くにさくロゴ
1993/03/29 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第4号
姉妹サイト
 
1993/03/29 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第4号

#1
第126回国会 建設委員会 第4号
平成五年三月二十九日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     西野 康雄君     櫻井 規順君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原 敬義君
    理 事
                井上 章平君
                岡部 三郎君
                種田  誠君
                山田  勇君
    委 員
                井上 吉夫君
                石井 一二君
                上野 公成君
                遠藤  要君
                鈴木 貞敏君
                吉川  博君
                会田 長栄君
                青木 薪次君
                櫻井 規順君
                西野 康雄君
                白浜 一良君
                中川 嘉美君
                上田耕一郎君
                萩野 浩基君
   国務大臣
       建 設 大 臣  中村喜四郎君
   政府委員
       国土庁地方振興  秋本 敏文君
       局長
       国土庁防災局長  黒川  弘君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省建設経済  伴   襄君
       局長
       建設省都市局長  鹿島 尚武君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局経済部団  田中 信介君
       体課長
       公正取引委員会
       事務局審査部管  上杉 秋則君
       理企画課長
       運輸省鉄道局幹  石川 裕己君
       線鉄道課長
       運輸省自動車交  洞   駿君
       通局企画課長 
       気象庁地震火山
       部地震火山業務  森  俊雄君
       課長
   参考人
       首都高速道路公  松原 青美君
       団理事長
       首都高速道路公  佐藤本次郎君
       団理事
       首都高速道路公  沼田昌一郎君
       団理事
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整
 備臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、首都高速道路公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(梶原敬義君) 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村建設大臣。
#5
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 現行の第十次道路整備五カ年計画は、平成四年度をもって終了することとなりますが、我が国の道路は道路交通の進展に比べ、その整備のおくれが目立つなど今なお質、量ともに不十分な状況にあります。今後、生活大国を目指し、活力ある経済に支えられたゆとり社会の実現を図るため、国民の道路整備への要請に的確にこたえつつ、緊急かつ計画的に道路整備を推進する必要があります。
 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、平成五年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定して、道路を緊急かつ計画的に整備することとし、このため、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、平成五年度を初年度とする新たな道路整備五カ年計画を策定することとしております。
 第二に、道路整備五カ年計画に合わせて、平成五年度を初年度とする奥地等産業開発道路整備計画を策定するため、奥地等産業開発道路整備臨時措置法の有効期限を平成十年三月三十一日まで延長することとしております。
 第三に、公共事業に係る補助率等について、体系化、簡素化等の観点から見直しが行われることに伴い、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法に規定する補助率等についても見直しを行うこととしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#6
○委員長(梶原敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○種田誠君 きょうは道路整備に関する法案の審議ということでございますが、冒頭、残念ではありますけれども、きょうもまた日本の各紙をやみ献金疑惑、ゼネコンの諸問題、入札に対する不信の問題、こういうものが大きな記事として紙面を占めております。
 私自身、過日の委員会でも申し上げましたように、建設委員会の一員としても極めて遺憾に思うと同時に、まさに二十一世紀まであと七年、これまで日本の経済の発展と社会資本の蓄積にさまざまな角度から努力をしながら建設省も努めてきた、こういう時期でありますが、むしろ今問題提起されていることは、新しい時代に入っていくに当たって大きな方向転換を私たちしっかりと認識して、過去の問題は全部この際洗い流して、そういうものとして何か求められている、そういう気もいたします。
 きょうは法案審議でございますから一々この問題には触れてまいりませんけれども、一つ伺っておきたいのは、過般の委員会でも御質問申し上げましたが、入札制度に関しまして、建設省の方でもこれからの景気対策や四百三十兆円という大きな社会資本整備のための公共投資を実行していくためにも全国で調査などもしていくお考えがある、そのように報道もなされております。入札制度ばかりではなくて、この際、今申し上げましたような問題提起がなされている以上、ここで建設省の行政のあり方、さらにはそれを受けての業界の業務執行のあり方、そして社会資本のこれからの蓄積のための財源のあり方、こういうものも抜本的に過去を検証しつつもこの時期に思い切って建設省においても検討してみる、調査をしてみる、こういうことも国民の建設行政に対する信頼を回復しより強固にするためにも必要かと思うわけでありますけれども、冒頭、大臣に所感を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま種田委員から御指摘をいただきました問題意識につきましては、私もこの事態を非常に重大な事態であると認識しております。
 そして、御指摘をいただきましたように、この機会に建設省及び建設業のあり方につきまして抜本的に検討し、そして改善しなければならない問題は逐次改善をしていかなければならない、そういう時期に来ている、このように考えておりますので、これから具体的な問題につきましては省を挙げてこの問題について取り組んでいきたい、このように考えております。
#9
○種田誠君 ぜひ今大臣が述べられたような気概に立って、省の各局においてそれぞれ課せられた任務があるわけでありますから、もう一度みずからを振り返ってみて正すべきものは正し調査すべきものは調査をして、しっかりした二十一世紀という新しい時代に対応できるような省のあり方も考えていただきたい、こう思うわけであります。
 それでは、本日の法案に入ってまいりたいと思います。
 私、本年度の予算概算要求概要などを拝見したり、その中にあります五カ年計画などを検討させていただきますと、何か、これが一つあるから道路行政がこれから変わっていくのかなというのではなくて、全体として確かにこれは道路行政の大きな転換を建設省は図ろうとしているな、そういう思いを強くいたしました。
 特に、総論的に申し上げるならば、何か戦後四十数年、社会資本の整備、その前提となる経済の成長、あくせくあくせくして前へ進め前へ進めということで行政はもとより経済の仕組みもつくってきた。そういう中で、過般のバブル経済の崩壊、相まって、何か私たちが今みずからの足元を見直して、生活を見直して、そして経済のあり方をもう一度検討してみよう、こういうものが今度の、本年度の予算はもとより新しい計画にも多分に、一言で言うならば人間の持っている非合理的な場面、こういうものをも取り込んで行政を行っていこう、こういうものを強く感ずるわけであります。
 その意味で、まずこれは、大臣、本年度の予算はもとより、今回の五カ年計画に対する大きな意味での大臣の考え方、認識、そういうことをちょっとお答えいただければありがたいと思います。
#10
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から今回の第十一次道路五カ年計画が持っている意味について大きな意味でどのように認識するかという御質問でございます。
 先生も御指摘のとおり、我が国は大変な車社会が定着をいたしまして、この車社会に対応し切れるような道路網の整備というものは国民が非常に求めているところである、このように認識しているわけでございます。そして、多極分散型の国土形成をするにしても、あるいは地域間の格差是正をするにしても、そういったものをやっていくためには、総合交通体系を整備していく中で道路の果たしていく役割は非常に大きい、このように考えておりますので、今度の第十一次道路五カ年計画におきまして、ぜひそうした多極分散型の国土形成や地域間の格差是正、そして教育、文化、そうしたものが、この整備を行うことによって国民の豊かさが実感できるような環境づくりに大きく役に立つ、このように確信しておりますので、ぜひこの五カ年計画について各委員の皆様方の貴重なる御意見をいただいて、実効性のあるバランスのとれた道路行政を今後も推進していきたい、このように考えております。
#11
○種田誠君 そこで、局長、お伺いしたいんですけれども、道路というと何か本当に、すべての道はローマにつながるとか、道には道理というものも意味としてあるとか、いろんな角度から道路というものが持っている多面的な機能とか役割とか、さらには文化的な精神的なものも道路、道というものに含まれている。いよいよ何かそういう意味で道路というものが総合的に考えられていく時代に日本も入ってきたのかな、こう思うわけであります。
 昭和二十九年に第一次五カ年計画が策定された。私はまだ当時物心がついたかつかないかのころで、日本の道路事情が全国的にどういうようになっておったのか、率直に言ってわかりません。文献や残された記録などによってしか知ることができないわけであります。聞くところによると、この五カ年計画が始まるころ、ラルフ・ワトキンス調査団というのが日本に参って、日本における道路、とりわけ高速道路関係などの調査をした。そのとき、日本の道路に対しては信じられないと、信じられないほど大変日本の道路はひどいと、こういう報告がなされたやにも聞いております。当時でありますから、日本経済はまさに戦後の打撃から回復をしなきゃならないという時代にもあったかと思うんですが、その辺を踏まえまして、これまでの道路行政の役割、それから蓄積、そしてこれから一体どういうふうにしてそれを変革していこうとするのか、その辺のことについて述べていただければと思います。
#12
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 先生御承知のように、戦後我が国がやっといろいろな意味の活動を始めた昭和三十年ごろ、免許をお持ちの方が三百七十万人余、車が九十万ぐらいでございました。それが現在は、御承知のように、もう既に六千二百万余、そして六千万台。こういうふうな、国民、言ってみれば庶民の車社会にこの三十五年の間に変わりました。その間に、実質の国民総生産も昭和三十年ごろは一人当たり四十九万円ぐらいから、現在は三百四十万、約七倍に増加しております。
 道路の場合、昭和三十年ごろ、舗装で見ても一万キロぐらいしかございませんでした。それから、昭和三十六年においてもやっと国道一号東京−大阪間が何とか車が通れるようになった、このような状態でございました。それが、この三十五年余の間に、六千キロの高速道路をつくることになりました。
 とはいうものの、言ってみれば五カ年計画を振り返ってみますと、第一次では、泥だらけでどうにもならない生活、こういうことから砂利道をまずなくそう、泥んこの道をなくそう、これが第一次でございました。
 第二次では、雪国では生活が成り立たなかった、孤立部落、そういうことから、雪国をよくみんなで助け合おうじゃないか、こういうことで雪寒五カ年計画ができたのも第二次でございました。
 そして、第三次の五カ年計画のときに、共同溝という、初めて道路の空間を意識してそしてちゃんとした電力だ、電話だ、下水だというものをきちっと入れ直そうじゃないか、そして、このころに初めて名神高速道路も尼崎−栗東間が開通したのも第三次でございました。
 第四次に、いよいよ高速道路の時代が制度的に始まった。四十一年に七千六百キロの時代が始まりました。と同時に、今度は高速道路をつくるからには、余計残された地域、すなわち奥地という、今回も法律の改正をお願いしておりますが、奥地等を同時によくしようじゃないかということで、この高速道路の七千六百キロのできた四次のときに、奥地等の五カ年計画も初めて発足させていただきました。
 そして、第五次では、言ってみればそれらの成果がどんどん実り出しました。さらに第五次でもう一つ忘れてならないのは、交通安全の五カ年計画も始まったということでございます。
 そして、第七次になりまして、こういうことがずっときますと、いろんな問題が出てまいりました。そこで初めて大規模自転車道というような、個人に関するもの、そしてお金がだんだんかかるようになりましたから、有料制度をもう少し抜本的に改正しようというのも第七次の四十八年から始まった時代でございました。
 ところが、オイルショックがあって、そして我々人間がみんなで自分を地元をもう一回足元を見詰め直そう、こういうことになりました。そのときに初めて環境と、果たして道路というのは何のためにあるのかということから、環境問題にもこのとき足元から見直しを始めました。そして、コミュニティー道路といったような、初めて路地文化の先端をいくようなものも、このころ始めました。
 そして、第九次、電柱の地中化というようなものも第九次の五カ年計画。
 第十次では、御承知のように、全国を一極集中是正というのではだめだから、一極集中を多極にしよう、今まで分散という思想を連携という思想に変えようじゃないか、こういうことで一万四千キロの計画を第十次でつくらせていただきました。
 しかし、この一連の流れの中では、まだまだハードな考え方が中心でございました。そこで、第十一次では、もっと利用者の立場に立って利用という面からもう少し見直して、ソフトとハードの計画をベースにつくってみよう、こういうことで後はどまた御質問があろうかと思いますけれども、交通アセスメントといったような利用者の立場から見た道路の使い方あるいは路地文化を創出するための問題、こういったものにまで現在きております。
 言ってみれば、人に優しいということを申し上げてまいりましたけれども、人に着目した第十一次の五カ年計画をぜひ実らしたいと思っております。
#13
○種田誠君 今局長が述べていただいたような変遷を経て今日の日本の道路があるということであります。
 そういう道路に対して、残念ながら、国民の目は意外と厳しい目を持っています。
 平成三年に総理府が世論調査を行っています。この世論調査結果などを拝見しても、日本の道路は極めて狭い、不安を感ずる、こういう声が半数以上、五〇・四%の方がお持ちだということであります。そして、違法駐車を含めた道路駐車が余りにも多過ぎる、こういう声も四四%ほどございます。さらには、せっかく高速道路ができても、また首都圏道路ができても、交通渋滞が多い。観光地、立派な観光道路が生まれても平日はがらがら、土曜、せっかくの週休二日になって少しでもゆっくりしたいというにもかかわらず、土曜、日曜日になると、また連休が続くと大混雑。こういうことで一体日本の道路は三十数年何をやってきたんだ、こういう現実のこの瞬間をとまって見た物の考え方からは声が出てきてしまうわけです。そういう意味で、まずその辺のところについてどのような御認識を持っておるか。
 それからもう一つは、欧米と比較をして、果たして日本の道路は一体どのように今なっておるのか、その辺のことについて述べていただきたいと思います。
#14
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおりだと思っております。例えば、道路がよくなったよくなったといいましても、二車線の国道の整備率は五七%、県道で四五%。特に四車線以上の道路になりますと、国道でも一〇%、県道では三%しか四車線でない。したがって、もうあるところに来たらどうにもならない、すれ違えない、こういう状態ですし、歩道でも、やっと歩道がとりあえずできた。ガードレールでもって囲った歩道も含めても四五%。ところが、幅三メートルというような、せめて最低限のものであっても一一%しかできていない、こういうような状況でございます。
 ということは、社会あるいは都市生活の拡大進展に合わせまして生活のパターンがどんどん変わってまいりました。その生活のパターンに応じて道路整備というのは常に一緒に進めてまいらなければならないわけですけれども、それが追いついてこれなかった、こういうような実情がこういうところにあらわれているかと思っております。
 さらに、日本を大きく見たときに、東京一極集中というふうに、どうしても東京という大消費地圏に向けての放射、環状道路の放射線が非常に整備されたのは事実でございます。そこで、我々は地域の高速自動車国道をつくることによって地域を強い地方圏にしたい、こういうことでかねてから考えておりました。その整備率といっても、御承知のようにまだまだ、この平成四年度末でも約六千キロ、四二%。横断道路においては極めて少ない、二十数%ということで、言ってみれば日本海側と太平洋側の格差も非常にまだまだございます。こういうことをやっとこれから大車輪で直さなければいけない、こういうところに現在着目をいたしております。
 諸外国を見ますと、諸外国では例えばアメリカの自動車一万台当たりの高速道路の供用延長は、我が国の場合一・〇八キロでございますが、アメリカは三・七九、フランス二・七一、旧西ドイツでも二・六七、要するに諸外国は極めて車社会が発達しております。それはなぜかというと、高速道路を発達させることによって町の中を通らないでいい車をそういうところに乗せて、そして町の道路を町の人たちに戻す、こういう物の考え方が非常に進んでおります。そういうことで、諸外国に比べてこの部分が極めて著しくおくれている、こういうふうにも言えようかと思います。
 特に、アメリカやECでは今後さらに、アメリカの場合六年間で今の高速道路を三倍にしよう、こういう計画も出ておりますし、ECにおいても、現在の三万七千キロの高速道路に加えて、今後十年間で一万二千キロ整備しよう、こういう構想が出ております。いずれも多極分散、アメリカにおいても多極分散、ECにおいても多極分散、多極連携、こういう思想でこれからやる。こういう面で見たときに、我が国はまだまだその点においても十分でない、こういうようなことが言えようかと思っております。
#15
○種田誠君 私は、今局長が言われた日本道路の不十分さ、あえて言えば欠陥、さらには比較的な面における数字のまだ足らない、こういうものはやはり道路行政全体のあり方、そういうところからも私は大きく影響しているんじゃないかなと思うんです。
 それはもちろん、道路行政そのものも歴史性、社会性、そういうのに大きく拘束をされながら進まざるを得ないわけであって、私は何も過去の日本の道路行政がすべてまずかったというわけではなくて、それはそれなりに、世界の先進国の中で最もおくれて出発をした後発発展資本主義国である日本が、いわゆる明治政府以降社会資本という物の見方が登場し、軌道を中心に社会資本の整備を進めてきた。道路に関して本格的に進め始めたのは戦後だと言われている。欧米のまさにローマ時代から、最近ではドイツのヒトラーの状況にも見られますけれども、道路というものが十字軍の遠征を含め、軍事目的のために拡張されてきた大きな歴史を持つ欧米とは日本は大分異なるかと思うんです。そういう中で、とりわけ先ほど申し上げたように、日本の戦後経済の復興を図らなきゃならない、そのために効率性、経済性というものをイの一番に求めるという、こういう考え方が生まれるのも私は一つ理があるかなと思うわけであります。
 しかし、あわせて大事なことは、やはり道路というものは産業、経済、効率、連携性、流れということと同時に、道路には一面生活があり、人がそこにかかわるという、こういうものが方やむを得ないといえばやむを得なかった日本の歴史性かもわかりませんけれども、大きく欠け落ちていた。そういうところに今日の現状が生まれる一つの原因があったんではないだろうかなと思うわけであります。
 多分その点については、局長においても、視点は若干違うかとは思いますけれども、理解をしていただけるものと思うんです。そういう認識に立った場合、そうであるならばこれからの道路行政というのは、私はいわゆるこれまで進めてきた道路行政を補う大きなものとして、むしろそちらにウェートをかけるような形で進めていただきたいと思うのは、やはり道路が生活の場面である、人間が道路には常に存在しているのだという、そういう認識、そしてまた道路が環境との問題においても極めて重要なかかわりを持ってくる。当然道路をつくっていけば開発もしなきゃならない。さらには、さまざまな地球環境等々の関係においても問題がある。こういう中でのこれからの道路行政というものをしっかりと位置づけて行っていく必要があるんじゃないか。
 もう一つ言うならば、効率に対してもう少しゆとりが欲しい。また、むだの効用という言葉がありますけれども、余りにも経済的な視点からのみ合理化するという発想じゃなくて、やっぱり人間ということを考えた場合には、すべて健康な人間だけではなくて、年寄りもおれば、子供もおれば、障害者の方もおる。そういうものを道路行政の中にどう入れていくか、それを合理的な、経済的なものから見れば、まさに悪い言葉かもわかりませんが、そういうのはむだなんだと、こうやって切ってしまうことも可能だったかと思いますけれども、私はむしろそういうところにこそ何か私たちが今必要としているものがあるんじゃないかな、こう思うんです。
 そういう中で新しい道路行政をつくっていただきたいと思うんですが、今回の道路行政の哲学というか、理念というか、それに伴う大きな基本的施策というのはどういうふうになっておるんでしようか。
#16
○政府委員(藤井治芳君) 私どもの説明が不十分なために、先生はちょっと違った視点とおっしゃいましたけれども、今先生のお言葉は実は十一次五計の説明をしていただいているような感じがいたします。私ども全くそのような視点から十一次五計をつくったと思っております。
 といいますのは、何よりも私ども今までの道路を全国平均的につくっていた。そうじゃなくて、私よく申し上げておるんですが、東京は東京なりに、同じ東京でも東京周辺と東京、あるいは下町と山の手では極端に言えば違ってもいいじゃないか。ましていわんや、四国や九州や、それぞれ地域で違う。したがって、地域発の物の考え方をまずベースに据えよう。その上で生活者の豊かさという立場で、生活者、利用者からの立場でどう見るか。それから、そういう意味ではこれから可能性のある、豊かな活力ある地域という目で見たときにどういうことをなすべきか、それから同時に、計画の段階から、実施の段階から、そして利用の段階から、良好な環境構造というのはどういうふうにつくったら、またどういうふうな利用の仕方をしたらいいか、こういうことの実験をこの十一次五計で何とかしてみたい、そういう試みをやっております。十分ではないと思っております。
 さらにその際に、私ども何よりもいわゆる空間というものを重視したいと思っております。自分の子供たちに外で――私はもう子供大きいですから孫になるんでしようけれども、外で遊んでおいでよと言えるような自分の家の周辺の道路空間を創出させなければえらいことになるだろう。そのためには、単に車を減らすということでなく、人間の自由な活動、人間のそういう何かをしたいというものは大事にしながら、かつそれを同時に共生させる、両立させるためには、欧米が現実に既にやっておりますような、高速道路とか効率の高いネットワークに二十数%の車を乗せております、我が国はまだ七%ぐらいです。この十数%、例えば今全国の道路の利用の約三一%が国道に乗っております。三一%が県道に乗っております。三〇%ぐらいがまた市町村道に乗っております。たった五万キロに三一%乗っているんです。高速道路は一万四千キロに将来二〇%ぐらい乗せるというところで、それは乗せるということは他の道路がすくという、他の道路からそっちへ持ってくるということですから、そういうきちっとしたネットワークと、そして潤いのある道路空間を同時に解決していく、こういう政策をこの際にしていく。
 その中で人が選択できるようなものにしたいというのが私どもの根本的な考え方でございまして、それが幅広い歩道に生まれたり、混雑対策として生まれたり、あるいはいろんな意味での住宅宅地の供給で生まれたり、いろんなところにそれを具体的に実現させてみたいと思っている次第でございます。
#17
○種田誠君 ぜひ今局長が述べたような視点で私もこれからの道路行政は進めていただきたい、こう思うわけであります。
 まさに国土のあり方、すなわち地方分散というか一極集中の排除というか、こういうことにも道路行政が大きくかかわっていたことは間違いないだろうと思うわけであります。そういうことからも、これからの道路行政がどうあるべきかということは私たちにとって本当に真剣に議論をしなきゃならない課題だろうと思います。
 さらに、今述べられた言葉の中にもありましたけれども、これからもう二〇二五年には六十五歳以上の方が人口統計上四人に一人ぐらいになってしまう、そういう時代も迎える。さらに、これから運転免許を取る方がどこでふえるかというと、女性のところで大きくふえていくだろう、また高齢者の方がそういう中で大きく運転年齢を延ばしていくだろう、こういうことも言われております。そういうことからも、これはまた道路行政の新しいあり方を考えてもらいたいな、このようにも思うわけであります。
 実は私、昨年、岡部理事そのほか数人の国会議員とヨーロッパの都市の再開発、都市計画、さらにはアルプスのど真ん中をくり抜いてトンネルをつくっていくことの是非の調査とか、さらには都市景観の問題とか、こういう調査に行ってまいりました。その中で、私ドイツのハンブルクという、ここは私自身は環境共生住宅というのをぜひ参考にしたいなという気持ちがあったんですけれども、まずそれよりも、行ってみてびっくりしたのが道路のあり方であります。道路というのがもう住宅と一体となって、しかも物すごい緑の中に道路というものが存在しているわけです。なるほど、こういう道路もあるんだなと、こういうふうな思いを持った記憶が今きのうのように呼び起こされるわけであります。
 そういう意味で、先ほど局長の方においても例えば安心できる道路、こう言いましたけれども、何かここに大きな道路行政の哲学として、これをやっぱりもう一方の機軸にしていふなきゃならないんだなということがあるとすれば、局長、どういうふうなことだと思いますか。
#18
○政府委員(藤井治芳君) 今までも申し上げたと思いますけれども、私どもその安全というのにはいろんな意味の安全があろうかと思います。生活の安全、そして個人個人の安全、そして地域の安全。そして翻れば道路の外側から見たときに、自然側から見ても共生ということですから、一種の社会的安全というものを保つ、その中で個人個人が非常に安全な生活をしなきゃいけないとなりますと、やはり道路だけではなくて、大臣から先ほど方向をお述べいただきましたけれども、道路だけですべて解決するものじゃない、地域によってはあらゆる交通機関と連携をとらなきゃいけない。東京のような大都市における道路問題、それと本当に残念ながら鉄道網はそれほどないけれども、そこでいろんな生活をしなければいけない地域、そういうところにおける車社会を支える道路網のあり方。
 そうすると、同じ歩道一つとっても、そういう地域の歩道と東京における歩道、例えば駅まで行くのに歩きやすい歩道をきちっとつくることによってなるべく車から歩く方向に転換する。私どもモーダルミックスという言葉を使っておりますが、モーダルミックスは従来、鉄道、船、飛行機、道路、車、こういうことだけで考えておりました。それに私は歩くということを入れております。歩くということもそのモーダルミックスの一つだと。したがって、駅まで歩きやすい、十五分なら十五分歩いていく、そこでまた車が自発的に減っていく、こういうような構造まで入れたそういう仕組みがかつ安全にしかも円滑にいくようなものを考えていく。
 そういう意味では、個々の安全というよりも地域、そしてそのそれぞれの個性を持った安全というんでしょうか、そういうものを考えながら組み合わせていく。そういう意味で、行き着くところは地域発の、それぞれの地域がそれぞれの責任において考えたものを私ども国が応援していく、こういう姿勢でやっていかなきゃいけないものと思っております。
#19
○種田誠君 私は実は局長からこういう言葉が出てくるかなと思っておったんですが、それはちょっと違いまして、やはり私たち今政治に携わる者はもとより、世界の経済のあり方、またグローバルな視点というものの中で求められるキーワードの一つが共生、こういうふうな言葉だとも言われております。
 道路行政の中にも一つには、例えば今回も一つ基本的方向をまとめる言葉として「良好な環境の創造」という言葉が使われています。それは何のために環境の創造をするんだ、それにまた活力ある地域づくりのための道路を整備しなきゃならない、これも今回の一つの大きな課題だとも言われています。じゃ何のために活力ある地域づくりのための推進をするんだ。私は、そういうものの一つのキーワードとして、ともに生きるという共生ということがやはり理念としてあるんじゃないか、こういうふうにも思っていたところでありますが、まさに今局長が述べられたことはそういうことの中身を述べてもらったんだろうと思います。
 ぜひ、さまざまに政策を展開する場合、例えば建設省さんで一昨年あたりから図などをかいて、計画案の説明書にもありますけれども、小さなカメの子が道路の側溝から上がっていく絵とか、なぜあんな絵を建設省がかくのかというと、それはやっぱり別にカメの子の絵をかきたいわけじゃなくて、カメと人間がいかに共生するかとか、開発と自然をどう共生させるかとか、さまざまな共生という視点でもってああいうものがあるんだろうと思うんです。ですから、一つ一つ道路をつくっていく上でも、新しい道路の施策を展開しようとする場合でも、やはり常に頭の中にあらゆるものとの共生というようなことを哲学の一つとして置いておいてもらえればありがたいなと思うんですが、局長いかがでしょうか。
#20
○政府委員(藤井治芳君) 全くそのとおりでございまして、その一番端的な例を申し上げますと、最近開通した道路で、お猿さん注意、こういう標識をつくっております。これはお猿さんに標識を読んでもらうわけにいきませんから、人間がそれを見てお猿さんを尊重する。そういう意味で、これも言ってみればある種の共生に対する、利用者に対する責任の注意喚起だと思います。道路構造も、そういうものを考えて今後積極的に設計していかなきゃいけません。
 となりますと、私ども特に環境については、いわゆるその土地、交通、いろんな生活の姿に応じた道路環境計画というものをつくらしていただこうと思っております。そういう道路環境計個というのはいろんな立場の人の御意見を入れながらつくるわけでございますが、その中で、どういう形で、道路が目的じゃなくてその地域が目的でございますから、地域地域に応じての共生のパターンというのは変わると思います。住宅地における道路のつくり方と、当然のことながら湾岸地域における道路のつくり方は変わります。そういう意味で、それぞれに応じた共生のスタイルを、これも画一的でなくていろいろと調査をし、検討しながらやっていきたいと思っております。そういう意味で、先生の御指摘は十分今後とも大事にさせていただきたいと思います。
#21
○種田誠君 局長、共生というのは環境ばかりじゃなくて、人間の中における共生も、先ほど言ったように老人の方も子供も女性も障害者もみんなやっぱり生きているという意味での共生もありますので、そういうものも道路構造令などとの関係においてはまたそれも環境との関係で当然出てくると思いますので、ぜひとも検討をしていっていただきたいなと思うわけであります。
 そこで、次にもう一つ、私これからの道路のことで伺いたいと思うのは、今回の道路五計の中にも「地域集積圏の形成」という言葉が生まれております。非常にすばらしいことじゃないかなと思います。特に、地域分散型というか、地方主権というか、ローカル政府というか、そういう物の見方の中で地域をつくっていく上で道路がどのような役割を果たすか、そういうものをこの地域集積圏の形成というのは新たに持ち込もうとしているのではないかな、こういうように私は位置づけているわけでありますけれども、この地域集積圏の形成ということは一体どういうことでしようか。
#22
○政府委員(藤井治芳君) 我が国が高速道路によっていろいろと地方圏同士の連携を強くする、こういう構造は多極分散型、四全総の理念でございます。それに向かってそれぞれがやっているわけでございますが、一極集中是正という具体的な施策の効果としてはもう一つだと思っております。
