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1993/03/26 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第3号
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1993/03/26 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第3号

#1
第126回国会 商工委員会 第3号
平成五年三月二十六日(金曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事
                沓掛 哲男君
                松尾 官平君
                吉田 達男君
                井上  計君
    委 員
                倉田 寛之君
                前田 勲男君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
   国務大臣
       通商産業大臣臨
       時代理
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       船田  元君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      小粥 正巳君
       公正取引委員会
       事務局長     地頭所五男君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  植松  勲君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  糸田 省吾君
       経済企画庁長官
       官房長      小村  武君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   金子 孝文君
       経済企画庁調整
       局長       長瀬 要石君
       経済企画庁国民
       生活局長     加藤  雅君
       経済企画庁物価
       局長       小林  惇君
       経済企画庁総合
       計画局長     田中 章介君
       経済企画庁調査
       局長       土志田征一君
       通商産業政務次
       官        鹿熊 安正君
       通商産業大臣官
       房長       内藤 正久君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   江崎  格君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        細川  恒君
       通商産業大臣官
       房審議官     白川  進君
       通商産業大臣官
       房審議官     石黒 正大君
       通商産業大臣官
       房審議官     清川 佑二君
       通商産業大臣官
       房会計課長    一柳 良雄君
       通商産業省通商
       政策局次長    森清 圀生君
       通商産業省貿易
       局長       渡辺  修君
       通商産業省産業
       政策局長     熊野 英昭君
       通商産業省生活
       産業局長     高島  章君
       中小企業庁長官  関   收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局官房審議
       官        塩田 薫範君
       大蔵省主計局主
       計官       津田 廣喜君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      北村 歳治君
   参考人
       国民金融公庫副
       総裁       塚越 則男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成五年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公正取引委員会、経済企画庁)
 、通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小
 企業信用保険公庫)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 去る二十三日、予算委員会から、本日三月二十六日午後の半日間、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(斎藤文夫君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として国民金融公庫副総裁塚越則男君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(斎藤文夫君) 次に、通商産業大臣臨時代理から説明を聴取いたします。船田通商産業大臣臨時代理。
#6
○国務大臣(船田元君) 平成五年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 今なお世界は、東西冷戦構造の崩壊という歴史的地殻変動の余震の中にあり、新たな国際秩序を見出せないままますます流動化する様相を呈しております。一方、国内に目を転じますと、最近の我が国経済は、個人消費、設備投資の低迷、資産価格の下落によりかつてない厳しい状況にあり、また同時に、エネルギー環境問題、高齢化、時短等の構造的課題に直面しております。
 内外とも困難な状況にありますが、今こそ官民の総力を結集し、国際社会において経済力に見合った責任と役割を主体的に果たしていく一方、国内においては、景気の早期回復に取り組むとともに、むしろ厳しい経済環境をばねとして構造改革を推進し、来るべき二十一世紀に向けた発展基盤の整備を図っていかなければなりません。
 私は、このような認識のもとに、平成五年度の通商産業省関係予算等の作成に当たり、次のような基本方針に沿って、諸施策の実現を図ることとした次第であります。
 第一は、エネルギー環境対策の総合的推進であります。第二は、活力ある中小企業の創出であります。第三は、研究開発基盤の強化であります。第四は、情報化の推進であります。第五は、国際社会への貢献であります。第六は、ゆとりと豊かさを実感できる社会の構築であります。
 この結果、一般会計は、八千八百九億七千七百万円を計上しております。特別会計におきましては、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計六千七百二十三億八千七百万円、電源開発促進対策特別会計四千百九十三億四千三百万円、特許特別会計七百三十一億九千三百万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで九兆四千四百四十四億円を計上しております。
 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと思います。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#7
○委員長(斎藤文夫君) 次に、経済企画庁長官から説明を聴取いたします。船田経済企画庁長官。
#8
○国務大臣(船田元君) 平成五年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、四百八十七億円余であります。また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、六千七百五十億円を予定しております。
 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、地球社会と共存する生活大国の実現に必要な経費として、三十億九千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、個人生活を重視する社会を実現するための施策の推進、国民生活センターの機能の充実、強化等消費者の保護、支援のための施策の推進及び内外価格差是正等の物価政策の推進に必要な経費であります。
 第二に、国際的な政策協調の推進に必要な経費として、一億七千万円余を計上しております。この内訳の主なものは、市場アクセス改善のための積極的な取り組み及び地球環境問題への対応の強化等に必要な経費であります。
 第三に、知的支援、経済協力の推進と研究交流基盤等の強化に必要な経費として、三百七十一億四千万円を計上しております。この内訳の主なものは、まず海外経済協力基金に対する交付金三百六十五億八千万円余であります。本基金の平成五年度の事業規模は、九千三百億円を予定しており、このための資金として、一般会計において、前述の交付金のほか出資金三千百十五億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画におきましても、資金運用部資金等からの借入金六千七百五十億円が予定されております。また、途上国援助における自助努力支援の推進、旧計画経済諸国の開放市場経済移行への知的支援の強化などに必要な経費が含まれています。
 第四に、適切かつ機動的な経済運営の推進に必要な経費として、二十五億九千万円余を計上しております。
 以上、平成五年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
 以上、よろしくお願いいたします。
#9
○委員長(斎藤文夫君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。小粥公正取引委員会委員長。
#10
○政府委員(小粥正巳君) 平成五年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は四十六億二千四百万円となっており、これは前年度予算額に比べて二億四千六百万円、五・六%の増額となっております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、独占禁止法施行経費等として四十三億二千九百万円を計上しております。
 違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策のための経費など、独占禁止法を厳正に運用するとともに、法運用の透明性を確保するための経費等であります。この中には、違反事件に対する審査部門の増員や、違反事件の審査機能を強化する機構の拡充のための経費が含まれております。
 第二に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として四千二百万円を計上しております。法運用の強化と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。
 第三に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として二億五千三百万円を計上しております。公正な競争を維持、促進することにより、消費者利益の保護を図り、景品表示行政を積極的に推進するための経費であります。
 以上、平成五年度における公正取引委員会の予算につきましてその概要を御説明申し上げました。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
#11
○委員長(斎藤文夫君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○藁科滿治君 昨日来、景気動向をめぐっていろんな論議がございました。私もまず初めに、経企庁に景気動向について御質問をいたします。
 現下の状況につきましては、複合不況と言われておるわけであります。私もそのとおりだと思っております。また、このタイトルの本がベストセラーの一つにもなっています。いろいろな論評がございますが、この複合不況については主として四つの要素が指摘をされております。その一つは旧来型の需給関係の調整、それから二つ目が昨日来から論議の対象になっておりますバブルの崩壊、それから三つ目が海外の不況要因、そして四つ目が重要でございまして、政府の対応のおくれという問題が指摘されているわけでございます。
 今次国会に対する経企庁の「平成五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、繰り返し読ませていただきました。また、長官の所信表明も伺いました。その冒頭にこのようなことが指摘されております。四年度の経済運営について、内容は省略いたしますが、結びとして「適切かつ機動的な経済運営に努めてきた」、このように言われているわけでございます。冒頭触れましたような複合的な経済動向、格別政府の対応の問題点、こういうものを考えた場合に、いかにもこの表現は適切を欠いているんではないかというように私は判断いたします。産業界の現在の深刻な状態、国民の減収に基づく生活の厳しさ、こういうものまでを考えたときにこの表現は余りにも逆なでするような表現ではないか、このように私は思います。
 そこで、抽象論では今後の対応に生きてまいりませんから、私は幾つか具体的な問題点を指摘したいと思います。
 第一は、昨年のGNP、政府がみずから示されたのは三・五%でございます。これに対する実績見通しは一・六程度と言われております。これは長期計画に対する対応ではなく、まさに平成四年度の動きでございます。特に私が指摘したい点は、一昨年から昨年の年初にかけて、景気の動向についてはかなり不況的な兆候が出ておったわけでございます。象徴的に言えば成長率が著しく鈍化しておったわけでございます。そこにありますように、例えば十−十二月〇・五、一―三月では一・〇というように、それまでの傾向より著しく低下しているわけでございます。そういう流れの延長線に立って四年度の計画を三・五と設定されたわけでございますから、適切かつ機動的な対応なんということは日本語としては通用しない、私はそのように思うわけでございます。
 あとは言うまでもなく、各産業状況は御案内のように減収減益、赤字への転落、ましてや中小企業への影響は極めて深刻でございます。加えて、百貨店、最近のスーパーの動向など消費支出は完全に低迷、冷え込んでおります。加えて、雇用情勢も著しく悪化の傾向を示しております。こういう中で、また繰り返すのも恐縮なんですが、適切かつ機動的な対応というのは私は何としても納得できない。こういう認識では次の対応の姿勢、決意にも影響する、こういうふうに考えますので、まず大臣にあえてこの点についてどのような認識を持っておられるか、御質問をいたします。
#13
○国務大臣(船田元君) 経済企画庁長官としての御答弁をいたします。
 藁科先生今御指摘になった点、私どもも大変強く心にしみ込んでいるといいますか、心の中で強く受けとめているということをまず申し上げておきたいと思います。
 言うまでもなく、平成四年度の当初見通しが確かに実質成長率で三・五%という設定をさせていただいた。しかしながら、昨年十二月に改めて実績見込みを申し上げたときには一・六%ということで下方修正をやらざるを得なかったということでございます。この数字の差というのは、これは宮澤総理大臣もいろいろな場でお話しいただいておりますけれども、やはりこれは誤差の範囲を超えるものであったというふうに私どもも考えざるを得ないと思っております。
 もちろん、今回の景気調整局面、不況に入り込んでいった、そして不況の溝が非常に大きい、そういう特徴があるわけでございますが、その原因としては、先ほども藁科先生お触れになりましたように、旧来型の循環の要因に加えましてやはりバブルの崩壊、それが資産デフレということになって、そのことが実体経済というものに、例えば金融の融資対応能力が著しく欠けたりとか、あるいは消費者の消費マインドが逆資産効果ということで冷え込んでいったり、あるいはまた企業家の設備投資意欲というものがこれまた冷え込んでしまったり、そういうような実体経済に与える影響が非常に大きかったということであります。
 戦後、我が国におきましては十回目あるいは十一回目の景気循環をやってきたわけでございますが、過去の景気循環の中でこのような事態、すなわちバブルの発生、そしてそれが崩壊をして、そのことが資産デフレを生んで実体経済にこれだけ大きな影響を与えたというのは多分これが初めての経験ではなかったかというふうに感じております。もちろん、かといってすべてそれで免罪符になるということでは決してありませんけれども、そのような状況の難しさ、その影響の見通しをはかるのが非常に困難だったということも、一方ではまた事実ではなかったかなというふうに感じております。
 そういう点で私どもとしても、これまでの私どものさまざまな見通し、その中で甘かったという部分は、これは率直に認めざるを得ない、このように思っております。
 そういう観点に立って現在の企画庁におきましても、足元の経済状況、あるいは足元の景気判断、これをできる限り適切にやっていく、こういうことを今心がけておるわけでございまして、私自身としても、これまで七つ、八つの業界から直接ヒアリングを行う、こういうこともやらせていただきました。また、さまざまな指標におきましても、例えば月例経済報告なり、あるいはQEの発表などについてもできるだけこれは早くその数字を出す必要があるんではないか、こういうことで、そう極端に短縮はしておりませんけれども、できるだけ早く実体の経済状況に即した指標の把握、あるいはできるだけ迅速な把握ということに十分心がけているつもりでございまして、今後ともこのような状況を踏まえつつ機動的に我々としては対応していきたい、こんなふうに考えております。
#14
○藁科滿治君 それでは次に、今後の展望について、時間の制約がございますので、私は二つ、引き続き質問さしていただきたいと思います。
 一つは、今、株価の上昇と円高という、景気への影響という側面だけで見れば相反する状況が同時並行的に浮上しております。この二つの流れ、これをどのように受けとめておられるか、今後の景気への影響をどのように判断されているか、これを第一に御質問いたします。
 それから二つ目は全体的な問題ですが、最初の質問の延長線でとらえていただきたいと思いますが、平成五年度のGNP実質見通しは三・三%、こういうことで提案されておりますが、現在の状況、今後の展望はと考えた場合に、私は非常にこの達成は難しいのではないかという懸念を持っております。そうなっては困るわけでございまして、ぜひ達成していただきたい、このように思っております。現下の局面が非常に厳しいだけに、三・三の数字を引き出すためには、相当刺激的なインパクトを与えないとこの線には乗らないんじゃないかという考えを私は持っております。
 特に、一、二、具体的に申し上げたいのは、労使の間で展開されております賃金交渉、残念ながらほぼ三%上限あたりになるんではないかと予測をされております。まだ主力部隊が残っておりますから即断は禁物でございますが、そのような側面が残されているわけでございます。それでなくても今、消費支出が大変停滞しておるわけでございまして、そういったような百貨店、スーパーの動向などなど見た場合に、この賃上げ状況というものは景気動向に残念ながら大きな影響を与えることができないのではないかというような感想を持っているわけでございます。そういう面では今問題になっております所得税減税、ぜひこれを前向きにとらえていただきたいと思っておるわけでございます。
 赤字国債としての財源、私どもも同感でございます。なるべく借金はない方がいいわけでございます。次の世代に借金を残さない方がいいと思います。ぜひそうあるべきだと思います。しかし、現下の経済状況はそれを許さないほどに深刻な状態である、私はそう思っておるわけでございます。
 先日、あるグループで勉強をやったんですが、公共投資はある面で肺炎を治す刺激剤だと、それから民間設備投資は胃炎を治す、胃潰瘍を治す対策だと。ところが、今この消費支出の動向というのは、ある面でいうともう食道がんに近い状態である。
 ですから、あれほど財界が所得税減税には慎重だったのに、今回は太い活字で要求項目の第二番目に入っているわけです。物を買ってくれなければ産業経済は成り立たないということを、財界の皆さんも厳しく認識されているがゆえだと思います。
 そういう意味では、胃を治すことも大事でございますが、食道を通らなければ胃に行かないわけでございますから、そういう面では私はこの際、前がん症状の状態であれば借金しても健康体に治す、それが将来の発展につながるという感想を持っているわけでございますが、ここらの点についてどのように考えておられるが、お考えを聞かしていただきたいと思います。
#15
○政府委員(長瀬要石君) 大臣からお答え申し上げます前に、御質問の前段の点につきまして一言お答え申し上げたいと思います。
