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1993/04/22 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第7号
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1993/04/22 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第7号

#1
第126回国会 建設委員会 第7号
平成五年四月二十二日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     萩野 浩基君     乾  晴美君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     会田 長栄君
     乾  晴美君     萩野 浩基君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原 敬義君
    理 事
                井上 章平君
                岡部 三郎君
                種田  誠君
                山田  勇君
    委 員
                井上 吉夫君
                石井 一二君
                上野 公成君
                遠藤  要君
                鈴木 貞敏君
                吉川  博君
                会田 長栄君
                青木 薪次君
                西野 康雄君
                白浜 一良君
                中川 嘉美君
                上田耕一郎君
                萩野 浩基君
   国務大臣
       建 設 大 臣  中村喜四郎君
   政府委員
       国土庁土地局長  鎭西 迪雄君
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       議大臣官房審   村瀬 興一君
       建設省建設経済  伴   襄君
       局長
       建設省都市局長  鹿島 尚武君
       建設省河川局長  岩井 國臣君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   事務局側
       常任委員会専門  駒澤 一夫君
       員
   説明員
       公正取引委員会
       事務局経済部調  平林 英勝君
       整課長
       国税庁調査査察  藤井 保憲君
       部調査課長
       通商産業省産業  安本 皓信君
       政策局総務課長
       建設大臣官房技  小野和日児君
       術審議官
       会計検査院事務
       総局第三局建設  増田 裕夫君
       検査第一課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (談合と独占禁止法運用に関する件)
 (公共工事入札制度の適正化に関する件)
 (建設業界の使途不明金に関する件)
 (諸外国の入札制度に関する件)
○特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村建設大臣。
#3
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま議題となりました土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 豊かさとゆとりを実感できる国民生活を実現し、生活大国を築く上では、住生活の充実が最も重要な課題の一つとなっており、大都市地域及び地方において居住環境の良好な住宅及び住宅地の供給を促進することが必要であります。
 土地区画整理事業は、従来から、良好な市街地の形成とともに、住宅及び住宅地の供給において重要な役割を果たしてきたところでありますが、生活大国の実現のためにも、なお一層の事業の推進が強く望まれているところであります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、住宅先行建設区制度を創設するとともに、土地区画整理組合に対する資金の貸し付けに関する制度を改善し、都市開発資金により貸し付けを行うこととするものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、土地区画整理法におきまして、住宅の需要の著しい地域において新たに住宅市街地を造成することを目的とする土地区画整理事業につきまして、住宅を先行して建設すべき土地の区域として住宅先行建設区を事業計画に定め、住宅先行建設区への申し出による換地を認めることとしております。
 第二に、都市開発資金の貸付けに関する法律におきまして、国は、土地区画整理事業による健全な住宅市街地の造成を促進し、もって住宅及び住宅地の円滑な供給に資するため、都道府県または指定都市が、土地区画整理組合等に対し、土地区画整理事業に関する資金を無利子等で貸し付ける場合に、当該都道府県または指定都市に対し、その貸し付けに必要な資金を貸し付けることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(梶原敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○種田誠君 ただいま趣旨説明のありました土地区画整理法の改正の質疑に入る前に、一言大臣にお尋ねをしたいことがございます。
 きょうの新聞を拝見しておりましたら、またテレビなどを見ておりましたら、大臣も入られました自民党の有力中堅政治家の集まりの中で、今国会で政治改革法案が通らないようなことがあるならば国会の解散もやむを得ないんじゃないか、こういうふうな報道がなされておるわけでありますけれども、これはどういう視点からそのような御発言があったのか、ちょっと伺わせていただければ幸いだと思います。
#6
○国務大臣(中村喜四郎君) 私ちょっとその報道を拝見しておりませんので、どのようなニュースが流れたのか、ちょっと確認してみませんとその真意のほどがよくわかりませんが、確かに昨日何人かの仲間の議員と政局について話し合いをしたことはございます。そして、この政局の見通しについては極めて不透明な部分が多い、こういうことでございますので、今後の対応についてはそれぞれの立場で事態の推移に対して慎重かつ大胆にいろいろの問題について対応していこうというような話し合いはいたしましたが、今御指摘をいただきましたような具体的なことについて話し合ったという認識は私にはございません。
#7
○種田誠君 政治全体が大きく揺れ動いているときであります。二十一世紀まであと七年を数えるぐらいの日時になっておりますので、ぜひ政治改革の貫徹のためにも大臣においても頑張っていただきたい、こう思うところであります。
 それでは本日の法案の質疑に入らせていただきたいと思いますが、土地区画整理事業に関する法律、私極めてこれは重要な法律であるし、この改正を今国会で審議をするに当たってはしっかりした議論をしてこれからの町づくり、さらには都市計画のあり方、こういうことにも大きな影響を与えていく、そういうふうな改正ではないだろうか、こう思っております。言うまでもなく、都市計画法、日本においてもしっかりと定着をしつつあるわけでありますけれども、その実施法として都市計画を実効あらしめるものとして大きな役割を果たしているのが土地区画整理に関する本法律であります。よく一言で都市計画の母親、新しいものを生み出す法律である、こういうふうにも言われるところだと思うんです。
 そこで、この法律の持っている意義、さらには目的、その目的を達するための手法、こういうことに関してこれまで一つの役割を果たしてきたことは間違いないわけでありますけれども、今国会で法案を改正するに当たってもう一度はっきりと位置づけていただいて、ただすべきものはただしていきたい、こう思いますものですから、冒頭今申し述べたことについて御説明をいただきたいと思います。
#8
○政府委員(鹿島尚武君) 町づくりの事業法として土地区画整理事業というのが大変重要である、もう一度基本に返ってその趣旨を考えてみろというお話であろうかと思います。
 土地区画整理法にも書いてございますとおり、土地区画整理事業は公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図りまして、健全な市街地の造成を図ることを目的とするものであります。これによりまして、住宅宅地の供給を促進し、都市の活性化を図り、居住環境の改善等都市整備の観点から大きな意義を有する事業であります。
 その事業の手法とするところにつきましては、換地という手法を用いまして、個々の宅地の交換分合を行いながら公共施設と宅地の整備を行ってまいりまして、良好な市街地の形成を進めてまいるものでございます。その過程におきまして宅地の利用増進の範囲内で減歩というような方法で公共施設用地、保留地を生み出す仕組みによりまして、地権者に開発利益を還元しながら施行地区全体の活性化、町づくりを図っていこうというのがこの法律の趣旨であり、原点であると理解をいたしております。
#9
○種田誠君 今局長の方から御説明があったわけでありますけれども、私は、この法律の最も重要な理念というものは、土地の利用の転換を一人一人の私的土地所有権者の所有権の中から生まれてくる自由な土地利用、こういうことにゆだねるのではなくて、むしろ土地の所有権者はもとより、土地を利用しているさまざまな市民や住民との社会的な共同の認識、意思を形成して、そこである程度計画的に土地の利用転換を図っていこう、基盤整備を行っていこう、交換分合を行っていこう、こういうふうなものがこの法律の大きな特徴だと思うわけです。
 そのときに、そういうものであるならば、今局長からもちょっと触れられたんですけれども、決してこの法律は、宅地の供給を促進させることを大前提にする法律ではむしろないんだという、そういうのが結果的に生まれるにしても、一番重要なのは、土地利用転換を所有権者を含む多くの住民の社会的共同意思を形成する中で行うんだ、こういうところにあろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#10
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せのとおりでございます。
 土地区画整理におきましては、関係権利者がこぞりまして、この地域全体の活性化のために町づくりをどういうふうに進めていこうかというような合意というものを一つの前提といたしまして、具体の事業の手順をきちっと決めておるわけでございます。その過程におきまして、一人一人のやはり土地という、あるいは関係の権利というものを通じまして個人の権利の中にわたる問題でございますので、この土地区画整理法におきましては、逐一手続を慎重に進めるように内容が定められておるところでございます。
#11
○種田誠君 そういうことを前提にして、昨年の六月に閣議決定をされた生活大国五カ年計画、この計画の中に盛られておる住環境の整備や、さらにはそれを支える都市施設、公共施設の整備、拡充、こういうことを行っていく流れの中にこの法律が大きく寄与をしていく、こういうふうに位置づけられるんじゃないかなと思うわけであります。
 そういう意味では、私は、都市計画をまさに実現する法律の一つが、しかも大きなウエートを占めるのが本法であるとするならば、この法律に対しての、またこの法律に基づく事業に対しての土地所有権者や市民、住民の理解、さらにはこの法律に基づく事業が積極的に活用されていかないと生活大国五カ年計画の目的すら危ぶまれてしまうんじゃないか、そ至言ってもあながち過大ではないと思えるぐらいの中身をこの法律は持っている、そういうふうに理解をしているわけであります。
 その法律による事業施行が近年停滞ぎみである、こう言われております。過去の統計などを拝見しましても、昭和四十年代の半ばから後半ごろにかけては、事業認可件数はもとより、事業認可面積もかなり大きく展開しています。今日その推移を見ますと、申し上げましたように停滞ぎみである。とりわけ認可面積が停滞ぎみであるというようなところを考えますと、何かこの法律に問題があるのか、それとも施行の方法に問題があったのか、そう思わざるを得ないわけでありますけれども、その辺のことについて述べていただきたいと思います。
#12
○政府委員(鹿島尚武君) 土地区画整理事業の実績でございますけれども、平成三年度末までに全国で約三十四万ヘクタールについて事業認可がされまして、うち約二十六万ヘクタールが換地処分まで終わって完了しておるわけでございます。これは全国の市街地の面積の割合から申しますと約二割に相当するものでございまして、市街地整備に対します役割というものが大変大きいことを示しておるわけでございます。
 ただいま先生仰せられましたが、この事業の進捗の過程におきまして、例えば昭和四十五年、六年、七年、八年、九年、五カ年ぐらいにおきましては、認可の面積が一万ヘクタールを超えているような状況に実はございました。昨今では四千、五千ぐらいの数字であろうかと思います。これを指して先生仰せられたんだと思いますけれども、施行地区数、面積をとりましても、昭和五十年以降、大体安定的に出ている。特に、完了した処分面積から見てまいりますと大体四千ヘクタールぐらい、他の手法によります宅地開発を含めましておよそ一万ヘクタールぐらいが昨今の宅地の供給の状況でございますので、大体その四割を今日安定的にずっと示してきているというような状況にあるわけでございます。
 停滞ぎみと仰せられましたけれども、やはり宅地の供給自体、全体につきまして、素地を所有している方々の御意向とか、いろいろ昨今の難しい状況もあろうかと思いますけれども、事区画整理に対しましては四千ヘクタールぐらい安定的に供給がなされているというのが昨今の状況でございます。
#13
○種田誠君 局長、それでは困るんですよ。何か製品を供給する、我々の日常製品を供給するなら、安定的に余り変動なく供給されればいいわけです。ところが、やはり昭和四十年代よりも今日の方が例えば都市基盤整備に対する国民のニーズが高まっている、しかも私たち、間もなくやってくる高齢化社会や、また生活大国と言われるような政府の考えている、また私たちも求めている施策を早急に展開をしなきゃならない、こういう高まりというのは、年々、特に今日から、これから何年かは大きく求められる。そういう中で四百三十兆円の公共投資を予定した財政政策などもつくられているわけですから、いつも安定して同じでいるということをもってよしとするという発想は、私は間違っているんじゃないかなと思うんです。
 問題は、一つのそういう政治に求めらている、さらには国民が求めている、そういうことに関して、先ほど私、冒頭申し上げたように、この法律の大きな理念は、土地の所有者や市民や住民をお互いに巻き込んで、私たちの都市生活、都市生活というのは別に大都市生活じゃなくて、田園都市生活もあるんですから、そういう都市生活をつくっていく社会の共同の意思をどう形成していくか、それによってこの法案に基づく事業に活力を与え、さらに大きく伸ばしていく、これが行政の任務だと思うんですよ。安定しているからといって、それに安心しているというのでは、これは行政の怠慢としか言わざるを得ないわけであります。ですから、まずその考えを私は改めてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#14
○政府委員(鹿島尚武君) ちょっと意のあるところを申し上げ損なったように思います。
 今日、宅地供給の手法として区画整理というのが大宗を占めているということをまず申し上げたかったわけでございます。そしてまた、そのほかのいろいろな、全面的に買収をしてしっかりした町並みを形成していくという手法ももちろんあるわけでございますけれども、なかなか土地の所有者の方から全面買収によりまして素地を入手するということの困難性ということも一方あろうかと思います。そういう中で、町づくり基盤整備とあわせまして、良好な宅地を供給し町並みを形成するというような、大変な効果のあるこの区画整理事業に対します要請につきましては強いものがあるわけでございますので、先生御指摘のとおり、私どもその趣旨を地方公共団体等にもお伝えし、区画整理事業のさらなる促進を図ってまいりたいと考えるわけでございます。
 そういったプロセスの中で、今回促進策の一つとして法律の改正をお願い申し上げておるところでございます。
#15
○種田誠君 ぜひ私が申し上げたような視点もお忘れなく念頭に置いて努力をしていただきたいと思うわけであります。
 要は、過般の国会で土地基本法が制定をされて、そして昨年は都市計画法、その前に大都市法とか生産緑地に関する法律とかがございまして、昨年は都市計画法の改正がなされてきた。そして今般の改正という一つの大きな流れがあるわけですけれども、そこに共通してあるのは、先ほど申し上げた、土地というのはあくまでもそれは個人の私的所有財である、しかし土地の利用というのはこれは公共性の極めて高いものである。私財としての制限というのは、これは受けてもやむを得ないんだ、公共の福祉目的達成のためにはやむを得ないんだ、こういう考え方が今日日本に確立しつつ、また確立しているわけであります。そういう視点に立っての土地利用転換を図るというのがまさにこの法案なものですから、私は極めて今回の改正をも重要視していかなきゃならないと冒頭言ったようなわけであります。
 そこで、もう一点ちょっと答えづらいだろうと思われることを聞かざるを得ないわけでありますけれども、私今一回、質問に当たって「土地区画整理事業施行地区の圏域別市街化状況」という調査表を見せていただきました。
 まず、びっくりしたのが、この統計が昭和六十二年の十一月の統計なんですね。今は平成五年です。昭和六十二年十一月ごろの統計をもって今日の国会の審議に当たれということ自体、これはちょっと問題があるんじゃないかなと思うんですね。
 それで、これはおかしいなと思って、私、過去の議事録をちょっと見ておりましたら、昭和六十三年の五月十七日のこの参議院の委員会で、当時の赤桐委員の質問に対して、木内都市局長は、この調査は、私どもとしては三年に一遍ぐらい調査してフォローしている、そういうふうにやってまいりましたと、その一番最近の調査によるとと言って答えているのがこの昭和六十二年十一月の調査結果なんですよ。
 なぜこれまで三年に一度ずつやってきたという調査を懈怠をしてきたのか、そして今回の国会審議に間に合わせなかったのか。これがなぜ重要だというのは、未利用宅地の利用化促進ということが今回の法案の最大の課題だとされているがゆえに、この基礎資料が極めて重要なわけですよ。なぜ今まで調査をしなかったのか、少なくとも国会審議に間に合わせて調査をしなかったのか、調査のためにはどのぐらいの期間がかかるのか教えていただきたいと思います。
#16
○政府委員(鹿島尚武君) 土地区画整理済み地に建物が建ち上がらない、未利用であるという状況をつぶさに把握をしようということで、先生仰せのとおり、直近におきましては昭和六十二年の調査をやってございます。過去にも何回かやったわけでございます。
 言いわけがましくなるわけでございますけれども、未利用地の賦存量の調査というものにつきましては、六十二年調査等過去の実態調査におきまして把握をいたしました平均的な市街化速度等によりまして、ある程度推計が可能であろうということを一つ考えたわけでもございます。それからまた、新たな調査を実施するということになりますと、これまた市町村までおろしまして、大変広範な御努力をお願いしなければならないということで、かなりの手間を要するということも事実でございます。いろいう言いわけがましくなって恐縮でございますけれども、そのような状況にございます。
 そこで、私ども平成四年度、先ほど先生も御指摘ちょうだいいたしましたけれども、三大都市圏におきまして市街化区域農地の扱いにつきまして制度も改まることになったわけでございます。そこで、土地区画整理事業施行地区内の未利用地につきましても大きく変わってきているであろうというようなことで、平成四年度末からでございますけれども、新たな実態調査を進めさせていただいておるところでございます。
#17
○種田誠君 いずれにしろ、先ほど私この土地区画整理事業の推進に対して、行政は少し怠けているんじゃないかと、こう申し上げましたけれども、このことにも今局長いろいろと弁明されておりましたが、そんなに難しいことなら何で過去にはそういうことが容易にできてきたのか、さらに、これはもう全国の認可件数、認可面積、そういうことの調査はもう平成四年でやっておるわけですよね。未利用地のこの調査だけをやってないわけですから、そんなに難しい調査じゃない、手間暇もかかるものじゃない、私はこれはうっかりしていたんじゃないかなと、そう思わざるを得ないわけなんですね。
 ですから、これは早急にもう国会審議終わっちゃいますが、今後の業務施行に当たって参考にするためにも調査をしていただきたいと思いますけれども、調査をいつごろからやって、いつごろ終わりますか。
#18
○政府委員(鹿島尚武君) 先生からおしかりを受けましたところでありますが、既に調査をスタートいたしております。あと一月、二月ちょっとお時間をいただきまして、まとめさせていただきたいと思います。
#19
○種田誠君 どのぐらいかかるか。
#20
○政府委員(鹿島尚武君) あと二月ぐらい整理に時間をいただきたいと思います。
#21
○種田誠君 であるならば、あと二月ぐらいでできる調査ならば、何で国会審議前にやっておかなかったんですか、このことがこの法案の審議の一番ベースになる基礎資料なんですよ。これは私は国会軽視甚だしいと言わざるを得ません。大臣、この辺のところ、しっかり指導してくれませんか。
#22
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただいた点、事務当局の今の事情、答弁ぶりを聞いていて反省をさせなければならないと思っておりますので、二カ月と言わずにできるだけ早く結論を出せるように大いに督励してみたい、このように考えております。
#23
○種田誠君 しっかり行っていただきたいと思います。
 そこで次に、今回の法改正の前提になったのが昨年十二月の都市計画中央審議会の答申であったろうと思うんです。この答申、私は極めて重要な問題提起をしていると同時に、この答申に書かれているような形で区画整理事業が施行されていくならば、私はかなり事業認可面積がふえることはもとより、住民の合意なども得られるんじゃないかなと、こう思うわけでありますけれども、この中央審議会の答申、概要を説明していただきたいと思います。
#24
○政府委員(鹿島尚武君) 平成三年十二月二十日でございますけれども、建設大臣から経済社会の変化に対応した計画的な市街化の方策、特に土地区画整理事業による市街地整備のための方策はいかにあるべきかという諮問に対しまして、平成四年十二月九日答申をちょうだいいたしました。その内容でございますけれども、五点ほどにまたがると思います。
 一つは、土地区画整理事業施行地区におきます宅地利用の促進でございます。内容といたしまして、一つは宅地利用の先導区域の形成を図れということでございます。これにつきましては今般法律の改正ということで御審議をお願いを申し上げでございます。それから、先買いによる公益的施設用地等の確保というようなことも指摘がございますが、今後検討を進めてまいりたいと考えております。それから、継続的な町づくりの推進ということでございますけれども、具体に宅地利用促進のためのプログラムを策定する等々内容がございます。これにつきましては既に通達という形で措置をさせていただいております。
 それから、大きな二番目は市街化区域内農地への適切な対応ということでございます。宅地化する農地に対応した土地区画整理事業の積極的推進ということでございますけれども、今般法律改正をお願いしているところでもありますし、一部通達等によりまして推進を図るようにいたしてございます。それからまた、生産緑地地区を含む地区における換地設計上の対応等でございますけれども、これにつきましても通達という形で措置をさせていただくようにいたしてございます。
 それから、建築物整備と一体となった土地区画整理事業の推進ということでございます。立体換地手法を充実するということでございますけれども、通達によりまして制度化というようなことを図ってまいりたいと考えております。
 それから、密集市街地におきます土地区画整理事業の推進というのが大きな四番目でございます。ツイン区画整理の創設等御提言をちょうだいいたしております。これにつきましてはまだ具体の需要と申しますか、ケースがなかなか少ないようでございます。そういった積み重ねの中で、さらに制度の検討も進めさせていただきたいというようなことを考えております。
 最後に五番目でございますけれども、地域の特性に応じた市街地の整備水準のあり方でございます。技術的な水準論でございまして、これにつきましては今後検討を加えさせていただきたいというふうに考えております。
#25
○種田誠君 今局長から紹介していただいたように、私はいずれも極めて重要な問題を提起している答申の内容じゃなかったかなと思うんですね。それで、局長も述べておったように、今回の改正というのは宅地利用促進策に関してのものだけだ、あとほかに四つぐらいを述べられたわけですけれども、そのことに関しては今回の改正対象にはなっていないようであります。
 その中でも、全部重要なんですけれども、私自身これは急がなきゃならないんじゃないかなと思ったのは、特に生産緑地に関して新しい法の改正がなされて、この集約化が図られ、かつ生産緑地地区における公共施設の整備なども急がなきゃならない。現場においてはちょっと混乱もあるというような状態の中では、この辺に関して今回の土地区画整理事業、まさに農地所有者の土地利用転換を図っていくなんというようなことも都市計画で定められた以上出てくるわけですから、積極的に新たな施策をすべきじゃないか。特に助成策、財政上の助成策なども本当はここで検討しておかなきゃいけないんじゃないかな、こう思うんです。
 さらには、先ほど四番目に述べられておったいわゆる旧市街地と新市街地があるような場合、まさに旧市街地だけで土地区画整理事業をやろうとしてもこれはもう面積もない、高密度化している、そこを新市街地と旧市街地をまさに抱き合わせてセットにした工法、ツイン工法なんというふうに言われているようですけれども、そういうものをこの際導入してまさに整備の促進を図る、こういう必要性が急務であったんじゃないかなと思うんですが、なぜ今回そういうのを落としたんでしょうか。
#26
○政府委員(鹿島尚武君) まず、市街化区域内農地に関する件でございます。
 昨年暮れにおきまして一応締め切りがなされ、都市計画の手続の中で農地として残すもの、そしてまた宅地として今後続けるもの、二つに大きく分けられたわけでございます。いずれにいたしましても、市街化区域内農地というのは都市に残されました大変貴重な空間でございますので、これに着目をいたしまして良好な環境形成あるいはまた住宅宅地の供給を図ることが必要であるわけでございますから、私ども、昨年九月でございますけれども、関係自治体に対しまして通達を出させていただきました。整備プログラムという形で一体具体にどのようにこれから整備を進めていくかということを考えたわけでございます。
 その中で、いろいろモザイク状に点在しております農地、そしてまた宅地化すべき農地の状況につきまして、全体として例えば区画整理を活用して進めていこうというようなことを一つの手法としても考えたわけでございます。そのための助成策として今般法律改正の中でお願いを申し上げてございますけれども、土地区画整理組合貸付金制度につきまして拡充を回らせていただきまして、無利子の貸付制度というようなものを一つの助成策として御利用いただき、農地を含めた地域の全体の区画整理の推進というものを図るようにお願いを申し上げでございます。
 それから、二つ目のツイン区画整理でございますけれども、既成市街地というものを整備をする、そのために既成市街地から新市街地で行われております区画整理済み事業地の方にタイミングよく換地というような形で土地の交換分合がうまくできるかどうか、なかなかこれはタイミングの話一つとりましても難しゅうございます、二つの区画整理の施行地区というのが出るわけでございますから。そういった問題もございますので、もうちょっと状況を見ながらということで勉強をさせていただきたいと考えておりますけれども、一部そういったものをやってみてはというようなことで考えているところもあるようでございます。具体のそういった難しさも含めまして検討しながら進めていきたいというふうに今考えているところでございます。
#27
○種田誠君 先ほども私述べたように、土地基本法が制定され、それに関係して都市計画法はもとより関連する法律が土地利用の視点から大きく改正をされてきているわけでありますけれども、まさに今局長が述べられたような難しい問題、このことに積極的に取り組んでいかないと土地区画整理事業の目的の達成、さらには都市計画の理想的な町の実現、さらには生活大国五カ年計画を早い時期に実現していこうというようなことにはなかなかつながらないのじゃないかと思うんですね。そういう意味で私は、今幾つか問題になった点も含めてさらに今後建設省においても十分検討をして、早晩改正なども必要な場合には大胆に改正を行って、新たな施策の展開が可能になるようにしていただきたいと思うわけであります。
 さらに、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、具体的な改正の点について一、二点伺いたいと思います。
 特に今回改正条文を拝見しておりましたところ、今度六条の二項に新しく条項が加わるわけであります。この六条の二をじっと見ておりましたら、やっぱり条文というのはじっと見ているといろいろ問題点がわかってくるんですけれども、まず何で最初に「住宅の需要の著しい地域に係る都市計画区域で」と、こういうふうな限定を今回したのか、こういう疑問がわいてきました。さらには、「建設大臣が指定するものの区域において新たに住宅市街地を造成することを」と、なぜここで建設大臣が出てくるんだろうかなと思うんです。
 地方分権の時代、都市計画に対してもできる限り地域のことは地域にゆだねていこうじゃないか、地域の住民の合意形成などによって行うものに関しては都道府県や市町村に任せていこうじゃないか、こういうことが今日の大きな行政の流れだと思うんですね。そういう中でなぜもっとオープンに、こういうものがいい手法であるならば全国どこでも、何も住宅の需要の著しい地域にあるかないがなんということに限らず、これからの町をつくっていくわけですから、もっと全国オープンにこれを位置づけてもいいんじゃないか。ここでわざわざ建設大臣が指定する区域なんという言葉なんかも要らないんじゃないか。この二つはむしろ削除した方が理想に近づくんじゃないかと思うんですが、なぜこういう限定を入れたんでしょうか。
#28
○政府委員(鹿島尚武君) 今般お願いを申し上げでございます住宅先行建設区の制度につきましては、特定の地域において行われます区画整理事業の施行地区内におきまして住宅の建設を促進し、もって住宅宅地の供給の促進に資するという目的を持って行われるものでございます。そのために、区画整理の基本的な原則であろうかと思いますけれども、幾つかの事項の中から照応の原則の中で、位置につきまして特例を設けさせていただきたいというような内容を持っておるわけでございます。位置についての特例を照応の原則について認めていただきたいということでございます。このために、適用範囲につきましては住宅先行建設区制度を用いる公共性が高いということがやはりその意味での一つの基準であろうかと思われるわけでございますので、住宅の需要の著しい地域に限定するのが適当であるというふうに考えたわけでございます。
 一方、建設大臣がこの地域を指定するということといたしました考え方でございますけれども、一つの都道府県の区域を越えて広域的にやはり住宅宅地の需要というものは存在をするわけでございます。地方におきましても隣接する都道府県で需要が広域に及ぶことがあるわけでございます。そこで、各一つ一つの都道府県のみで住宅宅地の需要を十分把握するというわけにはまいらないわけでございますので、広域的な見地から国のレベルで判断をさせていただくのが適当である、こういう考え方をとったわけでございます。もちろん、建設大臣が指定するに当たりまして客観的な判断というものをもって進めてまいるわけでございますけれども、大都市地域だけではなくて地方におけるニーズも十分に把握させるというような見地から、地方公共団体の意見もお聞きした上で具体の指定というものを進めてまいりたいと考えております。
