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1993/06/01 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第12号
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1993/06/01 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第12号

#1
第126回国会 逓信委員会 第12号
平成五年六月一日(火曜日)
   午後一時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     古川太三郎君     中村 鋭一君
 六月一日
    辞任       補欠選任
     鶴岡  洋君     山下 栄一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野別 隆俊君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                及川 一夫君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                沢田 一精君
                志村 哲良君
                中曽根弘文君
                大森  昭君
                川橋 幸子君
                中尾 則幸君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                山下 栄一君
                鈴木 栄治君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
       郵政省貯金局長  山口 憲美君
       郵政省簡易保険  江川 晃正君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
   説明員
       内閣総理大臣官  関根 康文君
       房参事官
       外務大臣官房外  河村 悦孝君
       務参事官
       外務省条約局法  伊藤 哲雄君
       規課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告申し上げます。
 去る五月二十七日、古川太三郎君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野別隆俊君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中村鋭一君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野別隆俊君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 三案については既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○川橋幸子君 それでは、簡易保険三法の法律案についての質疑をさせていただきます。
 逓信委員会に所属させていただいてから、郵政省の使命といいますのは生活大国実現省というふうに私は考えておりまして、先般の貯金のときも、銀行貯蓄がありまして、そして郵貯がある。官と民が大変うまく調和したいいシステムになっておられる。またこの簡保の方も、保険という事業につきまして民保と国営の簡保がある。この二つの役割というものをつくづく考えるわけでございます。
 私も素人でございますけれども、私の頭の中の整理といたしましては、国営事業としての簡保の使命といいますのは、第一点は商品・サービスのあり方の視点、二点目としましては資金運用の視点、三点目といたしましては加入者福祉、この三つの視点から国営事業としての役割、使命というものがあるのではないかと考えているところでございます。こういう理解でよろしいのでございましょうか。
#7
○政府委員(江川晃正君) 全く先生御指摘のとおりだと私たち考えておりまして、簡易保険事業の使命を考えますと、今申されました三つのことを我々はこのように構造的に考えております。
 一つは、おっしゃいましたように、どういう商品・サービスを提供するかというのがまず原点でありまして、その提供した商品・サービスを加入者にどう還元するのかということが一つと、もう一つ、加入者福祉をどう展開していって加入者に便益を提供するのかという、そういう構造で三本が重要だと考えているところでございます。
 そういう意味では、商品・サービスの点につきましても、我々郵政省としまして、簡保といたしましては、全国の郵便局を通じて国民のニーズにかなった保険・年金サービスを提供することによって国民の自助努力を支援、促進してきているところでありまして、特に山村辺地といいましょうか、そういうところも含めたサービス提供は、まさに国営ならではの簡保だなと、そう考えているところであります。
 資金運用につきましても、確実有利、公共の利益にかなう、そういう視点のもとにやっておりまして、財政投融資などを通じまして道路とか教育とか住宅など身近な分野に活用されて、我が国経済の発展と国民生活の充実に貢献している、そう考えているところでございます。
 加入者福祉につきましては、保険給付サービスという本来のそれとあわせましていわば車の両輪をなすものと理解しておりまして、創業以来全国的に加入者福祉活動を展開してきているところでございます。
 今後とも、この三本の柱というものを、先生おっしゃいますような最も重要なものだという認
識のもとに、それぞれに発展を図っていきたいと考えているところでございます。
#8
○川橋幸子君 どうやら私の理解は間違っていなかった、というよりも、案外的を射た理解であったのかなということを局長の御答弁でわかりました。
 民保の場合も加入者の利益の保護とか福祉の増進ということが役割になると思いますけれども、今のお答えにありましたように、商品・サービスのあり方、資金運用のあり方、それから還元の形として商品・サービスと車の両輪をなすような加入者福祉のあり方ということを考えますと、民保にさらに強調されて国営事業の簡保に求められている要素というのは、公共性の非常に高い保険制度を全国あまねく山間僻地までやっていかれるということかと思いますので、こうした簡保の使命というのは、高齢化社会が進展するとか、経済環境が大きく変わるとか、そういう環境変化の中でさらにその使命がうまく発揮されますように今後ともぜひ御工夫いただきたいと思うわけでございます。
 そこで、まずやはり今一番懸念されておりますのが、日本の社会が二十一世紀初頭で迎えます超高齢化社会にうまくソフトランディングできるかということでございます。こういう観点から考えますと、保険の中でも国営事業の簡易保険の方に受け持っていただきたい役割といいますのは、個人年金の充実というところに加入者のニーズが強くなっているんじゃないかと思いますが、こうした個人年金の充実について今後どのように対応してくださるのか、お伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(江川晃正君) おっしゃいますように、これから急速に進展していきます高齢化社会へ適切に対応していくというのが我が簡保事業の重要な使命、課題だろうと考えております。その中でも、ただいまおっしゃいましたような、とりわけ個人の自助努力への支援の一つとして年金というものがあるということは申すまでもないところでございまして、今後ともますます個人年金分野の充実を図っていかなければいけないと考えているところでございます。そういう認識を我々は持っておりますから、個人年金につきましても種々いろいろな改善をここ数年来やってきております。
 一つ二つだけ主なところを申し上げますと、例えば、年金の額を七十二万円からただいま現在九十万円にまで引き上げたということで、それはまだ十分かどうかは別として九十万円に引き上げたということが一つ、それから年金への加入年齢を三十から二十五歳に引き下げて入りやすくするとか、いろいろ幾つかのことを各年次ごとに一つ二つずつ積み重ねてきております。改善、工夫を行ってきております。
 そういう意味で、先生がおっしゃいますように、今後とも常に国民、加入者のニーズの把握に努めながらきめの細かい個人年金商品の改善等について努力してまいりたいと考えております。
#10
○川橋幸子君 そのようなプランをお持ちだということでございますので、ぜひ個人年金の充実につきまして今後とも鋭意御努力いただきたいと思います。
 年金全体の制度改正といいますのが多分二年ぐらいというふうに報じられております。基礎年金部分プラス二階建て部分の年金、それをさらに、老後の生活につきましては個人の差が非常に大きい、あるいは価値観の差も非常に大きい、家族形態の差も非常に大きいとしますと、個人が公的年金プラス企業年金プラス個人年金で生活設計していく部分が非常に大きいかと思いますので、そうした年金額の引き上げ、それから開始年齢の引き下げ等基本的な部分に御努力いただきたいと思います。
 それから、今後の簡保事業のあり方の報告書などを拝見いたしますと、財テクという意味ではなくて、総合的な生涯設計に対するコンサルティングというものも訴えられておりますので、そうしたきめ細かな御努力をお願いしたいと思います。まず第一点、個人年金について伺わせていただきました。
 その次にお伺いさせていただきたいのは、今回の法案改正にも関連いたします、資金運用の確実で有利で、なお公共性が高い資金運用をお願いするといいますか、御努力いただくということでございます。コマーシャルペーパーへの適用拡大の法案改正につきましては、先般の郵貯法の改正と軌を一にしているわけでございますが、郵貯と簡保が切瑳琢磨して安全かつ有利なそういう運用をしていただければありがたいと思いまして、今回の法案改正について、私は御要望申し上げまして、この改正を支持するものでございます。
 さて、加えまして、資金運用なのでございますけれども、郵貯のときにもお伺いしたのですが、地域関連といいましょうか、地域づくり、町づくりにその資金が有効に活用される、これが非常に求められているところでございます。郵貯の場合は自治体へもあるいは第三セクターへもまだ還元の道が開かれていないということでございまして、先般、来年度予算ではぜひ御実現いただきたいと要望させていただきましたところですけれども、簡保の融資先を拝見しましたところ、自治体本体には融資の道が開かれておりますが、第三セクターには簡保の場合でもまだということでございます。郵貯に比べますと簡保の方が、保険の方が加入者の利益還元ということで大蔵省から認められやすい、そういう事業ではないかと思いますので、まず簡保が先頭を切って三セク融資の道を獲得してくださるようにお願いしたいと思いますが、今まで要求されてこれが認められていない理由というのは何なのでございましょうか。
#11
○政府委員(江川晃正君) 先ほど先生おっしゃいましたように、簡保の運用は安全と有利とそれから公共の利益、実はよく考えますと矛盾するのを調和的にやっていかなければならない仕組みになっておりまして、その中でも特に公共のお金でございますから我々は安全を非常に重要に考えているわけでございます。その点は酌みながらも、かつ世の中の実勢に応じて必要なところに資金が流れていくべきだと考えまして三セクへの要求などもしているわけでございますが、いろいろな事情、理由がありまして、結論的に三セクへの融資がまだ関係者間において意見が一致されていないところでございます。
 そのいろいろな事情といいますのは、役所間の事情もありますからあれですが、あえて言いますと、一つには、安全という視点からいきますともう一つ届かないところがあると判断されているのではないかなと考えております。
#12
○川橋幸子君 第三セクターといいますのは民間の活力を利用いたしますけれども、自治体レベルでも、あるいは国レベルを考えれば一番はっきりすると思いますが、官の責任というのがまた強く求められているそういう企業体といいますか組織でございますね。そういう中で第三セクターが安全性に欠けるというのはどういう論拠になるのでございましょうか。
#13
○政府委員(江川晃正君) 三セクが安全に欠けているというふうに私は端的な言い方を申し上げておりませんで、いろいろなほかの事情などもあってなかなか理解が得られていない中の一つに、簡保が現に提供しております財投などを通しての財投機関とか、ああいうところに比べますとちょっと違うという感じがやっぱり理解されていないんじゃないかなと考えているというところでございます。
 いずれにしましても、関係者の理解を得るべくこれから来年度に向かいましても努力していきたいと考えております。
#14
○川橋幸子君 理解されていないということでございまして、客観的な御答弁でございまして、局長は理解しているけれども相手方が理解されていない、このように承りましたけれども、やはり首都圏近郊の町づくりというのは大変当初はお金もかかるものでございますのでも、町が成長し、そこに若夫婦が住み、子供ができ、そこで税収も上がっていく、町の展望を描きながらの三セクの仕事でございますので、ぜひそういうところを強く御主張いただきまして、町づくり、地域へ貢献す
る簡保の役割というものを追求していただきたいと思います。
 次の質問でございますが、これも商品・サービスの問題と資金運用の問題の両方に絡まる話だと思いますけれども、金融自由化の問題でございます。
 規制金利がことし六月で完了し、その他、流動性を含めまして預貯金金利の自由化が来年完了するというお話を貯金のときに伺いました。また、金利の自由化だけではなくて、金融制度の改革、自由化といいましょうか、銀行、証券とのいわゆる垣根の規制緩和というものがことし実現するわけでございます。あともう一つ、三段階ありまして、その第三フレーズにつきましては民間保険制度の改革というものが言われておりまして、大蔵省の保険審議会の方では報告が出されているわけでございます。
 こうした流れに対して簡保の方ではどのように対応していかれるのか。それは民保としておやりになることであって簡保の方は関係ないということなのか、あるいはあまねくベーシックなサービスを提供するという形で対応されていかれるのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
#15
○政府委員(江川晃正君) これは民保のことですから簡保には関係ないという態度では少しもございませんで、非常に重要に関係してくる、そう考えております。
 先生御案内のように、大蔵省の保険審議会が昨年六月に保険に関する答申を出したわけでございますが、その中身でいろいろ言われている中で簡保ともじかに直接関係してくるところを二点だけ申し上げますと、一つは、業態別の子会社方式で生損保等の相互参入をさせるようにしようということが一つございます。それともう一つ、現在でも第三分野と称しているのですが、傷害とか疾病とか介護というような分野における生損保の子会社ではなく本体でそれができるようにしていこうというような扱いがございます。これは生損保の世界でこう言っているわけですが、簡保に対して言っているわけではありません。
 しかし、そういうことが生損保の中で行われるということは、いわば同業と申しましょうか、同じ産業を行っている我々としてはこれを他山の何とかと見ているわけではございませんで、そういうものができできますと、言ってみれば保険市場においても競争は一段と激化されるものと考えています。
 この法律は平成六年に法案を提出されて、七年には自由化された体制を実現させようとしているように承知しておりますが、そういう時期に対して我々簡保としましても、国営・非営利と申しましょうか、今現にやっている事業として国民の自助努力を支援し、かつ加入者の利便の向上を図る立場からこういう世の中全体に行われる金融自由化には積極的に的確に対応していかなければいけない、そう考えているところです。
 具体的には、金融自由化の動向を見きわめつつも、高齢化の進展等に伴い多様化する国民の需要を踏まえまして、新しい商品とかサービスとかの開発、加入者福祉サービスの充実とか、資金運用制度の改善とか、事業運営の効率化等の推進等に一層努めていかなければならないなと考えている次第でございます。
#16
○川橋幸子君 別に民保がそうなるから簡保も頑張ってという意味ではなくて私申し上げているのでございます。官民の保険制度が調和してうまく国民のサービスを満たしてくれることを利用者としては希望するわけでございます。
 今、局長の御答弁の中にありましたように、傷害ですとか疾病ですとか介護、こうした第三分野に民保が商品を工夫なさる、これは大変ありがたいことだと思っておりまして、民保の方でもいい商品を出していただきたいと思いますけれども、先ほどお願い申し上げました個人年金の充実というのは、年金というものがまさにこうした傷害、疾病、介護というそういう要素と非常に密接するわけでございます。そういう意味で、先ほど個人年金の充実について御努力いただくということでございましたので、重ねて個人年金の方についても、今局長おっしゃいました高齢化に対応し、多様なニーズに対応する、そういうふうに御工夫いただきまして、傷害、疾病、介護、この辺についても簡保は簡保として御努力いただきたいと思います。
 そこで、今までのような議論を大臣お聞きいただいたと思いますけれども、この後も質問は引き続きさせていただきますが、ここらでひとつ、高齢化の進展ですとか地域振興、金融自由化の進展、こういう環境変化に対しまして大臣の所信をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#17
○国務大臣(小泉純一郎君) 簡易生命保険は、その目的が簡易に利用できるということ、これが非常に大事である。同時に確実なものでなくちゃならない。いろいろ金利自由化に向けて、また金融の自由化を控えて運用というのが難しくなると思いますが、有利性を求める余り安全確実性というものをおろそかにしては断じてならないという、そういう点に配慮しながら、できるだけ安い保険料で国民に提供していろいろ福祉の増進を図る、国民生活の向上を図る、この基本をやっぱりしっかり守って、できるだけ充実策を講じていく、それが私は必要だと思っております。
#18
○川橋幸子君 厚生大臣も御経験の小泉大臣でいらっしゃいます。高齢化社会とかあるいは個人の生活がさまざま変わっていくということは厚生行政の中で大変研さんなさったのではないかと思います。今おっしゃってくださいましたように、確実で有利で福祉の増進に寄与する、こういう簡保を大臣のお力で御在任中にさらに一歩進めてくださいますようにお願い申し上げたいと思います。
 また局長への方の質問に入らせていただきたいと思います。今回出ております法案の中の加入者福祉に関する健康増進支援事業、その点に絞りまして伺わせていただきたいと思います。
 簡保の国営事業としての使命といいますか、アイデンティティー、簡保らしさということの中で加入者福祉というものが非常に今までもセールスポイントであって、愛されている簡保の理由の一つではないか、大変大きな理由の一つではないかと思うわけでございます。
 これまでもさまざまなことをやっていらっしゃるわけでございますが、今回の法改正によりまして、加入者ホームですとか保養所ですとか、そういう箱物ではないソフトの事業への支援をなさる。新しい事業展開だと私は理解させていただきました。しかもそのソフトの事業の中で工夫されておりますのが、予防とケアと健康づくりと三位一体でソフトの事業もお考えいただけるということだと思います。
 厚生行政の中におきましても、医療と保険とケアというのは三位一体でこれからの高齢化対策に寄与してほしいということでございますが、局あって省なしと申しましょうか、あるいは国全体でいきますと、私が以前勤めておりました労働省にも関係いたしまして、雇用と年金というんでしょうか、引退後の生活がうまくドッキングするということが必要なわけでございます。なかなかそういうところがそれぞれの省庁が努力してもうまくいかない。少しずつはよくなっているけれども、もっと一歩改善されなければいけないときに、そのプッシュ力がどうも弱いような気がしてならないのでございます。
 そういう意味で、今回の健康増進支援事業というのは、加入者福祉という中でかなり自由に事業がセットされる、そういうメリットを生かされたのでしょうか、予防、ケア、健康づくり、これをドッキングしてソフトの事業に取り組んでいらっしゃるということでございます。そのように理解いたしましたので、この法案にも賛成でございますけれども、今後この健康増進支援事業をどんなふうに展開していかれるのか、少し中期の展望を含めてお話しいただければありがたいと思います。
#19
○政府委員(江川晃正君) 御理解いただきましてありがとうございます。
 加入者福祉活動の一環としてのかんぽ健康増進
