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1993/03/26 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第2号
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1993/03/26 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第2号

#1
第126回国会 運輸委員会 第2号
平成五年三月二十六日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     三重野栄子君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     三重野栄子君     堀  利和君
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     永田 良雄君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     永田 良雄君     上杉 光弘君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     森山 眞弓君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     森山 眞弓君     泉  信也君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     下村  泰君     島袋 宗康君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高桑 栄松君
    理 事
                二木 秀夫君
                松浦 孝治君
                櫻井 規順君
                広中和歌子君
    委 員
                伊江 朝雄君
                泉  信也君
                河本 三郎君
                西岡瑠璃子君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                安永 英雄君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                井上 哲夫君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  越智 伊平君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
       海上保安庁次長  後出  豊君
       気象庁長官    新田  尚君
   事務局側
       常任委員会専門  長谷川光司君
       員
   説明員
       外務省アジア局  樽井 澄夫君
       中国課長
       大蔵省主計局主  金井 照久君
       計官
   参考人
       日本鉄道建設公  峯本  守君
       団理事
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成五年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (運輸省所管)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として島袋宗康君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高桑栄松君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、日本鉄道建設公団理事峯本寺君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高桑栄松君) 次に、去る三月二十三日、予算委員会から、本日、三月二十六日午後の半日間、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 運輸省関係予算の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○渕上貞雄君 私は、冒頭、いかがでしょうか、きょうの新聞にもまたバス協会の話が載っておりましたように、運輸省にかかわる余り名誉でない、不名誉な記事というのが連日載っておるわけであります。とりわけ、今日大変大きな問題になっています佐川急便事件の問題につきまして、というよりも日本の大きな疑獄事件の大半が運輸にかかわるような事件というようなものが大変多うございまして、また今回も国民としては運輸省に絡んだ事件だな、こういう印象を持っているに違いないというふうに思います。
 特に、戦後大きな事件を考えてみましても、造船疑獄、大阪タクシー事件、日通事件、ロッキード事件、そして今回の東京佐川急便事件。運輸省が絡んだ事件というものが圧倒的に多いわけでございます。この事件にかかわりまして、運輸大臣いかがですか、こういう問題を運輸省としてどうしてなくしていこうかと、同時にあわせて、これらの今まで起きてきました事件というものを運輸行政の中にどう生かしていくのか、それらの認識について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(越智伊平君) 運輸省は国民生活に最も密着した輸送サービスを安全に快適により安く提供する役所であると、こういうふうに考えております。こうしたことから、この輸送の安全確保、環境保全を図るためにも許認可を中心にその件数が多くなっております。従来よりその内容を見直し、件数の減少に努めておるところであります。今後とも社会経済情勢の変化に応じて、また利用者の声を十分反映しつつ運輸行政の適切な遂行に邁進をしてまいりたいと、かように思う次第であります。
 御指摘にありましたように、バス協会の献金とかいろいろございますけれども、直接我が運輸省がということではありません。ないと、こういうふうに存じております。
 なお、許認可の適正な執行を確保するために毎年綱紀点検委員会を開催し、許認可事務等に関する監査、考査等の状況及び許認可事務に携わる職員の同一職務長期間在任ということは常に見直しまして、綱紀の保持に努めておるところであります。今後とも厳正にこのことを実施していきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#8
○渕上貞雄君 今最後の方に申されましたように、それは当たり前のことでありまして、今後とも十分やっていただきたいというふうに思っているところであります。
 ただ、大臣、いかがでございましょうか。今も言われたように、そういう、今言われたようなことは当たり前のことであるけれども、こういうような大きな事件が起きていく背景というものは大臣どのように認識されていますか。
#9
○国務大臣(越智伊平君) 先ほど御指摘がございましたバス業界の献金問題とか、あるいは佐川急便事件等いろいろございます。バス業者の点はまだ真相が実はつかめないというのが実情であります。
 佐川急便事件につきましては、直接運輸の問題といいますより、ほかの方の許認可事項や監督事項、こういうことが非常にたくさんかかわっております。そういうことも含めまして、それでは運輸省は非常によかったかといってお褒めをいただくところまではいきませんけれども、運輸省が直接というより、都市計画法とか建築基準法とか労働基準法とかそういうものの、他省庁の問題もございましてそういうものについてやはり今までは確認が、確認というか連絡というか、このことが、もちろん他の省庁に属する許認可については各省でやっていただくわけですけれども、それを確認を、連絡をもっとよくしていかないといけない、こういうことを感じておりまして、そのとおり指示をして今そういうことで進めておる次第であります。
#10
○渕上貞雄君 大臣、佐川事件というのは単なる運輸省一省庁の問題じゃなくて、日本の政治全般にかかわる問題ですから、おれのところに余り関係ない、したがって他の省庁とのかかわりがあるので、運輸省としてはしっかりやっているけれどもというようなことではなくて、国務大臣として、日本の政治全般を預かる者としてやっぱりいろんなところに目を配りながら、政治の姿勢の問題としてやはり考えていかなくてはならないと私は思っているんです。
 そこで、やはり運輸大臣として、先日我が党の喜岡議員が予算委員会の中で三年前の事件についていろいろ御質問をして大臣の方から答弁いただいておるようでありますけれども、三年前ああいう事件があったということについては大臣認められておりますね。
 したがって、具体的に確認だけしておきたいと思うのでありますが、昭和六十三年当時建設大臣であったころ、輝励会と称する者が名乗って大臣に対する今いうところの褒め殺しといいましょうか街宣活動をやられたんでしょうか。事実でしょうか、それはいかがでしょうか。
#11
○国務大臣(越智伊平君) 褒め殺しといいますか、私が昭和六十二年に建設大臣に任命をされました。その当時、何か嫌がらせということでなしに、建設大臣になったということで宣伝活動をしたようであります。それを私は一回も聞いたことございませんが、何か私のところの秘書やその他の者は……。
 とにかく右翼が宣伝活動をいたしますのは、大きい声で十分聞き取れないような状態が多いようでありますが、そういう宣伝をした。しかし、それが褒め殺しであったかなかったか、そういう判断、またそういう話をしたことはございません。何か宣伝活動、これをやっておった。しかし、余り悪く言われたこともないし、褒め殺しといいますか、褒めてくれたような印象をみんな受けておったようであります。それが事実でございます。
#12
○渕上貞雄君 では、最近はやり言葉になっていますような褒め殺しというのはもう早く大臣は経験をされているわけですな。
 そういう事実があったということでありますけれども、その褒め殺しというのは期間的には長くあったんですかそれとも短時間だったんですか。どれくらいの期間褒め殺しというのをやられたんですか。
#13
○国務大臣(越智伊平君) 何か二、三日ぐらいでなかろうか、こういうふうに思います。今はっきり記憶もいたしておりませんが、当時みんなの話では二、三日程度であったんでなかろうか、こういうふうに感じております。
#14
○渕上貞雄君 二、三日ぐらいであったとしてすぐやんだとすれば、やっぱりこの種の事件でありますから何らかの解決に動かれたと思うんですが、どういうような方法でその問題について解決されたのか、いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(越智伊平君) 別にどういうことということはございません。この点については一切ほかっておいた、こういうことであります。
#16
○渕上貞雄君 今度予算委員会でも問題になりました重松健三町議との関係を、やはり大臣、当時のこととして、まだ暴対法もできてないときだし取り締まりはできにくかった、したがって警察に頼んでも警察は動いてくれなかった、だからどういうふうにして解決をするかということで政経維新塾の平木さんにその仲介の労をとっていただくようお願いをしたようでありますけれども、大臣と平木さんとの関係はどのような関係なんでしょうか。いつごろ大体平木さんという方と知り合いになられたんでしょうか。
#17
○国務大臣(越智伊平君) 今お話しのように、重松という町会議員、これが私に、私というより秘書に何回も電話をかけてくる。そして私が帰ったときに電話を重松君にいたしました。そうすると、重松君というのが海岸の埋め立てをいたしました。そのときに境がちょっと違っておりまして余計に埋め立てた、こういう事実があったのであります。そのことについては重松町議と県との話し合いで話がつきました。それは解決をしたのであります。
 その後、隣の町の右翼が宣伝活動をしておると。田舎のことでございますから、もう非常に細君や子供も恐ろしがって疎開をしておる、また近所にも迷惑だ、こういうことで私に何とか解決をしてくれぬかということであります。第一義的には警察へお願いをしろ、こういうふうに言いました。そう言いましたら、もう既に警察にも何回もお願いしておる。そして警察が時々来てくれる。そうして宣伝活動をしておるその近く、百メーターか百五十メーターのところでパトカーがとまってその様子を聞いていただいておる。しかし、それはなかなか取り締まりはしてもらえないということでございますから、私も電話をいたしまして、何とかならないか、こう言いましたら、今の段階で、何か事件があれば解決する、取り締まりすると。しかし、宣伝活動だけでは取り締まりができないんだというお話でありました。それはいろいろ私もちょっと電話で議論もいたしますし、警察官にも知り合いも大分おりますのでいろいろ話をいたしましたが、ただ宣伝活動だけでは言論の自由でどうにもやれないんだという結論でありました。
 そこで、重松君にまた電話いたしまして、こうこう言っておる、君も警察へお願いしておるようだが、私もお願いしてやったがなかなかうまくいかないんだということを申しましたら、重松君から何とか方法はなかろうか、こういうことであります。
 そこで、今お話がありました平木君というのが、実はこれまた別の右翼団体でありますが、この平木君というのが時々私のところへ機関紙のようなものをとってくれないかと。これは月一万程度であります。まあつき合いでとってやろうかということで一、二年とってやりました。そういうことで時々集金に来たり、またそれの勧誘といいますか、向こうからいえばお願いでしょうが、そういうことで来ておりまして、その平木君というのを知っておりまして、君の方から話しして何とか話つかないのか、こういう話をいたしました。それで平木君が話してくれたようであります。ところが、私に返ってきた返事では、少し金を出さないと解決つかないんだがというようなことを言いましたので、重松君にその旨を伝えたのであります。
 その後、重松君、これは後で知ったわけですが、今の右翼団体と重松君も直接何回か話し合いをしたようであります。しかし、なかなか話がつかないというようなことで私の方に返事がありまして、また平木君に、どういうことならいいのか、金のことは私は中へ入れないからひとつ平木君、重松君と会ってみてくれないかということで、重松君と平木君は全然知らないわけですから私が引き合わせた、こういうことであります
#18
○渕上貞雄君 さきの予算委員会の中で大臣は、暴力団ということは知らなかった、初めて知ったというようなことを答弁なされておられるようでありますけれども、やはり佐川事件問題にいたしましても、暴力団との関係がどうか、とりわけ政治家と暴力団の関係、政治家と金の関係がどうかということが厳しく実は問われているわけであります。今言われましたように、大臣、やはり正式には警察に届けて警察と一体となってそういう問題について排除していくというのが市民社会の一般的な常識じゃないんでしょうか。それを友人であり、暴力団と知ってか知らずかは知りませんけれども、ちょっと陰のある方々とそういう話をしていくという大臣の姿勢というのは、やはり私は今後改めなきゃならないと思うんです。
 それはなぜかというと、やっぱり地方の運輸局なんかへ私どもいろんなことでお願いに行きます。そうすると、こういう暴力団関係者だとか悪徳経営者と言っていいかどうかわかりませんけれども、そういう悪質な経営者に対してはやっぱり運輸省として、行政として注意を促していく。そのときに、できないけれども一生懸命やっぱり努力して、汗流してやっている運輸省の方々が地方におられるわけです。それにかかわるような暴力団とか右翼の方々というのは、やはりどういうわけかこの業界大変多いわけです。そういうときに、大臣が物事の解決を右翼、暴力団に頼んでいくという姿勢は、これは厳に改めなければならないと思うのです。
 同時にあわせて、今佐川事件を含めて、過去大臣がとられた暴力団とのかかわりや、今後運輸行政を指導していく上に当たって暴力団との関係についてどのように認識されておるのか、お伺いいたします。
#19
○国務大臣(越智伊平君) 先般、喜岡議員から質問がございましてお答えをいたしましたが、私はその平木君というのが暴力団とは全く考えていなかった。全然知らなかった。暴力団の認定をしておったという警察の話でありまして、初めて知ったわけであります。
 暴力団にどうするとか、こういうことではございません。重松君の細君や子供が疎開をしておる、本当に困っておるということですから、警察へ本人からもお願いさすし、私からも依頼をいたしました。しかし返ってきますのは、今の宣伝活動だけでは取り締まりできない、言論の自由でできない、こういうことでございます。でございますから、それじゃもう仕方ないから何とか平木君で話がつかないかと。もちろん平木君だけではつかないであろうと。それほど大物というか、右翼にしても大物のように思っておりませんし、ですからそこの組長といいますか、要はそこのボスに話してという気持ちも私ございましたけれども、そういう程度であります。したがって、私は暴力団にこういうことをお願いしたとか頼んだとかいうような気持ちは全然今も持っておりません。先般聞いて初めてそれが暴力団の構成員であったかなというようなことを知った、こういうことでございます。
 でございますから、私は、今もお話がございました佐川急便であろうとどこであろうと、また運輸行政上、暴力団というようなことでございましたら厳正にそのことの処理をしていく、こういう気持ちでございますので、何か私が暴力団とかかわりがあったとかなんとか言われることは私にしては心外なような気持ちであります。
 ただ、警察で取り締まりができない、こういうことですから、それでは何とか話がつかないか、こういう気持ちでやったことでありまして、暴力団にかかわりを持ったとかそういう気持ちは今もってさらに持っておりません。これが今の私の心境であります。ただ、暴力団であったとすれば、それを知っておれば依頼もしなかった、こういうことは思っております。
 以上であります。
#20