 そこで、なぜなかなかそういかないかといえば、私どもの考え方は、強い地方が生まれないからなんだと。じゃ強い地方って何だと。それは、あらゆる施策をそこに集中しながら、そこに多くの集積効果を持ったゾーンをみんなでつくり上げなきゃいかぬ。東京というような一つの極に一千万という、そういう都市はこれからつくれないだろうけれども、五万、十万あるいは三万、二万、こういったものがそれぞれの特色を持ちながら連携することによってそこに大きな集積ゾーンが生まれる。そして、その集積としてそこに多くの生活の場が生まれ、経済や社会活動の場が生まれる。そうすると、結果として強い地方圏ができ上がる。そして、その強い地方圏がまた他の強い地方圏と連携するということで相互の存立ができるじゃないか。
 こういうことで、そのためには、集積圏には何よりも時間、距離というのが大事だと思っております。十五分でつながる町と町はこれは一つの町と言えます。一時間ならば町と町は孤立いたします。そういう意味で、通勤圏あるいは生活交流圏、こういう目で見たそこに一つのゾーンをみんなでつくりたい、そのために道路はどんなふうに役立つことができるか、こういうことから考えた集積圏のことを地域集積圏という概念で位置づけております。
 これもまた同じことでございますが、北海道におけるような広い地域での地域集積圏の物の考え方と、あるいは東京周辺における地方集積圏とはおのずから違うかと思います。それぞれの特色を持った集積圏の考え方と私どもの道路の計画とを合わせてみたいと思っておりまして、そのために広域道路整備基本計画というものを各地で今つくっていただいております。そういうものを生かしながら、私ども、その一つのプロジェクトとしては地域高規格道路、こういったものもその一つの中でのものかと思っております。
#23
○種田誠君 そうしますと、まさに地域高規格幹線道路などを整備しながら、今局長が述べたような視点でこの施策を進めようとすれば、面の整備というか、町づくりというか、地域づくりというか、そういうものとの関係においてこれから道路をどう位置づけてつくっていこうか、こういうことになろうかと思うんです。
 これは、先ほど環境計画を作成していきたいというようなことも述べておりましたけれども、それは私の言葉で言えば、共生のような形を含めた意味での計画だと思うんですが、そうなってきますと、当然道路局だけですべて賄おうなんということはできなくなってくると思うんです。これは同じ建設省の中でも、例えば住宅局、河川局その他すべての省庁との連係プレーをしなきゃならないし、さらには、例えば町づくりということの中に道路を位置づけるとすれば、厚生省のごみの問題だとか通産省の電力の問題だとかというあらゆるものと調整をしながら総合的にこれを位置づけて展開しなきゃならない。環境計画も同じだと思いますけれども、その辺のところの今後の施策展開の上での各省庁間、各省の中の局とのそういう連携とか、総合化ということに関しては、大臣はどのような考えを持っておられますか。
#24
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から御指摘をいただいている点は、実は私も非常に重要な点である、このように認識しております。
 この問題につきましては、関係局長を集めまして、道路の面ばかりではなく、地域集積圏とかあるいは多極分散型とか、言葉だけは出ていても実効性が上がってこないような国土政策であってはならない、そういう点で、いかにしてそれが実効性の上がるようなものにしていくかということになりますと、いろんな要因が私はあると思っております。建設省の中での道路や住宅あるいは産業、経済すべてにわたって、建設省の中で局を飛び越えて省を挙げて取り組むというのは当然でありますが、やはり地域の集積圏というものを形成するためには、工場とかあるいは会社とかあるいは学校とか、こういった文化とか産業とか、そういったものが総合的に地域の中に網羅されている中で道路はどうあるべきなのか、こういう位置づけが明確にされてきませんと、なかなか道路だけ整備しても集積圏ができるかどうかということは非常に難しい点ではなかろうかと私は思っております。
 その中で一つ具体的な例として、筑波研究学園都市はそういう面では新しい地域づくりをした一つの成功した例であっただろうと私は思っております。しかし、それでも筑波の中でもまだいろんな面で足らざるところがあるということでございますので、こういった比較的東京から近いところで成功した例は、東京から近かったから成功したのか、それとも国を挙げての大きな力が集中的に注がれたことによって成功できたのか、その辺の分析等今後の課題という問題は建設省として非常に重要な問題だ、このように認識しておりますので、御指摘をいただいた意見を積極的に受けとめまして、各省にもこうした問題意識が普及できるように建設省が努力していかなければならない、このように考えております。
#25
○種田誠君 まさに今大臣が述べられたような視点でこれをこれからつくっていかなきゃならないと思うんですけれども、そのためには、例えば一つの受け皿として地域開発のプロジェクトを全国的に実行する場合にはつくらせて、十二分な地域における議論の上に、地域プランナー、また住民が参加して、ということは、目の前の道路、これから老人や子供の安全まで考えた道路というふうなものもその中には必要になってくるわけですから、そういう意味での住民参加とか地域プランナーとか、いろいろな方が知恵を出して地域と道路というものを考えて、総合的にそこでひとつ意見を闘わせてみるとか、しかもその市長村だけではなくて他の市町村にわたってもそういうものをやらせてみるとか、そういうことをぜひひとつ考えていただければなという思いもいたします。
 と同時に、今大臣の方から筑波の話が出ましたけれども、私も選挙区は茨城県全部であります。茨城県全部の中で、残念ながら大臣の本当の地元のあたりは、全体の茨城県の中でも申しわけないんですが落ち込んでいると言わざるを得ない結果に今あると思うんですね。大臣自身が、自分のみずからの地元よりは多分日本全体のことやら茨城県全体のことを考えているからそういう結果になっているんだろうと思うんですが、逆にあの境町とか岩井だとか三和町だとか――ちょっと古河市に近い方は乱開発が進んでしまったけれども、まだ奥の方の大臣の地元や岩井の方はそういうふうにちょっとなっていないところがあるものですから、こういうときにこそ、ああいう小さな人口何万かの町がぽつぽつと地域に集積している、可住面積が広い、まだまだある程度の地域のバランスのとれた開発をしなければならない。
 しかも、幸いに圏央道があそこには近い将来入ってくる。常磐高速道路が東の方にはある。そういうエリアにひとつ十分な地域の市町村の議論を闘わせ、住民の意見なども聞いて、それを一つの実験プラン、実験モデルケースなどをつくってやっていくこともいいかなと思うんですけれども、これは大臣みずから答えがしにくいと思いますので、局長、その辺のお考えはちょっといかがなものでしようか。
#26
○政府委員(藤井治芳君) 実は既にそういう勉強を、何もその地域だけではなくて全国的に今モデルを探しながらやっております。
 それはどういうことかといいますと、高規格幹線道路のインターチェンジというのは、一番これは交通機関の拠点であると同時に町づくりの一種の拠点になるような気がいたします。したがって、単にインターチェンジをつくるだけではなくて、その地域づくりとインターチェンジとの関係を考えて今後の計画を立てなきゃいけないということで、私ども各地方建設局、それぞれにまた工事事務所という事務所がございます。そことその県の当局、関係者と御相談いたしまして、どういうふうなことを考えていったらいいかということで、例えば今先生が御指摘になられました外環、圏央道そして北関東自動車道、そして東関道、常磐道、東北道、こういったゾーンの中に、一例を挙げますとあそこに三百万ぐらいの人口が集積しております。これだけの集積のものが単に他の地域への通勤のためのゾーンとしてあってはおかしいじゃないか。
 そこで、何か大きな活動ができるゾーンとして生まれ変われないかどうかという勉強を、いろんな協議会あるいはそういうものを各関係者、関係者というのは県の企画部局、土木部局、都市部局といったような各専門家のグループ、あるいは商工会議所といったような経済界のいろんな意欲を持った人たち、あるいは私どものような道路に関していえば道路の関係者というものが一緒になって勉強する、私どもこういう会合をかねてからいろんなところでちょこちょこと勉強いたしておりました。
 それを今回のこの圏央道に関連した問題についてもやってみようではないかということで、今、関東地方建設局が中心になって茨城県と一緒になってひとつ日本のための実験という意味で勉強してみようじゃないかということを実は大臣にお願いしましたら、大臣から勉強するのはいいぞというお許しをいただいておりますので、勉強させていただきたいと思っております。
#27
○種田誠君 すばらしい計画でもありますから、私も地元茨城の発展のためという意味からも勉強をさらにしていきたいと思いますので、ぜひその計画についてはよろしくお願いをしたいと思います。
 先ほどちょっと道路の緑化のことについて伺ったんですけれども、これも私、前々からこの委員会でも提案して、また私自身が質問の中などにも引用さしてもらったんですが、いわゆる仙台と秋田を結ぶ仙秋街道、もうそろそろ開通するんじゃないかなと心待ちしておるんですが、まだ開通には至ってないようであります。あの仙秋街道をつくるときに、私、二年ほど前の委員会で、実にあそこの道路工事は、のり面に植栽をしたり、それから地域全体の景観とのバランスを考えたりさまざまな努力をしています。私は、まさに自然の中に、自然を包摂しながら、さらにまた自然を回復しながら道路をつくっている一つのすばらしい道路計画だなということで委員会で取り上げさせていただいたわけです。
 この道路の緑化という問題なんですが、日本の場合、まだこの緑化が何か調査によると六%ぐらいだということは極めてこれは残念であります。先ほど申し上げたように、ハンブルク、岡部先生と一緒にゆっくり歩きましたけれども、ハンブルクの町などは森の中に道路が走っているようなものなんですね、あえて言ってしまえば。そういう道路行政というのは、日本ではまだまだ底が浅いですから難しいかと思うんですけれども、こういうことに関する今後の考え方というのはいかがなものでしょうか。
#28
○政府委員(藤井治芳君) 我が国の道路の緑化の現状を申しますと、この平成四年度末で国道で一二%、都道府県道で六%、平均すると八%という状況でございます。
 やはり緑化というのは、町の中の緑化その他における緑化、道路の中での緑化と道路の外側での緑化と、いろいろと緑化がございます。道路の外側の緑化といたしましては、例えば前を吹きつけして、のり面を切って吹きつけしたものをもう一回もとに戻すということを高速道路、例えば東名などでは今どんどん自然林に戻しております。こういったような再緑化といいましょうか、こういう形の緑化もあります。それから、町の中ではCO2とかヒートアイランド現象の緩和といったようなものも期待してやる、こういう緑化もございます。
 私ども、これはこの第十一次五計でも極めて重視しておりまして、せめて平成九年度末、この五カ年末では国道で一五%ぐらいに、都道府県道で八%ぐらい。それから、長期構想を持っておりまして、そういう長期構想でもせめて国道で四割、都道府県道で三割ぐらいは必要なところを緑化していきたいということで考えております。
#29
○種田誠君 私自分でも運転いたしますので、常磐道をよく日曜日などは時間があれば子供などを乗せて走ったりするんですけれども、いいですね。中央分離帯に、もうちょっと早いときだったらカンツバキが咲く、サザンカが咲く、ピラカンサが実る。また、分離帯にそれぞれ季節季節の花が植えてある。
 さらに、のり面の植栽にも、意外と植栽のところにコンクリートの枠の中から松の木なんかがにょこにょこにょこと出ていると、走っていても楽しくなってくるんですね。と同時に、目も休まるんですね。人間の心が穏やかになればやっぱり暴走も少しは減ると思うんです。
 そういう交通安全の意味、目の保養という意味からも、小さなことですけれども、今局長が述べたようなこの道路の緑化というのは、ちょっと日本の場合余りにもおくれ過ぎていますから、これをちょっと急いていただきたいな、こう思うわけであります。
 ただ、そう言いましても、私が初めから今まで言ったことを考えますと、一番大事なのは財源だと思うんですよ。
 今回も七十六兆円を通してもらうかもらわないかというようなことでいろいろまた議論しておりますけれども、こういうことをやっていったら大変な予算がかかると思うんですね。四百三十兆円なんということで、これから公共投資といってもこれを全部道路に使えるわけじゃありませんから、一体道路としてどのぐらいかかるか。
 聞くところによると、日本の今の道路行政を進める中で、今日のですよ、今日の欧米並みの水準の道路をつくるとなれば何か二百兆円ぐらいかかるという数字もちょっと聞いておるんですけれども、これは大変なお金ですよね。これを、しかも、高齢化社会の到来すると言われている二〇一○年、二〇二〇年より前にやっておこうと思うと余り与えられた時間もない。日本には余りお金もない。一人一人は持っているかもわからぬけれども、国の財政を見ると借金ばかりですから、百八十二兆円も国債を持っている。財投の方の金が資金運用部とか郵貯の方から来ていますから、それでもって救われているところがありますけれども、建設省はこの道路行政を展開していく中に、あと十五年、二十年の間に今日の欧米並みの水準に持っていくのに一体幾らぐらいのお金を考えて、その財源を私はもう少し郵貯の問題などいわゆる財投のことをもう少し考えていったらいいんしゃないかなと思うんです。
 それから、先ほど言ったように、道路がハードの場面ばかりじゃなくてソフトの場面に関しての需要が物すごく高まってくるわけですね。そうすると、これは今議論になっておる新社会資本との関係なんかにおいても新たな施策をうんと研究していかなきゃいけないと思うんですが、局長、その辺のところどのような認識のもとに今展開されておるでしょうか。
#30
○政府委員(藤井治芳君) まず、これから十数年、二十年弱の間に、道路だけではなくてあらゆる意味の社会資本の整備をしなきゃいけない。こうなりますと、道路だけに財源は回ってまいりません。
 そこで、私ども道路を考える際に効率的なネットワーク、それはどういうことかというと、ソフトな手法を最大限に入れて、言ってみれば物流対策、例えばトラックがまんべんなくふえていくんじゃなくて、効率的に使っていただくような施策を入れることによって、トラックが仮に倍ふえるところが五割ぐらいで済めば少なくともこの五割分の道路投資はしなくていいわけです。そういったようなもの。これは人流でも同じです。そういう意味ではソフトの手法とハードな手法を駆使して、そしてうまい使い方をする、これがまず大事だと思うんですよ。
 そして、仮につくる場合もやはり有料道路制度というものも、非常にいろんな制度の内容の見直し等々はしなければなりませんけれども、それが入れられるところは有料制度でもって世代間において御負担いただきながらつくっていかざるを得ないと思っております。さらに細かいことを申しますれば、大都市におけるような用地費の非常に高いところについては、従来のようなただ単純な用地買収方式といったような方式じゃなくて、もっと別の形の整備の手法、例えば立体道路制度といったような他の制度も考えながらやっていくということで、手法についていろんな工夫をしながらやっていかなきゃいけない。
 そうしたとしても、これからの道路を欧米並みにいたすとすれば四百兆に余りする予算が必要であるというふうに今言われております。これはあくまでもマクロの推計でございますから、その四百兆というのは本当に四百兆なのか、うまくやればもっと減るものなのか、いろいろとありますけれども、そういうことでございますから、私どもそういういろんなことを考えながら、かつその中でなるべくうまく使うような、重点的にする、例えば渋滞対策とか拠点的、一番重要な重点をよく調べてそこに投資していくということも必要だろうと思っております。言ってみれば使い方、ここを極めてこれから重視していくということによって、まんべくなく、ただ必要だからといってつくっていくんではなくて、使い方に一層配慮しながらやっていく必要があろうかと思っております。
#31
○種田誠君 この施策を展開する上で、その課題が大きければ大きいほど財源の問題というのが重要視されてまいります。今日の財源構成なども、これは従前来ずっとやってきた財源構成で、財投の割合とか一般財源、特定財源のような割合も決まっておりますけれども、これも新しくまさに大きく道路行政が変革をしていくわけですから、そうであるならば当然財源も変わってくるだろう、財源の配分のあり方なども構成のあり方なども変ってくるだろう、こう思われます。ぜひ新しい施策を十二分に展開するに当たって必要な財源というものも、私どもも一緒に検討したいと思いますけれども、建設省においても御検討をお願いしたいと思います。
 と同時に、もう一つ、今まで議論してきたようないわゆる道路行政をこれからやろうとしますと、一つやはり私は道路構造令がネックになるんではないだろうかなと思うわけであります。今日の道路構造令、昭和四十五年に改正をされたままでございます。昭和四十五年といえば、もうかれこれ二十年以上前の話になるわけでありまして、そうなってきますと、当時の社会情勢また経済の情勢と今日は全く違ったと言ってもいいだろうとも思うわけであります。
 特に、人間性の回復とか環境との共生とかノーマライゼーションの時代を迎えて我々はどうすべきかとか、こういうふうなことが道路行政の中に真剣に検討されるということになりますと、この道路構造令の検討が私は急がれると思うんです。過般一月に大臣の方から諮問がなされたというふうに聞いておりますけれども、この場合、今建設省の方などにおいても考えていかなきゃならないだろうと思われるようなものについてどのようなものを考えておられるのか、そのことをちょっと伺わせていただきたいと思います。
#32
○政府委員(藤井治芳君) 道路審議会で今道路構造令を含めた、それを裏側において、まずその前に二十一世紀に向けてこれからつくるとすればどういう構造でつくるべきか、こういうまずベーシックな議論をしております。その結果、必要であれば構造令の改正も適宜したいと思っております。かつ、その答申もなるべく一気に最終的に出るまで待っているんじゃなくて適宜出していただいて、それをすぐ平成五年度の予算においてもうまく活用したい、かように思っております。
 その項目といたしましては、先ほど先生おっしゃいました、休日は込む、こういうようなこと、今までの道路計画は全部平日交通の平均で設計をいたしております。休日という概念は、これはぜいたくと、こういう発想でございました。それを今回は場所によって、そういう平日交通で設計しなきゃいけない場所もあります。しかし、休日交通で設計すべきところはそれでやる、こういうような問題意識も入れたいと思っております。
 歩道においても、今までは一・五メートルを最小幅と考えておりました。しかし、車いすの方々が非常に多く御利用なさるようなところは、少なくとも植樹帯等の幅を考慮すれば三メートルぐらい必要だ、こういうこともあります。これもまた、そういう意味で目的、状況に応じてその最小幅員というものの概念を変えなきゃいけないんじゃないか、こういうこともその一つだと思っております。
 それから、物流におきましても、今までの物流が我が国の国内だけで考えるんじゃなくて、国際物流との関係で我が国の車両の、車両制限令にまでいずれいくでしょうけれども、そういう一環の物流の中で見たときの道路構造がどうなっているか、直すべきところがあるんではないか、こういうこともあります。
 あるいは、車線数においても、これは委員長からも前に御指摘いただきましたけれども、二車線と二車線が入って、町の中で二車線じゃ込んじゃってしようがないじゃないか。四車線という基本概念は今まで交通量だけでしかありませんでした。しかし、都市内のように、都市空間としての四車線の概念と利用としての四車線の概念を、両方を最初から設計の段階で持ち込む必要がある場所もあってもいい。そういう意味で、そういうことからいえば、国道は例えば原則四車線以上にするとかいったような思想も入れてこれらの御議論もいただきたいと思っております。
 そのほかバス対策の問題あるいは駐車場の問題あるいは環境施設帯を含めた環境対策にかかわる構造の問題等々、幅広い御検討をいただいておりますので、私どももこの成果をいただいて、早速にでも生かしていきたいと思っております。
#33
○種田誠君 ぜひ今日の時代に即応した、そしてまた、先ほど来議論してまいりましたように、道路に求められる多くの利用者、生活をする者の方から見た道路、そういうものにも耐えられるような構造令の改正を検討していっていただきたい。私どももこれらの議論には積極的に参加をしてよりよい道路構造令の構築に励んでいきたいと思いますので、建設省においてもよろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますけれども、これはきょうの道路とは関係ないんですが、実は先週の土曜日から私の地元の水戸で第十回の都市緑化フェアが五月三十日までという期間で開かれることになりました。建設省の方の大きな協力をいただいたり、都市局長も過般見えていただいたわけでありますけれども、ぜひ建設委員会の皆さん方におかれましても御視察のほどをよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 最後に大臣から、今局長と私の議論などを踏まえまして、五カ年計画に対する決意などを述べていただければ幸いと思います。
#34
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま種田先生と政府委員との約一時間余りにわたる第十一次道路五カ年計画に対するいろいろな御意見を聞かせていただきました。
 その中で、環境と共生あるいは老人とか子供、こういった方々との道路行政の共生、そして財源問題、地域集積の問題、そして構造令に及ぶまで万般にわたります貴重な御意見を拝聴させていただきまして、私は全くとの意見に対しても同感でございますので、今度の第十一次道路整備五カ年計画におきまして、先生からいただきました貴重な御意見というものが五カ年計画の中に生かされるように具体的に取り組んでいきたい、このように考えております。
#35
○種田誠君 どうもありがとうございました。
#36
○会田長栄君 会田であります。どうぞよろしくお願い申します。
 まず、第十次道路整備五カ年計画、間もなくほぼ目的どおり終了するようでありますから、この間の皆さんの御努力にまず敬意を表したい、こう思います。そして、ゆとり社会というものを実現するために、道路整備というものを的確そして計画的に推進しなければいけないということで、本委員会に道路整備第十一次計画というものが提起されているということでございます。五カ年間で七十六兆円を投資するということでありますから、これは大変な事業だと、こう受け取らざるを得ません。
 そこで私は、今日この建設委員会が最も国民から注目されている委員会の一つだと、こう思いまして、毎日のように報道されたりしております金丸前自民党副総裁衆議院議員の裏金づくり、脱税事件、こういった問題というのは今回限りでこの問題に終止符を打たないと、これは日本の政党政治というのは崩壊につながるのではないかという危機感が人一倍強い。そういう意味で、どうしてもこの問題について若干大臣から所見を伺っておきたい、こう思っているところでございます。
 それは、御承知のとおりロッキード、これも国民の期待するように決着はついていない。リクルートも同様、そして共和事件も同様、そして佐川急便事件、これまた国民の怒りを大きく買って、これは政党政治が大きく不信を生み出した要因に現在なっている。その上に今度の問題であります。
 そういう意味では、毎日の報道は建設大臣もお読みになっていると、こう思いますが、とりわけ三月二十七日午後九時からNHKのスペシャル番組といたしまして、金丸氏並びにファミリーの裏金づくり、脱税の問題について詳細にわたって背景そして実態等が長時間にわたって報道されました。恐らく大臣は御多忙でありましようから、このスペシャル番組は見てないと思うんですけ札とも、しかし建設省の皆さんにとっては注目して見ていたことと思います。その意味では、この番組を見てどのような一体所見をお持ちか、ひとつまずお聞かせ願いたいと思います。
#37
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生御指摘をいただきましたそのNHKの番組、実は私まだ見ておりません。御指摘をいただきましたので、ビデオでもありましたらば後で見てみたいなと、このように思っております。
 今日、建設業に対するいろいろの御批判をいただいていることにつきましては、一連の捜査によってもいまだ建設業者のかかわりについては、事実関係については解明されるに至っていない段階でありますが、建設業界において疑惑を招いていることは極めて遺憾であり、業界がその役割、社会的な重要性にかんがみて、国民から批判を受けることのないよう企業行動の適正化、企業モラルの確立を一層図っていかなければならない、このように考えております。
 そして、公共事業は国民の税によって実施されるものでありますので、その執行は厳正に行っていかなければならないことは当然でございます。会計法令等に基づき適正に執行していかなければなりませんが、平成四年十一月に中建審において指名競争入札の競争性、透明性について答申をいただいたところでございますので、その中で具体的にできるものから指示を出し、御指摘をいただいたような問題が今後再発しないような環境づくりに建設省としても取り組まなければならない、このように考えております。
#38
○会田長栄君 私は見ました。家内に、あなたも政治家の一人、今建設委員会に所属していると聞く、あなたまで疑われている時代ですよと。いやそんなこと全然わからぬ、しかし国民というのは恐ろしいものだよと聞かされました。もちろん大臣は御多忙でありますから見ていないと思いますから、どうぞ機会があったら見てほしいと御要望を申し上げておきます。
 この金丸前自民党副総裁、そしてファミリーの錬金術、裏金づくり、脱税、これについて現実にこの人たちに、携わった人たちの声を含めて放映された。だから、受け取る国民の方はこれはまともに一〇〇%そうだなと受け取ります。これは政治家として風上に置けないと私も思います、これは同僚議員のためにもこんなことは絶対にやめさせなきゃいけない、私もそう思いますから。
 とりわけ山梨県の建設業界ルート、生コン業界ルート、これが大々的に実態報告されたわけであります。とりわけこの中で山梨国民体育大会というのがあった。この体育大会を成功させるために五百億円の金を投じた施設づくりが行われた。これでも当然金丸さんは業界を通じてやった、こういう報告です。
 もう一つ建設省にとって見逃すことができないのは、山梨県に四つのダムをつくった。このダムをつくったことについても同様なんです。そして生コン業界の人たちが、たまたまファミリー業者があっせん業者に入るときのいきさつまで丁寧に放映されました。そのために、生コンが一リッター当たり三倍にも値上がりしたということも放映されたわけであります。特にその最後に、建設省の人事も支配してきたということの実態が放映されたわけであります。
 だからそういう意味で、私はこれは単なる金丸氏の問題だけではない、今まさに公共事業といえば景気浮揚策で、臨時国会でも目玉になりました。今回の平成五年度の予算でもこれは大がかりであります。その上に自民党の三塚政調会長が云々しているとおり、早急に景気浮揚策を公共事業を中心として改めて補正をするというところまで言っていますから、その点ではこれは中央、地方を問わず、公共事業といえば必ず政治家がその中に参画をして上前をはねているという誤解が出れば、これは日本の政治というのは終わりにつながる、こういう危機感を持って私は見ていたんです。だから、そういうことが堂々と放映されて、国民の一人一人の頭の中に入っていくということは決してこれは二度とあってならないことだ、こう思います。
 これは建設委員並びに建設大臣、この責務というのはまことに大きいものと、こう思いますから、その意味では何回か建設大臣の決意などを聞いて、今後はなくなるであろう、こういう予想をしていますけれども、いかんせん政治資金規正法、通称ざる法と言われているそのざる法の上前をいく手法でありますから、これは政治家と官界と財界が癒着しているという国民の指摘も間違ってはいないと私自身も受け取らざるを得ない状況にあります。
 そういう意味では、先ほど大臣の所見をいただきましたが、公共事業といえば間違いなく政治家が介入して裏金づくりにまで発展していくんだというようなことは、今回の国会を通して二度とないようにぜひ対策を立ててほしい、こう思いますので、改めてもう一度建設大臣の御所見を承っておきたいと思います。
#39
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生の御意見を一つの参考意見とさせていただきたいと思っております。
#40
○会田長栄君 それでは次に、建設業界の談合問題について公正取引委員会にお尋ねいたします。
 公正取引委員会が建設業界の談合事件として取り上げた最初の事件というのはどういう課題でしたか。
#41
○説明員(田中信介君) 御説用いたします。
 昭和五十六年に静岡県下の建設業協会関係の建設談合事件でございました。これが最初の立ち入り検査をして、翌年の昭和五十七年の八月に勧告が出ております。
#42
○会田長栄君 十二年前ですね。その後、公取委員会といたしましては、この建設業界だけではありません、あらゆる業界の中で談合事件として摘発した件数というのは今日まで幾つありますか。
#43
○説明員(上杉秋則君) 御説明いたします。
 入札談合行為につきましては、競争制限行為を禁止する独占禁止法に抵触するものとして、従来から積極的に摘発に努めてきたところでございます。例えば建設業、これは電気工事等を含む広義の意味でございますけれども、そういう建設業に係る入札談合事件ということで、昭和五十二年に課徴金制度が導入された以降の件数で見ますと二十四件の法的措置をとっておりまして、これまで延べ五百二十一名の事業者に対しまして総額三十三億八百八十万円の課徴金の納付を命じているところでございます。
 また、いわゆるゼネコンが属する一般土木建築工事業というところで見ますと、法的措置をとったものは、先ほど説明いたしました静岡県の三件を含め五件でございまして、延べ二百二十四名の事業者に対しまして総額十五億八千三百九十四万円の課徴金の納付を命じているところでございます。
#44
○会田長栄君 十二年前に静岡建設業協会が初めて公取委に摘発されている。そのときの静岡県並びに静岡市の建設業界の御意見というのは、これは事業を進めていく場合にやむを得ない必要悪なんだと、こういうことが大きく取り上げられておりました。必要悪なんだと。
 そこで、次にお聞きしたいのは、公正取引委員会は昭和五十四年八月に「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」をお出しになりましたね。どうですか。
#45
○説明員(田中信介君) 御指摘のように、昭和五十四年八月に作成されました事業者団体ガイドラインの中におきましては、受注予定者が入札価格を決定するいわゆる入札談合につきましても独禁法上違反になるということで明確に指針で示したものを出しております。
#46
○会田長栄君 忘れないでくださいよ。静岡県の建設業協会が公取委から摘発された問題について、これは必要悪なんだと言って弁明していることを。この時期が初めてなんですよ。
 そして、同じく五十九年二月二十一日に独禁法の違反行為にならない指針を公取委は今度は丁寧に出しましたね。こういうことをやっている限りは独禁法違反にならないんですよという三項目を詳細にわたってやりましたね。その結果、建設業協会で言い古されている言葉というのはどういう言葉だか知っていますか。
#47
○説明員(田中信介君) 詳細には承知しておりませんが、御説明をしたいと思います。
 昭和五十四年八月に一般的な事業者団体ガイドラインが示された後、昭和五十九年二月に、今御説明のありました建設業ガイドラインを私どもは出しております。この中では、建設業関係の独禁法違反行為の防止を図るとともに、こういった関係者の適正な活動に役立つことを期しまして経営指導、情報交換等につきまして説明をしたガイドラインを出しておりますが、あくまでこれは一般的な事業者団体ガイドラインの関係で許容されている問題について説明をしているということでございまして、例外を認めたものではないということでございます。
#48
○会田長栄君 これは先ほど簡潔に私が申し上げました。社会の必要悪なんだ、建設業界の必要悪なんだというのは、その当時の一般的な言いならわしでした。この公取委が、独占禁止法に違反しない事例というのはこういうことですといって三項目を御丁寧に発出したときには、これは情報交換は認めるということが公正取引委員会の指導ですと。したがって、このことを業者は悪用するんです。このことが今言われているんですね。これは国会の中でも議論されていることですよ。したがって、公正取引委員会としては、独占禁止法に照らして談合問題というのをなくしていくために打つ手打つ手を次々と悪用される状態ですね。悪用されちゃうんです。
 その点についてどういう所見をお持ちか、聞かせてください。違反事件にならないようにと監視しているのに、その指導要綱に基づいてまた裏をかく。
#49
○説明員(田中信介君) 事業者団体の行為として、情報交換が一般的にすべて独禁法上問題があるということとされているわけではございません。ただし、カルテルにつながるそういった情報交換については、競争制限的な行為として独禁法上の規制が及ぶということで、事業者団体ガイドラインにおいてもそういった方向でつくっておりますし、建設業ガイドラインにおいても、あくまで事業者団体ガイドラインのその行為について矛盾のない形で記載をしているということでございまして、情報交換を通じて入札談合ということにつながれば、それは独禁法上の規制が及ぶということで厳正に対処してきたところでございます。