支援事業でございますが、およそこの簡易保険事業にとりまして、本来の保険給付サービスというものが一方にありますと、創業以来これは努めてまいったところでございますが、加入者福祉活動というのをもう一つの車輪としてやってきているわけでございます。その意味で今回のかんぽ健康増進支援事業というのは、アイデンティティーと先生おっしゃいましたが、国営事業の一つとしての大変重要な意義あるものだと考えて進めてまいっているところでございます。
 今回の支援事業は、地域の独自性とか加入者の創意工夫というのを生かしたいろいろなプロジェクトというのが地元地元にあるわけでございます。民間の人たちにあるわけでございます。そういう人たちが主体になった健康プロジェクトに対して助成金を出していこうということでして、先生おっしゃいました建物をつくるというのをいわばハードな施策と呼ぶならば、これはそういう人たちのプロジェクトを支援するという意味でソフトなというふうに言わせていただきますと、そういうソフトな部分に、従来十分こたえ切れていなかったんではないかという部分に対してこたえていける幅広い加入者福祉サービスということになるのではないかと考えているところでございます。
 そういうことでございますから、本年度この法律を通していただきまして実行に移りますと、これから加入者の皆さんとかプロジェクトに参加する皆さん方のさまざまな意見とか御希望などにじかに触れることがたくさん出てまいりますから、そういうことを受けまして来年度以降もこの支援事業を大きく育てていきまして、ちょっと思い上がったことかもしれませんが、将来は第二のラジオ体操と言われるくらい人口に膾炙した、加入者の皆さんのためになるよい施策にしていきたいなと考えているところでございます。
#20
○川橋幸子君 私もラジオ体操がそもそも郵政省のお仕事で始まったというのを地方に行きましたときに初めて聞きまして、これはなかなか大した事業なんだなということを実感したわけでございます。局長の心意気で、これはかぎ括弧つきの第二のラジオ体操ということだと思いますが、時代に即した、予防、ケア、健康づくりをコーディネートしたようなパイロット事業として、ひとつ国民の間に後世にも残るような事業に発展させてくださるようにお願い申し上げたいと思います。
 そこで、一つ私のアイディアでございますが、要望させていただきたいと思いますが、こんなことはいかがでございましょうか。
 つまり、さまざまなボランティア活動なり地域の自主的な活動、それを活性化するには行政は口を出さないで金を出すことが一つのキーポイントだと言われております。私も自治体に出てみてよくわかりました。よい意味で指導しているつもりなんでしょうけれども、やり方について意欲をそぐというようなこともございまして、実態を見ると、金は出しても口は出さないということが肝要なことなんだなと思います。
 ということで、今回は募集されて、あるいは審査されて交付される、こういう手順を踏まれると思いますけれども、その実質的な活動をそぐことがないようにまず気前よく、気前よくといいますか、予算に計上されているお金を出していただく。肝心なのは、初めに口を出すことではなくて、後でのフォローアップが大事だと思うのでございます。フォローアップするときに、さらに活動をやっていらっしゃる方々の自主的な意欲というのを刺激するようにするとよいのではないかと思うのでございます。経験的にそう思います。
 どんなふうに意欲を喚起するかということでございますけれども、やられた活動をやりっ放し、あるいは報告を求めっ放してはなくて、活動史を活字にして発表なさる、これも活動していらっしゃる方々にとりましては自分たちの活動が評価される、社会に表明できるいいチャンスなわけでございます。しかもそういう活動に従事なさる方というのは家庭の主婦の方が多いと思います。生活の知恵も生きるようなそういう事業展開になるのではないかと思いますが、家庭の主婦の場合は割合社会の中で発言する場というのが少のうございまして、そういうときにこの活動を通じまして発言していける、社会に参加していけるというようなそういう仕組みをつくっていただけると大変意欲が喚起される。しかも、発表するというのを、活字だけじゃなくて地域の中のコミュニティーの中で経験交流なさる。そういたしますと予防もケアも健康づくりもスムーズにドッキングしていくような、そんな感じがいたします。
 そういうことで、意欲を喚起するという意味で、こうした事業の成果を地域で発表する場を設けて、経験交流できるような、そういう機会もぜひフォローアップとしてつくっていただく、私のしがないアイデアでございますが、局長いかがでございましょうか。
#21
○政府委員(江川晃正君) 行政の先輩である先生が、行政の経験も取り入れながらのアイデアの御提供で、ありがとうございます。なるほどなと思います。つまりは、成果について地域で発表する場を設けるというのは、おっしゃいますように自分の意見を言える場を設けるわけでございますから、参加意欲というのはその次にすごく増すものだろうなということはよく理解できます。そういうようなことも御指摘のとおりでございまして、アフターケアの一つとしておもしろい施策だなとお伺いいたしました。
 いずれにしましても、本年実行してまいりますと、我々頭の中で、机の上で考えていたよりはもっと具体的に、事実に即したいろいろな知恵や言葉やアイデアが例えるんじゃないかと、そう思います。そういうものをみんないただいて来年に向かってさらによいものにしていきたい、そう考えております。そういう中の一こまに先生の今のアフターケアとしての発表の場みたいな話も加味させていただきたいと思います。
#22
○川橋幸子君 どうもありがとうございます。大してお金はかからないことかと思いますので、ぜひ予算要求の中にはそれができるような仕組みもお考えいただければありがたいと思います。
 さて、ソフトの事業、第二のラジオ体操ぐらいにまで発展する、そういう事業にしていただきたいと思いますが、一方では、やはり箱物についても今のままで十分ということではないのではないかと思っております。もう箱物を卒業してもよいというそういう趣旨ではないと思います。
 そこで、箱物の方の質問をさせていただきたいと思いますが、加入者ホームですとか保養所ですとかいろいろなメニューをお持ちなわけでございます。こうした箱物につきましても、そのニーズに応じましてつくられてきた、御努力されてきたということはよくわかるのでございます。しかし、私もあちこちの簡保を見せていただきますと、特に初期ですね、サラリーマンの所得も上がった、それから余暇時間もふえてきた、レジャー、余暇時間の活用ということが一つ大きなニーズになってきたときに、手ごろな施設がないので、保養所、レジャー施設というんでしょうか、つくられてその時代のニーズには適合したのではないかと思います。
 しかし、その後豊かな社会が到来してみますと、そうした保養所というのをどういう地域に配置するのが適当かという、そういうことも考えるわけでございます。全国八十カ所の保養所でしょうか、老朽化施設も多いような感じがいたしております。一方で、高齢化対応型の新型の都市型商品として、特にカーサ・デ・かんぽ浦安、新しい都市型の高齢化社会対応型の施設ということで高い評価を得ているわけでございます。
 そういうことを考えますと、今後のそうした箱物整備につきましては、むしろ、これは加入者の資金で賄われているものでございますからどうしても保険数理というのはあるとは思うのでございます。カーサ・デ・かんぽ浦安がどんなによくても、それを何カ所もつくれということにはならないのかもわかりません。ですけれども、パイロット事業を率先してやっていただく、こういう趣旨から考えますと、こうしたいわゆるカーサ・デ・かんぽ
型の施設に力を入れていただきたいと思いますが、今後の御方針を伺いたいと思います。
#23
○政府委員(江川晃正君) カーサ・デ・かんぽ浦安といいますのは、加入者福祉施設でございますが、介護機能つき終身利用型の加入者ホームでございまして、御案内のとおりでございます。高齢の加入者の方が入られまして、家族や社会との交流を保ちつつ豊かで安心できる生活を実現できるよう、日常の健康管理に加えて、万一寝たきりになった場合には介護サービスを提供するということを使命としているところでございます。そうしますとおのずから一定の条件みたいなものが出てきます。そういう条件に適応したものでつくるのがいいんじゃないかなと考えております。
 それはどういう条件かと申しますと、幾つかございますが、つくったらそこに全部確実に入ってもらえるという見込みがあること、需要の見込みがあることでございますし、それから医療機関が近隣にあること、あるいは高齢者の就業の場が近くに確保されることなどなどがございます。そういうことを考えますと、当面は人口の多い首都圏とか大都市圏ぐらいになりますが、大都市圏といいましても東京圏、大阪圏ぐらいじゃないかなという予測をしているところでございます。
 そういう意味では、そういう条件にかなうところでいわば第二、第三のカーサ・デ・かんぽ浦安をつくっていきたいと考えておりまして、大阪については既に土地の購入なども終わっている状態でございます。
#24
○川橋幸子君 もう次のプランで大阪の土地の手当てをしていらっしゃるということでございますので、そうしたいい新型、都市型の施設をお願いしたいと思いますが、局長がおっしゃった中で、どれだけ需要があるかというお話がありましたのですけれども、私、この需要は非常にあるということは局長に保証して申し上げたいと思います。
 せんだって、国民生活調査会というところで、実は世田谷にあります、居住機能を持ち、それから給食サービスがあり、それからできるだけ一人で自立して暮らしていただくということでございますので、簡単なナースコールのような設備がございまして、そのコールに応じて安全あるいは健康が確保される、そんな軽度の医療機能があり、さらに、近隣の方々が集まってこられて、そこでおしゃべりもできるでしょうし、囲碁もできるでしょうし、あるいはちょっとした趣味ができるでしょうし、手をよく動かして焼き物の教室なんかがやられておりまして、入所していらっしゃるひとり暮らしの方と周辺の方が交流するというそういう地域施設がありまして、見てまいりました。
 これは、資金源は大部分都の費用だと言いましたか、いろんなメニューを各省庁は持っているのでしょうけれども、そのようにうまくコーディネートするときに、東京都だから自分の財政力でできるということかと思いますが、そこは空き室待ちというんでしょうか、物すごく倍率は高いそうでございます。むしろ、自治体ではなかなか財政力に限りがある場合に、いいモデルとなるようなものを簡保の方でおつくりいただきたい。需要はたくさんございますので、それだけはっきり私は自信を持って局長に請け負えると思います。ぜひお願いしたいと思います。
 それでは、あと二点お伺いして私の質問を終わりたいと思いますが、あと二点のうちの一点は、先ほど健康増進支援事業、ソフトの事業というものが御紹介されまして、私もぜひこの充実をお願いしたいということで申し上げましたが、ソフトの事業とハードの箱物の事業とをドッキングさせて、例えば介護ですとか、あるいは相談カウンセラーの方がおられるとか、あるいは理学療法士の方がおられるとか、そういうことを考えますと、ソフトの方でそうした人材を育成なさって、それをそうした施設の中で御活用いただく。ドッキングすることはいかがでございましょうか、お考えいただけませんでしょうか。
#25
○政府委員(江川晃正君) 今先生おっしゃいましたようなかんぽ健康増進支援事業における介護の人材育成訓練みたいなもの、これは私たちも実は最初考えたのですが、結論的に申し上げますと、今度の仕事の中にはそれは対象に入っておりません。一言で申し上げますと、それをやるのは加入者の利益を考える簡保の施策なのかなという疑問があります。つまり、国民全体の問題となってしまうものですから、そういうところがちょっと疑問があって今回合意が得られませんでした。
 しかし、先ほど来話の出ておりますカーサ・デ・かんぽのような介護機能つきのホームの運営に当たっては、介護人材の確保というのは極めて重要でございますし、御指摘の人材の育成につきましても、今後この健康増進支援事業を進めていく中で、あるいは現に実はカーサ・デ・かんぽ浦安が試行的に移動巡回のふろなどそういう介護のことをやったりしているわけですが、そういう事実などを積み上げる中でノウハウを集積して、さらにこれから先、だからこういう人材育成をこの仕事の中でもやっていけるようにしたらいいんじゃないかという方向でいろいろと研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#26
○川橋幸子君 ありがとうございます。かぎ括弧で簡保の世界、簡保の宇宙という中には箱物もそうした事業もあると思いますし、そうした介護支援サービスというものがこれからの日本の大きな課題だといたしますと、それは厚生省の所管だからやらなくてもよいという、そんなお話があったとは思いたくございません。ぜひ大臣の手腕を省の方で活用なさっていただきまして、いい方向に進んでいただきたいと思います。
 最後に簡単に伺わせていただきたいことは、平成三年五月の簡易保険に関する調査研究会の報告書を拝見いたしまして、今後の簡保の役割、これからの中長期の課題ということがまとめられておりまして、ぜひこの提言の方向に沿って施策が充実されることを強く望んでいるところでございます。
 中でも、やはり女性の場合は介護の問題は非常に大きゅうございます。今まで夫の親を見て、それから夫をみとって、そして最後自分の老いを迎えるときには、後ろを見るとだれも介護してくれる人がいないような世の中になってきてしまったのでございます。
 そういうことを考えますと、介護費用の保険での給付というものは工夫されているようでございますけれども、なおそれも充実していただきたいと思いますけれども、介護の現物給付のサービスも保険の中のシステムに組み込んでいただきたいと、それが中長期の課題だというふうにこの研究会の報告の中でも書かれているわけでございます。ぜひそちらの方向に向けての御努力、要望だけではなくて、局長の方のこれからのスケジュール等も含めましてお答えいただければありがたいと思います。
#27
○政府委員(江川晃正君) 御指摘の介護にかかわる現物給付のサービスが提供できる保険商品をつくるということは、これは結構難しゅうございまして、要望はたくさんあるんですが大変難しい。
 といいますのは、介護施設そのものが必要だし、介護人の確保が必要ですし、どうやって介護していくかのノウハウの蓄積も必要ですし、いろいろな介護施設の設備が整っているということも必要です。というように、一言で申し上げますと、金銭を給付しておしまいにする保険と比べますと周辺整備が物すごく大変なわけでございます。
 そういうこともありまして、方向としては提言のとおりでありますし、先生おっしゃいましたとおりで、これから何とかしていきたいと考えておりますが、にわかにあしたあさってに商品開発ができるかというと、私どもちょっと自信がないところでございます。先ほど申しましたが、ちょうど今カーサ・デ・かんぽが巡回のおふろに入れるサービスなどしてございますから、ああいったような実験というか、試行からくるいろんな事実の把握を踏まえまして、開発に向かって研究を進めてまいりたいと考えております。
#28
○川橋幸子君 ありがとうございました。終わります。
#29
○三重野栄子君 法案の質問に入ります前に、簡
易保険事業の現状と展望について二、三お伺いいたします。
 去る五月十二日の新聞によりますと、生命保険協会は、民間生保は平成四年四月から本年二月末までの国内生保二十七社の新規契約高が前年同期に比べて四・三%減、これは通年で前年度を下回るのは八年ぶりだと伝えております。
 ところで、簡保の場合、新規契約状況をお伺いしたいわけでございますが、民間生保の場合は、個人年金は前年並みの水準を維持しているけれども、団体保険が大幅に落ち込んでいるということもつけ加えられておりました。そうしますと、この簡保の平成四年度の新規契約の販売状況と、それからそれに対する評価、あるいは保険種類別に特徴をお伺いしたいのでございます。
#30
○政府委員(江川晃正君) 簡易保険の新期契約の件数につきましては、九二年度は前年度比九・二%増というところで大体おさまっております。これは先ほど先生おっしゃいました民間における数字よりもちょっと多うございますが、簡保だけで見ますと、その前の年が一〇・一でございますから、〇・九ポイント、一ポイント近く落ちているということであります。全体としてこの成長がちょっと鈍化したのかと思われます。
 しかし、そうは言いましても、簡保の世界では戦後初めて保険と年金を合わせますと一千万件を超える新契約ができました。これは戦後初めてでございまして、数字的に申し上げますと順調に推移したかなと思われます。
 中身をひもといてみますと、全体としては少しずつ赤になるところがございますが、非常にふえたのが二つございまして、一つは十年養老保険というものでございます。これは実は条件をちょっと昨年変えました。加入できるのを、六十五歳で頭打ちだったものを七十まで五年間延ばしたわけでございます。そういうことも効きまして、この十年養老というのが一千万件何がしのうちで四百万件強、全体の比率で、昨年との比較でいきますと六五%弱の増加を示しております。
 もう一つのジャンルが生存保険金付養老保険という商品でございまして、これが八十三万件とれまして、昨年に比較して二五%弱の増加になっております。これも実は商品内容を昨年充実させております。細かいことは省略いたしますが、生前一時払いというのがあるわけですが、今までは、それをもらいますと、例えば五十万円もらいますと、満期になってもらう保険金から五十万円を引かれる仕組みだったわけです。ところが、この改善によりまして、幾ら五十万円もらっても満期の何百万円は変わらないというふうに改正したわけであります。もちろんちょっと保険料は高くなるわけでございますが、そういうふうな改善をしました結果かと思いますがその商品が伸びた。この二つが非常に伸びた商品でございます。
 そのほかの商品は、比較的そこそこの数字で去年からことしにかけて売れたという状況でございます。
#31
○三重野栄子君 大変商品の研究とともに努力をされていることを伺いました。
 次に、平成四年度の収支決算の見通しについてお伺いしたいわけですけれども、平成四年度の簡易保険事業は、今伺いましたように、新契約の増加あるいは死亡率の安定的推移及び事業経営の効率化が進んだ一方で、やはり近年の低金利の影響を受けて運用収入が低下をしているんじゃないか。対前年度比八・三%減ということで、約一兆三百億円の剰余金を四月一日から加入者に分配したということを伺っておりますけれども、この経過の説明と、それから平成四年度の決算の見通しについて、現時点でわかる程度御説明をいただきたいと思います。
#32
○政府委員(江川晃正君) 決算につきましては、まことに申しわけございませんが、現在取りまとめ中でございますので申し上げられる具体的な数値というものを持ち合わせていないところでございますが、こういうことは言えようかと思います。
 一つは、新契約販売がおおむね順調に、先ほど申しましたような状態で推移したことでございますから、保険料収入は着実に増加したと言えます。
 二つ目のところは、しかしというのがありまして、先生おっしゃいましたように最近金利の低下がございますから、運用利回りというのは低下する。したがって、運用利益が落ち込むということはこれまた確かなところでございます。
 そういう意味で、決算上の剰余金というのは、まだ先ほど来申しましたように出てはおりませんが、昨年度が一兆一千億余円でございましたが、その上げと下げとの両方込みにして考えますと、本年度もほぼとんとんぐらいになるんじゃないかなというふうに予測しているところでございます。
#33
○三重野栄子君 いつも問題提起のときには急速に進む高齢化というのが最近は頭言葉になるわけでございますけれども、国民の福祉の増進とニーズの多様化によりまして簡易保険事業に対する期待と要望が大変大きくなるばかりでございます。一方では、金融自由化、国際化に伴う内外の金融資本市場の拡大、それから運用手法の多様化等によって収益機会が拡大するけれども、しかし運用にはやはりリスクが増大をしていくということも考えなくちゃならないというふうに思うわけです。
 そこで、経営効率を高めるというのは、何といってもニーズに合った商品ということが命だろうと思うわけでございます。先ほど伺いまして、平成四年の新契約増はありましたけれども、特約の方を見てみますと、最近五カ年の特約の新契約状況は件数、金額ともにほぼ横ばいのように見えております。
 ところで、昨年法律が成立いたしまして七つの特約が本年四月から改善実施されているようでございますけれども、この点について、まだ二カ月で集約ができてないかと思いますが、この状況はいかがでございましょうか。
#34
○政府委員(江川晃正君) 先生御案内のように、昭和四十四年から特約が販売できるようになったわけでございますが、さらにこれの多様化とかニーズの拡大とかということで昨年改善いたしました。それはどういう改善かと申しますと、いっぱいございますが、一つ二つだけちょっと大どころを申し上げますと、それまでは、特約は一つの商品にこの特約というふうに決まっていた。固定と申しておりますが、つまり固定されていたわけです。今度は、この本体にあの特約どこの特約をというふうに、任意の特約を三つまではつけていいというふうに特約制度を変えだというのが一つございます。それから二つ目には、そういう特約を二つづけて、特約部分だけで二千万円まで可能にしていいなどなどのことをやったわけでございます。それが先生御案内の新しい特約制度の改正なわけでございます。