○渕上貞雄君 大臣、やっぱりそのことを僕はきっちりしていかなきゃならぬと思うんです。今は既に暴力団であるということははっきりしたわけだから、やはり政治家として、行政の長として、大臣は自分の決意表明としてでも、この責任の所在というのは大臣としてこういうふうにとるべきであるという決意表明をやはりすべきではないでしょうか。そうしないと、やはり一生懸命働いている人たちは、一体どうしてくれるのだ、もう仕事嫌になってしまう、上が上ならおれたちもおれたちだということで綱紀緩んでしまいます。士気にかかわると私は思うんです。そういう意味では、暴力団というふうにはっきりわかったわけだから、政治家としてどういう責任の身の処し方があるか、そこらあたりをもう一回聞かせてください。
#21
○国務大臣(越智伊平君) 今の暴力団、こういうものについては私は厳正に対処をしていくつもりであります。この問題は、今の右翼問題につきましては、言論の自由と、脅迫めいたことをやることについては、とにかく今までの法のあり方自体も見直すべきだ、かように私は思いますのでございますから、愛媛県では今そのことも県議会で議論になりまして、やはり取り締まりをする、騒音防止等について研究をしておられる、これが実態であります。
 重ねて申し上げますけれども、運輸行政上あるいは政治家越智伊平として、私は、暴力団、そういうものには一切かかわりございませんから、今後厳正に行政を進めていく、こういう決意であります。
#22
○渕上貞雄君 どうかひとつ厳正で、しかもきっちりやっていただきたい。
 では、これらの問題については終わりまして、次に、積極的な運輸行政の進め方ということについて先日大臣の方から所信表明がございましたし、基本的には、生活大国にふさわしい交通をどう実現していくかということが運輸行政の基本であるというふうに言われました。
 当面、それらの重要な課題につきましては、大都市における交通混雑を含めた通勤混雑の問題、地方においては赤字路線であります地方の鉄道、バス、それから整備新幹線、空港の整備などという非常に多くの課題があるし、同時に、交通社会資本の整備に向けて積極的に運輸行政を行っていきたいということについては、私も認識において大臣とそう変わらないのでありますけれども、やはり運輸行政全般にわたる許認可事業の問題や、それらの今交通運輸が抱えている具体的な問題について大臣はどのように認識されて、今後どう行政の中に生かされようとしているのか、考え方をお示しいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(越智伊平君) 国民の一人一人が豊かさとゆとりを持って生活をしていく、こういうことが大事であります。今お話のございましたように、今の政府の方針として生活大国、こういうことを言っておりますが、私は、今の大都市圏の通勤状態あるいは過疎地帯の鉄道やあるいはバスの状態あるいは船の状態、こういうことを見まして、生活大国と言う以上はもっともっとこれは改善をしていかなければいけない。もう特に通勤状態等は大変でございますから、とても今のままでは生活大国とは言えない。こういう観点から、鉄道の強化あるいは時差出勤等によって本当にゆとりのある状態、また過疎地の鉄道やバスもでき得る限り快適に安全に進むようにしていかなければいけない。船も、高速は快適で結構でありますけれども、ひとつ事故がないようにしていきたい、こういうことをすべて前向きでやっていく。飛行機にしましても、今の飛行機、飛行場等、これも
整備していく、こういうことで積極的に進めていきたい、かように考えておる次第であります。
#24
○渕上貞雄君 大臣、積極的に前向きに進めていきたいと言う割には今度の国会で法律は二本しか出していない。もちろん、世間様に対して佐川急便事件で運輸省としては大変御迷惑をかけておる。したがって、そういう配慮があってかどうかは知りませんけれども、どうも今大臣が言われた気持ちとは裏腹に法案というのは二本しかない。これは長い運輸行政の中で、国鉄を分割・民営をして以来、どうも運輸省自体が積極的に余り物を考えないのではないか。そのことは、今運輸行政の中でも多くの問題になっている交通のそれぞれの問題について、これは早急にやはり私は解決をしていかなくてはならない問題であると思います。そういう運輸行政を積極的にやはり展開をしていくことこそが今一番、通勤混雑問題だとか地方における赤字の鉄道だとか地方の過疎バスだとかをどうやって解決をしていくのか、大都市の中におけるバスの活性化をどうしていくのかというように、やはり積極的な行政を進めることによって多くの問題が解決するというふうに私は思うのであります。そこらあたりの、大臣が言う積極的に前向きにというのとはどうも違う方向に動いているような感じがするんですが、その点はいかがでございましょうか。
#25
○政府委員(豊田実君) 法律が二本という御指摘ですので、私の方から状況について御説明申し上げたいと思います。
 今国会、御指摘のように船舶安全法の一部を改正する法律案と気象業務法の一部を改正する法律案ということで運輸省の専管の法律二本でございます。通常の国会ですと平均的には五本ぐらい、多い年には十本前後の法律の御審議をお願いしている状況ですから、今国会については運輸省専管の法律としては非常に少ない年という御指摘はそのとおりであります。
 しかしながら、いろいろ御説明申し上げておりますように、最近の行政需要というのは一省だけではなくていろいろな省が共同で取り組むというような状況の問題が多うございまして、例えば大都市圏における自動車交通のふくそうによりまして流通関係の業務が非常に効率が悪くなっているというようなことに関しましては、建設省さん等と共同で流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案というのを別途お願いしておりますし、そのほか例えば漁業離職者の問題であるとかエネルギー関係、環境関係というような分野について、それぞれ私ども運輸省も参画して法律案をお願いしておるところでございます。
 また、同時に、当然ながら法律によらない予算上の措置であるとか財政上の措置が伴う施策も私どもいろいろお願いをしておるところであります。また、国内法に直接関係ございませんが、対外的な関係で申しますと、航空協定などは私どもの分野で非常に国会の審議を別途お願いしておるというような分野もございます。
 いずれにしましても、内外ともにいろいろ行政需要が複雑になっておりまして、それを私どもが積極的に法律なり予算の関係で取り組んでまいるという状況については引き続き努力してまいりたいと思っております。
#26
○渕上貞雄君 どうかひとつ、今山積している課題について大臣を中心にして積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど大臣言われたように、積極的に前向きにというならば、一体大臣積極的に前向きに何をやるかというのが大切だと思うんです。ただ積極的に前だけ向いておってもらっちゃ困るわけで、具体的にやはり何かをやっていただきたい。
 だとすると、例えば前の大臣は、きょうも若干新聞にも載っておりましたけれども、成田新法をやり、成田空港問題についての解決について一定程度運輸省として努力をしていく、それだとかやはり品川新駅の構想問題をちゃんとまとめていく。それの前の大臣は精薄者の方々に対する割引運賃制度をちゃんと導入をしている。
 そこで、大臣いかがでしょうか。積極的に前向きに、大臣の目玉商品を国民に対して運輸行政はこれだというのを示していただきたいと思いますが、いかがですか。
#27
○国務大臣(越智伊平君) 今官房長よりお話をいたしましたが、確かに法案そのものは二本提出いたしましてお願いをいたしております。しかし、私が考えておりますのは、公共事業で道路を整備しておる、確かにいいことであります。道路がどんどん進んでいく、このことは結構でありますが、これと比較するのかどうかとは思いますけれども、それと比べますと鉄道網の整備が整備新幹線等をやっておりますけれども、整備新幹線並びに在来線の整備が少し道路と比べてはおくれておるのでなかろうか。
 でございますから、ちょうど今景気浮揚の問題等もこれあり、まず第一番に何としても財源を求めて鉄道にもうちょっと金を入れていくべきでなかろうか。また、飛行場も積極的に整備をしていくべきでなかろうかこういうことを常に言っております。また、障害者あるいは高齢者に対します優しい交通機関、こういうものでエスカレーターとかそういうもの、これも計画的に推し進めていくべきでなかろうか。こういうことについて積極的に、口だけでなしに予算の獲得を積極的に前向きに、そういう意味で私は申し上げておるのであります。
 確かに法律案は少ない現状でございますが、どうか皆さんの御支援をいただいて、鉄道あるいはバスあるいは飛行場、船、特に過疎バスの問題やあるいは離島航路の問題や、こういう問題についても過疎地域が報われるような政策を積極的に進める、これが私の考え方であります。
#28
○渕上貞雄君 大臣が非常に心配り、気配りをしてあらゆるところに積極的にやっていこうということはわかったけれども、では越智大臣として、大臣就任のときにこれだけは実現したいというのは何かありますか。
#29
○国務大臣(越智伊平君) 私も実は以前建設大臣をやらせていただいていろいろ進めてまいりましたが、先ほども申し上げましたように、道路も確かにやらなければならないところがたくさんございます。また、このことは非常に大事だ、かように思っております。
 それとともに、私は鉄道網の整備をもっと、どういう方法でこの資金を調達するかということを今検討しておりますが、どうしてもこれを推し進めないといけない。道路に比べると鉄道は少しおくれぎみでないか。少しというのは遠慮して、大分おくれぎみでないか、こういうふうに私は率直に感じております。それとともに、各交通機関を国民の皆さんが喜んでいただけるような方向に持っていこう、こういうふうに感じておる次第であります。
#30
○渕上貞雄君 恐らく大臣も北千住駅などを視察されて、この混雑に対して有効的なものは何かと考えれば、やっぱり鉄道をどう重視されていくのかという認識に立たれたと私は思うのであります。どうか今言われた大臣の決意が実現できるように、そのことを通じて今の大都市圏における通勤通学の混雑緩和に努力をしていただきたいと思うのであります。
 そこで大臣、今大臣のお話の中にもございましたように、極めて今我が国の経済状況は底横ばいと言われているような不況になっているわけでありますけれども、どのような形で現在の不況対策を運輸省としてやれば運輸省の役割が果たせるのか、運輸省として今の不景気状態をどう好転させていくかという問題について大臣が考えられておられるのか、そこの認識を含めあわせお聞きしたい。
 そのために今自民党でもいろんな議論がされておるようでありますけれども、恐らくや自民党の方々が議論をすれば政策に反映をさせていくというのが今の政策システムになっているわけでありますから、追加経済対策として考える中に新社会資本整備という問題があります。その中にも運輸省関係のものとしてちゃんと出ているわけでありますけれども、それらを含めてどういうふうに考えられておるのか、お考えを示していただきたいと思います。
#31
○国務大臣(越智伊平君) 先ほども申し上げましたが、要は、お話に出ましたように、北千住駅を見まして、ラッシュ時にあれで本当にけが人が出ない。鉄道職員もJR、私鉄を含めてよくやっていらっしゃる、こういうふうに思いますし、また利用者もよく辛抱してくださっておる、こういうふうに率直に思ったような次第でありますのでございますから、景気対策を含めてぜひとも鉄道、これに対する投資を第一番にふやしていかなければならない、こういうふうに思います。この点について努力をいたしたい、かように思います。
 それから、もう一点は船の問題で、実は今般また中国の船でございますけれども、船の事故があったというようなことが報道されております。また、報告も受けております。そういう点から、ぜひとも老朽船はできるだけ早く建造をする。これも景気の刺激からいいますと、うちを建てるのも同じような効果が出る、こういうふうに思いますので、ひとつ税制の問題とかあるいは融資の問題とか含めてこれも奨励していこう。
 景気浮揚についてはそういう両々相まって進めていこう。また交通機関では、飛行場の問題とか、あらゆる問題にとにかく何とか投資を進めていこう、こういうふうに思っておるような次第であります。
#32
○渕上貞雄君 今言われた問題については、やはり積極的にやっていただきたいと思います。同時にあわせて、やはり大臣、今鉄道整備基金の問題の拡充についてどうかこれは要望を申し上げておきたいと思うのでありますけれども、これから先の追加経済対策等のときには積極的にひとつ予算獲得をしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、都市バスの活性化対策の問題でありますけれども、どうも運輸省全般の政策にかかわって出ていく補助金のあり方等について、もちろん過疎過密の問題があって、過疎のところでの対策が必要なものですからなかなか資金投入してもうまくいかないというようなことで補助金だけ。そうすれば運輸省として、ただただ補助金で赤字補てんだけでは財政の積極的な効果があらわれてこない。したがって、余り赤字路線には補助金を出したくないというようなことから、地方鉄道は一定の条件を満たさない限り補助金を打ち切るなどの新聞報道があったわけであります。
 私は大臣、最初にやはり、交通運輸のあり方というのは社会に対して安全を売るものだ、安全でなければならない、同時に安心した社会環境をつくっていかなくてはならないというふうにおっしゃったわけですけれども、少しの補助で地方の鉄道が賄われているし、そこの住んでいる住民の方々が安心して生活できるような条件というものができる。同時にあわせて、全国の地方の中小バス、地方のバス関係についての赤字の補償についても、これは毎年努力されていることについて私は敬意を表しておきたいと思います。しかし、やはりそういう後ろ向きの補助だけではなしに、どうやったらバスが活性化をしていくのか、どのようにしたらバス、地方鉄道が活性化されるのか、そういう政策提言というのを積極的にやることによって、そこに資金を投入することによってバスを活性化させていく、地方を活性化させていく、こういう考え方についていかが御認識でございましょうか。
#33
○政府委員(土坂泰敏君) バスの関係について申し上げたいわけでございますが、都市のバスは通勤なり通学なりの輸送需要を対象にいたしましてバスとしての役割を果たしていかなければいけない、そういう使命を持っておるわけでございます。そしてまた、バスが円滑に動くこと自体が道路機能の回復あるいは環境問題、こういった点からも非常に大事なことである、こういうふうに認識をしております。
 ただ問題は、バスが道路の混雑でうまく走れない、そのためにお客さんの信頼を失って、その結果だめになっていくということを繰り返しておるわけでございまして、そこのところをやはり克服していかなければいけない。この点については、まずバス事業者自身が努力をしてバスが利用しやすいものになるようにしなければいけない。そういう意味でバスの接近表示システムとか、お客さんがいらいらしながら待っていただくことがないようにそういうバス事業者の努力、これを地方公共団体と一緒に国としても支援をいたしましょうということをまずやっておるのと、それから最初にやはり申し上げましたように、基本的には走行環境というんでしょうか、そこに問題がございます。
 そこを直していくわけでございますので、そういうバス事業者の努力だけではそれはできませんから、道路管理者なり警察なり、そういう方々の御協力をいただかなければならない。バスの問題というのは非常に地域性のある問題でございますので、各県ごとにこういったバスの活性化のための関係者の集まり、これをバス活性化委員会と言っておるんですが、これを運輸省が各省にお願いをしてつくっていただきました。現在既に三十九の都道府県にあるわけでございますけれども、こういう活性化委員会の場でバス事業者、労働組合の方、道路管理者、警察、自治体、皆さんおいでいただいて、そこでバス事業者の先ほど申し上げた努力に加えて、走行環境の改善そのものについて地域に根差した改善策をみんなで知恵を出し合って研究をしてもらっている。こういうようないろんな対策を通じて、バスが都市の中で本来の機能が果たせるように努力をしてまいりたいと思ってやっておるところでございます。
#34
○渕上貞雄君 各都道府県にそういうバスの活性化委員会というのをつくっていただいて、走行環境やバスに対する信頼性などについて御努力願っていることについて敬意を表したいと思いますが、今問題を提起されましたバス活性化委員会を、今後運輸省としてはどういう形で政策を集約をしながら、どう予算に反映させていくかということが一番私は大事なことではないかというふうに思うのでありますけれども、とりわけ地方の都市とかかわってバス路線との関係というのは非常に重要な問題だろうと。
 したがって、路線だとか道路だけの問題ではなしに、都市の開発と同時にあわせてバスの活性化というのは考えていかなくてはならないというふうに思うんですが、いま一度バス活性化委員会の位置づけみたいなものを明確に示していただきたいと思います。
#35
○政府委員(土坂泰敏君) バスの活性化の一番の基本は、やはり走行環境を改善するということ、バスが走りやすくなって利用者に信頼されるということ、ここが一番基本であると私どもは思います。そのためには専用レーンであるとか、あるいは優先信号であるとか、あるいは道路の整備、そういったようなことが必要でございまして、こういったことについて関係者のお知恵をかりると同時に、やはり関係者のお力もかりながら、そしてそれと同時にバス事業者自身の努力もしながら、それぞれの地域ごとにやっぱり一つ一つきめ細かい対策を積み上げていくということが大事なんではないだろうかというふうに思っております。幸い、私どももバスの活性化補助金という格好で、大変厳しい財政状況の中ふやしていただいたりしてやっておるわけでございますが、最近県なり警察なり道路管理者は非常にバスの問題に御理解が深い、ぜひバスを再建しようということで大変熱意を持って御相談にあずかっていただいております。それからまた、お力添えも現実にいただいておる。こういったみんなの力でバスというものをよくしていくように、したいというふうに思っております。
#36
○渕上貞雄君 案外、地域につくったものについてはやはり予算との関係、お金との関係が出てくるわけですから、どうかバス活性化委員会で提言されたものについて運輸省としても積極的に支援をお願いをしておきたいと思います。
