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1993/03/31 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第12号
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1993/03/31 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第12号

#1
第126回国会 予算委員会 第12号
平成五年三月三十一日(水曜日)
   午前九時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任        補欠選任
     藤田 雄山君   大河原太一郎君
     翫  正敏君    喜岡  淳君
     直嶋 正行君    鈴木 栄治君
     上田耕一郎君    林  紀子君
     磯村  修君    粟森  喬君
     寺澤 芳男君    武田邦太郎君
 三月三十一日
    辞任        補欠選任
     鈴木 栄治君    長谷川 清君
     高井 和伸君    乾  晴美君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        遠藤  要君
    理 事
               井上  裕君
               石川  弘君
               上杉 光弘君
               柳川 覺治君
               角田 義一君
               村沢  牧君
               山本 正和君
               白浜 一良君
               寺崎 昭久君
    委 員
               井上 章平君
               石井 道子君
               岩崎 純三君
              大河原太一郎君
               大島 慶久君
               沓掛 哲男君
               下稲葉耕吉君
               成瀬 守重君
               野間  赳君
               野村 五男君
               服部三男雄君
               林田悠紀夫君
               星野 朋市君
               松浦 孝治君
               穐山  篤君
               及川 一夫君
               喜岡  淳君
               久保田真苗君
               櫻井 規順君
               清水 澄子君
               種田  誠君
               堂本 暁子君
               肥田美代子君
               三重野栄子君
               山口 哲夫君
               荒木 清寛君
               猪熊 重二君
               広中和歌子君
               鈴木 栄治君
               長谷川 清君
               林  紀子君
               吉岡 吉典君
               粟森  喬君
               乾  晴美君
               喜屋武眞榮君
               武田邦太郎君
  国務大臣
      内閣総理大臣   宮澤 喜一君
      法 務 大 臣  後藤田正晴君
      外 務 大 臣  渡辺美智雄君
      大 蔵 大 臣  林  義郎君
      文 部 大 臣  森山 眞弓君
      厚 生  大臣  丹羽 雄哉君
      農林水産大臣   田名部匡省君
      通商産業大臣   森  喜朗君
      運 輸 大 臣  越智 伊平君
      郵 政 大 臣  小泉純一郎君
      労 働 大 臣  村上 正邦君
      建 設 大 臣  中村喜四郎君
      自 治 大 臣
      国 務 大 臣  村田敬次郎君
      (国家公安委員
      会委員長)
      国 務 大 臣  河野 洋平君
      (内閣官房長官)
      国 務 大 臣  鹿野 道彦君
      (総務庁長官)
      国 務 大 臣
      (北海道開発庁
      長官)      北  修二君
      (沖縄開発庁長
      官)
      国 務 大 臣  中山 利生君
      (防衛庁長官)
      国 務 大 臣
      (経済企画庁長  船田  元君
      官)
      国 務 大 臣
      (科学技術庁長  中島  衛君
      官)
      国 務 大 臣  林  大幹君
      (環境庁長官)
      国 務 大 臣  井上  孝君
      (国土庁長官)
  政府委員
      内閣法制局長官  大出 峻郎君
      内閣法制局第一  津野  修君
      部長
      国際平和協力本  柳井 俊二君
      部事務局長
      国際平和協力本  萩  次郎君
      部事務局次長
      公正取引委員会  小粥 正巳君
      委員長
      公正取引委員会  矢部丈太郎君
      事務局経済部長
      公正取引委員会  糸田 省吾君
      事務局審査部長
      総務庁人事局長  杉浦  力君
      防衛庁参事官   高島 有終君
      防衛庁長官官房  村田 直昭君
      長
      防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
      防衛庁経理局長  宝珠山 昇君
      防衛施設庁総務  竹下  昭君
      部長
      防衛施設庁施設  江間 清二君
      部長
      防衛施設庁労務  荻野 貴一君
      部長
      経済企画庁調整  長瀬 要石君
      局長
      経済企画庁総合  田中 章介君
      計画局長
      経済企画庁調査  土志田征一君
      局長
      環境庁長官官房  森  仁美君
      長
      沖縄開発庁総務  永山 喜緑君
      局長
      国土庁長官官房  藤原 和人君
      長
      国土庁長官官房  藤田  修君
      会計課長
      法務省民事局長  清水  湛君
      法務省刑事局長  濱  邦久君
      外務省アジア局  池田  維君
      長
      外務省北米局長  佐藤 行雄君
      外務省欧亜局長  野村 一成君
      外務省経済局次  林   暘君
      長
      外務省条約局長  丹波  實君
      外務省国際連合  澁谷 治彦君
      局長
      大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
      大蔵省主税局長  濱本 英輔君
      大蔵省関税局長  米澤 潤一君
      大蔵省理財局次  根本 貞夫君
      長
      大蔵省証券局長  小川  是君
      大蔵省銀行局長  寺村 信行君
      大蔵省国際金融  中平 幸典君
      局長
      国税庁次長    瀧川 哲男君
      文部大臣官房長  吉田  茂君
      文部省生涯学習  前畑 安宏君
      局長
      文部省初等中等  野崎  弘君
      教育局長
      文部省高等教育  遠山 敦子君
      局長
      文化庁次長    佐藤 禎一君
      厚生大臣官房総  瀬田 公和君
      務審議官
      厚生大臣官房審  佐々木典夫君
      議官
      厚生省薬務局長  岡光 序治君
      厚生省年金局長  山口 剛彦君
      農林水産大臣官  上野 博史君
      房長
      農林水産大臣官  堤  英隆君
      房予算課長
      通商産業省通商  岡松壯三郎君
      政策局長
      通商産業省貿易  渡辺  修君
      局長
      通商産業省産業  熊野 英昭君
      政策局長
      通商産業省機械  坂本 吉弘君
      情報産業局長
      中小企業庁長官  関   收君
      運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
      局長
      運輸省運輸政策
      局次長      和田 義文君
      兼内閣審議官
      運輸省鉄道局長  秦野  裕君
      運輸省自動車交  土坂 泰敏君
      通局長
      郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
      郵政大臣官房財  新井 忠之君
      務部長
      郵政省通信政策  松野 春樹君
      局長
      労働大臣官房長  七瀬 時雄君
      労働省労政局長  若林 之矩君
      建設大臣官房長  望月 薫雄君
      建設大臣官房会  木下 博夫君
      計課長
      建設省建設経済  伴   襄君
      局長
      建設省住宅局長  三井 康壽君
      自治大臣官房総  遠藤 安彦君
      務審議官
      自治大臣官房会  磐城 博司君
      計課長
      自治省行政局選  佐野 徹治君
      挙部長
      自治省財政局長  湯浅 利夫君
      自治省税務局長  滝   実君
  事務局側
      常任委員会専門  宮下 忠安君
      員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成五年度総予算三案の締めくくり総括質疑に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 締めくくり総括質疑は、本日一日間とすること、質疑割り当て時間の総計は八十六分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党・護憲民主連合四十六分、公明党・国民会議十三分、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党及び民主改革連合それぞれ七分、二院クラブ及び日本新党それぞれ三分とすること、質疑順位についてはお手元に配付いたしておるとおりとすること、以上でございます。
 ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(遠藤要君) 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより締めくくり総括質疑に入ります。山本正和君。
#5
○山本正和君 きょうは締めくくり総括でございますから、本委員会にかけられた任務、そういうものも含めて若干冒頭に申し上げておきたいと思うわけであります。
 確かに景気が大変な状況にございますし、我が国の国際的立場、そういうものも含めました本年度予算の成立、確かに重要な問題ではございます。しかし、国会というのは国民が関心を持っている、そしてまた国民が大変心配している事柄をきちんとただしていかなきゃいけない重大な任務がある。そのことが国の政治がこれからどうあるかということと絡むと私は思うわけであります。
 そういう意味におきまして、本委員会で予算の審議はされましたけれども、五日間の中断というのは証人喚問をめぐる対応についての中断でございました。私は、いやしくも前総理大臣であったり与党の副総裁であったりする人にかかわる疑惑、国民がこれでいいのかと思っていることに対して、これはきちんとただすべきであったと思うわけであります。
 しかし、このことが本委員会において、政治家の証人喚問は断じて行わないという与党の強硬な態度によって実現が阻まれた、大変これは遺憾に思う次第でございます。これは引き続き今後の予算委員会の中でさらに協議するという委員長の裁定がありますから、この裁定に基づいて十分にこれに対する取り組みをしていきたい、このことをまず冒頭に申し上げておきたいわけであります。
 まず、総理にお伺いいたします。
 私は地元が三重県でございます。去る二十七日、三重県で、県議会与党自民党議員団の提案に基づく竹下衆議院議員の辞職すべきであるという意見書が満場一致をもって可決されたわけであります。(資料を示す)これをごらんいただいたらわかると思いますけれども、これは本院与党議員会長の斎藤十朗さんの地元でもあります。また、東京都議会でもそれらの声が起こっている。国民の間にあるこういう政治不信、特に前総裁に対するこういうさまざまな国民の声に対して、総理は、また総裁として、どういうふうな御見解をお持ちかまず冒頭お伺いしておきたい。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) 政治に対する国民の深い不信というものは、ただいま山本委員が御紹介になられました地方議会の議決にもあらわれておる、政治家の倫理が問われ、また政治改革が厳しく問われておるというふうに認識をいたしております。
#7
○山本正和君 政治というのは最高の道徳であるという言葉もございます。
 本予算委員会の冒頭の総括質問で私は総理に申し上げました。国会議員というのは国民から強制的に税を徴収する、そういう法律をつくる役割を持っておる。その国会議員が脱税したとは何事だと、こういう観点からの意見を申し上げました。しかしながら、今度はさらにその後に、国会議員がその国会議員という力を背景に公共事業に関与
した。そして公共事業というのは、まさに総理が本委員会でたびたびおっしゃいましたように、税金そのものであります。その税金そのものが国会議員のところに還流されてきた。このことに対する国民の不信はまさにきわまっていると言わざるを得ないと私は思うわけであります。
 そういう意味で、もしもこれが外国でこのような事件が起こったならばどうなるか。さらには私ども国会議員、恐らくバッジをつけて歩くのは本当に恥ずかしいという思いで町を歩かなきゃいけない。こういう状況、まずこのことをどうやって克服するかというのが最大の課題であろうと私は思うわけであります。また、内閣の責任者であり日本の国の政治の責任者としての総理として、このことに対する厳しいやっぱり反省、自戒の言葉が国民の前に向けられるべきだろうと私は思うわけであります。
 そういう意味で、どうしても本委員会の締めくくり総括というこの場におきまして、総理の率直な政治家としての今の状況に対する認識を再度お聞かせいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 事は政治家の倫理の問題であり、また政治改革の急速な実現をしなければならないことを意味いたしますが、ただいま御指摘の国の公共工事について申しますならば、私は事実関係を確認し得ませんけれども、もし伝えられるごとくでありますと、これは山本委員の仰せられるように、国民の税金が正しく使われていない可能性を意味するものであります。そういたしますと、これは政治家としての問題はそれとして、国の行政の問題であります。正しく国の行政が行われていないおそれがあるということになれば、これは政府自身の問題と考えなければなりません。
 もしそういうことがあるといたしますと、極めて遺憾なことでございますから、既に私としては所管大臣には十分に公共工事の入札、契約等々についてそのような誤りのないようにさらに厳しく実態を把握をしておいていただきたいということをお願いをしてございまして、既に所管大臣はそのような措置をとられつつあると存じておりますけれども、まさしくこれは行政そのものの責任を問われなければならない問題であります、もし事実といたしますと。
#9
○山本正和君 私も、今の総理のおっしゃった行政府の本来処すべき問題であると、全くそう思っておるわけであります。
 ただ、我が国の行政が今置かれている地位というのは大変弱まっていると私は思わざるを得ないわけであります。いわゆる政高官低と申しましょうか、政治の力が非常に強くなってきている。大学を出て行政で若いときから本当に一生懸命苦労してやってきた諸君は、それなりに自分たちの行政官としての行政の役割というものについての認識を持っているわけであります。さまざまないい提案を随分つくってくるわけであります。しかし、それがことごとく政治の力によってねじ曲げられてくる中でどう対応するかという苦しみがある、私はそう思わざるを得ないわけであります。
 そういう意味で、実際はこのことはもう古くて新しい問題でございます。また、まさにこの問題が日本の政治を曲げている、あるいは経済に大きく影を及ぼしている、こういう問題もかかってくるのではないかというふうに私は思いますが、本日は経済問題、特に我が国が今置かれている国際的地位、そしてまた過去においてさまざまに国際的な意味での約束等もしてきていることについて質問していきたいと思います。
 しかしその前に、現在PKO問題が新しい段階を迎えておりますから、この問題について久保田委員の方から関連する形で質問を申し上げて、その後私からの質問に移りたいと思いますので、ひとつ委員長よろしくお願いいたします。
#10
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。久保田真苗君。
#11
○久保田真苗君 まず、外務省に伺います。
 きょうは、IAEAで朝鮮のNPT脱退問題が安保理に渡るか渡らないかが決まる日であると思います。渡るようなことになるのかどうか、その見通しと日本の対処について聞かせてください。
#12
○政府委員(池田維君) IAEAの特別理事会につきましては、本日、三十一日でございますけれども、ウィーンで会合が開かれる予定になっておりますけれども、その結果は日本時間で申しますと明日の未明ということになると思います。
 その中でどういった内容のものが審議されるかということにつきましては、現在関係諸国の間で議論が行われているという段階でございます。したがいまして、安保理に付託されるかどうかについては現在のところはまだ結論は決まっておりません。
#13
○久保田真苗君 見通しはあるんでしょう。見通しを伺ったんです。それと日本の対処も。
#14
○政府委員(池田維君) 見通しにつきましては、これは北朝鮮の代表もそちらにおりますから、話し合いの結果どういうようになるのかということで、現在のところ確たる見通しを述べることは難しいかと思いますけれども、安保理に付託されることもあり得るというように考えております。
#15
○久保田真苗君 日本の対処は。
#16
○委員長(遠藤要君) 質疑者の要旨をよく見きわめてお答えください。
#17
○政府委員(池田維君) 失礼いたしました。
 日本政府の対応につきましては、現在のところ、北朝鮮側の今回の決定の中にIAEAの保障措置協定に違反する部分がなかったかどうかということをまず議論すべきであるということが一点でございます。
 それから、その結果として安保理に出すかどうかについては、関係諸国と十分に諮って対処をしたいというように考えているわけでございます。
#18
○久保田真苗君 報道で見ましても、これは渡りそうだと。そして日本はそのいわば急先鋒であるというふうに私はどうも理解できるんです。
 先日のこの委員会で、総理も外務大臣も、再考の余裕を与えたい、説得の機会を持ちたい、こうおっしゃってくださったんですが、どうも事態はそれよりも急テンポで進んでいるんじゃないかと思います。私は、安保理に渡れば非軍事制裁から軍事制裁へと行くことは十分考えなければならない。その場合、私どもは、これは理屈じゃなくて、行き着くところまで行ったときに、それじゃこれは米中関係にとってどうなのか日中関係にとってどうなのか、そこまで考えないわけにはいかない問題だと思うんです。
 これはいかなる意味でもルーチンではない、手続問題として外側からたがを締めていくようなやり方ではまことに不安が先立つわけでございます。私も微力だけれども何かしなければならないという思いに駆られているくらいなんですけれども、私は、やはり総理御自身がこの問題を本当に日本のこととして真剣に考えていただきたい、そして身を入れて取り組んでいただきたい、そのことを重ねて、くどいようですがお願いしたいと思うわけです。
 あわせて、内閣の連帯責任ということも私はこの際強調しておきたいと思います。いかがでございましょうか。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 前回この問題について御質問がありましたときに、外務大臣も私も、いろんな状況から考えてこの際朝鮮民主主義人民共和国に十分事態を考慮してもらいたい、NPT条約から脱退しても何ら朝鮮民主主義人民共和国は得るところはないではないか、そういうふうに考えて当面対処をする方がいい、急に強硬な措置をとることはかえって朝鮮民主主義人民共和国を追いやることになる心配があるということを申し上げました。そのように我々はこの問題について対処をしてまいっておるわけですが、既にかなりの日時が御承知のようにたっております。
 今、久保田委員が各国の状況について御心配なさることはそれはごもっともなことですけれども、実は我が国にとりまして朝鮮民主主義人民共
和国が核兵器を持つということは、これは容易ならぬ事態であります、我々自身にとって。それをどうやって防ぐかということが我々の最大の関心事でございますので、従来そういうことで再考を促してまいりました。
 しかし、ある程度時間がたちましてなおその再考の気配がないということになれば、我々としては我々に対するそのような脅威をどのようにして将来に向かって防いでいくかというそういう道をいろいろに考えなければならないことは、これは御理解をいただけるところだと思います。私はしかし、なお説得の時間を与え、なお再考をしてもらうという、そういう態度は基本的に捨てるべきものではないと思っておりますが、そのためには、言ってみれば、我々として取り得るいろいろな手段というものを考えておかなければなりません。それは、事を荒立てるためではなくて再考を促すためのいろいろな手段である、このように考えております。
#20
○久保田真苗君 朝鮮は早晩核疑惑は晴らさなければならないでしょう。しかし、当面それと同じように困ることはこの地域に戦火が巻き起こるということです。私の杞憂であることを心から祈っております。
 次に、対日支援の問題を先にやらせていただきます。
 今回二十八億ドルのコミットをしてそうして領土問題は出さないということのようでございますけれども、私は、何らかのメリットを日本にもたらすものである、少なくともデメリットになるような使われ方をしてもらったら困る、そのことはもう御賛成いただけると思うんです。で、私は、ロシアが軍民転換、軍需産業から民需産業への転換を図ることを一つの大きい方針にしながら、そのことが停滞し、停滞ところかかっての超軍事大国が兵器輸出の死の商人になるというようなことであってはまことに迷惑なことだと思うわけでございます。
 それで、今後このようなところに支援の対象、力点を置いていただけないか。つまり、日本は石炭産業の転換で各省が経験を持っているわけでございます。そういったものを生かして、私どもにもメリットのあるような使われ方をするということをお願いしたいと思います。既に方針は決まっているようですけれども、今後も考えていただきたいと思います。
 総理、外務大臣、お願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(渡辺美智雄君) 最初の件でございますが、よく誤解をする人があるんだけれども、我々は領土問題については今までの方針は変わらぬわけです。エリツィン大統領を7プラス1という形でお呼びする、それは領土の交渉とは直接リンクしていませんよと、そういうことを言っただけでございます。
 なお、ロシアに対する支援問題はいろいろ向こうからはぞろぞろっと持ってきてはいるんですよ、これしてくれ、あれしてくれと。この間もね。しかし、それはすぐできるものもあるしできないものもあるしいろいろありますから、効果のないものを今すぐ取り上げても意味がないし、そもそもエリツィンさんの今のこの窮状を何とか、手助けと言っちゃ語弊があるが、救ってやろうという気持ちがみんなあるわけでしょう。だから、それはやはり役立つものをしてやるということの中で、それは民需に対する転換というのも出てますよ、ちゃんと。要求はありますが、今度の会合でどこのところをどういうふうにやったらいいのか、受け入れ態勢が果たしてできているのか、そういう問題も口でだけ言ってみたところで、実際、経済というのは実体が伴うわけですから、だから、そういうようなことをよく聞いた上で話し合っていきたいと、そういうことでございます。
#22
○久保田真苗君 PKOです。
 この間の委員会で、私、PKOの性格が変わってきているんじゃないかという問題をお話しいたしました。実際二月にはユーゴのPKOに武力行使容認の追加決議が出ましたし、三月二十五日、ソマリアの事実上の平和執行部隊の設置の決議が出たわけでございます。これは国際的に平和執行部隊がコンセンサスを得たわけではないのでPKOの延長のような形で行われるわけでございますけれども、こういった一連の動きというものは十分お認めになることだと思います。
 私、総理に、それから官房長官にも伺いたいんですけれども、官邸がモザンビークヘ自衛隊を出すことに極めて慎重であったということは、今こうした流動的な状態の中からすれば非常に当然なことであったと思って評価しておったわけでございますが、その後、総理も君子豹変すというようなことにおなりになったようですけれども、これはどういうわけなのでしょうか。
#23
○国務大臣(河野洋平君) 国連のPKO活動というものが、その効果を上げるためにさまざまな方法を考えておられる。先般来日されたブトロス・ガリ事務総長などもいろいろなことを考えておられるというのは久保田議員のおっしゃるとおりだと思います。しかし、我が国がPKO活動に協力をするということのためには先般国会でお認めをいただきました国際平和協力法に基づいて執行しなければいけないわけでございますから、その行動全体が変わってきたとしても、我が国が協力をする協力の方法はこの法律に基づいてなされるということはもう御承知のとおりでございます。
 さてそこで、モザンビークに対するPKO活動への派遣についてお尋ねがございましたけれども、私どもは、PKO活動に我が国が協力をする、とりわけ自衛隊をPKO活動に派遣をするということは、カンボジアでまず一回ございました。しかし、このカンボジアに派遣いたしますときには、国会で法案審議の過程において大変さまざまな角度から御議論をいただいたところでございます。法律が成立をいたしまして、モサンビークヘの派遣をするとすれば、これがいわば二回目ではございますけれども、その法律ができ上がって、モサンビークヘの派遣については、まあ言ってみれば初めて行政が判断をするということになるようにも思ったわけでございます。
 最初慎重だったものが云々とおっしゃいましたけれども、これは言ってみれば慎重に行うことは当たり前のことでございまして、こうしたことが慎重でなく行われるはずはないのでございまして、当然のこととして自衛隊を海外にPKO活動に協力をするために派遣をするかどうかについては慎重な検討があったわけでございます。
 このことは、モザンビークのPKO活動に協力をするためには、私どもはまずこの活動に我々が参加することが、今申し上げましたような国際平和協力法に基づいてその枠内でできるかどうかということが一つ、あるいはこれに参加することが国際的な評価あるいは国内的な支持が得られるということが当然我々としては判断をしなければならないことでございますし、また現地に要員を派遣いたしましてそれが効果的にかつ安全にその責務を果たすことができるかどうかということについても、当然検討をする必要がございます。
 また、一体、国際的に、あるいは国連が我が国に期待をしている分野はどういう分野であってその分野について我が国の派遣要員が十分その期待にこたえられるような分野であるか、あるいは我々にそういう能力があるかどうかということについても、当然十分慎重な調査あるいは検討の上で判断をしなければならないというふうに思ったわけでございます。
