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1993/03/25 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第2号
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1993/03/25 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第2号

#1
第126回国会 商工委員会 第2号
平成五年三月二十五日(木曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     上山 和人君     藁科 滿治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事
                沓掛 哲男君
                松尾 官平君
                吉田 達男君
                井上  計君
    委 員
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
   国務大臣
       通商産業大臣   森  喜朗君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       船田  元君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  矢部丈太郎君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  糸田 省吾君
       経済企画庁調整
       局長       長瀬 要石君
       経済企画庁総合
       計画局長     田中 章介君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        細川  恒君
       通商産業大臣官
       房審議官     清川 佑二君
       通商産業省通商
       政策局長     岡松壯三郎君
       通商産業省貿易
       局長       渡辺  修君
       通商産業省産業
       政策局長     熊野 英昭君
       通商産業省立地
       公害局長     堤  富男君
       通商産業省機械
       情報産業局長   坂本 吉弘君
       通商産業省生活
       産業局長     高島  章君
       資源エネルギー
       庁長官      黒田 直樹君
       特許庁長官    麻生  渡君
       中小企業庁長官  関   收君
       中小企業庁小規
       模企業部長    井出 亜夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       大蔵省銀行局金
       融会社室長    浜田 恵造君
       運輸省鉄道局技
       術企画課長    高重 尚文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (通商産業行政の基本施策に関する件)
 (経済計画等の基本施策に関する件)
○エネルギー需給構造高度化のための関係法律の
 整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利
 用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二月十九日、上山和人君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(斎藤文夫君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○吉田達男君 初めに、通産大臣にお尋ねいたしますが、国会開会中でございますが、訪米の予定と伺いました。大臣には、アメリカに訪問されて諸種仕事をなさるということに相なりますが、どのような要務について、どういう心構えで臨まれるのか伺っておきたいと思います。
#5
○国務大臣(森喜朗君) 吉田委員に対しましてお答えを申し上げます前に、このたび国会開会中、また予算の大事な審議中でございますのに明日アメリカに立つことになりました。そのために、予算委員会、また商工委員会の皆様方にいろいろ御苦心をいただきまして、委員長、理事、委員の各位の皆様方からいろいろと御配慮をいただきましたことに対しまして、心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 一日だけでございますので、今吉田先生からお尋ねのように何をどうしてという全体的なことは申し上げられませんが、世界の今直面をいたしております諸課題を解決していかなきゃならぬ問題が多うございますが、それにはやはり日米両国の協力関係が強化されることが重要であろうと思います。日米合わせまして世界のGNPの四〇%を占めているわけでございます。アメリカの経済、アメリカの国内政治を立て直すということも大きなアメリカにとっては政治課題でありますが、そのこともまた日本と協力し合っていくということが当然前提になるだろう、こう思っております。また、そういう意味で今回の訪米につきましては、米国閣僚と円滑な意思の疎通を図るということをまず第一義に考えなければならぬと思っております。
 また、四月には総理が訪米をされるわけでございまして、その前にいろいろと個別の問題が通商問題を中心としてございますので、一応私のカウンターパートとなりますか、カンター通商代表あるいはブラウン商務長官とお目にかかりまして、日米の間にそこを来さないように基本的なお話をきちっとしておくことが大事だと思っております。
 この間、クリントン大統領の記者会見などもマスコミで承知をしておりますが、やはり選挙があったその後の大統領でございますだけに、日本に対してもやはり厳しい姿勢が随所に見られるわけでありまして、しかしまた私どもからいえば少し誤解もあるのではないかなという点もなきにしもあらずでございまして、例えば日本が非常に封鎖的であるとか、いろんな話がよく出るわけでありますけれども、恐らくアメリカ、ECに比べて
工業製品などの関税を見ましても日本の方がはるかに低いわけでありまして、そういう面から見ましても十分お話し合いをさせていただいて、日米間に基本的なきちんとしたベースをつくっておくことが日米間にとって重要なことだ、このように考えまして、そうしたことなども含めまして訪米をしてまいりたい、こう考えております。
#6
○吉田達男君 日米間の経済の問題等について、総理に先立って調整その他の仕事をなさるということになると、アメリカの期待もありましょうし、また日本の主張もありましょうが、日本の経済をどういうふうに今認識しておられるかということが話の前提になろうかと思いましてお尋ねいたしますが、日本の経済の現況を大臣はどのように認識、評価しておられますか。特に、景気の動向についての見通しについてお伺いいたします。
#7
○国務大臣(森喜朗君) 景気の見方、また景気をどのようにとらまえているかということにつきましては、お隣の船田長官が御専門であるわけでありまして、またこれから後の審議過程の中でお尋ねをいただきたいと思いますが、私は通商政策、産業政策をお預かりしております。したがいまして、全体的には先般総理もやや回復の兆しが見えつつもあるがというようなお話もございましたが、私はやはりまだ基本的には日本の産業界全体としては懸念を持っておるわけでございます。
 先般、経企庁のQE、昨年の十―十二月の指標が出ておりましたけれども、対〇・一%増というふうでございました。この十―十二月というのは、私は昨年党の政調会長をいたしておりましたときに一番大事な時期だな、こう考えておったわけでございますが、必ずしもはかばかしくない状況だなというふうに見ております。したがって、この一―三月、この数字によりましては、平成四年度の日本の経済成長というのがどういう数字になってくるかということについては非常にやはり心配をされる点が多うございます。この一―三月、肌で感じたもので見ておりましても、必ずしもそれだけ期待がされるような数字が上回って出てくるというふうな感じは持てません。
 しかし、何といいましても、平成五年度の日本の経済成長は三・三%を実現する、こういうことを国民の前にもまた世界全体に対しても日本はそのことを表明しておるわけでございまして、それを達成することが日本の経済が回復することに通ずるというふうに見ておるわけであります。したがって、私どもは、この産業政策を預かっておる立場からいえば、やはり在庫調整というものがどのように進んでいるかということを見ることが一番大事だと見ておりますが、耐久消費財あるいは生産財、資本財いろいろ見ましてもまだ思ったほどいわゆる在庫調整がうまく進んでいないなという感じを持っておりまして、そういうことを見ますと、まだまだ日本の経済は非常に低迷状況が続いておるというふうに私どもとらまえておかなければならぬと思っております。
 しかし、一面においては、これは世界全体の景気そのものが悪いわけでありまして、日本だけがそう苦しまなきゃならぬのはなぜなのかというような理由もよく言われることでございますが、しかし一方においては、日本は大変な実は貿易黒字、経常収支黒字を抱えておりまして、いわゆる貿易に対するアンバランスというものに対するアメリカ初めEC、世界の日本に対する対応がいろんな形で出てきておる。私は、今回のまたさらなる円高のいろんな動きにつきましても、日本のこの貿易黒字というのはなかなか解消しない、その具体的な政策が出てこないということに対する恐らく諸外国のいろんなやはり日本に対する批判もあるのではないか、このように見ております。
 したがいまして、国内景気を回復させることはもちろん重要でありますし、同時にそのことが世界経済全体の繁栄のために寄与していくことだ、このように考えて毎日この通商政策、産業政策を十分慎重に注視しながら見守って適宜適切な政策を進めていかなきゃならぬ、このように考えておるところであります。
#8
○吉田達男君 経済企画庁長官はどういう認識でありますか。
#9
○国務大臣(船田元君) 今通産大臣からもお答えがあったわけでございますけれども、基本的に私ども同様な見方をいたしております。やはり今回景気の低迷が長引いている原因としましては、やはり循環的な要素だけではなくて、今回はやはりバブルの崩壊ということがあり、資産のデフレということが実体の経済に非常に深刻な影響を今日まで与えてきた、こういうことでそのことが消費の低迷なりあるいはまた企業家にとりましての設備投資をやっていこうという意欲を若干そぐ、こういうようなこともございまして、その点では従来余り経験をしてこなかった不況の形態であろう、こんなふうに感じておるわけでございます。
 現状の足元やはりまだ厳しい状況が続いております。しかしながら、先日宮澤総理大臣が、若干明るい兆しもあるというお話をされました。私どもいろんな指標を見ておりますと、例えばマネーサプライ、これも五カ月程度マイナスがずっと続いておりましたけれども、二月にはプラス〇・二%増ということで、若干金回りもよくなってきたのかなという感じがいたします。それから、自動車の新規登録台数、これも若干ではありますけれどもプラスに転じておりますし、その他さまざまな要素におきまして、若干ずつではありますけれども明るい兆しは出てきているな、こう思っております。
 ただ、これはまだ一部の状況でございまして、国民が本当に実感として景気が回復をしてきたなという、そこまではまだ至っていない、こういう状況でありますが、やはりこれまでの対策、昨年八月の対策もございまして、また現在平成五年度の予算の審議をやっていただいておりますけれども、こういったものが経済の実体に一日も早く実効性ある効果が出まして、そのことによって一日も早い回復ということを私ども最大の課題として今後とも一生懸命に取り組んでいきたいと思っております。
#10
○吉田達男君 同様な基調ですが、通産大臣には現場の大臣としてのややデリカシーにわたるばらつき等についても御判断があったようですが、企画庁の方は所信表明のときにもやや楽観的な印象でお話がございまして、きょうも明るい兆しをアナウンスされるかのごとく伺いましたが、それぞれ努めていただきたいと思います。
 こういうときにアメリカに行かれる。日本の経済はバブルがはじけて不況、また循環的な不況、この上に円高の不況がありはしないかという懸念がございまして、先般来十円ほど円が高くなっている、また揺り戻しがあったりしております。その時期に行かれる大臣とされまして、円の変動、どういうふうに見通されますか。日本の円の力を大体どうと、将来はどのくらいと、こういうことをずばり聞かせていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(森喜朗君) 円高の相場というのは、これ先生も御承知のとおり市場原理が働くわけでございまして、その国の持っております経済的ないろんな基礎的条件が反映をしていくものだというふうに我々は理解をいたしております。長期的に見ますれば、緩やかに円高の方向にいくことは日本の基礎的な体力といいましょうか、力を持つという意味では私は好ましいことだと思っておりますが、やはり急激な円高、相場の変動というのは好ましいわけではございません。
 とりわけ、前回の円高というのは、どちらかといいますとG7が目前にあって円高に調整されるのではないかというような思惑が働いたというふうにいろいろとマスコミなどでは伝えられてきております。今回またこうした動きが少し出てきておりますのも、近く日米首脳会談がありますとか、あるいはまた次のG7がありますとか、そんなようなことをまたいろいろと思惑で判断をして動いている面もなきにしもあらずではないか、このように我々も承知をしているわけでございます。
 今、委員から、せっかくどの程度がいいのかな
とお尋ねでございまして、御承知の上で私をテストしておられるのだろうと思いますが、どの程度のものがいいかとか、そういうことは今ここで申し上げるべきではございませんし、特に先ほど冒頭に申し上げましたように、それぞれの国、日本の円でいえば日本の国のやはりファンダメンタルズが反映をするということが大事だというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、一番大事なことは、今経済、景気の回復のためにみんなが一生懸命やっているところでありまして、この大事な時期にこうした思惑で円高の推移が急激に動くということは、景気のせっかくの今いろいろな対策に対して足を引っ張るというようなことになるということで好ましいことではない、私どもはそう思っておるわけでございます。
#12
○吉田達男君 いずれにしても、急激な円高は困るという認識は強いと思います。これについては、いろいろな調整政策をもってしても急激なものは防がなければならぬと私は思いますが、その辺についていかがか。
 また、いわゆる円高不況ほどの状況ではありませんけれども、昨今の動きの中で、たまたま日産自動車の座間工場の移転等にかかわって、タイミシグが循環あるいはバブル不況とあわせてああいう状態になれば、同様な構図が輸出産業の中にはあると思うのでございます。輸出について、特に採算点をレートでどの辺に見るかということは企業によって違うと思いますが、百二十四、五円と言ったり、あるいは物によって百十七円ぐらいと言ったり、それぞれ伺ったりしております。
 そういうような情勢でいくと、それの下請をしておるものや関連企業等々にも大きい影響が及んでくる、こういうことの対策について意を用いてもらいたいと思いますが、これについてはどういう考え方で対処していただけますか。
#13
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたように、円高の推移は少し時間をかけて見ておく必要があると思っております。前の円高のときの私どもの経験といいますか記憶では、やはり九カ月から一年ぐらい見ておって定めていくということが至当かなという感じを持っておるわけでございます。
 今申し上げたように、予算委員会の中でも随分この議論は各党の先生方からいろんな形で御発言もございましたし、政府もそれに対して対応を申し上げたところでございますが、先ほどから申し上げておりますように、個人消費、設備投資が非常に低迷をしておる。企業を取り巻いております状況が非常に悪いわけでありまして、したがって、売り上げの低迷と逆に固定費が上昇しておるわけでありますから、ますます企業の状況が悪い。こういう中で、今お話しのように急激な円高というのはどうしても輸出関連企業の円べースでの手取り収入が減少になるわけでありまして、そういう意味では収益のさらに悪化を招くということで、景気に対して非常に好ましくない影響を与えているという判断を私どもはしております。
 それで、通産省といたしましては、事務当局に命じまして、主要業種二十二業種、輸出型産地二十五地域に対しまして今回、先回のあの円高、この前の円高ですが、企業経営に与える影響等について調査を行いました。三月五日に調査結果を発表いたしましたが、その結果を見ますと、急激な円高が輸出関連企業の企業収益に悪影響を与えるだけではなくて、いわゆるすそ野の広い加工組み立て産業等を通じましても、直接的に影響はないんですが、そういうすそ野に関連をしておりまして、そこに悪影響を及ぼしておるという、こういう調査結果が出ておりまして、このことがまた国内景気を冷やすのではないかというふうに心配をいたしております。
 私は、景気の現状と企業の状況を注意深く見守りながら、今回の調査結果をも踏まえながら、早期の景気回復を目指して、先ほど申し上げましたように今後とも適時適切な経済政策をとっていかなければならぬと考えておるところでございます。
 いろんな施策は講じてきたわけでございますが、何はともあれ今皆様によって御審議をいただいております平成五年度のこの予算案を何とか年度内に成立させていただいて、そして切れ目のない公共事業を中心とした景気回復策を続けていくということがまず何よりも大事なことではないか、このように考えております。
#14
○吉田達男君 円高対策についてはかつて経験がございまして、相当きめ細かなものが提示されて、それを実行して克服した経過であります。今回も長い目で見ればそうなってくるということで、組織的な対応が、リストラその他進んでおるわけでありますから、続いてそういう対策をきめ細かく立てて取り組んでもらいたいということを要請して次の質問をいたします。
 半導体についてでございます。
 このたび訪米される目的の大きい一つとしてこのことに触れていらっしゃいますので、現況についてお尋ねいたしますが、特に、このたび十二月で一応シェアとしてクリアをした半導体の二〇・一あるいは二二・五%について、今後これらがどのように扱われるか、極めて時事的な問題として注目をしております。シェアだけでなくて、デザイン・インとかあるいは販売、あるいは技術開発等々あると思いますが、こういうものにわたって問題になるというところが恐らくは協議になろうと思われるのでありますが、その辺について考えをお伺いいたしたいと思います。
#15
○政府委員(坂本吉弘君) お尋ねの日米半導体問題につきましては、ただいま吉田委員御指摘のとおり、一昨日、日米半導体協議を終えたところでございまして、九二年の目標と申しますか、米業界の期待値でございました外国系半導体のシェアが二〇%を超えたという事実を前提にいたしまして協議を行ったところでございます。
 過日の協議におきましては、これを達成するに当たった我が国の輸入の業界、ユーザー業界、さらに供給に当たったアメリカの業界、そういった努力が両々相まちましてこういう結果になったということにつきまして、日米両国政府で歓迎の意を表したところでございます。
 ただし、日米半導体問題は、ただいま委員御指摘のように、単にシェアといったことだけではございませんで、デザイン・インでございますとか、技術提携でございますとか、あるいはその他の長期的な取引関係の形成でございますとか、そういった全体的な経済関係を良好に保って協調していくということもまたこの協定の大変大きな趣旨でございます。
 そういう意味で、とりあえずそういった経済関係の一つの指標であるシェアにつきましては一応期待値を達成したところでございますけれども、大切なことは、そういったシェアだけではなくて、今申し上げましたような、いろいろな業界間の関係というものを深めることによって日米の業界の協調関係を維持していく、またそれを発展させていくというところが今後の我々の課題ではないか、こんなふうに考えているところでございます。
#16
○吉田達男君 時間がだんだんなくなりまして、はしょって言いますが、アメリカに昨年の九月に参りましたときに、同様なことを私どもも若干の知識で検討いたしました。問題を言いますと、日本の会社がアメリカに進出をしていて半導体を生産したものは日本のものとしてカウントするのか、アメリカのものとしてカウントするのか、そこのところがブッシュとクリントンの違いがあるのかどうか。あるいは、ローカルコンテントというんですか、地域において組み立てをする場合にそこの地域の地元生産のものを組み込む調達率でもってその評価を日本の企業、アメリカの企業とするようなのが州にありますが、そういうようなものについての扱い方が、ブッシュとクリントンと比べて厳しくなるんじゃないかと懸念されておる。
 あるいは、NAFTAが協定されて、アメリカは北米、カナダ、メキシコ、関税をなくしてやっていくということになると、例えば有望なカナダ
との契約をやったものがアメリカ大陸の中に入ると関税なしにスルーするから、そういう国についての取引もまたアメリカにおいて重要な関心事となって、これにまた規制といいませんが、強い関心を持って日本に来る、こういうような問題点があるということを伺いながら、今日に至ってこの半導体の問題になっている。
 こういう点については、どういう見通しというか、どういう態度で臨まれるというようなことに相なりますか。
#17
○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御質問の点は、米国に進出した企業の扱いあるいはNAFTA上どうなるかということでございますが、我が国から進出している企業につきましては米国企業として自由な活動が認められるというのが大原則でございます。また、NAFTAが結ばれたことによりまして、メキシコにある企業がアメリカに入るときにどういう扱いを受けるのか等々の問題がございますが、これにつきましては実は必ずしも詳細がわからないところがございます。
 先方の担当者が参りまして、私どもから疑問点をずっと提示したときにも、先方も十分答えられないといったようなところで、やや打ちかけになっているところがございますが、結論といたしましては、NAFTAについて先方が署名をした後、さらにガットの場において他国に対してどういう影響があるのかということの審査に付するということを求めておりまして、具体的にその段階になった場合には、ガットに整合的であるかどうかという審査を通じて、そのようなものが日本企業の活動に悪影響のないような形になっているかどうかをクリアにしてまいりたいというふうに考えている状況でございます。
#18
○国務大臣(森喜朗君) 吉田先生、最初の方にお尋ねになりました点でございますが、本来、企業間の自由競争の結果として決定されるマーケットシェア、これにつきまして政府間で合意をしておくということは、これは自由経済の基本原理に照らして不適切なことは、これはもう先生も御承知のとおりだと思います。先ほど坂本局長からもお答えを申し上げましたように、この二〇%というのは、これは保証値でもなければ最低値でもないわけでございまして、このことはきちっと協定に明記してあることでございますから、ブッシュさんの時代とクリントンさんの時代と違うのかどうなのかというお尋ねに対しては、このきちっとした協定が明記されておるんだということを重ねて私どもは主張もしなければなりませんし、確認もしておかなければならぬ大事なことだと考えております。
#19
○吉田達男君 大臣から基本的な心構えに触れて御答弁がありました。せっかく自由貿易を促進する、管理貿易を避ける、こういう原理のもとに日本としての主張を貫いていただきたいと期待をしながら、激励を申し上げます。
 そこで、そういうことを日本が言うと、日本に対してはいろんな規制をかけないように、日本の市場を拡大しろ、日本の内需を拡大しろ、こういうことに流れがなってくると思うんでございます。日本の内需を拡大するというのは今の経済の大テーマでございます。わけても、消費不況と言われているのでありますから、この内需拡大という点について今起こっている時事的な問題についてちょっと見解をお伺いいたします。
 きのう、きょう、いわゆる春闘の山場が参りまして、この春闘は例年よりも非常に低く、六年ぶりの低い水準で横並びに抑えられてしまった。この点については、お互い労使の問題だということではあるかわかりませんが、内需を拡大する、消費を不況から脱出させるという観点で可処分所得をふやすということからいうと、いささか私は低きに失すると。例えば、物価の上昇率を二・一に見ると、定期昇給を二・一に見ると、合わせれば四・二%上がるはずなのに三・九ぐらいで横並びに抑えられて、これが相場になってしまうんじゃないか。そういうことになると、これは生活を切り詰めるということを迫られてしまうようなことになると思う。こういうことについてはどのように大臣は見解をお持ちなのか、お尋ねをいたします。
#20
○政府委員(熊野英昭君) 先ほど来大臣から申し上げておりますように、我が国経済の現況というのは大変低迷をしているわけでありますし、またその中で企業収益も大変悪化をしているわけであります。そういうことを背景といたしまして残業時間も減少し、あるいは超勤手当といったものも伸び悩んでおる。こういう状況の中にありまして今次の春闘がどういう形で決着するか、各方面から大きな関心が寄せられているわけであります。なお春闘は継続中でございますけれども、昨日来のところでいわゆる金属労協加盟の主力四単産、あるいはけさ明け方までに私鉄大手でありますとかNTT、電力等において交渉が妥結したということは、私どももフォローしておるところでございます。
 これらの賃上げ率を見てみますと、昨年の全体の実績でございました四・九五%に比べますと明らかにこれまでのところは下回っていると。それから円高不況に苦しみました八七年の三・五六%に比べると、これよりは高い水準になっているんではないかというふうな認識を持っているわけであります。
 いずれにいたしましても、賃上げにっきましてはあくまでも労使が自主的に交渉して決定されるものであると考えておりまして、政府としてこの水準がどうこうというコメントを申し上げる立場にはないと思いますけれども、国民経済的観点も含めまして、労使が真摯な話し合いを行いまして合理的な解決を図っていただくことが期待をされておるところでございます。
#21
○吉田達男君 例えば電力は円高でもうかっているはずなんですね。しかし、もうかっているはずだけれども九社が協調をして一万二千百円ということで抑えているんでしょう。去年よりも落としているでしょう。会社というものはそれぞれの会社によって利益を上げたり上げなかったりばらつきがあって、賃金の支払い能力についてもそれぞれ差がある。あるが、このたびの特徴は低きに横並びしておって、上げないという企業側の圧力に労働側がその壁を破ることができなかったという印象であります。