 その状況について見ますと、一つの基本契約で三つまでいいですよと、こう言っていることに対して、平均して二・〇件、二つの特約がついておりますというのが一つの事実でございます。そういう特約の総加入件数は、これは改正後の四月の加入状況でございますが百二十四万件でございまして、昨年の同月の四月で八十一万件でございますから五割増しになっております。要するに五割増しでそういうのがついているということで、言ってみますと、今度の特約の改正が加入者の御希望、期待に沿う改正だったのではないかと我々考えているところでございます。
#35
○三重野栄子君 大変商品の改善、それからそれぞれの職員の方々の努力によって充実をした営業成績が上げられているというふうに思います。
 簡易保険というのは、郵便貯金と一緒にいつも民業圧迫だとかあるいは民業補完論というのが見え隠れするわけですけれども、総資本における簡保、民保、農協のシェアの推移を見ましても、平成元年以降は均衡といいましょうか、大体一定しているようにも見えます。
 また一方、資産の運用面でも、今度法律も改正されるわけですけれども、財投にしましても、あるいは都道府県の地方債とか、あるいは地方公共団体の長短期の貸し付け、そういうさまざまな面
から見ましても、国民的視点に立った場合はこの簡保事業というのは大変有意義に使われていると申しましょうか、存在しているというふうに思うわけでございます。そういう意味では、迫り来る高齢化社会の中でこれは必要な国営事業であろうというふうに思うわけでございますが、大臣、二十一世紀を展望いたしまして、担当大臣としてのこの簡保事業に対する所信などお伺いしたいのでございますが。
#36
○国務大臣(小泉純一郎君) 高齢化社会を迎えるに当たって、それぞれが自助努力といいますか、老後に備えていろいろ商品が今国民の前に提示されております。その中で、簡易保険もその自助努力を担う一翼として大変重要な位置を占めている。できるだけ安い保険料で国民に利用してもらう、これが簡保の特徴でありますので、民間保険と相協調しながら、お互いそれぞれの役割を自覚しながら充実させていくよう努力する必要があると思っております。
#37
○三重野栄子君 今大臣がおっしゃいましたように、民間保険とタイアップしながら、いろいろ相補いながら、国営事業としての簡易保険がますます国民のニーズに合った方向に頑張っていただきたいということを強く要望するところでございます。
 そこで、簡保法の一部を改正する法律案の育英年金付学資保険について、少し細かくなろうかと思いますけれどもお尋ねしたいと思います。
 育英年金付学資保険は今までの学資保険の制度の改善と思われますけれども、その趣旨並びに一般の養老保険や従来の学資保険と比べて加入者の側からどのようなメリットがあるか、その特徴についてお伺いしたいと思います。メリットが多くなると一方では保険料が高くなるのではないかという心配もあるわけでございますけれども、払込料と受取額の総計といいましょうか、そういうことについて幾つか例題を挙げながら御説明いただければ幸いです。
#38
○政府委員(江川晃正君) 初めに育英年金付学資保険の特徴、メリットについて触れさせていただきます。
 順を追って申し上げますが、まず一番最初の基礎として一般養老保険というのがございます。これは満期のときに満期保険が出ます。それが一点。もう一つは、被保険者が亡くなったときには死亡保険が出ます。この二点が大原則でございます。
 学資保険はそれに一歩加えまして、学資保険の構造は生まれた〇歳の子供に対して父親が掛ける、こういう構造でございますが、この父親が死ぬとします。保険を掛ける人です。そうしますと、学資保険が十八歳で終わるとしますと、今から十八歳までの間は一切保険料を支払う必要がなくなります。しかし、十八歳になったらばちゃんとその子には保険金五百万円を支払います。これが学資保険でございます。
 今度の年金付学資保険と申しますのは、さらに一歩つけ加えまして、父親が亡くなりましたらば、そこで掛金を払い込む必要がなくなるのみではなくて、残りの十八歳までの間は毎年年金を出してあげます、そこがつけ加わることになります。これが新しいわけです。
 メリットとしましては、ですから、父親が亡くなったときに払い込む必要がなく、十八歳まで待ってれば五百万が入るのではなくて、十八歳まで年金をもらいながら五百万もらえるようになる、そういうことでございます。
 ところで、先生おっしゃいましたように、そうはいっても高くなるでしょうというのがございますが、これはある意味では仕方がないところだと思います。年金部分が付加されるわけですからその分が高くなります。どのくらい高くなるかといいますと、これは父親でも母親でも結構ですが、便宜父親にしておきます。掛ける側の年齢によって違ってくることは言うまでもございませんが、相対的に見ますと、大体今掛けている月々の一〇%から一五%そこらぐらいまで高くなる。もしかしたら二〇%弱まで高くなるところもあろうかと思います。そのぐらいになるんじゃないかと見込まれます。それを先生は一つのモデルケースで数字をというふうにおっしゃいましたので、ちょっと私こういう数字で申し上げさせていただきたいと思います。
 子供が生まれました。〇歳です。父親が三十五歳とします。その子供が十八歳になったらば五百万円支払いますという保険とします。それに育英年金が六十万円。もう一回繰り返します。子供は○歳。父親三十五歳。十八歳満期。五百万円。年金は六十万円。そういうふうにいたしますと、年金のない場合だけで申しますと今大体一万七千四百円ぐらいかかります。今の例でいきますと一万七千四百円ずばりです。それに六十万円の年金をつけ加えますと、大体二千数百円ぐらい上がりまして二万円ぐらいになります。この精密なのはちょっとまだ仕上がっておりませんが、二万円ぐらいになります。そういうのが今回提案してつくろうとしております年金付学資保険とそのほかのものとの違いでございます。
#39
○三重野栄子君 そういたしますと、掛けた親が途中で亡くなった場合に、六十万ですから毎月五万ずつ年金が支払われる。保険料の払い込みは親が亡くなった場合に終わるわけだけれども、月々五万ずつの年金をもらいながら、満期になったときは五百万の保険金をもらうということになるわけですね。
 ところで、途中で親が亡くなった場合は非常に利益があるようでありますけれども、親も子供も元気だったときに、年金はもらわれないわ保険料は納めたわということになりますと、最後はどうなるんでしょうか。
   〔委員長退席、理事及川一夫君着席〕

#40
○政府委員(江川晃正君) 言葉が大変難しゅうございますが、入ってあした死んでしまったらば、向こう十七年間は全部年金をもらえます。一回しか払わない、しかも年金は全部もらえます。計算してみますと、千五百二十万円プラス配当金というふうになります。いわば、二万円一回払っただけで。これを得と言うかどうかというのはちょっと言いにくいですし、そういう言葉は申しません。
 それに対して、健康で全部十八年間を過ごしたといたしますと、本来の保険料と年金部分で付加された部分全部ひっくるめまして、先ほどの三十五歳の例でいきますと四百三十二万円払うことになります、十八年間に。十八歳になったときにもらう保険金は五百万プラスアルファなわけです。アルファといいますのは、運用してまいりますから運用金が配当金としてつきます。それは年の変動によって違いますから一概に言えませんが五百万以上つくわけです。そういう差がございます。どっちがよい悪いは別としまして。
 今先生の御質問は、全部十八歳元気で過ごしてしまったときに、年金で掛けた分は払いっ放しで何も戻ってこないじゃないかという御趣旨のように聞こえます。そこはどうなのかというふうにおっしゃられるとすれば、こういうふうな構造になっております。
 一つは、年金で増加する部分、例えば二千円といたします。二千円相当の部分は、これはいわゆる掛け捨てというふうな考えでございまして、事が無事に済めばそれはそれでおしまいという構造です。しかし同時に、その後二千円は常時運用の資金には入っています。原資に回っております。ですから、最後に全部十八歳無事になったときの五百万プラスアルファのアルファの方に二千円も効いてきているわけです。そういう構造でそれなりのはね返り、見返りは、見返りと申しましょうか、利益はそういうふうに還元されているんじゃないかと考えております。
 もう一つ、二千円の部分を、無事に生きたんだから無事のお祝いが何かないのかというのは、それは物事の考え方でございまして、掛け捨てでいこうというのは、保険数理でいきますと、ちょうど事が満期になったときにゼロになるように計算するわけでございます。そのときに何がしかを上げようじゃないかと考えれば、そういう計算の仕方もできるわけでして、それは二千円が二千何百円になると思います。そういう意味で、どちらを
とるかというのは商品設計の問題でございまして、我々は今、ちょうどゼロになる、お祝いなんだからそれでいいじゃないか、しかし運用の利益は配当金で上げますよ、こういう構造でこの保険を考えておりまして、満期になったらばそのようにお祝いさせていただければありがたいと思います。
#41
○三重野栄子君 やはり健康で親も子も満期になってもらいたいわけでございます。ただ心配だったのは、払込保険料が四百三十二万円だけれども、受取額は五百万と配当金をもらえるということですから、払った保険料よりもプラスということで安心をいたしました。そういうことで、子供たちが安心して学校に行けるような保険ができたことは大変うれしいことでございます。
 そこで、申し込む場合でございますけれども、保険契約者と被保険者に対して面接を行って、健康状態について告知を求め、健康な者について加入申し込みは承諾されることになっている。そうしますと、今度は親も子もでございますから、子供が保育園に行っていたり、幼稚園に行っていたり、あるいは学校に行っていたりということになりますと、この契約の仕方はなかなか現実的ではないんではないかということを一つ思います。
 それから、健康な者といった場合に、やはり条件があろうかと思いますけれども、保険の契約者と被保険者、いうならば親と子、そのどちらかが障害があった場合にこの年金に加入できるのかどうかということ。それからまた、契約期間中に不幸にして障害になった場合に、しかし学校には行ける、親も働くことはできるということもあると思うんですけれども、そういうときにはどうなるかという問題。
 それから、これは民間で、最近新聞にも出ていたんですけれども、妻の話です。契約をするときに営業の人に、どこの御家族でも奥さんが御主人にかわって署名したり判こを押したりしていますよといって勧められた保険に入った、たまたまその人は離婚をして、そしてその解約金をもらいたかったんだけれどももらえなかったというようなこと。これは新聞の問題でございますけれども、この育英資金の場合、両親が健在の場合に、母親が入りたいというのを、いや母親じゃいけません、父親でなければなりませんというようなことがあるのかどうかということ。
 それから、子供が複数の場合、二人子供がいて二人に入りたいというときに、親はそれぞれの子供に、もちろん一件一件ですけれども、入ることができるか。父親はもう一人の子供、母親はもう一人の子供ということにできるか。それから離婚をした場合どうなるかということについてお尋ねいたします。
#42
○政府委員(江川晃正君) 御質問がたくさんございます。
 一つは、子供と親の両方面接と告知が必要だと言いながら、子供が幼稚園に行っていたらできないじゃないか、現実的でないというお話ですが、子供のいるとき行って、子供の前で聞けばいいんだから、幼稚園から帰ってきたとき見ればいいと。何も親と子供をこう並べて昼間やらなきゃいけない、そういうものではありません。いわんや、六歳の子供本人にあなたはどういう病気だったなんて聞けるわけでございませんから、そういうのはちゃんと法律で十二歳未満は法定代理人がなってございますから、そういう形でいろいろとできます。ですから、たまたま幼稚園、学校で本人がいないとかということは少しも問題にならないんではないかなと。次の手は幾らでも打てる。そういう意味で問題にならないんではないかと考えております。
 それから、親と子供両方とも健康あるいは障害のことを問われるというのは、これは学資保険の場合もそうでございましたが、親が亡くなりますと、途端に払わなくてよくて年金が出る、こういう構造になるわけですから、非常に重要な要素をなしているわけでございます。ですから、今度これに入るに当たっては、その被保険者である子供の健康だけではなくて親のことも両方見るわけです。そしてその際に障害の度合いというのも当然見るわけでございます。ある種の重さの障害だったらだめだというのがございまして、ここで一概にこの障害はいい、この障害は悪いと言うのはちょっとミスリードしてしまう危険がございますので避けさせていただきますが、ある種の重い障害のときは入れないとか、この程度ならいいとかという目安はございます。
 一応そういうことでやりますが、それでも一応この程度の障害ならいいということで入ったとしまして、その後障害が起こったというのは、それはまさに保険がきくかきかないかの話になるわけで、別に何の問題もございません。普通の保険と同じように考えていただければ結構でございます。
 それから、夫と妻の問題、詐取的な話で、何か離婚しそうとかという、その辺はちょっと事実に即していろいろと判断しなければならないと思いますから一概に申せないんですが、お父さんの名でお母さんがうちで判こを押してしまうということは普通はよくあることで、九九%まではそれがそのまま通ってしまって、それが離婚の問題になんかになっているときには、それは特別の問題として一応処理しなきゃいけないと考えております。
   〔理事及川一夫君退席、委員長着席〕
 それをまたここで一概にどういう場合はいいとか悪いとかなかなか言い切れないんでございますから、表見的にできていれば一応通るんだというふうにさせてもらっているところです。父と母の違い、お母さんはだめ、お父さんじゃなきゃだめ、こういうことは全然しておりません。お母さんが契約者で、息子、娘、これはもうやって結構でございます。
 それから、例えば子供が二人いまして、一人を父親が一人を母親が見る、これも結構でございます。一人の子供に対して父親と母親が二つ契約する、これも結構です。ただし、子供にとっては七百万という限度がございますから、その限度内で、例えば四百万と三百万でも結構ですが、そういうふうにゃるのは結構でございます。そういう一定の枠の中で父と母がそれぞれ子のためにやるのはいささかも障害にはならないところでございます。
 したがいまして、最後の問いに入ってしまったかと思いますが、子供が複数いるときにそれぞれに対してできるのかということは、それぞれが今の仕組みでいきますと七百万までの限度でできる、入れる仕組みになってございますから、三人いれば三人とも七百万以内でこの保険に入ることができまして、父親、母親、二人がそれを人的に分け合っても、一人を二人で加重してもそれはかなり自由にできる仕組みでございます。すべてこれ円満な夫婦を前提にしてございます。
#43
○三重野栄子君 大変詳しくて、一人の子供に父と母が掛けられるというのはおもしろかったです。
 今、被保険者、子供の年齢がゼロ歳から十二歳ということですね、掛けられる期間が。満期が十五歳と十八歳になっておりますけれども、高学歴時代を反映いたしまして、満期が二十二歳というようなことは考えられませんでしょうか、その点ちょっとお伺いします。
#44
○政府委員(江川晃正君) 一つには、十二歳までというのは、先ほど先生御安心なさったというその掛け金の総計と保険金の差が、保険金の方が多くなるということが前提ですから、余り小さくはできなくなっているところでございます。
 それから、二十二歳の話は確かにございますが、学資保険という視点から申し上げますと、卒業というよりは入学のときに使われるという視点で、大学入試の十八、高校入試の十五というところに目をつけてつくっているわけでございます。二十二歳の話といいますのはあるいは必要になってくるかもしれませんが、一応現時点での学資保険のねらいがこれから入って学ぶためのお金というところに視点を置いておりますので、十八で一応区切っているところでございます。二十二歳のことは今後の勉強課題かもしれません。
#45
○三重野栄子君 二十二歳、卒業のときに満期のように見えますけれども、しかし、大学に入って、短期大学二年なりあるいは四年の間にどういうふうに学資を保障するかという意味も含めますと、やはり二十二歳までの期間があった方が、何も大学に行くことが目標ではありませんけれども、うちは貧しいけれども、あきらめていたけれども大学に行けるかもわからないなという子供の希望の問題もあろうかと思います。こういうことも今研究課題と言っていただきましたけれども、そういうふうになれば一つの安心にはなるんではないかというふうに思ったりしています。ですから、高校卒業した十八歳のときに一応一時金を払って、そしてまた後こうやるということだって、今もそのようになっているというふうなことを伺っておりますけれども、そういう商品のあり方というのもぜひ御検討いただければと思います。
 以上、いろいろ細かく伺いましたけれども、子供を持つ親の安心感として、子供自身も知れば大変希望を持つような保険ではなかろうかと思いますけれども、これはいつごろ発売されるんでしょうか。それからまた、加入見込みの件数というのはどの程度予測してあるんでしょうか。
 学資保険は、昭和六十三年末に二一・四%の保有契約数から、平成三年度末が一九・六、平成四年度末が一八・六とだんだん減っておるようでございますけれども、このようなことにならないように職員の皆さんもしっかり頑張られると思いますけれども、発売に当たってのPRを含めましての御見解を伺いたいと思います。
#46
○政府委員(江川晃正君) この法律を幸いに通していただきますと、結論から申し上げますと、平成六年の一月の発売を予定していきたいと考えております。その際、今先生ちょっとおっしゃいましたように、だんだん学資保険が売れ行きが鈍っているのではないかという御趣旨のお話でございました。実際のところ百四十万件から百三十万件台というように、ちょっと漸減していることは事実がと思います。ただ、そう大きな下降ではないように思います。
 今回、これができましたらどのくらい予想しているのかといいますと、今五年間の平均で百四十万件ですが、百五十万はいくと考えております。つまり純増十万はいくだろうと。そのうちの三〇%強はこの年金つきでいけるんじゃないか、そういうふうに踏んでおります。それは過去のいろんなデータを積み上げてそう予測していいんじゃないかなと思っているところでございます。
 そして、こういうことになりますと、そういうことのためにも職員へのこの商品の教育訓練、どういう話法なのかという話法の周知、いろいろございます。それから国民の皆さんへもこの種の保険が新しく売り出されたということの周知がございます。国営の事業でございますから、跳んだりはねたりのはしゃいだようなコマーシャルというのは、私たち少しは品のあることでやりたい、そう思っておりますけれども、それなりの折り目節目のときには国民へもぱっとわかるようなPRは打ちたいと思っております。
 そういうことのほかにも、郵便局の窓口とか、外務員が実際に行って勧奨するとか、それからパンフレットをつくって置いておくとか配るとか、いろいろなことを郵便局レベルで地道にやって周知を図り、販売に努めていきたいと考えているところでございます。
#47
○三重野栄子君 それでは、加入者福祉施設についてお伺いいたします。
 私は最近簡保保養センターで最も新しい伊豆高原温泉かんぽホテルに行きました。地震にも迎えられましたわけですけれども、風景や自然のすばらしさに劣らず、設備それから職員のサービス、食べ物など大変十分でございまして、保養ができるということを確認して帰ってまいりました。
 ところで、このような保養センター等の加入者福祉施設の設置状況と利用状況について、どのようになっているかということをお伺いいたします。
#48
○政府委員(江川晃正君) ただいま先生の御指摘の伊豆高原センターも含めまして全部で百二十七ございます。種類的には六種類ございまして、ちょっと長くなって恐縮でございますが、保養センターというのが八十、加入者ホームというのが十四、診療所二十、総合健診センターが三、レクセンター八、会館二の百二十七でございます。
 これらの利用総数でございますが、平成四年度でいきますと、延べ千二百十万人がこの一年間に利用したという状況でございます。
#49
○三重野栄子君 ところで、この加入者ホームそれから保養センターは随分以前から建設をされているようでございますが、余暇と健康増進のための施設づくりとして施設整備緊急五カ年計画を推進するということを伺っておりますけれども、この内容について御説明いただきたいと思います。
#50
○政府委員(江川晃正君) ただいま申しました百二十その施設の中には、先生いらっしゃいました伊豆高原のような最新のものとか、カーサ・デ・かんぽみたいなできたてのものもございますが、もう二十年以上経過したいわば老朽化したものも入ってございます。そういうものを全部この時代の新しい需要、きめ細かい需要にマッチするようにつくりかえたいというのがこの緊急五カ年計画の趣旨でございます。
