、将来にわたってどうするかという問題と、二つあるんだろうと私は思います。
 今のお話は、将来にわたってどうするか、こういうことでございますけれども、将来にわたりまして日本の高齢化社会をどういうふうにしていくかというのが一番大きな問題でありまして、現在でも百八十二兆というような大きな負債を抱えておる、さらにこれから高齢者がふえてくればいろんな費用がかかってくる、そのときをどうするかということはお互い政治家が考えていかなければならない大問題だろう、私はこう思うんです。
 そうしたときに、今の税制のあり方全般をどう見直していくか。資産、所得、消費のバランスをどうとっていくか。しかも、税制のあり方としては簡素明瞭な制度というものをつくり上げていくことが必要だろう、私はこう思っていますし、そういったことをいつやるかは別にしまして、やはりやっていかなければならないということは私たちも頭に置いているところでございます。まずは、それをいつ、来年やるとか再来年やるとかという話までまだ私も考えておりませんけれども、そういった問題があるということだけは私は事実だろうと思っております。
#413
○種田誠君 総理にも伺いたいんですけれども、今、大蔵大臣と議論させていただきましたけれども、まさに歳出歳入両面にわたって、私自身も今まさに構造改革、企業のリストラと言われますけれども、税制、財政リストラの時代じゃないかと思うんですね。総理の御見解をいただきたいと思います。
#414
○国務大臣(宮澤喜一君) 財投を大いに活用するということは、よく日本の経済は貯蓄と投資のバランスが外れているということを批判されますけれども、まさに貯蓄と投資のバランスをそういう意味で直そうという一つの試みでございますから、私はそれでいいんだと思います。それからもう一つは、財投を使うということは国民の税金に関するものではございませんので、公債も償還ということがございますから広い意味で国民の税金に関係いたしますが、国民の税金と直接に関係がないという意味では予算と切り離して考えることでよろしいんだと思います。
 ただ、種田委員の言われますように、そうは言っても財投というものが実際経済的には予算と同じような機能をしているのでございますから、国会で御審議をいただくときに財投について十分御審議いただけるような資料はこれはごらんをいただくことが必要である、そのことが予算のような可決否決という御承認の対象になるとは考えませんけれども、しかし御審議の対象であることには間違いありませんので、それだけの十分の材料の提供、御説明は申し上げるべきものだと思っております。
 それから、先ほど、平成十何年には日本の借金が二百何十兆円になると言われた権威者がいらっしゃるそうでございますけれども、私はそんなふうに思っていませんで、今ちょっと日本の経済は不調でございますけれども、これだけの潜在力を持っている経済はやがてそんなに建設公債に頼らなくてもやっていけるようなところへ入っていけるに違いないと私は思っておりますものですから、そういう意味で、どんどん先に向かって国債の残高が増大していく経済だとは考えておりません。
 それからもう一つ、最後に言われましたことは私もそう思っていまして、やがて高齢化社会に向かって、年金の問題と絡めまして国民の負担と給付の問題を考えなければなりませんから、そういうときに向かって、委員の言われますようないろんなことを総合的に見直してみる必要があるということは私どもも痛感をいたしております。
#415
○種田誠君 次の質問ですけれども、現在、日本においても不動産の証券化、小口化、こういうのが進行しております。ところが、これによって去年からことしにかけて何と七千人以上の方が被害をこうむっておる。それは日本に不動産の小口化商品が出始めたにもかかわらずこれを想定した法律がない、こういうところからこういうことが発生しているというふうに言われておるわけでありますけれども、この点について関係省の方においてどういう実態になっておるか調べてあれば報告をしていただきたいと思います。
#416
○政府委員(伴襄君) お答え申し上げます。
 不動産の小口化商品でございますが、これは、例えばオフィスとかマンションとかホテル等につきまして小口に権利を分割しまして、それを売りまして、それをまた再び信託とか組合の形で委託を受けまして一括して管理いたしまして、そしてその収益を分配するというものでございまして、一九八七年に第一号が出ておりますが、その後年々ふえておりまして、現在、国内物件だけでも五千億円を超えている状況でございます。