 しかし、企業内の賃金であり、また経営者としての責任といい、またそのことが社会的な存在としての経済活動でありますから、そういうような形で決められるということについて、特に電力なんかはもうかっているはずですから、これなんかも抑えてしまうというのはいかがなものかと思う。円高還元をしろとは給料について言っているわけじゃありませんが、そういうことをあれこれ考えるとこの取り組み方については私は大きい問題があると思う。見解として聞かせてもらいたい。
#22
○政府委員(熊野英昭君) ただいま委員御指摘のように、私どもがただいま手元に持っております資料で見ますと、電力につきましても昨年の賃上げが四・九%、それに対しまして今回の回答三・八三%ということになっていることは事実でございます。
 ただ、円高差益の問題につきましてはやはりある一定期間円高が定着することによって初めて生ずるものでありますし、他方、規制料金におきましては実は前提にしておりますものがありまして、例えば電力の場合で申し上げますと、石油の価格をある一定を見込んで電力料金を決めているわけでありますけれども、その見込んだ数字から見ますと現状は大幅に一バレル当たり三ドルくらい高くなるということでありますから、そういう差し引きで円高差益のものもお考えいただく必要があるわけであります。
 いずれにいたしましても、円高差益はそういうことである期間を経た上で考えるべきものでありますので、現段階で必ずしも円高が定着をしたことを前提にして議論するようなことは時期尚早ではないかというふうに考えております。
#23
○吉田達男君 立場もあってかみ合わぬかわかりませんが、これが相場になって中小企業に及び地
方に及んでくる場合に、一律で抑えるという流れでは本当の生きた企業経営にはならない。やっぱり出す能力のある企業が頑張って、また労働者も精いっぱい仕事をしてそれに報いる、こういう形で活性化するのでありますから、そこのところを、指導にも限度がありましょうが折に触れて要望しておきます。
 時間がありませんから不況の対策についてちょっとひとつ。
 不況対策を総合経済対策として出されて今日になりますが、結果はその効果があらわれていると言えない。その結果についてどういうふうにチェックし掌握しておられるか。
 円高不況のときには何回もフォローアップされて三回も四回も報告書を出されたけれども、今回は十月九日に一回経済対策の実施状況と見通しについて出されたきり、その後の対策効果について報告がない。そのような十兆からの突っ込んだ金が、どうなったか経済効果も明らかにせぬような、フォローアップのないような状態では私は納得できないと思う。次の政策を立てるという話も進んでおるけれども、今まで立てたものがどう生きているかということの上に立って出さなければならぬので、この点は経済企画庁の方でどういう掌握をなさっておられるか伺っておきたいと思います。
#24
○政府委員(長瀬要石君) 昨年の八月に講ぜられました総合経済対策につきましては、御指摘のように公共投資等の拡大等を中心といたします財政措置が講ぜられたところでございまして、昨年の十二月に補正予算が成立いたしました後、その後の実施状況につきまして、事業所管省庁を中心といたしましてその状況をフォローしてきているところでございます。
 例えば建設省所管の公共事業について申しますと、一月末の時点におきまして、全体といたしましては九〇%という程度でございますけれども、補正予算にかかわりますものの契約率はおよそ五〇%程度、このようなことでございまして、その執行が図られているところでございます。
 このような点につきましては、私ども関係省庁ともどもその状況についての点検を行いますとともに、月例経済報告に関連いたします閣僚会議等の場におきましても、関係各大臣からまた経済企画庁長官からその状況について先般も報告がなされたところでございまして、その円滑な実施に努めているところでございます。
#25
○吉田達男君 少なくともポスト総合経済対策、次のを立てる、四月になったらどうだと言われているんですから、それまでにきちっとした報告書をフォローアップとして出してもらいたい。それは当然の仕事だと思って私は要求しておきます。
 時間がありませんから、あと一つだけ言いますと、これは総合経済対策よりも前に経済対策として金利の引き下げがやられておる状況について、ちょっと私なりに見ました。その当時六%であった公定歩合を六回にわたって引き下げて二・五%にしておる。したがって、銀行における調達金利は随分と改善されて低くなっている。しかし、それの実効金利はどうかということになると、私の手元にある統計によると、例えば地方銀行等については、その当時平均が六・一二%であったものが去年の十二月で五・五八なんですよ。
 こういうことで、銀行にとって調達金利を安くして、したがって実効金利を低くして経済刺激をやろうということでやっておるはずの仕事が末端の金利において改善されていないということでは、これは設備投資だの何だの言って経済刺激をしておることにならぬ。だれがもうかっておるか。銀行がもうけているんです。もうけているかバブルの損失を埋めるか中身は知らぬけれども、少なくとも経済刺激をやるとして金利政策は第一番に手をつけたことであります。それが中小企業あるいは産業界において、末端金利においてそのことが生きていないという、このようなことがあればこれは第一番にチェックしてやらなきゃならぬと思うんですよ。
 通産大臣だってその所管にあって、企業、特にその責任ではどうにもならぬ大波をかぶって呻吟して、それでも明るい経済が来るのを待っている者に対して、このような金利を改善させずにおくということは許されぬと思う。大臣の見解を伺って質問を終わりたいと思います。
#26
○国務大臣(森喜朗君) 今委員からお話しのとおり、金利にっきまして私どもの方で所管をする立場ではございませんが、御質問の中にございましたように、今一番産業の中の大きな一つの分野といいますか比重を占めております中小企業、特に小規模経営の皆さんは大変な資金需要で困っておられるわけでありまして、そういう面で六次にわたりますいわゆる公定歩合の引き下げが貸出金利にやはりスムーズに円滑にこれが反映してほしいというのは、これは委員も同じ考え、また私どももそうした中小企業を所管する省としてそういう考え方は当然しておるわけでございます。
 今回の公定歩合引き下げに際しまして、財政当局から金融関係にその通達が適切に行われているわけでございまして、さらにそれぞれの金融機関に対して適宜指導を行っているというふうに聞いております。まだ至らざる点もたくさんあるのだろうと思いますし、また特に政府関連の金融機関に対する資金需要が極めて大きいというのも、市中金融機関のやはり対応にもいろいろ問題もまたあるのかなというふうに、我々もそんなことも十分しんしゃくをいたしているところでございまして、今後とも中小企業庁等を通じ、また中小企業諸団体を通じまして、そうした資金需要に対して適切な対応ができ得るように十分私ども工夫をしていきたい、また配慮をしていきたい、このように考えております。
#27
○谷畑孝君 まず最初に、小粥公正取引委員長に質問をしたいと思います。
 私は昨年十二月八日の当商工委員会におきまして、独占禁止法改正の質問をさせてもらったところでございます。そのときはちょうど埼玉の土曜会の、公正取引委員会が行政勧告として建設業界のいわゆる排除という処分をしたわけでありますけれども、なぜ談合罪として刑事告発ができなかったのか、そういうことが衆議院の各委員の皆さんから指摘をされておった状況でございまして、その中で十二月八日の当委員会における質疑の中で、とりわけ社会保険庁が発注をした年金通知用シールということで印刷会社四社が談合罪ということで起訴されている、そういうときでございましたから、私はこの委員会におきましてぜひひとつ公正取引委員会として検察と情報をきちっと交換をしながらしかるべき対処をすべきだ、そういうことについて私も質問をさせてもらったわけでございます。
 この二月二十四日に大日本印刷などの印刷会社四社を刑事告発した、こういうことでございますから、このことについてその経過なり、また公取委員長としての所感といいましょうかそれを通じてどういうことを感じられたのか意見をお伺いしたいと思います。
#28
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの社会保険庁発注支払い通知書等貼付用シール供給業者に関しますいわゆるシール談合事件でございますけれども、私ども公正取引委員会はこれらのシール供給業者らに対します独占禁止法違反被疑事件について審査を行ってきたところでありますが、同法に違反する犯罪があったと判断をいたしまして、ただいま御指摘もいただきましたが、本年二月二十四日に独占禁止法の規定に基づきまして同シール供給業者四社を検事総長に告発をしたところであります。
 なお、本告発につきましては、私ども審査の端緒を先般私どもと法務省との間で取り決めをしておりました、検察当局がその捜査の過程におきまして得ました独占禁止法違反被疑事実と申しますかその情報を法務省から受けまして、独禁法上の規定に基づきます通報を受けまして、これを端緒として審査を行ってきたということをつけ加えさせていただきます。
 私どもの公正取引委員会の本件についての処分
といたしましては、今月でございますが、去る三月十二日に告発をいたしましたこれら関係会社四社に対しまして独占禁止法上の排除勧告を行いました。現在、この排除勧告について関係四社がどのような対応をするかはまだ期限が参っておりませんのでこれからでございますけれども、この排除勧告の内容といたしまして、このような悪質な入札談合行為の再発を防止するための措置を講じているところでございます。
 なお、私どもが検事総長に対して告発をいたしました独占禁止法違反行為についての刑事裁判は、今後裁判所において行われるところでございます。
#29
○谷畑孝君 公取委員長、いずれにしてもこういう談合というものはまさしく国民の税金から不当にいわば利益を得てしまう、こういうことで国民から見たら非常にけしからぬことである、こういうことと思うわけでございますから、そういう意味では談合として刑事告発を公取がしたということはこれは初めてのことである、談合罪、談合についての刑事告発したのは初めてである、こういうふうに私ども認識しているわけでございまして、今後ともより一層諸般にわたる全体的なあらゆる業界の談合についても法の精神に照らしていわゆる厳格な法の適用を行っていく、こういう決意であるのかどうか、一言だけお願いしたいと思います。
#30
○政府委員(小粥正巳君) 独占禁止法違反行為に対します刑事告発につきましては、委員御案内のとおりでございますけれども、私ども平成二年の六月に刑事告発についての私どもの考え方を方針という形でまとめているところでございます。今回のいわゆるシール事件についての告発は、この方針の第二項にございますが、独占禁止法違反行為を「反復して行っている事業者・業界、排除措置に従わない事業者等に係る違反行為のうち、公正取引委員会の行う行政処分によっては独占禁止法の目的が達成できないと考えられる事案」、このような方針の中の項目に該当する事案ということで告発に踏み切ったわけでございます。
 私ども今後とももし方針に該当するような事案がありました場合には積極的に刑事告発を行う方針でありますし、そしてこのような私どものいわば行政処分だけではなくて、事案によっては刑事告発も辞せずという態度で臨みますことが、独占禁止法違反行為の将来における再発を防止するあるいは抑止する一番大きな措置ではないか、こういうふうに考えておりまして、今後ともその他諸般の措置、私どもの対応によりまして独占禁止法違反行為の未然防止に一層力を入れてまいりたいと考えております。
#31
○谷畑孝君 その件について関連ということで通産大臣にお聞きをするんですが、やはり企業が独禁法を遵守していくということ、これ自身がやはり公正なる競争を発展させていく非常に大事な役割を持っている、そういうことについてはぜひひとつ、印刷関係でもそうでありましたように、商慣習がとりわけ日米構造協議の中でも不透明である、いわゆる日本における市場の閉鎖性ということが常に議題に上る、こういうことで大臣またあした御苦労願ってアメリカとの協議をされると思うんですが、そういうことの中で大臣として公正取引委員会の処置についてさらに業界に対してもそれを周知徹底して守らせていくという、そういうことを実はお聞きをしたいんです。
 その前に、関連することで、次に公取を含めての質問にも関連をしていくんですが、とりわけ最近金丸前副総裁の脱税事件ということで起訴されていく中で、政治家と金の問題、またそのことについても建設業界と政治家との癒着、これも基本的には公共事業ということでありますから、本当にそういう意味では政治不信がもう大きく渦巻いてしまっている、こういうことについて、自民党の前副総裁でございましたし、また何回か閣僚を経験された大先輩でもあると思いますので、これ通産大臣としてこの政治倫理についての基本的な考えといいましょうか所感ということについてひとつお聞きをしたいと思います。
#32
○国務大臣(森喜朗君) 今の谷畑さん、建設談合問題に対しまして、それをまあ一つの例として御質問になったわけでございますが、談合問題というのは、これは通産省として意見を申し上げる立場ではございませんが、先ほど小粥さんからもお話がございましたように、独禁法のいわゆる運用の一般論という立場で申し上げれば、産業が活力ある発展とそれから消費者の利益の増進ということを考えましたならば、自由で公正な競争の確保というのは、これは必要不可欠なことでございます。また、これも今谷畑さんからお話を伺ったように、世界からもいろいろ各国が日本の国に対しての参入という、そういう内外無差別の問題がございますだけに、そういう意味でも我が国経済が国際的な調和を図っていくという意味からも、大変この問題は大事な問題だというふうに私も認識をいたしております。このために、独禁法の違反事件につきましては厳正な対応が求められております。通産省といたしましては、各所管の業界に対しましては独禁法の遵守を徹底するように随特注意喚起を促していきたい、こう考えております。
 なお、私に対する御質問のもう一点は、今度の問題はどう思うかということもあったんだろうと思いますが、政治家の我々尊敬する先輩という立場で、今度の問題はもちろん今、これからの捜査の段階でございますから、私どもとしてはその感想を申し上げるような立場でございませんが、政治家全体に対する不信を買うという意味からいいますと、大変私は残念なことだなというふうに思っております。
#33
○谷畑孝君 どうもありがとうございました。
 再度、小粥公取委員長にお聞きをします。
 金丸前副総裁の関係で、とりわけ落札業者の調整ということにかかわっていわゆるガイドラインを出されておるわけでございますけれども、このガイドラインは、結局すべての入札談合を禁止した公正取引委員会の統一見解から非常に逸脱した状況に利用されておるのではないか、そんなことを私自身が思うものでございますから、とりわけ本来建設業界というのは談合自身が非常にしやすくて、またそれが当たり前のようになっている、そういう体質だ、こう言われるわけでございますけれども、そういう状況の中で、とりわけ金丸前副総裁がこのガイドラインをつくるに当たって非常に大きな力を果たした、こういうふうにして大手のゼネコンの幹部が語っている、こういうことでございます。
 なぜそのガイドラインに問題があるのかというと、情報交換はしていいんだということが、ガイドラインの中での一つの柱になっている。業者間において情報交換はいいんだと。談合にかかわることはだめだけれども、情報交換はいいんだと。しかし、問題は、その情報交換自身が基本的には結局、次はどこそこ、次はどこそこという談合にこれなっていくのじゃないか、そう思いますので、ガイドラインについてどういう見解を持たれるのかお聞きしたいと思います。
#34
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねのガイドラインでございますけれども、私ども一般に事業者団体ガイドラインと申しまして、「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」、これは昭和五十四年八月に作成、公表したものでございますが、その一般的な事業者団体ガイドラインの中でも、当然のことでございますけれども、競争入札におきまして受注予定者あるいは入札価格を決定するといういわゆる入札談合は、明白な独占禁止法違反であるということは、明らかにしているところでございます。
 ところで、この一般的なガイドラインに付随をいたしまして特定の業種についてのガイドラインというものを私どもつくっておりますが、その一つにただいま御指摘の建設業ガイドラインというものがございます。
 このガイドラインは、建設業団体の独占禁止法違反行為の防止を図るということを主たる目的といたしまして、あわせて建設業団体の適正な活動に役立つことを期待をいたしまして、先ほど申し
上げました一般的な事業者ガイドラインを踏まえながら、この建設業のいわば特性であります単品受注請負型産業である、それからそのほとんどが中小企業である、指名制度あるいは予定価格制度などをその内容とする官公庁の発注に係る競争入札制度のもとにあるのが一般でございます。したがいまして、公共事業に係る建設業というものを対象といたしまして、一般的なガイドラインの中でも許容されております、ただいま御指摘の情報活動あるいは経営指導など、これについてできる限り建設業の実態に即したものといたしまして、また建設業界の用語を用いるなど関係団体等にわかりやすいように、いわば具体的、確認的にこれらの事業者あるいは事業者団体につきましての独占禁止法の考え方をわかりやすく取りまとめたものでございます。
 繰り返しになりますけれども、この建設業ガイドラインにおきましても一般ガイドラインと同じく、競争入札におきまして受注予定者あるいは入札価格を決定するというようなことがございましたら、これはもう明らかなる独占禁止法違反でありまして、そのことはこのガイドラインの中でも繰り返し明示をしているところでございます。したがいまして、私ども、このガイドラインは入札談合の防止に役に立つということで作成をしたものでございます。また、私どもは、従来から建設業界における入札談合事件に対して厳正に対処をしてきたところでございますけれども、あわせまして一般的なガイドライン及び建設業ガイドラインをさらに周知徹底することによりまして、独禁法につきましての事業者あるいは事業者団体の正しい理解を求めまして、違反行為の未然防止に努めていきたいということを考えているわけでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#35
○谷畑孝君 再度お聞きしますけれども、この建設のガイドラインが出されたときにある大手のゼネコンの幹部が、金丸信さんらがよくやってくれた、このガイドラインが出たことについてよくやってくれた、こういうように発言しているわけですね。そのよくやってくれたということは、先ほど言いましたように、落札業者の調整は認めないが一定の情報交換は認める、こういうことがガイドラインに趣旨としてあるということなんですね。ここは言いかえればこのガイドラインの一つのみそになっておりまして、建設業者自身のこのガイドラインに基づく情報交換を認める、この情報交換の中に非常に微妙に談合に誘導していく、そういうものを含んでいる、こういうように私は思うんですけれども、どうですか。
 いわゆる埼玉の土曜会の問題だとか、あるいは今回の山梨県における建設業界の問題等を含めて私は非常に大きな問題がある、ぜひそういう意味ではもう一度そのガイドラインについて、それについて見直しする用意があるのかどうか、ひとつそれをお聞きしたいと思います。
#36
○政府委員(小粥正巳君) ただいまの御指摘でございますけれども、私が先ほど御答弁申し上げましたように、この建設業ガイドラインはその情報交換につきまして、そのような情報交換が例えば入札予定者を決める、あるいは入札価格を決める、それに関する明示であれあるいは暗黙であれ、そういう了解を形づくるようなものであれば、これは明白な違反であります。そのことはこのガイドラインにも明示しでございます。
 したがいまして、私どもこのような建設業ガイドラインをつくりましたのは、あくまで一般ガイドラインを建設業という、いろいろな先ほど申し上げましたような特殊性を有する業態、この建設業について適用します場合に具体的にどういう問題が独禁法違反行為に当たるのか、あるいはそのおそれがあるのか、そういうことをなるべく具体的にわかりやすく示したもの、こういうことでございますから、ただいまの御指摘でございますけれども、情報交換は一般的に申しましても、およそ事業者の間であらゆる情報交換が独占禁止法に抵触をするというようなことはございません。その点も一般ガイドラインでもはっきりと示しているところでございますから、この建設業ガイドラインにつきましても、情報交換の中で独占禁止法に違反となるもの、あるいはそのおそれがあるものということをできるだけ具体的な例も示しながらお示しをしているところでございます。したがいまして、私ども、このような性格のガイドラインでございますから、これを見直すという予定は今のところございません。
 むしろ、このガイドラインが従来もし御指摘のようなことであれば、それは十分に徹底していなかったということかと存じます。一層この一般ガイドライン、そしてこの建設業ガイドラインを業界に周知徹底をしていただきまして、いやしくも独占禁止法違反行為が今後起こることのないように、私ども一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
#37
○谷畑孝君 このガイドラインについて厳しく見直しをしないということであれば、もちろんそのガイドラインというもの自身が談合につながっていかないように本来そのガイドラインを定めているはずなんですけれども、今言いましたように、いわゆる談合につながらないことについての情報交換については大いに結構だ、こういうことを認めているということは、実は僕は悪用されておるんじゃないか、これがいわゆる建設業界における談合を、疑わしき状況をたくさんつくり上げているのではないか、こういうふうに私申し上げているわけで、そうならばぜひひとつ公取委として基本的に、やはり疑わしい関係であれば法に基づいて談合についての刑事告発をしていくということを通じて抑止力を発揮していかないと公平な取引にはなっていかないのではないか、このように実は思うわけでございます。
 そこで、金丸前副総裁の脱税事件に端を発して出てきているのがやはり建設業界のやみ献金と、いわゆる地元の山梨県の建設業界においては、建設業界の側近グループがおられてその側近グループが中心となって、次の発注はどこそこの企業どこどこの企業という形をとりながら、しかもその発注高に基づいて二%から三%のやみ献金が入るというこういう仕組みであって、しかもそこにまたかかわらない限りはいわば島流しされたり干されてしまうということでもかなわぬので皆が入ってしまったりというふうに、みんなで渡れば怖くない方式でその建設業界の中で発注に向けてたらい回し状況がある、こういうように私はこの記事を見たりして想像するわけなんです。
 これは、私はまさしく公取委として重大なる関心を持たなきゃならぬと思うんですね。このことについて公取委として重大な関心を持っているのか持っていないのか、その点どうですか。
#38
○政府委員(小粥正巳君) まず、一般論として申し上げさせていただきますけれども、私ども公正取引委員会は、入札談合を含めまして独占禁止法に違反する疑いがある、そのための具体的な端緒となるような情報に接しました場合は必要な調査を行い、それに基づいて厳正な対応をこれまでもしてまいりましたし今後ともするつもりでございます。
 ただ、ただいまお尋ねの山梨の件でございますが、私どもその内容を具体的にまだ知り得る立場にはございませんが、現状におきましては、私どもが独禁法違反として調査を開始するに足るだけの具体的な端緒となるような事実を得てないというのがただいまの状況でございます。
 私どもは、今後とも本件に関連する検察当局の捜査の動向などを注意深く見守ってまいりたいということでございます。
#39
○谷畑孝君 知る立場じゃないということじゃなくて、むしろ公取委として主体的にこの問題についてはやはり検察から情報を入手するなりして、いわゆる談合としてそれが立証できるかどうかということについては私は非常に重大なる関心を持つべきだと思うんですが、どうですか、もう一度。
#40
○政府委員(小粥正巳君) 私ども、いやしくも一般的に市場における競争を制限するような入札談合を含めまして独占禁止法違反の疑いがあるのではないか、そのような行為が行われているといた
しましたら、私どもはそれに対して強い関心を持つことはこれは当然でございます。
#41
○谷畑孝君 ぜひひとつ重大な関心を持っていただいて、関心を持つということはまた行動に移るということだと私は解釈をするわけでございまして、公取委としていわゆる公平な取引をしていくに当たっての法の遵守ということについてひとつ要請をして次の質問に参りたい、こう思います。
 次に、森通産大臣にお聞きをするんですが、いわゆるバブルの時代は、大企業からいわば中小企業も含めてあるいは国民も含めてバブルに酔うてしまうといいましょうか、時には金を投げてしまったり時には生業を忘れていわゆる物に対する投資、そういうことで資産を大きくする、こういうようなことが往々にして大きくあったとも思うんです。
 私も過日、私どもの後援会の人とお話をしておりますと、その人は本当はまじめないわゆる整骨院という職業でやってこられた非常に近所でも有名な方なんですけれども、その人とお話をしていると、いや実は一週間山に閉じこもってもう悩んで自殺をしようかということも思ってみたり、明け方起きて山中を歩き滝に打たれたりと、そういう話でございました。それは個人でございますけれども、バブルの後半に人に誘われたりいろいろして、銀行もどんどんお金貸しますよ、こういうことで幾つかの物件を買ってしまった。今その金利がもう本当に一生懸命整骨院で働いても働いてもその金利と働いた額が一になって、今月からは少しマイナスになる、こういうことでございました。
 私はそういう話を聞いていまして、確かにその人自身もそれは軽率だったし、いかぬと思うんですね。しかし、人間というのは、やっぱり社会の大きな波の中ではなかなか制止できないことも出てくると思うんですね。そういう意味ではこのバブルというのは、私から見れば本当に、日本の政府を含めて政策的にももう少し早い時期に金利を引き締めるなりいろんなことを含めてもう少しやればもっと助かった人がたくさんおる、私が知らない中でもたくさんそういう自殺をしたり、もうたくさんの本来そんなことにかかわらなくても暮らせる人たちが多くの被害を受けておるということについて、私非常に考えさせられることが最近多いんです。
 その中で私はつくづく思うんです。このバブルのときにも後半はよく言われました。企業の市民社会ということが非常にブームになりました。私も地元で企業の市民社会ということでシンポジウムをやりまして、さまざまな企業に集まっていただきました。その中で企業と人権、企業と環境ということでさせていただきました。
 その中で、企業はバブルの中で多く反省してきているんだ、だからこれからもっとボランティア有給休暇をつくっていくために企業としては頑張っていくんだとか、あるいは地球に優しい企業になっていくためにこういうことをしているんだとか、さまざまな状況があったわけですね。そういう意味ではぜひこれから、ただ単にもうどんどんもうけたらいいんだ、大量生産でどんどんと売りよる、こういう時代というのは私は大きくもう変わってきたと思うんですね、やっぱり企業だって市民社会として生きなきゃならぬし。だから、そういうことから考えますと、ぜひバブルの後半のときに言われた企業の市民社会、企業の社会的責任、そういうことが私は非常に大事だと思うんです。