#29
○種田誠君 今の局長の答弁聞いていただけでは私はどうも納得もできないし、むしろ何か土地区画整理事業の改正に当たって時代に逆行しているんじゃないかな、そういうふうな思いすら持たざるを得ないわけであります。
 先ほど私冒頭に言ったように、これは国がああやれこうやれ、自治体がああやれこうやれじゃなくて、土地区画整理事業を本当に生活大国実現のために活用していくという場合には、地域住民の意思の形成、町づくり、都市づくり、そういうことに関してのまさに下からの盛り上がり、支え、合意形成、こういうのができないとこれは実現不可能なんですよ。どうしても長い時間がかかってしまうし、いろんなさまざまな問題が起こってくる。そういう意味で今回の改正に関して私は甚だ不満を持っているわけでありますけれども、それは手法においてというよりも手続上の不満が今申し述べたように残る。
 しかしながら、住宅先行建設区域などを入れていくということに関しては賛成なものですから基本的には賛成をするわけですけれども、そういう思いがあるということを十分に認識していただいて、私はもう一度、土地区画整理法は、都市計画法、土地基本法、そして町づくり、生活大国づくり、そういう視点に立って新しい手法を提起してもらいたい、そういう改正をしていただきたいと思うわけでありますけれども、時間がなくなりましたので、最後に大臣の所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#30
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま種田先生の方から政府委員に対しましていろいろな御意見をちょうだいしておりました。
 その中で、この区画整理も含めまして地域住民の盛り上がり、意思、そういうものをやはり大切にした町づくりというものを進めていくべきではないかという考え方に対しては基本的に私も同感でございます。これから区画整理事業につきましては、必要に応じて制度改善に取り組んでいき、その趣旨を積極的に体して今後対応していきたい、このように考えております。
#31
○青木薪次君 土地区画整理事業は、これまでに全部の民間と公共と合わせて四割の宅地を供給してきたと言われていますけれども、この事業は計画から完了までに年月を要しまして、土地の権利に介入するというようなために地権者との同意を取りつけるというようなことについては相当困難性もあったにもかかわらず、このことが相当進んできたということ、今回のこの改正案等についてもいろんな個々の問題点をこれから指摘いたしますけれども、これらの困難を克服いたしまして定着した理由というものについて説明をしていただきたいと思います。
#32
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せのとおり、土地区画整理事業につきましては一般的に多数の地権者が関係する事業でございますので、その権利関係の調整というような事業実施上大変苦労する部分があると理解をいたしておるわけでございます。
 そういう中で今日まで着実に土地区画整理事業の成果を見出してまいりましたのは、幾つか理由があろうと思います。一つは、地権者が自分が持っておられる土地につきましてみずから町づくりに参加できる最良の方法というふうに理解をしていただいているのではないかというところでございます。それから二つ目に、用地買収を伴わないというようなことで、多額の初期投資を必要としない宅地開発の手法であるということであります。また三点目は、いろいろ戦後の復興等幾つかの土地区画整理事業の実績がございます。地権者が適切に負担をしながら事業を進めていくという、こういったところに御理解を広くちょうだいできているのではないかというふうに思います。それからまた、地方公共団体がその区画整理事業の実施につきまして協力を広く求める、あるいはまた国と相まちまして支援策をいろいろ講ずるというようなことで今日まで広く活用がなされてまいってきたというふうに理解をいたしております。
#33
○青木薪次君 区画整理事業はこれまでにコンスタントに事業量を確保してきたようでありますけれども、逆に言うと、事業費においても宅地供給量においても近年頭打ちの傾向にある、こういう現状が指摘されているわけでありますが、この点についてどのような原因があるのか説明していただきたいと思います。
#34
○政府委員(鹿島尚武君) 先生冒頭仰せられましたとおり、区画整理事業で宅地として供給されております土地の面積が毎年約四千ヘクタール、全体の四割ぐらいというような供給量の状況にございます。全体の供給量自体につきましては、先ほど種田先生のお話にございましたとおり、かつては一万ヘクタールを超えているような状況も全体としてあったわけでございますけれども、昨今におきましては一応安定的に一万ぐらいというようなことでございます。
 そうなりますと、相対的にやはり土地区画整理事業で供給される面積のシェアというのは拡大をしてまいるわけでございますけれども、それにはやはり用地買収方式によります全面買収ということで宅地開発を進めるということが地権者の方々の意識の変化によりましてなかなか難しくなっているというようなことから、むしろ相対的に土地区画整理事業の宅地供給上の役割がさらに増してきているというふうに理解をいたすところでございます。
 特に、大都市地域におきましては、かねて大都市法によります住宅宅地の供給に関する計画におきまして、その責任を持ちます都府県が重点供給地域のうち約六割をこの土地区画整理事業により整備をするという考え方を示しておるところでございます。
 今後、この区画整理事業を積極的に活用いたしまして、御要請にこたえていきたいというふうに考えているところでございます。
#35
○青木薪次君 現在の景気は不況のどん底にあるという感がいたします。土地区画整理事業は景気の影響をどれだけ受けてきたのか、また受けているのかという点についてお伺いしたいのであります。
 石油ショック時代は事業着手面積が激減したとのことであるけれども、逆に市街地の総合的な整備という点で景気浮揚策としての経済波及効果も大きいはずだったと思うのでありますが、昨年度の事業着手面積及び今後の事業計画について説明してもらいたいと思います。
#36
○政府委員(鹿島尚武君) まず、土地区画整理事業の効果の件でございます。
 都市基盤を整備し、土地の区画形質の変更を行いまして、良好な住宅地の供給を図り、民間の建築活動を誘発するという、こういった直接的な効果のほかに、公共施設整備によります生産誘発効果、そしてまた換地、保留地上に新設をされます建築、そしてまた建物移転に伴います増改築の関連投資といったような間接効果がございます。そしてさらに、区画整理事業の立地条件等によりましては商業、業務機能の活性化、都市活動の活性化に伴います広域的な経済波及効果というものも見込んでいいのではないかと思います。
 特に、土地区画整理事業の事業費の構成を見てまいりますと、全体の中で公共補助と保留地処分の割合でございますけれども、これが大体一対一というような構成になっておるわけでございます。つまり一〇〇の費用負担がかかるときに四割余りを補助で見てまいります。保留地の処分で四割余りを見てまいります。そういったことで全体の中の八割を補助の事業と、それから保留地の処分の金で生み出してまいるわけでございます。そうなってまいりますと、民間の景気浮揚効果というものは当然大きく予想されるところになってまいるわけでございます。
 そこで私ども、このような経済効果も大きい事業でもありますから、強い宅地需要にこたえてすぐれた町づくりというものを進めていくために、今後景気にかかわらずに安定的に事業を進めてまいらなければいけないと考え、そのように進めていきたいと考えておるところでございます。そのことは、ただいま先生仰せられましたとおり、過去の実績からも大体年間四千ヘクタールぐらいという供給がされているというようなことでもございます。そしてまた、この区画整理事業自体が、およそ七、八年ぐらい権利者の方々の同意を得て慎重に進められる、かなり事業期間の長い事業でもございます。そういった意味で、景気というものにかかわらずに安定的な事業の推進というものを図るよう、これからも努めさせていただきたいと考えておるところでございます。
#37
○青木薪次君 今回の改正では、新たに住宅先行建設区という制度をつくりましたね。
 この住宅先行建設区に定めるために幾つかの要件があるわけでありますが、その一つに、「住宅の需要の著しい地域に係る都市計画区域で建設大臣が指定するものの区域において」、先ほど種田委員が鋭く質問いたしましたけれども、こういう地域条件が定められている。そのことは過去に、去年の六月に私自身が大臣の隣へ座って、そしてマスタープラン、それから都市計画のいわゆる地区計画というものと住民要求というものを並べて、そして修正案の説明をした覚えがあります。そのときに、当時山崎建設大臣だったんですけれども、当時の市川都市局長も、そろって大体同じ考え方を持っておりますということを言明したわけであります。それが今日ここに出てきているわけでありますが、「建設大臣が指定するものの区域」ということについて改めてうたったその必要性、これは政府も認めたこのマスタープランあるいはまた建設区制度というようなもの等についてもう一度説明をしていただきたいということと同時に、この住宅先行建設区制度は、土地区画整理事業施行済みの地区において宅地利用の促進を図るための制度であると理解しているのでありまするけれども、それでは今回定められた地域要件を満たさない地域においては区画整理済みの地域で宅地利用がおくれている、この現状の傾向については先ほども若干触れられておったような気がいたしますけれども、そういう点について説明をしていただきたいと思います。
#38
○政府委員(鹿島尚武君) まず、住宅先行建設区制度の創設の件でございます。
 施行地区内におきまして住宅の建ち上がり建設を促進いたしまして、住宅宅地の供給に資することを目的といたしております。そのためにこの先行区に住宅を早期に建てたいと希望する方とそうでない方のある意味での権利内容に差が出てまいろうというふうに思います。その限りで、やはり照応の原則という区画整理法の中で設けられております原則について位置の特例というものを定めていくことになるわけでございます。
 そこで、特例を定めるということになりますと、その限りで住宅先行建設区制度を用いる公共性が高いというふうに認められる住宅の需要の著しい地域に限定をするという必要が出てまいらざるを得ないわけでございます。もちろん、大臣がこの地域を指定していくわけでございますけれども、全国的な視野から眺めて統一的にこれを運用しようというような必要性に基づくものであるわけでございます。そういった意味で、大臣が指定するときには地方の希望も十分に反映をさせなきゃいけないわけでございますので、地方公共団体の意見もお聞きした上で進めさせていただきたいと考えているところでございます。
 一方、この住宅先行建設区を設けました、あるいはまた設けて宅地化を促進するというような背景といたしまして、宅地需要が区画整理済み地についておくれている理由というただいまお尋ねがあったわけでございます。
 まことに一般論になって恐縮でございますけれども、第一に、土地区画整理事業による基盤整備は投資効率上スプロールに先立ちましてできるだけ早期に実施することが望ましいために、事業完了後早期に市街化を期待することにはある程度無理がある場合があるということでございます。それから二つ目に、当面営農を継続することを条件といたしまして土地区画整理事業に参画をなさる権利者も多いわけでございます。また一般に土地所有者は土地の売却につきまして決して積極的ではない場合があるわけでございます。第三点は、新市街地におきましては既存の住宅、公益的施設の集積がございませんので、新市街地としての成熟度、利便性というものが低いわけでございます。そのために、早期に住宅を建設してそこに居住をする、良好な町並みを直ちに形成がしにくいというような悪い循環が生まれているわけでございます。
 そこで、いろいろ理由がございますけれども、こういったところと相まちまして、私ども今般住宅を早期に建設する意向のある方々をこの建設区の中に集約いたしまして、早期の建設というものをお願い申し上げるわけでございます。
#39
○青木薪次君 今の説明はちょっと抽象的だったと思うんです。都市開発資金というものは要するに無利子貸し付けというもので、今土地区画整理事業というものは公共施設もない、いろんな土地そのものが住みよい環境にない、しかし非常に広大な土地が展開されているというようなことで、先ほども種田質問にありましたけれども、ツイン計画というようなものも持たれているということは何かと言ったら、いわゆる住宅先行建設区というような制度あるいはまたそこに誘導する政策ですから、どうしてもやっぱり減歩卒が多いとかいろんなことが伴いますよね。都市計画法の改正とともに、今回の土地区画整理事業というものはその中で既成の市街地とそれから新しく市街地をつくっていく方との差があるというように思うわけです。
 ですから、そういった意味で新しい市街地の形成と同時に宅地を供給するというような問題も含めて、事業施行済み地域においても住宅需要の著しい地域でなくとも宅地需要の促進を図るべきだというような議論がそこにもわいてくるというように思うわけです。ですから、例えば開発資金がさっき冒頭申し上げたように利子がただである、あるいはまた利子はあるけれどもひとつそういうことを促進しようとするような建設省の指導というものもあるというようなことについて、総合的に今回の法律に基づいて宅地利用を促進するといったような問題について、ちょっとさっきの答弁に付言して再答弁してください。
#40
○政府委員(鹿島尚武君) 住宅宅地の供給というものが大変緊急を迫られている課題であるわけでございます。そこで、その供給策としていろいろな手法がございますけれども、区画整理事業というものを推進いたしまして立派な公共施設がそろいました町並みというものを早く形成するというようなことで、立ち上がりのための促進策というものをいろいろ今般検討いたしまして法案として御検討をお願い申し上げているわけでございます。
 その中で、区画整理組合等に対します貸付金といったようなものを早急に住宅宅地需要の見込まれる事業に対しまして積極的に導入する、それによりまして事業の促進を図っていこうというのがこの趣旨になっているわけでございます。とりわけ、区画整理事業自体かなり懐妊期間の長い仕事でもございます。そこで、初動期の資金につきまして無利子の貸付制度というようなものを拡充させていただきますれば事業施行者にとりまして大変これは寄与するものとなるであろうと考えたわけでございます。
 その場合に、幾つかもちろんこの無利子の貸し付けの対象となる事業というものはあるわけでございますけれども、今般、住宅先行建設区、これを含みます区画整理事業を実施する事業施行者に対しまして、メニューの一つとしてこの無利子の貸し付けというものを充てていただくというようなことを提案させていただいておるわけでございます。
#41
○青木薪次君 私は、今度、照応の原則についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
 住宅先行建設区制度と照応の原則の関係について申し上げますならば、今回の法の八十九条に定められているところでありますけれども、法八十九条の改正で住宅先行建設区制度が新設されるにもかかわらず、八十九条の方は手がつけられていない。そこで、この住宅先行建設区の換地について照応の原則が働くのか否かが問題となると思うんです。
 新しく規定される八十九条の二では「換地を住宅先行建設区内に定めなければならない。」と定められているけれども、この規定は照応の原則を完全に排除するものかどうか、あるいは八十九条にいう宅地の位置、それだけの特則なのかという点について答弁してもらいたいということと、同じ先行建設区への換地相互間においては八十九条はどのように働くのかということと、八十九条と八十九条の一との関係について、この際説明をしていただきたいと思います。
#42
○政府委員(鹿島尚武君) 土地区画整理法八十九条におきましては、換地計画において換地を定める場合、換地と従前の宅地の関係につきまして、「位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。」と定められております。私どもこれを照応の原則というふうに呼んでいるわけでございます。
 そこで今般、八十九条の二という改正条文の御審議をお願いを申し上げておりますけれども、ここでは、施行者は住宅先行建設区に換地を定める旨指定した土地については、換地計画において住宅先行建設区内に換地を定めなければならないものというふうにいたしましたから、その限りにおきまして位置について照応の原則の例外を定めたものというふうに理解をするわけでございます。ですから、地積とか土質とか水利、利用状況、環境等その他の照応の原則の項目がございますけれども、これには何の変更も加えておらないわけでございます。そういう意味で位置につきまして原則について例外を定めてある、こういうことでございます。
#43
○青木薪次君 照応の原則は、これを抜きには区画整理という事業の仕組みが成り立たないんですね。ある意味では非常にスムーズに今日までこの区画整理事業が進展した一つのバックにもこういうことがあると思うんです。したがって、必要以上に照応の原則を緩めるべきではないと思うけれども、他方、この原則を余りにシビアに追求すると事業が進みにくくなるという面もあるということでありますが、そこで最終的には総合的に判断して各地権者間の公平が保たれていれば納得するしかないというのが現実であろうと思うんです。
 そこで、住宅先行建設区への換地は公平の見地からするとどのような扱いを受けるかをはっきりさせておく必要があると思うのでありますが、住宅先行建設区に換地されると指定期間内に住宅建設の義務を負うこととなるが、他方、住宅先行建設区というのはその周辺に利便施設の立地が誘導されることなどによって事業施行区域内においても一等地になる可能性も高いんですね。それらを勘案いたしました場合、住宅先行建設区への換地については、他の地域への換地よりも減歩割合は先ほど言ったように一般的に高くなるものですから、いろんな関係で条件が相殺されるということも考えられるんですけれども、そんなふうに考えていいんですか。
#44
○政府委員(鹿島尚武君) 重ねて申し上げますけれども、住宅先行建設区制度によります照応の原則の例外というのは、まず位置に関するもの、換地の位置についてであるということでございます。指定を受けた換地は住宅先行建設区内に定められるわけでございますけれども、この場合におきましても住宅先行建設区内で換地の位置は従前地の位置関係というものも考慮して定めていくことになろうと考えるわけでございます。
 御案内のとおり、換地につきましては事業計画という中で考え方を整理し具体に関係権利者が相談をしながら内容について詰めてまいるわけでございます。そういった意味で、公平性というものも皆さんの御議論の過程で手続の中でいろいろ整理をされていくわけでございましょうと思いますけれども、住宅先行建設区内で良好な居住環境を形成する上で、例えば住宅建設先行区内におきましても、共同住宅というものを集約する部分とか、あるいはまた戸建て住宅が集まって建ち上がる部分とか、いろいろ換地設計が個々のケースに応じまして行われるということが想定されるわけでございます。権利者の要望が反映されながら進められるわけでございますので、公平そして弾力的にこれが進められていかなきゃいけないというふうに考えます。
 そしてまた、ただいま先生仰せられました従前地、そしてまた住宅先行建設区に換地されました土地との評価の関係でございます。もちろん価値が潜在的に上がっているというふうに理解を私はいたしますわけで、仰せのとおり減歩あるいはまた別の清算という形もあるかもしれませんけれども、その土地の評価につきまして価値が一部上がってまいろうというふうに思います。したがいまして、先生おっしゃるように、その辺の操作というものがこの換地の計画を進める過程におきましてなされていくものというふうに私は理解をいたしております。
#45
○青木薪次君 住宅先行地域の土地は早く市街化されて、他の土地よりも減歩も多いけれども高くなる可能性がある、こういう答弁だったと思うんですが、大体、局長、どのくらいの差があると感じておられますか。
#46
○政府委員(鹿島尚武君) 大変恐縮でありますが、素人でちょっとどのくらいというのを申し上げる知識がございません。
#47
○青木薪次君 宅地化農地の計画的市街化の方策についてはどう考えていますか。
#48
○政府委員(鹿島尚武君) 宅地化農地の関係でございますけれども、まず私どもといたしましてはこれが立派な町づくりとして整備されるようにということで、昨年九月でございますけれども、通達によりまして地方自治体を指導しているところでございます。
 その内容の一つを申し上げますと、整備プログラムというものを策定いただきまして、具体に宅地化する農地につきましてどういった手法によりましてこれから整備をしていくかというようなことをこの十年間をとらまえまして計画づくりをしていただきます。その具体の手法の中にいろいろございますけれども、地区計画とか利用するものもあろうと思いますし、土地区画整理事業を活用していただくものもあろうと思います。
 そこで、この土地区画整理事業を活用して市街化区域農地の宅地化というようなものを進める方策といたしまして、今般市街化区域農地を宅地化することとして、その事業地の中に農地を相当程度含むものにつきましては今般無利子の貸し付けの対象というようなことにさせていただいて、これによりまして例えばその事業の施行者に便利なものとして活用していただくというようなことを考えているところでございます。
#49
○青木薪次君 とかくこの地域区分が、既成市街地とか周辺市街地とか新市街地とかその他の地域というように俗称的にいろいう言われていますが、その中で、今法律案に基づく新しい市街地の形成という点については私どもも賛成なんです。したがって、昨年六月に決定されました新都市計画法に基づく例えば市町村マスタープラン、地区計画というものを中心といたしまして、政令実施の時期というものについては一年以内ということになっておるけれども、いつ実施するのか、その対応については検討を進めているのか、その点について伺いたいと思います。
#50
○政府委員(鹿島尚武君) 昨年の都市計画法の改正におきましては、用途地域を細分化する、そして特別用途地区を追加するというようなこと、誘導容積制度の創設等地区計画制度を拡充すること、市町村の都市計画に関する基本的な方針をつくっていただくという制度を創設すること等々いろいろ拡充強化を図っていただきました。内容につきまして、その施行期日を一年以内で政令で定める日からということで、今日準備を私ども進めておるわけでございますけれども、関係政省令それから通達の整備のための必要な検討が進み次第、なるべく早い時期に成案を得まして、必要な周知期間を経た上で施行したいと考えておるわけでございます。この法律が公布されましたのが平成四年六月二十六日でございますから、この日から一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されることになっておるわけでございます。この改正が所期の成果を上げますように地方公共団体等とも連携を保ちまして、全力を挙げてただいま作業を進めているところでございます。
#51
○青木薪次君 特定土地区画整理事業と集合農地区の実績はどういうものであろうか。これは実績が上がらないのは、営農継続農地を含む土地区画整理事業の困難さを示すものにほかならないのではないかと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
#52
○政府委員(鹿島尚武君) 特定土地区画整理事業は平成三年度末現在で七十七地区におきまして事業が完了され、現在百十の地区におきまして事業を実施中でございます。集合農地区は特定土地区画整理事業におきまして良好な生活環境の確保に相当効用があり、公共施設の敷地の用に供する土地として適している農地等の区域について定めることができるということにされているわけでございます。そのような意味で、必要な場合に集合農地区が活用されることになってまいるわけでございまして、現在特定土地区画整理事業の完了並びに事業中の地区百八十七のうち五十七の地区、およそ三割につきましてこの集合農地区が定められておるところでございます。
#53
○青木薪次君 生産緑地を含む土地区画整理事業について都計審答申が出ているのでありますけれども、生産緑地を所有する農家にとってインセンティブがなく、事業が進まないのではないかと思うんですけれども、この点どうでしょうか。
#54
○政府委員(鹿島尚武君) 生産緑地を含みます土地区画整理事業におきましては、地区特性と申しますか、特性に応じまして農地所有者等の意向を踏まえて生産緑地の集約が可能でありますから、農地として機能の保全向上ということを図ることがもちろんできるわけでございます。土地区画整理事業の実施によりまして区画形質の向上が図られるばかりでなく、道路等の施設が整備されるわけでございますので、農業の生産性の向上というものも期待がされるわけでございます。そしてまた、生産緑地の農地機能を保全するというために、従前持っておりました機能の維持に必要な範囲内で、例えば用排水施設の移設等も行うことができるわけでございます。ただ一般的に、相当規模に集約されました生産緑地地区におきます道路、供給処理施設等につきましては、一般の宅地と異なりまして、公共施設の整備水準の設定をすることはできるわけでありますけれども、一般宅地とは異なった整備水準の設定ということができるわけでございますので、その結果生産緑地につきましては、低い公共施設等の整備水準に見合った減歩卒というようなことになるだろうと考えるわけでございます。
 こんなようなことでございますので、生産緑地を含む土地区画整理事業につきましても、農家の農地所有者等の方々にとりましてインセンティブというものは十分にあろうというふうに考えるところでございます。
#55
○青木薪次君 時間が来ましたから、最後に大臣に、土地区画整理事業の重要性についての認識と今後の住宅宅地の供給促進の決意を聞いて、私の質問を終わります。
#56
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 土地区画整理事業は、全国で年間約四千ヘクタール、供給量の約四割を供給しているわけでございます。特に大都市法の住宅及び住宅地の供給に関しましては重点供給地域の六割を土地区画整理事業において行っているわけでございますので、この重要性というものは非常に重要な位置を占めている、このように認識しております。
 さらに、今回促進を図るために土地区画整理法の住宅先行建設区制度を創設することといたしましたし、また緊急に対応が必要とされている市街化区域内農地対策として、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度を創設いたしました。このことによりまして、建設省といたしましては、さらに国民が豊かさとそしてゆとりを実感できるような生活大国づくりのために本制度が一翼を担えるものである、このように考えておりますので、さらに充実を図っていきたいと考えております。
#57
○青木薪次君 終わります。
#58
○白浜一良君 今回のこの法律の改正案は、当然宅地の供給を促進しようということの一環として考えられているものでございますが、内容に入る前に、宅地供給の促進という観点でちょっと何点か私確認したいことがございますので、御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、宅地供給ということでいわゆる三大都市圏、大都市法の改正で平成三年度から十二年まで十年間、首都圏四百三十一万戸、二万七千五百ヘクタール、近畿圏が百九十万戸、一万一千二百ヘクタール、中部圏が八十三万戸、七千六百ヘクタール、これを国またそれぞれの地方公共団体の共通の目標ということで定められたわけでございますが、三年度からこれは出発しているわけで、二年たったわけでございますが、現在の進捗状況というのはこれはどういうふうになっておりますか。
#59
○政府委員(伴襄君) 先生今お話しのように、大都市法に基づく住宅宅地供給方針で、平成三年から十二年、十年間で大都市地域で例えば宅地でございますと四万六千三百ヘクタール供給する、これを目標にしております。これはそれぞれ各県、関係十一都府県ございますから、それぞれブレークダウンしまして供給量を決めていただきまして、しかも今回の場合はどこで重点的に住宅宅地の供給を図るかという重点供給地域まで即地的に決めております。今数量的に幾らというのはすぐに出ないんですが、例えば今の重点供給地域、ここをメーンで供給するわけでございますけれども、これが三大都市圏全部を合わせますと二千地区になるわけでございます。
 二千地区の状況でございますが、実はこの二千地区のうちに既にもう基盤整備がそろっておって、例えば公営住宅の建てかえとかそういう形でやれるというようなところが四百地区ございますので、残りの千六百地区が道路等の基盤整備を要する地区というふうに考えております。その千六百地区のうち、約千地区につきましては既にもう事業着手をしておりまして、例えば道路に入るとか区画整理に入るとかそういうことをやっております。残り六百地区につきまして計画策定だとかあるいは地元協議の段階にありまして、これらの地区につきましても早期に事業着手に入ってもらいたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、各県出していただいた目標でございますが、毎年のきちんとしたフォローアップが一番大事かと思っておりますので、この十一都府県につきましてはそれぞれ今どんな進捗状況になっているかということをしっかりフォローアップしながらこの目標を達成するようにしていきたい。今お話し申し上げたように、重点供給地域で見る限りはかなりの着手をしておるし、それから残りのものについてまんべんなく着手できるように努力していきたいというふうに考えております。
#60
○白浜一良君 ちょっと確認しますが、この二千地区、重点供給地域ですか、これは全体の構想の中の何割ぐらいですか。
#61
○政府委員(伴襄君) 例えば宅地供給でいきますと、大体六割ぐらいを重点供給地域から生み出してもらおうというふうに考えておりますので、大宗を占めていると考えております。
#62
○白浜一良君 当然今おっしゃったことが現状だと思いますが、大体一割ぐらいやと私ちょっと担当の方から聞いたんですけれども、これ十年でやるわけですから、その一割ぐらい、ちょっと少ないんちゃうかと。要するに十年でこれだけできるのかなという、私刑に疑っているわけではございません、私善人ですから疑っているわけではございませんが、心配をしているわけでございます。
 それで、バブルもはじけて地価も非常に落ちついているわけで、もっと促進されてもいいんじゃないか、そういう観点で私は言っているわけです。と申しますのも、いろんな法律つくって、また改正をされて宅地供給をいろいろ目指されているわけでございますが、何というか実態に合ってないことがあるんですね。例えば以前に都市計画法の改正がございまして、高度利用地区計画という概念を導入されました。しかし私、市町村の現場の方にいろいろ聞いてみましたら、例えばそういう当該の一種住専、二種住専ではもう三階建て建てるのも近隣の反対があって進まない。だから、考え方はいいんだけれども実際は進まないという担当者の声を私は聞いている。これは例外かもわかりませんよ、しかしそういう声もあるのは事実なんです。実際に市で担当されている方の声です。そういった面で私非常にきちんと現場の声を受けて実際スムーズに進捗するように建設省としてもやっていただきたいと思うわけでございます。
 もう一つ確認したいんですが、生産緑地法の改正がございました。市街化区域の農地を、先ほども話題に出ておりましたが、宅地化すべき農地と営農地とに分けようということでございました。私統計見ましたら、いわゆる農地として保存するのは全国平均で三〇%、七〇%は宅地化していこうというそういう区分けができた、こういうふうに聞いているんです。しかし、その七割のうち固定資産税、都市計画税の十分の一特例ですね、これを受けるべき計画策定に着手した地域というのは一割だと聞いているんです。この七〇%のうちの一割、あとの九〇%、これ七〇%のうちの要するに九〇%ですね、これはどうなるのか。本来改正されたときは、宅地化すべき農地というのはスムーズに、一挙にはいけませんがスムーズに宅地化されていくべきだという、概念としてはそうだったんです。しかし実際は、一割しか要するにこういうふうに特例措置受けていない、計画策定されていないというこういう現状があるわけで、今後はどういうふうにお考えになっているんですか。
#63
