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1993/06/04 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第13号
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1993/06/04 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第13号

#1
第126回国会 逓信委員会 第13号
平成五年六月四日(金曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     山田 健一君
     山下 栄一君     鶴岡  洋君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     山田 健一君     三重野栄子君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     堀  利和君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野別 隆俊君
    理 事
                岡野  裕君
                陣内 孝雄君
                及川 一夫君
                中村 鋭一君
    委 員
                岡  利定君
                加藤 紀文君
                片山虎之助君
                沢田 一精君
                志村 哲良君
                大森  昭君
                中尾 則幸君
                堀  利和君
                三重野栄子君
                常松 克安君
                鶴岡  洋君
                鈴木 栄治君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小泉純一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   斉藤斗志二君
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
       郵政省電気通信  白井  太君
       局長
       郵政省放送行政  木下 昌浩君
       局長
   事務局側
       常任委員会専門  星野 欣司君
       員
   説明員
       通商産業省機械
       情報産業局電子  三宅 信弘君
       機器課長
       運輸省海上技術
       安全局船員部労  中畑 美男君
       働基準課長
       建設省道路局高  井上 啓一君
       速国道課長
       消防庁防災課長  牧野 清文君
       消防庁救急救助  山中 昭栄君
       課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として鶴岡洋君が選任されました。 また、本日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。
#3
○委員長(野別隆俊君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小泉郵政大臣。
#4
○国務大臣(小泉純一郎君) 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、我が国内外の国際化の進展にかんがみ、アマチュア無線局及び陸上を移動する無線局等について外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととするほか、行政事務の簡素合理化を図るため、放送をする無線局以外の無線局の免許申請については財政的基礎に関する審査を行わないこととするとともに、不法な無線局の増加に対処するため、特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備の小売業者に対し無線局の免許に関する事項の告知義務を定め、及び技術基準適合証明の表示の除去に関する規定を設ける等のための所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、アマチュア無線局及び陸上を移動する無線局等について、外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととしております。
 第二に、放送をする無線局以外の無線局の免許申請については、無線設備の工事費及び無線局の運用費の支弁方法を添付書類に記載することを不要とするとともに、財政的基礎に関する審査を行わないこととしております。
 第三に、技術基準適合証明を受けた旨の表示が付されている特定無線設備の変更の工事をした者は、郵政省令で定める方法により、その表示を除去しなければならないこととしております。
 第四に、郵政大臣は、不法に開設される無線局のうち特定の範囲の周波数の電波を使用するもの(特定不法開設局)が著しく多数であると認められる場合において、その特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備のうち特定不法開設局に使用されるおそれが少ないもの等を除いたもの(特定周波数無線設備)が広く販売されているため、特定不法開設局の数を減少させることが容易でないと認めるときは、郵政省令で、その特定周波数無線設備を特定不法開設局に使用されることを防止すべき無線設備として指定することができることとしております。
 また、指定された無線設備(指定無線設備)の小売を業とする者(指定無線設備小売業者)が指定無線設備を販売するときは、販売契約を締結するまでの間に、その相手方に対して、無線局の免許を受けなければならない旨を、告げ、または示すとともに、販売契約を締結したときは、無線局を不法に開設した場合の罰則等を記載した書面を購入者に交付しなければならないこととし、指定無線設備小売業者がこれに違反した場合において、特定不法開設局の開設を助長して無線通信の秩序の維持を妨げることとなると認めるときは、郵政大臣は、その指定無線設備小売業者に対し、必要な措置を講ずべきことを指示することができることとする等所要の規定を設けることとしております。
 以上のほか、所要の規定を整備することとしております。
 なお、この法律は、平成六年四月一日から施行することとしておりますが、無線局免許申請者の欠格事由の緩和及び無線局の免許申請に係る審査事項の簡素化に関する改正規定は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(野別隆俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○中尾則幸君 おはようございます。中尾でございます。
 まず初めに、ただいま提案されました電波法の一部改正法律案について御質問いたします。
 今回提案されました電波利用に係る規制緩和は、外国性の排除等、大変結構だと思っております。若干遅きに失したなということさえ感ずるほどであります。
 ただ、ちょっと問題といいますか、不法開設局の防止対策について、例えば販売店にこれだけの義務だけで果たして防止ができるだろうか。具体的に言えば、告知義務みたいなものを設けてありますけれども、どうしても悪いことをするんならすり抜けていくということがありまして、その点どんなような対策といいますか効果等を考えていらっしゃるのか、まず伺いたいのでございます。
#7
○政府委員(白井太君) 不法電波をなくすための対策をもっと積極的に講ずべきであるという御指摘は、既に昨年の通常国会のときにも多くの先生方から御指摘された点でございました。私どもとしては、そうした御指摘を踏まえまして、できるだけ効果のある不法無線の防止対策というのを講ずる必要があるということで、今回の法律案を御提案申し上げるまでの段階においていろいろ検討をさせていただいたわけであります。
 端的に申し上げますと、無線設備を製造する段階でもっときちっとした対策がとれないのかとか、あるいはその販売をする段階にしても、ただいまの先生のお話のように、今提案されている告知というようなことだけではなくて、もっときちっとした対策はとれないのかというような御意見を現在も大変多くの先生方から御指摘を受けているわけであります。
 ただ、結論的に申し上げますと、まず、製造段階での規制ということになりますと、理屈の上だけの話だということにあるいはなるかもしれませんが、無線機を製造したという段階だけでは、これは無線機がすべて違法だとかいうことにはならないわけでありまして、そうなりますと、不法電波を発するおそれがある無線機だからということで、すべての無線機について十把一からげにあるいは一網打尽にこれを規制の対象にするということになってしまうおそれがあるわけでありまして、そうしたやり方というのは、余りにも規制として行き過ぎではないかというような御意見が別の方からまたあるわけでございます。
 それから販売の段階につきましても、実は当初は私どもとしては、もう少し効果が期待できるようなやり方というのもいろいろ考えて関係のところともお話をしてきたことは事実でございますけれども、しかしいずれにしても、販売の段階で何らかの対策を講じようとすることになりますと、いわゆる小売業者の方にいろいろ協力をしていただかなきゃならぬということにもなるわけでありまして、それやこれやをいろいろ考えて、今日の段階でできる対策としては、今回御提案申し上げておるような内容のものが最大限のものだというようなことに最終的には落ちつきまして、このような法律案を御提案させていただいたということになったわけでございます。
 率直に申し上げまして、このような制度で一〇〇%不法電波を発するおそれのある無線設備の販売がなくなるとか、そういうようなことは現実の問題としては大変期待がしにくいという気持ちは私どもも持っておりますけれども、もし法律の方を通していただきましたならば、新しい法律に基づいた告知制度というのをできるだけ有効に活用することによりまして不法電波の防止対策ということに役立てたいと思っておりますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。
#8
○中尾則幸君 ただいま局長からお話がありました告知義務だけではなくて、技術基準適合証明、これは同じようなことで、今のお答えも含まれていると思いますのであえて聞きませんけれども、悪いことをする人は除去義務とかいってもこれはもうすり抜けていくのでありまして、私もアマチュア無線家の方に聞きましたら、今までこういった被害を受けて、善良なアマチュア無線家が非常に白い目で見られるといいますか、そういう事件が明るみに出るたびに、何か無線というのはよくないんだみたいな、そういうような大変な迷惑をこうむっているということから見て、法律の範囲内でありますけれども積極的に頑張っていただきたい。
 ただ、私も実は無線電波の妨害を受けたことも何度かありました。最近は余りないんですけれども、放送局というのはよくねらわれまして、テレビのVHF回線の周波数をねらって混信させる。特に、私がかつて在籍しておりましたテレビ局は、ラジオもありますので、ラジオの生放送中に割り込みで周波数を合わせてやられたケースが何度がございます。FPU、フィールドピックアップという中継用機、音声を飛ばすんですけれども、巧妙にねらってくるという状況がございました。そのときに札幌の電波監理局の監視部と放送局が一体となってねらわれたというので一斉に三台の探知機を積んだライトバンみたいなので不法電波が発せられるところに追跡調査をやった。特定はできなかったんだけれども、そういったことをやっていくうちに、やはりねらわれているぞ、摘発されるぞというようなことでかなりの効果を上げたと現場では聞いております。
 ですから、法律だけで取り締まるのは大変難しいと思いますけれども、これはイタチごっこといいますか、大変だと思いますけれども、そういった現場の監視システムみたいなもの、絶えずそういうのをやったら追いかけていく。特に救急無線だとか人命にかかわる問題であれば大変なことだと思いますので、そこら辺ひとつ最後に現場の対応策みたいなのをお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(白井太君) 法律の方で制度をどのようにつくりましても、確かに先ほど先生がおっしゃいましたように、悪意を持って妨害をしようとか、あるいは規則を破ってでも不法な電波を出そうというような気持ちで対応されますと、あと私どもの方の対策としては、ただいま先生がおっしゃいましたように、そうした不法電波を発信しているもとをきちっと把握をいたしまして法律に基づいた措置をとるということに結局なるわけだと思います。
 したがいまして、私どもといたしましては、不法電波の対策としては、今回お願いしておりますような制度的な手当ても考えると同時に、他方においては、不幸にしてそうした不法電波が大変多くございますので、これを実際につかまえるための努力をする必要があるわけでございます。本年度から電波利用料制度というのもスタートさせていただきまして、そうした監視関係についての設備の整備などにかなりのお金をこれから回していただけるということになりましたので、すぐというわけにはなかなかいきませんが、何年かの期間をかけて計画的にそのような設備の整備をいたしまして、不法電波の発信源をつかまえるというようなことができるだけ効果が上がるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#10
○中尾則幸君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 質問を変えます。先月の五月十八日の逓信委員会で、視覚、聴覚障害者の方の文字放送あるいは解説放送について審議いたしました。音声多重に比べて文字放送がやはりいろんな免許制度、設備等もありまして普及していないんです。特に民間放送においては大都市、東京、大阪、名古屋の一部、福岡の一部、静岡の一部、それから富山とほんの一部でしか普及していない。せっかく東京で文字放送の字幕を流しても、電波法があるために個々の免許を持っていないローカル局には行き渡らないということになりまして、この問題を免許制度のあり方を中心に見直してはどうかと私も提案させていただいたんですけれども、そのとき大臣初め、そういう手続でクリアできる問題であれば電波法を含めて見直していくべきだと。
 それからもう一つは、許認可の場合に、前回も指摘いたしましたんですけれども、例えば中継局、北海道なら百五十数局ございます。これ一局一局免許をとらなきゃいけない。これは電波障害から守るためというメリットもあるんですけれども、その点は非常に簡素化をして、手数料を含めて見直していかなければ文字多重放送はなかなか進まないというところを指摘したんですけれども、その後の検討を含めて簡単に御説明願いたいと思います。
#11
○政府委員(木下昌浩君) ただいま御指摘のように、我が国の文字多重放送の実施事業者の数が大変少ないと私どもも率直に認識しておるわけでございますが、聴覚障害者向けの放送を充実していくという意味で字幕放送の普及を図るということは非常に重要なことであると思います。そのための環境整備を図るという観点から、ただいま御指摘の免許手続の簡素化等の制度上の改善を図ることは喫緊の課題だというふうに思っております。
 また、放送行政局の私的懇談会であります視聴覚障害者向け放送番組の制作・流通に関する調査研究会で現在最終報告に向けて検討していただいておるところでございますが、文字放送の免許手続に関しましても御意見を賜っているところでございます。
 そういう中で、具体的方法については法制度上の検討が必要であると思っておりますが、それとさらにまた放送局免許制度全体との整合性ということを勘案しなけりゃならないと思っております。今後事務的に鋭意検討してまいりたいと思っております。
#12
○中尾則幸君 もう一つ。めどといいますか、喫緊の課題だというふうにお話ありましたけれども、どんなふうな作業を予定されておりますか。
#13
○政府委員(木下昌浩君) 今この時点でいついつまでにということを申し上げることができないのは大変残念でございますが、中身といたしまして、大変難しい問題が多々あるという事例を申し上げて答弁にかえさせていただきたいと思うのでございます。
 例えば、文字放送の中では、字幕放送といいますか、そういう補完的利用というものだけを取り上げてただいま言われた免許制度を簡素化していくということも考えられるわけでございますが、そういたしますと、放送番組の内容によって免許の要否が定められる。果たしてこれが制度的に許されるものだろうかということの基本的な問題、私どもまだ踏み切れないところがある。
 それからまた、補完的利用とそれから独立利用あわせて、もうテレビをやっているところは一緒にくっつけてもいいじゃないかというような非常にトラスチックな考え方もあろうかと思いますが、そういたしますと今までの免許制度と非常に大きく変わってくるわけでございます。
 さらにまた、これからファクシミリ多重放送とかいろんなものが出てくると思います。そうしますと、一つの免許の対象として考えていたものが何かだんごになってやっていくということ、その辺のほかのメディアとの兼ね合いとか、いろいろ問題が大きいような気がするわけでございます。私、決して逃げるわけではございませんけれども、非常に多くの重要な課題を免許制度上抱えているということで、なかなかそう簡単にはいかないなというふうに思っております。
#14
○中尾則幸君 これについてはまだ今後の逓信委員会でもいろいろ質問させていただきたいと思いますけれども、免許の付与の条件として、内容等いろいろ表現の自由等にもかかわる問題だと私も承知しております。ただ、障害を持つ方にという形で前向きに取り組んでいただきたいということを申し添えて、質問を移ります。
 当委員会でもたびたび御質問、御指摘申し上げましたBS3後継機の問題、いわゆるBS4の問題についてこれから取り上げたいと思います。
 去る五月二十一日、電波監理審議会、電監審はBS3後継機の段階における衛星放送のあり方に関して答申を行いました。この答申は、我が国における二十一世紀の放送秩序を決める上からも極めて重要であります。
 かねて郵政当局は、私を初めとする同僚議員が次期放送衛星BS4のあり方についてこの国会の場でいろいろ質問を繰り返してまいりました。とりわけ、いろいろ重要なところにいきますと、必ずと言っていいほど、その件はただいま電波監理審議会で御検討をいただいておりますというお答えをいただきます。それだけに今回の電監審の答申は大変興味深いですし、大変重要なものであるというふうに考えております。
 これはもちろん放送法、今回改正案が出されましたけれども、直接関係ありませんけれども、電波法にもかかわる重要な問題でありますのであえて取り上げさせていただきました。何かといえば電監審の判断に、言葉は悪いですけれども、過度に尊重する姿勢が今までの答弁でうかがえるんですけれども、それをこの電監審答申を一種の隠れみのとして使っているんではないか、私は常々ここ三、四回の質問で印象を抱いてきました。今般はその待望の電監審答申が出されたわけですけれども、これから内容に沿って質問に移りたいと思います。
 その前に、答申について私も何度がじっくり読ませていただきましたけれども、感想を述べさせていただきます。
 大変残念なことに今回の答申では、衛星放送を含む各メディアの今後の発展の方向づけ、あるいは発展の具体的なビジョンが明らかにされていないということをまず指摘したいと思います。そしてまた、国際的環境での我が国の衛星放送のあり方についてもいま一つ明確ではない、きちんとした提示がなされていないと私は思います。また、答申の本文をじっくり検討いたしましたが、その表現上、意味を理解するのに非常に難しいというかわからない、あるいは玉虫色の表現がずっとちりばめられておりまして、どちらにとっていいかという部分さえ見受けられます。極めて重要な点につきまして、答申をずっとめくっておりますと、行政上の裁量に負うところが大きいという余地が残されている。私は問題点も多いと思います。
 さらにこの答申には、私はかねがね申し上げてまいりましたけれども、すなわち民間の活力をそぐことのないように、これは郵政大臣が常々お話なさっておりますけれども、郵政当局による過度の許認可権行使といいますか、その介入は避けるべきだという言葉について、今回は若干規制緩和ということでこの答申の中に盛られているのは喜ぶべきことだと思います。
 早速具体的な質問に移ります。
 初めに、BS4の衛星放送の目的・理念について御質問いたします。答申では、今後の放送は、地上放送、衛星放送、通信衛星を利用する放送、ケーブルテレビ等の各種放送メディアが何よりも視聴者、国民の立場に立って、それぞれのメディア特性を十分に生かしながら、多彩なサービスを提供することが重要だと盛られておりますけれども、この視聴者、国民の立場に立つという姿勢は私ども大変大賛成であります。
 さて、この建前を一体具体的にどう実現するか、最大の課題だと思いますけれども、郵政当局の対応をまず簡単に伺っておきます。
#15
○政府委員(木下昌浩君) 国民の立場に立って、視聴者の立場に立って放送行政、BS3後継機の段階における衛星放送のあり方についてもそういう基本的な視点で取り組むべきであるという基本的な考え方であると思います。したがって、答申の随所におきまして、そういった基本的な考え方に基づいた施策の推進ということが盛られていると思うのであります。
