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1993/05/11 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第8号
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1993/05/11 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 建設委員会 第8号

#1
第126回国会 建設委員会 第8号
平成五年五月十一日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原 敬義君
    理 事
                井上 章平君
                岡部 三郎君
                種田  誠君
    委 員
                井上 吉夫君
                石井 一二君
                上野 公成君
                遠藤  要君
                鈴木 貞敏君
                吉川  博君
                会田 長栄君
                青木 薪次君
                西野 康雄君
                白浜 一良君
                中川 嘉美君
                上田耕一郎君
                萩野 浩基君
   国務大臣
       建 設 大 臣  中村喜四郎君
   政府委員
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設省建設経済  伴   襄君
       局長
       建設省住宅局長  三井 康壽君
   事務局側
       常任委員会専門  駒澤 一夫君
       員
   説明員
       大蔵省理財局国  妹尾喜三郎君
       有財産第一課長
       自治省税務局固
       定資産税課資産  宮田 勝美君
       評価室長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案の審査のため、来る五月十三日午前十時、本委員会に明治大学教授玉田弘毅君及び日本労働組合総連合会副事務局長河口博行君の両名を参考人として出席を求め、御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(梶原敬義君) 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律案を議題といたします。
 前回、本案の趣旨説明は聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○種田誠君 法案の質疑に入る前に二、三質問をさせていただきたいと思います。
 昨日の新聞を見ておりましたら、大きな記事で「建設省予算に「大臣裁量枠」」と、こういう報道がなされておりました。中を読んでみますと、これが正しい発言がどうかは別にしても、大臣裁量枠が存在する。「むやみに出せるものではないが、ある程度の裁量権はある。自分の選挙区や親しい議員のところに多少厚くといった程度だ」、こういう発言が前建設大臣の名前で報道されておる。私、極めて問題ではないだろうかなと思ったわけであります。
 マスコミの影響は、御存じのように、全国津々浦々まで行き渡るわけであります。何かやましいものがあるような印象を受けざるを得ないわけであります。もちろん建設省の官房長の方は、今日的には政策保留だけであるということをはっきりと説明されているわけでありますけれども、この記事を読む限りにおいて、これまた建設省が今日多大な期待を国民から寄せられている、そういう時期に国民に対して釈明をしなきゃならぬ、そういう事態の記事として私は受けとめたわけでありますけれども、残念でなりません。
 その意味で、もとより政策保留、特に地域振興保留などに関しては微妙な調整というのを予算執行の上でしていかなきゃならないということは当然だろうとは思いますけれども、それにもかかわらず、「自分の選挙区や親しい議員のところに多少厚く」、こういうふうなことまでになっているということになれば、いわゆる行政の裁量権の範囲を超えてしまうんじゃないか、余りにも恣意的だと受けとめられても仕方ないと思うんです。
 このことに関して、建設省の方においてはこの記事をいかように受けとめて、一体実態はどうなっておるのか、国民に釈明をしていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(中村喜四郎君) お尋ねをいただきました昨日の一部の新聞報道につきまして、大臣裁量枠があるというような発言が報道に載っておりましたが、建設省といたしましては、大臣裁量枠があるというような実態は全くございません。
 私自身も、昨日の報道で初めてそういうようなことについて知ったような状況でございまして、御承知のとおり、年度内の事業間調整とかあるいは災害、こういった問題につきましては、予期することができない問題として保留枠というものを持っておりますが、それに対しまして具体的にこの配分につきましては、地方公共団体からの要望について必要性に応じまして、緊急性、重要性というものを判断した中で配分をさせていただいているわけでございます。
 具体的に、平成五年度の政策保留額は三百九十七億円、災害・除雪等関係保留額は三百四十三億円、指導監督事務等の保留額として百六億円を保留しているわけでございますが、今答弁をさせていただきましたように、そのようなことがあってはならないことでありますし、少なくともこの問題につきましては、前建設大臣から私の方に、不適切な表現があったために建設省に大変御迷惑をかけたと、こういうようなお話もございましたので、今後ともそのような誤解を招くようなことは一切建設省としてないように、これを機会に私の時代に、将来にわたってもそういう疑惑を持たれるようなことがないようにきちんと対応していきたい、このように考えております。
#7
○種田誠君 この問題は、決して今回の報道だけの問題ではなくて、過般においても、これは別な新聞でありますけれども、「「個所付け」作業 最後の攻防」なんという記事の中にも、隠し財源の存在が疑われるんではないか、こういうような問題提起で報道もされてきたところであります。
 行政の透明性は最も重要なことであるし、特に補助金に関しては、補助金の適正化に関する法律
をつくってまでこの執行を公平、かつ恣意的に陥らないようにしているわけでありますから、ぜひとも今回のこの指摘を肝に銘じて、国民に万一にも、後ほどまた釈明をしなきゃならない、こういう事態にならないようにしていただきたいと思うわけであります。
 このことを前に置きまして、具体的に住宅関係の質疑に入らせていただきたいと思います。
 これまた新聞の報道の中で知ったことでありますけれども、四月の二十八日に建設省の方で昨年度の住宅着工の戸数を発表いたしました。その発表の中で、平成三年度落ち込んでいたものがやっと百四十二万戸台に住宅着工件数が回復したということでありますけれども、どうもこの発表を聞いておりますと、よかったよかったと言って手をたたいていられるだけではないだろう。
 住宅建設ということが特に不況対策、経済効果に関しては、言われるところによりますと、住宅を十万戸つくると大体二・四倍ぐらいの波及効果が生まれると、こういうふうなことも言われておるわけでありますから、住宅の着工戸数が回復する、伸びるということは、住宅のニーズにこたえるという意味からも重要であると同時に、経済効果があるということからいえば、今日まさに重要な役割を果たすわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、何か報道だけを見ておりますと、そこで問題がある、今後にむしろ問題を残しておる、こういうふうな印象を受けたんですが、これはどういうことでしょうか。
#8
○政府委員(三井康壽君) 今、種田委員が御指摘のとおり、住宅の着工はおかげさまで御支援をいただきまして百四十二万戸、対前年比丘・七%増というふうになりまして、住宅の投資としましては回復をしてきつつある、こういうふうに見ているわけでございます。また、戸数ばかりではいかがという御議論もございますので、床面積がどのくらい増加したかと申し上げますと、これも対前年で約五%、四・七%増でございましたので、投資額としましても、全体として回復してきているんじゃないか、こういうふうに言えるわけでございます。ただし、御指摘の御懸念の点は、一戸当たりの床面積が対前年で、わずかではございますけれども〇・八平方メートル減と相なったわけでございます。戸数はふえ、トータルの床面積はふえているけれども、二戸当たりが減っているんじゃないか、こういう御指摘でございます。
 これは中を分析して申し上げますと、持ち家と貸し家と――持ち家というのは戸建て住宅でございます、建てかえを中心にいたしまして、それから貸し家と、それから戸建であるいはマンションの分譲と三つに分けて申し上げますと、持ち家の方は戸数が余りシェアが変わらなかったわけでございますけれども、貸し家のシェアが五%ふえまして、一方分譲住宅、これは地価を反映しましてやや不振だったものでございますので、このシェアが五%減りました。ところが、その貸し家の方は一戸当たりの平均が四十七、八平米でございますけれども、分譲住宅の方は九十平米ぐらいなものでございますので、面積が小さいものがふえて面積の大きいものが減ってしまった、こういう関係でトータルで見ますと、残念ながら三角が立ってしまったということでございます。しかし、持ち家も貸し家も分譲も対前年で見ますといずれも若干ではございますがふえているわけでございますので、私どもといたしましては、全体として三角になったのは残念でございますけれども、持ち家、貸し家、分譲、それぞれ対前年で見ますと伸び率はプラスになっているということを考えますと、まあまあかなというふうに思っているところでございます。
#9
○種田誠君 今、局長の方から指摘になっている問題などを背景として、今回の法案はまさにそれらの問題にプラスの形から大きな寄与ができるんじゃないかな、こうも思うわけであります。いずれにしろ、先ほど述べましたように、住宅の着工戸数というものが経済に与える効果は大きなものですから、一層この点についても尽力をお願いする次第であります。
 と同時に、やはりそろそろ真剣に考えなきゃならないのは、住宅やこれに関する住環境などを含めた社会資本の整備、こういうことに関して財源というのは今日の状態のままでよかったんだろうか、この辺の問題もそろそろ私は考える時期だろうと思うんです。というのも、今回審議されております特定優良賃貸住宅にも見られるように、家賃補助、こういうふうな制度も必要になってくる。高齢化社会さらには福祉社会、こういうものがますます今日国民のニーズとして高まっているわけでありますから、どうしても今までのような視点での財源の確保のあり方ということだけでは十分な対策がとれないんじゃないかな、こうも思うわけであります。
 そういう意味で、私はこれからの住宅並びにこれにまつわる社会資本の整備のためにはもう少し税制をしっかりと整理すべきじゃないかな、こう思います。今もちろん地価税、土地保有税、固定資産税、そういう形で開発利益との関係でかかわる税というものがあるわけでありますけれども、やはり住環境が整っていく、社会資本が整備されていく、そうすれば当然土地はもとより全体のレベルが上がるわけでありますから、そういうことに関して公平な負担というものをもう一度、豊かな生活、快適な生活、そういうことをする上では一定の負担というものは伴うものである、こういう形でこれを全国的に平均化していくという意味では国税などももう少し土地にまつわる税制を整理して、そういう中から住宅やこれにまつわる社会資本の整備というのに対しての建設省独自の財源などをつくっていく、こういう視点でこれから行政の流れというのは生まれてくるんじゃないかなと思うわけであります。
 例えば、かつて議論されたように消費税の福祉目的税、こういうふうな議論もまた今日芽生えておりますし、重要な課題として提起もされているわけでありますから、そういう意味で今後の建設省における住宅や住環境整備、さらにはそれにまつわる社会資本整備のために、政策的に地方単独事業とのドッキングとか幹線道路と地域道路のドッキングによって財政配分を考えていくということもこれも重要ですけれども、それ以上に今申し上げたような視点で建設省が何か取り組んでいこう、こういう考えがあるのかどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#10
○政府委員(三井康壽君) まず、事実関係だけちょっと申し上げさせていただきたいわけでございますけれども、住宅対策の予算がどういうふうになっているか、あるいは減税額がどういうふうになっているか昭和六十一年とそれから一九九二年の比較をさせていただきますと、昭和六十一年は予算自体は一般会計に占める割合、住宅対策費が一九八六年は七千五百六十七億で一・四%でございます。一九九二年には九千三百三十億で、これは一・三%に下がっているわけでございますが、ただこれは国債の償還費がふえた関係で減った分もございまして、これは国債償還費を除いて計算しますと、二・三%から二・四%に若干ではございますけれども住宅対策費がシェアは上がっている、これが一つでございます。
 それから、住宅減税は昭和六十一年から相当拡充をさせていただきまして、当時が一千百五十億でございまして、住宅関係の減免税額の割合が〇・三%であったわけでございますけれども、一九九二年には四千八百六十億になりまして〇・八%と、かなり税は使わせていただいている、こういった状況にあるわけでございます。
