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1993/02/23 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第2号
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1993/02/23 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第2号

#1
第126回国会 逓信委員会 第2号
平成五年二月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十二日
    辞任        補欠選任
     三重野栄子君     山田 健一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野別 隆俊君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                及川 一夫君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                沢田 一精君
                志村 哲良君
                中曽根弘文君
                大森  昭君
                川橋 幸子君
                中尾 則幸君
                山田 健一君
                常松 克安君
                鶴岡  洋君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
       郵政省放送行政  木下 昌浩君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (郵政行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として山田健一君が選任されました。
#3
○委員長(野別隆俊君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○及川一夫君 郵政大臣、この前、就任早々部屋の方にごあいさつに来られだそうですが、私はおりませんでした。大変ありがとうございますが、これからよろしくお願いいたします。
 きょうは、逓信委員会の一員として、これまでの論議に対して責任を持たなければいけないという意味合いを踏まえますと、就任記者会見における郵政大臣の御発言というものはどうしても理解ができない。したがいまして、一般質問ということではございますが、私の立場としては、とりあえずその問題を解決しなければという思いで、そのこと自体に集中して質問いたしたいというふうに思います。
 そこで、第一にお尋ねしたいのは、この前の委員会で所信の表明がございました。それで内容をつぶさに検討いたしてみますと、少なくとも年末における就任当時の御発言の内容はこの中にはほとんど含まれていないようにお見受けするわけであります。しかし、これは常套語ということで、別にとりたてた意味はないと思いますけれども、最後の方に「以上、所信の一端を申し上げました。」と。歴代大臣、謙虚な意味で最後に締めくくるんですけれども、しかし、就任当初の記者会見の内容があるということになると、私の理解では、所信の一端を述べたんだから、まだ言うべきことがあるのかなと勘ぐって考えたくなるんですね。したがって、この所信表明をされたんですが、改めて何か追加する所信というのはあるのかないのか、これちょっと確かめておきたいということであります。
#5
○国務大臣(小泉純一郎君) まさに所信の一端を申し述べますということでありまして、これからいろいろな問題につきましてはその都度、郵政省の仕事は国民全体の生活に大きく影響してくるものですから、国民全体の奉仕者としての立場を貫いていきたいと思っております。
#6
○及川一夫君 これ以上のことについては存在をしないと。とにかくこの逓信委員会、この一年というものを展望した場合に、小泉郵政大臣としてはここでお述べになられた基本に従って、郵政三事業はもとより、電気通信事業やあるいはまた放送事業というものに対して、これに沿って運営をしていく所存であるというふうに表明されたというふうに理解をいたしておきます。したがって、ここに述べられた以外のことについては出てこないんだなということを前提にしながら議論に臨みたいということをまず私は申し上げておきたいと思います。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、年末の就任された段階で一体何が言いたかったのかなと。当時のことも思い起こしていただいて、当時述べたことをこの逓信委員会でひとつ明らかにしてもらいたいというふうに思います。
#7
○国務大臣(小泉純一郎君) 就任早々の記者会見で、老人マル優等に対して、今までの意見とかあるいは役所の方針とか、違った意見を確かに述べました。まあそれは議論の過程で私自身の考え方を述べたものでありまして、出た結論についてはそのとおりやっていきたい、そういうふうに考えております。
#8
○及川一夫君 いや、述べられた立場はそれでわかりましたけれども、内容的に一体どんなことをおっしゃりたいんですか。それをお聞きしたいと思います。
#9
○国務大臣(小泉純一郎君) 内容といいますと、決まったことについて、決まる前の議論をまた蒸し返すのがいいのかどうか。それは皆さんお構いなしで、また決まる前の時点に戻して議論するのがいいのかどうか。大臣として、就任時はまだ結論が出ていなかった問題でありますから、それなりの私の考えているところを申し述べました。
 そして、私の意見に対する賛成論、反対論、いろいろ出ましたけれども、結果的には自由民主党党内も落ちつくところに落ちついたといいますか、一つの結論が出たわけでありますので、その結論については、もう新たに決まる前の議論は言わない方がいいでしょうということで、決まったことを粛然と執行していくのが大臣としての立場じゃないかな、そういうふうに考えたものですから、今この時点で、また決まる前の議論をする方がいいのかどうかということを今私は戸惑っているんです。その辺ちょっと御理解いただけないかなと思いました。
#10
○及川一夫君 私がお尋ねしているのは、当時の時点に返って、おっしゃられたこと、主張したこ
と、それはどういうことですかという質問なんですよ。いかに言われでもあれば正しい、あれはおれの持論である、信念であるということを押し通そうとするのなら、それは確かに戸惑いは出てくるでしょう。決まったことには従うと、こう言われているわけですから、こういう点で言えば戸惑いを感ずるでしょう。
 しかし、今ここで問題にしていることは、我々逓信委員会の意思を附帯決議として決めたという経過があるわけですから、逓信委員会の意思としては、少なくとも郵政大臣が言われたような、例えばマル老問題などについては決まったもの、それを政府として、あるいは自民党さんの税調として受けとめていただけるかどうかと。郵政大臣以下、ある意味では拘束されたような気持ちでその実現の行方というものを当時我々は見守っておったと思うんです。
 ですから、逓信委員会自体は決まったものという前提でじっと見ておったんですが、その推進の責任者である郵政大臣が、いやおれは反対だとこう言われたので、おかしいじゃないかという気持ちを持ったわけですね。しかし、今五十万上積みして三百五十万になったということは、決まったことはわかっておるし、それがひっくり返るような提案があるというふうには思っていません。
 しかし、逓信委員会の運営なり、郵政大臣の立場にある方が発言すること自体について、これからの問題もありますので、それをただしたいという意味で申し上げているんですから、当時あなたが主張されたことを明らかにしてもらいたい、こういう質問なんであります。
#11
○国務大臣(小泉純一郎君) 一般論からいいますと、国会の決議を尊重するのは、これは当然だと思うのであります。たまたま私の場合、逓信委員会の皆さんのマル老引き上げの意見と相反するような意見を申し述べたと、これは本当にまれなことだと思うのであります。
 そういうことに対していろいろかんかんがくがくの議論がありました。私自身この引き上げに対しては前から疑問を持っていたものですから、それを大臣になってからも率直に申し上げたと。逓信委員会の決議等と相反することで、どうするのかと言われますと、確かに大臣として国会の決議と違うことを言って、立法府の皆様方がどう判断するか、これは本当に議論する価値がある問題かもしれません。しかし、そういう決議があるということもおもんぱかって私は一つの結論が出たと思うのであります。それについてはきちんと執行されるように対処していきたいと、そういうふうに考えております。
#12
○及川一夫君 心底実行していきたいというお話なんですが、内容はお互い逓信委員なものですからみんなわかっていて、あなたの答弁もどんな意味がということはよくわかりますよ。しかし、傍聴者の皆さんとか経過を知らない方からいえば、一体中身は何だということは一切わからないわけですよ。
 だから、あなたが触れることをそんなにちゅうちょされるなら、私なりに整理をして言いますと、あなたは大体高齢者におけるマル優は公平じゃないということを言われている。そして事務当局の主張は理解できないと。つまり、これは逓信委員会で決議したことも理解できないということになるんです。
 それから二つ目には、限度額の引き上げは持てる者をさらに優遇するものだ、だから私は賛成できないということを言われている。それから、高齢者のマル優は廃止をして、政府の支出は約四千億、五千億になるから、そのお金を福祉政策の方に回せ、そして配分をしろ、こういう主張も言われているわけであります。そして、財政投融資を含め郵貯制度の見直しということを発言されているわけであります。これに間違いありませんか。
#13
○国務大臣(小泉純一郎君) 基本的にそういう考えを持っておりますが、それと現時点での決まったことをやっていくというのは、私は両立できると思っております。
#14
○及川一夫君 決まったことはいいんですよ。あなたが決まったことを守らないと言うならそれは大変ですよ。私から言えば大臣に辞任をしてもらいたい。それでは皆さんの意思に反するということになるんじゃないですか。しかし事は基本的な問題ですから、逓信委員会の意思と郵政大臣になった方の意思、多数決には従うにしても、とにかく信念として持っておられるということになるとそれ自体が生きていくわけです、あなたの腹の中で、表に出てこないだけですよ。果たしてそれを我々は容認できるかどうかということと同時に、我々の考えが誤っているのかなということをみずからを正さなきゃいけませんわね。
 そういう意味で、あなたに事実かどうかというお尋ねをし、それ自体について是非を論じようじゃないか、そして気持ちを合わそうと、そしてこれからも郵政省全体の事業の運営については気持ちを合わせて、それこそ国民のためにという意味で我々は一生懸命その責任を果たそうということになるのではありませんか。
 私は、率直に申し上げて、マスコミの皆さんがえらい拍手喝采を送りましたね。しかしこの問題、あなたの言う信念に対して拍手を送ったのではないんですよ。俗に言う官僚の皆さんが大臣記者会見のときには何か一筆書きますわな。ほとんどの大臣が言葉は悪いけれども棒読み状態。おもしろくもおかしくもない。そういう中で、郵政大臣が官僚の書いた作文を無視してみずからの信念を述べた、それ自体に対する拍手だったと私は思うんですよ。
 それは一面、私も評価する気持ちはあるんです。中身がよければそれは腹から拍手を送りますよ。しかし中身が我々と違う。しかも、形式的なことを言うようだが逓信委員会の決議とも違う。歴代郵政大臣が盛んに強調された高齢者のマル優、マル老問題というものについて、どんなにせっつかれたか。我々も考えてみれば、みずから推進すべき問題だという前提に立ってその実現を願っておった立場からいうと、内容が余りにも悪過ぎる。しかも極めて一方的。これは認識統一のために後で論議をしなければいけない問題だというふうに実は思っているのであります。
 したがって、郵政大臣、このことはしっかり腹に秘めて、決めたことに従うということは当然なんですけれども、今後あなたがその信念を持つ限り、この一年のうちに必ず問題が再燃されなければ、またしなければ、あなた自身の信念を通すことができないのではないかというふうに、あなたの立場に立って私は考えるから率直に思うんです。
 ですから、これから先そういう論議をする、あなたの信念を述べる場もあろうと思うし、きょうの段階でも多少そういったことに触れて質問をさらに進めますが、私は、郵政大臣というのは一体何なんだろうと。郵政大臣に限らず、議院内閣制における大臣というものは一体どういうものなのかな、継続性というのは全然無視していいのかどうかということを率直に考えるんですが、議院内閣制の中における一大臣の立場というものはどういうものなのか郵政大臣の見解を示してもらいたいというふうに思います。
#15
○国務大臣(小泉純一郎君) 議院内閣制のもとで、宮澤内閣の閣僚の一員としていろんな問題に対処していかなきゃならないわけですが、国会の多数党が政府をつくって閣僚を送り込む、そして国会等の協力を得ながらいろいろ行政を執行していくということでありますが、当然、いろんな法律案の審議、国会の立法府の皆さん方と相協力していかなきゃ何も進みませんから、議員であると同時に行政府の一長であるという立場、これはやはり皆さん方と相協力してやっていくべきものだ、そういうふうに考えております。
#16
○及川一夫君 あなたの前任者、渡辺郵政大臣は、同じ宮澤内閣のもとで郵政大臣というものをおやりになったわけですね。そしてそれを小泉郵政大臣としてつないでおられるわけです。
 渡辺郵政大臣は、少なくとも限度額引き上げの問題については何としても実現をしたい、三百万
なんていうのはもう過去の問題だ、七百万に上げなければいけないということを、執拗にと言ったら語弊ある言葉ですが、それはもう口が酸っぱくなるほど。会議録見てごらんなさいよ。その郵政大臣が内閣の事情によっておかわりになった。それはやむを得ないですよ、総理大臣がやられるんですから認めますよ。
 しかし、前任者が言っていたことが小泉郵政大臣でつながってこない、否定されたということになりますと、一体議院内閣制とは何だと。郵政大臣御存じでしょう、あなたの部下の人だって一年ぽっきりでぽこぽこかわっておるんですよ。局長クラスなんか特にかわっておるわけなんだ。郵政大臣も長くて一年なんというような日本の実情ですよ。こんなばかな話ないですね。
 僕は、三年とか五年とか郵政大臣をやられて、三年後、五年後にかわったというなら、抱負を述べるという中に、限度額の引き上げについては、今回はともかくとして将来的にはというような意味での発言があったならまだ許せるんですよ。ああ、あの方の抱負だな、抱負なんだから逓信委員会で議論すりゃいいというふうに思うんですが、あなたは完全に否定されたんですよね。
 こんなのは私から言えば、それこそマル老問題だからと言ったらこれはまた語弊がありますけれども、何となくすっと通っているような感じがするけれども、じゃPKOの問題について、あの法律を前任者の防衛庁長官は推進した、決めたと。新しい新任の防衛庁長官がおれは反対だ、見直しを検討されるべきだなんというようなことを言ったら一体どういうことになるんだろうかということ。
 それから、あなたはこの前決算委員会に出られましたね。問題がなかったからいいようなものの、仮に郵政事業の運営に当たって決算上問題がある、不正がある、不当性がある、郵政大臣責任をとれと言われた場合にあなたはどうするんですか。その不正というものが事実だったという前提に立って言うときは、まずおわびをしますよね、大変申しわけないと。しかしあなたが執行したものじゃないんだ、そんなものは。前任者あるいは前々任者が郵政事業の執行に当たって支出をした問題なんだ。それでも現郵政大臣がこれに答えなければいけない。わびる必要があったらわびなければいけない。そういう継続性があるんじゃないですか。そういう継続性がなくて、おれがやったんじゃないから知らない、そんなもの知るかいという態度を決算委員会でとられたら一体どういうことになるんですか。私はこういうものと同じだと思っているんですよ。
