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1993/05/25 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第10号
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1993/05/25 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第10号

#1
第126回国会 逓信委員会 第10号
平成五年五月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野別 隆俊君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                及川 一夫君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                沢田 一精君
                志村 哲良君
                中曽根弘文君
                大森  昭君
                川橋 幸子君
                中尾 則幸君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                鶴岡  洋君
                鈴木 栄治君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
       郵政大臣官房人  加藤豊太郎君
       事務長
       郵政省貯金局長  山口 憲美君
       郵政省簡易保険  江川 晃正君
       局長
       郵政省電気通信  白井  太君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
   説明員
       人事院事務総局  石橋 純二君
       任用局企業課長
       大蔵省理財局国  乾  文男君
       債課長
       大蔵省理財局資  中川 雅治君
       金第一課長
       大蔵省証券局証  山本  晃君
       券業務課長
       大蔵省銀行局総
       務課金融市場室  小泉 龍司君
       長
       大蔵省銀行局銀  北村 歳治君
       行課長
       大蔵省銀行局保
       険部保険第一課  西川  聰君
       長
       農林水産省経済
       局農業協同組合  小林 芳雄君
       課長
       水産庁漁政部協  二木 三郎君
       同組合課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案については既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○川橋幸子君 法案の質問に入ります前に、これまでの委員会で質問させていただいた事項について二、三確認させていただきたいと思います。
 まずその第一点は、審議会委員等への女性の登用について、前回は二月二十五日に質問させていただきました。わずかまだ三カ月ということでございますのでそう目に見えた改善というものはないのかもわかりませんけれども、このほど総理府の方が国全体の数字を発表しておりまして、国全体としましては女性のいない審議会が二・八ポイント少なくなった。いるところがふえたということですね。それから女性委員比率、こちらの方は国全体としても遅々としておりますが、前回に比べて〇・八ポイントふえまして、ようやく一割を超えたというこんな数字が発表されております。総理府の方は年一回ではなくて年二回ずつ集計しましてフォローアップしたいという、こういう姿勢のようでございますので、前回の質問から時間は短うございますけれども、その後の郵政省の方の四審議会一審査会の御様子を伺わせていただきたいと思います。
#4
○政府委員(五十嵐三津雄君) 郵政省の審議会四つと審査会一つ、今五つのいわゆる審議会等があります。お尋ねいただきました二月二十五日の時点で私回答させていただいておりますが、当時は八十三人の審議会の委員の先生のうち十名が女性の先生が登用されておりまして、一二・一%でありました。
 その後、四月一日に電気通信技術審議会の委員の任期満了に伴いまして新たに女性の委員一名が登用されておりますので、そういう意味では拡大をいたしております。八十三名中十一名ということになりまして、その比率は一二・三%ということに拡大をされております。
 ただいま先生からお話のありましたとおり、国全体としては一〇%程度でございますので、当省の関係はこれを上回っており、進んだ姿勢で取り組んでいるものというふうに思っておりますが、私どもとしましては、平成七年度に国として一五%という目標がございますので、それに向かいまして今後とも女性の登用について積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#5
○川橋幸子君 短期間でございましたけれども改善方、御努力いただきまして大変ありがとうございました。なお、電波監理審議会の方は女性の方がまだ登用されておりませんので、前回の大臣の御答弁で委員の任期満了時に考慮したいというそういうお話をいただいておりますので、引き続き改善方、御努力いただければありがたいと思います。
 それでは二点目の、以前質問しましたことのその後の様子を伺わせていただきたいことは、外務非常勤職員の方の本務化を希望していらっしゃる方の試験制度について改善方をお願いしたわけでございますけれども、その後の省の方の対応を伺わせていただきたいと思います。
 ことしは景気が悪いせいでございましょうか新規採用手控えというような状況がございますので、郵政省の方でもそれほどお困りになっていらっしゃらないというか、逆にむしろ応募者が多くなっていらっしゃる状況、採用が困難だという状況ではないのかもわかりませんけれども、逆に言いますと若い人たちの就職戦線に対する懸念というのも出てきているわけでございます。
 前回、三月二十六日に質問させていただきましたときに大臣の方から、経験、知識、人柄などいろいろ加味して、余り知識偏重にならないで総合的に判断するようなそういう試験制度を検討してくださるというふうにお答えいただいておりますが、いかがでございましょうか。
#6
○政府委員(加藤豊太郎君) 先生御指摘ありましたように、前回、大臣から、余り知識偏重にならないで総合的な判断が必要じゃないかというふうなお話があったわけであります。私どもそれを受けまして、その後、知識偏重になっていないかどうか、それから改善の余地がないかどうか検討してみたわけでございますけれども、現在の筆記試験は、この前も申し上げましたけれども、一般常識を問うものであって、V種試験に比べても著しく平易なものである、また、お客さんに的確なサービスを提供するような職員を確保するためにはこの程度の筆記試験がぜひ必要であると考えておるわけであります。この筆記試験とあわせまして、面接試験の結果もあわせて総合的に勘案していくというところが妥当なやり方ではないかというふうに考えているわけであります。
 なお、先生お話がありましたところの、非常勤職員として勤務したことのみをもって常勤職員の採用を有利にするという制度は、国家公務員法上の平等取り扱い原則というふうな原則からして取り入れられないのではないかというふうに思うわけであります。
#7
○川橋幸子君 御検討いただいたけれども現在の制度が適当だと、そのような御判断と伺いましたが、私も前回この件に関しましては、関係労働組合が長期にわたって非常勤の職員で一生懸命頑張っている方々が試験に合格しやすいようにセミナーを開いておる。たまたま大阪の方に参りましたのでその実地に出くわしてまいりました。それを拝見しましたら、参加費は本人が出すわけでございます。そういうセミナーなんでございますけれども、非常にまじめにやられているというその実際の光景を見まして、非常に意欲のある長期勤続の非常勤の職員の方がいらっしゃることをさらに痛感したわけでございます。
 例えば、仕事が終わってから夜やられるわけでございますけれども、ちょっとでも遅刻するともう部屋に入れてもらえないというぐらいぴしっと規律のあるセミナーをやっておりまして、中の講義科目も、実務というんでしょうか、実技というんでしょうか、作文の論理的な言葉遣いなりあるいは文章のまとめ方、起承転結とかいうことですね、非常に懇切丁寧ないい先生もおられたようでございまして、やっておられました。
 それで、今の部長のお答えでは今のままでよいというようなお話なのでございますけれども、私としましては、やっぱり職務能力のほかり方というものは、経験したのみのことだけではかるわけじゃございませんけれども、経験というのは非常に大きな重みを持つんじゃないかと思うわけでございます。国会の中でも、政策担当秘書が採用される場合には経験を非常に重視するようなそういう選考方法があるわけでございます。そのことを重ねて郵政省の幹部の皆様方に御認識いただきたいと思うわけでございます。
 そこで、人事院の方お見えでいらっしゃいますでしょうか。郵政省の今回の採用試験の制度がどうこうということではなくて、一般論としてお伺いしたいわけでございます。
 一般的な国家公務員の採用の方針というのは試験制度が大原則と思いますけれども、場合によっては選考採用ということも認められていると思うのでございますが、いかがでございましょう。
#8
○説明員(石橋純二君) お答え申し上げます。
 国家公務員の採用につきましては、国家公務員法の定めるところによりまして先生ただいま御指摘のように原則として競争試験によるとされておりますけれども、人事院の競争試験の行われていない官職もございます。そういう官職につきましては、任命権者が任命権者の定める選考基準によりまして選考によって採用することができるとされております。任命権者がこの選考を行う場合には、人事院規則八―一二第四十四条によりまして「選考される者の当該官職の職務遂行の能力の有無を選考の基準に適合しているかどうかに基いて判定するもの」とされておりまして、任命権者におきましては「必要に応じ、経歴評定、実地試験、筆記試験その他の方法を用いることができる。」とされているところでございます。
#9
○川橋幸子君 どうもありがとうございました。
 人事院規則の方をお読み上げいただいたわけですが、ここの中の文言で重要なことは、当該官職の職務遂行能力の有無を判定する、そういうときには必要に応じてむしろ経歴を評定したり実地試験、筆記試験でも結構でございますけれども、そういうその他の方法を用いることができるということでございまして、職務遂行能力の判定の中には経歴評定ということが第一番に出てくる、そういうことの文言であるわけでございますね。
 そのあたり、かつては世帯の大きい郵政省の中で縁故採用が非常に多過ぎるとかさまざまな事情もあったのかもわかりませんけれども、現在、私もペーパーテストをなくしてくださいとそこまで申し上げているわけではございませんで、必要に応じまして経歴評定やらあるいは実地の経験などが生かされるような、そういう御検討をいま少しお考えいただけないものかどうかお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(加藤豊太郎君) 先ほど人事院からお答えがありましたように、選考方法として経歴評定等の方法が規定されておるわけでありますけれども、選考であったとしましても、私ども国家公務員法の先ほど申し上げました平等の原則というふうなものを貫かなければならないわけであります。
 この選考の方法として経歴評定を行う場合には、前歴の評価基準が平等原則に照らしまして合理的なものであることが必要だということですが、一般的に選考対象者の数がそれほど多くないときにはこういうふうなことが可能であるわけでありますけれども、私ども郵政外務員の採用試験のような場合に、非常にたくさんの応募者を試験にかけるわけでありまして、そのときに、非常に多様でなおかつ大量な受験者の前歴につきまして合理的な評価基準を設定し、それに基づいて平等に評価するというふうなことが技術的に困難だということから、先ほど申し上げましたようなことでやっておるということでございます。
#11
○川橋幸子君 これ以上お話し申し上げてもきょうのところはいいお返事がいただけないようでございますけれども、たまたま現在総合経済対策の追加が出るぐらいに不況だということもあるかと思いますのでも、長期的に考えますと、高齢化社会の到来というのは働き手が少なくなる、そういう社会でございます。
 なかなか聞き届けられないとは思いますけれども、合理的な方法というのは何なのか。国情が違うといえばそれまでかもわかりませんけれども、例えばヨーロッパ、アメリカの方では、欠員が生じた場合にはその中で働いている期間の長さをもって優先順位が出るわけですね、空席があった場合には。また逆に言えば、解雇のときも先任権ということが保障されまして、雇用調整があったとしましても空席が出ればまた帰れるというようなことがございまして、やはり勤続というんでしょうか、既得権というだけではなくて、そこで非常に経験というものが生かされる、そういう人材の使い方ではないかと思いますので、きょうのところは残念でございましたけれども、私個人の希望だけは強く申し述べさせていただきたいと思います。
 過去の質問とは関係ないのですけれども、職員の方の御質問をしましたついでに、私の個人的な趣味の問題と思われるかもわかりませんけれども少しお伺いしたいことがあります。
 といいますのは、さきごろ逓信記念日の表彰式が行われました。私どももお招きいただきまして、大変華やかで和やかなものが行われておりまして、私も皆様方と喜びをシェアさせていただいたような気になったわけでございます。
 その際ちょっと気になりましたのが、表彰式典の壇上で最後に被表彰者を代表されまして答辞を述べられた方がおいででございました。この方がたまたま外務の職員の方でいらしたのでしょうか制服を着用しておられたわけでございます。あの日ほかにも御出席の方がいらっしゃると思いますけれども、大臣の介添えというんでしょうか、さまざま賞状を持って多かれる若いお嬢様、振りそででとてもきれいでいらっしゃる、ホテルの雰囲気にぴったり合っておられたわけでございますね。大臣の方は平服で、ダークスーツでおいででした。それで答辞を述べられる方が制服で、何となくアンバランスな感じがいたしたわけでございます。
 表彰を受けられる方が御自分の好きな似合ったスーツで来られたらよかったのにと思ったのが私の個人的な感触でございました。別に何を着てこいということで強制なさっているとは思われないのでございますけれども、何かもう少し自由度のあることを御配慮いただく、そういうことが雇用管理の一番の基本ではないかと思うのでございますが、これは部長でございますか、よろしくお願いいたします。
#12
○政府委員(加藤豊太郎君) 先生御指摘のとおり、先般の逓信記念日の中央式典の受賞者を代表したところの郵便外務の職員が制服を着ていたわけでありますけれども、中央式典の受賞者の服装につきましては、私ども平服とするということで周知しております。たまたまさきの逓信記念日において答辞をした職員が制服を着ていたわけでありますけれども、これは本人の意思によるものでありまして、日ごろの仕事ぶりが評価されたということの喜びが制服着用にあらわれていたんじゃないかと思います。
 現に、同じような式典を各ブロックでやっておりますけれども、そこでも制服を着た職員が答辞をするとか平服の職員が答辞をするとか、いろいろばらばらでございます。
#13
○川橋幸子君 自由になさっていらして、なお御当人が非常に制服に誇りを持って御着用なのかもわかりませんけれども、ですが、ずっとやっぱり制服で出るのが慣例になってきている、会場式典の場合は。本人が着なければいけないと思い込んでいるということがないのかなというのが心配でございます。伺いましたら、やっぱりホテルに来るので入り口まではスーツを着てこられる、制服の方は持ってこられるらしいのですね。
 制服に関してはいろんな効用があるわけでございますけれども、例えば消防の方とか警察の方なんていうのは礼服というものまでお持ちなところがございまして、やっぱり普通の制服というのは、何というか、仕事で拘束されるような時間、こんな感じもいたしますので、強制されたということはないとは思いますけれども、ちょっと平服でいいんだよというような一声かけてあげればもっと気楽に御自分の好きな服装で出られるような気がいたします。要らぬ老婆心がもわかりません。よろしく御配慮いただきたいと思います。
 それでは、本題の法案の質問に入らせていただきます。法案の質問といいましても、まずまた質問に入ります前にどうしても私は意見が言いたくなってしまいます。ちょっと時間を食って恐縮でございますけれども、一点だけ述べさせていただきたいと思います。
 今回の法案改正の第一点に、財形貯蓄の貯蓄限度額を五百万から五百五十万に引き上げる、こういう改正のポイントがあるわけでございます。これは例の老人マル優問題と同時に税制改正の中で決まったことでございました。直前までは五百万が一千万ぐらいになるのではないかと言われているときに、五百五十万、五十万アップにとどまったわけでございます。
 いろいろ申し上げたいことはたくさんあるのでございますけれども、簡単に私の気持ちを言わせていただきますと、不満ということだけ申し上げさせていただきたいと思います。これから減税問題等々の景気対策の話も出てくるわけでございますし、政府税調の方でもお話が進むんだと思います。住宅につきましてはやはり勤労者の資産形成、安定した家庭生活を営む上で非常に大きな要素でございまして、結果として老人マル優のアップ類が小さかったことに引きずられたような、それは否めない事実だと思います。将来このようなことにつきましてもまたいい展望が開ける、そういうときが来ますことを希望しておりまして、今回はこの限度額アップに不満という気持ちだけ、恐縮ですけれどもこの場で表明させていただきたいと思います。
 さて、それでは質問に入らせていただきます。
 定額貯金の金利設定方式が昨年暮れ郵政省と大蔵省の間で合意されまして、この新ルールが今回の法案改正をもちまして実施に移されるわけでございます。この新ルールによりましたときに、どの程度の金利水準になると予想されているのでございましょうか。
#14
○政府委員(山口憲美君) 定額貯金の金利につきましては、いわゆる一般の市場金利の動向に配意する一方、もう一つは民間の金融商品全般の金利水準を勘案して決定することとしておりまして、利率決定に当たりましては、個人貯蓄分野において資金シフトが生じないようにというふうな点についても十分配慮するというふうなこと、こういったことを眼目としているところでございます。
 また、これを実効ある措置というふうなことにするために、金利水準につきましては、郵便貯金の預託利率と密接な関係のございます国債の金利水準でありますとか、あるいは郵便貯金の主要な競合商品であると思われます民間の定期預貯金の金利との間に大まかな目安というふうなものを設けまして金利の設定をすることといたしまして、またこの利率でありますとか預貯金金額に関する計数につきましても、大蔵省それから郵政省両省で情報の交換等をいたしまして、モニターを実施するというふうなことになっているのが概要でございます。
 さて、そこで今お尋ねの点でございますけれども、今回自由化される競合商品でございます定期預金の金利というものがまだないというふうなことで、その動向が明らかでございませんので確定的なことを申し上げるというふうなことはできませんけれども、今回のこうした合意内容を総合的に判断いたしますと、定額貯金の利率はおおむね現在と同じ程度の金利水準というふうなことになるのではないかなというふうに思っております。
#15
○川橋幸子君 金利水準が六%を超える場合と通常の場合によりまして、両省合意による算式の重点というんでしょうか、重要視される計数が変わってくるということでございますね。
 今回の場合は六%を超えるような高水準じゃないですから、AとBとケースがあって、Bが高水準の場合ですとAの方の公式が当てはめられる。なおかつ、国債の方のクーポンの利率ではなくて、スーパー定期等がある場合に短期の方が重視されるというわけですね。クーポン利率マイナス五%ではなくて、もう一つの目安、スーパー定期等の〇・九五掛ける、こちらの方の金利が重視されると。ちょっと聞き方が要領が悪くて恐縮でございますけれども、局長の方からもうちょっと適切にお答えいただければありがたいと思います。
#16
○政府委員(山口憲美君) 先ほど目安というふうなことを申しましたけれども、今委員の御指摘のように、その具体的な目安の内容といたしましては、国債のいわゆるクーポンレートから〇・五マイナスするとか、あるいは競合すると思われる定期預金の三年物の金利の九五%にするとかというふうな一つの目安というふうなものを決めているわけでございますけれども、まずお断りしておかなきゃいけませんのは、これは一つのあくまでも目安ということでございまして、このほかに先ほど申しましたように一般の金利というものがあるわけでございます。そういった金利の動向と、また個々の定期預金の商品の金利というふうなものがどういう関係になっているかというふうなことも見ていかなきゃいけないということでございまして、そういったものを総合的に判断をいたしまして金利を決定するということでございます。
 その際、強いてお話がございました点に言及させていただくならば、金利が順イールドと申しますか、長期のものの方が金利が高いというふうな形になっているときには、定期性預金の金利の方にウエートを置いて見るということのケースが多くなるんじゃないかなというふうに考えているということでございます。
#17
