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1993/04/08 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第3号
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1993/04/08 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第3号

#1
第126回国会 運輸委員会 第3号
平成五年四月八日(木曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     山田 健一君
     島袋 宗康君     下村  泰君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     櫻井 規順君     西野 康雄君
     渕上 貞雄君     志苫  裕君
     山田 健一君     堀  利和君
     高崎 裕子君     橋本  敦君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     志苫  裕君     渕上 貞雄君
     西野 康雄君     櫻井 規順君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高桑 栄松君
    理 事
                二木 秀夫君
                松浦 孝治君
                櫻井 規順君
                広中和歌子君
    委 員
                伊江 朝雄君
                泉  信也君
                上杉 光弘君
                鹿熊 安正君
                河本 三郎君
                山崎 正昭君
                西岡瑠璃子君
                渕上 貞雄君
                堀  利和君
                直嶋 正行君
                高崎 裕子君
                井上 哲夫君
                下村  泰君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  越智 伊平君
   政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房総
       務審議官     向山 秀昭君
       兼貨物流通本部
       長
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       運輸省自動車交
       通局技術安全部  堀込 徳年君
       長
       運輸省海上交通  浅見 喜紀君
       局長
       運輸省海上技術  戸田 邦司君
       安全局長
       運輸省海上技術  長尾 正和君
       安全局船員部長
       運輸省航空局長  松尾 道彦君
       海上保安庁長官  井山 嗣夫君
       気象庁長官    二宮 洸三君
       気象庁次長    望月 鎭雄君
   事務局側
       常任委員会専門  長谷川光司君
       員
   説明員
       警察庁交通局都  矢代 隆義君
       市交通対策課長
       建設省建設経済
       居宅地開発課民  榊  正剛君
       間宅地指導室長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本施策に関する件)
○気象業務法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に櫻井規順君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(高桑栄松君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○櫻井規順君 最初に運輸大臣に。
 今議会において当運輸委員会に提案される法案が二件でございます。これは私も三年ほど運輸委員会にいてたつわけですが、最低の法案数だというふうに思うわけであります。これは物流を一つとらえてみましても大変な変化の時代に、運輸行政全般、多岐にわたって見るならば、新法の提案、法改正等々多々あろうかと思うんですけれども、今般わずか二法案ということはどういう事情でこうなったのか。出せばいいというものではないとは思いますけれども、その辺の事情はどうだったのでしょうか。今国会に臨む態度も含めまして、少々御見解を聞かせていただけますか。
#6
○国務大臣(越智伊平君) 国民一人一人が日々の生活の中で豊かさとゆとりを実感できる生活大国を実現していく上で、運輸行政の果たす役割は極めて大きいものがあります。このため、鉄道、空港、港湾といった交通関係社会資本の整備、国際輸送ネットワークの整備等国際化の一層の促進と国際社会への貢献、モーダルシフト等地球環境問題を初めとする環境問題への対応、そして運輸行政の基本である安全、快適の確保等、行政課題に積極的に取り組んでいるところであります。
 今後とも、立法措置を含め積極的な運輸行政の展開を図るため、社会経済情勢の変化に応じ、また利用者の声を十分に反映しつつ、政策中心行政の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
#7
○櫻井規順君 非常に激動する運輸行政全般に挑戦する意欲にやや欠けるといいましょうか、運輸委員としてはやや残念な思いをする議会だというふうに私感じております。そのことを冒頭表明いたしまして、具体的な質問に入ってまいりたいと思います。
 最初に、流通業務市街地の整備に関する法律、
これも実は運輸産業が大きくかかわる法律で、主務大臣にもなっているわけでありますが、法案そのものは建設委員会で検討されるということになっております。最近の傾向として私は、物流を含めまして運輸行政全般について新しい改革、新しい提案というのが概して、運輸にかかわる問題なのにかかわらず商工なり建設にかかるという傾向はまことに残念だというふうに思っているものであります。まず、この流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律案、きょう建設委員会で検討されているわけですが、これを質問させていただきたいと存じます。
 実は私は建設委員会に出向いて発言を希望したわけですが、差しかえの余地がなくて残念であったわけであります。本来的には連合審査にかけて検討すべき中身だというふうに思うわけであります。そんなわけで運輸委員会で少々取り上げさせていただきたいと存じます。
 まず、略して流布法と言っているようでございますが、現行の流布法においても、現行法に基づいて整備すべき都市としてその指定都市を三十設けてございます。しかし、実際に基本方針を策定して流通業務市街地として整備しているのは十四。十五はほとんど手つかずという状態にいて、なおかつ今度法改正をして大都市から地方都市に伸ばすということになっているわけであります。
 質問ですが、なぜこの三十指定してあったものが半分に及ぶ指定都市が手つかずの状態、基本方針も立てられない状態でいるのか、その事情をひとつ簡潔に御説明いただけますか。
#8
○政府委員(向山秀昭君) 現行の流布法は昭和四十一年にできた法律でございまして、ただいま御指摘がありましたように、これの対象都市といたしまして東京、大阪、そのほか三十都市が定められております。それで、そのうち十四都市につきまして流通業務地区が整備されております。これは十四都市におきまして、地区の数にいたしまして二十二でございますが、二十二の流通業務地区が整備されております。
 それで、そのほかの都市について整備が進まないではないか、こういう御指摘でございますが、おっしゃられますとおりそのほかの都市につきましては、指定はされておりますけれども、具体的な取り組みが進んでいないという状況でございます。この背景といたしましては、指定された大都市そのものにおきまして非常に市街化が進みまして、流通業務地区の適地を確保することが非常に困難になってきている、その結果として具体化が進まないという事情があるのではないかというふうに理解しております。
 そこで、今回の改正におきましては、対象都市を現在のそういう大都市からさらに一定の地方都市まで広げるということにいたしております。これは用地の確保という問題もございますが、物流活動そのものが広域化してまいりまして、それからまた高速道路が全国的に整備されてきたということがございまして、むしろ大都市そのものよりは、例えば高速道路のインターチェンジの付近というようなものを含めました地方都市におきましてそういう流通業務市街地の整備の必要性が高まってきている、こういうふうに考えております。そういうところから今回、地方都市までその対象を拡大するということにいたしたいと考えているわけであります。
 それからもう一点は、もう一つの事情といたしましては、やはりこれは地方の取り組みが一番大事でございますので、現行法におきましてはこの計画策定、基本方針の策定というものを主務大臣、国が定めるということになっておりますけれども、地方の積極的対応を促すという意味でこの計画策定の権限を都道府県知事に移譲するということをいたしております。
 こういうことで、もしこの改正が行われますならば、これからはより一層地域の事情に即した、また物流の広域化というような最近の状況にも対応した流通業務市街地の整備が進むのではないかというふうに考えているわけでございます。
#9
○櫻井規順君 法改正をいたしまして、新たに大都市から地方都市に指定都市を拡大する、そしてまた大臣が基本方針を立てるものを知事に基本方針をゆだねるというような制度改正になるわけですが、地方都市といった場合に、どのくらいの数、どのくらいの規模のところまで広げるのか、その目安みたいなものはどう押さえているのか。そしてこれだけ進展しないというのは、やはり誘導する国の側、行政側の施策が弱いからなんじゃないかというようにも思うんですが、新たに制度的に今度流通業務市街地整備を進める上において誘導するような強力な施策が講じられていくんでしょうか、いかがでしょうか。
#10
○政府委員(向山秀昭君) 今回の改正におきましての枠組みといたしましては、主務大臣すなわち国におきましては基本的な指針、いわばガイドラインだけを決める、そして実際の都市の選定でありますとか、あるいはその場所の選定あるいは規模、その中の施設の状況、こういうものは都道府県知事に決めていただく、こういう体制にいたしております。国が定めるガイドラインにおきましては、やはり全国的な物流体系というものを踏まえまして、それから同時に高速道路そのほかの交通施設の状況というものを踏まえまして、どういう場所が適当である、あるいはどういう都市であればそういうものが必要であるというようなものを定めていきたいというふうに考えております。
 それから、先ほども申し上げましたけれども、都道府県知事を計画の策定主体といたしますので、地域としての自主的な積極的な取り組みが期待されるのではないか、可能になるのではないかというふうに考えております。
 また、これを具体的に推進するに当たりましては、細かくは申し上げませんけれども、幾つかの支援措置を講じているところでございます。
#11
○櫻井規順君 細かじゃなくていいから、大ざっぱでいいですから、問題はその支援措置ですよ。その支援措置をどんなものを考えているのか。従来どうであったのか。債務保証、それから減税措置というものが挙がっておりますが、それは大切な国側からの措置だというふうに思うわけでありますが、割合、この産業基盤整備基金の場合にしてもほとんど債務保証が中心になっているように思います。一つどこかの事例で利子補給というふうな制度が活用されているところもあるわけですが、これは利子補給くらいを考えて取り組まれた方がよろしいかと思うんですけれども、大まかでよろしいんで、新たに新法のもとでどういう政策的な措置を講じているのか、聞かせてください。
#12
○政府委員(向山秀昭君) 今回の法律改正の一つの目玉といたしまして、その流通業務地区の核になります施設、これを私どもといいますか、法律では流通業務効率化基盤整備事業と言っておりますけれども、これに対しましては幾つかの助成措置といいますか支援措置を講じております。
 第一は、先ほど御指摘がありましたように、産業基盤整備基金からの債務保証、それから日本開発銀行及び北海道東北開発公庫からの低利の融資の制度を新たに設けております。それから、さらにこの事業に対しまして民活法を活用するという道を開くことにいたしておりまして、この民活法を活用することによりましてNTT資金によります無利子貸し付け、それから日本開発銀行からの出資という道も開かれておるわけでございます。ほかの制度と比べましても相当手厚い支援措置が講じられているというふうに考えております。
#13
○櫻井規順君 今の答弁で前の質問に関連しますが、新しく指定するところは高速道路のインター周辺といいますか、インターをかなり焦点にお考えになっているのかどうか。
 それから、利子補給という制度はいかがでしょうか。
#14
○政府委員(向山秀昭君) 最初の、どのような地方都市の範囲を考えているかという御質問でございますが、これは具体的にはこれからそのガイドラインの中で詰めていくわけでございますが、想定されますのは、やはり高速道路のインターチェンジの周辺というのは一つの想定でございます。それからもう一つは、大都市そのものにはなかな
か用地が確保しにくいという場合がございまして、その大都市の周辺の都市、これを地方都市という言い方をするのがいいかどうかわかりませんけれども、大都市の周辺の都市ということが考えられると思います。
 それから、第二の利子補給の点でございますが、これはほかの、例えば輸入促進法等におきまして産業整備基金からの利子補給が認められている例もございますけれども、この産業整備基金の所管省であります通産省それから大蔵省におきまして検討の結果、今回はこの事業に対しましては、その出資ということで利子補給については特に措置を講じないということになっておると聞いております。
#15
○櫻井規順君 どうぞ強力に、現行法のもとで進捗しない事情もその辺の援助措置に弱い点があったものですから、ひとつ利子補給くらいなところまでは伸ばしてくださるように要望しておきます。
 次に、基盤整備事業の上に立つ、主として運輸関係の業務がその上で展開されるわけでありますが、具体的には基盤整備事業のその地区に建設できる施設というのはかなり限定されているようでございます。御案内のように、町中からそういうふうに比較的交通緩和のために郊外に出て新しい流通市街地をつくる。
 問題は、そこで今度は働いている人の立場があるわけでありますが、比較的運送関係にしても物流にかかわる、そこに働いている人への配慮というものが、これはインフラ整備が中心だからということかもしれませんが、欠けているのではないか。御案内のように、トラック輸送をとってみても人手不足が一番大きな問題で、運政審答申でもとにかく労働力確保ということが柱になるくらい問題になっております。こういうインフラの上に整備される施設の問題でありますが、そこに働いている皆さんの厚生施設、こういうものは入ってないわけです。入ってないけれども、人はついて回るわけですから、どういうふうに配慮されているのか。トラックターミナル等という、これも一つの上屋といいますか施設としてよろしいと。それから、今度新たに法律として設けられた荷主さんの例あるいは小売店の皆さんの配送センターというのがある。その配送センターの中にやはりそういう、そこに働いている人の厚生施設というのはどうしても必要になろうかというふうに思います。そういうかなり整った、厚生施設の整備というものはこの新法のもとで新たに拡大されたというものがありますでしょうか。あるいは今後、この新法のもとで運用していく過程でその点を私の方では強く求めておきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#16
○政府委員(向山秀昭君) 厚生福利施設が大事であるということは論をまたないわけでございまして、御指摘のように労働力不足でございますので、一層その職場環境をよくするということが必要なわけでございます。
 それで、今回の改正において流通業務地区への立地で追加された施設があるかどうか、それとの関連で厚生福利施設はどうかというお尋ねでございますけれども、新たに追加された施設といたしましては、先ほど御指摘がありましたようにメーカー等の配送センターのようなものでございます。
 それで、厚生福利施設につきましては、実は現行法におきまして既に一時休泊施設ということで、仮眠のための施設というようなものが現在認められております。これは政令で認められておるわけでございますが、そのほか実際の運用におきまして、都道府県知事の許可を受けて一定の公益的施設の設置が認められるということになっております。実際の運用におきましては、必要な飲食施設でありますとか、あるいは売店でありますとか、あるいは宿泊施設でありますとか、そういうものが今申しましたその許可を受けて設置することが認められております。
 それで、流通業務地区というものは流通業務の集約立地のための地区でございまして、その流通業務の運営の上で必要なものは必要な限度で、ただいま申し上げましたような厚生福利施設が現在でも認められているわけでございます。したがいまして、これから、今後の運用といたしましても、実際の計画を検討しあるいはそれを指導する中で、そのような必要な厚生福利施設が認められるように十分配慮していきたいというふうに考えております。
#17
○櫻井規順君 次に、この流通業務効率化と言った場合に、端的にそのあらわれとして出るものは、端的に言って恐縮ですが、走っている貨物トラックの積載量が共同化の事業でどのくらいその積載率が高まったかというところに絞られてくると思うんです。幾ら町中から流通基盤整備をした新しいいい市街地に出ても、単純に一社が新しいところに移転をして、相変わらず同じような長距離で輸送してたんじゃ全く意味がないわけであります。問題は、そういうふうに貨物トラックのその積載率がどう変化しているかという調査というのはなさっているんでしょうか。
#18
○政府委員(向山秀昭君) トラックの積載率を向上させていかなければならないというのは、そのとおりでございます。そういうことで私どもも努力しているつもりでございますが、実際の推移を見ますと、トラックの貨物の積載率というのは傾向としてはむしろ悪くなっていると、低下しているというのが現状でございます。ただ、その中でも自家用トラックの積載率が非常に低下しておりまして、営業車の積載率は非常に高うございます。例えば最近年で申しますと、営業トラックの普通車は積載率が五八・〇%、小型車が三五・〇%でございますが、自家用車の方は普通車が四九・四%、それから小型車の方は一六・一%というような数字になっております。
 こういうことで、できるだけ営業車の活用、それからできるだけ多くの荷主の荷物を積み合わせて運ぶいわば輸送の共同化ということを推進していきたいと考えております。
#19
○櫻井規順君 これはいずれにしても営業車の積載率の向上ということがポイントだろうというふうに思うわけですが、これは傾向としては向上してきているんですか。それからまた、これは今後の点検の仕方というのはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
#20
○政府委員(向山秀昭君) 営業車の方は若干減ってきてはおりますが、例えば過去十年ぐらいでありますとほぼ横ばいでございます。これは普通車それから小型車両方について微減、少し減っているという程度でございます。したがって、営業車の効率性が非常に高いというふうに判断しておるわけでございます。
 さらに、この営業車の活用ということで、そのためには営業車を活用し、かつできるだけ多くの荷主の荷物を積み合わせて運ぶ、これを推進しなければいけないわけでございますが、いろんな措置をこの方向に沿いましてとってきているわけでございます。一、二申し上げますと、まず、物流二法で新しい貨物自動車運送事業法が制定されまして、その中で、積み合わせ輸送というものを従来はかなり制限的に認めていたわけでございますが、これを路線と区域の別をなくしまして、積み合わせ輸送というものは従来の区域におきましてもできるように、そういう制度改正をしているわけです。
 それからもう一つは、昨年の国会で成立いたしました中小企業流通業務効率化促進法というのがございまして、これは中小のトラック事業者、トラック事業者はほとんどが中小企業でございますけれども、荷主企業と共同いたしまして協同組合をつくって輸送の共同化を進めるということを進めてきております。
 それから、今回の法律との関係で申し上げますと、先ほどお話がありました基盤整備事業という制度を今回設けようとしているわけですけれども、その一つの要件といたしまして、施設を共同で利用する、そしてその中におきまして空事情報の提供というような業務をすることというのを条件としておりまして、この基盤整備事業の中にお
きまして輸送の共同化というのを推進する。
 それには二つございまして、一つは、流通業務地区というものを拠点といたしまして都市内への配送というものを共同化していく、そのためにそういう輸送情報の提供を行うセンターをその中に設ける。それからもう一つは、幹線輸送といいますか長距離輸送におきまして帰りの車が空車になるわけでございますが、この帰りの車についての荷物のあっせんを行う、こういうことを行うこととしております。ですから、今回の流布法の改正におきましても、輸送の共同化あるいは積載効率の向上ということに配慮したものになっていると考えております。
#21
○櫻井規順君 細かな問題に入ると切りがないわけでありますが、今度は五省庁の共管といいましょうか、主務大臣が五省庁にわたっているというふうに理解しているわけであります。
 これから、公共事業も加わりまして我が国の不況脱出あるいは我が国の経済、産業をリードしていく上において、こういう幾つかの省庁にまたがって共管の事業、そして民間が積極的に参加してくる、そういう事業形態というものが我が国の産業のリーディングセクターとしても位置づけられてきているし、これから重みを増していくというふうに思うわけであります。
 そういう中で、今の中小企業流通業務効率化促進法もそうですし、輸入拡大法もそうですし、今度のこの流通業務効率化の新しい法改正もそうなんですが、それぞれもとの法律があるわけでありますが、新法にしても運輸省の乗り込み方が、運輸がもろにかかる法律が商工なり建設にかかる率が非常に多いわけです。そういう点、一体運輸省はどういうふうにごらんになっているのか、こういう現状を。やや流通業界革新の意欲に欠けるものを私感ずるわけでありますが、これ大臣あるいは局長、御答弁いただければというふうに思うわけです。
#22
○政府委員(向山秀昭君) 物流活動というのは非常に広範にわたりまして、運輸省の中でももちろん海運とか航空とか鉄道とかいろんなことにまたがりまして、またこれを総合しなければいけないわけですけれども、やはり物流というのは、メーカーあるいは商社といいますか、小売、卸というようなそういう商機能との関連の中で需要が発生してくるわけでございますので、これの効率化を考える場合にはやはり関係の省庁が共同して進めていかなければいけないというふうに思っております。
 そういう意味で、それぞれの課題ごとに関係する省庁との間で極めて密接な連絡をとってやっておるつもりでございますし、それから運輸省としては決して他に引かれて仕事をしているわけではございませんで、今回の流布法もそうでございますが、運輸省として積極的に問題提起をして方向づけを行ってこういう法案をまとめてきているわけでございます。
#23
○櫻井規順君 また改めて議論したいというふうに思います。
 次に、タクシー事業に関連して質問をさせていただきます。
 今運輸政策審議会において、自動車局長の諮問を受けてタクシー事業のあり方について審議が進められているわけでありますが、今の運政審における審議状況、そしてその答申の見通しについて簡潔に御答弁いただけますか。
#24
○政府委員(土坂泰敏君) 昨年の六月、行革審からタクシーの規制の見直しについて御指摘を受けたわけでございますが、運輸省ではこれを受けまして、単に規制の見直しということだけでなくて、労働力の確保なども含むタクシーの今後のあり方について総合的に御審議をいただくということで、昨年の九月、運輸大臣から運政審に諮問をさせていただきました。
 現在、委員会を六回、ワーキンググループを五回既にやっておりまして、ただいま主要な論点についての御論議をしていただいている、そういう段階でございます。
 今後の見通しについて事務当局の方である運輸省から申し上げることは僭越な点があるかと思いますが、私どもの希望といたしましては六月までには御答申をいただけるようにお願いをしたいというふうに思っておるところでございます。
#25
○櫻井規順君 自動車局長が運政審に諮問した中身は、「タクシー事業の望ましいあり方を明らかにするとともに、その達成に向けた事業規制、労働力確保等の方策につき総合的に検討する必要がある。」、検討されたいということで諮問をしていると伺っております。要するに、事業規制、労働力確保というのが二つの大きな柱になっているように理解するわけであります。
 審議の状況は私どもにはわからないわけでありますが、新聞報道等を見ますと、どうも事業規制が先行しておりまして、労働力確保の方も十分検討されているのかなという心配を持つものでありますが、何せこれは運政審の特別委員会の方の検討でございますので、ここであれこれ言うのも立場じゃないわけであります。
 基本的にはそういう御努力をされていることに感謝をしているわけでありますが、問題は、労働力確保という面について諮問されているので、その諮問の中身が十分尽くされるように運輸省の方として御努力を願いたいというふうに思うわけでありますが、運輸省としては日ごろ接点を持って審議を進められていると思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#26
○政府委員(土坂泰敏君) 先生御指摘のとおり、大きく言って規制の見直しの点と労働力の確保、そのための労働条件の見直し、改善、二つ柱がございます。
 論議は、規制の見直しについては非常に難しい論議がございまして、いろんな議論が出ておるわけでございますが、だからといって労働力の確保の方についての御論議が十分でないということではございません。今後のタクシーの発展のためにはその点は非常に大事なポイントであるということは、委員の先生方すべて十分御認識の上で御議論をいただいているところでございます。したがいまして、今御指摘になった点も踏まえた適切な御答申がいただけるものと考えておるところでございます。
#27
○櫻井規順君 タクシーもまたこの労働力確保という問題が非常に大きな問題であるわけであります。平成二年、平成四年と運賃の改定を全国的にやってまいりました。それは平成三年の週四十六時間、それから平成五年の週四十四時間という労働時間を見越してやってきたというふうに思うわけであります。時間がないものですからなんですが、全産業の賃金あるいは労働時間と比べまして、どうですか、タクシーの賃金と労働時間は改善をされてきていますか、簡潔に。
#28
○政府委員(土坂泰敏君) 簡潔に申し上げます。
 二年と四年と二回運賃改定をいたしました。四年の運賃改定効果というのは、実は四年の経営指標がまだ出ておりませんのでここで数字で御説明ができないわけでございますが、二年の運賃改定効果というのは端的に言って元年の数値と三年の数値の比較ということであらわれると思います。
 そこで、例えば賃金水準を全産業と比較した数値で御説明申し上げますと、元年の場合全産業を一〇〇とするとタクシーは八六でございましたが、これが三年の場合には八九ということでございまして、若干ではございますがやはり改善の方向に向かっているものと考えております。
#29
○櫻井規順君 労働時間の方は少し縮まっているんですか、ほんの少し。目に見えたというふうにはちょっと言えないような、傾向的にはいい方向には来ているというふうに思います。
 問題は、特に新聞の論説等で何か、今はやみましたけれども、ひところタクシーバッシングとも言っていいような状況がございました。そのポイントが同一地域同一運賃という一つの行政指針、行政方針に対しての批判が強かったわけでありますが、これは同一地域同一運賃の行政指針というのは、その成立、それから今日運輸省として基本的にどういうふうにとらえているか、これまた簡潔に御答弁いただけますでしょうか。
#30
○政府委員(土坂泰敏君) 同一地域同一運賃は、タクシーというものは利用者が大体急ぐときに手を上げて拾われるわけですが、いろんな運賃がありましてもなかなか限られた時間の中で自分の希望する車をきちんと選ぶことができない。そこで、偶然に左右されるとかいろんな問題が出てまいりますので、従来から運輸省ではその点を考慮して同一地域同一運賃という行政方針をとってまいりました。この点については、現時点でもこれは望ましい姿であるというふうに思っておりますが、ただこれをさらにどういうふうに弾力化していくかということは、やはり考えていかなければいけないことであるというふうに思います。したがいまして、この点につきましても運政審の御議論の一環で御検討いただいているところでございまして、何がしかの御結論を示していただけるものと考えております。
#31
○櫻井規順君 この同一地域同一運賃という運輸省の行政指導の方針ですが、これはもう長い年月、大正元年からタクシー事業というのは始まって、長い変遷の過程で業界があるいは運輸省が到達した一つの運賃のあり方の指針だというふうに私は理解をしてきましたし、今なお理解をしているわけであります。これは非常に神風タクシーだとか言われてみたり、業界を幾つか、二分したり三分したりして争いを起こしたりした大変な長い経験の中から出てきた大事なタクシー運賃のあり方の指針だというふうに理解しております。そういう意味でこれは大事にしていただきたいというふうに思うわけであります。
 それで問題は、三菱グループの大阪地裁の判決というものに関連をいたしまして、これまた司法の側で運賃改定時期や運輸省との認可の関係で、直接このことが争われたわけじゃないわけでありますが、この三菱の地裁判決という問題は今後の運輸省の考え方に若干なりとも変化を来すものとして受けとめているのかどうか、御答弁いただきます。
#32
○政府委員(土坂泰敏君) 三菱の判決は、先生が今仰せになりましたように、直接同一地域同一運賃について判断を下した判決ではございません。ただ、この判決の中でこの問題について触れておられることも事実でございまして、その触れ方としましては、同一地域同一運賃がとられなかったとしてもそれは直ちに違法と言うことはできないということをおっしゃっておられるわけでございます。
 これと運輸省の今までの方針との関係でございますが、先生も言われましたように同一運賃というのは行政の方針でございますから、私どもとしても、これと違う運賃があったからといって直ちに違法とは言えないというのはおっしゃるとおりであるというふうに思っております。そういう意味で、今回の判決に関する限り運輸省の考え方と直接そごをするというようなことではございません。
 ただ、やはり同一運賃というものについて、これからは多様化の時代でございます。大変いろんないきさつがあってこうなっていることは事実でございますが、やはりそういうものも大事にしながら、どこまで弾力化できるかについては御検討いただかなければならないというふうに思います。
#33
○櫻井規順君 時間がなくて非常に残念ですけれども、この臨時行政改革推進審議会の第三次答申で、タクシー事業だというふうに思うわけでありますが、免許制、認可制を決めたこの道路運送法に触れる問題が提起されているといえば言えるというふうに思うわけであります。この答申そのものは「需給調整の運用」のあり方あるいは「現行の運賃制度全体の在り方について検討」というふうに書かれているわけで、今それを運政審で検討されているというわけであります。
 問題は、運輸省として、何かタクシーバッシングと言われるような新聞の論説なんかの、今はないけれども、前の話ですけれども、何かここのもう免許、認可というものを取り消した方がいいかのような論調がございます。そのことは即道路運送法の改正まで発展しかねないような議論があるわけでありますが、私は現行の制度の中でこれだけ英知を絞って出てきたタクシーの運賃の現状を考えてみた場合に、あるいは労働力確保という観点を見てみた場合に、そこまでいくのは考えられない。運政審答申もそこまで求めているものじゃないというふうに思うわけでありますが、運輸省のこの基本的なスタンスといいましょうか、お聞かせいただけますか。