#50
○会田長栄君 それでは、次にお聞きいたします。
 実は、こういうことを繰り返してきているところに公正取引委員会といたしましては、工事発注官庁は独禁法違反を防止するために公正取引委員会との連絡担当官を指名することになっている、これも決められていますね。何も建設業界だけ指していませんよ、ここは。これは全部完了していますか。関係する各省庁全部完了していますか。
#51
○説明員(田中信介君) 詳細については承知しておりませんが、完了していないのではないかというふうに推測しております。
#52
○会田長栄君 これは、公正取引委員会として不まじめじゃないですか。こういう談合を生み出さないために出てきた知恵てしょう。決定事項でしょう。それをみずから執行しないというのはどういうことです。責任放棄ですか。
#53
○説明員(田中信介君) やはり、事業者団体のガイドラインとか建設業ガイドラインについて正しい理解と普及を図るということは、発注官公庁に対しても同様でございまして、説明会等の機会を使って普及には努めておるところでございます。
#54
○会田長栄君 そういうことを聞いてないんだよ。至って端的なんだよ、私が聞いているのは。談合事件を摘発していって、何回か繰り返すうちに、公正取引委員会と各省庁との関係で、工事発注官庁との間に、独禁法違反を防止するために公取委員会と各省庁との間に連絡担当官を置くことを決定したでしょうというんです。決定してないんですか。
#55
○説明員(田中信介君) そこにつきましては、一次的には発注官公庁におきましてそういった関係者を選定するということが整えば、私どもとして十分に協力して普及徹底に努める用意があるということでございます。
#56
○会田長栄君 わからないんですよ。置くことを決定したでしょうというんだ。したならしたと言ってください。
#57
○説明員(田中信介君) しております。
#58
○会田長栄君 しているなら、なぜ実行しない。これは公正取引委員会として怠慢じゃないんですか。各省庁等から抵抗があってできないんですか。
#59
○説明員(田中信介君) いや、そういうことはございませんが、あくまでこの関係の機関というものは発注官公庁の側において責任を持ってまずは行動していただくということでございますので、私どもはこれに協力をさせていただくというふうに理解をしております。
#60
○会田長栄君 それじゃ、建設省のことを聞きますよ。これは、建設省は決まっているんですか、この連絡担当官というのは。
#61
○政府委員(伴襄君) 今おただしの連絡担当官でございますが、今公取委員会と具体の人選について相談しております。
 実は、これは決して置かないからサボっているということじゃなくて、もう我々の気持ちとしては、私以下全部が連絡担当官のつもりでこの事柄には当たっておるつもりでございます。ただ、具体的にだれにするかということについて若干ほかの省とのバランス等がございまして、おくれているところがございますけれども、気持ちとしては我々全員がもう組織を挙げて担当官になって対応しているつもりでございます。
#62
○会田長栄君 いや、全員が担当官として指名してやっているなら、それでいいんです。そう言えばいいんです。まさか、しかし全員でやっていますなんてだれも本気にする人いないです。そんなことは当たり前のことでしょう。しかし、せっかくこういうものを未然に防止するために決定されていることだったら、それを素直にやったらいいんじゃないですか。
 例えば、全員でやっているんだったら、その全員の中の主にこの人を窓口にして連絡調整しますというのは当たり前じゃないですか、そんなこと。こんなこと二回も三回も繰り返して質問しなきゃいかぬなんというのは、私は情けないと思う。大臣、どう思います、今のやりとり聞いていて。
#63
○政府委員(伴襄君) 今、担当官の指名というか選定は、それぞれの役所でやる話でございますので、私ども、公取から意向は十分聞いておりますし、ただ、具体の選定をどうするかということをちょっとほかの省とのバランスもあったりしてやっておりますので、至急、我々の責任でもって選定するようにいたします。
#64
○会田長栄君 これはお願いしますよ。それでなきゃ国会というところは、同じことを何回も言ったりやったりしていることではないですよ。そこは素直に、そういう確認してある、決定してあるなら、それに従ってやっぱり調整していくということが一番大事なことですよ。疑問持たれないことなんですよ。さらにひとつ頼んでおきます。
 今、建設省のことを申し上げましたよ。しかし、公共工事発注というのは何も建設省だけでありませんで、これは地方自治体にも及ぶんですよ。埼玉県の建設業界における談合事件などというのは、花火上がっただけで結論は国民は全然知らぬうちに終わっちゃったんですよ。こういう問題も出てくるんです。だから、公正取引委員会が各省庁との間でそういうことを決定しているなら、そういう係を置いて、担当官を置いて、二度と同じような疑問を持たれないようにぜひしてほしいということを要請しておきます。きょうは時間の関係がありますから他の省庁のことは聞きません。
 私はなぜ心配しているかというと、これは中央も同様だけれども、地方自治体の中でこういうことが何回か繰り返されているから言っているんです。これはもう金丸さんだけの体質じゃないんです、今。日本の政治の土壌がそういうふうになっているんです。
 だから、そういう意味でぜひその点はお願いをしておきます。後でぜひ報告してください。報告がなければまた同じことを聞かざるを得ませんから、同じことを聞きたくありませんから、どうぞその点よろしくお願いいたします。どうです。
#65
○説明員(田中信介君) 早急に相談をした上で対応したいと思っております。
#66
○会田長栄君 それでは建設省の関係は聞きません。しかし、次回どこかで他の省庁のことを聞くかもしれませんから準備しておいてください。
 建設大臣は、三月二十三日の参議院予算委員会で、東京地検の捜査を受けた問題で、大手ゼネコンに調査に入ったことはまことに遺憾だ、建設省としても大きな関心を持って注意深く見守るという認識を示し、特に公共事業費は国民の税金を使っていることを考えると公共事業の執行には厳正に当たらないといけない、こういうようにおっしゃいました。まさしくそのとおりだと思いまして同感であります。
 そこでお尋ねいたしますが、もう一つ談合問題と並んで指名入札制度というものが今この問題などを生み出している土壌ではないのかという指摘も意外と多い。そこで、大臣は指名入札制度の改善や多様な入札制度の導入などを早急に実施できるよう指示していると述べられました。
 そこで、重ねてお伺いいたします。一つは、政治家が公共工事で上前をとれるようなやっぱり制度というのは是正しなきゃいかぬと私も思いますし、遅きに失した感もある。そういうことで、指名入札制度にかかわって今大臣のお持ちの所見をお聞きしたい、こう思います。
#67
○政府委員(望月薫雄君) 今、先生御質問の中でも申されましたように、先般大臣から指名入札制度というか、その契約制度についての見直しの指示を事務当局にいただいております。お話のように、公共工事というのは国民の税金によって賄われるものであるということからすると、この契約のあり方というのは大変に重要であると我々もかねてから非常に気にしておるところでございます。
 基本的には工事の信頼性、それから入札におきます競争性、こういったものをいかに確保して適切な契約をやっていくかということが最大の焦点になるわけでございますが、現在は先生も御案内のとおり、私どもいろいろの御議論をいただく中でやはり一般競争入札制度というのは踏み切れないということで、指名競争入札方式を原則としてとらせていただいております。その際に大事なことは、この指名業者をいかに公正に選定するか、いかに公正に契約を行うかということにすべてかかっておると思います。
 そういった観点から、私どもの役所におきましては、業者の選定に当たりましては選定基準を設けておりまして、ここで明確にやらせていただいているつもりでございますけれども、具体的には業者の経営状況だとか工事の成績あるいは地理的条件、技術力、こういったものを総合的に見させていただいて、おおむね十社くらいを指名して競争していただく、こういうことでございます。しかも、その業者を選ぶに当たりましては、発注者は地方建設局であったりあるいは工事事務所であるわけでございますけれども、いずれにおきましても工事請負業者指名運営委員会というものを合議制をもって運営しているということで、公正な指名の確保に細心の注意を払っているつもりでございます。さらに加えて、この入札の結果、これにつきましてはどのような業者を指名したかということも含めましてすべて公表するということをやらせていただいております。
 制度としてはそういうことで、私どもは、くどいけれども細心の注意を払って公正な契約事務というものに当たらせていただいているつもりでございまして、そういった中でしばしば言われますが、政治家の介入等々のことがあり得ないものということで我々は確信をしているところでございます。厳正、公正な入札事務の執行に当たって、いささかもゆがめられることのないようにということを私ども事務に携わる者の基本精神として取り組まさせていただいているところでございます。
 そういった中ではございますけれども、先ほど来出ていますように幾つかの疑念等も報道されたり、まことに悔しい思いをしている今日でございます。そういった中で、大臣からも透明性あるいは競争性もさらに高めるという観点からの指示をいただいて、今一生懸命そのとおり運営をさせていただいているという状況でございます。
#68
○会田長栄君 公共工事の入札制度というのは現法規上は一般競争入札が原則でしょう。しかし、実態はどうかということになればそれは皆さんの御指導もあってこれは指名入札あるいは随意契約でやるという形になっていますね。指名入札というのは国、地方含めまして約八〇%、随意契約が二〇%ぐらいでしよう。ここにやっぱり土壌があるんです。だから、大臣が指示したように入札制度というものの問題点というのを早急に整理して、国民の前にこういうことが二度と起きないように私は歯どめをかけていく必要があるというところで御質問を申し上げているんです。その点はぜひよろしくお願いしておきます。
 なぜ私はこういう心配をしているかというと、これは今国の問題にいろいろなっている、しかし地方公共団体も同様なんですよ。この点は地方公共団体の首長選になったら物すごいです。なぜこれほど建設業協会の人たちが選挙が好きなのかというほど、得意技ですよ。いいんですよ、好きなのは、別に。しかし、ここに問題が出てくるんではないかということで、実は今度は別な首長が選ばれてしまったので、ここ二、三年は事業は来ない、大体干される、こういうこと空言い古されている。だから、それは協会にとったら死活問題だから当然本気になるんだと私も思いますよ。しかし、その根源というのはきちっと建設省自身が大臣の指示に沿って一刻も早く改善しなければいけない、私はこういう意見を持っておりますから、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に移りますが、平成四年十月十三日付で都市防災に関する調査結果に基づく勧告として震災対策を中心としたものが出されています。今、建設省は道路整備に五年間で七十六兆円を投資する、大変な予算を投資して国民の要請にこたえようとしています。しかし、一方で私の頭の中をかすめるのは、もしも関東大震災を上回るような地震が出てきたら一体どうなるのか、この心配は頭から離れません。これは皆さんも同様だと思いますから、これに関連をしてお聞きいたします。
 この勧告の中で、幾つかありますけれども、とりわけ東京を中心とした南関東の地震問題についてどのような意見表明、報告がされているか聞かせてください。
#69
○政府委員(黒川弘君) 南関東地域の直下型地震の逼迫性につきましては昭和六十二年の中央防災会議の専門委員会の報告で指摘されまして、その際、緊急対応として実際上出てきた場合にどうするかというような緊急要領は六十二年十二月に各省庁と相談いたしまして中央防災会議で決定し、各省庁それから都道府県に通達して、実施しております。
 そういう中で、そういった逼迫性があって実際上地震が起こる際に震度六以上になる区域はどのような区域がというのを引き続いて中央防災会議の専門委員会で検討しておりました。その結果が昨年の八月に報告として出たわけでございます。それによりまして南関東地域の直下型地震が起こる場合についての危険性のある区域が明示されたわけでございます。
 南関東地域につきましては、報告書が全体として指摘されておりますように、マグニチュードが八のようないわゆる関東大震災の再来のようなものは、ここ百年から百五十年間起きないけれども、それまでの間にマグニチュード七ぐらいの直下型の地震が数回起こる可能性があるという指摘でございます。しかし、その場合、具体的にマグニチュード七でございますと、地域としては一回起こる区域は三十キロぐらいの範囲ということで狭いわけでございますけれども、起こった地域そのものにつきましては震度六というようなことで非常に大きな地震でございますので、それぞれ対応を強化する必要がございます。
 そういったことで、政府の中央防災会議といたしましても、昨年の八月に「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」というものを決定いたしました。事前対策として地震に強い町づくり、あるいは緊急対応の体制の整備、それから地震予知のさらに一層の推進等を決めたものでございます。これは、従来から「大都市震災対策推進要綱」に基づきまして昭和四十年代からいろいろ進めてはきていたものでございますけれども、さらにそれを一層強化しようということで昨年決めまして、各省庁、各都道府県が一体となって取り組みをしているところでございまして、そういったことで南関東地域の直下型地震に対しまする事前対策、それから緊急時の対応について強化を図っているところでございます。
#70
○会田長栄君 それじゃ二番目にお尋ねしますが、もちろん平成四年八月二十一日、今おっしゃったとおり、中央防災会議が「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」を発表しています。これは余り国民の中にはそんなに心配していません。これは皆さんの努力を大変評価しているから心配していない。
 だけれども、改めて私は国土庁だけでなくて建設省にもお伺いしますが、一体この東京、神奈川、千葉、埼玉含めまして、これは人口の集積から資産の集積、経済、文化、情報、これは東京一極集中ということで言われているとおりです。これは可燃性の物質もあれば大変危険なものまで集積されている。そして直下型地震が関東大震災を上回るようなものが出てくるという予測をしているわけであります。
 そこで、具体的にお尋ねしますが、一体東京とかこの都会にある地下街とか、高層建築物とか高架橋とか、あるいは高架道路というのはそういうものに耐えるんですか。率直に耐えるようにつくってあるというならつくってあると、そうするとより安心するから聞かせてください。
#71
○政府委員(三井康壽君) まず、高層建築物につきまして私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 通常、高層建築物というのは六階建て以上とか二十メーター以上のものを指すわけでございます。こういった高層建築物を建てる際には、これは一般的にそれより低い建築物についてもそうなんでございますけれども、安全な構造であるように建築基準法で確認をすることになっています。特にRCの、鉄筋コンクリート造は、構造計算をきちっとしていただきまして、その構造計算に基づいて確認をさせていただきますが、例えて言いますと、今御指摘の関東大震災クラス、震度六というふうな地震が起きました際にも、主要な構造部の柱とかはりとか、そういうのが倒壊はしない、そういうふうな建物の構造で建てていただく、そうしなければ建築確認はおろさない、こういうふうにしているところでございます。
 なお、震度五程度の中規模地震、これにつきましては、柱や壁は全然曲がりもしない、損傷もしない、こういった計算のもとに建築させていただくことになっておりますので、私どもといたしましては、関東大震災クラスの地震が参りましても十分に構造上は耐え得る建築物が建っているというふうに考えているところでございます。
 なお、現在までに何回かの地震の経験におきまして、基準法の規制の強化も図っているわけでございますけれども、この一月十五日に釧路沖の地震が起きまして、震度六でございました。関東大震災よりやや小さいのかなと思いますけれども、震度六といいますと、関東大震災並みでございまして、この際に釧路市は、相当大都会の東京とは違いまして建物の密度はそう多くはないわけでございますけれども、高層建築物で被害が大きく出たという報告はございませんでした。
 そういった意味では、それが直ちに参考になるかどうかは一概に言えない部分もありますけれども、現在までやってまいりました基準法の行政が、建築物につきましてはかなり安全性が高く建てられていると見ていいんではないかというふうに思っているところでございます。
#72
○政府委員(藤井治芳君) それでは、高架橋あるいは一般の橋等々についての震度、どういうふうになっているかということをお答え申し上げます。
 今住宅局長からもお話ありましたが、我が国の道路橋は関東大震災等の地震の経験を生かしながら現在の耐震設計の技術基準は定めております。その結果、この設計は地震に対する道路交通の安全性の確保を目的といたしまして、比較的生じる可能性の高い中規模程度の地震に対しては構造物としての橋の健全度が損なわれず、またマグニチュード八クラスの極めてまれな大地震に対しても落橋などが生じないように耐震性の配慮をいたしております。
 具体的には、一般的な設計としては、震度五、特に大規模な橋梁や地震時の挙動が複雑な橋梁、こういうものには地震の加速度応答スペクトルといいまして、非常に難しい電算機を使ってやるものですが、そういうことで動的な解析まで行いまして、安全性を確保しております。
 かつ現在ある橋、これにつきましては、ロサンゼルス地震が実は四十六年にございました。これから以後地震のための震災点検をずっとやってきております。平成三年に五回目の点検をやっております。その間に何で何回もやるかといえば、最初はもうさびて本当に危なそうなものをやりましたけれども、徐々にその点検内容、そういう要領も見直しまして、精度をよりレベルアップしてやってきておりまして、現在二万カ所ほどの対策を平成三年度に必要だということを言っておりますけれども、これもこの五カ年期間中には概成しようということで、この二万カ所のうちの約一万八千カ所が橋でございます。これもこの十一次五計内には概成したいと思っております。
#73
○会田長栄君 もう一度言いますけれども、中央防災会議がいわゆる東京を中心とした南関東地域で直下型の地震が何回か繰り返されるということを指摘しているものですからお尋ねしているんです。これは余りこういうことは国民の皆さんに事細かに報道することがどうかと思うけれども、この点では皆さんは大変な金を投じて建設しているけれども、非常に心配なので、ここはお聞きしたかったところであります。
 気象庁に一つだけ簡潔にお聞きしますが、釧路沖地震というのは大きな災害をこうむりました。その教訓は何ですか。
#74
○説明員(森俊雄君) 釧路沖地震におきましては、いち早く津波予報を行いまして、これは七分後に津波予報を行いました。この点につきましては、かなりよい対応がとれたというふうに考えでございます。ただし、多少震度計の問題が、広尾の震度計がデータがおくれたとかそういう問題がございますので、技術的な検討をこれから加えたいというふうに考えでございます。
#75
○会田長栄君 日本は地震列島です。いっどこで起きるかわからぬ。釧路、これは気象観測所の夜間勤務体制というのは一つの警鐘を鳴らされたんじゃありませんか、そのことが教訓の一つではありませんかと聞きたかったんです。それはどうです。
#76
○説明員(森俊雄君) 地震が発生した場合に一番大事なことは、まず地震のマグニチュード、緯度、経度、それから深さを推定して津波が発生するかどうかというようなことを予測することでございます。その点につきましては日本全国に展開されております気象庁の地震観測網によりまして適切に把握されているというふうに考えでございます。
#77
○会田長栄君 気象庁は、気象観測その他地震観測を含めましてハイテク機器を導入すれば実際は対応できると思っているところに甘いところがあるんですね。だから、今気象庁の気象観測所というのはほとんど無人化の流れになっているでしよう。もう一つ、その流れは夜間勤務一人体制という流れになっているでしよう。そういうことで私は中央防災会議が提起しているような問題に対応できると思わないから気象庁に来てもらってお尋ねしているんですよ。これはちょっと中央防災会議の報告なり問題提起から言えば逆を行っているんじゃありませんかと言いたいんです。その点とう考えますか。
#78
○説明員(森俊雄君) 地震観測のために必要なデータにつきましてはテレメーターされておりますので、夜間閉鎖とは特段の関係はございません。
#79
○会田長栄君 中央防災会議やあるいは専門機関会議が問題の報告を出したり大綱を決めたり、いろいろ提起していますね、特に地震問題については。そういうことを考えますと、気象観測体制というのはハイテク機器だけに頼る流れというものにひとつここで一歩どまって、夜間勤務もあり得るという体制をもう一度考え直す時期に来ているんじゃありませんかということなんです。
#80
○説明員(森俊雄君) 先ほども申し上げましたけれども、地震観測につきましては各地から地震のデータを管区気象台なり本庁なりにテレメーターしておりまして、それを総合的な計算によりまして地震の震源地、マグニチュードなどを計算するようになってございます。ですから、地震そのものにつきましては夜間閉鎖の問題につきまして支障があるというふうには考えてございません。
#81
○会田長栄君 いや、道路局長から国土庁、気象庁を含めましてこの地震対策問題について自信のある答弁を聞いて大変安心いたしました。しかし、一たん直下型地震などというものが発生したら、これはちょっとやそっとで、日本の経済なり政治なりあらゆる面の集積されている地域でありますから、これは大変な問題が出てくる。とりわけ人災、人間の死傷者というものは、これはこれだけのものでありますから私は莫大なものにいくだろう、こう見ているんです。しかし、自信ある答弁を聞いたので安心しました。なかなかこれは国土庁を含め地震対策の予算なんというのは微々たるものですからね、見ていると。その点も含めまして決意のほどを聞いたし、自信ある答弁も聞いたから私も安心いたしますが、ぜひおさおさ怠りないように努力してほしい、こう思いますから、その点よろしくお願いしておきます。
 それでは、最後の質問になります。
 おかげさまで福島空港は三月二十日開港になりました。ありがとうございました。空港開港と同時にアクセス道路もできました。御指導御鞭撻、改めて御礼申し上げます。これは初めてであります。しかし、関東の皆さんにとってはこれは成田空港、羽田空港から最も至近距離の空港でありますから、恐らく将来を含めまして私は重要になってくるんではないか、こう見ています。
 そこで、運輸省に端的にお尋ねいたしますが、この空港が開港になってもJRというのは交通網を整備、拡充しようという考え方は持っているのか持たないのか、その点率直に聞かせてください。
#82
○説明員(石川裕己君) 福島空港の近辺を走っておりますのはJRの水郡線でございます。水郡線につきましては昨年三月に水戸−常陸大子間におきましてスピードアップを一部図ったところでございます。それで、空港に近い常陸大子以北にっきましても、新型車両の導入でありますとか一部地上施設の改良等によりまして、本年秋ごろでございますけれども、常陸大子−郡山間にっきまして二十分程度短縮する計画を持っておりまして、現在鋭意準備を進めているところでございます。
#83
○会田長栄君 この水郡線が走っているところは私のところなんです。だからよくわかるんです。これは建設大臣もいるからだけれども、水戸から大子まではまことに都会並みになってまいりました。ところが大子から郡山までの間は、今課長がおっしゃったようなそういうにこにこしたような状況ではございませんよ。それで私はお尋ねしたんです。列車も新しくなったと言うけれども、日本国じゅう走っているうちで最も古い列車ではないんですか。
#84
○説明員(石川裕己君) 御指摘のとおり古い車両でございますけれども、今市し上げましたとおり、ことしの秋から新しい気動車を入れましてスピードアップを図っていきたいというふうに考えております。
#85
○会田長栄君 それから、実はこの空港の最も近い駅は無人化です。これは大子以北というのは駅員のいるところというのは二つの駅しかない。あとは全部無人駅なんです。ところが、二つしかない駅の社員を今度半分にした、三月十八日付で。六人体制から三人体制にした。二つしかないんだよ。無人化十七駅になりました。水戸−大子間というのは総計にして百七十四人のJRの社員が勤務している。ところが大子以北、福島空港のあるところを含めてだよ、何と有人駅数は二つ、無人駅数は十七、JRの社員数は十三人、こういう状況です、御承知だと思いますが。
 しかし、せっかく空陸一体ということだから、空港というのは。それは建設省の御努力を願ってアクセス道路ができつつあるわけです。しかし、せっかく公共交通のJRが走っているのに一つもその展望が出てこないというのは、私はこれはちょっとおかしいんではないかと思うからお尋ねしている。本来であれば、よし、では泉郷駅というところに空港ができたんだなと、それでは泉郷駅を有人化させてみるか、よその在来線のように列車を新しくしてやるか、こういうことがあって当たり前なんだと思うんだけれども、その点は今後努力するということなんですな。
#86
○説明員(石川裕己君) 駅員の数につきましてはいろいろと問題あると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、今年の秋までの間に新型車両を六両増加いたしまして、今市し上げましたようにスピードアップを図ってまいりたいというふうに考えております。
#87
○会田長栄君 この問題について、これで最後です。
 水戸から大子までは一時間で行くようになった、これは大したものですよ。大子から郡山までは二時間かかる、御承知のとおりです。それはカーブもあり、いろいろ理由はある。あるけれども、やっぱりJRを利用させるというんであればJR自身もスピードアップをして、せめて空港できたんなら一日二本とかライナーでも通してやるかぐらいの展望を示したらいいんじゃないですかということを言いたいんです。対応が遅い。そう思うからお尋ねしているんですね。どうぞその点よろしくお願いします。
 今度は、御努力を願った建設省にお聞きするわけですが、この空港近辺のアクセス道路、半分はできました。しかし、何といってもこれは茨城から空港に行く百十八号線、それからもう一本常磐湯本から古殿、石川通って空港に行く地方道の問題、そして空港から白河に行く問題というのが残されております。この点ひとつ今後どういう考え方をお持ちか、お尋ねいたします。
#88
○政府委員(藤井治芳君) 先生、福島空港、これは一番近いところが国道四号あるいは東北自動車道、そして反対側に常磐自動車道と国道六号、これを結ぶ道路としては主要地方道のいわき−石川線、こういうのがございます。特に空港に近接しては一般県道の古殿−須賀川線というのがございます。御承知のように、この古殿−須賀川線は平成四年度末に一応使わしていただけるようになるかと思います。さらに、常磐道の方からずっと来ますといろいろなネックがございます。一番最大のネックは御斉所峠の峠越えでございまして、これは元年度から改良事業を進めております。四年度には御斉所トンネル約七百メーターの整備も着手させていただきました。それから、湯本ICからいわき市内へのアクセスを強化するために、常磐工区において現在四車線のバイパス、これは約七キロでございますが、これも進めさしていただいております。それから、古殿町におきまして老朽橋の落合橋、これのかけかえをやらしていただいておりますし、上遠野地区においては狭隘箇所の拡幅もやらしていただいております。
 いずれにいたしましても、今手がけておるものは少なくともこれ十一次五計内の最重点区間として完成いたします。その上でさらにこの全線にわたってまた地元の市町村、県と御相談しながら必要な箇所について次の手当てを逐次やっていく、このように考えております。
#89
○会田長栄君 時間が来ましたので、大臣初め皆さんの御健闘をお祈りして、質問を終わります。
#90
○委員長(梶原敬義君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時十五分開会
#91
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西野康雄君が委員を辞任され、その補欠として櫻井規順君が選任されました。
#92
○委員長(梶原敬義君) 休憩前に引き続き、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#93
○青木薪次君 私は、道路整備五カ年計画、十一次五計の問題について、特に今日の状況というものは、交通手段が明治以降鉄道優先政策が推進され、これによって陸上交通の主役は鉄道が務めることになっておったのでありますが、その後、国内の輸送の推移と現状の中において旅客も貨物も生鮮食料品や日用品等生活必需品がほとんど自動車で輸送されることになった。しかも、東名、名神両道路の占める率は国内の輸送力の四〇%、私は東海道に住んでいるのでありまするけれども、もう既に第二東名が飽和状態であります。
 この中で、今回の十一次道路五カ年計画の問題については私も重くこの問題を受けとめております。そして、私は今党の建設部会長をやっておりまするけれども、そういう意味で衆参一体となって今日のこの十一次五計の問題について対応をいたしてまいったわけであります。
 しかし、人口の増加が鈍ってまいりまして、東京への集中は継続するものの今後沈静化していくのではないかというように考えておりますので、今現在人口一億二千百五万人、それから紀元二〇〇〇年が一億三千百二十万人ということになりますと、東京圏の人口シェアは二五・〇%から二五・二%になっていくであろう。人口の集積が高まるというような中で、やはり今後の道路及び自動車交通の現状と展望から考えてまいりまするならば、道路整備の現状というものから考えてまいりまして、どこの都市からも一時間以内に高速道路に乗ることができる、これがキャッチフレーズでありますが、このことは大変結構なことだと私は思っているところであります。
 そこで、平成五年度から始まる第十一次道路整備五カ年計画については総額七十六兆円、第十次の計画の五十三兆円に比べまして四三%増という投資規模で実施されることになったわけでありますが、その事業費の国費と地方費それから財段別の内訳はどういうように見込んでいるか、御答弁をいただきたいと思います。
#94
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 第十一次五カ年計画、七十六兆円の内訳といたしましては、国費を十九兆四千億、地方費三十七兆八千億、財政投融資資金等十七兆四千億、シェアとしては国費二六%、地方費五一%、財政投融資二三%を見込んでおります。
#95
○青木薪次君 第十一次五カ年計画の総額七十六兆円については建設省の概算要求がほぼ満額認められた形となっておりますけれども、一方、その財源に関しては、建設省の税制改正要求では揮発油税の一リットル当たり五円、軽油引取税十円の引き上げを要望していたのに対して、結果的には軽油が七円八十銭の増税ということに決着をいたしました。この結果といたしまして、五カ年間の特定財源全体の税収見込み額はどれくらいになったのか。また、増税要求が認められなかった分については当然一般財源を充当することになると思うのだけれども、この点はどういうように考えておりますか。
#96
○政府委員(藤井治芳君) 軽油引取税の税率を今回一リットル七円八十銭引き上げるということでお願いしております。この結果、地方費では一兆六千億円の増収が見込まれます。また、その際揮発油税を一リットル当たり三円引き上げまして、地方道路税を一リットル当たり三円引き下げるというガソリン税の中での調整をさせていただいておりまして、その結果国費は七千億円の増収という形になっております。こういう形で全体を調整いたしますと、結果、国費としては七千億円の増、地方費は九千億円の増と、こういう結果に相なります。
 その際、私どもの特定財源との関係でございますが、特定財源、国費として十九兆四千億円ということではございますけれども、地方費の特定財源と合わせますと結果といたしまして二十九兆三千億円が特定財源という形に相なります。その結果、これは大体全体の三九%、一般財源は国費、地方費合わせまして二十七兆九千億円、三七%、財投等が十七兆四千億円、二三%、このような形に相なることになります。ただし、これは平成五年十二月一日に実施されるという前提での数字でございますので、四月一日現在ではこのようには相ならぬわけでございます。
#97
○青木薪次君 五年前の十次五計の発足の際には、建設省は国費の特定財源比率八割が目標と言っておったのでありますが、実際は九割ぐらいになっているようであります。一般財源の投入が目標どおりに行われなかったことが一般道路事業の達成率が九五%という結果にあらわれてきているのではないだろうかというように考えます。十一次五計における一般財源の確保についての決意を、これは大臣にお願いしたいと思います。
#98
○国務大臣(中村喜四郎君) 第十次が国費につきましては一一%、第十一次が国費につきましては」九%、地方費につきましては十次が六四%、十一次が六四%でございます。そして国費と地方費合わせますと、第十次が四六%、第十一次が四九%であります。
#99
○青木薪次君 毎年八%ずつふやしていくと五年目に七十六兆円になる、こういう解釈でいいですか。
#100