○川橋幸子君 長期の金利が高いときには定期性預金の利率掛ける九五%、こちらの方に重きが置かれるということでございますけれども、前回両省協議を見ましたときに、私は本当に素人で頭の回りも鈍いものですから、この数式そのものよりも、郵政省の方で自信を持って預金者の利益がこれで擁護されるんだ、保たれるんだと、そういう郵政省の方の見解を信じておったわけでございますけれども、いつも五分引きとか、あるいはこれから高水準の場合というのは余りないのかもわかりませんけれども、高水準の場合には一割引きとか定期預金よりもいつも低目低目に抑えられてくる。何か下方でバランスをとるようなそんな印象があって、預金者に不利益ではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
#18
○政府委員(山口憲美君) お尋ねの九五%にするというふうな点についてちょっと御説明をさせていただきますと、現在の定額貯金と定期性預金の金利バランスというものは、民間の定期性預金の二年の金利と定額貯金の三年の金利とが等しくなっているという形でバランスをしております。したがいまして、定期預金ですと二年間お置きになれば定額貯金に三年置かなきゃならない金利が得られるということで、その面では定期性預金の方が現行でも有利になっております。
 それはなぜそうなっているかと申しますと、定額貯金につきましては途中で自由におろせるという流動性というメリットがございます。その流動性のメリットというものを勘案いたしましてそういった金利面での差が現在もついているということでございます。
 そこで、今申しました二年と三年のところでバランスをしていたものを今回三年のところで、三年と三年という形でバランスをさせようというふうに考えたときに、九五%というふうな形でバランスがとれるというふうに判断をしたものでございまして、この定期預金と定額貯金の金利バランスというものは従来のものが維持されているということでございます。ただ表現方法がちょっと変わってきているということでございます。
#19
○川橋幸子君 局長がもっともらしくお答えくださるとまた、そうがな、大丈夫かなというふうに思うのでございますけれどもね。
 でも、もともと私が個人的に思いますのは、郵貯への資金シフトというのは、郵貯が特段に何か恵まれた商品を国だからつくれたということではない、これは局長の御答弁をいつか伺ったことがあります。確かでございますね。むしろシフトというのは、私の感じは、景気が低迷しました。しかも、バブル経済の崩壊ということで非常に深く落ち込んだときに法人の銀行への預金が減った。それによってシェアが郵貯の方が上がった。個人だけで比べても、個人の方は銀行預金は低下はしなかったけれどもシェアは減った。やっぱり郵貯にシフトしたとおっしゃるのかもわかりませんけれども、それは個人の方の判断でございまして、バブル等に走った証券不祥事やら銀行やら、証券界、銀行全体がそうだとは申しませんけれども、やはりそうした銀行に対する預金者の不信というものがあったのではないかと思うんですね。
 いずれ不良債権も整理、処理されまして、それからリストラが進みまして銀行が経営を健全にすればそうした問題は解消される。そういう部分のシフト解消というのは大きなものではないかと思いますと、金利差をつけて極度の資金のシフトを回避するというのは何となくツケが預金者に回されたような気が今になって非常に強くなるのでございますけれども、そうだとはおっしゃりにくいかもわかりませんが、重ねて納得のいくお返事をいただけるとありがたいのですが。
#20
○政府委員(山口憲美君) シフトの問題についてお話してございますけれども、郵便貯金につきましては、このいわゆる預貯金の中でのシェアというのは三〇%というのがずっと続いておりまして、長期的に見ますとそのシェアは非常に安定しているということでございますが、今お話しございましたように、平成二年と平成三年のところでかなり大きな資金の増減状況に移動があった。すなわち、平成二年度につきましては郵便貯金につきまして五兆円ほど減ってしまったということでございますが、平成三年度になりまして十一兆ほどふえたと、こういうことでございます。
 その原因をどういうふうに考えるか、いろいろ御意見あろうかと思いますが、私どもといたしまして一番大きな原因と考えておりますのは、いわゆる規制金利と自由金利というものが混在していたということでございまして、金利が上昇局面になってまいりますといわゆる自由金利の方がとっとと先に進んでまいりますので、規制金利の方がどうしても低目になるということ、これが平成二年に起こった現象だと思っております。平成三年度につきましては、逆に金利が低下局面になりましたので、自由金利の方が先に走りまして規制金利の方が高どまりするというふうな形で、相対的に定額貯金が有利に金利面でなったということがこういう大きな原因になっているんじゃないかと思っております。
 そこで、こういうふうなことが原因であったというふうに考えますと、今回の法案を認めていただきまして定額貯金についても自由金利ということになりますと、いわゆる規制と自由金利というものの併存状状態がなくなりますので、基本的にはこういった現象というのはもうもはや起こらないというふうに私どもは見ているところでございます。したがいまして、先ほど御説明申しましたような形での金利の決め方ということで、大きく資金がシフトをするというふうなことはもうないのではないかと思われます。
 なお、先ほどもお話し申しましたけれども、この考える金利というのは、いわゆる一般の金利とそれから民間の競合する商品の金利と二つを見さしていただきますので、仮に定期性預金のものが著しく低いというふうなことになりました場合には、片方の要素が非常に効いてくるというふうなこともございまして、先ほどお話しございました、預金者にどうも割に合わないことになるんじゃないかというふうなことにはならないのではないかというふうに考えているところでございます。
#21
○川橋幸子君 いずれにしましても、あけて見なければわからない部分も多いのではないかと思います。そうした点では、月二回のモニター結果でもって金利を調整していかれるということでございますので、今後の綿密なフォローアップをぜひ郵政省の方にお願いしたいと思います。
 それから、大蔵、郵政両省の間での協議ということでございますから、その間でお決めいただけることでございまして、どういう理由でどうしてそうなったかという克明な情報開示までは求めませんけれども、どうしてこういう金利で設定されるのか、できる範囲で結構でございますので、預金者に教えてくださるようにお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。
#22
○政府委員(山口憲美君) 今回の自由化措置によりまして民間金融機関はいわゆる規制金利が廃止されまして、各金融機関がみずからの経営判断で自由にそのような金利を決定するということでございまして、そこで決定される金利というのは、いわゆる競争でありますとか資金需要を反映した形で金利が決定されるというふうになるわけでございます。そういった形で形成されました金利に対しまして、郵便貯金といたしましてはその市場を信頼をいたしまして、そしてその市場の実勢を反映した金利を設定していこうということでございます。
 そこで、ただいまお話しのように大蔵省と郵政省の間で、そういった民間の市場の実勢がどうなっているか、あるいは資金の状況がどうなっているかというふうなことにつきまして計数を交換してモニターを実施するというふうなことにしておりまして、そのためには民間の商品につきましてもその動向を速やかに把握する必要があるというふうなことでございまして、まずデータを民間の皆さん方にも出していただくということが必要でございます。そういったことをこれから大蔵省あるいは民間の金融機関にもお願いをしながら、そういった実を上げてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、私どもだけのデータではございませんので、そのデータの取り扱いがどうなるかということはいろいろ関係の方々とも御相談しなければいけませんけれども、利用される皆さん方になるべく納得をして利用していただけるような形に努めてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#23
○川橋幸子君 それではその点はよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、絶えず絶えず郵便貯金の使命あるいは郵政事業の使命というものを私はこのところ考えてきているのでございます。そこで、大臣にちょっとお伺いさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。
 三月二十六日の三重野委員への御答弁の中に、「私が在任中に郵便の民営化とか郵貯を民営化するなんということは一言も言っておりません。郵政事業の重要性も否定したことは一度もありません。」、大変私どもにとっては、族議員という意味ではないのでございますが、やっぱり郵政事業、郵貯の使命を考える者にとっては大臣のこの御答弁大変力強く感じたわけでございますけれども、この御答弁は今もお変わりございませんでしょうか。
#24
○国務大臣(小泉純一郎君) いろいろ民営化の検討は結構だと思います。また、郵政事業の重要性というのは、私何度も指摘しておりますように、これは多くの国民から信頼されている事業でありますので発展させていかなきゃならない。しかし、現在いいから将来いいという制度は、必ずしもそうなるとは限りませんし、いろんな意見があるんだったらそれは検討していい。
 しかし、もしも郵政事業を民営化するという場合になったって、仮にですよ、そんな一年や二年でできるわけないんですから、そういう意味において、いろんな意見があるのは結構ですけれども、また各界からいろいろ御批判いただくのは結構ですけれども、少なくとも私の在任中にそういう民営化をやるというものでもないというのが私の真意なんであります。
#25
○川橋幸子君 前段大変聞きほれていたのでございますが、しかしとおっしゃるとまた私もむくむくと気持ちが持ち上がってくるのでございます。
 そうした大きな制度改正というのは一年や二年でできるものではないから在任中にはできないものだ、それから、将来はどんなことが起こるかわからない、これは郵政事業に限らないことでございます。今政治の世界はそういう意味では大変不透明でございますし、これからの日本経済にしろあるいは日本の社会のありようにしろ、将来どんなふうに変わっていくか、非常に難しい転換点にあるわけです。
 そういうときに、仮にというお言葉が担当の大臣からお出になることに私は大変残念な気持ちになるわけでございます。仮定の話ではなくて、将来こうした方が日本の将来によい、生活大国を実現するためによい、そういう定見があって大臣の口からお話が出るなら私納得いたしますけれども、将来どういうことが起こるかわからない、だから仮にというそういう御発言は、私はちょっと大臣を尊敬するわけにまいりません。大臣、まだおっしゃりたいことたくさんおありかもしれませんが、私は私の意見ですのでこの場ではっきり言わせていただきます。
 そこで、今回は郵貯法でございますので、郵貯の使命というものを考えたいと思うのでございます。
 日本では非営利の貯蓄銀行というものがなくて、欧米にはあるそうでございます。それがなくて、小口の個人利用者の生活設計、生涯にわたる生活設計を貯金でもって賄っていこう、そういう国民の自助努力をサポートする、これが郵貯の使命だと私思っておりますし、そういう個人利用者の利益というのを確保するのにはやはり採算あるいは営利性というものをある程度度外視しなければ実現できないのではないか。そうしますと、やはり国営の金融機関としての郵貯の役割というのは非常に大きなものだと思うのでございます。
 そういうことから考えますと、大臣のおっしゃる官民の分担論、官は民の補完であるべきだというそこのところが私はなかなか納得できません。官には官の役割があり、民には民の役割があり、あと資金上のシェアの問題があるのかもわかりませんけれども、資金上のシェアだけの問題でもって官民の分担論をおっしゃるのは、これは間違っておられるのではないか。やはりそれぞれの使命という点からこの事業を考えるべきではないかと思うのでございます。
 大臣に御質問するとまたはぐらかされそうな気がいたしますので、ここはやっぱり局長の方にお尋ねさせていただきたいのですが、大臣よろしゅうございますか。局長の方からよろしくお願いします。
#26
○政府委員(山口憲美君) 郵便貯金は、抽象的に申しますと、あまねく公平に個人金融サービスを提供すること、それから、社会資本整備等のために公的分野への資金供給を行うことによりまして国民の福祉増進と我が国経済社会の発展に貢献してきている、こういうことでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、郵便貯金事業というのはまず第一に独立採算のもとで健全経営を維持するということが基本になっております。その上で、採算、不採算の地域を通じて全国的に店舗を設置してあまねく金融サービスを提供するということが一つでございます。それからもう一つは、専ら小口個人を対象とした個人金融サービスの維持向上を図るということでございます。そして第三番目に、これは国の機関としての務めということでございますけれども、その資金を国民生活の向上や社会資本の整備といった公的分野へ長期、安定的に低利で供給するというふうな、こういったことがこの具体的な内容かなというふうに考えております。
 金融の分野におきましては、いわゆる個人というのは法人の皆さん方に比べますと金融情報が入りにくいとか、あるいは金融機関との交渉力が弱いというふうなことから、どうしてもいわゆる営利原則に立つ民間金融機関だけでは十分な保護ができないというふうなことがこれまで恐らく歴史的な教訓として出てきているんだろうというふうに思われます。このために、御案内のように、諸外国におきましては非営利の貯蓄銀行と郵便貯金というものが個人の保護でありますとかあるいは貯蓄の奨励とかというふうなことに努めておりまして、これらの団体がまとまって国際貯蓄銀行というふうなものをつくっておりますけれども、ここでもこの貯蓄銀行運動の拡大ということを目指してお互いに頑張っているというふうなことでございます。
 ちなみに、我が国では貯蓄銀行がございませんので、郵便貯金のみがこの役割を果たしているということでございまして、私どももそういったことは自覚していかなきゃいけないというふうにいつも思っているところでございます。
 そういった個人の貯蓄の分野におきましては、個人ということについて、他の業界と違ってやや特別な配慮が加えられているという実態を直視していろいろ私どもとしても考えていかなきゃいけないかなと、こういうふうに思っている次第でございます。
#27
○川橋幸子君 どうもありがとうございました。
 非常に単純な言葉で言えば、私が先ほど質問のときに用いました言葉、非営利の金融機関、国営の金融機関としての使命を追求されている、そのように理解して間違いございませんね。
#28
○政府委員(山口憲美君) はい。
#29
○川橋幸子君 そこで、前段の中でもう一つの郵貯の役割を局長からもお述べになったと思うのでございますが、もう一つの役割といいますのは、やはり財政投融資の非常に安定的な資金供給の役割が郵貯にあると思うのでございます。大蔵省いらっしゃいますね。財投における郵便貯金の貢献についてはどうお考えでいらっしゃいますか。
#30
○説明員(中川雅治君) 郵便貯金は現在財政投融資の主要な原資の一つになっているところでございまして、有償資金を用いて各般の政策的要請に対応するという財政投融資システムにおいて重要な役割を果たしているというように認識いたしております。
 郵貯問題につきましては、そういった認識をもとに、第二次行革審の最終答申において指摘されているような線に沿った検討が進められるべきだと考えております。
#31
○川橋幸子君 貢献を評価されているということでございますよね。そうした方向で行革審の中でも議論され、結論が出るであろうという予告、予告といいますか、見通しをお述べになってくださいまして、事実認識から、それから客観的な評価からそういうことを考えれば、行革審の結論というのは私はそんなに心配することもないのではないかと思います。
 ですが、ちょっとこれは大蔵省の方には耳の痛い言葉になるのかもわかりませんが、一方において、今度は逆に財投の方が、国民に目に見えない隠れた借金を賄っているとかそれから、非常に肥大化してきて見えざる第二の予算というほどまで巨大化している。逆に財投へのそうした批判が郵貯にはね返ってまいりまして、資金供給源の郵貯にまで、何というんでしょうか、そういう財投のための金集めを一生懸命郵便局やっているのではないかと、ちょっと表現悪いですけれども、わかりゃすく言えばこういう論が一部にあるわけでございますけれども、そのあたりはどうお考えになりますか。
#32
○説明員(中川雅治君) ただいまの御質問の前に、先ほどの私のお答えでございますけれども、行革審の最終答申と申しましたのは第二次の行革審、平成二年四月の既に出されている答申でございます。その線に沿った検討が進められるべきものと考えているというのが大蔵省の見解ということでございます。
 ただいまの御質問でございますけれども、財政投融資というのは、これは国の制度、信用に基づいて集められた各種の公的資金を国が一元的に取りまとめ、これを財投対象機関に供給することにより各般の政策的要請に対応するシステムでございまして、何といっても確実かつ有利な運用をしていくということでございます。
 したがいまして、私ども財投計画を編成するに当たりましては、各省庁のさまざまな要求を、そのときどきの経済情勢等を勘案しまして最も有効な資金配分はどうか、そのときどきの例えば景気調整機能にどのように財政投融資が役立つのかといったようなことを念頭に置きながら、かつ、一つ一つの配分に当たりましては償還確実性ということに十分配慮して審査をしているということでございます。したがいまして、財投の原資というのは国民から預かっております貴重な資金でございますので、決してそういった償還不確実な分野には融資はしていないということでございます。
 一方、財政投融資の規模につきましては、ただいま申し上げましたけれども、そのときどきの景気情勢、国民のニーズの変化等に対応して機動的、弾力的な運営が行われているところでございます。一方、郵便貯金の目的は先ほど郵政省の方から御説明がございましたような点でございますので、それぞれ郵貯の目的はあるし、財投の役割というものもある。したがって、両者が当然結びついてはいますけれども、財投のために郵貯を集めているという関係にはございません。
#33
○川橋幸子君 最後のところはよくわかりました。私も役人出身でございますけれども、正確を期す余りになかなか真意が伝わらないという感じを持ちがちでございまして、私は別に財投を非難しているわけではないのです。やっぱり適切な景気汁策のためには財政が出動しなければならない。今回の補正なんかもまた財投が非常に活用されるということであるとすれば、私はいい制度ではないかと思っているところでございます。
 そういう意味では、先ほど今の行革審の結論まで予想して言ってくださったのかとちょっと早とちりしてしまいましたけれども、財投についても国民にわかるようなディスクローズなり、それからPRなりというものがこれまでは不十分ではなかったのかと思うのです。
 そう申し上げまして質問すると申し上げましたら、早速いいPR資料が届きましたので、大蔵省も努力していらっしゃるということをこの委員会の場で私の方が逆にPRさせていただきたいと思います。
 これもやっぱり、どこに配付されるのですかと言うと、財投関係政府金融機関が多いのではないかというようなお答えでございましたけれども、今やっぱり政治が理解されるとか行政が理解されるとかということは、一般の市民にどれだけダイレクトに語りかけられるか、そういうことではないかと思うんです。非常に難しい制度ですから、わかりやすく的確に伝えるということは難しいのかもわかりませんけれども、なおそういう御努力をお願いしたいということだけ申し上げまして、大蔵省の方にはきょうはありがとうございました。結構でございます。私としましては、やはり国営の金融機関としての郵便貯金の使命、それからそれが国の経済運営にも非常に大きく貢献しているということを、私は支持しているんだということを申し上げまして、この問題は終わらせていただきたいと思います。
 時間がなくなりまして、ほかの質問もたくさん御準備いただきまして大変申しわけございませんが、あと質問の中で申し上げたかったのは、今回コマーシャルペーパーへの運用拡大がこの法案によって図られるわけでございます。有利性と安全性の両面から細心の配慮をしてほしい、そのような仕組みになっているというお答えを伺うはずでございましたけれども、重ねてその配慮をお願い申し上げて、質問を要望にかえたいと思います。
 それからもう一点は、郵便貯金の資金を全部資金運用部に集めまして、つまり一極集中させまして、それをまた地方に還流するのではなくて、自治体あるいは三セクへ、町おこし、村おこし、町づくりのために直接活用できるようなそういう運用範囲の拡大に努めるべきだと思っているのでございます。
 昨年の概算要求でこれが出て、このメニューは予算要求されましたけれども残念ながら通りませんでした。ですけれども、今さまざま地方分権、それは権限もそうでございますけれども、お金の使い方につきましても地方の知恵と工夫を生かすというそういう時代になっておりますので、この点につきましては、もうそろそろ来年度予算、もう平成六年度の概算要求のディスカッションに入っていると思いますので、これはぜひまた御要求いただきたいと思います。要望させていただきます。
 そして、あとほんの二、三分でございますが、一点だけお伺いさせていただきたいと思います。
 先日、身障者の電気通信の円滑化を増進する法律、これが通ったばかりでございます。そのときに同僚の堀委員がやってこられまして、テープレコーダーを持ってこられまして、選挙管理委員会からの通知をテープレコーダーにずっと通しますと磁気テープから声が出てくる。実演された。これついこの間のことでございますので御記憶いただいているのではないかと思います。
