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1993/04/15 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第7号
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1993/04/15 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第126回国会 農林水産委員会 第7号
平成五年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 芳男君
    理 事
                浦田  勝君
                永田 良雄君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                林  紀子君
    委 員
                青木 幹雄君
                大塚清次郎君
                鎌田 要人君
                佐藤 静雄君
                高木 正明君
                野間  赳君
                一井 淳治君
                稲村 稔夫君
                谷本  巍君
                村沢  牧君
                風間  昶君
                星川 保松君
                喜屋武眞榮君
                新間 正次君
   国務大臣
       農林水産大臣   田名部匡省君
   政府委員
       外務省経済局次
       長        林   暘君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     高橋 政行君
       水産庁長官    川合 淳二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設補償課長  中村  弘君
       科学技術庁原子
       力安全局原子力
       安全課防災環境
       対策室長     折田 義彦君
       外務省国際連合
       局原子力課長   岸野 博之君
       文部省初等中等
       教育局職業教育
       課長       寺脇  研君
       厚生省生活衛生
       局食品化学課長  牧野 利孝君
       農林水産省経済
       局国際部長    東  久雄君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房審議官     小野田 博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○稲村稔夫君 先日はこの三法についていろいろと参考人の皆さんから貴重な御意見を聞いたわけでありますが、それなりに、そのことも踏まえながらきょうは御質問申し上げたいというふうに思っております。
 しかし、法案の審議、内容に入りますに先立って、政府の水産業に対する基本的な考え方というのを伺っておきたいと思うわけであります。
 今、世界は二百海里時代を迎えているという形になっておりまして、二百海里の中でその国の漁業を何とか振興していかなければならないという課題がそれぞれの国にあると思うわけでありますが、我が国の場合は特に遠洋、あるいは南氷洋とか北氷洋とかいろいろ遠くへ出ていって、非常に大きな活動範囲を持っていたというものでありますだけに、これが二百海里の時代に縮小されてくることで非常に多くの困難と問題点を抱えるということになりました。
 そういう中で、今日のこの二百海里時代というのにどう我が国の漁業は対処したらいいんだろうか。これは、今後将来にわたって我が国の水産業、漁業というもののあり方をある程度イメージをつくり上げていかなきゃならない、こんなふうに思うわけでありますが、二百海里時代を迎えてという言葉はよく使われますけれども、どうもいま一つそのイメージがはっきりとつかめない、こういう感じがするわけであります。
 そこで、二百海里時代になったからということでよく使われます言葉に資源管理型の漁業というようなことが言われるわけであります。この資源管理型の漁業というのは、よくわかるようでわからないという部分が結構あるわけであります。
 まず、この資源管理型漁業というのはどういうものを考えておられるのか、そしてそれは我が国の今後の水産業の危機にとってどれだけの普遍性を持っているのか、普遍化できるものを持っているのか、まずその辺のところをお考えを聞いておきたいと思います。
#4
○政府委員(川合淳二君) 私ども資源管理型漁業というふうに言っておりますイメージの根底にありますものは、水産業あるいは漁業は資源、これは天然資源を中心とするものでございますが、適正な管理のもとに適正な漁獲を続けていれば永続的にその生産が続けられるという、そういう資源であるということでございます。こうした考え方に立ては、この考え方は何も新しいものではございませんで、非常に歴史の古い我が国の漁業の昔からある考え方であるわけでございますので、この考え方を今日的にさらに発展させていくことが漁業を持続し、かつ発展する上に非常に大事だということだろうと思っております。
 それは、端的に申しますれば、とり過ぎないこと、あるいは一定の規制のもとに漁業を続けていくことによって漁業を続けるということでございますが、それに加えて今日的な課題としては、生産の現場と消費の現場との間に例えば価格差がかなりあるというようなことを考えますと、生産の現場でもその間の価格差と申しますか、いわゆる付加価値だろうと思いますが、そういうものを生産現場でも適当なシェアで分かち合うということが必要ではないか。したがいまして、コントロールをしながら漁獲することとともに、その漁獲物の付加価値を生産現場でも獲得できるというようなことを追求していくべきではないかということがこの考え方だろうと思っております。
 それに加えて、最近のいろいろな技術の向上に伴いまして、つくり育てると言っております種苗の育成とか放流というようなものもそれに加えながら、そうした形で、従来の全く自然に任せたという形だけではなく、ある種のコントロールのもとでの漁業をつくっていくという考え方だろうと考えております。
 したがいまして、そういう意味では漁業一般に通ずる普遍的な考え方ということが言えるのではないか。特に、先ほど先生がおっしゃいました二百海里が定着し、我が国周辺水域に何といっても力を入れていかなければいけないという状況のもとで、改めてこうした考え方を進めていくことは非常に重要ではないかというふうに考えているところでございます。
#5
○稲村稔夫君 確かに抽象的に、理屈の上ではわからぬわけじゃないんですけれども、しかし、それが現実の問題と重ね合わせていったときにそのイメージがよくわからぬということを私は申し上げるんです。
 というのは、問題点は幾つもありますけれども、その中の幾つかを拾って見ますと、例えば資源管理でとり過ぎないようにするという原則はわかりました。しかし、現実の問題としては魚があれば一生懸命とらなきゃ食っていけない、そういう漁民の立場もありますから、それは一生懸命とらざるを得ない、そういう側面もあるでしょう。それから、例えばサケ・マスのようにある程度生態がわかっていて、それでどこをどうしたらいいかというのがある程度見当がつくという、そういうものもあります。しかし、わからないものも随分あるわけですよね。そのわからないものについてどこまで管理できる、コントロールできるのか。
 日本のウナギだって、ついこの間やっとその産卵場所の位置がここらしいというのがわかってきた。この面では決して我が国がおくれているとかなんとかということで申し上げるんじゃない、難しさというのがあったということは承知の上でですけれども、例えばヨーロッパのウナギはかなり早くからある程度の生態がわかってきた。ところが我が国の場合はわからなかったわけでしょう。
 わからないものというのはまだいっぱいあるわけです。魚種の数が少ない日本海の魚でさえまだ生態がわかっていないものも結構あるわけでありますから、そうすると、それをコントロールするといったって、実際どうやってコントロールするんですか。せいぜいとるのをある程度抑えていきましょうということしかできないでしょう。そのとるのを抑えていきましょうといったって、さっき申し上げたみたいに、今度は生活とのかかわりということを考えていったらなかなかコントロールというのが難しい側面もあるんじゃないだろうか。
 こんなふうに見てまいりますと、具体的な資源管理型の漁業、その具体的なイメージというのがどうもまだいま一つわからぬ。これは農業あたりだともうかなり、賛成できるかどうかは別ですよ、だが、何ヘクタール以上の農家を中核にして、どれはどの程度生産をしてというようなことはある程度計画は立ちます。しかし、実際はなかなか漁業というのは計画が立たないんです。これは言ってみれば、その次に私が問題意識として持っている栽培ということとなかなかうまく技術的に結びついていかない、そういう面もあるだろうと思うんです。
 これが本当に我が国の漁業の中に、全般的に普遍化した資源管理型で普遍化することができるんだろうか、その辺は自信をお持ちになっていますか。
#6
○政府委員(川合淳二君) 今御指摘のように、漁業はその地域によりまして対象としている魚種も違いますし漁法も違いますし、非常にその辺はさまざまであるわけでございます。それに加えまして、今先生まさにお触れになりました知見と申しますか技術と申しますか、そういうものもかなり格差があるわけでございまして、そういう意味では、その地域で一つの資源管理型と言っている漁業がある意味でかなりの熟度があるとしても、他の地域でそれがそのまま適用できるかというとそれは非常に難しいと思います。
 したがいまして、そういう意味では、資源管理型と言っております漁業の、成熟度合いと言うとちょっと適当かどうかわかりませんが、それは地域によって非常に違っているし、かなり歴史的にも長い間こういう形で試みているところもありますし、最近、例えばある魚種の体長のこれ以下のものはとらないというような、ある面で非常にわかりやすいルールを決めまして、そういうところから取り組んでいるというような地域もあるわけでございます。
 したがいまして、確かに普遍的な考え方ではありますけれども、それの取り組み方なりルールのつくり方というのはやはり精粗まだある段階だろうと思います。それは一方で技術開発の問題もあるわけでございますので、そこは国なり県なりが担っていかなければいけない部分というものもかなりまだあるというふうに私ども考えているところでございます。
#7
○稲村稔夫君 水産業という全体像から見ていきますと、大幅に収縮しなきゃならなかった。この大幅に収縮しなきゃならなかったということの中で、収縮された中でどういう形のものが我が国の漁業の主流として定着をしていくのか、この辺のところが今の問題とかなり密接に絡んでくる。
 そして、そのそれぞれの地域だとか条件でもって違いがあるということでお話しになればなるほど、そうするとその辺が全体のイメージとしてはどういうふうに描いたらいいのかなと、こういう疑問にまたなっていくわけです。この辺のところは、水産庁も非常に難しい問題かもしれませんけれども、収縮せざるを得なくてこうなってきているんですから、それだけに我が国の二百海里時代の漁業というもののイメージがだれにでもわかるようなものをつくり上げていくというその努力をしていただかなきゃならぬというふうに思います。
 それで、さらにそのイメージがもうひとつわかない理由の一つに、栽培漁業という言葉との問題、かかわりがあるんです。栽培漁業というのは、果たして栽培という言葉が当たるのかどうか。大きな魚ですと、むしろ牧畜みたいなもので放牧みたいな感覚で受け取らなきゃなりませんでしょうし、あるいは貝類であるとか海藻類であるとか、これは栽培ということでもう大体常識的なイメージ的にはこれで重なり合ってきます。しかし、現実の問題として栽培漁業というのがこれまたなかなか簡単に一般化することは難しいんじゃないでしょうかという感じがするんですね。
 例えば、大衆魚で栽培漁業というのは成り立つでしょうかね。まずその辺のところから伺います。
#8
○政府委員(川合淳二君) 栽培漁業という言葉自体は、恐らく無主物先占といいますか、天然にあるものを採取してくるという漁業、私は昔から単純に漁業がそういうものであったとは思いませんけれども、例えば農業などと比較するとそういう要素が強いということで、そういう漁業ではない漁業、あるいは農業のように種をまいて栽培して収穫物を得るということに近いような漁業をやろうということでこういう言葉ができたんだろうと思っております。
 したがいまして、この栽培漁業というのは、対象となります種類にもよっていろいろな形がありますし、畑に種をまくというようなことと違いますので非常に難しいところでございますが、大衆魚ということでとらえてみますと、この栽培漁業は種をまいてからコストがかかりますので、それに見合ってある程度の漁獲金額が得られるようなものでなければいけないということだろうと思いますので、例えばイワシとかそういう大衆魚についてこの栽培漁業というのはなかなか成り立ちにくいということは率直に言えるんじゃないかと思っております。
#9
○稲村稔夫君 そうでしょう。そうすると、栽培漁業を進めて高級魚をやる。大体高級魚のえさというものの大方は大衆魚なんですよね。栽培漁業を盛んにしていけば、それだけまた大衆魚の需要が、我々人間の直接口に入るんじゃなくてそっちの方へ流れていく。我々も食べます。そうすると、結局さっきの管理型のところへまた戻っていっちゃうんですけれども、栽培をするためにはえさが必要です。えさでたくさんとるようになります。それにさらに人間も食べなきゃなりません。そうすると、漁獲高としてはかなりのものを押さえなきゃならぬということに必然的にしてしまうでしょう。
 そうすると、何か管理型漁業というのと栽培漁業というのは矛盾をするところが出てきませんか。その辺の調整はどういうふうにしてやっていきますか。
#10
○政府委員(川合淳二君) いわゆる栽培漁業と申しますか、沿岸漁業と沖合漁業という区別が一つございますが、これもちょっと大胆に分ければということでございますが、沖合漁業がある意味では先生御指摘の大衆魚と言われるものを比較的多獲的にとる漁法あるいは漁業形態になっているわけでございます。こうした部分と、沿岸で最近では栽培漁業などを中心として営まれる漁業とはおのずから違ってくるだろうと思います。
 しかし、海はつながっておりますので、沖合漁業と言われるところでも一つのルールをつくり、これは昔からルールができておりますけれども、それなりのルールのもとで、コントロールの度合いはややいろいろあると思いますが、コントロールされた漁業をやっていくという意味では同じようなところがあると思います。しかし、多獲的にとる漁業という意味では、例えば栽培漁業に携わっている沿岸漁業とは異なる面があることは当然だと思っております。
#11
○稲村稔夫君 ここも議論していると結構時間食っちゃうんですが、要するに今のお話でいけば、それぞれ違いがあるんだからそれなりにある程度のコントロールをやっていけば何とか調整ができていくわいと、端的な言い方をすればそういうお話だというふうに思うんです。
 ところが、大衆魚なんかの場合、例えばイワシならイワシでもとれる時期ととれない時期とがある。とれない時期になればかなり根こそぎ一生懸命とらなければならぬというようなことだって起こりますし、栽培に適するえさになる大衆魚の種類を変えたときにはうまくいくのかいかないのかとか、いろんな問題が絡んでくる。
 私は、その辺のところはかなり技術的にもまだまだ未完成あるいは知見としても極めてまだ不足をしておる、そんなふうに思うんです。この辺のところはかなり集中的に研究もし努力をしていただかなければ、さっきのイメージとしてはできてこないんですよ、イメージが。ということになろうと思いますので、その辺は特に要望しておきたいと思うんです。
 ただ、今のお話を伺っている範囲の中でもまたさらにもう一つ疑問が出てくるのは、じゃ、そういう中で一体これから先どういう漁民、漁家を水産庁は育てようとしているのか。それはきょう審議をする法案とのかかわりをかなり持っているわけでありますけれども、どんな経営形態の漁民が望ましいと思っているんですか。どういう経営形態でどういう規模のもの、どの程度の所得を標準的な漁民には得られるようにしたいというふうに考えておられるのか、その辺のところを。
#12
○政府委員(川合淳二君) 今の点は非常に難しい問題だと思っております。漁業の生産形態の面から申しましても、今もいろいろ御議論がございましたように、漁船漁業あるいは定置網の漁業あるいは養殖業などいろいろございますし、それから地域によって、あるいは沿岸、沖合によりまして対象となる魚種もいろいろであるわけです。しかも、その地域におきまして漁業に携わっている経営体と申しますか、漁家を含めた経営体の数もいろいろでございますし、昨今では担い手などにつきましていろいろな状況があるわけでございます。
 したがいまして、どうも農業のように、農業でも地域によっていろいろ実情があることはそのとおりでございますけれども、経営形態とか規模というものを一律に示すということはなかなか難しいと思います。しかも、漁業だけで成り立つかどうかということについても、その地域によっていろいろ、いわゆる昔からある半農半漁というような形態もあるわけでございますので、そこは一つの目標ということで立てることは非常に難しいというふうに私ども考えております。
 いろいろな試算なりはやっておりますけれども、少しでも他産業の所得に比肩するようなところを各地域で追求していくということ、一口で言うとそういうことでしか私どもまだ表現できないということでございますが、いずれにしてもその場合においても、今御議論いただきましたような資源管理型あるいは栽培漁業、つくり育てる漁業ということを柱にせざるを得ないというふうに考えているところでございます。
#13
○稲村稔夫君 いや、長官、難しいことはわからないわけじゃないけれども、しかし、例えば経営形態が何万種もあるというわけじゃないんですよ、何万種類もの経営形態があるというわけじゃないんですよ。そして、今の栽培漁業だとか資源管理型漁業とかという、ある程度のコントロールをした業態にしていこうという、そういうことと絡んでくれば、当然そこではどのような標準的な漁家を育てていくかという、そういう言ってみれば一つの目標値というようなものが、それぞれの数の多い種類に分けるんだから大変になるだろうけれども、それぞれの業態あるいは条件に適応した対応策というのを考えていく、そこの方向へ誘導していくという、そういう御努力がなけりゃ、何のための資源管理ですか、何のためのあれですかということになってしまう。
 言ってみれば、漁家、漁民というのを忘れた形のそういう産業対策であってはならないんです。そんなふうに思うものですから、その点は、今はそれがなかなか難しいということであればこれ以上聞きませんけれども、しかし、例えば農業だって、長官も結構農政畑も長かったわけですから様子は御承知のとおりですよね。山間地もあり、山間地だって幾つもの種類があり、立地条件によっての違い、作目によっての違い、ただそれが数がもっと多いということには間違いありませんけれども。そういう類型を考えながらの今後の計画というのは鋭意検討していってもらわなきゃならぬ、それで方向性を出していっていただかなきゃならぬ、そんなふうに思うんですね。
 ということで、なぜそんなことをまた私が聞いたかといえば、よくわかりませんという形の中で、そうすると農漁村の活性化といったって活性化のイメージなんてわいてこないじゃないですか。そうでしょう。どういうあれがいいのかというのが、漁家がどういうものが育てられていくのかという目標がなかったら、活性化なんていったって、それは漁家としてあるいは漁村として活性化していくのか、それとも勤労者として労働力の供出を中心にして活性化していくのか、というようなことだってわからないということになります。その辺のところのイメージともつながって、イメージがわからぬと、こういうことにもなってくるわけであります。
 これは当然水産庁の御指導ですから、漁村地域として活性化しようというふうに考えておられるんだろうと思いますけれども、ここはもう時間の関係もありますから、私は自分の意見だけを申し上げて、御答弁はいただかなくても結構ですが、今の漁家として、漁業として漁村の活性化への道がどういうふうにしてとられていくのか、さっきも言ったように、この辺のところは一定のこういう漁民を育てていこうというものがなかったらうまくいかないんじゃないですか。その辺をしっかりと踏まえていただきたい、こんなふうにお願いを申し上げておきます。
 次に、そういうことを心配をしておりますやさきに、ロシアで旧ソ連の海軍の原子力潜水艦を沈めたとか核物質の海洋投棄をやったとか日本海への投棄をやっているというようなことが新聞に報ぜられて、私どもも愕然としたわけであります。
 そこで、まずロシアの核物質の海洋投棄について、政府の方はその経過をどのように掌握しておられるのか。そして、それに対してどういう対応をしてこられたのか。これは外交ベースでまず伺っておきたいと思います。
#14
○説明員(岸野博之君) お答え申し上げます。
 海洋投棄の概要やこれまでの経緯につきましては、今月の二日、この調査に当たってまいりましたロシアの政府委員会が白書という形で概要を公表しております。
 これには四つほどポイントがございまして、まず第一に、ロシアは一九五九年から九二年までバレンツ海等北方海域のみならず日本海やオホーツク海、さらには太平洋公海で海洋投棄を行ってきた。極東海域におきましては、総放射線量で一万二千三百キュリーの液体廃棄物、それから六千二百キュリーの固体放射性廃棄物が投棄されております。
 二番目に、極東海域で核燃料を抜いた原子炉及びその構成物三基が投棄されております。ただし、これら原子炉等の放射線レベルは正確には把握されておりません。したがって、白書に盛り込まれているデータについては将来再確認する必要があるということでございます。
 三点目は、旧ソ連時代に策定され、適用されてきた法規はロンドン条約等国際条約に矛盾しているということでございます。
 四点目は、沿岸貯蔵施設それから処理施設等が整備されていない現状では、即時に海洋投棄を停止できる状況にはないということでございます。
 白書の内容については現在さらに分析を進めているところでございます。
 これに対して政府のとってきた対応でございますが、これは海洋環境の保全あるいは原子力安全といった観点から極めて遺憾なケースであるというふうに認識しております。それから、これら海洋投棄を規制しておりますロンドン条約上も問題があるというふうに考えております。したがって、昨年の十二月三十日にこの白書の中間報告が出たわけでございますが、その後直ちにロシア政府に対してこのような投棄を即時に停止するよう、それから実態の詳細な資料を提出するよう申し入れてきたわけでございます。
 さらに、今月の二日には、在モスクワの枝村大使からコズイレフ外務大臣に対し同じような申し入れを行ってきております。それから、さらに本日午後、日ロ外相会談が予定されているわけでございますが、そこでも改めて日本側の懸念を直接伝達し、重ねて投棄の即時停止を申し入れる予定でございます。
 なお、我々は投棄の停止を何度も申し入れているわけでございますが、他方で陸上の処理施設や貯蔵施設が整備されていないという状況もあるわけでございまして、したがって、このような面でどのような協力ができるかということについてもあわせて検討しているところでございます。
#15
○稲村稔夫君 これは非常に重大な問題でありますし、あなたが今答えられたように、まさにロンドン条約違反でもある、それに抵触をするというようなことになるんだろうと思うんですね。
 それで、ただ、今ちょっとお答えの中に、陸上の施設が十分でないということの中で、これからその建設のために援助をしていくということはわかりますけれども、海洋投棄がとめられない事情にあるということを日本政府の方も理解しているということなんですか。これをロシアの側はまだしばらくは続けなきゃならぬといったような乱暴な言い方をしていたと新聞に報ぜられておりますけれども、もしこれの投棄を続けなきゃならぬなんというようなことを、もしそうだという対応であれば我々はとても認めるわけにいかぬというのが普通だと思うんですけれども、その辺はどうですか。
#16
○説明員(岸野博之君) 先生のおっしゃるとおり我々としては即時に停止するよう重ねて申し入れているところでございます。したがって、現状では続けざるを得ないと言っているロシア側の見解を認めているわけではございません。
 ただ、実際問題としてそういう状況にあるということを念頭に置いた上で、どうすれば海洋投棄の停止に持ち込めるかといった側面からも同時に検討をしているということでございます。
#17
○稲村稔夫君 いや、とにかく捨てているんですから、これからもまだ捨てるというんであれば、とにかくとめてもらわなきゃならないわけでしょう。相手が言っていることはわかりますというのはその後の話ですよ。とにかくやめてもらわなきゃならぬ。
 やめてもらわなきゃならぬということに対して、今のようなお答えを聞いていると、何か日本政府の方も少し、事情もわかるけれどもまあやめてくんなせいやみたいな言い方なのかなという、そんなふうに受け取るんですけれどもね。そんなのじゃとてもじゃないけれどもとまらないでしょう。まさに強力な要求をしていかなかったらいけないわけです、即座にやめてもらうためには。どうなんですか。
#18
○説明員(岸野博之君) 先生のおっしゃるとおり非常に強いトーンでロシア側に対しては海洋投棄を即時停止するように繰り返し申し入れてきております。これは今回の外相会談においてもロシア側に強く申し入れる予定でございます。
#19
○稲村稔夫君 相手だってそう簡単に一筋縄でいくようなわけじゃないでしょう。そうすれば、相手が引っ込むような条件をつくらなきゃならないじゃないですか。もうとにかく一日も早く、今外相会談とかなんとかと言っておられたけれども、国際的な世論ででも直ちにやめさせるというところへ追い込んでいくというその努力というのはどの程度やっておられるんですか。
#20
○説明員(岸野博之君) 先生が今おっしゃられたように、国際世論を動かすというのは大事なポイントだと考えております。
 今東京で行われておりますG7の合同閣僚会議に向けて準備会合が先週ワシントンで行われたわけでございますが、そういう場においても我が方から問題提起を行い、ほかのG7諸国の支持を得るような形でこの問題を提起していくということで問題提起を行ってきております。
#21
○稲村稔夫君 聞いていて、どうも靴の底からかかとをかいているよりももっと歯がゆい感じがするんですよ。というのは、例えばそれじゃすぐにでも周辺国の専門家が集まって相談しようとか、いろんな形で対応というのはしなきゃならぬ。それが何かもうまだるっこしくてしょうがないという感じが私どもするんです。
 なぜかといったら、これから水産庁にも聞きますけれども、これが報ぜられた、皆さんも御承知のあれの地図ですよね。(地図を示す)ウラジオのここのところで投棄されているんです。サハリンのここ、カムチャツカのこというようなところでやられているわけでしょう。我が国にとってはこれは大変な問題ですよ。特に漁民にとってはこれは大変なことです。
 ということなんですから、それこそ自分の国で起こっていることだと思って対応しなきゃならぬ問題だと思うんですよ。それだけにぜひ、外務大臣がかわられたならかわられただけにスピードを速くやってくださいということをお願いを申し上げておきます。
 それで、科学技術庁に伺いますが、私が科学技術庁からいただいた資料というのを見ると、ロシア政府発表の白書の一部程度のものしかお持ちになっていないようなんですけれども、この範囲の中でも非常に科学技術庁の今後に対する対応というものについていろんなことが出てくるんじゃないだろうかというふうに思うんですね、特に放射能の影響については。この辺はどの程度検討されて、どういう対策を立てておられるか。
#22
○説明員(折田義彦君) お答えいたします。
 先般、旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄についてロシア政府が調査結果を白書として取りまとめ公表したことを受けまして、科学技術庁としても関係省庁と協力しつつその白書の分析を鋭意行っているところでございます。