 ところが、今は不況ということになってきまして、もう企業もそれどころじゃなくなってきた。リストラというのが今はやっているけれども、リストラというのは結局は固定費を軽減するためにいわゆる人員の削減、こういうことになってくると思うんですね。どんどん企業が人員削減をしてくる、あるいは大学の就職内定でももう突如として内定を取り消しするということになってしまう、こういうことが今私はあると思うんですね。そういう意味ではせっかくバブルの後半のときに企業の市民社会、企業の社会的責任、こういうことがちょっと芽が出てきたやさきに、これまた逆戻りしてしまうことにはなってはならぬと私は思うんですけれども、それについて通産大臣としてひとつ御意見をお伺いしておきたいと思います。
#42
○国務大臣(森喜朗君) よく言われることでございますが、バブルというのは何しろ日本のだれもが体験をしたことがなかったものでございまして、そういう面ですべてのみんながバブルに酔っておったということは事実だと思います。私が一年前に党の政調会長をやっておりましたときも、例えば政府側と景気の問題で議論をいたしますと、バブルのときと比較をしないでくださいという、必ずそういうのが出てくるんですね。
 そのバブルというのはみんなでつくり上げた現象であることはもう間違いがないわけでありまして、バブルというのは何だろう、日本語で言えば泡だと、泡は全部悪いのかな。ビールを飲みますと泡と黄色い部分とあるわけですね。泡がなくなって黄色い部分だけ飲んでいると何かきのうの飲み残したビールのようになって、やっぱり泡があって一緒に飲み干してビールがおいしいんですね。だから、泡は必ずだめだ、いけないものだというふうには私は否定できるものではないと思うんです。やはりそれは自然な形で、一つの自由主義や資本主義の社会でありますから、自分たちの独創的な考え方で努力をしてそして利益を上げていく、その利益によって税を払い、またそれを株主や社員にお互いに分け合っていくということは正しく進めていかなきゃならぬものだろうと思う。
 そういう意味で、私どもの通産省の立場から見れば、また政府の立場から見れば、企業が円満に円滑に動いていくように、税制の面でありますとかあるいは貿易であれば通商問題でありますとかあるいは金融の面でありますとか、そういう面で環境をきちんとしていくのが我々政府の立場だ、こう思っております。
 そういう意味で企業というのが、今先生がまさにお話しになりましたように社会の中であらゆる側面にいろんな影響を及ぼすようなそういう時代になってきている今日は、企業は社会に対する責任感を強く自覚していく、行動するということが、公正な市場経済の維持だけではなくて我が国社会の健全な発展のために極めてこれは重要であるというふうに私は認識をしております。何でもやっていいんだということでやったんじゃ選挙は汚くなるわけですから、選挙に対しての公選法というのはあるわけでありまして、やはりそういう法と秩序の中で企業もまた社会の一員としての自覚で収益を上げるように努力をしていくということが私は大事なことだというふうに思っております。
 私は今度の問題は、先ほど申し上げたように、初めての体験でありましただけに立派な一流の企業といえどもこのバブルに迷わされたことは事実だと思います。例えば今一番低迷しております自動車や電気製品がそうですが、特に自動車などはずっと従来からの傾向生産でいきますとそんなに需要が落ちているわけじゃないんです。ただ、一時バブルがあったときに、何かもう特定のいい車になりますとなかなか手に入らない。大阪の私の知人に聞いたら、左ハンドルのセルシオに乗っておるんです。これは輸入車をこっちでとったんですかと言ったら、いや何ぼ頼んでも半年先まで売ってくれへんのでアメリカで買うたんですと、こういう話なんです。だから、その当時は日本の車を日本で注文しても半年先でなければ入らない、アメリカから逆輸入してきたというぐらい当時は酔っていた。自動車メーカーも、この機会に乗りおくれちゃいかぬと思って多少従来のバランス感覚みたいなのを失ったのかな。いや、他社にだけとられてはいけないよ、おれのところもやらなきゃならぬというので設備を増強していったんだろう、私はこう思っておるんです。
 そういう意味で、ちょっと長い話になりましたけれども、みんながこれは反省をしていかなきゃ
ならぬことだし、先ほど公取委員長がおっしゃっておりますように、企業というのは社会の中のやはりいろんな意味での影響がありますだけに、市場の原理、自由経済、自由社会という中でまずみずからを律して企業というものを経営していかなきゃならぬ。そういう面で我々も含めすべてがやはりこのバブル現象といいましょうか、こうした企業経営という問題に対して大変よき経験を日本はした、そういう意味でこれからは質の高い、そして本当に日本らしい新しい経済社会をつくり上げていく、企業もまたそういう面でのリストラを進めていくということが極めて大事なことであり、そういう段階に入っていくというふうに私は考えております。
#43
○谷畑孝君 関連をして、時間がもうなくなってきたものですから非常に残念だと思っているんですけれども、私が今かかわっていることでもう約五年ぐらいになるんですけれども、いわゆる車いすで町に出ようということで触れ合いサマーキャンプをやってみたり、あるいは町ウオッチングでもう何回かこれをやってきたんです。そこで、私自身も車いすに乗ってずっとそれぞれのターミナルを回ったりずっとやっていきますと、幾つかのことが発見されるんですけれども、いつもの自分の高さで景色を見ることと違って、自分が車いすに乗っていきますと特にターミナルというのはどこへ行ってもエレベーターがない。
 それで、エスカレーターというのは最近運輸省のガイドラインもあって最近ちょっとふえてきました。ところが、あれに乗ろうとすれば上と下とがばちっと、まあ言うたら係員が乗客をとめて、そして四、五人でおろさなきゃならぬ。だから、本当にこれから高齢化社会になってきますから、ただ単に障害者だけが車いすじゃなくて高齢者もこれは車いすに乗っていくという、そういう意味では私はこれからの優しい町というのはそうあらなきゃならぬ、こう思うんです。
 そういうことについて、せっかく運輸省呼んでいますので、運輸省の中で、そういう障害者が町に出ていくに当たって公的な、駅とか含めて私はエスカレーターよりもエレベーターがいいと思うんだけれども、もう時間がないから一言でひとつ答えてほしいということと、それと、駅へ交渉しますと自治体が補助金を出さぬ限りはそれは採算が合わぬからということで、なかなかこれうんとは言わぬということもあったりして私ども問題にしておるわけだけれども、その点含めてちょっと一言でお願いします。
 それで、終わってからまた大臣に最後聞いて終わりにします。
#44
○説明員(高重尚文君) 先生御指摘のように、駅の垂直移動の施設としてエスカレーターとエレベーターがあるわけですけれども、エスカレーターは一般の方々の利用あるいは移動制約者の方でも高齢者の方々には利用していただけると思うわけですが、今御指摘のありました車いすを利用しておられる方々に対してはやはり基本的にはエレベーターが必要であるというふうに認識しておりまして、今後エレベーターの整備等を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#45
○谷畑孝君 それで、大臣にお聞きするんですけれども、景気対策を昨年の補正予算の総合経済対策ということでやったり、また今回の予算を通すと、また次うわさされているのは早速補正予算で景気の動向を見ては景気浮揚策をもう打たなきゃならぬと、こうあるんですけれども、そのときにはどうしても従来の公共事業というものが中心になってある。考えますといつも出てくるのは公共事業、いつも恐らく食べる業者は土木業者含めて大体、時にはもう入り切れないところへまだえさを入れるというような状況になる。そこへ大臣が新社会資本と、こういうことを三塚政調会長と含めて提案していただいて、これ非常に大きな波及が出てきていると思うんですね。厚生省だって郵政省だって、これはもうぜひにということで。
 そこで私は、一つはこのエレベーターの問題なんです。私が調査したところでは、大都市における駅のエレベーター設置率八%なんですよ。もう本当についてないということなんですね。ついているといったら、よっぽどうろうろ探しまくって荷物ばっかしのエレベーターしかついてない。これをずっと突き詰めていくと、地下鉄でエレベーターをつけようとすれば、どうしてもあれ上へ上げるとその上には舗装道路が狭かったり、いろいろと困難を伴うということでできない。
 私は、ぜひひとつ景気の浮揚策で新社会資本というのか、これをさらに拡大してもっと地球に優しいというか人に優しいような景気浮揚策ができないだろうか、こういう点、大臣のせっかくすばらしい提案でもございますので、我々もぜひそういうことを勉強したいと思いますので、どうぞひとつ御回答をお願いしたいと思います。
#46
○国務大臣(森喜朗君) 時間いっぱい御質問なさって、私に答えると言われると時間がオーバーして答えられないんですが、今委員からお褒めもいただいたんですが、私今の仕事をいたしましてから地方にも随分回っています。先生おっしゃったとおり、何県何県というと語弊がありますから申し上げませんが、公共事業が実はもう年度いっぱいでございます、やりこなせないんですという県もかなりあるんです。沓掛理事がおられて言いにくいんです、建設省御出身ですから。これは石川県の副知事に聞いてもやっぱり同じようなこと言っておられました。だからといって石川県の予算を減らされちゃ困るんですけれども、私の県ですから正直申し上げたらいい。
 そう考えてみますと、今度のことしの平成五年度の予算も公共事業費は九兆百九十一億円、そのうち公共事業関係でいわゆる従来の土木中心になるようなものが七兆九千億、そして一般の施設につきましては一兆四百六十八億円ということで、やっぱり八対一の比率だということになります。これも大事なことなんです、非常に即効性がありますし、そしてやはり持続的に切れ目のない公共事業はこれは絶対必要です。私はこれは要らないと言っているんじゃないですが、世の中が大変変わっておりますから、今先生がおっしゃったような人々に優しい社会をつくっていくという時代だろうと思いますし、特に国際化、情報化、多様化、価値観が随分変わっておりますから、それに合わせてやっぱり社会資本をやっていくべきだと思います。
 ですから、地方などは道路も港湾もまだまだ整備しなきゃいかぬことがたくさんございます。しかし大阪はどうか、随分されいになりましたが、東京なども道路の整備などはどちらかというと花を植えるような中の分離帯の問題だとか、外の歩道と車道のところのいろんなフェンスだとかむしろそういうところに金が回っているということは、優しい、温かいいい道路をつくろうというふうに変わってきているんだと思いますが、地方はまだそういう段階にはなかなかいかない。
 そういう意味で私は、これから公共事業を絶え間なくやっていくには少し角度を変えた方がいいのではないか。厚生施設や教育施設や研究施設も、これは公共事業として認めていただいているわけでありますが、それに伴っていきます附属施設がどうしても金がかかる。どうも土木中心の公共事業が多くて、小粥さんや長瀬さん、みんな大蔵省出身で言いにくいんですけれども、どちらかといいますと施設設備に余りお金をかけたくない、建物に金をかけますとどうしても設備が要るのと人件費がかかるんですね。ですから、ややもすると公共事業は土木中心になってきた。
 しかし、これまでの財政再建、この十五年近くの間に厚生省とか文部省などはどうしても人件費が高いウェートを占めたものですから、設備がどんどんおくれてきたということにもなる。それで、非常に危険な病院というとしかられるかもしれませんが、随分古い病院が出てきた。設備も非常に悪い。そういうことで短期的には―失礼しました。長瀬さんは大蔵省じゃなかったんですね。
 本題に戻しますが、そういう意味でこれからは少し日本の質を変えていくという長期的に見たら生活大国をつくり上げる、短期的に見たら景気浮
揚、そしてもっと波及効果の広いいわゆるすそ野に広がっていく、そういう需要の創出をつくり上げていくことが大事ではないかということで、通産省は役所の皆さん頑張ってくださると通産省所管の産業界が喜ばれるわけでございますから、厚生省も文部省もまた郵政省も情報処理もございますし、コンピューターなどもまだ自治省など遠慮しておられるんでしょう、本当は国の機関、政府機関、それから自治体の市町村、県のコンピューターなどは全く少ないんですね、欧米と比べると。余り役所から先にやっちゃいけないどみんな慎んでおられるんだろうと思いますが、そういうことも少し配慮をしていったらもっと需要の効果の大きい、私はそういう景気回復の一番いいポイントができるんではないかな、こう思ってお願いをしておるわけでございますが、本当はまだ予算が上がらないのにこんなことを言っちゃいけないんです。経企庁長官は絶対そうおっしゃらないんです。
 ですから、私は正しいことだと思います。それは先生方に今の平成五年度予算の審議をしていただいているときでありますから、そういうことを政府の立場で言うべきではないんですが、私は通産省でありますので次の次のことを絶えず考えておかないとだめだよ、もしものことがあったときにはすぐ果敢に景気対策に対応していけるようにそういうことを絶えず事務方に命じておるわけでありまして、その事務方が今いろいろと考えてくださっているのが新社会資本整備ということでございますので、どうぞ商工委員会の各位にもぜひ御支援をお願いしたいということを申し上げて、ちょっと長くなりましたけれどもお答えとしておきます。
#47
○谷畑孝君 どうもありがとうございました。
 時間がないので企画庁長官、えらい済みませんでした。質問用意しておったんだけれども、終わります。
#48
○村田誠醇君 私は最初に、最近ちょっと気になる動きが出てきたものですから、まず公取の方の見解をお聞きしたいんです。
 独禁法上、メーカーが不況対策あるいは合理化をするために販売とか物流を統合して経営の合理化を図る、こういうことが認められる。単独法で認めているやつもありますし、公取が認めているやつもある。そのうちの塩ビ等含む樹脂のメーカーについて、これは報道というか陰口なのかわかりませんが、日米構造協議でいろいろ問題になったのかどうかわかりませんけれども、公取の立場としてこういう共販制度は独禁法上、若干の問題あるんじゃないか。
 あるいはどういうふうにやったら問題になるのかというのかわかりませんが、関係メーカー及び共販の会社を呼んで公取としての何か指導というんでしょうか、見解というんでしょうか――をなさっているということをお聞きしているんですけれども、一体これはどういう独禁法上の違反なのか、おそれなのかあるいはどういうことをやったら触れるのか、どういう指導をしているのか、ちょっとその具体的な中身について教えていただけますでしょうか。
#49
○政府委員(矢部丈太郎君) 現在、化学製品の中で塩化ビニール樹脂とポリオレフィン樹脂の二つの業界におきまして、当該業界における構造改善の一環といたしまして、企業がグループ化いたしまして、そのグループ内の販売業務を一元化するという形で共同販売会社が設立されておりまして共同販売事業を行っているわけでございます。これらの共同販売事業におきましては、グループ内での販売の効率化を図って合理化のメリットをユーザーにも還元するということで設立されているわけでございますけれども、共販会社あるいはその参加メーカーの行動いかんによりましては競争政策上好ましくない影響が生ずる場合もございますので、公正取引委員会では共販会社の運営動向ですとか、参加メーカーの行動につきまして従来から定期的に把握し、監視してきているところでございます。
 問題になりますのはやはり数多くあるメーカーの競争でなく、これはそれぞれの品目、四つの共同販売会社があるわけでございますが、その共同販売会社間での販売活動について協調的な行動が行われていないかどうかという点が我々の関心になっておるわけでございます。公正取引委員会といたしましては競争政策の観点から、そういう共販体制につきましてそのあり方を含めまして大きな関心を持っておるわけでございます。現在行っておりますのは、その共販会社の運営等について実態面でのどういう運用がされているかということについての把握を行っているわけでございまして、問題があれば必要な対応を求めるなど適切に対応していくという考え方でございます。
#50
○村田誠醇君 私が聞いたのは、今言いましたように単独法でもありますし、具体的にはセメントとか電線とか棒鋼のように独立した法律に基づいて、こういう共販あるいは販組を共同するという認められてやっている行為があるわけですね。これの運営の仕方が公正な競争を阻害するとか、あるいは協調的行為をしてメーカー間のシェアを一定の地域で保つような行為をしている、もしくはするおそれがある、これは公取上非常に問題があるというんであれば、場合によったら、こういった認められたシステムを法律上改正して独禁法上こういう行為を今後行っては困る。平たく言えば、共販システムというものはメーカ−間のシェア競争を固定化させることにつながるんであれば認められないという見解をとっておられるとすれば、あるいはそういうことだと思うんですけれども、これは通産省がやってきた今までの行政の政策に対して独禁法上問題があるという、あるいはその運営の仕方によっては問題がある。問題があるということは今度は是正をさせる、もしくはそういう行為を禁止させるということになると思うんですけれども、そういうところへつながっていくわけです。場合によったら法改正の必要性まで出てくるのではないかと思うんですけれども、その点については公取はどのような御見解でしょうか。
#51
○政府委員(矢部丈太郎君) 化学製品以外でも今先生の御指摘にありましたような被覆電線ですとかセメントについても同じような共同販売事業が行われているわけでございますが、これは昭和五十六、七年ごろ、第二次石油危機の不況の対応策として特定産業構造改善臨時措置法という法律に基づきまして、その業界における構造改善の一環として共同販売会社ができておるわけで、その法律自体は既にもう廃止されておるわけでございますが、そうしてできました共同販売会社でございます。当初そういうグループ化してその中でやはり販売業務について物流ですとか製品の統一を図るとか、いろいろ合理化も図られるわけでございまして、そういう合理化を図って競争力を強くして、その中で合理化のメリットをユーザーにも還元するということで四社間、あるいは被覆電線ですと六社あるわけでございますが、そういう間での競争が十分行われているならば直ちに独禁法上問題ないという考え方に立っておるわけでございます。
 したがいまして、そういう共同販売会社間での協調的行為が行われるとかあるいは共同販売会社の枠を超えた中でさらに提携が行われるということになりますと、やはり市場全体への競争への影響も大きくなるわけでございますから、そういう意味で先ほど申しましたように、この共同販売事業についてはこれまでもずっと定期的に報告を求めたり、あるいは事情を聴取するなどして常に関心を持ってきているわけです。本当に独禁法上問題があるということになれば、やはりその点については是正させていくという考えで対処しているわけでございます。

#52
○村田誠醇君 私ども過去、公取さんにこの共販、共組の問題で実態的にその地域でメーカーのシェア調整をしているじゃないですか、あるいは出荷調整を、A社が生産量を落とした場合その肩がわりしたB社がその分の費用を共販、共組を通じて渡しているとか、いろんなデータを公取に持っていって、これは独禁法違反じゃないでしょ
うかということを何回か聞いているんですよね。今のお話ですと、今後そういうような動きが出てきて、一定の地域でメーカーのシェア調整と思われるようなことをしているんであれば独禁法上違反というおそれで公取の方で対応していただけるものと、こういうふうに理解をさせていただきます。
 それでもう一つ、そういうシェアの固定化をしている一番多い業界というのが建設なんです。生コンと砂利なんていうのは典型的にやっている部分なんです。
 そこでお聞きをしたい。今同僚の議員の方からも指摘されておりました山梨における一連のこういう行為で、事業主団体が中で調整をして特定のメーカーのものを買うとかそのシェア調整をするとか、あるいは俗に言われている金丸ファミリー企業を通さない限り品物は買わないとかいうような行為を行っているんだとしたら、あるいはそういう端緒があるんだとしたら、これは独禁法上の違反行為として公取の方から何らかのアクションを起こす、そういうおつもりがあるのかどうかお聞きをしたい。
#53
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますけれども、もちろん一般的に申し上げさせていただきますが、独占禁止法違反行為、例えば競争入札におきまして受注予定者をあらかじめ決めること、あるいは受注価格を決める、それが事業者間の相談、合意において行われるということは申すまでもなく独占禁止法違反行為でありますから、そのような行為がある、こういう疑うに足りる具体的な資料と申しますか、端緒がありますれば、従来からそうでございますけれども、私どもとしてその調査をいたすことにしております。したがいまして、今お尋ねの点につきましては、あくまで一般的な申し上げようでございますけれども、具体的な端緒があれば私どもは従来同様対応するということは当然でございます。
#54
○村田誠醇君 最後にもう一つお願いをしたい。
 先般、金融証券不祥事のときに補てんの問題が出たわけですね。これも競争政策上特定の顧客だけに対して利益を供与したということで独禁法上問題があるという見解を示した。今報道されておるのは手数料を取ったと、これがどういう性格の金であるかは今調べているわけですけれども、特定のお金を出さない業者を排除しているとか、あるいはそういうものを出さない業者にペナルティーをかけるとか、あるいは自分の企業を通さなけりゃいけない、こういうものは独禁法で見るところの不公正な取引もしくは優越的な地位を利用した取引だとか、あるいは正当な商慣習に照らして不当な利益をもって競争を阻害する行為をしている。我々考えるとこういうのに該当するんじゃないかと思うんですけれども、今捜査中でございますから、当然先ほどの御質問の中にも検察もしくは警察の方の捜査の過程の中でそういう端緒がはっきりわかってきた場合は公取の方に通報される。ですから、これはわいろであろうがなかろうがそういう金が出てきて公平な競争が阻害されるということがはっきりしているんであれば、これは独禁法上いろいろ問題が出てくるというふうに理解してよろしいんですか。
#55
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますけれども、具体的事案にっきましての実態を私どもまだ知り得る立場にございません。あるいはそのような具体的な事実を知っておりませんので、これも一般的なお答えにとどめさせていただきますけれども、もしお尋ねのように競争入札の根幹を否定するような、先ほど申し上げましたが、競争入札において受注予定者をあらかじめ決めるとかあるいは入札価格を決める、それが事業者団体においてあるいは事業者間の合意に基づいてそのようなことがなされるということでありますれば、これは独禁法違反行為ということでございます。
 先ほどお尋ねの中にこのような扱いが、例えばこれも独占禁止法上の違法行為でございますけれども、不公正な取引方法あるいはその内容としての優越的地位の乱用、そういうことに当たるのかという、こういうお尋ねもございましたけれども、一般的な申し上げようでございますけれども、もしただいまの明らかに入札談合行為が行われたということでございますと、これ自体明白な独禁法違反行為でありますから、その行為をさらに不公正な取引方法として別途取り上げるということは、これはいわばその余地がない、これはもう端的に明白な独禁法違反、今一般的な申し上げようでお答えしておりますけれども、それはそういうことであろうかと思います。
 それともう一つ、後半のお尋ねでございますけれども、これも念のために申し上げますれば、ただいまのようないわゆる入札談合行為、典型的な入札談合は、これは独禁法上の事業者あるいは事業者団体について適用されるわけでありますから、この事業者の間あるいは事業者団体においてただいまのようないわゆる談合行為についての合意がない、仮にそういうことでありますと、これはその他のどのような方法でありましょうか受注予定者が別の仕組みで決まるということでありますと、これは直ちに独禁法上の規制の対象にはならないと存じますが、あくまで一般的に事業者団体あるいは事業者間の合意によるいわゆる談合行為ということでありますれば、もうこれはそのまま独禁法において最も基本的な違反行為に当たる、こういうことであろうかと存じます。
#56
○村田誠醇君 時間が短いので経済企画庁長官にお尋ねをしたいんですが、我が国の国際収支、どんどん黒字がたまっているわけでございますが、九〇年を底にしましてまた急激に上がり始めている。そこでお尋ねしたいんですが、一体本年度は政府の見通しからしてどのくらいの黒字が予想されるのか、経企庁としてはどう判断なさっているのか、ちょっと数字を教えていただきたいと思います。
#57
○政府委員(長瀬要石君) 平成四年度の国際収支の見通しについてのお尋ねでございますけれども、先般御決定をいただきました政府経済見通しにおきましては、経常収支が千百六十五億ドル程度、貿易収支が千三百六十億ドル程度、このような姿かと思っております。
 このように平成三年度から黒字が拡大をしてきております大きな要因といたしましては、何と申しましても円高やあるいは製品の高付加価値化というようなことが進展をいたしましてドル建ての価格が上昇している、こういった事情がございますし、他方におきましては景気低迷という状況の中で輸入が減少している、こういうことから貿易収支の黒字が拡大をする、さらには投資収益収支の黒字が拡大をするといった事情が介在しているかと考えております。
#58
○村田誠醇君 我が国には、俗を言葉で言いますと、前川レポートで内需拡大に中心を置いて日本経済の構造転換をしていくんだ、ということは逆に言いますと、この黒字幅がある程度もっともっと幅が縮まってくるということ、あるいはそういう経済体質にしていくということだと思うんですね。しかし、一番減ったのは湾岸戦争のとき黒字が減って、その間はまた両方の黒字がずっと山になっている、そういう状態をしているわけですけれども、一体それでは前川リポートで言っていたこの日本経済の構造転換というのが、黒字のたまっている状況から見てできたのかどうか。あるいはできてないとすれば、どこら辺が問題があってできてないのか。そういうことについてはどのようなお考えを持っているんでしょうか。
#59
○政府委員(長瀬要石君) 前川レポートがつくられました昭和六十年代初頭の状況を振り返りますと、経常収支の黒字のGNPに対します比率が一九八六年度で四・四%という高さまで参りまして、その後逐年、八七年には三・三%、八八年度には二・六%と下がってまいりまして、その後一・九、一・一、そして九一年度は二・六、このようなことでございます。そういった四・四%から二%台、一%台まで下がってまいります過程で内需主導型の成長が続いたわけでありまして、もとよりその中には先ほど来御議論になっておりますバブルというものもあったわけでありますけれ
ども、いずれにいたしましても、そのような内需主導型の成長のもとで経常収支の黒字が減少するというそういう過程があったかと思います。
 しかしながら、九〇年を中心といたしまして、一時的な要因もありましてかなり一・一%まで下がったわけでありますけれども、その後再び増加をいたしてきておりまして、現時点では三・二%前後、こういった経常収支黒字のGNP比率でございます。このようなことからいたしましても、やはり内需主導型の経済成長に向けての努力を傾注しながら対外均衡の達成に向けての努力を払っていくことが重要である、このように考えているところでございます。
