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1993/04/20 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 労働委員会 第6号
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1993/04/20 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 労働委員会 第6号

#1
第126回国会 労働委員会 第6号
平成五年四月二十日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     矢野 哲朗君     岩崎 純三君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     狩野  安君
     千葉 景子君     大脇 雅子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田辺 哲夫君
    理 事
                大木  浩君
                星野 朋市君
                庄司  中君
                笹野 貞子君
    委 員
                狩野  安君
                佐々木 満君
                坪井 一宇君
                平井 卓志君
                大脇 雅子君
                清水 澄子君
                篠崎 年子君
                浜本 万三君
                三石 久江君
                武田 節子君
                中西 珠子君
                足立 良平君
                吉川 春子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  村上 正邦君
   政府委員
       防衛施設庁労務  荻野 貴一君
       部長
       労務大臣官房審  征矢 紀臣君
       議官
       労働省職業安定  齋藤 邦彦君
       局長
       労働省職業安定  岡山  茂君
       局次長
       労働省職業能力  伊藤 欣士君
       開発局長
   事務局側
       常任委員会専門  佐野  厚君
       員
   説明員
       人事員事務総局  石橋 純二君
       任用局企画課長
       警察庁刑事局鑑  森   喬君
       識課長
       警察庁警備局警  玉造 敏夫君
       備企画課長
       外務省北米局安  鹿取 克章君
       全保障課長
       外務省北米局地  原田 親仁君
       位協定課長
       外務省経済局漁  関 興一郎君
       業室長
       水産庁漁政部企  小峯  正君
       画課長
       水産庁海洋漁業  城  知晴君
       部国際課長
       水産庁海洋漁業  森本  稔君
       部遠洋課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
 締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田辺哲夫君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、千葉景子君及び岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君及び狩野安君が選任されました。
#3
○委員長(田辺哲夫君) 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○庄司中君 私は、主としまして駐留軍関係離職者の問題について質問をしたいというふうに思います。
 駐留軍関係従業員の場合には、国際情勢の変化であるとか、アメリカ政府の施策の変更であるとか、あるいはアメリカ軍の配備の変更によって従業員の雇用が決まってくるという状態にあります。いわば外から条件が決まってくるといいますか、自分たちではどうすることもできないという条件を持っておりまして、ある意味では本質的に何か不安定な雇用ということが言えるだろうというふうに思います。
 そこで、まず外務省の方にお伺いしたいのでありますけれども、いわばアメリカ側の条件でございます。例えば、アメリカ側の条件をとってみますと、財政問題がまずございます。我が国も公債残高が多いわけでありますけれども、アメリカの場合には累積赤字が約四兆ドルになっております。GNPが五兆台ですから、その比率が七、八〇%で我が国よりも非常に高いわけです。それで、アメリカ政府の場合には、財政の削減ということも一生懸命になって行われているわけであります。例えば、単年度の財政の赤字を削減していく。最近発表されました政府の予算教書によりますと、これから五年間かけて赤字を三分の一削るという案が出ておりますし、同時に財政を削るということは、軍事費、防衛費を削っていくということであります。その場合、前政権のブッシュ政権よりもクリントン政権の場合には軍縮の幅が大きいわけです。例えば、九四年の予算を見てみますと、ブッシュ政権の計画よりも百二十億ドル削減をするという、そういう案が実は出ているわけです。だから、ブッシュ政権時代とは違う軍縮に向けての対策といいますか、非常に軍縮の幅が大きくなる可能性が、これはもう選挙のときからもそうでありましたけれども、あります。
 そして、ブッシュ政権のとき、去年の七月に国防省は、「アジア・太平洋地域の戦略的枠組み」というのを決定しまして、三段階にわたってアジアにおける米軍を減らしていく、そして在日の場合には九二年までに五千人ぐらい、そして第二段階の九五年までには約七百人というものが出ておりましたけれども、恐らく新しい政権になりまして、財政事情その他の関係から見ますと、これから変わってくる可能性が非常に強いんじゃないだろうか。つまり、軍縮の幅が大きくなる、ピッチが上がってくるということになりますと、在日米軍の配置の変更というものがこれから出てくる可能性が強いんじゃないだろうか、そんなふうに思いますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
#5
○説明員(鹿取克章君) 今の点についてお答えいたします。
 アメリカ国防省は九一年の二月、今後十年間を三段階に区分し、第一段階、これは九〇年から九二年末まででございます、において在日米軍につ
いては九二年末までの間に約四千八百名を削減する旨公表しております。また、九二年七月、今先生から御指摘がありました昨年の七月でございますが、第二段階、九三年から九五年において在日米軍については約七百名を削減するとの計画が発表されております。
 ことしの三月四日にウィズナー国防次官、これは国防省の新しい国防次官でございますが、その承認公聴会において、今申し上げました計画について、第二段階の最終年において若干の変更があり得る旨は述べられております。しかしながら、以上の計画については、現時点のところまだ新政権のもとでも大きな変更はないと考えております。
#6
○庄司中君 新しい政権の国防政策というのは、トータルな話じゃまだでき上がっていないだろうというふうに思います。
 もう少し突っ込みまして、具体的な問題に入っていきますと、現在在日アメリカ軍が約四万五千人ぐらいいる。その半分以上が沖縄である。そして、沖縄の主力は第三海兵師団である。これが大体一万九千人ぐらいいるだろうというふうに言われております。つまり、沖縄の基地をとってみますと海兵師団が主力であります。
 ところが、現在のアスピン国防長官、これが去年のたしか二月だと思いますけれども、下院の軍事委員長時代に研究報告を発表しまして、軍縮の四つの選択肢というものを発表しました。その中で、一番可能性のある軍縮案としまして、A、B、CのうちC案というのを提起いたしました。そして、そのC案によりますと、現在三個師団である海兵師団を二個師団にする。つまり、一個師団を減らすということです。こういう案も実は発表しているわけであります。そして、この三個師団のうち二個師団はアメリカ本土の太平洋側と大西洋側にいまして、第三海兵師団が沖縄にいるということだろうというふうに思います。
 最近のアメリカの国防戦略といいますのは、前進基地に駐留させておくというよりも、紛争の起きたところに集中的に向かっていくというふうな戦略をとっております。将来、軍縮が行われるとすると、第三海兵師団といいますか、アメリカの本土の二師団をそのままにしまして、沖縄の部分を減らす可能性があるんじゃないか。下院軍事委員長時代の構想とか研究報告が、いわば同じ人間が国防長官をやっているわけですから、同じ思想がこれからも出てくるだろうというふうに考えられます。
 ですから、今の段階ではどうなるということは確定できませんけれども、変わる可能性があるということはどうでしょうか。そういうふうにお感じになっていらっしゃるでしょうか、その点をお聞きしたいと思います。
#7
○説明員(鹿取克章君) 今先生の御指摘になりましたアスピン現国防長官が、昨年二月にそういう提案をしております。その中で、A、B、C、Dという四つのオプションを提案しておりまして、その三つのオプションの中において、海兵師団については三から二に減らすという案が出ていることは御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、以上のオプションは特定の師団の改廃について必ずしも述べたものではなくて、また沖縄の海兵隊を縮小させるという具体的な削減計画でもございません。したがって、今後どうなるかということについてはまさにアメリカの国防政策を今後とも見ていかなければならないと思います。
 そこで、これまでの動向を見てみますと、先生御指摘の新アジア・太平洋戦略におきましては、いわゆる九〇年から九二年の間、この間沖縄における海兵隊については約三千五百名が削減されております。第二段階以降のアメリカの計画では、我が国から約七百名の削減が予定されておりますが、現時点ではこれ以上の計画は明らかになっておりません。
#8
○庄司中君 現在明らかになっておりませんけれども、変わる可能性があるということだけは指摘しておきたいというふうに思います。
 それから、防衛施設庁の方にお伺いいたしますけれども、いわゆる思いやり予算というのがありますね。昭和五十三年から実施をされておりまして、そのときには法定福利費と手当の一部ということでありましたけれども、だんだんそれが膨らみましてやがて新しい考え方が出てきまして、基本給自身も支援をしていく、日本側が出していくということになりまして、段階的にこれが膨らんでいきまして平成七年には一〇〇%というふうになると思います。日本側の負担とそれからアメリカ側の労務費の負担の経過を時系列でずっと見ていきますと、平成二年ごろから逆転をしております。つまり、日本側の負担の方が非常に大きくなっている。そして、これから段階的に基本給も日本側が出していくわけでありますから、その比率というのは圧倒的に日本側が負担していくことになっていく、こういうふうに考えられます。
 そういうふうに見ていきますと、私が一番心配をしておりますのは、駐留軍の従業員の場合にはアメリカ式の職務構成になっているというのがございます。例えば、基本労務契約とそれから諸機関の協約の契約を全部合わせますと、職種の数が千五百に達するというふうになっております。むしろ、職種というよりもアメリカ式に職務だと言っていいだろうというふうに思います。ところが、従業員が解雇されますと日本の労働市場の中に入るわけです。日本の労働市場に合った形で再雇用が行われる、再就職が行われるとしますと、このいわば単能化といいますかこれがかなり障害になってくる。高齢化という問題も一つはありますけれども、単能化ということが非常に問題になってくる。御承知のように、日本の労働市場といいますのは多能工型の市場であります。アメリカだったら労働市場も単能型の市場がありますから再就職はいいわけでありますけれども、日本の場合には向かないということになります。
 さっき言いましたように、日本の思いやり予算でどんどんその規模が膨らんでいく。膨らんでいくとすれば、例えば従業員の採用であるとか解雇であるとかあるいは今申し上げましたように再就職に不利な技能の形成といいますか、その辺にもっと日本の裁量権といいますか発言権があっていいんじゃないだろうかというふうに思いますけれども、そういう努力をされているんでしょうか。
#9
○政府委員(荻野貴一君) お答えいたします。
 ただいまの先生の御質問は二点あったかと思うんです。まず、従業員の多能化の方でございますけれども、在日米軍従業員は御承知のとおり米軍の司令部とか部隊等において米軍人等の指揮監督のもとにいわばピラミッドのすそ野の方の仕事をやられているわけです。その職種は、米軍の部隊の任務遂行上必要とします専門化された分野における高い技能とか技術能力、業務の即応性などを維持するために細分化されているというのはやむを得ないことじゃないかと思うんです。また、細分化された職種を公平かつ適正に評価しまして、同一労働同一賃金の原則に基づきまして公平な給与を支給するというようなことから、昭和二十二年から厳格な職務給の制度がとられておるわけでございます。
 このような在日米軍従業員の仕事の性格、これは今申し上げましたようにどちらかというと多能化になじみませんで、むしろ単能化になじむような仕事でございます。そういう仕事の性格とか、それから厳格な職務給の制度に照らしまして職種をまとめて多能化を図るということには限界があろうかと思うわけでございます。ただ、このような限界のもとにおきまして多能化できるような職種があるかどうか、これから勉強させていただきたいと思うわけでございます。
 それからもう一点の、採用とか雇用の手続の点におきまして日本側の発言権をもっと拡大すべきではないかというようなことでございますけれども、この点につきましては地位協定十二条四項によりますと、現地の労務に対する米軍及び諸機関の需要は、日本国の当局の援助を得て充足されるということになっているわけでございます。した
がいまして、我が国としてはこの規定を受けまして、労働者保護の観点から法律上の雇用主として米軍に従業員を提供しているわけでございます。したがいまして、どのような資質、能力、経験の従業員をどのような勤務場所でどのような指揮監督のもとに使用させるかは、使用者であり労働の受益者であります米軍が第一義的に決定すべきものでございます。
 しかしながら、御指摘のように従業員の保護ということを図るためには、雇用主たる当庁の意見が従業員の採用とか解雇等の人事措置の決定に当たりましてより反映されるようにすることが必要であるというふうに考えているわけでございます。このような観点から、当庁は現在従業員の雇用についての役割分担とか手続を改めるように米側と協議しているところでございます。
#10
○庄司中君 労務費の負担が日本側にどんどんかかってくるわけでありますから、やっぱり従業員の処遇についても日本の雇用慣行になじむ形でできるだけ努力していただきたいというふうに思います。
 もう一つ具体的な問題に入りますと、高齢化という問題と今申し上げました単能化という問題で非常に再就職が困難であるということが言われています。それで、施設庁としては施設庁内職業訓練ということで一生懸命になってやっておられるわけであります。例えば、訓練科目を見てみますと自動車の運転が圧倒的に多いわけです。実際にそういう訓練をしていまして、それが再雇用に実際に結びついているんだろうか、そういう心配が一つございますけれども、訓練と再就職の関係は実際にどういうふうになっているんでしょうか。その辺ひとつお伺いします。
#11
○政府委員(荻野貴一君) お答えいたします。
 防衛施設庁が実施しています離職前の職業訓練は、在日米軍から離職した場合に速やかに他の職業につくことができることを目的として在職中に実施しております。職業訓練の種目の選定に当たりましては、従業員の意向とかそれから現地の実情に即したものとするよう十分に配慮して選定しているつもりでございます。先生先ほど御指摘のとおり、平成三年度の実施の状況は、各種自動車運転とか英会話とかフォークリフト運転技能とか、そういったようなものでございます。