 株価の経済に与える影響という点でございますけれども、既に大臣から申し述べておりますように、今回の景気調整局面は、資産価格の大幅な下落によりまして金融面では金融機関の不良資産が増大する、そして金融機関の融資対応力の低下でありますとか、あるいは金融システムの安定性の問題が懸念される、こういったことが生じたわけでありますし、またそれが企業家の心理や、あるいは逆資産効果を通じまして消費者の心理に影響を与え、実体経済に影響を及ぼしたということがあることは事実でございます。
 しかしながら、株価は三月の上旬から上昇という傾向を示しておりまして、総じて堅調に推移をいたしておりまして、本日の前引けでは一万八千八百九十五円というような状況でございますが、このような一万八千円台後半という状況でありまして、このような株価の動きが定着するかどうかにつきましては今後の推移を見きわめる必要があるわけでございます。
 株価の上昇は、一つには我が国の金融機関のBIS規制の達成をより確実なものにする、そして融資対応力を確保する、これに資するということがあるかと思われるわけでありますし、また金融面あるいは実体経済面に与える資産価格下落の影響というものを緩和していく、このようなことではないかと考えているわけでございまして、現在見られますような株価の動きが実体経済にも好ましい影響を与え、また回復への素地が徐々に整えられていきます中で、実体経済の動きが株価の方にも好ましい影響を与えるのではないか、このように考えているところであります。
 円高についての御質問をいただいているところでございますが、円高の影響につきましては、一般論として申しますとプラス・マイナス両様の影響があろうかと存じます。
 マイナス面の影響ということで申し上げますと、一言で言えば円高のデフレ効果、こういうことかと思いますが、円高が輸出価格の減少をもたらしまして、それが国内の生産に影響を与えて、そして実質GNPを減少させる方向に働くという面があろうかと思います。しかしながら、他面におきまして、円高によりまして輸入価格が下落をし、そして物価の安定に資することを通じまして実質所得が増加をする、消費者マインドが好転をする、こういうことで原料価格の低下ということもありまして内需が拡大する、いわゆる交易条件改善効果ということもあるわけであります。
 そのようなプラス・マイナス両様の影響があるわけでありますけれども、マイナスの効果が輸出産業を中心といたしまして目に見える形でまずあらわれてくるのに対しまして、プラスの影響というのはやや時間がかかる、こういう面があろうかと思うわけであります。とりわけ、景気が低迷し厳しい局面にあるわけでございまして、急速な円高の進行が輸出産業などに与える影響、あるいはまたそれが雇用に波及をしていく影響というようなことを考えますと、短期的には成長に対してややそれを押し下げる方向に働くという面がありますことは歪みがたい面かと思うわけでございます。
#16
○藁科滿治君 もう一度長官にお尋ねいたしますが、幸いきょうは通産大臣も兼任されております。この七月、七年ぶりに東京でサミットが開催されます。そこで、宮澤総理がこの重要なサミットのリード役をされるわけでありますから、現下の日本の経済状態それから国際的なかかわり合いというもので、一つは大変深刻な不況状況、もう一つは大変な国際インバランスの渦中にある、こういう二つの重要な環境の中でリードされるわけでありまして、どのような姿勢で臨まれようとしているのか、お話しできる範囲で御見解を承っておきたいと思います。
#17
○国務大臣(船田元君) 今の藁科先生の前の御質問の後半の部分のお答えとあわせて言わせていただきたいと思います。
 まず一つは平成五年度の我が国の経済成長三・三%の見通しは果たして達成可能かどうか、こういうお話でございました。これも現下のこういう厳しい経済状況の中ではございますけれども、私どもとしては特に昨年八月の総合経済対策、これが補正予算の成立を見てその大宗の部分が実行に移され始めている、その効果は既に出つつありますけれども、この効果は四年度中よりは五年度にかなり増加をしてその効果があらわれてくるだろうということを分析をしております。また、平成五年度の予算、これも現在審議をいただいておるわけでございますけれども、やはり景気対策に十分に配慮した予算であると私どもは考えておるわけでございます。
 そういう二つの効果が重なりまして、平成五年度におけるいわゆるIG、政府投資額、公的固定資本形成の割合でございますけれども、これは四年度の補正後の実績見込み額に比べた五年度の増加分というのは九・五%増ということで、これは本当に高い、近来余り例のない伸びを示している、こういうことでございます。もちろん、この公共投資、この増加額が実体経済というものにすべて還元をされるということは今後の執行状況を見なければなかなかわからないわけでございますけれども、この効果が目いっぱい平成五年度において発現をする、こういうことでありまするとその公共投資にまず住宅投資ということが牽引をされる、そのことがさらにはより広いベースである個人消費あるいは設備投資というものにも徐々に影響を与えてくる、こういうことによって五年度の後半には国民が広く景気が回復をしてきたな、こういう実感があらわれるようなそういう状況になっていくもの、こんなふうに私どもはシナリオを描いておるわけでございます。
 もちろん、三・三%というものは例えば民間の活動の部分が非常に我が国は大きいわけでありますから、民間がどの程度努力をしていただくかということにも関連をいたしますし、それから先ほど円高のお話もございました。海外からの要因ということも今後どういうものが起こるか、これは現在からは予想ができない。こんなこともあって、三・三という数字はもちろんある程度の幅を持って考えるべきものと思っておりますけれども、これまでの既往の対策をきちんと行う、その効果があらわれるように全力を尽くす、そして私どもとしてさらに機動的な対応を怠らない、こういうことを続けていくのであれば、三・三%というのは政策努力の結果として十分に達成可能である、このように現時点では申し上げたいというふうに思っております。
 それから、所得税減税のことにお話触れられたわけでございますけれども、現在与野党間でこれから矢その協議が行われるということも伺っておるわけでございます。もちろん私として、一つは財源がどうなのかという問題、あるいは消費が現在御承知のようなことでやや落ち込んでいる、消費性向がやや下がっているというような状態で果たして追加的な所得の増ということがどの程度消費に回ってもらえるかどうか、その辺もまだ議論の余地が残っているのではないかというふうに考えております。そういうことを考えますと、私どもとして所得税減税についてその効果の点につきましてやや疑問符といいましょうか、どうかなという気持ちはまだ残っておるわけでございますけれども、いずれにしましても与野党の協議というものを注意深く私どもとしては見守りたいというふうに思っております。
 最後に、東京サミットに対する決意というお話でございました。
 政府全体としての対応というものは私から申し上げるのはやや適切ではないかもしれませんけれども、一般的に言いまして、私どもの考え方としてはことし七月の東京サミットは言うまでもなく議長国である、議長国としてのリーダーシップそして責任というものは、これはやはりきちんと果たしていかなければいけないわけでありますが、特に過去のサミットにおいてはともするとやや形式的あるいは派手な部分というのがちょっとあったのではないか、こういう御指摘も過去においてなされたこともございます。私どもとしては、首脳間の実質的な議論ということがきちんと行われる、あるいは実りある成果が生まれるように努力をする、そういう環境をきちんとこのサミットの中でつくっていかなければいけない、派手さよりも実質をとるというそんなことで対応することが必要なのではないかなということが一つ考えられます。
 それから内容としては、これまた現在シェルパの会合が引き続き行われておりましてまだ完全には固まっていないわけでありますけれども、例えば先ほどもお話ありましたように世界経済の不況が続いております。これを回復させるための先進国間の協力はどうあるべきであるか、それから昨今非常に大きな問題となっております旧ソ連、ロシアに対してどう支援をしていくかという問題、あるいは開発途上国の問題、こういったものを中心議題としてこのサミットが行われるであろう、こういうことに対して我が国の政府としても先進国の中でリーダーシップがとれるように全力を尽くしていきたい、こんなことを考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、今後さらに内容を精査いたしまして政府として対応に誤りなきを期していきたい、こう考えております。
#18
○藁科滿治君 それでは次に、少し具体的な問題について御覧間をいたします。
 新しい経済計画、格別生活大国への五カ年計画についてお尋ねをいたします。ここでは三つの問題に絞って御質問いたします。
 住宅問題。勤労者世帯の平均年収の五倍程度という問題、私はこの方向性、デッサンとしては大変すばらしいものだ、魅力を感じております。国民も大いなる期待を持って注目をしておると思います。しかし、今までの流れから見た場合に土地対策、今一時的にはちょっと下がっておりますけれども、決して楽観できる問題ではないわけです。一極集中の問題などなど考えた場合に、これはもうデッサンとしては大変すばらしいが実現は容易ならざるものがあるというふうに、私は体験的にそういう感じを持っているわけです。一体これはいつごろをめどにそういった条件を整備しようとされているのか、この点をまず第一に伺いたいと思います。
 それから二つ目は労働時間短縮、千八百時間達成。これはもともと「世界とともに生きる日本」との関係でいえば、実は九二年度が一つの目標年度だったわけです。かなり無理があったといえばそれまででございますが、しかし現下の状況は大変厳しい状況にあるわけでございます。そればかりか、過日の予算委員会でも労働大臣の答弁などをめぐって大変問題になっているわけです。不況との絡みで時短が停滞する。私どもは、むしろこういう時期にこそ時短の絶好のチャンスではないかという意欲的なアプローチが必要にもかかわらず、不況がゆえにとか、みずから掲げた方向がなかなか消化できない、こういう面で私は大変な懸念を持っているわけでございます。
 それから三つ目は、内外価格差の問題でございます。これも言われてもう久しくたっているわけでございまして、特に公共性の強い規制の関係の対象品目や料金が相対的に高い、こういう問題もあるわけでございまして、これは通産にも関係してくるわけでございますが、これもなかなか容易ならざるものがある。
 私がここで申し上げたいのは、私はこの前の、この新五カ年計画の下敷きになっている「世界とともに生きる日本」の草案に参画いたしました。それだけに、立場は違いますが責任を感じております。八八年度からあの実施に入って、私は中間年度で報告をぜひしてほしいという要望を出し、経企庁はやってくださいました。しかし、そのときの中間報告は、残念ながら土地問題、ゆとり問題、内外価格差は進まないという中間報告でございました。私は今度の五カ年計画はそんなことはないと思いますが、また同じような轍を踏まないようによほどの決意と実行を要望したいと思うわけであります。
 そこで、私が過去を振り返ってちょっと感じますのは、経企庁は総合的な羅針盤、司令塔ではある、しかし実行部隊ではないわけでございますから、そういう意味では関係省庁との緊密な連携ということが不可欠だろうと思います。それなくして効果の上がる行為はないと私は思うわけでございます。今申し上げたようにこの計画が計画で終わらない意味でも、どういう決意と具体的な実行のプランを持っておられるのか、この点について伺いたいと思います。
#19
○政府委員(田中章介君) 大臣からまた後でお話があると思いますが、最初に御質問の住宅取得を年収の五倍でという話と、それから年間総労働時間千八百時間への時間の短縮、これを説明させていただきます。
 まず最初の、年収の五倍程度で住宅取得が可能となる、こういうことを生活大国計画では目指しております。現実にどういうふうに今推移しているかということを最初に申し上げたいと思います。
 これは東京圏における新築のいわゆる民間の分譲マンションでございますが、これの平均価格、いろいろ面積がございますので七十平米に換算して見ておりますが、これを勤労者世帯の平均年収の倍率という形でとらえております。これが一番高かったときは平成二年でございますが、このとき八・五倍、こういうふうに非常に高かったわけでございますが、現在それが平成四年では約六・四倍というところまで下がりつつある。しかし、まだ私たちが目指します五倍というところからなお高い水準にある、こういう状況でございます。
 そういうために現在土地税制の活用、これは既に地価税の創設、実施が行われておりますし、また農地の課税特例が廃止されるということもあり、そういった税制の活用を通じての手段、また同時に住宅、宅地供給を促進するということで、いわゆる生産緑地を指定し、非指定のところの良質の宅地を供給しようという政策、広くは大都市圏における強い住宅あるいは宅地の需要を減少させなきゃいかぬということで、この生活大国計画でも東京一極集中の是正ということを掲げておりますが、そういった総合的な土地対策を着実に推進するということが非常に重要になっております。
 私ども、この生活大国五カ年計画は平成四年度から八年度までの計画であるわけでございますが、関係行政機関との協力のもとでこういった施策を積極的に推進することによりまして、勤労者世帯の平均年収のぜひ五倍程度の目安で良質の住、宅が可能となるよう、こういった努力をしているところでございます。
 次の年間総労働時間千八百時間に向けての点でございます。これは委員御指摘のとおり、前の計画でもそういった目標が打ち出され、そういったことで漸次時間短縮が進んでいるわけでございますが、今度の生活大国計画の中では、特に豊かさとゆとりを実感できるということで、この年間総労働時間千八百時間をぜひ達成するということを具体的な目標として掲げております。
 具体的にはこれまで、十月には政府におきまして労働時間短縮を進めるための基本的な考え方となります労働時間短縮推進計画、これを策定しておりまして、このもとでこれから計画的に進めると。具体的には二月に、週四十時間労働制へ移行するということで労働基準法の改正案を今国会に提出しておりまして、ぜひ関係省庁と連携をとりながら千八百時間の目標達成に推進してまいりたい、このように思っております。
#20
○政府委員(小林惇君) 藁科委員お尋ねの第三点目の内外価格差問題でございますけれども、本件につきましても新計画において重要課題の一つとして取り上げておるわけでございますけれども、その間の実態をちょっと御説明させていただきます。
 昭和六十三年との比較で見てまいりますと平成四年の東京の物価水準は、昭和六十三年に一・四倍であったもの、これニューヨークとの比較でございますけれども、平成四年には一・三倍になるということで若干の改善を見ております。それから、ほかの諸国、諸都市との関連でも同様に縮小しておるわけでございます。
 そういったことで改善はしてきておりますけれども内外価格差は依然として存在しておるということで、内外価格差対策をやってまいっておるわけでございますけれども、基本的には六本の柱ということでやっております。
 一つには、内外価格差調査を広範にやること。それから第二には、関係省庁の手によってやっていただいている部分でございますけれども、独禁法あるいは大店法の改正などによる規制緩和あるいは規制強化というようなことで競争促進策を講じておる。それから三番目には輸入促進、それから四番目には公共料金の引き下げ、それから五番目には消費者への情報提供等々従来もやっておりまして、今後とも生活大国実現の観点からそういった諸施策を一層推進してまいりたいというふうに考えております。
#21
○国務大臣(船田元君) 答弁がちょっと長くなりまして申しわけないんでございますが、先生が最後に御指摘をいただきました、経済企画庁は総合調整であって実行機関ということではないのではないか、そうするとなかなかその実効性ということがどうなのかな、こういう御指摘でございました。私どもとしてはもちろん従来から、あらゆる私どもに関する所掌事務につきましては、できる限り関係省庁と連携をとりながら、また叱咤激励をする部分もありますけれども、一生懸命やらせていただいております。
 特に、先生にも過去において御参加をいただきましたこの生活大国に向けでのさまざまな取り組み、特に経済審議会、これが中心として取り組んでまいっておるわけでございますけれども、ついこの間も、この四月から生活大国計画推進委員会の中に十の検討委員会を設けて、さらにこの経済審議会での議論、特に生活大国五カ年計画のその後のフォローアップやあるいはさらにこの生活大国の具体的なイメージですね、あるいは中身、それをもう少し詳しく検討していこうじゃないか、こういうことで間もなくその新たな審議を行う、こういう予定でございます。私もできる限りこの検討委員会にそれぞれ出席して激励を申し上げたり、また先生のお話などもありますので、こういうことをやってはどうかという新たな提言をしたり、こういうことを通じてできる限りその実効性の上がる施策を私どもとしては検討していきたい、こう考えております。
#22
○藁科滿治君 ぜひ各関係省庁との連携を強めていただきまして、この計画が計画どおり実践、消化されるように一層の御努力を要望したいと思います。
 引き続き、通産大臣代理としてちょっと御質問させていただきます。
 まず一つは、現下の不況局面の中で、通産省の政策の重点、あるいは、きょうはおられませんが大臣の所信表明を見る限り、雇用問題の認識が全くないとは言いませんが、私どもが判断するについては少し欠けているんではないかというふうに思っているわけでございます。御案内のように、大手の企業でも採用取り消しとか希望退職とか出ているわけでございまして、中小零細企業の雇用問題は極めて深刻でございます。また、中小の場合には過剰と同時に局部的には不足もあるという大変難しい環境にあるわけでございまして、労働省が労働問題を、雇用問題をというんではなくて、やはり産業の動向と雇用問題、こういう観点でぜひ問題をとらえていただきたい、このように考えているわけでございますが、この点についてお考えを聞かしていただきたい。
 それから、時間の関係もございますので、第二の質問を一緒にさしていただきます。中小企業対策の問題でございます。通産大臣がおられれば私直接訴えるつもりでございましたが、森大臣は所信表明の五つの課題の中で、一項と四項で中小対策に触れられております。非常に重視しているということだろうと思います。そういう観点からこの方針、予算の裏づけを見た場合、どうも具体的な裏づけに少しく迫力が足りない、このように思うわけでございまして、一つは今中小企業の開業率が著しく低下しております。
 いい言葉ではありませんが、今まで日本の場合には多産多死、倒産も多いけれども開業も多いということが、特に日本的な構造として指摘をされてまいりました。それが近来、開業が著しく低下しているわけです。もう中小零細企業として開業の余地がない、端的に言えばそういう状況にあると思うわけでございまして、これは日本の経済、産業の底辺を支える中小企業の存在を考えた場合に極めて重大な問題であると私は思っております。あわせてまた、今地域の活性化の面からも中小企業の動向ということが非常に注目され、期待されておるわけでございます。この点についてどのように認識をされ、どのように対応されようとしておるのか。
 あわせて、中小対策の財政問題、先ほど触れたように、例えばこの方針は「抜本的強化」というような見出しになっているわけでございますが、具体的な財源の裏づけは補助金、財投ともに前年並み、こういうことで言葉だけの強化では今の状況から脱却することはできないと私は考えるわけでございまして、この点について二点御質問をいたします。
#23
○政府委員(熊野英昭君) ただいま委員から御質問の雇用問題についてお答えを申し上げたいと思います。
 私ども通産省といたしましても雇用問題には重大な関心を持っておりまして、企業内における余剰労働力の実態等の把握にもできるだけ努めているところでございます。大変難しい問題でありますから正確な全体像を把握することは困難でありますけれども、先般実施をいたしました産業動向調査等の中でもこれらについて調査をしたところであります。これは百五十社程度の調査でありますのでサンプル的ではありますけれども、その結果を見ますと、全体の過半の企業におきまして過剰感を持っているという状況であります。特に、製造業においては六割以上の企業がそういう感じを持っているということで大変厳しい状況が続いておるのではないかというふうに認識しているところでございます。
 こうした中で、製造業の多くの企業におきまして、出向でありますとか配置転換といった形でできるだけ失業の発生を回避するという方向で雇用への対応の努力が行われていると思います。これらの企業によります失業の発生回避に向けた努力を支援するために、政府としては既に雇用調整助成金制度の積極的な活用を図ることとしておりまして、通産省といたしましても、この業種の指定に際しましては関係業界の意向を踏まえまして、労働省に対しましてその機動的な対応を図るようにその都度働きかけてきているところでございます。三月一日には新たに十業種を加えまして、既に累計で百五業種が指定されたところでございます。