 だから、逓信委員会における郵政大臣の発言というのは、渡辺一個人ではない、小泉一個人ではない。ただし、議論を封殺するわけにはいきませんかもね。問題を提起することはいいんですよ。しかし、それはあくまでも逓信委員会でこれまで決まったものを実行した上に立って、継続性を維持しながら、今後の問題としてこれはこう改めたいという提起をして初めて問題の正しい処理のあり方ではないか、私はこう考えるんです。どうですか。
#17
○国務大臣(小泉純一郎君) PKOの話も出ましたが、今までの決まったことを変えようという発言をした場合に、議院内閣制ですから当然党でも議論が出ると思います。それで、大臣が発言した場合は、大臣の発言に対して賛成があるか反対があるか、その問題ごとに厳しいまた慎重な議論が各政党内で行われてくると思うのであります。この政党内の議論と、同じ政党でもその出身の大臣が違った場合、その政党で決まったことを違うと言ってあくまでもそれにこだわった場合、恐らくその大臣はやめざるを得ない状況になるんじゃないか。
 しかし、そういう過程で議論があって、政党で一つの結論が出た、そしてその決まったことに従って国会で審議を願うという場合と、あくまでもいろんな議論の末に決まったことと違うことを大臣がやるという場合では、私は全く事態が違ってくるんじゃないかと。 どういう事態に発展するか、その問題ごとに実際あってみないと具体的な対処というのは想像でき得ませんけれども、今回の場合は、確かに継続性ということを考えますと、これは前大臣の御意見、また逓信委員会で御努力されてきた皆様の御意見と議論の過程で全く違ったということは非常に御迷惑をかけたと思います。
 しかし、そういう議論として自由民主党内でも大変な議論が行われました。そういうことを踏まえて、私は私の意見として、政治家ですから、自分の意見が通るものとそれから自分の意見が通らないものと当然あります。むしろ自分の意見が通らない場合が多いと思います。政党に属していれば当然妥協が必要でしょうし、お互い考えの違う方もたくさんおられます。そういう議論をし合いながら、違う意見を話し合いながら一つの結論を導き出していくということでいろんな結論が出てくると思うのでありまして、その過程では確かに考えが違い、そして今までやってきたことを否定するような議論がたくさん出てくると思いますが、それはそれとして議論の経過として私はいろんな問題で出てくることではないかなと思っていますが、決まったことに対しては私は別に議論の経過ということにこだわるものではありません。私の意見というものがどういうふうに評価されるのか、あるいは否定されるのか、それは多くの方の議論にまつしかないという気持ちで今回一つの結論が出たわけであります。
 ですから、そういう政党内の議論でたまたま私の発言で大変な議論が出たわけでありますが、そういう点につきましては、党内におきましてもいろんな議論が闘わされたということで、私は出た結論に粛然と従っていきたいというふうに考えております。
#18
○及川一夫君 小泉郵政大臣というのは大変個性があって、物事にこだわらずに堂々と発言されるというふうに私は受けとめておったんですが、どうも私が質問することとお答えの方がすれ違いますな。
 私は一般論を言っているんじゃないんですよ。具体的に逓信委員会でこう決まりました、郵政大臣は率先垂範、何としてもこれを実現したいということで、意見の一致を見た問題ということを前提にして継続性の問題とかいうものをお話ししているんですよ。自民党内の問題とかそういうことじゃないんですね。他党の意見ももう既に合意されて、もうこれしかないというところに立ち至った一つの問題だったと思うんですよ。それだけに、あなたの発言でどうなったんですか。前郵政大臣がそのまま大臣でおられたら、七百万にするためにそれはもう懸命に頑張ったでしょうな。
 しかし、どう見ても七百万そっくりいただくなんてことは、幾ら渡辺前郵政大臣が金集めが上手でもそうはいかないというふうに僕らは見ていましたよ。それでもやっぱり五百万ぐらいになるんじゃないかと、それだけのまた数字的な根拠を事務当局の連中が必死になって出しておりました。少しオーバーだなという部分も僕から見てありますよ。だけれども、必死になればこういう数字も出てくるわな、こういう論理も出てくるわなと。それに乗って渡辺前郵政大臣が頑張ったらまさか五十万で終わろうとは我々は思わなかったですね。思わなかったですよ。あなたの発言のために五十万上乗せで終わったと私は見ています。
 ですから、ゼロにしてしまったらそれはあなた食言もいいところだと、継続性のある郵政大臣として、食言問題だと言って僕らやっぱりやるでしょうな。たまたま五十万ほど残っちゃったから、それはあなたが一生懸命ここで言われているように全部削ったわけじゃない。削ったんじゃないから生きているんだ、完全否定になってない。そういう点ではおれも一歩引いたんだと、こういう発想かもしれませんが、少なくとも全体の気持ちとしては、七百万にならずとも五百万になればまあ大きな成果じゃないかと、こんなような気持ちを持って皆当時の動きを、自民党の税調のことをずっと見ておったんですよね。ですから、勝った負けたて言うとあなたは勝ったんですよ、七百
万でなしに三百五十万に終わったわけですから。私はそう思いますよ。
 ですから、そのことを踏まえて次の質問だが、一体これからどうされるんですか。少なくとも逓信委員会の意思としては七百万にしようではないかという意思はまだあるんですよ。だからこれが否定されるのか、足りない三百五十万の限度額引き上げのために郵政大臣としてこれから努力をされるのかどうか、決まったことには従うという意味はいろんな意味はあるでしょうが、態度をはっきりしてもらいたい、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
#19
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、今三百五十万に決まったという時点でさらに引き上げるという必要はないと思っております。当分三百五十万円にこれ皆さんの御審議いただきましてなるわけでありますが、今の時点でさらに引き上げようという考えは持っておりません。
#20
○及川一夫君 要するに来年度に向けてこの限度額の引き上げは、郵政大臣ですから郵政省として行わないという、そういう態度であるということを明言されたということと受けとめてよろしいですか。
#21
○国務大臣(小泉純一郎君) 私が大臣でいる間、いつまでかわかりませんが、ことしの暮れの税制改正まで私が大臣でいるかどうかわかりませんけれども、ことし私がさらに引き上げを求めるということはありません。
#22
○及川一夫君 平成五年度中に限度額の引き上げを再び行うという態度はとらないと。それはそうかもしれませんね、大臣として何年おやりになるかわからないし、それこそ月数になったらこれまた大変だと思われるし。それから、我々の場合には、郵政大臣とのおつき合いもあるが、自民党の皆さんとのおつき合いもあるんですよね、与党と野党という形において。与党の立場にある自由民主党の先生方は我々とのつき合いでは借りが残るんですよ。変な言葉ですがね。余り貸し借りの言葉はよろしくないかもしれませんけれども、俗に言う借りが残るんですよね。
 あんなにせっついて、我々も積極的になったが、せっついてやってくれやってくれと言ったってたかが五十万か、これで終わりかね、こういう問題残りますよね。せめてあと二百五十万とか三百万ぐらい上乗せしたらどうですか、そのぐらいのことをあなたやる義理あるじゃないか、借りを返すべきであるというようなことだって主張しようと思えば我々はできますからね。郵政大臣はそんなことは政党の問題であっておれば関係ないと、こうおっしゃるのかどうか、いかがですか。
#23
○国務大臣(小泉純一郎君) それは各政党それぞれ事情があると思いますし、考え方もいろいろ違ってくると思いますが、私が大臣として今年もそういう問題が実際議論の場として出てきた場合、さらにこれを引き上げようという考えは持っておりません。
#24
○及川一夫君 議論として残るところですから、じっくりひとつこれはやり合ったらいいと思います。
 そこで前に進めますが、あなたがそのことにこだわる理由は一体なんですか。これをお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(小泉純一郎君) ここで私がその引き上げを必要ないと言うことがいいのかどうか、これは実際疑問に思っている面も私の内心ではあるんです。
 というのは、党でそういう引き上げ必要なし、あるいは引き上げ必要だという議論をいろいろやってきたものですから、大臣としてまたこの引き上げの必要がないと言うことは、引き上げが決まったわけですからみずから言う必要ないんじゃないかなという気持ちもあるんですが、せっかくのそういう御質問があれば、かえって答えないのも失礼だし、答えまして年来の持論を言って、また意見が違うということと与える影響ということを考えて、大人の議論として党内で本当にいろんな議論があったんです。決まったからには今までの議論はやめにしようというそういう党内の意見もあったんです。決まってから大臣としてまた反対だと言うのはいかがなものかと。
 しかし、振り返ってそういうことをあくまでも言えと、どうしても言わなきゃいかぬというんだったら私は言わざるを得ませんが、決まる以前に戻して、ここで本当に私が御質問に答えて言った方がいいか、言わない方がいいか、もう一度お考えいただいて、その上で私ちょっと答弁させていただきたいと思うのであります。
#26
○及川一夫君 前に進んだつもりだったけれども、後ろに戻ってお答えになりました。先ほどそれを言えばある意味の接点が出てきたのかもしれませんけれども、郵政大臣というのは、郵貯法の二条に書いてあるとおり、管理する立場だし、責任を負う立場だし、第一条に何が書いてあるかということを考えて僕は発言をすべきだと思う。同時に、郵政大臣という政治的な立場もあるわけで、そういう意味からすると、僕は言っていいことと悪いことがあるように思いましたよ。だけれども、すっきり来年度は要求しない、年度内は要求しないというような意味のことを言われたから、それは大変なものだな、いかにしてこれをひっくり返すかということを考えなきゃならぬのかなというふうに思っております。 しかし、今再度発言をされて、苦慮するという意味につながる答弁に多少変えたし、少し熟慮させてほしい、その上でということですから、私はそう受けとめておきたいと思うんです。
 したがって、先ほど進めた質問の趣旨をちょっと変えますが、率直なところ、お互い信念を吐露して論議することはいいことだと思うんです。だから、あなたが素直な意味でこの限度額引き上げについてどうしても拒否的にならざるを得ないんだという気持ちと、理由と、それとこのマル老という税制上の特別扱いについて、制度としてなくすべきだというふうに思っておられる。多少でもあるんでしょうから、今は決定されたからそれに従うが、しかし本音を言えばそこはまだこだわりがあるんでしょうから、それをちょっと理由を言ってほしいんです。そして、認識を一致させるのに狭めて、その是非についてこれから先論じていけばいい、私はこういうふうに思うんで、そういう立場からどうですか。
#27
○国務大臣(小泉純一郎君) これは、大臣として言うか一政治家として言うかというのは、大臣である限りはもう一政治家なんということではないと言われるかもしれませんが、私は年来の主張として、マル優の議論が出てきた時点から、マル優を維持する議論とマル優廃止論が自民党内でもありました。そのときから私はマル優廃止論者でした。マル優廃止論者であることに今でも変わりありません。しかし一つの結論が出た。
 あの当時の議論を今ここで言えというなら、当時自民党内でもマル優廃止論者というのはごく少数でした。しかし、マル優を廃止することによって何千億円、何兆円の財源が出てくる、これをいかに有効に使うかというふうに考えた方がいいじゃないかということで、当時から私はマル優存続とマル優廃止論の議論の中でマル優廃止論者でありまして、そういう観点から議論をこの数年来ずっと闘わせてまいりました。
 六十一年ですか、マル優が廃止されました。そのときの経過措置としてマル老が残ったわけですが、そういう時点でも私は全廃論者でしたから、そういう過程で今も来ているわけです。ですから、同じ税金を使うんだったらば、そういうマル老を残して、残される方に一つの優遇措置を与えるんだ、税収をどうして有効に考えるか考えないか、どっちがいいかということの判断に立った場合、私はマル優を廃止した方がいいということでこの数年来ずっと議論をしてまいりました。
 ですから、今でもそういう議論をすれば、個人としてはそれはマル優は廃止した方がいいだろうという考えは持っているわけですが、大臣として、一つの大きな議論の過程の中でこれは存続すべし、引き上げすべしという結論が出たんですから、それはそれとして整然と実行していきたいと
いうふうに考えております。
#28
○及川一夫君 意外と僕は緻密じゃないなと、こういうふうに今のお答えを聞いて感じました。僕らだって、廃止される前のマル優というのはまず名寄せができませんわな。不完全でしたよ。及川一夫という人間が幾つも通帳を持って、三百万、三百万、三百万で悪用しておった例、それが実態だった。それももともと郵貯は非課税ということが前提で来ているんですから、限度額を設けて、それが長年の貯蓄性向を高めるために役立ったことも事実だが、悪用者がふえてきちゃった。そこにあなた目をつけられたんです。結構ですよ。そんな悪用されるような制度は全廃ですよ。反対、賛成はあったけれども、それはそれだけでいいのかということに対する反対であって、いずれにしてもマル優は全廃されたんです。
 しかし、全廃したのはいいけれども、それを本当の意味で利活用を図ってきた、生活に使ってきた人たちを放置していいのかどうかということからあなたが言うマル老問題の一つの結論が出たんでしょう、高齢者に対してはしかし残そうじゃないかと。これは福祉政策の一環ですよ。高齢化社会というものを展望した場合における一つの税制ですよ。そう理解すべきじゃないですか。
 だから、あなたの意思は一〇〇%通ったんだよ、私から言わしたら。全廃したと同じなんですよ。全廃の上に立って高齢者に焦点を合わせた税制上からの善政をしく、こういうふうに私は理解しているんでありまして、あとは限度額を上げるか上げないかの問題だけですよ。そう理解をしたら、基本的にはみずからの意思が通ったということを前提にして、あとは税制上の問題としてこう考えるという発想でいかなかったらすべて否定じゃないですか。とにかくおれの信念に合わないのは全部だめだということを政治家としてとことんあなた主張するつもりですか。僕はそんな気がしますよ。
#29
○国務大臣(小泉純一郎君) いや、今それは言えと言われたから私言っているんであって、それは私の意見が通るものと通らないものがあるのは十分承知しております。しかも私の意見が通るものは少ないでしょう。政治家としていろんな方々と意見をして、どういう結論がいいか、むしろお互い妥協しながら一つの結論が導き出せていくわけですから、私の言うことが通らなかったら何もしないということではなくて、私の意見を言えといえば言われますけれども、そういう中で決まったことについては、それはそれとしてやっていくのがこれまた政治家の私は務めではないかなと思っております。
#30
○及川一夫君 いや、決まったことをやらないと言っているとは私も思いませんよ、それはやるんでしょう、郵政大臣なんだから。それはちゃんとしてくださいよ。ただ、あなたの物の考え方というものをただしていくと、郵政大臣であれ根っこは政治家なんですから、政治家の発想としていかがなものかということを私は指摘したつもりですよ。いずれにしても、議論はこれからもやっていきたいと思いますが、与えられた時間が迫っていますから次の問題に移りたいと思います。
 もう一つどうしてもわからないのは、あなたは衆議院でもお答えになっているようだが、郵貯が資金運用部資金に行って、それが財投という形で、大口として大体十三項目あるようですけれども配分されていって使われるということ、財投と郵貯というのは、資金的には財投の歳入部分として位置づけられているが、郵貯が何か政治のすべてをつかさどっているような、責任があるような、いわゆる金利の逆ざや論というのをあなたはやっておられるようなんですよ。郵貯があるために税金を余計使う、補助金と同じだという意味合いのことを言われている。なぜそうなるのか本当に私は考えてみるとどうしても理解できない。
 郵貯と財投というのは、歳入としての資金のつながりはあっても、財投は財投じゃないですか。財投の関係は経済政策や何かに全部関連をした一つのものじゃないですか。どうして財投の金利を埋めることが、税金を使うことが郵貯に責任があるというふうな論理になるのかどうか、そこを聞きたい。
#31
○国務大臣(小泉純一郎君) 私の主眼としているところは、やっぱり行財政改革に各省庁、また閣僚として取り組んでいかなきゃならない、これが私の主眼であります。
 今、新しい時代に向かっていろんな制度の見直しとか組織の役割が問われている時期だと思うんです。東京一極集中から多極分散ということもあるでしょう、あるいは中央集権から地方分権ということもあるでしょう。同時にやっぱり行政の肥大化から行政の簡素化へという大きな基本方針のもとに、我々は新しい時代にどういう組織制度の見直しをしていかなければならないかというのが、閣僚としてもまた自由民主党の議員としても考えていかなきゃならない問題だと思っているんです。
 そういう際に、今国の行政組織、財政制度を考えてみますと、もう財投なしに財政というのは考えられないような時代になっていると思うんです。来年度の予算におきましても、一般会計の予算と財投とほぼ同じぐらい。それでいろいろ財投に頼って国のいろいろな事業を行っている。
 そういう際に、本来第二の予算と言われるような財投ということを今見直しておかないと、見えない借金といいますか隠れた借金というのはどんどんふえていく。これを最後どこで負担するのか、結局我々納税者じゃないかということになって、そして、財投の大きな資金供給に郵貯があります。郵貯を預けている方は、財投に預託して当然この資金というのは確実で有利に運用してくれると思っている、法律で規定されているように。
 ところが、実際財投の投融資先を見て、本当に確実で有利な投融資をしているんだろうかということを我々この際見直しておかないと、後はどこかが面倒を見てくれるだろうということになると、これは将来大変な問題になってくる。今やはりこの財投問題というものを見直していく。そして、資金が潤沢に郵貯から来る、いいように使えばいいというそういう現状の問題が、財投が大事だからといって現状のとおり、どんどん今までのとおり投融資をしていくことによって果たして後はどうなるのかということを考えた場合、私は非常に心配だということで、これは見直しする必要があると。
 そういう場合に、財投を見直すということになると、資金の供給手であります郵貯にも当然入っていく。これが将来行政の肥大化を阻止して、行政の簡素化に結びついて行財政改革をやっていくという場合に、この問題は財投にしても郵貯にしても避けて通れないなと。当然、宮澤内閣の閣僚として、すべての行政組織、この見直し、その根本的な変革が迫られているというふうに総理も言っているように、それに沿ってやはり改革をする方向を進めていくべきじゃないかなと、そういうふうに思っているわけであります。
#32
○及川一夫君 どうしてそこで郵貯と財投が理屈で結びつくのか私はわからぬのですよ。財投自体はおっしゃられるような問題ありますよ。大いに議論しようじゃないですか。予算委員会でやるならやったらいいと思うんですよ。皆さんの中でも大いにやりなされ、そんな問題あるんだから。我々だって意見持っていますよ、そのことについては。
 すべていいと思ってないんです、財投政策というのは。財投の中身では、是認せざるを得ないようなものがいっぱいあるけれども、それが一つ一つの一般会計でできないということから財投になっているんでしょう。だから、そのよしあしの問題はそっちの方で基本的にやればいい問題。資金源である郵貯をだからというのはどう考えてもおかしい。それなら郵貯を切り離したらいいじゃないですか。郵政省として自主運用という方法をやっているでしょう。今二十兆ぐらいですか、十五兆ですか、あれもっとふやしたらいいじゃないの。全部をじゃ郵政に持ってきたらいいじゃないの、大蔵省から。そして、財投との関係は切れ
と、こう言ってごらんなさいよ。そんなことできっこないじゃないですか。
 どっちにしたって、集めた金は運用せないかんのですよ。安定的に、確実に、事故の起きないように。そういう運用をどう図るかという中で財投の問題が、財投の資金にしようじゃないかということも浮き上がってきたわけでしょう、長年の政治の経験の中で。規模が大きくなる、ならないはいろいろ問題はあるでしょう。だから、そこにどうもちらほら、民営化したらいい、普通銀行と同じにしたらいいというようなふうに議論として発展していくのかなということを感じたりするわけ、うがった見方をすれば。僕はそういうものじゃないだろうと思います。これは各種法案の中でもかなり議論することがありますから、これはちょっときょうはやめておきましょう。
 それで、与えられた時間来ていますので、最後にちょっとお伺いしたい。つまり、郵政大臣が長としての郵政省はやっぱり一体でなきゃいかぬと思うんです。一体でなければいけない。特にあなたの部下との関係では、郵政大臣の意思が淘汰されていくようなそういう体制でないと私は組織的に混乱を起こすと思うんですね。
 ところで、そういう意味で、笹川前郵政政務次官の問題もありました。しかし、この前ごあいさついただきました斉藤政務次官、全国の三局長会議でもってあいさつされたんですが、その内容は御存じですか。
#33
○国務大臣(小泉純一郎君) 新聞で読んだ程度に内容は聞いております。また、政務次官からも大臣と協力してやりたいということを伺っていますので、それでいいだろうということで聞いております。
#34
○及川一夫君 よくないんですよ。大臣そうおっしゃるが、あなたが信念として持っておられることと、それから政務次官、あなたを支える立場にある、補佐する立場にある政務次官のお気持ちが合っているのかいないのかというのはやっぱりどうしても問題になるんですよ。
 それで、新聞で読んだ程度だと言うけれども、御本人は、新聞では、国会の中の本会議場で私はこういうあいさつをしましたということをあなたに報告したそうじゃないですか。その上でまたあなたがあいさつされているんだよ。結構ですよそれは、初めての郵政大臣だから。だけれども、あなたのあいさつと政務次官のあいさつを比べてみたら本当に違うんですよ。
 あなたの場合には別に問題発言はないです。もうとにかくあれは官僚の皆さんが書いたとおり読んでいるんだろうと思うけれども、その限りでは問題ないですよ。なるほど新しい郵政大臣として三局長を激励するというか、あなたの気持ちから言えば大変控え目なあいさつ。しかし政務次官はずばずば言っておるんだよ、大臣の言うことは間違っていると。だから臆せず頑張れと。私はこう思うと言って、郵貯というものはもう何ら指摘されるような問題点は一つもない、我々は国民のために頑張ろうということをずばっと、実はあなたのおじいさんの名前まで出して、そこはあなたを擁護してるんだよ、一生懸命支えようとして。しかし郵貯の政策の問題では、問題があると大臣は言うが、一つ何々、二つ何々と六点にわたって言っておられる。そして、上に立つ者は働く者の環境をよくすることなんだ、混乱させることじゃないんだ、必ずや郵政大臣は軌道修正してくれるはずだと、こうまで言い切っておるんだよ。
 軌道修正されますか。
#35
○国務大臣(小泉純一郎君) 斉藤政務次官は、私と役所の意思疎通をうまく図りたいという彼なりの気持ちで、心配されてああいう発言をされたんだと思います。私も今まで郵政事業の重要性とか意義の深さとか財投の重要性を否定したことは一つもありません。しかし将来の問題として、一つの問題提起といいますか改革すべき点というものも、やっぱり見直していかなきゃならないなということを言っているのでありまして、現在大臣として、今までの私の発言がそれぞれの郵政事業の重要性を否定したものであるととられるのは大変不本意なことであります。
#36
○及川一夫君 不本意であってもそうとったんだよね、斉藤政務次官は。また我々も同じような気持ちを持ったということだけは事実です。だから、この事実の上に立って、郵政大臣として今後政務次官と意見を一致させて地方機関を指導していくということにしませんと、要らざる混乱が起こるし、同時にまた働く人たちにとって意欲がわかないということになるわけでありますから、ぜひそういうことを郵政大臣も心してもらいたいということを希望しておきます。
 なおもう少しあるんですが、与えられた時間がもうとうに過ぎていますのでやめますが、次回にでも、またそれぞれの法案論議の際にでもお聞きするということを表明いたしまして、終わります。
#37
○大森昭君 今の及川理事さんと大臣のやりとり聞いていて、これで質問しろったって質問のしょうがないというのは、全然違うんだよね、質問とあなたが答弁しているのは。
 いずれにしたって、この逓信委員会、衆参ともそうだと思うんだけれども、これは始まって以来じゃないですか、周りにだれもいないで大臣一人でやっているのは。あなた、いろいろ質問受けたってわかるわけないよ。わからないのに、前に言ったことを何とかして正しくしようと思ってつじつま合わせていくから何言っているかわからなくなっちゃうんです。
 今あなたは何か首相公選だとか小選挙区制反対とか言っていますわな、いろんなことを。いいんですよ何言ったって、あなたは政治家だから。しかし今ここでやっているのは、いろいろ質疑をし、あなたが大臣として答弁をしているという立場なんですよ。一般論言っていたってだめですよ。一般論だとか何か、言いたいことは何でも言ったっていいんじゃないかというようなものと違うんですよ。
 衆議院で二回か三回これやったんでしょう、やっぱりあなた一人で。またきょうこういうのを迎えて、あなたは一体何を考えているんですか。その考えている中で私は質問しますよ。何も考えていないんじゃ、幾ら質問したって、これだけの問題が全部行き違っていたんじゃこれは質問した方がばかになるからね。答弁した方がばかよりか質問した方がばかになっちゃうからね。
 あなた、こういう異常な状態で何を感じているんですか、大体。
#38
○国務大臣(小泉純一郎君) 大臣の所信を問うということで出てこいと言われていますものですから、私一人でいいと。役所の皆さん普通は政府委員として出てくるのが通例だと思いますが、私に限って、私一人でということの要求なものですからこういう形だと思うんですが、質問には誠意を持って答えなきゃならぬということで今こうして出てきているわけであります。
#39
○大森昭君 国会が始まると大臣の所信やるでしょう。すると普通は一般質疑ですよ。そうでしょう。おれだけ呼ばれて、だれもいないでおれだけが答弁するというのは、何かおれやっぱりちょっと言い過ぎたかな、何か考えが違うのかな、何か皆さんには十分自分が言っていることが理解してもらえないのかなと普通は考えるわな、普通の人間なら。国会の委員会なんだからもう少し有意義な議論を――いや今議論しているのが有意義じゃないと言っているんじゃないんだけれども、あなたがもうちょっと反省をしてもらわないとこれは議論できないんですよ。
 というのは、例えば及川さんがここで質問したでしょう。あなたは、経過だとか途中の過程ではおれは意見言うよと、決まったら従うと言うんでしょう。途中の経過じゃないんですよ。例えばマル老の話だって、郵政省は概算要求をつくりまして、そのときに郵政省から説明があるんですよ、我々に。そのときにマル優は七百万を要求しますと。それで大臣の関係があるからというので、大臣じゃなくて笹川次官が見えましたよ。臨時国会のもう最終日ですよ。
 委員会を開いたら質問が出ました、マル優を本
当にまじめに大蔵省と折衝してもらいたいと。全力を挙げてマル優の引き上げを努力しますと言っているんだよ。
 笹川さんがやめたことについてあなたはどう思います。もう時期も来てるし、あれは勝手にやめたんだとあなた考えてるかどうか。途中経過じゃないの。しかも、郵政省の中にある郵政審議会はマル老を引き上げるべく答申を出したんだ、郵政省へ。ただ、金額が決まってないことだけはありましたよ。しかし、マル優を引き上げるというのは経過じゃないんですよ。それをさっきから、途中なら何を言ったっていいだろうと。そんな大臣いますか。逓信委員会で概算要求で七百万要求してます、委員の質問に対して引き上げる最大の努力をしますと政務次官は委員会で言って、大臣がかわったらやらないと言ったら、笹川さんだけじゃないですよ、だれだってみんなやめざるを得ないでしょう。当たり前の話ですよ、そんなこと。
 だから、なんで笹川君がやめたのかおれと意見が違うだけでやめたのかな、あなた考えたことありますか、そういうこと。それから郵政審議会でもって答申出ているんですよ。わかっているんですか。あなた何にもわからないから途中の経過になってみたり過程になるんですよ。だから、あなたが言ってるのは過程だとか経過の中で言ったんじゃないということをあなたわかりますか。
#40
○国務大臣(小泉純一郎君) そういう経過を知っていて私がああいう発言をしたものですから、非常に皆様方に混乱を与えたのは事実だと思います。しかし、それは私の考えであって、それがけしからぬと言われれば確かにけしからぬことだと思いますけれども、今まで引き上げを要求してきた方々が、まあ全く私とは違ったということで笹川政務次官も辞表を出されたと、そういう点については非常に御迷惑をかけたなと思っておりますが、これをけしからぬと言われても、そういう事態というか積み上げてきたものを私が否定するというような形でやったために、衆議院の委員会でもきょうの委員会でも、おかしいじゃないかというような議論がこういう変則的な形で行われているんだと思うんです。
 しかしそれは、考えを言えと言われればそういうことを言わざるを得ない。それで今まで積み上げてきたものと大臣と全く違うじゃないかと言われれば、そういう考えを持つのは当然ですから、私が言うべきものじゃないと。ただ、私の考えを言えと言われれば、私の考えを言わざるを得ないということだと思うのであります。
#41
○大森昭君 だから、僕が言ったでしょう、さっきから。大臣として言っていいことと悪いこととありますわな。あなたが一介の野人ならいいんですよ、何を言われても結構です。だけど、郵政大臣となった限りはそうはいかないということわかりませんか。例えば、郵政従業員三十万いますわな。この職員の人たちは国家公務員ですから、国家公務員法から、郵便やってる人は郵便法から、貯金法から、全部その法律のもとに、人事院規則から、そういう規則の中で職場で仕事してるわけですよ。
 例えば、私どもは過去スト権禁止されました。あれは悪法だ、大体我々は労働者だから、スト権なんか禁止するのはおかしいと。ストライキをやりましたよ。膨大な処分を受けましたよ。それと同じで、やっぱりそれが悪法であろうと法律である限りはというのが郵政省の態度だった。したがって、公務員として働いている人だってそれぞれの法律の中で規制されているんですよ。わかりますか。
 そうすると郵政大臣は、前任者が概算要求で七百万に引き上げるように要求をしていますと、そして委員会に来られて最大限努力をしますと。大臣がかわったら、公務員法がおかしい、人事院規則がおかしい、郵便法がおかしいと言っていいんですか。
 あなたはすぐ言うんだよ。衆議院でやってみたら、省益を優先するか国益を優先するか。何か知らないけれども、頭の中でこれは省益だとか国益だとか勝手に区分しているんだよ。郵便なんかは勝手に区分しちゃったら行かないんですよ、ちゃんと道順組み立てしなきゃ。
 だから、あなたに言っているのは、質問するとそれはけしからぬと言うんなら、僕があなたに対してけしからぬと言う前にあなたが考えなきゃいかぬでしょう。だから少なくとも今の次官のやつも、新聞で見たとか、それから衆議院で議論して、もうできていますよ、僕らも見たけれども。そうしたら、少なくとも役所の人たちに、おれはこういうふうに言ってけしからぬと言われたけれども、一体どういうところがけしからぬのかと。あなたみたいな人だったらだれも、大臣こう言った方がいいんじゃないですか、大臣ここが間違えていますよとか、あるいは経過はこうですよと説明なんかできないでしょう、あなたみたいに何が悪いんだと言っているんだから。だったら役所なんか全部要らないよ。
 あるところへ行ったらこう言っていましたよ、我が郵政事業は農耕民族だって。例えがいいか悪いかは別ですよ。農耕民族というのは、郵便局というのはみんな地域に密着して、郵便を配達するだけじゃないんですよ。山の上へ行ったら、おじいちゃんおばあちゃんから薬を買ってきてよと頼まれれば薬でも買ってくるんだよ。いわゆる農耕民族だ。そしたら騎馬民族のやつが来て、だれのことを言っているんだかよくわかりませんが。
 もう一回みんなが言っていること、衆議院でも二回も三回もやったんでしょう、あなた一人で。きょうの及川さんの質問を聞いていたって、全然あなたずれているのもいいところですよ。これは国会の委員会ですから、無制限に時間があるわけじゃないし、もうちょっと衆議院の中でもってずっとやられたこと、きょうならきょう終わったらもう一回読み直してくださいよ、全部議事録を。人に聞いてくださいよ。大体一人でもってみんなわかるわけはないんですよ。しかも質問通告も、何かまともに聞いているか聞いてないかわからぬけれども、即席ラーメンじゃあるまいし、こんな委員会をやったって何の意味もない、あなたの答弁じゃ。全然違うんだもの、言っていることが。わかりますか。
 じゃ一つだけ、経過と過程というのを答えてごらんなさい、僕が言ったものとどこが違うのか。僕は過程ではない経過ではないと言っているんですよ。金額だけは決まってなかった。しかし、もう既に省は概算要求を出している。踏み出しているんですよ。大蔵省と折衝するんですよ。わかっているでしょう、あなたは厚生大臣やったんだから。各省は概算要求を出して本格予算を決めるんでしょう。概算要求というのは、もうそれは意思でしょう、郵政省の。決まっているんですよ。郵政審議会は引き上げをすべきだともう決まっているんですよ。何が過程なんですか、経過なんですか。あなたはやらない方がいいと言うんだから。
#42
○国務大臣(小泉純一郎君) そういう経過を承知の上で私は発言したわけですから、それに対してどういう批判があろうともそれは仕方がないと。
#43
○大森昭君 あなたそういうことを言うんなら、すべて郵政省がどういう方針でどういう計画でやっているのかを聞いて我々は判断しているんだけれども、大臣が違うことを言ったんじゃ、この委員会だって何が何だかわからないじゃないですか。あなたに例えば、郵政事業のことについて聞くから大臣ちょっとおれの部屋へ来てくれって、あなた来ますか。担当の課長がみんな来るんでしょう。新しい保険はどういう保険を出すんだとか、保険の計画はどうなっているんだとか、いろんなことを聞いて僕らはみんな、郵政省というのはこういうものか、ああいうものか、こういう計画を立てているか、それを判断してやるんでしょう。それをあなたが、概算要求で決めようが郵政審議会で決めようが、決めたのは決めたことで、おれはおれだと言うんですか。そんな大臣ありますか。
 それは自分の意見が違っても、あなたさっきか
ら言っているでしょう、決まったことは尊重すると言っているんでしょう。決まったことは守ると言うんでしょう。概算要求決めたのはだれが決めたんだ。決まったことはあなたは守るんでしょう。郵政審議会で決めたことは守るんでしょう。何が決めたことを守るの。何が決めても守らないの。あなたが言っていることは過程の論議もめちゃくちゃ、決まったらそれに従うという、決まったというものもめちゃくちゃ、何言っているかわからないの。そうでしょう。
 じゃあ言っておきますが、あなたの答弁の中にまたあるんだけれども、我が党内では、我が党内って、自民党が全部じゃないんだよ。参議院は少なくとも与野党逆転しているんだよ。何をあなた党内だよ。そうでしょう。例えばマル優の問題についても、税制上の問題から何からいろんなものを含めて五十万で決まったんですよ。五十万が正しいんじゃないんですよ。そうでしょう。
 私が大臣をやっている間って、冗談じゃないですよ。そんな答弁の仕方ありますか。何年やるんだか、三カ月でやめるのか知らぬけれども、大臣をやっている限りというんじゃなくて、やっぱりマル優の五十万、四百万決まるのは、その当時の経済情勢から、高齢化社会に進む速度の問題とか、いろんな問題から出てきているんでしょう。あなたみたいに全部なくしちゃえというなら簡単な話だよ。
 そういえば、ここに書いてあるよ。マスコミの記事って僕は余り信用したくないんだけれども、東京新聞に書いてあるんだ、これ十二月二十六日。もう貯金は官業としての役割は終わったと言っている、これ大臣。あなた言ったか言わないか知らぬよ、ここに書いてあるんだ。あなた首振っているんだから、東京新聞がこれ言わないことを書いているんだな。それから今度保険の方へいきますと、保険の方もそうなんだよ。もう官業の限界を超えたと。特に郵政大臣は生保の立場に立っていろいろ考えてもらっていると。あなた首かしげているから日刊工業も違うことを書いている、東京新聞も違うことを書いている、みんな違うことを書いてあるんでしょう。
 しかし書かれたことについて、やっぱり働いているわけよ、わかる。とにかく現業官庁でしょう、郵政というのは。大臣のやつがこういうふうに載っちゃうと、もう貯金なんかしなくてもいいというような書き方になる。そうすると、みんなもう一生懸命やってんですよ、貯金でも保険でも。これはどうするんですか。そういうように極めて郵政大臣の発言が影響するということをあなた感じてないんだよ。だから、さっきから言うように、あなたが一野人なら何言ってもいいの。だけれども、郵政大臣になれば、自分がおのずとどこをどうすべきかということを考えなきゃ、そうでしょう。あなたの言い方をしたら、郵政審議委員というのはみんな間違ったのはやめなきゃいかぬな。あるいは大臣が間違ったら、大臣がやめなきゃいかぬな。
 衆議院のやつを読んだら、あなたは何かいろいろ経営形態の問題もいろいろ聞くと答弁していますな。違いますか、経営形態。
#44
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろこれから意見を各方面から聞いていかなきゃなりませんし、これからよりよい事業を進めていくためにも、省内でも検討していかなきゃならないと思っています。
 また、私の発言で現場の職員の皆さんが戸惑った面もあると思いますが、年末等、郵貯の方も減ることなく、むしろ私の就任後ふえておりますし、現場の影響ということ、戸惑ったこともあると思いますが、郵政事業というのはやっぱり国民から信頼されて、職員も自信を持って元気に私は働いてくれていると思っております。
#45
○大森昭君 だから、あなたがそう言うと、みんなが働きたくないようにしているんじゃないですかと僕は言っている。きょうは答弁要らないから、よく考えてください。あなたがマスコミに言ってないとしてマスコミが書いているとしたら、マスコミけしからぬ話だけれども、書いてあるんですよ、東京新聞にしたって日刊工業にしたって。
 それで、あなた、いろんな人の意見聞くと言うでしょう。六本木や銀座へ行って、マイクでも持って聞くのかね、一人一人。違うんでしょう。ちゃんと決まっているわけですよ、役所というのは。あなた厚生大臣やっているから、初めて大臣になったならいろいろわからないのかなと思うけれども、あなたの厚生大臣時代のやつだって調べたけれども、あなた全部審議会にかけていろんなことをやっているじゃないですか、違うの。やってますよ、あなたが大臣在任中に、いろんな人の意見聞いて。いろいろ直したんじゃない。
 そうすると、そういう見直しをする、何かをするというときには、やっぱりそれなりの人に集まって討論してもらう、議論してもらう。その中でおれはこうだよと言うのはいいんだよ。何も言っちゃいけないとは言ってないんだよ。だけども、やっぱり郵政大臣としてどこで発言をして何を考えているかということを自分が思うがままに言われたんじゃ、どこへ行っちゃうんだかわからないというのをみんなが危惧している。普通はみんなに答弁してもらっていることを大臣が、事務当局として決断つかなかったら大臣として決断をするとか、見通しを大臣が言うとか、それでいいんですよ。あなたに細かい話したってわかるわけないじゃないですか、事業のことなんか。そうでしょう。
 もう時間がありませんから、きょうの委員会もそうですけれども、衆議院の委員会の中でもあなたが言われておって、別にいじめっ子が学校でいじめているんじゃないんだよ、あなたのことを。郵政事業をしっかり見詰めて、より発展をさしてもらいたい。いわゆる従業員も安心して精いっぱいみんな働くという意欲を立てていただきたいというつもりでやってんですからね。あなた視点間違えちゃだめですよ、我々のこう言っていることを。何言ってやんだい、おれはおれだ、自由じゃないか、文句あるのかというようなとは言わないけれども、それに近いよ、大体あなたは。
 僕はあなたよりか議員生活は短いけれども、僕は十六年間いるけれども、こんな委員会やったというのはほかにもないんじゃないですか。いずれにしても異常な状態におれは立たされている、一体何をどうしなきゃいけないのかということを十分あなたは考えていただいて、これから対処してもらいたいと思うんですよ。
 経営形態の問題もきょうは実は少し中に入ってやろうと思ったんですけれども、きのうの読売新聞見ているでしょう、夕刊。見ていますか。読売新聞に書いてある記事は大蔵省、銀行筋が大歓迎なんだよ。この内容は大臣と同じなんだよ。郵政省は強く反発するだろうと、経営形態の問題でね。そうすると、大体郵政大臣というのは大蔵か銀行筋だなとなるんだよ、あなたのずっと一連のあれからすると。
 これ以上言いませんが、あなたも読んでないんでしょう、読売新聞、きのうの夕刊。一面に出ていますよ、経営形態の問題で、行革審がやる問題で。郵政省は強く反発していると書いてあるけれどもね。いやそれは役人が反発しているんで、おれなんか反発してないよという内容ですよ、あなたのずっと大臣就任以来の言動から見ると。これだって、本当はきのうの読売新聞の内容について、行革審のことについて質問したいけれども、あなた読んでないんじゃ聞いたってまたとんちんかんな答弁しかないんだから。
 普通だったら役所の人が、大臣、夕刊でこういうのが出ていますよ、次の日は逓信委員会ですよと。そうでしょう、きのうの夕刊だから。逓信委員会でこういう質問が出るかもわかりませんよというのが入るんだけれども、もうだれからも入らないんだよな、大臣のそばへ行くの嫌なんだから。大臣に何言われるかもわからないから。そんなことおまえらに一々聞くことじゃない、質問が出ればおれが答弁すると。きのうの読売新聞の夕刊にでかく出ているでしょう。
#46
○国務大臣(小泉純一郎君) 朝刊でしょう。
#47
○大森昭君 きのうの夕刊ですよ、行革審の。
 おれはばかげていると思うんだよ。ばかげているというのは何でかというと、質問がばかげているというんじゃないんだよ。あなたの答弁がとぼけているんだからね。まるっきり答弁になってないんだよ。それで時間が過ぎているだけなんだよ。だから委員長さんにお願いしたいんだけれども、我々が質問して答えているのはろくな答えじゃないから、今度大臣に言いたいことをずっと言ってもらって我々が答えるという、たまには逓信委員会もそういう委員会にした方がいい。じゃないと、これは大臣ばっかり質問されたって余り気分よくないでしょう、何が言われるのかなと思って。だんだんあなた顔色がよくないよ。だから今度大臣にずっと言いたいことを言ってもらって、今度はこっちが答弁するという格好も一つの方法だから。あなた、そういう質問するからおれは答えるんだなんてさっき威張っていたじゃないか、及川さんに。大体失礼な話だよ。そういうことを質問してくれなきゃおれは答弁しなくて済むのにというような顔をしながらやっているような委員会なんてないんだから。
 ちょっと時間延びちゃったかな。岡野さん、どうも済みません。終わります。
#48
○岡野裕君 この十八日でありますけれども、大臣からごあいさつとそれから所信をお伺いいたしました。このごあいさつは極めて御丁重でざいましたし、所信も及川先生がこのほかにあるのではないかというお話でありましたが、私は簡にして要を得たそういう所信だ、こういうふうに受けとめたわけでございます。これは大臣の御信条のあらわれだ、こう理解をいたしておりますが、それでよろしゅうございましょうか。
#49
○国務大臣(小泉純一郎君) 評価していただきまして、ありがとうございます。
#50
○岡野裕君 大臣からは、これは信条だ、外交辞令ではない、こういう御返事と私は伺いました。
 ところで、両先生からもお話がございましたけれども、この十二月の九日でありますけれども、大臣は御不在ということで当逓信委員会には笹川政務次官に大臣の代理ということでお越しをいただきまして、マル老、何が何でも七百万にいたしたいという答弁がございました。
 細かく読むと時間がないわけでありますけれども、このマル老七百万につきましては、「郵政省としてはどうしてもお年寄りの皆さんに少しでも喜んでいただきたい。特に宮澤内閣も生活大国という言葉を使った以上は、これはやはり公約でありますので実現をさせなきゃならぬ。そのためには、」「大蔵省の反対もございましょうが、皆さんと御一緒に三百万から七百万を実現いたしたい。」「職員も意思を統一して頑張ってまいりたい、このように考えております。」、これは中尾先生に対する御答弁。
 それから川橋先生に対する同じく大臣代理のお話でありますが、「一部のお年寄りの方だけを優遇する結果になるんじゃないかというような意見もあることも十分理解をいたしますが、私どもといたしましては、」もう何としても七百万をお認めいただきたい、」「国民のためにやりたい、こういう決意でおりますので、」「委員におかれましてもどうぞひとつ御理解をいただき、御支援をいただきたいと思います。」こういう呼びかけであります。
 それから附帯決議については、やはり十分に意を体してとか十二分にとかいうお話が渡辺前大臣からありましたが、渡辺大臣のほかの機会にはこんな言葉があります。老人マル優の問題については私も先ほど答弁させていただきました。金利の低下にかかわる問題の一つの補いとしてという言い方をしましたが、御高齢の皆さんに対するこのマル優という問題についての限度額引き上げは、郵政省としても大いにうたいとげ、諸先生から御理解と御協力をいただいて御支援を賜る時期ではないかと思います。私ども努力させていただきたい、ひとつよろしく御指導を賜りたい。
 大臣、郵政省を代表しての大臣のお言葉ということで今ゆっくり読み上げた部分にありますように、ここに並ぶ委員の皆さんと一緒にぜひ頑張る決意である、御支援を頼む、あるいは努力をいたします、御協力をいただきたい、御支援、御指導をお願いをします、これが郵政省の代表の郵政大臣の私どもに対する答えだというわけでありますが、これも今大臣おっしゃったと同じように渡辺大臣あるいは笹川大臣代理は信条として答弁をなさった、こう思いますが、大臣、いかがでありましょうか。まさか外交辞令でおっしゃったとは思いませんのでありますが。
#51
○国務大臣(小泉純一郎君) 渡辺前大臣も笹川前政務次官も信条でそう発言されたと思っております。
#52
○岡野裕君 そうすると、信条で述べられたということでありますれば、大臣のこの十八日の所信の中にはこの点について何もな言葉がないというのはいかがなものかな。冒頭、「逓信委員会の委員各位におかれましては、郵政行政の適切な運営につきまして常々格別な御指導をいただき、御礼申し上げ」という言葉だとか、あるいは最後に、「以上申し上げました諸施策を適切に行うため」「よろしくお願い申し上げます。」「郵政行政の推進のため、一層の御支援を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。」ということで、実は前大臣時代ではございましたが、郵政省の代表ということで私どもに、ぜひ御理解、ぜひ一緒にやってくれ、おれも頑張るから御指導賜りたい、御協力、御支援、こう言っているわけでございます。
 けれども、大臣、去る十二月の御就任の記者会見、官邸の記者会見に次ぐ郵政記者クラブの会見で、このマル者の引き上げについては反対である、あるいは、これは郵政省の事務方に申したのでありましょうか、この七百万の引き上げは取り下げてこいというようなお話がありました。前大臣時代と大臣御就任早々ではありますが小泉大臣の御見解は全く違う。そのとおりでございましょうか。
#53
○国務大臣(小泉純一郎君) 私の大臣就任前の役所の考え方と前大臣等の考え方と違ったことは事実であります。ですからそのような……
#54
○岡野裕君 結構です。違うか違わないかを伺った。
 そうすると、大臣、全く違ったということでありますならば、今もここでいろいろ皆さんに迷惑をかけただとか、混乱を与えたとか、けしからぬと言われればしょうがないとか、こういうお話でございましたけれども、ごあいさつ、所信の中では我々は頼まれた側で、我々にそういった支援を、協力を、理解をと言われたのにもかかわらず全然違うということでおやりになられたその二つの問題は、これは大臣としてやっぱり所信の中で何かお話があってしかるべきだな、こう思ったのでありますが、何ら触れておられない。これでよろしいのでございましょうか。
#55
○国務大臣(小泉純一郎君) 確かにマル老引き上げの意見については違いましたけれども、どのような所信にするかというのは、それはやっぱりいろいろな判断があると思います。触れるべきか触れないべきか、私は先日当委員会で所信表明したこの所信がいいのではないかという判断をしてこのようなごあいさつを申し上げたわけでございます。
#56
○岡野裕君 やっぱり世の常では、あれだけ口を酸っぱくして当委員会にぜひ御協力、御指導、御支援をと言ったのにそれを全然、言いますならば、我々は頑張ろう、前大臣の、郵政省の意図を体して頑張ろうと努力もしたつもりでありますが、それがはしごを外されたような感じを持っております。そうだとすれば我々は、迷惑をかけた、混乱を与えた、けしからぬと言われればしょうがないだけではなくて、何かな言葉があってしかるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#57
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろ今までの積み重ねたものと新任の私の考えが違ったということで御迷惑をかけた点もあると思いますが、郵政
大臣としてこれからいろいろな郵政事業を進めていく場合に、皆様方と御協力しながら、また御指導いただきながらやっていきたいという気持ちに変わりはございません。
#58
○岡野裕君 御協力、御支援、御指導をと普通言えば、迷惑をかけただけではなくて、頼んでいたけれども、あれは取り下げるので頼む、御了承をいただきたいというようなことがあってしかるべきで、いかがでありましょうか。
#59
○国務大臣(小泉純一郎君) そのような議論は年末の税制改正の議論の際にも党内でやってまいりまして、その結論に従って私は委員会の皆様方といろいろ協力してやっていきたいというふうに考えております。
#60
○岡野裕君 これから努力をしてではありませんで、頼んだのにはしごを外したんですから、本当ならば、はしごを外すときに、この前お願いをしたのはもう結構でございますというようなお話があった上で方針を変えるというならば逓信委員会に対する大臣と私どもとの間の信義は続くと思うのでありますけれども、ただ迷惑をかけた、けしからぬと言われればしょうがない、これは世の常のしきたりといいますか、あるべき姿にやはり全然もとっている。けしからぬと言われればしょうがないじゃない、御迷惑をかけたならば、いかがでありますか、本来ならば逓信委員会をぜひ開いていただいて、方針を変える、了承を得るということがあるべきだと思う。それがなければおかしい。委員会軽視であります。
 しかしながら、それができなくて今日まできましたが、そうすれば、一番初めに私どもと顔を合わせるときには、混乱を与えたではないです、もう一つ何か言葉があってしかるべきで、これが所信の中には出ておらない。まことに遺憾だと思いますが、どうですか。これからじゃないんです、過去のことです。
#61
○国務大臣(小泉純一郎君) 私の大臣就任以来、今までの大臣あるいは役所の考え方と違ったことを言ったために信頼関係を傷つけて、小泉大臣けしからぬということできょうもこうした委員会が開かれているのだと思います。それは今までと形の違った形で開かれているわけでありまして、皆さんのそういう形で大臣けしからぬという気持ちはやっぱり私も率直に受けとめなきゃいかぬと思っております。
#62
○岡野裕君 申しわけなかったも済みませんも何もないですね。混乱を与えた、事実がそうだと言うだけであって、お願いをした、御支援を、御指導をと言った大臣としては、混乱を与えた、けしからぬと思うならば思え、それだけが大臣のお答えであるならば、これから当委員会はどうなりますか、大臣お覚悟でありましょうか。
#63
○国務大臣(小泉純一郎君) 今までの委員会の決議等……
#64
○岡野裕君 決議ではありません。大臣の方から依頼をされたんです。御指導を頼むと言われたんです。決議ではありません。決議は附帯決議だけ。
#65
○国務大臣(小泉純一郎君) 前大臣の考えと私のとは違って、混乱を与えたということに対しては大変御迷惑をかけたと思っております。しかし……
#66
○岡野裕君 済まなんだがないんですか。
#67
○国務大臣(小泉純一郎君) 郵政事業というのは広い範囲にわたっておりますので、これからも国民生活に非常にかかわりの深い郵政事業の展開について皆様方といろいろ御協力してやっていきたい、そういうふうに考えております。
#68
○岡野裕君 迷惑をかけたから反省はなさっておられる。
#69
○国務大臣(小泉純一郎君) そういう迷惑をかけたことについては申しわけなかったなと思いますが、これから皆さんと一緒にやっていくことによって、国民から信頼される郵政事業を展開することによって皆さん方と一緒に協力できる点もたくさんあるんじゃないかな、そういうふうに思っております。
#70
○岡野裕君 申しわけなかったというお話が大臣の口から出ましたので、反省をしている、申しわけなかった、以後はそういうことはない、委員会と協力をしてやっていくつもりである、こう私は受けとめたということで本件は終わりにいたします。
 大臣は寸御就任後早速神田の局へ行かれたり、新東京郵便局へ行かれたり、元旦は豊島の局へいらっしゃった、こういうふうに私も存知しているわけでありますが、宮澤総理から郵政大臣にというお言葉をいただいてあの官邸記者クラブの会見、引き続いてすぐ行われた郵政記者クラブとの会見、その前に郵政省の門をくぐられたことが、郵政省を訪ねられたことが、あるいは今お話が出たような神田だとか豊島だとか、そういう大きな郵便局、小さな郵便局に行かれたことがありましょうか。
#71
○国務大臣(小泉純一郎君) あります。
#72
○岡野裕君 どこの局へ行かれましたか。一つでも結構でありますが。
#73
○国務大臣(小泉純一郎君) どこの局がはっきりは覚えていませんが、覚えているのは、地元の横須賀の郵便局には何回か行ったことがあります。
#74
○岡野裕君 郵政省はいかがでございましょうか。
#75
○国務大臣(小泉純一郎君) 郵政省に陳情に行ったこともあると思います。
#76
○岡野裕君 ちょっと記憶にないとか、多分とか、横須賀には行ったとかいうようなお話でありますが、政治家としての小泉先生はもう二十年も経験を積まれた政治家だと私も尊敬をいたしておりますけれども、やはり一政治家というものと、その政治家が郵政大臣になってどういう省のさお差しをするかというのはまた別だ、こう思うのでありますが、あの官邸記者会見とか郵政記者クラブでの御発言は、今は大臣から郵便局をのぞいたことがあるらしい程度のお話で、郵政省の幹部の諸君、あるいは大きな郵便局、小さな郵便局に行かれて職員の諸君と話をともにし、その雰囲気を十分に味わった上での御発言とはとても思えませんが、こうあっていいものでありましょうか。
 民間で例を例えるならば、初めて社長におなりになった。そうだとすれば、この会社をどうするかにつきましては、やはりその会社の中に浸ってみて、どんな仕事を諸君がしているのであるか、過去の経緯はどうであるかというようなことを十分わきまえられた上で、新聞ではありますが、定額の見直し、郵貯の経営形態というものを例えば民営にするというようなのは、一政治家としてお話しになるのなら別、その会社の社長、郵政省の最高責任者としてはいかがかと思うのでありますが、非常に急いで御発言をなさったように思いますが、今考えていかがでございましょうか。
#77
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、別に急いでとかいうことではなくて、現在のいろいろな郵政事業の重要性を否定したことは一度もありません。ただし、将来を見据えていろんな各方面の意見もありますから、よりよい郵政事業のあり方とかあるいはこれからの活動については、当然見直していくべきものは見直す必要があるんじゃないかということを聞かれたままに答えたり、あるいは自分の考えを申し述べたりしているわけでありまして、現在のいろいろ行われている職員の熱心さあるいは精勤ぶり、これを否定したことは一度もございません。
#78
○岡野裕君 私は、郵政省の職員の諸君をおねぎらいになっている、郵便貯金を初めとする三つの事業に存在意義があるものであるということは、大臣のお言葉として新聞その他で拝聴あるいは拝見をしているところでありますが、言いますならば、その会社の中に入ってみんなの声を聞いて初めて言うというのが社長の態度だと思います。過去のいきさつを御存じないから、例えば逓信委員会で前大臣がどういうふうに発言なさった、あるいは政務次官であるけれども笹川先生がどんな発言をなさったか、それを全然踏まえられないまま
にお話しになったと思います。笹川政務次官の大臣代理としての発言は、大臣、直接議事録でお読みでしょうか。
#79
○国務大臣(小泉純一郎君) 議事録では読んでおりませんが、考え方は伺っております。
#80
○岡野裕君 大臣は、例えば定額の見直し等につきましても早速御発言になっておられますが、その場合に、これも新聞でありますので定かではありませんけれども、例えば大蔵の言いなりになれ、向こうの言うことを十分聞けというようなお話がありました。言いなりになれとまさか大臣がおっしゃっているはずはないのでありますが、相手の言い分をよく聞け、かたくなになるなというようなふうに私は聞いておりますが、そうでありましょうか。
#81
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、大蔵の言いなりになれなんと言ったことは一つもありません。どういう筋でそういう情報が入っているのか不思議でしょうがありませんが、郵政省というのは非常に国民生活にかかわりの深い事業をしているわけだから、いろんな各方面の意見を柔軟に、弾力的に聞いてよりよい方向を目指してくれということは言ったことがありますが、言いなりになれなんてことは一言も言っておりません。
#82
○岡野裕君 私も、今申し上げましたように、大臣が一部で聞かれているように言いなりになれなどというお話をなさるはずがない、そう思っております。だけれども、相手の言い分はよく聞けということはおっしゃったのだろうと思います。いかがでしょう。
#83
○国務大臣(小泉純一郎君) 何事もいろんな専門家の意見というものはよく聞く必要があると思っております。
#84
○岡野裕君 ということでありますならば、郵政省の最高責任者ということになれば、いろいろな発言をなさる場合にも、二人の先生からお話が出ましたけれども、郵政省の幹部、三十万人になんなんとする郵政職員の言い分もよく聞いた上でということが大臣の今の御発言の延長にあると思いますが、いかがでありましょうか。
#85
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、就任以来よく役所の幹部の皆さんと意見を交わし、聞いております。
#86
○岡野裕君 御就任になってから今大臣がおっしゃったようにそれぞれの意見を聞いているというのは、私はそのとおりだと思います。しかしながら、大臣就任といいますか、あの総理官邸での記者会見あるいは記者クラブの諸君との会見は、郵政省の幹部あるいは三十万人の総意、あるいは特定郵便局という一万八千にも及ぶ日本の中の隅々まで置かれた皆さんの声を聞いての上での発言ではない。お気の毒でありますが、まだ聞く暇がなかったということだと、こう理解いたしておりますが、いかがでしょうか。
#87
○国務大臣(小泉純一郎君) 就任時の記者会見というのは、当然大臣の考え方を申し述べる場でありますから、総理から官邸の執務室で辞令を受けてから記者会見の場まで、距離もわずかですし時間もわずかですから、私はその間自分の考えを申し述べるのが就任記者会見ではないかなと思っております。
#88
○岡野裕君 そのとおりだと思います。しかしながら、官邸記者会見も郵政記者クラブの会見も、政治家個人、小泉先生のお話を承りたいというものではなくて、郵政大臣に御就任になったその小泉大臣のお話を承りたいということで設けられたものだと、こう思うのであります。
 だとすれば、これも新聞報道でありますが、いささかも郵政省の諸君の話を聞いておらない。三十万人のともに働いてこれから郵政事業を、大臣のこの所信の中にもございますように生々発展をしてまいるという観点からいたしますと、直ちに貯金の経営形態の問題でありますとか、あるいは定額の直ちの見直しでありますとかいうようなお話に及ぶのは、いささか大臣の本旨にもどった答弁だと、こう私は思いますが、合いかがでございましょうか。
#89
○国務大臣(小泉純一郎君) 現実に行政を執行していく立場と、将来の問題として考える立場というのは、私は両立てきるものと思っております。ですから、私の考え方を述べたということでありますが、いろいろ検討していかなきゃならない問題もたくさんあると思っております。
#90
○岡野裕君 例えばその関連の記者諸君との話の中で、もう両先生からもお話が出た話でありますが、郵貯というものの、言いますならば少額の貯蓄を普及していくというような使命は終わったものでありますとか、あるいは、先ほど大臣から異なったお話が出ましたけれども、財投というものはもう使命が終わったものである、公共投資等々の財源は財投債というようなものにおんぶするものであって、貯金等におんぶをするものはもう古い時代になってしまっている、こういうお話も私は聞いておりますが、いかがでありましょうか。
#91
○国務大臣(小泉純一郎君) そういうことではありません。郵貯が簡易で確実な貯蓄の手段として今後とも国民の経済生活の安定を図り、存在していく目的というのは十分あると思っております。なおかつ財投におきましても、その資金というものを統合管理し、確実かつ有利な方法で運用することにより公共の利益の増進に寄与せしめるという目的は、私は依然として重要だと思っております。
#92
○岡野裕君 財投というものも、過去の歴史の中でも、昭和三十年代ぐらいまでは産業基盤を確立をするというような方向を主要な柱とし、あるいは貿易振興という面にある程度の傾斜的な配分をするというような時代から、今日は住宅、福祉、一般の方に傾斜をしてくる。世の発展といいますか、この移ろいの中において新しい方向というものを模索をしていくということは当然あるべきものだと、こう思うのであります。
 そうだとすれば、貯金及び財投の意義は今後ますます大きくなろう。日米経済協議の中でも四百三十兆云々で、その中には随分財投のお金が入っていかなければなりません。ODAの使命というものも大きくなっていく。そのODAの四十数%は財投である。その財投の主要財源というものは郵便貯金及び簡易保険におんぶをしている。そうすると、簡易保険、郵便貯金というものがやはり政府関係の資金というもので財投というものに協力をしなければならない。そういう官営でなければならない要素というものが十分あり得ることは、大臣もおなかの中に秘めておいででしょうか。
#93
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、再三申し上げていますように財投の重要性を否定したことはありません。しかし、郵貯にしても簡保にしても、自分たちの預けた資金が本当に確実で有利に運用されているのかどうか、それはやっぱりもっと検討してしかるべき問題じゃないかなと思っておりますし、それはやっぱり財投の見直し、行財政改革につながっていくのではないか、そういうふうに私は思っております。
#94
○岡野裕君 財投は予算外ではありますけれども、五年以上の資金運用部資金の運用につきましては、予算関連ということで国会の議決を要するものであることは御存じでありましょうか。
#95
○国務大臣(小泉純一郎君) その手続とか定義とかというよりも、財政投融資制度の重要性と同時に、今後一つのあり方というものは不断に見直していかなきゃならないんじゃないかなと私は言っているわけであります。
#96
○岡野裕君 私は、財投というものが国会で議決を要しているものであるということを大臣は御存じかと、こう伺ったわけでありますが、その点についてはお話がございませんでした。
 要するに、冒頭二人の先生からお話が出ましたけれども、マル優三百万を七百万にするにつきましては、歴代大臣はこういう考えだったということをお話しになりましたが、大臣就任以後お話しになっているところを考えてみますと、マル優の三百万を七百万にするのは反対だけれどもというお話でありますが、マル優というものは大臣はそもそも反対であり、及川先生のお話にありました
ように、利差補給の問題やら何やらがいろいろ絡んでくる。本来マル優というものがあってはならないもので、税金として納めてもらって、これを厚生省なら厚生省の方で福祉関係に使うべきである。これは大臣の持論だと、こう思うわけであります。
 いずれともあれ、マル優反対と大臣おっしゃいましたけれども、マル優というものは現行実定法の中でちゃんとある。郵便貯金あるいは簡易保険、郵便事業そのもの、全部実定法がありまして、その実定法に基づいて大臣は省の運営をなさる。三十万人の諸君は、先ほど大森先生からもお話が出ましたが、公務員というものは全体の奉仕者として、憲法及び法令を遵守して、毎日切磋琢磨、一生懸命仕事をしているわけであります。
 その最高の責任者の方から、実定法にありますところのマル優というものはそもそもあってはならない、今の時代にはそぐわない制度だというようなお話をいただきますと、部下三十万人は、大臣がそういうことであるとすると、我々が自主的に目標を設定してお客様、つまり省益ではない、国のために頑張っていこうというような意識が非常に阻喪するものだと思いますが、大臣はその点についていかにお考えか、これを伺いたいと思います。
#97
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、決まったことについては大臣として粛々として進めていきたい。そして、考えはどうかと聞かれれば個人としての考えは言わざるを得ない。そして、それはいろんな法律問題にも出てくると思います。憲法改正論者だって現行の憲法を守らないなんて言っている人は一人もいないと思います。現行の憲法は重要だ、守っていく。しかし自分としては改正した方がいいという方はたくさんいると思います。
 それと、大臣だから、今までと違った考えたから、それと全く同じでなきゃならないかというのは、皆さんどういう立場であってもそういう問題はたくさんあるんじゃないでしょうか。自分の持論とは違っても、これはみんな必要なんだ、そういう理解の上で皆さんと協力しながらやっていこうということでありますので、私は、当然決められたことに皆さんと協力して、職員とも協力してやっていきたいと思っているわけであります。
#98
○岡野裕君 時間がないわけでありますが、小泉個人といいます立場と、それから郵政大臣小泉といいます場合との使い分けは非常に難しいが、例え話であります。お巡りさんが銭湯で裸ん坊になっておふろに入っていたとしても、周りの町内のおふろに一緒に入っている皆さんは、これはやっぱり警察官だ、こう思うわけであります。
 そういう意味合いからしますと、大臣はこれから郵政省の最高責任者としていろいろな場面でお話をする機会がありましょうけれども、そういうふうに受けとられるものであるということを十分御自覚をなさって、そのお話なり言動にぜひ注意をしていただきたい。
 とにかく、我々は実定法をまず十分に運用をする。そうしてまたあるべき姿というものを切り開いていく。そうしてまた、切り開いていく場合にも、大臣でありますからやはり郵政省事務当局、広く三十万人の職員の声も聞いていく。相手の声を聞けという大臣のお話をぜひ御自分も実践をなさっていかれるよう、そうして結論を急がれないでじっくり取り組んでいかれ、大臣もまだこれから政治家としては五年、十年、二十年おやりになると思いますので、功を急いで間違ったさお差しをなさらないようなことをここで要請を申し上げて、短い時間でありますので質疑を終えさせていただきます。
#99
○委員長(野別隆俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四分開会
#100
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、郵政行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○鶴岡洋君 午前中のお話の続きでございますけれども、大臣にお伺いしたいんですが、午前中の話を聞いておりますと、話の中にありましたように、どうも大臣の答弁と質問者の方の話がかみ合わない。確かに私もそう思いますし、どうも内容がよく私は納得いかないんです。
 詰めていくと、なぜそうなるのか。私が考えるのに、一つは、大臣という立場をはっきり心得ておられるのかどうなのか。もう一つは、大臣の発言によって混乱をさせたとか、それから迷惑をかけたとか、こういうお話でございましたけれども、それは混乱をさせた、迷惑をかけたという反省であって、その混乱をさせた、迷惑をかけたそのもとは何なのかというと、大臣の発言にあるということは、これは大臣はよく御承知だと思うんです。それじゃ、そのもとの反省はあるのかというと、その反省が私はないような気がするわけです。だからどうも行き違いになっているんじゃないかと、こういうふうに私は思うんです。
 そこで、苦言になりますか、私の意見でございますけれども、何点かお伺いしたいと思います。
 今言ったように、一言で言うならば、大臣という立場、それと今までの郵政三事業の長い歴史、先輩の労苦も考え合わせてよくよく論議をし考えてほしい、こういうことなんです、私が申し上げたいのは、意見としては。
 先ほどもお話あったように、大臣就任になって抱負の記者会見があった、しかし距離が短かったとか時間がなかったとか、こういう大臣のお話でございましたけれども、確かにそうなんです。しかし、これもお話あったように、社長になれば、その会社に入って、会社の状況はどうなのか、今もうかっているのかもうかっていないのか、また、これからどういうふうにすべきなのかということで意見を聞いて、そして、それならばこの会社の社長としてこういうふうにやっていったらいいんじゃないかと、こういうふうにするのが私は普通じゃないかなと、こういうふうに思うんです。
 そこで、私からこんなことを厚生大臣もやってこられた小泉大臣に言う立場ではございませんけれども、大臣は郵政事業に働くいわゆる三十万人の長でもありますし、その立場にどのような重大な責任があり、また権限があり、それから一つ一つの発言にどれほど大きい影響があるかということは、これはもう御承知だと思うんです。ただ、もちろん議院内閣制ですから、そういうこともございますし、それからいろいろな観点からして大臣というのは、今言ったように、権限というんですか、言葉の影響力というんですか、それが非常に大きなものを持っておりますから、大臣が発言をすると、それはやはりありきが先に出てきちゃうわけです。そういうこともやはり立場として考えなきゃならない。
 例えば今度のマル老の問題でございますけれども、大臣は限度額引き上げは必要ないとか言いましたよね。そんなことは全く理解できないとか、非常識であるとさえ思うと、こういうふうにも言っておられる。私から言わせれば、大臣の言うことは先ほどから言っているように全く理解できない。大臣の方が非常識じゃないかなとも思われます。
 このマル老問題について、御承知のとおりこの逓信委員会で、これも午前中篤と話ありましたけれども、どういう経過をたどってきたのか。もう再三再四私たちは検討をして、それも真剣に検討をしてきたわけです。どうあるべきか検討もしたし、論議もしたし、歴代のいわゆる大臣もそのような方向で話をされてきているわけです。審議会もいいと言うし、もちろん委員会でも七百万に上げるという、額はもちろん決まっておりませんでしたけれども附帯決議もされました。
 その審議をしてきたのは、じゃだれなのかとい
うと、これは私たちがやってきたわけです。何十万、何百万という支持を受けたいわゆる国会議員、私たちがこれをやってきたわけです。そして、出てきた結論が限度引き上げ、これが結論なんです。多くの論議と、多くの賛成者、たくさんの支持者、これがその結論の意見です。そうして長い年月をかけてきた、積み上げてきた。それほどに私はこの問題については重みがあるんじゃないかなと。その重みについて大臣がどういうふうに認識をしておられるのか。これが私は欠けているんじゃないかなと。いろいろな環境から含めて、今までの経過を含めて重みがあるのかなと。
 私は郵政族でも富裕族でもございませんけれども、大臣がマル老限度額引き上げが必要でないとか、今言ったように全く理解ができないとか、なるほどそれもそうだなという人も中にはおられるでしょう。今申しましたとおり、政治というのは常に改革をしていく必要がある、これも私は思います。しかし、その立場と問題の経過、重み、そういったものをよく考えていただきたい。
 政治家個人でおっしゃるならば、これも先ほどお話がありましたけれども、何をおっしゃっても私は結構だと思います。また、自民党内の部会で幾ら議論されても、反対であっても賛成であっても、これはその人の信念といいますか、こういうことで幾らお話しになっても結構ですし、個人、小泉純一郎、政治家、これでお話しになるのは私は何を言っても結構だと思います。そういう意見があるのは当然であるし、またそういう意見を出すのが政治家、こういうふうに私は思っております。
 私が大臣個人のことについて考えるのに、大臣は進取の精神に富んだ考えを持っておられるようでございますし、それからいろいろな持論も持っておられるというのもわかりますけれども、このマル老問題については大臣のあの発言というのは軽率であったというか就任早々の発言は甚だいただけない、こういう私は意見を持っております。
 今長々と申し上げましたけれども、私のこの意見について大臣はどういう意見を持っておられますか。
#102
○国務大臣(小泉純一郎君) 長年そういう御努力された方から見れば、そういう批判は私は当然だなと、そのような御批判は甘んじて受けなければならぬなというふうに感じております。
#103
○鶴岡洋君 そこで、一番先に二つの問題がかみ合わないからこういうふうになったと私申しましたけれども、反省すると言っておりますけれども、どこを反省されていますか、発言について。
#104
○国務大臣(小泉純一郎君) 就任早々の私の発言が、今まで努力され、積み重ねてきた方々の意見と違う発言をし、かんかんがくがくの議論が起こった、あるいは御迷惑をかけた、混乱が起きたということについて一つの結論が出ました。
 これからは私自身が大臣としての仕事を遂行していくわけでございます。省内の意見を調整しながら、そして各界のいろんな専門家の意見を聞きながら、郵政行政が円滑に執行されていくよう慎重に検討し、また慎重に発言し、行動していきたい、そう思っております。
#105
○鶴岡洋君 しつこくなりますけれども、混乱をさせた、迷惑をかけた、これを反省はしていると。混乱をさせた、迷惑をかけた、みんなに大変動揺を与えたとかとけさほどから言っておりますけれども、それを起こしたのは、あなたの発言からそうなったわけですよね。
 その基本になったあなたの発言に対する反省というのは、例えば軽率であったとかもっとみんなに意見を聞いて――意見を聞く聞くとさっきからおっしゃっているわけですから、意見を聞いてから言えばよかったなと、こういう反省はないですか。
#106
○国務大臣(小泉純一郎君) あの場合、就任早々後の発言というのは、私日ごろ考えてきたことでありますし、もし前大臣とか逓信委員会の決議に沿って同じようなことを言っていますと、長年の政治家としての信頼を失うんじゃないかということも考えました。ですから、混乱するかもしれない、あるいは今まで積み重ねてきた努力に水をかけるかもしれない、あえて私は発言したものでありますから、その点については悔いはございません。
#107
○鶴岡洋君 そうすると、反省と悔いはないというのはちょっとこれは言葉が違いますけれども、立場ということを今申し上げましたけれども、これからはそういう立場をよくわきまえて、そして私の言ったように、話は皆さんによく聞く、それから内情もよく調べ谷、意見も聞くよと。私は今、反省しないのかと、こう言っておりますけれども、大臣になったから郵政省のシャッポになってよきに計らえて何にもやるなと、そんなことを私は言っているわけじゃない。大臣は大臣としてちゃんときちっとした決断も下さなきゃならないし、それから意見も持っているのは当たり前です。
 ただ、ダブりますけれども、先ほど言ったように政治家としての、一個人としての意見は、これはもう当然結構ですと、どういうことを言っても。だけれども、やはり立場というものがあるんですから、その立場の背景には先ほどから何回も言われているように経過があるし、皆さんの意見があるし、この委員会というところでどれほどやったのかと、そういう経過があるわけですから、立場というものをよく考えていただきたいと、こういうふうに私は思います。この点についてどうですか。
#108
○国務大臣(小泉純一郎君) 政治家個人としての考えと大臣としての立場というものをよくわきまえて慎重に発言し、行動していきたいと思っております。
#109
○鶴岡洋君 それでは、今後の問題もございますので、何点か大臣に端的にお伺いをいたします。
 今申しましたように、大臣は就任直後の記者会見で、高齢者等の少額非課税制度について限度額の引き上げは必要ないとか、それから官業による民業の圧迫は問題だとか、こういう発言をされました。しかしこの大臣の発言によって、自民党内では御存じのように郵政大臣といわゆる郵政族議員の確執ですか、それから政務次官の辞任など大きな波紋を呼んだところでございます。結果、二転三転した末、マル優の限度額というのは現行三百万円から五十万円アップと、三百五十万で決めたわけでございます。
 この点については、これから法案で審議することですから別におくとして、大臣は就任後この発言をしてから二カ月ちょっとになりますけれども、このマル優制度について現在どんな認識を持っておられますか、お聞かせいただきたいと思います。
#110
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、私個人としての考えはさておきまして、いろいろ議論の末、こういう制度を存続される声が大きいということであのような結論が出たんだと思います。その結論に従って、これが有効に機能するように大臣として行政の執行に当たっていきたいと、そう考えております。
#111
○鶴岡洋君 重ねて大臣は、マル優制度はいわゆる富裕老人優遇策であると、こういうふうにもう言い切っておりますよね。私はそれは違うと思うんです。確かに、高齢世帯でも収入の高い人は全体の所得に対する利子所得、この占める割合は大きい。しかし収入の低い層にとっては、利子所得が大切な収入源であることは間違いないわけです。それどころか、最近の低金利のあおりを受けてというんですか、貯蓄そのものを取り崩して生活しなければならない、こういうのが実態じゃないかと思います。大臣はこのマル優制度が富裕老人のためだけの制度ではないということを御認識いただけるでしょうか。
#112
○国務大臣(小泉純一郎君) これまた、今現在私が大臣としての立場というのと個人としての立場ということを分けて考えると言われればそう考えますが、大臣の答弁として、それは個人の答弁というのは通じないと言われれば、それはまたそう
かもしれません。私としては……
#113
○鶴岡洋君 大臣として聞いているんです。
#114
○国務大臣(小泉純一郎君) 大臣として決められた三百五十万のこの制度は円滑に執行していかなきゃならない。持てる持てないというのは比較の問題でありますから、枠を使い切る以上に持っている方に比べ、持っていない方がいれば、さらにもっと使いたいという人は持てる層である。そうでない場合は、持てない層というのは、これは比較の問題でありますから、金持ちとか貧乏とか、そういうことじゃなくて考える必要もあるんじゃないかなと。ただその御質問も、持てる層がどうか、私は、もっと引き上げてもらいたいという人は、その枠を使い切っていない人に比べれば持てる層である、それは言えると思います。
#115
○鶴岡洋君 郵政省は当初七百万を要求しておったわけですけれども、結局先ほど言ったように五十万円アップの三百五十万で法案が出されました。先ほど申したとおり、これはこれからの国会審議ですから別として、マル優限度額は御存じのように一九七三年に創設されてから十九年間据え置きになっている。その間の物価上昇は、これも御存じだと思いますが二・四倍。また、一昨年六月までは六%であった公定歩合が、あれからどんどん下がって、六回下がって今二・五%。これは過去の最低水準、こういうことになっているわけです。したがって、いろいろな金融商品の利回りは低水準に固定されているというか、低水準になったままになっている。
 私は、マル優限度額は、物価上昇と金利のいわゆる目減り部分、この相当部分額の引き上げは最低限当然であり、急務ではないかな、こういうふうに思うんです。先ほどは、三百五十万、私が大臣の間はそういう考えですからこれを上げるつもりはない、こうはっきり言い切っているわけです。
 大臣はそう思っているかもしれないけれども、もう国民みんなが、ほとんどの人が、我々もそう思って今日まできたのだし、また経過もそういう経過だし、現状もそういう現状である。こういうことを謙虚に受けとめて、国民の切実な声をどういうふうに考えておられるのか。
 私が言うんだから、それを聞けと、それはちょっと横柄かもしれないけれども、そういうふうにおっしゃるのか。決まったことだからやる、それは当たり前ですよ。決まったことをやらなかったらこれは大変なことになりますからね。でも、やはりそこに融通性というのもあってもいいんじゃないか。環境がそういう環境なんだから、去年とおととしと今とはまるっきり違うわけですから。この点についてはどうお考えになりますか。
#116
○国務大臣(小泉純一郎君) 三百万円の枠をさらに引き上げようという声があるのも私は承知しております。しかし、ことし三百五十万円に引き上げる、そしてなおかつその枠を使い切っていない方々が使い切っている方に比べれば多いということを考えれば、ことし一年、これから税制改正でどういう議論が出てくるかわかりませんけれども、さらに引き上げようという状況ではないんじゃないかなと私は思っております。
#117
○鶴岡洋君 大臣にもう一つだけ聞きたいと思いますけれども、大臣は老人福祉と税制問題と切り離して論議すべきだ、こういうふうに言っておられますね。大臣は税制の専門家でありますけれども、ここで不公平税制と言うなら、もっと大きな問題を論じるべきであって、老後のささやかな今言った生活防衛、この手段を脅かすようなことはしない方がいいんじゃないか、こういうふうに私は思います。
 不公平税制を抜本的に解決するには、いわゆる納税者番号を導入して、そうして所得を源泉別に完全に捕捉して徹底したいわゆる総合課税制度の確立しかない、こういうふうに私は思いますが、これができないうちにマル優廃止だと言うのは、私はこれは単なる福祉の切り捨てではないか、こういうふうに思いますけれども、税の専門家の立場から、どうですか、大臣。
#118
○国務大臣(小泉純一郎君) 税のあり方というのはいろいろ議論があると思います。公平の観点というのも大変重要な問題だと思います。また簡素というのも重要だと思います。また税の持つ中立性、いろいろ重要なものがたくさんあると思います。
 公平からだけということもなかなか問題がある。現在でも総合課税制度であります。しかし総合課税では把握し切れない税がある。いろいろ分離課税制度も持っております。ですから、そういうのは総合勘案してやらないと、どれが公平かと、人によって全部違うわけであります。
 所得税も、本来だったら累進課税というのは公平じゃないという議論の方がたくさんおります。公平とは違う別の観念で累進税というのはあるんだという議論もあります。本当に公平だったら、一律の消費税が一番公平だという方もおられます。しかし、総合課税とか税の公平性とか、あるいは所得の再分配機能とか、いろんなものを勘案して一つの税というのがあるのであって、原則として総合課税というのは望ましい方向だけれども、総合課税では把握し切れないいろいろなまた難しい複雑さも出てくるんじゃないかということで分離課税等も組み合わせて今やっている。しかし、原則として総合課税という方向は、これは私は大事な方向じゃないかなと思っております。
#119
○鶴岡洋君 わかりました。
 それでは、余った時間を今社会問題になっているNHKスペシャルの「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」についてちょっと木下さんにお伺いしたいんです。
 今、やらせとか低俗番組について、その企画から取材から放映を含めて、現在の放送界のあり方についていろいろと批判もされ、問題視されておるわけですけれども、今回のこのNHKのムスタンの問題は、私にとっては全く理解に苦しむというか、甚だけしからぬ問題だなと、こういうふうに思っております。これは私一人だけではなくてNHKの視聴者、またNHKの視聴者でなくても、全国民が一様にそう思っているんではないかな、こういうふうに思うわけです。
 そこで一つ。言うまでもなく、NHKは国民から受信料を徴収している公共放送であるということ。その社会的、公共的意義を強く持つという意味合いからして、今回の事件については責任は非常に重大ではないかなと、これが一つ。もう一つは、昨年放送されたムスタンでいわゆるやらせと過剰演出、演技が何カ所もあったということ。さらに、ドキュメンタリーというのは、これは真実に迫る迫力ある映像と音、声、この説得力の強さが、ああいうことが起きると半減もし、三分の一減もし、四分の一減もしたということだと私は思います。
 そこで、この問題について、NHKが事の重大さを深刻に受けとめて真剣に反省し、そうして何回かテレビを通して謝罪もし、緊急に調査会を設けて調査検討を行い、その事実を詳細な報告書としてまとめた。そして先日発表しました。この中で、真相究明を行うとともに責任の所在も明らかにしたわけです。こうしたことについて二度と再び起こしてはならないことを自覚しており、再発防止のための具体策等を取りまとめた。
 この問題の強い反省と一連の対応については私は子としたいと思いますけれども、本当に二度と再びこうしたことを繰り返してはならないんじゃないか、こういうふうに今強く思っているわけです。また後日の委員会で詳しくその経過、その根本にあるものは何なのか、またどこにあるのかということをNHKの当事者から聞かせていただきたいと思いますけれども、きょうは監督官庁である郵政省の木下局長に三点ばかりちょっとお伺いしたいと思います。
 第一点は、今回のNHKのこうした事態をどのように郵政省として考えておられるか、これが一つ。二つ目は、先ほど申したようにNHKからは報告書が出ております。この報告書の内容についてどう評価するのか。三つ目は、監督官庁として何らかの行政処分をするという新聞記事も出てお
りますけれども、この件について郵政省としてどう対処するのか、まずこの三点をお答えいただきたいと思います。
#120
○政府委員(木下昌浩君) まず第一点でございますが、私どもとしてはNHKから調査結果についてひとまずの報告は受けております。しかしながら、現在まだ詳細な事情を聞いている最中でございます。その前提の上に立ちますけれども、NHKから報告を受けている中身として、事実と異なる点あるいは行き過ぎた表現等が多々あったと指摘されております。したがって、私どもとしては公共放送としてのNHKに対する国民の信頼を害することになったということは極めて遺憾と言わざるを得ない、まずその点を申し上げたいと思います。
 それから、報告書の中身について先ほども申し上げましたようにさらに詳しくいろいろ聞いている最中でございますけれども、NHKとして現地に人を派遣して極めてまじめにこの事実関係の調査、原因の分析、今後の対応策について検討を進めてきたというふうに理解をいたしております。私どもとしては、これからこの調査結果の詳細についてお伺いした上で、内容を検討いたしまして適切な措置を講じてまいりたいと思います。
 その中で、最後の御質問の中にございました行政処分の問題でございますが、こういう報道機関、民間放送も含めてでございますが、放送事業者の皆さん方の場合には言論、表現の自由ということとも深いかかわりがありますし、放送法でも番組の編集の自主規制といいますか自律ということが求められていると思います。しかしながら、反面また、そういった自由には責任を伴うということも私は思うわけでございます。そういう観点から、処分という言葉で表現されることは、形式的に言いますと、いわゆる免許停止であるとか電波の運用停止であるとかいうことを想定されるわけでございますが、法律上の仕組みはともかく、そういう形はとり得ることにはなっていると思いますけれども、ただいま申し上げましたように自主規律ということが原則になっているということを踏まえまして、この問題については慎重に対応する必要があるというふうに考えておるところでございます。
#121
○鶴岡洋君 次に、この一運のやらせ番組についてはいろいろの事情、背景があるように思われますし、またこの件についていろんな意見があります。いいと言う人はいませんけれども、意見としてはいろいろあるわけです。やらせと例えば演技、演出というのはどこが違うのか、演技と演出とそれからやらせというのは、そのボーダーラインはどこなんだと、こういういろんな難しい問題がございます。
 しかし私に言わせれば、ちょっと言葉が悪いかもしれませんけれども、やらせはないものをやるわけですから、演技、演出して視聴者をごまかすというのか、それから裏切るというか、もっと悪く言えば背信行為、うそつきになるわけです。昔からうそつきは泥棒の始まりだと、こう我々は言われてきたんですけれども、全くもって今度のNHKのやらせは、中には捏造だと、こう言う人もおります。私もそう考えると非常に腹立たしい気がしているわけでございます。人間、間違い、誤解とかそれから言い違い、たくさんございますけれども、いずれにしても私はやらせというのはよくない、このように思います。やらせ番組は過去においても幾つかあったように私は記憶しておりますけれども、それもこれももちろん今言ったように決して許されることではない、こういうふうに思います。特に今回のムスタンの件については、これはドキュメンタリーということですから、なお一層これは腹立たしいというかあってはならないことだなと、こういうふうに思っております。
 そこで、なぜそこまでやらなければならなかったのか。すなわちやらせ番組の背景について、ただチーフディレクターが独善だとか、それからディレクターが言ったからやったんだとか、こういうことで私は片づけられる問題ではないと。私が思うのには、商業主義ということもございましょうし、視聴率至上主義ということもあるでしょうし、さらに下請制作会社の少人数、それから重労働、低費用、また物理的な番組づくりの制約等いろいろとあると思いますけれども、根本的な背景はどこにあるのか。どうしてこうなったのか、その背景はどこなのか、どういう見方をしておられるのか、郵政省としての御意見を聞かせてください。
#122
○政府委員(木下昌浩君) NHKの調査結果によりますと、既に御案内のとおりでございますが、制作者個人のドキュメンタリーへの思い込みと過信とか、あるいは番組制作過程での管理体制の問題だとか、社会人としてのモラルだとか、メディアミックスに対する職員の意識などを挙げておられるわけでございます。
 郵政省としても、先ほども申し上げましたように調査結果の詳細について説明を受けている段階でございますが、少なくとも現時点において考えますに、やはり職員に対する研修の問題といいますか訓練の問題というのが一つあろうかというふうに思います。それからまた、チェック体制などのいわゆる組織運営上の問題というのがあろうかと思います。それから、ただいまも御指摘ありました関連団体とのいわゆるメディアミックスの進め方について基本的にこれからきちんとしていかなければならない問題等々、種々の問題が複合的に重なってこういったことが生じているのではないかというふうに考えております。
#123
○鶴岡洋君 時間がありませんので、もう一点最後に。
 違う角度から私こういう問題について心配をするわけですけれども、これからの放送界の問題として多チャンネル化の問題がございます。今後の放送界を考えると今までにも増して多チャンネル化が進んでいくと思うんです。CSのテレビや音声放送の兼営、BS4衛星の打ち上げ、これに民放が参入するとか、こういう形がつくられてくると思うんです。そうなると、我々は一日二十四時間しかないわけですから、朝から晩までテレビを二十四時間見るわけにもいきません。そうするとつくる方は、多チャンネル化になりますから、見てもらいたい、視聴率を上げたい、こういうことでソフトの方面に今度は経費をかけなくなる。そこからまた新しいいわゆる低俗番組、やらせ番組というのが結果として生じてくるんじゃないかな、こういう心配がされます。こういう点について、多チャンネル化を迎えた今日、郵政省としてはどんな放送政策といいますか、どういう行政指導といいますか、考え方はありますか。
#124
○政府委員(木下昌浩君) 確かに、ただいま御指摘のように衛星放送、CATV、CS放送、多チャンネル化が進んでまいることは御指摘のとおりだと思います。そういう意味では競争がお互いに激しくなってくるというふうに思います。それは事実でございますけれども、その中で各事業者が、この放送番組の制作につきましてはもちろん私どもが口を差し挟むべきことではございませんので、それぞれ経営努力によりましてよりよい番組をつくってもらいたいというふうに期待をしているところでございます。
 行政といたしましては、番組内容について口を出すということではございませんけれども、可能な限りよりよいソフトが制作されるような環境整備ができないものかということで、行政として許される範囲でこれを今後も努力してまいりたいというふうに考えております。
#125
○鶴岡洋君 終わります。
#126
○中村鋭一君 大臣、きょうは御苦労さまでございます。私は朝から論議になっております大臣御就任後の郵政関係の御発言につきまして質問を絞ってお尋ねをさせていただこうと思います。
 大臣、御就任の記者会見で御発言になりました。その発言の内容は、大臣になって最初に意見を求められればかようかくかくしかじかのことを言ってやろうというふうに初めから予定をしておいでになったのでございますか。
#127
○国務大臣(小泉純一郎君) 予定といえば、私は
郵政大臣になる予定はありませんでしたから。報道で、官邸に呼び込まれる前に郵政大臣らしいというような報道が出たのは事実であります。それで、総理に辞令をいただくまでは半信半疑というか、という形で郵政大臣ということを伺って、そして記者会見に臨むわずかの時間でありましたけれども、その間やはり大臣としてこう言おうということを考えていたのは事実であります。
 ですから、それを予定と言うのか、その記者会見までのわずかな待ち時間に考えたことというのをどういうふうにとるかでありますが、あらかじめ前から郵政大臣になると思っていたと言われれば、それは違います。まさにそのとき言われるまでわからなかったというのが事実であります。
#128
○中村鋭一君 とすれば、例えば老人マル優枠の拡大等につきまして前任の渡辺大臣やあるいは笹川次官が、例えば当逓信委員会に対してひとつこれは七百万円で頼みますよということを継続して、一貫して、それは単に大臣や次官だけじゃなくて、いわば三十万郵務職員全員の一致した意見として、そこに一つの継続性を持たせてそのことを委員会にお願いをしておられた、その事実は御存じでございましたか。
#129
○国務大臣(小泉純一郎君) 大臣になる前からこの議論は党でも何度か議論されておりました。そういう議論の過程で、経過は私なりによく承知しておりました。
#130
○中村鋭一君 とすれば、短い時間ではあったが、大臣就任を受けたときから記者会見までの短い間に意見を求められればかようのことを申し上げようと思われた。そのかようのことの内容をおっしゃった瞬間から物議を醸すであろうということは御自分で予測はなさいましたか。
#131
○国務大臣(小泉純一郎君) 物議を醸すという言葉が適当かどうかわかりませんが、大変な反発が来るだろうなということは予想しておりました。
#132
○中村鋭一君 大変な反発が来るであろうなということを予測されたわけですね。
 しかし、政治家小泉純一郎個人としてはとにかく、あなたが立法府から行政府の、しかも郵政省という大きな組織の長として存在する瞬間からあなたは行政府の最高責任者。しかも、例えばマル優の枠についてはかようかくかくしかじかの論議がずっとあって、逓信委員会にもこのようなことをお願いしますと大臣初め全郵政職員が言っていることを承知しながら、しかも大変な反発が来るであろうことを知りながら、あなたはなおかつそれで郵政大臣の職をお受けになったわけでございますか。
 そのことについて反発が来るだろうと思われるのであれば、あなたの発言内容はこれまでの郵政省の方針と違うわけでございますから、それは大臣としての職務を完全に行使するには非常な不都合が生じますね。不都合が生じるのであれば、私の信念は政治家としてはこうであるから、私が大臣を受諾した瞬間から反発が来るのであるから、反発が来るようなことをやり遂げるには大変な困難が予想されるから、だから私は郵政省の大臣を受けるべきではないというような点についてはお考えになりませんでしたか。それとも、大臣になってくれ、ありがたいな、これは一発やろう、そうお思いになったんですか。
#133
○国務大臣(小泉純一郎君) 郵政事業は老人マル優だけではありません。各般にわたっていろいろな大事な仕事があります。しかし、この老人マル優の問題に限ってはかなり党内でも議論しておりましたし、私の意見はどういうものかというのは党内では大方の議員がわかっていたことであります。ですから、一つの大きな議論になるとは思いましたけれども、私なりの考えを言ってみよう、そのことがむしろ誠実じゃないかな、それで出された結論には従おう、老人マル優の問題は郵政事業にとってみれば一部である、そして決まったことはやっぱり皆さんと協力しながらやっていって職務は果たせるじゃないか、そういうふうに私は考えました。
#134
○中村鋭一君 あなたが言及しておられますことは、老人マル優だけじゃないんですね、財投の問題につきましても、郵便貯金につきましても、将来的な郵政省が前垂れかけになりまして民営化にしていこうということにつきましても。
 私ども、新聞等で小泉さんの例えば選挙制度についても非常にユニークなお考えがあること承知しておりましたからね。ですから、老人マル優のことだけで反発が来ると予測したんじゃなくて、そのほかのことについても、あなたが信念とされるところの政策について、これまでの郵政省の方針と背馳するところが甚だ多いということをあなたは今お認めになったように承知しておられたと思うんですよ。
 それで、なおかつ広範な業務にわたるものであるから大臣を受けた、こうおっしゃるわけでございますが、そういうことであれば、自分の政治的信念と従来の郵政省の方針とがそごし、背馳するものであるならば、この任は私の受けるところにあらず、こう言って、できればほかの大臣を任命してくださいと宮澤さんにお願いするのが私はむしろ政治家としてのあなたの信念ではなかったか。それは私の個人の感懐でございます。
 それで、大臣をお受けになりました。お受けになりましたら、ここで今大臣自身がおっしゃいましたように、それは大変な物議を醸し、大変な反発があり、そして衆参両院の逓信委員会においては与党の自民党も含めまして、何たる大臣だ、何たる発言をするんだ、こういうことがあったわけでございますが、今あなた自身の胸の中で、あの直後に発言をなさいましてから今日に至るまで、もろもろの発言につきまして撤回もしくは修正、あるいはトーンダウン、そういう意思は政治家個人として全くございませんか。お考え変わっておりませんか。
#135
○国務大臣(小泉純一郎君) 政治家個人として今までの考えがあるということで、その個人の考えを撤回しろと言われてもこれはなかなか難しいわけでありまして、個人の考えを変えろ、言えと言われれば、そういう考えを持っていると。しかし、大臣として立場をわきまえて慎重にやっぱり発言し、行動していかなきゃならぬな、そういうふうには思っております。
#136
○中村鋭一君 あなたの発言の一貫性というのをずっと見ていますと、どうもやっぱり発言の場所等にもよりますけれども、ある部分については何か修正をするような、あいまいなような、トーンダウンをしたような印象を私は受けるんですが、今は御自身その考えは改める気持ちは個人としてはございませんと、こうおっしゃいました。
 とすれば小泉さん、そういうふうに大臣就任を受諾して記者会見で述べたことはむしろ確信犯、まあこれは犯罪と言うつもりはございませんが、いわゆる確信犯的に物議を醸すであろうことは承知しながらあえて一石を投ずる、そういうお気持ちでおっしゃった。現在もその気持ちは変わっていない。もう一遍確認いたします。
#137
○国務大臣(小泉純一郎君) 就任記者会見で述べたことは、確信を持って言ったと言われればそのとおりであります。
#138
○中村鋭一君 小泉大臣にお伺いいたしますが、振り返って、郵政省三十万人の職員が省の方針に従って前線で今一生懸命日常の業務努力をしているわけです。その中には、お年寄りの皆さん、どうぞ楽しみにしていてください、我々頑張りましてあのマル優の枠は拡大いたしますよ。郵便貯金に入ってくださいよ。全国津々浦々にあるのは銀行じゃないんです、郵便局なんです。皆さん方が大事なへそくりを貯金なさるときも我々が一生懸命お世話を申し上げますよ。そういってずっと三十万職員懸命に仕事をしているわけですね。
 その職員が、新しい大臣が決まって記者会見で、金持ち優遇だ、マル優なんかは要らないんだ、もう郵貯は使命を果たしたというような発言を聞いたときに、本当に現場で一生懸命努力をしている郵政職員がどういう印象を受け、今度の大臣はいい大臣だな、すばらしいな、誇るに足る大臣だ、そのように思ったと思いますか。それとも三十万の現場で働いている職員がげっそりしたと思われますか、どう思われますか。
#139
○国務大臣(小泉純一郎君) それは中にはとんでもない大臣が来たなと思っている方もたくさんおられたと思います。
#140
○中村鋭一君 とすれば、今御自身がとんでもない大臣が来たなと思っている人もいるだろうとおっしゃいました。それはちょっとぐあい悪いんじゃないですか。その点について大臣、お考えは私改めていただかなきゃいけない、こう思うんです。ですから端的にこの委員会で、小泉さん、あなたに陳謝をしていただきたい、私はこう思います。
 朝から各委員がお申し出でございました。私聞いておりましたら、どうもあなたの発言は、反省はしておりますというふうにはおっしゃった。しかし、何について反省をしているかということについてどうも私にはもう一つわかりにくい。それから、委員会に対しておわびを申し上げますということもあなたはついぞ一度もおっしゃっていないように思います。(「そんなことないです。申しわけないと言った」と呼ぶ者あり)申しわけないと言いましたか、一回。
 じゃ、もう一遍聞きましょう。岡野委員の御質問に対して申しわけないとおっしゃったのは、どの部分について申しわけないとおっしゃったのですか。
#141
○国務大臣(小泉純一郎君) 逓信委員の皆さん方が長年努力し主張されたことと大臣として違う考えを述べて皆様方に御迷惑をかけた、そういう点については申しわけないと思っております。
#142
○中村鋭一君 今、申しわけないとおっしゃいましたね。私は朝から申しわけないという言葉は耳にした記憶がなかったものですから、改めてお尋ねをさせていただきます。
 私は何についてあなたに申しわけないと言っていただきたいか、それを今からちょっと説明をさせていただこうと思います。
 大臣、物事にはTPOというのがございます。タイム、プレース、オケージョン、時と所と場合ですね。私は忠臣蔵が好きなんですよ。殿中松の廊下で浅野内匠頭が刃傷に及びました。あれは江戸城松の大廊下で刀を抜いて切りかけたから、場所柄をわきまえざる段、甚だ不届き至極。だから城地没収、田村右京太夫邸にお預けになりまして即日切腹ですよ。今回の小泉大臣、あなたの発言はやっぱり私TPOが合っていなかったと思いますよ。場所柄をわきまえざる段、甚だ不届き至極な記者会見での発言であった、こう思うんですね。
 だから、さっきから聞いておりましても、各委員もそうですが、皆さん迷っておられるんですよ。大臣としての意見を求めているのか、小泉純一郎個人としての意見を求めているのか。それであなたのお答えも、私小泉個人、政治家としてはこうだとか、大臣としてはこうだとか。逓信委員会の発言に政治家小泉純一郎の意見を申し上げることは私は必要ないと思うんです。あなたは郵政大臣なんですからね。
 そういう点において、就任直後の記者会見でかようの発言をすれば三十万郵政職員に大きな士気の阻喪を与え、しかも政策の継続性、一貫性ですね、前任の渡辺さんもこう言っておられました、頼みに来られたんですから。笹川さんもそう言っておるわけです。それでがっくりして笹川さんは次官を辞任されて、先日の衆議院の逓信委員会では、ついこの間までの郵政政務次官があなたに対してこれでもかこれでもかと質問をしているわけでしょう。
 それはすべて、やっぱりあなたがTPO、時と所とケースをわきまえないから。就任直後の記者会見で、しかも、さようの考えが浮かんだのは、大臣を任命されてから短い時間の記者会見までの間に一遍これを言おうかと思いました、言えば皮発があることは予測しましたと。長年にわたる郵務行政というものがあなたのそんな発言でこっぱみじんになっていいはずはございません。だからその点において場所柄と時をわきまえざる仕儀であった、あの少なくとも記者会見の発言はです。それをひとつ私は指摘をいたしたい、こう思います。
 第二番目に、今申し上げましたけれども、これまで三十万の郵政職員が一生懸命努力をしていたそのことについて、あなたのあの発言がすべて水をかけるものでしかない、こういうことなんですね。あの忠臣蔵だって、やっぱり一年たって四十七士は主君の無念は自分の無念だといって吉良邸に乱入をしてかたきを討っているわけでしょう。見てください、きょうあなたの周りに、あなたにしっかりやってくれ、立派な大臣だ、我々の誇るに足る大臣だ、大臣が今こうやって委員会で皆さんから質問をされて苦境に立っている、それを助けてやろう、そう思っている郵政職員おりますか。私ははっきり言って、まあ失礼ながら高みの見物、小泉さん随分困っているねというぐらいの心境じゃないですか。
 ですから、郵政省を大会社と言ったら恐縮でございますが、三十万人の大会社で、そのトップにある人がこんな形で質問をされて、しかも重役以下全社員が高みの見物で、ああいい気味だともし思っているとすれば、そう思わせたあなたに責任がある。そのことを私は指摘をいたしたい。
 それから第三番に、特にこの老人マル優の問題は、これはもう先ほどから一貫して皆さん指摘をしていらっしゃいますけれども、やはりしかるべき理由があって、しかるべき手順を踏んで、国会の決議があって、そうして前任の大臣から終始一貫して何とか七百万にということでやってきているわけでしょう。そうしたら、郵政省の仕事の継続性、一貫性、しかも前任の大臣に対する失礼さ、前任の笹川さんに対する失礼さ、こういうものを含めまして私やっぱりあなたに責任を感じていただきたい、こう思うんです。
 もう一遍申し上げますが、今のような場所柄をわきまえない甚だ不適切な場所での発言、それから三十万郵政職員に対して著しい失望感を与えたこと、政策の継続性、一貫性を新任の大臣が阻害をしたこと、さらにこの逓信委員会に対して、我々は皆さんから頼むと言われたから一生懸命審議をしてきて、国会の決議までつけてやろうと言っていたことを、あなたは、それは政治家個人とおっしゃるかもわからぬが、真っ向から否定をされたわけでございますから、それを含めて当委員会でもう一遍、今私が指摘した点についてだけでも結構でございますから、まことに申しわけなかった、けじめをつけるとはっきりと陳謝をしていただきたいと思います。
#143
○国務大臣(小泉純一郎君) 確かに、大臣として場所柄をわきまえず不届き千万という御批判は、今まで一生懸命やってきた方から見れば当然だと思います。だからこそこうした異常な形で出席を求められ、一人で答弁しているということで、そのことはやっぱり私の場所柄をわきまえず、不届きであるということのツケを今払っているんじゃないかなと。
 皆さん方にいろいろ御迷惑をかけた、また前任者に御迷惑をかけたということは申しわけなかったと思っておりますが、やはり一政治家でしたらこういうこともしなくてよかったかもしれません。大臣だからこそ委員会で皆さんからこういう形で詰問される。そういう点につきましては私もしっかりと受けとめていかなきゃならぬなというふうに考えております。
#144
○中村鋭一君 いや、やっぱり済まぬと一言ね。私ここでもうけじめをつけたいんですよ。質問する方ももう飽き飽きした。答える大臣も嫌だと思う。だから、当委員会の議事録にはっきりとどめて――大臣、さっきから聞いていますと、何とかですがとか、受けとめているがとか、が、がと。バットはいいんです、バットは。だからもうアイ・アパロジャイズ、それは申しわけなかった、これから頑張ると、一言どうですか。
#145
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は、この郵政事業を皆さんの御協力を得て全力を尽くして円滑に運営していきたいと思っております。そして、今までの皆さん方のやってきたことに対して、相反した形で御迷惑をかけたという点については申しわけなく思っております。
#146
○中村鋭一君 これで私の質問は終わりますけれども、これはまことに個人的な感懐でございますが、小泉大臣が大臣としてではなく一人の政治家として、例えば選挙制度について、あるいはこういった郵務行政全般について、多数の意思のあいまいさというものを排して、個人の信念と勉強に基づいて勇気ある発言を続けておられることは、私は心から敬服をしているものでございますし、私ども同僚議員からも、ひとつ小泉大臣に会ったら強力な味方もいるということを伝えておいてくれというようなこともございましたので、そのことにつきましては大臣に申し上げました。これからは、政治家個人としては従来どおり頑張っていただきたいが、何よりも郵政大臣として、任期を終えられるときには、三十万人の職員がああいい大臣をいただいてよかったなと本当に喜んでいただけるようないい仕事をしてくださることを心からお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
#147
○委員長(野別隆俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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