○政府委員(伴襄君) 市街化区域内農地、特に特定市の市街化区域内農地のうちの宅地化農地の割合は七割、残り三割は生産緑地等に行っているわけでございます。この七割のうちで計画的宅地化を進めると、そうすると今御指摘のように固定資産税等が十分の一になるというようなことになりますので、その税の特例を受けるためにはひとつその地方公共団体に申し出てほしいというのを昨年平成四年十二月いっぱいまでに締め切ったわけでございます。その農地の割合でございますけれども、御指摘のように平均では一〇%、東京だと町田市とか大阪市のように四割というようなところもあるんですけれども、一方では数%というところがございまして、平均すると一割ということでございます。やはりこれだけ計画的宅地化ということでもいろいろ迷っておられる方が多いのかなという感じは受けております。
 一方、その一割という数字でございますけれども、私の思っておりますのは、これから十年間で宅地化を選んだ七割の方がどういうコースを選ばれるかということなんですが、その七割の選ばれた方のうちでずっと固定資産税払ってでも農地で持ち続けたい、農地として置いておきたいという方が、これは公共団体等の推計でございますけれども、大体三割ぐらいの方がいるんじゃないかなという気がします。
 そうしますと、これも同じく七割なんですが、七割が本当の宅地化する。ところが、その宅地の中には純粋の住宅地とそれ以外の例えば工場だとか商店だとかあるいは駐車場にするとか公共施設にするとかというようなところがありますので、その割合は大体半々ぐらいかなと思っております。そうすると七割のうちの三割五分ですね、半分ですから、三割五分が純粋宅地になる。そうすると、その三割五分が宅地化農地で、それに対するのが今の一割という話でございますから、それで十年間ということでございますから、一割というのは決して大きな値ではないんですけれども、早期に宅地化を図ろうとする農地がこの程度あるということは、三割五分に対する一割ということですから、この点一応評価できるのじゃないかと考えております。
 ただ、これは決して満足できる数字じゃございませんので、この一〇%の宅地化農地の次は適切な宅地化、十分の一特例を受けていただくべくいろいろな手続を進めていきたいと思っておりますし、それからそれ以外のところにつきましても現在市町村が中心になって整備プログラムをつくってもらうということで、都市局長、住宅局長、私と、三局長通達出しておりますので、その整備プログラムを農地所有者の意向を勘案しながらつくっていただいて、区画整理事業だとか住宅地の高度利用地区等々のいろいろ積極的な活用を図って計画的な市街地整備を図っていきたいというふうに考えております。だから、残りの二割五分相当というんでしょうか、そこにつきましてもしっかり力を入れていきたいというふうに考えております。
#64
○白浜一良君 今の話おかしいですよ。七割あって、それ大体つかんでいらっしゃるんでしょうけれども、その三割五分は宅地化しよう、その一割はもう手続終わった、こういうことですね。農地としてやるのでしたら要するに営農地として登録すればいいわけですから、少なくともその七割、おっしゃった半分の三割五分にしても、なぜ依然として農地として保持されているか。もう宅地並みの税金で結構ですと、税金は払わなきゃいかぬわけですから、だけれどもなおかつ農地として保存されている、その三割五分が大きいんですが、そこをどうお考えになるんですか。
#65
○政府委員(伴襄君) ちょっとややこしい説明して申しわけありませんでしたが、例えばここ十年間宅地並み課税を払いつつも農地として持っておきたい、そういう人が三割残るんじゃないか、これは公共団体の推計なんですけれども。できる限りそういう人たちも整然とした計画的な宅地化に進むのがこれが我々の立場でありますから、当然やらなければいけませんけれども、単なる傾向値として、数値として申し上げたわけなんですが、それが三割あって、残りの七割、七割全部が純然たる住宅地にならないわけで、半分ぐらいはそういったような公共施設用地とか工場用地とか駐車場とかなりますので、そこで三割五分が宅地だと。これはぜひとも三割五分は純粋宅地にしたい、そういったことを見込みたいと思っております。
 その三割五分に対するちょうど一割、三十五分の十が出てきたと、こういうことでございます。くどいようですが、それは決して多くはないんですけれども、とりあえず十年間のうちの最初のこういう制度を呼びかけたときの一割というのは、それはそれなりに評価できる。多いとは決して申しません、むしろ少ないという感じではありますけれども、残りのものにつきましてもしっかり努力していきたい。とりあえずこの一割につきましてしっかり計画的な市街化に結びつけ、十分の一特例の恩恵を仰いでもらおうというふうに考えております。
#66
○白浜一良君 ということは、スムーズにこういう宅地化されていく流れをつくるためにこれ以上の手だてというか対応を考えないということなのか、一層の促進を図るために何らかの今後対応を考えようとされているのか、これはどちらですか。
#67
○政府委員(伴襄君) 市街化区域内農地というのは、本当にこれからの住宅地の優良な土地、土地の源として大変大事だと思っております。また、公共施設的な用地としても大事だというふうに思っておりますので、これにつきまして現状は今のようなお話でございますけれども、これを十二分に計画的に活用するということが大事かと思っております。
 そこで、我々もこれは来年また予算とか税制要求等をやっていくわけでございますし、住宅宅地審議会の中に宅地部会というのがございまして、そこで緊急に宅地対策をどう進めるべきかということを今ちょうど諮問いたしまして検討していただいておりますが、その中でも、宅地化の選ばれた市街化区域内農地をどうするか、緊急の対応策としてどうしたらいいかということを諮問しておりますので、そういったところでもいろいろ御検討いただいて、その結果を踏まえながら来年度のいろんな諸要求に結びつけていくというふうなことも考えておるわけでございます。
#68
○白浜一良君 私こういうことを申し上げますのも、これは新聞報道でございますが、東京都内の農地、生産緑地を申請しなかった農地で農業を五年以上続けたいという方が五六%いらっしゃる。これは大きな事実ですよ。いろんな要素があると思います。制度がわからなかったとか私はいろんな要素があると思いますが、生産緑地法を改正して、市街化区域の農地をきちっと峻別しようという基本概念であの改正もあったわけですから、こういう迷っていらっしゃる方、なぜかを十分調査した上で適切な対応をすべきだ、私はそういう意味でこれは申し上げているわけです。
 今、審議会でお諮りになっているのは結構でございますが、こういう事実があるということで私は申し上げているわけでございます。その点、御了解でございますか。
#69
○国務大臣(中村喜四郎君) お答えをいたします。
 先生から御指摘をいただいている点につきましては、農家の方の土地に対して持っていらっしゃる考え方というものは、私もたまたま郷里が農家がございますので非常に特殊なものがあると思います。ましてや都市部になりますと農地に対する考え方というものは非常に難しいとらえ方があると思いますので、公共団体ばかりでなく政府としましても、この農家の方々の土地の利用の仕方、所有のあり方、そういったものについて意向を確認して、できるだけ効果あらしめるように努力をしていかなければならない、このように考えております。
#70
○白浜一良君 わかりました。
 次に、土地区画整理事業を早急に着手する必要がある、こういうことを認められる地区ということで建設省でも調査されています。市街化区域内農地の計画的な宅地化ということで国土庁も調査をされている。そのうち、いわゆる十年以上経過しても事業化に結びついていない地区数、これが行政監察で平成二年の分を私資料としていただいておりますが、それぞれ百三地区七千七百ヘクタール、八地区四百ヘクタール、どちらも実施地区数の約二割、そういう平成二年の行政監察では結果が出ているわけでございますが、これはその後状況の変化はございますか。
#71
○政府委員(鹿島尚武君) 御指摘の行政監察によりますと、調査対象といたしましては十四都道府県、十政令市におきまして、昭和五十年度から六十年度実施されました区画整理事業調査地区五百四十二地区のうち、調査実施後十年以上経過しても事業化していない地区が百三地区、一九%ありますということの報告がございます。その中で昨今の状況を見てまいりますと、四つの地区におきまして平成三年度、四年度におきまして事業化が図られたというふうに伺っております。
 私どもといたしまして、事業化を図るべく鋭意地方自治体を指導いたしておるわけでございますけれども、何分にも権利の調整というようなことでなかなか地権者の十分な合意が得にくいとか、あるいはまた合意を得ようという間にいろいろ虫食いの状態が進んでしまうというようなことで事業を断念せざるを得ないような状態に至っているというようなものもあるようでございます。そういった状況のもとでありますけれども、申し上げましたとおり、四地区につきましては事業の着手がされているというような状況にございます。
#72
○政府委員(鎭西迪雄君) 国土庁が実施しております土地利用転換計画でございますが、御承知のとおり、市街化区域内農地につきまして開発に当たっての公益的条件だとか地権者の意向を調査いたしまして開発のための基本計画をまとめることによりまして当該土地の土地利用転換を適切に誘導するということを目的にしているものでございます。市町村が農地所有者だとかあるいは開発予定地を所有する開発事業者と協議いたしまして策定するものでございまして、昭和五十二年度から三大都市圏の市町村等を対象にして相当の地区で実施してまいっております。
 ただいま委員御指摘の八地区四百三十四ヘクタールにつきましては、私どもその後都道府県の担当者会議等の場を通じましてその促進が図られるようさらに指導をいたしました結果、現時点におきましてそのうち三地区につきましては既に事業着手等進捗を見ております。他の五地区につきましては、ただいま都市局長の方からお話がございましたような事情と似ているのでございますけれども、事業化に至っていないということでございますが、その主な理由は、当該地域の土地利用状況の変化等によりまして地権者の同意が得られないということでございます。
 私どもといたしましては、市街化区域内農地や低・未利用地等につきまして計画的な土地利用転換を図ることが重要であると認識しておりますので、引き続き計画策定を進めるとともに、具体的な事業化につながるというのがもちろん一番必要なことでございますので、関係省庁と連携をいたしまして農住組合あるいは土地区画整理事業、地区計画等々、地域の実情に応じた事業手法の普及推進というものに努めていきたい、かように考えているところでございます。
#73
○白浜一良君 私こういうことを申し上げましたのも、先ほど都市局長は関係市町村を指導しているとおっしゃいましたが、そこがちょっと意識のずれがある。要するに、市町村が推進しやすいメニューであればどんどんいくわけですよ。また、そういう対象地域であればスムーズにいくわけでございますが、なかなかその辺ちょっとスムーズにいっていない面があるんじゃないか。これは全般的でないかもわかりませんが、宅地化促進また区画整理もそうでございますが、いろんなメニューを法律をつくってやられているんですが、メニューがいっぱいあって、こなすのが市町村の担当窓口というのはごく一部なんですよ。いっぱいメニューを与えられるよりも、きちっと現場に合ったそういう区画整理なり宅地化促進なりできるような、そういうようにしてほしいという素朴な声を私も市町村の担当者から伺ったことがあるわけでございます。
 そこで、なかなか思うように推進していないという事実も踏まえて、もっと現場の市町村の担当者の声を直接聞かれるような機会をつくられた方がいいんじゃないかと私思うわけでございますが、局長、どうですか。
#74
○政府委員(鹿島尚武君) ただいま先生から、施策の立案に当たりまして市町村の現場担当者の方々等の御意見を聴取していろいろ進めたらどうだというお話であったかと思います。
 私ども、いろいろ実は、今般の区画整理法改正の御提案に際しましての例で一、二申し上げてみたいと思いますが、幾つかそういった事業の進捗を図るためにどういったことを講ずればいいのかというような意味でお話を伺った経緯がございます。例えば、都市計画中央審議会の場におきましていろいろ御意見を伺ってまいりました。その中では、もちろん市町村の代表の方が入っていらっしゃいますし、あるいはまた知事会等の代表の方も入っておられるわけでございます。いろいろ御意見を伺ってきたことをまず申し上げます。
 それから、一年間ほどかつて勉強会という形で実務担当者の方々に東京の周辺におきまして、東京、埼玉、千葉、群馬、あるいはまた住都公団等々関係者の実務の方々にも御意見を伺いながら、こういった施策について詰めてまいりました。あるいはまた、具体に市レベルからも助役さんとか部長さんとか、担当の方の御意見につきましても聴取をしてまいりました。それから、いろいろ換地等の実施に当たりましてアンケート調査という形で御意見の聴取をさせていただいた経緯もあるわけでございます。
 日ごろ私どもいろいろ予算の面で、あるいは政策の実施の面で、自治体の御担当の方との接触の機会というのは大変多く持っているわけでございますので、そういった過程を通じまして今日までいろいろ御意見も聞きながら詰めてまいったのが今般の区画整理法の改正という形で一つの例として申し上げさせていただいておるわけでございます。
 今後とも、御指摘のところ大変重要なことだと思いますので、日ごろの姿勢というものをそういったところに置いてきちっと意見を聞きながら進めてまいりたいというふうに私は考えております。
#75
○白浜一良君 都道府県の代表がよく言っていらっしゃるそうですけれども、まああれは中間代行者ですね、都道府県というのは。実際はやっぱり市町村が担当ですので、私重ねて強く御意見を申し上げたわけでございます。
 話は変わりますが、先ほど種田さんがおっしゃった件でございますが、非常に種田さんは人がいいのでやわらかくおっしゃいましたけれども、私意地悪に言うつもりはないんですが、要するに未利用地の有効利用ですね。
 これはいろいろ言われているわけでございまして、六十二年の建設省の調査で大体換地処分された地区の三割、全国で二万二千ヘクタールですか、三大都市圏で一万八百ヘクタール、宅地供給量の二年分、それが農地や荒れ地になっているということは、いわゆる調査されたときのデータはこうだったと思うんです。それ以来やっていらっしゃらない。先ほどいろいろ理由を聞きましたら、大体推定可能だということをまず一番先におっしゃいました。推定可能でしたら、今どういう状況にあるのか推定してくださいよ。
#76
○政府委員(鹿島尚武君) 六十二年のこういった調査等を通じまして、私ども区画整理済み地がどのように立ち上がっていくかというような調査をかねていたしたわけでございます。その推計の資料によりますと、大胆な話で恐縮でございますけれども、およそ七%ぐらいずつ年間事業化が進んでいくというような数値が出でございます。これでまいりますと、およそ二十年たって八割弱というような立ち上がりの状況になるわけでございますが、仮にこんな大胆な推計でお許しをいただけますとすれば、昭和六十二年度の未利用地の宅地面積、これは調査でございますけれども、二万二千百九十ヘクタールあるということでございました。これを七%宅地化というようなことで仮に推計をさせていただきますと、二万一千二百ぐらいというように大胆に計算見込ませていただくわけでございます。
#77
○白浜一良君 今調査されているということですから、それを前提といたします。
 もう一つおっしゃいましたね。新たな調査となると市町村に大変な手間をかけるという、それは事実でしょう。しかし、それは事実だと思いますが、これは種田先生の方からもお話がございましたが、国会答弁で大臣が三年に一回やると、こうおっしゃったんです。それを手間かかりますねん言って、そういう理由でそれ説明になりますか。局長、どうですか。大臣がこう答弁されたことですよ。市町村が手間かかりますねんて、そんなんが説明になりますか。
#78
○政府委員(鹿島尚武君) 三年ごとにと申し上げましたのは、議事録を読みますと当時の担当局長であったかとは思いますが、それはそれといたしまして、言いわけがましくて大変恐縮でありますけれども、なかなかいろんな事情があってこういうことになってしまったということで申し上げているわけでございます。
 いずれにいたしましても、こういった調査に基づきまして実態を踏まえ具体の施策を進めていくということが大変重要でございますので、おくればせながらということでお許しをいただきますが、平成四年度末から新たな実態調査を現在進めでございますので、もうしばらく時間をいただきまして、お許しをいただきたいと存じます。
#79
○白浜一良君 国会審議との関係におきましては大臣が答弁されましたので私これ以上言いませんが、きちっとやっていただきたいということだけ言っておきたいと思います。
 それから、今回の区画整理法の改正で何点かお伺いしたいんですが、重複してはいけませんのでこの点だけ私聞きたいと思うんですが、既に任意の申し出換地として開発された例というのは、私が調べたところ三つの大きなとろがございまして、一つは横浜の港北ニュータウン、二つ目が町田の成瀬東地区ですか、それから三つ目が、私大阪なんでよく知っていますが、吹田市の佐井寺南地区というところ、この三つですね。それぞれこれやっぱり物すごく理由があるんですね、うまくいった理由が。
 港北ニュータウンは住都公団がきちっとされているという、こういうところです。町田市の成瀬東地区というのは、これは地区計画がしっかりしていて、地区計画の上にきちっとつくられたという、それぞれ成功したことには理由があるわけです。大阪の吹田市の佐井寺南は、いわゆる集合住宅をきちっとつくろうということで、そういう町づくりのイメージをつくって換地も含めてきちっと開発整備されたという、そういう事例があるわけでございますが、そういう事例が私大事じゃないかと思うんです。
 また、こういう改正して実際区画整理に当たってみたけれども、なかなか虫食いでうまくいかぬとか、やったって未利用地が残ってしまったとか、そういうことになってはいけないわけでございまして、その辺の先例を通して、要するに今回の法改正、どのように受けとめていらっしゃるか、一括して答弁、局長お願いします。
#80
○政府委員(鹿島尚武君) 港北ニュータウンとか、かねて任意の申し出換地によりまして仕事を進めてきた例があるわけでございます。ただ、任意の申し出換地ということになりますと、やはり事業主体が事業全般にわたり調整を行う過程におきまして、申し出の手続等を独自に設ける事業実施上の措置として手当てをしなきゃならぬわけでございますので、大変限定的なものであるわけでございます。そしてまた、手続につきましてもルールがございませんので、大変手間暇をかけて努力を重ねたあげくにでき上がったものというふうに私ども聞いておるところでございます。
 今般、住宅先行建設区という制度を設けまして、要件とか手続とかいうことをはっきりしてまいりますと、公団だけではございませんで、そういった一般の組合等が施行者である場合につきましても申し出換地の手法を用いまして、土地区画整理事業が円滑に実施をされることになろうかというふうに考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、事業実施に当たりまして権利者の合意形成ということを十分に行っていかなければなりませんし、でき上がった地区につきましても地区計画あるいは建築協定というものを活用いたしまして、良好な市街地としてこれから先使命を果たしていただくというようなことが大変重要であるわけでございますので、そういった視点からも指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 そしてまた、住宅先行建設区を設定する事業にありましては、無利子の貸付金の要件というものを例えば緩和をいたしまして、面積でまいりますと五ヘクタールのものを二ヘクタールに、そして道路の標準の幅員につきましても十二メートルのものを八メートルあるいは六メートルに、公共用地の比率につきましても一般的には二二であるものを一五%にというようなことでいろいろ要件の緩和をいたしまして、無利子の貸付事業を実施いたしまして初動期の資金需要に十分対応をいたしまして、事業がやりやすいようにということで私ども支援をしながら区画整理事業の推進を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#81
○白浜一良君 いろいろやりたいんですが、もう時間がないので、住宅局長来ていただいていますので、ちょっと一、二点だけ聞きたいと思うんですが、茨城県の守谷町の花火工場の爆発でございまして、要するに花火工場が先にあって、その周りにばっと住宅ができた、それで花火工場がぽんと爆発したものやからその周辺、後で建った六百軒のいわゆる住宅が被害をこうむった、こういうことが起こり得るわけですね。
 これは住宅政策としてどうなんでしょうか、問題ありと私は思うわけでございますが。
#82
○政府委員(三井康壽君) ちょっとうろ党友で、間違っていましたら後で訂正させていただきたいと思いますけれども、守谷の花火工場は既にいわゆる市街化調整区域とか、そういう都市計画をやる前からできていた工場でございました。それに市街化というのが押してまいりまして、そこに住宅地が張りつかざるを得なくなって、都市計画としても用途地域を塗らさせていただいた、そういうことでございますので、花火工場自体は建築基準法やあるいは消防法、危険物の取り扱い関係の法令によりまして安全は確保されているというふうなこともございまして、周辺に用途地域として住居系の地域を塗ってきたんだろうと思うわけでございますが、それが本当にいいかどうかということはいろいろ御議論がございますけれども、全国的に花火工場の周辺に住宅地を用途地域として塗るという場合もないわけではございませんので、ある程度塗った時点においてはそれなりの妥当性を考えて塗ったのではないかと思っているわけでございます。
#83
○白浜一良君 ちょっと時間がないので、最後に大臣、もっといろいろな事例やりたかったんですが、現在の法律ではいろいろ問題がないといってもそういう事故が起こりやすいようなそういう住宅建設もされているわけです。ですから、住宅というのは戸数も大事なんですが、そういう質的な面も非常に大事なわけで、そういった意味で私どもはかねてからきちっとした住宅基本法をつくるべきだという、そういう事故がないように良好な、質的な面でいい住宅建設を進めるためにこれも大事だということで、そういう基本法をつくるべきだと考えているわけでございますが、最後に大臣、所感を伺って終わりたいと思います。
#84
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、住宅の質というものが非常に重要であるということは全く私も同感でございます。
 しかし、現在の時点におきまして、住宅基本法をつくるべきではないかという議論を過去においても国会の中で議論されたということは承知しておりますが、現在住宅政策、各種の法律を整備いたしまして進めているわけでございますし、さらに住宅基本法をつくるということになりますと、国、地方の責務あるいは住宅費の負担の割合、そうしたものに対して必ずしも現時点において目標がきちっと整理がついているというような状況じゃございませんので、今後は御指摘をいただいた国民の合意形成に従って、住宅政策に対する各界の意見にまだ相当の差がございますが、合意の形成は現時点においては困難な状況であるものの、建設省として広く御意見を拝聴しながら検討を行っていきたい、このように考えております。
#85
○委員長(梶原敬義君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十分開会
#86
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○山田勇君 先月二十五日に国土庁が発表しました公示価格によりますと、全国の平均地価は昭和四十五年の調査以来初めて二年連続の下落となり、特に三大都市圏の住宅地の平均地価は前年比一四・五%の大幅な下落となっておりますしかし、バブル発生前と比べればいまだ高い水準にあり、サラリーマンの年収の五倍で住宅を取得するという宮澤内閣の公約はまだ実現できません。こうした状況にあって良質な住宅宅地の供給がなお一層望まれており、土地区画整理事業への期待はますます高いものがあると考えます。
 区画整理は全国の年間宅地供給量の約四割も占めており、また平成二年の大都市法の改正に伴う関係都道府県の住宅供給計画では、重点供給地域の約六割を区画整理により整備することとされております。特に、生産緑地法の改正により宅地化される市街化区域内農地においては開発が無秩序な虫食いの状態にならないよう計画的に市街化される必要があります。この点で区画整理の果たす役割は大きいと思います。
 今回、住宅先行建設区の設定によってさらに事業が促進されるものと考えますが、住宅供給計画の重点供給地域の約六割といった数値は区画整理事業にかなり高いノルマを課しているわけですが、今後の区画整理事業全般の見通しについて簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#88
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せのとおり、宅地供給の大きな手段の一つといたしまして土地区画整理事業の果たす役割というのが大変大きいわけでございます。
 昨今の供給量を見てまいりますと、全体の約四割、四千ヘクタールを安定的に土地区画整理事業により供給を図ってまいっております。今後、地権者の土地所有意欲につきましても高まってくることが予想されるわけでございますので、用地買収方式の宅地開発事業が現在よりもさらに困難になることが予想されるわけでございます。そこで、地権者が参加をするこの区画整理事業の手法につきましてますます役割は高まってくるというふうに理解をいたしてございます。
 特に、大都市法におきます重点供給地域におきましては、区画整理によりまして約六割、仰せのとおり宅地の供給を期待されておるところでございます。御案内のとおり、供給方針というものを大臣が決めて都道府県知事におきまして供給計画を定めてございますけれども、地元におきましての要請がそのような状況にあるわけでございます。
 そこで、今後公共施設の整備と良好で大量の住宅宅地形成を一体的に行うために区画整理事業の積極的な活用を図ってまいりたいと考えておりますが、今般お諮りを申し上げでございます法改正によりまして新しく住宅先行建設区の制度を設け、また区画整理組合等の行うこうした事業につきまして無利子の貸付制度を活用させていただくというような新しい制度もお願いをいたしてございます。こういった制度を活用いたしまして、さらに事業の推進を回らせていただきたいと考えております。
#89
○山田勇君 今回の改正による住宅先行建設区という制度の理念は大変僕はすばらしいものと思いますが、実際の運用に当たって他省庁との協力がどの程度得られるかが重要なポイントでもあります。道路や下水道など建設省所管のものは当然として、例えばごみ処理の問題、警察、消防、郵便局、金融機関など、住宅の誘導とあわせて生活利便施設の整備に対する配慮が十分になされなければなりませんが、この点についてはどうお考えがお答えいただきたいと思います。
#90
○政府委員(鹿島尚武君) 土地区画整理事業施行地区におきまして、居住環境の向上を図りますとともに、市街化の促進を図る上で、先生御指摘の生活利便施設の誘致等に努める必要があることは当初から強く認識をしているところでございます。
 そのために、施行地区内の公益利便施設、商業業務施設の早期建設のため地方公共団体が土地を先行的に取得いたしまして、集合換地をする場合において用地の買収費用を市街地形成促進対策事業として地方債の対象としてもらっております。自治省の協力を得てやっております。それから、施行地区内のセンター施設の整備を行う者に対しまして保留地を優先的に譲渡する等一定の措置を講ずるよう通達等で指導を行っておりまして、生活利便施設の誘致に努めております。
 こういった措置によりまして、公益的施設が立地をいたしますれば、一般の住宅の立地というものもやりやすくなってくるわけでございまして、いわゆる公益的施設がないから住宅が建たない、住宅が建たないから公益的施設が立地をしないという悪い循環を絶つことが可能になってくるのではないかというふうにも考えております。とりわけ区画整理事業自体が長期間にわたる事業でもございます。そしてまた、初動期の採算性の確保ということが大変重要な事業でもあろうかと思います。そういう意味で、公益的施設の早期立地の蓋然性を高めて地区全体を早く町並み形成に持っていくということが大変重要であろうと思います。
 今後とも、御提案申し上げております新しい制度を活用いたしまして、事業が推捗するように図ってまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#91
○山田勇君 今回の土地区画整理事業に対する無利子貸し付けが行われることにより、いわば国が関係している事業だということで信用が高まり、事業の進行に非常に弾みがつくと思います。そうした意味からも、今回の法改正により貸付制度の拡充が図られることも評価しつつも、これでよいとすることなく貸し付け要件の緩和、貸付額の増大など貸付制度の拡充をしていく必要性を考えますが、この点に関しての御意見、御見解をお聞かせください。
#92
○政府委員(鹿島尚武君) 土地区画整理組合等によります土地区画整理事業の一層の促進を図りまして住宅宅地供給を進めていくというために、今般、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度の創設をお願い申し上げているところでございます。これは、従来の土地区画整理組合による土地区画整理事業に対する無利子貸付金の制度を拡充いたしまして、住宅先行建設区を設けた組合等の区画整理事業に対し、また住宅用地等先買い型の区画整理事業等がなり事業効果が高いと見込まれる土地区画整理事業に対します貸し付け要件の改善も図りながら制度の創設をお願いしているところでございます。
 具体に申し上げますと、区画整理事業の地区の面積につきまして、施行地区一般ですと五ヘクタールとなっているものを二ヘクタールに緩和をしてございます。それから、道路の幅員というものを十二メーター以上の道路と言っておりますところを面積等に応じまして八メートルあるいは六メートルというふうに緩和を図ることをやっております。あるいはまた、公共施設の整備率と申しますか、全体二二%であるものをこれを緩和するというようなことも内容として含まれておるわけでございます。こういった制度の改善の中で、ぜひ積極的にこれを御活用いただきまして事業の一層の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#93
○山田勇君 区画整理は、今まで述べた宅地供給の観点に加え、既存市街地の環境改善の観点からも期待が寄せられております。現在大阪でも道路、公園などの公的施設がほとんど整備されていない上に木造不良住宅などが密集し、居住水準は極めて悪い市街地が相当残されております。火災や交通事故など防災の面からも早急に対策が講じられなければなりません。しかし、これらの密集市街地では土地建物などの権利関係が入り乱れており、またオープンスペースの絶対的な不足によりなかなか整備が進まない状況でもあります。
 建設省としては、こうした密集市街地の整備についてはどのような目標、方針のもと具体的に取り組んでいくのかお聞かせください。
#94
○政府委員(鹿島尚武君) 密集市街地の整備と申しますと、やはり仰せのとおり公共施設の整備を行いまして良好な環境づくりを進めるというところに要点があろうかと思います。そのために建設省といたしましては、現在人口の集中の特に著しい大都市につきまして整備、開発または保全の方針に定めます都市再開発の方針に基づき、また、その他の都市におきましては整備、開発または保全の方針に基づきましていろいろな事業の実施を図っております。その中の事業といたしまして、土地区画整理事業、市街地再開発事業、コミュニティー住環境整備事業、特定住宅市街地総合整備促進事業等々でございます。この中で土地区画整理事業は、密集市街地におきまして良好な居住環境を創出するために面的にそして総合的に整備する手法といたしまして、これまでも広く活用がなされたところでございます。
 昨年十二月九日、都市計画中央審議会の答申を受けまして、建設省として次のようなことを検討、実現を図るべくいたしてございます。一つは減価対策、過小宅地対策等のために、土地にかえて十分な広さの建物床が得られる立体換地制度の充実を図ること、それから市街地再開発事業等との同時施行によりまして建築物整備と一体となった事業の整備を図ること、こういったことを考えでございます。それから二つ目に、公共施設充当用地を確保するために、密集市街地の減価補償金地区等と新市街地の区域を一つの土地区画整理事業施行地区として実施をいたしますいわゆるツイン区画整理につきましても検討をし、実現を図るように考えておるわけでございます。