 通産省といたしましては、特に雇用問題というのは景気後退にややおくれて問題が大きくなる傾向が一般的にもございますので、そういう観点からも今後引き続き十分その動向を注視しながら経済全体の中で見守っていき、また例えばただいま申し上げました雇用調整助成金制度の弾力的な運用等に関しましても、労働省を初め関係省庁との連携のもとで企業の真摯な努力を支持すべく努力を続けてまいりたいと考えております。
#24
○政府委員(関收君) 先生お尋ねの第二点、中小企業対策についていろいろな点お尋ねがございましたので、かいつまんで御答弁申し上げたいと思います。
 私どもも、中小企業が我が国の経済で占めるウエートの大きさ、質量ともに極めて重要なものだと考えております。例えば、企業の数で申し上げますともう九九%が中小企業でございますし一働いておられる従業員の方も八割は中小企業で働いておられるわけであります。また、工業の出荷額におきましても五〇%以上が中小企業が出しているということでございますから、量的に極めて大事であるだけではなく、同時にマーケットの活力をもたらす、あるいは競争環境を活性化するというような意味でも、また地域経済を支えるというような意味でも、質的な意味でも極めて重要なものだと考えておるところでございます。したがいまして、それに見合った必要な施策を講ずるという考え方でございます。特に、先生最初に御指摘ございましたように、現在中小企業をめぐる経営環境も極めて厳しい状態にございますので、中小企業対策の重要性はますます高まっておるものと認識をいたしているところでございます。
 私ども中小企業対策で何をやっているかということでございますが、さまざまなことをやらしていただいておりますが、大きく分けて三つの柱から成り立っておると思っておるわけでございます。
 一つは、中小企業が大企業に比べてさまざまな不利な面がございます。例えば資金調達をしようと思うときになかなか資金が借りられない、あるいはなかなか必要な技術を確保できないといったような不利の補正に対するいろんなお手伝いでございます。第二点は、中小企業を取り巻きますさまざまな環境変化の中で、その環境変化に対応するさまざまな試み、例えば人手不足にどう対応するか、あるいは環境問題にどう対応するかといったような、そういった構造的な問題に対するお手伝い。あるいは三番目には、先ほど申し上げました中小企業の中でも小規模企業が全体の八割を占めているわけでございますので、そういった小規模企業につきましては、中小企業基本法の考え方に基づきましてさらに手厚い措置をするといったようなことが大きな内容になっているわけでございます。
 この三つの柱のどういう中身に重点を置くかということにつきましては、そのときどきの需要、環境といったものを加味しながらいろいろな施策を講じているというのが現状でございます。
 その中で、先生御指摘のございました一つは開業率の問題がございます。御指摘のように、最近におきます我が国の企業の開業率は徐々に下がってきておる状態でございます。一方、廃業率、やめる方でございますけれども、これは景気等によって左右されますがほぼ横ばいという状態でございます。この中で私どもが大変心配しておりますのは、四人から十九人といった小規模企業におきましては廃業率が開業率を上回る、すなわち年々歳々企業の数が減ってくるというような事態にまで至っているわけでございます。
 これについて、私ども我が国の起業家の方々の起業家精神が衰えているとは思っていないわけでございますけれども、やはり新たな事業を始めるに当たりまして必要とされる経営資源、例えば資金でありますとか、あるいは技術でありますとか一あるいは人でありますとか、そういうものを確保することがなかなか難しいということで、また開業率が下がってきているという面もあろうかと思うわけでございます。私どもとしては、こういったような観点から、新たな創業をいたします場合の特に資金的な面、技術的な面等々につきましてさまざまな助成措置を講じて新たな開業が促進されるようにお手伝いをさせていただいているところでございます。
 それから、地域の問題がございました。御指摘のように、地域経済を活性化する上で中小企業、特に小規模企業の活性化ということが極めて大事なわけでございます。そこでこれまで中心的に地域経済の振興のための仕事をしてこられた各地の商工会、商工会議所、こういうところの機能を思い切って強化いたしまして、小規模企業を初めとする地域経済、地域企業の振興あるいは創業の促進というようなことについて思い切った強化をするということで今法案を提出させていただいておるわけでございまして、この法律に基づきまして地域の活性化という観点もさらに強化してまいりたいと思っているところでございます。
 なお、最後に予算のお話がございました。
 私ども、さっき申し上げましたようなさまざまな御要請に対しましてそのときどきの需要に応じた予算を計上させていただいているつもりでございまして、極めて厳しい財政事情のもとではございますけれども、平成五年度におきましては一般の中小企業対策のほかに特別会計からも手当てをいただいておりますし、それから今年度は商工会、商工会議所の経営指導員の人件費の一部を一般財源化するということで七十五億ほど地方の方にお願いするというようなことも実施をいたしております。平成五年度のトータルの中小企業に向けられます予算は二千百五十一億ということで、昨年よりはかなりの増加になっておるわけでございます。
 それから、財投につきましても、特に最近の中小企業の状況から資金需要が旺盛でございますので、中小企業金融公庫、国民金融公庫の貸し付けのもとになります財政投融資については増加をお願いいたしておりまして、この結果、中小公庫、国民公庫とも平成四年度の当初に比べて六%程度貸し付けの増が可能になるような措置を講じさせていただいたわけでございます。
 これからも、中小企業については最大限の重点を置いて実施してまいりたいと思っているところでございます。
#25
○藁科滿治君 どうもありがとうございました。
#26
○峰崎直樹君 私は、日本社会党・護憲民主連合の峰崎委員でございます。船田長官とは初めてでございますので、今後ともどうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最初に、実は日本経済の現局面の問題についてでございます。
 先日、日本商工会議所の総会で宮澤総理が、何だかほのかに景気が上向いてきているんじゃないか、そういう兆しが見えるということをおっしゃいまして、私はまだそんな状況ではないんじゃないかなと思っていましたけれども、きょうあたりの新聞を見ますとかなり指標的にも上がってきているように思います。この点、総理のそういう発言もあり、まだ完全に楽観する状況ではないとは私も思いますが、長官自身とのようにこの点ごらんになっているか、ちょっとお聞かせ願えますか。
#27
○国務大臣(船田元君) 峰崎先生にお答えをいたします。
 我が国の現状の景気の状況はどうか、こういうことでございますが、確かに先ほど来お話を申し上げておりますように、今回の景気の低迷がやはり長く続いているということの原因としては、もちろん従来のストック調整という部分はこれはあるとしても、それに加えましてやはりバブルの崩壊、そして資産デフレということが実体の経済に大変大きな影響を与えていた。そういう中で、私どもの見通しも若干甘かったかなという部分もあるわけでございますけれども、現状としてはやはり非常に厳しい状態が続いているということは変わりがないと思います。
 もちろん、宮澤総理も日商の会合で若干お話をいただきました。また、私も同様の例示を今持っておるわけでございますけれども、例えば機械受注額が若干上向いた。それから、マネーサプライM2プラスCDの数字もたしかこれ五カ月ぶりぐらいにマイナスからプラスに二月は転じたということ、もちろん株価の動向も先ほど調整局長からお話をしたような状況である。さらには、このバブル崩壊ということで金融機関等が不良資産を大分抱えてしまった、それを買取機構というものをつくってきちんと処理ができるようにと、こういう動きも既に始まっておりますし、日住金を初めとするいわゆる住宅専門の金融会社、そういうところの建て直し、こういう策も関係者の間でかなり進行いている、こういう明るい材料があるわけです。
 ただ、こういうものはまだ一部の数字でございまして、やはり経済全体として明るさが見られるという状況には決して私はまだなっていない、こう思っております。そういう点でございますから、私としてはなお基本的には厳しい状態が依然として続いている、こういう基本的立場に立ちまして経済運営ということをやっていきたいと思っております。
#28
○峰崎直樹君 今の御指摘を受けて私つくづく痛感することがあるんですが、それは宮澤総理がその発言をされたときに、まだ底は言えないんじゃないかなと思っていたけれども、我々がきょうそういうデータを見ると、ああそういえばこういうことになっているのかなということを私自身も実は感ずるわけです。それだけに、インサイダーにいる人間というのは情報をやはり早く知る立場にあるんじゃないか。それだけに、これが株の投資であるとか、かつてリクルートの問題のときにも指摘をされたことでございましたけれども、そういった点で、今政治家全般に大変不信が起きているときに、我々自身も資産公開というようなこともやっていますけれども、少し気をつけなきゃいけない点であるんだろうかなということをちょっと感じたものでございますので、その点をつけ加えさせていただきます。
 さて、先ほど同僚の藁科議員の方からも円高の問題、そして内外価格差の問題が指摘をされたわけです。
 私は午前中、科学技術特別委員会の委嘱審査にも参加をしてきた。そこで、実は大変奇妙なデータを手にしたわけです。と申しますのは、日本の科学技術者の一人当たりの科学研究費、このデータを科学技術庁から提示を受けたんです。一九八七年の数字でございましたけれども、その日本の数字は合っているんです。ところが、諸外国と比較をした、アメリカ、イギリスそして西ドイツ、フランスの比較をした数字を見ますと、科学技術庁の発表した数字の方が、実は私がもう一方で民間のシンクタンクでつかんだ同じ年の数字よりもはるかに低くなっている。どうしてだろうかということで科学技術庁に質問したわけです。結果わかったことは、両方とも間違いではない、片方はIMFのレートを使っている、片方はOECDの購買力平価を使っている。
 私は、そのときにどちらが正しいのかとっさになかなかわかりにくかったんですが、やはりこれは科学者がどれだけ自分がこの科学研究に使えるのかということを実質で見る方がはるかに説得力があるんじゃないか。それだけに、政府が使っているIMFレートよりもOECDで購買力平価を使ったその金額を出した方が私は正確じゃないだろうか、あるいは実態により結びついているんじゃないだろうか、こういうふうに考えているわけです。
 そこで長官にお尋ねしたいんですけれども、経済白書やあるいは国民の経済白書といったような白書類においてこのIMFレートを使うことが必要だろうと思いますが、さらにこのOECDの購買力平価を使ったものと併用するということはできないものだろうか。あるいは現に併用されているのかどうか。私も、経済白書はそれほど数字のデータの根拠のところまでさかのぼっておりませんので、もしその点わかれば教えていただきたいと同時に、OECDの購買力平価もあわせて数字上列記してみる必要があるんではないか。と申しますのは、国民の経済白書といい、あるいは生活大国といい、我々庶民が円高のそのありがたみを感ずるのは実は外国に行ったときに感ずる、つまりそれでどれだけの物が買えるかということが大変問題になるわけでございます。その点についての長官の御意見を聞かせていただきたいと思います。
#29
○政府委員(土志田征一君) お答えいたします。
 基本的には経済白書その他の比較の場合にはIMFのレートで換算をしておりますけれども、例えば経済企画庁で物価レポート等を出しております、そういうところでは内外価格差の問題というようなことで購買力平価の計算もしておりますし、その他生活面の比較というような場合には、経済白書でもかつてそういった内外価格差の問題を購買力平価を使って指摘をいたしておりますので、その時々に応じて使い分けてはいるというふうに考えております。
#30
○峰崎直樹君 私も物価レポートというのはよく前に読んだことがございますけれども、基本的にはIMFのレートが国際間で為替取引その他に使われるわけですから、それが基本だということは私も思いますけれども、できる限りこれからもそういうふうに、国民から見て利用者から見てわかりやすくつくっていただけるよう要望しておきたいというふうに思います。
 ところで、この内外価格差が生じてきていることについての是正の問題について、さっき内外価格差問題については調査をしているということなんですが、この原因は一体どこにあるんだろうかなということで、先ほどもちょっとお話があったようなんですが、もし簡単にわかるようであれば時間の関係がありますので少しお話をいただければと思います。
#31
○政府委員(熊野英昭君) 企画庁からもお答えがあるかもしれませんけれども、内外価格差の問題については通産省としても大変重大な関心を持っておりまして、これをいかに是正するかということは我が国の一つの大きな政策課題であるというふうに考えております。その原因については、ただいま委員御指摘の例えば為替レートの問題、これ一つをとりましてもいろいろタイミングとか問題があろうかと思います。それから流通機構の問題でありますとか、あるいはそれぞれいろんな問題があるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては継続的にこういった内外価格調査の実施をしていく必要があると思っておりますし、さらに集めた情報を消費者でありますとかあるいは産業界に提供していくことも必要であると思っております。
 それから、特に大変内外価格差の大きい消費財もありますので、これらの消費財につきましては、ただいま申し上げましたような実態をより詳しく把握するために現在その実態あるいは要因等についての調査分析を行うべく準備をしておりまして、本年の六月末くらいまでにこれらの代表的な事例について取りまとめたいと考えておるところでございます。
#32
○国務大臣(船田元君) 今通産省の方から先にお答えをいただいたわけでございますが、私ども経済企画庁としてもこの内外価格差問題、これはやはり生活大国の実施あるいは実現という点においても極めて大事な課題である、こう思っております。
 そして、御承知と思いますけれども、政府・与党内外価格差対策推進本部というものを私ども設置させていただいておりまして、私が開かれた場合には司会を行う、こういうことで関係省庁との調整あるいは推進方ということで協力を要請する、そういう場所があるわけでございます。去年第五回目の会合をしたわけでございますが、そこで内外価格差対策の実施状況についてフォローアップを行う、あるいは新たな施策の拡充をやっていこうという決定がされたわけでございます。
 特に決定をされた内容を簡単に御紹介申し上げますと、内外価格差調査の拡充、実際にどういう差があらわれているのか、これは先ほどの数字のとり方ということもあると思いますけれども、そのことも含めましてより実態に即した数字の把握ということが大事であろうということ、あるいは独占禁止法の適用の問題や、あるいは大規模小売店舗法の改正というものが一体どういうふうに実効性が上がっているのかというような問題点、あるいは輸入促進対策等の施策がどういう形で推進されてどういう効果をあらわしているか、あるいはまた公共料金の問題とか、さらには消費者への情報提供、こういうことなどを中心にさらにフォローアップもし、あるいはまた新たな施策もやっていかなければいけない、このように感じております。
#33
○峰崎直樹君 実は通産省の関係する研究所でしょうか、国際価格構造研究所というのがあるやに聞いているんですけれども、ここで今から何年か前に内外価格差の要因分析というのがされているようです。その中で非常に目につくのが政府規制、これがかなり目についていますし、さらに土地コストの問題というものが非常に高くなっている。きょう実は新聞で地価の公示がありまして、地価が二年連続して下落をしているという、その意味ではこれで果たしてもうバブルから脱却したかどうかという大変評価が分かれるところなのかもしれません。そういう点では、こういう内外価格差の問題のときに一つは私は規制緩和というふうに思いますし、競争条件というものをやはり重視していかなきゃいけないんじゃないか。もう一つは、今申し上げました土地の問題をやはり解決していかなきゃいけないポイントではないかなというふうに思うわけでございます。
 それで、そのバブルの問題にちょっと関連をさせてみたいんですが、バブルというのはもう資本主義経済につきものだ、自由主義経済につきものなんだという見方もあるんだろうと思うんですが、今回のバブル、異常な地価高騰や株価高騰、これは一体どのような仕組みで発生したんだ、この点わかっておられる限りで結構でございますので、現在の時点で反省すべき点は何なのか、これは経済企画庁の経済白書だとかそういったところでも分析されているのかもしれませんが、できるだけ簡単にもしわかれば教えていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(船田元君) この点については専門家も既にいろんな分析を加えておりますが、私どもとしても経済白書などにおきましていろいろとその分析等を適切にやらせていただこうということで努力をしております。
 例えば今回の地価上昇などをとってみましても、東京圏に日本全体の経済機能というものが集中をする、そのことがオフィス需給の逼迫ということを起こしました。それはもう既に一九八三年ごろに出てきて、そしてそのころにはもう既に東京都心の商業地のオフィス需要というものが非常に高まったということもあったわけでございます。また、株価につきましても大体同じころから景気の回復を背景として上昇傾向をたどっていたということがございました。
 しかし、そういう中で実は一九八五年九月に例のプラザ合意が行われ、急速な円高が進行いたしまして、いわゆる円高不況ということに我が国が陥ったわけであります。ただ、そのときに内需を拡大しようという逼迫した必要性がございまして、そういうことから長期にわたりまして金融の緩和が行われた。
 こうした状況のもとで景気の持続的な拡大が一方では実現をしたわけでございますが、しかしまた一方では余剰資金というものが市場にあふれてしまいまして、これが株式及び土地の取引に回った。さらに、人々が現在の株価あるいは地価上昇がこれから将来も、未来永劫とは言わないけれどもかなり長く続くだろう、こういう考え方というものが出てきまして、それが投機的な取引を誘発した。それが非常に活発になった。この過程で株価、地価というものが経済の実勢から乖離して高騰した。実需ということではなくて仮需ということが非常に過熱をしたということでバブルが発生をしたのではないか、このように分析をしております。
#35
○峰崎直樹君 実は、非常に今おっしゃられたこと一つ一つとって私はもっともだと思うんですが、きょうは本当は日銀の方もお見えになっていただいたらよかったと思うんですが、今から考えてみますと、やはり財政と金融と二つあったときに金融にばかり余りにもウエートをかけ過ぎていたのではないか。その意味で、大蔵省の方も来ておられると思うんですが、今回の不況から脱出をしなきゃいかぬときに、もう公定歩合だけは二・五%まで下がっちゃった。
 しかし、大蔵省からすれば財政もぎりぎりいっぱい出しているということなのかもしれませんが、国際的に見たときに日本の財政出動の可能性というのは、この貯蓄率の高さからいって、あるいは同じことなのでありますが、この黒字が非常に拡大しているということからして、もっといわゆる財政出動という面で力を入れていいんではないかというふうにこのバブルの経験からして思われるんですが、大蔵省の方、もし来られていればその点見解をお聞きしたい。
#36
○説明員(津田廣喜君) 今委員がおっしゃったとおり大蔵省としては精いっぱいのことをしているつもりでございますが、今の日本の財政の現状を見てみますと依然として構造的な厳しさというのが続いておりまして、例えば歳出予算全体に占めます利払い費の比率というものをとってみますと、平成五年度予算でこれが一六・一%ということになっております。この数字はG5の国の中では最も高いものでございまして、これは要するに日本の予算が非常に政策的に配慮をする余地の少ない硬直的なものになっているということを意味するわけでございます。
 私どもとしては、今後の財政運営に当たりましても、高齢化社会が急速に進んでいくというような事実を見ますと、再び特例公債を発行しないことを基本としまして、公債残高が累増していかないような財政体質をつくり上げていくことが一番大事であるというふうに基本的に認識をしております。
 ただ、平成五年度の予算におきまして多少数字を申し上げさせていただきますと、景気にも十分配慮をしているつもりでございます。一般会計の公共事業関係費は昨年度の当初予算に比べまして五・八%の増加になっておりますし、財政投融資計画におきましても公共事業の実施機関だけで申しますと一二・四%の増加、地方財政計画における地方単独事業の伸びも一二・○%の増加ということで、それぞれ近年最大の伸びを確保しているところでございまして、令ともかくこの平成五年度予算を早期に成立させていただいて景気の回復に役立てたいというふうに考えております。
#37