 あれを見て非常に思いました。テレコム三事業と郵政三事業、総合的に管轄していらっしゃる郵政省としましては、例えば貯金とかあるいは保険とかさまざまな通知文書の中に、障害者の方に配慮をするためにそういうはがきを開発なさるということをお考えになられてはおりませんでしょうか。ぜひお願いしたいという意味で申し上げているわけでございますが、時間が限られて恐縮でございますけれども、お答えをお願いしたいと思います。
#34
○政府委員(山口憲美君) 今お尋ねのものは声の出るはがきの活用というお話かなというふうに存じます。これにつきましていろいろ私どもも検討しておるわけですが、一つの問題点は、お伝えしなきゃならない情報量と容量との間が全くかけ離れているというふうな問題が一つございます。
 それからもう一つは、声が出るということになりますと、予想外の人にお金の状況とかが聞かれてしまうというふうなおそれはないのかどうかという、プライバシーの問題という点の配慮も必要だなというふうなことも考えたりしておりまして、今のところ点字によるいろいろな、例えばATM、CDの点字表示でありますとか、点字による郵便貯金内容の通知とか、点字キャッシュカードとかという点字を活用してのものは随分導入させていただいていますが、いわゆる声の出る形で、音の出る形での通知というものについて、新しい分野の問題でございますのでもうちょっと勉強させていただきたいなというふうに思っておる次第でございます。
#35
○川橋幸子君 時間はかかるのかもわかりませんけれども、むしろ、障害者の方々のニーズをよく聞かれること、それからああいう機器のメーカーのエンジニアの意見を聞かれること、そして、通知しなければいけない際、ミニマムのものをお考えいただくこと、結局三者のお話し合いの中で工夫がされていくのではないかと思います。難しい問題かもわかりませんけれども、これこそ郵政省のお仕事のような気もいたしますので、ぜひ御検討いただければありがたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#36
○三重野栄子君 三重野でございます。郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、情勢といいましょうか、そういう点から少し質問をいたしたいと思います。
 まず、このたびの提案に当たりまして、「郵便貯金の預金者の利益の増進を図り、あわせて金融自由化に的確に対応するとともに郵便貯金事業の健全な経営の確保に資する」、この法案の提案についての目的が述べられておるわけでございますが、これに関連してお尋ねしたいと思います。
 昨年の十二月に郵貯、簡保問題に対する要望が全国銀行協会連合会など十二団体から出されておりました。それからまた、高齢者のマル優の利子非課税限度額の引き上げをめぐりまして、特に昨年からことしに向けて、官業である郵貯、簡保は民業の補完に徹すべきだとか、お金持ちのお年寄りにそういうことをすることはないとか、いろいろとこれをめぐりましての論調が広く伝えられてまいりました。
 先ほど川橋議員の質問の中にもありましたけれども、財投資金が非常に大きくなってというようなことで逆に郵便貯金の問題について議論をされているような中で、このたびの目的に「郵便貯金の預金者の利益の増進」ということもございますので、これはどういうふうに対応しようとされているのか、具体的に見解をお伺いしたいと思うわけです。
#37
○政府委員(山口憲美君) 今回お願いをしております貯金法の改正点というのは三点あるわけでございます。
 まず第一に、財形郵便貯金の総額制限額の引き上げ、現在五百万円でございますが、これを五百五十万円に引き上げるというものでございます。これは租税特別措置法の一部改正によりまして、いわゆる財形の非課税限度枠が引き上げになったということに伴いまして郵便貯金の預け入れ枠も拡大しようというものでございます。さらに、課税になっております一般財形の限度額につきましてもあわせて引き上げようというものでございまして、預金者に対して一定のメリットがあるものというふうに考えているところでございます。
 それから二点目は定額貯金の金利の自由化でございますが、これにつきましては、従来の規制金利体系のもとではどうしても人為的な、低金利政策という形で言われておりますけれども、各機関がいわば強制的に横並びで金利が決められるという形になってきていたというふうな形で、ある意味では預金者の利益が十分に確保されていなかったという面があるわけでございます。
 これに対しまして自由化後は、民間の金融機関におきましても、自由な金利設定でありますとか、あるいは商品・サービスの多様化が可能になりまして、いわゆる民間金融機関の競争でありますとか、あるいは資金需要を反映した形での市場実勢に沿った金利設定が行われるということでございまして、こういった金利を反映する形での郵便貯金の金利が決められるようになるという形で、預金者の利益に結びつくものであるというふうに考えている次第でございます。
 それから、第三点目は運用対象にコマーシャルペーパーを加えるということでございますが、これにつきましては、いわゆる金融自由化対策資金の短期運用につきまして、例えば、資金繰りの上で短期運用が必要となる場合に、少しでも有利に運用しておきたい、あるいは長短金利が逆転している、短期の方が金利が高いというふうな場合には、短期で有利に運用ができるという手段を持っておきたいというふうな形でこのCPを加えさせていただくということでございます。こういった形で運用対象の多様化が図られることによりまして、自由化に対して郵便貯金が健全経営を確保できるという道につながるわけでございまして、預金者の利益につながるものというふうに考えている次第でございます。
#38
○三重野栄子君 法案の提案につきましての中身の御説明をいただいたと思うんですけれども、私どもは、今も問題になっておりますが、米の自由化とか、何か自由化というとどうも心配の方が、一体これは今後どうなるんだろうかという心配が多うでございます。金融自由化の本格的な到来の中で今のような法案が提案されている。大丈夫、大丈夫と言われるけれども何となくまだ不安感があるわけです。
 そういう不安感に対して、こういうふうになっているという今局長がおっしゃいました安心感、今まで郵便貯金を利用している人あるいはこれからも利用するであろう人に安心感をもたらすようなPRといいましょうか、そういう点ほどのようになさいますでしょうか。
#39
○政府委員(山口憲美君) 金融自由化ということにつきまして郵政省としてどう預金者に対して対応していくかという問題でございますが、まず第一に、金融自由化というのは、これまでも御説明しておりますけれども、金融機関相互間の競争を促進して金融全般が効率化するということ、そして商品やサービスが多様化してくるというふうなこと、そして、預貯金金利が市場の動向に合わせたものになるというふうなことからいたしますと、基本的にはいわゆる国民・利用者に利益をもたらすものだというふうに考えているということでございまして、そういった観点から郵政省といたしましてもこれまで金融自由化の推進に積極的に取り組んできたということでございます。これは基本でございます。
 しかしながら、今先生からも御指摘がございましたように、金融自由化の進展というのは一方ではいろんな弊害というふうなものも起こることが予想されるわけでございます。例えば、いわゆる小口の個人の利用者というのは、言葉は適切でありませんけれども、割を食うとかあるいは不採算地域における利用者に不利益がもたらされるとかというふうな、そういったいわゆる懸念もあるということでございます。こういった懸念をまた規制という形で行うということになりますと、この規制緩和の本旨にもとるということになりますので、やはりこういったものを実態的にカバーしていくという意味で郵便貯金というのは一つの役割を果たすことができるのではないかというふうに思っている次第でございます。
 当然、郵便貯金といたしましては、こういった厳しい経営環境になってまいりますので、事業の健全経営ということを確保していかなきゃなりませんので、資金運用面の充実でありますとかあるいは事業の合理化、効率化に努めていかなきゃならないというのは当然の前提でございます。
#40
○三重野栄子君 それではサービスの多様化についてお伺いをしたいと思います。
 高度経済成長がある中で、一方では人生八十年時代ということで大変寿命も長くなってまいりました。そうしますと、その一生の中でのライフサイクルに応じた国民の郵便貯金に対するニーズが多様ではないかと思うわけです。日本人は勤勉と貯蓄性の大変高い国民性でございますけれども、利用者の金融に対するニーズがどんどん多様化することに対して、そしてまた一方ではカード破産が増加するというような社会情勢もあるというような状況の中で、基礎的なライフサイクルと申しますと、私どもとしては結婚とか出産とか教育あるいは就職、子供の成人式だとかあるいは疾病とか老後とかさまざまな人生の節目があるわけでございますけれども、この節目節目に必要な貯蓄と資金のニーズにどのように郵便貯金が対応されていくのだろうかということを思うわけでございます。
 金融自由化の進展につれまして、このような国民の多様なニーズに応じた商品や新サービスの開発あるいは提供というものが一層必要になってくるわけでございますので、現在こういうことを試みてきた、これは成果があった、これはうまくなかったとか、あるいはこれからについてはこういう展望を持っている等につきましての御説明をいただければ幸いです。
#41
○政府委員(山口憲美君) ちょっと先生の御質問からずれるのかなというふうなことで、恐縮でございますが全体的なことをちょっとお話をさせていただきますと、これから自由化をされてまいりますといろんな商品が民間の金融機関でも出されてくるだろうというふうなことでございます。現在お話をお聞きしておりますと、中長期の預金でありますとか変動金利預金というふうなものが導入されてくるというふうなことでございまして、民間の金融機関の皆さん方もいろんな商品を開発されるのではないかというふうに思われます。これから我々そういった動向というものも、踏まえながら商品のサービスの開発等に努めていくという要素が加わってくるということでございます。
 私どもこれまでやってまいりましたのは、いわゆる生活重視の商品・サービスの多様化ということでやってまいりまして、特に今御指摘の預金者のライフスタイルに応じた新型の貯蓄等の実施というふうな形でいろいろ勉強もさせていただき、また具体的に予算としても要求もしているというふうなことでございますが、今お話しのセカンドライフ貯金というふうなものにつきましても、まことに申しわけございませんでしたけれども、政府部内での意見調整ができず実現に至っておりませんが、人生のライフスタイルに合わせた形で利用していただきやすい、そういう貯金というふうなものをいろいろ開発させていただきたいなというふうに考えているところでございます。
 ただ、具体的に今こういう形のものということを御説明させていただくまでに至っていないということでございます。
#42
○三重野栄子君 初めに伺いましたときは、将来多様なニーズに応じてという非常に積極的なお言葉でしたから、今こういうことがあるんじゃないかなと、御検討いただいているかと思いましてお尋ねをいたしたわけでございます。
 その中で、積極的に多様化に応じて新商品をつくっていくという場合に、官業が民業を圧迫するというような世論というか、そういう動きというのはどういうふうな関連になってくるのでしょうか。
 それから、先ほど小口のことがございましたけれども、やはりつましく積み立ててきた貯金でございますから何億ということは当然ないわけでございますが、例えば貯金の限度額をもう少し拡大していただくとか、あるいはまた、いろいろ結婚とか出産に対して保険で賄いたいという人もいるけれども、いや保険じゃなくて貯金の方でやりたいんだという人もいるわけでございます。それについて貯金をした額の何十%を貸し出すとか、そういうようなことなどの商品は考えられないものでしょうか。
#43
○政府委員(山口憲美君) 今お話しの具体的な商品、どういうものをこれからつくっていくかということは、現時点において構想を持っておりませんので申し上げられないんですが、ただ、これから商品開発というものが民間の金融機関の皆さん方のところでもかなり活発に、現時点ですぐということじゃないかもしれませんが行われるようになるだろうというふうなことを考えますと、私どもはそういった民間の皆さん方と切磋琢磨をいたしまして、そして民間の皆さん方に負けない、そして個人の皆さん方に最もフィットする商品というふうなものを開発していく努力をしていくということが我々が今覚悟していかなきゃならない問題だというふうに、大変抽象的なお話で恐縮でございますが、そういったことでございます。
#44
○三重野栄子君 自由競争と言った場合には、いい意味での切磋琢磨ということでやっていけるものだというふうに考えるわけですけれども、昨年末から年始にかけまして声が大きかった官業が民業を圧迫するんだということは、マスコミを通じ、その他を通じてたくさんいろんな角度から出されるわけですけれども、しかし郵便貯金に預けている小口の一人一人の声というのはなかなかいろんなところで発表しにくい。だから、世論を見ると何となく民業を圧迫しているような印象を受けるわけですけれども、やはり貯金を利用している側とすれば郵政省が一番の頼りでございますから、そうしますと、そこでしっかりどう頑張っていただくかということになろうかと思いましてそういうことを伺ったところでございます。
 そこで、定額貯金の問題でございますが、言うまでもありませんけれども、預入期間が十年、そして六カ月据え置きした後払い戻しが自由にできるとか、半年複利等の定額貯金というのは官民間の資金シフト発生を理由に非常に提起されてまいりましたけれども、この場合の定額貯金の商品性の見直し問題、これは一時は大変心配をいたしましたけれども、今この法案の提案の前提といたしまして定額貯金の金利決定ルールが合意をされたということだと思うわけです。
 これによって、実質的にこの定額貯金の商品性の見直しというものが通り過ぎたというふうに考えてよろしいんでしょうか。今後この定額貯金の商品性の見直しというものはどのようになっていくのだろうか、郵政省の見通しについてお伺いします。
#45
○政府委員(山口憲美君) 定額貯金の商品性見直し問題につきましては、いわゆる官民相互間で過度の資金シフトが発生したというふうな場合に、それを契機といたしまして提起されてきたというふうな経緯でございます。
 そこで、今回も定額貯金の問題が話題になったわけですが、これも先ほど御説明いたしました平成二年、平成三年の間に官民の間に大きな資金シフトがあったということによるものでございまして、いわゆる規制金利と自由金利が併存する中で、金利の不整合な状態があってこういったシフトが起こり、そのことがまた定額貯金にもはね返ってきているものだというふうに認識をしているわけでございます。
 今回、郵政、大蔵両省で定額貯金の金利につきまして一つの整理をいたしまして、機動的、弾力的に市場実勢を反映した形で金利をつけるというふうな形に整理をいたしましたので、資金シフトの問題は実質的になくなってきたというふうに思っております。そういった意味では、いわゆる資金シフトを契機として指摘されました定額貯金の商品性の見直し問題というのは実質的に解決をしたというふうに私たちは思っているところでございます。
 ちなみに、個人貯蓄におきまして、貯蓄広報中央委員会で調査をされたものがございますが、これによりますと、いわゆる貯蓄の目的の中で、病気だとか災害といった不時の備えという目的が最もダントツで大きな理由になっているわけでございます。やはり個人の預金ということを考えますと、流動性ということが大変大事な、いつお金が必要になるかわからないということでございますので、この流動性を確保するというのが大変重要な問題でございます。
 同時にまた、個人の預金というのは比較的長期に滞留をするという、流動性があっても滞留するという傾向があるものですから、したがって金利もそれに見合った金利をおつけしていくというふうなことも必要だということで、いわゆる収益性ということも重んじていかなきゃならない、こういう流動性と収益性を兼ね備えたような形での商品というのが個人の利用される方には最もフィットしたものになるということでございます。
 そういった意味からいたしますと、現在の定額貯金はそういった性格を兼ね備えているというふうなことでございまして、個人の皆さんにとっては最も利用しやすい商品ではないかというふうに思っておるところでございます。したがいまして、私どもといたしましてはこういった商品性は今後とも守っていく努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#46
○三重野栄子君 私は、民業を敵に回すとか官業に味方をするとかそういうことよりも、先ほど川橋議員の質問にもありましたけれども、民業は民業なりに、官業は官業なりのやはり目標を持って今までも実績が積み重ねられてきたというふうに思うわけでございます。
 ところが、この定額貯金のことになりますと、民業だってできるのにやらない方が悪いんじゃないかというようなことが議論の中にも出たりするわけでございますけれども、やはりそれぞれが民業は民業なりに官業は官業なりにすぐれた商品を開発していく、そこで自由競争が行われながら国民の利益になるというようなことを今後も続けていただきたいと思いますし、特にこの定額貯金につきましては国民の利用者の期待も大変多うございますから、ぜひ前進するように、継続されていきますように御努力をお願いしたいところでございます。
 ところで、病気とか災害の問題がございましたけれども、年をとって高齢化社会になりますと一層このことが気になるところでございます。人口学者の推計によりますと、我が国は世界に類しないほど早く高齢化社会がやってくるということでございまして、高齢化社会のことは口では言うけれども実際どういうことになるのかということが全く想像がつかない状況でございます。そういうことを見ながら、政府は、一方では生活大国で豊かにする政策を提起しておりますけれども、一方ではやはり自助努力が大切なんだよということで、介護の問題についても家庭介護ということの方向を目指しているように見えます。
 そういたしますと、医療の問題やあるいは介護の問題につきましても自助努力というのが大変大きな位置を占めてくるというふうに思いますが、この前、生活保護の御夫婦が生活保護費の中から積み立てたものがいろいろ裁判ざたになって、結果としては御存じのような状況になりましたんですけれども、それほどやはり人々は自助努力をやっていきたい、自立しなければならないというふうに考えていると私は思っています。
 その中で、豊かな老後というのは、一方では福祉政策の充実が必要でありますけれども、一方では蓄えながら、あるいは保険に入りながら自助努力をしていきたいというその願いを実現するために、郵便貯金並びに郵便貯金事業の果たす役割というのは大変大きなものであろうというふうに思うわけです。
 先ほど局長もお話しございましたけれども、全国津々浦々、過疎の山間僻地だとか農村とか離島とか、そういうところで高齢を迎える人々に対して、積極的な商品の開発によってそういう人々に支援をしていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、この郵便事業のあり方について今後の郵政省の考え方を、大変何度も何度もでございますけれども、違った角度からでも御説明いただきたいというふうに思います。
#47
○政府委員(山口憲美君) お話しのとおり、我が国では、私ども調べたところでは二十一世紀早々には世界一の高齢国になるというふうなことでございますし、二〇二〇年には国民四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる。現在は八人に一人だそうでございますが、いずれにいたしましても高齢化社会がかなり早いテンポで到来するというふうなことが言われておりまして、平均寿命も年々延びているというふうなことのようでございます。
 そこで、こうした長寿社会の進展に対応するために郵便貯金につきましてもいろいろ考えていかなきゃいけないということでございます。ちなみに、先ほどお話申し上げました貯蓄広報中央委員会が貯蓄と消費に関する世論調査という中で貯蓄の動機を見ておるわけですが、これによりますと、老後の生活費ということに対する貯蓄目的というのが非常に高くなってきているというふうなことでございます。平成四年には第二位の地位を占めているということでございまして、かってはこどもの教育費とかそういったものが高かったわけですが、今では老後の生活費なんかの方が高くなってきているというふうな状況のようでございます。
 こういった現状を踏まえまして私どもとしては、一つは現在老後の生活を送っておられる人に対する生活の支援、それから、これから老後を迎える人に対して不安のない老後生活の確立のための自助努力の支援というふうな、そういった施策というものが考えられるのかなというふうに考えているところでございます。
 こういった二つの観点に立って私どもとして、いわゆる自助努力ということに対してお役に立てればということでいろいろ施策を展開しているところでございますが、今般の法律改正におきましても、老後のための財形年金郵便貯金に対する預入限度額の引き上げというふうなものは、そういった考え方の中から御審議をお願いしているところでございます。
 また、平成五年度の予算におきまして、先ほどもお話出ましたけれどもセカンドライフ貯金というふうな形で、国民一人一人の皆さん方がかなりいろんなタイプのセカンドライフを送られるということで、そういったタイプに合わせたサービスを提供するというふうな形から、預金者の受け取りの時期でありますとか期間あるいは金額、そういったものを選択できるような新しい預金の払い戻し方というふうなものを持った貯金というふうなものも昨年は提案をさせていただいたというふうなことでございます。