 こういったことで、密集市街地におきましても土地区画整理事業をさらに御活用いただきまして、推進を図ってまいりたいと考えております。
#95
○山田勇君 最後に、大臣にお聞きいたします。
 この区画整理法の目的は公共の福祉の増進でありますが、こうした意識を地方自治体と住民が明確に持たなければ区画整理はなかなか進みません。事実、知事とか市町村長の中には、区画整理はその過程で面倒な問題が多いので事業に前向きに取り組まない者もいるとの声も聞きます。自治体のトップに立つ者がこのような姿勢でありますと、担当レベルで幾ら懸命に努力してもおのずと限界があると思うんですが、建設省として地方自治体に対して区画整理事業の重要性と必要性をなお一層訴えPRをしていくべきだと考えますが、その点大臣のお考えを聞かしていただきまして、私の質問を終わります。
#96
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、土地区画整理事業を推進していくためには、よりよい町づくりを行うという地方公共団体の強い信念と、それに参加していただく地域住民の皆様方の理解と協力なしにはこの事業を進めていくことができないのは当然のことでございます。
 そのために建設省といたしましては、区画整理を実施したことのない地方自治体のトップの方々を対象に区画整理未経験市町村トップセミナーの開催等を通じて、土地区画整理事業の重要性と必要性を今後とも御指摘をいただきましたように一層訴えていきたい、このように考えております。
#97
○山田勇君 ありがとうございました。
#98
○上田耕一郎君 八八年の土地区画整理法の改正について質問した際に、歴史的経過もかなり触れて述べたんですけれども、この事業は、この事業の結果地価が上がるということを理由にして、原則として補償なしの減歩というやり方で公共施設用地や保留地を生み出すということを本質とするもので、さまざまな問題をはらんでいます。五四年にこの法律が制定されて以降、四次にわたる改正が行われましたけれども、八十九条の照応の原則、これの例外を広げる、それから次に事業の施行を地権者から切り離していく、このやり方が拡大する、それが追求されてきまして、問題点はますます広がってきたと思うんですね。
 今回の改正案は、住宅先行建設区の創設、住宅宅地供給促進型土地区画整理への無利子貸し付け、業務代行者の土地先行取得資金への財投金利の融資、これをつくるものですけれども、これまでの四次の改正の方向に沿ってさらに一歩進めるもので、零細な土地所有者がますます事業から疎外されるということになると危惧しています。
 幾つか質問したいんですけれども、第一の質問は、なぜ法制化が必要なのかという問題です。宅地利用促進については八〇年十二月の建設省の通達以来さまざまな措置がとられてきています。区画整理課の森田課長補佐が雑誌「区画整理」九〇年五月号に論文を出してます。それによりますと、全国で年間四千ヘクタールの宅地をこの事業は安定的に供給しており、総宅地供給量の約四割に達している。市街化速度は全国平均で年間約七%、これは一般の市街化区域内農地の転用速度約三%弱に対して二倍強進んでいますね。それから平均市街化率、これは換地処分完了地区について約七〇%、既成市街地というのは約八〇%というんだから、かなり進むということであります。
 それからもう一つ、同じ雑誌の九一年八月号に区画整理課の中村研修生が集約換地の法制度について論文を書かれています。これを見ると、法定外の集約換地、これも非常に進んでいるというんですね。公共施行で百五十五地区、組合施行で百四十八地区、合計三百三地区に上っている、そうなっている。
 そうしますと、こういう進行があるのになぜ特別に法制化するのか。格上げになりますのでさまざまな問題が一層生まれると思うんですけれども、そのことをまずお伺いしたいと思います。
#99
○政府委員(鹿島尚武君) 集約換地につきましては、昭和六十一年通達で私ども地方に任意の実施につきまして指導をいたしたわけでございます。これは任意により行われるわけでございますので制度化されていないわけでありますから、いわば手探りで、関係権利者全員の合意というものを図りながら、具体のルールづくりといったようなものを含めて進めてまいってきておるわけでございます。なかなかそういうことで、手間暇かかるという言葉は悪うございますけれども、大変難しい問題も抱えておりまして、十分な活用が図られているというふうには考えられないわけでございます。
 全国の住宅宅地供給の必要な地域におきまして、広く早期に住宅の建設を希望する方々の集約換地を実施いたしまして住宅供給を促進するためには、従来のこうした任意の方法のみでは困難であるというような認識に立ちまして、昨年都市計画中央審議会からの答申もちょうだいをいたしまして、今般法律を改正するように御審議、お諮りを申し上げているわけでございます。ここで必要な手続を定めまして住宅先行建設区の制度化が進むことになれば、これによりましてだんだん定着がなされ宅地供給に結びついていくというふうに理解をいたしておるわけでございます。
#100
○上田耕一郎君 二番目の質問は、住宅先行建設区というものを法律で定めることによって、先ほども触れました照応の原則、これが揺らぐ危険があるんじゃ。ないかということです。
 午前中にも取り上げられましたけれども、土地区画整理法の八十九条、「換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。」、こう決められています。この照応の原則というのは、換地処分の根幹をなすもので、憲法に基づく財産権の保護にとって極めて重要な原則とされているわけです。
 これまで、こういう集約換地、特に法定の集約換地というのは特別の例として二つだけ決められている。一つはいわゆる大都市法に基づく共同住宅、集合農地区、二つ目はいわゆる常磐新線法に基づく鉄道施設区、この二つだけだったんですね。先ほどもちょっと引用したこの中村論文によると、こういう集約換地を法律で決めるのは特別の事業目的、これがあるためだ、そういう解説になっているわけですね。
 ところが、今度の法定集約換地をこの法律でつくろうというのは、目的は新市街地化というわけだから、これはもう特定どころか、区画整理の約三分の一を占めているんだから極めて普通のものでしょう。普通のものに対してこういう法定集約換地、これまで二つだけ決まっていたものをやろうということで、これが照応の原則の事実上のなし崩しにつながる危険が大きいと思うんです。
 この中村論文でも、建設省の調査が紹介されているんだけれども、集約換地を決めるとき、あれは組合員の三分の二以上で決まっちゃいますから、調べてみると「同意の取得はほとんど行われなかったところが多く、地区内で集約換地が必至とする地区や集約換地された地権者だけの同意が多く、問題である」、こう指摘されているわけです。だから、広く同意を求めないでやっちゃうわけですよ。
 さて、実際にこの法律が通って先行区が決まるとすると、そうすると大体住宅の建っていないところを決めるというわけだから農地が多いわけですね。その農地の所有者が、これは指定期間がこの法律で決まっているんだけれども、説明によると約三年間という話なんです。三年間に家を建てようという計画をまだ持っていない方なんかはじゃどうなるのかというと、結局飛び換地に応ずる。住宅先行建設区以外のところに換地で出ていかなければいけない。照応の原則についてはいろいろ裁判その他でも、また本を読んでもさまざまな論議があるようですけれども、飛び換地というのはこれは照応の原則からはかなり外れる性格が強いと思うんですね。
 だから、こういう法律をつくって照応の原則に反する現象、三年以内に住宅を建てる計画のない人は結局追い出されるということになるのは非常に重大な問題じゃないかと思いますが、見解はいかがでしょうか。
#101
○政府委員(鹿島尚武君) 従来から土地区画整理事業に対しまして、住宅宅地の供給に資するようにという大変な役割が課されておったわけでございます。とりわけ大都市地域、そして地方におきます良好な居住環境を備えました住宅宅地の供給が求められている昨今の状況の中で、その一層の推進によりまして住宅宅地供給の促進を図る必要があるわけでございます。そういった中で、区画整理事業が行われ基盤整備がなされた後におきましても住宅の円滑な建設が進まず、住宅宅地の供給に結びついていないという場合があるわけでございます。
 そこで、今回こういった住宅宅地を緊急に提供するというような公共性というものに着目をいたしまして、住宅を早く建てたいという希望者の方々をこの住宅先行建設区に集約をいたしまして換地をし、建ち上がりを進めてまいるわけでございます。
 照応の原則は、区画整理法の八十九条に書いてございますけれども、「位置、地籍、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように」ということでございますので、私どもといたしましてはこの照応の原則をなし崩しにしてしまうということではありませんで、位置についての特例というものを設けさせていただきたいという趣旨で御提案を申し上げているところでございます。
 振り返りますと、大都市法によります共同住宅区というようなものを見てまいりますと、大都市地域におきます住宅宅地供給促進策として共同住宅の建設を促進するというところに法律の公共性もあるわけでございます。そういったことで、今般お願いを申し上げましたのはそれなりの公共性というものに着目をいたしまして、こういった位置に関する照応の特例というものを設けさせていただくように改正をお願いしているところでございます。
#102
○上田耕一郎君 そう言われますけれども、この法律には集約換地されない地権者の同意、これは明記されていないんですね。だから、やっぱり権利、民主主義の問題として重要な欠陥がある。
 さらに問題が大きいのは、住宅先行建設区に入れられる区域の中で住宅がもしあった場合、そこに住宅が建っている土地が例外的にでもある場合は、その人は先行区への換地申し出ができないんですね。説明を聞くと何とかなると言われるんだけれども、法律上は明文の規定は全くないんですね。そういう点があることも指摘しておきます。
 これはちょっと聞いておきましょうか。これはどうなりますか、その地区に住宅を建てている人は。結局、先行区にずっと取り囲まれてしまって出ていかざるを得ないということにはなりませんか。
#103
○政府委員(鹿島尚武君) この住宅先行建設区につきましては、今回の法律改正の中にも要件として掲げられておりますけれども、原則として更地と申しますか、既存の建物がないというような新しい市街地の造成というものを一つ頭に置いて考えておるわけでございます。
 そういう中で、仮に住宅がそこに既に存するものにつきましては、その住宅を含めまして建設区が設けられた場合におきましてはその建設区の中で換地をされていくことになるわけでございますので、既存の住宅建てつけ地と申しますか、こういったものは住宅建設区の設定の目的に抵触しないわけでございます。その辺につきましては通達等ではっきり指導をしてまいりたいというふうに考えます。
#104
○上田耕一郎君 住宅先行建設区というのは新市街地の中心的区域になるわけで、そこに換地できるかどうか、土地所有者の利害に非常にかかわる問題なんですね。ですから、今言われたように、その地権者たちの財産権が守られるような措置を強く要望しておきたいと思います。
 今回の法改正では、あわせて業務代行者の土地先行取得に対する財投金利の融資制度が新設されているんですね。これも民間デベロッパーに土地を取得させて、それを住宅先行区に集約するということがねらいであると見ざるを得ません。
 建設省の調査によりますと、業務代行方式、今まで行われているもの約九割が新市街地を目的とする事業で、その六割はゼネコン、三割がデベロッパーということになります。それで、やはり雑誌に出された建設省の論文によりますと、施行後は地区面積の約四割一宅地面積の半分以上が業務代行者のものとなっているという実績を既に挙げているものなんですね。
 やっぱり「区画整理」という雑誌になかなかおもしろいのがあるのは、これは四日市市の区画整理課長が区画整理についていろいろ述べているものです。結局デベロッパーが非常にもうけ過ぎるというので、地権者の不満、組合員の不満が大きいということを述べているんです。組合関係者から代行者への処分価格は安いんじゃないかという不満の声が一部に上がりました。代行者の取得した保留地は上物をセットにした建て売りで販売していることから、組合が代行者に処分した価格と代行者がユーザーに販売するときの価格に関する問題について、組合事業を指導する立場として非常に難しい面がある。つまり、安く代行者が売ってもらってそこへ建て売りをやって物すごく高く売る。それで不満が出てくるというわけです。だから、区画整理をやって値上がって、その価格で販売して大もうけをしているというのが実態なんですね。
 そういう実態から考えますと、今度の改正はこの点で言うとさらにその傾向を法定集約換地や財投金利で手助けしてやろうということに事実上ならざるを得ないんじゃないかと思いますけれども、その点について何か歯どめがありますか。
#105
○政府委員(鹿島尚武君) いわゆる業務代行方式と申しますのは、土地区画整理事業を実施する上におきまして、例えば土地区画整理組合がその施行主体である場合に、その施行主体が行う事務の一部、しかも事実行為と申しますか、下作業と申しますか、コンサル的な仕事を委託するというようなことであるわけでございます。ですから、本来関係権利者を含めました組合がその権利に関しまして重要な事項として持っている部分につきましてもちろんこの業務代行者に任せるというようなことは、これはあり得ないわけでございます。
 さて、振り返りまして住宅先行建設区の制度でございますけれども、これは広く早期に住宅建設を行う意向のある一般の地権者を対象として考えるわけでございますから、業務代行者の先買い地のみを対象として考えるものではもちろんないわけでございます。そしてまた、住宅先行建設区への換地の申し出をなさるという機会はすべての土地所有者にとって均等であるわけでございます。そういった意味で、決して代行業者を優遇するわけではないわけでございます。
 ただ、先生御案内のとおり、この代行業者につきましては保留地の最終的な処分の形でいろいろ投資をした費用を回収するというようなことになってまいるわけでございますけれども、この住宅先行建設区の制度の運営に当たりましては、仮に申し出者が例えば先行区に五割以上超えてしまうとか大変多数であれば、ほっといてもその区画整理事業自体は立ち上がりを予想してよろしいわけでありますから、建設区の設定の必要性というものも薄いのではないかというふうにも思います。
 それから、重ねて申し上げますけれども、そこへの換地を申し出る方々につきましては、公平性を当然担保して進めていかなければならないわけでございます。そういった意味で、業務代行者に対しまして区画整理事業全体の促進を図るために、いろいろ初期の投資等を伴いますので、先買いの融資をいたしますことと直接この件につきましては関係はないのではないかと私思うわけでございます。
#106
○上田耕一郎君 問題まだありますが、時間が参りましたので質問を終わります。
#107
○萩野浩基君 私は、都市に生活する勤労者への良質なる住宅という観点から質問をさせていただきたいと思います。
 日本の今日の経済力に見合った豊かさというものをどうも実感できないと、多くの国民の声なき声ではなくて声ある声が蔓延しているように思います。例えば、東京への人口、それから産業の集中によりまして、御案内のとおり職場と住宅というものが大変離れてくる。そしてまた住宅の取得難、そしてまたそれに追い打ちをかけるのが交通渋滞。こういった一極集中の問題から我々の住宅、居住、すなわち生活というものが大変重大な、ある意味では本当に人間らしい生活ができないんじゃないかという面が出てきているんじゃないかと思います。この問題は、地方におきましてもこういう問題を御案内のとおり生んでおります。著者を中心とするふるさと離れというものがどんどん進んでおりますし、ふるさとの町がだんだん活気のないものになってきているというような問題が生じております。
 さて、このような都市問題を国民の生活という観点から見ますと、生活の最も重要な基礎である住宅、居住環境、こういうものが余りにも日本においては貧弱になっているんではないかなと、どうも豊かさを実感できないのはここに大きい原因があるんじゃないかと思われます。現在、都市に居住する勤労者を取り巻く環境というものを考えましたときに、住宅宅地問題というものはすべての勤労者にとって非常に重要ではないか、このように私は考えております。
 政府は、やっと重い腰を上げられまして、生活大国五カ年計画だとか、また年収五倍で家が持てるというようなことを打ち出したところでありますけれども、具体的な実現の見通しというのはどうも出てこないというのが実際じゃないかと思います。住宅宅地問題の解決のためには、さまざまな施策というものが総合的に取り組まれる必要があるわけなんですけれども、そのうちで私は最も重要な施策の一つが、単に住宅を与えるというんではなくて、良質な宅地の供給という、この観点を逃してはならないと思います。
 国勢調査を見てみますと、全国の人口集中地区の面積は、昭和六十年から平成二年までの五年間に百六万ヘクタールから百十七万ヘクタールヘ約十一万ヘクタールふえております。しかしながら、宅地の供給量というのは、この五年間にたった五万ヘクタールでしかなく、無秩序なスプロールといいますか、こういうものがどんどん拡大しているんではないか、そのように見えます。したがって、良好な住宅宅地供給をもっと積極的に推進する必要があるんではないか。特にこの住宅開発のための用地買収が、地主さん方の土地保有意欲が大きいためだんだん難しくなりつつある、こんなことを考えますと、全面的な用地買収を伴わずに、面的に基盤整備された良質な住宅というものが供給される土地区画整理事業といいますか、こういう手法がこれから先を考えますときに非常に重要な第一歩になってくるんではないかと思います。
 ところで、住宅宅地の問題につきましては、大都市はもちろんのことなんですが、地方都市においても魅力ある町づくりというために一生懸命努力をしております。土地区画整理事業を推進するに当たっても、そこで暮らすことの魅力づけといいますか、そういうものを考える必要があると思います。
 私身近なところで、地元の仙台市をちょっと見てみましても、泉中央地区やまた富谷町の成田地区、こういうところにおきましてはとてもすばらしいことをやっているんですね。この豊かな暮らしというものを支えるために、地下鉄の駅の整備、それから駅を中心とするセンター地区における商業、流通、生活、文化、そしてまた行政のサービス、こういうようなものが非常に有機的に結び合って質の高い市街地整備というのがあります。これはちょっと自慢になりますけれども、本当にこれはすばらしいなと、これが何もそこだけにとどまるんではなくて、これが全国に広まってほしい、そういうぐあいに願っておるわけです。
 時間があれですから紹介はやめますけれども、成田地区におきましても、ここには今度研究だとか開発、こういうようなものを取り入れたオープンスペースをゆったりと取り入れまして生活空間がつくられておる。都市に居住する勤労者がゆとりと豊かさというものを実感できるような良質な住宅の供給というような面が、実験的ではありますがなされておる。これが全国に広がらなきゃならない。そのときに、今申し上げましたような良質な住宅それから宅地供給、こういうことが豊かさというものを実感できる、公益的施設やまた職場がこれと組み合わされて総合的な町づくりというものがこれから重要なんではないかと思います。
 そのような私は見解を持っているんですけれども、このような質の高い住宅宅地を供給するためにこの土地区画整理事業というものを前向きに推し進めていくべきじゃないか、そういう観点におきまして今までの質疑の中でいろいろ答弁されておりましたけれども、もう一度この建設省の考え方を、今回この法案を出されたことに基づきまして簡潔にお答えいただきたいと思います。
#108
○政府委員(鹿島尚武君) 先生仰せのとおりでございまして、土地区画整理事業は道路、公園等都市基盤施設と宅地が一体的に整備されるために、公共施設と宅地内の建築物、これが面的にそして総合的に計画的に良好な供給がなされて、健全市街地として形成がなされていくわけでございます。こういったことで、区画整理事業自体が良好な住宅宅地供給に際しまして大変大きな役割を果たしておるわけでございまして、計画的な町づくりという観点からもまずます役割はふえてくるというふうに思います。特に、今後大量に宅地供給を行うということになりますと、大規模な開発事業に係る用地の買収というものが大変難しくなってくることが予想されるわけでございます。地権者が参加をして、皆さんの意思によりましてこういった事業手法として土地区画整理事業を使っていただいてその推進を図っていただければ、我々としても大変幸いなことでございます。
 そこで、建設省といたしまして、これまで大量の住宅宅地供給に関連いたしまして、土地区画整理事業を推進するために道路整備特別会計によります補助、あるいはまた一般会計から区画整理組合に対しまして補助、貸し付けというものをやって支援をしてまいりました。今般、さらに法改正をお願い申し上げまして、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度もあわせて御活用いただきまして、今後とも積極的に区画整理事業の推進に支援を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 とりわけ、先生ロマンの方でございまして、仰せられましたような個々の町づくりにいろいろお知恵を出していただいて、地域全体の振興策を図っていくということは重要でございます。
 私どもにも、ふるさとの顔づくりモデル土地区画整理事業ということで、一般的なメニュー的な区画整理事業になりますとやや質の面で問題が出てくるということで、より質の高い、グレードの高い区画整理事業を目指そうということで、電柱を地下に埋設する、あるいはまた景観のすぐれた道路をつくる、広場をつくる、センター地区につきましてもいろいろ配慮を加えるというようなことで事業の実施を図っておるところでもございます。自治省の方の協力も得まして、地方自治体がセンター地区の用地を入手するときに起債の制度も既にできているわけでございます。
 そういった意味で、いろいろサービスの水準を引き上げまして、区画整理事業全体の推進を図るようにさらに努力を重ねさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#109
○萩野浩基君 次に、今回の法案の内容についてお伺いいたしたいと思います。
 私の基本的な着眼点は、先ほども申し上げましたが、今回の改正というのが勤労者の住生活といいますか、これの向上にどのように実際に役立つか、こういうことを考えるわけです。新たに住宅市街地を造成することを目的とする今回のこの法案が通りますと、その事業の実施によりまして面的な基盤整備がなされて良質な住宅が供給される、いい意味に解釈すればそういうことになります。これは大変結構なことでありますけれども、私はこの土地区画整理事業によって一時的に得をするのは一体だれか、こうもし問われるならば、それは土地をたくさん持っている地主さんたちであることには、これは現実に間違いないわけです。せっかく土地区画整理事業が行われた土地が二万二千ヘクタールも使わないままで現在ある。こういうようなところにもこの大きな原因の一つがあるんではないか。やはりこうした土地を手放さない地主さんの方の意向にかかっておる、どうもそう思えてならないんです。それでまた、土地区画整理事業によって自分の資産が大きくなったからああよかったよかったと、こういうことに終わってしまってはこれは困ってしまうわけです。
 土地区画整理事業というのは、公的な事業としまして地方公共団体が指導し、また、場合によっては国民の税金による助成というものを行っているんですから、建設省が先行的に基盤整備がなされたことをもって基本的によしとするというのもやむを得ないという点もあるとは思いますが、どうももう一つ割り切れない気がすることも事実であります。
 したがいまして、私が思いますには、土地区画整理事業の推進は確かに地主さんたちの意欲を増すことに重点をある意味では置くべきかもしれませんが、その後さらにそうした地主さんたちが良質でそして安い住宅を提供し、また、社会に貢献する、こういうことが当然である、こういう基本的な認識が地主さんたちの間に行き渡るようにできないか、さらにはそのような基本的な認識を前提とした制度ができないか、こういうことを考えているわけです。
 そうした観点から今回のこの改正というものを見まして果たしてどうか。私は、この法案には基本的に賛成でありますが、先ほど言いましたように、地主さんたちがよかったよかったというところで終わってしまったんでは何にもならない。最終的な需要者であるところの働く勤労者のためになるように果たしてどこまで工夫されているんであろうか、この辺に疑問を若干抱くわけでございます。その辺簡単でいいですから、ひとつ御答弁をお願いします。
#110
○政府委員(鹿島尚武君) 今般改正では大きく二つの点をお願いを申し上げでございます。
 一つは、住宅先行建設区制度の創設でございます。この活用によりまして早期に良好な住環境を備えたコミュニティーが形成をされてまいります。例えば、電気、ガス、上下水道、生活に必要な施設といったような立地が容易となってまいります。ひいては施行地区全体の住宅宅地化が進められるわけでございます。住宅を早期に建てるという方々がここに集約的に集まるわけでありますから、そういった効果が出ることは当然であるわけでございます。
 またもう一点の改正は、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業貸付金制度の創設でございます。住宅宅地供給に対しまして効果の大きいと見込まれます組合等土地区画整理事業の立ち上がりを促進いたしまして、土地区画整理事業施行地区内において地権者によります迅速な土地の活用、住宅供給が図られるようにこれを促進しようというような支援策の一つとなるものでございます。
 こういったことによりまして、最終的には勤労者の方々が適正な価格のもとに良質な住宅宅地の取得の可能性がさらに増大をするというような利益を得ていただけるものというふうに考えるわけでございます。
#111
○萩野浩基君 最後になりましたけれども、大臣にひとつ一言お伺いして終わりにしたいと思います。
 私、きょうの質問は、勤労者の住生活の向上のために今回の法改正というものが重要なんだということで、大臣、どのようにお考えになっているか、その実施に当たっての大臣の決意を一言お聞きして質問を終わります。
#112
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、我が国にとって生活大国づくりの中で一番不足しているのはやはり住生活、特に今御指摘をいただいた勤労者の住宅政策というものを充実していくということは当然必要なことであると基本的に私もそのような認識を持っております。
 今回の法改正によりまして、住宅地の供給において区画整理事業が重要な役割を果たしてきたわけでありますし、建設省としては今回の法改正に係る住宅先行建設区制度と都市開発資金制度を有効に活用して今後とも勤労者の住宅対策に貢献できるような区画整理事業のきめの細かい推進に一層取り組んでいきたい、このように考えております。
#113
○萩野浩基君 終わります。
#114
○委員長(梶原敬義君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#115
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 土地区画整理事業は、減歩で公共施設用地や保留地を生み出すことを本質とするものであり、零細な土地所有者には大きな犠牲を強いるものです。事業の施行においても、保留地を取得する開発事業者や一部有力者の利益が優先され、一般の地権者の意向が民主的に反映されない事例がしばしば見受けられます。これまでの四次にわたる土地区画整理法改正は、一貫して、照応の原則の例外措置の拡大と事業の施行を地権者から切り離す方策の拡大を図るものでした。今回の改正案は、住宅先行建設区の創設、住宅宅地供給促進型土地区画整理事業への無利子貸し付け、業務代行者の土地先行取得資金への財投金利の融資などですが、過去の改正の流れに沿ってそれをさらに一歩進めるものです。それが零細な土地所有者を事業からますます疎外することになるのは疑いありません。
 住宅先行建設区制度は、土地を先行取得した事業者や資力のある者の所有地を新市街地の中心区域に優先的に換地することになり、その他の一般地権者に不利になるおそれが強いものです。住宅先行建設区とされる区域に従来土地を所有していた地権者を保護する規定が全くないのは大きな問題です。
 業務代行方式は、土地区画整理事業の根幹を事実上民間デベロッパーにゆだねるものであり、町づくりのあり方として大きな問題があります。しかも、業務代行者が施行後の宅地の半分以上を所有する結果になっています。業務代行者の土地先買い資金に財投金利での融資を行う今回の改正は、民間デベロッパーに対する公的支援でこうした事態をさらに推進しようとするものであり、賛成できません。
 町づくりは、地元の地権者、住民と自治体が民主的に行うべきものであり、今回の改正はこうした方向に逆行するものと言わざるを得ません。土地区画整理事業施行地の土地利用は、地権者の町づくりへの意欲を高める援助の中で推進されるべきであることを指摘して、反対討論を終わります。
#116
○委員長(梶原敬義君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(梶原敬義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 種田君から発言を求められておりますので、これを許します。種田誠君。
#118
○種田誠君 私は、ただいま可決されました土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、事業計画に住宅先行建設区を定めることのできる住宅の需要の著しい地域に係る都市計西区域の指定に当たっては、地方公共団体の意見が十分に反映されるよう配慮すること。
 二、事業計画に住宅先行建設区を定めるに当たっては、健全な住宅市街地における良好な居住環境を形成することのできる相当規模の一団の土地の区域について定められるよう指導するとともに、景観形成等に関するガイドライン等に基づいて、良好な居住環境が形成されるよう配慮すること。
 三、個人施行者又は組合から委託を受けて土地区画整理事業の施行に関する業務を行う者に対する都市開発資金の貸付けに係る土地区画整理事業については、個人施行者又は組合の主体性・自主性が損なわれることのないよう十分な指導監督が行われるよう努めるとともに、資金の貸付けを受けて行われる土地の取得等が施行地区内外の地価の上昇を招くことのないよう十分に配慮すること。
 四、土地区画整理事業による市街地整備に関して地域の特性を生かした生活重視の豊かなまちづくりが円滑に進められるよう、関係省庁は、地方公共団体による地方独自の事業を進めるための環境整備に努めること。
 五、土地区画整理事業完了地区内の未利用地について、その有効利用の促進のため、なお一層適切な措置を講ずること。
 右決議する。以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#119
○委員長(梶原敬義君) ただいま種田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(梶原敬義君) 多数と認めます。よって、種田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中村建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中村建設大臣。
#121
○国務大臣(中村喜四郎君) 土地区画整理法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決となりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#122
○委員長(梶原敬義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#124
○委員長(梶原敬義君) 次に、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、一質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#125