○峰崎直樹君 多分大蔵省の立場からするとそうではないかなというふうに思っておりました。これはちょっとまだクリントンの経済政策を十分私自身もよく理解しているわけではないんですが、またこれからも注意深く見ていかなければいけない課題だというふうに思うんですけれども、アメリカの場合、今おっしゃいましたように過去の累積した借金、これの支払い、それから現状の経常費、そして未来への投資ということをクリントンの発言の中から発見することができるんです。そうすると我々も未来への投資という観点で、今私はバブルの教訓の話をしたんですけれども、実は二十一世紀に向けて本当に今必要とされている分野には、たくさんまだ必要とされている分野があると思うんですが、そういったところへ積極的に公共事業をふやしていくということが本当に今求められているんじゃないだろうかなという気がするわけです。
 そこで、実は通産省の方にちょっとお聞きしたいんですが、本当は森大臣がおられれば一番よかったんですけれども、最近新社会資本ということがよく指摘をされるわけです。その意味で、これは景気対策という観点ももちろん重要な観点だろうと思うんですが、それ以上に日本が二十一世紀に向けて本当にしっかりとした経済基盤をつくっていくという観点で新社会資本という概念をとらえるべきではないだろうかというふうに私自身も思うし、それに対する財政出動というものも従来のあり方を少し変えていかなきゃいけないんじゃないかといったような森大臣の発言だと思うんですけれども、私自身もそのことは支持したいと思うんですが、その点についての御意見をお伺いしたい。
#38
○政府委員(熊野英昭君) 従来から議論されておりますように、民間需要が低迷している中で景気浮揚のためには公共事業の果たす役割は大変大きなものがあろうと思っております。今後とも積極的かつ継続的に進めていく必要があるというふうに考えているわけであります。
 その場合、公共事業の内容につきましては中長期的な観点から、あるいはその時代時代に合ったさまざまな検討を続けていくこともまた重要ではないかというふうに考えておりまして、道路、港湾といったふうな土木中心の公共事業もまだまだ必要ではございますが、同時に少し角度を変えて、学校でありますとか病院でありますとか、そういった社会資本、あるいはそれらの中で使われる情報化関連機器でありますとか研究開発関連の機器でありますとか、さらには福祉関連の機器等、そういった設備機器などについてもこれまでに増して整備をしていくことが重要ではないかというふうに考えているわけであります。
 こういった意味で新しい社会資本の整備は、ただいま先生御指摘のとおり、国民全体に景気の先行きに対していろいろ明るいマインドを与えていくのみならず、もっと中長期的に考えまして経済基盤の強化あるいは生活大国へ向けての観点からも重要なことでありますので、そういう観点から今後ともこういうものに重点を置いていくことが重要ではないかというのが通産省の考え方でございます。
#39
○峰崎直樹君 また、ちょっと別の観点に絞ってお話を聞きたいと思います。
 経済企画庁長官に再びお聞きしたいわけでございますが、ことしの貿易収支の黒字は一千三百億ドルを超すという大変な金額になる、GNP比二%を確実に超しているだろうというふうに思うわけです。こういう高い水準や高い傾向といいますか基調はいつごろまで続くんだろう、もし企画庁長官の見通しがあればお聞きしたい。
#40
○国務大臣(船田元君) 今、峰崎先生の御指摘のように、貿易の黒字幅、これが非常に拡大をしてしまっているという現状があることは事実でございます。もちろんその黒字拡大の原因としては、やはり最近のじわじわとした円高の状況もございます。したがって、ドル建ての価格というものが上昇する、こういう結果にもなるわけですし、また輸出品の量はそれほどふえないまでもその一つ一つの単品の価格がどうも上がってきている、いわゆる高付加価値化というふうに呼んでおりますけれども、そういった効果もまた一方ではあるというようなことで、どうしてもそのドル建ての輸出価格が上昇してくるという傾向にあるというのが一つ。
 それともう一つは、今度は輸入の方でございますけれども、これは景気の調整局面の影響ということでやはりどうしても輸入数量もあるいは輸入金額も減少する、こういう傾向があって、両方のプラス・マイナスということで黒字幅が拡大しているというような状況にあると思います。
 こういう状態を解消するということが国際社会の中での日本の役割として極めて大事でございますけれども、まずはやはり特に輸入が減っているという状況を解消するためにも内需拡大を中心としたインフレなき成長を図らなきゃいけない、これがまず第一、基本的なことではなかろうかというふうに思っておりますし、また構造的な問題も同時にある、市場アクセスがまだ十分ではないということを私ども十分認識をしております。
 特に、私ども庶務を担当しておりますがOTO、いわゆる市場開放問題苦情処理の機関としてあるわけでございますが、そこにおきましてもこれまで諸外国あるいは国内の輸入業者等から寄せられたいろんな苦情があるわけです。その苦情をどういう形で処理をしてきたか、こういうフォローアップというのはきちんとしておりますけれども、同時にどういう傾向があるのか、大体どの辺に輸入を阻害する問題があるのか、いわゆる傾向と対策というようなことの分析あるいはまとめを今一生懸命やらせていただいておるわけでございます。いずれ、これについても発表する機会もあるかと思っておりますけれども、そういうことを通じて輸入アクセスをよりやりやすくしていこうということも大変大事なことではないかと思っています、
 いつこれが解消するかという点については一概には言えないわけでありますが、なおまた平成五年度におきましても、経済見通しの中では全体としてまあ減る傾向にあるけれどもそう大幅には減らないんじゃないかな、そういう数字を示しておりますが、なるべく減り方を大きくしていこうというのが我々の当面の課題であると思っております。
#41
○峰崎直樹君 私は、今おっしゃられた中で、実は一番黒字基調になっていく大きな原因というのはやはり貯蓄が非常に日本の場合高いんです。個人それから民間、政府それぞれ貯蓄の数字が出てくるわけですが、そうなってくると、いつまでこの貯蓄をする傾向というのは続くんだろうかといった場合に、私はもうあと十年あるいは二十年ぐらいになると大変な高齢化社会を迎えていくわけでありますから、そうなってくると非常に傾向として貯蓄をする比率が高いというのがやがて解消されていくんではないか。その意味でこの十年、二十年というのは本当に重要な十年、二十年になるんじゃないかというふうに思っているわけでありますけれども、これは大臣の見解をいただかなくてもいいんですが。
 ただ、今おっしゃられたように、私は実はこのGNP比二%を超す大変な巨額の黒字というのはこれはやはりどこかにひずみがあるんだろうというふうに思います。ただし、黒字が全くだめかということについては言えないんだろうというふうに思っております。
 そのことは別にして、ちょっと視点を変えて日米の間の経済摩擦の問題。アメリカのクリントン大統領が、これはいつでしょうか、就任演説じゃなくて、財政政策を言ったのが二月二十六日のアメリカン大学の大統領演説の中に出てきたんですが、実はこのスーパー三〇一条を使うということを表明したりしているわけです。私まだ十分この歴史的な経過を存じているわけじゃないんですけれども、日本とアメリカという国は両方合わせると世界のGNPの四〇%を占めるという大変重要な関係にあるというふうに認識をしているわけです。その両国が、本当に日米の経済摩擦でお互いに対立をするということはどうしてもやっぱり避けなきゃいけないんじゃないか。
 その際、その日米構造協議、SIIですね、これは昨年の六月で一応終わったんでしょうか。今後、こういう問題について日米間でお互いに協調していくための、協力と協調していくための何らかの協議機関のいうものが必要なんではないかと思うんですが、この点についてもし長官何かの考えがございますれば、ちょっと聞かせていただきたい。
#42
○政府委員(森清圀生君) 峰崎先生御指摘のとおり、日米間、両国の経済関係が深化すればするほどいろいろと問題が出てきておることは事実でございます。そういう背景のもとに、クリントンの新政権の関係の閣僚その他の方からいろんな御発言が出ておることは先生御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、私ども現時点ではまだクリントン政権の、例えば御指摘のスーパー三〇一の復活といった取り扱いにつきましても、新政権としての明確な方針というものが確定されておるというふうには私ども認識をしておりません。それだけに私どもとしては、できるだけ早期に新政権の、クリントン大統領はもちろんのことでありますけれども、特に直接の衝に当たられますUSTRのカンター新代表、あるいは商務長官のブラウン長官等々とできるだけ早く率直に、両国がまかり間違っても貿易戦争といいますか、保護主義に走っていくというようなことに方ならないように率直に意見の交換をいたしまして、できるだけ世界貿易、世界経済の基軸的な経済関係でありまするところの日米の関係を建設的に処理していくようにしたい、かように思っておる次第でございまして、そういう意味合いから当委員会の御配慮も賜りまして私どもの通産大臣がただいま向こうに行っておるということでございます。
 SIIの後どうするのかというお話につきましては、これもまさに日米の双方でそういう構造問題についてお互いにツーウエーでいろいろ意見を交換し合おうじゃないかということでスタートしたものでございますので、これを今後どういうふうに扱っていくべきかという点については、これも日米間でよく相談しながら検討してまいりたい、かように思っております。
#43
○国務大臣(船田元君) 今通産省からお答えがあったわけでございますが、これは企画庁長官の立場としての答弁になるかと思いますけれども、先ほど峰崎先生のいわゆる貯蓄、投資のバランスと貿易黒字の幅ということ、これは昔経済学で私も大分習いましてこれは等価である、こういうことでございますから、当然のことながら貿易黒字を減らしていくためには貯蓄よりも投資にどんどん資金が流れるということが当然これは望ましいことであろうというふうに思っています。
 中長期的には、どうしても高齢化ということになってまいりますとその貯蓄という部分、これの取り崩しが多分これからどんどん出てくるであろう。そうすると、中長期的には大分黒字の解消につながっていくのかなという感触もあるんでございますが、しかし私どもとしては、それを上回るテンポで内需拡大をやって、そして国内消費をどんどんふやして、そして短期的に黒字幅をできるだけ解消する、これがやはり政策としてはとらなければいけない方策ではないかと思っています。
 それから日米の貿易関係、これはSIIを続けてまいりましてそのフォローアップもずっとしてきたわけでありますけれども、現状においてそれにかわる新たな機関をどうするかというようなことについては、特に私もアイデアは持っておりません。
 ただ、やはりマクロの経済面においても、あるいはミクロの経済面におきましても、常に日米間が忌憚のない話し合いを行うということは極めて大事なことでございまして、実は私自身もまだ正式決定ではありませんけれども、できれば国会のお許しを得ながらアメリカに参りまして、私のカウンターパートである経済諮問委員会のローラ・タイソンさんにもお会いをして、マクロ経済政策面での日米協調ということを一日も早く議論したいなというふうに考えておるわけでございます。またこれは何も決まっていない、私の希望だけということでございます。
#44
○峰崎直樹君 クリントンさんとゴアさんの公約であるプッティング・ピープル・ファーストという何か文章がありますが、そこの中に、スーパー三〇一条は外国市場を開放するのに役立った、我が国の競争相手の国々は我々が不公正な貿易慣行を許さないのだということを知る必要がある、貿易についての空疎な約束は聞き飽きた、我々に必要なのは成果だという文言があります。ブラウン商務長官の記者会見も、スーパー三〇一条は復活する可能性が強いといったような、あるいは三月五日にはカンター代表が既存の米国通商法の運用強化といったようなこともどうやら触れているようなんです。これも私のまだ直接確かめたあれではありませんけれども。日米の間の経済摩擦というのはこれから一歩間違うと大変な状況になるんじゃないかという意味で、今森通産大臣が行っておられますから、帰ってきてその成果などもまたお聞きする機会があって、我々自身も勉強させていただきたいなと思っておるんです。
 もう時間もありませんので、最後に私は、今日の日本の置かれている現状というのはちょうど一九三〇年代のアメリカに似ているんじゃないかという感じを持っているんです。あの当時のアメリカはちょうど戦間期の大不況が起きてくるわけです。大変な恐慌が起きてくるそこの中で、一九三〇年にいわゆる輸入関税を大幅に引き上げます。たしか法律の名前がスムート・フォーレー法とかなんとかという法律だったと思いますが、それによって世界経済が非常に縮小均衡の道をたどって第二次世界大戦にいく、ファシズムの台頭を許す。こういういわゆる反省の上に立って、実は一九四四年にブレトンウッズの、あるいは今の世界体制が成立してくるんだろうと思います。
 そうすると、もう十九世紀の終わりのイギリスも大変経済的には強い経済、いわゆる債権国であった、そして第一次世界大戦後にもアメリカもやはり債権国、そして今や日本がその大変大きな経済力をもって債権国になっておるわけであります。その日本が一体どういう態度をとっていかなきゃいけないのかということについては、私はこの歴史の教訓というのはやはり酌むべきじゃないかなというふうに思っております。
 それで、実はここから先は私の本当に個人的な提案になるわけでありますけれども、実は今世界的に見てEFTA、そしてNAFTA、そういう形で地域のブロック化が非常に進み始めている。これは関税同盟であったり自由貿易協定であったりという、性格は私は違うというふうに思うんです。しかし、このまま放置をすると、やはりアメリカはたしかNAFTAからEAIという、いわゆるアメリカ州機構、米州機構全体を一つのブロックにしようという、そういう動きがあるやに聞いておるわけです。そうすると、そういうものができることについて我々どうしたらいいんだろうか。
 クリントンの政策の中にもAPECを非常に重視していきたいと出されています。あるいは、経済の活力の中心地であるアジアを非常に重視している。そういう観点から先ほど来、私アメリカと日本との間がしっかりと意思統一をして、そしてこの発展をする、躍進をする東アジアの地域に、この環太平洋のアメリカを中心としたものを巻き込んでいく必要があるんじゃないか。そしてその上で、その上でというかこれは段階的な話ではないんですけれども、世界の四〇%のGNPを持つ日本とアメリカがしっかり手を握って、そしてこの発展する東南アジア、東アジアの地域を巻き込み、そしてECあるいはEFTAに向けて手を広げていく。そして、今大変困っているロシアヘの支援だとか、あるいは低開発国といいますかLDCにも手を伸べていく。
 こういう形での提案を我々日本がもうそろそろして、そして一九三〇年代のあの縮小均衡に陥った過ちというものをやはり脱却する必要があるんじゃないかというふうに私自身は考えるわけでありまして、この点長官のもし御見解があればお聞かせ願って、ちょっと早いかもしれませんけれども、私の質問終わらせていただきたいと思います。
#45
○国務大臣(船田元君) 大変大きな御指摘をいただきましたが、あるいは通産省からの方が適切なお答えになるかもしれませんが、私の私見ということでお話をいたしたいと思います。
 峰崎先生御指摘のように、確かに一九二九年、大恐慌がございました。その後各国ともいわゆるブロック化、ブロック経済というものに走り、あるいは個々の国を見れば保護主義というものが大変高まった。そのときにアメリカも大変高率の輸入関税、法律の名前ちょっと忘れましたけれども、そういうようなことで大変なブロック化が起こってしまった。このことがやはり戦前の世界の経済を非常に縮小させてしまった、あるいはそのことが政治的な摩擦を生んでしまったということもこれも否めない歴史の事実だろうというふうに思っております。
 やはり我々今最も気をつけなければいけない、あるいは排除しなければいけないのはそういった戦前におけるブロック主義経済というものの台頭を防ぐということ、あるいは個々の国を見ればその保護主義、理屈のある保護というものは私はいいと思いますけれども、必要以上に保護をするということは、これは自由貿易体制の維持、強化の観点から見て好ましくないことであろうというふうに思っておるわけでございます。
 そういう中で、APECの話も出ました。私もAPECの姿あるいはこれからどうなっていくのかという形、非常に注目をしているわけでございますが、少なくともアジアにおきましては、もちろん日本がそのリーダーシップ役をとらなければいけないわけだと思いますけれども、アジアだけでブロックの経済圏をつくるというようなことはこれはやはり当然のことながら排除しなければいけない、何らかの経済協力の組織をつくるとしても、それはアジアあるいはアジア・太平洋全体を含めたできるだけ緩やかな連合体にすべきであろう、このように私は思っておりまして、先生の大変高い見地からの御指摘、大変興味深く拝聴させていただきまして、その方向で私どもも進んでいかなければいけない、こう思っております。
#46
○峰崎直樹君 終わります。
#47
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、消費者保護政策について句点か伺わせていただきたいと思っております。
 先日、三月一日に、ある大手のエステティックを目的としたジムを経営する会社が不渡りを出しまして、全国に多数持っておりました店舗を閉鎖する、こういう事態が起きました。この会社は全国で約一万人の会員を抱えておりまして、業界でもトップクラスの会社と言われておりました。
 そして、この会社で扱っておりましたエステのコースは半年、そして一年、二年のコースがありまして、二年のコースは会費が二百万円、こんな内容になっております。ほとんどの会員はこうした高額の会費を、契約するときに現金であるいはクレジットを利用して一括して前払いをしております。しかし、例えば二百万円払い込んでほんの何回か通った時点で閉鎖になってしまった、こんな会員の方もたくさんいらっしゃるわけです。そして、サービスを受けていないのに払い込んだ金額は果たして返ってくるんだろうか、こういう苦情や相談が全国の消費生活センターに多数寄せられているということが報道されました。
 こうしたエステとかあるいは英会話、そして壁あるいは資格取得の講座などを目的とするいわゆる継続的役務取引の契約を結ぶ多くの消費者が、通常数十万円あるいは高いものは数百万円の契約金を一括前払いで払っている。その途中で業者が倒産する、あるいは途中でさまざまな事情があって解約したくても中途解約できない、そういう仕組みになっているために被害を受ける消費者が大変多い、こういう被害の実態がございます。
 長官は就任されてから、ことしの初めだったと思いますけれども、国民生活センターに出向かれてその被害の実態を視察されたというふうに伺っておりますけれども、経済企画庁としましてこうした継続的役務取引による被害の実態を把握しておられますでしょうか。
#48
○政府委員(加藤雅君) お答え申し上げます。
 今御指摘になりましたように、国民生活センター及び地方の消費者センターにはエステティックサービスあるいは英会話、外国語教室と申しますか、そういうものに関する、これは必ずしも全部苦情というわけではございませんけれども、問い合わせ、苦情のようなものがかなりございまして、例えばエステティックサービスを例にとりますと、九〇年度でございますが三千六百七十一件、九一年度四千七百六件、九二年度は、まだ全部ではないと思いますが五千百六十七件というようなことでございまして、やや増加の傾向にあるなというふうに考えております。
 御指摘の、解約を拒否されたあるいは解約料が非常に高いというような件数につきましては、九〇年度、解約拒否というのが百九十七件、九一年度二百九十三件、九二年度三百六十三件ということでございまして、件数全体の五%から七%ぐらい、それから解約料が非常に高いというのが、九〇年度二百六十件、九一年度三百七十八件、九二年度四百十一件ということでございまして、これが七%から八%くらい、そういう状況になっておるわけでございます。
 これらの問題につきましては、国民生活センターといたしましては昨年の七月に、エステティックサービスについてはこういう苦情が出ておるよ、したがって消費者はこういうことを注意してくださいということの情報を提供いたしまして、さらに昨年の十一月にはエステティック・トラブル一一〇番というのを三日間やりまして、その結果も平成五年一月に公表したところでございます。
 こういうことで国民生活センターといたしましては、今後とも消費者に情報の提供ということで、サービス全体が悪いということではございませんが、悪質なサービスにひっかからないといいますか、そういうことのないように情報提供を行いつつ相談についてもそれぞれ対応しているところでございます。
#49
○浜四津敏子君 今エステについての実態を御報告いただきましたけれども、たしか国民生活センターのまとめによりますと、昨年十一月末までに相談があった十万九千九百七十七件のうち、こうした継続的役務取引に関する相談が約半数、五万三千二百三十二件、前年同期に比べましてふえている、こういう報告があったかと思います。また、日弁連あるいは各種消費者団体でもその被害の実態を把握しておりまして、大変被害は深刻であるということが各方面から訴えられております。