 他方、我が国におきましては、一九五九年より海上保安庁等におきまして海洋環境の放射能調査を実施してきておりますが、本件に起因する特段の異常は認められておりません。
 しかしながら、本件に関する国民の皆様の御関心が高いことにもかんがみ、これまで政府の放射能対策本部幹事会を二度にわたって開催いたしまして、その結果、近日中に日本海に海上保安庁、気象庁、水産庁、科学技術庁放射線医学総合研究所により海洋環境の放射能調査を実施すること等を決定したところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携をとりつつ本件に対して迅速かつ的確に対応してまいる所存でございます。
#23
○稲村稔夫君 調査をされるということは大いに一日も早くお願いしたいんですけれども、どの辺までどういう程度の調査をされるんですか。本件について今のところ異常はありませんと。でも、液体の放射性物質は廃棄しているんですよね。それが発見できないというだけじゃないんですか。まだ実際には放射能は海には流れている、流れているけれどもそれがまだ捕捉できていない、ただそれだけのことじゃないんですか。綿密にやれば捕捉できているかもしれない、そういう側面もあるんじゃないですか。
#24
○説明員(折田義彦君) 近日中に行います調査につきましての概要を申し上げます。
 海上保安庁では海上保安庁の水路部の測量船「昭洋」を用いまして四月十八日から調査を開始するというふうに聞いております。また、気象庁は五月上旬から、水産庁、これは私がお答えすることではないかもしれませんが、調査船を用いまして四月十八日から調査をされるというふうに聞いております。放医研でも海洋科学技術センター所属の海洋調査船を用いまして五月上旬より調査を実施するということでございます。
 以上でございます。
#25
○稲村稔夫君 それは海の底も調べるんですか。
#26
○説明員(折田義彦君) 海底土の調査も対象としておるというふうに聞いております。
#27
○稲村稔夫君 海底土の調査というのは、これは非常に大事なことであります。特に、植物というのは海底から生えているということになるわけでありますが、その植物等に放射能が蓄積をされているということになれば、生物連鎖、生物のラウンディングというんですか、もとへだんだんと戻っていく、馬蹄形状に生物から生物へというふうに放射能が移っていく過程の中でさらに濃縮等の問題も出てくるわけでありますから、非常に重大な影響を及ぼすということになると思いますので、その辺は特に綿密に調査をしていただきたいというふうに思います。
 そこで、原子力潜水艦の原子炉が海底に沈んだときに腐食が起こったりしたときに、仮に核燃料が抜いてあるとしてどの程度の放射能が海に出るというふうにお考えになっているでしょうか。
#28
○説明員(折田義彦君) 海洋投棄された放射性廃棄物が海中に流出する等の可能性については否定することはできないわけですが、放射性廃棄物につきましては放射能の減衰ということも考えられます。
 いずれにいたしましても、今般の旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物について具体的に放射性物質が流出するかどうか等についてはロシア側の白書を分析しているところでございますが、放射性廃棄物が投棄された状態等不明な点があるため、現在では明確にお答えすることは困難な状況でございます。
#29
○稲村稔夫君 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。今船が沈められているんですよ、原子力潜水艦が。沈められていたら、それは当然核燃料が抜いてあったとしても、原子炉が沈められているんですから、そうすれば放射能というのは海中に出てくるということは当然考えられる。だから、いろいろな形のものを想定して計算もしていかなきゃならないでしょうが、少なくとも原子炉が沈められたということで、それに対してのいろいろな角度からの放射能の量についての計算などというものはされるのが当たり前だと私は思うんですけれども、その辺はどうですか。
#30
○説明員(折田義彦君) 本件につきましては、投棄の実態や海洋環境放射能調査の結果も踏まえまして、専門家からの意見も徴しつつ当該投棄に係る環境への影響について判断した上必要な対策を講じていくこととしております。
#31
○稲村稔夫君 いろいろな計算をしてみているかと聞いているんですよ。いろんなことを想定して計算をしてみているかと聞いているんですよ。日本の国内の原子炉のときにもいろんな事故のことを想定していろんな計算をして、どんな被害が起こるなんということをみんなやってみているでしょう。そういうことも計算をしてかかっていかなかったら、対策というのはみんな後追いになっちゃうんじゃないですか。
#32
○説明員(折田義彦君) 先生御指摘の諸点も踏まえまして、専門家からの意見も今後徴しつつ必要な検討、対策を講じていくこととしております。
#33
○稲村稔夫君 もうやっているんですかやっていないんですか。それじゃ、それを答えてください。
#34
○説明員(折田義彦君) 現在、まず白書の分析ということに重点を置いて各省庁の協力も得つつ検討しておる状態でございます。
#35
○稲村稔夫君 もう聞くのが嫌になっちゃったみたいな感じになりますけれどもね。これだけ重大な問題なのに、そして具体的にどういうことをやっているのか僕らは知りたいんですよ。これからどういう対策をどういう分析に基づいて立てていくかということをやっぱり知りたいんですよね。そして、そのためには当然もう既にやっておられるであろうと、そう思われることを僕は今聞いたんですよ。そうしたら、抽象的に専門家の意見を聞いてなんて、じゃ、まだやっていないということなんですか。そういういろんな想定をしながら、例えば専門家に対して分析をしてくれということも言っていないわけですか。
#36
○説明員(折田義彦君) まず、白書の分析を関係省庁の協力を得て進めておるところでございます。特にロシア側に対して、この白書の疑問点等を今取りまとめ中でございまして、情報の提供を求めることとしております。
 それから、専門家の意見につきましても今徴しつつあるという状況でございます。ただ、結果につきましてはまだ申し上げられる段階ではございません。
#37
○稲村稔夫君 だから、きょうは本当は政府委員の人に出てもらいたかったんだけれども、こっちの法案の審査の方が主力だと思うからあなたでもいいと言って、でもいいなどと言ったらあなたには申しわけないけれども、そういう対応をしたんですよ。だから、もう本当に、僕らはこれではとてもじゃないけれども心配がさらに増してしまうということになると思うんですね。ところが、もう私の持ち時間は五十六分までだというんで困っちゃったんですね。
 それで、水産庁のことについてもこれはどうしても聞いておかなきゃなりませんね。先ほども申し上げましたように、これは全部日本の水産資源に直接かかわりのある位置ですよね、この投棄されている場所。(地図を示す)これに対して水産庁は、今科学技術庁の話だと、とりあえずの調査ということは参加してやられるようですけれども、これはかなり長い間影響が出るんですよ、ずっと。そうすると、かなり恒久的な調査の対応をしていかなきゃならぬということになりますが、その対策はどういうふうにやっておりますか。
#38
○政府委員(川合淳二君) 先ほどからお話がございましたように、この地域におきましては従来から海水あるいは海底土それから海産生物につきまして放射能調査を実施してきているわけでございます。
 今回、先ほど科学技術庁の方からお話がありましたように、この調査を前倒ししまして四月十八日に船を出発させるということにしております。したがいまして、この結果にもよりますし、今科学技術庁で検討されている検討経過も踏まえまして、私どもは既に継続的にやっておる調査でございますので、そのラインに沿い、場合によってはそれを拡充してやっていくということで対応していきたいと思っております。
#39
○稲村稔夫君 今までの調査だけではこれはとても済まないんですよ。というのは、先ほどのように今度は海底土の調査もあれですし、それから海藻類の調査、微生物、そういうものについての調査などもこれは積み重ねていきませんと、それがまた魚介類の体内で濃縮をされるということにもなる可能性を持っていますし、これ発見してからでは遅いんです、正直なこと言って。発見というのは、魚にかなりのものが発見されましたということでは遅いんです。ということは、もしその魚は廃棄ということになったら、それこそ漁民に対する生活の問題にもかかってきますし、その前にやっぱり対策というのは常に立てていなきゃならぬということになると思います。これはかなり金もかかると思うんですよ。
 この体制というのはどの程度考えておられますか。
#40
○政府委員(川合淳二君) 今後の科学技術庁を中心とした検討委員会の検討を踏まえることになろうかと思いますが、私どもは、今先生がおっしゃいましたように、一番怖いのはいわゆる風評被害でございます。したがいまして、そういうことも十分考慮に入れながら即時対応できるようにしていきたいと思っております。
 そういうこともありまして、今回、前倒し的に船を十八日から出したいと思っておるところでございます。
#41
○稲村稔夫君 時間の関係がありますから、ここで法案審査をやるつもりが法案審査にならなくなっちゃってちょっと頭が痛いんですけれども、ここで大臣に伺いたいんです。
 今のほかの二つの省庁の話を聞いていても非常になまぬるい感じがいたします。水産庁はそれなりに一生懸命考えておられるんでしょうけれども、しかし、私は今の体制でいったらなかなか簡単には今後の問題としては解決できない問題が残っていくんじゃないですか。特に、かなり膨大な経費がかかりますよ、これからきちんと調査していこうと思ったら。ということにもなりますが、これは大臣、日本政府をそこのところへ集中的に動かすというぐらい、そのための御努力をしていただかなきゃならない。
 私のところも新潟ですから、ついこの目と鼻の先ですしね。(地図を示す)それこそ新潟だけのことでない、日本海で魚をとる、あるいは北洋から魚をあれする、さらに合弁事業ということで、ロシアの企業と合弁して日本から船を持っていって、ロシアの旗を立ててとってくるのはこの海域でとってくるものも随分あるんですよ。それで、それが輸入されるんですから、これはもう本当に大変なことなんです。
 だから、大臣は、日本の国内でもあれですし、同時にまたロシアのそれこそ漁業担当者か何かを通じて直接積極的に働きかけていくというくらいの姿勢が必要なんだと思いますが、その辺はどのように考えていますか。
#42
○国務大臣(田名部匡省君) ちょうどあの報道がなされた日が閣議の日でございまして、これを私から議題にさせていただきまして、総理と外務大臣に、今度来ております外相、コズイレフにこのことはきちっと申し入れをしてくださいと。それはただ単に日本だけの問題ではなくて、関係国全部あるわけです。韓国もあれば中国もあれば、そういうところと一体どうするかと。領海内の調査ということはなかなか難しいだろうと思う、しかしそれをしなければ実態の把握というのはなかなか難しいと私は思うと。
 これは運輸省が、旧ソ連の原子力潜水艦がひっきりなしに日本海、まあ日本全土がそうですが、そういうことで調査をずっとやっているわけです。その結果、随分この調査の結果ではここずっと下がってきておりまして、発表される前に捨ててあるわけですから、この投棄の後どうかということも含めて調査をしておったわけであります。
 そういうことでデータを運輸大臣から見せてもらいまして、その限りにおいてはもう随分少ないということがわかったわけですが、しかしながら私どもの心配は、長官が言ったように風評による被害というものが一番怖いんです。そのためには調査を徹底してやる、できれば向こうの領海の中でやっていただくようにしてほしい。それから測定についても、将来一体どうなるかということもあるので継続的にこれはやってほしいということ等の申し入れをぜひやってくれということでお話をいたしております。
 何といっても、何をどのぐらいやったかというのはもう全く皆目つかめないということでは対策も考え方も出てこないものですから、一方では事実の確認をしっかりするということとあわせて、もう今それぞれが調査はどういうことでやるかということの発表はあったようでありますけれども、そういうことをお願いしたい。
 それから、この先も捨てるという大変な話をしておるが、これについても、これはどういうことにするか、旧ソ連内で処理できないものはどこか関係国でそれを引き受けてやるか、いろいろやり方はあると思うんです。ですから、そういうことも含めてとにかく詰めてくださいというふうに私からもお願いをいたしておるところでありまして、今後も関係省庁連絡をとって、そしてこれは徹底してやるということで私どもも考えております。
 事件が起きたばかりで、対応がなまぬるいということはそのとおりだと思うのでありますが、何分にも大変な仕事でありますので、いずれにしても徹底したことをやっていきたい、こう考えております。
#43
○稲村稔夫君 もう時間が来ました。もうしようがありませんから、法案の内容については私もこうやってみんな準備してきたんですけれども、結局全部棒に振りまして次の方に回さなければならないということになりました。
 しかし、それだけにこういう問題は本当に深刻なわけでありますから、これから先何かやったときに、またこんなようにして法案の審査のときに全部このことに時間をとられてしまうなんということが起こりませんように、そのためには大臣も先頭になって一生懸命頑張ってくださるという今お話がありましたから、もう少し私に言わせていただければ、なまぬるかったら座り込んででも、横になってでも頑張っていただくということにならないと、まさに個々の命にかかわる、生活にかかわるというものなわけですから、その辺はぜひお願いをしたいと思います。
 いずれにしても、政府の今の対応は、大臣も認められているように大変まだなまぬるい。この辺のところについてはかなり大きな不安と怒りというものを持っておりますので、その辺は各省庁とも一層きちっとした対応を促進していただけるように心からお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
#44
○菅野久光君 今、稲村委員の方から、水産関係三法の法案の中身の審議に入る、まあ若干入りましたけれども、大部分ができないような状況ということでありますが、私も非常に残念なんですが、初めにちょっと、外務省からも来ていただきましたので、貴重な時間の一部を割いてぜひただしておかなきゃならぬというふうに思っております。
 それは、大臣が武藤大臣にかわりまして、「武藤外相は十一日、「コメだけなら守れるが、それ以外の農産物も守れというなら難しい」と語った。これに関連し、外務省首脳は十二日、「コメ以外で譲歩できるか考えなければならない」と述べており、」というような報道がされておりますが、外務省当局として、こういうようなことが省の正式な考え方としてあるのかどうか、その辺のところの基本的な考え方をまず述べていただきたいと思います。
#45
○政府委員(林暘君) 十一日に武藤外務大臣が発言された内容につきましては、大臣は、我が国にとって米が有しております格別の重要性について述べますとともに、農業交渉において我が国を取り巻く困難な状況について言及されたものでございまして、特定の産品で譲歩するというような発言をしたものではございません。そういうふうに我々は承知しております。我々としては、従来の方針にいささかも変更を加えるということをいたしておりません。
#46
○菅野久光君 次の日には、きのうの「日本農業新聞」によれば、――武藤大臣は実は前にも問題がありましたね、あの人が通産大臣のときですよ。それで、私はあの人が外務大臣になったんで、これはえらいことになったなと思っておったやさき、米一粒たりとも輸入できないなんというそんなことじゃもう何もできないみたいな話をしましたね。
 日本の国が米一粒も輸入していないなんという認識自体が大体間違っているんですよ。冗談じゃないですよ。沖縄の泡盛で五万トンのタイ米が入っていることを、そんなことを知らないわけは私はないと思う。それから米粉の調製品、そういうものも含めていけば十万トン以上は入っていると思うんですよ。それを、まだ外務大臣になってからもそういうことを言っている。とんでもない話です。
 通産大臣のときに四極通商会議に国会開会中に出られるというんで、そして最初に出たときに米の自由化の問題について発言したわけですね。それが報道されたんです。それで、また別なところで四極通商会議をやるというので、実は当時、私は議運の理事をやっておりましたが、大臣を国会の開会中に外国へ出すというのは、これは国会開会中でも国益を守るためにやむを得ないということで出すんだが、当時の武藤通産大臣が行って、また米の自由化はやむを得ないとか受けざるを得ないというような発言をされるんでは、これは私どもとして四極通商会議に出すわけにはいかぬ、そういうことを言いまして、それで議運委員長が官邸に出かけて、そういう発言はしないという約束でこれは出した経過もあります。それから、この委員会でも委員長が官邸に行って、そんな話はしないということを約束して出かけたという、そういう経過もある大臣なんですよ。ですから、私は非常に心配をしておりました。それで、この発言にかかわって、田名部大臣が真意をただしたと。それに対して外務大臣は、「従来通り国会決議の趣旨を踏まえていかなければならないが、米だけなのか、新ラウンドをまとめる上で、農家など農林関係者の意見を聞いて対処したい、」と、一応そういうふうに言ったというんですが、大臣、この点については間違いないでしょうか。
 私が一番心配するのは、米の自由化反対というのは、米は象徴的なんですね。これに乳製品、でん粉、雑豆など、ですからこのごろの地域の集会は全部米などの自由化反対ということを訴えているんですよ。外務省当局は、米以外の乳製品だとか雑豆、でん粉、こういったようなものを犠牲にして米だけを守ればいいという考えを持っているんじゃないか、特に外務大臣はそうじゃないかと私は思うんですが、この辺のところについて、先ほど言いましたけれども、外務大臣に田名部大臣が確かめた、そのことについて間違いがないかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#47
○国務大臣(田名部匡省君) テレビで何かそういう発言をしたということを聞きまして、これも閣議の始まる前でありましたが、一体どういうことを言われたんですかという話で、米についてといいますか、そういう今お話しのような変更するんだという話ではなくて、何とか国会決議を守りたい、守るためには何でもかんでもだめということはできぬだろうと思って発言をしたんであって、決して国会決議を尊重しないというのではないと。そういうことであれば、誤解を受けるような発言はしないでくださいという話をいたしました。
 私は、いろいろ話を聞いて後から考えてみて感じたんですが、外務大臣は、従来から私の方で輸入しないと言っているものがいっぱいあるわけですね。どうもその考えがあったんだなということを後で僕は感じたんです。ですから、全部を守れといったってというのはそこにあったなということを、私は確認したわけじゃないんです、感じたんです、言っている話から。ですから、全部守ることは難しいが、例えばコンニャクもだめ、あれもだめと言われているものですから、それもこれもだめというのはなかなか面倒だな、ピーナッツもどうだとかいろいろある、そういう発想からああいう発言をされたなということを私は感じました。
 ただ、いずれにしても、そういうことをよく理解されて、今何が問題になっているのかということをしっかり認識して発言すればああいうことにはならなかったんだろうと思うんですが、そこは就任早々だったものですから、ああいうことになったんだなと私は思いました。
 しかし、いずれにしても、今大事な時期でありますから、そのことについての発言、内容を十分理解した上で今後の交渉に全力で当たってくださいということで、それはもう十分心得た、わかったということでありました。大体そんなことのやりとりを私はいたしたわけであります。
#48
○菅野久光君 同じ内閣の大臣ですから、大臣がそういうような外務大臣を弁護するかのような発言をされることもやむを得ないかなとは思いますが、過去の経歴がいろいろあるものですから、だからもうとんでもない話だということで、次長よく聞いておいてくださいよ。米は全国的にありますけれども、でん粉とか乳製品、雑豆というのは、これは特定の地域で、そのために国土保全だとか環境保全だとか、それから地域を守るさまざまなことをやっているわけなんですね。だから、米と同じように乳製品もでん粉も雑豆も大事なんですよ。それを、どっちかを犠牲にしてどっちかを守ればいいという性格のものではないということだけは、これは省内できっちりやってもらいたいというふうに思うんです。
 なかなか大臣に言いづらい部分があるんじゃないかなと思って、前のときも通産省の官房長を呼んできて、一体どうなっているんだということを言ったんですが、なかなか大臣に言いづらいところはあるかもしれませんが、今後こういうようなことがあったら私は大変なことになるなという思いなものですから、このことは、きょう農林水産委員会でもしっかりそういうような話があったということは大臣に何らかの方法で伝えてください。大臣の認識が間違っている部分もあると思うんです。
 実は、アメリカの米づくりの第一人者でありますカリフォルニアの国府田農場の総支配人の鯨岡さんという人が札幌で講演した。その中に、「日本のコメと競合するとされるカリフォルニア米の六年連続の水不足による生産減退、アジア系難民流入などによる米国内の消費増大――などから、米国への依存に不安を示した。」と、これは北海道新聞にそういうふうに出ております。そして、「また、市場開放問題については「日本では、コメが最後の貿易障壁という感覚だが、米国ではさほど関心がない。一番問題にしているのは建設業界の談合だ」と両国の意識のズレを指摘した。」と、こういう報道があるわけです。
 だから、米問題がさながら貿易の最大の障壁であるかのような認識を外務省が持っているとすれば、これは大きな間違いだということだけははっきり言っておきます。そのことをしっかり外務省としてやってもらうように、大臣にもしっかりそういう認識を持ってもらうように次長約束できますか。
#49
○政府委員(林暘君) 本委員会の様子につきましては、大臣の方に直接お伝えをいたします。
#50
○菅野久光君 私もしつこい方ですから、本当に伝えたかどうかということを後からまた検証させていただきます。
 次に、今度は本論に入っていきますが、今回政府において水産業協同組合法の一部を改正する法律案、漁協合併助成法の一部を改正する法律案、さらに沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案、この三案を提案されておりますが、これはいずれも沿岸漁業の振興に密接にかかわる法律の改正案でありまして、政府が現下の沿岸漁業の当面する非常に厳しい状況を打開するために出されたと推測をいたしますが、そのような理解でよいのか、法律の改正案を提案された政府の漁業に対する問題意識を簡単に伺っておきたいと思います。
#51
○国務大臣(田名部匡省君) 最近、我が国の周辺水域におきましても底魚類を中心に非常に悪化傾向に実はあるわけであります。一方では、国際的な規制、そういうものを受けておる。これはますます強まっていくんだろうと思いますが、そういう中で、漁業就業者が減少しておりますとかあるいは高齢化でありますとかいうことが進みまして、漁村の活力がだんだん低下しておるという状態にあるわけであります。
 このような状況を考えてみますと、何といっても資源を持続的に高度な利用をしていくということから、先ほども御議論ありましたように、つくり育てる漁業でありますとか資源管理型の漁業、これをやっていかざるを得ないということで、今八十種類ほどに力を入れて実はやっておるわけであります。
 そうしたことと、一方では漁港あるいは沿岸漁業の漁場の基盤を整備する、あるいは経営の改善合理化、そして漁協の組織体制の整備、あるいは事業基盤の強化をする、加えて流通、加工、そうしたものの対策を充実していかなければならぬ。もちろん漁村の生活環境ということも後継者のためにも大変大事なことだというふうに考えております。
 いずれにしても、なかなか漁業というのは農業と違いまして生産が上がったり上がらなかったりということの繰り返しで、魚種によっては非常に難しいときもあるわけでありますが、しかし、今のように漁船が大型化をして大量に水揚げをするということになりますと、どうしても管理をしていただかなきゃいかぬ。小さいものはとったものでももう一遍放してやるとか、水揚げを見ておるとわかるわけでありますから、その辺に合わせて漁業というものを展開していくんだと。
 つくれるものはなるたけつくっていく、うんとふえるような環境もつくる。海の畑づくりと我々は言っておるんですが、そういうことをやりながら、何としてもたんぱく資源というものの確保は日本国民には欠かせないものでありますから、この四海を海に囲まれた日本で海をいかに活用してやるかということが大変大事だというふうに考えております。
#52
○菅野久光君 漁業を振興させるためにこの三法の一部改正を提案した、端的に言えばそのことに尽きるんじゃないかなというふうに受けとめました。
 そこで、我が国の漁協が非常に零細である。統計資料によりますと、全国で沿海地区出資漁協は二千百十八組合ありますが、こうした漁協の組合員数、職員数、また出資金や販売、購買、信用事業などの規模を単純に農協と比較してそれぞれの分野が十分の一にすぎない、そういうことから漁協は非常に零細だという零細性が指摘されております。こうしたことから漁協の合併や事業譲渡などが必要であるという政府の認識は私も理解できるわけでありますが、しかし、そのためには解決しなければならない基本的な多くの問題があるというふうに思うんです。
 現行の水産業協同組合法が一九四八年に制定されてから今日まで、漁協と漁業をめぐる情勢の変化に応じて過去に十一回ばかりの法改正が行われてまいりました。それにもかかわらず、この漁協の零細性、販売量の減少、伸び悩み、固定化債権の増大を云々しなければならないのはなぜなんだろうか。これまでの法改正に間違いがあったのか、それとも別の要因に基づくものなのか、政府の見解を伺いたいというふうに思います。
#53
○政府委員(川合淳二君) 御指摘のように過去制定以来十一回の改正をいたしてきております。今お話がございましたように、今なお零細な漁協が多いということとの関係でこの法律改正が間違っていたのではないかということでございますが、私どもこれと並行して四十二年度から漁協合併助成法も制定し、しかも、これを四次にわたり延長していただいてきておりまして、これと並行してそれなりの力は入れてきたわけでございます。
 しかしながら、実績は御指摘のとおりでございまして、その辺について法律の制定あるいは改正もさることながら、この合併に対する取り組み方、これは組合員あるいは漁業者の意欲という点でもそうしたところが出てこなかったということは、法律改正に責めがあるかどうかはともかくといたしまして、やはり客観的な情勢におきましてなかなかそういうところが浮かび上がってこなかったんだということがあろうかと思います。
 これは、漁協といいますか漁業は海に向かっておりますので、どうしても求心的な力が働きにくいというようなこと、あるいは漁業権の問題、それから先ほど来お話がございます漁法等のそれぞれの競合の問題から来る漁民感情の対立などということがあろうかと思います。
 私どもはこうした問題が、漁業特有あるいは漁協特有の問題があるということは承知しておりますが、今日の置かれた状況はそうしたことをほうっておけないようなもう危機的な状況にあるのではないかということを改めて思っておりまして、今回の改正をお願いしているわけでございまして、これをお認めいただいた段階では従来とは格段に力を入れていかないといけないと思っておりまして、この点は系統組織も同じ考えであるというふうに私ども認識しているところでございます。
#54
○菅野久光君 先ほどの法改正が間違いであったのかということは、私のちょっと間違いでございまして、問題があったのではないかということを申し上げるつもりがついそういうふうに言ってしまいましたが、そこのところは訂正をさせていただきたいと思います。
 しかし、十一回改正していまだに零細性のことを言わねばならぬということは本当に問題だというふうに思わざるを得ません。
 そこで、多少漁協の問題についてこれから論議をしたいというふうに思うんですが、漁協の性格の問題ですが、政府は我が国における漁協をどのように一体位置づけているのか伺いたいというふうに思います。