○政府委員(藤井治芳君) そのように考えております。ただし、これは一般道路事業、いわゆる国費による直轄事業及び補助事業、それと地方単独事業そして有料道路事業合わせた結果としてそのように相なります。
#101
○青木薪次君 私もそういうように理解いたしております。
 十一次五計における一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業の事業費のバランス問題でありますが、平成四年度からの各年度の平均伸び率が各事業いずれも八%になるように配慮されているというのは今道路局長の説明でありますが、七十六兆円の構成割合を見ると、一般が三八%、第十次と比べて七ポイント減少、それから地方単独は三三%として、逆に七ポイント増加いたしているのであります。また、事業費の伸びを見ましても、一般は十次と比べて二一%増に対して、地方単独は八一%も増加しているのであります。明らかに一般道路事業の比重が減っていると思わざるを得ないのでありますが、建設省としては道路整備における国の役割、責任をどう考えていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
#102
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のように、確かに例えば相当前、第六次、昭和四十五年から始まるころには一般道路事業のシェアが五〇%でございました。それがこういう形で全体のシェアとしては減っておりますけれども、絶対値としてはかなりの増額をさせていただいております。その中で、やはり公共事業というのは道路だけではございませんで、下水その他たくさんございます。そういう社会資本整備をそれぞれやりながら、その中で道路事業をさらに拡大するとなりますと、道路事業にだけ国費をいただくというわけにいきませんし、それと特定財源というもう一つの大きな制約もございますので、その中で私ども事業の工夫をしてまいりました。しかも、有料道、路事業をその中で伸ばしてきたということでございます。
 さらに、地方単独事業につきましても、これが地方単独ということではございますけれども、平成四年から始めました地方特定道路事業におきまして国の事業と地方の単独事業を一緒にやる、こういうような工夫も最近ではいたしてまいりました。こういうことから全体を通じておくれを取り戻す、こういうことと、厳しい中で特定財源という利用者に直接御負担をいただく、税収によって道路事業を賄わなければならないということで、先ほどのように一一%から一九%、精いっぱい一般財源はふやさしていただいたわけでございますが、やはりこれも限界がある。こういう中での事業でございますので、結果として一般道路事業のシェアは減った形にはなっておりますが、事業の執行という全体の中での問題としては、これに対して適切に対処したいと思っております。
 なお、このような地方単独事業が大幅にふえたというもう一つの背景といたしましては、十次五カ年計画、この達成率が一二五%であったということは、十次五カ年計画の計画額そのものにもやはり一つの大きな問題があったとも思っております。その当時の一生懸命な地方の御努力によって十次の達成率がふえた、こういうこともあろうかと思います。計画額、そういうこともありまして、十一次の五計では地方単独事業を大幅にふやしたという形にはなりますけれども、まんべんなくバランスのとれた形で道路事業を進めるということで、一・〇八、八%のそれぞれの伸びを確保する形でこのような形になったわけでございます。
#103
○青木薪次君 私は、国と地方のバランスの関係で質問いたしたいと思いますが、今回の税制改正による増収額は国、地方ともほぼ同額となるように調整がされているようであります。しかし、地方の単独事業を大幅にふやした以上、特に特定財源の国、地方間の配分も見直すべきではなかったのではないだろうか。地方単独事業の増加に伴って地方の負担が増加すると思われるのだけれども、どのような措置がなされるのか、お伺いいたしたいと思います。
#104
○政府委員(藤井治芳君) 今回、先ほど御報告いたしましたように、国費で七千億の増、地方費で九千億の増収を見込まさしていただいております。その中で、地方単独事業、確かに十次の達成率が一・二五倍、こういうことが出ております。それを十次の五カ年の中で、財源を含めて確保している、こういう実績もございます。
 そういうことを考え合わせまして、私ども八%の伸びという形の中で所要の地方費の確保は十分可能である、こういうふうな判断をいたしておりまして、このような事業構成と財源構成をセットさせていただいたわけでございます。
#105
○青木薪次君 次に、軽油引取税の引き上げに伴う運送業界への影響についてちょっとお伺いしたいと存じます。
 先般来、私のところヘドラックの運送業者の皆さんが陳情に参りまして、そしていろいろと、今三千億の収入があるけれども、そのうち七・八円上げられると一千億持っていかれてしまう、何とかしてくれという相当強力な陳情を受けました。
 軽油とガソリンとの税率格差を縮小いたしまして負担の公平化を図り、大気汚染の元凶と見られるディーゼル車の増加を抑制することといった観点から、今回の軽油に対する増税はうなずける点があります。
 問題は、増税に伴う運送コストの上昇であります。トラック運送業界では景気低迷の影響で輸送量が低下する中で、増税分の運賃への転嫁が困難な状況にある。赤字会社の増加は確実との危機感を深めているようであります。
 さらに、高速道路料金について利用者間の負担の公平という観点から、トラックに有利と言われている別納割引制度、現行は最大三〇%割引でありまするけれども、この縮小はどうなんだろうかというようなことも言われております。
 車種間の料金一律の暫定措置について、この解消の検討が行われているようでありまするけれども、こうしたような動きに対して、特に荷主との間で相対的に弱い立場にある中小のトラック業者に関しては、何らかの配慮が必要だという声も実は大きくあるわけであります。
 運輸省はこの点についてどのような措置をしておりますか。
#106
○説明員(洞駿君) お答えいたします。
 トラック事業は、軽油引取税につきましては、平成二年度で約三千億円納税をしております。今回の引き上げによる負担増は、先生おっしゃいましたとおり、約一千億円ぐらいが見込まれまして、増税後の納税額は約四千億円ぐらいになるだろうと見込まれております。
 現在、トラック事業の総コストに占める軽油燃料費の割合はほぼ八%でございます。他方、この増税による軽油価格の上昇は一四%程度と見込まれておりますので、増税による総コストの上昇は大体一%程度と見込まれているわけでございます。
 このコスト増につきましては、大変厳しい経営環境の中にございますが、今後荷主等の理解と協力を得ながら、適切かつ円滑な運賃転嫁をお願いしていかなければならないと考えております。このためには、まずトラック事業者、トラック業界みずからが荷主等への協力要請や広報活動、業界団体構成員への転嫁等についての指導を行っていくことになると思われますけれども、運輸省といたしましても、このような業界団体が講ずる転嫁のための施策が適切に行われますよう指導することとしております。
#107
○青木薪次君 環境対策と軽油増税分の還元という観点から、トラック事業については、輸送効率の改善、低公害車導入等に関する助成という形で、運輸事業振興助成交付金の増額を図るべきだと思うが、この助成金は今全体で幾らで、こういう増額を図る気持ちがあるかどうか。その点について運輸省の見解を聞きたいと思います。
#108
○説明員(洞駿君) 運輸事業振興助成交付金は、軽油を使っておりますトラック業界、バス業界合わせまして、大体おおむね百八十億円毎年出ております。この運輸事業振興助成交付金につきましては、今後軽油引取税の暫定税率の延長に伴いまして、この交付金につきましても五年間の延長が認められることになっております。
 具体的に、この額がどうなるかにつきましては、今後自治省の方と話し合いを進めることになっておりまして、その際具体的な額につきましても調整を図ることとしておりますが、今回の状況を考えまして、増額も含めて自治省の方といろいろ話をしていきたいと思っております。
#109
○青木薪次君 そこで、私は立場を変えて、先ほど同僚委員からも質問があったと思うのでありますが、金丸問題です。
 先ほど私は留守にいたしましたけれども、党の建設関係の責任者といたしまして、小粥公正取引委員長と会って話し合いをいたしてまいりました。小粥委員長も、この問題の重大性について、いろんな話し合いについては重く受けとめます、こういう話でありました。いわゆるカルテル行為の禁止、すなわち公共事業に関する価格カルテル等を、いわゆる談合というような形でもって違反といたしておりますのについて、かつて昭和五十九年にガイドラインを出しました。このことが守られていないし、理解されていないというのが公取委員長の見解でありました。
 談合と言われた問題等について、いわゆるシェアとかその他について、あるいはまた価格について規制をするというのか、そういった問題等についてこれはいろいろ難しい問題もあります。しかし、例えば私的独占及び不当な取引制限に関する第三条、個人の事業者、会社も含みますけれども、それと八条の二、すなわち業界とか事業者団体等のカルテルに関する行為等について、今回の例えば山梨県における問題、あるいはまた大手十八社と言われるような関係等に対する問題等について、これが違反だというような端緒については大変難しい問題があるというようなことも言っておりました。
 しかし、このことについては冒頭申し上げましたガイドライン、昭和五十九年に出したこの通達等について、正しく理解をされるような方向を極めて強く望んでいると、そういうことを話しておりましたけれども、何としても事の次第というものを重大に受けとめて対応いたしてまいりたいと、こういうように、私どもは社会党の書記長も行ったわけでありまするけれども、そういうようなことで対応をされたわけであります。
 経済局長に聞きたいと思いまするのは、こういうような点についてはどういうように理解され、どういうように対応いたしていこうとされているのか、現状の認識をちょっとお伺いしたいと思います。
#110
○政府委員(伴襄君) 土曜日に起訴されたわけで、起訴状等を読みましたが、その段階では、特に建設業者とのかかわりについては起訴状には何も触れられておりません。したがいまして、その辺がまだ明確でないわけでございます。
 したがいまして、独占禁止法との関係はどうなるかというようなことも全く見当がつかない状況でございますが、一般的には、今御指摘のとおり、建設業の場合にはその特殊性というようなことも勘案していただいたと思いますが、ガイドラインができております。先ほど会田委員からも御質問、あるいは公取等にお話がございましたけれども、このガイドラインというのは、建設業が特に単品受注生産だ、製造業みたいな大量生産するものと違って単品受注生産だと。その実態がほとんど中小企業で、競争が激しいし、採算性を度外視して安価で受注競争をやるといったようなこともある。それから、そもそも公共工事につきましては指名制度とか予定価格制度というのがございまして、そこのそういった中での競争入札だというようなことを勘案しまして、この建設業特有のガイドラインというのができているわけでございます。
 問題は、このガイドラインでも、こういう場合は情報交換等しても独禁法に当たらないと、こうなってはいるんですけれども、大前提がございまして、一定のルールを定める等により受注予定者あるいは入札価格を決定したりするような行為を除いて、要するに一定のルールを決めであらかじめ受注予定者を決めるとか価格を決めるというのはこれは独禁法違反ですよと、そういうことをやってはいけませんということが大前提になって、こういう場合は事業者団体としては許されます、こういう仕掛けになっておりますが、どうもその辺が誤解されまして、その部分をぶっ飛ばして、情報交換の方だけ誤解されて運用されて、大丈夫じゃないかといったようなことが運用の実態としてあるというふうに仄聞するわけでありますので、問題はこの指針を、そういう大前提であるということを正確に理解するということが大事だと思います。
 したがって、我々いろんな機会でもってこれを遵守するように、特に、ガイドラインはこういう前提のガイドラインだよということを一生懸命PRしながら未然防止につなげようとしておりますけれども、この点の理解を深めるという意味でも去年、おととしぐらいから、建設業者団体とかあるいは都道府県知事に対しましても、この指針はこういうことですよということを、公取等の理解、特に公取からも講師等に来ていただきましてPRしておるところでございます。去年一年間にわたりまして大変な人数の、一万五千人ぐらいの人を相手に講習会をやりました。特に、ガイドラインなんかもきちっと説明いたしました。さらに去年の十月には、財団法人の建設業適正取引推進機構というのを設立いたしまして、ここで正しい独禁法の理解をしてもらうというふうなことで、ここには公取からも講師を派遣していただいて全国的に講習会を開こうと、もうこれは実行に移しております。
 そんなことをやっておりまして、とにかく誤解のもとにこのガイドラインが運用されないようにということに特に重きを置きながら、公取委員長の御心配もそんなところにあるんだろうと思いますので、その周知徹底に一生懸命努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#111
○青木薪次君 入札関係には一般競争入札と指名競争入札とある。私は静岡の出身ですが、静岡で談合事件というのが起こりました。いろいろと問題が発生したわけでありますが、その後埼玉の談合事件、そういう問題が起きました。
 私は、いろんなことについて実態も理解をしているわけでありまするけれども、ただ今回の場合においては、どこかの後援会が勝手に話をして、そして本家本元は天の声でもってこれはだれだれで幾らでやれなんというようなことが特定の第三者から命令が出て、またそのことがどんどん実行されていくということになったら、これは法の秩序も何も、ガイドラインもあったもんじゃないんですよ。そのことについて、端緒がないからこれはもうとにかく立件できないなんということだけでやっていくと、これはやっぱり五億円で二十万円の罰金事件と同じように国民から総反撃を受けるということになろうと思います。
 ですから、いわゆる実態というものは、伴局長、前回の委嘱審査のときにいろいろ話をしました。黙って聞いておったわけでありまするけれども、やっぱり入札制度等の問題やその他のことについてなかなか難しい問題あることを篤と承知しながら、私は国民の理解、国民のこの問題に対する正しい見方というようなことが正確に実行されていかないということになったら、このことはまた大変な事態に発展するであろう。公共事業も我々国民の血税です。そのことについて私は最後に伴局長に、ひとつ事態の重大性にかんがみて、この問題については慎重に検討しながら対処するということを二言最後に言ってもらいたい。
#112
○政府委員(伴襄君) 今回の事件につきましては、まだよくわからないところあるいは不分明なところがたくさんございますけれども、少なくともこれだけいろんな議論を呼んでおる問題でございます。特に、今御指摘のとおり公共事業は国民の税によって実施されているというものでございますので、この執行は厳正でなければいかぬということでございます。
 したがって、今までもやってきたつもりでありますけれども、今後ともそういう厳正な執行ということに特に行政側としては心がける必要があると思いますし、またそのために制度の運用あるいは改善をやるべきところはやっていくというふうなことでございまして、この点につきましては既に中建審から答申が出ております。それも早く実施に移すように大臣から命令も受けておりますので、そういったできるところから早目に実行するというようなことでもって対応させていただきたいというふうに考えております。
#113
○青木薪次君 そのことについてはひとつ慎重に、重大に対応していただきたいと思います。
 その次に、道路局長にアクセス道路の整備についてお伺いいたします。
 高速道路の整備は、計画の一万一千五百二十キロのうち五千キロ以上、四年度未の見込みは五千四百四キロメートルが完成しているけれども、これに比べて高速道路と地方道を結ぶ一般国道の整備がおくれているのではないだろうか。四車線以上で改良済みの一般国道は五千二百五十キロメートルとなっているけれども、これは非常に少ない。高速道路の整備延長より少ないものとなっているのでありまして、来年度からの追加指定分も含めた全延長に対して一〇%の進捗率であります。一万四千キロの高規格幹線道路構想では、全国の各市町村から一時間以内でインターチェンジに到達できることになっているのだけれども、高速道路整備の進捗とあわせてアクセス道路の整備を進めなければ、一般道路の段階で渋滞が発生いたしまして、一時間以内なんという目標が到底達成されないということになろうと思うのであります。
 高速道路の需要促進の観点からいっても、そのアクセス道路の整備を一体的に行って、自動車専用化、連続立体化、全部橋でもって今工事されている形になっておりますけれども、準高規格化を図るように考えていかなきゃならぬじゃないか。そういう意味で、アクセス道路の整備について道路局長非常に熱心だと聞いておりますけれども、もう一度対応と決意を一言聞かしていただきたいと思います。
#114
○政府委員(藤井治芳君) 先生おっしゃるとおり、高速道路はインターチェンジで町や住まいとつながって意味があるわけで、高速道路自体に意味があるわけではありません。そういう意味で、アクセス道路がない高速道路というのはこれは基本的に意味のないものでございます。
 実は、そのようなことなんでございますが、先生御承知のように、高速道路の場合、どうしても路線は、従来は必ずしもそうじゃなかったんですけれども、最近は比較的山の手の方になります。そうすると、先生のおっしゃるアクセスというのはまさしく町の中、住まいのところ、商業地区の中心につながる、こういうことでございますから、どちらかというと地権者あるいは土地周辺の地域利用者との合意形成が非常に厳しいといいますか、御同意を得るまでに相当時間がかかる部分を構成しております。また単価も商うございます。
 そこで、私どもこれは第二東名で実験をした、これは一つの実験だと思っておりますが、監視区域を設定していただくときにそういうアクセス道路の部分も含めて幅広く監視区域を設定していただきました。その結果、その使い方のときにいろんな計画を、具体的には静岡県、愛知県等々でございますが、御一緒に比較的早目に議論を同じ場でのせることができております。ですから、そういう意味では第二東名の場合には比較的計画的にアクセス道路の整備もいくと思いますが、今まで整備してきた道路については必ずしもそういうような形でなされていないものもあろうかと思います。
 そこで、私どもこの十一次五計ではなるべくそういう意味の地域との連携をとった調整を前提にして、インターチェンジをつくる際にも、特に開発インターなんという新しくつけるインターなどはもう絶対アクセス道路を前提にしない限り成り立たないわけでございますから、そういう意味でこれらを一体的にやるような仕組みを定着させたいと思っております。実例を挙げますと、山陽自動車道の広島東ICでは安芸−府中、これは有料道路でございましたけれども、専用道路としてつくらしていただいておりますし、東北縦貫自動車道の仙台宮城ICでは仙台西道路とつながっております。それから、これはもう相当昔でございますが、そういう意図でやったかどうか必ずしもわかりませんけれども、富士インターで西富士有料道路ともつながっております。こういうので成功した実例を今後はもとにして、これを言ってみればお手本にしてやらせたいということで、そういう意味もあって広域道路整備基本計画というのを県等々で今つくっていただいて、その中でこのアクセス道路を明確にしてやらしていただくということで、先生のお考えを十分しんしゃくして今後の執行をさせていただきたいと思います。
#115
○青木薪次君 わかりました。
 それから、道路局長、私が持論のように言っておりますことは、国内のいわゆる一万四千キロの高規格幹線道路、そのほかに地方によってこれと全く同じような空白地帯がある。それは、例えば鳥取と京都の間、これらは計画にないんですね。それから、大分から愛媛県に海底トンネルをつくったというようなこと。これは瀬戸内海に三本橋がかかる、あるいはまた紀淡海峡にというようなことなんかを考えてまいりますと、北海道もそうでありまするけれども、こういう問題について一万四千キロ以外にどういうようなお考えを持っていらっしゃるかお伺いいたしたいと思います。
#116
○政府委員(藤井治芳君) 一万四千キロの計画、これを一層役に立つようにしなきゃならないと思っております。
 それで、先ほど種田先生の御質問のときに申し上げたわけですが、強い地方圏をつくらせていただきたい、そういうのに役立つような道路ネットワークをつくらせていただきたいと申しました。その気持ちは、実は今青木先生がおっしゃいましたような、そういう一万四千キロでカバーし切れてないけれども、本来一時間圏という意味ではカバーするかもしれぬけれども、時間短縮という意味ではそこがつながっていたら著しくその地域の総合的な利用計画、または他の圏域とのつながりからいって有利である、こういう地域があることは事実でございますので、こういうものを踏まえて、今、地域高規格道路という考え方は、言ってみれば全国の一万四千キロで足らざるところ、あるいはその都市圏、集積圏としてあれば非常に有効になるもの、あるいは空港、港湾といったようなものとのモーダルミックスから見て非常に有効なもの等々を踏まえて計画を立てている最中でございますので、先生の御指摘の地域などはまさしくそのような観点から検討すべき場所だというふうに認識をいたしております。
#117
○青木薪次君 私どももそのことについて、今局長の言われた点も非常に重要視し、積極的に支援いたしてまいりたい、こう考えております。
 首都高の道路公団の松原理事長、御苦労さんです。
 実は、首都高は、長大斜張橋や沈埋函トンネル等、いろんな工法を取り入れたのでありまするけれどもいこの沈埋函工法というのはどんな工法なんですか。
#118
○参考人(沼田昌一郎君) お答え申し上げます。
 沈埋トンネル工法と申しますのは、川底に、海底にトンネルを掘る場合に、あらかじめ別の場所でトンネルの本体を輪切りにしてつくっておきまして、それを海底もしくは水底に溝を掘ってそこに埋めてつなげる工法でございます。これにつきましては、首都高速道路では羽田の方からベイブリッジまでにつながる湾岸線において、多摩川の河口とそれから川崎航路の下で、およそそれぞれ一・六キロ、片方が一・二キロでございます。これについて、大きさについては非常に大きいものでございますが、往復六車線を入れられます幅四十メートル、高さが十メートル、長さが百三十メートル、この百三十メートルと申しますと、霞が関ビルが高さが百四十メートル程度でございますので御想像いただけると思いますが、それをドライドックでつくりまして、両端をふたをして中を中空にして浮かせまして、それぞれの箇所に持ち込んでそれで沈めていってつなげていく工法でございます。
#119
○青木薪次君 大変規模と構想が大きいということが想像できます。建設委員長ほか皆さんはこの間視察されて、私は用事があって視察できなくて非常に残念に思っております。またひとつ見に行きたいと思っております。
 首都圏は、地震予知の第一人者である力武常次氏によりますと、今後十年間に四〇%以上の確率で直下型地震が起きると予測されているのであります。沈埋函トンネルや斜張橋の耐震対策は万全なのかどうか。それからまた、首都高は建設後大分年数を経ていることから、大型の直下型地震に対して耐え得るのかどうか、私は非常に心配いたしております。とにかく、地震は起きてみなければわからないのでありますが、十分な対策を立てていかないといけないと思うのでありまするけれども、避難対策等についてどのような対策を持っていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
#120
○参考人(沼田昌一郎君) 首都高速道路は、ほかの道路と同様に、関東大震災級の大地震も耐え得るように、橋、高架の道路等の技術基準というのが建設省から出ておりますが、それに基づきまして安全な耐震構造をやっております。ベイブリッジなどの長大な橋について、さらに沈埋トンネル等につきましてもそのような対応をしてあると同時に、コンピューターによる実際の地震波を入れましてシミュレーション計算をしてその安全を確認しております。
 さらに、大分年数がたっておるのは大丈夫かという御質問でございますが、当初できたものはもちろん後から手を入れておりますが、現在二重三重の安全策を講じております。すなわち、橋脚とけたとの間で大きなずれが生じないような歯どめの装置をつける、それからけたが乗っております橋脚の上のところの幅を十分にとる、さらにけた相互を連結するというようなことを行いまして、万が一予想外の変異が生じた場合にもけたが落ちないように万全の安全策を講じており、自信を持っておるところでございます。
 また、利用者の緊急避難の場合に備えてのハードウエアでございますが、非常口を高架構造の場合には標準として一キロに一カ所、すなわちどちらかに逃げれば最大五百メーター以内、トンネル部では四百メートルに一カ所、海底トンネル等においては百メーター以下に一カ所の非常口を備えておるところでございます。
#121
○参考人(松原青美君) 先生最後に御指摘になりました避難問題でございます。
 今、沼田理事から御説明申し上げましたように、施設としては相当耐震性への自信を持っておりまして、崩壊するようなことはないと思いますが、避難が必要になる事態が想定されることは御指摘のとおりでございます。幾らいろいろな施設をつくりましても、これが有効に利用されなければ避難対策の実は上がらないわけでございまして、私ども有効に利用していただくための対策というものが極めて重要であろうと思っております。
 したがいまして、私どもが出版いたしてお客様にお配りしております地図とか広報誌等には大地震が起こった場合のドライバーの行動のあり方ということについてのものを必ず載せるようにいたしてございますし、特別なそのためのパンフレット等をつくりまして防災の日等に配布する、そういうことをいたしてございます。
 また、非常にきめ細かい対策でございますが、非常口からおりていただくケースが出てまいります。そのおりられたところでどちらの方向に避難していいかというのは、一般的なドライバーの方はおりられたところの地理不案内というのが一般だろうと思います。そういうことから、おりましたところから適切な避難地への案内板というものの整備を今進めておりまして、来年度中には全部これは完了する予定でございます。
 また、避難訓練といたしまして、職員の避難訓練、防災訓練というものは常に行っているわけでございますが、特に一般に使われる方の避難訓練ということで、ベイブリッジ等を利用いたしまして防災の日の行事等で一般の方から御参加を願って避難訓練をやっていただき周知に努めるとともに、その方々から避難施設についての御意見を伺うということもいたしてございます。今後ともこの活用については十分心得てまいりたいと思っております。
#122
○青木薪次君 私は遺憾ながら地震県の静岡県に住んでおりまして、伊豆大島の噴火が発生し、地震の微動が一時間に数十回となく起こる。そうすると、くしゃみをしたように必ず伊豆東海岸の伊東とかこちら方面が揺れたりする。いわゆるマグマがつながっていると思うのでありますが、そうすると今度は富士山の火山性の地震が起きる。これはもう直下型です。地震にもいわゆる雲仙・普賢岳のような火砕流を伴う地震とか、ピナツボ山もそうでありまするけれども、そういうものと左右動、これはある程度予知ができますね。しかし、関東南部、首都圏における直下型は予知ができません。いつどういうところでどういうことが発生するか。この間の北海道釧路沖の地震はマグニチュード七で震度六でしょう。このことは関東大震災にほぼ匹敵するような地震だと思うのであります。
 そういうことから考えてまいりますと、このごとき地震が首都圏に発生すると、私は今の交通量、交通施設、いわゆる地上から三重も四重も橋がかかって道路ができているというような中における、あるいはまたビルのラッシュとかその他のことを考えると、今の沈埋函のトンネルということだけではなくて、まだ一極集中是正がなかなか思うようにいかないという中において想像を絶するような私は大騒ぎが起きるんじゃないだろうか。そのことを今日ある意味では政府その他東京都を含めまして、危機管理というような意味で地震対策ということがこの付近の地方の皆さんを結集いたしまして、そして対応が進められていると思うのでありますが、その中に首都高速道路公団の占める位置というものは私は一番皆さんが御苦労なさっていると思うのであります。
 したがって、そういう点からこれは要望でありますけれども、今の話を聞いて非常に私もある意味では安心をいたしましたけれども、東京都の上を走ってまいりましてもし直下型地震が来たら一体どうなるんだろうということを頭に浮かべながら、私が地震県の出身であるがために余計、東海道、駿河湾一帯等における空白地帯を持っているところに住んでいる者といたしまして、やはり地震対策をさらに一層充実強化をしていただきたいということを要望いたしまして、私の首都高に対する質問を終わります。
 余り時間はございませんけれども、道路局長、この東名、名神高速道路は東名阪の三大都市圏を結ぶ日本最大の動脈でありまして、先ほど私が申し上げましたように、貨物輸送はここを利用した人が四割もあるという大変な状態で、渋滞状況もこれは深刻であります。とにかくインターチェンジをおりようとして一時間もかかるというようなことは想像もしなかった事態でありますが、高速安定性の機能も果たせなくなっているところに問題があると思うのであります。このようなことが第二東名・名神高速道路を整備していくことに対する現実の大きな根拠だと思うのでありますが、この第二東名・名神あるいはまた中部横断自動車道というようなものについていつ道路公団に着工命令を下すことになるのか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
#123
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のように、現在の東名全線約九五%が混雑度一以上になっております。東名、名神全体足しましても八五%ということで、私どもこの第二東名はいわゆる我が国の今後の社会経済のためにも、あるいは地域における混乱を解消するためにも最優先すべき路線だということで可能な限りの調査を進めまして、整備計画も今現在出ている区間がかなりあるわけでございます。
 現在、整備計画が出ていない区間は、例えば静岡から神奈川に至る間でございますが、ここは都市計画決定をすべく今準備をやっている、こういうようなことで全線にわたって何らかの今準備をやっております。
 その際に、現在東名の中で整備計画が出ている区間、これが約三百三キロございます。現在何をやっているかということでございますが、私どもの項目といたしましては、第二東名のまず構造の詳細検討。言ってみれば全体の六割が橋またはトンネルでございます。現在の東名は二割でございますので、それの約三倍の六割が橋またはトンネルでございます。しかも、六車線で急峻な山を通りますから、大ざっぱな調査でも重要ではございましたけれども、今度は実際に工事をやるというレベルになりますとかなり精度のいい調査といいますか、詰めをしなければなりません。トンネルの断面でも通常の二車線トンネルの二・五倍ということでございます。それから橋にしても、橋高が四十メートルの非常に高い橋が六十橋もあります。現在の東名は一つしか橋がありませんが、六十の橋が高さ四十メーター以上の橋脚を立てなきゃいけません。
 それから発生土に対しましても、全残土量が六千二百万立米というような、現東名、名神の二十倍の発生土が出てまいります等々、こういったものをどこに捨てるか、またそれに使う土砂はどこからとれば環境対策上あるいは自然保護上いいかといったような、もう極めて工事に直結した調査を今やらせていただいております。
 さらには用地の調査についても、用地の鑑定評価や補償物件の算出等、いわゆる価格決定に至る準備のための調査もやらせていただいております。そういうことで、沿線が長いものですから、なかなかその相互の比較ということもあって若干時間が長くなっているのは事実でございます。
 しかし、それと同時に中部横断自動車道、これも清水のところでは第一東名と第二東名と結びます。この間はどうしても一緒につくらないと、やはりアクセスであり両方の代替の機能を発揮させる重要な区間でございますので、同時に決定をさせていただきたい、かようにも思っております。
 そういう意味で、そういうことを全部やりますと、もう一つ先ほど先生から御指摘があったアクセスの問題。このアクセスのことは実際に地元説明会をやりますと、アクセスはどうするんだ、どことどこをどう結んで何メーターでどういうふうになるんだ、こういう説明が求められます。そのときに、いやこれは高速道路だけでそれはまた別ですよと、こういう説明では工事の納得をいただけません。したがって、そういう調査もあわせてやっておかなければいけないというようなことで、非常に現場に即したといいますか、現地に即した調査をしていただいておりますが、これはもうそういう意味でございますので、終わり次第私どもなるべく早くやりたいと思っております。
 しかし、こういう第二東名・名神、膨大な事業費を要しますし、全国で今整備計画を出さなきゃいけない、整備計画から施行命令を出さなきゃいけない区間も相当の量並びますので、これを今の採算性確保の中でどのようにしたら出せるのか。ただ単純に料金値上げというふうにするならば簡単でございますが、そういうわけにはまいらないと思います。採算性確保をするための国費の投入、いろんな手法を考えながら、その中でじゃ料金というものはどういうふうな形でこの問題に対して考えるのかということもあわせて同時に考えた上で施行命令を出さなきゃいけない、こういう非常に難しい問題にも直面しております。したがって、渋滞ということが非常に目の前にあるということを承知しておりますので、これらを整え次第なるべく早く出すように努力させていただきたいと思います。