 したがいまして、特定の財源というのを住宅対策は持っているわけではございませんので、一般的に財源をどうするこうするという御議論につきましては完全に私どももきちっとした議論を持っているわけではございません。しかし、限られた財源をなるべく住宅対策に使わせていただくように新しいアイデアも出すし、税制についての制度改善等を提案させていただきまして住宅対策を充実していこうというのが今までの考えでございました。
 ただいまは、さらにもっと頭を切りかえて何か
考えを出していったらどうかと、こういう御議論でございます。一般的に特定財源化するというのは非常に政府の中でも大変でございますし、国会での御議論もなかなか難しいようなところもあるんじゃないかと思うわけでございますが、例えば地価税などができました際には住宅土地対策に使う、これは特定ではございませんけれども、そういった地価税の税収を住宅対策に回していく、こういったような政府の中での議論はあるわけでございますし、そういったことを含めながら、私どもも住宅対策が充実できるような税制あるいは財政につきましての提案を引き続き検討し提案させていただきたいと考えております。
#11
○種田誠君 この財源の問題をしっかりこれからつくっていかないと、ますます住宅というものに関してのいわゆる行政の支援体制というものが求められてくる、こういう一面がどうしても生まれてくるわけであります。特に高齢化社会、ノーマライゼーションの社会という視点から。
 ですから、率直に言いまして、ぜひ少し今までとは違った視点も加味して建設省の方でその辺路線をつくっていただければ、我々も大蔵省なり他の省庁の方にその趣旨を強く求めていくということに関しては全面的にこれは支援をしていきたい、こう思いますから、まず建設省の方でその辺の青写真というか、一つの流れというか、大きな一つのこれからの財源という問題を出していただきたい、そう思うわけであります。そういうことの背景の上にこの優良賃貸住宅などを位置づけますと、このことが多くの国民のニーズにこたえられる法案に育っていくんじゃないかな、こう思うわけであります。
 率直に言って、首都圏だけで今民間借家に住んでいる方が三百四十万人おるそうです。大体三三%ぐらいの方がそれに該当するそうです。それに対して今回のこの法案が予定しているのは、当面、ことしは二万戸であって、期待されるものに対してこたえられるものはほんの一部ということなものですから、そういう意味で私は、お金はかかるけれどもやっぱりやらなきゃいけないというのならば、ぜひとも財源の問題も検討していただきたいと思うわけであります。
 そこで、この法案は、まさにこれまでの日本の住宅政策の中でどうしても公的な支援が持ち家さらには社宅、公営、公団というものにウエートが置かれてきたものが、民間借家という点に少し住宅政策の転換という形であらわれてきたのがこの法案じゃないかなと思います。ということは、一面、民間借家に住んでいる方にとってみれば待ちに待った法案でもあるわけであります。そういう意味で私もこの法案に関しては全面的に賛成するどころか、賛成以上に拡充をお願いしたいと思うわけであります。
 そういう視点で、簡単で結構ですけれども、この法案を今日提出するに至った動機、さらにはこの法案の目指すもの、そしてそのためにどのようなことをやろうとするのか、これをまず簡単にちょっと御説明願いたいと思います。
#12
○政府委員(三井康壽君) まず、今回の法案を提出させていただきました理由は、いわゆる居住水準の向上対策でございます。これは二〇〇〇年に百平米にしたい。持ち家につきましては順調に推移していると見ているわけでございますけれども、借家がどうしてもなかなかテークオフしないということでございます。この二十年間の統計で見ましても、持ち家は約二十平米、十九・四平米ふえたわけでございますけれども、借家はわずか四・二平米しかふえていない。したがって、どうしても借家対策が居住水準向上対策としては無視できない、こういう時期に至っているという認識が第一点でございます。それから、いい住宅にお入りいただく際に適正なる家賃でお入りいただかなければいかぬ、そのための助成措置というのは現在ある制度よりも厚くしなければならない、これが今回提案をさせていただきました基本的な一番の理由でございます。
 したがいまして、今回は、一つは規模に制限を置きまして五十平米から百二十五平米、これは普通の共同建てでございます。それから助成につきましては、公庫融資を主体にいたしまして基準金利でお貸しをして、地方公共団体も利子補給をする。それから共同施設につきましては、地方と国と合わせまして三分の二を補助する。そして家賃補助を、住宅の立地規模等によって差が出るわけでございますけれども、市場家賃と入居者負担額の適正なところまでの差を最高二十年間で埋めていく。こういったことを御提案させていただきまして、適正なる家賃で良質な賃貸住宅にサラリーマンの方、特に三人から五人世帯の方々に入っていただきたい、これが本法案のねらいでございます。
#13
○種田誠君 ねらいを達成するに当たっての特徴ある手法を続けて述べてください。
#14
○政府委員(三井康壽君) 今回は、まず民間の地主の方々に建てていただくという前提でございますので、適正なる規模でつくっていただく、それから適正な管理をしていただこうというわけでございますので、まず供給計画というのを立てていただきます。供給計画は、住宅の規模、立地、設備、家賃の決め方、入居者の決め方、管理の仕方、こういったことを都道府県知事へ出していただきまして、都道府県知事にその建てられる住宅が適切なものであるか審査をしていただく、また家賃も市場家賃であるかどうかを審査していただく、そして入居者の収入に応じまして入居者負担額というものを決めさせていただく。そういったことを供給計画でつくって知事が認定をいたしますと、それに従って先ほど申し上げました助成措置を受けて事業主体が建てていただいて、そこに公募方式によりましてサラリーマンの方々が入居できるようにする、こういった仕組みでございます。
#15
○種田誠君 今の局長の説明を伺っていまして、本当に一つ一つなるほどな、もっともだと、こう合点がいくわけであります。私自信、今、党内で住宅基本法をまとめ上げようとして、公明党さんや民社党さんや連合さんや何人かの議員の皆さんと議論をしているわけでありますけれども、その議論の中でも実は今回審議されている法案の中に含まれている物の見方、考え方がむしろ極めて参考になっている、そういう思いで今議論などをしているわけであります。
 今、局長が言われたように居住水準、特に民間借家は国際的に見ても甚だ立ちおくれているなと言わざるを得ないわけですね。戦後の住宅政策の中で、先ほどお話があったように持ち家、これはまさに日本はもうイギリスやフランス、旧西ドイツを凌駕して、アメリカまではいかないけれども、かなりの床面積を確保することができた。それに対して、とりわけ民間借家を比較した場合にアメリカの半分以下。これはまあアメリカは別にしても、イギリス、フランス、西ドイツに比べても六割程度。この立ちおくれというのはやはり民間借家に対する公的な支援が欠けていたということにあると思うんです。というのは、民間借家はもちろん地主さんの個人の自由な意思判断に基づいてつくられるわけでありますけれども、それにしても、これまた過去の推移などを見ますと、民間でも公的資金の支援を得ている借家の居住水準はかなりいいわけですね、普通の民間借家から比べれば。
 ということは、過去のこういう居住水準の流れというのを見れば、やはり民間借家に対してこれからどのような形で公的資金を投入していくか、このことは重要な課題だろうと思うんです。その一つの試みというか、一つのモデルケースとして今回の特定優良賃貸住宅などが私はあるんではないだろうかなとも思うわけでありますけれども、居住水準を高めるのには、日本では最大のポイントは民間借家の居住水準をどうするかということに尽きると言ってもあながち不当ではないだろうと思うんです。
 これはもう局長も建設省の皆さんも御存じのように、欧米において家賃補助がさまざまな仕組みでなされておる。決してどこかの国がやっていることが絶対正しいというふうには私も思いません
けれども、さまざまな仕組みと努力と試行錯誤の中で、特にヨーロッパの国々においては家賃補助というのをかなり前から行ってきている。このことが民間借家のヨーロッパにおける高い位置づけというのを得ているんじゃないかなと私は思うんです。
 聞くところによると、日本の民間の地主さんも、これは自分の立場で考えれば、なるべく狭いところで、しかも効率よく、しかも単身者に貸していった方が利益率はいい、こういう考えに陥ってしまうのは私は当然だろうと思うんです。そのことを、やはり、そうではないんだ、これからの住宅というのは住みかえも必要だし、一生涯借家に住んでいても快適な住生活が送れるんだとか、そういうふうな新しい住居に対する理念や哲学をつくっていこうとするなら、ぜひこの民間借家に対する公的補助のあり方というのを検討しなきゃならないと思うんですけれども、局長において何かこれらに関して考え方がございましたら提示をしていただければと思います。
#16
○政府委員(三井康壽君) 先ほど財源対策でもちょっとお触れになった点に関係するわけでございますが、住宅対策費というのはある一定の、全体の予算の中で枠といいますかおおむねの予算というのは見通せるわけでございますけれども、その中でいかにそれを効率的に住宅対策として特に居住水準なら居住水準の向上をやっていくかということを考えますと、民間借家に対する対策としましては、従来は農住でございますとか特賞でございますとか公庫の土賃でございますとか、ちょっと専門的な言い方で恐縮でございますが、そういった割と薄目の賃貸住宅政策を助成としては行ってきたわけでございますが、しかしなかなか量的にははかばかしくいかない。したがって、居住水準向上も大して借家はうまくいかない、こういうことでございますので、一般的な公的助成の手つかずの状態の中に今回多少足を突っ込むということになるわけでございます。
 そうしますと、助成幅が厚ければ厚いほど家賃が安くなるわけでございますけれども、しかし居住水準の向上というのをなるべく早く実現しようと思いますとなるべく効率的なお金の使い方をしなければいかぬというふうなことも考えなければいかぬ。したがいまして、居住水準の向上ということは新たな建築をする、建てかえをする、その際に賃貸住宅の規模が適正に向上していく、そういったことを一つのきっかけにしまして助成をするというのが現在私どものとり得る最良の方法ではないか。したがいまして、建てかえをし居住水準が向上することが明らかなものにつきまして家賃対策補助ですとか、あるいは今回予算でお願いをいたしました共同施設に対する直接補助ですとか、そういった形でやっていくのがいいかなというふうに思っているわけでございます。
#17
○種田誠君 私も、その見解もある程度やはり慎重に社会の反応を見ながらやっていかなきゃならないことはよくわかるし、その難しさもわかるんです。
 それで、今ここで思いついたことですけれども、新規住宅を民間がつくっていく、そういう場面に対して、いわゆる公的な家賃補助ばかりでなくて、住宅金融公庫の融資なども含めまして公的補助というものをこれからもう少し枠を拡大したり、優良な住宅をつくっていくような場合には何らかの支援策を家賃補助も含めて考えていくと同時に、もう古くなってしまった住宅、どうしてもそういうところに高齢者の方や障害者の方が多数住まわれているという現状もありますから、そういう場面に関しては逆にもう少しきめ細かく手の届くような自治体の方から福祉住宅もしくは高齢者住宅、そういう視点の意味合いで公的な補助をする。この公的な補助というのは二つの違いがあるんですね、哲学の。片方は住生活の向上、いわゆる住環境の改善、こういう意味での新しい支援策。片方はむしろ社会福祉的な視点に立った支援策、こういう社会福祉の支援ですから、これはむしろ自治体を中心にきめ細かくやっていただく。こういう形で住宅政策における公的補助の仕方というものを整理していく、こういうことはどうでしょうか。
#18
○政府委員(三井康壽君) 私の説明がちょっと足りませんで、賃貸住宅全体の居住水準向上ということだけでしか申し上げなかったので恐縮でございますけれども、確かに高齢者の方でございますとか障害者の方、こういった方々の入居をどうするか、家賃をどうするかという問題は別の問題として大きな問題があるわけでございます。
 住宅建設五カ年計画が今六期でございますけれども、柱を四つ持っております。一つは、今ずっと申し上げておりました居住水準の向上対策でございますが、四つ目の一つには障害者対策を含めました高齢者対策というものがあるわけでございます。したがいまして、例えば建てかえの際に、これは公営住宅、公団住宅でやらせていただいているわけでございますけれども、家賃の激変緩和措置という形で実質上家賃を減額していくという方法もとっておりますし、また入居に当たりましても高齢者の方、障害者の方を多少優遇といいますか倍率優遇でございますが、優先入居的な扱いをする。それは確かにおっしゃるとおり、家賃の面からいいましても高齢者あるいは障害者につきましては別途の側面で考えていかなければならないというのは御指摘のとおりでございまして、先ほどの御答弁でちょっと私落としましたのをお許しいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(中村喜四郎君) 種田先生からお話をいただきました住宅対策の中で御指摘をいただきましたように、持ち家が欧米の国々に比べてかなり高い水準まで確保できた、そして公団、公営、こういった賃貸住宅もそれなりの充実ができている。しかし、民間の賃貸住宅が非常に立ちおくれた中で、今回の法案は一つの新しい方向を見つけ出すためのきっかけになるのではないか、この御指摘をいただきました。しかし、それがただ単に居住水準を向上させるということだけにとどまるのではなく、これからの時代の賃貸住宅のあるべき姿のさらにもっとレベルの高いところにきめの細かい福祉というものも兼ねたものを考えていくということがあってもいいのではないか、こういう御指摘でございます。