 次に、先ほど問題になりました大阪のタクシーの同一地域同一運賃の問題でありますけれども、裁判係属中の問題でありますから明確なことは言われないかもしれませんけれども、私はタクシーの場合の料金については、大型、小型、中型あり、深夜料金あり、そして今はいろんな形での選択ができるようなハイヤー、タクシーというものが出てきているので、運賃だけを自由競争化させればいいという発想だけでもどうも逆に混乱が起きるのではないか。世界の各都市を見てみましても、そういうところは余り例がない。逆にそれで失敗をしてもとに戻したという例などあるわけでありますけれども。
 大阪の三菱タクシー事件にかかわって運輸省が発表する発表の仕方にいろいろどうもニュアンスの違ったものがそれぞれ出ているような感じがするわけであります。したがって、事実上二重運賃を認めていこうとする発言もあるし、いやそうではないというように聞こえるものもあるし、これらの問題についてどう考えられておるのか、そこらあたりを明確に御説明願いたいと思います。
#37
○政府委員(土坂泰敏君) タクシーが大型、中型、小型で運賃が違っておったり、あるいは深夜になって割り増し料金があったり、現在のタクシーの運賃料金体系そのものもいろんな運賃があって、そういう意味では多様化しておるわけでございますが、同一地域同一運賃といいますのは、同じ例えば中型なら中型の中で、同じ時間帯に走っていても料金がいろいろあってもいいではないかという点についての問題意識のもとに議論をされるときの概念でございます。
 この点につきましては運輸省は、タクシーというものがそもそも、大体お客様がタクシーをお使いになるのは通常は急いでいるときにお使いになる。手を挙げてタクシーを拾われるわけでございますが、いろんな運賃が仮にあったといたしましても、そういう限られた時間の中でちょうど自分の希望するタクシーを拾えるということは限らない。安い車が来るかもしれないけれども、高い車が来るかもしれない。それが偶然に左右されてしまうというところにやはり問題があるだろうということで、運輸省では従来から同一のサービスについては同一の運賃がいいということで行政方針としてやってまいった、そういう経緯でございます。
 今回大阪の裁判の中で、いわゆる同一運賃そのものが争われた裁判ではございませんが、裁判の判決文の中で、同一運賃をとらなくてもこれは違法ではないんだというくだりがございました。そこがいろいろ報道などで大きく取り上げられておるわけでございますが、同一運賃をとらなくても違法ではないというのは私どもも全くそのとおりだと、同一運賃というのは別に法律の要請ではなくて行政方針でございますので、そうでなくても違法ではないというのは当然のことだと。そういう意味で、判決と異なる考え方であるわけではございません。
 ただ、そういうことで従来は同一運賃をとってきた、今回はそういう判決があった、それではこれからどうするかという点を先生が仰せになっておるわけでございますが、この点につきましては今運輸政策審議会というところで、この問題に限らずにタクシーの規制の問題全体あるいは労働力の確保の問題、広くタクシーの将来のあり方を御議論いただいているところでございますので、その結論が六月には出ると思いますけれども、やはりその場で十分御審議をいただいた上で最終的な御結論をいただくようにしたいと思っておるところでございます。
#38
○渕上貞雄君 次に、けさの新聞でも明らかになっておりましたJR東日本の株の上場の問題についてでありますけれども、JR株式の売却問題に対する基本的な運輸省の考え方をお聞きしたいと同時に、あわせて今後売却に向かってどういうスケジュールで具体的に売却を進めていこうとするのか。
 私どもが考えなくちゃならないのは、やはりNTTの株を売ることによって、これで初めて株を経験するという方が百万人も出てきたと言われるような株ブームをあおっている。きょうの新聞にもありますように、今まで消極的だった証券各社が「JR上場は、むしろ株式市場の活性化を促す」と。この活性化という言葉は非常にいい言葉でありますけれども、逆にいろんな不安な要素も、また株をあおっていろんなことに問題が起きてもならないと思いますし、NTTの株の販売をめぐっての反省等も含めてJR株式の売買問題についてお尋ねをしたい。
 もう一つは、やはりこれだけ国鉄が分割・民営化していくときの段階での負債の処理の問題等を含めて問題があるわけでありますから、安定株主問題についてどう考えておるのか。それらのJR株式販売にかかわる問題について御質問をしておきます。
#39
○政府委員(秦野裕君) もう改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、清算事業団の巨額な長期債務の償還ですとかあるいはJR各社の完全民営化というようないわゆる国鉄改革の趣旨に沿いまして、できる限り早期にJR株式を処分いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 本年度は残念ながら市場の動向等によりまして売却を断念したわけでございますが、平成五年度にはその処分を開始したい。それもなるべく早く開始したいということで現在準備を進めておる段階でございますけれども、具体的にどのようなスケジュールでやるかということについてはまだ決定する段階にまで至っておりません。
 それから、NTTの売却の際にいろいろふぐあいな点があったので、その点はJRについても十分配慮すべきではないかと。この点については私どもも十分気をつけて売却をすることにいたしておりまして、例えば入札株式数の割合がNTTの場合は約一割だったわけでございますが、そういう比較的少な目でありましたためにかなり高い値段で入札が行われたというような経緯もございますので、そうしたことも十分配慮した上で入札に対応したいというように考えておりまして、できる限り市場におきまして各社の経営実態を反映したような形の価格で決められるように努力をしてまいりたいと思っております。
 それから、JR株式はもちろん現在清算事業団が全株式を所有しておるわけでございますが、これを早期あるいは効果的に売却すると同時に、やはり公正な方法で売却をするということが特に必要であるというふうに考えておりますので、特定の者にいわゆる優先的に割り当てるというようなことは好ましいことではないというふうに考えております。
 ただ、売却株式が東全体で申しますと四百万株と非常に多量でございますので、それを一遍に売却いたしますとかなり証券市場との関係で問題が生ずることもあろうかと思いますので、過渡的には一時的に事業団が保有するということもそれは必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#40
○渕上貞雄君 二つほど要望をしておきたいと思うんです。
 一つは、運輸省が昨年の十月に佐川急便グループの特別監査を行ってもう既に半年が過ぎ谷わけでありますけれども、まだその報告が出ていないと思います。まとまり次第この運輸委員会に提出を願いたいと思います。よろしくお願いをしておきます。
 もう一つは、大蔵省が予算の参考資料として予算の説明というものを私どもに配ってくるわけでありますけれども、そこの中では社会保障関係費とか文教及び科学振興費というふうに、各省庁にまたがる予算全般にわたってそれらの項目が明確に実はわかるわけですけれども、交通運輸にかかわる予算の中身については非常にわかりにくい形になっている。昨日の政府委員の方々の説明によりましても、なかなかそれは難しいのではないかというふうに言われていますけれども、例えばバス活性化委員会だとかそういうところの問題なども、お話がありましたように他の省庁とまたがっ
て交通運輸という問題については考えていかなくてはならないというふうに言われているときでありますから、これは技術的に難しいかどうかわかりませんけれども、大蔵省と相談をしていただいて、どうかできるだけ運輸関係の予算が一目瞭然わかりやすい形で今後予算額が示されるようにお願いをしておきたいと思うんです。
 以上であります。質問を終わります。
#41
○西岡瑠璃子君 昨日、二十五日未明に九三春闘における大手私鉄労使交渉が決着いたしまして、ストライキが回避されたとのニュースがございました。金額にして一万三千四百円、率にして四・七四%アップとのことでございます。無事故、安全性、快適さを保障できるに足る賃金、労働条件の改善であってほしいと切に願っているものでございます。
 さて、越智運輸大臣は、私の出身県でございます高知のお隣の県、同じ四国愛媛の御出身でいらっしゃいますので、大変僭越ながら親近感を持ってお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 運輸委員会に所属してから私はきょう初めての質問に立たせていただいたわけでございますけれども、既に決算委員会におきましてハイヤー、タクシー問題でございますとか、あるいは戦後処理に関して滋賀丸事件など、運輸省にお尋ねをした経過もございます。今回図らずも運輸委員ということで配属をされましたのも何かの御縁だと大変心強く思っているところでございます。どうかよろしくお願いいたします。
 早速でございますけれども、まず一番目に地方、特に高齢化時代の到来を迎えまして、あわせてこういった過疎の地域に密着をした公共交通につきまして、シビルミニマムの保障をどうお考えになっていらっしゃるか、大臣にお伺いをしたいと思います。
#42
○国務大臣(越智伊平君) 今お話がございましたように地方の交通機関、これについてはでき得る限り鉄道とかあるいはバスで進めていきたい、こういうふうに思っております。
 しかしながら、その地方地方で努力はしていただいておりますけれども、やはり最近特に若い方はマイカーというのを非常に好みまして大変な問題が起きつつございます。しかしながら、高齢者とかあるいは身体障害者とか、またマイカーの運転ができないというような方もございますので交通機関をできるだけ残して進めていきたい、こういうふうに考えております。
 しかし、先ほど言ったようなことで、これも助成ができる範囲とできない範囲とがございましてなかなか難しい。具体的な問題は鉄道局長の方から御説明申し上げたいと思います。
#43
○西岡瑠璃子君 今大臣がおっしゃいましたけれども、やはり最低限度の生活基準は保障されなければならないと思うわけでございますけれども、その最低よりもさらに落ち込むということはやっぱり行政的措置としては非常にその責任を回避しておるのではないか。
 そういう観点に立ちまして、私は地方民鉄の欠損補助金制度について、ここのところに焦点を絞ってきょうはお伺いをしてまいりたいと思います。
 昭和二十八年施行の鉄道軌道整備法に基づいて実施をされております地方の中小私鉄に対する欠損補助を運輸省が一九九四年度から見直しをする、つまり補助の廃止をされたいということを新聞紙上、ニュースなどで拝見をいたしております。この欠損補助制度がなくなるのか、あるいは新聞報道などで見直しなどと書かれていることは実際にはどういうことなのか、お伺いしたいと思います。
#44
○政府委員(秦野裕君) まず結論的に申しますと、欠損補助制度を廃止するという考えはございません。ただ、これから申し上げますいろいろな経過によりまして、制度の運用について一部見直しと申しますか、新しい視点から見てみたいということでございます。
 そもそも欠損補助制度と申しますのは、先生も既に御案内のとおりでございますけれども、いわゆるバス輸送に転換が非常に困難で、かつその輸送が継続されませんと沿線住民の方々の通勤なりあるいは通学の足の確保に著しい障害を生ずるおそれがあるというふうに認められます鉄道に対しまして、一定の基準によりましてその欠損を補助する、予算の範囲内で補助をするという制度でございます。
 したがいまして、当然のことでございますけれども、毎年輸送量あるいは道路の整備状況等によりましてバス転換をすることができるかどうかということの有無を確認いたしまして、補助の要件に該当するかどうかを各事業者ごとに審査をしておるわけでございまして、その際あわせましていわゆる経営改善計画といったようなものの実施を事業者に求めておるというのが現在の運用でございます。
 ところが、最近になりまして、経営努力によりまして経営が好転していわゆる黒字になるというような会社もございますし、あるいはこれの反対でございますけれども、利用者がだんだん減少してまいりましてあるいは道路の整備が進んでまいりましていわゆるバス輸送でもやれるという可能性が出てきたという路線もあるわけでございます。
 それともう一つの要素としまして、同じ中小鉄道でございますいわゆる第三セクター、旧国鉄の際に国鉄から切り離しまして、本来ですとバスに転換することが望ましいんですけれども、地元の方の非常に強い要望がある場合には地元の方と協力して第三セクターを維持するための運営費の補助をするという制度がございました。ただ、これも一応転換後五年間ということになっておりまして、転換後五年たちました場合には国からの補助はこれで打ち切るという制度がございます。既に五年経過しておりまして、地元の支援によって運営がなされているという路線もかなりあるわけでございます。そういうこととのバランスも考えていかなければならないという要素が一つございます。
 そこで、そうした状況の中で、従来から各事業者につきまして、旅客の輸送量とかあるいは経営状況とか、そういうようなものの推移をずっと見てまいったわけでございますけれども、その中で好転の兆しの立ちがたいもの、あるいはその逆に経営が好転していくものというものにつきましては、補助対象として適当かどうかという点について見直しをしようということで、現在その見直し作業を行っておるという状況でございまして、冒頭申し上げましたとおり、いわゆる制度そのものを廃止するという趣旨ではございません。
#45
○西岡瑠璃子君 局長、一遍にぱっとおしゃべりになりましたんですけれども、私はきょうは一つ一つ納得のいくまで詰めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 新聞では、この十年間に固定している対象の十社について、この赤字補助という後ろ向きの制度では経営改善に結びつかないというふうに報道されているんです。これは冗談じゃないと思うんです。そうすると、欠損補助制度の果たしてきた役割というのは一体何だったのかということになるでしょう。全く無意味だったという位置づけになりやしませんか。一昨年、昨年の補助金そのものも効果がなかったということになるのではないか。
 私はその点についてもう少し、運輸省当局の自助努力といいますか、例えば地域の利用者のアンケートをおとりになったか、あるいは事業者との協議をなさったか、そういったことも含めてお尋ねをしたいと思うわけですけれども、先ほど欠損補助制度そのものは存続をするというふうにおっしゃったわけですが、具体的に今回一斉に打ち切ることになる十社というのはどういうところになるのですか。
#46
○政府委員(秦野裕君) 私、その新聞報道を正確には理解をいたしておりませんけれども、現在いわゆる補助の対象となっておりますのは十社ございますけれども、いわゆる補助基準というのがございまして、一定以上の輸送密度、ラッシュ時一時間当たり何人というような基準がございまして、その基準に該当するものについてバス輸送への転換が困難であるという前提で補助を出すというシステムになっておるわけでございます。
 ところが、現在既にその基準を大幅に割り込んでおる会社が相当ございまして、私どもとしましては、なるべくその会社の経営努力によってその基準にまで少なくとも引き上げてほしいということで、従来から補助金を出しながらその経営努力を見守ってまいったわけでございますけれども、今日に至りましてもなかなかその基準にまで到達することは非常に難しいだろうというような点について今回見直しをしようではないか、こういう趣旨でございます。
 それで、具体的なお尋ねでございますが、現在十社と申しますのは、青森県の津軽鉄道と弘南鉄道、それから宮城県の栗原電鉄、長野県の上田交通、群馬県の上毛電気鉄道、千葉県の銚子電気鉄道、それから富山県の加越能鉄道、和歌山県の野上電気鉄道、島根県の一畑電気鉄道、そして高知県の土佐電気鉄道、この十社が補助金の対象になっておりまして、このうちの何社かはいわゆる経営が今後とも好転しないだろうということで、補助の打ち切りを現在考えておりますものが二社、それから逆に経営がかなり好転してまいりまして、いわゆる黒字が見込まれるということで補助金はもう要らないのではないかというものが三社というのが現在の見込みでございます。
#47
○西岡瑠璃子君 その三社の中に私の出身の土佐電鉄も入っておりますけれども、手前勝手になりますからここばっかり言うわけにいきませんですけれども、この基準というのはそもそも何なんですか。今局長は、もうかなり経営が黒字で好転をしている、自助努力によってこれからやっていけそうだから補助金を打ち切るというふうなことをおっしゃったわけですけれども、例えばラッシュ時の一時間当たりの輸送人員がおおむね千人以上であるとか、千人以下であっても並行道路が未整備であったりとか、あるいは積雪豪雪地帯でバス輸送への転換が困難であるとか、こういった条件を満たしている中小私鉄を対象にして国と自治体が折半でもって補助をしているわけです。その基準というのを私も今度初めて確認をしたわけですけれども、こういう基準というのを今言ったような数字でからっと割り切れるものかということなんです。数字、基準に当てはめてこれをクリアしたからもう補助は要らないとか、そういうものではないと思うんです。
 それは、私はこれからちょっと説明をしていきますけれども、例えば先ほど挙げていただいた各社について一つ一つ基準をはめて厳正な適用を行っていったら結果はどうなるか、各社によってそれぞれ事態は違ってくると思うんです。運輸省の裁量権とかしんしゃくではなくて、現行の各社について運用の適正化を図るということで補助金を打ち切るというなら、私は代替案、きちっとしたビジョンを運輸省は示さなきゃいけないのではないかというふうに思うわけです。
