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1993/03/29 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第4号
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1993/03/29 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第4号

#1
第126回国会 商工委員会 第4号
平成五年三月二十九日(月曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事
                沓掛 哲男君
                松尾 官平君
                吉田 達男君
                井上  計君
    委 員
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                前田 勲男君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
   国務大臣
       通商産業大臣   森  喜朗君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       内藤 正久君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   江崎  格君
       通商産業大臣官
       房審議官     石黒 正大君
       通商産業大臣官
       房審議官     清川 佑二君
       通商産業省通商
       政策局長     岡松壯三郎君
       通商産業省立地
       公害局長     堤  富男君
       通商産業省基礎
       産業局長     牧野  力君
       通商産業省機械
       情報産業局    坂本 吉弘君
       通商産業省生活
       産業局長     高島  章君
       工業技術院総務
       部長       松藤 哲夫君
       資源エネルギー
       庁長官      黒田 直樹君
       資源エネルギー
       庁石油部長    林  康夫君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    稲川 泰弘君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  荒井 寿光君
       中小企業庁長官  関   收君
       中小企業庁次長  土居 征夫君
       中小企業庁指導
       部長       三田 義之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 博行君
   説明員
       文部省初等中等
       教育局中学校課
       長        河上 恭雄君
       運輸省鉄道局技
       術企画課技術開
       発室長      白取 健治君
       建設大臣官房審
       議官       梅野捷一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○エネルギー需給構造高度化のための関係法律の
 整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利
 用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法
 案(内閣提出、衆議院送付)
○不正競争防止法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案並びにエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○谷畑孝君 森通産大臣に質問をしたいと思います。
 本当に短期の訪米ということで、時差にもかかわらず非常に元気な顔を見せていただきました。本当に御苦労さまでございました。体格といい押し出しといい、さぞ日米構造協議の難しいさなかでも相当いい会談がされたのではないか、このように思っているところでございます。
 まず、エネルギー需給高度化法案及び省エネ・リサイクル法案の審議に入る前に、少し時間をいただきまして昨日訪米から帰ってこられました通産大臣に訪米の報告を少しお聞きしたい、このように思っています。
 一昨日や昨日の新聞によりますと、カンター米通商代表部は森通産大臣との会談で、日本の巨額の対米貿易黒字はこのままでは日米間の政治問題になりかねない、こういう強い懸念を表明をいたしまして、特に内需拡大の重要性を強調しながら日本の新しい景気対策に外国製品の大規模な政府調達を織り込むよう期待をする、このように述べたと報じられております。またブラウン商務長官は、日本の景気対策の一環として医療機器、スーパーコンピューター、コンピューターの政府調達に努力をしてもらいたい、そしてまた輸入拡大の具体的な品目を明示したと、このように報道されておるわけでございます。
 まさしくこれは、大臣がこれからの景気の浮揚策として従来の公共型じゃなく新社会資本をということとちょうど一致をするといいましょうか、言いかえればアメリカ自身がタイミングをとらえてよく勉強しているというんでしょうか、タイミングよく通産大臣にこの問題に対して強く迫った、こういうように聞いておるわけでございますけれども、そういう点についてお聞きしたい。
 同時に、四月十六日には宮澤首相の訪米ということになります。そしてまた、四月末にはワシントンで定例のG7会議が開かれる。二つの非常に大きな国際的な会議がある、こういうところにおける通産大臣の前段の交渉であったということでございますから、非常に私は大事だし、また国民も注目しておる、こういうことでございますので、答えられる範囲で結構でございますので、ひとつ御報告をお願いしたいと思います。
#4
○国務大臣(森喜朗君) 冒頭に、先般のこの委員会でも皆様にお礼を申し上げましたように、急な渡米でございまして、大事な予算審議の最中でございましたし、特に金曜日、私が出発をいたしました日はいわゆる委嘱審査が行われるということでございました。その大事なときに国会を離れておりまして、大変諸先生方に御迷惑をおかけをいたしました。しかし、委員長初め各委員の皆様のいろんな御配慮で、いろんな形で委員会の運営を
工夫してくださったようでございます。私も一日でございましたが、今谷畑先生から御指摘ございましたように、皆さんと十分なお話し合いをさせていただきました。後ほどまた今の御質問に対してお答え申し上げますが、まずその前に皆様方に心からお礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 今回の訪米は、今も委員からお話ございましたように、来月には宮澤総理が訪米をいたしまして、クリントン新政権スタート最初の日米首脳会談が行われます。その大事な日米首脳会談の前に、経済担当、貿易担当の閣僚の皆さんと私との間で少し細かな問題のお話を申し上げ、意見の交換をしておくということが今回の訪問の一番大事な点でございます。特に、私といたしましては、日本とアメリカが世界のGNPの四割を生産している、負担を担当しているといいましょうか、そういう経済国でありますだけに、この両国がさらに友好な協力関係を、またよきパートナーシップを構築していくことが世界の経済の発展、いわんや世界の平和と繁栄にもつながることだ、こういうことを私は特に強く申し上げてきたつもりでございます。
 もう一つは、日米がより協調をして協力をして世界的な課題、例えば環境問題あるいは当面ロシア支援問題などもございますが、そうした世界的な課題を両国が協調して克服していくことが大事だというこの点。
 それから、二国間の通商問題につきましては、これはお互いによく話し合って、そして冷静な対応、そして良識的な良心的なやはりお互いの議会も政府も対応していくことがより二国間にとってもまた世界にとっても大事なことだ。
 この三点を私なりに強くそれぞれの閣僚に、関係者に申し上げてきたということでございます。
 そこで、今の御質問の中で今回の訪米におきましてはゴア副大統領、それからベンツェン財務長官、ブラウン商務長官及びカンター通商代表、この四人の方々と日米関係を中心に率直な意見交換を行ってまいりました。日米関係の重要性を再認識をいたしますとともに、さまざまな問題についての日米それぞれの立場、考え方に関しまして相互に理解を深めることができた、このように思っております。これを一つの土台として、今後さらに日米関係強化のために、アメリカ新政権とも協力をしながら新しい関係を構築をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
 そこで、具体的なお尋ねがございまして、やはり今谷畑先生おっしゃったように、こういう時代ですからアメリカの方もよく勉強しておられまして、日本の国会でどんなやりとりをしておるとか、各大臣がどんな発言をしておるとか、そういうことについては非常にたくさん、みんなこれぐらい書類を抱えて来ましたが、その中にはいろいろ日本の新聞に出ておりますことなどをコピーしたものをたくさん、私も見ますとよく持っておられましてそれをもとにお話をしておられました。
 したがって、特に追加的な予算、景気対策を今自民党がまとめておりますよということを申し上げると、その中身はよく知っておりまして、そういう中に福祉だとか教育だとか、それに関連してくる施設、そういうものについては非常にアメリカ側も強い関心を持っておるということがよくうかがうことができました。
 ただ、ゴア副大統領、ブラウン長官あるいはカンター代表からは、新しい景気対策の中に外国製品の政府調達が盛り込まれることへの期待はやっぱり強く出ておりました。特に、今谷畑さんがおっしゃったようにブラウン長官からは品目を細かに並べておりまして、医療機器、スーパーコンピューターあるいはコンピューターなどが示されておりました。
 私どもとしては、当然こうした景気対策は内需の拡大をまずやることなんです。内需の拡大がないということは、逆にいえば輸入がふえてこないということでございます。ですからまず内需拡大をやります。そして日本の景気を回復させます。そしてもう一つは、やはり積極的な輸入拡大政策をとらなきゃならぬ。こういうことも申し上げてまいりましたが、当然こういう新しい社会資本をやっていくということはそれだけに皆さんにもその参入できる土俵ができます。しかし、我が国は内外無差別であって公正に透明的に調達をしていかなきゃならぬので、あなたの国からどれだけどうするこうすると、そういうことはこれは言うべきことではない。これは皆さんもよくおわかりでしょう。
 問題は、そういう市場、マーケットができますからどうぞ皆さんも思い切って参入して、堂々とそういう通商貿易のやはり運動してください。我々も、アメリカの製品が日本にたくさん入ってくることをむしろ期待いたしております。こういうことを申し上げておりまして、今やっております検討中の追加刺激策の中に輸入促進策を当然考えていかなきゃなりませんけれども、まだ具体的にどういうふうにするということは申し上げませんでした。したがって、現在関係方面と調整をいたしております。こういうふうに申し上げました。
 特に政府調達につきましては、内外無差別、透明な手続で行われることは原則でありますが、ぜひアメリカ側の今回のいろんな要請もあるので、どのようなことができるだろうか、これからまた帰りまして事務当局とも検討をさせてみたい、このように政府調達の分野ではその程度のことは申し上げてきた次第でございます。
 今委員から御質問いただきましたことは大体入っておるかな、こう思っておりますが、少し私の報告、所感も含めましてちょっと長くなって大変恐縮でございましたが、答弁とさせていただきたいと思います。
#5
○谷畑孝君 今大臣の報告をお聞きしておりまして、せっかく日本もこの総合経済対策を立てたり、また今回の予算を早期に国会を通過をしていく中で日本の景気を何としてでも引き上げていきたい、国際公約でもございますし、そういう状況の中で日本のとりわけ一般消費が非常に今落ち込んでいるという不況の中で、落ち込んでしまった電機産業を含めてそれらを浮揚させていく一つの方策として、いわゆる新社会資本整備ということで非常に大きく脚光を浴びた。今大臣の報告のありますようにアメリカ側も、一千三百億ドルの日本のひとり勝ちの貿易の黒字、この世界に対する還元策としてぜひひとつ政府調達をしてほしい、こういうところの大きな綱の引き合いといいましょうか、これは非常にこれから難しい課題になっていくと思うんですけれども、そのあたりは今後とも審議を重ねながら、どういう形がいいのか含めてぜひひとつまた検討をしていただきたい。私もまたそういうことについての審議に参画をしたい、このように思っているわけであります。
 そこでもう一つ、これは感想でいいですので、大臣にお聞きしたいんです。
 と申しますのは、やはりクリントン新政権というのは一体日本との関係で従来のブッシュ政権とどう違うかということが、ようやく最近さまざまな発言だとかああいう状況の中で見えてきておると私は思うんですね。そういう意味でぜひひとつクリントン新政権の対日経済要求と日本政府の立場というものがどうなのかということについて感想を聞きたい。
 それで、どういうポイントかと申しますと、例えば最近クリントン大統領がこういうような発言を実はしておりますね。日本の対米貿易黒字をそれまでになく強く批判をすると同時に、米国の貿易関係が変わらないのは日本だけであり、日本はいつまでたっても差別なしに入り込むことのできない市場であると結論せざるを得ないというように非常に強い形で批判をしておる。日本に責任があるんだ、こういうように再三実は述べておる。その原因が日本市場の閉鎖性にある、こういうように言い切っているというふうに思うんですね。
 その中でアメリカ政府は、そういう状況であるからゆえにいわゆる目標を設定した貿易といいましょうか、例えば日米間の問題で日米半導体協定
に基づくシェア目標というものが非常にうまくいっている、そういう意味では今後とももう従来の日米構造協議というように時間をかけた形でのやりとりだけではこれは進まぬ、ジャンルごとにそういうシェアを決めてやっていこう、こういう動きが実はあるのではないか、こういうように感じられるんですね。
 だから、そういうことで従来の日米構造協議という形のあり方そのまま継続されていくのか、それとも少しトーンが上がってシェアごとに目標を定めた中でやっぱり日本の市場の閉鎖性に対する強い批判という形の中でそういう方向に出てくるのか、各首脳と会った中でどう思われておるのか、その感想で結構ですのでお聞きをしたいと思います。
#6
○国務大臣(森喜朗君) お尋ねは二つの柱があったような気がいたしますが、最初の方はブッシュ政権とどう違うのか、そういう面で先生の御感想も含めてお話がございました。
 私もゴア副大統領とお話を申し上げておりました中に、ゴア副大統領、上院議員をなさっておられましたときから少し私も親しくさせていただいたことがございまして、久しぶりでございましたので割と腹蔵なくいろんな話ができたわけです。その中でやはりゴア副大統領が言っておられたのは、日本の方をアメリカから見ると、科学技術だとか経済、通商というのは日本の方が今のアメリカよりも先輩だというふうに見ておる印象がやっぱり非常に強かったですね、聞いておりまして。我々から見るとちょっと意外なんで、やっぱり我々はアメリカや欧州の方が経済先進国だと見ていたわけですけれども、彼らは若いし、我々も世代が一回りも違うんですね。ですから、彼らの言葉の中には全部日本が、あなた方が者やってきた、あなた方が大先輩ですよというような、そんな発言がございまして、本当に若い新しいアメリカの時代が始まっているんだなということを、副大統領のお話を聞きながらそんな実は感想も持ちました。
 そういう中でアメリカはブッシュ政権と違うのは何かというと、当然、自由主義経済あるいはそうした価値観というのは何ら変わっていることはないわけでしょうが、一つは大きなのは経済の立て直しをしたい、アメリカをさらに強くしたいんだという、これがやっぱり大きな柱でございましょうし、もう一つは我々日本からもよく言っていたことですが、産業競争力を、国際競争力を強めていきたいということを非常に前面に出しておられる。そういう中で日本と協力して先ほど申し上げたような環境問題を初めとした世界的な平和、世界の繁栄のために努力していきましょうよ、こういう姿勢が非常によく強く出ております。そういう面ではブッシュ政権のときと今のクリントンさんとの基本的な考え方がそこにあるのかなという、そんな感じを私は持ちました。
 そこで、二つ目の問題点でございますが、いわゆるそういう目標を明示した通商的なことについての今御懸念を先生からも御表明いただいたわけでありますが、半導体の問題あるいは自動車部品の問題もかなりブラウンさんあるいはカンターさんそれぞれ出ておりましたけれども、半導体につきましても私は念に念を押して申し上げておきました。こういう数字的なものを設定してやるということは決していいことではないです。あくまでも、これはこれからの半導体業界がアメリカと日本とがより協力をしてそしてデザイン・インをやるとか、長期的な協力関係をつくり上げるということ、そういうものを総合的に判断することなんです。したがって、そういう意味で今度のこの二〇%というのは決してこれは絶対値でもなければ、絶対これは最低値でもありませんよということは私はたびたび申し上げておきました。自動車部品につきましても、目標はそれぞれあるにいたしましても、日本も大変な努力をしておりますよということも申し上げてまいりました。
 したがいまして、今御質問のように、人為的な、数量的なターゲットを設定するということは、これは市場原理に反しますし管理貿易にもつながるということになりますので、日本としてはこれは絶対に受け入れられませんよということは強く申し上げてまいりました。日本市場はアメリカと同様に企業の自由な活動がベースとなっておるものでありまして、ターゲットを設定してその達成を政府として担保するというようなことは現実問題としては不可能でございます。また、ターゲットが未達成になった場合にそれに対して報復措置が伴うとかいうようなことになれば、ますます今度はまた相手側に対する報復を招くことになる、結果的には世界貿易の縮小という、そういう事態を招くおそれもありますね、そういう意味では米国の良識ある冷静な対応をぜひ望みたいということを申し上げてまいりました。
 総合的な対日関係、通商政策はまだアメリカは未定でございます、たびたび、この間も私申し上げましたが。今回お話を申し上げたようなこと、意見交換をしたことなどからまた新たな対日政策、通商問題はアメリカとして出てくるんだろうと思いますが、目下は個別課題がたくさんあって、それぞれに対して国内で対応している状況がな、そんな感じを持ちました。
 ただ、私が絶えず申し上げてきましたことは、日本のアクセスはいろんな意味で制限があるとか高いハードルがあるとか、いろいろ言われておりますが、いずれ先生方にもお届けをしたいと思いますが、今度の出発前に間に合わせて印刷物をアメリカ向けにつくりまして、これをぜひ読んでおいてくださいと。日本というのはいかに関税が低いか、アメリカの半分ですよ、それから数量的な制限は全然やっていませんよ、農産物いろいろ言われますけれども、あなた方の国の農産物の方の制限がはるかに数量的に、項目的に多いんですよというようなことを何度も口頭でも申し上げました。それから、そういう紙の印刷したものも実は急遽つくりましてお届け申し上げまして、各官僚、幹部、皆さんにお渡しして、よく読んでおいてください、こう申し上げてまいりました。
 最後に、最初の御質問のときに申し上げようと思っておりましたが、私はこんなことを申し上げてきました。非常に皆さん感動深く受けとめてくれましたのは、今本当は予算審議をやっておりまして、その予算審議をしている間に我が党の政府関係者などから、次の追加的な対策を考えているんですなんというようなことは、本来はこれは議会でお許しをいただけないことです。しかし、こういう議論を与野党の皆さんはお許しをくださいました。私は衆議院の予算委員会から随時こんなことを言って、多少遠慮しながら言っておりましたけれども、そういうこともできたと。
 それから、私はあした帰りますが、いよいよ三十日、三十一日と与野党で御議論をいただいて恐らく年度内にこの予算が成立するのではないかと。こういうことはまさに二十二年ぶりのことですと私はたしか申し上げたような気がするんですが、これはいかに日本の今の景気は重要で、世界全体が見ておるんだということで与野党の皆さんがそのことに大変な御協力をしてくださっている。この日本の国会というものもぜひ皆さんひとつ理解をしておいてください、こう申し上げましたら、ベンツェン財務長官などは非常にそのことを感動深く受けとめておる、こういうお話がございましたので、これはぜひ私はこの委員会で御報告しなきゃならぬことだな、こう思っておりまして、さっきちょっと言い忘れましたので、えらい長い答弁になって恐縮でございますが、御答弁にかえさせていただきます。
#7
○谷畑孝君 御苦労さまでした。非常に丁寧なアメリカ報告をしていただきまして、また各委員がそれぞれ行うと思います。
 それでは、時間の関係ありますので、訪米の報告に対する質問はそれぐらいにしまして、このエネルギーの二法案について審議に入っていきたい、このように思います。
 そこで、今回の法案の出されていく背景といいましょうか、やはりCO2の排出ということが非常に大きな問題になってきましたし、その結果地球の温暖化問題ということで、聞くところにより
ますとシベリアの永久凍土が温暖化によって解け出して沼になったり、そういうような状況とか、非常に生態系そのものが大きな変化をしてきておる。この地球をぜひ後世に残していくためにそういうCO2の排出の問題等を含めて非常に大事な問題だ、そういうことが昨年のブラジルにおける地球サミットで非常に論議がされた、このようにも聞いているわけでございます。
 そこで、私、今国会でそういうことの趣旨を盛った環境基本法というものが提出をされる、このようにも聞いておるわけでございますけれども、そのときにどうしてもこの環境基本法ということになってきますと、常に出てきますのは、環境を守るということと、経済は成長していくということ、本来上手に整合しながら進んでいけばいいんだけれども、技術開発とかさまざまによって進んでいきゃいいんだけれども、これが時には対立したり難しい問題が出てきます。それと同時に、その環境を守るというのは、基本的にはただ単に口で守ると言っているだけではできるわけでございませんので、やっぱり守るためにはお金が要る、技術を開発するにもお金が要る、そういう意味ではこの環境税という問題も、いろいろな角度から必要ではないかという話が出てきたり、そういう議論が行われている。
 そこで、私はまず、この法案に当たって通産省としましても、今回提出される環境基本法、そのことについて通産省とのかかわりでどのように考えておられるのか。
 例えば、聞くところによりますと、その環境基本法を取りまとめるに当たって、いわゆる経済的措置、環境税が問題となったと聞いている。環境庁の原案では、「経済的負担を課す措置を講ずるものとする。」と、環境税導入などの布石であるというものが非常にちらちらとある。そこにおいて通産省としては、経済界にそういう形の熟していない中で環境税導入というのはいかがなものかという、そういうようなやりとりがあったと聞いておるわけですけれども、そこらも含めて、もしも答えられる範囲がありましたら、政府委員でも結構ですし、大臣でも結構ですから少しお答えを願いたいと思います。
#8
○国務大臣(森喜朗君) 今回のこの法案の趣旨の説明は前回申し上げさせていただきましたが、基本的な通産省としての理念はどうかということも今谷畑委員の御質問の中にあったような気がいたします。
 我が国は、産業公害対策につきましては、官民挙げた協力をして今日まで取り組んでまいりました。その努力といいましょうか、そうした苦労によって今では世界でまさに有数な改善実績を達成してきたわけでございます。
 地球環境問題、廃棄物問題等の新しい環境問題の対応に当たりましては、これまでの産業公害対策の経験を生かしながら、経済成長、エネルギー、環境保全、これを三位一体とした総合的な視点に立って企業、国民の自主的な取り組みを促進するということが重要でございまして、そういう意味で、企業活動あるいは消費活動を長期的な視点から変革をしていくということが大事かと考えております。そういう中で環境と調和した経済社会構造の実現を図っていくということが極めて重要であるというふうに考えておるわけでございます。
 以下、環境税あるいは環境基本法の問題につきましては政府委員から答弁をさせていただきます。
#9
○政府委員(堤富男君) 環境税の御質問につきまして、特に環境基本法との関係で御説明をさせていただきます。
 環境税につきましては、世の中でいろいろ環境税という言葉を使うときに、私はどうも三種類ぐらい、どういうものをイメージするかということで違いがあるような気がしております。
 まず第一に、環境のためにお金が要る、財源が必要であるので税を課すというのを環境税とおっしゃる方もいます。これを第一類型と申し上げます。
 それから第二類型は、環境のためではなくて、例えばガソリン税のようなものをイメージしていただきますと、道路なぞそういう他の目的のために税を課す、ガソリン税ですとか石油税というのもそういう範疇に入ると思いますが、これも時々環境税の範疇に入るようなお話が出てくる場合もございます。これを第二類型と申し上げます。
 それから第三類型は、これが実は環境基本法上の環境税という概念になるわけでございますが、税を課すことによって排出あるいは環境に対する負荷をしないように抑制するということになっているわけでございまして、これを第三類型と申し上げますが、環境基本法上の議論はすべてこの第三類型の話をもってこの環境税というふうに、言葉は基本法上は別室言葉を使っておりますが、そういうものをイメージしているわけでございます。
 この第三類型というのは、今までの日本の税体系の中ではまず見られない、環境の目的のために、どんどんある一定の目的に達成するまで規制と類似した概念としてかけ続けるというような考え方でございます。したがいまして、これは非常に新しい形の税であるということをまず御理解いただきたいと思います。
 したがいまして、これにつきましては環境庁あるいはその審議会、通産省の審議会でも随分議論いたしましたが、二つ大きな問題があるということになっております。
 その一つは、どうしても排出をある一定限度に抑制することを目的としておりますから、財源については必ずしも興味がないわけです。したがいまして、税が非常に高くなるということでございます。これはOECDで計算いたしますと、約七二%ぐらいかけないと石油原油に二〇〇〇年において安定化と申し上げますが、安定化という目的は達成できないはずである。環境庁の中の研究会で計算いたしましたときには、原油に対して一〇〇%から一五〇%ぐらいかけないと、金額にしますと六兆円とか九兆円という数字が出てくるわけでございますが、そのぐらいかけないと安定化、二〇〇〇年に目標を達成するということにならないのではないか。非常に高率になるおそれがあるということをまず第一の問題としております。
 それから、第二の問題といたしましては、一カ国のみで導入したのではうまくいかない。日本だけかけますと、例えばある産業は日本にいると高い税金取られるから、それじゃほかの国に行ってつくってしまう。行って、より炭酸ガスを排出するようなものを省エネ型でないものをつくってしまうということになりますと、日本だけはよくなっても、昔公害の輸出という概念がありましたけれども、地球環境悪化の輸出をするというようなことになりかねないというような国際的整合性を欠くというような点、二つ大きな問題がございます。
 その点について国民的コンセンサスを得る必要があるということで、審議会の答申においてすら賛成論と反対論両論併記という形になっておりまして、それを法文化する過程で御存じのように、よく調査研究をしなければいけない、それでやると決めた場合にも国民の理解と協力を求めなければいけない、ましてや地球環境にかかわる場合には国際的によく連携を保ってやらなければいけないということを趣旨とする基本法の法文になったわけでございます。これは産業界とかそういうことだけを考えての議論ではございませんで、国民全体から見て本当にそういう高い税率あるいは国際的に整合性のあるものをかけるかどうかということの議論が必要であるという前提に立った基本法案になったわけでございます。
#10
○谷畑孝君 環境基本法という問題とこのたび審議するこのエネルギー二法というのは非常に密接につながっている問題である、むしろ環境基本法というものがあってそしてその中で日本としてどうしていくのかという、こういうことだろうと思うんです。同時にまた、今のお話じゃないけれども、やはり世界的にお互いが守っていくべきことも知っていかないと、やはり環境そのもの自身が
地球的な規模での問題だ、こういうことを私、認識しているわけでございます。
 そこで、この二法案の中で大きな目的である点ですけれども、西暦二〇〇〇年にエネルギーの需要を原油換算で三億九千百万キロリットルに抑制していこう。しかし、今後何の対策も講じない場合は、三・五%の経済成長という形になっていきますと、三千万キロリットルから四千万キロリットルの過剰消費が予想される。そこで、今回の二つの法律を提案して、そして各部門ごとにおいて省エネをしていくんだ、こういうふうな法案の趣旨である、またそれを実行していく目的である、このように私どもは承っておるわけでございます。
 そこで、過去二回のオイルショックの中で相当産業界におきましても省エネを達成してきた実績がございますわね。そういう状況の中で、さらに今回この三千万キロリットルから四千万キロリットルの省エネを実現していこうということですから、これはなかなか並大抵のことではない。それぞれ本当に気合いを入れてやっていかなきゃならない課題だろうと思うんです。そこでそういうことが本当に実現可能なのかどうか、そこらの点を本案の趣旨説明も兼ねながらひとつ答えていただけたらありがたいと思います。
#11
○政府委員(黒田直樹君) ただいま先生から御指摘ございましたように、大変難しいと申しますか、大変な努力を要する仕事であるというふうに私ども思っております。
 御承知のように、今先生からも御指摘があったわけでございますけれども、経済と環境とエネルギーの問題というのを三者鼎立させていくという観点から、平成二年の秋にエネルギーの長期供給目標を定め、かつ環境に関しましては地球温暖化防止行動計画という計画が政府で決定されたわけでございます。これに今先生から御指摘がございましたような三%台の成長といったものを実現していくという上で、先ほどおっしゃいましたように、エネルギーにつきましては二〇〇〇年、三億九千万キロリットル程度、原油換算でございますけれども、そのためには最近のエネルギーの需要、足元での伸びというものを勘案いたしますと、これから二〇〇〇年に向けては大体一%ぐらいに抑えなければならない、こういうのが実態でございます。
 それじゃそれができるか、こういうことでございますけれども、私どもこの二つの法案を御提案申し上げるに先立ちまして、この問題、単にエネルギーだけでもないということでございますので、総合エネルギー調査会、産業構造審議会、産業技術審議会といったそれぞれの分野の三つの合同の部会を設けまして、いろいろ御議論をいただいた次第でございます。その結果ということでこの二法案を御提案させていただいている次第でございます。
