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1993/04/22 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第9号
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1993/04/22 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第126回国会 農林水産委員会 第9号
平成五年四月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 芳男君
    理 事
                浦田  勝君
                永田 良雄君
                菅野 久光君
                三上 隆雄君
                林  紀子君
    委 員
                青木 幹雄君
                大塚清次郎君
                鎌田 要人君
                佐藤 静雄君
                野間  赳君
                一井 淳治君
                稲村 稔夫君
                谷本  巍君
                村沢  牧君
                風間  昶君
                矢原 秀男君
                星川 保松君
                新間 正次君
   国務大臣
       農林水産大臣   田名部匡省君
   政府委員
       農林水産大臣官
       房長       上野 博史君
       農林水産省経済
       局長       眞鍋 武紀君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     高橋 政行君
       農林水産省畜産
       局長       赤保谷明正君
       食糧庁長官    鶴岡 俊彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        片岡  光君
   説明員
       厚生省生活衛生
       局食品保険課長  織田  肇君
       厚生省生活衛生
       局食品化学課長  牧野 利孝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○村沢牧君 農業災害補償法の改正法案は、共済事業の拡充、事業運営の効率化、いわばあめの部分と掛金国庫負担引き下げのむちの部分から成っております。
 農水省の説明によれば、国庫負担の削減は約三十億円程度、事業の拡充による国庫支出の増額は約二十九億円程度であるので収支とんとんだと言っているけれども、個々の作物共済をとってみれば国庫負担の減額によって農家負担が増加することは間違いない。農業共済制度というのは、農業生産の確保を図って農家経営の安定に資するための公的な政策保険であるので、掛金の国庫負担は法律によって割合を定められておる。ところが、今までの法改正の都度国庫負担は削減をされてきた。今回の改正においても超過累進方式をやめて掛金の国庫負担率を原則五〇%にしようとするものでありますが、大臣、なぜ国庫負担を削減するのか、その理由を伺いたい。
#4
○国務大臣(田名部匡省君) 掛金国庫負担につきましては、これまでも農業を取り巻く情勢の変化に対応して累次簡素合理化を図ってきた経緯があるわけでありますが、また導入時以降の情勢の変化の中で現行の方式が設けられた際の意義が乏しくなったものも実はあるわけであります。特に、近年被害率が低下してきておりまして、超過累進制を廃止しても農家負担に大きな影響がないということがありまして、また農業者のニーズに対応した制度の内容の改善を図っていくためには、本制度の中で合理化すべき部分は合理化していくことが必要となっているわけであります。
 いずれにしても、総合的に勘案して今回見直すわけでありますが、この際見直しに当たって改正点幾つかございますが、特に一昨年の台風の被害のときに農業者の皆さんから、本制度に対するニーズの変化に対応して、特に果樹共済、畑作物共済、園芸施設共済の各共済、この事業内容をひとつ充実してほしいという意見が大分ありました。特に、掛金率が非常に低い分野においてもそういう意見がございましたので、あわせて本制度の運営主体である組合の自主的な事業推進意欲の向上が図られるよう保険・再保険の割合も見直すことといたしたわけであります。
#5
○村沢牧君 被害率が低下したので国庫負担を下げる。しかし、ずっと被害率が低下するという保証はないんですね。あるいはまた、農家のニーズによってこの内容を拡充することは当然のことである。それで国庫負担が増加するのは当然のことですね。
 ですから、今のような答弁では私は納得しませんが、その議論をやっておりますと時間がありませんから、次に進みます。
 昭和六十年の法改正でも国庫負担が削減されて農家負担が増加した。その際農水省は、今後掛金国庫負担割合をさらに見直すことは考えていないと言っていたんですが、その後予想することのできなかったような非常に大きな変化があって、今回国庫負担をさらに削減しようとするんですか。
#6
○政府委員(眞鍋武紀君) 国庫負担の見直しでございますが、米の生産調整につきましては、御案内のとおり、昭和四十年代から始まっておりまして、既に二十年以上やっておるわけでございますが、依然として過剰基調は解消していない、こういうふうに二十年を経過したということがございます。