○会田長栄君 会田であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 公共事業というと、今日ほど国民から注目されている言葉はございません。特に、政治家と大企業と行政が結びつけられ、疑念を抱かれる時代はないと思っています。
 過日、私は文部大臣に、子供たちにどんな心理的影響をこの問題が及ぼしているかということを考えたことありますか、こうお尋ねしました。そして意見といたしまして、かつてのロッキード事件のときにはどういうとらえ方を子供たちがしたか知っておりますか。偉い人でも悪いことをすれば責任をとらされる、こういうことを認識していました。ところがリクルートのときには、妻が秘書がという言葉がはやりました。共和事件のときには、御承知かと思いますが、泥棒してでも金が欲しいという言葉が出ました。そして佐川急便のときには、都合が悪くなれば病気を理由にして逃げられるということになりました。金丸脱税事件では、一家挙げてやればさほど恐ろしいものではないということを教えました。
 我々は、口を開けば教育は国家的大事業ということを言いますが、今度の事件について文部大臣はどのように一体御所見を持っているか聞かさせてくださいと、こう意見を言いながら尋ねました。もちろんこれほどテレビ、新聞、今や雑誌、漫画まで政治家の汚職にかかわることが充満しているわけでありますから、これは子供たちへの心理的影響というのははかり知れないものがあるわけであります。そのことを当の責任者である文部大臣にお尋ねをして聞いたわけであります。
 大体この種の問題というのは、普通であればこれだけ重要なポストにあって責任のある人たちが国民の前にさらされたわけでありますから、通常は責任をとるというのが当たり前であります。これぐらいのことを子供たちに教えなきゃどうにもならないと私は思っています。しかし、なかなかロッキード疑惑事件以外は責任とった人はいません。内閣として責任とった内閣はございません。その点は非常に大事な問題ですから一これにかかわってひとつ建設大臣にも御所見を一言承っておきたいと思ってお尋ねします。
#126
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘いただきましたように、今回の事件につきましては国民全体に対しまして建設業界に対する厳しい批判と、そして公共事業の発注のあり方に対して不透明な部分があったということに対していろいろの面で御疑念を抱かせるようなことになったことに対しては我々も重大に重く受けとめていかなければならない、このように考えております。
 今後、こういった問題が再び起こらないような体制をつくっていくために、建設省といたしましても全力を挙げて公共事業の執行のあるべき姿について信頼回復にさらなる努力をしていかなければならない、このように考えております。
#127
○会田長栄君 それでは次に、公正取引委員会にお伺いいたします。
 公共工事の入札をめぐって、落札業者や価格を決める談合、この問題は不公正な経済取引を取り締まる独占禁止法に違反するはず。同法違反を取り締まる立場にあるのは公正取引委員会。しかし、公共事業の受注に絡む談合の摘発などで建設業界は今日まで改善されなかった。その意味では、公正取引委員会といたしましての対応は今まででよかったのかどうかお聞かせください。
#128
○説明員(平林英勝君) 入札談合が独占禁止法に違反する行為でありますことはこれはもうはっきりしているわけでございまして、これまでも私ども独占禁止法を厳正に運用してきたところでございますし、今後もそのような方針でいるわけでございます。
 また事業者団体のガイドライン、あるいは建設業のガイドライン等の正しい理解ということにも努めてまいってきたわけでございますし、今後とも独占禁止法の正しい理解に努めるべく努力しているところでございます。
#129
○会田長栄君 私は、公正取引委員会は独占禁止法に基づいて、お日付役だと見ているんですよ。だから、お日付役がいるにもかかわらずこのようなことが繰り返されているということについて、とりわけ大手ゼネコンの問題、やみ献金の問題等があって、そのことについて一体どのように、今日までの公正取引委員会としての調査や勧告や告発等も考えてみて、私は手ぬるかったんじゃないかという気持ちがあるからお尋ねしているんです。だから、今まで同様、取引委員会としては十分に対応してきましたと自信を持って言えるかと、こういうお尋ねなんですよ。
#130
○説明員(平林英勝君) 私どもとしては、従来から独占禁止法違反、特に入札談合という行為に対しましては入札制度の根幹にかかわる悪質な行為だというふうに認識しておりまして厳しい態度をとってきておりますし、これまでも違反事件には勧告という法的措置がございますけれども、昨年度におきましても勧告事件のうち大部分といってよいかと思いますが、入札談合事件が占めているわけでございまして、私どもとしても従来同様、今後とも入札談合に対しては厳正に対処してまいるということでございます。
#131
○会田長栄君 それでは、一九八九年、リニアの実験線の北海道、宮崎、山梨で激しい争奪戦があったことは承知でしょうね。そういう宣伝をされているんですから御承知でしょう。しかし、これは運輸省の検討委員会で山梨に決まったわけですよ。ところが、決まる前から山梨県では土地買い占めに入っていたんですね。その買い占めに入っていた土地は、JR東海は当初リニア実験線というのは二十キロでいいんですと。ところが、最終的に四十二・五キロになったでしょう。その辺のところで興味持たなかったんですか。
#132
○説明員(平林英勝君) 私どもとしては、独占禁止法違反の疑いあるいはそういった情報がございますれば、それは調査に着手するのは当然でございます。
 ただ、その件につきまして、私どもとしては独占禁止法に触れるような、例えば入札談合行為でありますとかそういった情報には接していなかったということが言えようかと思います。
#133
○会田長栄君 実は、JR東海が最初提案した二十キロの計画でいけば、当然事業費は半分で済んだわけです。ところが、四十二・五キロに延びたんですから事業費は倍増したわけね。こういう経過があるんです。あるから、興味ありましたかと聞いたんです、関心。当然それは、土地買い占めも、その後の実験線の延長も、トンネル幾つふえるかまで計算されて、地元の協会としては話し合われていたことだけは間違いない、その後そのような結果になったんですから。今後はそういう、告発されなくてもそのぐらいの興味を持って公正取引委員会も研究したらいいんじゃないですかという意味です。
 第二の例を申し上げます。これは、同じく金丸ファミリー企業の生コン納入について、何といったらいいですかね、仕事やらずして金の入るような仕組み、こういったことについて知りませんでしたか。
#134
○説明員(平林英勝君) 私、直接その違反事件の調査を担当するセクションの者ではございませんのですけれども、もし独占禁止法違反に触れるような疑いがございますれば、それは当然調査の着手に入ると思いますけれども、そのような今お話しの生コンの手数料を取る会社といったようなものがあったとしても、それが直ちに独占禁止法に違反になるかどうかというところは疑問が残るところでございまして、それだけでは直ちに独占禁止法違反とは言えないのではないかというふうに私は思っております。
#135
○会田長栄君 これは、業界の談合なくしてこういうことは結果としてできないんです。そうでしょう。ほかの人は汗水垂らして働いて金を取るんですよ。この企業は全然仕事をやらずして金を取るんですよ。こういうことは談合なくしてできないと私は思うからお尋ねしたんです。
 その次にお尋ねいたします。
 日米構造協議というのがありましたね。この中で日本政府は、平成四年の十二月十七日、アクションプログラム実行推進委員会第二回の年次報告を参考にしてやりましたね。ここで前回もお尋ねしたんですが、こういう談合などをできないように、公共事業に関してそれぞれの省と公正取引委員会との間で連絡担当官を平成五年四月一日付で決める、こういうことになっておりました。建設省のは前回お尋ねしたからわかりました。しかし、その後決めたかどうかは聞いていませんけれども、早急に決めたいという返事でした。各省庁、公共工事のあるところ、これ決まりましたか。
#136
○説明員(平林英勝君) 御説明申し上げます。
 公正取引委員会としましては、談合防止のための公正取引委員会との連絡担当官の指名というものはこれは重要なことだというふうに理解しておりまして、日米構造協議問題の関連でございますので、外務省を通じまして早急にその指名が行われるように働きかけておるところでございまして、現在、発注官庁であります各省庁においてそれぞれ指名が進んでいるというふうに理解しております。
#137
○会田長栄君 まだ決まっていませんと言ってくれればいいんです。何もそう長く言うことはないんです。
 四月一日で決めますと約束しておきながら決めないというのは、それは公正取引委員会としてまじめにやっていても各省庁はこたえないんですか。それとも、公正取引委員会の方がいわゆる何と言いますかね、外政審議官ですか、その方が窓口になってやっているんだけれども、まだそういうことはそろわぬという意味なの、だれも手をつけないという意味なの。
#138
○説明員(平林英勝君) 御説明申し上げます。
 私どもは、外務省を通じて各発注官庁におきまして指名が行われるよう働きかけを行っているわけでございまして、外務省から各発注官庁にそれぞれそういう要請が行っているかと思いますので、現在進行中ではないかというふうに理解しております。
#139
○会田長栄君 平成五年の四月一日からやりますと言ってあなた方が約束したから私は尋ねているんですよ。だから、多分にこの問題は外務省が窓口になっていまして谷野外政審議室長がその世話をしているんですということになって、外務省がまだその段取りをしていないんですというのならそう聞かせてください、今度は外務省に聞くんですから。
#140
○説明員(平林英勝君) 私どもが聞いておる限りでは、外務省は既に各発注官庁に対してそういう指名の依頼というものを行っているというふうに聞いております。
#141
○会田長栄君 外務省はそういう連絡をしてあるけれども、各省庁がこたえないと、こういうことなんですね。
#142
○説明員(平林英勝君) 各省庁におきましても、外務省の求めに応じて現在鋭意指名を進めているところというふうにも聞いております。
#143
○会田長栄君 じゃ、意見だけ言っておきます。
 平成五年四月一日から相談に入りますという約束でないんです、これは。そこだけ記憶していてくださいよ。四月一日から相協議して進めますと言うんだったらそれは半年かかった、一年かかったって結構なんです。そうではないんです。平成五年の四月一日から連絡担当官を置いてちゃんと今度は談合のできないようにしていきますという公約でしょう。それをちゃんとやらないから、宮澤総理みたいに、日本の政治の流れを変えるのには外圧しかないんですなんということを言っちゃうんです。それは本当のことを言っているんですよ。
 ありがとうございました。まあ進めてください。私はしつこいから一つのことを幾つも追いかけますから、いつまでも。
 次に、会計検査院にお尋ねいたします。
 会計検査院というのは、政府支出が公正で効率的かどうかについてのチェック権限を持っている。どう思いますか。
#144
○説明員(増田裕夫君) 先生御指摘のように、政府支出についてそれが適正に行われているかどうかあるいは効率的に行われているかどうか、そういった観点から検査いたしております。
#145
○会田長栄君 それでは、公共工事の入札予定価格について、今通常言われている一%から三%は上積みされていて、その金が政治資金、献金として提供されているということについて今日明らかになっていますが、そのことについてどのような見解を持っていますか。
#146
○説明員(増田裕夫君) 私ども、公共工事の検査につきましては、その契約手続が適正であるかどうかあるいは予定価格の積算が適正に行われているかどうか、そのほか、工事の設計、施工、そういった点について厳正に検査しているところでございます。
 御指摘の献金等の問題でございますけれども、私どもの検査におきましては、基本的にはまず発注官庁について検査を行うということで検査を行っております。そして、必要がある場合には請負人についても検査を行うことができるということになっておりますけれども、請負人について検査を行う場合でも、その検査対象は当該工事契約に関する会計ということになっておりまして、当該請負人の会計経理一般についてまでは検査できないということになっております。そういった状況から、請負人におきまして献金を行っていたかどうかといったような実態については把握していないというのが実情でございます。
#147
○会田長栄君 それでは次に、要するに公共工事発注制度にかかわって、これは入札制度ともかかわるんだけれども、積算基準単価という問題について、建設業界ではこれは利益の源泉でありますと、したがって、政治資金の表献金、裏献金まで含めてそれは上乗せされているんですということについて、どういう感想を持っていますか。
#148
○説明員(増田裕夫君) 私ども、積算につきまして検査を行っておりますけれども、この積算というのが契約金額決定の重要な要素となっておりますことからこれについては厳正に検査しているわけでございますけれども、その際には、具体の積算が積算基準であるとかあるいは市場価格等に照らして適正に行われているかどうか、あるいは積算基準そのものが社会経済情勢に合致しているかどうか、あるいは工事の実態を反映しているかどうかといったような点について検査いたしております。
 そういった中で御指摘のような点についても検査しているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、検査院の検査目的が国の会計経理の適正を期するというようなところにありますことから、献金の実態については把握していないというのが実態でございまして、その献金の具体的な実態ということについては把握いたしておりません。
#149
○会田長栄君 それでは、かつて行政管理庁だった時代、今は総務庁です。チェック機能には限界があるということをやっぱり報告しているんですね。国会にも報告しているんです。しかし、その調査結果の結論といたしまして、役所が、官庁があらかじめ入札業者を絞る指名入札方式というのは一般競争入札に変えるように指摘したことがありますね。その点についてどう思いますか。
#150
○説明員(増田裕夫君) 先生の御指摘は、行政監察局が昭和五十六年に、「行政事務運営の公正確保に係る体制及び手続に関する調査」というのを行っておりまして、その中で契約手続につきましても調査を行っておりまして、「指名競争契約における業者選定の適正化」であるとか、あるいは一般競争による契約方式の拡大」について触れておりますけれども、それについておっしゃったのではないかと思っております。
 行政監察の場合には、個々の不当事案の摘発ということが目的ではございませんで、制度上、運用上の問題点なんかについても指摘いたしておるところでございますが、私ども検査院の検査とはそういった点で視点あるいは仕事の進め方が違うというぐあいに理解いたしております。
 それで、私どもの検査の場合には、検査をいたしまして、その結果、不適正な事例の原因が制度そのものにあるというような場合には制度の改善についても意見を申し上げるということがございますけれども、現在までのところ、そういった入札制度について改善を求めるまでの検査結果とはまいっていないというのが実情でございます。したがいまして、検査院といたしまして、現時点では検査結果に基づかずに制度そのものについて一般的な見解を述べる立場にはないということを御理解賜りたいと思います。
#151
○会田長栄君 ありがとうございました。
 それでは、建設大臣にお伺いいたしますが、三月二十九日、このような経過があって建設大臣談話というのが発表されまして、ここで四項目についての公共工事入札制度にかかわる改善について発表をいたしました。この改善策四項目を忠実に履行していけば二度とこういう問題は再発しない、こういう自信を持って建設省は今後対応するとして発表したんですかどうか、お聞かせください。
#152
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、三月二十九日に大臣談話を発表させていただきまして、今回の事件に伴いまして業界に対し国民の厳しい批判が寄せられたというこの一状況を踏まえて、そして入札・契約制度の運用についても不透明な点があったのではないかという御指摘をいただいたことを踏まえまして談話を発表させていただいたわけでございます。建設省といたしましては、業界の企業倫理の確立と入札・契約制度についての透明性、競争性を高めることが最も重要であるというようなことで今後の対応方針を公表したわけでございます。
 現在、建設省におきましては、この方針に基づいて新たな入札方式の導入や指名基準の具体化等、入札制度の改善に省を挙げて取り組んでいるところでございます。また、先生も前回の御質問の中で御指摘をいただきましたように、この問題は、直轄の工事ばかりでなく、地方公共団体においてもこうしたことが積極的に導入されるように今後強力に働きかけていきたい、このように考えております。
 そして、業界におきましても、日建連あるいは全建におきましても決議等を行いまして、企業倫理の確立に努め、そして政治資金規正法に違反するような献金は一切行わないという旨の表明をしたところでございますので、業界団体としては、現在、この趣旨を会員企業に徹底させるための取り組みに努めておる、このように報告を受けております。
#153
○会田長栄君 どうぞ頑張ってください。よろしくお願いいたします。
 最後に、問題を変えまして、実は私の地元に、阿武隈川の上流、北須川の支流、今出川という川があるんです。ここに今出ダムというのを建設してほしいという話が出ていて調査に入っていると思うんですが、この経過、現状などを聞かせてください。
#154
○政府委員(岩井國臣君) 今先生御指摘の今出ダムでございますけれども、これは福島県石川町を流れております阿武隈川の支川、今出川に建設を予定しているものでございまして、事業主体は福島県でございます。平成元年度より実施計画調査に着手いたしまして、平成五年度は八千万円の予算で地質調査を主といたしました実施計画調査を継続中でございます。
 このダムの目的でございますが、洪水調節、それと流水の正常な機能の維持、それから水道用水の確保と、三つの目的になっております。すなわち、今出川では昭和四十六年九月の台風二十五号、それから昭和五十九年七月の豪雨等によりまして大変災害が発生しておりますので、ダムによる洪水調節がどうしても必要になってきているというふうなこと、それからまた近傍の石川町、浅川町、玉川村の水道用水の確保につきましても急務になってきておるというふうなことでございまして、多目的ダムで計画しているということでございます。
 経緯でございますが、まず本ダムの計画に当たりまして、実施計画調査は先ほど言いましたように平成元年度から進めておるわけですけれども、それ以前の昭和六十一年から福島県が地元の地権者を初めといたします関係者に説明をいたしまして予備調査を進めてまいってきております。そして先ほど言いました平成元年度には実施計画調査に入っておる、こういうことでございます。本年度も地質調査等の調査を実施するわけでございますけれども、本年度も含め、今までの調査も含めまして地権者等の理解を得て調査を進めてきておるところでございます。
#155
○会田長栄君 ありがとうございました。
 終わります。
#156
○西野康雄君 西野です。よろしくお願いいたします。
 まず、通産省からお聞きをしたいと思います。
 日本商工会議所の会頭である石川六郎氏はやみ献金が明らかになった鹿島の会長です。国民の意識としてはやめるのが当然であるという意識も非常に強いわけです。新聞の社説を見ましても、
  日商は経団連、日経連、経済同友会と並ぶ経済四団体の一つである。これらの団体の首脳は財界人と呼ばれる。日常の経営者としての活動に加えて、経済界の総意を酌み、政府、与党の政策に反映させ、時には政治のあり様に注文をつける公的役割を担っているからだ。
 石川氏は経済界から代表として選ばれた、いわば公人の一人である。と同時に私企業の首脳でもあり、この二つは一体の存在だ。その時の都合によって使い分けられるほど簡単なものではない。
 そう道筋をたどるならば、鹿島のヤミ献金問題は、石川氏の公的活動の資格を疑わしくするものといえるだろう。こういうふうなことがございます。
 監督官庁として、通産省はこういった国民の意見あるいは社説、そういったものに対してどういうふうな見解を持っているのかお伺いいたします。
#157
○説明員(安本皓信君) 御説明申し上げます。
 今回の建設業をめぐる諸問題に関連いたしまして、日商の石川会頭が会長を務めております鹿島の名前が新聞等で取り上げられていることは承知しておりますが、本問題につきましては事実関係が明らかになっておりませんで何も申し上げることはできないと考えております。
 なお、商工会議所法上、日商の会頭の選任、解任は会員総会において行われるということになっておりまして、通産省の監督権限はこれに及びませんので、進退につきましては通産省として云々すべきものではないのではないかというふうに考えている次第でございます。
#158
○西野康雄君 そのとおりですわ。私も「通商産業六法」というのを読みました。今の答弁のとおりです。監督官庁としてそういうふうなものの権限だとかそういうものが及ばないということも百も承知です。
 しかしながら、通産省というのは結構日本商工会議所に補助金というのを出しておりまんな。小規模事業指導費補助金、中小企業国際化対策事業費、倒産防止特別相談事業費、商店街等活性化実施計画策定指導事業費、国際デザインフェア開催費、これは平成四年の予算ですけれども、調べたのは。中小商業輸入品販売促進事業費、中小商業活性化支援事業費、随分と出しておられます。片一方でこうして補助金を出したりしている。そういうふうな中で、片っ方で石川さんは私とは関係おまへんねん、片っ方でこないして金出している。これは国民の目から見るとやっぱりおかしいんやないか。通産省としてもつい何ぞ対応せなあかんやないかと思うのはこれは常識ですわな。
 日本には教育的指導だとかそういうふうな便利な言葉がありますよ。直接監督も及びませんよ、法律ではこうですよといっても、それだけではない部分、こういうふうなんがあると思う。通産省としてそういうふうな指導をなさるおつもりはあるのかないのか、ちょっとお伺いします。
#159
○説明員(安本皓信君) 今回の日商会頭の進退問題につきましては、これは日商会頭として行った行為について責任が問われているというふうなことではございませんので、当省としてはこれに特に何らか指導を加えるとかいうことは考えていないということでございます。
#160
○西野康雄君 それでは国民が納得をせえへんというふうなことにもなる。ですから、この問題をいつまでもやっているつもりはないですけれども、陰でこっそりと指導をしていただきたい。この場では言えないけれどもというふうなことで御期待をいたしまして、通産省に対しての質問は終えさせていただきます。ありがとうございました。
 続いて国税庁でございます。
 国税庁にお伺いをしますけれども、過日、清水建設、大成建設、鹿島の使途不明金というもの、九〇年分、九一年分の金額が報道されました。国税庁はこの事実を把握いたしておりますか。把握をしておられるならば、経理上どのような処理をしているのか、その辺までお伺いをしたいと思います。
#161
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のマスコミ報道があったことは承知いたしておりますが、個別にわたる事柄でございますので、具体的な答弁は控えさせていただきたいと思います。
 ただ、一般論として、使途不明金の経理上の処理という御質問でございますので、一般論ということで申し上げさせていただきます。
 法人が交際費、寄附金、雑費、そういった費目で支出したものにつきまして、その支出先を明らかにできない、そういった事情から、税務申告に当たりましてこれを益金に加算していく、すなわち自己否認していくということはございます。また調査を実際に行いまして、その過程で架空経費でございますとか売り上げ除外でございますとかそういった事実が把握されまして、それが社外に向けて支出されている、しかしながらその支出の性格、支出先などが明らかにされない、こういったものにつきまして、使途を追及いたしますけれども、最終的に解明できない場合は使途不明金として損金性を否認する、すなわち全額を課税対象にしておる、こういうことになっているわけでございます。
#162
○西野康雄君 個々の問題に関しては答えられないとおっしゃるんですけれども、やはり国税庁に対しての国民の期待感というのはあると思う。
 「大手三社、二年で計百五十億円」というふうなことで、
  前自民党副総裁の金丸信被告(七八)=所得税法違反の罪で起訴=に対するヤミ献金にからんで、約三十二億円の使途不明金が明るみにでた大手総合建設会社「鹿島」に続いて、やはり大手の「清水建設」と「大成建設」が一九九〇年と九一年の両事業年度で総額約百二十億円を使
 途不明金として経理処理していたことが七日、新たに分かった。関係当局もこの事実を把握している模様で、建設業界大手三社の二年間の使途不明金総額は、約百五十億円に上る。企業の使途不明金は贈収賄など事件の温床になっているともいわれ、建設業界のトップレベル企業の巨額の不明朗経理に批判が集まりそうだ。ということですが、「関係当局もこの事実を把握している」ということですが、事実は事実として把握をしているんですか、国税庁は。
#163
○説明員(藤井保憲君) ただいま委員が読み上げられました記事については承知をいたしております。
 その具体的な内容を把握しておるかどうかという点につきましては、大変恐縮でございますが、やはり個別の事柄でございますので答弁は控えさせていただきたいと思います。
#164
○西野康雄君 これ以上追及したってやっぱり個別の問題です個別の問題ですと言うでしょうけれども、しかし国民は期待していまっせ。もう国税庁に随分とこれ期待が集まっておりますからね。ここが本当に贈収賄の温床になっている部分なんですからね。
 じゃ、三社に限らず一般的にいきましょうか。三社に限らず建設業界の使途不明金の金額の大きさというのは本当に驚くべきものがあるわけですが、建設業界の使途不明金、これの金額の推移だとか使途不明金の使い先等、調査結果があったら最新の資料を提供してもらえますか。ちょっと概要でも。
#165
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 使途不明金につきましては、私ども、資本金一億円以上のいわゆる大法人につきまして実際に調査いたしました場合にその使途不明金の金額というものを把握しておるわけでございまして、この計数に基づきまして申し上げますと、過去三年分の推移ということで申し上げさせていただきますが、平成元事務年度は把握されました使途不明金の総額が五百六十三億円でございまして、うち建設業が四百八億円、割合にいたしまして七三%でございます。平成二事務年度におきましては使途不明金の総額が四百七十六億円、うち建設業が三百五億円、率にいたしまして六四%。平成三事務年度におきましては使途不明金の総額が五百五十八億円、うち建設業が三百八十二億円でございまして、割合は六八%でございます。
 このように三年間で総額千五百九十七億円の使途不明金を把握いたしたわけでございますが、私ども、この使途不明金につきましてはその使途の解明に全力を挙げて取り組んでおるところでございますが、最終的にその約八割に当たります千二百三十六億円につきましては使途が解明されないままということになってございます。
 使途が解明したものの三百六十一億円につきまして内容を申し上げますと、五〇%が交際費等、それから二七%がリベート、手数料、残りがその他、こういうことになっているところでございます。
#166
○西野康雄君 優秀な国税庁ですから調査能力は大変にあるかと思いますが、使途の解明率は二〇%、逆に使途がわからないのが今お答えのとおりの八〇%に上るということですが、それは那辺に原因があるとお考えですか。
#167
○説明員(藤井保憲君) 私ども、税務調査を行います場合に使途不明金というものにつきましては、その真実の所得者に課税するということから考えましても大変問題がある、このように考えておるところでございまして、全力を挙げて使途の解明に努めておる。先ほど申し上げたとおりでございます。
 ただ、税務調査がいわゆる任意調査を基本といたしておりまして、どうしても法人の方がその使途を明らかにしないといった場合に、相当努力いたしましてもやはり使途不明のまま残るということがあることも事実でございまして、原因はいろいろあると思いますけれども、私どもとしては何とかして使途の解明に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#168
○西野康雄君 そう、何とかしてなんですけれども、いろいろとどういう方法でやろうかとか、そういうふうな知恵は絞っておいでですか。
#169
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 私ども、例えば使途不明金ということが問題になります場合によく取り上げられますのが大法人ということでございまして、限られた人員の中ではございますけれども、調査に当たりましてはこういった大法人に傾斜をつけたと申しますか、重点的に調査をいたしておるというようなこともやっておるわけでございますし、あるいは一度調査が終わりましても後になりましていろいろ資料が出てくる、こういうこともございます。その場合は再調査を行う。そういった種々の努力を重ねておるところでございます。
#170
○西野康雄君 ありがとうございました。
 次に、建設省に移ります。
 こういうふうなやみ献金だとか使途不明金、それも非常に本当に建設業界に多いというふうなこと、使途不明金の中の七〇%ぐらいは絶えず建設関係、建設業界で占めておるということです。この中には、私は入札制度そのものに非常に問題があるんじゃないかなと思うわけでございます。
 さて、四月から業者技術提案を加味した新入札制度が実施されるというふうなことですが、今までの指名入札制度と比較してどこがどういうふうに変わったのか、まず基本的に説明してください。
#171
○説明員(小野和日児君) 新しい入札方式の内容でございますけれども、昨年の十一月に中央建設業審議会の答申におきまして、現行の指名入札制度についてより一層の透明性、競争性を確保する観点から多様な入札・契約方式の検討の必要性が指摘されておりますが、その答申を踏まえまして、技術情報募集型指名競争入札方式、それから施工方法等提案型指名競争入札方式を、大規模で技術的に高度な工事を対象にしまして具体的な箇所を定めましてこの四月から実施することといたしております。
 具体的な手続といたしましては、まず発注者が指名に先立ちまして工事内容の掲示を行います。この掲示内容に従いまして、対象ランク、現在はAランクの業者でございますけれども、そのすべての登録業者が自分の意思で、当該工事と同種工事の実績、あるいは配置予定の技術者、施工方法等から成ります技術資料を提出することでその工事に参加する希望を表明することができるわけでございます。
 それで、発注者はこの提出された技術資料を技術審査会において厳正に審査いたしまして、その審査に通ったものを審議委員会に送りまして、その審議委員会におきまして不誠実な行為等がない限り指名されるという手続でございます。
 具体的に、従来の方式に比べてどう違うかということでございますが、受注者にとりましては従来、発注者側の判断だけで指名されているのと異なりまして、この方式では建設会社がみずから参加意欲を表明することができるという点が一つのメリットでございます。
 もう一つは、大規模かつ技術的に高度な同種工事をいろいろやっているわけでございますけれども、その実績、あるいはそういった技術的に難しい工事を施工する際に開発しました各種の施工方法、施工技術などそれぞれの会社が有します技術力を直接提示して評価を受けることができるというこの点が大変企業側にとってはメリットではなかろうかと存じます。
 また一方、受注者側にとりましても、当該工事に対します各企業の技術的特性をより的確に評価し得る、それで指名することができるというメリットがございまして、より良質な施工を確保することができるという点で大変メリットのある方策ではなかろうかと考えております。
#172
○西野康雄君 メリットのあるというふうに自画自賛なさっておられますけれども、ある社説にこんなことが書いてある。「建設省と政治家に入札方式の抜本改革を求めるのは、言葉は悪いが泥棒に縄をなえというのに似ているかもしれない。しかし税金をくいものにされた怒りを持って、ねばり強く要求していこうではないか。」というふうなことで、今お伺いしておっても、やっぱり指名入札制度というものと本当にほとんど変わりないじゃないか、一体どこをどう工夫したんだ。それならば、いっそのこと一般競争入札制度をきっちりと導入した方がいいじゃないか。過去にいろいろと一般競争入札制度を採用しようというふうなことで、何度かあったようでございます。しかし、その一般競争入札制度をとらないという理由は何なのか、ちょっとお伺いいたします。