 そういう意味で、この五カ年計画といいますのは、老朽の度合いの高いものからどんどん直していくわけですが、主として中に考え方として柱が二つありまして、一つは老朽施設の抜本的改善ということで、これは百二十そのうちの少なくとも三十弱、二十八と我々今踏んでおりますが、その二十八についてはもうすぐに直さなければいけないと考えております。例えば、そういうところには客室にトイレがないとか、エレベーターがないとか、二十年以上たっていてちょっとがたついているなどなどがございます。そういうところを全部洗いざらいやっていこうというのが一つの柱です。
 もう一つの柱といたしましては、加入者の健康づくり、余暇活動の充実等のニーズに対応するための施設の設置ということで、ある意味では新型健康増進施設というものをつくろうということで、これは今土地の購入などを当て込んでいるというところでございます。
#51
○三重野栄子君 二十八カ所の老朽施設の根本的改善というところで、今トイレがないとかがたつきとかいうことを伺いましたが、もう少し根本的改善というのを考えられていいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 また、私は思いますが、今の保養センターの場合、私の調査によりますと、昭和四十四年度に建設をされました分で、北海道は五カ所のうち二カ所、それから四国の場合は六カ所のうち四カ所、それから九州の場合は十カ所のうちの六カ所が四十四年度以前にできたところでございますけれども、そういうことを考えますと、先ほどの二十八カ所でどこからどういうふうになるかということになると、何かの基準があるのではないかと思いますが、それが一点。
 それから、平成三年度の新契約年齢別加入状況を見てみますと、五十歳から五十四歳が二六・六%、五十五歳から五十九歳までが二三・三%、四十五歳から四十九歳までが一六・一%、六十歳から六十四歳までが一二・一%で、四十五歳から六十四歳を合計いたしますと新加入のうち七八・三%を占めているという状況になるわけです。しかも、平成四年度の保養センターの利用者が六百八十万人ということでございまして、簡保保養センターはもう半年前に予約をしてもなかなか入れない。まして先ほどの伊豆高原ホテルなんて全然問題にならないほどあいていないというような状況でございます。
 今後、保養センターの改善がどういうふうな計画になっていくのか。それと新しくやはり保養センターが必要ではないかと思いますけれども、その二点についてお伺いいたします。
#52
○政府委員(江川晃正君) 老朽施設二十八と私申し上げました。それからトイレとかなんとかということにつきましてもっと根本的な改善が必要
じゃないかとおっしゃいました。私、ちょっと例示的にトイレみたいなことをわかりやすく申し上げまして、あるいは現象的な表現で失礼だったかもしれませんが、そういうトイレなどが悪いところに限って全体としてよくないんです。それで、少し全体を広げてみたり、部屋数をふやしてみたり、全く五倍、十倍なんかできるわけではございませんが、ある意味では一新するようなつくり方をしていこうということで、かなり我々としたら根本的につくりかえるぐらいのことになるぞと思う気持ちで直しているところでございます。
 それが先ほど二十八と申しました。先生ごらんになったところ、どこどこで何年前が幾つ幾つ、こうやっていきますと二十八どころかもっとたくさんあるということは私全然否定いたしませんが、たくさんある中で五年度予算でできるのは、一番急なところはここじゃないかという意味で選んだのが二十八ということでございまして、五カ年計画で二十八しかやらないという意味ではございません。そういうふうに御理解いただきたいと思います。
 それから、伊豆高原のようないいところをもっとつくっていったらいいんじゃないかと、大変耳の痛いところをつかれました。よい施設だけれども、しかし込んでいて利用ができない。実際のところそうでございまして、先生いらっしゃった伊豆高原ホテルなど、どこもそうでございますが、六カ月前に申し込みを受け付けまして、あそこなんかほとんど六カ月前に向こう一カ月が埋まってしまう感じなんです、たくさん来ますから。例えば一月一日ですと七月一日にやるわけですが、七月一日に集まった分で一月一日の容量をこんなに超えてしまっていればそこで抽せんになってしまう、あるいは少なければそれで埋めていく、こういう構造でやっておりまして、抽せんも公正にやっているつもりでございますが、現実にはそういうふうに結構利用しにくい、キャパシティーが小さいということはございます。
 そこで、もっとふやせということだと思います。それはもうおっしゃるとおりでして、やりたいところですが、政府部内で固まっている思想ですから私は内部分裂みたいなことは申しませんが、今、臨調でこの手のものをつくっちゃいけないと言われているわけです。それを受けて行革審も皆そういうふうに整理してございますので、一応新しいものをつくるというのはなかなか難しいなというふうに考えおります。しかし我々としては、この手の施設をたくさんつくってくれと方々の市町村から話が来ているということを踏まえまして、我々は何とかできるようにならないものかと努力していきたいと考えているところでございます。
#53
○三重野栄子君 職域あたりも若い人々に団体保険として保険加入の力を入れておられますから、新型健康増進の施設を本年度に一カ所、それから毎年で五カ所つくるというようなことも今の五カ年計画の中に入っている、言うならば青壮年を対象にした中身というふうなことを伺いましたが、私、先ほど新契約の中の年齢別を申し上げましたのは、そういう若い人ももちろん何とかやらなくちゃならないけれども、そういう方々に毎年一カ所ずつそういう施設ができていくんだったらば、高齢者といいましょうか、一方では五十代以上の新契約者がどんどんふえているのに、今でも満杯の保養センターの利用者を満足させるにはやはりもう一つの努力をしていただいて、新しい保養所をつくっていただくということもぜひぜひ力を入れていただきたいというふうに思うわけです。
 抜本的改善というふうに申し上げましたのは、いろいろ御工夫があるかと思いますけれども、伊豆高原温泉かんぽホテルの施設とか職員の応対は大変申し分なかったんですけれども、その中で感じましたのは、エレベーターのボタンを押すところが上と下、車いすでも押せるように下の段にあ保ったとか、あるいは動くのがこの別館のエレベーターぐらいにゆっくり上がりまして、そういう点では大変高齢者の方にも、みんなが高齢者というのはちょっと言いようが悪かったです。エレベーターの速度も考えてありましたし、それから大浴場までの廊下のスロープが大変緩やかで、両方に手すりがあったとか、あるいは温泉の大浴槽に入るときに、プールに入るときと同じように手すりがあって、それをつかんで中に入れるというようなことで、大変細かな心遣いがしてございましたので、今後せっかくおつくりになるんだったら、若者もいいけれども、高齢者もいいようなそういう施設をぜひお願いしたいところでございます。
 あと、かんぽ浦安の問題についても少し伺いたいところでございましたが、先ほど川橋議員もお尋ねでございましたので、特にかんぽ浦安の場合の経営面、いろいろ運用益もだんだん少なくなるというような状況ですけれども経営面、あるいは入所された方を救急で運んで処置をしてさしあげるとか、病気になられたとか、あるいは今巡回入浴サービスが実施されておりますけれども、その利用などについて二、三点お伺いしたいと思います。
#54
○政府委員(江川晃正君) ただいまの御答弁を申し上げる前に、先ほどの答弁で私ちょっと言葉を間違えたところがございますので訂正させていただきたいと思います。二十八カ所のことを、とりあえずことし二十八というふうに申し上げたかもしれませんが、五カ年計画で二十八を考えておりまして、ことしは十五でございます。二十八の中に多分先生おっしゃったような四十四年より前につくっているところはみんなほとんど入ってくるんじゃないかなとは思いますが、言葉を間違えましたのでそこだけちょっと訂正させていただきたいと存じます。
 ただいま御質問のカーサ・デ・かんぽの運営状況でございますが、経費的な運営状況で申し上げますと、数字を細かく申し上げるまでもなく言わせていただきたいと思いますが、とんとんでいっておりまして、まあおおむね順調にいっていると思います。そして、中に入っている入居者と申しましょうか、その方も満杯でございまして、百六十室ほどございますが、待っている人がまた百何十人いるというぐらいでございます。
 そして、先生がおっしゃいました緊急措置みたいなことでございますが、オープン以来十八件ありました。しかし、大事なく終わっているということです。どんなことだったのかと申しますと、何か打撲をしちゃった、階段から転がるとかという話とかで打撲、ちょっと心不全を起こしたとか、それから骨を打っちゃった、ちょっと呼吸が不全になったなどのようなことがありますが、いずれも無事に一応なったと、緊急を要する措置という点ではこういうことがあったということでございます。
#55
○三重野栄子君 終わります。
    ―――――――――――――
#56
○委員長(野別隆俊君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。
 ただいま、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。
#57
○及川一夫君 今まで一時間四十分きめの細かい質問をさせていただきました。どちらかというと、今までの質問は、これからの簡保事業の発展ということを願いながら質問させていただいたわけですが、簡保事業や郵貯関係にもそれぞれ国際的な課題というものが存在しているんじゃないか、課題のうちでも陽の課題と陰の課題というのがあるわけですが、陽の課題については大いに歓迎をするわけでありますが、陰に近いような立場で問題をとらえなければいけない、しかし何としても問題を解決をしなければいけない、こういう前提に立って少しく質問させていただきたいと思います。
 まず第一に、江川局長でも山口局長でもどちらでもよろしいのですが、戦前における簡易保険、郵便年金、さらには軍事貯金ですか、郵貯ですか、というようなものが存在をしておりましたけれども、報告書の隅々を見ると、それとなくそういうお金がある、あるいは支払った件数があるという
ようなことが報告されていますよね。したがって、現状についてまず明らかにしていただきたいということを申し上げます。
#58
○政府委員(江川晃正君) 簡易保険と年金について私の方からお答えさせていただきます。
 韓国及び北朝鮮につきましては、終戦前、日本内地で簡易保険、郵便年金に加入し、終戦後、韓国または北朝鮮に帰った韓国または北朝鮮の住民の有する契約というのがございますのは事実ですが、契約件数及び保険金額は不明でございます。
 この契約に係る保険金等の請求権につきましては、韓国住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約に係る保険金等の支払い請求権は、昭和四十年十二月の日韓協定によって、一部を除きその権利は消滅している。それから北朝鮮住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約に係る保険金等の支払い請求権は、北朝鮮との間に財産及び請求権の処理についての取り決めがないことから未解決のままとなっております。その支払いについては、現在北朝鮮との間で国交正常化の交渉が行われており、その結果を待って対処したいと考えており、保険金等の支払いは保留しているところでございます。
 二つ目の事案で、台湾住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約につきましては、件数は推定で百九十万件、保険金額は推定で約五億三千万円でございます。その契約に係る権利義務の決済は、昭和二十七年八月の日華平和条約により、その両国の特別取り極により措置することとなっていましたが、この特別取り極が結ばれないまま、昭和四十七年九月の日中共同声明によって同条約が終了し、未解決のままになっております。その支払いにつきましては、現在、関係省庁と調整を図っているところでございます。
 樺太と関東州の住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約につきましては、樺太が件数推定で約二十二万件、保険金額推定約七千万円、関東州等が件数推定約七十万件、保険金額推定約一億七千万円でございました。この支払いにつきましては、樺太住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約については、ロシア国籍及び無国籍の人から請求があれば支払い可能と考えております。関東州等の住民が加入していた簡易保険、郵便年金の契約につきましては、中国国民から支払い請求があれば、法的には支払う義務があるものと考えております。
 最後になりますが、南洋諸島に係る簡易保険、郵便年金につきましては、現地住民の簡易保険、郵便年金の加入はございませんでした。
 以上でございます。
#59
○政府委員(山口憲美君) 委員お尋ねの郵便貯金の関係について御説明させていただきます。
 一つは軍事郵便貯金というのがございます。これは戦時中に全戦域にわたる約四百余の野戦郵便局あるいは海軍の軍用郵便所において預け入れされた通常郵便貯金というふうなものでございます。それからもう一つは外地郵便貯金というのがございます。これは第二次世界大戦の終結によりまして、日本から行政権が分離したいわゆる外地等の郵便局で預け入れをされた郵便貯金、この二つでございます。
 この二つにつきまして軍事郵便貯金等という形で御説明をさせていただきますが、まず韓国の方の軍事郵便金等につきましては、日韓請求権・経済協力協定に基づきまして制定されました日本の国内法によりまして、原則として権利は消滅をしているということでございます。
 それから北朝鮮の方の軍事郵便貯金等につきましては、現在、日朝国交正常化交渉によりまして財産・請求権問題について交渉中でございますので、その成り行きを見守っているというふうなことでございます。
 それから台湾の方の軍事郵便貯金等につきましては、日台間の請求権問題につきまして、サンフランシスコ平和条約それから日華平和条約におきまして、特別取極を締結して処理することが予定をされていたわけでございますが、日中国交正常化の結果がかる措置ができなくなったという事情がございます。この問題につきましては、日台間の全般的な請求権問題との関連を考慮する必要があるというふうなこと、いかなる形での債務履行が実際的か慎重に見きわめる必要があるというふうなことから、その取り扱いを現在政府部内で検討をさせていただいているというふうなことでございます。
 それから関東州の方が有する軍事郵便貯金につきましては、日本国内法上の権利が確認されるものにつきましては、国内で支払い請求があれば支払いができるということでございます。
 それから南洋地域の方が有する軍事郵便貯金等につきましては、昭和四十四年の日米協定及び交換公文によりまして権利は消滅をしているということでございます。
 それから樺太でございますが、樺太の外地郵便貯金は、在住の方につきましては国籍が旧ソ連籍、無国籍あるいは北朝鮮籍の方などが問題となるわけでございますが、旧ソ連籍及び無国籍の方につきましては、日本国内法上の権利が確認されるものにつきましては、国内での支払い請求があれば支払いが可能ということでございます。北朝鮮籍の方につきましては、先ほどお話し申したこととの関連で、日朝正常化交渉の成り行きを見守っているということ、それから仮に韓国籍の方がおられたということになりますと、原則として権利は消滅をしているというふうなことでございます。なお、地域名等につきましては、ちょっと古い地域名で言わさせていただきました。
 なお、外地郵便貯金につきましては、現在高が千八百二十九万口で二十億一千四百万円、それから軍事郵便貯金につきましては七十三万口で二十二億三百万円でございます。
 以上でございます。
#60
○及川一夫君 大体文書を読み上げていますから、ストレートに初めて聞いた方は余りようわからなかったというふうに思います。したがって、今答弁されたことについては、私は一覧表にして提出をしてもらえぬかということをまずお願いしておきたいというふうに思います。
 実は、台湾の皆さんから郵便貯金あるいは簡易保険問題について、支払い請求というのが現実に裁判にかけられて、日本の裁判所でそれが否定をされたりしているという現実が率直に言ってあるわけであります。しかし、元日本兵という立場の人のみならず、一般の韓国人やあるいは台湾人にしても、日本の簡易保険や郵便貯金というものに金を納めて、いろいろ国策的な意味での協力もしたということがあって、この問題は大きな二国間があるいは国際問題になるか、いずれにしても大変な問題になるんじゃないかという気がしてしょうがないわけであります。
 したがって、これまでの国会における議論を見ますと、衆参両院の予算委員会で多少出ているんですけれども、突っ込んだ議論に要するになっていないというふうに思います。しかも、郵便貯金や簡易保険ということになれば、予算委員会も政策討議の場ですから問題にしてもらって結構なんだけれども、やはりこの逓信委員会が相当突っ込んだ形で、外務省あたりが正面切っていろいろ対応しなければならぬときには、即刻それに対応できるようなものをつくっておくべきだというか、態度決定をしておくべきだとか、そういう気持ちがして私はならないのであります。
 そういう意味で、私なりに整理をしますと、両局長から答弁いただきましたけれども、次のようなことでいいのかどうか、これをまず確かめたいと思います。
 まず国別に申し上げると、韓国というお国との関係では、日韓協定というものを締結したので、要するにすべて解決済みである、これが日本政府といいますか、今局長が言った立場であるというふうに一つ確認をしたい。
 それから朝鮮民主主義人民共和国、俗に北朝鮮と言っておりますが、これは今交渉中ということでありますから、当然問題はそのままになっているという形なので、交渉中ということで北朝鮮の場合は権利は消滅をしていないというふうに理解
してよろしいか。
 それから台湾の問題につきましては、日中共同声明というものが出てまいりまして、不幸にして国交断絶、こういう事態になってしまったので、それまで交渉しつつあった問題がそこで中断をされているということになっているわけで、したがって、これは当然日本側は支払っていかなければならないものではあるけれども、交渉相手がなくなったわけですから、そのまま凍結状態にあるというふうに理解をしてよろしいか。
 それからもう一つ、関東州、これは我が国が植民地政策や何かで占領したりなんかしたわけじゃありませんから、現実に関東州ということで中国からお借りをしておった、租借をしておったというふうに私は理解をいたしております。したがって、中国領だということになりますと、日中共同声明によって、賠償請求の問題を含めてすべて周恩来さんの発言によっていわば賠償請求が全くない、したがって、すべてこれも解決済みという認識に我が国は立っているというふうに理解してよろしいか。
 それから樺太の問題につきましては、ロシア、旧ソ連領ということになっております。これは外務省にも聞かなければいけないのですが、国交の関係は回復しておっても、平和条約というものが存在をしていないという限りでは必ずしも一〇〇%正常化されていないということになると、やはり私は台湾と同じような問題があるんじゃないかと思うんです。先ほどの局長の話によれば、支払いをしたということが報告になっているので、これは支払うときには支払えるというものだというふうに私は皆さんの報告というものを整理してみました。
 以上のような理解でいいかどうかという問題について、これはむしろ外務省に聞いた方がいいと思うので、外務省いかがですか。
#61
○説明員(伊藤哲雄君) お答えいたします。
 ただいまの先生の整理で国家間の請求権の処理としてはおおむね正しかろうと思います。ただ、若干敷衍してより正確に御説明いたしますと、まず、韓国との間では日韓協定により解決済みとおっしゃいましたが、より正確に言えば、日韓協定により国家間の問題としては解決済みであって、さらに日韓請求権・経済協力協定に基づきまして、日本で国内法を制定して、確定債務を消滅する国内法的措置をとっております。そういう意味で、先生がおっしゃるように、確定債務も含めて解決済みということでございます。
 続きまして北朝鮮につきましては、先生もおっしゃったように、ただいま日朝国交正常化交渉をやっておりますので、こうした請求権の問題も含めて現在両国間で交渉中ということでございます。