 例えば私の県の土佐電鉄の場合はどういうことになるかと申しますと、平成四年に七千六百万円の補助を受けています。平成三年度において年間九百十五万四千人を輸送して、ラッシュ時は一時間当たりの輸送人員も基準の一千人を上回る一千四百十四人となっているわけです。一日当たりの電車利用者は二万五千人と推計されます。基準は完全にクリアされているわけです。だから外すと言われるかもしれないけれども、平成三年度決算では一億五千四百五十五万円の単年度欠損額に上っている。これに対して土佐電鉄の複線区間を対象に平成三年度は国、県、市から合計一億二千万円、うち国が半分ですね、補助を受けたわけです。この区間というのは本年度、というのは平成四年度になりますか、二億円近い赤字が出るというふうに見込まれております。これは私は専務に会ってきました。運輸省の補助に対して、国の補助に対して県も、そして隣接の市も補助をしているわけですけれども、これ国が打ち切ると県単の制度ではないから県も市も追随をして打ち切らざるを得ない、こういうふうに言っているわけです。
 そこで、鉄道整備法の第三条の三号にも明記してあるので私は局長にもう一回確認をしてほしいと思うんですが、「設備の維持が困難なため老朽化した鉄道であって、その運輸が継続されなければ国民生活に著しい障害を生ずる虞のあるもの」というふうに書いております。また、「適切な経営努力がなされたにかかわらず欠損を生じたときは、当該鉄道事業者に対し、毎年、予算の範囲内で、当該鉄道事業の欠損金の額に相当する金額を限度として補助することができる。」と第八条三項で書かれております。
 土佐電鉄の経営努力というのは基地、ターミナルの移転、そして本来はあるまじきことですけれども、労使協調路線をしいて生き残りをかけた人員削減の合理化を図った。この時短という御時世に労働時間の三十分延長もやった、労働条件の完全なこれは切り下げでございます。そして回数券の販売促進ノルマ化、電車の車体広告、世界のクラシック電車を導入して増客増収対策を図って再建の兆しがようやく今見え始めている、こういうふうに言っております。だから、鉄道軌道整備法に私は完全にこの経営のあり方というのは合致をしているのではないかというふうに思うわけです。
 先ほど局長、経営改善計画とおっしゃっていましたけれども、先ほど述べられた各社の経営改善計画というのは明らかにすることはできますか。
#48
○政府委員(秦野裕君) もちろん、私ども各社からヒアリングをしておるわけでございますけれども、これはあくまでも私企業からの計画を承知しておりますので、ここでその具体的な内容を御説明するのは御容赦いただきたいと思います。
#49
○西岡瑠璃子君 私は時間がないから本当に早口でまくし立てて申しわけないんですけれども、このような事態が生ずる前に、このような事態を招く前になぜもっとほかに打つ手はなかったかというふうに私は思うわけです。経済効率のみを考えて、一企業の経営不振の問題として突き放している。そういうことではなくて、私は運輸大臣にもう一回、公共交通の使命とはどうあるべきかということについて一点、一言でいいですからお聞きしたいと思います。
#50
○国務大臣(越智伊平君) 鉄道局長からいろいろ御答弁申し上げましたが、やはり地方公共団体等ともよく連絡をとり、会社もあらゆる努力をしていただきますし、先ほどお話がございましたが、老朽化の問題はこれはもう安全面でぜひとも更新をしていただきたい、安全だけはぜひ確保していただきたい、こういうふうに思います。その上に立って、いろいろ基準もございますが、とにかくこういうところの自治体の方ともよく相談して進めていきたい、こういうふうに思います。経営の方も御努力をいただいておりますが、さらに努力をしていただいてお客さんには、乗客には迷惑がかからないような方向で進めていきたい、こういうふうに思いますのでございますから、よく相談をし検討をさせていただく、こういうことであります。
 特定のところでどこをどうするということをここで申し上げることにもちょっと、個々の問題でヒアリングをして指導をし今後できるだけうまくいくように、どうしてもいかないところは逆なところでございますけれども、基準に合わないようなところはそれではバスでできるのかできないのか、バスができないとすればたとえ赤字になってもそれは残さざるを得ない、こういうふうに思いますし、そこらも十分配慮をして今後進めてまいりたい、かように思います。
#51
○西岡瑠璃子君 国の行政が過疎とか過密の地域格差を生み出しているわけです。そういった中で、代替交通機関の整備状況とかあるいはモータリゼーションに対するきちんとしたビジョンが出されていないのではないか。そういったビジョンを示さなかった結果として今日このような事態を招いたのではないかというふうに思うわけです。
 運政審の九一年の答申、「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」というのがありますけれども、地域交通部会でありますとかあるいは総合部会でそれぞれ各都市を規模別に十ブロック、十カ所ほどに分けて地域別交通政策のあり方、類型的なビジョンを策定をしているわけです。地域全体としての交通政策全般を所掌している運輸省は、この運政審を受けて一体どういう取り組みの姿勢をお持ちになっていらっしゃるのか、それを少しお示しいただきたいと思います。
#52
○政府委員(秦野裕君) その前に、鉄道関係のことで若干補足して御説明いたしたいと思います。
 先ほど先生御指摘の土佐電気鉄道を例にとりますと、私ども決して鉄道をやめた方がいいというふうに思っておるわけではございませんで、むしろバスに転換が困難であれば何とかしてそれを維持していくべきだというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど来お話にございます欠損補助という考え方は、いわゆる公的支援がなければ企業がもち切れない、したがって鉄道自体も維持できないというものに対して助成をしていくという考え方でございますので、いわゆる全事業が黒である場合には一応この対象からは外れるわけでございます。
 ただ、一方で近代化補助というのがございまして、いわゆる施設の近代化なり合理化をしていくという際に、その費用を国なり地方が補助をしていく。いわゆる何と申しますか、欠損補助が後ろ向きの補助だとすれば、近代化補助は前向きの補助というような形で補助を続けていくということは十分可能でございますので、具体的なケースに応じて御相談させていただきたいというふうに考えております。
#53
○西岡瑠璃子君 私、近代化補助金制度が前向きで、欠損補助が後ろ向きの姿勢と言われると本当に頭にきちゃいますね。もうこれ許しがたい発言だと思いますのでも、私は近代化補助金制度のことはきょうは触れる時間がございませんので、次へ移らせていただきます。
 きょうはもう大分はしょってカットいたしますけれども、例えば土佐電鉄の場合、九十年の歴史を誇る土佐電鉄がどのようにしてあの軌道を走らせているかということを私は今るる御説明する時間が残念ながらないんですね。ですけれども、バス路線に変更しろと言ったって既存のバスが走っているわけです。それへもってきてまた走らせるということは一体、電車は非常にたくさんの人を収容して輸送することが、大量輸送することができるわけでしょう。その部分、二万五千人もの電車の利用者の輸送をバスで賄い切れますかということです。そのためには百二十両のバスの追加が必要だ。大型二種免許の運転者を百五十名も確保しなくちゃいけない。赤字企業では不可能です。さらに、専用レーンとかあるいは優先レーンの整備も進んでいないという道路事情で通勤通学の定時性はもうこれは絶対に守れません。ですから、やっぱりバスより大量輸送できる利点がある電車軌道は守っていかなくてはならない。お年寄り、身体障害者、そして通勤通学者にとってもこれは絶対に欠かせないことなんです。
 もう一つ電車の利点というのは、私は今日環境とエネルギーの問題にも深くかかわってくると思うんです。ですから、クリーンエネルギーによる大量輸送ができるという点で、ちなみに運輸関係のエネルギー要覧の平成四年度版を見ますと、主要輸送機関別エネルギーの消費原単位旅客人キロ当たりで、自家用車が五百四十七人キロ、航空機が三百八十八、営業用バスが百七十三、鉄道、軌道は百一なんです。こんなにもエネルギーの消費も効率がいい、環境面でも無公害のクリーンエネルギー、この路面電車で大量輸送ができて安全性が、そして定時性が、快適性が全部確保できる。さらに総量規制の点を勘案しましても、私はバスよりは優位性に立つのではないかというふうに思うわけでございます。
 連日、電車をなくさないでほしいという新聞への読者の方々の投書も続いております。長引く不況の中で予想以上に利用客が減少しております。軌道事業を含めて企業的に収支の見通しを修正せざるを得ない事情の変化も考慮していただきまして、やっぱりこれまでどおり欠損補助を継続していただきまして、地方民鉄の存続と強化を図っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 景気浮揚への期待も込めて整備新幹線の建設には大盤振る舞いされる一方で、ローカル私鉄への欠損補助が打ち切られるというのは何としても合点がいかない、回避をしていただきたいと思うわけです。
 大臣も九十年の長い歴史を持つ土佐電鉄を御存じだと思うんです。県都高知市の心臓部を東西南北を貫いて走っております。観光、文化はもとより、地域開発のかなめとして寄与してまいりました、貢献してきたこの市民の足、路面電車のこの火を何としても私は消さないようにしていただきたいということを市民、県民の祈りも込めまして、大臣に重ねてお願いをいたしまして、最後の御決意を伺って質問を終わらせていただきます。
#54
○国務大臣(越智伊平君) お話はよく承りました。でき得る限りよく検討させていただきます。
 もう一つは、高知、土佐の電車もなかなかいろいろの面で、観光面にしましてもいいところもよくわかります。その点はよくわかりますが、さりとて欠損補助ということについてはもうちょっとよく研究をさせていただきます。なかなか、個々の問題でございますけれども、ほかとの関連もあって、私が四国だから高知だけは大丈夫ですよとここで申し上げるわけにもいきませんので、あらゆるところのこともございますから、できるだけ検討、研究をさせていただきます。
#55
○西岡瑠璃子君 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#56
○広中和歌子君 考えてみますと、私どもはさまざまな交通機関にお世話になっているわけでございます。バス、電車、タクシー、汽車、飛行機、たまには船も利用します。そういう中に、しかしながらこうした交通行政をつかさどる運輸省の運輸行政については私は全くの素人でございます。したがいまして、一利用者の立場からもう本当に素朴な質問をさせていただきたいと思うわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初の質問は、旧国鉄の債務の現状とその返済スケジュールでございます。ここに御出席のベテラン運輸委員の方々にとっては復習になるかもしれませんけれども、どうぞお許し願いたいと思います。
 一九八七年に生まれた国鉄清算事業団が引き受けた債務の総額と、そしてどのような条件でお引き受けになったのか、復習の意味も兼ねまして御説明いただきたいと思います。
#57
○政府委員(秦野裕君) 今から六年ほど前にいわゆる国鉄が分割・民営化されました際に、当時の国鉄の持っておりました債務の一部につきましては、その資産見合いということで関係のJRの各社に負担させたわけでございますが、残りました債務、当時国鉄が抱えておりました債務のうちのJR各社が負担しました債務以外の債務、これを国鉄清算事業団の方で承継いたしまして、これを土地なりあるいは株の売却によって償還をしていくということで、事業団の方に債務が移ったわけでございます。
 当時の額で二十五兆五千億に相当する額が移っておりますが、株の方はまだこれからでございますけれども、その後清算事業団の用地の売却を進めておりまして、極力その長期債務の額の減少に努めておるわけでございますが、御案内のような不動産をめぐります環境が大変厳しいという状況がございまして、必ずしも土地の売却が思うとおり進んでいないという状況にございます。平成四年度首では長期債務が二十六兆四千億円、本年度の初めで二十六兆四千億円ということになっておりまして、今後とも全力を挙げまして不動産あるいは株式の売却によりまして極力その債務の額を圧縮していくということで現在努力をしているところでございます。
#58
○広中和歌子君 お引き受けになりましたその時点におきまして、どういう形で返済をしていこうか、そういう計画があったはずでございますけれども、それはどういうものだったのでしょうか。そして、引き受けた債務の二十五・五兆円でございますか、それはどこから借りているのか。そしてまたその利子ですね、利払いなどにつきましてもどういうものなのか。長いお答えじゃなくていいですから、要点だけお答えください。
#59
○政府委員(秦野裕君) 当時、二十五兆五千億円を承継いたしましたときに、先ほど申しましたとおり、いわゆる償還のために清算事業団が承継いたしました土地、それとJR各社の株、これを売却することによりましてその償還に充てていくということが原則でございます。土地も株もなるべく早く売却を進めるということで当時の計画は立てておりました。
#60
○広中和歌子君 なるべく早く土地と株を売ってということなんですけれども、二十五・五兆円というのは無利子のお金だったんでしょうか。そうじゃないですよね。
#61
○政府委員(秦野裕君) 先ほど答弁を落としましたけれども、調達先は資金運用部、いわゆる財投のお金あるいは民間から借り入れたお金でございまして、当然それに利子が発生するわけでございます。したがって、その利子を含めて元本を返済していくということでございます。
#62
○広中和歌子君 二十五・五兆円というと、私どもの日常性からもう非常に遠い世界でございますので余りぴんとこないんですけれども、二十五・五兆円の金利ですね、利払い、年間どのくらいになるのでございましょうか。
#63
○政府委員(秦野裕君) 利子そのもの、あるいはそれに附帯します諸費を入れまして大体年間一兆五千億程度でございます。
#64
○広中和歌子君 ここに、平成五年度日本国有鉄道清算事業団予算の支出の分で「債務償還諸費」と書いてございますけれども、平成三年度が二兆六千億、平成四年度が二兆四千億、平成五年度が二兆八千億、この三カ年足しただけでも幾らになりますか、七兆円を超える。つまりこの二十五・五兆円、早く返さなければもうどんどん利子が雪だるま風になってきて、何か私自分がサラ金地獄に入ってしまっているような、そんな気持ちになるのでございますけれども、そういう中におきまして、一日も早く返さなきゃならないということで土地と株を売る。それは土地と株というのは座っているだけでは、座っているというと変ですけれども、そこにあるだけでは何もお金を生み出さないものですよね。そういうものでお返しになろうとするんだったらできるだけ早く土地と株を売って、しかもどういう形で売って返していくかというそういう最初のプランがなくちゃおかしいんじゃないでしょうか。と思うんですけれども、私の今申しました素朴な疑問に対してコメントをお願いします。
#65
○政府委員(秦野裕君) 御指摘のとおりでございます。当然土地を売ります際に、一件当たりの土地が非常に広いというのが多うございますので、当然のことですけれどもいわゆる都市計画等いろいろ関連してまいりますし、また売却の相手との関係もございますので、一応私どもなりにある程度のイメージを持って、実はこれは平成九年度までに実質的な処分を終了するということで政府の意思が決定されておりますので、平成九年度までの間に売却を進めるに当たって一応具体的なある程度のイメージは私ども持っておるわけでございますが、何分相手方もあることでございますので、具体的に内容はちょっと申し上げかねますけれども、イメージとしてはそういうことで考えております。
#66
○広中和歌子君 一応平成九年度までに売却して何か片をつけたいという御趣旨だろうと承りましたのですけれども、土地の資産というのは、引き受けた時点の時価は大体どのくらいあったのでございますか。
#67
○政府委員(秦野裕君) 引き受けました時点では七兆七千億円でございます。
#68
○広中和歌子君 それから、株の方はどのくらいで売れるというおつもりで株を持たれたわけですか。
#69
○政府委員(秦野裕君) これは額面は五万円ということで一応決めておりますけれども、株価そのものはまさにこれから入札にかけ売り出すわけでございますので、私どもとしては価格を想定いたしておりません。
#70
○広中和歌子君 株のことはそれじゃ後で伺いますけれども、ともかく当時の時価は七兆円で、そして株も売りますと一応二十五・五兆円、最初引き受けた債務というのはきれいになくなるという予想でいらしたわけですか。
#71
○政府委員(秦野裕君) 当時の一応の推定では株と土地だけでは全部は無理であろうということになっております。そのときの試算ではたしか十二兆だったと思いますが、それぐらいは最終的には残るのではないかという、一つの仮の試算でございますけれども、がございました。
#72
○広中和歌子君 そうすると、その十三兆円はだれが返すという、清算事業団というものの性格をちょっと教えていただきたいんですけれども、その残ったものはどうなさるおつもりだったのでしょうか。
#73
○政府委員(秦野裕君) 最終的に残りますものにつきましては、国において財政上その他の措置を講ずるということになっております。事業団としてどうするというわけには、もう土地と株はございませんもので、それ以外については国において何らかの措置を講ずるということになっております。
#74
○広中和歌子君 そうすると、清算事業団の責任ではないということでございますね。残った借金というのは当然最初から、株を売っても土地を売っても、いずれにしても全部返し切れるものではないということを承知の上で資産をお引き受けになったわけですよね。
#75
○政府委員(秦野裕君) 最終的に残ります債務につきましては別でございますけれども、少なくとも事業団において、最後に残ります債務が極力少なくなるように土地なり株の売却に全力を尽くすという意味の責任はあると思います。
#76
○広中和歌子君 いや、私もこうやって見ていましてちょっと心配になっているからお伺いしているわけでございますけれども、利子は国の借金だからって決してまけてもらえなくて、今金利が下がっているようですけれども、それが市場に連動して安くなっているのかどうか、それもわからないところですけれども、いずれにしても二兆円以上の金利がついてくる。平成九年度ですと、今平成三年から七兆円と申しましたけれども、あと七年分、そうしますと残りは十三兆どころか、どのぐらいになるんでしょう。もう最初の二十五・五兆円をはるかに超えるものが残ってしまうんじゃないかなという、そういう気がするんでございますけれども、それでも清算事業団としては仕方がないというような感じになるのでしょうか。