#60
○村田誠醇君 それで、これだけの黒字がたまっていると、一方では黒字有用論空言う方もいるわけですね。一定の、たまってなきゃしようがないだろうということを言う人もいますけれども、政府の方針としては黒字幅を抑制していくというのが基本的な政策だと思うんです。それは裏を返して言えば、輸入拡大をどうやってやっていくかということだと思うんです。
 そこで、通産省にお聞きをしたいんですけれども、いろいろな政策を八九年から打ってきたわけですね。一つを挙げれば、対日輸入有望商品発掘のための専門家を派遣する行為とか、あるいは輸入商品情報のデータベース化を図るためのセンターをつくってアクセスをすぐできるようにするとか、いろんな政策をとってきた。最近ではEAZの指定をするという、そういういろんな形をとってきた。輸入促進税制もとってきた。しかし、結果として黒字は逆の意味で膨れ上がってきた。
 私どもから見ますと、輸入拡大策を一生懸命とってきたけれども黒字幅が逆にどんどん膨れているというのは、一体通産省の方の立場から見れば、施策が不十分なのか、それとも政策が効果を発揮していないのかどうかというふうに疑問に思うんですけれども、その点については通産省の方の立場としてはどういうふうな御見解なんでしょうか。
#61
○政府委員(渡辺修君) 今先生御指摘のように、八六年をピークに順調に減ってきておりました貿易黒字というのが再び九一年度から御案内のようにふえてきておる点につきましてもとのもくあみではないか、こういう御指摘でございます。
 御承知のように、輸入拡大には大きく二つございまして、一つは内需拡大を行うという内需主導型の経済成長、したがいましてこれは景気をよくしてマクロ経済政策で遺漏なきを期するという方法と、きめ細かな輸入拡大と、二つ大きく言ってあると思います。
 それで、六十一年以降、つまり一九八六年以降順調に減ってきておりましたときの一連の輸入拡大というのがどういう数字だったかということをちょっと例に申し上げますと、例えば昭和六十二年から六十三年まで三百七十億ドル輸入増、それから平成元年に対して二百三十億ドル輸入増、それから平成元年から二年に対して二百四十億ドル輸入増というように、急速な輸入の拡大によって八六年をピークにしておりました貿易黒字というのは減ってきておったわけでございます。
 そういうことでこの間、今先生御指摘ありましたが、各種のきめ細かな輸入拡大政策も効果を発揮いたしましたし、それ以上に、先ほど申し上げましたが、八七年に講じた一連の内需刺激策等のマクロ経済政策の影響によりまして今申し上げましたような輸入拡大が図られた。両方相まって、先ほど申し上げましたように貿易黒字というのは順調に均衡の方向に向かってきておった、こういうことでございます。
 ところが、九一年度から御承知のように大幅にまた方向が転換いたしまして今の数字になっておりますけれども、これの大宗を占めますのは現在の国内の景況でございまして、先ほど申し上げましたような、八六年以降のあの輸入増のような姿は見られませんで微減をしておる、輸入が拡大しておらない、こういう状況になっておるわけでございます。したがいまして、通産省、その間におきましても各種のきめ細かな輸入拡大策をやっております。
 これも今後拡充する予定でございますけれども、何よりも今我々が期待しておりますのはマクロ経済政策による内需の拡大でございまして、昨年十兆七千億の対策を打たしていただきました。また、本年度予算も早期成立ということで、それを主導にいたしまして輸入拡大を図り黒字の解消に努めていきたい、かように考えておるわけでございます。
#62
○村田誠醇君 それじゃ具体的に二点ほどお聞きしたいんですけれども、まず第一点は輸入促進税制、これは本年度で切れて翌年度続行するという意味で今法案がかかっているわけですけれども、一体これを採用してどのくらいの輸入拡大になった、あるいは裏返して言えばこの減税の効果、税額控除方式と割り増し償却と開拓準備金という三つの制度があるわけですけれども、それぞれ適用されているものがどのぐらいの数字が出ていて、それは裏返して言えばどのぐらいの輸入拡大になったのかということがまず第一点です。
 二点目は、九一年の十二月に通産省が指導しまして輸入促進をしなきゃいかぬということで、自動車、鉄鋼、エレクトロニクス、工作機械等々の業種の代表者を呼びまして、グローバル・パートナーシップを発揮して国際協調のために輸入拡大をしてくれというお願いをし、それぞれの業界からプログラムが発表されました。これは個別に私どもの会社はこうします、ああしますというのが出てきました。一番長いのが九五年まで、大半の会社は九三年。問題はその発表した数字、これは強制力も何もありませんけれども、一体各社がお約束をした、通産省に出したプログラムに従ってどの程度の実施率といいましょうか実行がなされたのか、どのような数字を把握なさっているのかお聞きしたいと思います。
#63
○政府委員(渡辺修君) まず最初に、製品輸入促進税制の効果はどうであったか、このお尋ねでございます。
 本税制は平成二年度に導入いたしまして、もう先生御案内のとおり、約二千品目を対象にいたしましてそれの製品輸入を図りました場合には税額控除その他の各種の税制上のインセンティブを与える、こういう制度でございます。
 実施いたしました平成二年度でございますが、この年は総輸入というのが、つまり総輸入と申しますのは製品輸入促進税制の対象になっておる品目も含めた全体の総輸入でございますが、それが対前年度比で一三・二%増という年でございました。この中で製品輸入促進税制の対象品目に限って申しますと一八・一%増ということで、平均よりも五%強の増を示しておるということでございます。
 それから平成三年度でございますが、これは先生先ほど御指摘ありましたように既に輸入が伸び悩んでおる時期に入っておるわけでございまして、総輸入が前年度に対しまして四・一%減になったという年でございます。この年に製品輸入促進税制の対象製品の総輸入というのは一・〇%増、つまり四%減の全体の中で水面上一・〇%増という数字を示した、こういうことでございます。
 それから今年度でございますが、これはまだ年度途中でございますが、昨年九月までの段階で同じような形で我々整理いたしてみますと、総輸入が○・一%増と今はとんと水平でいっておりますときに、対象製品の輸入の伸びというのは七・七%の伸びになっておるということでございまして、いずれもそれ相応の、我々考えておりました、当初目的にしておりました効果を発揮しておる、かように考えておるわけでございます。
 あわせて平成五年度は、現在国会の方にお願いいたしておりますけれども、この製品輸入促進税制の思い切った拡充をいたすことにいたしておりまして、これによってさらなる効果が期待できるところでございます。
 それから、もう一つのお尋ねの、例のビジネス・グローバル・パートナーシップということで
個別企業にボランタリーにできるだけ輸入をふやし、あるいは現地調達あるいは技術提携を深めてほしいという要請をいたしました。それに基づきまして約百社の企業が一斉に個別に現在、あれ以来作業をいたしておるわけでございますが、企業によりまして目標年度が食い違っておりますとかいろんな都合がございまして、これを全体的に集計してお示しするというところまで現在まだ至っておりません。
 至っておりませんが、自動車それから家電、エレクトロニクス、鉄鋼、商社等を通じまして約百社近くの企業からその後の具体的な成果というのが出てきておりまして、例えば一、二の例を挙げますと、商社でいきますと、例えばある商社が米国のAT&Tから新たな製品開発ということで共同で入れることにして約数億ドルの増が見込まれるとか各種の細かいのが出てきておりまして、これらにつきましては昨年の秋とことしの二月、例のSIIの協議がございましたけれども、その協議でもビジネス・グローバル・パートナーシップの中身を説明し、それなりの高い評価を得ておる。目下これをさらに、不況下でございましてややもすれば元気が出ないところでございますけれども、今督励をして進めておるところでございます。
#64
○村田誠醇君 もう時間も余りありませんので、本来ならもうちょっと聞きたいんですが、きょうはわざわざ大蔵の方に来ていただいていますので、最後に大蔵の方にもお聞きをしたいと思います。
 金融の自由化が進みまして、金融の派生商品というのがいろいろ出てきた。仕組みその他はいろいろ違うわけでございますが、いろんな問題を抱えている。そこでお聞きをしたいのでございますが、俗にノンバンクと呼ばれているところがいろんな意味で出しておりますこういう金融商品、住宅ローン債券とかあるいは抵当証券、こういったものが現在発行残高がどのくらいあるのか。特に私どもが知りたいのは、俗に言われております再建をするために金融機関等に金利減免を要請しているところなども、聞くところによりますとこの抵当証券や住宅ローン債券を発行している。我々から見ると非常に危険じゃないかと思うんですけれども、一体残高がどのぐらいになっているのか等についてお聞きをしたいと思います。
#65
○説明員(浜田恵造君) お答え申し上げます。
 抵当証券にっきましては、平成四年十二月末で、分業界での販売残高が約六兆六千億円でございます。それから住宅ローン債券信託につきましては、これも四年十二月末で、残高が約二千五百億円になっております。
 先生お尋ねのいわゆる再建中の当該会社の残高に関してでございますけれども、基本的に個別会社の経営内容に関する御質問でございますし、私どもそういった統計はとってございませんのでお許しいただきたいと存じますが、いろいろな制度的な仕組みとしてこれらの商品について投資家保護の措置は確保されている、このように考えている次第でございます。
#66
○委員長(斎藤文夫君) もう一問ぐらいにしてください。
#67
○村田誠醇君 済みません、時間が来ましたので、結論だけ。
 今の御答弁、個別の会社はトータル、統計とってないと言うんですけれども、業界団体に言えばちゃんとこうやって個別の会社ごとの、どこの会社が幾ら出している、残高が残っているというのは出ている。この中には今新聞紙上をにぎわしております、再建のために金利減免を要請している俗に言うノンバンク、住宅金融専門会社等々も入っておるわけです。
 そういう意味で、最後に、これは通産省の所管だと思うんですけれども、商品ファンドという新しい金融商品を出された。これは現時点では何の問題も起こってない。それは抵当証券を出したときもそう、住宅ローン債券を出したときも全部一緒だと。ところが、情勢が変わってきた。経済の状態が変わってくると、その発行した会社、もしくは事業計画そのものにあるいは将来性に疑問を抱くようなことが起こってくるわけです。こういうものを買っているのは大半、一般投資家と呼ばれる人なんです。機関投資家と呼ばれる人も買っていますけれども、一般の人が買っているケースが多いんですね。そうすると、何か問題が起こったときに常に投資した金が返ってこないということが起こってきますので、現在は問題になってないでしょうけれども、商品ファンドについてもそういう問題や不安感を起こさないように行政としてぜひ十分対応していただきたいということを希望いたしますし、大臣の簡単な所感をお聞きしまして、時間が来ましたのでやめさせていただきます。
#68
○政府委員(細川恒君) 商品ファンドにつきましては、さきに商品ファンド法を成立させていただいておりまして、それに基づきまして、投資家保護につきまして御指摘のように十全なる対策を講じたいと思っております。
#69
○和田教美君 先日の商工委員会での通産大臣と経企庁長官の所信表明をお聞きしましたけれども、我が国のこの不況の現状というものについて表現上に差が見られた状態がございました。経済企画庁長官の方は、この経済の動向について、「厳しい状況に直面しています。」と、こう述べられました。ところが通産大臣の方は、「かつてない厳しい状況」と、この「かつてない」に強調点を置いておりましたし、また「多くの産業が深刻な事態に直面しており、」というふうな表現も使っておられまして、どうも不況局面についてより厳しい見方をしているというふうに受け取れたわけでございます。
 そこで、不況の度合いというか、深刻度といいますか、そういうものについて両省庁の間に認識の差があるのかどうか、まず通産大臣、経企庁長官、お二人にお聞きしたいと思います。
#70
○国務大臣(森喜朗君) 和田委員にお答えを申し上げます。
 先ほどもこの委員会で申し上げましたように、今我が国の経済は、個人消費、設備投資、民間需要の低迷によりまして極めて厳しい状況にある、私どもはこのように認識をいたしております。特に、先ほどからも議論になりましたように、バブル崩壊に伴います資産価格の著しい下落が金融システムとかあるいは実体経済に対します懸念を強めておりまして、先行きに対します不安感を醸成している点を見逃せないというふうに考えております。
 先日発表されましたQE、国民所得統計速報を見ましても、平成四年の十―十二月期の経済成長率は前期比で〇・一%増という低い伸びにとどまっております。その内訳を見てみましても、民間設備投資は企業収益の悪化等によりまして三・一%減、個人消費も所得の伸びの鈍化や消費マインドの低下によりまして〇・六%の減になっております。
 こういう状況のもとで景気の一日も早い回復を実現するために、今政府といたしましては、昨年夏につくりました総合経済対策、それの裏打ちといいましょうか補正予算を組ませていただいたわけでありますが、その今完全実施に努めておるところでございます。
 さらに、現在の景気の下支え役を果たしておりました公共事業が息切れをしないように、切れ目なく実施ができるためにも、今御審議をいただいております平成五年度の予算をどうしてもこの年度内に成立、可決をしていただきたいというのが私どもの願いでもあるわけであります。地方の議会との関連もございますし、四月から執行ができ得れば、切れ目のない公共事業を進めて下支えをしていけるのではないだろうかこういうふうに見ておるわけでございます。
 私としましては、景気の現状及び企業の状況をやはり注意深く見守りながら、早期景気回復を目指して、今後とも適時適切な政策をとっていきたいと考えています。
 私と船田長官との間にそんなに認識の違いがないと思っておりますが、和田委員は私の方が少し
甘く見ておるということじゃなかったかなと思っていますが、私は先ほども申し上げましたように、どうしても企業、産業界というものをお預りをしておりますわけですので、経企庁よりももっとミクロ的にいろんな形で入ってまいりますだけに、非常に深刻に考えております。
 そして同時に、先ほども申し上げましたように、在庫調整を見ていくことがやっぱり一番いいわけでありまして、その在庫調整も一時生産財などが少しよかったんですけれども、最近はまた少し動きが悪くなったということでまだまだこれは予断を許さない状況だな、こういうふうに見ております。
 ただ、最終需要というのがどう動くかというのはかなり心理的な面もございますし、そういう面で不況感、不況だ不況だということになっていくことはかえって国民の財布のひもを閉めてしまうのか。それとも横にらみをしながら、今不況なんだそうですから、ぜいたくしないようにしましょうということで、ついつい買い控えていくものなのか。それとも、これも俗に言われるように、特に耐久消費財が動かないわけでありますから、自動車だとか電気製品というのは大体もうみんな家庭に行き渡ってしまって、もう新たに買うものがなくなってしまったんだろうか。
 いろんな見方があるかと思いますけれども、先行きに明るい展望が開けるんだということをやはり何とかして出していくことが大事ではないかというふうに私ども考えておりまして、まだまだ予断を許さない状況であるという認識の中で、何とか最終需要が動いてくれるような施策をこの際緊急にとっていくべきだ、このように考えておるわけでございます。
#71
○国務大臣(船田元君) 和田委員の御指摘にありました認識の違いということでございますが、端的に申し上げますと、通産大臣と認識の違いは全くない、このように申し上げたいと思います。
 御承知のように、今の景気の低迷、これは先ほども申し上げましたけれども、循環的な要素に加えまして、バブルの崩壊によっていわゆる資産デフレということが生じて、それが経済の実体にさまざまな面で影響を与えている、これが景気の低迷を長引かせている、そういう原因であろう、このように分析をしております。確かに、十−十二月期のQEの先日の発表におきましても、〇・一%、若干水面上に鼻の先ぐらいしか顔を出せなかった、こういう状況でございます。現在の足元、やはり厳しい状況というのは、通産大臣も私も同じ厳しい認識は共有をしている、このように感じておるわけでございます。
 また、先ほど社会党の吉田委員にお答えいたしましたときに、若干幾つかの指標において明るさが見られる、こういうお話もさせていただいたわけであります。特に、マネーサプライの問題とか、それから機械受注の問題とか、さらには自動車の登録台数の問題であるとか、若干上向きになってきた、そういう数字も御紹介をいたしました。しかし、それは数多くある経済指標の中のごく一部のところでございまして、やはり全体として国民全体が景気の回復が出てきたな、こう思う、あるいは景気が底を打ったな、このように感じられるのはまだ時間のかかるところではないか。まだまだ現状としては厳しい状況がなお依然として続いている。そのために私どもとしては、総合経済対策、そして平成五年度の予算編成、こういった点にも十分に意を尽くしてその一日も早い実行ということをもう最大限の課題として心がけていかなければいけない、このように感じております。
#72
○和田教美君 少し前の話ですけれども、経企庁長官にお伺いします。
 平成四年度の当初の政府経済見通しでは、GNPの実質成長率三・五%だったわけです。それが去年の終わりに一・六%と下方修正をいたしました。これは単なる判断ミスということで片づけるには余りにも大きなミスではないか。景気判断が甘くて景気の先行きを大きく見誤った責任というのを一体どう感じているのか。今の経企庁長官の前のことでございますから責任がないといえばそれまでだけれども、そうもいかぬでしょう。経企庁としてどう感じているのかということをお聞きしたいんです。
 今回のような急激な景気の下降局面では、どうしても政府が把握している経済指標というものに大きな現実との狂いが、タイムラグで出てくるということはあるでしょう。その結果、しかし景気認識の甘さも手伝って余計実態との間に大きなずれが生ずる。そして対策が後手後手に回っているというのが今の状況ではないかというふうに思うわけです。成長率の見込みがこれほど狂って、しかも一体今回の景気はいつごろから下降局面に入ったのかということについて、半年も一年もたってもまだはっきりしたことを経企庁は言わないというふうな状況では実戦に役立つ経企庁と言えないのではないかというふうに、私は前に大蔵委員会でもそういう悪口を言ったんです。
 経企庁としてはもっと経済実体の変化というものを肌で感じる分析手法を取り入れて、より迅速に民間にもわかるような景気判断というのをやるべきではないか、そういう手法の改革をすべきではないかというふうに思いますけれども、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
#73
○政府委員(長瀬要石君) 私の方から、まず平成四年度の経済見通し並びにその実績見込みに関しまして申し上げたいと思います。
 先生御指摘のように、平成四年度当初見込み三・五%と、こういうことでございましたけれども、今回一・六%に下方修正がなされておりまして、これは率直に申しまして誤差の範囲を超えた下方修正である、このように申し上げなければならない状況ではないかと思います。これは申すまでもなく、今回の景気調整局面におきまして従来の循環的な要因のみならず、とりわけ資産価格の大幅な下落、これが金融機関、企業、家計、各セクターに対してかなり大きな思いのほか根深いインパクトを与えてそれが実体経済の下振れをもたらした、その面があったことは否めないところでございまして、そのような経済に与える影響の見通しというものがその時点でなかなか困難であった、このことは率直に申し上げなければならないと思います。
 民間の例を出すとまたおしかりを受けるかと思いますけれども、同じ時期に民間の機関が予測をいたしました平成四年度の見込みも大体三%強程度でございました。官民ともにと申し上げるとまたなんでございますけれども、やはり全体として資産価格が大幅に下落をしたことの実体経済に与える影響について十分に見通し得なかったという点が含まれておりますことは、これはやはり申し上げなければならないと思います。
 そのような中にありまして、先ほど来両大臣から申し述べておられますような二次にわたる景気対策あるいは平成五年度予算を御審議いただいております。そういう点をも踏まえましてそのような修正がなされているということでございまして、私ども今後とも統計数字にあらわれた経済の実勢のみならず、きめ細かく関係方面の御意見、判断というものも含めながら誤りなきを期してまいりたいと思っております。
#74
○国務大臣(船田元君) 今、調整局長の方から数字の問題を中心としてお答えをしたわけでございますが、姿勢の問題といたしまして、私の前任者あるいは前々任者、そういうお話もあったわけでありますが、行政のいわゆる心構えとしては行政は継続性ということが大事でございまして、これは私自身の問題としてもきちんと把握をし、しかるべき対応をしていかなければいけない、こう考えておるわけでございます。
 それから、いつから景気の調整局面に入ったかと、こういうお尋ねがございました。現状として私どもが有権的にといいますか政府として正式にいわゆる景気の山谷の判断、これをするにはまだ時間的にそこまで達していない、こういうふうに感じております。これは、ある程度景気が大きく一循環をしたその後に山と谷を決定する、こういうシステムでございますので、これについてはま
だはっきりとしたことは言えないわけでございます。
 ただ、私の個人的な感じ方としましては、例えばGNPギャップというのがございます、あるいは需給ギャップというふうにも申し上げておりますけれども、これが一九九一年の一―三月期にはプラスといいますか、いわゆる加熱ぎみになっていた時期というのが一―三月期であった。そのプラスの幅がそこをピークとしてそれ以後の四半期ごとにどんどんプラスの幅が減っていった。そして、たしか一九九一年の秋口あるいは秋の真ん中ぐらいにはそれがほぼプラス・マイナス・ゼロということになりまして、それ以後はマイナスに転じていった、こういう一つの指標があるわけでございます。
 もちろん、これですべての経済の動向あるいは景気の動向をはかるというのはこれは早計でございますけれども、一つの目安としてはそういう数字も挙げられるのではないかな、こんなふうに感じております。したがって、景気の調整局面に入ってから大体現時点において二年近くはたっているんではないか、こういうふうに個人的な認識を申し上げたい、このように思っております。
#75
○和田教美君 統計の数字ばかり並べて恐縮ですけれども、今の調整局長の答弁に関連してもう一つお聞きしたいんですけれども、経企庁が三月十二日に発表しました国民所得統計速報、これによりますと九二年十月―十二月期のGNPの伸びは実質で前期比プラス〇・一%、一年間の成長率に換算するとわずか〇・五%になるというふうなことでございます。そうなりますと、さきにも言ったように一・六%に大幅に下方修正したんだけれども、この一・六%という目標さえ達成できないんではないかというふうに思われるわけですけれども、その点はいかがですか。
 さらに、平成五年度の政府経済見通しですが、これは三・三%の経済成長率ということですが、この目標も、よほど大型の追加景気対策が行われて、それがしかも十分に効果を発揮するということでなければ実現は困難ではないか、こういうふうに思うんですが、その点の見解をひとつお聞かせを願いたいと思います。
#76
○政府委員(長瀬要石君) ただいま先生から御指摘がございましたように、過般発表されました十―十二月のGNP統計によりますと、成長率〇・一%の前期比ということでございます。この中で民間の需要が実は〇・九%落ち込んでおりまして、それを公共投資等の公的需要が一・九%押し上げる、とりわけ公共投資につきましては前年比一二丁四%という高い伸びでありまして、そのような公的需要が民間内需の落ち込みをカバーして、そしてその結果として前期比〇・一%と、このような姿になっているところでございます。
 そこで、このような十―十二月のGNP統計が出たわけでありますけれども、このような姿、これはもう先ほど来繰り返し述べられておりますような循環的な要因のほかに、資産価格の下落等もありまして、このような民間内需が引き続き低迷している、そのような我が国の経済の姿を反映したものである、このように理解をいたしております。
 しかしながら一方におきまして、本年の年初から八月の総合経済対策の効果が本格的に発現してくる、こういうことが期待されるわけでございますし、また住宅投資も若干頭打ち的な状況もありますけれども、基調といたしましては回復の方向をたどるということが期待できるわけでありまして、一・六%という点につきまして、私ども率直に申しまして達成という点についてはかなり厳しい状況にあるということは否めないと認識をいたしております。さはさりながら、四年度全体の成長率が全体としてどうなるかという点につきましては一―三月のGNP統計というものを待つべきものではないか、このように思っておりまして、その点につきましては御理解を賜りたいと思う次第であります。
 平成五年度の三・三%につきましては、このような補正予算に伴います公共投資が年初来来年度に向けて着実に実体経済に浸透していくということに加えまして住宅投資がそれを支える、さらには、年後半からは経済の横綱ともいうべき個人消費やあるいは民間設備投資が、大変緩やかでありますけれども徐々に立ち上がっていく、このような期待といいますか見方をしているところでございまして、そのような方向が確実になるように政策的な努力というものを重ねていくという姿勢が重要ではないかと考えている次第であります。
#77
○和田教美君 どうも答弁長々と言っているけれども、肝心のところには全然答えてない。とにかく今の状況を見る以外にないというんじゃ何のために役所があるのかわからない。そこのところの判断を聞かせてくれと言っているわけです。まあ、それはいいです。
 次に、消費の問題ですけれども、現在の経済の現状を見てみますと、設備投資、個人消費、これの落ち込みが非常に目立つわけですが、中でも個人消費の落ち込みが激しいというのが今回の不況の特徴だろうと私は思うんです。九二年の百貨店の売上高は初めてマイナスを記録しましたけれども、ことしに入ってからも売上不振が続いております。東京地区では前年同月に比べて、二月の百貨店の売上高は九・四%ダウンというふうな状況でございます。それからスーパーですけれども、これまあ百貨店ほどではないと言われていたけれども、どうもことしに入ってからかなり落ち込みが目立ってまいりました。こういうふうなことで、全体として見れば我々はこれを消費不況だというふうに受け取っておるわけです。
 この消費不況に対する対策として、我々は既に三兆八千億円の所得税減税、戻し税減税を中心とする所得税減税ということを社公民三党の共同修正要求という形で出しておるわけです。ところが、いまだにどうも政府・自民党の中には、所得税減税をやっても貯蓄に回るだけで消費には回らないんだというふうな説をなす人が絶えないわけでございます。