#34
○政府委員(土坂泰敏君) 今言われましたように、行革審の答申は需給調整の運用を弾力化してくれということと、運賃料金の多様化を図っていくということの二点を御指摘でございます。免許制や認可制をすぐにやめなさいということをおっしゃっているわけではございません。
 ただ、運輸省としましては、この行革審の答申というのは、これからの時代の中でタクシーというものが発展していく上で大変大切な点を御指摘である。したがって、真剣に受けとめて対応しなければならないというふうに考えております。また、やっぱりタクシーの問題を考えていくに当たっては、広くいろんな方の御意見を聞いて、タクシーというものが国民の間に広く利用されておりますから、皆さんがなるほどと思うような姿で今後のあり方を示していくということが大切だと思います。そういう意味で、運政審で十分御議論を尽くしていただいて適切な御指針を示していただければというふうに思っておるところでございます。
#35
○櫻井規順君 もう一つの行政の方針として運賃ブロック制というのがあるわけですが、これは地方さまざまな特徴があるわけですから、運賃ブロック制もこれまた非常に大事な制度だというふうに思うわけでありますが、この運賃ブロック制についての何か見直し的なものというのはあるんでしょうか。
 私はここでちょっと触れておきたいんですけれども、例えば私は静岡県の選出、静岡県は三つの運賃ブロックがございます。静岡と伊豆と湯河原と三つがあるわけでありますが、それぞれ特徴のある構図になっております。ちょっと運賃ブロックのお考えを少し聞かせてもらうといたしまして、そこの運賃ブロックの昨年の改定のときに、時間がないもので、ちょっと話が飛躍するわけでありますが、リフトタクシーというのがあります。これは従来は中型タクシーと同じ運賃料金になっていたわけでありますが、今度、昨年の運賃改定で初乗りが二千五百円になった。そしてその初乗りの最初の区間も十数キロというふうに長いわけでありますが、そういう制度が設けられて、これはリフトタクシーに乗る障害者の皆さんや病気の方から大変苦情が出ているところであります。これはお客さんが負担するか、行政側が負担するかしない限りこの解決はないわけであります。業者に求めることはこれはどだい無理な話になるというふうに思いますが、しかし業者の方の姿勢としても、それは行政に働きかけるなり健常者の料金である程度負担するとか配慮しなきゃならぬというふうに思うわけであります。そのリフトタクシーだけ単独に上げるということについての認可、あるいはそれが全国的に波及するということについては問題があるというふうに思うわけでありますが、その辺をちょっとお聞かせいただけますか。
#36
○政府委員(土坂泰敏君) 二点仰せになったわけでございますが、一つは運賃ブロックのことについて御説明をするということでございますけれども、タクシーは本来新幹線や飛行機のようなものと違ってごく地域的に限られた輸送機関でございます。それからまた、タクシーのコストというのはやっぱり地域によってそれぞれ特性もあり差もございます。そういうようなことに着目をいたしまして、タクシーの運賃というものを一つの地域ごとに、地域を決めてそれぞれで原価計算をして運賃を決めるようにしてきた、これが運賃ブロックの考え方でございます。
 それから、今仰せになりましたリフトのタク
シーのことでございますが、これが大変高いというのは私どももつらいわけでございますが、リフトのタクシーといいますのはやはり身障者なり付添人の方が御利用なさる。それも営業所にいて呼ばれて行くというやり方をいたしますので、どうしても運行効率が低うございます。普通のタクシーだと、静岡の例で言いますと、大体一日に二十五回ぐらい御利用回数があるんですが、このタクシーの場合には二、三回しかございません。それから、車両自体も普通のタクシーだと百六十万円程度でございますが、このタクシーの場合には五百万円近くかかります。そういったようなことでどうしてもコストが割高になる。企業としてやっていく以上、努力をしても限度がありますのでやはり高いものになってくるというのが現実の姿でございます。ただ、なるべく御利用しやすいようにという見地から安いにこしたことはございません。したがいまして、タクシー企業としてさらに努力をしていただくと同時に、やはりこの辺は福祉行政との連携なども考えながら何がしかの対策について検討していかなければならないというふうに思います。
#37
○櫻井規順君 どうぞ、運政審答申が間近に控えているわけでありますが、運輸省の基本的なスタンスとして、運賃収入の八十数%は人件費というふうにありますように、非常に乗務員の仕事が中心になっているわけでございます。都市のいわば中心部で仕事をされて都市の顔とも言えるようなタクシーの労働力確保の見通し、そしてひとつ夢のある職場づくりをしてバスに匹敵するような、バスが六十六億くらいですか、タクシーは三十二億くらいのお客さんを運んでおる、大変な公共交通になっているわけでありまして、労働力確保なり夢のある職場ができるように行政の指導の方もひとつくれぐれもよろしくお願いいたしまして、ちょうど時間でございますので質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#38
○渕上貞雄君 私はまず大臣に、本年に入りまして英国のスコットランドでタンカーのブレアー号の座礁、それから一月二十一日になりましてアンダマン海でのマースク・ナビゲーター号とサンコー・オナー号の衝突事故が起きました。それらの事故を考えてみたときに、一体こんな大きな事故が起きたときに海運業としてどういうふうに考えればいいのか。大変な環境汚染をしながら、同時に自然界を破壊し、それを回復するための費用については大変膨大な費用がかかっている。そういうときに、やっぱり海運の労使は労使で一生懸命合理化して努力をして、一生懸命海運業の発展のために努力しておる。
 しかし一体、これから先の海運業というのを大臣はどういうふうに見られておるのか。とりわけ安全性の保障された船舶をどう考えていくのか。それから技量の優秀な船員たちが運航する日本の船、船員、これらの将来の問題についてどう考えておるのか。ただ単に私は、行政と業界だけではなしに、タンカーの船主を含めて荷主の責任の問題、そして造船業の問題など、幅広くこの問題については考えていかなくてはならないと思っていますけれども、大臣の認識をお伺いいたします。
#39
○国務大臣(越智伊平君) お説のように、最近タンカー事故が数多く発生いたしました。運輸省としても大変憂慮にたえない次第であります。
 この大きい原因は、いろいろありますけれども、やはり一つは人の問題、船員の問題、こういうふうに思いますのでございますから、この問題は十分船舶職員の養成またモラル、この面で大いに教育をしなければならない、こういうふうに思う次第であります。
 それから、便宜置籍船等がございまして外国船員と混乗をしておるというところにも、これはいい傾向ではない、こういうふうに思っております。これは競争力等の問題もございましてこういうことになっておるわけでありますが、でき得れば日本人船員に乗っていただく、このことがいいと、かように思う次第であります。このためにはひとつ労使双方十分話し合うし、またお互いに協力し合う。もう一点はやっぱり近代化船というような効率のいい船が必要である、かように思う次第であります。
 それからもう一点は、やはり船の構造の問題であります。特にタンカーにつきましては御承知のとおり二重船体化、こういうことで今奨励をしております。この点についても、これはやはり融資の問題や税制の問題、特に償却の問題等、外国と比較しましても必ずしも日本がいいということではございませんので、その点についても大いに努力をする、こういうふうに思います。
 要は人の問題と船の構造の問題、こういうことについて大いに努力をいたしたい。この点については船主あるいは荷主さん、両方の御理解、御協力をいただかないと前へ進みませんので、ともに努力をし、先ほど言いましたように政府としてもこのことについてできるだけの努力、協力をしていく、こういうことをいたしたい、かように考えておる次第であります。
#40
○渕上貞雄君 我が国のエネルギーを確保していく場合の安全保障の問題と海洋汚染につながるタンカー事故の問題については、やはり安全対策が一番でなければならないと思いますけれども、今大臣御答弁ありましたように、便宜置籍船の問題について常に問題になってくるわけであります。私どもはやはり今の社会がこんなに便利で豊かになって、そして非常に自分たちの生活の身の回りを考えた場合に、石油の恩恵をこうむっているということなどを考えますと、ほとんどが輸入で賄われるという実態を考えた場合、やはりこれから先の生活を保障していく安全保障対策といいましょうか、安全対策というものを私はしっかり考えていかなくてはならないと思っているところです。
 しかし、そうは言っても便宜置籍船の問題というのは、非常に国際化された競争下の中における問題として考えていった場合に、大臣はできるだけ日本人船員を使ってというふうに言われましたけれども、そうではなしに、日本の海運業界が外国に子会社を設置させそして運航させているという実態などを考えていきますと、これは一つ問題ではないかというふうに実は思っているところであります。なぜそういう便宜置籍船をつくるかといえば、やはり今のより豊かな日本人の生活を保障する、それ以上に利益優先をさせ過ぎているんじゃないか。安全よりも利益を優先させ過ぎているのではないかというふうに私は思うんです。
 したがって、この便宜置籍船の安全運航対策について具体的にどう考えられておるか、御説明願いたいと思います。
#41
○政府委員(長尾正和君) 先ほど大臣から申されましたように、いろんな多くの事故につきましては人的な要因を含んでいるというふうに思われますから、最近の事故につきましてもいわゆる便宜置籍船と申しますか、多国籍の船員が相乗している船同士の衝突というものでございます。ただ、これらのタンカーの海難事故の原因につきましては現在明確になっておりませんので、こういった船に乗っている船員が技術が不足であるとか技能不足というようなことが原因であるとは必ずしも言えないのではないかと考えております。
 ただ、船員の技術水準の維持につきましてはいわゆるSTCW条約というのがございます。千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約というのがございまして、これによりまして国際的に一定水準が保たれることとなっております。したがいまして我が国といたしましては、この条約に基づきましていわゆるポートステートコントロールということを実施するとか、あるいは開発途上国に対する技術協力などを通じまして国際的な船員の技術水準の確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#42
○渕上貞雄君 そのことはやっていただきたいし、そうなければならないと思っていますけれども、やはり事故が起きるたびに便宜置籍船が問題となるわけでございまして、例えばリベリアなどでは船に財産税がかからない。そこで船籍をその
国に登録をして節税を図る。節税をした上にさらに東南アジア地域の安い労働力を使って低賃金で働かせている。そういう船員をまた雇い入れている。その上に、船の安全チェックというのは非常に不十分である。
 今も言われましたように、私は決して外国人だから能力が落ちるとは考えておりません。そうはいっても、外国人船員に対する教育訓練、そういうものが不十分なまま乗船させているのではないだろうか。その結果、やはり資格の問題というのは今国際条約で決められているというふうに言われましたけれども、果たして十分なものがあるかどうかということを考えると、事故の起きた原因の中に、いろんなことが言われていますけれども、かなり船員の資格や能力、そういうものが問われて事故が起きているということなどを考えますと、やはり問題ではないかというふうに思うところであります。やはり一たび事故が起きるとすれば、タンカーの安全対策だとか環境対策だとか、大臣も言われたようなタンカーの二重船体化などについていろいろ問題が出るわけでありますけれども、私は安全運航に対して、そういう基本的なものについて、とりわけ事故防止の上で便宜置籍船に対する考え方、認識というものをきちっと改めないと再びこういう事故が起きてくるのではないかというふうに思っているところであります。
 やはり船員の方々のお話を聞きますと、誇りを持って仕事をしたいと。それは日本船に乗って日本の船員でやっていくことについて、同時にやはり安全運航に対して誇りを持って仕事をしていくということが最大の目的でありますし、そのことがかなえられないような便宜置籍船という問題について、やっぱり一定の制約、条件というのをIMOあたりでつくっていくべきではないかと思いますが、お考えはいかがですか。
#43
○政府委員(浅見喜紀君) 便宜置籍船の安全対策に関しまして先ほど船員部長から主として船員の資格等の観点からお答えを申し上げましたけれども、船舶航行の安全に関しましては、便宜置籍船に限らず、IMOにおきまして今おっしゃいましたような船体構造等の面あるいは船員の資格要件、こういったソフト、ハードの両面にわたる広範な国際基準が定められているわけでございます。一般的にその安全性が確保されているかどうかということは、その船舶の旗国、その船舶の国籍のある国が実施の責任を負うということになっているわけでございます。しかしそうは言いましても、船舶の安全の問題は先生おっしゃいましたようにいろいろな面で極めて重要な問題でございまして、単に旗国にその実施責任をゆだねるということではなくて、IMOを中心として国際社会全体として安全性の向上に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
 このような観点から、我が国といたしましてもIMOにおける運航管理の強化等の検討作業に積極的に参加してきておりますし、さらにいわゆるポートステートコントロールの強化とか、そのための地域協調体制の確立とか、先ほど船員部長がお答え申し上げましたような外国人船員に対する教育研修といったようなことに努めているところでございます。
#44
○渕上貞雄君 そういうものは日常的に取り組んでいく。同時に、あれだけの事故が起きてきて環境汚染が広がっていく。それが大変なことになっている事態のときには、やっぱり再度考えていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 そういう事故が多発したせいといいましょうか、マースク・ナビゲーター号の事故が発生した以降、運輸省として三月、四月ですか、まだ四月ですから調査中だとは思いますけれども、我が国に入ってくるタンカーその他危険物を運ぶ運搬船について一斉の立入検査を行ったようでありますが、現在把握している状況で結構ですから御説明願いたいと思います。
#45
○政府委員(戸田邦司君) 外国船への立ち入り、いわゆるポートステートコントロールでありますが、これは先生よく御存じのとおり、沿岸国がその国に入ってくる外国船に立入検査を実施するということであります。今回の一連の世界的なタンカー事故の重大性にかんがみまして、船舶の航行安全と海洋環境の保護を図るという見地から、海上人命安全条約あるいは海洋汚染防止条約あるいは先ほど船員部長の方からお話し申し上げましたSTCW条約、そういった国際的な海事関係の条約の基準を満たしていない、いわゆるサブスタンダードシップと言っておりますが、これを排除する目的で特に本年三月から四月までの二カ月間を一斉立入検査期間としまして、海上保安庁と協力しまして外国籍のタンカーなどの危険物運搬船に対しましてポートステートコントロールを実施しているということであります。立入検査の項目などにつきましては、船体とかエンジンとかあるいは荷役設備、それから衝突、座礁を防止する諸設備、あるいは海洋汚染防止設備、消防設備、救命設備、それに船舶職員の適正な資格証明などがその場合のチェックの項目となっております。
 三月の実績について申し上げますと、強化の対象となっている危険物運搬船への立入検査隻数は約七十隻でありまして、このうち十数隻の船舶に関しまして救命あるいは消防設備の欠陥や、証書あるいは海図または海技免状などの不備が発見されまして、それぞれ是正するような勧告を行ってきております。
 なお、このポートステートコントロールにつきましては、ヨーロッパサイドにMOUという組織があります。また、IMOの総会決議に基づきまして、アジア・パシフィック地域におきまして新しい連携を保ってのポートステートコントロールの実施のための各国の連携機関をつくるというようなことで、我が国が現在リーダーシップをとってそういうような働きかけを行っております。
#46
○渕上貞雄君 どうぞリーダーシップを発揮して積極的にやっていただきたいと思います。
 事故防止対策でありますけれども、マラッカ海峡でああいうタンカー事故が起こりましたし、あのマラッカ海峡というのはタンカー銀座と言われていますし、同時にあわせて事故多発地とも言われているわけでありますけれども、その場合日本としてとられた措置についてお聞かせ願いたいと思います。
#47
○政府委員(向山秀昭君) マラッカ・シンガポール海峡の航行安全対策についてのお尋ねでございますが、御指摘のように我が国といたしましてもこの海峡の航行安全の確保には大変重大な関心を払い、またその重要性は十分認識しておるところでございます。そういう観点から、これまでも同海峡の航行安全のために例えば灯台の設置でありますとか、あるいは測量でありますとか、海図の編さんでありますとか、そういう面で国ベースあるいは民間ベースを通じましていろいろな援助、協力を行ってきているわけでございます。
 それで、御指摘のように、最近この同海峡におきまして各種の事故等も発生しておりまして、沿岸国におきましてもいろいろな形での問題提起がなされているということは十分承知しております。ただ、何分にもこのマラッカ・シンガポール海峡のような国際的な海峡の航行安全につきましては、やはり国際的な検討の場であるIMOにおいて各種の検討が行われるべきであるというふうに考えております。
 それで、私どもからもIMOに対しまして検討の働きかけを行ったわけでありますが、IMOにおきましても既にワーキンググループを設置いたしまして、現地調査あるいは沿岸国との意見交換等を始めている段階でございます。それから、近々IMOにおきましてこの問題についての検討をする委員会を開催するということも決まっております。
 したがいまして、我が国といたしましては、このIMOにおきます検討に対して、先ほど申し上げましたような認識を持ちまして積極的に参加して貢献していきたいというふうに考えております。
#48
○渕上貞雄君 やはり我々日本人の生活の重要な生命線でありますから、どうかIMOの中でしっ
かりやって、ひとつ安全運航のために努力していただきたいと思います。
 次に、同じような事故が日本近海で起きた場合の対策についてどのような処置をとられるか、またどのような対策がとられているのか御説明を願いたい。なお、やはりこのような事故というのが日本近海で発生した場合に、航行の安全と海洋保全のためのEC諸国やアメリカがやったような規制というものをやらなければならないと思いますが、考えていますかどうですか。
#49
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 今先生最初に御質問の、こういう事故があったときの我が国における体制でございますが、御承知のとおり海洋汚染防止法という法律は、国際条約に基づきましてこれを国内法化して、これを具体的に我が国及び我が国沿岸の海域に適用しておるものでございますが、ここでは船舶の所有者とか海洋施設の設置者に全部油防除の責任を負わせております。したがいまして法律上は、船舶所有者とか、それから海洋施設の設置者、さらに船舶所有者にかわりまして防除を行う海上災害防止センターというのがございますが、ここでいろんな資機材を備えておりまして、何かありましたらそこからすっ飛んでいくということになっております。
 ちなみに、例えばオイルフェンスというのがございますが、これは今全国で約千三百キロメートルの長さのものが用意されております。それから油処理剤、これは中和させたりするものでございますが、これが約四千百トン、これだけ全国に備蓄されております。もちろん海上保安庁におきましても相当量のものを持っておりまして、それと私どもは二十四時間体制でございますので、何かありましたらすぐ飛んで出るという体制はできております。
 それからさらに、危険な水域につきましてはいわゆる航行管制を行いまして、危険物の船等の衝突がないように海上の安全を図っております。
 ということで、一応我が国に幸い最近何もございませんけれども、何かありました場合にはかなりなスピードで対策がとれると思っております。
 なお、これは民間と我々の一緒の組織でございますが、全国流出油災害対策協議会というのを各主な港ごとに、九十六ございますが、これは官と民が一緒になりましてこういう事故があったときにどうするかという協議会をつくっております。年に一回ぐらいは合同訓練といいますか、演習みたいなことをやりまして、これの対策に当たりたいと思っております。
 それから、日本近海におきます航行安全あるいは海洋汚染につきましての新しい制度というお話でございますが、今のところはそのような対策によって私どもは一応海洋汚染防止法の体系でかなりのことができていると思っております。なお国際的な動きも十分見まして、必要ならば臨機応変に対応していきたいと思っております。
#50
○渕上貞雄君 次に、タンカーの二重船体構造問題についての平成五年度の税制改正で、二重構造のタンカーについては特別償却措置がとられておりますけれども、今後この措置については引き続き求めていくべきだと思いますが、考え方を御説明願いたいと思います。
#51
○政府委員(浅見喜紀君) 先ほど来先生おっしゃっておられますように、タンカーの事故が起きて油が海洋に流れ出すということになりますと非常に重大な被害をもたらすおそれもありますので、こういったものを防止するためにタンカーの二重構造化ということがIMOで決められているわけでございます。このタンカーの二重構造化を促進するために、今お話しございましたように、平成五年度の税制改正におきまして新たに百分の二十という特別償却制度を設けたところでございます。この特別償却制度につきましては、今後ともタンカーの建造状況も踏まえながら、二重構造化の促進が図られるように制度の維持に努めていきたいというふうに考えております。
#52
○渕上貞雄君 どうかひとつ積極的に行っていただきたいと思います。
 二重船体構造だけでは油漏れの防止はできないと思うんですが、油流出対策として運輸省も研究されていると思うんですが、造船業基盤整備事業協会ですか、こちらへ補助金を前年度と同額出しておるようでありますが、もっと予算をふやして技術開発を積極的に進めることによって海洋汚染だとか地球環境だとかを守っていくべきだと考えていますが、その点はいかがでございましょうか。
#53
○政府委員(戸田邦司君) 造船業基盤整備事業協会で行っております油流出防止のための研究開発でございますが、これは一般会計からの補助金を受けまして平成三年度から平成七年度まで研究開発を進めることにしております。
 この技術的な内容としましては、油タンカーが万一座礁、衝突したような場合にも本質的に油流出が生じにくい、事故の際の衝撃を効果的に吸収するというようなことを取り入れまして、そういうような仕組みにタンカーを変えていくというようなことで研究を進めております。この方法ですと、既に条約で採択されております通常の二重船体化に比較しまして、非常に効果的に油流出が防止されることになると思われますが、毎年の政府からの補助金としましては八千九百万円ずつ出してきているところでありまして、今後の研究計画の進展などを見ながらできるだけそういうような、先生がおっしゃるような方向で考えてみたいと思っております。
#54
○渕上貞雄君 考えずに、どうかふやしていただきたいと思います。
 次に、海事産業研究所の長塚誠治部長研究員の報告書によりますと、二重船体にことしの七月以降から変えていこうとした場合に、大変多くの船の数がそのまま係留されるか廃船でそのまま置かれるか、解体されずに係留されるかということになっております。やはり解体する技術というのは日本は持っているけれども、今やっていないというのが実情のようでございますので、でき得ればそれらの問題について資金を含めて発展途上国の方に技術移転をやっていくといいましょうか、せっかくODAをやっていこうとするならば、その地域も開発させるし、そこで人も使っていくし、日本の国際貢献としての役割を私は果たしていくと思うんですが、そういういわばスクラップODAというんでしょうか、そういうものをやはり運輸省としてやっていく考えはございますか。
#55
○政府委員(戸田邦司君) 先生御指摘のとおりで、今後の解撤発生量を考えてみますと、一九七○年代に大量に建造されました大型タンカーの老朽化に伴いまして、九〇年代の半ば以降につきまして年間約二千万総トンの解撤需要が出てまいります。これらの解撤につきましては、もちろん日本からの技術供与というようなこともあわせて進めていくことになっておりまして、現実にある造船会社と東南アジアのある国との提携によってそういうことが進められるというようなこともございます。いずれにしましても、我が国造船業の技術力を供与しながら、中国とかインドとかそういった国に働きかけまして解撤を進めていくということで我が国が重要な役割を果たしていかなければならないかと思っております。
 ただ、現実の問題としましては、スクラップというのはこれはマーケットの問題がありますので、それに経済的に関与していくのがいいかどうかというような問題もあります。ただ、相当量のスクラップが出てきますと、まずそれを最初に進めていかなければならないというようなことがございますから、その点については可能な限りの支援を行ってまいりたいと思っております。
#56
○渕上貞雄君 一九九〇年の秋に、油汚染に対する準備、対応及び協力に関する国際条約、OPRC条約と言われていますけれども、それが採択をされてもう既に数年がたつわけでありますが、現在日本の条約批准のための国内法の整備の問題、なぜそれが批准できないのか。総理大臣の答弁では、この条約についてはできるだけ早期に、速やかにとは言いませんでしたが、できるだけ誠意を持って努力していきたいということもございまし
たが、現状はどうなっておりましょうか。
#57
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省としましてはOPRC条約の策定段階からその対策に積極的に取り組んできたところでありますので、条約の批准ができるだけ早く実現しますように、外務省を中心とする検討作業に積極的に協力をいたしますとともに、現在海洋汚染防止法の改正について検討を進めているところでございます。
#58
○渕上貞雄君 やはりできるだけ早急にひとつ外務省等と相談をしていただいて実現できるようお願いを申し上げます。
 最後の質問になりますけれども、安全対策の問題について運輸省の中に、タンカー輸送の安全対策に関する懇談会と、運輸省、通産省両省の合同によるタンカーによる輸送問題に関する合同懇談会ができておるわけでございます。どうもこれ役所の縄張り争いみたいなものを感じますし、縦割り行政の弊害がここでも出てきているんじゃないか。同時にあわせて、我々の目から見るとこれは行政のむだではないかというふうに思います。二つの同じような懇談会をつくって、異なる意見が出てきたときに一体どうしようとしているのか、そのことをお伺いして質問を終わります。
#59
○政府委員(浅見喜紀君) お答えをいたします。
 先ほど来先生もおっしゃっておられますように、タンカーの事故が発生した場合には非常に海洋環境にも大きな影響を及ぼすおそれがありますし、また貿易立国たる我が国にとりまして不可欠でございます石油資源の安定輸送というものが損なわれかねないということで、このタンカーの安全対策というものは極めて重要な課題だというふうに考えて、運輸省の関係局挙げて取り組んでいるところでございます。
 運輸省としてタンカー輸送の安全対策についてこの際問題点を整理するとともに、今後の安全対策等について改めて総合的に検討を行っていこうということで、タンカー輸送の安全対策に関する懇談会というものを発足させたわけでございます。
 また、先生冒頭におっしゃいましたように、タンカー輸送の安全対策を実効あらしめるためには通産省とか石油業界等といったような荷主の理解と協力を得ながら進めなければならないという点も多々あるわけでございまして、そういった観点から両省の協力、協調ということを目的といたしまして合同懇談会を設置することにしたわけでございます。運輸省は運輸省、通産省は通産省とそれぞれがやるということではなくて、今申し上げたように両省の協調、協力体制の維持という観点から合同の懇談会を設けるということにしたわけでございまして、両省の間でこの問題に対する考え方にそごを生ずることのないよう十分にこういった合同懇談会の場を通じて調整を図ってまいりたいというふうに考えております。
#60
○堀利和君 本日も障害者の移動の権利、交通を利用する権利といいますか、あるいは旅行するという基本的な人権にかかわる問題について、特にその辺をお伺いしたいと思います。
 障害者が安心していつでも利用できる公共交通機関というのは大変重要なことでして、もちろん今障害者にとってそうなることが望ましいわけですけれども、同時に、もう言うまでもないことで、これから二十一世紀は四人に一人が六十五歳以上のお年寄りという、そういう高齢社会を迎えるわけですので、今から体の不自由な者が安心して利用できる公共交通機関を準備するというのが、必ずしも今の問題ではなくて、将来への投資だろうというふうに私は思っておりますので、そんな観点でぜひ運輸省として前向きに御尽力願いたいと思います。
 まず鉄道の問題で御質問しますけれども、駅舎にエレベーターの設置をという声が障害者の側から非常に大きな声でもあるわけです。いろんな障害の方が駅舎を、鉄道を利用できることは言うまでもありません。なぜエレベーターを言うかといいますと、エレベーターを設置すると非常に大きな意味を持つわけです。こういうことについては確かにお金もかかる。しかしこれに踏み切るというのは、その他のさまざまな設備も改善されるだろうと思いますので、そういう点では一つの中心課題として取り上げるわけです。
 そこで、今兵庫県の尼崎駅では、障害者、市民の側から駅にエレベーターを設置してほしいという運動が起こっております。なかなかJR西日本と自治体との中でもうまく話が進んでないということですし、そして東京都かの立川駅ではもう十年近くになるんでしょうか、やはりエレベーターの設置ということでJRと自治体、そして障害者の方々、これまた話が進んでいないということであります。また、横浜市の桜木町駅ではこれはエレベーターが設置になりましたけれども、その辺のいきさつもJRの消極的な態度に私もどうも納得がいかないところもありますので、まずはこの尼崎、立川、桜木町の事情について御説明願いたいと思います。
#61
○政府委員(秦野裕君) 身体障害者の方々あるいは高齢者の方々といったいわゆる移動に制約のある方々につきましての移動のための施設整備というものの必要性につきましては、私どもも十分認識しておるところでございます。特に駅の改良などが行われる、あるいは新設が行われるというような場合には、それに応じましてエレベーターあるいはエスカレーターというような各種の設備を整備していくということに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 先生今御指摘のまず尼崎の駅でございますが、これは平成四年の十一月、昨年の十一月に尼崎市の当局の方と実はJR西の方で協定を結びまして、いわゆる車いす対応のエスカレーターを設置するということで実は工事を始めておったわけでございます。その後に身体障害者の方々の方、あるいは市の当局の方からエレベーターにつきましての御要望が出ました。それを踏まえまして現在市の方と協議を行っておるという段階でございまして、いずれにしましても誠意を持って市の当局と協議を行っていくようにJR西日本を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから立川駅の場合でございますが、これも五十七年でございましたか、立川駅が改築されました当時に、エレベーターの問題について今後引き続き検討するということで、若干時間が経過しておることは大変私どもも残念でございますけれども、昨年の二月に市の方からいわゆる実施設計についての御依頼がございまして、現在その実施設計をどういうふうにやるかという形で、その前提条件をいろいろ御相談しておるというところでございますので、これもぜひ前向きに進めるように指導してまいりたいというふうに考えております。