 今ちょっとお話がありましたように、もちろんエステ業界あるいは英会話、塾、こうした業者の方々の中には本当にまじめにやっていらっしゃる業者の方もたくさんいらっしゃるわけで、先日もあるエステの業界の方にお会いいたしましたけれども、自分たちは約款もつくり、そしてまた互いに連絡し合って何とか信頼を回復できるように、消費者の方に損害をかけないように、そしてまた喜んでもらえるように一生懸命やっている、しかし自分たちのそうした活動に少しも賛同してくれない、あるいは参加しようとしないその他のたくさんの業者の人たちが問題を起こしているんだと、こんな声がありました。
 いずれにいたしましても、こうしたたくさんの消費者の方が被害を受けているという実態があるわけでございますから、こうした救済方法あるいはこうした業界の適正化の対策につきましては、何か具体的に現在検討されておられますでしょうか。
#50
○政府委員(細川恒君) 継続的役務にかかわります消費者保護の重要性でございますが、私どもとしましてもその重要性につきましては十分認識をいたしておりまして、当省といたしましては、昨年の十月に学識経験者、弁護士、消費者代表などから構成されます研究会、継続的役務取引適正化研究会というのを設置いたしまして、トラブル防止のあり方などにつきまして広く検討を行ってまいっておるところでございます。
 特に、消費者トラブルが多いと言われます、先ほど来委員からお話の出ておりますエステティックサロンあるいは外国語会話教室などの業種につきましては、支払い方法としてクレジットの利用が多いというのが現実であろうかと思うものですから、その点に着目をいたしまして、クレジット業界に対して昨年、役務提供事業者を加盟店とする場合における審査の厳格化など、加盟店管理の強化などにつきまして指導を行ってきております。加えまして、昨年の十月に至りまして、継続的役務提供事業者が倒産などの事由によりまして役務提供ができなくなった場合には、利用者への支払い請求を停止するなどの措置をとるように指導を行ってきたところでございまして、研究会をやるとともに今申し上げましたような形で行政指導で対応いたしております。
#51
○浜四津敏子君 今後の救済方法のあり方ですけれども、通達あるいは指導あるいはガイドライン、こうした行き方ももちろんそれなりの効果があるというふうに思っておりますけれども、ほかの先進諸国と同じように消費者保護のための立法をぜひお願いしたいというふうに希望させていただきたいと思います。そして、その場合にその内容につきましてはどうしてもこうした被害救済のために不可欠な点というのが句点かございますので、その点についてちょっとお話しさせていただきます。
 こうした取引につきまして特徴的なことは、契約する時点で今後受けることになるサービスの内容というのが消費者にとっては具体的にその時点では明確に把握することができない、こういう特色を持っております。長期にわたるあるいは多数回にわたるこうしたサービスを受けることになる、その最初の時点でそのすべてのサービスに対する大変高額な代価を一時にもう払ってしまう、これがこの問題の大きな問題点の一つであるというふうに思っております。こうした継続的役務取引の性質からいたしまして、そもそも一括前払いというのがこの性質上そぐわないというふうに私ども考えております。したがいまして、こうした契約につきましては原則として一括前払いというのは禁止するべきではないか、こういうふうに考えております。仮に認める場合にも、前払い金についての保全措置をぜひ設けていただきたい、こう思っております。
 それから、先ほど来出てまいりましたが、こうした長期の契約あるいは多数回にわたる契約、サービスを実際に受けてみたところが、どうも話が違うとか、あるいは質が悪いとか、あるいは自分にはそもそも合わなかったとか、人からのサービスを受ける対人型サービスを内容といたしますので、契約の途中でいろんな事態が起こってまいります。もう続けたくない、契約を存続する意思がそもそもなくなる、こういう事態が大変多いわけですけれども、その場合にも中途解約を認めない条項が入っている、あるいは仮に認めるとしても大変高い違約金が定められている。それは契約で決めたんだからしようがないじゃないかということで、私自身も何件か事件として扱ったことがございますけれども、なかなか業者の方には中途解約は認めない、あるいは違約金を払え、あるいは返してくれない、こんなトラブルがたくさん生じておりました。
 ちなみに、ドイツでは、こうした消費者被害救済の先駆的な法律と言われております通信教育保護法、この法律の中には法定中途解約権が認められております。したがいまして、法理論的に難しいんだという見解もございますけれども、必ずしもそうとは言えない。法定中途解約権というのは理論上も無理なく認められるはずである、ぜひこれを入れていただきたい、こう思っております。
 そしてまた、クーリングオフを多少長期にわたる期間で認めていただきたい。そしてまた、そうした内容を盛り込んだ立法、ほかにも書面交付義務とか、あるいは虚偽誇大広告禁止等々盛り込んだ新たな立法をぜひお願いしたいということを希望させ一でいただきます。
 そしてまたもう一つは、先ほどクレジットの関係でお答えいただきましたが、割賦販売法では現在こうした役務取引が抗弁接続を認める対象と、なっておりませんので、ぜひこれも改正して抗弁接続の対象の取引に入れていただきたい。ぜひ希望させていただきます。
 これから高齢化社会を迎えまして、現在は余り多くありませんけれども、恐らく長期にわたる介護サービスを内容とする契約も多数出てくるんじゃないかというふうに予測されますので、ぜひ前向きの検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#52
○政府委員(細川恒君) 今委員の方から継続的役務取引にかかわります重要な点が句点か挙げられたわけでございます。一括前払いの是非あるいは保全措置の問題、クーリングオフ、中途解約の問題あるいは抗弁権の接続の問題といったような点を多々御指摘いただいたわけでございます。先ほど申し上げましたように、こういう点を含めまして現在研究会で検討いたしておりますので、その検討の結果を待ちたいと思うわけでございますけれども、一、二具体的な御指摘がございましたので、私どもの現在の考え方を述べさせていただきたいというふうに思います。
 一つは保全措置の問題でございますが、これは一般的には業規制のある場合ということになっておると私どもは理解をいたしておりますけれども、果たしてこういう業界の場合に業規制というのが適当であるのかどうか。あるいは、保全措置として対象にします事業者数というのが膨大でございます、そういったものに保全措置という体系が適切であるのかどうか。こういうことも検討されなきゃならないと思っております。
 続いて中途解約の導入の是非でございますが、先ほど申し上げましたようにこれは研究会の重要な検討事項の一つというふうに思っておりますけれども、契約自由の原則という民法法理との関係はもとより、取引安定の要請といった商取引の根幹との関係に照らしましても極めて慎重な判断が必要であろうかというふうに考えております。殊のほか、その個別取引に着目をいたしまして中途解約権を導入するということは規制すべき役務の範囲とも関連をいたしておりまして、立法技術上極めて難しく、現に個々の法律で中途解約が認められておりますのは、あの豊田商事事件、これを契機にいたしまして制定をされました預託法のみと私どもは理解をいたしておるわけでございます。
 それから、先ほどお話のありました割賦販売法を改正して抗弁権の接続を行うということについても検討をいたしたいと思いますが、当該役務提供契約におきまして提供されます役務につきまして、その役務の瑕疵があるかどうかという客観的な判断が現在その割賦販売法の対象になっておりますものの取引に比べまして困難であるというのはおわかりいただけると思うんですが、そういうわけで立法に当たっては問題が多いのではないかというふうに考えておるところでございます。
 しかしながら、いずれにいたしましても、多々問題はございますが、予断を持たずに研究会の検討を進めた上、その結論に基づきましてさらなる対策が必要であれば考えたいというふうに思います。
#53
○浜四津敏子君 済みません。具体的なお答えをいただきましたので、ちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、保全措置の点につきましては一括前払い原則禁止といたしまして、ただ一部信頼の置ける業者に限り認めることにし、その場合に保全措置をとっていただきたい、こういうふうに私どもでは考えております。業者全部について保全措置というのではなくて原則一括前払い禁止、ただし許可された者については保全措置、こういう体系で考えております。
 それから、中途解約につきましては難しいというようなお話ですけれども、豊田商事の被害をきっかけといたしましてできました預託法、この継続的役務取引の関係の被害も豊田商事と同程度とは言いませんけれども、広く大変深刻な被害になっているかなというふうに思っておりますので、これについでもぜひ前向きに御検討いただければというふうに思います。
 それでは次に、製造物責任について伺わせていただきます。
 国民生活審議会の消費者政策部会が、平成四年の十月十九日に「総合的な消費者被害防止・救済の在り方について」という報告を出されました。この第十三次国民生活審議会発足当時には、この製造物責任制度を最重要課題だというふうに位置づけて検討を続けられておられたというふうに思います。私どもは、昨年秋のこの最終報告におきましては、恐らく製造物責任の立法を決めるといいますか立法を勧告する、そういう画期的な報告がなされるのではないかと期待し、また信じていたところなんでございますけれども、残念ながらおおむね一年以内に結果を取りまとめることが必要であるというふうにされまして、一年先送りということにされました。
 これにつきましては一昨年の中間報告でも、当時は時期尚早と、こういうことで見送られた経緯がございます。二度も後退を強いられたわけでございますけれども、結局この製造物責任制度の導入に踏み込めなかった理由というのはどこにあるんでしょうか。
#54
○国務大臣(船田元君) 浜四津先生にお答えいたしますが、製品の欠陥から消費者の生命、身体あるいは財産に対して生ずる損害の発生をどうやって防止し、それから救済をするか、こういう問題につきましては、これはもう私ども消費者行政あるいは消費者保護行政をやっている立場からしても非常に大事な、重要な課題の一つであるというふうな認識で取り組まさせていただいております。
 御指摘の製造物責任制度につきましては、このような課題にこたえるための被害者救済の一つの方策ではありますけれども、しかし制度の組み立て方によりましては経済的なあるいは社会的な影響が出る可能性も大きいわけでございますので、特に諸外国の動向を踏まえながら十分に検討を尽くす必要がある、こう私は基本的に考えております。
 確かに、昨年の第十三次の国民生活審議会、十月十九日の答申というものは、多少法制化に向けての前向きの話が出るんじゃないかという御期待をいただいた向きもありますけれども、なおやはり生活審議会の中におきましても、この製造物責任制度の全体の中でどういう制度の組み立て方をやっていった方がいいのか。あるいは、特にその製品特性がそれぞれ違うわけでございます。御承知のように、いわゆる工業製品といいましょうか、そういうものによってつくられた製品と、それからいわゆる食料品などの製品特性というのはこれは非常に違うわけでございまして、そういった個々の製品ごとの特性というものをもう一度これは洗い直しをしていかなければいけない。あるいは苦情の実態というのも、これもさまざまである。これはやはりある程度整理をしていかなければいけない、まだ詰めていかなければいけない問題点が幾つかあるということでなお検討してまいりましょう、こういうことにはなったわけでございます。
 しかしながら、同審議会においては第十四次が発足をいたしたわけでございますけれども、そこにおきましてさらなる検討を行っていただきまして、ことしじゅうには取りまとめていただきたいということでお願いをしたところでございます。立法化につきましては、このような国民生活審議会における検討の取りまとめの結果を見て私ども判断をしていきたい、このように考えております。
#55
○浜四津敏子君 消費者問題につきましても大変積極的に取り組んでくださっておられる長官、また現場の声を聞いてくださるということでやっていただいておりますが、ちょっと現場の声を少しお話しさせていただきます。
 私どもいろんな事件を扱っておりまして、製造物責任を追及する事件というのは、日本の裁判所では解決できないというのがほとんどの常識になっております。それは民法の不法行為に基づく損害賠償請求によらざるを得ない。立法がありません。そうした損害賠償請求の手続をとりましても、欠陥の立証とかあるいは過失の立証あるいは因果関係の立証というのがほぼ不可能に近い状態でございます。大変精密なあるいは先端技術を使っている製品も多々ございまして、そのどこに欠陥があるのかということを消費者側が立証せよと言われてもほぼ不可能な状態にございます。そんなことで、例えばスモン訴訟などのように多人数の被害者が出たとかあるいは高額の損害があったというような場合はともかくといたしまして、個別の被害あるいは少額のものについてはもうほとんどがあきらめている、こういうのが実態でございます。
 そしてまた、それでは行政サイドでの救済が十分に機能しているかという点から検討いたしますと、国民生活センターあるいは消費生活センター、一生懸命御尽力はいただいておりますけれども、そちらに相談に行った事例、報告書を見ますと、ほとんどが使用方法に問題があるとかあるいは誤使用である、こういうことで措置が不要、こういうことで片づけられている事例が大変多うございます。あるいは、実際に例えばベビーベッドの欠陥で窒息死してしまったというような事例の場合にもほんの少しの見舞い金で終わっている。したがいまして、これもやはり十分に機能はしていないんじゃないかというふうに思われます。
 そんなことで、日本の消費者が置かれた現状というのは、アメリカの消費者、あちらはあちらで行き過ぎがあるという声もございますけれども、ただ余りにこうした被害の救済を受けていないのが現状でございます。
 また、つい先日、テレビゲームによっててんかんのような発作が起きる、こんなことが新聞で話題になりましたけれども、こうしたテレビゲームの警告表示、これは輸出用、つまり欧米向けのゲーム機には、まれにてんかん発作を引き起こす可能性があるので過去に症例がある人はゲームの前に医師の診断を受けてください、こんな警告表示がなされておりましたが、日本向けの商品にはそうした警告表示がなされておりませんでした。また、これは通産省の管轄ではございませんけれども、例えばたばこにいたしましても、同じブランドのたばこでも日本国内向けのたばこには「健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という警告、これがアメリカ向けになりますと、喫煙は肺癌、心臓病、気腫を引き起こします、また妊娠に悪い影響を与える可能性があります、あるいは死ぬこともありますというような大変厳しい警告表示がなされております。あるいは、ビールについても同じでございます。
 こうした内外格差が起きるのも日本に製造物責任法がないからだというふうに考えておりますが、そんな点からもぜひとも製造物責任法、立法をお願いしたいと思っておりますが、その点について前向きに御検討いただけるかどうかお答えいただきたいと思います。
#56
○政府委員(細川恒君) 通産省としてのPL法を含みます製造物安全問題に対します取り組み方を申し上げたいというふうに思います。
 製品事故から消費者を守るということは私どももとより重要だと考えておりまして、製品事故に関しまして消費者の実質的利益を保護するためには、一つには製品事故の未然防止、二つには再発防止、さらに迅速かつ確実な被害救済から成る総合的な対策が必要だというふうに考えておりまして、昨年の一月から産業構造審議会の総合製品安全部会で精力的な審議をお願いして今日に至っておるところでございます。産業構造審議会では、製品事故と被害救済の実態、製品特性、業種、業態、現行関連諸制度の評価、あるいは海外の動向などを踏まえまして、総合製品安全対策について幅広く審議をいただいておるわけでございますが、その一環として製造物責任制度についても検討が行われているところでございます。
 先ほど企画庁長官からお話がございましたように、昨年十月にまとめられました国民生活審議会の答申では、製品に係る総合的な消費者被害防止の救済につきまして関係各省庁での検討を期待しているということでございます。当省といたしましても、産業構造審議会における精力的な検討の結果を踏まえまして、これは極めて長期的にわたる重要な問題でございますので、二十一世紀を展望した総合製品安全対策を取りまとめましてその上でコンセンサスを得るように努力をいたしたいというふうに考えております。
 それから、表示の話がございましたが、これについてもお答えをする必要ございますか。
#57
○浜四津敏子君 結構です。
 それでは、次に景気の対策について伺わせていただきます。
 景気対策としての公共事業投資につきましては、従来型、土木、建築、運輸などに重点を置く行き方、それの方が効果が大きいんだ、こういう意見と、それから先ほど来お話が出ております新社会資本への投資の方が効果があるんだ、こういう見方がございますが、それはどちらの立場をおとりになられるのか。それから、そもそも新社会資本というのは具体的にどういうことを考えておられるのか、これは通産省、経済企画庁両方になるかと思いますが、お答えいただきたいと思います。
#58
○政府委員(熊野英昭君) 現下の経済の情勢にかんがみまして、景気浮揚は大変重要な課題であります。そのためには公共事業を積極的に継続的にやっていく必要があるわけでありますけれども、その際公共事業の内容につきましてはいろいろその時代時代の要請にあったようなものを考えていく必要があるのではないかというようなことで新しい社会資本、新社会資本の整備が重要ではないかというふうに考えているわけであります。
 内容的には、例えば道路、港湾といったふうな土木中心のものもまだまだ必要ではありますが、同時に少し、例えば学校でありますとか病院でありますとか、そういったふうな建築系の社会資本をもっと整備する必要があるのではないか。あるいは、これらの施設の中に入れます研究の施設でありますとか、あるいは学校におけるコンピューター教育の問題でありますとか、あるいは研究開発のための機器でありますとか、そういうものもそれと同時に整備をしていくことが必要ではないかというふうに考えております。さらには、公益的な事業で行われますようなものの中にも新しい社会資本として考えていったらいいんではないかというようなものがあるかと思いますけれども、いずれにいたしましてもこういうものを新しい社会資本というふうに総称をしているわけであります。
 従来のものと比べてどうかということになりますと、これはいろんな試算もございます。例えば、産業連関表を用いまして生産誘発効果というものを見ますと、いわゆる建築とか土木は建築で申し上げますと二・〇三七、そのうち製造業には〇・五九六というふうな、一単位建築をふやした場合の生産の波及効果でございます。あるいは、土木について申し上げますと二・〇一二でございますし、製造業では〇・五五八ということになっております。他方、今申し上げましたような設備ということで一つの例を申し上げますと、コンピューターにつきましては一単位需要をふやしますと二・二ぐらいふえますし、特に製造業では一・七ということで、これはいわゆる従来型の公共事業に比べるとはるかに多いものになるわけであります。
 そういうことで、そのときどきの経済情勢、供給能力等々にもよると思いますけれども、現下の状況の中では、そういう新しい社会資本の効果は大変大きいものがあるのではないかというふうに考えております。
 それからさらに、単に当面のことだけではなくて、これから先の生活大国を目指したという中長期的観点に立ってもこういうものをこれから充実をしていく必要があるのではないかというふうに考えているわけであります。
#59
○国務大臣(船田元君) 今通産省からお答えをいただきましたけれども、私ども企画庁としましても、新社会資本整備の件につきましては大変新しい切り口だなということで注目をいたしておるわけでございます。きのうの和田委員に対しての御答弁では、決してはなから否定しているわけじゃない、こういうお答えをしたわけでございます。
 さらに申し上げさせていただければ、確かに従来の土木中心の社会資本の整備ということ、これはもちろん効果の面においてもあるいは速効性という面におきましても大変すぐれたものではあるし、また生活大国の実現のためという観点から考えてもなお私は土木事業というものは大事であるというふうに思っておりますが、同時に、やはりその効果が及ぶ部分あるいは速効的に効果が第一義的に及んでいく部分というものにどうも偏りが生じるのではないか。やはりもう少し幅広く第一義的な効果が及ぶ、もちろん最終的には経済全体を押し上げるということになりますけれども、第一義的な効果という点から考えてもう少し幅広く検討する必要があるのではないか。