 その御議論の中で大変難しい問題ではございますけれども、今回この提案を申し上げておりますように産業界、おっしゃるように過去非常に省エネが進んで、現在の産業界全体のエネルギーの消費量というのは実は第一次オイルショックのときの絶対量よりも若干下回っているぐらい省エネを進めてきたわけでございますけれども、この分野におきましてもいろいろなシステム的な投資を促進するとか、あるいは技術開発等を促進することによりましてまだ省エネの余地がないわけではない。しかし、いわば乾いたタオルをまた絞るぐらいの努力が必要かと思いますけれども、そういった余地も指摘されているわけでございますし、また最近伸びてきております運輸部門あるいはビル等の業務部門、民生部門、こういったところを一生懸命やれば三千万キロリットル以上、原油換算にいたしまして、その程度の省エネの余地がないわけではない。
 ただ、そのためにはいろいろな政策の強化なり、国民の皆様あるいは産業界の皆さんの努力というのが必要でございますけれども、そういうものが相まって必ずしも不可能ではない。しかし、先ほど先生が御指摘ございましたように並大抵の努力じゃございませんし、気合いを入れてやっていかなければならない、そういった大変な問題であるというふうに思っております。
#12
○谷畑孝君 あとリサイクルもたくさん質問しようと思ってやっているんですが、時間があれですのではしょって、あと限られた時間の中でまとめていきたいと思うんです。
 この二十年間を見ていきますと、一九八六年を境にして石油消費の状況が相当変わってきておる。オイルショックの中で省エネが相当進んだときには〇・二%、それが八六年以降は四・一%というような状況で相当大きく消費が進んでおる、そういう中における三・五%の経済成長を見越しての省エネということですが、相当な並々ならぬ決意が要る、こう思うんです。
 そこで、私がぜひ聞きたいのは、産業部門の努力というのは相当この間されてきておるわけでありますが、とりわけ運輸部門と民生部門がそれ以降相当大きく消費が伸びてきたんじゃないか、私はこう思うんです。例えば個人の消費を見てもわかりますけれども、昔だったら朝いつもシャワーをするということはなかなか家庭ではなかったことですが、最近ではもうそれが当たり前のようになってきてますし、最近は朝シャンというのがはやりまして、時には一日に二回三回、コマーシャルに乗りましてしなきゃならぬ。そうなりますと、やっぱりボタン一つ押したら湯が出てくるというようなことになるわけで、いろんな意味で民生部門における消費が伸びてきたと僕は思うんですね。
 そういう意味ではいわゆる化石燃料じゃない、例えば太陽光エネルギーというか電力といいましょうか、過日ある研究機関の太陽光の研究のヒアリングを聞いたんですが、びっくりしました。私はこの商工委員会で電力会社の太陽光の現場を見に行ったんですけれども、非常に大きな敷地が要ると。曇りの日もあるし、なかなか難しいと。しかし、最近技術がよく発達しまして、個人の家で言えば屋根がわらに上手に張りつけたら十分既存の電力とコジェネしながら上手に生きるんだと。余った電力は売ることができるし、それで太陽が沈みますと電力会社の電力を使う、こういうことですね。
 しかし、そこで聞きましたら結局はコストであると。それをつけてやっぱり普通の電力よりももうかるということになれば、非常にそれが普及する。しかも、研究部門はやはりコストと上手にかみ合ってこないと研究してもむだになると、ロマンだけではなかなかこれはできませんわね。だから、そういう意味ではぜひそういうところについて、新エネルギーに対してどしどしと大きな力で支援をしていく。そして、それを普及することによってまた省エネを広げていくことにつながっていくんじゃないか、こういうふうに私は思うんです。これはもう時間がありませんのでその点一つ、民生部門と運輸部門は管轄が違うけれども。
 もう一つ、運輸部門について私自身長年思っておるんですけれども、通勤のときによく見ていますと、一人が乗用車に乗ってあの広いスペースをずっと一時間かけて工場へ通う、CO2を出しながら、こういうことになるんです。できましたら会社までの間は、郊外に公的駐車場を配置して、そして家からそこまではずっと車に乗って、それから公的機関の地下鉄なりにいろいろ乗っていく。この間でも運輸部門で相当省エネができるんじゃないか。車に乗るなと言ってみたってこれはもう無理ですから、一たん車に乗り出すと、もうたばこを買いに行くのも車に乗りたいというぐらいなことになるわけでございますから、だからここらの点は一つどうだろうなというように運輸部門についてはそう思うんですが、どうかというようなことでございます。一言だけ、もしもありましたらお願いいたします。
#13
○政府委員(黒田直樹君) 運輸部門の現在のエネルギー消費の中の八五%というのが自動車によるものでございまして、したがいまして、時間がございませんので簡単にさせていただきますが、私ども自動車の燃費の向上というのをこの省エネ法
では対象にし、それを推進してきているところでございます。
 ただ、今先生おっしゃいましたように、自動車の単体の燃費が幾らよくなってもそれに一人で乗っていたらという、台数が多くなっていけばまたエネルギー消費もふえるわけでございまして、したがってそういう面から、物流の効率化であるとか、あるいは自動車から大量輸送機関へのシフトと申しますか、いわゆるモーダルシフトと言っておりますけれども、この法律の枠外ではございますけれども、そういった省エネルギー対策については今後とも私ども関係省庁とも相談しながら有効な実行策があればそれを実施していくように努力をいたしたいと考えているところでございます。
#14
○谷畑孝君 時間の関係で申しわけないです、質問言ってありましたけれども。
 次に、もう時間が来ましたので、最後にリサイクルの問題について少し質問して終わりたい、こういうふうに思っております。
 リサイクルというのは省エネを含めて進めていくに当たっても非常に大事なことである、こう思います。特に、リサイクルというだけで実に年間二千五百万キロリットル相当のエネルギーが節約になるということですから非常に大きなものだと思うんですね。
 そこで、リサイクルを進めるに当たって、例えば一番優等生であるという古紙、これも最近回収業者がもう本当に少なくなってまいりました。というのは、古紙の値段が暴落しましてバージンパルプの方が安い、こういうことになって経済的には機能しない、こういうことでなかなか難しい状況があるということですね。そういうことで最近では地方自治団体の方が多少安定をさせるために補助金を出して、その古紙を安定させよう、こういう動きもあるということなんですね。
 そこで、私質問ですけれども、リサイクルを軌道に乗せていこうと思ったら幾つかの観点を、本当に真剣にリサイクル型社会を実現しないと私は実現できないと思うんですね。その一つは、やはりそのリサイクルに携わる業者ですね、この業者の育成が非常に大事だと思うんですよ。この業者は社会的には差別されたり何かバタ屋と言われてみたり、いろんな意味で廃品回収業みたいな感じになったりというふうにして、こういう業者自身が非常に大事な仕事をしておるし、また我々の社会にとって大事だという、こういう業者の育成が要るのではないか、こう思ったのが一つです。
 それと二つ目は、個人のニーズといいましょうか、そのニーズとリサイクルというのは相対立する場合がございますね。中でも、例えば過剰包装紙などは特にその典型だろうと思うんです。ニーズによってはもっとたくさんの包装できれいにということになろうかと思いますけれども、これも考え方によれば、省エネから見れば非常に反社会的なことだろうと思います。あるいはまた、昔だったら一升瓶とかそういうもので大体規定の瓶でございますけれども、最近はたくさんいろいろな瓶が出現しておりますし、これも回収のサイクルからいえばなかなかしにくい状況がある。こういうことで、ぜひひとつニーズの問題とリサイクルという問題はどこかで調和して、時にはリサイクルを優先する、こういう点を一つ思うんですけれども、その点について質問して、もう私の質問を終わりたいと思います。
#15
○政府委員(堤富男君) リサイクルの重要性はおっしゃるとおりでございまして、しかもそのリサイクルを実際に推進する場合には、回収、利用、販売というところ、三位一体という言葉を乱用して申しわけございませんが、大事な点だと思っております。この法案におきましては、その利用面のところを拡大することによって全体として回収量が上がり、それが回収に携わる方たちにも大変大きないい影響があるということを一つの大きなねらいにしておる次第でございます。
 それから、もう一つの消費とリサイクルの問題がコンフリクトを起こすケースというのが、相反する場合があるわけでございますが、これはそれぞれに対応していくということが大事だと思っておりまして、過剰包装は過剰包装としての対応、それから回収は回収としての対応というような形でやっていく必要があろうかと思っております。余り消費に対する規制とかいう形をとり出しますと非常に厳しいわけでございますが、消費者の選択がだんだん賢くなる中で再利用がさらに進んでいくという形をぜひとりたいと思っている次第であります。
#16
○谷畑孝君 どうもありがとうございました。
#17
○藁科滿治君 まず最初に、資源エネルギー庁長官に二、三御質問をいたします。
 経済、エネルギー、環境の三位一体的な推進、これは口で言うのは簡単ですが、なかなか容易ならざるものがある、このように考えております。例えば新経済五カ年計画でGNPは実質たしか三・五%の伸び、一方で地球温暖化防止行動計画では炭酸ガスの排出量を九〇年レベルで安定させるという相矛盾する大変難しい問題が併置されておりますけれども、この二つの目標を同時に達成するためには少なくとも、まず第一に省エネルギー対策の積極的な推進、そしてもう一つは石油にかわる代替エネルギーの開発、これが不可欠の条件だというふうに考えます。そういう前提に立って三つの御質問をしたいと思います。
 まず第一は、現状のままで三・五%成長をしたとき、ここでは二〇〇〇年ということにしておきましょう、その最終消費需要と石油代替したときのエネルギー最終需要目標とのギャップはどの程度か。それから二つ目は、ちょっと時間の関係ありますので三つ引き続き質問をさせていただきますけれども、その際の代替エネルギーとはどのようなものを構想されているのか。それから三つ目は、炭酸ガスの九〇年レベルの安定化についての産業界を初めとする各界の反応はどんなものか。この三つをまずお尋ねいたします。
#18
○政府委員(黒田直樹君) 今藁科先生から御指摘ございましたように、三位一体を実現していくためには一方で省エネルギーを実施していかなきゃいかぬ。他方で、先生今石油代替エネルギーとおっしゃったわけでございますけれども、炭酸ガスということを考えますと恐らく化石燃料代替といった意味でおっしゃったのではないかというふうに拝察をしているところでございます。
 まず省エネにつきましては、今回こういう二つの法案を御提案して徹底的に進めなきゃいかぬというふうに考えているところでございます。先ほども御指摘ございましたように第一次のオイルショック以降、日本の場合には八六年度ぐらいまで、八〇年代半ばまでは経済成長が年平均で三・七%でございましたけれども、これに対してエネルギーの伸び率というのは大変な省エネルギーの結果、〇・二%に年率平均ではおさまっているわけでございます。これはまた先ほどもお話ございましたけれども、産業界での省エネルギー努力というのが主軸となっていたことと考えられるわけでございます。
 この八〇年後半以降最近まで、一九八六年度から九一年度までの実績を見てまいりますと経済成長が四・八%、これに対して最終エネルギーの消費というのが四・一%ということで、経済の非常に好調な側面もございますし、国民生活が豊かになってきたとかいろんな要因があろうかと思いますけれども、またエネルギーの伸びが非常に大きくなってきたわけでございます。
 そんなところから先ほど来御指摘ございましたように、石油代替エネルギーの供給目標あるいは地球温暖化防止行動計画での目標、こういったものを整合すると相当低く二〇〇〇年までに一%ぐらいに抑えていかなきゃいかぬ、こういうことでございますけれども、その中で一方で需要が伸びるのに対応して当然のことながら石油代替とかあるいは化石燃料に代替するエネルギーというものをふやしていかなければ、需要が伸びる分に対して化石燃料がふえていけばその分は炭酸ガスの量もふえていくわけでございますので、両面から対策をとっていかなきゃいかぬということでございます。
 そういう意味で、先ほどのギャップというのはちょっと私よく理解できなかったんですけれども、他方で供給面では原子力あるいは新エネルギー、水力、地熱、こういったあたりが非化石燃料でございますので、現在この全体のウエートが一四、五%かと思いますけれども、これを二〇〇〇年、二〇一〇年に向けて二〇一〇年では大体二七%ぐらいに持っていきたい。こういうような見通しのもとに需要面、供給面から対策を講じていかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
#19
○政府委員(堤富男君) このCO2の目標につきましての産業界の受けとめ方を一言御説明させていただきたいと思います。
 産業界の受けとめ方は大変厳しいと受けとめておりまして、日本の省エネ率というのは世界でも最高でございます。OECD平均一〇〇としますと三分の二の六六%ということでございますから、世界でも一番省エネの進んだ国であります。さらにそれを達成するということは大変難しいことだということでありますが、経団連におきましても、経済同友会におきましてもそれぞれ憲章などをつくりまして一生懸命やる気持ちを出しております。それから通産省といたしましても、昨年の十月に各企業に環境のためのボランタリープランをつくっていただくようお願いをしておりまして、現在三百二十社に対してお願いをし、そのうちの三分の一ぐらいが今つくり始めておるという段階でございます。
 いずれにいたしましても、今回の法案におきまして、支援法によりますいわば助成策とそれから省エネ法の改正等によります管理の強化によりまして、両側から自主性を出していただいた上でその上で省エネの難しい目標を達成していきたいというのがこの法案の背景であると思っております。
#20
○藁科滿治君 さらに、需給関係についてもう一つ御質問いたしますが、九〇年に策定した長期エネルギー需給見通し、これを達成するためには最終エネルギー消費を二〇〇〇年まで年平均一%程度の伸びに抑えなければならない、このようになっておりますが、ある試算ではこれは非常に困難であるとも言われております。達成についての確信を持っておられるのか、あるいは計画そのものを見直そうとされておるのか、この点について御質問をいたします。
#21
○政府委員(黒田直樹君) 先ほど申し上げましたように、第一次のオイルショック以降、省エネルギー、一生懸命やってきたわけでございます。先ほど数字的に八〇年代前半、後半で分けて御説明いたしましたけれども、過去一九七三年から最近のデータがございます一九九一年まで、この十八年間をとってみますと、経済成長率が四・〇%に対しまして、エネルギーの消費の伸び率が一・二%でございました。よく言われるエネルギー需要の伸びの経済成長に対する弾性値というのが〇・三であったわけでございます。今先生御指摘のように、この二〇〇〇年の目標を整合的にやろうといたしますとエネルギーの面では大体一%ということでございまして、これ仮に経済成長を三・五%ぐらいと考えますと同じく弾性値が〇・三ぐらいになるわけでございます。
 つまり、過去二十年近くにわたってやってまいりました省エネルギーの努力と同じぐらいの努力を今後二〇〇〇年まで要するというのがマクロ的な観察でございます。あと部門別には、先ほど来御指摘ございますように産業部門ではかなりやってきたんじゃないか、それから最近伸びているのはビルであるとか家庭部門あるいは運輸部門ではないかということでございます。若干ウエートの重点も移しながら、やはり一生懸命省エネルギー対策を実行する、これが経済と環境とエネルギーというものの三者を鼎立させる方向である、そういう方向で私ども最大限の努力をいたしたい、こういうふうに考えまして、今回この二つの法案を御提案申し上げている次第でございます。
#22
○藁科滿治君 次に、通産大臣に御質問をいたします。
 ここに御提案されております二つの法案、これは車の両輪と言われております。また、私どもが考えるには従来のエネルギー政策がやや供給重点主義になっていたのが、これからは間口を消費、需要の部門まで広げているんですね、問題を問い直すと。こういう意味でこの両法案は非常に注目されているのではないか、このように考えているわけでございます。しかし、問題なのは、石油ショック以降の対応についてはかなり積極的な省エネ動向が出ておりましたけれども、最近の各分野における消費への対応というのは率直に言って非常に消極的である、このように考えているわけでございます。
 そこで、幾つか大臣に御質問をいたします。
 まず第一は、経済的なインセンティブのないこういった罰則というようなものを伴わない自発的な努力に対する助成で果たして省エネの成果は上がるのか、過度の対応も困りますけれども、こういう懸念を私ども持っておるわけでございまして、努力が十分でない事業所などについてどういった行政指導をされようとしておるのか。それから二つ目は、省エネ、リサイクルについての地方自治体への対応、指導をどのように考えておられるのか、この二つをとりあえず御質問いたします。
#23
○国務大臣(森喜朗君) 藁科先生、私に答えろということでございますが、日本の企業というのは、社会参加ともう一つは社会的にリーダーシップをとっていくということにやはり大変先進的な考え方を持っているわけです。先生御自身もいわゆる電気関係の労働組合の御指導をされてこられた。また、あなた自身も企業の中に入っておられたわけでありますが、そういう企業を見ておりましても、戦後の企業の常に先駆的に物事に対応していくという、私は日本の最もすばらしい特徴だろうと思います。そのことが結果的に大きな経済繁栄というものに常に指導的役割をしていったというふうに私は考えております。いろいろ問題は多いと思いますが、先ほどから政府側が答弁しておりますように、罰則を科するとかペナルティーを科すとかということではなくて、むしろ先駆的に物事を進めていくというのは、日本の企業の持っておる最もすばらしい特徴だろうというふうに考えておりまして、そのことに大きな期待を私は寄せているわけであります。
 具体的に企業にどうするかとか、どういうふうに地方自治体に対処するかということについては、事務方からお答えをさせていただきたいと思います。
#24
○政府委員(黒田直樹君) まず前段の、こういう対策で効果が出てくるのか、こういうことでございますけれども、まず産業部門につきましては、単体の機器という意味での省エネ機械、こういうものの投資というのはかなり一巡していると申しますか、かなりのところに来ているというふうに判断をいたしているわけでございます。
 したがいまして、私ども、この省エネ投資を促進していく、あるいは省エネ技術開発を促進していくという視点はもちろん変わらないわけでございますけれども、今回は超低利融資あるいは投資税額控除制度等によりまして、特に工場のシステム的な省エネの向上、例えば電算機の制御というのをふやすことによりまして、あるいは設備の配置、組み合わせ、運転方法を変更することによって省エネ効果を上げていくとか、あるいは工程内あるいは工程間での熱交換の効率向上というのを一層図っていくとか、あるいは余剰エネルギーを活用していく方法を考えていくとか、従来よりはむしろ工場全体としてのシステム的な省エネ対策というのを推進していただこうということで、私どもなりに、先ほど申し上げましたように、低利融資なり投資税額控除制度なりを設けましてこれを促進していこうと。
 私ども、いろいろこの政策を立案する過程におきまして、関係の産業界ともいろいろニーズについてヒアリングをいたしたわけでございますけれども、こういったものに対するニーズも非常に強いわけでございまして、そういう意味で一層こう
した施策によって産業界での省エネ効率の向上というのを期待をいたしている次第でございます。
 それから、その他の最近伸びている部門、特に最近の五年間をとりますと業務部門というのが非常に伸びているわけでございまして、これはビル関係でございますけれども、全体のエネルギーの伸び率が四・一%のところ、六%の伸びを示しているわけでございます。この辺、ビル関係の省エネというのを今回の法律で一層強化しようということで改正の御提案をいたしているところでございますし、またビル関係の中でも例えばOA機器等の需要というのは非常にふえているわけでございます。
 それから、民生部門でも家庭電気製品の大型化等々によりますエネルギー需要というのは非常にふえているわけでございまして、こういったものにつきましては今回の法律の中で改正を特にしていませんけれども、特定機器ということで燃費、エネルギー効率の向上のための判断基準を示し、それを推進していく制度がございます。こういったものの対象品目の拡大等を通じまして全力を挙げてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
 どれか一つということでは省エネというのはなかなか難しいわけでございまして、いろいろなことを総合して成果を上げていく、こういうことで努力をいたしたいと思います。
 それから、地方自治体との連携でございます。確かに、最近非常にいろんな意味で地方自治体独自に計画をつくったりいろいろされているところがあるわけでございます。あるいは、低公害車の導入等についても率先してやっておられるところもあるわけでございまして、今後とも私ども、特に国民各層ということになりますときめの細かい対応が必要かと思います。そんなところから関係省庁及び地方自治体等ともよく連携しながら省エネ対策の推進に努力をしていきたい、このように考えております。
#25
○藁科滿治君 そのトリレンマヘの挑戦についてある専門家は、文明の転換であるというようなことをおっしゃっておりますが、私どもよく理解できます。そういう意味では行政も地方自治体も産業界も、そして生活者としての国民も、文明の転換に挑戦しなきゃいかぬ、このように考えるわけでございます。
 そこで、その一つの試みとして、教育システムの中にこういった考え方を組み込む必要があるんではないかというふうに考えているわけでございまして、この文明の転換は見方によれば人と物とそして地球を大事にする、こういう哲学に置きかえてもいいと私は思うわけでございます。そういう意味では幼児を対象とする家庭教育、それから学校教育、それから企業の教育、その他社会の教育などを含めた生涯的な教育システムの中にこういったテーマを組み込んでいくということが必要ではないかというふうに考えるわけです。
 私はかつて生涯学習審議会に参加しておりまして、そういう意見を数回提起したことがあるのですが、きょうは文部省の方にも来ていただいておりますので、今たしか中学、高校の教科書の改訂期というふうに聞いておりますので、どういう状態になっているものなのか。
 それから、関連して、森通産大臣は文教の経験豊かでございますから、ぜひこういうときにひとつ力を発揮していただいてこれからも大きなテーマについての御努力をお願いしたい、このように思っております。
#26
○説明員(河上恭雄君) エネルギーあるいは環境の問題、これからの二十一世紀に生きる児童生徒にこれについて正しい理解を深めさせるということ、そしてそれに基づいて責任ある行動がとれるようにするということは非常に大事なことだと思っております。そういう観点で学校教育におきましては従来から例えば社会科とか理科、そういった教科を中心に指導をしているわけでございます。
 今御指摘の教科書の問題でございますが、平成元年の三月に改訂しました新しい学習指導要領、これがこの四月から中学校で実施されますし、来年の四月から高等学校で実施されるわけでございます。教科書もこれに基づいて編集されまして、また学校のカリキュラムもそれに従って編成されているわけでございますが、各教科等でエネルギーの問題あるいは環境の問題が取り扱われております。
 例えば、中学校におきましては社会科の「公民的分野」というのがございますけれども、ここで例えば「公害の防止など環境の保全、資源やエネルギーの有効な開発・利用などが必要であることを理解させる。」ことという記述がございまして、これについては我が国における高齢化や都市化あるいは産業構造の変化などの社会の変化と関連させて指導をすることというふうに、幅広い分野での関連を考えさせて指導するように配慮しております。また、高等学校におきましても「公民」という教科がございますが、この「政治・経済」のところで「経済の発展と福祉の向上との関連について理解させるとともに、」「資源・エネルギー、環境保全と公害防止」など「経済生活に関する諸課題について考察させる。」というふうになっております。
 今後とも、経済、エネルギー、環境問題に関する教育の一層の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
#27
○国務大臣(森喜朗君) どうも藁科さん、私のテストをしているんじゃないかと思うんですけれども、私は昔から、昔からというか私の時代の物の考え方というのは、文明というのと文化というのとは全く違うものであって、文明社会がどんどん進んでいくと文化は破壊されていく、私は常にそう思っている。
 かなり共通した部分はございますけれども、文明というのは便利になり、例えば飛行機になり車になる。これは非常に物を速く運ぶことにおいては便利性はあります。が、仮に車がひっくり返れば、逆に言えば殺人ということになる、人が死ぬということになる。飛行機が一遍に三百人、五百人、ジェットではっと運ぶ。しかし、これおっこちりゃ五百人の命が一遍になくなっていく。これは昔のように馬だとかかごだったら転んでもけがする程度で終わるわけですから、命という文化を破壊するということになる。便利になって、車をどんどんつくれば排気ガスが出てくる。飛行機だって同じことであって、地球社会のいわゆる文化を破壊してしまう。そこの調整というのは非常に難しい。これはまさに永遠のテーマだろうと思うんです。
 今、堤局長が私に、ちょっと困ってどう答弁しようかなと思っておったらこういう図をかいてくれまして、私なるほどと思ったのは、一九九二年で、CO2で換算しますと百三十三億トン、これだけ今排出しているんだそうです。このままの勢いで行きますと二一〇〇年で三百四十五億トンになるそうです。これは完全に地球は壊れちゃうわけですね。そういう意味からいうとこれを五十億トンに抑えろというわけですね。二一〇〇年までに百三十二億を五十億トンにしろということは百分の四十にしろということです。こんなことはどうやってできるんだろうか。このまま推移すれば三百四十五になるものがこれを五十億トンにしろなんというようなことは、まさにこれはいろんな技術をどんなに入れても難しいことで、むしろこのことが実は文明論だ、こう言われているゆえんはここにあるということなんです。まさに藁科先生がおっしゃっておられることです。
 つまり、そうすると、結局国民生活のスタイル、これをどう変えていくかということがやっぱり基本的に大事なことで、先生がおっしゃるとおり、まだ中学校課長、河上さん遠慮しておられますけれども、教科書などにかなりこういう点は強く打ち出していく。人間が豊かになって便利になってサービスを求めれば求めるほど、逆に言えばそうした文化を破壊することを人間がやっておるんだということをよく教育の中で、先生おっしゃるとおり家庭、社会そして企業、すべてがそのことを知ることが大変私は大事だと思います。
 先生方もよくいろんなところへ旅行されますが、私は、谷畑さんおられて恐縮ですが、大阪のあるホテルヘ泊まって、ああ、これはすばらしいことだと思ったのは、かぎをドアの入り口のところに置かないとその部屋の電気が動かないんですね。それで時々、人の家なものだから電気を消し忘れ、テレビも消し忘れて出ていくことがあるわけですが、外へ出る以上はがきを持っていかざるを得ないわけですから、かぎを持っていくとその部屋の電気のシステムが全部消えてしまうわけです。これなんか非常にいいことを考えているホテルだなと思って表彰しなきゃならぬなと思ったんです。
 ところが、同じホテルが、朝新聞を見ましたら全部一枚一枚をビニールの袋に入れて、そしてドアの下に差し込んであるわけですね。これは私だけにしているサービスかなと思ってずっと廊下を歩いてみたらみんなそうなんですね。新聞なんぞは汚れるのはわかっているわけであって、これはサービス過剰だなと私は思いまして、このホテルは非常にいいことで省エネをやっているけれども、片方ではまたくだらないことをやっているな、これだからやっぱり企業の教育というのは本当に大事なんだなということを思いました。
 余計なことを申し上げたようですけれども、大変意地悪な質問だと思いますので今の程度のことしか申し上げられません。御理解をいただきたいと思います。
#28
○藁科滿治君 それではちょっと話題を変えまして、地球規模のエネルギー環境対策について若干質問をいたします。
 この問題の一つのネックはやっぱり南北問題ではないかというふうに考えておりますが、格別日本の場合で言えばアジア地域の対策が極めて重要ではないかというふうに考えております。
 二月七日に国立環境研究所の観測報告が出されておりますが、これによりますと、日本海の上空で西寄りの風が吹く日には中国からの酸性雨の原因となる汚染物質の飛行濃度が高い、こういう科学的なバックデータを背景に報告がなされているわけでございます。
 そこで御質問したいのは、今回の提案の中に環境と開発の両立に取り組む発展途上国に対するグリーンエードプランの推進が明記されておりますが、この具体的な内容についてもう少し詳細に御説明をいただきたいと思います。
#29
○政府委員(堤富男君) グリーンエードプランというものを通産省としては、この数年来発展途上国の環境問題を解決するための一つの大きなかぎということでやらせていただいております。
 まず、このグリーンエードプランの第一段階といいますのは、発展途上国と政策対話をいたしまして、その際には、例えば四日市の昔の写真と最近の写真を両方見せて、その間においてどれだけの損失があったかということを御理解いただくことによって、公害というのは早く対処しないと後で大変なツケが来るというようなことを御理解いただくような場面で、環境問題の重要性、公害問題の重要性を言っておるわけでございます。
 さらにそれに加えまして、このグリーンエードプランの中では研究を一緒にやる、あるいは調査を一緒にやる、あるいは環境にあるいは公害問題に対応する人員を養成するための人づくりに協力するというようなことをやらせていただきまして、今回の法案にも入っておりますが、最終的には実証プラントを先方につくってこういう形でやれば公害というのはうまくいく、その場合の技術協力もまたグリーンエードプランの中でやっていく。
 最終的には円借款を使ったような形での環境協力ということも可能になるわけでございますが、ただ大変金額が大きくなりますので、むしろグリーンエードプランをやりながら、魚を一つ一つ差し上げるのではなくて、魚の釣り方を教えることによってむしろ発展途上国みずからの力で公害問題を防止できるようなそういう形をつくり出していくことが最終目標ではないかと思っている次第であります。
#30
○藁科滿治君 この問題をめぐる国際的な情報交流のネットワーク、こういったものがどの程度形成されているんでしょうか。極めて不十分なんでしょうか。