 しかし、私はこの主張には納得ができない。今のこの消費の不振、冷え込みというのは結局いろんな要因があるとは思いますけれども、賃金の伸びが鈍化しているとか、あるいは残業収入が減っているとか、あるいは雇用不安など、そういうものが背景にあって勤労者の消費を冷え込ませているのが主な要因だというふうに思うんですね。ですから、そういう不安要因を取り除くことをすれば、私は消費はまた戻ってくるというふうに見ているわけです。もう買うものがないなんという事態では全くないというふうに私は思います。
 そこで、その呼び水としても、この際消費を呼び出すためのきっかけとしても所得税減税というのは非常に重要だというふうに思っておるわけなんですけれども、森通産大臣はさきに衆議院の商工委員会での答弁でしたか、我々が考えるべきことはいかに国内の需要を創出するかだ、その場合所得税減税と政策減税のミックスがあってもよいのではないかというふうな答弁をされたことがあるのを御記憶ですか。その点について通産大臣は、現在この所得税減税という問題についてどのようにお考えなのか、お答えを願いたいと思います。
#78
○国務大臣(森喜朗君) 所得税減税の実施を求める声というのは、方々のところから出ておりますことは十分承知をいたしております。私は、所得税減税は絶対だめだという、そういう考え方は持っていないんです。所得税減税の財源を一体どうするのかということが、やはり一番深刻な問題なんです。恐らくこれは、ここにいらっしゃいます与党だけじゃなくて各党皆さんの政党の中にも私は両論あるんだろうと思うんです。財政的余裕のあるときでありましたり、どこかから税の収入をつくり得る条件があれば、これは私は問題はないんだろうと思いますが、やはり赤字国債を出してまでやることがいいのかどうか。まあ先生もそうですが、我々もこの十数年間、財政再建の中で予算のシーリングがいろいろ窮屈な中で、政策的なものがなかなか行えないで大変苦しんできた。
政治家として非常につらい思いもここ十年ぐらいしてきたわけですね。
 そういうことを考えますと、赤字国債を出してやることの論議は、これは各党それぞれの思いが私はあると思う。私はそんな思いを実は衆議院商工委員会で申し上げたのでありまして、そこで私は、そのことよりも効果が本当にあるんだろうか、赤字国債でのよしあし善悪ということよりも、所得税減税をやることが需要創出に効果があるのかどうなのかということの論議を、判断をすべきではないかというようなことを私はその当時、委員会で御答弁をさせていただいたわけでございます。
 そこで、先ほどから少し私申し上げた新社会資本の整備というのも、新しい需要の創出をしたいな、そのことが何か企業全体に対して波及効果が出てくるよという、そういう明るさが、そういう心理的な面が出てくればいいなというふうに実は考えて、その方での需要創出をむしろ強めた方がいいのかな、そのことによってまた税収が入ってまいりますし、いい循環になっていくのではないかな、こう思っているわけです。
 しかしそうは言いますが、先般衆議院で、この平成五年度の予算審議の中で与野党間で不況対策としての税制上の措置について協議を行うということが合意されておりますので、今私の立場でこの税制上の措置は何かということを政府側として申し上げる立場ではございませんけれども、私はそういう意味で景気をよくするための政策減税、住宅減税もありましょう、党によっては教育減税をおっしゃっている党もございますし、あるいは私ども通産省としましては民間設備投資に対する減税というものなど、いろんな形で織り込んで減税政策はやっぱり立てていかなきゃならぬ。一つには公共事業でしょう、もう一つは減税でしょう、その減税の中にはいろんなものが考えられるんではないか、こういうふうに申し上げたわけでございます。
 所得税減税につきましては効果があるのかないのかというのは、私は財政当局のようにすぐ貯金に回るよと、すぐ短絡的に申し上げる気持ちはございませんけれども、現実は貯蓄高が伸びているんですね。貯蓄高が伸びているのに消費にお金が回らないのは何なんだろうかというところをやはりよく十分検討してみる必要があるのではないかな、こう思っております。
#79
○和田教美君 もう一つ減税の問題についてお聞きしたいんですけれども、よく政府は減税の景気浮揚効果、これはもう公共投資に比べて低いという答弁をされるわけなんですけれども、しかし例えば日本総合研究所、これの試算によりますと、一兆円の場合で所得税減税と公共投資のそれぞれの景気浮揚効果を見てみますと、生産誘発効果では、所得税減税一兆四千三百億円、それから公共投資一兆五千六百億円と余り差がないんですね。それから、労働者増加効果では、むしろ減税の効果の方が大きいという試算が出ておるわけです。さらに、卸小売業、サービス業、金融保険業などは公共投資よりも減税の方がはるかに景気浮揚効果が大きいという、個別に見ればそういうデータが出ております。
 現在の産業構造が素材産業中心から漸次組み立て加工、サービス産業へ基調を移しつつある、こういう状況だけに消費マインドの冷え込みに直接的な刺激を与える所得税減税というのはやはり重視すべきであるし、景気浮揚効果という点から見てもそんなにマイナスに評価すべきものではないというふうに思うんですが、その点についてどなたでも結構ですからひとつお答えを願いたい。
#80
○政府委員(長瀬要石君) ただいま先生から御指摘賜りました民間研究機関の試算につきまして、私ども若干中身を勉強してみたことがあるわけでありますけれども、この産業連関表に基づきます生産誘発効果の計算というのは、減税をいたしました際にそれがどれだけ消費に回るか、それは平均消費性向、これを使っているわけでありまして、計算の仕方は、例えば一兆円の所得税減税がなされました場合に民間最終消費支出の生産誘発効果に平均消費性向を掛けているわけであります。
 しかしながら、実際には限界的な追加所得の増加があるわけでありますので、その追加的な所得の増加がどれだけ消費に回るかということになってまいりますと限界消費性向というものを使うべきではないかというのが、これはむしろ通常の考え方だと思いまして、いろんな試算がございますけれども、平均消費性向、概して申しますと〇・八五とか八六とかその程度でございますが、限界消費性向はかなりそれよりは低い数字でございまして、ちなみに私ども経済企画庁の世界経済モデル等によります限界消費性向は〇・三幾つ、このような形でございます。
 追加的な所得の増加ということでありますならば、平均消費性向ではなくて限界消費性向を用いて計算するというのがむしろ正しいやり方ではないか、このようにも考えられるわけでありまして、その点からいたしますと御指摘の民間研究機関のその試算というのはややそういう意味で過大に結果があらわれているのではないか、このようにも思うわけでありますが、何分にもいろんなモデル、いろんな計算の仕方がありますので、それも一つの試算として私ども受けとめさせていただきたいと思います。
#81
○和田教美君 次に円高の問題をお尋ねいたします。
 三月二十二日の東京外国為替市場円相場の終わり値は一ドル百十五円三十三銭ですか、戦後最高値ということなんですが、通産省が三月の初めに発表された円高に関する企業緊急調査というのがございます。それによると、一円の円高が続くだけでも減益になると答えた企業が六割を超えております。また、百十円まで進むと合理化を考えるという企業が六割と非常に高い。景気の足を引っ張る要因となるということを言っております。また、一〇%の円高でGNPが〇・四八%減少するという試算もございます。
 こういうことから見ると、この円高基調がこういう状況で続いていくと景気が回復に向かうどころではなくなるんではないかというふうな警戒感が民間にも相当出てきているわけなんですけれども、その点についてどう考えるかということが第一問。
 もう一つは、円高差益の還元にも反面適切に対応してもらわなければならないというのは他の同僚諸君が既に指摘したところでございますが、特に内外価格差の大きいブランド商品、これについて業者だけが差益を吸収するというふうなことがあってはいけないと思います。消費者に十分還元させる手を打つべきではないかというふうに思うわけです。それと関連して、この際流通機構にもメスを入れる必要があるんではないかというふうに思います。
 また、円高によって短期的に貿易黒字が膨らむことで海外の批判も一層出てくるんじゃないかというふうに思うわけでございまして、その点ではもちろん内需の拡大が一層重要ですけれども、輸入拡大をするためには刺激が必要だということで、いろんな例えば輸入品に対する税制上の優遇措置とか、とっぴかもしれませんけれども、そういうこともとる必要があるかどうか。あるいはまた、公的規制の緩和というものをもっとそういう面で考えたらどうかというふうないろんな問題があると思うんですが、その点についてのひとつお答えを願いたいと思います。
#82
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども少し私も申し上げておりますが、円高全体は、正直申し上げて今の円高に対して対応をすぐしろよということは私どもなかなか今言いにくい立場でございます。といいますのは、この円高を今私どもとしては、思惑で動いておりますだけにこれを認めるということはやはりこれは危険なことだと考えております。しかし、さはさりながら景気対策と同じようにどんなことがあるかわかりませんから、十分にこれは事務的に対応できるようにしておけよというのは私からの命令でもあるわけであります。
 したがいまして、調査はいろいろな形でいたし
ておりますし、しばらくこの円高の状況というのは、先ほどから申し上げましたように、今の私どものまた全国民の悲願である景気を少しでも直していこうという、回復させていこうというこの中で大変な足を引っ張ることになっておりますので、その点だけ私ども景気対策とともにこの円高の推移は注視をしていきたい、こう考えております。
 輸入のことだあるいは内外価格差の問題だ、いろいろございました、メリットをどうするかということもございましたので、それぞれ局長見えておりますから、簡単にそれぞれ対応を説明させたいと思います。
#83
○政府委員(熊野英昭君) それでは、ただいまの内外価格差の問題について御答弁申し上げます。
 内外価格差の是正が我が国の重大な政策課題でありますことは、かねてからそういう認識で我々対応しておりまして、継続的に内外価格調査を実施してきております。あるいは、消費者や産業界に対しましてこの実態等の情報を提供するとか、さらには大変難しい問題ではございますけれども流通システムの全体にわたってより開かれたものを実現するような努力、あるいは輸入促進につきまして各面の政策的な努力も行っているところでございます。
 加えまして、依然として現在でもなお内外価格差があるものがあるわけでありますから、これらの一部の消費財につきましては、その実態あるいは要因等についてさらに突っ込んだ調査分析を行いたいということで現在準備をしておりまして、できれば本年の六月末までにこれを取りまとめることを検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたような方向で、一層競争的で消費者のためになるような状況をつくっていくことが重要であると考えて、流通面における取り組みでありますとかあるいは事業者における取り組み等をやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#84
○政府委員(渡辺修君) 先ほど先生最後に、内外価格差の問題等も含めまして消費者サイドに立った輸入拡大というのはいかがかと、こういうことで例えば税制上の優遇措置も考えられないかという御質問でございました。まさに御指摘のとおりだと思います。
 そういうことで、先ほどちょっと御説明申し上げましたが、製品輸入促進税制というのを現在施行いたしておりますけれども、これの対象品目の中には家電製品とか時計、カメラ、家具、運動用具、たくさんの消費財を対象にいたしておりまして約二千品目を対象にいたしております。これを従来基準年次に対して一〇%以上輸入を拡大した者に対しまして五%の税額控除を認めるといったような優遇措置を講じておったわけでございますが、現在国会にお願いしております今度の改善策では、基準年次に対して二%以上輸入を増加した者には優遇措置を講じよう、こういうことで改善をするといいますか、優遇措置を拡大するということで今お願いいたしておるところでございます。
 あわせましてさらに、ジェトロを通じまして一連の輸入促進あるいは輸入有望商品の発掘等々いろいろやっておりますが、特にその際力を入れておりますのは家庭用品だとか雑貨だとか、あるいはパーソナルギフト用品だとか、そういったような消費財を中心に短期商品発掘要員というのを全世界に派遣いたしまして、そういうサンプルを買い集めてきて国内で展示を行って、消費者の皆さんにPRをしておるといったようなことでございまして、それらを利用いたしましてつい先日もミプロ、製品輸入促進協会というのがございますけれども、ミプロで舶来横丁、ミプロ輸入祭りというのをやりましたところ、大変なにぎわいを得たといったようなことでございまして、御指摘のような消費財を中心に思い切った輸入拡大策をきめ細かくやってまいりたい、かように考えております。
#85
○和田教美君 特に、輸出産業の場合には深刻だろうと思うんですが、八〇年代の円高のときには、これは壊滅的な打撃を受けるんじゃないかと言われておったけれども、企業の自主的な努力によって乗り切ったわけですが、今回は不況という状況に加えてのダブルパンチですから、だから余計やはり深刻だというふうに私は思う。
 そこでお聞きしたいんですけれども、対策として輸出の円建て比率ですね、これは現在大体四〇%ぐらいですか、これをもっと上げる努力をしたらどうかというふうに思うんですけれども、その点についての御見解、為替リスクを避けるという意味でそういうことは考えていないんですか。
#86
○政府委員(渡辺修君) 先生御指摘のように、輸出入取引の決済通貨でございます、かってはドル建てがもうほとんどを占めておったわけでございますが、現在我々外為法に基づきまして輸出入報告書というのをとっておりまして、それで現状を調べてみますと、最も新しい数字で、昨年の九月の数字をもとに調査をいたしますと、輸出につきましては円建ての比率というのは金額べースで四〇・一%というウエートを占めております。これが、平成三年の一年間の平均に対しまして約〇・七ポイント上昇しておるという数字になっております。
 それから、輸入の円建て比率でございますが、輸入は御承知のように油だとか一連の資源品ということになりますと、これはもう当然のことながらドルが圧倒的でございますので比率は落ちますけれども、これも現在一七%の円建て比率になっておりまして、これも平成三年一年間の平均に対して一・四ポイント上昇しておる、こういう姿になっておりまして、経常取引面においては着実に円の国際化が進んでおるということでございます。
 そういうことで、今先生御指摘ありましたように、輸出者にとりましては為替リスクをヘッジする重要な要素になりますし、また輸入においてもこの比率を高めますことが国内物価の安定を図るという意味で非常に寄与するわけでございまして、着実に改善しておるということで我々勇気づけられておるところでございます。
 政府におきましても、こういった関係で経常取引のみならず資本取引におきましても、円の国際化を進めることによって環境の整備を着々と整えていきたい。そうすることによって、実際に事業を行います輸出業者、輸入業者の円建て比率が高まっていくことになるのではないかというふうに考えておるところでございまして、ちょっと占うございますが、昭和六十年の大蔵省の外国為替等審議会でも経常取引面での円建て比率の上昇をエンカレッジするという答申が出ておりますし、これを受けまして我々もそういった環境整備に努めておるところでございます。
#87
○和田教美君 我が国の経済は頭脳集約型産業やサービス産業の基調がだんだん高まってくるという状況の中で、従来の土木重視一本やりの公共投資、公共事業だけでは景気浮揚効果も十分ではないというふうなことは、先ほどからの議論で大体最大公約数が出てきたと思うんです。
 そこで、通産大臣にお答え願いたいんですけれども、政府は四月中旬の日米首脳会談前に追加的な景気対策をまとめるということが盛んに報道されております。そして、最大のもの、この前の八月の景気対策よりさらに大きいものだというふうなことが言われております。その中で、さっきから議論になっておりますいわゆる建設国債、これの対象を少し広げてコンピューターなどを学校に導入することも認めるとか、医療研究施設だとか、あるいは情報通信基盤整備などにもこの公共事業を適用できるようにしたらどうかというふうな構想が、各省盛んにアドバルーンを上げているようでございます。
 もともとこれは、さっきも意見がありましたように森通産大臣の発案というが提唱だったわけですけれども、私もこの建設国債の対象を広げるということには賛成でございます。ただ問題は、例
えばコンピューターなどは耐用年数が短いですね。ですから、建設国債というと大体六十年償還ですね。そうすると、六十年償還というままではなかなかぐあいが悪い。もっと償還期限を短くする国債を、短期的な国債を発行したらどうかというような議論も当然出てくることだろうと思うんですけれども、その点について先ほども通産大臣から御見解をいただきましたけれども、その点について重ねてひとつお聞きしたいということと、この問題についてはしかし経企庁はどうも大分考え方が違うようで、コンピューターをそういうものに使うのは反対だとか何とか言っているというふうな新聞報道もございます。その辺のところの点について、ざっくばらんにひとつ企画庁長官の御見解をお聞きしたいと思います。
#88
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどからしばしばお答えを申し上げておりますように、通産省は産業の育成ということで大事な官庁でございまして、一番わかりやすいことを言えば、在庫が少しでもはけて、そして企業がまた生々はつらつと生産活動に励んでくださるということが我が国の税収につながっていくことでもある、こういうふうに考えているわけでございまして、何とかして需要が創出されるようにということを、もちろん短期的にはそうでございますが、中長期的には生活大国というものをつくり上げていく。そのためにやはり足らざる社会資本、また新しい国民が求めているような社会資本を整備していくことが大事だという考え方から、私どもはこのようなことを希望しておるわけでございます。
 問題は、その財源をどう賄うかということになってくるわけでございまして、この財源の問題、つまり四条国債の対象に何を含めるのかということは通産省としてこれを判断する立場にないわけでありまして、何回か私は委員会でうっかりちょっとそのようなことに少し触れて、あるところからもおしかりをいただいたわけでありますが、ここが大変大事なところだと私は思っております。
 アメリカに総理がお見えになるまでにということでございました。先ほどから申し上げておりますように、今予算審議をお願いをしておりますときだけに、追加的な予算を補正をするようなことは、これは今市し上げることではないということは十分承知をしております。しかし、景気対策を追加的にやっていくとするならば、これは総理が日米首脳会議に臨まれる、あるいはまた七月のサミットというものを前提に考えていけば、日本の経済対策というものは大変大きな注目を集めている。世界の経済に対しての責任を持つということから考えていけば、やはり外国のそれぞれの国々から目で見てわかりやすい経済対策を私は講ずるべきだろう、こう思っておりまして、そういう面では和田委員もそういう観点からお話しになったんだろうと思います。
 景気対策全体につきましては、我が党の景気対策本部が今このことを一生懸命取りまとめてくださっているわけでございまして、それがどのような形で財源を捻出するのかということも党にある程度これはお任せを申し上げておくことが私としてはとるべき態度ではないか、このように考えておるところでございます。
#89
○国務大臣(船田元君) 私どもは以前からお答え申し上げておりますけれども、まずやはり昨年八月の総合経済対策、これをきちんと実体経済の中で消化をしていくということですね。そして同時に、平成五年度の予算につきましても景気に十分に配慮をしている、これを一日も早く成立させていただいて実体経済に影響を与える時間をできるだけ早くしたい、こういうことで取り組んでいくのが最大の課題であると思っております。しかし同時に、経済というのは生き物であって、ここしばらくやはり経済情勢の変化というものに細心の注意を払って、場合によってはということもありますけれども、今後の動向というものに機動的に対応していくという必要があろうかと思っております。
 そういう中で、今もお話が出ましたけれども、自民党の中で総合景気対策本部が設置をされ、そこを中心としまして新社会資本整備という考え方、こういったものが打ち出されておる。また、お隣に座っていらっしゃいます通産大臣からもいろいろなお話を今日まで伺ってきたわけでございます。この新社会資本整備という考え方、これは私にとりましても、先ほどの和田先生のお話では非常に否定的だと、こういうお話でございましたが、はなからこれはいかぬということを言っているわけでは決してございません。物の考え方としては非常にいいアイデアだろうな、このように感じておるわけでございます。
 ただし、さはさりながら、新社会資本整備として挙げられている、あるいは挙げられるであろう項目というのが一体どういうものになるのか、まだはっきりしておりませんし、また我々としてはやはり内容として精査をしていかなきゃいけない。果たしてこういうことが公共事業として、あるいは公共投資ということで行うことが適切であるのかどうか、あるいは具体的に言えば、建設国債の発行対象として扱っていいものかどうか、こういう点についてはなおその概念整理というものが私はきちんとされなければいかぬのじゃないかな、そんな観点から申し上げたわけであります。はながら否定をするわけではありませんけれども、なお今後の各方面での検討の推移を注意深く見守っていきたい、こう思っております。
#90
○委員長(斎藤文夫君) 森通産大臣が吉村委員の質問の途中、衆議院本会議出席のため退席をされますが、御了承いただきたいと思います。
#91
○吉村剛太郎君 委員長がおっしゃいましたように、森大臣が本会議ということで退席されるようでございますので、先に大臣の方に御質問をさせていただきたい、このように思っております。
 いずれにしましても、今日世界の情勢は、御存じのようにソ連邦の崩壊、東西ドイツ統一等、冷戦構造が崩壊をいたしましてやっと平和かなというような思いもしておったところでございますが、落ちつくいとまもなくまた各地で新しい紛争が起きておるところでございます。また、ロシアが今日どうなるかわからないというようなことで、本当に新しい秩序がいつ来るかということを切望しておるところでございますが、経済面も内外ともに困難なときを迎えております。そういう時期に森大臣並びに経企庁長官が御就任をされまして、大いにその手腕を振るっていただきたい、このように思う次第でございます。
 まずは、何といいましても、今日の政治の最大の課題は景気対策でございます。もちろん、経済は人間の営みでございますから、当然いいときもあれば悪いときもある、そのような循環的なものである、このように思っておるところでございまして、我々も何度もそういう経験をいたしました。また、その都度それを日本人の英知で克服もしてきたところでございますが、今回のこの不況に関しましては従来のものと随分違うなという感じを私自身もまた多くの方々も持っておられるのではないか、このように思っております。
 我が国の経済的信用はおおむね土地を基礎にしたといいますか、土地にリンクをしたものであるわけでございまして、そういう面では土地本位制と言っても過言ではないんではないか、このように思うところでございますが、その土地が暴騰し、そして今日暴落をした、それと相並行いたしまして株価が暴騰し暴落をしたというところでございまして、金融機関がまたそのような不動産を多分に抱えておりまして、今までかつてないような経験をまた金融機関もしておる、このように思っております。経済のかなめでございます金融機関がそういう状況にあるということがまた実体経済に大変大きな影響を及ぼしておるんではないか、このように思っております。
 すなわち、先ほどから言われておりますように資産の暴騰、暴落でございまして、数字的に見ましても、例えばこの好況といいますか、先ほどからバブル経済という言葉で皆様方おっしゃっておりました、それが一九八〇年代の後半から一九九〇年の初頭にかけてのあの景気、その間株価が、
例えば一九八六年が一万三千円だったのが一九八九年には三万九千円、三倍に膨れ上がっておるところでございます。バブルかバブルでないかというのはまたそれぞれの見方もあろうか、このように思っておりますが、何といいましても、実体経済から離れたそういう土地の資産額また株式資産額といいますもの、統計表をここで詳しく述べるいとまもございませんが、数字を見ましても国内総生産額を上回る価格を示しておりまして、その分が私はバブルの部分ではないかな、このように思っております。
 ちょっと妙な例になりますが、そういう資産の暴騰の時期、実は私は友人から一万円のラーメンをもらいまして、一万円のラーメンというのはどんなものかと想像つかないかもわかりませんが、これは贈り物でございまして、大変な立派な箱に入っておりまして、中をあけますとやたら金目のものが具に入っております。フカのひれとかなんとか、最後は金粉がかかっておりまして、食ってみますととても食えたものではないわけでございます。本来ラーメンというのは五百円ぐらいで百円か二百円の利益を上げるものでございますのが、その時期はまさにラーメンまでがそういう状況になっている。
 また、私の地元福岡でございますが、大川市というのがございまして、ここは家具の町でございます。今の不況の中で大変今苦しんでおるところでございますが、先般も大川市へ行きましたら、立派な家具が、これは立派といいますよりは大きな大木の根を切り抜いたような家具でございます。世に高級家具というのがございますが、これはもう高級家具を超越したような、果たしてこんなものを家の中に置けるかどうかというような家具、その当時一千五百万から二千万したと、それが飛ぶように売れたというようなことでございます。
 先ほどのラーメンの話、今の家具の話、また資産の暴騰の話、まさに金余りの中で起きた現象であろう、このように思うわけでございますが、それが一挙にはじけまして、今日の不況になっておるところでございます。
 振り返って今だからこそ言えるんだろうと思いますが、政策としましても若干時期を失した面が多々あったんではないかな、このように思います。例えばバブルが明らかになったころの一九八八年の秒あたりにちょっと引き締め策をやり、またこの不況になった一九九一年の春あたりに若干緩めるというような手も打つべきではなかったかな、それが少しずつ後にずれたんではないかな、このように思う次第でございます。
 しかし、現実としてこのようなバブル経済が起こり、バブルがはじけて不況という中でこれからどういう経済対策、政策をしていかなければならないかという時期に来ておる、そういう時期に今森大臣並びに経企庁長官座っていらっしゃるわけでございます。これからの対策については、るるもう今までに述べられておられると思いますが、まずは一九八〇年代の後半から一九九一年にかけての平成景気といいますか五十カ月ほど続きました経済といいますもの、好況といいますもの、先ほど申しましたようにまさにバブルだったなという感じを私は受けております。その面につきまして、通産大臣はどういう見方をされておるか、そしてまたこの不況に対しましてどう対応をされるおつもりか。若干重複する面もあろうかと思いますが、御高説を賜りたい、このように思います。
#92