 例えば、現在のNTSC方式で行われている衛星放送、あるいはハイビジョンも試験放送をやっておりますが、これを継続してやっていくんだということ、一つの例でございますが、そういうような視点からとらえられている。放送方式の問題一つとりましてもそういうことが言えようかというふうに思います。
#16
○中尾則幸君 きょう二十二の項目の質問を用意してございますので、私自身むだ口のないように一つ一つお尋ねしてまいります。
 二十一世紀の放送秩序につきまして、答申の内容は極めて簡単かつ抽象的なものに終わっておりますが、しかし放送秩序の具体的なビジョンの策定はそもそも郵政省が日々研究、検討している重要な課題だと考えます。
 さて、地上放送、衛星放送、通信衛星を利用する放送、ケーブルテレビ等の各種放送メディアをそれぞれの連関と関係においてどのように調和、発展させていくか、そのビジョンを伺いたいと思います。
#17
○政府委員(木下昌浩君) この電監審の答申は、BS3後継機の段階の衛星放送のあり方の答申をいただいたわけでございます。私ども常々行政としては、その辺の調和ある発展ということを考えて行政を進めていくべきであるということで取り組んでいるところでございます。
 この衛星放送につきましては、「目的・理念」のところに書いてありますように、これも基幹的メディア、地上テレビと同様に基幹的メディアとしてやっていくんだということでございますし、その場合に特性を生かした、衛星放送の特性といいますとやはり高品質、多様な放送サービスが提供できるということになろうかと思いますが、そういった各メディアがそれぞれの特性を生かした形で、お互いにその持ち場持ち場で活躍をしていただくということが国民のニーズに適合していくものであるというふうに考えております。
#18
○中尾則幸君 続いて、衛星放送の多様性の実現についてお尋ねいたします。
 答申は、衛星放送の目的・理念について、基幹的放送メディアの機能、放送の多様性の実現、衛星放送の特性を生かした放送サービスの三点を挙げております。特に、放送の多様性実現については、国民の価値観や生活様式の多様化、ゆとりの増加などの状況変化などの認識を示した上で、答申はこのようになっております。
 急速な技術革新・情報化の進展、地域からの情報発信等による地域の活性化・多極分散型国土形成と東京一極集中の是正に関する要請の増大など、社会環境は変化し、国民の放送に対する期待も多様化、高度化し、BS4での衛星放送はこの多様性の期待にこたえていかなければならないという趣旨であります。
 私もまさしく同感であります。とりわけ答申は、地域からの情報発信や多極分散型国土形成と東京一極集中の是正などについて大変丁寧に取り上げております。この点については、答申の後半にもありますけれども、事業主体の一般放送事業者の項目でも重ねてこの点を強調しています。この点について郵政省は今後具体的にどのように実現していくのか、ちょっと伺いたいと思います。
#19
○政府委員(木下昌浩君) ただいまの放送の多様性の確保ということの中でさまざまな要素が触れられているわけでございます。私どもこの答申を受けまして、この趣旨に沿って、具体的な免許を行っていく場合に十分勘案してまいりたいと思うわけでございますが、こういったさまざまな要素を総合的に勘案して国民のニーズに応じた多彩なサービスの提供の実現を図るべきだ、そういう趣旨に受けとめております。
 したがって、さっき言いましたように、免許申請の処理に当たりましては、ただいまの一極集中是正だとか地域情報発信というような観点も重要な要素の一つとして考慮してまいりたいと思っております。
#20
○中尾則幸君 今お尋ねした地域情報の重要性について、さらに踏み込んでお尋ねします。
 答申があえて地域情報を強調し、またなぜ東京への一極集中の排除を取り上げたかについては、やはり衛星放送がその放送形態の性質上、御存じのことだと思いますけれども、今までの地上放送は各サテライト局がたくさん必要である。ところが衛星放送というのは、ぽんと上げれば、もうシャワーのように隅々まで電波が行き渡る。これが全く放送形態が違うところであります。ですから、今地上放送では各ネットワークを結んでいるわけですけれども、ぽんと空に上げたら、つまり東京あるいは大阪発信が全国津々浦々までどこをネットしなくてもいける。そういうことで、この地域情報をしっかりせいというふうに答申では書かれたと思います。
 すなわち、衛星を活用して一気に効率よく全国に、画一的に、しかも比較的安いコストで放送が送れるという性格上、黙っていれば本当に、今申し上げたように、これはどうしても中央志向といいますか、あるいは東京、大阪等の大都市型一極集中に陥ってしまう弊害、今回の審議会の各委員の方はそれについて注文をつけたというか、意見を色濃くこの答申の中で反映させたと思うんです。
 したがって、地域情報を実現していくというのは非常に重要な課題となると思いますけれども、郵政当局はこの地域情報についてはいかが考えておりますでしょうか。
#21
○政府委員(木下昌浩君) この答申をどのような形で具体的に実現していくかということはこれからの検討であるわけでございます。先ほども申し上げましたように、地域情報の発信という問題につきましても重要な要素の一つとしてこの検討の中で実現を図っていきたいと思っておりますが、その形がどのようなものになるのかということについては、例えば北海道、九州と地域別にチャンネルを割り振るというような、端的なそんなものではないだろうと思っておるわけでございまして、そういったものが実質的に確保できるような方策というものをこれから研究していきたいと思います。
#22
○中尾則幸君 当然のことでありますけれども、国会の審議の場でその答申、それから行政当局の対応を一つ一つ点検といいますか、質疑を通しておかないと国民にわからないということで私はあえていろいろ申し上げているんです。
 もう一点、地域情報についてお尋ねします。
 申し上げるまでもなく、このままであれば具体的にやはり一極集中のおそれがある、これはもう専門家はだれでも指摘するところであります。ただ、その番組の内容に立ち入るということになりますと、これは大変問題でありますから、じゃどうしたらその一極集中をなくすのかというような方策、前向きに取り組むというふうにお答えいただきましたけれども、番組の内容に直接関与をすると表現の自由にかかわりますから、これはもう当然できないことでありますけれども、例えば数量的な規制といいますか、そういう方向性みたいな考えですね。例えば東京発信局、東京衛星テレビという会社にチャンネル割り当てがあった、その中で例えば全国各地域に地域情報、おおむね三〇%が望ましい云々みたいな、そういうような量的規制についてはお考えはありますか。
#23
○政府委員(木下昌浩君) その点についてはまだ私どもも明確に検討しているわけではございません。いずれにしましても、私どもがチャンネルプランを出しまして、それに対してどのような形の申請がなされるかということを見きわめて検討していくことになろうかと思います。
#24
○中尾則幸君 これはもう大変重要な問題であります。今国の施策も一極集中是正というようなことでありますので、電波、放送メディアの分野からもぜひとも強力に推し進めていただきたいと思います。
 次に、ここに盛られている放送形式についてであります。BS4での衛星放送の高精細度テレビジョン放送、HDTVについて答申は、ディジタルHDTV方式が現時点では、ミューズ方式程度の画質の放送を実現する技術的見通しが立っていないことなどを理由に挙げまして、ミューズ方式を採用することが適当だとしております。このミューズ方式の採用については、かねて郵政省が主張し、行政の施策においてリードしてきた方針であると私は認識しております。いわゆる、ミューズ方式採用について郵政省がリードしてきたと私は認識しておるんですが、この認識で間違いございませんね。確認だけさせてください。
#25
○政府委員(木下昌浩君) ミューズ方式によるハイディフィニションテレビにつきましては、日本が開発した誇るべき技術でございますが、国際的にも、郵政省といたしましても、ハイディフィニションテレビジョンの方式としてミューズ方式を自際規格として勧告してもらいたいということを精力的に進めてきたことは事実であります。その結果、国際規格として現在認められており、また現実に試験放送を実施しているところでございます。
#26
○中尾則幸君 すなわち、郵政省が提唱してきたミューズ方式の採用が今般の電波監理審議会でも賛同を得られ、今後いよいよ衛星放送の中で本格的に取り入れられていくということでありますね。それだけ確認させてください。
#27
○政府委員(木下昌浩君) 誤解がないように私申し上げたいのでございますが、電波監理審議会の御審議の中で各団体、関係の皆さんからのヒアリングも実施いたしておりますが、その中で、ほとんどの皆さんからの御意見として、ミューズ方式でやるべきだという意見が大半であったことを申し添えておきたいと思います。ただ郵政省だけが推進していることではないということでございます。
 したがって、この答申で盛られている中身は、NTSC方式とミューズ方式でいく、基本とするということでございますから、私ども答申を尊重して措置しなければならない立場上、これはこのとおりやっていきたいと思っております。
#28
○中尾則幸君 私は推進してきたというように思っておりますけれども、それについてはこれ以上言及いたしません。
 ただ、もう既に御存じだろうと思いますけれども、この答申の直後、五月二十四日、新聞等で報道されておりますが、アメリカではHDTVの開発に関して、かねて競争していた三つのグループ、四つの方式が大同団結して、ディジタルTVの一つの標準方式を一年以内をめどに開発することが決まりました。アメリカでは今までいろいろな方式を検討してきた三つのグループ、四つの方式が大同団結してディジタル方式でいこうということが決まりました。五月二十四日であります。
 注目すべきは、この標準方式の開発に当たっては、他のメディア、ここが大事なんです、とりわけコンピューターとの接続性が重要視されているんです。またヨーロッパも、伝送方式でありますアナログ方式のHDMAC方式の開発がとんざし、アメリカと同様のディジタルテレビの開発、採用への動きが出ているということはもう御存じだろうと思います。
 ここで御質問いたします。
 次世代テレビについて、基本的には世界の潮流がディジタル化にある点、また欧米、特にアメリカではマルチメディア時代をにらんでディジタルHDTVの早急な開発に向けて国を挙げて取り組んでいる点、この二点について郵政当局が十分認識されておられるのかどうか、まず確認したいと思います。
#29
○政府委員(木下昌浩君) ディジタルHDTV方式につきましては、先ほど御指摘のように、BS3後継機の段階におきましてこれを実現するということは技術的な見通しが立っていない、これは専門家の皆様方の一致した意見であります。
 ディジタル方式は将来においてどうなのかということになれば、これは日進月歩の世界でございますので将来においてはわからない。ディジタル方式は、先ほど言いましたそのメリットといいますか、他の分野、通信、蓄積メディア等との整合性を図りながら実現を図ることは非常に有益であるというふうに思っております。したがって、将来においてはディジタル方式をやはり我が国においても取り入れていくべきものであろうというふうに思います。そのゆえに、私どもは先般放送のディジタル化に関する研究会を開催して検討を開始したところでございます。
#30
○中尾則幸君 大変揺れ動いている姿勢がわかります。今局長さんおっしゃったけれども、将来のことはわからないと。後から言い直して、将来においては取り入れてやっていくべきだと。これはちょっと僕はわからないですよ、そういう答弁は。将来のことについてはわからない、そんなことは少なくともこの場で言うべきじゃないと僕は思うんですよ、研究しているわけですから。しかもそれはアメリカの考え方もあるでしょう。
 しかし、そういうものは今まで何度となく繰り返し言われてきています。確かにミューズ方式はミューズ方式のやり方があります。画面の問題、それから、例えばディジタル方式、御存じのように帯域圧縮の問題、解決してないのもあります。しかし将来、二十一世紀の構想を言っているんです。それをミューズでこだわるのかどうかと。ただ、今のところミューズでいくと確認をいたしたところで、私はこれ以上今の発言については深追いいたしません。ただ、このミューズ方式についてもうちょっとお尋ねさせてください。
 国内の放送界や経済界からも、ミューズ方式の採用は世界の技術開発の流れに逆らうもので、次世代の放送方式で日本は、実は局長ともあるパーティーで私もお会いしましたけれども、あそこでも各評論家の先生に聞きました。このミューズ方式は世界の孤児になるという批判や不安の声が非常に上がっているわけです。相当に上がっていることを郵政省はどう認識しておられるのか。技術的な開発がいまだしということだけでは、アメリカは実際取り組むんですよ。これについて郵政省はどう認識されているのか、確認だけさせてください。
#31
○政府委員(木下昌浩君) 私、先ほど言葉足らずであったかと思いますが、BS3後継機の段階において直ちにディジタルHDTV方式を導入することについては技術的な見通しが立っていないということでございます。したがいまして、これからディジタル化に関して研究開発は進めてまいります。この答申の「おわりに」というところでも書いてございますが、これから技術の進歩は日進月歩、あるときブレークスルーが出てきまして、これがまた実用可能というようなことが出てくるとすれば、またそれはそのときの検討と。現在の時点においては、この二十七メガヘルツという帯域幅で、今の衛星放送の周波数を使った放送で、現在のディジタル技術では国民に安定的な放送を提供できるだけの成熟した技術になっていないという認識でございます。
#32
○中尾則幸君 じゃ最後にもう一度この問題について確認させてください。私の意見を申し述べます。簡単で結構です。
 このミューズ方式の採用は我が国の国策の上で極めて重要な選択であります。もう一度繰り返しますけれども、世界の大きな潮流がディジタル化へ向かい、開発競争が進んでいる。まさにそのさなか、郵政省はただいまお話しのように、現時点では技術的な見通しかないという理由でアナログ方式のミューズ方式を採用する。こうした選択が、将来ディジタル化が実現するとき国民に二重の負担を強いる可能性が強いのはもちろん、現在世界の電子技術をリードする我が国の産業界、あるいは今後海外市場にも、これ大変問題なんですよ。日本だけがミューズでいって、世界がディジタルだったら、きょうは通産の関係の方は呼んでませんけれども、一兆円産業と言われている。そういったさまざまな観点から考えていかなければいけない問題だと私は思っています。そういう意味でも、その放送方式にこだわっていれば世界におくれをとってしまう。重大な岐路に立たされている。
 ですから、ミューズ方式、単なる放送方式じゃなくて、それは技術開発が進めばディジタル化に向かいますよというのと、やっぱりディジタルも含んでいくんだというのと全然違うんですよ。私が今話しているのは五年後の話ですよ。一九九七年ですから、BS4というのは。今すぐという話じゃないんです。これだけ技術革新が進んでおる中でミューズでいくといったら、一九九七年でディジタルが開発される、そうしたらすぐディジタルになりますか。二重負担になりますよ。テレビを買った人はどうなるのかと、いろいろな問題が起きてくる。少なくともミューズ方式を採用すれば二十一世紀にまたがっていくのは当然なんですよ。ですから、私の予測では、このミューズ方式をあれすれば今後十年間ミューズでいきますよ。もちろん五年後に打ち上げられます、一九九七ですから。そのことを私大変心配しているんです。
 ですから、確認させてください。いわゆる放送評論家を初めいろいろな現場担当者からミューズ方式で練るべきじゃないといういろいろな反対の意見も多くあるにもかかわらず、郵政省は少なくとも一九九七年、BS4の段階ではミューズでいくということ、この方式でいくということで確認させてください。
#33
○政府委員(木下昌浩君) BS3後継機の段階における放送方式としてはディジタルのHDTVは採用しないということであります。しかしながら、答申でも言っておりますが、ただいまの御指摘のように、ミューズ方式を採用した後でディジタルHDTV方式を導入する場合にどうするかということについても言及をいたしております。国民に多大な負担をかけることがないように措置をしていく、考えられる一つの方式を述べられているところでございます。
 例えば、十二ギガヘルツ帯の衛星放送を今ミューズでやろうとしているわけでございますが、そのミューズは維持して、他の周波数帯においてディジタルHDTVを導入していく。あるいは十二ギガ帯の今の方式はミューズでやって、同時に他の周波数帯でディジタルのHDTV方式の放送を並行放送していく。そして所要の期間が経過した後で十二ギガ帯の衛星放送はミューズ方式からディジタルHDTV方式に移行するというようなことも考えられるのではないかというようなことを述べられておりますし、また、ミューズ方式の受信機にアンテナ、アダプター等を付加することでディジタルHDTV方式の放送も受信をすることが可能になるかもしれない。それから、放送事業者はディジタルHDTV方式の放送にも設備を増設することによって対応できるだろう、このために受信者、放送事業者に過大な負担をかけることはないのではないかということでございます。
#34
○中尾則幸君 ここに全部大体書いてありますのでわかります。
 次に、確認だけさせていただきます。チャンネルあるいは事業主体についてお尋ねします。BS4の衛星放送での民間放送と公共放送の調和ある発展についてお尋ねします。これも以前大臣に私も何度か御質問差し上げました。答申の項目ではチャンネル構成と事業主体にかかわる部分であります。
 私は、かねてより、BS4の段階での衛星放送では、いたずらに公共放送たるNHKが肥大化するのではなく、民間放送と公共放送の調和かつ競争的な発展、別の言葉で言いますと、衛星放送事業においては民業と官業の調和ある発展というふうに要請してまいりました。それがあるべき姿ではないかと申し上げてまいりました。この点に関しましては、小泉郵政大臣から去る一月二十一日の決算委員会での御答弁で、BS4の衛星放送でも民間放送と公共放送の調和ある発展を確保するという考え方を伺っております。
 さらに、BS4のチャンネル数については、去る三月二十九日の逓信委員会におきましてNHK川口会長より、NHKの保有メディアについて、「拡大する方向は全くとらないということを前提にします。」というお約束もいただいております。また、この同じ委員会で川口会長は、BS4でNHKが実施するハイビジョン放送は現有の衛星二波の中に吸収していくことを確認されております。今NHKはBS二チャンネルです。JSBが一チャンネル。ハイビジョン推進協が一チャンネル使っています。ですから、このハイビジョン推進のところへNHKが入っちゃうと三チャンネルになっちゃいますから、それはしないという方向を私はたびたび確認をいただいています。
 そこで、今回の答申でありますけれども、ここでは、NHKはごく限られた暫定の期間ハイビジョン普及チャンネル、いわゆる第四のチャンネルです。今NHKはBS二つ、JSB一つ、今ハイビジョンの試験放送をやっているのが一つ。この第四のチャンネルのことでありますけれども、ごく限られた暫定期間ハイビジョン普及チャンネルを利用することはあっても、原則としては現行のニチャンネルの中で放送を実施すべきだと、これは答申の中でも示されています。
 そこで、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、衛星放送事業での官民の調和ある発展、またNHKのいたずらな肥大化を避けるためにも、BS4でNHKが放送を行うチャンネルは原則的には現行の二チャンネル以内であると考えてよろしいのでしょうか。大臣に伺います。
#35
○国務大臣(小泉純一郎君) 官民の調和ある発展を図るという観点からも、なおかつNHK会長自身がいたずらに肥大化、拡大化はとらないと言明しておる点から考え、なおかつ音声においても一波削減をNHK自身が検討されている、そういうことを考えますと、テレビの方でも拡大方向をとらないでできるだけ今の衛星一波にとどめようという方針というのは、私は評価されてしかるべきじゃないかと、そういうふうに思っております。
 しかし、これは将来の検討課題でありますので、その点も含めて、音声もテレビも含めてどうやって質の充実に努めていくか、業務の拡大ではなくて、質の充実に努めて民間と調和ある発展を図るかという原則はぜひとも貫いてほしいと私は考えております。
#36
○中尾則幸君 私もたびたび大臣にも今まで御質問をしておりますけれども、官民の調和ある発展、JSBの例を申すまでもなく、そうしなければ多メディア・多チャンネル化はとんざしてしまうということは、これは目に見えているわけで、大臣の考え方についてはそのとおりだと私は思っております。
 ここで、答申の中でのNHKのハイビジョン普及チャンネルの利用について幾つか御確認したいと思います。
 答申の本文では、「BS―3後継機段階の初期においては、」「差し向き、ハイビジョン放送普及の先導的な役割を果たす上で必要と認められる範囲で、NHKがハイビジョン普及チャンネルを利用することは適当と認められる。」、これは第四の今のチャンネルです。ここで確認したいと思います。
 BS3後継機段階の初期とはどの程度の時期か。当然ながら初期、中期、後期とございます。BS4の寿命が十年であれば、初期とは初めの一年あるいは二年、せいぜい三年程度と判断されますけれども、これ以上であれば中期に差しかかってしまう。まず当局に確認したい。その初期というのは私はせいぜいいって三年だろうと思います。第四のチャンネルの問題です。
 また答申は、「ただし、その場合であっても、」、これは初期の段階での普及チャンネルの利用を指しているが、「衛星放送において一定以上のハイビジョン放送の実施が確保されるようになった段階以降においては、」「少なくとも、NHKのハイビジョン放送は現行二チャンネルの中で実施すること」としています。