 一部報道にいろいろ書かれましたけれども、これは先ほども申しましたように、いわば行政が法律をいただいて行政がこの法律を執行する、言ってみれば先ほどから申し上げますように最初のケースと言ってもいいというだけに、私どもは十分慎重に行うべきだと考え、先輩同僚の方々からも、これがすぐれて政治的な判断を要することであって、行政の判断とはいえ高度な政治的な判断をして最終決定をするべきであるというような御意見等も踏まえて、慎重な上にも慎重な判断を下したわけでございます。
 久保田委員から途中から内閣の判断は変わったのではないかという御指摘がございましたけれども、今申し上げましたように、少し長くなりましたけれども、慎重の上にも慎重な調査を行い、検討を加え、最終的な判断をいたしたわけでございまして、判断が途中で変わったとかということではないことを申し上げたいと思います。
#24
○久保田真苗君 聞くところによりますと、今回は事務当局が随分勇ましくおやりになって、そういうことで押し切られたんじゃないかということを聞きますけれども、そうなりますと閣議というものも信用できるのかしらという不安が出てくるわけですね。海外に自衛隊を送り出すその案件につきましては、官房長官、本来どのようなやり方をすべきだとお考えでしょうか。私たちとしては内閣の信用をどうやって担保していただけるのかという、そこに大いに関心があるわけですけれども、お答えをお願いします。
#25
○国務大臣(河野洋平君) この問題は、国際社会においてこうしたPKO活動が行われる、和平協定が調いいよいよPKO活動が行われるということになりますと、国連周辺でそれに協力をしてほしい、協力を依頼したいというようなことが非公式に内々サウンドがあるんだろうと思います。
 また、そうしたことを日本の国連代表部あるいは外務省その他がキャッチし、その打診にこたえてその情報を分析し整理し、さらには当該地域についてのさまざまな情報を収集いたしまして、こうしたことが我が国がこの活動に協力をすべきであるかどうかという判断を始める。当然のことでございますが、まず最初に、繰り返しになりますが、国際協力法に基づけば、いわゆるPKO五原則でございますとか、その法律に基づいて協力ができるかどうかの必要条件を満たしているかどうかという判断がまず最初にあると思います。
 その必要条件が満たされているかどうかということになりますと、初めて私は政治的な判断を下すかどうかのテーブルにそれが乗ってくるんだろうと。そこから内閣において、あるいは国際平和協力本部の事務局がそれを整理し本部のスタッフにおきまして検討が始まる、そうしてそれが政治判断に上げられてきて、繰り返しになりますが、すぐれて政治的な判断を最終的に加えるということになろうかと思います。
 今回もそうしたプロセスを経て最終決定したところでございます。
#26
○久保田真苗君 これはやはり、政治的判断とおっしゃるけれども、確かにそれが必要な場面でございまして、その辺に私たちが不安を持つことのないようなしっかりした手続をお願いしたいと思います。
 それから、モザンビークにつきまして閣議で決まったことというのは何なんですか。準備を開始することを了解するというんだけれども、それは輸送調整部隊を出すことを決めたというのとは違うんでしょうか。
#27
○国務大臣(河野洋平君) モサンビークヘ派遣の準備をすることを閣議で私から報告し、御了承を得たところでございます。これからその準備が開始をされる、事務的にその準備が開始されるということでございます。
#28
○久保田真苗君 決定したということとは違うのかどうか伺ったんですが。輸送調整部隊を送ることを決定したということと違うのかと伺いました。
#29
○政府委員(柳井俊二君) 手続的なことにつきまして私の方からお答えさせていただきたいと存じます。
 ただいま官房長官から御答弁ございましたとおり、先日の閣議での御発言は、準備を開始する、輸送調整の分野について我が国から参加することは可能でありまた望ましいという判断のもとに、そのための準備を開始するということを御発言になり、閣議で御了承を得たということでございます。
 今後の手続といたしましては、いろいろな事務的あるいは技術的な準備がございますが、最終的には国際平和協力法に従いまして実施計画を閣議決定するということになるわけでございまして、現在はそれ以前の段階であるということでございます。
 なお、実施計画の閣議決定に先立ちまして、国連から正式の要請をいただき、それに基づいて閣議決定を仰ぐということになるわけでございます。
 今後の準備につきましては、例えば派遣の時期でございますとかそういうようなことにつきまして国連との調整も必要でございますし、また予防注射等も含めて我が国の国内での準備も必要だと思います。なお、技術的、専門的な具体的なことにつきましては、さらに調査が必要なところもあると存じます。
#30
○久保田真苗君 輸送調整部隊の任務とはどういうものでしょうか。
#31
○政府委員(柳井俊二君) 輸送調整部隊と申しますのは、主要な港でございますとかあるいは空港に到着する人員あるいは物資の受け入れ、それから輸送機関の調整でございますとか輸送手段の割り当てなど、いわば輸送の段取りを業務内容とするものでございます。
 したがいまして、基本的には、この輸送調整部隊と申しますものは、輸送部隊そのものではございませんで、したがいまして自分で輸送するというよりはいろいろな、輸送するトラックでございますとかそういう輸送手段とそれから輸送すべき物、人の動きの全体を調整するという役割でございます。
 そういう役割でございますので、行き場所、配置の場所につきましては、首都のマプトでございますとか、あるいは中部のベイラといったような若干の地方都市に配置されるものであると見込んでおります。
#32
○久保田真苗君 つまり、みずから輸送はしないけれども、要所要所にあって輸送関係の手配師をするということだと思うんですね。そうしたものがPKO協力法の諸原則が満たされなくなったという事態が起こったときに中断、撤退ということもまたその原則の一つなんですが、中断、撤退ができるような仕事なんでしょうか。私は、どうもそういう意味からいってかなり不適当な仕事ではないかという疑問を持つわけですが。
#33
○政府委員(柳井俊二君) 現在、モザンビークにおきましては、停戦合意等のいわゆる五原則は満たされているものと認識しております。
 御指摘のいわゆる五原則が崩れた場合につきましては、国際平和協力法で定めた中断、さらに最終的には撤退を行うことができるわけでございます。我が国の要員派遣が派遣の終了を含む基本的な原則を規定しております国際平和協力法に従って行われるということにつきましては、既に国連側に十分に御説明し御了解をいただいているところでございます。今後もさらに、モザンビークに派遣を正式に決定するときには、国連に重ねて十分に御説明して御了解を得てまいりたいと考えております。
 したがいまして、輸送調整業務につきまして、これは仮定の問題でございますけれども、我が国が派遣を終了するということにつきましては国連側との関係で問題を生じさせるということはないと存じておりますし、我が国の国際平和協力法で定めた中断、撤収を行うことが困難であるというふうには考えておりません。特にこの分野であるから困難になるということは予想しておりません。
#34
○久保田真苗君 私、今回の調査団の報告書、それから事務総長の報告書など見ていまして、目を引くものが一つあるんですね。それは、今回初めて文民技術班というものをここに出して一つの任務としているわけです。私は、いろいろな事情はあっても、いざ撤収となると非常にやりにくいというようなところに自分を陥れるようなことは初めからすべきではない、特に今流動しているPKOの状況でございますから、そのことを非常に思うわけです。そこで、国連の必要と日本の諸原則との接点というものを本当はもっと真剣に探るべきじゃなかろうかと、私はそう思います。それを
私もこれからも探っていくべきだと思います。
 そこで、文民技術班といったようなものをこれからつくりあるいは養成していくというようなお考えがありますでしょうか。
 これは官房長官でしょうか。
#35
○政府委員(柳井俊二君) 技術的な問題もございますので、私の方からまずお答えさせていただきたいと存じます。
 ただいま先生御指摘のごとく、先日の調査報告書の中にもこの文民技術班というものの記述がございます。そして、この分野につきまして国連から非公式な打診を受けたのも事実でございます。
 この文民技術班というのは若干聞きなれない言葉でございますので、簡単にどういうものかを申し上げますと、これは文字どおり文民から構成されるものでございまして、その任務は主として武装解除された兵士たちに対する支援を行うというものでございます。より具体的には、武装解除された兵士の登録でございますとか、いろいろな関係書類をつくってあげる、あるいは食糧や水を供給する、あるいはさらに武装解除された兵士が国元へ戻るということを助けるという中身でございます。
 そこで、先日の調査の際にわかったことなのでございますが、そのような任務につきましては、そういう分野の専門知識だけではございませんで、特にポルトガル語が堪能でないと例えばこの書類を書いてあげるというようなこともできませんので、そういう非常に特殊な能力が要求されるということがわかったわけでございます。そういうことでこの点も検討いたしましたけれども、我が国として直ちにこれに対応できる要員を確保することは非常に難しいという結論になりまして、当面この分野への派遣は見送ったという事情がございます。
#36
○久保田真苗君 ドイツも日本と似たような問題を持っているわけです。基本法は日本の場合とは違いますけれども、しかし、その接点を探ることについてはかなり参考になるような気がいたします。
 ドイツの実績、実例について、外務省から説明していただけるとありがたいです。
#37
○政府委員(澁谷治彦君) ドイツにおきましては、もちろんドイツ連邦軍も国際貢献に参加するということで要員を派遣しておりますが、文民も同時に出ております。
 その事例といたしましては、例えば国連ナミビア独立支援グループ、UNTAGには選挙監視要員、それから車両技師、文民警察を派遣しております。それから国連ニカラグア選挙監視団にも選挙監視要員を派遣いたしております。それから国連中米監視団、これにつきましては医療要員、パイロットを派遣いたしております。UNTAC、国連カンボジア暫定機構につきましては、連邦軍の医療・衛生部隊とともに文民警察も派遣いたしております。
#38
○久保田真苗君 ドイツの場合はやはり文民を、文官と言ってもいいんだと思いますが、文官をかなりフルに使っていると思います。それから、医療班は戦闘員ではないはずです。ですから、非常にうまい接点を見つけていると思うんですね。私は、薄氷を踏むような思いで自衛隊が出ていった先を監視していなければならないというような状態は早く脱却して、日本の諸原則と合うようないろんな面を開拓していっていただきたいと思うわけです。
 総理はこの辺について、私の考えですと例えば自然災害については抵抗のあるところは途上国にも少ないわけです、そういうものを中心に文官、文民の技術陣をつくっていく、救出や医療を中心としていく、そういうコアになるものをこれから持ったら非常にいつも安心なんじゃないかそんなふうに思うわけで、お願いしたいことは、自衛隊の部隊を派遣することについては今の情勢の中では極めて慎重であっていただきたい。そして、そういった技術陣を、防衛庁にも文官のステータスがあるはずです、そういったものをつくり、そういったものを訓練する方向で進んでいただきたいと思うんですが、総理はこういう方向に賛成していただけますでしょうか。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) こういう方向と言われますことが必ずしも具体的に考えますと明確でない点がございますけれども、まずいろいろなNGO活動が盛んに行われるということ、これは政府としても大切なことと考えます。
 それから、自然災害等々に対して国際的な貢献をするということ、これは一番問題のない部分でありますから、これについては今後ともそのための用意をしていかなければならない。一つは自衛隊自身が災害出動ということを現に国内ではいたしておるわけでございますから、そういう訓練も受けておることと思いますが、一般的に国際災害に対する我々の対応の仕方、それというものをNGOばかりでなく考えておこうということは私は結構なことと思います。
 それにしても、しかし前国会で国際平和協力法についていろいろ御議論があり久保田委員も御説をお述べでいらっしゃいましたけれども、今のようなカンボジアあるいはモザンビークにおいて求められるような役割ということになりますと、やはり自衛隊の諸君に期待するところが多い。しかし、それには、これは久保田委員の言われますように、我が国の憲法というもの、それから国連側の対応が、おっしゃいますように、この一、二年、今までなかったような事態の中であっちこっちから対応を求められて、そしてモザンビークやソマリアにありますように、ほっておけば食糧が人々に届かない、餓死をするというような状況で、とりあえずはアメリカ中心の行動を起こしたわけですが、その米軍が引いた後はまた同じ状態に戻る、それでいいのかという問題意識。
 ガリさんがいろいろお考えになったのはその辺だと思うんですけれども、これはしかしかって国連でやったことのないことであるし、第七章といっても七章のどこということは必ずしも明確でないわけですから、それは苦労していらっしゃるんだと思いますけれども、それはわからないではないが、我が国が不用意にそんなところへ巻き込まれることがあってはならないわけでございますから、そこは一つきりよく考えておかないといけないという、全体が確かに新しい事態であるだけによほど慎重に考えていかなければならないことだと思います。
 先ほども官房長官が答えておられましたが、海外に我々の同胞を国連の要請に応じて出すということはこれは容易ならぬことでございますから、本部長でもある総理大臣自身が決断をしなければならないことであって、行政各部にその決定をゆだねるというような種類のことではないということは、私もおっしゃるように十分に考えております。
#40
○久保田真苗君 自治大臣、選挙監視の部門が余り振るわないようなんですが、自治省の腰が引けているんじゃないでしょうか。頑張っていただきたいと思うんですけれども。
#41
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、久保田委員が御指摘になったのはカンボジアのことであろうかと思います。
 実は、自治省としては、国連の平和維持活動のうち選挙監視に対する地方公務員の参加については積極的に国際協力推進の観点から協力をするつもりでございます。カンボジアの選挙監視分野への要員につきましては、国際平和協力本部からの候補者選考の協力要請に基づきまして地方公共団体に対して推薦の依頼を行いました。
 なお、自治省としては、要員の安全を確保してそして十分配慮しなきゃならない、それと同時に、派遣候補者については本人の意思がやはり最大限尊重されるべきでありますから、国際平和協力本部にもその旨強く申し入れているところでございます。
 そして、具体的に申し上げますと、派遣候補者につきましては、総理府における面接選考などを経まして、去る三月八日、候補者としての内定がなされました。三月十五日から二週間研修が行わ
れ、予防接種等の準備が総理府によって進められているというふうに聞いておりまして、全面協力の決意でございます。
#42
○久保田真苗君 総理、ソマリアは既に決議によって日本のPKO協力法には合いませんね。それはできないんだということはお認めいただけますね。
#43
○国務大臣(宮澤喜一君) 安保理事会決議によって第二の段階で国連の事務総長のもとに、司令官はトルコの人かだれかになるようですけれども、そのもとに重大器を持って場合によっては戦闘行動に入ることも、これは人道上の立場でしょうが、やむを得ない、こういうのがこのたびのミッションであるといたしますと、国際平和協力法の規定によりまして我が国はそれに参加することはできないと考えます。
#44
○久保田真苗君 モザンビークにつきましても今後の進展を十分見守っていただけますね。
#45
○国務大臣(宮澤喜一君) それは当然のことと思っております。
#46
○久保田真苗君 最後に、WHO問題が新聞で報道されました。WHOの資金が会計規約に逸脱されて支出されるということが近く公表になってかなり問題になりそうです。
 私が伺いたいのは、職員がその出身国の任意拠出金、日本の任意拠出金を使ったということが中心ならしいんですが、そういうことは事務局長が任意に使えるようなシステムになっているんでしょうか。外務省どうぞ。
#47
○国務大臣(渡辺美智雄君) 外部監査の報告書は目下作成中だそうでありまして、したがって、新聞情報はあるが、監査をした結果どこがどういうふうな規則に違反しているということはわかっておりません。したがって、今の段階ではコメントできないということであります。
#48
○久保田真苗君 厚生大臣、御感想がありましたらどうぞ。
#49
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま外務大臣の方からも御答弁がございましたけれども、私の方でも報道の御指摘のことにつきましては承知をいたしておりますけれども、WHOの監査報告はまだ公表されておりません。私どもの方もこれをまだ見ておらない段階で、コメントは差し控えさせていただきたいと思っています。
 ただ、いずれにいたしましても、WHOへの拠出金は適切に使用されていなければならない、このように思っておるような次第でございます。
#50
○山本正和君 今、久保田委員からお尋ねいたしましたことについて、総理が特に慎重に対応されると、こういう御発言でございますから、その辺ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと本論に入る前に、けさほど私の方に農民の皆さんからただしてくれと言われましたので、質問通告しておりませんが、農水大臣、リンゴ解禁公聴会荒れる、こういう記事が載っておりますが、ひとつこの件についてちょっと御報告いただけませんか。
#51
○国務大臣(田名部匡省君) きのうから公聴会を開催いたしておりますが、これにつきましては、六年前からニュージーランドから日本に輸出をしたいと。私の方ではもうリンゴは既に自由化しておりますので、技術的に火傷病、コドリンガ、この防除体制ができなければ一切輸入することはできません、こういう経過でずっと来たわけでありますが、熱心にニュージーランドもこれに取り組んできまして防除体制が確立されて、何回か専門官を派遣して、完璧にできておりますということですから、これをもって輸入を阻止するというわけにはまいりません。
 法律に基づいて公聴会を開催いたしておりますけれども、詳しくは聞いておりませんが、議長にどういう理由でなったとか、火傷病、コドリンガ、これに不安だということで、これには説明をきちっといたしておるようでありますが、いずれにしても、この先も園地を指定して、芽が出たときから、まあ小さいうちから何回か検査をして、それから低温冷蔵庫で一定の処理をして、これ全部検査しまして、それから、輸出のときに検査をして我が方に入ってくるときにまた検査をして、これをパスすれば輸入する、こういうことになるわけであります。
#52
○山本正和君 農民の皆さん、特に生産農家の皆さんは、防除技術の確認が十分でない、またその体制も確立してない、こういう不安をお持ちなんですけれども、こういう方面に対する説明はどういうふうにされておられるわけですか。
#53
○国務大臣(田名部匡省君) これは専門的なことでありますので、専門官が調査した結果、これに基づいてやっているわけですから、気持ちは私はわかるわけでありますけれども、一般的に危ないんではないかというのと科学的に大丈夫だということの違いがあるわけであります。
 コドリンガについては、臭化メチル薫蒸を行った後に低温処理を〇・五度Cで二十五日間以上行うとかいろいろあります、さっき簡単に申し上げましたけれども。そういうことができておるものですから、不安というのはそれはもういつの、例えばサクランボのときでも何のときでもいろいろありました。ありましたけれども、結果的には完璧に処理されておるとすれば、これをもって判断するしかないというふうに考えております。
#54
○山本正和君 与党内部でも、この問題について検討されておる方は危ないと、こう言っておられるんですが、その辺の説明、どうなっておるんですか。
 それからまた、あわせてニュージーランドから来るリンゴ、これは我が国と使っている農業が違う、残留基準の問題等もいろいろある、こういうふうに聞いているんですけれども、これは農水省並びに厚生省、両方でひとつちょっとお答え願いたい。
#55
○国務大臣(田名部匡省君) 残留問題どこれまた別でありまして、輸入に際してのとりあえず問題は火傷病とコドリンガでございまして、残留農薬がどうで人体に影響があるとかどうとかというのはこれまた別のことであって、そこはきちっと分けて処理しなきゃならない。もちろん日本の基準に満たないものは一切輸入しないわけでありますから、それをクリアしたものは輸入を拒否するというわけにはいかない、こういうことになっておるわけであります。
#56
○政府委員(瀬田公和君) 先生のただいまの問題につきましては、厚生省におきましても食品調査会におきまして検討をしておりまして、ただいま農林大臣御説明いただきましたように、現状では問題はないだろうというふうな方向で検討がなされておるようでございます。
#57
○山本正和君 本問題、また他の常任委員会等で十分追求してまいりますが、どうかひとつ生産農家あるいは消費者の皆さんの不安をきちっと解決していくということを前提にして対応していただきたい、このことを強く要望しておきます。
 それでは、少し本論に入りたいと思いますが、本予算は宮澤内閣、特に宮澤総理が強く主張されておられたいわゆる生活大国づくり、生活大国五カ年計画というものに沿ったものだと、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#58
○国務大臣(宮澤喜一君) さように考えております。
#59
○山本正和君 それでは、かつて一九八六年、七年当時から議論されました我が国の経済構造の問題、前川レポートあるいは新前川レポート、さらにそれを受けて日米経済協議というものが行われたわけでありますけれども、それとこの生活大国づくり五カ年計画との関連についてひとつ御説明いただきたい。
#60
○国務大臣(宮澤喜一君) つまり生活大国の考え方は、ただ物的な社会資本というふうには考えておりませんで、申し上げますと大変長くなりますので省略いたしますが、新しい生活の簡素なライフスタイルを、そして自分自身の生活設計をというようなそういう国民生活、その中には勤労時間の短縮の問題もありますし、また老齢化社会に向かっための対応というようなこともございますしいろいろございますが、その一つとしていわゆる社会資本、物的な意味での社会資本の充実、道路
でありますとか住宅でありますとか下水でありますとか公園でありますとか、この部分は日米の協議の中のいわゆる我が国の公共投資四百三十兆円、この部分になっておるわけでございまして、その点は考え方として同じ方向を向いておると思っております。
#61
○山本正和君 新前川レポートの後、SIIが行われました。このSIIに基づいて我が国が対米公約をいろいろやりましたし、また国民に対する公約にもなっている。それが生活大国づくりに私はつながっておると思うんですけれども、それはつながっておると考えてよろしゅうございますか。
#62
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうに考えております。
#63
○山本正和君 それでは、これは経済企画庁になりますか通産省になるかわかりませんけれども、SIIで強調された、たしか六点だと思いますが、その六点のフォローについてちょっと御説明願いたい。現在どういうふうに流れてきているか。
#64
○国務大臣(船田元君) 山本委員にお答えいたします。
 特に経済企画庁におきましては、公共投資基本計画の策定、あるいはOTOでございますね、これの機能強化、あるいは内外価格差の是正のための対策の実施、そういうことを中心としてSIIの最終報告に盛り込まれた内容のフォローアップということを続けてやってきたわけでございます。特に、昨年七月のこのSIIの第二回のフォローアップの年次報告書において表明をいたしました新たなコミットメントに関しても、経済企画庁におきましては基準や規制を開放的なものとしていくため積極的な対応を現在行っているところでございます。
 ちょっと詳しくなりますけれども、昨年の九月二十一日に、私どもOTOの庶務をやっておりますけれども、OTOの諮問会議の下に専門家会議というものを設置して、機動的かつ柔軟にこの会合の開催を行って、特に外国人を含む民間の専門家から問題提起の聴取を行ない、さらには問題提起に対する検討結果について関係省庁より個別具体的に報告を受けて審議を続けてきたわけでございます。
 このOTO専門家会議を受けたOTO諮問会議の報告書、これは間もなく取りまとめられることになっておりますけれども、政府としましては、ことしの五月末までにこの報告書を最大限尊重した対応を決定していただくように、こういう段取りで現在市場開放を中心として作業を進めさせていただいているという状況でございます。
#65
○国務大臣(森喜朗君) 今、委員御指摘の一九九〇年に取りまとめられましたこのSII最終報告書を踏まえまして、通産省といたしましては流通の一層の効率化を図る観点から大店法を改正いたしました。また、輸入拡大及び対内直接投資拡大のためのFAZ法の制定をいたしました。内外価格差是正のための各種の調査を行いますなど、報告書指摘事項を着実に実施をいたしておるところでございます。
 また、クリントン政権、このたびの新内閣発足に当たりましてのクリントン演説の中にもございましたように、財政の赤字、競争力強化に向けての取り組みというのもSIIの指摘事項の方向に沿ったものであるというふうに理解をいたしております。
#66
○山本正和君 この日米構造協議が提起しているところの問題は、私どもの国にとっては大変重要な問題が幾つか示唆されている。その中で、率直に申し上げましてアメリカが日本に抱いている懸念というのは、日本は本当に自由で民主主義を持った国なんだろうかということが経済問題に象徴して問い詰められたというふうに私は思うんです。要するに、本当に日本は自由な市場経済の中で国際的にこれだけの経済的な力を持ったんですかと、こういう疑問があったと思うんですけれども、この点については、総理、いかがお考えです
#67
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうところは私あると思います。ただ、自由民主主義というようなことも、その国々によりましておのずから伝統もあり社会のあり方もございますから一様ではないと思いますけれども、そういう観点を持っておると思います。
#68
○山本正和君 これは関係省庁どちらかわかりませんが、我が国が大変な黒字大国であると、こう言われている。この黒字大国ということが一体我が国の経済の中でどういう役割を果たしているのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#69
○国務大臣(森喜朗君) 今、指摘ございました黒字がどういうふうな影響を与えているか、日本の社会に対して、というお話でございますが、確かに九二年の暦年の経常収支は千百七十六億ドル、貿易収支も千三百二十六億ドルと市場最高の水準になっておるわけでございます。
 これは、いろいろと理由はございますが、この点は今省略をさせていただきますが、この大幅な対外黒字というのは、民間需要を中心に低迷する我が国経済の実は下支えをしているという面があるわけでございます。これが恐らく御指摘の点のお答えの一つになるかと思います。
 すなわち、九二年暦年の実質のGNP成長率は一・五でございます。そのうち民間需要の寄与度が〇・四%、これマイナスでございます。公的需要の寄与度が一・〇、それに加えまして外需の寄与度が〇・九%ということになりますので、そういう意味で民間需要を中心に低迷した我が国の経済を実は下支えしているという面があるということを申し上げることができると思います。
 しかしながら、このような経済成長の姿は内需主導の経済成長を実現するという観点からは決して好ましいものではないというふうに考えます。現在の経常黒字は民間需要を中心とした内需の低迷が極めて大きな要因であるということでございますので、積極的かつ継続的な内需拡大を図っていくことが必要であると考えておる次第でございます。
#70
○山本正和君 対外純資産は、現在どれだけ残っておりますか。
#71
○政府委員(中平幸典君) 日本の対外資産負債残高でございますけれども、一番新しい数字で、一九九一年末で純資産は三千八百三十一億ドルでございます。