#124
○青木薪次君 今の進行状態から見てまいりますと、道路局長、ことしの年末とか来年の年度末とか、そういうような理解をしても差し支えないようにやっていらっしゃるかどうか、その点いかがですか。
#125
○政府委員(藤井治芳君) 非常につらい御質問でございます。可能であればそのような形でお答えをしたいんですけれども、また気持ちとしては新しい平成五年度の中でもそのような状態に持ち込みたいという気持ちは持っております。ただ、その準備の状況との絡みがございますので、確答は避けさせていただきたいと思います。
#126
○青木薪次君 あわせて、こういう国土幹線自動車道といったような超一流の高速道路の分離帯を利用いたしまして、その上にまた高架橋をつくって、高架橋というよりか高架をつくってその上に無人のトラックを走らせる、これがいわゆるNOx対策になるとか、そういったようなことも検討されているということを聞いているわけであります。
 これは全くすばらしい計画だと思うのでありますが、同じように地下空間を利用いたしまして都市内の新物流システムについても、人は上それから物は地下だというようなこととか、このことを現実的な問題として考えるべき時期に来ているし、またそうならないと環境対策等も進められない。油をリッター当たり七円八十銭貨物から取ったからといってそれがなかなかやまるものじゃありませんから、こういうような問題にやはり立ち向かっていかなきゃならぬ時代だと思うのでありますが、この点とう考えていらっしゃいますか。
#127
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のとおりだと思っております。
 これからいろいろと物流のニーズも高度化、多様化いたします。需要もいろんな意味で変わってまいりますから、その中で積載効率が結果的に下がってきております。労働市場、運転手さんの確保も問題になっております。そういう中でコストも下げなきゃいけません。そして、大型の物流が高速道路を走りますと一般の人流である乗用車は非常に危険を感じながら走らなきゃいけないという状態も現実の問題としてはございます。一方、そういうことが交通混雑だけではなくて、騒音、大気汚染、そして安全、事故、こういった問題も起きております。
 そういうことから、都市間に関してもっとうまくこういった問題を解決する方式はないだろうかということで、かねて平成二年から新物流システム研究委員会というものを設置させていただきまして、大学の先生、いろんな方面の先生方にたくさんお集まりいただきまして、私どもはお手伝いするという形で御勉強いただいております。
 その中の一つの発想が、物を乗りかえるという仕組みではなくて、ドア・ツー・ドアのシステムの有利性は使いながら、そして町の中でもこういうシステムの中でも共存し得る方式として、デュアルモード・トラック・システムといったようなものはいかがかということを前提に議論が進められております。私ども、これらがうまくいけば土木研究所において、これらの技術開発のための模型走行実験もこの五カ年の中で実験線の建設などを含めて取り組んでみたいと思っております。
 もう一つ、都市内においては非常に土地が商うございますから用地を買って新しい道路をつくるということは限界がある場合もあります。そういうことから、いろいろとこの物流、特に廃棄物といったような問題を地下空間を使ってうまくすることによってせめて路上空間は今の一般の人たちに提供できる、そういうすみかえの仕組みというものができないだろうかということで、これも平成二年度から始まっているこの委員会において御研究いただいております。
 いずれにいたしましても、これらを我々は次の世代の環境対策という意味も含めて重要な課題だと認識をいたしております。
#128
○青木薪次君 最後に要望だけ、これは答弁要りませんが、昔、田中角榮さんが日本を鉄とコンクリートで固めてしまう列島改造論というのを出しました。これもある意味では非常に魅力のある私は提言だったと思います。
 今日はどうか。今日は、道路はすべての開発の父である一あるいはまた教育、福祉、産業、観光、すべての問題の源泉であるという立場に立って、大臣聞いていてもらいたいんですが、私どもの東名高速道路、百円払う中で八十円は九州だとか北海道とか東北とか、皆さんよく聞いていてください、そっちにみんな分けているんですよ。我々はよく知っている。しかし、そういう中で国土の均衡ある発展ということを考えて、そうしてやっぱり日本人でなきゃ考えられない、ロシアや中近東へ行ったってこんな議論は生まれてこないというように考えます。
 今、道路局長の言った新物流システムといったような問題も莫大な投資がかかるわけでありますから、そういう問題等について、これからの社会というものはどういうように、自分が生きとし生きてきた、またどういうように我々政治も国民に寄与できるかということを中心としてこれからやっていかなきゃいけない。その場合における道路の役割というものは極めて重大であるというように私は考えますので、その点については積極果敢に、中村大臣ひとつ決意を持って取り組んでいただきたい。答弁は要りません。
 このことを要望して、私の質問を終わります。
#129
○中川嘉美君 まず、第十一次五計についてでありますが、これは先日大臣所信の質疑の折りに既に道路整備についての基本的な事項に関しては伺ったわけであります。
 今回の法案に係る十一次道路五計については、昨年我が党が政策提言した人に優しい道づくりという内容が盛り込まれておりまして、この点は私どもとしても評価したいところであります。言ってみれば、物中心のハード志向から人中心のソフト志向へと、このように流れが変わってきているという感触を持つわけですけれども、このことは今や国民のニーズでもあり、また時代の要請でもある、このように思います。
 しかし、一方で不況が長引いておりまして、景気低迷の打開策として公共事業投資に期待が寄せられていることも事実であります。高速道路とかあるいは主要幹線道などは、確かに景気効果が認められ、積極的にその建設が進められるものと思いますけれども、一方で、先ほど申し上げたような人に優しい部分、これは手間暇かかって、景気動向に大きく関与するということもないのじゃないだろうか、したがって歩道の整備であるとかあるいは安全対策などが後退するのじゃないだろうか、こういう点を実は懸念するわけであります。
 建設大臣に冒頭伺っておきたいと思いますが、道路整備を含めた公共事業予算の速やかな執行に取り組んでおられることと思いますけれども、そのことで人に優しい道づくりと、こういった点が軽視されるようなことがないのかどうかお答えをいただきたいと思います。
#130
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 先生から御指摘をいただきましたように、今回の第十一次道路整備五カ年計画は、社会面、経済面でも非常に大きな効果をもたらすものである、このように考えておりますし、その中で特に人に優しい道路づくりというものに対してウエートを置いて進めていく考え方があるかと、このようなお話でございますが、御案内のとおり、今車は五千九百万台を超した、免許者数も六千二百万台、そして生鮮食料品も車によって九八・七%も運ばれている、こういった時代でございますので、これから高規格道路を中心とした、地方道も含めた道路網の整備をしていくということは国民の極めて高いニーズにこたえていくものである、このように考えております。
 一方、先生から御指摘をいただき、公明党さんも特にこのことについて従来より御要望いただいておりました、いわゆる人に優しいということで、歩道の幅員を広げるとか、あるいは老人の方、子供の方あるいは身障者の方、こうした方々が安全対策の面でもあるいは通行の面でも、こういった問題で今までよりもより人に優しい道路ができ上がったと言われるような環境づくりをするということは、この第十一次道路五カ年計画の非常に重要な課題であると私たちは認識しておりまして、それに向けて具体的な施策をこの五年間に展開していこう、このような考え方を持っております。
#131
○中川嘉美君 先ほど申し上げた国民のニーズと、そしてまた時代の要請ということをしっかりと踏まえた今後の対応をここで改めて要望しておきたいと思います。
 次に、高速道路とその採算性について一、二点伺っておきたいと思いますが、日本の高速道路は採算性とかあるいは経済効果が良好ということで、現在までに縦貫する路線の整備等が進んできたわけであります。今後は、地方圏のいわゆる横断道の建設が進むことになると思いますけれども、地形的に見てもトンネルや橋梁等の構造物が多くなって、また自然環境への配慮のための対策費であるとかあるいは技術的な負担、こういったものが全体として従来の高速道路整備に比べてコストが高くなるのじゃないだろうか。その上、交通需要が見込めないというようなことになれば、採算性という面では極めて厳しい結果が考えられるのではないか、このように思います。
 特に、利用者に対して余り高い料金負担を強いるようなことがあれば、ますます利用者は減ってしまう、このように思いますが、このような点をどう認識をしておられるのか。いわゆる公的助成が拡充されればいいわけですけれども、道路の特定財源問題と絡んで今後国費をどう配分するか、こういう観点からお答えをいただければと思います。
#132
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のとおり、まだ高速自動車国道五千三百七キロ、高規格幹線道路としても六千キロ弱でございます。その中で、縦貫系がこの平成四年度末で五四%、これをこの五カ年で六四%にしたい。しかし、特に横断道系が今二〇%程度のものを四二%と、こうやってまいりますと、それぞれそれらに要する事業というものは非常に大きくなります。
 例えば、平均建設費で見ますと、東名があの昭和四十四年に開通したときにキロ当たり十億円でございました。北陸道も二十八億円でございました。常磐道が三十九億円。ところが、第二東名・名神だと百五十から二百億円、もう飛躍的に大きくなります。それは土地の価格だけではなくて、環境の問題、土地利用との問題から、橋とトンネルの比率が昭和五十年代は一〇%であったものが現在三割、こういう結果になっている。言ってみれば、トンネルによってトンネルの先が明るくなる、こういうような状況でございます。しかし、そのことは一方、平均交通量でも東名が七万三千台、これが北陸道では一万八千台、そしてさらに、今後つくるところになればもうちょっと落ちるところも出てまいります。
 しかし、国民がひとしくこういった高速のサービスを受けるということは、私どもは国の責任であろうかと思っております。そのために、私ども有料道路制度という財投を、借入金を使って少しでも国費を有効に使う制度をとりながら、そしてかつ言ってみればプール制、日本全国、先ほど東名の八割が云々というような青木先生のお話がございましたが、いわゆる先につくったからといって、あとは知らないというんじゃなくて、みんなで一緒になって携えて、国民全体まんべんなく水準を確保していく、こういうことでやってまいりました。しかし、今言ったようなことでございます。
 そこで、私どもは、昨年道路審議会におきまして、この方向についての御答申をいただいております。中間答申ではございます。それはやっぱり先生御指摘のように、国費の助成をもうちょっと高めなさい、それは内容的には資金コストの引き下げとか用地費の負担軽減策でございます。それから、交通量が少ないところは暫定二車というような方向ももう少しうまく使いなさい、それからもっと経費そのものを自動化することによって節減できることはないだろうか、それからインターチェンジ等において一般道路事業との組み合わせをもっと有効に使って、公共事業との組み合わせ事業をもっと積極的に考えられないだろうか、それから償還制度の運用改善、こういったようなもろもろのことでございました。
 そういうことを受けまして、私どもいろいろと今具体的にはやっております。平成五年度においては、国費によって北海道縦貫自動車道の資金コストを三%に引き下げました。それから、用地費に対する金利負担の軽減を行う出資も予算計上をこの予算案の中で考えております。しかし、それだけではやはりなかなかうまくいかないと思っております。
 そういうことで、現在大臣からの強い方向性の指導のもとに、そういう将来において採算性において禍根を残さない、人様の名前を使って恐縮でございますが、第二の国鉄と言われないような、いわゆる採算に非常に困難な壁にぶつかるようなことのないような方策というものを何とか早く導き出そうじゃないか、こういう大臣の強い御指導のもとに、今言ったようなことを含めて検討いたしております。先生の御指摘そのものを私ども今建設省の一番考えている問題だというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#133
○中川嘉美君 ところで、この採算という面で非常に高いというふうに思われる東名高速道路は、現在第二東名の整備へ向けて準備が進められておりますけれども、従来の高速道路に比べて高規格化された整備、これがなされるのはどのような点であるのか御説明をいただければと思います。
#134
○政府委員(藤井治芳君) 簡単に項目だけ挙げますと、車線が従来は四車線という概念だったのを初めから六車線にするということで、まずゆったりしようということです。今の東名は原則として四車線ですが、これができますと十車線に東名としての断面はなります。そして、その同じ幅でも、今までの車線幅は三・六メートル、一車線の幅が三・六だったのを三・七五。特に大きいのは中央帯を今まで四・五だったのを七・五と非常に幅広くします。そしてさらに特徴は、サイドに路肩といいまして余裕区間があります。これを今までは多くて三メーター弱、二メーターちよっとでございましたが、これを三・二五、言ってみれば一車線に相当するぐらいの幅を路肩にとります。
 さらに今度はトンネル、トンネルをいわゆる普通の走っているところと同じだけの、今までのトンネルは路肩を縮めておりました。これを同じような幅をとるということですから、トンネルが非常にたっぷりとなります。なぜかといえば、先ほど言いました六割は構造物でございますから、そこを厳しくしておきますと事故の問題になります。そういうことがございます。さらに、視距を長くするとか勾配を二%以下にするとか、安全対策等に関連しでもいろいろな工夫を入れております。
#135
○中川嘉美君 一説によりますと、今後、スピードの問題ですが、百四十キロのスピードも許容されるというような、高速道路でですね。例えばハイテク機器の画面を見るケース、こういったものも当然考えられるわけですが、高速走行の車というのは一瞬の操作ミスといいますか、これが命取りにつながるという危険も実は考えられます。
 この路車間情報システム、これは道路利用者には大変ありがたいものであると思いますけれども、高速走行の安全性を阻害しないような方法もぜひ研究をしていただきたい、このように思うわけで、本件については衆議院でも我が党議員が関連した質問を行っておりますが、改めて当委員会でもこのことに関連した御答弁をいただきたい、このように思います。
#136
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 従来のように単なる固定板の案内標識、道路情報板、路側放送というものだけではなくて、スピードが百二十キロといいますが、実際の設計は百四十でも安全に通れるような構造で設計しております。曲率半径から勾配まで、視距もそうなっております。したがって、将来のことではございますが、そういう将来のどの状態になっても情報が的確に運転者に入り、そして前方との関係を安全性を保つ、そういう仕組みをするためにはやはり電波によるこういう路車間情報システムだけではなくて、音声による路車間情報といいますか、そういう情報提供、こういうものも私どもは必要であろうということで、いろんな角度からの、今からこれが完成するまでには若干時間がかかりますので、いろんな専門家の御意見等をいただきながら、何かいい方法があればそれを取り入れることをやってみたいと思います。
#137
○中川嘉美君 平成四年の総理府調査でも、高速道路を走行している人の七五%が「怖いと思うときがある」と、このように答えております。どういうときかとの問いに対して、「雨が降っていたり、風が強いとき」を挙げた人が五三・九%、次には「前を走っている車が、急ブレーキをかけたとき」、これが四一・五%、次いで「大型トラックが、前後やわきを走っているとき」、これが三五・三%、こんなふうな数字が出ております。
 このようにドライバーは絶えず走行する車の周囲の状況に非常に神経を集中しているわけで、やはり今御答弁があったような耳から入る情報というものをもっとわかりやすく、また個々のニーズにこたえられるものにする等の改良がどうしても先決ではないだろうか、このように思いますので、いずれにしても人命の尊重ということを十分に踏まえた研究開発がなされるということを切にここで今の御答弁を受けて要望をしておきたいと思います。
 さらに、人命とその安全ということに関連してもう一点だけお聞きしますけれども、去る三月二十七日、一昨日ですか開通したばかりの上越自動車道、藤岡−佐久間の横川サービスエリア付近に、ここは三百匹の野生の猿が生息する地域を横切る、そういう形となったわけですが、沿道に三メートルほどのフェンスとか、あるいは注意標識を設けただけというふうに聞いております。
 大分県の高崎山を通過するところの高速道路、大分自動車道で、別府インターから大分インターまでですね、ここでは猿の群れが移動するための橋梁をかけているという例があります。実は私カタログ等も拝見いたしましたけれども、実に立派な人間が通れる以上のふうに写真には写っております。また一般道ではあるけれども、町田市でもタヌキの保護のために標識を整備したり、あるいは横断道を計画している、こういう報道記事もありました。
 十一次五計でもエコロードとして自然環境への配慮を表明して、例えばけもの道を確保するなどとしておりますけれども、自然保護という観点だけではなくて、道路利用者の安全面がもも自然の多い地域では今後ともより具体的な方策の検討が必要ではないだろうか、このように考えますが、こういったことに関しての今後の見通しといいますか、展望についてお聞かせをいただければと思います。
#138
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘の上信越道の横川サービスエリア付近に、特に藤岡から佐久間七十キロ、松井田町付近でございますが、大小の群れ約六百頭ほどの猿が生息していることが確認されております。これは四群に分かれております。そのうちの二百頭がちょうど高速自動車国道を前後する地域に生息している、こういうこともある程度わかっております。
 そこで、これをどうするか、お猿さんをどうするかということで、まず自動車と猿との接触事故だけは防ごう、そうすれば自動車も猿も両方共存できる、こういうことで、先ほど先生がおっしゃったフェンスをまず張りました。しかし、これだけでは猿の生活行動への影響、これは解決いたしません。そこで、地元の霊長類や歴史等を専門にした先生方で構成される協議会を設置しまして、現在はフェンスを張り、とりあえずそこでお猿さんが道路上に入らないということと、それから百二十メーター間隔で、二十一本の横断の構造物があります。そのうち十五本は車の利用が見込めておりません農耕用あるいは山林に入るための林道等でございます。したがって、これをとりあえずはお猿さんに使っていただくというふうに考えております。
 しかし、それだけで本当にいいかどうかということも、私現地で、二十七日、現地に行きましたので直接確認しましたら、これはもうちょっと猿がどう動くかを見ながら――相談するわけにいかないと思うんですが、検討してみたい、こう言っておりますので、私どもエコロードと威張っている以上は、なるべくそういうことも考えていきたいと思っております。わずかなお金でできることでございますので、今後とも十分慎重にしてみたいと思っております。
#139
○中川嘉美君 例えば三メートルのフェンスとか、そういうものがどの程度の距離か、私自身事実その現場に行ってみたわけじゃないのですが、いずれにしてもどこかに切れ目があるということですし、そこだけを猿としては対象とはしていない。必ずまた中へ入ってくるであろうということが想定されます。これは昔アリゾナで、私自分でドライブしたときに、非常に小さいクロウサギ、これがわあっと出てくる。それでブレーキをきかせたのでは一遍にひっくり返りますので、それをがたがたと引き倒しながら、これはやむを得ない措置ですけれども、そんなときに一瞬ブレーキを踏むと必ずこれは人命に影響するということもありますので、今御答弁の一番最後のところに慎重にというお話もありましたので、さらに実態を調査した上であらゆる万全の策を講じていただきたい、このように思います。
 次に、渋滞の実情とその認識といったことについて伺います。
 道路行政について多くの国民が不満を持っている事柄の一つに渋滞問題があります。十一次計画における渋滞対策の目標、そして従来のハード面に偏重したアクションプログラム等による渋滞対策との相違点、これはどのような点があるか。また、つい先日、首都高の交通管制室を視察した際に、つい最近までは景気低迷のためにトラック輸送の数が減って、わずかながらスムーズになってきたのじゃないだろうか、こんなような話も聞いたわけですけれども、その辺の実態は一体どうなのか、伺っておきたいと思います。
#140
○政府委員(藤井治芳君) 新渋滞対策とあえて名のらせていただきました。それは、平成二年度における全国の交通情勢調査をもとに計算いたしますと、現在の渋滞、これが十二兆円の損失に相当する、こういうふうな試算が出るくらい大きなものだと言われております。そこで私どもは、そういう損失と同時に環境対策、渋滞することはガソリンを余計そこで使う、そのことは排気ガスも余計出すということでございますから、環境対策そのものにもなる、こういう視点がございます。
 そこで、従来はハードな対策を中心に渋滞交差点の改良、隆路区間の部分拡幅等々をやってまいりました。これも確かに非常に効果がございました。しかし、これだけではこういう大都市のようにあるいは地方の中枢中核都市のように、なかなか交差点そのものが既存の集積ができているために解決できない。じゃ、大きな立体交差をやりたいと思うけれども、時間がかかる、お金もかかる、また、現実に都市計画変更もできない。こういうようなことで、過度のジャスト・イン・タイムによる道路輸送の積載効率の低下という現実の問題に少し御協力いただけないだろうかというところから、実は交通需要マネジメント、こういう物の考え方をとったわけでございます。それは、輸送効率の向上とかあるいは交通需要の時間的平準化、こういうものに対して私どもが何かお手伝いしますからひとつ御協力ください、こういう呼びかけのもとに、駐車場の設置をするとかあるいはそれなりの情報の提供をするとか、いろいろなやり方もあろうかと思います。
 現実に、前にちょっとこの委員会だったと思いますけれども、御報告した例として、宇都宮のある企業が通勤時間のいわゆるフレックスタイムによる通勤のコントロールをした実例を御紹介したかと思います。あるいは私の記憶違いかもしれません、そのときは御無礼いたします。そういういろいろなケースが現実に出てまいりますので、そういう意味のソフトな手法を一緒に組み合わせてやればもっと早くかつ安くできるんではなかろうか、こう思っております。緑のおばさんたちに苦労させないで、もっと地域ぐるみで交通混雑対策をするという社会参画型といいますか、企業参画型のこういうものも入れてやる、そのために協議会をつくり、そして一緒に情報提供をしていくということでやっていきたいと思っております。そういうものが新渋滞対策プログラムという意味でございます。
#141
○中川嘉美君 今の企業の協力関係については、また若干後で触れてみたいと思います。
 いずれにしても、全国で五千九百万台、約六千万台、こういった車両が保有されて、ドライバーの中には、渋滞のために大事な約束の時間におくれてしまった非常に苦い経験をした方が多いのじゃないかと思います。また救急車を含む緊急自動車の到着がおくれてとうとい人命が失われるケース、こういったものもある。
 最近、警視庁が発表した試算によると、東京都内の交通渋滞による経済的な損失が年間三千億円以上、一日十億円を超えるというデータがあって、先ほどの御答弁の中では全国的に見ると十二兆円、これは建設省の試算ですけれども、そういうような大変莫大な損失があることを私たちは十分認識をし直さなきゃいけないのじゃないか、このように思います。そういった意味では、ぜひとも渋滞の解消に向けた一層の努力をさらに続けていかなければならないだろう、そのように思うとともに、ぜひともこの努力を続けていただきたいことをさらに要望しておきたいと思うわけです。
 次に、交通公害について伺いますが、先ほど述べた経済的な損失、これは時間、コストを金銭換算したものでありますけれども、これ以外にも渋滞が社会に与えるダメージというものはもちろん少なくないわけです。すなわち、環境汚染とかあるいは騒音、そして交通事故の原因等になっていることも事実であります。建設省が、渋滞対策の解決のために道路整備が必要だ、このように主張されるのは当然理解できますけれども、戦後本格的な道路整備を行ってきた我が国で道路の進展とともに交通量は増加してきている、渋滞さらには交通事故死者数そして大気汚染、こういったものも増加をしてきたという事実を果たしてどのようにとらえられるか、御所見を伺っておきたいと思います。
#142
○政府委員(藤井治芳君) 私どもは、道路をつくったから車がふえ、そして交通混雑、そして環境汚染が起きた、こういうふうな理解はいたしておりません。結果としてそのような事実は私どもも理解をいたしております。
 しかし、やはり私どもの道路は、社会の動き、国民がどのような生活を望むか、そういうものに応じて道路整備なり道路計画をつくっております。私どもがっくるだけではなくて、その地域がそれぞれどういうふうな行き方をしたいかということに応じてつくらせていただいております。したがって、その際、それが環境の問題あるいは渋滞の問題に及ばないように努力するのが私どもの務めでございます。そういう意味では、先生御指摘のように、結果としてそのようになってないことを私どもは深く反省しながら、そうなるようにこれからも努力をしなきゃいけないというふうに思っておりまして、東京における環境汚染の状況も自動車排出ガスの測定局の実態を見ましても厳しい結果が出ておりますし、二酸化炭素等々の問題、NOxの問題を見ましてもかなり厳しいわけでございます。
 しかし、私ども道路という側からこれを認識いたしますと、例えば交通混雑で、現実にこの周辺で交差点が三回待ち、四回待ち、五回待ちのところは平均時速十キロぐらいだろうと思います。そういうところの燃費に対しまして、もし連続立体が行われていて三十五キロ、これは普通の都市の平均速度でございます。そういたしますと、これは四三%に落ちてしまう。ということは、車が百台のものが四十三台に落ちたことと同じ効果になるということでございます、ガソリン車でございます。したがって、交通混雑というのは、人間の行きたい、活動したい、行動したいというニーズと環境というものを混雑というキーワードをとって共存するには混雑対策をすることが私ども極めて重要と。さらに、そのことが、混雑度が一以上になって特に一・五以上になりますと、死傷の事故率が極めて多くなります。〇・八以下の約倍ぐらい、一・五以上の混雑度のときに死傷事故率がふえます。安全の面でも渋滞というのは極めて大きな影響を与えます。
 そういう意味で、渋滞対策を通じていろいろと環境問題、そして渋滞があるがゆえに人間の行動、車を制約するということではなくて、渋滞というのは解決でき得るもの、こういう認識のもとに十一次五計を組ませていただいているつもりでございます。
#143
○中川嘉美君 見解の相違ということもこれはあろうかと思いますけれども、例えば免許を取ったがとにかく首都高が込んじゃっていて、最近はもう全然車に乗りません、電車で行っていますと。非常に端的にそういう考えを持って現実に当分車に乗っていないという方もおられますし、その方に言わせれば、そういったものが解消されるような事態が来れば――来ればということは新たに道路でもできれば自分はもう一回ハンドルを握りますと。今度はふえていくわけですね。そういった意味では単純な考え方ですけれども。
 そこで、できたら大臣の所感ということで伺っておきたいと思いますけれども、このような増加傾向そのもの、これは一応認めるとして、いつまでも放置しておくことが果たして人命を守り、生活大国を目指す我が国にとってふさわしいかどうか。やはりそこには道路行政に関する何らかの発想の転換というか、あるいは抜本的な改革といいますか、こういったことが必要となってくるのではないか、そのように思いますけれども、いかがでしょうか。御答弁をいただければと思います。
#144
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 車の増加傾向に対してどのような考え方を持つか、またそれに伴う道路整備のあり方についてというお話でございますが、先生御指摘のとおり、今の車ばかりでなく飛行機あるいは鉄道、こういった総合交通システムというものを整備しながら、その中で適正な役割を車が担っていき、それに伴う道路を整備していくということは、まさしくモーダルミックスとして考えていかなければならない基本的な課題である、このように考えております。
 ただ、私個人的な意見としてお話をさせていただきますと、私ども地方に住んでいる者は鉄道をこれから引いてもらいたいという期待をしても実際にはもう鉄道はなかなか期待できない。こういうようなことになってまいりますと、一軒のうちにそれこそ二台、三台の車を持たなければ生活ができない、こういった地域もございますので、その地域の特殊性と交通量と総合交通体系をどうするか。こういったものをやはり現実的に適正な形で運営していくということが先生から御指摘をいただいたような問題の解消に一番つながる方法ではなかろうか、このように考えております。
#145
○中川嘉美君 我が国において交通量の伸び率、これがどうなるかという点についてはさまざまな見方があると思いますが、実際のところ今日でも、道路混雑のために車の利便性が先ほどちょっと触れたように失われていることを理由に車を使わないという潜在的な利用者、こういう方々がかなりの数に上っていると思います。
 道路整備が進めばこの潜在的利用老を含めた新たなドライバーが増加するという先ほど申し上げたような考え方をするのがむしろ自然ではないだろうかなと思いますが、道路先進国と言われるドイツでは新年度予算で道路と鉄道の比率が逆転をしている。車社会型の都市と言われているロサンゼルスも新たに地下鉄を開通させているというのが実情でございます。
 このような世界的な趨勢に対して、建設省としてどのような認識を持っておられるのか、伺っておきたいと思います。
#146
○政府委員(藤井治芳君) 先ほど大臣からも御答弁がございましたけれども、東京とか大阪のような都市はいわゆる鉄道社会だ、こういうふうな認識を私は持っております。
 その証拠に、この都心三区に集まってくる旅客の九十数%は全部鉄道――地下鉄とか山手線、中央線といったような鉄道を使います。その残りの七、八%が自動車でございます。そのうちの約半分は営業車でございます。ですから、いわゆる白ナンバーのものは相当走っているようでございますが、都心三区では四、五%の以下のもの。したがって、もしこの鉄道網がこのような形でなければ東京の交通問題はもう著しくおかしくなる。
 そういう意味では、私どもはこういった鉄道網を支えるような道路整備をしていく。これが東京及び場合によっては東京の若干の周辺まで鉄道の駅、地下鉄の駅との利便性を高めるとか、あるいは貨物の駅との利便性を高めるとか、こういう政策をとっていきたいと思っております。
 ところが、そうではない、鉄道ではどうしょうもないところがございます。そういうところにおいては私どもは、最優先的に車社会にふさわしい道路網を、高速道路、高規格幹線道路、地域高規格道路、そして身近なそれぞれの通勤、通学に使う道路に至るまでをバランスよく整備していかざるを得ない、かように思っておりまして、バス路線をそういう中でどのような形でさらに定着させるかということも我々の今後の大きな課題の一つだと思っております。
 そういう意味で、地域に応じた政策を道路とその他の問題とあわせて考えていく。これがこれからのテーマだということを大臣は申しましたが、事務局もそれに応じて今後具体的な施策をつくり上げていきたいと思っております。
#147
○中川嘉美君 道路整備に反対するものではもちろんありませんけれども、やはりこの辺で何らかの発想の転換といいますかね、こういったものが必要になってくるのじゃないか。むしろここではそのことを強調したかったわけですが、御答弁を聞いておりますと、非常に信念に満ちて答弁していらっしゃるようであります。
 総合的な交通政策という立場から考えても、この道路整備が先進国レベルに遣いついたときに、環境汚染であるとか交通機能麻痺ですね、こういったものも追いついたということではこれは困るわけで、その解決のためにも欧米に見られるような交通省といったような官庁が必要ではないか。少なくとも各省庁と連携の上で真剣に取り組んで、交通問題への総合的なビジョンを示すべきではないかと考えますけれども、建設省としていま一度こういった角度からの質問に対する御答弁をいただければと思います。
#148
○政府委員(藤井治芳君) 私どもの建物の上の方に運輸省がおりまして、自動車局もあれば鉄道関係、航空関係全部おります。したがって、私ども事実上しょっちゅう内部で連絡調整といいますか、そういう意思疎通をやる会合を持っております。そういう意味で今まで正直言いまして、第十次といいますか、五年、十年前は必ずしもそうではなかったというか、そういう点が欠けていた面があったかと思いますが、これからは総合化ということで、例えば交通安全の問題、交通コントロールの問題も、お隣の建物にございます警察庁と私どもは絶えず密接に連絡課長会議というものを設けて、しょっちゅう定期的に連絡調整しながらやっております。それが交通事故総合分析センターをつくり上げることにまで進んだわけでございます。