 私は、段階を一つ一つ経てきていると思っておりますので、これから本当に民間の賃貸住宅をどう充実させるかということは非常に大切なことだと思っております。今回二万戸を募集させていただいておりますので、このことがどういう成果を得るかというのをよく見きわめまして、私自身ではかなりの好評を受けられるのではないかと思っております。その上で先生御指摘いただきましたように、さらに地域の実情に合った、福祉というものも兼ねたものも含めまして、公共団体と連携を取りながらきめの細かい賃貸住宅というものを考えていくということは非常に前向きに検討しなければならないことであろう、このように受けとめさせていただいております。
#20
○種田誠君 大臣にそう言われてしまいますと、もうこれ以上質問をする意味合いがなくなっちゃうんですけれども。
 あと大臣に答えてもらいたいのは、そうであるならば、私もこの法案が成立した暁には可能な限りこれ宣伝に努めまして、二万戸で追いつかないというような状態をつくるために努力をしてみたいなとも思いますし、そうなったときにはぜひ来年度予算で、二万戸じゃなくて、先ほど言ったように首都圏だけで民間住宅、今きゅうきゅうとしている、三百四十万戸あるわけです。と同時に、今東京都の住宅が大体三DKで首都圏はもう十九万五千円ぐらいになっているんです。十九万五千円で三DKの家賃に住んでいくには、前にも言ったことがありますけれども、建設省の課長さんだってなかなか十九万円の家賃を払うのは大変だと思いますよ。とするならば、建設省の課長さんが住めないなら大半の人はもう住めないということなんです。ですから、そういう状況で例えばこの中で家賃補助みたいなものが、公的補助が民間住宅にできていった場合には、やはりもう建設省の皆さんも含めてこれはほっとして住宅の住みか
えとか新しい発想が出てくると思いますので、ぜひこの点は大臣、むしろ決意を述べてください。
#21
○国務大臣(中村喜四郎君) 先生から御指摘をいただきましたことも含めまして、私自身も日ごろ考えていることでありますが、公団とか公営住宅、こういったところと民間住宅に住まれている方の格差というものもあると思いますので、そういったものを今回の政策によって埋めていくことによって借家住まいの方々の置かれている状況というものをある程度バランスをとっていくという意味もあろうと思いますので、数も含めましてこれがさらに充実強化でき、そして中身の中でもきめの細かい政策としてこの賃貸住宅が定着てきますように、大いに建設省挙げて取り組んでいきたい、このように考えております。
#22
○種田誠君 こういう民間の住宅に関する公的な支援というものをさらにこれから積み重ねて日本の全体の住生活をレベルアップする、これは重要なことです。と同時に、やはり本来住宅というのはこういう形であるべきではないだろうかという新しい住宅というものを国民に示していくことも必要だろうと思うんです。
 今日、地球の環境問題、さらにはお互いに生きるノーマライゼーションの社会、こういうようなことが言われているそういう中で、今年の平成五年度の予算書などを見せていただきましたら、環境共生住宅、これは前から私はこういうものが必要なんじゃないかというようなことを述べてきたわけでありますけれども、環境共生住宅、これをしっかりやってみたい、モデル地区的でもいいから国民に示してみたい、こういう意向で今回予算が組まれているんだろうと思いますが、簡単にちょっと御説明を願いたいと思います。
#23
○政府委員(三井康壽君) 環境共生住宅モデル事業というのを今年度モデル団地五地区を選ばせていただいて、予算は五億ぐらいでやらせていただきたいと思っております。考え方のいわゆるコンセプトでございますけれども、例えば太陽エネルギーを住宅の中で使うとか、あるいは降ってきた水をずっと道路の側溝へ流してしまうのではなくて地表に浸透させるとか、あるいは電力をうまくコジェネレーションして下水を中で中水道に処理するとか、そういったことをなるべく地区環境のことも考えて環境と住宅をうまくマッチさせる、そういったいろんな提案をしていただきながらモデル事業をやろうというのが環境共生住宅のコンセプトでございます。
 したがいまして、それは木造の場合もございますし、鉄筋の場合もございますし、団地計画でやる場合もありますし、あるいは中高層の建物だけやる場合といろいろあると思うんですけれども、そういった提案をいただきながらそういったものをつくっていこうというのが今回の環境共生モデル事業を予算化させていただきました考え方でございます。
 なお、これはモデルでございまして、いろんなタイプを提案していただきまして、それを今年度選ばせていただいて、試行錯誤でやっていきたい、こういう考えでございます。
#24
○種田誠君 局長も、この環境共生住宅の先進国がドイツであって、そのドイツの中でもハンブルク、この町がもう何年も前からこれを実行している、こういうことは御存じだと思うんですが、局長は見てきたことがありますか。
#25
○政府委員(三井康壽君) 残念ながら、申しわけございません。ただ、文献でいろいろ拝見をしておりまして、大変ここは緑の豊かな町で、市の面積の三割が公園であるとか、それから再開発の際に非常に緑化だとか透水性の舗装をやりながら町を改造して住宅地をつくっているとか、そういうお話でございます。
 ちょっとこんなところで申し上げるのはいけないかもしれませんけれども、例えば先生の御地元の水戸でいいますと、ハンブルクにありますような、千波湖というようなのがあります。今非常に浄化対策できれいになっておりますし、また周辺の住宅地も環境共生住宅として今回モデル住宅に手を挙げているとか、そういったこともございまして、私自身は見たことないわけでございますけれども、諸外国の例を見ながら我が国の町も環境と共生じ、美しい住宅地をつくっていきたいというのが我々の念願でございます。
#26
○種田誠君 それは局長、文献で見るなら私も文献でも見ているが、私はでも岡部先生なんかと一緒にハンブルクに行ってそういうのを見てきているんです。実際新しいこういう計画をやろうとするならばこれは惜しまないで、ちょっと忙しいかもわかりませんが、もう先駆的にそういうことをやっているんですから、いいことも悪いこともデータもあるんですから、そういうのをいち早く取得して、それを日本の国民に示していく、こういうのはやっぱり行政の任務だと思うんですね。
 ですから、局長、課長さんでもいいですけれども、早速にドイツに行って調査でもしてきて、この委員会にその調査結果をちゃんと報告する。大臣、どうですか。行かせてやってくれませんか。
#27
○国務大臣(中村喜四郎君) この質問が出るということで、だれか行ったことがあるかという話をしましたら、だれも行ったことがないということですので、私も含めまして担当局長もできるだけ早い機会に一度訪れて、そういう実態も勉強してみよう、こういう話も午前中してまいりましたので、十分前向きに検討させていただきたいと思います。
#28
○種田誠君 ぜひ、今国会中は忙しいと思いますから、今国会が終わったら大臣の今の言葉を必ず実行する、そして次の国会には建設省の方から報告をいただけると、そのことを期待いたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
#29
○会田長栄君 会田であります。どうぞよろしくお願いいたします。
 勤労者が住宅を建築するのに、働き盛りに土地を購入して、今度は家を建てて、長期ローンで借金を払い、定年を迎え、そして子供にその借財を残すなどという国は、余り私は経済大国だとは言われないんじゃないかという気持ちを持っているんです。
 そういう意味では、本法案についてはまことに良質な賃貸住宅というものの供給の促進を図るという点では大いに私は歓迎もいたしますし、賛成するという立場でありまして、以下若干自分の意見を含めながら幾つかの点でお伺いをしていきたい、こう思っております。
 まず、我が国は、戦後、世界でも有数な経済大国となりました。我が国のGNPは昭和三十年においては約九兆円であったものが、政府の見通しによる本年度のGNPは約六十倍の約四百九十五兆円にも達する状況にあります。経済の規模では世界第二位となっています。家電製品の開発、品質の改良、自動車の普及等により国民の消費生活も本当に表面的には豊かになってまいりました。これは我が国の工業製品の技術力の高さ、このものが世界に今誇っていると、こう考えているわけであります。しかし、一歩振り返って国民生活の面では、労働時間が約二千時間を超え、欧米諸国と比較して長く、また住宅や公園、下水道など生活に関連する身近な社会資本の整備が著しく立ちおくれているという現状にあるんではないか、こう思っています。
 そういう意味で、経済大国、経済的な豊かさというものが表面にありながら、国民一人一人にとってみたらその豊かさをなかなか実感できないのが今日の状況ではないだろうか、こう考えているわけであります。
 とりわけ、政府が昨年、生活大国五カ年計画というものを発表しました。この五カ年計画をよく読んでみますと、国民が豊かな生活を送ることを基本目標として、そのために労働時間の短縮や社会資本の整備、環境問題の解決といった諸施策というものがこの中に盛り込まれているわけであります。当然、政府も国民の生活の質の向上に着目して政策を講じようとしているわけでありますが、私は、特に重要であるのは、国民の生活基盤である住宅問題に焦点を当てていかなければいけないんじゃないか、こう思っているところであります。
 その意味では、こういう立派な待望久しい法案が提案されたわけでありますから、この点について、一日も早く成立をさせて、本当に勤労者のニーズにこたえていかなければいけないんじゃないかなとつくづく感じているところであります。
 しかし、この質の問題ということになりますと、まず第一にお伺いしたいのは、我が国の居住水準というものを建設省はどのように一体認識されているのか、まずその点をお伺いしたい、こう思っております。
#30
○政府委員(三井康壽君) まず、日本の住宅の水準につきまして御報告をさせていただきたいわけでございますけれども、昭和四十八年にいわゆる住宅の量的な不足が解消いたしまして、一世帯一住宅が実現いたしまして、その後は質の向上ということをやっているわけでございます。
 昭和四十三年からの統計を五年ごとにとっているわけでございますけれども、持ち家でそのとき九十七平米、借家で三十八平米、全体で七十三・九平米であったわけでございますけれども、二十年間で持ち家は百十六・八平米、借家は四十四・三平米、全体で八十九・三平米と、着実に規模が向上いたしまして、質的な向上は図られてきているというのが今までの状況でございます。
 しかし、それがどういうふうなことを経済大国であると言われている日本が諸外国との関係で言えるかといいますと、八十九・三平米という一戸当たりの床面積は、ヨーロッパ諸国よりもやや劣る、それからアメリカには相当劣る、こういうことでございます。したがいまして、二〇〇〇年に今申し上げました八十九・三平米を百平米に全体として引き上げていこう。そういたしますと、ヨーロッパの現在の水準をやや上回るというところに持っていけるんじゃないか。そういった長期の目標で居住水準向上対策をやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、ただいまのは一戸当たりの面積を申し上げたわけでございますけれども、別途、最低居住水準というメルクマール、基準を持っているわけでございます。この最低居住水準は持ち家と借家とは非常に大きく違いまして、借家の方が最低居住水準の未満率というのは高いわけでございます。そういったことを兼ね合わせまして、特に借家の居住水準を引き上げていくということが二〇〇〇年の百平米対策に今後非常に重要になっていくというふうに考えているところでございます。
#31
○会田長栄君 今の答弁と関連してお聞きするわけですが、建設省が説明している中で、住宅一戸当たりの平均床面積というのは、昭和四十三年、全国的に見て七十三・九平米、昭和六十三年、二十年過ぎて八十九・三平米という資料を提起していますね。要するに二十年かかって十五・四平米伸びている。しかし、この伸びている部分というのは、実際は本当に住宅問題で大変居住困難な地域の大都市周辺で伸びているのか、それとも地方で伸びているのかというのが非常に今度は問われる問題になりますね。
 この約十五・四平米、床面積が平均的に伸びたというのは、私は地方の伸びだと見ているんです。そういう意味では、意外と首都圏を初めとした大都市地域でこういう伸びが私はないものと見ています。これはかねて外国から、日本の労働時間の問題、労働環境の問題等を含めて、住宅をウサギ小屋という言葉が発せられてから久しい。しかし、依然として大都市中心として、この変化というのは私は余り大きく変わっていないのではないか、こう思うわけであります。例えば私の福島県でいうと相当伸びています。しかし、東京あるいは大都市地域で実は伸びていない要因というものが出てきているんだろうと思うわけであります。
 その次に、意外ともう一つ特徴的なのは、東京というのは住宅が足りないのかというと、そうでもない。住宅のストックというものは意外と多い。なぜ入らないんだろうかということになりますと、先ほどから議論されているとおり、家賃が余りにも高過ぎる。ここに焦点が絞られてきているんだろうと思います。要するに、住宅のストックが大量にあっても、そこに住む人の家賃の問題とかかわってなかなか改善されないということと相まって出てきているんだろうと思いますから、二番目の質問としてお伺いしたいのは、大都市圏の居住水準が一体どのようになっているかということを率直に聞かせてください。
#32
○政府委員(三井康壽君) まず、今全国で十五・四三平米二十年間でふえたと先生おっしゃいました。三大圏とその他の地域ではどうかというのを御報告させていただきたいわけでございますけれども、三大都市圏―首都圏、近畿圏、中部圏合わせますと十五・二五平米というふえ方でございます。ですから、思ったよりも引っ込んでないかなという感じでございます。その他の地域、首都圏以外でございますけれども、これは十七・九二平米ふえております。特に、先生の御地元の福島県を申し上げさせていただきますと、二十一・八六平米でございますから、特に福島はこの二十年間で全国平均よりもかなりふえている、こういう結果であろうかと思います。ただ、その三大都市圏で意外と全国平均値よりも差がないのは、三大圏はもともとの数字が低いわけでございまして、伸びている絶対数は意外とそう落ち込んでない。