#72
○山本正和君 いわゆる効率という言葉が市場経済ではございますし、我が国経済が非常に効率がいいということをよく言われるわけです。ところが、いわゆる経済学の立場ばかりじゃございません、国際的な概念の中で、要するに本当の意味での効率のあるそういう市場機構、自由な完全競争の保障がされる市場機構、こういうふうなものは他人の福利を低下させることなくだれかの福利を向上することができる、これが原則だと、こう言われている。
 今、世界じゅうから日本がぼろくそにたたかれているのは、日本だけひとりもうけして、ほかの国がそれでさんざんな目に遭っているじゃないか、その証拠がこれじゃないかということで突きづけられているという要素があると私は思うんですが、それについて総理、いかがお考えですか。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことがやはりあると思います。それで、私どもはそれはゼロ・サムではなくて、やっぱりプラス・サムにするということでないといけないということを言っておるのでございます。
#74
○山本正和君 SIIにおいて協議をし、また生活大国づくりの中でも理念として出されておるいわゆる社会資本の充実、これがしっかりいけばこの対外黒字の問題はかなり解決する、こういうふうに総理、お思いでございますか。
#75
○国務大臣(宮澤喜一君) 少なくとも、輸出ばかりしてウサギ小屋に住んでいるではないかと言われることは真実を含んでおるわけですから、それはやはり我々としても考えなければならないというふうに基本的に思っております。ですから、そ
のような日本の社会、日本の経済の体質が定着いたしましたならば、やはり輸出に向いたかなりの部分が国内のストックになって定着をしていくはずである、そういうふうに考えております。
#76
○山本正和君 これも国民の皆さんにわかりやすく政府の方で御説明をいただきたいと思っている事柄ですが、日本の黒字というのは一体どこにどうなっているんだと、ちょっとこれをわかりやすく御説明いただけませんか。
#77
○政府委員(中平幸典君) 国際収支の黒字はかなり長きにわたって続いておるわけでございます。経常収支ベースでの黒字は続いておるわけでございますが、他方、私ども国が持っております外貨準備というのは、ある程度までは増加をしてまいりましたけれども平成元年の四月に千三億ドルというところに達した後はむしろ減少をいたしてきておりまして、ただいま現在のところ大体六百九十億ドルぐらいのところにあるということでございます。
 それでは、その黒字はどこへ行ったのかということになろうかと思いますけれども、これは民間の経済取引、特に輸出入等で輸出の方が大きいわけでございますから民間にこの黒字が出てまいりますけれども、民間が受け取りましたそういう外貨につきましては、民間の対外投資、先ほど純資産がこんなになっているということを申しましたけれども、あるいは金融機関が外に対してお金をお貸しするあるいは借りてきたお金をお返しする、そういう形で外へ向かって流れていって全体として循環をしている、そういうことになっているわけでございます。
#78
○山本正和君 国民の皆さんは今のお話ではなかなか理解がしにくいだろうと思うんです、経済の専門家でも大変難しいものがありますから。
 簡単に言いますと、日本の国はとにかく外国と取引をして黒字になっている。要するに日本の国という名前で計算すると黒字になっている、これはもう事実なわけですね。ところが、その黒字を普通なら、例えばある家で勘定すると、私なら私の家で収入がふえたら、例えばそれで家を直すとかあるいは子供の教育に使うとかするわけですね。それを簡単に言えば、貸しているんだ、高利貸ししているんだ、こういうふうな印象を持っている人がおるんですが、これは事実ですか、どうですか。
#79
○政府委員(中平幸典君) 先ほども御説明申し上げましたように、黒字と申しますのは、貿易で申しますれば輸出の受け取りの方が輸入の支払いより多いという格好で外貨が日本に入ってまいります。その外貨は、先ほど申しましたように、民間が外に対してその外貨を使って投資する中長期的な投資もありますし、それから短期的に金融機関が今まで借りてきたお金をお返しする、過去には例えば我が国の機関投資家が外国の国債を買ったといったようなこと、そういういろんな形で外へ出ていっていることはそのとおりでございます。
 したがって、先ほど申しましたように、我が国の資産負債残高を見ますと、だんだん我が国全体としての資産が黒字が続くに従って多くなりまして、そして資産負債残高は三千八百三十一億ドルの資産超過ということになっているという姿でございます。
#80
○山本正和君 簡単に言えば、私が言ったのと同じだろうと思うんですがね。
 要するに、経常収支の黒字というのは、簡単に言えば海外に対する債権の純増でしょう。間違いないですね。
#81
○政府委員(中平幸典君) 黒字を逆の形で言えば資産の増加になる、純資産の増加になるというのはおっしゃるとおりでございます。
#82
○山本正和君 私がここで申し上げたいのは、我が国の財政赤字がどんどんふえてきている、建設国債の発行高が大変な額に上っている、政府は苦しい苦しいとこう言っている。しかし、日本の国全体で見ると大変な金持ちだというふうに国際的評価を受けている。国民は大変貧しい。貧しいと言ったらおかしいですけれども、家は狭い、交通は不便であると。一体これは何なのだろうかというように国民がみんな不思議に思うわけですよね。
 そのことをどう直そうかということで、総理がお考えになって苦労されたのが生活大国づくりだろうというふうに私は思うんですけれども、そういう発想で間違いありませんか。
#83
○国務大臣(宮澤喜一君) 間違いありません。
#84
○山本正和君 そこで、ことしの予算をいろいろ見てまいりますと、実はまことに残念ながら、総理の掲げられた理想と予算との間に大変な食い違いが生まれている。まずその一つはシーリングという方式なんですね。シーリングという方式では総理の言われる理想が実現されるはずがないと思うんですけれども、それはいかがですか。
#85
○国務大臣(宮澤喜一君) そうばっかりは申せないと思います。シーリングというのは結局予算要求、各省庁に対して要求の優先度をつけろということでございますので、したがいまして優先度の高いものに予算を与えようという考え方でございますから、優先度についての政治の発想が誤っていない限り私は必ずしもそうは申せないと思います。
#86
○山本正和君 私は、我が国の今日の経済力、確かに私どもがある意味で高く評価しなきゃいけない部分があると思うんです。それはお互いに国民の中で知っておることだと思うんですけれども、大変貧しい時代から行政が大変な決意と努力でもってそれぞれ担当する産業の保護育成に懸命な取り組みをしてまいりました。そしてまた、そのことによってあれだけ惨めな状況から大変な勢いで復興してきた。これは事実だと思うんですね。
 ところが、その間にどうしても官と民、何といいましょうか、癒着という言葉は余り適切じゃありませんけれども、つながりが出てまいります。さまざまな権益が生まれてくる。そうすると、今日、何か我が国で少しでも物を変えよう、構造調整をしようとすれば必ずそれにぶつかるはずなんです。ぶつからなかったらおかしい。戦後四十五年間ずっとやってきたものがあるわけですから、それを構造調整しようとすれば必ずぶつかるはずなんですけれども、それがぶっからずにやろうという方式で一番うまいのが私はシーリング方式だというふうに思うんですけれども、いかがでございますか。
#87
○国務大臣(宮澤喜一君) 官と民とのいわば協調ということがきょうの我が国の経済を築いだということは私はそのとおりだと思いますし、アメリカあたりからそのことは非常にある意味でうらやまれておるという点が恐らくあろうと思います。しかし、それはおっしゃるように癒着だと、そういう面がまたないわけではない。そうだろうと思います。
 要するに、シーリングというのは、しかし今我が国として何が優先すべきかということを各省庁が正しく判断している限り、スクラップ・アンド・ビルドということになってくるはずでございますので、したがって古い構造が捨てられ、新しい構造がつくられるということに私は貢献している、すべきものである、またそのはずであるというふうに考えます。
#88
○山本正和君 どう言ったらいいんでしょうか、一九八七年に新前川リポートが出されたんですね。この新前川リポートを出されたのが一九八七年五月ですから、まだリクルートも証券・金融の不祥事も、まして今日のようなゼネコンの問題なんかも出てくる前です。表面化する前です。しかし、そのときに既に前川春雄さんは、我が国の経済の抱えているさまざまなひずみからどうしても直さなければ大変なことになりますといって提起されたわけです。
 その六つの項目、貯蓄が大変高い、公共投資が、正直言って他の国と比べて社会資本が低い、こういう問題をどうするんだというのが第一点でしょうね。それからさらに流通問題がある。我が国の流通問題、これどうなんですか、これでいいんですかと。土地問題がある。内外価格差があ
る。そして企業の中で言えば系列問題がある。さらに談合問題がある。どうしてくれるんですかという格好で、これを直そうというのが前川リポートの中身ですよね。ところが、それが直らないままにどんどんどんどん進んでいってリクルートが生まれ、あるいは一番激しいゼネコンの公共事業を、国民の税金を食って政治家に献金したというような問題も出てしまった。
 私は、だから外国から見ておって日本の国は本当にこれで自由とあるいは民主主義ということが存在する経済運営をしているんですかという厳しい指摘を受けても仕方ないと思うんです。それを直すのが総理自身の責任だろうと私は思うんです。総理のあるいは内閣の責任だろうと思うんです、国際的な中で。
 そういう意味で、ここで、今までの流れがありますけれども、アメリカがまた大きく変わってまいりました。私は、総括の冒頭でクリントンさんが今取り組もうとしているアメリカの経済政策でちょっと総理に御質問をいたしました。総理は今からアメリカとの対話をされる、もう来月に行かれるとこういう話ですから、その中で、一体そういうクリントンが目指す新しい社会のあり方、アメリカのあり方、それと我が国が今抱えているこういうさまざまなひずみを解決するために我が国はどうしなければいけないかという問題、それと絡めてちょっと一遍、総理、本当に今のままでいいのかどうか、アメリカと話をする、世界に話をする我が国の経済はこれでいいのかということについてひとつ率直な御意見をいただきたいと思います。
#89
○国務大臣(宮澤喜一君) 前川さん自身が何度も言っておられたことでありますけれども、いわゆる前川リポートというのは、我が国の長い歴史と伝統の所産であるある種のものについて日本が真に国際化するために改める必要があるということを言ったものでありますし、前川氏自身がしたがってこれは二、三年でできることではない、長いことかかるであろうということを言っておられました。そのとおりと思います。
 また、同じような趣旨で、先ほどお話しの日米協議というのはかなりお互いに切り込んだ話をしておりますから、聞きようによっては相手方の国のあり方について何で干渉するんだというような、しかしこれはお互い友好的にやっておりますからよろしいんですけれども、そこまでやはりお互いにやりとりをして、そういう意味で我々も改めることを改めてきたと思います。それはまだ、冒頭に申しましたように、二、三年でできることではない。しかし、そういう方向に日本経済が行っておるということには私は間違いない。
 その間に今おっしゃいますようないろいろな不幸な出来事が起こっております。これは外から見ると、日本の民主化とかいうものがまだ十分でない、そういう証左としてあるいは見られるかもしれません。それを否定はいたしませんけれども、しかしそうであれば各国におのおのいろいろ実は出来事がやっぱりあるのであって、ですから決してこれでいいと申しているんじゃございませんよ、やっぱり各国にいろんな出来事がございますから、各国各国でそれを乗り越えながら民主化、自由化というものが行われているということだと私は思います。
 それで、クリントン大統領がいろいろなことを言っておられるわけですが、アメリカが新しくなれと言っている意味は、例えば経済を例にとりますなら、やはりこれだけ競争力を失い始めている、そのこと自身はまず基本的には教育の問題であるといったようなことから、いわゆるアメリカを新しくする、リニューアルという言葉を使われたと思いますが、そういうことを呼びかけておられるんだと思います。
 それはある意味で構造協議で我々との間で話題になり、我々からアメリカに対して求めていることとも関係があるわけでございますけれども、そういうことの中でアメリカの教育を初めとする社会のいわば刷新と申しますんでしょうかそれによってアメリカ経済がやがて競争力を持つに至るならば今のような問題というものは解消するというふうに言っておられますし、さしずめまた直接に財政赤字の解消に向かって、歳出削減と増税を含む施策を具体的に提示をしておられるということは、かつてなかったやはり大決心であろうというふうに思います。
 さあそれに対応するものが我が国にとって何であるかというお尋ねは、大変難しいと思いますけれども、虚心に考えまして、やはり教育というようなことはどの国にとっても私は基本でなければならないと思います。
 それからその次に、順序はすぐ次かどうかわかりませんが、やはり豊かな社会をつくるということであれば、インフラストラクチャーばかりではございませんけれども、しかしちょっと雨が降れば川があふれるというようなことであってはいけないはずでございますし、どれをとりましてもすべきことがたくさんあるわけでございますから、国の資金なり資源なりの使い方をもうひとつ輸出の方からそっちの方へ振り向ける努力が必要だと。このことは同時に日米間の摩擦を解消することに、多少時間はかかりますが、なるはずであると考えますので、そういうことが我々の課題であろうかと思います。
#90
○山本正和君 SIIで我が国の方もアメリカに対してかなりきついことを言っているわけですね。ところが、今度のクリントンさんの政策の中に、我が国が主張したことをまともに受けとめている。ちょうど合ったのかもしれませんけれどもね、たまたま。新しい政策に合ったかもしれない。財政赤字の削減、四年間でグロスで五千億ドルやると、こう言うんですね、アメリカは。大変なことです。増税もやりますと。所得税を公平化するために千四百八十五億ドルというものをこれで生み出す、こんなことまで言っている。大変なことでございます。
 そしてまた、インフラの増強のためにいろいろ新しいものをやっていって、五十万人の新雇用を造成する。教育についても、あの当時職業教育、労働訓練が足りぬじゃないかということを我が国は指摘したんですね。それに対してもきちっと対応する新しい予算の投下をしようとしているんです。アメリカはどんどん受けているのに我が国は受けていない。我が国の方はやっていないんですよね。やっていないと言ってはおかしいけれども。
 先ほど企画庁と通産大臣から御報告がありましたけれども、アメリカが一番要求しているというよりも我が国の国民自身が今要求しているのは何かといったら、やっぱり一番大事なことは企業と行政がディスクロージャーすることですよ。そして、きちんと国民の前に何もかもはっきりさらけ出さなければいけない。ところが、それがなかなかされないんですね。アメリカが厳しく言ったのは、日本が不透明であると言ってSIIでやかましく言ったのもそれですよ、日本の国の不透明性。不透明性の何かといったら、もう企業は企業でがちっと守ってしまって株主に対して一切何も公開しない。政府は、行政の方は国民に対して一切のものをシャットアウトしている。だから、談合じゃないか、系列じゃないか、こういうことを言われる。そこへもって政治腐敗が生まれてくる。
 私は、クリントンと日本が正々堂々と話し合いをするならば、まず我が国の行政のディスクロージャー、企業のディスクロージャーを全力を挙げて進めますということがなかったら世界じゅうの国は相手にしてくれないんじゃないかということを私は心配するんですけれども、その点についていかがですか。
#91
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には私はおっしゃるとおりと思います。ただ、我々はヨーロッパの国々と同じように長い歴史を持っておりますので、歴史の短い国ほどいろんなことが簡単でないということはこれは当然のことだと思いますけれども、しかし基本的に透明性というものはやはり企業について殊に大事だと思います。
#92
○山本正和君 時間があれですけれども、もっと
いろいろとこういう形での議論を国会は私はすべきだと思うんです。そして、きちっと国民が知りたいことは国会で保障しなければいけないというふうに思うんです。
 この前、厚生省のある技官が雑誌に出しておりましたけれども、世界じゅうの先進国の中で、医薬分業が行われていない、お医者さんが薬でもうけているというような国は日本だけなんですね。こんなことはもう直さなきゃいけない。
 しかし、それよりももっとひどいことが企業の中で、それも世界へ進出している大変なもう世界に有名な企業の中でもそんなことが行われている。自動車なら自動車一つとっても、その自動車がなぜ今日こういうふうに強いかといったら、下請、孫請、みんなその犠牲の上に成り立っているという指摘を受けるわけですね。
 なぜこうなってきているんだろうかということについて、やっぱり私は、日本が本当に自由な市場経済がきちっと保証されたものにしなきゃいけない。ところが、自由民主党という名前の与党があるにもかかわらず、今もってそれがなかなか行われない。まことに奇怪な国だと私は思うんですね。だから、何とかその辺をきちっとしていくことをぜひともひとつ総理の新しい任務として、いろいろなものがあります、しかし日本の国は今、いやでも二十一世紀を迎えるわけですからとにかく前へ進まなきゃいけない、前へ進む目標はこうですよということを国民の前に示していただきたい。与党の名前が自由民主党なら、本当に自由で民主主義を守りますということを具体的に示していただきたい。
 私は、そういう意味でこれはもっともっと厳しく、私ども野党は自由民主党が自由で民主主義じゃないよということを国民の前で厳しく論争していきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。
#93
○委員長(遠藤要君) 以上で山本君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#94
○委員長(遠藤要君) 次に、及川一夫君の質疑を行います。及川君。
#95
○及川一夫君 締めくくりの総括でありますので各般にわたってということになるんでしょうが、我が党に与えられた時間の中で、私は主として政治改革、政治倫理の問題について中心に行わせていただきます。
 まず最初に、金丸事件というふうに言わせていただきますが、公判が行われます。そこで、この公判の争点は何かということを考えますと、検察の方は所得隠し、したがって脱税ということで公判に訴えておられる。それに対しては、今のところ公判が開かれておりませんからわかりませんが、しかし巷間言われる中では、弁護団は政界再編の資金ということで争うというふうに言われております。したがって所得隠しか政治献金がということで争われるというふうに思っておりますが、法務省、いかがでしょうかそういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#96
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 委員も御案内のとおり、金丸前議員及び生原元秘書に対しましては、去る三月十三日及び二十七日の二回にわたりまして所得税法違反の事実で公判請求したばかりでございます。今、委員がお触れになられました、弁護人が公判廷でどういう主張をなさるかということは、これは公判が開かれてみないことにはわからないわけでございますので、今ここでそれに対して検察当局の意見というものを申し上げることはちょっといたしかねるわけでございます。
#97
○及川一夫君 いや、別にそれについて意見を言えと言っているわけじゃないんです。要するに、我々が国民的な関心のあるこの問題で何が争点になるのかということを考えますと、やはり所得隠し、脱税問題と、いずれにしても金丸さんが主張されるであろう政治献金である、政治資金である、いわば新しい政党づくりのための資金であるというふうに言われるに違いないと私は思うわけでありまして、仮にそういうことになれば、これが争点になりますねということをただしたいということです。
#98
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これは委員も十分御存じと思いますけれども、所得税法違反の事件につきましては改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、例えば偽りその他の方法により所得を免れたという場合の偽りその他の方法が何であるかとか、あるいは隠匿所得が何であるかあるいはどういう方法で、先ほど申しました偽りその他の方法に関連するわけですけれども、隠匿したかというようなことを所得税法違反の罰条に該当する構成要件の事実一つ一つについて検察官はもちろん立証しなければなりませんし、弁護人の方はそれに対して検察官の主張を否定する主張をしてくるということになるわけでございます。
 端的に申し上げますると、所得税法違反の罰則の構成要件に当たる事実を一つ一つ立証する、また弁護人はこれを反駁するということになろうかと思うわけでございます。
#99
○及川一夫君 検察がそう立証していったが、結論的に立証ならず、したがって無罪ということになると、前回のものと合わせて十八億五千万という所得は無罪の措置になるから、当然これは金丸さんに返っていくということになるんですが、新たに政治資金規正法の問題が浮かび上がってくるということになりますか。
#100
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、検察当局におきましては所得税法違反の事実で公訴を提起したわけでございますから、その所得税法違反の事実について立証活動を行うわけでございます。したがいまして、今委員がお尋ねになられましたように、この公訴を提起した所得税法違反の事実につきましては証拠十分であるという確信のもとに公判請求したわけでございますから、それが無罪になった場合のことを前提に物を考えるということはいたしていないわけでございます。
#101
○及川一夫君 まあ皆さんお笑いになるけれども、考えられるわけですね。そのときに一体この十八億五千万というのはどういうことになるのかというと、政治資金規正法に返ってきて不記載という問題と報告をしていないということで、またこれは二十万円の罰金で終わるのかなということが考えられるわけです。だから、この公判は絶対に負けられない公判だなということを私自身が思い悩んでいるわけで、またそれを本気になって検察陣がやらなかったら国民の不信を取り除く端緒にもならないと、こんなふうに思っているわけであります。
 そういった点で、裁判所、検察庁ではないかもしれませんけれども、刑事局長、少なくとも公判維持には自信があるんでしょうね。
#102
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、公訴を提起した事件につきましては、検察当局において公訴維持のために万全を尽くすものと考えているわけでございます。
#103
○及川一夫君 まあ頑張ってください。
 そこで、最近、業界の政治献金のあり方とかあるいは業界としてのあり方の問題についてさまざまな議論がございます。恐らく各省につながっている業界というのは相当の数だというふうに私は思いますが、まずもって、全部を言うわけにいきませんから、とりわけ今話題になっている建設関係を中心に、通産、運輸、厚生、郵政、五省について、業界団体の数とその業界が構成されている目的についてそれぞれの省から御説明をひとつお願いしたいと思います。
#104
○政府委員(伴襄君) お答え申し上げます。
 建設業関係では八団体が業界団体として、これは建設業法に基づきまして届け出られている団体でございます。その目的は、建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な発展を図ることを目的にしておりまして、それが八団体ございます。
 その他、私どもの所管では例えば不動産関係の団体がございますが、これも今手元にありますのは五つございます。数だけですとそういうことでございます。
#105
○国務大臣(森喜朗君) 通産省所管の公益法人の総数は、現在八百八十九団体でございます。そのうち業界の団体型と考えられますものは約三百余りであると承知しております。
 通産省所管の分野においてこのような数の公益法人が設立されておりますのは、通商、貿易、産業、エネルギー、技術、中小企業等その所掌する事務が極めて広範に及んでおりますので、それぞれの分野におきましてさまざまな課題に的確に対応する必要があるからでございます。
 当省としましては、このような公益法人の設立許可に当たりましては、従来から既存団体の活用も含めましてその必要性、妥当性について厳正に審査を行いまして、新設を必要最小限にとどめるように努めております。
 なお、当然、公益法人の指導監督につきましては、事業状況等の報告の聴取、定期的な立入検査、大体三年に一度やっておりますが、適切な実施に努めているところでございます。
#106
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省所管の公益法人につきましては、平成四年十月現在で社団法人が五百五十二、財団法人が二百六十七、合計八百十九でございます。
 これらの公益法人につきましては、運輸関係の技術研究等の調査研究を行っているもの、また海陸空にわたる運輸事業の事業者を会員とする社団法人、こういったものでございます。
#107
○政府委員(岡光序治君) 医薬品関係の業界団体でございますが、医薬品につきまして十二団体、それから医療機器につきまして十七団体業界団体がございます。業界の諸課題につきまして調査、協議することを目的としております。
#108
○政府委員(五十嵐三津雄君) 郵政省関係の公益法人について申し上げます。
 社団法人、財団法人合わせまして、ただいま私の手元にある資料では、電気通信、放送関係七十六の公益法人がございます。それぞれ電気通信、放送の普及発展を目的とするとか、技術開発あるいは標準化、そういったことを目的として設立されているものでございます。
#109
○及川一夫君 私のところにも一応資料はいただいておるわけですが、必ずしも数字は一致いたしておりません。ただ、よりすぐって持ってこられたんでしょうから、それはそれなりに理解をいたしますが、これまで報告あったやつをざっと暗算で計算してみますと二千百ぐらいの団体ということになろうかと思います。
 ところで、地方政治を遂行するに当たって二千を超える業界団体というのは必要なんでしょうか。これについて、とりわけ建設省にお伺いしたいと思います。
#110
○政府委員(伴襄君) それでは、建設省で建設業関係の例をとって申し上げますと、建設業の業者数は五十一万ございます。五十一万の業者に対していろんな指導あるいは自律的な規制等をやってもらうときに、やはり団体という形を通じてやるほかはないと思います。一つ一つの業者に対して指導するというわけにはまいらないと思います。
 現に建設業の場合には、建設業法で「建設業者団体」という規定がございまして、先ほど申し上げたような目的で社団なり財団をつくってその業団体を通じていろんな行政指導をする、業法上の指導をするという建前になっておりますので、これは不可欠なものかと思っております。
#111
○及川一夫君 実は、私のところに届けられた資料を見ますと、建設省が一番少ないんですね。それで、その他の省がむしろ正直に報告しているような気がするという前提に立つと確実な数字かなと、こう思ったりするんですよ。肝心かなめの建設省が少ない。
 今言われたことは別に私は否定しませんが、果たしてそれだけにとどまっているのかどうか、談合の場になっていないかということを考えますと、こんな数字ではないはずだというふうに私は考えるんですが、建設省、その辺はいかがですか。
#112
○政府委員(望月薫雄君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、建設省所管の社団、財団の全体だと三百を超える数字になろうかと思います。私ども先生からお求めいただいたのが業界の団体ということを認識し、さらにまた建設大臣が認可したと、こういう前提で整理させていただいたものですから、先ほど経済局長が御答弁申し上げた次第でございます。