#77
○政府委員(秦野裕君) 最前ちょっと申しましたとおり、土地の値段が高かったころにはいわゆる地価問題ということで土地が売れませんで、現時点になりますと今度は逆に地価が下落ぎみでなかなか値段がつかないというようなこともございまして、当初の二十五兆五千億が現在では二十六兆を若干超えるぐらいになっておるわけでございます。
 ただ、これからも土地の売り方についても新しい工夫をいろいろ凝らしておりますし、また一方株式につきましても処分をしてまいるわけでございますので、私どもとしましては、最終的にゼロになるかどうかについては自信がございませんけれども、その残りの債務額が極力少なくなるように最大限努力をするつもりでございます。
#78
○広中和歌子君 NTTが大変うまく株をお売りになって大蔵省が大変もうけられたと言うと失礼ですけれども、国庫が非常に膨らんだということでございますけれども、清算事業団というのは、あのときに非常に地価高騰だから売ってはいけない、最高の時期に売ってはいけないという閣議決定があったそうでございますね。そのときの事情など、越智大臣、当時建設大臣でいらしたんじゃないかなと、何かそんな記憶があるのでございますけれども、その辺の御事情をちょっとお話しいただけませんでしょうか。
#79
○国務大臣(越智伊平君) お話しのように、清算事業団が引き受けたときは二十五兆五千億であります。これを土地それから株式両方の売却によりましてできるだけ、幾らかは残るであろうという想像はございましたけれども、それで処理していこう、こういうことでありました。そうして、御承知のように地価がウナギ登りに非常に上昇をいたしました。当時売りますと土地も随分高く売れたと率直に思うのであります。しかしながら、そのことが地価の上昇の引き金になってはいけないから、しばらく清算事業団の土地を売るにしても地方公共団体あるいはそのほかのところに競売をいたしますにも幾ら以上はだめですよという頭打ちの設定をしなさい、こういうことで決めたのでありますのでございますから、その点は地価上昇の観点から考えますと当然のことであった、こう思います。
 しかし、清算事業団の立場で考えますと、それが非常に何といいますか、制約をされたような状態でございます。実は昨日も土地関係閣僚会議がございまして、私は発言をいたしました。お決めになっていただいた当時のことと今とは様子が違う。今頭打ちの価格を設定いたしましてもそれに近づくようなことはない、それよりうんと下であります。また、事によっては売りに出しましても応札をしてくださる方がないというような状態でありますのでございますから、土地はなかなか難しい。しかしながら、仰せのように早く処分をしないといけないですから、地価の変動の少ない、過疎地と言ったら失礼でありますけれども、三大都市圏以外のようなところから売却をするということで、今清算事業団も非常に努力をしていただいております。
 一方、株式の問題でありますけれども、株価も非常に暴落をいたしまして、きのうきょう一万八千何ぼですか、一万九千円近くになってきた。少し上昇をいたしました。でございますから、なるべく早く処分ということでございますけれども、株式も余り全体の株が低いときに売り出すことがいいのかどうかということで昨年ストップをしたと。平成五年度は一般の株が上昇すればできるだけ売却をしたい、こういうことで今準備はいたしております。しかし、これも様子を見てやらなければいけない。余り高くても、NTTの二の舞になりますとこれは投資した方に大変迷惑をかけるわけでありますのでございますから、相場のことですから多少の変動はありましても大きく何分の一というふうなことのないように、また何倍というようなことのないようにスムーズにやっていきたいものだと、こういうふうに思っております。
 いずれにしても、今の株式それから土地、これを有利といいますか、有利といいますとちょっと商売のようなあれがございますけれども、そういう意味でなしに、やはりこれは国民のものでございますから処分をうまくやっていって、後々NTTのように何分の一に株がなったとか土地が暴落したとか、そういうことのないようにやっていきたいものだと、こういうことで今鋭意その立場立場のところで勉強をしていただいておる、これが実情であります。
#80
○広中和歌子君 私は経済の専門家でもありませんし、また大臣のお言葉に反論するつもりはないのでございますけれども、しかも過去のことをとやかく言っても仕方がないとは思いますけれども、例えばあの地価高騰のときにもし国鉄が土地を放出なさいましたならば、むしろ地価を下げるという、つまり供給がふえれば地価は下がるという、もう非常にこれは簡単な原則でございますから、供給をふやすということによって国鉄は自分たちもキャッシュ収入があり、したがいましてこのような莫大な利子の出費をなさることが多少でも減ったというメリットもございますし、それに国鉄清算事業団が大量に土地を放出してくれたおかげで地価が下がったという、そういう評価も得られたんじゃないか、そういうふうに思うのでございます。
 それから、株のこともついでにおっしゃいましたけれども、株というのはあくまでこれはマーケットの自然のメカニズムによるものでございまして、例えばNTT株を放出したからあおられて上がったというものではなくて、もしそういうことがあったとしたらば、何か神の見えざる手以外の手が働いたんじゃないか、そういうような気がするわけでございまして、先ほども申しましたように、国鉄清算事業団の借金というのは延びれば延びるほど毎年二兆円の金利を払わなきゃならないということなのでございます。
 旧国鉄用地八千八百八ヘクタールございましたよね。そのうち売られた土地というのが、私が勝手に計算したんですけれども二千七百二十二ヘクタールでございますけれども、その土地を売却することによって得た収入というのはどのくらいなのでございますか。
#81
○政府委員(秦野裕君) 平成三年度までの実績でございますけれども、トータルで二兆二千三百億円でございます。
#82
○広中和歌子君 つまり、八千八百八ヘクタールの用地の三分の一近くを売りました結果として得た収入というのが二兆円でございます。たった一年分の金利にすぎないわけです。ということを考えますと、いかに早く借金をなくしていくかということが非常に大切なんだと思うんです。そしてその残った借金が、それが最初の予定の十三兆じゃなくて、あるいは三十兆円にも四十兆円にもなるかもしれない。
 そういう中にありまして、それはちょっと大げさかもしれませんけれども、最終的にはいかにロスを少なくするかというのが清算事業団に課せられたお役目じゃないかと思うのでございますけれども、失礼ですけれども、この清算事業団の構成メンバーには財務に堪能な実務家というんでしょうか、がいらっしゃるんでしょうか。いらっしゃるんだろうと思いますけれども、もしこれが個人会社であったとしたらば当然財務のエキスパートを連れてきて当たらせるだろうと思うのでございますけれども、どういう方がやっていらっしゃるんでしょうか。
#83
○政府委員(秦野裕君) 当然清算事業団には国鉄の職員であった者も含まれておりますし、また発足のときには民間会社の方のそれぞれの方面の練達の方をお招きして職員として参加していただいております。したがいまして、財務の面でも十分に対応していけるものというふうに考えております。
#84
○広中和歌子君 そうすると局長、私が今申し上げましたことは全く素人の視点でございますけれども、素人の視点であっても私は結構納得していただけるところがあるんじゃないかと思います。ともかくこの借金を早く返す。しかも、清算事業団がもうけにつながるようなビジネスをやっているんであればまた別なのでございますけれども、その目的は借金を返すということであるんだったらばできるだけ、一日も早く資産を投げ出す、そういうことではないかと思うのでございますけれども、大臣の御意見お伺いいたします。
#85
○国務大臣(越智伊平君) 先生の御意見、もっともな点もございます。私どももできるだけ、なるべく早くという点は同感でありますけれども、さりとて安い土地を売る、また株にしても安く売るということにも、高く売るということもございませんけれども、後で余り何倍になったとか何分の一になったとかいうようなことのないように、正常な相場といいますか、そういうことを模索して
おるというのが現状であります。そういう中にあってできるだけ早く処理をしたい、こういうふうに考えております。
#86
○広中和歌子君 この前証券の問題でいろいろ言われたわけでございますけれども、こういうことを言っては大蔵省に失礼かもしれませんけれども、さまざまな指導とか、それから株価を何というんでしょうか、これは大蔵省とは関係ないことでございますけれども、株価に対する配慮が余りにもあったおかげでかえっていろいろな不自然な問題が起こったわけでございます。やはり、必要なときには例えば上場してそして資金を得るとか、そうした自然体に任せる方が私はむしろ健全だと思います。特にこのような場合には一日も早く返した方が、少しでも高く売れるかもしれないと思って待っていたおかげでかえって金利の支払いがふえる。そういうようなところを考えますと果たしてどういうことなのかもっと専門的にお調べいただければと思うわけでございます。
 九三年度予算の収支によりますと、国鉄清算事業団としては千五百四億円の売却収入を見込んでいらっしゃるようなんですけれども、大体何万株ぐらいをお売りになる御予定でいらっしゃいましょうか。
#87
○政府委員(秦野裕君) 株式数といたしましては二百万株を予算上は計上してございます。なお、この千五百四億円というのはこれはあくまでも仮定の数字でございまして、別に幾らで売れるということを念頭に置いてはじいた数字ではございませんで、実際にはこれよりも高目の価格になると思っております。
#88
○広中和歌子君 では次の問題に移りたいと思います。
 リニアでございますけれども、これまでの経費と、それからこれからの費用についてお伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(秦野裕君) リニアにつきまして本格的な技術開発が始まりました平成二年あるいは平成三年度までの費用でございますが、用地費と関連工事費を除きまして約二百二十億円でございます。
 それから今後、四年度以降実用化のめどを立てる予定にしております平成九年度までの事業費は、同じく用地費と関連工事費を除きまして約三千百十億円でございます。
#90
○広中和歌子君 今の段階ではこれは実験線でございますから、実現するか実現しないかということはわからないわけでございますけれども、もしうまくいったといたしますと、もちろんもしというのが成功することを祈っておりますけれども、そういたしましたら、リニア鉄道網というんでしょうか、今後そういうものはどういうふうに広がっていくのか。そして現在の、在来線とのかかわりでございますね。そして、それがそういう中にどういうふうに位置づけられていくのか。ちょっと絵でもないとなかなか口では御説明しにくいかもしれませんけれども、お話しいただきたいと思います。
#91
○政府委員(秦野裕君) いわゆるリニアと申しております超電導の磁気浮上式の鉄道でございますが、大体最高速度が五百キロ程度ということで現在実用化のための試験を進めておるところでございます。もし仮にこれが実現いたしましたとすれば、中長距離の都市間の交通機関として非常に大きな役割を果たすものだろうと思っております。
 ただ、技術的なことはもちろん必要でございますけれども、同時にコストがどれくらいかかるのかということも検討しなければなりません。これも平成九年度の実用化の研究に向けてある程度並行して勉強していかなければならないと思いますので、それらも含めて在来線との関係のネットワークはどうあるべきかということを検討していくべきものと思っておりまして、まだ現時点で何か青写真のようなものがあるというわけではございません。
#92
○広中和歌子君 実用化については御検討になるということでございますけれども、五百キロの速度で地上があるいは地下、地下というかトンネルの中を走るものというのは、まだ実現していないわけでございますからちょっと想像しにくいところなのでございますけれども、飛行機との関連、それから他の新幹線、それからこれからつくられようとする整備新幹線との関連、そして採算、そうした位置づけの中で、そういうものを含めて御検討いただきたい。そういうことを、時間でございますので改めて御質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。
#93
○直嶋正行君 民社党の直嶋でございます。越智運輸大臣におなりになって初めての質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、きょうやはり自賠責保険の特会に関する質問から始めたいと思います。
 自賠責につきましては、昨年でございますが、特会上の滞留資金が非常にたくさんあるということで、これはユーザーに還元すべきではないかというように御要望申し上げました。その後、運輸、大蔵両省の御努力によりましてこの四月から一三%引き下げられるということになりました。まずもってこの両省の御努力に対して心から敬意を表しておきたいと思います。
 それで今回、同じ自賠責特会の中で、今政府御提案の国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案の中で、この自賠責特会の事務費につきまして一般会計からの繰り入れ停止特別措置を行う、かつそれが当分の間継続をされると、こういう御提案がなされているわけであります。この特会への特例措置の停止、これは自賠責ともう一つは地震特会でございます。この二つについてのみ事務費の繰り入れを停止ということでありまして、特に自賠責でいいますと過去十年ぐらい続いているということです。
 今回の御提案、私二つの面から疑問点といいますか、問題意識を持っております。
 一つは、繰り入れ停止措置そのものについてであります。これが一つ。
 それから二点目としましては、この繰り入れ停止措置が過去十一年間継続をされているわけでありますが、従来は例えば一年とかあるいは二年とか三年というような形で、大体一年から三年の間で期限が明確に切られておりました。それを更新して継続してきたということなんですが、今回はどういう事情かわかりませんが、当分の間という日本語に置きかわっております。ここに何か考え方の変化があったのではないかな、このように思うわけであります。
 それで、まず最初の繰り入れ停止措置の方から御質問したいと思うんですが、自賠責保険というのは、言うまでもなく国が関与してそして交通事故の被害者救済の体制を確立しようということを目的にしてやっている保険であります。同時に、それは国がやる以上、できるだけ支払い者からとってみると少ない負担で保険サービスを提供していく、こういう役割もあろうかと思います。この点については一般的な公共サービスも同じようなことではないかと思いますが、一つはそういう本来の役割があるはずだということであります。
 それから二点目としまして、今申し上げたように、国が制度として行う以上当然、したがいましてこれにかかわる公務員の給与等については税金で賄っていく、それが原則ではないかと思います。
 さらに三点目としまして、特別会計の事務費繰り延べ措置を行っているのは、さっき言いましたように自賠責特会と地震特会の二つだけであります。あと政府関係の特別会計、これは十五ございますが、他の会計はいずれも一般会計から繰り入れられております。さっきお話ししたように、これが十年以上続いている。そういうことになりますと、やはりその間の不公平、公正さを欠く措置ではないかな、このようにも思うわけであります。
 これは蛇足ですけれども、過去にも自賠責保険につきましては昭和五十八年に二千五百六十億円だったと思いますが、一般会計の方に貸し出しまして、それを無利子で六十一年、六十二年にかけて返済をしていただいた、こういう経過がございます。無利子というのはめったにないケースではないかと思います。
 そういうことを考えますと大変疑問点が多いということでありまして、まずお伺いしたいのは、この繰り入れの停止措置というのは先ほど言いましたように昭和五十七年から始まっているわけでございますが、どういう経緯でこれがなされたのか。それからもう一つは、担当省庁としてこの措置をどのように受けとめられておられるのか。この二点についてまず運輸省のお考えをお聞きしたいと思います。
#94
○政府委員(土坂泰敏君) 自賠特会の事務費につきましては今仰せになりましたような経緯でございまして、五十六年度までは一般会計から繰り入れをしていたわけでございますが、五十七年度以降は自賠特会の運用益で事務費を賄うということにいたしまして、繰り入れの停止をしておるわけでございます。この点につきましては、法律上必要な措置を講じまして、国会の御審議を経てお許しをいただいた上でそれをやったと。以後、それを数次にわたって継続をして今日に至ってきた、こういう経緯でございます。
 それで、自賠特会の運用益というものの使途でございますが、やはりユーザーからお預かりしたお金から出てきた運用益でございますから、特会の目的、ユーザーの利益、こういうものに資するように使っていかなければならない、こういう原則がございます。
 今申し上げました自賠特会の事務費といいますのは、自賠特会の保険金の適正な支払いあるいは保障金の債務の回収、こういったようなことをやっていくための経費でございますので、そういうものを賄っていくということは結局やはりユーザーである保険者の利益にも資する、そういう見地からこの運用益を事務費に充てるということは自賠特会の目的なり運用益の性格に合っているというふうに私どもは思っております。
 また、もう一つの要件といたしまして、運用益を事務費に充てることが特会の状況からできるかできないかということも問題になるわけでございますが、特会の状況はその年によっていろいろ違いがございますけれども、運用益を事務費に充てることが可能だ、それによって特会の収支も償っていけるということが確認された限りにおきまして先ほど申し上げたように事務費に運用益を充ててきた、こういう経緯でございます。
#95
○直嶋正行君 今の、大蔵省の方はよろしいですか、特に。
#96
○説明員(金井照久君) ただいまの運輸省の答弁で、そのとおりでございます。
#97
○直嶋正行君 これは自賠責保険の性格にかかわる部分でありますけれども、運用益を事務費に充てるというのは私はやっぱり本来と違うんではないか。今局長おっしゃったように、それがユーザーのためにというふうにおっしゃっていますけれども、これはさっきも言いましたように、あくまで国が強制的な保険として行っている会計であります。ですから、国が責任を持ってやっている会計でありますから、それのいわば人件費等が事務費でございますから、ユーザーから集まったお金を運用したその利益でやるというのはちょっと趣旨が違うんではないかな、原則が違うんではないかなと。
 したがいまして、例えば自賠責特会の法律の中にも明確に、自動車損害賠償保障法の第五十条でございますが、再保険事業の業務の執行に要する経費に相当する金額を、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計から再保険特別会計に繰り入れるものとする、こういう条項が書いてあるわけです。今回、附則でそれを停止しているというのが今までの経緯であります。したがいまして、法律をつくられたときの基本的な考え方というのは、今局長がおっしゃったようなお考えでは必ずしもなかったんじゃないかこのように思うわけであります。
 現に、自賠責について何回か議論させていただきましたが、これまでの運輸大臣の御答弁の中でも、そもそもこの自賠責にかかわる滞留資金等は本来これはユーザーのものであると。ですから、ユーザーに還元するべきものだということで今回も値下げされたわけであります。これを事務費に充てていくということになりますと、制度をつくったときと今と発想が変わってきた、こういうことになるわけでございますが、どうなんでしょうか。
#98
○政府委員(土坂泰敏君) 先生が仰せになりました五十条は自賠特会の事務費についての考え方の原則を示したものでございますが、同時に、自賠特会の運用益には先ほど申し上げましたように明文の規定はございませんけれども、それをユーザーのために広い意味で使っていくことはそういう意味では差し支えないわけでございまして、その点について事務費がユーザーの利益に最終的には資するんだということを考えた上で、別途法律上の手当てを講じて、そしてその本則と違うやり方ですけれども、そういうことで事務費を運用益で賄うということについて国会の御承認をいただいた上でその都度やってきておる、こういうことでございます。
#99
○直嶋正行君 押し問答になりますのでこれ以上は今の議論やりませんが、やっぱり創設のときとはちょっと違うような気がしますが、運用益というふうに限定しておっしゃっていますから、多分あいまいな部分だというとらえ方なんでしょうけれども。
 それからもう一点お聞きしたいのは、さっき申し上げたように、二つ目の問題として、今までは期限を切って延長してやってきた、それが今回は当分の間という日本語に変わった。これは何か理由があるんですか。これはまず大蔵の方にお聞きしたいと思います。
#100
○説明員(金井照久君) お答え申し上げます。
 自賠責再保険特別会計の事務費の国庫負担のあり方につきましては、先ほども運輸省の方から御答弁申し上げましたように、臨調答申を踏まえまして検討を行いました結果、運用状況等からいたしまして、一般会計からの繰り入れを一時停止しても事業の運営上差し支えないと判断されたことから、先般事務費の繰り入れ停止措置をとったわけでございます。
 今般につきましては、あわせまして各般の公共事業等の補助率、この全面的な改定を行いまして原則二分の一にする等の諸般の措置を法律としてお願いしておりまして、あわせて御審議を願っておるわけでございます。
 この問題とあわせまして、同時にこの問題を検討いたしまして、この繰り入れ停止につきましてもひとつ当分の間ということでお願いを申し上げるということでお願いしているわけでございます。
#101
○直嶋正行君 全然私の質問にお答えになっていないと思うんですが、繰り入れ措置を停止した理由は今臨調答申とかなんとかおっしゃいましたが、これはちょっと後で議論したいと思います。
 私が質問したのは、今まで期限切っていたのが何で当分の間という日本語に今回から変わったんですかと、これをお聞きしたんです。
#102
○説明員(金井照久君) 今般、当分の間としておりますが、これにつきましては、運用益を事務費の財源に充当したとしましても事業の運営に支障を来すことがない間、その間においてはこのような措置を講じたいという意味から当分の間としてお願いしたものでございます。
#103
○直嶋正行君 要は会計の収支状況を見て判断をしたと。ただ、それでも数字を日本語に置きかえた説明としてははっきりしないんです、二年を例えば当分の間にした理由については。
 例えば大蔵省関係の法律で、当分の間という規定をした臨時措置法で昭和二十年代の前半から全く変わってない法律もあるんですけれども。ですから、当分の間というのは非常にあいまいなんです。四十年、五十年変わらなくても当分の間というケースもあるし、逆に早いケースもあるかもし
れません。
 私はやっぱり本当はここははっきりしておくべきじゃないかと思うんです。従来どおり繰り入れ停止措置をやるにしても、少なくともやっぱりきちっと期限を切っておく、これが国民にとってもわかりやすい、あるいは理解が得られやすいやり方じゃないかと思うんですけれども、いかがなんでしょうか。
#104
○説明員(金井照久君) 今般お願いをしておりますこの措置が、一般会計からの繰り入れを一時停止しても事業の運営上差し支えない、支障がないと判断して当初講じたものでございます。今般につきましても当分の間ということは、運用益を事務費の財源に充当したとしても事業の運営に支障を来すことがない間という形で、その間お願いをしたということでお願い申し上げているものでございます。
#105
○直嶋正行君 これも余り変わらない答弁でやっぱり私納得いかないものですから、大蔵の方にばかりお聞きしてもあれですから、運輸省の方に今の当分の間について御見解をお聞きしたいと思います。
#106
○政府委員(土坂泰敏君) 事務費に運用益を充てることについての論議は、先ほど申し上げたようなことで、運用益の性格上国会の御承認があればそれは許されることであるというふうに考えております。
 それからもう一つ、その期間のことでございますが、期間につきましては、特会の収支の状況から見て特会の制度をきちんと運営していけるかどうかという見地から決めるべきものと思います。そういうことで、従来は一年、二年あるいは数年ということで単位を限ってその都度お諮りをしてきたわけでございますが、今回はそういうことでなくて、今申し上げた考え方そのもの、つまり特会のいわゆる収支の状況から見て支障なくそういうことができる間はそういうことでこれからはやってまいりますと、そういうことで国会の御審議をお願いしますということで今回当分の間にした、こういうことでございます。
#107
○直嶋正行君 納得いかないんですけれども、たしかこの前、保険料を引き下げたらどうだという議論をさせていただいたときに、御答弁の中で、この自賠責保険の会計というのはそのときの事故率だとか車の状況によってかなり振れる。ですから、なかなか簡単に今がいいからといってすぐは引き下げはできないのです。やっぱり安全を見込んでやらなければならない。こういうお話があったと思うんです。そのときに局長の御答弁の中にあったのは、特に運用益についてはそういう意味でのバッファー的な機能も持たせたいというような趣旨の答弁があったと思うんです。
 そういうことになりますと、実は事務費をこうやって負担をさせていくというのは、その収支状況を見てということなんですけれども、逆に言うと収支状況の基本になる保険料をお決めになるのもお役所ですから、様子を見てそこでお役所としての裁量の判断も入る可能性があると思うんです。ですから、私はやっぱりそういう意味で見ると少しやり方がおかしいのではないか。特に当分の間というふうに決めることになりますと、これは今の御答弁だと、要は運用益で賄える間はと、こういうふうに置きかえて理解してもいいんじゃないかと思ったんですけれども、その辺どうなんでしょうか。
#108
○政府委員(土坂泰敏君) 一つは、運用益を事務費に充てること自体は差し支えがないということ、それからもう一つの要件は、運用益を事務費に充てることが特会の状況からできるということ、この二つの要件をクリアして、その上でなおかつ国会の御承認を得てやっているということでございます。したがいまして、その考え方そのものを今回は法律の形で書くと当分の間停止をするということになったわけでございます。したがいまして、特会の収支の運用状況いかんによっては、これはそういうことができないときが来れば、その時点でまた国会の御承認を得て、そこでまた改めなければならない場合があり得るかと思います。
#109
○直嶋正行君 これでもうほとんど時間がなくなりましたので、ほかに運輸省にお聞きしたいということで質問をお願いしておりましたが、きょうは申しわけありませんがパスをさせていただきます。
 それで、あと残った時間でこれは大蔵省の方にもう一点、ちょっと戻りますが、御質問させていただきたいと思います。
 さっきの御答弁の中で、事務費の停止措置は臨調の答申を受けてやった、これが始まりだというふうにお答えありました。私もちょっと調べてみたのですが、一つは臨調の答申は多分昭和五十六年の答申を指しておられると思うんですが、このときに実は一番問題になったのは三Kなんですね。保険とかあるいは食管の赤字の中で国の財政をどうするかと、こういうことが一番議論になっていまして、例えば今議論しています特別会計等は、実はどっちかというと主じゃなくて従の方だと、その他の扱いの中で答申がなされた。
 答申があったことは事実なんですが、実は行革をやるために繰り入れ措置を停止するという法案が当初、昭和五十六年に出されました。過去二回、その法案とその後の繰り入れ停止措置、この法案の中には明確に行革推進のためにということが入っております。ところが昭和六十一年の延長からは、実は補助金の臨時特例措置と、こういう形で性格が変わっているんです。
 ですから私は、当初スタートの行革が引き金になったかもしれませんが、三回目ぐらいから政府としての発想が変わってきたのじゃないだろうかと思うんです。それでさっきお答えになったような答弁になったのではないかと思うんですけれども、そういうことで見ると、そもそも論と今おやりになっていることとは思想的にかなり考え方が変わっているのじゃないかと思うんです。これをこういう法案の形でまとめてお出しになったというふうに理解しているんですけれども、そういった考え方の変化について、私が今申し上げたようなことで合っていますか、大蔵省、コメントを求めたいと思います。
#110
○説明員(金井照久君) 先ほどお答え申し上げましたように、昭和五十六年の臨時行政調査会の第一次答申におきまして「各種公的年金に対する事務費国庫負担の保険料財源への切換えを図る。また、医療・年金保険以外の公的保険に対する事務費国庫負担についても、同様の観点から逐次改善を図る。」旨の提言が行われた点は、ただいま先生おっしゃいました、御指摘のとおりでございます。これらにつきまして、自賠責再保険特別会計におきましては、ただいま議論になっておりますような措置をそれ以降引き続き講じてまいったというところは事実でございます。
#111
○直嶋正行君 もう時間が来ましたので終わりますが、これは要望ですが、この措置をお出しになることが私はいかぬという議論をしているんじゃなくて、例えばさっき申し上げたように、当分の間という決め方の中で、そのまま放置されておる現行法律があるということも含めて考えますと、できる限りやっぱり明確にわかりやすくしていただいて、少なくとも繰り入れ措置を停止するにしても、そういう明確にした上できちっと議論をしながらやっていくべきじゃないかと思います。
 臨調との関係も今お答えにありましたが、ちょっとはっきりしない部分があるんです。やっぱり私は臨調、いわば行革でスタートしたものなんですが、途中で考え方が変わっているんです。つまり国の財政等を見ながら繰り入れ停止措置をするというふうに考え方が変わってきているんじゃないかと思いますが、これはまた機会があれば議論させていただきたいと思いますが、できるだけ明確な方向でおやりになるように要請をしまして質問を終えたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#112
○高崎裕子君 金丸氏の不正蓄財は底なしの様相を呈してきているわけですけれども、その蓄財のルートはいろいろありますが、リニアの山梨実験線をめぐる疑惑も今指摘をされております。
 金丸氏の出身地の山梨に実験地が決まった経緯について、とりわけ候補地を北海道、山梨、宮崎の三つから山梨に選定をした経緯があるわけですけれども、運輸省からいただきました「新実験線候補地の選定」という資料によりますと、候補地選定の基本方針として三項目があり、一つは「実験目的の達成度」、二つは「将来の有効活用の可能性」、三つ目は「地元の協力度」、これが挙げられています。
 問題は、その一番目の「実験目的の達成度」、この評価が決定的になっているわけです。そして、検討では、実際にルートを引いて行う必要があると、こうされて行われた結果なんですけれども、北海道は、設定ルートからは四〇パールの急勾配がとれない、それから縦の曲線、これも延長が不足している、だから目的が達成できない。それから宮崎についても、設定ルートからは四〇パーミルの急勾配がとれない、それからトンネルの高速すれ違い区間の延長も不足して、これも目的が達成できない。そして山梨については実験の目的が達成できると、こういう結論になって山梨に決まっていくわけです。北海道と宮崎の設定ルートでは、急勾配がとれないということが決定的な要因になっているわけです。
 その設定ルートなんですけれども、これはだれがつくって検討委員会に提案したのかということが非常に重大となってくるわけです。なぜならば、この設定ルートによって幾らでも急勾配とか縦の曲線というのは確保できるんです、どのルートを選ぶかによって。だから、三候補の設定ルートは一体だれによってつくられたかということなんですけれども、これはいかがでしょうか。
#113
○政府委員(秦野裕君) リニアの実験線の選定の経緯でございますが、先ほどお話ございましたように、北海道、山梨、宮崎の三地区が選定されておるわけであります。これは六十三年度から平成元年度にかけまして、リニアの技術開発の進め方につきまして検討を行うために運輸省の中に超電導磁気浮上式鉄道検討委員会というものが設置されておるわけですが、その中で、委員の先生方あるいは事務局等で相談をした結果、そのルートを引いたものでございます。
#114
○高崎裕子君 その検討委員会で結論を出す前に、都道府県にアンケート調査をして、そして地元がルートを示しているものを参考にしたということではないんですか。
#115
○政府委員(秦野裕君) 当時は地元でもルートの固まり方がいろいろだったようでございまして、ルートがかなり確定的なものはそれを採用しておりますし、そうでないものはこの委員会で先ほど申し上げたような形で処理されたということでございます。
#116
○高崎裕子君 地元がルートを示したものを参考にしたということですけれども、それではルート設定に当たって、四〇パーミルの急勾配が設定できるものとか縦の曲線がとれるものなどの条件は、これは当然提示をしたということはないわけですね。
#117
○政府委員(秦野裕君) 当時はいわゆる地形図を使いまして事務局の方で設定したと。
#118
○高崎裕子君 ですから、こちらから条件を提示したというわけではないということなんですね。結論だけ言ってください。
#119
○政府委員(秦野裕君) そのとおりでございます。
#120
○高崎裕子君 そうすると、北海道とか宮崎でもし急勾配とかそういう条件を知っていたらルートは幾らでも変化させる、その条件を満たすことができるということになるわけです。
 運輸省にいただいた同じ資料を見ますと、ルート設定に当たって支障物など、これは移転が困難なものとか建設期間が長期にわたるおそれのあるものなどを示しているんですけれども、これについて具体的に配慮した上実際にルートを設定した、その結果山梨だけがその目的を達成できる、こういうわけなんです。
 そこでお尋ねいたしますけれども、平成二年度からこの工事は着手されたわけですけれども、各年ごとの事業費予算と実際の事業費はどうなっているでしょうか。
#121
○政府委員(秦野裕君) まず事業費の予算の方を申しますと、平成二年度、つまり一年目でございますが約七十億、三年度が約四百四十億、四年度が約八百六十億でございます。
 それから実績の方でございますが、平成二年度につきまして、用地費と関連工事費はちょっと除いておりますが約五十億円、このうち補助金が約十億円。平成三年度は約百七十億円、補助金が約三十億円でございます。それから平成四年度につきましては、現在進行中なので額は確定しておりませんけれども、三年度から繰越分がございますので、これを合わせますと予算額としましては事業費が約一千百十億円でございます。
#122
○高崎裕子君 ちょっと聞き取れなかったんですけれども、平成三年度の事業費は七百七十一億ということでいいんですね。
#123
○政府委員(秦野裕君) 平成三年度の事業費の予算でございますが、四百四十億でございます。
#124
○高崎裕子君 いずれにしても、事業費に比べて実際の実績というのは三分の一とか非常にやっぱりおくれているということで、工事というのは大幅におくれているということなわけですよね。
 それで、今うなずかれましたけれども、そうすると、支障物等ということで移転が困難なもの、建設期間が長期にわたるおそれがあるものについて具体的に配慮した上で実際にルートを設定したというわけですけれども、実際にはそうなっていないわけです。大幅に狂いが生じている。つまり、支障が実際にはあるにもかかわらず、そうでないとしてルートを設定し、急勾配などの条件を満たすルートを先に引いて、そしてそれで目的を達成できる、こういうふうにしたのではないんですか。
#125
○政府委員(秦野裕君) 確かに工事が当初予定よりもおくれていることは事実でございますが、これは工事そのものが難工事だということではございませんで、主たる原因はいわゆる用地買収が予定どおり進んでいない、したがってそれに伴う工事ができないというのが実態でございます。
#126
○高崎裕子君 この支障物等の、建設期間が長期にわたるおそれは、用地買収も含めて地元の協力度の中でも当然それが示されてもいるわけで、これを前提にした話なんです。
 それで、六十三年五月の雑誌「宝石」で当時の石原慎太郎大臣がこうみずから書かれているんですけれども、六十三年度予算の概算要求で実験線の立地調査の新規予算を請求し、強引に進めたのは私なりの考えがあった。そして、国内で考えられるのはまず東京―成田間への導入である。しかしこれは地下式になるからトンネルの技術が必要で、ここは早期着工は難しいかもしれない。そして次に、札幌―千歳間は全くの原野で真っすぐだから今の宮崎の実験線の延長で考えられる。しかも年間一千万人の人たちが乗りおりする。その過半がリニアを使えば大変な盛況になり、そこでいろいろな実用実験も可能なんだということで、当時の運輸大臣としては北海道案に傾いていたということで、担当大臣の内定発言ということで地元北海道でも大変喜ばれたというニュースが当然ながらあったわけですけれども、そういう中でなぜ山梨に決まっていったのかということを考えると、もうこれはやっぱり金丸氏が政治力を使って山梨に決めたのではないかと。今ずっとお聞きした経緯を見るとそうとしか言わざるを得ないと思うんです。
 そこで私は、その点について今疑惑がなされているわけですから当然運輸省としてもこの点について改めて調査をしなければならないというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
#127
○政府委員(秦野裕君) リニアの実験線の選定過程につきましては、もう先生御存じのとおり、繰り返しませんけれども、いわゆる検討委員会におきまして慎重な検討を行った上で決定をいたしたものでございまして、現時点でこれを見直す必要
は私どもとしてはないと考えております。
#128
○高崎裕子君 これは、私時間がありませんのでこれ以上は言いませんけれども、私が今指摘しました経緯を見ても、やっぱりなぜ山梨に決まったのか、政治力抜きには考えられないということで、運輸省としてはそういうことを踏まえてぜひ調査をしていただきたい、そういうふうに思います。
 それで、次の質問ですけれども、山梨リニアの実験線の工事の発注状況ですけれども、これどうなっているでしょうか。
#129
○参考人(峯本守君) 実験線、先生がただいまおっしゃいましたように平成二年度から着工いたしておりまして、平成二年度では主な土木工事といたしまして工期が非常にかかりますトンネル工事から着手しておりまして、平成二年度にはトンネル工事三件、それから平成三年度にもトンネル工事を三件、平成四年度は高架橋、橋梁等の工事を五件発注しております。
 それの契約額でございますが、平成二年度は約百億円、平成三年度は約八十億円、平成四年度は四十億円でございます。現在のところ、契約いたしました総額は二百二十億円でございます。
#130
○高崎裕子君 契約方法は。
#131
○参考人(峯本守君) 契約方法はJV方式でやっております。
#132
○高崎裕子君 JR東海分とそれからJR総研の分はいかがですか。
#133
○政府委員(秦野裕君) JR東海分と鉄道総合技術研究肝の分でございますが、これは私どもは具体的な工事の発注につきまして一切関与いたしておりませんので、ちょっと御質問につきまして私どもとして回答することは申しわけございませんができない次第でございます。
#134
○高崎裕子君 これちょっと鉄建公団にあとお尋ねいたしますけれども、先ほどの工事の業者、主な業者の名前はいかがですか。
#135
○参考人(峯本守君) これは件名が非常に、全部というと、ちょっと急な話でございましたので、まだ資料を持っておりませんので、本日ちょっとここで責任ある御回答できませんので、また改めて調べまして……
#136
○高崎裕子君 大きな業者を言ってください、名前だけでも。
#137
○参考人(峯本守君) 大きい業者といいますのは、平成二年度発注いたしましたところで申し上げますと、三件発注いたしておりますが、一つは鉄建建設、日本国土開発、東急建設、大本組のJV。それからもう一件が西松建設、戸田建設、地崎工業、白石のJV。それから飛島建設、銭高組、若築建設、小田急建設のJVです。
#138
○高崎裕子君 そうすると、細かい工事もいろいろあるわけですけれども、そういう業者についてはすぐには出せないということですので、これは整理してそろい次第出していただきたいということでお願いいたします。
#139
○参考人(峯本守君) 後日改めて……。
#140
○高崎裕子君 それで、JR東海など含めて運輸省としては補助金も出しているわけで、今資料は出せないというお話でしたけれども、公共事業の発注のあり方、契約のあり方がこの金丸不正蓄財事件を通して今問題になっているわけで、公共事業の透明性というものが求められているわけで、その立場から必要な資料というのは運輸省として責任を持って出すべきだと思うんですけれども、この点いかがですか。
#141
○政府委員(秦野裕君) このリニアの件は、あくまでも技術開発のための調査を進めるための施設をつくるわけでございまして、いわゆる公共工事とはその性格を異にしておると思っております。
 それから、繰り返しになりますが、鉄道総研とJR東海はあくまでもこれは私企業としての契約でございますので、私どもの方から出せということで命令と申しますか、強制をする立場にはないということは御理解いただきたいと思います。
#142
○高崎裕子君 私企業とはいっても、今刑事事件になっているこの事件で公共事業のあり方そのものが問われて、やっぱり運輸省の運輸行政のあり方にかかわってくる問題だという点で、私は本当に透明性をつくっていくためにも運輸省が今みずから、一般的に私企業のこういうものを出せということを言っているわけじゃなくて、具体的に疑惑のある事件で出せということで言っているわけです。この点、大臣いかがですか。
#143
○国務大臣(越智伊平君) 今鉄道局長からいろいろお答えをいたしました。私は、政府全般としてという先ほどの他の方の御指摘もあったわけですが、このリニアの問題で運輸省が間違ったことをやっておるとは思っておりません。いろいろお話にあったような経過を経て、山梨がいいんだということの決定をいたしました。そうして、JR東日本、鉄建公団等々が今工事を進めておる、こういうことであります。
 いろいろお尋ねがございましたが、それぞれ答弁をいたしましたので、これは運輸省としてはきちっとやっておる、こういうふうに認識をいたしておるところであります。
#144
○高崎裕子君 きちっとやっているということであれば、なおそれを示すという点で出すべきだと思うんで、それは引き続き検討していただきたいと思うんです。
 この金丸氏の不正蓄財に大手建設会社、ゼネコンですね、これによるやみ献金が巨額に上っていることが大きな問題になっているわけです。特に重大なのは、公共事業の受注のためにやみ献金を年間一社で数千万、一千万などを盆暮れに渡していたと、こう言われているわけです。このリニアの山梨実験線の工事をめぐっても献金が行われたとの疑惑が指摘されているわけです。
 先ほど鉄建公団から示されましたが、いただいた資料によりますと、平成二年度でも高川トンネルで西松ジョイントベンチャー、四つですね。それから、笹子のトンネルで東急ほか四つのジョイントベンチャー。笹子でやはり飛島建設など四つのジョイントベンチャー。それぞれ三十六・三億、三十七・六億、二十七・三億という請負金額で行われている。あるいは平成三年度で見ますと、笹子トンネルで前田、それから高川トンネルで鹿島、三井、これ全部今強制捜査が行われているところが入っているということで挙げているんですけれども、それから前田建設あるいは鹿島建設ということで、全部含まれているわけです。
 やみ献金というのは、公共事業の受注額の三%とか四・五%を出す仕組みとなっているようです。すると、鉄建公団の分だけでも平成二年度で百一・二億円、三年度で八十・六億、四年度で三十九・二億の合計二百二十一億円という請負金額になるわけですから、三%で計算すると六・六億、それから四・五%で計算すると約十億円となるということで、驚くべきやみ献金が金丸さんの懐に入り、割引債購入の原資となっていくという構図になるわけです。
 これらの事業について大臣はどのように受けとめていらっしゃるのか。これは検察が強制捜査、事情聴取を行っているというふうに先ほども言われたわけですけれども、運輸省としてもやっぱりどうしてこういうことになったのか、これだけ献金できるということは受注額が果たして適正なのかという問題にもなると思うんです。これだけのお金を出しても公共事業をやるメリットがあるというわけですから、この点では運輸省としても独自に事情調査を私はすべきであるというふうに考えるんですけれども、大臣の決意も含めてこれをお聞かせください。
#145
○国務大臣(越智伊平君) 報道機関等でいろいろの報道がされております。しかし、この実験線で三%の献金をしたとかなんとか、そういうことはまだ私見たことはございません。今のやみ献金をしたとすれば、そのこと自体は私は政府全般としては問題がある、大いに今後反省すべきだ、こういうふうに思っております。しかし、このリニアで鉄建公団なりあるいは東日本が発注した工事について三%献金したとかあるいはどれだけのものがあったとか、こういうことは関知しないところでありますので、ただいまのところそういうことを運輸省として調査する、こういうことは考えて
おりません。
 このことは、厳正なる検察当局あるいは税務当局でやっていただいておる。これを見守らないと、リニアだけを取り上げて今どうするというようなことは、私は考えておりません。
#146
○高崎裕子君 私、もう時間がありませんので、この点についてはまだ引き続き運輸委員会でも取り上げていきたいと思いますが、運輸省がそういう姿勢では、やっぱり国民のそういう疑惑に本当に積極的にこたえて、公共事業の透明性が本当に求められ、そういうあり方が改善できるということにはならないという点で、私は本当に運輸省が責任を持って主体的にやっていただきたいということを強く求めて、最後に障害者対策について大臣にお尋ねいたします。
 一つは、これは引退した小笠原議員がずっと質問で取り上げてきたんですけれども、障害者の方の自動券売機での購入、私鉄はもうずっとやっていますけれども、JRについては昨年四月、JR北海道が四駅をモデルで実施して、その成果を見て広げたいと約束をしたんですが、このJR北海道がどうなったかということと、他のJRについても速やかに実施していただきたいというのが一点。
 それからもう一つは、障害者の運賃割引、これは百キロ以下については対象外となっているこの距離制限、これはもう社会参加をしていくという点では何とか撤廃していただきたいということで、これは奥田前運輸大臣が交通機関経営者にきちっと説得し指導していく、時期については近いうちにということで約束もしていただいているんですけれども、この二点についていかがでしょうか。
#147
○国務大臣(越智伊平君) 先ほどの御答弁でJR東日本と言いましたが、JR東海でありますので、訂正をさせていただきます。
 それから、身体障害者の問題でありますが、これは北海道で四つの駅でいろいろ実験をいたしました。非常にいいようでありますのでございますから、JR北海道は全部をやろう、こういうことであります。これを見て全JRにまた指導してまいりたい、かように思います。
 それから、身体障害者で奥田運輸大臣が御答弁を申し上げておるようであります。しかし、そのことはそのこととして、JR各会社にそれぞれ検討をしてもらうように依頼をいたしております。やはり福祉政策の問題との兼ね合い、またそのことによっての運賃の減収があるとすればそれをどこに求めるか、こういうこともございますので、これは第一義的には各会社の問題でございますが、しかし各会社といいましても、どこの会社だけやるというわけにもいきませんので、皆さんで相談をしていただき検討をしていただくと、こういうことがただいまの状況であります。
#148
○高崎裕子君 終わります。
#149
○井上哲夫君 井上でございます。
 きょう、私はタクシーの問題についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、先ほど渕上委員の質問にもありましたが、今月の二日に三菱タクシー等の国を相手にした裁判で判決が出ました。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕
 新聞報道では、この判決は同一地域内における同一運賃体制を必ずしも守らなくてはならないことではないと、こういう判断を示したというふうに報道をされております。聞きますると、この判決に国の方が控訴をしたというふうに聞いておりますので、まずこの判決の内容と控訴をした理由についてお尋ねをいたします。
#150
○政府委員(土坂泰敏君) 三菱グループの五社は平成三年三月に消費税の運賃転嫁を内容とする申請を運輸局に提出したわけでございますが、これに対しまして一定の指導をした後に運輸省として受理をし、それからさらに審査をして平成三年九月にこれを却下したわけでございます。この点につきまして平成三年七月に、この認可がまだされていない、それに伴って消費税相当分の三%が三菱五社として収入が入ってこない、これを賠償してもらいたいという、そういう訴訟を三菱側が提起をされたわけでございます。
 これに対しまして判決で言っておりますことは、申請の受理がやはり一カ月分遅かった。それからさらに、一定の聴聞等の手続が終わってから却下をするまでの期間もこれもやはりもう少し早くすべきであって、一カ月遅かった。この二つの理由で二カ月分に相当する額分として五千万円の賠償を国としてするようにと、そういう命令が出たわけでございます。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
 これに対しまして私どもでは、やはり運賃の改定の申請が出てきましてから受理するまでの期間、あるいは聴聞が終わってから処分するまでの期間、これはいずれも裁量の範囲ではないだろうか。そこが直ちに違法であると、よって国家賠償命令を出すということになるのはやっぱり問題があるのではなかろうかということで控訴をした、こういうことでございました。
#151
○井上哲夫君 控訴をしたということは控訴審で十分の見通しを持っているというふうに一応私も伺いますが、実はこの判決文を詳しく読みますと、新聞では同一地域における同一運賃体制が崩れたとかその面だけを非常に取り上げておるわけですが、この判決の中身を見ますと、今日における運輸行政の非常に問題点を私は指摘していると。あえて私は佐川急便云々で運輸行政がとかそういう指摘はしませんが、実は前に京都のMKタクシーのときに判決が出ておりまして、暴論でありましたが、同一地域における同一運賃が独禁法違反の疑いもある、一種のカルテルだというようなことで、タクシーにおける同一地域の同一運賃というのは絶対神聖なものではないし、まして行政の裁量行為であって司法面が踏み込むべきものではないというようなことではなかったんではないでしょうか。
 そういうふうに考えますと、実は今お答えがありました値上げ申請の書面の受理が一カ月おくれ、聴聞手続以降に一カ月のおくれがあったといっても、聴聞手続が一カ月おくれがあった後、値上げの認可が出てれば問題なかったんです。値上げの認可が出てなくて却下になっている。さすれば二カ月間違法行為があったという認定になるわけですね。したがって五千万の賠償と。そうすると、この問題について運輸省の行政は明らかに公平さを欠いたんではないか、そのことを裁判所から厳しく指摘されたわけではないでしょうか。
#152
○政府委員(土坂泰敏君) エムケイの裁判というのが五十八年から六十年にかけてあったわけでございますが、このときはエムケイの値下げ申請を国が却下した。その却下した理由の中に同一運賃の原則があって、それとやはり抵触するから却下をする、こういうことで却下をしたわけですが、それに対して提訴がありまして、同一運賃の原則に反しても個別に審査をした上で認可をすべきであって、その却下の処分はよくないということで判決があった。これに対して控訴をして、そして最終的には和解をしたと、こういうものでございます。
 ところが今回の場合には、いわゆる同一運賃がよくないからこの国家賠償を命ずるという内容ではありません。今申し上げましたように、本来四月の初めに受理すべきものを四月の三十日に受理をした、あるいは八月の初めに処分をすべきものを九月に処分をした、そこが二カ月おくれているではないか、それについて違法性があるから損害賠償を命ずると、こういうことでございますので、MKのときの話とはこれは違うというふうに私どもは思います。
 それから、この判決の中でやはり同一運賃についても触れておられます。ただ、これは今申し上げた五千万円を賠償せよという話とは別のところで触れておられまして、平成元年の四月に消費税が導入されたときに、ほかの会社はみんな消費税の導入に伴う運賃改定をしたんですが、この会社だけはしなかった。この会社がしなかったことについて判決の中では触れておられまして、そういう行為をこの会社がしたからといってそれは違法とは言えないというふうに判示をしておられます。
 それで、私どももその点はそのとおりであるというふうに思っておりまして、いわゆる同一運賃というのは法律上明定されていることではない。一定の考え方に基づいて運輸省が行政方針としてきたものでございますので、それに反したからといって違法性があるというふうに私どもも思っているわけではない。混乱をしないように、事業者が本当に自分の希望する運賃を必ずしも選べるとは限らないからということでとってきた行政方針でございます。したがって、そういう意味で私どもは判決と私どもの考え方にそんなに差があるとは思っておりません。
 ただ、これから同一運賃をどうするかというのは、これはまた別の問題でございまして、これについては新しいタクシーの問題を議論する場が現在ありますので、そこで議論をしてもらった上で方針を決めていこうというふうに思っているところでございます。
#153