 あわせて、この対策をめぐる特にアジア地域の対策会議とかあるいは国際会議とか、そういうようなものを想定されているんでしょうか。
#31
○政府委員(堤富男君) 環境という問題は非常に幅が広うございまして、公害問題あるいは森林の問題、それから最近の炭酸ガスの問題、非常に多岐にわたっております。いろんな場面で情報交換をしておりますが、一方で、炭酸ガス問題のような場合には、むしろアメリカですとかECとかそういう先進国で地球を分担しながら観察をし、情報交換をする必要性があると思います。
 それからアジアにつきましては、APECあるいはそういう多国間の場、あるいは個別にお話をするバイラテラルの交渉の場というのもございます。そういうことを通じまして日本のグリーンエードプラン、あるいは国際機関がそういう場面で活躍できるような協力をしながら、日本と国際機関が協力しながらアジアに対する環境協力をやっていくというような形で非常に多岐にわたった対応が必要かと思っております。
#32
○藁科滿治君 それでは最後に森通産大臣に、アメリカから帰った直後の立場で御質問をさせていただきます。
 先ほどの谷畑議員の御質問にも関係いたしますが、景気対策との関連で新社会資本構想という問題が浮上しております。アメリカではゴア副大統領の構想としてマルチメディアの対応ということがもう具体的に動き出して大変な注目を集めているわけなんです。我が国でも、今急浮上した課題であるというふうに考えておりますけれども、けさの数社の社説でも取り上げられております。
 この新社会資本整備に向けての構想、格別通産省としての構想、こういったものについて現段階でわかる範囲について少し話をしていただきたいと思います。
#33
○国務大臣(森喜朗君) 幾つかアメリカの方の私への御質問も前提にございましたが、その前に通産省としてはどういうことを考えておるのかという、その構想ということでございますので、最初にちょっと事務方からその説明をさせていただきます。
#34
○政府委員(石黒正大君) 先生、新社会資本整備というものについて通産省でどういうことを考えているかという御指摘でございますので、簡単に御説明をさせていただきますが、現在我が国経済が、設備投資を初めとしまして民間需要の落ち込みによりまして極めて厳しい状況にあるということは御案内のとおりでございます。早急に効果的な景気浮揚策というのが必要ということで、予算審議等いろいろ御苦労いただいているところでございますけれども、特にその際に、直接に需要を創出いたします公共事業、公共投資、この役割というのは非常に重要であるというふうに考えられておるところでございます。
 公共投資というのは最終需要の中で政府投資といいますか七%、あるいは政府需要を入れまして一五%程度の大きなウエートを占めている分野でございますけれども、この分野につきまして、少し従来と変わった視点での検討をしてみたらどうかという大臣の御示唆も踏まえまして通産省の中で検討しているところでございます。
 具体的に申しますと、一つは、土木系の公共事業から建築系の公共事業という方にウエートを移していってはどうかと。土木系自体、それも重要なことは当然でございますけれども、建築系の公共事業というもののウエートにも着目をしていったらどうかというのが第一でございます。
 二つ目は、いわゆる不動産中心の公共事業の中に、少し設備機器的な概念というのが新たに入らないものかどうかということが第二の着目点でございます。
 それから第三は、公共事業と申しますと政府関係が主体となってやるものが中心でございますけれども、政府が主体になるものだけではなくて、
民間あるいは公益的な事業、事業体、そのあたりが主体になるものについても、その事業活動を中長期なこともにらみながら大いに慫慂していってはどうかというのが第三点目でございます。
 こういう三つの分類につきましていろいろ内部でアイデアを募り、検討しているというのが現状であろうかと思います。
#35
○国務大臣(森喜朗君) ただいま事務当局から申し上げた点、これは先生も十分御承知のとおりでございます。もう一つ、よく国会の予算の論議で与野党の中から出てくることですが、やはり財政再建というのが十五年ぐらい続いたわけですね。そのためにそのシーリング、これはマイナスシーリングのときもございました。そうしますと人件費の多い官庁というのは、例えば厚生省そうですね、文部省もそうですよ、法務省なんかもそうですが、そういうところはどうしても人件費はふえてくるわけで、それも同じ省の予算の中でやれということになれば、結局政策経費がどんどん削られていくということで、研究施設や学校や病院というのが私は非常にやっぱりおくれていった理由だろうと思うんです。
 私は文部大臣やっておりまして、本当にちょっと恥ずかしい思いをするのは、地方へ行きますと、最近自治体は体育館をつくったり野球場をつくるのを文部省に頼まないんです、お金が全然つかないんですから。むしろ、建設省にお願いした方が運動公園という規模ではるかに大きな予算がおりてくるわけです。私は、もう文部省に体育局なんて外しなさいよと言うんです。金も持ってなくて政策官庁と言えますか、こう言うんですが、やっぱり役人は押さえておきたいわけでしょう。
 ですから、そういうことを考えてみますと、この新しい公共事業というのは、いろんな理由は今申し上げましたけれども、従来のものは大事ですけれども、でき得れば、例の四百三十兆円という将来の日本全体の投資額を考えてみましても、もう少しやはりそういうおくれた研究施設や福祉や学校や、そういうところにむしろ公共事業を持っていく。その施設そのものは確かにもう公共事業としては対象になっているんですが、それがどうしてもおくれるのは中に入れる設備機械がおくれる。そのことに金がかかる。もう一つは人件費がかかるということもございますが、この問題は別にしましても、少なくともそういう設備に対してやはり国がかかわっていけるというふうにしてあげることによって、社会資本そのものが完成化していくんじゃないかというのが一つのねらいであります。
 通産省としては今申し上げたように、全産業の新しい需要が沸いてくれるということが何といっても景気浮揚になるだろう。その中で私は、先生は特に御関心も多いと思いますが、これだけハイテクが進んでいく、こういう中で国もそうですけれども地方の市町村、都道府県なんというのはコンピューターの配備が一番おくれているんですね。ですから、そういうことをもっと進めていけばもっと行政管理というのはうまくいくと思うし、つまらないところに金を使わなくて済むんじゃないかなということもございますので、そうしたことなどもぜひ公共事業の対象として国が社会資本の中に入れて進めていくということは、極めて私は今の時期にかなっているのではないか、こう思っております。
 特に、今お話ございましたゴア副大統領がいわゆるパイパフォーマンス・コンピューティング・アンド・コミュニケーション計画というのを打ち出した。いわゆるHPCC計画というのを打ち出したわけですが、この柱は、大学と国立研究機関のスーパーコンピューター、それらを高速で結ぶ情報通信を整備しよう、こういうことでございまして、アメリカもそういう考え方を出したということも、また私ども日本もそういう形で光ファイバー化を進めていく、情報基盤というものを国がやっていこうということは、やはりこれは世界的な一つの政策として私は大変注目をされていくことだろう、こう思います。
 ただ、今度のゴア副大統領が指摘をいたしました点は、やはり基本的には民間の企業がやっていくこと、その基盤を国がバックアップしていこうということにどうもなっているようでございまして、効率的な観点というふうに考えますと民間の通信事業者が行うべきだということで、アメリカは大体そういう意見が大勢を占めているということだそうでございます。そういう面では我が国もやはりそうした民間企業が進めていくこと、そのことを国ができるだけバックアップしてあげるということがやはり今度の社会資本整備を進めていく上において留意をしなきゃならぬところではないか、このように思います。
#36
○沓掛哲男君 まず最初に、このたびの森通産大臣の御訪米、本当に御苦労さまでございました。ワシントン滞在時間わずか二十四時間のうちに多くの米国政府要人と会われている様子をテレビ、新聞で拝見させていただきました。森大臣にはクリントン政権の対日経済通商政策の具体的方向につき、また半導体に代表される個別通商問題について意見交換をされて、来る宮澤総理御訪米の際には、日米の基本的関係についての意見交換に全力投球できるような環境を形成されたと承っております。
 先ほど谷畑委員からの質問について大臣から大変御丁寧な答弁もございましたので、私は特にお話を承らないで次に進めさせていただきたいと思いますが、このたびの森大臣の寝食を忘れてのワシントンでの御活躍は、昨今政治家の不祥事により失われつつある国民の政治への信頼を回復するために大きく寄与するものと信じております。
 では次に、本日提案されておりますエネルギー関係二法案についてお尋ねいたします。
 エネルギーは、私たちが健康で文化的な生活を営むために、また近代的な産業活動を行うためにも不可欠なものでありますので、その需要は国内的にもまた国際的にも増大の一途をたどっております。このような情勢下でエネルギー資源の八四%を海外に依存している我が国は、今後エネルギーの安定供給をどのようにして確保していくのか。また、地球レベルの課題ではありますが、資源エネルギーの大量消費に伴って発生している地球温暖化、酸性雨、オゾン層破壊などの諸問題に直面いたしております。これらに的確に対処するには、環境保全、経済成長、エネルギーを三位一体とした総合的視点から取り組むことが不可欠であると思います。本日提案されている二法案はまさにこれらの社会的経済的要請にこたえるものであり、その成立と施行の一日も早からんことを願うものであります。
 まず、基本的なことからお尋ねいたします。今後、国際的なエネルギー需給の逼迫化は避けられないものと思いますが、我が国の今後のエネルギー需給の見通しをどのように考えているかお尋ねいたします。
#37
○政府委員(黒田直樹君) ただいま沓掛先生から御指摘ございましたように、エネルギー情勢、まず国際的な情勢でございますけれども、全般的に今のところ表面上はバランスがとれているというか、安定しているというふうに推移しているわけでございます。今後のエネルギー需要の動向、これはいろいろな見方があるわけでございますけれども、例えばIEAでの予測によりますと、二〇〇五年までの間に大体世界全体で一・五倍ぐらいにエネルギーの需要がふえる。この中心は、やはり何といっても発展途上国でのエネルギー需要が爆発的にふえるということを大きな要因としているわけでございます。
 一方、供給の方はどうなっていくか、こういうことでございますけれども、例えば今世界の一次エネルギー供給の約四割は石油でございます。この石油を取り上げてみましても、実は第一次オイルショック以降、御承知のようにOECD諸国での石油生産というのがかなりふえたわけでございます。例えば北海であるとかアメリカであるとかいったようなところでの供給が非常にふえたわけでございますけれども、最近あるいは今後を考えますと、非常にこの辺が峠を越しあるいは落ちていくという状況にあるわけでございます。また、
他方、従来世界で最大の産油国でございました旧ソ連、この石油生産というものもこの数年の間に激減しているわけでございまして、そういったところから今後の動向をよく注視していかなければならないわけでございます。
 ただいま申し上げましたIEAの見通しては、やはり今後世界の石油の需要がふえていきますと中東への依存度というのがまた再上昇していかざるを得ない。ちなみに、第一次オイルショックのございましたときには中東依存度というのが世界じゅうで三六%であったわけでございますし、第二次オイルショックのときには三四%であったわけでございますけれども、今の二〇〇五年のIEAの予測によりますと、中東依存度がまたそれに近い三三%になっていくというような見通しもあるわけでございます。
 一つの地域に依存度が高まってまいりますと、社会的あるいは経済的に不安定要因がございますと需給問題にも大きな影響が出てくるという面もあるわけでございます。したがって、今のは石油の一例でございますけれども、エネルギーのセキュリティーという観点から見ますと今後全般の国際エネルギー情勢というのも厳しくなっていくということをやはり予想して少なくとも私ども政策当局としては考えておかなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。
 それで、お尋ねのように我が国の場合には一次エネルギーの八四%を海外に依存しているわけでございますので、従来に引き続きまして一つのエネルギーへの過度の依存というものをできるだけないようにしていく。つまり、石油依存度を引き下げていくというのを従来オイルショック以降基本的なエネルギー政策の一つとしてきたわけでございますけれども、今後ともその点はやはり推進していかなければならない。
 ただ、また先生御指摘のように地球環境問題という要請からいいますと、ただ石油を下げていくということだけではなく、今度は非化石エネルギーへの依存度を上げていく必要があるわけでございまして、そういった意味から、原子力であるとかあるいは新エネルギーといったもののウエートが上昇するように今後供給面では対応を考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
#38
○沓掛哲男君 次に、エネルギー消費の約半分を占める産業部門については相当の省エネルギー努力は行われており、さらに省エネルギーの余地はかなり小さいものではないかというふうに懸念いたしますが、産業部門における省エネ対策の現状及び今後の課題はどのようになっているのか。
 また、この消費部門では、民生、運輸部門もございますので、それについても通産省として特にこういうことをやるんだということがあれば簡潔にお答えいただきたいと思います。
#39
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘のように、産業部門、これまでに相当の省エネを実施してきているわけでございまして、エネルギーの総量では第一次オイルショックのときよりまだ産業部門全体のエネルギー消費量というのは若干下回るような状況にあるわけでございます。したがって、私どもも、産業部門での省エネの余地というのは従来に比べれば相当小さくなってきていることは事実だと思いますけれども、先ほども申し上げましたように、工場全体のシステムとしてとらえた省エネ投資の促進という点ではまだ相当の余地もあるというふうに考えているわけでございます。かつ、産業部門は何といっても我が国エネルギー消費の五三%を占めているわけでございますので、ここにももう一段の御努力をお願いしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 他方、最近伸びているのは、先ほどからの御議論にもございますように、運輸部門あるいはビルの部門、家庭の部門という面があるわけでございまして、これらにつきましても、今回御提案申し上げております法律の的確な運用あるいはいろいろな広報対策等々を通じまして、最大限の省エネ効果が上がるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#40
○沓掛哲男君 私のような昭和一けた生まれは物のとうとさが身にしみておりますけれども、今の若い世代は消費は美徳と思っているのでしょうから、一般消費者に単に省エネをやれと言うだけではその実現にはなかなか難しいものもあろうかと思います。しかし、先ほど来もお話がございましたが、昭和四十八年の第一次石油ショックの際には政府も国民も一体となって、省エネ、特に省石油に取り組み、相当の効果が上がったというふうに思います。もちろん、あのときのようなトラスチックなものまでは私は求めませんが、例えば省エネ国民運動等を起こすとか、そういうふうな何か有効な方策があれば実施すべきだと思いますので、それについて通産省として御意見があれば教えていただきたいと思います。
#41
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘のとおり、省エネを推進するためには国民各層の御理解と御協力を得ていくことが重要であるというふうに考えております。そういう意味で、やれやれという一般論だけではなかなか難しいかとも思います。かつ、最近私どももいろいろ消費者の方あるいは学識経験者の方と御議論を交わしますと、そういう意味で具体的にこうすればこうなるということをもっと明確にやれ、広報をしろというような御意見もございますし、いろんな御意見があるわけでございます。私ども今回この法案を運用していくに当たりまして、やはりそういった広報面と申しますか、国民あるいは産業界の皆さんの啓蒙というのを非常に重要だというふうに考えておりますので、広報予算の充実等も行っているところでございます。
 皆様方のいろいろな御意見を伺いながら、そういった面での国民の皆さんの理解と協力を得るような方策をどうやってやっていったらいいか、一層検討し、勉強してまいりたいと考えているところでございます。
#42
○沓掛哲男君 新エネルギーについてお尋ねいたします。
 昨年の夏、私の郷里の石川県の能登で、国際的なソーラーカー大会を盛大に催していただき、大変有意義であったというふうに思います。世界各国から、特にソ連からは親子でこれに参加していただいて、坂になるとほかの国は蓄電とかいろんなものを使うんですが、ソ連の人は一緒にペダルを踏み出すんですね。大変ユーモアを交えながら有意義な大会だったと思います。しかし、これを一度で終えてしまうのではなくて、例えば三年置きぐらいに同じところで繰り返し実施していただくことによって、これは国際的にも理解されるし、その効果も大いに上がると思いますので、ひとつ今後ともこのソーラーカーは石川県の能登でということでよろしくお願いしたいというふうに思います。
 ところで、新エネルギーについては燃料電池、太陽光発電の実証テストが一部行われておりますが、そういう実証テストの拡充を行うべきではないかというふうに思います。また、これらについて、実際への導入の見通しとかあるいは普及のための方針があればお聞かせいただきたいと思います。
#43
○政府委員(黒田直樹君) 太陽電池、ソーラーエネルギーについての御質問でございます。
 今、太陽電池でこの世の中のエネルギーは全部賄えるんじゃないかというような極論も一方にあるわけでございますけれども、私どもこの二十年ばかり技術開発その他、大変努力をしてきているところでございまして、おかげさまでこのコストというのも相当安くなりました。しかしまだ残念ながら、これ使い方によるかと思いますけれども、通常の電気として使うためには、やはりコスト的には今の大容量の発電所で発電をするものに比べますと十倍から二十倍のまだコストがかかるわけでございます。それから供給の安定性という意味でもまだまだという面があるわけでございまして、こういった技術開発あるいはコストダウンの努力というのは今後も一層努力をしていかなければならないと考えているわけでございます。
 ただ、同時に並行いたしまして、高いから全然
使わないんだというのでは実用化への素地というのはなかなかできてこない、こういう意味で今年度から公共施設に太陽電池を導入する場合に補助する制度というのを開始いたしまして、来年度の予算におきましてもその拡充をお願いをいたしているところでございます。
 そういったところからこの技術開発と、それを実際に入れていく活動というのをやや並行して行っているのが現時点の状況でございます。
 それと同時に、この太陽電池というものの能力とまたその限界というのもあるわけでございまして、先ほど沓掛先生からグランド・ソーラー・チャレンジの能登でのお話があったわけでございます。テレビ放送もされまして、大変皆様御関心を呼んだことも私承知しておりますし、私自身もあそこへ行きまして、石川県の皆さんが地元で大変な熱狂の中で見ていただいた、私自身も感激した次第でございます。
 ああいった催し、大変ある意味で太陽電池というものがここまでできているんだ、しかしまたここまでが現状なんだということもおわかりいただく非常によい機会だったと思っておりまして、今後ともそういったものの、例えばソーラーカーレースの問題等につきましても、おっしゃるように一回だけで終わらせるというのはもったいない問題でございますので、今後ともその再開につきましてよく勉強してまいりたいと考えております。
#44
○沓掛哲男君 今御答弁もいただきましたが、省エネルギー、新エネルギー導入は大切ですから強力に進めなければなりませんが、それだけでは今後の我が国のエネルギー需要を賄えるものではないと思います。特に、電気はクリーンで安全で使いやすく便利など長所も多く、家庭でもオフィスでも生産部門でも欠かせないエネルギー源ですが、今までの主役であった石油をたく火力発電所は増設しないことがIEAで決められておる。今後、原子力発電への依存度が高まることと思います。現在でも発電電力量で言えば二七%のシェアを占めておるわけですし、長期エネルギー需給見通しによれば、七年後の西暦二〇〇〇年では電力量で四〇%の依存度がこの原子力発電に見込まれておるところでもございます。
 現在、原発は核分裂の際に熱と放射線が出ますが、その熱を利用しております。将来核融合の際発生する熱を利用することになると私は思いますが、この場合は放射能物質は出ないわけでございます。核融合は、原子核と周りの原子が分離したプラズマ状態で原子核同士を高速で衝突させることにより起こるもので、その際に出るエネルギーを発電に利用しようとするものでございます。
 先週の三月二十四日の新聞各紙は、日本原子力研究所で世界最高のプラズマ状態を達成することができたということを報じております。しかし、これが商業用の原子力発電に用いられるにはどれぐらいかかりますかと質問したいところなんですが、まだ通産省の商業用の段階でなくて科学技術庁または大学の研究段階だと思いますので、まあ私の個人的なことから申し上げれば、まだやっぱり三十年や四十年近くは実用にはかかるのではないかというふうに思います。とすると、この三、四十年間は核分裂を利用した現在の原子力発電に依存しなければなりません。
 その際、原発の立地を進める上で一番大切なことは、原発の安全対策であり、また同時にそのことを地域住民に理解してもらう努力と方策にあると思います。私の選挙区である珠洲市での状況を見てその感を強くするものですが、原発の安全対策についてお伺いいたします。
#45
○政府委員(黒田直樹君) ただいま沓掛先生のおっしゃったこと、全くそのとおりだというふうに私ども思っております。原子力発電所の立地、現在設備規模で申しますと三千四百四十万キロワットということでございますけれども、先ほど来御議論になっております長期の需給見通しでまいりますと、二〇〇〇年には五千五十万キロワット、二〇一〇年には七千二百五十万キロワットというような形でふやしていくことが必要となっているわけでございます。現在運転しているものを含めまして二〇〇〇年までに確実という観点で申しますと、現に建設をしているものを考えますと四千五百万キロワット、これに準備中のものを加えますと四千六百万キロワット、こういうのが現状でございまして、私ども一層この推進に努力をしなければならないと考えているわけでございます。
 安全対策につきましては、当然もう大前提でございまして、私どもも原子炉等規制法あるいは電気事業法に基づきまして設計、建設、運転の各段階で厳重な安全規制を実施すると同時に、電力会社においても自主保安の強化を行っていただくように厳しく指導、監督をいたしているところでございます。今後とも国民の皆様方の、あるいは地域の皆様方の御理解と御協力を得ていく上では、もう安全性の徹底というのは大前提でございますから、その確保に万全を期してまいりたい、このように考えているところでございます。
#46
○沓掛哲男君 原発の立地促進を図るための地元対策を講ずるに当たっては、真に地元が何を望んでいるかという観点が重要であると思います。地域の特性によって違うと思いますが、ただいま申し上げました私の郷里の珠洲市の場合、この十年間で総人口は二万七千三百五十人から二万三千四百人と四千人減っておりますが、六十五歳以上の人は三千九百六十一人から五千百人と千百人もふえております。若い人たちは都会へ流出する過疎の地でもございます。お年寄りの方は、子供や孫に珠洲市にいてもらいたい、さらには都会へ出ていった子供や孫にもUターンしてもらうことを一番願っております。それには、雇用をつくり出してくれるよい職場が必要です。そういう地元の切実な要望にこたえる対策もお願いしたいと思います。
#47
○政府委員(黒田直樹君) この点につきましても先生おっしゃるとおりでございまして、従来から電源地域の振興を図るために、電源三法に基づきまして電源立地促進対策交付金の交付等を通じた公共施設の整備を図ってきているところでございますけれども、このほか地元の御要望に応じまして、企業立地の促進であるとか地元地域が行う産業育成支援事業等への支援というものを、ハード、ソフト両面にわたって実施してきているところでございます。
 特に、平成五年度予算案におきましては、企業の立地促進のための補助金につきまして所要の金額を確保すると同時に、原子力発電施設周辺地域に所在する企業あるいは個人の方々への実質的な電気料金割引の大幅拡充というのを五年間の措置として御提案申し上げているところでございます。また、少し時間がかかるかと思いますけれども、地域との共生という考え方のもとに、原子力発電所から発生する蒸気とか温水とか広大な敷地であるといったような原子力発電所が有するいわば資源、これを活用していくようなプランづくり、そしてそれを実行することへの補助制度等も要求をいたしているところでございます。こういった施策と相まって、おっしゃるような地元での振興という問題が解決されるよう、今後ともいろいろ施策面あるいは実行面で努力をいたしてまいりたいと考えているところでございます。
#48
○沓掛哲男君 エネルギーの環境問題を解決するには技術開発の果たす役割が大変大きいと思いますが、通産省としてこれへの取り組み方について御答弁願います。
#49
○政府委員(堤富男君) 先ほど大臣の方から御説明がありましたように、炭酸ガス問題は結局百分の四十にしないと温暖化がとまらないという状況の中にあって、最近環境グループの中では、江戸時代の生活というのはどうであったかということに非常に関心を持っております。確かに、百分の四十に生産活動、生活レベルを落とすということ、もしこのままいきますと三百四十五億トンになるということになりますと百分の十五ぐらいにするということになってくるわけでございますから、生活レベルをどう下げていくかということは大変な重要な問題になってくるわけでございま
す。
 ただ、これだけが選択肢ではございませんで、もう一つ大事なのは、今御質問いただきました技術開発によって炭酸ガスを除く技術というようなものがもし可能になれば、もし革新的なエネルギーの技術が可能になれば、これをそういうふうにしなくて済むというわけでございます。
 通産省としては、かねがね地球再生計画というのを出しておりますのは、そういう背景がありまして技術によるブレークスルー、それ分ら既存の技術を日本だけではなくて発展途上国に移転することによってこれが全体として解決できないだろうかということを百年かけてやるという計画を出しているわけでございます。従来から、省エネルギーにつきましては千四百億円、それから新エネルギーについては四千四百億円、それから炭酸ガスの固定・有効化のための技術開発に約二百億円を投じておりますし、今後も予算措置としてこれを我々としてはぜひやっていきたいと思っております。
 今回の法律に関連しましては、政府だけの措置ではなくて、民間におきましても省エネ技術あるいはフロン対策技術あるいはリサイクルの技術という、そういう技術開発を進めていただくための法律上の措置を書いてございますが、これらの官民の協力が相まってこの技術開発が少なくとも進むことを考えております。百年後を考えた場合にも、将来日本が技術開発によりいわば国際貢献をできるということが非常に重要であり、大臣が今回アメリカでゴアとお話しいただいた中にもその話が入っておったわけでございます。
#50
○沓掛哲男君 リサイクルのことについても質問したかったのですが、時間がございませんので、最後に大臣に御質問させていただきます。
 エネルギー・環境問題については、我が国が世界のリーダーシップをとって解決に当たることが環境対策先進国としての責務であるとともに、また国際社会への貢献が重要な課題となっておるこのとき、我が国にとって大変前向きに進めるべき万策ではないかというふうに思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。

#51
○国務大臣(森喜朗君) 我が国は、昭和四十年代以降産業公害問題あるいはエネルギー問題を経済発展を達成しながら克服してきた、そういう意味では大変貴重な世界でも有数な経験を有している国、こういうふうに申し上げていいのではないかと思います。こういう経験と高度な技術力や経済力を生かしながら、人類共通の課題でございます地球環境問題の解決に向けてみずから率先して一層の省エネルギーの推進やエネルギー・環境技術の開発に取り組むとともに、さらに発展途上国に対しましてこの日本の得た技術の技術移転などによって地球環境の保全に努めるということは、これは国際貢献の観点からいいましても極めて重要であるというふうに認識をいたしております。
 このような観点から我が国といたしましては、エネルギー・環境技術の開発、その発展途上国等への移転により、長期的かつ地球規模での経済発展と環境保全の両立を目指すべく、そのための具体的なプログラムでございます地球再生計画につきましてサミットなどの場所で提唱してきておるところでございます。
 我が国といたしましては、環境・エネルギー対策先進国として、先ほど沓掛先生おっしゃっておられますように、また各委員の皆さんがお話しになっておられますように、かけがえのない地球を将来の世代に引き継いでいくという大変崇高といいましょうか壮大な責任を我々は持っているわけでございまして、今後ともエネルギー・環境分野における国際的な貢献に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
 大変大きな目標と同時に大変大きなまた予算も必要になってくるかと思いますが、沓掛委員は昨年通産政務次官としてこうした問題に大変積極的にお取り組みをいただきまして、御郷里でソーラーカーのいわゆるイベントをなさったわけであります。私にとりましても郷里でございまして、あれはあのまま一年で置いておくというのはちょっともったいないな、こう思っております。さっき長官から申し上げておりますように、こうした太陽熱の研究はさらに推進をしていかなきゃなりませんが、その地域全体が取り組んだ協力に対して通産省は十分心にとめておられるということであろうと思いまして、私からさらに引き続き石川県でやったらどうかということはやっぱり言うべきことではないわけでありますが、従来のことを十分考えてこれから取り組んでいただけるのではないか、このように期待をいたします。
 商工委員会の与野党の先生方にこうした問題に引き続き御指導、御鞭撻、御協力いただきますようにお願いを申し上げて、答弁にかえます。
#52
○委員長(斎藤文夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時一分開会
#53
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案並びにエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#54
○峰崎直樹君 私は、日本社会党・護憲民主連合の峰崎委員でございます。森通産大臣とは初めての委員会の場でございます。今後とも、新米でございますので、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。
 私ども同僚の谷畑委員の質問に対しまして、アメリカへ行ってこられまして、日本が先輩国だ、これからは日本に見習わなきゃいけないという御発言があったということをお聞きしました。実は私は、北海道でまだ国会議員になる前に旧ソ連邦の国際関係研究所の研究員の方と議論をしたことがございます。そのときにもソ連邦として、ゴルバチョフの時代でございましたけれども、市場経済化を目指すに当たって本当に日本の経験というのは大変重要だ、ぜひともこの経験に学びたいんだ、こういう実は提起がございました。
 改めて先ほど、アメリカまでも実は日本の産業政策、経済政策に学ばなきゃいけないということを聞きまして、かつて米ソの二超大国と言われている国々が、いずれもやはり今経済の問題で本当にどうしたらいいんだろうかということで大変大きな問題に直面している。そのことを考えたときに、私は一面、日本のこれまで経済大国になったその大きな成果というものを、これ決して外国に対して自慢をするということではなくて、何とかこの戦後日本の経済政策に果たした通産省あるいは各省庁の経済政策というものを本当にやはりある程度抽象化をしながら一般化をしていく必要があるんじゃないのか。
 つきましても、実は私の先輩議員は対馬孝且参議院議員でございました。実はこの日本の経済発展の中で、今これから議論になりますエネルギー問題、石炭から石油への大転換というものがございました。その過程において働く炭鉱労働者の大変大きな苦痛があったわけでございまして、それらのことも踏まえて私たち自身、これからエネルギー問題に対処していかなきゃいけないんじゃないのか。これからの通産政策あるいは産業政策に当たって、私も、ぜひとも世界に通商国家として生きる日本としてそういったものをつくり上げていかなきゃいけないな、こんな思いを冒頭申し上げておきたいというふうに思うわけでございます。
 さて最初に、エネルギーの長期需給見通しの問題がございました。もう今さら午前中の質問を繰り返す必要は、私はないかなというふうに思っているわけです。いずれにせよ、一九九〇年に策定をいたしました政府の長期エネルギー需給見通しというのはこれはもう大変困難な状況になっている。しかし、通産省の御意向ですとこれを全力を挙げて実現をしていくんだということで、改定す
るというような意向はまだ示されていないわけでございます。
 そこで、私は供給面の問題について最初にちょっと質問してみたいなと思います。
 供給面において実は原子力、長期エネルギー需給見通しによれば、西暦二〇〇〇年には原子力を三千三百億キロワットアワー、単価にしますと五千五十万キロワット、そして二〇一〇年には七千二百五十万キロワット、こういう目標を立てておられるわけでございます。この見通しについて、実現の展望という問題について最初に御答弁をいただければ幸いでございます。
#55
○政府委員(黒田直樹君) 原子力発電所の目標についての御質問でございますけれども、現状では稼働しております原子力発電所、全体の設備規模では今三千四百四十万キロワット程度でございます。それで、現在これに建設中のものを加えますと大体四千五百万キロワットになるわけでございまして、さらに建設準備中のものを加えますと四千六百万キロワット、この程度が今確保されているもの、こういう状況でございます。
 それで、今おっしゃいましたように、私どもとしては二〇〇〇年にはできれば五千五十万キロワット、二〇一〇年には七千二百五十万キロワット、こういう見通しを持ち、かつ努力目標として設定いたしているわけでございます。先生御案内のように、原子力発電所の立地につきましては相当長いリードタイムがかかるというのが過去の実情でございまして、そういう意味で二〇〇〇年という七、八年後の時点を考えますとかなりこの五千五十万キロワットというのは難しくなっていくことは事実だと思います。ただ、二〇一〇年の七千二百五十万キロワットについては、これはまだ相当時間があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後とも地球環境問題等を考えますと炭酸ガスを排出しない非化石エネルギーのウエートを高めていくことが重要であるというふうに考えておりまして、午前中の議論にもございましたけれども、経済性といった意味あるいは量的な供給力としての確保の必要性等を考えますと、やはり原子力というのが今後とも主力になっていくことになるだろうというふうに見通されるわけでございます。確かに二〇〇〇年という時点をとって考えますと、この目標というのは非常に難しい状況になってきていることは事実でございますけれども、ただこの二〇〇〇年が一年超えたらすべてが終わりという問題ではございませんので、そういう意味で私どもは、この見通しの達成に向けてぎりぎりの努力をしていくことがまず先決であろう、こういうふうに考えている次第でございます。
#56
○峰崎直樹君 日本で最初に原子力発電が行われましてほぼ二十年か三十年とかと言われておるんですが、これについてそろそろ寿命の尽きたといいますか、そういう原発は二〇〇〇年までにどのぐらいあるんですか。
#57
○政府委員(黒田直樹君) 今先生原子力発電所の寿命が二十年から三十年とおっしゃったのですが、私どもは三十年から四十年ぐらいというふうに考えておりまして、したがって廃炉の問題が具体化してくるのは二〇〇〇年以降であろうというふうに考えております。
 それで、恐らく一番古いものからというふうに考えれば、その段階ではやはり非常に小規模なもの、要するに立地の初期の時点のものであろうと思われますので、そういう意味からいうとそれほど大きなウエートではないものというふうに考えております。
#58
○峰崎直樹君 しかし、いずれにしても二〇一〇年になりますとそろそろ廃炉が出てくる。そうするとその後には、じゃ同じ敷地の中に原発をつくるということを考えておられるんでしょうか。この点はいかがですか。
#59
○政府委員(黒田直樹君) 廃炉の問題につきましては、今の原子力開発利用長期計画におきましては、当面まず密閉管理をいたしましてその後に解体撤去するというような方向が示されているわけでございまして、恐らくそういう形になろうかと思いますが、その後に新しくまた同じものをつくるのかどうかという点については今後の課題であろうというふうに理解をいたしております。
#60
○峰崎直樹君 どうも私は、二〇一〇年、こういう将来の先のことでございますけれども、これからの技術開発あるいは廃棄物の問題等なかなか厳しいんじゃないかなと。
 実はきょう、これは所管は通産省ではございませんけれども、総理府の「原子力に関する世論調査」というのが一九九〇年九月に実施されております。そこの問いの中で、実は「我が国では、現在総発電電力量の約二六%が原子力により賄われており、それは我が国で使用する全エネルギーの約九%に相当します。今後、我が国では原子力発電をどうしたらよいと思いますか。」と。かなり事実を書いているといえばそうなんですが、こういう質問をした上で、答えの中で、積極的にふやしていく方がよい四・八%、慎重にふやしていく方がよい四三・七%、これを合わせますと四八・五%でしょうか。あとの答えはやめますけれども、どうも慎重にふやしていく方がいいというときに、その「慎重に」という表現が果たして答えとして適切なのかどうかなと。
 じゃ、おまえはどういう答えならいいのかということについて、いい案持っているわけじゃありませんけれども、これでいくと慎重にやってもらいたいなという意味は、原子力の問題は国際的に見てもチェルノブイリもあった、スリーマイルもあった、そういう意味でどうも総理府の設問というのはもう少し何か工夫が要るんじゃないかなという思いをしているわけです。しかし、いずれにしても安全性という問題はこれからもやはりしっかり組み立てていかなければいけないんじゃないのか。そういう意味でこういう設問内容、世論がどういう状況にあるかということをつかむに当たって少し工夫をしていただきたいというふうに思います。これは直接答弁は要りません。
 さて、今原発のお話を申し上げましたけれども、もう一つ我々がエネルギーの将来的な供給問題を見たときに、水力発電の問題をちょっと触れたいと思うわけであります。
 水力につきましても、同じ長期エネルギー需給見通しの中で、八八年度の実績が二千三十万キロワット、そして二〇〇〇年が二千二百七十万、そして二〇一〇年が二千六百二十万、約二十年間の間に五百万キロワット以上の増設をしようということなんですが、どうも最近の情報によりますと、一万キロワットの設備をつくるのももう大変厳しいというような状況を聞いているわけであります。このような点について、特に私は労働力問題というのがネックになるんじゃないだろうかと思いますが、この水力発電の見通しについてもしありましたらお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(黒田直樹君) 炭酸ガスを排出しない、かつ本当に純粋の意味での国産エネルギーという意味での水力発電の重要性、先生御指摘のとおりだと考えております。私どもとしてもこれできるだけ推進したいということで、今おっしゃったような二〇一〇年に二千六百二十万キロワットという設備容量を想定いたしているわけでございます。
 水力発電につきましては、先生御案内のように、我が国では昭和三十年代の前半までは水力主体であったわけでございますけれども、電力需要の非常に大きな伸び、あるいは石油の出現ということでその後大きくウエートとしては落ちてきているのが現状でございます。今先生御指摘ございましたように、最近では、やはり経済的にいいところというのはもうかなり開発し尽くされてきている感があるわけでございまして、私どもの感覚では大体七割弱が開発されている、こういうのが現状でございます。
 それで、今申し上げましたような数字になっていくためには大体五、六百万キロワットの水力を開発していく必要があるわけでございますから、一年当たりで単純に計算いたしますと二十五万キロワットぐらい開発していかなきゃいかぬという
計算になるわけでありますけれども、この数年の実績という意味におきまして大体年間七、八万キロワットぐらいというのが現状でございます。かつ、今先生おっしゃいましたように、一つ一つの地点の容量というのも数千キロワット規模というのが平均的な規模でございまして、そういう意味でなかなか難しい状況になっていることも事実でございます。
 ただ、今申し上げましたようにやはり非常に炭酸ガスのないクリーンなエネルギーであり、かつ国産のエネルギーでございますのでできるだけこの建設を促進するように、私どもといたしましては、卸売の電気事業者であるとかあるいは公営の電気事業者等が行います中小規模の水力開発につきましても、建設の段階で一定の補助をするなど促進策を講じてきているところでございます。
 かつ、たまたま我が国で水力発電所が初めて運転を開始しましてからちょうど去年で百年になるわけでございまして、ことしは百一年目に当たるわけでございます。そういうところから、私ども水力新世紀計画というのをつくろうということで現在いろいろ勉強をいたしているところでございまして、そういう中で今後も促進策というものにも力を入れていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#62
○峰崎直樹君 一つ一つ挙げていくとちょっと時間なくなるんで、何がおまえ言いたいんだというところに早く持っていかなきゃいけないなと思っているんですが。
 今原子力の問題も、非常に厳しいけれどもこれからも頑張る。今水力の問題も、なかなか過去の趨勢からいくとこれから伸ばすの大変だなと。そして私は、新エネルギーという問題についても、実は先ほど谷畑委員もおっしゃいましたように、太陽光とかあるいは風力だとか、これから頑張らなきゃいかぬし、またクリーンなエネルギーだということで期待をされているものもあるわけでございますが、しかしこれとても恐らく将来二〇一〇年まではまだ見通しとしては構成比でいって約五・二%、まだ全体のエネルギーを賄うに足りない。恐らくもう石油はこれ以上ふやせない、あるいは石炭もこれも非常に排出するガスの問題だとかいろいろ問題が出てくる。
 そうすると、天然ガスというものが私はもっと重視をされ活用されてしかるべきではないのかなと。もちろん、これが全くCO2を出さないとかそういうことを言っているわけじゃないんですが、しかし従来の石油や石炭などに比べればいわゆる排出するガスの問題も比較的少ない、こういうふうに言われております。しかも、実は私北海道におりますけれども、サハリン沖の天然ガスの問題を含めて大変これは有望なんではないだろうか。
 そして、これは大臣にもお聞きしてみたいんですが、今日本列島を第一国土軸から第二国土軸ということで日本を発展させようというときに、エネルギーの問題、特にパイプラインをサハリンから北海道、そして本州を縦断させ、やがては朝鮮半島にまで回そうかというような、そういう壮大な展望もあるやに聞いているわけでございまして、この長期エネルギー需給見通しの中でそういう観点で今後どのように考えておられるか、少し御意見をお伺いしたいと思います。
#63
○政府委員(黒田直樹君) 今先生おっしゃいましたように、従来天然ガスというのは硫黄酸化物を出さないという意味におきましてクリーンなエネルギーということであったわけでございますけれども、最近の地球環境問題等に関連いたしましても、それ自体の燃焼という観点から申しますと石炭や石油に比して炭酸ガスの排出量は少ない。ただ、生産段階での排出量というものを入れるとどうかというような議論もございますけれども、少なくとも消費段階、燃焼段階ではおっしゃるように相対的に炭酸ガスの排出量が少ないエネルギーであろうというふうに考えております。
 そういう意味で化石燃料の中ではクリーンなエネルギー、こういうことで言われているわけでございまして、私どもといたしましても、長期エネルギー需給見通しの中でそのウエートの上昇をうたっているところでございます。現実に例えば発電所の問題等におきましても、このLNG発電所というのは近年計画としてもまたふえてきているのが現状でございます。
 ただ、いわゆる可採年数といいますか長期的な埋蔵量と申しますか、そういう観点から申しますと石油が今四十数年に対して天然ガスの場合には五十数年、こう言われているわけでございます。まず、日本の場合御承知のように国内では余りないわけでございまして、ほんの数%が国内でガスが生産されている。世界的な状況を見ますと、今先生御指摘のような有利性もございまして、需要も非常にふえていく状況にあるわけでございます。
 それで、この天然ガスというのは例えば価格の面で申しますと、従来油とリンクしてきているというのが現状でございますけれども、そういった世界的な需要の高まりの中で、日本が導入してくるような地域につきましてはだんだん条件が厳しくなってきているのもまた現実でございます。ただいま先生御指摘にございましたサハリン、いろいろな今プロジェクトが検討されておりますけれども、ここではいわゆる氷解技術というのが非常に重要になってくるわけでございまして、かなり厳しくなってきている。
 あるいは、今日本のLNGの半分はインドネシアに依存しているわけでございますけれども、今日本に供給しているガス田というのは今世紀末までが大体今の能力でできるけれども、二十一世紀に入りますと急減してくるわけでございます。例えば、今現在それにかわるプロジェクトとして、ナツナというところでのLNG用発のプロジェクトがいろいろ検討されているわけでございますが、この場合には炭酸ガスが七五%ぐらい含有されているわけでございまして、したがってガスを取り出すときに七五%分の炭酸ガスをまた海の中に埋め戻してやらなきゃいかぬといったような技術も必要になってくる。これ一例でございますけれども、かなり天然ガスというものも供給条件が厳しくなっていることも現実でございます。
 それから他方で、今先生おっしゃいましたように、サハリンから日本ヘパイプラインというのはこれは一つのあり得るあれでございますけれども、日本の場合は何といっても島国なものですから天然ガスを送ってくる場合にはLNGという形で持ってくるのが今まで常態でございまして、したがって天然ガスの液化を生産地で行い、需要地日本ではこれをまた気化して使うといった大規模な投資もまた必要になってくるわけでございまして、そういったコスト面の問題もあります。
 いずれにいたしましても、そういうことでいろいろな問題はあるわけでございますけれども、一つのクリーンなエネルギーでございますので、今後ともその導入の促進に努力をしていきたい、このように思っているところでございます。
#64
○国務大臣(森喜朗君) 私にも、いわゆるロシアの天然ガス、石油、どう思うかということでございます。
 今回アメリカへ参りましたときにも、ベンツェン財務長官に申し上げたことでございますが、やはり今のロシアの一番大事なことはルーブルの価値が全く下がってしまっている。したがって、諸外国への返済をしなければならないお金もほとんど返済できない状況になっている。そういう中でさらに援助をしろ、食糧を出しなさい、お金を出しなさいと言っても、果たしてそれが実効が上がるのかどうか。
 そういうことを考えてみますと、先ほど先生がきょうの御質問の冒頭に申されましたように、我が国の戦後の発展というのは最初は何だっただろうか、やっぱり最初は食糧をいろんな国々が援助してくださったことだと。その次は、やっぱりエネルギーというものを完全に備えたということだろうと思います。
 そういう意味で、サハリンのお話も今黒田長官との間に出ておりましたけれども、やはりソビエトは、今一番私ども心配するのは、いわゆる外貨
を獲得するその半分ぐらいだという石油と天然ガスの開発がどんどんおくれているわけです。おくれているというよりも、恐らく非常にその採掘能力が落ちてしまっているようであります。ですから、そういうところを日本が援助することによってロシア自身もまた外貨を獲得することにもなる。財政的にもよくなる。そして、日本がいろんな意味で信用を保証してあげる。これはアメリカ、日本と協力して石油や天然ガスの採掘の協力をしてあげるということが、今日本の国がロシアを支援する意味では一番いい方法ではないだろうか、まあこんなことも考えながらアメリカにもそのようなお話を政府にも申し上げてきたところでございます。
#65
○峰崎直樹君 もう時間が大分なくなりました。
 ロシアの安定というのは、恐らく世界の平和にとって、あるいは世界の経済にとっても、日本のこれからの帰趨にとっても大変大きいことだと思いますので、ぜひともこの点における御支援策の強化もお願いをしておきたいというふうに思うわけであります。
 さて、供給問題ではなくて、実は今回のはエネルギー需給構造高度化ということで、需要面における省エネなどなどについて、リサイクルなどについて法案が提起されているわけでありまして、若干法案に即してお話を聞いてみたいと思うわけです。
 実は今回、省エネルギー努力の強化ということで、工場なり建築物なり機械器具なり、ある意味では改正をされているわけです。
 これまでの省エネルギー法、そのことによってどのような成果があったのか。ついては、ここで書いてあります、例えば今までありました勧告だとか、そういうものはこれまで一件も省エネ法のもとではなかったというふうに聞いているわけです。なかったから全く効果なかったというわけじゃないんでありますけれども、もし簡単にわかりましたら、そういう成果について少し簡潔にお願いしたいと思います。
#66
○政府委員(黒田直樹君) 省エネ法の過去の実績あるいは成果でございますけれども、五十四年にこの法律が制定されて以降、この法律に基づきまして、今のカテゴリー別に申し上げますと、まず工場につきましては、この法律に基づきます事業者の判断基準の策定、公表を行い、かつ事業者に対していろいろな指導、助言等を行っているところでございます。また、一定以上のエネルギーを使用いたしております指定工場につきましては、エネルギー管理者等が置かれているわけでございます。この判断基準の内容がどれぐらい遵守されているかという状況につきましては、これ項目によっていろいろ違うわけでございますが、全般的に申し上げまして、八、九割程度は守られてきているというのが今までの状況でございます。
 それから、建物につきましては、やはり建築主の判断基準を策定、公表するということで、住宅、事務所、店舗、ホテル等についてガイドラインが策定されてきておりまして、必要な指導、助言等が行われております。これにつきましても、建設省の調査で、建設省の求めに応じてデータを提出してきたところを見ましたところでは大体九割方が守られているというのが現状のようでございます。
 それから、特定機器につきましては、過去にガソリン、乗用車、エアコンと電気冷蔵庫について判断基準が策定されてきたわけでございますが、これはすべて判断基準の目標が達成されているということでございます。
 これを踏まえまして、現行法の運用の中でも例えば昨年、住宅についての基準を変更するとか、あるいは自動車につきましてもさらに二〇〇〇年の目標を設定するとか、いろいろな運用が行われてきているところでございます。
 こういった省エネ法の運用、それからこのほかにいろいろな低利の融資であるとか、税制等の措置も省エネ関係で講じられてきているところでございまして、こういった成果、そして産業界等での御努力が相まちまして、我が国のいわゆるGNPの原単位、GNP一単位を生産するのに必要なエネルギーの消費量というのがちょうど第一次オイルショックの一九七三年から一昨年度の一九九一年度までの間に約三八%、原単位という形で改善されてきております。
 ちなみに、国際的に見ますと、エネルギーのこのGNPの原単位、あるいは一人当たりのエネルギー消費量というものをとってみますと、OECD諸国平均を一〇〇といたしまして日本の場合このGDPの原単位は六六、それから一人当たりのエネルギー消費量では七三ということでございまして、OECD平均よりも総じて三割方立派な省エネをやっている。要するに世界に冠たる省エネ国である、こういうふうになっているのが現状でございます。
#67
○峰崎直樹君 いろいろ聞いてみたいわけでございますが、部門別に一つ一つ聞く中で特に運輸部門についてちょっとお聞きしてみたいと思います。
 エネルギーの原単位のお話をなさいましたけれども、省エネルギーの実績を見たときに、例えば自動車の燃費の問題も含めてやはり運輸部門の成績がいまいち進んでないんじゃないかなというようなイメージを持つわけでございます。実は、交通機関別のエネルギー効率を見たときに、鉄道、船舶というものが非常に効率が高くて、そしてトラックだとかあるいは乗用車というのはエネルギーの効率が非常に悪いというデータが出ているわけでございます。
 この点について、俗にモーダルシフトというふうによく言われているんですが、これ日本全体なべてじゃなくて大都市において、私は、乗用車あるいはトラックというのは、もちろん必要なトラックの輸送、物流というのは不可欠の分野がありますけれども、もっと大量交通機関というものにやはり大都市の場合にはもう依存せざるを得ないんじゃないのかというふうに考えておりますが、この点はどうでございましょうか。
#68
○政府委員(黒田直樹君) 運輸プロパーの問題というのは私どもの所管ではございませんけれども、エネルギーの効率という面から考えました場合には、おっしゃるように、大量輸送機関という方が効率がいいようでございます。したがって、私どもも事務次官ベースで省エネルギー・省資源対策会議というのを設けておりますけれども、毎年夏と冬の省エネルギー対策というのをそこで決定いたしているわけでございますけれども、そのような決定がなされているわけでございます。
 ただ、今のような旅客にしろ荷物にしろ、これからそういったものを進めていくためには、もちろん公共輸送機関の整備ということも重要でございますし、そういった今おっしゃったような形での啓蒙というのも必要かと思います。そういう意味で、今後とも関係省庁と協力しながら、私どももエネルギー効率の向上に努力していきたいと考えております。
#69
○峰崎直樹君 ちょっとここで、省エネという観点で妥当かどうかわからないんですけれども、きょうは運輸省の方にもちょっと来ていただいているわけでございますけれどもお聞きしてみたいんですが、かって大深度地下利用ということがうたわれたことがございますね。一九八八年ごろじゃなかったかと思うんですが、それはもう技術的には可能な状況になっているんでしょうか、ちょっとお聞きしたい。
#70
○説明員(白取健治君) 大深度地下鉄につきましては、いわゆる技術的な点につきましてはいろいろ検討を行いましてほぼ間違いはない、できるという状況に至っております。ただ、いろいろ調整の問題等がありますので、現在具体的には進んでおりませんけれども、技術的にはほぼ間違いなくできるということになっております。
#71
○峰崎直樹君 その話をちょっと私がしましたのは、今申し上げましたように大都市、特に東京だとか関東近辺において今大変交通、通勤地獄でございますし、私も時々利用させていただく高速道路に至っては、これは高速道路じゃなくて、何か渋滞をしていると巨大な駐車場になっているん
じゃないのかというふうによく批判されることがゐるわけです。
 その意味で私は、やはり省エネということを考えたときにも渋滞をするというのはエネルギーを大変多く使うんだそうでございますけれども、そういう自動車輸送の効率性ということだけじゃなくて、いわゆるモーダルシフトというものを考えていくときに、そのような大深度開発、もちろん地下鉄もそうでしょう、道路もそうでしょう、そういうものがもっとやはり進められてしかるべきではないかというふうに考えるんですが、この点、いかがでございましょうか。今技術的なお話を聞いたんでありますけれども、ちょっと質問を事前に十分伝えていなかったので、もしどなたか答えていただければと思うんです。
#72
○説明員(白取健治君) 鉄道の立場で言いますれば、大深度を利用するというのは非常に効率的でもありますし結構かと思いますが、地下の利用につきましては、鉄道のみならず、道協でありますとかその他いろいろな部門での利用が考えられますので、その辺の調整あるいは法制的な問題、これらが解決されれば利用されるんではないか、あるいは利用するのが適当ではないかというふうに思っております。
#73
○峰崎直樹君 事前に十分な通告をしてないで大変恐縮だったんですが、しかし今のお話を聞いてみますと、どうもこれは運輸省だけでなくて建設省にも絡んだり、あるいは通産省に関係するのかどうかわかりませんが、そういう省庁間の中はまだ意思統一ができていないからそういうものが進んでいないんじゃないのかというふうにも言われたりしているんです。
 実は大臣、こういうことを今新社会資本という概念で見たときに、私は北海道の出身ですが東京にも十何年間住んだことがございますが、本当に今こういうものをつくっていくべきときに来ているんじゃないか。しかも、これはエネルギー対策上も大変重要なんじゃないかということを考えたときに、もっとそういった点に政治はこたえていくべきじゃないかと思うんですが、その点、意見等をお伺いしたいと思います。
#74
○政府委員(堤富男君) 大深度の利用というのは各省庁かなり熱心に研究した時代がございます。それで、技術的には解決できたもの、地下鉄のようにできたものもありますし、まだその下で発電を行うとかあるいは蓄電を行うとか、そういうような議論もしたこともございます。ただ一方で、これは民法の土地所有という制度の問題とか、天は天心、地は地心まで所有権という考え方の中で、どこまでを制度的な例外とするかというようなこともございまして、私の記憶が間違いでなければ、内政審議室でこれからの制度論も含めまして検討をしているということだと思います。
#75
○峰崎直樹君 ぜひともそういうものは本当に必要なものというか、二十一世紀を前にして今やはりやるべき時期だというふうに思いますので、解決をする必要があるんじゃないかと思うんですが、もう一点ちょっと関連してお聞きしてみたいと思うんです。
 これは財源の問題なんですけれども、道路財源というのは御存じのように特定財源になっておるわけなんです。これはしかし、今このように大都市部において道路というものをこれ以上中心になってふやすことができないときに、本当に交通運輸体系という全体を考えてみたときに、今のエネルギー問題とも絡むんですけれども、そういう特定財源化していることについて、鉄道だとかあるいは地下鉄もそうでございますが、そういうものにもやはりそういう財源から使えるようにしていかなきゃもう財源的にもなかなか大変厳しい状況になっているんじゃないか。そんなふうに思うので、この点はこれは事務方の方よりむしろ大臣の方に、そういう今後のあり方についてもし見解があればお聞かせいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(森喜朗君) 財源をどうするかというのは、これまたセクショナリズムで言えば私の判断をすべきところではないわけでありますが、この委員会でも私が御答弁申し上げたし予算委員会でも申し上げたんですが、公共事業の財源というもののあり方、配分というものはやはり検討していかなければならぬ時期が来ておるというふうに私は思います。私は、そう言いますと従来の公共事業の予算を持っております建設、農水、運輸などは何を言うかと、こうなりますから、今までのものは今までのものとして大事だけれども、新たなものを考えていく必要があるでしょう、こう申しているんです。
 先生は選挙区選出でいらっしゃるわけですが、北海道の御出身。北海道の皆さんには、大変大きな課題は新幹線問題。私も北陸線抱えているわけですね。そうしますと、鉄道整備基金という制度をつくり上げたわけですが、ここへの財源がないわけです。いろんなことを今考えております。
 実は、ヨーロッパの方もECは、自動車道路よりもこれからやっぱり域内は鉄道だろうということで、新幹線構想が俄然クローズアップしているんですね。私は昨年ドイツヘ参りましたときにも、これは与野党皆さんで行って伺ったんですが、その財源どうするんですかといいますと、今まで無料であったドイツのあのアウトバーンから実は通行料を取ろうとしているんですね。そのお金を鉄道へ回すというんですが、これは日本ではなかなか考えられないことなんです、全く所管が違うものですから。
 しかし、そこまでドイツなどは考えているということを考えてみますと、そういう意味では新しい鉄道整備基金という制度をつくった以上は、そこに対する資金をどう充当していくか。公共事業の新しい仕組みの中に、今我が党の方は整備新幹線の建設促進を少し早めようということなども考えているところでありますが、いずれにしても公共事業の財源というものをどのようにしていくかというのは、これはやっぱり大きな政治的なテーマだろうというふうに私は思います。
#77
○峰崎直樹君 どうもありがとうございました。
 実は、もう残された時間五分しかございませんので、ちょっとまた飛んでしまいますけれども、サマータイムの問題についてお伺いしたいと思います。
 サマータイム制度の導入について、これは審議会等では検討して議論すべきだということになっているようでございます。国際的にもOECD各国でほとんどサマータイム制度が導入されているやに聞いています。日本でも戦後、サマータイム制度が導入されたこともございます。それらの経験を踏まえて、ぜひその点についての評価をお聞きしたいなと思います。
#78
○政府委員(黒田直樹君) 今御指摘のように、我が国に昭和二十二年からサマータイムが実施されまして、二十六年までで廃止されているというのが事実関係でございます。サマータイムの導入を省エネのためにすべきだというような御議論もございまして、結論的には先生おっしゃいましたようにもう少しよく勉強していきたいということでございます。
 若干今までの議論等を御紹介いたしますと、平成二年六月に先ほどの長期エネルギー需給見通しをつくる過程で、やはり省エネルギー部会というところでサマータイムについてもいろいろ勉強したわけでございますけれども、省エネ効果という観点からいいますと、これ直接的なものばかりとらえるものですから、例えば冷房需要がどれだけ減るだろうとか照明需要がどれだけ減るだろうというような計算をしてしまいますと、実はそれほど大きな量にはならない。その当時の計算では原油に換算して三十万キロリッターぐらいだろうというような試算も行われているわけでございます。
 ただ、いろんな御議論の中には、先ほど来国民の皆さんを啓蒙する必要があるという議論との関連で、そういうことが行われることによって省エネマインドもまた出てくるのではないかというような御議論もあるわけでございまして、そういった議論も本当に重要な御指摘ではあるというふうに思っております。ただ、この問題、エネルギーの需給だけの問題ではもちろんないわけでござい
まして、例えば労働強化につながるんじゃないかというような御意見も一面にはありますし、あるいは国民生活のいろんなところで影響してくるわけでございます。したがいまして、広い視野に立って引き続き検討をしてまいりたいと考えております。
#79
○峰崎直樹君 世界のサマータイム制度を導入している中で、アメリカとカナダとオーストラリアは、実は州によっては導入しているところと導入しでないところがある。そういうところで例えば交通機関なんかは、時間飛んだときに一時間遅いところと本当にうまくいっているのかな。サマータイム制度を導入すると社会的にも大きな影響を与えると思うんですが、そういうある一地域だけサマータイム制度が入っている入っていない、そのことに伴う弊害は十分克服されているんですか。そこら辺もしあればお願いします。ありませんか。
#80
○政府委員(黒田直樹君) もう少しその辺はよく勉強いたしたいと思っております。
#81
○峰崎直樹君 と申しますのは、どうもこのサマータイム制度というのは高い緯度のところが非常に有効だというふうに、私も北海道に住んでいまして、朝早く明けるんですね。夏場ですとゴルフなんか三時半ぐらいからできるということで、夜中の七時過ぎまで四ラウンド回ったという、これは女性の方でいらっしゃるんですけれども、ギネスブックものだと思うんです。しかし、それぐらい実はこの北海道の場合は大変光といいますか、エネルギーをたっぷり受ける時期があるんですね。
 そうすると、その一地域だけでもサマータイム制度を導入したらどうだろうというんで北海道庁が大分検討したんです。どうも省エネ効果という点では少ないのじゃないのかというのが実態だったんです。ただ、第二次世界大戦直後に労働強化になるとか、特に酪農家にはちょっと大変なのかなというふうによく言われていますけれども、しかし今やはり余暇の時代、こういう時代ですからひとつ北海道だけでもこのサマータイム制度を導入したらどうなんだろう、そういう声が上がってきているのでございます。今申し上げました三つの国はたしか州ごとに違うシステムをとってますので、もし調査をしていただいて教えていただければ大変幸いかなというふうに思います。
 何か地域的な要望になっちゃいましたけれども、もう与えられました時間も終わりに近づいたわけです。
 いろいろなところでエネルギーの需要供給をずっと見てまいりまして、私はがきは何だろうかなというふうに思ったときに、一つは大規模に大量にこれまでエネルギーを供給するというような、そういう仕組みだけではもう不十分じゃないかな。実はコジェネの問題も聞きたかったし、スーパーごみ発電の問題だとか、いろいろたくさん今工夫が凝らされていると思います。ですから、私はそういう分散型のエネルギーというんですか、そういうものあるいは新エネルギーというものにやはりもっと力を入れるべきじゃないのかな。予算を見てみますと、原子力関係の開発に関する予算というのは随分投下をされているんですが、非原子力といいますか、そういった分野における開発というのは非常に少ないんじゃないのかなというふうに思っていまして、そこら辺私はもう少し力を入れた方がいいんじゃないだろうかというふうに思っています。
 最後になるんですが、私はこの二法案、恐らく通産省を中心にしてもう本当に努力をされてつくられたものだというふうに思うんですが、しかしこれは大変厳しいということもまた先ほどいろんなやりとりの中で出てきたところです。そうした場合に、やはりもっと引き上げていくときにいろいろ考えてみると、実は第一次オイルショックの後に、あるいは第二次オイルショックを経て非常に省エネが進んだわけです。それだけに経済的なインセンティブといいますか、先ほどCO2での問題は私も非常に高くなるということはよく存じていますが、あるいはまた世界的にもやらなきゃいけないということもよく存じているんですけれども、ぜひともこういう問題についてやはり国民全体がああこれは大変だなという意識を持つにはそういう経済的なインセンティブというものが、インセンティブというのは支援だけじゃなくて、いろいろ必要だというふうに思うんです。
 この点についてやはり将来的にぜひそういうことを採用してもらえないだろうか、採用すべきじゃないだろうかということについての御意見を伺って最後にしたいと思います。
#82
○政府委員(堤富男君) 環境税の問題につきましては先ほど御説明しましたように非常に高率になる、国際的な関係があるというようなことがございますが、通産省三審議会を合同でやりました結論といたしましては、今後引き続き十分かつ慎重に検討を続けるという考え方になっておる次第でございます。
#83
○国務大臣(森喜朗君) いろいろと新しい御提案をいただきました。非常に参考になります。それからまた、今堤局長申し上げましたけれども、太陽にいたしましてもやはり地熱にいたしましても、まだ不確実性もございますし、それからやはり経済的に非常に多くの研究費をかけなきゃならぬという面もございます。
 先ほど午前中の御質問に出ておりましたけれども、いわゆる核融合なども、実を言うと私は自民党の核融合の議員連盟の会長というのをやっているんです。あんまりわからぬくせにやっているんですが、いつも人に説明をするときには、あのすごい太陽をみんなの力で地上に一つつくろうよと、その金なんですよと。それは相当先ですねと言うから、それは百年かかるか二百年かかるかわからぬが、それを二、三十年でやろうやということを申し上げているんですが、こういうものに対する科学研究費というのは非常に私はやっぱり重要だというふうに考えております。
 先ほど地下のお話もございましたが、我が党の中にも原子力発電は地下にしたらどうなのかというような意見の研究も、まあこれは余り通産側は喜んでないんですけれども進めておるわけでございます。
 それから、きょうはサマータイムがよく出る日だな、こう思いましたのは、実はさっき私、お昼、いつもの日程なんですが政府・与党首脳会議というのがございまして、自民党の政調会長が、実は一番お金のかからない景気対策は幾つかあるがその中の一つにサマータイムがあるということをいろんなところで聞いてきましてね、というお話をされておりました。私は、そういう意味で余暇をつくっていくということも非常に大事なことでありますし、それがまた新しい需要を創出していく社会の一つの転機にもなるんじゃないかな、こう思いまして、サマータイムもちろん北海道だけではなくて、私はぜひ早急にみんなで検討していく大事なテーマだなというふうに考えました。
#84
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
#85
○浜四津敏子君 一九九〇年に策定されました地球温暖化防止行動計画に基づきましてこれまで政策的対応を進められてまいりましたが、二酸化炭素排出量抑制政策の手法としましては三つの手法が検討されてきた経緯があると思います。総量規制によるのかあるいは税、課徴金によるのかあるいは融資、補助金によるのか、この三つの方法のうち、それぞれ一長一短があるかと思いますけれども、どれが適切なのかをめぐりまして各省庁間で意見が分かれていたというふうに理解しております。
 今回結論としては、融資、補助金による手法に落ちついた、その背景と経緯についてお伺いしたいというふうに思います。
#86
○政府委員(堤富男君) まず、おっしゃった意味での三つの手法ということで、規制による手法あるいは税金、課徴金による手法それから助成による方法という三つのカテゴリーがあったことは事実でございます。それぞれにつきまして、一九九〇年のレベルを二〇〇〇年に達成させるための安定化の施策としてどれがいいかという議論を審議会等でやりました。
 必ずしも、各省の間で意見の差があったというふうには私は理解しておりませんが、規制につきましては、いずれにいたしましても排出する人の数が大変多くて、これを規制いたしますと一体幾らにしたらいいのか、守っているかどうかをどのように監視したらいいのかということで、法律上の執行自体が非常に難しいということに加えて、コストが非常にかかるということがあるわけでございまして、規制による方法は各国ともなかなか難しいという考え方が基本的にあったかと思います。
 一方で、規制ができないんであれば税金はどうかという議論があったわけでございますが、税金をかける場合にも、先ほど申し上げましたとおり目的が達成できるほどにかなりの量をかけますと非常に率が高くなる。それから、各国が足並みをそろえてやる必要がある。しかも、現在各国のエネルギーに対する課税は非常にばらつきがございますから、それをどうしたらいいんだろうかということで、この点につきましてはOECDで今勉強しているところでございます。三月末で一応の報告書がまとまったという報道がございますけれども、実はさらにこれから二年間勉強をしないといけないほどいろいろ実際の税、課徴金についてのやり方は影響が非常にあるのではないか。
 例えばOECDで七二%かけた場合、日本の成長率は恐らく一%ぐらいダウンするおそれがあるんではないかというような試算もございまして、成長と環境とをどういうふうに考えたらいいかという点にまで入って大変重要な問題だろうという気がしております。そういう意味で、結論的な考え方といたしましては、税については今後も検討するということを再三申し上げておりますが、そういう考え方で将来の検討課題にさせていただいておるというところでございます。
 最後に、今回の二つの法案の基本的な考え方でございますが、助成ということだけではございませんで、まず第一に明確なガイドラインをしっかり示してどちらに向かうことがいいんだ、悪いんだということをまず示すということが第一点でございます。
 それから第二点は、その中でガイドラインに示されたいい方向に向かっていく場合には助成策、しかもそれも従来にない大変恩典度の高い助成策を講じておる次第でございます。
 一方で、全体が努力している中でその努力を無にするような場合には、従来公表、勧告というような考え方がさらに命令までいけるという意味の管理強化という点もございます。
 あわせまして、こういうことをやっていく上ではどうしても民間の自主性が非常に重要だということで、昨年十月、八十七団体に対しまして省エネあるいは環境問題についての各企業の取り組みを計画的にやっていただきたいということをお願いした、自主的な取り組みをベースにしたということでございます。
 ガイドライン、それから助成、それから管理強化、あわせて自発性の強化ということで、全体として省エネルギーを進めていくという体系になっている次第でございます。
#87
○浜四津敏子君 平成二年に掲げられました目標の一つとして、先ほどから出ております非化石エネルギーへの依存度を高める、こういう目標が掲げられております。そのうちの一つ、原子力発電、この原子力発電所の立地が大変厳しい状況にあるというふうに理解しておりますが、その原因はどこにあるというふうにお考えでいらっしゃるのか。
 安全性等につきまして情報公開がなかながなされない、国民の側からいたしますと何か非常に情報については閉鎖的である、こういう印象が強いわけでございますけれども、こうしたことがその主要な原因の一つではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#88
○政府委員(黒田直樹君) 原子力発電所の立地を推進する上で、当然もう安全確保に最大限の努力を払うということが重要であることは御指摘のとおりでございまして、また原子力発電所の立地を促進していくためには、そういった国民の皆様方の御理解と御協力を得ることが不可欠であるというふうに考えております。そういう意味から、私どもも、原子力発電所の安全性など原子力関係の情報の適切かつ積極的な提供に努めているところでございます。
 具体的には、故障、トラブル等の情報については迅速に公開すると同時に、広く国民の皆様方が原子力発電所の安全性の問題等につきまして直接アクセスできるようにということで、例えばパソコン通信ネットワークを設置したり、あるいはパンフレット等によっていろいろ広報するなど、情報提供に最大限努力をいたしているところでございます。今後とも一層の情報公開に努めまして、原子力発電所に対する国民の皆様方の理解と御協力が得られるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#89
○浜四津敏子君 今回示されました対策につきましては、主として工場及び事業所等の産業部門が中心であるというふうに言われております。産業部門における今後の省エネにつきましては、大変困難さを増しているということが答申でも指摘されておりますけれども、殊に中小企業の中でもエネルギー管理指定工場にならない中小工場におきましては、そのエネルギー消費全体の三五%を占めているというふうに言われております。そうした中小工場におきましては省エネについても余り関心が高くない、技術や情報がそれほど多くない、あるいは資金力が乏しい、こういったような事情からなかなか省エネが進んでないというふうにも言われております。まだまだこうした分野で余地があるのではないかというふうにも思います。
 こうした産業部門における対策として、本法律案による対策というのはどの程度の省エネの実現を目標とされておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#90
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘のように、オイルショック以降、大変この産業部門の省エネが中心となって日本のエネルギー消費の需要の抑制に貢献してきたわけでございますけれども、今なお五三%は産業部門でございまして、一層の省エネを進めなければならないということでございます。
 ただ、おっしゃいましたように従来とは違う、午前中も申し上げたところでございますけれども、例えば単体の機械という意味では大きな主要な省エネ投資というのは一巡してきているわけでございまして、そういう意味でシステム的な取り組みに対して今回は助成の重点を置いているといったようなことも考えているわけでございます。
 また中小企業の支援につきましては、省エネ・リサイクル支援法でいろいろな支援措置を、中小企業につきましてはいろいろな特例措置を設けているところでございますが、このほか中小企業の場合に工業炉とかボイラーといったような汎用の機械の中で非常に古いものがたくさん使われているのが現状でございます。これにつきましては、この法律とは別でございますけれども、予算措置をもちましてそういった古い旧式のボイラー、工業炉等のリプレースにつきまして超低利の融資を今回、平成五年度の予算案の中でお願いをいたしているところでございます。
#91
○浜四津敏子君 具体的に今回の対策でどの程度省エネが実現されるのか、その目標としているところを数値で示すということはいかがでしょうか。
#92
○政府委員(黒田直樹君) 目標ということではございませんけれども、この法案を御提案するに先立ちまして、産業構造審議会等の通産大臣の諮問機関においていろいろな御検討をいただきました。その段階ではいろいろな政策的な努力を傾注し、かつ実際に省エネをしていただくエネルギー消費者、つまり国民の皆様方あるいは産業界の皆さん、こうした方々の努力が相までは全体として石油換算にして三千万キロリッターぐらいの省エネの余地はあるのではないか、その中で産業部門
については大体千三百万キロリッターぐらいの省エネの余地があるのではないか、こういうふうな御指摘を受けているところでございます。
 このとおりにいくかどうかは、これからこういった制度をお使いいただくいろいろな事業者の方々等エネルギー消費者の御努力もあるわけでございます。また、今回の対策がそういった省エネの余地を埋めるにすべての政策手段を網羅しているかどうかということは、これからまた実行状況を見ながらよく検討してまいりたいと考えているところでございます。
#93
○浜四津敏子君 昨年十一月、通産省は「今後のエネルギー環境対策のあり方について」という産業構造審議会等合同部会の答申で、環境保全、経済成長、エネルギーは三位一体である。この三位一体という言葉は何度かいろんなところで使われておりますけれども、何かもう一つちょっとびんとこないといいますか、わかりやすく教えていただきたいというふうに思います。それが第一点。
 それから、これらの三つのものを同時に実現するというのは大変厳しいのではないかというふうに思われます。一説ではこれはジレンマではなくてトリレンマというようなことも言われておりますけれども、さらに規制的な方法がなく単に助成によるいわゆる自発性に基づいての政策ということで誘発する程度では三位一体で三つの目標を同時に到達させるというのは何か難しいのではないかという印象を受けますが、これについてはいかがでしょうか。
#94
○国務大臣(森喜朗君) 今浜四津さんから御指摘がございましたように、産業構造審議会の合同部会によりまして、地球温暖化問題は人間の経済活動に伴って不可避的に発生しているものであって、また二酸化炭素を吸収する等の技術の実用化が当面期待できない現状から、環境保全、経済成長、エネルギー需給安定の調和を図るため、これに三位一体として取り組むことが必要である、こういうふうな趣旨を提言したものでございます。
 こうした考え方は、いかにも三位一体ですよといって、少し環境問題に何かエクスキューズを挟むというか、あるいは少し自制する、ブレーキをかけるというような、そんな印象にとられやすいこともございます。しかし、何といいましても経済成長というものがやはり順調に発展し得るその中でこうした問題を解決していかなきゃならぬという点では、この三位一体論というのは私は極めて妥当なお答えだろう、こういうふうに見ておるわけです。
 国際的には、昨年六月に開催されました国連環境開発会議におきましても、持続可能な開発の考え方のもとに環境保全と経済成長の両立の重要性がこれも合意をされているわけでございます。したがいまして、環境保全と経済成長、エネルギー需給安定化を同時に達成するということは非常に困難な目標であるということは、これは十分認識をいたしておりますし、その点については今委員から御指摘になったとおりだろうと思っております。
 しかし、そのために今御審議をいただいているこのエネルギー関連二法案を提出しているわけでありまして、この二つの法案を有効的に活用していただいて、そしてこの法案の効果的な運用も考慮しながら最大限の努力をしていく、こういうふうに申し上げているところでございます。もちろん政府も努力をするわけでございますが、同時にいわゆる企業あるいは国民全体がこうしたこの二つの法案を一つのものとしながら、効率的に運用しながら何とか目標を実現するようにみんなで努力しましょう、こういう趣旨であろうかと思います。
#95
○浜四津敏子君 それでは、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案、長いものですから以下高度化法案というふうに省略させていただきます。この法案について少しお伺いさせていただきます。
 この中の、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部改正、第三条四項では、通産大臣は基本方針を定めようとするときは、各部分によってですが建設大臣あるいは運輸大臣に協議しなければならない、こういうふうに定められております。本法律案提出の背景といたしまして環境保全ということが大きなテーマとして掲げられている以上は、その所管大臣である環境庁長官との協議ということが抜けているのはどういうことになるのでしょうか。これは環境庁長官との協議というのは当然必要になってくると思われますが、いかがでしょうか。
#96
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘の今回の改正法の第三条で、基本方針というものを定めることとされているわけでございますが、今先生の御指摘のございました第四項の前に第三項で「通商産業大臣が基本方針を定めるには、閣議の決定を経なければならない。」と書いてあるわけでございます。つまり、今この法案の審議あるいは省エネ対策につきましていろんな御議論が当委員会でもございますけれども、政府一体として取り組むべきものという趣旨でこの閣議決定を経て基本方針を定めるということとされているわけでございます。したがって、閣議でございますので、その過程で当然環境庁にも協議することになるわけでございます。
 じゃ、なぜその四項で、部分的に建設大臣あるいは運輸大臣に協議するというふうにわざわざ書いてあるのかということでございますが、これは建築物についての規制についてはこの法律案の中でも建設大臣、あるいはその特定機器の中で例えば自動車につきまして運輸大臣というのは、通産大臣と同じような個別分野のエネルギー使用の合理化については主務大臣としての立場になっているわけでございます。そういうことで、この法律案の中で主務大臣として出てまいります通産大臣、建設大臣、運輸大臣、この間の協議をあらかじめ法定したものでございまして、実質は当然閣議決定でございますので環境庁にも協議する、こういうことになろうかと思います。
#97
○浜四津敏子君 同じく十五条の二の第二項でございますが、これは特定建築物に係る措置についての規定でございます。この十二条では工場について大変厳しい制裁が規定されております、公表、措置命令など厳しい制裁が課せられているのに比べまして、建築物に関しましては公表どまりというふうにされているのは何かバランスを欠くように思いますが、いかがでしょうか。
#98
○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。
 今回の法律案におきまして、従来建築物につきましては指導、助言という規定でございましたが、それにつきまして新たに指示、公表という制裁的ないしは指導の内容の措置の強化を図ったわけでございます。一般に、建築物の場合には建築主がいわば今回の省エネルギー努力の対象者でございますが、必ずしも直接エネルギーを最終的に消費するという立場とは必ずしも言いがたい、やや間接的な立場の方であるというようなこともございますし、今申し上げましたように現在の体系が指導、助言という体系でございますので、それを指示あるいは公表という段階に強めたということでございます。もちろん、命令等のより制裁的な措置を外すということ自体が目的ではなくて、一般的な省エネルギー化に対する御努力を広くやっていただこうというところがございますので、私どもはそういう環境ができ上がった上では公表という手段を背景に指示ということが相当有効に機能するであろうというふうにも考えているところでございます。
#99
○浜四津敏子君 同じく十八条の一項でございますが、ここで規定されております特定機器というのは、政令で定められております特定機器の内容と違いがあるんでしょうか。今回の改正で何らかの追加を予定しておられるんでしょうか。
#100
○政府委員(黒田直樹君) 十八条の特定機器の具体的な機器というのは政令で定めることとなっているわけでございまして、今回この条文自体は改正法案の中では変えておりません。したがいまして、こういった要件の中で今後やはり特定機器の対象を拡大していくことが私どもとしても必要であるというふうに考えているわけでございます。
現在のところは冷房専用のエアコンとガソリン乗用自動車が対象になっているわけでございますけれども、今後よく検討いたしまして、この法律の改正とは直接はリンクいたしませんけれども、運用の問題といたしまして拡大に努力したいと考えております。
#101
○浜四津敏子君 そうしますと、政令で定める特定機器の内容は、どんなものが具体的に追加されるのかについてはまだ検討中ということでしょうか。
#102
○政府委員(黒田直樹君) そのとおりでございます。ただ、今後やはりこの要件にございますように「大量に使用され、かつ、その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具」ということでございますので、家電製品とかOA機器とかいったようなものが検討の対象の大枠としては考えられるわけでございますし、また自動車につきましても今はガソリン乗用車だけでございますので、これを広げていくというようなことも検討してまいりたい、このように考えております。
#103
○浜四津敏子君 それでは、今回新エネルギー開発等につきまして、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOがその業務を拡大してこうした業務を行うということにされておりますが、なぜNEDOが行うのか、そのあたりについて御説明いただきたいと思います。
#104
○政府委員(黒田直樹君) 従来、NEDOというのは石油代替エネルギーの技術開発というのを主たる事業に、エネルギー関係ではこのほかに石炭等もございますけれども、そういったものを中心的な事業としてきているわけでございますが、累次の御議論でも御理解いただけますように省エネルギーにつきましても、エネルギー使用の合理化につきましても、やはり技術開発の必要性あるいは技術導入の必要性というのは大きいものと考えているわけでございます。
 省エネルギーにつきましては、広報とか調査とかいったような意味ではいろんな団体、例えば私どもも財団法人の省エネルギーセンターというのを所管しているわけでございますけれども、そういった団体がございますけれども、技術開発という意味で中核的な役割を担っていく団体というのはないわけでございます。そういう意味で、政策的に中核的にこれを推進していく機関として何が適当か、いろいろ考えられるわけでございますが、今申し上げましたようにNEDOというのはこれまで石油代替エネルギー技術という極めて専門性が強い分野に関して幅広く経験あるいはノウハウを有しているわけでございますので、個々の業務を拡充して省エネルギーの技術開発あるいは技術導入についての中核的な機関とすることといたした次第でございます。
#105
○浜四津敏子君 今回の高度化法案の中で一部改正が予定されております石油代替エネルギーの開発及び導入促進法についてちょっとお伺いいたします。
 ニューサンシャイン計画が平成五年度より新たにスタートするということとされておりますが、従来のサンシャイン計画とムーンライト計画、これを一本化した理由あるいはねらい、そして効果、またその計画の概要についてまずお伺いしたいと思います。
#106
○政府委員(松藤哲夫君) 通産省といたしましては、今まで新エネルギー技術開発についてはサンシャイン計画、省エネルギー技術開発についてはムーンライト計画、それから環境技術開発につきましては地球環境技術研究開発ということで三つの計画を推進してきたところでございます。
 しかし、地球温暖化問題を初めとする地球環境問題とエネルギーの問題というのは表裏一体の関係でございまして、かつ技術的に見ても、新エネルギー技術、省エネルギー技術及び環境対策技術というのは互いに重なる分野あるいは共通的な分野が非常に多うございます。そういうことで、こういったエネルギーと環境というものを総合的、一体的にとらえ直しながら進めてまいらなければいけないということでございまして、そういう意味で平成五年度からサンシャイン計画、ムーンライト計画及び地球環境技術研究開発を一体化いたしまして、ニューサンシャイン計画として総合的、一体的に運営してまいりたいと考えております。
 こうした計画におきましては、従来の新エネ、省エネあるいは環境技術を推進するとともに、新たに例えば広域エネルギー利用ネットワークシステムでございますとか、あるいは水素利用国際クリーンエネルギーシステムといったように、新エネルギーにも省エネルギーにも、それから地球環境にもかかわりを持たせる総合的なプロジェクトをこの新しいニューサンシャイン計画の中で諸外国とも協力し合いながら、鋭意取り組んでまいる所存でございます。
#107
○浜四津敏子君 今の促進法の一部改正案の中で、第三十九条の第九項の中で、海外における石油代替エネルギー等の導入促進業務、「海外における実証」、こういう言葉が出てまいりますが、これは具体的にはどのようなものを予定されていらっしゃるんでしょうか。
#108
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘のように、この改正案が通りました場合には、平成五年度からNEDOで海外におきまして省エネルギー技術であるとか、あるいは石油代替エネルギー技術の有効性を実証する業務を行おうということでこの条文を設けているわけでございます。当面、平成五年度の予算案におきましては、エネルギーの消費の著増が見込まれますアジア・太平洋諸国におきまして、製鉄所の廃熱回収技術であるとか、あるいは石炭ボイラーの効率向上技術であるとか、産業用大型ボイラーの効率向上技術、こういったもののモデル的導入のプロジェクトを一つのカテゴリーとして考えておりますし、また石炭脱硫技術等の普及基盤整備のためのモデル事業、こういったものも考えているわけでございます。また、これらのプロジェクトの前提となります国ごとの調査あるいはマスタープランづくりについても新規業務として予定をいたしているところでございます。
 これは当面平成五年度の予定プロジェクトということでございますが、その後の問題につきましては、そういった今申し上げましたようなプロジェクトの進捗状況等を検討して、よくそれを見ながら考えていくべき問題だと思っておりますけれども、一般論として申し上げれば、モータ一とか工業炉であるとか小型ボイラー等の省エネ技術対応とか、あるいは太陽、風力、小水力等の石油代替エネルギーの技術、そういったものが対象として考えられると思います。
#109
○浜四津敏子君 また、石油代替エネルギーの開発に関連してでございますが、こうした国のエネルギー技術開発プロジェクトで得られた成果に関しまして、特許権あるいは実用新案権等現在は一〇〇%国に帰属するということになっているというふうに理解しております。これをほかの、例えば大型工業技術とかあるいは医療、福祉技術と同じように企業も五〇%取得できる、こんな方向で現在考えておられるということを伺いましたが、それはいつごろから実施されることになるんでしょうか。
#110
○政府委員(松藤哲夫君) 先生御指摘のとおり、産業技術のプロジェクトにつきましては国と企業とが五〇%ずつ特許権等を共有する、シェアすることになっておりますが、このエネルギー関係の技術に関しましてはいろいろ経緯等もございまして一〇〇%国に帰属することに実はなっておるわけでございます。
 ただ、そういたしますと、特に外国企業にとってはこれは非常にわかりにくうございまして、参加して知的所有権を取得できないんじゃ余り意味がないじゃないかということで、国際的な共同研究がなかなか進みづらいことになっておるわけでございます。私どもといたしましては、エネルギー関係につきましても産業技術と同様の扱いにぜひしたいと思っております。
 しかし、一方では日本人の人的な知恵を使って、国の貴重な資金を使ってせっかく開発したものを外国にそう簡単に渡してもいいのかという非
常に難しい議論がございまして、そこのところは政府部内におきまして鋭意、現在検討を詰めておるところでございます。
#111
○浜四津敏子君 それでは、次にエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案、省略して省エネ・リサイクル法案というふうに言わせていただきますが、建築物における省エネについてはビル全体で一定水準以上の省エネを図る、そういう措置等を考えているというふうに聞いておりますが、本法案による助成策というのは建築物にどの程度の省エネを行った場合に適用されるのか、また具体的に対象となる建築物の規模としてはどの程度のものを予定しておられるのか、お教えいただきたいと思います。
#112
○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。
 今回の御提案している中で、建物につきましては先ほど来お話ございますように全体としての基準がございまして、一般的な御努力をいただくレベルというものがあるわけでございます。その場合に、外壁の高断熱化でありますとか、空調設備あるいは照明、給湯というようなものの効率化を図っていただくわけでございますけれども、現在はその基準から比べてかなりの高い水準を目指される場合ということで技術的な検討をしている最中でございます。
 また、建物の規模でございますが、そういう誘導、助成という観点でございますので、必ずしも規模の面で一定の規模ですそ切りをしようというような考え方を今持っているわけではございません。効果から考えていきたいという状況でございます。
#113
○浜四津敏子君 この省エネ・リサイクル法案第三条で言われます「事業者等の努力指針」というのは、具体的にはどのような内容、そして効果を考えていらっしゃるんでしょうか。
#114
○政府委員(堤富男君) 大きく分けまして一般的事項と、それから幾つか事業の中でも分野がございますのでそれぞれございます。
 一般的事項といたしましては、企業かごの計画をつくる場合、目標を定めることをぜひお願いしたい、そのためにはどういうことをやると確実性があるかどうか、計画性を持っているかどうか、あるいはその実施体制はどういう形のものがいいかというようなことを定めます。一般的なところはそういうことが中心でございます。
 分野別には、工場、事業場におけるエネルギーの使用合理化の方法、あるいは建築の場合、それからいろいろ分野ごとにリサイクルの場合にはどういう計画がいいかというようなことを定めていくわけでございます。
#115
○浜四津敏子君 通産省は、本年二月二十五日に「再生紙の利用のお願い」を発表されました。その中で、市町村での再生紙の使用が進んでいないということを指摘されておられまして、それとともにその利用促進を呼びかけておられますけれども、市町村での再生紙の利用促進策について説明していただきたい。
 それから、市町村だけではなくて、本来国の官公庁においても再生紙の利用を図るべきだというふうに考えておりますけれども、国の官公庁における再生紙の利用状況は進んでおるのかどうか、再生紙の利用率はどの程度になっておるのか、お教えいただきたいと思います。
#116
○政府委員(高島章君) 政府と地方公共団体が率先をいたしまして再生紙をどんどん使っていくということは、これは今後の再生紙の利用を図るためにもどうしても大切なことでございますから、これまでも政府の中でも申し入れをし、そして地方公共団体にもいろいろと呼びかけをしてきたところでございます。
 今御指摘ございましたように、地方公共団体で申し上げますと、都道府県では再生紙の利用がもう全部入っておりまして、全都道府県で使われているわけでございますが、市町村では必ずしもまだ進展をしていないというのが現状でございます。したがいまして、今御指摘ございましたけれども、今般改めて全市町村に再生紙を一層使ってもらうように呼びかけをしたところでございます。具体的な内容といたしましては、市町村みずからがもちろん使うこと、これが第一でございますが、そのほかに域内のあらゆる方面の人たちに広報誌等を使って再生紙の利用を呼びかけていただくということでございまして、いずれにしましても、この古紙の利用が大きな国民運動にまで盛り上がるように我々としては関係方面に引き続き強い呼びかけをしているところでございます。
 それから、政府の方ではどの程度使われているのかという御指摘でございますが、平成二年に省エネルギー・省資源対策推進会議というところでみずから率先して使おうという申し合わせをしたわけでございますけれども、その後どんどん利用が広がっておりまして、現在全省庁に再生紙は利用されております。少し具体的な数字で申し上げますと、トイレットペーパーはもうすべて全省庁再生紙が利用されておりますし、コピー用紙につきましても六割は再生紙、封筒は七割が再生紙ということになっております。例えば、コピー用紙で申しますと全国平均が一五%程度でございますから、そういう意味では政府が率先して再生紙の利用に取り組んできたということが言えるかと思います。
 ただ、今後ともこれでいいということでは決してございませんで、引き続き関係省庁に一層の再生紙の利用を呼びかけ続けているところでございまして、これからもどんどんいい成果が上がるように期待をしているところでございます。
#117
○浜四津敏子君 行動計画の中では、「環境マークの活用等により二酸化炭素の排出の少ない製品等の普及促進を図る。」とあります。
 まず第一点、エコマークとかあるいはグリーンマークはなかなか普及しないというふうに言われておりますが、この普及に関してどのような具体策を持っておられるか、そしてまた再生資源を原料とする商品市場開発についての支援策を何か考えておられるか、また再生紙利用促進の一環としてすべての紙製品に古紙混入率を明示した成分表示を義務づける等の指導をなさる御予定がおありかどうかについてお伺いいたします。
#118
○政府委員(高島章君) 再生紙の利用が進むためには、古紙がうまく回収できますことと、それからその古紙がメーカー段階でうまく使われますこと、そしてそれにも増して重要なのは、今グリーンマーク等で御指摘がございましたようにいかにして再生紙の利用が図られていくかということでございます。特にこの最後の点、再生紙がたくさん使われていくということが非常に大事なことだと思います。
 その一環といたしまして、グリーンマーク制度というようなものをつくっておりまして、これは小中学校で再生紙の製品を購入いたしますとついておりますグリーンマークを集めますとその小学校に苗木を贈って、その木をその小中学校が育てて、いかに古紙を大切にすることが結局は資源を大切にすることかということを若い人たちに教えている制度でございます。この利用も非常に実はふえてきておりまして、約四千に及びます小中学校がこのグリーンマーク制度を活用して再生紙利用の大切さの理解を今深めている状況でございます。
 いずれにいたしましても、いろいろな段階で国民運動にまで高まる状況で再生紙が使われるようになることが重要でございますが、それに加えてただいま御指摘がございましたように紙以外の用途に古紙が使われるようになること。具体的に言いますと、包装資材がその一つの例でございますが、こういうものの技術開発につきましても、現在我々としては精いっぱい努力をしているところでございます。
#119
○浜四津敏子君 重なりますが、ちょっと一点お答えが抜けておりましたので、もう一度お尋ねをさせていただきます。
 各市民団体、主婦のグループあるいは消費者団体は一生懸命古紙等の回収に努力しているわけです。また、できれば古紙がなるべくたくさん使われた製品を買いたい、こういうふうに願っている
人が多数いるわけですけれども、どの製品にどれだけ古紙が含まれているかというのは必ずしも明確でないというのが現状でございます。そこで、古紙混入率を何とか製品に明示していただきたい、こういう声が強いんですが、それについてはいかがでしょうか。
#120
○政府委員(高島章君) 説明が漏れまして御無礼をいたしました。
 実は、古紙はいろいろな段階でいろいろなパーセントで使われておりまして、全製品に古紙を利用することにつきましては現在難しい状況でございますが、御指摘の点は今後検討させていただきます。ただ、最近は名刺等にもこれは再生紙でございますというようなことを各メーカー、各企業の人たちが使われているような状況でございまして、ありとあらゆるところで古紙が使われていることをPRさせていただいているわけでございます。
 今後とも、それぞれの段階、すなわちすべての職場、すべての家庭で古紙が使われるということが重要でございますので、御指摘のことも踏まえまして、あらゆるところで古紙の重要性を訴えるようないろいろな方策の厚みをつけてまいりたいと思っております。
#121
○浜四津敏子君 また、古紙のリサイクルにつきましては、その価格の下落がリサイクルの足を引っ張る結果となっております。殊に、たくさんの人が無償でボランティアで古紙の回収に努めておりますけれども、これが逆有償回収になりますと集める気力もなくなってしまう、こんなことになってしまうものですから、こうした再生資源価格、古紙回収、あるいはこの再生資源価格を下支えする何か支援策を考えていただけないでしょうか。
#122
○政府委員(高島章君) 先ほど申し上げましたことのちょっと繰り返しになるのでございますが、古紙の回収、それから古紙の利用、さらには再生紙の利用のこの三つの要素がバランスをとってうまく促進されていくということが重要でございます。古紙回収をしている人たちに対する支援としての一番基本で重要なことは、再生紙の利用がどんどん広がっていくこと、古紙の利用がどんどん国民各層で広がっていくことが重要でございますので、先ほど来申し上げておりますけれども、グリーンマーク制度といったような普及啓蒙活動を進めること、それからリサイクル法を着実に運用していくことが必要でございますし、またこれも繰り返しになりますが、新たな用途の開発も必要であろうと思うわけであります。また、これも冒頭申し上げましたように政府あるいは地方自治体での活動を一層活発にすることも必要でございます。
 いずれにいたしましても、実は古紙の利用は日本は世界最高の水準でございまして、今五二%の古紙の利用率になっておりますが、これは世界どこもこのような高いところはございません。こういった高い率を達成いたしました知恵というのは国民各層の中にはいっぱいできておりますので、ぜひこういった知恵をもとにいたしまして、御指摘のように今後とも再生紙の利用拡大を図る、そのことによって回収の人たちにもそれなりの下支えが実質できるようにしてまいりたいと思っているわけでございます。
#123
○浜四津敏子君 それでは、もう時間がありませんので、最後に一点お伺いいたします。
 地球温暖化問題を初めといたします地球環境問題は、通産省の審議会の答申でも指摘されておりますように、一国のみの対応では問題の本質的解決というのはとても不可能だというふうに考えられます。どうしても国際的な取り組みが必要だというふうに言われておりますが、通産省といたしまして環境分野における国際協力に関する施策としてどのようなものをお考えになり、また実施されておられるのか。特に、支援の面では対中、対ロシア、また国際協力の面では対米についてどのようになさっていらっしゃるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#124
○政府委員(堤富男君) おっしゃるとおり、地球環境問題でございますので日本一カ国の取り組みだけでは十分でないと思っておりまして、もともとを申し上げれば、国連の会議の場でも現在専門家レベルでの会議が行われておりますし、これから開発委員会等の中でも議論が進んでいくと思います。
 それから、各国に対する考え方でございますが、先ほど申しました二国間ではグリーンエードプラン、あるいは対日支援のような形で個別に一つ一つやっていくわけでございます。それから、先進国間ではOECDを初めサミット等の場において、今後地球環境の問題についての議論が進んでいくものというふうに考えております。
#125
○市川正一君 最初に、今回の森通産大臣の訪米に関して一言お伺いいたします。
 アメリカは、半導体協定の結果を踏まえて目標値を設定して、その実行の保証を迫る交渉手法を他の通商協議などにも拡大しようとしております。こういう理不尽なやり方を認めるわけにはいきませんし、大臣も午前の谷畑委員に対する答弁の中で、ターゲットを設定し政府がそれを担保する通商政策は絶対に拒否すると、語気を強めてそうおっしゃいました。まさにその言やよしであります。
 しかし、アメリカにこういうやり方に自信を持たせ、私をして言わしめれば増長させている、そういう結果になったのはなぜかという点についてどうお考えでしょうか。
#126
○国務大臣(森喜朗君) アメリカが増長しているというふうに私はそういう見方はしないんですが、それだけ日米の貿易バランスが非常に不均衡になっているというアメリカ側のやっぱり焦りが過去からきているものだ。こういう協定を考えた当時は、私はもちろん所管大臣ではなかったわけでありますが、かなりアメリカ側にとりましては対日貿易が進まないということなども焦りとして出てきていたものだろうと思います。もちろん必要がございましたら、通商局長がおりますから、当時の経緯を。先生も御存じだろうと思いますからあえて申し上げません。
 ただ、こういう数値を設定して、そして数量的にこの程度入れなさいというようなことをやっていったといたしましたら、これは世界の国は日本とアメリカだけじゃないものでありますから、当然ECを初めほかの国からもそうした問題出てまいります。結果的にそういう数字を挙げれば、午前のこの委員会でも申し上げましたように、結局そのことは最終的には管理貿易につながってしまうということになると思いますので、私どもはこういう考え方はできないんだというそこのことだけはきちんとアメリカにも申し上げてまいりました。
 もちろん、カンター氏にとってもブラウン長官にとっても当然そういうことは百も承知のことなんだろうと思いますが、今のアメリカは新政権ができたときでもあり、また選挙当時いろんな角度で、選挙のときというのはやはり公約をしたりいろんな方からいろんな要求や要望が出ているわけであります。まだ、選挙が終わってからの時間というのも経過しておりませんだけに、そうしたことをさらに強く日本側に要望をしておるという姿勢を見せなければならぬという点もあったのではないかな、そういうふうに見えるわけでございまして、私としても今回の訪問では、そういう数字的なものだけは絶対に今後あってはならぬことだということだけは強くきちんと申し上げてきたつもりでございます。
#127
○市川正一君 私は率直に申しまして、これまで日本政府が自由貿易とか市場原理などと言いながら、実は日米通商問題の協議の中で、自主規制という名のもとに結局はアメリカの管理貿易、アメリカの理不尽な要求に迎合する態度をとってきたところに根源がある、こう見ております。こうした政府の対米従属的な通商協議という姿勢を今根本的に転換することが必要となっている時期だと思います。
 そうでない限り、例えば内需拡大をアメリカは求めておりますが、これも数字で約束せよという
ようなことになりますと、仮に成長率を三・五%あるいは四%、こう書き込んだ場合にそれを公約として実行を追ってくる。現下の経済状況では、バブル経済の再来は不可避と言わなければなりません。こういうような事態に対して、大臣は先ほど述べられたような態度をいわば堅持し貫かれるのか、認識を伺いたいと思います。
#128
○国務大臣(森喜朗君) 対米追随的であるのかどうかという点は、それぞれ政党の見方も違うだろうと思います。ただ、戦後、これは先輩に対して、市川さんより私の方が若いんですが、敗戦になってから今日の日本の経緯を見ますと、やはりいろんな意味で日本は閉鎖的国家であったことは、これはもう私は事実だと思います。そういう中で、日本の国に対しいわゆる当時の先進諸国がいろんな角度で支援をしてきてくれたことも事実だろうと思います。
 そういう面で、三・五%の経済成長あるいは三・三%の経済成長は、何も諸外国に対してこういうことをやりますよということを見せるために申し上げていることではなくて、あくまでも日本の経済成長、日本の経済政策として設定をした数字でございます。外国から見ますと日本の経済はどの程度のことを考えておるんだろうか、その都度その都度時代によって違うと思いますが、世界が今景気全体が低調な時期にあって、特にドイツなどはいわゆる東ドイツと一緒になったという大きなリスクを背負い、あのECの域内でも大変苦悩していることを考えますと、日本がどういう経済成長をするのかということは世界が注目しておる。そういう意味で、やはり外国に対して約束するということではなくて、日本の国民全体がそういう経済成長で安定的ないわゆる持続可能な経済成長をやりましょうよということを一つ目標として立てたものだというふうに私どもは認識をしておるわけです。
 したがいまして、ただどの国も皆景気で苦しんでいるわけでありますけれども、しかし一方では、現実には昨年度の貿易収支にしても経常収支にしてもやはり一国のみが大変な黒字を抱えておるわけでございますから、外国のためだけで物をやるのじゃありませんが、日本のそうした黒字というものを世界にどういう形で貢献をして理解を得るようにしていくのかということも一つ考えてみると、経済成長をその程度の数字に定めて、その目標に対して進んでいく経済運営をしていかなきゃならぬということもやはりこれは国際的な我が国が置かれている今の立場から見れば妥当な考え方ではないだろうかというふうに私は考えております。
 決して、アメリカに追随したり従属をしたりという、そういう考え方ではないということは恐らく先生も御理解をしていただけるんではないか、こう思います。
#129
○市川正一君 大臣から従属しているというような答弁の期待をあながちしているわけじゃありません。実態を申し上げているんであって、例えば今度の半導体協定の目標がクリアできたのは、半導体の需要減退で外国製半導体の輸入がそれほどふえなくても相対的なウエートが高くなっただけのことだったわけですね。ですから、アメリカ側は瞬間風速ではなしに、年間通して二〇%あるいはそれ以上を要求しようとしております。しかし、景気が回復して需要が増加すればまたもとのもくあみになってしまう、そういうおそれ多分になしとせぬのです。
 ですから、私は問題はまだ解決してないんだということの例証で言っているのであって、まことに恐縮ですが、半導体論争をお聞きするつもりは時間の関係でないんですが、もし簡潔におっしゃっていただければ……。
#130
○国務大臣(森喜朗君) 済みません。私の答弁が長いので私にするなどいう意味かなと思いました。
 しかし、要は今おっしゃった数字のことは、逆に分子分母の計算いろいろございます。結果的に二〇%を超えだということは、こんなものは実に余り意味ないじゃないかと……
#131
○市川正一君 相対的なものだと言っている。
#132
○国務大臣(森喜朗君) そうおっしゃっているんだろうと思います。
 そこで、私も申し上げていることは、この数字は何も絶対的なものじゃないんです、むしろ大事なことは日本とアメリカの半導体業界がお互いにチームプレーをとっていけるような環境をつくる、それで結果的に市場アクセスのマーケットがふえているということであればいいんではないのかな、こういうふうに私は申し上げてきております。要は、一番大事なことは、やはり長期的な協力関係が両国でできるということ、それからデザイン・インというような、そういうお互いに一つのものをつくるときに協力を技術的に交換してやっていけるという、こういう関係ができるということが私は今度の協定で一番最も意義のあったことであり、これからもそのことを念頭に置いて進めていくべきだ、こう思います。
#133
○市川正一君 森通産大臣とやるときは倍の時間をもらわなくちゃならぬ。
 それで、きょうは法案審査なのでそっちに入りたいんですけれども、大臣の提案理由の説明を拝聴いたしまして、この法案が結局地球環境の保全に役立てるという観点から提出されたことが非常に明らかになりました。地球環境の保全という立場に立ちますと、世界でも第四位ないし第五位にある大量の二酸化炭素の排出国である我が国が、これを可能な限り削減することは国際的な責務ともなっております。
 そこで、政府が一九九〇年の十月に閣議決定をされた地球温暖化防止行動計画、これもそうした国際的な要請にこたえるものと理解しております。そういう観点から見ますと、この法案は九〇年の行動計画の目標達成に資するものであり、それを確実にするためには、高度化法に基づいて通産大臣が定める基本方針に行動計画の目標達成ということが明記されなければならないんであり、また主務大臣が定める事業者、建築主や製造業者の判断基準、また支援法に基づいて主務大臣が定める努力指針などが行動計画と相互に関連し、その達成を保証するものということがやはり明らかにされる必要があると思いますが、その点はそういうことでよろしゅうございますか。
#134
○政府委員(黒田直樹君) 御指摘のように、平成二年の十月につくられました地球温暖化防止行動計画、この段階では、一人当たりの炭酸ガスの排出量を二〇〇〇年以降おおむね一九九〇年レベルでの安定化を図る、こういうことなどを目標といたしているわけでございます。先ほどからいろいろ御議論になっておりますエネルギーの長期需給見通しあるいは石油代替エネルギーの供給目標というのもほぼ同じ時期に閣議決定を経て改定されたわけでございまして、そういう意味で実態的には目標は地球温暖化防止行動計画と整合性のとれたものとなっているわけでございます。
 今、明記とおっしゃったわけなんですけれども、基本方針自体はこれから検討をいたすわけでございます。この省エネルギー法の目的、今回改正の一つの大きな要因として地球温暖化防止行動計画と申しますか、地球環境問題解決への寄与というのがあることは当然でございますけれども、現法律自体、これはまた一方で日本はエネルギーを海外に非常に多く依存している脆弱なエネルギー供給構造であるということから、省エネルギーを推進していくということもこれまた一方での重要な省エネルギーの要請でございます。したがって、地球温暖化防止行動計画だけではないわけでございますので、そういう意味で先ほどからございますように環境の問題とエネルギーの問題、基本方針の策定に当たっても、整合性をとれた形でそういったことは当然頭に置きながら考えてまいりたいと思っているところでございます。
#135
○市川正一君 だけという言い方じゃなしに、やっぱりそれぞれがリンクしているというつかみ方をすべきじゃないか。
 私は、そういう意味で九〇年の十月に改定された長期エネルギー需給見通しも、また石油代替エネルギーの供給目標も、そして行動計画も、エネ
ルギーの部門別、分野別、業種別に必要な対策を積み上げてリンクし整合性を持ったものとして本来つくられているはずです。そうでしょう。だとすれば、行動計画の目標を達成するために各部門や分野、業界でとらなければならない対策も明らかになっているはずですし、私が強調したいのはどこでどれだけ削減しなければならないか、数量的にも明らかになっているはずだと思います。そうでなければ、見通しも供給目標も具体的な数字あるいは数値として積算できないと思うんですが、その点はどうですか。
#136
○政府委員(黒田直樹君) 省エネルギーというのは、この数値目標、定量化というのが大変難しい問題でございます。と申しますのは、省エネというのはほうっておいたらこういった水準にいったであろうところからの省エネということになるわけでございまして、そういう意味で定量化というのは非常になかなか難しい問題であるわけでございます。
 したがいまして、その長期エネルギー需給見通しの問題も、一応先ほどから申し上げておりますように、今の需要の見通しというのは二〇〇〇年時点で考えれば三億九千万キロリットルぐらいである、こういうふうに申し上げているわけでございます。省エネの、ほうっておいたらどれぐらいになるかというのがその時点ではわからないわけでございまして、既に省エネ努力をいたした後の結果として出てくるわけでございますので、そういう意味で省エネの量というのをあらかじめ規定するというのはなかなか難しかろうと思います。
 ただ、できるだけ私どもも、先ほどから申し上げておりますように、長期需給見通しの数字というのは当然この法律にも書いてございますように勘案して基本方針等は定めることになっておりますし、したがってそれは当然頭に置いて考える必要があると思いますし、また先ほど先生がおっしゃいましたように、地球温暖化防止行動計画等の他の政策についても当然頭に置いて整合性のとれたものとして考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
 ただ、工場の判断基準とか、先ほど来ございますような個別分野の判断基準につきましては、そこに幾らを割り当てるというのはまだ難しいわけでございまして、これにつきましては、もちろん今申し上げましたような全体としての省エネの要請は当然に頭に置きながら、個々の具体的な行動についてできるだけ定量化できるものは定量化するという方向で考えてまいりたいと思っている次第でございます。
#137
○市川正一君 角度を変えて伺いたいんですが、省エネ法第六条に定める指定工場のエネルギー消費量ですね、これを部門別、分野別、業種別に見たときに、私はそのウエートだとか問いませんが、それなりの資料は相互に共通の認識に立っていると思います。エネルギー転換部門で膨大なロスを出している電気事業を把握し、また最終消費の半分を占める、産業部門の大部分を占める製造業の七五%を把握するということは、この部分で具体的な対策をとってこそ成果が上がると思うんです。そうでなければ私は絵にかいたもちになると思うんですが、そういう面からも数量的にも明確にする必要があると思うんですが、どうでしょうか。
#138
○政府委員(黒田直樹君) おっしゃるように、指定工場のエネルギーウエートは七割ぐらい占めているわけでございます。これを幾らにするということではなくて、この判断基準におきましては、現行でもそうでございますけれども、実施すべき行動としての例えば燃料の燃焼の合理化、これについては例えばボイラーとか工業炉の空気比をどれくらいにするとか、あるいは廃熱についてはこうするとか、こういった個々の具体的な活動について決めているものでございます。一律に単に幾ら省エネしろということはなかなか難しい、こういうふうに申し上げているわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたようにそういった個々の行動については、ボイラーの熱効率の向上とかいう観点から今申し上げましたようないろいろな定量的な目標というのを決めていく。その成果が積み重なって先生がおっしゃるような全体としての省エネがこれぐらいになる、こういう感じになっていこうかと思うわけでございます。
#139
○市川正一君 私が言っている意味は、大臣や担当の各責任者も御理解いただけると思いますが、要するにそこをあいまいにすると、そこそこの省エネさえやっておれば新エネ法によって助成措置が受けられる、となれば結局助成措置の俗に言う食い逃げですね。そういうふうになるおそれがあるから、やっぱりそれを防ぐためには最小限、政府みずから国際的に公約した行動基準を担保するために数量的にも具体的な基準を設けるべきだということを言っているわけで、そこはひとつこれからの行政の上で生かしていただきたいというふうに思います。
 今実態を見ますと、省エネのペースというのは横ばいないし効果がやや落ちているんですね、ダウンしている。これは確かに製造業がこれまでのコマーシャルベースで進めてきた省エネ対策が限界に来て、新たな省エネ投資を実施するためにはみずからの利益の部分に食い込まざるを得なくなっているという側面も確かにあります。
 そこで、緩やかな判断基準ではあるが、これを義務づけることと引きかえに省エネのための設備投資資金を国が助成することになる、つまり省エネをにしきの御旗に大企業に新たな利潤追求を保証してやるというのがこの法律の一つのねらいであるということも、私は率直に指摘しなければならぬのです。今盛んに私数量のことを言っているのは、そういう食い逃げをさせてはならぬという意味からも申しているのであります。
 そこで、行動計画の達成ということを考えてみた場合に、新省エネ四条で、確かにエネルギーの使用の合理化という面はありますけれども、二酸化炭素を削減するための措置については触れてないんですね。私は、これは片手落ちになりかねない。だから、二酸化炭素を排出しないエネルギーの転換も明確に位置づける必要があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#140
○政府委員(黒田直樹君) まず、先ほど市川先生の御質問、ちょっと私趣旨を若干取り違えていたかもしれませんが、この省エネ法の判断基準に基づくガイドラインの数値が即支援をする基準であるというようには私どもは考えておりません。ガイドラインの判断基準の方は、平均的なケースもございましょうし、そういう意味で支援法の方は支援法として、人よりも相当立派な水準の省エネ投資を実施する人たちに対して支援をしていく、こういう考え方をとっているつもりでございます。
 それから、今おっしゃいましたこの省エネ法で炭酸ガスのことを考えていないということなんでございますが、この省エネ法で言うエネルギーというのは、定義におきまして、今回これは改正いたしておりませんけれども、化石燃料とそれを熱源とする電気あるいは熱ということになっておりまして、そもそもここで言っている省エネルギーというのは化石燃料に基づくエネルギーを減らしていこうということになっているわけでございます。そういう意味で、全般的に当然ここで言う省エネルギーが達成されればCO、も減っていく、こういう効果を期待いたしておるわけでございます。
 ただ、支援法の方では、「エネルギーの使用の合理化」という言葉の中で石油代替エネルギーの利用というのも含めて考えているわけでございます。先生おっしゃいますように、炭酸ガスを減らしていくためには化石燃料に基づくエネルギーの使用を減らしていくか、あるいは供給の方のサイドとして化石燃料を使わないと、どちらでもそれは効果は同じかもしれません。そういう意味で、支援法の方では石油代替エネルギーの利用も、いわゆる「エネルギーの使用の合理化」という言葉の中に含めているわけでございます。
#141
○市川正一君 前者の問題で言えば、私は新省エネ法の第四条で定められている判断基準について申し上げたんです。そこは誤解のないように。
 時間が追ってまいりましたので、支援法に入っていきたいと思うんですが、これによりますと、第三章で中小企業の特定事業活動について定めております。中小企業といえども地球環境に配慮した事業活動が求められているのは当然でありますが、しかし大企業と異なって経営基盤が脆弱である現実を見ますと特別な配慮が必要だと思います。その際、助成措置を厚くすると同時に、事業計画の承認に当たっては振るい落とすという観点じゃなしに、省エネ効果が上がるような具体的な指導と援助のもとに可能な限り広く助成する特段の配慮が必要だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#142
○政府委員(堤富男君) 中小企業関係におきましても大変大きなウエートを占めておりまして、御指摘のように第三章において特に中小企業を別記し、しかも手厚い保護ということになっております。
 ただ、これは環境問題でございますので、特にそのメリットを受ける基準を甘くするということでは何のために助成するかということがわからなくなりますので、クリアする基準のレベルについては大中小皆同じ、ただしそれを受けるためのメリットは中小企業に手厚くする、そういう考え方でつくっておる次第でございます。
#143
○市川正一君 私は言葉を選んで振るい落とすなという言い方をしているのは、その含みは、要するに引き上げてそして合格させるようにいろいろ指導、援助をしてほしいという意味ですが、そういう理解でよろしゅうございますね。
#144
○政府委員(堤富男君) おっしゃるとおり、この中には幾つかの特例がございます。その特例の中で特に指導をするということも、引き上げる方向でやりたいと思っております。
#145
○市川正一君 最後に大臣にぜひお聞き願いたいんですが、この支援法による助成措置は、その対象が事業者に限られているんですね。なぜ消費者である一般国民を対象にしないのかという問題提起なんです。高度化法では、「エネルギーを使用する者はこという言い方で国民すべてに省エネ措置を義務づけておりますが、助成措置がないんです。現在あるといえば、個人で住宅を建てる場合、省エネ努力に対する対策として住宅金融公庫から借り入れに当たって五十万ないし百万が多目に借りられる程度なんです。金利が下がるわけでもありません。
 午前中の大臣の御答弁で、国民のライフスタイルということをおっしゃいました。私も国民生活にこそ助成という誘導対策を実施して、省エネを図る対策は多々あると思うんです。例えば、一般家庭で屋根に太陽電池のパネルを取りつけたり、太陽熱温水器をつけたり、自然エネルギーを組み合わせたエネルギーの供給設備を取りつけて相当量の省エネや環境対策を実施した場合の、仮に一戸について百万円の補助金を出すというふうなことも考えられないか。百万ということに固執するつもりはありませんが、こういう分野に思い切った助成をすることは直接的な効果が上がるのではないか。これは決して石川だけの問題じゃございませんので、ひとつ大臣の御見解を承りたいと思います。
#146
○国務大臣(森喜朗君) 今市川委員から御指摘ございましたように、一般家庭の省エネの促進に関しては住宅の断熱化を推進するとか、家庭用機器の効率向上というようなことが大変重要になっておりまして、住宅の断熱化をいたしますと、省エネルギー法に基づきまして基準を策定してこの基準に適合する住宅に対して住宅金融公庫による低利融資を実施しているわけでございます。家庭用機器につきましては、省エネルギー法に基づきましてエネルギー消費効率の基準をこれまた策定をいたしまして、その旨表示徹底を図ることによって消費者による適切な機器の選択を促進しております。
 今いろいろお話しになりましたように、これからこうした法律が通って産業界も全体にそういう方向にいけば、家庭の方でも家を建てるときに、建てるだけではなくて家庭の中のことも省エネに対する意識は強まります。
 この間新聞見ておりましたらなるほどなと思いましたが、前にへいをつくる、そのへいの一番上の部分で、今おっしゃった屋根のときのような太陽熱を使ってお湯を何かつくる、そういうのを新聞広告でやっていまして、なるほどなと、いろんなところに企業というのは頭が働くものだと思いました。だから、そういうようなことを企業もいろんな形で検討していけば、やはり一般住宅の家庭の中でもそうした意識がだんだん高揚していく、そうした高揚していることに対して、施策としていろんな恩恵あるいはそれが促進されるような制度をやはりこれからも重要に考えていくことが大事だというふうに私は思います。
#147
○市川正一君 終わります。
#148
○古川太三郎君 民主改革連合の古川です。
 先ほどのマクロでどれだけ省エネができるかというような話はよくわかったんですが、この法案で建物というような表現もございます。この建物の部分で申しますと、二千平方メートル以上の大きな建物についてはこの法律が適用されるということなんですけれども、例えば今普通に建てれば一〇〇要るところを、この法律によるとそういう助成とかそういったことができるような基準というのは、どのぐらいまで下がったときにその助成とかそういったものをなさるおつもりなんですか。
   〔委員長退席、理事松尾官平君着席〕
#149
○説明員(梅野捷一郎君) 一般の住宅とその他の建物がございますけれども、一般の住宅につきましては、判断の基準に従ってやっていただくというものは、従来の基準は義務化をしたわけでございます。さらに、昨年また基準を上げてまいりまして、その上げた基準をベースにいたしまして、そういう努力をしていただいているものについては、個別の設備あるいは断熱構造化というような項目に従って金融公庫の融資をするということでございます。
#150
○古川太三郎君 指導、助言とかあるいは助成をする部分がございますね。その建物というのは二千平方メートル以上のことを言っているんでしょう、この法案では。
#151
○説明員(梅野捷一郎君) 基準そのものは全体を対象としているわけでございますが、担保措置としての指導、助言、あるいは今回の改正に盛り込まれておりますような担保措置については二千平米というようなものを考えていきたい、従来もそういうものを一つの目安にしていきたいというふうに考えているということでございます。
#152
○古川太三郎君 例えば二千平方の建物がどれほどの熱量を使うのか、基準があるんですね。そして、この助成とかそういったものをしていくためには、どのあたりまで下がればこういう助成の適用があるのか、こういうことです。
#153
○説明員(梅野捷一郎君) 一般の建物についての助成につきましては、必ずしも建物の規模という問題で切っていこうという考え方は今のところはございません。あくまで効果があらわれるものについて助成をしていきたいということでございます。
   〔理事松尾官平君退席、委員長着席〕
 なお、どの程度の効果があるのかということにつきましては、現在の基準となっておりますレベルから相当程度の高いものという考え方でございまして、現在具体的な水準そのものについては検討している段階でございます。
#154
○古川太三郎君 そういう基準がないのに省エネ努力の強化を役所がする、そしてまた基準がないのにそういう支援をしていく。これは非常に不確かなものであって、やはり相当の基準があって積算できて初めてこういったことの適用があるはずだと思うんだが、その基準も何もない。ただ役所がそう判断するだけで助成したりあるいは罰則を設けたりとかいうようなことについては、私どもは今までの役所の態度から見ていてなかなかこれはちょっと難しい法案だなというように感じるんですけれども、どうですか。
#155
○説明員(梅野捷一郎君) 一番基礎になります判
断の基準につきましては、現在の技術的な知見等を活用いたしまして、あるいはいろいろ普及しております設備等を活用いたしまして、大半のものが省エネルギーに関心を持ち、努力をしていただければ当然に達成されるであろう水準というものを基本に考えてまいりたいと考えているところでございます。
 したがいまして、その点から見ますと今回の助成を考える対象というのは、そういう一般的な御努力をかなり超えてやっていただけるもの、そういう考え方の組み立て方にしているということでございます。
#156
○古川太三郎君 一つの基準を設けて今一〇〇とすれば、こういった法案の適用をしていけば例えば二千平方メートルの建物ならばどのぐらいまで下がるのか、その目標値というのはないんですか。
#157
○説明員(梅野捷一郎君) 現在、具外的な数値として申し上げるところまで作業が進んでいないということでございまして、例えば二割下がるようなものであるとか、先ほど申し上げました全体に適用される判断の基準から見てそういう省エネ効果があるものを対象に絞っていきたいというふうに考えているということでございます。
#158
○古川太三郎君 大臣に申し上げますけれども、答えをいただきたいと思います。
 この法案そのものの趣旨はよくわかるんです。しかし、今の答弁のように何の基準もなくただ努力目標だ、努力するというものについてこの法案の適用があるということになれば、これはもう指導や助言という、とにかく本来ならば自由であるべきところも非常に役所の関与が大きくなってくる、そしてまた国民の税金である税制をいじったりする。こういうことになると、今大きく国民から問われている行政の関与の排除という問題について逆行する法案だと私は見ておるわけなんです。
 確かにこれは個人個人の問題じゃなくて、ある一定程度の大きさのある事業体あるいは工場、そういったものであるからそう心配はないと思うんですけれども、とにかく関与すべきところでないところまで行政が関与していく、こういう方向が大きいんではないか。規制だとかあるいは許認可、そういったものの排除すべきが今の社会の要求です。それが今度は、物すごく通産大臣であり建設大臣でありそういった役所が一般の経済界に関与していく、こういうことはなるべく排除していかなきゃならぬ。そういう意味から世論から逆行する法案ではないか。
 確かに、平和だとかあるいは環境という問題については、これは大きな大切な、重要な価値観なんです。だけれども、そういう平和だ、環境だということに真っ向から反対する人はだれもいない。いないが、幸いに行政がもっと関与できるというような考え方というのは、私は是正しなきゃならぬと思うんです。
 だから、ここまでの基準があるんだ、これだけよくなるんだ、そういうものの基準の策定というものを国民が納得しない限り、若干今の政治状況からは逆行するものではないか、こう思うんですが、御答弁願います。
#159
○国務大臣(森喜朗君) 今古川先生いろいろと例を挙げながらおっしゃったわけですが、今回の一連のこの措置は、事業者等による自主的な取り組みを基軸といたして省エネルギーの推進を図るという、ここをよくしたことが基本的な考え方でございます。
 今回の省エネルギー法の改正は、各事業者等の省エネルギーに対する自主的な努力が空洞化することがないようにしよう、そのための実効担保措置の強化を行うということでございまして、これによって事業者等の省エネ努力が一層進展することを期待いたしておるものでございます。最終的に命令を発動するような場合になりましても、審議会の意見を聞くなどして透明性を確保していきたいと考えております。
 先生の最初の方の質問の御趣旨は、むしろいわゆる行政が余り介入するなというようなそういう御意思もあったというふうに今受けとめさせていただきましたが、本法の運用に当たりましては、行政の簡素化という観点を十分踏まえて行政の過度の介入にならないように、そういうふうにしてまいりたいと考えております。
 具体的には、必要がございましたら事務方の方で答えさせていただきます。
#160
○政府委員(堤富男君) 支援関係で承認制度を取り入れるときに当たりまして、先生のおっしゃるような意味の行政コストがたくさんかからないようにというお話は、十分我々も理解をしております。その観点から、私たちとしましては二つのことをこの法案に盛り込んでございますが、一つは中小企業関係の非常に件数の多いものにつきましてはすべて都道府県にお任せをするという形をとっております。
 それからもう一つ、大企業関係につきましてもすべてを承認にかからしめるということではございませんで、一都の機械につきましては機械を特定することによって、その機械がどういう機械であるかということさえ確認できれば承認を不要にするというような形で、行政コストを最大限最小にするという努力を法案に盛り込んだ次第であります。
#161
○古川太三郎君 いや、私の申し上げるのはそういう行政コストだけの問題じゃなくて、行政が本当に民間に関与する、そういうものを少なくしたい、こういう考え方です。
 例えば建築物あるいは機械器具また照明に至るまでいろいろと細かく規定していく、こういったことは本当に経済的なインセンティブだけで十分な場合だってあり得るだろうと思うんです。それを行政が関与していく。これはちょっとそこだけ読むと、戦時中の統制経済に戻ったんじゃないかなというような気持ちもしないではない。自由社会を、自由経済を標榜する今の政府であるならば、これはちょっと逆行しているんではないか。
 そういう意味で行政の権限だけがひとり歩きして大きくなっていく。本当に環境問題を真剣に考えるんならば、これは環境税、先ほど午前中にちょっとおっしゃった三つの類型がございますけれども、環境税というようなものを本当に真剣に考えていく。それでも、その基本法自体が行政省庁でいろいろと問題になってなかなかまとまらなかったということも聞きます。また、きょうの新聞なんかにも出ておりましたけれども、環境アセスメント、この法案をめぐる覚書すらまとまっていない。本当に環境を重視して行政が対応しているのかどうか。対応するならば、本来ならばこういったことを一番先にしなきゃならぬ。
 それなのに、民間会社が建てるそういう建物の中まで、また照明まで行政が関与していく。ここはちょっと行き過ぎではないか。むしろ経済的インセンティブに任す。これは窓まで法案に書いてあるということになると、窓なんというのは大体日本では、北半球では南に窓をつけるのは常識なんです。そんなことまで一々指図していくというそういう今の行政の態度が何とも不可解なんで、そのあたりをどう考えていられるのか。
#162
○政府委員(堤富男君) 地球環境に対処する方法として規制的な考え方というのもあるわけでございまして、せんじ詰めますと割り当てをしてそれをぎりぎり守らせるという考え方ももちろんあるわけでございます。それから環境税といいますのも、例えばCO2の排出をどのくらい企業がやっているのかということを一つ一つ調べて、それに税金をかけていくというやり方もあるわけでございます。
 そういうハードな手法ではなくて、今回とりましたのはどちらかといいますと先ほど申し上げましたように企業の自主性をベースとしまして、その中で非常によくやった方には助成、それから非常に全体の努力を無にするような方にはこれは勧告、命令、あるいは場合によりますと罰金までいくようなおそれもあるという形で、非常に我々の気持ちといたしましては、手段の選択はなるべくソフトであるべきであるという考え方で今回はやったわけでございます。微に入り細に入りやる
というところの問題と、大きい意味で規制と税金それから助成あるいは企業の自主性という中では、一番ソフトなものを我々はとったつもりでございます。
 しかも、それが先ほど申し上げましたように行政コストの拡大にならないように最大限の努力をさせていただいて、この法案を提出させていただいた次第でございます。
#163
○古川太三郎君 行政コストはまあいいですよ。それよりもあめとむちの使い分けですね。だったら、その中間に基準があるはずです。その基準もあいまいなんです、今の話を聞いていますと。それはグロスではよくわかります。石油換算で三千万キロリットルですか、削減していくというような目標もよくわかります。しかし、それならばもっともっとほかにあるだろうに、こういう建物の基準まで、あるいは照明の基準まで、窓枠まで、そういったことの細かさの行政の関与というのが今国民から問われていることだと私は思うんです。
 行政の権限が大きいだけあって、たくさん権限があって、これを行使しないということについても、非常にこれは大きな政治問題を起こすわけなんです。例えば徴税権がある。税金を徴収するのに、あなたのところは徴収しますよ、あなたのところは無視してあげる、目つぶってあげましょう。あるいは公取の権限でも差別もできるんです。あるいは検察庁だって、この前は金丸さんに二十万円罰金だけで逮捕も何もしなかった。こういう行政権の行使によって非常に不平等なものができてくるわけです。そういうことを今なるべく不平等にしないようにしようというのが日本の国民の声なんです。
 そういう声の中で、もっともっと通産省は通産省だけ、あるいは建設省は建設省だけの権限をたくさんつくる。しかもそれは助成や罰金までつける。もう一つは公表までするとかいうようなことで、非常に大きな権限を与えている。これは一人一人の一般法でやれば非常に私は反対したいと思いますけれども、事業、特に工場とかそういったものはなるほどなという部分もあります。しかし、建物にしてどれだけ本当にエネルギーが省略できるのか、省エネできるのかというようなことになると、計算もできてない部分でこういう権限を付与することについては大きく疑問を持つ。そこら辺のことをもう一度お尋ねしたいと思います。
#164
○政府委員(堤富男君) 実際に与えられました承認権限ですとかそういうことに当たって、公平さをまず旨とすること。それからもう一つ申し上げたいのは、非常に明確性というんでしょうか透明性というものを確保するという意味で、この法律一省エネ法も省エネ支援法の方も承認基準あるいは基本指針あるいは努力指針というような形でそういうものについての明確性を、予見性を与えていく必要があろうかと思っております。
 今のところ承認基準につきましては、例えば省エネ法の方は、平均的な努力という意味では年率一%というような改善があった場合、さらに支援法の場合には、その中でも特に努力をした方という意味では例えば年率三%の改善があったというようなことを、一つ一つを明確に定めることによりまして恣意性を排除していくということについては、意を用いてまいりたいと思っております。
#165
○説明員(梅野捷一郎君) 照明設備等についての御指摘がございましたので若干説明をさせていただきます。現在の空調設備等につきましてもさようでございますが、建物全体についての省エネルギー性能を、現行で言いますと空調設備等についても全体については明確なる指数を決めてございます。基準として決めているわけでございます。
 今回新しく取り上げる点についてはこれから決めていくわけでございますが、同様に建物全体の照明設備の省エネルギー性能をあらわす数値として考えているわけでございまして、具体の設計行為に対してまで規制に入っていこうということは全く考えていないということを御理解いただきたいと思います。
#166
○古川太三郎君 そう言われると、窓とかあるいは外壁からの五メーターとかなんとかいう法案の趣旨はどういうことですか。
#167
○説明員(梅野捷一郎君) 一般の建物につきましてはかなり高度な技術者が設計をいたしますので、間接的な指標をあらわしているだけでございまして、それに対する設計は自由でございます。
 また一方、住宅につきましては、大変そういう数値だけでは理解がなかなかいかないという点から参考になるための具体的な仕様、例えばこういう窓をつけるとこれぐらいになります、こういう壁のやり方ですとこれぐらいの省エネ効果がありますということを公表はいたしておりますけれども、強制をしているものではございません。あくまでそういう全体の省エネルギー性能というもののガイドラインを決めているというふうに御理解をいただきたいと思います。
#168
○古川太三郎君 細かいことはわかりませんが、大ざっぱに言ってこれは合っているかどうか知りませんが、例えば天井を低くすれば省エネの効果は大きいだろう、天井を高くすれば省エネはちょっと難しいだろうというようなことの判断基準までを国がやるべきことじゃないと思うんですね。もしそういうようなことをやってしまうとだんだん天井が低くなってきたり、非常に居住性が悪いとか、工場でもしそういうことがあれば労働者が働くのにも非常に環境が悪くなってくるとか、いろいろどこかにしわが寄ってくるんです。だから、国家がそういう基準を持つのじゃなくて、むしろ経済的にそこに住む人あるいはそれを使う人がそういった考え方から合理的にやっていく方がいいんじゃないか。こういう法律をわざわざつくらなきゃならぬその必然性がないように思うんですけれども、その辺はどうですか。
#169
○説明員(梅野捷一郎君) ただいまいろいろな事例について御指摘がございましたけれども、あくまでこの法律で判断の基準を示しておりますのは、建物全体としての省エネルギー効果の性能をあらわす基準を決めているわけでございます。それ以外の今御指摘ございましたような具体的なものにつきましては、技術的な情報の提供ということではやっているということでございまして、それをできるだけ有効に活用していただいて、先ほど申し上げました全体としての省エネルギー性というものに自主的な御努力をいただこう、こういう組み立て方で現行法もできておりますし、今回の照明等についてもそういうことで考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#170
○古川太三郎君 例えば、公民館にしろ補助金でやる場合には、これは東京の公民館も田舎の公民館も皆同じ形だとか、床面積が同じ平方メートルだとかいうような右へ倣えしていくような方向になるべくならないようにしたいという気持ちから申し上げるんで、決して省エネに反対だとかいう趣旨ではないんです。ただ、やはり行政というのはおのずから限度があるんじゃないかということを特に申し上げておきたいと思います。
 きょう回ってきました附帯決議案も、行政の過度の介入は極力慎むことと原案では書いてあるのにそれがなくなっているんです。私は、これを書いた人はやっぱりその分の危惧があったと思うんですね。しかし、どういう政治的な問題か知らないけれども、それが削除されている。やはり若干考えなきゃならない。むしろ深くこのことは注意しなきゃならぬことだ、こう申し上げておきたいと思います。
 最後になりましたけれども、実際に一定水準を超えるようなものについては公表だとかあるいは命令だとか、あるいはそういったことまで実際に本当におやりになるつもりでこの法案はできていますか。
#171
○政府委員(黒田直樹君) 先ほど大臣から申し上げましたように、本当に全体の省エネ努力を無にするようなひどい場合ということでございまして、私どもはそういうものがないように期待をしている次第でございます。
#172
○古川太三郎君 期待じゃなくて、実際そういう
人がいた場合に公表できるかどうか。この公表するということも、簡単でありながらなかなか難しいんです。政治的な有力議員が、あれはちょっと公表は困ると言われて、またぐらぐら。こういうようなのは交通違反でも何でもたくさんあるんです。そこら辺に幾らでも散らばっているんです。だから、本当に公表すると言いながら、法律で権限をかけながら不公平な執行をしていくことになるとこれは大変なことになる。
 そういう意味で、そういう権限を何でも持ったらいいんだというような法律の態度には私は本当は反対したいんですけれども、全体的な法案として賛成はいたします。
 終わります。
#173
○井上計君 午前から大変慎重な審議が重ねられておりますし、法案についての質疑もほとんど尽くされておるようであります。緊急を要する法案ということでありますが、特に私は法案についての具体的な質問は省略をいたします。それからまた、質問通告をしておりましたけれども、これまた他の同僚議員からほとんど出尽くしておりますから、若干私の感じたことを申し上げながらひとつ質問をいたしたい、かように思います。
 最初に、エネルギー庁長官にお伺いするんでありますが、最近といいますか、この五、六年来のエネルギーに対する環境の変化は大変著しいと思います。思い出しますと、第一次オイルショックあるいは第二次オイルショックのときにももう現在以上に省エネという問題が大きな政策として、また大変な関心事としていろいろと論議されたわけであります。
 例の第四次中東戦争によって、昭和四十六、七年ごろまで一バレルたしか二ドル七十セント平均ぐらいの原油の輸入価格であったと思いますけれども、これが第一次オイルショックで一挙に約三倍になり、さらに第二次オイルショックのときには、その後一番高いときには一バレル三十七、八ドルになったことがあると思います。一躍十数倍になりました。その後若干落ちついておりますけれども、しかし現在でも安いときから見ると十倍ぐらいの原油価格であるということであります。
 したがって、第一次、第二次オイルショックのときには我が国の省エネ政策の基本は、石油が近い将来なくなるおそれがある、それから大変にコストが上がってくる、したがってそれについて代替エネルギーをどう開発していくかというのが当時主たる論議の中心であったというふうに私は記憶をしておるわけであります。その当時、代替エネルギーの開発のためには、随分と国も研究費あるいはまた助成をして太陽熱発電であるとか、太陽光発電であるとか、あるいは地熱発電、それから海水温度差といいましたか、私も当時エネルギー対策特別委員として各地に視察に行ったことがあります。
 その後最近、全くそのような研究等々が話題に上らぬようになりましたが、今申し上げたようなそういうふうな代替エネルギーについての研究、開発状況、あるいはあわせて核融合の開発、研究等々は最近どういう状況になっておるんですか。どうも思いつきの質問で申しわけありませんが、お聞かせをいただきたいと思います。
#174
○政府委員(黒田直樹君) 石油代替エネルギーの開発につきましては、時々のもちろんテーマあるいは進捗状況によって変わってまいりますが、基本的には第一次オイルショック以降いろいろな形で必要性がうたわれたものを引き続き実施をしてきている、こういう状況でございます。
 具体的には、例えば石油代替エネルギーの中では、今先生いろいろおっしゃいましたけれども、太陽エネルギー、これについてはサンシャイン計画に基づきまして、過去昭和四十九年、したがって第一次オイルショック以降これまでに八百五十億円ぐらいの研究開発投資を予算で計上いたしまして、この間に太陽電池のコストといったものも相当安くなってきているわけでございます。ただ、まだ残念ながら現在の大容量の火力発電等には及びませんけれども、着々と実施してきているところ、かつまた今後とも進めていかなければならない課題であるというふうに思っております。
 それから、例えば燃料電池につきましても技術開発を進めてきているところでございまして、御承知のように燐酸型のタイプのものについてはほぼ実用化のめどがついてきている。若干コストが高い面はまだございますけれどもついてきているわけでございまして、今別途新しく溶融炭酸塩型のものについて研究開発に取り組んでいるのが現状でございます。その他、風力とかいった点についてもいろいろ努力をしてきているところでございますし、また石油代替エネルギーという意味では原子力もあるわけでございますし天然ガスもあるわけでございます。これらは、研究開発というよりはむしろエネルギーの実際の実用化ということでございます。
 先生よく御案内のように先ほど第一次オイルショックのときとの比較がございましたけれども、当時第一次オイルショックの段階では石油依存度が七八%ぐらいあったかと思います。現在、これが五八%ぐらいまで二〇ポイントエネルギーの石油依存度が落ちているわけでございまして、これを何で賄ったかと申しますと、原子力が大体一〇ポイント、それから天然ガスが大体一〇ポイントということで供給構造も変わってきているわけでございます。
 そういうことで、実用化されるものはされ、研究開発が進められているものは進んでいる、そして一部成果も上がってきているというのが現状ではなかろうかと思います。
#175
○井上計君 そこで、現時点での省エネの方針は、一般的に言いますと最近特にやかましく言われておる公害問題、特に地球の環境保全というふうなことのために化石エネルギーをできるだけ使わないようにというのが一般的な風潮だと思うんです。これはこれで大変結構だと思います。しかし、同時に安定的なエネルギー源の補給ということがまた大きな課題であるわけでありますから、これを両立していくためにどうするかということでありますけれども、私はその場合にやはりコストの問題を無視してはいけないと思うんです。
 ところが、最近はコストのことは余り言われないで、何か二の次になっている。まず地球温暖化の防止、それから地球環境保全というふうなことを最優先している、こう考えるんです。ところが、今後日本経済、特に世界経済全般を考えてみるときに、一定の成長率をやはり維持していく、そのためにはいろんなものをさらに開発していかなくてはいかぬ。
 一例を挙げますと、労働時間の短縮を考えても、その場合には、労働時間の短縮の唯一というか最大の対策は省力化、それから合理化だと思うんですね。これはまた大変なエネルギーを必要とするわけです。それから、けさほど通産大臣が言われましたけれども、より文明社会というものが進んでいく、国民の願いはやはり豊かでそしてゆとりのある生活となってきますと、そこにやはりどうしてもエネルギーを必要とするというふうなことになってくると、さて、そこで両立をするのかどうか、両立をさせるのは大変難しいというふうな問題がこれから随所に起きてくるんではなかろうかと思うんですね。
 そこで、もう時間がありませんから私の意見も申し上げますけれども、大臣に御所見を承りたい。
 今後の省エネ対策として、そういう場合に問題にするのはやっぱりコストの問題。しかし、コストが上がってくる、それを抑えなくちゃいけませんが、同時にコストが上がっても構わぬ、上がったコストについては例えて言うと環境税のような考え方で生産者からこれを取るべきだという意見もあるんですね。これは大変なことだというふうに私は思いますが、それらのことについて、お差し支えなければ現時点で大臣はどのようにお考えであるのか。
 それからいま一つは、省エネ政策というのはもっと行政が一元化していかなくちゃいかぬ。ただ単に通産省だけの問題ではありませんで、農水省においても、運輸省それから建設でも、あらゆ
るところで省エネ政策というのは一元化させないとなかなか十分なる省エネというものの目的が達成できないんではなかろうかな、こんなふうに考えるんですが、これにはもっと通産省が中心になって各省のそのような問題等々を統括した中で今後の省エネ政策を強力に進めていただく必要がある、このように考えます。
 地球規模でのエネルギー問題を考えるときには、従来以上に通産省にもっと頑張ってもらって、エネルギー政策の一元化に向かって進んでいただかなきゃなりませんので、それらについて大臣がどのような構想、見解をお持ちであるのか。それから、先ほど申し上げました環境税ということについてこれからやはり論議されてくると思いますけれども、どんなふうなお考えであるのか。この二点を、意見を申し上げて、できれば大臣のお考えをお聞きをいたしたい、かように思います。
#176
○国務大臣(森喜朗君) これから世界全体を考えていく、いわゆる地球的規模で人間の生存を考えていく、当然また人間の生存は経済成長がなくてはこれはあり得ないことでございます。そこのバランスをとっていくということが極めて重要でございまして、そういう中で今度のような法律をお願い申し上げて、やはりみんなが自主的に取り組んでいくように進めていこうということの考え方がまず基本的にあるわけでございます。
 もう一つは、これもまた何回かごの委員会でも議論として出たと思いますが、地球全体の環境を考えていくわけでありますから、日本だけで物事を進めていくわけにはいかない。もちろん技術的なものをいろいろ取り入れてそれを世界全体に及ぼしていくという、この技術を指導していく、これは大変大事なことだと思いますけれども、例えば今御指摘のような環境税のようなことを日本側だけが仮に積極的に進めたといたしましても、むしろそういうことの可能でない国もたくさんあるわけであります。
 そういたしますと、日本の経済成長が落ちるというのは環境のために成長が落ちるんではなくて、経済というのは生き物でありますからそういう負担の少ないところに動いてしまう。負担の少ないところに動かすということは、逆に言えば環境に対して少し甘いということになるわけですから、そこから公害が発生してくるということになりかねないということを考えますと、バランスをとった政策というものは極めて必要だというふうに私は個人的にもそういう考え方をいたしております。
 いわゆる環境基本法をまとめました経緯がいろいろございますから、その経緯につきましては、その直接の責任者でございます立地公害局長からその過程などを、御承知かもしれませんけれども、答弁をさせたいと思います。
#177
○政府委員(堤富男君) コストの点が大変重要であるということでございますが、おっしゃるとおりでございまして、規制がなかなか難しいということと、あと将来エネルギーについて制約があるということになりますと恐らくコストアップということのおそれがあるんではないかと思っております。したがいまして、環境税を入れるというような考え方は、その流れを前倒しにして早く国民にそういうことを気づかせるべきだという議論も一つあるわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、この考え方は経済の成長との関係では大変大きな影響もあることがわかっておりまして、経済成長を優先するか環境を優先するかという問題ではなくて、これは国際的にも両立を図らないと、この百年の長い地球を守る環境の闘いには勝ち抜けないのではないか。
 むしろ、地球環境問題という裏には南北問題という非常に大きな、今八割の人たちが二割しかエネルギーを使っていない、この人たちが今後発展をしないと人口爆発がとまらないという非常に大きな問題を抱えているわけでございます。そういう問題を考えますと、むしろ日本はある程度の経済を成長させながら二つの方向、一つは技術開発、一つは経済協力というところに日本の経済成長の成果を使ってこの百年の間に地球を守る技術を生み出すということが、日本がこれから進むべき道ではないかというふうに考えている次第でございます。
 これにつきましては、地球温暖化防止行動計画等をつくりまして全省一致して一つの方向に向かってやっておる次第でございまして、時々新聞に出ますように小さな意見の違いはございますけれども、大きい流れといたしましては政府全体として取り組み、今回環境基本法を提出させていただくような次第になったわけでございます。
#178
○井上計君 終わります。どうもありがとうございました。
#179
○小池百合子君 超ハードスケジュールでの訪米をなさってお帰りになったばかりの通産大臣に伺いたいと思っております。
 先ほど御報告いただきました中に大変興味深い御指摘があったと思うんですが、それはゴア副大統領がむしろ日本に学びたいというふうにおっしゃったという点でございます。四十六歳、四十四歳という、戦争というとベトナム戦争の方を想起する世代の方々にとって、日本との一種の経済戦争にむしろ敗北感を感じているというふうな、そういう表現がマスコミでも使われたりもするわけでございます。
 一方で、太平洋戦争そして敗戦ということが歴史ではなく体験であるという世代が多い我が国といたしまして、もちろんアメリカでも大統領と副大統領が二人で一国を操っているわけではございませんで、先ほどもありましたようにベンツェンさんのように大変な重鎮もいらっしゃるということですが、いずれにせよトップがベビーブーマー世代であるということは、これまでの日米関係とまた若干スタンスであるとか、それからもしくはコミュニケーションの仕方であるとか、そういったことも変えていかねばならないのではないかというふうに感じるわけなんです。こういった世代間のギャップとか発想のスタートラインの違い、その辺のところをどうコミュニケーションをちゃんと持っていくのか、お帰りになったばかりということであえて伺わせていただきたいと思います。
#180
○国務大臣(森喜朗君) どの点からお答え申し上げていいかわかりませんが、先生も持ち時間が短いもので、長くなるとまた市川先生のときに怒られるんじゃないかと思いますが……。
 大変いいポイントを先生はついておられます。クリントン政権ができましたとき、やっぱり私は率直に思いましたのは、戦後トルーマンから、ルーズベルトからきたといってもいいんじゃないでしょうか。それから順序はちょっと違うかもしれませんが、アイゼンハワーもありましたし、カーターもありましたし、ジョンソンもありました、そしてずっとレーガン、ブッシュとくるわけです。私は、これは自分でも一つの持論だと思っているんですが、この世代というのは日本をやっつけたんですね。日本をやっつけたと言うことはよくないんですが、日本と戦争して勝った勝ち組なんです。ですから、勝ったということに対する意識がある。したがって、逆に言えば日本をさらに軍国化しちゃいけないとか、やはり日本を指導していかなきゃならぬという面もあるでしょう。
 もう一面、私どもは余り言っていいことかどうか迷うんですが、これも次に言っておく必要があると思いますが、世界で初めて原子爆弾を落とされた、これからあってはならないことだ。また、アメリカもそれを落としたということについては、やはり相当な責任を感じておられる。そういう世代の人たちが、今日まで戦後の日本といろんな感情を持ってきた。ところが、今小池さんがおっしゃるようにクリントンさんやゴアさんというのは戦争世代ではないわけです。ですから、自分たちがある程度のことがわかったときの日本はもう巨大な経済国家だった。
 先生は、私よりはるかに若いんですが、私は小学校二年生のときに終戦だった。学校の先生に教わった一番先のことは、アメリカは四人に一台自動車があるんですよ。片っ方では、軍艦や鉄はと
んどん当時ストリップミルなんていう高速圧延機でつくっているんですよ。日本はトンカチトンカチやっていたんですよ。そういう産業の違いというものを小学校のときに先生に教わったときに、非常に印象深く今でも覚えておるんです。私どもの石川県は、お隣の福井県の古川さんもそうだけれども、四人に一台自転車もリアカーもなかったんですから、大変な産業の違いなんですね。圧倒的な段差を感じた。だから、アメリカというのはクライスラーだ、ビュイックだ、フォードだという、すごい車の国だと思った。
 ところが、恐らく今のアメリカの子供は、私が文部大臣当時にアメリカの高校で講演したことがあるんですが、日本の印象を一言言ってみてくださいと言ったら、手を挙げたのが、ジャパン・イズ・ダットサン、ジャパン・イズ・ソニー、ジャパン・イズ・NECと言うんですね。もうアメリカの子供たちにとっては、日本のイメージはそういうものになってしまっている。
 それでは、クリントンが今政権をとって日本を見てどういうイメージになっているかというと、巨大な経済国家で大変な科学技術を持った国だという見方をしています。そこが今までずっとトルーマンから始まったブッシュの世代の指導者と、これからの日本に対応していく指導者との私は決定的なやっぱり違いがある。そのことを念頭に置いたこれからの日米間というものを考えたおつき合いをしていくということが私は非常に大事なんではないだろうかというふうに思いました。
 そういう意味で、谷畑さんのときに申し上げましたが、我が国は今予算審議をやっています、予算審議をやっているときに政府の閣僚が追加的補正予算を考えているんだとかと言ったら、恐らく国会はそれでとまっちゃった、昔は。今は、遠慮深くこっちも言っておりますけれども、そういう議論があっても割と皆さんが理解を示してくれる。それから、さっき言いましたようにいろんなことがありました、日本の政治には確かにいろんな不祥事があっても、何となく三月三十一日までの年度内に何とか上げようじゃないですかということを、与党はもちろん必死ですけれども、野党の皆さんがむしろどうしたらそうできるだろうかということで大変な努力をしてくださっているというような、そういう考え方も向こうへ私はお話をしました。
 やっぱり日本も大きく変わっていくんですねと、そういう感想もゴア氏は言っておられましたけれども、そういうふうに本当に日米は新しい時代にいよいよ入っていくなということは私の一番の感想であります。長くなりまして申しわけありません。
#181
○小池百合子君 ありがとうございました。
 では、時間がございませんので、この法案の方に入らせていただこうと思います。法案そのものというよりも、新人議員といたしましては、法律の名前というのはこんなものかなと思えばそうなんですけれども、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律であるとか、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法ですか、ここら辺からまず省エネしていただきたいなということをまずお願いしたい。
 それから、省エネでございますけれども、私も省エネという言葉については非常に思い出もあるところなんでございますけれども、第一次、第二次オイルショック、そのたびにこの省エネという言葉が出て、そしてのど元過ぎれば消えということも、これまでおよそ二十年の間に繰り返し行われてきた。その間に、産業用の面での省エネというのは非常に進んだということもございます。しかしながら、全体的、つまり民生用も含めて国民全体で省エネ意識が高まるときというのは、やはり何といいましても原油価格がアップする、それが最大の動機づけになっていることは否めないと思うんですね。
 そこで、資源エネルギー庁長官に伺いたいんでございますけれども、残念ながら日本は消費国というチョイスしかございませんので、供給サイドのことについての今後の分析など、これをしっかりやることによって――これからひょっとしてまたまた起こるかもしれない、もしくは、需給バランスによって市場価格は決まっているというのが最近の動向でございますけれども、今後こういった世界情勢が非常に不安定な中で、例えばロシアが最大の原油輸入国に転落するかもしれない。既にもう一千万バレル・バー・デーを切っているような状況でございますし、また逆にカザフであるとかトルクメニスタンであるとか、そういった新しい顔ぶれが出てくるかもしれない。
 さらには、OPECにいたしましてもこれまでのような結束が見られず、例えばアルジェリアなどの脱会などもささやかれておりますし、またOPECそのものにしましても、これは政治的ですけれどもきのうあたりではアルジェリアとイランの断交があったりとか、さまざまな世界的、政治的、経済的な要因というのが渦巻いていると思います。
 そこで、省エネということにも一番関連しているこういう原油を取り巻く情勢、これについての見方について伺いたいと思います。
#182
○政府委員(黒田直樹君) 石油の需要がどれぐらいになっていくかという点がまず第一にあるわけでございますけれども、これは発展途上国を中心といたしますエネルギー需要の伸び、この中でやはりある伸びを示していくことは間違いないだろうというふうに思っております。
 それに対応する供給力の問題でございますけれども、ちょっと午前中も申し上げたわけでございますが、第一次オイルショック以降、やはりOECD諸国での石油生産、具体的には北海であるとかアメリカであるとかいったものの石油生産が非常にふえて、その結果といたしまして中東依存度というものも下がったわけでございますけれども、御承知のように北海も峠を越しつつありますし、アメリカは非常に生産が減退してきているというのが実情でございます。
 さらにもう一方、今先生から御指摘がございました旧ソ連の石油生産、一時は千二百五十万BDぐらいまでいっていたわけでございますけれども、最近の瞬間風速では七百万BD台にまで落ちでいるという状況でございます。ただ、この旧ソ連諸国の石油生産の状況はまだ域外には影響は出てきていないわけでございまして、どういう形かよくわかりませんけれども、消費が減退してきている。ある意味で、輸出の方は出てきている状況でございます。
 例えば、ロシアのチュメニ油田なんかの場合でも水攻法というものを非常にやり尽くしているという感じでございまして、今は水九に対して油が一ぐらいしか出てきていないというような状況になっているところもかなり多くなっているというふうに聞いているわけでございまして、その辺の維持、補修はどうなっていくか。それから、今後新しい油田の、油田自体はあり得るわけでございまして、その開発がどういうふうに進んでいくかというところが注目すべき点かと思います。
 何といっても、やはり油の埋蔵量の三分の二は中東諸国にあるわけでございまして、中東諸国になりますと小池先生の方がずっと私よりも詳しいわけでございますが、これは数字的に申しますと、IEAの見通しては二〇〇五年のころに大体中東への依存度が三三%ぐらい、つまり三分の一ぐらいになると言われております。これはたまたまの一致でございまして、そうなるからそうなるというわけではございませんが、第一次オイルショックのときの中東依存度というのが三六%でございました。第二次オイルショックのときが三四%でございまして、そういうところから三分の一ぐらい中東依存度が高まってくるとまた危ないんじゃないかということをおっしゃる方もおられますが、それほど単純に私どもは考えておりません。
 しかし、中東諸国にはいろいろ社会的、政治的に不安定な要因もあるわけでございまして、湾岸戦争のときにもございましたようにちょっとした油の途絶等でやはり価格も非常に高騰するという
ような事態も予想されるわけでございます。
 そういうことで、中東依存度が今後高まっていくものですから、そういう意味で中東での何か不安定な要因が起きますとまた一時的な需給の逼迫とかいった要因というのは今後も十分にあり得る。また、そういった可能性という意味では、そういうものを予想して政策当局として私どもも考えていかなければならないと考えているわけでございます。そういうことで、明確に見通しを申し上げるのは困難でございますけれども、かなり国際石油情勢というのも厳しくなっていくことを予想していろいろな物事を考えておかなければならない、こういうふうに考えている次第でございます。
 ただ、今回お願い申し上げております省エネ法案、そういった安定供給の問題と同時に、先ほど小池先生は、原油がなくならないとあるいは高くならないと省エネはしないという一次オイルショック以降の経験をおっしゃったわけでございますけれども、そこのところがまさにポイントでございまして、地球環境問題というのはきようどうなるという話ではないものですからなかなか難しい問題がある。やはりそういったエネルギー情勢、地球環境問題に対する要請、そういったものからくる省エネルギーの必要性、まだまだ私どもPRが不十分だと思っておりますので、今後とも一層のそういった啓蒙、広報活動に努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
#183
○小池百合子君 今回の法案でございますけれども、先ほど古川議員の方もおっしゃっておられましたが、非常に細かく行政の介入が懸念されるという発言もございました。この二法を見てみますと、省エネに関しましてもそれぞれ対象となっているのが事業者に限られているという点に若干疑問を感じているところでございます。つまり、あめとむちを使い分けることができる、また特にむちの方を使うことのできるのが対事業者ではなかろうかというふうに思います。
 しかしながら、九〇年度で見ましても前年度比で民生用については、エネルギー消費量の伸びが四・五%と産業用の三・二%に比べまして高い伸びを示している。それから、産業用につきましてはさまざまな方法で、またみずからのコストにはね返ってくる等々のことがあって非常にインセンティブにもなりやすいということなんだと思います。
 しかし、民生用の部分で、特に家庭のエネルギー消費量というのが二〇一〇年には一九九〇年に比べて四三%アップという通産省の数字があるわけでございますけれども、中でもこれから消費の目玉になるであろうと言われるようなハイビジョンであるとか、それから全館の冷暖房がさらに充実していく。つまり、やはり一たんぜいたくをし始めてしまいますとなかなかそのレベルを下げるというのは人間難しいものがございますので、ついついよりよい生活を求めてしまうわけでございまして、これは否定することはできないと思います。そこで、エアコンの燃費などを下げていくという産業面での努力、これに期待するところも多いわけです。
 いずれにいたしましても、民生用の伸びというのをむちで抑えることはなかなか難しい。もしくは、もちろん省エネを啓蒙していくという、大変地道ではありますけれども、省エネをやっていることがシンプルライフを実践していてなかなか格好いいとか、そういうところまで持っていければいいんですけれども、なかなかそれも難しい点もあるかと思います。
 そこで、最近の景気対策も含めまして、先ほど市川議員もおっしゃっていたんでしょうか、住宅建設との絡みということで伺いたいと思っております。
 先ほどもございましたけれども、現在省エネ住宅振興の意味で住宅金融公庫から省エネ住宅向け融資の上限額が二百九十万から三百九十万に引き上げられたということなどございます。省エネ住宅にしますと、どうしてもまだまだ太陽電池で本るとかそういったコストが高いものを使用したりするので割高になってしまうということで、その分こういった融資でもってインセンティブをつけようということがわかるわけなんでございます。
 また、省エネ住宅を建設することによって、利用者とすればランニングコストが下がるといった面が余りPRされていないように思うんです。これは、最近住宅を例えば吹き抜けの家にしてみたり、そういうことで最初は格好いいと思ってつくった住宅がいざ住んでみると毎月十万円も十五万円も電気代がかかるとか、そういったようなことを実際に私の友人なども嘆いていたりするわけなんでございます。ですから、このランニングコスト感覚というのが意外と建設のときに欠けている場合が多いように思われます。
 そこで、こういった省エネ住宅の振興につきましての建設省の方の御意見というか、御見解を伺いたいと思います。
#184
○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。
 住宅の省エネ化につきましては、従来から金融公庫の割り増し融資制度等を活用してきたわけでございます。この省エネ法のできました五十四年に、住宅についても断熱構造化に対する基準を設けまして、それに向かって自主的な御努力をいただく際に金融公庫で特別の割り増し制度を設けたということでございます。その点につきましては、順次省エネという御理解が深まったり、今御指摘のようなランニングコストその他のこともお考えになった上で相当そのレベルでは広まりましたことから、平成元年にはほとんど一般のすべての住宅がその基準をクリアできるような状況になってまいりまして、融資の方も一般融資の中に繰り入れでございます。
 その後、昨年でございますが、そういう状況を踏まえまして、さらに高いレベルを目標として皆様方の御努力をお願いしようということにいたしまして、それに向かっていろいろな御努力をいただく設備その他については再び金融公庫でさらに割り増し制度を設けて誘導していこうという取り組みをしているところでございます。
 いずれにいたしましても、そういう誘導的な融資制度を活用しながら、皆様方の御協力を得ながら進めていくべきだというふうに考えているところでございます。
#185
○小池百合子君 そういった融資について積極的に取り組んでいただくのは大変ありがたいと思うんでございますけれども、時としてユーザー側から考えますと、建設省側からの融資を受けるときと通産省側からの融資を受けるときとちょっと縦割り行政で、ユーザー側にすれば両方からある程度コンバインして受けられるべきものが片方をとってしまえばこっちはだめとか、そういったことがないようにお願いしたいんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#186
○説明員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げました基準につきましても、通産省と私どもとは協力をして内容の検討もしておりますし、それに対しますいろいろな方策についても、たまたま私どもが住宅については金融公庫を持っているということから私どもの金融公庫で割り増し制度を使っておるというようなことでもございます。また、一般の建築物につきましても、開銀の融資でありますとかその他については通産省と十分御連絡をとりながら一緒になってやっているということで、少なくともこの省エネ問題について双方でそこを来しているということはないのではないかというふうに考えております。
#187
○小池百合子君 常にユーザー側の立場に立って、そしてユーザー自身がその融資に対してまたインセンティブをそがれないようなそういう方策をぜひ続けていただきたいということをお願いしたいと思います。
 こういった省エネルギー住宅というのは、これから全体の省エネということにもかかわりますし、また現在、この不景気の立て直しのためのさまざまな減税議論が行われておりますけれども、その目玉となる住宅建設ということにも直接つながる可能性もございます。省エネ住宅の建設の促
進といったような言ってみれば一石二鳥、こういったところで例えば住宅の減税をそういった省エネ住宅にまず優先するとか、そういったこともお考えになってはどうかというふうに思うんですが、これ大臣に伺ってよろしいですか。
#188
○国務大臣(森喜朗君) こうした問題がだんだん国民に理解をされて浸透していきますならば、政治政策的にはいろんな形でこれからそうしたことを考えていけるふうになるんではないかと思います。
 もう一つだけぜひ申し上げて、先生の御参考にさせていただきたい。
 私、一月にECへ参りましたときに、小池先生は女性ですからぜひ一度お会いになられたらいいと思いますが、サッチャーさんにお目にかかったんです。サッチャーさんに、正直言って今までの日本は大量生産、大量販売、大量廃棄、こういう問題で非常に困っております、一方では景気を高めていく、一方ではそうしたことの反省がある、非常に難しい問題ですが何かお知恵がございますかとお尋ねしましたら、サッチャーさんはそれは違いますよ、日本はこれからいい家がどんどんできていくでしょうと。つまり、今先生がいろんなふうにおっしゃったようないわゆる環境やエネルギーやそういうものを考えていく、質の高い家をどんどんこれから日本人はつくっていきますよ、日本人の知恵からいったらどんどんそういうことを取り入れていくでしょう、必ずそういう意味で景気が別の意味で大きく上昇をするはずですよと、こういうお話をしておられました。
 今先生に御質問を受けながら私はふっとそのことを思い出しましたので、何とか答弁に指されないかなと思って期待しておりました。そんなことだけちょっと感想として申し上げます。
#189
○小池百合子君 突然大臣に指名さしていただいて恐縮だったんでございますけれども、ちなみにサッチャーさんとはお目にかからせていただいております。
 それから、これからのそういった省エネを図る上で教育の面も非常に重要かと思われます。最後、時間がございませんので、この教育をさらに進めていく上でもぜひ、先ほどちょっと私申し上げたんですけれども、省エネというとしぶちんであるとか何だかけちくさいとか、そういったようなとらえ方をされることも多いんです。しかし、今のライフスタイル、「清貧の思想」などという本が売れる時代になりまして、ちょっとその辺も変わってきたかなというふうに感じておりますけれども、今後の啓蒙、PRについてどういう方針なのか伺わせていただきたいと思いますが、どなたか。
#190
○政府委員(黒田直樹君) 省エネの啓蒙の必要性、これはすべてのエネルギー消費者がやはりその背景を理解していただいて努力していただくことが必要でございますので、今後とも一層努力をしてまいりたいと思います。この二法案の国会審議の過程におきましても、いろいろな御意見をちょうだいいたしました。そういったことも参考にさせていただきまして、また予算的には来年度、今年度の五倍以上の予算を広報予算として計上いたしておりますので、それらの活用を図りながら、またいろいろなアイデア等もいただきながら、啓蒙に最大限努力していきたいと考えております。
#191
○小池百合子君 終わらせていただきます。
#192
○委員長(斎藤文夫君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松尾官平君から発言を求められておりますので、これを許します。松尾君。
#194
○松尾官平君 私は、ただいま可決されましたエネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合及び日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、内外におけるエネルギー情勢の変化及びエネルギー消費が環境に及ぼす影響に対する懸念の高まり等に適確に対応していくことの重要性にかんがみ、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 省エネルギーの必要性が国民の各界各層に十分に浸透するよう、マスメディア、学校教育、地域活動等を通じ、積極的に啓発活動を展開するとともに、基本方針の策定に当たっては、具体性、説得性のある内容とするよう努めること。
 二 事業者等が自主的・積極的に省エネルギーに取り組めるよう、施策の一層の拡充等による誘導に努めること。
 三 運輸部門並びに住宅、中小規模ビル等の建築物に係る省エネルギー化の促進を図るため、特定機器の指定に当たっては、可能な限り拡大するよう努めること。
 四 「石皮並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」及び「電源開発促進対策特別会計」における海外協力事業に要する資金の支出については、それぞれの特別会計の目的に照らし、適切に対応すること。
 五 新エネルギー、省エネルギー技術の研究開発及びその成果の普及促進に積極的に取り組むとともに、分散型電源、未利用エネルギーの活用・普及を図るための環境整備に努めること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#195
○委員長(斎藤文夫君) ただいま松尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、松尾君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森通商産業大臣。
#197
○国務大臣(森喜朗君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#198
○委員長(斎藤文夫君) 次に、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 吉田達男君から発言を求められておりますので、これを許します。吉田君。
#200
○吉田達男君 私は、ただいま可決されましたエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合及び日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行に当たり、我が国経済社会を環境調和型経済社会に円滑に移行させるため、エネルギー及び特定物質の使用の合理化並びに再生資源の利用等を促進することの重要性に照らし、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法の趣旨、内容について広く関係者に周知徹底するとともに、本法の助成対象となる「特定事業活動」及び「特定設備」について、本法の施行状況、環境の保全状況、関連技術の開発状況、関連設備の導入動向等を勘案し、必要に応じてその対象の拡大、助成措置の充実・強化に努めること。
 二 多岐にわたる多様な事業実態を持つ事業者等が容易に特定事業活動に関する承認申請をすることができるよう、その目安となる承認事項について十分明確かつ具体的な内容を提示するとともに、特に中小企業者等の利用意欲を失わせることのないよう留意すること。
 三 関係省庁は、本法に基づく施策が円滑かつ効果的に実施されるよう相互の協力に万全を期すること。
 四 再生資源の利用の促進を図るため、再生品の需要の拡大、回収事業者の事業環境の整備に努めるとともに、関係省庁間、地方公共団体との連携を強化すること。
 五 特定フロン等の全廃期限の前倒しに伴い、産業界、特に中小企業が特定フロン等の円滑な削減を行うことができるよう特段の対策を講ずるとともに、オゾン層非破壊型第三世代フロン等の開発に積極的に対応すること。
 六 地球温暖化防止行動計画を実現するため、今後同計画に盛られている施策の一層の具体化を図るよう努めること。
 右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#201
○委員長(斎藤文夫君) ただいま吉田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#202
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、吉田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森通商産業大臣。
#203
○国務大臣(森喜朗君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#204
○委員長(斎藤文夫君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#206
○委員長(斎藤文夫君) 次に、不正競争防止法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森通商産業大臣。
#207
○国務大臣(森喜朗君) 不正競争防止法案につきまして、その提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 不正競争防止法は、知的財産の保護と競争秩序の維持に関して重要な一翼を担う法律でありますが、昭和九年に工業所有権に関するパリ条約へーグ改正条約に加盟するために制定されて以来、基本的枠組みを変えておりません。
 この法律案は、多様かつ巧妙化する近年の不正競争に的確に対処するため、現行不正競争防止法の全部を改正するものであります。
 なお、この法律案は、産業構造審議会において平成四年七月から慎重な審議が重ねられ、昨年十二月に提出されました同審議会の中間答申であります「不正競争防止法の見直しの方向」を踏まえた内容となっております。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、不正競争の類型の拡充であります。
 具体的には、既存の類型に加え、物まね商品の被害を防止するため他人の商品の形態を模倣した商品の販売等を行う行為を、また自社イメージの維持向上に係る企業努力を保護するため著名ブランド等を無断で使用する行為を、さらにサービス業界における公正な競争を確保するためサービスの内容等を誤認させる行為を新たに差しとめ、損害賠償等の民事請求の対象とすることとしております。
 第二は、不正競争により営業上の利益を侵害された者に対する救済面の充実を図ることであります。
 具体的には、不正競争による損害額の立証を容易にし、被害に対する適切な救済を図るため、不正競争による損害の賠償請求に関し、特許法等と同様に損害額の推定規定及び損害額の計算に必要な書類の提出命令規定を新たに設けることとしております。
 第三は、不正競争に対する十分な抑止効果の確保であります。
 具体的には、罰金額を引き上げるとともに、特に法人の業務活動に関連して行われる不正競争に対する抑止効果を確保するため、証券取引法、独占禁止法の例に倣い法人重課規定を設け、法人に対する罰金の限度額を引き上げることとしております。
 加えて、法の目的及び不正競争の定義を明らかにし、国民にとってよりわかりやすい法律とするため目的規定を新たに設けるなど、所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#208
○委員長(斎藤文夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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