 ただ、昨今の不動産市況が非常に低迷しておりまして、小口化商品の市場の拡大は鈍化してきておりますし、またその一方では不動産小口化商品を販売していた一部の業者が倒産するといったようなこともございまして、購入者の保護をどう図っていくかということが問題になっているわけでございます。
 被害の状況は、お話のとおり、今、延べ七千五百人内外の購入者に被害が生じておりまして、倒産会社の不動産小口化商品の販売総額は約子七百五十億円を超すというふうになっております。いろいろそれぞれの方には相当深刻な事例もあるようでございますが、その原因といたしましては、体力の小さい業者が無理に大規模な事業をやっていたとか、あるいは運用方法が不明確であったとか、あるいは購入時にきちんとした情報開示がなされていなかったといったようなことがございました。
 現在、宅地建物取引業法がございますので、これでもちましていろいろ監督はしておりますけれども、何といいましても宅地建物取引業法は売買によって管理をするというものでございまして、問題はその後の不動産の経営管理をどうするかという点が問題でございます。通達によりましてこういったことについてもきちっとあらかじめ商品を売るときに言うように指導はしておりますが、十分ではありません。
 現在、この法律では限界はあるというようなことでございますけれども、これ以上投資家の被害が拡大しませんように、実際に不動産小口化商品を販売している業者あるいは過去に販売した業者に対しまして、建設省あるいは東京都においてヒアリングを行いまして、必要に応じて指導を行っているという状況でございます。
#417
○種田誠君 ところで、参考までに伺いたいんですけれども、この種の商品はもう欧米で大分早いうちから実行されております。そこで、ドイツ、アメリカ、それぞれ投資家保護やいわゆる業者の指導のためにどういうふうな形がとられているか述べてください。
#418
○政府委員(伴襄君) 不動産の小口化、証券化につきましては、御指摘の二国において特に独自の発達をしておりまして、特にドイツでは非常に大規模なインフレを経験しておりますので、そのインフレヘッジ対策といたしまして国民の資産形成のために大いに進めているというような状況がございます。また、アメリカでは税金対策等もありましてやっておりますが、いずれも数兆円の市場規模になっておりまして、先ほど申し上げたように、日本では五千億円でございますから、かなりの規模になっております。
 いろいろ消費者保護のための制度は設けておりますけれども、ただ、我が国とはかなり違いまして、これら諸外国の歴史風土とか、あるいは不動産に対する考え方とか、あるいは金融・税制度の違いといった点がございまして必ずしも全面的に参考にならないわけでございますけれども、十分こういった先進例を参考にしながら我々もその制度化を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#419
○種田誠君 警察庁か法務省に聞きたいんですけれども、この種事例で刑事事件になるということがあり得ますでしょうか、また、なっているケースがありますか。
#420
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 関係新聞記事によりますと警察に告訴がなされているやに報道されておりますけれども、少なくとも検察当局の関係で申しますと、検察当局が御指摘のような事件に関する告発等を受理したという報告には接していないわけでございます。ただ、もし警察に告訴がなされているといたしますと、当然これは警察当局から送付を受けることになるわけでございますから、その場合には検察当局におきましても適切に処理するものと思うわけでございます。
#421
○種田誠君 この不動産の証券化、小口化というのは、まさに都市開発のプロジェクトを行う上で極めて有益な私は手段でもあるだろうと思うし、それから資金調達にも便宜の図れる制度なんですね。したがって、これは私はいい方向にリードしていく必要があるだろう。そういう意味で、投資者を保護しながらリードする、そういう考えを建設省の方で持って、今何か法案等も準備しておりますでしょうか。大臣お願いいたします。
#422
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 不動産小口化商品等特殊な契約形態の不動産取引は多様化しておりますし、また事業に参加した方が不測の損害を受けているというようなことは、先生御指摘のとおりでございます。そこで、業者、被害者双方から実態を聴取しているところでありますが、投資家保護の観点から適正なルールを整備して事業の健全な発展を図っていくべきである、このように考えております。