 ところで、今御質問の最低居住水準で申しますと、これは非常にその差がございまして、三大圏でもともとの規模が小さかったということもございますが、全国で最低居住水準未満世帯率は九・五%でございますが、三大圏は一二・八%、その他の地域は六・三%でございますから、倍ぐらいの差がある。ですから、三大都市圏の居住水準の未満率は非常に高い、こういうふうに言えようかと思います。
#33
○会田長栄君 非常に今の答弁の中でも明らかなとおり、居住水準の改善というのは、首都圏を含めて三大都市を中心といたしまして大きく立ちおくれていることだけは事実です。なぜこのように大きく立ちおくれてきたのか、ここをやっぱり詰めていかなきゃいけないと私は思っているんです。これは後ほど関連してお聞きします。
 三番目にお聞きしたいのは、それではこの公営住宅等のストックの質、これは一体どういう特徴になっているか聞かせてください。
#34
○政府委員(三井康壽君) 民間との比較もございますので、ちょっと古い六十三年の統計調査で報告をさせていただきます。
 公営住宅につきましては、二戸当たりの平均床面積は四十七平米でございます。それから、公団住宅と公社住宅でございますけれども、公社住宅がやや低いので全体として低くなりますけれども、四十四・八平米。それから民営のものをちょっと申し上げさせていただきますと、四十一・七七平米、こういったストックの状況でございます。
#35
○会田長栄君 今答弁のありましたとおり、公営住宅等の公共賃貸住宅の居住水準というのが大きく立ちおくれていることは事実であります。その改善を図るというのはやはり政府主導、これが今まで弱かった、いわゆる民間に依拠した部分が余りにも大きかった、こう私は見ているんです。
 その意味じゃ、三大都市を中心として、今日の民間賃貸住宅のような非常に床面積の低い、最低基準に近いような建物だけをつくっていくとすれば、ストックというのはますます拡大するであろう。そのことによってどういう現象が出てくるかといえば、当然勤労者が自分の所得に応じた土地を買う、その場所は遠距離である、したがって三大都市に遠距離通勤という、地獄通勤という、こういうめでたくない話が実は聞こえてくるわけでありますから、どうしてもやっぱり公営住宅等の賃貸住宅を含めて、いわゆる建設省が先導的に居住改善のための取り組みをしていく必要が今日特に強いんではないかと思う視点に立ってその次に実は聞きたいわけです。
 一体建設省は、公営住宅等の公共賃貸住宅の質の改善についてどのような目標を持って今後取り組んでいくのかということについての所見を承っておきたい。
#36
○政府委員(三井康壽君) 私どもが先ほど来の御
答弁で申し上げておりますように、昭和五十年代から居住水準の向上、住宅の質の向上、規模の向上というものに取り組んできているわけでございます。したがいまして、今御説明申し上げましたストックとしては、公営住宅も四十五平米、公団住宅は四十八平米と、こういったストックが非常に悪いわけでございますけれども、フローとして見ますと、新規の建設につきましては年々予算上の規模をふやさせていただきまして、現在は七十九平米まで引き上げさせていただいているところでございます。公団についても同じでございまして、平成三年度に供給されたものでございますけれども、公営住宅の一月当たりの平均床面積は全国平均で七十一・八平米まで引き上がってまいりました。また、公団住宅につきましても六十八平米となっており、このように新しく建てるものにつきましては年々歳々の予算の努力によりまして規模を大きくしてきたところでございます。しかし、民営借家につきましては平成三年度に建ちましたものは四十三・三平米、公共賃貸に比べましてかなり劣ったものしか建ってないと、こういう状況にあるわけでございます。
 公共賃貸住宅につきましては、第六期住宅建設五カ年計画におきましても、年々大体二・五平米とか二・七平米ずつぐらいふやしていこう、予算上そういった措置を講ずることとしておりまして、公共賃貸住宅の着実なる新規建設におきます規模増を図っていくという考えに立っているわけでございます。
 今回は、民営借家につきましてはこういった法案をお願い申し上げまして、新規建設の規模が大きくなるように措置をしていきたいと思っているところでございます。
#37
○会田長栄君 要するに、政府は居住水準の目標を示し、民間もこの国の示した目標に向かって改善努力をされている。
 そのときに、ちょっと一歩外れて悪いんですけれども、大蔵省来ておりますね。こういう大きな仕事を進めている実は公務員住宅というのは一体どうなっているんですか。一生懸命皆さんがこれからの国民の居住水準というのを高めるためにいろんな改善努力をしている、目標も示している。一歩振り返って自分の住んでいる公務員住宅、これは大蔵省管轄だそうでありますけれども、一体どのようなところに縮こめておくのか。それを率直に聞かせてください。
 なぜ私がこのことをお聞きするかというと、やはり住宅の質の問題というのは国がリードしない限りなかなか思うに任せないという状況にあるというのであれば、これは国が目標を示して改善率を高めるということでございますから、当然みずから住んでいるところが二十年前、三十年前と同じですなんというのではどうにもならないからこれをお聞きするわけですが、どういう現況になっていますか。
#38
○説明員(妹尾喜三郎君) 公務員住宅の現状でございますが、一番新しいストックとしての数字は昨年の九月の数字でございますが、それによりますと、独身用とか単身用を除きました世帯用の宿舎、全国で二十七万戸ございますが、その一戸当たりの平均面積は約五十三平米でございます。
 それから、現在公務員宿舎につきましては、居住面積の拡大ということを含めまして、公務員宿舎の質的な改善ということを図る観点から、老朽とか狭隘の宿舎、こういうものの建てかえを中心に鋭意現在公務員宿舎の整備を進めでございます。
 それで、一番直近の状況を申し上げますと、一戸当たりの平均面積、これを平成五年度の着工分で申し上げますと、約六十六平米ということで現在つくっておるところでございます。
#39
○会田長栄君 それじゃ、今の答弁と関連をしてお聞きします。一戸当たり床面積の五十三平米ね、最高はどういう水準になっていますか。最高、最低を教えてください。公務員が住んでいる住宅で最も広い部屋、それは首相とか大臣は除きだよ、特別は外して。
#40
○説明員(妹尾喜三郎君) 公務員宿舎、これは世帯型につきましては規格がございまして、一番大きな宿舎の規格でございますいわゆるe型というものにつきましてのそのストックの平均面積は百二十九平米でございます。それから、世帯用としまして一番小さいいわゆるb型といいますものの規格でございますが、この規格のストックの平均面積は四十四平米でございます。
#41
○会田長栄君 じゃ、その四十四平米のところに関連して今度はお聞きします。これは全体二十七万が住んでいるものの何割に当たりますか。
#42
○説明員(妹尾喜三郎君) b型の宿舎は全部の戸数の約四九・六%に相当いたします。
#43
○会田長栄君 四九・六%が四十四平米、約半分。
 なぜ私がこの質問をしたかというと、要するに民間を指導していく立場にあるはずの国が、日本の居住水準というのは国がリードしなきゃこのままいかないということだけは今日明らかなんです。大都市を中心としてですよ。そういう場合に、皆さんが住んでいるところが、全く言葉は悪いですけれどもウサギ小屋と言われているほど小さい床面積の中で暮らしているというんであれば、ちょっと私は民間をリードできないのではないか、こう思うからお尋ねしているんです。
 これは大蔵省、今後の改善計画、目標、こういうものがあるんだろうと思うから、まさか大蔵省に行ったら四十四平米がまあそれでよろしいと、大体は。しかし、建設省に来たら今度はそれじゃだめですという目標を設定して努力しているというのであるから、大蔵省は今後どうする。
#44
○説明員(妹尾喜三郎君) 現在、公務員宿舎の整備につきましては、そういうわけで現在持っております宿舎が狭隘であるというような認識は持っております。
 それで、逐次一戸当たりの面積の大きな宿舎をつくるという方向で、規格の大きな宿舎の建設戸数を増加させたいということで、予算の範囲内で努力しておるところでございます。
#45
○会田長栄君 だめですね、弱くて。
 今、民間賃貸住宅をリードする立場にある、とりわけ公共賃貸住宅というものの法律を成立させて、それを目標にしてリードしていくという立場でありますからね、消極的ではいかぬですよ。私はそう思っているんです。ましてや、あなた、公共事業費に四百三十兆円投入してなんていう、こういう情勢のときであるだけに、建設省と力を合わせて私はリードしなきゃいけないんじゃないかと思うからお尋ねしている。
 しかし、もう一つあるんです、大蔵省にお尋ねするのは。建設省も同様ですよ。四十四平米以下のところに住んでいるというのは大体若い人なんですね。何代以下の人ですか、ちょっとお聞きします。平均して、おおよそでいいですから。
#46
○説明員(妹尾喜三郎君) 世帯用の宿舎で一番小さい規格はb型でございますが、その規格は貸与基準といたしまして、行政職(一)で申し上げますと一二級以下の職員でございます。
#47
○会田長栄君 何歳ぐらいですか。
#48
○説明員(妹尾喜三郎君) 年齢で貸与基準は決まっておりませんで、大体で言いますと係長以下ぐらいの感じでございますので、年齢的に申しますと、一概にこれは申し上げられませんが、多くの方は三十代以下なのではないかと思います。
#49
○会田長栄君 いいんです、それで。
 私はなぜこれをお尋ねしたかというと、三十代といったら、これは日本の将来、二十一世紀を見通していった場合に最も大事な人口政策というのが出てくるんです、ここに。やっぱり家の問題というのは相当影響しますからね。
 そういう意味で、過日、総務庁が発表したでしょう。我が国の子供の数、将来どのような見通しに立つのかということを発表になったでしょう。それはもうおおよそでいいから、その発表した特徴を言ってみてちょうだい。総務庁が、我が国の人口、子供の数、一世帯当たりの子供の人数、なぜこういう子供の数になってしまったのかという、このままいったら日本の経済というのは下支えができなくなってしまうんではないかとい
うようなことも含めて発表されているんですね。もう中身はいいから、あなたの思ったことだけ聞かせてくださいよ、これは大蔵省、肝心なところなんだから。
#50
○説明員(妹尾喜三郎君) 詳細は存じ上げませんが、一世帯当たりのお子さんの数でございますが、一・何人ということで、二人というものを下回っているということは聞いております。
#51
○会田長栄君 なぜ私はこの問題をお尋ねしたかというと、安心して子供を産んで育てるということで非常にこの住環境というのが大事なんですよ。その住環境の整備の問題について今法案が出て審議しているからお尋ねしているんですよ。
 そういう意味で、どうもこのままいきますと、家はつくったわ、住む人はいなくなるわ、住んでいる人はみんな高齢化の人たちですわということになると、日本の産業を維持できなくなっていくわけですよ。だから、そういう側面から、今や建設省が唱えている住宅の建設、この問題というのは二十一世紀の将来を左右する問題なんですよ。だから、建設省の住宅施策というのは今まさに大事なところに来ている一因なんですね。二人で集まって一人しかつくらないとなってみなさい、どういう現実になります。これは、今はそんな心配だれもしていないよ。しかし、これが十年後、二十年後になったときにどうします、若年労働者がいなくなるわけですから。そういうことを考えると、その一側面を担っているところの建設省の住宅施策というのは今まさしく新しい時代を問われていると私は思うんです。その一例に大蔵省に来ていただいて公務員住宅のお粗末さを一つ全体の前に明らかにしましょうというのが私の質問の本音なんです。
 これは公務員住宅の三十代以下といったら、盛りのところですよ。それは六十代ぐらい、和らぐらいになったらもういいんだ、四十平米だって三十平米だって。かえって便利なんです。しかし、子育て盛りとなったらそうはいかないから、私はこの点を積極的に大蔵省も建設省の居住水準の引き上げの問題について受けとめて、やっぱり一施策としてやっていかなきゃいけないんじゃないかと関連をしてお尋ねしたんですよ。どうぞ今後努力してください。よろしくお願いしておきます。
 そこで、建設省にお尋ねいたしますが、今お聞きのとおり、なるほど公務員住宅でもあるいは公共住宅でも大変居住水準というものは平均あるいは最低限の層が多い。とりわけ持ち家は広くなっているけれども、借家となったらとことん低い。これは率にしたって借家の方が相当多いんでしょう。三大都市圏に来たらこの率が非常に高い。これはもちろん、土地が高い、家賃が高い、家をつくるのにも高い、マンション買うのにも高い、手が出ない、狭いところであきらめざるを得ないという環境になっている。そういう環境の中でやっぱり活力ある社会を維持していくためには、建設省が今提起している住宅対策というものはまことに重要なところに来ているんです。そういう意味で、当面する建設省の住宅対策の方針というものがあったら改めて聞かせてください。
#52
○政府委員(三井康壽君) ただいま大変有益な御指摘いろいろ賜りました。
 私ども全体の居住水準の向上というのを従来からやらせていただいておるわけでございます。それは一つには、ウサギ小屋と批判されまして、輸出ばっかりして家を犠牲にしていると、個人生活を犠牲にして外国の失業をふやすと、そういった御議論もありますし、経済力が豊かになりながら実際の生活がなかなか実感として豊かにならないという我々の国民の感情もございます。
