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1993/05/13 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第10号
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1993/05/13 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第10号

#1
第126回国会 商工委員会 第10号
平成五年五月十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 文夫君
    理 事
                沓掛 哲男君
                松尾 官平君
                吉田 達男君
                井上  計君
    委 員
                倉田 寛之君
                下条進一郎君
                前田 勲男君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                谷畑  孝君
                峰崎 直樹君
                村田 誠醇君
                藁科 滿治君
                浜四津敏子君
                和田 教美君
                市川 正一君
                古川太三郎君
                小池百合子君
   国務大臣
       通商産業大臣   森  喜朗君
   政府委員
       経済企画庁調査  土志田征一君
       局長
       通商産業大臣官  内藤 正久君
       房長
       通商産業大臣官  江崎  格君
       房総務審議官
       通商産業省産業  熊野 英昭君
       政策局長
       中小企業庁長官  関   收君
       中小企業庁計画  桑原 茂樹君
       部長
       中小企業小規   井出 亜夫君
       模企業部長
   事務局側
       常任委員会専門  小野 博行君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○商工会及び商工会議所による小規模事業者の支
 援に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案並びに中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○谷畑孝君 それでは最初に、森通産大臣にお伺いをいたします。
 バブル崩壊後の不況の長期化と最近の急激な円高の中で、もちろん政府もあるいは通産省も総力を挙げながら景気の対策を打っておるわけでございますが、その結果確かに底は見えてきた、こういうことでありますけれども、しかし底は見えてきましたけれどもいわゆる実感といいましょうか、とりわけ末端の中小企業の状況というのはまだ息がつけない、こういう状況にあると思うんです。
 そこで最近は、不況を乗り越えていくために、とりわけリストラというものが非常に大きな一つの焦点になっておる。リストラというのは一体何だろう、こう思うんですけれども、いわゆる一ドル百円台を想定して生き延びていくためにやはり徹底的な合理化をしていく、これが言いかえればリストラの中身じゃないだろうか。徹底的な合理化を進めていこうとすれは、いや応なしに末端の下請に対してまず受注単価を切り下げる、こういうことに実はなっておるのじゃないか。だからこそ、底が見えても中小企業においてのしわ寄せについては非常に深刻な問題がある、こう思うわけでございます。
 つきましては森通産大臣に、まずそういうところの基本的な認識といいましょうか、できましたらひとつ今日の中小企業における状況などを語っていただきたい、こういうふうに思います。
#4
○国務大臣(森喜朗君) 谷畑委員から最近の景気動向についての先生のお考えも含めてお話しいただきまして、確かに先生のおっしゃるとおりのそういう見方を私もいたしております。
 きのう政府の月例経済会議がございまして、けさそのことについては新聞にも詳しく出ておるとおりでございますが、通産省としましては、在庫調整が進展しておりますし、住宅着工も増加していますし、確かに一部には株価の上昇などもございまして、一部に回復の兆しを示す動きは見られております。しかし、鉱工業生産指数を見てみますと、先般もこの委員会で私はたびたび申し上げたかと思いますが、やはり二、三月は決算対策ということもございました。四月、五月の予測ともこれはマイナスで私ども予測をしておるわけでありまして、端的に言えば在庫調整は進んでおりますが、さてそれでは生産の動きが見られるかどうかということが今一番大事なところではないか。そういうふうに見ておりますと、もう一つやはり様子を見ているということが一面にはございます。
 もう一つは、今谷畑先生おっしゃいましたとおり、やはり中小企業等はいろんなこの厳しい苦境の中をくぐり抜けてこられている最中でありますだけに、どのようにこれからリストラなどを進めて、どういう対応をしていくかということを慎重に見守っておられるというそういう時期じゃないか。私どもとしては、やはりまだ慎重に見ていかなきゃならぬだろうというふうに考えております。
 特に、近時の経済状況の変化に対応して、親企業は事業活動の一部縮小をしたり、生産拠点を海外に移したり、あるいは部品等の生産の内製化等を進めてきておりまして、加えて今般の円高によります輸出の停滞等がございまして、下請中小企業の受注量の減少に強く影響してきている、このように認識をしております。
 こうした下請中小企業の影響を考慮いたしまして、通産省としましては従来から強力な対策を推進いたしておりまして、具体的には下請取引のあっせん等による下請中小企業の取引先多角化、自立化を推進いたし、また親企業の事業活動の変化等による影響を受けた下請中小企業が経営の合理化や近代化や新しい分野進出を行う場合には、低利な融資制度等によりまして支援をしていく、このような対策を今推進いたしているところでございます。
 さらに、近時の経済情勢を踏まえまして、広域的な取引あっせんを推進するための全国規模のオンラインネットワークを活用して取引あっせんを一層強化しておりますし、二つ目には、先般の総合的な経済対策におきまして、親企業の事業活動変更等により影響を受ける下請中小企業や、円高等への影響をこうむっている中小企業への低利融資を一層充実いたしたところでございます。
 今後とも下請中小企業の経済活動を十二分に注視し、下請中小企業対策に万全を期してまいりたいと考えております。特に、委員の御出身地でございます大阪は極めて中小企業の多いところでございますだけに、十分私どもも通産局を通して注視をしております。お気づきの点ございましたら、また御指導賜ればと思う次第でございます。
#5
○谷畑孝君 その件について中小企業庁長官にお伺いするんですが、この円高の時代を迎えて再度の合理化をしていく、こういうことになっていこうと思うんですけれども、それに当たって大企業の方はそれなりに力もありますしいわゆるリストラも早いですし、どうしてもそれが中小企業にしわ寄せをされる。私どもよく陳情を受けますのも、予告もなしに急激に発注を落としてきただとか、どうしても元請、親請の方に対するさまざまなそういうトラブルが多岐多様にわたってあるわけなんですね。
 そういう意味では、これからの問題としてはいわゆる元請、子請含めてのそういうことに関する対策といいましょうか、あるいはリストラに対するその影響を最小限に引きとどめていく対策、そういうことを強化していくことが非常に大事だろうと思うんです。その点については長官、どういうふうにお考えでしょうか。
#6
○政府委員(関收君) 先生御指摘のような問題意識は私どもも同様に持たせていただいておるわけでございまして、我が国の中小製造業の五五%以上は下請関係にある企業というわけでございますから、この下請企業関係の景況でありますとか取引条件というのは、中小企業全体から見ましても極めて重要な状況にあるわけでございます。
 先生先ほど来御指摘がございますように、最近におきます景気の低迷、さらには円高等々から非常に苦しい状況にございまして、それは仕事の量におきましても、また取引条件におきましても、私どもの調査でもかなり厳しいものになっておるというふうに考えておるわけでございます。私どもとしましてはこの機会に、こういった困難を克服しようというそれぞれの企業の努力に対しまして、最大限の御支援はさせていただきたいと思っておるわけでございます。
 今、先生の御質問は必ずしもございませんでしたけれども、一つは、下請企業も独自の技術を持って一対一の関係にとどまらず、複数の親企業と取引できるようなそういう体力を培っていくということがまた非常に大事だと思うわけでございます。同時に、先生今御指摘ございましたように親企業との関係、これをどうしていくかということもまた重要な問題だと考えております。
 先生御案内のとおり、親企業との関係につきましては、一つは下請企業振興法という法律がございまして、これは必ずしも罰則で担保されているわけじゃございませんが、親企業と下請企業との取引条件につきましていろいろ親企業も協力していただくべき事項について詳細に定めてあるわけでございまして、これをぜひ遵守していただくようにこれからも引き続き努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
 さらに、親企業と下請企業との力関係によりまして不当な取引条件等々が押しつけられるようなケースにつきましては、先生御案内の下請代金支払遅延等防止法に基づきまして公正取引委員会と協力をさせていただいて、いろいろ所要の措置、例えばそういう条件が課されるおそれがある場合に立入検査をしたり、あるいはいろいろ指導をしたりというようなことは従来からやらせていただいているわけでございまして、私どもとしては現在のような状況にかんがみまして、特にこの点にも力を入れていきたいと思っておるわけでございます。例えば、私ども下請代金支払遅延等防止法に基づきまして立入検査というのは毎年実施をいたしておるわけでございますが、ことしの実施に当たりましては、先ほど来先生御指摘ありましたような現下のいろんな状況に十分ミートするような重点を置いた検査、これをぜひやらせるべく今通産局にも指示をいたしておるところでございます。
 それからまた、実は取引条件についてはなかなか役所の方には言い出しにくいというような御事情もあるやに伺っておりまして、実際そうだろうと思うわけでございまして、平成五年度からは下請取引相談員制度というのを設けまして、これは全国で六百名ぐらい、下請取引の事業をなさりあるいはそれぞれ地元で指導的な役割を果たしておられる方を委嘱いたしまして、その方々に気楽にいろいろ御相談をしていただいたり情報を提供していただきたく、それを受けまして私どもも必要な措置をとるというようなことを実施したいと考えております。これは先般の総合経済対策でも早期に実施をする旨が規定されておりますので、私どもとしてはできれば五月中にも発足をさせて、こういう厳しい状況下の下請事業者の方々のいろんな問題、困難に対しましてできるだけのお手伝いをさせていただきたいという気持ちでこれからも臨んでまいりたいと思っておるところでございます。
#7
○谷畑孝君 次に、中小企業の人材確保とか、そういう問題について少しお話をしたいんです。
 私はいわゆる旧ソ連が崩壊する少し前にモスクワにおりまして、それぞれの要人とお話をしたときに、とりわけソ連が今日のような状況になってきたのは中小企業がないことと流通が存在しないこと、こういうことを幹部が言っておりました。そのころはいわゆる食糧危機という問題が非常に大きな問題でございまして、食糧はたくさん生産できるんだけれども、大都会へ運んでいく間に四〇%なくなっていくんだという、そんなことを実は言っておりました。そういうことから見ても、過日の委員会におきまして通産大臣の発言におきましてはやはり中小企業というのがいかに大事かということ、これが各委員からもお話がございました。
 そこで、昔ならいわゆるやる気といいましょうか、中小企業に行ってそれで自分が必ず親方になる独立する、そういう気構えを持って実は働いたものですけれども、それが中小企業で言えばのれん分けといいましょうかいい言葉でのれん分け、一生懸命働けば必ず親方も責任を持って独立をさせてくれたという、そういうよき時代があったと思うんですね。
 ところが今回、中小企業八〇%を占めておりながら非常に厳しい局面にある。それは何かといいますと、いろいろあろうと思います。一つは資金、大企業であれば株式ということで非常に低利な資金を集めることができるし、社債が発行できるが、中小企業は担保力もございません。あるいはもちろん、最近のようなハイテクということになってきますと技術力の問題も出てきます。そこへ持ってきて人材と、こういうことでございます。
 そこで、私はかねがね、できたらそういう人材を確保していく抜本的な、通産省を少し乗り越えたようなそういういわゆる国策的な状況がつくれないものだろうか、実はそういうことを思うんです。と申しますのは、例えば福利厚生一つとってみても大企業と中小零細企業とは全く違う。大企業の場合であれば福利厚生施設も十分充実しておる、そういうことはございます。それからまた年金においても、もちろん厚生年金はあるんですけれども、大体大企業は皆、企業年金ということでありまして、それぞれかけながらプラスアルファの年金がある。ところが、中小企業の場合においてはなかなかそのあたりが乏しいし、ないと。
 福利厚生を合わせていく問題だとか、あるいは年金も、あるAという中小企業に勤めて五年こちらに勤めて五年と、いずれにしても中小企業に二十五年、三十年間トータルして勤めたら、通産省なりあるいは大蔵省なりそれぞれが出し合った基金でもって、あるいは事業者も基金を出し合ってできれば中小企業年金というのか、そういうものが少しでも加味されるようないわゆる企業年金を拡大解釈したようなそういうような制度をつくって、ぜひひとつ優秀な人材が中小企業に集まってくるようなそういう抜本的な政策が必要じゃないかということを私はかねがね思うんです。その点についてどう考えておられるか、ひとつ意見をお聞きしたいと思います。
#8
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおりだと思っておりまして、最近におきます出生率の低下等の事情もございまして、一九九五年ぐらいをピークにいたしました出産年齢人口というのはこれから恒常的に減ってまいるわけでございます。その中で、我が国は物づくりを初めとする中小企業が非常に大きなウエートを占めておるわけでございますから、中小企業における人材確保というのは、これからの中小企業対策を考えます場合に最も重要な課題の一つだと私ども考えておるわけでございます。
 そこで、どうしたらいいかということでございますけれども、なかなか難しいと思いますが、一つはやはり働かれる方がそこでやりがいを持ち生きがいを感じ、また個性を十分に発揮できるようなそういう職場にするということが非常に大事だと思うわけでございます。これは基本的にはやはりそれぞれの経営者の方が働く方ともいろいろ相談し、御協力いただいて考えていただくことが多いんじゃないかと思っておりますが、私どもサイドから申し上げますならば、労働環境と申しましょうか福祉といいましょうか、そういう観点から政策的にお手伝いする余地はいろいろあるのではないかと考えておるわけでございます。
 この点につきましては、国会の方で中小企業の労働力確保法というのを制定していただきまして、この法律に基づきまして組合等が労働時間の短縮でありますとか、あるいは職場環境の改善でありますとか、あるいは福利厚生の充実、あるいは募集方法の改善等々を実施いたします場合に、いろいろな御支援を申し上げるということは既に実施を始めておるわけでございます。今日までの段階で全国で二百七十を超える組合がこの取り組みに既に入っておられるわけでございまして、これからも恐らくこういう事業がだんだん進んでまいると思うわけでございます。そういう法律を中心といたしまして、例えば福利厚生施設に対する融資制度でありますとか、あるいは社宅、食堂、託児所に対する融資制度といったような低利の融資をさせていただく仕組みは既にできているわけでございまして、これを御活用いただくということが大事だと思うわけでございます。
 先生、最後に御指摘、また強調しておられました年金制度の問題でございますが、これは私から申し上げるまでもなく、厚生省あるいは労働省等が中心にお考えいただくというのが基本だと思っておりますけれども、私どもとしても中小企業問題を考えるという立場から、今先生御指摘のようなそういう年金のあり方といったことについても重大な関心を持ち、私どもの立場で何ができるのか、あるいは各省にどういうお話をするのかというようなことについては引き続き勉強させていただきたいと思う次第でございます。
#9
○谷畑孝君 もう一つだけ法案に入る前に質問をしたいんですが、過日のこの委員会におきまして、いわゆる国際収支あるいは貿易における黒字の問題、日本がひとり勝ちということで資金の還流策ということを貿易保険法においてここで議論をさせてもらったところでございます。そのときも、やはりこの貿易保険を使うのは基本的には中小企業の率が少ない、ほとんどが大企業である、こういう話でもございました。
 しかし、プラザ合意後の円高のときに見られたように、やはり中小企業の皆さんの直接海外投資が非常に実はふえてまいったわけであります。とりわけ、付加価値を伴わないこういう生産部門におきましては、どうしても新興国において追い上げをされていく中で今言ったようにつぶれていくという現状がある。それならば、多少の技術も応用しながら海外に直接行こうということで中小企業の皆さんが海外へ行かれたわけです。
 私どもの友人の場合でも、自転車をつくっている割と中小企業の大手なんですけれども、苦労して中国の深センへ行きました。しかし、その話を聞いてみますと、なかなか苦労話みたいなもので、ここへ話をすると次ここだということになって、非常に時間がかかる苦労話を聞きました。またある人の話によると、根こそぎいわば資金が回収できなくてもう本当にすってんてんになった人もおる。そういう話もたくさん聞きます。
 そこで私は、きょうび国際化時代ですから、再度のまた円高が始まっているということですので、できたら各地方自治団体において、ジェトロとかあるいは商工会、商工会議所、そういうところで海外における投資がもう少ししやすいような、また中小企業のそういう能力を発揮して海外直接投資ができるような、これまた逆に言えば経済面における国際貢献だと私は思いますので、そういう点もひとつ研究できないものだろうか。そういう意味では例えば、大阪などは商工会議所あたりが世界各国からいわゆるバイヤー含めて日本の国内の企業者とのお見合いを、そういうイベントをやっておりますけれども、できたらそんな窓口をもう少し常時つくる方法はないだろうかということについてはどうでしょうか。
#10
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、経済全体のグローバル化が急速な勢いで進んでおるわけでございますし、特に最近におきます円高といったような事情あるいは人手不足といったような事情から、中小企業におかれましても海外に投資するという選択といいましょうか経営方策をお立てになるところもこれから出てくるだろう、ふえてくるだろうと私どもも考えているわけでございます。
 そこで、中小企業の皆様が海外に投資をなさる場合には非常に難しい問題が幾つかあろうかと思うんでございますが、海外投資をするための資金面の問題でありますとか、あるいはリスクの問題が一つございます。それから二番目には、行き先についてのいろいろな情報、これがなかなか得られない。例えば法制がどうなっているのか、労働条件がどうなっているのかなかなかわからないというような情報面の問題がございます。それから三番目は、その中小企業の方が現地に行かれる場合の現地のマネージャーでありますとか指導員でありますとか、そういう人材といいましょうか、そういう人たちがそういう国際感覚を持ち十分な情報を持って臨めるかといったような問題があるわけでございます。
 そこで、私どもとしては第一の点でございますが、金融あるいはリスク軽減ということにつきましては、政府系金融機関によります低利の貸付制度あるいは先般も御審議をいただきました貿易保険といったような形で対応をさせていただいているわけでございます。
 それから二番目の情報面につきましては、一つは中小企業事業団が、それぞれの地に十年ぐらい商社または銀行などで滞在されて現地の事情に熟知しておられる方、これらの方をいわばアドバイザーとして数百人お願いいたしておりまして、このそれぞれの方に例えばAという国の事情、Bという国の事情、あるいは金融の専門家、税制の専門家ということでそれぞれの問題について事前にいろいろアドバイスをさせていただくという制度を実施いたしているわけでございます。
 それから、これから海外に今度行かれた場合には、ジェトロの事務所が海外にございますので、ジェトロが現地の法律事務所でありますとか会計事務所と提携いたしまして、進出した後の中小企業の方のいろんな御相談に乗るというようなことをやっておるわけでございます。
 それから、人材養成ということにつきましては、中小企業事業団の中小企業大学校というのがございますが、この東京校、関西校でそういった海外に進出を予定しておられるところのマネージャー、こういう方々にいろいろ教育をするという事業をさせていただいているわけでございます。そういう形でいろいろな方策を講じておりますけれども、本年からはさらにこの辺の事業を充実するという意味も含めまして、中小企業事業団に調査・国際部というのを設けまして、これをさらに充実していこうということにいたしておるわけでございます。
 これをさらに東京だけではなくて、それぞれの地で身近に御相談できると一番よろしいというのは先生御指摘のとおりだと思っておりますが、この点につきましては、例えば商工会議所などにつきましては幾つかの箇所で、例えば東京、名古屋、大阪、福岡といったようなところの商工会議所におきましては、それぞれの地で御相談を受けるという形をとらせていただいているわけでございます。そういったより身近なところで十分な情報なり援助が得られるような仕組み、これについては今後さらに勉強させていただきたいと思っておるところでございます。
#11
○谷畑孝君 それでは、小規模事業者支援法の問題について入ってまいりたいと思います。
 この法案の趣旨ということでこのように明記されておるわけです。我が国事業所の約八割を占め、日本経済の発展に大きな役割を果たしている小規模事業者は、近時厳しい経営環境に直面している。そういうことの中で小規模事業者は、企業規模が小さい上、事業の集団化、共同化のノウハウにも乏しく、自助努力や組合の結成による対応は困難である。そこで、商工会、商工会議所を小規模事業者対策の担い手として位置づけをして、そしていわゆる経営改善普及事業に合わせて共同工場、共同店舗そしてコミュニティー施設と駐車場等のハード事業を総合的に推進をするんだ、こういうように趣旨には明記をされております。そして、この法案は本邦初の小規模事業者事業活動促進法である、このように明記をされておるわけであります。
 しかし、私どもこの委員会でたびたび法案についての審議をし、法律もつくってきたわけでありますが、振り返ってみますと、昭和三十八年に制定された中小企業基本法、あるいはまた中小企業近代化促進法、そして現在でも中小企業事業団を中心に工場等集団化事業、そして小売商業店舗等集団化事業、また小規模企業集団化事業を初めとして事業協同組合を受け皿にした高度化事業、そういうことで数々の政策が実は打たれておるわけですね。
 そしてまた、二年前ですが、本院におきましても大店法の改正ということの中で、いわゆる商業集積だとか、あるいはコミュニティーホール、イベント広場それから町づくり対策への出資とさまざまの助成をしていき、あるいはそれを発展させていくための施策をつくってきたと思うんですね。従来のそういう政策、とりわけこの大店法改正の中でいろいろと町づくり法案つくられましたので、そのことについての成果といいましょうか、そういうことと今回のこの法案とのリンケージといいましょうか、どういう関係になるのか。
 従来の大店法改正のときにいろいろな法案をつくったけれども、例えば商業集積、大きな集積もありますけれども共同店舗を兼ねたような商業集積もありました。そういうものがなかなかうまくいかないから、この商工会議所を中心とした受け皿にしたところの共同店舗の事業なのか、それともまた少し違うのか、そのあたりどうなのか、少し教えていただきたいと思います。
#12
○政府委員(井出亜夫君) お答えを申し上げます。
 今回の法律の提案趣旨でございますけれども、先生御承知のように非常にこの小規模事業者というのが数は多く、また経営の基盤というものが脆弱でございます。したがいまして、組合の結成でございますとか、さまざまな中小企業政策を従来展開しておるわけでございますけれども、そういうものだけでは経営環境の変化に対応していくことが困難な場合というものもまた多々あるわけでございます。
 中小企業基本法の二十三条には、小規模企業者に対しましては一般的な中小企業政策というものが円滑に講ぜられるよう特別な努力をするべきであるというのが国の責務として書かれておるわけでございます。一般的な国の施策といたしましては、例えば中小企業基本法の三条に八つの項目に分けまして書いてあるわけでございますけれども、設備の近代化でございますとか技術の向上、経営管理の合理化、あるいはさまざまな組合等を通じた集団化等による企業構造の高度化というふうなこと、あるいは中小企業の分野についての需要の増進、さらには中小企業者以外の人との調整の問題等々、さまざまあるわけでございます。
 こういう基本法の規定を受けまして、さらにそれを具体化するため先生からただいま御指摘いただきましたようなもろもろの施策の展開というものが今日までなされておるわけでございます。また同時に、大店法改正時におきましても中小小売商業についての施策というふうなものも行われてきております。この当時の法律の趣旨あるいは考え方というふうなものからして、そういうものがそれぞれ成果を上げておりますし、それからまたそういうプロセスの中におきまして商工会というものが全く無関係に存在をしたわけではなくて、商工会自身もそういうもろもろの政策のお手伝いなりというふうなものをいろいろな形で講じてきておるわけでございます。
 従来の商工会、商工会議所におきまして経営改善普及事業という形で三十年以上にわたりまして個別企業の具体的な経営の指導、労働問題でございますとか金融でございますとか税制というふうなもろもろの指導事業をずっと続けてきた、これにつきましてはもちろんさらにその事業の専門化でございますとか高度化というふうなものが必要になっておりますものですから、それについての強化充実というものは一方で図ってきた、それから同時にそういう従来の事業というものはソフト事業を中心にしてなされてきたというわけでございます。
 商工会、商工会議所の任務あるいは事業の中に、商工業についての施設の設置でございますとか運用維持というふうなものも事業のやれる範囲としましてはあるわけでございますけれども、そういうものについて具体的な政策の支援というものが必ずしも十分でなかったということもまた事実でございます。今回の法律によりまして基盤施設事業の推進ということで、共同工場でございますとか共同店舗でございますとか展示場でございますとかというふうなものを、従来なかなか組合というふうな形ではできなかった、そういうものをこの際新しい法律に基づいて進めていただこうということで考えておるわけでございます。こういうものは、小規模事業者がまさにその地域におきまして事業を行う場合に、地域の振興と表裏一体になって進めることによりまして、その地域の経済の発展、さらには小規模事業者自身の経営基盤の強化というふうなものにつながるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#13
○谷畑孝君 先ほど言いましたように、いわゆる協同組合あるいは商店会の組合、そういうところを対象として、いわゆる大店法が改正されたときには、それに対する支援として共同店舗をつくることだとか駐車場をつくることだとかあるいはイベントを打つことだとかあるいは町づくり会社をつくることだとか、そういうことに対して非常に手厚く法律をつくって支援をしてきた。だから、もちはもち屋で、まずそこの商店街自身は商店会の皆さんが一番よく知っているわけで、どこそこに大店舗ができたからここの流れは変わってくる、地域の中でいろいろとコンセンサスを得ながら活性化のためにこうしていくんだということでつくられた法律なんですね。
 そこの法律にも漏れていくようなそういう中小零細企業、いわゆる共同工場であればそこの協同組合にも入っていないそういう人たちが、商工会議所といえば多種多様な人々が入っておるところであるし、いわゆる経営指導ということが中心の事業であって、そこの会頭さんなり常議員の皆さんも一つの名誉職で、そういういわばあいさつ要員みたいな感じになっている場合もあるし、そういうふうなところで果たしてうまくいくのかということも、一昨日のこの委員会においてもたくさんの委員の皆さんからありました。私どもも実はそういうことを危惧するわけなんです。そういうことにおいて中小企業庁として、その事業の見通しは一体どう考えられるのかどうかということが一つ。
 それと、商工会、商工会議所はたくさんの業種がありますから、一つの共同店舗をつくる場合でも駐車場をつくる場合でも振興事業の場合でも、必ずこれは利害関係がありますよ。そうしたら人間のことですから、たくさん集まりますと、会頭派だ、いや副会頭派だとかいろいろ含めて派閥もあったり、あいつがやるとわしも嫌いやねんというようなことで入らない人もおるし、さまざまな利害関係のあるところが主体になって事業をまとめていこうとすれば、もういろんな意見が出て一つのものをつくるにもなかなかつくり切れないというか、つくるまでにもう終わってしまうという、そういうことがあるんじゃないか。ささやかないろんな事業者ばかりの集まった形の中で何か共同購入をしようとか、私どもも経験を持っておるんですけれども、事業者同士のものはなかなかまとまらない。私は非常に危倶をするところであります。
 そのことについてもう一度ひとつ、中小企業庁の長官なりあるいは担当者でも結構ですから、その点はどうなのか率直に意見をお伺いしておきます。
#14
○政府委員(井出亜夫君) 全国の商工会、商工会議所、合わせますと三千三百ございます。そういういろいろな商工会の活動をやっている中には、あるいは先生おっしゃったようなケースもないとは申し上げませんけれども、また非常に地域の合意形成というために日夜努力をされておられる商工会というのも多々またあるわけでございます。
 そういう中で、私どもは今回の事業が行える商工会というものができるだけたくさんあらわれてきてくれることを期待しておるわけでございますけれども、その条件というものについてはすべてが満たすわけではないかもしれません。しかし、各地でいろいろないい事例が出てまいりますれば、それが全国各地にまた波及をする速度というものもまた非常に大きなものではないかと考えるわけでございます。
 御指摘の、組合等々に比べまして非常に利害関係が入り乱れているということでございますけれども、組合の場合には、非常にある種の組合の結成というのは同質的な集団ということでございまして、一つの事業なり経済事業を行う上におきまして極めて同方向に向いている、あるいはコンセンサスづくりが非常に早いというふうな場合もございます。従来も商工会におきましては、組合事業というものをむしろつくるべきであるというふうなことで組合づくりのお手伝いというのもまたいろいろやってきたわけでございます。
 今回の御提案申し上げている基盤施設事業等々につきましては、なかなか組合の事業というふうなことでは、組合結成という形ではできない、そういうものが対象になっていくのではないかと。しかしながら、そういう場合でございましても、地域における合意の形成あるいは商工会の中での合意の形成というものは極めて大事でございまして、その前提といたしまして、既に地方公共団体等が作成をいたしました地域振興のビジョンでございますとか、あるいはまた今年度予算からちょうだいをしております商工会、商工会議所による地域振興のビジョンづくりあるいは行動計画づくりというふうなものを通じまして、具体的にどういうふうな事業を進め、どういう形態をとっていったらいいかという合意のベースというものができるのではないかと考えております。
 また、本件を進めるに当たりまして、具体的には都道府県知事に対しまして事業計画の認定を求めるというスキームがございますものですから、都道府県知事に認定をしていただくに当たりましては、そこの事業の適切性というものと、その際にちゃんとした地域の合意形成というふうなものができているかというふうなことについて十分見きわめて本件を進めさせていただこうと考えております。
#15
○谷畑孝君 今、答弁の中にもとりわけ地方自治団体との連携ということを申されたんで、私どもその点が非常に大事な点だと思うんですね。ところが、この法案では、「通商産業大臣は、小規模事業者の経営の改善発達を支援するための商工会及び商工会連合会並びに商工会議所及び日本商工会議所に対する基本的な指針を定めなければならない。」として、商工会等は基盤施設計画を作成し、これを通産大臣に提出をして、その基盤施設計画が適当である旨の認定を受けることができる、こういうふうにも書かれてあって、都道府県あるいは市町村、地方自治団体の関与ということについては明記されていないんです、そういうふうに思うんですね。
 そこで、これは大店法改正のときもそうでございましたけれども、やはり調整力はそこの都道府県なりあるいはそこの自治団体にゆだねる方がいいんではないかということを、私はそのときに質問させてもらったと思うんです。だから今回の場合も、商工会議所の会員の中でも、アンケートによりますと金融相談はわずかで、圧倒的に地域の活性化、地域の振興をということを願っているわけなんです。こういうことだろうと思うんですね。そういう意味では、ぜひ地域の最大の中心である地方自治団体が非常に強いイニシアチブを握りながら、そこへ商工会、商工会議所なりの関係団体がかかわっていくことが非常に大事だと思うんですね。
 もう一つまた違った側面からいいますと、そういう事業は利害が伴ってきますから、どうしても中立性というものがあると思うんですね、はっきり申し上げまして。特に中小企業、零細企業というのは、皆さんも御存じのように、県会議員であろうが府会議員であろうが国会議員であろうが、それぞれの支援関係があって、あるところの関係者はあるところから村八分になったりいじめられたりするという話もよく聞きますし、やっぱりそんなことがない地方自治団体ということであれば非常に安心感がある。そういうことで、ぜひそういうリンケージという問題について私は非常に大事だと思うんですけれども、その点についてどのようにお考えなのか、もう一度ひとつ明確なお答えをお願いいたします。
#16
○政府委員(井出亜夫君) お答え申し上げます。
 さまざまな通産大臣の権限等々につきましては、法律の二十三条によりまして権限の都道府県知事への委任という項目がございまして、例えば基盤施設事業計画の認定でございますとか変更でございますとか、その種のものにつきましては都道府県知事にお願いをしましてその具体的な認定に当たっていただきたいというふうに考えております。
 それから、先生御指摘の基本指針でございますけれども、この基本指針を定めるに当たりまして「中小企業近代化審議会の意見を聴かなければならない。」ということになっておりまして、中小企業近代化審議会のメンバーの中に都道府県の代表の皆様にお入りいただくとか、あるいはこの指針をつくるプロセスにおきまして各都道府県にも具体的に十分御説明をし協議を重ねながら、各地において非常に役に立ちまた有意義なものとなる基本指針を策定し、地方公共団体それぞれから浮き上がったようなものにはならないものを十分に確保してまいりたいというふうに考えております。
#17
○谷畑孝君 これからの社会は、地方分権ということが言われたりしてできる限りもう地方に権限をゆだねて、そしてその地方自治団体、市町村、そういうところに対してもう少し財政的にも援助しながらそこの自主性に任せながらその町を活性化する、こういうことが非常に大事なことだと思うんですね。特に地方の振興ということになってきますと、ただ単に融資だとかあるいは共同化事業というそういう側面的なことじゃなくて、総合的にその町がどういうふうにして活性化していくかという基盤整備の問題だとかあるいは工場誘致の問題だとか、あるいは鉄道等を含めてのさまざまな人がどう集まってくるかというそういう活性化の問題というのは、非常にこれは難しくてまた大変な問題だと思うんですけれども、その点をひとつよく認識していくことが非常に大事ではないかということを再度申し上げておきたいと思います。
 次に、これも私どもの吉田理事の方からもお話がございましたけれども、特に今回は小規模事業指導費補助金というもの、とりわけ商工会、商工会議所に対する補助金とか、そういう人件費等を含めて三十年ぶりに大きく変わってきた。とりわけ、人件費については七十五億円分を地方公共団体が負担することになった。不交付団体においてはそういうことになった。これは一体どういうねらいなのか。いわゆる経営指導員等を含めて地方自治団体にこれからゆだねて、そしてそこの地域性の中でいわば通産を含めての行政の縦割り的なものを少し緩める、そういうことの意味を持つのか。それとも財政、もう少し他の中小企業政策の中でお金が要るので、そういうところへ振り向けたいので力のある地方自治団体はということなのか。そこらは一体どういうことなのか。
 それと同時に、商工会あるいは商工会議所における指導員さん含めてやっぱり自分の給料の出どころということは非常に関心がございますし、それに対する不安もあるだろうし、そういうことは一体どういうことになっていくのか。それはまた逆に言いかえれば将来、商工会議所、商工会が従来の商工会、商工会議所じゃなくてそれが変革していく第一歩なのか。その点少し不透明な点があると思いますので、できましたら明快にひとつお教え願いたいと思います。
#18
○政府委員(井出亜夫君) 御指摘の件でございますけれども、商工会及び商工会議所の経営指導員等につきましては、その補助につきましては現在の商工会法の五十六条、それから今回御提案を申し上げております法律ができますればその四条によりまして、その設置にかかわる経費につきましては、都道府県が補助する場合に国から補助を行うという形で三十年来やってきたものでございます。今回の人件費関係につきまして地方で御負担をいただく、これは一般財源化というふうに申し上げておりますけれども、臨調の答申等によりまして、既に地方公共団体の事務として同化、定着している補助金については一般財源化によって措置すべきであるという趣旨の指摘というものがなされております。こういうふうなものを踏まえて考えてみた場合に、既に経営改善普及事業というのは制度創設以来三十年以上たっておるわけでございまして、地方に十分に同化、定着をしているというふうな判断をいたしまして所要の地方財政措置を講じていただくということにしたものでございます。
 本件につきましては、昨年の秋以来、自治省当局ともお話をいたしましたし、また各都道府県に対しましても御説明をいたしまして、都道府県商工部関係を通じて十分な御理解をいただいておるわけでございます。それからまた、自治省を通じまして全国知事会の御同意というふうなものもいただいておるわけでございます。
 ただ、今回の一般財源化措置というものは、経営改善普及事業についての従来の趣旨でございますとか内容というものを変更するものではございませんで、この点につきましては、自治省あるいはまた中小企業庁からこの趣旨を各都道府県に対しまして徹底をしてまいりたいと思っております。
 それから、今後につきましてでございますけれども、今後につきましても各年度における地方財政計画なりそういう中で従前どおりの手当てをしていただくべく考えておりまして、経営指導員等の身分に影響の出るようなことのないような手だてを確保してまいる所存でございます。
#19
○谷畑孝君 時間の関係で次へ進みたいと思います。
 次は日本商工会議所のあり方についてお聞きしたいんですが、今日、日本商工会議所が設立されて以来ずっと会頭職は東京の商工会議所の会頭が兼務をされて、そして副会頭は五人いるそうですけれども、これは伝統的に大阪、名古屋、横浜、京都、神戸、こういうことで副会頭が兼ねられている、そういうように言われているわけです。その中で、これから商工会、商工会議所が各地方自治団体との連携をしながら共同工場、共同店舗だとかあるいは地域振興を含めての役割を担っていくというそういう立場にあっては、私はぜひひとつ人事の活性化と言おうか、最近ではますます大企業の社長さんが中心に日商の役員になってしまっている、その中で例えばその会頭に中小企業の代表が入ってもいいしあるいは副会頭に入ってもいいんだけれども、そういうものが一つの従来の慣行になってしまってなかなか入っていないというそこに私は硬直化が実はあるのではないか、こう思うんですね。
 過日の委員会におきましても皆さんから指摘がありました。例えば、石川会頭のあのいわゆるやみ献金の問題等も指摘されました。その中で会頭自身は一時は辞意を表明しながら、翻してまたやるんだ、要望が出たからやるんだ、こういうことになりました。これらはそういう人事の停滞といいましょうかそういうものがあるんではないか。
 このことについては、通産としては大事については内部干渉ということもあったりしてなかなか言いにくい面もあるんだろうけれども、もちろんそこの会議は会議所の中であるんだろうけれども、しかし今後ともやっぱりこういう支援法ができますと税金をそこへ投入していくということでありますから、むしろそういう商工会議所の中だけじゃなくて多くの世論の声も含めて聞いていくようなそういうものであらねばならぬと思いますけれども、その点についてはどう考えますか。
#20
○政府委員(熊野英昭君) ただいま委員からの御指摘にもございましたように、商工会議所法上におきまして日商の会頭でありますとか副会頭の選任、解任といったことは会員総会において行うこととされているわけでございます。したがいまして、大変あれなんでございますけれども、通産省の監督権限がこれに直接及ぶということではございませんので、それぞれ会員の総意によってどういう人を会頭として選んでいくか、またあるいは副会頭として選んでいくか、あるいはどういう人事をやっていくかということにまつべき問題であるというふうに考えております。
#21
○谷畑孝君 もう時間がございませんので、ぜひそこらは世論も背景にしながら中央も地方もひとつ大いに活性化をしていくような人事が必要じゃないか、そういうことを少し意見として申し上げておきます。
 次に、金融関係について今回の法案についての議論に入りたいと思います。もう時間がございませんので、まず冒頭に二つ重ねて質問をしておきたいと思うんです。
 バブル崩壊後の中で基本的に中小企業がさらに景気がよくなるまで耐え忍んで頑張っていくのも、やっぱり何といったって一番大事なのは資金をどう得るか、こういうことだろうと思います。バブルのときには、どうしても都市銀行を含めてどんどん貸し付けをやってきた関係もあって、その比率も非常に高くなりました。その結果、政府系の金融が少し低下をするということになりました。しかし、今度不況になりましたから銀行自身が貸し渋りということで、どんと引いていったということがございます。その分だけ政府関係金融機関が相当頑張ってその分をやっぱり補完をしていかないと、これは回っていかない、そう思うんですね。だから、そういう点についてどのように考えておられるか。
 それと、地方自治団体には独自で緊急融資というものを打っていますね。これは非常に人気があって盛況でございます。ほとんど目標額を超えていくような状況です。だから、それも判断して中小企業向けの政府金融の大きな枠をさらに考えておられるのかどうか、その点十分よく判断をしないとやはり足らなかったりする場合があるんじゃないか、そういう点も一つあります。
 それと二つ目は、その中で銀行を経由した保証という問題になってきますと、どうしても銀行側がいわゆる採算性が悪いだとかあるいは焦げつくと面倒だとかいうような状況で、言えば門前で上手に断ってくるというケースが非常に多くあるというふうに聞くんです。そこで、保証協会に直接あっせん保証をしていくということの比率をもっと上げていくことが大事じゃないか、銀行自身は貸し渋るということもあったりして非常にこれは締めている、そういう点についてどのように考えておられるのか。
 この二つ、ひとつお聞きをしておきます。
#22
○政府委員(桑原茂樹君) まず第一の御質問でございますけれども、都市銀行がバブル時に中小企業に大量の融資を行ったというようなことであるが、最近は非常に貸し渋りがあるのではないかというような御指摘がございました。
 最近の都市銀行の中小企業向け貸出残高の伸びが二%未満の水準で推移しているというようなことでございまして、確かに非常に最近は伸びが渋っております。これは、中小企業の資金需要自体も非常に低迷していることもあるとは思いますけれども、都市銀行の方でもバブル時に相当貸し付けたという反省で審査姿勢が消極的になっているという面もあろうかと思っております。この辺に関しましては、我々としては大蔵省の方にお願いをいたしまして、民間金融機関に対しまして中小企業に対する金融の一層の円滑化というところでいろいろ指導していただきたいということをお願いいたしておりまして、大蔵省もたびたび通達等を出して努力をしていただいておるわけでございます。我々としては、そうした努力の成果もあって、最近はかなり民間金融機関の中小企業に対する態度というものもよくなってきておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、こうした不況期におきましては、先生御指摘のとおりに政府系の金融機関の役割というものは非常に大きくなっていると思いますし、また地方も、地方単独で緊急経営支援というようないろんな形で県単あるいは市単の金融制度を充実させておるわけでございます。こうした制度につきましては、我々としては、政府関係金融機関あるいは地方のそうした金融制度等々の充実というものはこうした時期において非常に重要であるというふうに考えておりますので、これからもこうした不況期における我々の努力というものを一層充実させていきたいというふうに考えております。
 質問の第二でございますけれども、信用保証協会におきまして中小企業が信用保証を受けるということに当たりましては、御指摘のとおり二つのケースがございます。まず、信用保証協会に行って保証を受けたいというふうに申し込み、信用保証協会が金融機関にあっせんをするというケースと、まず中小企業者が金融機関に参りまして、お金を借してくださいと言ってそこで金融機関が信用保証協会に紹介をするという二つのケースがあるわけでございますけれども、実際問題といたしましては、中小企業にとってはお金を借りたいというときはどうしても身近な金融機関の方へ相談にまず行くということが普通でございますので、この金融機関経由のケースが圧倒的に数としては大きくなっているものというふうに考えております。
 しかしながら、そのいずれのケースにおきましても、金融機関と信用保証協会が相談をいたしましてこの案件について保証つきの融資をするかどうかということを決めるわけでございまして、そうした相談の際におきましては、信用保証協会は中小企業者の立場に立ちまして極力弾力的にいろいろなことを考えるというふうにしてほしいと我々は思っておりまして、そういうふうな指導をしております。
 なお、金融機関に行くかあるいは信用保証協会に行くかというのは中小企業者の自由な判断でございますので、その辺につきましては、もし金融機関の態度にいろいろ問題があると思えば信用保証協会に直接来られれば、我々としてはそこは信用保証協会として十分に中小企業者の立場をお聞きするということにしたいと思っております。
#23
○谷畑孝君 終わります。
#24
○松尾官平君 質問に入る前にと言っては語弊がありますが、一つ経企庁の方にちょっと聞いておきたいことがございます。
 経済要覧の平成四年版、経企庁の調査局で発行したのが私らに渡されております。きのうの本会議で、労働基準法の改正、時短の問題が各党から質問が出されました。実は、この二百五十一ページを見ますと一週間の実労働時間、製造業についての表が出ております。その一番下に「週実労働時間」というのが出てますが、日本における労働時間とアメリカにおける労働時間と、実は四十・八時間という全く数字が同じに載っているわけでございます。
 確かに注書きを見ますと、アメリカは賃金支払い時間、こういう注書きがついてますが、私のような素人にはこういう注意書きがついてもわからぬわけであります。こういう要覧を出す場合に、大体同じような条件で比較して、日本とアメリカの割合がどうなっているんだろうか、こう見るのが普通だと思うんですが、私にもわかるように、まず簡単に説明してください。
#25
○政府委員(土志田征一君) 先生御指摘のように、経済要覧ではそういう数字になってございます。今もお触れになりましたように、これは公表されている週労働時間の統計というものが、我が国の場合は実際に仕事に従事していた時間になっておるわけでございますけれども、アメリカの場合は年次有給休暇を含む賃金支払い時間になっているためでございます。したがいまして、実際に仕事に従事した時間だけをとれば、日本人の方がアメリカ人よりも多いことになるというふうに考えております。
 年間の総実労働時間につきましては、実は昨年の経済白書で各国の比較を我が国の概念に近づけて比較をしておりまして、それによりますと我が国の場合は二千百二十四時間、アメリカは千九百四十八時間となっております。これ単純に五十二週間であるというふうに考えて割り算をいたしますと、我が国は四十・八時間で、アメリカは三十七・五時間というふうになるわけでございまして、そういう意味では年間の総実労働時間から考えてみますと、やはり我が国の方が週当たりでも多くなっているということだろうと思います。
 誤解のないようにという御指摘でございますので、今後考えますのでよろしくお願いいたします。
#26
○松尾官平君 今御説明を聞くと、なるほどというような気もしないわけではございません。しかし、この一覧表を出す場合には条件を同じにして比較しなきゃ素人にはわからぬでしょう。こういう要覧をつくるようなときは、そういう配慮が必要じゃないかと思うわけです。まあ時間があればもっと聞きたいんですが、よく御検討の上で、もしできましたら素人が見ても比較できるような表をつくっていただきたい、注文しておきたいと思います。
 ところで、結びの質問になるわけでありますが、実は今回の法改正は三十年ぶりと盛んに中小企業庁言っておりますが、実は三十三年ぶりなんです。昭和三十五年に商工会が誕生して、昭和でいきますとことしは六十八年ですから三十三年ぶり、その間に一部改正が行われたのが昭和五十五年だと思います。法律ができまして二十周年で一部改正が行われ、三十三年ぶりに大改正が行われるわけであります。
 私はなぜ大改正か、象徴的なことは法律の名前が全然変わったということであります。商工会の組織等に関する法律に準拠して我々商工会は今まで生きてきたわけですが、これからは商工会法に準拠するわけであります。商工会議所とようやく肩を並べるとはいきませんけれども、似たような名前になってくるわけであります。この辺に私らは誇りを感じています。それを考え出してくれた通産省並びに中小企業庁に心から敬意を表したいと思います。
 我が方の松谷委員からの参考人に対する質問を聞いておりましたら、両団体とも大賛成だ、こういうことでございますが、聞かれればそう答えるわけでありますが、個々の問題をとれば、一抹の不安がないわけでもありません。その点については、社会党の吉田委員初め皆さん方から、村田さん、谷畑さんあるいは民社の井上先生等々からいろいろ注文あるいは疑念を晴らしていただきましたので、一段と喜んでいるところでございます。
 ところで、中小企業といいますけれども、我々の対象は小規模事業者が大半であります。小規模事業者の主たる事業活動の場は地域経済ということになるわけであります。よって、我々にとって最も心配であり、また大事にしなきゃならぬのは、地域経済の活性化の要素がどのようにこの法律の中に取り込まれているかということが関心事であります。また、その地域経済を構成している地域を見ますと、残念ながら一極集中が進行しておりまして、過疎地になりつつあるわけであります。
 人間のライフスタイルも変わり、あるいは過疎地がふえ、高齢化が進み、そういう中で地域経済の活性化を図っていくということは大変な難しい問題でありますが、新しい法律に準拠して我々も頑張りたいと思いますけれども、役所において特段の配慮をどのようなことで考えていらっしゃるか。これも時間がありませんので一言、二言で答弁をお願いします。
#27
○政府委員(関收君) 今先生御指摘ございましたように、小規模事業の皆様がまさに地域経済の中心的な役割を果たしておられ、また同時に小規模企業の発展は地域の発展によって初めて達成されるという意味で表裏一体のものであると私ども考えておるわけでございます。そこで、今回御提案していますようなさまざまな事業を商工会、商工会議所でやっていただくということになるわけでございますが、やはり先生今御指摘のように、それに見合う十分な人的体制あるいは地元におけるコンセンサスなり考え方をまとめる上でどうしたらいいか、あるいは資金的な問題、さまざまな予想される困難もあるわけでございます。
 そこで、今回の法律におきましては、特にそういったなかなか人材の体制がとりにくいようなところにつきましては、例えば広域的な形でやっていただく、あるいは事務局体制をつくりまして経営指導員の方がそういう事業により専念できるようにさせていただく、さらにまた今の極めて激しい状況変化の中で、次から次へとまた新しい情報でありますとか経営のノウハウも必要になるわけでございますので、そういうものを提供するエキスパートバンクといったような形でいろいろお手伝いをさせていただきたいと思っているわけでございます。
 それからまた、これまでもたびたび御議論が出ておりますけれども、先ほど来申し上げましたようなことから、この商工会、商工会議所地域の発展と地域の振興というのは極めて密な関係がございますので、地元の地方公共団体の考え方、あるいはそちらが実施されるさまざまな事業との連携、これをぜひ密接にとっていただくように、これはいろいろな形で各方面にもお願いをしてまいりたいと考えているところでございます。
#28
○松尾官平君 伺いますと、中小企業庁では各課長が四十七都道府県をそれぞれ担当してといいますか、そういうことで御熱心にアドバイスあるいは指導していらっしゃるようでございまして敬意を表したいと思います。新しい法律ができましたら両々相まって頑張っていただきたいと思います。
 信用保険法の方でございますが、伺いますと代位弁済が大分ふえてきているようでございます。しかし、この代位弁済というのが順調に行われませんと保証協会が各銀行に対する信用を落としてしまう、信用を落とすとせっかくの制度が円滑に回らない、こういうことにつながるわけであります。時間がありませんので答弁は求めませんが、各信用保証協会をひとつ面倒見てやっていただきたい、指導してやっていただきたい、あるいは予算的に基金等で援助できる面があったらこれも考えていただきたい。何しろ、この信用保証協会が元気がよくなければ小規模事業者が一番困るわけでございます。
 そこで最後でございますが、伺いますと、森通産大臣にはきょうこれからカナダヘお出かけのようでございます。四極通商大臣会議に乗り込むようでございますが、心技体すばらしい活力の持ち主の大臣が乗り込みますので押し負けを食ってこないとは思いますが、ひとつラグビーで鍛えた体力で、あるいは長い間培った政治的な英知をもって四極通商大臣会議で頑張ってきていただきたい。
 そういう立場から考えますと、世界の開発途上国に限らず、日本の中小企業政策というものに非常に関心を持って指導者をよこしてくれとかいろいろ注文があるようでございます。そういう現状を踏まえて、四極通商大臣会議に臨む大臣の決意並びに小規模事業者に対する指導方針を一言漏らしていただければありがたいと思います。
#29
○国務大臣(森喜朗君) 松尾先生からいろいろこのたびの法改正につきまして御好意ある御激励をいただきまして、通産省、中小企業庁、感謝をいたしております。先生は国政に参加されます。その以前から、青森県におかれまして地方政界のみならず商工会あるいは商工会議所の御指導に当たっておられたことも、私よく承知をいたしております。これから、先生の今御指摘ありました点を十分に踏まえながら中小企業庁また各通産局に指示をいたしまして、中小企業とりわけ小規模事業がさらに振興できますように事務当局に十分注意を促し、また懸命な御支援を申し上げるように努力させていただきたいということをまず申し上げておく次第でございます。
 今、松尾先生からお話ございました四極貿易大臣会合が十四日、これは第二十三回目になるというふうに伺っていますが、トロントで行われることになりました。しばらくウルグアイ・ラウンドにつきましてやや休止をしたといいましょうか、とんざしたというような形になっておりまして、これにはいろいろな事情がございました。アメリカ政府が新しく誕生されましたためのいろんな諸手続のこともございましたでしょうし、それからアメリカとECとの間の話し合いがなかなか解決をしなかったという点もございます。
 先般、私はここでちょっと申し上げたような記憶もございますが、ASEANに参りましても、シンガポール初めインドネシア等これから中進国からさらに先進工業国へと意欲を持っておる国々にとりましては自由貿易体制というのはどうしても大事だ、まさにそうした国々が発展をしていくためにはやはり自由貿易体制をしっかり堅持してほしい、そのためにはウルグアイ・ラウンドの早期の決着に日本がイニシアチブをとってほしい、こういうことがASEANの皆さんからも非常によく私どもに訴えられたわけでございます。
 幸い、そうした環境もございましたのともう一つは、アメリカ政府がファストトラックに関します方針を決定して初めて議会に承認を今求める手続をいたしておりますので、そういう意味で四極のいわゆる通商関係の閣僚レベルの初会合になりますので、でき得ますならばウルグアイ・ラウンドを年内に決着ができるような一つの道筋をつける会合になるのではないだろうか。
 でき得れば、米問題を初めとしてそれぞれ困難な問題を抱えている国々が多うございますが、そうした問題はさらにこれから十二分に話し合って多角的にとらえていかなければならぬ問題であろうと思いますが、七月には東京サミットがございまして日本国が議長国をするということもございますので、それまでに少なくとも市場アクセスについてお互いに忌憚のない意見の交換をして何らかの目鼻をつけておくということが今回の会議では大事なのではないか、このように考えております。
 ただ、従来二日間、ございますこの会議がたった一日しかございませんで、今入ってきました予定では朝の八時から夕方までびっしりやろう、こういうことでございますので、どのあたりまで深く話ができるかわかりませんけれども、それぞれ各国が自分たちの思っておることを思い切ってお互いにテーブルに出し合って、そして突っ込んだ話を申し上げると同時に、さらに六月のOECD閣僚会議あるいは七月のサミット、これからのスケジュールなどもプロセスなども十二分に話し合っていくというのが今回の会合の主な中身になるのではないか、こう思っております。
 大変大事な会議でございまして、ラグビーのようなわけにはなかなかまいりませんが、我が国の抱えておる問題、また与野党を通じましてこの国会でいろんな論議を進めておりますことも十分私ども踏まえて、日本の国のためにまた世界の自由貿易体制がしっかりと堅持できますように一生懸命努力していきたい、こう思っております。
 そんな私の理由なども含めて、参議院商工委員会もいろいろと時間を配慮してくださったことに対しまして、委員長初め委員の皆様に心からお礼を申し上げる次第でございます。
#30
○委員長(斎藤文夫君) 大臣、どうぞ御活躍と成果の上がるよう期待いたしております。
#31
○国務大臣(森喜朗君) ありがとうございました。
#32
○浜四津敏子君 それでは、まず通産大臣にお伺いいたします。
 大臣は、日本の国の経済分野での指導者であられますが、グローバルなそしてまた大局的な知識を当然持っていらしてまた必要だということがございますが、その一方でまた現場の声そしてまた悩みを十分に知っていただいて初めて的確な指導をしていただけるというふうに思いますので、まず現在、小規模零細事業者また個人商店等が置かれています現状についてぜひ現場の声をお聞きいただいて、その上で基本姿勢等について伺いたいというふうに思っております。
 実は、先日墨田区の個人青果商店、八百屋さんでございますが、そうした方々とお会いする機会がありました。その地域の組合員の八百屋さん、最盛期には三百三十六軒あったそうでございますけれども、それが今から約十年前には二百二十軒に、そしてまた現在は百二十軒にまで落ち込んでいる。この十年間で約半減したわけでございます。そしてまた、このままではとても生き残りは厳しいと、さらに減っていくだろうというたくさんの声がありました。また、従事していらっしゃる方の平均年齢がもう既に五十代半ばを超えている、若い人はもうほとんどいない、こんなことでした。
 また平均収入が、家族全員で従事して年収四百万から五百万。商品のもうけだけで労働マージンはとても入ってこない。また、早朝から夜まで働いてようやく食べられるだけの生活だという方々がほとんどでした。また、殊に消費税が導入されてからはさらに苦しくなって、実際に消費税は到底取れない現状にある、これが仮に五%にまで上がったらもう我々はほとんど全部即廃業にならざるを得ないだろう、こういう方々がほとんどでした。また、その事業主である父親が死んだら住まいと一緒の店そのものを売り払わないと相続税を支払うことができない。子供たちはこんな両親の苦労を見て、とてもじゃないけどこんな割に合わない仕事は継ぎたくないと、こんなお話でした。
 また、これは別の区の製造業、加工業あるいはメッキ業あるいは印刷業など小企業の方々のお話ですが、不況で仕事が少ない。また、海外の労働力が安いということでさらに仕事が減らされている。また、労働力不足そして今お話ししましたような税制面で大変あえいでいると、これが現状でございます。
 そこで、今回の法案に基づく施策を含めまして、今後こうした現状にある小規模零細事業者への支援策をどのように講じられていかれるのか、その基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(森喜朗君) 浜四津さんらしいといっては大変失礼でございますが、本当にきめ細かく地域の皆さんのお話をお聞きになって、御質問の中にその御報告も兼ねていただきまして大変参考になりました。
 私も同じように郷里は小さな田舎町でございますから、だんだん屋号がなくなるというのは寂しいです。八百屋さんとかお米屋さんとか履物屋さんとか、言いにくいわけですが、こういう屋号を持っている何々屋さんというのが一番我々選挙をやるときには本当に役に立つといいますか、本当によく相談相手になってくださる方々でございます。それが余り縁もゆかりもないようなコンビニエンスストアが来たりすると、本当にどこの人なのかな、店員の顔を見ても全然向こうも頭を下げない、こっちも頭を下げないというような感じで、地方の持っているあるいは下町的なそういう地域社会の従来持っていた温かみというのがだんだんなくなっていく。商店を中心にしていわゆる町が形成され、地域が形成されていくということを、今改めて私どもは十分このことを踏まえた中小企業あるいは小規模事業の振興策というものを考えていかなきゃならぬなというふうに思っております。
 事実、私自身もこの問も申し上げましたけれども、計画経済下にあったロシアとかそうした国の皆さんが見えたときに、中小企業があってそれが中心になって町が栄えていくんですよと、こんな話を我々はそういう国の皆さんにしておきながら、自分たちの国の方はむしろお留守になってきているということに対して、やはり私自身も率直に言えば政治家として非常に矛盾を実は自分なりに抱えておるわけでございます。
 しかし、今お話ございました点は、中小企業庁長官初め中小企業庁幹部みんな聞いておりますので、十二分にこのことを頭に置いてこれからの政策を進めていかなきゃなりません。やはり世の中がいろんな形で環境が変わっていくわけでありますし、また確かに事業継承の問題、特にこれは税制の問題でこれから我が党含め政府も一番関心事として、いわゆる相続税の問題等もこれから論議をしていかなきゃならぬと思っております。
 一方においては、こういう仕事をさせたくないから子供を東京の大学に出す、あるいは大阪の大学に出すということにもなれば、そこへ出したばっかりに田舎に帰りたくなくなったということもある。親の立場から見ると、こんな苦しいことを息子にさせたくないからせめて親としては大学ぐらいはきちっと出しておいてやりたいという、こういう気持ちもやっぱり当然親としてあるわけですが、どちらがいいかどちらが悪いのか、これなかなか難しい問題であります。やはり生々としてはつらつと企業が営めるような環境を政府はきちっとつくるということは基本的な大事な姿勢でなければならぬだろう、私はこんなふうに思っております。
 たびたび申し上げますが、我が国事業所の八割を占め、日本経済をまさに支えておりますこの小規模事業者は、経営基盤が弱いということで、一般的な中小企業施策によっては経営環境の変化に対応していくことは極めて困難だということであろうと思います。したがって、中小企業基本法の第二十二条にもございますように、小規模事業者に対しての金融、税制、事業の共同化等の中小企業施策が円滑に講じられていきますように、まずその前提となる帳簿の整理、金融、税制、事業の共同化等に関する知識の増進等、日常的な経営の改善を図ることがまず肝要であろう、こう考えます。このため国は、昭和三十五年以来、商工会及び商工会議所が行う日常的な経営と経理面の相談、指導、経営改善普及事業に要する経費を今日まで補助をさせていただいたところでございます。
 この法律は、このような従来の経営改善普及事業を充実強化しますとともに、事業の共同化等を図り、経営環境の変化に対応していくための共同工場あるいはコミュニティー施設等を商工会等が小規模事業者にかわって整備することを促進する措置を講ずる、小規模企業対策をソフト、ハード両面から総合的に講じていく、つまり地域社会は小規模事業のみではできていかないわけでありますから、みんなでそうした魅力ある町づくり地域づくりをしていくことを総合的にお手伝いしていこう、こういうことが今回の法律の趣旨でもあるわけでございます。
 これらの事業が各地方公共団体等の地域振興施策とともに連携されて実施されることによりまして、小規模事業者がその活動の基盤とする地域産業、経済が活性化される、相乗的に小規模事業者の経営基盤の充実が図られるとともに、中規模企業と同様に小規模事業者にも金融等の一般的中小企業施策が円滑に講じられるようになることを期待いたしておるわけでございます。
 要はその地域が、今先生がいろいろおっしゃいましたように、そうした八百屋さん初め靴屋さんいろんな皆さんが集まったそこにやはり一つの集積した町が整っていきますように、そのために個人個人ででき得ないことをできる限り商工会や商工会議所がみんなで協力して進めていく、それに当然公共事業、町や市や県が応援もしていく。それに対して国も積極的な支援をしていこう、こういう考え方が基本的にあることでございまして、なかなか先生のおっしゃったことすべてがうまくは解決しないかもしれませんが、時間をかけながらしっかりと支援をさせていただきたい、このように思っております。
#34
○浜四津敏子君 次に、小規模零細事業者に求められる支援といたしまして、今回の法案のように地域全体の経済の活性化を図ることも当然必要とされるわけですけれども、それと相まって個々の事業者への支援もといいますか、あるいはそれこそが最も重要かなというふうに思います。その一環として、先ほどちょっとお話しさせていただきましたさまざまな税制面での一層の配慮が必要かと思われますが、通産省の見解をお伺いしたいと思います。
#35
○政府委員(関收君) 先生御指摘ございましたように、中小企業施策の基本的な考え方は、中小企業の方がそれぞれ自主的な御努力をなさる、それに対して国としてできるだけのお手伝いをするということでございますから、補助金も重要でございますが、金融でありますとか税制といったような手段がより大きなウエートを占めているわけでございます。
 そこで、税制面の措置でございますけれども、今先生いろいろ具体的な御指摘ございましたけれども、私どもといたしましては既に幾つかの税制上の措置を講じておるわけでございます。
 項目だけ申し上げますと、一つは経営基盤の安定、充実のための基本税制ということで、中小法人の方に対しては法人税率を軽減するというような措置、あるいは設備投資をいたします場合の特別償却、あるいは事業承継の円滑化のための措置等々の措置を既に講じているところでございます。それからまた、投資をなさるような場合、特に今回の総合経済対策でもうたわれておりますけれども、投資減税等の措置も今度の総合経済対策には盛り込まれているところでございます。
 今の中小企業が置かれました状況からかんがみて、今のような税制で十分かどうかということについてはいろいろまだ御議論があろうかと思いますが、私どもとしてはこれからも中小企業の方々のニーズを踏まえまして、また税の場合には税理論というのがございましてなかなか簡単にはいかない面もございますけれども、そういった両方のファクターを十分踏まえながら適切な税制上の措置をこれからも引き続き検討してまいりたいと思っておるところでございます。
#36
○浜四津敏子君 小規模零細事業者に対する融資制度としては、現在もさまざまな制度が用意はされておりますけれども、こうした事業者が実際に政府系の金融機関に融資の申し込みに行きますと、大変審査等が厳しくて実際にはなかなか借りられない、断られるケースも多いというのが多くの方々の不満の声として上がっております。
 昨今の景況にかんがみまして、中小企業者に対して円滑な資金の融通が図られますように、政府系金融機関に対して弾力的な運用を行うように通産省として御指導されるべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#37
○政府委員(桑原茂樹君) こうした時期でございますから、中小企業が政府系の金融機関に持っている期待も非常に大きなものであるというふうに考えております。したがいまして、そうした期待に沿いまして、政府系の中小企業金融機関が個々の中小企業の実情に応じまして極力弾力的に対処をする、なるべく親切に対応するということが非常に重要であるというのは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、私どもとしては、既に昨年三月の緊急経済対策というのがございましたけれどもそのときに、政府系の中小企業金融機関が中小企業の実態に十分配慮した貸し出しを行う、また例えば返済猶予を行うなど既往債務の条件変更についてもきめ細かい対応をしろ、さらに担保の徴求に当たっても経営の実情に応じて弾力的に行うというようなことを通達で指示したところでございまして、昨年末にも同じようなことを再度指示しております。御指摘のような方向で政府系の中小企業金融機関が中小企業に極力親切に対応するよう、これからも努力していきたいと思っております。
#38
○浜四津敏子君 小規模零細企業対策を講じるに当たりましては、先日もお話が出てまいりましたが、国とそれから地方行政との密接な連携が重要であるというお話がありました。
 ところが、中小零細事業者にこうした有利な施策が実施されることになりましても、立法はできても現場の担当者、地方公共団体の市区町村役場の実際の担当者がその施策の内容をよく知らないことが多い、そしてせっかくの施策が現場ではなかなかスムーズに進まないという声も多いわけでございます。今回の法案の小規模企業対策の趣旨、内容等につきましては、ぜひともこうした地方公共団体の商工行政担当部局の担当者に周知徹底を図っていただきたいというふうに希望いたしますが、具体的にそのような方策を考えていらっしゃるのかどうかお伺いしたいと思います。
#39
○政府委員(井出亜夫君) 御指摘の点につきましては、この法律をお認めいただいた後にできるだけ速やかに各都道府県への説明でございますとか、それから日本商工会議所を通じましたり、あるいは全国商工会連合会等を通じまして、本構想の趣旨徹底、活用の仕方等々につきまして全国くまなく周知できるような体制を組んでまいりたいと考えております。
#40
○浜四津敏子君 それでは次に、今回単位商工会そして商工会議所の人件費を都道府県の負担に移行するという内容になっておりますが、従来並みの補助が維持できるのかどうか、また都道府県の裁量で決まるために安定した補助が受けられないのではないかという危惧の声もありますが、こうした都道府県の人件費補助は引き続き適正になされるのかどうかについてお答えいただきたいと思います。
#41
○政府委員(井出亜夫君) 本件につきましては、昨年の秋以来、各都道府県当局にお話をする一方、自治省に対しましても十分私どもの考え方を御説明いたしまして、自治省を通じまして全国知事会の内諾というものも得ておるわけでございます。
 今年度につきましては、既に各都道府県におきまして必要な措置を講じていただいております。さらに、暫定期間でございます来年度、再来年度、それから一般財源化の移行期間といいますか暫定期間が終わった後におきましても、しかるべく都道府県におきまして十分な措置がとられるよう地方財政計画等々において手当てをしていただくと同時に、私どもも直接都道府県に本件をお願いいたしまして、御指摘のような不安のないように十分体制を確保してまいりたいと考えております。
#42
○浜四津敏子君 それでは、基盤施設事業につきまして三点伺わせていただきます。
 一点目は、こうした基盤施設事業には大変大きな資金が必要になるというふうに考えられますが、例えば商工会、商工会議所が借り入れをしてこうした事業を実施して万一赤字になった場合はどこがどのように責任をとるのか、それが第一点でございます。
 また第二点目は、全国団体は基盤施設事業を実施する傘下の団体の債務保証を行うということになりますが、平成五年度における約五億円の基金というのはこれを行うのに十分な規模なのかどうか、これが第二点目でございます。
 三点目は、殊に商工会も大きなもの小さなものございまして、特に小規模の商工会におきましてはこうした基盤施設事業の実施がかなり難しいところが多いのではないかというふうに思われますが、これについてはどのような配慮をされておられるのか。
 この三点についてお答えいただきたいと思います。
#43
○政府委員(井出亜夫君) お答えを申し上げます。
 まず、十分な資金が確保できるかどうかということでございます。あるいはまた、赤字が出ないかどうかという御懸念でございますけれども、これにつきましては十分この計画の認定の段階におきましてそういうことが発生しないような審査をしてまいりたいと思います。同時にまた、先生御指摘のように、全国商工会連合会あるいは日本商工会議所が商工会等の行う場合につきましては債務保証をするということでかなりの手当てができる、それから同時にまた中小企業事業団の高度化融資というものが、大体のケースでございますと八割につきましてこの融資が受けられるというふうなことでございまして、こういうふうなもろもろの措置を通じまして本件が適切に実行できるようにしてまいりたいと考えております。
 それから、債務保証の額でございますけれども、私ども各地の状況を調査いたしまして、現在予算で認めていただいております基金の規模があれば当面の事業については十分な確保ができるというふうに考えております。
 それから、小規模な商工会が果たしてできるかどうかという点でございます。これにつきましては、小規模な商工会につきまして各都道府県における連合会の指導でございますとか、あるいは小規模な商工会同士が幾つかまとまって広域的に事業を行うというふうな予算も確保しておるわけでございますから、そういうふうな中で、例えば一つ一つの商工会ではなかなかできないというものにつきましては広域的な運用ということによりまして確保する手だてもあるのかなというふうに考えております。
 以上でございます。
#44
○浜四津敏子君 それでは次に、小規模また零細事業においては、後継者がいなくて廃業を余儀なくされているところが多いのが現状でございますけれども、現在中小企業庁としてはこうした後継者問題についてどのように取り組んでいるのか、また今後それをどのように充実させていく予定なのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#45
○政府委員(関收君) 戦後も四十年を経まして、高度成長期から約二十年が経過いたしましたので、こうした時期に創業された多くの中小企業が世代交代期を迎えておるわけでございます。さらに、我が国全体の意識変化と申しましょうか、そういったようなこともあってなかなか後継者が得られないというのが中小企業にとって非常に重要な悩みになっておると私どもも認識をいたしておるわけでございます。
 事業を実施いたします場合に、その後継者になっていただけるのかどうかということ自体は、どうも基本的には今の経営者の方あるいは後継者の候補の方のお考えの問題だとは実は思うわけでございますけれども、そういうことがよりやりやすくなるようなさまざまな条件整備と申しましょうか環境整備と申しましょうか、そういうことは私ども中小企業庁でもある程度お手伝いはできると考えているわけでございます。具体的には、商工会、商工会議所におきまして、そういった小規模企業の方の次代を担う若手後継者の候補の方に対しまして、若手後継者体験研修といったような研修を実施させていただくとか、あるいはまた中小企業大学校におきましては、より本格的な意味で経営後継者研修といったようなものを実施いたしておるわけでございます。
 それからまた、家族の方が跡を継がれます場合の一つの問題としての承継税制の問題等々もございます。これは詳細は御説明いたしませんが、そういった税制上の配慮というのも後継者の方が喜んで承継していただく上で重要な条件ではないかと考えておるところでございます。
#46
○浜四津敏子君 ありがとうございました。これで終わります。
#47
○井上計君 信用保険法に関連をして一つ伺います。
 最近非常に不況が深刻でありますし、中小企業、特に小企業の倒産も大変激増しております。残念でありますけれども、今後さらに倒産がまだふえるであろうということが予測されます。そのような状況の中で代位弁済が最近大変ふえておる、こういうふうに承知をしておるんですが、信用保証協会の収支の見通しはどのようになるという予測をしておられますか、ちょっとお伺いいたします。
#48
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり最近の景気低迷を反映いたしまして、いわゆる保証協会の代位弁済も大変増加をいたしておるところでございます。ちなみに平成四年度の実績で申し上げますと、代位弁済の実績が、件数で三万五百二十七件、前年に比べまして五四・四%の増、金額にいたしますと三千二十六億円で前年に比べて七六%の増ということでございまして、大変ふえているということは御指摘のとおりでございます。
 こういったことが保証協会の経営状態、ひいては今後の保証のあり方と申しますか、そういうものに影響をするのではないかという御指摘でございますけれども、おかげさまで保証協会の経営基盤というのは毎年着実に積み重ねる形で強化をされてきておりまして、現在の保証協会の基金等々でこれから予想されます保証の需要におこたえできるような枠としての余裕は一応ございます。
 それからまた、振り返ってみますと、昭和五十年代には大変事故率が高い状態が続いておりまして、その当時は極めて財政的にも厳しかったわけでございますが、最近におきましてはかなり低い状態になっております。特に、平成二年、三年は景気がよかったこともございまして代位弁済もかなり低かったということがございます。
 そういったようなこともございまして、結論的に申し上げますと、非常に代位弁済がふえて厳しい状態ではございますが、ぎりぎり何とか当面の皆様の御注文には応じられるような状況にあるのではないかと考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、保証協会の保証のための必要な基金等につきましては、なかなか一気に積み上げるということもできませんので、毎年着実な形で強化するということはこれからもぜひ続けさせていただきたいと思っておるところでございます。
#49
○井上計君 かなり代位弁済がふえておるとは聞いておりましたけれども、伺って前年度に比べて非常に激増しておるという感じがします。今後、このような問題等についての指導、さらには保証協会の運営等についても万全を期していただくように要望しておきます。
 質問が大分出尽くしておりますし、これは法律案とは直接関係がありませんが、ずっと各委員の熱心な質疑を聞いておりまして私自身が感じましたことを提言いたしたい、かように思います。したがって、これはもう思いつき提言ですから御答弁は要りません。
 今度の法律の目的でありますけれども、うたわれておりますように小規模事業者の経営基盤の充実、さらにそのためには商工会、商工会議所の小規模事業者に対する経営の改善指導云々、支援云々というのが目的であるわけです。これは当然そのとおり結構であります。ところが、小規模事業者の経営改善指導と言っても、かなり広範囲になります。もちろん、直接面としては売り上げあるいは仕入れ等々の適正化、それで収益をいかに上げるか、そのためには必要な技術の革新であるとかあるいは設備の近代化であるとかというノウハウ等についての指導というのが当然必要であり、また言われておりますように企業の集積等々で共同工場、共同施設、そういうふうなものを商工会等が直接設立をする、あるいはまた指導をするというふうなこと、これは大変結構であります。
 そこで、もう一つ必要なことは、特に地方、地域の小都市等々に存在をする小企業にとって、従業員の福利厚生対策というふうなものがこれまた大変重要なんですね。そこで私の提言でありますが、大臣初め中小企業庁の長官、幹部の皆さん方もあるいは同僚議員の方も、失礼ですが余り御関心がないので御存じないかと思いますが、健康保険の問題であります。
 現在、健康保険法からいきまして各種健康保険がありますけれども、地方へ行きますと、自営業者はもちろん国民健康保険に入っておりますが、現在の保険法からいって従業員を、以前は五人以上従業員を使っておれば政府管掌健康保険に強制加入、数年前から変わりまして、他人従業員を一人でも使っておればこれは例の政府管掌健康保険に加入するということが義務づけられておるわけであります。ところが、政府管掌の健康保険は、言い方は悪いですけれども大変な被保険者の数、それに対して各地でのいろんな指導、施設等からして十分なる経営改善努力が政府管掌は余りされてないわけですね。
 それで、話変わりますけれども、四十年前に健康保険法が一部改正になりまして健康保険組合の設立が認められた、これはもう御承知のとおりです。ところが、健康保険組合というのは大企業の単一健保か、あるいは中小企業の総合健保の場合には同業種のみで認められておったわけですね。かなり成果が上がってきています。現在、私の承知しているところでは健康保険組合は約千六百幾らありますが、そのうち半分は中小企業の総合健保組合。最近では老人医療の一〇〇%負担で赤字組合もかなりふえてはいますけれども、しかし政府管掌に比べると、中小企業の総合健康保険組合は大変な経営改善努力をして収支もまずまずいい。それから、収支いかんにかかわらず、従業員に対する医療費の足切りの問題であるとかあるいは保養施設の問題であるとかあるいは疾病予防等についての指導だとか対策だとか、各種のいろんな福利厚生事業を大変活発に行っておるんですね。
 そこで、私はこの問題を十数年前から考えておりまして、中小企業の縦割りの同業種、同業者だけでなくて、地域の中小企業、異業種が集まって健康保険組合を設立することを厚生省認めたらどうだということを十数年前から言い続けてきたんですが、いろんな障害がありましてなかなか思うようにいかなかった。
 ところが、七年前であったと思いますが、中曽根内閣時代に予算委員会でこの問題、いろんな政府管掌と健康保険組合との事業の対比を詳細なものを出してそれで提言したところ、これはもうぜひやるべきだという中曽根総理のツルの一声があったせいもありますけれども、厚生省でその後制度を検討して、五年前から地域の異業種による健康保険組合の設立を認めることになったわけです。既に、仙台で団地の中で二カ所だったと思いますが、それから長野でもたしかあったかと思いますけれども、地域健康保険組合の設立が認められておるわけなんですね。これはやはり政府管掌とかと比べるとさっき申し上げたように従業員対策のメリットが多いわけです。
 そこで、この新法によって各地方で商工会議所、商工会がいろんな事業をやるわけですけれども、もちろん厚生省の問題でありますからこの法律とは若干違いますけれども、そういうふうな健康保険組合の設立の側面指導といいますか、それで地域小企業の従業員の福利厚生、疾病予防あるいは健康相談というふうなことも私は重要な事業として誕生するんではないかなということを、昨日もきょうもいろんな質疑の中で実は感じておったんです。
 たまたま、先ほど谷畑委員が関連をして従業員の福利厚生という面で年金問題を取り上げられました。だから、今そういうふうな中小企業が健康保険組合をつくっているところはほとんどがそれをまた中心として年金基金をつくっておるんです。大変成果を上げておるわけです。だから、それをセットとして考えますと、私は、言えばこの事業の付随的な事業といいますか、ある意味では相互補完でさらに成果が上がるんではなかろうかな、こんなことを強く先ほどから実は感じておるわけです。
 地方へ参りますと特に人口の少ない地域では、何といってもいろんな問題が複合してなかなかこれだけ解決するといっても解決できない。これを解決するためにはこうだとかという面で、人と人とのつながり、連帯感が緊密でなければどんな事業も成功しないわけですから、そういう意味でこれは中小企業庁としてそういうことについてもひとつ関心を持っていただいて、厚生省と連絡をとりながら指導の中にそういうふうなものを入れていただく必要があるんではなかろうか、また入れていただくことによって効果があるんではなかろうか。
 そこで、具体的に例を挙げますと例えを言うと、商工会が展示場だとかあるいは研修場というふうな建物をつくる、その地域の総合健保組合ができればそこに健保組合の事務所を貸してやる、そうするとその事務所が定期的に近隣の開業医とタイアップして健康相談日を設けるとかというようなことで、地域の小企業に対してあるいは従業員対策にも効果があるんではないかな、こんなふうなことを実は感じておるんですが、もうこれは思いつきというかいきなり提言したわけですから御答弁は要りませんけれども、ぜひひとつお考えいただく必要があるんではなかろうか、こんなふうなことを感じましたので、あえてこの機会にひとつ提言を申し上げておきます。
 大臣なり長官何か御感想あればお聞かせいただければ結構でありますけれども、ぜひひとつお考えをいただきたい。
 以上で質問を終わります。
#50
○国務大臣(森喜朗君) 井上委員のお話はそう簡単に思いつくものじゃないわけでありまして、多年先生が中小企業のずっとお世話をしておられる、そういう中から構想としておまとめになったものだろうと思います。
 もちろん保険制度そのものはこれは所管は厚生省でございますけれども、中小企業あるいは小規模事業が、先ほど浜四津委員からもございましたように、その地域全体がなりわいとして振興していくような地域を活性化させるという意味からいえば、そうした大企業にないものを国がいろんな形でバックアップをして進めていくということがやはり支援事業として最もふさわしいことであると思います。この法律が国会を通させていただきましたならばいろんなメニューがこれからまた考えられてくると思いますので、当然、今委員からお話しございましたようなことなども中小企業庁十分に検討させていただきまして、関係省庁ともよく協議をし、そしてまた先生からもいろいろと御指導いただきながら積極的にこの問題について進めてまいりたい、このように考えております。
 いろいろ御提言いただきましてありがとうございました。
#51
○井上計君 じゃ、もう一つ。
 大臣、ありがとうございました。大臣も私の提言に御賛同いただいたようでありますから大いに期待をしております。
 それで、先ほどちょっと中小企業庁で調べていただいたんですが、まあ東京の場合にはあるいは東京近郊の川口、大宮支部等の商工会議所は入っていますが、全国連合会、日商、東商等の職員は経済団体健康保健組合に加入しているようですが、その他地方の商工会議所の職員あるいは商工会の職員は全部政府管掌なんですね。だから、地方の商工会、商工会議所の職員に対しての福利厚生問題にも大いにこれは寄与できるのではなかろうか、こう考えますので、ぜひひとつ御検討いただきますように再度お願いしておきます。
 終わります。
#52
○市川正一君 中小公庫月報を拝見しますと、中小企業向け貸出残額約三百十八兆円のうち、民間金融機関からの融資が約二百六十八兆、八四・二%を占めているのに対して、国金や中小公庫など政府機関並びに中小企業信用保険法による融資などは約五十兆、十五・八%にすぎません。担保力や信用力が不足している中小企業の資金需要に対して、量的、質的にこたえるのが国金など政府系金融機関や中小企業信用保険法による信用補完制度のあり方、役割であろうと存じます。
 ところが、昨年末の補正予算で措置された緊急経営支援融資について取引金融機関等の支援が確実に見込まれること等々貸し付け条件に関する文書を都道府県あてに提起されたことについて三月二十六日の本委員会で指摘したところ、関中小企業庁長官は、そのような文書は心当たりないと言ってかたくなに否定されました。そのときの会議録はここにあります。しかし、実際には十二月四日に案として文書が出され、続いて十二月十四日、同文の正式文書が出ております。現物、これです。これが事実であったんでしょう。関さん、どうですか。
#53
○政府委員(関收君) 私も記憶いたしておりますけれども、前回先生お尋ねのときには、十二月四日付の文書というふうに御指摘がございました。実は十二月四日というのは、まだ補正予算が成立をしていない段階でございますので、私どもとしては補正予算が成立いたしますならばなるべく早く、暮れも近づいておりますから中小企業の方の御要望にこたえるべく事前にいろいろ検討はしておりました。そして、予算が通りましたならばなるべく早く実現に移せるような準備をいたしておりましたが、正式には十二月十四日に補正予算成立後、そういった文書を出したわけでございます。
 その十二月十四日付の文書では、御指摘のようなものがあることは事実でございます。
#54
○市川正一君 あんたとは長いつき合いなんだから、往生際をやっぱりきれいにいきましょうや。金融課長が持ってきたんですよ、これ。これは十二月四日付の文書です。それから十四日付の文書は、内容は寸分遣わぬ同じ文書です。だから私は、今さらその責任をとれとかそんなことは言いませんが、問題にしたいのはそういう答弁もさることながら、関長官が金融としてのベースに乗り得るかどうかということについてチェックさせていただくことだと言って、そういう姿勢そのものを私は問うた。
 政府が民間金融機関に対して、いわゆる貸し渋りや選別融資をやめて中小企業向け貸し出しを緩和しよう増大させよう、そういう指導をやっておられるそのさなかに、当の中小企業庁が不況対策として実施する貸付制度ですよ、民間金融機関の支援が確実に見込まれたことなどという条件をつけたような文書を出すんでは、信用補完制度の根幹に矛盾するんじゃないかということを、言うならば示しがつかぬじゃないかということを問いただしているんですよ。だから前回の答弁をどうせい、こうせいというような、そんなけちなことは言いません。
 そこで森大臣、この三月二十六日の本委員会には残念ながら海外出張のために御欠席であった。しかし、私が指摘している、今までのこのやりとりを踏まえてそのようにお思いになリませんでしょうか、どうでしょうか。
#55
○政府委員(関收君) サブスタンスの議論をちょっとさせていただきたいと思いますけれども、この制度は国と県とが協力いたしまして中小企業の方に低利でお金をお貸しするという制度でございまして、私どもとしては基本的に県の自主的な判断というものを尊重するということで運用させていただいているわけです。申し上げるまでもなく、これは貴重な公的な資金を使わせていただいているわけでございますし、また金融でございますから当然返していただくということが前提になるわけでございますので、そういった意味で金融としての仕組みの中でのぎりぎりこれだけはお願いしたいということを申し上げたわけでございます。
 ただ、あわせて私どもとしてお願いいたしておりますのは、この運用に当たりましては、困窮度の高い中小企業の方に優先するような運用をしていただきたいという私どもの希望も申し添えてありますので、ぜひあわせて御理解をいただきたいと思うところでございます。
#56
○市川正一君 実際にどうなっているかということを、例えばこれ三重県の例ですけれども、この経営安定緊急資金融資の利用者を見ると、その半数以上が比較的余裕がある優良企業だったと中日新聞が報道しております。ですから、金融機関がお得意先へ優良中小企業への借りかえに利用しているというのが少なからぬ実例として出てきているんです。
 そういうことからも中小企業庁自身の姿勢の是正が必要だということを、繰り返し言うようですが、前回の答弁を取り消せとかそういうことはもう言いませんから、ちゃんと姿勢を正してほしいということをまず指摘しておきます。
 次に、我が党が昨年の暮れに要求しておりました緊急経営資金貸付制度の融資枠が今回の新総合経済対策で二千億追加され、対象も拡大されたことはこれは率直に評価いたします。しかし、今申しましたような通達の例えば金融機関の支援が確実なこととか、業況の回復が見込まれることとか、そういう条件が少なくとも緩和されなければ私、今三重の例を申しましたが本当に生きてこないと思うんです。
 また、売上高の減少が一五%以上とか一〇%以上とか、そういう条件をつけておりますけれども、例えば雇調金のケースを見ますと、去年の暮れ、従来雇用が五%以上減少という給付条件が御承知のように雇用が増大していないことという総論的な条項に緩和されているんですね。そういう点から見ても、私はこういう点では緩和措置がとられてしかるべきではないかと思うんですが、大臣細かい話ですからよろしいが、ひとつ通産省としての責任ある見解を求めたいと思います。
#57
○政府委員(関收君) 売上高の減少要件等々につきまして、条件がついていますことは御指摘のとおりでございます。
 今回の総合経済対策で予定されております二千億、これについてどういう条件であるかというのは、まだ補正予算もまだ審議がされておりませんのでこれから議論をされるわけでございます。従来のものについての考え方を申し上げたいと思いますが、一つ、今、先生御指摘の雇用調整助成金との比較のお話がございましたが、雇用調整助成金は雇用主の方が支払われた保険料収入により雇用保険事業の一環として実施されるものでございまして、雇用主が失業の発生回避に向けた努力を行う際の助成金という制度でございまして、この制度とはちょっと局面が違うのではないかと思っているわけでございます。
 たびたび先生からもおしかりいただいておりますように、二千億という額では少ないじゃないかというような御指摘もいただきましたが、私どもとしては、非常に限られた予算を使っていただくためには困窮度の特に厳しい方にこれを使っていただくということでやっておりますが、じゃそれ以外の人は全くその対象にならないのかというと、実はそれ以外のさまざまな経営安定貸付制度でありますとかあるいは経営支援貸付制度でありますとか、いろいろな制度がございます。それからまた、今度の総合経済対策でも七千億円に及ぶ低利の安定資金融資制度を政府系金融機関に設けるといったような制度も予定させていただいておりますので、それぞれの大変な度合いに応じましてぜひうまくこの制度を活用していただくということが大事ではないかと考えているわけでございます。
#58
○市川正一君 私は二千億の今度の問題については評価するということをはっきり言っているんですよ。その上で、それを本当に生かす道はこういうことじゃないかということを言っているんです。
 さらに、去年の十月に私どもは低利の融資制度を二兆円規模でということを申し入れました。この点についても、今回の対策で政府系金融機関による中小企業運転資金特別貸付制度あるいは返済資金緊急貸付制度、今おっしゃったようにこれが創成されたことを証価するのにやぶさかではありません。ちゃんと見るところは見ているんですよ。
 しかし、去年の暮れのことをもう一遍言いますが、これがああいうような条件がつけられるならば中小企業にとっては事実上利用は困難になる。したがって、金利の引き下げ、十分な貸付枠の確保など貸付条件の緩和を弾力的にやるべきであるということを力説しているんですが、そういう姿勢に立っていただけますでしょうな。
#59
○政府委員(関收君) たびたび申し上げて恐縮ですが、まだ補正予算の御審議も始まっていない時期でございますので、具体的な条件はこれから詰めていくことになりますし、また一般的な金利水準というものもそのときの金融情勢でいろいろ変わってまいります。具体的なお答えは申し上げられませんが、少なくとも私どもとしては現在の中小企業の厳しい状況を十分見きわめて、そういう方々の御要望にこたえつつ、また同時にこれは付言させていただきたいんでございますけれども、公的資金を使わしていただく、しかも金融であるというそののりというものとのバランスを十分考えながら、なるべく中小企業のお役に立つような施策をつくりたいというのが私どもの気持ちであることはぜひ御理解いただきたいと思います。
#60
○市川正一君 私は、基本的姿勢をずっと初めから聞いているわけです。だから、利率を即どうしろというふうに言っているわけじゃないんで、今の気持ちは大体通じた、こう確認します。
 そこで、今回の改正案そのものについてでありますが、普通保険は六七%、無担保保険は三三%、これに対して特別小口保険は一一%引き上げられることになります。特別小口保険の引き上げ幅がこれを見ても極めて低いんですね。また利用状況を見ると、特別小口保険が三万件余り、これも非常に少ないんです。その最大の理由は、特別小口保険が四百五十万円という低額であること及び保証協会が保証人つきにするために無担保保険に加入させるというケースが多いからです。
 そこで、私二つ伺いたいんです。
 第一点は、中小企業庁の資料でも九二年度の一件当たりの保険金額は、特別小口保険が二百四十八万円です。無担保保険が四百七十万円です。そこから見ても、無担保保険利用者の大部分は特別小口保険でも対応できることは明白です。そうでしょう。ところがそうならないのは、保証人の要らない特別小口保険も、保証人を求める例が各地で続出しておるんです。そういう信用保証協会の運営を改善すべきではないかというのが一点です。
 もう一点は、地方自治体の無担保、無保証人融資制度は中小企業、零細業の頼みの綱であります。その裏づけがこの特別小口保険です。特別小口保険の限度額を大幅に引き上げてほしいというのは、中小零細業者や、また大阪府当局からも直接私聞きましたが地方自治体の切望です。これにこたえて限度額を少なくとも一千万円に引き上げるべきではないか。
 この二点についてお伺いいたします。
#61
○政府委員(桑原茂樹君) まず質問の第一でございますけれども、我々常日ごろから全国の信用保証協会を指導しておりますのは、中小企業者が信用保証協会にいろいろ相談に来た場合は、その中小企業者の実情に応じて最も適切な形で信用保証を行うようにということでございまして、窓口で信用保証協会が特別小口保険ではなくて無担保保険に誘導しているというようなことはないものというふうに考えておりますし、これからもそういうことはないということで指導していきたいと思っております。
 なお、この特別小口保険でございますけれども、最近の厳しい中小企業者の状況を反映いたしまして、昨年の四月からことしの二月の実績でございますけれども、その前の年の同期比で見まして二三%、かなり大幅に特別小口保険の実績が伸びてきておりまして、こういうような経済状況が続きますとこうした状況はこれからも続くのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 御質問の第二でございますけれども、特別小口保険の付保限度額をもっと引き上げたらどうかという御質問でございます。
 これにつきましては、特別小口保険というのは担保ももちろんない、保証人もないということでございまして、かなり金融という面から見ますと、金融ののりを超えずにできるもうぎりぎりの制度であるというふうに我々は見ているわけでございます。ただ、小企業の方が非常に困った際に利用されるということで我々としては、保険料等につきましても格段と優遇した低いレートで適用をしているわけでございますが、その結果として見ますと回収率が非常に悪い、二七%という数字もございますし、収支を考えますと保険料の収入を一といたしますと支出が二ということになっております。要すれば、かなり大幅な赤字というものがこの特別小口保険を運用することによって生じておるわけでございまして、信用保証協会としてはそうした赤字をほかの普通保険というようなものでカバーをしているというところでございます。
 したがいまして、この特別小口保険をこれ以上引き上げることになりますと逆に保証協会の収支に悪影響を及ぼすということもございますので、保証協会の中小企業全般に対しての態度というものもまた変化をするというようないろいろな影響を考えますと、この特別小口保険の限度額をこれ以上引き上げることはなかなか難しいのではないかというふうに我々としては考えております。
#62
○市川正一君 反論がありますが、時間なので終わります。
#63
○古川太三郎君 この前からの経過を見ますと、この法案が成立しますと小規模事業者に対する支援、これが非常に公共的なものとして地方活性と言われるんでしょうけれども、基盤施設事業、こういった事業までされていく、それだけに行政が大きくコミットされるということが言えると思うんです。それだけに、大きな役割を持つ商工会あるいは商工会議所の中立性というものが必要だということは、今までの議論の中でたくさん出てきました。
 そこで、ちょっと調べてみたんですけれども、商工会並びに商工会議所の会頭、副会頭、それから常議員及び監事、こういう役員をやっている方で国会議員、都議会議員、それから市町村の議員、こういう政治的な議員になっている方、兼業をなさっているという比率も相当あるわけなんです。市町村では二百五十三人も商工会あるいは商工会議所の役員になっていらっしゃる。県会議員では四十人の方がこの役員になっていらっしゃる。国会議員もお二人いらっしゃる。こういう資料を今いただいたんですけれども、これは平成二年の十月の日本商工会議所の調査なんです。
 今まではそれでもよかったかもしれないけれども、今申し上げましたように大きく行政がコミットしていく部分ができできますから、なおさら中立性というのが必要になってくるんではないか。議員で兼業しているということはいかがなものか。通産省の方に答弁をお願いしたいと思います。
#64
○政府委員(関收君) 最初に申し上げたいと思います。前から御答弁申し上げておりますが、今回の法律によりまして商工会、商工会議所の地域振興、小規模企業振興の事業を行いましても、商工会議所、商工会がのっとるべき原則、「営利を目的としてはならない。」、「特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を打ってはならない。」、あるいは「商工会議所等は、これを特定の政党のために利用してはならない。」という大原則は、これはあくまでも堅持されるわけでございまして、そういった原則の中で事業は行われるものであることをぜひ御理解を賜りたいと思います。
 ちょっと古い資料で恐縮でございますけれども、平成二年度現在で商工会議所の役員の方でこのような議員を兼職しておられる方の数は、先生の御指摘のとおりだと思います。私どもの考え方としては、団体の役員の方でございましても個人として政治的活動を行われる場合、その活動が団体自体の政治的中立を損なうものでない限りこれは個人の自由の問題ではないか、したがって特に指導すべき対象の事項とは考えていないわけでございます。
 なお、当然でございますが、もしこれらの方々の政治的活動が、先ほど申し上げました商工会議所のこの原則を損なうような事実がもしあるといたしますれば、そのような事実がございますれば、それは実情に応じて必要な是正措置を講ずることはもちろんでございますけれども、たまたまこれを兼ねておられるということだけでこの大原則に大きな問題が生ずるとは私どもは考えていないわけでございます。
#65
○古川太三郎君 長官のお話ですけれども、原則をゆがめたときには問題だと、聞いていますとゆがめるまでは兼業していても構わないんだと、これじゃやっぱり商工会議所のあるいは商工会の信用をなくすんじゃないでしょうか。李下に冠を正さずという言葉もございます。やはり、そういった中立性が本当に守られているんだということで初めて地方の活性化もできるんで、今度の基盤施設事業なんかをやっていく場合にその適格性そしてその確実性、こういったことも中立的なものでなきゃならぬ。
 政治的にもし利用されていった場合に、これはどうされるんですか。私はこういう兼業の禁止はきっちりしておくべきだろう、こう思うのですけれども、いま一つ答弁を願います。
#66
○政府委員(関收君) 先生も御案内だと思いますが、それぞれこの商工会議所の役員の方は、地元で事業を経営され、あるいは地元の指導的なお立場でこの商工会議所という地域経済の発展のための機関の役員を兼ねておられる。そういう方々が同時に、例えば地方公共団体のあり方という立場で指導的な役割を果たされることもあり得る。その姿を今先生御指摘のような視点から見れば、商工会議所の役員さんが県議会あるいは地方議会の役員を兼ねておられるという形になるわけでございます。基本的に私どもは、今回の法律によりましても、先ほど来申し上げました原則、これが商工会議所を指導する基本的なプリンシプルでございますし、そういった観点からも団体の役員の方が個人として政治的な活動をなさり、地元の発展のために地方公共団体における議会等の役員をなさるということ自体は、それぞれの個人の方の問題ではないかということを考えているわけでございます。
 もちろん、これらの方々の政治的活動が組織としての商工会議所の政治的な中立を損なうというような事実がもしございますれば、その際には先ほど来申し上げましたようなことを考えなければならないということは当然だと思っております。そうじゃございません限り、通常私どもとしては、商工会議所の役員という立場で地方の経済の振興に貢献され、また同じ立場で今度は地域の振興に貢献されるというケースはいろいろな形であり得るのではないかというふうに一般論としては考えておるわけでございます。
#67
○古川太三郎君 これは水かけ論かもしれませんけれども、しかし商工会議所を見る目、そしてこれから行政がこれだけの大きな予算を組んでコミットしていく、こういったことの中でやはり議員との兼業はだれが見てもこれはおかしい。(「兼業じゃないんだ」と呼ぶ者あり)兼業と言わなくてもこれは二つの職業を一緒にやっている、職業と言っては何ですけれども。(「職業じゃない、ボランティアだ」と呼ぶ者あり)ボランティアならボランティアでも、こういう役員をやめての献身的な仕事、これならばしっかりと見ますわね。そういったことでゆがめられないようにしていただきたい。
 今度の日商会頭の石川さんのような方でも、これは要するにそういう自分が基盤に持ってきた会社の代表をやっている場合には、その会社がもし法律違反とかあるいは国民から見てよくないよというようなときにはやめられるような、やっぱり責任を持った役員の選出方法を指導なさる方が私はいいだろう。だれがどうだとか個人的にどうだというんじゃなくて、政治的な仕事をされる人はその役員から辞退するとか、あるいはその会社の代表になっていてその会社が法律違反をするような会社であった場合には、それは代表からあるいはその役員から辞退するというような、やはり選ぶ基準の中立性を持ってない限り、これから事業をやる場合にその適格性や確実性だとかおっしゃってもそれが非常にゆがめられたものになっていくんではないか。
 こういう危惧を持っていることだけを申し上げて、改善される意思があるかどうかだけをお聞きしてやめます。
#68
○政府委員(関收君) 例えば商工会議所法で申し上げますと、商工会議所の会員たる資格というものが商工会議所法の第十五条で決められておりまして、同時にそこで欠格条件というのも決められておるわけでございます。この法律の枠内におきまして、その役員も会員の方の中から選挙で選任されるわけでございまして、私ども行政官庁の立場でこうすべき、ああすべきというのを法律を超えてここでやることは、かえってその団体の自主的な活動あるいはその創意を発揮してそれぞれ地元の発展のために活躍していただけるということにとって、果たしてプラスだろうかどうかということを私は考えるわけでございます。
 恐らく、地方議会の議員の先生も恐らく会員の方のそういった一定の要件の中での選挙によって選任されておられると思うわけでございますので、今先生せっかくの御指摘でございますけれども、私どもとしては、今のこの商工会議所法あるいは商工会法の規定にのっとります適切な運用ということにこれからも努めてまいりたいと思うところでございます。
#69
○古川太三郎君 何回言っても仕方ないんですが、これがアメリカだとか、イギリスとか、こういうような形での商工会議所なら私は結構だと言うんです。だけれども、今はもう実態はどんどんとドイツ式になってきているんです。それはおわかりだと思う。行政がそこまでコミットしていくならば、やっぱり役員の選任の基準というものはいま少し中立性を持つような基準に直していくのが当然ではないか、そう思うだけです。
#70
○国務大臣(森喜朗君) 私からお答え申し上げるのはいかがかと思いましたが、お互いに政治家という立場ですから。今長官が申し上げましたように、商工会議所の役員というのは総会で選ぶわけですから、もし今委員が御心配になるような政治的な行為を、商工会議所等を使ってそんな批判を受けるようなことをもしされているとしたら、恐らく私は選挙で選ばれないと思うんです。私どもに所属する国会議員がお二人、今商工会議所のそういう役員をしておられますけれども、皆さん立派な、地域の中で経済活動を営んでおられてそして皆さんから選ばれた方でありますし、その方々はまた商工会議所を母体にして選挙運動をやったり政党活動をしておられるということは全くございません。そこは今事務当局から申し上げましたように、自主的に皆さんで選んで自主的に運用していくということが、私は極めて大事だと思います。
 先生の故郷であります福井県に、私は隣ですからよく知っておりますが、かつてこの参議院の大先輩である熊谷太三郎先生がいらっしゃいました。商工会議所のたしか会頭もなさっていたと思いますけれども、立派な行為をされておられましたことを私は隣県でありますからよく承知をしておりましたし、そういう立場で商工会議所を利用して政党活動をしたり、選挙活動をしたというようなことなどは全く私は聞いたこともございませんでした。
 そういう意味で、それぞれみんな自主的にそして法を守り、そういう中で事業活動もなさる政治活動もなさる、それが私は自由と民主主義の基盤だろうとそう考えておりますので、先生の非常に御心配なさる点は十分よくわかりますけれども、おのずと皆さんの判断でなさっていくことが正しいことであって、役所が少なくともそのことに対していろんな法の枠を超えた指導をするというのはやはり慎むべきことなのではないだろうか、このように考えております。
#71
○小池百合子君 今回の二法案に対しまして、また中小企業を取り巻くさまざまな環境につきましてかなり時間をかけて審議が進んできたようでございますので、最後に私は二つほどお願いという形でかえさせていただいて終わろうと思っております。
 まず一つには、せんだっても申し上げたわけなんですが、この中小企業信用保険法、そのバックには公的資金があるということでございます。平たく言って郵貯ということになるわけでございますけれども、その意味でも貯金をする方々に対して放漫経営のツケを払わせるということがくれぐれもないように、今後バブル経済の学習効果ということも望め、今後期待したいところだと思っておりますけれども、そういったチェック機構、これの徹底、さらにはそれによってまた中小企業の活力をそがないという非常に難しいバランスをとりながらのチェックをぜひ実行していただきたいというのが一つでございます。
 それからもう一つ続けて申し上げますと、今回の法案に対してのさまざまな背景の中で一番私が心配するのは、今確かに中小企業が非常に景気の落ち込みであるとかそれから経営努力をもう既に超えてしまっている円高であるとか、そういった非常に困難な状況にあるために景気の刺激策の一環としても今回の二法案であろうかと思いますが、一方でこれから開業しようという方々の問題、つまり開業率の方が廃業率よりも少ないといいますか、新しいそういう活力がこれからどのようにして生まれてくるのか。
 これはアメリカなどの場合には非常にベンチャー精神というのがもともとございますし、またそういった風土というのも十分にある。さらには、いわゆる店頭公開のようなシステムとしてNASDAQというようなそういう受け血なりもあるということがございます。ですから、開廃業の問題といいますかこれからのベンチャーを育てていく上での、今回の二法案に限らず今後大企業になるかもしれない小さな企業に対しての育成策、こういったことについて伺いたいと思います。
#72
○政府委員(関收君) 先生から二点のお尋ねがございました。
 第一点、やはり信用保証等といたしましてそれによってある意味で野方図になってはいけないという御指摘でございますが、私どもも先生御案内のとおりだと思いますけれども、中小企業基本法の第一条にうたわれておりますように中小企業施策の基本は、中小企業者の方の自主的な努力をベースにいたしまして、それをもとにいろいろな施策を講ずるということでございます。
 それから、信用保証をいたしますような場合にも、これは全部国のお金というだけじゃございませんで、保証料はいただくわけでございます。それから、あと仮に事故が起こりました場合でも、これはその後求償もさせていただくという形でございます。先生おっしゃるように公的資金を使わせていただくための節度、それから一方ある程度自由じゃなければ生きた経済を対象とする事業経営はなかなかうまくいかないかもしれない、このバランスをどうとっていくかということは非常に大事だと思っておりますが、今先生のような御指摘を踏まえて、両々相まった運用になりますように努めてまいりたいと思っております。
 それから第二点でございますけれども、開業、廃業のお話がございました。私どもも、この開業率を廃業率が上回るというようなことは我が国の経済の活力の上で非常に心配をいたしております。アメリカ、ヨーロッパでも今から二十年ほど前に同様の心配をされてさまざまな手をとられておるわけでございます。日本は、当時はまだ結構盛んに開業が行われまして、そういう時代でございませんでしたけれども最近はどうもそういう状態にございます。これからの経済の活力を維持するためにも、また小規模企業を中心とする場合には地域経済のためにも創業に対するいろいろなお手伝い、これは今回の法律による措置も含め、また金融あるいは保険その他の措置も含めて私どもできる限り創業支援というものの充実をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#73
○小池百合子君 その創業支援ということでございますが、女性の立場から珍しく言わせていただこうと思うんでございます。
 友人の中には女性で、そして新たな企業として事業所としていろんなアイデアでやっていこうという友人たちがたくさんいるわけでございますけれども、かつてのもう何でもいいから貸してあげるよというのから、最近の金融機関の今度はあつものに懲りてという感じでまた非常にその辺厳しくなっているんです。これからのソフト化する産業であるとか、それからさまざまなこれまでになかった発想の転換ということからいいますと、非常に女性のアイデアというのがもっと生かせるイシュー、これまで隠されていた日本の力の宝庫になり得るんじゃないかと思っているんですが、ところがまたこれは女性だから頼りにならないといったような金融機関等を前にしますと、なかなかうまくいかないというようなことも実際には生じている。
 それから、商工会議所と商工会その他も参りますと、オールドボーイズグラブといいますかなかなか男性社会でございまして、まだその商工会に入るほどの力にもならないという部分、そういう段階かもしれないんですけれども。そういった女性と縛りくくるよりも、アイデアであるとか実力であるとか、そういった当たり前の目安でもってとらえるべきだと思いますが、現実はそういったまだ厚い壁もあるということです。
 女性だということで何か信用がないような、そこまでは申しませんけれども、これからのベンチャーの宝庫としてそういう女性のアイデアというのをぜひ真っ当にとらえていただきたいということも要望として申し上げておきたいと思います。
#74
○国務大臣(森喜朗君) 各分野に女性がどんどん進出をしてきて活躍しておられます。先般私、この一月でございましたか、東京商工会議所の女性議員の会というのに出てまいりましたが、あの大きな広間に千何百、皆事業経営者でございました。大変な時代になったな、こう思いました。しかし、もちろんそうした中小企業経営に対しては個々にいろんな角度で御支援を申し上げなきゃなりませんが、女性だから甘くするとか、女性だから全然無視するというようなことはあってはならない、こう思っております。年々そうした分野にいろんな新しい知恵がわいてくるという、そういう傾向は私どもとしては喜ぶべき傾向だ、こう思っております。
 先生からの御指摘は十分踏まえて、女性だからということでいろんな判断の妨げになるようなことはしないよう十分事務当局に指導をしておきたい、こう思っております。
#75
○小池百合子君 ありがとうございました。
#76
○委員長(斎藤文夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の修正について市川正一君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。市川君。
#77
○市川正一君 ただいま議題となりました修正案につきまして、日本共産党を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 不況が長期化、深刻化するもとで、運転資金などの融資を求める中小企業者の要求がますます切実なものとなっております。中小企業信用保険法に基づく保険と、そのもとでの信用保証協会による保証は、担保力や信用力が乏しい中小企業・業者が融資を受ける上で極めて大きな意義を持っております。
 ところが、民間金融機関は、政府の再三にわたる要請にもかかわらず、大口企業、優良顧客優先で、中小零細業者への貸し渋りや選別融資を改めておりません。
 こうした状況下で、地方自治体の無担保、無保証人融資制度は、中小零細業者の頼みの鋼となっております。しかし、無担保、無保証人融資制度の裏づけとなっている特別小口保険の限度額が五年間も据え置かれているため、中小零細業者が無担保、無保証人融資を申し込んでも、保証人を要求され、融資が受けられない事態が相次いています。その結果、特別小口保険の利用実績を見ますと、保険全体に占める比率は、保険金額でわずか〇・八%、件数で三%しかないのであります。
 また、無担保保険の一件当たりの利用金額は約四百七十万円となっています。したがって、特別小口保険の金額を引き上げれば、六十二万の無担保保険利用者の大半の利用者が、特別小口保険を利用することが可能となります。不況の影響を深刻に受けている中小業者から、無担保、無保証人融資の限度額をもっと引き上げてほしいと切実な要求が出され、地方自治体からも特別小口保険限度額の大幅な引き上げが訴えられているところであります。
 しかるに、中小企業信用保険法の一部改正案では、普通保険は六七%、無担保保険は三三%も限度額を引き上げているにもかかわらず、特別小口保険の限度額は、一一%、五十万円しか引き上げられておらず極めて不十分と言わざるを得ません。
 政府は、特別小口保険が赤字であるとして限度額引き上げに応じませんでしたが、保険公庫の代位弁済額は、普通保険が七〇・七%、無担保保険が二八・四%に対し、特別小口保険は〇・七%にしかすぎません。もともと、特別小口保険は保険料を普通保険の半分以下にするなど、小企業重視の政策的措置に基づくものであります。政府の答弁は事実にも反し、また政策的見地にも反するものと言わなければなりません。
 以上の理由により、改正案の内容を中小業者の要求に沿ってよりよく改善するため修正案を提出する次第であります。
 修正案は、三百万の小企業の信用補完制度を充実させ、地方自治体の無担保、無保証人融資の限度額の引き上げを可能にさせるため、特別小口保険の限度額を改正案の五百万円から一千万円に引き上げるものであります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
 以上であります。
#78
○委員長(斎藤文夫君) それでは、修正案について質疑のある方は御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより両案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案について採決に入ります。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 吉田達男君から発言を求められておりますので、これを許します。吉田君。
#80
○吉田達男君 私は、ただいま可決されました商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合、日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    商工会及び商工会議所による小規模事業
    者の支援に関する法律案に対する附帯決
    議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点につい
 て適切な措置を講ずべきである。
 一 基本指針の策定に当たっては、小規模事業
  者をめぐる経営環境の変化を踏まえつつ、商
  工会等の支援事業に関する計画の作成及び実
  施に十分資するよう明確かつ具体的な内容と
  するよう努めること。
 二 商工会等の基盤施設計画の策定・実施に際
  しては、地域の実態等を踏まえ、関係地方公
  共団体との密接な連携の上、周辺の商工会等
  との共同事業の推進、他の地域振興計画等と
  の調整、会員の合意形成等が適切に行われる
  よう十分な指導・助言に努めること。
 三 全国団体が債務保証を行うに当たっては、
  基盤施設事業の運営について的確な審査を行
  うとともにその保証業務が円滑に行われるよ
  う、業務処理体制の整備について適切な指導
  を行うこと。
 四 基盤施設事業の導入に当たり、事務局長並
  びに経営指導員等の配置、資質の向上、勤務
  環境の整備、人事交流の促進等による体制の
  確立に努めること。
 五 経営指導員等の人件費の一般財源化に当た
  り、その身分保障に十分配慮する等小規模事
  業者対策が後退することのないよう万全を期
  すること。
 六 商工会及び商工会議所が、商工会法、商工
  会議所法に定める原則に従って、適切な活動
  を行うよう引き続き指導すること。
 七 小規模事業者の新規開業率が低下している
  状況にかんがみ、創業支援基盤の整備等に努
  めること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#81
○委員長(斎藤文夫君) ただいま吉田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#82
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、吉田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森通商産業大臣。
#83
○国務大臣(森喜朗君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#84
○委員長(斎藤文夫君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の原案並びに修正案について採決に入ります。
 まず、市川君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(斎藤文夫君) 少数と認めます。よって、市川君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(斎藤文夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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