 そういうことで、先生のおっしゃるように、かつ交通機関の関係者が持ち寄ってやる。この姿を私どもが見せることによって、今度は地域において、大阪においても、香川においても、どこにおいても、そういう会合を設けて連絡する。
 ただし、そのときにもっと大事なのは、我々計画者とか管理者だけじゃなくて利用者も入れる。それが大事だと思っておりまして、今地域では利用者も入れた会合をつくっております。それの運営でもって今後ともこういう問題のどこが重要かということの指摘とか選択もやってもらおうと思っております。
#149
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま御指摘をいただいた当面の方法としては今政府委員が答えたことに尽きるわけでありますが、実は私も先生から御指摘をいただいたようなことに全く同感でございます。
 それで、この問題は、やはり縦割り的な現在の日本の行政組織の中で改善できることの限界というものもあろうかと思いますので、やはりこれから、それこそ政界再編というような大きな政治の流れの中でこの縦割り的な問題をいかにして横断的な問題としてとらえるかということは、これは対外的な問題もこうした交通問題も含めて相当与野党がこの行政の組織のあり方を見直して、そして現実的に効率的な行政のあり方というものを考えていく大きな政治的な課題だろう、このように考えておりますので、私も先生の御指摘を十分受けとめて将来の課題として勉強していきたい、このように考えております。
#150
○中川嘉美君 ぜひそのような方向性で御尽力をいただければと思います。
 次に、環境対策に関して伺いますけれども、十一次計画における渋滞対策による環境への効果ですね、これがどのようになっているか。地球温暖化の原因とも言われているCO2の削減効果など、具体的にお聞かせをいただければと思います。
#151
○政府委員(藤井治芳君) CO2及びNOx、これが走行速度に非常に関係しております。したがって、渋滞というのが大きい問題だということも申し上げました。
 そこで、私ども建設省としては効率的でかつ質の高い道路ネットワークを着実に整備することによって、例えば朝夕の走行速度については、三大都市圏の人口集中地区について現在では時間当たり十八キロでございますが、長期的にはこれを二十五キロ程度に上げたい。地方都市では現在二十二キロでございますが、これを三十キロ程度に上げたい。こういうことで今整備を始めております。その結果、自動車のエネルギー効率が向上いたしますので、一台ごとの一定走行距離当たりの燃費が全国平均で一〇%ぐらい向上いたします。したがって、一台当たりのCO2排出量も約一○%程度軽減するものと試算はいたしております。特に、この計画期間中には一台当たりのCO2排出量はおおむね二%、先ほどの一〇%というのは目標でございますので、この十一次五計ではそのうちの二%は軽減し得るものというふうに思っております。
 NOxにつきましても、これは燃費、消費量と必ずしも比例ではございませんが、渋滞の激しい交差点の場合は立体化することによってNOx量を三割程度低減する、こういうことが試算されておりますので、こういう渋滞解消が非常にNOx効果にもある。
 さらに、自動車から排出されるこういうものについては、自動車構造の改善、輸送効率の向上等々、他の機関とのまた連携も必要でございまして、この五カ年計画を組む際にこういう関係業界といいますか、関係機関にも御説明をし、こういう御協力をいただきたいということもかねてから申し入れをいたしておりますので、五カ年計画が決定すれば、さらにそのフォローアップに際して十分連絡調整を密にして効果を上げてまいりたいと思います。
#152
○中川嘉美君 大都市地域ではNOxの環境基準の達成率は二四%と非常に低水準である、これはディーゼル車の増加が大きな要因となっているのではないか、このように思うわけです。特にディーゼル車の排気ガスですね、これは花粉症の原因との報道も実はなされておりまして、人間の健康への影響に極めて不安なものを感ぜざるを得ないわけです。
 今回のこの軽油増税がディーゼル車の増加に歯どめをかけられるかどうか、軽油はガソリンに比べて税制面ではまだまだ有利で、この燃費も向上しているのではないか、このように考えますけれども、この点はいかがでしようか。
#153
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のディーゼル車、これは実は非常に顕著な動きをしておりまして、五十六年末で普通車、これ貨物車の中で普通車、これがガソリンと軽油との比率が軽油は九四・一%でした。それが平成三年三月末で九八%。小型四輪は、軽油が一八%だったのが五六・八%に現在なっております。すなわち、貨物でも小型四輪が非常にふえた。
 それから乗用車、これは普通車が、軽油が前は五十六年のとき一%だったのが三・七%。小型四輪は一・六%であったものが九・六%。言ってみれば乗用車、貨物車を通じて、小型四輪の軽油化が非常に顕著にこの四、五年の間に出ている。これが実態のようでございます。
 これが実態でございまして、私ども実はこの軽油引取税をNOx対策を目的とした、こういう端的な物の考え方はいたしておりませんけれども、この軽油引取税の引き上げの基本的な考え方は、やはり十一次五カ年の財源を確保する、その中で国民生活に与える影響をどのように考慮するかという中で、現実にガソリンと軽油の税負担が二十九円五十銭とかなり幅がございます。諸外国に比べて極めて著しかったものですから、この縮小にも配慮し、そして自動車利用者の負担の公平を図る、このようなことから結果として軽油引取税の税率のみを引き上げたわけでございます。
 しかし、このことはガソリンと軽油の価格差の縮小を通じてディーゼル車の伸びを抑える方向に働くことは十分考えられることでございますし、NOx対策にも資する側面があるというふうに私どもは理解はいたしております。しかし、直接的な目的としてやったわけではございませんが、総合的な意味ではそのようなことも十分考えられるわけでございます。
#154
○中川嘉美君 いろいろと具体的に御説明がありましたが、さっき言った花粉症の例えば原因かどうかはこれは断定できませんけれども、人間の健康面を最大限に配慮するという意味で、やはり環境基準の達成率をさらに高めるように努力を講じていただきたい、このように思います。
 渋滞対策としての交通需要マネージメントについては、先ほど来御答弁にもありました時差出勤とかあるいは相乗り策などがあります。例えば、環境庁が推進しているカーフールですけれども、これは単に国民の協力を求めるだけでは実効性があるのかどうか疑問が出てくるわけです。先ほど企業の協力云々の話もありました。利用者のニーズを尊重するという建設省のスタンスからするとなじまない部分もあるかと思いますけれども、交通量を抑制するためには相乗り策はやはり有効じゃないだろうか、こんなふうに考えます。実効性があるものにするためには規制とそれから優遇という両面ですね、あめとむちとは言いませんけれども、このような考え方が必要ではないだろうか、このように思いますが、この点はどうか。また、諸外国の実態等についても参考までに伺っておきたいと思います。
#155
○政府委員(藤井治芳君) そのようなことを総合いたしまして交通需要マネージメントと私どもは称しておりますけれども、この定義が明確にあるわけではございませんで、いろんなことをやってみようということの中に先生御指摘の今のカーフールというものも私どもは考えております。言ってみれば、軽負担、軽負荷通勤を望む人々に対して専用レーンが与えられる、こういうようなシステムとしてカーフール通勤が現実にございます。日本のバス専用レーンに近いバスブールなどのようなバリエーションが用意されているのもございます。
 したがって、こういったものを我が国の場合にどのように入れるかということは、実はいろんな我が国の社会の仕組みといいますか、こういうものが絡んでおりますので定着するかどうかはわかりませんけれども、現実に農協で通学バスというんですか、お子さんを通学にやるようなそういうバスだとか、個々にはそれのはしりになるような創意工夫というのがございます。言ってみれば幼稚園の通園バスなんかもある種のこのカーフールの変形だろうと思います。したがって、個々にはそういう定着の兆しもありますから、これを今度は地域ぐるみで見たときにどのような形でできるか。もしこれができますと、ある意味でバスのより多様化したというか、高度化した形態だとも思いますので、そうなれば混雑とかいうようなことにも非常に資しますので、それ用の専用レーンなりができるところは専用レーンあるいはできないところはそれなりのおりる場所、こういったものも道路政策としては十分考えられるだろうと思っております。
 いずれにいたしましても、この交通需要マネージメントで私どももう一方で非常に考えておりますのは、大型店舗あるいは大型ホテル、こういったような新しい大消費需要が出たときに、これを無作為に置いておくことによって、それに伴って生まれるいろんな消費形態からその地域全体が収拾つかない混雑状態が起きているという経験を過去にたびたび持っておりますので、こういうことも早目早目に手を打ちたいということも実はこの裏側にございます。そういう意味で、いろんな工夫をしたいと思いますので、今後ともお教え、御指導いただければと思います。
#156
○中川嘉美君 渋滞対策と先ほど来出ております企業協力ですね。そういう面から確認をしていきたいと思いますが、かつて私は運輸委員会で電車通勤の混雑解消のためにオフ、ピーク時の利用については割り引きされる時差定期、これを提唱したことがありますが、この考え方も根底的には企業サイドの協力が不可欠であるということがわかっているわけです。
 都市部においては企業の持ち帰りの車、これが通勤時間帯の道路に入ってくる影響は非常に大きいわけです。首都高の渋滞が始まる朝七時台の流入交通量のうち、半分が出勤目的で、そのうちの四〇%が法人所有のいわゆる持ち帰り車であるという報告が出ておりますが、これら企業の駐車場対策についてその支援をさらに拡充する考えはないかどうか。これは企業そのものに駐車場があれば別にこんな問題は起きないわけで、その辺についてのお考えがあるかどうかお答えをいただきたいと思います。
#157
○政府委員(鹿島尚武君) 企業がみずから保有します車につきましては、基本的にはやはり私は企業がみずから車庫を確保していただくというのが先生おっしゃるように基本であろうというふうに思います。
 そこで、この点に関しましては、一昨年、平成三年七月でございますけれども、いわゆる車庫法、自動車の保管場所の確保等に関する法律が施行されまして、保管場所の確保について厳しく措置がなされております。また平成二年に、私ども所管をいたしておりますが、附置義務駐車場の制度につきましても強化を図ったところでございます。そういった措置によりまして保有者がみずから車庫を確保していただくというような仕組みは整っているというふうに考えております。しかし、当面の都市におきましては、先生のおっしゃられますとおり総合的にやはり駐車場対策というのがこれからもさらに必要になってくると思います。
 そこで、一般公共の用に供する時間貸しの駐車場、これに加えまして、仰せられましたような企業、個人が車庫として利用する専用駐車場の整備が必要でありますので、私どもこれに対しまして昨年日本開発銀行等によりまして低利の融資制度を創設いたしました。こういっだ制度を積極的に活用していただきまして整備をぜひお進めをいただきたいというふうに考えております。
#158
○中川嘉美君 とにかくこのような状態を放置することのないように、この渋滞解消に向けた最善の方策、これはもう講じられていかなきゃならないわけですけれども、標準駐車場条例では乗用車専用駐車場しか規定していない。今御答弁になった中に附置義務条例というのがありましたけれども、貨物車専用の駐車場設置、当然これはもう義務づけていく必要があるのじゃないかと私ども思っております。
 いずれにしても、この貨物車専用の駐車場、すなわち荷さばき専用路、これが都市部の渋滞解消に役立つものであれば、道路管理者等による貨物車専用の路上駐車場であるとか、あるいはパーキングメーターの設置も当然必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
#159
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せられますとおり、貨物自動車等によります荷さばきのための駐車というのは大変割合が多くなっております。昭和六十年に行いました道路交通センサスによりますと、およそ四四%の割合を占めているわけでございます。
 仰せられました附置義務駐車場の制度は、駐車場法に基づきまして建築物の用途あるいは床面積に応じまして駐車台数を決めて、これの設置を義務づけるというような制度になっておるわけでございます。
 そこで、私ども標準条例というものを定めてこれまでも各自治体に対しまして慫慂してまいっておりますけれども、現在まで全国の百五十八都市で制定されまして、実績で約九十五万台、この条例に基づきまして企業等で駐車場を設置をしていただいております。
 しかしながら、この条例によりまして駐車場をつくる場合に、実際には貨物車が入庫できるような十分な高さあるいはスペースが確保されているかどうかといったようなところにまだ問題があろうと思います。そのため、私ども昨年八月からでございますけれども、駐車場技術基準等に関する研究会というのを開催をいたしまして、今仰せられましたような貨物自動車の荷さばき車両への対応のあり方につきましても検討を進めているところでございます。その検討結果を踏まえまして、附置義務条例での義務づけも含めて必要な施策というものを今後詰めてまいりたいというふうに考えております。
#160
○中川嘉美君 こういった問題を解消する方策として地下流通システムが検討されているようですけれども、その検討状況とかあるいは着工の見通し、さらには総事業費、こういったものはどのぐらいのものなのか伺っておきたいと思います。
#161
○政府委員(藤井治芳君) 都市内物流を少しでも効率化するということで、私どもいわゆる路上で土地を買ってやるわけにはもうなかなかいかないということで、今地下によるそういう幹線物流というようなものを考えております。平成二年から新物流研究委員会で東大の星先生を中心に御研究をいただいております。
 その中で、もしいい方向が生まれればこの五カ年の中で、私ども土木研究所というものを持っておりまして、筑波にございますが、そこに実験の具体的な装置をつくってでも検討を進めてみたいと思っておる次第でございまして、まだ具体的にどのようなものをどうするかという段階ではございません。しかし、何とかしないともうどうにもならぬと。
 具体的な一つの例として、環七の地下に今貯留槽という洪水のときに水をためる大きなトンネルがございます。これが常時あいているからこれを使えないかなんという一つのアイデア的な御発想もあります。ただ、残念ながら距離が短うございますから、入って出るのに時間がかかってしまって余り効果がないので、すぐにはこれを使うわけにいかないと思いますが、こういったようなものがもっと長距離にわたってネットワーク化するならばこういうものもそれの一つかなと思っております。我々、今後都市内において、トラックを欧米社会のように目から見えないところでやれるような、こういう仕組みを何とかつくってみたいと思っております。
#162
○中川嘉美君 次に、道路構造面からの環境対策として、低騒音舗装あるいは環境施設帯、グリーンベルトですね。この整備が当然必要であると言われておりますが、川崎市などでもNO2などの排ガス対策のために植樹した施設帯、こういったものをつくったそうでありますが、この既設の道路に対する環境施設帯の整備方策、これはどのように考えておられるのかお答えをいただきたいと思います。
#163
○政府委員(藤井治芳君) 新設の道路の場合には都市計画を決定いたしますから、その際に二十メートルの道路をきちっと確保できます。東京外郭環状道路がその代表的な例でございます。
 既設の場合には、やはりそこにもう既に家がついてございますから、その当該道路の環境の状況、周辺の土地利用の状況等で、必ずしもそういう場合は環境施設帯というものをつくるわけにいかない場合もございます。そういう場合には、逆に沿道法の別の形をとりましてビルをつくっていただきまして、そのビルが施設帯ではないけれども、音やら何かの障壁になる、こういうようなバッファービルといったような制度も別途に持っております。
 ただし、既存の道路としてやった実例がないわけではございません。東京で言えば、首都高速五号線の板橋区の前野町付近で、わずかではございますが環境施設帯をつくりました。それから、一般国道一号の岡崎市の国道一号に沿って数キロにわたって環境施設帯をつくりました。
 こういうのはたまたま沿道の方々の御協力があったからこそできたわけでございますが、今後ともこういうものをどのようにしたら現実に可能かどうか、あるいは可能でないのならばこれにかわる方策はないかどうか等もあわせて検討していく課題だと思っております。
#164
○中川嘉美君 それでは、先ほど来の御答弁を整理する意味で、確認の意味でちょっとお聞きしたいと思います。
 道路と情報ということについてですが、私は車を利用して、渋滞のために日的地に時間どおり着けそうもないというときは、これは途中から電車を利用するということが時々あるわけです。必要に迫られたいわゆるモーダルミックスというわけですけれども、その場合でも渋滞についてのリアルタイムの正確な情報、それから目的地付近の道路事情、さらには所要時間とか駐車場の確保、こういったさまざまな情報を道路利用者は必要としているわけです。この情報提供が十分でないと判断をすることが全然できないで、道路の混雑に突入をしてしまう。突入したなら最後全然出られないし、えらい目に遭うわけです。首都高速の交通管制システムをこの間見たことを先ほど申し上げましたけれども、非常に参考になったことも事実です。
 今後この分野をさらに精度を高めて、的確に広い範囲で情報提供をする工夫がさらに必要じゃないだろうかと思いますが、確認の意味でもう一度御答弁をいただきたいと思います。
#165
○政府委員(藤井治芳君) 道路情報の場合に、二つ考え方がございます。
 一つは家を出るとき、また家において情報を入手する方式。これは交通情報センター等々からのテレビ、ラジオ放送によって入手する方法でございます。
 それから、今度は家を出てからですと、高速道路になる手前で文字情報板、図形情報板、路測放送等々で高速道路が混雑しているかどうかという情報を入手します。また、乗ってからはそれぞれの道路における情報の提供をいただくわけでございます。
 その場合に、首都高速のMEXと称するシステム、これは平成五年の三月現在で十八カ所あるパーキングエリアのうち十一カ所で使わせていただいております。また、そのほか羽田空港の中で空港から車に乗る前にも、このMEXのロボットを設置して御利用いただいております。これは私ども、もう少しふやしていくべきだという御要望に対してはなるべくそうしていきたい、かつ二十四時間利用可能になるようなシステムも検討させていただきたいと思っております。さらに、ホテルやターミナルといったような事前のモーダルミックスの推進に役立てるような仕組み、これについての御意見もございますので、ここら辺については今後関係機関と調整して検討させていただきたいと思っております。
#166
○中川嘉美君 交通管制室でいろいろ説明を聞いた中で、今、御答弁のあった空港におけるそういったシステムが非常に役立っている。特に、ハイヤーのドライバーの方なんかが前もって到着便を待ちながらきちっとそれを調べられるということだそうで、今、お話のあったホテルとかターミナルビル、こういったことも含めたひとつ渋滞緩和に役立つための施策をぜひとも講じていただきたいと思います。
 あと、時間がありません。もう一、二点だけ伺っておきます。
 目に入る情報あるいは耳に入る情報、いずれにしても瞬時にわかるものでなければならないと私は思います。また、高齢者への配慮も当然考えますと、案内標識などはある程度大きくて見やすいということ、これが重要ではないかと思いますが、この点はどのように考えておられるか、将来のことも含めて。
#167
○政府委員(藤井治芳君) 現在の交差点等々における案内標識は、安全に右左折できるように交差点の手前に設置しまして、一般の利用者の視力、免許で言う〇・七を基準に可能な限り大きな文字ということで決められております。私どもは、この標識が乱立をして運転手さんが見るのがどれを見たらいいか、こういうような意味の見にくさ、それから場所が正確なところでない見にくさ、まずこの混乱がございます。それからまた、夜間非常に交通量が多いんだけれども見にくい、こういう場合には照明をつけて、内照式といいましょうか、照明を設置して見やすくする、こういうような工夫もあろうかと思います。標識板を大きくするということは風圧その他、全部今までのものをやり直さなければいけないということもございますので非常に簡単ではございませんけれども、この安全という意味から今後の大きな研究課題の一つだと思っております。
#168
○中川嘉美君 それでは、私の質問の最後に大臣に伺いたいと思います。
 公共事業投資は景気対策のかなめとして重要な役割を担ってきたわけですが、これはダムとか橋あるいは道路など社会資本整備の拡充に充てられてきたわけですけれども、近年、地価の高騰などによって用地取得に金と時間を食われてしまう、景気浮揚につながらない傾向が見られるのではないか、このように思います。十一次道路計画も七十六兆円という巨額でありますが、時代の変化に対応した価値ある資本投下ということをお願いしたい、このように思います。
 ところで、五年先、十年先の我が国を考えたときに、高度な情報通信網の整備が期待される、また要請されていることも事実だと思います。通信ネットワークの整備が進みますと、テレビ会議であるとかあるいはコンピューター通信によって人の移動を必要としない通信通勤といいますか、こういったことも本格化する時代が到来するのではないかと思います。さらに、道路は人と物を運ぶハードウェーであるとともに、情報を運ぶ、例えば光ファイバー施設などを視野に入れたソフトウエーの役割を担っていくことが要請されてくるのではないか、このように考えます。
 二十一世紀の我々の次の世代のために、固定観念にとらわれないで、また目先の景気対策にできるだけ左右されずに長期的な視点から本当に価値のある道路などの社会資本を整えていく必要がある、このように考えますが、この辺に関しての大臣の所感並びに御決意といいますか、これを伺いまして終わりたいと思います。
#169
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から御指摘をいただきましたニューインフラに関して、建設省として光ファイバーも含めて情報化を推進すべきではないかということにつきましては、道路管理、道路利用者への各種情報の提供など、今後とも多方面にわたって情報の高度化に努めていかなければならないと考えております。
 具体的に今、光ファイバーケーブルの利用例として、高速自動車国道におきましては情報収集提供の多機能化、高度化、そして業務の効率化、高度化、そして一般国道としては監視用テレビカメラの情報の電送、そして道路情報ターミナルヘの情報の電送等、こうしたもので四年度末で高速自動車国道二千八百八十キロ、一般国道指定区間六百七十キロ。そして今度、御指摘をいただきました第十一次道路整備五カ年計画において光ファイバーケーブルの整備計画は、高速自動車国道二千九百九十キロ、都市高速道路四百七十キロ、一般国道指定区間八百二十キロ、合計で四千二百八十キロの整備を進めていく計画でございます。そのほかに、情報ハイウエー構想として四年度未で二千百四キロの整備が行われております。
 先生の御指摘をいただいたことは、次の時代に必ず必要になってくる基本的な正確な情報を迅速に提供するということにおいての重要性は道路行政の中心にして取り組んでいきたい、このように考えております。
#170
○山田勇君 まず、お尋ねをいたします。
 重複するところもございますが、なるべくその辺は割愛をさせて質疑をさせていただきます。
 まず、金丸信前自民党副総裁の巨額に上る脱税事件に関連して、山梨県や中央建設会社が次々と東京地検特捜部の事情聴取を受けているということで、公共事業の指名入札がやみ献金を生む土壌になったのではないかといったような批判の声もあるわけです。中村建設大臣は、この三月二十三日に、「公共工事の発注者が入札業者を指名する際に入札の透明性と競争性を高めるため、業者の技術力や落札意欲などを参考にすることなどを求めた建設大臣の諮問機関、中央建設業審議会の答申内容を、できるものから早めて一九九三年度の事業から、具体化するよう指示した」と新聞報道にありました。
 一般競争入札が原則とされながら指名競争入札が一般的に行われている現状を、今回の脱税事件とも絡めてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#171
○国務大臣(中村喜四郎君) 公共事業の発注における指名競争入札がやみ献金を生む原国となっているのではないか、改善策はどうかということでございます。
 入札・契約制度については、社会経済情勢を踏まえて適時的確に見直していく必要性があり、先生御承知のとおり、昨年の十一月に中建替においてその見直しの答申をいただいたわけでございます。その中身は、再三にわたってお話をさせていただいておりますが、現在の指名競争入札よりもさらに透明性と競争性を高めていく必要性があるというようなこと、あるいは現行の入札・契約方式に加えて民間の技術力を重視して活用する入札方式等、多様な発注方式の導入が必要であるというようなことで、本答申について五年度より可能なものから早期に実施していく、このようなことで事務当局に指示したところでございます。
 速やかにその実施を図り、制度の透明性、競争性を確保し、公共工事の適正かつ厳正でさらに信頼を回復できるような手だてを早急にやっていかなければならない、このように考えております。
#172
○山田勇君 次に、法案についてお聞きいたします。
 我が国は世界に類を見ない急激なモータリゼーションの進展を見ましたが、残念ながらその受け皿とも言うべき道路の整備は、先進諸外国に比べていまだ十分な水準とは言えないものがあります。
 道路整備計画は、本格的に進められたのは昭和二十九年に発足した第一次道路整備計画以降のことであり、その歴史は四十年に満たないものでありますが、自動車の保有台数は、平成二年で千人当たり四百六十七台となり、三十年前、我が国の十倍の水準であったイギリスの四百六十台、フランスの四百六十四台を現在は上回っております。
 建設省は、過去第十次にわたる道路整備五カ年計画を実施し、来年度から第十一次へ移行することになりますが、今日まで国民生活の中で道路にどのような位置づけをしてきたのか、その基本理念、また第十一次五カ年計画ではどのような基本方針を考えているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生御指摘をいただきましたように、道路整備というものは後発的な社会資本の整備であったために、現在でも欧米先進国と比べて非常に立ちおくれた状況にあることは御案内のとおりでございます。
 具体的に、自動車一万台に対して、米国においては三・七九キロ、そして西ドイツでは二・七一キロ、我が国は一・〇八キロしかございませんし、さらに一九九一年から、アメリカにおいては現在七万六千キロの高速道路を二十五万キロにすると。ECは、十カ年間で一万二千キロふやす。
 こういった状況でございますので、非常に立ちおくれた高速道路網を含めた道路網の整備というものは国民の願いであり、多極分散型国土を形成するためにも、最も必要な課題である。このような考え方で、今回の第十一次道路整備五カ年計画は、新たな負担を国民の皆様方にこの時代にお願いすることであり非常に難しく思っておりましたけれども、御理解をいただいて、七十六兆円確保をさせていただくことができるならば、人に優しい生活道路、そして地域の振興、活性化、そうした道路の役割を、極めて良好な環境創造というものを含めまして、この十一次道路五カ年計画の成果を上げていきたい、このように考えております。
#174
○山田勇君 道路整備は真の豊かさにつながるという大臣の認識は、私も全く同感であります。
 今回の五カ年計画の総額七十六兆をぜひ確保していただきたいと思いますが、この七十六兆という数字を達成するためには、年平均約八%の伸びが必要となりますが、平成五年度予算では前年度対比七・三%となっています。果たしてこれで七十六兆が間違いなく達成できるのかどうか、まずお尋ねいたします。
#175
○政府委員(藤井治芳君) 実に厳しい御質問でございますが、第十次五カ年計画、これもおおむね一〇〇%達成することができました。これは補正予算が適時適切に行われたという、ある意味の条件も加わりまして、五年間続きのシーリングの姿ではございましたが、そのようになりました。ただ、若干内容的に出入りはございましたけれども、そのようなことでございます。
 第十一次は、一般道路事業、有料道路事業、地方単独事業、それぞれ八%の目標でその構成を決めさせていただいております。そういう意味での平成五年度の予算は、結果として八%という形にはなっておりません。やはりシーリングというものがございましたので、一般の公共事業のシーリングが全体で五%だということもありまして、国費については五%ではございましたが、有料道路事業を含めて七%の確保をしたわけでございます。私ども、今後こういう中でこれを大事に使いながら平成五年度の執行をやってまいるわけでございますが、今後五カ年間の計画期間を通じ、年度の当初予算の確保はもとよりでございますが、年度中間における補正予算、その他事業費の大幅拡大にかかわるいろんな施策も今後ともあり得ると思います。また、そのようなことも、我々内部的にも創意工夫をいたしながら、内容の完全達成に向けて最大限の努力をさせていただきたいと思っております。
#176
○山田勇君 次に、道路特定財源制度についてでありますが、これが今日まで果たしてきた役割は評価もし、今後の必要性も認めるわけですが、この特定財源諸税が暫定という名のもとにずるずると本則税率を超えていることには多少不満を持ちますが、今回の軽油引取税の増税に関してはやむを得ない部分もあるんではないかと思います。しかし、今後はやはり増税はしない、また、道路という公共財の整備に関して一部の自動車利用者に過度の負担をさせないということも大切だと考えます。その際、道路というものは国民生活の基盤を支える社会資本であるという国民のコンセンサスを得て一般財源をふやすことが必要になると考えますが、この考えはいかがなものでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#177
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のとおりだと思います。
 私どもも、第十次五カ年計画の実績で国費は一一%しか確保させてもらえませんでした。地方費は六四%一般財源をいただきました。そういう実績をもとに私ども第十一次をつくる際にせめて国費の世界ではこの一一%を一九%に拡大をするということをさせていただきました。それはこういうことになったわけでございますが、この一九%まで上げると同時に、全体の七十六兆を確保するためには今回の軽油引取税の御努力、御協力もいただかざるを得なかった、こういうことでございます。
 今後やはりこのような考え方だけですべてがいくとも思っておりません。我々、道路利用者の御負担が今後どのようにあるべきかということもあわせまして、一般財源の確保のこともあわせまして、いろんな角度から今後検討していかなきゃいけない、勉強していかなきゃいけない問題だと思っております。いずれにいたしましても、一生懸命これから大事に使わせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
#178
○山田勇君 次に、渋滞問題でございますが、これまで渋滞対策としてアクションプログラムなど実施されておりますが、例えば都内における交通渋滞の発生状況は年々悪化しております。今回の交通需要マネジメント施策をあわせて行う新渋滞対策プログラムは、具体的にどういった内容で、またどのような効果が期待されるのかお答えをいただきたいと思います。
#179
○政府委員(藤井治芳君) まず、新渋滞対策の基本は、道路に集まってくる車を一カ所に集めない、分散させる、これが基本だと思います。
 そういう意味で効率的といいますか、適切な道路ネットワークを構築していく、ここにポイントがあります。しかし、これが時間がかかる。こういうことから私どもは、その間において緊急にやるべきことは何かということから、渋滞交差点の解消とか、特に階路区間であるところの右左折の右折レーンがないがために渋滞している、こういったような場合の部分拡幅、あるいは道路がそこだけ狭くなっているというようなところの部分拡幅、こういったものをまずベースに置きます。
 しかし、それだけではやはり十分いきません。そこで、今度は利用ということで路上駐車が非常に激発するところでは駐車場をつくる、あるいは路上駐車の適切な誘導、荷さばき上の適切な誘導、こういったこともその中の一つだと思います。
 さらに、交通アセスメントという大きな名前ではございますが、これのごく簡易な交通アセスメントとしては、特に車が集まるお店屋さんあるいは銀行、ホテルというようなところと相談いたしまして、ちょっとした歩道の工夫、その入り口の工夫、こういったことで、そこで路上にたまる車がずっと長くなりますとそのことが大きくなります。特にスーパーマーケットなどの駐車場の入り口ではこのような傾向がありますから、こういうものも御相談しながら一緒に解決していく。規制をするという発想ではなくて、御一緒に相談して、道路側も応援するからあなた方もやれるものをやりなさい、こういうことでやりたい。こういうものもこの新渋滞対策の中に入ります。
 さらにそれ以外にも、今度は大きな意味での通勤、通学、例えば鉄道になるべく転換していただく、バスに転換していただく、あるいは歩いて駅まで行っていただく、こういう意味の施設整備もする、こういうのもこの新渋滞対策の内容だと思います。