 おっしゃるように、広く業界の団体ということになりますと、例えば県の建設業協会あるいは県の宅地建物取引業協会など知事レベルの団体もたくさんあるわけでして、これは一応捨象して建設大臣認可のものとして業界に関するものだけを、しかも建設業中心に出させていただいたということでございますので、お許しいただきたいと思います。全体では三百を超えるものがあることは率直に申し上げさせていただきます。
#113
○及川一夫君 各省ともにこういう業界団体が一切談合はしていないというふうに言い切れますか。各省お答えください。
#114
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 建設工事の適正な施工の確保及び建設業の健全な発展を図るために建設業関係団体が存在しているわけでありますが、建設業界においての政治献金等の実態について詳しく承知はしておりませんけれども、今回の件に伴って国民の批判が非常に建設業界に厳しいというこの現実を十分重く受けとめて、企業倫理の確立に努めていくよう強く要請していきたい、このように考えております。
 具体的に企業倫理の確立というような問題をどうとらえるかという問題でありますが、私の一般論としてお話をさせていただきますと、今回建設業界に対して、いろいろ使途不明金とかそういったものが非常にほかの業界と比べて大きい、こういうようなことも再三予算委員会の中で御議論をいただきましたので、企業倫理の確立という面から見て、今後政治献金も含めて建設業界の透明性というものを高めていく努力を建設省としても企業倫理として求めていかなきゃならない、このように私は強く認識しております。
#115
○及川一夫君 各省ひとつ。
#116
○政府委員(熊野英昭君) 通産省の関係の公益法人の状況及びその対応については先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでありますけれども、設立に際しましては十分その必要性なり妥当性について厳正な審査を行っているわけであります。その設立の趣旨あるいはその団体の定款等によりまして活動の範囲を厳格に見ておりますし、日々関係の業界と接する過程でいろいろその設立の目的に反しないような指導監督を行っているつもりでおります。
#117
○政府委員(大塚秀夫君) 運送業という団体の性格上、そのような事実はないと承知しております。
#118
○政府委員(岡光序治君) 病院が大量に医薬品を購入する場合に複数の卸から調達をするということがございますが、業界団体が談合を行うという、そういうふうなことは私ども聞いておりませんし、あるべきことではないと思っております。
#119
○政府委員(五十嵐三津雄君) 郵政省関係の公益法人については、先ほども申し上げましたが、それぞれこの公益法人はその設立目的に沿った活動をしておるというふうに私ども受けとめておりますし、また平素もそういった監督をいたしております。そういう意味で、御指摘のようなことはないものというふうに考えております。
#120
○及川一夫君 時間が余りありませんから個々に追及はできませんが、それなら建設省、建設大臣、山梨県の建設業協会が新聞で報道されている事態をどう説明されるんですか。
#121
○政府委員(伴襄君) 山梨県の建設業協会の件でございますが、新聞報道でいろいろ接しておるところでございますけれども、現時点ではその協会、県の協会そのものにつきまして法的判断というのが下されているわけではございません。ただ、捜査当局の家宅捜索等を受けまして、それが
原因となって建設業界全体が国民の大変厳しい批判の目にさらされていることは事実でございますので、まことに遺憾だと思っております。
 こういうことに対して、やはり信頼回復を図るということが大事でございますので、県の協会に対しましても、建設業、個別の企業もございますけれども、特にこういう問題になっている協会に対しまして我々ヒアリング等を行いましてその活動状況の実態把握に努めたい、それによって事業活動の適正化あるいは企業モラルの確立というようなことを、あるいは団体モラルの確立ということを図っていきたいというふうに考えております。
 ただ、山梨県の建設業協会は、御案内のとおり、山梨県知事の認可団体でございます。したがいまして、建設省で直接というわけにいきませんので、よく県当局とも協力しながらその辺は調査し、指導していきたいというふうに考えております。
#122
○及川一夫君 もう一つ、厚生省の場合にはそんなことはあり得ませんと言い切っているんですが、それなら社会保険庁の問題でしょう。シール談合事件というのは判決があるんです。まさに談合そのものが指摘をされているわけですが、これをどう説明するんですか。
#123
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど局長から御答弁を申し上げましたのはいわゆる医薬業界の分野でございまして、このシールの問題につきましては昨日判決が下されたようでございますが、まだ私詳細に承知いたしておりませんけれども、反省すべき点があれば十分に反省して襟を正していく決意でございます。
#124
○及川一夫君 それは、判決というものに対してこれはインチキであるというんならそれは反発するんでしょうが、どうもそうでもなさそうですから、だから反省しなきゃいかぬということなんで、これは談合はある。これは過去も、将来もあるいは出てくるかもしれないということを私は意味しているような気がしてなりません。
 そこで、外務大臣にちょっとお聞きいたしたいのでありますが、日米建設協議を延期するという問題について我が国も了解をしたということが報じられているんですが、アメリカが延期をするというふうに言った理由は一体どういうことなんでしょうか。
#125
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が受けている報告では、協議をするのにはお互い準備が必要だ。その準備不足である。たまたまこの間の金丸事件というものがその時期にぶつかっちゃったというためにダブったような印象を与えていますが、それよりも準備不足ということで少しもっと延ばそうじゃないかという話であった、こういうふうに報告を受けています。
#126
○及川一夫君 新聞の報道によれば、アメリカの受けとめとしては金丸問題ということも含めてでしょう、政治家と建設会社の疑惑はアメリカでは指名入札制度そのものの疑惑に当たるというふうに見ている、こう言われているわけです。私は、恐らく独禁法違反と受けとめているんだろうというふうに思うんです。外務省としてはこの辺どう理解いたしましたか。
#127
○国務大臣(渡辺美智雄君) 指名入札の話でございますから、実務的なことで当該官庁から答弁してもらった方が適切だと存じます。
#128
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきました日米建設協議が延期された理由と現在の状況について御説明いたします。
 まず、前回、三月十七日、十八日の会合の議論を踏まえてさらに今回交渉を行うことにしておりましたが、日米双方とも会合前に検討すべき課題があるということが延期になった理由の一つであり、二番目としては、日本側の出席者の日程調整も総理訪米等の事情から困難である。このようなことで、今後日程調整は外交ルートを通じて行われていき、現在のところ次回の会合の時期については未定でございます。
 日米双方とも検討すべき課題として、具体的には交渉中でございますので、どの問題はどうこうというのは現在の段階でお話し申し上げることはできませんが、これまでの協議を経た結果として、考え方に日米ともそれほどの差があるものでないと考えておりますので、まだ開きのあるものが一方では存在しているものをどう調整するかということを今取り組んでいるところでございます。
#129
○及川一夫君 それなら、アメリカには談合ということはありますか。
#130
○政府委員(伴襄君) 先生御案内のとおり、アメリカは一般競争をやっております。日本は指名競争制度でございますけれども、全く純然たる一般競争、それはボンドという保証会社制度とリンクしておりますけれども、そういう制度をとっているのは実はアメリカが唯一の例外でございます。
 そのほかの国ですと、例えばイギリスなんかが指名競争をやっておりますし、日本の指名競争入札制度というのは別に例外的なものじゃなくて、アメリカの一般競争がむしろ諸外国の中では例外的であるという状況でございますが、私どもの聞いておりますところでは、アメリカの一般競争をやっている制度の中でも年間三十件か四十件ぐらいの反トラスト法違反の事案が挙がっているというふうに聞いております。
 したがって、一般競争がこの前提であっても、やはりそこである業者が決まりますと、その中でカルテル行為が行われているということはあるようでございます。
#131
○及川一夫君 アメリカが例外だと言うなら、建設大臣、独禁法という問題について認識の違いはないとお答えになったが、相当の開きがあるんじゃないでしょうか。建設大臣、お考えをお聞きしたい。
#132
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま政府委員から答えていただきましたように、日米間において独禁法問題について議論をしてきた過程もございますし、また問題点も否定できないと思いますが、先ほど申し上げましたように契約制度は、ボンド制度というのはアメリカだけに存在し、ヨーロッパの中には日本と同じような指名競争入札制度も含めた仕組みになっている国もございますので、そういう面では日米間においてヨーロッパよりもそういった問題点はあるということは否定できないと思います。
#133
○及川一夫君 とにかく、文化の相違もあるようですから、実際に我が国でも困っている問題も多々あるんですよ。特に社名は伏しますけれども、本社を建てたい、建てるということを前提にして自社でもって設計をした。しかし日米構造協議の中で問題になって、その本社はアメリカにやらせるというふうに言ったら、日本で設計したものをこれに基づいてやってくださいとこういうふうに言ったら、おかしいと言うんですな、アメリカでは。全部チャラですよ。設計から何から何までアメリカがやり直すというわけです。その金を出せというわけです。日本では到底考えられない一つのシステムだと思いますが、それほど大きな差がある。
 ここで言う、アメリカでは指名入札制度そのものが疑問に当たると見ているというのは、私はまさに独禁法違反が蔓延しているという前提で我が国を見ているんじゃないか、こう思っておるので、建設大臣、その辺はしっかりと受けとめてもらった方がいいのではないかということを申し上げておきます。
 それから次に、全国で五十万の業者がおるというふうに言われて、それをどうくくっているかということでは、どうしても協会が必要だというふうなお話がございました。しかし、談合ということについては、こういう団体ではもう必要悪という前提に立っているんではないでしょうか。建設大臣、その辺はどうですか。
#134
○政府委員(伴襄君) 建設業関係団体というのは、何度も申し上げておりますけれども、業法上できちっと建設大臣なり各県の知事に届けてもらっている団体でございまして、しかも、それは公益法人ということで認可しておるものでござい
ます。それぞれそういうことでございます。
 したがいまして、そういった行為が団体の活動として行われることはないというふうに確信しておりますし、そうあってはならないというふうに思っております。
#135
○及川一夫君 いずれにしても、答弁するとそういう答えになるんだけれども、実際にはやっぱり交わしている会話は談合というのは必要悪だよと、こう言っている。それを奨励しているとは言わないが、それを示唆するような内容を実は公取委が出しているではないか。
 建設ガイドラインというのがありますね、内容について公取委の方からお知らせいただきたいと思います。
#136
○政府委員(小粥正巳君) いわゆる建設業ガイドラインについてのお尋ねでございますけれども、これは昭和五十九年に設定をしたものでございますが、それより前に事業者団体一般について、その活動が独占禁止法に抵触する場合は具体的にどういうものであるかという、いわゆる事業者団体ガイドラインをつくりました。
 そして、これを前提といたしまして建設業につきまして、建設業は御案内のとおり、特に公共事業の発注に係る業務につきましては、先ほど来御議論がありました我が国の入札制度についての特殊性、あるいは建設業は中小企業者が極めて多いというようなこと、単品受注請負型の産業である、そのような実態に即しましてできるだけ具体的にわかりやすく、いわば一般的なガイドラインを具体的、確認的に取りまとめて、これを私ども建設業につきまして独占禁止法違反行為を未然に防止するためのいわば手引といたしましていろいろ普及活動を図ってまいったわけでございますが、申すまでもなく、このガイドラインの中では、競争入札において受注予定者をあらかじめ決める、あるいは入札価格を決定する、こういう場合は独占禁止法違反行為であるということを明確に示しているわけでございます。
 したがいまして、御指摘ではございますけれども、私どもこれがいやしくも談合についてそれが何か許容されるかのごとき、そのような性格のものでは全くないということは明確に申し上げたいと存じます。これはそのような行為は明確に法違反であるということを明示しております。ただ、もし不幸にしてこれが建設業界において十分に独占禁止法についての理解、認識が浸透していないということでありますれば、これはまた私どもの理解を求める努力がなお不足しているということでもあろうかと思います。
 今後とも、一層このガイドラインの内容を十分に正しく理解していただくように周知徹底を図り、談合防止に私どもといたしましても全力を尽くしてまいりたいと存じます。
#137
○及川一夫君 談合については違法であるということは、それは言われるでしょうね。ところが、情報の交換とか単価について話し合うとか、そういうものについては独禁法違反に当たらないということも言われているんじゃないですか。その辺に大きな誤解が生じているというふうに私は見ている。
#138
○政府委員(小粥正巳君) ただいまの御指摘でございますけれども、事業者団体がその構成事業者との間で行います情報提供活動でも、これは建設業に限りません、一般的にももちろん同じでございますけれども、独禁法上何ら問題のない情報提供活動というものは具体的にいろいろございます。
 例えば、過去の実績についての報告を任意に徴収し、これを提供するとかあるいは具体的な発注工事についての必要な技術力の程度、現場の地理的、地質的条件についての情報の収集、提供というような、細かく申し上げれば切りがないわけでございますが、具体的にどういう情報提供活動が問題がないものであり、どういうものが法に触れるかということを私ども具体的にわかりやすくこのガイドラインで示しているつもりでございます。
#139
○及川一夫君 今の説明でも納得できないんですが、三月の二十九日、我が党から取引委員長あてに要請書を出しておることは御存じでしょう。見直しを要求していますが、このことについてお考えがあったら述べてください。
#140
○政府委員(小粥正巳君) 先般、社会党赤松書記長を初め関係議員の方が私どものところにお見えになられまして、ただいま及川委員御指摘のような内容を含むお申し入れをちょうだいしたことはそのとおりでございます。私どもそのお申し入れは大切に承りまして、その内容につきまして私どもとしましても一層勉強し、努力をさせていただくつもりでございます。
#141
○及川一夫君 公取委にもう一つお伺いいたしますが、山梨の建設業協会の行為というのは独禁法違反にならないんですか。私は独禁法違反を談合の問題として発動すべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#142
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの山梨の建設業協会の問題でございますけれども、いろいろ報道されていることは私ども当然ながら強い関心を持ってこれをいろいろとその点も踏まえて情報収集に努めているつもりでございますが、ただいまのお尋ねのように、伝えられているようなその問題が独禁法違反に当たるかどうかと。私どもの立場といたしまして十分に具体的な状況、事実に即して判断をしなければ、これはなかなかこれまでに伝えられているような報道をもとにして私どもが直ちに判断を下すわけにはまいらないということは御理解いただけると思います。
 私どもは、いずれにいたしましても、いわゆる談合というような行為が行われているのではないかという報道につきましては本件に限らず常に強い関心を持ってその内容についてできる限り情報収集に努力しておりますし、またそれは当然の責務と心得ております。
#143
○及川一夫君 もう一つ、今回の特捜の捜査によって多くの資料が持っていかれましたね。とりわけ総合建設会社、ゼネコンというところがたくさんの資料を持っていかれたそうです。
 一番恐れているのは、この談合の問題がその資料の中から出てくることが最も恐ろしいということが言われているわけでして、ですから今ここで談合の疑惑ということを言い切ることはないと思いますが、いずれにしても重大な関心というのはお持ちになって、やっぱりやるべきときにはやるということが一番大事ではないかと思いますが、もう一度お考えを聞かせてください。
#144
○政府委員(小粥正巳君) ただいま申し上げましたように、私ども伝えられるような問題が本件にありとすれば当然のことながら強い関心を持って見守っております。
 したがいまして、これに関連する検察当局の活動等にも十分に留意をしながら、今後とも鋭意情報収集活動に当たってまいりたいと考えております。
#145
○及川一夫君 取引委員会が国民の不信を買うようなことがないように、かつての検察のように一時は大変な不信に陥ったことがあります、そういうことのないようにひとつやっていただきたいということを要求しておきます。
 それから、建設省にお伺いしますが、山梨の建設業協会というのは恒常的にいわば何となくお金を集めています。大体こういうことが露骨に出てくる業者団体というのは団体をつくる資格がないんじゃないかというふうに思いますが、建設大臣、いかがですか。
#146
○政府委員(伴襄君) 山梨県の建設業協会は山梨県知事の認可を受けた正式の団体でございますが、今回いろいろ報道等で接している事柄が協会の活動として公益法人としてやっているものかどうかといったようなことも実は全く不分明でございまして、我々としましてはそういう山梨県の建設業協会がどういう事業活動をしていたのか、団体活動をしていたのかといったことを十分に把握して対応していきたいというふうに考えております。
#147
○及川一夫君 いつをめどにそういったことをなされるんですか。
#148
○政府委員(伴襄君) 調査にはなるべく早く入りたいと思いますが、くどいようでございますけれども、山梨県の建設業協会は山梨県知事の認可団体でございますので、知事経由あるいは知事と協力してというような形で山梨県知事部局とよく連携をとりながら対応するということにいたしたいと思っております。
#149
○及川一夫君 郵政大臣にお伺いいたします。
 光ファイバーが公共投資の対象になったということが報じられておりますが、いかなる理由でそうなったんでしょうか。
#150
○国務大臣(小泉純一郎君) まだなっておりません。
#151
○及川一夫君 ということは、郵政省としてはそういう御相談も受けていないということですね。
#152
○国務大臣(小泉純一郎君) 光ファイバー網の整備というのは、今後の高度情報社会というものを考えると大変重要なものであるということは認識しております。ですから、去る三月十一日だと思いますが、郵政省では電気通信審議会に二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤の整備のあり方について諮問したところであります。
 この情報通信基盤整備については電気通信事業者の役割が大きいものと認識しておりますので、このことも踏まえ、官民の適切な役割分担などについて審議会において検討していただけるものと期待しております。
#153
○及川一夫君 郵政大臣にお願いしておきますが、光ファイバーということになると技術相手ですから、やみくもに線を引っ張ったからといってそれが効果を発揮するなんということにはならないと思いますので、慎重に対応されたいということを申し上げます。
 そこで、大蔵大臣にお伺いいたします。
 もう時間もありませんからずばり聞きますが、いわば割引債の問題について見直しをするお考えはありませんか。
#154
○国務大臣(林義郎君) 委員御指摘の割引債の話は、推察いたしますのに、金丸さんが割引債を買っていろいろやったから、これが非常におかしいではないかというお話だろうと思います。
 私は、割引債を取得して所得税違反をしたというのはそれはそれとして律せられるべき問題だろう、こう思っておりますが、割引債というものはもう随分昔から無記名というような格好でやってきた制度でありますし、マネーロンダリングということで麻薬の取り締まりの金だどうだこうだというのがありますが、私は今のところすぐに変えなくてもいいのではないか。いろんな点はあるでしょう。ありますが、それはそれといたしまして、制度そのものを変えることは今ないのではないかというふうに私は考えております。
#155
○及川一夫君 私は見直しということを言っているのであって、それならなぜ三千万というところで本人確認という制度を入れたんですか。
#156
○国務大臣(林義郎君) 今の三千万というお話はいわゆる麻薬の話でございまして、麻薬の取引があるので、その麻薬で持ってきた金をこういった割引債でやりましょうという形を押さえるというのがこの本来の趣旨でございまして、そういったものはそういったもので別途の観点でやらなくちゃいかぬ、こういうふうに私は考えておるところでございます。
#157
○及川一夫君 それじゃ、麻薬の金とその他の金をどうやって見分けるんですか。
#158
○政府委員(寺村信行君) 現在の本人確認は、麻薬の取引に伴う資金洗浄を防止するための本人確認でございます。そういった観点から、継続的な取引は、預金口座を開設する場合は金額のいかんを問わずに本人確認をしておりますし、それから大口現金取引は割引金融債に限らずすべての現金取引について三千万をもって本人確認をする、こういう仕組みになっているわけでございます。
#159
○及川一夫君 いや、仕組みはわかっているんですが、どっちにしても三千万というのを基準にして本人確認という制度をつくったのは九〇年の六月ぐらいでしょう。それ以前は何にもなかったんでしょう。
 だから、なぜ三千万を入れたのかということが疑問なんですよ。それを入れるのなら、三千万じゃなくもっと下を入れたらいいじゃないか。今、割引債に相当殺到しているそうですから、別に金丸さんがやったからじゃない、金丸さんがやって、割引債というのはある人から考えれば便利だな、こう思って使っているのではないでしょうか。ですから、所得隠しというのが拡大していくんじゃないかということを心配するんですよ。
#160
○政府委員(寺村信行君) 現金取引を三千万に限定いたしましたのは、すべての現金取引をチェックしますとこれは経済の活動が機能しなくなるということでございます。麻薬の取引にかかわる資金洗浄を防止する限界としてどの程度が適当かということで、我が国におきましては比較的現金取引が多いわけでございますので、麻薬の資金洗浄を防止する観点からどの程度の金額が必要かということから検討いたしまして三千万としたことで、税務上の目的のために本人確認をしているということではございません。あくまでも、麻薬の取引に伴う資金洗浄を防止する観点から三千万程度が適当ではないかと判断したものでございます。
#161
○及川一夫君 科学的な根拠は余り感じられません。納得できません。したがって、改めてまた論議をすることにいたします。
 そこで総理、最後になるんですけれども、竹下さんの辞任についてはこれまでの態度を総理としては変えませんか。
#162
○国務大臣(宮澤喜一君) しばしば申し上げてまいりましたが、国会議員の立場というものは、選挙民から負託を受け、信頼を受けて仕事をしておる立場でございますから、その負託を果たすことができないあるいは信頼を失ったというふうに選挙民が考える場合、あるいは御本人がそういうふうに判断される場合ということが判断のやはり私は基準であろうというふうに従来から考えてまいっております。
#163
○及川一夫君 総理大臣になったら島根県民じゃないんじゃないですか。日本国民じゃないですか、なった以上は。そういう立場から自分を律することを私は考えるべきだと思うんです。
 きのうも、東京都の自民党の皆さんが離党という問題を言ってきたそうですが、離党は自民党内の問題ですね。国民から見たら、竹下さんが国会議員としてバッジをつけているそれ自体が問題だと、こう言っているわけでして、私もそう思うんです。そういう点からいえば、この際、政治改革四点セット結構、大いにやりましょう、話し合って、妥協し合っても国民の期待にこたえるようなものをつくらねばならないということは、私は率直に言ってそう思います。そういう前提に立って考えるんですが、一方、竹下さんがそれこそ現役のままでおられるということについては、政治改革に対する一本筋が通らないという感じが私は率直にいたします。
 したがって、総理、同僚議員という言葉があるように、また自民党の党員でもありまた先輩でもあるかもしれません。しかし、日本の政治を本当の意味でよくするために、また国民の信頼を得るにはどうしても竹下さんにこの際考えていただかなければいけない、辞任をすべきであるということを私は表明いたしまして、終わりたいと思います。
#164
○委員長(遠藤要君) 以上で及川君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#165
○委員長(遠藤要君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜君。
#166
○白浜一良君 金丸問題に入る前に外交問題を。外務大臣ちょっと辛抱していただきまして。
 まず初めに、宮澤総理にお伺いしたいんですが、四月に訪米されるということで、初のクリントン大統領との会談があるわけでございますが、ロシア政局の混迷もございますし北朝鮮の問題もございますし、また日米の経済問題もございま
す。さまざまな重要問題があるわけでございますが、総理といたしましては、どのような方針でこの会談に臨まれますか。
#167
○国務大臣(宮澤喜一君) 新しく就任をされた大統領でございますので、まず個人的な信頼関係を確立したいと思っております。次に問題は、二国間関係と国際関係に分かれるわけでございますけれども、二国間関係は、御承知のように、日米の協力関係ということが日米両国にとってのみならず、GNPを合わせますと世界の四割に達するわけでございますので、この協力関係が緊密でなければならない。また、それに安全保障関係もございますし、いろいろな経済問題あるいは貿易の赤字、黒字といったような問題もございますので、そういうこともお話をしなきゃならないと思います。他方で、いわゆる国際関係につきましては、そのような日米が協力して世界に向かって果たすべき役割について、その中には例えば今御指摘のロシアの問題もあろうと存じます。それらのことが会談の主題の中心であろうかと考えております。
#168
○白浜一良君 概括的におっしゃったわけでございますが、内容としていわゆる日本の内需拡大、景気対策の問題。きょうも報道されておりますが、栗山駐米大使が帰ってこられて「ひと月でも早く景気が戻るための施策を講じてほしいということが米国の期待だ」、こういうようにおっしゃっているわけです。今予算を審議しているわけで、これはきょうで終わりますから早期執行ということでございますが、それにプラスしてやはり何らかの追加経済対策をとらなければこの首脳会談に臨めないと思うんですが、この点はどうですか。
#169
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもとしましては、この予算をできるだけ早期に執行させていただきたい、それが基本であると考えておりますけれども、ただいま白浜委員の御指摘のような御意見もこの委員会でしばしば拝聴いたしました。また、各党四党の間で政策協議を行うという合意も行われたように承知をいたしておりますので、そのようなことも政府としては十分に注意をして承っていかなければならないと思っております。
#170
○白浜一良君 しつこくお伺いしますが、細かい問題は別にして、概略的なこのくらいの考え方はしているんだという構想をお持ちになって臨まれるんでしょうね。
#171
○国務大臣(宮澤喜一君) それはこれからの各党の御協議の推移等を見てまいらなければなりません。各党四党がおのずから一つの方向を示されるような御協議の推移でございますれば、それは十分傾聴しなければならないことだと思います。
#172
○白浜一良君 早くそういう態勢を示していただきたいと思うわけでございます。