 それでは、それが再就職に役立っているかということでございますけれども、私どもは毎年駐留軍離職者の帰趨状況という調査をしているわけでございます。調査回答人員が百十九名おられたわけですけれども、そのうち再就職した人間は十二名、それから再就業をした者は六名でございます。これらのうち、離職前職業訓練を受けた者は八名だったということでございます。
#12
○庄司中君 必ずしもいい成績を上げているというふうには思えませんけれども、一つ私が心配をしますのは、施設庁の方では在職者訓練をやっています。解雇の可能性がある人に対して集中的にやっているということであります。それが終わりまして、再就職ができない人は今度は労働省関係の職業訓練とか就職指導とかに移行していくわけです。その間の連携、これはもう施設庁も労働省も政府でありますから、うまく連携がされているのかどうか、そういう心配がございますけれども、その辺はどうなっておりますか。これは、労働省と施設庁と両方で答えていただきたいと思います。
#13
○政府委員(齋藤邦彦君) 先ほどからもいろいろ御議論がございましたように、駐留軍関係離職者の方は最近は非常に年齢の高い方、あるいは技能面でいきますといわゆる単能化されておる方が多いわけでございまして、そういう意味で必要に応じて職業訓練を行い、円滑な再就職に努めるということは重要なことだというふうに思っております。ただ、それぞれの地域におきます求人の状況ですとかあるいは離職者の希望というものも十分尊重しなければいけないというふうに思います。
 防衛施設庁で行われておりますいろいろな離職前訓練といいますのは、その性格上一般的な就職、再就職の可能性を高めるというような性格のものだろうというふうに思いますが、そういうような離職前訓練の状況等も私ども公共職業安定所に実際に来られた場でいろいろ御相談のときにお伺いをしたりしまして、先ほど申し上げましたような離職者の方の御希望等も踏まえまして、必要であるとすれば公共職業訓練等の受講の指示を行っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、防衛施設庁との連携をとることは非常に重要だというふうに思っておりますので、そういう意味でこれからも防衛施設庁とも十分連携をとりながら再就職に職業訓練が役立つように努力をしてまいりたい、このように考えております。
#14
○政府委員(荻野貴一君) 防衛施設庁といたしましても、在日米軍従業員の離職見込みとか離職実績等在日米軍従業員に関します情報の提供を行うなど、今後も労働省と緊密な連絡をとりつつ対処してまいる所存でございます。
#15
○庄司中君 あとは労働省への質問になりますけれども、最近の再就職の状態をずっと年代別、時系列的に見てみますと、例えば昭和六十年以降になりますと官公庁への就職が非常に少ないんです、離職者自身が少なくなってきているということもありますけれども。私が特に注目をしますのは、かつては自営業よりも官公庁への就職というのが多かったわけです。それが、六十年以降になりますと自営業自身も下回ってくるということになります。ですから、離職者が少ないということで、手を抜いているとは言いませんけれども、一方求職者は依然として多いんです。そういう点からいきますと、官公庁への再就職というのが少ないのはちょっと問題ではないだろうか。
 例えば、昭和四十九年にできた対策の大綱の中には、積極的に採用するとあるわけです。そういう点では、単能化と高齢化が重なっておりますから、それをカバーするには官公庁への再就職をやっぱり真剣に考えていく必要があるんじゃないか、そんなふうに思いますけれども、この原因とか対策についてどういうふうにお考えでしょうか。
#16
○政府委員(齋藤邦彦君) 駐留軍関係の方々の官公庁の採用につきましては、中央駐留軍関係離職者等対策協議会で決定をいたしました先生御指摘の大綱によりまして、「積極的に採用を推進する。」と、このようになっているわけでございます。
 ただ、最近の離職者の方のほとんどが、官公庁におきます定年年齢は六十歳でございますが、この定年年齢に非常に近い高齢者の方が離職をしてこられる、こういうような事情のためにその採用が非常に減少をしているのではないかこのように思っておる次第でございます。こういうような離職者の方は非常に高年齢の方が多いという事情から、官公庁よりもむしろ自営業を希望される方が多いんではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、大綱に基づきまして「積極的に採用を推進する。」と、このようになっておるわけでございますので、今後関係方面ともいろいろ連絡をとりながらそちらの方面にも力を入れていきたい、このように思っております。
#17
○庄司中君 今話が出ました自営業ですけれども、例えば沖縄なんかとってみますと、あそこの経済というのは基地と観光の二つです。業種としてはサービス業になってくるだろうというふうに思います。そうしますと、自営業へのニーズというのは割合高いんだろうというふうに思います。しかも、あそこの失業率を見てみますと、これはもうずっと昔からそうでありますけれども、全国平均の倍というのが相場です。失業率が二%台ですと四%とか五%になっていくということになりますと、ああいうところでは地域的な雇用環境といいますとやっぱり自営業へのニーズが非常に高くなっているというふうに思います。
 そして、自営業に対する支援措置をとってみますと、資金の融資は政府関係の金融機関がやるということになりまして、そしてその債務保証を雇
用促進事業団がやるというふうな法律になっております。ただ、その限度額が四百万円で期限が五年ということになっています。現在の中小企業全体がそうでありますけれども、新規開業率が物すごく落ちているわけです。これは、将来は中小企業の活性化のためにかなり大きなマイナスになるだろうというふうに言われておりますけれども、その場合の一番大きな要因としては、例えば自営業をやるために土地を確保したいとしますと土地が上がっちゃって手に入らないとか、あるいは建物を建てようとすると建築費が上がってそれがどうにもならないということで参入障壁が高くなっているわけです。そういう時点で、この融資条件を考えた場合にちょっと余りにも低過ぎるんじゃないだろうかという感じを持ちますけれども、この点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#18
○政府委員(齋藤邦彦君) 雇用促進事業団でやっております債務保証制度は、自営業を開業しようとする方に必要な資金を金融機関から借りられるようにするということでございます。
 この債務保証の限度額は、制度発足以来二度ばかり引き上げてきたわけでございますが、通常は確かに先生御指摘のように四百万限度ということになっております。ただ、特に必要がある場合には最高六百万まで債務保証する道もございますし、また保証期間も通常は五年以内ということになっておりますが、事業が公益性を有するような場合につきましては二年延長いたしまして七年以内、こういうような制度もございます。現在、この金額につきまして非常に不自由であるとかもう少し増額をしてほしいというような御要望を特段承っておりませんが、今後の問題といたしまして、いろいろ関係者の御意見も伺って適切な措置はとっていきたい、このように思います。
#19
○庄司中君 最後になりましたけれども、大臣、今お話を聞いていまして、クリントン政権になってから国防政策の大幅な転換があり得るという可能性を私は考えざるを得ないだろう。基地がなくなることはいいことかもしれませんけれども、残された人間の問題、これが深刻でございます。そういう点では、現在解雇者が少ないわけでありますけれども、ある意味では、このときこそ駐留軍の解雇者に対する対策をもう一度再点検をしていただいて、起こり得る事態に十分備え得るような条件をつくっておく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺の大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(村上正邦君) 私も大臣になります前は党で基地対策特別委員長をやっておりまして、今庄司委員のおっしゃられたようなこと等につきましては十分頭に置いておかなきゃならないことだ、こう思っております。
 外務省の事務方の答弁を聞いてはおりましたが、私は政治家としてやはりクリントン政権を迎えてそういう事態をも十分考えて対応しなければならない。このことを前提に置きながら、基地対策特別委員長をやっておりますときにも沖縄にも参りました。そして、基地周辺の方々、また基地に勤めておられる方々等の御意向も十分お聞きをさせていただいた経緯も私は持っております。基地撤去基地撤去ということは言われますけれども、それでは土地の返還にいたしましてもその跡地利用をどうするのかとか、それから職をなくした方々の対策はどうするのか。特に、働いておられる方々の深刻な悩みとして今日受け取っておるのでございます。
 そうしたことからいけば、やはりこの離職される方々の再就職は、先ほども齋藤局長の答弁にも、また御質問にもございましたが、非常に年齢の高い方々がいらっしゃるわけでありまして、なかなか再就職ということになれば難しい状況にあります。そうしたことをかんがみ、駐留軍関係離職者等臨時措置法の有効期限を延長いたしましてこのような事態に備える必要がある、こう考えておるのでございます。と同時に、やはりもう少しそうした事態になった場合に前向きに再就職に対するいろいろな方策について十分私ども考えていかなきゃならないな、こういうふうに考えておるところであります。
#21
○篠崎年子君 私は、本法律案の後半の部分、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、本法律案の期限延長の理由及び我が国の漁業をめぐる諸情勢についてお尋ねいたしたいと思います。漁業における国際協定によって規制を受けるのは海域なのか漁法なのかあるいはまた魚種なのか、それともこれらを組み合わせたものなのかということについてお尋ねをいたしたいと思います。
#22
○説明員(城知晴君) お答え申し上げます。
 御承知のように、一九七七年のアメリカと当時のソ連の二百海里の制定に伴いまして、世界漁業につきましては二百海里体制に入ったわけでございます。このような二百海里体制の中におきまして、我が国を含めまして各漁業国は公海漁業を大きく伸ばしましてこのような二百海里体制に対応してきたわけでございます。近年に至りまして、このような公海漁業増大の動きに対応いたしまして、資源問題であるとか環境保護の立場から公海漁業につきましても今御指摘の国際規制の動きが強まっております。
 ただいま魚種なのか漁法なのか海域なのかというお話がございましたが、それぞれ各方面から各漁業ごとに規制が強まってきております。最近の動きとして申し上げますと、まず魚種の問題といたしましては、北太平洋のサケ・マス、いわゆる遡河性魚類と申しておりますが、これにつきましては遡河性魚類であるという性格にかんがみまして毎回国主義、そのサケ・マスが生まれました川を有する国の権利を第一義的に尊重する、そういう動きの中におきまして、昨年四カ国条約と申します北太平洋の公海でのサケ・マス漁獲を禁止する条約ができまして、本年の二月から発効いたしております。これに伴いまして、我が国といたしましては昨年から公海におきますサケ・マス漁を停止いたしております。
 また、漁法の問題について申し上げますと、本年からこれまた北太平洋の公海上でございますが、アカイカ等をとります流し網漁業につきまして、流し網という漁法がウミドリであるとかあるいはイルカであるとかを混獲するということで、一昨年の国連におきましてこれを禁止しようという決議が通りまして、本年からこれを禁止いたしております。
 続きまして、海域の問題といたしましては、ベーリング海、ロシアとアメリカのアラスカに囲まれました海域でございますが、ベーリング海のちょうど真ん中に公海が残っておりまして、ベーリング公海と言っておりますが、この海域のスケトウダラ漁につきまして、周辺の米国、ロシアのスケトウダラ資源に悪影響を及ぼしているという問題と、また当該公海自体のスケトウダラ資源が減ってきている、そういう問題から本年から二年間各漁業国が自主的に操業を見合わせるという状況になってございます。
 このように、最近の国際漁業を取り巻く情勢につきましては資源問題並びに環境問題両面からの規制が強まってきておるわけでございますが、私どもといたしましては、科学的な知見に基づきまして海洋水産資源の保存とその適切な利用を図っていく、こういう基本的な考え方のもとに各国の理解を得まして我が国の遠洋漁業の漁場を今後とも確保していきたい、このように考えておるわけでございます。
#23
○篠崎年子君 大変詳しい御説明いただきましたけれども、今お話しを聞きながら非常に我が国の周辺海域が厳しい状況にあるということがわかってくるわけでございますが、今後さらに規制が強められるという状況はございますでしょうか。
#24
○説明員(城知晴君) 今申し上げましたように、私どもといたしましては科学的な知見に基づきましてある漁業資源が非常に減ってきているのか、あるいはイルカ等の海洋生物に対して極めて悪影
響を及ぼしているのか、そういうことを十分調べまして、それがまさに今申し上げましたような状況に立ち至っているのであれば漁業規制というのはもちろん我が国としても賛成して一緒にやっていくべきだろう。ただ、最近二部に見られますようにやや感情的と申しますか、科学的な根拠なくして漁業に対する不当な批判に基づく規制ということについては、先ほど申しましたような考え方に立ちまして、各国と十分話し合いまして引き続き操業を確保し得るよう努力したい、このように思っております。
 なお、昨年の三月に京都でワシントン条約の会議が開かれまして、この場におきましてクロマグロにつきましてこれをワシントン条約の附属書に掲げ、取引を禁止すべきだという提案がなされたわけでございますが、ただいま申し上げましたような資源問題等を日本側としましても説明いたしまして、最終的に引き続きクロマグロ漁業をやっている、そういう状況にございます。
#25
○篠崎年子君 海洋動物について絶滅に瀕するようなものはこれは守っていかなければならないと思うわけです。一方、漁業資源ということから考えると、やはりこれもまたやっていかなければならない問題で相矛盾するところもあるかと思いますけれども、そういうことについては十分御調査の上、今後いい措置をとっていただきたいと思うわけでございます。
 ところで、今の御説明の中でありましたように公海の流し網漁業が禁止をされまして、昨年の十二月三十一日をもって禁止ということになりました。この措置によりまして一体何人ぐらいの人たちが離職のやむなきになったのか、あるいは減船としてはどのくらいの減船が見込まれているのかについて御説明いただきたいと思います。
#26
○説明員(小峯正君) お尋ねの公海流し網漁業でございますが、私ども現在把握しております離職者の予定数でございますが、三千七百七名を把握いたしております。それから、減船の予定数でございますが、現在把握しておりますのは二百九十二隻でございます。
#27
○篠崎年子君 かなりの人数の方が離職をされるということで、やはりこの法律の重さというものを感じるわけです。そうすると、今までに法律がずっと続いているわけですが、この法律によって適用されました人数は累計何人ぐらいになっているんでしょうか。
#28
○政府委員(岡山茂君) ただいま御質問の点につきましてお答え申し上げます。
 漁業離職者のうちで、陸上の産業部門に再就職を希望される方につきましては私ども労働省が担当いたしておるわけでございますが、その部分についてまず申し上げますと、昭和五十三年一月二日の施行後今までのところで、平成四年十一月までの間におきまして千二百六十一人の方に漁業離職者求職手帳を発給いたしております。その中で、六四・七%に当たる八百十六人の方が手帳の有効期間内に就職をされておるわけでございます。
 なお、漁業離職者のうち船員への就職を希望される方につきましては運輸省に担当していただいておるわけでございまして、それにつきましては詳しくまたお答えがあろうかと思いますけれども、同じく平成四年十一月までに一万二千二百三十一人に手帳を発給されたというふうに伺っておるところでございます。
#29
○篠崎年子君 そうすると、今出されました人数の中で就職されました件数というのはどんなふうになっているんでしょうか。
#30