 これを素直に解釈するならば、ハイビジョンが普及するまでNHK中心に第四のチャンネル、ですから、一年からせいぜい三年ぐらいだろうと私は今その問題を伺っておるんですけれども、でも、普及した段階であれば、三年も待つ必要はないんだと。たとえ初期の段階でも、他のチャンネル等でハイビジョン放送が実現するのだとしたならば、NHKは現行の二浪で放送する、別にハイビジョンチャンネルで試験でやることはないということであると私は思うんです。一九九七年、BS4の段階において一波でいくんだと、この二点確認をしたいんですが、私は大臣からお伺いをしていますけれども、一応確認を局長からお願いします。
#37
○政府委員(木下昌浩君) ただいま答申の文言をお読みいただきましたが、それはそのとおりでございまして、具体的な時期につきましては、今の答申の趣旨にのっとりまして、今後ハイビジョン放送の実施状況や普及状況等の動向を踏まえながら検討する必要があろうと思っております。
 一年か二年か三年かというお話でございますが、何とも申し上げかねるわけでございますけれども、一つのめどとしては、やはり答申の中にございますが、衛星の打ち上げは二段階に分ける、後発衛星は、三年間のいろんな行政措置について検討期間を置いて、少なくとも三年以内にこれを処理していくというふうになっておるわけでございますが、それが一つのめどではないかというふうに思っております。
#38
○中尾則幸君 時間も差し迫っておりますのでこの程度とします。
 ただ、局長の今のお答えの中でちょっと不思議なんですが、今三年以内と申されましたですか、後発機四チャンネルについて。私がお尋ねしたいのは、以前十二月九日の逓信委員会で、九七年を目途に八チャンネルで打ち上げる、放送普及基本計画の中に盛られた八チャンネルでいくんだと。しかしいろいろあれしたら、八チャンネルは確かに技術的に大変だと。それで、さしむき一九九七年には四チャンネルでいくと。ただ、少なくとも放送行政局長は、ことし一月二十一日の決算委員会で質問しましたら、このとき局長は、先行機の四チャンネルについて、さしむき現在やっている方で調達するというような、今回チャンネルは動いていますと、わかったようなわからないようなお答えをなさったわけですけれども、「当初の平成九年を目途に八チャンネルの放送を開始するという放送普及基本計画の考え方は、大幅な変更を来すことなく実現が可能」だとおっしゃったんじゃないんですか。大幅な変更を来すことなく実現が可能だと私ははっきり伺っていますよ。
 すなわち局長は、私もたび重なる質問いたしましたけれども、九七年を目途とする八チャンネルの衛星放送開始の方針は変わらないと何度も私にお答えをいただいているはずです。それが何か今三年とか、それを確認させてください。いつの間に三年ですか。
#39
○政府委員(木下昌浩君) 今回の答申では、後発の四チャンネル分について、三年以内にいろんな行政上の措置を講じでできるだけ早期にチャンネルプランを策定しなさい、こういうふうになっているわけでございます。
 私の先般の答弁は、この答申の話とは違いまして、この先発の衛星を打ち上げることと、九年を目途にということとの整合性のことをお聞きいただいたと思って答えております。その時点でお答えいたしました私の真意といたしましては、先行して打ち上げましても、その後の衛星の調達の手続を短縮することも可能であるし、そうであれば、同時に打ち上げることも技術的に可能であろうという趣旨で申し上げたわけでございます。
 それからもう一点、平成九年を目途にと放送普及基本計画で定めておるわけでございますが、今回の御答申を尊重して措置しなければならないと思っておりますが、それは私の今の考えでは、平成九年を目途にという放送普及基本計画の規定を変更する必要はないであろう、この範囲内での対応が可能であろうと考えております。
#40
○中尾則幸君 ということは、私の聞き違いかもしれませんけれども、先発機を四チャンネルで打ち上げた後、三年云々というのは私のちょっと聞き違いかもしれませんけれども、今の話だったらそうでもなさそうだ。もう一回、後発機について、局長とういうふうにお答えなさったんですか。
#41
○政府委員(木下昌浩君) 私が答申の中身をお話しするのと御答弁申し上げたこととちょっと混乱したので申しわけないんですが、答申の中身といたしましては、後発の四チャンネル分については、例えば有料放送制度の緩和だとかそういった行政上の措置を講じて、三年以内にめどをつけてできる限り早くチャンネルプランをつくりなさい、こういうふうになっております。
#42
○中尾則幸君 時間が差し迫ってまいりましたので、ちょっと後から議事録をゆっくり読ませてもらいます。ちょっと混乱してまいりました。何かこちらの計画をするっとすり抜けられたか、ちょっと次に進みます。
 続いて、答申は、テレビジョン放送のマスメディア集中排除原則の項目の中で、BS3後継機への移行段階においては受信世帯は一千万世帯を超えることが推定されると書いてあります。その社会的影響力は一層大きくなるものと考えられるとしておりまして、全国レベルでの特定の者の巨大メディア化を防ぎ、放送による表現機会の寡占化、集中化を防止しなくてはならないと述べております。
 しかし、私はここで考えますに、現在のNHK中心の衛星放送の行き方、またBS4の調達においても、このNHK中心の先発機、いち早く一九九七年に打ち上げられて放送を開始する状況からして、一千万世帯の受信者とはNHKの受信者のことだ。また、現在のただ一つの民間衛星放送会社であるJSBの不振から見ても、この答申のいうところの、全国レベルでの特定の者の巨大メディア化とか放送による表現機会の寡占化、集中化について、これはNHKそのもののことを言っているんですよ。JSBが今百二十万世帯しか普及していませんから、大きな不安を覚えるわけです。
 郵政当局はかねてから既存の民間放送の参入に難色を示してきましたが、その結果として、電波監理審議会がそうあってはならないという特定のメディアの巨大化が出てきているんです。これはNHKの会長も、例えば一波にするとか、結構いろいろな情報が流れているんです。巨大化がもう出てきているんです。集中排除原則の偏った、誤った適用は民主主義社会でアンバランスを引き起こしている。
 答申がその中で言っておりますように、現在ですらNHK衛星放送の事実上の受信者は七百万世帯でありまして、これに比べると、JSBは先ほど申し上げましたように百二十万世帯で、物すごい赤字です。これはもうたびたび私は指摘してまいりました。圧倒的な差です。なぜかと言ったら、いろいろデコーダーの問題とか、これはもう常々指摘してまいりましたからここでは省略したいと思います。ますます差が開くんです。メディアの集中化、寡占化の弊害はだれでも知っているところでありまして、公共放送NHKもその例外であってはならないと僕は思うんです。これについて再度大臣の感想をお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(小泉純一郎君) 確かに衛星放送においてはまだ民間の力が足りないということで、NHKが今の時点においては主導的といいますか、先導的役割を果たさざるを得ない状況だと私は思っています。しかし、いろいろ衛星放送に対しての国民の関心も強まっている。そして事業者も大きな有望な市場だと考えていろいろ研究を続けている。ですから私は、将来を見れば、民間事業者が発展してくるその素地が十分ある。そういう環境を郵政省としても整備していくべきだと考えております。
 今の時点では確かにNHKは先導的役割を果たしている。しかし将来は、むしろ民間がもっと旺盛な活力を持ってこの衛星放送の市場に乗り込んでくる、そしてこれがお互い相切磋琢磨して発展していく、そういう環境をむしろ注意深く整えていくのがやっぱり郵政省として大事じゃないかと私は考えております。
#44
○中尾則幸君 今大臣のお答えのようなことも、この答申にも随分随所に盛られております。
 規制緩和について当局に伺います。
 今、大臣から民間活力を十分に尊重して調和ある発展を遂げさせるべきだというようなお答えをいただきました。このお答えの中には、郵政そのものが行政として過度に入ってしまう、いわゆるそれがいろいろな弊害になっているんではないかと私は指摘をしておきたいんです。
 なぜならば、結果がだめだからじゃなくて、今のニューメディア、一体どうなんですか。例えば、言うまでもなくPCM放送、セント・ギガ、CS、いろいろなところで苦戦を強いられている。その最たるものがJSBです。WOWOWです。この不振の理由は、確かにバブル崩壊、経済情勢もありましょう。それから、これも指摘されましたけれども、創業時のいろいろ立ち上がりに対して、大変厳しい経営環境であるということも私は理解しないわけではありません。しかし、答申はその対応策として規制緩和を提案しております。すなわち、この答申の裏を読めば、これまで所管の郵政省による許認可権を過剰に使っての介入が多く、民間事業の自由な創意工夫を損ね、ひいては事業不振の原因の一端となってきたんではないかというふうな趣旨に私は受け取れるんです。
 それに、事実私も現場でずっとやってまいりました。放送メディアは生き物なんです。これを机の上で乾燥して扱うからだめなんです。視聴者は生きているんです。今どの情報が欲しいのかということは、これは実際経験しなければわからないんです。ですから、行政のあるべき姿というのはここで問われる。つまり、遠巻きながら、この答申は今までの放送行政について裏を返せば批判しているんですよ。当局にそうした反省はございますか。
#45
○政府委員(木下昌浩君) この答申で規制緩和、放送内容の問題、それからまた財源の問題、それからさらには集中排除原則の運用上の問題が挙げられていると思うわけでございますが、私どもは、有識者の委員の方々の英知を集めたこういった答申でございますので、最大限尊重してまいりたいと思っております。
#46
○中尾則幸君 私が言いたいのは、こういう反省点に立っておられるのかどうかと聞いているんです。尊重するのは当たり前です。それを言っているんじゃないんです。意見聞くのは当然だと思います。
 少なくともJSBでもそうですよ。おとといですか、JSBの社長が今度退任されるというので会見が出ていまして、徳田社長ですよ、これ郵政出身ですよ。それで言っています。経営がどうして行き詰まったのかということを全部書いてあります。屋上屋を重ねるとか、経営主体がばらばらで責任が持てないとか、いろいろな業者を含めて参入しているものだからだれも責任を持たない。しかも、デコーダーの問題もありますよ。NHKはデコーダーつけなくたってやれる。きょうは本当は逆ざやの問題、セキュリティーセンターの問題もやりたかったんですけれども、ちょっと衛星放送のあり方について御質問いたしました。
 それじゃもう一、二問急いで質問します。答申に戻ります。
 衛星放送のテレビ放送について、事業主体のあり方として、「事業リスクを負うだけの財政的基礎を有するとともに経営責任主体が明確であることが必要」と述べでありますが、これは経営不振によりまして再建が進められておりますJSBの反省、私が今指摘したように反省に基づくものだと思うんです。しっかりした経営基盤がなければ、寄り合い世帯ではだめだというようなことを私は指摘していると思うんです。すなわち、郵政省がそうした財政基盤のある、経営責任のしっかりした会社をつくる指導に私は失敗したと思うんですが、これに対する反省はございませんか。
#47
○政府委員(木下昌浩君) 今はJSBのことだろうと思いますが、私ども、衛星放送は初めての経験でございますので、いろんな制度面も含めまして試行錯誤といいますか、いろいろやっていきながら反省をし、修正をしていくということは必要なことだろうと思っておるわけでございます。
 このJSBに関して申し上げますならば、ナショナルカンパニーの多くの皆さんが、自分たちがやりたいということでお集まりになって、大勢でこれを支えていこうということでスタートしたものでございます。したがいまして、それはその時点としての選択としては、仕方がないといいますか、妥当なものであっただろうと思っております。この答申にそういう点について責任の所在というようなことが書かれているということは、確かにヒヤリング等の御意見を求めた段階でそういった意見を言われた方もあるように伺っております。
#48
○中尾則幸君 残された時間があと二分半ほどしかありませんので、今回の答申の問題については今後の逓信委員会で私も具体的にいろいろな方々の意見を聞きながら質問を続けてまいりたいと思います。
 最後になりましたけれども、これは電波法にもかかわる問題でありますけれども、例のいわゆるやらせ事件で民間放送あるいはNHKに対して四半期ごとの報告を義務づけました。私はNHKのやらせの問題のときに、自主的努力に任せると言ったのなら、そうたびたび出させるものではない、一回の報告があればいい、そのような趣旨のことを申し上げましたけれども、簡単に、その後どうなったか。私は二回も三回もやらせるべきじゃないと思うんです。それについてお答え願いたいと思います。
#49
○政府委員(木下昌浩君) その後の問題でございますが、朝日放送、読売テレビ、NHKとあるわけでございますが、朝日放送につきましては、昨年の十二月に一度報告いただき、ことしの三月に二回目の報告をいただいております。読売テレビはこの三月に報告いただいております。NHKは六月中には報告がいただけるものと思っておりますが、いずれにいたしましても、この再発防止の取り組みが十分に機能していると認められる時期までと考えておるわけでございます。
 報告期間は、御指摘のとおり短ければ短いほど好ましいものだと私も考えております。先般も申し上げましたが、一つのめど、区切りとしては再免許の時期までかなというふうに考えていたところでございますが、さらにまた、このような形で報告を聞いておりますと、大変真摯に受けとめて措置しておられるというところから、この六月の報告内客を見た上で、引き続き報告を求めるかどうか判断したいと考えております。
#50
○中尾則幸君 もう時間もありませんので意見だけ申し上げます。
 もう二回もあれして、再発防止について積極的に取り組んでいるんであれば、それがわかっている段階で即刻私は再提出を求めるべきじゃないと思います。もちろん、NHKはこれからでありますから、一回は報告していただくことになろうかと思いますけれども、そのことを強く要望いたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#51
○委員長(野別隆俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十分まで休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時四十八分開会
#52
○委員長(野別隆俊君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、電波法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#53
○及川一夫君 大臣並びに政務次官が時間どおり出席しているのに委員の方がちょっと足りない結果になりましたけれども、これは率直に言って、私は理事の立場だから言うわけではありませんが、定例日外の開催でありまして、そういった点では、他の委員会が定例日ということで開催されておりますので、そちらがどうしても優先をするようなこともあってこういうような状態でありますが、我々は委員会を一度も成立させなかったことはないので、ひとつ御了解願いたいと思います。
 それで、私、今度の電波法の一部を改正する法律案というものを見まして、物のついでではないですけれども、電波法全体を少し読んでみたわけなんですが、やはりこれを国民に示した場合にはなかなかもって難解だなという感じがするのであります。
 そこで、今回の法律の一部改正でも、なかなか難解だということを前提にされたんだと思いますが、郵政省の方からせっかく図解をしまして、どこをどう直すのが今回の法律案だということをこのように実は示してもらったわけです。(図表掲示)これを見たときにどういうイメージを持つかということになりますと、これはトラックに積んでいる一つの機械、いわば無線機ということになると思うんです。そして改造したこれが要するに不法電波を出すいわば元凶であるということを郵政省として説明された。それは間違いない。
 ただ問題は、法律条文との関係で言うと、どうもこのイメージと法律改正として出てきている条文というものを対置してみると、何が何だか率直に言ってわからないという気がしてならないんです。
 法律条文ではこれを無線局とこう言っているわけです。コードレスは入らないんだけれども、これ自体も発信と受信ができるわけで、一番先に電波の有料化というものを論ずるときには、これ自体も有料、つまりお金をいただくということの発想でいろいろ検討されたという経緯があるように、送信機であり受信機であるということになる。したがって、これも局だというふうに位置づけた論議の経過があるわけなんですよ。
 我々は、局というふうに言われると、貯金局であるとか、簡易保険局であるとか、電報局であるとか、国際電信電話局であるとか、何か局というとえらいでかいものに大体常識的には、言葉の意味は別にして想像すると思う。だから、この法律では無線機と言っていませんから、全部無線局になっちゃっているわけです。したがって、改造すること自体だって、改造という言葉は一つもないんです。
 それで、これは工事ということになっている。こういう小さいものでも改良、改造という工夫を加えると工事という規定になっている、この法律では。工事ですよ。それで、法律がつくられた以上、無線というものを使う人はこの法律によって拘束される。守らなかったら罰則というのがあるわけです。そういうものがあるんだったら、電波法自体もっとだれが見てもわかるような言葉を使い、同時にまた条文をつくるべきじゃないか。
 法律というのはあらゆるところでそうなんで、一気がせいにやるわけにいかない。大変だなとは思うんだが、どうもその辺のことをやっぱり時間をかけても改めていく必要が僕はあるんじゃないかなと。とりわけ罰則というもの、しかもこの言葉の中には不法電波という言葉もありません。しかし、現実にここで論議をしているのは不法電波が問題なわけでしょう。
 それによって電波障害を起こして、人の今までねらってしまうというようなことがあるから、逓信委員会では毎年論議をされて、そして郵政省のいろんな努力があってこういう法律の改正という形で出てきているんです。せっかくの改正なら、世間万般にわかるような法律条文あるいは法律用語にした方がいいというふうに思うのだが、法制局もこれあり、なかなか難しいと思うんですが、この辺どうですか、政務次官、せっかく出てきていただいたので、お互いに素人ですから、私の言ったことを御理解いただけるかなということをちょっとお伺いしたいんですが、どうですか。
#54
○政府委員(斉藤斗志二君) 委員にはわざわざ御指名いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 委員の御指摘のとおり、私もこの法案読まさせていただきましたけれども、なかなか難解だという感じはいたしております。国民にとってわかりやすいものでなきゃならないということは大原則だと私も思いますけれども、法律そのものの性質というのがあるかなと思います。
 特に、この法律というのは、正確さを要求することによって国民に規律を求めるという性質のものがございますので、その点の兼ね合いがなかなか難しいのではないかと思っておるところでございます。
 委員の御指摘のとおり、国民に御理解いただかなければこの法律の意味もございませんものですから、国民にわかりやすいように、それの内容がよく伝わるように可能な限りの努力をすべきだと思っております。
 大変簡単ですけれども、答弁にかえさせていただきます。
#55
○及川一夫君 これは郵政当局とか政務次官や大臣だけが心がける問題ではなしに、一応法律の成立には議員である我々も参加をすることですから、今政務次官が言われたような心がけを持って法律の制定に当たらなきゃいかぬという思いでありますので、特段批判的な意味で言うのではなしに、そういう問題点を抱えていますということです。したがって、この法律の施行を求めていくにしても、販売業者あるいは機械を買った人たちに対する対応というのは、十分配慮せねばならぬことではないかという感想を持ったということをひとつ訴えておきたいというふうに思います。
 そこで、第二の問題なんですが、電波の利用料制度というものがことしの四月一日から施行されましたですね。みんなお金を出す話になってくるわけですから、当然これは公正でなければいけないというようなことを含めて、当然郵政省としては宣伝、周知というものを行われたと思うんです。一体どういったことを行われたか、まず白井局長にお伺いしておきましょう。
#56
○政府委員(白井太君) 電波利用料制度のスタートというのは、政府にとりましても大変大きな出来事の一つでもございますので、まず基本的には、政府広報の一環といたしまして、予算的には総理府の方で予算措置がなされておりますが、そちらの方の予算を使いまして、テレビジョンを利用しての周知広報の番組を流しますとか、あるいは新聞などに同様の広報を載せますとか、あるいは雑誌についてもそのような措置をとったりもいたしました。
 それからまた、そのほかに、それぞれの地方におきまして、私どもの電気通信監理局の方で主催をして説明会などを開いて、制度の趣旨などの御理解をいただくということをさせていただいたりもしてまいりました。
#57
○及川一夫君 総理府の予算をとってというお話でしたけれども、郵政三事業には宣伝広告費というのがございますね。それで、利用料金の具体的な支出内容というものを見ると、必ずしもそういう内容のものが実は見当たらないんですね。したがって総理府の予算を使ったのかなということになると思うのだけれども、電波の利用料なり無線のこういった法律を宣伝する場合には、政府広報としての総理府予算を使うということは今後もずっと続けるんですか。
#58