 いずれにいたしましても、生活大国五カ年計画の中で長寿福祉社会の構築というふうなことが標榜されておりますので、国民の自助努力を支援するというふうな立場から郵便貯金としてもできる限りのことをしていきたいというふうに考えているところでございます。
#48
○三重野栄子君 高齢化社会でどういう住宅に住みたいかということで、特に家庭介護といいますと、自宅でいろいろ介護してもらうためにはどういう住宅がいいだろうかということで、国民生活調査会で先々週になるでしょうか積水ハウスのモデル住宅を見に参りました。その建物は、私どもが目標としておりますといいましょうか、高齢化社会はこうあるべきではないかと思うような、スウェーデンの施設に劣らないすぐれた積水ハウスのモデルハウスでございました。
 それが何と一坪百三十万円です。一坪です。そして夫婦で生活するようになっておりました。三十坪の施設でございましたけれども、私ども見にいって、みんな、うわあ、これは全然手が届かないねと。建てるだけでそれだけでございまして、あと維持費になるとどれだけの毎月お金が要るだろうかというほどでございましたけれども、大変充実したモデルハウスでございました。
 そういうところから見てみますと、この財形郵便貯金の預入限度額が住宅財形で五百五十万というのは、もう生まれたときからやっていかなくちゃというか大変ほど遠いような状況でないかと思うわけです。そういたしますと、高齢化社会に向けましての商品のあり方というのもこれからも積極的に考えていただきたいなということを申し上げたいと思うわけでございます。
 そこで、先ほども障害者に対する施策の問題がございました。障害者といいますと、一般的に私どもは身体に障害がある方というようなことを思っておりましたが、高齢者もどんどん障害者の中に入っていくわけでございます。そういう状況の中で、いわゆる社会的弱者の救済への措置というものは、郵便貯金が今まで個人個人の小さな積み立てでやってまいりました支援と同じように、社会的弱者に配慮した福祉的なサービスというのが大変これからも必要ではなかろうかと思うわけでございます。
 点字によるサービス内容の通知とか、年金配達サービスというのも今既に行われているというふうに伺いました。先ほどのように聞こえる問題もあろうかと思いますが、郵便貯金に携わっておられる外務の方々もこういうお手伝いをされてい付ば、声は聞こえなくても、ほかの人には聞こえないかもわからないけれども、その担当者、郵便貯金を業務としている方から直接聞くということになれば、その聞く方も安心ではなかろうかと思ったりするわけでございます。
 郵便の方ではふれあいサービスなどが既に全国でだんだん多くなっているようでございますけれども、そういう点の福祉サービスというのは、該当者だけそれを知っているということではなくて、より広くこのことをだれでも知っている、ああ郵便局というのはこういうこともやっているんだよということが広く知られることが結局障害者の皆さんも活用しやすくなるのではないかというふうに思いますので、現在進められております福祉サトビスの面と、それから今後どういうふうにやっていきたいかという面と、それからそれはどういうふうにPRしていくかということについてお伺いしたい。先ほどの部分に加えましてお伺いできたら幸いです。
#49
○政府委員(山口憲美君) 為替貯金事業は国のサービスの基幹ということでございまして、御指摘のような社会福祉にも十分配慮していかなきゃならないというふうに考えております。例えで御説明させていただきますと、社会福祉事業に対する寄附金の送金に関しまして郵便振替の払込料金を免除するとか、あるいは被災者の救済のための寄附金の送金につきまして郵便振替の払込料金を免除する、あるいは年金配達サービス、あるいはATM、CDの点字表示、あるいは点字による郵便貯金内容の通知、点字キャッシュカードの発行等各種のサービスをこれまでやってきているところでございます。
 ちなみに、今申しましたものをもうちょっと御説明させていただきますと、社会福祉事業に対する寄附金の送金における郵便振替の払込料金の免除でございますけれども、これは、共同募金会でありますとかあるいは日本赤十字社等の社会福祉の増進を目的とする団体に対して寄附金を送金する場合に、この郵便振替の払込及び振替料金を免除するというふうなものでございまして、昭和六十二年から実施しているものでございます。
 それからまた、被災者救済のための寄附金の送金に対する郵便振替払込料金の免除につきましては、天災その他非常の災害があった場合に、地方公共団体あるいは共同募金会、日本赤十字社等へ寄附金を送金するために郵便振替の払い込みでありますとか振替の料金を免除するというふうなもので、これはもう昭和四十年から実施しているものでございます。
 ちなみに、雲仙岳噴火の被災者の救済、救援につきましてちょっと実績を申し上げさせていただきますと、平成三年の六月にこの取り扱いを開始いたしまして、五年の四月末現在で三十五万一千件、四十億九千万円ほどになっております。
 それから年金配達サービスにつきましては、いわゆるひとり暮らし等で高齢等のために郵便局に出向くことができないという方々に対しまして年金でありますとか恩給を自宅までお届けするサービスでございまして、これは平成三年の四月から始めさせていただいているというものでございます。
 それから目の不自由な方に対するサービスにつきまして、ATM、CDの利用につきまして、点字による預払い金額の表示を五十九年から実施、そしてまた、音声合成による預払い金額等の確認を昭和六十年から実施しているところでございます。
 それから点字によります郵便貯金内容を通知するサービスといたしまして、定額それから定期郵便貯金の預け入れ時の契約内容をお知らせするサービスを昭和五十九年から、それから毎月月末に通常郵便貯金の取り扱い内容をお知らせするサービスを六十一年から、それからさらに定額、定期郵便貯金の満期をお知らせするサービスを平成二年からそれぞれ点字によって実施をしているところでございます。
 それからまた、点字による郵便貯金のキャッシュカードというふうなものにつきましても五十九年から御利用いただいているというふうなことでございます。いずれにいたしましても、これは福祉というふうな観点から現在行っているものでございますが、いろいろ皆様方の御要望等を承りながら、さらに内容の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから、このPRをどうするのかということでございますが、これはこの福祉の関係だけでございませんで、今回私ども大変反省しておりますのは、為替貯金の制度でありますとか役割というふうなことにつきましてもいろいろ誤解があるとか十分に御理解いただいてないということがかなりわかりました。それからまた、皆さん方に大変御支援をいただきながら商品・サービスについても新しいものつくっておりますけれども、それも必ずしも十分に御利用いただけでない。これらはどうしてかというふうなことを考えますと、御指摘ございましたように、私どものこの周知活動というものが十分でなかったんじゃないかということを非常に反省しているわけでございます。
 そういった意味で、点字によるサービスの内容の通知でありますとか年金配達サービス等につきまして、郵便局の窓口でありますとか、あるいは外務員が訪問した際にいろいろお知らせしたり、あるいはまた業務案内紙によって周知をしているというふうな形で努めているつもりでございましたけれども、さらにもう少しきめ細かいこの周知の徹底を図っていく必要があるのではないか。
 例えば、民生委員の方でありますとかあるいは社会福祉施設というふうなものを通じまして、その該当される方々にサービスの内容の周知が行き届くような、そういうきめ細かい配慮というふうな形でPRをしていく必要があるかなというふうなことを今いろいろみんなで研究しているところでございます。
#50
○三重野栄子君 今細かく伺いまして、私もああそういうことがあったのかと思うほどでございまして、私の不注意の面もあろうかと思いますが、広く皆さんに知らせる方法、今申されましたような方法も含めましてぜひ活発にやっていただきたいというふうに思います。
 金融問題につきまして最後に質問をさせていただきたいと思います。金融自由化の進展というのは、今回の法改正案のように金融自由化対策資金の運用範囲の拡大というのがあるわけですけれども、そうは言いながら、一方では利ざやの縮小があり、そして金利リスクの増大というのもあるわけでございますので、経営環境というのはこれから一段と厳しさが増してくるだろうというふうに考えられます。
 こうした中で、民業圧迫論を受けながら、集めた資金をいかに有利に運用するかというのは郵便貯金に期待と将来の生活設計を預けた者にとっては大変大きな関心事でございます。郵政省はこれらの多くの皆さんの期待の声に対してどのように対応していかれるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#51
○政府委員(山口憲美君) 委員御指摘のとおり、金融自由化の進展に伴いまして郵便貯金を取り巻く経営環境というのは非常に厳しくなるというふうに私ども考えているところでございます。こうした経営環境に的確に対応していくためには、まずその運用という問題につきまして配慮をしていかなきゃならないということだろうと思います。
 申し上げるまでもなく、この郵便貯金につきましては公的分野に対して長期、安定、低利の資金を供給するという役割が一つあるわけでございますけれども、そういった役割を果たしつつなお事業の健全な経営を確保するというふうな観点から、この預託利率につきまして、市場金利を反映するというふうな形で既に制度的な整備が図られてきているところでございますが、さらに私どもに自主運用というふうな形で、市場で郵便貯金の資金の一部を有利に運用させていただくような道が開かれておりますので、この内容の充実を図っていくということが特に大事なことかなというふうに思っております。
 必要にして十分な新規運用額を確保するというふうなことはもちろんでありますが、運用対象の多様化を図るというふうな形を通じまして、リスクの管理に十分に配意しつつも有利で確実な運用というふうなものを図っていくというふうなことに配慮していかなきゃいけないということでございまして、今回CPを加えさせていただいているというのもそういった運用対象の多様化という考え方の一つとして加えさせていただいているものでございまして、預金者の皆さん方に対して、健全経営を確保する一助という形でメリットのあるものというふうに考えている次第でございます。
#52
○三重野栄子君 CPの問題につきましては、発行企業は上位の格付を取得している優良企業というふうに要件がございますようですけれども、今度のバブルの問題で優良企業と思っていたところが大変なことをしてかしたということもありますので、そういう点も含めまして、ぜひともリスクがないように頑張っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 最後に、国際ボランティアの現状につきましてお伺いいたしたいと思います。
 湾岸戦争以来、PKO法案の審議がありましたり、あるいはまた、今もカンボジアの選挙の問題で、とにかく国際貢献のあり方というのはもうお茶の間でもどこでも議論をされるというような状況になっております。そういう意味で、そういう状況の中で国際ボランティア貯金につきましても大変関心が深いところでございますけれども、特に草の根の目に見える国際貢献ということで好評でございます。
 ところで、取り扱いを開始されて三年目になるわけでございますけれども、最近の進捗状況と、できれば国別配分、簡単で結構でございますが、その活用状況など大要をお伺いしたいと思います。
#53
○政府委員(山口憲美君) 国際ボランティア貯金につきましては、大変皆様方から御支援をいただきまして順調に推移をしているということでございます。平成三年一月から取り扱いを開始したわけでございますけれども、本年の四月末の累計で一千九十五万人の皆様方に御加入いただいているということでございます。そしてまた、平成四年度の寄附金につきましては約二十四億円をいただいているところでございます。
 こういったことは、国民の皆様方の国際貢献に対する理解と関心の高さのあらわれであるというふうに考えておりますけれども、今後とも一層の定着に向けて周知の施策を行う、あるいは成果を的確にお知らせする等してさらに国民の皆様方の御支持をいただけるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 そこで、お尋ねの国別の配分状況はどうなっているかということでございますが、まず、平成四年度の寄附金につきましては一般援助と緊急援助と二つに分けて実施をいたしました。一般援助につきましては百八十五団体、二百五十の事業に総額二十三億二千六百万円を配分いたし、それから緊急援助といたしまして、ソマリアの内戦による被災民に対しまして食糧や医療援助を行うということで四団体、四事業に二億七千万円の配分をしているところでございます。
 そこで、国別の配分状況でございますが、アジア地域が何としても最も多うございまして、フィリピン、タイ、カンボジア等の十九カ国に十六億六百万円ほど配分し、それからまた、アフリカ地域に対しまして十一カ国で約四億円、それから中南米地域八カ国に九千三百万円というふうな形になっておりまして、全体で四十九カ国で現在この資金が使われているというふうなことでございます。
 特に、一般援助についてその内容を見てみますと、貧困や災害に苦しんでいる人々のための医療、保健衛生指導、それから教育関係を中心といたしまして、さらに自立を促すための職業訓練でありますとか農業等の技術指導、それから環境保全対策、それから食糧援助、こういった分野に主として配分されているというふうなことでございます。
#54
○三重野栄子君 郵政省が発行されました平成四年度国際ボランティア貯金レポート、これですけれども、これによりますと、平成三年度配分金の使途につきまして、寄附金が有効に活用されているかどうかということについては書面監査とかあるいは実地監査の実態調査を行ったというふうに述べられております。
 私は五月初めにネパールの大使館にお伺いをしたわけですけれども、そのときの感想でございますが、大使館と国際ボランティア貯金を受けて活動しておられる現地のNGOとの連携というのは十分になっているのだろうかということを感じたわけです。これは私の感じでございます。
 実態調査の場合に、実地監査というのはだれがどのようにどういう方向で行われているのだろうか。これは大使館がそのNGOの活動を監視するとか指導するとかそういう意味ではございませんで、本当にネパールで感じたんですけれども、食べるものも寝るところも日本とは全然感じが違う。言うなら、この表紙にあるこういう格好の人たちと一緒に仕事をしておられるわけでございますから、やはり大使館の皆さんとNGOと随分連携が深められればその方々も安心して活動ができるであろうし、これからもどんどん発展していくのであろうというような視点に立ちまして、この国際ボランティア貯金が配分される先と大使館とはどのような関係でおられるのだろうかということを、ネパールがどうということだけじゃありませんが、全体的にどうだろうかということをお尋ねしたいと思います。
 この中に、外務省を通じて公館と照会というふうなこと、照らし合わせるといいましょうか、そういうふうなことになっておりまして、ただ通知を出すとか照会し合うということなのか、あるいはたまにはそこに行って、忙しいでしょうからそうはいかないかもわかりませんけれども、何かそういう温かい関係があった方がいいのではないかというふうなことを思いましたので、その点について実態をお伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(山口憲美君) ボランティア貯金とそれから大使館と申しますか外務省との関係についてちょっと御説明させていただきますと、このボランティア貯金の寄附金の配分を受けて実施する事業につきまして団体から申請をいただく、その申請をいただいたときに外務省に申請団体名、申請内容、実施地域といった資料をお示しいたしまして、該当する国で事業を実施する上での問題点がないかどうか、あるいは邦人の安全が保てるかどうかというふうなことについて照会をいたしております。そして、外務省では在外公館に照会する等して、その申請案件が配分するのに適する団体がどうか、あるいは有効な事業かどうかというふうな点について意見を述べる尊いたして、両省で事前に協議をして配分を決定しているということでございます。
 そしてまた、この配分が決定された時点では、外務省を通じて在外公館に当該国で活動する団体名、事業内容、実施地域等について通知をいたしまして、事業が円滑に行えるよう協力を要請いたしております。それからまた、随時在外公館とは外務省を通じていろんな情報も交換をするというふうな形になっているところでございます。
 今先生から御指摘のケースで、その実が十分に上がっていないというふうな御指摘がなというふうに思われますけれども、まだ始まったばっかりで各国同じような形にはなっておらないのかもしれません。いずれにいたしましても、お話しの点の必要性ということも十分にわかっておりますので、さらに実の上がるような形に外務省とも連携をして考えてまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。
#56
○三重野栄子君 余り外務省にきつく言わないでください。私もたまたま初めての経験でそういうところを知ったわけでございまして、全貌を知っているわけでもございません。ただ、両方が支え合っていけたらばいいではないか、貯金をなさった方も有効なところに行っているということで安心されるのではないかという意味で申し上げましたので、これからも有効になることを願って御連絡なり御指導方をお願いしたいというふうに思います。
 いろいろ質問させていただきましたけれども、金融自由化が進展する中で、情報収集力、交渉力が弱い立場にあるそれぞれ個人の預金者の利益保護というのはこれからますます重要な課題でございますので、専ら個人の非営利の金融機関である郵便貯金が今後ますます充実されていくことを期待しているところでございます。今後とも国営の金融機関として個人預金者の利益の増進のために努力していただきますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#57
○委員長(野別隆俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時一分開会
#58
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#59
○及川一夫君 午前中、法改正案の内容を軸にして御質問させていただきました。それを受けて、法案自体の問題もございますが、これからの郵貯事業というものがどう展開されていくのか、そのことにウエートを置きながら質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、大臣、私もいろんな検討をしておりながらつい先ほど気がついたんですが、そういう意味では通告抜きなんですけれどもちょっとお伺いしたい点があるんです。もともと常任委員会での論議のやりとりというのは、衆議院の選挙改正特別委員会じゃないけれども、ああいうやりとりが一番私はいいものだと思うんですよね。だから大臣も、通告ないならないで、そんなもの答えられるかといって突っ返すんなら突っ返してもらってもいいんですが、そういうやりとりは大臣おなれになっているようだから余り失礼にならないだろうということを前提に置きまして、私これはある意味では大変なことだなというふうに実は思っておりますので問題をちょっと提起をしたいと思うんです。
 それは、日本の法律というものはたくさんございますが、その条文の中に国民大衆という表現を使った法律があると思いますか、それともないと思いますか、どちらですかということを実は大臣にお聞きしたいんです。
#60
○国務大臣(小泉純一郎君) 中にはあるんじゃないでしょうか。ちょっと具体的にわかりません、調べてないものですから。
#61
○及川一夫君 実は正直言って私もそういう表現というのはないというふうに思っておったわけですよ。ところが、ないと思うと、郵政大臣が言われるからおかしいなというふうに実はなるんです。実際問題、今度の法律の改正されたところではない現状の中でうたわれておるんです。それはこの第十二条です。十二条の第二項をちょっと局長、大臣に見せてやってください。
 第十二条の二項に、「前項の政令」云々から始まって、中ごろになりますと、「経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意しこと、こうあるんですよ。
 これはいつごろこんなふうになったのかなということを調べさせていただきますと、昭和三十八年六月七日、参議院の本会議、郵貯法第十二条の改正趣旨説明の中で大臣もそう申されているわけです。
 これは余り法律上はなじみがない表現じゃないかなと思って、他の法律にはあるかないかということも調べてみますと、住宅金融公庫法に「国民大衆が健康で文化的な生活を営む」、こういうふうに実はありまして、さらには沖縄振興開発金融公庫法、ここにも「沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者」云々、こう書いてあるわけです。これ法律なんです。
 ですから、そんなにあちこちで使われている法律上の表現ではないということになると、やはり特別の思いを含めて条文整理をしているんじゃないかというふうに、会議録を全部調べてやる暇はなかったんですけれども、僕はそういうことがやっぱり意図されているんじゃないかというふうに思うんです。