#173
○政府委員(望月薫雄君) これもしばしば御答弁申し上げていることの繰り返しになって恐縮でございますけれども、も至言うまでもなく公共工事の契約、これは通常の物品調達と基本的に違う、これはもう大前提でございます。おっしゃるように、国民の税金を使いながらしっかりとした仕事をしなきゃいかぬ、具体的には設計どおりの仕事を予定どおりの工期に竣工する、これが基本になるわけでございます。
 そういった中で、我々仕事をやるに当たってどういう入札制度をとるか、このことが最大の課題であるわけですが、今まで常に申し上げていますけれども、いわゆる不誠実な業者、これを排除しなきゃならぬ。あるいは疎漏工事、これがあっては大変なことになる、こういったことが私ども最大に重視するポイントで今日来ているわけでございます。
 そういった中で、今先生おっしゃったように、一般競争入札あるいは制限つき競争入札等々をひとつやるべきじゃないかという御意見もしばしば今までもございました。私どももそういった御意見等を受けとめながら、中央建設業審議会等でも最近では昭和五十八年あるいは平成四年度と二回にわたって御答申、御建議いただいておりますけれども、大変な御議論をいただいておるわけでございますが、どうもまだ一般競争入札制度については踏み切れないというところが御答申の趣旨でございます。
 それは簡単に言いますと、今申しましたような疎漏工事なり工事の遅延などについて防止するという決定的な自信が持てないということが、言いかえればそのおそれが大きい、こういった点が一点。あるいはまた、価格競争にさえ勝ては落札者になれる、こういったことが一般競争入札の基本になるわけでございますので、そうなると、いわゆるダンピング問題あるいはその結果としての一部有力企業に対します受注の偏り、こういったものも出てしまう。これが果たしていいかどうか。
 あるいはまた、施工業者は優良な施工を行って、言うならば発注者の信頼にこたえようというのが建設業の基本的なありようだと思いますけれども、幾らそういうふうに頑張っても、今申しましたような一般入札制度では大いに頑張ろうというインセンティブがなかなか働きにくいんじゃないか。あるいはまた、これらのことを克服するためには、審査あるいは施工管理、監督についていわば発注者が的確に仕事をしなきゃいかぬ、膨大な事務量になる、こういったこと等々があって、言うほど簡単に割り切れないというのが現実でございます。
 そういったことで、私ども指名入札制度を今基本にして入札をさせていただいておりますが、そうは言いながらもいろいろとまだ問題もあるということも私ども中建審からも伺い、あるいはまたこういう場を通じましてもいろいろと承っているところでございまして、そういった中でこの契約制度についてのより透明性の向上ということにも今努力をさせていただいている、こういう状況でございますので、御理解いただきたいと思います。
#174
○西野康雄君 不誠実な業者がおる、そしてダンピングによる手抜き工事なんかも頻発をする、そういうふうなことですけれども、不誠実な業者というけれども、公正な第三者保証機関が発行する入札保証書あるいは履行保証書、それを官側に提出できる能力のある業者だけが入札できるわけですし、また手抜きというけれども、こういうふうなものをきちっと監督するのが技官の仕事でしょう。
 そうすると、品質検査の結果やり直しをさせたりとかそういうふうなものがきっちりと制度としてあるんですから、今おっしゃったことというのはどうも納得できない。指名入札制度を温存さしておこう、そういうふうな部分でしかない。ダンピングがあるのだ、不誠実な業者がおるのだというけれども、それはもう二度と今度はできないようになるわけですから、そういうふうな形で一般競争入札制度を導入しないんだというのは、これは私は理由にはならぬなと思うんです。今後前向きに、またより透明度の高い制度、一般競争入札制度も含めて少しお考えをいただきたいと思います。
 過日、清水建設、大成建設、先ほど国税庁に申し上げましたけれども、建設省としてもこの使途不明金、九〇年分、それから九一年分、報道されたこと、そしてまた内容等、事実は把握をなさっておられますか。
#175
○政府委員(伴襄君) 先ほど国税庁御当局からもお話がありましたけれども、私どもは御指摘のような報道があったことはもちろん新聞で拝見しておりまして承知しておりますが、その実態については承知していないところでございます。
 先ほども国税庁からお話がありましたけれども、建設業界の使途不明金の額が他の産業に比べて多いということは事実のようでございます。ここで時々申し上げさせていただいておりますけれども、多い背景には、現場生産という建設業の特殊性があるのかなと。特に、工事迷惑料とか周辺住民対策とか、地域対策とか、そういったものに支出するということも、工事を実施していく上において避けられないというところがどうもあるようでございます。そういう支出があるといたしましても、しかし基本的には法人として経理をできる限り明確にして、社会経済的信頼を確保するというのが重要だと思っておりますので、建設省といたしましては、企業会計原則にのっとって適正な経理処理が行われるようにということはしっかり指導してまいりたいというふうに思っております。
#176
○西野康雄君 さきの証券の大変な損失補てんのときは、みずから公表して、そして幹部が責任をとったりしました。例えば、その企業の決算書あるいは有価証券報告書なんかを取り寄せると、簡単に使途不明金がわかるわけですから、建設省もそれだけの努力もしていただきたいなと思うわけです。
 最後に、建設大臣にお伺いをいたします。
 いろいろ談合問題だとかそういうふうなのがありますが、私、政治改革だとかそういうふうな中で、例えばこういう談合だとかが起きてくるのには天下りという問題が随分とあるんじゃないか。建設省から建設業界に、三十八社に役員六十人というのがこの間新聞に載っておりました。それは、公共工事受注のための情報収集に有利ということで役人を迎えたがるというふうなことですけれども、しかし大変な権限を持っている官僚がひょいひょいと、なるほど私らも食べにゃあかんのやと言われたらそれまでですけれども、そうではなくて、やはりそれだけの権限を持っている人が建設業界へ行くというのは、おのずと自粛もしなきゃならぬと思う。
 小泉郵政大臣は、いろいろ随分と頑張って、郵政族議員は役所べったりなんて発言もしておられます。中村大臣にそういう勇気のある発言だとか、そういうのはあえて求めやしませんけれども、こういうふうな構造そのものをきっちりと正していくというのが必要じゃないかなと思うんですけれども、そういうふうな所見をお伺いして、もう時間ですので終えさせていただきます。
#177
○国務大臣(中村喜四郎君) 今御指摘をいただきました天下りにつきましての私の基本的な考え方といたしましては、建設省の職員が本人の知識、経験を生かして、退職後各関連分野において活躍することは、本人の生活上、また高齢化社会ということも考えて、社会的にも有用な場合があると考えておりますので、この点についてはぜひ御理解をいただきたい、このように考えております。
 しかしながら、今御指摘をいただきましたように、業務に関連する分野への再就職については、職務の公正さについて疑念をいささかも生じないようにすることが基本でありますので、このために、公務員法等の規定により、離職後二年以内に営利企業に就職する場合には人事院の公正な審査を経て承認を受けることとされておりますので、その意味で適正な手続がとられていると考えております。
 今後とも行政の公正さを損なわないように、そのような疑念を招かないように、人事院への承認申請に当たってはさらに厳正に対処していきたい、このように考えております。
#178
○西野康雄君 ありがとうございました。
#179
○井上章平君 このたびの問題は、特定の政治家に対し建設業界から多額の政治献金がなされたということで、それがこの世を驚かせ、また建設業界に対して厳しい国民の批判が寄せられているということであろうかと思うわけであります。これに対応して過日、日建連、日建連といいますのは御承知のように建設業団体の頂点に立つ組織でありますから、この問題に対するこの日建連が行った申し合わせというのは、それなりに建設業全体の対応を代表するものというふうに私どもは重く受けとめるわけでありますが、この申し合わせについて初めに建設大臣の御所見を伺いたいわけであります。
 また、昨日ですか、この申し合わせに従っていろいろと日建連において特別委員会をつくってというようなお話もあるようであります。また過日、建設大臣は大臣談話という形でこの問題について見解を述べられたところでありますが、簡潔で結構でございますので、改めて今後の建設業に対する指導方針についてもお伺いいたしたいところであります。
#180
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、三月二十九日に建設大臣談話を発表させていただきまして、早速日建連、全建、こういったところが企業倫理の確立のための決議というものを行ったわけでございます。これらの申し合わせは建設業の健全な発達を図ることを目的とする自発的な意思に基づくものであり、建設省としてはこのことに対して高く評価しているわけであります。
 日本建設団体連合会において、申し合わせの趣旨を会員企業に徹底遵守させるための方策等について検討するための委員会を設けたと聞いております。具体的には、三月三十一日に徹底するための方策等について検討するための特別委員会を総務委員会の中に設置いたしまして、総務委員数名、そのほかにメンバーには各社の役員クラス、そのほか法律の専門家等の有識者を加えるということで、正式な名称は総務委員会特別委員会というものが発足したと聞いております。
 企業倫理の確立を図る上でも業界団体の役割は極めて大きなものであり、将来に向けて申し合わせた決議や趣旨が十分に会員各社に浸透することを心から期待しております。
#181
○井上章平君 先ほども同僚委員から質疑がありましたが、いわゆる使途不明金について国税庁にお伺いいたしたいわけであります。
 この政治献金の多くがいわゆるやみ献金であって、使途不明金として処理されているというふうに私ども新聞報道等で伺っておるところでありますが、この使途不明金というものを簡潔に定義としてお述べいただきたいのであります。
#182
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 使途不明金につきましては、税法上には使途不明金という言葉は出てまいりません。法人税の基本通達の中で「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないもの」という規定がございまして、そうした場合には損金の額に算入しない、こういう取り扱いが定められているところでございます。
#183
○井上章平君 この使途不明金、先ほどもお話がございましたように、年度によって違いますが、建設業が全体の七〇%近くを占めているということであります。あと三〇%はどういう産業分野でありましょうか。
 それともう一つお伺いいたしたいのは、五百六十億円、六十三億円等々お話があったわけでありますが、これはもちろんいわゆる悉皆調査の結果ではなくて、前提条件があるようなお話だというふうに伺いましたが、それも念のためにお伺いいたしたいところであります。
#184
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 まず、後段の方からお話し申し上げさせていただきますと、私ども使途不明金につきましては、一億円以上の資本金を持ちます法人のうち、いわゆる大法人でございますが、そのうち実際に調査をいたしまして、そうした調査をいたしました法人につきまして数字を把握しておる、こういうことでございます。
 平成三事務年度で申し上げますと、そういったいわゆる大法人が三万三千七百二十八社ございまして、実際に調査いたしましたのはその一四%に当たります四千七百二十二社でございます。その数字ということでございます。
 使途不明金でそうやって把握されましたものの業種別の内訳でございますが、平成三事務年度について申し上げますと、先ほど委員からもお話がございましたとおり、建設業が六八%でございますが、以下卸売業が一二%、製造業が八%、以下小売業その他、こういうふうになってございます。
#185
○井上章平君 この使途不明金につきましていろいろと世上誤解する向きもあるわけであります。過日も私どもの中で議論したのでありますが、他の産業の方々からこういうものは私ども到底税務当局から認めてくれないんだと、なぜ建設業だけこのような形で税務上処理することが許されるというのかまかり通るというのか、そういうようなお話もあったわけでありますが、一方この使途不明金が七〇%も建設業ということは、それなりに建設業に対する信用を非常に傷つけるというか、イメージを著しく傷つけるという面もあるわけでありますので、この辺について税務当局の見解を伺っておきたいと思います。
#186
○説明員(藤井保憲君) まず、使途不明金についての考え方でございますが、私ども国税当局といたしましては、真実の所得者に課税するというのが私どもに課せられた役割であるというふうに考えておりまして、そういったことにかんがみましても使途不明金は課税上大変問題があるというふうに考えておるところでございまして、従来からこれは御指摘のとおり建設業に限るということではなく、あらゆる業種につきまして使途不明金の使途の解明に努力を払っているところでございます。
 先ほど使途不明金の通達というお話をさせていただきましたが、使途不明金を損金に算入しないという取り扱いをしておるわけでございますが、これは国税当局としてそういったいろんな業種で出てまいります使途不明金につきまして解明のために最大限努力をしてもなおその使途が明らかにならないという場合の取り扱いを定めたということでございまして、使途不明金を制度的にとかあるいは法律的に認める、こういう趣旨のものではないというふうに考えておるところでございまして、このことは建設業であっても他の業種であっても全く同じである、このように考えておるところでございます。
#187
○井上章平君 今度の事件に関連しまして、使途不明金に対する世の批判が非常に強いわけであります。しかも、この建設業に多く発生しているということも紛れのない事実といたしますと、これについて建設業の指導監督の立場にある建設省はどのような見解をお持ちか、先ほど伺ったところでありますが、重ねてお伺いいたしたいのであります。
#188
○政府委員(伴襄君) 建設業の場合が使途不明金の額が他の産業に比べて多いというのは、今もたびたび出ているところでございますし、国税庁の調査でも指摘されているところでございます。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、決して言いわけをするわけじゃございませんけれども、建設業の業の特殊性として使途不明金というのか、内々に処理せざるを得ないような出費というのがあることもまた事実でございます。例えば工事施工に際して、騒音とか振動とかいろんな問題があって工事迷惑料みたいなものを払わなければいかぬというようなことがあったり、あるいは地鎮祭、竣工式等の慣行的な行事の費用を出すとか、あるいは現場ごとに周辺住民の同意を得る費用とか、広い意味の近隣対策費とか地域対策費、そういったものを出さざるを得ないという実態があることも事実でございまして、こういった経費につきましては受領者の、特に受け取る側の意向を尊重いたしますと、どうしても内々に処理せざるを得ないといったようなことがあるようでございます。
 そういったことの理由で、使途不明金として処理を行う場合が多いというふうに認識しているわけでございますけれども、今国税庁の方からも話がありましたように、しかしながら法人として経理をきちっと明確にするということは大変大事なことでございます。企業会計原則にのっとって、適正な経理処理が行われるということは大変大事でございますので、安易な使途不明金の処理にならないように、それを避けるようにということは努力をしなきゃいかぬなというふうな認識でおります。
#189
○井上章平君 今回、はしなくもいわゆる政治献金の原資として使途不明金が上がってきたという経緯もありますので、極めてこの使途不明金に対して国民の批判は強いわけであります。昨日の新聞にたまたま出ておりますが、使途不明金を法律で禁止せよ、あるいはもう一切認めない、もし出した場合はその額の数倍の課徴金を訳せというような意見もあるわけであります。
 この使途不明金について、建設業になぜこれほど集まるのかというようなことについて私なりにいろいろと調べてみたわけであります。先ほど建設省の方から、現地生産である、つまり生産場所をみずから選べないのでいろんなところで行わざるを得ない、そのために周辺の建設アレルギーといいますか、いろんなトラブルが生じている、これらに対する解決策として金が支払われる、それが領収書がとれない、あるいは支出したことすら明らかにできないというようなことがしばしばあるんだというようなことをいろいろ伺ったわけであります。
 しかし、よく考えてみますと、建設業というのは請負で、発注者に成りかわって受注して生産するわけでありますが、その生産の過程でいろんなことが起きるといたしましても、これはしょせん本来は発注者みずから処理しておくべき性質のものではないかというふうに思われるわけであります。建設業法を見ましても、請負契約の内容、いろいろ掲げてございますけれども、このようないわゆる事件処理について、あるいは極端な場合は用地も十分に解決していないのにこの用地を解決した上で工事に取りかかるというような契約すら引き受けている例があるわけであります。こういったことを続けておる限り、建設業は常に使途不明金を積み上げざるを得ないことになるんではないかというふうに思うわけであります。
 ところで、ちょっとお伺いしたいのでありますが、建設省の直轄工事、これは用地買収といい、いろいろな周辺対策といい、すべて発注者側で当然実施しておると思うわけでありますが、建設省の直轄工事で業者側にこの種の支出を支払わせるというようなことはありますかありませんか、お伺いしたいと思います。
#190
○説明員(小野和日児君) 建設省の直轄工事におきまして工事に必要な経費、これはすべて適正に計上しておりまして、また工法あるいは施工条件等の変更による経費の増減につきましても適切に設計変更等によりまして対処をしておるところでございます。
 使途不明金が多い理由として今地元対策費が指摘され、また用地の手当て等の問題が出されましたけれども、これにつきましては先ほど伴局長がお話しになったようなことかと存じますが、地元対策費の中でもやはり実態調査によりましてその支出が明らかでございまして、かつ、その工事の費用として負担すべきと判断されたものにつきましては、共通仮設費あるいは現場管理費の中で計上されているところでございます。ただ、これらの費用に計上するためには、やはり企業会計はきちんとするということが前提でございますので、そういったこと、それから工事の実態等を今後とも的確に把握しまして、適正な処理に努めてまいりたいというふうに考えております。
#191
○井上章平君 そういうお答えだろうと思いますが、しかし、現実にいろいろ私今度は業者側のお話を伺ってみますと、直轄工事でも使途不明金とせざるを得ないような支出は実はあるんだというような話も伺っておるわけであります。
 建設工事というのは七割までが民間工事と言われておるわけでありますので、この民間工事の場合は、特に建設業全体の使途不明金を云々する場合には大事であるわけでありますが、結局のところ、いろんな状況下にあるようでございます。すべての汚れ仕事は建設業に背負わせるというような形で、この森羅万象すべておよそ施設建造物は建設業者が施工するわけでありますが、そういう形で実は行われておるという実態があるんではないかということであります。
 したがいまして、使途不明金を法律で禁止するとかあるいは数倍の課徴金でぐうの音も出ないように、それだけでその会社が行き詰まるような課徴金を訳せとかという話があるわけでありますが、これはしかし、この使途不明金なるものがどういう形で生まれるのか、やはり建設省として当然これは調査すべきではないか。そして、これはいわゆる発注者、発注者というのは個人を含めたすべての産業にわたるわけでありますが、本来この人たちが分散して背負うべきものではないのか。それがすべて建設業の使途不明金という形でここへ集まってきているというふうに、これはいろんな話を伺った上で私はそういうふうに痛感したわけでありますが、そういう実態があるのではないかということであります。 したがいまして、今後経理は明確にしなきゃならない。およそこのような使途不明金などは出してはならないというのは当然であります、これだけ世の批判を受けておるわけでありますから。そうなりますと、この契約内容にまで立ち入って建設省は建設業に対して十分指導をすべきではないか、私はそのように思うわけでございますが、建設省の見解を伺いたいわけであります。
#192
○政府委員(伴襄君) 先生御指摘のとおり、建設業は単品受注、現地組み立て生産という特殊性から使途不明金として処理せざるを得ない支出が発生することがあるわけでありますけれども、その経費のうちにはまあ周辺の住民対策費あるいは近隣対策費、地域対策費といったものが伴うわけでございます。こういったものには必ずしも本来施工業者が負担する必要性がない、むしろ発注者の施主の負担になじむんじゃないかというようなものがあることもまた事実がなという気がいたします。
 使途不明金、必ずしも望ましいことではございませんので、建設省としてもたびたび申し上げているように、法人として建設業者ができる限り経理を明確にして社会的、経済的信頼を確保するということが重要だと思っておりますが、同時に、今みたいな施主とそれから受注者の関係、請負契約関係でございますけれども、これが片務的になるというふうなことでその請負契約関係が必ずしも適切になっていないという事態もあるんではないか、そういう問題も極めて重要がなというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど直轄の話がございましたが、直轄工事、公共工事契約の施主の立場でもしっかりやるとともに、次には民間発注の工事についても民間の施主にそういう理解を求めることが大切がなというふうに考えておりまして、建設業者の方は企業会計原則にのっとって適正な経理処理が行われるようにしてもらわなければいけませんが、同時に片務でなくて双務的な請負契約の適正化の推進といったようなことが大事だと思いますし、そういうことにも努力をする必要があるというふうにつくづく認識しているところでございます。
#193
○井上章平君 今度の事件に関連いたしまして財界のいろんな方が建設業に対してかなり厳しい批判をされておるわけでありますが、しかし、建設業というものの本質について掘り下げてどれだけ理解されておるのかということについては私ども大変疑問に思うわけであります。
 今、片務性ということが言われましたが、どうも官民を問わず発注者、受注者の関係というのは極めて片務性が高い。私自身、個人としても先日家を増築したわけです。そうすると、裏側の方が北側斜線に関連してクレームが出てきた。その際私は、その業者にひとつうまいこと解決してくれと、それが解決できたら契約しでもよろしい、こういうことを言うわけですね。私自身その解決策としてのノウハウを持ちませんから、建設業者というのは常にそういうことに携わってきておる専門家でありますからお願いするという意味もありましょう。しかし、その際に生じたさまざまな支出がどういうふうになっているかということは通常問わないわけですね。これは個人住宅のわずかな相隣関係から生ずるようなことであれば、それは菓子折り一つで済むかもしれませんが、しかし、例えば大きなマンションでありますとかビル、あるいはゴルフ場といったようなものになればなるほど、さまざまな周辺とのトラブルの解決すべきことをこの発注者はすべて建設業者に依頼する、それを含めて、あるいはそれがクリアされたときに初めて契約が成立するというような形で行われている例が実に多いわけであります。
 私もそういったことで、この片務性の是正からしないと本当の意味の建設業の近代化といいますか、建設業がこの世の信頼を受けるような近代企業として成立していかないのではないかというふうに強く感ずるわけであります。何かありますと建設業を悪者にして、建設業をたたいて、それで事足れりというような形で今日まで済んできたことが実に多いというふうに思いますので、指導監督の立場にある建設省はこの問題について真剣にお取り組みを願いたいと心からお願いするわけであります。
 特に、例えば標準約款の制定等につきまして、そういったことについて地道な努力をやはり重ねていく必要があるんじゃないか。とりわけどうも官公需、官公庁が発注する工事ということが念頭に常にあって、民民で行われておることについてはほとんどどうも無関心であるようでありますので、特にその辺よろしくお願いいたしたいわけであります。
 それでは、次に入札制度に入るわけでありますが、これにつきましても先ほど来いろいろお話がございました。
 従来しばしば、この建設の入札に関しては談合問題ということがもう繰り返し繰り返しこれは起きてきたことであります。そのたびに入札制度、いわゆる指名競争入札制度は談合に対して防ぎようがないのではないか、一般競争入札ならばそれはたちまち解決するのではないかというような形で問題が提起され議論されてきたことも事実であります。
 会計法を見ますと、二十九条の三ですか、これを見ますと、確かに一般競争入札が第一で、第三項として「同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、指名競争」、こういうふうに例外規定として設けられておるということがありまして、これがしばしば本則にのっとってやるべきじゃないかという大きなよりどころになるわけでありますが、しかしここに書いてありますように、有利か不利か、つまり発注者側にとって有利か不利かということで本来入札制度というのは決められるべきものだと私は思います。
 そこでお伺いいたしたいのは、この指名競争入札制度が有利である、一般競争入札制度が不利であるというふうな考え方に立ち至った理由、これももう簡単で結構でございますから、建設省としての見解を承っておきたいと思います。
#194
○政府委員(望月薫雄君) 先ほども御答弁させていただいたところでもございますが、今も先生おっしゃるように、国の契約のあり方について会計法の条文上は一般競争入札が原則、しかしというところで、発注者にとって、国にとって非常に不利なとき、これはいわゆる指名競争入札の道が開かれておる、御指摘のとおりでございます。
 何が不利か有利かという点でございますけれども、しばしば申し上げる点でございまして恐縮でございますが、私どもが扱わせていただいています公共事業というのは、言うまでもなく国の税金を財源として仕事をさせていただいておるものである、こうなりますとこの予算の執行というものについては常に厳格でなきゃならない、予定どおりの仕事をちゃんとしなきゃならないということが最大の基本だろう、こう確信しておるところでございます。言ってしまえば、疎漏工事が出たり、工期に間に合わなかったりということになったんでは困るわけで、これはもう契約をどのような道をとるにしても最も重視しなきゃならない基本である、こういった考え方に立っております。
 そういった中で、よく言われます一般競争入札がいいか、指名競争入札がいいかという点でございますが、これもしばしば申し上げて恐縮でございますけれども、長い我が国の歴史のいろんな試行の中で、現在の指名入札制度というものを制度として我々公共事業の方では使わせていただいておる、こういった現実でございます。
 それは逆から言いますけれども、一般競争入札制度というのは疎漏工事あるいは手抜きあるいはまたダンピングあるいは工期に間に合わない等々、あるいは不良業者が入り込みがちであるとか、もろもろ先ほども御答弁申し上げましたけれども、そういったことについてのしっかりとした排除措置というものがなかなか担保できないということが経験則的にあるということが基本にございます。
 また同時に、こういったことについては、イギリス等においても既に一般競争入札制度をやってみたけれどもうまくいかなかったとかという話、あるいはまた、我が国の地方公共団体におきましても一部で一般競争入札制度を導入したところもございますけれども、どうもそうすっきり割り切れないという経過もあるというようなことでございまして、私どもはやっぱり制度として一般競争入札が直ちにベストである、あるいはそれがベターであるというふうになかなか割り切れないのが今日の姿でございます。
 ただ、一方で指名入札制度についてのありようというものが問われていることはこれは現実でございます。そういった中で、その透明性、競争性を高めるということをもろもろ今努力させていただくという中でございますが、この問題、率直に考えますと、いろいろと指摘されます諸問題というのは、制度の問題と同時に運用の問題、運用に携わる者のありようという、この両方をやっぱり見ておかないとならない基本的な大事な問題があるかな、こんな認識も持ちながら、私ども制度としてはよりよいものを求めていきたい、こういう構えで今取り組まさせていただいておるところでございます。
#195
○井上章平君 簡単に考えましても、例えば暴力団関係の業者あるいはしばしば問題を起こすような不良業者等々が指名競争入札ですと確実に排除されます。しかし、一般競争入札でありますと、いろいろな制限をつけるわけでありますけれども、しかし百ほど並べてもそれにひっかからない、クリアしてしまうというようなことがあるわけでありますから、そういった面でも指名競争入札でなければなという感じはするわけであります。
 しかし、今日まで繰り返し繰り返しこの談合問題と指名競争入札というのは問題にされてきたことも事実でありまして、ここでひとつお伺いしておきたいのは、さっきも出ましたが、建設工事の大半を占めるのはいわゆる民民間の取引、契約であります。いわゆる契約の相手方を決める行為として、大勢としてはどのようなことが行われておるのか。
 実は私も、先ほど建設省OBというような話がありましたが、十年前は地建局長でございました。ちょうどそのときに、例の静岡県に端を発した談合問題というのが出たわけであります。そして、そのときも一般競争入札制にすれば談合が排除される、あるいは確実に二〇%安くなるというようなことがキャンペーンされたことがあります。しかし、そのときたまたまマスコミの新聞記者にお会いしたときに、あなたの本社社屋は今建てておりますが、どういう経過で今の業者に決まったんですかとお伺いしましたら、いやあれは特命随意契約ですと。どうしてそんなに有利な一般競争入札にされないんですか、二〇%も安くなるという話じゃありませんかということを申し上げましたら、いやいやあれはかけがえのない本社社屋である、そして完成後のメンテナンスも考えるともうあの業者でないと困るんですというようなことであったわけですね。
 一般に、やはり業者選定に当たって一番重視するのは品質が確保されることと、後々までもメンテナンス、アフターケアが行き届くということがどうも選定の基準のようであります。それにファイナンス等いろいろあるようでありますが、そういうことも考え合わせて、民間会社が一体どういうふうな入札方式をとっておるのかということをお調べになったことがあるんでしょうか。もしありましたら、お聞かせ願いたいと思いますも
#196
○政府委員(伴襄君) 建設省として、民間工事における発注の方法についてその実態を詳細あるいは正確に把握しておりませんが、一般に民間工事においては、その発注者は、先生御指摘のように、良質な目的物を確保しようというようなことがあって、信頼し得る建設業者を選ぶ傾向にある。すなわち、随意契約が多いと聞いております。
 実は、財団法人の建設業振興基金というのがございますが、そこで建設会社情報に関する調査研究というのが出ておりまして、これで、それぞれ工事を出したところが建設会社を決定した理由というのを調べたことがございますけれども、どうしてその会社を選んだかという理由は、例えば過去に注文をした経験があってその会社がよかったからというようなこととか、あるいは人づての評判を聞いていい会社だからということで決めたとか、あるいは今お話がありましたように、維持修繕等、建てた後のサービス体制あるいは状況、それがいいからといったようなことで選んだのが多いようでございまして、やはり自分の家を建てるときの経験からいっても、安いだけの理由でなくて、やっぱり信用とか信頼とか、そういうものが選ぶ理由になるようでございまして、そういうことからも随契が多いのかなという気がいたします。
#197