○政府委員(白井太君) 政府内部の問題として、一般的には、政府としての広報活動というのは総理府の方で一元的に予算措置をするというような考え方でできているものですから、大変大きな金額のものというのは実は総理府予算ということで予算の中に計上されております。それで各省は、政府広報として広報の必要が出てまいりましたときには、総理府の方にお話をいたしまして、そちらの方の予算で先ほどもちょっと申し上げましたような周知とか広報などをさせていただくというのが大きな原則になっております。
 ただ、電波利用料のようなものにつきましては、もちろん初めてスタートさせるという制度でもありましたので、ポスターを作製いたしますとか、そういったような経費も要るということで若干の金額は予算にも盛り込ませていただいておりますが、一般的に申し上げますと、各種の施策についての予算がありました場合には、その予算の実行の問題といたしまして、その施策に必要な広い意味での周知にわたるような活動のために経費を使うということは予算的にはなされるわけでございますが、一般論でございまして、電波利用料については、ただいま申し上げたようなことで、全体としては政府広報の予算を大きく使わせていただきましたが、そのほかに、予算で認められたもので電波利用料に関するポスターをつくるとかいうようなことをさせていただいておりました。
#59
○及川一夫君 私も別に広告宣伝が悪いということを申し上げるつもりはないんですが、きょうは。郵貯なり簡保の局長はおいでになってないが。かなりの額は額なんですよね、三事業の宣伝広告費というのは。為替貯金事業、これは郵貯のことなんだろうけれども二十七億ぐらいありますし、それから郵便事業の方でも十二億ぐらいある。簡易保険だって八億強あるということですから、これを足すと結構な額なんですよね。それは必要なんだから要求して予算化していると思うんだが、この電波のことについては予算化するほど宣伝広告はやらないという前提に立ちますか、担当局長として。
#60
○政府委員(白井太君) 私ども郵政省の場合、予算といたしましては、大きく分けますと、郵政事業などのための特別会計と、それから私どもの今担当いたしております電気通信あるいは電波に関する一般会計の予算とに実は分かれておりまして、ただいま及川先生がおっしゃいました郵便貯金あるいは簡易保険等の周知広報関係の予算というのは、まさに郵便局でやっておりますような仕事にかかわっての営業活動としての広報費、あるいは宣伝費と言ってもいいかもしれませんが、そうした経費でございます。
 もちろんこれを一般会計のために使うということはできないわけでございますが、じゃ一般会計の方ではそうした周知活動のための予算は必要ないのかというお尋ねだと思いますけれども、もちろんこれはのどから手が出るほど欲しいというのが私どもの率直な気持ちでございますけれども、一般会計の予算というのが現下の財政状況から大変厳しい状態に置かれまして、間もなくというか、もう既に始まっておりますが、次の年度の予算のシーリングといいますか、予算の要求枠の問題で既にいろいろと関係のところとの内々の折衝を始めているような状況でありまして、その予算枠が厳しいということから、広報関係の予算に限りませんが、必要な予算についてもなかなか十分な額の確保ができないというのが実情でございます。
 それから、考え方の問題としては、先ほど申し上げましたように、政府広報というのは総理府で一元的に行うというようなことを基本的な考え方として予算を組んでいるものですから、各省庁に一般会計の部門でかなり大きな金額の広報予算がつけられるというようなことはほとんどないというのが実態でございます。
#61
○及川一夫君 これは先行き僕は議論になると思いますが、手数料と利用料金と二つに分けているわけでしょう。手数料というのは今までもずっとあったわけで、大蔵省に入って、大蔵が全体の予算の中で、それを全部よこすか一部よこすか知りませんが、いわば予算という格好で来るわけでしょう。しかし、この利用料金というのは別枠になっていますね。したがって、余れば余ったなりに来年度繰り越しという措置をとられるわけで、したがって性格の違いがある。
 さらにまた、午前中も議論がありましたけれども、利用料金の体系にしてもそれから利用料金の高さの問題にしても、一体どういう根拠かという問題は必ず出てくる。そうすると、不法電波を防衛するためにいろんなシステムをつくります、そのために利用料金を使っていますということの関係からいえば、周知徹底をするのにこのお金を使っていいのかどうか。いやそれは手数料の分だと。これもどう区分けするかの問題があるが、いずれにしてもこれから先、繰り越しのきく性格を持たせた利用料金だということになれば、将来値上げの問題も出てきたりなんかすると根拠は必ず問題になってくるというふうに考えるので、これはぜひ念頭に置いていただいた方がいいんじゃないか、こういうふうに思います。
 そこで、これに関連してもう一つ聞きたいのは、周知宣伝をするときに、民放などのコマーシャル、こういうものを機関を通じて周知徹底を図られたことがありますか。
#62
○政府委員(白井太君) 私どもとして直接お願いをしたということはなかったと思いますが、一部新聞報道にもあったかと思いますが、地方の電気通信監理局の方で地元の放送局などに、電波利用料制度というのが新しくスタートするのでひとつ何かの機会に周知というものについても御協力をお願いしたいというような趣旨の働きかけを行ったという事実はあったようでございます。これは私どもとしてお願いをするベースの話であることは当然でございますので、お願いはするとしても、それを聞いていただく民間放送会社の方で何か圧力をかけられたとか、そういうようなことがあったとしたらまずかったなというようなことは、後になってそういう話はいたしたわけでありますが、事実としては地方においてそういうお願いをしたことがあったということをお聞きしております。
#63
○及川一夫君 コマーシャルを利用したって何したって悪いとは言いません。問題は、局長答弁の中にじわりじわりとにじみ出るようなお願いという言葉が出てくるんですよ。お願いとは何ぞやと。やっぱりコマーシャルを利用するのならコマーシャル代というのは当然払わないかぬので、それを払わないためにお願いをするということになると、これはどうなるんですかね。
 郵政省と放送会社ということを考えると、直接許認可の関係が出てきますわな。しかも、記事だからどこまで信用するかというのはあるけれども、郵政省側は、例えば取材を受け、それがどのような記事になったかを教えていただきたいとお願いするのと同じように考えてもらいたいというようなことを、これは本省ではないんだろうけれども、電気通信監理局というのがやったというようなことが要するに報道されているわけですよ。これはよくないなと。
 そのために使えるかどうかは別にして、利用料金まで取っておって、手数料まで取っておって何でそういうことをやるんだということは当然のこととしてやっぱり疑問が出てきますよね。だから私はこういうことをやるべきじゃないし、郵政三事業にもちゃんと広告宣伝費があるのなら、直接営業活動ではないにしろ、そういう必要性のあるものについては、そんなもの頼むのじゃなしに、ただでやってくれなんて言うんじゃなしに、やっぱり出すものは出すという前提で出さないと、コマーシャルベースでやるというふうに郵政省がきちっとした態度をとらないとさまざまな疑惑が出てくるということに私はなると思うんです。
 政務次官、この辺になってくるとやはり政治家がどう考えるかという問題にもなるわけでして、局長も反省的な意味合いを含めてちょっと言っておられましたから、いかがですか政務次官。
#64
○政府委員(斉藤斗志二君) なかなか難しい御質問を賜りました。今局長からお願いベースであったというような発言もあったわけでありますけれども、これは是々非々で、また国民の皆さんに誤解を与えないような格好でしなきゃいけないというふうに思っております。
#65
○及川一夫君 これは別に悪口を言っているわけじゃないんです。これから毎年毎年さまざまなやっぱり要求が出てきますよ。僕もそんなつぶさに見ているわけじゃないけれども、いろんな雑誌の中に、免許を受けた日から一カ月以内に払いなさい、こうなっているのに、納付書が免許をいただいてから十五日もたってから来てしまった。一カ月以内に納めるというから、あと十五日しかないけれども、それにプラス十五日してやっても怒られないんだなというふうに思っていたところが怒られちゃったとかね。やっぱり皆さんの方も新しい制度だからいろんな戸惑いがあるんだろうけれども、一つ一つやっぱり気を配らないと、事は有料だというだけに、いろんな注文がついてくることを考えると、ぜひ誤解のないような措置をされるように強く要求しておきたいと思います。
 次に、電波利用料の収支の問題でありますが、大体予算で見ると七十五億ということになっていますよね。したがって、免許の登録者の数というのは一体どのぐらいになっているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#66
○政府委員(白井太君) 徴収対象の無線局の数として考えておりますのが九百三十万局ということになっております。
#67
○及川一夫君 大変な数だというふうに思いますが、これからもますますふえるだろうというふうに思います。問題は不法電波にかかわる法律自体の問題ということになっていくと思います。
 したがって、そこに論点を絞っていきますが、その前に、電波政策懇談会というのがあって、平成三年度にそこが報告を出しましたね。そして、不法電波問題をとらえて、総合的な電波監視システムというものを導入すべきじゃないかということが指摘されているわけですね。したがって、本年度の予算の中には早速こういうものをやろうとする計画、もし計画がなければいつそんなことを考えられるのか。同時に、総合的電波監視システムというものはどういうものなのか。ごくかいつまんで結構だと思いますが、教えていただきたいというふうに思います。
#68
○政府委員(白井太君) 電波利用料として入ってくるお金を利用いたしまして、ただいま先生がおっしゃいましたような電波監視のための施設の整備ということと、それから総合無線局監理システムをつくるという二つの大きなことをやりたいということで平成五年度の予算を組ませていただいております。
 その内容でありますが、電波監視施設整備につきましては、結論的には、不法無線局あるいは不法電波が出された場合にその発信源を捕捉する、捕まえるということを目的とした施設の整備であります。固定した設備といたしましては、専門用語で大変申しわけありませんが、遠隔方位測定設備でありますとか遠隔受信設備等を整備する。それとあわせまして、不法無線局が大体自動車に積まれて電波を発信しているというケースが大変多いようでありますので、そうしたものを捕捉するためにはどうしても監視をするための専門の自動車、電波監視車と申しておりますが、こういうものも順次整備をしていく必要があるということで、かなり機能を高度化させた電波監視車などを平成五年度においても整備するということを計画いたしております。
 それから、総合無線局監理システムというものでありますが、現在でも八百六十万局ぐらいにもう既になっておると思いますが、それだけの免許をいたしました数の管理を迅速にまた的確にやらなければいけないということでありますけれども、これをコンピューターを使いまして全国を一つのシステムとしてつくり上げるということが極めて緊急の課題としてあるわけであります。そのようなシステムができますと、このシステムの中には個々の無線局ごとに必要なデータがすべて入りますので、周波数とかあるいは電波を発信する場合の電波の大きさでありますとか、そうしたものがすべてコンピューターに蓄積をされますので、ある電波が出た場合に、これが不法電波であるかどうかということがそちらのコンピューターシステムを利用すればすぐわかるということにも役立ち得るわけでございます。
 そのようなことから、電波の監視のための設備と、ただいま申し上げましたような総合無線局監理システムというのも、実は二つのものでありますけれども、大きな目的においては一つのものだと言ってもいいようなものでありまして、そのような設備がだんだんと整えられてまいりますと、もっと効率のよい不法無線局対策が講じられることになるのではないかと期待をいたしております。
#69
○及川一夫君 郵政省として、恐らく日本列島全体を対象にして今言われたようなシステムがすばらしいということになれば当然計画されると思うんですが、計画大綱的なものを出す考えはありますか。これを設置していく上での例えば二年計画とか三年計画とか、そういう意味合いで大綱を我々に見せていただくようなお考えはありませんか。
#70
○政府委員(白井太君) 正直に申し上げまして、我々の希望という形になるかもしれませんが、私どもの内部ではそうした構想のようなものは確かに持っております。ただ、これについて余り実は公にしていないと申しますのは、不法無線局対策としてどこから施設の整備がされるかということも余り知られたくないという面ももちろん一面においてないわけではございませんが、それ以上に、国の予算というのが単年度予算で、考え方としては毎年度毎年度予算が編成されるということで成り立っているものですから、私どもが勝手にと言ってはあれですが、独自に構想として大きな一つの構想を表に出しましても、必ずしも予算の裏づけがなされているわけではないというようなことでありますとか、財政当局との話し合いの問題も残っているとかいうようなこともありますものですから表には余り出しておりませんが、しかし、どうしてもこういう設備等は計画的に進めていくということが必要であることは申し上げるまでもございませんので、私どもの内部では、どういうところから、どういう設備を、どういう順番でやっていくというようなことは、いろいろな構想は内部では持っております。
#71
○及川一夫君 いずれそういう計画が内容はともかくとして発表されることもあるでしょうが、できるだけ早くしていくということでなければいけないんじゃないかという要望を申し上げておきます。
 次に、郵政省の資料、特に無線に係る資料を見てみますと、ここ五年ぐらいの間に不法電波というものを把握した数、皆さん方の言葉では不法無線局の把握局数というのが実はあるわけですよ。これを見てみますと、平成三年というのが三万八千四百八局で、異常に飛び抜けて高いということと。それからこれに対する措置率というのがあるんですけれども、三千幾つで九・一%。対応したけれども、それがわかったとか成功したとかという意味合いだと思うんですけれども、それが異常に低いんです。一体これはなんだろうということを知りたいということであります。
#72
○政府委員(白井太君) 平成三年度の数字で申し上げますと、地方電気通信監理局の方でこれだけの不法無線局が確かにあったということを把握した数としては約三万八千局ございます。その中で、実際にだれがこの電波を発信したかということまでつかまえまして、違法の度合いが強いケースにつきましては告発というような厳しい措置をとるものももちろんありますし、初めてのケースだとか、あるいは極めてそうした行為について情状が軽いというようなケースについては、電波を出す場合の秩序というようなものについていろいろ御本人にお話をして、告発まではしないで、いうなれば指導という段階にとどめているというようなものがあるわけであります。それらを含めて実は三千五百局について措置をしたという記録になっております。
 実は、不法電波が確かに出ているということがわかったのが三万八千もありながらというか、その前後の年に比べて飛び抜けて確かに数字が高いわけでありますが、その数字に比較いたしますとつかまえた数字がちょっと低いということになるわけでありますけれども、これは格段の理由が特にあるというわけではありません。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、自動車に無線機を積んで走りながら不法電波を発しているというケースが圧倒的に多いものですから、なかなかその現場をつかまえるというのが技術的に難しいというようなこともありまして、このような数字になっていると考えております。
#73
○及川一夫君 同じような問題で、不法電波による障害を受けた場合に大変大きな事故につながるのは航空機なんかの管制障害です。消防問題では災害を大きくしてしまうという点で、これは皆々同じじゃないけれども、特に僕は見逃すことができないというふうに思っているんです。これも同じような意味で平成四年を見ると、両方とも百六十件以上で、やっぱり前後の年を見ると異常に高いな、こう思うんですね。したがって、これは一体どういうことが原因で、どういう障害があったのかということを知りたいなというふうに思います。
#74
○政府委員(白井太君) ただいま先生おっしゃいましたような消防とか航空でありますとか、あるいは放送・通信というような通信については、これを俗に重要無線通信などという呼び方をいたしまして、これらの通信に混信等の妨害があったときには、それぞれの関係のところから私どもの方へ教えていただくというか、申告をしていただくということをお願いしております。
 それで、その件数がただいま先生お話になりましたように、平成三年度、平成四年度とも消防、航空等についての混信妨害というのが百六十件とか、あるいはもう少し大きい数字などもありますが、大変大きな数字になっておるわけであります。
 細かな混信の事例の資料はちょっと今見つかりませんが、消防庁などのお話を伺いますと、火災が発生したというようなときに、必要な連絡をしようとしているときに妨害無線が入るというようなこともあるというようなこともお聞きしたことがございます。それから鉄道無線などにも妨害が入りまして、それが新聞記事になったというようなこともここ何度か経験をいたしております。それから、警察無線に対して不法無線局から電波を発しているということがわかりまして、何人かが検挙されたというような事例もあるわけでございます。
#75
○及川一夫君 そこで、不法電波を見逃すことができないという前提に立って、今回の法律の重要な改正部分ということに焦点を絞りたいのですが、午前中も中尾君の方から今回の告知義務ということだけで、あるいは技術基準適合証明書というものをはがすだけで一体不法電波障害から身を守ることができるのかという話がありましたが、ここは通産省の方もひとつ聞いていただきたいし、また答弁も求めたいと思うんです。
 だれがどう考えてみても一番問題だというのは、販売したときに告知をするとか表示をはがすとかいうことが問題ではなしに、販売業者が無線機を改造して売ることに問題があるわけでしょう。販売業者が製造業者でもないのにどうやって改造するんだということになると、もう一人いるような感じです。改造する業者がいる。僕は必ずしもメーカーではないと思うんですよ。だから、販売業者と技術者がぐるになって、販売業者がメーカーから十台なり二十台なり買ってきて、そしてそれをまとめて技術者に改造させて、そして販売業者が売るというやり方ですよ。犯罪になるかどうかは別にして。これ自体を規制をしなければ不法電波をとめるなどということはなかなかもってできないんじゃないか。
 無線機なんというのは個人が買う場合もあるわけでして、アマチュア無線といったってアマチュア無線者の中にはかなりの技術者がおりますから、自分勝手に部品をつけて回路をちょっといじって、そうすればもう大変な電波を発射することのできるような無線機に変わってしまうということはあるわけでしょう。
 これだってどうとめるかというような問題はあるが、今のところでは省が言っているようにこれは表示をはがせとか、これは免許が必要なんですよということを告知するとか、それでもって現状は対応するしかないかなと思うが、販売業者がやるという問題については、そこのところをきちっと押さえないことには依然として不法電波は出ていってしまうということになるんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#76
○政府委員(白井太君) 不法に行われていることの実態を正確に私どもがつかんでいるかどうかということについては若干自信のないところもございますが、ただいまの先生のお話に関連して一つの数字を申し上げさせていただきますと、平成三年度でありますが、全国で四百十五のこうした小売店舗を対象にいたしまして調査を実施いたしたことがございました。それで、そのうち五十四の店で不法無線局に使用されるおそれが強い無線設備の販売が確認されたところでありまして、中にはそうした不法無線に利用されるということを承知して販売をしていたという店もあったようでございます。
 したがいまして、ただいま及川先生がおっしゃいましたような事実も、数量的にどこまであるのかということになりますと、なお事実についてもう少し詳しいことがわからないと正確なことは申し上げられませんが、やはりかなりあると見ざるを得ないのではないかというのが私どもの率直な気持ちであります。
 しかし、販売業者のすべての方がそれでは悪いのかというと、それもまた事実とは大分違うようでありまして、結局は個々の利用者の方に、無線設備を販売する小売業者の万全員に御協力をいただいて、今度の法律案でもお願いをいたしております、例えば、無線機を使って電波を出すときには免許が要るんですよとか、あるいは免許を取らないで電波を出したときには罰則がかかりますよとかというようなことを一度お話をしていただく。そういうことをしていただくというのは、確かに悪意でやろうとする人を完全にそのことだけで防ぐということはできないかと思いますけれども、悪意で購入しようとする方だったとした場合におきましても、一たんそこで不法、違法ということについてきちっと認識をしてもらうということができるチャンスにもなり得るわけだと思うわけでございます。
 そういう意味で、今日の状況の中では、今回御提案を申し上げるのが関係の方々の大体側了解をいただけるぎりぎりの線だということで御理解をお願いしたいわけでございます。
#77
○及川一夫君 不法電波というふうに一口に言うけれども、航空機やあるいは消防車のようなものは無線機そのものも相当の出力を持ったものでしょうから、ある程度カバーできないわけではないだろうと思うけれども、例えば心臓にペースメーカーなんかをつけておられる方に不法電波が行って崩されてしまったら命にかかわるわけでしょう。だから、今局長が言われるようなことは精神訓話としか僕は受け取れないんだけれども、そんなことで不法電波をなくすことができるのかということを本当に疑問に思うんですよ。
 そこで、これは通産省の立場もあるので、僕は意見を伺っていいんですが、この資料によると、改造すると一口に言うけれども、その結果一体どういう結果をもたらすのかということになると、帯域は二十七メガヘルツということで同じであっても、八チャンネルしかとれないものを郵政省では認可しているわけでしょう。それが百二十チャンネルとれるようになるというわけですよ。大変な違いですよ。しかも電力は〇・五ワットで済むものが、一千ワットまで出力として出せるようになるということですから、当然通話射程距離というのはだっと伸びますよね。一キロまでだというふうに郵政省が言っているのに、それが十キロ以上行っちゃうと、こういうことですからね。
 病院なんか利用している電波との関係で言うと、どこから不法電波が飛んでくるかわからぬというふうな、そういうことを許すことに実はなってしまうんですよね。だから我々の気持ちからいえば、完全にシャットアウトしたいと、そういうものでなければいけないし、またそれ自体は、何か人権無視とかあるいはほかの人たちの権利を抑圧してしまうとか、そういうものではないんじゃないかというふうに率直に言って思うんですよ。
 だから、今回ここにとどまったということについては、それはいきさつあるでしょう、法制局の立場もあるだろうし、それから通産省も製造業者のことの関連を考えながらこの辺が今回は限界ではないかというふうなこともあったのかもしれませんけれども、しかし、よって立つ基盤というのは私が今申し上げたところに置かないと、いつまでたってもなくならない、こういうふうに私は思うんですが、通産省、その辺はどうですか。
#78
○説明員(三宅信弘君) 通産省といたしましては、無線機器産業の健全な発展を図るとの観点からも、現在の不法無線問題は重要な問題であることは十分認識しております。このため、これまで郵政省とも協力しつつ、不法無線の問題に対する適切な対策について鋭意検討をしてきたところでございます。
 今回の不法無線局対策におきましては、改造無線設備等であっても免許を取得すれば合法的に使用できるという現行制度を踏まえ、無線設備の製造、販売段階で法律上直接的な規制方策を講ずることとしなかったものでございます。しかしながら、不法無線問題の重要性にかんがみ、とり得る最大限の措置として免許情報告知制度を創設し、指定無線設備の小売業者に対し、購入者に免許制度への正しい理解と認識を求めるための免許情報に関する告知義務を課することにより、不法無線局対策の実効を上げようとするものでございます。
 通産省といたしましては、不法無線局対策の重要性を十分踏まえ、かかる告知制度について製造業者、販売業者等に関する業界団体等に対し周知徹底を図る等、郵政省と協力して不法無線対策に努めてまいる所存でございます。
#79
○及川一夫君 型どおりの答弁ですから、それなりに理解はできますよ。ただ、そこにプラス人の命ということを加えた場合にそういう答弁だけでいいのかどうかということを僕は考えるべきだと思うんですよ。俗に言う、生活者の立場に立つか生産者の立場に立つかという面では、今の御答弁では私はやっぱり生産者の立場でしかないと思うんですよ。
 大体技術の発展なんというのは、いろいろみんなの知恵を出し合って、いろんなことをやってどんどんどんどん発展をしていく。時と場合には失敗する場合もある。時と場合には人を殺す場合もあったかもしれませんよ、今まで、間違っちゃって。そういうものを積み重ねて私は無線技術の問題も発展してきているとは思うんだが、しかし、これまで無線に頼っている社会ということになれば、アマチュアだけの無線じゃないわけです。それこそ社会の構成一つ一つに無線というものは絶対的な条件として定着をしているわけですから、その秩序を乱すようなものについては、やっぱり断固たる措置をとるという前提がないと大変な私は事態になると思うんですよ。
 そこで、通産省にお伺いしたいんだが、「アクションバンド」誌というのは御存じですか。
#80
○説明員(三宅信弘君) アマチュア向けのそういう無線の雑誌だと聞いております、
#81
○及川一夫君 課長、そう言ったって恐らく初めて聞いたんだと思うんだ。だから、知らないという正直な答えでなきゃだめなんですよ、こういうものは。僕だって最初から知っていたわけじゃないんですよ。いろんなものを調べているうちに見つかっただけの話なんです。
 私はなぜ聞いたかというと、送信改造とはという言葉に対する定義と物の考え方がああこんなにもあるものかなと思って、感心をしながら実はびっくりしていたわけですよ。つまり改造するということに対しては、アマチュア無線でかなりベテランになってくると、また無線に対して興味を持った人というのは、改造することはまず悪いことだとは思っていませんわな。それが郵政省から免許をもらわないと使えないものだと思っても改造してしまう。しかし、これは仮に裁判になったときには、何か障害が起きて裁判になったときにはどういうふうに立論をしていくかというふうな観点からこれは議論されているんですよ。
 どだい無線機というものは、つくったらもう無限大にいろんなことができるんだ、それが原則なんだと。機能を抑えるのは、回線を右に曲げたり左に曲げたり、あるいは部品をとったり何かして出力を抑えていくのが無線機の大体原理なんだと。だから、部品をつけて回線を曲げて出力を大きくするというのは、これは改造じゃない、つくり変えているんじゃない、これは復元をしているだけだという解釈なんです。
 そうまでして、そういう防衛の論理があって、しかも販売業者がメーカーから何十台買ってきて、そして改造させて、これは出力がすばらしいよということで売っている実態が、トラックやろうと言われる人たちが大いにやっている無線機じゃありませんか。それがかなりの障害を起こしているという実態にあるわけなんですよ。
 もちろんそれは、課長さんのお答えの中には、製造業者に対してもいろいろと注意をしなければいけない、販売業者に対してもそうだということをおっしゃられる。しかし、それだけで済むのかどうかということが私はどんなことがあったって問題だと思いますから、これで事足りるという立場に立つべきじゃないというふうに私は思います。
 そして、その前提で、販売業者の告知という問題とそれから情報の提供、この情報の提供という問題は、告知をするという情報の提供と、書いてはいないんだけれども、郵政省に業者として情報を提供する、それがあるのかないのかということもこれでは明確でないのではっきりしてもらいたいというのと、それから販売業者の報告ということがありますよね。その報告という報告の中身は何なんだと。定期的にやるのか、問題が起きたときにゃるのか、そこには住所と名前ぐらいのことがあるのかないのかということは、ここから見ると必ずしも足かじ、やないんですよね。したがって、その点をはっきりしてもらいたい。
#82
○政府委員(白井太君) いわゆる告知制度として業者の方にお願いをいたそうとしておりますのは、まず特定の無線設備、これは実際には不法電波によく利用されるという危険性の高い無線設備を考えておりますが、そういう無線設備について買いたいというお客さんが来られたときには、この無線設備を使って電波を出すときには免許が要るんですよということをまず言っていただく、そして、それを承知の上でお客さんの方がその無線機を購入するということになりましたら、もう一度改めてこれは免許を取らなきゃいけませんからねということを念を押していただいて、その上で改めて、免許を取らないでこのまま使って電波を出しますと罰則が科せられることになりますからというようなことをお話ししていただいて、あとは免許はどこに出せばいいかというようなことをお教えいただく、これが法律の中身になっております。
 したがって、善意に解釈をいたしますと、知らないでそのまま免許も取らないで使うということをしたかもしれないような方に対して、改めて免許が要るんですよということを教えていただけば、その方も、そんなにパーソナル無線のような場合に免許手続は複雑じゃありませんから、簡単な手続で免許が取れますので、そういうことで免許の手続をとってくださるんじゃないかと。これは善意の方なんですけれども、しかし善意の方ばかりでないということも考えなきゃいかぬわけですが、そういう場合にもこれは違法ですよということを一度申し上げるということは、御本人が一たんは立ちどまって違法なことをやるわけにはいかないなという、いわば大げさに言いますと反省をしていただくというか、そういうチャンスにもなり得るとも思うわけでございます。
 ところで、業者の方にそうしたことをお願いするものですから、これはある意味では小売業者の方の協力を得て成り立つ制度でございます。しかし私どもとしては、今度の改正法案の中にも書いてありますように、必要な場合には郵政省といたしましても小売業者の方から業務についていろいろ御報告をいただくとか、場合によると業者の方の事務所に立ち入って帳簿等の検査もさせていただくということもこの規定の中に入れさせていただいておりますが、これを初めから振りかざしてということもなかなかこれはしにくい。と申しますのは、もともとこの制度というのが小売業者の方の協力を得て初めて成り立つ制度なものですから、これはどちらかというと最後の手段といいますか、目に余るようなときにそういうこともやり得るという規定だとまずは考えたいわけでございます。
 したがいまして、法律を通していただいて実施に入った段階でいろいろ実情を私どもとしても勉強をさせていただいて、この法律に基づいてどういう措置をとっていくかということについても、その状況を見ながら法律の趣旨を最大限生かして不法対策をするということにさせていただきたいと思います。
#83
○及川一夫君 通産省の方、どうもありがとうございました。
 私もこの法律については反対でないし、賛成だと。賛成だが不十分だと。我々も勉強して、やっぱり弱点はなくしていかなきゃいかぬという気持ちでありますから、無線というものと切っても切れない社会になってきているということを考えたときには、できるだけ情報を収集してもらって、万全なものにしていくように努力をしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次の問題に移りたいというふうに思うんですが、これはこの法案とは直接関係ないかもしれませんけれども、放送局の開局の問題について質問させていただこうと思っております。
 まず、放送局を開局するに当たりまして、免許申請をしてから開局まで大体どのくらい要しているのか。もうほとんど都道府県には二局ないし三局ぐらいは放送局が開局しているわけですから、大体どのぐらいで開局という実態になるのか、それをちょっと教えていただきたいと思います。
#84
○政府委員(木下昌浩君) 放送局の免許処理でございますが、チャンネルプランを出しましてから申請を受け付けるわけであります。そうすると、申請の数だとかその申請者の意見、要望によっても異なるわけでございます。
 その処理の期間でございますが、最近十年間に開局をいたしましたテレビジョン放送局が二十二局ありまして、FM放送局が三十五局ありました。これを見てみますと、免許申請を締め切りましてから予備免許をするまでに要した平均年月は、テレビジョン放送局で約二年七カ月、FM放送局で約三年五カ月でございました。予備免許を受けてから送信所、演奏所の工事等の具体的な準備に着手することになりますが、一般的には、予備免許後は一年から一年半ぐらいの間に開局している、こういう実態でございます。
#85
○及川一夫君 最近では東京U局問題がございまして、既に会社もつくられたというふうに聞いているんですが、東京関係についてはどういう状況になっていますか。U局関係についてちょっとお尋ねしておきます。
#86
○政府委員(木下昌浩君) 東京の場合には、昭和六十年ごろから、東京都などから新たに都を放送対象地域とするテレビジョン放送局のための周波数を割り当ててほしい、こういう話がありまして、その過程においていろいろな御意見があったわけでございますが、結局のところ郵政省では、この周波数の割り当ては平成三年の一月三十日でありました。平成三年三月三十日に申請を締め切っております。その間に百五十九件の申請を受理いたしております。その三月三十日の申請締め切り後、各申請者からの意見を聴取いたしましたり、あるいはその調整等所要の手続を経まして、平成五年二月一日に東京メトロポリタンテレビジョンに対して予備免許を付与したという経緯になっております。
 現在、東京メトロポリタンテレビジョンで予備免許を受けましたので、今工事等をやっておるところでございまして、建物が完成するのが平成七年と聞いております。
#87
○及川一夫君 郵政省が当初示した計画からいうと、一年ぐらいおくれていますね。
#88
○政府委員(木下昌浩君) 調整を始めましてから、この後の調整のスケジュールについて確かにお示ししたことがございまして、それに比べますと若干おくれております。これは調整が難航してそういう結果になっておるわけでございます。一本化調整という言葉を私ども使うわけでございますが、百五十九件の申請者がひとつ一緒になって、そういう熱意のある方々が一緒になってやられたらいかがですかということでございますが、ところが最後の最後までこれが一本化ができませんで、結局百五十八件と残り一件との競願処理ということに相なっております。
#89
○及川一夫君 おくれた原因は一本化調整だけですか。
#90
○政府委員(木下昌浩君) 結局は一本化調整のおくれでございます。その過程においてどういう形の会社にしていくかということを皆さん方の間で議論がなされ、その間の調整に手間取ったということでございます。
#91
○及川一夫君 これまでの経過の中で、新局をつくるということになったときにその新局をつくる理由、目的、こういう内容とかあるいは開局に当たっての規模、例えば資本金あるいは常勤役員の数、社員の数、さらには株式配分の大枠といいますか、どういうところがこの会社の資本を負担するかというようなことなどを提出するのはどこが計画するんですかね、開局する場合に。
#92
○政府委員(木下昌浩君) 一本化調整というのもいろんな形がございます。過去の例で申し上げますと、例えばその地域の経済団体が中心になって調整をされる場合、あるいは地方公共団体の知事さんとかそういう方々にお願いする場合、あるいは郵政省が直接に調整に乗り出す場合、いろんな場合が考えられます。
#93
○及川一夫君 具体的に問題が提起をされて、いろいろ関係者が寄って論議をした、まとまらぬ、だれか調停役がいないとまとまらぬなということはどんな社会でもありますわな。したがって、その中の一員としてたまたま郵政省だということも起こり得ると思う、この問題では。それは認めます。
 しかし、東京メトロポリタンテレビジョンの問題ではそういう常識的な経過を通ったんでしょうか。郵政省のそれこそ案として、メトロポリタンテレビジョンを開局する目的は何か、理由は何かということを書き、新局の規模は資本金百五十億円、あるいは常勤役員は八名、社員の数は百五十名程度、株式配分も大枠として地元経済六〇%、マスコミ、公共・公益、それぞれのパーセントを付して、それを郵政省の側から提案をしたということがいろんなところで明らかにされているんですが、これはどうですか。
 恐らく木下さんは当時担当ではないと思うので、あるいは関係ないかもしらぬけれども、しかし郵政本省としては私は関係あるように思う。それを認めている書類もありますよね。そういうことというのはあり得ていいんでしょうかね。
#94
○政府委員(木下昌浩君) 東京UHF民放テレビ局の設立の経緯につきましては、先ほど言いましたように、平成三年の三月三十日に百五十九件の申請を受理しましてから、その後郵政省におきまして申請者からヒアリングを実施しております。申請者の皆さんがどういうことをお考えなのかその主張点をより明確にしていくことが必要だったということでヒアリングをやっております。そしてまた、全申請者に質問書を出しまして、全申請者からいろんな回答書を受理をいたしております。そしてさらにヒアリングを行ったりいたしまして、結局、そういった申請者の方々の意向を踏まえまして、どういう形の放送局にしていったらいいかということの大方の意見ということでまとめてお示しをしたものというふうに理解しております。
#95
○及川一夫君 今の放送局長としてはそう理解したと言うんだが、経過は全然違うんです。
 問題の発端は、東京都知事、それから東京商工会議所会頭の石川六郎さん、こういう方々が発起人になってやっているわけでしょう。本来ならそういう方々が新局の目的やら、資本金やら、規模やら、資本金のそれぞれの受け持ち分担というやつを一応案としてつくって、いろいろ論議をするがどうもまとまらぬ、そこでちょっと郵政省入って調整してくれぬかというような、百五十九のぜひ参加をしたいという方々を含めてやるのが普通のやり方だと思うんです。東京メトロポリタンの場合にはどうも郵政省が提案した経過になっておるんです。それが大きな原因になって、参加する人がちゅうちょしたり、おかしいんじゃないかというような話が行ったり、大変なもめ方をしたというふうに私は聞いているわけですよ。
 だから、今もう東京のやつは二年後に開局するという目的に向かって、会社も四月に発足をして、資本金も集まって、実際の放送計画をどうするかということで話が始まっているというふうに聞いていますから、それ自体はもういいけれども、これからの新局の開局というのは一体どのぐらいあるのか私は知らぬけれども、一々そういったところに郵政省が先駆けて何か問題を提起していく、そしてまとまれまとまれというようなやり方というのは、やっぱり放送という事業の性格からいっても、放送局の自主性というものが保たれなくなったらそれこそ表現の自由から始まって憲法上の問題も出てくるじゃないか、絶対にやってはならぬことではないかというふうに私は思う。
 同時に、いいことか悪いことか、要請されたのかどうか、私はそこまで詳しくは知らぬが、郵政省出身の方が専務で行くという話までついておる。では、東京だけだろうとこう思って少し調べさせてもらうと、地方ローカル放送局の重役には郵政省出身の方も二十名以上現実に今おられるわけです。これはまあ別の問題かもしらぬけれども、何かそこに、郵政省が入れてくれないんならとは言わないだろうが、そう見えるようなことがいわば申請から開局までの期間と。しかもこの申請するというのは、大体話がおおむねついて申請をするんじゃないですか。
 東京の例だって、まあ正直に六十年からと言われましたからね、確かにそうですよ。しかし、実際に申請をしたのは平成三年じゃないですか。三年間ぐらいいろいろ郵政省に対して東京都知事が要請行動をやっている。だから、東京なんかからいえば、それこそ六年間かかった、八年間かかった、こういう認識なんです。そこにこの人事の問題まで無理無理くっつけて考えると、何かあるんじゃないか、おかしいよというような発想に私は受け取られやせぬかということをむしろ心配するわけです。
 やっぱり放送というのは、一極に集中しちゃいかぬというような問題を含めてもうさんざんばらばらいろんな議論をしてきているわけですから、少なくとも許認可権を持っている郵政省が誤解をされるような、そういうことは僕はやめるべきであるということを申し上げておきたいんですが、いかがですか。
#96
○政府委員(木下昌浩君) 確かに委員御指摘のとおり、行政をする立場といたしまして、疑惑を持たれないようにしていくことは当然のことだろうと思います。
 しかしながら、東京だけではございませんが、地方都市におきましても三百、四百という申請が出てくる。それからまた、あるところでは千五百という申請が出てきたりしたところもございます。こういうものを自主的に自分たちでまとめて、これがまとまればいいんですけれども、なかなかそうはいかないという事例が大変多いわけでございます。
 したがって、それぞれの段階で、これは同じグループではないかという作業をしてみたり、そこの代表者からどういうふうな会社にする意向なのかということをいろいろ意見を聞いてみたり、行政として調整の過程でいろんな御意見を聞きながら、それではこんなふうな形でしたらどうですかと、こういうようなこともあり得ると私は思います。
 しかしながら、総論的に、先ほども委員御指摘の点については十分注意していく必要があると思います。
#97
○及川一夫君 今後の問題としてひとつとらえていただいて、今答弁されたとおりの立場をぜひとっていただきたいというふうに思います。
 それで大臣、私これで終わりますけれども、電波法というのはなかなか庶民には取っつきにくい法律なんです。大臣はちょっと衆議院の関係があって退席されたんですが、そのとき私は申し上げたんだけれども、無線機というものが局に変わって、改造という言葉が法律上は工事になっている。そういう前提で皆書かれているものですから、幾ら読んでもわからないということが出てきているし、同時に今度は、今までも罰則の部分はあったわけですが、罰則を含めて電波法が運営をされていくということになれば、できる限りやっぱり一般の人が見てもわかるような法律に私は変えていかなきゃいかぬと。ただし、もうきょうあってあすできるような問題ではありません。各省庁の関係もあるし、特に法律の専門家と言われる法制局もあるわけですから、なかなかもって大変でしょう。
 まだ片仮名の法律があるんですものね。何でこんな片仮名の法律をいつまで置いておくんだ、こんなものぐらいさっさと直せばいいじゃないかと思うが、いろんな抵抗があって直せない現状もあるわけです。ですから、すぐにはできない問題だと思いながら、お互い政治家として、国民が見たらすぐわかるような法律に変えていくように努力をしていかなきゃならぬなということを私は自分に思い込ましているわけですが、ぜひ郵政大臣にもそういう立場をとっていただいて、御努力願えないかということを要請したいんですが、最後の決意を述べていただいて、終わりたいと思います。