 それから、最近、水稲の被害率が技術の進歩もございまして低下してきておるということで超過累進方式を廃止しても農家負担の増加がさほどのことはないという状況も出てまいりましたし、さらには平成三年に大きな災害がございまして、この制度全体に対しまして、従来どちらかといいますと米、安中心の制度でございましたが、果樹共済でございますとか園芸施設共済、こういうものについて充実を図ってほしいという切実な要望が出てまいった。
 そういうふうないろいろな変化を受けまして、この際総合的に見直しを行って合理化すべき部分は合理化しながら時代に合った制度に直していきたい、こういうふうなことで今回御提案申し上げているわけでございます。
#7
○村沢牧君 生産調整の話があったけれども、六十年のときにも五十七万ヘクタールの生産調整をしていったんですね。現在は六十七・六万ヘクタールですね。そんなにふえているわけじゃないんですよ、緩和しているんですよ。しかし、被害率が少なくなったといったって、先ほど申し上げたように、これからずっと米はそういう被害を受けないという保証はないじゃないですか。
 ですから、今のような答弁では納得できないということになるんです。だから、六十年の改正以後、本当にこの掛金を下げなければならないというような非常に重大な変化があったのか、どこが重大なんですか。
#8
○政府委員(眞鍋武紀君) 今御答弁申し上げましたように、要するに米の生産調整が依然として二十年過ぎてもまだ続けざるを得ないという状態が続いておるということと、それからやはり充実すべきといいますか、米、麦に偏った共済制度に対しましてもう少し施設園芸でございますとか果樹でございますとかいうものを充実してほしい、こういうふうな要望が非常に強まってまいったということ、さらには非常に技術が進歩してまいりまして、一部の地域を除きまして被害率が低下してきておって、これを廃止しても農家が負担に耐えられる、こういう状況が出てまいったということでございます。
#9
○村沢牧君 先ほど来言っているように、災害なんというのは幾ら大きな災害があるかわからないんですよ。だから、米の減反がずっと定着しているかというと、それじゃ減反をしているようなところへは、被害の大きいようなところへ高い負担の災害補償をする必要はない、そんなところの米は要らないということにつながってくるんじゃありませんか。
 そこで、私は六十年の第百二国会で本法の改正法案審議の際、今回の改正は国庫負担を将来五〇%にするための過渡的な措置ではないかという質問をいたしました。それに対して当時の佐藤守良農水大臣は、「今回、超過累進制を残しつつ国庫負担の合理化を行うこととしたものでございますが、今後、先生御指摘の掛金国庫負担割合をさらに見直すことは 考えておりません。」、そして、「超過累進制とそれから国庫負担の割合については、現在のまま守る決心でございます。」、こういう答弁していますね。
 当時の後藤康夫経済局長は、「当面のとか現在のところということではどうも当てにならぬではないかということでのお尋ねだと思いますが、より客観的に申しますと、これだけの大議論をして得た結論でございますから、現時点で予想をしがたいような非常に大きな変化というようなものが起きれば別でございますけれども、そのような変化がない限りにおきまして、この国庫負担の仕組みというものを堅持をして」まいりますと、こういう答弁をしているんですよ。かなり厳しいやりとりがあって、農相も経済局長もそのような公約をして、本委員会も将来これ以上の国庫負担を削減することはしないということを確認してこの改正案は認めているんです。
 後藤経済局長答弁の予想することのできないような非常に大きな変化が生じたわけでもない。六十年改正のときの国会答弁、公約、当委員会の確認をほごにするものであって、余りにも国会軽視だと言わざるを得ませんが、大臣どうですか。
#10
○政府委員(眞鍋武紀君) 確かに、御指摘のような経緯があったことは私どもも存じ上げておるわけでございますが、法改正が行われましてからかなりの時間が経過をいたしております。この間いろいろと検討してまいりました。そういう国会での審議の経過なども踏まえましてどうするかという検討も十分いろいろと議論があったことは事実でございます。
 しかしながら、この超過累進方式につきましては、米の増産ということのためにできてきたと、こういう経緯もございますし、また平成三年の大災害ということで、このままこの制度を放置しますならば、農業者の生産の安定に役立つという使命が十分果たされないんではないかということで、かなりその災害のときに果樹共済等につきまして加入率が低かった、こういうふうなこともございまして、そういうことも総合的に勘案して今回合理化すべきところは合理化をし、それから充実すべきところは充実するということで御提案申し上げているところでございます。
#11
○村沢牧君 平成三年に大災害があったから、さらにこういうことを救済するための拡充施策ではないか、当然のことですよ。それだったら国庫負担をふやすのが当然じゃないですか。こういうことを公約して、約束して、この次の改正のときには全くほごにする。
 私もこの農水委員会長いけれども、幾つもの法律を審議したけれども、こんなに見事に裏切られたことはないんですよ。重大な責任です。このことについて農水省の大臣のはっきりした答弁を聞かなければ、幾らこれから審議していったってまたひっくり返されるんですよ。国会軽視も甚だしい。どうですか。
#12
○国務大臣(田名部匡省君) 前回の佐藤大臣のときの経緯は私もよく承知しておりませんが、今局長が答弁したように、農家全体を見ながらこういう方法が最も農家にとってもいい方法であろう。それは多少減るとかふえるとかいうことはありましても、全体的に見て実態に即したやり方であろう、こういうことで御提案申し上げたわけであります。