 それが先ほどもお話が出ましたような学校なり病院なりというようないわゆる建物、箱物というわけでございますけれどもそういったもの、あるいは時代のニーズの変化に対応して例えば高度情報通信システム、これは民間で整備をするという考えもあるし、今やっているわけでございますが、そのある部分はやはり公的な部分が入ってもいいんではないか、こういう考え方もあろうかと思います。
 しかしながら、やはり総体として各方面に早期に景気の回復を実感させるものとなるかという景気の観点から見た内容の分析、あるいは生活大国づくりに大きく寄与するものであるか、内容の面から見た分析、さらには設備のお話も出たんでございますけれども、やはり財政法四条との関係で果たしてどのくらいの設備というものが認められるのか、あるいは認められないのか、そういう概念の分析というのはなお行う必要があるのではないかな、こういうことでございますが、そういったことを考えながらも、しかし新しい切り口として今後検討すべき課題である、こう理解をして取り組みつつあります。
#60
○浜四津敏子君 済みません。もう残された時間がわずかですけれども、中小企業対策について最後に句点か伺わせていただきます。
 官公需契約の実績を見ますと、平成三年度は……
#61
○委員長(斎藤文夫君) 済みませんが、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#62
○浜四津敏子君 わかりました。
 平成四年度の契約目標達成の見通しはどうかという点と、それから平成五年度の契約方針としまして中小企業向けをふやす方向が。また、資金繰りに苦しむ中小企業から政府系の中小企業金融機関に対して融資枠拡大の要望が強いわけですけれども、これを弾力条項を活用して運用を検討していただけるものなのかどうか。していただけるとすればどのぐらいか、またいつごろか、簡単にお答えください。
#63
○政府委員(関收君) 手短にお答えさせていただきたいと存じます。
 まず、平成四年度の官公需契約でございますが、御案内のとおり総額十一兆一千二百四十億円の発注に対しまして、平成四年度は四兆四千三百四十億、全体の三九・九%を中小企業に発注していただくという計画をつくったわけでございます。現在まだ年度途中でございますので、最終的にどのような数字になるかちょっとまだ検討がつかないわけでございますが、私どもとしては年度途中におきましても各省庁にこの目標を達成するようにお願いいたしておりますし、また今後もこの目標の達成に向けてさらに努力していただくように、またいろいろの機会にお願いしてまいりたいと思っております。
 平成五年度につきましては、今まさに予算の御審議をいただいているわけでございますので、予算が成立させていただきましたならば早急に作業に取りかかりまして平成五年度の発注目標率等について計画を立て、官公需法第四条に基づきまして閣議決定をお願いしたいと思っておりますが、私どもとしては現下のような状況にかんがみまして、極力中小企業向け発注をふやしていただくように各機関にお願いしてまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、金融についてのお尋ねがございましたが、これは御案内のとおり総合経済対策でも金融を中心としたさまざまな施策を講じていただいておりますし、今御審議いただいております平成五年度の予算におきましても、中小公庫、国民公庫の貸付枠を六%ふやすといったようなことを中心に融資面での配慮をいただいておりますので、この四年度の補正予算及び五年度の予算によりましても、かなりそういった御要望にはこたえられるのではないかと思っておりますが、なお今後の動向も十分見守っていきたいと考えておるところでございます。
#64
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
#65
○井上計君 大変御熱心な質疑が続いておりますし、経企庁長官、政務次官と政府委員、もうずっとお座りのままでお疲れになりましょうから、私の質問時間二十五分、三分の一提供しますから、ひとつ皆さん一時御休憩いただいて、トイレ等御休憩いただきたいと思います。
#66
○委員長(斎藤文夫君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(斎藤文夫君) それでは、速記を起こしてください。
#68
○井上計君 きょうは鹿熊政務次官がせっかくお見えてありますし、大臣にかわってひとつ政務次官にまずお答えをいただきたい、こう思います。
 我が国の全体の景気は依然として低迷をしております。もうこの辺が底かなと思いながらさらに二、三カ月たったわけでありますけれども、特にその中で全体の九九%以上を占める中小企業者の苦しみというのは、もう御承知でありましょうが、大変な状態になっておるわけであります。そこで、いわば我が国の経済のこれからの安定発展には欠くことのできない中小企業の安定のためにどうお考えであるのか。通産省として、中小企業庁としては、最近の景気動向についてどのようなお考え、認識で臨もうとしておられるのか、まずお答えをいただきたい、こう思います。
#69
○政府委員(鹿熊安正君) まず最初に、お答えする前に、大臣のこのたびの訪米に対しましてお認めいただきましたことにつきまして心からありがたく御礼を申し上げます。
 政府といたしましては、中小企業の公的金融に対する需要の高まりを踏まえて、総額一兆二千億円規模の貸付枠の追加等の思い切った対策を実施中であります。さらに、現在審議をいただいている平成五年度予算においても、一中小企業者当たりの中小企業信用保険の付保限度額の大幅引き上げ、中小企業金融公庫等の貸付規模の大幅拡大などのきめ細かな対策を盛り込んでいるところであります。予算成立後は、これら施策の速やかな実施に努力いたします。
 なお、今後とも中小企業の動向を注視の上、中小企業の景気対策に万全を期してまいる所存であります。よろしくお願いします。
#70
○井上計君 申し上げるまでもありませんけれども、先ほども申し上げましたように、中小企業の中にはもう三月が越せるのであろうか、四月の初めの手形をどうしようかというふうな声を私どもは随分と聞くわけでありますから、早急に格段に一層の景気回復に向かっての施策をひとつ推進していただきたい。これは要望しておきます。
 実は、先日も私の親しい中小企業の経営者七、八人といろんな雑談をしておりましたら、その中で、中小企業者からいって今一番信頼されない、信用できない人種はだれか、こう聞いたら、政治家だ、こう言うんです。それから、その次にはだれか、こう言ったら経済評論家だ、こう言っているわけです。ことごとくに、おととしあたりから経済評論家の経済予測が外れておる。我々は一体だれを信用すればいいのか。その中で何とか信用できるのはやはり日本の官僚機構だ、こう言っているわけです。
 きょうは政府委員がたくさんお見えでありますが、お世辞を言うわけではありませんけれども、今一番だらしがないのが政治家、一番悪いのが政治家、それで信用できないのが経済評論家、さらには金融機関等と言われている中で、何とかまだ信用を保っておられるのは皆さん方、役所の方でありますから、一層ひとつそのために大いに御努力をいただきたい。これは要望しておきます。
 そこで、一言予算に関連してお尋ねするんですけれども、中小企業関係の予算は若干前年度からふえてはおりますけれども、しかし全体から見ると総予算の千分の四ぐらいですかね、ことしは。財投は別にありますけれども、依然として低いということはこれはもう否めない事実だ、こう思うんです。これも今後ともやはり中小企業に関する予算をさらに拡大をしていくように、今後補正予算がもし組まれるとすると、格段にその中で中小企業関係の予算を増額していただくように御努力をいただきたい、こう思います。
 その中で、特に御努力をいただきたいと思いますのは、時短・労働力確保対策として十二億九千四百万円が計上してありますが、私は、平成五年度はこれでは少ないと思うんですね。今、中小企業は生き残っていくためにどうするかといろんな施策を考えておりますが、それには現在の不況の中で売り上げも、あるいは製造業においては生産量が落ちていますが、少なくなった生産量や売り上げの中でどうやって利益を得るかということになると、いわゆる機械設備の更新、合理化等々ありますけれども、ここには限界がありますね。ところが逆に、今度は労働時間の短縮によってコストアップ要因が一部出てきているわけですから、そのためにも時短対策等についての指導あるいはその他の助成等々については格段に御配慮をお願いいたしたい、これは要望しておきます。御答弁要りません。
 続いて、経企庁長官にお伺いをいたします。
 余り難しいことをお聞きをしません、時間がありませんから。ただ、先ほど同僚議員からも質問がありましたけれども、平成四年度の経済の見通しが大幅に狂っていることは、これはもう否定できない、こう思うんですね。ただし、これは経企庁の見通しが狂ったんじゃありませんで、去年の一月、二月ごろの見通し、経済予測は、民間の経済機関も三%台を予測したのはたしか一カ所か二カ所ぐらい、ほとんどが二%の前半、中には一%台の予測もあったように記憶しております。実際には低い方の一%台の予測が当たったということになりますが、この大きな予測の違いのために、中小企業だけではありませんが国民経済が余計に混乱をした、こう思うんですね。
 そこで、済んだことはともかくでありますが、私は去年もまたおととしあたりも感じたことがあるんですが、財政当局が次年度の税収見込みをまず立てる、あるいは帳じり合わせをする、それに合わすために経済成長率も予測しているんではなかろうかと思う節があるんです。そうでなければ幸いですけれども、これはもう御答弁、長官、要りませんけれども、そういうふうな見方もあるということ、これぜひひとつ心にとめておいていただきたい、こう思います。
 さてそこで、今後のことでありますけれども、何といっても中小企業はやはり政府の経済見通しを一番、当てにしているわけです。さっき申し上げた官僚機構が一番まだ頼りになる、こう言っていますから。そこで、平成五年度の基本的な態度等についての資料をいただいておりますが、これは一月二十二日現在の発行ですね。一月二十二日、これもう既に二カ月たっている。二カ月の間にさらに内外ともに状況の変化があったわけです。一つは為替レート、随分と変わってまいりました。株価が上がったことは、それほど大きな変化とは言えませんけれども。それから、予測しておったよりもさらに各企業の三月末決算の内容が悪いようですね。
 これらを考えると、果たして今予測しておられるようなGNP四百九十五兆三千億円、名目成長率四・九%、実質三・三%が可能なのかどうか。私は若干、まあ疑うというと失礼でありますけれども、不安な気持ちでいろんな資料を拝見しておったわけなんですが、どうなんでしょうか。これについてのお答えをいただければありがたい、こう思います。
#71
○国務大臣(船田元君) 井上先生にお答えをいたします。
 平成五年度の経済見通し、私ども三・三%という数字をお示しいたしました。
 従来から御答弁申し上げているわけではありますけれども、やはり一つは昨年八月の総合経済対策、これは過去例を見ない、総額十兆七千億円に上る財政出動を行わせていただいたわけであります。そのうちの大宗については、補正予算の成立によって本格的な実施に移ったところでございまして、経済実体に流れていく、実効性を出していくというその状況が今出つつあるわけでありますが、この効果については、平成四年度中よりは平成五年度に至った方がよりその効果が大きくあらわれていくだろうというふうに考えております。
 また、平成五年度の予算におきましても全体の予算の伸びがたしか一%内外という状況でございましたけれども、公共事業、公共投資の伸びは五%、六%、こういう状況でございまして、かなり景気に配慮したものというふうに理解をしているわけであります。
 このような効果がやはり平成五年度に重なり合いまして、政府投資額、いわゆるIGでございますけれども、これが平成四年度の補正後に比べてさらに九・五%増という状況でありますから、これが非常に大きな数字であるということはおわかりいただけると思います。こういうことを通じて、まず公共投資が住宅投資を引っ張るような形で成長の下支えをして、そしてそれが個人消費や設備投資というものにも徐々に影響を与えまして、年度後半には我が国として持続的なインフレなき成長経済へと移行していくだろう、このようなシナリオを立てておるわけでございます。
 もちろん私どもとしては今後とも、今回の景気の低迷が従来の循環の要素だけではなくてやはりバブルの崩壊、そしてそれによる資産デフレというものが経済の実体に与えた影響、あるいは消費マインドや、あるいは投資マインドを非常に冷え込ませた、こういう特殊な要因ということもあったわけでございますから、ここしばらくはやはり情勢の変化というものに細心の注意を払って、一日も早く景気の回復が実感できるように機動的な対応を怠らないということを心がけていきたいと思っております。
 そういう政策努力を通じて、三・三%というのは私どもとしては達成可能である、こういうことでなお今お示しをしているという状況でございます。
#72
○井上計君 ありがとうございました。
 もうぜひ今度は、平成五年度は三・三%をさらに上回るような、そういうふうな経済環境になりますように、私がというよりも国民が期待をしていることでもありますから、大いにその御努力をいただきたい、要望をしておきます。
 それで、もう一つ伺いますけれども、いただいた資料をずっと見ておりまして、実はいささかびっくりしたことがあるんですが、海外経済協力基金の問題です。
 この資料によりますと、現在、合計七十カ国に資金協力がなされておる。平成三年度の残が六兆七千二百三十五億円余、四年度は八千三百億円実績出ておりますから、合わせますと平成四年度末現時点では七兆五千五百三十五億円という実は大変膨大な経済協力基金の残があるということですね。この七十カ国のうちでわずかではありますけれども減っている国は、これはわずか六カ国しかないんですね。あとは全部毎年毎年ふえているわけです。平成五年度の計画、合わせて九千三百億円足しますと平成五年度末には八兆四千八百三十五億円となるわけです。
 これは、現在の日本経済、いろんな言い方がありますけれども、大変な金額だな、こういう感じがするんです。しかもこの原資は財投資金でありますから、したがって郵便貯金あるいは簡易保険あるいは厚生年金等々国民の大切な資産がそれの原資になっておるわけでありますから、万が一返ってこないとかあるいはむだに使われるとなると大変な問題だ、こう思います。
 これを今経企庁の方ですぐどうとかということがわかるか知りませんが、将来的にどういうふうな見通しでおられるのか、これが実際に本当に最大限効果を発揮しているのかどうか、それらについて、あと五分程度しか私の持ち時間ありませんから、その範囲でひとつお答えいただければありがたいと思います。
#73
○政府委員(長瀬要石君) 御指摘をいただきましたように、海外経済協力基金が途上国に直接借款当を行っております原資は、一般会計からの基金に対します出資とそれから財政投融資資金でございます。先生からただいま御指摘をいただきましたように、平成三年度末の残高は直接借款の残高で申しますと六兆七千二百三十六億円でございまして、平成五年二月末現在でこの数字を申しますと七兆一千四百八十一億円、こういうことになっております。
 今後の回収という点でございますけれども、実は借款契約の償還のスケジュールに基づいて行われているわけでございまして、平均の償還期間と申しますのが、これは一番長いところは据え置き十年ぐらいで全体として三十年償還、一番短いところは七年据え置きの二十五年、こういうようなものでありますけれども、全体を加重平均いたしますと二十八年六カ月程度で償還をする、こういうことに相なっているわけでございます。
 そういう中で残高がこのところ増加しておりますのは、途上国に対する新規の貸し付けがかなり著増している、こういうことでございまして、他方においてこれに対する償還というのは逐次、長期にわたってなされていく、こういうことでありますので、資金の回収につきましてはそのようなラグが生ずる、こういうことでありまして、その途中的な経過におきまして残高が増加している、こういうことでございます。
 したがいまして、予定どおりほぼ貸し付けが行われ償還が行われておりますので、長期的に見ますとやがてこれらが償還されて返ってくる、こういうことでございまして、不健全な姿としての貸付残高の増高、こういうものではないと私ども理解をいたしております。
#74
○井上計君 率直に申し上げて、まだまだこれからずっと先の長いことですから今どうこう言いませんが、果たしてそのようにうまくいくのかなという不安を持っておる。しかし、我々自体もODAについてはもっと基本的な問題として取り組んでいかなくちゃいかぬ、こう考えておりますが、経企庁、特にひとつ重要な問題として今後とも御検討いただきたい、こう思います。
 それから、余分なことですが、いただいた資料の七ページの右の方にミスプリントがあります。回収残高の上の段に元、二、二とあるのは、これは元、二、三だろうとこう思いますから、私見てあれと思ったんですが、多分ミスプリントであろう、こう思いますから、ひとつ御訂正をお願いします。
#75
○政府委員(長瀬要石君) 細部にわたりまして資料を御点検いただきまして大変恐縮でございます。
 私ども基金の融資の返済にかかわります償還期間につきましては、いずれにいたしましても援助を行います被援助国の経済の状況でございますとか、あるいはまた国際機関の対応でありますとか、さらには個々の融資案件の内容、そういったものを総合的に勘案をいたしまして、十分な政策対応を重ねながら政府として決定をしているものでございまして、御指摘のような点に十分留意をしながら、また海外経済協力基金におきましても六十一年十月には債権管理室なるものが設置をされておりまして、債権管理という面につきましては十分配慮をしてやっていくべく私どもといたしましても監督をいたしたい、このように考えております。
#76
○市川正一君 今日の不況について我が党議員団は全国各地で実態調査を行いましたが、中小業者は戦後最大のこの不況、円高以上の不況を異口同音に訴えております。その中で、不況を乗り切るための金融支援は強い共通の要望の一つであります。政府は昨年三月、十一月、ことし二月、この三回にわたって通達を出し、中小企業向け金融の拡大のために適時適切な貸し出し、返済猶予や既往債務の条件変更、担保の弾力化の措置などを講じたとしております。
 中小企業庁長官にまず伺いますが、中小企業向け融資はこれによって緩和し、中小企業向け融資は拡大しているという認識なのかどうか、まず伺いたい。
#77
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、現下、売り上げ、生産が減少いたしておりますし、また収益も悪化をしておる。資金繰りが苦しくなり、運転資金を中心とした資金調達の必要性が強いということは私ども十分認識をいたしておりまして、先ほど御指摘のような通達、また個々のケースに当たりましてもきめ細かく対応するように各機関にはお願いをいたしておるところでございます。その結果といたしまして、政府系の金融機関でございますけれども、平成四年四月から本年二月まで中小公庫、国民公庫とも大体一五%程度貸付額がふえておるわけでございます。
 それからまた、担保が不足いたします場合に信用保証協会が保証させていただいているわけでございますが、この保証承諾額も金額、件数ともに大体前年同期に比べまして一七%程度ふえておるということでございます。
#78
○市川正一君 ところが、現場では必ずしもそうはなっていないんです。
 東京中小企業家同友会が二月一日から十五日にかけて実施しました「金融及び取引に関するアンケート」調査、ここに現物を持っておりますが、また通産省も御存じだと思いますが、中小企業の融資の申し込みに対する金融機関の対応がかえって極めて厳しくなっている。非常に厳しいというのが一九%、厳しいが三六%、合わせて五五%と過半数を超えています。厳しさの具体的内容では期日どおりに返済をしているのに追加融資に応じない、これが二八%、融資条件に新たな理由を持ち出してきたが二六%、これまでの通常の取引では問題にもされなかった理由を押しつけてきている。特に問題なのは、担保余力があるのに貸してくれないというのが一二%ですね。明らかに貸し渋りの傾向を物語る結果が出ております。
 政府の三回の行政指導が行われた、今長官もおっしゃった。しかし、貸し渋りが依然として是正されていないのが現実だとすれば、大蔵省に聞きますが、中小企業向けの金融緩和のためにどのような指導をなすっているんですか。
#79
○説明員(北村歳治君) 先生今御指摘がございましたように、私どもから民間金融機関に対しましては昨年の十一月、それからことしの二月に通達を発出いたしまして、中小企業の年末資金及び決算資金需要に係ります貸し付けにつきまして適切に対応するよう要請しているところでございます。金融機関におきましては、バブル期における過剰融資等の反省から審査の適正化に努めているところでございます。このような背景のもとで金融機関は、借り入れを行う企業の事業の将来的な収益見通しや企業の弁済能力を重視するようになっているものと思われるわけでございます。金融機関がバブル期の安易な融資姿勢を改め、審査の適正化を図ることは極めて重要でございますが、しかしながら、こうした過程の中で過度に消極的な融資姿勢により健全な経済活動に必要とされる資金の供給が阻害されることがあってはならないわけでございます。私どもといたしましても、昨年八月の「金融行政の当面の運営方針」におきまして金融機関の適切な対応を求めているところでございます。