 そういう意味で、いろんな意味のものを全部まとめて、地区ごとに、その地区はこのタイプがいいなというようなものを決めながらやっていく。そういう意味では地域性、時間性、それから具体的な方策、こういうものをソフト、ハードまとめてやっていく、これが新渋滞対策の骨子だと思っております。
 そういう中では企業への御協力もいただくわけで、その結果第十一次五カ年計画期間内には、大都市圏で現在十八キロで走っているものをせめて二十キロ、地方都市では現在二十二キロで時間走っているものを二十四キロ、こういうようなことで、平均速度でございますから具体的な箇所としては完全に解消しているところもある。その結果、環境対策等々にもプラスになっていきたい、かように考えている次第でございます。
#180
○山田勇君 渋滞の起こる理由としては幾つか挙げられますが、一つには道路整備が自動車通行量におくれて後追いをしているということにもあります。また、日本の都市部においては中心部から郊外へ延びる放射道路を中心に構成されてきております。このため郊外から他都市へ向かう車も一度は用もないのに都市部へ入り、また放射道を使って他の都心へと向かうということになります。都市部の渋滞もそうなりますとひどくなります。これからもこれらを緩和するためには当然環状道路の整備、またバイパスなど最重点に考えなければなりませんが、その点とうなっておるかお答えをいただきたいと思います。
 それから、今年度から大規模開発による道路交通への影響が生じると予想される場合には、その影響を事前に評価する交通アセスメントを実施することになっておりますが、この趣旨については評価できるんですが、実際の運用、例えばこれをどのように行い、またその結果により開発者にどのような対策を講じるよう要求していくのか、大変難しいものがあると思いますが、現時点で結構でございます、概要を教えていただければ幸いでございます。
#181
○政府委員(藤井治芳君) 環状道路につきまして、放射環状道路と言っておりますけれども、私どもはこれから環状道路を極めて重視したいと思います。地方の街道に沿った都市では環状道路よりもバイパスの方が有効な場合もありますが、多くの場合環状道路が必要である。
 そこで、第十一次五カ年計画においては、都市圏の広域的な交通を適切に分担して都市圏の交通混雑の解消という意味のもので、一般国道では千七百キロの供用を図る予定でございます。そのようなことを通じて地方中枢・中核都市等における規格の高いバイパス、環状道路について、長期構想としては人口二十万人以上の都市、全国で五十八都市ございますが、この七割をつくりたい、こう思っております。現在の整備率は一九%でございまして、十一次五計内にはこの一九%の整備率を二八%にしたい、かように思っております。
 それから、交通アセスメントの考え方でございますが、現在全国百十二の幹線道路の沿道の開発事例を調査いたしました。その結果、駐車待ちの自動車が路上に滞留して混雑している車が二百メーターにも及ぶ事例が五十七事例もありました。一キロ以上滞留している事例が十六事例もございました。こういうことでやはり何らかの工夫をしなきゃいけないだろう、こういう視点から駐車場出入り口の位置、駐車待ち車両のための滞留スペースの設置等々、道路管理者とそこの沿道におけるお店等々の方々と一緒になってやる内容を今後探してみたいと思います。
 そして、交通アセスメントについては交通への影響の予測評価の方法、交通への影響を軽減あるいは予防するための対策、あるいは既存のさまざまな法制度との関係等検討を必要といたしますので、こういうものを見ながら、規制ではなくて協調、協力という観点で関係機関とも連携、調整を図りながらその方策をまとめていきたいと思っております。
#182
○山田勇君 四月一日から警視庁の交通部内に都市交通対策課がこれまでの駐車対策課を発展解消する形で設置されることになりました。渋滞対策は極めて重要な問題であり、建設、運輸、警察など関係省庁が縦割り行政の弊害に陥ることなく一致して取り組まなければなりませんが、この都市交通対策課の設置について事前に建設省に話があったのかどうかという質問をする予定でございましたが、同僚の中川委員の方から先ほどこのようなお話の中、建設省としては各省庁のいわゆる課長レベルの連絡会議を常に開いてこういうことを研究しているということでございますので、これは答弁は結構でございます。
   〔理事種田誠君退席、委員長着席〕
 次に、有料道路についてお尋ねをいたします。
 高速自動車国道は現在全路線が料金プール制を採用されておりますが、これは事業採択の時間的順序の違いから料金に差が生じることを避けるためで、国土の均衡ある発展といった見地から地方の高速道路整備を考えたときに、建設省はこの制度を堅持してきたこと、また今度もこれを続けるということも当然と考えますが、例えば名神や東名などの利用者からは、こんなに利用者が多いのに、したがって渋滞も多い道路を利用している者がなぜ地方のがらすきの高速道の赤字負担までしなければならないのかといった素朴な声もよく耳にします。また、名神の一部区間は昭和三十八年に供用が開始され、道路の償還期間の基本である三十年を迎えており、これはもう料金はただでもいいんではないかといった声も現実にあります。
 こうした声に対して建設省としましては、高速道路が国民全体の社会資本であり、また料金のプール制の意義などについても十分に国民に理解していただく努力が必要ではないかなと思いますが、どのような今後対策をお考えになっておられますか、お聞かせください。
#183
○政府委員(藤井治芳君) 高速道路は御承知のように、予定路線、そして基本計画、整備計画、施行命令、各段階を経て事業をいたします。そして、その各段階ごとに、また工事を実施する際にもいろんな形で地元説明会あるいは公聴会等々が行われております。また、そういう意味での一般的な周知の活動以外に有料道路制度の仕組み、意義については日本道路公団においてPR誌、情報誌等の発刊あるいは配布対象の拡大、及び全国今十一カ所でハイウエー懇談会というのを年に二回から四回ほど開いております。これは地元の方々に入っていただいたハイウェー懇談会でございます、あるいはモニター会議、こういったものも今後大いに活用したいと思っております。今までもやってまいりましたが、活用したい。
 さらに今度、料金値上げといったような問題が平成元年のときに大きな問題になりまして、高速自動車国道の料金に係る公聴会制度も新設をいたしました。こういう場を通じて今まで有料制度の理解促進に努めてきたわけでございますが、今後十一次五計を発足する際に、この発足の前提として全国八千人から成る懇談会等を開かせていただいた経緯もございますので、もう一度原点に戻りまして、五カ年計画こうやってつくりました、ありがとうございました、それは今後こうやってまいりますということをフィードバックする中でもPRをさせていただいて御理解をいただこうと思っております。
#184
○山田勇君 最後の質問に移らせていただきます。
 「今後の有料道路制度のあり方についての中間答申」によりますと、道路の償還期間の延長について検討する必要があるとされております。道路のように国民が長期に利用する社会資本については、世代間の負担の公平を確保する必要があり、この償還期間の五年ないし十年の延長は、交通量の予測の難しさなどを差し引いてもすぐに実施してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、中間答申では、近年のキャッシュレス化の進展に伴って、プリペイドカードの普及を進める必要があるとされておりますが、その現状と今後の取り組みについて御説明を願いたいと思います。
#185
○政府委員(藤井治芳君) 現在、三十年という料金の徴収期間をとらせていただいております。これは、昭和四十七年のころに三十年というものをとりました。それよりかはるか前のころは十五年余であった時代もあったかと思います、一般有料道路では。しかし、だんだん三十年まで推計ができるだろうとなってまいりました。
 そして、なぜ三十年かといえば、超長期的な経済社会情勢の予測、これが三十年が限界だろう。なぜならば、償還期間には交通量は何台三十年後に生まれるかという台数を予測するわけでございます。したがって、台数を予測するというからにはかなりいろんな意味でのマクロ指標についての見通しが出てきませんと、交通量への換算ができません。もし、償還期間を延長すればするほどこの変動が著しくあいまいになりますから、仮に一つの推計のもとにやっても危なくなるという危険性のある影響も出てくるわけでございます。そういうことから、今までは三十年ということをやってまいりました。諸外国においても、この三十年というのはいろんな意味でよく使われている年限でございます。
 しかし、昨年の道路審議会において、高速道路も六千キロまできたじゃないか、六千キロの収入が入ってくるじゃないか。それからさらに、今後の支出に対するカバーが出るとなれば、そのばらつき、そういったものについても多少は精度についての感度が変わってくるんじゃないかということも含めまして、予測精度の向上、こういったことから五年ないし十年ぐらいの償還期間の延長は可能ではないか、こういう御提言をいただくに至りました。
 そこで私どもは、この五年ないし十年というのは、そこの道路網のストックの量と合わせて考える性格のものです。三十年後ないし四十年後の交通量の精度がどのぐらいいいかどうか、そのばらつきがどのぐらいのものか、こういうことから五年か十年かを考えなきゃいけないと思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、料金を高く上げるということが極めて厳しいわけですから、なるべく可能な限りあらゆる部分の要素はできるだけ駆使して、料金へのはね返りが少なくなるように努力をしていく。その一環として償還期間の延長についても考えたいと思っております。
 それから、プリペイドカードのことでございますが、六十二年からプリペイドカードの導入を進めてまいりました。現在、高速自動車国道のすべての料金所のほか、一般有料道路、都市高速道路、本州四国連絡道路の一部の料金所で利用可能でございます。首都高速道路の場合には、平成五年度までに百二十九料金所のうち六十八料金所に導入し、六年度を目途にすべての料金所に導入する。首都高速も平成六年度にはすべてプリペイドカードが可能になります。
 プリペイドカードが利用できる料金所の表示については、四公団ともハイウエーカード利用約款というものを四公団共通でつくって、見やすいように張ってございます。そういうようなことで、利用者の方々にも御理解いただきながら、徐々にこれをふやしていく、こういうことで阪神公団についても現在九十二料金所のうち三料金所に導入しておりまして、平成八年度を目途にすべての料金所に導入する予定でございます。
#186
○山田勇君 ありがとうございました。
#187
○上田耕一郎君 私どもは道路五カ年計画を策定して道路整備を促進することに反対というわけじゃありませんけれども、計画内容を吟味してまいりまして、これまでもこの五カ年計画については賛成できないという態度をとっております。前回の十次五計のときも、これは新列島改造計画とも言うべき四全総の具体的推進計画であること、公共投資のバランスの問題、道路特定財源制度の問題などを指摘しまして、反対をしました。今度の十一次五計もその基本的性格が踏襲されておりますので、賛成できません。
 ただ、十次五計と比べますと、十次五計は基本方針、トップに交流ネットワークの強化、高規格幹線道路網、これがトップだったんですね。ところが、今度は「生活者の豊かさを支える道路整備の推進」とか、「良好な環境創造」とか、そういう問題が入ってきまして、これはそのこと自体は評価したいと思うんですね。
 それで、お伺いしたいのは、こういう表現になってきたのは、これまでのやり方についての若干の反省がやっぱり含まれているんですか。
#188
○政府委員(藤井治芳君) 私ども、道路は常に利用者側から見てどうあるべきかという立場でやってまいりました。したがって、ストックが十分でないときには、どうしても施設を整備することを中心に考えざるを得ませんでした。したがって、昔は簡易舗装であるとか舗装が中心でございました。そして、スピードを要求されれば、高速自動車国道を大胆に導入いたしました。そういうことでやってまいりましたが、今やいろんな意味での社会の多様化に対応して、その地域の活性化に応じた道路整備、これが主役でございますから、このような形に変えたわけでございます。したがって、世の中が道路政策の目標を変えさせた、こういうふうに御理解いただければと思います。
#189
○上田耕一郎君 宮澤内閣も生活大国というふうに言い出していますからね。それ自体評価するんだが、実際の内容がそういう方向になっているか、これを具体的に検討することが必要になってきます。
 最初の「くらしの利便性向上」の問題では渋滞対策が大きな課題になっていますが、拝見しますと、ボトルネック解消の対象箇所の大幅増加、また自動車駐車場整備、これは四倍になっている。そういう積極的な部分もあります。しかし、他方、連続立体交差事業、これは事業費でマイナス、バスのずれ違い困難区間の解消、これも事業費でマイナスという状況がありまして、結局のところ一番重点は、高規格幹線道路などのネットワークの整備、中でもバイパスや環状道路などの重点的整備ということになっています。
 そうなりますと、これは考え方の問題として、藤井局長の考え方を聞きたいのは、自動車用の高速道路をつくる、つくったときは渋滞は確かに解消されるけれども、またもや自動車がふえてまた渋滞になるという悪循環があるわけですね。この問題は東京都自動車交通量対策検討委員会が二月に出した最終報告、「自動車交通量対策の推進をめざして」にこう書いてあります。道路網の整備などの「交通流円滑化対策は、車速が上昇し、結果としてNOx排出量の削減につながる」と、このことは認めながらも、「しかし、この対策を講じても、自動車の走行量が増えることにより、再び交通渋滞をもたらすことになるため、円滑化対策と合わせて交通量の抑制対策が必要である」、こう言っているんですね。これは、確かにそうだと思うんだけれども、建設省の考え方はいかがでしようか。
#190
○政府委員(藤井治芳君) 再三私ども申し上げておりますが、車のふえるのは、私は生活の様式、国民の経済社会における生活のパターンがどのような形で運営されるかによって決まるものと思っております。道路がよくなったからというのは、道路はそういうパターンに応じて整備をいたしてきたっもりでございます、結果ふえてきたことは事実だと思います。
 そこで、東京のように鉄道網が発達しているところについては、私どもの政策はそういった他の交通機関を最大限に利用する形で補っていく、そして現在混雑しているところの解消に重点を置く、こういう施策が東京における渋滞対策、それが首都高速の環状線等々内環状線が非常に込んでいることから中央環状線の対策、これはすべて渋滞対策という立場での議論でございます。いわゆる開発という立場の議論ではございません。地方におきましては、今度はその地域を住みやすい状況にすることが東京の一極集中是正にもつながり、地方の入口定着、活性化にもつながる。しかし、そこには鉄道網等々他の交通機関がないから道路網という形で定着を図る、こういうことでございますので、その結果が六千万台に及ぶ保有台数と六千万人以上の免許保有者、こういうことは、これは国民の車社会というふうに思っておりますので、それに応じた整備をしているつもりでございます。
 したがって、単に道路ができたから車がふえる、車がふえたから道路をつくるという意味の物の発想ではなくて、そういう地域地域に応じた仕組みでこれからの道路整備を図っていく。その際になるべく他の交通機関を使って、大臣が申し上げましたようにむだのない総合交通体系の物の考え方の中でやっていく、こういうことでございます。そのことが高規格幹線道路という、諸外国においてもそこに車を集めることによって街路がすいてくるという実績がございますから、そういう思想も高速自動車国道は東京一極集中是正のために必要ですし、交通混雑にも必要と。そういう意味で高速高規格幹線道路が出てきたわけでございます。
 なお、一言だけ加えさせていただきますと、先ほど連続立体事業が非常に少ないかのごとき若干の御発言ございましたけれども、十一次五計におきましては十次の実績の倍率の一・六倍の事業量と一・三五倍の事業費を積んでございますので、一般道路事業の倍率よりもかなり高くここにセットをいたしております。
#191
○上田耕一郎君 局長の言われる側面も確かにあると思うんだけれども、国民の生活様式だけじゃなくて企業の行動様式、これが一つ日本の場合非常に重要なんですね。
 東京の場合、例えば圏央道、これは私ども圏央道の高尾山問題、環境破壊でずっと反対してきているんだけれども、あの圏央道プランが発表されたために三多摩でどれだけの開発計画が生まれているかといいますと、青梅市、秋川市、日の出町、五日市、八王子市等々でもう十指に近い開発計画があるんですよ。私はもう何回も調査に行っています。二十二日に八王子の住都公団の川口リサーチパーク、この問題、私現地に調査に行ったんですけれども、この圏央道計画が発表されるとこういう開発が圏央道に関連してどんどん出てくる。
 そうすると、これは自動車交通量のとんでもない増加が生まれて、環境破壊だけじゃなくて渋滞が進むんですよ。例えばリサーチパークまで、これは八王子市の北西約八キロのところですが、中心部への交通は秋川街道と陣馬街道。秋川街道はバスで二十分ぐらいのところが朝夕は一時間以上かかるという大変な渋滞なんです。そこに計画人口八千五百人の先端技術研究団地をつくるというんですよ。秋川街道の交通量、四谷町で十二時間で八千八十五台なんだが、開発による交通量は平均一日八千四百五十台というんですから、これは物すごいことになるというので現地でも非常に心配されているんです。
 私はこういう点で、大都市の自動車専用道よりも本当に生活道路の深刻な渋滞をどうやって解消するか、こういうことにやはりもっと真剣に取り組むことを要望したいと思います。これはもう答弁は要りません。ひとつ検討してほしいと思うんです。
 さて、この二番目にある「くらしの安全向上」ということについても同様で、こう書いてあるんです。「交通安全対策の推進」、「抜本的対策として、一般道路に比べて安全性の高い高速自動車国道等の高規格幹線道路やバイパス・環状道路など幹線道路のネットワーク整備を推進する」、やはり安全の問題でも高規格幹線道路が最重点ということになっている。
 それで、局長に歩道問題についてお伺いしたいんです。
 歩道整備、これは必要区間二十六万キロということになっているんです。十次五計では長期計画、つまり二〇一〇年から二〇一五年の目標で整備目標二十三万六千キロとなっている。今度は整備目標、同じ年度で二十一万キロと減っているんです。そうなると、二十六万キロの整備目標を先送りにしたのかという疑問が当然生まれてくる。一体歩道整備二十六万キロ、これはいつ完成するということに十一次五計ではしているんですか。
#192
○政府委員(藤井治芳君) 非常にいい視点からの先生の御質問でございます。
 実はこの歩道整備、私ども平成五年度に本格的な全国調査をしてみようかと思っているんです。それはなぜか。通学路、この総点検をまずしようと思っておりますが、それとあわせて歩道というものを今道路構造令を含めた道路構造のあり方の勉強をいたしております。その際に、歩道といってもいろんな歩道がございます。いろんな意味の、自転車と一緒に兼用した歩道もあれば全くそうじゃない歩道もあるし、いろんな歩道があります。そういうもので私どもマクロ的に二十六万キロ、こういうようなものをかねてから申し上げておりました。しかし、これをもう一度積み上げて、地域の五カ年計画を今後さらに精度を上げて内容を固めていくわけでございますから、そういう中でもっと地域ごとに精度の高い歩道の必要性とがあり方というものを勉強してみたいと思います。
 そういう中で、二十六万キロというのがあるいは結果としてもっとふえるかもしれません。もっと内容的に質に応じた歩道という形でこれが皆様方に御説明できるかもしれません。そういう意味で、私どもきょう現在では二十六万キロというものをさらにもっとふやしたい。ただし、人間がどのような歩き方をするか、どういう歩行のニーズをその地区ごとで持っているか。一番いい例が、何回も申し上げておりますが、駅と家との間を自動車で駅まで行くんじゃなくて歩いていく、そういう形でなるべく自動車から歩行へ転換させて鉄道を利用させる、こういうことも私ども今回の歩道政策、歩道ネットワークという言葉を使っておりますけれども、そういう中で定着させたいと思っております。
 そうなれば、なおさら、言ってみればODと言っておりますが、車のOD、車がA地点からB地点まで行くと同じように歩行者のOD、こういったような思想も必要だろうと思うんです。そういう中で私ども今回の政策というもの、暮らしの安全性そして快適性、こういうものを、モーダルミックスでも歩くということを重要な施策ということで取り上げておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#193
○上田耕一郎君 歩道問題を重視して調査されるのはいいことだと思うんです。高齢者のために幅の広い歩道の整備というのも出ているんですけれども、事業費の中で伸びはわずか五%なので、これはもっとやっぱり力を入れてほしいと思うんです。
 それから障害者の道路利用、これもなかなか大事な問題なんだけれども、歩道も含めて。この十一次五計の中にはちょっと見当たらないんだけれども、障害者の道路利用のための施策、これは五カ年計画で位置づけはありますか。
#194
○政府委員(藤井治芳君) いわゆる車いすの御利用者、高齢者といったような、言ってみれば今まで私どもそういう方々を交通弱者という発想でとらえておりました。私ども十一次五計では交通弱者というとらえ方をしておりません。交通の主人公の一人である、こういうとらえ方をしないと定着いたしませんので、言葉だけではなくてそういう意識で定着させたい。
 そうなると、じゃどういうところに必要なのかということから始めて、それからどういう姿、一番簡単なのが、車いすは幅が六十三センチです。そうすると今の歩道では非常に狭いわけです。それなのにもかかわらず、一・五メートルの歩道をつくったらもうこれで車いすの御利用者にも十分だというふうな形でとられるような歩道整備をしていたら、これはやっぱり片手間でございます。そういうことで、ドイツなどでやっているように、車いすを考えて、お互いに車いすがすれ違えるような幅三メートルでございます。そういうものをとるのに、じゃ既存のこういう都市の中で歩道の空間をとったら車道をつぶす以外にないじゃないかとか、いやどうするんだと、こういうことがあります。そうなるとどうなるかというと、いろんな道、表の道路と裏の道路、こういう道筋を合わせて、じゃこの道路はコミュニティー道路として、こういう方々が専ら使う道路として地区としてそういうことを合意していただこうじゃないか、この道路は逆に車が主として通る道路と。
 一番それの具体的な道路としては、王子駅の前にあるそうでございます。私行っていませんので確認をしておりませんが、お聞きしたところによると、王子駅の前で、大ざっぱに言って五百メートルぐらいに囲まれた地区、周りは四車線の道路でございます。中はコミュニティー道路で全部構築されておる。そうしたら交通事故が四分の一に減った。これは普通ならばなかなかできないことですが、地区の方々が合意してその地区はそういう利用の仕方でいいよという意思決定をしていただいたためにできたんです。
 ですから、地区の方が主人公ですから、その地区に住む人たちがそういう意思決定をしたらそれを応援してそういうふうな形にするように私どもも力を注ぐ、こういう形でないと本当の意味での、号令をかけて政策を単に抽象的に言っただけじゃ定着いたしません。あくまでも地域が中心ですから、その地域のそういう努力に我々も応援する、特に今まで厳しい条件の中で道路を利用していた方々ですから、ぜひそういうことも加味してやっていく、これが十一次五計の中に入っております。
#195
○上田耕一郎君 日本の道路は大体歩道がないという特徴があるんですね。ヨーロッパでは自動車の前は馬車ですから、馬車でも人間死にますので道路には必ず歩道があった。日本は大体かごですからね。だから歩道は大体なかった。だから、ヨーロッパで生活している記者が日本へ帰ってきたら、子供がお父さんに、お父さん、僕の歩く道がないよと言って訴えたという話さえあるぐらいなんです。ですから、そういう点で今局長が歩道の重視空言われましたけれども、大いに力を入れて人間の歩く道路、安全にお年寄りや障害者が歩く道路、歩道に力を入れてほしい。
 一つ障害者問題についてお聞きしますが、昨年六月十五日、道路審議会の有料道路制度についての答申で、これも建設委員会で前からずっと取り上げてきた問題ですけれども、内部障害者それから重度障害者の介護者の運転、これが有料道路料金割引措置の対象になるということが出ましたね。これの具体的な検討を求めているんだけれども、いつまでにこの問題具体化されるでしょうか。
#196
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。
 その前に申しわけありませんが、先ほど王子駅の例を申し上げましたが、交通事故は四分の一ではなくゼロだということを、今メモが来ましたのでちょっと訂正をさせてください。地元の方々に申しわけありませんので。私それ現物見ていませんから、あくまでも資料でお答えしております。
 それから、有料道路料金の割引制度の見直しの問題でございますが、これは先生御承知のように、五十四年に御自分で運転される方に限って制度を導入いたしました。しかし、現実に確かにその適用範囲の拡大ということでいろんな拡大をお求めになられました。昨年道路審議会で具体的な適用要件も含めて検討する必要があるという御答申をいただき、昨年の百二十三国会でその趣旨の御請願も採択されておりますが、私ども今どういうことについて検討しているかといいますと、その拡大対象とすべき障害者の具体的な範囲、本人運転についてはいろいろとありますが、介護者の運転、これをどういうふうにするのか、これいろいろとございます。しかもその場合に、極端に言いますと大型バスに一人乗っていてもそれをそういうふうに見るのか。通院だとか通学だとか、あるいは通勤とか、そういうような場合でマイカーのようなものに乗っていただいているときはどうだ、いや大型バスで一人だけ乗っていてもそれはそうなのかとか、いろんなケースがあります。
 そういうことで、やはりこの料金というのはほかの方々に料金負担をしていただく形でまいりますので、そこら辺が皆さん方に御納得いただけるような範囲を考えなきゃいけない。さらに、鉄道の場合ですと一人一人個人で切符を買いますからそのときの割引でいいんですが、自動車でございます。有料道路の場合には自動車ですから、そういう意味で問題が非常に難しいわけです。さらに、今度は車種をどうするか、所有者はどうするんだ、それから障害者の本人の確認、福祉事務所を通して一々煩わしいけれどもやっていただくのか、料金所の利用手続をどうするんだ、これも煩わしければまずいですからどうしたらより簡便なものになるかといったような、実施に当たりますと具体的ないろんな作業がございます。そういうものをいろんな専門家に御相談して今詰めている最中でございます。
 私どもとしては、今までのかねての経緯もございますので、この検討の結果がまとまり次第、できるだけ早く所要の措置を講じたいという気持ちでおります。ただ、今言ったようないろんな問題がございますので、それをまとめないとかえって不要な混乱を、逆にせっかくいいものを適用したとしてもまた変に御不満から評判が悪くなってももったいのうございますから、そこら辺あわせていろいろと検討させていただきたいと思います。
#197
○上田耕一郎君 なるべく早く実施してほしいと思います。
 最後のテーマ、「良好な環境創造のための道路整備」、これも沿線緑化なんかありますけれども、結局、高規格幹線道路網、この整備促進がやっぱり重点になっているんですね。しかし、現実には大都市内の高速道路が沿道の環境破壊の元凶になっているのは東京でも神戸でも大阪でもどこでも同じです。東京の場合、環境保全局の平成三年度の大気汚染状況測定結果がありますが、自動車排ガス測定局三十カ所のうち二十七カ所、これがNO2の環境基準を超えていまして、二十三区内全部バツです。全部バツ、例外なくという状況なんですね。だから、高速道路を大都市の住宅地につくることが良好な環境創造になるというのはこれは白を黒と言うものだと私は思う。
 首都高速道路公団に来ていただいていますけれども、目黒区の大橋インター問題、これは非常に恐るべき実例なんで、私、以前にここでも取り上げたことがあるんですけれども、お伺いしたい。
 大橋インター、ここの騒音は東京一なんです。大気汚染はナンバースリーなんです。そこへ今度新しく首都高速の新宿線がインターをつくるわけですね。そうすると、これはナンバーワンに大気汚染でもなることは確実で、かなりいいかげんな環境アセスでも供用開始時これは環境基準達成できない。平成十二年には交通量が減るから何とかなるだろうという環境アセスが出ているぐらいなんですね。
 それで、住民四百四名が東京都の公害審査会に調停を申し立てているんですよ。これまで調停が二十回開かれている。住民は、東京のワーストワンになりそうなこの環境汚染、大問題だと。近くの菅刈小学校なんというのも非常にぜんそく症状の児童がふえている現状があるので、新宿線と三号線を地下化してほしい、インターも地下にしてほしい、あるいはシェルターを全部かけてほしい等々の案を具体的に公害審査会に出しているんですよ。
 ところが、首都公団側はいずれも拒否回答で、これは無理だというんですね。そうなりますと、公害審査会で調停しようにもその大気汚染を減らすための案を首都高速道路公団が出せないというんです。私はこれはどうしても具体的な案を出す責任があると思うんです。それが出せないんならこういうものをやっぱりつくるべきでないと思うんですけれども、いかがですか。
#198
○参考人(佐藤本次郎君) 私ども首都高速道路の計画並びに施行に当たりましては、その前提といたしまして環境アセスメントを実施しでございます。これは、東京の場合には東京都の条例によって実施しておるわけでございますけれども、その御指摘の区間につきましては、今私どもの鋭意渋滞対策の抜本的な対策となります中央環状線、その一部でございます中央環状新宿線に属するところでございます。この新宿線は、目黒区の青葉台から豊島区に至る八・七キロメーターでございますけれども、平成二年にアセスメントを実施いたしました。これは、その時点における最新のデータと科学的な知見でありまして、これは六十三年十二月に環境庁が作成したものでございますけれども、窒素酸化物対策、特にNO2の対策の新たな中間展望というのを用いまして予測と評価を私どもは実施したわけでございます。
 この中央環状新宿線の環境影響評価の評価方法及びその内容につきましても、専門家から成ります東京都環境影響評価審議会、これは都知事の諮問機関でございますけれども、それに諮問いたしまして、その内容等につきましては技術指針におおむね適合しているとの答申を得まして、私どもは適切なものであるということで現在仕事を進めているものでございます。
 また、現在、都におきましては、建設省並びに私ども首都高速道路公団も参画しておりますNOxいわゆる窒素酸化物の総量削減計画策定協議会を設けまして、これも平成四年六月に公布されたものでございますけれども、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、この法律に基づきまして、西暦二〇〇〇年までにはおおむね環境基準が達成されるよう、総力を挙げでさまざまな計画策定作業に関する推進を私ども進めているところでございます。
 今後とも、地域の環境保全が図られるよう、関係する機関とともに私どもは精いっぱい努力してまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思っております。
#199
○上田耕一郎君 私は公害審査会の記録、読んだんですけれども、その公害審査会の会長が盛んに案出せ案出せと言っているのに公団は全然出さないし、出してもほとんど拒否回答でしょう。その問題はどうなっているの。公害審査会では具体的な案を出す気持ちはないんですか、今の答弁には触れてなかったけれども。
#200
○参考人(佐藤本次郎君) 公害調停につきましては、地元から御指摘のように出ております。その件につきましては、騒音対策等もございますけれども、特にNOx対策が主になっております。それにつきましては、私どもは先ほど御説明いたしましたようにアセスメントを実施してございますので、その内容につきまして詳細に御説明しております。もちろん、この公害調停の場以外においても、地元におきまして皆さん方に説明をいたしておるところでございます。
#201
○上田耕一郎君 もうきょうは時間がありませんから細かく詰めませんけれども、住民の要望は当然のことだと思うんですね。
 住民の要望は、この問題、一つは大気汚染問題。もう一つは、大橋二丁目・駒場地区で住宅の下わずか五メートルのところに直径十四メートルのトンネルをシールド工法で掘り抜く、これはなかなか大問題なんでね。こういう問題についても、どうも公団が、公害審査会でもそのほかの住民に対する対応でも、誠意を持ってやっているように私には思えない。
 今後さらに追及したいと思うんですけれども、もう一つお伺いしたいのは、ここに目黒区の大橋一丁目周辺地区整備構想案というのが去年の三月出たのがあるんですね。これを見ますと、これがイメージ図で、よく御存じと思いますけれども、大橋インターのところに、とにかく出てくるインターを全部覆って住宅その他を建てる、こういうものができる計画があるんです。
 これは区の計画を見ますと、事業者、首都高速道路公団などとなっているんですね。首都高速道路公団は、目黒区の発表したこういう、全部覆うしこういうふうにすると、これは私ここの委員会で立体道路のときに朝日新聞がこれを報道したがどうかということを一度取り上げたことがあるんだけれども、その後目黒区は公団とともに恐らくこれは進めているんですね。これは、こういう計画、やっぱり公団かんでいるんでしよう。大体こういう方向でいくおっもりですか。