○政府委員(岡山茂君) 今まで申し上げました法施行後平成四年十一月までの間におきまして千二百六十一人の方に手帳を発給いたしておるわけでございますが、その中で手帳の有効期間内に就職された方が八百十六人でございます。これは、今申し上げましたように労働省が担当しております陸上部門に再就職をされた方の人数でございます。
#31
○篠崎年子君 陸上部門はわかりましたけれども、船員職業安定所関係ではどんなふうでしょうか。
#32
○政府委員(岡山茂君) 船員職業安定所関係におきましては、先ほど申し上げましたように手帳発給件数が一万二千二百三十一人でございますが、そのうち就職されました方につきましては五千三百二十一人と聞いております。
#33
○篠崎年子君 こう見てまいりますと、人数的に見ますと陸上部門への希望も就職も大変少のうございまして、やはり船員職業安定所の方がずっと多いわけです。これは、今までの仕事とつながりのある仕事を求めるということで当然なことかもしれませんけれども、何かそこに原因がございましょうか。
#34
○政府委員(岡山茂君) この点につきましては、先生今おっしゃられましたとおり御本人の意思が船員に就職したいということで、海上関係で仕事を希望されている方がそのように多いわけでございまして、今お話にございましたとおり従来の仕事との関係などもありますし、船員の中で再就職をしたいとおっしゃる希望者が多いということでございます。
#35
○篠崎年子君 私がちょっと聞いたところによりますと、離職者が一度再就職いたしますと、その後に一回だけ希望を変えることができるけれども、その一回きりだというふうに聞いておりますが、これは間違いございませんでしょうか。
#36
○政府委員(岡山茂君) 今お話がございましたとおり、当初御希望によりましてそれぞれ私どもの安定所あるいは船員職業安定所等に求職をしていただくわけでございますが、その後御希望が変わりましたときには、一回について変更することを認めているということでございます。
#37
○篠崎年子君 そのときどきの状況によって、経済情勢あるいはいろいろな情勢で違ってくると思いますけれども、なぜ一回しか認めないということになっているんでしょうか。
#38
○政府委員(岡山茂君) これは、事務的なお互いの連絡事項ということでそれぞれの中で役割分担をして担当して実施しておるところでございますので、事務的な関係でそのように整理をさせていただいているということでございます。
#39
○篠崎年子君 今お話をお聞きしますと、お役所の都合で、事務的な関係で一回限りだということですけれども、それではその人自身にとりましては大変不利なことではないだろうか。例えば、一遍陸上部門に入ったけれどもやはり海上がよかった、しかし今度海上に移ったけれどもどうも自分の条件等に合わないのでもう一遍陸上に戻りたいとか、あるいはその逆の場合もあるかと思うんです。一回限りというのでは余りにも狭い選択じゃないかと思いますけれども、この点はやはり再考の余地があるんじゃないでしょうか。
#40
○政府委員(岡山茂君) 今申し上げましたのは、一たん海上に就職されるあるいは陸上に就職された後で再び離職された場合ではございませんで、求職者として再就職したいということで希望を申し述べていただいて、それぞれに応じて対応しておるわけでございます。
 再就職先をどのように見つけていくかということにつきましては、それぞれの皆様方の御希望を十分考えながらやっていくわけでございますが、余りしょっちゅう変えられますといろいろと事務的な問題もございますし、やはりしっかりした再就職の目標、将来設計などをお立ていただいて我々としては対応していこうということでございますので、そういう御自身のいろいろな今後の将来設計などを十分しっかりと立てていただこうということでやっておるような次第でございます。
#41
○篠崎年子君 どうも少し納得できないんですけれども。
 さらにお尋ねいたしますが、船員が陸上部門に異動した後に離職した場合には雇用保険の被保険者になりますけれども、船員保険の被保険者と、それから雇用保険との間が通算することができないという制度になっているというふうに聞いておりますが、これも間違いございませんか。
#42
○政府委員(岡山茂君) この制度につきまして
は、船員関係につきましては御存じのとおりいろいろな労働関係の取り扱いにつきまして全部一括して船員保険の中でやっていただいておるわけでございます。そういうことで、それぞれの制度が雇用保険の場合とそれから船員保険の場合と違うわけでございます。そういう中で取り扱われておるわけでございます。したがいまして、単純に通算することが困難でございまして、船員につきましてはいろいろな保険を全部まとめてやっていただいておるところでございますので、制度的には通算が困難な状況になっておるわけでございます。
#43
○篠崎年子君 通算が困難だということで、こういう点につきましてはいろいろな制度上の制約があるかと思いますけれども、陸上部門への就職が非常に少ないわけです。千二百六十で八百十五が就職、一方では一万二千二百幾らというふうに希望がなっている。それも今の制度に少し基づいているんではないかなと思います。これは難しい問題かもしれませんけれども、将来いろいろ保険の統一とか年金の統一も考えられますが、そういう中でさらに再考していただきたい。これは要望しておきたいと思います。
 ところで、離職者の地域的な状況というのはどんなふうでございましょうか。
#44
○政府委員(岡山茂君) 地域的な状況を申し上げますと、私どもの公共職業安定所で取り扱っております中では、北海道、青森、岩手、宮城、秋田、このような東北各県における方々が多いわけでございます。例えば、手帳発給件数で申し上げますと、青森県がこれまで三百八人、北海道が百九十六人、秋田県が百八十三人、宮城県が百十四人、岩手県が九十四人と、これらの都道府県で大部分を占めておるところでございます。
#45
○篠崎年子君 今の地域的な状況を見てみますと、その地域は大変失礼でございますけれども、新しく就職をするということが非常に困難な状況にある地帯ではないかと思うわけです。
 そうしますと、そういう地域の人々にとりましては、やはり陸上部門、海上部門を考えた場合に海上部門に行っているのかなと思うんですけれども、こういう地域の人たちで離職をされた方々にはどのような職業訓練が行われているのでしょうか。
#46
○政府委員(岡山茂君) この漁業離職者臨時措置法におきまして、職業訓練が必要な方につきましては職業訓練を受けていただくわけでございまして、その間の訓練手当等の措置をいたしておるところでございます。
 この場合に、どのような職業訓練を受けるかということにつきましては、もちろん地域的な問題、それからその当該地域における訓練校、訓練機関等の施設の状況を見ながら御相談に応じておるわけでございまして、特段その制約はございませんので、いろんな職種についてできるだけ御本人の希望に沿うこと、あるいは地域における労働市場といいますか、就職先の多い状況などを勘案しながら御相談して訓練職種を選んでおるところでございます。
#47
○篠崎年子君 そうしますと、今は人についての問題でしたけれども、次にこれらの規制によりまして水揚げ高が減ってまいりますと、その漁業従事者だけではなくて関連の会社というものがいろんな影響を受けてくるのではないだろうか。例えば、水産会社とか水産加工業者とか、漁具類の製造とか販売会社とか、漁網の製造会社とかあるいはそこの会社に勤めている従業員とか、そういう方々に対して大変大きな影響があるのではないかと思います。
 こういう職種のところにつきましては、特定不況業種への指定というものが考えられると思いますが、今指定されている業種はどのようなものがございましょうか。
#48
○政府委員(齋藤邦彦君) 漁業の関連産業の中でも、特に水産加工業あるいは漁網製造業というところに影響が大きくあらわれてくるだろうというふうに思っております。去る三月二十四日にあかいか加工品製造業を特定不況業種に指定いたしました。それから、昨年の十一月一日でございますが、漁網製造業を雇用調整助成金の指定業種に指定いたしております。このようなことで、その関連業種の方々の失業の予防あるいは再就職の促進ということに努めておる次第でございます。
#49
○篠崎年子君 そのほかに、魚粉の製造とかあるいは魚かずの製造とかという、そういう会社もございますね。こういうところについてはどうなんでしょうか。
#50
○政府委員(岡山茂君) 現在、特定不況業種で指定をされております業種につきまして、今お話がございましたので申し上げますと、石炭鉱業、水産缶詰・瓶詰製造業、ニシン等の冷凍水産物製造業、それからただいま局長がお答え申し上げましたあかいか加工品製造業、ニシン等における魚体前処理加工業、魚かす・魚粉製造業、そのほか生糸・玉糸製造業とか綿・化学繊維紡績業とかいろいろとございますけれども、水産関係につきまして申し上げますとそのようなところでございます。
#51
○篠崎年子君 今までお尋ねをした中でかなりの、先ほども三千名近くの方々が今度の規制によって離職されるということでございます。
 ところが、これは長崎県、私は長崎出身なものですから長崎県の新聞を見ておりましたら、先日、これは四月八日ですけれども、業界の方で、これは組合の方の業界ですけれども、船員が足りないということで、三百人ぐらい足りないので何とかしてこれを補うように努力をしてもらえないかということの陳情を県に行っているわけなんです。一方では離職者があり一方では漁船員が足りないと、こういうことになってくると、北と南、先ほどのお話の中では北の方々の離職者が多かったようですけれども、北と南と両方補い合うというか、そういうことはできないものでしょうか。
#52
○説明員(小峯正君) お答え申し上げます。
 漁業就業者の最近の動向でございますが、今お話がございましたように国際的な漁業規制強化に伴いまして大量の減船離職者が発生をいたします一方で、多くの業種あるいは地域におきまして漁船乗組員の確保難が深刻化するというようなことで、業種間あるいは地域間の労働力の需給のミスマッチが顕在化をしておるわけでございます。
 それで、今お話がございました減船離職者につきましては、水産庁といたしましてはその貴重な経験なりあるいは技術なりを有効に活用していく、こういう観点からできるだけ同じ漁業内の他業種への再就職を促進していくということが望ましいというふうに考えております。このため、各地域におきまして、基本的にはまず漁業という産業自体を魅力ある産業あるいは魅力ある職場としていく、こういうことで基本的には漁業生産基盤の整備でありますとか資源管理型漁業あるいはつくり育てる漁業の推進、漁業経営の改善等各般の漁業振興策を積極的に推進しておるところでございます。
 それからもう一つは、若い優秀な労働者が漁業あるいは漁村に残っていただくというためには、やはり漁業者の就労環境の改善も必要でございますし、それから漁村のおくれた生活環境の整備、こういったことも必要であろうということでこの面でも積極的に取り組んでおるところでございます。
 それから、具体的な当面の策といたしまして、需給のミスマッチということも考えまして、平成五年度から新たに中央、それから各都道府県に漁業就業者確保育成センターというものを整備いたしまして、ここにおきまして一つは漁業労働力の需給情報を収集して提供していく。それから、海で自然を相手に働くというその漁業の魅力を若者に積極的にPRしていくそういったPR活動、それから離職者を含めまして新しい漁業の職場に対応していただくとこういう観点から各種の研修活動あるいは相談活動、こういった各種の活動を通じます人材育成事業、こういったことを行うことを予定してございます。これらによりまして、減船離職者を含めまして漁業就業者の確保、育成
を図ってまいりたいと、かように考えております。
#53
○篠崎年子君 最後に、大臣にお尋ねいたします。
 今もお話があっておりますように、御答弁にもありましたようにやはりこれから先の漁業を担う若い人たちを育てていくということが大切なことではないだろうかと思います。また、いろいろな国際協定の中で規制が強められていくという、こういう状況の中では非常に漁業としては厳しい状況にあると思います。このような状況は、これはもう個人とかあるいは一つの会社とか企業とかそういうことでは賄っていくことができないという状況だと思うわけでございます。やはりこういうところに国としての施策が大変大切になってくるんじゃないかと思いますので、最後に大臣のこの五年間延長についての御決意をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
#54
○国務大臣(村上正邦君) 国際協定の締結に伴い影響を受ける漁業については、国際関係の変動という事業主の努力の及ばない事情でございますので、漁船の減船を余儀なくされるということ、またその雇用対策については最優先で実施すべきものである、こう考えております。
 労働省といたしましては、関係行政機関との緊密な連携を図りながら漁業離職者に対する対策を強力に推進してまいりたい、このような決意でおります。
#55
○篠崎年子君 終わります。
#56
○武田節子君 本日審議されております二法案は、各会派とも一致する法律案でもございますので、特に私自身の心配する問題に絞り質問させていただきます。
 その第一点は、駐留軍関係従業員についての今日の雇用状況と国際情勢の変動についての認識についてどのような見解を持っておられますか。また、この影響とともに離職者の発生の現状と見通しについて、防衛施設庁にお尋ねいたします。
#57
○政府委員(荻野貴一君) 今数点お尋ねがありましたので、まず最初に在日米軍従業員の現状、それと推移につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。
 在日米軍従業員は、平成五年三月末日現在で、二万二千三百十二人おります。そのうち米軍の司令部とか部隊等に勤務する者が一万七千六十四人、それから売店とか食堂とか宿泊施設等地位協定十五条の規定によって施設、区域内に置かれます諸機関に勤務する従業員が五千二百四十八人、こういうような状況になっております。
 この推移を簡単に申し上げますと、平和条約発効直後の昭和二十七年の四月三十日には二十万七千余名おりました。それが、沖縄の本土復帰直前の四十七年三月三十一日は三万八百四十人。さらにこれが沖縄復帰後、四十八年の三月三十一日は四万三千七百二人。平成五年三月末日は、先ほど申し上げましたような数値でございます。従業員の数というのは、実は今のはみんな三月末という一つの時点でとらえているわけですけれども、従業員の数というのは絶えず変動いたしまして、六月と十二月が定年退職でたくさんやめられます。ですから、そのときに低くなるわけです。それから一月から二月、三月、四月とだんだんふえてまいりまして、五月が一つの山になりまして、六月で減って、また七月からふえる。そういうような繰り返しになっていますものですから、年平均で見るのが一番いいんじゃないかと思うわけでございます。その年平均で見た場合には、ここ五年、ほぼ二万二千人ぐらいで推移しております。
 それで、従業員の離職の発生状況と今後の見通してございますけれども、まず従業員の雇用の状況に影響を与えるような事柄といたしまして、一九九一年の二月二十八日に米国国防総省発表の「アジア・太平洋地域の戦略的枠組み」が発表されました。第一段階から第三段階に分けまして兵力の削減が計画されているわけですけれども、その第一段階が一九九二年の末に終わったわけでございます。四千八百人削減されたことになっているわけですけれども、この計画によります従業員の雇用には全く影響はありません。それから、またここのところ先ほど申し上げましたようにほぼ年平均二万二千人で推移していますし、それから部隊の撤退、移動、縮小とか兵力の削減を理由とします人員整理は皆無でありますので、第一段階の兵力削減による雇用への影響はないということでございます。第二段階の七百人は今進行中でございますけれども、現在のところ、従業員の雇用に影響を与えるというようなことはありません。
 それから、今後の見通しにつきましては、国際情勢の今後の変動とか今後の米国の安全保障政策にかかわる問題でありますので、はっきりしたことは私どもからちょっと申し上げかねるのですけれども、特別協定による労務負担を続ける限り予算の削減を理由といたします人員整理はないものと予想されます。
 それから、国際情勢の変動とか米国の安全保障政策の変化によりまして、従業員が多数勤務している部隊が撤退したり移動したり、それから施設、区域が閉鎖されたりしますと、そういう事態が全く起きないということは否定できないわけですけれども、このような事態が万一生じました場合には、特定の地域で一時期に多数の解雇者が出るおそれも否定できないということでございます。
#58
○武田節子君 在日米軍従業員が当初は二十万人おりましたけれども、年々減少しまして、先ほど御発表のように二万二千人と今伺っております。この方たちは、基地従業者という特殊な立場から時には不利な扱いを受けたりしておりますのは御存じのとおりだと思います。
 そこでお尋ねいたしますけれども、労働省としては、今日の基地従業員の労働条件や処遇についてどのように認識されておりますか、お尋ねいたします。
#59
○政府委員(齋藤邦彦君) 駐留軍関係の労働者の方々の労働条件その他につきましては、それぞれ通常の公務員の労働条件等を参考にして決定されておるのではないか、こういうふうに思っているわけでございます。それからまた、離職者の方はそれぞれ非常に高齢者の方が多いと、このように思っております。
#60
○武田節子君 アメリカの在外米軍基地の見直しなどによって、在日米軍基地の整理縮小が進むことは私も大変望ましいことと思っておりますけれども、問題はそれによって雇用の場を追われるのではないかと懸念する基地従業員の生活に対する不安について、哲学を持たれる労働大臣としてどのように受けとめられておりますか、お伺いいたします。
#61
○政府委員(齋藤邦彦君) 哲学と、こういうお話でございましたが、駐留軍が日本におる以上、やはり必要な労働者というのは当然雇用されなければならないわけでございまして、そういう意味で私どもとしましては必要なことだろうと、こういうふうに思っております。ちょっと意味が、恐縮でございますが。
#62
○武田節子君 昨日、たまたま私と同じ世田谷に住んでいる友人から、茨城に移転したという知らせのはがきが参りました。彼女は、立川と横田基地に働いておりましたものですから、早速電話をしまして状況を伺いました。定年で退職したのですが、高い家賃の世田谷から茨城に引っ越したという理由なんでございますけれども、彼女は次のように言っておりました。
 基地で働いてきた私は、いつ人員整理にかかるかわからないといつもいつも不安を持って働いてきました。基地で働く従業員は皆年じゅう不安を持って働いているんですよ。東京はそれでもまだいい方ですけれども、沖縄で働く人はもっともっと深刻だと思います。という答えが返ってまいりました。大臣は、こうした現状を認識されておりますでしょうか。
#63
○国務大臣(村上正邦君) 先ほども庄司議員の御質問にもお答えいたしましたように、私は沖縄にたびたび参ってそこに働く方々と直接いろいろな場において対話を重ねてまいっております。やは
りそうした不安を持っておられるということの認識は、当時は労働大臣としてではございませんでして、先ほど言いましたように党の基地対策特別委員長という立場でございましたが、今労働大臣という立場で、これは直接私の行政に関係してまいることでありまして、こうした過去の経験というものが何らかの形で一つの政策をつくり上げていくための役に立つのかなと、このような認識を持っております。
#64
○武田節子君 具体的にお尋ねいたしますけれども、駐留軍の従業員の県別在職状況を見ますと、神奈川、沖縄県が七、八千人、東京都が二千五百人、山口、青森県が千人から千百人、長崎県が九百人ということでありますけれども、この臨時措置法の適用になる離職者の発生も、ほぼ在職者の多い順序で発生しております。平成四年の求人倍率を見ますと、神奈川県が〇・九倍に対し沖縄県では〇・三倍というぐあいになっております。このように、駐留軍従業員のその居住地域への再就職というのは地域雇用の実情を踏まえたきめ細かな対策を講じていくべきだと考えますけれども、この点についての対策を具体的にお示しください。
#65
○政府委員(齋藤邦彦君) 先生御指摘のように、駐留軍関係離職者の発生をいたします地域というのは余り雇用情勢のよくないところが多うございますし、またさらに加えまして離職者の方々はそれぞれ非常に高齢者の方が多い。さらに、先ほども御議論がいろいろございましたけれども、職種の細分化が進んでおりまして、いわゆる単能工的な方が多い。こういうことでございまして、再就職をするのが非常に困難な事情が多いという実態にございます。
 こういうことでございますので、私どもとしましては今御審議をお願いいたしております駐留軍関係離職者等臨時措置法、あるいは一般の雇用対策法に基づきまして再就職の援助措置を講じておるわけでございます。
 第一点は、通常でございますと雇用保険の給付日数は高齢者の方は当然長いわけでございますが、三百日でございますしかるに、駐留軍関係離職者の方につきましては、手帳を発給いたしまして就職促進手当を支給することによりまして、その期間保険が終了してもなお引き続いて再就職活動をやっていただけるようにしてあるわけでございます。さらに、そのほか職業訓練の受講をされるにつきましては訓練手当を支給いたしております。それから、広範囲の地域にわたりまして求職活動を行う必要性も出てまいりますので、そういう意味で広域の求職活動費を支給する場もございます。さらに、再就職をした方につきましては就業支度金というような制度もございますし、それから住居を移して再就職された方につきましては移転費を支給するというような制度もございます。
 各種の就職の援助措置がございますので、こういうような援助措置を活用しながら綿密な職業指導、職業紹介を行いながら再就職の促進に努めてまいっておるところでございます。
#66
○武田節子君 特に、沖縄県について見ますと、駐留軍離職者復帰に伴う制度の改廃による失業者のほかに、最近では本土からのUターンする人たちがふえておりますし、また学歴無業者などの若年失業者が増大しております。労働省はこの実情をどのように掌握されており、その原因についてどう考えておられますか、お伺いいたします。
#67
○政府委員(齋藤邦彦君) 沖縄県におきましては、一般的に若年層の失業者の方が非常に多うございます。三十歳未満の若年層の方が失業者の約半数を占めております。それから、年齢階級別に失業率を見ますと、若年者の失業率は全国の約三倍ぐらいの高さに上っております。
 それから、いわゆるUターンの数も増加してきておりまして、現在沖縄県の調査によりますと、Uターンをしてこられて失業状態にある方は平成元年度で千三百人ぐらいになるということでございまして、県外へ一たん就職をしてその後県内に帰ってこられる方、この数が非常に多い実態にある、このように思っております。
#68
○武田節子君 今回、五年間の期限延長が行われるわけですけれども、特に重要な再就職対策として職業訓練や就職指導の充実に取り組まなければならないと思っております。沖縄には昭和四十八年に沖縄駐留軍離職者対策センターが設置されておりますが、その活動状況、またさらなる充実策についてどのように考えておられますか、お伺いいたします。
#69
○政府委員(荻野貴一君) 沖縄の離職者対策センターにおきましては、再就職のいろいろ相談を受けたりしているわけでございます。それで、四十八年の一月十六日に設立されまして、無料の職業紹介とか求人開拓とか、再就職相談とか自営業相談・指導、生活指導、職業訓練相談などを行っております。
#70
○武田節子君 何だかはっきりしたお答えが伺えないような感じがいたしましたけれども、次に移らせていただきます。
 沖縄振興開発特別措置法に基づいて、労働大臣は沖縄における職業の安定のための計画を作成し、必要な措置を講じることとされておりますけれども、大臣は昭和五十九年に策定された計画を改定されたようですが、新しい計画の概要とそのポイントについて明らかにしていただきたいと思います。
#71
○政府委員(齋藤邦彦君) ことしの四月に、「沖縄県の労働者の雇用の促進及び職業の安定のための計画」を改定いたしました。その重点を申し上げたいと思います。
 一つは、地域雇用開発等促進法に基づきます諸事業あるいは地域雇用開発助成金制度の活用によりまして、沖縄県の地域特性を生かした形での雇用機会の開発というのが第一点でございます。それから、沖縄県内におきます求人の積極的な開拓、県内企業におきます雇用管理の改善指導等によりまして、県内就職希望者の円滑な就職の促進、これが第二点目でございます。それから次が、県外就職希望者に対します広域職業紹介の推進、県外就職者の職場定着の促進、これが第三点目でございます。さらに、適切な職業情報の提供やきめ細かな職業相談・指導による新規学卒者の就職の促進及び若年出稼ぎ労働者等の常用雇用化の促進、これが第四点目でございます。さらに、職業転換給付金の支給等による駐留軍関係離職者及び沖縄失業者求職手帳所持者に対する早期再就職の促進、これが第五点目でございます。第六点目といたしまして、公共職業訓練の充実強化、こういうような点を重点にいたしました計画を策定したところでございます。
#72
○武田節子君 続きまして、沖縄県における産業振興の方向等に対応した人材の育成と県内の失業者の再就職を図るための充実策についてお尋ねいたします。
 沖縄県における地域雇用開発等促進法に基づく施策の実施状況については、具体的にどのような段階にありますか。沖縄全県が雇用機会増大促進地域に指定されておりますけれども、施策の実施状況はどうなっておりますか伺わせてください。
#73
○政府委員(齋藤邦彦君) 沖縄県につきましては、雇用機会の創出拡大ということでございまして、地域雇用開発会議を設置いたしまして、地域雇用開発協議会も設置をいたしております。
 それから、地域雇用開発助成金を活用しておりまして、現在までのその実績を申し上げますと、平成三年度におきます地域雇用奨励金の対象者数七千六百四十六人、金額にいたしますと五十三億四千百万になっております。さらに、地域雇用特別奨励金につきましては、平成三年度七百六十九件、金額にいたしますと四十一億一千四百万、このような状態になっております。
#74
○武田節子君 ただいまの答弁の中から考えられますことは、大規模雇用開発促進助成金につきましては、例えば大分県のハーモニーランドのように観光事業で支給されているケースもございます。沖縄県の場合は観光資源が豊富でありますし、この方面での大規模雇用開発の検討が進めら
れてもよいのではないかと思いますけれども、検討の余地があるのでしょうかないのでしょうか。もしあるのならば、具体的にいつごろまでにどのように検討していくのか、スケジュールを明らかにしていただきたいと思いますし、ないとするならば、何がそのネックになっているのかを明らかにしていただきたいと思います。
#75
○政府委員(岡山茂君) 大規模雇用開発の事業の適用対象になっておりまして、それぞれについてのPRをいたしておりますが、現在のところ具体的な形になっているものはございません。いろんな形で積極的に取り組んでいただくようPRをして努めているところでございます。
#76
○武田節子君 そのネックになっているところは明かされないのでしょうか。
#77
○政府委員(齋藤邦彦君) 先ほども御説明をいたしましたが、沖縄県のいわば地域特性を生かした形で雇用機会の創出拡大を図るということは非常に重要なことでございます。 沖縄県におきましても、地域雇用開発会議を設置をいたしまして、そこの場で地域特性を生かした形で雇用機会をどのように創出していけばいいのか、拡大していけばいいのかということをいろいろ御議論していただいているところでございますし、またそういうような場を通じまして、いろいろ具体的な計画ができて上がってくるということを私どもとしては期待しておるところでございます。
#78
○武田節子君 今後の沖縄における雇用対策もこれから充実していただかなければならないと思いますけれども、沖縄における駐留軍離職者について見ますと、本土で再就職という希望は少なく、地元の沖縄県内で再就職を望んでおります。その上、本土からUターンする人も増大するなど、こうした実情を考え合わせますと、沖縄県内に雇用の場の創出が肝要ではないかと考えられます。今後の沖縄の雇用対策の一層の充実に対する村上労働大臣の御決意と姿勢を伺わせていただきます。
#79
○政府委員(齋藤邦彦君) 先ほどもいろいろ申し上げてまいりました。沖縄県の雇用情勢を見てまいりますと、失業率は全国平均に比べますと倍ぐらいでございますし、求人倍率も最近は〇・二、〇・三、こういうような状態でございます。全国平均の約三分の一ぐらいの水準でございまして、しかも若年者の雇用失業問題が非常に深刻だ、こういうような事態もございます。したがいまして、私ども沖縄県でやはり雇用の場をいかにして創出していくか、つくり上げていくか、こういうようなことは非常に重要なことだというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、地域雇用開発等促進法に基づきましていろいろな諸事業をやっておるわけでございますが、そういうような諸事業の実施を通じまして、今後さらに沖縄におきます雇用の場の開発に全力を上げていきたい、このように考えておる次第でございます。
#80
○国務大臣(村上正邦君) 予想外の質問がどんどん私に降ってくるものですから。
 やはり沖縄という地理的なものとして、また非常に沖縄の地域産業ということからいきまして、おっしゃるように駐留軍関係の離職者等々の方々が沖縄で再就職ができるように、これがやっぱり理想だと思いますので、これまた労働省だけでも対策のしにくい面もございますので、それぞれ関係諸官庁ともいろいろ協議の場を持ちながらそういう方向を模索してまいりたい、こういうふうに思います。
#81
○武田節子君 それでは、後半の部の漁業離職者関係についてお尋ねいたします。
 国連決議によりますと、公海流し網漁業関係では減船補償も行われておりますけれども、その一方で多数の離職者の発生がございます。また、国際漁業規制は商業捕鯨の停止が他の漁業にも及んできておりますけれども、この間政府は他の自動車輸出問題など貿易上の配慮から、特に漁業については弱腰に終始しているのではないかと思えてなりません。私は、このままでは例えばマグロはえ縄などにも規制が及ぶのではないかと心配いたします。このような政府の外交姿勢について率直に言って問題はございませんでしょうか。外務省と水産庁にお尋ねいたします。
#82
○説明員(関興一郎君) 外務省から最初にお答えいたします。
 最近の漁業をめぐる状況につきましては、外国水域や公海で展開されております我が国の漁業については、いわゆる二百海里体制というものの一層の定着に加えて、先生から今御指摘がございましたように漁業をめぐる管理の強化それから海洋環境の保全といった新しい動きの強まりがございまして、我が国の遠洋漁業にも種々の制約が出ている状況でございます。私どもといたしましては、漁業も重要な外交案件の一つと認識いたしまして、農林水産省とも十分協議しつつ二国間、多数国間の漁業交渉に当たってきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、幾つかの主要な二国間、多数国間漁業の場では、水産庁も加えて、外務省からも代表を出し、鋭意我が国漁業のために努力しているところでございます。状況は御指摘のとおり厳しゅうございますが、引き続き関係国との多様な国際協力関係強化を通ずる尊いたしまして、粘り強く我が国の漁業のために努力してまいりたいと思っているところでございます。
#83
○説明員(城知晴君) ただいまの外務省からの御答弁に尽きておるわけでございますが、各国の漁業水産資源そのものに対する懸念あるいはイルカ等海産哺乳類に対します環境保護的観点からの規制等が最近強まってきておるわけでございますが、私どもといたしましては、あくまでも漁業資源というのは再生産可能な資源である。したがって、この漁業資源につきましては、適切に保存管理を図れば今後とも持続的に長期にわたり利用可能な資源である。したがって、適切な保存、管理をいかに図っていくべきかが今後の最大の課題であり、そのためには科学的根拠に基づいて、資源の実態等を十分踏まえながら具体的な保存、管理を定めるべきだ、このように考えているところでございます。
 残念ながら、現在世界の遠洋漁業国は数少のうございますし、また魚食文化を有する国も必ずしも多くない状況でございまして、我が国が進めております漁業外交等につきまして必ずしも十分に諸外国の理解を得ているかどうかという問題はございますが、今後とも、今申し上げました再生産可能な漁業資源を関係国みんなが話し合って適切に保存しながら利用していくという考え方を粘り強く各国に説明して、我が国の遠洋漁業の今後の維持を図ってまいりたい、このように考えております。
#84
○武田節子君 よろしくお願いします。
 時間ですから終わります。
#85
○国務大臣(村上正邦君) その前に、武田委員の質問に関連いたしまして、せっかく労働省の能力開発局長が参っておりまして、沖縄の産業振興上における人材育成だとか能力開発だとか、どういうことをやっておるのかということをちょっと二、三分でお聞き取りいただければ幸いだと思いますので、お許しをいただきたい。
#86
○政府委員(伊藤欣士君) 沖縄の産業振興は非常に重要でございまして、そのために何よりも人材育成が重要ではないか、駐留軍等の離職者対策の面からも非常に重要ではないかという御指摘が先ほどあったわけでございます。
 現在、沖縄では能力開発校が四校、それから認定訓練校等が八校ございまして、年間千五百人の方々の職業訓練というものをやらせていただいております。そのほか、雇用促進センターであるとか婦人就業援助センターであるとか、地域の方々が短期、長期、いろいろなニーズがあるものですから、それに合わせて訓練をやっておりますが、特に平成四年度、昨年沖縄に高度の職業訓練をやります短期大学校というものを設置させていただいておるわけでございます。
 そのほか、能力開発という観点から、地域の訓練センターであるとか、それから事業主の方々が
従業員に訓練をする場合にいろいろな助成制度というのがございます。そういうものも沖縄につきましても実績が上がっておるというような状況でございますけれども、今後とも県の振興計画あるいは能力開発計画等とあわせまして、人材育成、県政の発展のために必要な施策を充実していきたいと考えておるところでございます。
   〔委員長退席、理事大木浩君着席〕
#87
○足立良平君 この臨時措置法の期間延長の問題なんですが、これをずっと見ておりますと、米軍の撤退とかあるいはまた移動とか部隊の縮小であるとか、そういうことに伴って再就職の特別の措置ということが本法の趣旨であるというふうに私は受けとめているわけです。労働省が、例えば特定不況業種の雇用安定法にいたしましても、これは本来再就職を円滑に進めていくということと同時に、その前段としてもう一つの大きな目的はいわゆる離職者を出さないということがこの種の雇用問題を考える場合の一番大きな柱になっているわけです。
 それで、労働大臣の所信表明を私はもう拳々服膺してずっと見ておりますと、これまた失業者を出さないようにすることは何よりも大事だ、これは労働行政の一番急務だ、こういうふうにおっしゃっています。私もまさにそのとおりではないかと思うんです。したがって、そういう面で、長ったらしいですからちょっと省略いたしますけれども、この臨時措置法というものは、いわゆる離職者を出さないということがちょっと欠落している。そして、再就職の援助だけしていこう、こういうふうな法律をそのままさらに五年間延長されるということは一体どういうことなんだろうかなと私は思えてならないわけです。
 まず、その点を労働省の方からひとつ考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#88
○政府委員(齋藤邦彦君) 私どもの政策の基本は、先生御指摘のように失業者をできるだけ出さないようにするというのが雇用対策の基本だろうというふうに思っております。
   〔理事大木浩君退席、委員長着席〕
 ただ、この駐留軍にいたしましても漁業離職者の場合にいたしましても、いずれも離職した場合の特別な援助措置、しかも両方とも非常に再就職が困難であるということ、あるいはその事由が景気変動その他経済事情とは直接の関係がない事情によって生じてくる、こういうようなことも考え合わせまして、離職者が出た場合の再就職の援助措置というのを重点に置いて組み立てられておるわけでございます。
 したがいまして、基本といたしましては当然離職者を出さないということが前提ではございますけれども、ただそのような政策が、早く申し上げればそのまま適用できないような場合に特に再就職の手厚い援助措置を考えた法律、このように御理解賜れば幸いでございます。
#89
○足立良平君 ただいまの局長の答弁は、半分なるほどなというふうに私は思うんです。今の答弁が私の聞き違いであったらまた訂正を願いたいと思うんですが、再就職を手厚く援助していくというその理由の一つは、まず米軍、駐留軍で働いているということ、それから再就職が困難であるということ、そして景気変動に関係なく離職者というものは発生するかもしれない、こういうふうにおっしゃった。一般的に不況の業種とか、あるいはまた例えば円高不況であるとか、あるいはまた今回のような構造的な不況の経済関係で離職者が生じてくるとかいう場合に再就職をしようとしますと、経済環境が大変厳しいわけですから、私はかえって再就職ということは難しいんではないかというふうに思えてならないわけです。
 ですから、そういう面からいたしますと、一般的に本来のこの法律の趣旨からして、米軍なりいろんなこういう駐留軍の条件に応じてそういう離職者というものが生じる場合の再就職というのは、不況時における離職者を再就職させていくという労働行政よりは条件的に考えるとむしろ易しい。私は、今局長の御答弁を聞いておりまして、むしろそれは逆ではないのかなという感じを実は直観的に受けました。ただ、この法律ができた状況と条件というものは相当変わってきているということで、あえて私はもう一歩質問を進めてみたいと思うんです。
 それは、庄司同僚議員からも実は質問があったわけですが、駐留軍の経費負担、いわゆる人件費、労務費の負担というものが昭和五十年代の初めからずっと日米関係の中で変わってきた。そして、そういう状況の中において援助をしていかなきゃならないということは、私はまさにこの法律のとおりだろうと思います。ただ、今度は条件が変わってきたというのは、人件費を中心にして日本側がその労務費を一応負担してまいりましょうということになってまいりますと、これはその業務の指示権なり指揮権というものはなるほど駐留軍側にはそのまま残っているかもしれないけれども、条件が変わってきているわけです、根本的な問題が。そうしてまいりますと、この臨時措置法の持っている法のねらいというものが、ある面においては雇用主というのは日本政府になってきているわけですから、そういう面からすると、労働行政の柱である離職者をなるべく出さないようにしていくというその考え方がこの法律の中に盛り込まれてくるということは、私は事情変化の中では当然ではないかなというふうに思うんです。
 これは、労働省の見解を伺いたいと思うんですが、いかがなものでしょうね。
#90
○政府委員(齋藤邦彦君) 確かに、先生がおっしゃられたようなことがあるかもしれませんが、やはり駐留軍関係労働者と申しますのは駐留軍がいるということを前提にしてその関係の労働者が採用されて仕事をする、こういうような関係にあるわけでございまして、結局駐留軍の動向いかんによっていわば決定されてくるところがございます。そういう意味で、離職者を出さないという政策は政策といたしましても、やはりそれがそのまま適用できないというか、難しい場合もあるんではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
 再就職が難しいという意味でございますけれども、駐留軍関係離職者につきましては、先ほども再三申し上げてまいりましたように非常に仕事の性格から申し上げまして細分化されておるために個々の持っておる技能というのが非常に単能化されておるということ、あるいは最近の事情になるかもしれませんけれども、非常に高齢者になっておるというようなことがひいては再就職に困難さをもたらしてきている、こういう意味でございまして、いわば離職者の方の事情によって再就職が非常に困難だということで、一般的な経済情勢いかんによって再就職が困難だということとはやや事情を異にするんではなかろうか、法律上の仕組みとしてはそういうことを頭に置いてこういうような法律をつくり上げたと、こういうことだと思います。
#91
○国務大臣(村上正邦君) 私からもお答えいたしますが、これは通常の企業の中の労使という考え方でとらえるわけにはいかないという特殊な雇用関係でございます。そうしたことからいきまして、やはり失業者を出さないということがこれはもう私どもの大前提であり、また一番の労働省の基本政策として置かなきゃならないことはもう言うまでもありません。
 このケースについては、やはり国際政治情勢、なかんずく国際の軍事情勢、こういう変化の中で日米間においてどうあるべきなのか。要するに、主体は駐留軍だということになりまして、それを補完するという形のものでございまして、その主体というものがなくなるとか、それが半減されるとか、こういうことになってまいりますと、やはり必要外の補完すべきもろもろの条件というものは、これは当然やむを得ないことなのかなと。しかしながら、これはやっぱりそういう特殊な雇用ということであるわけですから、十分政府としても心してこういうことについては責任ある一つの方策というものは出していってあげなきゃならないことだと、このように考えております。
#92
○足立良平君 わかりました。
 そういう面で、今日の日米関係なり、あるいはまたアジアの中における日本の位置づけの問題なり、あるいはまた日本の安全の問題等を考えると、私もやっぱり駐留軍というものが日本として必要不可欠なものであるという立場をとっておりまして、そういう観点から今質問をいたしているわけであります。
 そういう面で、今大臣の答弁もございましたが、これは防衛庁の方にもお聞きをしておきたいと思うんですが、この法律が初めてできたのは昭和三十三年ですね。ですから、それ以降先ほど言いましたように事情の変化が相当出てきているわけでありまして、労働大臣もそういう面で離職者を出さないように特に配慮していかなきゃならない、駐留軍というものを前提にしながら配慮していかなきゃならないという答弁が実はあったわけであります。防衛庁として同じような観点から、実際には防衛庁が一番主管になっているわけですけれども、そういう観点で防衛庁として、例えば労働条件の改善の問題であるとか雇用の問題とか、そういう問題についてどのように考えて対応されているのか、ちょっと考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#93
○政府委員(荻野貴一君) 今の問いにお答えする前に、先ほど離職した場合の再就職が厳しいということでちょっと補足させていただきたいわけですけれども、駐留軍従業員というのはあくまでも米軍に勤務していますから、米軍の部隊がいなくなってしまいますと職場が失われるわけでございます。そうしますと、その地域に一遍に大量に解雇者が出るということになりますと非常に厳しいと思うわけです。
 それで、先生の今の御質問は、要するに労務費の負担をだんだんふやしていって、事情が変わってきたんで日本政府としてはもっと雇用主として処遇の改善を図って雇用の安定を図っていったらどうかというような御趣旨の御質問だと思うわけでございますけれども、実は特別協定を締結したときに日米間で合意をいたしまして、今まで懸案になっておりました労働条件の懸案事項があったわけですけれども、それの改善をしようということで協議してきたわけでございます。それで、もともと労働法令とか、それから国家公務員の条件まで上げていくという問題がありましたものですから、それについてはかなりの部分合意いたしまして改善されてきているわけです。まだ残っているものもございます。
 そういうふうに処遇の改善を図るということと、それから雇用の安定につきましては、本質的に今申し上げましたように米軍がいなくなってしまいますと職場そのものがなくなるという点で非常に不安定であるわけです。例えば、小さな人員整理のようなものが起こるとしますと、それは配置転換ができるかどうかと空きポストを探しましてそういうところに移せるかどうかというようなことを検討いたしまして、なるべく長い予告期間をとってそういう調整をして、実際に解雇者が出ないようにしていくというようなことを私どもはやってきているわけでございます。
#94
○足立良平君 そういう面で、一応防衛庁はさらに努力をしてもらいたいと思うんです。
 それでは、実態としてお聞きをしておきたいと思いますのは、これは衆議院の労働委員会だったと思いますけれども、既に議論されているわけであります。例えば、駐留軍が全部引き揚げていくとか、これはまさに労働大臣の御指摘のように日米間の問題ですから、すぐれて政治的な問題でありますから、その種の前提で議論というのは余り成り立たないと思うんです。一般の企業にいたしましても、例えばこの前の座間工場で、どこかの会社はがあっと何千人の工場を閉鎖するとかいうことがあるわけですから、企業がそういう場合にどう変わってくるかというのは全く雇用の問題で大きな問題を持っていますから、そのことを前提に議論しても余り意味のないものだろうというふうに思うんです。
 それで、実際的に今の離職者のなにを見ますと、平成に入りましてから人数は相当減ってきている、しかもそれはほとんどが五十九歳といいますか、いわゆる米軍の業務運営上の都合によって解雇される。しかも、それは大体五十九歳ということに相なっているわけであります。そういう面で、これは防衛庁の方も、短期的に見るなら五十九歳に達した者が米軍の業務管理上の都合によって解雇される可能性はあるというふうに御答弁されているわけです。したがって、そこの定年が六十歳になっているにもかかわらず米軍の業務管理上の都合によって五十九歳で解雇される可能性があるという状況は、今までいろんな経過があるようでありますから今ここで詰めた話はいたしません。これは、考えてみると定年制というものは日本的な慣行でありますけれども、そういうふうに人員整理のために、これはちょっと言葉が適切なのかどうかわかりませんが、肩たたきではないかという感じも受けるんですが、この辺の考え方をひとつ説明をしていただきたいと思うのであります。
 それともう一つは、その場合に特別給付金が支給されているようでありまして、その辺のところも含めて考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#95
○政府委員(荻野貴一君) お答えいたします。
 ただいまの五十九歳に達した人間を米軍の業務上の都合により解雇するということ、なぜそんなことをやっているのかという御質問でございますけれども、米軍という軍隊の特殊性からいたしまして、特に体力や敏捷性が要求される職場、例えば弾薬の積みおろし作業とか、それから警備、消防といったような職場でございますけれども、こういうところは年齢的に若い人でなければその要請にこたえられないことがあるわけです。このように体力や敏捷性を要求される職場においては個人差があるわけでございまして、個人によっては米軍の業務遂行に支障を生ずるというようなこともありますものですから、結局こういう制度がしかれているわけでございます。
 在日米軍従業員というのは、先ほどからも申し上げますように米軍の業務を遂行するため、つまり米軍の需要に応じて私どもは労務を提供しているというようなことになっているわけでございます。したがいまして、米軍側の需要といいますか、その事情によりましてやはりそういうような制度をしくこともやむを得ないんじゃないかということでございます。先ほどから御議論になっていますように、従業員の雇用の安定を図るというような観点からも、米軍の事情が許す範囲内におきまして今後ともなるべくこういうのは少なくなるように運用してまいりたいと思うわけでございます。
#96
○足立良平君 特別給付金の関係は何かありますか。
#97
○政府委員(荻野貴一君) 失礼しました。
 今五十九歳に達した時点で業務上の運営の都合によりまして解雇された人間は、離職を余儀なくされた者に準ずるものといたしまして特別給付金を支払っております。それで、適用は特別給付金の額は一表と二表とあるわけでございます。一表は離職を余儀なくされた者そのものでございます。二表は今申し上げましたように準ずるものでございまして、その二表を適用して支給しております。
#98
○足立良平君 一応、今部長の方からそういう米軍の業務管理上の都合というものを日本側としてはなるべく狭めるように、これから雇用を維持していくように努力をしていくという答弁がございましたので、私はそのことを重く受けとめていきたいと、このように思っております。
 ただ、私の考え方なり調べているのがもし間違っていれば御指摘を願いたいと思うんですが、この特別給付金というものはいわゆる言語とか風俗とか習慣とか異なる米軍のそういう労働条件のもとで働いている駐留軍の従業員ということに関しての給付金であります。したがって、そういう面からすると、体力的な問題とかおっしゃっておりましたけれども、そういうふうな米軍の業務管理上の都合で云々ということに支給される本来の
性格のものでは、ないのではないかそもそもこれが設定された経緯からいたしますと、というふうに私は実は受けとめていたわけであります。したがって、そういう面ではこれは一体どういうことなのかなということを率直に言って私は少し疑問に思っていることをまず申し上げておきたいと思います。
 それで、これは今部長の方からも指摘がございましたし、時間も余りないようでありますから答弁は要りませんけれども、防衛庁としてもこの種の問題についてやはりこれは平成七年に労務費というか人件費、これは一〇〇%負担をしていくということで今進んでいるわけであります。これから防衛庁として検討していただかなきゃいけないのは、私が冒頭に労働省側に質問いたしましたように、従来の労務費が駐留軍負担の時代から日本が一〇〇%負担する時代に変わってきている。そうなってまいりますと、当然物の考え方として、駐留軍という特殊なああいう仕事なり、あるいはまたアメリカ的労働慣行を前提にしたそういう中であったといたしましても、その経費をまるまる日本政府が負担している上に立っては、当然にして労働慣行も私は日本的な労働慣行というものを中心に置いた制度というものをつくり上げていく必要があるのではないか。そうしませんと、そこに働いている日本人というものも本当に安心をして働くことができない。
 先ほど、同僚の議員からも、いつ解雇されるかわからないという精神的不安を常に抱えてきているんだというふうな指摘もあったわけであります。やはり日本の六十歳なら六十歳の定年というものを機に仮にやめるならやめるにしましても、大きな事情の変化のない限りそれはずっと勤務することができる、こういう日本的労働慣行というものを重視した、そういう内容に転換をする努力を防衛庁としていただかないと、お金だけは出します、こっちは全部は任せておきますよということでは、国民感情としてやっぱり許さなくなってきている。そういう時代に今入ってきているんだということを、これからの駐留軍なりこういう日米関係、日米安保条約そのものも重要視をしておればおるほど、そういう点はきちんと私はこれから防衛庁側としても見ていただかなきゃならないだろう。
 その一環として、これも同僚議員から出ておりましたいわゆる多能工と言ったらちょっと言葉は悪いんですが、いろんな仕事ができるような能力開発をやっていく。日本の企業の従業員教育というのは企業内教育が中心でありまして、学校教育というよりも技能的に見るなら企業内教育を中心にやっているわけでありますから、そういう観点で例えばそういうふうな駐留軍に働いている人たちが、今度は次に転職する場合でも安心をして、あるいは能力を十分発揮できるように、労働大臣が言われるように働くことの喜びを感じて仕事につけるような、そういう条件をつくり上げていくということが必要なのではないか。 これもちょっと時間がございませんから、あえて答弁は要りませんけれども、そのことを私は申し上げておきたいと、このように思います。もし、どうしてもそれはだめだということがあれば――ございますかありませんか。
#99
○政府委員(荻野貴一君) 前段の部分をちょっとお答えしたいと思います。
 私どもの特別給付金の支給というのは、離職を余儀なくされた者に対して支払うものでございます。ですから、以前からも例えば予算の削減に伴います人員の削減、こういう場合にもやはり離職を余儀なくされたら特別給付金を出してきたということでございます。ですから、業務運営上の都合によりまして離職を余儀なくされた人間に対しても、やっぱり払っておかしくないんじゃないかと、こういうふうに考えております。
#100
○国務大臣(村上正邦君) 私は、参議院では貴重な人材なんですね。というのは参議院で防衛政務次官をやったのは私一人なんです。それから、基地対策特別委員長をやったのも私一人なんです。
 だから、防衛庁問題で今質問を受けると、私が答弁に立たなきゃいかぬのかなと本能的に頭が動くんですが、今足立委員のおっしゃっておられることにつきまして、後段についてはなかなか難しい。私自身お聞きしていて、労働大臣として、もうおっしゃることはよく理解できるんです。としながらも、難しい問題がたくさんあろうかと思って、今後の課題としてお受け取りさせていただきたい、こう思っております。
#101
○足立良平君 それでは、別の質問項目で、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に関係して一点だけお聞きをしておきたいと思います。
 これは、労働省にお聞きをいたしたいと思うんですが、べっこう産業の関係なんです。これは既に昨年の十月でしたでしょうか、労働省の方で特定不況業種雇用安定法を適用していただいておりまして、そしてこれは平成五年十月まで一応その期間となされているわけであります。これはいわゆるべっこうといいますかあれを一応捕獲禁止といいますか輸入禁止ということでなにしているんです。これは、特に一番中心は長崎県だろうと思いますが、今まではべっこう産業の場合には在庫がありましたから比較的まだうまくいけた。問題は、在庫がそろそろ切れかけてきて、しかもそれが輸入禁止になってきているということで、これからが実は大変になってくるという状況だろうと思うんです。
 ですから、そういう面からいたしますと、この指定期間というものについても十月末で切れるということではなしにさらにこれを延長するとか、さらにまた別途特別の方法を考えていただかないと、相当の従事者も抱えているわけでありまして問題が出てくるのではないかというふうに判断をいたしております。したがって、そういう面でこれに対する延長問題とかあるいはまた特別に労働省として何かお考えがあるのかお聞かせを願っておきたい。それで質問を終わりたいと思います。
#102
○政府委員(齋藤邦彦君) 先生御指摘のように、べっこう製品製造業の特定不況業種法に基づきます指定でございますが、平成五年十月三日までということになっております。これからいろいろな関係業界からお話もあろうかというふうに思いますので、十分関係者の御意見を伺った上で適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。
#103
○足立良平君 終わります。
#104
○吉川春子君 まず、外務省にお伺いいたします。
 日本は、米軍との地位協定によって安保条約上は義務のない駐留経費、いわゆる思いやり予算を負担してやっています。今年度も昨年比一五・三%増、米兵一人当たり一千四百万です。そこで伺いますが、現在我が国は在日米軍経費を幾ら負担していますか。それは米軍駐留経費の何%に当たるのでしょうか、数字だけで結構です。
#105
○説明員(原田親仁君) まず、平成五年度について申し上げたいと思いますが、我が国が負担する在日米軍駐留経費は五千六百十二億でございます。
 日米間の負担割合を先生御質問になりましたが、実はアメリカ側から得られている最新の資料はアメリカの会計年度の一九九一年度のものでございますので、そのデータを使ってお答え申し上げたいと思います。まず最初に、在日米軍駐留経費の日米間の負担割合は、為替レートが絶えず変化していることもあり、また日米双方で会計年度が異なるという事情がありますことから一概に論ずることは難しいんでございますが、一つの試算によりますと、平成三年度の数値で申し上げさせていただきますと我が国予算額は四千七百七十一億、同年の支出官レート一ドル百二十九円でドル換算にしますと約三十七億ドルとなります。一九九一年米会計年度の米側負担額は約三十九億ドルとなっておりますので、これを比較しますと、平成三年度におきましては日本側負担割合が四九%、アメリカ側負担割合が五一%となります。
#106
○吉川春子君 九一年度に特別協定を結んで、米軍基地に働く日本人労働者の基本給、諸手当、光熱水費が一〇〇%日本が持てるようにしましたね。それで、その最終年の九五年度には、米軍人軍属の給料を除くと米軍経費の何%を日本は負担するということになるんですか。
#107
○説明員(原田親仁君) お答え申し上げます。
 先生が今おっしゃいました特別協定が終了するのは平成七年度の末でございます。一九九六年三月三十一日でございますが、先生おっしゃいましたように在日米軍駐留経費特別協定は、我が国の在日米軍従業員の基本給及び光熱水料等に関する経費の全部または一部を有効期間五年間とする特別協定の締結をもって負担することとしたものでございますが、政府としてはこの間段階的に負担の増大を図って、平成七年度末には全額負担する方針を立てているということでございます。
 七年度における負担割合でございますが、先ほど先生に申し上げましたようにいろいろ在日米軍駐留経費の総額の推移あるいは為替レートの変動等によりまして推定するのは非常に難しい面はございますが、仮に平成七年度の在日米軍駐留経費のおよその総額及び為替レートが平成三年度のそれぞれの数字と同様であると仮定して単純に機械的に計算をすれば、平成七年度におきましては約五割を日本側が負担するということでございます。ただし、念のために申し上げますと、日本政府は将来の具体的負担割合をこれによって定めたということではありませんで、また負担割合についてアメリカと約束を取り交わしたということもございません。
#108
○吉川春子君 数値については私納得できないんですけれども、きょうは労働委員会ですのでそれはちょっとあれしますが、在日米軍経費の内訳とそれぞれの額、日本の負担率はわかりますか。これ、短く言ってくれますか、いろんな前提をつけずにぱっと。
#109
○説明員(原田親仁君) 九一年の会計年度の額ということでよろしゅうございますか。
#110
○吉川春子君 いや、言えるので言ってください。
#111
○説明員(原田親仁君) 先ほど申しました平成三年度について申しますれば、米側負担額が約三十九億……
#112
○吉川春子君 内訳ですよ、内訳。米軍駐留経費の内訳をまず言ってもらって、その金額です、費目を。
#113
○説明員(原田親仁君) 米側の駐留経費の負担額の項目別の内訳ということでございますれば、九一年米会計年度をとりますれば、アメリカ側の負担額は先ほど申し上げましたように約三十九億ドルですが、その内訳は軍人軍属等関係人件費約二十三億ドル、運用維持費約十億ドルでございます。
#114
○吉川春子君 軍事建設費は。
#115
○説明員(原田親仁君) 九一年米会計年度については、米側によれば、具体的な数値は我々得られていませんが、一千万ドル以下ということでございます。
#116
○吉川春子君 わかりました。じゃ、数値はそういうことを前提にして質問いたします。
 施設庁に伺います。政府は、米軍の要請によって基地従業員を雇用しますけれども、労働関係、雇用労働条件など労働者保護について条約上、協定上、どうなっていますか。地位協定の十二条の五項で説明、説明というか簡単に言ってください。
#117
○政府委員(荻野貴一君) まず、地位協定から御説明いたしますと、地位協定十二条五項によれば、「賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならない。」、こういうふうになっております。
#118
○吉川春子君 続いてお伺いいたしますが、私、今資料を配付させていただきましたけれども、基本労務契約、MLCの「5 面接及び採用」の「b 報告」のところではどのように記されていますか、読んでください。
#119
○政府委員(荻野貴一君) これは基本労務契約の第一章B節でございますけれども、これによりますと、B側、これは日本側でございますけれども、
 B側は、差し向けた応募者を試用期間従業員又は常用従業員として採用する旨の通知を受領した場合には、この応募者が第九章に定める基準に該当するか否かを決定するために照合調査を行なうものとする。B側は、その照合の結果の報告書に、警察庁の犯罪記録の照合の写し、その応募者の本籍地及び現住所を管轄する都道府県警察の犯罪記録の照合の写し並びにA側が特に要求する場合には、その応募者自身の紹介によらない者で、過去二年におけるその応募者の行動及び交友関係について具体的に知っているもの少なくとも二人を含む身近な参考人少なくとも三人との面接の結果の報告を添えて、A側に送付するものとする。
#120
○吉川春子君 そうしますと、米軍から採用する旨の通知を受領した労働者については、すべて犯罪記録の照合の写し等を添付しているわけですね。
#121
○政府委員(荻野貴一君) 今読みましたとおり、採用する旨の通知を受領した場合には、県ですね、これは私どもの従業員の雇い入れ、提供、解雇等の労務管理事務は各都道府県に機関委任しております。その従業員の採用時の今言いましたような警察に対する照合も、これは県を通じてやっているわけでございます。
#122
○吉川春子君 その年間の件数は幾つですか。
#123
○政府委員(荻野貴一君) 約二千件弱でございます。
#124
○吉川春子君 毎年二千件ぐらいの犯罪記録の写しをつけて米軍に報告していると、こういう答弁です。
 それから、この資料でお示しした「b 報告」の後半は、米軍が特に要求する場合には、過去二年間におけるその応募者の行動及び交友関係について三人との面接の結果の報告を行うことになっていますね。防衛施設庁、これはどこでこういうことをやっているんですか。
#125
○政府委員(荻野貴一君) これは、米軍の要求があった場合にはと書いてございます。最近、米側からそういう要求はございませんので、現在のところやった事例はございません。
#126
○吉川春子君 そういう交友関係を徹底的に洗って警察から報告を受けて米軍に報告するというということも、要求があればやるということになっています。
 人事院にお伺いいたします。
 国家公務員の採用について、国公法二十七条の平等取扱の原則とか人事院規則の二条はどうなっていますか。
#127
○説明員(石橋純二君) お答えいたします。
 国家公務員法第二十七条の平等取扱の原則は、人種、信条等により差別されてはならない旨を定めております。これを受けまして、人事院規則八―一二、職員の任免、第二条におきましても、平等取り扱いの原則に違反して採用を含む職員の任免を行ってはならないとされているところでございます。
 したがいまして、国家公務員の採用に当たりましては、信条等による差別は国家公務員法及び人事院規則により禁じられているということでございます。
#128
○吉川春子君 さらに、その国家公務員の採用試験において、試験官は受験者の信条、支持政党、尊敬する人物等、また本籍地等、こういうものを質問してはならない、こういうところまで配慮しているわけですけれども、これもやはり憲法とか国家公務員法によるわけですね。
#129
○説明員(石橋純二君) 先生今御指摘のように、私どもの採用試験におきます人物試験では、受験者の信条、支持する政党、尊敬する人物あるいは家庭の資産、住居状況、受験者の出生の状況、嫡出とか非嫡出の州その他については質問をしないということになっております。これは、人物試験
の公正な実施を図るためには、受験者の人物評価あるいは適性と関係のないプライバシーに当たるような事項を質問の題材とすることは適切ではありませんので、また国家公務員法の二十七条の趣旨も踏まえて、そのような取り扱いにしているところでございます。
#130
○吉川春子君 その国公法三十八条は欠格条項の規定がありますけれども、政府の採用する労働者について犯罪記録の照合等を行ったことがありますか、警察に対してですね。
#131
○説明員(石橋純二君) 国家公務員法の三十三条、これは任免の根本基準を定めたものでございますけれども、「すべて職員の任用は、この法律及び人事院規則の定めるところにより、その者の受験成績、勤務成績又はその他の能力の実証に基いて、これを行う。」ということで、受験成績、勤務成績をもとにして行っておりますので、今お尋ねのようなことは私どもの方では行っておりません。
#132
○吉川春子君 警察庁にお伺いします。
 警察庁は、そういたしますと防衛施設庁に犯罪歴の提供をしているわけですね。
#133
○説明員(森喬君) 駐留米軍の職員採用につきましては、この事務を機関委任されました都道府県から犯罪経歴等の有無に関する関係警察本部に対する照会がございまして、必要な事項を回答しております。
#134
○吉川春子君 そうしますと、一番最近の数字で、全部の県じゃなくてもいいですけれども、沖縄とか神奈川で問い合わせがあった場合、何件ぐらい回答しているんですか。
#135
○説明員(森喬君) 先ほど施設庁の方から平成四年度約二千件弱ということでございましたが、私どもの数字ではおおよそのものしかつかんでおりませんが、四年中の一年間、神奈川県が約七百、沖縄県が約五百五十件であります。
#136