○井上哲夫君 ここで法律論争をするつもりは毛頭ありませんが、実はこの判決の事案をつぶさに見ますと、消費税の導入のときに同調しなかった。それはへそ曲がりかへそ曲がりでないか、とにかく自分のところは消費税を転嫁しなくても企業努力でやりますという形で、少しでもお客を誘引したいということかどうかは知りませんが、転嫁申請をしなかった。で、二年後に改めて消費税の三%分を運賃値上げの認可という形で認めてほしいと言ったときに、実は三月の中旬にそういうことを申し出て、九月の十二日に却下になっています。前にほかの会社が消費税転嫁をしたときには、一番早いところでは申請をしてからわずか五日間で認可は通っておるんです。この会社が正式に申請をした三月二十九日から却下の決定が出る九月十二日までどれだけかかったと思いますか。これはまさに江戸のかたきを長崎で討っているわけです。
 こういう行政手続の不公平さは、私はこの判決を読んでびっくりしました。行政手続法が少しも上程をされておりませんが、こういう形の運輸行政が、逆に火のないところに煙が立たないという形で、佐川の問題でもない腹を探られるということに私はつながると思うんです。
 今回のこの判決でも、私が判決文を読むと、裁判所は非常に控え目というか、おしとやかに判断していますよ。恐らく個人的には大変けしからぬと思ったかもしれないにしても、判決の中では、少なくとも二カ月かかって消費税の三%の転嫁分については値上げの認可をしてよかったんではないかと。そうすれば、その差といいますか、おくれた二カ月分についてこれは損害賠償として国に請求することを認めると。
 しかし、現実には、この会社が第一次訴訟はこういう形で起こしましたが、さらに第二次訴訟へと、一年四カ月分ですか、起こしているわけですね、もう一つの裁判。もう一つの裁判で同じような判決が出れば、五千万、一億ではなくて、何億になるわけです。これは運輸行政が損害を拡大したということにつながりかねない、まあ非常に厳しい見方をすれば。
 したがって、私は、この判決で控訴をしたことが悪いわけじゃなくて、こういう許認可の手続について不公平さがあってはいけない。行政指導をこの会社は何回も拒否した、行政指導を拒否したのはけしからぬということで江戸のかたきを長崎で討つちゃいけない、そういうことをこの判決は教えているんではないか。これは私の考えでございますが。
 そこで、改めて質問をしたいと思うんですが、実際に京都のMKタクシーの事件では控訴をして和解をされました。恐らく、今回控訴をして第二次訴訟でまた判決が出ると、あわせて控訴して和解をされるということも十分可能性はあると思いますし、私はそれは賢明な措置だとは思います。
 例えば、この判決でどういうことを言っているかというと、たびたびのいわゆる近畿運輸局における三菱タクシー等への行政指導の必要性はなかったと思われるというところのくだりがあるわけであります。しかし、それにもかかわらずたびたび行政指導をするということが実は一番問題になっているんではないか。
 で、今お答えで、近く出る運輸政策審議会の答申を待って判断をしたいし、運輸省としてはこの問題で、同一地域における同一運賃が正しいという趣旨ではなくて、答申を待って対処したいというスタンスをお持ちであることを伺いましたので、もう一点だけお尋ねをしたいと思います。
 今回、この判決が出まして、新聞では盛んにタクシー運賃の自由化というような、私に言わせるととげとげしい表現で報道されておりますが、運輸省としてはこれまでずっと守ってきた同一地域における同一運賃体制というのをどのようにお考えになってみえるか改めてお尋ねをいたします。
#154
○政府委員(土坂泰敏君) タクシーは普通は急ぐときに利用されるものでございまして、手を上げてタクシーを拾うときに、必ずしも限られた時間の中で、いろんな運賃が仮にあったとしても、自分の希望する運賃のタクシーを選べるとは限らない。どういうタクシーが来るかは偶然に左右される。高いものが来るかもしらぬし、安いものが来るかもしらぬ。一時間待っていても自分の希望する運賃に会わないかもしれない、そういうことが十分考えられる、それがタクシーの実態でございます。
 したがいまして、そういう実態から考えると、いろんな方がタクシーを利用されるわけですから、やっぱり同一地域は同一運賃の方がいいであろうというのが運輸省の従来の方針でありまして、このこと自体は私どもは悪いことだと今でも思っておりません。
 ただ、今の方針に加えまして、これからは多様化の時代でございますから、その方針をどこまで弾力化していくかということも今後は考えていかなければいけない。それは行革審などからも指摘もございますし、今運政審で御議論をいただいておりますので、その結論を待って今後のことは考えたい、こういうことでございます。
#155
○井上哲夫君 まだ時間が三、四分ありますので、もう一問だけお尋ねをさせていただきます。
 私どもの伺っているところでは、労働基準法の改正で政府から出される法案では、四十六時間猶予というのを一年間延長する。この場合にはタクシーの場合ですと乗務員百人以下の企業、そういうところは一年間、週四十六時間の猶予の特典を受けると。これは、これまでタクシー運賃の値上げが二回ほどあった際には、乗務員の時間短縮のためにも運賃を今回は値上げするのもやむを得ないとか、あるいは乗務員の給与の向上のためにも、つまり他の交通運輸の賃金に比べるとタクシーの乗務員の賃金が格段に低いから、そういう賃金の上昇のためにも値上げやむなしという形で値上げの認可が来まして、今ここで労働基準法の改正に際してまた四十六時間の一年猶予というものが出てくる。この法律が成立した場合でございますが。
 そこで私がお尋ねしたいのは、運輸省の監督行政というのは厳しい面がなければいけない側面と、余り規制は厳しくない方がいいという側面と両方あると思うんです。それは常に公正さを担保するのは、透明性があれば私は担保されると思っておりますが、これまで労使の間で時短について一生懸命頑張りましょうという協定を結んできておる企業については、仮に今回の労基法の改正があっても何とかやっていくかもしれない。恩典に浴することなく自助努力でやっていくでしょう。では今度は、そういう労使の協定がない企業の場合には、これは労働省の監督もさることながら、運輸省がやはり指導をしていかなければならないということになろうかと思うんです。
 私も知らなかったんですが、聞いてみますと、運輸の産業部門における特にタクシーの場合には八五%が百人未満の企業である、個人タクシーを除きますと。そういうことを考えますと、これからやはりそういう意味の指導を的確にかつ公平かつ透明性をもってやっていただきたいということを考えておりますので、その点のお尋ねをいたします。
#156
○政府委員(土坂泰敏君) タクシーの労働条件は、他産業に比べて賃金水準の面でも労働時間の面でも劣悪な状況にあります。タクシーが今後発展していくためには良質な労働力というのがどうしても必要だと。そのためには時短も含めて労働条件の改善というのは、これはやっていかなければいけないことだと思います。過去二回にわたって運賃改定をし、そのときに、それぞれ、やはり時短のために必要な原資でございますということで労使でお約束をされ、それを前提に認可をし、そしてまた時短もやってきた、こういうのが今までの経緯でございます。
 それで、四十六を四十四にするのを一年間猶予するという政令が既にできておるわけでございますが、これは猶予するということで、四十四にするのを延ばしなさいと言っているわけではない。ただ、それを使うかどうかという判断が今度は生じるわけですが、これは第一義的には基本的にはやっぱり労使の問題であろうかと私どもは思いますが、そうは言いつつも他産業に比べて現実に格差のあるタクシー業界でございますので、私どもとしては従来の方針どおり四十六時間を四十四時間にする方向で努力をしていただかなければいけない。そうでないとタクシーの将来というものは発展がないんじゃないだろうかという気持ちでおりまして、そういうつもりで指導もしてまいりたいと思います。
#157
○国務大臣(越智伊平君) 一言だけ申し上げておきたいんですが、私が記者会見をいたしまして、タクシー運賃、同一地域同一運賃が望ましいことは望ましいと。しかしながら、今のようなこともありましたので、先生が先ほど言われましたように、へそ曲がりがおって私は値上げに同調しないぞという方があれば、それもやむを得ないじゃないか、こういうことを申した次第であります。
 でございますから、何もタクシーの運賃自由化ということではございません。申請がありましたら精査いたしまして、お話にございましたように、特に安全面から労務管理その他を考慮して、十分やっていけるというようなこと、しかもそれが高くならないようにやっていく、こういうことで統一をいたしております。
 前の運賃値上げは、消費税三%をこれは利用者に転嫁をするという基本姿勢がございましたので、それで認可をしたと。今の方はそれに同調しなかった、こういうことでございますので、別に自由化しようということではございませんので、やっぱりでき得れば同一地域同一運賃、これが一番望ましい。しかもそれが適正な価格、これが望ましい。その適正な価格に、料金になるように十分精査する、こういう考え方でございますので御了解をいただきたい、かように思う次第であります。
#158
○井上哲夫君 わざわざお答えいただきましてありがとうございます。またしっかり勉強して、次の機会にもう一度大臣のお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 これで終わります。
#159
○島袋宗康君 二院クラブの島袋です。同僚の下村委員にかわって質疑を行っていきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、東シナ海における船舶等の航行安全確保の問題についてであります。
 既にマスコミなどで報道されておりますように、近年沖縄近海の東シナ海におきまして我が国船籍の漁船とかタンカー、あるいは外国船籍の貨物船などが国籍不明といいますか、不審船によって威嚇射撃を受けたり、あるいはまた銃撃、追尾接近、臨検等いろんな形での威圧を受けているわけです。
 この問題は沖縄県議会におきましても非常に重要視いたしまして、問題の水域は公海であり、船舶航行の要路であるわけであります。カツオ、マグロの好漁場でもある。とりわけ我が沖縄県民に大きな衝撃を与えて、非常に不安をかこっているというふうな現状におきまして、沖縄県議会におきましては「東シナ海での船舶への威嚇射撃事件等に関する意見書」の議決を行いまして、関係省庁にその解決方の要請を行っていると思います。
 その辺について、いわゆる外務省とかあるいはこれは運輸省管轄の海上保安庁ですか、そういったところの今日までの取り組み、その意見書に基づいたいわゆる皆さん方の取り組み状況について御報告をお願いしたいというふうに思います。
#160
○政府委員(後出豊君) 御指摘のとおり、東シナ海におきまして公海上で日本船舶あるいは外国船舶が不審な船から発砲などを受けた事件が平成三年から起きております。平成五年、きのうまでの段階で六十件起きているということでございます。私ども、このような事態につきましては大変憂慮を持っておりまして、海上保安庁といたしましては次に申し述べるような対策を講じているところでございます。
 まず、現場の海域に事件の発生の防止と迅速な対応を図るために巡視船、航空機を配備して警戒に当たっております。現時点における配備の状況について申し上げますと、巡視船につきましては沖縄の第十一管区海上保安本部の船に加えまして、他の管区本部からの応援派遣も行っておりまして、現段階では四隻、うち一隻はヘリコプター登載型巡視船でございますが、四隻を事件発生海域に常時配備いたしております。また航空機につきましては、那覇と石垣に航空基地がございますので、そこにある航空機で随時哨戒に当たっております。また、東シナ海を通航する船舶に対しまして指導を行っております。国旗の常時掲揚あるいは巡視船との通信連絡の確保あるいは漁船の集団操業などの指導を行っております。以上でございます。
#161
○島袋宗康君 外務省。
#162
○説明員(樽井澄夫君) お答えいたします。
 先生御指摘の東海における発砲事件でございますけれども、外務省といたしましても大変強く懸念いたしておるところでございます。これまで事件が発生するたびごとに外交ルートを通じまして、他方大臣レベルの会談におきましても大変強い懸念を表明してきております。先般、本年に入りまして二隻ほど海上保安庁が捕捉いたしまして、結果としまして中国の公船であるということが判明いたしたわけでございます。私どもは強い抗議を当然のことながら中国にいたしまして、再発防止を呼びかけるという形で処理いたしております。これに対しまして中国側の返答でございますけれども、警備上の過ちがあって大変遺憾である、再発防止に中国も努力したいというのが一つでございます。それからもう一つは、実は中国船も大変いろんな同じような被害が出ているということでございまして、日本側とぜひ協力して早期に対策を講じたいというような返事をいたしております。
#163
○島袋宗康君 この種のトラブルの解決はタイミングが非常に重要だと思います。したがって、事を急ぐとかいうふうなことも必要でありますけれども、逆にそれをまた誤って機会を失するというふうなことにもなりかねないというふうなことでありますから、そういった点を踏まえて、やはり国際ルールといいますか、そういったふうな問題に持っていって、今中国とおっしゃいましたからはっきりしてきたわけですね。
 それでは、その中国との間のこれからの国際ルールに基づいた、いわゆる公海上のこういった威嚇とかあるいは射撃とか、そういったふうなものが今後どのような形で国際間のいわゆる日本と中国との関係を、ルールを確立していくのかというふうな点について、もしそういった交渉の結果ありましたらお願いします。
#164
○説明員(樽井澄夫君) 現在中国側と話しております方向、方針といたしましては、取り締まり当局間で至急協議の機関を設けようということでございます。これは海上保安庁が主体となります会議でございますけれども、双方の当事者がお互いに協議して再発を防止していこう、こういうことでございます。もちろん私ども外務省といたしましても、この種の事件の発生というのは断固許してはならないというふうに思っておりますので、全面的に協力していきたいというふうに思っております。
#165
○島袋宗康君 そこで最後に、結果的には再発防止、それが非常に重要だというふうに思います。そこで外務省、運輸省のこれからの監視体制の強化、中国との問題は話し合っておるようでありますけれども、そしてやっぱり再発防止についてもっと具体的に折衝を重ねていってほしいというふうに思います。
 そこで、外務省は中国との外交折衝、そういった問題について折衝を重ねていると思いますけれども、折衝内容のその感触、中国側との問題、そういったふうなことが、もしこれからの解決していかなければならない問題点とか、あるいは何が原因としてこういったものが頻繁に起きているのかというふうなことを含めて、やっぱり中国と念入りに話し合っていくべきじゃないかというふうに私は思います。
 そこで、この再発防止について、先ほどいろいろお話がありましたけれども、海上保安庁としても監視体制のいわば警備を強化していくというふうな姿勢がありましたので、これから再発防止というふうな点でもう一度決意のほどをお願いしたいと思います。
#166
○政府委員(後出豊君) 先ほど申し上げましたような現場での警戒態勢あるいは常日ごろの通航船舶に対する指導、これを強めていきたいと思っております。
 また、今外務省の答弁にもございましたように、海上保安庁といたしましても中国の取り締まり機関と協議を開始しております。具体的には、この二月でございますが、私どもの職員が中国に赴きまして、中国の外交部、公安部あるいは税関の担当官とこの問題について協議を行っております。日本側からこの問題に対する大きな懸念、非常に国内においても大きな問題になっておって、その防止のために適切な対応がなされるよう中国側に強く申し入れましたところ、中国からも適切な対応を検討したい旨の表明がございました。
 今後、この両国の取り締まり機関の間で引き続き協議を行っていくことになっておりまして、それを通じて再発防止に万全を尽くしていきたいというふうに考えております。
#167
○説明員(樽井澄夫君) 中国側も大変前向きに反応いたしておりますものですから、そういった機会をとらえましてじっくりと相談していきたいというふうに思っております。
 本事件発生の背景には、中国沿海におきます麻薬事件、密輸事件の頻発という背景がございまして、中国の取り締まりさんも非常に一生懸命やっておるといいますか、そういう状態で若干過ちを犯すということが続いておるわけでございます。したがいまして、そういうことの厳にないように日中間でしっかり話し合っていきたいというふうに思っております。
#168
○島袋宗康君 中国は沖縄に非常に近いわけです。福建省と一番近いわけですけれども、上海ともそんなに遠く離れていませんけれども、いわゆるそういった船籍を皆さん方が調査をして、どの海域から公船が出ているのかというふうなことについて、福建省なら福建省、あるいは上海からなら上海というような具体的な中国の公船といいますか、そういったふうなものが具体的におわかりでしたらお示し願いたいというふうに思います。
#169
○政府委員(後出豊君) このような事件につきまして中国政府にそのたびごとに照会を重ねているわけでございますが、中国側から中国の公船であるという回答があったものは三件でございます。
 その三件のうち、まず平成三年の十二月のものにつきましては、中国の福建省の船舶であるという回答を得ております。それから平成五年の一月、これにつきましては浙江省の税関の船であるという回答を得ております。それから平成五年の二月の件につきましては、これは舟山の公安部の船であると、もう少し具体的に言いますと、公安辺防支隊というところでございますが、そこの公船であるという回答を得ております。
#170
○島袋宗康君 中国のいわゆるそういった公海上でのいろんな問題、海上保安庁なら保安庁といったような組織、そういったふうなものが十分でないことからそういったふうなちぐはぐなものが出てきているというふうに思います。特に、今♯江省とかそういった、ほとんど日本海域に面しているわけですね。特に沖縄近海でありますので、十分これからやっぱり中国と折衝して、二度とこのようなことがないようにひとつ防止策を講じていただきたいというふうなことを要望して、終わりたいと思います。
 質問を終わります。
#171
○委員長(高桑栄松君) 以上をもちまして、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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