 漁協の性格を歴史的に見れば、それは沿岸における漁業権の管理団体として、地域の組合的性格が強いとも思います。参考人の意見の中にもそういう意見がございました。しかし、政府が行ってきた水産業協同組合法のこれまでの改正の経緯を見ますと、例えば漁業を営む小規模法人に対する資格付与の推移を見ますと、一九五〇年五月の改正では、常時従事する者が三百人以下でかつ使用する漁船の総トン数三百トン以下の小規模法人に准組合員の資格を与えたんですね。そして一九六二年九月の改正ではこれを正組合員に格上げしております。さらに一九七一年五月の改正では、使用する漁船の合計総トン数が千五百トン以下までの漁業を営む法人に正組合員の資格を与えている。そして使用する漁船の合計総トン数が三千トン以下の漁業を営む法人に准組合員の資格を与えております。一九九〇年六月の改正でこの准組合員の資格を与えた方たちを正組合員に格上げをした。
 こうした正組合員資格に漁業を営む法人の資格要件を順次格上げしてきたのは、これはまさに我が国の漁業が沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へと漁場を外延的に拡大することによって発展してきたことと軌を一にして漁協の性格を産業組合的なものにしてきたと言えるのではないかというふうに思うんです。
 また、その過程において、例えば一九五五年の信用事業の分野における定期積み金の受け入れから、一九九〇年における有価証券払込金の受け入れまでの信用事業を拡大するための改正の経過をたどれば、これは信用組合的な性格にしてきたとも言えます。
 過去においてそうした水協法を改正してきた政府は、漁協の性格をどのように定義し施策を展開してきたのか、また今回の法改正の結果漁協はどのような性格のものになるのか、伺いたいと思います。
#55
○政府委員(川合淳二君) 漁協の性格をどう考えるかということは、水協法上は御承知のように漁業者の自主的な協同組織ということで、漁業者の経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進ということを目的としているわけでございまして、その意味では、今先生がおっしゃいましたように、協同組合論といたしまして一つは地域的な性格、それからもう一つは職能的と申しますか産業的な性格とこの二つが常に相対して論じられるわけでございますけれども、漁協の場合、かなりの面で産業的と申しますか職能的色彩が強いわけでございます。
 ただ、参考人の御意見の中にもあったと私はお伺いしておりますけれども、漁業権という存在が漁協と切り離せないということもございまして、そういう意味での地域性というものもあろうかと思います。それと、実態的に申しまして漁村という中に漁港があるわけでございますから、地域とかけ離れた形での漁協というのは存在しないということでございますので、もしその二つのどちらかということでございますと、そのどちらの性格もあるというふうに答えざるを得ないんではないかと思っております。
 先ほどお話のありました組合員資格の問題は、先生まさに御指摘のとおり、沿岸から沖合へという動きと、もう一つ、社会経済的な変化の中で、漁業能力と申しますか漁獲能力と申しますか、そういうものが拡大してきたということでございまして、法人もそういうふうに拡大してまいりましたが、個人の経営者もそういうふうに拡大してきたということに従って組合員資格を改正してきたという経過もあると思っております。
 したがいまして、私どもとしては職能組合としての漁協の性格というものは当然のことながら維持しつつ、今の社会経済的な状況から地域としての漁村に対する貢献ということも十分視野に置いて考えていかなければいけないということで今回の改正に私ども対応したつもりでおります。
#56
○菅野久光君 漁協の性格は地域の組合という性格と産業組合的なものと両方持ち合わせているという部分はある程度私も理解できるんですが、そういうように漁業の状況が変わっていくにつれてどっちかというとウエートが産業組合的な方向に変わっていった、そういうことが私はあるんじゃないかというふうに思うんです。そのことがいろんな今日的な問題を醸し出しているというふうに言えると思うんです。
 そこで、漁協が抱える欠損金、固定化債権について質問をしたいと思います。
 統計によりますと、全国の漁協のうち二三・四%が欠損組合であり、農協の欠損組合が全農協の三・三%であることに比較するとこれは異常であると言わざるを得ません。また、その内容も繰越欠損金が一千万円以上の漁協が繰越損失漁協の四七%を占めている、一億円以上の漁協が一四%を占めております。
 こうした繰越欠損金や固定化債権の発生した原因は一体何なのか、農協に比較して漁協がすべての点で十分の一以下という経営基盤が脆弱だからこのようなことになったのか、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
#57
○政府委員(川合淳二君) 漁協が欠損金や固定化債権を抱えるに至った原因といたしまして二つのことがあろうかと思います。
 一つは、環境条件と申しますか、それから来る問題として、例えば国際的な漁業規制の変化と申しますか、その影響を受けている地域があるということ、それから周辺水域における資源状態の悪化というものが影響しているということは否めないと思います。ただ、それと同時に、先生御指摘の零細性と申しますか、これから来る影響というものもかなり私どもは重視すべきと考えておりまして、経営基盤あるいはそれを取り巻く事業基盤と申しますか、そういうものが非常に脆弱であるということがそうした大きな原因になっているんではないかというふうに思っております。
#58
○菅野久光君 今の漁業環境の問題が一つは大きな要因を占めているんじゃないかというお話がございましたが、確かに現在の漁協が直面している経営上の問題点、これは一九七七年以降のいわゆる二百海里体制の定着と、環境面から国際規制が強化されるようになったことによって、組合員のうち中小の分野の漁業が減船を繰り返しながら国際公海漁場から撤退するという厳しい国際漁業規制の影響を直接に受けていることにあるというふうに私も思います。
 政府のこの点についての問題意識はどうなんでしょうか。
#59
○政府委員(川合淳二君) 国際環境の変化ということにつきましては、先ほど来お話しございますように、五十年代以降二百海里体制が定着してきたということ、さらに近年に至りまして公海におきます漁業活動につきまして各種の規制が加わってきたというようなことがあるわけでございます。
 私どもは、水産業あるいは漁業というものにつきまして、これは水産資源を科学的根拠に基づきまして適切に保存することによって、また合理的に利用することによって永続的、あるいは最近の言葉で言いますと保続的な漁業が可能であるという、そういう基本的な方針に基づいて従来も対処してまいりましたし、これからも対処していかなければいけないと思っております。
 いろいろな形での国際規制、この中にはやや私どもは合理的な理由に欠けると思うものも、そうした動きもあるわけでございますが、今申しましたような基本方針で臨んでいるところでございます。
 しかしながら、そうした規制の中で再編成を余儀なくされた漁業者に対しましては、御承知のように国際漁業の再編対策ということで所要の対策を講じてきたところでございまして、今後もこうした事態におきましては同様の対応をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
#60
○菅野久光君 先ほどもお話しいたしましたが、政府はこれまで法改正のたびに、いわば漁業を営む法人の組合員資格を絶えず引き上げていったわけですね。その引き上げられた部分の人たちが、国際漁業環境の悪化という事態のもとで結果的には漁協経営の悪化をもたらしたと言うことができるのではないかというふうに思うんですが、この点についての政府の判断はどうでしょうか。
#61
○政府委員(川合淳二君) 組合員としての法人の資格を拡大してきたわけでございますが、現在沿海地区の出資組合におきます法人の正組合員数は千八百五十一という規模でございます。正組合員数は三十五万六千というような規模でございますので、そういう意味では法人のウエートは必ずしも大きくはないわけでございます。
 それとまた同時に、個人経営におきましても、例えば船の所有規模で申しますと法人の条件に匹敵するような個人の経営もあるわけでございまして、先生のお話のような形での影響ということも決して否定するわけではございませんが、必ずしもそういうことだけではないというふうに私どもは見ているところでございます。
#62
○菅野久光君 ちょっとその辺の認識について、漁協の全部とは言いませんが、国際環境の影響をもろに受けている漁協が、特に私は北海道なものですから、北海道にはあるわけですね。漁協の経営が零細なものですから、減船の対象になる二隻とか三隻とかという、あるいは一隻でもそこの漁協の経営に大きな影響を与えるというような部分があるというふうに私は聞いておるんですが、そういうことはありませんか。
#63
○政府委員(川合淳二君) 地域によりましては先生の御指摘のような漁協も私どもは否定できないと思っております。
 規模拡大を進めていく過程で大きな投資をし、それの回収が国際的な変化の中で対応し切れなかったというようなケースは先生御指摘の北海道などの地域にはあるわけでございまして、そういうケースでは今の御指摘のような点も私はあると思っております。
#64
○菅野久光君 漁協の経営基盤がしっかりしているところであれば割合その影響が少ないのかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、経営基盤が非常に零細だということが経営の悪化をもたらしているというふうに思うものですから質問をしているわけです。
 しかし、今さらその責任を私は追及しようとは思っておりません。漁協経営悪化の原因の一端は私は政府の政策のミスリードにあると指摘せざるを得ない、そういう気持ちはあります。
 具体的にちょっとお話をしたいと思うんですが、公海におけるイカ流し網漁業の問題なんですが、この問題の発端は、公海における流し網漁業が海鳥やアザラシなどの海産哺乳動物を混獲することから、環境保護団体から問題視されて操業の禁止が国連に訴えられた。それで国連決議ということになって、政府は、日本が孤立化することを恐れてなんでしょう、これを受け入れざるを得ないという状況になりましたが、このときに国連において日本政府がアカイカの流し網禁止のことにかかわってどのような議論をされたのか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
#65
○政府委員(川合淳二君) イカ流し網につきます問題につきましては、アメリカから問題を提起されたのはかなり早い段階でございまして、それ以降日米で話し合いを続けてまいりまして、オブザーバーの乗船あるいはトランスポンダーの搭載というようなことを逐次やってきたわけでございます。その過程で、一九九一年に国連への問題が最終的な段階に来たということでございます。
 それまでにも私どもは、いろいろな形での試験研究の結果、あるいは共通の調査などを行いまして、その結果に基づきまして私どもの主張すべき点を主張してきたわけでございますが、米国は一九九一年に至りまして流し網漁業の全面禁止を求める意見書を提出し、これに対しまして我が国は適切な管理をするという意見書を出すというようなやりとりの中で、さらに決議案が両国から出されたという経過を経たわけでございます。
 そうした流れの中で、全体として公海流し網漁業のモラトリアムの受け入れをせざるを得ないというふうに至ったわけでございますが、その間我々といたしましては最大限の努力をいたしてまいったつもりでおります。
#66
○菅野久光君 漁民の中には、もっと資源論だとかあるいは漁業と環境の問題なんかについて論議をしてほしかったということで、環境面からの議論で結局禁止決議を受け入れて公海におけるイカの流し網漁業を禁止してしまったということは非常に不当であって、問題であるというふうに思っている人たちがたくさんいるということは御承知ではないかと思いますが、その辺についてはどのようにお考えですか。
#67
○政府委員(川合淳二君) 混獲と申しますか、海産哺乳動物あるいは海鳥などの混獲あるいは影響につきましては、両国の調査があり、それぞれの見解があったわけでございますが、全体として受け入れざるを得ないそういう状況であったと私どもは考えております。
 御指摘のように、関係漁業者におきましてはこれにつきましてかなりの不満があったということも承知しております。そうしたことを受けまして、私どもといたしましては、流し網漁法の否定でございまして、アカイカ自体の漁獲について否定するものではなかったわけでございますので、代替漁法の開発に今なお努力を傾注しておりますけれども、直ちに漁法転換を行いがたい人たちのために、昨年十二月に国際漁業再編対策を発動いたしまして所要の救済措置を行ったところでございます。
#68
○菅野久光君 その所要の救済措置の問題でありますが、二月に行ったイカ流し網漁船に対する減船補償措置ですね、これも実は表面化はしておりませんが関係業界の内部では非常に不満があるように聞いております。一体それがどうなっているのかお聞きするわけですが、本来ならば、まあ政府の一存ということになるのかどうか、関係業界との関係がどうだったのかということはあったとしても、国連という場で日本の政府を代表してということでこれを受け入れたわけでありますから、本来的にはやっぱり漁業者の私は責任ではないんでないかというふうに思うわけです。
 したがいまして、これは国の責任において、公海におけるイカ流し網漁業から撤退し廃業していく漁業者や漁船乗組員等に対する補償はもちろんのこと、イカ流し網漁業から他の漁業種類に転換していく漁業者に対しても十分な助成措置を行う必要があるというふうに思うんです。その後始末についてお伺いをいたしたいと思います。
 当時、イカ流し網漁業など大規模な流し網漁船、これは四百二十六隻が操業を行っていたというふうに思いますが、このうち減船する船は何隻で、平成四年度の補正予算で減船の助成が決まったのは何隻か、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#69
○政府委員(川合淳二君) 先生おっしゃいましたこの漁業を行っていた隻数でございますが、これは見方が幾つかございまして、私ども平成四年の承認隻数というところから出発しておりますが、これにつきましてはイカ流し網漁業は四百二十六隻という数字がございます。現在減船対象になっておりますのは、このうちの二百九十隻ということでございます。そのうち平成四年は二百六十三隻というふうに承知しております。
#70
○菅野久光君 平成四年は二百六十三隻が減船の対象。全体では二百九十隻。したがって二十七隻は平成五年度ということになるのでしょうか。
#71
○政府委員(川合淳二君) 五年度以降ということでございます。三カ年で減船するということになっております。
#72
○菅野久光君 五年度以降ということで、これからの我が国の二百海里内の大目流し網に残るかあるいは他の漁業に転換するかという、そういったような状況を見てということになるのでしょうか。
#73
○政府委員(川合淳二君) 今の隻数以外の隻数、四百二十六から出発しまして百三十六隻になろうかと思いますが、これについては今後ほかの漁法に転換していくということになろうかと思います。
#74
○菅野久光君 現在の漁業環境を考えれば他の漁業種類へスムーズに転換できるとはなかなか思えないんですが、そこのところ、うまく転換できない、そういったようなものが出たときはどのように考えられるんですか。
#75
○政府委員(川合淳二君) 私ども、この救済対策と申しますか再編対策はそれなりの措置、今考えられ得る段階ではかなりの救済措置であるというふうに考えております。こうした措置をいたしまして、それと今後の処理の仕方をそれぞれの漁業者がお考えいただいたわけでございます。
 御承知のように、このイカ流し網の漁業は周年この漁業に携わっていた船ばかりではないわけでございまして、いわゆる私どもが言う兼業船も含まれておりますので、そうした船におきましては従来のほかの漁法でやっていた漁業を中心に転換していくというようなこともあろうかと思っております。
#76
○菅野久光君 四百二十六隻のうち二百九十隻を対象とした。残りの百三十六隻については何らかの形で他の漁業種類の方へ転換ができるということでこの二百九十という隻数を決めたのでしょうか。
#77
○政府委員(川合淳二君) 先ほど申しましたように、既にそうした船は、残る船でございますけれども、いわゆる兼業のほかの漁業についての権利なり承認を受けているわけでございまして、また従来もその漁業を営んでいたわけでございますので、そちらを今後も継続して行っていくということになっていくと思っております。
#78
○菅野久光君 そうすると、残りの船については問題がないということで理解をしてよろしいんですね。
#79
○政府委員(川合淳二君) 今の置かれました漁業の状況でございますので、全く問題ないということを申し上げることは難しいと思いますが、それなりの道を開いていくというふうにそれぞれの漁業者は考えていることと思っております。
 また、私どもといたしましても、先ほども申しましたように、代替漁法、アカイカの代替漁法でございますが、これの開発はさらに続けていきたいと思っているところでございます。
#80
○菅野久光君 私どもが心配するのは、他の漁業種類へ転換がほとんどできるんじゃないかという見通しで二百九十隻を決めたということは、それはそれで理解できるんですが、仮に残った場合にどうするのかということがやっぱり心配なんですよね。残らないように全力を尽くすという言葉だけはいいんですが、実態が果たしてそういうことになるのかどうかということを、我が国の二百海里内でも今の置かれている漁業環境の厳しさ、そんなことでちょっと心配をしているんですが、その点は本当に心配がないのかどうか、重ねてお伺いいたします。
#81
○政府委員(川合淳二君) 減船の対策につきましては、当然のことでございますが、漁業者の自主的な判断に基づいて行われるわけでございます。私どもといたしましては、これが国際的な規制ということで行われた中止あるいは休止措置に基づくものでございますので、それなりの救済措置を用意いたしまして、それの上で各漁業者の自主的な判断を求めたわけでございます。
 したがいまして、そうした判断の中で残るというふうに決められました漁業者は、それなりのやはり将来への見通しを持って残られたというふうに私どもは受けとめているわけでございます。
#82
○菅野久光君 そうすると、二百九十隻というのは、この際減船ということで国の助成を受けるというのが二百九十隻だったということなんですか。
#83
○政府委員(川合淳二君) 私どもはそういうふうに理解しております。
#84
○菅野久光君 その点はわかりました。後からどうのこうのならないようなことを私は祈っております。
 しかし、減船をしたということで、結局イカ流し網をやめたということで、その影響ですね、これはすべて漁協事業にしわ寄せをされてくるということは間違いがないわけですね。信用事業面では当然貯金も減るでしょうし、貸付金の回収も不能になる部分があるのではないかというふうに思います。購買事業面でも資材の売掛金の回収、これができるのかできないのか。そんなことなどを考えますと、固定化債権がますますふえるのではないかというふうに思います。販売事業面でも取扱量が減少して伸び悩みとなるとかいうことで、漁協の経営はますます悪化するという悪循環を繰り返すことになるわけですし、また漁業の担い手としての若者は漁業に希望を失って離れていくことにもなる。
 こうした漁業環境の激変による固定化債権は全国で千五百億円ある。そのうちの約五〇%は既に崩壊した北洋漁業を主力漁業としていた北海道の漁協が抱えている、こういう状況なんですね。
 したがって、こうした国際漁業における規制の強化と漁協事業への悪影響についてどのように考えておられるのか。こうした問題は、漁協を合併したり事業譲渡をしたり執行体制を強化したりあるいは信用事業を統合してみたところで問題は解決できないと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
#85
○政府委員(川合淳二君) 不振漁協が持っております固定化債権の解消のためには、それにかかわった経営不振の漁業者の経営改善ということが重要になってくるわけでございます。国際漁業規制の強化が始まりまして以降、国としても漁業経営の維持安定資金とかあるいは経営再建資金などを準備いたしまして、あるいは経営の特別指導事業なども通じまして経営再建に努めてきております。今なおこの資金の融通の道は開いているわけでございます。
 それに加えまして、昨今の状況から私ども平成四年度から漁協につきます事業基盤の強化総合対策事業というものをやっておりまして、これは固定化債権に対します。ある種の利子補給事業を行うことによりまして金利負担を漁協におきまして軽減させ、それにより漁協の経営改善を図るということをいたしてきております。これは、私どもといたしましては漁業協同組合特有の制度としてかなり重点的に政策を進めるつもりで策定した制度でございまして、今後この事業を柱に不振漁業の経営対策に臨んでいきたいと思っているところでございます。
#86
○菅野久光君 漁協を合併する、あるいは今度の水協法の一部改正の問題などを含めて漁協には本当にいろいろな問題があって、だからゆえに法の改正ということになっていくんだろうというふうに思うんです。
 水産業という産業に政策的に重要な位置を占める漁協、ここに深くかかわる法律の改正を行う場合には、その改正の目的が意図するところをより効果的にするためには、何といっても最初に大臣がお述べになりましたような漁業の振興策など漁協の発展に密接不可分にかかわる部門での政策が効果的に展開されないと、結局何のための法改正なのか全くわからなくなるばかりか、逆に改正の意図に反して事態を一層悪化させる危険があるのではないかというようなことを、先ほどのあれを通じながら国際環境の悪化ということなどが、まあ特定の漁協にはなっていくんでしょうが、固定化負債をふやしてきたということは、これは私は間違いがないことだというふうに思うんですね。
 そういういろいろ難しい問題が含まれておりますが、政策の展開についてはいろいろ慎重に、そして今までもいろんな点でやってこられましたが、漁業基本法とも言うべき沿岸漁業等振興法、このうち国の施策を規定した第三条第一項一号から十一号までの規定をずっと見ていくときに、まことに遺憾ながら制度の政策展開は必ずしも適切ではなかったのではないかというふうに指摘せざるを得ない部分があります。
 沿岸漁業等振興法の見直しが必要ではないかと思うんですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#87
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、長官との話を伺っておって、これから先大変な水産業界、どういう規制がどう出てくるかというのはわかりませんし、大変だなと思います。
 かつて北海道や私の方、あるいは境港、主要な漁港は水揚げ日本一なんていって競って漁獲を増大したという、あるいは金額でも何か競争をやったような気がするわけでありますが、それに大きな影響を受けたと。今のイカ流しでもそうですが、残った方は従来から大目、サンマ、釣り、あるいは一部はフォークランドの方に出かけるとか、いろんな工夫を漁民の皆さんも努力しておるんですね。
 しかし、それだけではなかなか難しい問題もありますし、そういう人たちがまた戻ってきていろんな問題を起こしてもいけませんから、その辺はきちっと対応していかなきゃいかぬというふうに考えております。
 もともと沿岸漁業というのは高度成長期には大変発展してきたんですね。それで他産業との所得の格差も大幅に縮小した時代があったんですけれども、二度にわたるオイルショック、これが大変な影響が出ましたし、二百海里がそこへまた来た。一遍に何もかにも飛び込んでこられて、経営が長期にわたって不振を続けたわけであります。最近では燃油価格が若干低下しておりまして、そういう面では改善の要素というのは少しはありますけれども、資源の悪化、これがまた足を引っ張っているわけですから、環境は依然として厳しいなと思っております。
 オイルショックのときの拡大した所得格差も是正されていませんし、そういうことを考えて、何とか資源の維持増大をまず回らぬことには漁業ができないわけですから、これにもう全力を挙げようということで取り組んでおります。
 あるいは生産性もやっぱり向上しなければ担い手も育たぬ。あるいは一方では経営の近代化、こっちもやってもらわぬといかぬ。流通の合理化でありますとか漁業従事者も養成していかなきゃならぬ。漁村の環境の整備もやっていきながら、中核的な担い手あるいは漁協の体質を強化していく。この辺がしっかりしませんとなかなか個々の漁師さんたちは安定していかないという面がありますので、いずれにしても沿岸漁業等振興法に定める施策の展開方向に今までも則してやってきました。しかし、おっしゃるとおりうまくいっていないものもありまして、今後とも同法の趣旨に沿って沿岸漁業の振興を図っていきたいというふうに考えております。
#88
○菅野久光君 もう時間になりましたので終わりますが、最後に、合併に当たって職員の人に不安を与えないように、また週休二日制がほとんどなされていないような状況などもありますので、それらの労働条件、漁協で働く人たちの労働条件の向上、このことも十分頭に入れて今後の施策展開をしていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
#89
○委員長(吉川芳男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#90
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案外二法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○三上隆雄君 私は、通告では午後の開会冒頭、緊急を要するリンゴの問題について質問するという通告でありましたが、きょうは主題が漁業三法でございますから、時間のある限りそちらの方に時間を持ちながら、最終的には前段申し上げた質問に切りかえたい、こう思っております。
 午前中、我が先輩議員からいろいろ今回の漁業三法についての詳細な質問もございました。私なりに考えることを二、三点質問したい、こう思っております。
 漁村も漁家も農村地域と同じで、漁村には若者が定着しないという状況がこれまた農村と同じ実態にあると思います。それは、先ほど来漁業に与える大きな国際的影響あるいは資源的影響等々の原因があって漁業者の現実の生活が他産業と比較して劣る、しかも将来展望が見えないというところにそういう社会的現象が起きているだろう、こう思うわけであります。
 そこで、今回の法改正は、魚を漁獲して業を営む漁民の生活の安定には漁協なくして漁民の発展もない、お互い車の両輪として発展していかなきゃならないということは論をまたないわけであります。そこで、その漁協の弱小な状況だからこそ漁業に適正な求められるサービスができないということが合併の大きな要求される要素だと思います。その意味で、漁協が農協に比較して極めて合併の状況が悪いと政府の資料等で判断されるわけでありますけれども、その合併の進まない原因は何か、その点から探ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#92
○政府委員(川合淳二君) 今お話がございますように、農協に比較しまして漁協は合併が進んでいない、言いかえますと規模が非常に零細であるということでございます。
 いろんな理由があるわけでございます。例えば、どうしても海が生産の場でございますので、陸地に向けて求心力がないということで陸地での結びつきがそれぞれの隣の漁協ともなかったというような、そういう立地条件などもございますが、私どもは、ここ数次にわたります合併助成法の延長をお願いしてきた過程で見ますと、一番の理由は関係者、特に役職員の皆様の合併に対する意欲というものが相当に欠けているのではないかということが一つございます。同時に、上部系統団体の推進体制も十分でなかったというようなこともあろうかと思います。それから、農協と違いまして漁協特有の漁業権問題、あるいはどうしても海での競合からくる漁民感情の対立というような問題もありますし、また地域によりましては、漁協間の財務内容の格差と申しますか、そうしたものも原因であったのではないかというふうに認識しております。
#93
○三上隆雄君 ただいま長官から御説明がありましたけれども、先般の四人の参考人の意見を聞いて、今までとは情勢が違ってきたなという感じを持ったわけであります。今まで参考人三人、四人というメンバーでそれぞれの意見を拝聴すると、必ずその法改正について異論がある人があるわけでありますけれども、今回の四人さんの発言はそれぞれ今回の法案の必要を認め、即刻改善施行すべきだというような提言があっただろう、こう思うのであります。