 私どもといたしましては、今後先ほど申し上げましたような通達の趣旨が徹底し、厳しい経営環境にある中小企業に対する金融の円滑化が図られることを期待するわけでございます。今後とも、日常の行政を通じましてこの通達の効果の浸透状況につきまして注意深く見守ってまいりたいというふうに考えております。
#80
○市川正一君 結局、民間金融機関の融資を受けられない中小企業者、現実が今そうなんですよ。そうしますと、そういう融資を保証するために信用保証協会による保証つき融資制度、これがあるんですが、これについても先ほどのアンケート調査を見ますと最近保証つき融資を申し込んだ企業は全体の四六%、そのうち融資を受けることができた企業は五六%、つまり半分近くは融資を受けることができなかったというんですね。保証協会や銀行の窓口の対応が非常に厳しくなったというのが一五%、厳しくなったが二五%、合わせて四○%にも上っております。その理由として、融資の貸出枠がない三二%、担保の微取などが二一%、保証人を要求されたなどが六%。
 ですから、もともと信用力が非常に脆弱なそういう中小企業への融資を保証するための保証つき融資制度でこういう事態が起こっているということは、私放置できないと思いますが、いかがでしょうか。
#81
○政府委員(関收君) 中小企業の担保力を補完する意味で非常に大事だと思っておりますのは、信用保証協会の保証でございます。これにつきましても、先ほど先生御指摘の通達を出しました際に、各保証協会に対しましてその保証の弾力的な対応をしていただくようにお願いをいたしたわけでございます。
 保証協会の保証の考え方についてぜひ御理解いただきたいと思いますが、実は非常に小口のものにつきましては無担保無保証ということでやらしていただいております。それからまた、もうちょっと上の額、具体的には千五百万程度まででございますが、これまでは担保は必要ないけれども保証人をお願いするというのは運用の原則にいたしております。それを超えるものについては担保をいただくということになっておりますが、これは保証協会につきましても経営の健全性、非常に大きな保証をなさる場合にはそれだけリスクも大きくなるわけでございますので、そういうことをお願いいたしております。
 私どもは、その保証協会が担保をお願いする場合にも極力弾力的な取り扱いをするように、例えば担保の評価でありますとか、抵当の順番でありますとか、あるいは対象物件等についても弾力的に扱わせていただくように運用させていただいているつもりでございますので、今後ともそういう考え方で保証協会にお願いしてまいりたいと思っているところでございます。
#82
○市川正一君 としますと、民間融資の方でもまた保証つき融資も受けられない中小企業に対して、国民金融公庫、中小企業金融公庫、こういう政府系中小企業金融機関の融資が最後の頼みの綱なんですよ。
 ところが、政府系中小企業金融機関である国金についても当然そういう立場、特に昨年三月、十一月の通達に基づいて指導されているはずでありますが、そこで国金の塚越副総裁お見えになっておりますか。――きょうは御苦労さんです。伺いたいのは、国金としては当然先ほど来申した通達に基づいて適時適切な貸し出し、返済猶予や既往債務の条件変更、担保の弾力化、今も中小企業庁長官、弾力的運用ということを二度三度強調されました、そういう実施をなすっていると思うんですが、昨年十二月八日の本院大蔵委員会で塚越参考人が通達に基づいて貸し出しの基準を変えると弾力的運用ができなくなる、こういわば消極的とも受け取れる答弁をなすっている。
 しかし、当日同委員会で大蔵大臣、当時羽田孜さんでした、彼は通達が実効あるよう金融機関を指導すると、こう約束をなすっています。とすれば、当然国金は改善し、貸し渋り、保証人の追加要求などはしていないと考えますが、いかがですか。
#83
○参考人(塚越則男君) 私ども国民金融公庫でございますけれども、中小企業者の中でも比較的小規模な事業者を融資対象としておりますが、一般にこうした方は先ほど御指摘ありましたように経営基盤が脆弱であることが多いものですから、従来から、貸し出しの運用、既往債務の返済猶予あるいは担保の微求などに当たっては、個々の利用者の実情に応じてケース・バイ・ケースできめ細かく対応するという方針でやっております。
 御指摘の昨年三月あるいは十一月の通達をいただきました後、直ちに全国百五十一の支店、それから代理店に対しまして私どもの内部通達を出しまして、窓口業務に携わる職員に対して通達の趣旨を踏まえた貸し出しの運用に努めるよう周知徹底を図ってきているところでございます。
 御承知のように基準を変えるようにというお話でございましたけれども、私どもとしましては、非常にたくさんのお客様に融資をしているわけでございまして、一律にこういう場合は貸していい、こういう場合は貸してはいけないというような基準を設けることはかえって弾力的運用を妨げるということでございますので、従来の一つの制度によりまして、現在の中小企業の大変苦しい実情、それぞれの事情をよく認識いたしまして、ケース・バイ・ケースできめ細かくお話を伺いながら貸し出しを行っていくということが最も必要なことというふうに考えまして、そのような措置をとっている次第でございます。
#84
○市川正一君 ケース・バイ・ケースというふうな、わかったようなわからぬようなことでちょろまかそうとしても、それはあかぬです。今まで審査に係る取り扱い、あるいは連帯保証人に関する貸し付け、あるいは貸し付け条件の変更にかかわる規定、こういうようなのがあるわけでしょう。それを大蔵省通達に基づく融資条件の緩和措置の運用を適用するためには、そのままではいかぬわけですよ。言葉だけで伝達をしても、結局は今までの取り扱い規定に縛られて融資の条件は緩和されないことになります。
 そこで、私は逆にお聞きしたいんですが、今の参考人の御答弁は、例えばいわゆる慎重審査で貸し渋りというように言われている六十年六月の基準もあります。あるいはまた、担保のある保証人要求という平成二年一月の基準もあります。平成四年の返済猶予などの措置の制限という問題もあります。そういう内規は貸し渋りや担保や保証人の強化を求めているものではないんだ、通産、大蔵の通達に基づいてやっていくんだということなんだ、こう理解してよろしゅうございますか。
#85
○参考人(塚越則男君) 先生おっしゃいましたいろいろな内部の規定でございますが、先ほど慎重審査という言葉がありましたので、あるいはこの通達かと思うんですけれども、要するにいろんな企業がございますので、詳しく調べる必要がある企業、それからそれほど詳しくはなくてもポイントだけを調べていけばお貸しできる企業、いろんなケースがございます。そういう調査のやり方を定型的に分けまして、いわばめり張りのある審査をする、これが融資の必要時間を短縮する上にも必要なことでございますので、そうしたことを定めたものはございます。
 ただ、その場合に、こうした企業には貸すなどか貸せとか、そういうような形ではございませんで、判断を絞るものではなくて、そういった調査に基づいて適正に融資を行うという趣旨のものでございます。したがいまして、通達に全く矛盾するものではございませんので、このとおり継続してやっていくということでございます。
#86
○市川正一君 そう確認します。
 今指摘したような内規というのは、もしあるとすれば、それは貸し渋りとか担保や保証人の強化を求めているものではないんだ、通達に基づいて文字通り弾力的に運営していくという立場だというふうに確認してよろしゅうございますか。イエスかノーかだけ。
#87
○参考人(塚越則男君) そのとおりでございます。
#88
○市川正一君 はい、わかりました。お忙しかったらお引き取り願っても結構です。
#89
○委員長(斎藤文夫君) じゃ、どうぞ。ありがとうございました。
#90
○市川正一君 次に伺いたいのは、民間金融機関担保つき融資、国金でもだめだとなると最後は政府の緊急対策しかございません。不況対策の緊急経営支援融資は、もともと二千億円と金額が少ない上に九二年度中の執行は八百億です。残りの千二百億は四月から実施するということで業者はがっくりきておるんですよ。金額が少ないだけやなしに、この制度が貸し渋り、選別融資を持ち込んでいることに強い不満が出ております。
 我が党の上田議員が予算委員会で指摘いたしましたが、中小企業庁金融課が去年の十二月四日に各都道府県に出した指導文書の問題がございます。それによりますと、「中長期的には、その業況が回復し発展することが見込まれる中小企業」とか、「取引金融機関等の支援が確実に見込まれる者。」、こう書いてございます。これでは結局選別融資を指導していることになりはしませんでしょうか。民間銀行の融資が受けられるならば制度融資は利用をしないで済むんです。これでは不況で困っている中小業者に融資しないということにも等しいじゃないかという声があります。この点は是正なさるべきじゃないかと思うんですが、長官いかがでしょうか。
#91
○政府委員(関收君) 今先生御指摘の制度は、いわゆる総合経済対策で策定されました緊急経営支援貸付制度のことを御指摘なさっておられると思います。これは御存じのとおり国が中小企業信用保険公庫に出資をいたしまして、中小企業信用保険公庫と都道府県とが信用保証協会に貸し付けをいたしまして、信用保証協会はそれを民間の金融機関に預託をして民間の金融機関がお貸しをするという制度でございます。もちろん担保の問題ございますから、その融資に対しましては信用保証協会が保証するという形で運用されるものでございます。
 先生御指摘のとおり、この制度は二千億円の貸し付けということでスタートいたしまして、今の私どもの心づもりでは平成四年度八百億円、平成五年度千二百億円ということで分割をして使用してまいりたいと思っておるところでございます。
 この緊急経営支援貸付制度というのは、私どもはまさにこの制度のポイントは、一定のルールの中ではございますが、都道府県が弾力的にそれぞれの地域の実情に応じて対応できるということが非常に重要なことだと思っておるわけでございます。
 今先生、十二月四日の文書ということを御指摘になりましたが、私どもその文書には実は心当たりはございませんけれども、まあいろいろ県とは連絡をしていることは事実でございます。
 その中でも、弾力的に運用するという観点から、私どもとしては具体的な審査に当たりましては、売り上げの減少幅が大きい等々により困窮度の高い中小企業者を優先するといったようなこともお願いしてございますし、それから今先生御指摘のようなことは、何と申しますか、金融としてのべースに乗り得るかどうかということについてチェックさせていただくということでございますが、これは貴重な国費も使わせていただいている制度でございますので、やはり金融としての一定の審査はやらせていただく必要があるということはぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、そのルールの中で都道府県が弾力的に運用していただくということがこの制度の趣旨でもございますので、ぜひそういう考え方で運用されることを私ども期待をいたしておるところでございます。
#92
○市川正一君 金融課の文書がないというのは、もし何だったら後でよく見てください。この中に、今私が申したように「中長期的には、その業況が回復し発展することが見込まれる中小企業」、そんなことわかりますか。ずっと朝来、景気はどないなるんや、見通しはどうやいうて聞いても、まともにこうなるというふうな見通し、さっき大蔵省も将来的見通しつかぬと言うておらはるんでしょう。それなのに、その中小企業が将来的見通しが明るいか暗いか、それで判断せいという、こんなむちゃ言うわけにいきませんがな。
 そこで、私時間が参りまして、また委員長がこちらを見ていらっしゃるので、問題をもう絞らざるを得ぬのです、残念ながら。
 もともとこの体質強化資金を活用した融資制度は、国の原資に各都道府県も原資を出して各都道府県が地域の実態に合わせて弾力的に運用しているものです。昨年五月二十一日、私の質問に対して中小企業庁計画部長は明確に、各県が弾力的運用はできるし、現に長崎の雲仙災害については実施していると、こうお答えになっています。ですから私は、都道府県の判断で弾力的にこれを運用していく、そしてこの不況を打開していくために大いに役立てるべきだということをここに重ねて求めたいと思うのですが、明確な御答弁をお願いします。
#93
○政府委員(関收君) ちょっとくどいようで恐縮でございます。私ども十二月四日付の文書については心当たりはないと申し上げている次第でございます。
 それから、この制度の趣旨はおっしゃるように、現下の厳しい状況下で地域の実情に応じて弾力的に運用していただこうということでつくられた制度でございます。それで、先生こういうことは審査できないじゃないかというお話もございましたが、金融の一環でございますから、やはりそういう観点からの、しかも貴重な国費を使わしていただいておるわけでございますから、審査はぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。
 その審査はだれがするかというのは、実は県によってまさに弾力性ということのあらわれでもございます。金融機関がなさっているところもございます。保証協会がなさっているところもございます。あるいはいろいろ相談なさっておられるところもあると思いますけれども、そういった皆さんの運用の過程におきまして現在の状況を十分加味してこの制度の趣旨をうまく生かしたような活用、運用がなされることを私どもは期待をいたしておるというところでございます。
#94
○委員長(斎藤文夫君) 時間ですので、簡潔にお願いします。
#95
○市川正一君 最後に、これはどうしてもお聞きしておかなければならぬ問題があるんです。というのは、円高不況のときの低利融資制度について当時アメリカ側が、つなぎ資金は結局輸出補助金になるという強い懸念を表明いたしました。政府、通産省はアメリカに弁明の特使を派遣いたしました。当時の見学中小企業庁次長でした。こうした経緯から今回、国金や中小公庫など政府も直接融資を実施しないのはアメリカに気兼ねをなさっているからではないかという懸念が広がっておりますが、その点について御見解を承って終わりたいと思います。
#96
○政府委員(関收君) 手短にお答え申し上げます。
 先生御指摘のものは、六十年に創設されました中小企業国際経済調整対策特別融資制度のことをおっしゃっておられると思いますが、これにつきましては輸出補助金的性格があるのではないかというような誤解が一部にあったことは私ども承知をいたしておりますが、最終的にはそれはそういうものではないということで理解を得られたところでございます。今先生御指摘のようなことは、こういう観点を念頭に置いて中小公庫、国民公庫にそういう制度を設けてないのではないかというような指摘は全くございません。
#97
○市川正一君 それじゃ、やってください。
 終わります。
#98
○古川太三郎君 民主改革連合の古川です。
 最初に、先ほど藁科議員からも質問があったと思いますが、創業関係の問題です、開業、廃業の問題です。
 開業が非常に少なくなってきたと、それだけに経済の活性化が危ぶまれるということはもう御承知のとおりだと思うんです。その開業の率ですが、これは最近の例で申し上げますと、本当に独立開業する率というのは非常に少なくなっている。二十年前では八五%以上の独立開業がありまして、会社が分社化していくというような形での開業というのは八%ぐらいしかなかった。この平成二、三年ではどちらも四七%ずつある。
 会社が分社化していくということについても、ほっといても大きな会社がリストラによって分社化していく、私はこれは当然のことだろうと思うんですが、一番危機感を持つのは独立開業、この比率が本当に少なくなっている、こういうことで今後どのような考え方をお持ちなのか、通産省にお聞きしたいと思います。
#99
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、私ども大変心配をいたしているところでございます。
 実は仄聞いたしますと、アメリカやヨーロッパにおきましても一九六〇年代、七〇年代には開業が減ったということで大変な危機感を持たれた時代があったやに伺っております。我が国はその当時は非常にたくさんの新規参入があったわけでございますが、先ほどもお答え申し上げましたように最近におきましては次第に開業率が低下をいたしておるわけでございます。しかも、その開業の中身を見てみますと、先生御指摘のように独立開業はむしろ減少傾向にございまして、大企業からの分社化のウエートがふえているという状況でございます。私どもこの独立開業というものがやはりふえるということが市場に活力を与える、新しいいろいろな商品、サービスを提供するというような意味からも非常に重要なことだと考えておるわけでございます。
 私どもとしては、なぜ独立開業が減るかということでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、旺盛なる起業家精神というものは私はまだ根強くあるんだろうと思っておるわけでございますが、新規参入をしようと思いましてもそのために必要な経営資源、資金でありますとか人材、技術あるいは情報といったようなものがなかなか十分ではないということからそういう事態になっておるという面も強くあるのではないかと考えておりまして、中小企業庁におきましては、特にそういった面でいろいろお手伝いをする施策をこれからも強化をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#100
○古川太三郎君 先ほども申しましたように、分社化によって開業していくというのは、これはもうIBMなんかでもその傾向があるんじゃないか。あるいはまた、これはもうどうしても大会社になればだんだんとそのようになっていくだろう、松下産業の社長の交代なんかもそういった面を示唆しているんじゃないか。初めは小さい町工場からあれだけ大きくなる、大きくなり過ぎて管理機能が麻痺してくる、これは分社化していかなきゃならぬ。
 これについては国は余り関与する必要はないんですけれども、本当に個人が創業、開業していくという面について、やはり今までなかった土地の非常な高騰、そしてまた人材不足というような形もございますけれども、何としても開業資金、立ち上がり資金が本当に少ない。今同僚議員の市川さんもおっしゃったように、こういったことは信用力も初めから少ないですから、いずれにしてもこういう零細企業である人たちの努力に報いるようなやはり施策を講じていただきたい、こう思っております。
 コダックなんかの研究所がつぶれてしまうというような場合、こういったときには中高年層でほとんど首切られたというようなその研究室にいた人たちが、例えばの話ですよ、会社をつくってやっていきたいというようなときにも、こういうことがだんだんふえてくるだろうと私は思うんですけれども、今までサラリーマンしていたことですからなかなか武士の商法でうまく会社を運営できないかもわからないけれども、しかしそういう人たちにも手を差し伸べるようなことをしていただきたいというようにお願いを申し上げます。
#101
○政府委員(関收君) 御指摘のとおりでございまして、現在ございます制度ちょっと御紹介さしていただきますと、中小企業金融公庫では地域中小企業活性化貸付ということで、特許でありますとか実用新案をお持ちの方がそれを事業化なさればこれにつきまして融資をする制度がございます。それからまた、国民金融公庫におきましては従業員独立開業資金融資制度ということで、従業員の方が独立なさる場合に必要な資金をお貸しするという制度がございます。
 それから、先生御指摘の信用補完面で十分ではないという点もございますので、中小企業信用保険法によりまして新事業開拓保険という制度を設けておりまして、新たな事業を開始される場合に付保限度を一億五千万まで保険公庫が保証し、それを受けて保証協会が銀行に保証するというような制度を設けております。
 それからあと設備の問題がございます。何か事業をなさる場合の設備の問題がございますが、これにつきましては幸いにして平成五年度の予算をお認めいただきます場合には、中小企業設備近代化資金貸付制度あるいは設備貸与制度というのがございますが、これの中に一定の創業枠というのを設けて、新しい事業を開始される方の設備調達という面でお手伝いをしようというふうに考えております。
 今後とも実態を見ながら、この面での制度もさらに充実をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#102
○古川太三郎君 きのうは森通産大臣がいらっしゃるところでお話少ししたんですが、大臣も石川県のことだし、隣の福井県についてはよくわかるというようなお話をしていただきました。その続きをさしていただきたいんです。