#98
○国務大臣(小泉純一郎君) 法律が一般国民にとってわかりやすいようにという御指摘、まことにごもっともだと思います。法律のみならず、最近はもう英語やら和製英語やら、何が何だかわからない、これも非常に注意しなければならない。私も提案理由を説明しながら、一回や二回読んだってわからない。わかりやすくすると同時に正確を期さなければならない。ですから、ある程度難解というのはやむを得ない部分もあると思いますが、できるだけ一般の国民にわかりやすいように法令のみならず役所の言葉遣い等を注意しなきゃいかぬと思っております。御指摘ありがとうございました。
#99
○及川一夫君 終わります。
#100
○常松克安君 私は、本日は電波と人の生命に関する諸問題についてお伺いをいたします。
 まず一つは、特に不法電波が消防、中でも救急業務に支障を来す現況。第二点には、洋上救急における電波というものがどれほど人の命と深く関係してくるものか。第三点には、高速道路上におけるところの、このように日本が発達しながら、いまだに電波が通じない、人の命を預かる救急医療がそのときに難渋する点、まずこの点を逐次御質問をいたします。
 よって、まず一つは、各地域消防本部並びに消防署、現場を歩いた上で、現場の声として問題を展開してまいりたいと思いますが、現況というものはどういうふうな状態になっているんでありましょうか。
 総トータルとして、不思議に、警察庁におけるところのパトカーの無線の妨害は毎年度二件前後。ところがその中で、とみに顕著に妨害電波を受けて業務というものがいろいろな形で難渋しているのが消防救急無線である、こういうふうな数値の裏づけをもってまず実態の御報告を郵政省にお伺いいたします。
#101
○政府委員(白井太君) 警察でありますとか消防救急などの通信につきましては、私どもは重要無線通信というような呼び方をいたしておりますが、こうした重要無線通信に関しまして混信妨害等がありましたときには関係のところから御連絡をいただくようにしております。そうした御連絡のありました件数というのが、消防救急の場合で申し上げますと平成三年度で百八十三件、平成四年度で百六十一件でございました。それから警察の方は平成三年、平成四年度とも二件ずつでございました。
#102
○常松克安君 報告書が上がっております中で、具体的な事例で顕著なものがございましたら御紹介願います。
#103
○政府委員(白井太君) 混信妨害の件数は圧倒的に実は消防救急が多いものですから、その点について一、二点申し上げさせていただきたいと思いますが、昨年の六月に、大阪市の消防救急無線に対しまして、設備を不法改造したアマチュア無線用の設備で混信妨害を与えておりました奈良県の大和郡山市のトラックの運転手の人が検挙をされたという事例がございました。それからさらに、同じ年、これは平成四年の一月でありますが、今度は福島県の郡山市で、郡山地方広域消防組合の消防無線に対しまして、一時間ばかり歌謡曲の音楽テープと見られるような音が混信をして入ってまいりまして、通信がしにくい状態となるような妨害が発生いたしました。このときは残念ながら、いろいろと探査をいたしたわけでありますけれども、混信源を突きとめるということはできなかったという事例がございました。
#104
○常松克安君 本来これは消防庁の救急救助課の方からお聞きするのが当然かと思いますが、今のような事例については救急救助課は掌握をしていらっしゃいますか。
#105
○説明員(山中昭栄君) 私どもといたしましては把握をしてございません。
#106
○常松克安君 しからば、郵政省から出ている報告書はそちらにはないということですか。なければないで、もうこっちで答えも全部いたします。
 一番私は救急救助課に申し上げたいのは、今郵政の方では、それは建前としては不法無線。この案件がどうあるか掌握していらっしゃる。よってその報告、航空、運輸だとか消防だとか、いろんなところを取りまぜてこういう実態でございます。
 大事なポイントといいますのは、今事例としてほんの少量お出しになりました。しかし、先ほど申し上げましたように、消防本部、消防署の幾多の事例というものは、もっと生々しい、もっと厳しい、冷や汗をかくような、救急車が走った、結構、本庁に帰れ、受けて帰った、現場では死ぬような思いで患者がまだかまだかと待っていたこともあるんです。こういうふうな実態というものは、今のこういうふうな報告体制の内容にあっては、少し実態掌握というものが手おくれている場面があるのではなかろうか。もう少しその辺の実態というものを、再度消防庁長官通達ぐらいを出して実態をつかむと。
 なぜ懸念するかといいますと、今のは平成三年、四年でございますが、平成二年度は一けたなんです。ところが五年は急上昇して百数件。当然これは救急車だけじゃございません。消防でありますので、火事にいたしましても今及川先生の方から指摘された具体例なんです。生きるか死ぬかというふうな場面になったときに、この問題が社会問題になって、一体消防庁は何をしておるんだと、こういうふうなことの現場というのはどうしてもそっちへいくわけでありますから、その対応というものが私自身取り組みが少し甘いのではなかろうかという気持ちがあるわけでございます。
 よって、それを今度は防御する立場。後ほどこれに対してまた私は伺いますけれども、防御に対しては、例えば東京消防庁、東消はやはりアナログではだめだ、ディジタルに全部がえろと。これは調査費はついた、平成六年度を一応めどにして全救急車にはディジタル無線。それでも完璧じゃないんです。しかしアナログの無線よりもこれは防御しやすい、こういうふうな一端のお話もお聞きいたしておるんですが、これはやはり全国の問題といたしまして、これからこういうふうな消防庁として不法無線に対する基本的なお考え、対策をお伺いいたします。
#107
○説明員(牧野清文君) 防災課長でございますが、御説明を申し上げます。
 ただいまのお話にございましたように、消防無線通信を傍受いたしまして興味本位に妨害を与えるといったような事例が少なくないわけでございますけれども、こうした妨害を防止するためには消防の側、すなわち消防の無線につきまして秘話機能を持たせるといったことも一つの手段であろうかと存じます。
 先生御案内かと存じますけれども、その具体的な方法といたしましては、一つにはマルチチャンネル方式を導入する、あるいはまさに秘話装置を現在の装置に付加をする、またさらには、まさに御指摘ありましたように高度な秘話機能を持ちましたディジタル方式を導入していくということが考えられるわけでございます。
 消防通信にとりまして非常に重要な課題でございますので、ただいま申し上げました方式を含めまして、消防無線の高度化について積極的に進めてまいりたい、そのように考えております。
#108
○常松克安君 救急救助課長、長く和歌山県の総務部長をお勤めになって、いろいろ実績を上げられて本庁へお帰りになったんですけれども、全体の実態というものを先ほど提案いたしましたが、この件に対しての回答はいかがでございましょうか。
#109
○説明員(山中昭栄君) 救急業務を円滑に実施してまいりますために、常時良好な状態で消防無線が活用されることは大変重要なことでございます。御指摘のございました点につきまして、私ども各消防本部に対しまして具体的な事例を照会するなどいたしまして、実態把握に努めたいと考えております。
#110
○常松克安君 じゃ今度は電波の方へ、郵政の方へ帰りますけれども、ここは難しいところだと思うんですけれども、万が一パトの方へ妨害が入ります。入るのは何でかというと、一般の専門のプロ雑誌に周波数が皆書かれておるんです。だから、ちょっと頭がいい人だったら、ちょっとくっとやれば、それはぱっと入っちまうんです。ところが、その結果としては、電波法の法律違反よりも二重にも三重にも公務執行妨害だとかいろいろな犯罪経歴がかぶってくるんです。
 ところが、こちらは不法があっても、調べても、監視員が行っても、警察官の立ち会いのもとでなければ立入権がない。捜査権がない。こういうような難しさがございますけれども、少なくとも先ほどありましたような人命に関することだけの妨害は、罰金が一千万とか、こういうふうな強烈な姿勢というものがやはり電波を守っていただく立場において、形を変えて再度検討があるべきではなかろうか。
 と申しますのは、東京都内で妨害電波があったんです。それをある新聞が一面にはっと出したんです。出したその年はがんとゼロになってしまった、強烈な取り締まりをするぞというような姿勢を示したら。これだけでも一つの大きな効果は現実にあるわけでありますけれども、やはり人命に関することが、妨害で、行ったけれども途中で帰ってしまう、こういうふうなことは、一罰百戒というのは少し言い方がこの場所にはなじまないかもしれませんが、やはりこの辺のところはお考えを深くいただきたい。先ほど罰金が十万とか五万とかいろいろ出ておりましたけれども、こういうことでは電波妨害を排除することはできないんじゃなかろうか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#111
○政府委員(白井太君) 電波法違反の中でも、いわゆる不法電波に関連するような罪について、一番重いものは一年以下の懲役が、または、今回の改正案が通りますと五十万円以下の罰金というのが最高のものになっております。
 こうした量定をどのようなものにするのかということについては、実は罰則規定そのものを私どもだけで決めるということはもちろんできないわけでございまして、罰則規定についてはほかのいろいろな刑法を初めとする多くの罰則規定とのバランスを考えて、違法行為の態様に応じて法律上の量定を決めていくということになるものですから、この点について私どもとして軽々にお答えをするということは大変いかがかという感じがいたしますが、今後の勉強課題ということで受け取らせていただきたいと思います。
#112
○常松克安君 ある方はこうおっしゃいました。日本の法律はクモの巣のようである。トンビやタカは悠々と破っていく。しかし小さなチョウやそういうものはすぐとらまってしまう。悪意だとかそういう人命に関するようなことがふてぶてしくもあったならば、断固それは容赦しないということも行政に課せられたある一面じゃなかろうか、こう申し上げますので、よろしく研究、検討をお願いしたい。
 次に参ります。先ほど申し上げましたように、この点につきましては、五島列島の中央病院、焼津の漁業組合、それから横浜船員保険病院、塩釜掖済会病院、東京掖済会病院の現場を踏まえての立場から申し上げます。
 まず一つ、これは運輸省の関係からまずお聞きいたしますが、洋上で急なけが人や病人が発生した場合において、人命救助の視点からその処置の第一歩、この第一歩というのが助かるかどうかの重要なかぎになると私は現場の声を厳しく聞いてまいりましたが、御認識はいかがでしょうか。
#113
○説明員(中畑美男君) 洋上で急病人が発生した場合には、先生御案内のとおり、洋上での急なけが人や病人に対する措置の第一歩、立ち上がりの最初の措置でありますが重要でございます。このような観点からも、医療無線電報等により、医師の指示のもとで衛生管理者による応急措置が講じられているところでございます。このほかにも、日本水難救済会による洋上救急事業等、洋上救急体制の整備が図られているところでございます。
#114
○常松克安君 平成三年度のそういう事故の死亡者、傷病者の数はどういうふうな現状でございましょうか。
#115
○説明員(中畑美男君) 私ども船員法百十一条に基づきまして報告をとっておるところでございます。それによりますと、平成三年度の船員の災害や疾病の傷病者数は七千二百九十二人となっており、そのうち死亡者数は百四十人となっております。内訳でございますが、災害・疾病傷病者数の内訳で、七千二百九十二人のうち、災害によるものが三千二百八十五人、疾病によりますものが四千七人でございます。死亡者の方は、災害によりますものが七十六人、疾病が六十人でございます。
#116
○常松克安君 端的に言いますと、いろいろな症状はございましょうけれども、洋上において一年間で百四十名の方がお亡くなりになっているという現状であります。
 ここで、ひとつやはり電波とのこれからの問題のかかわりが出てくるんですが、災害発生から医療救助までどのくらいの時間がかかるか。地上と比較にならぬと思うんですが、現状として、今までの最高はどのぐらいかかっているんでしょうか。
#117
○説明員(中畑美男君) 災害発生時から陸上の医療施設に収容されるまでの時間につきましては、日本水難救済会の調査ベースでございますけれども、平成三年度におきまして、最も長く時間を要したものは六日と二時間でございます。最も短いものは一時間三十分たっていたというふうに聞いております。
#118
○常松克安君 やはりここがどうしようもない場所、地上におきましては四分救急として一生懸命やっておるんですが、洋上という地理的な条件、こういうことが重なりますと四時間も五時間も。短いので一時間三十分。大臣、もしも後ほど時間ございましたら、こういう現状であるということを、ひとつこのペーパーをお見せ申し上げますので一覧をしていただきたいと思います。
 ここにありますのが掖済会病院に対しての外国語、船舶が急病人が出て発信した電文でございます。原文そのままでございます。これに対して受けた医療関係というものはどうするかといいますと、これを日本字に書きかえるわけであります。書きかえてどうするかといいますと、船舶に積まれている医療資器材というものは大体決まってしまっているんです。そういうものに対して、何を使ったらいいかをもう一遍英語に書きかえて、それを向こうへ送ってやるわけです。それやこれやで非常に地上では考えられないようなことになるわけでございます。
 あるいはまた、前も一度申し上げましたけれども、和文の場合も非常に時間を食っちゃうわけでございます。現状といいますのは、今全部医療無線を使ってやります。しかし、それはツートンツートンの場合もあれば、あるいは会話的なものもございましょうけれども、少なくとも、どれだけけがして出血がどのようになってどうなんだということを一つの文字にあらわすということはなかなか難しいわけでございます。それで時間を食っちゃう。受けた方がそれの処置を書いてまたやる。こういうふうに非常に悪戦苦闘しているということが現状になってきたわけでございます。
 さあそれで、今日まで郵政大臣の御理解のもとに、医療相談というものをインマルサットを使ってやれば、その時間が中においては十分の一、五十分の一に縮まる。ファクスで送れば活字はなくして絵で送れる。こういうふうなことで、今日までこの委員会で三回私はこの主張を続けてきたところでございます。
 そういうようなことを考えてきました中で、もう一度運輸省にお聞きしますけれども、こういうふうな問題で一番ネックになっておるのは何か、これはやはり料金的な問題が絡んでくるだろう。インマルサットが極めて有効であるけれども、これの無料体系というものがあればな、こういうふうに今日まで現場の声を集約してまいったわけですが、運輸省はどういう認識をしていらっしゃいますか。
#119
○説明員(中畑美男君) インマルサットの利用につきましては、例えばファクシミリによります患部や症状等が図示できますので、医療無線電報のように文字であらわす必要がないということから、的確かつ具体的に医療相談ができます。こういうことに加えまして、文章上の照会のための往復の通信が省けるといったようなことから、迅速な対応ができるというようなことで、的確な指示及び応急指示ができるということでございまして、船員の救急措置にとりましては極めて有効な手段であるというふうに考えております。
 したがいまして、これが無料で使用できれば、船員及び医師にとって迅速かつ的確な措置の上で大きな助けにもなりますから、船員の救急対策をより効果的に実施できるのではないかというふうに考えております。
#120
○常松克安君 えらいすらすらとお答えになりますけれども、運輸省が船員の安全だとかそういうものを率先して提起し省内で考えるべきところを、郵政の方でKDDの方と相談をし指導し、何とかそうしてあげようとするこの一年有半の努力に関して一体運輸省はどう思っておるんですか。お答え願いたい。
#121
○説明員(中畑美男君) この点につきましては、電気通信事業法は郵政省の所管でございまして、私ども郵政省にもお話をさせていただいておりますが、これが無料になりますと非常に船員にとりましても、また現場を預かる医師にとりましても大きな助けになりますし、船員安全行政を担当する私どもといたしましても大変な励みになることでございまして、もしこういう方向で無料になればありがたいという観点から、郵政省にもお話をさせていただいているところでございます。
#122
○常松克安君 お立場はいろいろありますけれども、郵政の方では郵政大臣先頭にこの問題を一年半真剣に考えて対策をしていただいているわけですよ。これから郵政の苦労を聞きますから、後でもう一遍答弁求めますから、そんなよそごとのようなことを言ったら、後で運輸大臣に文句言っていきますよ。
 じゃ、今度郵政に。局長、御苦労かけております。この問題を今日までいろいろと対応、対策を立ててきていただいているわけでありますが、現況としてどういうふうになっておりましょうか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。
#123
○政府委員(白井太君) 昨年の十二月に、当委員会のこの場におきまして同様の御趣旨の御質問がございました。改めて当時の議事録を読み直させていただきましたが、そのときにお答えを申し上げましたように、私どもとしてもできるだけそういう方向でやりたい。と申しますのは、先生が重ね重ねおっしゃっておりますように、事は人命にかかわる問題だからということであります。
 私どもの方のあえて問題ということで申し上げさせていただきますと、昨年の十二月にも申し上げたことでございますけれども、無料扱いをするということになると、その無料の分が結果としては国際電電株式会社の負担になるということでありますものですから、国際電信電話株式会社も結局はお客さまからの、一般の電話の利用料の上に成り立っておる会社でございますので、そこにそうした無料通信の経費を負担していただくということは、筋の問題といたしまして、利用の公平といいますか、そうした角度から問題はないのかなというお話がやはりないわけではございません。
 しかし、ただいまも先生おっしゃっていましたように、電報ということになるとこれは大変な手数もかかります。これをファクシミリで送りますとそうしたむだな手数がかなり省かれるということで、昨年の十二月の段階では「少なくとも実施をするまでに一年もかかったのかと言われるようなことのないように」急いで検討したいというお答えを昨年の十二月にさせていただいておりました。
 それで、今日の状況でございますが、結論的にはそういう方向で処理をしたいということで、さらにもっと具体的な実施のためのいろいろな手続についてKDDの方で検討していただいている段階でありまして、昨年の十二月にこの委員会でお答えをさせていただきました私の答弁が間違いでないように、また改めて国際電電の方にはお願いをしておこうと思います。
#124
○常松克安君 私がかように言うのは、角が立つようなことになるかもしれませんが、実は時間がございませんので、当委員会からちょっと離れた論議なものですから踏み込んだことの実態を申し上げませんが、大事なポイントは、こうして洋上救急で運ばれ、あるいは手当を受け、海上保安庁が行って助ける。これが三分の一が実は外国船なんです。外国人なんです。小さく言いますと、五島列島とさっき申し上げましたけれども、その一年間の出動回数を見ますと三十四件。医師がヘリに乗って無線を持ってです。そのうちの十七件が台湾の方、韓国の方、中国の方。ある一面では、国際的な大きな広がりの中で、日本がこれを背負って、言うなら国際貢献の認知をされるような一つの仕事をやっていらっしゃるわけでございます。
 そうしてまいりますと、この医療無線というのは、御案内のとおり、八十七カ国が医療無線は無料という全世界協定をいたしまして、それを今実施している。その延長線でこれをKDDさんが扱うとなると、今局長が御指摘どおりでございます、無料にするということはその社の利益が減るわけでございます。
 そして、今使っていらっしゃる件数がまだまだ少ないとかいろいろな問題がございます。これの実態の調査もやられるでしょうし、第二番目には何かとなってきますと、無料とした場合には、日本の船舶だけ無料であとはいただきますよというわけにはいかないわけです、洋上となりますと。八十数カ国を相手にして腹を決めて、この成案を郵政大臣の認可に出して、それを決裁受けてやりますと、周知徹底なさるわけです。
 そうした中においては、もうこれはただ単純に洋上と言うより、日本という視点より、もっと大きな電波という位置づけの上からいって、洋上の救急に寄与するということで物すごく大きな問題をこれは私は確かに含んでいると思うんです。
 しかし、そういう一面もありましょうが、そういう世界の協定の中にあった医療無線という中において、そのことによって人命が一人でも救えるということであればと、今切磋琢磨して、精査してKDDとしてはそれを実現に向かって検討していただいているんです。そういうことを運輸省は知った上で、まことにありがたい、これ一言で済むものなんです。それを無料の方がいいとか悪いとか、そんなあほなことを言っておったら大変なことになるんです。もう少し言いますから、心得てよく考えておいてください。