#13
○村沢牧君 全体を見ながら拡充することは私は認めるんですよ。拡充するならそれだけの国庫負担をふやさなきゃいかぬじゃないですか。全体を見でなぜ国庫負担を減らしたんですか。
#14
○政府委員(眞鍋武紀君) 水稲につきまして超過累進方式をとっているのは御案内のとおりでございますが、要するに被害率の高いところほど補助率が高い、こういうことになっておるわけでございますが、これは被害に遭ってもさらに作付をしてほしい、こういうふうな趣旨でできておるわけでございます。
 そういうことで、二十年以上にわたって米の生産調整を続けざるを得ないということで関係者が大変努力をして生産調整を行っておるわけでございます。
 片方でそういう政策を行いながら、片方においては米の増産時代の制度を残し作付を確保する、こういうふうなことにつきましては、現時点で見てみますとその部分は合理化できないかということで真剣に検討し、かつまた、片方で農家の負担について近年の被害の低下傾向ということを勘案いたしまして、この際この超過累進方式を見直すというふうにしたわけでございます。
#15
○村沢牧君 被害率の高いところはじゃ作付をしないということになるんですよ、あなたの言うことを聞けば。減反政策なんというのは昭和四十年代から続いておるんですよ。六十年の改正のときだって当然続いておったんです。それを、減反政策をやっているからこの超過累進方式をやめるなんて、そんな答弁では、これだけ国会で答弁しておって、それを覆すようなことを何らの釈明も弁解もない、そんなことでは審議できませんよ。
#16
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、米の生産調整は二十年以上にわたって続けられておるわけでございますが、片方で生産調整をやりながら片方で米の増産といいますか生産を確保する、こういう制度をいつまでも維持するということが政策としていかがなものか。
 要するに、そういう被害率の高いところに上乗せのといいますか奨励措置を講じておるわけでございますが、こういう奨励措置をいつまでも講ずることが適当かどうかということでいろいろと議論をし、それから片方で被害率が下がってきておって農家が負担に耐えられるかどうか、こういうふうな検討を行いました結果、総合的に勘案いたしまして、六十年の改正のときの経緯はございますが、この際この見直しを行って、水稲につきまして超過累進制を廃止していきたいということでございます。
#17
○村沢牧君 六十年改正のときの国会答弁はどうするんですか。何も弁解ないじゃないですか。
#18
○政府委員(眞鍋武紀君) 六十年のときには、変化がない限りということで、その当時の予想としましては、農家の負担率なりあるいは生産調整の状況なりというものを考えて、その時点で一番いいということでそういう答弁があったわけでございますが、その後、先ほど来申し上げておりますように、被害率は低下をし、それから米の生産調整が二十年を超えて続けていられないという状況でございまして、そういう状況を総合的に勘案して御提案を申し上げているということでございます。
#19
○村沢牧君 だめだよ。六十年のときに公約しておったものをそんなおざなりの答弁ではだめです。責任ある答弁してくださいよ。責任持ってくださいよ。審議できませんよ、そんなことじゃ。これ会議録届けましょうか、見てください。ちょっと届けてください。六十年のときの会議録をよく見てください。どういう答弁をしておるか、大臣が。(会議録を手渡す)
 その会議録を見て、しっかりした答弁してもらわなきゃ審議できないですよ、いつもそんなことばかり言っておったんじゃ。
#20
○国務大臣(田名部匡省君) まあ、全部を拝見するわけにはいきませんが、佐藤大臣の問題の点でありますが、「超過累進制を残しつつ国庫負担の合理化を行うこととしたものでございますが、今後、先生御指摘の掛金国庫負担割合をさらに見直すことは当面考えておりません。」という答弁をいたしておるようでありまして、当面というのはどういうことなのか、これは直接伺ってないのでわかりませんが……
#21
○村沢牧君 わかりました。それじゃ経済局長、後藤局長はこれを解説しておるんですよ。どういうふうに書いてあるのか。当面ということは、農業事情に予想することができない重大な変化がない限りこれを改正しませんと言っているじゃないですか。だから、さっきから私はこのことを読んでいるんですよ。それに対して政府の責任ある態度を示さなきゃ、こんな法律幾ら審議したって次から次へまたひっくり返されたら何にもならないよ。審議できないよ、そんなもの。
#22
○政府委員(眞鍋武紀君) 大きな変化のない限りというふうに当時御答弁申し上げているということは私も存じ上げておるわけでございます。
 やはり、最近の農業事情、六十年から現在に至りますまでに農業面につきまして大変大きな変化が出ておるというわけでございます。平成三年に災害が発生して加入率が非常に悪かった、こういうふうな状況を先ほど申し上げ、それから、農業事情が変化してまいりまして担い手が相当不足をしておる、こういうふうな状況の中で今後農業をどう発展させていくかということで農林水産省としてもいろいろ検討をし、新しいいろいろな政策を打ち出さなきゃいかぬというふうに農業情勢が変化をしてきておるわけでございます。
 そういう中にございまして災害補償制度をどういうふうに見直していくかというふうなことで、先ほど来御答弁申し上げておりますように、国庫負担の問題あるいはほかの共済、そういうことを総合的に勘案して御提案をしておるところでございます。
#23
○村沢牧君 だめですよ、局長、何回そんなこと言っているんだ。