 それから、今御指摘のように、出生率の議論も当然出ているわけでございます。ただ、出生率との関係、やや難しい議論があるんじゃないかと思っておりまして、例えば総務庁とか国民生活白書の中でも、女性の就業率の高まりによる晩婚化、非婚化とかあるいは子供の将来への不安とか、共稼ぎの場合の仕事と家事、育児の両立の難しさとか、そういったことが一番大きな原因ではないか。その原因が幾つか並んでいる中に住宅の狭さもあるんじゃないか、こういった御議論があるわけでございます。
 したがって、住宅が広ければ広いほど出生率につきましてはそれなりの効果はあるんではないかと思っているわけでございますが、非常に大ざっぱな総数の比較をしますと、出生率で言いますと、一戸当たりの延べ面積が昭和三十八年の統計以来だんだんふえているわけでございますけれども、一月当たりの面積がふえるに従って出生率が下がっているわけで、これもややどういうふうに判断していいのかわからない面もあるわけでございます。ただ、仰せのとおり、若い方が部屋がたくさんあった方がいいという御議論も当然うなずけるわけでございまして、そういったことをもろもろ込めまして住宅の規模を引き上げておる。特に、その水準のおくれております大都市圏の借家対策を中心にいたしまして居住水準を引き上げている、こういうふうに考えているわけでございます。
#53
○会田長栄君 それから、もうこれは意見だけ大蔵省、申し上げておきますから、ひとつ頭に置いてください。
 大きな家をつくろうとすると、当然にして固定資産税が大きくなるんですよ。これも関係してくるんです。だからその点、居住水準を引き上げるということは必ずその一面で税制の問題がかかってくるということもひとつ念頭に置いてください。これは時間が間もなくなくなりますから、その点質問を外しますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 そこで、最後に住宅施策に関連して二つだけお聞きします。
 一つは民間賃貸住宅、これを建てる。しかし、当然建てるからには土地を買う、あるいは自分の土地に建てる。その場合に、電気だ、水道だ、道路だというのが必ず住宅には必要なものです。ところが、水道を引くというのはメーターまで水道事業所は面倒見るんですね。電気も電線を引いて家の中までそれは会社が持つんです。それで、道路はということになったら私道なんですね。公道の隣に家をつくらない限り私道なんですね。本来であれば民間賃貸住宅を建てる、個人住宅を建てる、その私有地というものを一部道路にしない限り住宅というのはふえていかないわけね。
 その際に、道路を地方自治体に、私有地の道路部分ですよ、これを地方自治体に寄附をいたしますから採納願をすぐ受理してくださいと。採納願を出して受理されれば直ちにその私有地、道路部分というのは税金がからないわけですよ。しかし、認められない限りは税金取られるわけですよ。まさか隣の家に住んでいて通過料取るわけにいかぬでしょう、道路なんだから。しかし、それは私有地なんだ。これを地方公共団体に寄附採納願というのは通常あるんです。
 これは建設省として、そういう条例がない地方自治体、あるいは条例があっても、町道にしてしまえば、町を改修するのに町の負担になる。しかし、個人所有の土地にしておく限り固定資産税が入る。これは地方自治体にとって出る入るで大変な違いなんです。こういう場合、建設省は地方公共団体に一体どのような御指導していますかということが一つ。
 それから、これは自治省、そういう寄附採納願を出して、公共団体はこれを拒否する理由というのがあるんですかということをお聞きしたいんですよ。
#54
○政府委員(三井康壽君) 一般的には宅地開発といいますか、住宅をつくられる際は開発許可を受けていただくということでございますが、開発許可を受ける場合で御説明をさせていただきますと、開発許可申請をされる際に公共施設の管理者となるべき者と協議をするということになっております。協議をしていただいて、その際に都市計画法では、原則的にはでき上がった後の道路などは地元の市町村が管理すると書いてあるわけでございます。ただし、ただし書きがございまして、例えば国道とか県道とか、そうなっているところはそれぞれの管理者が管理し、それ以外のところ
は別に協議で定めることができるとなっておるわけでございます。
 したがって、自治体といたしましては、今先生がおっしゃったような理由で引き取れば自分でお金がかかるということもございまして、実際上はディベロッパーの方とか開発をした方におまえ管理しろというふうに言っている例がかなりあるわけでございます。法律上は、それも合法は合法なわけでございます。ただし、本来的には公道として管理をしていただくのが私どももいいと思っておりまして、通達は出しているわけでございますけれども、通達でございますので、地元の地方公共団体、市町村がどうしてもおれは管理しないと言われますとなかなかこれはうまくいかない。ただし、地元からいろいろなクレームがつきまして、どうしてもお困りの場合に私どもが県を通じまして市町村に管理をしてほしいという強力な指導を個別的にやっている事例はございます。
#55
○説明員(宮田勝美君) お答えいたします。
 今の問題につきましては個々の市町村にいろいろ判断をゆだねておりまして、自治省としてどうだというようなことは現段階では指導しておりません。
#56
○会田長栄君 最後です。済みません、ちょっと時間超過して。短く言います。
 民間賃貸住宅を建設して、入居契約条件の中で子供を産んだら出ていってもらう、それでなおかつ国から税金の軽減措置を受けているなどという場合は、それはいかがなものでしょう。これ田舎で、はやっているんですからね。一人者なら入れる、二人者のときには条件を難しくする、子供を産んだら出ていってもらう。こういうことがあっていいんだろうか、こう思うから最後にお尋ねして、私の質問を終わります。どうぞわかりやすく。
#57
○政府委員(三井康壽君) 確かに、そういう事例は私どもはお聞きをするわけでございますが、今回の法案によります特定優良賃貸住宅はファミリー用の賃貸住宅対策でございますから、お子様がおられても当然入居していただく、拒否はいたしません。そういうふうに指導いたします。
#58
○会田長栄君 ありがとうございました。
#59
○白浜一良君 住宅政策全般に関する御質疑がございましたが、私はこの本法律案につきまして何点がどうかなと思う点がございますので、まずその点をお伺いしたい。住宅政策全般は十三日に譲りたい、このように思います。
 まず初めに家賃の問題ですね。家賃に関しては近傍同種の住宅家賃と均衡を失しないようにと、このように三条の五に書かれておりますが、このいわゆる近傍同種の住宅家賃と均衡を失しない、こういうふうなのはどういうシステムで決められるんですか。
#60
○政府委員(三井康壽君) 今の御質問は三条の五号で、「近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう」というのは、事業主体でございます民間の事業主の地主の方々に供給計画を立てていただいて都道府県知事に出していただくわけでございますけれども、その中の一つの項目にそういう家賃というのが入っているわけでございまして、その認定の基準が今おっしゃったものでございます。
 これは一つには、近傍同種の家賃というのはどういうことか。近傍というのは、近くに賃貸住宅があるとしますと、その家賃がどうかと調べていただきます。これは都道府県に調べていただきます。申請者もそれなりにお調べをしていただけるかと思います。
 同種といいますと、規模によりまして、構造によりまして多少の差があるわけでございまして、鉄筋の方がやや高い、木造で割と余りいい住宅でない場合は安い、そういった比較をしていただきます。これはなかなか専門的になりますので、都道府県の方でいろいろ調査をして均衡を図っていただく。こういうことによって近傍同種の家賃との均衡の比較を認定の際に都道府県にしていただく。それは基本的には近くの家賃相場といいますか、家賃のデータを集めていただいて、通常の家賃がどういうふうに決まっているかということを勘案しながら決めていただくということでございます。
 なお、都道府県としましては、従来から地域特別賃貸住宅でこういったことにある程度なれつつございますので、それなりに近傍同種との均衡を図れるような認定ができるだろうと考えております。
#61
○白浜一良君 一般論はそうなんでしょうけれども、私らがそういういろいろ地方公共団体の話を聞きましたら、大体値段決めてそれに合うような、民間というのはばらつきがあるから、民間の賃貸の場合はそういう合うものだけをピックアップして決めると、こういう話もあるんですよ。だから、いわゆる市場家賃というふうに言われているのは非常に概念があいまいだと、私はそういうふうに思うわけでございますが、こういうものをある一定の幅で何とか方向性として特定できるような、そういう方法ないんですかね。
 実際は、局長そうおっしゃっているけれども、大体値段決めて、それに合うようなサンプリングだけぱっぱっと勝手にしてしまうという、そういうことがあるんです、実際問題。そういうことであれば、近傍同種といったって、非常に意図的なそういう家賃設定がされやすいということがあるんで、市場家賃という一般的にそういう言葉使っているけれども、そういう言葉使うんでしたら、ある一定の幅でそういう市場家賃と言えるような方向づけをできるような、例えば土地でしたら公示価格とかいろいろありますわな、そういう方向性を持てないのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#62
○政府委員(三井康壽君) 確かに市場家賃というのは言葉では簡単に言えるわけでございますけれども、その地域地域によって違いますし、また構造によって、建てた時期によって違うわけでございますから、非常に科学的にぴたっと出てくるわけではないと思います。
 そういった意味では、何かある程度の割り切りをせざるを得ないという面につきましてはおっしゃる点があるんじゃないかと思いますけれども、ただ、大きく何万円も違うということはないだろう。今までの実験といいますか、地域特賞の実例からいろいろお聞きしてますと多少の割り切り方をせざるを得ない部分もあろうかと思いますけれども、著しくこれはおかしいなというふうな御議論までなっていくような話は聞いてないわけでございますので、その点は安心をしているわけでございます。
#63
○白浜一良君 私はその点心配でございます。
 市場家賃というのをある一定の幅て決めたと仮定して、そうしたら今回のこの特定優良賃貸住宅の場合、その市場家賃は出発時点でどのぐらいから出発するんですか、大体市場家賃の何割ぐらいからスタートするんですか。
#64
○政府委員(三井康壽君) 入居者負担額という意味で……。
#65
○白浜一良君 そうじゃなしに、今回の法律によって住宅を建てられた、この家賃の設定は市場家賃と並行なんですか、どういうふうに決められるんですか、これを基準に。
#66
○政府委員(三井康壽君) 家賃としましては市場家賃ということで契約をさせていただきます。契約書上は市場家賃なわけでございます。しかし、入居者は入居者負担額と申しまして、多分そのことをおっしゃっておられるんだろうと思いますが、入居者負担額は住宅の規模ですとか立地ですとか、それから収入によりまして差をつけさせていただきます。これは現地でいろいろ違いますので一例で申し上げたいと思っておるんでございますけれども、例えば武蔵野市で七十平米ぐらいの特定優良賃貸住宅を建てますと、これは市場家賃が十五万ぐらいでございます。今の一年ぐらい前の時点ではじきましたのが十五万ぐらいでございます。これを通常の方、収入階層が二五%から五〇%ぐらいの方で積算いたしますと、入居者負担額の当初は約九万円ぐらい、ここから出発をさせていただくというふうに考えているわけでござい
ます。
#67
○白浜一良君 もう一つ、十三条を見ましたら、家賃の限度額を超えてはいけないと、こう書いていますね。
 それで、これも私ようわからぬのですけれども、これ限度額の算定にいろいろ公団、公社なんかの住宅を見ましたら、当然でございますが地代相当額というのが入っている、この法律の中にも地代相当額が入っています。ここが物すごく評価の分かれるところですね。地代というのは昔は物すごく安かったけれども、最近非常に高いという、それをどこまで入れるかということでそれぞれ数式があるらしいんです。この都営住宅、私、数式ちょっとサンプルでいただきましたが、ようわからぬ。こんなもの何ぼでも商うしようと思ったら商うできますし、安うしようと思ったら安うできるわけです。だから、この地代相当額というのはこれをもう少しきちっと考えるべきじゃないか、概念として入っているけれどもあいまいだと、私はそう思うんです。この点に対してはどうですか。
#68
○政府委員(三井康壽君) この賃貸住宅の家賃というのをどういうふうに考えるかという基本論に触れるわけでございます。通常の家賃の決定論と言ってはなんでございますけれども、家賃としてどういう要素があるかということから考えますと、土地を買って供給するとなりますと地代相当額というのは当然考え方として出てまいります。それから建物をつくった償却費、損害保険料、公租公課、それから引当金、これが家賃を構成する要素であることは間違いないわけでございまして、もし地代相当額というのを家賃の項目から落としてしまいますと、賃貸住宅に入居をされる方は敷地をただで使われるということになるわけでございます。したがって、お入りになる方が敷地をただというのは経済の合理性から考えますとどうもこれは抜くわけにいかない。地代相当額というのは家賃の算定要素として重要な要素であると考えざるを得ないわけでございます。
 ただ、現実に公営住宅がどうなっているかというと、お調べになったと思うんですが、公営住宅の場合は当然地代相当額が入っておりますけれども、補助金が入っている関係で補助率によって地代相当額が三分の一あるいは二分の一になっているということでございます。それはその地代相当額をどうのこうのということでなくて、全体として公営住宅のような低額所得者に対して家賃を低廉に供給する際にはどうしたらいいのかという観点から、家賃の減額を公営住宅はそういう方法をとっているということでございまして、地代相当額を取るという前提に立った上でどういう部分を減額措置するのかというふうなことで考えていった結果、結果としてそういうことになっているというふうに御理解をいただいたらいいんじゃないかと思います。