○吉川春子君 例えば、ほかの省庁から問い合わせがあったり、民間の企業から問い合わせがあったりした場合は、警察庁はやはり犯罪歴の提供などを行うんですか。
#137
○説明員(森喬君) 犯罪捜査の目的で使用される場合等で、私ども警察の規則に適合するものについては回答しておるものがございます。
 なお、民間からの問い合わせはあるのかという御質問につきましては、民間機関、法人等からの問い合わせはございません。
#138
○吉川春子君 そうしますと、労働者を採用するに当たってそういう問い合わせがあったときに、警察庁はこういうものには応じていない、こういうふうに解釈していいですか。
#139
○説明員(森喬君) そのとおりでございます。
#140
○吉川春子君 その提供しておられる犯罪歴というものは、どういうものですか。具体的に言っていただきたいと思います。
#141
○説明員(森喬君) 犯罪経歴の有無等について回答しておるわけでございますが、私ども警察の保有する犯罪経歴の具体的な内容については、犯罪捜査に関する事項でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#142
○吉川春子君 そうですかと納得するわけではありません。
 警備情報も提供しているんではありませんか。
#143
○説明員(玉造敏夫君) ただいま答弁がありましたとおり、犯罪経歴についての照会に回答しているものでございまして、その他の事項についての照会は受けておりません。
#144
○吉川春子君 警察庁は、こういう防衛施設庁から問い合わせがあった場合、犯罪歴の問い合わせに応じているわけですけれども、どういう根拠でこういう行為を行っているのでしょうか。
#145
○説明員(森喬君) 法的根拠でございますが、いわゆる地位協定第十二条第四項及び同協定第十五条第一項並びに基本労務契約等で照会を受け、私どもはそれに回答しておるわけでございます。
#146
○吉川春子君 地位協定は、はっきりと日本の法令を尊重しなきゃならない、そして労働者の労働条件とかさまざまな労働者の保護というものは日本の法令を守る、こういうふうになっているわけでしょう。警察のやっていることはそうじゃないですよね。この地位協定に沿ってということにはならないと思うんです。
 それで、犯罪歴というものは最も知られたくないプライバシーの一つです。そして、これが年間数千人分もアメリカに日本政府の手から渡されているということは全く驚くべきもので、憲法は停止しているんです。憲法は死んでいるんです、この件に関して言えば。基本的人権とかなんとかということは全くもう論外になってしまうじゃないですか。
 警察庁に重ねて伺いますけれども、警察の責務とは一体どういうものなのかということを警察法の第二条で書いてありますね。その条文を読んでくれませんか。
#147
○説明員(森喬君) 警察法第二条一項、二項がございますが、一項「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」。二項「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであって、その責務の遂行に当っては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」となっております。
#148
○吉川春子君 法律には大変立派なことが書いてありますよね。これに基づいてまさに警察庁は職務の遂行をおやりにならなければいけない、私はそのように思います。
 もう一つ伺います。警察が提供しております犯罪歴は、古いものは別にして電子計算処理に係る個人情報として保管されていますね。これは比較的最近法律ができたものですけれども、この法律に合わせて、警察の保有する電子計算処理に係る個人情報の取り扱いに関する規則がつくられましたね。犯罪歴なんというのはみんなコンピューター処理でしょう。その八条ではどういうふうにしなきゃならないというふうに書かれているんでしょうか。
#149
○説明員(森喬君) 御指摘の国家公安委員会規則第二号の八条には、「処理情報は、法律の規定に基づき利用し、又は提供しなければならない場合を除き、警察の任務の遂行に必要な限度で利用し、又は提供する場合以外の場合に利用し、又は提供してはならない。ただし、所轄庁の長において、処理情報を利用し、又は提供することについて特別の理由があると認める場合であって、当該処理情報を利用し、又は提供することにより、当該処理情報に係る本人又は第三者の権利を不当に侵害することがなく、かつ、警察の任務の遂行に支障を生ずることがないと認めるときは、この限りでない。」、これが一項になってございます。
#150
○吉川春子君 つまり、当該処理情報に係る本人または第三者の権利を不当に侵害するということはあってはならないわけですね。そういうふうにならない場合だけに限って利用するということになっているわけで、まさに当該本人の利益を損なうような犯罪歴の提供なんというのはとんでもないことで、警察としてはこういうことをおやりになるべきじゃないんです。しかし同時に、警察にこういうことをやらせている防衛施設庁の方がもっと悪いと思うんですよ。
 防衛施設庁、こんなことをアメリカが言うからといって、地位協定にも反して、地位協定の論争はいいですけれども、こういうことをおやりになっているということを恥に思わないんですか。
#151
○政府委員(荻野貴一君) 日本人従業員は米軍に勤務する者でございます。米軍は厳正な規律を維持する必要がございます。したがいまして、厳正な規律を維持するというような観点から、犯罪歴の有無などを調べまして採用の資料にするということはまた必要なことであろうと思います。
#152
○吉川春子君 じゃ、あなたは当然こういうことを憲法も日本の国内法も許している、だから地位協定の日本国の法令で定めるところによらなければならないということに反しないということですから、憲法も法律もこういうことを許している
と、こういうふうにお考えですか。施設庁どうですか。
#153
○政府委員(荻野貴一君) 地位協定十二条六項がございまして、軍隊にとって軍紀の維持というのは非常に重要なものでございますものですから、地位協定十二条六項と合意議事録の十二条六項のところを見ますと、軍紀の維持の擾乱を含む安全上の理由による解雇者につきましては、裁判所の復職の決定があったとしても米側は復職させないことができるというような定めがあるわけです。そういうふうに米軍の軍紀の維持ということについては、法律も特別の扱いをしているということでございます。
#154
○吉川春子君 今あなたは解雇のことを言われましたけれども、解雇じゃないんですよ。解雇も問題がありますけれども、解雇はさておくとしても、採用のときに、そしてそういう軍紀を侵したとかなんとかということじゃないんですよ。そうではなくて、すべての労働者について犯歴をつけてアメリカに報告している。しかも、あなたが今引用した保安解雇のところですか、ここにも破壊団体または会の構成メンバーだけでそういう理由になるわけです。だから、軍紀を侵したとかなんとかという以前に、すべての労働者について犯歴をつけて米軍に報告している。こういうことが憲法上許されると思うんですか。解雇じゃなくて採用の最初の段階について答えてください。
#155
○政府委員(荻野貴一君) 従業員はあくまでも米軍に勤務する者でございます。ですから、米軍の軍紀を維持するという必要性があって、その必要性を満たすためにやはり従業員の犯歴とか、それからそのほかいろいろ経歴とか職歴とか学歴とかございますけれども、そういうもの全体を見て採用のときの判断材料にするということは、私はおかしくないと思います。
#156
○吉川春子君 施設庁のやっている行為は憲法に合致する行為だとお考えですか。
#157
○政府委員(荻野貴一君) 違反しているとは思っておりません。
#158
○吉川春子君 とんでもない答弁ですね。やっぱりこれはもう憲法も認めない、法律も認めない、そして国家が労働者を採用するとき、さっき人事院が言いましたけれども、そういう原則とは全く違ったものなんですよ。
 そして、さっき外務省が言いましたけれども、九六年までには一〇〇%日本が基本給から諸手当からみんな持つんですよ。百歩譲って、今までアメリカが給料を払っていた、アメリカの管理監督権が強かった、こういうことがもし仮に言えたとしても、一〇〇%給料を払っていく、しかも日本人の労働者が憲法やら国家公務員法やらそのほかの法令で認められないような、そういう犯罪歴その他の、しかも犯罪歴だけじゃないんですよ、米軍が言っているのは。さっきも言いましたけれども、「応募者自身の紹介によらない者で、過去二年におけるその応募者の行動及び交友関係について具体的に知っているもの少なくとも二人を含む身近な参考人少なくとも三人との面接の結果」を報告しなきゃならない、米軍が要求すれば。そういうふうになっているんですよ。憲法も踏みにじって、お金も一〇〇%出して、そんな屈辱的なことがありますか。そんなことをいいと思ってやっているとは思えないんです。
 先ほど来問題になっております、日本がお金を負担するようになった、そういうことについて地位も変更があるんじゃないかという質問が同僚委員から再三ありましたけれども、さっき施設庁は、そういう問題について協議中だというふうに言いましたね。こういうものも協議の項目に入れてもらいたいと思うんです。そして、施設庁のレクでは、この九章の規定はほとんど死文化しているというふうにも説明されているんです。そういうものも含めてやっぱりこういうことをやめさせていく、そういう協議を米軍にも持ちかけるべきじゃないかというふうに思います。それを施設庁にまず答えてもらいたい。
 労働大臣、何十年もこういうことが続けられてきているわけなんです。駐留軍に勤めている労働者であっても日本の労働者として労働法規その他で保護されなければならないという立場を労働省はとっているわけですね。労働省というのはまさに労働者を保護する行政機関であるわけですから、やはり法令に違反し憲法にも違反すると私は思うんですけれども、労働者の基本的人権が損なわれていることは事実です。だから、そういうような問題についてやっぱり現状を黙認していいということにはならないと思うんです。お金も一〇〇%負担するようになった、この時期に労働大臣のイニシアチブでこういう問題を米側にも提起して、報告のこういうような文章は削除する、そういうことを私は要求したいと思います。施設庁と労働大臣と両方に答弁いただきたいと思います。
#159
○政府委員(荻野貴一君) まず雇用主である私どもの方から先に答弁させていただきたいと思います。
 今先生二点おっしゃいましたけれども、一つの協議の対象、要するに日米間の改善の協議の対象にすべきではないかという点でございますけれども、幾ら労務費を負担したからといって職場の性格は変わるものではございません。職場の性格上、先ほど申し上げましたような犯罪歴の調査も必要でございますので、これを協議の対象にするつもりはございません。
 それからもう一つ、死文化しているのでその規定を削ったらどうかという点でございますけれども、現在基本労務契約に規定されているすべての調査を行っているわけではありませんけれども、この規定は米軍の秩序維持のために必要なものであるので、今行っていないからといって将来にわたって不要となるものではありませんので、改正するつもりはございません。
#160
○国務大臣(村上正邦君) 労働大臣としてどうだということですが、一般論とすれば、採用、選考に当たっては本人の適性、能力に基づく公正な採用、選考を行うことが望まれるものであります。本件については十分施設庁から話を聴取してみたい、こう思っております。
#161
○吉川春子君 終わります。
#162
○笹野貞子君 一般論といたしまして、人格のある人という問いに端的に答えるならば、非常に先見性に富んだ人あるいはその先見性を現実にマッチさせて一つの哲学を持った人とでも言えるでしょうか。国際関係あるいは国家でもまさに私はそうだというふうに思います。日本の国を将来に向けて先見性を的確にとらえながら現実問題を把握していかなければいけないというのは、これは言をまたないというふうに思います。
 そこで、大臣に御質問したいんですけれども、先ほど大臣は防衛問題に関しては参議院では右に出る者がないとおっしゃったので大変私は心強く思いまして、まさに当委員会はユニークなとてもすばらしいと思いながら、この駐留軍関係離職者等臨時措置法という法律につきまして、臨時措置法というこの法律、臨時というためには、その立法趣旨と臨時がいつまで臨時なのかということが非常に重大になってくるというふうに思うわけです。私は、いい政府というのは行政が煩雑じゃなくてわかりやすくて小さな政府で大きな効果を上げるということなわけですから、その立法におけるプロセスもそういう問題を含んでなければいけないというふうに常々思っております。
 そこで、私がこの法律をいただきましたときに、よく見ますと、昭和三十三年五月に成立いたしまして五年ごとにもう六回にわたって延々と継続継続ということになっております。私は、この法律そのものは決して悪いとは言っていないんですけれども、三十五年間にわたって同じことを臨時措置法臨時措置法と言いながら繰り返しているわけですが、きょうこの臨時措置法が成立いたしますと、大臣、五年後にはこの法律は要らなくなる、つまり基地はなくなるという意味を含んでいるんでしょうか。五年後というのをどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
#163
○政府委員(齋藤邦彦君) 駐留軍関係離職者等臨時措置法の問題でございますが、この法律の趣旨
といたしますところは、いろいろな国際関係の変動等の影響を受けて駐留軍関係離職者というものが発生をしてくる、その発生してこられる離職者の方についての再就職の促進についての特別な対策を講じよう、こういう趣旨の法律でございます。
 先生おっしゃられましたように、確かに法律の安定性ですとかあるいはわかりやすい、こういう御趣旨からいえばいわば恒久的な法律というのも考えられないわけではないとは思います。ただ、いかんせん国際関係の変動等によって左右されるべき部門が非常に大きいということから、恒久的な法律ではなくて臨時的な法律というふうに組み立てられておるわけでございます。その趣旨は、やはり五年ごとにその法律自身が必要性があるかどうかということを改めて判断すると同時に、あわせてその内容もその時点その時点に応じて適切なものであるかどうかということを判断することが必要になってくるだろう、こういう趣旨だろうというふうに思うわけでございます。
 ですから、法律の必要性そのものと法律の内容が適正かどうかということと、その二面についてその場その場において判断することが必要になってくるものだ、こういうような性格の法律だろうというふうに思うわけでございまして、そういう意味で五年後ということになりますとまだ先になりますので、その五年後の時点において判断を改めて行うということが法律の趣旨だというふうに思っております。
#164
○国務大臣(村上正邦君) 先ほども足立議員との話の中にありましたように、五年先を想定してということになりますと、これは特に日米、なかんずく防衛それから軍事、こうなりますとなかなかこれは想定しにくいことでございます。しかし、私は先ほど決して参議院で防衛問題で私の右に出る者はいないと言って胸を張ったわけじゃなくして、経験として防衛政務次官、基地対策特別委員長をやったのは参議院は私一人だ、貴重な人材であると申し上げたので、その点誤解のないようにひとつ御解釈を賜っておきたい、こう思います。
 今局長が言いましたように、五年後においてその状況の中で見直す。特に、笹野委員の場合は憲法学者でいらっしゃるわけでございまして、法律関係におきましては浅学なこの大臣よりも非常に学識のおありになる委員でいらっしゃいますので、私よりも十分おわかりになって御質問なさっておられることだと思いますので、ここらあたりでひとつ。
#165
○笹野貞子君 このごろ褒め殺しという言葉もありますのであれですけれども。
 つまり、私が言いたいのは、先ほどもわかりやすい法律、そして法の安定性とかもろもろのことを考えますと別に五年と切る必要はないんで、何か国際的な問題が起きたとき、あるいはその法を変えなければならないときに考えたらいいんで、わざわざ五年間を切ってまたまた臨時措置法というそういうやり方というのはちょっとおかしいんではないかというふうに指摘をしたい。私は、この基地というのは今の状況から見てもなくなるというふうには思えません。そういう意味では、安定性を保つために恒久法にすることには何ら障害はないんじゃないかというふうに思いますので、その点をあわせて御検討いただきたいというふうに思います。