 だから、こういう答弁に対してその当時は間違っておったのか。あなたの言うことは何回言ったって同じことじゃないですか。もっとまじめな態度を国会に示してくださいよ。
 大臣、私はそんなことばかりやっておったら質問できませんから、我が党の質問もありますから、午後までにですよ、こういう答弁をいたしましたけれども、まことにこの答弁は間違っておったとかいけないとか、はっきりした農水省としての見解を示してください、いいですか。よく会議録見てくださいよ。それだったら私は次に進みますよ。
#24
○政府委員(眞鍋武紀君) ただいまの点につきましては、ちょっとお時間をいただきまして検討させていただきたいと思います。
#25
○村沢牧君 じゃ、次に進みます。
 そこで、今改正法案によって水稲の共済掛金の国庫負担割合は一律五〇%になる。このことによって現行方式による最近年度の平均国庫負担割合はどの程度下がるのか、また被害率の高いところの国庫負担割合はどの程度下がるのか、具体的に説明してください。
#26
○政府委員(眞鍋武紀君) 被害率でございますが、平成六年産から水稲の被害率は改定するわけでございますが、昭和四十八年産から平成四年産までの二十年間の被害率を用いて算定するわけでございます。改定料率につきましては現在算定作業中でございます。この被害率の傾向から見ますと、今回の料率改定に用いられる二十年間の被害率の平均は、近年の被害の低下傾向から下がってくるというふうに予想をしておるわけでございます。
#27
○村沢牧君 わかっているでしょう。今まで例えば平成四年度の平均負担率は五三・五%だ、しかし今度は五〇%になるんだと。全国で被害率の高いところのやつを例を示して具体的に述べよと言っているんですよ。時間がないから数字的にだけ言ってください。
#28
○政府委員(眞鍋武紀君) 被害率につきましては国庫負担がどうなるかと、こういうことでお答えをさせていただきます。
 五〇%にすることによりまして、水稲につきまして農家負担は全国平均で十アール当たり百八円の増加になるわけでございます。それで、一番高い掛金のところは青森県のある組合でございますが、これにつきましては、十アール当たり千七百十四円でございます。
#29
○村沢牧君 私はそれを聞く前に全国平均で国庫負担率はどのくらい下がるのか、また被害率の多いところは率がどのくらい下がるかということを聞いたんだけれども、金額を先に言ったから次に移りますけれども、国庫負担割合が下がることによって農家の掛金が増加するんですね。今例を示した青森のどこですか、組合の当然加入基準面積ですね、この農家の負担増はどの程度になるのか、またその地域の二戸平均の負担増はどのぐらいになりますか。
#30
○政府委員(眞鍋武紀君) この組合の当然加入基準面積は三十アールでございますので、その面積で計算をいたしますと、農家の負担増は五千百四十二円でございます。全国平均で三十アールというふうに見ますと三百二十四円でございます。それから青森平均で見ますと千三百二十六円。青森平均の千三百二十六円に対して当該組合の地域は五千百四十二円、こういうことでございます。
 それからこの組合の二戸当たりの平均面積は八十一・二アールでございまして、一戸当たりの農家負担増は一万三千九百十四円でございます。全国平均の一戸当たりの農家負担増は七百十五円、それから青森県の平均で見ますと四千百二十円、こういうふうな数字でございます。
#31
○村沢牧君 大変な負担ですね。例えばこの組合が三十アールが当然加入だと。そこで五千百四十二円も今度はふえるんですよ。大変ですね。それから一戸当たりでは一万三千九百十四円もふえる。これは国庫負担を減らすことによって大変農家負担がふえるんです。
 北海道の場合は同じような例からいってどうですか。
#32
○政府委員(眞鍋武紀君) 北海道の水稲の最高の掛金率の組合について見ますと、当然加入の基準面積は六十アールでございます。加入面積が六十アールの場合の農家負担増は六千七百六十八円でございます。加入面積が六十アールの場合の北海道平均では二千三百七十六円、全国平均で六百四十八円、こういう数字でございます。
 それからまた、この組合の一戸当たりの平均面積、これは四百五・八アールでございます。一月当たりの農家負担増は四万五千六百八十二円でございます。北海道平均で見てみますと一万七千八百六十六円、全国では七百十五円、こういう数字になるわけでございます。
#33
○村沢牧君 それにまた特に北海道は大面積だから大変ですね。六十アールあたりが水稲の当然加入、それがこの改正によって六千七百六十八円もふえる。この組合の二戸当たり平均四万五千六百八十二円もふえる。これは大変な改正だと思うんですよ、国庫負担を下げることは。
 そこで、農水省は掛金の料率改定を検討しておるようでありますが、その試算はいかがでしょうか。
#34
○政府委員(眞鍋武紀君) 現在、先ほどちょっと御答弁申し上げましたが、作業をしておりまして、昭和四十八年から平成四年産までの二十年間を用いてはじいておるわけでございます。
 北海道におきます一戸当たりの試算をやってみますと、国庫負担割合の改正に伴いまして約一二%程度、金額にいたしまして一万七千八百六十六円、農家負担がふえる。こういうふうなことでございますが、地域によって違いますが、北海道平均でとってみますと、近年の被害の低下傾向、こういうものを反映いたしまして改定後の料率というものは北海道平均で見ますと一〇%以上下がる、こういう見込みでございます。したがいまして、結果としての農家負担増はかなり解消されて、実際的には農家の負担増はかなり小さくなる、これは概算でございますが、そういうふうに予想しておるわけでございます。
#35
○村沢牧君 それは単なる予想であって、そのとおり下がる、だから国庫負担を下げた分は料率を改定することによってとんとんになると、そんなぐあいにはいかないですよ。いかないです、今のあなたの答弁聞いたって。