 今の日本の貿易収支から見て非常に反対の方向の議論をするように思われるかもしれませんけれども、繊維の貿易でございますが、一番先に日本の繊維産業というのが貿易摩擦を起こしました。七二年でしたか、そのころに日米繊維協定が結ばれております。そういったところで非常に構造も改善されました。その努力のかいあってか九二年度、去年は日本の貿易の中で繊維産業だけが赤字になってしまったというような事態になっております。これは本当にそういう意味からすれば優等生なのかもしれません。しかし、そのように努力したかいあって、もうアメリカからもむしろ日本は赤字になっておる、また後進国とでは非常にむしろ赤字です。
 プラス・マイナスが逆転した産業の中で一番苦しんでいるのは、やはり先ほどから話があるように中小零細企業なんですね。そこら辺のことをどう理解していただいているか、またそれについての対策はどのように考えていただいているのか、そのことをお伺いしたいと思います。
#103
○政府委員(高島章君) 御指摘ございましたように、最近の輸入の急増、それから景気の低迷のために産地が非常に苦しい状況であるということは御指摘のとおりでございます。
 私どもも実は何回も産地の方へ寄せていただきまして、実際にその状況を詳しく調べさせていただいておりますし、また産地で非常に御苦心になっておられる方々の痛みは十二分に理解をさせていただいているつもりでございます。また、そのためにいろいろな手だてを現にしてまいりました。広くは中小企業政策全般の中で、中小企業がこれから生き残って活力を維持していくための金融、税制面の制度の充実でございます。
 ただ、最近の輸入問題に特に関連いたしまして御指摘ございましたように、日米の間ではかつてアメリカヘの輸出をいかにして抑えるかということで大きな摩擦になっておりましたものが、ついにこのところ逆転をいたしまして、むしろ日本の方へ入ってくる方が多いというような状況に立ち至ったわけであります。単に日米だけでございませんで、主としてアジア諸国からの日本への繊維の輸入問題は非常に深刻でございまして、そのために景気の問題とあわせて産地に与えるいろいろな問題はますます大きくなってきているわけでございます。
 この関連で、実は先ほど申し上げました中小企業施策に加えて、あるいはそれとは別に日本でもっと輸入規制をすべきではないかという意見が非常にございまして、恐らく産地の方々にとって通産省が考えるべき施策の一つはMFAに基づく規制問題ではないかというのが実は出ているわけでございます。これにつきましては、もう先生も御案内ではございますけれども、MFAは実はウルグアイ・ラウンドの今後の進捗によりましては段階的に廃止されていく、すなわちガットの中に統合されていくという状況になっているわけでございます。
 ただ、そうはいいましても、あくまでMFAは日本もきちっと承認をし、そしてその権利は大事に持っているわけでございますから、この発動問題をどうするかということにつきましては、実は現在繊維工業審議会と産業構造審議会の合同部会を設けまして、産地問題に最も大きい影響を持つ輸入をどういうぐあいに今後考えていくかということにつきまして、関係各方面から非常に今御熱心な御審議をいただいているところでございます。五月には中間答申をちょうだいする予定になっておりますが、広く産地を含めた施策の今後のあり方につきまして御審議いただき、我々としては対応していきたいと思っているわけでございます。
#104
○古川太三郎君 何事にも限らず、確かに中進国から追い上げてくるような産業、こういったものについての輸入規制というのは、これはなるべくしない方がいいことは当然でございますけれども、アメリカにおいても、MFAの関係で言えば四条の二国間協定ですか、繊維の取り決めで三十カ国もそういうMFAの権利を執行しているわけですね。ECだって盛んにやっている。二十カ国ぐらいの取り決めをやっている。やってないのは日本とスイスだけなんですね。
 それはなぜかといえば、日本は大きな黒字がたくさんある。また、こういう貿易事情であるからということで非常に我慢してきた。それだけに一生懸命にこの事業については構造改善もやってきた。ほかの産業のように一遍前川レポートが出たころに構造改善をやって、あとバブルのときにまたエクイティーファイナンスでただ同然のお金を集めてもう一遍設備投資しだというような産業じゃないわけなんですね。そして今、円高で相当また苦しめられる。この本当の下請企業というのが非常に大変なんです。
 そういったことを考えていただいて、今の審議会なんかでもそれは当然のこととして考えていただいているとは思うんですけれども、とにかくこれは福井県で言えば県の産業の半分ぐらいがその比重を占めている。それだけに、その産業の不振は非常に大きな問題になってくるわけなんです。一度現地でヒアリングでもしていただきながら産業の事情を酌んでいただきたい、こう思うんですが、そういったことがしていただけるものかどうか、お伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(高島章君) 先ほど申し上げました審議会の中には、主要な項目に応じましてワーキンググループを設けておりまして、その五つの中の一つがまさに産地問題でございます。したがいまして、そのワーキンググループで適切な対応策をつくり上げますには、大前提として現地がいかなる状況であるかということを正確に把握するということが何よりも大事でございまして、今御指摘ございましたように、産地での調査を最優先しておるつもりでございますし、今後とも十二分に調査をよく行いまして、審議会全体での審議に貴重なデータを提供したいと思っております。
 現に昨日も、通産大臣がアメリカヘ出張する前の忙しいときでございましたけれども、やはり産地の方々がたくさんおいでになりまして、本省の中でそれぞれの個別の業界の方々の窮状につきまして大変詳しいお話を我々も一緒に承ったところでございますが、御指摘に沿いますようにきちっと調査をしてまいるつもりでございます。
#106
○古川太三郎君 今そういうお話をいただきましたので、私はこれ以上このことについて質問する気持ちはないです。
 いずれにしても、繊維というのも衣食住の一つですから、この産業がもう過去の産業だというようなことではなくて、やはりどうしてもそれは維持していかなきゃならぬ大きな産業の一つであるという認識のもとに改善に御協力をしていただきたい、このことを申し上げて終わります。
#107
○小池百合子君 日本新党の小池でございます。
 通産大臣が渡米中ということでございまして、公取委員長だけお話を伺おうと思ったんですが、国内の不況にもかかわりませず、昨日来申し上げております、日本の貿易黒字が雪だるまのようにふえてきているということに対しまして重大な危機感を感じるものでございますので、本日も一言だけ発言させていただこうと思っております。
 きのうも数字を挙げさせていただきましたけれども、九一年で一千百三十六億ドル、そして九二年度では一千三百六十億ドルという巨額な貿易黒字が見込まれておりますけれども、特にアメリカの方も今景気の回復過程にあるということから、これはこれまでの流れから見ましてさらに貿易黒字がふえる傾向にあると思います。非常に構造的なものだとも思いますし、また中でも憂慮されるのが製品輸入が減っているということだと思います。
 九二年度の大蔵省の統計では、対米が五・二%のマイナス、対ECで二・八%マイナス、NIESに対しましては五・〇%のマイナスということで、製品輸入がなかなか国内の不景気ということも相まって進んでいないという現状があるわけでございます。
 黒字減らしを率先して行うべき通産省だと思うんでございますけれども、また対米交渉として矢面に立たされる場合の多い通産省としても、まずみずからこういった製品輸入をもっと振興するとか、しやすくするとか、それから日本の輸入がもっとしやすく、全体がしやすくするとか、そういった意味できのうからほかの方々も述べていらっしゃいますような規制緩和ということをみずから率先してやっていただけないものかということをお願いする次第です。
 ちなみに、我が国のいわゆる許認可でございますけれども、総数が一万九百四十二件、前年より二百二十五件ふえている現状でございます。それから、通産省に関しましては、平成四年の三月の調べで千九百十五件。幸いなことに昨年より一件減っております。ちなみに、それよりも多いのが運輸省の許認可権で、件数とすれば千九百六十六件。これは不思議なことに去年と全く同じ数字というふうになっているわけでございます。
 それから、とかく日本のこういった許認可の問題、これは現実を考えると国際条約の問題もありましょうし、また消費者保護の観点といった点もあるでしょうけれども、やはり一般に考えまして、許認可の用語にしてもこれが余りにも多過ぎる。ちなみに、許可に認可に免許に承認に指定に承諾等、認定、確認、証明、認証、試験、検査、検定、登録、審査等というのがあって、さらには届け出、提出、報告、交付、申告と、これだけの種類があるわけでございます。
 例えば、これからいろいろな国際的なルール等が平準化される中でこれをそのまま英語で翻訳すると一体どうなるのか、こういったことなどもお考えいただきまして、日本のいわゆる規制の問題、ここはさまざまな点で政治との絡みも出てくるということが最近は特に指摘されている点でございますので、まず通産省にお願いしたいところは、こういった許認可の問題をみずから率先して、また国民にも消費者にもわかりやすい方法でこういった点を改めていただきたいという、要望も兼ねまして発言させていただきました。
 続きまして、公取の委員長に伺わせていただきたいと思っております。幾つか伺いたいところがあるんでございますが、世界の経済大国となりまして、今我が国の市場を諸外国から一層開放すること、これも今申し上げた貿易黒字の問題と重ねて大変重要だと思います。そして、我が国に対します投資面、物流面での非関税障壁、今市し上げたとおりでございますけれども、独占禁止政策につきましても諸外国から大変注目されているということは言うまでもないというふうに思います。
 そういった中で、独禁法の違反行為に対して勧告件数が平成元年度で七件、二年度で二十二件、平成三年度で三十件、平成四年度が三十四件、これ見込みでございますけれども、勧告件数がふえていいのか悪いのか、非常に見方によって異なるかもしれませんが、しかしながらこの勧告件数、公取がしっかりとそのお役目を果たされつつあるということはこの件数からも見てとれるとは思います。
 しかしながら、今大変な問題となっておりますこの建設の談合につきまして、これは前回も委員長に質問させていただいたわけでございますけれども、どう考えましても全国五十二万社、そして民間企業、民間の建設も含めますと大体国家予算に相当する七十二、三兆円の市場である、規模であるということを考えますと、これまで公取がさまざまな動きを見せられるときは大体三百億から四百億の業界、建設業界から比べますと極めて小さい業界、例えば年金シールであるとかそれからラップであるとか、こういったところばかりしか取り上げられておられない。
 今回このような事件が起こりまして、一体いつ公取というのは動くのだろうか。公取に期待する声が高まっております現在、特にきのうからも御答弁なさっておられますけれども、一体これに対して本当にやる気があるのかどうか。そういった事例があって初めて動くというようなこともおっしゃっておられましたけれども、それでは遅過ぎるのではないか。もう一度その取り組みについての姿勢を伺いたいと思います。
#108
○政府委員(小粥正巳君) ただいま小池委員の御質問の中で、まず公正取引委員会の独占禁止法違反行為に対する最近の取り組みにつきまして御評価をいただきまして、その点は大変ありがたく承った次第でございます。
 最近問題になっております建設談合があるのではないかという、これについて公取はどういう態度をとるのか、こういうお尋ねでございます。私どもこれは常に申し上げているところでございますけれども、独占禁止法に違反する疑いがある、そういう具体的な情報、端緒がありましたら、私どもはこれについて調査をし、調査の結果、法に従いまして厳正な処理、対応をこれまでもしてまいりました。その結果が、例えば先ほどお挙げいただきました近年の勧告件数の増加、この勧告件数は、御案内のとおり私どもが行います行政処分としての独禁法上の排除措置として最も重いものでございます。こういう件数の増加にもあらわれているところで御理解いただきたいわけでございます。
 そこで、お尋ねの後半では、最近、建設談合というようなことが改めていろいろ言われているけれどもと、こういうお尋ねでございます。これまで報道をされておりますところでは、私どもが先ほど申しました独占禁止法違反行為の疑いがあるという具体的な端緒というまでの実は資料と申しますか、情報、そういうものは私どもとしてはまだ得ていない、そういうのが現状でございますから、現段階でこれまでも、先ほど申し上げましたように、行ってまいりましたような法違反の疑いがあるという具体的な端緒に接するというところまでは至っておりませんので、私どもは本件につきましては今後ともこれに関連いたします検察当局の捜査の動向などを注意深く見守ってまいりたい、そういうスタンスでございます。
 これはこれまでもそのとおりやってきておりますし、今後ともそのような私どもの態度には変わりはございません。独占禁止法違反行為に対してはこれまで同様厳正に対処する所存でございます。
#109
○小池百合子君 これまで独禁法違反に関しましてはおおむね内部告発という形をとるケースが多かったように思いますけれども、つまりは内部告発待ちということなんでしょうか。
#110
○政府委員(小粥正巳君) ただいま申し上げました法違反の疑いのある事実、それについての具体的な情報ということを申し上げたわけでありますが、ただいま御質問にございましたように、このような具体的な端緒がいわゆる内部告発という形で、私ども申告というような表現をとっておりますけれども、一般からの申告、つまり情報の提供ということによって具体的な端緒がもたらされるということはもちろんございます。
 しかし、そればかりではございません。これも当然のことでございますが、いわゆる職権探知、私ども自身の情報、資料の収集、探知によって具体的な端緒を得る、こういう場合も当然あるわけでございます。私どもはそのような意味で、具体的な端緒に接するべく、情報の収集には従来から私どもの組織といたしまして非常に注意をし、努力をしてきているつもりでございます。
#111
○小池百合子君 今御指摘のありました審査部でございますけれども、その端緒を入手するのは審査部の情報管理室というふうに伺っております。四年度の審査部の職員が百七十八名、うち情報管理室が二十名ということですが、これはたった二十名なんでしょうか、それともまあまあ二十名なんでしょうか、その辺のところを伺わせていただきたいと思います。
#112
○説明員(塩田薫範君) 具体的な御質問でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 委員御指摘のように、現在審査部門の全体の職員の中で情報収集を主として担当している職員は、東京の本局十三名、地方の事務所七名の合計二十名でございます。これは平成元年度時点では八名でございますので、相当大幅な増加をしてきているというふうに思います。こういうふうに情報収集担当部門の充実等によりまして、公取の事件処理体制というのは大幅に強化されてきているというふうに思います。
 ただ、端緒の収集といいますか、情報の収集、これは情報担当部門、主として担当している職員だけがやっているわけではありませんで、審査部の職員全体、日常審査事務をしながら違反事件に関するような情報がないかということは当然関心を持ちながら仕事をしているわけでありまして、そういう意味で二十名だけでなくて、審査部門全体としてそういう目を持ちながらやっているということでございます。そういう努力をしながら独禁法違反事件の情報収集にさらに努力をしていきたいと考えております。
#113
○小池百合子君 全体の数字が百七十八名ということでございますけれども、内訳として本局が百三十九人、地方に三十九人ということですが、さらなるこの審査部門の充実をするとして、全体の職員数、そして本局、地方、そのバランスなどについても分析いただきたいと思います。
#114
○説明員(塩田薫範君) 独占禁止法の運用によります競争政策の重要性につきましては、従来から広く認識されているところでございまして、政府全体といたしましては行財政改革を推進しているという厳しい状況の中でございますけれども、公正取引委員会の定員機構につきましては、関係各方面の御理解をいただきまして、毎年地方事務所を含めて審査部門を中心にその着実な整備充実が図られてきているところでございます。
 平成五年度の政府予算におきましても、審査部につきましては、定員関係では本局で六名、近畿事務所二名、合計八名の増員の予定でございます。それから、審査関係の機構といたしましては、本局に第五審査長のもとに上席専門官、それから近畿事務所に第三審査課を新設することとされているところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも関係各方面の御理解を得ながら、本局、地方事務所を通じて審査部門を中心としながら、定員機構の整備充実に努めてまいりまして、独禁法の着実な推進といいますか、厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。
#115
○小池百合子君 行革云々の話もございましたように、ただ人数をふやせばいいというわけでもないと思います。また、検察、警察と比べまして、これは前回も申し上げたんですが、公取委の審査といいますか、そちらの方は、例えば昨年の五月の埼玉土曜会事件でございますけれども、それに関係したと思われる方々は、公取委のは何かアンケート調査されているようなものであったと、非常にどちらかというとなまぬるい調査であったというようなことが新聞でも報道されていたわけでございます。その意味でも、ただ人数をふやすというのではなく、その機能の強化ということを真剣に考えていただきたいというふうに思います。
 また、例えば国税であるならばいわゆるマル査という組織もあるというふうに伺っておりますけれども、例えばこの独禁法については、これは国内的にもまた対外的にも非常に重要な経済の憲法と言われているものでございますから、それを実際に機能させていく上でも例えばマル査に対するような独禁Gメンというようなそういうようなものを組織して、積極的にこういう職権探知をしていく必要があるのではないかと思うんですが、その点について御見解、いかがでしょうか。
#116
○政府委員(小粥正巳君) 公取の活動について大変御理解をいただき、さらにその公取の機能あるいは組織としての活動力を強化すべきである、こういう御指摘でございます。私どももそれは大変ありがたく、またそうでなければいけない、これは職員の質の向上も含めまして私ども心すべきことと承ったわけでございます。
 ただ、今のお尋ねで、現在の公取の特に審査部門、法違反行為に対する組織あるいはその組織の職能と申しますか、与えられております機能、そういうものについてそれをさらに強いものにすることを考えたらどうか、こういう御指摘かと思いますが、私ども法律上、例えば審査をいたします場合に、必要に応じて事業所に立入検査をするというようなことは当然法に基づいて与えられた権限として持っておるわけでございます。
 ただいま国税の査察部門を例に出しておっしゃられましたが、査察の場合には、たしかいわゆる国犯法と言われる国税犯則取締法によって直接的な強制権限があると伺っておりますけれども、私どもはそれと同じ意味でのいわゆる直接強制ではございませんけれども、いわば間接強制と言われる、これも結果的には法に基づいて間接的な強制権限に裏づけされた、例えば今市し上げました立入検査あるいは帳簿書類等の物件の提出命令、提出命令に従わなければこれはやはり罰則をもってその権限が担保されている、こういう法律上のある意味では大変強い権限をいただいているわけでございます。
 ですから、公取の活動がまだ十分ではないという、これはおしかりとして私ども甘受いたしますけれども、現在公取に法律上与えられている審査に必要な権限あるいは機能というものは、私は現段階ではこれでさらにまだ不足であるということは特に考えておりません。これは、与えられました法に基づく権限を用いまして、私どもは現在これも与えられております組織、人員、この現在の陣容を、ただいまの御指摘もよく念頭に置きまして、より一層効果的な活動を行う、厳正な法運用に当たる、そういうことを一層心していかなければいけないと思っております。現在の与えられた権限、これは情報収集についても御指摘をいただきましたけれども、これは私どももっとしっかりやらなければいけないという意味では謹んで承りますけれども、法律上の権限が足りないから、そういうことは私ども現段階で考えておりません。
#117
○小池百合子君 現在のこの複合不況に当たりまして、これからもまた公共事業の大幅な積み増しなども言われております。そのたびに、先ほどの話に戻りますけれども、建設関係というのはどうしてもふえるわけでございます。納税者としても、やはりこの入札の方法であるとか、それから実際の事業の行われ方等公取の方もしっかりと見て、そして納税者保護の方にも回っていただきたいというふうに思いまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#118
○委員長(斎藤文夫君) 以上をもちまして、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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