 また、同じように国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これももっと短くするといいと思うんです。この法律に至りましては、これからどんどん国際的に規制が厳しくなってくるわけですから、五年後に必要がなくなるというのではなくて、見直しをその都度していかなければならない性格のものだというふうに思います。何か間に合わせて五年後五年後という、そういう考え方をやっぱりこれからきちっと改めるべきではないかというふうに思います。同じ質問になりますけれども、いかがなものでしょう。
#166
○政府委員(齋藤邦彦君) 漁業の関係につきましても事情は似たようなところがございまして、要は国際協定の締結に伴いまして発生する離職者について特別な対応策を考えようということでございます。国際協定の締結という事由自体はあらかじめ予測することが非常に困難な事由でございます。これからどういう国際協定が結ばれるかということはあらかじめわかっておらないわけでございまして、そういう意味で恒久法の対象として法律をつくり上げるということにはやや無理があるんではなかろうかというふうに思うわけでございまして、そういう意味で臨時的な措置法というものが必要になってくる。
 そうなりますと、次に五年という期間はどうして決められたのかこういう議論になってくるだろうというふうに思います。特に、五年という期間に意味があるというわけでもないというふうに思いますが、一応の法的な安定性というふうなことを考えますとやはり五年ぐらいの先を見通した上でこういう対応策がふさわしいのではないか適当ではないかということが一応予見できる範囲内ではなかろうかこういうことで五年という期間を定めた次第でございます。
 そういう意味で、恒久的な措置なり一般的な法律の中に組み込むというのも一つの立法形式としてはあり得るかとも思いますが、従来等のいきさつ、先ほど申し上げましたような事由によりまして臨時措置法で措置をしている、こういうことでございます。
#167
○笹野貞子君 これは今後の課題としまして、国際的な対応というんでしたら五年なんというのは長過ぎますよね。もう一年か二年で変わるわけですから、それは五年の理由にはならないと思いますので、ひとついい方法を考えていただきたいというふうに思います。
 さて次に、この漁業の国際協定を見ますと、非常に減船数が多くなっております。ちなみに、平成元年は十そう、二年は三百二十そう、三年は三十二そう、四年は二百三十二そう、また四年には八そう、二そうと、合わせて六百四そうの減船がされているのが現状です。特に、母船式のサケ・マス漁業、北洋はえ縄・刺し網漁業などというのは全面の禁漁になっているわけです。先ほども水質資源というのはまたその資源がもとへ戻る可能性がある、そのときには復活する可能性もあるというふうな御発言がありました。しかし、こういうふうに全面禁漁になってしまいますと、漁法、とる技術というものが、今度復活したときにはそれを伝承する船の設計及び漁具、いろいろな技術等々が絶えてしまうんではないかというような危惧さえ私は持ちます。これに対して、どのようなそれを伝承するような行政を行っているかどうか、お聞きしたいと思います。
#168
○説明員(城知晴君) お答えいたします。
 ただいまの御指摘の北洋はえ縄漁業につきましては、従来米国水域を対象にいたしておりましたが、昭和六十二年から米国の割り当てがゼロになりまして、米国水域での操業はできなくなったわけであります。また、母船式サケ・マス漁業につきましては、いわゆる母船国主義、遡河性魚種に対します母船国主義の定着の中におきまして、平成元年度から従来の形態での操業が不可能になったというのは事実でございます。
 ただ、これら両漁業につきましては、北洋はえ縄・刺し網漁業につきましては、昭和六十三年度からロシア水域への入漁が認められておりまして、現在ロシア水域で当時の約半分程度の漁船が北洋はえ縄・刺し網漁業を実施しております。続きまして、母船式サケ・マス漁業につきましては、平成元年度からなくなったわけでございますが、他方、当時の独航船につきましては、同年度から基地式サケ・マス漁船に転換いたしまして、現在も引き続き操業を継続いたしておる、こういう状況でございます。
 したがって、これら両漁業につきましては、御指摘の技術の伝承という意味におきましては必ずしも大きな問題になっておらないわけでございます。また、今後の問題といたしましては、そのような技術の伝承を考えなきゃいかぬ、そういう事
態を招かないよう私どもは操業の安定、継続に努力するというのが基本ではなかろうか、まずそのように思っております。
 ただ、今後何らかの事情によりまして万が一一定の漁法につきまして全面的に断念せざるを得なくなった場合にそれらの漁法をどうするかということは、御指摘のとおり一つの大きな問題ではなかろうかと思っておりますが、これらにつきましては、それぞれ個別具体的にその漁法技術の今後の利用なり応用の可能性等を十分踏まえながらその時点におきまして判断していくべき問題であろう、このように思っております。
#169
○笹野貞子君 今京都におきまして国際捕鯨委員会が開催されているわけですけれども、今の状況から見ますとどうも日本は非常に分が悪い。三分の二の賛成があると全面的に捕鯨というのは禁止されてしまうような状況ですし、今日本が捕鯨を許可される可能性は薄いんではないかという大変危倶を私は持っております。
 さてそこで、日本の政府といたしましては、この会議にどのような戦術、戦略をもって日本の捕鯨を守るようなひとつ覚悟があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
#170
○説明員(森本稔君) ただいま先生の方から、ことしの五月、二十五年ぶりに京都で国際捕鯨委員会の総会が開かれるということで、どのように対処するのかという御質問でございます。
 国際捕鯨委員会と申しますのは、現在、加盟国が三十八カ国ございまして、その加盟国の大部分は商業捕鯨が禁止になる前からもう捕鯨を中止していた国あるいは捕鯨の経験のない国でございまして、そういう意味におきまして、日本であるとかノルウェーは少数派になっているところでございます。したがいまして、このような状況の中で鯨資源の管理のあり方について必ずしも我々が考えているような生物学的な知見に基づいた妥当な管理が行われていない、こういう意味において多々非難はあるわけでございますけれども、IWCのもとで、引き続き我々といたしましては、冷静な科学的な議論を尽くしまして、IWCそのものが正常に機能するように最大限努力をしていきたいと考えております。
 それから、国際捕鯨取締条約の精神がそもそも資源の持続的利用という原則をうたっているわけでございまして、この方向に沿った捕鯨の再開が図られるよう、引き続き今次総会においても努力をしていきたいと考えておるところでございます。
#171
○笹野貞子君 そこで、続けてお尋ねしたいんですけれども、どうも今の国際情勢を見ていますと、鯨の肉を食べることはけしからぬ、しかし牛肉を食べるのは構わない、鯨の肉を食べる国は野蛮だというような、そういう国際世論の中で日本は押されぎみになっているわけです。私にしますと、鯨の肉と牛肉とは別にどっちがいいとかどっちが悪いとかいう問題ではなくて、日本が鯨をとり過ぎた、乱獲をしたということが責められるべきであって、鯨の肉を食べることをけしからぬというのはこれは非常におかしいんで、まさに畜肉を食べる文化を持っている国が鯨肉を食べる文化を持っているところに何か自分の文化を押しつけているんじゃないか。日本は、畜肉を食べている文化に押されぎみじゃないかというふうに思っているんです。
 ここで大臣、ひとつ文化論をちょっと大臣といたしたいと思うんです。別にこれは捕鯨技術とかなんとかというんじゃなくて、やっぱりいろんな国がいろんな文化を持って、その文化の価値に従って自分の国を成り立たせているわけですから、自分の食文化と合わない国をそれはけしからぬと言うことによって捕鯨を禁止するということに対しては、これは文化の違いであって、そういうことに押されてはいけないというふうに私は思っているわけです。確かに、鯨の乱獲はこれから日本の将来にかけてやめなければいけないと思います。鯨を食べるということに対して、これは別に牛肉を食べるのと一緒というふうに思うんですが、大臣はいかがなものでしょうか。
#172
○国務大臣(村上正邦君) もうきょうはどこから弾が飛んでくるか、予定外の、通告外の質問が随分出されていますので。
 食生活の文化論などという高尚なお答えになるかどうかはわかりませんが、それはやっぱりそれぞれの国の嗜好というものがありますので、マグロを食ってはいけないだとかいろいろな話も一時はあったように私は思いますけれども、事の本質はそういうことではなくして、要するに鯨を保護するという、こうしたところに力点を置いての問題ではないのかなというふうにとっておりまして、鯨を食べるのが日本人けしからぬということではない、こういうふうに私は理解をいたしております。今回京都で行われます捕鯨の総会につきましても、田澤元農林大臣がこの議員連盟の会長をなさっておられるというふうに私は承知しておるわけでありますが、私の方もこの議連の方へ入るようにという要請を受けましたので、十五、六名参議院の仲間を募りましてこの議連に加入した、こういう経過もありまして、鯨をとるということと鯨を食べるということは別の次元だと、このように私は解釈をいたしております。
#173
○笹野貞子君 これから山場にかかるわけですけれども、そういう意味ではどうぞ日本の立場をしっかりと国際環境の中で示していただきたい。水産資源に頼っている日本の国としては、やっぱりそういう観点も世界の中で認めてもらうような努力をしていただきたいというふうに思いましたので、あえて大臣の御発言をいただきました。大臣の力強い、議連の応援団もあるわけですから、ひとつ水産庁も頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、本題に戻りまして、この法律というのは、個人とかあるいは経済関係ではない国際関係、国家意思によって離職した者に対する補償という、保護という問題の法律ですが、そうしますと、こういうときには一体どうなのか。これを見ますと「国際協定の締結等」と「等」という言葉がついておりますが、この「等」というのは、締結しなくても、まとまらなかったときにでもという意味が含まれているものだというふうに思います。そうするならば、この法律の網にかかるのは相当枠が広げられているというふうに私は解釈をしております。そうしますと、ミナミマグロなどのような現状のときには、余りとり過ぎると資源の枯渇になるので自主減船をしようということで、進んでみずから減船したような場合にはこの法律によって保護の対象とする、つまりそういうお考えが今後あるのかどうかをお聞きしたいと思います。
#174
○政府委員(齋藤邦彦君) この法律で書いてあります「国際協定等」の「等」という意味でございますが、もちろん二国間あるいは多国間におきます条約、協定が含まれることは当然でございます。それだけではなくて、いわば典型的な例でいきますと、二百海里の経済水域の設定というのがございますが、こういうような漁業に関しまして、国際関係に起因して行われる漁業規制というものも当然含まれる。それから、いわゆる民間協定でございましても漁業協定に準ずると認められるようなものは当然入ると思いますし、さらに国連等の決議等の場合も含まれるだろう、こういう意味の「等」でございます。
 先生御指摘のような事例につきましては、農林水産省とも十分お話をしながら法の趣旨に沿った形での運用を図っていくようにいたしたいと、このように思っております。
#175
○笹野貞子君 私は、この法律を読ませていただきまして、これは離職をした人に対する手厚い保護と次の就職に対する温かい配慮の法律ですので、実にいい法律だというふうに思っております。
 しかし、この法律に係る方は非常に保護されるけれども、この法律に係らない方は保護が薄いとでもいいましょうかこの法律は非常に厚遇をしている。つまり、離職をした側の観点に立ちますと、どういう理由で離職したかということよりも、離職したという現実が非常に働く者にとって
は重大問題なわけですね。
 そこで、労働省の方にレクをしているときに、責任を起因した方が問題になって厚遇とか冷遇というのはおかしいんで、やっぱり離職をしたというその現実に対して、あまねく、ひとしく厚遇する方が労働行政じゃないかというふうに迫ったのですが、有能な行政マンが来まして、神戸大学の阿部泰隆さんの「国家補償法」という法律を持ってきまして、この中の図までちゃんと説明していただきまして、個人とそして会社とか経済関係と国家によって起因があって、個人でなった場合にはこれはもう論外、しかし会社とか企業とか、そういう場合は運が悪かった、そして国家がそういう原因を起因したときにはこれは厚遇すると、この三つに分けてこれで納得しろと、こう言ったんですが、国家じゃない人は運が悪かったということで離職を考えてしまうのは、私はまだ一〇〇%理解をしておりません。法のもとに平等というのは、その平等というのは何が平等であるかということの詰めを私もこれからしてみたいというふうに思っております。
 そういう意味で、これからこういうふうに非常に厚遇している補償を底上げして全般的に、離職をしたというのは原因にかかわらず、あなたは国家じゃなかったから運が悪かった、そういう発想じゃない発想に労働行政を持っていくという可能性はあるかどうかを聞きたいと思います。
#176
○政府委員(齋藤邦彦君) この法律で一番主眼といたしておりますのは、労働者が失業した場合の生活の安定あるいは就職の促進を図る措置としてどのようなものが適当か、こういうことでございます。
 一般的な離職者の場合につきましては、雇用保険法等がございましてそれぞれ対応策を考えてあるわけでございますが、例えば雇用保険の場合ですと最高三百日までということになっております。それから、駐留軍なり特定漁業の場合ですとそれぞれ転換給付金が出まして最長三年まで、こういうことになっておるわけでございます。
 それで、一体どうしてこういうような離職者については手厚い事由があるかということになると思いますが、一つの理由といたしましては、やはり再就職にそれぞれ非常に困難な面がある、要するに非常に長期間にわたって再就職をするための努力が必要とされるのではないかという、一般論としてでございますが、そういう判断が一つあるというふうに思います。
 例えば、漁業の離職者の方ですと漁業という極めて限られた職種の方でございまして、そのほかの職場へ転職をするというのも非常に難しい。それから駐留軍離職者の方につきましても、先ほどからいろいろ御議論ありましたように非常に職種が細分化されておるし、一般のところへなかなか行くのは困難だ、こういうような事情もございます。それからまた、国際協定の締結ですとか駐留軍離職者の場合でも同じだというふうに思いますが、一時に大量の離職者が発生してしまう、したがって特別な措置を講じておかないとなかなか全員を早急に再就職させることが難しい事情がある、こういうようなことだというふうに思います。さらにつけ加えての話として、国の政策の実施といういわば事業主にとってはいかんともしがたい事由による離職ということがあると思います。
 先生御指摘のように、離職という事由から見れば労働者にとってみれば同じ事由でございまして、そういう意味で離職された場合の一般論としての再就職の援助にどのような対応、政策が必要かということはいろいろ検討する余地は当然あると思いますし、それ全体を底上げしていくという必要性があるとすればそういうような政策の検討というのは当然あり得るだろうというふうに思います。ただ、一般の場合とは若干違う事情があるということは御理解賜れば幸いだというふうに思っております。
#177
○笹野貞子君 終わります。
#178
○委員長(田辺哲夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(田辺哲夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(田辺哲夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(田辺哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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