○国務大臣(森喜朗君) 今委員長からお話をくだざいましたように衆議院の本会議がございまして、吉村さんは私の学生時代から後輩でありまして、一年だけ私が上ですが、昔からのスポーツ仲間でもありまして、その最初の吉村さんの御質問に少し時間をかけてかみ合うような意見交換をしたいのでありますが、ちょっと時間がなくなってしまいました。大変恐縮でございます。またこれからいろいろと御指導いただくことが多いと思いますが、まずはこうして何回も選挙を戦われて、この参議院の場で御質問をされること、友人としても大変私は心からお祝いを申し上げたい、こう思っておる次第でございます。
 最終需要の大体四分の三を実は占めておりますのが個人消費と設備投資でございまして、これが非常に低迷を続けているというのが厳しい状況にあるということでございます。
 もう一つ、今金の一万円のラーメンのお話も出ましたけれども、いわゆるバブルというものによって何でもいいから付加価値をつけて、それで金もうけをしようということであった、これはもうだれが悪い、かれが悪いじゃなくて、利益を得ようということに対する欲望が一つの悪い形であらわれたんだろうと思います。
 最近私はよく、時間があればできるだけちょっと、すぐ近いものですから銀座の三越へ行きましたり高島屋をのぞいてみるんですけれども、その日その日によって全く人がおられなかったりして本当に買い物をだれもしないのかな、こう思っておりますと、例えば新宿などによくありますね、ヨドバシカメラだとかキムラヤだとか、池袋にビックカメラなんというのもあります。あるいは秋葉原に行きますと物すごい売り上げなんですね。
 ですから、じゃ売れないのかというとそうではないんです。非常にお客さんが利口になった、消費者は非常に利口になって、一般の百貨店で見てちゃんと仕組みやお金も全部調べて、それでそれと同じものを秋葉原へ買いにいくというぐらいに、消費者が非常にそういう意味でお金を使うことに利口になっている面があお。これは私は、逆に言えば今までのその金粉をまいた一万円のラーメンの逆作用だろう、こう思っております。それは私は、やっぱり喜ぶべき現象だろうと思うんです。消費者に知恵があるということだと思いますから、デパートなどもその実態をやはり考えて経営をしていく大事な反省から出てきた一つの私は商慣習ではないかな、こんなふうに思っております。
 そういう意味で、ただバブルが崩壊をしたことによって、先ほどからお話が出ておりますように金融システムとか実体経済にいろんな意味での懸念が強くなってきた、そのことが企業の不安感を醸成している、これは見逃せない一つのまたポイントだろう、こう思っております。
 そういう意味で、先ほどから各委員の皆様にも申し上げておりますように、まずは十二月のこの補正予算、いろんな角度から点検をいたしまして大体まだ五〇%ぐらいの執行だろうと思いますから、これを完全実施をし、そして今御審議をいただいておりますこの予算を早く上げていただいて執行させていく、そして切れ目のない公共事業でまず下支えをしていく。そこからもし必要になってまいりましたら、先ほど和田委員からも具体的ないろいろなお話がございましたように、やはり時代時代の要請に合った生活大国というものをつくり上げていくための、そういう社会資本というものをさらに整備をしていく景気対策というものが大事なんではないだろうか、そんなふうに考えております。
 いずれにいたしましても、内需主導の経済成長が基本であるということ、これは一番大事なところでありまして、いわゆる貿易の黒字のアンバランス、これを解消するのも内需主導型の経済を確立をしていくということが大事だと考えております。
 しかし、これからもそのためにも我々は全力を尽くしてまいりますけれども、今お話がございましたように、バブルの再燃ということを招かないように、これはやっぱり細心の注意を払っていかなければならない、こう思っております。大変恐縮でございますが、衆議院の方に参らしていただきます。
#93
○吉村剛太郎君 通産大臣、今衆議院の方にお行きになりまして、経企庁長官にちょっと重複するんですが、先ほどから平成五年度の経済成長率三・三%、平成四年度は一・六%程度になろうというようなこと、所信の表明の中におっしゃっておったわけでございますが、あれからもう一カ月
以上たちますかね。あの当時の円が今とどの程度違っているか、百二十数円、今随分円高になっておる、このように思っておりますし、日銀の短観を見ましても消費が非常におくれておる、また在庫調整がさらに先延ばしにおくれておるというようなことでございました。
 また、今、森大臣のお話ありましたように、消費が低迷しておる、電気製品なんかも秋葉原に行って買っておると。私もよく青果市場や魚市場に行くんですが、本来、景気に余り左右されないと言われておった野菜、例えばキャベツなどはかっては二つや三つ買っておった。使わなければその分捨てておったのが、奥様方が食べる分だけ買う。極端に言いますと、半分食べる分だけ買うというように、消費者が非常に賢くなった。そういうところから消費全体がむだがない買い方をするようになったんではないかな、このように思っております。
 もろもろのそういう要素、経済成長率のいろいろな数字、指数をインプットされるんであろうと思いますし、先ほどおっしゃいました数字をインプットして、まあまあいいんじゃないかというようなお話もありましたが、さっきは消費は期待値でございましたかね。期待値を入れる。私は、その期待値の置き方によってもこれ随分違うんじゃないかなと思います。
 そういうことから、長官もおっしゃいました三・三%の伸びといいますものが果たして大丈夫だろうか、このように思っておりますし、もっともこれ相対的なものですから、平成四年が一・六以下であればこれは三・三は軽くいくのが当然でございますが、その込もう一度確たるお答えがいただければと、このように思いますが、よろしくお願いします。
#94
○国務大臣(船田元君) 吉村委員にお答えをいたします。
 細かい数字上のことは政府委員から後ほど補足があるかもしれませんけれども、私から大体の傾向だけをお話しておきますと、先ほど円高の話を前半において触れられました。確かに一時期に比べて五%程度円高に今振れているという状況でございますが、果たしてこの傾向が一時的なものであるのか、あるいはこれは恒常的なものになるかあるいはもっと円高が進んでいくのか、その点についてはまだこの状況を為替市場を注意して見ていかないと全体の傾向あるいは円高の幅、こういったものもわかりませんので、これが経済の実体に与える影響はいかん、こう言われましてもなかなか定量的にそれをあらわすということが非常に難しい段階ではございます。
 ただ、一般的に言えることは、その円高ということが景気に対してはプラスの面もあればまたマイナスの面もある、私は両方あると思っております。プラスの面としては、これは輸入品が当然これ安くなりますからコストダウンが図れる。いわゆる交易条件というものが改善をする、こういうこともあろうかと思います。しかし、マイナス面としては、これはやはり輸出が減って輸入がふえる。そういうことになりますと、全体として経済成長をやや引っ張るというそういう傾向があるというわけであります。
 時間的な長さを考えてみると、一般的にはやはり景気に対するマイナスの効果の方が先にあらわれる、輸入品が安くなってコストダウンを図るというのは、むしろもうちょっと時間がずれておくれて出てぐるということでございますので、やはり急激な円高に振れるということは経済全体の活動、景気の動向というものには私は概してマイナスの影響の方が大きいんじゃないか、こう考えておりまして、急激な円高というものはこれは好ましくないということを前々から申し上げておりますし、また円高に対する対策ということも、これは通産大臣もお触れになっておりますけれども、十分な対応を立てなければいけないというふうに感じておるわけでございます。
 そういう中で、今年度の一・六%あるいは来年度の三・三%の成長率の達成の見通し、こういうお話でございますけれども、確かに今年度一・六%の実績見込みということで昨年十二月に示させていただいたわけであります。その後十―十二月期のQEが出まして、これが〇・一%、わずかなプラスでありましたけれども大変厳しい数字が十−十二月期で示された、これもまた変わり得る、後ほどまた修正をする可能性もありますけれども、大体の傾向はあらわしていると思います。そういたしますと、平成四年度全体で一・六を達成する、これはかなり努力をしないと、一―三月で急激に仲はすということにならないとなかなか見通しは難しいかなという感じがしておりますけれども、まだなお一―三月の状況もこれから数字が入ってくるわけですので、その辺、少し見させていただきたいというふうに思っています。
 また、三・三の来年度の見通しにつきましては、これは先ほどから申し上げておりますように、昨年の八月に決めました総合経済対策、そして現在の審議をしていただいております平成五年度の予算、これもかなり景気に配慮をした予算の内容になっておりまして、このいずれの対策におきましても一日も早い経済の実体への効果をあらわすように、こういうことで今政府を挙げて必死に頑張っている最中でございます。
 特に、平成五年度、いわゆる政府投資の部分は、これは平成四年度の補正予算も含めたものに比べまして九・五%、この政府投資額というのは伸びる予想になっておるわけでございますし、そういったものに引っ張られるという形で住宅建設も堅調に推移をしていくであろう。そして、そのことが最終的な個人消費やあるいは設備投資というものにかなり影響を与えることは間違いのないことでございまして、平成五年度の三・三ということも、我々の政策努力の結果として達成するということは何とかいけるんじゃないか、こういうことで今頑張っている最中でございます。
#95
○吉村剛太郎君 心強い御答弁で安心をいたしましたが、御健闘をお祈りしたいと思っております。
 次に、円高問題についてお聞きしたいと思いますが、日本の円も幾度となく試練を経てきたわけでございまして、一九七一年のニクソン・ショック、それから八五年のプラザ合意、そして今回の最高値を記録しました円高、そういうところではないかと思いますが、その都度日本人の努力によりまして円高を克服もしてきたところでございます。ただ、百四十円台、百三十円台、百二十円台そして百十円台、そしてこれだけの巨大な黒字、円が安くなる要素というのはほとんどないんではないかな、こんな感じを私は持っておりまして、これはじりじりとさらに円高方向に進んでいって、これは私だから言えることだろうと思いますが、最終的には百十円を割って限りなく百円に近づいてくるんではないかな、こういう感じさえ私は個人的には持っておるところでございます。
 そういう中で、円高になれば当然メリットもデメリットもあるわけでございますが、輸出企業あたりは大変なデメリットをこうむるわけでございます。そういう中で、先ほどちょっと答弁の中にありましたが、輸出の円建てが四〇%ということで、私は意外に多いなという感じがしまして安心もした次第でございます。終戦直後あたりは恐らくほとんどゼロで輸出しておったんではないかな、このように思います。輸入の方は、国際的に原油取引がドルですから、なかなか円建てが上がらないということであろうと思っております。
 ただ、諸外国を見てみますとアメリカは別としまして、マルクも恐らく八〇%を超す数字、それからポンドも五〇%以上ではないかなと。これだけの経済大国が余りにも自国通貨に誇りがなさ過ぎるんではないかなと。特に、日本の輸出商品といいますのはかなり競争力も強いし、これは円でやるかドルでやるかというのは相手があることですからなかなか勝手にはいかないと思いますが、まだまだ円建てに持っていけるんではないかな、このように私は思っております。そうすればリスクのヘッジにもなるわけでございまして、基本的には輸出も輸入も一〇〇%円になればこれは一番
いいことではないかな、私はこのように思っております。
 そうすれば円高円安に一喜一憂する必要はないわけでございまして、ただ国際通貨といいますのは経済力、政治力、いろいろなものがあるからそう勝手にいかないと思いますが、何といいましても今の四〇%というのはちょっと低いんではないかな、もう少し高める政策といいますか気概といいますか、もちろん相手があることですが、こういう指導も必要ではないかな、このように思うわけでございますが、その辺についてのちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
#96
○政府委員(渡辺修君) 輸出入の決済通貨の円建てウェートに関する御質問でございます。
 おっしゃいますように、数字は先ほど申し上げましたように輸出で約四〇%それから輸入で一七%というふうな数字になっております。これは今御指摘ありましたように、アメリカの場合は何といっても基軸通貨でございまして、輸出の九六%、輸入の八五%というのがドル建てでございます。それから、西ドイツとかイギリスにおきましても比率はアメリカよりも少のうございまして、例えば西ドイツは輸出の八割、輸入の五割というのが大体マルク建てということになっております。ただ、西ドイツとかイギリスというのは、御承知のように輸出入の相当のウエートがECの中で行われておりますものですから、その関係で日本の数字と単純に比較はできない、こういう要素があるかと思います。
 それから、おっしゃいますように急速に円建ての比率がふえてきておることは間違いございません。その主な要因は、特に東南アジアの輸出入につきます円建てというのが最近ウエートを増してきております。特に、東南アジアにつきましては世界の成長センターという感じでございまして、これからも経済力は発展すると思います。日本からの投資もふえておりまして、そこで我が国の投資をもとに工業化が行われて、資本財とかあるいは耐久消費財というのが今相当な勢いで日本に入ってきております。こういうのはほとんど円建てになっております。そういうことを考えますと、これからの輸出輸入、ともに我が国の円建ての比率というのはこれから着実にふえていくだろうと思います。そういうふうに我々予測いたしておりまして、それは先ほども申し上げましたように、物価の安定あるいは為替リスクの回避ということで非常に好ましいことと思っております。
 ただ、政策的にこれを何か円滑にすべきではないかというのは、それはおっしゃるとおりなんでございますが、あくまでこれビジネスでございまして、我々がやれますことはこういう数字を発表いたしまして、着実にふえておるという数字をこの間も銀行とか商社の方にこれを御説明いたしましたときに、それをもとに我が社においても社内で大いにその方向で議論してみよう、こういうことでございまして、そういう環境を整えていく、それでエンカレッジする、こういうことで着実にふやしていくように努力していきたいと思います。
#97
○吉村剛太郎君 もうあと時間がないようですので、ちょっと中小企業の問題です。今最も不況の波を受けておりますのが中小企業でございます。中小企業は何といいましても日本の経済を下支えしておるわけでございまして、その中小企業が非常に体質が弱くなっておる、また気分的に沈んでおるというようなことでございまして、そういう中で今般の信用保険法の改正、これは私も大歓迎でございますが、ただ一般的に金融機関が非常に中小企業に厳しくなっておるんではないかなと。特に、地銀あたりが短プラの対象を絞り込んでおりまして、これは相当中小企業の金融情勢が厳しくなってきておるんではないかな、このように思っております。
 一方では信用保険法の改正という前向きのことがありますが、一方では現場の金融機関がそのように厳しくなってきておるという中で、通産省としては何かその辺の指導といいますか、その辺お考えがあれば伺いたい、このように思います。
#98
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、今中小企業押しなべて極めて厳しい状況にあると思っております。特に、生産高の減少あるいは借金の返済あるいは採算の悪化というようなことから資金繰りが苦しくなっておりまして、特に運転資金の面での資金需要が強いかと思っております。
 この点につきまして、資金調達の方法として、民間の金融機関から借りる方法、それから政府系の金融機関から借りる方法と、いろいろございます。民間の金融機関からの借り入れにつきましては、累次にわたりまして大蔵省銀行局長からもいろいろ各機関に通達をしていただいております。先般も公定歩合の引き下げをいたしました際には、金利も含めて中小企業に特段の配慮をするようにということで通達を出していただいております。
 それから、もちろん政府系金融機関につきましては、こういう時期でございますから、中小企業の皆さんの御要望に極力おこたえすべく運用面で大変弾力化をさせていただいておりまして、現に貸し出し規模も非常に増加をいたしております。この中でも、先ほど申し上げました運転資金の比率が六割、七割を占めているというところでございます。
 最後に、先ほど先生御指摘ございました信用保険法の改正、信用保証協会が保証いたします場合の一企業当たりの限度の引き上げを五年ぶりにお願いしているわけでございまして、この法案を御提出さしていただいております。通常、信用保証協会が保証いたしますのは民間の金融機関からお借りになる場合に保証させていただいているわけでございまして、こういう保証協会の保証の制度が拡充されるということが、また制度的な意味で民間の金融機関から中小企業の方がお金を借りられる場合に一つの新しい可能性をもたらすというものではないかと私考えておりまして、そういった意味も金融機関から借り入れをしやすくなるという環境整備には非常に役立つんではないかと考えておりまして、今法案の審議をお願いいたしておるところでございますので、ぜひよろしく御支援をお願いできればと思う次第でございます。
#99
○吉村剛太郎君 もう時間が来ましたから、あとありますけれども、これでやめます。
#100
○委員長(斎藤文夫君) それでは、速記をとめてください。
   〔午後四時二十四分速記中止〕
   〔午後四時四十二分速記開始〕
#101
○委員長(斎藤文夫君) それでは速記を起こしてください。
#102
○市川正一君 大臣、お待ちしておりました。森通産大臣とは初めての機会でございますので、この際大臣の基本的な政治姿勢についてまずお伺いしたいと思います。
 金丸、生原両氏の逮捕によってますます重大化しておる佐川、暴力団疑惑でありますが、北陸佐川急便のいわゆる総勘定元帳、ここにコピーを私持ってきているんですが、これによりますと、森大臣個人とその政治団体に少なくとも総額六百万円が献金されているとなっております。昨年四月、当時自民党政調会長であった大臣は、新聞社の取材に対して献金を受けていたことを認められましたが、国会の場でもこの際その事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
#103
○国務大臣(森喜朗君) 私、今いって何月何日どうかというのをちょっと確かに承知をしておりませんが、北陸佐川急便から法律に基づいて政治資金の提供を受けておりました。それは恐らく一年ではないんだろうと思いますが、何年かにわたって五百万でしたか六百万という後から秘書によって調べましたらそういう記載がなされておりまして、政治資金規正法に基づいて報告をきちっといたしております。
#104
○市川正一君 ここに、昨年四月十六日付の毎日新聞がございます。この報道によりますと、大臣御本人の名で百五十万円、あなたの政治団体である近代政経研究会、春風会、新教育懇話会、財政
金融研究会にそれぞれ五十万から百万円献金されております。いわゆる佐川マネーの性格、その目的は今日明白になってまいりました。通産大臣という財界や企業とは極めて密接なかかわり合いを持つ職責につかれただけに、この献金についてどのように反省されているのか、その認識を承りたいと思います。
#105
○国務大臣(森喜朗君) 今、市川委員からどのような反省をというふうなお問いかけでございました。こちらからお尋ねするわけにいきませんので、それは恐らく北陸佐川の献金を受けていたことに対してどのような反省があるかということだろうと思います。
 佐川さん、今どういう立場におられるのか。創始者の佐川清さん、金沢の方に拠点をおつくりになったということでございました。その後に披露パーティーかなんかございまして、そこで私の極めて親しい方から御紹介がございまして、そのパーティー、お祝いの会に臨みました。もちろん私だけではなくて、多くの国会議員、政界関係者がおられました。
 私は、企業の今日のような状況は全く関知いたしておりませんが、新潟県御出身でたたき上げて会社をつくられた方だということでしたから大変立派な企業家だ、そういうふうに感じて、そういう見方を私は私なりに佐川さんに対してしておりましたし、またその当時いわゆる宅急便という新しい分野が非常に注目もされておりましたし、なるほどそういう運送もあるのだなということで大変ある意味ではそういう面では関心を持っておりました。
 その後、今日いろいろなことが話題になる、そういう企業であるということはその当時全く承知をしていなかったわけでございまして、そのとき申し出によって政治献金をちょうだいできるということでございましたので、法的な資金をきちっと届け出をしてちょうだいしていたわけでございます。ただ、その後、こうした形で社会的に大きな問題を投げかけているということを考えてみますと、改めて企業献金に対しては十分に慎重でなければいけないなという感じを私は今反省を持ちながら、そういう感想を持っているわけでございます。
 ただ、一般論としまして政治献金云々ということ、企業と政治云々とおっしゃったのかどうか定かに今わかりませんので、時間もありませんから、とりあえず北陸佐川の献金を受けたことについてということで私の基本的な考え方を申し上げさせていただきました。
#106
○市川正一君 佐川マネーの性格というものが非常にはっきりしてきた段階で、これについてのいわば政治献金を受け取られたことをお聞きしたわけで、きょうはそこまでにしておきます。
 次に、大臣に対する皇民党のいわゆる褒め殺し問題についてであります。
 大臣と大変親しい間柄にある元側近の方が、あなたとも相談の上で高松市の皇民党本部に赴いて皇民党の大島竜a行動隊長、今は総裁でございますが、彼に会って中止を要請し、街頭宣伝は中止になった、その経過と結果は大臣にも報告していると、その元側近の方は述べています。その際に、銀座千疋屋のメロンを手土産に持っていった等々生々しい状況まで語っておりますが、そういう事実がございましたんでしょうか。
#107
○国務大臣(森喜朗君) 実は私は、その当時は皇民党というふうに名のっていなかったと思っておりますが、大変自分のことながら不謹慎で日を覚えていないんですけれども、もう十数年前の話で、二十年も前になるのかもしれませんが、石川県でいわゆる宣伝で褒めるという、そういう行為があったんです。
 私は東京におりますので直接の被害を受けないんですけれども、私の事務所だとか私の自宅だとかその周囲でもう毎日のように街宣活動をやる。それがだんだん数がふえてくる。それだけじゃなくて、そのうち金沢の石川県庁の前でやる。あるいは私の住まいしております小松という町の市役所の前でやる。だんだんそういうことがエスカレートしておりました。当然、警察の方にも何とかしろということでお願いをしたんですが、取り締まる方法がない。警察もテープでとったりしておりましたけれども、褒めているものですから人権侵害にもならないし、あの時点の法律ではどうにもなりませんということでございました。
 私はどちらかというと、昔青嵐会に属しておりまして、右翼から何で私がやられるのかなということを実際自分なりにどうも合点がいかなかったんです。しかし、とにかくその当時は皇民党とも何とも言ってなくて、石川県の中にいる右翼団体だというふうに言われておりましたが、後にこれがいろいろ調べていきますと、行動右翼というような呼び方を専門家はしておりましたが、暴力団が形を変えて政治結社の届け出をしてそうした行為をしておるということでございました。私も、当時は本当にいろんな人から電話がかかったりして、おまえもついに焼きが回ったな、右翼に金やってやらせているのかだとかいろいろなことを言われました。
 しかし、私は知らなかったんですが、私の父が当時石川県の私の郷里の町長をやっておりまして、おやじが出しました回顧録みたいなものが後で出たんです。三年前におやじは死にましたが、そのときの回顧録を読んでみましたら、その当時私のおやじの役場にまで来ておりまして、当時私のおやじは石川県の日ソ協会というんですか、そこの会長をしておりましたものですから、そんな嫌がらせもどうもあったようでございました。森親子に対するやはり何か含みがあるのかなということでございましたが、そのうちに実は終わってしまいました、ある期間を経て。
 終わりました後に、私の友人が、今御指摘になりました私の親しい友人でありますから名前を申し上げるのは勘弁させてもらいたいんですが、その友人がおかしいなと、そんなばかなこと、おまえみたいな多少は青嵐会にまでいた者が何でこんな連中にやられなきゃいけないんだと、義憤に駆られるからおれは行ってくると言って彼は高松へ行って、そして確かに何か千疋屋のメロンを持っていったと言っておりました、後で。行って、これは私が行けと言ったとか、その後で報告を受けた、そういうことではなくて、彼が自発的にそれを言いに行って、そして何であいつにそんなことしなきゃならぬのだと、こう言って一応話をして文句を言ってきたと。しかし、向こうもよくわかったということであったということですから、そういう現象が起きてしばらくしてから私の友人が高松へ行ったということは後で報告を聞いております。
#108
○市川正一君 若干事実関係の食い違いがございますが、きょうはこれ以上は触れません。
 もう一点だけ伺いたいのは、今国民の重大関心事となっております大手総合建設会社、いわゆるゼネコン、そこから大臣は献金を受けていらっしゃるのかどうか。これは、国民の血税を投入する公共事業費とも深くかかわりますので、お伺いいたしたいと思います。
#109
○国務大臣(森喜朗君) 私は、企業の献金というのはこれは認められているものだと理解をいたしておりまして、幅広く会費という形でちょうだいをいたしております。したがいまして、細かく調査をいたしておりませんけれども、当然私の後援会の会員の中にはそうした企業も入っているだろうというふうに見ております。
#110
○市川正一君 ぜひこれはお調べいただきたいと思いますし、きょうはただいまの御答弁をしかとお聞きした上で、今後の事態の解明と相まって見守っていくことを申し述べて、次の質問に入らせていただきます。
 二月二十二日という日は、くしくも私ども参議院商工委員会の一行が神奈川県下の視察に入った日でございますが、まさにその日に日産自動車座間工場の閉鎖を含む大合理化計画が発表されました。それから一カ月たちまして、このほど我が党国会議員団が現地調査に入ったのでありますが、この日産の合理化計画というのは九三年度には黒字にする、九五年度には一千億円以上の営業利益
を確保するという、まことにいわば強気のものです。実際に、今回の計画はゼロ成長でも利益を上げる体制を目指しております。さらに辻日産社長は、シェア三〇%を実現する、こうも述べております。まさに不況を最大限に活用して、私に言わせれば逆手にとって攻めのリストラを実行しようとするところにその本質がある、私はそう思います。
 一時的な赤字を理由に工場を閉鎖し、これまで同社を支えてきた労働者や下請関連企業、周辺の小売業、地元住民、さらには座間市を初め関係自治体など、弊履のごとく投げ捨ててしまう、犠牲にしてはばからない、こういうやり方について、通産大臣は企業の社会的責任という立場からどのように認識されているのか、所信をお伺いしたいと思います。
#111