#69
○白浜一良君 それは当然民間ですから、地代を入れないと採算が合わない、そうなるんですが、そこの計算の仕方によって家賃の幅が物すごく変わるから言っているんです。
 例えば、先ほど公務員住宅の話があったけれども、公務員住宅というのはあれはそういう地代相当額入っているんですか。私、清水谷宿舎に入っていますが、単身用のあんな狭い部屋ですけれども、土地は高いですわな。多分あれは家賃月一万円ちょっとぐらいと違いますかね。入ってないでしょう、こんなもの。だから、その辺の基本的な考え方がばらばらじゃないかということを私言っているんです。
#70
○政府委員(三井康壽君) 確かに、すべてが理屈どおりにいっているわけじゃないことは御指摘のとおりでございます。
 それで、現在の民間の賃貸住宅がどうなっているかというのを調べてみますと、これも一概には言えないんですけれども、地代相当額といたしまして一%から二%ぐらいしか取られてないというふうな試算もあるわけでございます。それから家賃限度額という、今御質問されているのは理論上の値でございまして、現実には家賃限度額で計算したものよりも市場家賃の方が低いと考えていただいてもよろしいかと思います。したがいまして、今回御提案をさせていただいている、先ほど申し上げました武蔵野の例で言いますと、多分地代相当額は二%ぐらいしか入ってないんじゃないかというふうに考えております。
 しかし、計算は計算といいますか、理屈の世界はきちっとしておかなきゃいかぬ。いつ地価がもっと相対的に安くなるということもあるかもしれませんし、考え方としては崩したくない。現実には市場家賃は家賃限度額より低くなっている。さらに入居者負担額におきましては、収入をある程度勘案いたしまして十五万のものを九万に下げている、こういうふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
#71
○白浜一良君 もう一つ、私何でしつこく言うのかいいましたら、市場家賃が近傍の同種の住宅に倣って決められるわけですけれども、当然昔から地主さんでそういう賃貸住宅建てていらっしゃる方なんかは、今回この法律によって建てられる住宅よりも安い場合もありますわね。今度は半ば公的な資金を導入して建てられる住宅が、そういう今民間で賃貸されている額よりも高い。こんなに高いんやから、それはもうこっちも上げようと、そういうふうになってはいかぬ。今回のこの制度そのものが、民間の賃貸住宅が非常に高額になっているので中堅層のサラリーマンに入りやすいような優良な住宅を供給しようということですから、そういう目的でつくっているのに、既設の民間の賃貸料金を上げてしまうということになってはいかぬから、私しつこくそのことを言っているわけでございます。
 そういうことにならないような何か対策というか、近所で実際賃貸でもっと安いところがあったと、それが値上げするかもわからない、こういうものがある一定の額でできちゃうと引き上げる可能性もある。そういう何か対策ございますか、そういう事例があった場合に。
#72
○政府委員(三井康壽君) まず一つは、当初の家賃を決めさせていただくときに市場家賃というのを都道府県知事がきちっとやっていただく必要があるわけでございます。理論上はその市場家賃で契約をするわけでございますので、市場家賃がきちっと把握をされていて、それがそのとおりに決まれば著しいアンバランスを周辺の家賃との間で引き起こすということはないんだろう、これが第一でございます。
 ただし、現実には例えば規模が小さいとかあるいは建物の質がよくないとか、あるいは逆にいいとかによって現実には差が出てくることはあると思うわけでございます。それを周辺の方々がその特定優良賃貸に入られた人との比較で値上げをするおそれがないかということでございますが、一般のそういった入っておられる方々もいわゆる借家契約によって入っておられるわけでございますので、借家契約の場合は家賃の値上げというのは簡単にはいかないわけでございます。新借家法に基づいて、正当な事由によって引き上げができるとなっているわけでございますので、今の特定優良賃貸住宅の家賃を引き合いに出して、直ちにばっと上がるということは現行借家制度からいうと余りケースとしては起こらないんじゃないかなと思っております。
 それから、現実の市場家賃よりも当初の入居負担額は安く設定をされておりますので、その観点からいいましても、むしろ今回お入りになる方が安過ぎるんじゃないかという御議論はあっても、周辺の家賃がそれによってはっと上がってくるというのはむしろ少ないんじゃないかなというふうに期待をしているところでございます。
#73
○白浜一良君 それから、いわゆる入居者の所得分位が二五%から五〇%というふうになっておりますね。ところが、都道府県知事が五〇%から八〇%まで決められる、こういう附則もございますね。これは余り高過ぎるのと違いますか。
 要するに、中堅所得者用の賃貸住宅としては、八〇%までというのは知事の裁量権でしょうけれども、ちょっと私、これ非常にそういう中堅サラ
リーマン対象としては高過ぎると思いますが、この点はどうですか。
#74
○政府委員(三井康壽君) 原則的には私どもも収入分位を五〇%と考えているわけでございます。ただ、我が国の場合、年収を見てみますと一応五分位制をとっているわけでございますけれども、一番低い層と一番上の層の間というのは非常にくっついているわけでございます。年収の八〇%といいますと、年収で九百六十万でございます。そういたしますと、役所でも課長クラスになるかならないかというところでございますし、民間の場合一流企業ですともう四十代ぐらいで一千万ぐらい超えられる方も多いと思いますので、まあ八〇%としましても著しく高額所得者というふうには言えないんじゃないか、我が国の場合中堅勤労者と言ってもいいんじゃないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、八〇%までこの対象とさせていただいております。現実に公営住宅の高額所得者なんかを見ますと、やっぱり九百万ぐらいいっている方は結構おられるわけでございますので、それを勘案いたしまして八割までさせていただきました。
 なお、御指摘のように、八〇%のところに対しまして国としてどうするかという議論もございますので、公共団体と国の助成率は家賃補助につきましては特に変えさせていただきまして、国としては助成率は低くする。その分は地方公共団体の判断によって決めていただくがゆえに地方の助成率を高くしていく、こういうふうに差をつけさせていただいたわけでございます。
#75
○白浜一良君 平成三年で八〇%が九百六十万ですか、それは決して高い所得じゃないと言えるかもわかりませんけれども、当初これ二五%から五〇%だといいますと、二五%といったら大体何ぼですか、四百五、六十万でしょう。ここの比較で大事なんですよ。どうしてそういうねらい目を持って二五から五〇%という所得層で設定されているのに、そういう比較で言うと、これはあくまで比較ですが、倍以上の所得を持っていらっしゃるわけで、そういう補助されなくてもたえられるという所得であることは違いないわけです。
 そういった面で、年間で二万戸ぐらいの戸数でだれが入るか。それは入居基準の問題もございますが、そういう上の所得の人で占められるということになれば、ねらい目がないんじゃないか、余りに知事の裁量権が大き過ぎるんじゃないかということを私は危惧して言っているわけで、どうですか。
#76
○政府委員(三井康壽君) 御指摘のとおり、二五%から五〇%のところが主体でございますから、これからの建設計画等に当たりましては、ここを重点にして供給量がふえるように指導してまいりたいと思っております。
#77
○白浜一良君 それから、今ちょっと話に出ましたが、入居の選抜方式ですね。賃貸マンションなんかの例をとりましたら、私もこれは聞いた話ですが、埼玉県の上尾、県の供給公社が募集したマンション、平均十倍、それから東京都のコージャハイム緑四丁目ですか、これが二十一・三倍、横浜のヒルズ雨戸塚、十四・三倍。優良なそういう賃貸マンションというのは非常に倍率が高いわけです。だからこれは抽せんて決められるんでしょうけれども、抽せんですね、これは。
#78
○政府委員(三井康壽君) 住宅供給公社のやりますもの、これは主として住宅金融公庫の融資を受けております。住宅金融公庫の融資を受けますものは公開の抽せんでございます。
 なお、補足的に申し上げますと、施策民賃と言っておりまして、農住の利子補給でございますとか公共団体が利子補給いたします特定賃貸住宅の利子補給もございます。こういった公的な資金で利子補給をしたり補助いたしますものはすべて公開抽せんということを義務づけておりますので、公開抽せんというふうにお考えいただいたらいいと思います。
#79
○白浜一良君 それで、これはくじ運が強い弱い、人生幸不幸ありますわね。運の強い人はぱぱっと当たるかもわかりません。けれども優良なほど、いわゆるこの例で見られるように倍率は高いわけです。本当は必要度からいうと高いのに、くじ運が悪いというか、何回応募しても落ちてしまう。必要度は低いのに、運の強い人というのは当たっちゃう。こういうことがあるわけで、もっとそういう選抜方式で、単なる一般の抽せんじゃなしに、ちょっと古い文献を見ましたら、松谷さんという住宅局長がいらっしゃったんですか、前ね。住宅困窮者登録をして選んでいくことも必要だというようなことを何か雑誌の中で言っていらっしゃいますわ。そういう登録制度、そのときはそういうことをおっしゃっているんですけれども、こういうお考えはないんですかね、必要な人が優先的に入れるという、そういう制度は考えられないんですか。
#80
○政府委員(三井康壽君) 確かに、住宅政策の中で住宅困窮度によって順番で入るようにしたらどうかという考え方があったことは間違いございません。それを埼玉県が公営住宅で実施しようというわけで試みにやっているわけでございます。
 ただ、その住宅困窮度というのを判定するのが実務的にやっぱり非常に難しいということになりまして、画一的な感じで埼玉県が現在やっているようでございますけれども、例えば母子世帯とか老人あるいは障害者の世帯、こういったものを一般の方々よりも優先して入れる、こういったものは多少変形としてやっているところはあるわけでございます。その考え方としては、住宅困窮度の高い方から入れていくというのはあり得るわけでございますけれども、実務へおろした途端に非常に難しい問題を逆に抱えて、言ってみれば区別をどうやってつけていくかという問題に突き当たってやや難しいかなと。
 したがって、私どもは、今回の特定優良賃貸住宅はそういう困窮度よりも、割ともう少し広目に階層をとっているものでございますので、しかもやっぱりたくさん量が建つことによって当たる率を高くする、そういった方向をねらっていきたいなと思っているわけでございます。したがって、住宅困窮度でやりますとどうしても公共団体の行政といいますか、それになるわけでございますので、民間の方々がおやりになるのに、公開抽せんまでは義務づけるんですけれども、決まった人がどんどん入ってくるというのはこの制度としていかがかなと思いまして、公営住宅として今埼玉県がやっているような方法というのはあり得るかと思うんですけれども、今回のようなものはむしろインセンティブを事業主体にかなり強く与えて量をふやしていく、それによって当たる確率をふやしていく、こういうふうにしていったらどうかなと思っているところでございます。
#81
○白浜一良君 ごもっともなことで、それはどんどん必要に応じて量がふえればよろしいんや。だけれども、これ二万戸でしょう、本年度で。そうでしょう。だから、人気の高い住宅でないとまた意味がないですね、これは。せっかくつくったのに入り手がないようじゃしょうがないわけです、ただ、人気が出れば出るほどそういう供給が追っつかぬというふうになるわけで、その辺のいわゆる入り方の問題を私、今心配して言っているわけです。
 確かに、登録というのは難しいですわね。困窮度というのはどこではかるかというのは非常に難しい問題があるわけで、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、福祉的な意味合いになればこれは意味はわかりやすいけれども、またちょっと趣旨が違ってくるわけでしてね。
 それで、私の知っている範囲では、公営住宅の場合、例えば申し込みをして、これは大阪だけかもしれませんけれども、十回ぐらい外れたら何か優先権があるというふうなのがあるんですね。だから、そういう申し込みの熱意ということもそうでしょうし、それから現段階で住んでいる住宅の実態というか、そういうものも踏まえて、何か総合的に評価する方法が、これはいわゆる特定優良住宅にかかわらないんですけれども、一般的な意味での公的な住宅に関してすべて当たるわけでございますが、そういう方法も考えられませんか
ね。
#82
○政府委員(三井康壽君) 例えば、公団の賃貸住宅などでも二十回外れますと、自分の希望するところじゃないんですけれども、公団としてある程度のところをお示ししまして優先入居する制度はございます。それは、今言われました大阪の公営住宅でやっているのと同じようなことではないかと思います。
 今回の特定優良賃貸住宅も、ことしから始めさせていただきまして恐らく募集は年度末から来年が一番早いところだと思います。当初はどういうふうに進んでいくかということもわからない部分もございますので公開抽せんでやらせていただきまして、その後、その進行状況によりまして今言われたようなことも検討していったらどうかなと思いますが、一等最初は今のような御心配もあるということを念頭に置きながら、通常の公開抽せんでさせていただきたいと思っております。
#83
○白浜一良君 わかりました。
 それで、これはどういうふうに告知するんですか、できた場合、どういう手段、方法で告知されるつもりですか。
#84