 それから、当然話し合われる内容になると思うんですが、クリントン大統領になっていわゆる新経済政策というのを発表されたわけで、そういう中で、特にクリントン大統領としていわゆる教育を中心とした人的資源開発の促進、それからまた科学技術政策の推進、それから環境政策の重視、こういう部分に非常にポイントを置いていらっしゃるわけでございます。こういうことは要するに日本も非常に日米協調していける、日本としても積極的にこういう面に関しては対応すべきじゃないかこのように思うわけですが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境問題のように、これは当然地球的な規模の問題でございますから、本質的におっしゃるような問題であろうと思いますが、その他のことにつきましてはそれはアメリカからいろいろお話があれば私どもとしても十分承りたいと思っています。
#174
○白浜一良君 もう一点、内容的には経済問題なんですが、私も書物によりましたら通商政策・交渉諮問委員会というんですか、そういう委員会がございまして、半導体のシェア二〇%というように日本に対しては要するに結果重視型の政策、こういうことが非常に効果があるというそういう報道が一部されているわけでございます。しかし、そういうことは、数量目標を明確にしたそういう貿易形態というか、を迫られるというのは自由貿易体制をとる日本の立場からいうと非常に好ましくないと思うわけでございますが、こういう米国側の傾向に対してどのようにお考えになっておりますか。
#175
○国務大臣(森喜朗君) 総理に対してのお尋ねでございますが、先般、私アメリカに参りまして、このことはカンター代表、あるいはブラウン長官、またゴア副大統領にもお話を申し上げてまいりましたので、日本としてとるべき姿勢といいましょうか考え方を申し上げておかなければならぬと思っております。
 九二年の第四・四半期におきまして、外国製半導体の我が国におきますマーケットシェアが二〇%を超えました。このこと自体は歓迎するものでございますが、一方、日米半導体協定におきます二〇%という数字はこれはあくまでもアメリカ側の期待でございまして、これは保証値や最低値ではないわけでございます。したがって、ここからまたスタートする、こういうものではないわけでありまして、アメリカから見れば引き続きこの数字をというお話が当然出てきているわけでございますが、重ねて申し上げますが、これはあくまでも保証値や最低値ではないということを協定にはきちんと明記してございます。あくまでもこれはアクセスの進展の状況を評価する一つの指標というふうに私どもは承知をしております。これはきちっと明記してございます。約束でも目標でもないということでございます。
 外国系半導体のアクセスの推進のためには、業界間がお互いに建設的な関係を進展させていくということが重要でございまして、その意味でデザイン・イン、お互いの技術を一緒に検討して進めていく、そうした技術の交流でありますとか、あるいは長期的な協力関係ができ上がっていく、こういうことが不可欠であります。そういう全体的に見て業者間の長期的な協力関係が構築されていく、あるいはデザイン・インなどが進んでいく、こういうことが極めて好ましい状況で、これを総合的に見てお互いのアクセスのいわゆる市場マーケットシェアの拡大が進んでいけばこれはまことにベターであるという判断をとるべきだろうと思いまして、こうした業界関係の緊密化が進んでいるということを評価していきたい、こう思っております。
 したがいまして、こういう半導体の二〇%という数字はどうしてもさまざまな誤解を受けてまいりますことは我々も承知をしておりますし、委員からの御指摘もこのことだろうと思っています。
 こうした教訓に加えまして、元来、市場アクセスについての人為的な数量ターゲットの設定は市場原理に反しておりますし、管理貿易にもつながっていくことのみならず、自由市場におきましてはその達成を政府として担保するということは現実問題としては無理がございます。こうしたことから考えれば、市場アクセスにつきましての具体的な数字を設定しその実現を政府において保証するというようなアプローチは我が国としては受け入れがたい、このように考えておりまして、そのようにアメリカでは関係者に申し上げてきております。
#176
○白浜一良君 それは模範的な回答なんでしょうけれども、アメリカ側から見たら、日本が年間で千三百億ドル以上の貿易黒字があって、それで日本は市場開放されていないという、そういう現状でさまざまなアメリカ側の対応があるわけで、そういう結果重視型の施策というものも今後十分考えられるんで、そういう公式論ではこれから私は対応できないというふうに思うわけです。
 総理、どうですか。もっと日本からいわゆるこの貿易問題に関しましてはこういうふうにしていきたいんだというものを提示すべきじゃないか。言われたものを拒否するというんじゃなしに、こういうふうにしたいと。一方で千三百億ドル以上の貿易黒字を抱えているわけですから、そういう姿勢を示すべきじゃないかというふうに思うわけ
でございますが、総理、御見解どうですか。
#177
○国務大臣(森喜朗君) クリントン新政権がスタートいたしました。先ほど御質問ございましたように、総理も四月に入りましてから訪米をされるわけでありまして、基本的ないろいろな御意見の交換をされることは極めて重要であろうと思っております。お互いにベースの面で少し認識の違いがあるかもしれない、あるいはまた私どももアメリカ側のいろいろな関係者のお話を聞きましても、選挙がございましただけにいろいろな選挙のときの公約というものもございます。あるいはまた、そういう関係者、支援者からの要望もあるでしょう。いろいろなことで極めて状況としては厳しいようなニュースも伝わってくることが懸念されているわけでございます。
 しかし、今、委員が御指摘ございましたように、決して日本の市場はそういう高い障壁があるわけではございませんで、この点もきちんと今回よくお話をさせていただきました。少なくとも数量的な制限は日本は全くございませんし、関税におきましてもアメリカやECの半分でございますし、農産物につきましてはそれは両方それぞれの問題ございますが、それにいたしましても日本の品目は極めて少ないわけでございますし、そういう点はきちんとお話を申し上げてまいりました。もちろんその場で、お互いにわかったとか、その点はこうだという話し合いはあるべきではございませんけれども、そうした日本側の説明についてはアメリカ側も十分理解を示していただけた、このように考えております。
 なお、それから冒頭に総理に御質問ございましたように、これからまた仮に追加的な景気対策というものを進めていくということもあり得るというお話は申し上げてまいりました。その場合は、いろんな形で伝えられたり、政府や党で今検討しておりますものについては当然外国も十分にそのことによって製品を売り込むということのチャンスが与えられるわけでありますから、そういうことも堂々とやっていただきたい。そういう市場のマーケットを広げてございます。今度新たにいろいろと今検討しておりますような新しい社会資本というものが仮にでき得ることであるならば、そのかわり、当然欧州であれアメリカであれ、これは当然内外ともども無差別、そして公明、公正、そして透明でどうぞひとつ十分にこうしたチャンスに挑戦をしてください、このように私は申し上げてきたところでございます。
#178
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府としてできますことは、いわゆるマクロ経済の政策でありますとか、あるいは国の経済の自由化を妨げておりますいろんな要因の除去でありますとか、こういうことはできるわけでございますが、市場経済において特定の品物を日本の業界が幾ら買うというようなことは、これは政府としては指図ができない出来事でございますから、そういうことを約束するわけにはいかない、約束すべきことではないというふうに考えていまして、アメリカは世界の市場経済のいわば先達でございますから、このことはごくごく基本的な常識として理解をされるものだと思っております。
#179
○白浜一良君 外務大臣、最後に一つだけ。
 ロシア問題でG7が行われるわけでございますが、非常に政局が混迷しているわけですね。エリツィン大統領もあと解任まで七十二票というところまでいったという。だけれども、やはり現大統領の改革路線を守るということが基本的施策じゃないかと私思うんですが、ロシア支援のこのG7の閣僚会議、これに臨まれる基本姿勢についてお伺いしたいんです。
#180
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大体において、今、委員のおっしゃったようなことを考えております。
#181
○白浜一良君 外務大臣、結構です。もうどうぞお帰りになってください。
 えらい味気ない返事で私寂しい思いをしていました。外務大臣はもっと愛情表現をしていただけると思ったわけでございますが、また後日。
 そこで、金丸問題にちょっと入ってお伺いしたいわけでございます。
 総理、感想をお伺いしたいんですけれども、確かに金丸さんが所得税法違反で逮捕されまして、当然、追徴金、罰金等取られますね。しかし、そういう地位にあったということで形成された財産は何ぼ罰金を取られても追徴金を取られても莫大なお金が残るじゃないか。そういうものに対して一般国民は割方切れないものが残るんです。それは法的にはやむを得ないということがあるかもわかりません。しかし、みずからの地位と立場を利用して、利用してというんですかね、そういうことがあってこそそれだけのお金が集まったわけですから、そういうものに対する割り切れない国民の感想があるわけでございますが、総理はどのように思われますか。
#182
○国務大臣(宮澤喜一君) これからこれにつきましての公判が行われるわけでございますし、まだ多少の調査等々も残っておるのかもしれません。で、どういう推移になりますか私にわかりかねますが、もし起訴のような事実が事実として確立されますと、それはそこから受ける社会的な制裁というものは少なからざるものでありまして、所得税法の規定を私は詳しくは存じませんけれども、財産的にもかなり厳しい規定が逋脱の場合に置いてあるように思いますので、決して生易しい結果になるということではないのではないだろうかと、よくわかりかねますがそう思っております。
#183
○白浜一良君 次に、昨日生原元秘書でございますが、検察が準抗告されて保釈取り消しになったということでございますが、これ準抗告された理由、刑事局長お願いします。
#184
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 今、御指摘になられました生原元秘書の保釈許可に対する準抗告の理由でございますが、刑事訴訟法八十九条四号に規定されております罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があって、保釈を許可したのは判断を誤ったものであるというものであると承知しているわけでございます。
 ついでに申し上げますと、昨日、東京地方裁判所は検察官の準抗告を認容いたしまして、保釈許可決定を取り消した上、弁護人の保釈請求を却下する旨決定したものというふうに承知しておるわけでございます。
#185
○白浜一良君 罪証を、隠滅する、そういうおそれがあるという、その罪証というのはいわゆる所得税法違反にかかわることですか。
#186
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 もちろん、保釈請求あるいは保釈の拒否を決定する場合には、勾留されている事実、すなわち公訴提起のあった事実というふうに大ざっぱに言うと言いかえてもよろしいかと思いますが、所得税法違反の事実について罪証を隠滅すると疑われるに足りる相当な理由がある、こういう趣旨でございます。
#187
○白浜一良君 そこで、昨日の我が党の猪熊委員の質疑を踏まえてもう少し私御質問したいんですけれども、要するに雑所得だと認定したその根拠は公判があるので明かせない、こういうことだと思います。
 それはそれといたしまして、例えばゼネコンとか山梨県の建設会社から献金されたというふうにきのうもおっしゃっておりましたが、でも、出す会社側の方から見たら、それは何の金なんですか、それは政治資金として出されたものなんですか、それともいわゆる一般贈与みたいなお金なんですか、それはどうなんですか。
#188
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 昨日、猪熊委員の御質疑に対してもお答えしたことでございますけれども、大手建設会社や山梨県内の建設業者らからの資金の提供があったという事実が認められる、これが所得税法上の雑所得に当たるものである、いわゆる相続税法上の贈与ではないという判断を検察当局はしたものというふうに承知しているわけでございます。
 その具体的認定根拠ということになりますと、これはきのうもちょっとお答え申し上げましたように……
#189
○白浜一良君 それはわかっています。
#190
○政府委員(濱邦久君) それで、今の委員のお尋ねの趣旨をそんたくしてちょっとお答えいたしますと、雑所得の認定につきましては、これはだれからどのような趣旨で供与されたものかとか、要するにそういう事実関係に踏み込んでの説明が必要になってくるわけでございます。そのこと自体は、今申し上げかけようとしましたように、まさに公判における立証事項になるわけでございます。
#191
○白浜一良君 いや、それはわかっているんです。それは会社から出しているわけでしょう。例えば二千万でも三千万でも、一億、二億、そのお金はどういうお金なんですか。まさに、そういう使途不明金として処理されようがどうされようが、それは政治資金じゃないんですか、出した方のお金は。
#192
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 私最後に申し上げましたように、今、委員がお尋ねになっておられますことは、まさに雑所得の認定根拠ということになるわけでございます。したがいまして、これは先ほど生原元秘書の保釈許可との関係で罪証隠滅のおそれがあるというふうに裁判所も認定したというふうに申し上げましたけれども、そういうことで、どういう趣旨でだれから供与されたものかというようなことも含めて、これは事実関係に踏み込んで御説明しないとあるいは公判で立証しないと雑所得の認定根拠というものが明らかにならない、こういう趣旨を申し上げたつもりでございます。
#193
○白浜一良君 言えないということなんですが、私の言いたいのは、先ほど及川先生もおっしゃっておりましたが、これは政治資金として拠出された、政治資金の一部を個人所得として流用されたということであれば、当然少なくともいわゆる政治資金規正法違反の嫌疑があるわけで、この点はきちっとそういう観点からも捜査されているんですか。
#194
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 これは改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、具体的事案における犯罪の成否ということは、これは捜査機関が捜査によって収集した証拠に基づいて判断すべき事柄であることはもう当然のことでございまして、これまでのところ、例えば政治資金規正法の収支報告書不記載罪等の犯罪につきまして訴追すべき嫌疑が認められたという報告には接していないわけでございます。
#195
○白浜一良君 そうなんですけれども、もう少し私突っ込んで言いますけれども、例えば、この動いたお金が政治資金というふうに認定した場合、所得税法違反の立証が難しいと、これ及川先生おっしゃいました。と同時に、少なくともこの政規法の中の、平成元年分を見ましたら、不記載罪はございますね、これは時効五年ですから、この範囲の中には十分入るわけですね。きちっとそういう政治資金として記載されていなかったらそういうふうになるわけでございますが、こういうことは当然もうわかり切った話でございますが、そういうことも含めて捜査をされたと、こういうことなんでしょうね。
#196
○政府委員(濱邦久君) お答えいたします。
 先ほど委員がお尋ねになったこととも関連してちょっと申し上げるわけでございますが、金丸前議員におきましては無記名割引債券による多額の蓄財が認められたということでございますけれども、これが政治資金規正法上の政治活動に関する寄附を原資とするものであって、したがって政治資金規正法上の保有金を構成するものであると仮にいたしましても、保有金に係る特定公職の候補者の報告義務につきましては、これは委員も御案内のとおり違反者に対する罰則が置かれていないわけでございます。
 それはそれといたしまして、いずれにいたしましても、検察当局におきましては、今、委員が御指摘の点をも十分捜査をして、これまでのところ、御指摘になられたような政治資金規正法違反等の犯罪について訴追すべき嫌疑が認められたという報告は受けていないわけでございます。
 ただ、もちろんこれは一般論として申し上げるわけでございますけれども、検察当局としましてはいかなる場合にも、犯罪捜査の過程におきまして刑事事件として取り上げるべきものがあるということになりますれば、これは適正に対処するということは当然のことでございます。
#197
○白浜一良君 要するに、私が申し上げたいのは、今回は所得税法違反ということで逮捕されたわけでございますが、そのいわゆる裏金というのはそういう所得税法違反どころじゃない。当然政治資金規正法の違反であるべきだし、政規法というのはそのための法律なんです。
 また、もっと言えば、それだけたくさんのお金が動いたということは、少なくとも収賄罪並びにあっせん収賄罪が適用されるお金じゃないかというふうに私もそう思いますし、立証できるできないは別ですが、みんな何となくそういう真実を言い当てているんですよ。私もそう思うし、国民も多くそう思っているわけでね。
 そういった面であと何点かお伺いしたいんですけれども、例えば、総理、これは新聞報道、確かなことだと思いますが、バスの事業補助金を削るなというふうに金丸さんが大蔵省に電話されたり、それから名刺の裏によろしくと書かれて業者に用を足しやすいようにしてあげたり、そういうことを金丸さんがされていたということがいろいろ報道されておりますが、こういうことはいわゆる国会議員の立場としてどうなんでしょうか。
#198
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般的に申しまして、行政が仮に非常にしゃくし定規になるというようなときに、お互い国会議員としてそれについての意見を申したり仲介をしたりすることはあり得ることでございますけれども、しかし、それも事と次第、現実の対応によりましては甚だどうも好ましくないではないかという判断をしなければならないこともいろいろあろうと存じます。
#199
○白浜一良君 まして、一般の国会議員も当然でございますが、副総理また副総裁として非常に高い立場にあった影響力の大きい方がそういうことをされたということで、実際はたくさんのお金が動いているわけです。
 そこで、法務大臣に私お伺いしたいんですが、あっせん収賄罪というのがございますね。きのうも議題に出たらしいんですが、あっせん収賄罪という条項があるわけでございますが、今回のそういう電話して頼むとかそういう行為が当たらないかどうか、ちょっと御見解を伺いたいと思います。
#200
○国務大臣(後藤田正晴君) その点はきのうもお答えしたとおりなんですね。そういう御意見を述べられる方があることは承知をしております。
 ただ、あっせん収賄罪で今後捜査すべきではないかといったようなことになりますと、これは捜査そのものの中身に入ってお答えしなきゃなりませんから、これは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、検察というのは犯罪の疑いがあればそれに対して徹底した適切な捜査をして立件をしていくというのがこれ役割でございます。そこまでしか私としては具体的にはお話はできないと。
 ただ、きのうお話ししたように、あっせん収賄罪というのはそう簡単にやりませんよということを申し上げておきたいと思います。
#201
○白浜一良君 時間がないのでやめますが、私はそういう行政に影響力を持っていらっしゃる方が何らかのあっせん行為をされるということは、私は十分に、それは法務大臣難しいとおっしゃいますが、そこを厳密に捜査しないとこの国民の不信感は克服できない、このことだけ申し上げておきたいと思います。
 最後に、残された時間、ちょっと景気対策でお伺いします。
 きょうで平成五年度の予算の審議が終わるわけでございますが、公共事業の前倒しというのは何回も話題になっております。政府といたしましては、現在不況でございますし、いろんな説がございますが、上半期にどのくらい前倒しをやろうと
考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#202
○国務大臣(林義郎君) 現在、平成五年度の予算案を御審議いただいている、まさにきょうはその最終日になるんだろう、こういうふうな形で最終の締めくくりの御審議をいただいているわけでございまして、私どもといたしましては、この予算案の成立を一刻も早くやっていただくということが一番大切だというふうに考えておるところでございます。
 経済の状況を見まして、その後におきましていろんなことを考えていかなければならない。予算でございますから本当は当然のことながら平成五年度全体にわたってということでございますが、景気の動向その他を注視してやるという話になるだろうと思います。しかしながら、私はまずその前提として予算案を成立させていただくことが一番大切なことではないかということを考えていることだけ申し上げておきたいと思っております。
#203
○白浜一良君 そんなわかり切った話をしたらあきませんわ、それはわかっていますよ。きょうで成立するんですよ、我々は野党だから言いたくないけれども。一挙に、二十二年ぶりですかね、本当に希有なことですよ、年度内というのは。それぐらい野党もこの不況を深刻に受けとめているわけで、だからこそどのぐらい公共事業前倒ししますよと、そういうお仕事されている方に安心感を与えることも大事じゃないですか大蔵大臣、はっきり言ってくださいよ。
#204
○国務大臣(林義郎君) 御賛成いただけるならば、またそれで考えなくちゃならない、こう思っておりますけれども、申し上げますけれども、いろんな状況でやらなければなりません。それから、衆議院の方で予算案を通過させていただきますときに与野党間での合意もございまして、いろんな御協議をいただくというような話にもなっておるところでございます。
 いろんな点を勘案してこれから考えていかなければなりませんので、今何%の前倒しだどうだということを申し上げる段階ではもちろんない、これは委員も御理解いただけるところだろうと思います。
#205
○白浜一良君 かたい大臣の答弁に比べまして、マスコミにぽろぽろ漏れるんですわ。
 それで、先ほどの総理の追加経済政策というのは、要するに私の理解は少なくとも訪米されるまでに何らかの考えを持っていかれるというふうに私はまず受けとめた上で、これから追加経済政策として考えていただきたい何点か私お話を伺いたいと思うんですが、まず、いわゆる新社会資本というふうによく言われていますが、このいわゆる内容というのはどこで検討されてどういう内容になっているんですか、新社会資本。
#206
○国務大臣(林義郎君) いろんなところで新社会資本というような話が出ておりまして、またその構想もいろいろあるようでございます。私の方で別に考えておるわけではございませんのですが、いろんなところで御議論があるということは私も承知をいたしておるところでございます。
 ただ、これを一体どういうふうに考えていくか、こういうことだろうと思いますが、公共投資というのは長いこと歴史がありますけれども、その歴史の中でやっぱり社会経済情勢に応じまして代々変化をしてきているということはあると思うんです。
 そうした意味におきまして、そのときの情勢に応じてやっぱり予算編成上どういったものを組んでいくかということは常に考えていかなければならないんだろう、こう思っておるところでございますし、もう一つの問題として考えますならば、いわゆる民間の事業者がみずからの経済活動としてやっておられるそういったものにまで政府の方が金を出してやるのはいかがなものであろうか、やっぱり官民の役割分担というものもございますのでその辺をどう考えていかなければならないかというのが私どもの今受け取っているところの感じでございまして、これからいろんなお話があるいは出てくるのかもしれません。出てこないのかもしれませんが、私はそういったことを踏まえまして考えていかなければならないと思います。
 ただ、一つだけ申し上げておきますけれども、現在の法は、私たちの方は財政法四条というものを持っておりまして、伝統的な解釈で公共事業というものにそれを充てるという場合にはただし書きで認める。それが赤字国債とこういうことでございますから、赤字国債ないし特例国債というような話になりましたならばやはりこれは財政の根幹を揺るがすものであろう、こういうふうに考えておりまして、その点につきましてははっきりしたことを、今までのような考え方でそこはやっていかなければならない、こういうふうに考えていることは申し上げておきたいと思っております。
#207
○白浜一良君 じゃ、ちょっと角度を変えまして、例えば建設国債の対象を拡大されているというふうに、その辺はどういう検討をされているんですか。
#208
○国務大臣(林義郎君) 建設国債で今まで出しておりましたいわゆる資産見合いのものは建設国債、こういうふうな話になっております。世の中の情勢の変化に応じましていろんな形のものをやってきておりますから、今までやっていますところのいわゆる公共事業というような範囲内におきましてそこをいろいろ従来的な解釈のもとでやれるような話ならばいろいろと考えてやる余地は十分にあるだろう、また、そういったことでやっていくものは世の中の必要性に応じてやっていかなければならないものじゃないかなというふうに私は考えているところでございます。
#209
○白浜一良君 何かわかったようなわからぬような話でございますが、あと中小企業の対策。
 いろいろ質疑されておりますが、さまざま大事な問題ございますが、しかし一つだけ私腑に落ちないのは、やっぱり中小企業の皆さんが一番困っている問題というのは運転資金なんですね。昨年もいわゆる経済対策で一兆二千億の中小企業のそういう枠をとられて、それ運転資金はたった二千億なんですよ。私、大阪に住んでおりますが、大阪府だけでも最初三百億、次に二千億、そういう融資枠を組みまして、すぐもう満杯になっている。投資のそういう融資というのは当面考えられないですね。当面のいわゆる運転資金が欲しいわけで、そういった面で中小企業の皆さんの要望があるわけですが、十分対策を講じていらっしゃらない、この辺も積極的に考えるべきだということを訴えて、御返事を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#210
○国務大臣(宮澤喜一君) それはわかっております。前向きとか後ろ向きとかいろいろ議論がありますけれども、やっぱり今はそういうものをつくってさしあげないといけないと思っております。
#211
○白浜一良君 終わります。
#212
○委員長(遠藤要君) 以上で白浜君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時再開することとして、暫時休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二分開会
#213
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。鈴木栄治君。
#214
○鈴木栄治君 宮澤総理にお尋ねいたします。
 私はできの悪い役者上がりの一年生議員でございますから、大変無礼な質問をするかと思いますが、ひとつよろしくお願いいたします。
 先般、宮澤総理は東南アジア歴訪をなさいました。さすがに得意な英語を駆使なさって、私は非常に成果があったと、一議員としてまた一国民として拍手を送りました。でも総理、あそこまで
行ったんですから、なぜカンボジアヘお行きにならなかったんですか。
 私、PKOの問題というものは国論を二分したと、そう思っているんです。私も去年夏、PKO賛成ということで戦いました。机上の勉強だけではなく、やっぱり目で見て自分の足で行かなきゃいかぬと思いまして、私はことしの正月カンボジアヘ行ってまいりまして、百聞は一見にしかずでございますからいろんなところを見て、また自衛隊の方そして文民警察の皆様の声を生で聞いて、本当に御苦労なことだと私は心から敬意を表すると同時に、こうべが垂れました。