 続きまして台湾でございますが、これも先生おっしゃったように、日中共同声明によって台湾との間で特別取極を締結することができなくなりました。そういうことから、いわゆる国家間での請求権の処理ができなくなった、そういう状況にあるわけでございます。 最後に樺太でございますが、先生は、旧ソ連、ロシアとの間で平和条約が締結されていないので全面的に国交が正常化されていない、そこで台湾と同じような、確定債務請求権の問題についてもそういう問題があるのではないかという御意見でしたが、正確に申し上げますと、確かに現在の日ロ間では平和条約が締結されておりませんが、これは唯一領土問題が未解決ということで平和条約が締結されておりませんので、それ以外の通常平和条約に含まれるべき請求権、賠償の問題あるいは戦争状態終結の問題、こういう問題につきましては既に一九五六年の日ソ共同宣言によって解決済みでございます。その共同宣言の第六項に、「日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、」「国民の」「すべての請求権を、相互に、放棄する。」ということでございますので、戦争の結果として生じた請求権につきましては、個人のものも含めまして国家間では解決済みと、そういうことでございます。
#62
○及川一夫君 より鮮明になったと思います。
 ソ連、ロシアの問題については、私は意見というよりも疑問をちょっと提起しただけですから、今外務省が御説明になったようなものとして私も受けとめて、少なくともこの種問題では停滞なく対応できるというふうに理解をしておきたいと思います。
 そこで、次の問題としてお伺いしたいんですが、一つは韓国の問題であります。
 基本条約が結ばれて、経済に係る問題の協定もあるわけですが、結論として、いずれにしても三億ドル、二億ドル、無償、有償という形でもって軍事郵便とかあるいは外地郵便貯金とか簡保問題というのは解決をした、政府間ではという前提を置きながらも解決をしたというふうに理解をするとすると、韓国の個別の人がいわば郵貯問題で、問題あり、支払え、返してほしい、こう言ったときには、当然韓国政府がそれに対応する、こういう理解になると思うんですが、その辺は外務省どうですか。
#63
○説明員(河村悦孝君) 今先生がおっしゃいましたように、一九六五年の日韓請求権・経済協力協定におきまして、日韓間の財産請求権の問題が完全かつ最終的に解決されたことが確認されております。このかかる解決に並行いたしまして、先ほど先生のおっしゃいました、韓国に対し五億ドルの経済協力を実施する旨が規定されております。
 このような日韓間の財産請求権問題の解決を受けまして、韓国政府は、一九七一年一月に対日反間請求権申告に関する法律を、さらに一九七四年十二月には対日民間請求権補償に関する法律を制定しております。これらの法律に基づきまして、韓国国民が日本国に対して有しております一定の民間請求権について補償措置を実施したものと承知しております。
 さらに、対日民間請求権申告に関する法律第二条の中では、この法律の規定による申告の対象の範囲を規定しておりまして、九項目にわたりこの法律にいう対日民間請求権の具体的内容を列挙しております。そしてこの中で、「日本国で預け入れ又は納入した日本国政府に対する一定の債権」との項目がございまして、郵便貯金もこの規定により一定の債権に含まれるものというふうに承知しております。
#64
○及川一夫君 ここから先になると、郵政省が御存じかどうかわかりませんが、今外務省がお答えになったような形で、内容的にどう補償されたかということについてはおわかりですか。
#65
○政府委員(江川晃正君) 我々としては存じ上げておりません。
#66
○及川一夫君 これから問題がよくとも悪くとも日本に持ち込まれて郵政省相手に請求が出てくると、当然こたえていかなければいけませんわね。そのときに説得力のあるのは、韓国政府との間で一定の結論が出ました、解決しているんです、したがって、問題があるならばそれは韓国政府に言ってください、言えばこういうような措置がされるでありましょう、されるはずだというものを持って韓国の方々に対応するのと、今江川さんが言われたように、おれ知らぬという形で説得するというのは、これは大きな違いがあると思うんですよね。
 だから、私から言わしめれば、局長おわかりにならないなら、韓国で国内措置をされた内容について、外務省にその法律とか規定というものをとっていただいて、まずどう措置をされたかということを郵政省が理解しておかなきゃならぬのじゃないでしょうか。そういう意味では、外務省、法律をちょっと教えてくださいということを請求できないんですか、韓国に。
#67
○説明員(伊藤哲雄君) ただいまの先生の御質問の点でございますが、先ほど外務省の方から答弁いたしました一九七四年十二月の韓国の法律でございますが、対日民間請求権補償に関する法律、これは日本に請求権を持つと主張する韓国の国民にどういう方式で補償するかというようなことを定めた法律でございます。
 その第四条に、日本国通貨一円に対し大韓民国通貨三十ウォンの支払いを行う、さらに百円未満の請求権については百円とみなす、そういう規定がございます。さらに、特に被徴用死亡者、つまり軍人、軍属で亡くなった方の遺族に対しては一人当たり三十万ウォンとする、こういう規定がございますので、結果について詳しいデータを韓国から入手したわけでございませんが、この法律に従えば、郵便貯金通帳の日本円での額面に対して大韓民国通貨三十ウォンで支払いを行う、そういう政策を韓国が持っていたということが明らかであると思います。
#68
○及川一夫君 外務省、せっかくの答弁だけれども、郵貯問題、簡保問題とは今の答弁はちょっと違うような気がしますよ。恐らく台湾との関係で、元日本兵という人が戦死をしたとか負傷したとか、そして戦死をされた場合には遺家族をどうするかとか、そういう議論があって一定の補償というか、弔慰金というか、そういうものを日本政府は赤十字社を通してやったことがあるんでしょう。それとの兼ね合いで、韓国からも同じような個別の要求が出たことに対して、韓国政府として三十万ウォン、金額にすると十八万円です、日本円で言うと。そういうものを補償したという内容であって、ちょっと私は次元が違うんじゃないかなと思っているわけですよ。
 いずれにしても、時間がそうたくさんあるわけじゃないからあれだけれども、ぜひ外務省と協力し合って、韓国で本当にどういう措置をされているんだろうか、三億ドルとか二億ドルとか、無償、有償で日本政府が政治的決着を韓国との間で図った、そういう補償された財源というものがどう使われているのかにも私はいくと思うんで、そういった点は多少時間かかっても私ははっきりさせるべきじゃないかなというふうに実は思うんです。
 なぜ私がこんなことを言うかの問題なんですけれども、私は、韓国からは新たに韓国人個々人の問題として郵貯、簡保問題ではいろんな請求が出てくるように思えてならないんです。というのは、日韓協定を結ぼうとした時期、たしか昭和四十年ですか、あの時期に今日の大統領である金泳三先生は少なくとも野党の立場に立っておったと私は記憶しているんです。そして、我が社会党が日韓基本協定に反対をした理由がありますが、その理由とは違った意味で反対行動、運動を当時やっておったし、同時に、金泳三先生の今の取り巻きというのはそういう運動や行動に参加した人たちがかなりおられるわけですよ。
 ですから、いまだに我が国政府との間で問題になっていますが、日韓基本協定を結ぶに当たっては、少なくとも日本が犯した植民地政策の謝罪と反省というものがない限りそういう協定は結ぶべきではないという、そういう物の考え方が私は根底にあるというふうに見るわけです。
 したがって、そこに依拠してこれからの日韓関係をどうするか、あるいは郵貯問題だ、簡保問題だというものが出てきたときにどういう対応をしてくるかということになりますと、必ずしももろ手を挙げて賛成というふうな格好で提起するんではなしに、批判的な立場からやっぱり迫ってくるというふうに考えるべきではないのかなというふうに思うんです。それを我々は頭からげ飛ばすという発想ではなしに、やはり納得ずくというか、理解というものを前提にして対応すべきだと思うので、そのためにはより多く、韓国でどう対応されたのか、韓国政府がどのような措置をされたのかということを前もって把握しておく必要があるのではないかと思っているからだということなのであります。
 それと同時に、台湾の皆さんの要求も出てきますね。これはまだ措置をしていないわけですから、当然のこととして出てくると私は思うんです。しかし、これは日中共同声明で国交が断絶をしてしまったということがあるわけですから、国交を回復しないうちはなかなかもって問題解決の糸口をつかむことができないというのが現状だと思うんですよね。したがって、それまではじっと待っている、問題解決には走らないということでいいのかどうかということもあわせて考える必要があるんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう点では、総理府にちょっとお伺いしたいんですけれども、平成元年当時、内閣総理大臣官房臨時特定弔慰金等業務室というのがありまして、ここでもって、台湾から出ておった、先ほど言った戦死者の問題とか負傷者の問題に対して二百万の弔慰金を出しているというのが一つあるわけです。これは何から出てきたかというと、産経新聞に対する投書があって、それに対する答えとして内閣総理大臣官房臨時特定弔慰金等業務室が当時出されたわけであります。今現在は内閣総理大臣官房管理室というふうにおっしゃるんですか。したがって、この回答を出されたいきさつについてちょっとお伺いしたいというふうに思います。
#69
○説明員(関根康文君) 先生御指摘の記事の内容でございますが、元日本兵として戦没された者のうち、韓国出身者に対しては一人当たり五百万、台湾出身者に対しては一人当たり二百万というような内容の趣旨だったかと思いました。
 そういうことにつきまして、総理府といたしましては、一部指摘されている事実について違う関係がございましたので、台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等の制度を所管する担当者から、本人あてに制度の趣旨、内容、事実関係等について御理解を賜るために御説明した、通知を出した、そういう事実でございます。
#70
○及川一夫君 それで、こういう措置がとられたというのは、恐らく各党全会一致でもって対応されたということと私は教えられているのですが、そのとおりですか。
#71
○説明員(関根康文君) そのとおりでございます。
#72
○及川一夫君 そこで私はまた郵貯の問題や何かに戻るんですけれども、こういう措置をとられたというのは、何とかやはり問題を解決しなければいけない、国交が断絶しているから日本政府は知らぬというわけにもいかないということが、今後のことを含めて私は判断があったと思うんですよね。ですから私も賛成なんですけれども、ただやり方としては、政府間でやることができない、したがって日本の赤十字社と台湾の赤十字社とを通じて問題の解決に当たったという内容が実はここから出てくるわけです。ある意味ではすばらしい一つの知恵だと思うのであります。
 したがって台湾の問題で、いまだに支払いをしていない、国交が回復するまで待つという形でいくよりは、こういう赤十字社というものを通じて、日本の郵政省が証拠に基づいて支払いをしていくというようなことはできないことなんでしょうか。外務省が外交をするに当たって、そういう手段をとることについて問題があると考えられるかどうか、まずそれをお聞きしたいと思います。
#73
○説明員(伊藤哲雄君) お答えいたします。
 ただいまの御質問の件ですが、元台湾人日本兵に対して二百万円の弔慰金を日本赤十字社、台湾赤十字社を通じて現在まで支払ってきているのは先生の御指摘のとおりでございます。
 ただ、この措置を行いました基本には、台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律という法律を国会で御審議いただきまして、超党派でこういう法律ができまして、これに基づき、予算措置をとってこれまでそういう支払を行ってきているわけでございます。
 したがいまして、戦後処理はいろいろな問題がございますが、特にこの台湾兵の問題につきましては、戦後処理の法的処理としての補償、そういうものではなくて、あくまでも人道的精神から我が国の国内的措置としての弔慰金の支給でございますので、果たしてそういう措置が適当かどうかということにつきましては、政府部内でもさまざまな問題について十分に議論をする必要がございますし、最終的にはやはり国会でお決めいただく問題がなと存じておる次第でございます。
#74
○及川一夫君 そこで郵政大臣、これをやるということになれば、ある意味では閣議でも相談をせにゃいかぬだろうし、同時にまた、しかし政府が
前面に立つわけにもいかないというような問題を含んでいると私は思います。したがって、難しいなというふうなことを考えながらなんですが、現実に今、台湾戦没者議員懇というのがありますね。恐らくここでもって相談をされて、立法措置をされて、それで台湾問題の一つの問題点を解決したんだというふうに私は認識をしました。こんなところでも郵貯の問題、軍票の問題、いろんなことが話題にはなっているそうですから、郵政大臣、こんなところでひとつ相談をしてみるというふうにはならないものでしょうか。
 そして、台湾人が要求しておることに対して、いずれにしても支払っていかなきゃならぬということは、郵政省もその立場に立っているわけですから、支払うきっかけ、支払い方の問題を含めてどうするかということが限られた問題としてあると私は思うんですよ。そういったことを郵政大臣はお考えになる気はありませんか。
#75
○国務大臣(小泉純一郎君) 外国との関係でいろいろ難しい点があるということは今のお話でわかるわけでありますが、台湾というのは特に中国とのいろいろな複雑な関係もありますし、この問題については今政府部内で検討中と聞いております。ですから、その対応を見るしかないと私は思っております。
#76
○及川一夫君 率直に言って、きょう初めてこんなことを申し上げているわけですから、よしわかったというふうにはなかなかならないかもしれません。しかし、日を追って台湾人の人たちがさまざまな行動を我が国の国内で起こして、裁判という方法をとってくると見ざるを得ないというふうに私は思うんです。ですから、やっぱり海外との関係、他国との関係ですから、日本政府あるいは日本人の誠意を見せるためにも何らかの工夫を凝らして、そういうような要求に応じていくというか、実質的にそういう道を開いていくというか、そういうことを考えていかなければならぬのではないかというふうに率直に思うのであります。従軍慰安婦の問題も非常に大きな政治的な問題になりそうだというようなことも含めて、ぜひ郵政大臣にももう一考していただきまして、何かひとつ解決策がないかということをお考えいただきたいということを要請しておきたいと思います。
 次の問題に移りたいというふうに思います。
 それはまず、今回の法律の提案、私も賛成でございますが、この簡保事業というものに対して、民間保険と対置してあるわけですが、具体的に簡保事業は行き過ぎである、この点が問題だというようなことを指摘されたことがありますか。あったら具体的に内容としてどんなことが言われたのかということを教えていただきたいと思います。
#77
○政府委員(江川晃正君) 古くは、十年前の五十八年の臨調の答申の中で、ちょっと私手元にございませんから正確な言葉の再現が難しゅうございますが、簡保が民業を圧迫しないようにという趣旨のことが書かれていたということは承知しております。それがその後の行革審の最終答申などでだんだん変化してまいりまして、平成二年でございますが、最新の第二次行革審の答申では簡保事業に対する個別の指摘はございませんで、郵政事業全般について、「官業は民業を補完しつつ適切な役割を果たしていくことを基本」というような表現であらわされております。
 もう一つの分野で申し上げますと、生保業界というのがございまして、三十社近くございますが、それらのいろいろな要望が時に一年に一遍ぐらい出てまいります。我々が予算要求をするとそれに見合っていろんな要望が出てくるということでございますが、そういう中で簡保について触れることもございます。それは、簡保と民保はお互いにそれぞれの機能を十分発揮して協調してやっていこうという趣旨のことを表現してよく出でございます。その中にたまたま、昨年ので申し上げますと、これは生命保険協会の協会としての言葉でございますが、官業である簡保は民間生保の補完に徹すべきものであるというふうに言ったりしております。
 同時に、会長と我々と話をしている世界の中では、簡保も民保もそれぞれの立場、それぞれの機能を持っているから、それぞれの機能を十分発揮して、お互いに相競って、全体として国民の利益の向上に資そうじゃないかというふうに話し合ったりしてきているところで、それが最近でございます。
#78
○及川一夫君 そこで、簡保事業ということを考えた場合に、私は持論として、昔のように、みずからが他界した場合に残された者のことを考えていわば資産を残す、あるいは保険をもって死後の家族の生活を考えるという時代はもう去ったんじゃないかなと。むしろ、高齢化社会ということを言うならば、我が党の両議員が言われたように、いわば夫婦でもって長く生きる、そのための生活費をどうするかということを考える、それをまた前提にしたいわば生活システム設計というものを立てていくということが大事ではないのかと。
 つまり結論的に言えば、年金というものにウエートを置き、しかし年金も政治でもってすべてを補うということはもうできないということを考えるならば、やはり自助年金というものをお互いに奨励し合って、またその余裕がどのくらいあるかないかということも関係はするけれども、そういうことを意識した生活設計というものを立てていくべきだなというふうに思っているわけです。
 そういう目で今の簡保事業の現状を見ると、項目はあるけれども、シェアを見ると必ずしもそういう事態になっているとは思えない。保険・年金総額を足してみて、その中で一体年金の占める割合はどのぐらいかなということを計算してみると、百五十八兆のうち七千二百億ぐらいが要するにこの年金保険ということに実はなっているわけですよね。だから、パーセントにしてみれば一%にもなりません。それこそ〇・五%ということになるような数字になっているではないか。そういうシェアにしか達していないから、かなりこれから簡保事業のあり方のウエートを、やはり年金というものを含めた保険事業ということにステップを変えていくということが非常に大事ではないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#79
○政府委員(江川晃正君) 先生御指摘のことは、これからの世の中を考えますと全くそうだなと思うところでございます。年金が現在少ないのは、何といいましても、衣がえしてスタートをしたのが十二年前の昭和五十六年でございますので、まだ言ってみれば幼児期なのかもしれません。ということが一つと、もう一つは、今までは年金についてはそこまで深く需要が認められていなかったんではないかと考えられます。
 ちょっと私ごとで恐縮でございますが、私、昨年七月に簡保局長になりましたときに、民間の生保会社の社長のあいさつ文というのを二、三年にわたって全部ちょっと見たわけです。どこの社長も大体二年前のあいさつで言っていたことは、ことしは年金元年という言葉を言っておりました。各社がこれからは高齢化社会に向かって年金が新しい商品だぞということで注目し、力を入れて、そして売り出そうという工夫をし始めるときじゃなかったかなと思います。
 そういう点で、私たちの方も五十六年に始めた新年金のラインは正解だったなと思いますし、あわせて、先ほどもちょっと申し上げたのですが、年金そのものにつきましても幾つかの改善を自来やってきたりして進めてきたところです。より一層個人年金がこれからますます高齢化社会の中で、先生おっしゃいますように亡くなってからではなくて、自分の亡くなる前に立てると言うと変ですが、それまでの人生を豊かにさせるための道具として年金というのは非常に重要になってきたというふうに考えておりまして、おっしゃいますような重要な施策としてこれからますますここに力を入れて、国民の需要に見合う、きめ細かいニーズに立った年金を仕上げていきたい、また売り出していきたいと考えているところでございます。
#80
○及川一夫君 最後になりますが、広告宣伝費の問題についてちょっと意見を言わせていただきたいと思います。
 どうでしょう、逓信委員会として、広告宣伝費ということをとらえて意見が出るというのは初めてじゃないかなというふうに認識しているわけです。というのは、いつから一体広告宣伝という予算項目が出てきたのかなということが一つと、それから宣伝費について民間の動向というものを見ると、電通広告社でもあるいは雑誌講談社でも、さらには博報堂でもかなり広告事業というのが逼迫をしてきて、逼迫するということは各会社とも広告宣伝費というものをぐぐっと絞っているわけですよね。したがってなかなか競争も厳しいし、なかなか収益も上がるような状態じゃない。はてどうするかということできゅうきゅうとしているような状況ですわね。
 そういう中で郵政の広告費というものを見ると、大体毎年毎年上昇傾向をたどってきているし、民間産業界からいえば、官ですから、結構な話だということになるんだろうというふうに思うんだけれども、宣伝費のかけ方について、これはどういう考え方でこれからも対置されようとしているのか。今年の予算はもう成立しているんですから、それにどうのこうの言うわけじゃないけれども、宣伝のあり方を含めて郵政省としての考え方を聞かせてほしいということであります。
#81