 それから桜木町駅は、ただいまお話しございましたように既にエスカレーターあるいはエレベーターが設置されておるわけでございます。これはいわゆるみなとみらい21地区で、横浜市が都市計画事業を進めるに当たりまして、都市計画道路を新設するという関係でその駅を移さなければならないということから、市の方の御負担で駅舎そのものを移築していただいておりまして、その一環としてエスカレーターあるいはエレベーターを設置しておるという状況でございます。
 以上でございます。
#62
○堀利和君 ここで三つの駅の事例を挙げましたのは、基本的にはJRがエレベーター設置についての費用負担を一切しないという態度をとっているわけです。尼崎駅の今問題になっておりますが、これについても自治体が全額出すんであれば設置してもいいというように聞いているわけです。立川の場合には自治体が出すよ、立川市が出すよということで話が進んでいるようなんですけれども、これもやはりJRの方では負担しない、出さない。桜木町駅については、確かに横浜市のそういったイベントの都合で駅の改造が行われたということはあるにしても、このときにもエレベーターの設置についてはJRは一円も出さない。さらには毎年のランニングコスト、つまり維持管理費までも横浜市に出せということで、実際
そうなっているわけです。
 確かに、障害者も使えるエレベーターを設置するとなればそれは相応の負担がかるわけです。ですから、負担のあり方はどうあるべきかということも論議になりますけれども、ただ余りにもJRの姿勢がかたくなで、これまでも恐らく一駅も負担しようというのはなかったと思うんです。すべて自治体に負わせる。この辺については運輸省としてどういう見解を持っているのでしょうか。
#63
○政府委員(秦野裕君) これは改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、いわゆる鉄道事業者は、これはJRに限らないわけでございますが、運賃収入を主たる財源としまして安全対策なりあるいは輸送力増強なりあるいは駅施設の改善といったいろいろな幅広い設備投資を行っておるわけでございます。したがいまして、エレベーターに配分されると申しますか、エレベーターに充てられる資金の額に一定の限度があるということは御理解いただきたいと思うわけでございます。
 したがって各社におきましては、重点的と申しますか、いわゆる主要駅から順次整備をしていくということがどうしても原則になってしまうわけでございますが、特に地域住民にとりまして大変そういう意味で有益であり、かつ地方公共団体からも応分の支援をいただいた上で、順番が後の駅について優先的にと申しますか、繰り上げて工事をするという場合ももちろんあるわけでございます。ただいま先生のお話のような駅は、まさにそういうところに該当しているのではないかというふうに思うわけでございます。今申し上げましたとおりのことで、必ずしもJRが全く負担しないというようなことではないということは御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
#64
○堀利和君 JRが出さないということでなく、優先性だということですか。つまり、小さな駅といいますか、利用の頻度含めてそれほど重要でない駅は後回しという理解でいいんですか。出さないとは言ってないというか、そういう理解でいいんですか。
#65
○政府委員(秦野裕君) 先ほど申しましたとおり、資金に限界があるものですからどうしても主要駅、乗りかえ駅とかあるいはターミナル駅とか、そういう主要駅から順番に整備をしていくということがどうしても原則になってしまうということでございます。
#66
○堀利和君 そこで、三月十六日の日経新聞に「鉄道整備基金に一兆円を追加」という記事が載っておりました。私も当委員会で当時奥田大臣に対しても、費用負担というのは非常にどうするかは難しい問題であるから、例えば鉄道整備基金などからも融資をして設置しやすいようにしたらどうかということもお話しさせていただいたことがあるわけです。
 そうしましたらこの記事に、従来の融資枠を広げて、例えば東京圏では営団地下鉄の延長にも、あるいは埼玉高速の関係やら、あるいは東京―上野三複線化とか、あるいは大阪圏の方も入っていますけれども、そういった事業に加えまして、エレベーター設置などのいわゆる交通弱者対策にも無利子融資をするんだというような記事が出ておりましたけれども、これは恐らく今後の大蔵とのいろいろな話し合いもあると思いますけれども、このエレベーター設置等の無利子融資という場合に、これはJRもその対象に入ってのお考えでしょうか。
#67
○政府委員(秦野裕君) ただいま先生御指摘の、駅施設を含めましていわゆる鉄道整備全般について、例えば今議論になっております景気対策の中でどういうことができるかという点につきましては、現在政府部内において内容を勉強しておりますので、ちょっと現時点でまだ申し上げる段階になっていないということはお許しをいただきたいと思うわけでございます。
 なお、従来から一般にいわゆる身体障害者等のための施設の整備につきましては、例えば開銀の融資の対象にエスカレーターなりエレベーターを入れるということをやっております。これはJRも当然その中に入っておるわけでございまして、そのほかに地下鉄等の補助に当たりましては、施設の整備の対象としてその補助金を充てるということも含まれております。引き続き、こうした制度の活用あるいは充実について積極的にるる検討してまいりたいというふうに考えております。
#68
○堀利和君 いや、難しい時期だろうから答弁しにくいとは思いますけれども、私が聞きましたのは、この鉄道整備基金の融資対象枠を広げる中にエレベーター設置が入っていると、これはJRを対象にするものかどうかをお聞きしているんです。
#69
○政府委員(秦野裕君) 先ほど申しましたようにまだ検討の段階でございますので、現時点でちょっと御説明する段階ではないということを御理解いただきたいと思います。
#70
○堀利和君 これいろいろな問題はあろうかと思いますけれども、ぜひこの融資枠を進めていただきたい。ついては、その受ける方はそれほど費用負担、お金も使いたくないということがJRであるわけですね。片方で、鉄道整備基金で無利子融資をしますよと、融資といってもしょせんこれは借りる方は自腹切るわけですから、貸すよという方と、いや金は要らない、使いたくないというやはり矛盾がありますので、ぜひその辺はJRに対しまして運輸省として強く、みずからやはりどれほどか負担をして設置するようにお願いしたいと思います。
 次に、交通アドバイザー制度というのが発足しておりますけれども、この辺の運用状況、現段階どういうふうになっているのかお聞きしたいと思います。
#71
○政府委員(大塚秀夫君) 交通アドバイザー制度は、運輸サービスの利用者の声を的確に把握して運輸行政に反映する目的で、昨年六月に設置したものでございます。交通アドバイザー会議を全国十の運輸ブロックごとに設置しまして、高齢者、障害者の方々にもメンバーに加わっていただいて、これまでに各ブロックごとに二回行政側との意見交換などを行ってまいりました。まだ発足間もない制度でございますけれども、今後各アドバイザーの御意見などを少しでも多く御開示いただけるように運営して、よりよい運輸サービスの提供に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#72
○堀利和君 このアドバイザーにはいろいろな立場の方々が参加されているわけですから、またその立場によってのいろんな問題を恐らく話し合われているんだと思うんです。
 私の知っている障害者がこのアドバイザーに入っておりまして、実は発足して一年近くになりますけれども、二度開かれて一回三分程度話しただけだというわけなんです。一回に三分程度で例えば障害者のそういった立場の意見がどこまで反映されるのかということが甚だ疑問でもあります。もちろん障害者の声だけ聞けと言っているのではありませんで、たった三分ということではなくて、ぜひ十分時間をとって意見を聞いてほしいということをお願いしたいと思います。
 次に、昨年の一月に新聞に報道されておりまして、私もこの委員会で取り上げましたけれども、今年度からJR東会社の方が人にやさしい駅づくり委員会というのを設置したというふうになっております。私はもうこれは大変いいことだということで、昨年もお話しさせていただいたわけですけれども、これがどんなふうに進んでいるのかお聞きしたいと思いますし、同時にその内容が、やはり単にJR東だけではなくて、他のJRにも同様のこういった委員会がつくられればすばらしいものだと思いますので、その辺の指導も重ねてお願いしたいと思うんですが。
#73
○政府委員(秦野裕君) ただいまお話しの人にやさしい駅づくり委員会でございますが、JR東日本で平成三年の十一月に、いわゆる身体障害者の方あるいは高齢者の方等々のための施設の整備の促進あるいは技術開発の推進ということを図るために設置されたものでございます。
 これまで主な取り組みといたしましては、例え
ば駅の券売機あるいは階段の手すりなどへの点字の表示、あるいは点字運賃表の整備、あるいは改良型のステッピングカーの導入といったものを進めるとともに、国内あるいは海外におきます交通施設その他の施設の現状についての調査を行っているというふうに聞いておりまして、私も大変よい方向で進んでいるんではないかというふうに思っておるわけでございます。
 他のJRにつきましては、まだこれと同じような形で委員会が設置されているということは聞いておりませんけれども、委員会という名前がどうかはともかくといたしまして、そうした部外の利用者の方あるいは有識者からの要望などを集約するような体制づくり、あるいはそれを実現していくための体制づくりというものを進めていくことは必要だと思いますので、その方向で関係の会社を指導してまいりたいというふうに考えております。
#74
○堀利和君 やはり利用する側から申しますと、JRというのはかつての国鉄を引き継いだものですから、そういう意味合いからも非常に期待が大きいわけです。いわば単なる一民間企業というよりはかなり公共性の強い会社であるし、また利用する側からいいましても大変公共性の高い鉄道でもありますので、そういう点では今申し上げましたような検討する委員会というものを会社の、企業の中でぜひ設置してそういった方向で努力していただきたいと思いますので、その辺またよろしくお願いしたいと思います。
 次に、平成三年の六月に「鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針」ですか、というのが出されたわけです。これについてもいろいろ運輸省の方からもお話を当時聞きまして、これは大量輸送なりこれからの高齢社会に備えてということで、いわば高齢者を一応対象にエスカレーターの整備指針を出したというふうに聞いたわけです。これは身体障害者、障害者は対象にはなっていないということですので、その辺でエレベーターが一番やはり利用する側にとったはいいわけです。今エレベーターの設置に関しての整備指針というのが検討されていると思うんですけれども、その辺の状況はいかがでしょうか。
#75
○政府委員(秦野裕君) いわゆるエスカレーターにつきましては先生今お話しのとおりの整備指針を既に設けておるわけでございますが、現在エレベーターにつきましての整備指針について検討を開始しておりまして、各駅の実態調査を現在行っております。それを踏まえまして、エレベーターを設置する駅の条件、あるいはエレベーターの設置の難易度、あるいはその設備のコスト等の課題を整理した上でその整備指針を策定するという方向で、今後精力的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#76
○堀利和君 次の質問に入ると時間が十二時を過ぎてしまいますので……。
 それでは、今の整備指針は大体いつごろを目途に策定されるんでしょうか。
#77
○政府委員(秦野裕君) 現在実態調査がほぼ終わった段階でございますので、これから具体的な検討に入りますので、まだちょっといつまでというのは現時点では明確でございませんけれども、可及的速やかにやりたいというふうに考えております。
#78
○堀利和君 じゃ午前中はこれで終わります。
#79
○委員長(高桑栄松君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ――――◇―――――
   午後一時開会
#80
○委員長(高桑栄松君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○堀利和君 エレベーター設置の費用負担の問題で質問の冒頭取り上げたんですけれども、JRは費用を持ちたくないんじゃないかというように私はお伺いしたんですけれども、どうもそうじゃない、出すことは出すらしい。ただ、そこには優先順位というのがあるという答弁だったんですが、優先順位といいますと、もちろん大きなターミナルとか乗降客の多いところと、いろいろあろうかと思うんですが、やはり客観的な数字といいますか、大きさというだけでなくて利用者の声というんでしょうか、必要度といいますか、駅の周辺に例えば福祉関係なり公共施設の集中しているところとか、そういう意味もやはりあるんだろうと思うので、単に大きい駅とか乗降客が多いとかというものではないんだろうというふうに私なりに理解して、そういったふうにぜひJRの方にも御指導願いたいと思います。
 それで引き続きまして、鉄道に関してなんですが、私も平成二年四月の当時社労委員会で、身障者の場合、重度の場合、介護つきで双方半分割引になるんですが、近距離の場合でも手帳で窓口へ行って買わなきゃならないわけです。北海道の場合、昨年四駅をモデルとして子供の切符で乗れるかどうかということをなさいまして、ことしから、今年度といいますか、北海道JRでは全駅そういう方向でやるというようにも聞いております。
 それで、例えば東京等の大都市圏においても窓口に行って手帳を見せて二人分の半額ずつを買うというのはこれは大変なことなんです。私鉄で行く、あるいは逆にJRに乗って乗りかえる際に、大きなターミナルの駅ですとわざわざおりて、非常な介護者も負担もかかりますし、雑踏の中でわざわざ遠回りをしなきゃならない。連絡改札口から行ければいいんですが。そういうことからいいまして、他のJRにつきましても介護で行く場合に券売機で子供切符二枚買って手帳を提示して乗れるようにぜひ御指導願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#82
○政府委員(秦野裕君) ただいまお話しございましたように、JR北海道の方で昨年の四月からいわば中規模の駅四駅を対象にしまして、自動券売機でいわゆる小児の乗車券を購入していただくという制度を試行的に始めたわけでございます。その結果、おおむね障害者の方からの御意見もよかったということで、その結果を踏まえましてことしの四月十二日から北海道全駅に拡大するということにいたしております。当然札幌のような大きな駅も含まれるわけでございまして、そうした大きな駅でも支障なくあるいは混乱なくいくかどうかということのテストを始めるわけでございますので、その結果を見た上で他のJR各社も採用に踏み切りたいというふうに申しておりますので、もうしばらくお時間をおかしいただきたいというふうに考えております。
#83
○堀利和君 東京あたりでも子供二人がJRに乗ることもありますし、乗りかえて私鉄に乗る、あるいは私鉄に乗ってJRに乗りかえるということができるわけですから、大人二人が割引ということで子供切符二枚で乗れないというはずはないんですね、子供二人が乗れるんですから。そういうことですから、ぜひ早目に他のJRにおいても実施できるように御指導願いたいと思います。
 次に、タクシーの問題について御質問いたします。
 一般的にも乗車拒否というのがあるわけですが、それ以上に、どうしても障害者の場合ですと乗りおりに時間がかかることもあります、あるいは乗ってからも行き先が不明確ということで、運転手の側からするとどうも乗せたくないといいますか、できれば遠慮してもらいたいという気持ちが働くと思うんです。そういうことで、障害者の方々から何か乗車拒否があるんだということが、これ実態としてあるんですが、この辺は運輸省として把握していますでしょうか。
#84
○政府委員(土坂泰敏君) 乗車拒否は需要に対して供給が少ないときに起こりやすいものでございますが、やはり防止をするということがタクシーサービスの基本でございますので、私どもでもいろいろ手を尽くしておるわけでございますが、残念ながらなかなかなくなるというわけにはまいり
ません。ただ最近は、需要がこういう状況でございますから、減ってきておることは事実でございます。
 今おっしゃいました点でございますが、一般的にそういうことで乗車拒否そのものがなくならないということはまことに残念なんですが、私どもが聞いている限りでは、身体障害者のお方であったということで乗車拒否に遭ったというような、そういう苦情は私どもでは承知をしておりません。
#85
○堀利和君 しておりませんか。
#86
○政府委員(土坂泰敏君) はい、しておりません。
#87
○堀利和君 いや、実はこういう声があるんです。障害者だということでやっぱり乗れない、通り過ぎていってしまうと。それは昨年も新聞記事で関西の方にも出ていましたし、私の知っている者もそうなんですけれども。例えば、運賃値上げの際に身障者のために一割引きとなりました。それはそれで大変結構なことなんですけれども、運転手の側あるいは会社の側にそのことがどれだけメリットがあるか。割り引く際のいろいろな手続も時間がかからないことはないという一つの面倒さもあって、松葉づえでタクシーをとめようと待っていたらとまってくれなかったと。これが一般的な乗車拒否なのか、障害者だとわかったから通り過ぎたのか。そこらは確かに不明なところはあるにしても、どうもやはり障害者には冷たいような気がするということがあるものですから。障害者は確かに、車いすで乗ろうとすれば、車いすを畳んだり後ろに乗せてもらうということで時間もかかるわけです。何とかその辺が、そういうことのないように何か対策を講じていただきたい。運輸省としてはその辺の把握、声がないということなんですけれども、ぜひお調べいただきたい。実態としてはやはり障害者ゆえに乗車拒否されているというのがありますから、ぜひその辺の声をお調べいただきたいと思います。
 さらに、今問題になっている同一地域同一運賃が自由化されるんじゃないかということでの話もあります。仮にこれが自由化されれば、運転する側にとっては自由競争になりますから、ますます乗車拒否がふえるんじゃないかということで私自身も心配しております。したがいまして、実態の把握を十分されて、いわば障害者ゆえに乗車拒否であるんだろうというところをつかんだら、そういうことのないように何か対策を考えていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 次に、海外旅行のことについてお伺いいたします。
 先月ですか、新聞にある大手の旅行業会社が、障害者やお年寄りの一般の旅行パック参加に当たって、確認書とか身障手帳のコピー等の提出、こういうことを求めるようなマニュアルを策定してそれで対応をするんだと、目の見えない者あるいは知恵おくれの人たちが参加する等なかなか手がかかるとか、そういった内容の報道があったんですけれども、この辺の実情について運輸省としてはきちんと把握して何らかの対応をされているんでしょうか。
#88
○政府委員(大塚秀夫君) 新聞に報道されました旅行会社におきましては、身体障害者の方々が海外パッケージ旅行に参加申し込みを行うに際しまして、報道にありますように確認書の提出を一部試行していたところでございますが、その後、運輸省の指導や身体障害者の方々を初めとする関係者の方々の御意見等を踏まえ、障害者手帳の提出とか確認書の提出は行わないことといたしました。
 身体障害者の方に関する情報の把握につきましては、こうした方法ではなく、所定のお伺い書等個別の事情を聞き取るなどによりまして、最近の海外団体旅行くの参加の経験、障害の程度などの必要な情報の収集を行うことといたしまして、身体障害者の方々を初め海外パッケージ旅行に参加する旅行老全員の満足できる快適な旅行の実施を図ることとしたと報告を受けており、運輸省としましても今後このような趣旨を踏まえまして、さらに旅行業界を指導していきたいと考えております。
#89
○堀利和君 私も心配になりまして、この大手の旅行会社の方にもお話をし、新聞報道だけでは事情が十分わかりませんので、直接お会いして話を伺い、いろいろこちらの要望を伝えたわけです。
 その大手の旅行会社は、むしろ障害者の旅行の参加をやっているがゆえに起きてきた問題でもあることは事実なんです。聞くと、他のところの旅行会社ではどうも受け付けていないということなので、そういう意味ではむしろ積極的にやっていることから起きてきた問題だということですから、頭からけしからぬと言うわけにはいかないとは思うんです。さりとて、こういうことが起きてそのままほっておくというわけにもいきませんので、さてそれじゃどういうふうにこの問題を解決したらいいのだろうか。障害者が旅行窓口に行って自分も旅行に行きたいんだと、しかし障害者だから結局無理だという形で断られてしまう、こういうケースも今後起きるんだろうと思うんです。そう考えますと、どんなふうな解決をすべきかなというふうに私なりにもいろいろ考えているわけです。
 昨年、国際観光ホテル整備法の改正の審議がございました。このときにもやはり、障害者が旅行をしてホテルなり旅館に泊まるという場合、特に車いすの場合は非常に大変だということでなかなか泊まるところがない。盲導犬を連れていって断られるというケースもある。そういうことで、ホテル、旅館、そういった改善も当然必要ですけれども、同時にあるいは観光地のどういうホテルが泊まることができるのか、そういった情報提供システムをつくってもらえないか、そういう研究をしてもらえないかということもお願いしました。というのは、アメリカなりイギリスではそういったサービスが行われているわけです。
 その辺のお願いをして、後ほど聞きましたら、日本観光協会という公益法人ですけれども、ここに調査研究会といいますか、ができたように聞いておりますけれども、この辺の現況ですね、どういうことを目的にどんなふうに調査研究されているか、御説明していただければと思います。
#90
○政府委員(大塚秀夫君) 前の通常国会で御審議、成立させていただきました国際観光ホテル整備法の改正に基づきまして、今、登録ホテル・旅館等の情報提供の内容について日本観光協会で審議会を設けて検討しておりますが、身体障害者の方々が快適にこれらのホテル、旅館を利用していただけますように、身体障害者の方々が利用できる施設があるかないか等について十分情報提供できるような形にしようという方向で今取りまとめつつございます。
#91
○堀利和君 その辺はいつごろまでに取りまとめて、それがどういう形で今後実施されるという見込みなんでしょうか。
#92
○政府委員(大塚秀夫君) 情報提供につきましてはほぼまとまりつつございますので、今後具体的なパンフレットその他の提供方法を含めまして、秋ごろまでに公開できるようにしたいと考えております。
#93
○堀利和君 そこで、先ほどの海外旅行の一般のパックツアーと申しますか、の件に戻りますけれども、確かに一般の商品、企画されているパックツアーに障害者が入るというのは、入る側も大変なんです。例えばヨーロッパ旅行一週間とか八日間とか、まさに走り過ぎるように都市を駆けめぐって飛行機に乗って帰ってくるというコースですと、やはり現実に障害者がそのコースに参加するというのは確かに厳しいいろいろな事情があると思います。だからといいまして、旅行に行きたいということで旅行会社の窓口に行ったときに、にべもなく断られるというのでは、これまた非常に残念なことだと思います。
 そこで、先ほどの日本観光協会の中に調査研究会が置かれたように、実はこういうことはどうだろうかというふうに御提案申し上げたいんです。全国で八百以上でしょうか、中小の旅行会社が参加しましてJATAという日本旅行業協会という
社団法人がございます。実はこの社団法人の責任者の方にもお会いしまして、いろいろ事情を伺いながら、今から申し上げることもお話ししたわけです。
 それは、このJATAに調査研究会をつくってもらえないだろうかと。つまり、一つには新聞で問題になった大手の旅行会社が抱えている問題、そしてマニュアルを、言うなればほかの旅行会社にもそれなりのマニュアルをつくっていただく、あるいは対応していただく。そのためには社団法人のJATAの方で取りまとめてもらえないだろうか、そういった研究なり調査をしていただけないだろうかというようなこともちょっとお話し申しました。
 そういうことで運輸省として、まず窓口で単に障害者に参加は無理だよということで切り捨てるのではなくて、本当に参加が無理なのか、どこまでがどういう形で可能なのか、障害者も旅行会社の方も双方が納得できるような、言ってみれば十分話し合えるような条件整備、こういうことがやっぱり必要であろうと思うんです。そのためにはどういうような手だてがあるいはマニュアルが必要なのか、そんなところを、できれば全部と言いたいわけですけれども、小さい旅行会社は無理にしても、大手の幾つかの旅行会社がそういった方向で取り組むことができるような、とにかく調査研究をこの社団法人であるJATAでやっていただけないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#94
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省では、今先生御指摘いただきました日本旅行業協会を指導いたしまして、海外パッケージ旅行を主として取り扱っております大手八社の身体障害者の方々についての旅行取り扱いの実績、トラブル発生の有無などについて現在調査をしているところでございます。
 今後、さらに引き続き日本旅行業協会では詳細な調査を範囲を広げて行いまして、このような調査結果を踏まえて先生御指摘のような対応をしていくように私どももバックアップしていきたいと思っております。
#95
○堀利和君 ありがとうございます。ぜひ前向きにこういった調査研究をなさっていただいて、できれば一つ一つ大手なりの会社の中に情報提供なり相談なりのシステムをつくるのがいいのか、会社ごとに、あるいはJATAという社団法人としての責任のもとに一元化して情報提供なり相談を受ける部署をつくった方がいいのか、そこはいろいろ考え方があろうかと思いますけれども、そういった調査研究を進めた上で、できれば今私が申し上げたように、旅行会社の窓口でどう判断していいかわからない、またどうしたらいいかという相談を受けたりあるいは情報を受けたりそういうことができる、何といいますか、キーステーションといいますか、というものをJATAの中に、あるいはそれぞれの旅行会社になるのかわかりませんけれども、ともかくそういうものをつくっていただきたい。将来そういったものをつくっていただきたいと思いますけれども、その辺まで踏み込んでの御見解を伺いたいんですが。
#96
○政府委員(大塚秀夫君) 旅行の実績等、個々の会社でいろいろあると思いますが、先生御指摘いただきましたように、担当者というものがある方が望ましいというのは当然でございまして、そのような方向で旅行会社あるいは日本旅行業協会等と今後協議していきたいと考えます。
#97
○堀利和君 その点ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、当委員会で櫻井議員も取り上げましたけれども、三月の参議院予算委員会でも本岡議員が取り上げましたが、朝鮮人学校のお子さんたちの通学定期の割引についてお伺いし、またお願い申し上げたいと思います。
 これ、以前は、学校教育法一条の問題とか八十一条でしたか二条でしたか、の専修学校とか各種学校どうのという、いろいろそこら辺は問題になりましたけれども、でもそこはどうも一応クリアして、この問題も要するにJRが踏み切るのか踏み切らないのかというところまで話が来ているんではないかというふうに私自身理解しております。
 大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、やはりさきの戦争で日本はアジアの皆さんに、朝鮮半島の皆さんに大変な苦痛を与えたわけです。そして、戦後も十分な補償というものをしてこなかったと私は思います。朝鮮半島から強制的に連行されて、この日本の地に連れてこられて炭鉱やらあるいは鉄道建設に働かされたという歴史がこれは厳然としてあるわけです。そういう方々の子孫として二世、三世が今日本に永住しているわけです。
 こういうことから、さきの戦争でアジアの皆さんや朝鮮半島の皆さん、そして今日永住している在日韓国・朝鮮人の皆さん、こういう朝鮮民族の皆さんに対して大臣はどのようなお気持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。
#98
○国務大臣(越智伊平君) お話しのように、戦時中強制労働あるいは慰安婦等いろいろ報道され、また議論される中で、大変な苦痛を与えた、こういうことについては本当に遺憾の意を表したい、かように思う次第であります。このことは十分私も認識をしておる、こういうことであります。
 さて、今のお話の朝鮮人学校の問題でありますけれども、このことについては予算委員会でも私答弁をいたしましたが、今のJRがやっておること、これをやっぱり見直しをしてもらう。してもらう時期はやっぱり運賃改定のときに一緒に、朝鮮人学校だけでなしに全般的な視野から見直しをする、こういうことであります。
 先ほど申し上げました大変苦痛を与えた、この問題は政府全般の問題で解決をしてもらわないと、運輸省だけで個々にやるのはいかがなものか、こういうことで御趣旨に沿って今後指導をしてまいりたいし、またそのことはJR各社にも言っておるわけでありますのでございますから、これは次の見直しの時期にあわせてぜひとも履行させたい、かように思います。これは全般の問題でひとつ考えさせていただきたい。朝鮮人学校の問題だけということになりますと、ちょっとやっぱり問題があるのではなかろうか。一般的なJRの経営の中でやってもらうということでございますから、ぜひ次のなるべく早く、まあなるべく早くといいますと、運賃値上げの問題もあるわけでございますけれども、そういうことでなしに、近い機会にぜひやるように指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。
#99
○堀利和君 朝鮮人学校のお子さんたちにとって、それなりの解決ということであれば確かにありがたいことなんですけれども、ただ残念ながら朝鮮民族に対する偏見、差別というのがあるんですね。我々日本人の側にそれがどうしても抜け切らないで今なおあると思うんです。
 そうしますと、次の運賃値上げ改定のときにというような条件といいますか、機会にということになりますと、いや応なしにつきまとっている偏見、差別というものがある中でそういう形をとりますと、朝鮮人学校の子供たちの定期の学割としての割引を実行するために、一つの理由として運賃が値上がったんじゃないかということで、朝鮮民族に対して今なお持ち続けている我々日本人の側の偏見、差別がその方向にどうも進みやしないかという心配があるんです。
 そこで、やはりこの朝鮮人学校のお子さんたちの通学定期の割引については、今ある各種学校の中から切り離してこれは単独でやっていただきたいというふうに思うわけです。
 じゃ、単独にこの朝鮮人学校のお子さんたちの学割定期を、JRがこれ結局やるわけですから、どれぐらいになるかというと大体一億程度なんです。JRは六社ありますから、地域的な偏りということから考えれば大体一社が二千万から三千万になるわけです。
 ですから、そういったいろいろな総合的な現状、現実、朝鮮人民族の方たちがこの日本の地で受けている偏見や差別、そういった事情から考えた場合、一社二千万、三千万の額を何とか各種学
校から切り離してやっていただきたいと思うんですけれども、大臣どうでしょうか。
#100
○国務大臣(越智伊平君) 先ほども申し上げましたが、決して私は偏見、こういうことは考えておりません。しかし、朝鮮の方々に大変苦痛を与えた、こういうふうに申し上げましたが、これは中国の方にもあるいはフィリピンの方にも与えておる、こういうふうに認識をいたしております。
 そこで、学校教育法に基づく各種学校ということで一律になっておるものですから、これを見直すということになりますと学生定期全般をやっぱり見直してやっていく、このことがかえって偏見をなくする、こういうふうに存じておる次第であります。金額は、今もお説がございましたが、これいろいろ計算をしてみないとわからないわけですが、そう大した大きい額ではないと思いますけれども、物の考え方としてなるべく早く同じように偏見がないように指導をしていく。一つを抜き取りますとそのことがちょっと疑惑を持たれますし、またそういうことの問題を解決するには政府全般として私はやっていくべきだと。