○政府委員(三井康壽君) 一般的に公共住宅の場合は、公営住宅ですと県や市町村の広報に掲載いたします。公団住宅の場合は、新聞広告などで内容を知らせるとか、あるいはパンフレットの配布をやっているわけでございます。
 今回は民間が事業主体でございますので、どうするかいろいろ検討いたしました。私どもの今考えておりますのは、民間の方々に新聞広報していただくわけにはなかなかいきませんので、都道府県知事が認定をする際に県の方で広報していただく、これを第一に考えているわけでございます。それから、パンフレットをつくっていただくなりして広く公募していただけるようなチャンスをふやすということで、公共団体、場合によっては市町村もかんでいただくかもしれませんけれども、そういった周知の方法をとっていきたい。最低は都道府県の広報で県に掲載をしていただく、それを考えております。
#85
○白浜一良君 今ちょっと話が出ましたけれども、要するに府県内ということなんですかね。これは府県知事が進めるわけやから、府県のそういう助成もあるし、どの市町村にできたって府県内は全部告知するということですか、募集、入れますよということは。
#86
○政府委員(三井康壽君) ただいま申し上げましたのは、最低、認定主体でございます都道府県にその掲示とか広報をやっていただこうということでございます。保ただ、県でも広うございますので、できることならば御協力いただければ市町村もその広報とか掲示とかそういうことをやっていただければありがたいと思っておりますが、これはまだこれから地方公共団体との御相談になりますので、考え方としては、最低都道府県にはやっていただくということだけ今は御答弁させていただきたいと思っております。
#87
○白浜一良君 それで、首都圏もそうでしょうし、関西圏もそうなんですが、通勤範囲というのはいわゆる府県をまたがっているわけで、どういう規模でどのくらいできるかということにもよりますよ、そんな小さいものでしたら別にそんな広域に募集する必要もないでしょうけれども。少なくとも公的資金を導入してつくられる賃貸住宅ですから、そういう広域的な配慮というか、大阪でしたら和歌山や奈良や京都や滋賀から一般的に通われているわけで、そういうふうな本当に今住宅を借りたいなと思っている必要な人に告知するという面では、こういう広域的な配慮が必要じゃないのか、そういうふうに思うわけでございますが、この点はどうですか。
#88
○政府委員(三井康壽君) 私ども、今回の特定優良賃貸住宅の入居者は、その県の中あるいはその所在する市町村の中に居住しておられる方以外の方も当然対象になると考えておりますので、おっしゃるように、大都市圏におきましては広域的に入っていただくことを一応念頭に置いているわけでございます。
 ただ、地元の県や市町村は、場合によりましては地元優先ということを言ってこられるかもしれませんし、そのところはいろいろ兼ね合いを考えなければいけませんけれども、ある所在の県に他の県まで広報しろというのは実際問題なかなか難しゅうございます。したがいまして、最近は民間のいろいろな雑誌とかそういうこともございますので、広域的に情報が行き届くような方法を検討していきたい。今、直ちにどうするというのをちょっと申し上げるだけ準備しておりませんけれども、今の御趣旨を踏まえながら広域的な応募も可能ということを探っていきたいと思います。
#89
○白浜一良君 以上で終わります。
#90
○上田耕一郎君 今度の法案は、民間や住宅供給公社の住宅建設について、一定の要件を満たすと建設費や家賃減額の補助を行って、市場より安い家賃で中堅所得者向けの賃貸住宅の供給を促進しようとするもので、従来軽視されてきた民間賃貸住宅の分野に国の住宅政策が一歩踏み込んだという点で評価できる法案だと思うんですね。
 まずお伺いしたいのは、主なねらいは生産緑地とならない特定市街化区域内農地だと言われているんだけれども、そういうことを念頭に置いているんですか。
#91
○政府委員(三井康壽君) これは、私どもは制度としましては全国制度を考えております。したがいまして、三大都市圏に限らず、全国でお使いいただきたいと思っております。これが第一でございます。
 ただし、現実には三大都市圏での御希望が非常に強いわけでございますので、我々としては地方圏でもお使いになれるようにこれからもどんどんお願いをいたしますけれども、現実には大都市圏で希望といいますか要望は多いだろうと思っております。大都市圏の中でどういうところになるかといいますと、今先生おっしゃいましたような市街化区域内農地の地主さん、こういった方々が生産緑地から宅地に変える際に、駐車場にしても結構ですし、あるいはほかの用途でも結構でございますけれども、できることならこの制度を使っていただいて優良な賃貸住宅を供給していただく、あるいはこれでなくても農住の制度をお使いになっても結構ですけれども、そういうふうに思っております。
 ただし、それだけが主力ではございませんで、都市の中で既に既成の市街地になったところでも、地主の方々で十戸ぐらいの賃貸住宅を建てて管理をある程度任せて供給したいという方は大いにやっていただぎたい。したがいまして、大都市の中でもよっぽど地価の高いような商業地域とかそういうのは無理でございますけれども、通常の住宅地でございますと、これをぜひ条件に合えばお建ていただきたいと思っておるところでございます。
#92
○上田耕一郎君 従来、政府の住宅政策が持ち家対策に傾斜していたということはたびたび指摘してきたんですけれども、遅まきながら民間賃貸住宅分野に政策が向いてきたことはいいことだと思うんですね。
 住宅着工戸数の変遷を見ますと、この十数年来に持ち家と貸し家の比率が逆転しているんですね。十数年前は持ち家が約五割、それから貸し家建築が三割以下だったのが、最近は貸し家が五割ぐらいになって持ち家は三割という状況になってきて、非常にだからアパート建設が特に大都市ではふえてきているんですね。
 住宅宅地審議会の今度の中間答申を見ると、そういう傾向がふえているために大都市で住宅の質が落ちている、大都市では特に平均床面積四十四平米にとどまっている、地価は高騰するし建設費も上がるので経営の採算上どうしても狭い家が多くなってワンルームのアパートがどんどんふえているということも書いてあるんですね。だから今、年間建築される都市の家の約五割が貸し家だ、特に首都圏では六割という数字が出ておりますね。その六割の中で公共賃貸住宅は五、六%だというんでしょう。
 そうなりますと、こういう今度のこの政策だけでなく、今後国の住宅政策として民間賃貸住宅の分野を一層本格化する必要が生まれているんじゃないか、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#93
○政府委員(三井康壽君) ただいまの着工統計の数字は我々細かい分析までできていないんですけれども、借家がふえたというのは、借家需要もさることながら、やっぱり投資用のワンルームマンション、本当に必要でない二つ目の住宅を狭いながらもお求めになる、そういったものもかなり貸し家の中に入っているかなど見ているわけでございます。したがって、住宅政策本来の居住水準ということを考えたり、世帯数を考えました持ち家とか借家の数がこのすべてではないというふうに理解していることを申し上げておきたいと思います。
 そこで、借家につきましては、確かに公共賃貸住宅は公営、公団を中心にしてこの三十年やってまいったわけでございますけれども、やはり土地の取得難というのが、もう都市化がここまで進んでまいりますとかなり深刻になってまいりまして、したがって、従来手当てをしておりました団地の建てかえというのがどうしても主力にならざるを得ない。買える土地を買って供給しようと思いますと、低所得者の方には家賃が合わなくなって、しかもなかなか財政負担も大変だと。そういったことから、民間の方で地主さんがお建てになった方々にインセンティブをかなり強く与えて、そして良質なものをつくっていただく、しかし家賃は安くするようにしよう。こういった政策が今回のねらいでございまして、こういった方向は今後ともさらに拡充していく必要があるんじゃないかというように考えておるところでございます。
#94
○上田耕一郎君 今、公営住宅の話が出ましたけれども、今度の特定優良賃貸住宅の前身に地域特賃住宅がありましたね。
   〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
あれが発足したとき、地域特賃四千戸、これは八六年度ですね。これが新しく入ったら公営住宅の建設戸数が前年度の四万九千戸がちょうど四千戸減って四万五千戸になって、公住協が非常に厳しく反対運動、抗議運動をやったことがあるんです。その後のデータを見ると、この調査室の参考資料にも出ていますけれども、公営住宅計画戸数は八八年度からもとに近く戻って四万八千戸になったんだけれども、建設実績はやはり四万戸を割っているんですね。
 だから、今度の特定優良賃貸住宅の制度はいいことなんだけれども、こういう難しい状況があると公営住宅の建設のペースがより落ちることにならぬかという懸念が生まれるんですね。この審議会の報告にもありますけれども、やっぱり公共賃貸住宅の建設そのものは非常に重要で、これから体を引くようなことになると非常にまずいと思うんです。
 その点で、例えば公営住宅の建てかえがあるとすると、今度の法律で地方公共団体にこの中堅所得老用住宅の建設努力義務を課しているのだが、公営住宅を建てかえるときに地方公共団体がその中にこういう中堅所得者用住宅を持ち込んでくるということなんかもあり得るかもしれない。
 それからもう一つ、今度、所得階層で二五%から五〇%になるでしょう。そうすると公営住宅で一種の階層と若干重なる部分もありますね。そういうことで、一種の部分を今度はこちらで代替しようという動きなども生まれかねないという懸念もあるんですけれども、公営住宅の建築の努力が後退しないような、そういう施策を要求したいと思うんですけれども、保証はありますか。
#95
○政府委員(三井康壽君) まず一つは、公営住宅につきましては四万八千戸の予算戸数をずっと続けているわけでございます。六十三年度から予算戸数は四万八千戸と続けているわけでございますが、確かに、残念ながら新規に土地を取得するとなるとなかなか採算に合うところが取得できない、あるいは採算に合ってもなかなか取得できない、そして建てかえを主力にしている関係上、建てかえの場合は地元の市町村との調整とかあるいは地域の住民の方々の調整、居住者の調整に時間がかかりまして思うように建たない。しかし、公共団体も含めて努力はしていることは間違いないわけでございまして、私どもは予算戸数はずっと下げておりません。したがいまして、ぜひ公営住宅につきましても事業主体である県、市町村にも努力をしていただきたいと指導する考えでございます。
 なお、建てかえに当たりまして、この地域特賞の成りかわりといいますか、特定優良賃貸住宅が入ってくるかどうかということでございます。特定優良賃貸住宅は十戸としてございますので、大きな団地を建てかえる際には当然入ってき得るというふうにお考えいただいてよろしいと思うんです。ただし、私どもも公団住宅の建てかえの際には公営住宅併設と言っておりますように、公営住宅を建てかえる際もできれば公団住宅が入ってきて、公営階層以上の方は公団住宅でいいじゃないかという考えがあるわけでございます。ただ公営と公団といいますと事業主体も違いますけれども、今回のように特定優良賃貸住宅は公共団体ができますので、公共団体がその中へこの賃貸住宅を入れるということも十分あり得ると思います。
 ただし、じゃ、それによって戸数がどうなるかといいますと、戸数は全体として建てかえをしますと今の三割ぐらいはふえます。規模は小さいのを大きくしながらも、現実の容積を五〇%、六〇%しか使っていない団地が多いものでございますので、これを百五、六十%まで引き上げれば戸数は公営住宅建設がプラスになるというふうに考えておりますし、そういったように今後も指導していきたいと思っております。
#96
○上田耕一郎君 今、公団の建てかえ問題に触れられたんですけれども、ここでちょっと一つ聞いておきたいんです。
 臨時行政改革推進審議会の四月六日の中間報告で、また住都公団を含む特殊法人の改革が取り上げられていますね。その中で廃止、縮小、事業分野の限定とか民営化なんかが言われているんです。以前これが大問題になったことがあったんですけれども、今度の民間の特定優良賃貸住宅の制度化で中堅所得者への賃貸住宅供給は住都公団から民の方へ移すと、住都公団は民営化とか都市開発公団化していくということが今度の中間報告で可能性として生まれるんじゃないか。そういうことのないように期待したいんですけれども、いかがでしょうか。
#97
○政府委員(三井康壽君) 御承知のとおり、住宅・都市整備公団の賃貸住宅は約七十万戸でございます。一方、民営賃貸住宅は全国で九百六十万、約一千万戸ございます。量的に言いますと、公団の抱えている借家数は、これは日本一といいますか、世界一の大家さんとも言われているんですけれども、それだけを見ますと非常に大きな賃貸住宅を抱えているんですが、日本全体から見ますとたかだか一割にもいかない。こんなことでございますので、むしろその大多数の民間賃貸住宅をよくしようというのが今回の発想でございまして、それによって公団の賃貸住宅まで役割がなくなるということは多分あり得ないと思っております。私どもは、公団の使命というのは、三十年間ずっとやってこさせていただいて、いろいろ御批判はたくさんいただいておりますけれども、大都市の中堅勤労者の住宅対策として非常に重要なものだと思っております。
   〔理事種田誠君退席、委員長着席〕
 したがいまして、行革審でヒアリングが二月三日にございまして、そのときも、住都公団のやってきました賃貸住宅、分譲住宅あるいはニュータウンづくり、再開発あるいは地方公共団体へのいろんな技術支援というような、こういったものを含めまして役割は減ることはなくてますます大きい、こういう主張をさせていただいております。新聞情報によるといろんな情報がございますけれども、私どもとしては、住宅公団の役割は極めて大事である、生活大国づくりの上からいっても、
そういうふうな御議論にはきちっと対応していきたいと考えているところでございます。