○政府委員(江川晃正君) 国営事業でございますから、宣伝につきましては品位といいますか、節度を保ったことでやっていきたいと考えるのがまず大原則でございます。PRの経費、宣伝の経費というのは、五年度でいきますと、簡保で申し上げますと十億少し強ぐらい予定してございますが、それはすぐテレビとかラジオとかというふうに思い浮かべますが、同時に、各郵便局でパンフレットをつくったり、チラシをつくったり、何かつくったりということ全部含めての話でございます。それらを節度を保った形でPR活動に努めていきたいなと思っているところでございます。
#82
○及川一夫君 終わります。
#83
○常松克安君 まず大臣、早朝より電波の日のNHK出演、御苦労さまでございます。
 たしかおじい様のお名前は小泉又次郎先生だと伺っております。第三十三代逓信大臣就任。就任されましたのは昭和四年七月二日。それより二年有半、昭和六年十二月十二日までお務めでありました。
 なぜかようなお名前を御披露申し上げるか。この今いただきました簡保の書の中に、この大臣にありましたときに、昭和五年十二月、高齢の被保険者に対する保険料払い込み免除制度の実施。あるいはまた昭和六年十月、団体取り扱いによる保険料の割引制度の実施。営々として六十年間、今日までこの法律は生きておるわけであります。親子三代続いて国政に携われ、名家でございます。郵政大臣に就任のこの時期にありまして、参議院の我々のこの委員会でいろいろの提言、いろいろなお話をしてまいりました。真摯に受けとめていただきまして、あすに向かっての国、国民の幸せのための法律、制度というものをどうか立派におつくり願いたい、そういう要望で御紹介申し上げたわけでございます。
 さて、質問に入ります。私は一点に絞ります。それは簡保資金の運用。この運用というふうなものが果たして安全なんだろうか、大変な赤字を背負っていくんじゃなかろうか、あるいはまた簡易保険者の利益保護につながらない状態ではないのか。PKOは参加することより撤退することの方が難しい。時にはそういう大英断というものがなくしては、国際ファンドに向かってのあり方というものが問われている。よって、まずお聞きいたします。
 今累々と同僚議員の御指摘がありましたが、いろいろサービスだとか新しい制度をつくり、本当にサービスに徹していらっしゃる。しかし、サービスを受けるのはただじゃございません。たとえ千円でも二千円でもかかるわけでございます。そのかかったお金というもの、これは会員の財産であり国民の財産であるというふうに私認識しておるんであって、大蔵省の財産でもなければ郵政省のお金でもない、こういうことをまず確認いたします。
#84
○政府委員(江川晃正君) 先生おっしゃいますとおりでございまして、保険の資金といいますのは加入者によって集められた金でございますから、加入者の資金といいましょうか、それを郵政省が預かり管理しているということで理解しております。
#85
○常松克安君 じゃ、財産であるからにおいては安全確実の運用でなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○政府委員(江川晃正君) 運用法の第一条の目的の中にも、先生おっしゃいますと同じように、確実で有利ということを書いてございます。
#87
○常松克安君 しからば、運用益について、赤字であると認識されるときはどういう基準をもって赤字と認識されるんですか。
#88
○政府委員(江川晃正君) いろいろと難しゅうございますが、一つの見方でございますけれども、投入した資金と現在それが評価されている額との差の大小によっても、一つの赤ということも表現し得ると思います。ただ、それをもってすべてではございませんが、ある一つの部分だけを見たときに、それをいろんな大小の差でもって評価することもできようかと思います。
#89
○常松克安君 例えば何兆円の金を動かして、当初その金で百億もうけましょう、運用益で得ましょう、しかし運用益がゼロだった、これは赤字と認められますか。
#90
○政府委員(江川晃正君) 言葉の使い方によるかもしれませんが、運用がゼロだったことをもって即赤字というか、運用は配当を生まなかったという事実認識に立って次に進むかというのは、その物事の表現する立場によって違うかと思います。
#91
○常松克安君 じゃ、非常に危険な状態であるというふうな見方はいかがでしょう。
#92
○政府委員(江川晃正君) 全体として運用を行いますから、ある部分だけをとらえて全体を議論はいたしませんが、その部分だけをとらえますと、これが運用益を生まなくなってきているという事実については、それは危険といいますか、何か考えなければならない事態だなという認識は持ちます。
#93
○常松克安君 具体論に入ります。
 簡保資金をもって外国債を購入されております。今幾ら動かしていらっしゃいましょうか。
#94
○政府委員(江川晃正君) 三年度末でございますが、保有残高は外国債が三兆二千六百七十億ほどございます。
#95
○常松克安君 今こちらの手元に参考資料としてありますが、簡保特別会計貸借対照表、これに準じて御説明をいただきたいと思います。
#96
○政府委員(江川晃正君) 先生おっしゃいますのは、この簡易生命保険特別会計貸借対照表でございますね。
#97
○常松克安君 はい。
#98
○政府委員(江川晃正君) それの欄外にございますが、三兆九十七億とございます。
#99
○常松克安君 ここで一つ大きな問題がひっかかっておりますのは、外国債というものは円建てで購入しておりません。ドル建てでございます。といたしますと、ドルのこの当時の指数からいきますと、売ったのどうのじゃありませんよ、会計的に計算的にここで整理をしたとするならば、そちらの資料でいきますと既にここで三千百七十五億円の損失である、差益損が出ておる、こうなっております。
 じゃ、このときのドルの価格はどういうふうな位置づけで計算されたのでしょうか。
#100
○政府委員(江川晃正君) 三千百七十七億の円換算の差額が出ておりますのは平成三年度のことでございますが、そのときの米ドルの為替レートは百三十二円八十五銭でございます。
#101
○常松克安君 間もなく七月前後にその決算状況が出ると思いますが、既にここで切ったとするなら三千百七十五億円損失だ。まあ売ってはいませんからね。
 もう一つお伺いします。この今外国債を保有しておる一年間の利益は幾らですか。
#102
○政府委員(江川晃正君) 全部が全部というわけではありませんが、平均しますと、この利子率が七・〇%ぐらいで回っていると承知しております。
#103
○常松克安君 いや、金額は幾らなんですかと言っているんです。
#104
○政府委員(江川晃正君) ちょっと手元には計算してございません。
#105
○常松克安君 こちらで指数を出されましたものを掛け算いたしますと二千百億円前後の数値になります。しかし、これは私の素人の計算ですから、どうか間違いがあったらまた後ほど御教示のほどよろしくお願いします。
 聞きたいのは、その二千百億円、毎年毎年外国債を購入して入ってくる金額、これもドル払いです。これを為替円レートに換算すれば、またこれも減っちゃうわけです。こういう私の認識は間違いでしょうか。
#106
○政府委員(江川晃正君) ドルベースで返ってくるものが、ドルを円に換算しますとそれなりの数字が出てきて、多分今は円高ですからふえるだろうという方程式はそのとおりだと承知いたします。
#107
○常松克安君 入ってくるのがふえるんですか。私は減ると思っているんですが。
#108
○政府委員(江川晃正君) マイナス部分と称される部分がふえるというふうに私は申し上げたところです。
#109
○常松克安君 じゃ、もう少し先に進みます。
 平成四年度の、ここで出ておりますところの五千二百七十八億円の簡保資金の損失、このときの計算は、円レートは何円で計算していますか。
#110
○政府委員(江川晃正君) 百二十二円でございます。
#111
○常松克安君 百二十二円で計算してこのようになっている、こういうお答えですね。
 そうすると、今の価格で万々一想定しますと、百七円としたならば、この金額数値というものがもっとふえちゃう。約七千億とちまたに言われることも、これまた誤った見方ではない、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#112
○政府委員(江川晃正君) 現在は確かに百何円でございますから、五千二百七十八億よりも数字がふえることは誤っていないと思います。予測しております。
#113
○常松克安君 じゃ、また違った一面。米ドル、米ドルといって、米国の国債ばかり買っているんじゃないんですから、カナダの国債もちゃんとふえているんですから。このカナダのドル、すなわち専門的にはキャンドルと言うそうでございますけれども、キャンドルが平成三年、平成四年、平成五年とどういう動きになっておりましょうか。
#114
○政府委員(江川晃正君) 平成元年と三年と四年でございますね。元年は百三十四・八四円、三年が百十一・五九円、四年が予算で九十八円のところでございます。
#115
○常松克安君 お聞きいたしました理由は、米ドルと同じように、やはりキャンドルに対しても円高になっているわけです。ですから、その国債の収入も損失とこうなる。
 その上、御心配あそばすな、毎年二千億円前後の利子が入ってます、それは十年債でございます、十二年債でございますと。ところが、百円を切るような珍現象が起きたとしたならば、今おっしゃった三兆数千億円の元金を割っちまうわけです。元金を割らずに金利というものが積み重なって、これで最初のお立てになった運用の妙これありなんでございます。
 こういう現状というものは、五千円、一万円、二万円。月掛け、半年掛け、一年掛け。一年なら一割引き、半年は〇・五、即決になれば何カ月か引いてくれる。そして庶民がはたいたお金で、備えあれば憂いなしという気持ちで掛けたこの簡保が、たとえ数字上であろうとも、三千億、五千億、七千億と推定されるような損失というものがあったとしたならば、これは大英断を持って赤字覚悟で撤退。それ以上傷を深くしたくない。そういうふうな技術問題は、また当事者は、物すごくこのことを敏感に、毎日毎日の円高のニュースは胃が痛むと言っていらっしゃいます。まことに御苦労さまでございます。
 確かに金利というものが米ドルから日本のお金にかえると減っちまう。わかっています。わかるからすぐさまそれで国債を買い増します。一つの追い打ちをかけて、株と一緒ですわ、追い打ちをかけて損害を少なくしようとしている。そういう努力をしながらも、断じてこういう問題は損じまい、損じまいと。そこへもって、この外国債のときにまたばかにならないのは証券会社の手数料なんです。これはどうなっているんだろうか。非常に重箱の隅をこづくとおしかりを受けるかもしれませんが。
 私は、こうして今日までふやして、十年、二十年満期のときに、剰余金として積み重ねられ、庶民にお返しなすったその歴史の中、外国債購入ということについて、直面されるこの苦境というものを察するに余りあるものがあるんですが、十年掛けたときに、清算するしないは別にして、それが完璧に元金まで削られたら剰余金はどこから出てくるんですか。これが安心確実とおっしゃったとおりの運用でございましょうか。難しい面があると思います。
 これに対して、リスクをえらい背負うときの対策、どういうふうに考えていらっしゃいましょうか。
#116
○政府委員(江川晃正君) 先生おっしゃいますこの危険の部分の御理解は、全くおっしゃるとおりでございまして、私たちも部下が胃袋が痛むだけではなくて、局長の私も胃袋が痛くなるくらい真剣に悩んでいるところでございます。
 同時に、こういう考え方、これは開き直りではございませんが、我々の運用といいますのは全部で運用しているわけでございます。全部と申しますのは、外国債もありますが国内もある。国内の指定単による株もあるし、じかに我々が買う債券もございます。そういうものを全部、ストックで今六十五兆円ほどございますが、これを適切に張りつけて、全体の利益がプラスになるように考えるというのがこの世界の運用の仕方でございます。
 外国債について、これは先生御案内のように、実は六十五兆円のうちでは五・九%ぐらいのもので、この外国債を五十六年にスタートしたときには、やっぱり危険負担を小さくするために、また大きな利益をそこでもとれるためにという視点で外国債の購入の道を五十六年に先輩が開いたんだと私たち考えております。
 その際に、先生おっしゃいますように、危険を小さくするための外国債の買い方というのは、危険な国、カントリーリスクなどと申しますが、それの小さいところから買うとか、それからより利子率の高い債券を買うなどのことをしながら、しかも国内におけるいろんな利子率の高低を見て、それでここに適当な額を張り込んでいこう、こういうやり方で実はやっているつもりでございまして、そのやったものが、今この時点でそこだけを取り上げますと、円高の問題などもあっていわゆる損益が少し出ているように、先生おっしゃいましたように売っているわけではございませんが、数字が出てきているということは確かでございます。
 そういうときに我々としてどう考えるのかというのは、そこの点における赤というんでしょうか、差額が出てくるのはつらい話でございますが、同時に、やっぱりもう一つ全体を見て、じゃ撤退をすべきほどになっているのかなっていないかということは、よく見定めながら全体のポートフォリオを考えていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。
#117
○常松克安君 御苦労は先ほど申し上げますように察するに余りあるものがございますけれども、頑丈な堤防といえどもアリ一穴のその小さな穴から堤防は崩れてしまうという例もございます。あちこち安全、こうしてございますから大丈夫。大丈夫な金利のファンドは今どこにありますか。しゃばでは、浮世では金もうけは死の病と言うん
です。こういうふうな何兆円という金を動かすのはもう命がけのはずです。大変なことなんです。一つ誤ったら屋台骨を崩してしまうんです。それをこの会員全員が株だ外国債だのために敗者となってもいいでしょうか。
 こういう危険性も非常にはらんでおるという位置づけで、もう一度くどいようでございますけれども、この平成四年度末の掲げられました五千二百七十八億円、実際は計算してみなきゃわからないと思いますが、私が今、利益のことをどうするんだ、手数料をどうするんだ、あるいは円レートの問題はどうなんだと言ったら、この数字より私は上回るというふうに試算いたしましたが、それだけはお認めいただけましょうか。
#118
○政府委員(江川晃正君) 先生の御心配なさっている論理というのも、私はおっしゃるとおりだと思っておりますし、五千二百七十八億円を多分上回るんじゃないかという部分につきましても、予測的にはそうじゃないかなと私も考えておるところでございます。
#119
○常松克安君 外国債はこのぐらいにいたしまして、あと細部についてはこれより決算の総括締めくくりで細かくいきます。
 次は株の指定単でございますけれども、私は、郵政が国民経済をいいころかげんにして、金融がバブルをつくり、バブルをはじかし、その復しりぬぐいを助けた、こういうふうな考えを私は一面に持っております。少なくとも、簡保の資金七兆二千億が株指定単、三兆というものが外国債、合わせて簡保だけでも十兆という、これだけのものが現実に、せんだって以来もう毎日のように株が下がると公的資金、最近はもうそれを通り越してしまって簡保資金、公的簡保資金の下支えで値を維持しておる。字句はもう出ておるんです、堂々と。
 ところが、一面これはまた、年とった郡部の山奥の方々にしては、ええか、断じて株だけは手つけるな、あの人も田地田畑全部株ですった、この教訓がいまだに生きている。言い伝えられているということも一面でございます。
 そうしたならば、この株式の中で、一つだけまず疑問を呈してまいりたいと思います。それは、この簡保が株を購入することは戦前にもあったと思います。どういう株をどれほどお持ちなのですか。
#120
○政府委員(江川晃正君) 調べましたところ、戦前には、株を購入することができたものですから、確かにございました。電力会社の株を買っていたようです。あと一つや二つ何かあったかと思いますが、十か十一ぐらいあったように思います。
#121
○常松克安君 済みません、くどいようでございますけれども、冒頭からこれは国民の財産だ、この認識を求めました。それをです、お答えがぐらいだろうとはいかがなものでございましょう。
#122
○政府委員(江川晃正君) 失礼いたしました。十一でございます。
#123
○常松克安君 今出なきゃ出ないで結構でございますけれども、当時、購入価格は一円五十銭ですか、一円ですか、一円三十銭ですか。今日において含み益はどのぐらいあるんでしょうか。出なきゃ後日で結構です。
#124
○政府委員(江川晃正君) 後日にさせていただきたいと思います。
 きのう私もちょっと見ましたが、五百円とか五十円とか、ちょっと想像つかない数字がいろいろ出てくるものですから、調べるようにしておりますので、後日にさせてください。
#125
○常松克安君 なぜ戦前のことまで私はぶり返してお尋ねしたかといいますと、そちらのお考えの中に、株というものは、そんな売ったり買ったり郵政がしましょうか、これはもう中期、長期にわたっての資産としての運用というふうなもののあり方であるべきだ、こういうふうなお話、御説明も伺いました。
 そういうことであれば、戦前からそうした株というものはいまだに大事に持っていらっしゃるのが、一円ぐらいで買ったのが今四千円か五千円になっているかそれは知りません、知りませんが、それも一つの大きな流れかもしれません。
 しかし、今非常に問題になっておりますのは、言うならば収益金、せんだってこの委員会で御指摘申し上げました。平成三年度、見積もりとしては、百四十四億事業団に渡して、事業団から十四の信託銀行を経由して運用していただいています。そして、その利益として収益金を返してもらいました。ところが残念なことには、平成三年度は百四十四億はゼロなんです。ところが、いま一つリスクを背負っておるものですから、預かった国民の財産を欠損してはならぬとおっしゃいまして、法律で縛られて、運用した益の一%準備金で積む。積むけれども四十億円足らぬかった。私はこれを赤だと言っているんです。ところがそっちは認識の違いだと、こうおっしゃっているんですが、まあそれはそれといたしましょう。
 ところが私が言いたいのは、この収益金、どういうふうな仕組みになっているか少し御説明願えませんか。――こちらからそれなら申し上げましょう。まず、運用する郵政は事業団に対して、ええか、本年の財投利回りをするならこれだけの分だから、これだけのものを必ず持ってこいよ。それでもうけが余るなら法律準備金で積めよ。そしてまだもうかる努力、御苦労さん、納付金で納めろ、こういう説明、間違っておりませんでしょうか。
#126
○政府委員(江川晃正君) 全く先生の御説明のとおりでございます。

#127
○常松克安君 しからば話早うございます。
 百四十四億円、運用の妙を得ずゼロでしたときた。法律で定めるところも四十億円足りません、こうおっしゃる。でありますから、当然、決算書を見せていただきますと平成三年度納付金、これはゼロですわ。百四十四億円入ると思ったのにこれはゼロでございます。
 先ほど赤字の認識を聞いたわけはここです。この三つの段階で事業団が大変苦しい立場に立つんです。損失保証をつけられているようなものです。証券取引上から見てこれ果たして正論なんだろうかという私は危惧を持っているんです。そうでしょう、貸し付けたものを財投と同じ利息を持ってこい。これが元金を割ってしまうような福祉事業団としたら、どこからか金借りて納めないかぬ。
 もう一遍もとへ戻しますよ。ですから、その辺のところの赤という認識はどこの基準ですかと言ったのはここです。こういうふうに示したんですから、この今お示しいたしました基準に準じて、どこを食い込んだら赤字と認めます、はっきりおっしゃってください。
#128
○政府委員(江川晃正君) 私、これ仕事で公式に決まっていることかどうかわかりませんが、事業団との関係では、先生おっしゃいますように簡保本体から事業団へ貸し付けまして、一定の利子率で返してもらいます。返してもらうだけの稼ぎがそちらであったらば、それはそれでいいと。そのとき、おっしゃいますように返す金があってまだ余るときに準備金を積んで、さらに余ったら納付金としてこっちにくださいと、こういうことでございます。
 今先生おっしゃいましたのは、納付金がゼロじゃないかというふうにおっしゃっているわけです。納付金がゼロということが直ちに単年度において赤と表現していいかどうかというのはちょっと疑義があるかなと思います。少なくとも、例えば一兆円出して五・五%、五百五十億が返ってくる稼ぎができた。もちろん生活費その他全部事業団で使った上ででございますが。そういうので、あと適正な準備金が多少取れれば、納付金が取れないまでも、それはそれで赤ではない一つの結果がなというふうに考えております。
#129
○常松克安君 じゃ、赤でない、黒でない、何色なんですか。はっきりしてくださいよ。
#130
○政府委員(江川晃正君) ポイントは、五・五%、五百五十億返ってきたとして、さらに準備金が仮にゼロだったとしますと、そこで私はあえて大胆なことを言えば、それがとんとんだろうと思います。準備金が積めたら、それだけでも次のステップの足しになっているわけですから、それは黒だ