 宮澤総理、総理大臣は自衛隊の最高指揮官でございます。総理がお行きになって、みんな頑張れよ、日本のために頑張ってくれと、そうお声をおかけになったらもっともっと自衛隊員は、俺たちは平和に貢献しているんだと誇りを持ってやることができたんではないかなと思うのでございますが、なぜお行きにならなかったんですか。そしてまた、将来においてもしそのような機会がございましたらお行きになるお考えはあるのでしょうか、お願いいたします。
#215
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はそのことは旅行の旅程を決めます前に一番私どもが考えたことでありましたんです。何とか私は現地に行けないかということを随分研究をいたしました。
 実は非常に簡単な理由でそれができなかったのであります。私が東南アジアヘ参りましたとき、いつもそうですが、御承知のように報道陣とカメラマンが同行されます。それは数十人のわけなのですが、したがってチャーター機には常に一緒に乗って行動しておられるいわば一行でございますが、バンコクからチャーター機が大き過ぎましてプノンペンの飛行場に入れないわけでございます。そこで、プノンペンに参りますのにはそこで別の小さい飛行機をチャーターしなければならないわけですが、それに一行を乗せ切れない。そういう問題がございまして、大変残念であったのですけれども、初めいろいろ考えましたが、どうもその隊としては断念せざるを得ないということになりまして、かわりに同行しました近藤副長官に私のメッセージを持って現地に行ってもらいました。そうして、その近藤副長官がバンコクヘ帰りますときに、現地の福井二佐外三名の方々に一緒に来ていただきまして、バンコクで私に実情の話を聞かせていただきました。
 なお、明石代表も同じくバンコクにおいでになりましたが、そのような事情でありまして、まことにお尋ねがあっていい機会でございますので、なぜかと思っておられた方がたくさんおられたと思いますが、そのような事情でございました。私としては、御苦労をかけておりますから、一度そのためだけにでも現地に行ってみたいということは考えておりますけれども、前回はそのような事情でございました。
#216
○鈴木栄治君 芸能界でも代表撮影だとか代表というのがあるんですが、その人数は何とかできなかったかな、やっぱりカンボジアの皆さんは世界の宮澤スマイルを待っていたんじゃないかなと、私はそう思うんです。ひとつ将来はお願いいたします。
 次に参ります。
   〔委員長退席、理事井上裕君着席〕
 私は国民生活調査会の委員でもございますが、この間参考人をお呼びして在宅福祉サービスの勉強会がございました。その参考人のお話を聞いておりますと、その中で、利用者はほとんどが老人である、しかしその老人の方がいろいろな問い合わせの中で、各項目がはっきりわからないというんですね。どんな項目があるんだろうと私ゆっくり見たんでございます。そうしたら、なるほどこれじゃわからないですわ。例えば電話で、在宅福祉サービスというのはどんなのがあるんでございますかと聞きますよ。そうすると、こちらのサービスはホームヘルプサービス、デイサービス、ショートスデイサービス、ミドルステイサービス、ケアハウスでございます。こんなの言ったって、老人の方はわかりづらいですようちの父親は明治四十三年生まれでございます。父親が若いころは、英語を使うのは非国民だ、そう言われた時代があったそうでございます。
 この間、新聞にこんな投書がございました。これは高校生の方です。「英語は正しく適切に使いたい」、「日本人はやたらと英語を使いたがる。看板や広告や製品などありとあらゆるものに。私はしばしば祖父母に広告や製品についている英語の意味などを尋ねられるが、時として返答に困る。というのも、それらの多くが和製英語だからである。」、「英語を母国語としている人々にも難解である。これらは一体、だれのための言葉なのだろう。」、「日本人には何といっても日本語での表示が一番である。私の祖父母のように、和製英語や本当の英語に弱い世代のために正しい日本語を使用すべきである。」。
 私、本当にそう思うんですよ。ましてや公共のもの、公共性のある情報は万人にわからなきゃ困るんじゃないかと思うんですよ。
 ですから、総理、私たちは日本人じゃないですか。日本語があるんですから、私はせめて公共性を帯びているものに関しては極力日本語を使うべきだと思うのでございますが、英語の堪能な総理はどのようにお考えでございましょうか。
#217
○国務大臣(宮澤喜一君) まことに同感で、これも私から実は申し上げたいぐらいなことでございます。そういう言葉がたくさんございまして、日本語ではないのですけれども、しかし英語でもないものですから、また第二の言葉として勉強をしなければならないというような大変に困ったことになっておりまして、これは何とかしなければいけないと思います。
 それで、さしずめ私も、最近のことで申しますと、PKOという話が、この場では皆さん御存じですが、これはまことに国民にはわかりにくかったでしょう。ODAというのがまたわかりません。これだけはまず政府の方から直させていただこうと思いまして各省庁に申したところですが、もうまことに同感でございます。私どももそういうことをなるべくしませんように努力をいたしつつございます。これからもいたします。
#218
○鈴木栄治君 私もこちらへ入って、ディスクロージャーというのがわからないので隣の委員の方に聞いて、恥をかきました。
 今度は文部大臣にお伺いいたします。
 私、森田塾という青春塾を持っているんですよ。その中に身体障害者の子もいるんです。私は初め、申しわけないんですが、かわいそうだなというそういう同情心を持って交流していたんです。しかし、彼の一生懸命生きている姿、おれだって健常者には負けないぐらい一生懸命やるんだ、青春を謳歌しているんだ、そういう姿を私見たときに、ああ、同情心がイコール親切心だなと思った自分が恥ずかしくなりました。そして、私はこういう接点をもっともっと前に持つことができたならば私の人生における考え方とか生き方も少しは変わっていたんじゃないか、そう思ったのでございます。
 どうでしょう。最近、世の中何かこうぎすぎすして心と心の通うものというのはなくなったでございますね。お年寄りに優しさを、弱者の人に親切を、道路にごみを捨てちゃいけない、川をきれいにしょうとかいろいろございますのでも、それは机上の勉強だけじゃ私はだめだと思うんですね。それはやっぱり実体験をしなきゃいけない。それも小さいときから教えなきゃいけないと思うんです。私は、小学校、中学校、高校からこの実体験、社会奉仕、ボランティアの時間を授業の一環として入れていくべきではないかなと、そうしないとだめなんじゃないかなと、そう思うのでございますが、大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#219
○国務大臣(森山眞弓君) まさに先生御指摘のとおりと私も考えます。
 これからの教育におきましては、豊かな心を持って、そしてたくましく生きる人間の育成を図るということが重要でございまして、そのためには他人を思いやる心や感謝の心や公共のために尽
くす心というようなものを育てることに配慮する必要があると思います。また、生活経験の希薄化している児童生徒が体験を通して勤労のとうとさ、社会に奉仕する精神を養うということは極めて重要だというふうに考えております。
 そこで、新しい学習指導要領、これは平成元年から始めているものでございまして、小中高を通じまして現在勤きつつあるのでございますが、その新しい学習指導要領におきましても、社会奉仕の精神を涵養して公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成するということを重視いたしまして、例えば特別活動で奉仕的な活動をしなさいということをはっきりと示しておりまして、そのような内容の一層の充実を図ってまいったところでございます。
 具体的には、特別活動の中で、地域の実情に応じて、各学校において地域の清掃とか老人ホームの奉仕活動などいろいろな活動が行われております。また、昭和六十三年度からは奉仕等体験学習研究推進校というものを指定いたしまして、全国で百四十一校でございますが、各都道府県ごとに指定をいたしましてその成果、このような活動をしてこのような成果が上がった、こういう効果があったということを書きましたものをまとめまして刊行いたしまして全国に普及するなど、一層の推進を図っているところでございます。
#220
○鈴木栄治君 もう時間がありませんので、短くいきます。
 冷戦の崩壊後、世界では確かに軍縮の動きがあります。それは欧米で顕著でございますが、それと対比いたしまして、アジア諸国においてはかえって軍事費が拡大しているという現状もございます。最近の社会的風潮といたしまして、もう冷戦構造は崩れたから平和だ、防衛費はどんどん削減しろ、それが平和主義者だなんというような考えがございますが、いや、それはそれで結構なんでございます。
 しかし私は、防衛というものは一朝一夕でできるわけじゃございません。しかし、人心というものは一日で変わることがあります。防衛というものは国の根幹でございます。これからも防衛費においては、ただ短絡的に削るというのではなくて、この辺は慎重に見ていかなければならないんではないかなと思うのでございますが、総理の御見解をお願いいたします。御見解を聞いて、私の最後の質問といたします。
#221
○国務大臣(宮澤喜一君) 鈴木委員も御承知のとおり、我が国の現在の防衛の考え方は、昭和五十一年に防衛計画の大綱というものをつくりまして、その基本的な思想は基盤的防衛力の整備、つまり仮想敵ということでなく、独立国として持っていなければならない最低のものを専守防衛のために整備をしておこうというそういう思想に貫かれておりますので、ここで世界の動きは非常に欠きゅうございますから、中期防などではできる節約はいたしておりますけれども、基本的にもう窓をあけて寝ておっても大丈夫だというような世の中になっているわけではありませんので、したがいまして専守防衛のための最低必要なものはやはり情勢が多少変わりましてもしっかり持っていなければならない。おっしゃることに同感でございます。
#222
○鈴木栄治君 ありがとうございました。
#223
○理事(井上裕君) 以上で鈴木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#224
○理事(井上裕君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
#225
○吉岡吉典君 日産自動車が座間工場を閉鎖するという発表を行ったことが国民に非常に大きい衝撃を与えております。こういうことが全国に広がらなければいいがという不安があるからです。
 日産自動車のこの閉鎖というのは、海外進出計画に沿って計画的に引き起こされたものであるということが一般的に指摘されております。つまり、よりもうけの上げられる海外での生産をふやすために国内での生産を大幅に減らすということです。日産自動車の海外進出の経過と現状、今後の計画について御報告ください。
#226
○政府委員(熊野英昭君) 日産自動車の海外進出につきましては、一九五九年三月からの台湾で行っておりますノックダウン輸出による日産車の現地組み立てを開始しまして以来、現在既に十九カ国、二十二社で生産あるいは現地の組み立てを行っているところでございます。
 日産自動車の今後の海外進出の計画につきましては、個別企業の経営秘密にかかわるため答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#227
○吉岡吉典君 社自身の資料でも公になっていることですけれども、それが発表できないというのは私はいただけません。
 いずれにせよ、今のような自動車界で一番最初の海外進出を始めた企業、海外の雇用者数は国内と同じ水準に近くなるという計画もあるわけですね。
 日産自動車というと、かつてアメリカで税の追徴金を取られたときに国税、地方税で還付を行った例があるところであります。この国税、地方税の還付の内容を御報告ください。
#228
○政府委員(瀧川哲男君) 一般論で申し上げますと、相互協議におきましては、移転価格課税の適正な執行という観点から、関係国の専門家同士で議論を尽くしまして合意を得るわけでございまして、その合意に従いましておっしゃるとおり還付等の国内的な処理を行う、こういう形になります。
 ただ、御質問の趣は個別企業の課税にかかわる問題でございますので、回答を差し控えさせていただきたいと思います。
#229
○吉岡吉典君 それはもう国会の委員会でも明らかになっていることですよ、何年も前に。報告してください。そんなことできないはずありません。
#230
○政府委員(瀧川哲男君) 個別の法人にわたる事柄につきまして私の方から数字を申し上げるわけにはいかないのでございますけれども、おっしゃるとおり、当時いろいろな報道がございまして、昭和六十三年十月ごろに合計九百六十億円というような報道がなされたことを私ども十分承知しておりますし、またその件につきましてあえて否定はいたしません。
#231
○吉岡吉典君 こういうことまで言えないでどういうことか。私は抗議します。
 いずれにせよ、日産だけで国税五百八十億円、地方税三百五億八千万円、神奈川県だけでも百四億円、座間市が十億円の還付を行った、これは間違いありませんか。
#232
○政府委員(滝実君) 地方税につきまして御意見がございましたので、お答えをさせていただきます。
 当時、国税におきましても還付がされておりますので、地方税では法人住民税、法人事業税につきましてそのような場合には当然出てくるわけでございまして、確定数字は申し上げられませんけれども、金額的にはかなりの額の還付が行われたということは私どもも承知をいたしております。
#233
○吉岡吉典君 当時の委員会では認めている数字ですよ。それが何年かたつと認められなくなるんですか。今、私が読み上げた数字、間違いですか。
#234
○政府委員(滝実君) 国税の場合も同様でございますけれども、確定的な数字を申し上げますのは、個々の企業の問題でございますので私どもの口からは申し上げるわけにいきませんけれども、かなりの百億あるいは十億というような単位での還付が行われたということは私ども前から申し上げておりますし、また、ただいま先生からお述べになられました数字につきまして、私どももそれが事実に反するということは申し上げるつもりはございません。
#235
○吉岡吉典君 妙な形で認めるところですね。私はわけがわからない、こういう答弁のあり方というのは。私、こんな政治の状況じゃだめだと思いますよ。これは閣僚も大体同意見らしい。
 次に、こういう国税の還付だけでなく地方税の
還付、神奈川県だけでも百四億、座間市で十億円という還付までやって手厚いいろいろな助成をやってきた。その日産自動車が市には事前の相談もなく一方的に閉鎖を発表する、こういうことでいいのかどうなのか。私は、こういう不況期に国内生産を縮小しながら海外生産を伸ばすというようなことを放置していいのかどうなのか。総理、どういうふうにお考えになりますか。
#236
○国務大臣(宮澤喜一君) 会社にもいろいろな事情があったのであろうかと思いますけれども、恐らくは本来ならば当然地元にもいろいろお話をしながらやっていかれるつもりであったでございましょう。そういう意味では、何といいますか、秘密が早く漏れたと申しますか、当初の計画どおりいかなかった点があるのかもしれません。
#237
○吉岡吉典君 そういうふうにかばう必要は、私は、総理、ないと思います。地元のことなんか念頭にないからなんですよ。
 私はこういうことではやっぱり、企業というものも社会的存在であるということがしばしばここで論議になりますけれども、社会的存在であれば社会的な責任というものが伴う。そういう企業の社会的な責任の果たし方ということは今後もあることですから、こういうことにならないように検討の余地があると思いますが、総理、どうお考えになりますか。通産大臣でも結構です。
#238
○国務大臣(森喜朗君) 一般論から申し上げて、今産業界は、やはりこれからの世界全体の産業界の流れまた国内のいろんな競争力というものを考えてまいりましても、構造改革を進めていかなきゃならぬことはこれは言うまでもないことだと思います。
 今回の日産自動車の座間工場の問題も、やはり北九州の工場に新鋭の設備が整っておりますので漸次そちらの方に移していく方が企業としての構造改革に好ましいという判断をされたものだろうと思うんです。問題は、再三この委員会でも申し上げておりますように、工作機械でございますとかあるいは技術研究所なども残していきたいということで、またこれをベースに将来日産自動車としていろんな方面にまた大きく伸びていくことが期待されるわけでございます。
 先ほど総理がおっしゃいましたように、当然こうしたことは地元とも相談をすべきことであろうとは思いますけれども、一方、いろんな方に相談をしますと、また逆に言えばいろんなところに漏れて、変な話ですがそのことによって株にまでいろいろ影響することもあるわけです。ですから、やはりこうしたことはかなり機密主義で恐らく相談していかなきゃならぬことがあったと思いますし、そういう中での過程で私はやっぱり漏れて新聞に出てきたのではないか、それで慌てて発表せざるを得なくなったと。事実かどうかわかりませんが、そういうことが想定できると思います。
#239
○吉岡吉典君 事情はどうあれ、市は大変怒っている、抗議的な文書も突きつけて情報提供を求めております。
 同時に、森通産大臣は事前に相談を受けていたということを国会でお認めになっておりますね、衆議院の予算委員会で。ですから、通産省とは相談していたようですから、どうやらこの閉鎖は通産省の筋書きどおりだったというふうに私は見るしかございません。だから、かばわざるを得ないのがいろいろな先ほど来の答弁だと思います。
 そこで、これが単に九州移転じゃなくて海外への進出の計画と結びついたものだということを私どもは重視しておりますが、森通産大臣は衆議院で、前川リポートの提言に沿って海外投資促進の施策を実施してきた、こう答弁なさっております。前川リポートの援言の内容はどういうものですか。どなたかで結構ですから、報告してください。
#240
○政府委員(熊野英昭君) 六十一年の四月七日に国際協調のための経済構造調整研究会の報告書として出されましたものだと思いますけれども、そこでは、今、委員御指摘の関連といたしまして「国際的に調和のとれた産業構造への転換」という項目で、「国際的に調和のとれた輸出入・産業構造への転換は、基本的には市場原理を通じ推進されるものであるが、次の施策の推進によりその促進を図るべきである。」ということで直接投資の促進ということを掲げられております。
#241
○吉岡吉典君 もうちょっと、幾つかあるでしょう。
#242
○政府委員(熊野英昭君) 「直接投資の促進」ということで、中身といたしまして、
 海外直接投資は、我が国の対外不均衡の是正と投資先国の経済発展の上で重要な役割を果たすものである。近年、海外投資は急速な拡大傾向にあるが、今後、国内雇用・経済への影響等に配慮しつつ、これを積極的に促進すべきである。このため、二国間投資保護協定の締結促進、海外投資保険制度の拡充、国際投資保証機構への参加、その他政府の支援措置の強化を図る。また、開発途上国における投資環境整備のための経済協力の拡充を図ることも必要である。ということでございます。
#243
○吉岡吉典君 この前川リポートの提言に沿って具体的な我が国の企業の海外進出のための優遇措置が金融面、財政面、いろいろな面からとられております。
 この優遇措置、海外進出促進のための優遇措置はどういう内容のものがあるかお知らせください。
#244
○政府委員(寺村信行君) 企業の海外投資を支援するための政策金融措置といたしまして、日本輸出入銀行におきまして海外投資金融を実施いたしております。これは、我が国の民間企業の海外におきます事業遂行やエネルギー資源等の確保のための必要な資金、これは設備資金と運転資金の両方でございますが、そういった資金を融資する制度がございます。
 さらに、中小企業金融公庫と国民金融公庫におきまして海外投資等円滑化資金という制度が設けられております。これは、国際経済上の環境変化によって海外直接投資を余儀なくされた中小企業者のために所要資金を融資する、これは設備資金でございますが、所要資金を融資する制度でございます。
#245
○政府委員(濱本英輔君) 税制面の措置でございますけれども、海外投資等損失準備金制度というのがございます。これは、青色申告を提出しております内国法人が特定の海外事業法人の株式を取得しまして事業年度末まで引き続き保有しておりますような場合に、その株式等の価格の低落等による損失に備えますためにその取得価格の一定割合以下の金額を準備金として積み立てたときは、その積立額の損金算入を認めるというものでございます。
 同じようなものとしまして、金融・保険業を営んでおります法人が外国の政府に対しまして特定の海外債権を有しております場合に、その債務返済の繰り延べ等が行われますような場合、その貸し倒れによります損失に備えますためにも同様のものが認められております。
 こういった制度がございます。
#246
○吉岡吉典君 そのほかにも、私は例えば貿易保険等もこういう海外進出を促進するための措置だと思います。
 これは細かくきょうやることは別としまして、政府がそういう海外進出を促進した結果、日本の海外進出が今どういう状況にあるのか、トヨタ、日産の二自動車、小松建設一社、東芝、ソニー、松下の家電三社、これについて国内国外の従業員比率、生産比率、パーセントだけで結構ですから報告してください。
#247
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘の各社につきまして、私どもが各社から聞きましたところの数字を申し上げさせていただきます。
 まず、海外生産の比率でございますが、東芝が九%、松下が一六%、ソニーが二〇%、小松が二三・二%、トヨタが一四・六%、日産が二八・九%でございます。
 従業員比率でございますが、東芝が二五%、松下が六六%、ソニーが七七%、トヨタが三三%、日産が三九%、小松が二五%、こういう数字を得ているところでございます。
#248
○吉岡吉典君 自動車の海外進出企業の日本への逆輸入はどういう状況にあるのか。
#249
○政府委員(坂本吉弘君) 日本の企業が現地で生産いたしまして輸入しておるいわゆる逆輸入車を九二年の販売状況で申しますと、トヨタが米国から二千百七十六台、日産が英国またオーストラリアから計二千二百二十七台、本田がアメリカから一万九千七百六十一台というふうになっております。
#250
○吉岡吉典君 今いろいろ数字が明らかになりました。
 日本の海外従業員が松下六六%、ソニーは七七%を占めるような状況になっているということが明らかになりました。私わかりやすく図をつくって総理にも見てもらおうと思いましたけれども、届けに行く時間を節約させていただきます。
 それから、自動車も日産三八%ですね。しかも自動車の場合、今は数字は少ないけれども日本への逆輸入も始まる、そういう状況ですね。カラーテレビは私らの調査だと今や海外での生産が六三%、こういう状況だということですね。
 私は、アメリカの多国籍企業の海外進出による空洞化ということがアメリカの経済の重大な問題になっていることを念頭に置いてみますと、日本のこういう状況というのはやっぱりほっておけないと思いますが、今紹介されましたような海外進出の促進のための優遇措置、総理、今後も続けますか。
#251
○国務大臣(林義郎君) 委員御指摘のとおり、座間の工場で閉鎖をするという話で従業員の問題があるというお話は確かにわかりますが、一国の経済あるいは一つの産業がいろいろ発展をしていく過程におきまして、一国の中で生産を始めそれがだんだん大きくなりましたならばやはり世界的な規模にいくというのは、私は産業のあるべき姿、趨勢だろうと思うのであります。
 お話ありました自動車のような話でございますけれども、自動車にいたしましても、本来はアメリカがフォードとかなんとかでつくった話であります。だんだん日本がつくり出しまして、今や日本がアメリカの方へ進出をしていっている、アメリカの自動車がなかなか日本に入らないというような状況になってきておりますので、私は産業構造というものはそういうふうに変わっていくものだろうと思うんです。したがって今、先ほどお話がありましたように、従業員の数が海外でいろいろふえてきている、また日本への逆輸入がふえてきている、私はこれは世界的な産業の流れだろう、こう思っておりますし、そうしたことが日本の経常収支の問題に対しましてもいい影響を及ぼしてくるんだろう、私はこう思います。
 本来は、経常収支というものはバランスをしていくような形で持っていかなければならないのが全体の趨勢であると私は思います。一国だけの生産を考えたならばいけない、やはり世界的なものを考えてやるという時代だろうと私は思うのでありまして、そうした観点から、私は、単に日本の国内のことを考えるんじゃなくて世界的な観点からの物の考え方をしていかなければならないように思っておるところでございます。
 そうした意味で、先ほどお話ありましたいろいろな制度というものは、私は、これからも日本の国際的な貢献という観点からして、特に発展途上国その他に対する企業進出、工場進出等というものはむしろ積極的に推進していってこそしかるべきであろうというぐらいに考えておるところでございまして、今のところこれを改正することはおかしいのではないか、私はこう思っておるところであります。
 もちろん、だからといって日本の国内で雇用問題を無視していいかということになれば、そうではありませんので、いろいろな対策の問題はしかるべくまた考えていかなければならないということは別の観点から取り上げていくべき問題じゃないかというふうに私は考えておるところでございます。
#252
○吉岡吉典君 最後に、今の大蔵大臣の意見は私は相当問題があると思います。
 というのは、例えば経常収支云々ともおっしゃいましたけれども、日本の企業の海外進出が進みましたけれども黒字は全然減っておりませんし、それから国際協調とおっしゃいましたけれども、海外進出を望む声があることも事実ですけれども、逆に、日本的な労使関係を持ち込むとか失業の持ち込みだあるいは公害だというようなことでの批判の声もあるわけでありますし、アメリカでは、急速な日本企業の対米進出が日本経済はアメリカの脅威だと見る世論を大きく広げたという問題もあるわけです。
 とりわけ、私はこの不況期に国内工場を閉鎖して国外に進出するということが国民の利益に全く反するものだと。これは通産省の通商白書でも、国民の利益と海外進出がますます一致しなくなっているということを述べているわけです。そういう国民の利益と一致しないことを促進する政策を続けるというのは間違いであり、クリントンの公約でも、国内工場を閉鎖し海外に労働力を求める企業を優遇する税制を廃止すると言っております。
#253
○理事(井上裕君) 吉岡君、時間でございます。
#254
○吉岡吉典君 こういうクリントンの公約に触れて、総理、どのようにお考えになるか、最後に答弁をお願いします。
#255
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、大体先ほど大蔵大臣が言われたようなふうに考えております。
 今たまたま不況でございますので、殊に日産の例もお挙げになりまして、それだけを考えますとそのようなお話があるかもしれませんが、そう不況が長く続くはずのものでもございませんし、大きな勢いというのは私はやはり林さんの言われた考え方でいいのではないか。クリントンさんの方のお立場は、本当にアメリカから企業が流出をしてアメリカの国際収支に問題が起こる、失業が起こるということでございますから、これはちょうどある意味で逆のお立場のお考え、それはそれでまた意味のあることと思っております。
#256
○理事(井上裕君) 以上で吉岡君の質疑は終了いたしまた、(拍手)
    ―――――――――――――
#257
○理事(井上裕君) 次に、粟森喬君の質疑を行います。粟森君。
#258
○粟森喬君 まず私は、税収の見積もりと見通し、そして経済成長率にかかわる問題を幾つか質問をしたいと思います。
 大蔵省にお尋ねをいたしますが、私は昨年の四月の本委員会で、平成四年度予算審議の際に、経済成長率の見込みは過大で高過ぎる、税収も過大で穴があくというふうに指摘をいたしました。
 ところで、検証する意味でお尋ねをいたしますが、補正段階で、税収のうち所得税、これは源泉所得税でございますが、それから法人税、それぞれの減額修正は幾らでございましたか。
#259
○政府委員(濱本英輔君) 平成四年度の税収に関しまして、先般補正を計上させていただいたわけでございますけれども、法人税の補正減収額、補正減いたしました額が三兆一千四百十億円、法人特別税というのがございますけれどもこれが六百三十億円、所得税の関係では、源泉所得税につきまして二兆四千五百三十億円の減、一方、申告所得税につきましては多少の増を計上いたしました。
#260
○粟森喬君 いずれにしても、これはもう誤差の範囲を超えて、大間違いといいますか、大変な間違いだと思います。これは税収額で見積もりのそれぞれを見ますと、一四・二%の修正減額になります。