 ここで、もう一つのひっかかってくる問題は何かとなってきますと、今、抜済会病院を中心にして全国で洋上通信ネットは承っているんですけれども、船がそうしてインマルサットを使うような通信があったとしても、今度は受発信する、掖済会病院並びに洋上救急の病院の無線装置というものが、今ある電話やファクスでいいんですが、やはりその番号登録をKDDにせぬことには無料にならぬわけでございます、機械からして全部入れかえて対応してくだすっているわけですから。そういうふうな一つのものを通り越しながらも、人命救助というもので前向きに対応願っているわけなんですが、これを今一歩、大臣の政治決断、判断で進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(小泉純一郎君) これは郵政省あるいは運輸省、さらには医療という観点からすれば厚生省、各省関係してくると思いますが、国際社会にも影響してくる、日本国だけの問題でもないといういろいろ難しい点もあろうと思いますので、今御指摘の趣旨というものを生かすように、どういう困難があるか総合的な立場から事務的に検討させて、そして障害を一つ一つ取り除くという方法がいいんじゃないかなというふうに考えております。ですから、事務的に各省連携をとりながら、そういう医療無線の問題、それから洋上救急の問題、総合的に私は取り組む必要があると思います。事務的に検討をさせていただく時間をかしていただきたいと思います。
#126
○常松克安君 大臣のお言葉ではございますが、事務的なことはひとつ行政のスピードということでよろしくお願いしたいと思います。
 それから、もう一つ認識を局長にお伺いしますが、KDDとしてはそういうふうな目的を意思を固めて進行している、やはり電波を預かる郵政が中心にならぬと、これは電波の一つの問題ですから、インマルサットは。そういうふうに私認識しているんですが、それでよろしいでしょうか。
#127
○政府委員(白井太君) 私どもとしてはそのように御理解をいただいて結構でございます。
#128
○常松克安君 じゃそういうことで、運輸の方もひとつ深刻に受けとめて、これ促進ができるようにいろんな角度からタイアップしていかなきゃいけないと思いますから、そうしてください。
 第三点目に、今度は高速道路上におけるところの無線が通じないところがある。これも私はきょうを含めて三度目であります。私が現実問題として指摘いたしましたのは、高速道路上におけるところの事故が起こった場合に、要請を受け、御殿場市消防本部から急遽片道を救急車が走ってまいるわけであります。しかし、ある区間、七キロ、ここに図解をしておりますので、(資料を示す)もうこれはそちらの方がよく御存じかと思います。この丸印の区間約七キロがどうしても電波が入ってこない。あるいはそのことのために生きるか死ぬかの処置に非常に難渋をしているという現場の声でございます回まず、そのことを消防庁救急救助課はどのように認識していらっしゃるか、お伺いいたします。
#129
○説明員(山中昭栄君) 御指摘がございました御殿場付近で相当にわたって消防無線の不感地帯があるということは承知をいたしております。御殿場の広域行政組合の消防本部で把握をしておる状況では、トンネルあるいは山北町、そういったところで不感地帯が生じているということは私どもも承知をいたしております。
#130
○常松克安君 高速道路上を走っているパトカー並びに道路公団のパトロール車は、いかなる地域においても無線は通話できるのに、一番大事な人命救助に立ち向かう救急車だけが通じないというのは、技術的にどこに差があるんでしょうか。
#131
○説明員(山中昭栄君) 現在消防機関が使用しております無線、技術的に申し上げますと、トンネルあるいは山岳地帯等においては地形構造的な要因から、割り当て周波数を使ってやっているわけでございますが、いわゆる無線から来る地形的な制約によって不感が生じているということかと思います。
#132
○常松克安君 では、具体的にそういうふうに難渋していますから、その対応策はどう考えていらっしゃるんでしょうか。
#133
○説明員(山中昭栄君) この高速道路におきます消防無線の不感の問題につきましては、去る三月の当委員会におきましても御指摘をいただいたところでございまして、その時点におきましては、私どもこの御殿場の例を含めまして全国的な状況の把握も実はできていなかったわけでございます。その御指摘を受けたことを踏まえまして、各消防本部の協力を得ながら実態の把握に努める必要があると考えております。
 現在、その具体的な実施方法等について検討をいたしているところでございますが、そういった実態把握とあわせまして、ただいま御指摘のありました御殿場の不感の問題の解消については、専門的、技術的な検討も必要かと思いますが、やはり傷病者の救助という大きな目的のために行わなければいけないものでございますので、関係機関とその解消方策等についてよく協議をしてまいりたいと考えております。
#134
○常松克安君 少し感覚にずれがございますけれども、後ほどそれは私の方から申し上げることといたします。
 過日、決算委員会の方でこの辺のところ、やはり高速道路上、また一面管理者としては建設大臣にあるのではございませんでしょうかと、このようにお尋ねいたしまして、大臣みずから、これは人命に関する大事な視点でありますので、これについては早急に検討会を設けて検討したいというお声をちょうだいいたしましたが、その認識に間違いはございませんでしょうか。
#135
○説明員(井上啓一君) 先生御指摘のように、高速自動車国道の事故において負傷者が速やかに救助されなければならない、こういう点については極めて重要な問題であると認識しておりますし、また、先般先生の御質問に対しまして建設大臣お答えいたしましたが、そういう観点で我々道路管理者としての支援、協力方策について検討会を設けまして鋭意検討を進めておるところでございます。
#136
○常松克安君 建設省としては、なぜこの不感地帯がここにあるのか、指摘したらそのとおりだとおっしゃった。その原因はどこにあると思われるんですか。
#137
○説明員(井上啓一君) 不感地については、今消防庁の方からお答えになりましたように、私どもの持っている道路管理用の通信の電波の波数と消防庁の方と今異なっておりまして、一部については漏えい同軸ケーブル等の共用によりまして、そういうようなことを道路公団の方で施設を整備いたしまして共用が図れるように努めておるところでございますが、まだ相当数不感地帯が残っているというのも先生の御指摘のとおり事実でございます。
#138
○常松克安君 もう少しお教え願いたいんですけれども、道路公団としてはケーブルを保有しておる、万々一に消防の方から要請があるならば、その周波数あるいはケーブルの中へ入れるメカについての対応を協議してもいいと、こういうお考えでしょうか。
#139
○説明員(井上啓一君) 私ども、先ほど申しましたように、検討会の中でそういう方策についても消防庁と十分詰めて検討していきたいと思っております。
#140
○常松克安君 ここを消防庁に私申し上げているんです。不感地帯の現場の地名を提示して申し上げているんですよ。事実、一番また悪いことにその場所が事故多発地帯なんです。そこがほとんどなんです、曲がりカーブで。前回は四台走っているんです。四台救助して三名が死んでいるんです。全部玉突きの事故で、四台がやられているんです。そういうような現場を指摘しているわけです。建設省の方にお聞きしますと、消防庁さんの方からちゃんと申し入れがあれば、その不感地帯解消のためにケーブル導入ということも検討の省庁の窓口を用意してございます、こうおっしゃる。あれからもう三月かかっておるんです。三月間ただの一回も高速道路公団に対してその具体的な不感地帯解消についての協議の申し入れをしなかったんですか。
#141
○説明員(山中昭栄君) 公団の方とは御相談をさせていただいておりますが、具体的にやはりできるだけ早期に解消をする必要があるというふうに私どもも認識をいたしておりますので、これから精力的にやらせていただきたいと考えております。
#142
○常松克安君 きょうじゅうに申し入れされますか。
#143
○説明員(山中昭栄君) できるだけ早くさせていただきたいと思います。
#144
○常松克安君 ここでひとつ電波を預かっていただいております局長に。例えば、郵政省の事業の一環といたしまして、携帯電話が全国どこへでも通ずるように中継地点のアンテナを立てよう、これを大いに進めていこうという事業がございます。これは携帯電話、こっちは利便性だとかいろいろありますけれども。電波はこれは本当に各省にまたがるんです。これはまた大臣に調整してもらわにゃいかぬですね。こっちにも重なる、こっちにも重なる。
 しかし、電波という立場からしますと、どういう視点でありましょうとも、人の命に関することで電波が通じない場所がある。こういうふうな対応の一環といたしまして、今その事業は全国の各自治体から申し入れを受け、もう箇所づけも済んでいるんです。大体一基設置すると一億八千万と計画書には出ているんですね。数カ所そこへセットする、平成五年度においては。
 そうなってきますと、それはその目的がついているから、そんなものはほかは利用できませんと言われればそれまでですが、少なくとも郵政が電波を預かるという立場におきましては、たった山間僻地にその中継点があり得るならば技術的に解消する、この御殿場は。こういうふうなときに、そんなことはよそさんがやりますよ、がかわり合いは持てません、こちらだけで精いっぱいでありますとだけ言い残しておけるものだろうか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#145
○政府委員(白井太君) おしかりをいただくのを覚悟の上で申し上げさせていただきますが、現在の時点での仕事の仕切りといたしましては、公共業務用として幾つかのところに電波周波数を割り当てさせていただいております。例えば建設省なんかでありますとか、もちろんただいまお話しのような消防、救急もそうでございますし、警察等もそうでございますけれども、そうしたそれぞれの特別の目的を持った公共業務用の無線であります場合には、そうしたところについてのネットワークというのはそれぞれのところで、つまり警察無線の場合は警察の方でいろいろとシステムをとっていただいて、郵政省の方としては、周波数の割り当てなどについてできるだけの御協力をさせていただくというような仕組みで仕事をさせていただいております。
 ただ、先生、もう一言だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、高速道路とかあるいは幹線道路において、自動車電話などの不感地帯があるというやはり同様の問題が実は私どもの関係のところでもございまして、これらのところについてそうした不感地帯を何とかしてなくすことはできないか。これは最後は実はお金の問題になるわけでございまして、技術的にはトンネルでありますれば漏えい同軸ケーブルを張るとか、それから場合によると、トンネルの外でありましたならば中継用のアンテナ等を立てるというようなことができれば問題は解決しないわけではないのでありますけれども、大変なお金がかかるということが非常に大きな問題になっておりまして、そうした意味での公衆電話などのそうした設備もなかなか設置ができないというような状況にあるわけでございます。
#146
○常松克安君 御丁寧にいろんな角度から御答弁ありがとうございました。何はともあれ、これは高速道路にはかかわります。消防にもかかわります。電波にもかかわります。こういうふうに多岐にわたっておるわけでございますけれども、前回までは建設大臣の方で、一応大臣答弁受けとめとしてこの問題解決対策というふうなものを明言していらっしゃいますので、御苦労ではありますけれども、あとの電波に関することは、この状況は郵政は全部知っていただいておりますからすぐにいけるかと思いますし、消防の方もどうか近いうちとおっしゃらずに、せめて二、三日中、こういうぐらいの姿勢に改めていただきまして、現場は本当に困っているんですよ。そういうようにしていただきたいと存じますから、お願いいたします。
 では、最後のまとめといたしまして、局長に一点だけ最後のまとめで申し上げます。
 電波利用者の前納制度でございますけれども、あれこれは申し上げません。税金でも前納あり、割引制度、報奨金あり、あるいはNHKはこれまたありとか、負担金にしても、いろんな立場でこういう面も一面あるわけでございます。
 そうなってまいりますと、八十数億電波料をお支払いになったその立場からいきますなら、前納制度というものの割引をお使いになりますと、中には二年、三年、五年といたしますと、NTTはプリペイドカードで少なくとも莫大な利益を一面得ております。経営者感覚の中から、こういう制度によってそういうまじめな正しい利用者というものを大きくふやし、そういう方々とともにこの電波を守っていく、そういうふうな検討というものはいかがか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#147
○政府委員(白井太君) 電波利用料制度は先々月にスタートしたばかりの制度でございますが、確かに前納制度というものは制度としてはございますけれども、前納の割引制度というのがないという問題でありまして、比較的電波利用料の場合は少額なものですから、まとめて払っていただく方が免許人の方のお手数も省くという意味合いが実はありまして、できるだけ前納をしていただくということを私どもも実はお願いをしたいわけでございます。そうなりますと、本当は割引制度がありますと前納というのが非常に進めやすいという点は確かにあると思います。
 それから、銀行や郵便貯金なんかの口座から自動的に引き落とすというようなことももし方法としてとれますと、これもお払いいただく方の利便につながるんではないかということを思っておりますけれども、何せ国の収入にかかわる制度の問題でありますので、いろいろ御相談しなきゃならぬ方面も多いわけでございます。
 今後、いろいろ国民の皆様の御意見もお伺いをしながら、多少長くなるかもしれません、少し時間をいただきましていろいろと検討させていただきたいというふうに思います。
#148
○常松克安君 以上、終わります。
#149
○鈴木栄治君 よろしくお願いいたします。
 いろいろお話を聞いて、不法無線局は本当に混信妨害、最近特にそのような人命にかかわる大変大きな事故も起きたり、また起きそうになったこともある。私は非常に怒りを感じるところでございます。
 私、以前にテレビの番組の中で教育問題を取り上げたときに、中高生の見る本というのをやりました。ところが、どんな内容だのかんだのといろいろ討論が始まりまして、その中で、読者の要するにのぞき見の写真でございますね、それを募集しているんですね。それでこう載っておりまして、あるものは女ぶろをのぞいた写真が載っているんですが、それを編集者の人が、おまえいいところを撮った、よく頑張った、今度はこうやって振れと。よく頑張ったから賞金五千円ということを書いてあります。
 そんなようなことがあるんです。私見て、これはおかしいだろうと。これが性教育だのなんだの、そんなことじゃないだろうと。いろいろその中で討論していって最後に行くのは、必ず自由だとか、あるいは要するに表現の自由だとか出版の自由とか、そういうのに行くんです。
 確かに自由はもちろん守っていかなきゃいけないです。でも、何でもかんでもやっていいという自由じゃございませんし、もちろん法律の枠の中の自由。でも、それ以上に大事にしなければいけないのは、特に公共的なものに関しては社会的良識、これを重んじていかなければならない、私はそのように思うんです。
 それで、こういう本は正直な話、人命にかかわるわけでもないですから、これはこれとしておいといて、しかし、不法無線局の実はこういうのがあるんです。(資料を示す)電波法違反を助長するような本があるんです。こういう本があるんですよ。これを見ていると、あたかもこうやれああやれと、要するに改造の仕方から妨害のやり方が全部書いてあるんです。これは女風呂をのぞいたこととかそんなものじゃないです。さっき言ったように、航空機だとか心臓のペースメーカーが狂ったら死んじゃうんですよ。これは私、単なる出版の自由だとか表現の自由だとか言う前に、良識という部分に関して、郵政省、何か措置をとらなければならないんじゃないか。また、これからどのようなことをお考えになっているか、それをお聞かせください。
#150
○政府委員(白井太君) ただいま先生がお話しになりましたように、その種のいわば不法電波を助長したり、見ようによっては奨励するような記事や広告が載ったような雑誌というのもかなりあるようでございまして、その中の記事とか広告などを見ますと、例えば私どもは、不法パーソナル無線では、千二百八十チャンネルもの多くのチャンネルをとっているというような資料を先生方にもお見せしたことがあったかと思いますけれども、この機械は千二百八十チャンネルがありますというようなのがもう広告の中に書き込んであるというようなものもあります。率直に申し上げて、そういう記事を見ますと私どもは憤りを感じるような気持ちになるわけであります。
 それで、こうした出版社とか雑誌社に対しても再三にわたりまして、そういう不法電波を勧めるような記事だとか広告を載せないようにしてほしいということを申し入れしておるわけでありますが、残念ながら雑誌社の方は雑誌社の方で、とことん詰めていきますと、どこかで逃げ道を言えるような書き方にどうもなっているようでありまして、そういう雑誌なり、あるいはそういう雑誌に広告を載せたことによって、それで直ちに摘発をするというようなことにはなっていないというような状況であります。
 また、こうした雑誌のほかに、機械をつくるところなどについてもいろいろな働きかけをしておるわけですが、何せ最終的に刑罰を科すということになりますと法律の解釈というのは非常に厳密になされるものですから、摘発というところまで行くケースが非常に少ないということでございます。
 私どもとしては、なかなか一気にこの問題を解決するというのは大変難しいと思いますけれども、世の中の実態というものもきちっと見て、できるだけ適切な対処をしていくということに今後とも努めてまいりたいと思います。
#151
○鈴木栄治君 実際にこの不法無線局をやっている人たちというのは、ある意味では軽い気持ちでやっているんじゃないか。はっきり言って、心臓のペースメーカーが狂ったりだとか、航空機がこうなるとか認識していないんじゃないかと思うんですが、その辺をもう少しそういうマニアの人たちに対して知らせるというか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
#152
○政府委員(白井太君) 私どもも全くそうしたことをやっていないということではございませんが、年に一回、電波の日というのを中心にいたしました時期にそのような種類の周知活動も行わせていただいたり、私どもの担当の者がテレビに出演をさせていただいて、そのような趣旨のことを番組の中でお話しさせていただくとかというようなこともさせていただいたりしておるわけです。しかし、必ずしもそのことが十分効果を上げていないということもまた残念ながら事実でございます。
 それで、今度の法律改正案でお願いしております、告知制度というような呼び名をしておりますが、小売業者の方が無線機をお買いになるお客さんに対して、免許が要りますよとか、あるいは免許を取らずにこれを使いますと罰金が科せられますよというような趣旨のことをお話ししていただくというのは、ある意味では、ただいま鈴木先生がおっしゃいましたような目的にも一応は合ったものではないかと思っております。
 やはり根本的には、電波をお使いになる方が本当にそういう気持ちになって使っていただくということが、結局は問題の最終的な解決ということになることは御指摘のとおりでありますので、この点につきましてもいろいろな方途といいますか、できるだけ効果の上がる方法というのも今後もいろいろ考えてまいりたいというふうに思います。
#153
○鈴木栄治君 最後に、大臣に御意見をお聞きしたいんでございますが、最近のいろんな事件だとかいろんなものが起きますと、例えば人権だとかいろんなことでいいことをおっしゃっておる方が多いんですが、ふと私は考えるんです。何か最近、被害者の人権より加害者の人権が非常に守られ過ぎているのじゃないかと。これは一体被害者の人権はどうなっちゃっているのだろうと思うときもあるんです。多々あります。
 それと同時に、こういう無線のほとんどの方はちゃんと規則を守っておやりになっていると思うんですね。だが、これはちゃんと守っているやつがばかを見ないようにしなきゃいけませんよ。ましてや、このように人命にかかわることがある。さっき常松議員は一千万円ぐらいの罰則と言われたけれども、私はとんでもないと思うんです。最高利ぐらいの罰を設ける。いや、そうですよ、そのぐらいしなければいけません。そのぐらいすることによってやるやつは考えるんです。
 大臣そうでしょう、例えば大臣のお父さんがいて、心臓が悪くてペースメーカーを入れていて、だれかがやって、そのペースメーカーが狂って死んじゃって、それで罰金が五十万円だ、懲役一年ぐらいだ、ああ済みませんで済みますか。私は済みませんよ、そんなのじゃ。ですから、私はそのぐらいまでにびしっとそういうことをやったやつに対してはしなきゃいけないのじゃないか、そう思うのでございますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#154
○国務大臣(小泉純一郎君) お話の趣旨は本当に私も理解しております。そのような憤慨をする場合が結構多いですね。被害者、加害者、どっちが加害者になっているのか、どっちが被害者になっているのかわからない。
 同時に、その本、「ラジオライフ」というんですか、その本でもむしろ違法を奨励しているような書き方。しかし、必ずどこか抜け道を考えているんですね。名誉棄損的な記事もそうです。私も含めて皆さん方もいろいろ迷惑、被害を受ける場合が多いと思うんですけれども、これを追及していくと必ずどこか逃れる、言いわけを考えている、その道の専門家ですから。
 だから、歯がゆい点もあるんですけれども、法律といっても、いろんな弁護士もいますし、法律の専門家もいますから、法体系全般を考えるというと、一千万とか最高刑というのは、これはもうとても無理なことはわかっているんですけれども、その気持ちはわかりますけれども、なかなかその点は難しいものですから、知らないでそういういたずらをしているかもしれないという場合があると思うので、ちょっとした何げない違法行為がどれだけ人命にかかわっているか、大きな被害を与えているかというそういう宣伝とか啓蒙活動、これも私は大事だと思うんです。