 運輸省として今の学生定期の割引、これをなお安くするということには賛成でございますから、そのことは指導してまいりたい、かように思う次第であります。
#101
○堀利和君 もう時間が来ましたので、残りの質問がございますけれども、これで終わります。
#102
○泉信也君 昨年の参議院選挙で私は、交通関係社会資本の充実と運輸産業の振興を通して地域の発展、そして新たな国土の創造を図ることを皆様にお約束をしながら選挙戦を戦ってまいりました。
 このたび、運輸大臣の所信表明を伺いましたときに、まさに陸、海、空にわたり「生活大国」にふさわしい交通体系の形成と運輸産業の経営基盤の確立を目指した運輸行政を展開してまいりたいという御所信を伺いまして、大変心強く思ったところでございます。
 生活大国の問題は内閣の大きな課題でございますが、これは大都市圏の問題であり、また地方、地域の問題でもあると思っております。そうした中にありまして運輸交通の役割は大変大きな任務を背負っておる、このように思っておるところでございます。
 そこで、最近の交通関係社会資本の整備はどちらかと申し上げますならば、経営という視点からか、需要のあるところに整備をしていく、そうした観点が強いのではないか。このことも大切なことではありますが、社会資本の本来の役割からいたしますともう少し幅広く解釈をすべきではないか、こんなふうに私は思っております。
 明治の先人が明治維新後、鉄道の敷設を計画をし外債を発行する、あるいは当時のお金にいたしまして月給八百五十円というような大変高いお金を支払って外人技術者を呼び、日本のこれからの国土のあり方を想定をしながら鉄道計画をつくり実現をしていったということは、今日私どもにとっては大変貴重な教訓ではないか、このように思っておるところでございます。
 そうした意味におきまして私は、これからの交通関係社会資本の整備というのは、日本の国土の将来像をきちんと描きまして、それに基づいた国土の骨格を形成するような交通体系はむしろ供給先行型で整備をしていく、そうした方向の転換を図ることが生活大国あるいは一極集中是正という観点からも大変重要なことではないかと思っております。
 いずれ第五次の全国総合開発計画、こうした事柄の議論も行われるかと思いますが、今申し上げましたような新たな国土をつくり上げていく、国土軸の議論も踏まえまして、これからの二十一世紀をにらんだ国土骨格をつくっていくという視点からまず運輸大臣の御所見を伺いたいと思います。
#103
○国務大臣(越智伊平君) 泉先生が長らく運輸行政に努力をされまして、ただいま御高説を拝聴いたしました。全く同感であります。
 まず、実は私も建設大臣を以前やらしていただきましたが、確かに道路も必要でございますし、今後大いに伸ばしていかなければならない、こういうふうに思います。しかし、今のような都市の交通状況、特に通勤時の交通状況、あるいはまた過疎地の状況、こういうことを考えますと、これで本当の生活大国であろうか、こういうふうに思います。そこで、道路を整備していただく、これも結構でございます。どんどんやっていただいて結構でございますが、これにおくれないようにまず私どもは鉄道の整備、これを考えないといけない、こういうふうに思います。これはまたいろいろ議論も今からあると思いますが、整備新幹線、この問題、それからもう一つは田舎の過疎地の鉄道の問題、これももっと安全、快適、それから本数の問題あるいは複線化の問題、電化の問題等々ある、かように思う次第であります。
 それからもう一つは、船の旅行、貨物はもちろんでございますが、旅客の船、やっぱり高齢者がゆったりと旅行ができるというような姿、このことも私は大事だと。それには港湾の問題あるいは船のより快適さ、こういうことも考えて進めていかなければならない、かように思う次第であります。
 また、大変国際化をいたしておりますので、飛行場の問題あるいは飛行機の問題、この問題についても今後前進をさせていかなければならない、かように思う次第であります。
 そういうことについて運輸省としては全力を尽くして、先ほど申し上げました道路の問題、この問題はどんどん進めていただきますが、我々、輸送機関としての鉄道あるいは船あるいは航空機、こういう問題について、モーダルシフトの関係からも進めていきたい、かように思っておる次第であります。
#104
○泉信也君 大臣のお話もございました、鉄道あるいは空港等の交通関係社会資本につきましては一層の整備を御期待申し上げるわけでございますが、その中で整備新幹線の問題につきまして、現在三線五区間着工していただき、また平成五年度予算では北陸新幹線の一部に財政投融資資金を投入していただくという大変思い切った施策をやっていただいておりますことには評価をするものでございます。
 しかし、他の線区は本年度も二百億円程度のお金と承知をいたしておりますが、大変期待が大きいということと同時に、景気対策上からも前倒しあるいはその促進方をお願いをいたしたい。このことにつきましてどのようなお考えでございましょうか。
#105
○政府委員(秦野裕君) もう先生御案内のとおり、整備新幹線につきましては、いわゆる基本スキームに従いまして三線五区間の整備を行っておるわけでございます。
 五年度予算では、先ほどお話しございましたように、前年度五割増しの千六百億円近い事業費を確保したわけでございますが、何分にも高崎から長野に至りますいわゆる北陸新幹線長野ルート、これがオリンピックとの関係もございまして平成九年度までにどうしても完成させなければならないということで、その千六百億円近い金のかなりの部分をそちらの方に投入をしておるというのが実態でございます。
 したがいまして、その他の線区につきましては事業費の配分がかなり少な目になっておるわけでございます。この点はある程度やむを得ないことかというふうに考えておるわけでございますが、現在いろいろ景気対策を政府の部内で検討いたしておりますが、その中で三線五区間の整備についてどのようなことができるか、さらに検討してまいりたいというふうに考えております。
#106
○泉信也君 新幹線の整備につきましては、現在の基本スキームを見直す、前倒しをしてほしいという、こういう地方を初め関係の方々からも切なる御要望があるわけでありますが、同時に基本計画線につきましても大変期待が大きいということもぜひ御承知をいただきまして、今後の対応をお願いいたしたいと思うわけであります。
 次に従来線の問題でございますが、鉄道への評
価というものが大変ヨーロッパあたりでも再認識されておる。我が国でも期待が大きい。そうした中で、鉄道整備基金等の新しい制度をつくって要望にこたえていただいておるところでございますが、何しろまだ在来線二万一千キロのうちに電化率が六〇%、あるいは複線化率四〇%といった状態で、平均速度も六十キロから八十キロ、あるいはもう少し高いかもしれませんが、そうした状態でございます。
 この従来線の問題につきましては昨年六月の運政審の答申でも高速化が指摘されておりますが、どのような取り組み方を今後していかれるのか、お伺いをいたします。
#107
○政府委員(秦野裕君) 御指摘のとおり、鉄道の高速化ということは私ども緊急の課題だというふうに考えておりまして、当然、整備新幹線等の整備も必要でございますけれども、いわゆる在来型の鉄道についても極力高速化を図っていくという方向で進めたいというふうに考えております。
 現在の在来幹線の表定速度は、大体今お話しのとおり六十キロから九十キロメートルでございまして、仮に新幹線を含めましても百キロメートルに満たないというのが現状になっておるわけでございます。
 昨年六月の運輸政策審議会の答申では、幹線鉄道の高速化の整備水準といたしまして、新幹線を含む全国の主要幹線鉄道の表定速度の平均を、先ほど申しました現在百キロメートル未満から百二十キロメートル台まで向上させるということを目標として掲げられておるわけでございます。
 そこで、在来幹線につきましても、高速交通機関としての鉄道の特性を十分に発揮できるように、例えば新幹線と在来幹線の直通運転を図るとか、あるいはスピードアップを図るための軌道の改良とか、あるいは新型車両を投入するというようなことにつきまして、先ほどお話しの鉄道整備基金などを活用しながら現在鋭意推進しているという段階でございます。
#108
○泉信也君 もう一つ鉄道につきまして、大都市圏の鉄道のことをお伺いいたしますが、生活大国を目指すという観点からいたしますと、通勤通学の問題は大変大きな課題だと思っております。一般的には二〇〇%、場所によっては混雑度が二五〇%といった異常な状態が生じておるわけでございますが、こうした大混雑の状態をどのような目標で、例えば混雑率あるいは達成年次、そうしたところを含めましてお考えになっておるのか。さらに、観点を変えますと、鉄道の敷設等を通しまして、通勤通学距離圏内の潜在的な住宅地あるいはそうした可能性のあるところを顕在化させる機能が大都市圏の鉄道にはあるというように思えるわけでありまして、こうしたことも踏まえまして通勤通学対策のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#109
○政府委員(秦野裕君) 東京圏を初めとします大都市圏における鉄道につきましては、従来から輸送力増強に努めてまいったところでありまして、例えば東京で申しますとこの十年間に輸送力は約五割以上のアップを見ておるわけでございます。ところが、やはりお客さんの方も四割程度その間ふえておりますので、結果的には混雑率が余り下がっていないというのが実態でございまして、なお一層改善をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
 先ほどの運輸政策審議会の答申では、東京圏でおおむね十年以内に混雑率を一八〇に、その他の地域では一五〇というのを一つの整備水準と申しますか、目標として整備を進めるようにということが掲げられております。私どもとしましては、鉄道整備基金あるいはいわゆる特待制度と申しております特定都市の運賃の上積みと申しますかの制度等々のいろいろな制度を活用いたしまして計画的に新線を建設する、あるいは複々線化を図るというようなことを進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
 また、現在政府部内でいわゆる景気対策を検討しておりますけれども、この中でも生活大国を実現させるために都市鉄道をどのように整備を推進していくかということにつきましても勉強をしておるところでございます。
 また、それとあわせまして、いわゆるピーク時間帯に需要が集中するわけでございますので、時差通勤の普及につきましても、運輸省としまして経済界の代表を含みます時差通勤問題懇談会というものを設置いたしまして、時差通勤の拡大方策の検討を進めておるところでございます。その懇談会の意見に沿いまして、現在、企業あるいは鉄道の利用者の方々等に協力を呼びかけて、キャンペーンを積極的に推進することによって混雑時の緩和を図りたいというように考えておるところでございます。
#110
○泉信也君 ぜひとも通勤通学の混雑解消に御努力をいただきたいと思います。
 この鉄道とあわせて、交通関係社会資本のまた一つの大きな今日的課題であります空港の整備につきましてお話を伺いたいと思います。
 空港整備につきましては、今日まで地方の方々の御要望を受けて大変精力的に進めていただいておるという理解でおりますが、いわゆる東京羽田の整備が地方の方々に最も期待をされておるわけであります。空港ビルの供用開始も近々行われるというふうに伺っておりますが、羽田に対します第二期工事の完成期、これには関連する道路あるいは鉄道等もあるかと思いますが、どのような整備の状況になっておるか、そしてまたさらに空港の容量がふえます第三期工事の見通しはどんな状況であるか。
 もう一つは、さらに首都圏の第三空港に対します御当局のお考えをあわせてお伺いをさせていただきたいと思います。
#111
○政府委員(松尾道彦君) ただいま御指摘をいただきました羽田の沖合展開事業でございますが、非常に順調に工事が進行いたしておりまして、いわゆる第一期工事は新A滑走路一本、三千メートル級の滑走路ですが、六十三年の七月にオープンをいたしております。
 今先生御指摘の第二期計画は、西側の旅客ターミナルビル、これ約二十九万平米ぐらいの非常に大きな建物でございますけれども、ことしの九月二十七日を一応開業の目途にいたしておりまして、これと並行いたしまして、貨物地区のターミナル、整備地区の格納庫、工場群、これを今精力的に工事を進めておりまして、予定どおり開業できるんではないかというふうに考えております。
 問題は第三期計画でございますけれども、新しい滑走路二本つくるわけでございますが、東京都にお願いしております埋立事業が、非常にあの地区軟弱地盤でございまして、工事関係に若干のずれがきまして、約一年数カ月私どものところへ引き渡しにずれが生じております。平成七年を目途に工事を急いでおりますけれども、この工事のおくれをできるだけ取り戻して早くやっていきたい、最終的には環境対策の抜本的解決という立場から一生懸命努力をしていきたい、このように考えています。
 第二期計画で完成いたしますと面積が約五百ヘクタール、関西空港が五百ヘクタールの埋立地でございますが、倍までいきませんけれども、海上空港の典型的な例でございまして、一生懸命努力をしていきたい、このように考えています。
 それから第二点目の、今の首都圏空港の問題でございますけれども、これは大変お世話になりまして六次空港整備五カ年計画の中、一昨年、平成三年十一月に閣議決定していただきましたが、その中で今後基本的な調査を進めるという御了解をいただいておりまして、平成五年度予算審議をいただきました結果、今年度は一億円の予算措置をいただいております。民間でもかなり今勉強していただいておりまして、東京湾を中心に二十数カ所の予定候補が挙がっておりますが、私どもは関東圏の約百五十キロ圏につきましてすべての調査を本格化していきたい、このように考えております。
 いずれにしても、羽田空港が全部完成いたしましても年間処理能力約二十三万回程度でございます。首都圏における国内空港の需要には十分こた
え切れないということで、今から十分調査をいたしまして調査期間の中で、六次空港整備五カ年計画の中で複数箇所に絞り込みまして、その中で地域の御了解をいただきながら基本的に今後積極的に進めていきたい。民間団体でも最近新しい団体ができ上がって勉強を開始していただいておりますので、一生懸命やらしていただこうと思っています。
#112
○泉信也君 羽田の整備につきましては、できるだけ早くお進めをいただきまして、地方の方々の御期待に沿えられますようにお願いを申し上げたいと思います。
 それにもう一つ、今度は国際空港の問題でございますが、成田あるいは関西空港をお進めいただいておるところであることは承知をいたしております。しかし、お隣の韓国の仁川沖の空港あるいは香港、こうした我が国周辺での大型国際空港の進めぐあいを見ておりますときに、日本が今後ともアジアにおけるいわゆるハブ空港としての機能を保ち続けていけるのか、そうした心配をしているわけであります。
 韓国との関係だけを見ますと、日本の主要都市から大韓航空あるいはアシアナ航空が十六空港に乗り入れておる。このことは、地方の国際化という意味では高い評価を与えなければなりませんが、一方我が国のハブ空港としての役割が損なわれる素地をつくっておるのではないか、大変心配をしておるわけであります。
 関西空港、成田の整備を急いでいただくことはもちろんでありますが、二十一世紀の初め、一説によりますと二〇二五年ぐらいまでにはマッハ二・四と言われます超音速旅客機がボーイング社では一千機を売買すると。こうした国際的な動きからいたしますと、果たして成田、関西空港を整備するだけで十分なのか。さらに中部国際空港、そして九州あるいは北海道、こうしたところにも航空機の大型化あるいは高速化にたえ得るような大型国際空港を整備していくべきではないか、私はこんなふうに思っておるわけでございます。いわゆる国際空港のあり方、殊に大型国際空港のあり方につきましてどのようなお考えか、お尋ねをいたします。
#113
○政府委員(松尾道彦君) 今先生から御指摘のとおり、日本における中核的な国際空港の整備は大変大事でございまして、成田で四千メートル滑走路一本で今一生懸命努力をし、三十八カ国五十二社の航空会社が入っておりますが、多数、四十四カ国からもまだ御希望がございます。現在、毎週航空交渉をやっておりまして、昨日も大臣のところにモンゴルの大使が来まして、これから予備協議を開始するという御方針も示されたわけでございます。これに対応するために関西国際空港を二十四時間型の空港として現在建設工事を進めておりまして、来年の夏予定どおり五百十一ヘクタールの土地でもって供用いたしたいというふうなことで、順調に今工事が進んでおる段階でございます。
 それだけでは国際空港足りないということで、一昨年の六次空整の閣議決定の中でも中部国際空港の調査を行うという御了解もいただきまして、今年度一億五千万の予算措置をいただきました。三月二十日には地元で常滑沖の海上におきます立入調査、それから環境影響評価を行うということで地元の御了解もいただきまして調査が始まった段階でございます。
 また、関西国際空港では将来の全体構想も進めるというふうなことでございます。
 そういうふうな観点から、これから日本がアジアにおけるハブ的機能を十分保つために努力をして大型の国際空港の整備を早く進めたい、このように考えております。
#114
○泉信也君 そうした内外の需要にこたえます空港整備ということにつきましては、大変財源が窮屈であるというように思っております。いわゆる純粋な一般財源は空港整備特別会計の中でわずか七%程度だということでございますが、一番最初に大臣にお伺いいたしましたように、むしろこうした国の骨格をつくるような交通関係社会資本につきましては一般財源からの資金の導入を積極的に図っていただきたい。これは大変難しいことだと思っておりますが、御要望をさせていただきたいと思います。
 次に、運輸省の行政の中で大変許認可にかかわる件数が多い。全体で一万件余りの中で千九百六十六件といった数字も出されておるわけであります。この中には経営を規制するようなもの、あるいは安全あるいは消費者保護といったもの、そうしたものに大別できるかと思いますが、こうした許認可の件数が多いからあるいは少ないからといって運輸行政のあり方が批判されるべきものではない、私はこのように思っております。
 ただ、余りにもいろいろなことが言われます。許認可の多さが不祥事の発生の要因ではないかというようなことまで言われるようになってまいりますと、運輸省に働きます職員の士気にまでかかわることではないかと大変憂慮するわけであります。このような指摘に対しまして御当局はどのようなお考えでおられるのか、伺わせていただきたいと思います。
#115
○国務大臣(越智伊平君) 今の許認可の問題につきましてはできるだけ整理合理化をいたしますけれども、やはり何といいましても運輸行政で一番大事なのは安全の問題であります。安全につきましてはきょうも皆さんからいろいろ御意見がございましたが、一つには技術の問題もございますけれども、人がいろいろ運行をしておるわけでございますからやはり精神的な問題。船にいたしましても、やはり見張りがどうであるか、あるいは気象情報をどういうふうに使うかというような問題もございますし、そういうことについて事細かく許認可の中にあるわけでございますから、これを一挙に廃止するということになりますとまた大変な問題でございますので、できるだけもちろん整理合理化はいたしますけれども、少し運輸省は多いじゃないかということは御理解をいただかないと安全確保の面から大変だと、かように思う次第であります。
 それからもう一つ、さきにも御意見がございました国際空港の問題、韓国の問題、香港の問題。要は、日本の今の成田なりあるいは関西空港で十分賄えるかといいますと、もっともっとこれは整備しないと本当に日本の今までの姿と一転するんではないかという心配もいたしまして、特に航空局とも十分に連絡をとりまして前進させたいと。しかも高速交通の時代、飛行機もそういうことになるであろうということを予想して、滑走路の問題等を含めて検討を進めておるところであります。
#116
○泉信也君 ありがとうございました。
 そこで、大変象徴的に運輸省の許認可にかかわります問題で言われますことがございますので、この際ぜひお答えをいただきたいと思うことが一つございます。それは、バス停の移動にも、仮に十メーター動かすにも認可が必要である、こういうことをおよそ良識のある方だと思われる方もしばしば事例として引用されますが、この実態について御説明をいただきたいと思います。
#117
○政府委員(土坂泰敏君) バス停の移動につきましてはかつて認可制であった時期がございますが、昭和五十七年に運賃がちょうど変わる境目に当たる停留所以外は届け出制にするというふうに変えました。さらに平成二年からはバス停の移動は一切届け出制であるということでございます。したがいまして、十メートル移動しても認可が要るというようなことは実態とは違っております。そういうふうにはなっておりません。
#118
○泉信也君 同じ許認可と言われます中で、車検の問題が最近盛んにマスコミ等でも取り上げられております。この問題につきましては現在運輸技術審議会で御議論をいただいておるというふうに承知をいたしておりますが、その議論の状況につきまして簡単に御説明をお願いいたします。
#119
○政府委員(堀込徳年君) お答えいたします。
 御指摘の自動車の検査につきましては、点検整備を含めまして昨年六月の臨時行政改革推進審議会の答申の中で、国民負担の軽減の見地から見直
しを図るようにという御指摘を受けております。ただいま先生御指摘のように、私ども運輸技術審議会におきましては、この行革審の答申、さらには最近の自動車の技術の進歩あるいは使用形態の変化というものを踏まえまして、専門的、技術的見地から今後の自動車の検査及び点検整備のあり方について御審議をいただいているところでございます。
 同審議会におきましては、自動車部会のもとに小委員会を設置いたしまして、この場におきまして関係団体からの意見を伺い、また国内、国外における検査、整備の実態を調査いたしましたりなどいたしまして、ただいままで八回ほど審議をしておりますが、今後さらに御審議をいただきまして本年六月を目途に答申を得る予定となっております。
#120
○泉信也君 自動車の安全あるいは環境保全という観点から見ますと、車検制度あるいは点検整備制度というのはまさに車の両輪といったことではないかと思っております。そうした意味におきましては、世の中に幾つかの誤解が流布しておるというように私は考えておりますので、運技審の答申を受けられました後にはぜひとも、ユーザーの方々の車に対する善管注意義務とでも申しましょうか、きちんとした整備点検が行われるような指導につきましても御尽力をいただきたいと思います。
 次に、タクシーの問題につきましては当委員会でけさからもたびたび御議論がございました。特に同一地域同一運賃といった問題につきましては、けさの諸先生の御質問の中にもあったわけでございますが、昨年の七月に東京乗用旅客自動車協会が約一万人の方々に調査をし、四千人の方々からお答えをいただいた中で、いわゆるタクシー料金の自由化に対して賛成が約三〇%、そして現状維持が六六%といった答えが出ております。特に現状維持と言われました方々の中には、六十歳以上の高齢の方々あるいは女性の方々が八割近い率を占めておるというわけであります。このことが、タクシーを利用される方々にとって同一運賃であることがどれほど安心がおるいは利用しやすいかといったことを暗示しておるというように私は思っております。
 しかし、こうした議論が起きてまいります背景には、私ども市民サイドから見ますとタクシー業界の企業間の厳しい競争が、いわゆる優勝劣敗の姿が消費者に見えない、そうした何か不満が常にこうした議論を呼び起こすのではないかというふうに私は思っておるわけであります。どうか利用者サイドに立った、いろんな経緯の中で今日行政指導をしておられます同一地域同一運賃というものにつきましてはなお守っていただくと同時に、今申し上げましたような利用者からのタクシー事業者あるいは従業者に対します厳しい批判にもおこたえができますように一層の御指導をお願いいたしたいと思います。
 もう一つ、許認可にかかわる話でございますが、航空機の最近の状況は大型化あるいはサービスの向上といった点が図られておりまして、路線のトリプル化あるいはダブル化、こうしたことが利用者の立場に立ってなされておることは大変すばらしいことだと思っております。しかし、せっかくこうした複数のエアラインが一路線に投入をされておりましても、同じような時刻に出発をするダイヤが組まれておることが見受けられます。こうなりますと、トリプル化あるいはダブル化の意味が半減をするということでございまして、認可申請の際にそうしたことに対します調整はどのようになされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#121
○政府委員(松尾道彦君) できるだけ公正競争の立場から一路線について従来七十万人以上を五十万に緩和し、またトリプルにつきましては百万人以上を七十万に、当面八十万に緩和いたしたわけです。昨年の十月から実施いたしておりますが、こうした場合に、できるだけ利用者利便の立場からただいま先生御指摘のとおりダイヤの分散化を図るべきだという観点で、例えばダブルであればおおむね一時間程度、トリプルであればおおむね三十分ぐらいの間隔を置く、こういうふうな事業者間の調整を指導していきたい、利用者の利便の観点から当然そのように努力をしなければならない、このように考えております。
#122
○泉信也君 許認可の問題につきましては大変難しい点があるわけでありますが、一時期アメリカの航空行政の中で自由化を促進した結果、多くの問題が顕在化してきて、最近の新聞ですと、ノースウエスト航空の路線計画に対しましてはアメリカ政府としては業界全体の業績改善のために市場介入あるいは政策転換を図ってきたのではないか、こうした報道がなされております。交通機関にかかわりますすべての問題が、厳しい競争条件の中で、しかも安全確保、消費者保護、そうした視点がなお重視されますようにお願いをする次第でございます。
 次に、海の日の制定のことにつきましてお伺いをさせていただきます。
 国民の祝日に関します法律を改正いたしまして、七月二十日の海の記念日を国民の祝日にしようとする運動が昭和四十六年、あるいはもっと古く言いますと昭和三十四年あたりから始まってまいっております。海の恩恵を知るあるいは海洋環境への関心を高める、そうした意味からも大変意義がある、このように私は思っております。既に地方自治体等から約千二百に及ぶ意見書も出されておることを承知いたしておりますが、この祝日化に対します大臣の御見解を承らせていただければと、このように思います。
#123
○国務大臣(越智伊平君) 海の記念日につきましては全くお説のとおりでありますのでき得る限り早く海の記念日七月二十日を制定したい、こういうふうに考えております。最近、民間団体等で非常に熱心にこのことについて御協力、御努力をいただいております。お説のように地方公共団体も決議等をやっていただいておりますが、さらにさらにこれを進めてぜひとも海の記念日を制定したい、かように思っておる次第であります。委員の皆さんもぜひとも御協力をいただきたい、かように思う次第であります。
#124
○泉信也君 次に、海上保安庁の方にお尋ねをいたしたいと思います。
 最近、麻薬でありますとかあるいは不法入国、密漁といったいわゆる海上保安庁の目を光らせていただかなければならないような問題が大型化あるいは多様化する、複雑化するといった状況でございます。そうした中で、大臣の所信表明の中でも巡視船艇あるいは航空機等の整備に言及をしていただいておるわけでございますが、現在保安庁が所有しておられますこうした船艇、航空機等の中で、既に耐用年数を超えたこうした機器類が、平成五年度の予算が執行されたといたしましてもなお巡視船で九隻あるいは巡視艇で六十五隻、ヘリコプター等に至っては六機、こうした未整備の、耐用年数を超えた機器を使用しなければならないというように承知をいたしております。居住環境を変えるとかあるいは女性の職員を安心して登用していただくといった面からも、旧式のあるいは耐用年数を超えたものは速やかに大型化あるいは新しい船に衣がえをしなければならない、私はこんな思いを持っておりますが、どのような御計画、御予定でございましょうか。
#125
○政府委員(井山嗣夫君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、現在海上保安庁の巡視船艇で既に耐用年数を経過しても順調に代替できていないというものがかなり残っております。先生おっしゃった数字は、確かに平成五年度の末に巡視船艇で七十四隻、航空機で六機というのが耐用年数が来てしまうわけでございます。このため私どもとしましては、現在大変厳しい財政事情にございますけれども、この巡視船艇、航空機の代替整備というのを当庁の予算の最重点事項としております。今後とも計画的な代替整備を推進していくよう最大限努力するつもりでございます。
 また、代替整備する際にはできる限り性能の高度化といいますか高性能化を図る、スピードでご
ざいますとか、さらに居住環境をよくしていくということ。それからもう一つ最近非常に航空機との連携、特にヘリとの連携によって捜査を行う、取り締まりを行うというのは大変効果的でございますので、例えば一部の大型巡視船にはヘリコプターが発着できる甲板をつけてやる、こういうふうなことをいたしまして海空の業務執行体制のより効率化ということを図っておるわけでございます。
 なお、平成五年度予算としては船艇、航空機で百五億でございまして、新たに巡視船艇十六隻、それから中型のヘリコプター一機の整備を行うこととしております。そのほかに実は平成四年度予算で五年度分の前倒しというので巡視船艇を八隻認めていただきまして、かなり進んでいるところでございます。今後とも頑張ってまいりたいと思います。
#126
○泉信也君 時間がなくなりました。気象庁長官お見えでございますが、もう要望だけさせていただきたいと思っております。先日はお邪魔をさせていただきまして、気象庁を御案内いただきましてありがとうございました。
 私、気象庁で今日まで取り組んでいただいております地球環境の問題、殊に温暖化あるいはオゾンの問題、そうした事柄についてお伺いをさせていただきたいと思っておりましたが、時間がございませんので恐縮でございます。ぜひともこのことは積極的にお進めをいただく、そして日本が世界に向かって貢献できる大変貴重な技術あるいは識見ではないか、このように思っております。
 今後とも一層この問題への取り組みを進められまして、地球に住む私ども世界の人々に対して御貢献をいただきますようにお願いを申し上げ、おいでをいただきましてお答えをいただけないままでございますが、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#127
○広中和歌子君 公明党・国民会議の広中和歌子でございます。よろしくお願いいたします。
 前回、去る三月二十六日のこの運輸委員会におきまして、リニアモーターカーについてお伺いいたしました。現在建設中の山梨実験線については九七年まで実験を進めることになっておるけれども、その後の実用化については、実験の結果を踏まえ、技術面、コストなどに配慮して考えるということでございますが、この点を確認した上で以下質問させていただきます。
 そこで、技術面ですけれども、風圧それから超低温を保つシステム、電力消費、トンネルの長さ、強力磁場、高圧送電線の住民への影響、自然破壊、こうした問題が指摘されているわけでございますけれども、これらの点についてどうクリアしていらっしゃったかお伺いいたします。
#128
○政府委員(秦野裕君) 先生御案内のとおり、現在は宮崎の実験線におきましてまさに基礎的な検討を行っておるわけでございます。山梨の方では、そういった基礎的な検討の結果を踏まえまして、いよいよ実用化のための実験を開始するわけでございますが、これは平成六年度からの予定にいたしております。その際にはただいま先生御指摘のありましたような点も含めまして、技術的な見地からその実現可能性について検討してまいりたいというふうに考えております。
#129
○広中和歌子君 つまりお答えとしては、こうした点について技術的な面を検討していく、そういうことでございますね。現在の段階ではわからない。
#130