 その意味からいっても、また地元の声を聞いても、やっぱり合併は避けて通れないという声が大きくなっているわけでありますから、今まで以上に政府は積極的に合併を進めていただきたい、こう思うわけでありますけれども、その点について今までとは違う方策でやるという御意思がおありなのか、その点を確認してまいりたいと思います。
#94
○政府委員(川合淳二君) 今お話しございましたように、系統組織あるいは関係者の意識もこれまでとは格段の相違があると思っております。それは、一つには現在の置かれている社会経済的な状況の変化と申しますか、そういうものから現状の漁協のままではという危機感が関係者にあるからだと思っております。
 したがいまして、私どもといたしましても、今回の合併の延長をお願いするに際しましては従来とまた改まった気持ちで対応したいと思っておりまして、例えば系統組織におきましては各段階で合併のための推進協議会をおつくりいただくことはもとよりでございますが、私どもといたしましても、例えば先ほど申しました財務内容の問題などに対応するために、総合事業を組みまして既に四年度から実施しておりますが、こうした取り組みは従来やっておりませんで、今回はある意味では待ったなしの対応ということで取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
#95
○三上隆雄君 それから、私は前にも質問をしまして、質問というよりも要望申し上げましたが、先ほど菅野先輩委員からも質問がありました。漁協というのは、産業組合的な性格、いわゆる職能組織ですね、それともう一つは地域の協同組合という性格があるんだということを菅野委員からも指摘し、質問いたしました。私は常々申し上げておりましたけれども、地域協同組合という性格を法の面でも体系づける時期に来たんではないかという気がするわけであります。
 例えば、農協と漁協が同じ地域に存在しているときに、もちろん農協というのは農業協同組合法、漁協は漁業協同組合法という法にのっとって結成され、構成されているわけでありますけれども、地域協同組合という位置づけでそれを何とか法体系の整備ができないか。そのことについては将来検討するというお答えが何度かあったはずでありますから、離島の条件あるいは半島の条件等を踏まえて、その点についての検討をし、そしてその検討の結果はどうなっているか、伺いたいと思います。
#96
○政府委員(川合淳二君) 漁業協同組合と農業協同組合につきまして、地域によりましてはほとんど同じ地域で活動しているというようなケースもあるわけでございまして、それらを一体とした地域的な協同組合制度をつくってはどうかという御議論は前々からあることは承知しております。例えば離島とかあるいはかなり他の地域から隔絶している半島などにおいてそういう条件があるような地域ということも御指摘を受けているわけでございます。
 私どももこの問題につきましては、今回の改正に際しまして学識経験者によります研究会を持ちまして、そこでも御議論をいただいたわけでございますが、いろいろな議論がございました。かなり地域性のある問題でもございまして、今の段階ですぐにそうした制度をつくり、かつ取り組むにしては時期尚早であるけれども、必要のある地域もあるであろうから、さらに研究を深めるようにというような御意見をいただいたところでございます。
 私どもも、具体的な話になりますと総論と各論とは若干違う面もあろうかと思いますが、そうした御意見があることは前々から承知しておりますので、地域の実態それから地域の御意見などもよく把握しながら今後勉強を深めていきたいと思っているところでございます。
#97
○三上隆雄君 ただいま長官から、時期尚早であるが、そしてまた地域の実態と御意見を聞きながらそれに対応するというお答えがございました。
 当初のこの合併の目標は、とりあえずは一市町村一漁協、そして将来的にはその府県が求めるのであれば府県一漁協という大きな構想があるわけですけれども、生産漁民といいますかつくる漁業という、そういう傾向へ将来ウエートがかかるとすれば、漁民と漁協というのは密着した関係になけりゃならない、こう私は基本的に思うわけであります。そうなった場合に必ずしも大きな漁協がいいわけではないという、そういう認識も私は持っているわけであります。
 そこで、何か先ほども出ましたけれども、離島あるいは半島等において地域の要望があればその道を開くような、そういう法体系をつくっていただけないものか、再度お答えをいただいて、次に入りたいと思います。
#98
○政府委員(川合淳二君) 各論の部分になりますとなかなか難しい面があろうかと思います。漁業の方には御承知のように漁業権というようなものがございます。したがいまして、それの取り扱い等につきましてもなかなか難しい面はあると思います。今のところかなり特殊な地域の問題というふうに受けとめられておりますので、先ほど申しましたように今後それぞれの関係者の御意見をよくお聞きし、地域の実情なども把握しながら研究、勉強を深めていくということで対応していきたいと思っております。
#99
○三上隆雄君 次の問題に入りたいと思います。
 沿岸漁業あるいはつくる漁業でございますけれども、漁民は魚をとって、それを販売して業をなすわけでありますけれども、その販売の方法と漁協の関係、そしてそのとった原材料に付加価値を高めて加工をすることもまたこれからの漁民としての大きな営業上の高度化を図るための手段だと思うわけであります。その意味で加工、流通に漁協が今現在参入している状況がどうなっているか、お尋ねしたいと思います。
#100
○政府委員(川合淳二君) 先ほども御議論がございましたように、最近の消費動向から、水産物といいましてもその消費の対応はかなりさまざま多様化しているわけでございます。したがいまして、当然のことながら流通あるいは加工の面で付加価値がかなり高まっているわけでございますので、そうした部分を生産地でシェアすると申しますか、その分け前を生産地でも求めるということは当然今後求められることだと思っております。
 既に例えば宅配あるいは産直というような形でやっております過程でいわゆる水産加工の部分を生産地で受け持ちまして、そうしたものも宅配に入れて一緒にあるいは産直として提供するというようなこともやっておりますし、さらに大きな漁連の段階では流通経路なども持ちまして、消費地に近いところで例えば加工場あるいは蓄養場などを持ちまして、その過程での付加価値を生産者側が受け取るというような試みが既に行われてきております。香川県漁連あるいは三重県漁連などというところでは既にかなりその実績を上げているような例もございますので、今後こうした動きというものはますます強まっていくと私どもは見ているところでございます。
#101
○三上隆雄君 その意味でも適正な規模の漁協が必要であるしその合併も必要であると、そうなると思うわけでありますけれども、青森県の場合は加工業が一千三百億円、水揚げ高の方が逆に少なくて一千億円の状況で、田名部大臣はその専門家ですから私から言うまでもないと思いますけれども、そういう状況ですから、やはり漁協がもっとその販売、加工に参入すべきだと思うけれども、その地域には既にもう加工業者があり流通業者があるわけでありますから、その辺の兼ね合いはどう考え、どう将来対応されるのか。
#102
○政府委員(川合淳二君) 水産の場合は、特に産地におきましては生産と加工というのは他の農産物などに比べましてもかなり密接な関係を既に地域によっては構築しているところがあると思っております。したがいまして、一口に生産だけで加工ということを進めるということが適当かどうかというのは地域によっていろいろあろうかと思います。したがいまして、漁協が加工に入る場合には、そういう地域の状況それから既にある加工業者との関係を密接に、ある意味では相互補完関係などをとりながら進めていくということが非常に大事ではないかと思っております。
#103
○三上隆雄君 冒頭申し上げましたけれども、今回の法改正は基本的には私ども賛成でございますし、将来問題の残らないような、そういう方法で漁業行政に取り組んでいただきたい、こう思います。
 以上、後ほど時間に余裕があればまた魚の問題に返りたいと思います。
 それでは、大臣はいろいろ期するものがあると思いますけれども、先般の三月三十日にニュージーランドからのリンゴ輸入についての最終の法的な手順として公聴会を催したわけであります。しかしながら、あの公聴会は私は紛糾して流会、無効であるという認識に立ってこれからお尋ねをするわけでありますが、実はきのうリンゴ、ナシ主産県で先般の公聴会に出席した公述人を中心として輸入阻止の実行委員会を構成して、そして出席した公述人は六十五名中五十名足らずでしたけれども、出席した人の三十九名まで同意を得て反対署名をして、きのう実は大臣と園芸局長のところに要請に行ったわけであります。
 しかしながら、その大臣なり局長のお答えは意外にも冷淡であるし、あれは有効であるという判断に立っております。あのときの公聴会のもめた原因は、農水省の会議を主宰し運営した議長の責任大なるものがある、こう私は思うわけであります。そもそももめた原因は、公聴会の性格と目的についてただしたら、それは確答できない。それでいろいろ議論したあげく、公聴会の議論を大臣に報告して、大臣にその決定はゆだねるという報告がありました。その大臣に報告する内容を公表できますかと言ったら、これまたできないでしょうと。そこでまた紛糾しました。
 ところで、大臣、局長、現場にいたそれぞれの担当者からどのような報告があったのか。あの段階で最終的に、相当な時間経過した後、その報告については公述人だけには公表すると言いました。それを公表したのか。もし公表して、その公表書が大臣なり局長に報告したものがあったならば私にも示していただきたいし、どのような報告を受けたのか。その結果によってまた議論を展開したいと思っております。
#104
○政府委員(高橋政行君) 公聴会の進行模様といいますか、それにつきましては当日私も逐次報告を受けておったわけでございます。また、大臣にもその都度御報告を申し上げてきたわけでございます。
 それで、今先生の方からお話がございましたのは、恐らく意見といいますか、そういうようなものの扱いがどうかということではなかったかというふうに思いますが、その際に、公聴人といいますか出席の皆さんから、公聴会における公述人の意見についてどういうふうに取り扱うのかというお話があったことは聞いております。それで、その際議長の方から申し上げましたのは、大臣にも報告しますので、そういうのをまとめたものについて公述人にお示しするということはあり得ますということは申し上げておるというふうに理解しております。
#105
○三上隆雄君 ですから、大臣に報告した書類はありますか。
#106
○政府委員(高橋政行君) 現在のところは大臣には概要について申し上げておるところでございまして、実は、これは我々といたしましては重要な公聴会でございますので、一字一句漏らさないように今議事録などを精査しておるところでございまして、そのまた正式なといいますか細かい御報告までは申し上げておりません。
#107
○三上隆雄君 公聴会を聞いてもう二十五日ですよ。少なくとも二十日過ぎているんです。国のそれぞれの伝達事項というのはそれほどゆったりとしたものなんですか。もっと機敏性があって、それに従って決め事を決めて行政を展開していかなきゃならぬわけでしょう。あの公聴会が無効であるんならそういう手順でいいんです。そういう状況ですから、我々はそれしかできないと思うんですよ。報告できないからしないんじゃないですか。
 私の今回の質問の立場は、あの公聴会は生産者のほとんどの声を聞いていないわけでありますから、もう一度開いて生産者の声を聞けということなんです。その意味で、正式な報告をまだされていないということは、あれは正式に認めていないという、ことになりますね。どうですか、一言で言ってください。
#108
○政府委員(高橋政行君) 我々、大臣にはまずどういうような報告をしておるかといいますと、賛成という意見をなされた方はどういうような立場から賛成をされておるか、それからまた反対の意見を述べられた方はどういう意見で反対を述べられておるかということについて、概略は御説明を申し上げておるということでございます。
 したがいまして、我々はこの後何をどういうふうにやっているかといいますと、それぞれについて技術的な面から精査し検討をしているところでございまして、またその段階で今後の取り運びをどうするかということを決めたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#109
○三上隆雄君 そういう状態ですから、きのうも要請したとおり、もう一度公聴会を開いたらどうですか。
#110
○政府委員(高橋政行君) 今回の公聴会につきましては、御承知のとおり、公聴会の開催につきましては植物防疫法の第七条第四項に書いてあるわけでございますが、この規定に基づきまして三月三十日に開催するということにしたわけでございます。
 実際の公聴会の模様につきましては、先生もよく御存じのことでございますが、一部の出席者によります不規則発言あるいは議長席を取り囲むなどの行動がございまして、議事が遅延したことは事実でございます。非常に議事が遅くまでかかりましたので、我々といたしましてはこれ以上続けるのは無理であるというふうに判断をいたしまして、途中で休会としたわけでございます。それから、植物防疫法施行規則第四条第四項に続行の規定があるわけでございますが、この規定によりまして、議長が次の日いわゆる三十一日の十時から再開するということを宣言いたしまして、まず再開したのでございます。
 それから、公聴会というのは、御存じのように利害関係者あるいは学識経験者の皆さん方に公述をするという場を提供して、そこで御意見を出していただくということが必要なわけでございます。それで、農水省といたしましては、公聴会において特別公述人を排除するとかあるいは公述を制限したということはないわけでございます。現に七人の公述人の方は公述をしていることからも明らかではないかと思いますが、いずれにいたしましても公述する場は与えていたわけでございますので、今回の公聴会は適法に行われたものというふうに思っておりまして、公聴会を再度開催するというつもりはございません。
 また、実際にそこで口頭で発言をされた方は七名でございますが、六十五人が公述をすると言っておりましたので、その六十五から七を引いた五十八名の皆さん方には別途公述意見書というのが提出されておるわけでございますので、我々といたしましてはその内容も含めまして十分に精査し検討させていただきたいというふうに思っております。
#111
○三上隆雄君 これ以上議論しても水かけ論になると思いますけれども、やっぱり私は農水省に極めて誠意がない、こう思うのでありますし、今回に限ってこれほど報告がおくれているということでは私は行政執行がいかないのが当然であると思うから、私はあれはあなた方にも若干後ろめたさがある、後悔があると思うんです。少なくともそれについて反省するという言葉一つぐらいは欲しかったですよ。それが必要でないとするならば、それなりに政府が強行するなら、それはやむを得ぬですけれども。
 では、別な問題に入りたいと思います。
 そうすると、今回問題にされて、我々が要望していることは、植物防疫法で規定されているコドリンガと、それからもう一つ、火傷病が向こうでは撲滅されていないから、今、日本では国際的にも危険だと言われる臭化メチル薫蒸を、あるいは次亜塩素酸ソーダですか、そんなものの処理をしなければ入れ得ないという実態があるわけであります。そこまでして入れる必要があるかないかという、これは政治的な問題も絡みますから後に回しますけれども。
 日本の農薬で規制されている農薬がニュージーランドでは使われている。そのときに、その農薬が日本へ入ってくれば日本の食品になるわけでありますから、向こうで使っている農薬は日本でも使っていいという判断をとってもやむを得ぬですね。
#112
○政府委員(高橋政行君) 農薬につきましては農薬取締法が現在ございまして、それで我々といたしましては規制措置をとっておるところでございます。
 それで、農薬取締法は法の目的といいますかあり方は、農薬の販売とかそういったものを登録を受けていなければできないというような規定になっておるわけでございまして、では生産者が販売はしないで、例えば直接その農薬を外国から手に入れてきて使うことができるかどうかということが先生が今言われたお話ではなかろうかと思いますが、実は、その点は農薬取締法では特別な規制がないわけです。だから、法律上はそういう場合使えるということになるわけでございますが、我々といたしましても、農薬の安全使用という点から考えましてこういう場合にも国内で使うのは好ましくないというふうに考えておりまして、そういうものは通達によりまして使用をしないようにという指導をしているところでございます。
#113
○三上隆雄君 いや、私の言っていることは、国内法も相手の輸出国の農薬使用基準法も同じでなければ、国民の安全性からいっても、その生産の条件からいっても、それは同じにすべきだと思うんです。同じにする条件とするには、国民の健康、安全を守るにはやはり日本の基準が正しいと思うんです。
 ですから、ニュージーランドの規制を日本と同じような状況にするということも一つの条件。それから、水際で日本の農産物は薫蒸処理なんてするというのはかつてはあったけれども、今は現実的にない時代に、なぜあえて日本で余っている農産物をそういう水際で処分しなきゃならない状況のものを持ってくるかということなんです。ですから、同じ条件をつくるとすれば、向こうでその薫蒸の必要がないような状況をつくってから入れなければならないのであれば入れたらどうかということを主張しているんです。それについて大臣の考えをいただきたいと思います。
#114
○国務大臣(田名部匡省君) 国際ルールとしてはガットということになるわけでありますけれども、その中で、一般的に関税措置による国内農業保護のほか、生産調整を行っているものは輸入数量制限というのも認めているわけですね。ですから、リンゴが生産調整しているかどうかというのが一つ問題になります。
 ですから、現在よりもっと自由な貿易ルートをつくろうということで、今ウルグアイ・ラウンドでこのことはやっておるわけです。ダンケルの案によりますと、国境措置というもの、これを関税化にするということを言われておるわけでありますが、我々は、生産調整しておるもの、そういうものについては関税のみによる国境措置の例外とするよう言っておるわけでありまして、余っているから入れないんだということだけではこれは通らぬわけであります。その辺が非常に日本にとってもつらいところでありまして、従来のこういう果樹、そういうものはあっても入ってきているわけですから、きのうも申し上げたように、リンゴだけが特別こうだという理由があれば別でありますけれども、一般的に処理していかなきゃならぬという立場にあるわけです。
#115
○三上隆雄君 今、大臣から、ガットの交渉の段階でも生産調整をしている品目については一律関税化については問題だという発言がございました。
 ミカンは三〇%の生産調整をしました。リンゴは自主的に生産調整をしているんであります。そのことをはっきり御認識いただいて、先ほど菅野委員からも米はその象徴的なものだという主張をいたしましたね。その産地の主要産業からいくとリンゴが青森県に占めるウエートというのは私は極めて高いと思うんです。青森県の農業生産は大体三千三百億、その中でリンゴが一千億産業だと言われております。その産業が、これが入ってくることによって重大な影響をもたらすとすれば、乳製品等々と同じような当然の扱いをしてもいいと思うし、しかもまだ、先ほど来言っているように、国民の健康、安全を考えたときに、そういう処置をしなければその植防の条件を満たせないとするならば、あえて入れるべきではないと、そういう視点に立つんです。
 そのことを十分配慮されて、今回はこのような事情にある、しかもリンゴだけではない、入ってくることによって、ナシ、桃、ほとんどの落葉果樹に影響があるという、そういう代物であります。それに影響なしとすれば、国民の健康に害があるような薫蒸をしなけりゃならない、処理をしなきゃならないという現実があるわけですよ。
 ですから、私は自由貿易はあっても、これは国際化の時代でやむを得ぬにしても、食料というものは、しかも先ほども言っているようなこういう条件のものについては、何でもかんでも自由化すべきでないと思うんですが、それについて政府の御見解をいただきたいと思います。

#116
○説明員(東久雄君) いわゆる農業の保護という形で認められるのは先ほど大臣からのお答えのとおりでございまして、それ以上のことをやることはなかなか難しいわけでございます。
 ただ、先生先ほど来二つの問題がございまして、一つはそういう保護をするべきじゃないか、金額が非常に大きいから保護をするべきじゃないかという御見解の問題と、それとあとは病気その他の問題、病気といいますか植物の検疫問題というものと両方あると思うんですが、ガットのそういう純粋に技術的な観点からの問題につきましては、植物防疫の観点からガットももちろんそれを許容しておりますが、それは人、動物または植物の生命または健康の保護のためということに限定されているということで、先ほど来農蚕園芸局長のお答えのような形でこの問題が処理されているということでございます。
#117
○三上隆雄君 そこで、もう一度安全性の問題から、厚生省の関係と農水省の関係と、両省の観点から質問したいと思います。
 先ほど私も希望を申し上げました。そういう薫蒸処理等の処置を要らなくする条件をつくる条件として、生産の段階で相手国は相手国なりの防除に当たっているわけであります。日本は日本で当たっているわけであります。そしてニュージーランドで使っている農薬を日本で使ってもいいか、そこをもう一度一言で言ってください。向こうで使う農薬は日本でも使ってもいいかどうか。
#118
○政府委員(高橋政行君) 先ほど申しましたように、農薬取締法に基づきまして申し上げますと、法律上は、生産者が直接外国の農薬を日本で、日本で登録されていない農薬を外国から仕入れてきて使うことについては農薬取締法上特別の規制はございませんが、この法律が安全性の確保ということも重要な使命にしておるわけでございますので、通達によりましてこれを使用しないようにということで指導をしているところでございます。
#119
○三上隆雄君 相手国を指導するということですか。日本では使えないから相手国を指導するということですか。
#120
○政府委員(高橋政行君) 日本の農家に、そういう農薬は使わないようにと指導をしている、こういうことです。
#121
○三上隆雄君 それは逆じゃないですか。相手国を指導しなさいよ。日本は日本の農薬使用基準法に従って我々はやりますから、相手国がそれでその病害虫を防ぎ得る状況ができてから入れたらどうですか。私はそこを言っているんですよ。
#122
○政府委員(高橋政行君) まず、今の御質問は恐らく二つあるんじゃないかと思いますが、一つは、相手の国から、例えばコドリンガであるとか火傷病というものが完全になくなったという状態にしてから輸入をするということを考えてはどうかというまず御意見だと思いますが……
#123
○三上隆雄君 それだけじゃないよ。別の病害虫を防ぐのに日本で使えない、禁止されている農薬を使っているでしょう。
#124
○政府委員(高橋政行君) それで、このことにつきましてはたびたび申し上げておりますが、それぞれコドリンガなり火傷病なり、そういった病害虫が完全に撲滅されない、いわゆる汚染されている、そういう国のものであっても、輸入する果物なら果物について、そういった病害虫が付着していないといいますか、除去されている、そういう状態が完全に技術的に確立すれば植物防疫法上はこれを輸入を禁止するというわけにはまいらないということで、我々は今回そういう技術問題に取り組んで公聴会にも及んだということでございます。
 それからもう一つは、日本で農薬登録されていないような農薬については相手国においても使わせないようにすべきではないかというお話でございますが、この点につきましては、それぞれの国におきます農作物の栽培状況あるいは病害虫の発生状況というものは我が国と違うわけでございますので、それぞれの国によって使われる農薬も違うという格好でございます。したがいまして、一般的な話で申し上げておるわけでございますが、それをうちの方が積極的に使う、使わないということは申し上げられないわけでございます。
 ただ、誤解のないように申し上げておきますと、今回ニュージーからリンゴを輸入するということに伴いまして、本来であれば、先ほど申し上げましたように、そういう農薬を使うなというようなことは言えないわけでございますが、今回いろいろと消費者の皆さん方の声だとかそういうこともございますので、我々といたしましては、ニュージーに、日本で農薬登録のないもの、未登録の農薬についてはニュージーにおいてもひとつ使用しないでほしいという要請をいたしまして、ニュージーランドの方におきましてもそういうことで、使わないということで生産者を指導するというふうに言っております。
#125
○三上隆雄君 だから、逆な視点で物を考えて物を言いなさいよ。日本人の健康を守るために日本はこれこれしかじかの農薬は使えないし、その濃度も期間も規制されているんだから、そのような条件を満たしてくださいよということを前提に交渉して、そしてそれができなかったらできるまで入れないという解釈はとれませんか。
 そこで、厚生省にお願いしますけれども、時間がないので簡単にお願いしたいんですが、相手国で使用している農薬すべての残留毒に対して厚生省は基準を設けておりますか、その辺の現状を申してください。
#126
○説明員(牧野利孝君) 厚生省では農産物の安全性を確保するために、農産物中農薬の許容基準、いわゆる残留農薬基準というものを設定してきたわけでございます。
 具体的な動きといたしましては、平成三年九月からことしの三月まで六回にわたりまして、合計九十三の農薬につきまして、残留農薬基準設定について食品衛生調査会へ諮問してございます。このうちこれまでに六十九農薬の残留基準値が食品衛生調査会より答申をいただいております。今後とも、資料の整備されたと考えられます農薬から順次食品衛生調査会へ諮問いたしまして、残留農薬基準の整備に努めることとしております。
#127
○三上隆雄君 日本の農薬になくてニュージーランドで現在使われている農薬の使用基準値を決めておりますかということを聞いているんです。
 それが入ってきたらどうなりますか。
#128
○説明員(牧野利孝君) ただいまリンゴの話に限定をいたしますと、新たに外国から輸入される場合には、実際に港の時点におきまして、諸外国、この場合はニュージーランドでございますけれども、ニュージーランドで使われている農薬等の情報をもとにいたしまして検査を行いまして、輸入の適否について判断しているところでございます。
#129
○三上隆雄君 今現在やっているということですか。
#130
○説明員(牧野利孝君) 今現在はニュージーランドから輸入されておりませんので、輸入をされることとなった場合には、ニュージーランドで使われている農薬等の情報に基づきまして港で検査を行いまして、その適否を判断することになろうかと思います。
#131
○三上隆雄君 その判断するのに時間はどのぐらいかかりますか。
#132
○説明員(牧野利孝君) まず農薬の残留量の分析を行いまして、その検出されました農薬につきまして既に残留基準が設定されている場合には、その残留基準に基づきます適否の判断がされることになります。また、残留基準が設定されていない農薬が検出された場合には、その農薬に関係いたしますADIと申しますが一日摂取許容量などの安全性に関する資料、あるいは外国あるいはFAO、WHOの国際基準等を参考にいたしまして判断することになります。
#133
○三上隆雄君 時間がないからきょうはこれでおかなきゃなりませんけれども、そのうち順次、農水委員会がまたありますから、追ってまた質問を展開したいと、こう思っております。
 大臣、やはり日本の国民の健康をまず第一義的に考えて、このような状態で、生産者も消費者も問題があるのを、国際的なつき合いだと言うけれども、なぜあえて入れなきゃならないのか、でき得るならば入れないでいくような、そういう立場で全精力を傾注していい判断を示してください。
 以上、希望を申し上げて、終わりたいと思います。
#134
○風間昶君 公明党の風間です。
 午前中までのお話を伺っておりまして、私も党を代表して外務省の方にお伺いしたいわけでございますけれども、きょうは大臣が、直接いらっしゃってお聞きしたいところですけれども、お見えになっておりませんのであれでございますが、渡辺外務大臣の突然の辞任によりまして、武藤新大臣が就任されて、四月七日でございましたか、就任の記者会見で午前中も話題になりました非常に気になる発言あったわけでございます。