 先ほどから御指摘をいただきましたように、実際に今日は商業地は需要が停滞しておりますし、また空き室も昨年の十二月段階で二十三区で五・九%、家賃も下がっておる、こういった状況でございますので、こうした状況を踏まえながら、収益の配当性の保証について投資の自己責任の原則をどう調整するか、その他さまざまな形の共同事業をどこまで保護できるか、こういった問題を引き続き検討をしていかなければならない、このように考えております。
 御指摘をいただきましたように、欧州においてはそうしたマーケットが確立されているということも承知しておりますが、バブルがはじけた今日、そういった面が健全な市場として今我が国において育つかどうかということも含めまして検討し、前向きに対応していきたい、このように考えております。
#423
○種田誠君 この問題は私は、まさにバブルの崩壊した不動産が安定しているときに保護立法なり規制立法というのをつくっていくべきだろうと。宅建法は一時的な取引であってこれは対象になりませんので、ぜひつくり上げていただきたいと思います。
 最後の質問ですけれども、昨年も私伺っておるんですが、いわゆるごみ焼却施設とか下水道施設、この余熱やそこから出る焼却灰などをぜひ再利用していただきたい、そういう質問に対して、ぜひそれも省庁で頑張ってやっていきたいということで、今年も予算が大分ついたりしておりますが、ただ、これについてはまだまだ補助体制が不備なものですから、現在どうなっておるか、それぞれ教えていただきたいと思います。
#424
○政府委員(藤原正弘君) 委員御質問のごみ焼却場から出る焼却灰の再利用、また廃熱の再利用の問題についてでございますが、厚生省ではこういうものは大切なことだという認識をしておりまして、市町村が行いますこういう施設に対しまして、積極的にその事業が進められるように国庫補助制度を設けまして促進を図っておるところでございます。
#425
○種田誠君 ところが、厚生省の方を見ましたら、補助システムがあるのが焼却炉が設置後八年未満、日量百トン以上のごみ、そういうものに対してだけ四分の一の国庫補助だと。これではちょっと地方自治体がやりきれないと思うんですが、この込もう少し改善する余地はございませんか。
#426
○政府委員(藤原正弘君) 委員御指摘のように、現在の制度は、対象となりますものに対しまして着工年度だとか規模などにつきまして補助金の交付対象を限定しております。これは補助金の重点化をして効率的な予算配分をしたいというふうなことからそういうふうにしておるわけでございますが、今後はもう少しこの補助金の交付対象の範囲につきまして、弾力的にといいますか、広く考えていきたい、このように考えております。
#427
○種田誠君 最後の質問ですけれども、最近、東京都の後楽園に下水道の余熱を利用しての地域冷暖房システムをつくる、こういうような報道がなされておりました。このことについて報告をしていただいて、これに関しても積極的に進める方向で対策を練っていただきたいと思うんですが、御見解を伺いたいと思います。
#428
○政府委員(黒田直樹君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のごみ焼却施設あるいは下水道の利用、いわゆる未利用エネルギーを利用した地域熱供給システムの積極的な導入を私どもは図っているところでございまして、実績といたしましては、ごみ焼却施設にかかわる廃熱利用のものが既に七件、それからただいま先生御指摘の下水道、東京都のものも含めまして二件の実績があるわけでございます。
 私どもといたしましては、その普及を図りますために、平成三年度から未利用エネルギーを利用した地域エネルギー供給を援助するための制度を創設いたしまして、さらに来年度の予算政府原案におきましても施策の拡充強化を図っているところでございます。
 特に、具体的に申し上げますと、パイプラインとかヒートポンプであるとか蓄熱槽などの未利用エネルギー活用システムの建設費に対する補助等を実施しているわけでございますけれども、平成五年度からは一つのプロジェクトについての年間補助限度額というものを引き上げるなど施策の拡充強化を図っているところでございますし、また、財投、税制等も活用しながらこうした廃熱利用というものを積極的に推進していきたいと、このように考えております。
#429
○委員長(遠藤要君) 以上で種田君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日の審査はこの程度といたします。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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