 そうしますと、この郵貯法というのも、国民大衆という言葉を使っている限り、かなり国民のもの、午前中の山口貯金局長の説明にもやっぱり個々の国民というか、しかも法人じゃない個人という、極めて零細なというような意味合いを含めた答弁もございました。そういう人たちの金融制度というふうに僕は位置づけることができるんじゃないかというふうに思うんです。
 ですから、銀行筋が郵貯をとらえてさまざまな問題を提起してくるけれども、一体ああいう物の見方、提案の中には、国民大衆というものを踏まえた制度ということを前提にした、またそういう思想を正確にとらえて物を言っているのかなどうかなということを実は先ほど何となく気がついたわけなんです。
 ですから、今私が知っている限りでは三つの法律にしかない国民大衆という言葉、その三つの法律の中の一つ、郵貯法にそういうことが言葉として存在するということは、かなり郵貯という問題については、いわば形を変えて言えば、国営ということがそういう意味でも使われ、また位置づけられているんじゃないか、こんなふうに考えるんです。
 したがって、そういうことに前提を置いて郵貯制度というものを見直すなら見直す、問題提起をするなら問題提起をしていく、改めるなら改めていくという発想法がないとこの法律の趣旨を生かすことができない、こんなふうに思うんですが、大臣いかがですか。率直なところでいいですよ。
#62
○国務大臣(小泉純一郎君) 我々政治家としては何げなくといいますか、よく国民大衆という言葉を使いますが、今この郵貯法にもあるということは、まさに郵貯が個人専門、全国津々浦々、そして少額の貯蓄手段の提供、ぴったりじゃないかなというふうに感じておりますし、それだけ全国大衆から信頼され愛着を持たれていることなんだと、そういうふうに私は理解しております。
#63
○及川一夫君 何げなしに答弁を聞いていればそのとおりなんだけれども、やっぱりそこには、運用する立場というものをしっかり踏まえた上でお互い議論をしていかなければならぬ問題だというふうに思います。郵政大臣としては当然のことだし、同時にまた政治家としても、法律によって我々も日本の社会全体を見渡していく、そして問題点をとらえていくという立場からいっても、この言葉の意味するものをしっかり踏まえた上で私は議論すべきだと思っておりますから、ぜひ大臣にもそういう立場を踏まえて対応していただきたいということを要請しておきたいと思います。
 次の問題として、昨年の十二月二十五日、大蔵、郵政両省で金利問題というのでしょうか、金利の自由化問題にかかわって合意文書が実はできております。その内容は言わずもがなですが、金利の自由化に郵貯はどう対応するのか、市場金利との関係なんかを含めてどのように対応するかということを大蔵、郵政両省で合意をしているわけですが、こういう合意文書というのは端的に言って今後もあるのでしょうかということをまずお聞きしたい。
#64
○政府委員(山口憲美君) 御質問の意味がちょっとあれなんですが、誤解していたらお許しいただきたいと思います。今回こういう合意をいたしましたけれども、この合意が機能している限りはこの合意でいくということでございまして、さらにこの上に合意を加えるというふうなことは今のところ考えておりません。
#65
○及川一夫君 いや、これまでの制度という意味では、大蔵省と協議をしたり、あるいはまた関係する省とも協議をしながら、こう運営していこうよということを決められることは当然といえば当然だろうと思うんですね。この合意文書の最後の方に、この目的にそぐわないような、合意文書にそぐわないような事態が出たら見直しの協議をしようよということも一万あるものですから、そういう事態になったら協議がされるんだというふうに思いますが、今回の法律の提案は、金利の自由化に対して素早く対応しなければいけない、そのための法整備であるというふうにこれまた素直に受けとめると、やはり郵政大臣の判断が敏速に行われるような環境をつくるということは事の次第だと思うんですよね。
 だから、今までのように、悪い意味で言うんじゃないが、一々大蔵と協議をしなければ利率が決まっていかないということでは、金利の自由化は競争なんですから、競争に対応できるかどうかというようなことにもなっていくんじゃないかなというふうに私は感ずるんですよ。ですから実際の運用の問題、運営の問題ということになるんでしょうが、これまでと同じように大蔵との協議というのが、こういう合意文書をつくるような行為というのがこれからも想定されるんだろうか、またそのことを前提にした今回の自由化に対応する法律の改正なのか、どちらなんだということをお伺いしたいんです。
#66
○政府委員(山口憲美君) 今回、郵便貯金法の改正をお願いしておりますのは、その中の一つに定額貯金の金利の自由化ということがございますが、この自由化の具体的な内容といたしましては、郵政大臣がもろもろの条件を勘案いたしまして金利を決定する、こういうことになるわけでございます。そこで、そういった場合に考慮すべきものとしてどんなことが必要かということについて大蔵省と一定の整理をしたというのが今回のものでございます。
 この合意に基づきまして、郵政大臣が主体的に金利決定を行うということになりまして、現実にも、第一月曜日と第三月曜日にこの金利を機動的、弾力的に決定をしていくということでございます。従来のように、公定歩合が改定されるときに関係省庁と協議をし、あるいは郵政審議会の議を経て決めるというふうな手続から機動的、弾力的に決められる形に変わるということで、金利決定の際に個々に大蔵省と相談をするというふうなことはなくなるものでございます。
#67
○及川一夫君 いや、僕の質問に答えてない。そういう心配があるのかないのか。つまり、敏速に対応できるように法整備をしようとしているのに、一々大蔵省と相談をしなければできないということが仮にあるとすれば、敏速対応はできないじゃないか、そういう心配はないのか、そういったことはちゃんと法律上整理をされた上での提案なのかということ童言っているんであって、一般的なことを聞いているんじゃないです。
#68
○政府委員(山口憲美君) 自由化してきた場合の金利の個々の決定につきましては、一々大蔵省と相談をすることなく自由に決められるということでございます。ただ、貯金法の中には法律で定められたもの、あるいは政令で定められているもの、あるいは予算にかかわるもの等々もございますので、当然にそれらの部分については従来同様関係省庁とお話をさせていただくということになろうかと存じます。
#69
○及川一夫君 この合意文書の中には官民の資金シフトのトータルバランスに実効が上がらぬ場合、こうありますね。上がらぬ場合というのは一体どういうことを言うのかなというふうに思うんですが、大蔵省、これはどういう意味ですか。
#70
○説明員(小泉龍司君) 今回の合意は、金利の自由化という措置に実効性を持たせるために、郵便貯金の金利も民間の金利を見て決めていただきたい、これを合意したわけでございます。これがうまくいきませんと官から民に、あるいは民から官に、ある短期間に、この定義はなかなか難しいわけでございますけれども、短期間あるいは一定の期間継続して大きな資金が移動するということが生じ得ます。こうなりますと、民間の金利を自由化しても資金の需給バランスで適正な金利を決めるということが難しくなりますので、その場合にはこの合意をもう一度見直そう、こういう趣旨でございます。
#71
○及川一夫君 まあ趣旨はそこにあるんでしょうが、そのトータルバランスの実効が上がらないという内容は一体どういうことなんでしょうか。
#72
○説明員(小泉龍司君) 郵政省との合意の中に、日々、まあ日々は難しいと思いますけれども、定期的に両省が、大蔵省であれば民間金融機関の資金の状況、郵政省であれば郵便貯金の資金の状況、これを計数で交換いたしましてその都度、これは民間の金融商品全体でございますけれども、その資金の適正な配分、つまりマーケットが有効に機能しているかどうかということを計数面でチェックしていこうと。これは一つ一つが経験則の積み重ねになると思います。現時点で具体的な実績値に基づいた実績分析というものはできておりません。経験則の積み重ねになると思いますが、金融の世界全体を両省が見渡しまして、マーケットが機能しているかどうか、こういう判定を計数をもってチェックしていきたい。これは郵政省と緊密に連絡をとることを合意させていただいております。
#73
○及川一夫君 そうすると、今現在はトータルバランスはよろしいという判断でおられますか。
#74
○説明員(小泉龍司君) これはなかなか難しい御質問でありますけれども、これまでは規制金利のもとにおきまして一定のルールがございました。定額貯金の三年目以降の利率は民間の二年の既成定期預金と同じにするんだ、このルールのもとで定額貯金が運用され、それが郵貯の大宗を占めてきたわけでございます。しかし、その結果として郵貯のシェアが徐々に高まってくる、これは長い歴史を考えてみましても今の水準というのはかなり高い水準だと思っておりまして、今の水準が適正だと考えることは難しいわけですけれども、少なくとも傾向としては増加傾向をたどってきております。
 しかし、これは規制金利のもとにおける官と民の状況でございましたので、今後は、民間も完全自由化する、定額貯金も完全自由化しまして今度の合意のもとで動かしていけば、必ずや適正バランスというものは、数字でお示しすることは難しいわけですけれども、適正バランスというものは確保できる可能性が大いにあるというふうに考えております。
#75
○及川一夫君 いや、数字で示さないことには理解できないわけですよね。そうでしょう。数字で示すことは難しい、それでトータルバランス論をいいとか悪いとかやっているというのはどうもわからないですな。ある程度の数字というものがあって、多少の出入りはともかくとして、こういう割合だなという合意というものがなければ争いは絶えないわけです。
 そういう意味で郵貯とその他民間銀行の皆さんのトータルを整理してみますと、昭和五十六年では郵貯の占める割合が三〇・一%という数字が示されておって、それで平成三年のを見ても三〇・八、中間的に見れば二九などというものもあるし三二・一などというものもある。しかしこれにはみんなわかりきった事情がついている。だから、おおむね三〇%というものが郵貯が持っている資金の割合、こういうふうに歴年ずっと見ても大体そうなっているわけです。
 これが現状だということになれば、その上に立ってトータルバランスの問題を論議して金利の決め方も合意をされたということになれば、現状、実態というものはそういった点では問題はないんだなという理解になるんですよ、僕から言えば。それではやっぱりだめなんですか。
#76
○説明員(小泉龍司君) 適正な郵貯のシェアにつきましてはいろいろな角度からも検討が必要だと思います。例えば外国の例あるいは日本の郵貯の歴史、こういったものを考え、あるいは現在の金融経済情勢、金融システムのあり方、いろいろな観点から検討することが必要だと思います。
 ただ、一つの歴史的な事実として申し上げれば、明治二十年代に郵便貯金制度を政府が国策として育てようということをやりましたときに、郵貯金利を非常に高くつけました。あっという間に郵貯のシェアは約三割、これはいろいろな統計のとり方がございますから今の数字と比べて高いか低いかを正確に比較することは難しいわけですけれども、かなり大きなピークを迎えたわけです。しかし、これはどうもやり過ぎである、郵貯が肥大化し過ぎたということから金利を政府は政策的に引き下げまして、急速に郵貯のシェアは低下したわけでございます。
 こういう一つ一つの事実の検証を積み重ねていって、今の水準が適正かどうかということは郵政省との間でも引き続き議論を続けていきたいというふうに思っております。
#77
○及川一夫君 どだいシェアの議論というのは、郵貯対民間銀行ということで考えるべきかどうかということも私は基本的には疑問があるんですよ。例えば、個人の貯蓄残高が八百八兆円もあります。それで個人の預金残高というのが五百三兆円ある。そして郵便貯金はその中で百五十六兆円である。こういう数字なんかを当てはめていきますと、確かに民間対郵貯という意味合いだけでとらえれば三〇対七〇になる。しかし、日本の経済、産業のいろんな流通しているものを全部含めて考えたり、あるいはマネーサプライとの問題なども含めて考えていくと、果たして郵貯対民間銀行ということだけで考えることがいいのかどうか。
 もちろん、郵貯の占める割合が三〇が四〇、四○が五〇になるというようなことは、それは私は必ずしも肯定できません。ですから、大体僕らのイメージとして、民間も郵貯も自由化されるんだから今度は共存共栄を考えなきゃいかぬのでしょう。そういった点では余り利用者の前で相争うような、何かわけのわからぬ議論をするということは僕はよくないというふうに考えるので、現状の積み上げがずっとあるわけで、現状三〇対七〇なら、そのぐらいのところが大体郵貯対民間金融機関という面でのバランスなんだということを頭に入れながら、直すべきものは直す、行き過ぎはやめさせるというふうな発想に僕はしていきたいというふうに思うんですが、それを固定的にこうだというような何か反論ありますか。
#78
○説明員(小泉龍司君) 金融自由化のもとにおきまして考慮すべき新しい一つの要素といいますのは、預金者の利益あるいは金融経済の効率化というものが最終的な目的ではあるわけですけれども、自由化によってマーケットにおける競争というものに金融をゆだねようという政策意図があるわけでございます。したがいまして、今おっしゃいましたように、マーケットに資源配分をゆだねようというそういう政策の流れの中では固定的なシェアというものを、適正なシェアというものを見出すことはなかなか難しいかもしれません。
 御理解いただきたいのは、預金者の利益あるいは金融経済の効率化という大きな政策目的をマーケットを使って実現していこう、それに郵便貯金も協力してください、こういうことをお願いしているわけでございます。その先に適正配分の議論がさらに大きな検討課題として残るとは思いますけれども、そういう点を御理解いただきたいと思います。
#79
○及川一夫君 貯金局長ね、別に違いを求めるわけじゃないんですが、今のやりとりを聞いていて、郵貯を施行している立場から見て特別に問題を感じませんか。
#80
○政府委員(山口憲美君) 今回の自由化に当たりまして私どもが基本的に考えておりますのは、先ほど先生からも御指摘がありましたけれども、郵便貯金は長い目で見ますと三〇%のシェアというのがずっと続いているわけでございます。私どもといたしましてもこういった状況というものを、著しくこれがふえるとか減るとかというふうな形は必ずそこに不自然なものが伴うということになるわけですから好ましくないということで、こういった形のものが安定的に推移するようにということが望ましいことではないかというふうに考えます。
 ただ、平成二年、平成三年のときには確かに五兆円私どもの方が減ったり十一兆円ふえたりというふうなことがございました。こういう一時的なシフトというのは郵便貯金の立場からしましても決して望ましいことではないということから、こういった事態というものは避けなければいけない。この原因としては、るる申し上げておるところでございますが、金利の不整合ということから起こっていることでございます。
 今回の自由化の措置ではこういうことはまず起こらないだろうというふうに私どもは思っておりますが、しかしながら、そういった一時的な資金シフトというふうなことが起こらないようにということも十分配慮していこうということでこの措置をとったものでございまして、今回の合意というのは、自由化に伴いまして、自由化のメリットが郵便貯金の預金者に及ぶように、しかもそれが大きく金融秩序を乱すというふうなことのないようにという配慮をしてやっているということでございます。
#81
○及川一夫君 これから具体的に出てきたときにまた論議になるでしょうから、大蔵それから郵政省の考え方というのは、それぞれ何かを配慮しなきゃいかぬという前提に立っていろいろ言われているということはわかりました。したがって、この面ではこれから自由化に入りますとさまざまな問題が出てくると思いますので、私も注意はしておりますが、冒頭申し上げましたような、国民大衆という言葉を使っての郵貯であるということをしっかり踏まえて対応してもらわなければいけない、こういうふうに実は思っているということを申し上げておきます。
 これに関連をして次に聞きたいのは、民間金融業界とか全銀行、全銀協ということですからこれは主体がはっきりしているが、民間金融業界というのはこれ何なんだろうと。新聞にもどこというふうに書いてない。業界という言い方。全銀協はしっかり写真入りで出てましたからそれはそれなりに理解できる人ですが、ここから意図しているとか発表されたという前提で新聞ではかなり郵貯の民営化という問題にお触れになっておるんですよ。非常に私は疑問を持って、どこなんだと聞いてもようわからぬという。そんなばかな話は僕はないと思うんだけれども、大蔵省に聞きたいのは、金融業界というふうに言った場合にはどこを指すんですか。
#82
○説明員(小泉龍司君) 御指摘の新聞記事に関しましては、この記事を改めて読み直しまして、どこでどういう検討をしているのかということを調べてみました。
 民間の側として思い当たるのは、全銀協の中に事務局がございまして、その事務局の中の制度問題研究会という場におきまして、これはずっと昭和五十年代から継続して勉強しておるようでございますけれども、郵便貯金のあり方についての勉強を継続的に進めている、こういうことを申しておりました。
 通常、民間金融業界という言葉がどこのだれを指すのかという定義は明確ではありませんけれども、この記事に関します限りは、恐らく全銀協の議論を念頭に置いた記事ではないかと推測はしておりますけれども、明確な情報は入手しておりません。
#83
○及川一夫君 この内容を見ましても、金融業界の方は「地域分割や三事業分離」ということが明確にこれは出ているし、それから全銀協の方は「郵貯、民営化含め抜本改革」ということで、要するに当面直ちにやらなければならない問題と経営形態の改革、こう二本立てでやってきているわけですね。
 どこかでつながりがあることはわかるんだけれども、しかしどちらにしてもこれほどの発表をされるんなら、尋ねてみたところが、いやそんなものはまとめていませんとか、そういう返事が返ってくるような業界であっては僕は余りにも無責任じゃないかなという気がするんです。私はそういう程度の把握しかしていませんが、貯金局長、これは郵政ではどういうふうに受けとめておるんですか。
#84
○政府委員(山口憲美君) このもの自体につきまして、私ども金融業界から特に意見を求められたというふうなこともございませんで、これがどういうものなのかということは承知をしておりませんけれども、民間金融業界においても郵便貯金をめぐるいろいろな議論がある。そういう中でいろいろ勉強はされているというふうなことを聞いておりますので、そういった一環のものではないかというふうに見ております。
#85
○及川一夫君 局長ね、それは一環のものであることは間違いないですよ。間違いないんだが、しかしえたいの知れないものという結論になっているね、今は、だれが出したかわからぬと。そんなものは全銀協でまとめて出した覚えありませんという答えが返ってきているというふうに僕は聞いているわけですよ、あなたの方からね。
 だから、そういうえたいの知れない形で、世論を引きつけるためかいろんな方法があると思うんですが、こういう世間万般に影響するような問題というのはもっと責任ある立場で堂々と発表して論議に臨んでもらわないと私は非常に困ると思うんですよね。それこそ国民大衆を惑わすということになりかねない。
 特に、私たちはやっぱり逓信委員ということが肩書としては言われていますから、集会や何がへ行くとそういう質問が出ますよ。そのときにえたいの知れないところから出たからあんなものは関係ないよと言うわけには私はいかない、やっぱり出ていることに対して一つ何々二つ何々、反対なら反対、この点はいいというようなことを実は言わざるを得ないわけですよね、個人の考えとしてね。ですから、えたいの知れないものだということでとどまっていることについては、私は非常に問題があるというふうに思っているわけですよ。
 さらに大蔵に一つ聞きたいのは、この両方の案の中には財政投融資というものをとらえての発言というのが一つもないんですよ。果たしてこれは国の政治として、政策として、まあ財投は大蔵省の所管ですから、物の考え方はあっても特段に責任を持たなきゃいかぬという立場ではないと思うけれども、特に大蔵の場合には日本の経済運営そのものでしょう、財投は。どんなことを言ってみたって。
 そうすると、一体郵貯を民営化した場合に、財投という制度に必要な資金を民間企業から集める、そして今行っている財投の利率でもって運用していく、同時にまた、補助金を出すというようなことが一体制度としてできるんだろうかということを考えたりしますよね。
 だから私は、余りにも民間銀行というか金融というか、そういう立場に立った利益擁護のための何か手当てでしかないような気がする。やるなら、社会の一員であるんだから、今財投というものはどう機能し、その資金はどこから流れていっているのか、入っていっているのかというようなことを考えた総合的な提案をしてもらわないと私は無責任だと思うんですが、この点、大蔵はいかがですか。
#86
○説明員(小泉龍司君) 全銀協でどういう今検討をしておるのか、本当に正直に申し上げて詳細もあるいは骨子も全く伝わってきておりませんので、今の御質問に直接お答えすることは難しいわけでございますが、しかし一般論として申し上げれば、郵便貯金制度のあり方を議論するときに、財投制度とのかかわり合いが全く議論の対象にならない、全く無関係だというふうに考えることは一般論としては難しいというふうに思います。
#87
○及川一夫君 言葉は易しいけれども、それは日本の経済運営のそれこそ抜本的なある意味では改革にもつながっていく。とにかく建設国債にしろ、特例公債こそ毎年毎年発行しないけれども、しかし累積としては大変な額があるわけで、そういうものは全然関係ない、日本経済運営に関係ないというふうには私はならぬだろうと思うし、当然郵貯制度の改革だってその辺のことを含めた物の言い方、考え方を私はしなければならないというふうに率直に言って思うんですよ。