○国務大臣(森喜朗君) 自由主義、資本主義社会の中では、企業はやはり株主から資金をお預かりして、そして多くの従業員を抱えて利益を少しでも得るように努力をしておられるわけであります。そういう意味では、また大変大きな社会的な責任があるということは私も承知をいたしております。しかし、一方におきましては、やはり企業が絶え間なくいろんな形で構造改革の努力もしていかなければならぬ。また、世の中の変遷あるいはいろんな客観情勢の変化もあるでしょう。そういうことに対しても対応していかなきゃならぬということは言うまでもないことだと思います。そのことがやっぱり経営責任につながっていくことだと考えております。しかし、これは一般論で私は今申し上げたわけであります。
 ただ、今御指摘の日産の座間工場の問題につきましては、自動車需要というのは御承知のように低迷を背景といたしておりまして、深刻な経営状況に各社あるわけでございます。そういう中で我が国の自動車産業は、それぞれ各社の実情に沿ってさまざまな構造改善の努力を行っているところでございます。今回の日産自動車座間工場での車両生産を中止して九州工場等へ移転するということを発表した件につきましては、こうした構造改善努力の一環として会社としてそういう判断をしたものであるというふうに私どもは考えております。
 なお、座間工場の工作機械製造部門あるいは生産技術センター等は、今後とも事業を継続さらに拡大する予定というふうに伺っております。全体では四千人おられましたところ、千五百人がこの座間にそのまま残って工作機械あるいは生産技術センターを引き続き進めていくということのように伺っておりまして、その他につきましては北九州工場の方に集約をしていく、こういう計画だというように承知をいたしております。
 通産省といたしましては、本件が下請中小企業あるいは地元の商店街等、地域経済に与える影響につきましては日産自動車の対応も踏まえながら注視をしていきたい、そういうふうに考えております。今後、事態の推移に応じまして、影響を受ける域内の中小企業等に対しましては随時適時適切な対応を講じてまいりたい、このように考えております。
#112
○市川正一君 大臣、知ってはることを皆全部言うてしまいはったら後の議論がみ合いにならしません。そうでしょう。僕が聞いたのは、この企業の社会的責任というものがあるのと違うんかと。それはもうけるためには何をやってもええ、ノンルールと違うんですね、やっぱり。そこのところをお聞きしているんです。
 じゃ聞きます、具体的に。
 工場閉鎖を含むこれだけの大合理化計画について、日産からは座間市にも神奈川県にも事前の相談も予告もないんです。そして、マスコミに発表した後初めて通告されたというのが事実です。
 座間市の星野市長に我が党調査団は会いました。市長は、これだけの重大問題を抜き打ちに発表したことは許せないと言って憤慨されております。当然やと思います。しかも、計画の内容については今もなお全く知らされていない。そのために、三月十五日、ここに文書を持ってまいりましたが、星野市長が辻社長あてに「事業改革計画に伴う情報提供について」という文書を提出しています。そして、「市民の衝撃は癒えることなく、また市内商工業者は影響を危惧し、深刻さが募るばかり」であるということで情報提供を要請しているにかかわらずその後も改善されておらぬのです。
 私は企業の社会的責任ということについてお聞きしますが、市当局のこういう要請をも無視する日産の姿勢を通産省は是として容認されるんですか、どうですか。
#113
○政府委員(坂本吉弘君) ただいま御指摘の日産自動車の今回の計画の発表に関しましては、日産自動車が株式の公開企業であるというところから、インサイダー取引の防止を図る、こういうことで事前に関係方面の連絡を行わずに発表を行ったものというふうに聞いております。ただ、その計画が下請企業あるいは関係の市町村、そういったところに与える影響の大きさはただいま市川委員御指摘のとおりでございまして、二月二十三日、直ちに座間市、また神奈川県等関連自治体に対しまして、本件発表の内容、背景を可能な限り詳細に行ったというふうに聞いておるところでございます。
 私ども、日産自動車から今日まで、二月二十三日以降、三月の手元の資料では十七日まででございますが、累次にわたり神奈川県、座間市、また綾瀬市、大和市、その他の周辺市町村に対して日産自動車の役員がお話をしているという状況を把握をいたしているところでございまして、発表後ということではございますけれども、今後二年間の間にこういった周辺に対する問題その他の解決を図りたいというのが日産自動車の意向であるというふうに承知をいたしているところでございます。
#114
○市川正一君 二年じゃなしに、今もうけつに火がついとるんです。日産は、九三年の三月末に五万三千人いる人員を九六年三月末には四万八千人、すなわち五千人削減する、こう発表しているんです。しかし、実際にはこの間に四千人の新規採用が予定されておりますから、実質的な人員削減が九千人になります。この九千人を自然減で削減することはおよそ不可能です。とすれば生首が飛ばざるを得ぬのです。大臣がさっき、幾つかの部門は残す、拡充するとおっしゃった。その職場で現にもう出てきているんです、配置転換。私は通産省が、こういうやり方で解雇や強制退職が行われても、それはやむを得ぬと考えていらっしゃるのか、その点をひとつお聞きしたい。
#115
○政府委員(坂本吉弘君) 日産自動車が現在の低迷状況をいろいろな合理化計画を立てながら克服し、将来の発展に備えようという姿勢にあることは先ほど大臣からお話し申し上げたとおりでございます。
 現在、御指摘の人員の配置転換あるいは人員の削減の問題でございますけれども、基本的には自然減を前提として採用人数を減らす、そして退社する人の後を合理化によって乗り切っていく、こういうことを前提にしているものと考えております。当然のことながら、こういった大企業の、また多くの雇用を有している企業でございますから、そういった面に対する影響というものは当然日産自動車においても考えてもらえるものというふうに私は考えておりまして、そういった中でできるだけ無理のない形で合理化は行われ、将来の発展に備えて体質の強化が行われるものというふうに理解をいたしているところでございます。
#116
○市川正一君 具体的にさらに伺います。
 現地では工場閉鎖に向けての在庫調整のために部品や資材によっては発注ゼロになっております。既に、下請中小企業への影響は広がっているんです。特に、二次、三次以降の下請は深刻であります。ですから、日産はそういうところに対策を立てるんじゃなしに、二次、三次については関知しないという態度をとっています。
 さらに、自治体との関係で申しますと、座間市の税収は、日産の法人市民税が九一年は三億五千万、法人市民税全体の二割です。さらに、固定資
産税は七億八千万円、それに日産及び関連企業の労働者の住民税などを加えれば、地域経済に及ぼす影響はまさに重大、深刻です。通産省は、こういう影響について実情を把握しているんですか。
#117
○政府委員(坂本吉弘君) 日産自動車の座間工場が多くの一次下請企業、いわゆる部品のサプライヤーなどを頂点とする二次、三次の下請企業の構造の上に成り立っているということは、先生御指摘のとおりでございます。
 私ども手元で把握しております数字でございますけれども、一次取引企業は約四百六十社、またその一次企業と取引をいたしております二次取引先が約千百社強、こういった状況にございます。それぞれの企業が日産の座間工場にその事業をどの程度依存しているかという点につきましては、いろいろなばらつきがございます。詳しいことを申し上げるのは差し控えたいと存じますが、大部分につきましては、例えば部品サプライヤーにっきましては日産の座間工場のみならず他の工場に依存、あるいは他の会社へ供給をしているというような状況もございます。しかし、いずれにせよ座間工場が二年間の間に生産を縮小していくという中では、これらの一次、二次の下請企業あるいはそれ以降の下請企業に対してかなりの影響が出るものというふうに認識をいたしておるところでございます。
 ただいま先生おっしゃいました二次、三次は関知せずと日産自動車が言っているという点は、私は存じておりませんけれども、恐らくはそういうことではなくて、一次サプライヤーまたはその一次が二次、三次をどうするか、こういったことについて今後日産自動車として話し合いを行っていくものと理解をいたしておるところでございます。
 また、市財政の問題につきましては、私の手元にある座間市の税収入に関しましては、ただいま先生御指摘の数字とほぼ変わらないところでございますけれども、現在九一年度の座間市の税収が百六十七億円ほどあると伺っておりまして、先ほどおつしゃいました二割ではなくて約一割のウエートだというふうに理解をいたしております。
 こういった市民税あるいは法人市民税、固定資産税その他の税がこの生産の中止あるいはその移転ということによってどの程度影響を受けるかということにつきましては、今後この座間に工場が一部残るわけでございます、また固定資産がどういうふうにこれから利用されるか、また日産の座間に勤務しておられる方のうち座間市在住の方は手元では五百人程度ということになっておりますけれども、そういった人々の動き、あるいは設備の処分の方法その他によってどの程度座間市の財政に影響が出るかというのを今後フォローしてまいりたいというふうに考えております。
#118
○委員長(斎藤文夫君) 時間が来ましたので、簡潔にお願いします。
#119
○市川正一君 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いいたします。
 今度の問題について、通産省が指導的役割を果たしてきたことは、これはもう周知のところであります。そういう上に立って、森大臣は衆議院での議論の中でも前川レポートに沿って海外直接投資を促進するための施策を推進してきた、こう不破委員長の質問にお答えになりました。その結果、今日海外生産の占める比率は、九一年度乗用車では二〇%、カラーテレビで六三%等々、従業員の数では自動車三社で四三%は海外従業員で成っている。
#120
○委員長(斎藤文夫君) 簡潔に願います。
#121
○市川正一君 はい。
 日産については一方では工場閉鎖を強行しておきながら、海外生産は九四年度七割増を見込んでおります。加えて、スペインで生産した四輪駆動車を九四年から年間一万台日本へ逆輸入する計画まで進めている。
 先ほど来大臣は内需主導型の経済ということを繰り返し言っておられる。とすれば、今不況のこの国内の生産と雇用を圧迫し、労働者や中小企業を圧殺するようなこういう海外生産、移転、言いかえれば空洞化政策に対して企業は自主規制し、政府としても凍結すべきときではないかと考えますが、大臣の所見を承って質問を終わります。
#122
○委員長(斎藤文夫君) 簡潔に御答弁願います。
#123
○国務大臣(森喜朗君) 通産省がこのことにかかわっていたのではないかということを言われますと、それについては一応お答えを申し上げておかなければなりませんが、日産自動車が座間工場での車両生産を中止し、九州工場へ移転するということにしたのは、やはりこれは日産自動車独自の経営判断によるものであるということを申し上げておきたいと思います。
 衆議院の予算委員会で不破委員長からそういう御覧間がございましたが、前川レポートによってそうするということを申し上げたかどうか、今私は詳細に記憶しておりませんけれども、私は今でもしっかり記憶しておることは、海外に工場をつくることは何も海外に企業をどんどん進出させて国内を空洞化させていくという、そういう御質問に対して私はお答えをしたような気がするんです。海外での企業投資というのは企業にとってもかなり勇気の要ることだと思いますし、ある意味では相手の国から求められているというものも随分あるんです。
 もう亡くなられましたけれども、私の先輩に当たります当時安倍通産大臣が困った困ったといつも言っておられたのは、当時イギリスから日産自動車に何とか進出してくれないかということで三年ほどかかって、お見えになる場合に必ずそれをおっしゃったと。なかなか日産自動車もいろいろ考えてちゅうちょしておられるようだというふうなことを、私は話として当時の安倍通産大臣に伺ったことがございます。この間コール首相がお見えになりましたときも東部ドイツ、つまり旧の東ドイツですが、あそこにどうも日本の投資がないじゃないか、なぜあそこに日本がもっと企業を進出してくれないんだろうかというお話がございました。
 このように、必ずしも海外に企業が出るということはこちらを空洞化させてそっちへやる、海外へ持っていくという日本の企業の行動だけではなくて、やはり国際間の友好関係あるいはその国のいろんな雇用の面、経済の発展のための一翼を担うというような面もあるかというふうに思いますので、どうぞそのような御理解もぜひお願いを申し上げたいと存じます。
#124
○市川正一君 終わります。
#125
○古川太三郎君 まず、公取委員長にお聞きしたいと思います。
 先ほどからの質問で山梨建設業協会のお話もありました。そういうことで独禁法に違反しないかするかとかいうような議論もございました。ここでは大学の講座ではございませんから、そういう法律の解釈をしても意味がないことなんで、新聞に出ておりますような情報交換をすればコーヒー代をどうしても出さなければならぬ、あるいは入札そして落札すれば今度はまんじゅうを持っていかなければならぬ。そういう構造について独禁法の違反になる事実があるんではないか、そういうにおいがするじゃないかだから公取委員会としてはもうその捜査を本当にやる気があるというよりも、その段階を越えてやっているのかどうかを聞きたいんですけれども、いかがですか。
#126
○政府委員(小粥正巳君) ただいまの山梨の問題についてのお尋ねでございますけれども、まず私ども一般論として申し上げさせていただきますが、当然のことでございますけれども、独禁法に違反する疑いがあるとする具体的な端緒となります情報に接した場合には、必要な調査をこれまでも行ってまいりましたし、今後とも当然そのように対応をいたします。
 ただ、お尋ねの本件につきましては、これまで報道されておりますような情報等によりましても、私どもとして独禁法違反の疑いありとして調査を開始するに足るだけの具体的な端緒となるような事実を得ていないというのが現状でございま
す。したがいまして、私ども今後ともこの問題に関連する検察当局の捜査の動向などを注意深く見守ってまいりたい、こういうことでございます。
#127
○古川太三郎君 重ねて聞きますけれども、公取委員会というのは検察庁とまた別個の捜査をする権限もございます独立の機関です。何も検察庁の捜査、その成り行きを見守ってからやらなきゃならぬとか、そういう問題では決してないわけですね。何か人ごとのように他人様のようなことを委員長はおっしゃいますけれども、あの金丸事件というのは所得の脱税だけだ、そういう問題ではないんで、脱税をするような形になっていた産業構造がこれは独禁法じゃどうだろうというのが国民一般の人が見ている部分だと思うんです。これを検察庁の捜査の成り行きを見てやるというような非常に消極的な態度そのものが、これはやっぱり国民の批判を受けるようなことになるんではないか。
 大手ゼネコンとかそういったものは、埼玉の土曜会のような形で前科を持っているんです。そしてまた建設業界では多くの談合があるというのも一般の人たちは、それはうわさと言うかもしれませんけれども、ほかの業種よりも相当多いんではないか、こういう疑いも持っているわけです。少なくともあれほどの新聞で出てきた事実からしますと、もう既にその調べに入っていられるのかというように期待を持っていたんですけれども、今のところはまだそういう意味では何もなさってないという趣旨でございますか。
#128
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお答え申し上げましたところでございますけれども、私ども独禁法違反行為として調査を開始するに足るだけの具体的な端緒となる事実を得れば、これまでもそうでございましたし、これは本件に限らずでございますが、今後とも厳正に対応する、そういうことでございますが、本件につきましては、現在の段階では私どもが調査を開始するに足るだけの具体的な端緒となるような事実を得ておりません。
 いずれにいたしましても、私あえて一般論としてとお断りして申し上げたわけでございますが、私どもの独禁法違反行為に対する対応は、従来同様、繰り返して申し上げますけれども、独禁法違反として調査を開始するに足るだけの具体的な端緒となるような事実を得ているかどうか、これによって対応をしているわけでございますので、繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、ただいまのところはそのような状況でございます。
#129
○古川太三郎君 簡単に終わろうと思ったんですけれども、そうおっしゃるとどうしてもしつこくならざるを得ないんで恐縮ですけれども、きのうの宮澤総理の予算委員会の中で日本新党の武田さんと民主改革連合の磯村が話ししておりますけれども、それに対して宮澤総理は、公共事業の発注、契約、入札の透明性をはっきりさせないといけない、従来も努力してきたが問題があると思わざるを得ない、ここまでおっしゃっているんですよね。
 それで、公取委員会では他人事のように捜査の進展を見守ってとかいうようなことでじっとしていらっしゃる。いや、もう既に捜査なさっていて、今そのことを言っちゃいけないと言うんならこれはまた話は別ですけれども、今の段階でもまだ調べてみるということもなさってないとすればこれは非常に国民から見て期待外れになることなので、そのことをもう一度お伺いしたいと思います。
#130
○政府委員(小粥正巳君) 私ども、前にも申し上げたことでございますけれども、例えば入札談合行為のような競争入札制度を基本的に否定するような行為、これは独占禁止法違反行為としても極めて悪質なケースでございます。そういう問題に対しては、従来から厳しく対応してきているつもりでございます。したがいまして、そのような問題につきましての情報収集につきましては、従来同様私どもとしましてもその点に鋭意努力をしているということは申し上げておきたいと存じます。
#131
○古川太三郎君 企業とか産業界を預かっていらっしゃる通産大臣にお聞きしたいんですが、最近いろいろ問題になっております使途不明金でございますが、使途不明金が見つかったような会社、こういった会社にはもう公共事業の入札を排除する、五年間ぐらいは、というようなおつもりはございませんか。そういう方向に持っていきたいというようなことはないかどうかお聞きしたいと思います。
#132
○国務大臣(森喜朗君) 今御質問がございました一連のこうした問題の際の使途不明金というのはそれなりにまたいろんな重みもあるんでしょうが、一般的なことしか私は今の段階で申し上げられませんが、それぞれの企業で詳細な使途が明らかにできないそういうケースも間々あるんだろう、私はそう思います。
 ただ、これは私ども通産省の立場で申し上げるというよりも、やはりこれは税法上、そういう税の所管の官庁が判断をしていくべきものだろうというふうに私は思います。
#133
○古川太三郎君 確かにそれは、税の所管といえばそうなるでしょうけれども、会社の活動として、そしてまた産業の仕組みとして、それに公共的なものが絡み合ってくるというようなことから考えて、使途不明金というのは、どうしてもこれは会社から会社に行っているというお金は少ないだろうと思うんですね。交際費だとかあるいは暴力団対策費か何かとかあるいは政治献金だとかそういうことだろうと思うし、またリベートだとかいうような場合にはこれまた個人に行っているケースが間々多いと思う。それはそういう実態が把握できていませんから何とも申し上げられませんけれども。
 とにかく、こういう企業会計として非常に不明朗な会計をすること自体、日本の企業そのものの社会的使命、先ほども同僚議員がおっしゃいましたけれども、そういうような観点から見ても非常にこれは許せないことだと。こういったものが公共事業にもかかわってくるということになると、なおさらそれは少なくしていかなきゃならぬということを考えるのが私は産業界を預かっていられる通産大臣として必要なことではないかこう思うわけなんです。
 しかも、これは建設業界ばかりじゃなく、今度は先ほど話が出ておりました新社会資本というような形で、文教だとか通産だとか、あるいは厚生、逓信、こういったものにもかかわってくる部分が非常に多くなるだろう。そういうことになりますと、今まではそういう業種では少なかった使途不明金がまたふえるんではないか。これは、国民は必ずそういう不安を持ってくるだろう、こう思うわけですね。
 だから、それだけになおさらこの使途不明金については、使途不明金がある、あるいはこれが経費の何%か、まあ〇・〇何%とかというような数字になるかもしれませんけれども、正常な企業活動ではないんだというような認定をしたときには公共事業から排除する。例えば何%ルールとかいうようなものを決めて懲罰に付するというような考えがあるかどうかをお聞かせ願いたいと思います。
#134
○国務大臣(森喜朗君) 企業にはやはり明朗で透明性の企業会計というものが求められているということは、これはもう言うまでもないことだと思います。しかし、企業におきましてはそれぞれ、今、先生も御指摘されましたように開示できないような営業経費というものもやっぱり含まれているのではないかということを推測もできるわけでございます。
 今、そこまできちんと何%がどうだとか数字を決めるというのはなかなかこれ難しいものでございまして、きのうも参議院の予算委員会で江本議員が一体どの程度までかけたらいいんですかという質問をなさって、法務大臣も大変お困りになっておられました。こうしたことはあってはならぬことでございますけれども、先ほど申し上げまし
たように、企業としての正しいか正しくないのかということの判断は、企業の税の面から見ていく、そういう所轄官庁の判断というのが私はやはり重要ではないかというふうに思います。
 ただ、私といたしましては、企業というのは、やはりこれは株主に対しましても従業員に対しましてもあるいはまた社会に対しましても透明性というものをより求められていくということは当然のことだろうという、そういうことは大前提でございます。
 なお、公共事業にかかわってその企業が使途不明金が多いとかあるとかということの議論は、私はまた別問題だろうというふうに思っております。
#135
○古川太三郎君 少なくとも使途不明金が何%以上あるような会社は公共事業にかかわってもらっちゃ困る。逆に言えば税金がどこに還流しているかわからない、こういうような考え方もあり得るわけなんです。また、公共事業の入札資格にはとにかく赤字であってはなかなか入札できないとかいうようなことが通産省の請負業者選定要領とかいうものに出ていますね。そういった部類のことが、やっぱり使途不明金でもそういう懲罰的なことが必要ではないか。これが企業会計を明朗化していく意味にもつながるし、また公共事業も安心して落札してもらってもいいだろうということにもなろうかと思うんです。
 少なくとも、この使途不明金があったという会社は個別的に、トータルで五百億ありますとかそういう発表じゃなくて、何々会社は使途不明金が何%ありましたというようなことを情報公開する必要があるんではないか。これは株主にもそういうディスクロージャーの利益をどうして分けないのか。非常にわからないような形での経費というのは慎むべきだと思うし、株式投資するのにもそれは必要なことなんで、私は個別的にも、もしそういったことがわかれば、これは発表するというくらいの会社の規制が必要じゃないかと思うんですが、大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#136
○国務大臣(森喜朗君) 私は、その使途不明金があることを何も認めて、それがいいということを申し上げているんじゃないんです。
 ただ、企業にはそれぞれ企業の考え方もあるんだろうと思いますが、端的に言えば企業には会計監査の仕組みがあるわけでございますから、もし不正にまたそうした使途不明金が少なくとも何か不正の問題があるということであれば、企業としての会計監査という面で指摘がなされるはずでございましょうし、あるいは税制面で何か不正があるということになれば、当然税務担当のやはり所管庁がその指摘を私はするだろうと思います。
 さらに、もっと大きなそうした使途不明金があって社会的に問題があるということであれば、むしろ今日のようなこうした情報の時代には社会的制裁というのはかなり私は厳しいというふうに思います。建設省等においては、当然入札などから外されている面もこれはあるわけでございましょうし、通産省についてはどのようなことになっておるのかこれは事務当局から答えさせてもらいたいと思いますけれども、少なくとも社会的に企業の倫理にもとるようなことになれば、結果的に社会的な制裁を受けるということになるというふうに私は考えます。
 それ以上のことは個人的に私は申し上げておりますが、企業はでき得る限り、もちろん完璧を望むことは当然ではございますが、明朗な、やはり透明性が必要だろうということは言うまでもないというふうに申し上げておきます。
#137
○古川太三郎君 今までの税法からだけですとどうしても過少申告加算税とかあるいは重加算税、せいぜい取ってそのぐらいのものなんですよね。もっともっと社会的制裁がやっぱり必要じゃないかというのが今の世論ではないか、こう思うんです。
 そういう意味から、少なくとも国が発注するようなものについてはそういう会社は結構ですよ、こういう姿勢が必要なんじゃないかと思うんですけれども、最後にお聞きしたいと思います。
#138
○国務大臣(森喜朗君) 先生のおっしゃるお気持ちはよくわかりますので、こういう国会の審議を通じて、そのことがまたマスコミ等を通じて、日本の企業のやはりあるべき反省というものも私は有効に出てくるのではないか、こういうことを期待したいと思います。
#139
○古川太三郎君 ちょっと時間がないので一つだけお聞きしたいんですが、今、繊維の問題ですけれども、MFAという国際繊維の取り決めがございますね。それについて日本は、その条項を発動したことはスイスと同じように一回もないと言われております。
 このように円高になってきますと、今までの繊維業界というのは非常に不況に陥る。そしてまた、韓国や南アジアの方から相当、中国初め輸入がふえてきたことも事実です。一気にそのような形になって、今繊維業界は非常に苦しい立場に立たされているという状態でございます。
 特に、繊維業界だということではなくて、このMFAの権限を使えるような方法というのは、これは確かに今の日本の立場としては逆行するような形になるかもしれないけれども、しかしアメリカでもいろいろと製品別によって交渉しているように、日本も交渉する意思があるのかどうか、そのことぐらいはちょっとお聞きしたいと思っております。
#140
○国務大臣(森喜朗君) 古川委員せっかくの御質問でございますが、実は質問の御照会がなかったものですから、担当局長がいないんです。生活産業局長が担当するんだろうと思いますが、したがいまして、間違った判断を申し上げてもあれですから、ただ私は、先生福井県、私は石川県、両県はまさに日本の繊維王国でございまして、むしろ今この立場になければ、そこへ行って同じようなことを実は言いたい気持ちでいっぱいであります。こう申し上げておきますが、秩序ある輸入対策、それも全部含めて、大企業の海外展開につきましてもいろいろと繊維問題については多くの問題を抱えております。
 かつては、日本のまさに輸出産業の花形でもあったわけであります。しかし、そうは言いながら、これだけ華やかなファッション、スポーツ界の中にもいろんな意味で繊維というものはもう単なる衣装だけではなくて、着るだけではなくて、もういわゆる住宅建材に至るまで繊維というものは大変大きな範囲になっているわけでございますが、その繊維が大変苦境であるということは私も十二分に承知をいたしております。