ろうと。積んだ後なお納付金まで出さなければ赤だと言うとすれば、これはかなり商売としては過酷ではないかなと思います。
#131
○常松克安君 では、くどいようでございますけれども、平成三年度における事業団の利回りと財投の利回りの差はどれだけでしょうか。
#132
○政府委員(江川晃正君) 借入コストが五・九五でございまして、運用利回りが六・一五でございます。パーセントでございます。
#133
○常松克安君 そういう数値をもとにいたしまして、〇・何%にもう圧縮されているわけです。もう一度申し上げますよ、事業団へ貸し付けた。財投を貸したら大蔵省の方から、いろんなところからもらうんやで、手前のところ返してもこの分だけは削るなよ、元利ともに持ってこいよと、こうおっしゃる。このさやというものがもう〇・何%に近づいておるんです。そういう意味で私はこの平成四年度外国債の危険も株の危険も同列で、赤信号でないとおっしゃるなら黄色ではなかろうか、こういうふうに思うんです。
 ところが、過去簡保掛金をしていらっしゃる人があいにくとして、二十年掛けて、この一番赤のどん底のときに満期になったら剰余金あらしませんのやわ。剰余金が積めませんのやわ。どうしてくれます。
#134
○政府委員(江川晃正君) 仮定の問題かもしれません。ことしの場合を申し上げますと、剰余金は一応積むことができましたので、そういう意味では加入者に不利益をもたらすことはなかったと考えております。
#135
○常松克安君 明言でございましょう。それを聞かせていただきまして、国民の皆さん安心しました。局長答弁でございますから間違いないと思います。
 もう一つ違った面でいきます。制度が変わりまして、事業団へ貸し付けたもの、五年間でまとめて元利を返却しなさいと。そうしますと、利子といえども年々には向こうから入ってこぬわけですないかがでしょうか。
#136
○政府委員(江川晃正君) 具体的な金銭は入ってまいりません。おっしゃるとおりです。
#137
○常松克安君 じゃそれを逆にいたしまして、会員預金者の立場から。今までは大体その年その年に積み重ねた剰余金で会員にペイなさる。ところが、五年間返ってこぬというのだったら、あいにく運悪いですか。これから五年間に満期になる人はどないなるんですか。
#138
○政府委員(江川晃正君) 五年間全員が入らないからといって、配当金がその分だけないという仕組みではございません。ちゃんとその年に入るべき利息分は会計上処理されております。
 具体的に申し上げますと、各年度の末時点において、簡易生命保険特別会計に受け取るべき利子、五・五なら五百五十億といたします。これが未収収益ということで計上されまして剰余金計算の中に適正に入れられます。したがって、それが分けられますから、具体的にはその年の加入者に金が入らない、配当金が行かないということではございません。その分ける金はどこから来るかというと、その年の保険料収入した現金から出た利息、そういうわけでございます。それは会計上うまく処理されております。御心配ないように処理されております。
#139
○常松克安君 そんなつっけんどんで、御心配せんでもええわいというようなことをおっしゃるということは、私は真摯に質問申し上げておるんですから、それは何という言い方ですか。
 じゃ申し上げましょう。これどないしてくれるんですか。(資料を示す)そちらがお出しになったことですが、この障害のときに、一級は一千円と書いてあります。
 私はまじめにまじめに、いろんな方々からも真摯に御意見をいただき、勉強して、会員の皆さんの立場で質問しております。だったならば、御心配いただきました、御心配ない、これでいいじゃございませんか。膨れ面なんかして、何だおまえの言っていることは、そういうふうなことにならぬようにしていただきたいと私は思いますよ。
#140
○政府委員(江川晃正君) 私の言葉が足りなかったら申しわけございませんが、受け取らないんだけれどもそれはどうなのかという趣旨で、会計処理はこうなっているということを御説明したわけでございます。つまり、五年に一回払いですから、その前の四年間はどうするのかというときに、毎年いただくべき利子分は未収収益、会計処理上そういう言葉を使うようでございますが、未収収益として計上して剰余金計算に適正に反映させておりますということでございます。
 そうすると、それは実際には、そのときに満期になる加入者に対しても、その剰余金がそこから計算上出てまいりますから、そのときに満期になる加入者が、先生おっしゃいますように、もらうものがないじゃないかとか損するじゃないかとおっしゃることにつきましては、会計計算上そういう損がないように処理しているつもりですということを申し上げたところでございます。
#141
○常松克安君 いかにそうして処理されましても、現実そういうふうなものが低下するならば、それだけの剰余というものが予想より低くなってしまうということもまた事実がと思います。
 しからば、そこまでおっしゃるならば、平成四年度の決算は現在取りまとめ中とのことではございまするが、最近の金融情勢から見れば、平成三年度、これよりも下回るんではなかろうかと推測されますが、いかがでございましょうか。
#142
○政府委員(江川晃正君) まだ固まっておりませんから何とも言えないのは確かでございますが、平成四年度の利払いといいますのは、金利低下とか株価の低迷の影響などを受けまして、先生おっしゃいました数字よりもなかなか厳しくなるのじゃないかなという認識を持っております。
#143
○常松克安君 今一方、毎日毎日いろんな皆様から、この簡保資金の一挙手一投足、少なくとも株買い支え、あるいは指定単運用について御心配されることもやんぬるかな。これに対して、慎重の上にも慎重に図っていらっしゃると思いますが、今考えられるとするならば、私が申し上げたいのは、上昇機運のときは勝ては官軍なんですよ、変な例でございますけれども。一つ人間が下り坂になると、負ければ賊軍で何もかもみんな悪くなってしまう。
 こういうふうなときにこそ、今日までこの運用の法を審議なさいました国会の諸先輩、先生方の意見集約論議の中から、いろいろとそういう問題の歯どめをおつくりになってきたはずでございます。しかし、まさか百三十円前後の円レートが百円前後になるとは、これはだれも責任の持てないような経済の世界の流れであります。そうした中の一環であればあるほど、これ以上の何か危険というところに、真摯にこういう問題に対するやはり御示唆と申しましょうか、それに対する再考すべきものといいますか、そういうものがあっても私はしかるべき論議がと、かように思いますが、いかがでしょうか。
#144
○政府委員(江川晃正君) 適正なポートフォリオの中で我々は運用していこうと考えておる中での先生のある一面をとらえた鋭い御指摘につきましても、我々は今後の運用の中でその御意見、御示唆を生かしていきたいと思います。
#145
○常松克安君 次に行く前に、少しこの辺で、今までの論議が非常にはしょってしまって、不十分な、お聞き苦しいところもございましたかもしれませんが、やはり大臣といたしまして、数多くの方々、小口、そういう方々の集めたこの運用という問題についていろんな視点から私御提言申し上げてまいりました。だからといって、これがすぐさま、あすからそういうふうに日本沈没になるとか、こういうふうなことで申し上げておるんではございません。しかし、この辺のところでかじ取りというものに真剣に取り組んでいただかなければ後に禍根を残してしまう、こういうふうな感じを持つんでございますが、御意見をちょうだいしたいと存じます。
#146
○国務大臣(小泉純一郎君) 今ずっと御意見を伺っていまして、もっともな御懸念、御指摘だと私も思います。財投に預けるより株の方が有利だ、外
国債券の方が有利だという気持ちを持ってこういう事業を始めたんだと思います。しかし結果は今のところそうでもない。金融の専門家でもやけどする場合はたくさんあるんです、外国債券といえども、株といえども。一番安全だと言えば財投への預託金です。これじゃ有利じゃない、安全で確実だけれども、より有利性を追求したいということでこういう自主運用を始めた。ところが、ちょっと様子が違ってきて、私も大きな懸念を抱いています。PKOじゃありませんけれども、民間の会社でも外国債券の運用には手を引き出しましたね。
 ですから、この問題は非常に加入者の利益を擁護するという観点からも大事な問題ですから、御指摘を十分に受けとめて、慎重に今後対応していかなきゃならぬ。御意見は大変適切な御指摘だ、十分心してこれから運用を考えなきゃいかぬ、そういうふうに考えております。
#147
○常松克安君 じゃ、方向を少し変えまして、あとわずかでございますが、せんだって睡眠簡保について少しお尋ねしたわけでありますが、この辺のところ少し補完的な意味でお教え願いたいんであります。
 少なくとも、二年掛ける、三年掛ける、時には義理掛けをされる、こういうふうな方々は違約金を取られまして、相当掛けた金額よりも少なくなる場合がある。しかし、とはいいながらその中にお金が残るわけでございますが、こういうふうなものについては、やはり満期まで睡眠簡保というふうな性格のもとにずっと継承され、そしてそのしかるべき処理される年度が来ればこういうふうな処置になる、こういうことと私は思っているんですが、よろしゅうございましょうか。
#148
○政府委員(江川晃正君) 先生のおっしゃるとおりと思いますが、代名詞の部分をちょっとつけ足させていただきますと、五年で時効になるということで、こういうふうなときというのは五年たったときというふうに御理解いただければよろしいかと思います。こう処理するというそのこう処理というのは、今のところ剰余金の中に入れて分配する、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#149
○常松克安君 その際にあわせて少し懸念がございます。郵貯の場合十年間動かない通帳が五十二億円処理される。やはりこれは権利消滅金という法律をお持ちなんでございます。それによってしかるべく会計処理されておりますが、睡眠簡保につきましてはこの法律の枠の中に入るんでしょうか。そうじゃなくして、あくまで約款という立場で、そして内部規程によって処理されているんでしょうか。そこがこれからの詰め方によって少し大きな差異が出るものですから、お教えください。
#150
○政府委員(江川晃正君) 消滅のことは簡易保険法そのものに書いてございまして、先ほど申しました五年消滅時効でございますが、その後の取り扱いは、先生おっしゃいます意味では、内部規程、通達で処理することとしてございます。
#151
○常松克安君 いま一つ最後のまとめとしてお伺いいたしますけれども、かんぽ健康増進支援事業というところ、本日は時間もございませんので、何を称して健康と言うのかという概念論議はきょうは外します。そういうふうな事業を行われることによっていろいろな効果も出ることでございましょうけれども、逆なまた言い芳しますと、簡保資金の利回りが低下している中でこういうふうなところへ十五億円も支出する、せねばならぬ、する方が会員のためにプラスなんだ、こういうふうに判断されたそのお考えの根底には何があるんでしょうか。
#152
○政府委員(江川晃正君) 今回のかんぽ健康増進支援事業というサービスを提供するに当たりましては、基本的なこういう哲学を持っておりまして、一つは簡保事業のサービスとして保険給付サービスを行う。これは当然に運用の配当利益も加算して出すわけでございますが、そういう線が一本と、もう一つ、加入者福祉施設の充実を図って加入者に還元していこうというもう一本の柱があります。このことは案外気づかないところ、言うならば私たちの宣伝が下手なものですから案外気づかれておりませんですが、相当昔からやっております。郵政省の簡保というのはまさにこの両輪で走っているものだと理解しておりまして、その右側の代表例がラジオ体操とか、それから先ほど来話に出ておりますカーサ・デ・かんぽの施設をつくるとかなどでございます。
 そういう両輪のこちら側の一つに今回健康増進支援事業というのをつけ加えることにしたわけでございますが、その趣旨は、効率的に加入者福祉の増進を図るために、地元といいますか地域地域で現に加入者がやろうとしていることを、それに対して支援する形で還元していこうというその福祉施設というのを、ここで何か地域密着型でやっていくと加入者の利益にかなうんじゃないかという視点に立って、いわば両輪の一つの車輪にもう一つ施策をつけ加えたという次第でございます。
 十五億円も何だとおっしゃるところもありましょうが、わずかと言うと語弊ございますから言いませんが、これが非常に多くの人たちに使われるとそれはそれで大変よい効果が上がるんじゃないか、私はそう考えているところでございます。
#153
○常松克安君 質問を終わります。ありがとうございました。
#154
○中村鋭一君 この積立金の運用に関する法律の一部改正の法律案でございますが、その中で、優良企業が期間を設定いたしましてCPを発行する、こういうことでございますが、このCPの発行に当たっては、優良企業ということでございますね。優良企業はどういうものであるかを決めなきゃいけませんが、その決めるための機関というのは幾つぐらいありまして、そのCP発行に当たって、どういう基準に基づいておたくの会社には約束手形を出していいですよという許可を与えるというんですか、格付をするんですか。
#155
○政府委員(江川晃正君) CPを発行できる企業は、ある種の格付というのがございまして、その格付はA1、2、3、B、C、Dというふうな上下がありますが、その中でいくと、A2以上でなきゃいけないというふうに大蔵省で定められております。その格付をする機関というのは大蔵省の指定によりまして今九つの社がございます。
 そういうものがどういう視点で格付をするのかと申しますと、九つございますから微妙にはそれぞれ見方が違うでしょうが、もともとそういう債券を発行したりなんかすることに担保力がある、信用があるということを証明するための格付でございますから、結局見るところは大体似てくるところでございます。そういう意味では、ある一つの格付機関の言葉をちょっとかりて引用させていただきますと、そこの会社ではこういう言い方をしています。
 CPが短期借入金や割引手形などに代替するものであることから、その返済期日に支払い準備が安全と思われる一定の水準を維持しているかどうかなど、資金繰りや流動性といった短期的な視点を重視するというような言い方をしておりまして、じゃ具体的に何を見るのかと申しますと、資金繰りの状況とか手元の流動性の水準とか、流動性補完の手段とか財務活動の基本方針などなどを見まして、それでAの1から2、3、B、C、D、こういう格付をするという仕掛けになっております。
#156
○中村鋭一君 そうしますと、私がいただいた資料では、A1が債務履行の確実性が極めて高い、A2が債務履行の確実性は高い、A1とA2がCP発行ができる。A3は、債務履行の確実性は良好な水準にあるが環境が変化した場合影響を受ける可能性がある。この確実性が非常に高いというのと、環境が変化した場合影響を受ける可能性があるということを客観的に的確に科学的に決める、今おっしゃった九つの機関はそれがそういうふうに完璧に履行できる保証はあるんでしょうか。それとも、格付機関保の恣意とは言いませんが、能力といいますか、そういうものによって多少のそこにばらつきというものはある、そのように理解しておられるんですか。
#157
○政府委員(江川晃正君) 格付機関は、だれでも
が勝手にできるという機関ではないようでございまして、大蔵省の一定の基準に従って指定を受けている組織、会社と申しましょうか、でございます。それが先ほど申しましたような視点に立って分析していくわけでございますから、それなりに信用のできる評価ではないかと私たちは理解しております。
#158
○中村鋭一君 だから、それなりにとか、信用のできる機関であると私たちは理解していますじゃなくて、こういうものは短期とはいいながら無担保で莫大な金を融資するわけでございますから、よほどこれはだれが見てもびくともせぬような基準があって、しかもそういう格付をする機関というのは、これまただれが見ても、ああこの機関がやるのであれば、この機関がA1と言いA2と言えば絶体間違いないという、そういう信用性が担保されなければいけないと思うんですが、もう一遍伺いますが、それは心配ないんですね。
#159
○政府委員(江川晃正君) CPを発行するためにはこの種の格付機関からA2以上の評価をもらわなければだめだとなっております。それで、一つのところがA2を出しているというだけではありませんで、幾つも見まして、それがその企業にA2以上のものを出しておればいいと考えて我々は対応していきたい、そう考えております。
#160
○中村鋭一君 CPに海外CPがございますが、私この海外CPというのがよくわからぬのですが、海外CPというものと、現在の例えば円高でありますとか、それから今回の改正案との関連といいますか、そういうものを教えていただけますか。
#161
○政府委員(江川晃正君) 国内CP、海外CPという言葉でいろいろ御説明させていただいているところでございますが、海外CPと国内CPとの対比でございますので、ちょっと両方触れさせていただきますと、国内CPというのは日本国内で発行されるCPのことでございます。海外CPというのはしたがいまして海外で発行されるCPのことでございまして、言ってみれば発行地がどこかという基準によって分類された基準でございます。そして、そのことを今度の改正法律案では第三条第一項に十九号、二十号とこうやっているわけですが、十九号の方が国内の法人が発行する国内CP、それから二十号の方が外国の方で海外発行するCPというふうに対応できる仕組みで法律を書いてございます。
 海外CPについての円高とのかかわり、為替とのかかわりにつきましては、ドルで買えばそういう問題が生じる、マルクで買えばそういう問題が生じるという点では全く同じ問題でございます。
#162
○中村鋭一君 じゃもう一遍確認しておきますが、格付機関の複数に格付をさせるわけですから、結果において、ああこの会社にCP、約束手形を発行させたのはまずかったというようなことは起こり得る可能性はないわけですね。それは大丈夫なんですね。
#163
○政府委員(江川晃正君) 可能性があるかないかと私に尋ねられましても、格付機関がやることで、それを我々は信頼してやりますから、それはそれで信じたいと思います。よいという蓋然性は非常に高いんじゃないかと思っています。
#164
○中村鋭一君 次に、この育英資金でございますが、この契約者の範囲はどうなっていますか。
 これは三重野委員もたしかお尋ねだったと思いますが、お父さんお母さん、それからおじさんおばさん、まあ伯父、叔父、伯母、叔母とか、おじさんおばさんもいろいろあると思うんですが。それから、自分の奥さんじゃない女性が子供を産みまして、その女性を認知したという場合に、お父さんが、はっきり言えば奥さんに内緒で、この子は私も認知しているんだから、うちの家内には内緒だが保険の契約をしたいという場合は、これは可能なわけですか。
   〔委員長退席、理事及川一夫君着席〕
#165
○政府委員(江川晃正君) それは可能と考えています。もう一度条件を繰り返しますが、子供がここにいます。この子供は非嫡出の子です。本当の奥さんに内緒でこの子の契約者になる。そしてこの人の年金付学資保険に入る。それはできるかできないかという問いでございましたらば、できますということでございます。
 ただ、もう一つ、第三者のためにする契約になりますから、被保険者、この子供の同意を得る必要が生じできます。そういう条件は若干ございますが、それは当然同意できるでしょうから、その法定代理人の同意を得ればいいでしょうし、ございましょうから、若干そういうものがありますが、できるかできないかといえば、できるとお答え申し上げます。
#166
○中村鋭一君 おじさんおばさん、これは返事をもらっていない。
#167
○政府委員(江川晃正君) 簡保におきましては、一定親族に限るという制約を設けてございません。したがってできます。第三者の掛ける保険になりますから、被保険者の同意も得るというそういう手続は若干必要になりますが、基本的な障害事項ではございません。
#168
○中村鋭一君 ただ、勉強のためにもう一つ教えておいていただきたいんですが、この契約者、被契約者ですね、この場合に、その当事者において守秘義務というのは例えば郵政省にはあるわけですか。
 もう一遍聞きますが、この契約をしたことはだれにも実は知られたくないんだというふうに契約者が言った場合に、当事者以外には契約の事実は絶対に漏らさないということになっていますか、法律上は。
#169
○政府委員(江川晃正君) 守秘義務はございます。ですからぺらぺらはございません。知れるかどうかは別です。法定代理人のことを尋ねてやっていきますから、同意を得るということになりますから、そこから知れるのは別ですけれども、我々が話すことに対するチェックですか、守秘義務はございます。
#170
○中村鋭一君 それから、この効力の発生でございますが、保険の契約者が死亡をした場合は、新設部分の育英年金六十万ですか、これは保険料は払い込み不要と、こういうことになっておりますが、これは期間の設定はあるんですか。例えば契約してから一カ月とか半年とか一年とか、それはあるんですか。
#171
○政府委員(江川晃正君) うそを言うとか、病気なのに健康なようなふりをするということ、そういうことを告知義務違反と言っておりますが、そういうことがない限り、きょう申し込んであした成立した場合ですが、あした亡くなったとしても、それは有効に契約は成立いたします。この保険でいきますと、亡くなりますと保険者はその先は保険料を払わなくて済み、かつ年金が出るようになる、ここは一月であろうと一年であろうと一緒でございます。
#172
○中村鋭一君 その死亡事由はあるだろうと思うんですが、その死亡の事由は問いませんか。
#173
○政府委員(江川晃正君) 二つあります。一つは、二年以内の自殺はだめなんですね。
#174
○中村鋭一君 二年以内のですか。
#175
○政府委員(江川晃正君) 一年以内の自殺です。二年以内というのは告知義務違反でした。失礼いたしました。一年以内の自殺はいけません。それから亡くなり方も、告知義務違反に当たるような亡くなり方ですと、ちょっとこれはいけません。
#176
○中村鋭一君 次に、支援事業についてお尋ねいたします。
 この交付金十五億四千三百万のうち、この三分野のそれぞれに大体幾らくらい配分なさるんですか。それで事業団経費は幾らぐらいですか。
#177
○政府委員(江川晃正君) 基本的には十五億円がトータルで三事業に使われるということに考えておりまして、具体的な助成プロジェクトを見てそこに張りつけていく形になろうと思いますから、頭から例えば五億、五億、五億というふうな考え方はしてございません。それから、事業団へいく事務費というのは四千三百万ほど別にございます。
#178
○中村鋭一君 どうなんですかね、分けていったら一件当たりは随分少ない金額になりますね。で
すから、例えばある一つの郵便局に対する助成金と、それから県全体に対する助成金と、一応の目安みたいなものはあるだろうと思うんですが、それを教えていただけますか。
   〔理事及川一夫君退席、委員長着席〕
#179
○政府委員(江川晃正君) プロジェクトがどういうのが出るかまだわかりませんので、一応予測的には、郵便局という単位ではございませんが、一件当たり数万、数十万、まあ大きくても百万ぐらいかなという大きさのプロジェクトと、例えば県全部で盛り上げてやろうじゃないかという話がありますと、それはもう数百万になるのかもしれないなというぐらいの目安というものは一応持っております。
#180
○中村鋭一君 どうなんですかね、これで随分やっぱり現場の皆さんの士気は上がると見ておられますか。はっきり言えば、この法律が施行されれば喜ばれると思っておられますか。
 それから、予測されるプロジェクトの数とその内容ですね、それは推測で結構ですけれども。
#181
○政府委員(江川晃正君) 最初の御質問の士気が上がるかという趣旨のことでございますが、私は士気は上がると考えております。といいますのは、この案を去年の年末の前から組み上げていきますときに、いろんな郵便局の現場の声、あるいは管理者の声、職員の声を聞きながら、それから同時に市町村長の皆さん方、市町村の皆さん方にも知恵をいただきながらやってまいりましたが、ちょっとそれは相当引き算して聞かなければいけないかもしれませんが、それぞれがいい施策だからぜひ実現してくれと言ってくれております。そして、具体的にでき上がってきましたらば、あと早く知りたいということでいろいろと方々から声も上がってきて、プロジェクトづくりに参加しておりますから、非常に意気が上がるんじゃないかなと思っております。
 どのくらい出るかということは、非常にアバウトな言い方をしますと、十五億でございますから、それを四十七都道府県ですから例えば五十で割ると三千万になるわけでございます。一県三千万。大小ありますからそう簡単に申せませんが、一応三千万と言わせていただきますと、一個が十万円のプロジェクトとしますと三百個できるわけです、一県で。三、五、十五ですと一万五千件というふうにも数えられますし、百万ということになれば千五百件とも数えられるし、ばらばらでございますから何とも言えませんが、そういうのを全部トータルすると、二千五百から三千ぐらいは全国北から南までそういうプロジェクトがこの十五億で動くだろうと、そういうふうに考えております。
#182
○中村鋭一君 この助成の上限はあるんですか。
#183
○政府委員(江川晃正君) 一応は考えなければいけないのじゃないかと思います。先ほどちょっと県レベルでやると数百万円の単位になるんじゃないかと予測的なことを申し上げましたけれども、一プロジェクトで一億、二億を使ってしまったらほかのところへ行かなくなるという配分の平均もございますから、その意味ではそれなりに上限というものを考える。その上限が、例えば県で一個のプロジェクトをやるときに数百万からその辺じゃないかなというふうに今考えているところでございます。
#184
○中村鋭一君 助成した後の監査、これは例えばODA援助にしても、国民の皆さんの税金使って開発途上国の皆さんに援助して、それがどのように使われたのか、これはガラス張りでやっぱり国民に報告しなきゃいけないと思います。だから、金額は少なくても、これだけのプロジェクトが出てきて、それに助成金を給付してどういうふうに使われたか、後の始末ができないではぐあいが悪いと思うんです。その点はどのようにお考えですか。
#185
○政府委員(江川晃正君) おっしゃるとおりでございまして、後の始末はとても重要だと思います。
 後の始末は二つの視点からございまして、一つは、こういうおもしろいプロジェクトができたことの反省と、披露目といいましょうか、そのことをここだけでおさめないで全国あちらにもこちらにも活用できるような、反省会と申しましょうか、会と言うとオーバーですが、そういうことが一つあろうと思います。そういうふうにまとめていったらどうか。
 もう一つは、今おっしゃいました文字どおり監査という意味での、不正が行われなかったか、変なことがなかったかという意味での監査で、我々の今考えている手続におきましても、実施報告書の提出を求めるとか、あるいはそういう報告書を踏まえまして、事業団がプロジェクト団体に対して書面とか実地監査をしてみるとかというようなことは、チェックシステムとしては考えていかなければならないと考えているところでございます。
#186
○中村鋭一君 後になってまたこの委員会でつるし上げられぬようにしっかり監査、せっかくこういういいのができるんですから、それだけはあらかじめお願いを申し上げておきたいと思います。
 簡保センター、これ随分評判いいですね。私もぜひ利用させていただきたいと、こう思うんですが、立派な「かんぽの宿」という本をちょうだいをいたしまして、たまたまでございますが、網走簡易保険保養センターの、これは北海連の案内が出ております。これは質問通告しておりませんが、見ておりましたら、「みどころ 本物の流氷を展示する流氷館の展望台からの眺望は抜群です。流氷を間近に見たい人には新しい呼び物である流氷観光砕氷船がおすすめです。また近くには一〇〇〇点の寒流系の魚族が展示されているオホーツク水族館、網走刑務所などがあり人気を集めています。」と、こうなっているわけです。網走刑務所は人気を集めていて、それでそれを推奨なさるわけですか、このように印刷物にはっきり印刷して。
#187
○政府委員(江川晃正君) 申しわけございません。私にわかにお答え申し上げられないのですが、何というんでしょうか、一つの歴史的な史料としての価値はあるのではないかなという気はいたします。
#188
○中村鋭一君 いやいや、どうも揚げ足をとったようで恐縮でございますが、せっかくこんな立派な御本をおつくりになるんですから、誤解を与えるような表現はお避けになった方がいいと思うんですよ。網走刑務所があって、それが人気を集めていると言うよりも、もう少し丁寧に、後の方には網走の「受刑者の手あかがしみこんだ旧網走刑務所の建物を、歴史的史料・文化財として保存しています。」と、こうあるわけですから、こういう場合には少しその点について理解できるような表現をされた方がいいと思います。せっかくこんな立派な本があるんですから、こういうふうに私から揚げ足をとられぬように一字一句の表現そのものにも気を使っていただきたい。それ要望ですから、もう答弁は結構でございます。
 現在、この保養センターで随分人気の場所がある、こう思うんですが、その大変人気のある保養センターと、競争の倍率、どれぐらい前に申し込んだらいいのか、行きたいとおっしゃる方をどのようにして選んでいるのか、それを簡単にお教え願えますか。
#189
○政府委員(江川晃正君) 全体としては大変人気がよいなと私たち見ておりまして喜んでいるところで、最も人気の高いところの一つは、先ほど来実はお話に出ているんですが、伊豆高原に三年前でしたかできたところでございますが、それが大変人気がよくて、なかなかとれないのが申しわけない実情です。
 それで、どういうふうに申し込みするのかといいますと、六カ月前ということになっておりまして、ですから、一月一日ですとちょうど七月一日に申し込まなければいけない仕組みです。多数の場合には抽せんになってしまうということです。
 それから、先生何倍ぐらいかとおっしゃいましたけれども、申しわけありませんが、こぼれた部分についての集計をしてございませんので、何倍とはちょっと今ここで申し上げられる数字を持っておりません。
#190
○中村鋭一君 随分人気のあるところに集中すると思うし、これは本当に利用者の皆さんに喜んで
いただいていると思うんです。私の友人にも随分簡保センターを順番に回りまして、ああよかったよかったって、悪い評判聞いたことないわけですね。ですから、これからもそういう点は国民の皆さんに喜んでいただけるようないい仕事をしていただきたいと思うんです。
 最後に郵政大臣、こういった簡保センターも含めて、国民の皆さんに良質のサービスを提供するということは郵政省がこれまでも心がけていらっしゃるわけでございますが、例えば簡保センター一つにしても、本日のこの法律改正案にしても、みんなこれ国民のため思ってやっていることですから、その点についての御決意を一言お伺いして私の質問を終わります。
#191
○国務大臣(小泉純一郎君) 簡易保険事業もこれからの長寿の福祉社会実現を目指すために大変重要な役割を担っておりますので、いろいろ国民の要望も多様化してきておりますので、その対応等、時代に合うような施策もこれから必要ではないか。福祉社会の一翼を担うという自覚を持ちながらいろいろ施策の充実に努めていきたい、そう考えております。
#192
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#193
○青島幸男君 きょうは私は、実は私の同僚に下村議員というのが二院クラブにおりまして、この方が常々福祉の問題につきまして大変熱心にやっておられます。私はその下村さんの意向と意欲を踏まえましてきょうは質問させていただくわけですが、質問と申しましても、省の意向を確認するということと、あるいは要望などを含めてお話し申し上げたいと思います。質問の通告はしてございますので簡潔にお答えいただければ結構だと思います。
 先ほどからお話に出ておりますかんぽ健康増進支援事業の助成対策として成人病予防などプロジェクトが用意されていると伺っておりますけれども、成人病以外にも、難病患者の支援のためのプロジェクト、例えば加入者の家族に難病者がいる場合、支援のプロジェクトを行うことは可能かどうか、この点からまずお尋ねしたいと思います。
#194
○政府委員(江川晃正君) 場合によってかもしれませんけれども、その場合には、今の仕組みの中で申し上げますと、介護支援事業というのを予定してございますから、その介護支援事業の中で先生おっしゃいますような御家族に難病の方がいらっしゃるときの支援プロジェクトというのがもしかしたら考えられるのかなと、その辺は具体的なプロジェクトの場で検討させていただくことになるんじゃないかと思います。
#195
○青島幸男君 そのときそのときでいろんな方々の御要望があったり、あるいは示唆があったりしまして、適切なものを選んで検討されていくんだからそういうことも可能だろうと思いますけれども、その点の細かい配慮をお願いしたい、こういうことでございます。
 次は、我が国で二十万人を超える難病患者が現在おりまして、厚生省では医療費負担の軽減とかあるいは医療施設の整備など難病対策を実施していると聞いておりますけれども、国営の簡易保険事業としても、例えば保険に加入後発病したような場合、その時点で保険金を支払って医療費などに充てられるような仕組みをつくったら、それはそれでまた非常に有効なんじゃないかという気がしますが、その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
#196
○政府委員(江川晃正君) 結論的に申し上げますと、なかなかアイデアとしておもしろい保険だなというふうに我々も考えますが、民間の方ではまだやっぱりその辺は提供していないようでございます。
 しかし、我々としましても、難病やがんなどにかかった場合の医療費の負担のことを考えたりいたしますと、おっしゃいますように、難病に加えてがんとか心筋梗塞、脳卒中という三大疾病にかかったような場合に保険金を前払いと申しましょうか、支払う仕組みの商品の検討はしてみなければいけないなというふうに考えているところでございます。
#197
○青島幸男君 その点も検討に値することだとおっしゃる御意見は納得できますので、そのように対処していただきたいと思います。
 それから、我が国の人口の高齢化が非常に速いスピードで進んでおりまして、二〇〇〇年には六十五歳以上の人口の割合が六人に一人になるんじゃないかというようなことを言われております。それともうこつは、高齢化とか核家族化がますます進んでまいりますので、寝たきりとかあるいはひとりきりの老人、病んだ老人ですね、そういう方が一層深刻な問題として取り上げられるようになるというふうに考えられますが、簡易保険では既に介護保険を発売していると承知しておりますけれども、この種の保険は今後一層重要性を増すと考えますし、国営の簡易保険としてこのような介護保険というものをもっと意義なり将来における位置を明確にしておく必要があるんじゃないかと思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
#198
○政府委員(江川晃正君) おっしゃいますように、簡易保険におきましては、長寿社会に対応する商品として、昭和六十三年から、寝たきりなどの常時介護を要する身体障害の状態が継続した場合に保険金を支払うという、介護保険というのを発売いたしております。現在その保有残高は一万件ぐらいございます。
 この介護保険に付加することにより、一体的に介護保険の充実を図るために、要介護状態になった場合に保険金を支払う特約というのも発売しているところでございます。先生おっしゃいます新しい意味での介護保険というのは、国の高齢化社会対応策の中でも寝たきり老人とか介護問題というのは重要な施策として提起されておりますので、我々国営の簡易保険としましてもこの方向に沿った施策の展開が求められていると考えております。簡保事業の展開に当たりましては、寝たきり老人とか痴呆性の老人の数が増加して介護保険サービスに対するニーズの増大が予想されますので、今後とも介護保険の普及とサービス内容の充実に努力してまいりたいと考えております。
#199
○青島幸男君 私ども身近にも話を聞いたり悩みを訴えられたりしているので、非常に深刻な問題になっていることはどなたも御承知だと思うので、特別の御配慮をお願いしたいと思います。
 続きまして、軟骨異栄養症というんですけれども、いわゆる小人病というんですか、成長がとまったままで大きくならないという、原因は遺伝とかホルモンの異常などが挙げられているようですが、厳密には原因が不明なんですね。しかし実際の生活の上では、難病というような感じではなくて、生活には支障を来さないし、健常者と同じように健康に過ごしておられるということもあるんでしょうけれども、しかしこのような病気はどうも素人考えでは難病なのか何だとかという判定がしにくいわけですね。しかし、御家族や御本人にとってみれば大変な苦痛なんでしょう。
 そういう明確には病人と言えない、あるいは生命に即座に危険がないというような格好でも、そのことのために大変苦痛をしょっていらっしゃるという方のために、何かこれを救済するための保険ができないものだろうかというような考えを持っている方もおいでになるんですけれども、その辺も事細かく配慮していただきたいという要望があるんですが、その点いかがでしょうか。
#200
○政府委員(江川晃正君) 保険の視点から、アクチェアリーというふうに言っておりますけれども、数理の方からいきますと、今先生おっしゃいました軟骨異栄養症、いわゆる小人症と申しましょうか、そこを対象にした保険というのを組み立てる場合に、言葉は不正確で恐縮でございますが、いわゆる母数が少ないのかもしれません。そういう意味で、それを対象にした保険をつくり出すというのは、開発上結構難しいというのが数理を担当する者の見方でございます。そういう難しさはございますが、生命保険としての商品設計の可能性というような観点からも、今後の研究課題とはしていかなければいけないかなと思っているところでございます。
#201
○青島幸男君 個々の病気につきましてこれがそうだ、あれがこうだというふうに、それ一つ一つを取り上げていると母数が少なくなって扱いが難しいかもしれません。ですから、そういうものを幾つかからげて、余り民間じゃやれないようなことを省がやるんだからこそ、きめ細かくしかも親切に、信頼が得られるような配慮があってしかるべきだという要望を一般の方々が持つのは当然だと思いますし、そのこともよくお考えいただいて反応していただきたい。
 以上で質問を終わるわけですけれども、今までの経緯を考えまして、再三大臣からも御決意を承りましたし、改めてお伺いすることじゃございませんけれども、いずれにしても国民の信頼をつないで、少しでも多くの幸せと福祉に貢献できるように省も御努力いただきたいと思いますし、私どもも微力ながらそれに努めてまいりたいと、こう念願している次第でございます。
 どうもありがとうございました。
#202
○委員長(野別隆俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより三案について順次採決に入ります。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#204
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#206
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 及川一夫君から発言を求められておりますので、これを許します。及川一夫君。
#207
○及川一夫君 私は、ただいま可決されました簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案及び簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用にに関する法律の一部を改正する法律案及び簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する付帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に積極的に努めるべきである。
 一 多様化し増大する国民の保障ニーズに応えられるよう、既存商品のさらなる充実、新商品の開発など簡易生命保険制度の改善に努めるとともに、加入者福祉サービスの一層の充実に配意すること。
 一 金融自由化の下で、簡易保険加入者がそのメリットを十分に享受できるよう、積立金の一層有利かつ確実な運用を図るとともに、運用対象を多様化するなど資金運用制度の充実に努めること。
 一 長寿福祉社会の実現に向けて国民の自助努力を支援・促進するため、保険・年金に係る税制上の支援措置の強化を図ること。
 一 全国の郵便局を通じて、簡易に利用できる簡易生命保険に寄せる国民の期待に応えるため、国営・非営利の事業として、国民の福祉の増進に一層貢献すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#208
○委員長(野別隆俊君) ただいま及川一夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、及川一夫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉郵政大臣。
#210
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案及び簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#211
○委員長(野別隆俊君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
 午後五時十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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