 いずれにしても、よしんば災害が少なくなったから料率改定もしましょうと、若干するでしょう。しかし、これだけ国庫負担を抑制したことによって負担増は過大になってくるということになります。
 そこで、官房長いますか。
#36
○政府委員(上野博史君) はい。
#37
○村沢牧君 官房長、この新政策の具体化は今緒についたばかりであり、今国会にも一部法案が提出されているが、その内容はこれから審議するけれども、私に言わせれば不十分と言わざるを得ない。新政策が具現をして状況が変われば当然のこととして農家の保険需要も変わってくる。したがって、私は農業共済に限らず、これからの法律の改正は新政策との整合性を持たなければならないと思うが、どうですか。
#38
○政府委員(上野博史君) 個別の共済関係のお話についてどうこうというふうになかなか私の現在の知識で申し上げにくいわけでございますけれども、新政策の考え方に沿って今各般の検討を進め、現実に今国会にも相当の数の法案の御審議をお願いしているわけでございます。
 さらに、これからも農政審議会の企画小委員会あたりの御審議もお願いをしながら、いろいろな方面の詰めをやろうとしているわけでございまして、そういう検討の結果につきましては、必要に応じましてさらに各法律の内容に必要があれば改正を加えてまいるということは考えてまいりたいというふうに考えております。
#39
○村沢牧君 経済局長に聞くけれども、今回の改正案と新政策との関連はどういうふうに考えていますか。
#40
○政府委員(眞鍋武紀君) 新政策につきましては、昨年六月に策定されたわけでございますが、現在具体化しておりますものもございますが、またこれから具体化をしていくという状況にございます。
 そこで、この農業共済制度といいますのは、新政策を誘導していくということもございますが、やはり現在ある農家をどうやって災害対策から守るか、こういう意味合いも強いわけでございます。災害対策という基本がございます。そういうことで限界はございますが、今回の改正におきましては、規模の大きい農家に対します優遇措置といいますか、そういうふうなものを取り入れだということが一点でございます。
 それからもう一つは生産組織、これまで農業共済は個人かあるいは法人でなければはいれなかったということでございますが、法人格のない生産組織についてもこの農業共済に加入できる道を開いた、この二点について配慮をしたということでございます。
#41
○村沢牧君 ですから、この改正は規模の大きい農家をひとつ救済していこう、そのことによって中山間地の小農家なんというものは切り捨てられてくるんですよ。これは加入資格からも十アール以下はもう組合員でなくなってくる。ですから、大きい農家、災害の起こらない農家にひとつ農業共済を適用していこうというそのねらいがはっきりしているんですね。
 だから、新政策を実現して具現するまでにはより高い被害の地域については高率の国庫負担を行う、また異常災害の折には国が積極的な支援を行う、こういう激変緩和のための経過措置、財政措置を講ずべきだと思うが、どうですか。簡単に答弁してください。
#42
○政府委員(眞鍋武紀君) この点につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、被害率の低下ということを背景にいたしまして、国庫負担率を下げましても被害率の低下によりまして実際の掛金負担がそう大きくふえない、こういう情勢が一つございます。
 それからさらに、やはり充実すべきものといいますか、果樹共済でございますとか畑作物共済でございますとか園芸施設共済につきまして充実すべきものは充実しようということで、そういうふうな改正もあわせて行うということもございまして、我々といたしましては、激変緩和措置で何らかの措置を講じなくてもいいんではないかというふうに考えているわけでございます。
#43
○村沢牧君 これから見れば、被害が大きいような、いわゆる高被害というのは発生しないというあなたは前提に立っていますけれども、農業災害なんというのはそんなものじゃないですよね。被害が大きくならないから国庫負担も下げてもいいんだ、法律改正もしたらいいんだと。被害が大きくなったらどうですか。法律改正によって国庫負担は下がっているんですよ。そういう観念は私は間違っていると思うんですよ。
 そこで、過去の改正の際にも国会の要請によって経過措置をとったことがある。六十年改正の際、私はこのことを強く主張したところ、これは農水委員長ですけれども、農水委員長の判断によって理事会扱いとなって理事会で検討したところ、次回の法改正に反映するように農水省にも申し入れているんですよ。私は、これだけ大きな負担がかぶさってくるんですから、この委員会の論議の中でやっぱり経過措置が必要だと、そういうことを認めた場合においては明年度予算に反映しますか、政府は。どうですか。
#44
○政府委員(眞鍋武紀君) この前の六十年改正におきましては、過去の被害といいますか、がかなりまだ多い時期でございまして、掛金率が下がるという情勢がなかったわけでございます。今回の改正につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、最近の被害状況から見て既に確定をしておるデータをもとにはじくわけでございますので、全体的に見ますと被害率が下がり、掛金率が下がると、こういう状況でございますので、激変緩和措置が必要ない、こういうことでございます。
 それから、さらに申し上げますと、米の超過累進方式につきましては、やはり被害率の高いところに優遇措置をとっておるというふうなことでございまして、そういう優遇措置を廃止する、こういうことでございますので、御理解いただきたいと思います。