 それは、永久に一粒も入れないということは通用しない、国際的に孤立しないためにはどうするかだという発言があったかのような報道がありました。その発言の真意というのは本当に何なのか、外務省の担当者の方から聞いておきたいというふうに思います。
#135
○政府委員(林暘君) 武藤大臣が七日の就任の会見で発言された中に、確かに今御指摘のように永久に一粒もということは通用しないと思うということは言われておりますが、後段で引用された部分は、念のためにもう少し正確に申し上げますと、米だけでなく日本の農産物の自由化の問題は、新しい農業政策が進められている中でいかにその政策に対応し、また日本が国際的に孤立しないためにいかにしなくてはならないかを考えなくてはならないと思っているというふうに言われたわけでございまして、大臣が言われましたことは、農業についてはそれぞれ各国とも困難な問題を抱えておるわけでございますが、我々としても相互の協力によって解決に最大限の努力をしていかなくちゃいけないという趣旨で言われたんだというふうに承知をしております。
#136
○風間昶君 困難な状況があるかもしれないけれども解決していかなければならない問題だと。そんなことはわかっているんですよ。だけれども、そうだとするならば、どうしてああいうことが出てきたのかというのは疑わざるを得ないわけでございます。
 三年前の通産大臣時代にもいわば日本の農業を批判するような発言をされた方ですので、大変今後が心配なわけです。必死になって田名部農水大臣初め農水の方々が代表となって今進めているこの問題、日本の農業をどうするかという観点で大事な問題に、例えば米を守るために乳製品や麦などの関税化を受け入れることのないよう、新ラウンドにおける外務省の方針、何回も聞き飽きたわけですけれども、きちっと本当に腹の底から思っていることを、方針として持っていらっしゃることを確認したいと思います。
#137
○政府委員(林暘君) 外務省としてどうこうということではむしろなくて、政府として農水省とも協力して、一体としてウルグアイ・ラウンドの農産物交渉はやっているわけでございまして、特に今御指摘のございましたような、包括関税化の問題だろうと思いますが、その問題につきましては、包括関税化というのが輸入国・輸出国のバランスをとった上での原則でないという理解のもとに、包括関税化は認められない、受け入れられないという基本方針のもとで交渉を外務省としても行っているわけでございます。
#138
○風間昶君 その気持ちがそのままうまく英訳されるかどうか。要するに、きちっとした形で言っていらっしゃることは間違いないんですね、どうなんですか。こちらでの発言と向こうでのいわばトランスレーションされたときの言葉がどういうふうになっているのかは定かではありませんけれども、間違いありませんか、再度確認したいと思います。
#139
○政府委員(林暘君) ジュネーブその他で交渉を行っておりますときにも今申し上げましたことを正確に述べ、その趣旨は外国にも伝わっているというふうに思います。
#140
○風間昶君 ありがとうございました。大臣にぜひ誤解のないような発言、注目しているのはこれは日本だけじゃないと思うんです、関税化阻止に向けて日本が今一体となって進まんとしているときでございますので、しかとお伝え願いたいというふうに思います。外務省の方どうもありがとうございました。忘れないでください。
 新農政で、農業を選択する場合に魅力とやりがいのあるものにするために、他産業並みの水準とすることを目標とした農業経営を展望していらっしゃる、またそうあってほしいものだというふうに思うわけですけれども、農業以上に厳しい自然環境、自然の変化に左右される漁業、また漁業情勢についても見えない部分というのは結構あるわけでございますけれども、そういうことであるならなおさらその施策の位置づけとしての新漁政とも言うべきものを示すべきではないかというふうに思うわけです。大臣の一つ一つの発言の中にもそうなのかなと思うのは聞こえてくる、あるいは聞かれるわけですけれども、きちっとした形で示すべきではないかというふうに思いますが、お聞かせ願いたいと思います。
#141
○国務大臣(田名部匡省君) 新農政の中で、農業、林業、漁業、これは大体考え方としては一体のものなんですね。したがって、その中の漁業をどうするかという立場で見ますと、地域の実情にもよりますけれども、漁業だけで成り立たない者、そういう者はほかでも所得を得る努力をする。私は多様に就労の場を確保してということを申し上げておるんですが、これも地形とか、例えば北海道、青森、大型の漁業をやっている地域、あるいはもう本当に小さな組合で沿岸、ノリをとったりとかアワビ、ウニをとるという漁業もあります。とれるものは地域によって全く違うものですから、アジとかいうと大体西の方でなきゃない、サケ・マスは我々の方だというふうに種類別に分類されておりまして、同じ漁業があっても価格が大分違うというのが漁業だと思うんですね。
 そういうことを考えてみますと、おっしゃるとおり、私は漁業においても他産業並みの魅力ある漁業経営をしなきゃいかぬということにはもう一向変わりはないわけであります。そのために、農業と違う分野というのはたくさんあるわけですから、漁業の場合どうするか。何といっても農業のように種をまいて収穫というのはないものですから、最近はつくり育てる漁業ということに一生懸命取り組んで、これは八十種類ぐらい一生懸命やっておるわけです。それもその地域に合ったものをやらなきゃならぬということでありまして、ばらばらやっておるわけです。
 そういう形で、まず魚がいないことには漁業は成り立ちませんから、これに全力を上げよう、これをやろうということで、漁港の整備でありますとか沿岸漁場の整備あるいは沿岸漁業構造改善事業、こういうものを基本的な考え方として今までもやってまいりましたし、これからさらにこれは強力に進めていかなきゃならぬ。今それぞれ長期計画を策定中でありますけれども、これらにつきましては高度利用も図っていかなきゃならぬということが一つございます。あるいは活力ある漁村の形成というものを図ろう、あるいは良好な海洋環境もこれは総合的に重点を置いてやっていこう。それには、漁業生産もさることながら、これだけ週休二日制で家族ぐるみで山へ海へという時期にはそういう漁村というものを形成しておかなきゃいかぬ、あるいは環境という問題も大事なことでありますから、そういうこと一体の中で、そのどれとどれを組み合わせるかはその地域によりますけれども、そういうことをしながら、いずれにしても後継者が生き生きとして働けるような環境を我々は整備していかなきゃならぬというふうに考えております。
#142
○風間昶君 非常に総花的といいましょうか、当然それが、今大臣がおっしゃった言葉の一つ一つが新漁政とも言うべきプランの大枠というふうにとらえてよろしいでしょうか。
#143
○国務大臣(田名部匡省君) 大体総花的にならざるを得ないのは、地域の実情ということを踏まえると全部に該当することを申し上げなきゃならぬものですから、そういうことになるわけでありますけれども、やるところは、どれとどれを組み合わせるかというのはその地域ですから、どの地域にも対応できるようにやっていきたい、こう考えております。
#144
○風間昶君 一言、例えば新農政の場合にも中山間地域対策に重点を絞ってやられるわけだというふうに、それが私は一つの大きな新農政の柱だと思いますけれども、新漁政とも言うべきものに対してはきちっとその部分、例えば単年度でないにしても三年ないし四年ぐらいの間にここのところはきちっとまず整備しようと。総花でやって予算がちりばめられても結局は大したものにならない、私はある意味では危機感のたくさんある部門だと思いますので、明確にもう一歩踏み出して出していかれる方が私はよろしいんじゃないかというふうに思います。
#145
○国務大臣(田名部匡省君) おっしゃるとおり、私どももそう考えておりますが、今も申し上げたように種類がとにかく多いということが何といっても問題点の一つであります。
 加えて、地域の置かれている状況というものも背後の、漁業だけでなくて、どういう環境にあるかという、例えば私の方は比較的水産加工が盛んですから、漁師の奥さん方が加工業に勤務しながらやる人もおれば、あるいはそういうところがないところは夫婦でやるところもある。そういう実態にあるものですから、固定的なあるいは画一的な将来像というのはなかなか面倒ですけれども、おっしゃるとおり、私どもはいずれにしても沿岸漁業というものに最重点を置いてやっているわけです。
 しかし、大型の人たちもおりますので、アルゼンチンの方、フォークランドまでイカをとりに行っている人たちもおるし、それはそれとしてまた生かしていかなきゃならぬという面がありますが、これは不安定でありまして、いつどういう状況になるかということもありますから、一番安全にやれるというのは、海に囲まれた日本の水域、この資源を最大限に生かすということがもう一番大事でありますから、どちらかというとそこにウエートを置きながら、加工、流通、そういう場面も生かしながらやっていかなきゃならぬというふうに考えておりますが、まだまだ問題点が多いので、幅広い観点からいろいろな可能性について勉強を積み上げてよりよいものにしていかなきゃならぬ、こう考えております。
#146
○風間昶君 ありがとうございます。ぜひ絵にかいたもちにならないような、実のあるものにしていけるようなふうにしていただきたいと思いますし、またそういう意味できちっと監視をさせていただきたいというふうに思います。
 そういう意味で、担い手の問題でございますが、労働力の確保ということはどんな産業でも大事なキーポイントになるんじゃないかというふうに私は思うわけで、そこで、文部省の方においでいただいておりますので、水産高校は北海道も三つ近くあるわけですけれども、水産大学あるいは大学の水産学部を卒業された方々の就職状況についてどのようになっているのか。また、学校を卒業したものの、結果的には漁業後継者あるいは担い手となっているかというと、いないと予測されるわけです。
 つまり、例えば北海道のある水産高校を卒業した人に聞いてみました。何で水産高校に行ったのかというと、変な話、都会部の高校よりも入るのに楽だと、まずそこが一つあったわけです。それで、これは大変重要な教育の問題を含んでおりますので、それはそれで後の機会にするとしまして、それから、学校の教育の内容がいわゆる普通高校と比べてかなり楽であるというふうな、「まあ、何とか高校だけは出るや」という親のあれもあるというふうに声としてあったわけでございます。ですから、そういう認識で入っていらっしゃる方も事実いるということなわけで、そうすると、本当に漁業後継者のいわば最も青田になるはずの人材がそういう実態になっているということも考えられるわけです。
 まず、そこで、この数年間の水産高校、水産関係の大学の卒業者の方々がどのぐらいいて、漁業あるいは水産関係、単純に漁業と養殖と分けられれば、就業者はどのぐらいいらっしゃるんですか、ちょっと教えてください。
#147
○説明員(寺脇研君) お答え申し上げます。
 今の御質問でございますが、まず水産高校の方から申し上げます。
 昭和六十三年から平成四年までの、つまり昨年の卒業生までの数字を申し上げますと、昭和六十三年が、水産高校の卒業者数五千八十七名のうち、漁業等への就職者数ということで取りまとめておりますのが五百五十四名でございます。平成元年が四千七百七十名中の四百四十名、平成二年が四千七百十四名中の三百九十二名、平成三年は四千九百三十七名中の三百四十二名、平成四年は四千七百二十四名中の二百四十九名。率といたしますと、六十三年度が一〇・九%、元年が九・二%、二年が八・三%、三年が六・九%、四年が五・三%というふうに割合が下がってきておるという実情でございます。
 また、水産関係の大学卒業者でございますが、昭和六十三年が千五百三十六名中、漁業就職者数として取りまとめておりますのが七十八名、元年が千五百二十四名中六十三名、二年が千六百三名中八十八名、三年が千七百九名中五十七名、四年が千六百八十五名中七十三名。率で申し上げますと、六十三年五・一%、元年四・一%、二年五・五%、三年三・三%、四年四・三%とほぼ横ばいのような状態であるわけでございます。
#148
○風間昶君 非常に厳しい状況ですよね。年々下がってきている。特に、担い手としては大学よりもむしろ水産高校へ行っていらっしゃる方々が実際的な担い手になることをねらっての高校だというふうに私は思っているわけですけれども、五・三%というのは大変な数で、絶対的に卒業者といいましょうか入ってくる方も少なくなってきている状況ではあると思います。
 そうすると、教育カリキュラムの問題にまで入って、それも一つのファクターになっていく可能性もあるのではないかというふうな感じがするわけです。つまり、実際に水産高校へ行くのに期待とやりがいのあるというようなことが多少でもあると、おもしろさも含めて、学問的なおもしろさだけじゃなくて、実習の部分とかなんかも含めてそういうのがあるともっと、少なくとも水産高校に来た人たちが五%や六%の段階じゃなくて、もっと一〇%、一五%まで上げていけるんじゃないかというふうに思うわけです。
 そこで、カリキュラムの問題で、技術のノウハウだけじゃなくて、例えば商業高校であるとするならば昔は簿記とか経営の部分にまで随分実務的なことをやっておったわけですけれども、例えば漁組のいろんな事業、信用事業だとかさまざまな事業がありますけれども、そういう事業に卒業したらすぐ携わっていけるような、そういうあり方が望まれると思うんですよね。いわば漁業経営学科みたいなものですね。その辺については、何カ所かあるというふうには聞いていますけれども、カリキュラムの問題、水産業だけじゃないと思いますけれども、その辺はどうですか。
#149
○説明員(寺脇研君) お答え申し上げます。
 水産高校に限りませず、高等学校のカリキュラム、来年の四月でございますが、平成六年度の四月から新学習指導要領が実施になるわけでございます。この中では、今先生御指摘がございましたように、全体的な漁業の形態の変化、また漁業従事者の仕事の内容の変化にそぐいますような新しい教科内容を特に力を入れて新しく加えてまいるというようなことも進めてまいっております。
 特に例を申し上げますれば、漁業経営でも最近はコンピューターを使う、いわゆるマイコンでございますけれども、そういうものを使えますように水産情報処理というようなことに特に力を入れてまいります。また、今おっしゃったような意味で水産食品流通というような科目も設けまして、私どもとしても水産高校を卒業してすぐにそういった高校卒業者のレベルで漁業に従事できますような教育内容を進めてまいりたいと思っております。
 また、先ほど先生から御指摘がございましたように、水産高校へ進む生徒の問題というのがございます。これは中学校の問題でもございます。中学校で進路指導というのをいたしまして、どういう高校に進むか、どういうふうな道に進んでいくかということをやっておるわけでございますが、従来ともすればテストの成績、偏差値、そういったものによって生徒が振り分けられるというような状況が見られておって、例えば水産高校で言えば、水産業に特に関心がなくてもそういった振り分けでそういうところへ行くというようなことがあっている実態が一部にあるではないか。
 そういうことで、私どもといたしましては、平成五年度から中学校の進路指導につきましてそういったテストの偏差値による輪切り的な振り分けはやらないようにということを中学校にも強く現在指導しておるところでございまして、さまざまな職業について中学校の段階で学び、そしていろいろな職業高校で即いろいろな職業の役に立つような教育が行われている実態も十分承知した上で、子どもたちに高等学校を選ばせ、また高等学校へ進むためのお手伝いをしていく中学校での進路指導をさらに強く進めてまいるように進めておるところでございます。
#150
○風間昶君 わかりました。どうもありがとうございます。
 今度は卒業して実際に担い手として確保していく場合の後継者対策ですが、女性も相当今いろんな形で進出してきておるわけで、私は卒業してすぐ四十八年から五十一年まで三年間、日高の様似という町の診療所に行っておりました。朝大体三時ぐらいから一家総出で、子供からお母さんそれからもうちょっと大きい大お母さんまで総出で出ていろんな仕事をやっているわけで、そういう意味で女性の労働範囲というのは非常に広がってきていることも見ておりました。
 ちょっと話がずれますが、ツブだとかいいのを食べて三時半か四時ぐらいに腹痛を起こして病院に駆け込んでくる、私はその間寝ているわけですけれども、たたき起こされて診なきゃならないという、こんなうまい物を食って何なんだというようなことを怒りながら診察した記憶があるわけです。
 いずれにしましても、女性の従事者の担い手が水産業あるいは漁村の活性化に大事な視点になってくると思うんですけれども、女性従事者の担い手の実態というのはどういうふうになっているか、水産庁の方にお聞きしたいと思います。
#151
○政府委員(川合淳二君) 私どもの方で把握している漁業就業者の中に占めます婦人の就業者は約二割でございます。六万五千人という数字があります。ただ、これはいわゆる海上労働に近いわけでございますので、このほかに当然のことながら、今先生もお触れになりました漁獲物の運搬とか選別とか、そういう陸上での関連作業などに従事している婦人も含めますとこれの倍以上の数になるのではないかと思います。
 それから、最近の漁業はどちらかというと、先ほどから申しておりますように、つくり育てるとか資源管理型とかいうことになってまいりますと、婦人の参加ということ、それは婦人の立場でいろんな形でのきめ細かさとかあるいは経済観念の強さみたいなことから地域によってはかなり重要な部分を婦人が占めているというケースが出てきております。
 特に、資源管理型漁業ということで進めていく上で立派にやっている地域におきます婦人の位置づけというのは非常に高いものがあると思っておりますので、私どもも他地域との交流とかあるいは漁業そのものの技術あるいは経営分析というようなことに関します指導、ある種の研修でございますが、こうしたものを進めるべく一つ事業を組んでおりまして、そういう形で婦人の参画をいろいろな形でふやしていきたいと思っております。
 それから今回の改正で、改正直接ではありませんが、私どもがこれを契機に進めたいと思っておりますのが、正組合員への婦人の取り組みといいますか、そういうこと、あるいはでき得れば役員へ婦人を何とかふやしたいというようなこともこの機会を契機といたしまして指導、あるいは系統としても取り組んでいただきたいということを私ども進めていきたいと思っているところでございます。
#152
○風間昶君 北海道の漁協の婦人部会というのが百三十七部会あるわけです。漁組が約百六十ですから漁組の八割以上にあるわけですけれども、百三十七部会、部員数が二万四十四人いらっしゃって、先週の日曜日に日本海沿線にお伺いしたわけですけれども、何人かにお会いして、やっぱり入ってくる婦人部活動としての目標はあるわけですね、消費者の方々に魚を食べてもらうためにというね。
 医師としての立場から、女性が骨粗鬆症といって骨が大根のすのようになってだんだんだんだん移動性の痛みが起こったりいろいろあるわけですが、そこで今までの経験から、特に青物の魚に含まれているドコサヘキサエン酸とかエイコサペンタエン酸、これは大変いいのでもっとPRしたらどうですかという話をこちらからしたんですけれども、その辺が男性の方々に言ってもなかなか通らない、一つの漁組で話を持っていってもどうも女性の意見が通りづらいということがあったわけです。
 それから、さっきおっしゃった異業種といいましょうか交流ですね。あるいは漁組の婦人部の方にお聞きしましたら、結構仲の悪い漁協があって、そのパイプ役、いわばクッションの役目を果たしているのはむしろ婦人部なんですというふうにおっしゃって、協同組合間の提携を踊りだとかなんか文化を通じて、そういうことで漁組合併の一つの推進役にしているんですよという自負をお聞きしたわけです。
 これは大事なことで、男ばかりでやっているとどうも目の前にある魚の量と金の問題だけでうまくいかない部分が、ここのところでまた一つ機能的な働きとして婦人部の方々の活動というのは注目していかなきゃならないし、またそれを手助けしていけるような形にしていっていただければなというふうに思います。
 そこで、沿岸漁業改善資金のうちの生活改善資金貸し付けですか、これは相当低いわけですよね。もちろんそれ以上にかかるお金の方が大きいからなんでしょうけれども、婦人・高齢者活動資金というのがあると思いますけれども、余り婦人の方に回っていないわけですね、二カ所しか聞いてないんですけれども。だから、これはどういうふうに使われているのか、何をするのに使ったのかということはきちっと押さえている必要があると思いますけれども、その辺はどうですか。
#153
○政府委員(川合淳二君) この資金は、今御指摘のように余り使われていないのが実情でございます。今、先生がまさにおっしゃいましたように、なかなか男社会と申しますか、その中で御婦人の発言が出しにくいというようなことで、具体的にどういうことが行われにくいのかということもありますけれども、どうもそういう面が非常にあるようでございます。
 私ども、この資金につきましては、今後とも本当の需要というのはどういうところにあるか、実は農業につきましてはこの生活関連の資金は既に共同利用みたいなところでとめているわけでございますが、漁業につきましては個人利用施設みたいなところまでまだ道を開いているわけでございます。そういうこともありますが、なお余り需要がないというような面もありますので、今おっしゃられましたような横断的な婦人部活動の中から必要なものが出てくればと私ども思っておりますので、なかなか情報を十分に把握していないことは私どもが反省すべき点でございますけれども、今後ともその辺の本当の求めているものが何かということをもうちょっと私どももアンテナを高くしたいと思っております。
#154
○風間昶君 予定の質問になかったことなんですけれども、そういう意味でやっぱり足を現場に運んでいただきたいと思います。そうするとわかりますから。お願いしたいと思います。
 次に、養殖のことについてお聞きしたいと思います。
 私の札幌のすぐ近くには石狩川が流れておりまして、ヤツメウナギを養殖しているんですけれども、余り規模的には大きくないんですけれども、これがまたおいしいんです。養殖の日本の全国での実態について、まず本当に簡単で結構ですので教えていただきたい。
 それと、今回、養殖漁場環境適正化管理協定という新しい協定制度を前提としたことを考えていらっしゃると思いますが、きのういろいろ水産庁の方に聞いたら、これからやることだということだったわけですけれども、例えば複数の漁業者が決めるのにどのぐらいの範囲を決めているとか、あるいは海域の広さはどうだとか、種類はどうだとか、あるいは養殖の収穫量の量的規制はとか、こういったものについて望ましい、あるいは許容範囲とかということを想定して初めてその協定なるものをこれからやっていくように指導していくんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺のことをちょっと教えていただきたいと思います。
#155
○政府委員(川合淳二君) 養殖関係でございますが、簡単に申させていただきますと、ウエートから申しまして海面漁業、これは遠洋から沖合すべてを含んで金額で言うと既に二五%というシェアにございます。既に遠洋漁業をはるかに抜いている規模になっております。そういう規模になっておりますが、一つ私どもが懸念しておりますのは、養殖によります過密養殖とか、生えを給餌しているというようなことによります海の環境に対する問題でございます。本来、漁業は環境に対して非常に敏感であり、かつ環境を守るという役割を果たしているわけでございますが、養殖関係につきましては十分注意をいたしませんとやや加害者的な役割を果たすこともあり得ると思っております。
 したがいまして、今回この無利子資金の改善資金を通じまして、そこの点の改善なり普及を図ろうとしているのが今先生お触れいただきました環境対応型の養殖業推進資金でございます。これは先生幾つかの基準についてお触れになりましたけれども、先ほど来大臣からもお話しいたしましたように、それぞれの地域で条件が異なりますので、これはこれから私どもそうした規模の広がりあるいは関係漁業者数などを決めていかなければいけませんが、なるべくそういう意味では弾力的につくっていかないと機能しないのではないかと思っています。
 考え方といたしましては、例えば一定の養殖施設の配置の関係、これは過密にならないというような意味での密度の適正化、あるいはえさの内容、一番いいのは浮くようなペレット状のえさにするというようなことがいいわけでございますが、そうしたこととか、一方で漁網にいろいろな付着物あるいは菌などがつかないように防汚剤を使っているわけでございますが、これについても規制をしないといけない面もございます。そうしたものが適正に使われるような、そういう取り決めを前提とした施設なり機械の導入につきましてこの資金を貸したいということを考えているわけでございます。
#156
○風間昶君 わかりました。これはもうちょっと詰めないと、実際に今おっしゃったように地域地域、その種類によって本当に弾力的につくっていかないと、同じハマチでもこっちの地域とこっちの地域では違うわけですから、そのことをきちっと綿密に立てていかなきゃだめだと、そういう意味できちっとした指導をしていっていただきたいというふうに思います。
 次に、漁協の合併の問題でございますけれども、北海道の場合は今沿海が百二十九、業種別が十二で百六十組合あるというふうに教えられました。いつのデータかちょっと忘れちゃいましたけれども、要するに何を言いたいかといいますと、一市町村に六つあったり七つあったり、あるいは一組合でずっと広い範囲の複数市町村にわたる漁組が八組合ぐらいあるわけですけれども、だから北海道の場合は一県一漁協構想というのは非常に現実的には厳しいというふうに思うわけです。
 どのくらいの地域を単位に合併を進めていくのか、北海道に関してでございますけれども、ちょっとお聞きしたいと思います。
#157
○政府委員(川合淳二君) 先ほど来御議論がございますように、現在新市町村未満のものが八割という現状でございますので、一県一漁協という目標はかなり高い目標でございまして、とりあえずまず一市町村に一漁協ということを実現して、次のステップとしてという段階にあろうかと思います。
 ただ、その場合におきましても北海道はかなり広い地域でございますし、また海域も非常に広範囲に、しかも太平洋、日本海、オホーツク、津軽海峡というようなふうにわたっておりますので、これは本州と同じような形で考えることは適当でないと思っております。私どもが承知しておりますのは、まず当面一支庁一漁協というような合併、これは檜山支庁管内などでは考えているようでございますが、そういうようなことも一つの目標としたりしておりますので、先生御指摘のように、すぐに一県という目標は実現できないにしても、北海道の場合は若干違う姿というものが想定され得るのではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、この辺の姿というのは自主的に道の系統組織の中でお考えいただくことでございますが、具体的に持っている数字としては平成九年度までに今の百二十九を九十三にするという第一ステップのことを私どもはお聞きしております。
#158
○風間昶君 そこで、先日も参考人の方からのお話もありましたが、私も留萌の漁組の職員の方に先週の日曜日に行ってお話をいろいろ伺ってきたわけです。
 留萌というところは管内十単協あるわけですけれども、多いところでは四人、少ないところでは一人の組合職員の方がいらっしゃって、合併に対しての展望を幹部の方から十分な組織的な説明を受けていないというところがありました。そういう意味で、私の身分はどうなるのという不安な部分を抱えているというのが漁組の職員の方の声にありました。このことについても指し示していかなければならない。それを単に水産庁が北海道の漁連あるいは道に振ってもしょうがない部分があると思うんですね。だから、その辺の指導をきちっとしていっていただきたいというふうに思うんですけれども、どうでございましょうか。
#159
○政府委員(川合淳二君) あくまでもこの合併の問題は系統組織、一番基本は個々の漁業協同組合がどう考え、どう行動していくかというところが出発点でございますので、系統組織の中で合併についての取り組みをどういうふうにしていくかということが一番大事だと思っております。