 そこで、今までのいろんな郵政と大蔵の議論もあるようですけれども、問題は、合意文書ををつくるまでには、できたのが昨年の十二月二十五日ですよね。そして、さかのぼって三月にも一回論議をしたことがあるが、あのときにまとまりませんでしたよね。なぜあのときにまとまらなかったのか、まとまらない理由は何だったのかということについて貯金局長にお伺いしたい。
#88
○政府委員(山口憲美君) お尋ねの昨年三月段階でのお話でございますが、郵政省といたしましては早期に定額貯金の金利自由化を実施したいということで大蔵省と協議をしてきたところでございますが、昨年の三月の段階と申しますのは、一つは平成三年の十一月に三百万円以上の定期預金につきまして完全金利自由化がなされたという状況がございます。そしてまた平成四年の六月には、今度はMMCの方の最低預入金額が撤廃をされるというふうなことが控えておりました。
 そういうふうな形で、いわゆる金利の自由化が進展しておりましたその中途の段階にあったということでございまして、そういったこともございまして、交渉の基盤といいますか、そういったものがしっかりしていなかったというふうなこともありまして成案を得るに至らなかったということでございます。定期性預金が本年度完全金利自由化されるというふうなことが背景にございましたので、そういったことを受けて十二月にようやく合意に至った、こういうふうなことでございます。
#89
○及川一夫君 ちょっと要領を得ませんけれども、時間があれですから次に移らせてもらいます。
 今の郵貯制度なんですが、これは郵政省が勝手にひとりで決められる、また決めてきたというものではないと私は思うんですけれども、商品の問題にしろ、制度の問題にしろ、それから金利をどう決めるかという問題にしろ、今存在する商品のすべて、これについては例えば大蔵などとは協議をして、合意を得て、そして郵政審議会の審議もいただいて、その上で郵政大臣が発議をしたり、あるいはまたこの委員会にかけられて実施に移していくというふうな措置が一つ一つなされてきたと思うんですが、これは自由にはできないんでしょう。
#90
○政府委員(山口憲美君) 現在の郵便貯金制度につきましては、郵便貯金法第二条で「郵政大臣が、これを管理する。」というふうに規定をされているわけでございますけれども、現実一つ一つにつきまして眺めてみますと、例えば提供する商品の種類、あるいは一人当たりの預け入れ限度額、あるいは資金運用対象といった事業の根幹にかかわる部分というのは法律で全部決められているということでございます。そういった法律の内容を決定するに当たりましては当然に政府内部での合意が必要でありますし、あるいは国会での議決も必要だというふうなことでございまして、郵政省ひとりで決められるというふうなものではございません。
 それからまた、さらに定額郵便貯金の据置期間でありますとか定期郵便貯金の預け入れ期間、あるいは利率決定の際の市場金利の勘案方法、あるいは貸付限度額、期間、そういったものについては政令で規定されておりまして、この決定に当たりましても政府部内での合意が必要だというふうなことでございます。
 それからまた、当然のことでございますが、事業予算につきましても政府内部での合意を経て国会の議決をいただいているというふうなことでございます。
 ただいま申しましたような観点からいたしますと、郵便貯金法第二条で「郵政大臣が、これを管理する。」というふうになっておりますけれども、いろんな関係の皆さん方の御了解をいただいてこういった制度が運営されているということでございます。
#91
○及川一夫君 国営である以上それぞれの制約があるのはだれしもが認めているところだから、自由競争といって一〇〇%民間的な体質を持って競争するのとしないのでは大分私は違うと思うんですよ。だから、これからもかなり厳しい条件のもとで運営をしていかなければならないだろうなというふうに思うわけであります。
 ところで次の問題として、無責任じゃないかということを言ってみても、提言は提言ですから、これは局長に尋ねるわけだけれども、全銀協の郵貯見直し原案という形で、とりわけ早急に実施すべき具体的措置というのがありますよね。これに対してはどうお考えになるんですか。
#92
○政府委員(山口憲美君) 御指摘の新聞に報道された全銀協の提案内容ということについて、この記事につきまして総括的に申し上げますと、いろいろな提言がなされておりますが、共通しているのはいわゆる郵便貯金抑制論というふうな立場ではないかというふうに考えております。こういった観点に立ちますと、国民・利用者の利益というふうな視点がやや欠けているのではないかなというふうに思うわけでございます。
 現在金融界において問われておりますのは、ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんけれども、金融自由化の中において、いわゆる護送船団を早急に解体して競争を促進し、それぞれの金融機関が切蹉琢磨をして国民預金者の利益向上に努力していくんだ、こういう方向を今目指しているんだろうと私どもも考えております。そういうことからいたしますと、本来的に郵便貯金につきましても、あるいは民間の金融機関につきましても、それぞれにもっと頑張れ、もっと大いに国民・利用者のために頑張れというふうな形での御議論が望ましいのではないかというふうに考えておりまして、一方を抑制するというふうな御議論というのは、どうも国民・利用者の利益にはなかなか結びつかない御議論ではないかなというふうな感想を持っております。
#93
○及川一夫君 一項から六項目までありますね。例えば預け入れ期間最長十年の短縮の問題であるとか、据置期間六カ月の延長問題であるとか、あるいは奨励手当の問題であるとか限度額というものはこれ以上ふやしてはならない問題であるとかそれぞれありますね。
 午前中の質問に対する局長のお答えとしては、制度的に、内容的に充実をしていきたい、こういう意味に通ずるような答えをされているわけです。しかし、現実にこういうような提言があるということになると、これも資金シフトの問題に恐らく絡んでの発想なんでしょうから、具体的には一体どうなるんだろうか、どんな考えを郵政は持っておられるんだろうかということをお聞きしたくなるんですが、いかがですか。
#94
○政府委員(山口憲美君) 具体的に援言されております幾つかの項目について、個別にそれではちょっと私どもの感想というようなことをお話しさせていただきます。
 まず定額貯金の商品性の見直しの問題でございますが、この商品性の見直しはいわゆる官民相互間の過度の資金シフトの発生というふうなものを契機に提起された問題でございます。今回、御案内のように郵政、大蔵両省間で、定額貯金の金利につきまして、金利の設定を市場実勢にあわせて機動的、弾力的に行うことによりまして資金シフトの問題を解決していくということの合意をしたところでございまして、そういった意味からいたしますと、定額貯金の商品性の見直しの問題というのはこの合意の存続する限り実質的に解決をしているというふうに私ども考えているところでございます。
 それからまた、手数料の問題も出ているようですけれども、これにつきましても、手数料というのは個別のコストでサービスごとにカバーするようにするのか、あるいは総コストの中に入れて全体の原価の中でカバーしているのかという、これはいわば一種の経営哲学のような問題がありまして、そのどの立場をとるかということでございます。これらは今後それぞれの金融機関ごとにすべて足並みをそろえていくということではなくて、それぞれの哲学に基づいておやりになるのではないかというふうに思われるわけです。私どももそういったことから、手数料のあり方につきましては、預金者の利益が得られやすいようなこと、あるいは民間の動向というふうなものを踏まえて郵貯の立場で判断をしていかなきゃいけない問題だというふうに思っております。
#95
○及川一夫君 それはそうでしょう。しかしもっと肝心なことも書いてありますね。新規業務への進出の凍結あるいは都市部への郵便局増設の禁止などが言われている。それから奨励手当の廃止などと言われているんです。
 大体、郵便局の増設なんというのは、恐らく利用者というか国民サイドから地域的にとか町ぐるみで要求が出て、増設をするかしないかという大騒ぎをして、そうしてっくられるものだと思うんだよね。もちろん、経営をやっているんですから、ここに必要だと思うときには郵政省の意思で郵便局をつくるということもあるでしょう。しかし大多数の場合には、いかにサービスをよくするかという観点から郵便局というものはつくられていくというような問題だと思うんです。
 それに対して、民間サイドから、そんなものはつくるな、やめておけというようなことの要求が出るということが僕は余り理解できない。それこそ国営の立場から見れば、国民の要求が出たらそれにどう応ずるかというのが大前提であって、なおかつ応じられないというものは説得するということが僕は建前だと思うんですね。それが何か企業から要求されて、必要だけれども郵便局はつくらないというような図になるようなことは、一体あっていいのかどうかということを基本的に考えます。
 それから奨励手当の廃止なんというのは、そんなのは余計なことじゃないか人のことを考えるよりも自分のことを考えろというふうに言いたいくらいの怒りが出てくる。この奨励手当は去年がおととしできたものですか。民間にはこの奨励手当的なものはないんですかどうですかというようなことも僕は聞きたくなるんだけれども、後段の問題はあなた答える立場じゃないかもしらぬけれどもね。
 いずれにしても、奨励手当のようなことは相当長年やっている問題でしょう。極端に言えば、郵便貯金制度というものができてから奨励手当は、多い少ないは別にして、もう制度としてあったというふうに僕は記憶しているんですよ。しかも、今やこれはもう労使関係の問題でしょう。労使で協定をするような問題ですよ。それにまでかかわってこれをやめろというような言い方というのは労使関係に対する介入の問題になるんですよね。
 だから、そういうことが言われているにもかかわらず郵政の反応というのは、大人といえば大人だけれども、のんびりしているなという感じが私はするんだが、この点は別に世の中にほえてかかれというふうに言っているわけじゃないですよ、きちんとしたやっぱり考え方を僕は持っておく必要があるというふうに思うんですが、どうですか。
#96
○政府委員(山口憲美君) 都市部への郵便局の設置の問題、これにつきましてはもうおっしゃるとおりでございまして、都市部への人口の集中だとか、建物の高層化だとか、再開発や大規模団地の進展等に伴いまして、都市部であるいはその近郊発展地で郵便局の仕事を取り扱う窓口機関が不足して大変混雑をしているという状況で、いろんな方からいろんな御指摘をいただいているということでございます。そういったことを踏まえまして都市部への郵便局の設置をしているというものでございまして、これは利用者の利便ということを考えれば当然に果たしていかなきゃならない役目だというふうに思っているところでございます。
 それから奨励手当の関係につきましても、郵便貯金は先ほど来申しますようないろいろな役目を果たさせていただいておりますが、こういったものを果たしていくためには、郵便局の職員が地域の皆さん方に積極的に働きかけて奨励をしていってくれているということが大変大きな要素になっているわけでありまして、こういった職員の努力に対して報いるためにこういう貯蓄奨励手当というふうなものを支給するのは当然のことだというふうに考えております。私どもとしては、こういったものにつきましても、いわゆる給与上のメリットシステムということでぜひ皆さん方に理解をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、お話しのようにいろんな郵便貯金につきまして御議論がございまして、それらの御議論の中には大変誤解に基づいてなれている御議論もございますし、あるいはまた我々として納得しがたいというふうな御議論もございます。先ほども申し上げさせていただきましたけれども、郵便貯金の役割でありますとか目的でありますとか、そういった事柄につきまして十分まだ御理解いただいていない面があるなというふうなことを非常に感じておりまして、本年度の経営方針の中でもこれの周知という問題を一番大きな柱に据えまして、ことしひとつみんなで頑張って研究し、また実践していこうというふうなことに今力点を置いてやっているところでございます。御理解賜りたいと思います。
#97
○及川一夫君 最後になりますが、この前、臨調の中間報告の問題をとらえて、郵政省としてもっと能動的に、今問題として出されてきていることに対しては態度を明確にして、PRなり誤解を解くための行動をすべきじゃないかという立場に立ってこの中間報告に対する郵政省の受けとめ方をただしたんですよね。
 五十嵐官房長がそれに対して、あの中間報告というのは要するに中間であって、民営化の方向とか具体的にこうせいとかそういうものはない、単にヒアリングをしたという報告だという答えがあったんですよ。そんななまぬるいものと違うじゃないか、甘い見方ではないかというふうに私は申し上げておったんですが、これは官房長の問題というよりも、郵貯の問題そのもの、簡保事業そのものの問題、郵便事業もそうですわね。
 なぜ私はそう言うかというと、あの中間報告を見ると、官業は民業を圧迫してはいかぬ、補完に徹すべしという一つの論点があって、そういう方向を確認したということになっているわけ、その方向を確認したというものは何を土台にして方向を確認したかというと、十九の省庁と三十九の事業体のヒアリングをやった上でそういう方向を確認した、こうあるわけですよ。
 それでは、官業は民業を圧迫してはならない、補完に徹すべしというふうに当てはまる事業というのはあの中間報告のヒアリングの中で一体どれとどれなんだということを当てはめてみますと、僕はあの中では郵政三事業しかないと思うんです。あとは住宅金融公庫どうのこうのとかいう、要すれば、国が政策として受けとめなければできないという意味での事業団をヒアリングしているんであって、それを民営化したからといって一体どういうことになるんだろうか、果たしてできるんだろうかというような疑問は持つけれども、実際に今企業体、事業体として民間と対置してあるのはどう見たって僕は三事業しかないと思うんですよ。
 だから、三事業に対して官業は民業を圧迫してはならない、補完に徹すべしということを決めているというわけですから、具体的にはこれからでしょうけれども、僕は郵政事業そのものについてはそういう方向で臨調では論議をされるんだというふうに思っているんですが、直接の担当局の一人として、今のような受けとめ方をされますか、されませんか。
#98
○政府委員(山口憲美君) 先般、第三次行革審で中間報告が出されたわけですが、この中にも確かに郵便貯金につきましての記述がございまして、それをどういうふうに考えるかということにつきましてはいろいろ御意見あろうかと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、行革審がこの秋には最終答申を出すという予定になっているようでございますので、私どもの立場といたしましては、本委員会でもるる御説明させていただいておりますけれども、郵便貯金が国民・利用者のためになるような、そういった利益を損なうことのないように、しかも、二十一世紀に向けて自由化を迎え、そして民間の金融機関の状況も大きく変わろうとしているそういう状況の中で、郵便貯金がどういう役割を果たしていったらいいのか、そういった長期的なビジョンの上に立ってこの郵便貯金についての御提言をいただくならお願いしたいというふうな立場で、いろいろ御説明をさせていただこうというふうに考えているところでございます。
#99
○及川一夫君 終わりたいと思いますが、大蔵の方、大変どうも御苦労さまでした。ありがとうございました。
 ただし、私はこの問題はただひとり郵政省だけの問題ではないと思いますね。やっぱり大蔵だって、それはあたなの方は資金として提供をしてもらえばいいというふうに思っているのかどうか知りませんけれども、どちらにしてもこの郵便貯金制度というのが民間にかわると一体どういうことになるのか。これはもう国全体としても大変大きな問題だ、単に郵貯の利用者の問題ではないというふうに私は率直に言って思うんでありますよ。
 ですから、ここで議論すると、銀行局と理財局の何となく対立したような意見を聞かしてもらったこともあるんだけれども、もうそういうことではない。郵政は郵政として内閣の一角ですから郵政事業をどう守るかということがあるんでしょうが、大蔵は民間金融の立場に立って一応代弁をしなければいけないし、同時にまた、どうまとめるかという立場に私は立っているんだと思うんですよ。ですから他人事ではないというふうに思われていると思うし、そういう意味でこの郵貯制度について混乱の起きないように対応してもらいたいということを特に強調して、私の質問を終わりたいと思います。
#100
○常松克安君 大臣、まことに日々御壮健で何よりでございます。
 冒頭から唐突でございますが、大臣は預貯金の口座を何通お持ちでございましょうか。
#101
○国務大臣(小泉純一郎君) 多分一通じゃないでしょうか。
#102
○常松克安君 きょうお伺いいたしますのは、昨年三月、予算委員会におきまして権利消滅金並びに睡眠預金の議題で質問をいたしました。その基本にありますのは、第一に、おのれの財産は自分がしっかりと管理せよ。第二番目には、そうも言いながら、十年間たって口座の出し入れなくして残された預貯金というものが百億、二百億、三百億、否もっとある。こういうふうな現状というものは、本人の意識もさることながら、どちらかというと制度上の問題でいろいろこれが消滅でき得ない、あるいは完結でき得ないというものがありとするならば、これはやっぱり制度上の対応というのは考えていかなきゃいかぬ。第三番目には、そうして一応処理をされます利益金、これに対しては私は猛然と猛反対いたしました。一冊の通帳には人生のドラマがある。それをただ単純に、十年間使わなかったら、忘れていたから、通知をしてもお答えがなかったからといって収益金とは何事かと、こういうふうな論旨で今日まで回を重ねて審議し、かれこれ一年有半になります。
 特に当時の郵政大臣はそのことに共鳴をされまして、全くそのとおりですと。そういうお金というものを社会貢献並びに国際貢献という問題に使用していくのもまた議論の一筋であると、こういうふうに申し上げました。また前大蔵大臣は、収益金とは何事かと言った場合、まことにその論拠、まことに収益金というのは私もちょっとどうかと思うと、こういうふうに予算委員会の議事録に明確に残してあるわけであります。
 さて、問題はその実態でありますけれども、実態をここで全部一遍明らかにしてみたい。そうして世論の皆さんの御意見に供するために、資するためにその金額を明らかにしたい。これについては各業界、いろいろな大蔵省の熱ある調査、あるいは私自信も一年かけていろんな現場を数十カ所歩いてまいりました。そのもとを根拠にして本日この一時間、睡眠預金が目覚めるように、早いところ目が覚めるような方向の論旨を一遍供したい、こういうふうに考えてのきょう一時間でございます。
 よって一番頭から、ここは逓信委員会でございますから、郵貯につきまして平成三年度利益金処理額及び今日までの累計額、この二点についてお知らせ願いたい。
#103
○政府委員(山口憲美君) 平成三年度における権利消滅金の額でございますが、五十四億六千九百万円でございます。そして権利消滅処理後の支払い額は八億八千五百万円でございます。それから同年度末の権利消滅金の累計額でございますが、これは郵便貯金特別会計が創設された二十六年度以降の分ということになりますが、累計をいたしますと六百九十三億九千三百万円。それから権利消滅処理後の支払い額の累計額は、これは昭和四十三年度以降の分ということでございますが、六十七億七千百万円をお支払いしている、こういうことでございます。
#104
○常松克安君 聞いたことだけお答え願えれば結構でございます。ネット計算は聞いておりません。
 次に預貯金に関することで大蔵省銀行局に、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、あわせてお知らせください。
#105
○説明員(北村歳治君) 金融機関が平成四年度決算におきまして利益金処理した睡眠預金は、これまで私ども集計いたしましたところでは、銀行は約五百二十億円、信用金庫は約七十八億円、信用組合は約六億円、労働金庫は約一億円でございます。
 また、利益金処理後の預金者の払い戻しの要求に応じて損失金として……
#106
○常松克安君 聞いておりません。額だけで結構です。それとあと今日までの累計額。
#107
○説明員(北村歳治君) 私どもといたしましては、昨年三月の睡眠預金にかかわります国会での御論議、それから先生の御指摘を踏まえまして、銀行については平成四年度から計数の報告を求め、その実態把握を行っているわけでございます。したがいまして、これまでの累計額につきましては計数を把握しておりません。
#108
○常松克安君 次は農協、漁協についてお知らせください。
#109
○説明員(小林芳雄君) 農協におきましては、平成三事業年度に利益金として処理されました睡眠貯金の額でありますけれども、関係団体を通じまして調査をいたしました結果によりますと、約十二億九千万円程度との報告を受けております。なお、過去の利益金処理の累積額でございますが、平成三年度に利益金処理した金額、これから調査しているところでございまして、このためそれまでの利益金処理金額は把握していないところでございます。
#110
○説明員(二木三郎君) 漁協の場合、平成三事業年度に利益金として処理されました睡眠貯金の額につきましては、これも同じく関係団体を通じて調査した結果によりますと、約五千万と聞いております。また、農協と同様でございますが、累積額につきましては、平成三年度に利益金処理した額から調査したため、過去の処理額は把握しておりません。
#111
○常松克安君 特に農協、漁協に関しましては、農協三千三百団体、それから漁協二千組合、非常にお調べを事細かに、たとえ五名、三名のところであろうともめくってめくって伝票を御集計いただいて、御尽力ありがとうございました。