 そこで、これだけで終わるのかどうかということを含めましてちょっとお尋ねします。
 一月分の税収の進捗率が六一・七%でございます。前年度は六二・七%でございましたから、これは一ポイント下がっています。そうしますと、
補正のときに立てた税収見積額もこれまた穴があくことになるのではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#261
○政府委員(濱本英輔君) 先ほど申し上げましたように、補正段階で合計四兆八千七百三十億円の減額補正を計上させていただいたところでございます。
 一月段階の計数につきまして、ただいま触れていただいておりましたけれども、この一月段階の勢いというものから年度の税収というものをそのまま推しはかりますのには、税収というのはその月々いろいろな事情で入ってまいりますのでにわかには推測し切れない。と申しますか、むしろ今進捗割合が六割程度ということでございまして、申告所得税につきましては何と申しましてもまだ予定納税分しか入っておりませんので、年度全体の動向というのは専らこの三月十五日の確定申告の状態が確定し把握できるまで様子がわからない。また、法人税、消費税につきましても、三月期決算法人の申告が残されておりますので、今後の動向を注視してまいりたいと思っておるところでございます。
#262
○粟森喬君 私が聞いたのは、見通しとしてどうなのかと聞いているんです。はっきり答えてください。
#263
○政府委員(濱本英輔君) お答え申し上げます。
 経済情勢の推移と申しますものがこのような厳しい状況にございまして、率直に申しまして私どもも月々の足取りが大変気にかかっております。しかし、これまでのところ足元までに判明いたしました税収実績そのものを見ていただきますと、これは補正後に見通しましたそのライン、その線を大きく外れるものにはなっていないというのが現在の状況でございまして、まさに先ほど申し上げましたように大きな塊、これはもう本当に大きな塊でございまして、申告所得税は七五%が二月以降に入ってくるわけでございます。法人税も消費税も約半分のものがこれから二月以降に入ってくるわけでございまして、それを注視しているわけでございます。
#264
○粟森喬君 私の聞いたことに答えてくれないわけでございますが、私は、税収がやっぱり見通しとしても減ると、大変厳しい状況だと思います。後で検証すれば済む話でございますから、そのときにまた聞かせていただきます。
 そこで、私が申し上げたいのは、昨年の予算審議では私は過剰見積もりだというふうに言ったんです。危険があるというふうに言ったんですが、政府の答弁はそんなことないというような答弁に終始をしていました。特に、税収見積もりと連動する経済成長率のあり方について、前の経済企画庁長官は大変甘い見通しを述べたと私は思うんですが、経企庁、このときにどういうふうに私に答弁したか、その部分をちょっと、事前に申し上げてありますから、議事録で紹介してください。
#265
○政府委員(長瀬要石君) お答えいたします。
 昨年の三月三日の当委員会かと思いますけれども……
#266
○粟森喬君 四月三日。
#267
○政府委員(長瀬要石君) 失礼しました。四月三日の当委員会でございますけれども、当時の野田大臣から大変長い答弁をいたしておりますけれども、その中にありまして、民間の調査機関の見通しの方が政府の見通しよりもシビアに見ているというのは御指摘のとおりの傾向と思っております。ということを述べました上で、少なくとも望ましい経済の姿というものを織り込みながら私どもとしては経済見通しを立てておるわけであります。このようなことを述べております。
 さらに、民間経済の自律回復能力というものをどう見るかということも影響するんですが、もう住宅についてはほとんど下げどまり、むしろ年明けから明るい兆しも見え始めてきているということは申し上げているとおりであります、というようなことを述べているわけであります。
 最後の方におきまして、我々が望ましいと考えております成長に向けて私は着実に前進する過程に入っているというふうに見ていいのではないかと思っております、先行き経済のことですからどういうような形にそれが推移するかということを十分注視していく必要がある、その上でまた適切な対応ということも必要ならばやらねばならぬ、そういうことだろうと思っております、と。
 このような答弁をしていると思います。
#268
○粟森喬君 まだ甘いことをたくさん言っているんじゃないんですか。もうちょっと言ってください。
#269
○政府委員(長瀬要石君) 昨年の暮れの段階と今、と申しますのは当時の四月の段階でありますが、今の段階では率直に言いまして若干違っていると思っております。それは少なくとも景気の減速が目に見えてきたということを意識して昨年の暮れには財投も含めて補正の段階でかなりの追加措置をし、そしてまた四年度当初予算においても景気配慮型の予算編成を行い、また金融当局もそういったことを念頭に置いて昨年の暮れの公定歩合の引き下げということが実は行われたわけであります。しかし、年明けてさらに在庫調整がいよいよ本格化していくという、そういうような新たな局面というものが出てきているわけでありますし、マインド自体がそのときよりも一段と悪くなってきているという、そういうマインドがまた実体経済に影響を与えておるというのが今日の段階であります、ということを述べました後、民間経済の自律回復能力ということをどう見るかということも影響するんですが、もう住宅についてはほぼ下げどまり、むしろ年明けて明るい兆しも見え始めてきているというのは何度も申し上げているとおりであります、そういう中で公共投資の執行でありますとか政府関係機関の措置あるいは中小企業へのいろんなきめ細かい支援措置、そういうことで在庫調整がいつ山を越すかということが当面のポイントだ、ということを述べております。
#270
○粟森喬君 まだ幾つかあるわけでございますが、私が時間があれば全部読み上げてお聞かせしたいというぐらい甘い見通しだったと私は思います。
 そこで、経済企画庁長官にお尋ねをしますが、このような甘い見通しを持ったことについて経済企画庁としてどのような責任を感じられているのですか、このことについてお尋ねいたします。
#271
○国務大臣(船田元君) お答えをいたします。
 今、粟森先生御指摘があり、また私どもの政府委員から昨年の野田前長官の御答弁を申し上げたわけでございますが、御承知のように我が国の経済は市場経済であります。市場経済にあっては当然のことながらある程度の景気循環というのは避けにくいことではないかと思っておりますが、政府の努力というのは、そういう景気循環の浮き沈み、あるいは山、谷、こういったものをできる限りならすということが大事なことではないかと思います。ただ、完全にフラットにならすというわけにはなかなかいかない、こういうことも御承知であろうと思います。
 特に、昨年におきましても、三月に緊急経済対策、八月に総合経済対策、それから六次にわたりまして公定歩合の引き下げなどの政策の努力をさせていただいたわけですが、やはり今回の景気の低迷というのは、循環的な要素に加えてバブルの崩壊、資産デフレ、そしてそのことが消費のマインドやあるいは投資に向けるマインドを非常に冷え込ませた。そのことが民需の落ち込みを思いのほか大きくしてしまった。その点は私どもの見通しがなかなか難しかったということがありますし、また同時に、当初見通し平成四年度三・五%を一・六%というふうに下方修正せざるを得なかったというのは、これはやはり見通しが甘かったなということは率直に認めざるを得ない、このように考えております。
#272
○粟森喬君 去年の答弁から見ると、そういう厳しさが私は常識としてあってよかったと思います。
 総理、あなたとしても去年の予算をつくった最高責任者でございます。どういうふうに責任をお
感じになっているか、これについてお答え願いたいと思います。
#273
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、経済企画庁長官がお答えになりました。今の長官は実は昨年の暮れに就任をされたのですから、本当は私の全部責任だと申し上げざるを得ないので、まことにどうも今度の経済の動向を従来どおりの循環ということに重きを置いて考えておりまして、資産価額の下落というものが新しい要因として家計、企業に影響を与えたばかりでなく、金融機関、証券市場等に影響を与えたということを見通すことができなかった、これが基本的な私の誤りであります。
#274
○粟森喬君 その上で総理にさらにお尋ねをします。
 一・六%に下方修正したわけでございますが、きょうは三月三十一日です。年度末の一・六%成長率達成について見通しをきちんと立てられておられますか。すぐ数字が出ないことは承知をしておりますが、あえて総理にお尋ねをしたいと思います。
#275
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、十−十二までのQEが出ておりまして、一−三のQEが出ておりませんが、一・六%を達成するためには一−三の成長は三・何%、年率にいたしますと一三%ぐらいでございます。この三カ月に一三%の年率の成長があったとは考えにくうございますので、したがいまして一・六%の成長ということは困難であろう。ただ、六月になりませんとQEの数字が出てまいりませんので、詳細には申しかねます。
#276
○粟森喬君 今の答弁で一・六%もかなり厳しい、申しわけないと言われましたから余り言うつもりはございませんが、余りにもあやふやな経済成長率を出すということは、それは予算に関係するだけではございません。もうこれ経済界も国民も三・五だと言うからまあそのぐらい多少いけるだろうという甘さになって、今の不況というのはそのことでさらにやっぱり強いものにしたのでございます。
 そういう意味で、今後の経済成長率の見通しについて、総理としてしっかりした今後のことについて決意をここでお答えください。
#277
○国務大臣(宮澤喜一君) 気持ちといたしましては、同じ間違いを繰り返さないように十分自戒をしてやらなきゃならぬというふうに申し上げるしか実は申し上げようがございません。十分注意をいたします。
#278
○粟森喬君 ことしの予算のことについてお尋ねをします。
 経済施策の実行の要である森通産大臣にお尋ねをしますが、三・三%の成長率達成は現在審議している予算案を実行することによって、これは裏づけもあるし可能だというふうにお考えでしょうかどうでしょうか、お答え願いたいと思います。
#279
○国務大臣(森喜朗君) 平成五年度の政府の経済見通しは一月に閣議決定をされたものでございまして、この見通しは経済の自主性を踏まえつつ、政府の適切かつ機動的な経済運営を勘案して作成いたしたものでございます。
 したがいまして、具体的にはいろいろの見方がございますが、基本的には五年度の予算案というものは公共投資の高い伸びとなることから四年度に引き続き堅調に推移すると見込んでおりますし、住宅投資につきましても、金利低下に住宅金融公庫の融資の拡充等の政策面の配慮も加わっておりますのでその質的な向上も期待されることから、向上が持続するというふうに一応見込んでおります。ただ、現在低迷しております個人消費、設備投資、このことが五年度予算案の効果にどのように波及していくかというところが実はポイントだと思っております。
 これ、粟森さん、今総理が率直な御自分の御見解を示されたわけでありますから、大蔵大臣とされては、今これ審議をしておるところでございますから、それもしかも皆さんの御協力できよう間もなく成立をさせていただくということになるということを期待しておるわけです。
 ただ、今総理おっしゃいましたように、十−十二月のQEを見ますと○・一%で、そのうちの民間にかかわるところ、民間最終消費支出が○・三、民間住宅投資が○・二、民間企業設備が○・六、いずれもこれはマイナスであります。民間のところでプラスになっておりますのは、民間の在庫品の増加なんです。ということは、これは在庫調整が思わしくないということになります。
 そういう数字から見ての〇・一%で、一月−三月、今までのこの判断で、もちろん六月ごろに出るわけでありますが、伸びるということはそう期待されないというふうに今総理はおっしゃいました。そうなってまいりますとこの一・六%というのはやや難しいのかなという感じはいたします。とすると問題は、そこが一つのばねになって平成五年度の経済成長が三・三になる、そのばねになってくれるかどうかということが非常に私は大事なところだと思っております。
 ですから、今、予算の審議中に総理や大蔵大臣がおっしゃってはいかぬことでありますが、私は産業界をお預かりしておりますから、その波及効果があらわれるような新たな追加的なやはり経済対策も考えておかなければならぬだろうというのが、この予算審議を通じてかなり私どもからいろんな提案も申し上げたり意見も申し上げてきたわけでございまして、まずは平成五年度の予算を成立させて、そしてこれも執行させていただいて、その中で次のやはりある意味ではかなり波及効果の効率の高い経済対策を考えておかなければならぬだろうというふうに私は考えております。
#280
○粟森喬君 同じ趣旨で、大蔵大臣、三・三%の成長率を前提にした予算は可能でございますか、また、歳入、税収に穴があくんではないでございましょうか、答弁願いたいと思います。
#281
○国務大臣(林義郎君) 当委員会におきまして平成五年度の予算案の御審議をいただいておる当面の責任者でございますから、私からは、この予算がベストである、こういうことでお答え申し上げる以外にないと思っております。
 私は、そういったことは抜きにいたしましても、今相当に私は景気の状況も変わってきたということは事実だろう、こう思うんです。昨年の暮れに大蔵大臣に就任いたしましたそのころは、なかなかこれは大変だなと正直言って思っておりました。なかなかやらなくちゃいかぬな、こういうことでやりましたし、それから一月ぐらいまではまだ株価もなかなかはっきりしないな、こういうふうな話でありましたが、随分情勢も変わってきたように思います。二月の鉱工業生産指数なんかも変わってきておりますし、実はきょうちょっと先ほど見ましたら一万九千円台まで株価がなっている。株が上がったのは単に株価が上がったということではなくて、実は税収にも私は影響してくると思うんです、これは。だから、そういったようなことも考えてやらなくちゃならない。
 税収の問題は一体どうだというような話がありますけれども、税収の話はあくまでも見積もりでありまして、いろんな要因を考えて事務当局で専門的に考えた数字でございますし、こういった形でいけるものだろう、私はこういうふうに考えておるところでございます。
#282
○粟森喬君 大蔵大臣、そんなにこにこ笑って答弁するような話じゃないですよ。もうちょっと財政の責任者として、そんな立場で、予算案を事務当局が組んでいると、そんなことで済まされる問題ですか。通産大臣は、私はその追加対策というのはこれは補正予算を言っているのではないかと思います。この段階で私は、二人の方の答弁は、気楽に言っているけれども、自信を持っているとか見通しを持っているというふうには思いません。
 そこで、総理大臣、補正予算というのは、この時期にこんな話がほかから出るということについてどうお思いですか。そして、景気の見通しなり予算の執行に当たっての決意をお聞かせいただきたいと思います。
#283
○国務大臣(宮澤喜一君) 御審議いただいております平成五年度の予算案は私どもベストを尽くしたものと思っておりますが、当委員会の御審議に
おきましてもなかなかこのままではいろんなことが難しいのではないかというようなお話がしばしばございました。また、各党で、四党で政策協議をそのゆえにしようというお申し合わせもありまして、それは既に協議が始まっておるところでございます。そういうことも私どもとしては十分よく注意を払いながらこれからの経済運営を考えてまいりたいと思っております。
 なお、平成五年度のことでございますが、先ほどはシャッポを脱いだわけでございますが、私は今度は当たる番だというふうに実は内心は思っております。
#284
○粟森喬君 結果だけを問うわけでなく、やっぱり決意と見通しをきちんと持ってもらいたい、そういう意味で申し上げました。
 政治改革にかかわる質問を幾つかしたいと思います。
 六カ月前まであなたを支えた金丸信前副総裁の不正蓄財事件に対して、総理は残念とか遺憾としか言っていません。意味が非常にあいまいです。国民は他人事のようだというそういう評価をしています。怒っています。あなた自身の責任を明らかにすべきではないか。国民におわびをするというならば、国会の場できちんと意思表示をするのが筋だと思いますが、いかがですか。
#285
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私の言葉が足りないということを何度か御批判を受けまして、ただ私の立場といたしまして、報道に接した場合と、それからいろいろな具体的な例えば起訴であるとかといったようなことが行われた場合とでは、多少表現にやはり慎重にならなきゃならないという気持ちがございました。
 当初から私は、このことは容易ならぬことだと思っておりました。今こういう追起訴まで行われた段階でございますので、さらにその感を深くいたしますが、殊に国会議員というのはやはり国民の税金について議論をする職員を持っておるところでございますから、その国会議員であった者が国会議員の当時にそういうことについてまで何かの疑惑を受けるということになりますと、これは疑惑とだけしか申し上げられませんけれども、やはりこれは国民に対しておわびをしなければならない。政治の不信、非常に深くなっておるということを強く感じております。
 私の場合には、殊に一緒に仕事をしてまいりまして、いろいろ党の運営についても力になってもらってくれた人でございますので、自分としてもこういう疑いを受けられた、起訴をされたということはまことに残念なことで、申しわけないという気持ちを強く持っております。
#286
○粟森喬君 確認をいたしますが、共通の責任がありあなた自身にも責任があるという意味で今の答弁を受けとめてよろしいですか。
#287
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、一緒に政治をやってまいり、党務の大きな部分をお願いをしたというのは私でございますから、その責めは私にもございます。
#288
○粟森喬君 今、金丸信前副総裁のケースで明らかなように、予算が決まろうとしているわけですが、予算の配分、公共投資の枠、入札、箇所づけにまで国会議員が絡んでいるという、そして税金のピンはねをしているというふうに納税者、国民の側が怒っている現状だと私は思います。
 総理は、この問題を個々の大臣に任せるのではなく、五年度の予算執行の前に全国一斉調査を行い、ピンはねのないことを確認した上で予算を使うことが納税者への責任を果たすことになると思いますが、いかがですか。
#289
○国務大臣(宮澤喜一君) この公共工事との関連は事実関係を私存じませんので事実として申し上げることはできませんけれども、公共工事というのは国の税金を使ってする仕事でございますので、その工事の発注、契約、入札等々について過当な影響を与えるといったようなことがございますと、これはやはり行政の方の問題として大事に考えざるを得ない。
 ただ、私は、税金のピンはねというそういうお言葉に対しては、それはそうだというふうには考えておりません。おりませんが、公共工事の入札というのはやはりきちんと行われなければなりませんので、これはもう既に建設大臣におかれて、これを一つの契機といたしまして透明化についてさらに努力をしていただくように、現にその努力をお始めいただいておるところでございます。
#290
○理事(井上裕君) 時間でございますのでおまとめを願います。
#291
○粟森喬君 あなた、知らないということで済ますのですか。やっぱり私は、ここは総理の責任として明確にしていただきたい、こういう立場でお尋ねしました。もう一度答えてください。
#292
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは、総理大臣でございますから、検察当局が起訴の事実としてそう言っておられない限りは、私はそれを勝手にそう思うと言うわけにはまいらない。
#293
○理事(井上裕君) 時間ですから。
#294
○粟森喬君 最後に一言、時間が来ていますが申し上げたいと思います。
 今、政治改革法案が議員立法で出されています。内閣提出法案でないというふうになっています。施政方針演説の中で、政治改革について総理は、今日の後に今日なしの覚悟でやるというふうに施政方針で言いました。ところが、議員立法になるとあなたの顔と見解が最後まで見えないことになるんじゃないですか。ここはしっかりお答えいただきたい。国民は、施政方針はひょっとすると二枚舌かそれとも公約違反ではないかと。こういう施政方針の中で明確に述べていることでございますから、議員立法でなく内閣提出法案になぜしなかったのかということを含めてお答えいただきたいと思います。
#295
○国務大臣(宮澤喜一君) 政治改革に関する法案はお互い政治家のいわば土俵に関する問題でございますから、十分に各党各派の間において御議論が行われることが望ましい。お互いの間の意見交換、議論が望ましいので、そういう意味では、政府がそこへ顔を出しませんで議員の方々の間のやりとりがもっと望ましいのではないかということを考えております。
   〔理事井上裕君退席、委員長着席〕
 ただし、そうは申しても恐らく政府はどう考えるかという御質問はあるに違いございませんで、そのときには私どもの考えも申し上げなければなりません。
#296
○粟森喬君 終わります。
#297
○委員長(遠藤要君) 以上で粟森君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#298
○委員長(遠藤要君) 次に、喜屋武眞榮君の質疑を行います。喜屋武君。
#299
○喜屋武眞榮君 宮澤総理は、来月四月に訪米をなすってクリントン米大統領と会談をなされる予定であるとお聞きしておりますが、その会談の目的は一体何でありましょうか、まずお聞きしたい。
#300
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカで新大統領が誕生されましたので、二人の間で個人的ないわば話し合いをし、信頼感を、友情を築きたいということが第一でございますが、同時に両国間の関係、これは経済関係もございますし安全保障関係もございますし、御承知のように大きな太いきずなで結ばれた関係がございますので、両国間の関係の問題。
 それからもう一つは、両国が共同して当たらなければならない国際的な責任あるいは国際関係について議論をいたしたい、話をしたいと思っておりまして、その中には、当面で申せばロシアにどのように対応していくかという問題でありますとか、あるいは今年予定されておりますサミットの問題でございますとか、そういったような国際関係についての議論は相当長い時間をかけて行っていきたいというふうに思っております。
#301
○喜屋武眞榮君 ぜひ訪米の目的を達成してくださることを期待いたしております。
 既に宮澤総理は、再三沖縄県民には苦労をかけておるとおっしゃっております。その言葉が真実
の心から出たものであるとするならば、沖縄県民が今一番望んでいることをかなえてくださることではないかと私は思います。
 沖縄県民が心から望むこと、それは在沖縄米軍の撤退と在沖縄米軍基地の早期返還、撤退と早期返還であります。幸いに、今度の宮澤総理の会談の相手であるクリントン米大統領は軍事費の削減に熱心であると思われます。その意味で、今こそ沖縄の米軍基地を返還させる絶好の機会であると私は思っております。
 そこでお伺いいたしますが、宮澤総理の沖縄県民を思ってくださる心が真実のものであるとするならば、宮澤総理は今度のクリントン米大統領との会談で在沖縄米軍の削減と在沖縄米軍基地の返還を求めるべきであると考えますが、いかがでありましょうか、お尋ねいたします。
#302
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本国民の平和と安全を私どもは沖縄の県民に非常に大きく負っておりますことをよく存じております。それはいわゆる基地施設等々が非常に多くを占めておりますために、沖縄県民がそのために苦難をしていらっしゃるということでございますから、これをできるだけ縮小するということはアメリカに対して常に私ども要請をし続けてまいりました。今後もそうするつもりでもとよりございますが、先般も渡辺外務大臣が訪米されましたときに新任のアスピン国防長官にもそのことを重ねて申し出ておりまして、それは言われますように、私どもは常に忘れてならない問題だというふうに思っております。
#303
○喜屋武眞榮君 まさに三分は閉まらんとしておりますが、最後に、来月四月の下旬、全国一巡の最後の植樹祭が沖縄県で催されますことは御存じのことと思います。そこで、天皇陛下が天皇として初めて沖縄県を訪問されることになっておるようであります。宮澤総理は、それまでに沖縄に関する懸案の問題を片づけてくださって沖縄へ行かれるお考えはありませんかお尋ねをして私の質問を終わりたいと思うのでありますが、どうぞひとつ意のあるところをぎちっとお答え願いたいと思います。
#304
○国務大臣(宮澤喜一君) これも何度か申し上げておることでございますけれども、いわゆる年金、厚生年金の問題がございますが、これは沖縄の本土復帰のとき及び平成二年でございますか、二度にわたって特例措置を講じてまいりまして、実を申しますと、専門家は、もう問題は年金の領域ではこれ以上のやりようがない、もう思い切ったことまでやってしまったという、これは真実の声だと私は思いますけれども、そうではあっても事は沖縄の県民に関することだから何とかならないのかということを言っておりまして、関係各省庁がなお検討会を続けておりますので、もう少し鋭意検討を進めさせていただきたいと思います。
 それから、もう一つ問題がありまして、それは八重山地域のマラリアの問題でございます。戦争マラリアと言われる問題でございますが、これにつきまして総理府と沖縄開発庁及び厚生省との間の連絡協議会を昨年からやっておりまして、沖縄からもう少し当時の事情を聞かせてくれということを言っております。
 この二つは、実は復帰後残りました大変な難問でございます。よく御存じのとおり、きょうまで残っだということは、なかなか同情を、何とかしたいという気持ちはみんなが持っておりながら何ともできない種類の問題になっております。しかし、一生懸命努力を続けてみたいと思っております。
 なお、沖縄を一度訪ねよという喜屋武委員からのお言葉は、私決して忘れておりません。
#305
○喜屋武眞榮君 ちょっと一言、今の総理のお言葉を心から信じまして、幾たびか言葉としての同情はいただきましたが、ぜひ実行していただくことを私は重ねてお願いを申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
#306
○委員長(遠藤要君) 以上で喜屋武君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#307
○委員長(遠藤要君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田君。
#308
○武田邦太郎君 総理にお願いします。
 今、景気浮揚のために公共投資の追加が盛んになされるわけでありますが、経済、産業に関する公共投資におきましては、これは緊急度と投資効率の高いということが一つの選択の基準になると思いますが、その意味では農地基盤整備が先進国中びり中のびりの農業生産性を第一級に上げるかぎでありますので、公共投資として追加第一級というふうに思います。
 五年度から十年間に第四次土地改良長期計画が発足するわけで、四十一兆円の事業費ということになっておりますし、五年度は予算一兆九千億ということになっておりますが、全体の二十分の一程度でありますので、これはもっと大幅に増額することが最も望ましい、こういうふうに思います。
 ただし、その基盤整備の設計が一区画が今までのようでは十アール当たり四十時間もかかりますし、五百キロとったんでは一時間当たり十二キロぐらいの生産性でありまして、これでは到底二次、三次産業あるいは外国の農業と歯が立ちません。少なくとも三ヘクタールくらい、特に水管理、地下にパイプラインを引きましてかんがい排水は全部地下でやる、この二つが非常に大きな要素でございます。
 これは非常にお金のかからない、今までよりもずっと金のかからないやり方でありまして、しかも代かきも田植えも要らない畑状況のもとにすぐ種をまける稲のつくり方でありまして、大体二、三時間で五、六百キロとりますと、一時間当たり二百キロ、三百キロとるわけです。二百キロとればまずアメリカ並み、三百キロとれば世界一であります。
 こういうわけで、ぜひ大急ぎで、緊急基盤整備をおやりくださるときにその設計のあり方について十分御指導いただきますように、これは大蔵大臣、農水大臣にもあわせてお願いしておきます。