○井上章平君 もともと、最も利益に敏感なはずの民間会社が、みずからの建造物を施工するに当たって、やはり一般競争入札はもとより、指名競争入札もとらないというのが大体一般なんです。これはいろいろ聞いてみまして、そのとおりでありました。
 その理由は、まさにその人にとってかけがえのないものだから品質を重視するんだと。じゃ公共事業は、公共工事の施設はかけがえがあるのかと、二〇%安ければどのような品質でもいいのかということになるわけです。しかし、そうはならないと思うわけであります。
 そこで、その品質について伺いたいのでありますが、指名競争入札制にするといい品質の成果品を出すと、これはその次に引き続いて指名をされるという一つの条件になるからである。つまり、官庁御用達というんでしょうか、建設省御用達の看板が大事なんだと。したがって、引き続き建設省の仕事をとりたいために、建設省の仕事は念入りに高品質なものに仕上げるというような話をよく聞くわけであります。現実にそういう運用がされておるんではないかという気がするわけでありますが、これは具体的に、その品質の評価ということはなされておるのでありますか。そして、今言ったような形で、この指名競争入札の利点と言われる品質の確保にどのようにリンクされ、役立っておるのかということを御説明いただきたいわけであります。
#198
○説明員(小野和日児君) ただいま先生お話がありましたように、建設省の発注工事につきましては、その工事完成後に主任監督員及び工事検査官によりまして、工事成績評定を行うことといたしております。
 評定は、施工体制、施工管理、現場管理及び工事のできばえについて採点いたしておりまして、その結果はその以降の指名業者選定の重要な要素の一つとなっております。また、二年ごとに行うランクがえの登録業者資格審査におきましても、これが一つの大きな評価項目となっておりまして、大変重要なものとなっておるわけでございます。
#199
○井上章平君 私も長い経験に照らして申し上げますと、談合問題がこれほど繰り返し繰り返し行われますと、これは一般競争入札にしたらどれほど役所は葉かというような気もするわけであります。
 しかし、現実問題として、やはり品質の確保ということを考えますと、次の指名に関係があるからこそ高品質なものをというような経緯があるとすれば、なかなか踏み切れる問題ではありませんし、ましてや、品質というものが確保されるべく監督をすればいい、こういう話があります。しかし、むしろ地中にその施設の強度の大半が集中するようなものが多いわけでありますから、全部監督の目を届かせるということになりますと、これはもう自分でやった方が早いわけであります。膨大な監督経費あるいは検査経費、検査も破壊検査をしなければ本当のことはわかりません。破壊をすれば、それは必ず後で大きな手直しを生ずるわけであります。また中には破壊することのできないものもあります。
 そういうことを考えますと、品質の確保、公共事業は品質はどうでもいいということはあり得ないわけでありますから、そういうような観点から見ますと、どうしてもやはり現在の指名競争入札制のもとでいかにして談合を排除するか、談合の起こりにくいシステムをつくり上げていくかということになるんではないかなという感じがするわけであります。
 そこで、余り時間がありませんので、いろいろお伺いしたいことがあるわけでありますが、これも簡潔にでありますが、諸外国では、ちょっとさっきイギリスのお話が官房長からあったわけでございますが、主要な先進工業国ではどういう入札制度か御披露いただきたいわけであります。
#200
○政府委員(伴襄君) 欧米主要国の入札・契約制度でございますが、もちろん一般競争を採用している国とか、指名競争の国等々、各国特色があって一様ではございません。主なところを見ますと、アメリカでございますが、これは有名な一般競争入札方式を採用している国でございまして、これは長年の歴史を有しますボンド制度、保証制度をもとに、入札参加者の資格審査を実質上民間のボンド会社がやっているというような仕組みでやっております。
 それからイギリスは、かつては一般競争でございましたが、これも御紹介申し上げたかと思いますけれども、バンウェル委員会が、誠実で十分な資質と能力を持った業者によって良質な工事が確保されるように、一般競争から指名競争入札制度に変更して現在に至っております。
 それからフランスは、最も多用されている方式は制限つきの提案募集による契約、アペルドッフルというものでございまして、公募を行いまして入札参加者を何社か選定した後に、入札価格だけでなくて、その後の維持費だとか技術的な価値とか工期とかを勘案しまして落札者を決定するという方式をとっております。
 ドイツは制限入札方式がかなり行われていると言われておりますが、公募を行ったり、あるいは事前の資格審査で過去の工事実績とか技術を審査の上に、入札参加者を何社か選定いたしまして、これも価格だけでなくて技術的な要請等を満たしながら適当と考える条件を提示した者を落札者とする、こういう方式にしております。
 公共工事に関する入札・契約制度、これはさまざまでございますが、日本の指名競争入札制度はイギリスの制度とほぼ類似、そして、ドイツ、フランスに見られるような、公募して選定を行う制度と、選定を行うという点では共通であるというふうに考えております。一方、アメリカで採用している一般競争入札は、これはもうボンド会社に審査をゆだねるというわけでございますので、欧米の中では必ずしも一般的な制度ではない。
 ある大学の先生が新聞等で、すべての先進国では一般競争入札制度が採用されているというふうなことを書かれている例がございましたけれども、そういうことはないということでございます。
#201
○井上章平君 この指名競争入札制のやはり一番重要な点は、指名基準がどのようにつくられ、どのように運用されているかということが極めて重要になるわけであります。
 これにつきましては、透明性、公正性ということでいろいろお考えのようでありますが、いろいろ私も伺っております。公平を重視し過ぎると当該工事の適性とかあるいは参加意欲に関係なく指名される、これが一つ問題があるというような話も伺っております。
 また、当然予定価格というのがありまして、その価格を上限として価格競争が行われるわけでありますけれども、入札回数をどのようにするのか、一般には三回だというお話を伺っております。その後、最低応札者と随契に入るというような形をとるのが通例と伺っておりますが、このことが、結果、赤字受注を引き起こす。次はまた指名してやるからというような話があるのかどうかは知りませんが、そういうような形で結果的に赤字に泣くというようなこともしばしばあると伺っておるわけであります。
 したがって、あれこれ考えますと、やはりこの指名基準あるいはその運用といったことが、この制度の透明性と公平性を保つ一番大事なことだということになると思うわけでございますが、この辺について建設省の見解を伺っておきたいと思います。
#202
○政府委員(望月薫雄君) 私ども、直轄工事の発注に当たりましていわゆる指名入札制度をとっているということを先ほど申しましたけれども、その際に、おっしゃるように大事なことは指名がいわゆる恣意的に流されないように、あるいは何らかの予断を持って指名行為がなされないようにということは大変基本だと思っています。
 そういったためにいわゆる指名基準というものを建設省としてはしっかり持っておりまして、具体的にはもう先生御案内のことですから簡単にざっと申し上げさせていただきますけれども、一つには不誠実な行為があるかないか、あるいは経営状況がいいか悪いか、工事成績がどうか、当該工事に対する地理的条件がどうか、手持ち工事の状況あるいは工事施工についての技術的適性、安全管理の状況、労働福祉の状況、こういったいわば八項目をベースにしながら指名を行わせていただいている、こういう次第でございます。このそれぞれについても申し上げるべきかもしれませんが、いずれにしても大体御理解いただけますようなそういった幾つかの項目を頭に置きながら、念査しながら十社程度を選定して指名を行う、こういうことでございます。
 その際に、参加意欲がない者を指名して言うならば形式的に競争させるということについてもまたこれは大変問題でございますので、一方で私どもとしては辞退の自由ということを明確に申し上げ、辞退したから後ほどペナルティーをとるというようなことはいささかもしないということの徹底に努めているところでございます。
 そういったことではございますが、さらに今年度からは建設業者みずからが意欲に応じて幅広く入札参加できる、いわゆる一般競争入札制度の長所というものも指名入札制度の中にできるだけ生かせないか、こういった考え方を持ちまして技術情報募集型指名競争入札方式というものを大規模工事七十一件について平成五年度に実施しようということで今取り組んでいるさなかでございます。
 いずれにしましても、私どもとしては適性と参加意欲、こういったものが良質な仕事を実行していく上で基本でございますので、こういった観点から指名基準の明確化、透明性の向上ということに努めてまいりたい、こう考えております。
 それから二点目に、入札した結果なかなか落ちないという場面がありますが、私ども建設省では今現在は執行を原則として三回を限度にやっております。一遍札を入れてもらってまだ決まらない、二回入れても決まらない、三回までやってみてそれでも決まらないということを限度にしてやっておりますが、それでもなおかつ落札業者が決まらない場合にはいわゆる不落随契という格好に移行することをやらせていただいております。
 最近の例でいいますと平成二年度でございますが、直轄で三・五%ぐらいの件数が不落随契に移行しているというのがございます。この際も大事なことは、予定価格といわゆる最低入札価格、入札金額、この差がいわば僅差でなければ余り開いているものを不落随契に持っていくというのは大変問題がある、こういうことで僅差であるということをまず一つ考えております。
 それから二点目には、発注者と受注者の協議をさせていただきますが、双方の積算の考え方についてそごがないかどうか、この辺の突き合わせをやりながら不落随契に移行するかどうかということも判断する、あるいは予定価格が当然ですけれども適正に算定されたものであるか、こういったことを十分踏まえながら私どもは不落随契というものに今申しましたように慎重に検討の上でもって移行させていただいている、こんな状況でございます。
#203
○井上章平君 先ほどもちょっと説明がありましたが、より透明性、競争性の確保ということで新たな入札方式の導入を考えるということで先日いただきました資料にもあるわけであります。
   〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
 このうち技術情報募集型についてはもう既に施行をして直轄工事のA工事については大体これでやるというような話も伺っておるわけでありますが、これは制限はあるようですが、まず自由に入札参加希望者を募ってその中から一定の数の業者を選定するという二段階選抜方式をおとりになっているというふうに思うわけであります。
 これについて、もう始まっておりますので、これは受ける業者側でいろいろとお考えがあるようでありますが、一つ心配しておりますのは、提案した施工計画が発注者の意図に沿わないというようなことで落とされるのではないかというようなことと、それからもう一つは、こういう二段階選抜方式が定常化すると従来より当然これは経費が必要になるわけであります。受ける事務も大変煩瑣になるというようなことから、そういう形で業者の選定を行う方がよろしいというようなものに限定すべきでないかというような意見もあるわけであります。これについてどういうお考えか。
 それともう一つは、これは平成五年度からA工事で適用というふうに聞いておるわけでありますが、将来はどのランクまで拡大するつもりなのか、するつもりでないのか。さらにまた、これは直轄工事に限定した話でありますが、都道府県工事あるいは公団工事等についてはどうか、お伺いいたしたいのであります。
#204
○説明員(小野和日児君) 技術情報募集型指名競争入札方式のやり方でございますけれども、今先生お話しのように、確かに技術資料を提出していただくということで従来より非常に煩雑であるという声があることは承知しております。ただ、提出を求める資料内容といいますのは、入札者が当然その見積もりのときに行う検討事項の中から工事内容、施工条件等の技術的特性に応じて業者の技術力を的確に判定し得る必要最小限のものになるように配慮しておりまして、業者に過大な負担をかけるものではないというふうに考えております。
 それから、資料が悪くて落とされるのではないかということでございますけれども、これは担当部長あるいは担当所長等々から成る技術審査会で具体的な項目によりまして厳正な審査を行っておりますので、フォーマット等で落とされるということはありませんで、やはり落とされる場合は中身で落とされるということになろうかと思います。
 それから、これからの拡大でございますけれども、今先生お話しになりましたように、当面は建設省のおおむね十億以上の高度な技術力を要する工事を対象として本年度七十一件の実施を予定しておりますけれども、将来の計画につきましては今年度の実施状況を見ながら検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、公団等の問題でございますけれども、これは平成四年十一月の中央建設業審議会、これは技術情報募集型指名競争入札方式の導入も含めた入札・契約制度の改善を求めたものでございますけれども、この建議が国の機関あるいは地方公共団体等にもなされております。ただ、各機関とも基本的には独自の入札・契約制度を有しておりますので、建設省といたしましても各機関との連絡体制を強化しながら、直轄工事へのこの方式の実績等必要な情報の提供に今後努めてまいりたいというふうに考えております。
#205
○井上章平君 余り時間がありませんので若干はしょりますが、建設産業というのは俗に八十兆円、五十二万社産業と言われております。しかし、五十二万社といってもそのほとんどは中小企業であります。建設業が地域に根差した地場産業と言われるゆえんもここにあるわけでありますが、しかし一方には先ほど話題に出ました鹿島、清水といったようなゼネコンも存在するわけであります。この業者数、五十万前後という数字はこれ十年余りほとんど変わってない。企業名で言うと出入りはあるようでありますが、ほとんど変わってないという形でありますし、それからゼネコンでありますが、いわゆるトップ企業といいましても八十兆円の中で占めるシェアはせいぜい一%強、むしろこれは私の知るところによればシェアは年々落ちでいるという実態があるわけであります。
   〔理事種田誠君退席、委員長着席〕
 しかも、この大手、中小が同じ土俵で争っているというような形になっておりますので、こういった大手、中小の上手なすみ分けを可能にしているのは何であるのか、これはほかの産業界にはないことであります。優勝劣敗、弱肉強食、つまり寡占化が進むわけでありますから、事建設産業に関する限りむしろそうなっていないという実態は、これはまあいろいろな意見がありますが、やはりランク別の指名競争入札制度がこれを可能にしていると言えるのではないか。その裏返しの議論として、一般競争入札制度を導入すれば当然この秩序は壊れる、寡占化が進行する。現にそういうことをはっきりおっしゃっている、またそれを期待するとおっしゃっている方がいるわけでありますが、そういう説について建設省としてはどういうお考えかを承っておきたいと思います。
#206
○政府委員(伴襄君) 現行の指名競争入札制度では、建設業者の施工能力に応じた発注を行う、そして適正な工事の施工を確保していただくというようなことと、それから税金でもっている公共工事でございますので工事の適正な配分に配慮する、こういう二つの目的がございまして、今、入札参加申請者の総合点数に応じまして、ランク付といいまして各級ごとに建設業者を区分けして格付しております。その結果、大手の業者と中小の業者とがおのおのの特性に応じて工事の適正な施工ができる、こういう仕掛けにしております。
 もし一般競争入札制度を導入しようとしますと、現在の指名は特定の有資格業者に偏しないようにするということができているわけでございますけれども、したがって受注機会の公平性が確保されているわけでございますが、これをもし一般競争入札にいたしますと、おっしゃるとおり、例えば価格競争にさえ勝てはいつでも何回でも落札できるというようなことがあったり、あるいはダンピングの発生を招来するおそれがあるというようなこととか、あるいは一部の有力業者に受注が偏って受注機会の公平性の確保が図れないといったような問題が発生すると考えます。
 したがって、こういう意味で中小企業の保護といった面だけでなくて受注機会の公平性を確保するということがこの指名競争の大きなメリットかなというふうに考えておりまして、そういうことで公平性の確保という意味では指名競争入札制度の意味があるというふうに考えているところでございます。
#207
○井上章平君 これが最後の質問になりますが、先日建設省からいただいた資料の中に全国建設業協会の決議というのがあります。私これを一読しまして、非常に不思議な決議だなという感じがしたわけであります。この全国建設業協会というのは、皆さん御承知だと思いますが、各都道府県ごとに建設業協会というのがあります。それぞれ社団法人格を持っております。これは全国五十二万社が全部入っているんではなくて、その数%、三万社ぐらいで組織されておる、全く自由加盟、任意加盟の団体であります。建設業者の地位向上ということを柱にしていろいろ活動をしておるわけであります。
 今回、少なくとも山梨県の建設業協会で上納金と言われるような政治献金が明らかになったということに関連して全国建設業協会はこの決議をされたようでありますが、ほかの都道府県についていろいろ伺ってみますと、我々は山梨県のようなことはやっていない、このようなことを決議するのは極めて不穏当だというようなことで、例えば徳島県の建設業協会では別に決議をつくった。これの第三項は、こんなものはやっていないから廃止する必要がない、したがってこのようなものは決議の中から外すべきだというようなことで、ほかの都道府県の建設業協会もそのようなお考えのようであります。
 これは、この建設業協会はもとより社団法人でありますが、しかし政治活動は何ら拘束されていないという面があるわけであります。したがって、仮に政治活動に対して会費を募っても別にそれは違法ではないということのようでありますけれども、しかしこの協会の本旨に照らしてそのようなことはやってないということが言われておりますので、全国建設業協会の決議についてどのような御見解をお持ちか、お伺いいたしたいと思います。
#208
○政府委員(伴襄君) 全国建設業協会は今四十七都道府県の建設業協会を会員として、お話しのとおり傘下の企業は三万社を超す我が国を代表する建設業者団体の一つでございます。
 今の決議のお話でございますが、去る四月一日に、全国建設業協会におきまして、企業倫理の確立を図るための決議を行って、そして国民の信頼回復へ向けての決意表明を行ったところでございます。本来、政治献金等の政治活動はあくまで個人、法人の自主的意思にゆだねられる問題でございます。今回、全国建設業協会が、建設業者が国民の厳しい批判を受けていることを踏まえて、業界全体の基本的な倫理の確立を図るために自主的な取り決めとして決議を行ったというふうに理解しております。今徳島の例で、例えば今の決議の中に、政治献金の会費の納入方法で、「公共事業の額に直接かかわりあるような方法は一切廃止すること」、こう書いてございますが、例えばこういったものにつきましても、もし該当するようなところがあったらそれは改める、該当してなきゃ当然いいという意味での決議だというふうに理解しております。したがって、今後この決議に沿って会員の意識の啓発が行われまして、その趣旨が徹底されていくということを我々としても強く期待しているところでございます。
#209
○井上章平君 終わります。
#210
○白浜一良君 まず、大臣に冒頭お伺いしたいわけでございますが、御存じのとおり、金丸事件がございまして、公共事業に絡むゼネコンのやみ献金が発覚したわけでございます。それで、私も業界の方のいろいろ話を聞いておりましたら、先ほどから出ておりますゼネコンの使途不明金、大体三割から四割ぐらいはいわゆるやみの政治資金として使われておる。六割から七割ぐらいは、これはよく出る話ですが、要するに地域対策費ですね、いろいろ工事する場合の、そういうもの。また、いわゆる営業協力費、仕事を紹介してもらったり、そういうリベートに使うという、これは私が伺った話です。そういうことも言われております。
 また、マスコミでいろんな報道がされておりますけれども、我が社はございませんと、こういう企業もございますし、少なくとも公表された中では、東急建設、前田建設、ここはございましたとはっきり明言しているわけです。やみ献金しました、使途不明金で処理しました、こういうふうに公表しているわけで、これだけ大きな社会問題になって、個々の会社を見たら非常にばらつきがある。
 これは、大臣、こういう状態でいいのか。認めているところもあれば認めていないところもある、こういう事実をまず大臣として、所管大臣ですから、どのように認識されますか。
#211
○国務大臣(中村喜四郎君) ちょっと御質問の趣旨が十分理解できていないところがもしありましたらば後で御指摘をいただければと思います。
 基本的に世、政治献金につきましては、個人、法人等の自発的な意思に基づいて適法に行われているわけでありますので、その限り正当なものである、このように考えております。一律に建設業界に対して政治献金の自粛というものを行う考え方は持っておりませんが、しかし、先生今御指摘をいただきましたように、建設業界がいわゆるやみ献金を行っているのではないかと国民の厳しい批判を受けていることに対しては重く受けとめて、先ほどからお話をさせていただいておりますように、三月二十九日に大臣談話を発表させていただいて、業界に対して倫理の確立を強く要請したところであります。
 このことに対しまして、日建連、全建におきましても、今後政治資金規正法に違反する献金は一切行わない旨の決意を自主的に表明しており、この内容が速やかに徹底遵守されることを期待しております。
#212
○白浜一良君 私いろいろ言いましたけれども、結論的にお伺いしたいのは、要するにこれだけ大きな社会問題となってきちっと自認した会社もあれば認めてない会社もある。いわゆる広く報道されている中でばらつきがあるわけですね。そういうばらつきがある事実を所管大臣としてどのように受けとめていらっしゃいますかということを私は聞いているわけです。
#213
○政府委員(伴襄君) 今のお話はいわゆるやみ献金等のことだと思いますが、その事柄につきましてはやはりそれこそしかるべき機関がしかるべき権限をもって対応していただくほかはないと思います。
 ただ、私どもとしましても、これは大臣が三月二十九日に出しました談話でも一部そのことを触れておりますけれども、やはり一般的に建設業の健全な発達を促進するという立場からは建設業界の事業活動はどうなのか、企業活動はどうなのかといったようなことをきちんと把握する必要柱あるかなというふうに思っておりまして、主要な建設業者団体を手始めといたしまして事業活動の実態とか、さっきちょっと話題に出ました会費の徴収方法とか、そういったものにつきましてはヒアリングを始めているところでございます。こういったヒアリングは業界の一般的な実態を正確に把握しようというものでございますので、個々のものにつきましてどうこうするというわけではございませんけれども、少なくとも前向きに業界の事業活動の適正化とかあるいは企業モラルの確立といったようなものに生かせるようなそういう調査はしたいというふうに考えております。
#214
○白浜一良君 局長で結構ですけれども、さっき大臣に伺いたかったのは、例えば検察が調べると言ったってそれが表の金であれやみの金であれ、要するに例えば政規法違反だとそういう立証された場合は明確になります。また余りに額が多過ぎてこれは特別背任罪になる、そういうことであれば法律に対する違反として明確になるでしょう。しかし、私が聞きたいのは、いわゆるヒアリングして実態調査されているという中身が、たとえそういう検察が挙げるような対象でなくても、そういうやみであるとか不明な形でお金が流れているということがあれば、これはやはり監督官庁ですから業界に対するそういう調査、指導をしていく責任があるんじゃないかということを私書いたかったわけでございます。これはどうですか。
#215
○政府委員(伴襄君) 個別の会社につきましてどうなのかということは幾ら建設業法を持っている監督官庁であっても強制調査権もないわけでありますし、やはりそれはそれぞれの法律の担当あるいはしかるべき機関で対応していただく方法しかないのかなというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、建設業の指導育成のため特に今後の政策立案のためには実情とか真相はその範囲で正確に把握できればしたいというふうに考えておりますので、個々のものについていろいろ追及するのはこれは与えられた検察とか司法の仕事であるのかな、だから建設業の監督の立場としては限界があるということ、あるいは範囲があるということは御理解賜りたいというふうに思っております。
#216
○白浜一良君 私時間短いんで簡潔にお願いしたい。
 そうおっしゃいますけれども、局長ね、これ私も建設業法という法律をちょっと初めて見てみたんですけれども、そんなことないですよ。三十条不正事実の申告、三十一条報告及び検査、このように書いていますよ。「建設大臣は、建設業を営むすべての者に対して、」、あと都道府県は割愛します、「その業務、財産若しくは工事施工の状況につき、必要な報告を徴し、又は当該職員をして営業所その他営業に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」、これは個々のケースに関してちゃんとやるべきだということを建設業法で、これ法律にあるじゃないですか。先ほどの話ちょっとおかしいですよ。
#217
○政府委員(伴襄君) 今御指摘の話がやみ献金とかそういう話でございまして、これは何が問題かというと、私も十分理解しているわけじゃありませんけれども、例えば政治資金規正法との関係というようなことだと思います。そうしますと、その政治資金規正法違反のやみ献金がどうかというようなことはまさにその能力のある検察や司法の仕事であって、そこが捜査権だとか捜査能力もある。そこがやるべき話でありまして、私どもはそんなことは手が出せないという話ではないかというふうに思っております。だから、私どもがやれるのは業監督の立場で、特に建設業という業務に関してどうなのかといったようなことをきちんと正確に実態を把握し、そしてそれを今後の業行政に生かしていくということが我々の務めかというふうに理解しております。
#218
○白浜一良君 だから私、順番に話しているでしょう、順番に。検察が今取り調べているわけですから、そういう政規法とかいろいろ法にかかわることはそれは立件されるでしょう。私はそれを言ってんじゃないです。それは当然です。それは当然やけれども、そういう建設業者としていわゆるやみで献金としてお金が流れていたり、そういうことはこれだけ大きな社会的問題となっているわけですから、当然個々の実態を検査すべきじゃないですか、建設業法にもきちっと書かれているじゃないですかと、私はこの範囲の話をしているんです。別に検察みたいなことをやれ、こういうことを私は言ってないじゃないですか。順番に話を聞いてください、私の話を。
#219
○政府委員(伴襄君) 建設業法の三十一条の話でもございましたけれども、建設業法はこれは例えば許可の申請が出てきた、それを許可していいかどうかという審査をするとか、あるいは監督処分でこれは営業停止にするとか、指示処分するとかといったようなことで、そういう必要性がある場合にそれを前提としてこの三十一条に基づく調査をするというものであると理解しておりまして、またそういう運用をしてきておりますので、今のように権限の及ばない、あるいは所管してない法律のことについてまでこの監督権限を発動することはできないというふうに理解しております。
#220
○白浜一良君 私は所管してない法律まで調べよと言ってんじゃないじゃないですか。そういう健全な建設会社のそういう指導監督する責任があるわけでしょう、経営状態の。そういう意味で不正があった場合は「帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」と書いてあるんですよ。わざわざ「帳簿書類その他の物件」とこう書いてあるわけです。
 だから、これだけ大きな社会問題になってきちっと自認している会社もあれば、認めてない会社もある。そんなばらばらの実態をそういう所管の監督官庁としてきちっと調べをしないというのはおかしいんじゃないですかということを私は言っているわけです。別に検察のまねせいと、政規法違反を取り締まれ、こういうことを私は一向に言ってないじゃないですか。
#221
○政府委員(伴襄君) 建設業法三十一条の権限は、これは特に許可行政庁が建設業法の目的に沿って権限を行使する上で、「特に必要があると認めるとき」に限って行使できるという規定でございます。
 くどいようでございますが、先ほど申し上げたように、例えば当該申請している許可業者が許可できるものかどうかというようなこととか、あるいは既に許可を受けている業者に対しまして何か必要な監督処分をやらなければいかぬといったようなそういう強権発動をするとか、そういったときに限ってそれが特に必要があるときだということでそういう強制的な強行的な調査権を発動しているわけでございまして、今みたいなお話の、単に今の時点では疑いとかあるいは検察当局の方でもまだ何も結論が出ていないといった問題につきまして、私どもはこの規定でもってそういう帳簿書類その他の物件の検査を強制的にするというふうなことはできないというふうに考えております。
#222
○白浜一良君 それはおかしいですよ。要するに事の重大さをもっとよく、それは立件されたわけじゃないですよ。だけれどもお金が流れた、これ事実なんです。それも公共事業に関してそういう多額のお金が流れた。公共事業というのは国民の税金でやっている工事じゃないですか。そこに不正がある、それはまだ裁判で立証されてませんよ、そういう大きな疑義があるということが必要と認めるときじゃないですか。今の事案に対してこれは必要じゃないんだと、そういう認識をされているんですか。
#223
○政府委員(伴襄君) 釈迦に説法でございますけれども、それぞれの行政法規はそれぞれの法律で与えられた目的、それが一番大事なところでございますので、目的があるわけでございます。したがって、建設業法で言いますと、目的がございまして、ここでは「建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与する」、これが建設業法の目的でありますので、したがってその範囲での調査権限、あるいは先ほどの書類の調査権限なんかがあると思いますけれども、それを超えてやるのは建設業法の監督の立場では無理だということを御理解いただきたいと思います。
#224
○白浜一良君 何回言ってもわかっていただけませんね。別にそういう検察みたいなことをやれと私は言っているわけじゃない。健全な建設会社としての経営、それを指導監督するわけでしょう。そうでしょう。だから、そういう建設会社がいわゆるやみ献金と言われておる、例えばそのやみ献金が使途不明金といって――税法上は大丈夫でしょう、使途不明金で処理すればええんやから。政規法上もたとえ大丈夫だとしたって、そういうことがリベートとして流れておるということ自身建設会社の会社経営として健全な経営なんですか。そういった意味ではきちっと調べる必要があるでしょうということを私言っているんです。
#225
○政府委員(伴襄君) 例えば、やみ献金の事実があって何か犯罪行為が明白になったといったようなことですと、それがもし職務に関してだと建設業法の違反というようなことになると思います。したがって、例えば監督処分を発動するというようなことで、そういった場合にこれは監督処分事由に該当するということで調査権を行使するということは可能だと思います。だけれども今の場合は、くどいようですが、はるかにその前の段階の話でありますので、そういったときにこういう「特に必要があると認めるとき」という行政法規の中で、限られた範囲内でそういう強権的な発動はできないということを御理解いただきたいと思います。
#226
○白浜一良君 押し問答になりますからあれですが、何回も私くどいように言いますけれども、これだけの大きな社会問題になって、自認している会社もあれば否定している会社もあるという、この実態をどう受けとめられるかということ私聞きたいんです。だから、私たまたま三十一条の話をしましたけれども、今されているヒアリング調査、これはどういう内容のものがされているんですか、逆に聞きます。
#227
○政府委員(伴襄君) 調査内容は、今時に建設業者団体の方から始めておりますので、事業活動の実態、会費の徴収方法それから団体事業活動の適正化についてどう取り組んでいくのかといったようなことにつきまして、実は昨日から調査を始めておるところでございます。