○政府委員(秦野裕君) もちろん、今先生御指摘の中の幾つかは、現在までの実験あるいは研究の成果の結果大丈夫であるというものはあるわけでございまして、基本的には技術陣としては実現可能性の見通しをかなり高いというふうに考えておるわけでございます。ただ、実際にやはり走らせてみませんといろんな点で最終的な結論が出ませんので、その上で結論を出したいということでございます。
#131
○広中和歌子君 恐らくそうだろうと思います。かなりの費用をかけてこうした実験をするわけでございますので、かなりの確実性を持ってやっていただいているものと理解させていただきます。
 コスト面ですけれども、これは将来リニアによる中央新幹線構想として実現されるものというふうに承っておりますけれども、コストとして当初で五、六兆円、現在の試算では十兆円などというふうに言われているわけでございますけれども、もしこうした中央新幹線が実現した場合の採算性の見通しについてお伺いいたします。
#132
○政府委員(秦野裕君) もちろん、いわゆる中央新幹線をリニアで走らせるということをまだ決めたわけでもございません。今後の実用化に向けての技術的な検討とあわせまして、その採算性につきましても検討を進めてまいりたいということで、現時点ではまだ白紙でございます。
#133
○広中和歌子君 私は性格的なものなのかもしれませんけれども、非常にコストということについて気になるわけでございます。このリニアについてはコスト計算は後のことになるんだろうと思いますけれども。
 次に、整備新幹線についてお伺いいたします。
 これは「経済社会情勢の変化等を考慮して、五年後に見直す」というふうに、基本スキームが五年後の見直しということで、その時期がことしに当たっているわけでございます。北陸新幹線の建設に関しましては、一九九八年に冬季オリンピックが開かれるということもありまして、財政投融資の二百七十九億円が予算化されたわけでございますけれども、現在の着工分だけで計画どおりいたしますと一兆八千億が試算されている。この採算面での見通しについてお伺いをいたします。
#134
○政府委員(秦野裕君) 現在既に工事を始めておりますいわゆる三線五区間につきましては、当然のことでございますが、採算面で十分可能であるという前提で工事をいたしておるわけでございます。高崎―長野間のいわゆる北陸新幹線の部分につきましても財政投融資を含む借入金を今年度予算で組んでおりますけれども、これは当然JRからのリース料、貸付料で償還可能であるという前提で予算を組んだものでございます。
#135
○広中和歌子君 北陸新幹線がリース料を払うことによって借金を返していく、そういうことでございますね、平たく言えば。収入の面なんでございますけれども、もちろんオリンピックとかいろいろなイベントがございますから乗客数がふえるだろう、そして経営も改良するだろう。特にサービスがよくなれば改良するだろうという側面はありますけれども、在来線とのある意味ではゼロサムゲームと言っては変ですけれども、そちらの方のお客がこちらに移るというようなことで、それほどの料金アップが見込まれるのかどうかということも心配なんです。その点についてコメントしていただきたいんです。
 古いことを申し上げて恐縮なんですけれども、旧国鉄で二十五兆円の借金を残したわけでございますけれども、そのうち十三兆円が財投であったということでございます。けさの日本経済新聞によりますと、三塚政調会長が財源問題について「国の負担は三五%だが、検討委の中ではウエートを上げるべきとの議論も出るだろう。」というようなことで、国の負担を増していくということなのでございますけれども、これが財投でなされていく、そのようなことなのでございましょうか。そうした場合でございますけれども、かつての国鉄の二の舞になっていわゆる国民の借金というんでしょうか、そういうものがふえていかないかという心配をしているわけでございますけれども、取り越し苦労に終わることを期待しているところでございます。お答えをお願いします。
#136
○政府委員(秦野裕君) 場合を二つに分けて御説明したいと思いますが、まず一つは現在着工しておりますいわゆる三線五区間の部分でございますが、これは財源関係ははっきりいたしておりまして、JRが五〇%、国がならしまして三五%、それから地方が一五%ということで一応負担区分になっております。したがいまして、JRの五〇%のうちのかなりの部分は現在の既存の東海道新幹線を初めとします新幹線の売却代金の一部で充てておりまして、その残りをいわゆる貸付料、リー
ス料の形でJRが支払うということになっておるわけでございます。したがいまして、現在考えております財投を含む借入金の返済は、先ほど御説明しましたようにJRの支払うリース料の中から払っていくわけでございますので、JRの負担はそれ以上にはならないわけでございます。そういう意味でいわゆる第二の国鉄、昔のようなことにはならないというふうに考えております。
 それから二番目に、今後つくります、見直しの論議がこれからされます新幹線でございますが、これはまだどういう形でどういう財源でやるかということについては全く白紙の状態、これからの議論というふうに御理解いただきたいと思います。
#137
○広中和歌子君 これからのことということではっきりとしたお答えをいただけなかったわけですけれども。
 では次の問題に移りますけれども、こうした現在ある新幹線、私ども非常に喜んで利用させていただいているわけですけれども、それに整備新幹線が加わる、またリニアもできるということで、こうした高速鉄道網が全国に張りめぐらされて非常に便利はしているわけでございますけれども、同時にこうしたものと航空産業との競合性みたいなもの、すみ分けというのがきちんとなされているのか、運輸行政の総合的な対策というんでしょうか、御見解をお伺いいたします。
#138
○政府委員(大塚秀夫君) 在来の新幹線につきましては、航空に比べてスピードは劣りますが、大量性にすぐれて、例えば東京―大阪間は途中区間の乗客も含めて一日三十万人以上を運んでおります。このような特性から中長距離の都市間輸送に適したものと考えられているわけです。
 リニアにつきましては、在来新幹線に準ずる輸送量、輸送力を持っておりますが、これがどの程度の運賃になるのかはその建設費にかかっておりまして、先ほど鉄道局長が申し上げましたように、これからの技術開発の過程でその建設費が決まってまいりますれば、おのずからリニアの固有の分野というのも決まってくると考えております。
 一方、航空につきましては、我が国は南北三千キロ、大変距離の長い列島でございますし、また山越え、離島等も多うございますので、航空もそれなりの分野というものを持っております。
 このような新幹線、リニア、航空についてどのように今後整備していくかにつきましては、運輸政策審議会の答申等を踏まえて私ども、地域の特性、それぞれの交通機関の特性、また輸送需要等を総合的に勘案して慎重に計画を立てていきたいと考えております。
#139
○広中和歌子君 これは何によるのかわかりませんけれども、日本の航空三社の国際競争力の問題なんですけれども、大変にそういう国際競争にさらされて非常に経営が難しいということも伺うわけでございますけれども、その事実関係をお伺いすると同時に、国内の競争力というんでしょうか、経営状況をお伺いいたします。
#140
○政府委員(松尾道彦君) 今先生の御指摘のとおり、日本の航空企業を取り巻く経営環境は大変厳しくなっておりまして、世界的な景気停滞というふうなことが影響しているのは事実でございますが、その結果として特に収益性の高いファーストクラス、ビジネスクラスのお客様が大変減っておる状態でございます。
 実績で見ますと、昨年の十月の中間決算でございますけれども、日本の定期航空三社でございますが、対前年に比べまして経常利益が約七〇%程度減少いたしておりまして、全体で百四十四億円程度になっております。特に日本航空でございますが、中間決算では四十四億円の赤字計上でございますが、この一年の通期で見ると多分五百億程度の赤字が見込まれるというふうな見通してございます。このような格好では結局はコスト競争力が弱いということでございますが、航空会社におきましても自主的に経営努力、経費節減努力を進めております。
 運輸省といたしましては、やはり支援的な立場から、これからの三大空港プロジェクトに伴ういろんな投資計画の負担がふえてまいりますので、これに対応する投資減税措置も今回いただきました。さらには財投による、特に開銀融資による低利融資を含めた体系も考えていきたいと思います。特に最近、江湖に格安の国際航空券が出回っております。これは今後私ども近く経営者の方々に集まっていただきまして運賃懇談会も開催いたしたい、こう思っております。その中で国際的な運賃制度の見直しについても勉強していきたい。すぐ値上げということではなくて、まず合理化努力を徹底していただいて、その中で合理的な運賃体系も見直していきたいと考えております。
#141
○広中和歌子君 利用者の立場から申しますと、国際競争によりまして運賃値下げの圧力がかかるということは大変好ましいことなのでございます。
 先ほど泉信也同僚議員から御質問もございましたように、日本と世界の国々との事情というのは違うかもしれませんけれども、韓国におけるハブ空港化、そしてアメリカなどでは各航空会社ごとに、ごく競争力のあるところでございますけれども、ユナイテッドエアラインとかそういうところはハブ空港システムをつくることによって乗客というんでしょうか顧客の獲得をしている。そういう中でジャパンエアラインが苦戦をしているのかなというような感じもするわけでございますけれども、そういうこととは関係なく、単なる景気の落ち込みなのでございましょうか。
#142
○政府委員(松尾道彦君) 今世界の国際航空会社について見ますと、お隣のシンガポール航空は大変経営努力が行われて、経費節減努力もあり、コスト競争の面で大変黒字を示しておりますけれども、アメリカのいわゆるメガキャリア、ヨーロッパのいわゆるフラッグキャリア的なところ全部赤字でございます。一日本航空だけが赤字ではございません。非常にオーバーキャパシティーの中で、IATAの中での運賃問題も大変今大きくクローズアップされておりまして、経費節減の努力以外にもいろんな問題を抱えておるというふうに私ども考えております。
#143
○広中和歌子君 余り厳しいことを申し上げたくないんですけれども、体質改善策についてなんですけれども、どのようなことがなされているのかお伺いできますでしょうか。スチュワーデスの方、パイロットの方の労働時間とか賃金水準とか、そうしたものももし他国との比較において、あるいは日本の国内における他の産業、例えば新幹線の運転士の方との比較とか、そういうことで例えればと思います。
#144
○政府委員(松尾道彦君) 日本の企業の運航乗務員、さらには客室乗務員につきましては、実額ベースでは外国の航空企業に比べて高いのは事実でございます。しかし、営業費用全体に占める割合というものは日本の場合には二割程度、ヨーロッパ諸国、諸外国では三割を超えておるというふうなことで、生産性の面ではかなり高いというふうに考えております。
 それから水準的に見れば、今申し上げたとおり、平成三年の労働省の調査によっても、他の交通機関との人件費比較をいたしますと、航空関係は高い水準にあることは事実でございます。それから外国の航空企業と比較した場合には、IATAの一九九一年の統計が今新しいのが出ておりますけれども、やはり高くなっておるというふうなことでございます。また労働時間関係で比較しますと、平成三年の六月の労働省の統計でも比較的航空関係は短いというふうなことで、相対的には労働条件というものは恵まれている状態でございます。
 航空企業にとりましては、そういった中で生産性をまず高めるというふうな格好で、いろんな経費節減を行うとともに、特に大型化による生産性の向上も行っておりまして、今ぎりぎりの限度に近づきつつある、こういうふうな状態ではないかと思います。
 今後いろんな面で投資のあるいは前送り、繰り延べというふうなことで、減価償却費の節約とか
いろんなことを考えていますが、私どもはやっぱり安全投資を節約してもらっては困るというふうな観点から、質的なサービスの向上に努めながら、やはりこれから再出発、経営の停滞が少し上向けばまたよくなってくるんではないか。航空産業、どうしても国内の事業として必要でございますので、必要な支援も進めていきたいと考えております。
#145
○広中和歌子君 人件費は国際的に比べて高いにもかかわらず、営業面における人件費のパーセントはむしろ二割ぐらい、低いということは他の営業面におけるコストが高いということでございますよね。
 それはどういう側面かなと思うんですけれども、例えば空港使用料が高いとか、今度できます羽田のターミナルですか、それのいわゆる入居料というんでしょうかレントが非常に高いとかといったような、そうした営業面のコストというものに関しまして、これは単に空港だけの問題じゃなくて公共事業全般にわたることだと思うんですけれども、土地代、それから土地代だけではなくて土地を取得するまでの非常に長い期間がかかる。その間の金利負担とかさまざまなウエーティングの時間でございますね、そういうことに関しまして改善というものはあり得るんでしょうか。どのようなお考えでございましょうか。日本ではこうした公共コストの高さというものはもう変えられないのかということなのでございますけれども、お考えをお伺いいたします。
#146
○政府委員(松尾道彦君) 空港整備の財源関係につきましては、空港の利用という立場で航空企業は利益を得ているわけでございますので、しかるべき対価は払うというのは当然だと思っております。
 私どもの今の空港の使用料、例えば着陸料をとってみますと、ヨーロッパとはそれほど差はございませんけれども、アメリカの場合には非常に土地代が安くて、大変な格差がございます。これがエアラインに負担になっていることも事実でございますが、昭和五十五年の一月に現在の空港着陸料は決めさせていただきまして、十三年余据え置いております。その中で、過去にエアラインも相当高成績もあるわけでございますので、これがエアラインの経営に一概に影響しているというふうに判断はできないと思っています。
 いずれにしても、先ほども御指摘がございましたが、空港整備財源、これから地方空港の整備を行っていく必要もございますので、将来の利用者負担という立場からも、一般会計の確保に対する努力はもちろんでございますけれども、長期的観点から財投による借入金で整備もしております。こういう観点から空港整備を積極的に行っていきたい、このように考えています。それが結果として日本の全体の体質の中で割高になっていることは事実でございますが、それだけでエアラインの営業関係が悪いというふうには判断できないんではないかと思います。
#147
○広中和歌子君 よくわかりました。
 成田空港でございますけれども、一九七八年に営業が始まりましてもう十五年以上たっているわけでございますけれども、まだ一つの滑走路しかない、そしてターミナルももう不便きわまりないとあえて申し上げさせていただきますけれども、そういう状況でございますけれども、これについてはいつごろ全体の完成が見られるのでございましょうか、お伺いいたします。
#148
○政府委員(松尾道彦君) 成田空港大変混雑で御迷惑をおかけしておりましたが、昨年の十二月に第二ターミナルビル、約二十八万平米の建物が完成いたしまして、少し混雑緩和が図られたんではないかと評価いたしております。
 それで現在年間で約二千二百万人ものお客さん、滑走路一本で御利用していただいていまして御迷惑をおかけいたしますが、あとの二本の滑走路の整備につきまして、現在反対派との間で同じ土俵の上に立って話し合い解決に向けて努力をいたしております。今すぐ解決はなかなか難しゅうございますが、反対の方々ともじかに接触をして平和的な中で早く解決をして整備を図っていきたい。何とか六次空整、平成七年度が終わるころまでには整備ができたらありがたいというふうなことで努力をしていきたいと思っています。
#149
○広中和歌子君 恐らく同じような質問がここの委員会で何十回となされ、多分同じようなお答えが何十回と繰り返されたんではないか、そのように想像しているところでございます。
 大臣、突然で大変恐縮なんでございますけれども、憲法第十二条、第十三条を覚えていらっしゃいますか。
#150
○国務大臣(越智伊平君) 今ちょっと覚えておりません。暗記しておりません。
#151
○広中和歌子君 失礼いたしました。では、かわって読ませていただきます。大変短いものでございます。「国民の権利及び義務」というところでございます。
 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法そ
 の他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。二カ所におきまして公共の福祉ということがうたわれているわけでございますけれども、成田の問題そのほかさまざまな土地にかかわりますところの係争につきまして、越智大臣はかつて建設大臣もなさっていたわけでございますけれども、そういうかつての御経験を踏まえ、そしてまた運輸大臣としても御見解をこの点について示していただきたいと思います。
#152
○国務大臣(越智伊平君) 今お説また憲法を朗読していただきまして、そのとおりだと、かように思います。しかし、今は民主主義が非常に徹底をいたしましてなかなか難しい。しかし、成田の問題をとってみますと、先生の言われること、なるほどということであります。しかしなかなか、長い間非常に意見の対立があった。今は話し合いをしておるので、できるだけ話し合いをして円満裏に解決することが、急がば回れ、こういうことで、やはりなるべく早く解決をしたいと思いますけれども、話し合いによる解決、このことが今一番だと、こういうふうに思いまして、ずっとお願いをし、様子を見守っておる、これが実情であります。
#153
○広中和歌子君 私は憲法との兼ね合いの中で、そして法律がございますよね、土地収用法、あれは成田に関しては使われたことはございますか。
#154
○国務大臣(越智伊平君) 土地収用法の問題は、私が建設大臣をやっておる当時に起きた問題であります。そこで、収用委員の方々が非常に脅迫に遭い、また傷害事件等も起こりまして、そういう状況の中で千葉の収用委員さんは御辞退なさってだれも受けてくれないような状況でございました。そういういろいろのことがございまして、とにかく話し合いで進めたらということで今話し合いをしておる、こういうことでございますので、なるべく早く話し合い解決、これを進めてまいりたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#155
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。大変お答えにくいことを答えていただいたわけでございますけれども、民主主義というものの考え方が大分違うようでございます。
 先ほども同僚議員が、生活大国を目指す五カ年計画の中で、大都市鉄道の混雑率、混雑の状況について御質問になり、またお答えをいただいたわけでございますけれども、ともかく都心に、これは大阪でも東京でも同じことだと思いますけれども、都心に住めなくて郊外に人口が散っていけば散っていくほど都心部の交通機関は麻痺してしまう、混雑のきわみに達してしまうということだろうと思います。その対策として先ほど鉄道局長からお答えいただいたわけですけれども、時差出勤
を推進するために経済界との懇談会を開いているというようなこともお話しいただいたわけでございます。
 それも大変結構なのでございますけれども、もうちょっとこれは抜本的に変えられないかなと思いまして考えているところなのでございますけれども、例えば一たん郊外に散った人口を都心に呼び戻す、そういうのも一つの手じゃないかと思うんです。これはもう本当に素人の考えでお笑いになるかもしれませんけれども、都心には意外と空き地がありまして、利用しようと思えばですよ。それで、私がかねてから目をつけているのはJRの線路の土とか駅舎の上なんです。それの御利用についてはお考えいただいたことはあるんでしょうか。
#156
○政府委員(秦野裕君) 都市空間というのは非常に限られておるわけでございますので、これを有効にかつ高度に利用するということは確かに重要なことだというふうに思いますし、ただいま先生が御指摘の鉄道の線路敷あるいは駅の上部の空間あるいは場合によっては地下の空間、これを活用するということは大変有意義だというふうに考えておるわけでございます。
 じゃ、実際に鉄道線路上を例えば利用するという場合には、都市計画法などの法律がございますので、それとの調整というものをどうするか、あるいは施設を経済的にあるいは安全に設計するあるいは施工するというのに問題がないかというようなあたりについては十分検討していかなければならないというふうに考えております。現在、鉄道関係の協会がございますが、その協会で今申し上げたような制度面あるいは技術面からの線路上空利用のための調査研究を現に進めておりまして、運輸省もそのメンバーとしてその調査に参加し協力をしているということで、現在そういう具体的な検討を進めておるという段階でございます。
#157
○広中和歌子君 難しさはあると思うんですけれども、いろいろ建築基準法の問題もあれば技術面のこともあると思うんですけれども。今日本ではもうすばらしい海底トンネルをつくり、大きな橋をかけるという、それほど建築技術が進んでいる時代でございますので、あとはやるかやらないかというJRの御方針ではなかろうかと思うのでございます。もう幸か不幸か民営化しておりますので、国としてやれとかという命令はできないかもしれませんけれども、もし国民のために少しためになることをやってくださるというのであれば、やはりそうしたJRの持っている土地にそうした住宅もつくっていただければまさに職住接近、本当に駅にも近いそうしたいい住宅が、質の高い住宅ができるわけでございますので、ぜひこの辺積極的に御検討いただきたいと思います。
 次に民営鉄道なんでございますけれども、そちらの方も込んでおります。私は時々というか小田急などを利用するわけでございますが、特定都市鉄道整備積立金制度が導入されましたね。その工事の進捗状況はどうでございましょうか。
#158
○政府委員(秦野裕君) 現在、特定都市鉄道整備促進特別措置法によりまして整備事業計画の認定を受けておりますのが五社でございます。その進捗状況につきましては、平成四年度の上期末現在でございますが、用地の取得率が約八二%、それから用地費を含めました工事実施額におきます進捗率が約二七%ということになっております。
#159
○広中和歌子君 十年計画でございましたか。
#160
○政府委員(秦野裕君) そのとおりでございます。
#161
○広中和歌子君 あと五年ぐらい残っているわけですね。土地の買収率というんですか、八二%と非常に高くて結構だと思いたくなるのでございますけれども、一人の人でも反対しますと成田のケースのように何十年でもおくれるわけでございます。そういうことで、ここでは土地収用法などは適用するお考えはあるのでしょうか。
#162
○政府委員(秦野裕君) 土地収用法に基づきます事業認定を行うかどうかということは、これはまさに各事業者の判断になるわけでございますけれども、現実問題といたしましては特定都市鉄道工事で事業認定を受けておりますのは一件ございまして、東急電鉄が認定を受けております。現在、多摩川園駅の付近で明け渡し裁決の申請を既に行って、収用委員会の方で審理中というふうに聞いております。
#163
○広中和歌子君 確かにおっしゃるように、私は何も強行に明け渡しを要求するというのは、北風と太陽ではございませんけれども、やはり太陽のアプローチの方がよろしいような気がいたします。
 それでなんですけれども、これも先ほどのJR路線上の住宅のことを申し上げましたけれども、例えば例を小田急にとりますと下北沢の駅、そこに十分なスペースがあるかどうかわかりませんけれども、例えば駅舎に高層の建物を建てて、そして一、二階、下の部分は商店にお貸しする、そして上の方は住宅にする。そこに住みたくない方は、少なくとも一時的に住んでいただいて代替地を探していただくというような、やはりオルターナティブをお見せしてやらなければ、やっぱり嫌だという方は嫌なわけでございまして、それを無理やりにというのもなんでございますから、そういう点ではもっと工夫があり得るんじゃないか。口幅ったい言い方でございますけれども申し上げたいと思うんですが、御意見いかがでございましょうか。
#164
○政府委員(秦野裕君) 確かに、新線建設なり複々線化の工事をします場合に、地権者の方の理解なり御協力をいただくということは大変大事なことでございまして、今の御提案も確かに一つの方法だというふうに考えられます。
 それから、実施に当たりまして、例えば駅ビルの上の方ということになりますと、やはり駅ビルそのものにいろいろな計画が当然あるわけでございますので、それとどういうふうに調整を図っていくかとか、あるいは権利関係はどうなるかとか、いろいろ多分検討しなければならない事項があろうかと思いますけれども、御指摘の点を含めて勉強させていただきたいというふうに考えております。
#165
○広中和歌子君 ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。
 次に、バスについてお伺いしたいんです。
 まず、バスの、特に地方のバスでございますけれども、事業所の数が非常に減っているということなのでございますけれども、どういう形でこのバス路線をキープなさるか、これは公共の立場からいっても非常に大切だろうと思います。高齢化社会になりまして、すべての方が地方で自分で運転できる状況じゃない、そういう方がふえてまいりますものですから、バスの存続というのは非常に大変なことだと思うのでございますけれども、どういう形で対策を練っていらっしゃるかお伺いいたします。
#166
○政府委員(土坂泰敏君) バスの中でも地方バスが今仰せになりましたように需要が減少してきております。その原因は基本的には自家用車との競合関係で、やはりそちらにお客様が移っていったということであります。その結果、バスが採算をとって企業としてやっていくことが大変難しい、そういう状況になってまいりました。ところが、そういうふうになってもやはりバスを頼ってお暮らしをなさる方々も現実にいらっしゃる。そこで、そういう場合にはバスが赤字だからやめるということもできない、そういうのがバスの置かれている状況でございます。
 そこで、具体的にはやはり地方公共団体が、これは地域住民の生活のためにどうしても必要だということで補助をしてでもその維持を図りたいという路線につきまして、国もこれと協力をして一緒に補助をする、それによって維持を図るということで必要なバス路線の確保を図っている、そういう状況でございます。
#167
○広中和歌子君 何か本を読んでおりましたらば、外国の中でも、それは全部じゃございませんけれども一部バスの運賃の補助をするとかというような形で、五〇%の補助率とかというようなこ
とでございます。日本ではやり方が違うのかもしれませんけれども、ぜひバス路線に関しましては地元の住民の意向というんでしょうか、実情を反映した形で存続をお願いしたいと思います。
 次に都市バスなんでございますけれども、バス路線というのがございますね。あれはどういうふうに機能しておりますでしょうか。
#168
○政府委員(土坂泰敏君) 都市バスは、都市の中で通勤通学などある程度まとまって人が動く場合にそれに対応してやはり役割を果たしていかなきゃいかぬ、そういう任務を持った交通機関でございます。ところが問題は、都市バスが道路混雑でうまく走れない、その結果皆様方の信頼というものを失ってまた客離れが起きる、こういうことが続いておるわけでございます。しかしながら、やっぱりバスが本来の機能を果たすということは、道路混雑の解消とか環境問題とか、今そういう点から考えてもやはり大切なことであるというふうに思っておりまして、走行環境を是正して利用者に利用しやすいものにしていくというのが都市バス対策の基本的な考え方でございます。
 これにつきましては、まずバス事業者がバスロケーションシステムとかいろんな格好で利用しやすいような工夫をするわけですが、やはりバス事業者の力だけでは限界がございます。いわゆる優先信号であるとか専用レーンであるとか、道路管理者とか警察とかそういった方々の御協力も得てバスを走りやすくしていくということがどうしても必要である。そこで私どもとしては、これは地域ごとに対策の中身が違ってまいりますので、具体的には県単位ぐらいにバス活性化委員会というのを警察と道路管理者と自治体に御参加いただいてつくっておる。ここでバス事業者とそういう方々との間で具体的な地域ごとに、どういうふうにすればバスの走行環境が改善できるだろうかということで一つ一つ、よりきめの細かい検討を積み重ねながら、少しずつでございますけれどもバスの走行環境の改善に取り組んでおる、こういう状況でございます。
#169
○広中和歌子君 バス路線が存在するということに気がつきまして、大変関心があったわけですけれども、車は遠慮しているのにそのバス路線に駐車をしている車が結構ございまして、つまり歯抜けの状況で車があるわけです。
 それから渋滞なんか見ておりますと、必ず違法駐車によるものが多いわけなんです。特にひどいのは四つ角のところです、交差点のところで、一番違法駐車をしてはいけない、そこにも車が堂々とありまして、私こんなことを申し上げるとそこの方に御迷惑になるからあえて言いませんけれども、交番があるんです。交番があっても知らぬ顔なんです。そしてずっと渋滞が続いているというようなことで、どこに取り締まりがあるのかなと。そして駐車違反のマークがちゃんとあるわけです。自動車を運転する方はそのマークがどういうマークか御存じなはずですよね。
 私本当に不思議だなと思うのは、法律があっても守らなくても平気だというのが何か交通に関してはもうまかり通っているような気がするのでございますけれども、違法駐車の現状とその取り締まりについてお伺いいたします。
#170
○説明員(矢代隆義君) お答えいたします。
 まず、違法駐車の取り締まりの状況について御説明申し上げたいと思いますが、昨年は全国で三百十万件ほどの駐車違反を検挙しております。それで、今お話しありました東京、大阪の状況を御説明申し上げますと、東京、これは警視庁管内ということでございますが、平成二年中には五十三万六千件、それから平成三年中には一年間で八十万二千件、それから昨年一年間、平成四年中ですが、七十五万七千件でございます。
 ちなみに、これは交通違反として切符を切った数でございますが、レッカー移動いたしました件数は、平成二年から順番に、二十四万八千件、それから二十二万六千件、昨年一年間で二十三万件ほどでございます。
#171
○広中和歌子君 この五十三万件とか二十四万件というのは、実際に取り締まりをなさった件数でございますよね。ですから、違法駐車している車を数えられたことございますか。ある日のある時点でございます。
#172
○説明員(矢代隆義君) これは東京と大阪で警視庁と大阪府警が調査をしております。その数字を申し上げたいと思いますが、この調査のやり方は、ある平日の、水曜日あたりやっているんですが、ほぼ一定の時間帯に幅員が四・五メートル以上の道路を対象にこれを一斉に調査いたします。それの数字を申し上げますと、まず東京都内全域でございますが、昨年の調査では十八万七千台余でございます。ちなみに、順次さかのぼりますと、その前年が二十一万五千台、それからその前の平成二年が二十三万台でございます。その前の平成元年は二十一万台でございます。
 この趨勢を補足して申し上げますと、平成二年までは実は毎年この違法駐車の数がふえておりました。平成二年に道路交通法の改正あるいは駐車場法の改正その他駐車関連の法改正がなされまして、そこから少しずつですが徐々に減ってきているということでございます。
 これは大阪の方でも同様でございまして、大阪府全体の状況を申し上げますと、今度は逆に申し上げますが、平成二年が三十六万七千台、平成三年が三十五万二千台。それから平成四年、昨年が三十二万台という調査の結果でございました。瞬間の路上駐車台数調査でございます。
#173
○広中和歌子君 下がったことは御同慶の至りと申し上げなきゃいけないんでしょうけれども、ともかく一年間に例えば東京でチケットというんですか、切符をつけたのが五十三万件。しかしながら、一日にある時間帯をとりますと十八万件ですか違法駐車があると。そういうことでございますから、もういかに切符をつけることに対して逡巡していらっしゃる、あるいは現に余りなさっていないというふうに言わざるを得ないんでございます。これをもっと強化するというのでしょうか、法律があるんだったら法律に従うような方向をおとりになるおつもり、御計画というのはないのでございましょうか。
#174
○説明員(矢代隆義君) 御指摘のとおり、取り締まりが十分であるとは思っておりません。
 それで実際の取り締まりは、実はチョークでチェックをいたしまして、それからその後もう一回回ってきましてさらにあると、切符を切ったりあるいはレッカー移動をするのでございます。警視庁管内あたりですと、実は今申した駐車取り締まり件数の十倍ほどをチェックしておるわけでございます。