 今お聞きしておりますのは、例えば県、道段階、そして市町村段階あるいはもう少し広がった地区段階というようなところで合併のための推進協議会のようなものをつくって推進していくということのようでございますので、そういう段階では将来どういう姿の漁協をつくっていくかということについての目標なり計画というものを指し示しながら、それは当然のことながら役員、職員そして組合員に対してよく説明をしながらこの問題に対応していただかなければいけませんので、私どもとすれば、そうした系統組織がみずからそういうものをつくることのお手伝いをするという立場でなければいけないと思っております。
#160
○風間昶君 そうなんです。だけれども、一番身分上実際に漁組の活動をやっている職員の方に伝わっていない部分があるということで、そこをきちっとしていただきたいということです。
#161
○政府委員(川合淳二君) そういう危険性は十分にあると思っております。役員がこの問題についての取り組みが非常に弱いということと、自分の御意見をお持ちになっていないということ等があろうかと思います。そういう意味では、系統の中でよく役員さん方に対するこの問題についての問題意識というものを浸透していただくという努力が必要だと思いますので、御指摘の点についてもよく系統組織の中で受けとめていただくように私どもも指導したいと思っております。
#162
○風間昶君 よろしくお願いします。
 次に、イカゴロの海中投棄の問題でお尋ねしたいと思います。
 北海道の道南に上ノ国町というところがあります。平成三年の九月に、上ノ国漁協の組合関係者と地元の水産加工業者がイカのゴロと呼ばれる、要するにワタ、内臓を海中に不法投棄したとして海上保安部から摘発された事件ですけれども、その後の経緯と現在のイカゴロの投棄の実態についてまずお伺いしたいと思います。
#163
○政府委員(川合淳二君) 私どもがお聞きしているところでは、平成三年の九月に加工場から排出されますイカゴロを海洋に投入したわけでございます。これは漁業者側からすれば、よく御承知の点でございますけれども、いそ焼けと申しますか貧栄養対策として有効ではないかということで投棄したものでございますけれども、海上保安部はこれは産業廃棄物の海洋への不法投棄であるということで、今おっしゃられたようなことになったわけでございますが、両者間に意見の対立があったというふうに承知しております。
#164
○風間昶君 廃棄物がえさかという問題だということで見解がそれぞれ違うということだというふうに思いますけれども、その問題を追及するんではなくて、実際に貧栄養化のために今まで漁民の方々がイカのゴロだけじゃなくて、いわば小魚も含めて大魚をとるために投げておった事実はあるわけです。しかも、経験的に投げますと、私だって釣りへ行ったら投げるわけですよ、おいでおいで魚さんという感じで。それは、私の投げただんごが廃棄物なのかということを考えてやっているわけじゃないわけで、とにかく現場では経験的な学習のもとにやってきた。確かに投げれば集まると思っている方がたくさんいらっしゃって、ある意味では現実的に試験投与をやっているわけです、漁民の方が。
 それで、水産庁の方にお聞きしましたら、イカゴロの有用性とか、環境に悪影響を与えないことが科学的に証明されるような試験を今やっていらっしゃるというふうにきのう聞いたわけです。これを調べましたら、もう昭和五十九年から利尻、礼文、稚内、一番北にあります島で魚かすによる実験だとか、乙部町というのがあるんですけれども、ここでイカの内臓の実験だとか、あるいは稚内市で水産加工の過程で生ずる煮汁に無機の肥料を添加した実験とかをやっているわけです。これについてのデータが水産庁に上がってきているかどうかわかりませんけれども、いずれにしましても、計画書をまとめて今瀬棚町とそれから松前でしたか、やっていらっしゃることを聞きました。それが来月、五月ごろ少し結果といいましょうか途中報告が出るように聞いております。
 私はこの問題については、要するに現実に経験的にやってきている漁民の方々が実際にきちんとしたデータはとれないと思うんです、ただ単に目で見て、あるいは網にかかって多かったか多くなかったかという観点でありますから。国がもっと例えばどこかの区域を決めて、あるいは国立大学の研究部門とタイアップしてやっていくべき問題ではないかというふうに思うんです、資源のいわゆる再生産性をきちっと考えるならば。その辺はいかがですか。
#165
○政府委員(川合淳二君) 今のお話の点につきましては、北海道庁で試験地を設けまして、その試験データを採集中でございまして、北海道庁によりますとこの試験を三年から五年間継続したいと言っているようでございます。私どももこのような動きにつきましては、よく道庁とも緊密な連絡をとりたいと思っております。
 いそ焼けなどの貧栄養化につきましては、今先生がまさにおっしゃられた点でございますけれども、これまで現地でいろいろな試みといいますか、がございまして、例えばこの原因につきましても幾つかの説がございまして必ずしもはっきりしてないんでございますが、例えば海草などをウニが食べてしまうというようなことがあったりしまして、私どもといたしましては沿岸漁場整備開発事業というようなものがございまして、これは寿都でございますけれども、それでモデル海域をつくって取り組んでいるところもございます。
 そういう意味で、道庁と私どもといろいろな形で分担しながらこの問題に取り組んでおりますので、なかなか因果関係が必ずしも出てこない点はございますけれども、今後ともそういう形でよく連携をとって取り組んでいきたいと思っております。
#166
○風間昶君 ぜひとも、今の寿都だけじゃなくて、これは成功しますとといいましょうか学術的にあれしますと、私は日本がそういう部分である意味では先端的な立場をとれる世界に冠たるものをつくっていけるんでないかという思いでおるんです。何しろ生き物相手に、そして動いているものの中で研究するにはやっぱり現場だけでは難しいわけです。経験的なことでしかないわけですから、だからやっぱり国がそこのところをもう少し、一年、二年のレベルではないにしても、大事な問題であるのではないかというふうに思いますので、ぜひタイアップしてしっかりとやっていっていただきたいと思います。
 以上です。
#167
○林紀子君 まず、私は漁協合併についてお伺いしたいと思います。
 前回の漁協合併助成法の改正の際に、全漁連では五年間で二百件七百組合の合併を計画し、当時の水産庁長官は、非常に大きな数字だけれども、お互いに汗をかいてそういう方向に邁進したいとお答えになりました。ところが、この五年間の実績を見ますと、二十三件八十一組合、合併は極めて低調で、達成率は一一・五%ということになっておりますね。
 先ほども質問がありましたけれども、この原因はどういうものかというのをお聞きしたいと思います。
#168
○政府委員(川合淳二君) この点につきまして、私ども、アンケートと申しますか都道府県から意見を聞いたものがございます。それによりますと、「組合役員の合併に対する意欲の弱さ」あるいは「財務内容の格差」、「組合間の漁民感情の対立」、それから「漁業権行使等についての利害の対立」、「経営規模の相違」といったようなところが上から五つの原因ということで回答が寄せられております。
#169
○林紀子君 そうしますと、そういう原因に対応した解決策というのが零細な漁協を合併していくという上には大事なんだと思うわけですが、そういうことはされないで、全漁連は一県一漁協を基本イメージに広域的な合併というのを進めようとしております。このことについては、どういうふうにお考えになりますでしょうか。
#170
○政府委員(川合淳二君) 私は、去年十一月の全国漁協大会の決議は、一県一漁協を含む広域漁協への統合を将来目標としつつ、一市町村一漁協の早期実現を目標に合併の推進ということで系統は取り組んでいるというふうに承知しております。まず、一市町村一漁協の早期実現ということを一番最初のワンステップの目標にしているというふうに理解しております。
#171
○林紀子君 合併ということでは、上からの押しつけではなく自主的なものというのが一番大事だと思うわけです。組合員の意思と地域の実情に基づいて、漁民の利益、漁協労働者の要望が考慮された合併、こういう合併が必要だと思うわけですが、水産庁はこうした自主的な漁協合併を援助するものでなければならないと思うわけですが、その辺はいかがでしょうか。
#172
○政府委員(川合淳二君) 当然のことながら合併するのは漁協でございますので、漁協の自主的な意思がない限り合併は実現できないと思っております。そういう意味で、私どもも今先生がおっしゃったことに異議を挟むわけではございませんけれども、ただ、今までの経過は、先生冒頭に御発言いただいたように、非常に合併が進まないで規模が小さいままになっているわけでございます。これは当然のことながら漁協の自主性にまつところはありますけれども、関係者一丸となって合併に向けて進まなければいけないということでもあろうと思っております。
#173
○林紀子君 水産庁長官は、公共事業を執行する際に合併する漁協を対象とした優先施行も検討している、また来年度から始まる次期漁港整備計画の策定に当たっても漁協合併に十分留意していく、こういう発言を一月の二十八日の漁港関係主務課長会議でなさったというふうに報道されておりますけれども、そういうことでは自主的な漁協合併という趣旨からは反するのではないでしょうか。
#174
○政府委員(川合淳二君) 各種事業も当然のことながら申請主義でございます。各関係者がその事業をやりたいということで私どもに出てくるわけでございます。それと今話題になっております漁協合併は、先生が御指摘のように四十二年以来かなり低位の結果しか生んでいないわけでございまして、しかもここへ来て系統組織挙げてこの問題に取り組もうという機運も出ておりますし、またある意味では待ったなしの段階にまで来ていると思っております。
 したがいまして、私といたしましては、こういう漁協合併を意欲的に進めようというところにつきましては、同時に公共事業などの執行を希望している地域につきましては優先的にやって、その合併を推進すべきだという考え方を今お話しの会議で申し上げたところでございます。
#175
○林紀子君 そうしますと、あくまで申請であるということで、公共事業で上から誘導するということではないというふうに承りました。
 そうしますと、それぞれの漁港の事業には採択基準というのが決められているわけですね。ですから、こういう採択基準に漁協の合併を追加するというようなことはないわけですね。それからまた、漁港整備計画には計画課題というのが掲げられているわけですけれども、この中に漁協合併の促進を課題として掲げる、こういうようなことはないと承っていいわけですね。
#176
○政府委員(川合淳二君) 私は、漁協の規模にもよりますけれども、現在置かれております漁協の零細性から申しますと、漁協と関係するそうした漁港も含めまして、合併が必要なところにはそれは非常に大きな課題であるというふうに考えるべきだというふうに考えております。
#177
○林紀子君 大きな課題であるというのはわかりますけれども、そうしましたら、こういう文面の中に追加をするということですか。
#178
○政府委員(川合淳二君) 具体的な基準なりなんなりはこれからの検討でございますが、私はそういう視点は必要であるというふうに考えております。
#179
○林紀子君 そうしますと、やはり先ほど来の合併というのはあくまで自主的にという、そういうお言葉に反するのじゃないかと思うわけですね。公共事業を材料にした上からの押しつけの合併というようなことになりまして、それが本当に漁民のための合併になるのかどうか、そこのところは大変大きな疑問が残るところではないかと思うわけです。
 それから、全漁連の一県一信用事業の統合についてもお伺いしたいと思うわけですが、この問題については、東京水産大学の加瀬和俊助教授が「月刊漁協経営」という中で批判的に意見を述べられています。また、同じこの雑誌九一年五月号には、投稿という形で系統団体の職員が「漁協系統信用事業の方向はこれでよいのか」と、実際に携わっている立場から批判をしているわけですね。
 私は富山県の氷見漁協を訪問いたしましてお話を伺いました。ここは全漁連のパンフレットの中でも漁協合併調査報告の中での優良事例という形で紹介されているところです。この氷見漁協の貯金高は七十億円。ところが富山県の一漁協平均では二十億円だということです。こういう状況の中でもし県一本に事業統合することになりますと、氷見漁協は今までどおりの貯金を利用できない、自主運用できないということになるのではないですか。そうしますと、信用事業以外の事業まで信漁連によって規制される、左右される、こういうことになってしまうのではないかと思います。
 水産庁は、この一県一信用事業統合をどのように考えているのか、またその支援策はどうするのかというのもお聞かせいただきたいと思います。
#180
○政府委員(川合淳二君) 信用事業につきましては今進められております金融の自由化ということと無関係には考えられないわけでございます。現在の一組合当たりの貯金残高十二億、信用事業担当者一・九人という規模では、これは信用事業を遂行する上で実際問題として非常に困難と言わざるを得ないと思っております。
 したがいまして、これをどうした規模まで広げるかということで合併とそれから事業統合というような手法があろうかと思います。一県一信用事業体構想ということを系統組織も出しておりますが、これはもちろん画一的な問題ではございませんで、その置かれた地域の状況、県内の状況によってそこは系統の中で考えていただく問題だと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、現在の規模では信用事業という形で進めるにいたしましては余りにも小さ過ぎる、これを何とかしないといけないというのが関係者が共通して考えていることだというふうに私どもは考えております。
#181
○林紀子君 もう少しお伺いしたいのですが、時間がありませんので、次に防衛施設庁の行っている漁業補償について伺いたいと思います。
 まず、防衛施設庁に来ていただいておりますのでお伺いいたします。
 漁業補償金について、関係漁業者に対して資格があるのかどうか、本当に漁業を営んでいるのかどうか、こういうことについてどのような調査を行って支払っているのか、お聞きしたいと思います。
 広島の防衛施設局は「所得額等確認資料の提出要領」というものをつくっておりますが、この中で、所得額を証明する資料として仕切り書か水揚げ記録、経営費を証明する資料、こういうものを申請者全員が必要とするとしておりますが、資料が必要ということは間違いありませんね。
#182
○説明員(中村弘君) 御説明申し上げます。
 当庁が行っております漁業補償の受給資格者は、漁船の操業制限法、詳しく申し上げますと、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限法、及び自衛隊に関係しましては、自衛隊法第百五条に基づきまして設定されました制限水域において従来、従来と申しますのは制限水域が設定される以前という意味でございますが、従来適法に漁業を営んでいた漁業者をいい、その審査に当たりましては、漁業の許可証であるとか、漁船の原簿、それから組合員の名簿あるいは操業状況を確認できる証明資料、例えば魚類を販売した場合であればそれの伝票であるとか、漁具を購入した領収書、こういうものにより確認し、他方、制限水域内に漁業権あるいは入漁権が存在する場合におきましては、関係漁業協同組合との契約により漁業権等の権利の行使制限を行いまして、漁業を営んでいるすべての漁業者を受給資格者ということにしまして、その審査は先ほど申し上げたように、同様な方法をとっているところでございます。
#183
○林紀子君 広島県の呉市に広漁協というのがありますが、この組合長は資格のない漁民に対しても資格があるように偽装している。組合長は、防衛施設局から組合員に交付されている補償金額は、八八、八九年度と比べてみると、実態に従った申請をすると従来の一割ぐらいしか本当はないんだと、こういうことを言っているわけなんですね。現実に一九八九年度には申請人六十人、申請額七百八十万円であったものが、九二年度の申請額は九人、八十万円に激減をしているわけです。
 そこで、広島防衛施設局が行っている呉市のこの広漁協に対する漁業補償に対して会計検査院が検査を行ったというふうに聞いておりますけれども、どういう結果であったかというのを御報告いただきたいと思います。
#184
○説明員(小野田博君) お答えいたします。
 先生お尋ねの広漁業協同組合に対します漁業補償につきましては、本年一月に実施いたしました広島防衛施設局の会計実地検査の際に調査を行ったところでございます。
 調査の結果を申し上げますと、補償金の受給者の中に補償対象者として認定すべき証明資料を欠いている者が見受けられました。そういうことでありますので、本院といたしましては、これらの者については個別に漁船操業の実態を確認すべきではないかというふうに当局に、広島防衛施設局に指示いたしたところでございます。
 そして、これを受けまして当局で再調査をしたわけでございますが、受給者の中には、病気等のため実際には操業していなかった者とか、あるいは補償対象漁業以外の漁業に従事していた者が含まれておったというわけで、そのような報告を当局から受けているところでございます。
#185
○林紀子君 調査をなさったということですけれども、その調査というのはまだまだ不十分な面があるというふうに現場では言っているわけですね。
 防衛施設局は会計検査院に言われて調査をしたわけですけれども、まず昨年、一九九二年の七月二十一日にその調査が組合事務所で行われました。この際、補償該当為種、一本釣りや建て網や底びき、これを操業していない例えばノリやカキなどの養殖業者に対して、一本釣りをしているように言えばよいと、虚偽を述べるように面接の前に理事が組合員に教えて、施設局の係官も必要な書類があるかないかも調べなかった、真相をつかもうとしていなかった、こういうことが報告されているわけです。そのときこの理事というのが実際にカキやノリの養殖業者に対して、あんた、カキをしているけれども、それは補償の対象にならないということをしゃべっている録音テープがあるわけなんですね。その録音テープを起こしたものというのを私はここに持っているわけなんですけれども、そういう意味では本当に施設局の係員というのは真相を調べるという立場でやったのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#186
○説明員(中村弘君) 御説明申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、広漁協にかかわります漁業補償に関しましては、検査院等の御指示もございました。こういうことから、先と言われておりますように、昨年の七月から八月にかけまして、補償対象者一人一人の対面方式という形をとらせていただきまして、操業の有無の実態についての聞き取り調査を実施しました。
 また、漁業者の都合によりましてその対面調査ができなかった者につきましては、調査票をつくり、それに記入していただくということで組合に依頼し、それについても提出していただいたというところでございます。
 それで、この調査に基づきまして、この平成五年の二月に、病気などのため以前から操業を行っていないと証言していた者、あるいは申請と実際の操業に違いがあるんじゃないかという者について、それぞれ補償対象者一人一人と対面方式によりその操業の実態の再確認を行いました。例えば、病気のため以前から操業を行っていないと証言していた者などにつきましては、その入院先の病院へ行きまして確認するとか、また申請と実際の操業に相違のある漁業者につきましては、漁船あるいは漁具、こういうものを確認することによって、その操業の実態ということについての確認をしたところでございます。
 以上のような調査を行った上での話であるわけでございますが、先生御指摘の受給対象外のノリとかカキとか、いわば養殖業者であるわけですけれども、それらについてはいまだにその補償金を返還していないという話でございますが、この点につきましては、ノリあるいはカキ養殖業者でも、片や対象となっております一本釣りなどの補償対象漁業の種類をあわせて操業しているという場合には、当然補償の対象として受給資格を有している者でございますので、これらの対象漁業者に対しては適正に補償されているという考えておりますし、当庁の調査によれば御指摘の事実はないということで我々は承知しているところでございます。
#187
○林紀子君 面接できなかった者については組合に任せたという話もあるわけですが、その組合長や理事が虚偽の申請をしようということでやっているわけですから、そこに任せても真実というのは明らかにならないと思うわけですね。必要な書類による調査というのがいまだになされていないというふうに思うわけです。
 この結果、補償金を返還したのは、いや、自分はカキしかやっていないから、そのことは本当を言うと、真実を述べた十三人分だけ百五十九万円なんですね。組合では組合長はそのほかカキ業者などに真実を申告させないわけですから、多数の虚偽受給がある。正直者はばかを見るというような形にさせてはならないと思うわけですね。
 ですから、もう一度公正な調査をみずからする必要があると思いますので、その点を強く申し上げておきたいと思います。
 そして、会計検査院にはお願いなんですが、広漁協が受け取っている漁業補償については、資格のない漁協組合員が組合長や理事の言うままに資格があるように偽装工作が行われている。防衛施設局も必要な調査を今申し上げましたように行わないで、癒着をしているのではないかと、こういう疑いもあるわけです。この防衛施設庁が行っている漁業補償というのは、九一年度全国で四百四十四組合一万四千人、金額で三十四億円にも及んでいるわけですね。漁業補償が適正に行われ、本来補償を受けるべき漁民に補償が適正に支払われるように、運用上の改善というのも今後指導していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#188
○説明員(小野田博君) 確かに先生おっしゃるとおり、広漁協に対する漁業補償につきましては、受給者に対する審査が必ずしも十分でなかった、裏をとることを怠ったという面があると思われますが、本院といたしましても、こういう観点からの検査、あるいは交付の手続や制度面でさらに改善の余地があるかどうか、その運用が適正に行われているかどうかといった点につきましては、せっかくの先生の御指摘でもございますので、引き続き力を入れて検査を行ってまいる所存でございます。
#189
○林紀子君 運用上の改善ということもきちんと書類をもって調べるというようなことも指導していっていただきたいと思うわけです。
 この件に関しまして最後に水産庁にお伺いしたいと思うわけですが、まず組合長の問題なんですけれども、この組合長というのは漁民ではないんですね。スクラップ業者で、そして員外理事という形でここに入ってきているわけなんですね。今回の改正では員外理事がさらに拡大されるということになっておりますけれども、こういった事例を見ますと、この問題というのは大変大きいのではないかと思うわけです。
 そして、組合員の資格についても、組合長自身はこういう形でありながら、自分の意向に沿わない漁民を、正組合員の資格がある者を準組合員に落としてしまうというような、大変横暴きわまりない運営を行っているわけなんです。この漁協は、経済事業も信用事業も行っていない、ただ漁業権を管理するだけという漁協なんですね。ですから、現在のように漁業補償金の受け皿となっているような漁協なわけなんですね。それで、漁業補償金をめぐって組合長がさらに不正な受給をしている。こういうふうに大変大きな問題があるところなんですが、広漁協に対して水協法に基づいて適正な運営をきちんとしろという指導を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#190
○政府委員(川合淳二君) 今お聞きした点について、個別の漁協でございますので、私ども具体的に承知しておりませんけれども、組合員の資格につきましては、審査の公平を期するために、理事会の諮問委員会として委員会を設けさせるなど、従来から都道府県を通じて指導を行っているところであります。
 また、補償金につきましては、その配分につきまして適正を図るために配分に関する委員会などを設置いたしまして、配分の基準を総会決議するなど、補償金などの配分が公正に行われるように、これも指導しているところでございます。
 一般論でございますが、今お話しのような組合は非常に零細なところに問題があろうかと思います。私どもは今お聞きしておりまして、やはりこういう点からも今度の合併というのは非常に大事ではないかと思っておりますので、そういう面でも対応させていただきたいと思っております。
#191
○林紀子君 それはかなり我田引水ということなんじゃないかと思うわけですね。零細だからではなくて、適正な運営が行われていないというところに一番問題があり、それをきちんと指導していっていないというところに大きな問題があると思うわけです。
 最後に一点、今広島は二年続きで貝毒被害というのが出ておりますので、その問題について伺っておきたいと思います。
 県も漁業団体でも、自主検査によってこの貝毒早期発見、そういうことで被害を最小限に食いとめようと努力しておりますが、原因究明とヘドロの堆積など環境汚染を含めた抜本的な対策が求められていると思いますけれども、その点に関してお答えをいただきたいと思います。
#192
○政府委員(川合淳二君) 非常に憂慮すべき点でございます。広島におきまして麻痺性の貝毒の検査の結果、規制値を超えて自主規制がとられております。この原因につきましては、貝毒が特定のプランクトンを摂取することによりまして中腸腺等に毒を蓄積するというところまではわかっておりますけれども、これの発生機構等については不明な点が多いわけでございます。今後の研究にまつところが大きいわけでございます。
 水産庁といたしましては、この点につきましては従来から重点的に対策それから監視事業をやっておりますとともに、貝毒の発生メカニズムなど、あるいは青貝予知手法の開発などにつきまして平成五年からはさらに拡充して調査を行っております。一日も早くその点の解明をしたいと思っておりまして、現地ともよく連絡をとりながら対応していきたいと思っております。
#193
○星川保松君 初めに、海の環境保護についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の旧ソ連の放射性廃棄物の日本近海への投棄の問題でありますが、この旧ソ連の今回明らかになった報告書によりますと、日本海を含む極東海域には水深一千百メートルから三千七百メートルの計十カ所の投棄海域が指定されて、六六年から放射能にして約六百八十五兆ベクレルもの大量の放射性物質が捨てられたと、こう言われておるわけでありますが、この十カ所の捨て場というのはいずれも旧ソ連の領海内ですかそれとも公海もありますか。
#194
○政府委員(川合淳二君) 御質問でございますが、私どもはその辺について詳細なところはまだ把握しておりません。
#195
○星川保松君 詳細を把握していないということでは困るんですね。これには例えば北緯四十度十分、東経百三十一度十五分とか、これが出ているわけですよ。これははっきりもうつかんでおかなくちゃいかぬと思うんですが、早急にこれは把握してくださいよ。
#196
○政府委員(川合淳二君) 私ども、この問題についての検討会に担当課長などを出席させておりますが、私どもが聞いておりますところでは、現在いわゆる白書が出されまして、それについての解析をしているというふうに聞いておりまして、その正確な位置というものについて私どもはまだ承知していない現状でございます。
 お話でございますので、一日も早くその点は承知しなければならないと思っていることはそのとおりでございます。
#197
○星川保松君 これは経度と緯度を出しているわけですから、すぐつかめないわけがないんですね。
 それで、「原子炉が投棄されたとみられる海域周辺では、日ロの共同事業でマダラ漁やイカ漁が行われている可能性がある。」と報道されておりますが、行われておりますか。
#198
○政府委員(川合淳二君) 先ほど申しましたように具体的な位置関係が必ずしもつまびらかでございませんので、そういう可能性を否定することはできませんが、私どもはまだそこまで正確につかんではいないわけでございます。
#199
○星川保松君 どうも対応が遅いような気がしますね。
 私もこの質問に当たって地元の山形県漁協に行っていろいろお話を聞いたんですが、どうもイカ漁などがそっちの方に行っているような話があったんですよ。
#200
○政府委員(川合淳二君) お話しのとおり、その辺の水域で例えばイカ漁あるいははえ縄などが行われているという可能性があることは事実でございます。しかしながら、それが正確に私どもがどの位置でどういう関係になっているかということについてまだ知り得ない状態にあるということでございます。
#201