#309
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は前回にも武田委員から長年のうんちくを拝聴いたしまして、私どもよく承りました。農林大臣とも御相談をいたしたいと存じます。
#310
○武田邦太郎君 文部大臣にお願いします。
 これも今と同じように質疑でなくてお願いでありますから、政府委員はこのたびは御遠慮します。
 私が大臣にお願いしたいのは、日本の農業条件が世界で最高によろしいということの確認であります。土地は狭いといいますけれども、三百数十万ヘクは平らでありますし、傾斜地は傾斜地なりに平野部に負けないぐらいもうかる農業のやり方がございます。土地の広さというものは農業者一人当たりの土地が広いか狭いかで決まるのでありまして、国民経済の高度成長の結果、現在のところで二月当たり百ヘク以上になるほど若い人は減っておりますから、世界で最高の広さを持とうと思えば持つことができる、これが第一です。
 第二は、雨はよく降るし太陽はよく照る、こういう条件はほかの国にありません。また、それをいかに高度の資本装備をするかという資本も十分に日本の国は持っております。
 それから同時に、国内の二次、三次産業は、農業が必要なすべてのものをハイクラスに低コストで供給するだけの二次、三次産業があります。十年ぐらいすればロボット農業になるのでありますけれども、これはもう世界最高であります。
 農薬などもだんだん毒性の少ないものを要求すべきでありまして、農薬はある程度必要でありますけれども、毒性のない農薬を供給する力を持っております。
 第五は、国内に一億二千四百万の非常に豊かな食生活をやる食料のマーケットがあるわけですね。
 この五つの条件のそろっている国というのは日
本だけてあります。
 そこで、大臣が、日本の農業は最も農業条件に恵まれているという政治家としての確認において、各地の大学、農業高校に、その見地において都会の産業に負けない、外国の農業に負けない農業を実現すべき研究の課題をお与えくださいまして、それに必要な予算と設備をお約束くださるということになればいいんでありますが、これはお願いであります。
#311
○国務大臣(森山眞弓君) 大変御熱意のこもった貴重な御意見をいつも拝聴させていただきまして、ありがとうございました。
 文部省の立場におきましても、新しい時代の農業にふさわしい農業者を育成していくということが大変重要だということは十分承知いたしておりまして、農業高校におきましてもまた農業大学におきましても、それぞれに今までの衣を脱ぎ捨てて新しい今の時代に求められているような農業者をつくるということに努力をいたしておりまして、かなり進捗しつつございます。保また、今後とも何かと御指導いただきたいと存じます。
#312
○武田邦太郎君 終わります。
#313
○委員長(遠藤要君) 以上で武田君の質疑は終了いたしました。
 これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。
 再開は二時五十分をめどとして、暫時休憩いたします。
   午後二時二十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五十二分開会
#314
○委員長(遠藤要君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 平成五年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
#315
○委員長(遠藤要君) この際、委員長から一言申し上げます。
 委員会審査の過程で、所得税減税を柱とする不況対策の決議案を提出したいとのお話が野党からございました。いろいろ与野党協議が進められましたが、委員長としては、前臨時国会の本会議で同じような趣旨のことを申し上げたことを考慮し、決議とせず、委員長にその取り扱いを御一任願い、不況対策に関する各党協議が開催されていることにかんがみ、政府においても本委員会の経緯を承知し、減税を含む景気対策を進められるよう要請することとしたいと存じます。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#316
○委員長(遠藤要君) それでは、これより平成五年度総予算三案に対する討論に入ります。
 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。角田義一君。
#317
○角田義一君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました一九九三年度予算案三案に対しまして、反対の討論を行います。
 まず申し上げなければならないのは、今国会では昨年に引き続き、東京佐川急便事件を契機に深まる政治疑惑の真相の徹底的な究明が求められておるということであります。衆議院での竹下元総理を初めとする関係者の証人喚問に引き続き、本院の予算委員会におきましても、我々の毅然とした要求によって、新たに展開する金丸元副総理の脱税事件の関係者を含め証人喚問が実現をいたしましたが、疑惑はいまだに究明されてはおらず、かえって深まりを見せております。これで佐川問題や金丸脱税事件などの国会としての真相究明の努力をやめてしまうわけには断じてまいりません。
 とりわけ問題なのは、自民党の派閥領袖で政権中枢にあった国会議員と暴力団との関係が取りざたされ、しかも一内閣誕生に暴力団が深く関係した事実であり、それを少なくとも事後的には総理大臣在任中に知りながら、責任を一切回避して政治的延命を企てる竹下元総理の不見識極まる態度であり、これを許す泊民党の体質であります。我々が衆議院で竹下元総理の議員辞職勧告決議案を提出したのはまことにもって適切な対応であります。それを無視する自民党にはもはや政権担当の資格はないと私は思います。長期政権でおごり高ぶり、業界や行政と政治が癒着する構造が巨額の不正蓄財をした金丸脱税事件の根本的な要因であることを国民は知り、怒っております。
 それにいたしましても、自民党の領袖であり政権の中枢にあった国会議員がさまざまな疑惑を持たれ、暴力団との関係が明らかになる一方、副総裁であった者が逮捕、起訴されるという深刻な事態に至っているにもかかわらず、宮澤総理は竹下元総理の議員辞職問題にさえ明確な態度表明はせず、金丸脱税事件でさえ第三者然としている印象を我々が持たざるを得ないのはまことに残念であります。政治腐敗に対して総理・総裁の地位にある者としての毅然とした対応が見られないことに国民はいら立っております。このような宮澤総理の政治姿勢では国民の支持率が低下するのも当然であり、反省を求める次第であります。
 さて、一九九三年度総予算案でありますが、バブル経済の崩壊後、急激に景気が落ち込む中で、それにどう対応するのか問われた予算であります。しかし、残念ながらさきの本年度補正予算によっても景気の改善傾向はいまだに見られず、九三年度予算案も景気を下支えするものとしてさえ不十分ではないかと思われるのであります。順次反対の理由を申し上げます。
 第一に、我々野党が共同で衆議院において予算修正要求を提示し、強く迫った所得減税や福祉一時金の支給、住宅、中小企業対策の拡充などのための予算修正が行われなかったことであります。我々の要求は不況に苦しむ方々に対する必要不可欠の施策であり、景気対策として差し迫ったものに限定しておりました。現在の段階でそれが実現されていないのは極めて遺憾ております。
 とりわけ所得減税は、税制の面からも、景気対策の面からも不可欠であります。景気停滞の影響は個人消費にも重大な影響を及ぼしており、景気対策として所得減税は欠くことができませんし、公平な税負担を実現するためにも必要なことであります。物価調整としての負担調整の必要性からも、消費税導入時以来実施されていない大規模な所得税減税を実施すべきであります。財源問題や財政均衡に固執する余り、所得減税を回避することは今日許されないと思います。所得減税は景気回復に余り効果がない、貯蓄されるだけだといって済まされる状況ではないと私どもは考えております。財源問題をもって所得税減税を回避しようとする政府・自民党の態度を認めることはできません。
 第二の理由は、予算全体を見ても、景気対策の面からは言うに及ぼす、生活充実策としても不十分であり、政府の経済見通しの達成は困難ではなかろうかということであります。
 経済の現状は、昨年から公共事業拡大と住宅建設に若干回復の動きが見られますけれども、悪化の一途をたどっております。景気の底割れを懸念する声も出ております。九二年度の当初の政府経済見通しては三・五%の実質成長が見込まれておりましたけれども、九二年末の実績見込みで一・六%、半分以下に引き下げられております。これさえ実現不可能なのが現状であります。政府の甘い経済見通しが適切な経済対策を滞らせる一番の原因であるにもかかわらず、九三年度の政府経済見通しにおいても実質成長で三・三%を見込んでおり、民間調査機関と比較して昨年以上に突出が目立つ経済見通しを継続しており、反省の色は全くないように思われます。九三年度予算案がどれほど経済見通しの達成に寄与するんでしょうか。
 また、一般会計予算を見ましても、対前年度当
初比で〇・二%増、政策経費である一般歳出でも三・一%増と、ほとんど景気対策予算になっておりません。また、景気対策の柱である公共事業も国の一般会計では前年度当初比で四・八%増としたとされておりますけれども、今年度補正後と比べれば大幅な減額であり、これだけでは対策としての効果は見込めません。したがって、本予算が成立しないうちに、景気対策としての大規模な補正予算の今国会での成立の必要性について、政府・与党の首脳が公言するような筋違いのことになってしまうのであります。
 第三の理由は、いわゆる隠れ借金の多用で、不健全な予算であるということであります。
 交付税特会借入金分や国鉄長期債務分等の一般会計承継債務七千億円弱のほか、地方交付税の特例減額四千億円等の歳出計上繰り延べが行われております。これらは隠れた赤字国債にほかなりません。財政運営上極めて不健全で、予算書を見てもその把握は困難であります。財政の再構築を放棄し、明示できないつじつま合わせに終始する予算に賛成することはできません。
 第四に、生活関連の予算が抑制される一方、防衛費が増額される予算案が継続されているということであります。
 中期防衛力整備計画の見直し、縮小も不十分であり、冷戦崩壊という情勢の歴史的変化を看過していると言わなければなりません。防衛関係費は、対前年度比一・九五%増の四兆六千四百六億円と低い伸びとはいえ相変わらず増額されており、軍縮を率先して実行すべき我が国の立場からして全くの時代錯誤であります。平和と軍縮促進は日本の世界に果たす使命であり、中期防衛力整備計画は若干削減するだけにとどまらず、これを抜本的に見直し、軍縮計画を明らかにするとともに、来年度防衛関係費についてはAWACSなど不要な武器の購入、開発の中止などを行い、前年度を下回る規模に抑制すべきでありました。
 第五の理由は、高齢化社会対策に係る経費の計上あるいは生活関連社会資本整備等に係る経費の配分が不十分、不適当であることであります。
 五年度の社会保障関係費の伸び率三・二%増と、四年度の四・三%増を大きく下回り、いわゆるゴールドプランの実施もその負担の多くを地方自治体に押しつけているほか、推進テンポも極めて不十分であります。一方、生活大国づくりを標榜しながら、依然として公共事業予算の事項別配分の構成比はほとんど変わっておりません。大型公共投資優先の縦割り行政の弊害から脱せずにおります。このような国民生活軽視の予算は認めることはできません。
 反対の主な理由を申し述べましたけれども、政府の経済財政運営に対する不信感も、政治不信同様、看過できないほど大きくなっていることを政府はどれほど自覚しておられましょうか。今こそ、財政運営を国民との信頼関係の上に成り立たせるという原則に戻って、予算のあり方を抜本的に改める必要があることを強く申し上げて、私の反対討論を終わります。
 以上でございます。(拍手)
#318
○委員長(遠藤要君) 次に、柳川覺治君。
#319
○柳川覺治君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成五年度予算三案に対し、賛成の討論を行います。
 今回、金丸信元衆議院議員が所得税法違反の容疑で逮捕されましたことは、国民の模範たるべき政治家の行為としてまことに残念であります。このような相次ぐ政治スキャンダルによって国民の不信が高まっていることは極めて遺憾なことであります。
 今、我が国の政治にとって一番必要なことは、政治に対する国民の信頼を回復することであります。我々は選挙により国民の負託を受けた代表者であり、より一層の強い倫理が求められるのは言うまでもありません。政治改革は焦眉の急であり、我が党は政治家個人への寄附禁止など政治資金規正法の改正はもとより、選挙制度、公的助成などを含む政治改革関連法を取りまとめ、近日国会に提出するべく作業を進めており、抜本的な政治改革の一刻も早い実現に向け鋭意努力中であります。
 さて、我が国経済はバブル崩壊後の調整局面にあり、個人消費と設備投資の二大需要項目の冷え込みが依然として続いております。雇用情勢の悪化も進み、さらに急激な円高も加わり、我が国経済は憂慮にたえない状況であります。
 しかし、一方では、昨年八月末に政府が打ち出した十兆七千億円に上る総合経済対策は、補正予算成立が十二月にずれ込み、その執行がおくれておりましたものの、ここに来て株価の上昇、マネーサプライが増加に転じるなどようやく効果があらわれ始めており、さらに強力な景気対策を内容とする五年度予算の一日も早い成立、執行が待たれていることはだれの目にも明らかなことであります。また、宮澤内閣の掲げる生活大国づくりの実現に向け、高齢化社会への対応を考慮した生活関連を軸とする社会資本の充実も急務となっております。
 他方、世界に目を転じますと、東西冷戦は終えんしたものの、これまで表面化しなかった地域紛争や民族対立が顕在化しており、新たな平和秩序構築に向けて我が国はさまざまな方面において国際貢献を求められております。カンボジアで展開されているPKO活動もその一つであり、現在、国の内外から多くの支持を得ているところであります。世界の中の日本であることを強く認識し、今後とも積極的に国際貢献に努めることを政府に対し強く要請いたすものであります。
 本予算案は、現下の厳しい財政事情の中にありながら、これら内外の要請に十分こたえた現状において編成し得る最善の予算として高く評価できるものであります。
 以下、賛成の主な理由を申し述べます。
 賛成の第一の理由は、積極的な景気対策が盛り込まれている点であります。
 財政投融資計画や地方単独事業を含む平成五年度の公共投資総額は、四年度の補正後の実績見込み額に対して九・五%増と一般歳出をはるかに上回る高い伸びを確保しております。公共投資の増額が景気浮揚に極めて有効であることは言うまでもなく、昨年の総合経済対策及びそれを受けた補正予算、さらには本年二月の第六次公定歩合引き下げとも相まって景気を押し上げる大きな牽引力となることは間違いなく、その効果は絶大なものと確信し、大いに賛同いたします。
 賛成の第二の理由は、社会資本整備に十分な配慮がなされていることであります。
 生活開運重点化枠の増額を初め、生活学術研究臨時特別措置の創設など国民の要望を十分に反映した予算配分となっております。こうした生活関連社会資本の整備は国民が真に豊かさを感じられる生活大国の実現のための国づくりの基礎であり、政府による着実な推進に期待するものであります。
 賛成の第三の理由は、高齢化社会に備えて福祉予算の適切な計上がなされている点であります。
 二十一世紀を控えた我が国の最重要課題であるいわゆるゴールドプランの推進にはホームヘルパーの大幅増員、特別養護老人ホームの整備など格段の配慮がなされており、極めて高く評価できるものであります。
 賛成の第四の理由は、国際貢献の要請に的確にこたえている点であります。
 本予算案は、一般会計政府開発援助予算が初めて一兆円の大台を超え、事業費ベースでも世界でトップを争う規模にまで拡大しております。内容におきましても、環境保護や発展途上国の民主化支援など新規援助案件を積極的に盛り込んでおり、国際貢献に非常に力を入れている姿勢がうかがえ、満腔の賛意を表するものであります。
 賛成の第五の理由は、防衛関係費が適切に計上されている点であります。
 東西冷戦の終結という国際情勢の変化にかんがみ、中期防衛力整備計画を五千八百億円減額修正しており、これまた時宜にかなった見直してあります。現下の厳しい財政事情等を踏まえつつ、均
衡のとれた防衛力を維持することは不可欠であり、本予算案の前年度比二・〇%増の防衛関係費はまことに適切な内容となっております。
 賛成の第六の理由は、財政改革の基本路線が堅持されている点であります。
 平成二年度予算における特例公債依存体質からの脱却の後も、平成五年度末には百八十二兆円にも上ると言われる国債残高や、国債比が一般会計歳出の二割以上を占めるなど、依然として財政事情が厳しいことには変わりありません。加えて、景気低迷に伴う税収の落ち込みの中にあっても、本予算案は赤字国債の発行に陥ることなく創意と工夫で編成されております。我々が大量の赤字国債への依存から脱却するのに十五年もの歳月がかかりました。後世代に負担だけを残す赤字国債を安易に発行するような、財政の節度を守らない運営は厳に回避しなければなりません。
 以上、平成五年度予算案に賛成する主な理由を申し述べました。
 政府におきましては、本予算の成立の後には間髪を入れず執行を行い、実態以上に悲観視されている不況感に歯どめをかけ、我が国経済を調整局面からインフレなき持続的成長経路へと一日も早く移行せしめ、二十一世紀に備えて豊かな国民生活を実感できる盤石な基盤を築かれんことを強く要望いたします。
 平成五年度予算案は、本日中には憲法六十条の規定により二十二年ぶりに年度内成立の運びとなります。ここに至るまでには証人喚問等の問題をめぐり審議の空白を招いたこともございますが、現下の経済状況を顧みて、各会派が新年度予算の景気への効果などについて真摯に受けとめ、真剣に各党協議を行った成果であります。今参議院の真価が問われているとき、これぞ新しい時代の参議院のあり方として、党派の立場、主張を乗り越え、国民本位に立った政治選択として喜びにたえません。
 予算委員長を初め、各会派の理事並びに同僚議員各位の御尽力に敬意を表し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#320
○委員長(遠藤要君) 次に、荒木清寛君。
#321
○荒木清寛君 私は、公明党・国民会議を代表しまして、ただいま議題となりました平成五年度総予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。
 佐川事件、皇民党事件と、次々に政治の金まみれの実態や暴力団との黒い関係が暴かれ、国民の政治不信は今や頂点に達しております。さらに、金丸前自民党副総裁の想像を絶する巨額な脱税事件は、政治資金に名をかりて完全な違法手段で私腹を肥やした行為であり、政治家の名誉と信頼を完全に踏みにじった断じて許しがたい悪行と言わなければなりません。ここまで失墜した我が国の政治倫理を根本的に立て直すためには、一切の企業献金の禁止を柱とした厳格な政治資金規正法の制定が不可欠であり、今こそ抜本的政治改革に向けて総理が指導力を発揮することを強く求め、以下、本予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、景気浮揚のための減税が盛り込まれていないということであります。
 平成三年七月以来数次にわたる公定歩合引き下げ、昨年八月末の総合経済対策実施に伴う公共事業の増加にもかかわらず、我が国経済は依然低迷を続けております。すなわち、政府の景気対策が後手後手に回ったのに加え、公定歩合の引き下げはしょせん企業、銀行中心の景気対策にすぎず、公共事業の増加も直接効果が及ぶのはごく一部の業種に限られており、景気回復には全く力不足であったと断定せざるを得ません。
 しかも、昭和六十三年以来、本格的な所得税減税が見送られ、勤労者の税負担は実に三十四年ぶりの高水準となっており、こうした状況のもとでは消費喚起のための所得税減税が何より必要なことはだれの目にも明らかであります。政府は野党三党の要求する所得税減税を中心とした総額四兆二千六百億円の減税を直ちに実施をし、一日も早い景気の回復を図るべきことを強く主張いたします。
 反対の第二の理由は、生活大国の実現に向けた生活関連社会資本の整備や福祉充実への取り組みが不十分なことであります。
 社会資本の整備につきましては、公共事業費の事業別配分比率が相も変わらず固定化されたままであり、住宅や下水道、環境衛生など生活関連社会資本の割合も過去十年間一%程度の変化にとどまっており、到底生活関連事業を重視したとは言えない状態であります。社会保障関係費にしましても、その伸び率は前年度比三・二%増と元年度以来最低であり、ホームヘルパーの増員など高齢化社会への対応も極めて不十分であります。また、ゴールドプランにしましても、たとえ計画どおりに達成されたとしても、それで安心して老後が送れる高齢化社会にはほど遠いと言わなければなりません。
 反対の第三の理由は、平和の配当が世界の流れであるにもかかわらず防衛費が依然として増加していることであります。
 防衛費は、自衛官の待遇改善等の後方部門経費の積み増しで大蔵原案を上回る一・九五%増とされております。しかし、冷戦構造の崩壊を受けて、アジアにおける緊張緩和を積極的につくり出すためにも、装備計画の再検討、陸海空三自衛官定数の削減を含む組織の再編を進め、防衛費の思い切った削減を行っていくべきであります。
 最後に、一連の佐川事件、金丸前自民党副総裁の脱税事件に係る証人喚問は、政府・与党の理由なき反対により審議が一週間も空転し、結局、本予算審議中に実現ができなかったのであります。こうした疑惑解明に背を向ける政府・与党の姿勢に断固抗議をして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#322
○委員長(遠藤要君) 次に、吉岡吉典君。
#323
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、一九九三年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
 長引く不況によって日本経済と国民生活は極めて深刻な状況にあります。ところが、本予算案は、深刻な不況を打開し、国民本位の経済を図る内容とはなっておりません。
 第一に、本予算案は、五年来の本格減税見送りでかつてなく高まっている国民の税負担を軽減し、不況の打開を図るために求められている所得減税を全く行わず、国民に実質増税を押しつけております。
 政府は、景気対策として地方単独事業を含め公共事業を大幅に拡大したことを強調しております。しかし、東京湾横断道路計画などに象徴されるように相変わらずの大型プロジェクトで大企業への発注が中心となっています。その一方、中小企業に対しては、官公需発注を低く抑える一方、中小企業予算を減らし、一般会計に占める比率を〇・二七%と史上最低にしているのであります。全従業員の八割、工業出荷額の五割以上を占める中小企業が潤うことなしに国民本位の景気回復はありません。この一方、本予算案は、昨年補正予算に引き続き、郵便貯金、年金などの巨額の公的資金を使った株価の買い支えを行い、また金融機関の不良資産の買い支えのために減税措置を設けようとしているのであります。
 第二に、本予算案は、豊かでゆとりある国民生活を実現するための予算とはなっていないことであります。
 九三年度予算は、政府が策定した生活大国五カ年計画初年度の予算であります。しかしながら、公共事業のうち、住宅、下水道、環境衛生等生活開運の割合は三〇%に満たず、この比率は十年来ほとんど変わっておりません。財投予算を含めた公共事業の総額で見ても、産業基盤の生活基盤に対する比率はほぼ三対一で、年々ふえ続けております。社会保障予算においては政管健保や国保に対する国庫負担が削られ、また生活保護費が削減されているのであります。住宅予算を見ても、年収五倍住宅の実現は夢のまた夢であります。
 第三に、本予算案は国民生活には冷たい一方、
冷戦構造が劇的に変化し、世界各国が軍縮への取り組みを始めているとき、相変わらず軍事費増強路線を貫いていることであります。本予算案では、一機五百七十億円に上るAWACSを二機購入し、また米軍に対する思いやり予算を一五・三%もふやすなどアメリカヘの配慮を優先しております。
 最後に、本委員会での実質審議はわずか十日で、自然成立を除けば国会史上二番目の短さであります。このような事態を招いたのは、金丸不正蓄財事件の発覚など金権政治の広がりの中で、何としても証人喚問を避けるために審議拒否を続けた自民党にあることを、この際厳しく指摘しておきます。しかも、疑惑政治家抜きの証人喚問となったことも国民の期待に背を向けるものであることを強調しなければなりません。
 本委員会が予算成立後も引き続き開会し、金丸被告や竹下、小沢両氏など疑惑政治家の喚問を行うよう強く求め、反対討論といたします。
#324
○委員長(遠藤要君) 次に、乾晴美君。
#325
○乾晴美君 私は、民主改革連合を代表し、ただいま議題となりました平成五年度予算三案に反対の討論を行います。
 まず、先般の政治腐敗の問題につき一言申し上げます。
 今回の金丸前自民党副総裁及び生原元秘書の所得税法違反事件は、ロッキード、リクルート、そして佐川事件に引き続き、政府・自民党政権の底知れぬ腐敗を白日のもとにさらした一大金権腐敗事件であります。
 我々民主改革連合は、我が国政治史上かつて例を見ないこのような金権腐敗政治の実態の徹底的な解明に努めるとともに、政治腐敗防止法の制定により腐敗政治家を追放し、真の民主政治を国民の手に取り戻すことを強く主張するものであります。
 以下、本予算案に反対の理由を申し上げます。
 反対の第一の理由は、本予算には先国会より我々が主張してきた所得税減税が盛り込まれていないことであります。
 我が国は、現在全国的な不況の中にあり、殊に個人消費の落ち込みは深刻であります。このような現状を打破し、景気回復を図るには、消費刺激のための大幅な所得税減税が不可欠であります。政府がかたくなに所得税減税を拒んでいることは、適時適切な経済運営という政府の責務の放棄であり、断じて容認できません。
 反対の第二の理由は、景気対策を地方と財政投融資に押しつけている点であります。
 政府は、本予算案において公共投資を前年度化四・八%ふやし、昨年を上回る高い伸びを確保したと宣伝しておりますが、他方、財政投融資計画による公共事業を一二・四%増、また地方単独事業においては一二・〇%増と、本来国が主体となって行うべき景気対策まで財投や地方に押しつけており、このような他力本願の予算は到底認められません。
 反対の第三の理由は、いわゆる隠れ借金の問題であります。
 政府は、本予算案において、一般会計承継債務六千九百八十二億円の償還を延期したほか、政管健保への繰入減額、地方交付税の特例減額等、合計一兆五千二百七億円の歳出繰り延べを行っておりますが、このような措置は国民の目が届きにくいばかりか、後年度の歳出増加圧力を高めるものであります。
 反対の第四の理由は、生活大国づくりへの取り組みが極めて不十分なことであります。
 本予算案では、一般公共事業費の事業別・省庁別構成比が固定されているのみならず、生活大国化の重要な柱である時短の具体的促進策や割り増し賃金率の引き上げも不明確である等、生活大国化とは名ばかりであり、到底認めがたいものであります。
 反対の第五の理由は、本予算案が補正含みの欠陥予算であることであります。
 先般、本国会中に十兆円を超す景気の追加対策を組んだ巨額の補正予算の提出を自民党幹事長が言明するなど、この本予算案が欠陥予算であることが暴露されております。このように年間の所要経費が適正に計上されていない予算は断じて認められません。
 最後に、宮澤総理に対し一言申し上げます。
 先般の佐川事件、そして今回の金丸、生原両氏の想像を絶する巨額の脱税事件をまざまざと見せつけられ、今や頂点に達した国民の怒りを真摯に受けとめ、総理の公約である政治改革に渾身の力を込めて取り組まれることを強く要望し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#326
○委員長(遠藤要君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#327
○委員長(遠藤要君) 少数と認めます。よって、平成五年度総予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#328
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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