#45
○村沢牧君 どれだけ料率改定によって負担が少なくなるのかどうかということはこれからの問題ですよね。その結果によって、これは今までは高被害のところには高率の農業災害補償金を出しておった、これを一律にすることによって大きな負担をこうむる、そうした場合においては、あなたのようなかたくななことを言わなくて、財政措置を講ずる、激変緩和ですよ。過去においてはやったことがある。だから、そのことを十分検討いたしますか、どうですか。
#46
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁しておりますのは、被害率の高い地域について補助率を高くして優遇して米の生産を確保する、こういう状況ではなくなってきておるということでございますので、被害率が高い地域について特別の対策を講ずるということは全体の状況から見ていかがなものか、要するに被害率がだんだん低下をしてきておるという状況でございますので。それから、被害率が低下しているという全体的な傾向は既に確定したデータをもとにはじくわけでございますので、これが適正に反映されるように措置することによりまして農家負担の軽減が図られる、こういうふうに考えておるところでございます。
#47
○村沢牧君 局長の答弁は農業災害補償法の趣旨、目的から逸脱しているんですよ。農業災害補償法というのは、被害率の高いところには高率のひとつ国庫負担でもって救済していこう、そして農家の安定を図っていこう、それが趣旨なんですよ。だから、あなたの答弁を聞いていると全くもう趣旨、目的から逸脱している。
 そうすると、被害率の高いところの米なんというものは要らないということになるんですよ。そんな答弁は私は納得することができない。
 時間がないから次に進みますけれども、次は果樹共済について伺いたい。
 その前に、農蚕園芸局長、市場開放が進むにつれて好むと好まざるとにかかわらず外国産果実の輸入は増大をする。その場合、外国の病虫害が我が国に絶対に入ってこないという保証はありますか。結論だけで結構です。
#48
○政府委員(高橋政行君) 確かに、先生がおっしゃいますように、我が国が非常に国際化をしている中で、自由化されているものについては自由に入ってこられるという状態になっておりますが、輸出してくる国に日本には未発生の病害虫がいるというような場合には、我々としては、これはそういう病害虫が侵入すると我が国の農業に非常に大きな影響を与えるわけでございますので、植物防疫法上からそういうものについては輸入を禁止しておるわけでございます。
 しかしながら、そういった病害虫が、その輸出してくる果物なり野菜とかそういうものがございますが、そういうものについて殺菌殺虫技術が開発されて、我が国にそういう病気なり害虫が持ち込まれるおそれがないというような場合には今までも輸入の解禁をしておるわけでございまして、我々といたしましては、そういう技術を開発することによりまして、そういう病害虫が侵入してこないように万全の体制、処置をとっておるということでございます。
#49
○村沢牧君 私の持ち時間も少ないですから、恐縮ですが簡単に答弁してください。
 局長答弁あったけれども、絶対に外国の病虫害が入ってこないという保証なんか全然ないですよ。入ってきたらどうするのか。その救済についてだって果樹共済の病虫害の問題、きょうは時間がないから指摘はしませんが、極めて不備なんですよ。こんな不備な病虫害対策を、例えば省令には被害対象になる病虫害は入っていないんですよ。こんなのをほうっておいて外国から危険な果実なんか輸入したらいけない。私は時間がないから、この内容についてはここで経済局長なり農蚕園芸局長に質問するのは省略します。あなたたちも御承知のとおりです。
 そこで、大臣、ニュージーランドのリンゴ輸入については本委員会でもたびたび問題にされており、全国からも反対運動が盛り上がっている、国会では我が党議員を中心にして野党の署名運動まで行われているんですよ。安全が心配される果実の輸入は国内の生産者にも消費者にも不安を与え、将来に禍根を残すことになりますが、農水省のこれまでの態度は余りにも秘密的で形式的で官僚的であり、ひとりよがりのかたくなな姿勢であって、これでは単なる技術的な問題だけでなくて農政不信が高まるばかりですね。
 そこで、大臣、生産者に対して、また消費者に対してもっと素直な態度で臨んで、国益を守るために慎重な対応をすべきだと思いますが、どうですか。内容の理屈はいろいろ聞いていますから、大臣の決意だけおっしゃってください。
#50
○国務大臣(田名部匡省君) 秘密にも何もいたしてはおりませんし、私からもよくわかるように説明するように申し上げておりまして、技術的な問題だけなものですから、決して政治的にどうこう判断する問題でないものですから、公聴会が終わりましても御意見のある人はその御意見は十分承るということにいたしておるわけであります。
#51
○村沢牧君 そういう御意見を、毎日青森県が来たり、きょうも長野県で来るんですね。皆さんのところへ行ったって今も言ったようなあれで、一方的なひとりよがりのことだけ言っておって、ちっとも聞いていないじゃないですか。
 そこで、詳細は申し上げませんが、私はこの問題について政治的な圧力を加えるという気持ちはさらさらございません。
 そこで、大臣、ニュージーランド全島でコドリンガ並びに火傷病の病虫害が撲滅されたと科学的に検証されるまでリンゴの輸入を解禁すべきではない。大臣の決意を伺いたい。
#52
○国務大臣(田名部匡省君) そのこともたびたびお答えしておるとおりでありますが、全部なくなれば検査をする必要もなければ何にもないで自由に入ってくるわけですね、これは自由化しておるわけですから、昭和四十七年に。