#98
○上田耕一郎君 最後に、この法案の一つの問題点じゃないかと思う点について質問したいんです。
 先ほど農家の話が出ましたね。大都市の民間賃貸住宅というのは今でも九割が個人業者なんですよ。大体節税対策、それからまた老後の保障ということでやる方が多いんだけれども、農家がやる場合、今度の法律案だと管理する者は自分ではできない。建設省令で定める基準に適合する者に管理させる。これはレクチャーで聞きますと、相当程度の期間、相当程度の賃貸住宅管理の実績を持って、かつ管理の組織体制を有している者が管理する、そういうふうに聞いたんだけれども、具体的にはどういうことになるんですか。
 その際、つまり法律的な義務をさまざまに負うのは認定事業者なんだけれども、例えば農家なら農家が自分では管理できないで管理者に委託するわけでしょう。そうすると、委託される側はこの法律からは余り規定されないで単なる契約関係だけになる。そうするとさまざまな問題点が生まれるんじゃないかということを危惧するんですよね。これはけちをつける意味じゃなくて、今度の新しい制度が本当に円滑に運営されるためにお聞きしたいんですけれども、そこら辺の問題点はどうお考えになっているでしょうか。
#99
○政府委員(三井康壽君) 今回の特定優良賃貸住宅は、今までの賃貸住宅とはややその趣を変えて考えなければいけない点があるわけでございます。すなわち民間が事業主体だと。しかし、管理は適正にやっていただかなければいかぬ。入居者のために適正なる維持修繕をし、適正なる家賃の徴収をし、適正なる請負契約の履行をしていただかなければいかぬ。こういった点でやや趣を異なって考える必要があるわけでございます。したがって、管理をきちっとやっていただくというのは、この法律を執行していく上で重要なことだと考えておるわけでございます。そういった意味では、個人の方々が今までのやり方で果たしていいのかということを考えますと、管理につきましても経験もきちっとある、信用もある、こういった方にやっていただくのが適当ではないかと考えまして、建設省令ではそういうことを規定する予定でございます。
 そういたしますと、どういう人が相手になるかということになりますけれども、それは事業主体が決めていただいてよろしいわけですが、私どもといたしましては、例えば県や指定都市の供給公社といった公的な主体というのを第一に念頭に置いております。しかし、それ以外の方々でも今までに管理をした経験がある方、それなりに信用のある方、これは選んでいただいて結構ですと、それは供給計画で都道府県知事がそれなりに認めれば結構だとなるわけでございます。そういった管理の委任を受ける者は民間の会社もあり得るわけでございます。組合もあるかもしれません。農協とかそういうのもあるかもしれません。それに対しては都道府県知事は、委託先でございますので、事業主体に対しては改善命令とかいろいろ法的な担保措置を書かせていただきますけれども、それから一歩離れたところにつきましては、委託を受ける、管理の委任を受ける者と事業主体との関係にさせていただいておりますので、もしそこの間での不都合があれば事業主体の方に知事は改善命令とかいろんなことを申し上げまして、結果的に入居者が余りいい感じじゃない住宅に入ったということにならないようにしていこう、こういう考えでございます。
#100
○上田耕一郎君 自治体とか公社あるいは農協、そういうところがやる場合は余り問題は起きないだろうと思うんですが、民間管理会社が乗り出してくる場合、民間管理会社が一括してやると、例えばそのアパートで空き室が出るようなことなんかもあるとこれは一括して受けた方が責任になるでしょう。そうすると、空き室が出るといろいろ家賃なんかも今の決まった家賃じゃ危ないというので値上げをするということだってあり得るわけなんだよね。しかし、そういうことをやった場合、例えば義務を負うのは認定事業者の方だから、管理会社の方は直接知事に対する報告を出す必要がないわけね、法的な義務はないわけでしょう。だから、ケースとしてはそう多くないだろうと思うんだけれども、どうもそういう危険が一つあるんじゃないか。
 そこら辺の仕組みについてはさらに改善が必要じゃないかと思うことと、それから十戸以上というんですから、十戸以上の管理はその建てた本人、土地を持っている本人がそれはできません、どこかに委託しなきゃできないというのはどうも少ししゃくし定規に過ぎるんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう点、問題が起きないような運営方法でぜひ厳密にやっていただきたいと希望して、質問を終わります。
#101
○萩野浩基君 多くの勤労サラリーマンの関心というのはこれは特に日本の場合は住宅問題というのにあるわけで、特に種田委員の方からも出ておりましたが、私は住宅基本法というものがやはり必要ではないかという観点からもう数年前からこの辺は考えておりましたので、今回これが出たということはうれしいことでもありますし、ある意味ではちょっと遅かったんじゃないかとさえ思っておるものであります。
 それで、我が国は経済大国と言われておりますけれども、国民が豊かさを享受しているかどうかというのは、やはりこれはまだその点は享受していないという国民の声が多いわけです。そうした中で、特にフロー面での所得水準というのは確かに向上しておりますけれども、ストック面、とりわけ公園とか下水道だとか言われる生活に密着した社会資本ストックということについてはまだおくれておるというのはこれはみんなが感じております。特に外国のまだ経済的には決して今裕福ではないといっても、そうした生活関連の社会資本ストックということについては日本は明らかにおくれていると思います。
 その中でも特に顕著なのが住宅についてでありますし、国民生活の基本的要素であるにもかかわらずまだ今日低い水準にとどまっておる。先ほど申し上げましたけれども、住宅基本法もまだ存在していないというのがその象徴ではないか、まず前もってそれを申し上げておきます。
 特に今回、これは大都市の住宅の問題でございますね。これは持ち家の取得が困難となる一方におきまして、先ほど来言われておりますとおりに、良質な借家というものが不足していることから、居住水準というものが諸外国と比べて非常に低いというよりも依然として劣悪な状況にあるとはっきり申し上げた方がいいんではないかと思います。
 そこで、宮澤内閣が掲げております生活大国の実現のために住宅施策というものが重要であるという点はこれは要を得ておると思います。内閣の一員であられます、特にこの点に一番関与される建設大臣としてこの生活大国の実現に向けて住宅施策の、くどいようでありますけれども、この推進の基本的方針というものをやはりもう一度ひとつここで明白にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
#102
○国務大臣(中村喜四郎君) 御指摘をいただきましたように、我が国が生活大国となっていくためには住生活が非常に欧米の国々と比べて劣っている、こういったことで、住宅政策を充実していくことが生活大国づくりのための大きな要因ではないか、このような御指摘をいただいたわけでありますが、私も全く同感であり、そのことこそ一番力を入れていかなければならない基本的な課題である、このように認識しております。
 そこで、基本的に第一にはやはり居住水準の向上という問題が当面する問題として考えられるわけでありますが、昭和六十三年度に一戸当たりの平均床面積が八十九・三平米でございました。この第六期住宅建設五カ年計画の平成七年度においては九十五平米を一つの目標にしておりますし、また二〇〇〇年には百平米を目指していきたい、こういった平均的な居住水準の向上というものを
図っていくことが第一番目である。
 第二番目といたしましては、生活大国として年収の五倍で住宅を確保できるような環境というもののためには、前々から当委員会でも御議論いただいておりますが、多極分散型の国土の形成とか土地対策あるいは住宅金融の利子補給あるいは税制の問題、こうした問題を網羅的に整備していくということもやはり住宅政策を進めていくためには必要である、このように考えております。
 さらに、公共賃貸住宅としての公団、公営住宅、こうしたものを充実していく、そしてそこのいわゆる民間の賃貸というものが非常にある面では谷間になっていた部分を今度の法律で網羅することによって、いわゆる持ち家、それから貸し家、公団、公営、こうしたもののバランスのとれた住宅環境を整備していきたいというのが基本的な方針である、このように御理解いただきたいと思います。
#103
○萩野浩基君 ぜひともひとつ今の考えで推し進めていただきたいと思います。
 今五倍と言われましたけれども、現実には年収の五倍ではもうこれは、場所によっては十倍というところもありますし、六倍ぐらいが今の現実だろうと思います。これは近年の地価の高騰といいますか、上がってきたことによる住宅の取得の困難というのは、これは一番しわ寄せがきているのは中堅サラリーマンですね。
 ところで、この住宅価格がマンションでも今申し上げたとおりに六倍というのはこれはもう御案内のとおりです。先ほども話に出ておりますが、最低で四人をとってみても、子供のいる家族で住める住宅というのはこれはもう本当に少ないのが現状だろうと思います。こうしたことを頭に入れますと、中堅層を対象とした対策の充実というのは幾ら重要視してもこれは決して行き過ぎではない、もっともっと重要視しなきゃならない、そう考えております。
 持ち家の取得の促進に関しては、先ほども大臣言われたとおりに、確かに五カ年計画に基づきまして土地対策とそれから住宅金融公庫融資の拡充というようなことで大分措置が講じられておりますが、あわせて今回問題になっております賃貸住宅の質の改善のための借家対策の充実ということは特に私大事だろうと思います。それで本法案がそうした背景のもとに出されたことは十分理解できます。
 そこで質問といたしまして、中堅層を対象とする賃貸住宅の供給に当たりましては良質な住宅を適切な負担で提供することが大切でありますけれども、本法案を読んでいきますとちょっと明白でないのは、具体的にどのような住宅をどの程度の家賃負担でと、さっき九万とかとおっしゃられました、またその算定はどうなっているかという質疑もありましたけれども、もうちょっと具体的にどのような住宅をどの程度の家賃負担で提供することを予定しているのか。それからまた、それがどんどん上がっていくというのも後になって困る問題も出てくるでしょうし、余り安くしておったらそこをずっと移らないのも出てくる。いろんな問題が考えられると思いますから、その点をお答えいただけたらと思います。
#104
○政府委員(三井康壽君) 今回の法案の仕組みを多少御説明させていただきたいと思います。法律は割と抽象的に書いてあったり省令にゆだねたりするものですから、御紹介かたがた御説明させていただきます。
 まず、今回つくっていただきます住宅の質でございます。一つは戸数は十戸以上、それから規模、構造、設備は適正なるものである、サラリーマンのファミリー向けでいいものということで、五十平米以上百二十五平米以下、これは共同住宅でございます。それから居住室は二以上つくっていただく、それから構造は耐火構造または準耐火構造ということでしっかりした構造で建てていただく。それから設備も専用の炊事室や水洗便所、浴室というのも備えていただく、これは民間の賃貸住宅は備えてないものもございますから、そういった質をまず確保させていただきます。
 そして、地主さんが建てやすいように建設につきましては大きく言って三つの助成をいたします。一つは公庫融資でございます。公庫融資も一番安い金利でお貸しいたします。今は四・一%。それから地方公共団体も利子補給していただきます。それから、二つ目は建設費の直接補助でございまして、通常は民間の建物ですので国や公共団体の補助を出すのはおかしいという議論もあるんですが、再開発事業に倣いまして、共用部分といいまして階段とか廊下とか、ああいうものにつきまして三分の二の補助率、戸当たり大体三百万かかりますので二百万ほど公的補助をいたします。それから、三つ目が家賃対策補助でございまして、入居者の収入等に応じまして契約家賃、すなわち市場家賃との差を国と公共団体半分ずつ補助いたします。二五%から五〇%の収入階層につけます。これが三つ目の助成措置でございます。
 それじゃ具体的にどういうふうな家賃になるのかと申しますと、これは地域地域によりまして市場家賃も違いますし収入も違うものでございますので、非常に個別の話に相なります。したがいまして、ここでは東京と地方とそれぞれ既に地域特賞でやっているものの例として申し上げますが、東京都の例えば武蔵野市あたりでは七十平米という前提で計算いたしますと市場家賃は十四万から十五万でございますけれども、二五%から五〇%の収入分位のサラリーマンの負担額を計算いたしますと、大体九万円ぐらいですと一七、八%の負担率になります。九万円ぐらいの入居者負担額に当初いたします。それから地方都市の場合、これは浜松とかそういうのをイメージしていただいてよろしいんですけれども、この場合は七十平米、市場家賃が十万円ぐらいです。初年度の負担額はあの地域の収入等を勘案いたしますと六万五千円ぐらい、こんなイメージでございます。仙台の場合はちょっと計算例がなくて恐縮でございます。
 そして、私どもとしましてはこういうサラリーマンのファミリー階層はある程度初期負担がつらいだろうということで、五%ずつ入居者負担額を上げていくということにさせていただきます。その分五%ずつですね、家賃自体は市場家賃で変わらないんですけれども、負担額という形で家賃の減免という形をとるわけでございます。五%ずつ上がっていく。それで財政負担をならしまして、その分は次の賃貸住宅を建てる際のお金に使っていこう、こういう仕組みでございます。
#105
○萩野浩基君 終わります。
#106
○委員長(梶原敬義君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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