 次には、簡保にもあったわけですな。これは郵政ですか、これをまずお伺いします。
#112
○政府委員(江川晃正君) 簡易保険における先生がおっしゃいます権利消滅金に当たりますのは、加入者がもらうべき年金あるいは保険金をとりに来なかったと、そういう意味での御説明にさせていただきます。
 法律の八十七条で五年以上たつと消滅時効にかかります。この部分で申し上げますと、平成三年度で申しますと約七億円でございます。過去五年ほどさかのぼりますと、昭和六十二年から五億、六億、六億、七億、七億という調子で、三十一億ほどになっております。
 以上でございます。
#113
○常松克安君 次は生命保険、損害保険、お願いします。
#114
○説明員(西川聰君) 生命保険会社につきまして、平成四年度中に利益金処理した金額は二十九億円でございます。損害保険会社につきましては、同じく利益金処理いたしました額は七億円でございます。ただ、このデータにつきましては、今回の提出のということでお集めしたものですから、過去のものについてはちょっと私どもまだ把握しておりません。
#115
○常松克安君 次は国債関係。
#116
○説明員(乾文男君) 平成三年度におきます国債の消滅時効が完成いたしましたのは約十五億円でございまして、平成三年度までの累計額は約九十三億円でございます。
#117
○常松克安君 次は電電債、お願いいたします。
#118
○政府委員(白井太君) 償還期間十年の電信電話債券でございますが、平成三年度末で累計約百二十三億円となっております。
#119
○常松克安君 平成三年度単年度では。
#120
○政府委員(白井太君) 単年度ごとの数字を持ち合わせておりませんが、簡単に引き算をしてみますと約十六億円ということになっております。
#121
○常松克安君 そちらからお知らせ願った数値、調査結果は十八億と聞いておりますので、それを基盤にして論議を展開いたします。
 最後に証券会社。
#122
○説明員(山本晃君) 顧客に対する残高照合通知書等の郵便物が所在不明で返戻となり、連絡がとれなくなりました顧客の口座というものを所在不明口座というふうに言っているわけでございますが、国内の二百九社の証券会社から報告を求めましたところ、平成五年三月末現在のお預かり金のある所在不明口座の金額は四十八億五百万円でございます。
#123
○常松克安君 それについても平成四年度だと思いますが、そちらからお知らせちょうだいいたしましたのは五十二億二千九百万円であります。それを基準にして論議いたします。
 今冬累々として、現在はどうなっているんだと。それを二つの計算をいたします。なぜかと申しますと、電電債につきましては、百二十三億はこれは累計、単年度は十八億、二本立てになっております。
 もう一つ、証券の方は、これはまた困ったことで、大蔵省の指導に従わずにあくまでこれは顧客の預かり金だと。何で恋しゅうてそんなものを提示して、そして税金払うて収益金に分けられるなんてと。あくまで我々は預かり金だと、この姿勢は崩していないようなことである。でありますから、この不明口座の中には、一年前も不明なら不明。十年、十五年、二十五年もみんな合算でございます。明確じゃない。そういうふうなことで二本立てで申し上げておきます。
 今おっしゃられた総トータル、私の計算に間違いがないとするならば、いろいろ業態が違いますのでばらばらですが、平成三年度を基軸にして九百三億二千百万円になるわけであります。
 なお、証券とそして電電債の百二十三億の累計じゃなくして、単年度十八億として計算いたします。ということは、これから毎年度そういうような形態が続いてくるということになります。これが七百四十五億九千二百万。こういうような形態を十年間何の出入りもなくして続けてこられる。そして、現実問題としてこういうような累計になる。
 冒頭、大臣に失礼と存じましたけれども口座をお聞きいたしましたのは、今後この問題、世論の大きな議論すべき問題の金額だと私は思っているんです。なぜかなら、これ以上年々減らないということが言えるわけです。なぜなら、今大蔵省がお出しになりました五百二十億、全銀協さんを中心にして五百二十億の金額、これは十年前の口座数、預金数です。この十年前の預金数は四億数千万口座。ところが一九九二年の口座数は何と八億四千万口座。倍に口座はふえております。そして、動かしているお金が二・何倍という数値で動いているわけです。減るはずがない、このままでほっておきますと。こういうふうな現状というものをまず頭に入れていただきたい。
 第二点目、申しわけございませんが、これは銀行さんお教えください。この睡眠預金のトータル金額は元金だけなのか、元利合わせての金額が、これを教えていただきたいと思います。
#124
○説明員(北村歳治君) 原則的には元利金でございますが、普通預金につきましては利息が入っているようでございます。
#125
○常松克安君 答えになっていないです。大事なところです。
#126
○説明員(北村歳治君) 原則としましては元金でございますが、普通預金につきましては元金のほかに利息が加算されているわけでございます。
#127
○常松克安君 逆に郵貯にお伺いします。この睡眠預金の金額は元利ともの金額なのか、元金だけなのか。
#128
○政府委員(山口憲美君) 元利金合わせたものでございます。
#129
○常松克安君 そうしますと、これまたこの実態の数値というものが甚だおかしくなってくるわけであります。なぜかならば、あくまで銀行さんのおっしゃるには、いつ何どきでも取りにこられたらお返しいたします。一応会計法上十年で締めくくって収益金で上げておりますけれども、いつ何どきなれと残しております。残して返還するときになったら元利計算でこれ支払えるはずなんです。とするならば、この睡眠預金の実態というのは、論理的に元利ともに合わせた金額をここに明示するのが真の実態じゃございませんか。それをなぜ元金だけ上げているんですか。
 郵貯の方はまさしくまじめなものであります。元利合わせていつ何どきでもお返しするために、元利合わせての五十四億円と言われる。銀行局の方は、普通預金は別にして、それ以外のものについては元金だけだとおっしゃる。そうすると、一体取りにきたときのその利息はどこから支払われるのか、会計法上。しかし、さような政策論議はまた後日に譲りまして、これはまた決算、総理の出席の場において政策論議をいたしますから御安心ください。
 そこで、私がどうしてもうなずけないのは、同じ大蔵省でも、国債は今日までの累計九十三億円。ここはきついんですわ。当然なんです。第九条という法律をお持ちになって、十年たった、その日に券面を持ってこない、あるいはいろいろな請求がなければ明くる日には即刻国債を償還する特別基金の方へすぱあんと入っちまう。
 ところが、ほかのところはどうか。郵貯にしても累計がきちっと六百九十三億円、昭和二十六年以来ずっと累計ができている。じゃ全銀協さんはこれはどうなんでしょう。予算委員会ではこうおっしゃいました。私はまず実態を明らかにしていただきたい。不正とかそんなこと何にも言っておりません。自分が自分の財産を管理するのは当然第一義務。しかし、それを過たざるを得なかった実態を論議しましょう。実態をあらわして、じゃあすはどうするか、これが皆さんに託したい、皆さんのお知恵をかりたい、制度上の審議にかけたい私の提言でございます。
 実態と言いましたときに、なぜか知らねども、サンプル調査をいたしまして年間百二十億とおっしゃって、その上、この数値については、サンプルではございましょうが、まことにこれは現実の間違いない数字でありますと胸を張っておっしゃった。去年の三月でございます。
 それが一年ちょいあけて出てきましたら五百二十億。百二十億どころじゃない、五百二十億です。これじゃ過去の累計というものなくして実態の論議はできないじゃないですか。過去を見て現在をどうする、現在を知って未来の対策とおっしゃる、因果関係、常にそうおっしゃる大蔵省さんといたしまして、実態がないのに対策の立てようがないじゃないですか。予算委員会で問えばサンプル調査、サンプル調査を信用してくれ、まことに間違いない数字だとおっしゃる。
 本当に銀行局長通達によって、半年半年の大蔵大臣に出す決算書にきちっと項目をつけてこの金額を提示して、まことに銀行始まって以来の勇断、英断をしていただきました。これは私は感謝申し上げたい。見事なものでした。そうして出てきた半期分、あと半期分、両方通年合わせて今このようにおっしゃっていらっしゃるわけです。
 ですから、過去の実態というものを次の決算の総括締めくくりの日まで求めたい。これを申し上げておきます。いかがでしょうか。
#130
○説明員(北村歳治君) 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、昨年の先生今御指摘ございました御議論を踏まえまして、平成四年度から計数の報告を求めてその実態把握を行うこととしたわけでございます。その意味で全力を尽くしているわけでございます。その点を御理解いただきたいというふうにお願い申し上げます。
#131
○常松克安君 お願いされるわけですから、お願いを承りました。
 ただ、どうしてもうなずけないのは、昭和六十年にこういうことが一部国会論議の中にあって、そして大蔵省の指導のもとに全銀協の協議事項の通達として銀行に流されました。少なくともそのとき以来こういう問題というものは想定されたはずですから、さかのぼって銀行創業以来、これはむちゃな話かもしれません。しかし譲れません。昭和六十年度から今日までのものが出ないはずはありません。出していただきたい、こういうふうに思います。次の決算委員会に資料として御提示願いたいことをお願いいたしておきます。
 なお、もう一点。百二十億のサンプルが何でこんなに食い違ったのか。この辺の説明は、やはり大蔵省の言い分もございましょうからお聞かせください。
#132
○説明員(北村歳治君) 昨年の数字、確かに先生の御指摘のような数字を申し上げたわけでございますが、私どもといたしましては、サンプル調査ということで、その結果、先ほど申し上げました五百二十億との間にかなりの差がございましたことにつきましては、非常に残念に思っているわけでございます。
#133
○常松克安君 残念で終わりですか。まあそれは課長さんのお立場でございますから、また場所を変えて責任ある局長さんにじかにぶつけた方がいいと思います。お気の毒です。ここではこれ以上申しません。
 ここで私は郵政省にお伺いしたいのであります。
 国債あるいは郵貯、国は法律を持っていらっしゃいます。明確であります。しかし、それだけのみならず、あくまで預金者の利益及び保護の立場に立ってもう少しすっきりと見えるような形にしてもらいたい。十年たって、そして通知をして、二月後には言うならばそれを利益としてぶち込んでしまう。どこへどう使われるかわからないような不明瞭では甚だ我々としては納得いきがたい。こだわりの時代に対応でき得ない。そのときに前大臣が見事に、わかりました、後指摘どおりであります、我が方といたしましては研究会を設けてそういう先生の御指摘の方向で研究会を重ねたい、それは年度内にと。年度内というので僕は三月三十一日が年度内かと思いましたけれども、五月、出納閉鎖はもうじきです。
 もうこの辺でその研究会の内容について御報告をしていただきたいと思うんですが、できましょうか。
#134
○政府委員(山口憲美君) 先生の御指摘をいただきまして、平成四年度内に結論を出すということで検討を重ねてきておるわけでございますけれども、まだその最終的な取りまとめの段階ということで、まことに申しわけなく思っている次第でございます。
 せっかくこういう御指摘をいただきましたので、また、実は過去にこの問題の研究に取り組んだこともございます。しかしながら、十分な成果が得られないまま今日まで来ていたというふうなこともございまして、この際根本的にこの問題を研究してみようということで、幅広く検討を重ねてまいった関係もございまして、ちょっと時間がかかっているということで御了解いただきたいと存じます。
 ちなみに、これまでの検討状況というのをせっかくの御質問ですので少し敷衍して御説明させていただきますと、昨年三月の予算委員会で郵便貯金の権利消滅金でありますとか民間金融機関の睡眠貯金を福祉だとか国際貢献等に有効に活用すべきではないかというふうな御提言をいただきまして、郵政省としてもこの機会にひとつ研究をして一定の方向性を打ち出してみたいということで省内に郵便貯金の権利消滅金に関する研究会というものを設置したわけでございます。
 この研究会では、権利消滅制度のあり方を検討するに当たって、預金者の権利保護の視点でありますとか事業経営の効率化の視点、あるいは民間金融機関の取り扱いとのバランスの視点、あるいは国の債権債務としての視点等から、現行の権利消滅制度あるいはその運用に関する問題点、それから権利消滅金と預金者保護に関する問題点、それから権利消滅金を特定財源化するというふうなことの是非について順次検討を重ねてまいったわけでございます。
 この検討の過程で、現行の権利消滅制度及びその運用に関する問題点を検討するに当たりましては、その類似の制度といたしまして、銀行の預金でありますとか生命保険の保険金、あるいは国債の元金、利子、あるいはNTT、東京ガス、東京電力等の株式の配当金がどうなっているか、あるいは変わったところで馬券がどうなっているかとか、そういったふうなことにつきましてそれぞれ権利消滅金の仕組みであるとか、その使途あるいは還元の方法というふうなものにつきまして基礎的な研究を重ねてまいっているわけでございまして、現在最終の取りまとめの段階に入っているというふうなことで御了解、御理解賜りたいと思います。
#135
○常松克安君 せっかくそういうふうな御報告をいただいたんですから、そこまで来ればもう少し私も提案者としてお聞きしておきたい。その検討結果が一体どの程度のものになるのか。るる並べられましたけれども、重複した答えになっても構いませんから、その結果どのような形で出てくるのかお教え願えませんか。
#136
○政府委員(山口憲美君) 研究会では、今申しましたような形で、事業経営の効率化でありますとか、民間金融機関の取り扱いとのバランスとか、国の債権債務関係であるというふうなことに留意をしなければなりませんけれども、預金者の権利保護を重視するというふうな観点から、最終的には、まず第一には権利消滅に係る郵便貯金をどういうふうにして減少させていったらいいだろうかという点が一つでございます。それからもう一つは、権利消滅金の経理でありますとか使途というふうなものの透明性を高める方策をどういうふうにとったらいいか、こういうふうな二つの面から検討をしているところでございます。
 若干踏み込んでお話しさせていただきますと、例えば減少させるための方策といたしましては、長期間未利用であっても、窓口で払い戻し請求をされれば、払い戻しに応ずる期間を明確化するというふうな形でその周知の徹底を図りやすくする。あるいは権利消滅防止対策の充実強化を図るというふうなこと。それからまた、経理だとか使途の透明性を高めるというふうな問題につきましては、例えば権利消滅金を区分いたしまして別経理をするとか、あるいは権利消滅金の使途を明示するというふうな形での何らかの方向性が打ち出せればというふうに思っているところでございます。
#137
○常松克安君 具体的に一つ一つお聞きいたしますと、茫漠でありますけれども、今研究会の内容についていろいろ検討はしていらっしゃる。もう少し精査することを時間を与えてもらいたい、この点はよくわかります。
 しかし、重ねて論議として申し上げておきますけれども、確かに防止対策と申されましたけれども、そちらが明確に申されました今まで処理金がある。その年度に返してくれと言われて応じたものがある。どう計算しても、百億ある中で五十億も六十億も十年たって目覚めて返還してくれと言ってきた数値というものはどの年度を見ても見当たらないわけですね。少なくとも平成三年度からいくと五十四億で八億どうも返してくれというのがあったと。現実として二割にも達しない。
 それはどこにどういう効果があるか。それはまあ新聞広告もいたしました、テレビにも出ました、いろいろ国民に周知徹底をしてこういうことのないように努力を重ねてまいりましたといえども、完全にゼロになるということは非常に不可能な数値である。これはもう現実問題でございますね。そういうことで昨年の予算委員会では郵政としてお認めになったわけですよ。十年たって睡眠が目覚めないならば、これはもう完全にいろんな理由で永眠預金と言っていいんじゃないですか、どうですかと言ったら、郵政の当時の局長さん、現実としてはそういうふうな御指摘と認めざるを得史せんと。
 そういうふうなものとするならば、完全になくなってしまうというんだったらそれはお弔い山さにゃいけませんな。お弔いはふさわしい礼儀、常識程度に。もう少し預金者の保護だとか預金者のお気持ちを考えるならば、それを生かせる方向で考えていってもらいたい。こういうことで研究会とこうなっている。今御説明いただいた。
 局長、一番大事なぎりぎりのところは、その使途というものに対して、これから一応整理期間を何年か知りませんが設けられるとする、設けられる中で、どういうふうにしたらいいだろうか、こうしたらとこれからいろんな角度で論議はあるでしょうけれども、やはりそのときに大事なのは社会の変化、世論の動向。そんなお金があるならば、全部集めたら七百四十億、郵貯だけでも五十四億、そういうふうなことであるならば、目に見えて世論が納得できるような方向の使途、社会貢献といいますか、こういうふうな論議があったとしたら、それはあくまで検討の中の視野に入れていただけますか。
#138
○政府委員(山口憲美君) 権利消滅金の使途についてでございますけれども、現在、権利消滅した貯金というのは郵便貯金特別会計の雑収入として歳入に組み込まれまして、支払い利子などのいわゆる歳出全般の財源となっているということでございますが、先ほども申しましたけれども、権利消滅金につきまして四十年代の初めに何らかの形でこれを預金者へ還元できないかというふうな議論が持ち上がったことがございます。そのときに預金者に還元するための特定財源化というふうなことでいろいろ研究をいたしましたけれども、国の財政会計の歳入歳出は一団の取り扱いをしていて、全体の歳入の内から歳出をすべきで、特定の歳入をもって特定の歳出に充てるということは許されないという原則があって、そのために結論が得られないで今日に至っている、こういうことでございます。
 先ほど先生のお話のように、先般お話しございましたので勉強会をしていただき、またその先生の提言の中には福祉でありますとか国際貢献というふうなことで提言があったわけでございますが、基本的にはやはりこの歳入歳出という間に相当因果関係が必要だというふうなことがございますので、そういったことを考慮しながら使途というふうなものについては考えていかざるを得ないんじゃないかというふうに考えているところでございます。
#139
○常松克安君 じゃ今度は戻ってもう一度大蔵省にお伺いいたしますが、唐突で、突然の御質問で用意しておりませんと、そうおっしゃっていただいて結構なんですよ。
 こういう問題が起きましたときに全銀協といたしましては、平成四年十二月十六日に「睡眠預金の処理を検討」とある報道関係は報じました。「@金融機関の経営が破たんした場合の預金者救済機関である預金保険機構の原資に充てる A国庫に納付する B地域還元の一環として文化基金などの形で積み立て、公共の利益に還元する」というふうな報道がされたわけでございます。こういうふうな報道については御認識ございますか。
#140
○説明員(北村歳治君) 今先生御指摘ございましたように、昨年十二月に業界紙にそのような内容の報道があったことは承知しております。
#141
○常松克安君 これは真実なんですか。
#142
○説明員(北村歳治君) 今申し上げましたように一部の業界紙で報道されたことは承知してございますけれども、報道されたような処理方法を一部の銀行が具体的に検討しているというふうには聞いていないわけでございます。
#143
○常松克安君 じゃどういうふうに聞いておられるんですか。
#144
○説明員(北村歳治君) 報道というふうな意味での理解でございます。
#145
○常松克安君 じゃ報道はでたらめだという意味ですか。
#146
○説明員(北村歳治君) 私どもが調べた範囲内では、具体的にどこの銀行がこういうふうなことを検討しているというふうな結果は得られなかったわけでございます。
#147
○常松克安君 じゃ角度を変えて申し上げます。五百二十億というお金、十年間眠っていました。これに対して、十年間七・二九九を掛けると大体倍になるそうです。一体どれだけの利を稼ぐんですか、この金は。
#148
○説明員(北村歳治君) 複利計算をいたします場合には、ほぼ同額の金額になるというふうに理解しております。
#149
○常松克安君 私がこういうふうな数値をいろいろ並べておりますのは、どう考えても、七百四十五億九千二百万というこのお金、先ほどからるる申し上げておりますように大変な金額である。まずこれは一つ御認識いただけると思います。
 第二番目に問題は、そのお金は一秒たりとも遊んでいない。これは金利状況によって差はございましょうけれども、銀行でどんどん利子を生んでいく。膨大な金額になっていく。ちょうど区切りよろしく、十年というのは七・二九九の複利計算でいきますとどの金額でもその倍になっちゃうわけですね。営業でございますからそれは利益を受けて当然であります。
 しかし、先ほどの問題に返りますけれども、まあ普通預金は別にして、定期預金でもそれだけの金額というものをつけてお返しをする。こういう体制を営々としてとっておられるにかかわらず、五百二十億というものは、いかがでございましょうか、金利を含めた元利計算の上の報告をとるという考えには至りませんでしょうか。
#150
○説明員(北村歳治君) 私ども去年の御指摘を受けまして調査に踏み切るごとにしたわけでございますが、その段階では元金というふうな形で考えたわけでございます。先生の御指摘があった点を十分頭に入れて今後の検討につきましていろいろ考えてまいりたいと思います。
#151