○星川保松君 それで、今度は科学技術庁にお伺いしますが、この核廃棄物の海洋投棄についてヤブロコフというロシア大統領顧問が七日に毎日新聞のインタビューに応じたということでありますが、この中では、いわゆる固体の廃棄物とそれから液体廃棄物を投棄したと、こういうことなんですね。それで固体の廃棄物の方は、例えば作業用の手袋、帽子、服など、こういうものは金属製のコンテナに入れて海洋投棄をしたと。ところが、そのほかの液体廃棄物はそのまま捨てたんでしょうね、これは。「投棄俊二、三時間で海洋中に溶解し、検出は不可能となる。」ということですから、これはそのまま捨てたというふうに見ていいでしょうか。
#202
○説明員(折田義彦君) ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、現在白書を分析しておるところでございます。
 それで、詳細について確定的なことを申し上げる段階ではございませんが、我々、白書を分析あるいは検討した結果でも、液体廃棄物についてどのように具体的に投棄しているか等についてはまだその詳細を、白書の内容から見て確定的なことが、はっきり具体的にこういう投棄をしておるということについて明確でございません。それは、白書という資料をもとにして検討しただけの結果ではそれ以上のことはちょっと申し上げられないという状況でございます。
#203
○星川保松君 どうも私は反応が遅過ぎるという気がしてならないんですが、ここではっきり言っているわけですよ。「投棄俊二、三時間で海洋中に溶解し、検出は不可能となる。」というんですから、そのままこれは捨てているんですね。
#204
○説明員(折田義彦君) 推測でございますが、白書のその文面だけを見た限りでは、直接液体のまま捨てているのかあるいは何かの容器に液体廃棄物を入れて捨てているのか、そこら辺がまだはっきりとはわからない点でございます。
 こういう点につきましては、関係省庁の御協力を得ながら疑問点を今取りまとめておりまして、それをロシア側に問いただすというような方向で作業をしております。
#205
○星川保松君 これ、「海洋中に溶解し、検出は不可能となる。」なんてのんきなことを言っていますけれども、食物連鎖ということで、プランクトンがごく少量の放射性物質を食べる、それを今度は魚が食べる、その小さな魚を今度はさらに大きな魚が食べる、あるいは海草に蓄積されたものを魚が食べる、そういうたびにこれが何千倍というふうに濃縮されるというんです。
 だから、検出不可能になってもう薄くなったからいいんだみたいなことで、それは結局漁業の方で、各段階、食物連鎖の都度都度濃縮されて、後で大変なことになると言われているんですが、これは長官どうですか。
#206
○政府委員(川合淳二君) 私どもといたしましては、従来から近海におきます放射能調査を、これは日本海でございますが行っているわけでございます。これにつきましては、海底土あるいは海底の生物ということでございまして、今回この調査を従来よりも早めまして四月十八日から開始するということにしているわけでございます。
#207
○星川保松君 それから、このヤブロコフさんが、共同調査のため日本側専門家と協議、協力する用意があると、こう言っているというんですね。これについては科学技術庁はどういう対応をしているんですか。
#208
○説明員(折田義彦君) 政府の放射能対策本部幹事会で海洋調査につきましてはいろいろ検討しておりまして、先ほど水産庁の方からお話があったようなことで四月十八日から海洋調査を始める予定でございます。
 ただ、ロシア側との共同調査につきましては、これは外交的な問題でもございますので、もちろん外務省の方も対策本部幹事会に出席しておられますが、その中で共同調査の可能性等につきましても検討を進めていきたいというふうに考えております。
#209
○星川保松君 それで、海洋科学技術センターでは海底無人探査機それから潜水調査船などを持っているわけなんですね。そういう船の使用によって、例えばその投棄された現場、先ほど言いましたように千百メートルから三千七百メートルのその現場までの調査は可能ですか。
#210
○説明員(折田義彦君) 海洋科学技術センターは直接私の所管外のことでございますが、参考として申し上げれば、潜水調査船等による海底における人工物体の調査につきましては、一回の潜水調査で調査可能な範囲が限られるため、放射性廃棄物の存在する地点が極めて正確に特定されていることが必要でございます。しかしながら、現在の情報では地点が特定されておらず、対象とする海域が広大でありますため、技術的に見て今後地点を特定することが容易ではないと見られることから、潜水調査船等による調査に着手できる状況には現段階ではございません。
 いずれにいたしましても、海洋放射能調査において具体的にどのように対処するのが適切であるかについては検討を進めまして、関係省庁等と連携して的確に対応してまいる必要があるというふうに考えております。
#211
○星川保松君 それでは、具体的にあなた方が調査をするという場合は、どういう船で、どういうところへ行って、何を調査するんですか。
#212
○説明員(折田義彦君) 政府の放射能対策本部幹事会で決まっておるものにつきまして御説明申し上げます。
 まず、海上保安庁の方でございますが、海上保安庁水路部測量船「昭洋」で四月十八日から四月三十日、もちろんこれはすべて日本海でございますが調査をいたします。それから、気象庁では海洋気象観測船「清風丸」で五月上旬から下旬。水産庁につきましては、調査船「みずほ丸」で四月十八日から四月二十七日。放医研では海洋調査船「なつしま」、これは海洋科学技術センター所属でございますが、それを用いまして五月上旬より実施するということでございます。
 内容につきましては、海水あるいは海底土、そういったものの分析調査を行うということでございます。
#213
○星川保松君 それから固形の廃棄物、これなども決して金属製の入れ物に入れたからといって安心できるものじゃないと思うんですよ。といいますのは、アメリカの場合ですけれども、ワシントン州の砂漠の中で百八十ほどの地下タンクに四百万リットルの廃液がたまっている。ところが、八割のタンクは強度は弱く、腐食などで穴があき、土壌汚染が進行中だということなんですね。陸上でこういう状態なんですよ。これが海の中、海水の中、しかも大変な水圧のもとなわけですよ。これだって決して安心はできないと思うんですが、これについてはどう考えますか。
#214
○説明員(折田義彦君) 海洋投棄された放射性廃棄物の形状、材質、そういったものにつきましては、白書を今詳細に検討しておるところでございますので、確定的なことは申し上げられませんが、いずれにせよ投棄の実態や海洋環境放射能調査の結果を踏まえまして、専門家からの意見も徴しつつ、当該投棄に係る環境への影響等について判断した上必要な対策を講じていく必要があるというふうに考えております。
#215
○星川保松君 そういうことで、まだ投棄された当初の段階では入れ物もそう壊れていないとすれば、引き揚げるという方法も可能かもしれないんですよ。それがある程度の時期を経てしまって腐食やなんかが進んだらもう手がつけられなくなるわけですね。だから、これはロシアの方も共同調査に応ずると言っているんですから、早いところ打ち合わせをして手を打たなければ、これは何百年じゃないですよ、もう何千年とその害を及ぼすということになるわけですから、その点についてもっと急いで対応してほしいと思いますが、どうですか。
#216
○説明員(折田義彦君) 先ほども申し上げましたように、日ロ間における共同海洋調査の可能性につきまして鋭意検討しておりますとともに、外務省の方からの話によりますと、日ロ間で必要な委員会というか、そういった共同調査のために必要な仕組みをいろいろ検討するべく外務省でいろいろ勉強しておられるというふうに聞いております。
#217
○星川保松君 科学技術庁はもういいです。とにかくもっと急いで真剣に取り組んでください。そう言っておいてくださいよ。
 それで、放射能なんということになりますと何といっても魚が心配になってくるわけですよ。その心理的な面においてもこれは大変大きな問題であると思うんですね。それで、やはり科学技術庁に任せておくというわけにいかないと思うんですわ。水産庁の方も、特に魚についての影響というものを常時これは監視していかないことにはもうどうにもならない。だんだん不安が募るというおそれがあるわけですね。
 そういうことになりますので、水産庁独自のそれへの対応をしていかなくちゃならぬと思うんですよ。それにはやっぱり調査ということだろうと思うんです。私よくわからないんですが、水産研究所には七つの各所属する研究所ごとの調査船を持っているわけですね。この調査船はそうした放射能の測定機器などを持っておりますか。
#218
○政府委員(川合淳二君) 調査船にはそうした測定機器は装備されておりません。したがいまして、今私どもが。考えておりますのは、従来からやっているわけでございますけれども、採取してきた土について研究所あるいは委託した研究機関で測定をするという手法でございます。
#219
○星川保松君 それは、各検体を持ってくればその七つの研究所はそれぞれ細かい測定をする準備がありますか。
#220
○政府委員(川合淳二君) 私どもの中央水産研究所というのがございますが、そこで集中的にやっているところでございます。
#221
○星川保松君 水産研究所は大体水区を分けておりますね。この水区で分けてみた場合に投棄されたところに近い水区はどこですか。
#222
○政府委員(川合淳二君) 日本海区水産研究所、新潟市にございます研究所でございまして、今回まず最初に調査船を出すのはここの調査船でございまして、「みずほ丸」という百四十トンの船で必要な採取をしようということでございます。
#223
○星川保松君 とにかく心理的な動揺が広がりますと大変なことになりますから、これは漁業者にとっても、それから魚を食べる国民にとっても大変なことになりますから、ひとつ水産庁も十分気を遣って進めていただきたいということを要望しておきます。
 それから、これは全漁連の資料でありますけれども、この資料によりますと、「海と森と大地を結ぼう」ということで小島さんという人の文書がこれに載っているんですよ。
 「海の魚介類にとって「生命のゆりかご」とも言える干潟、藻場が過去十三年間でどれだけ減少したか」ということが環境庁から発表されたことがあるんですね。私は見ておりませんが、長官は見ておられると思います。それで、この「今回の調査で藻場を大規模に失ったのは熊本、北海道、秋田、宮崎、青森、岡山県などだ。」ということであります。「海の沿岸は林業からも、農業からも影響を受ける。森林伐採があれば、水の流量が不安定になり、川が荒れて、大地が危うくなる。そして大地、川が汚染されれば、海が傷つく。どちらにせよ、海は最終的なツケをすべてかぶる。」。
 それで、「いま日本中の海岸が侵食され、砂浜が消えてゆく。川という川に砂防ダムができ、砂の供給が止まったのも原因のひとつだ。鳥取県の皆生海岸では砂浜がなくなって、地引き網漁の一部(漁業権の放棄)が消滅してしまった。このままだと、いずれ日本列島の沿岸は刑務所の塀のように消波ブロックかコンクリートの堤防で囲まれてしまうだろう。」、こういうことを書いているんですね。
 それで、いわゆる海を守るには山から砂防のことから川の方から協力を求めていかなければ環境保全はできないわけですよ。そういうことで、おかの方からの影響で海の方の海岸がどのように汚染されたりあるいは破壊されているというふうにとらえているか、まずそこからお願いします。
#224
○政府委員(川合淳二君) 海の環境の保全のために森林あるいは水田などの濁水防止機能ということは非常に大事だと思っております。濁水防止というだけではなくて、これは非常によい例として北海道の襟裳岬のところに、昭和二十五年ぐらいからでございましょうか、国有林のところで木を植え始めまして、砂防林でございますが、その結果あそこの海の資源がよみがえったという非常にいい実例がございます。
 そんなこともございまして、もう一方サロマのあたりでございましょうか、あそこらあたりで漁協が木を植えるというような活動を具体的にやっている例がございます。私どももそういうことに着目いたしまして、最近「森林と魚」というパンフレットなどつくりまして、こうした関係をよく理解していただくために説明すべく私ども努力しておりますし、地域によりまして森林と海との関係につきまして、あるいは水田と海との関係などにつきまして理解が進んできておりまして、いろいろな取り組みがこれから出てくるんではないかと期待しているところでございます。
#225
○星川保松君 一番川上の森林ということになりますと、一番まとめて大きく持っているのは林野庁なわけですね。それから砂防をつかさどっているのは建設省だと、それからその下は建設省あるいは市町村ということなわけでありますけれども、それらの方々は流してやればもう目の前からなくなるわけですから、ですから海のことというのはやはり余り関心がないのではないかというふうに思うわけですよ。
 したがって、山の担当にも砂防の方にも、あるいは河川の監理などをする方々にも海の実態と変化の実態というものをもっときちんと把握してもらう必要があると思うんですよ。そういう努力はなさっておるのか、今後なさろうとするのか、その点お聞きしておきます。
#226
○政府委員(川合淳二君) 先ほど申しましたように、私どももそうした必要性を感じておりまして、こうした事実の普及広報に努めてきております。幸い林野庁と水産庁は同じ農林水産省の屋根の下にいるわけでございます。しかも先ほど申しました襟裳の例は国有林の方からそういう働きかけがあったということでございます。
 したがいまして、こうした事実をよく説明いたしまして、この必要性、これは最近では河川につきましても、河川の環境を守ることによって内水面の水産物を保続培養しようという試みもいろいろな形で出てきておりますので、非常に大事なことでございますので、もちろん私どもの方がある意味では受益でもありますが、一番最終的な環境を守るべき役割の役所でもございますので、これからも国民の理解それから関係機関の理解を求めてまいりたいと思っております。
#227
○星川保松君 そういう理解を求めるために何か協議会みたいなものでもつくって進めていただければ幸いだと、こう思います。
 時間もなくなってきましたが、酒田にあります山形県漁協に行きましていろいろお話を聞きました。いろいろ困ったことがありますが、やはり若手の後継者がいないと。私の方は県立の水産学校が一つあるんですけれども、そこの卒業生も海の方に就職しないでほかの工場なんかに行ってしまう。どういう原因でしょうかということを私が言いましたら、沿岸漁業の場合は、それはしけのときには出られないし、なぎになれば出漁する、だから休日も祭日も何もないんだ、そういうことが一番大きく影響しているというようなことを言っておったわけですよ。
 このことは私は、広い意味での農業ですね、これすべてに当てはまることじゃないかと思うんですよ。例えば稲作、畑作の場合も田んぼに病虫害がついた。しかし、その日が休みだからといってこれは放置できないんですね。それから畜産はもちろんもう一日たりとして放置できないわけですね、えさをやらなきゃなりませんから。それから、私は養蚕のあれに育ったんですけれども、養蚕の場合はいわゆる四齢、その四つ私たちは寝ると言うんですけれども、その寝たときだけが蚕は桑を食べないわけですから、そのときしか休みがとれないんですね。
 そういうふうにすべて生き物を扱っているわけですから、労働時間というものをその生き物の方に合わせてやらなければならないわけですね。ですから、いわゆる新農政の中でも言っておりますように、他産業並みの労働時間というようなことでは、長さだけでは到底比較にならないんですね、これは。
 そういうことからいいますと、農林水産業の場合の跡取りというのは、そういうふうに工場あたりで休むような労働時間のあり方とは違う。違うんだけれども、今度はまた、これは新農政の中にうたってありますけれども、いわゆる創意工夫を使えばそのまま自分に返ってくるという非常にやりがいのある職業だということでは、そしてまた、生き物を扱い、自然の中で働くということでは、ほかではないんだということをもっと強調して後継者を育てていかなければ、後継者は出てこないんじゃないかなということをつくづく思ったんですが、これはひとつ大臣からお考えをお聞きしたいと思います。
#228
○国務大臣(田名部匡省君) いろんな例があると思うんですが、農家の子供たちも今は農作業を昔ほど手伝わない、漁業者も同じようなことでありますけれども。何か西の方のけさかきのうの夜のテレビですかね、ここは何とか制度というのがあって、高校を卒業すると二十五まで共回生活を一軒の家へ行ってやるんですね。それで、漁業後継者になるわけですけれども、見ておりますと小さいときから手伝いをしているんですね。そういうことで、それにもう専門の知識というものを若いときから持っている。インタビューを聞いておりましたら、もう生き生きとしているんです。ですから、やっぱりそういう環境というのは大事だなと。今は、学校へ行く、クラブ活動をやるということで、余り親と一緒になって農業、漁業をやらぬという環境で育つものですから、そういうことになっていくんだろう、こう思います。
 おっしゃるとおり、悪い面ばかりではなくて、いい面もあるわけですから、委員がお話しになったように、私どもも極力そういう環境を整える。まあ、場合によってはどうしても無理なのも中にはあると思うんです。しかし、目標は立てて、それに向かって努力をしてもらう。我々もまたそのための、どうすれば環境整備によってできていくか、その努力を続けていくことが大事だと私は思うんです。どうぞ、そうしたことでこれからもいろんなことで次々と、これにとどまることなくいろいろ御提案申し上げて、努力をしていきたい、こう考えております。
#229
○星川保松君 終わります。
#230
○喜屋武眞榮君 あと七年で二十世紀は終わりを告げ、二十一世紀に突入するわけでありますが、顧みて、二十世紀の人類は主として陸上に産する資源、陸上資源に頼って今日まで生き延びてきたわけです。主としてというところに一つ重点事項があるということを申し上げておきます。
 二十一世紀に向けての人類は主として海洋資源に頼って生きていくんだと言われておりますが、私もこれには同感をするものであります。
 ところで、宮澤総理は二度にわたって私の質問に答えて沖縄に行くことを一応約束しておられるんです。ところが、総理の念頭には二つの未解決の問題が絶えずのしかかっておるように察せられるわけです。その一つはお察しするのに戦争マラリアの未処理の問題、二つは厚生年金の格差是正の問題、この二つが宮澤総理の念頭に絶えずのしかかっておるということを私はお察ししておりますが、まさしくこの二つの問題は戦後処理の中で未解決の問題として取り残された最も重要な問題であると私も思っております。
 そのことについて宮澤総理が絶えず念頭に置いてもらっておることは大変いいことであると思うんですが、念頭に置いたってしょうがない、問題は、どうこれにこたえていくか、解決していくかということに問題があるわけですが、そこに今、戦後処理の国の問題として残された大きな問題があるということをひとつ農水大臣もぜひ念頭に置いていただきたいと思います。
 そこで、私はもう国会に籍を置いて二十年を超すわけですが、いちずに追及しておる問題点がございます。それは何かと申し上げますと、詳しいことは申し上げませんが、あらまし申し上げると、去る戦争に向けて、沖縄戦に児童生徒がおることは、これは戦争に邪魔になる、困る、いろんな面からこれは言われておるんですが、それで九州を中心として疎開をすることになったわけなんですね。その疎開学童六百名余り、父兄と合わせて千五百名前後ですね、大島沖の悪石島沖で米軍の潜水艦に直撃を受けまして沈没した、悪石島沖で沈没した疎開船「対馬丸」。この「対馬丸」がいまだにその船の行方を、どの辺に沈んでおるということは、ずっと私の追跡によって四カ所の場所を、このあたり、このあたり、このあたり、このあたりとA、B、C、Dの場所らしいということは答えておりますが、問題は、それならば、早くそのA、B、C、Dの場所のうちこれであるということを確認して、その沈んだ疎開船の「対馬丸」を引き揚げて、遺骨もきっとあるでしょう、その遺骨をそれぞれの遺族にお返しするという、こうして遺族はその遺骨を受けとめて自分たちのお墓にお祭りをすると。その遺族ももう百歳近くに、八十を超しまして、老父、老母になって、いちずにそのことを夢見て生き延びておるという状態でございます。私は、その遺族のためにも早く国の力でこの疎開船の「対馬丸」を突きとめて引き揚げて、そうしてそれぞれの遺骨をその遺族に返してあげるべきである。そうしない限りこの問題は終わらない。
 去る戦争で沈没した船というのは、政府が調査をしまして百七十隻、約二百隻近い日本近海で沈んだ船があるということもはっきり調査でわかっておるわけでありますが、この沈没船、その中に「対馬丸」という学童疎開の犠牲になった沈没船があるわけです。
 今まで私は何十回となく質問主意書やあるいは委員会においてそれを取り上げてまいりましたが、今までの政府の答えは、予算がないとか技術的にとか、いわゆる人間の潜水能力というのは三十メーターまで潜水ができるといった時代がありました。ところが、今日では三十メートルどころか、三百メートルどころか六千メートルも沈下できる日本の科学技術を持っておりますね。それからすれば、やってやろうという意思があるならばこれはもうたやすいことであると私は思っております。お金の問題にしても、そういうものにこそ国の予算を使ってしかるべきである、異存はないと私は思うわけであります。
 現時点において、この沈没した学童疎開の「対馬丸」、これが今A、B、C、Dの四カ所が概略調査で浮かび上がっております。まず、その一点はA、B、C、Dのどの点であるかをはっきり確認するということ、それを確認した暁にはそれを引き揚げる、このことが今回の追及の私の心であります。どうかひとつ農水大臣、そのことは私の分野じゃないと、そうはおっしゃらずに、国の責任において大臣とされてこの問題を戦後処理の一つとして自分たちの問題として受けとめてもらって、ぜひこの問題を解決の方向に、前向きに心も技術も金も結集してその実現に努力してもらいたいということをまず農水大臣に要望いたしますが、いかがですか。
#231
○国務大臣(田名部匡省君) 今お話しのことでありますが、私も大変な悲惨な事故であった、こう思っておりまして、本当に捜索できるものなら一日も早く捜索してあげたい、こう思いますし、閣内でもよく私からもお話し申し上げて、さらに取り組みをしていくように努力をしていきたい、こう思います。
 私もマダガスカルで、日本の特殊潜航艇というんですか、あれが二隻ほど沈んでおるというのはわかっているわけです。捜索をしたんですが、あの湾内にあることはわかっておってもなかなか捜せなかった。考えてみますと、大体この辺でないかなと思っても広い海で捜索するというのは本当に大変だな。吹田ナ先生が六月にまた訪れましてその一隻を何としても捜すということでやっているようでありますが、いずれにしてもちょっとずれるともう当たらぬものですから、非常に困難をきわめておったんだろう、こう思いますが、よく総理にも伝えておきたい、こう思います。
#232
○喜屋武眞榮君 この問題を大臣お一人の責任において進めてもらうということは、これは無理だということも私はよく存じ上げております。でも、だれかがどこかでその沖縄県民にかわって言わなければ、だれも言わないということになりますといつまでもそれが葬り去られるということになります。これも戦後処理の大事な一つとしてぜひ念頭に置いてくださって、この喜屋武がもし閣議にでも出席できるんならば皆さんに真心を込めて訴えたい気持ちもあるわけですが、そのことは無理であるということも私はよく存じ上げております。
 ですから、喜屋武の気持ちを農水大臣に受けとめてもらって、機会をとらえてぜひこの問題を少しでも前向きに前進させてもらいますように、これが解決するまでは私はいつまでもどこまでも追及していく姿勢を持っておりますので、ひとつ念頭に置いてくださって、絶えずそのことを取り上げてくださるように特にお願いを申し上げまして、次に移らせていただきたいと思うんです。
 現在、沖縄県における水産業協同組合の数は、沿海地区出資漁協が三十五、漁業剔出資漁協が二つ、かまぼこの水産加工業協同組合が一つとなっておりますが、これらの組合の資産規模を見ますと、例えば沿海地区出資漁協の一組合平均の資産は平成元年度において約八億八千万円であります。昭和六十三年度の全国平均は約十四億円であることから、全国平均のわずか六割の規模にすぎないということになっておりまして、微々たるものであります。しかし、組合員数を見ますと、沿海地区出資漁協一組合平均の正組合員数は平成元年度末において百三十一人であり、全国平均の百七十一人と比較して資産規模ほどの格差はないということが言えます。
 このように、組合員数ではそれほどの格差がないにもかかわらず、資産規模においては約六割しかないという状況にあり、また全国的に見ても極めて零細であるということから、沖縄県の水産業協同組合は多様化する組合員のニーズにこたえることができないなどの問題を抱えており、沖縄県の漁業の脆弱性を露呈した形になっております。漁業を取り巻く環境は今後ますます厳しくなることが予想され、水産業協同組合の果たす役割は大きくなっておるし、複雑多様化する漁村経済の中心として従来よりも一層大きな役割を果たすには水産業協同組合の経営基盤を緊急に強化する必要がございます。
 沖縄県における水産業協同組合の現状について政府はどのように認識しておられるのか、また現状を踏まえどのような経営基盤強化策等を考えていらっしゃるのか、まずお伺いをいたします。
#233
○政府委員(川合淳二君) 今お話しございましたように、沖縄県の漁協は現在三十五あるわけでございますが、貯金残高で全国平均の六割、貸付残高あるいは購買事業では四割、販売事業は三割というような小規模でございます。農協と違いまして、販売事業に収益基盤と申しますか経営基盤を置いております漁協として、その規模が全国の三割ということは非常に厳しい状況にあろうかと思います。それを反映いたしまして、損失組合が約三割、繰越損失を持っている組合が半分というような状況でございます。
 財務改善を図ることが緊急の問題でございますが、当然のことながら漁業振興ということを図る必要はございますけれども、同時に、合併や事業統合の計画を持つものにつきましては、先ほど来申し上げておりますような、私どもが今回特別に事業として準備いたしました漁協事業基盤強化総合対策事業、これを施策の中心に据えまして合併を推進するとともに、経営の基盤の強化、このためには必要な事業も同時に行うというようなことも必要かと思いますので、県あるいは県漁連などともよく相談しながら、今後の対策に対応してまいりたいと思っております。
#234
○喜屋武眞榮君 お伺いしたい点がまだ大分残っておりますので、今の御答弁に対してもさらにお尋ねしたい点もありますけれども、一応次に移ります。
 最近の我が国の漁業においては、諸外国の二百海里内及び公海における漁業規制の強化に伴い、我が国二百海里内を主な漁場とする沿岸漁業の重要性が高まっております。沖縄県における沿岸漁業の生産量は近年ほぼ横ばいで推移しておりますが、既存漁場はほぼ利用し尽くされており、一方、資源的にも余裕があると推測される浮き魚を対象とする漁場においては、近年における表層魚礁、パヤオの急速な普及により着実に生産が伸びており、沿岸漁業の生産構造に大きな影響を与えつつあります。沿岸漁業の重要性が高まっている状況の中で、集魚効果が高いパヤオの設置を積極的に推進していくことが必要と思われます。
 そこで、今後、沖縄県における沿岸漁業の振興策について、特にパヤオの設置推進について政府はどのように考えておられるか、お伺いをいたしたい。
#235
○国務大臣(田名部匡省君) パヤオにつきましては、浮き魚礁の一種でありますけれども、本格的な浮き魚礁につきましては、その耐久性などの研究を社団法人マリノフォーラム21が今実施をいたしておりまして、その成果を踏まえて今後の対応について検討していきたい、こう思っております。
#236
○喜屋武眞榮君 もう一つだけ質問させてください。
 沖縄県における漁港の整備状況については、現在八十四港が漁港に指定されておりますが、七次までの漁港整備計画で完了した漁港は約半数の四十四にすぎません。多くの漁港が未整備の状況にあります。
 来年度から第九次漁港整備長期計画が始まるわけでありますが、この計画で沖縄県における漁港をどのように整備する方針であるのか、計画をお伺いいたします。
#237
○政府委員(川合淳二君) 今お話しございましたように、七次計画までに四十四港を手がけてまいりました。現在、八次計画で実施している港数は三十六でございます。次期の第九次の計画を策定すべく沖縄県とも打ち合わせを行っているところでございまして、来年度に長期計画をつくることになっておりまして、その積み上げ作業を今やっているところでございます。