 そういう点で、今回の法がそういう不法無線局の混信とかあるいは妨害の阻止によりよく効力を発揮するように郵政省としてもできるだけ努力をして、妨害を阻止していく一助にこの法律がなればなということで鋭意取り組んでいきたいと思いますので、また御協力をお願いしたいと思います。
#155
○鈴木栄治君 ありがとうございました。
#156
○中村鋭一君 今の鈴木さんの質問に関連するわけでございますが、今回は罰金三十万円以下、こういうことになりましたですね。三十万円に引き上げられたわけでございますが、これ二十万円ならいかに、五十万円なら高過ぎる、この三十万にされた基準、それからまず。
#157
○政府委員(白井太君) 電波法だけで申し上げましてもかなりの数の罰則規定が置かれております。それで、実はこの罰則につきましては、政府の内部では、最終的には法務省の方で全体のバランスを見て罰則の量定を決めるというようなやり方をとっておりますが、その一番の罰則規定の大もとであります刑法という法律の罰則の量定、特に罰金の量定が平成三年にかなり大きく変わりまして罰金額が引き上げられたわけであります。
 ところが、この電波法にありますところの罰則規定のうち罰金の量定につきましては、そのときに刑法に合わせた改正を行わずにそのままにしておったという経緯がありまして、一般の量定につきましても大体刑法の方の量定に合わせまして全体の罰金額の引き上げを今度提案をされたと。そして、今回新しくできた制度、例えば技術基準適合証明を除去しなかったことについての違反行為についての罰則というようなものは、ほかの量定との大体のバランスを見まして罰金の額を決めさせていただいたということになっております。
#158
○中村鋭一君 それが白井さん、結局、先ほど来各委員の質問にもありますように、全体のバランスとか刑法とかこれまでの行きがかりで三十万にするから、だから鈴木委員がおっしゃるように最高刑をもってこれに当たれというような意見も出てくる。これは郵政大臣も気持ちの上ではわかるとおっしゃっているわけでありますね。やっぱり役所というのはそういうふうなバランスとかを考えるんしゃなくて、例えば人命に影響のあるような不法無線局の開設は、他のバランスとか刑法とかそんなこととは関係なしに、そのやった罪の重大性に応じて抜本的な罰則を考えるべきである、こう思うんですが、重ねてその点についてのお考えをお聞かせください。
#159
○政府委員(白井太君) 先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたが、要は、罰則規定ということになりますと、国民に対しての不利益という意味では一番の不利益について公権力がこれを科すということになるものでありますので、ただいまのお話はもちろんごもっともなお話だと思いますけれども、別の面から申しますと、そうした刑罰規定のあり方ということから考えますと、やはり慎重に考えてやらなければいけないという面も率直に申し上げてあるわけでございます。
 ただ、そのときの社会情勢によりまして、国民全体の意識から見て違法の度合いあるいは違法の度合いについての考え方というのもやはり変わってき得るものであろうということも確かに考えなきゃいかぬわけでありまして、そういうことを考えますと、一たん決めた罰金刑がそのままで、あとはもうバランスだけで動かしていくというようなことでいいというわけにはいかないと思っております。
 きょうの委員会の御審議の中で多くの先生方から出された御意見等につきましては、それはそれとして私どもの勉強材料ということで受け取らせていただきたいと思います。
#160
○中村鋭一君 そこで、罰則規定を設ける、しかもそれを比較的重大に受けとめて罰則規定を強化する、これは一つの予防効果はあると思うんですが、一方でその予防効果の実を上げるためにも摘発をしなければいけませんですね。
 今回の改正によりますと、技適証明を受けた無線設備の変更の工事をしたときはその表示を除去しなければならない、こうありますが、私素人考えで、電話には技適証明がついていますね。それをめくれと言ったって、めくったかめくらないかを確認するのは大変な作業だ、こう思うんです。これは及川先生もおっしゃったように、こういうものを工事変更というのは大げさな表現で、実に法律用語というのは妙なものだと思いますが、いずれにしても、そういうことをした場合に、単に張ってある紙をめくったかめくらないかを確認するのは大変な作業だろうと思うんですが、それは具体的にどのようにして確認をするおつもりですか。
#161
○政府委員(白井太君) 今回御提案を申し上げております技術基準適合証明の除去義務というような規定の持つ意味合いでありますが、これは率直な申し上げ方をさせていただきますと、そのもので直接不法行為がなくなるということにつながる度合いというのは非常に少ないという見方をされても仕方がない規定だと思います。
 一つは、技術基準適合証明を除去しなかった場合は、除去しなかったということ自体が命度の法律が通りますと罪になるということでありまして、何か不法電波があったというときに、幸いにしてその不法電波を捕捉することができて捕まえることができたというときに、初めてその場合に、中を改造していながら証明の除去をしていなかったというようなことから、不法電波をなくすということにだんだんとその効果があらわれてくるというようなことではなかろうかと思うわけであります。
 そういう意味では、技術基準適合証明に合っていないような機械になっていながら、いかにも表向きは技術基準に合っていますよというような証明がそのまま残されておるということがもともと悪かったんだと思うわけであります。この際それをとにかくなくさせていただいて、先ほど申し上げましたように、最終的に不法無線として捕まえたときに、そういうものを材料にいたしまして、ではこの改造はどこでやったんですかというようなことで、だんだんと違法行為をたどっていくということにも役立つのではないかという期待もありまして、今回のような提案をさせていただいたわけでございます。
#162
○中村鋭一君 今、白井さんも期待をいたしましてと、こうおっしゃいましたね。法律というのは、こういう悪いことをした場合は、あなたはこういう罰を受けるんですよと、これ一つありますね。それからもう一つは、こういう悪いことという場合に、あなたのしたのはこういう悪いことですということを本人に実感させなければなりません。そのためには摘発をしなければなりませんね。ですから、今回このような法改正がされましても、やっぱり摘発の実が上がるということが大切なことだ、こう思うんですね。
 法律にはいろいろな側面があります。この間も環境基本法が審議に入りました。あの節私も質問をさせていただいたんですが、あの規定の中に例えば「努めるものとする」という規定が二十四カ所あるわけですね。ですから、理念法的な、かくあらまほしきというものとは別に、特に私はこういう法律というのは具体的でなければならない、こう思うんですが、それにしては、今の罰金の問題にいたしましても、技適証明を除去しなければならないという規定にいたしましても、なかなか現実実効が上がりにくいという側面は否めないと、こう思うんですね。
 例えば、小売業者に対して、無線設備を販売するときは相手方に対して免許を受けなければならない旨を告げ、また不法な無線局を開設した場合の罰則等を記載した書類を購入した者に交付しなければならない、こうしておりますが、実際にその旨を口頭で告げたか、あるいは紙を渡したかということを確認する作業もこれまた大変なことだろうと思うんですが、重ねてその辺はどのように見通していらっしゃいますか。
#163
○政府委員(白井太君) 先ほどの技術基準適合証明につきましても、またただいまお話ありました小売業者の方が行う告知という問題につきましても、不法電波が発せられたということを摘発するということが最終的には担保にならないと実効は上がらないと思います。
 そして、その不法電波の摘発をした、まあ摘発という言葉も余り使いたくないわけでございますけれども、不法電波をつかまえたというときに、その不法電波をたどっていきまして、先ほど申し上げましたように、中を改造していながら技術基準適合証明をそのままにしておったとか、あるいはそういう機械を販売していながら、販売業者としてのこの法律案にありますような義務を果たさなかったとか、そういうことがそのときに問題として表に実際は出てくるんだと思いますし、そういう形になって初めて実際は罰金等の刑罰が科せられるということになるのが恐らく実態ではなかろうかと思います。その点では中村先生がおっしゃるとおりだと思います。
#164
○中村鋭一君 そこで、先ほど及川先生の質問に対して、平成三年度、不法無線局三万八千ですね。措置率は一〇%弱、九%強だとおっしゃいましたね。一割弱ですよね。しかもその一割弱の中には、罰を加えたんじゃなくて、単に注意をしたものを含めての一割弱ですわね。これだったらまさに九牛の一毛でございまして、その実効はほとんど上がってないと私は言ってもいいと思う。
 そこで、先ほどは例えば電波監視車を用意するというようなことをおっしゃいました。現実に今郵政省は、例えばこういった不法無線局を摘発するために、電波監視車を何台ぐらい用意したら一応摘発のパーセンテージが上がるとお考えなのか。それからまた、遠からず将来においてこれは予算化をする意思はお持ちなんですか。
#165
○政府委員(白井太君) 細かな数字、実は資料としては持っておりますが、どこに入っているかちょっと今すぐ見つからないものですから、考え方を申し上げさせていただきますが、現在はこの電波監視をするための自動車は全国に一応四十台持っております。ただ、これでは非常に少ないということで、またしかも、不法電波をつかまえるという意味での機能をもっと高度化したような自動車をさらに計画的に増備をしていきたいということを考えておりまして、ことしの四月から始まりました電波利用料という形で免許人の方から納めていただいたお金を利用しまして、そのうちの半分近くのお金を実はこうした監視業務の方の施設の整備に充てるということで、これから何年にもわたりまして整備を進めていきたいというふうに思っております。平成五年度、今年度の場合で言いますと、大体三十億近くのお金を監視業務の充実に充てていきたいというふうに思っております。
#166
○中村鋭一君 三十億とおっしゃいましたね。何台ぐらいつくれるんですかね。
#167
○政府委員(白井太君) 実は、ある固定した地点から常時違法な電波が出されていないかどうかを監視するための設備もあわせてつくっていきますので、すべてを自動車を買うお金に回すというわけにはまいらないわけでありますが、電波監視車として平成五年度に私どもとして新たに購入をしたいというのは六台でございます。
#168
○中村鋭一君 今四十台あって、あとたった六台ですね。それじゃとても足りないと思いますので、せっかくこうやって法律を改正してやることですから、何遍も繰り返しますけれども、平成三年度で三万八千件もあったものがわずか九・二%しか不法無線が摘発できないというようなことですから、これはやっぱり抜本的に、車も含めてですよ、そういう監視制度を充実するために、これは大臣もひとつせっかく御努力をしていただきますように、これは予算の伴うことでございますので、お願いをしておきたいと思います。
 日本におられる外国人の方が今度無線局が開設できるようになりました。これは大変いいことだと思いますが、予測ではどうですか、何局ぐらい申請があると考えておられますか。
#169
○政府委員(白井太君) 予測の数字ということではまだちょっと申し上げられるような正確な数字を用意いたしておりませんが、現在は制度上はいわゆる相互主義と申しまして、相手の国が日本人に認めてくれる場合は、我が国においてもその国の国籍を持った方に無線局の免許を認めましょうということをアマチュア無線とか陸上移動無線についてやっております。
 その数字がどんな状況になっておるかと申しますと、アマチュア無線局の場合は現在外国人の方に対して九百局の免許を与えております。それから陸上移動関係の無線局、これは大体荷物の配送などの仕事をなさっておられる方が多いかと思いますけれども、こういう方々に対しては企業の数で二十から三十、無線局の数で六百くらいの免許を付与しております。
 これが今度の制度改正によってどのくらいふえるかということは、正確には申し上げにくいわけでありますが、お米屋さんのようにいろいろ物の配送をするとかというようなお仕事をなさっている外国人の方は結構いらっしゃいますので、そういう方からの要望もあったことが今回の法律改正を御提案申し上げる契機にもなっておりますから、何がしかの御要望は法律が通ればすぐ出てくるのではないかというふうに思っております。
#170
○中村鋭一君 日本でそのように認めて、今度外国にいらっしゃる日本人の方々、この方々も外国で無線局を開設したいという気持ちが強いだろうと思います。ですから、日本は今回相互主義によらずこのように認めるんですから、あなたの国もひとつ在住の日本人に対してよろしく頼むというような要請、もしくはその現況はどういうふうになっておりますか。
#171
○政府委員(白井太君) 実は、大半のいわゆる先進国といわれるような主要国におきましてはもう既に相互主義をとっていなくて、外国人の方でも、まあアマチュア無線局というような、いわばどちらかというと簡便な無線局ですけれども、そういうようなものについてはもう既に認めているということでありますので、我が国は相互主義をやめたのにあなたの国は依然として日本人に対して免許をしてくれないじゃないですかというようなことを言わなければならないケースというのは余りないかと思うんですけれども、もしそういうケースが出てまいりました場合は、当然これは外交ルートを通じまして、ただいま先生がおっしゃいましたような働きかけをしなければならないということは当然のこととして考えております。
#172
○中村鋭一君 最後に、自動車無線とそれから携帯電話の盗聴についてちょっとお尋ねをさせていただこうと思いますが、大体盗聴というのは何か陰湿で非常に私は基本的には卑劣な行為だと、こう思うんですね。にもかかわらず、こういった自動車無線や携帯電話の盗聴行為というのは後を絶たないわけでございます。たまたま無線局を開設している人が聞いておりまして、そこへ電話のやりとりが飛び込んでくる、これは私はしょうがないことだと思うんですが、明らかに一つの意図を持って盗聴をするということは、これはくあいが悪いと思うんですね。
 現行の法規等では、意図的に例えば盗聴のための機械を使って、設備を使って人の交信を聞いた場合は、これに罰則を加えるか、あるいはこういう行為は好ましくない等の規定はございますか。
#173
○政府委員(白井太君) いわゆる通信の秘密を守るということに関しての規定としては二つございます。
 一つは電気通信事業法という法律による秘密の保持であります。これは電気通信事業者の方が取り扱っている通信の秘密は侵してはならないという言い方になっております。言ってみればNTTドコモの自動車電話、これは明らかに電気通信事業者の取り扱いに係る通信ですが、この秘密を侵してはならないということでありますので、これを盗聴するというようなことは罰則の対象になるわけでございます。
 それから、そうしたNTTドコモのような通信事業者の方ではない通信というのが無線で行われることも当然あるわけでございます。この場合は電波法という法律に規定がございます。この場合は若干違っておりまして、「特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」ということであります。ただ、これは聞いているだけでは罪にはならない。傍受をいたしましてこういう通信があったよということを人に知らせるとか、こんな内容だったということをだれかに漏らすとか、あるいはその情報をつかんでそれを盗んで使うといいますか、窃用をするということが今度は罰則が科せられる対象になるということでありまして、その辺が少しこの電波法と電気通信事業法では違っておりますが、一応基本的には通信の秘密を守るというための規定があることはあるわけでございます。
#174
○中村鋭一君 今伺いますと、全般にやっぱり俗に言うと甘いと、こう思うんですね。
 例えば、小泉郵政大臣が携帯電話を使って、例えば山崎拓さんや加藤紘一さんと現在行われております政治改革について電話でやりとりをなさる。そうすると、小泉郵政大臣と対立的な考え方をしている人がその電話を傍受して、それを自分たちの陣営に有利になるように仮に使用した場合は、今お話しのことではこれは罰を加えることはできないということになりますわね、その使い方によってはですよ。そうなりゃしませんか。
#175
○政府委員(白井太君) 自動車電話などにつきましては、これは要するに、電気通信事業者が電気通信事業のサービスとしてやっておるものを意図的に聞いてやろうという気持ちで積極的にその内容に耳を傾けて聞くということになりますと、これは通信の秘密を侵したということになるわけでございます。
 それから、そうした通信事業者の方がやっておられるんではなくて、例えばアマチュア無線の機械を持ってお互いに何か通信をしておったというようなケースの場合ですと、ただそれがたまたま自分の持っていた受信機に入ってきたのを聞いただけでは罪にはならないということでございます。
#176
○中村鋭一君 その辺に微妙な問題はあるとは思いますがね。ですから白井さん、現実に秋葉原でそういう盗聴可能な機器を売っているわけでしょう。だから、今御説明いただいた法律の規定もある以上は、例えばそういう機器を売れないようにするというようなことを郵政省でお考えになってはいらっしゃらないんでしょうか、その点はどうなんですか。
#177
○政府委員(白井太君) このような点につきましては、私どももほうっておくわけにはいかないということで、一つは、一般向けの受信機につきましては、機械の製造業者の方などに対して、少なくとも電気通信事業用の周波数帯、電気通信事業で用いている周波数というのは決まっておりますので、その周波数帯の電波は受けられないような受信機にしてくださいというようなことをお願いいたしまして、この点ではもう既に一般向けの電波の受信機で盗聴ができないような機種が販売されているということのようでございますので、一応一定の成果は上がりつつあるということでございます。
 それから、コードレス電話と申しますか、要するに無線で使っております電話機などについて、これは一般の方に盗聴されるおそれがありますということを念のため注意していただくというようなことももちろんやらなきゃいけませんが、そのほかに、いろいろそういうものが漏れないような技術の開発をするということもさせていただいたり、電気通信事業を行っている要するに自動車電話などの会社につきましては、秘話装置といいますか、これを使いますとほとんど盗聴というのが不可能になるものですから、できるだけそういうものをやっていただくとか、それから最終的には、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、もう既に一部サービスが始まっておりますが、ディジタル式の通信というのをできるだけ急いで無線通信の分野に取り入れていくということをやりたいと思っていまして、関係の方々とも勉強会を持ったり、あるいは事業者の方々にいろいろお願いをしたりということをさせていただいております。
#178
○中村鋭一君 一生懸命やってください。終わります。
#179
○委員長(野別隆俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。
 電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 及川一夫君から発言を求められておりますので、これを許します。及川一夫君。
#182
○及川一夫君 私は、ただいま可決をされました電波法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   電波法の一部を改正する法律案に対する
   附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 情報化の進展の中で増大する電波需要に的確に対応するため、電波の有効利用技術や周波数資源の開発等を積極的に推進し、国民生活の利便向上に資するよう電波利用環境の整備を進めること。
 一 本法における「免許情報告知制度」等の周知徹底により、不法開設局の未然防止を実効あるものとするよう努めるとともに、引き続き、不法開設局対策について検討を行うこと。
 一 本年度導入された電波利用料制度の公平かつ円滑な運用に努め、その実施状況を明らかにしつつ、その定着を図ること。
 一 電波が持つ社会的機能の重要性にかんがみ、その利用秩序について国民に対し正しい知識と理解を求めるよう一層努力すること。
 一 電波利用の高度化、多様化を促進するため、規制緩和、行政手続の簡素化等につきさらに検討を進めること。
右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#183
○委員長(野別隆俊君) ただいま及川一夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#184
○委員長(野別隆俊君) 全会一致と認めます。よって、及川一夫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉郵政大臣。
#185
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま電波法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 どうもありがとうございました。
#186
○委員長(野別隆俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#187
○委員長(野別隆俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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