 それで、ただ取り締まりの数はこれでは確かに結果としては不十分でありますし、これまでの流れを見てみますと、駐車場の整備状況は必ずしも十分ではない中で、かなり広範囲に駐車違反、駐車禁止の規制をかけてきている経緯もありますので、その中で取り締まりの方がどうしても追いつかない、こういう状況があったわけですが、おかげさまで平成二年の駐車関連のいろいろな制度改正あるいは税制の改正によりましてだんだんに駐車場がふえてきております。これは特に東京、大阪など大都会でも同様でございます。したがって、駐車場の整備と取り締まりがちょうどかみ合っていきますと、もう少し取り締まりの目も届くようになるのではないかと思っております。
 そこで、さらに取り締まりを強化するために次のことを考えております。
 一つは、まず警察の問題でございますが、違法駐車の抑止システムと呼んでおりますが、交差点カメラでございますが、これは違法駐車の多いところに備えつけておきまして、それで違法駐車があればスピーカーで警告し、あるいは警察官が排除するというもので、これは警察官の人数に限りがありますので、そういう機械力で取り締まりの効果を上げることができると考えておりまして、そういう整備を全国的に進めております。
 それからもう一つは、これは大変に期待しておるのですが、現在各区や市で違法駐車防止条例というものをつくりまして、それで市や区におかれましてガードマンを雇うなどしまして、そこで駅
前などの区間ですが、そういう大事なところで違法駐車をしようとする運転者に直接指導するということをやっていただいております。
 御案内のように、駐車は一台とまると次にとまるということでございますので、その最初の一台が大事なわけでございますが、これはまだ全国的には四十二ほどの自治体でやっておられるだけでございますけれども、これがもう少し広がりますと、警察の取り締まりとあわせてさらに効果が上がるんではないかということに期待しておるところでございます。
#175
○広中和歌子君 日本の駐車違反を見ていますと非常に温情主義だなと思うんですけれども、チョークでつけるというのも例えば私が住んでおりましたアメリカなんかじゃ全く考えられないので、車をとめてそして持ち主がいないのであれば、それが違法駐車のところにとまっていればすぐにチケットを切るわけです。切り始めたときに慌てて戻ってまいりまして、これから動かすからやめてと言っても、その文句は裁判所に言ってくださいということで、専門の人が黙々とチケットを切るわけです。大変厳しくて私としては腹が立つんですけれども、やはりそれくらいにしませんと取り締まりというのはできないわけです。
 これは市によって違うんですけれども、警察はそれなりにお仕事がございますから、警察とは別にそうした違法駐車を取り締まる係官みたいなものを雇っておりまして、独立採算でやっているんです。ですから、そういうふうに違反金がたくさん入りますとその中から給料が支払われるというような形でございまして、それが日本になじむかどうかは別といたしましても、やはりそうした努力が必要なんじゃないか。
 なぜ私がこんな厳しいことを申しますかといいますと、都市の交通の渋滞のために出てくる二酸化炭素というんですかCO2、ひどいものがございますし、それから道路をつくるためのコストというもの、例えば有名な話ですけれども、都心の一・五キロをつくるために一兆円のコストがかかる、その九九%が土地代である。そのような高価な道路に違法駐車が存在するためにスムーズにいかないといったこと、そういうイタチごっこをやっているわけでございますので、やはりきちんとした取り締まりをするべきじゃないかと思うんです。
 もちろん、確かに駐車場がないとかいろいろ問題はございますけれども、取り締まりが厳しくなることによって駐車場がもうかるビジネスとして栄えていくことになりますでしょうし、やはりあるところではきちんと決断をして何か対策をとっていただかなければいけない、そういうところまで来ているんじゃないかと思うのでございますけれども、いかがでしょう。
#176
○説明員(矢代隆義君) お答えいたします。
 二点ほどの御指摘でございましたが、まず駐車違反の取り締まりが温情主義ではないかという御指摘で、確かにそういうことは言えるかもしれません。自動車先進国であります。アメリカでは車社会の成熟度も違いますし、また国民性といいましょうかメンタリティーの問題でも、違反者に対してどういうふうに対処するかということであるいは我が国では対応が違っておるかなとは思っております。
 ただ、取り締まり全体につきましては、先ほども申し上げましたように、この数年、違法駐車の反社会性というものが広く国民の間に浸透してまいりましたので、それに伴いまして警察の方の取り締まりも実は非常にやりやすく、つまり現場でのクレームも少なくなってきておるわけであります。さらに取り締まりにつきましては徹底してまいりたいと思います。
 それから、取り締まりを例えば自治体などでという御提案でございますが、現在道路交通法の違反は最後には裁判で罰金になるということになっています。つまり、司法制度に乗っかるわけでございます。それで、国によって法制度の違いがあろうかとは思いますが、完全に行政限りでこれを処理できるというようにいたしますと、これは警察官でなくても例えば市の職員であってもあるいはできるようになるかなとは思います。
 ただ、違反者に対してどういう制裁の制度にするかというのはかなり基本的な問題でありまして、直ちにはちょっとお答え申し上げにくいのでありますけれども、仮にそのような行政限りで完結するような制度に移行すれば、今御提案のようなものは大いに参考になるというふうに考えております。
#177
○広中和歌子君 これも考え方の問題でございまして、何とかする意思があるのかないのかといったような問題だろうと思います。その意思さえあれば道は開けるものだというふうに思いますし、法律改正あるいはさまざまな行政上のそういう措置でできるんではないかと思います。
 最後に、車輪どめですね。レッカー車が一年間にたった二十四万台しか動いていないということですけれども、レッカー車が持っていくべき駐車場がないというような問題もあるようでございますので、さしあたっては車輪どめというんですか、それをお使いになるということでございますけれども、そのプランについてもお伺いいたします。
#178
○説明員(矢代隆義君) お答えいたします。
 この国会に道路交通法の一部改正をお願いいたしておりまして、その中の一つの項目として車どめの措置というものを御提案をしておるわけでございます。それで私どもの考え方としましては、道路上でありますので、できればレッカー移動で全部きれいにできればこれにこしたことはないと考えておりますが、地域によりましてはなかなかそういうわけにまいらない区間がありますし、また特に大型車やあるいは改造車その他でレッカー移動が物理的にできないものがあるわけでございます。そういうものを念頭に置きながら、これは公安委員会の指定した一定の区間ということになりますけれども、そこにおいては車どめの装置というものをレッカー移動と併用いたしまして、それで特に他の車両の違法駐車の防止効果も念頭に置きながら取り締まりがさらに効果的になるようにしたい、こういうことで提案しておりまして、もしこれが成立いたしましたらばさらに効果的な取り締まりをいたしたいと、こういうように考えております。
#179
○広中和歌子君 最後に運輸大臣のこの点に関しましてのコメントをお願いいたしまして、質問を終わります。
#180
○国務大臣(越智伊平君) お答えする前に、先ほど私が民主主義の徹底、こういうことを申し上げましたが、これはちょっと誤りで、誤った民主主義の徹底ということでありますので御了承をいただきたいと、かように思う次第であります。
 今の駐車の問題、特に各所に自家用車の違法駐車、もうこれは私どもも本当に大変だと、こういうふうに思う次第であります。私としては、先ほども申し上げましたが、やはりできるだけ都心には交通機関を利用していただいて、マイカー関係は減少をしたいと、こういうことでおります。先ほども警察庁からお答えがございましたが、取り締まりについて今も交通安全委員会の方に付託になって御審議をいただいておるようでございますが、これをぜひ成立し、警察の方でもぜひとも指導、取り締まりを徹底していただく。どの道に入りましてもほとんど違法駐車で動けないというような状況であります。また、万一火災等がありましても、消防車などはとてもあの大きい車が通らないような状態もございますので、ぜひとも私の方、運輸行政としてもできるだけ都心に車を乗り入れないように努力をいたしたいと思いますが、警察御当局もぜひとも指導、取り締まりを徹底していただきたい、かように思う次第であります。
#181
○直嶋正行君 私はきょうはまず運輸省の審議会のあり方についてお伺いしたいと思います。
 現在、運輸省には十二の審議会が設置されておりまして、そのうち十の審議会に委員が任命されております。
 審議会というのは、そもそも政策立案やあるいは制度の運営に当たって幅広く国民、とりわけ有
識者あるいは学識経験者等の意見を聞き、それによっていろいろと重要施策を建議していただこう、こういう制度だというふうに理解をしております。ただ、一方では今そのあり方についていろいろと指摘があることも事実であります。
 それで、現在運輸省の委員が任命されています十の審議会には、実はその中に運輸省のOBの皆さんがかなり入っておられます。その中で気象審議会を例に挙げてお話をいたしますと、気象審議会の中には運輸省OBの方が四名入っておられまして、さらに現職の方が三名、それを含めまして中央官庁の要するにお役人の方が十名入っていらっしゃいます。トータル二十七名の審議会の構成メンバーの中で官庁職員十名、運輸省OB四名、つまり過半数以上がそういう関係者になっている。そのうち運輸省の現職の方とOB合わせると実に七名、三分の一、こういう数字になるわけであります。この数字を見る限り、どう見ても私はこれはメンバーがかなり偏り過ぎではないかなと。あえて申し上げさせていただきますと、行政にとってやりやすいというか都合のいい人ばかりを集めて、あるいはまたそこから出てくる答申もそういう意向を酌んだ答申になってしまうのではないかな、素朴にこのように思うんですけれども、この点について御見解をまず承りたいと思います。
#182
○国務大臣(越智伊平君) ただいま御指摘をいただきました点でございますけれども、今御指摘のようにOBなりあるいは現職をできる限り少なくするということが大事であろう、かように思います。しかしながら、運輸省は専門的な、特に技術的なこともこれあり、技術的な面ではやっぱり経験者でないとわかりにくいという点がございますので、ひとつ御了承をいただけたら、御理解をいただけたらと、かように思います。
 もう一点は、審議会が隠れみのにならないかという点はいつも指摘を受けておる点であります。この点についても、やはり学識経験者また先生方等の御意見を踏まえまして、政策立案またそれの実行についていかにするかというようなのを十分御審議いただいて参考にしたい、こういうふうに思います。確かにOBの方、現職含めて多いのではなかろうかと思いますけれども、技術的な問題等もございますので今後十分配慮していきたい、かように思う次第であります。
#183
○直嶋正行君 大臣から大変、事情もあるんだけれども前向きにという御答弁賜りまして、これ以上実はちょっとやりにくいんですけれでも、あえてもう一言申し上げさせていただきます。
 実は今申し上げた気象審議会をちょっと例に挙げてお話し申し上げたいんですけれども、これは昭和三十一年にたしか設置された審議会だというふうにお伺いをしております。それで、実はこの気象審議会のメンバー構成を私ちょっと時系列に勉強させていただきました。全部申し上げてもあれですから、昭和三十一年にできた審議会が、十年後の昭和四十一年でありますが、総数二十六名であります。それで、私が今申し上げたお役人あるいは運輸省OBの方を除いたメンバーの数が、そのうち十八名でした。それで直近の平成五年、今現在のメンバー構成を見ますと、総数が二十七名、そのうち先ほどの方々を除いた数字が十三名でございます。こういう役所関係の方を除いた数字をちょっと申し上げますと、その中間の昭和五十二年で見ますと十五名、つまり時系列に見ても役所関係の方以外の方が減ってきているんですね。四十一年の十八名が現在では十三名に、五名減っている。途中でも減っている。こういう結果になるんです。
 それで、実は昭和四十二年、ちょっと古証文でございますが、閣議口頭了解というのがございまして、全文を読みませんがポイントだけを申し上げますと、この中に「行政機関の職員は、原則として、審議会等の構成員にしない」、口頭でございますが、こういう閣議了解がございます。それから、その後昭和四十八年に、これは政務次官会議申し合わせでございますが、「審議会の委員の人選にさいしては、」「自省庁出身者を極力避ける」ということをやはり同様に確認がされております。
 それで、私もこの間気象庁を拝見させていただきまして、その仕事の専門性だとか、あるいは気象庁のお仕事が各役所の例えば建設関係の治水と関連しているとか航空と関連しているとか、こういう事情も十分推察できるわけでございます。ただ、申し上げたいのは、時系列で見てもこれだけお役人さんの方がふえてきている、しかも閣議の了解がもう二十数年前にあるにもかかわらずこういう傾向が続いているということになると、こういう確認をしてそれ以降努力の跡が余り見られないんじゃないか、あるいは逆行しているんじゃないか。これから特に気象行政に求められていますことは、もう少し自由化していこう、あるいはいろんな事業にそのデータが役立つように使っていこう、こういう方針もあるわけでございますから、さっき御答弁賜りましたが、再度申し上げたいのは、やっぱりこういう閣議確認等を大事にしながら、できるだけ幅広い方をメンバーに入れて審議会を運営していただきたいなと。
 きょうはほかの審議会の内容を申し上げませんでしたけれども、これほど集中はしておりませんが、ほかの審議会でもかなり似たような傾向が見られるものですから、ぜひお願いを申し上げておきたいと思います。この点について重ねて御見解があればお伺いをしておきたいと思います。
#184
○国務大臣(越智伊平君) 先ほどお答え申し上げましたが、気象審議会の問題で御指摘を受けました。確かにそういうメンバーになっているのであろう、こういうふうに思います。しかし、最近の気象は、自画自賛ではございませんけれども、非常によく精度が、よく合っております。これはやはり専門家がいろいろ御議論をいただいておる、こういうことであろう、こういうふうに思います。御趣旨に沿って今後努力をしてまいりますが、徐々に努力してまいりますので、ひとつ御了承をいただけたらと。気象とか地震とかというのは大変専門家が必要でございますので、その点についても他分野も御指摘もございましたが、航空とか海洋とかいろいろ問題もある、かように思いますので、ひとつ御了承をいただけたらと、かように思う次第であります。
#185
○直嶋正行君 重ねて、ぜひなるべくスピードアップの方もお願いをしまして、次の質問に移りたいと思います。
 今度は、運輸省における公共事業の関係でございます。もう御存じのとおり、金丸さんの事件で今、脱税に絡んで公共事業が政治家の方に還流をしていったということがいろいろ指摘されているわけであります。国民から見ますと、そういう背景の中で公共事業に対して大変厳しい視点を持っておられると思います。実は先日、私、建設省の方にも同様の趣旨で御質問させていただいたんですけれども、例えば今建設省の方でも指名入札のあり方を見直そうと、こういうふうなお話が出ております。例えば運輸省の中でも今回、とりわけ山梨のリニアの関連が特にマスコミ等でも報じられているわけでありますが、その中で私、先日建設省にも申し上げましたことは、やはりこういう中で、これは国民の負担に基づいて行う公共事業でございますから、それゆえに三つポイントがあるだろうと。
 さっき同僚議員から公共事業用地の問題もちょっと出ておりましたが、この公共事業用地の取得に関しては、私たちもごね得とかいろんなことをよく耳にするわけであります。直接の担当の方が苦労されているというのはよくわかるんですけれども、やっぱりそういう風潮を正していかなきゃいかぬと思うんです。最近、土地基本法等もできているわけでありますから、土地というのは公共の福祉に優先的に使うんだと、こういうことでスムーズなあるいはそういうごね得を許さない用地取得、これが必要だろう。
 それから二つ目は、請け負う建設業者に関して、従来のやり方ではなくやはりもう少し競争原理を入れていく、こういう方向が必要ではないか。
 三点目は、直接事業を管理あるいは執行する公務員の皆さんが、特にコスト意識といいますか効率よく、要は国民の大切なお金を扱って事業をやっているんだと、多分ふだんからお持ちだと思いますけれども、そういう意識をひときわ徹底をしてやっていく必要があるんではないか、このように思っているんですけれども、今申し上げた三つの点を含めて運輸省の所管する公共事業の今後について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#186
○国務大臣(越智伊平君) ただいま御指摘の土地取得の問題でありますが、これはでき得る限り話し合いによって買収を進めたい。しかし、もう七、八割のものが、七〇%、八〇%のものができれば、それ以外のごね得ということはこれは許されない、かように思う次第であります。
 先ほど私が申し上げました千葉の場合は、成田の場合はちょっと問題がございまして、実は千葉県でその後収用委員をだれもやってもらえないというような状態でございますのでここは別としまして、一般的にはそうしたことで、七、八割の方が了承していただければ、それに従ってあとはやっぱり収用も辞さないということで進まないと、ごね得というようなことは許されない、かように考えております。
 それから公共工事の入札でございますが、今の山梨のリニアの問題は実は鉄建公団とJR東海とに委託をしておりまして、直接運輸省では関係をしておりません。しかし、公正にやってもらえておると。いろいろ新聞紙上等で言われておりますが、やっぱりトンネルはトンネルで一つずつ分けてやらないと難しいのであろう、こういうふうに解釈をしております。
 そこで、我が運輸省といたしましては、今の検討委員会等をつくって検討をいたしておりますのと、規模が非常に大きいものでございますから、なるべく大手だけでなしにその地方地方の業者も含めて、JVを組む場合に大手同士で組むというのでなしに必ず地方の中堅業者も含めた組み方をする。そういたしますと、なかなか談合と言われるもの、これもできにくいのであろうと思いますので、そういう方法をとって、要は国民から見た場合に信頼性のあるようにやってもらいたい、こういう私が指示をいたして、そういうことで進んでおるということであります。そういうことによって要はコストも下がっていくものであろう。やっぱり話し合いをして談合しますと、予算いっぱいといいますか高くなる、一般的な競争になりますと安くなる、こういうふうに考えますのでそういう方法で指示をしておる、こういうことであります。
#187
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 それでは次は、空港整備の問題に移らせていただきたいと思います。
 私、今日本の社会というのは急速に国際化が進んでいると思うんです。これは経済面だけではなくて文化面等を含めてであります。そうした現下の状況から見ますと、一方で国の社会資本の中でやはり国際化への対応の部分、例えば先ほど来議論が出ていました国際空港であるとかあるいは港湾整備であるとか、こういう部分が逆に言うとおくれているんではないかな、こんなふうに思うのであります。
 例えば、ちょっと数字で申し上げますと、昭和六十年を一〇〇としまして六年後の平成三年ということで見ますと、例えば日本に発着した国際便の旅客数が一九四という数字が出ています。それから同様に国際貨物は一七六、その間のGNPの伸びが一四〇。それに対しまして空港の、これは国内も含めてでありますが、滑走路の総延長の指数が一一一つまり旅客で言いますと二倍近くになっておるにもかかわらず空港の滑走路の方は一割しか伸びていない、こういうことであります。空港の数で言いますと、その間七十八カ所から八十三カ所に五カ所と、こういう状況であります。ますます日本は国際的にいろんな役割を果たしていかなきゃいけない、こういうふうに言われて、それからますます国際化の傾向というのは進んでいくというふうに予測されるだけに、私は大変お寒い状況ではないかなというふうに思うわけであります。
 そういった点について、現状認識をまず政府委員の方からお答えを賜りたいと思います。
#188
○政府委員(松尾道彦君) ただいま御指摘いただきましたとおり、空港の整備が立ちおくれていることは事実でございます。第六次の五カ年計画におきまして、前回の第五次に比べて六六%増の三兆一千九百億という大幅な伸びを認めていただいております。この五カ年計画に基づきまして空港整備を着々と進めていきまして、全体の航空事業の立ちおくれにならないように整備を進めていきたいと考えております。
#189
○直嶋正行君 おくれないように整備を進めるという今御答弁いただきましたけれども、例えば公共事業に占める空港整備の費用面でのシェアを見ますと、これは昭和五十五年、一九八〇年、公共事業におけるシェアが一・五三%、これが平成五年には一・三八に下がっています。
 それから、例えば今のお話の中にちょっとありました空港整備特別会計を例に挙げますと、この歳入面における一般財源の比率、これが昭和五十五年は二〇・四%、金額四百四十七億円です。それが平成五年には七・二%、三百七十九億円。それで、この間この比率を見ますと、昭和五十五年が今申し上げたように二〇・四%でありますが、例えば昭和六十三年にはこれが九・五、つまり一けたになっている。以降も大体低下傾向、ここへ来て少し底を打っておりますけれども、六から七%。こういう状況でありまして、私は特別会計で組んでやるということはもちろん大事でありますけれども、その中にやはり本当に国際化の進展に対応していくんだと、さっきお話しあったように国際ハブ空港を含めて整備をしていかなければいけない、こういう本当に強い認識に立つならやはり一般財源をきちっと投入していく、こういう努力を運輸省としてはおやりになっていかないと、今お話しございましたけれども、なかなか進んでいかないんではないかなというふうに思うんですけれども、特にこういった一般財源の投入等についての御努力等について御見解を承りたいと思います。
   〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕
#190
○政府委員(松尾道彦君) 空港の整備財源として、今先生の方から一般財源問題の御指摘がございました。私どもは一般財源としては、今航空機燃料税相当額も一般として空港特会に投入していただきまして、大ざっぱにいきますと約一千億の大台になっておりまして、それから見れば今空港特会の財源の中では約二割近くになっていますが、純粋の一般会計からの分は確かに御指摘のとおりでございます。
 私どもは空港の関係の整備では、やはり長期的に見て空港を御利用していただく方から適切な利用者負担という立場で空港使用料を通じて、今これを財源にいたして空港整備を図っております。この財源は実はもう十数年余据え置いておるわけでございまして、こういう方向での着陸料は上げておらないわけでございます。それ以外に特に羽田の沖合展開事業は、私ども将来的にわたって利用者負担の公平という立場から借入金を積極的に導入いたしまして、最近は大ざっぱにいきますと毎年千五百億前後の借入金をいたしておりまして、これによっても利用者間の不公平にならないような観点から財源の確保に当たっております。
 いずれにしても、利用者負担という格好での空港整備が中心になっておりますけれども、一般財源の確保についても財政事情の許す範囲内で確保を図っていきたい、このように考えております。
#191
○直嶋正行君 私は当局大変努力されていると思うんですが、こういうことを申し上げるのは大変申しわけないんですけれども、今のお話の中にあったように利用者負担、このポリシーでやる限りはなかなかやはり思い切ったことというのはできないんじゃないかと思うんです。ですから、先ほど来お話しありましたから重ねて申し上げる必要ないと思うんですけれども、やっぱり今の重要
性を考えますと、本当にそのことでいいのかどうかというのも含めて再検討する必要があるんではないか。
 実は先般、私、決算委員会で国土庁長官に同様に、国際空港の整備が随分おくれている、国際対応が随分おくれているんではないか、こういうふうに御質問しましたところ、今四全総の見直しもやっているという中で、その国際化の部分も含めて国としてのマスター計画の見直しにはぜひそういう視点を入れていきたい、こういう御答弁もちょうだいしたんです。
 例えばもうちょっと突っ込んでお聞きしますと、今お話しありましたように、航空機燃料税、これは自動的に税収の十三分の十一ですか国の方へ入ってくるということでありますから、その数字は別にしまして、いわゆる純粋の一般財源ということで言いますと、私予算の見方素人ですからひょっとしたら間違っているかもしれませんが、疑問に思うのは、例えばこれ平成四年度のシーリングのとき、概算要求だと思いますが、運輸省の方の要求額は三百三億円なんです。
   〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕
それで、当初予算で決まった予算額が三百八十三億円。平成五年度も当初の運輸省さんの方の要求額が二百八十九億円、当初予算の決定額三百七十九億円。どういうわけか知りませんが、要求額よりこの二年間予算額がふえているんです。だから素人が見ると、随分要求を上回って予算が決まっていますから、本当にもっと強く要求すればもっといけたんではないかな、この予算をつくるときの出し方がちょっと弱いんではないかな、こんなふうにも拝見したりしているんですけれども、重ねて何か御見解があればお伺いしたいと思います。
#192
○政府委員(松尾道彦君) 今の点は極めて技術的なテクニックでございまして、本当のシーリング問題は、純生の一般会計の枠というものが公共事業一般でございますが、それ以外にNTTの財源がございます。これを導入していただいておりますけれども、そのときの財政事情によって建設国債等の利用もしていただくというふうな格好で、全体としては別に変わるわけじゃないんですけれども、結果として一般財源がふえたような事情になっているわけでございます。
 いずれにしても、今先生のせっかくの御指摘もいただき、私ども一般財源の確保に積極的にやれという御指摘でございますので、今後もこの増額について努力をしていきたいと思っております。
#193
○国務大臣(越智伊平君) 今航空局長からお答えしたとおりでありますが、概算要求の時分にはシーリングでこういう要求になっておるわけであります。その後、景気対策とか公共事業の増加とかいうことで、実際に決まるときはそれ以上の決定をいたしております。
 いずれにしても、私ども運輸省としては真水の金をたくさんいただくことが一番なんであります。たびたび私言っておるのですが、全国的に道路の要求が非常に大きい。でございますから、道路をどんどんやっていただくのは結構でありますが、それと比例したような格好でやっぱり鉄道とか港湾とか空港、これも非常に要望が最近強い。でございますから、そういうふうに今後持っていきたい、こういうふうに思います。私どもせっかく努力をいたしたいと、かように思いますので、どうぞ皆さん方の御支援、御協力をいただきたい、かように思う次第であります。
#194
○直嶋正行君 私は、特に国際空港というのは国家としてのやっぱりそういった戦略だと思うんです。そういう意味で、私は実は最後に大臣の決意を伺ってきょう質問を終えようと思ったんですが、今決意も含めてあったようでございますので、ちょうど時間もよろしいようですから、再度大事な戦略だということを申し上げて、質問を終えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#195
○高崎裕子君 検事ら百人以上動員、七時間に及ぶ捜索、段ボール箱二百五十個積み込まれた。これはバス・タクシー事業の大手運輸業である国際興業が金丸氏のやみ献金問題で強制捜査を受けたときのことでございます。私は、これは運輸行政上、黙過できない事件であるというふうに思うわけです。佐川急便事件、そして今度は国際興業のやみ献金事件と次々と腐敗事件が明らかになってきています。
 そこで単刀直入にお伺いいたしますが、国際興業に対し運輸事業として交付金を出していますが、その実績はどのようになっていますか。
#196
○政府委員(土坂泰敏君) 国際興業に運輸事業振興助成交付金が出ておるわけでございますが、これは運輸省から出しておるものではございません。都道府県のバス協会から出ておるものでございまして、その額を申し上げますと、六十二年度が五百九十九万円、六十三年度が五百二十一万円、元年度が三百七十万円、二年度が九百二十二万円、三年度が六百八十万円でございまして、これらはいずれもバス停標識の整備等に充てられたものでございます。
#197
○高崎裕子君 そこで大臣にお尋ねいたしますが、今局長も言われましたが、バスの停留所の整備などのための補助金が地方公共団体からこの五年間で総額で見ますと三千万を超える金額が出されているということが明らかになったわけです。一方で、国際興業は金丸氏にやみ献金を出しているわけです。これは私は二重の意味で大変重大な問題だと、こういうふうに思うわけです。
 一つは、この交付金の原資はと見ますと、国民の税金なんです。その税金がやみ献金として流れているということが一つの問題です。それから二つ目は、金丸氏は日本バス協会の会長だと、そういうことなんです。
 交付金の支給の仕組みは、今説明もございましたが、都道府県からバス協会を通じて交付されるわけです。そのバス協会の会長が金丸氏だというわけで、つまり国際興業は、金丸氏が会長のバス協会から交付金をもらって、そして会長に献金を出している、キックバックがあるわけです。バス協会をトンネルにしてやみ献金が行われているという、そういう仕組みが私は浮き彫りになったというふうに思うわけです。
 大臣、これはあってはならないことだというふうに思うんです。許せない事態だと思いますが、おかしいと思いませんか。
#198
○国務大臣(越智伊平君) この仕組みはただいま政府委員からお答えしたとおりであります。
 今、司直の手でいろいろ取り調べをされておると思いますので、この結論について私が申し上げるわけにはいきません。しかしながら、余りいいことではないな、こういうふうに存じます。
 しかし、監督官庁である私の方としては、いろいろ経理内容等は運送法に基づくものでありまして、これが出てくるとそれを認めざるを得ないということでありますのでございますから、逃げるわけではございませんけれども、このことは直接運輸省がコメントをするというわけにはいきません。どういう仕組みでやられたのか、私の方は全くわからないことであります。
 いずれにしても、司直の手によって御判断をいただくようになるのではなかろうか、かように思う次第であります。
#199
○高崎裕子君 監督官庁である大臣として、これはやっぱりいいことではないというふうに最初に言われました。今このような重大問題が次から次から起こって、今度は国際興業ということで、この大もとは国民の税金から出ているという、そういう点で私は国民は大変厳しい目を注いでいると思うんです。ですから、今のような私が指摘したことについては、監督官庁としては司直の捜査の結果を待ってということではなくて、重大な関心を持ってこの問題については対応をぜひしていただきたいと思うわけです。
 具体的にこれからお尋ねしていきたいと思いますが、金丸氏の巨額な脱税事件として問われている時期ですけれども、これは六十二年度から元年度分にかけてということになっております。
 ところで、国際興業が貸し切りバスの免許を保有している地域はどこになりますか。
#200
○政府委員(土坂泰敏君) 国際興業の貸し切りバスは、事業区域といたしまして、東京都、埼玉県、神奈川県、大阪府及び兵庫県を事業区域としております。
#201
○高崎裕子君 これはそれぞれ全域ですね。
#202
○政府委員(土坂泰敏君) 全域でございます。
#203
○高崎裕子君 次に、金丸前副総裁がバス協会会長に就任されたのは四十九年五月二十八日に間違いありませんね。
#204
○政府委員(土坂泰敏君) そのとおりでございます。
#205
○高崎裕子君 そこで、四十九年当時の貸し切りバス免許の保有状況はどういうふうになっていますでしょうか。
#206
○政府委員(土坂泰敏君) 貸し切りバスの車両の保有状況、現況につきましては私どもすぐにわかるわけでございますが、四十九年といいますと何分今から二十年近く前でございますので、調査をしないとわかりません。