 そういうことであっても、部分的にそのものが防除されればということで、例えば今までもいろんな果物が入ってきました。じゃ、アメリカから入るものはアメリカ全土で防除できるまでだめかということにはならなかったわけでありまして、逆に日本から輸出しておるミカン、ナシ、そういうものについても問題はありますけれども、日本全土で防除をされなくても輸出しておるという実態でありますので、なかなか全土防除ということは国際法上も通らないのではないか、こう考えております。
#53
○村沢牧君 農蚕園芸局長、農水省のあなたの主管でもって行われた公聴会は、私は体をなしてない、無効だと思うんですよ。あなたの方は有効だと強弁していますが、通常、公聴会が終わると一カ月後あたりに政令を改正して大臣告示で解禁するというようなことを農水省は言っているんですか。一カ月後というと四月末ですが、四月末までにあなたは考えていますか。
#54
○政府委員(高橋政行君) 確かに、先生がお話しございましたように、我々通常の場合でございますと、大体公聴会を開催いたしまして一カ月程度で諸手続を終了いたしまして解禁の手続をとっているということは事実でございます。
 ところが今回の場合は、通常の場合ですと大体公述人の公述申請のあった皆さんが五、六人程度というようなことでございますが、今回は六十五人の皆さん方が公述申請がございまして、非常にたくさんでございました。したがいまして、私たち、それらの人たちから出された公述意見の内容につきまして現在技術的な見地から精査をしております。それで、この技術に問題があるのかないのかとニュージーランドが開発した技術について問題があるか否かを詰めているところでございまして、時間を要しているという状況でございます。
#55
○村沢牧君 最後のことはわからないよ。私は四月中にやるのかどうかと聞いているんだよ。もう一回答弁してください。
#56
○政府委員(高橋政行君) 今、四月中にやるかどうかということについてはまだ我々確たることは申し上げられませんが、現地点においては、非常に公述人が多うございましたので、その公述意見書の検討に時間を要しておりますので時間がかかっておる、こういう状況であります。
#57
○村沢牧君 四月中にはやらないと。それじゃ、五月になってやるかということになりますが。
 そこで、ニュージーランドのリンゴの輸入解禁は生産者も消費者も、またほとんどの野党議員も反対で、署名もしているんですよ。与党の皆さんも農水委員の皆さん方は反対だろうと思うし、そちらの皆さんはどうでしょうかね。
 そこで、委員長に要請いたしますが、当委員会の意思をまとめてやっぱり政府に要請をしてもらいたい。それをやるのは農水委員会だと思うんですよ。私がさっきから言っているように、政治的な圧力をかけると言っているんじゃないんで、これだけ心配しているんですから、ぜひ委員長の方で取り計らっていただいて、決意としてひとつまとめてもらいたい。いかがですか。
#58
○委員長(吉川芳男君) 理事会で相談させていただきます。
#59
○村沢牧君 そこで、理事会で相談していただくということでありますが、本改正案にも実はこの問題は関係してくるんですよ、果樹共済の問題に含めて。だから、この問題を放任して本法案を採決するなんということは私は反対なんですよ。したがって、採決前にひとつ理事会で検討していただいて、委員会としての方針を出してもらいたい。理事の皆さんよろしくひとつお願いしたいというふうに思います。皆さんも恐らく賛成だと思いますね。いかがでしょうか。
 そこで、果樹共済の場合ですけれども、果樹共済の加入率は非常に低い。全国的な推移について報告してください。
#60
○政府委員(眞鍋武紀君) 果樹共済の加入率の推移でございますが、全国平均で見ますと、昭和五十五年に二六・六%、六十年度に二四・七%、平成元年が二一・六%というふうに低下ぎみで推移をしてきておるわけでございます。平成四年度におきましては、平成三年の台風十九号等による災害を契機といたしまして加入の必要性の認識が高まる、あるいは県なり市町村の共済組合の加入促進活動があったということもございまして、加入率が二四・四%というふうに若干上昇をしてきておるという状況でございます。
#61
○村沢牧君 平成三年に被害があったから平成四年に上がって二四・四%、平成三年には二一・八%。県によっては上がったところもありますが、全国的には大したことはない。
 そこで、昭和五十五年の法改正の際、私の質問に対して当時の松浦昭経済局長は五〇%まで上げるように努力すると答弁しておった。しかし、六十年度になって先ほど申しました後藤経済局長に聞いたら、五十五年にそういう答弁をしたけれども、私がここでいろいろ言うと私の後任の者が苦しむということになりますので、答弁は差し控えさせてもらいたいという答弁だった。
 眞鍋局長は、今度改正をした改正をした、立派なものになったと言うんですが、果樹共済の加入率をどこまで上げようとしているんですか。
#62
○政府委員(眞鍋武紀君) 果樹共済につきましては非常に価格変動が激しいということで、災害収入共済方式ということでこれを今回本格実施するというふうな改正をいたしまして、足切りを三割から二割にすると。それから、いろいろ品目も追加をしておるということで、何とか加入率を上げたいということで改正しておるわけでございますが、これも農業者の方に聞きますと、制度がいろいろ複雑でなかなかわかりにくいという御批判もあります。
 したがいまして、どういうふうにして推進活動をするか、これからどれだけ一生懸命この活動をするかということにかかっておるわけでございます。そういうことでございますので、この制度内容をよくよく説明して、何とかこの改善点を理解していただいて、加入率が向上するように最大限の努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