○常松克安君 もう一つお伺いさせていただいてよろしゅうございましょうか。銀行の自主的判断で十年で睡眠にしようと、五年にしようと、三年にしようと、自由なんでしょうか。
#152
○説明員(北村歳治君) 睡眠預金の取り扱いにつきましては平成三年九月に全銀協が後押し的な自主基準を定めたわけでございます。そういたしまして傘下の金融機関にその周知の徹底を図っているわけでございます。先般先生からも御指摘ございましたように、各銀行協会を通じまして睡眠預金の利益金処理の状況について調べたわけでございます。こういうふうな形で、今後ともこの統一基準に沿った形で徹底が図られるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
#153
○常松克安君 と申しますのは、なぜかような質問をするかといいますと、そちらのペーパー、御報告を丁重にちょうだいいたしました。半期の決算においては百七十二億四千二百万だったんです。あとの半期で一遍に五百二十億になったわけですね。一遍にふえたわけですよ。勘ぐりと言っては失礼でございますけれども、銀行が不況だと、それを皆しゅっと集めてきて、半分法人税に充てて、あとは収益金で自分のところに利益というもので換算できると、こういうふうに何か時期的に駆け込みで整理された五百二十億という嫌いがあるんですが、その点いかがでしょうか。
#154
○説明員(北村歳治君) 中期の計数との差につきましては、私どもまだ分析が終わっておりませんので、私どもその原因等につきまして少し勉強してみたいと思っております。
#155
○常松克安君 同じく信用金庫の方も、二十八億六千万が半期の報告で、あとの半期で一挙に七十八億。すなわち五十億一挙にぼんとこうふえちゃっているわけですね。ですから、こういう制度が明確化されればされるほど、その態様の中をどうかいぐり抜けて生き残るかというふうな悩みを持っていらっしゃるんじゃなかろうかというふうな考えをいたすわけです。ですから、そういうふうなことをあわせてひとつお調べ願いたいと思います。
 なお、もう一度同じことをほかの金融関係にも申し上げますけれども、農協さん、漁協さん、これより毎年度毎年度、実態を明らかにするためにひとつ年次別にこういうふうな実態を御報告願えるでしょうか。
#156
○説明員(小林芳雄君) これからの扱いでございますが、農協の睡眠貯金の利益金の処理、この問題につきましては、今後毎年度把握するという方向で私ども検討しているところでございます。具体的には、これは数多うございますが、各農協から行政庁に対しまして提出を受けております決算関係の報告書がございますので、そちらに記載していただくというような方向で検討を進めております。
#157
○説明員(二木三郎君) 漁協でございますが、農協とほぼ同様な措置を検討しております。
#158
○常松克安君 あわせて、過去十年の実績調査を鋭意していただきまして次の決算委員会までに資料を御提示願いたいと思います。
 なお、生命保険及び損害保険も今後一年一年の計数をお示し願えるでありましょうか。
#159
○説明員(西川聰君) 私どもといたしましても、先生の御指摘を踏まえまして、次年度以降定期的にやることにつきまして検討させていただきたいと思います。
#160
○常松克安君 ここでひとつ生命保険、損害保険にお伺いをいたしておきたいのは、ほかの方は十年とか五年とかいろいろ差があるんですが、民法上は二年とされているのを、それでは顧客に申しわけないから三年、こうして内部規定で一年延ばしていらっしゃるわけですが、三年以後にあっても払い戻しはされるんですか。
#161
○説明員(西川聰君) 先生御指摘のように、消滅時効と申しますか、請求権を三年間に約款上延ばしております。その後請求が出てまいりましても、事実上私どもとしてはお払いするという形に実行上はやっております。
#162
○常松克安君 じゃ、約款なんて要らぬわけですな。
 次に行きます。一番不可思議で仕方ないのは、前委員会でも申し上げましたけれども電話債券でございます。これはなぜ二十五年間も眠らしておくんですか。なぜ内規によってこんなに長ったらしいことをいたしておくんですか。お伺いします。
#163
○政府委員(白井太君) 二十五年間という数字は恐らく、償還期が来るまでまず十年、それから償還期が来てから時効が成立するまでに十年、さらに念のため時効が過ぎてから五年間は消滅金という処理をせずに、いつお申し出があってもお返しするというようなことで待っておるということで二十五年というような数字になるかと思います。
 それで、先ほど十八億という先生のおっしゃった数字と十六億と申し上げた数字とで、今のお話に若干関連するものですから一言二言御説明をさせていただきたいんですが、償還期が来て十五年だったものを権利消滅金というようないわば定義づけをいたしておりますが、その金額は確かに平成三年度の場合十八億であったわけでございます。ところが、実際はその期間が過ぎてからも償還のお申し出をなさる方もやっぱりいらっしゃるようでございまして、そういうお申し出がある場合は、実際はお申し出に応じてお金をお返しするということをやっておるようでございまして、その金額は平成三年度の場合だと約二億円ぐらいあったということでございます。したがいまして、純粋に権利消滅金として前年度よりふえた額ということになりますと、十八億から二億円を引いた十六億円が平成二年度に比較して平成三年度にふえた額ということになるということで、実は十六億という数字を申し上げたわけでございます。
#164
○常松克安君 局長えらい重大なことをおっしゃったんです。いつ何どきでも返すということは、そうしたら、全国民の皆さんに政府広報、テレビにのっけて、電電債をお持ちの方、何年たっても全部払い戻しますので全部いらっしゃいということを広報したら、取りに来られたら全部出すんですか。そんなあやふやな法律なんですか。二十五年もかけておいて。返しますと今おっしゃったんですよ。これ全部返すんですな。それでは私は一生懸命宣伝すればよろしいな、これから。
#165
○政府委員(白井太君) 確かに法律上の制度とすれば、時効の十年が成立すればこれはもうその償還の請求をするということはできないというのが、筋としてはそういうことになるわけでありますけれども、電信電話設備の整備のためにこの債券を買っていただいたもので、当然このお金というのは償還期が来れば償還をすべきお金だということで、先ほど申し上げましたように五年の念のために猶予期間を置く、しかしその猶予期間が過ぎた場合でも、実際には、お申し出があった場合にはやはり償還をするということをやっておるということは事実でございます。
#166
○常松克安君 じゃ、そのようにまじめに承っておきますけれども、これは大変な混乱になると思いますよ。
 各所管別にいろいろお伺いいたしましたけれども、根拠法というのと、またそれを運用していくのと、言うならばばらばらの実態であるということであります。制度は過去の経過措置があるといたしましても、預金者の一万というお金が、こっちにはこう、あっちにはだめ、こっちにはこうする、こういうふうな不公平というものがあって、複雑になっているということもまた指摘しても過言ではないと私は思います。やはり国全体の制度上の問題としてこれからそれにどう取り組んでいくのか、これが大事だと思います。
 例えて申しますと、その防止策としては、郵政の方は、十年間お預けになった通帳は、使われておりません場合は権利消滅しますとはっきりお書きになるから、読んでいる方もわかります。
 ところが、全銀協は数億円かけて新聞広告で防止対策をかけられた。十年間という字句は全然ない。むしろ、十年たったらこういうふうに一応収益金で切られて、上げますよと、これくらいのショッキングな内容をして宣伝に数億円かけるならまだわかります。
 非常にその辺のところが、片っ方は国は法律は持っている。片っ方は持っておりながらあくまで時効を主張しながら時効援用をされない。言うならいつ何どきでもと。ところが、現実問題として十年で精査してしまう。こういうふうなところで非常にその基盤というのが、預金者の立場に立って、どこであってもこういう問題は統一したものであるとして、七百数十億円の対策をやっぱり考えていく時期もここにあるのではなかろうか、こういうように思います。
 それを逆にしまして、防止対策といたしまして、銀行の方では、前からこれは提案しておりますけれども、一番困りますのは口座をつくった銀行でなければ解約ができないという不便さなんでございます。ところが郵便局の方では、これからもう全国どこの郵便局でもつくられた口座は解約に応じます、日歩計算もつけます、はっきりしている。銀行さんの方は届けたところでなければ解約でき得ないというところが、この金額を祭らせてしまう大きな問題点。
 学生さんで東京で勉強した、親から送金受けた、北海道に帰った、八百三十一円残っておる。そんなもの、飛行機賃かけてわざわざそれを解約にと。これの利便性からいくと、どこの銀行であろうとも解約というものは応ずべきじゃないか。いや、それには大変なコストがかかりますと。コストとおっしゃるなら、五百二十億に対して七・二九九%、稼いだ金の五百数十億、このお金は黙っておって、コストかかります、かかりますというようなことでは、コスト容認、認めていく、許していく材料にはならない。
 本当にこれを防止するなら、防止というふうな、手前へ持っていかなきゃいけないと思うんです。来年秋口をもってこういうような制度を踏み切ったかのように聞くんですが、いかがでしょうか。
#167
○説明員(北村歳治君) 先生御指摘のように、睡眠預金口座の金額と今のような解約条件とは多分に関係があるかと思いますが、現在銀行預金の解約は口座を開設した店舗で行うことを原則としているのは先生の御指摘のとおりでございますが、これをその金融機関の全店舗で即時解約を可能にする方向で今検討が進められているわけでございます。そしてまた、現に逐次実施に移されているというふうに承知しているわけでございます。
 私どもも、睡眠預金発生の未然防止につきましては、このような金融業界の自主的な努力を前提として適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#168
○常松克安君 これは私もたびたび申し上げますように、後の政策論議は別といたしますけれども、時間が参りました。総まとめいたします。
 ただ一点、いかなる理由、いかなる論法、いかなる因果関係とおっしゃろうとも、私はこの参議院議員という立場をお与えいただいている間は、声を大にして、収益金としての処理をすることに関しては断固反対していきたい。こういうふうな論理は私は今様の時代には通じない。これをどういうふうにしていくかはこれからの論議でございましょう。
 そこで、一つお知らせ、御紹介を申し上げておきたい文章がございます。
 この方は上坂冬子さん、社会評論家の方でございます。その「思い出すだに腹が立つ」という本らしいですが、その一節の中に事の起こりは、貯金事務センターからの思いがけない通知書からはじまった。四十六万六千二百六十六円を支払うから、最寄りの郵便局にとりに行けとある。十年間の睡眠預金。中は省きます。どうしても欲しかったものがたまたま四十六万。それを受け取りに行く。しかし通帳がない。どうしようか。証拠としての通帳がなければ支払いは受けられまいと、私は古い通帳の束を取り出した。だが、それには及ばぬといわんばかりに「通帳をなく促されたときは、この書状と印章を」郵便局に持参すればいいとある。まことにサービスが事細かに生きておる。
 大したものだ、やっぱり国家としての日本はちゃんとしていると私は感嘆した。当たり前のことに感嘆することはないといわれそうだが、今や金融業界の周辺では当たり前のことが当たり前でなくなってきているのではないか。
 銀行との比較において私は郵便局の事務に、あらためて信頼感を持った。銀行にたいして、ほとほと愛想をつかした矢先だったからである。あとは言いません。ちょっときつうございますから、ここまででとめておきます。この一文からいたしましても、筆先の中からにじみ出てくるものはそうした親切、明確化。これがどうしてもワンクッション離れて民間となりますと、何か知らないけれども収益金、収益金。
 今この推定累計からいきますと、失礼ではございますけれども、銀行は郵貯の約十倍ですから、十倍を推計いたしますと六千億円。そうでしょう、昭和二十六年から六百九十三億というんですから、十倍だったら六千九百億円。これを反論するには、実態のデータを全部掘り出して反論する以外にないんです。
 そういうふうな状況の中から、くどいようでございますけれども、やはり預金者の目に見える会計の明朗化。あくまでそういうふうなものはものとして、せめて、いつ何どきでもお返しをいたしますとおっしゃるなら、銀行の口座の中に睡眠預金整理基金なるものを明確にして、そして、そこで担保していつ何どきでもお返ししますよと。これは会計法上目が通っております。
 絶対に何年かかっても返しますといいながら、返す金の場所がないじゃないですか。どこの項目から払うんですか。こういうことで不明朗とそしりを受けられることは、あってはならないし、こういうような金額があるということを下世話では、ああ大都会の一流の本店建っておるのは、あれは睡眠預金で皆建っておるんだ、こういうふうなことが、私は名誉を傷つけてはならないと思うがゆえに、全銀協さんの立場を思うがゆえに、正式に対応できるようなものをきちんと出せ、法律を出せと。
 憲法に規定されている、二十九条で。二十九条に財産権は法律化せねばならぬ、その財産については公共に供するものとする。一たん消滅、一たんそういうふうな時効を採用されるといえども、切ったものならば、その財産権は消滅したものと一緒です。国家に帰属させるか、そうじゃなく、過去の経過措置もあるから、おのおのの立場でその使い方を預金者の皆さんにわかるようにやっぱりしていくのが当然じゃないか。こういう論拠の落ちつくところになるんじゃないかと、こう思っているんです。次の決算委員会までこの主張を相繰り返しますので、局長にお伝え願えれば幸甚かと思います。
 最後のまとめとしまして、大臣、この論議を総の立場でお聞きになっての御感想をお伺いいたします。
#169
○国務大臣(小泉純一郎君) 大変勉強になりました。
 また、郵政省の対応もきちんとしているなと、上坂さんからのお褒めの言葉までいただくように親切に対応していると。やっぱりこういう信頼関係というものも民間金融機関も見習って、この睡眠預金対策というものをもっとわかりやすい宣伝も必要だと思うんです。マスコミの皆さんにも御協力いただいて、睡眠預金がこれだけあるんですよ、そして忘れている方でも要求すれば返ってきますよという宣伝が私はもっと必要だと思うんです。こんなに多くの睡眠預金がある。しかも、だめだと思っている人もいらっしゃいます。あるいはまた探しているかもしれない。ぜひともマスコミ関係、放送関係に協力いただいて、まずわかってもらう、そういうことも必要じゃないか。そして、今ずっと御指摘されましたこの睡眠預金の扱い方、できるだけ早く結論を出してしかるべき措置をするのが必要だと思っております。ありがとうございました。
#170
○常松克安君 終わります。
#171
○鈴木栄治君 もう最後ですので簡単に質問させていただきます。
 国際ボランティア貯金、これは私は大変いい考えであり、またすばらしいアイデアだなと本当に感心していたのでございますが、平成四年度までの加入者が千二十五万件、こういう方々から大事なお金が来ているわけですから、本当に有効に使っていただきたい、私そのように思います。
 私は、以前テレビの番組をやっていましたときに、赤い羽根募金の内情ということでいろいろと番組で調査したり追及したのでございますが、大変残念なことに不透明な部分やちょっと疑問を持つ部分が非常に多かった。しかし、本当はそうであってはならない。私は国際ボランティア貯金は決してそんなことはないと思うのでございますが、寄附金の配分において一番配慮している点は何か、また、その後きちんと監査をしていると思いますが、どのように行っているか、この二点だけをお聞かせくださいませ、お願いします。
#172
○政府委員(山口憲美君) 御指摘の点でございますが、まず第一にその配分に当たっての留意をしている点ということでございますが、二つの要件を私ども考えております。
 一つは、その配分対象になる団体の資格要件、これにつきまして幾つかの要件を定めております。例えば、営利を目的としない民間の団体であるとか、あるいは日本国内に事務所があるとか、代表者が定められている責任の所在が明確であるとか、過去の実績があるいはスタッフの数から見て事業の遂行能力があるかどうかというふうな団体自体についての資格要件、それから、申請してまいる援助事業そのものにつきまして、現地の住民の福祉向上に寄与することになっているかどうか、あるいは現地の状況や住民のニーズを正確に反映したものかどうか、あるいは実施方法等事業計画の内容が明確になっているかどうか、あるいは現地での事業の実施に問題が生ずるおそれがないかどうか、こういったことにつきまして、それぞれの申請を個別に審査いたしまして配分をしているということでございます。
 今度は実際に配分した後の監査の問題でございますが、この監査に当たりましては、まず事業の実施状況につきまして各団体から随時中間報告を求めております。その求め方といたしましては、例えば写真でありますとかビデオでありますとか、現地の人々の絵だとかあるいは手紙などもいただければ提出していただいてその事業の進捗状況を把握するというふうなことをしております。そのほかに、事業がいよいよ終わったというふうな段階になりましたら完了報告書というものを出していただいておりまして、経理帳簿でありますとか、領収証の写し、それから写真等の資料を提出していただいて実施状況を監査しておるということでございます。
 それからまた、職員によります各団体の国内事務所でありますとか、あるいは事業の実施地域での監査をやっておりますけれども、そのほか、いわゆる民間の専門機関の皆さん方にお願いをいたしましたり、あるいは預金者の代表の方にも参加していただいたりいたしまして現地調査も実施しているというふうなことでございます。
 この中で特に私どもやっておりまして効果的だというふうに思っておりますのは、預金者の皆様にお集まりをいただきまして各配分団体から報告会というようなものをやっております。大体全国で百近くの会場でやっておりますけれども、そういった報告会で、私たちお金をいただきましてこういうふうな活動をしておりますというふうな報告をいただきまして、これを通して、言葉は適当じゃないかもしれませんけれども、活動状況の監査のような形にもなりますし、それからまた同時に、お聞きいただく預金者の皆さん方にはさらにボランティア貯金につきましての御理解を深めていただけるというふうな形で、この報告会が始めまして非常に効果的だなというふうに思って、こういった若干ユニークな施策もとっておるというふうなことでございます。
#173
○鈴木栄治君 そのボランティア貯金をなさっている方から、例えば不満だとかそういうのは、そういうお集まりのときに出たことはございますか。
#174
○政府委員(山口憲美君) 実施を始めて間もないものですから、現在のところ、こういうことがどうというふうな具体的なものを私どもお聞きしているというふうなことはないと思っております。
#175
○鈴木栄治君 わかりました。
 私も、またこれは始まって間もないものですから、お話をしっかり聞かせていただきまして、勉強させていただきまして、またの機会にいろいろと質問させていただきます。
 私の質問を終わります。ありがとうございました。
#176
○委員長(野別隆俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 及川一夫君から発言を求められておりますので、これを許します。及川一夫君。
#179
○及川一夫君 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党、国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   郵便貯金法の一部を改正する法律案に対
   する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、次の各項の実現に積極的に努めるべきである。
 一 国民の老後生活の充実に貢献する金融サービスの開発等、国民のニーズに対応した多様な商品・サービスの開発と提供に積極的に努めること。
 一 定額郵便貯金は収益性と流動性を兼ね備え、預金者に永年にわたって親しまれてきた商品であることにかんがみ、その基本的商品性を変えることなく、預金者の利益確保に努めること。
 一 郵便貯金資金の一層有利で確実な運用及び地域への還元を図るため、金融自由化対策資金の運用対象の多様化を行うなど、資金運用制度を改善・充実すること。
 一 郵便貯金事業は、引き続き、預金者の利便向上をめざして心のこもったサービスの提供に努めるとともに、国民に対し事業の果たしている役割について常に周知を図り、一層の理解を得るよう配意すること。
 一 郵便貯金事業は、専ら個人のための非営利の貯蓄金融機関であることの重要性を十分認識し、今後とも、国営の金融機関として、個人預金者の利益を損なうことなく、更に一層その利益の増進に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#180
○委員長(野別隆俊君) ただいま及川一夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、及川一夫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉郵政大臣。
#182
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#183
○委員長(野別隆俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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