#207
○高崎裕子君 それでは、私、運輸省の自動車局が監修しております「全国旅客自動車 運送事業者要覧」というものを見ましたが、ここにちゃんと出ているわけです。
 そこは後でまた出していただきたいと思うんですけれども、金丸氏がバス協会の会長に就任した四十九年度の貸し切りバスの免許というのは、東京都は特別区だけなんです。それから埼玉県は和光市など二十二市三郡です。私これ地図に落としたんですけれども、(資料を示す)オレンジ色がその当時、そしてそれが全域に広がったということで、当時半分程度でした。それから神奈川は横浜市など十一市二郡で、これもちょうど地図に落としますとオレンジのところが四十九年当時で、グリーンのところが全域ですから、半分であったと。大阪、兵庫は全域だったということになっており、少なくとも五十九年度まではこの状態であったということなんです。しかし、六十二年度から埼玉県は全域に広がり、そして現在では東京は特別区だけじゃなく三多摩など全部になりました。神奈川も全域に広がり、すべて免許を持っているところは全域になったというのが事実なわけです。
 六十二年度以降というのがこれ非常に時期として重要なわけですけれども、つまり金丸氏へのやみ献金が行われた時期に免許が拡大をしているということが事実としてはっきり示されているわけです。私はこういう経緯を見ますと、運輸行政がゆがめられているのではないかと疑われても仕方がないというふうに思うわけです。
 この経過についてはぜひ運輸省として責任を持って調査していただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(越智伊平君) 今お話がございましたので、一度検討をしてみます。古いことでございますので、もう大臣も大分かわっておりますし、役所の方も大分、ほとんどかわっておりますので、資料等を見ていたしますが、一度検討してみます。
#209
○高崎裕子君 それは、その検討の結果をまたこの委員会で報告をしていただきたいと思います。
 それでは次に、高速バスの運行区間ごとの免許年月日とそれから免許の総キロ数、これはどうなっていますでしょうか。
#210
○政府委員(土坂泰敏君) 国際興業の高速バスは、東京―盛岡など九つの運行系統につきまして千八百二十六キロの免許を保有しております。ただ、推移につきましては現時点では把握をしておりません。
#211
○高崎裕子君 国際興業の高速バスの系統の推移については私既にきのう伺っておりますので、お答え願いたいと思います。
#212
○政府委員(土坂泰敏君) 今推移と言いましたのは、免許キロの延長がどういうふうに変わってきたかということを把握していないという意味で申し上げたんですが、先生にきのう申し上げましたのは、免許年月日ごとにどういう区間がふえていったかということを申し上げたわけでございます。それを御説明いたしますと、六十三年の六月に東京―盛岡、元年の二月に池袋―能代、元年の四月に大宮―成田、元年の七月に東京―八戸、元年の七月に大宮―生駒、元年の十月に大宮―阿倍野、元年の十一月に池袋―大船渡、二年の十二月に池袋―花巻、四年の九月に赤羽・大宮から鶴岡・酒田、こういうことでございます。
#213
○高崎裕子君 この高速バスの今お話しいただいたことで明らかになったのは、最初に高速バスとして免許を取ったのが東京駅から盛岡のバスセンターまでの五百四十五・六キロメートルで、六十三年六月二十三日ということなわけです。それ以降、今御説明がございましたけれども、元年に実に六区間ですね、そして二年に一区間、四年に一区間、こういうふうになっているわけです。この時期を見ますと、実にぴったりと金丸氏へのやみ献金があった時期に符合するわけです。それまでは全くなかった免許がこの時期に一気に九区間、一千八百キロの免許を保有するに至っているということなわけなんです。しかも、この運行区間というのは小佐野賢治氏の城下町というふうに言われている花巻温泉など岩手、秋田など東北がほとんどなわけです。
 大臣、そこでお伺いいたしますけれども、この点の事実経過についてもぜひ調査をしていただきたいと思うわけです。先ほど指摘もいたしましたけれども、貸し切りバスの急膨張とあわせましてやっぱりここでも運輸行政がゆがめられたという疑いがあるわけで、徹底した調査と、それから改善措置について運輸省として責任を持って指導すべきであるというふうに思うんですけれども、ここは大臣の決意も含めて御答弁いただきたいと思います。
#214
○政府委員(土坂泰敏君) 大臣から御説明を申し上げる前に事実関係だけ御説明をさせていただきたいと思いますが、高速バスは高速道路の整備に伴いまして急速に伸展をしてきたものでございます。したがいまして、今手元に高速バスの運行系統全体の推移がございますが、これによりますと、昭和六十年に二百四十九系統であったものが六十三年には四百七十八、元年には七百七十二、三年には千九十三ということで、日本全体で高速バスが六十年度以後急速に成長したという事実だけ申し上げたいと思います。
#215
○国務大臣(越智伊平君) 今御答弁申し上げましたように、高速バスでございますから、自動車高速道の整備に伴いまして認可しておるということでありますから、これが直接金丸さんに関係したのかしないのか、これ調べてもちょっとわからない、こう思うんです。私の方はその面について強制権もないし、とにかく高速自動車道ができれば有力な事業者に高速バスは認可をするということを前提にやっておりますから、一度検討はしてみますけれども、これは金丸さんの影響があったのかないのかといっても、私の方はそういうことわかりませんから、これはもしやるとしたら司直の手でやってもらわないと私どもではちょっとやりにくい、率直に言ってこういうふうな見解であります。
#216
○高崎裕子君 今大臣は検討をしてみますということですので、私はその答弁を非常に重いものというふうに受けとめます。司直の手でということではなくて、これ監督官庁ですから、もともと国際興業というのは、先ほど来お話ししていますように、もとをただせば国民の税金から、バス協会を経由していても交付金という形で受け取っているという、その中で今このやみ献金という問題が浮き彫りになっているわけです。今言いましたように、国民が運輸行政に対して厳しい目を向けているという中で、司直の手を待つということではなくて積極的にこのことについて、私は具体的な事実でお示しもしたわけです、運輸省の資料も含めてお示ししたわけですから、これについては調査をして運輸省として指導、改善をするという立場で御検討いただきたいというふうに思います。
#217
○国務大臣(越智伊平君) 先ほどもお答えいたしましたように、とにかく高速自動車道ができましたら、それに対してこの路線バスを認可するというのが運輸省の事務であります。
 そして、それが交付金でやみ献金したかどうかということについても、これは私の方では調べようがない。先ほど申し上げましたように、私の方は報告があればそれを信頼するより、強制的なそれの捜査をするという権限は運輸省にはございません。でございますから、これ調べるといってもなかなか私は率直に言って難しい、こう思うのでありますのでございますから、司直の手でおやりになるのならやっていただかないと、その中にどういう金が出たのかあるいは出なかったのか、どういう状況であったのかさっぱり、私の方でこれへ飛び込んで調査するということは不可能でありますので、そのように御了承をいただきたい、かように思う次第であります。
#218
○高崎裕子君 この国際興業が六十三年以降急速に高速バスとして発展をしているという点を私指摘したわけですから、ちょっとこのやりとりをしていると時間がありませんので、これは運輸省としてやっぱりきちっと指導、改善するための調査、先ほど検討ということも言われましたので、私はぜひやっていただきたいということを重ねて御要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 佐川グループのいわゆるトラックターミナルですけれども、これは全国で幾つありますでしょうか。
#219
○政府委員(土坂泰敏君) 佐川グループのトラックターミナルは、一般営業所、車庫などを含めまして八百九十一でございます。
#220
○高崎裕子君 佐川グループのトラックターミナルをめぐってはさまざまな法違反が指摘されてきました。文字どおり佐川グループ急成長の背景には、数々の法を無視し、政官の便宜があったればこそと言えるわけですけれども、きょう私が問題として指摘したいのは、佐川のトラックターミナルが一等地である高速道路のインターチェンジの至近距離にあるということが私どもの調査の中で明らかになりました。
 第一に、佐川は八百九十一カ所、今お話がありましたようにトラックターミナルがあるわけですが、この位置を全部私どもは地図に落として調査をしてみて驚いたわけですけれども、半分に当たる四百五十二カ所のトラックターミナルが高速インターの近くにあるということがわかりました。トラックターミナルが全国に急展開していったその背景に、政官の便宜が図られていなければこれはやっぱりできないものであるというふうに思うんです。同時に、法違反も見逃せないということで、わかっただけでも全国で都市計画法違反が十カ所、国土法違反が五カ所というふうになっております。
 私どもの調査では、富山で北陸自動車道小杉インターの隣接地に佐川側が営業所をつくりたい、こう希望して県とか町が都市計画法、農地法、土地改良法、森林法などの法的規制を次々と撤廃して佐川のために道路まで建設してあげている、佐川にとっては至れり尽くせり、だからそのお礼として六千万円の寄附を町に対して行っているということが明らかになりました。
 また、岩手の南部佐川の本社営業所のケースで見ますと、農地であるために農業振興地域の指定解除をしなければならない調整区域での開発のための許可など、県や役場などに便宜を図ってもらわなければならないわけです。これに佐川清氏が来てお礼の席を設けるなど、まあ猛烈な陳情攻勢を行っているということも明らかになりました。
 私も決算委員会で新潟の中条店、黒埼ターミナルの件を取り上げました。また、私どもの党で山梨の農地法違反の問題も取り上げ、これは農地法違反であるということが明らかになってもおります。
 そして第二に、私どもの調査の中で明らかになったのは、このように私どもまとめたわけですけれども、全国三十一道府県、百十カ所のターミナルについて土地の登記簿謄本をとって土地取得を調べてみました。
 一つは、これは実際に現地に行って調べたわけですけれども、札幌の北海道貨物本社営業所ですけれども、もうインターが決定される以前に土地を取得しているわけです。インターができることがわかっていなければ取得などはあり得ないということで、実際にインターは五百メートルしか離れていない目と鼻の先のところに本社があるということです。
 それからもう一つは、この百十カ所の土地のうち、実に五割が農地からの転用になっているわけです。これは松山佐川の濱田元社長が言われておりますが、佐川がなぜ政界工作をしたか、その最大の理由は土地だ、ターミナル用の土地取得、農地からの転用への便宜だと。佐川会長の言葉を引用してこうも言います。例えば坪十万の農地を買い、政治家に頼んでターミナル用に転用してもらうと地価がすぐに三倍、四倍にはね上がり簡単に数十億もうかる、政治家に数億使ったとしても十分採算がとれるのだ、佐川は土地を担保にすれば数千億の借金など何ということはない、こう述べているわけです。
 これも私どもの百十カ所の謄本の中で明らかになったことですけれども、たくさんあるんですが、二つ例に挙げてお話ししますと、福島佐川の白河営業所、これは農地だったんですけれども、農地のときには二百五十万程度の担保だったんです。これが佐川が取得してすぐ、極度額にして七千四百万が、その後数年の間に極度額六億六千万というところまで膨大な数に膨れ上がって、農地のときに比べると二百六十四倍という莫大な数字になるわけです。
 それから、岩手の南部佐川の花巻営業所で見ますと、これもやっぱり農地のときには百四十二万の担保でしたが、佐川が取得した時点で五千万円、そしてそれが数年の間に四億になるということで、農地のときに比べると二百八十一倍というとてつもない数字になっている。農地から宅地に転用して担保価値がどんと上がるわけです。それを担保に銀行から融資を受ける、そしてそれを資本にしてまた新たに土地を取得するなど進出して事業を拡大していくという、こういう構図が私どもの調査の中でもうはっきりと浮き彫りになったわけです。
 その中で、第三に明らかになったのは、こういう金融の支えがあったればこその急成長なんだということが明らかになったということなんです。百十カ所で何と合計しますと八百四十六億になるんです。実はこの百十カ所の中には東京、大阪の大都市は除外しています。それを入れるともう莫大な数字になることは、これははっきりしていると思うんです。私はこの中でも重要だと思うのは、そのうちの四十億が商工中金とか農林中金、中小企業金融公庫など政府系の金融機関があるという事実です。
 大臣にお尋ねいたします。私は、今、私どもの調査の中で具体的に例を挙げてお話しいたしました。こういうことがあったからこそ佐川の異常な急成長があったというふうに思うわけですけれども、今私が調査に基づいて指摘した事実、これは一部ですけれども、その全体像をお聞きになって大臣としてはどう受けとめられましたでしょうか。
#221
○国務大臣(越智伊平君) 先生いろいろ御調査をいただいておりますが、先ほどお話のございました、ある町なり村なりで自分のところを非常に活性化していこうということになりますと、寄附を受けて整備をするということもこれはあり得ることであります。自分の町村を発展さそう、活性化さそうということでありましたら、工場誘致でもそういうことをやりますから、その点は私はあり得る、かように思います。
 また、今お話しのことが農地法とか都市計画法でございますから、直接私の方で関係したことではありません。
 それから、今の担保価値のことでございますけれども、私も以前は小さい事業をやっておりましたが、一般的に土地を買うというのは、買ってそれを値上がりして売るということになりますとこれは問題もございますけれども、その価値が幾らになるということは、これは会計帳簿でも買った
ときの時点の価格でずっと持ち続けておるわけであります。確かに担保では上昇するかもわかりませんけれども、土地そのものは事業に使っておればこれは事業用資産でございますから、買ったときの時点のものであります。
 いずれにしましても、率直に申し上げて運輸行政上の問題ではなくてそのほかの問題でございますから、運輸省としては、別に逃げるわけではございませんけれども、私の方でそういうことを今調査することもできませんし、またそのことについてのコメントをするわけにもいかない、これが実情であります。私の方は運送法の中において違法があれば十分指導もするしそれなりの処置、取り締まりもいたしますけれども、運送法上の問題でないと、ほかの法律につきましては、よく今後も連絡はとりますけれども、私の方で、運輸省で処理するということにはならない、かように思っておる次第であります。
#222
○高崎裕子君 次に、建設省にお尋ねいたします。
 都市計画法で開発行為、つまり土地の区画・形質の変更というのは都道府県知事の開発許可が必要ということになっております。そこで、私どものこれも調査の中でおかしなことが発見されたんですけれども、北海道貨物の本社営業所、札幌市西区八軒にありますが、これ開発許可がないんです。五十六年に建物は建っているんですけれども、この土地はもともと農地で、建物が建つまではトウキビ畑になっていて、盛り土などしなければならない、とても使えない状況なわけです。ところが、この北海道貨物の本社営業所のすぐ隣に有限会社道交運送というのがあるんですが、五十九年に開発許可を受けて建物を建てているんです。全く同じ条件なのに、一方の北海道貨物は開発許可なしで建物を建て、一方は許可を受けているということで、この北海道貨物については明らかに都市計画法違反だと、その疑いがあるわけですからこれは調査をしていただきたいというふうに思います。
#223
○説明員(榊正剛君) 御指摘のように、有限会社道交運送は五十九年三月十九日に開発許可を取得しておりまして、当該地におきまして北海道貨物の本社営業所、車庫がございます。
 ただ、私どもの都市計画法の開発許可と申しますと、一度例えば、ここは市街化区域ということもございますけれども、道交運送なるものが開発許可を取得しまして、その用途が同じ用途であればそれは都市計画法違反にはならないということでございます。したがいまして、道交運送と同じ用途で北海道貨物がやっている分には全く問題はございません。
#224
○高崎裕子君 これは北海道貨物が先に建物を建てていて、そのときに開発許可を受けていない。その後、五十九年に道交運送が同じ条件なのにこれは開発許可をやっているという点で、今の御説明ではわかりませんので、もう時間ですので、これ調査をしてそして報告をしていただきたいと思います。いいですね。
#225
○説明員(榊正剛君) わかりました。調査をいたします。
#226
○高崎裕子君 終わります。
#227
○井上哲夫君 井上でございます。
 きょうは少し時間がたくさんいただけたので、ゆっくりお尋ねしたいと思います。
 冒頭大臣に、御通告は申し上げなかったんですが、たまたま先ほど泉委員の方から大臣に質問がありました、海の日の制定に関することについてお尋ねをいたしたいと思います。
 運輸行政に非常にお詳しい泉委員の御質問の後で素人の私がお尋ねをするんですが、三月十一日に私は海友婦人会という御婦人を伴って大臣に、貴重な時間、海の日の制定のお願いに上がりまして、その際にも大臣から何とか早く海の日が制定されるように努力をしたいという大変前向きのお答えをいただいております。それは厚くお礼を申し上げます。
 実は、海の資源の恵みを受けている、あるいは海洋の環境保全という最近では非常にそういう問題意識が出てきているわけで、国民の祝日にみどりの日だけでなくて海の日を早くつくっていただくというのは意義深いわけでありますが、本当に意義深いのかとさらに突っ込んで考えてみますと、なかなか多くの方にまだ理解が行き届いていないんではないか、実は少し心配をしております。
 ところで、今月に入りまして、一番最初出たのはたしか四月二日の毎日新聞の夕刊だったと思いますが、旧ソ連海軍の原子力潜水艦の原子炉を捨てた、日本海の海の底に二基あるいは北極海の近辺に十六基捨てたと、非常にショッキングな新聞報道がありました。たしか六日には、通産省が現在のロシアに、こういう海洋投棄いわゆる放射能の原子炉なりあるいは放射能性の廃棄物を海に捨てるのはやめられたいと強く中止要請を出したということですが、その直後の新聞には、ロシアは投棄はやめるつもりはない、今後も続けていくというようなことを語ったというまた新聞報道が出ました。
 私も勉強不足なんですが、何かロンドン条約というふうに略称される条約では、海の底四千メートル以上の深いところでは低レベルの放射能性の廃棄物を捨ててもやむを得ないというか、安全性上心配はないというふうなことになっていると、これは確かめたわけじゃないんですが、なっているというふうに聞いております。
 この際、こういうふうなショッキングな記事も出たということは、海がきれいでないと人間、私どもの今も本当は危なくなるんだ。あるいはそれは、今政治的に混迷をきわめておるロシアが、今後日本のこういう海洋に放射性濃度の高いもの、危険きわまりないものを捨てるのをやめてくれと言ってもすぐさま実現するかどうかは問題ですが、日本の国民が、やっぱり海というのは非常に大事なことでこれ以上捨てておけない。そうだとすれば、恵みを受けるという側面だけじゃなくて海の環境をよくするということが国民的な大きな願いであるというふうな啓蒙啓発を考えますと、先ほどの泉委員の質問に対しての大臣の御答弁、もう一度私も聞かせていただきたい。
 どこまで頑張ってこの海の日の制定を早く実現させていただけるかどうか、御通告をしませんでしたがお願いを申し上げます。
#228
○国務大臣(越智伊平君) 海の日の制定につきましては、皆さん大変御協力をいただいております。感謝をいたしておる次第であります。できるだけ早くやりたい、こう思いまして、地方公共団体とかあるいは各団体等にお願いもし、いろいろ各種団体も御協力をいただいておるというのがただいまの状況でございます。
 ただ、七月二十日を海の日に制定してもらいたい、こういうことでいろいろやっておりますが、率直に言って他にも休日にしてくれというところがございまして、なかなかその点でどうであろうかという心配をしておりますが、これは結局は地方公共団体あるいは国民が理解をし支持をしてくれる、このことが一番大事だと、かように思っておりますのでございますから、鋭意努力をしてまいりたいと、かように思う次第であります。
 それから、ソ連の廃棄物の日本海ないしオホーツク海に投棄した問題につきましては、政府として非常に憂慮しておるところであります。実はあすの閣議でこの本部長をしております科学技術庁長官が発言をし、私の方もこの委員にもなっておりますが、海上保安庁あるいは気象庁、委員になっておりますが、ともどもに協力してこういうことをやってもらわないように、また今後の調査を進めていく、こういうことで、以前も話がございましたが、あすは公式に閣議で発言をし、私もお願いをして皆さんの御協力をいただいて、こういうことがないように、でき得れば今後少なくも日本海に投棄と、どこもそうでございますが、非常に危険だと思いますのでそういうことに努力をしていきたい、こういう考え方であります。
#229
○井上哲夫君 ありがとうございました。
 日本の国民が海を貴重な財産と受けとめているということを考えますれば、強く抗議をすること
は当然でございますが、さらに努力をして強い政治力で記念日の制定にも御努力をお願いしたい。
 次に、先回の委員会でもお尋ねをしたんですが、もう一回、時間の都合もありましたのできょう、この間の大阪地裁のタクシー運賃をめぐる判決に関連してお尋ねをいたしたいと思います。この問題はきょう、委員がたくさんお尋ねになりましたし、泉委員がまた大臣にも御質問をされました。
 まず私は、この三月に出た大阪地裁の判決で、同一地域における同一運賃を絶対のものというふうにする必要はないということを裁判所は言っておりまして、そこから国が敗訴をしたというふうになるかならないか。暴論だという説がありますからそれはさておきまして、実際に今日本の国内でタクシーの運賃について運輸省が考えてみえる通達の趣旨に沿った同一地域における同一運賃を守らないというか、そういうタクシーの数なり業者なりどのぐらいあるんでしょうか。
#230
○政府委員(土坂泰敏君) 同一地域同一運賃によらない別の運賃を設定している例でございますが、全国で三つございまして、一つは石川県の七尾市でございますが、これは八両でございます。もう一つは兵庫県の三原でございまして、これは三両、それからもう一つは徳島でございまして、これは八両、こういった数の車がほかの車と違う運賃をとっておる、こういう状況でございます。
#231
○井上哲夫君 現時点ではそういう状況であると。例えば、昔、京都のMKタクシーグループが安い料金にしたいから安い料金に変える運賃の免許、許可をいただきたいと、これに対してだめだということで端を発したときには、そういう非常に微小な、大きな拡大鏡で見ないとわからないぐらいの、守らない業者があるというふうではなかったかと思うんです。
 例えば、京都のその裁判に関する資料になったところを見ますと、地域によってはかなりいわゆるシェアの高いものも同一地域同一運賃を守らないタクシーの業者があった。あるいは、今回大阪で判決になった三菱グループの場合でも、同じブロックで三・六%ぐらいのシェアですか、そういう車が実は安い料金で走っていたと。
 この同一地域同一運賃という原則の根拠になっているのは、道路運送法じゃなくて、運輸省のいわゆる通達である。通達であるということは、実はその通達に関して、MKタクシーの判決、さらに今回の三菱グループのタクシーの判決で裁判所はこの通達の原則に疑問を投げかけたことは事実だと思うんです。
 この前、私は控訴理由についてお尋ねをしました。その控訴理由で、実際には今回の大阪地裁の判決は事実誤認があるから控訴をしたということと、本来運賃を決めるのは役所の専権事項で裁判所が関与する問題ではないという、行政行為の自由裁量行為だと、こういう二つの理由で控訴されたんではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
#232
○政府委員(土坂泰敏君) 判決で国に出された命令は、三月二十九日に出た申請を四月三十日に受理した点、これがもっと早く四月の初めに受理すべきであった、そこに一カ月遅いという点があるということと、それから七月十九日に一連の手続が終わった後に、九月十二日に処分をいたしておりますが、これをもっと早く八月の初めにやるべきであった、そこでやはり一カ月遅い。したがって、合計二カ月分について遅延があったので、その分の得べかりし利益について賠償を命ずるということでございます。
 私どもが控訴をいたしましたのは、申請があってから受理をするまで、あるいは手続が終わってから処分をするまで、これについては法令上明確にいつまでに処分をしなさいということが決まっておるわけではございません。その意味でこれは行政の裁量行為に属することであるというふうに私どもは思います。しかしながら判決では、これがおくれたことがすなわち違法であるということで賠償を命ぜられましたので、この点については問題があると考えて控訴をいたしました。
#233
○井上哲夫君 それは形式的にそういう説明ができるだけだと私は理解しております。その判決の内容についての解釈についてここで論争はしませんが。
 実は適正運賃について、MKタクシーについても三菱タクシーについても裁判所はどう言っているかといえば、適正運賃を決めることが役所の専権事項だとは必ずしも言えない、裁判所でも決めることはできますと。役所が自由に、勝手にという言葉を使うとまた語弊がありますが、自由に決めることができるだけで、ほかのところが関与、介入はすべきものではないという見解は、もはや司法界においても学界においてもとられていないと私は思うんです。
 したがって、この同一地域同一運賃の原則を、通達の趣旨をこれからどういうふうに運輸省は持ち続けていかれるのか、だかえていかれるのか。もちろん、運政審の答申が六月に出るということですので、それを待ってさらにお考えを固められるということになろうかと思いますが、現時点ではいかがですか。
#234
○政府委員(土坂泰敏君) 運輸省は、申請に基づきまして、道路運送法を根拠に運賃の認可をするという立場にございます。認可に際しましては、認可基準が法律で定められておりますが、それの具体的な運用の方針として従来同一地域同一運賃の方針をとってまいりました。
 この理由は、いろいろなところで申し上げましたけれども、タクシーが急ぐときに利用されるものである。限られた時間の中で自分の希望する運賃が選べるかどうかわからない。そこが偶然に左右されているいろ問題が起きても困る。そういうことでこういう方針をとってまいったことでありまして、そのこと自体には理由があるし、同一運賃がまた悪いことであるとも私どもは思っておりません。
 ただ、行革審で、これからの国民生活の多様化というようなことも考えながら運賃料金の多様化をタクシーについて進めるように、こういう御指摘がありました。したがいまして、私どもはそれを真剣に受けとめまして、これから運賃料金の多様化について考えていかなければいけないと思っております。
 ただ、その具体的なやり方につきましては、今先生も仰せになりましたように、運政審で今御議論いただいておりますので、中身をどうこうということは申し上げるべきことではないと思いますが、基本的には今申し上げましたように同一運賃が悪いとは思いません。ただ、やはり多様化も同時に考えていくべきだと。そこをどうするかについて今後十分議論を尽くして、いい御指針を示していただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#235
○井上哲夫君 そこで、一つのこれは考えでしょうが、例えばバスとか電車、地下鉄は回数券による割引があるんです。学生割引とか身体障害者の方に対する特別割引とか、そういうものはあるわけですが、回数券による現実の割引というのは、例えばタクシーで、ある業者が考えついてやろうとした場合に、お伺いを運輸省に立てた場合どうなるんでしょうか。
#236
○政府委員(土坂泰敏君) ちょっと念のためにもう一言申し上げたいんですが、タクシーの運賃は諸外国においてもすべて同一運賃になっております。
 それから、今の点でございますが、タクシーの運賃は、いろんな方が御利用なさいますので、やはり定額で明確に決める必要がありますし、その料金の収受はメーターできちんと示した数字を受け渡しするということが必要であろうと思っております。そういう意味で運賃の額が決まっておるわけでございます。これを何がしかの格好で割り引くあるいは割り増しをするときもございますが、そういう場合にはやはり基本になる運賃を変えることでございますから、認可が必要になると思います。
#237
○井上哲夫君 尋ねるばかりではフェアではないと思いますので、私の考えも申し上げます。今私
が手元に持っているので見ますと、あるバスでは回数券で五千円の分で五千八百五十円乗れる回数券を出しているところがあるんです。聞いてみますと、これだけ割引があるとバスの定期に基づく割引よりも回数券の方が実質的に得だと、土曜、日曜は使いませんから、そういうことで非常にこの回数券が人気を博している。あるいは、通常あるのは千円分の料金で千百円の回数券。
 私はこの同一地域における同一運賃の原則は、原則としては間違っていないと思うんですが、ある意味では幅を持たせるべきではないか。例えば、四百八十円のタクシーがくまなく指定ブロック地域で走らなきゃいかぬという、そういう必然性も少し考えてみたらおかしい。四百五十円から五百円の間の勝手な料金で走り回るのは、それもいいかもわからぬ。例えば、タクシーを求めて道路に立っていたら、一人なので小型が来てほしいと思っても、中型が来たらじゃ避けるか。中型に乗る人もおるわけですし、必ずしも機会は均一でなきゃならぬということはない。そうすると、今の割り増し乗車券といいますか、そういうサービスも一定の範囲の中では容認することもこれはいいんではないか。私はそういうふうに思っておるわけでございますが、運政審の答申を待って運輸省の方もお考えになるということなので、もう一つだけタクシーの問題で質問をいたします。
 個人タクシーの免許の件でお尋ねをいたします。個人タクシーさんの場合には、聞くところによると、消費税について言えば例の免税点をオーバーする方は少なかろうというふうなことで、それでも消費税は取られていると、市民の声はあるわけです。それはさておきまして、個人タクシーの免許を持って仕事をしたいと思う人の中になかなか免許を取れない、枠が決まっておるというふうなことで免許が取れない。あるいは個人タクシーの免許の場合には、年齢が三十五歳以上で無事故無違反の優秀ドライバーである証明が十年ですか、そういうふうな規制があって取りにくいと。一般にタクシーの乗務員というのは高齢化が進んでおって、二十代、三十代から、自分は一生タクシーの運転手をして立派な仕事だからこの仕事の中で磨きをかけて男の仕事としてやるんだと、男の仕事というのはちょっと語弊がありますので撤回いたしますが、そういう点から見ると、若い乗務員がたくさん進出することが望ましいわけです、サービスの向上のためにも。
 したがって、例えば個人タクシーと言われる営業免許についてどのように考えてこれから対処すべきなのか、その点はいかがでしょうか。
#238
○政府委員(土坂泰敏君) 個人タクシーは昭和三十四年に発足をしたものでございます。発足をしましたときの考え方は、それまでは法人タクシーだけであったわけですが、やはり運転手に今おっしゃったような夢と希望を与えるということ、それからタクシー業界に新しい風を吹き込む、そういう二つの意味で三十四年に発足をいたしました。その後、四十二年に一万台になりました。四十六年に二万台になりました。五十年には四万台になりました。非常に急速に増加をいたしたわけでございます。
 やはり今申し上げたような趣旨でスタートした制度でございますから、厳選をしたわけでございます。三十五歳以上であるとか無事故でなければいけないとかいうようないろんな要件で厳選をしたわけですが、やはり急速に成長する過程で玉石混交ということを言われるようになりました。それからまた個人タクシーというのが、運行や経営というのを結局個人タクシーの場合は自己管理でやることになります。そのためにやはり輸送力としての安定性に欠ける、あるいはサービス面の問題も生じやすい。それから最近では、八十過ぎの方も運転をなさるということで非常に高齢化というようなことも問題として言われるようになっております。
 したがいまして、いろいろ問題を抱えておるわけでございますが、やはり個人タクシーが出てきた経緯というようなことを考えますと、法人タクシーへのいい意味での刺激、それからタクシーの運転者の将来の処遇、いろんな意味で個人タクシーというのは健全に育っていただかなければいけないというふうに考えます。
 そのためには、やはり今抱えている問題のうち是正すべき点は是正をしながら発展をしていただかなければいけない、そういうふうに考えております。具体的にはそうすると、じゃ今の免許の際の審査方法であるとか、あるいは高齢化対策であるとか、そういったようなことについて少し、少しというか、この際抜本的に検討しなければいけない。また、なお恐縮でございますが、そういったことも含めて今御議論をいただいておる、こういう状況でございます。
#239
○井上哲夫君 あと二分しかありませんので、最後に大臣にもう一度お尋ねをしたいと思うんです。先ほど泉委員の質問でお答えになっておりますので、くどくどと質問は申し上げませんが、許認可が余りにも多過ぎるとか、あるいは許認可にまつわる透明性がいま一つ不足をしているというふうなことをよく言われるわけであります。現実に、例えば今私が質問しているタクシーに関する許認可を見ても、どうも最近は裁判所の分野で争われると運輸省の方が分が悪いのが出始めてきたというふうな時勢になっております。今後運輸省の許認可の問題に関して、大臣の方から先ほど、安全性を重視すると全く野放し、手放しにするわけにはいかないと。それはそれでわかりますけれども、しかし安全性を重視して、今度は競争性なり対等性なりが薄らいでくればこれも大変なことだし、その許認可の問題についてどういうふうに思われるか、透明性も含めて所見を伺いたいと思います。
#240
○国務大臣(越智伊平君) 先ほど泉委員にもお答えいたしましたが、許認可の問題、十分検討をしてまいりたいと思います。
 今の御指摘にありましたタクシーの問題でありますが、私はやはりタクシーの同一地域同一料金が望ましい、適正な価格でそのことが望ましい、かように思います。それは一つは、やはり運転手さんの勤務問題、これも過重労働にならないように、しかも待遇もしかるべき待遇をしていく、こういうことでいきたい、こういうふうに思います。
 さて、その料金の問題ですが、大方の方が値上げなら値上げの申請をいたしまして、それが適正な場合にはやっぱり許可をしていく。しかしながら何人かの方が、もうこれは今のままでやるよ、値上げをしてもらわなくてもいい、こういうことで、一応組合なりいろいろなところでお勧めはするでしょうけれども、ちょっと変わった人も世の中にはおりますので、そういう方はそのままおいてあげていいんじゃないか、私はこういうふうに思っております。
 それから許認可に関連いたしましては、今も自動車局長がお答えいたしましたように、タクシーにいたしましても、あるいは貨物にいたしましても、やはり業としてやる人は運行管理者も置きますし、そういう指導監督も十分してもらう、こういう姿でないといけない、こういうふうに思います。そういう面において、今の制度そのものが私は悪いと、こういうふうには思っておりませんので、透明性を保ちつつ、自由競争の場合にはサービス面で、サービスといいましても料金のサービスでなしに心のサービス、真心のサービスで走っていただく、こういうことであろう、こういうふうに思います。
 さて、今もお話しございましたが、個人タクシーの問題でございますけれども、そうした運行管理者なりそういう人がいない。すべてのことを自分がやるということでございますから、これは今までに交通事故も起こさないし、非常にまじめな方、しかも地図とかその他の問題も十分熟知した人にこの個人タクシーの免許を与える、こういうことがいいんじゃなかろうか。
 さて、先ほどもお話がございました、それでは八十歳以上の方にどうするかということでございますけれども、個人差がございますからなかなか難しいんですけれども、これは初めから何歳かの
頭打ちはやっておった方がよかったんじゃなかろうか、こういうふうに率直に思います。それが七十五歳がいいのか七十歳がいいのか八十歳がいいのかは別といたしまして、いつまでも、八十過ぎても個人タクシーをやっておる、こういうことはいかがなものかと、こういうふうに私率直に思っております。
 いずれにいたしましても、許認可の問題、国民に疑惑を受けないように透明性を保ちながら努力していきたい、かように思いますので、ひとつ御協力のほどをお願い申し上げておきたいと思います。
#241
○井上哲夫君 終わります。
#242
○下村泰君 まず、大臣にお伺いしたいんですけれども、とにかく乗り物というのは大勢の方が利用いたします。あらゆる形の方が利用なさいます。したがいまして、健常者ばかりではございません。障害者の方もいらっしゃいましょうし、難病の方もいらっしゃいましょうし、高齢者の方もいらっしゃる。あるいは妊産婦の方もいらっしゃる。そういったお客さんに対する、殊に福祉という面から見て大臣はどういうふうにまずお考えでございますか、それをひとつ聞かしてください。
#243
○国務大臣(越智伊平君) 今お話がございましたが、身体障害者とかあるいは高齢者の方々、また妊産婦の方々、こういう方々に優しい交通機関でありたい、こういうふうに思います。したがいまして、鉄道でいえば駅とか、あるいはいつも言われておりますようにエレベーターとかエスカレーターとか、こういうこと、あるいは駅の出入り口も車いすで十分入れるように段差が少ないような、こういうことで、いわゆる弱者に優しい交通機関でありたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#244
○下村泰君 これは大臣の今のお答えを聞いていると、もう本当にすばらしいなと思うんです、JRは、国鉄は。ところが、全然違うんです、大臣の言っていることと。ここのところが非常に悲しくなってくるんですがね。一つ一つちょっと事例を挙げてお尋ねしたいと思います。
 電動車いすを使用する東大阪市東鴻池町の宮崎茂さんという方がいらっしゃるんです。この方が一月二十六日にJR西日本の電車を利用した際、介護した駅員らにホーム上で車いすをけられたり差別的な暴言を受けたとして、大阪弁護士会に人権救済を申し立てた。宮崎さんは、何度も抗議したが改めてもらえない。JR西日本は、事実関係を調査中だが誠意ある対応をしたいという、こういうふうなお答えなんです。電動車いすは八十キロで、乗っている人が六十キロ。大変なことは大変なんです、これは。そのたびに駅員の方がお手伝いをしてくださる。しかしながら、昔の言葉で言うと、仏の顔も二度、三度で、毎回重なるとそれは何か言いたくなるとは思います。思いますけれども、電動車をけ飛ばしたり暴言を吐くということは、どうも余りいい言葉じゃないと思うんです、対応の仕方が。
 例えばこういった方たち、この重さですね、これを何とか受け入れてこそいわゆる生活大国、福祉日本と言えるんじゃないかと思うんです。ですから、そうなると、いわゆる何といいますか、駅にエレベーターがなきゃいけないんだというところへ話が行くわけなんです。この方は途中二回も乗りかえながら作業所に通っていらっしゃるわけなんです。こういうことというのはもう毎回のことで、いつも私は申し上げておるんですけれども、枚挙にいとまがないんです、こういうことは。
 日本全国にある駅の数というのは大体六千ぐらいと承っておりますが、間違いないでしょうか。
#245
○政府委員(秦野裕君) 今ちょっと手元に正確な数字ございませんが、大体その程度だと思います。
#246
○下村泰君 平成三年度末現在で、エレベーターの設置が二百七十三駅にすぎないんですね。昭和五十七年が八十二カ所。ですから、およそれ年間で百九十一カ所ふえたわけなんです。これ年間二十二カ所ぐらい、二十一カ所から二十二カ所ぐらいしかふえてないんです。それで厚生白書、その間にエレベーターの設置が三・三三倍になったと言うんですけれども、これ見ますと、厚生白書ですけれども、昭和五十七年度末に八十二カ所だったんです。それが平成三年度末で二百七十三。これで三・三三倍とおっしゃっているんですが、この計算でいきますと、仮に千カ所に必要として、このペースでいくと残り七百三十カ所、これから三十五、六年かかる計算になるんです。そんなことをしていたんでは、とてもじゃないけれども、こういった方々の御要望にこたえることはできないと、こういうことになるんです。
 この宮崎茂さんという方が弁護士会に人権の問題として訴えたということなんですけれども、この訴えたという意味をどういうふうに大臣はお感じになりますか、お聞かせください。
#247
○国務大臣(越智伊平君) 事実関係を存じておりませんのでちょっと申し上げるのが難しいと思いますが、このとおりであるとすれば、やっぱりこの駅員の素質の問題だ、こういうふうに思いますので、やっぱり身体障害者とかそういう方には親切に行うべきだ、真心からサービスを行うべきだ、こういうふうに思います。
#248
○下村泰君 先ほど大臣は心のサービスとおっしゃいました。これが大切なんですよね。
 この方はこういう「要望書」をJR西日本に出しているんですけれども、
 私達が、一個の人間として、当たり前のように、社会のなかで暮らしていくためには、さまざまな障壁を取りのぞかなければなりません。
 ただ、階段を通過できないというだけで、人権を侵害されているとしたら、やはり、問題が残るのではないでしょうか。
 私達が、日常生活をしていくうえで、公共交通機関のしめる割合は、計り知れないものとなっております。
 もし、交通機関の利用が出来なくなれば、たちまち、私達の生活に支障をきたすことになり、暮らしにかかわる死活問題に発展しかねる様相は、
 避けてとおることは出来なくなるでしょう。こういう「要望書」を出しています。
 運輸当局としてはこれはもう耳にたこなほど私はこの問題を聞かされていることと思います。ところが、残念なことに今までの日本の社会というのは健常者を対象にしてでき上がっていますから、例えば駅の階段にしても何にしても上りおりできないやつは電車に乗るな、あるいはバスにも乗るな、こういう態度なんですね、今までのあり方が。そういう人たちを最初から対象にして考えていればこういうことは起きないわけで、今アメリカではこんなことがあったらADAにすぐ触れるわけですからね、あの法律に。日本はそういう点は非常に足りないと思います。
 これからますますこういうことがふえてくると思います。障害者はもう外へ出るな、おまえらは家の中におりゃいいんだ、世間へ出てくるな、煩わしいからと、こういう感覚なら話は別です。しかし、そうでなくして、そういう人をどんどん受け入れるような社会をつくっていかなきゃならないんじゃないかと思います。
 もしこのエレベーターの問題でも、民間企業ができないというならば、やれるように行政の指導をするべきでしょうし、もしその施策があるとするならば徹底してやらなきゃならないと思いますけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。
#249
○国務大臣(越智伊平君) お説のとおりであります。やはり身体障害者が社会に参加をするということは非常に大事でありますのでございますから、参加ができやすいように国民が進めていく、このことが大事だと、かように思います。したがいまして、駅員とかあるいは車掌さんとかこういう方々にできるだけこういうことを徹底するように指導してまいりたい、かように思う次第であります。
#250
○下村泰君 ありがとうございます。
 これ以降、この駅員さんも口もきかなくなってしまったといって大変この宮崎さんという人は寂
しがっておるんですけれども、宮崎さんの感覚としては駅員を責めようなんて思ってないんです。つまり、そういう環境が問題だ、そういうふうに問題が生まれてくる、起きてくる環境が問題だ、こういうふうに宮崎さん自身は言っております。
 一つここで教えていただきたいんですが、現在JRの阪和線の連続立体交差事業というのが行われているようなんですが、当然これはエレベーターは設置されるんでしょうか。
#251
○政府委員(秦野裕君) 阪和線の連続立体交差事業につきましては、いわゆるJRではございませんで旧国鉄のころ、昭和五十九年に地元との間で工事協定が締結されまして、事業が既に開始されたものでございます。したがいまして、その当時は現在と違いまして、五十八年に策定いたしましたいわゆる「施設整備ガイドライン」に沿って計画を策定しておりますために、現在の計画では身体障害者も使用可能なエスカレーターが設置されるという計画で事業が進んでおるというのが実態でございます。
 ただ、エレベーターにつきましては、その後、地元の大阪市の方から設置の要望が出されてまいっておりまして、現在エレベーターへの計画の変更あるいはその費用負担、そのあたりをどういうふうにするかということについてJR西日本と市の方と協議をしております。私どもとしましては西日本に対しまして、誠意を持って協議をするようにということで指導をしておるというのが現在の状況でございます。
#252
○下村泰君 このかいわい、私もここに実はこういうこの計画書の地図をもらってあるんですけれども、この沿線には随分施設その他があるんです。阿倍野区には老人福祉センター、東住吉区には老人福祉センターがあって、身体障害者長居スポーツセンター、浅香障害者会館、点字図書館、早川福祉会館、盲聾唖児の施設、それから肢体不自由児の施設とか、東住吉区役所とか、とにかく障害者の方々が利用しなきゃならない施設がたくさんあるわけです。
 こういうのがもし、今申し上げましたように、そういうエレベーターなりエスカレーター、エスカレーターにしても電動車いすが動くような、乗れるようなものでないと困るわけですね、あるいは松葉づえとか。そういった形の方々が利用できるエスカレーターならようございますけれども、先ほど申し上げましたように、ただ健常者が利用できるエスカレーターではこれも困りますね。完璧にそういった方々が利用できるエスカレーターでないと困る。だけれども、果たしてそういったことがきちんと仕組まれているのかどうか、それはもう確認されていらっしゃいますか。
#253
○政府委員(秦野裕君) 私どもが聞いておりますところでは、身体障害者の方に対応できるエスカレーターで計画しておるというふうに聞いております。それと阪和線、現在の線を生かしたままで実は高架化の事業をやっておるものでございますから、ホームの幅が非常に狭うございます。したがって、エレベーターをつけるということになりますと、エスカレーターの方が今度はつかなくなるという可能性もなきにしもあらずということでございますので、その辺が技術的に果たしてどの程度のことができるかということも含めて、現在御相談をしている最中というふうに聞いております。
#254
○下村泰君 私らの希望としては、とにかくもうエレベーターなら一番いいんですよ。これだったらもう文句はないんです。ですから、もしエスカレーターの方が高くついてエレベーターの方が安いんだったら、エレベーターをどんどんつけた方がいいというふうな私らの意見になりますけれども、どうぞひとつそういうふうな方向でやっていただけるように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#255
○政府委員(秦野裕君) 御指摘の点を含めましてJRの方と相談したいと思います。
#256
○下村泰君 次は盲導犬の対応についてちょっとお伺いしますけれども、ことしの一月二十七日、先ほどの宮崎君の話は一月二十六日、くしくもこれは二十七日なんですけれども、こういうことがあったんです。
 障害者支援のチャリティー・コンサート出演などのため、盲導犬と共に各地を演奏旅行している全盲のビオラ奏者で東京芸大大学院生の菊地崇さんが昨年末、静岡県・JR浜松駅前にある一流ホテルで「客室が汚れる」などと盲導犬と一緒の宿泊を拒否され、ショックを受けている。
 菊地さんらの話によると、昨年十二月二十五、二十六日に同市などで開かれた演奏会出演のため、同月中旬、ラブラドル・レトリバー種の盲導犬、「ブラウン号」(オス五歳)と一緒の宿泊を、電話で申し込んだ。ところが、応対に出た従業員は「前例がない。動物は部屋に通せない」の一点張り。「訓練されているので迷惑はかけない」という説明も受け入れられず、菊地さんは浜松市から約七〇キロ離れた焼津市内の友人宅に泊
 まった
 こういう記事なんです。
 運輸省はあれでしょう、恐らく運輸省の指定の旅館とかその他ホテルにはそういうことのないようにという指導はなさっていらっしゃると承っておりますが、どうですか。
#257
○政府委員(大塚秀夫君) 私どもが所管しております登録ホテル、登録旅館に対しては、盲導犬を受け入れるように指導通達を出しているところでございます。
#258
○下村泰君 ところが、通達はされているんですけれども、実際に現場の方がこれの受けとめ方がどうもどこかあいまいなんですが、それはどうなんでしょう。
#259
○政府委員(大塚秀夫君) 指導の結果、盲導犬を受け入れるというホテル、旅館がふえていることは事実でございます。ただ、ホテルは八割程度が受け入れているという回答をしておりますが、登録旅館につきましては、畳を使用しているというような事情なのか、まだ三分の一にも達していないということで、私ども今後も指導していかなければならないと考えております。
#260
○下村泰君 この方たちは、盲導犬というのはペットじゃないんだ、私たちの目なんだと言っているんです。それはそれなりに盲導犬というのは訓練されているわけなんです。ですから、もう少し何といいましょうか、徹底指導というんでしょうか、出先の方にもう少し、一番最先端のホテル、旅館等に指導が徹底できないものなのかどうなのか、ここのところをひとつ。
#261
○政府委員(大塚秀夫君) 私も大好きでこの問題に関心を持っておりますが、訓練されたラブラドル・レトリバーというのが大変従順で一般の人に迷惑をかけないというのは十分理解しております。したがいまして、ホテル、旅館等について、もし設備的に受け入れが難しい部屋があったら、その旅館全体でいかに受け入れるかというような対策も考えるべきだということで、今後ともその対応を検討していくように指導を続けたいと考えております。
#262
○下村泰君 もう一つ、長距離バスに乗れなかったというお話もあるんです。徳島―東京間を運行する高速長距離夜行バスに乗るために、スポーツ大会に出席するために盲導犬と一緒に乗ろうとした鳴門市にお住まいのマッサージ師で樫原♯さんとおっしゃる方なんですけれども、この方断られているんです。「十時間四十分の長時間夜行運行のため盲導犬を断った」、こう出ておるんです。ところが、実際に盲導犬を訓練している方によると、十三時間以上平気なんだそうです。そういうふうなことを説明しても向こうが受け付けてくれなかった。
 私は、これ見たら、
 運輸省は昭和五十三、六十一年に日本バス協会長あてに「盲導犬を連れた盲人の乗り合いバス乗車について」の局長通達を出し、盲導犬を連れてのバス利用に道を開いてきた。当時はまだ長距離バスが全国的に普及していなかったが、同省旅客課では「長距離バスも乗り合いバスであり、盲導犬の利用を断るべきではない」
 と話している。
 これだけきちんとしたあれが出ているのにもかかわらず何でこういうことが起きたのか、私は不思議でしょうがないんですが、どうお思いになりますか。
#263
○政府委員(大塚秀夫君) バスの場合は、ホテル、旅館と異なりまして、道路運送法により運送引受義務が課されておりますので、盲導犬を連れた視覚障害者の方々の乗車を拒否してはならないことになっております。したがって、このようなケースが再発しないように指導を徹底したいと考えております。
#264
○下村泰君 それは中には盲導犬でも、お犬様ですから完璧というわけにいかぬでしょう。粗相をする犬もいましょう。それから、いろいろと間違いはあると思います。そういう場合は断られてもしょうがないと思いますけれどもね。
 それで、私も実は盲導犬の専門家じゃありませんので聞いてみたんです。アイメイト協会という、日本全国で八カ所の訓練施設があるんですが、その施設の方に、アイメイト協会の方に伺ったんです。そうしますと、盲導犬というのは例えば排せつしたいときには犬の方から寄ってくる、何かの表情をする犬もいるんだそうです。それから、これを利用されている方が犬を連れてホテルに入る場合に、あらかじめまずどこで排せつしていいか聞くんだそうです、お尋ねする。そうすると、例えば駐車場の隅でもようございますよとか、後でふんさえちゃんと片づけてくれればようございますよとか、あるいはこういう場所でようございますよと説明されたら、そこへ連れていくんですってね。食事を何時にとれば大体何時ごろ排せつがされるというのがわかっていらっしゃる。犬好きの方ならわかるんです。
 わかっているからそのときにその犬を連れていって――その方の体の回りを回るんですってね。全部これ英語なんだそうです。ワンツー、ワンツーと言うんですって。犬だからワンということはないでしょうけれども。それで、ワンと言ったら小なんだそうです。ツーの方が大なんです。ワンツー、ワンツーと言っているときに、このアイメイト協会で指導されている盲導犬は必ず左足へ来るんですって。それで、左足のところにワンツー、ワンツーでぐるぐる回っていて、尿意を催す、あるいは便意を催すと、この犬が左側に座るんだそうですよ。それで、前足を立てて後ろ足を折った場合一ちょうどビクターの犬、考えている犬もありますけれども、ああいうふうになっているわけです。そういうときには、これが小なんだそうです。おしっこなんです。体がくの字に、まさか犬が横座りして媚態を見せるなんてそんな、芸者衆じゃないんだからそんな格好はしないんでしょうけれども、とにかくくの字。そのときには排便、大の方だというふうにちゃんと訓練されているわけです。しかも左の足のところへ必ず来るんですから、排便すれば位置がわかりますわね。そうしますと、利用している方はちゃんと便を取って片づける。もちろん、訓練の仕方によっていろいろ差はあるそうです。
 私、一度予算委員会で質問しましたときに、盲導犬を連れた方がいらしたんです。私は余りおとなしい犬だから声をかけたら怒られましてね。あれ集中力がすごいんですって、盲導犬というのは。自分の務めはどういう務めだと犬ながら一生懸命神経を集中しているそうですよ。私らみたいに余計なことをごちゃごちゃ言うと、その神経が乱されるんだそうです。ですから、変な声はかけないでくださいと私は怒られたんです。なるほどなと思いましたけれども。
 そのくらい犬の方は訓練されているんですから、こういうことが起きないように何とかひとつお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#265
○政府委員(大塚秀夫君) ホテル、旅館の方々とこの問題を話してみますと、日本の一般の犬というのは外国の犬ほどしつけを受けていないので、子供のころにかまれたとか、そういう経験から犬嫌いな人が日本人に多いというのが一つの原因だと言っていますが、こういう盲導犬というのはそういうことがないということをもっと周知させるとともに、旅館、ホテルの経営者もその辺理解を深めていただいて、今先生御指摘のような方向でさらに努力したいと思います。
#266
○下村泰君 よろしくお願いします。
 次は、ストレッチャーの旅ということでちょっとお尋ねしたいんです。
 ストレッチャーというのは、よく救急病院か何かで患者さんを運ぶ動く寝台みたいなものなんです。栃木県の社会福祉協議会の酒井さんという方がおるんですけれども、この方は寝たきりで手足が動かない。首だけしか動かない。そして、口に棒の先をくわえたりなんかしていろいろ仕事をする方なんです。この方が栃木県の社会福祉協議会に雇用されていらっしゃる。この方が昨年の六月二十五日から三泊四日で北海道に出張しました。重度の脳性麻痺で体が硬直して車いすに乗れずに、移動は全部ストレッチャー。障害はありますが、ストレッチャーに乗っていますと病人ではないわけです。そこで、北海道ですから当然飛行機になる。
 実は空港まで行く間の問題もいろいろあるんですけれども、きょうは飛行機に乗るところからにしたいと思います。
 まず、飛行機には専用のストレッチャーがあって、機内には備えつける設備もあるんですが、何と通常座席の六席分をつぶすことになるんだそうです。この場合の料金、これはどうなるか。こんなもの別にクイズに出すわけじゃございませんから、大臣にこれ幾らぐらいになりますかなんてお尋ねする気はございませんけれども、それは航空会社によってそれぞれ違うようです。一つの座席分が二五%引きだそうです。他の五つの座席は五〇%引きで、この方は一人で片道六万円ほどかかったそうです。飛行機によっては八から十席ぐらい必要な場合もあるんだそうです。
 それから、乗るときには、七十二時間以内の飛行機に乗ってもいいという医師の診断書が必要。もし四泊以上の旅ならば旅先で診断書が必要になる。病人という前提で、何かあったら困るものですから誓約書も必要。これは会社によって違います。JALそれからANA、日本航空と全日空、これは今言ったようなものなんです。それからJASの方ですけれども、あそこは福祉事務所発行による障害者であるという証明をもらえば診断書は必要ないんです。だから、会社によってそれぞれ多少は違います。酒井さんは病人ではないんです。ストレッチャーを使うというだけでこういうふうなことにならないと乗れない。まずこれがありです。
 それに、この専用ストレッチャーは大きな空港にしかないんです。ですから、運んでこなければならないという問題もあります。さらに予約は一カ月前。普通は朝九時ごろからなんですが、ストレッチャーは午後になるという会社もあります。この辺は運用であり、会社によっても違うことなんですが、今後ストレッチャーを利用した飛行機利用はどんどんふえるだろうと私は予測します。ふえて当然だと思います。
 私の知っているミトコンドリア筋症という難病にかかっている平本あゆみちゃんというお嬢ちゃんがいるんですが、人工呼吸器をつけていて、今度二年生になるんです。この子の実態も兵庫県に行って見てまいりました。この女の子が、昨年夏、やっぱり飛行機を使って大阪から北海道へ行きました。こっちは人工呼吸器が一つありますから、七席分つぶさないとこのあゆみちゃん乗れないわけです。一人で、全部で何と二十一万円かかったそうです。これは、JALからは忙しい時期なのでやめてほしいとまで言われたそうです。
 ところが、そのJALが結構いいこと言っておるんです。ここに、こういうJALの手引書みたいのがあるんです。これなんかを見ますとなかなかすばらしいことを言っているんです。「サービスの心得五つのポイント」、「一 特別な人なのではなく、私達と同じ人達です。」、これは障害を持った方々、お客様に対する心がけです。「二 障害者ご本人と直接話しましょう。 三 どのよ
うにお手伝いしたらよいか尋ねましょう。 四提供できるサービス・障害者用設備を熟知しておきましょう。 五 お客様にサービス・車椅子の取扱い等を明確に説明しましょう。」、こういうふうに大変すばらしい心得がある。
 ただ、残念なことにストレッチャーに関しては全然ここに載ってない。別に私はJALを批判しようとは思っていません。しかし、何か一つ足りないんですね、これだけでは。ですから、こういった方々、ハードとソフトの面でこれからどういうようなサービスができるのか、どういうふうなお考えをお持ちでしょうか。
#267
○政府委員(松尾道彦君) ストレッチャーの利用につきましては、今先生が御指摘のとおり座席によって、例えばジャンボ747の国内線クラスだと九席このために占用することになるわけでございます。現実にはストレッチャーの準備も必要でございますので、国内線につきましては、今一カ月前と御指摘がございましたが、四十八時間前までにぜひ御連絡をいただきたい、国際線につきましては遅くとも七十二時間前までにくださいと、こういうふうな事前の申し出をお願いいたしてお
ります。
 それから、今の診断につきましては、何か特殊なことがあってはいかぬということで、付き添いもお願いしたり、それから医師の御診断もいただいたりというふうな利用をいただいております。今の具体的な札幌の件については、結果的にはJALはちゃんと対応していただきまして喜んでいただいたわけでございますけれども、いずれもうそういった体制をちゃんとやらぬといかぬというふうな時代でございます。
 国内線で見ると、平成三年度利用実績で二百六十六件とかなり数字がふえておりますので、今先生御指摘のとおり、一般の利用者と変わらないような格好で、利用できやすいような対応をやっておりますけれども、引き続き今後ともそういう利用しやすい環境づくりを進めていきたいと考えております。
#268
○下村泰君 このJALの「はじめに」というところがあるんですが、ここにこういうことが書かれているんです。
 障害をお持ちの方で、旅行をしたいと考えていらっしゃる方は非常に多く、実際にお出かけになる方も年々増えてきています。しかし、空港へのアクセスひとつとっても、それを取り巻く環境は
 厳しいと言わざるを得ません。
 これJALなんです。ここまでかみくだいてこういう対策を立てようと努力はしているわけなんです。それにしても、この冊子は大変いいんですけれども、実際の行動面になると今申し上げたように何か一つ足りない、こういうことなんです。
 ですから、少なくともそういうことがもう当たり前になるように、だれでもが気楽に利用できるようにというのが私の望みなんですが、大臣いかがでしょうか、そういうことに対して。
#269
○国務大臣(越智伊平君) 今先生のお話を聞きまして、航空局長から御答弁を申し上げました。また、鉄道の問題等もこれありますし、なるべく早く指導をしてまいりたい、指導も徹底してやってまいりたい、かように思います。
#270
○下村泰君 一言だけ言わせてください。
 せっかく今年度の「(高齢者、障害者等のための交通対策)」という、「「人にやさしい」交通機関・施設実現のための施策」と、こういうこともうたわれているんですから、せっかくこういうふうな施策をうたいとげて、それに何か、何となく反するような結果が生まれるということは大変悲しいことなんです。ひとつ大いにこの方向に向かって進んでいくことをお願いして、終わりにします。
 ありがとうございました。
#271
○委員長(高桑栄松君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#272
○委員長(高桑栄松君) 次に、気象業務法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。越智運輸大臣。
#273
○国務大臣(越智伊平君) ただいま議題となりました気象業務法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年の我が国社会における高度情報化に伴い、気象情報に寄せられる国民の要望が多様化しておりますが、一方、情報処理技術の進展により気象の予測技術が高度化するとともに、情報ネットワークの構築等により情報提供手段も多様化、高度化しており、今後、時代の要請に適合した気象サービスの高度化を図る必要が生じております。
 このような状況に的確に対応するには、気象庁を初めとする関係者の連携、協力による適切な役割分担により、社会の高度情報化に適合した気象サービスを実現するため、気象庁以外のものが行う予報業務の一層の充実を図るための資格制度の創設、気象庁が保有する気象情報の提供体制の整備等の所要の施策を講ずることが必要であり、そのためこの法律案を提案するものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、気象庁長官の許可を受けて予報業務を行おうとするものは、事業所ごとに気象予報士を置き、当該予報業務のうち現象の予想については、気象予報士に行わせなければならないこととしております。
 第二に、気象予報士になろうとする者は、気象庁長官の行う気象予報士試験に合格し、気象庁長官の行う登録を受けなければならないこととしております。
 第三に、気象庁長官は、指定試験機関に気象予報士試験の実施に関する事務を行わせることができることとしております。
 第四に、気象庁長官は、気象業務の健全な発達を目的として設立された法人を、民間気象業務支援センターとして指定することができることとしております。
 第五に、民間気象業務支援センターは、民間における気象業務の健全な発達を支援し、及び社会活動における気象に関する情報の利用の促進を図るため、気象庁が保有する気象情報を提供する等の業務を行うことができることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、一部の規定を除き、周知に必要な期間等を考慮して、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#274
○委員長(高桑栄松君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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