 そういう意味で、そういうMFAの発動も含めましてそのあり方につきまして、いわゆる織工審で新繊維ビジョンというものを各界の皆様にお集まりをいただいて、今検討していただいておるところでございます。そういう成果を私もぜひ見詰めていきたい、期待をしたい、こう思っております。
#141
○小池百合子君 最後の質疑者の小池でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、ロシア情勢なんでございますけれども、御承知のとおり、この数日間大変緊迫した状況が続き、またその中で一転二転としているわけでございますが、冷戦構造の後戻りとまではいかないんですが、エリツィン体制が絶体絶命の状況にあることは、それは周知の事実であると思っております。また、ロシアの問題が世界情勢そして世界経済全体に与える影響ははかり知れないといったところから、通産大臣としてこのロシア情勢をどのようにとらえていらっしゃるのか、またロシア支援についてはどういうスタンスをおとりになるのか、御所見伺いたいと思います。
#142
○国務大臣(森喜朗君) どうも小池先生もちょっと意地悪なところがあるなと思いまして、これも全く質問通告がなかったことであります。
 私もロシアの今の状況、毎日のニュースを見ながら実は大変心配をいたしております。ロシアにおきます民主化と市場経済化に向けた改革の円滑な推進、これはグローバルな課題であるというふうに考えております。かかる観点から日本といた
しましては、エリツィン大統領がこれまで進めてきた改革を強く支持をしてきた立場でもございますので、今後ともかかる政策が継続されることを私としては強く期待をいたしておるところでございます。我が国は、今後、ロシアにおきます改革路線が国民の支持を獲得し、そして政府と議会の間に安定した関係が確立されてほしいな、そのことを一番私ども期待をしているわけでございまして、その中でエリツィン大統領が行ってきた改革が完遂されることを強く期待いたしておるところでございます。
 当然七十年続きましたいわゆる社会のシステム、いわゆる共産主義を基調とした考え方、それが自由と民主主義、そして市場経済というものに転向しようということでございましょうが、なかなかこの七十年の長い歴史というのは、理屈でわかっておってもその仕組みがまだ国内にはできているわけではございません。
 よく私は例え話をするんですが、ショーウインドーには自由と市場経済のものがあるかもしれませんが、在庫はまだ昔のままの私はやっぱり全体主義の時代のものがそのまま残っているということではないかなと。そしてまた、それをいろんな意味で動かしていく国民全体が、そういうことがいいとか悪いとかじゃなくて、そのこと自体にまだなれてもいない、やったことも経験もしたこともないことに今取り組んでいる。そういうことがやはり政府の対応等に対して国民がいろんな意味でいら立ちとか、あるいは食糧等による不満とか、そういう日々の生活に対する不信、不安、そういうものがやはり高じた状況が今続いておるのではないか、こう思っております。
 先ほど申し上げましたように、何とかエリツィンのこの改革の路線というのが国民から支持されてほしいな、そしてそのことを私、日本やまたG7の国と協力をしてその支援をぜひ進めていきたい、このように今の段階では申し上げておきたいと思います。
#143
○小池百合子君 いじわるをするわけではなくて、皆さんが大体お聞きになりますので、そこでアドホック的な質問をせざるを得ないという、そういう事情も御勘案いただきたいというふうに思っております。
 訪米直前ということでございますけれども、新政権の通商担当の首脳との協議という大変な重責を担っていらっしゃる、それもトンボ返りという大変な強行なスケジュール、まあお体が大変お丈夫のようでございますので、その辺は心配なかろうというふうに思うわけでございますが、やはり問題はかばんの中身だと思います。
 とにかく、あいさつに行くわけではございませんでしょうから、やはりそのかばんの中身、特に日本という超莫大な貿易黒字を抱えている国の通産大臣の訪米ということは、大変アメリカにとりましても重要な出来事になるのではないかというふうに思います。
 その貿易黒字の方も、九二年度は千三百六十億ドルに増加する勢いだという、そういう見通しが出ておりますが、ちなみにアメリカから考えますと対EC、そして対アジアは黒字を計上しているということからも、向こうから見てのこの対日赤字の異常さというものは、なかなかクリントン新政権も国民に対してその辺のところを日本をかばってくれるようなことは決して考えられないというようなことだと思います。
 また、双子の赤字であります財政赤字の方、アメリカの財政赤字でございますけれども、これもクリントン大統領は真っ先に痛みを強いるようなそういった大幅な増税の案まで出しているわけでございますので、国民にその痛みをお願いし、そして莫大な対日の貿易赤字を持つアメリカが、日本に対して生易しく当たるとはなかなか考えにくいと思います。
 その意味でも今回のかばんの中身ということが非常に注目されるわけでございますけれども、こういった貿易黒字問題への抜本的な取り組みなど、日本の側からもっと積極的に提出してお互いにコミュニケーションを図るべきではなかろうかと思っております。これまでの日米貿易問題というのはいつも後手後手に回って、アメリカ側から何か言われたら一種の外圧のような形でそれに対しての対応策を練ってきたというのが、これがもうワシントンでも知られているところでございますが、今回の通産大臣としての初訪米という大変重要な時期に当たりまして、その中身、そして具体的な内需拡大、これが一番求められているわけでございますけれども、その点について伺いたいと思います。
#144
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど社会党の吉田委員の御質問の際も申し上げましたように、世界の直面する諸課題を解決するためには、日米両国がまず協力関係を強化しておくということが大事だと私ども考えております。
 特に、クリントン政権は十二年ぶりの民主党政権を打ち立てられたわけでございまして、クリントン大統領の演説の中でも、まずアメリカの再建ということを強く述べておられます。アメリカの再建というのは経済の立て直し、それから赤字財政というものを直すことというのがアメリカにとって一番大事な政策、ということであれば、やはり一番経済関係の深い日本とアメリカが協力関係を持つということが一番大事だというふうに私ども考えておりますし、そして日米が協力をして世界の経済に対してのやはり貢献をなしていくべきだ、こう考えております。
 夫婦みたいなものでして、仲よくいろんな関係が深まれば深まるほどかえっていろいろごたごた起きるものでありますから、日本とアメリカというのはいろんな関係で関係が深まれば深まるほどやはりいろんな問題が摩擦として出てくるんだと思います。それをやはり冷静にそれぞれ政府が対応していく、そして解決を図っていくということが大事だと思っております。
 大統領のいろんな御発言を私どもも気にはいたしておりますが、アメリカの友人やアメリカから得るまた情報等を聞いております。先般フォーリー下院議長がお見えになりましたときもゆっくり私お目にかかりましたが、私が、例えば三〇一条の問題でありますとか自動車の税の問題では随分手荒なことをなさいますねとこう申し上げたら、まだまだいっぱいあるんですよ、まだもう日本の皆さんが聞いたらびっくりするようなことがあります、それは当然でしょう、選挙やったんですから、ですから選挙のときの要望や選挙が終わった後の財界や産業界がいろんなことを言っています、それをやはり冷静に受けとめていかなきゃならぬのでありますということをフォーリー議長さんもそういうお話をされておりました。私はまさにそのとおりであろうと思う。
 そういう意味で、今のところは経済通商政策あるいは対日政策に対してまだアメリカはきちんとしたどういうものを出すかということは決めておられないわけでございまして、したがって、いずれ来月には宮澤総理が訪米をされましてクリントン・宮澤会談が行われるわけでございますから、それまでの間に基礎的な、基本的なことをやはりきちんとお話し合いをしておくことが大事である。そういう意味で、カンター通商代表あるいはブラウン商務長官と、今日まで日本が対応してきたこと、そしてこれから今まさに先生御指摘のいわゆる貿易のインバランスをどう解消するか、そして日本の景気対策をどう考えているのかこれからどういうふうにしようとしておるのかということをある程度のことをお話し申し上げて理解を得るようにしていきたい、こう思っております。
 まだ実はどのかばんを持っていこうかも考えておりませんし、これからこの国会、委員会を終えさせていただきましたら十二分に次官を初め事務当局とも相談をして打ち合わせをしてまいりたい、こう考えております。
#145
○小池百合子君 貿易黒字の問題でございますけれども、とにかく状況は日増しに日本に対して悪くなっているということを考えざるを得ない。それは、きのうは百十五円までを記録したわけでございますけれども、きょうへ来まして為替レートが一ドル百十七円と戻したのも、アメリカの経済
に回復の兆しが見えたと市場が判断したからだと受けとめているわけなんです。
 となりますと、例えばいわゆる輸出入所得弾力性という数値がございますけれども、アメリカの成長率が一%上昇しますと日本の対米輸出というのは二倍にはね上がるというそういう計算がございます。最近では四倍近くになるんじゃないかということが言われているわけなんですが、結果主義ということを再三アメリカの方は言っている。そうしますと、いつもまだアメリカの方のクリントン新政権の対日政策は決まっていないからというこの待ちの姿勢では、これからさらに黒字がふえる、それも雪だるま式にふえるということが十分予想されますので、待ちの姿勢では遅いんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#146
○国務大臣(森喜朗君) 何も決まってないから待ちの政治というのではなくて、そういう具体的ないろんな認識がはっきり言って間違っている面もあると思うんです。例えはよく出てきて先ほども私は吉田委員に申し上げましたが、工業品の関税率などは日本ははるかに低いんです。日本が二・一%でアメリカが五・五、ECは五・六、もうわずかの品目を除いてほとんど関税を下げているわけです。そういうことが案外まだ理解をされてない面もあるのではないかなということもございますから、そうした問題もきちっと踏まえてお話し合いをしておきたい、べースを決めておきたい。アメリカ側もそういう意図があるというふうに私は聞いておりまして、決して待ちの政治をやっているわけではございません。
 それから円高にっきましても、これも先ほどから申し上げておりますようにいろんな思惑が走っておるようでございまして、ここのところ私予算委員会で林大蔵大臣と隣り合わせなものですから、株価と円の動きを絶えず見ながら一喜一憂しているわけです。株価が少しよくなりますと逆に円高の傾向にもなるわけなんですね。それは結局、日本の株価が少しよくなってくるということになると外国の買いが入ってくるという面が逆にまた円高になるという面もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、今船田長官にもちょっと伺いましたら、きょうの終わり値は百十七円十五銭ということでございますから、また少し戻したということで大変ここのところは大事なところだと思っております。
 そこで、今度もちろんこれからのこと相談をしていかなきゃならぬことでありますが、単に経済の話だけではなくて、でき得れば日本とアメリカとがロシアの支援に何ができるだろうか、そういうことも私はある程度話し合っていくべきだと考えておりますし、そのほか今のゴア副大統領を中心に、環境問題に大変御熱心な副大統領でもございますので、お目にかかれれば日本とまたアメリカとが協力しながら世界の環境に対してどういう支援をしていくかということなどもむしろ積極的に、待ちではなくて積極的なテーマのお話し合いもしていきたい、このように考えております。
#147
○小池百合子君 今お話のございました環境問題でございますけれども、バブル時代はメセナとかフィランソロピーとかいうことが大変盛んでございましたけれども、こう景気がちょっと陰りを見せてここまで悪くなってしまいますと、地道にやっていらっしゃる方々もおられますけれども、派手な部分は特に姿を潜めて、これがむしろまともかなというふうな気もいたします。
 そこで、この環境問題につきましては景気のいかんを問わずに各国真剣に取り組んでいるわけでございます。特に、欧州の自動車会社などは、部品のリサイクルなどをコストがかかったとしても、それを環境という重要なテーマであるからということで熱心に進め、また逆にその辺のところでまだおくれているといいますか、意識としてのおくれが目立ちます日本の企業の製品に対して、その分ダンピングしているんじゃないかというような、そういう意識さえ生まれていると聞いております。
 そこで、今大臣の方からも御指摘がありましたので、環境問題に対しての日米間のコミュニケーションということもございますけれども、経済成長と環境保全についての通産大臣の、これは所信表明の中でも経済成長、エネルギー、環境保全の三位一体の視点からの総合的取り組みが必要というふうに述べていらっしゃいますが、予算を見る限りはそれはまだ十分ではないんじゃないかというふうに思っております。その辺のところを伺います。
#148
○政府委員(堤富男君) 委員御指摘のとおり、環境問題というのは決して景気の動向だけに左右されるものではあってはならないと思っております。特に、最近の地球環境問題といいますのは環境問題の基本、地球の環境の根幹に触れる問題でございますので、少しでも前へ進んでいくということが必要ではないかと思います。
 今回、大臣の所信表明にもございましたように経済成長、これも先ほどからの御審議の中でたくさんありますように、三%、三・五%という中期的路線を守っていく必要があるという一方、環境問題を考えますと、二〇〇〇年には一九九〇年と同じに炭酸ガスを排出するようにするという安定化という問題がございますが、そうなりますとエネルギーは一%ぐらいしかこれから伸びられない。そうすると、エネルギーが一%しか伸びられない中で三・五%の成長ができるかというような非常に厳しい問題が我々の前にあるわけでございます。
 そういうことを考えますと、現在炭酸ガスというのを除去する技術がございませんので、結局、環境とエネルギーと経済という三位一体で考えていきませんと全体がまとまるような解が出てこないという考え方で、今回この国会におきましてエネルギー関係の法律二法、きょう衆議院を通りまして参議院の方に来ますので、それで御審議をいただきたいと思っておりますが、そういうことで見られますように、我々といたしましては決して環境問題をおろそかにするということではなくて、この不況期においても一歩でも二歩でも解決をするためにいきたいと思っております。
 そういう意味では、予算等を見ますと大変ことしは大きな予算額がついておるわけでございまして、第一の全体の予算額、私必ずしも計算してきてございませんが、先生御興味があるとおっしゃっておりましたリサイクル関係の予算だけを見ましても七二%増というような配分をしてあるわけでございまして、この非常に予算の厳しい中では大変重点として我々は環境問題を考えておるということの一つの証左ではないかと思っている次第でございます。
#149
○小池百合子君 この環境問題とそして景気のこの組み合わせという、非常に重要なこれからのイシューになってくることは間違いないと思っておりますので、予算が実際に環境問題に対して本当に効率的に使われるようにお願いしたいことだと思っております。
 それから最後に、時間がありませんので、また景気の方にテーマを移したいと思っておりますけれども、所得減税などの話もしょっちゅう出てきているわけでございますけれども、私が考えますのに、結局それが貯蓄に回ってしまうというようなお話がしょっちゅう出てくるわけでございますけれども、今消費者として何を考えているのかといったところをもっともっとやっぱりもう一度改めて考えてみる必要があるのではないかというふうに思っております。
 先ほども、森大臣も、秋葉原などに行って大変安価な商品を売っているところでは大変な人のにぎわいがあるというふうにおっしゃいました。大変消費者自体がみんな賢くなってきているんだということ、さらに物があふれてしまって置く場所が家にない、もしくはカーセールスマンが車のスペックを持たずに駐車場のマップを持ち歩いているというような状況ということで、これまでとは全く違ったサチュレーションというか、成熟したそういう物質社会のあるところまでもう来てしまったということは考えられると思います。不景気のときは大体その論が出てくるということのよ
うでございますが、今回はちょっと違うので点ないかというふうに見ております。
 そこで、私は百歩譲って、二百歩譲って所得減税をやるべきではないかというふうに思っているわけではございますけれども、そこで消費に回すためにももっと政府、そして例えばトップであります宮澤総理のもっと必死になったそういう姿をやはり消費者もしくは国民全体に見せることがこれは最大のポイントではなかろうかというふうに考えているわけなんです。例えば、直接的に何かその辺を、例えばアメリカのクリントンは痛みを訴えたわけでございます。それに対して国民がああいった痛みを伴う演説であったにもかかわらず、それに対してのサポートをしたと。
 今のような政治状況にありますとそれがどう出るかわかりませんけれども、さまざまな経済指標の分析もさることながら、そういった消費者の感覚の分析ということが、つまり守りではなくて消費者とともに考えるようなそういう施策がこれから必要になってくるのではないかというふうに考えておりますけれども、その辺いかがでしょうか。大臣お願いいたします。
#150
○国務大臣(森喜朗君) きょうは各党の皆さんからいろいろ御質問をいただきました。今の質問が一番頭の痛い御質問でございまして、なかなか難しいところでございますが、やはり最終需要というものを惹起させていくにはいろんな方策があるだろうと思っております。皆様からいろいろとお話ございますような所得減税ということも一つの方法なのかもしれません。
 しかし、単に預貯金に回るというだけではなくて、国民全体がやっぱり生活防衛的なそういう対応をしておりますと、一たん入りましたお金というのはなかなか奥様から出てこないものでございますし、これも私はいろんなところで申し上げて少ししかられたりしておりましたが、きのうでしたか、総理は予算委員会でおっしゃいましたから、私も勇気を持って申し上げますが、給与は昔と違って全部銀行振り込みになってしまっておりますから、一たん入ってしまいますとなかなか出にくいということなども考えます。また、高齢化社会というものが非常に喫緊の課題というふうになってしまいますと、国民全体もやはり懐をできるだけ締めて、むだなものは使わないようにしましょうという空気が出てくる。そういうことがいわゆる預貯金のやはりアップにもつながっているという見方もできると思います。
 しかし、いずれにしましても、需要をどう喚起させていくかということがこの景気の最大の課題でございますので、そういう意味で従来と違った波及的効果の多い経済対策を考えるべきだろうというのが先ほどからたびたび出ておりました新社会資本の整備というものでございまして、さらには税制の面でも住宅減税でありますとか、あるいは投資減税でありますとか、あるいはこれは公明党さんがたしかお出しになっておられたと思いましたが教育減税でありますとか、その他各党それぞれの減税政策も出しておられます。そういう減税面も十分にその財源をどういうふうにとらまえていくかということも配慮しながら、そういういろんな角度から経済政策というものをぜひ立てていかなければならぬというふうに思っております。
 先生から御指摘いろいろございました点が、確かにアメリカなどから見ればわかりにくいところだということの御指摘になるのかもしれません。宮澤総理がもうちょっとクリントンさんのようにやったらとこうおっしゃいますが、これは人それぞれのタイプでございますし、我々と違って長い政治経歴もおありの方でございますから、クリントンのような演説をしろというのも無理なのかもしれません。
 しかし、我々内閣におります者といたしましては、船田大臣もそうですし、私もそうですし、総理からかなりきつくいろんな問題に、これをやっておけ、これをやっておけということは随分厳しく出ておりまして、もうそのことに一生懸命対応しているのに精いっぱいなぐらいやっておりますので、今の現状というものを総理は大変深刻にやはり受けとめておられまして、そして我々に対して十二分に指導もいただいておるということを、私はあえて総理のそういうお立場も申し上げておきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、この御審議をいただいておりますまず平成五年度の予算案、ぜひ年度内に成立をさせていただきまして、そして今進めております補正予算と関連をさせて、何とか景気がこの四―六月期で何かいい形で出てくるように、まさに神に祈るような気持ちで私も一生懸命その政策を進めていきたい、こう考えておるところでございます。
 先生の御質問に対して御納得いただけないかもしれませんけれども、また、幅広く先生も報道の立場で世界じゅうを見てこられた方でございますから、いろんなまた御提言や御意見をちょうだいできれば大変幸いでございます。
#151
○委員長(斎藤文夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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#152
○委員長(斎藤文夫君) 次に、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案並びにエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案を便宜一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。森通商産業大臣。
#153
○国務大臣(森喜朗君) エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、従来から燃料資源の輸入依存度及び石油依存度が高く、脆弱なエネルギー供給構造を有しておりますが、近年こうした事情に加え、内外におけるエネルギー消費量の著しい増加、大量のエネルギー消費が環境に及ぼす影響に対する懸念の高まり等、エネルギーをめぐる経済的、社会的環境が大きく変化している状況にあります。
 このような状況の中で、エネルギーの使用の合理化の措置の拡充、石油代替エネルギーの導入を促進するための措置等を講ずることにより、経済的、社会的環境の変化に応じた安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を図ることが喫緊の課題とされているところであります。
 こうしたことから政府といたしましては、このたび、エネルギーの使用の合理化に関する法律、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律及び石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法を改正するため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部改正であります。
 その改正の第一点は、エネルギーの使用の合理化に関する基本方針を新たに定めることとするとともに、広くエネルギー使用者全般にエネルギーの使用の合理化の努力を呼びかけることであります。
 第二点は、工場、建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化の徹底を図るため、これらに関する措置について所要の改正を行うことであります。
 第三点は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の業務として、エネルギーの使用の合理化のための技術の開発業務及び導入促進業務を追加することであります。
 第二に、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律の一部改正であります。
 その改正点は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の業務として、国内における石油代替エネルギーの導入の促進のための業務を追加するとともに、海外における石油代替エネルギー技術等の導入の促進のための業務を追加することであります。
 第三に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法の一部改正であります。
 その改正点は、同法の題名を石炭並びに石油及
びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法に改めるとともに、石油及び石油代替エネルギー勘定を石油及びエネルギー需給構造高度化勘定に改め、同勘定において、従来の石油及び石油代替エネルギー対策に、新たにエネルギーの使用の合理化を促進するための措置を加えた石油及びエネルギー需給構造高度化対策を実施することとするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
 次に、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、主要な資源エネルギーの大部分を輸入に依存しておりますが、近年、エネルギー消費量の著しい増加、廃棄物の発生量の増大、環境保全に対する内外の関心の高まり等、我が国経済をめぐる事情に変化が生じております。このため、我が国の事業者に対し、かかる事情に適切に対応した事業活動を自主的に行っていくことが期待されるようになってきております。以上のような観点から、事業者によるエネルギー及び特定物質の使用の合理化並びに再生資源の利用に関する事業活動の自主的な取り組みを支援するための総合的な措置を集中的に講じるため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、事業活動におけるエネルギー及び特定物質の使用の合理化並びに再生資源の利用の促進に関する事業者等の自主的な取り組みに関する努力指針を主務大臣が定めることとしております。
 第二に、事業者等が行うエネルギー及び特定物質の使用の合理化並びに再生資源の利用に関する事業活動を支援するため、エネルギーの使用の合理化、再生資源の利用の促進、特定フロン等の使用の合理化に資する設備の導入及び技術の研究開発等に対して、産業基盤整備基金による債務保証及び利子補給、課税の特例措置を講ずることとしております。また、事業者が共同して、再生資源の利用、包装材料等の使用の合理化のための措置を実施する場合には、主務大臣が公正取引委員会との調整を行う等の措置を講ずることとしております。
 第三に、中小企業者等につきましては、中小企業信用保険法の特例、中小企業近代化資金等助成法の特例等の措置を講ずることにより、その事業活動におけるエネルギー及び特定物質の使用の合理化並びに再生資源の利用に関しての特段の支援を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#154
○委員長(斎藤文夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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