 したがいまして、具体的に数を申し上げるわけにいきませんけれども、県並びに地元の意見を十分配慮してこの計画に織り込めるように検討を進めていきたいと思っております。
#238
○喜屋武眞榮君 最後の質問でございますので、的確に御答弁願います。
 それは、平成五年度予算において、亜熱帯における水産研究に関する支所設置検討調査費が計上されておりますが、検討するだけということではなしにできるだけ速やかに設置していただきたいと思います。その設置の場所もぜひ沖縄に設置してもらいたいんですが、大臣の御所見を伺いまして、私の質問を終わります。よろしくお願いします。
#239
○国務大臣(田名部匡省君) 亜熱帯水域における水産研究を総合的に推進しようと思っておりまして、国の試験研究機関設置に関する調査を今お話しのように実施いたします。
 この試験研究機関の実際の設置については、調査を見なければわかりませんが、これは設置する方向でやるものでありますから、調査が終わり次第やろう、こう思っております。
#240
○新間正次君 新聞でございます。
 先回の参考人の方々からいろいろな貴重な御意見をお伺いしたときにもちょっと触れさせていただいたわけでございます。この水産三法と直接かかわりがあるかどうかはわかりませんけれども、私は前にも申しましたとおり釣りが大変好きでございまして、世界じゅうを釣り歩いたといいますか、カナダ、アラスカ、メキシコそれから大西洋と、主として外洋の釣りをやってきたわけでございます。
 ことしが国際先住民年の初年度でもあるということもあるんですが、アラスカへ入りましたときにエスキモーの方々などともいろいろ交流したこともありますけれども、彼らが私どもに言いましたのは、我々は食べたいときに食べたい魚を食べたいだけとるんだということを言っておりました。これは、ある意味においては資源保護といいますか、そういう意味では大変貴重な示唆といいますかアドバイスを受けたような気もいたします。
 それから、きのうの読売新聞を見ますと、サステーナビリティーという、農林水産や地球環境分野で持続可能性ということでしょうか、そういう視点が重視されてきたという記事が出ております。平成五年度日本農学会シンポジウムでも、農林水産物の生産方法が生産物の再生産や地球環境に与える影響など、サステーナビリティーをめぐるさまざまな問題が論議された。森林、農作物、あるいは家畜、水産資源には、本来収穫したものも一定の期間を過ぎれば自然にもとに戻る再生力があり、持続的利用が可能である。これがサステーナビリティーだが、大規模あるいは近代化した生産様式が地球環境にも脅威を与えつつあるというような記事も出ております。また、水産資源については増殖した分をとるのが基本であるということ、これは私も全く同感だと思うのでございます。
 前段はさておきまして、今回の漁協合併に対する基本的な考え方でございますけれども、私の感触としてはどうも何か組織の組織による組織のための合併ではないだろうか。いわゆる漁民の漁民による漁民のための合併でなければならないわけでございますけれども、そういう面で漁業者の利益に結びつくものとなっているかどうか、その辺のところを長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#241
○政府委員(川合淳二君) この合併は合併のために合併するのではないということは御指摘のとおりだと思います。組合員のために合併するのでなければ全く意味はないわけでございます。ただ、非常に私どもが苦慮しておりますのは、そうしたことが組合員あるいは役職員というところに本当にどの程度理解されて、これはまことにおこがましい言い方ではございますが、理解されているのだろうかという点も私ども苦慮している点でございます。
 そうした事態を十分に理解してもらうべく努力することも必要だと思いますが、先生今御指摘のように、やはり組合員から盛り上がってくる合併でなければならないということはそのとおりだと思っております。
#242
○新間正次君 次に、農協合併などでは生じない漁協合併の問題点は何かということ。特に、農協の場合ですと面という部分でとらまえるというかつかまえることができるわけでございますけれども、漁協の場合ですと点というような形になってしまう。そういう難しさはあると思いますけれども、この点を何とか線にするような形、大同団結をして広域漁協となるような合併を推進する必要があるんではないかと思うわけでございます。その推進対策についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#243
○政府委員(川合淳二君) 漁協の場合は、農協と異なりまして、その事業自体が海に向かって外向きに動いているわけでございます。したがいまして、隣の漁協あるいは近隣の漁協との関係におきましても、求心的に結びつくという要素がなかなか今までなかったということが一つあろうかと思います。それの一つの例として漁業権というようなものがそれぞれの漁協にあるというようなことがございまして、漁場の管理がある意味では競合する面もありまして、そこでの調整、あるいはこれはある意味では紛争にまでつながるということで、隣の漁協と必ずしも仲がよくないというようなことが農協と違う点ではないかと思います。
 それに加えまして、資源の状況などが直接的に経営に影響いたしまして、欠損金とか固定化負債、それの格差というような問題があったということがあろうかと思います。
 したがいまして、一つは、最近になりまして漁協で一番問題になりますのは何といっても漁協の基盤であります販売事業でございまして、これは今のような先生の表現でございます点でやっていたんでは規模も小さいわけでございまして、なかなか十分な販売ができない。それを線で結ぶ、あるいは面で統括しまして、ある意味での規模にいたしまして、それで販売をするというような要素が非常に必要になってきているんではないかと思います。
 そういうことを含めまして、また先ほどの問題点としての経営格差あるいは財務格差などというものにつきまして、私どもは先ほど来申しております総合対策事業ということを柱にいたしまして合併の応援をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#244
○新間正次君 大変結構な考えだと思いますし、難しい問題を抱えているとは思いますけれども、これは漁村の活性化という意味においてもぜひ進めていただきたいなと思っております。
 それから、私も海辺育ちでございますので、おいしい魚を食べたい。どうしてもおいしい魚を食べるには自分で釣りに行った方が早いということで釣りに出かけたわけでございますけれども、ともかくいわゆる動物たんぱく質の中で魚類たんぱくというのは大変貴重な資源だと思います。そういう意味において、私どももたまに釣りなどに行きますと、遊漁船の組合の皆様方に献金をいたしまして、クロダイの稚魚なんかを放流するために少しでもお役に立てればと思って、これは自分がおいしい魚を食べたいせいもあるわけでございますが、献金をして放流しておるというようなこともやっております。
 その一例としてといいますか、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、三重県漁連とかあるいは北海道漁連などでは、他の地域と連携をして首都圏のスーパーとかあるいは水産加工業者の方々に魚介類を安定的に供給していると聞いております。消費者のニーズが多様化している今、このように地域間の連携が非常に重要になってくると思うのでございますけれども、その推進対策の強化という意味においてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#245
○政府委員(川合淳二君) 今お触れいただきましたように、広域的な流通関係の提携あるいは消費関係の提携ということが非常に最近必要になってきていると思います。これは漁業関係だけではなくて、例えば漁協と農協あるいは生活協同組合との関係などいろんな形で進められてきておりますが、私どももこういうことを応援すべきだと思っております。
 今、事例的に挙げられました三重県漁連につきましては、加工施設を三浦半島のところに活魚センターなどをつくって、ここを首都圏への供給基地にいたしておりますが、こうした施設につきまして助成をするというような制度をつくっております。また、広域流通につきまして、北海道漁連につきましてもそうした助成を行ったというような例を持っておりますので、こうした形で今後とも広域的に動く活動につきまして応援をしていきたいと思っております。
#246
○新間正次君 それから、員外理事枠を拡大するということになっているわけでございますけれども、その中に学識経験者の方なども入れまして理事に登用していただくとか、あるいは幅広く組合員の意向を反映するために青年層、婦人層の理事登用なども求められていると思います。
 ここに「春風と女たち」というところで、瀬戸内海に面する山口県では男女共乗りで出ていらっしゃる方々がかなりいらっしゃると。「海は男の世界じゃったからね」と曽我さんという方のお話が載っているわけでございますけれども、その曽我さんは今地元の牟礼漁業協同組合の婦人部長を務めていらっしゃる。漁を男女でしているからには、組合の活動にも積極的にかかわろうと呼びかけていると。組合側も女性の力を重視して幾つかの改革をした、女性の発言力を高めるために組合総会へ婦人部長と副部長が出席できるようにした、地域外の活動にも参加できるよう出張旅費などを組合が出すようになったということで、これは努力すればできることだと思うんですけれども、そういうような面についてどのような見解をお持ちでしょうか。
#247
○政府委員(川合淳二君) 最近の、最近と申しますか、漁村における婦人の役割というのは私は従来からかなり大きなものがあったと思います。男の方は船に乗って海に出るわけでございますが、残った陸上で御婦人方が果たすべき役割というのは、販売面あるいはその他の面でも、従来からもあったと思いますが、最近の担い手の変化の中であるいは社会経済的な変化の中でますます大きくなっていると思っております。ただ、残念ながら組合の中におきます、例えば今お話がありました理事に登用されている方々というのは非常に少ないわけでございます。組合長の方が今全国で二人おられますけれども、そんな状況でございます。
 しかしながら、婦人部というのは全国組織もできてきておりまして、横のつながりも徐々にではございますが広がっております。今般私どもが海の環境保全を進めていこうということでマリンブルー21という海と渚を守る組織をつくったわけでございますが、これの基金などにつきましてもこの婦人部の方々が率先してやっていただいておりまして、そういう意味で徐々にではございますがそういう横のつながりから漁村における婦人の役割が高まってきておりますので、こうした機会をとらえまして、組合の運営の中にもこうした方々の意見なり、そして意見だけではなくて、実際に役員に入ってやっていただくということを私どもも進めていくべく系統組織にも指導してまいりたいと思っております。
 それの前段階のことにもなりますが、正組合員加入ということも非常に大事なことだと思っております。これも進めていかなければいけないと思っております。
#248
○新間正次君 ここ十年、農業あるいは漁業ともに就業人口というのは三割から四割ぐらい減っておる。特にまた六十歳以上の高齢化社会を迎えているわけでございますけれども、その中で女性が請け負う負担というのは大変なことでございまして、まず介護の問題あるいは育児の手助け、あるいはヘルパーシステムとか地域の実情に合った介護施設などもこれから求められてくるわけでございます。これは厚生省の管轄にもなるかもしれませんけれども、農水省の方としてもぜひこれはお力添えをいただきたいなと考えております。
 それから、漁業外からの新規参入の現状と、またその実績が伸びてこない要因の分析を今回の法改正の中ではどのように生かしていらっしゃるんでしょうか、御意見をお伺いしたいと思います。
#249
○政府委員(川合淳二君) 私どもの今把握しております数字から申しますと、新規参入者の数でございますが、平成三年で五十七人、自営の就業者が三十三人、雇われの就業者が二十四人という数字がございます。平成二年が五十一人、元年が六十五人というような状況でございます。農業ですと例えば平成二年で七十四なんという数字がありますので、農業などに比べるとやや少ないわけでございます。その理由は、これは農業と共通する点があるわけでございますけれども、安定的な収入が得にくいとか、あるいは先ほどもお話がございました休日が定期的にとれないというようなことがございますが、漁業特有のなかなか入りにくい業種というようなこともあるのではないかと思っております。
 いろいろ最近の入った方々の事例などを見ますと、決して今まで関係ないところにいたからなかなか入りにくいということではなくて、例えば普通の会社員だった方が地元でついたとか、あるいは地元ではなくて島に移住して漁業についたとかいう事例がありますので、これは受け入れ側の方も十分開かれた形で受け入れれば、かなりそうした形で希望してこられる人もあるのではないかと思っております。私どももこうした人たちの実例などをもう少し調べて、優良事例と申しますか、そういうものも広く知らせていくというようなことも必要がなと思っているところでございます。
#250
○新間正次君 それと関連してくるのではないかと思いますけれども、最近レジャーブームといいますか、海洋レジャーというのが大変盛んになってきている。いるのは結構なんですが、漁業者の方との間にいろいろなトラブルもまた発生してきているわけなんですね、漁網を切ってしまったとかあるいは事故を起こしたりなど。こういう場合に私の考え方として、若い人たちがそういうところに集まってくるという意味においては、地域の活性化を図るためにもむしろ漁協などが中心となってそういう海洋レジャー産業に取り組む姿勢があってもいいんじゃないかなというような気がするんですけれども、その辺はどのような御見解をお持ちでしょうか。
#251
○政府委員(川合淳二君) 遊漁あるいはダイビングあるいはそのほかの海洋性レクリエーションということは最近非常に国民的要請も高まっております。地域によってその熟度は違っておりますけれども、かなり都市近郊の漁業協同組合などでは積極的に取り組んでいる例は御承知のようにあるわけでございます。
 今後全国的にそうした広がりが出てくると思いますので、海の利用につきましてノウハウとかある種の経験を持っています漁協でございますので、先ほど来大臣も申し上げましたように、所得あるいは就業機会の拡大という面から考えましてもこうした問題に取り組んでいくことが非常に大事だと思っております。平成二年の水協法改正に漁場利用事業の一つとして遊漁船業ができるような形で追加しておりますが、これは一つの事例でございまして、そうした形で漁協が取り組むということについては私どもも推進し、適正な指導をしていかなきゃいけないというふうに現在思っているところでございます。
#252
○新間正次君 先回の参考人の方々の御意見の中にも、そういう若い人たちが集まれば嫁不足の悩みも解決されるというようなお話も出ておりましたので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいなというような感じがするわけでございますし、また先ほど風間先生もちょっと触れていらっしゃいましたけれども、水産高校、水産大学あるいは大学の水産科などにもそういうレジャー部門みたいなものの学科ができてきてもいいんじゃないかなというような感じがするわけでございます。
 時間が来てしまいましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思いますけれども、私の事務所の水産顧問が二十日からまたスペインヘ行って、ちょっとスペインのICCAT、私はクロマグロを専門にやっていまして、ICCATのことで民間レベルで調べさせておるわけでございますが、日本の水産技術というのは大変世界的にハイレベルなものを持っていると私は思います。
 そういう面で、技術面と資金面の双方、特に今年度モロッコの問題もございますけれども、それらに対して国際協力を積極的に行っていく、相手国も利益を得そして日本も資源を得るという、こういう共生するといいますか共同で開発していくということが大事ではないかなと。その辺大臣の御見解をひとつぜひお願いします。
#253
○国務大臣(田名部匡省君) 私も、何か日本の漁業が沈滞して、何かいい方法はないかなというときに、やっぱり海外の協力、技術協力もありますし資金もありますが、そういうことによって一緒に漁業というものをうまくやる方法がないかなということをよく考えました。
 委員のお話を聞いて、技術の進歩というものは日本は本当にすばらしいものがありましたし、逆に言うとあり過ぎて今日の状況になったという面もあるんではないだろうか。漁法にしても漁業探知機にしても、この間船に乗ってみましたけれども、今はもう考えられない機器がいっぱい積んであるんです。そういうこともあるし、流通、加工、保存の方法、そんなものも発達して、漁業というのは本当に変わったなと。
 我々は、昔はリヤカーでイカを朝売りに来るのを買って食べる程度ですから、そう遠くまで持っていって売ったというのはないんですね。ですから、遠くに売るときには塩をびーんとこうした長期保存できるものが山の方へ行って売れた。それが今はもう日本国じゅう、ハマチでも私の方にどんどん入ってくるし、私の方のものは九州の方にも行くというほど、すばらしい世の中になったわけであります。それだけまたいろいろ問題を起こしてきたということはあると思うんです。
 ですから、おっしゃるように、私どもはこれからさらに、沿岸漁業も大事でありますけれども、そういう面で相手国の漁業振興ということを図って、協力を通じながら、我が国の国際環境という問題もありますから、そういう面でも外国の操業機会、そういうものも確保していかなきゃならぬということで、今までも随分協力をいたしております。いたしておりますけれども、電気のないところでありますとかなんとかということがありまして保存の施設ができなくて思うようにいかないとか、いろんな問題を克服しながらも今日まで努力してきておりますし、これからもそういう意味では、輸入に依存するところもあるんでしょうから、安定的に輸入するということになると海外のそうしたこともやっていかなきゃならぬというふうに考えております。
#254
○新間正次君 終わります。
#255
○委員長(吉川芳男君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 ただいま議題となっております三案のうち、まず沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#256
○委員長(吉川芳男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、三上君から発言を求められておりますので、これを許します。三上君。
#257
○三上隆雄君 私は、ただいま可決されました沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党、民主改革連合、二院クラブの各派及び各派に属しない議員新間正次君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  近年、諸外国の二百海里水域での我が国漁船への漁獲割当数量が減少しているのみでなく、公海での漁業規制も強化されつつある。このため、水産物の安定的な供給、漁村地域の活性化等を図る観点から、我が国周辺水域を主な漁場とする沿岸漁業等を振興することが緊急の課題となっている。
  一方、沿岸漁業等を取り巻く情勢は、周辺水域の資源状況が悪化し、また、沿岸漁業者等が減少・高齢化するなど、一段と厳しくなっている。
  よって政府は、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 生産基盤の整備、沿岸漁業の構造改善等基幹的な水産政策について、でき得る限り、中・長期的視点に立った施策の展開方向を明らかにすること。
 二 沿岸漁業改善資金制度が、沿岸漁業経営の健全な発展、沿岸漁業従事者の福祉の向上等に十分な役割を果しうるよう、今後とも、資金内容の充実、資金枠の確保、制度の積極的活用並びに水産業改良普及制度の充実・強化に努めること。
 三 漁村の生活環境の整備が立ち遅れている現状にかんがみ、沿岸漁業従事者等の資金需要を的確に把握し、生活改善資金が十分に活用されるようさらに検討を行うとともに、漁港等の整備と併せ行う生活環境の向上に資する事業の促進を図ること。
 四 沿岸漁業への新規就業者の著しい減少に対処し、青年漁業者等養成確保資金の積極的な活用を図るとともに、新規就業者等の円滑な定着を支援するための施策の充実に努めること。また、漁業外からの新規就業者については、その進出が漁村社会に混乱をもたらすことのないよう十分配意すること。
 五 経営等改善資金に新たに追加される合理的な漁業生産方式の導入に必要な資金については、資源管理型漁業の推進、養殖業の振興等に資するよう制度の弾力的運用を図ること。
 六 物的・人的担保制度の運用に当たっては、沿岸漁業改善資金を借り受ける沿岸漁業従事者等の意向を十分尊重するよう指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#258
○委員長(吉川芳男君) ただいま三上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(吉川芳男君) 全会一致と認めます。よって、三上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。田名部農林水産大臣。
#260
○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#261
○委員長(吉川芳男君) 次に、水産業協同組合法の一部を改正する法律案、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#262
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、水産業協同組合法の一部を改正する法律案並びに漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 今回の両改正案は、金融の自由化による漁協経営の危機の中で、遠洋漁業からの急速な漁場の縮小と沿岸での過密利用などによる水産資源の乱獲と枯渇、そして世界じゅうから我が国に持ち込まれる無秩序な魚介類の輸入拡大政策による漁業・漁村の荒廃、これらによってもたらされる漁協の経営基盤の弱体化を、いわば漁協の広域的な合併と事業統合、そして企業的な経営の導入などで克服しようとするものです。
 こうした方向は、漁協運動の主人公は組合員であり、漁協活動は主人公である漁民の要求実現のための協同部な活動であるとの基本的な立場、また漁協の民主的な運営を後退させるものであり、賛成するわけにはいきません。
 特に、一県一漁協及び一県一事業統合づくりという形で漁協の組織再編につながる広域的な合併の推進と事業譲渡の規定を新設し、さらには漁港整備などの公共事業を優先的に合併漁協に執行することは、上からの行政指導型で合併を推し進めるものと言わざるを得ません。
 このことは、漁協を単なる漁業権を管理するだけの経済基盤のないものにしようとする中央集権的な再編であり、質的にも規模的にも漁協を一気に変質させ、組合員のための漁協という本来の目的から離反するものになりかねません。
 また、漁協の経営管理体制に関しては、これまでの模範定款に見られるような民法に準じてきた総会中心の運営を、株式会社などの運営を規定する商法の準用に移して理事会中心のものに変更することや、員外理事枠の拡大は、漁協の事業・組織全体を企業化し、それを運営面にも持ち込むものであり、賛成できません。
 以上、反対の理由を述べて、討論を終わります。
#263
○委員長(吉川芳男君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決に入ります。
 まず、水産業協同組合法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#264
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#265
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、菅野君から発言を求められておりますので、これを許します。菅野君。
#266
○菅野久光君 私は、ただいま可決されました水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民主改革連合、二院クラブの各派及び各派に属しない議員新間正次君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  水産業協同組合は、水産業の振興、漁村地域の活性化等に貢献しており、その役割は、ますます重要になっている。
  一方、水産業協同組合の多くは、経営規模の零細性、取扱事業量の減少、固定化債権の増加等、困難な課題を抱えている。また、水産業協同組合を取り巻く状況は、国際的な漁業規制の強化、周辺水域の資源状況の悪化、漁業従事者の減少及び高齢化、金融自由化の進展等、厳しさを増している。
  よって政府は、両法の施行に当たっては、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
 一 漁協系統組織の事業・組織の再編・整備に当たっては、組織の自主的な協議を尊重し、組合員の理解を得るとともに、事業の種類、地域の実情等に十分配慮すること。また、合併の推進に当たっては、画一的な基準によらず、地域の実情を反映させるとともに、組合員の意思に基づきその理解と納得の下に行われるよう指導すること。
 二 漁業経営の不振等に伴う漁協の財務の実状に対処し、漁協の経営基盤の強化促進はもとより、欠損金等の負担を軽減するための対策の推進に努めること。
 三 組合の事業の譲渡に当たっては、譲渡組合の組合員をはじめとする漁協事業の利用者に不利益が生ずることのないよう、また、職員の雇用に不安が生ずることのないよう指導すること。
 四 信用事業機能の拡充については、漁協信用事業の零細性にかんがみ、その能力に応じた事業が適切に実施されるよう慎重に指導すること。
 五 水産資源の現状にかんがみ、資源管理規程制度の適正な運営を推進するとともに、密漁防止対策を強化し、資源管理のために遊漁者の一層の協調が得られるようさらに努力すること。また、資源管理の効果を十分に発揮させるため、外国漁船を含めた、周辺水域における広域的な資源管理体制及び漁業秩序の確立に努めること。
 六 漁協による漁業自営事業の実施要件の見直しに当たっては、自営事業から組合員等が排除されることのないよう、また、適正な漁利の配分に支障が生ずることのないよう指導すること。
 七 漁協経営の適切な業務執行を確保するため、本改正の趣旨の周知徹底を図り責任ある執行体制を確立するとともに、全漁連をはじめ系統組織の内部監査体制の整備充実につき指導すること。また、協同組合原則に基づく民主的な運営の確保につき適切な指導を行うこと。さらに、青年層や女性層の幅広い意向を反映した組合運営と併せ、優秀な人材を確保するため、職員の処遇の改善、人材の育成につき適切に指導すること。
 八 福利厚生事業の実施に当たっては、市町村等との機能分担を明確にし、十分な連携を図るとともに、人材の育成等の実施体制の整備に必要な措置を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#267
○委員長(吉川芳男君) ただいま菅野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#268
○委員長(吉川芳男君) 全会一致と認めます。よって、菅野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。田名部農林水産大臣。
#269
○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#270
○委員長(吉川芳男君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#271
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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