 強制的な調査権はもちろんないわけでございますけれども、任意調査というのか相手の協力を得ながら、ヒアリングというのはまさにそういうことでございますけれども、任意の協力のもとに調査を行うことは可能だと思っておりますので、その線で我々は業界育成の立場から調査したいということで始めたところでございます。
#228
○白浜一良君 三十一条に基づく検査でなくても、任意調査で結構です。私の言いたいのは、明確に納得できるような調査をきちっとすべき立場にあるし、していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 これ押し問答しましたので私の時間がなくなってまいりました。
 実は、建設会社の体質問題というのは何回も指摘されているんですが、六十三年の十二月にアメリカ海軍の発注工事、これで百四十社、いわゆる有名な星友会事件、これが起こりましたね。あのときに少なくとも建設の主要七団体が集まって、あのときは談合体質の問題でございますが、どうしたら改善されるかということで、少なくともこれは八項目の提言があったわけですね。以来、建設省ともいろいろ御相談されて今日に至ると聞いていますが、あれだけ深刻に業者側もいろいろ検討されて、その上で建設省とも打ち合わせをされた経緯があるわけでございますが、なぜ、こういうばっとまた体質問題としてあらわれてくるのか。なぜですか。
#229
○政府委員(伴襄君) 御指摘の建設業刷新検討委員会、平成元年に設置されまして、御指摘のとおり、談合事件等がございましたので、業界側の改めること、反省することは反省するということの一方で、このとき特に出てきましたのは、先ほども申し上げましたけれども、発注者との間の片務性というんでしょうか、それをもっと双務性を高めるべきじゃないかといったようないろんな、したがってその意味での今の入札・契約制度を改善してもらえないかといったような提言という形で出てきたというふうに理解しております。
 こういったことも受けまして、中央建設業審議会の審議ではこういったことも取り入れながら全般的な議論を行ったわけでございまして、その結果一般競争入札のメリットを入れたような広範な入札機会を確保した、あるいは技術力による競争の期待できる新しい入札方式とか、あるいは指名基準の具体化、明確化とかといったような指名競争入札制度の改善措置、そういったものを含みながら、それを入れながら中建審から提言をいただいたというふうに理解しております。
 こういったことを去る三月二十九日に公表しました建設省の対応方針において、この内容につきましてきちっと実行する、そして入札・契約制度の透明性と競争性を高めるといったようなことをやっております。
 また一方、こういった入札手続の改善とは別に、例えば独禁法の違反行為に対しましてのきちんとした法令の遵守徹底ということも大事なことでございますので、これにつきましては財団法人の建設業適正取引推進機構というのを昨年十月に設置しておりますので、これをもとにいろいろ講習会等をやっておりますが、このできる前も例えば平成三年にも一年間に五十三都市で一万五千名に対しまして講習会をやるといったようなことで、真剣に独禁法の法令遵守の徹底の努力をしているというところを御理解いただきたいと思います。
#230
○白浜一良君 私もこれいろいろペーパーを見せていただきましたが、いわゆる業界団体から八項目の要望書が出たわけでございます。建設省としてはそれぞれそれに対応しているんだ、こういうコメントもされておりますし、また平成三年三月二十五日ですか、建設省のペーパーまとまっておりますね。きちっと対応してきていると言っておりますが、乱そういう対応してきていらっしゃるように思わないですね。これ私、平成三年のペーパー読ませていただきましたが、少なくとも業界の八つの要望の中で、制限付一般競争入札の一部導入の検討、こういう要望あったんですね。これに関しては少なくとも全く触れられていませんね。これはどういうことなんですか。
#231
○政府委員(伴襄君) 建設業刷新検討委員会の今おっしゃる八項目の中の制限付一般競争の一部導入というのも確かに入っております。
 先ほど申し上げたように、こういったことも受けて中央建設業審議会の審議をしたわけでございます。中央建設業審議会での審議の中でも今の指名競争一本でいいのかどうかということを、これ本当に一年半ぐらいでございますけれども、当然刷新検討委員会のメンバーであります業界の代表の方も入ってもらって、まさにそういった意見も出してもらいながら一年半かけて真剣に検討いたしました。その答申にございますように、制限付一般競争についてもやはり今の現状ではどうしても限界がある、無理があるということで、制限付一般競争はあきらめて、やっぱり指名競争は原則、ただし指名競争につきましては、たびたび申し上げているように別の変形の新しい方式を導入するとか、あるいは競争性、透明性を高めるための指名競争入札制度の改善をやるとか、そういったことを打ち出したわけでございます。この刷新検討委員会の結論はそういった形でもって中建審の議論としてしっかりと受けとめて議論された、その結果が中建審の中へ出てきた、その中建審の中には刷新検討委員会のメンバーも入っておやりになったといったことを御理解賜りたいと思います。
#232
○白浜一良君 中建審をフィルターにしてそういう言い方もいいとは思いません。これは具体的な、そういう深刻な日米摩擦になりかねないあの談合問題を通して業界が出された要望をこの中建審では検討されたんだと言いますけれども、事の本質を余りに軽視されていると私は思うわけでございまして、本当は具体的な御提案も含めて透明性、競争性を高めるための手法を論じたかったわけでございますが、きょうは時間がございませんので以上で終わりたいと思います。
 最後に、大臣に一言お伺いしたいんですけれども、当然今ヒアリング調査もされております。だけれども、先ほど井上先生からございましたが、そういう一般競争入札をするとコストは下がるけれども質が悪いんだと、そういう前近代的な表現は私はよくないと思うんです。一般競争入札したってアメリカのようにそういうボンド制度をつくる、またいわゆるこの指名基準、基準そのものをもっと多角的なそういう視点を持つという、いろいろ考えれば、必ずしも一般競争入札すると全部コストは下がるけれども質が悪くなるんだという固定した見方はよくないと私は思うわけでございます。
 どうか大臣、今回の事件を通しまして、もう個々の問題はいいです、本当に競争性のある、また透明性のあるそういう建設業界育成のために本腰を入れてさまざまな改革をやるんだという、そういう決意を最後に伺って終わりたいと思います。
#233
○国務大臣(中村喜四郎君) 今御指摘をいただきましたように、今回の問題は重大な問題として建設省としても受けとめまして、やはり透明性、競争性、客観性というものが確立てきだというような結果が出せるように全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えております。
#234
○白浜一良君 終わります。
#235
○上田耕一郎君 今、白浜委員とのやりとりを聞いていまして不安になりました。どうも認識と構えが、これだけの大事件なのに担当省としてちょっとこれはどうかなと感じたんですね。
 それで、伴建設経済局長にまずお伺いしたいのは、きのうから始めたヒアリング、建設業界の団体等のやみ政治献金というのは業界としてあるのかないのか、どう認識しているのか。先ほど井上委員も取り上げましたけれども、全国建設業協会、「個々の企業が受注した公共事業の額に直接かかわりのあるような方法は一切廃止すること。」と、これは批判の声があったというんだけれども、こういういわゆる受注額の一%から三%と言われているような献金、それを行って使途不明金として処理するというようなことは業界としてあるのかないのか。こういうことはヒアリングのテーマに入っているんですか、入っていないんですか。
#236
○政府委員(伴襄君) 先ほど申し上げましたけれども、このヒアリングというのはあくまで建設業の健全な育成というような立場で一般的な実態把握あるいは一般的な適正な指導を行いたいというようなことでやりたいと思っております。
 したがいまして、例えば今お話しのような政治献金等の話でございますけれども、とりあえず今建設企業者団体の事業活動についてヒアリングを行っておりますけれども、やはりその一般的な団体としての考え方とかあるいは経理処理方法について聞くことはしたいと思っておりますけれども、その個別の政治献金の額はどうかとか相手先がどこかとかあるいは時期等について、これはしかるべき機関でもどの程度調査をやられているかわかりませんが、今回の調査の目的ではございませんのでそれは聞く考えはございません。あくまで一般的な状況把握に努めたいというふうに考えております。
#237
○上田耕一郎君 何のためのヒアリングかと思うんですね。きょう、読売新聞はトップで報道しているんですよ。
 日本建設業団体連合会の三月三十一日の「常任理事会申し合わせ」には、「今後、本会会員は、政治資金規正法に違反する行為は一切行わないことはもとより、その他社会的批判を招くおそれのあることは厳に慎むことを申し合わせる。」と。先ほど言われた政治資金規正法違反だけでなくて、今大きな社会的批判を浴びている問題について慎むということを申し合わせしているんでしょう。そういう業界団体自身が重大問題だとして異例の申し合わせその他をしているのに、担当省はヒアリングをして、一般的な話だと、こういう問題というのは触れてない。何のためのヒアリングかと思うんですね。
 この間、理事会で望月官房長の説明を我々受けたんですが、国、それから公団、地方公共団体で公共事業の総額は三十兆円弱と言われた。もし、いろいろ言われているように一%から三%政治献金、これは国会議員並びに地方議員もあるでしょうけれども、もしですよ、全部政治献金、箇所づけごとに行っていたら、これ一%で三千億ですよ、三%で九千億円。
 僕はまた上田のほらが始まったと思われるといけないから一言言いますと、元東京朝日の政治部長で、東京朝日の編集局長だった富森叡児さんが最近本を出された。その中で、自民党に対する政治献金は国民政治協会を通ずる額のほぼ十倍と書いてある。百三十億が毎年普通なんで、千三百億だと。極端な見方の中には、年間三千億円から五千億円というのもあると、著書の中にはっきり書いてあるんですよ。これは恐るべき額でしょう。
 先ほど、使途不明金の七割が建設業界と言ったけれども、なぜ建設業界が多いかというと、これ三十兆弱の公共事業をやっていて、つまり税金だからですよ。税金のピンはねが受注額の一%から三%で行っているとしたら、これは大問題なんだ。だから、僕らが金丸被告の不正蓄財の額が七十億とか百億とかというのでびっくりしたけれども、どうやら建設業界を通ずるこの税金の、血税のピンはね額というのは、あるいは我々が考えていた以上に想像を絶する巨額になるのかもしれぬのですよ。この委員会でも問題になったけれども、清水建設はスーパーA一千万。それから、ずっと出たでしょう。そういうことをやっている。それから、山梨の業界の報道では、中小業者でも公共事業のすべての受注について、県の、あるいは国も含めてですよ、一%、三%と言っているんでしょう。
 ですから、どうも今度の事件というのは、ちょっと想像を絶する奥深い巨大な大問題が建設業界に政官財の癒着構造の中でどうやら生まれているらしいという事態なんで、それはちょっとした手直し程度ではだめだろうと思うんですね。だから、それだけの問題だということを建設省が認識して、また我々建設委員会のメンバーも認識してこの問題に取り組まないと、ちょっといいかげんなことでは済まないんじゃないかと思うんですね。
 私、そういう点で、まず建設大臣のこの問題に対する認識と構えですね、決意をお伺いしたいと思います。
#238
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生の今いろいろ、本の名前はちょっと忘れましたが、それを引用してのお話あるいはその風聞等を前提にしたお話については私も全くあずかり知らないところでありますが、この実態につきましては今捜査当局において捜査が進められているところであろうと思いますので、建設省といたしましては、直轄工事において透明性、競争性、客観性というものをまず確保することが絶対的に今国民の公共工事に対する信頼回復のためには大前提である、このようなことで入札手続改善検討委員会において今検討しておりますので、そのことにおいてできるだけ客観的なものをつくっていきたい、このように考えております。さらに、このことが中央官庁にも同様に私どもの考え方が採用されることを連絡協議会を通じてお願いをしていきたい。
 そして、公共工事全体の中で約七割を占める地方においても、こういった問題がこの機会に、公共事業の発注のあり方、受注のあり方について、できるだけ透明性、競争性を確保できるように、建設省としても公共団体にもお願いしてまいりますし、業界にも企業倫理の確立というものを強く求めて努力をしなければならない、このように考えております。
#239
○上田耕一郎君 きょうは入札方式の問題をやりたいんだけれども、この問題を我々が取り上げるのも、じゃなぜ受注額の三%という企業の適正利潤の額にも匹敵するほどの政治献金、やみ献金が可能なのか。これ恐るべきことなんでね。その仕組みは一体どうなっているか、実態をやっぱりつかまなきゃならぬ。なぜ、どこから可能なのかという問題があるわけです。それから同時に、いわゆるやみ献金が指名競争入札の指名やあるいは落札、天の声とか談合とかいろいろ報道されているでしょう、そういうことに影響を与えているのかどうか。そういう実態をしっかりつかんで、じゃ、どこを直せば国民が納得するような公共工事の入札が可能なのかということを追求しなきゃならぬ。そういう問題意識でこういう集中審議が始まっているんだと思うんですね。
 この前も説明を聞いて、建設省も今度入札手続の改善の問題、意欲は私も評価したいと思うんだけれども、こういう部分的な手直しで、我々が今取り組もうとしている巨大な欠陥、ゆがみを直せるのかと、ちょっと無理じゃないかと思うんですね。
 技術力の評価、これを重視したいと。そうすると、この技術研究部門を抱えている大企業が有利になるじゃないか、中小ゼネコンは太刀打ちできなくなるじゃないか。価格による競争に比べて技術力の評価、これは客観的指標になかなかなりにくいんだ。そうすると、これは別の形の癒着が深まる新しいルートができはしないか等々、そういう疑問がこれについてもう既に提起されております。
 それで、ある新聞報道を見ますと、山梨のリニアモーターカーの実験線のルート、それぞれ区画があって全部巨大ゼネコンで見事に割り振られちゃっていますね。それは天の声か何かなきゃそううまくいくはずないですよ。
 これ、私きょう皆さん方にお配りしたのは、これは準公共工事だけれども、東京湾横断道路株式会社の発注による実例です。ずらっと表があるでしょう。やっぱりこれは見事に割り振られています。名前を拾ってみると、例えば三件受注しているのが鹿島、清水建設とか間組なんかになっています。飛島、大成、大林組については二件ちょっとですね。これ見事に割り振られている。やはり入札、公平にやったらこう見事にはいかないんですね。こうなっている実例、実態に対して、じゃ技術力の評価を新しく加えたら改善できるのか。これは到底無理じゃないかと思うんですけれども、官房長いかがでしょうか。
#240
○政府委員(望月薫雄君) 冒頭に、先生先ほど来一%、三%という数字を盛んにお使いいただくわけでございますが、実は私どももやみ献金等の実情を掌握できる立場にないだけに、断固否定をすることも、これは立場上できませんけれども、一方で、とてもじゃないけれども三%というようなことが一般的にあるとはとても私ども思えない。言うなれば、この二、三年前までの法人企業統計によります建設業の利益率、今先生もちょっとおっしゃいましたけれども、二・四%程度というような状況でございました。そういったことを考えますと、非常にそんなことがあるのかなという素朴な疑問を強く持たせていただいております。
 また、加えて、それはすべての公共事業というふうに認識することについては、ゼネコンの場合には、この前も理事懇で御説明させていただきましたけれども、七割近くの仕事があるいは七割以上の仕事が民間工事で工事を受けている、こういった実情もあるということも背景に認識しておかなきゃいけないなという思いをしたところでございます。
 実は、今先生の御指摘いただいたこの表を私も見させていただいておりますが、あるいはリニアのお話も出ました。確かに、大きな工事は工区が分かれ、それぞれについて請負業者が決められて仕事に取り組むと、こういうことでございますが、やはり工区ごとにそれぞれの業者が責任ある仕事を請け負うということは、これはもう当たり前のことでございますが、この表を見る限りにおきましても、東京湾横断道路について申し上げますと、今先生見事にとおっしゃいましたけれども、なかなか私には読み切れないということでございまして、ちょっとせっかくの御指名でございますが、そんな素朴な感想を持ちながらお答えさせていただいた次第であります。
#241
○上田耕一郎君 会計法では、一般競争入札が原則になって幾つかの条件をつけて指名、それから随契が決まっていますね。この間、お伺いしたら、とにかく建設公共事業では明治以来指名競争入札でやってきている、これは定着していると言われて、はあっと思ったんだけれども、ちょっと異常な事態だと思うんですね。明治以来定着しているんでね、じゃ、実際にどういうことが行われているか。
 中小企業の場合には、どうしても受注調整というのは必要だという点は私もよく知っているんだけれども、いかなる仕組みになっておるかというのでこれは一つ実例を挙げますと、ここにきょう一つ持ってきたんですが、これはある工事事務所の例で、たびたび受注しているある県の建設会社の元職員から聞いたんです。
 工事事務所の副所長に担当者が会うんです。うちはどれが本命かと聞くと、おたくはここだと、もう最初から建設省の事務所が言ってくれるというんですよ。それから、事前に見積もった幾つかの金額を示すと首をかしげたりする。まあまあという態度を示したりしてくれるので、見当がつくと、予定価格が。そのつけた見当でこういうリストをつくるんですって。これ、三回の入札の価格ですよ。十社分全部書いてある。これをこの工事自分がとるんだから、あと九社に全部渡すんですって。十社でみんなこのとおりやるんですって。一回目はちょっと高くする。一回目は一位と二位の差は四十万、二回目は三万、そして最後これで受注できたんだけれども、三万円ですよ、差は。受注社三千三百万、それから九番目の社が三千三百三万。
 普通これ全部焼却するんですって。焼却しないで届けてくれたので、私も初めて見たんだけれども、これは実際にはこういうやり方で、建設省の側も、全部おたくはこの工事と指名して、それで大体額もうんうんと首振って、教えてあげてやられているんですよ。全国そうですよ、恐らく。この場合は三千万程度の小さなレベルだから工事事務所の副所長が采配をとっているけれども、大工事ならもっと上のレベルで行われる。政治家の介在が十分予想されると思うんですね。明治以来ずっとこういうのが進んでいて、しかし、建前としては答弁されるようなことになっているわけでしょう。
 きょうもちょっと問題になっていたが、会計法のいう一般競争入札、これはアメリカの例を言われた。フランス、イギリスの例も言われた。私十一年前、三井建設の問題を取り上げたときに、岡崎市では一般競争入札やっていて、一〇%から一五%価格が下がっているということを述べたんですが、最近の新聞見ると、余り変わってないというのはありますけれども、岡崎市なんかは十数年やっているわけでしょう。ですから、指名競争入札を多少手直して技術力を入れる等々の部分的な手直しでなくて、これだけ問題になっているんだから、岡崎市の例などももっと本格的に調べる、諸外国の例も調べてやっぱりいいやり方を抜本的に本格的に研究する時期に来ているんじゃないか、そう思うんですけれども、時間も参りました。大臣いかがでしょうか、大臣の決断が大事だと思うんですが。
#242
○国務大臣(中村喜四郎君) 諸外国の例につきましては、先ほど政府委員から答弁させていただきましたので重複すると思いますが、アメリカのボンド制度につきましては、長年の歴史の中で、いわゆる工事そのものに対する保証ということではなく、期限とか質とかそういったものに対する保証はできない仕組みの中で、アメリカなりに定着をしてきたということは私も承知しております。しかし、イギリスあるいはフランスにおいては、我が国同様の指名競争入札というものが、イギリスに至ってはかって一般競争入札が行われて今日指名競争入札が定着しているということは、先生御承知のとおりでございます。
 また岡崎市の例につきましては、確かに一部の自治体において制限付一般競争入札を行っているということは承知しておりますが、公共工事の発注の不正防止を目的として導入を図ったわけでありますけれども、しかしその試みについて評価はできるものの、主として市内業者を対象にした細かいランクづけにより、そもそも極めて限定的な入札参加資格者数を前提とし、上位ランクで十数社、下位ランクで二十社から三十社程度、かつ実際の参加数もかなり限定され、十社を下回る例が多いと報告を受けております。特定業者への受注の偏りや疎漏工事の発生あるいは一般競争入札のデメリットの表面化等によってこういったものを今後指名競争入札との併用に切りかえていく、このようなことも状況として報告を受けております。
 また、先ほどちょっとお話しの中で、一般競争入札を導入する場合の一つの心配される問題点として、再三にわたって答弁をしてきたわけでありますけれども、不誠実な建設業者あるいは暴力団が関係するような建設業者を排除するということも、やはりこの指名競争入札の一つの重要な役割ではないかというような認識もしておりますので、今後検討されていく中で客観性、透明性そして競争性というものを確保できるような改善策を省を挙げて取り組んでいきたい、このように考えております。
#243
○上田耕一郎君 終わります。
#244
○萩野浩基君 大分時間もずれておるようでありますが、本日も大変問題になっております脱税事件に絡んで、建設大臣が不透明性が指摘されている公共事業の受発注制度の見直しについて近々手続をとりたいと、これをおっしゃったのは大変うれしかったんですが、ちょうど一カ月前と思います。その後それなりのいろんな努力、苦労をなさっておられることも承知しております。
 いずれにしましても、一日も早く国民の不信というものが解消されることを、特に私、建設委員の一人として強く願っております。
 きょうも同僚の委員の中からも、井上委員だったかと思いますが、話もありましたけれども、建設業務は本来非常に我々にとって重大な問題であります。これは生活においては生存権にまで及ぶような重大なもので、一日も早くその本来のあるべき姿になることを願っております。
 ところで、建設業界が正常、ノーマルになるには、きょうの質疑を聞いておりましても、制度の大改革というのがやはり必要ではないかと思います。そこで、私はここにある一つの考えを提案しまして、省のお考えをお聞きできたらと思っております。
 まず第一に、一般にもよく言われているんですが、入札制度をより競争的に改めていく方向に持っていくというのがやはり重要なことではないかと思います。より競争的であります。つまり、現在の指名競争入札制度は、不良建造物をつくらせない等の、きょうも出ておりました数々のメリットがある、このように言われておりますけれども、御案内のとおり、大手企業の手抜き工事の発覚というのも現にありますし、こういう点はこの制度の不備というものを如実にあらわしているものだろうと思います。
 入札制度とこの談合問題、これを考えるときに、私はふと浮かぶのが、やはりこれは日本の風土からきているんではないかとさえ思ってしまうのであります。ここに出てくるものは、ともすると村的な利益が出てまいります。私も学校等におきまして入札を今までいろいろやってきております。いろんなパターンでやっておりますけれども、どうしても完全な入札制度というのは、なかなかこれは神様でもなければできないんではないか。そこで大事なのは、我々はベストでなくてもよりベターなものを求めていく。こうした面については、我々は積極的に向かっていかなきゃならないんじゃないかと常日ごろ考えております。
 私は、きょうのお話の中にも途中で終わってしまった点もありますので、この点もちょっと触れておこうと思うんですが、公共工事の受注企業のランク分けでございます。ランク分けの問題というのが私は大事だろうと思います。つまり、現在の制度では、競争は同じ規模の同ランクの間にしか存在していないんじゃないか。これを、私はもう端的に申し上げまして、今よりはもう少し緩やかにして、意欲のある企業に若干規模は小さくてもチャレンジの機会を与える、そういうチャンスを与えていく。そういうことを可能にし、ベストではなくても少しでもより競争的というところに改善の糸口を見出す意味におきまして、競争を刺激すべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
#245
○政府委員(望月薫雄君) 先生から今ランクづけのことについて御質問がございましたので、私から御答弁させていただきます。
 お説のとおり、私ども直轄工事につきましては、一般土木工事、建築工事、それぞれAからEという五段階にランク分けさせていただいております。そういった中で、ランクに対応した工事の規模に応じまして、そのランクから業者を指名させていただいているわけでございます。
 今先生おっしゃったように、ランク分けを緩やかにという御提言でございます。実は、このランク分けというのは、もう釈迦に説法ですから繰り返しませんけれども、やっぱり私どもは業者の施工能力に応じた発注を行って適切な工事の施工を確保する、あるいは工事規模なり工事量を考慮して工事の適正な配分に配慮するというようなことを主たる目的として行っているわけでございます。
 それで、さらにこれを広げて弾力化するということは一つのお考えかと存じますが、一方でこれを余りにも緩やかにしてしまいますと、今申しましたような趣旨、目的がどうも生きてこないということと同時に、適正な工事の施工が確保されなくなるおそれもある。あるいは逆に今度は一部有力企業によって受注の偏りも招きかねないというようなことなどがありまして、現行制度の方が適切ではないかと思っております。
 特に、今先生のお言葉にあったと思いますけれども、下位のランクのものを上位のランクにということは、これは大事なことだと考えております。例えば、Aクラスの工事にBランクの業者を指名する、あるいはBクラスの工事にCの業者も指名する、こういうことは私どもも特に工事成績が優秀である場合には上位ランク、直近上位でございますけれども、上位ランクに指名をするということをやらしていただいておりまして、今手元にある資料によりますと、Aクラス、Bクラスのそれぞれ工事等級を見ますと、おおむね二割ぐらいの業者が指名としてより上位のところへ入っておる、こういうふうな実情でございます。
 お説のことも十分頭に置きながら、運用についてはおっしゃるようなベターな方向を模索していきたい、こう思っております。
#246
○萩野浩基君 やはり育てていくということも非常に建設業界で大事と思いますので、意欲のある企業であるならば今のようなバリアを超えて、そして少しぐらい規模が小さくてもチャレンジの機会を与えるというようにすることにおいて、より競争的に改めていく姿勢をぜひともお願いしておきたいと思います。
 それから、大臣に最後に一つ質問いたしますけれども、先ほど来聞いておりましても本当に国民の建設業界への不信というのは、これはもうきわみに達しているんじゃないか、大変残念ながらそう言わざるを得ないと思います。先ほども言いましたけれども、信頼の回復ということを我々は一緒にやっていかなきゃならないと思います。業界の中でも努力している企業もあると思うんですね。だから、業界の近代化を目指している関係者の人は非常に寂しい思いをしているんではないか、そのように私考えております。
 そこで、現在及び今後の今話題となっておりますゼネコンを初め建設業界への対応、指導、こういうものにつきまして、こういう時期でありますから、くどいようでありますが、大臣の意欲ある姿勢とそして答弁をお願いして終わりたいと思います。
#247
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、今日建設業界に対する国民の厳しい批判というものはやはり我々は重く受けとめていかなければならない、このように考えております。
 特に、生活大国づくりのために建設業というものが担っていく役割、あるいは景気対策としての建設業の果たしていく役割、非常に大きいわけでございますので、そういった中で業界に対する国民の不信が今回のことで残念ながら出てきたということを重く受けとめて、今回の事件を契機にして業界の改革、刷新というものをやはり建設省として企業倫理というものを求めながら進めていかなければならないということと同時に、先ほども申し上げましたように、発注側である建設省が、そして他の省庁にも連携をとりまして、まず直轄部門がそういった疑惑を持たれるようなことが一切起こらないように、そしてさらに地方公共団体におきましても今度の問題を契機にして公共事業の発注、受注についての透明性を確保するように関係省庁、団体を通じて強力に働きかけていきたい、このように考えております。
#248
○萩野浩基君 いずれにしましても、今建設ということに関して、最終的には建設省ということになるわけですけれども、本当に国民の目がこちらに向いております。これを一つの災い転じて福となすような思い切った改革等も行っていっていただきたいと思っております。
 質問を終わります。
#249
○委員長(梶原敬義君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#250
○委員長(梶原敬義君) 次に、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中村建設大臣。
#251
○国務大臣(中村喜四郎君) ただいま議題となりました特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 豊かさとゆとりを実感できる生活大国を築いていく上で最も重要な課題の一つは、国民の住宅に対する多様なニーズに的確にこたえ、住生活の充実を図っていくことであります。
 今日まで、国民の居住水準は全体として着実に向上してきておりますが、借家世帯につきましては、大都市地域を中心にその改善はなお大きく立ちおくれております。特に、世帯人員が標準的な中堅所得者につきましては、これらの世帯が必要とする優良な賃貸住宅のストックが著しく不足している状況にあり、その改善が強く要請されているところであります。
 このような状況に対処するためには、中堅所得者向けの優良な賃貸住宅の供給が円滑に行われることが不可欠であります。このため、新たに土地の取得を必要とせずに賃貸住宅を供給することができる民間の土地所有者及び地方住宅供給公社等による優良な賃貸住宅の建設を促進するための助成措置、建設された住宅が適正かつ安定的な公的賃貸住宅として供されることを確保するための措置、入居者の居住の安定を図るための家賃の減額に対する助成措置等を講じることとし、ここに特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案として提案することといたした次第であります。
 以上がこの法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、賃貸住宅の建設及び管理をしようとする者は、賃貸住宅の供給計画を作成し、都道府県知事の認定を申請することができることとしております。都道府県知事は、供給計画が賃貸住宅の規模、構造、入居者の資格、賃貸の条件等に係る基準に適合するものであると認めるときは、認定を行うことができることとしております。
 第二に、認定を受けた供給計画に係る賃貸住宅については、その建設及び家賃の減額の措置に対して国及び地方公共団体が補助を行うことができることとしております。
 第三に、認定を受けた供給計画に従って賃貸住宅の建設及び管理が適正に行われるよう、都道府県知事が報告の徴収、改善命令、認定の取り消し等の措置を講じることができることとしております。
 第四に、地方公共団体は、中堅所得者等を対象とする優良な賃貸住宅が不足している場合においては、その建設に努めなければならないこととし、国は、地方公共団体の行う賃貸住宅の建設及び家賃の減額の措置に対して補助を行うことができることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#252
○委員長(梶原敬義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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