#202
○参考人(佐藤本次郎君) ただいま御指摘ございました再開発の計画につきましては、これは目黒区が、目黒区役所が大橋一丁目周辺地区整備構想案を作成したものでございまして、いわゆる私どもは通過する道路の条件をお示ししただけでありまして、これは全く地元の発想の計画案でございます。
 ただし、私どもといたしましては、この都市内を走る高速道路はもちろんこれは町づくりの非常に重要な要素でございます。したがいまして、私どもの道路が入ることによりまして、その市街地の活性化が失われることがないように、また地域分断がないように、また良好な環境が保全されるようにということは十分考えております。
 したがいまして、そのときに、御指摘ございましたような一体的な整備という法制度が確立されておりますので、そういった点を十分活用した上でこの大橋地区の再開発と私どもの道路との一体整備も考えられるかもしれないという案は私どもは持ってございます。ただし、これも私どもが一方的にお示しするのではなくて、あくまでも地元の方の発意によって私どもは参画いたしたいと思っているわけでございます。したがいまして、その施工者が首都高速道路公団等となっておりますけれども、今のところは私どもとしてはそれは決定してございません。あくまでも地元の開発計画をお待ちしているという段階でございます。
#203
○上田耕一郎君 この案は目黒区の案だと、公団としてはそういう可能性も想定して立体道路となるので一つの案も持っていると、三つ目に地元の案があれば一緒に進めようというお話なんで、そうなりますと、地元の案はこうやってもう既に発表されているんだから。こういう設計図からイメージ図まで出ていて、これを施工する事業者の公団と何ら話し合いなしに進めているとは私は毛頭思いませんよ。
 そうなりますと、こういうのがもし再開発でつくられると、物すごい大きなこういうループですね、これが全部覆われるということになると、アセスも当然やり直しになるんだろうと思うんですね。そういう点で、私はこの大橋インターの問題というのは、東京都の道路公害の中でも特別に大気汚染の問題が、東京は本当に先ほど申しましたように、NO2についてもう環境基準達成しているのは二十三区内ゼロなんですからね。こういう大問題で、今ワーストスリーのところがこういうものが実行されるとワーストワンになりかねない。そういうところなんですよ。
 それを、こういう十一次五計で高規格道路の問題、これだけ環境のため環境のためと言っているときに、首都のど真ん中でワーストスリーのところがワーストワンになると、そういうことについて、それを改善する計画を道路公団として何ら提起できないというのは私は全く無責任過ぎると思うんだな。
 しかも、今のアセス案は、こういうものを計画なしに発表されているんだけれども、今度はこういう再開発とさらに結合されるということになりますと、この大橋インターの問題というのは、東京都の公害問題、特に道路公害の問題として非常に重大だと思うんですね。
 道路公団としては、こういう計画についての道路公団の態度、それから住民要求についての責任ある態度、それから東京都の公害審査会で既に二十回行われているんですから、そこの公害審査会での調停が成功されるように、私は責任ある大気汚染を減らす具体的な案を出す責任があると思うんですよ。その点そういう責任ある具体的な案をぜひ出していただきたいと思いますが、いかがですか。
#204
○参考人(佐藤本次郎君) 私ども、東京都の環境、特にNOxの条件が悪化しているということは、一つには大きくは現在生じております渋滞だと思います。この渋滞による自動車走行の低下によるNOxの異常な排出量じゃないかと思いまして、第一義的には私どものネットワークを整備いたしまして、自動車交通を円滑に走らせ、渋滞をなくすことだと思いまして、基本的にはただいま御指摘ございました中央環状線の整備に全力を注いでいるところでございます。その点に関しましては、当然地元の方の御理解も得たいと思っているところでございます。
 それからもう一つつけ加えますけれども、私どもがアセスメントを行っておりますのは、現時点で地元に御説明しております計画に基づきましてのアセスメントでございます。具体的に申しますと、私どもの道路は、現在の三号線、二十メーターぐらいの高さにございますので、その間をちょうど高架で私どもの三号線の本線が通ります。と申しますのは、大橋地区はちょうどくぼ地になってございますので、部分的にトンネルが連絡道路等であるかもしれませんけれども、大部分が地上に出た構造になるわけでございます。そういった点で、やはり町づくりに対して相当影響があるということで地元の方の発意でそのような計画案がなされているわけでございますけれども、これは再開発事業というのは、またもう一つ都市計画のアクションプログラムでございますので、その再開発事業計画が実施されるに当たりましては、それはそれなりにまた別の意味での環境アセスメントが実施されるのではないかと私どもは思っております。
#205
○上田耕一郎君 もう時間が参りました。藤井局長、建設省としてもやっぱり関心を持ってこの問題見てほしいと思うんですが、今後追及を続けたいと思いますけれども、建設省としても何か言うことがあったら言ってください。
#206
○政府委員(藤井治芳君) 難しい御質問で何をお答えしたらいいかわかりませんが、今先生から御指摘の、私どもは一つの法的に決められた手続に沿って仕事を進めさしていただいております。これは、やっぱり民主的なルールのもとでそういう手続が決められているわけでございます。しかし、そのことと、いろいろな意味で全く条件が変わってしまって、それがまた新しい要素でもって前提となる全体の計画がつくり直されるということであるならば、また当然それは変わってまいります。
 そういう意味で、私どもは、今の問題で言いますと、東京都及び目黒区、ここにおける物の考え方、これを十分見守りながら首都公団を指導していきたいと思っております。
#207
○上田耕一郎君 終わります。
#208
○萩野浩基君 民主改革連合の萩野でございます。よろしくお願いいたします。
 今回出されております道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法、この一部改正でございますが、その必要性は十分理解しておるつもりであります。特に、余りこの辺は質疑されておりませんけれども、奥地等についても非常に大事ではないかと思っておるものであります。こうした措置というのも生活と著しく密接に関係してくることにつながっていくんじゃないか、その辺につきましては同僚の委員からいろいろと質問があったとおりであります。
 そこで、具体的な点をちょっとお尋ねいたしますけれども、道路の改築に関する補助率についてでありますが、この道路の改築に関する補助率等については、道路法等の規定にかかわらず十分の七、それから土地区画整理事業にかかわるものにあっては十分の五・五、このようにされておりますけれども、そのように定められた根底にある原理的なものといいますか基本的なもの、またそのように設定されたスパンといいますか、そういうようなものをお示しいただけたらと思います。
#209
○政府委員(藤井治芳君) 道路整備緊急措置法に係る補助率、言ってみれば公共事業に係る補助率等につきましては、御承知のように、臨時行政改革推進審議会答申等を踏まえまして、体系化、簡素化という観点で、直轄事業にあっては三分の二、補助事業にあっては二分の一、これを基本として恒久化することといたしております。ただし、これにも例外がございまして、大規模なもの、補助事業の中でも国の責任が重いと考えられるもの等については一定の補助率等のかさ上げを行う、こういうことで平成五年度から適用する、こういうことが昨年十二月二十一日でもって閣議了解をされております。
 それで、具体的には改築の道路事業においては、原則として直轄国道が三分の二、補助国道が十分の五・五、地方道が二分の一。しかし、規格の高いもの、これは三分の二は十分の七にがさ上げになります。二分の一が十分の五・五にがさ上げされます。
 それから、道路整備緊急措置法第四条は、補助率等のかさ上げの上限の率が定められておりますので、上記の中で最高の率である十分の七、区画整理は十分の五・五でございますが、これを規定しなければなりませんので規定したということでございます。ちなみに、十分の七の対象道路はどういうものかと申しますと、直轄国道の自動車専用道路、いわゆる高規格道路のうちの一般国道の自動車専用道路で、建設大臣が指定するものでございます。それから、十分の五・五の道路はどういうものかというと、補助国道及び地方道の自動車専用道路、またはそれに準ずる道路で主要交差点を立体化する道路等で、建設大臣が指定するものでございます。
#210
○萩野浩基君 どうもありがとうございました。
 こうした補助をいただいてやるわけですが、これ計算してみますと、結果的に最終的には補助が下がる面が出てくるんではないか。特に、地方にその負担がかかるのではないかというような懸念がされております。そうなったとき、じゃ一体それをどのように補っていくか。このときに地方がそれを負担するわけなんですけれども、そうすると地方が困ってきますので、それじゃ地方交付税等で調整するのか、それとも何か名案があるのか、その点がちょっと疑問に残るのでありますが、御答弁願います。
#211
○政府委員(藤井治芳君) 今回の補助率見直しに伴う地方公共団体の負担については、公共事業の円滑な執行に支障が生ずることがないよう適切な地方財政措置を講ずる、これが原則でございます。
 これまで国土の均衡ある発展等の観点から、地域立法で補助率等のかさ上げ措置が講じられてきたものについては、今回の見直しに当たっても引き続き直轄事業では三分の二、補助事業は二分の一の基本的な補助率等からかさ上げを図ることとしております。
 全体としていいますと、今回のこの見直しにおいても全体のバランスはとれている、こういうことになっているわけでございますが、部分的に確かに今回の見直しによって地方公共団体に差異が出る場合が仮にあった場合、その場合には特に財政力の弱い地方公共団体を圧迫するものでないということで、適切な地方財政措置を講ずる、こういうこととなっている、これを前提に今回の補助率のことを理解いたしております。
#212
○萩野浩基君 今御答弁いただいたように、財政で非常に圧迫されておる地方自治体等につきましては、今答弁があったんで安心いたしましたけれども、その辺には特に十分御配慮をいただきたい、そのようにお願い申し上げておきます。
 さて、続きまして、これから質問する点にも同僚委員からいろんなアングルから質問がありましたんですが、やはり重要であるので質問をさしていただきたいと思いますが、第十一次道路整備五カ年計画についてでございます。
 この計画というのは、特に国民の間で大いに期待されております生活面、それからまた経済における活性化とか、いろんな面からも大いに期待されておるんですが、この辺もいろいろ質問が出ておりましたが、やはり気になるのは何といっても財源の確保といいますか、この点がどうしても気になるわけでございます。
 というのは、七十五兆円といえば大変な金額でございます。これは確かに先ほど来の答弁の中でも軽油税だとか、いろんなところで工夫されておられるのはわかりますけれども、やはり七十五兆円といえば大変な金額でございますので、国民がやはり納得し、また安心してこうした計画にみんなこぞって乗っていけるというので、くどいようでありますけれども、納得のいくひとつ説明をよろしくお願いいたします。
#213
○政府委員(藤井治芳君) 道路財源、いろんな意味で当初一般財源で昭和二十五、六年ごろはほとんどやっていたと思います。そのために極めて伸びが憩うございました。そこで、何としても急いで我が国の経済復興のために道路をよくしようということから、二十九年道路財源を特定化するという形で現在の仕組みができ上がり現在に至っております。その間には自動車重量税の問題も出てまいりました。
 そういういろいろな方々の御努力の汗という形で現在の姿ができ、そして現在特定財源を主たる財源として道路整備をやらせていただいておりますが、一般財源一%を投入しようとすると二千億円の国費を必要とする、こういう厳しい状況でございます。そこで、私どもの基本的な考え方としては、一般財源をできるだけ必要とするということを道路審議会の場でもそういう御提言があり、私どもも努力します、こういうことを申し上げておりますけれども、現実にはなかなか厳しいというのが現状でございました。そこで、かねてから揮発油税と軽油引取税、こういうものの両方で値上げをお願いする原案を検討課題として議論いたしました。その結果、今回のような形で軽油引取税という形の結果をいただきました。
 その場合に、こういうことが軽油引取税という形でやるだけならば国費というものの充当はないではないか、やはり国費がなければ歩道の整備の補助もできないし、高齢化対策もできないし、高規格幹線道路も地方へ展開することはできないということで、揮発油税を強化するということをガソリン税の世界でいろいろと御議論いただきまして、いわゆるガソリン税の中で揮発油税と地方の分との調整が行われたわけでございます。
 その結果が今回のこのような結果でございますが、この結果、軽油引取税の税率は二・二倍、従来極めて大きかったわけでございます、二十九円五十銭の格差。これを今回、結果一・七倍、ガソリン税率と軽油引取税の税率は一・七倍という結果になりましたので、このようになりますと、ヨーロッパのフランスがおおよそ一・八倍だったと思いますが、フランス並み、ヨーロッパ並みの形になってまいります。ある程度リーズナブルな形でございますから、いわゆるこれを御負担いただく方々にも御理解いただける一つの限界がなということでこのような案をつくらせていただいて、一般財源を一一%から一九%ふやす中でこういう御負担もいただく。そういう形の上で地方単独事業も一般道路事業と同じ伸び率をするという工夫もする中で七十六兆円のリーズナブルな見通しを立てた、こういうことでございます。
#214
○萩野浩基君 今のこうした苦しい財政の中で何とか捻出しなきゃならないというので、その努力は理解いたしますが、国民に十分それを理解していただくようにひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。
 次に、道路整備というのは、これは生活の便利さとか、またゆとりをもたらすものであると思うんですが、しかしこの自然体系、例えば動物等にとりましては、高速道路ができたというので、これがもし人間の死者であるならば大変なことになるように特に奥地ではたくさんの動物が死んでおる。これは調査においても示されておりますけれども、それは時間の都合上申し上げません。
 いずれにしても、我々にとっては便利はいいけれども、自然の生態系を壊す、これがやがては我々人間にもその危険性というものが振りかかってくるのではないか。その点はいろいろと考えていらっしゃるようにも思います。例えばエコロードというようなものを考究なさっておられるのを知っておりますが、もう少し詳しく説明をいただきたいと思います。
 それで、これに関連いたしまして、私は建設委員会の皆さんとともに調査で大分に行ったわけでありますが、とっても印象に残ったのがあの猿の橋でございます。あのときにはテレビ、新聞等で大変この猿の橋というので話題になりましたが、その後全然その話は消えてしまいました。人間が猿の渡ったか渡らないかというのを聞くのはどうかと思いますけれども、この猿橋の利用度というのはわかっておるのでしょうか。
 それから、先ほどもちよっと言いましたが、自然の体系の中に、道の原点はもとはけもの道でございますね、だからそういうけもの道というものが高速道路だとか道とかそういうので遮断されてしまう。そういうところで先ほど言いました動物の事故が起こるというのが現実でございます。私は、やはり自然の生態系の中でともに生きる人間というものを忘れてはならないんじゃないかと思います。けもの道が危険なげもの道になることなく、けものにも優しい道づくりというようなことを考えていかなきゃならないんじゃないか、そのように考えております。
 エコロード等も含めまして、これから道路を開発していく面におきましての建設省としての姿勢をお示しいただけたらと思います。
#215
○政府委員(藤井治芳君) まず、猿の報告からいたします。
 高崎山付近における平原橋という名前が道路事業上の名前でございます。高崎山の猿の数は二千頭だと言われております。高崎山の山頂に約一キロぐらいのところに今そういう指定されたところがあるわけでございますが、これを高崎山の管理。委員会とか、大分県、大分市の意見を踏まえて、専門家による委員会をつくって、ここには猿の専用の橋が必要だなということでっくったわけでございます。つくったわけでございますが、やっぱりこういう文明の利器でございますから、猿の警戒心を和らげる観点からいろんな工夫はいたしました。草が茂るように舗装のかわりに土を敷き詰めるとか、入り口は植栽を施すとか、いろんなことをやりました。ところが、現在、非常に警戒心が強く、そばまで寄った猿はいるようでございますが、利用にするにはまだ至っておらないようでございます。
 それを九州大学の生態学の小野教授にお聞きしたそうでございます。そうしたら、猿橋の設置位置は実態的に見てここを通るだろうということで決定したので間違いないだろう、しかし猿というのは非常に利口で警戒心が強い、急にできたんだからそれはやっぱり相手が十分人間を信用するまでにはかなりの時間が必要だよ、だから気長に待ちなさいという言葉をいただいたそうでございます。
 そういう意味で、私どもこれを失敗というふうには思いたくありませんので、気長に、いろんな工夫をしながら、餌づけまでする必要はないと思いますが、やってまいりたいと思います。ここの成果を今度は我が国各地のいろんな成果に利用しなきゃいけないと思っております。
 さらに、エコロードといたしましては、日光−宇都宮道路でモリアオガエルのための保全対策というようなものも考えておりますし、けもの道も考えております。卑近な例では、すぐそばにある横浜−横須賀道路、ここでも金沢市民の森に近接しているということもありまして、ホタルの生息できる水路というようなものもつくっておりますし、米子自動車道ではオオサンショウウオの遡上対策をやっております。あるいは中国自動車道では東城−千代田間でカメ対策、カメがしょっちゅう乱入いたしますので、大事ですから、カメのこれをうまくいくようなこともやっておるそうですし、その地域地域によっていろんな工夫をやっております。
 そういうことで、こういったものを含めて、これらは我々今まで経験のないところでございますので、むしろ地域の専門家をこういう形で育てながら、そしていわゆる植物としては地域の植生を一〇〇%使うように進める、それから動物はその地域の動物の習性をできるだけ調べて教えてもらって、それに合ったように少しでも設計の段階でやる、こういったものの定着を図りたい。土木工学もいよいよこういう生態工学まで入った形の事業までやらなきゃいかぬと思いまして、こういうものをいずれ学校の勉強にも大いに取り入れさせるというようなことで幅広く、しかし若者が相当その気にならないとだめですから、やってまいりたいと思っております。ひとつ今後とも御指導をいただきたいと思います。
#216
○萩野浩基君 我々の住んでおります東北の方も、特に自然体系というのを非常に大切にしながら開発を進めていきたいと思っておりますので、その点よろしくお願いいたします。
 今回の中で、これは前の第十次にも出ておりましたが、今回特に地域高規格道路、大体十五万から二十万都市とを相互につないでいくということ、それから山田先生からも質問されておりましたが、高速道路へのアクセスというものがやはりこれは非常に重要だということを考えます。
 それで、私また同じこと空言うようですけれども、広島、四国、それから大分の方を建設委員会で調査に行きました。大変残念なことなんですが、私が感じておりますのは、どうも道に関しては西高東低、特に東北の方を見ますととても残念ながらそういうことを感ずるわけでございます。遠藤先生も御存じでございますけれども。そういう意味でぜひ委員長に申し上げておきたいのですが、東北の道も見ていただきたいと私は思っておるわけでございます。
 例えば、三陸海岸に接しております宮城とか岩手、青森、特に宮城の気仙沼についてであります。宮城県の人たちの中では気仙沼を宮城の孤島と、こう呼んでおります。そういうことで、宮城県の中で気仙沼から国会議員が立候補すれば八割以上の投票はぐっとその人のところにいくと。だけれども、これは私は行ってみて、本当にわかるんです。実際に仙台市から行こうとするならば、急いでも四時間以上五時間、ちょっと運転が下手、しかも道が込んだりしますと五時間とか六時間かかったりすることも珍しくないんです。以前におきましては、東北の気仙沼等はあらゆる産業の面におきましても、漁業が中心でありますけれども、ここは非常に重大な拠点であったわけなんです。今は大変残念ながら漁業が不振でございますし、それに追い打ちをかけるように、道というものがまだ十分できていない。そういう点から私は気仙沼に行きまして非常に気の毒に思っております。せめて陸上の道が早くここに十分づけば住民の人たちの生活というものも潤ってくるんじゃないか。
 そこで、この三陸縦貫自動車道に関してでありますけれども、石巻あたりまでは何か大分進んでおるようでございます。走ってもあちらこちらで大分工事をやっているのは知っておりますけれども、一応仙台から宮古までは計画に入っておるんですが、現時点における進捗状況、それからまた、これからの見通しについて、藤井道路局長さんに説明をいただきたいと思います。
 私が四国、九州を歩きましたときも、この道はこういうような理由でこういうぐあいについたのだと、車の中で局長さんにはいろいろと教えていただいて大変いい勉強になったのでありますけれども、特にこの東北の気仙沼の方を通る三陸縦貫自動車道につきまして私は特に関心を持っておりますので、よろしくお願いいたします。
#217
○政府委員(藤井治芳君) 三陸縦貫自動車道は、国道四十五号に並行した道路でございます。しかも、一般国道四十五号の自動車専用道路として昭和六十二年に新たに決められた高規格幹線道路でございます。
 そこで、現在その延長二百二十キロということで、宮古から仙台の間ございますが、その間で、宮城県では仙塩道路、仙台松島有料道路、鳴瀬道路、矢本石巻道路、岩手県内では大船渡三陸道路、山田道路について既に事業に着手しておりまして、一部供用しているところもありますが、全体七十七キロ、三五%の事業を推進しております。
 こういう状況でございますが、残る区間について若干触れさせていただきますと、やはりこういう地域でございますし、言ってみれば道路が唯一の交通機関と言っていいぐらいの状況のところでございます。私どもは絶えず気にしながらその計画を詰めている状況でございます。
 そのうち、桃生登米道路十二キロ及び釜石山田道路二十三キロについては、平成五年度中に環境アセス及び都市計画決定を図るべく今調整を進めております。平成五年度には新規事業化する予定でございます。それから、登米郡登米町から本吉郡志津川町の十七キロについては、平成二年十一月に基本計画を策定したところでございますが、ここは後背地に軟弱層や優良な農地がありまして、土地柄なかなかルートが決められない難しさがあります。そこで今、整備計画のためのいろんな意味で難しいところを踏まえながら、どこを通したらいいかという調査をさせていただいております。それから、本吉郡志津川町から気仙沼区間の三十三キロについては、ここはいわゆる石巻・気仙沼地方生活圏中心都市間の連絡強化のためのポイントでございまして、地質調査、環境調査等の調査を今進めさせていただいております。ここはこれらが終わりましたら基本計画を策定したいと思っております。その他五十八キロ残っておりますが、これらについても一般的な状況の調査をやらせていただいております。
 こういう地域でございますから、縦の線の三陸自動車道の完成と同時に内陸部、言ってみれば東北自動車道との連携、こういう二つの要素があります。したがって、その両方の要素のどちらを選択する方がよりその地域にとって有利かということも踏まえながら選択順位を選び、そして重点区間をつくって事業化をいたしております。
 ただここは、先生に申し上げるのも申しわけありませんが、採算性という意味では全くどうにもならないところでございますから、私どもは公共事業方式を大々的に取り入れて、失礼でございますが、言ってみれば従来の高速道路だったら絶対に対象になり得なかったところですので、そういうところをこの事業でやるというからには、私どもも腹を決めなきゃいけません。そういう意味で今後整備手法についていろんな工夫もしてやってまいりますが、その節はまたよろしく御指導、御理解をいただきたいと思います。
#218
○萩野浩基君 最後に大変厳しい言葉が出ましたけれども、それは十分わかっております。同僚の建設委員の遠藤先生も一生懸命その道の方に関してはやっていらっしゃいますけれども、昔は「桃李もの言わざれども、不自ら腰を成す」というので道ができるのを待っていたんですけれども、今日は、これからこの狭い日本国土を有効に利用していくというのはやはり人間であるがゆえにできる。そういう意味で、道をつくってそこに開発ができてくるという、こういうニューウェース・オブ・シンキング、発想の転換がなければならないと思いますので、予算面では足らない、また採算がとれないということがあっても、日本の総合的な開発のために何としてもよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上をもちまして、質問を終わります。
#219
○委員長(梶原敬義君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。
#221
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 改正案は、第十一次道路整備五カ年計画、第八次奥地等産業開発道路整備五カ年計画を策定すること、道路特定財源制度及び地方道路整備臨時交付金制度を延長すること、国庫補助・負担率の暫定引き下げ措置を恒久化することを内容とするものです。
 日本共産党は、五カ年計画を策定して道路の整備を推進すること自体に反対するものではありません。しかし、計画されている第十一次道路整備五カ年計画は、依然として道路特定財源と財政投融資に依存して高速道路、自動車専用道路網の建設を優先し、交通渋滞や生活環境の悪化を招くものになっています。このような計画を推進するための本法案には賛成できません。
 第十一次道路整備五カ年計画案に示された基本的方向は、前期計画に比べて、生活者の豊かさを支える道路整備や良好な環境創造のための道路整備を強調するものになっています。これは、従来の道路整備のあり方に対する国民の批判を無視し得なくなった結果であり、その点では一応の評価はできます。
 しかし、生活の利便性、安全性、快適性の向上のための道路整備や地球温暖化の防止、良好な生活環境の保全、調和などの方向も、そのための最優先事業は高規格幹線道路網の整備となっています。幾つかの具体的な改善措置もありますが、歩道整備や日常生活圏の交通渋滞などの具体的な対策は依然として極めて不十分であり、むしろ前期計画より後退している部分さえあります。
 道路特定財源制度は、道路整備予算の伸びを自動車交通量の増大に依存させるものであり、また財政民主主義の上からも大きな問題があります。第十一次道路整備五カ年計画の財源である揮発油税等の暫定税率の延長、軽油引取税の負担強化にも反対であることを付言しておきます。
 補助・負担率の改定は、不当な暫定補助率を一年前倒しで恒久化するものです。現行法の本則に比べれば一部を除いて国庫補助・負担率の引き下げであり、地方道路税の引き下げ、地方単独事業の増大とあわせて地方財政を圧迫するものです。
 道路の整備は、プラスの面でもマイナスの面でも、地域社会に極めて重大な影響を与える事業です。地域の住民が本当に切実に感じている問題の解決を第一にするべきです。住民の反対を無視して国の高速道路網計画を押しつけるようなやり方はやめ、渋滞対策、環境対策、安全対策、そのための道路計画を、町づくり計画とあわせて地域住民とともに民主的に練り上げていくという姿勢が何よりも大切であることを強調して、反対討論を終わります。
#222
○委員長(梶原敬義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#223
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(梶原敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 種田君から発言を求められておりますので、これを許します。種田誠君。
#225
○種田誠君 私は、ただいま可決されました道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発
    道路整備臨時措置法の一部を改正する法
    律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につ
 いて適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを
 期すべきである。
 一、第十一次道路整備五箇年計画の策定及び実
  施に当たっては、地方公共団体の意向を十分
  に参酌すること。
 二、生活に関連する地方道の整備を促進するた
  め、地方道路整備臨時交付金制度の円滑な実
  施に努めるとともに、国の補助対象範囲の拡
  大等により地方公共団体の財政負担の軽減を
  図るよう配慮すること。
 三、多極分散型国土の形成を図るため、高規格
  幹線道路網をはじめとする総合的な交通体系
  の確立を図り、地域社会の活性化、住民生活
  の向上等に資する効率的かつ機能的な交通網
  の整備を促進すること。
 四、豪雪地帯の除排雪対策、雪崩対策、寒冷地
  域の凍雪害対策等の防災対策を重視するとと
  もに、総合的な渋滞対策、交通事故防止のだ
  めの安全対策、高齢者・障害者・児童等のだ
  めの道路改良、歩道・自転車道及び自転車駐
  車場の整備、沿道の生活環境を確保するため
  の環境施設帯の整備等の促進に努めること。
 五、大規模な地震等に備え、避難路の整備と広
  場の確保に努めるとともに、老朽化した橋梁
  等については、緊急に補修等の整備を実施
  し、防災及び交通の安全の確保を図ること。
 六、良好な都市環境の確保と良質低廉な住宅・
  宅地の供給に資するよう、住宅宅地関連の道
  路整備の促進、土地区画整理事業、市街地再
  開発事業等における街路及びその附帯施設に
  対する助成の強化を図ること。
 七、道路整備計画の策定と事業の実施に当たつ
  ては、環境影響評価の厳格な実施、自然環境
  との調和、保全に特段の配慮をはらうととも
  に、関係住民の意見を十分に尊重し、事業の
  円滑な実施に努めること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#226
○委員長(梶原敬義君) ただいま種田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(梶原敬義君) 全会一致と認めます。よって、種田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中村建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中村建設大臣。
#228
○国務大臣(中村喜四郎君) 道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心に御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決となりました附帯決議の趣旨を十分に尊重いたしてまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#229
○委員長(梶原敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#231
○委員長(梶原敬義君) 次に、流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村建設大臣。
#232
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま議題となりました流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、貨物自動車交通の増加、物流関連施設の立地の広域化、物流形態の多様化、高度化等物流を取り巻く経済社会情勢は大きく変化しております。
 この法律案は、このような状況の変化にかんがみ、地方都市を含めて、経済社会情勢の変化に対応した新たな視点に立って流通業務市街地の整備を促進することにより、流通機能の向上及び道路交通の円滑化を図るため、流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正しようとするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、流通業務市街地の整備の対象都市を拡大することとしております。
 第二に、主務大臣は、流通業務施設の整備に関する基本指針を策定することとし、これに基づき、都道府県知事が、流通業務施設の整備に関する基本方針を策定することとしております。
 第三に、流通業務地区内に建設することができる施設の立地規制を緩和することとしております。
 第四に、流通業務地区内において流通業務の効率化に資する一定の事業を行う者に対し、産業基盤整備基金による事業資金の借り入れに係る債務保証等の助成策を講ずることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#233
○委員長(梶原敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト