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1993/05/18 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第8号
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1993/05/18 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第8号

#1
第126回国会 逓信委員会 第8号
平成五年五月十八日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     高井 和伸君     中村 鋭一君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     鈴木 栄治君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     大森  昭君     堀  利和君
     青島 幸男君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野別 隆俊君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                及川 一夫君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                沢田 一精君
                志村 哲良君
                中曽根弘文君
                川橋 幸子君
                中尾 則幸君
                堀  利和君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                鶴岡  洋君
                鈴木 栄治君
                下村  泰君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
       郵政省貯金局長  山口 憲美君
       郵政省通信政策  松野 春樹君
       局長
       郵政省電気通信  白井  太君
       局長
       郵政省放送行政  木下 昌浩君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
   説明員
       大蔵省銀行局銀  北村 歳治君
       行課長
       厚生省社会・援  松尾 武昌君
       護局更生課長
       通商産業省機械
       情報産業局電気  吉田 高明君
       機器課長
       運輸省鉄道局業  村上 伸夫君
       務課長
       自治省行政局選  中野 正志君
       挙部管理課長
   参考人
       日本放送協会理  中村 和夫君
       事
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身
 体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、高井和伸君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。
 また、去る十四日、勝木健司君が委員を辞任され、その補欠として鈴木栄治君が選任されました。
 また、昨日、青島幸男君及び大森昭君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君及び堀利和君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野別隆俊君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中村鋭一君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野別隆俊君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本放送協会理事中村和夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(野別隆俊君) 次に、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案を議題といたします。
 本案については既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○中尾則幸君 おはようございます。中尾でございます。私は今回の法律案について、かつて現場にいたこともありまして、その面からも御質問申し上げたいと思います。
 今回の法律案の目的は、そもそも身体に障害を持つ方々がテレビなどの通信・放送サービスを十分に受けられるというふうな目的であるというふうに聞いております。また、テレビの字幕放送や解説放送等の充実を図る、そして視覚あるいは聴覚に障害を持つ方々に放送メディアによる情報文化等を十分に享受できるようにという今回の法律案の趣旨には、私は大変賛成であります。郵政省のこうした障害を持つ方々に積極的に取り組むんだという姿勢は、私は大変評価したいと思っております。
 御存じのように、テレビ放送が始まってNHK、民放ともことしで四十年を迎えました。しかし、いろいろこういったことが叫ばれているにもかかわらず若干取り組みが遅かったのではないか、今回の法律案の姿勢に水を差すわけじゃありませんけれども、そんな気がいたします。アメリカやイギリス等のヨーロッパなどでは、日本よりもこういったことについては大変先進的に取り組んでいるということも聞いております。
 こうした取り組みについて我が国はやっぱり立ちおくれていたのではないかなという気がするんですけれども、まず今回の法案の趣旨といいますか目的と、こうした立ちおくれについて小泉郵政大臣から一言所感を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(小泉純一郎君) これから情報化社会を迎えると言われていますが、情報の重要性は身体障害者にとっても変わらないといいますか、むしろ身体障害者ほどその情報を正確に知りたいという要求は切実なものがあると思います。そういうことから今回の法案も、できるだけ通信・放送の面において身体障害者により利用されやすい環境といいますか、正確な情報を得やすい環境を整備するということでこの法案を提出しているわけでありまして、そのような通信・放送の利用環境整備に郵政省としても一層努力していきたいというふうに考えております。
#10
○中尾則幸君 こうしたハンディキャップを持つ方々のためにも、今大臣おっしゃられたように、映像あるいは音声による情報をいかに伝えるか、これは官庁だけじゃなくてもちろん送り手側である放送局にも大変努力が要ることだろうと思います。しかし、何といっても設備それから制作体制、資金面などのさまざまなネックがあるというのは御承知のとおりであります。
 そこでまず、運営のための資金についてですが、通信・放送機構の衛星放送受信対策基金三十億円のうち、十億円を使ってその運用益を充てるということでありますけれども、運用益といいますから、試算しますと、大体三千万円程度と聞いております。このほか、データベース等をつくるために補助金が二千八百万円、そのほか利子補給などがあるというふうに聞いておりますが、趣旨とその目的を達成するためには極めて金額が少ないというふうに思います。
 まず、その運用益のおよそ三千万円に絞って私は聞きたいのでありますけれども、具体的に何の分野にどう助成していくのか、どう支援していくのか、簡単に御説明願いたいと思います。
#11
○政府委員(松野春樹君) 先生今御指摘になりましたように、仮に三十億円の三分の一で十億円となりますと、金利情勢によってこの運用益の計算が平年度ベースで考えましても大変大きく変わるわけで、目下の経済情勢、金利情勢を見て、実は施策立案のときと少し変わってきておりますので内心少し心を痛めておるわけですが、三%といたしますと三千万円ということに相なります。
 この使用目的でありますが、衛星放送受信対策基金の運用益の部分につきましては字幕放送や解説放送の制作に対する助成に専ら充てるということを考えております。それから、これも先ほどお触れになりました信用基金の運用益の方につきまして、例えば視覚障害のある方のために文字の情報を音声や点字に変えるというふうなものが開発でき、それを事業化するようなケースが出てきた場合に、そういう点に対しても助成しようかというふうなことも考えております。
 それからもう一つは、既に制作を行っている事業者の場合は制作をふやすことでよろしいんですが、まだ設備を持っていないケースがあります。そこで、新しく放送事業者等で設備を設けたいという場合に開銀からの低利融資の制度を設けておりまして、これに対しても信用基金の運用益の一部を割いて低利融資に見合う利子補給というふうな支援を考えておるわけでございます。
 金額的には先生おっしゃるように確かにそんなに多くはない金額でありますが、これをきっかけに事業者の方々もひとつなお一層御努力をいただくということが一つと、それから今後いろいろ信用基金の積み増しその他についてお力添えをお願いしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#12
○中尾則幸君 使い道ですね、今の御説明を聞くと大変バラ色に聞こえできます。例えば制作事業者の助成、あるいは新たに設備を設けたい放送事業者等に対する低利融資の利子補給等。もう既に御存じだと思いますけれども、けたが最低二けた違うと思います。ただ、こうした法案について私は非常に賛成しておりますので、その呼び水ということでとらえておりますものですから、詳しくは申し上げませんけれども、大変少ない、少ないところかこれでは呼び水にもちょっとならないということを御指摘申し上げたいなと思っています。
 続いて、質問を移らせてもらいますけれども、平成三年十一月の厚生省の調査によりますと、視覚に障害を持つ方はお子さんも含めて三十五万六千九百人、それから聴覚、言語に障害を持つ方々は三十六万九千二百人と聞いております。
 こうした人たちに向けたテレビ放送を見ますと、これは調べさせていただいたんですが、平成五年度で字幕放送が一週間当たり、NHKが十一時間二十八分、民間放送が四時間十二分。これは在京五社合計の数字であります。それから視覚障害の方に対する解説放送でありますけれども、これがNHKが五時間四十分、民間放送が三時間三十九分。これは、民間放送三十社実施社があるそうでございますけれども、日本テレビ系列を中心とした数字だろうと思います。それから手話放送については、NHKが二時間十五分、民間放送が十時間三十五分。これは、民間放送は関東地区合計ということの数字というふうに承っております。御存じのように、大変放送時間もまだ少ないとかハンディを持つ方々からいろいろ言われております。
 NHKの方に問い合わせをしましたら、NHKも確実に毎年ふやしているという、大変努力をされているということは資料からも読み取れるんですが、いかんせんまだまだ障害を持つ方々には少ない。まして民間放送はNHKと違いまして、商業放送と言ったらおかしいですけれども、なかなか採算を度外視して、赤字になってもいいからどんどんやれというふうにはいかないというのは御存じだろうと思います。
 そこで、NHKに伺いたいんですけれども、この普及のおくれている原因、いろいろ考えられると思います。資金面のネックとかいろいろ考えられると思いますけれども、まず現場の声をちょっとお伺いしたいんです。この普及がおくれているネックといいますか、この要因についてどうであるか伺いたいと思います。
#13
○参考人(中村和夫君) 今先生御指摘ございましたように、NHKでは字幕放送については十一時間二十八分、解説放送は二番組で五時間四十分、それから手話を用いた放送は二時間十五分実施しておるわけでございますが、字幕の場合には、放送台本の完成から放送まで四日から一週間程度やはり作成に時間が必要だということがございますし、それから字幕の作成に当たっては内容の要約がやはり必要である。ある程度専門知識を持った方でないとその要約がなかなかできないというようなことで、字幕放送の場合には字幕制作機構に委託をしているわけですが、その要員の確保がなかなか難しいというふうに伺っております。
 それから解説放送については、やはり解説部分の作成に一定の時間が必要だということと、ステレオ音声の副次音声を使いますものですから、ステレオ放送との解説放送をやる場合の兼ね合いですね、副次音声をどう使うかということの兼ね合い。それから経費とか要員の問題というのがございます。
 字幕制作機構に委託している番組につきましては、三十分ないし四十五分の番組で大体二千万円程度のお金がかかる。連続テレビ小説ですと年間約四千万円。大河ドラマで二千万円。それから解説放送の場合ですと、外部のライターにいろいろお願いする、原稿作成を委託するということもございまして、連続小説の場合には大体三千万円ぐらいかかる。手話放送の場合は、NHKでは「きょうのニュース」というのを月曜日から木曜日まで十分間、土日に五分やっておりますが、これが年間で大体七千万円ぐらいかかるというような面がございます。
#14
○中尾則幸君 今、現場から御説明いただきましたけれども、とにかく日数がかかる。この字幕放送については、民間放送では日本テレビが中心になってやっている。私はその日本テレビの字幕放送の現場も見てまいりましたけれども、完成するまで大体制作日数が四日ないし一週間かかる。台本を一つ一つ見まして全部同じ文字をそのまま入れていきますととにかく読みづらいので、今言っ
たように圧縮して要約してやるという作業は、大変これはもうなかなか素人ではできないということを伺いました。それだけに経費がかかるということであります。
 さて、障害者のための放送に取り組んでいるアメリカ、アメリカがすべてだと私は申し上げませんが、アメリカを例にとりますと、聴力障害者向けのテレテキスト、文字放送、字幕放送サービスはアメリカでも二十年の歴史があるそうでございます。
 当初オープンキャプション。オーブンキャプションというのは、普通の一般放送の画面に文字が映される、例えば消したくても消せないという、それがオーブンキャプションと言うんですけれども、オープンキャプションが主流だ。それであればとにかくのべつ幕なしどんな映像にも字幕が出るということで、それで開発されたのがクローズドキャプションということ。今アメリカも日本もクローズドキャプションが主流であるというふうに伺っております。
 三大ネットワークの直営局の字幕化率は、これは私調べたんですが、九〇年一月現在で三一・九%と聞いております。朝晩のニュース、それから朝のワイドショー、ゴルフ等のスポーツ中継からクイズ、トーク番組の一部などというふうに、字幕で楽しめる番組が非常に盛りだくさんであるということは御承知だろうと思います。
 特に日本の場合大変なのはスポーツ中継、それから一番障害者の方が望んでおられるのは、いろんな方に聞きましたけれどもやはりニュース、常に日本はどうなっているか、国際社会はどうなっているのかというニュースの字幕放送をしてほしいという声が大変強いというふうに伺っております。
 アメリカの場合は、速記タイプを独自に開発して、それを私実際アメリカに行って見たわけじゃないんですけれども、速記タイプで字幕をつくって、デコーダー内蔵のテレビが呼び出して自分で字幕を重ねて放送を見るというシステムになっているそうでありますけれども、NHKさんの場合、まだニュースの方はやられていない。障害者の方から一番要望の強いニュースについて、速記タイプについて今後どういうふうに取り組んでいくのか。
 アルファベット二十六文字と、日本語は最低三千語ありますので、それの違いはすごいハンディがあるというふうには承知しておりますけれども、今後主体的にNHKさんが進めていく場合に、このニュースに対する、あるいはスポーツの中継に対する速記タイプの字幕放送についてはどう取り組んでいくのか、ちょっと意向を簡単にお伺いしたいと思います。
#15
○参考人(中村和夫君) アメリカの場合は今先生御指摘のとおりで、簡易タイプライターというもので入力してコンピューターが文字化していくというような非常に進んだ方式でやっていらっしゃるようですけれども、今先生御指摘のように、日本語の場合には文法構造が異なって、同音多義の言葉があるとか、それから、日本の文字をそのまま画面に出すのではなくて、やっぱり要約しないと画面が判別しにくくなるというようなこと、それから一定時間の中に出す文字の数が一つの画面で限られるというようなこともあって、なかなか難しいということで、英語の方では衛星放送で自動翻訳というようなものをコンピューターを使って一生懸命やっておりますが、この日本語をすぐ文字化する、しゃべりの言葉を文字化するということはなかなか今のところ開発が難しいような現状でございます。
#16
○中尾則幸君 大変難しいというのは私も理解はできるんです。日本語の言語の障害といいますか、非常に文字が多いということは承知しておりますけれども、積極的に取り組んでいただければなと思います。
 さて、今回の法律の精神、先ほどから申し上げているように大変結構なんですけれども、今お話がありましたように大変おくれている。さまざまなネックがあるということは今NHKさんのお話からも理解できるところであります。
 NHKの場合は公共放送、受信料に基づく放送制度でございますので、民間放送よりは例えば放送時間についても大変進んでいるということは聞いております。当然と言ったらおかしいですけれども、そういうふうにやっていらっしゃる。
 では民間放送の場合字幕放送はどうなっているのか。もう既に御存じのように、キー局を中心として関東、関西それから中京、あと福岡、静岡、それから北日本ですか富山、ほんの一部でしか放送されておらないという現状であります。このネックの要因は、制作日数がかかったりコストがかかったりいろいろございますけれども、何せやはり先立つものがお金であります。その十分な財政支援措置がいまだにほとんどなされていないというふうに聞いております。
 そこで郵政省にお伺いしたいんですが、今数は少ないんですけれども東京キー局で文字多重をやっております。専用アダプターあるいはアダプター内蔵型用のテレビ番組を東京キー局でやっておりますね。それを私の地元である北海適で受けるとします。例えば日本テレビなら「火曜サスペンス劇場」あるいは「遠くへ行きたい」等の番組が今これは専用に文字放送をやっていると聞いておりますけれども、北海道でその番組を受ける場合に、この字幕放送の恩恵にあずかれると思いますか。キー局でやっておりますね、同時間帯に今北海道も地上放送ではネットしています。同じ番組を受けるとしたら、北海道で今可能なのかどうかちょっとお伺いしたいんです。
#17
○政府委員(木下昌浩君) 現在、先ほど御指摘のとおり民放百十四局の中で十四局しか実施していないわけでございます。まだ十四しかやっていないわけでございますが、北海道のテレビ会社で文字放送の免許を受けるということであれば、そのキー局からの文字情報を受けて放送をして、受信者が恩恵を受けることはできる、こういうことになろうかと思います。
#18
○中尾則幸君 それはそうなんです。私が聞きたいのは、北海道の場合に、私の例を出すと、私の在籍した局は中継局だけで百五十七あるんです。それは電波は直進しますから、衛星放送ではありませんから。そうすると、今の電波法では百五十七の局の免許を取らなきゃいけませんね。取らなかったら放送できないんです。今は一般放送事業者としてネットを受けて、その免許はあるものですからできるんです。ところが、せっかくこちらの日本テレビでやっている、あるいはTBSもそうです、ネット局全部あります。しかし北海道では免許を受けていないものですからできないんです。それを簡単に答えてください。
 それじゃ、文字放送の免許を障害者の方々のために受けるとしたら、百五十七の中継局がありますが、免許を受けるだけで幾らかかると思いますか。
#19
○政府委員(木下昌浩君) その前に、先ほど放送会社の数を百十四社と言いましたが、百十七の間違いでございましたので訂正させていただきます。
 ただいまの御質問でございますが、確かに北海道は大変広大な範囲を受け持っておられますので中継局の数が多いわけでございますが、免許申請手数料を払っていただく場合に、約六百五十万円かかろうかなというふうに思います。そのほかに検査手数料が若干かかるというふうに思います。
#20
○中尾則幸君 今一社で六百万から七百万かかるんです。ですから私は聞いたんです。これ嫌みです。率直に言いますけれども、北海道で例えば五局あるんです。そうしますとどういうことになるか。これ現場からの声なんです。それでなくてもお金がかかるんです。先日キー局に私伺いました。NHKさんは全国網羅してます。NHKさんは一局だからできるんです。
 ところが、こういったものをせっかく放送局が受けたくてもできないようになっているんです。これ木下放送行政局長が悪いわけじゃないんです。ここに気がつかなかっただけなんです。せっかくこういういい法案をつくりながら、一つの電
波法の縛りとして全部を縛っているんです。なぜかというと、文字放送の免許そのものは、いろいろ天気予報だとか、それから交通情報だとかありますから、同じように扱っているんです。これは局長もう御存じだと思います。
 そこで、私は思うんですが、これを積極的に推進するためには、今三千万何がしですから、いいものを積極的に推進しようというんであれば、せめて許認可の制度だけでも、いろいろ条件あると思いますよ、障害者のために解説放送あるいは文字放送を含めて、それについては免許制度を見直したらどうですか。私のかつての局では百五十七です。一つ一つ手続して全部そろえなきゃいけないんです。それで手数料全部がかるんです。それが六百万から七百万かかる。
 それで、もう一つ質問いたします。現在どうか、免許はなぜ取らなきゃだめなのかといいますと、東京キー局でやっているのを北海道で受けます。文字放送用のアダプターを持っている人が例えばこのドラマを見たいなと見た場合に、これは電波法違反になりますね、その局はなりますね。ですから、今言った法律がそうさせている。これ電波法違反なんです。だから少しも進まないんです。これは大変な問題だと思う。免許制度だけでお金をあれするというのは、これは論外ですよ。それについては十分僕は御存じだと思いますけれども、その点についてどう考えていらっしゃるのかちょっとお伺いしたい。
 まず放送行政局長、それから大臣にも一言。せっかく障害者の方が少しでも情報を得たいとしている声がある場合に、これ情報過疎になっちゃうんです。免許を持っている東京、関東、関西、もう一部に限られちゃうんです。これはもう十年たってもこのまま進みません、はっきり言って。それについて一言伺いたいんです。
#21
○政府委員(木下昌浩君) ただいま免許制度の見直しの問題につきましての御指摘だと理解をいたしますが、最初に手数料の軽減の問題も触れられましたけれども、免許手数料というのは、各業務に必要な実費に見合う額を申請者から徴収するという仕組みになっているわけでございます。
 そういうことで、積み重ねますと先ほども申し上げました数字になるわけでございますけれども、御指摘の免許制度について、郵政省といたしまして平成四年に、なぜテレビジョン放送事業者が文字多重放送を実施しないかということについてアンケートも実施いたしました。いろいろ理由は言っております。受信機の普及が低いじゃないか、採算性が低い、あるいは設備投資の経費負担が過大であるというようなことを言っております。経費が過大だということも挙げられております。ですから、免許手続の問題が大きな負担となっているとは言っておりませんけれども、経費の負担のことは言っておるわけでございます。
 そういった状況にありますが、我々といたしましては、字幕放送は身体障害者の皆様方の利便に大変有益であるということで、国としても字幕放送普及のための障害につきましてはこれを除去していく必要があると思っております。そしてその普及しやすい環境を整備することが必要だと思っております。放送局の免許全体の整合性も考えていかなきゃいけないと思っておりますが、それも勘案しながら、手続の簡素合理化等につきましても環境整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#22
○中尾則幸君 関連してちょっと行政局長、手続の簡素化といっても、手続はかかるわけです。ところが、一般事業免許、ことしは再免許の年ですから、その中で文字多重をやりたいと言ったら、別に手間もかかるわけじゃないんで、それと組み込んだらいかがかというふうに私は言っているんでありまして、それについても十分検討をお願いしたい。このままじゃ進まないということはもうはっきりしている。
 大臣にも一言、ちょっと突然なんですけれどもお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(小泉純一郎君) この法案は字幕放送等を普及しやすいような環境整備を整えるということが趣旨ですから、今御指摘の点が障害になっているということもあると思うんです。ですから、そのような障害を除いていくためにどういう方法があるか、手続の簡素化もあるでしょう。あるいは免許制度全体の整合性を考えながらどう合理化していくかという問題もあると思います。しかし、そういう字幕放送の普及しやすいような手続とか合理化というのはどうあるかということを、今御指摘の点に沿いながら検討していくことが必要だと思います。ひとつ検討させていただきたいと思います。
#24
○中尾則幸君 私は無理を言っているつもりはありません。何でもすべて基金だけを積み増しすればいいということじゃなくて、数少ない中ですから、ぜひとも検討願いたいと思います。
 関連してもう一つ説明させていただければ、今どうやっているかというと、免許がないものですからパソコン通信で素材を送っているんです。伝送をして、免許を持っている局が受けて、さらにそこから放送を出しているという。ただ、免許があれば、今放送やっていますから、これはマイクロ波に乗せていけば簡単なんです。そのまま通じるわけです。そのまま各地を呼び出してやれるということなんですが、その点十分検討いただきたい。今のままでありますと四千万から五千万かかるんですよ、その免許のほかに。受けて送出しなきゃいけませんから、その設備たるやもう大変なんです。ですから、そういった面からもぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 一つだけ簡単に、NHKさん、六十一年の十一月でございましたね、全国二元化の問題に取り組まれて、NHKさんの場合はこういった問題は全くございませんね。ちょっと一言だけ。
#25
○参考人(中村和夫君) 私どもではそういう問題はございませんし、例えば「中学生日記」等地方局の、これは名古屋ですが、名古屋放送のものについても字幕放送を行っております。
#26
○中尾則幸君 今のように、同じあれであればNHKがやれることが、なぜそれを民放でできないかということをおわかりいただいたと思います。
 今まで送り手側の方の問題点を取り上げましたけれども、受け手側にも大変あろうかと思います。その点についてはこの後同僚の堀委員からも御質問あろうかと思いますけれども、簡単に私の方からも触れたいと思います。
 御存じのように、文字多重放送を利用する場合に、普通のテレビではこれはだめでありまして、専用アダプター、これは十万円余りするそうです。大分いろいろ安くしているということなんですが、今のテレビに文字専用のアダプターをつけると十万円以上かかるという状況であります。それからアダプター内蔵専用テレビの場合は大体普通のテレビよりも四万円ぐらい割高である。障害を持つ方々には、もしそれを見たい場合、今の民間放送というのは特に限定されていますから、北海道では幾ら買ってもそれは見られないんですけれども、それでもかかる。これは大変問題なわけです。
 アメリカをまた例にとりますと、テレビデコーダー回路法というのが御存じのようにできまして、この中で、米国内で製造され、あるいは米国内での使用を目的に輸入される十三インチ以上のテレビジョン放送受信機は字幕放送を表示するためのデコーダー回路を内蔵しなければならない、こういう法律ができたんです。ことしの七月一日から発効するんです。随分やるなと。本当は通産省の方もお呼びすればよかったんですが、ここは郵政省の力で、通産省はオーケーするかどうか、大変私も承知しておりまして、これはぜひ頑張っていただきたい。
 こういう法律ができると、やはりそういうふうになるんです。御存じのように、調べましたらテレビ工業界十社ある中でほとんど製造をやめているんです、普及しないとかなんかで採算に合わないと。今専用テレビをつくっているのは二社。デコーダーをつくっている会社は四社しかない。半分以上はこれに手をつけていないんです。そうい
う状況にあるわけです。それも大変な問題だなと思います。
 そこで、厚生省にちょっと伺いたいんですが、こうした障害者の人たちのために御存じのように日常生活用具給付等要綱がございます。私も拝見いたしました。その中でこの放送・通信を受けられるようなためにアダプターを例えば補助するとか、貸与するとかということはありません。これについてどうなっているのか。
 実際、御存じのようにアダプターを貸与しているのは東京都、埼玉、大分。平成五年度から熊本もやるそうです。そういった自治体レベルでは少しずつ進んでいるんです。厚生省としてはこれに対してどう取り組んでいくのか。簡単に一言、取り組まないなら取り組まない、取り組むのなら取り組む、ひとつよろしくお願いします。
#27
○説明員(松尾武昌君) 日常生活用具の給付につきましては、毎年予算で要求いたしまして各障害別に一品日程度を取り入れております。
 デコーダーにつきましては、前々からいろいろ御意見あるいは団体の要望も聞いておりますので、これも当然予算措置になりますが、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#28
○中尾則幸君 今後検討ということなんですが、今後といったらたくさんあります。二十一世紀もかかわるとか、二十年先も今後です。私も率直なものですから今後というと来年、再来年にはと思うんです。それがいかに甘かったかというのは、私は一応去年政治家になりまして、これじゃいかぬなと大変人が悪くなりました。今後の範囲、目標ですね、何年ぐらいをめどに取り組むのか。
 そして、実際にどういうふうにやっているのか。例えば検討委員会をスタートさせたのかどうか、これを聞きたいんです。まださせていないんならさせていないということをちょっとお伺いしたいんです。
#29
○説明員(松尾武昌君) どういう品目を取り入れるかにつきましては、予算をどういうふうに要求していって実際に取り入れるか、こういうことになるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、日常生活用具につきましては障害種別あるいは障害種別の団体の要望といろいろございまして、その中から一番緊急性の高いもの、必要性の高いものを選んでまいります。
 デコーダーにつきましては、こういう法案ができまして文字放送の技術の基盤ができたという状況もございますので、ある意味では早晩といいますか、早目の導入を検討していきたいということでございます。
#30
○中尾則幸君 ちょっと質問の通告になかったんですけれども、多分お調べだと思いますけれども、この専用アダプターについては十万円から十一万円かかる。これは大変な負担なんです。いろいろな形で研究すればもっと割安になるんです。例えばパソコン通信を使うとか、それは御存じですね。デコーダーの今の値段では非常に大変だと思います。これは私が言うとあれですけれども、いろいろ極秘に聞きまして、三分の一でできるように今開発が進んでいるというんです。そういうものを含めて検討して、ただ机の上だけじゃなくて、いろいろ足を使ってやっていただきたいと思っています。パソコン通信のあれについても御存じですね。非常に安く上がる、安く上がるといったら変ですけれども。
 まあ質問通告にはございませんので、この点をずっと検討して早急にやってください。本当はきょうは通産の方をお呼びすればよかったんですけれども、せっかく郵政省が先導的に、確かにお金も少ないです。スズメの涙しかないけれども、障害者の多くの方が待ち望んでいるわけですから、厚生省それから郵政省、これは自治省も含むんでしょう。そういう意味でぜひともその検討をお願いしたいと思っています。
 次に、言ったついでといったら大変失礼ですけれども、大臣、三千万の運用益じゃすごく足りないということはおわかりだと思うんです。さてどうするのか。これは私はあくまでも個人的な考え方を申し述べさせていただきたいんですけれども、郵政省の施策の一つであります大変評判のいい国際ボランティア貯金制度があります。これはもちろん、ボランティア貯金もあくまでも預金者の意思で、利子の二〇%をお使いくださいと。NGO等、環境問題等にお使いください、開発途土地域の住民福祉向上のためにと。
 随分これは広がっております。この利子が二〇%がいいかどうかというのは私はにわかには判断できないんですけれども、こういった制度を、例えば障害ボランティアといったら変ですけれども、共生ボランティアといいますか、障害を持つ人も持たない大もともに共生するという、いわゆるノーマライゼーションの精神からすれば、こういった制度を何らかの形で検討する。私は実際に障害者の方に何もしてあげられないけれども、そういった形で参画したいという方は僕は結構いらっしゃると思うんです。こういったことについてどのように考えていらっしゃるか。福祉ボランティア貯金というようなことは考えられないのか。
 巷間伺っていると、何でも最近郵政は全部利子から吸い上げるというようなことを言われるかもしれませんが、突然の質問ですけれども、これについてどういうふうにお考えですか。
#31
○政府委員(山口憲美君) ただいま国際ボランティア貯金について大変お褒めのお言葉をいただきまして、大変力強く感ずる次第でございます。
 この国際ボランティア貯金は、今お話しのように、利用者の皆さん方に国際貢献のために利子の一部を御寄附いただくということでございまして、平成三年の一月から発足をいたしまして現在二年半を経過しております。いわばこの制度が成熟に向かって進行している、そういうふうな状況のところでございまして、私どもとして今普及、定着に懸念の努力をしているところでございます。
 例えば昨年について見ますと、いただきました配分金額が二十六億でございますが、これに対して申請してこられましたお金が七十九億というふうな額でございまして、まだまだNGOの皆さん方の寄附金に対する期待というのは大きいというふうなことでございます。私どもとしましては、そういった寄附をお願いするというふうなことでございますので、さしむきは引き続き国際ボランティア貯金の普及、定着に努めていくということ、そこのところに集中しましてやってまいりたいというふうに考えておりまして、そういった状況を御理解賜ればという次第でございます。
#32
○中尾則幸君 なかなか難しいと。まあ今突然の御質問だったものですから。
 されば、もとに戻りますけれども、この趣旨を生かすためには今の形の資金、資金繰りと言ったらおかしいですけれども、三千万等では到底追いつかない。例えば設備、一ローカル局の設備は四千万から五千万最低かかるんです。実際に民放キー局の担当者の話を聞きましたら、民間放送といえども、利潤追求ばかりじゃなくて、ボランティアの精神というか、やはり障害者の方に少しでも見ていただきたい。私も現場を見てまいりました。全部持ち出しているんです。でもやはり普及するには限界があると言っているんです。すべてそれは国の補助金でというわけにいかないけれども、資金的な裏づけもこれはやはり必要であると訴えております。
 例えば、キー局の場合は今三本やっていて、月に制作料だけで三百万から四百万持ち出している。ですから年間五千万円制作費にかけている。それはいいことだから進めていくんだということなんですけれども、それにしても、それだけかけても普及が本当に少ないんです。その状況を考えるときに、どうやってこの基金を育てていくのかという、やっぱり資金を持たなきゃいけないわけですね。それについてのお考えをちょっと伺いたいと思います。
#33
○政府委員(松野春樹君) 御指摘のとおりでございます。衛星放送の受信対策基金は、これはこれで一つの限界がありますので、先ほどの十億円に相当する運用益ということになります。
 そうしますと、やはり信用基金の部分を今後どうするかということであります。今のような経済情勢でありますから、私どももトラブルを起こして云々ということは極力避ける覚悟でございますけれども、年間二億円ぐらいずつはひとつお力添えを賜りながらより援助の内容を充実してまいりたい。しかし、それだけでもまだ恐らく十分とは到底言いがたいと思いますので、ひとつ民間事業者の方々にも積極的に公益的な使命というものをよく御自覚いただくようなきっかけになればなというふうな考えでおるわけであります。ただいまるる先生から御指摘ありましたけれども、肝に銘じてひとつ今後取り組みたいと思います。
#34
○中尾則幸君 私の持ち時間が残り少なくなりまして、二分ほどしかありません。今までずっと御質問申し上げましたけれども、資金の面、制作費の面、さまざまなネックを抱えているということは大臣もおわかりいただけたんじゃないだろうかと思います。だれでも少しでも充実した字幕放送、この後、解説放送については堀委員からもあると思いますけれども、視覚、聴覚に障害を持つ方々に少しでも今の放送サービスが受けられるようにということ、これはもう皆さん異論はないと思うんです。ただ、今のネックをどうするかということ、一つでも二つでも取り除いていかなければなかなか進まない。二十一世紀になっても私そう飛躍的には進まないだろうと悲観的な見方をしております。
 例えば、現場でやっていますと、私はオープンキャプションの方です。文字放送の方はやっておりませんが、オーブンキャプションといいますと、今映像にある中で字幕をつくるのがどれだけ大変か。要約しながら、あるいは画面画面にフレームを入れながら、例えば四十文字であればこれは十秒だけキープしなきゃいけないとか、十二秒だとか、そうすると画面は何枚になるかということは中村理事も御存じだと思います。そうやって地道な努力をしてきているわけです。
 最後にもう一度確認させていただきたいんです。免許制度、先ほど電波法のお話ありましたけれども、大臣も前向きに検討されるということなんですけれども、その見直しを早急にやっていただきたい。
 今もう資金が足りないんだから、ないものを今すぐ出せといっても無理ですが、それでも今よりは進みます。そして、そうお金を使わなくて済むんですが、例えばことしの秋、再免許の時期でありますから、ただ法律改正も含んですぐというわけにはいかないと思いますけれども、それについての具体的な取り組み、大臣前向きに検討すると言われて大分私意を強くしたのでありますけれども、局長から一言この電波法等のことについてお伺いしたいと思います。
#35
○政府委員(木下昌浩君) 放送局の免許の制度に関しましては、今まで長い間積み重ねられてきた伝統と仕組みの枠組みがあるわけでございまして、一カ所をいじりますといろんなところに影響が出てくるということでございまして、総合的にこの制度のあり方は検討しなきゃいけない問題だろうと思っております。
 私どもも、文字放送の普及のために、今の免許制度じゃ具合が悪いんじゃないかという問題意識は常々持ちながら今日まで来ているわけでございますが、さらに先生の御指摘も受けまして検討してまいりたいと考えております。
#36
○中尾則幸君 大臣初め放送行政局長、それから各方々から大変前向きに取り組むというお話を伺って私も意を強くしたのでありますけれども、前向きというのは、ただ前を向くだけじゃなくて、進むということを私は意味していると。おこがましい言い方でありますけれども。大変現場にいて私も歯ぎしりした思いがあります。こうすればいいのにな、なかなかできません。経費の問題いろいろあります。本当に一日も早くこの法律の趣旨に近づけるような努力をお願いしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#37
○堀利和君 中尾議員に続きまして、私は障害者自身でございますので、当事者という立場も念頭に質問させていただきます。
 今の免許制度の問題、私も大変関心を持って聞いておりました。免許手数料についてはいろいろ内部であったようにも聞いております。結局は手数料をそのままという声が大きかったということでこういうふうになったと思うんですが、この法律はそもそもNHKではなくて民間放送局を対象につくられたものですから、そういうことから考えれば、この点については善処をお願いしたいと私の方からもお願いしたいと思います。
 この法律、私は画期的なものとして大賛成でございます。九〇年には福祉関係の法律が改正されまして、身体障害者福祉法の中でも視聴覚障害者情報提供施設というのも法内施設としてきちっと位置づけられましたし、同時に国の予算で初めて正式に情報障害者という言葉も使われたわけです。これは視覚障害者、聴覚障害者のことになるわけです。その他、障害を持つアメリカ人法なりテレビジョンデコーダー回路法、こういうさまざまな客観的な情勢の中でこの法律が成立する方向に今動いているわけですけれども、大臣は厚生大臣も経験されたわけですので、そんなところからも、この法案を出すに当たっての自信のほどをまずお聞きしたいと思います。
#38
○国務大臣(小泉純一郎君) これから情報化社会が進展するにつれて視覚障害、聴覚障害の方々の情報に対する要求も、またできるだけ一般の方々と同じように正確な情報を得たいという要求もますます切実なものになってくると思いますし、今回の法案もそういう障害者の方にも利用しやすいような通信・放送環境をどう整えていくかという、そういう趣旨で提出したわけでありますし、なおかつ、今までもいろいろな委員会において障害者の方から御質問をいただき、また御要望もいただいてきたところであります。そういうものを勘案しながら、少しでも前進していこうということで今回の法案を提出したわけであります。
 いろいろ今まで通信・放送をしやすいような環境にするための障害もあったと思います。今、中尾委員が御指摘されたような点も含めまして、できるだけ障害者の方にこの通信・放送を利用しやすいような環境の整備を今回の法案提出を契機にさらに前進させていきたいというふうに考えております。
#39
○堀利和君 視覚障害者といいますと、耳で聞くことが主ですから、これはラジオが中心だろうというふうに認識されている方も多いかと思うんです。しかしそれは大きな間違いで、たとえ見えなくても、視覚障害者であっても一般国民と同じでテレビが中心なんですね。ラジオとテレビとその情報量、情報の質、役割といいますか機能はやっぱり違うわけでして、我々視覚障害者もラジオよりもテレビを基本にしているわけです。
 以前、盲人用テレビというのがつくられました。画面がなくても、音声だけでも聞けるようにという昔のテレビですね。最近は、ラジカセといいますか、そういうのが出てきて、通常のラジオなりそういうものでテレビも聞けるようになりましたからいわゆる盲人用テレビというのは必要ないんですけれども、それほど我々視覚障害者にとってもテレビというのは、テレビ文化ですね、テレビ情報、これはもう基本的なものなんです。そういうことからいっても今回の法律の内容というのは非常に重要だと思います。
 今NHKの受信料は、身体障害者の場合は受信料が半額免除されるんです。もちろんこれはこれで、障害者の側からいろいろな要望があったし、施策として目的があると思うんです。ただ、私は多くの方々といろいろ話をして、私もそうなんですけれども、NHKの場合、受信料を半分にしてくれなくてもいい、それよりも、テレビそのものが楽しめて、テレビの画面でやっていることがつぶさに耳から理解できればいいんだ、私自身もそう思うんですね。受信料は皆さんと同じように支払います、だからテレビを皆さんと同じように楽しめるようにしていただきたい。これこそが私は人権問題といいますか権利だと思うんですね。
 半額に受信料をするから我慢してくれと言うかどうかは別にして、私は基本的には、そういう人権といいますか、テレビそのものを楽しむ、理解できる、したがって権利の保障というのが今こそ重要だと思うんですけれども、そういったことでその辺の大臣の御認識、いわゆる哲学というものをお聞かせ願いたいと思います。
#40
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま堀委員のテレビの情報の方が視覚障害者にとってラジオより今は多くなっているという御指摘は、一般の人はなかなか気づかないといいますか、むしろ視覚障害者の方はラジオに頼っているのじゃないかと思いがちだと思うんであります。私も厚生大臣になるまではそのような考えを持っておりました。しかし、いろいろ障害者の方に触れて話を聞いてみますと、視覚障害者でも今やむしろラジオよりテレビの方に対して大きな関心を持ち、またテレビの情報に頼っているのが多いということを聞きまして、これは一般のそういう障害を持っていない方の盲点といいますか、気づかない点だと思うのであります。
 そういう点も考えまして、これから解説放送とかテレビの放送も、むしろ視覚障害を持っている方も見ているんだ、あるいは聞いているんだという点により配慮した体制整備といいますか、環境をつくっていく必要があると思いまして、そういう意味におきまして、堀委員みずからの体験から出た御意見というのは郵政省としても尊重していきたい、また参考にさせていただきたいと思っております。
#41
○堀利和君 そこで、一つのお話をさせていただきたいのですけれども、八三年の四月から日本テレビの火曜サスペンスという番組で解説放送が始まったわけです。これはどういういきさつから始まったかと言いますと、今、日本点字図書館の理事長ですか、かつて館長をされていた本間さんという方と日本テレビ、読売新聞社の会長の小林さんとが親しくおつき合いしておりまして、当時、本間さんがテレビを楽しみたいということを言われたわけです。例えばテレビでがけっ縁のところで男二人が争っていると、片方が落ちたのはわかるんですね。だけれどもどっちの男が落ちたかというのはわからない。これが次のドラマの展開で非常に重要なんですね。そういうことからいいまして、テレビを本当に楽しみたいということを小林さんに言われたら、よしわかったというツルの一声で、それで早速火曜サスペンスに解説放送、音声多重を取り入れたわけです。そうしましたら、本間さんが初めてテレビが見えましたということを言われたわけですね。それでずっといまだに続いているわけなんです。
 そもそも解説放送のはしりとなった火曜サスペンス、制作している方々を昨年視覚障害者の若い人たちが訪問したわけですけれども、この方たちも火曜サスペンスを見る会という会をつくっているということなんです。こういったことからいいましても、視覚障害者といえどもテレビ文化、テレビそのものがいかに価値あるものかということだと私自身もしみじみ思って、毎日むしろテレビを見るわけでございます。
 そこで、字幕なり解説放送番組が現在どれほど組まれているのか、現状をお聞きしたいし、そういった番組がいわゆる国民一般といいますか、必要とする方々に対してでもどんなふうに周知徹底されているのかお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(木下昌浩君) 字幕放送と解説放送と分けて御説明申し上げますが、字幕放送につきましては平成五年四月現在でNHK、民間テレビジョン放送事業者十四社が実施しております。関東地区におきまして週十五番組、計十五時間五十分放送されております。
 解説放送につきましてはNHKと民間テレビジョン放送事業者三十社が実施しております。関東地区だけを取り上げてみますと週に三番組、計九時間十九分が放送されております。こういった状況でございまして、現状では字幕放送、解説放送ともに必ずしも十分とは言えないと私どもは考えているところでございます。
 また、字幕放送、解説放送の周知でございますが、各種の新聞のテレビ番組欄におきましてそれぞれ表示されておりまして周知が図られているところでございます。より広く国民に周知することは非常に重要でございますので、今後ともその周知促進方を放送事業者初め関係者の皆さん方に要請してまいりたいと考えております。
#43
○堀利和君 そうしますと、この法律が成立しまして施行されるとどの程度拡大されるのか、予測といいますか、見通しはどういうことでしょうか。
#44
○政府委員(木下昌浩君) 先ほどから御質問に出ておりましたが、当初の私どもが計画した段階での利率と若干食い違っておるものですから明確に申し上げかねるわけでございますが、当初の計画で言うと、五千数百万の予算がとれそうだと。そうしますと、一週間に五番組の字幕放送と五番組の解説放送と両方できそうだということでございましたが、それが仮に三千万ということになると三番組、三番組ということに相なろうかと思います。
#45
○堀利和君 私はこの法律の重要性と公的責任ということも強調したいわけですけれども、現実にはそれだけで視覚障害者、聴覚障害者が満足できるほどの番組はどうも望めないというようにも思えます。そこで、大臣にこの点私はお願いといいますか、聞いていただきたいということで、大臣にぜひ御答弁願いたいんですが、私なりにどうやったら番組がふやせるかということでいろいろない知恵を絞りながら考えました。やはり放送事業者あるいはスポンサーもあるわけですので、民間活動力、民間の事業者がその気にならないと本当にうまくいかないだろうと思っているわけです。そこで二つほど案をお話ししたいと思いますので、その辺の御感想も含めてお聞きしたいんです。
 例えば、字幕なり解説放送の制作費、これは当然必要ですから、その制作に当たって、番組本体のスポンサーとは別に他のスポンサーがその経費を負担して、最後でも最初でもいいですが、CMとしてこういった制作費はどこどこ会社とか、商品もいいでしょうけれども流す、宣伝するという、そのメリットを含めて制作意欲をつけるようなものがあればいいかなと思って、実は、忘れていたんですけれども、今回法案の審議のために調べておりましたら昨年の新聞記事に同じのがあったんですね。つまり、アメリカでは既に今言ったような、本体の番組のスポンサーとは別に、字幕なり解説の専用の制作費ですね、別のスポンサーでやっている。アメリカではやっているわけですから、日本でもこういう具体的な方法、方策をとるべきかな、とれればいいかなというふうにも思いました。
 あるいは、障害者雇用促進法に実はヒントを得まして、障害者雇用促進法というのは事業主、企業間の社会の連帯ということが基本になっていますから、障害者を雇った企業と雇わない企業とがどう連帯できるかということで、障害者を法定で決められた数雇ってまいる場合には一人分月五万円の納付をする、その納付金を原資として雇おうとする会社、雇っている会社に設備援助をするというような、雇っている会社と雇えない会社とのバランスをとるわけですね。つまり企業全体が障害者雇用について責任をとる。
 こういう方式を字幕なり解説放送を行う番組に、そしてそのスポンサーに、これはやればやるほど負担が多くなるといえばやっぱりやりにくくなるわけですから、だとすれば、その放送局における三十分番組とか一時間番組にある程度大きな企業、スポンサーがすべて負担する。つまり、字幕なり解説放送をやっている番組の制作費についてはそういったすべての企業がいわゆる均等頭割りして負担する。やってもやらなくても負担をするということから、それならやろうかということも出てきますし、やることによっても、そう負担かけてやらなくてもいい。月数百万の制作費であれば、これはちょっと想像つきませんけれども、百か二百か三百かわかりません。企業がすべて頭割りすればそれほどの負担にはならないんだろう
と思うんですよ。
 こういうような、民間企業の社会連帯という視点からもこういう方法もどうかなということで、その他の第三の道もあるかもしれませんけれども、やはり具体的にどうしたら伸びるかというような方策を今後考えていくべきと思うんです。大臣、この辺の具体的な方策についてどういうふうに御感想というか、お考えでしょうか。
#46
○国務大臣(小泉純一郎君) 今の御提案は私は非常にいいと思います。民間の協力を求める、理解を求めるという点で、ああこういう協力の仕方もあるのかと。知らない企業も私はたくさんあると思うんです。今、堀委員の言われたことが少しでも実現できるようにしていきたいなと。
 また、どういう理解と協力の求め方があるか、これは恐らくマスコミの方の協力も得る必要があると思います。そして字幕放送、解説放送も民間企業の協力によってより普及していくということになったらばさらにいいことだと思っておりますので、今の提案は大変いいことだと思っております。
#47
○堀利和君 ぜひ積極的にお進め願いたいと思います。
 次は、テレビニュースあるいはドキュメントなどの番組で、母国語というんですか、英語なりロシア語でエリツィンが演説したこと、クリントンが演説したこと、これは文字テロップで出るわけですね。これ全くわからないんですね。私もそうですけれども、だれに聞いても視覚障害者はこれにほとほと困っている。
 実は私、仲間と、もう洋画はわかりませんから見ていないんですけれども、「東京裁判」という映画がかつてありました。これは見たいなということで、どうしようかということを考えまして、映画館の方に協力を得まして、映写機のある方に字幕を読む人を置きまして、弱い電波を流して、FMの入るラジオで我々がイヤホンで字幕をしゃべるのを聞いて、「東京裁判」、あれは字幕がどんどん出てきますからね。英語ができないということをここでさらしてしまうんですけれども、そんなふうな工夫もして「東京裁判」というものを見た経験があるわけです。
 そこで、今言いましたようにわからないと、クリントンが演説やった後、これに対して日本政府はと言われても、何に対して日本政府がわからないんですよね。日曜日も午前中ちょっとテレビ見たんですけれども、キュー・サムファンがインタビューを受けているのに何を言っているのかわからない。結構重要なことを言っているんだろうと思うんですね。
 そういうことで、この法律の趣旨もそうなんですけれども、ニュースというと時間との闘いでもあるわけです。この制作過程も考慮しなきゃなりませんけれども、何とか文字テロップが音声名童で聞けるような何らかの方法がとれないものかと思うんですけれども、この辺の技術的な問題を含めてお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(木下昌浩君) 多重放送を行っている事業者につきましては、放送法に基づいて本番組を補完する番組をできるだけ多く設けるようにということの努力義務が課せられているわけでございます。私どもは、速報性のあるニュースの番組におきまして、そういう限られた時間の中でいろいろ細かい配慮をしていくということは難しい面もあるかと思いますけれども、それでもやはりそういった視点から機会あるごとに事業者の皆さんにもできるだけ多くの補完番組をつくるように指導してきているところでございます。ただいま御指摘の字幕テロップ、あるいはドキュメンタリーあたりにも解説放送をつけるということは視覚障害者の皆さんに大変重要であると理解できるところでございまして、放送事業者の皆さんがこれについて十分配慮することを今後も期待していきたいと思いますし、私もただいま御指摘の点につきまして放送事業者に対しまして伝えまして、理解を求めるようにしてまいりたいと思っております。
#49
○堀利和君 ニュースというのは特に緊急といいますか、時間的な闘いということもありますから難しいかと思いますけれども、きょうNHKの理事さんがいらっしゃっていますが、私もよく見ますけれども、例えばNHKスペシャルとかああいうドキュメントでしたら、もちろんそれなりの制作時間というものが、余裕といいますか、やろうと思えばできると思うんですね。ぜひそういうようなできるところからまず初めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 そこで、中尾議員もちょっと触れましたけれども、我々の勝手な望みで言えば、音声多重の二チャンネルあるうち一チャンネルを常時そういう意味では何とか解説放送のような形でやってもらいたいというのが本音なんですね。しかし、一般の方々も音声多重でステレオ等楽しむということもありますから大変難しいわけですけれども、その辺はいかがなものかということや、技術的にはよくわかりませんが、二チャンネルを果たして三チャンネルにできるものなのか、できるんであればまさに一チャンネルを専用にしていただきたいと思うんですけれども、その辺のところはどうなんでしょうか、技術的に。
#50
○政府委員(木下昌浩君) ただいまの御指摘のように、ステレオ等の放送をやる場合には副音声として解説放送で使えないという問題は御指摘のとおりだと思いますが、現在の音声多重放送はいずれにしましても電波のすき間を利用して、それに多重して放送するということでございまして、さらに御指摘のように音声チャンネルを一チャンネル追加するということになりますと、現在のテレビジョン放送方式のもとにおきましては十分な電波のすき間の確保が困難であるということでございます。全くできないわけではございませんけれども、それを可能とするためには高度の技術の開発が必要であるということでございます。さらにつけ加えますと、この場合には家庭の受信機も複雑になってまいりまして、したがって経済的負担も大きくなるのではないかというふうに予想されるところでございます。
#51
○堀利和君 その辺は、技術的に難しいことや複雑な面あろうかと思いますけれども、将来に向けてぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 次に、中尾議員も触れていましたから、ここは少し簡単にはしょるような形にしたいと思います。字幕放送ですね、これはもちろん今度聞く側の問題があるわけです。それ用のテレビがなきゃなりません。普及状況やら製造状況いろいろお聞きしたいと思いますけれども、時間がありませんので、あらかじめ私なりに得た資料なり中尾議員の触れたところで少し割愛させてもらいます。
 ただ、ここで参考までに大臣にも、国務大臣として厚生大臣を経験されたこともありますのでひとつお聞き願いたいんですけれども、日本ではちょっと無理かと思いますが、例えばオランダあたりでは、視覚障害者の点字のディスプレーを開発また生産するに当たっては、政府が企業に開発そして生産を依頼して、それを政府が買い上げて、必要な数だけ生産させてその数を視覚障害者に給付するんですね。そうしますと開発費なり生産したときのコスト等を含めて心配がなくなるわけです。つまり、政府が買い上げるということがはっきり約束されていますから、企業の側も安心して開発研究し、そしてそれだけの台数を生産するんですね。
 しかも、驚いたことに、こういう技術というのは進歩しますから、五年ごとに新機種を開発研究して、五年ごとにまたその台数を買い上げるというところまでオランダ政府はやっているんですね。日本に経済大国といってもこれだけやれというのは、まだまだこれから生活大国を目指す国ですから、またこれは高望みなので参考までに聞いていただければと思いますけれども、そんなふうなことを考えれば、聞けるテレビの製造、普及、こういうこともそんな観点からお考えいただきたいと思います。
 そこで、先ほどありましたアメリカの法律によれば、もう七月一日から十三インチ以上のテレビは受信機が内蔵されたテレビになるわけで、日本
のメーカーもアメリカに今後輸出するにはそういうテレビをつくっておくということになるわけです。アメリカに輸出するものにつくって、自国のといいますか、我々障害者がその恩恵がこうむれないというのは非常に矛盾といいますか、歯ぎしりさえ感じるわけですけれども、アメリカでも内蔵のチップというのが随分開発されて生産されているわけですけれども、日本の場合、内蔵されるチップの開発研究なりコスト面からいってどんなふうな状況にあるか、お聞かせ願いたいと思います。
#52
○説明員(吉田高明君) 文字放送用のデコーダーでございますが、基本的な技術開発という面につきましては各社とも既に終了をいたしているというように承知をいたしております。今後は、課題としては、チップの高集積化などによりまして低コスト化を図っていくということになろうかと思いますが、このあたりになりますと生産台数との兼ね合いが非常に大きな問題になろうかと思っております。
#53
○堀利和君 字幕放送が本当に楽しめるといいますか、テレビが手にとるようにわかるようなためにも積極的に政府としても旗振っていただきたいし、民間企業にもその辺の研究開発、コスト面も含めて努力をお願いしたいと思います。
 次に、さらにテレビを見る側のお願いといいますか、意見を少し申し上げたいんですけれども、テレビを見ていまして、隣なりに見える者がいればいいんですけれども、一人でテレビ見ていた場合、緊急放送ですね、緊急速報というんですか、信号音が鳴ります、ぴこぴこ。これはやっぱり不安になるんですね。それが字幕で出ますから読めないわけです、視覚障害者の人は。そうしますと、果たして何が起きたのか。地震の場合、揺れたぐあいで、ああ地震の速報かな、震度幾つで震源地とこかなという想像もつきますが、とにかく信号音鳴ったときに、何が起きたんだろう、どこかでクーデターが起きたのかなとか、飛行機事故がなとか、いろいろ想像はするんですけれどもこれはわからないわけですね。これはある意味じゃ命にかかわるような内容もあるわけです。視覚障害者はまずそれが見えないということ。
 聴覚障害者の場合には、理解できるからこそテレビを見ているんでしょうけれども、そういう場合でもこの緊急放送の文字テロップは読める。しかし、その後ニュースで速報についてやるわけです。これもただアナウンサーが口をぱくぱくあけているだけでわからない。果たしてその詳しい状況がわからないということで非常に不安に陥るわけです。これは確かに難しい解決方法がと思いますけれども、やはりこれは生命にかかわる緊急なニュースといいますか速報ですので、この辺についての解決といいますか、何か方法論というものをお考えなのか、どんなふうにしておりますでしょうか。
#54
○政府委員(木下昌浩君) 確かに委員御指摘のとおり、災害時の緊急放送につきまして音声多重放送を使って放送するということは実態として余り実施されていないというのは御指摘のとおりでございます。しかしながら、災害時のそういった緊急放送は、視覚障害者の皆さんにとりまして大変不安を覚えるものであろうと思いますし、それが的確に報道されることが必要だろうと思うわけでございます。
 したがいまして、私も放送現場の経験がございませんのでわかりませんが、いろいろ難しい問題もあろうと思いますが、そういった点について放送事業者が番組編集する場合に配慮していくように、そういうことを期待していきたいと思いますし、また、そういった効果的な放送の工夫について放送事業者の皆さんにも検討していくようにお伝えし、理解を求めてまいりたいと考えております。
#55
○堀利和君 これは本当に生命にかかわる事柄ということの不安はすごくあるわけですね。ですから、視覚障害者の場合でいいますと、解説放送でその後すぐ流すということができるのかどうか。あるいは、例えばそれによって電話で、まあ直接ですと放送局になると思いますが、電話をしてその内容といいますか、その状況を聞くというようなことがある程度、何といいますか、任意ではなく、ある一つの制度化できるようなものをやはりお考えいただきたいと思うんですよ。
 電話で放送局へ聞けば教えてくれるということ、これは重要な一つの情報源になりますので、何らかの形でその辺はぜひ方法をお考えいただきたいし、聴覚障害者の場合には、文字テロップ出したばかりで済むんじゃなくて、そのニュースの際にもこういう意味で緊急ですからどんどん文字テロップを流す、そういう形で詳しい情報をやはり伝えてほしいということ、これはぜひ解決していただきたいということをひとつ強くお願いしたいと思います。本当に不安になりますから。
 次に、スポーツニュースの場合にも、聞いていますと、これは時間の関係だと思います。そうなんですけれども、プロ野球の試合結果は次のとおりですということで終わるんですね。次のとおりと言われてもどういう結果か見えないものですからね。これも時間がないからだと思うんですけれども、しかし制作方針もそうなっているというふうに聞くんですね、詳しく説明しなくてもいいと。見ればわかるから時間を少なくしているということもあるんでしょうけれども、これはそのアナウンサーのポリシーによるというところがあるんでしょうか、とにかくできる限り話していただきたいというのが我々の要望なんですね。
 大学で講座を受けていても、心ない教授はと言ったら失礼ですけれども、もう黒板の方へ向かって字を黙って書いているだけ。しかし私が点字で、もちろん見えないとわかっていますと、そういうことで配慮すると教授は黒板に書きながら読んでくれるんですね。これは今度私だけじゃなくて、見える方がノートをとるときでも、結構意識が集中できるといいますか、理解しやすくなるということで決してマイナスじゃないんですね。
 そういうことがありますから、限られた時間であるかもしれないけれどもできる限りしゃべっていただきたい。つまり制作方針の中に、見えない人も見ているんだということを頭に入れておいていただきたいと思うんですけれども、その辺どうでしょうか。
#56
○政府委員(木下昌浩君) 確かに私の経験で申し上げましても、天気予報とかあるいはスポーツニュース等において、御指摘のように映像で提供される情報につきまして必ずしも親切に説明していないという場面があることも事実でございます。私もテレビの番組をラジオだけで寝床の中で聞く場合もあるわけでございますが、やはりテレビ画面を見ないとわからないなという場面もございます。
 そういう点からいたしまして、やはり音声による説明が重要であるということも理解できるわけでございます。できるだけ視覚障害者の皆さんにとりましても放送サービスが享受できますように放送事業者が配慮していくことを私も期待をしたいと思いますし、御指摘の点につきましては放送事業者にも伝えて理解を求めてまいりたいと思います。
#57
○堀利和君 大変細かい点についての指摘といいますかお願いなんですけれども、やはり先ほど言いましたように、基本的に我々はもうテレビなんだと。テレビ文化が中心になっていますので、テレビを楽しみたい、また必要な情報はきちんと得たいというのは私はぜいたくな主張ではないと思うんですね。その辺のところはぜひ御理解いただいて、制作担当関係者にはぜひお話をしていただきたいと思います。
 次に、冒頭、国の予算でも情報障害者という言葉が初めて使われたということをお話ししました。この法律とは直接関係ない審議に入ってしまいますけれども、そういう点で、情報しかも重要な情報を確実に的確に得るということから、次の質問に入らせてもらいますけれども選挙の問題なんですね。私は昭和六十一年のときに、一回目、比例区から出馬したわけです。そのときに東京選挙区から聾唖者の方がやはり出ていたんですね。
聾唖者ですから言葉を出して話すことができないわけです。ところがそのときに、ラジオはもちろん無音ですよ、しゃべれないですから。テレビでも手話だけの政見放送になったんですね。
 私はこれは大変なことだということで、当時自治省の選挙部長にもお会いして、何とか政見の内容が一般国民に伝わるようにやっていただきたい、やり直していただきたいということでお願いしたわけですけれども、まさにこの政見放送においてその辺のところが十分配慮されていない。もちろんこれは大変なことだということですぐ検討委員会がつくられて、この点については、千八百字程度ですか、原稿をあらかじめ出してアナウンサーが読み上げるというような方策をとられましたけれども、今度は、その政見放送を見ている聴覚障害者の場合には、口がぱくぱくしかわからないんですね。
 ですから、手話あるいは文字テロップを導入してほしいということで私もずっとお願いしておりますけれども、これは今現段階どんなふうな状況なのか、ひとつ御説明をお願いしたいと思います。
#58
○説明員(中野正志君) お答えいたします。
 政見放送におきまして手話あるいは文字テロップの導入状況等、現在どうなっているかというふうな御質問でございますが、政見放送は極めて限られた期間内に多くの候補者につきまして公平、公正に制作しなければならないということから、導入するとした場合に検討を要する困難な問題が種々ございまして、現在のところその制度化はなされていないというのが実態でございます。
 しかし、この問題につきましては、現在学識経験者から成ります政見放送研究会というものをつくりまして、その場で検討をしていただいておるわけでございますが、自治省といたしましてはこの政見放送研究会における結論を待って対応してまいりたい、このようなことに今考えておるところでございます。
#59
○堀利和君 これはもう障害者の参政権ということで大切なことなんですね。先ほど話したように七年前以来ですけれども、全く七年前と同じ答弁なので、これは十年たっても変わらぬなということで大分がっかりいたしました。
 次に、選挙はがきの場合、これは選挙はがきだけじゃなくて役所から来る重要なはがきなり文書もそうなんですが、我々墨字と言いますけれども全部いわゆる活字なんですね。選挙はがきもこれは重要なものです。それが今ダイレクトでいろいろ来ますから紛れてわからないわけですね。そこで、点字でその内容のポイントを書くなり、最近私が知ったのは、今から皆さんに聞いていただきたいんですが、簡単なこれだけのもので音声で情報を得ることができるんですね。つまり、はがきに録音したテープを張っておけば、これを差し込むだけで
   〔録音聴取〕
#60
○堀利和君 これが場所ですね。今度、時間は裏返して言っています。
   〔録音聴取〕
#61
○堀利和君 これだけで、選挙はがきで自分が行くべき場所、選挙投票所、時間とかまたは連絡先がわかるんですね。
 これはもちろん、選挙はがきという自治省だけの問題じゃなくて、まさに我々生活全般にわたることですから自治省だけで解決とは言いませんけれども、この重要なはがきを点字なり今のような音声で、今日の見えない者が三十五万人以上になって、お年寄りなり中途で見えなくなると点字をマスターするということは大変なことなんです。だから、点字はもちろん基本ですけれども、またそれ以上に音で情報を得るという方々が多いわけですので、こういったこともお考え願いたいと思うんですが、どうでしょうか。
#62
○説明員(中野正志君) 先生がおっしゃいましたのは投票所入場券における案内ということだろうと思うんですが、この投票所入場券を交付する場合には、市町村の選挙管理委員会は投票日の前日までに選挙人に交付するように努めなければならないということにされておりまして、実態としましては、現在ほとんどの市町村において交付されておるというところでございますけれども、投票所入場券につきましては限られた期間に作成、印刷し、選挙人に漏れなく交付するというのが大事なことでございまして、個別に点字化あるいはトーキングテープ、今お話がございましたようなことをすることは現実的には非常に困難ではないかというふうに考えておるところでございます。ただ、我々も今後勉強してまいりたい、このように考えております。
#63
○堀利和君 これは選挙はがきだけにかかわりません。しかし、ああこういうものだったらいろいろダイレクトの手紙が来る中からも、紛れてもわかるなということで、私は非常に感激もしたわけなので御披露させてもらいました。これぜひ御検討も願いたいと思います。
 次に、駅にいわゆる公衆ファクシミリの設置をということで私は運輸委員会でもずっと取り上げてきたわけです。聴覚障害者にとっては電話が使えないということから、緊急な連絡のときにはファクスを利用する。公衆電話は結構あるんですけれどもファクシミリはまだまだだ。しかし、かなりの国民の間に広がってもきました。テレビ番組を見ていても、今や電話だけではなくてファクスも受け付けるということになっていますから、そういうことからいいまして、その辺の状況についてまずお聞きしたいと思います。JRあるいは大手民鉄において公衆ファクスを提供する第二種電気通信事業者の状況についてはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
#64
○政府委員(白井太君) ファクシミリのサービスを一般のお客様に対して事業として提供するという場合には、今先生おっしゃいましたように第二種電気通信事業者という位置づけが制度的になされるということになっておりますが、今日、第二種電気通信事業としてこのファクシミリサービスを提供する会社として正式に届け出をいただいておりますのは二社でございます。いずれもJR関係の会社でありまして、東日本と西日本の両社がただいま申し上げました第二種の電気通信事業者としての届け出をなさっておられます。東日本旅客鉄道株式会社の場合は現在百五の駅に百十二台のファクシミリの機械を置いてお客様にサービスを提供しておられます。西日本旅客鉄道の場合はまだ三つの駅に三台というような状況になっておるところでございます。
#65
○堀利和君 大変少ないなと感じます。そこで実は我が党は、昨年、伝心というファクス帳をつくったんですね。通常ですとこれは電話帳でいいんですけれども、我々の場合には一〇四を利用させてもらっていますが、聴覚障害者の場合にはファクスになる。ファクスの番号がちょっとないんですね。つくっていないということなんです。そこで我が党はここに力を入れまして、独自にといいますか、伝心というファクス帳もつくったわけです。そういう点でこれにも力を入れていきたいと思っています。今の御説明にもありましたように、駅に置いているのが第二種電気通信事業者の届け出としてJR東とJR西だけだということで、これでは非常にお寒いなということなんですね。
 これまで私が運輸委員会でも取り上げたこと、ファクスを駅に設置してほしいということだったんですけれども、この程度かということなんですが、運輸省として、他のJRはもちろんですけれども、大手民鉄、これ積極的に第二種電気通信事業者の届け出をしてファクシミリの設置を積極的にやっていただきたいと思いますけれども、その辺の現状の認識と行政指導についてお伺いしたいと思います。
#66
○説明員(村上伸夫君) 今先生御指摘ありました鉄道駅におけるファクスの問題でございますけれども、郵政省から御答弁がありましたけれども若干補足させていただきたいと思います。鉄道事業者が駅に置いておりますファクスの場合に、コインボックス型のコインファクスという形とか、あるいはそうではなくて、鉄道事業者が有している業務用に使っているファクス、これを一般の利用者にも使っていただいていると、こういったいろ
ろなケースがございます。
 これも郵政省から御答弁がありましたように、JR東日本は六十二年の十二月から設置を開始したわけでございますが、現在百十二台でございます。これは主として東京圏を中心にして設置しておりまして、東京圏で見ますと九十駅に九十七台のファックスが設置されている。東京近郊の駅の数が大体三百八十ほどございますので、首都圏について見れば四駅に一駅弱という設置状況になっている。他のJRについては、JR西日本は三駅に三台ございますが、JR東海の場合は三駅に四台、JR九州においては一駅に一台、確かに少ないというのが実態でございます。
 なお、私鉄の事業者でございますけれども、これは今申しましたように業務用のファクスを利用者の方にも御利用いただいているというケースが多いわけでございますけれども、小田急の場合は三駅三台、東急の場合は五駅五台、相模鉄道の場合は四駅四台。阪急の場合は、ことしに入ってからと思いますけれども、同じように業務用のファクスの利用をいただく形態を拡大いたしまして、現在十七駅十七台に設置されているという状況でございます。
 今先生お尋ねの、低いではないか、今後さらにこういったものをふやしていくべきではないか、こういう点についてでございますが、我々といたしましても、身体障害者、特に聴覚障害者の方々にとってこういった利便施設を整備することは必要なことだろうと思っております。
 現在におきましては、今申しましたファクスの利用状況というものを見ますと、駅によって相当違いがございますけれども、低い駅につきましては、これは身体障害者の方に限らずビジネスマンを含めたあらゆる方のファクスの利用回数が月に一けたという駅もございます。そういう意味において、鉄道事業者といたしましてはその利用状況の推移なり、あるいは、今の数字はそうでございますけれども今後ファクスというものがさらに普及していくということも考えられますので、そういった状況を、あるいは身体障害者の方々の御要望を踏まえつつ検討していきたいという態度でございます。
 我々運輸省といたしましても、利便施設でございますので一義的には鉄道事業者において検討を進めていくべき問題だろうかと思いますが、御要望が非常に強い、先生からもいろいろ御指摘いただいていることもございまして、我々としても鉄道事業者に対してそういった検討を進めていくように求めてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#67
○堀利和君 確かにまだ公衆ファクスという言葉自体が国民の中で耳なれないといいますか、余り伝わってないんじゃないかと思うんですが、聴覚障害者のためだけというわけではないんですね。もちろん聴覚障害者にとっては、駅に来て、電車がおくれた、待ち合わせがうまくいかない、したがってファクスというのが不可欠なんですけれども、公衆ファクスという形態をとれば一般の国民の方々も利用できるわけですね。業務用も確かにお願いずれは貸していただけるということなんですけれども、可能な限り一番目につくところ、そして当然だれもが気兼ねなく使えるという形態ですね、設置形態をとっていただきたいと思うわけです。
 一昨年、高齢社会に向けてということで運輸省も、五千人の乗降客がある駅には、しかも駅のホームなり公道との高低差が五メートル以上あるところはエスカレーターを設置するというような指針を出しております。この基準が的確かどうかは別にしまして、利用率が低いということもこれまた無視できませんから、ある駅をピックアップしまして公衆ファクスがあった方がいいかないかの調査をしてみるとか、そういったようないろいろな調査をしながら公衆ファクスの設置というものをぜひ推進していただきたいということを改めてお願いしたいと思います。
 次に、またこれ視覚障害者の問題になりますけれども、今やもうほとんどテレホンカード利用の電話になっております。そうしますと、カードを入れた場合、度数がわからないんですね。渋谷駅に、私またそれ見てないというか使ってないんですけれども、カードを入れますと音声で度数をしゃべるといいますか、合成音で言うわけですね。これは既にそういう電話があります。視覚障害者の数からいったら大した数がどうかわかりませんけれども、現にある、カードを入れたら度数をしゃべる、音声化できる電話機をどんどん普及していただきたいと思うんですけれども、その辺のお願いかたがたどうでしょうか。
#68
○政府委員(白井太君) NTTが設置いたしております公衆電話について、特にデジタル式の公衆電話を利用いたしましてNTTとしては、先生今お話しございましたような、カードで公衆電話を利用するときに度数が何度残っているかというようなことを声でお客様にお知らせするというようなことをNTTとして始めておられます。ことしの三月三十一日現在でこのような機能を持った公衆電話機の数が二千三百七十一台というようになっておると聞いております。NTTといたしましても、できるだけこうした音声で残りの度数をお知らせするような必要性の高い場所を中心にしてこれからも増設を検討していきたいというような御意向を持っておるというふうにお聞きいたしております。
#69
○堀利和君 期待しておりますので、よろしくお願いします。
 次に、最近特に、私もそうなんですが、例えば参議院議員会館の大和銀行のカードですね、現金引き出しの。あれは私は今使えないわけです。タッチセンサー方式になってしまっているわけですね。以前は大体ボタン方式が多かったんですけれども、銀行がもうほとんどこれなんですね。
 実は、私の知人が京都におりまして、京都銀行が昨年の秋にタッチセンサー方式に変えてしまった。きのうまでボタンを押して自分だけで引き出してきたのがその日から使えない。その日からまさに障害者になってしまった。きのうまでは引き出し可能ですから障害者とは感じなかった。しかし、タッチセンサーになったために使えない。ああ私はもうきょうかの障害者だと。まさに障害というのはこういう社会環境とのかかわりのハンディキャップだと思うんですね。
 そこで銀行の方に申し入れたところ、実は目の見えない者だけではなくてお年寄りからも結構苦情が来ていますと。肢体不自由手が不自由だから押すよりさわる方が葉かなと思うんですけれども、実は違うんですね。不自由な方は以外とうまくさわれないんです。升がどれくらいかよくわかりませんけれどもさわれない。そうすると、横の方に触れてしまってミスをするといいますか、うまくいかない。実は、これはどうも利用者の側のためにさわればやれるということではなくて、メーカー側の、故障が少ないんですね、ボタン方式に比べますと、ということで導入しているということのようなんです。
 京都銀行のことでトラブルというのがありまして、彼が銀行と話し合ってメーカー側に工夫させてといいますか、センサーの上に今度はプラスチック製のパネルを張って、引き出しとか一、二、三という番号を点字で打って、そのプラスチック製の真ん中に指が入るぐらいの穴をあけて、そこに指を入れると、そうしますと事実上はタッチセンサーを操作することになります。これで解決したというんです。銀行がまだ今多いんですけれども、これは後で触れますけれども、鉄道の券売機がなり、今度はジュースがなり、ビール販売機がなる。これ私も飲めなくなります。
 こういうことを考えますと、まずこのことを銀行から考えていただきたいんです。大蔵省来ていただいておりますので、ぜひその辺お伺いします。
#70
○説明員(北村歳治君) お答え申し上げます。
 金融機関におきましては、利用者の利便性向上のために自主的に顧客サービスの向上を図ることが期待されているわけでございます。先生御指摘の視覚障害者のための各種サービスにつきましてもさまざまな金融機関におきましていろんな工夫
がなされているわけでございます。例えば、点字による操作が可能なCD、ATMというふうなものもございますし、音声での指示で操作が可能なCD、ATMというものもございます。それからまた、案内係が窓口に誘導するような指導を行っているようなところもございます。いろんな形で金融機関は努力しているわけでございますが、先生今お話もございましたようなケースを含めまして、私ども引き続きこのような民間金融機関の自主的な対応により視覚障害者のためのサービスがさらに一層拡充されることを期待しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、当局が民間金融機関に対しまして細かな指示を与えるということには問題がございますが、民間金融機関が今お話がございましたような利用者のために工夫を凝らす、そしてまたサービスの拡充に努めることはこれは当然のことでございます。そういう線で私ども民間金融機関の動きを見守ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#71
○堀利和君 これはもう銀行だけに限らないですね。これが広がったら本当に大変なことなんです。ジュース一本飲むだけでもこれがまさに障害なんです。私は品川駅を利用しておりまして、品川駅のある銀行を利用しているんです。そこではセンサーになっていますけれども、一つだけ旧来のボタン方式のものを残しているんですね。そこには点字で書いてあるわけです。これは別に私のために残しているわけじゃなくて、つまり、そういう見えない人がいるということを前提にですから、そういう方式もいいと思うんですね。全部どうするかじゃなくて、そういった何か利用者の声を聞いた改善をぜひしていただきたい。
 ここは逓信委員会ですから、私の知人からも、郵便局の現金引き出し機ですか、あれはもう世界に類のないすばらしいものだ、ぜひ褒めておいてほしいということを言われましたけれども、あれは本当に音声が出てすごくいいんですね、残金もきちっと出まずし。ですからこれは大したものだと思うんですけれども、そういった利用者の側に立った機器開発ということをお願いしておきたいと思います。
 実は、もう既に心配したことが起きまして、福祉に対して理解のある神奈川県の相鉄線、私も二年、三年前に町づくりのことで視察に行って、大変すばらしい駅をつくってもおります。残念なことにこの相鉄線の駅にタッチセンサーの券売機が出てきてしまったわけです。これはもう切符買えません。ですから、今後この問題どうするかと同時に、JR含めてこういうようなタッチセンサーの券売機が広がらないように、あるいは広まってもそのうちの何台かはボタン方式にしておくとか、こういうやっぱり配慮をぜひお願いしたいと思います。
 これは見えない者だけじゃなくて、高齢社会迎えて、そうなんですね、便利のようで逆に不便なんですね。お年寄りにとっても非常に押しにくいといいますかさわりにくいということ、この辺は運輸省としてどうでしょうか。
#72
○説明員(村上伸夫君) 今先生御指摘の相鉄線の問題でございますけれども、先生御案内のように、鉄道事業者の方は切符を買っていただくときに点字テープを張ったものをつけて、それで買っていただくというケースが多いわけでございます。また相鉄という会社自体が、先ほども先生から御指摘ありましたエスカレーター、エレベーターなり、あるいは誘導ブロックといったものにいろいろ努力をしているところでございます。
 緑園都市駅の問題でございますが、この駅につきましては六十二年の四月に大規模な駅舎改良を行ったわけでございます。その際に、地域の玄関としてのコミュニティーの空間を備えた駅舎を整備するということを行いました際に、自動券売機三台すべてを確かにタッチパネル方式にしたということがございます。ただ、その後いろいろな御指摘も受けまして、元年の三月に従来方式のボタン方式の券売機というものを一台増設いたしまして、視覚障害者の方の切符購入に不便をおかけしないように対応したというふうに聞いております。
 鉄道事業者が利用者の利便を考えでいろいろな方式を考えていくということ自体は否定することではないと思いますが、今御指摘ありましたような、視覚障害者の方々の切符の購入に支障を生じるということは非常にまずいわけでございまして、今後ともそういったことが起こることのないよう鉄道事業者も考えていくと思いますし、我々としても問題があれば指導していきたい、こういうふうに考えるところでございます。
#73
○堀利和君 もう時間が来ましたので、最後に大臣に感想といいますか、一言伺って終わりたいと思います。
#74
○国務大臣(小泉純一郎君) 最近は確かにすごく技術が進歩しまして、技術者の立場から見ると前進だと思われるような最新機器が、我々一般から見るとかえって不便になったというのが、障害を持ってない人でも気づく点はいろんなものが出ていると思うんです。私なんか割合機械に弱い方ですから、新しい電灯なんかでもどこをどうやるとつくのかわからない。自然とさわるとついちゃったり、あるいは消えちゃったりして、どこについているのかわからないというような新しいものがある。あるいは水道の蛇口一つとっても、知らないところへ行くとどうやったら出るのかわからないような、新しい技術、進歩がかえっていいのかどうかという疑いを起こさせるような、そういう技術もあると思うんです。
 今言ったセンサーなんかも、技術の面からいえばはるかに進歩なんでしょうけれども、利用者の立場に立って考えるというのは大変大事なことだ、特に障害者に対してそういう配慮というのはいろんな面においても私は大事だと思いますから、そういう堀委員御指摘の要望というようなのをどんどん関係当局に伝えるということ、これが大事だと思います。そういう面は郵政省としても十分これからも配慮していかなければならぬと考えております。
 どうもありがとうございました。
#75
○常松克安君 ただいま堀先生の方からそのお立場のことをるるお話をなさいまして、感銘を受けました。しかし、情熱が込められて十分ほど超過いたしておりますので、エールを送る気持ちで私の方から少し時間を縮めて協力したいと思います。
 大臣、冒頭からまことに失礼でございますが、大臣の氏名は小泉純一郎と、このように私覚えさせていただいております。がしかし、このおのれの名前が一字違って読まれた場合どういうふうなお気持ちになるでありましょうか。
 私はきょう障害者の皆さんの重要な法案を審議いたします。そして、いろいろもっと申し上げたい、もっとこうしてもらいたい、もっとこうあるべきだ、いろいろございましょうけれども、政府といたしましても、その対象人員、そしてそれに対する今の世論の流れ、あるいはまたその人たちに報いていこうという福祉行政、そしてその上で、財政的には常日ごろから因果関係を問われ、どうして全体のバランスを決めてそれにかかっていこうとされているか、こういうふうなことで一つの法律というものが新しくつくられていくわけでありますが、その一点食い違いますと、一たんこの法律が通りますと、今御答弁を各省庁からいただいたとおり、もう絶対にそれは持っている官僚の立場で一言一句変えない、どのような要望があろうと、どうしようと、あくまでお仕事ですからやむを得ないにいたしましても、そういうふうな流れをしみじみと聞かされました。
 なぜそのようなことを私が申し上げるか。まことに残念ではありますけれども、こういうふうなものをちょうだいいたしております。非常に勉強になります。まじめにこれを端から端まで読ませていただき、現場の声、現場をどういうふうにして行政に反映したいか、こういうふうなこともあります。あるいは今郵政が抱えているところの事業団のあり方、郵貯のあり方、こういうこともこちらにお座りの方々が論文形式にしていろいろ述
べられます。まことにこれはありがたいことである。がしかし、その中で私は郵政によって名前を変えられました。「千代田区紀尾井町一―一五 宿舎 一部 常末克安」。殿もなければ様もない。結構です。それほどの私はここで大声を張り上げるような人格じゃございません。常末とこれからこの委員会ではお呼び願いたい、郵政が名前を変えてくれたんですから。
 私はこの立場があってこそこういうふうな発言もできましょうが、この法律を本当に楽しみに、本当にきょう一日の思いで何十回も陳情されて、そうして一歩前進というふうなことになる方々のお立場からすると、この一字が、法律の中でたった一行が、そういう方々に対して、今辛抱してくれ、小さく産んで大きく育てるから待ってくれというふうなこともそこには行われるわけであります。
 なぜ私自身は、この人格は郵政で認められないんだ。私まじめにまじめにやっておるんです。まじめにまじめに勉強を積み重ねてきたんです。ところが、これが三月連続。もう今度こそはこの常末じゃなくて常松、今度こそは間違いなかろう、今度こそはと三月間、九十日間。私がこういうところでいけ高々と言うべき問題じゃございませんでしょう。ちょっと済みません、ちょっと間違っていますと言えばいいことですが、しかし今郵政の全員、失礼でございますが、皆さん少し気合いがたるんでおるんじゃないか。こういうことで一事が万事であちらにもこちらにも。
 いま一度、たとえ印刷物でありましょうとも、一言一句郵政省が発せられるものに間違いがあったならば、私はもう承知できません。これは個人で云々して申し上げておるんじゃないことを重々わかっていただきたい。かようなことは答弁を求めるべき問題じゃございません。
 もう一度、失礼でございますけれども、親代々からいただかれた、名家であります小泉家、この一字が間違ったら、大臣、ああ間違った、直してえなで済むでしょうか。行政にとっては一番国民生活と末端では非常に深い、情報にいたしましても、通信にいたしましても国民生活と最も密着する郵政であります。大きな高見、卓越な論議も結構であります。しかし、もっともっと足元、地元を見詰めたところから出発していただきたい。最近は大臣が自分が言うことで集中砲火を浴びているものですから、それだけで郵政の人は全部通り過ごしてしまう、こういうふうなことになってしまうんじゃなかろうかとしても危惧があるわけでございます。
 悪い考え方しますと、常末克安、様もなきゃ殿もないで、読みたけりゃ読め、ただやで辛抱せい、こういうふうなことなんでしょうかね。こういうふうなことの一連というものが多々出ているんです。これは少なくとも、人の心を相手に伝える郵便を預かっている郵政の基本的な態度では、私はこれだけでは済まされないと思います。こういうふうなことは一事が万事だとして、はっきりとこれは訂正するなり、あるいはそういうふうなことをしていただかないとだめであります。
 もう一度言っておきます。郵政の本庁から出される印刷物で一字違ったら、この次はこれでは済みませんよ。徹底的にやります。そこをやはり締めていただかないと、お金を預かっている、人の心の便りを預かっていらっしゃる職域じゃございませんでしょうか。少し大臣も大きなところよりもうちょっと小さいところも発言をしっかりしておいてもらわぬと、上の方のことばっかりではいかぬ、こういうふうにあえて御提言を申し上げます。
 さて、これだけでは済まされません。本論に入ります。
 まず、今回一つ私思いますのは、多重放送、いろいろなことを皆さんにプラスになるようにスタートされました。しかし、これは発信と受信というものがワンセットで行政効果あるいは身障者の皆さんに一つの価値がある、利便性が出てくる、こう感ずるんです。ところが、まだまだ発信の方にこれだけかかります、あれだけかかります。しかし受信をしてこそそれが温かく生かされるわけであります。
 どうしても日本というあり方は、まだまだ諸外国に比べまして、人の命だとか、人間が人間らしく生きようとか、そしてハンディキャップを背負いながらも同じ人間なんだという、その権利を主張して生きていらっしゃる方々にとっては、何かお上がお恵みで、言うならばちょっとしたろうか、こういうふうな雰囲気を実感として感じていらっしゃる心情を察するに余りあるものがあります。
 それをひとつこの法案から読ましていただくなら、まず一つの質問、目の御不自由な方、耳の御不自由な方は、対象人員はどれだけになっているんでしょうか。まず教えてください。
#76
○政府委員(松野春樹君) これは平成三年度に厚生省におかれて調査された数字を私承知しておるわけでありますが、視覚障害のある方が約三十五万人程度、それから聴覚障害の方も三十五万ないし三十六万というふうに伺っております。ただ、これはあくまでも障害者の方々の数でありまして、先ほども先生御指摘になりましたけれども、受信機をお持ちであるかないかによって確実な数というものは変わってまいるわけでありまして、そこの正確な数字は私承知しておりません。厚生省の数字で失礼します。
#77
○常松克安君 概略でもいいんですけれども、実際に受信機を持ってこの利便性を本当に享受していらっしゃる人はおよそ何%ぐらいなんでしょうか。
#78
○政府委員(木下昌浩君) 文字放送の受信機の普及率でございますが、普及率は全体で四〇・六%、これは聴覚障害者の皆さんの調査によるわけでございます。これは国立身体障害者リハビリテーションセンターによるアンケートでございます。
#79
○常松克安君 四割の方々が今日それを受信をしていらっしゃる、こういうふうな答弁でありますが、こういう方々が受信を現在したい、あるいはしようとしても何か壁があってでき得ない理由は何であると考査していらっしゃるのでしょうか。
#80
○政府委員(木下昌浩君) 先ほども御指摘がございましたように、文字放送を実施している放送局の数がまだ少ないということが一つあると思います。それから受信の側といたしましては、受信機の価格が一般のテレビに比べますと割高である、アダプターについては十万円―十一万円しているというようなところが原因かと思います。
#81
○常松克安君 それに対して、放送の方でも問題だと認識していらっしゃる。まずこれからまいりますと、NHKの方は体制は一応とれている。しかし、民放の方は免許制度の上からいっても十四局というふうに現在なっている。
 それをやりたいということであるけれども、やるについてはワンセット約十億かかる。こういうことについての負担というものを考えますと、スポンサー料によって生きていく業界からいくと非常に経費負担がかかってくる。この一部について財政投融資の使用が認められる道はあったとしても、それをつけることによって借金がふえますし、あるいはまた利用価値の判断というふうな嫌いを今日持ってその設備、機械設置というものがうまくいっていない、こういうふうな指摘もあるんですが、いかがでしょうか。
#82
○政府委員(木下昌浩君) 御指摘のとおりだと思います。いろんな要素が絡み合いましてこういう状況になっていると思います。どこから始まってもいいんですが、受信機が普及しない、そうするとその市場性が問題である、放送事業者としては設備投資の意欲がわかない、そうするとまたいいソフトもなかなか生まれてこない、そうするとますます受信機も普及しないという一つの循環になっていはしないかと思うのでございまして、今度の私どもの施策は、そういう点でどこかでこの歯車をかみ合わせていきたい、その呼び水にしたいという気持ちでいっぱいでございます。
#83
○常松克安君 といたしますと、そういうふうな機械設置というものについて民放さんの方であと何局ぐらい、これを意欲的に年度内にやろうとしていらっしゃる局はどれぐらいあるんでしょ
うか。
#84
○政府委員(木下昌浩君) 私どもは、全国のテレビの事業者の皆さんが文字多重放送の免許を受けてこういった事業をやってもらいたいというふうに考えておりますが、今度の再免許の際にも私どもとして要請してまいりたいと思っておりますけれども、現在の時点で具体的、積極的にこれをやっていこうというところは、手を挙げておるところはないという状況でございます。
#85
○常松克安君 それはそれとして、これより鋭意努力していただくといたしましても、問題は今度は放送を受ける場合であります。
 大体テレビといいますのは、今局長がおっしゃったようないろいろな制度上の問題だとか、なぜ電気が流れて、電波が流れてこんなに画面が美しく映るんだろうかと構造、制度上を理解して使っている人は一人もいないわけであります。ぱっと映る、ああいい、こういうことであります。
 としますと、明確に受信という立場においてどうしてもこれは十万円負担がかかってくる。これは縦割り的なことからいきますと厚生省というふうな面もございましょうが、私が先ほど申し上げましたように、放送と受信というものがワンセットで行政面でこの法律を施行していくということが本当の効果が出るんではないか。
 郵政にはそういうふうに対応してあげるような、バックアップしてあげるようなお金ございませんかな。
#86
○政府委員(木下昌浩君) ただいまお話しのとおり普通一般のテレビに比べますと多額の経費がかかるわけでございますが、いずれにしても、聴覚障害者の皆さんにとってそういった放送の利用を促進していくというためにはやっぱりテレビの受信機の普及を図ることが重要なことでございます。
 地方公共団体の一部におきまして、受信機の購入につきまして助成をされているところもあるようでございますが、郵政省におきましては、財政事情もこれありでございまして、さしむきでございますが、この字幕放送サービスの拡充に取り組むということにしているわけでございます。
 それを通じまして、字幕放送が拡充することによって機器の普及が図られればなというふうに思っているところでございます。それがまた機器の価格の低廉化に結びつくということも考えられると思うわけでございます。そうなりますと聴覚障害者の文字放送受信機の取得の促進にも資するものと期待をしているところでございます。先ほど言いましたように、一つの悪循環とでも申しますか、財政事情からさしむきこういう点から入らせていただきたいというふうに申し上げているところでございます。
#87
○常松克安君 一面ごもっともに聞こえるわけでありますが、いま一つ立場を変えますと、電電公社時代、電話を引くのには電話債券を買ってもらった。それが今日百二十三億円睡眠電話債券としてプールされ、いろいろな形でこれを通信基盤、いろんな普及ということでお使いになっていらっしゃる。
 ところが、これがまたおもしろいことで、後ほどの論議になりますけれども、電話債券買った人が十年間忘れていた。今NTTさんに預かりですが、あとまた十年を待つ、そしてまた権利消滅しないで、あと五年を待って完全に権利消滅として集まってきた金が百二十三億。ところが、二十五年間待つものですから、けりは、平成十九年によって逆算する二十五年が全部精査できるわけです。まあそんなことはきょうの論議じゃございません。
 いずれにいたしましても、百二十三億円というものの利子で今日福祉電話をはい何機、あるいは身障者のファクシミリにはい何台、こういうふうに実効あらしむるようなところできちっとお使いをいただいて、まことに結構な処断でございますというふうに、例えばです、こういうふうなところの中からの知恵というものを発揮をしていった対応というのがあってしかるべきではなかろうかと、知恵です。というふうなことを感じてまいりました。
 今そのように言うならば、これは十万ですから、二十九インチという内蔵型、これでいきますとプラス三万前後の金額で買い求められます。当初この問題が出ましたときには、各電機会社も一斉に小さなインチのテレビもつけたんですけれども、鳴り物入りで行政の指導を受け、大事なことや、その方々に贈り物しようと企業も乗ったんですけれども、余り販売というものがうまくストレートにいかなかった。逆な言い方をすると、買うてみても、多重放送を活用する番組、ドラマ、報道が、いろいろ聞きたい、ああしてもらいたい、こうしてもらいたいというものでははない。そういうちょっと時代の早乗り的なところもあったんでしょうか、それがうまくいかなかった。それでやめちゃった。二十九インチのテレビだけは内蔵している。
 とするならば、金額は十万というものではないんでありますから、そういうふうなことのあれにおきまして、百二十三億円の五%で回してもこれは六億何千万であります、年間。とするならば、今それはそれなりの目的があって動いていらっしゃるわけですから、これを繰り込むにはいろいろな問題がございましょうけれども、先ほどから申し上げるように、発信も受信もワンセットの行政として、郵政が国民生活、そして電波を皆さんに、少なくとも放送電波は公共と位置づけられたためにおいて、こちらの方にはそれが思うようにいかない、こっちにはいい、それぐらいは自分でと、これは少し私は置かれている基準というものが違ってくるんじゃなかろうか。
 少なくとも、もう五十歩百歩譲って、もしもこういうふうなことになるんでしたら、厚生省がそういうふうな貸与の機械の中に組み込んでいってもらうことによって、郵政もこうするから両方相まって促進ができる。厚生の方は、いやそれほど聞かれましても金がありませんので、もっともっと優先順位の大事なことが先立ちまして、そんなテレビを見てもらって、それをちょっと貸与するというようなところへいきません、後でそう言われるんでしょう。わかっております。こういうふうなことでは、結局行政の縦割りのひずみを、せっかく楽しみにしていたその人たちが、いい法律ができながらまたこれがいけないんじゃないかな、こういう嫌いがある、こういうことでございます。
 ですから、この辺の実態というものを再度厚生省とお詰めになるなり、あるいはまた百二十三億円の原資がどうなりますか、それはそちらの決断でございますから、そういうふうなことのタイアップとして、テレビの構造をわかって利便するんじゃなく、あくまで発信と受信と両方相まった両立の上に立ってこの法律の行政効果が上がるということをもう一度確認しておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#88
○政府委員(木下昌浩君) ただいま御指摘のとおりだと思います。発信と受信双方の対策が必要であろうという点についてはそのとおりだと思います。しかしながら、お金の面においてなかなか私ども十分な措置ができないものですから、これでささやかでございますが呼び水にしていきたいということでございます、先ほど申し上げたとおりでございますが。
 それからまた、機器の低廉化なりあるいは生産の問題につきまして、メーカーにはメーカーとしていろいろ言い分があろうかと思うんでありますが、私どももメーカーの皆さんとも意見交換の場も持って、放送事業者も含めてどういう問題があるのかいろいろ検討をする場を持ちたいというふうに考えているところでございます。さらに、他省庁との問題につきましても、関係省庁と緊密な連絡をとってやっていきたいと思っております。
#89
○常松克安君 厚生省、緊密に連絡をとってこれからやりたいんですと。
 そういう方々の生命と財産と人間を守ろうということの看板を上げていらっしゃる厚生省、いまひとつ立場を変えまして、どうしても御不自由していらっしゃるのは公衆電話です。そこへ入るところの場所がない、少ないものですから。そうい
うこととて、あわせてそちらにお聞きするというと、まあぜいたくだというような感覚で受けとめられるかもしれませんが、そうじゃございません。携帯電話の現場支給の対応というもの、これを皆さんがどうしても必要だというふうなことで、希望というものを現実にしたい、こういうふうに言っていらっしゃるんですが、それに対して厚生省、どうでございますか。
#90
○説明員(松尾武昌君) 現在、身体障害者の方々に対します器具、用具の給付につきましては、一つは補装具という制度がございまして、これは大体二十種類ほど給付してございます。それから日常生活用具でございますが、これは三十七種類給付してございます。肢体不自由あるいは視覚障害、聴覚障害者等各障害者の方々に、一番緊急を要するもの、あるいは団体の要望が強いもの等を調整いたしまして、毎年大体一種日程度は伸ばしていっている状況でございます。
 先生御指摘の携帯電話でございますが、私どもが承知しているのは、一つはそういう場所の問題と、それから脊損の障害を持った方々等が非常に必要だという要望を聞いている状況にございます。先ほども答弁いたしましたが、予算を獲得してこの制度の中に盛り込んでいくという制度でございますので、いろんな団体の方々、あるいは緊急性を要するもの、そういったものを総合的に調整して順次取り入れていくということでこの制度の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
#91
○常松克安君 じゃ、少しお約束の時間を短縮させていただきます。
 どうかひとつ、一日も早くそういう方々の、要望じゃなく生きる心の叫びであると心にとめて、全力を挙げて対応してください。それで大蔵省がごたごた言ったら私も行きますから、どうぞお使いください。以上。
#92
○下村泰君 私は、この三年間、きょう取り上げておりますこの法案、字幕放送問題を集中して、関谷、深谷、渡辺、そして小泉大臣と四代にわたって十数回取り上げさせていただきました。
 当初の郵政省のお考えからこのような法律案ができるとは正直思っていませんでした、あのころのお話の内容では。ただ、もともと郵政省というところは驚いたことに厚生省よりもいいことをやっていることが多々ありました。これにはびっくりしました。おかげさまで、この委員会に出ることによりまして、決算委員会では点字絵本の郵送無料化でありますとか、あるいは点字の内容証明、これも採用いただきました。まことにありがとうございました。一応お礼は申し上げておきます。
 そこで、昨年五月二十八日に当委員会で字幕放送の必要性を確認させていただきました。そのとき厚生省は、「聴覚障害者がテレビ番組を楽しむことができ、また情報をリアルタイムで入手できるものであることから、非常に大事なことであると認識しております。」、これが厚生省。通産省は、「聴覚障害者の方々もこのようなメディアを不自由とすることなく利用する上におきまして、字幕放送というのは極めて重要な役割を果たしているものであるというふうに認識いたしております。」、これが通産省。郵政省は、「テレビジョン放送が国民生活に密着したメディアとして社会生活に大きな役割を果たしている今日では、字幕放送は聴覚障害者にとりまして、番組の内容をよく理解したり、よく楽しんでいただく上で必要不可欠なものだというふうに考えておりまして、そういう意味で考えますと、現実には十分に字幕放送が行われていない状況でございますので、聴覚障害者がテレビジョン放送の効用を十分に享受できるような施策を展開する必要がある」、こういうふうにお答えになっている。
 この認識はその後も変わっていないと思いますが、その前提で伺いますが、アメリカのデコーダー法のような法律が現実にでき、技術的にもコスト的にもクリアされたとしたら字幕放送の拡大にはかなり有効だと思うんですが、どうお思いになりますか。郵政、厚生、通産、お答えください。
#93
○政府委員(木下昌浩君) アメリカのデコーダー回路法につきましては、本年の七月一日に発効の予定だと聞いておりますが、御承知のとおり、十三インチ以上のテレビジョン放送受信機につきましてはデコーダー回路を内蔵しなきゃならないというのが中身でございますけれども、仮に我が国において同様の制度を導入した場合には、確かにほとんどの受信機で文字放送が受信できることとなりますので、受信機の価格の低廉化も期待できますし、聴覚障害者が放送サービスを享受するのに良好な環境が整備されることになろうと思います。同時にまた、放送事業者も字幕放送を行いやすい環境が整備されることになろうというふうには思います。したがって、先生御指摘の点はかなりそれなりに有効な措置であろうと思います。
 しかしながら、日本の文字放送は、日本語の特性によりまして、米国の方式と比較しまして複雑とならざるを得ないというふうに言われております。現在の技術では、文字多重放送の受信機能の内蔵によりまして一定の価格の上昇が生じるということに相なるわけであります。したがって、義務づけをすればこれをすべての消費者に負担させるということになるという問題が生じるわけでありまして、この点について広く国民の理解を得ることが必要であろうと思います。そういう意味で、デコーダー法の導入につきましては今後一層の検討が必要であると考えるわけでございます。
#94
○説明員(松尾武昌君) アメリカのデコーダー法を日本に導入する条件あるいは問題については郵政省の御答弁のとおりでございますが、これらの問題を解決し、アメリカのテレビデコーダー法と同様の法律が日本でも制定されるという前提で考えますと、聴覚障害者の福祉の増進に寄与し、字幕放送の改善につながると考えております。
#95
○説明員(吉田高明君) 文字放送用のデコーダーの設置を義務づけ谷ことにつきましては、現在我が国では十分に放送が行われていないことのほかに、デコーダーの内蔵に伴う価格上昇という問題がございまして、機器を購入する一般消費者の負担を増大させるといった問題があることは御承知のとおりでございます。文字放送の実施時間の増大に伴いまして内蔵型テレビの需要が高まってまいりますれば、むしろ各製造業者自身が自主的に内蔵化を進めていくのではないか。私ども通産省といたしましてもデコーダーの内蔵化につきまして業界に対して要請をいたしております。
 ちなみに、先生の御指摘を踏まえまして要請を行いました結果、ことしの秋から二つのメーカーにおきまして普及価格帯の二十一インチのものを販売していくというようになっております。
#96
○下村泰君 その件についてまだいろいろと疑問がありますけれども、このお答えはこのお答えとして聞いておきます。
 NHKさんに伺いますが、聴覚障害者のコミュニケーション手段と福祉サービスの利用に関する実態調査、これは国立身体障害者リハビリテーションセンターで実施しているんですが、その中で情報保障のための福祉サービスに対する希望について調べている。最も希望しているのは字幕つきテレビの放送なんです。そのことを改めて申し上げておきます。
 私は、この字幕放送が拡大普及できないのは悪循環があるためで、それを断ち切るにはそれぞれの問題、それぞれの省庁が一斉にこの問題に立ち向かわなければならないのに、その努力が足りないと思うんです。努力が足りないでいて、難しい、できない、これを繰り返しているだけだと思うんです。
 そこで、具体的に伺いますが、NHKの教育テレビの字幕放送は、聴覚障害者の子供たちからの要望の大きさ、さらには生涯教育、高齢者の聴覚障害者の増加を考えますと、どんどんこれは率先していくべきだと思いますが、どういうふうにお考えでしょうか。
#97
○参考人(中村和夫君) 先生からたびたび字幕放送については御指摘いただいておりますが、御承知のように、六十一年に総合テレビで三番組五時間でスタートいたしまして、七年かかって今年度
九番組十一時間二十八分というところまで持ってきております。このようにできるだけ公共放送として御要望にこたえようとしておりますが、字幕放送、文字放送の複数系統化については、まず基幹放送である国民生活に必要不可欠な情報をお伝えする総合テレビで拡充に努めるべきだということで、今総合テレビにまず力を注いでいるというのが現状でございます。
#98
○下村泰君 そうすると後の質問がしにくくなるんですけれども、せっかく川口会長とお会いしたときも、川口会長は率先しておやりになるというようなお答えをいただいたんです。放送大学でも実施されておりませんし、衛星放送、ハイビジョンでもまだはっきりした見通しがついていないというふうになりますけれども、これは今後どうなりますか。今後どういうふうになっていきますか。
#99
○政府委員(木下昌浩君) ただいま放送大学の点についてのお尋ねでございます。放送大学は字幕放送を行っていないわけでありますが、その理由といたしましては、字幕によって大学教育の講義内容を正確に伝えるというのが非常に難しいということの説明を放送大学から受けているところでございます。しかしながら、趣旨としましては、郵政省としましても聴覚障害者の方々のための教育の機会を拡大するということは重要な課題であると認識しておりますし、今後文部省とも連絡をとりながら、放送大学に対しまして聴覚障害者の方々のための字幕放送など可能な施策について検討されるよう要請していきたいと思っております。
#100
○下村泰君 政府提供番組で、ことし七月から郵政省の「ふるさとニッポン」という番組で字幕がつくんだそうですが、総理府が全体の窓口のようですけれども、大体、聴覚障害者、高齢者問題に最も関係のある厚生省がこういう当然の配慮について極めて不十分な対応しかとれていないということは、一体どういうことなんでしょう。郵政省が始めたにもかかわらず、一番身近な厚生省がこういうことをしないというのはどういうことなんですか。
#101
○説明員(松尾武昌君) 厚生省関係政府提供テレビ番組については一部手話通訳をつけているという状況でございます。先生からも御指摘がございましたので、今後、手話通訳つき番組の拡大には早速努力をしてみたいと思っております。
 字幕放送番組につきましては、技術面、コスト面、予算面等もございますので、今後十分検討して対処していきたいと思っております。
#102
○下村泰君 今、一部手話通訳とおっしゃいましたね。確かにそれは手話通訳も必要です。けれども、途中難聴者がいますね。人間、余り年なんかふえたくはないんですが、どうしても向こうからやってくるからしょうがない。だんだん年寄りになっていきますと、老齢難聴ですね、年をとるために耳がだんだん聞こえなくなるという方がいらっしゃる。こういう方は手話通訳を使わないんですよ。こういう方々が今非常に多いんです。いわゆる障害者手帳を持っているという難聴者よりも、下手すると、こういう老齢のためとか、病気のためとか、あるいは薬害のためにお耳が聞こえなくなる方が多いです、その方の数の方が。これはもう厚生省が一番よく御存じなんです。
 そういう方は手話は余り好きにならないんですね。どっちかといえばしゃべっている方の要約した文字を見たがる。今実際に文字を速く打つ技法も出てきている。ところが、私が今しゃべっているとおりの速さで文字がずっと出ていくと、今度読むことができないんです。目がついていかないんです。目がついていくための訓練というのはあるんです。あるんだけれどもそんなことは全員ができるわけない。そうしますとやっぱり要約したものを読まなきゃならない。こういうことがありますので、厚生省もここのところはよく考えてほしいと思います。
 最後に、ほかのこともまだたくさんお聞きしたいんですが、もう時間が迫っておりますので最後にいたします。
 大臣、例えばお耳の不自由な人がいますね、このお耳の不自由な人というのはお耳を聞こえるようにしてあげれば障害者じゃないんですよ。それから目の不自由な方には目のかわりになることをしてあげればこの方はもう障害者ではないわけです。足の不自由な方には足のかわりになるものがあれば障害者ではない。こういうふうに考えていきますと、例えば聴覚障害を補うシステムを持てば障害者も障害者でないんですから、こういうふうに考えていただきたいと思います。
 アメリカでは難聴者は二千百万人、人口の八・八%と言われています。デコーダー法が導入される以前は、字幕デコーダーというものは三十万から五十万台しか普及していなかったそうです。このデコーダー法ができてから一挙に年間二千万台すべてそれを義務づけたというんです。日本では、文字放送は現在わずか八十万台ということになっている。これは技術、コストの問題だけではなくて、今申し上げたように、郵政省がそういうふうな立場に立ってお考えくださればこういう問題は私は一挙に解決できるんじゃないかと思います。こういう方々に関する予算というのはそれほど高額なものじゃないと思います。そして、先ほどおっしゃったように、民間のそういったテレビをつくる会社に通産省としても援助してくだされば幾らでもできるはずだと思うんです。
 こういうことに対して、大臣のお答えを一言お聞きして終わりたいと思います。
#103
○国務大臣(小泉純一郎君) この法案を契機として、各方面の方々の理解と協力をいただいて、障害者の利便に供するような、また利用しやすいような通信・放送関係の整備に一層取り組んでいきたいと、そう考えております。
#104
○委員長(野別隆俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 及川一夫君から発言を求められておりますので、これを許します。及川一夫君。
#107
○及川一夫君 私は、ただいま可決されました身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 人にやさしい情報通信社会を実現するために、放送事業者、電気通信事業者の理解と協力を得つつ、身体障害者、高齢者等が主体的に各自の役割を果していくための環境整備を行っていくこと。
 一 本法事業の推進に当たっては、身体障害者、高齢者等の意向が十分反映されることとなるよう配意すること。
 一 字幕番組等の制作環境を充実させるため、制作能力の向上等につき必要な方策を検討すること。
 一 身体障害者、高齢者等の日常生活の利便向上に資する福祉型情報通信システムの開発の促進に努めること。また、利用の拡大を通じて機器・システムの低廉化を図り、利用者の
  費用負担の軽減を目指すこと。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#108
○委員長(野別隆俊君) ただいま及川一夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、及川一夫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉郵政大臣。
#110
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#111
○委員長(野別隆俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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