#63
○村沢牧君 二四・四%の加入率、法律改正をした、こっちの方はよくやりましたと盛んに言っていますから、それじゃ二四・四%を今日法律改正してどこまで上げようとしているのか決意のほどを示してくださいよ。そのくらい自信がないようじゃ、中身をよくしたよくしたと言ったってとても現実の問題にならないんじゃないですか。
#64
○政府委員(眞鍋武紀君) また後ほどの委員会でいろいろ取り上げられるということはあろうかと思います。したがいまして、将来の見通しについてはなかなか見通しがたい面があるわけでございます。私はこの制度につきましてはいろいろと意見もあろうかと思いますが、何と申しましてもこれだけの政策的な保険でございますし、加入率を高める。加入率を高めて、いろいろ文句を言う人もいるわけでございますが、入ってもらっていろいろ文句を言い、改善をしながら加入率を高めていく、こういうことが大事である、こういうふうに思っておるわけでございます。
 そういうことでございますので、現在確たる見通しを申し上げるのは難しいわけでございますが、一、二割程度は向上させたい、こういう決意でございます。
#65
○村沢牧君 そこで、一割だとか二割だとかそんな小さいこと言わなくて、これは団体も努力しているけれども、農水省ももっと努力しないとだめなんですよ。
 そこで、今回の改正で足切り割合を引き下げる、このことによって共済金支払いの増加の見通し、それから共済掛金率に及ぼす影響について、数字だけで結構です。
#66
○政府委員(眞鍋武紀君) 今回、三割から二割に足切り割合を改善するということでございます。
 この掛金率がどうなるかということでございますが、これから精査、査定を行うと、こういうことにしておるわけでございまして、新たに適用する掛金率がどうなるかということは現在のところ申し上げられないわけでございます。新たに適用するのは申し上げられないんですが、試験実施期間中、昭和五十七年から平成三年まで試験実施をやったわけでございますが、この期間中に温州ミカンにつきまして行いました実績検討のための調査結果から推計といいますか、いたしますと、金額被害率は一・四倍程度になっておるわけでございます。
 したがいまして、掛金率もこの程度上昇するんではないかというふうに見込んでおりますし、またそれに見合いました、要するにこのことによりまして支払い対象になる度合いというものもこれに応じて増大する、こういうふうに見通しておるわけでございます。
#67
○村沢牧君 法律を出すについては、こういうことになりますというしっかりした資料ぐらいは、若干将来精査して違ったとしても、自信を持ってやっぱり答弁するような資料を出してもらわなきゃいけませんね。そんないいかげんなことでは審議にならないんじゃないですか。
 そこで、最後に伺います。
 結局、この共済制度も運営していくためには一にかかって組合の努力と活性化にかかっているんですよ。しかし、共済組合は大小いろいろあるけれども、今大変な状況に置かれている。法律によって共済組合に対する費用は国庫負担とされておりますけれども、六十年から現在までその費用はまさに五百四十一億円という定額にされているんですね。この間における公務員給料は一体何%上がったと思いますか。これも数字だけで結構です。
#68
○政府委員(眞鍋武紀君) 一般職の国家公務員の給与改定率でございますが、六十年以降、六十年が五・七四、六十一年が二・三一、六十二年が一・四七、六十三年が二・三五、平成元年が三・一一、平成二年が三・六七、平成三年が三・七一、平成四年が二・八七でございます。合計いたしますと二一・二%でございます。
#69
○村沢牧君 この間に二一・二%上がった。しかし、補助は定率化ですね。しかし、組合は職員の給料のベースアップもしなきゃならぬのですよ、これは大体役場職員に準ずるんでしょうけれども。国庫負担は九年間も据え置きにされておりますから、やむを得ず職員の数を減らしてつじつまを合わせているんですね。これでは優秀な人材が組合に集まりっこない。若い諸君は組合からやめていくんですよ。そのほかにも組合としてはいろいろやらなきゃならないことがたくさんある。機械化もしなければならないが、そこまで手が届かないんです。
 したがって、大臣、現在のような、事務費はもとより人件費も賄うことのできないような国庫負担は問題なんです。これは、十割以下が足切りになりますと、資格がなくなりますとまた単位が下がって、また減るんですよ、今までの計算でいくと。したがって、明年度予算においては事務費の国庫負担を何としても増額しなければならない。大臣の御決意を聞きたい。
#70
○国務大臣(田名部匡省君) お話しのように、五百四十一億円、必要な人件費の大部分を充足しておるわけでありますけれども、農業共済団体等においても今後一層広域合併を進めるとか、体質が弱いとそういう待遇改善もできないわけでありますから、そういうことで今回の改正の中で入りやすくするということで、要するにたくさん入っていただかないとこの事業というものはうまくいかぬわけですから、そういうことといろんな効率化あるいは合併、そういうものをやりながら独自にやっていく、そういうことも私どもは指導していかなきゃならぬというふうに考えております。
#71
○村沢牧君 最後に一言だけ。
 たくさん組合に入ってもらわなきゃいげないと言ったって、もう十割以下は組合の資格がなくなるんですよ。減っていくんですよ。そうなれば補助の単価は落ちできますよね。ですから、定率でずっとやっていたらますます組合の運営ができなくなってくる。これは単なる予算措置による予算補助じゃないんですよ。法律に基づく補助なんですよ、予算の範囲内ということがあるけれども。
 したがって、九年間も据え置いて、共済事業はよくやっていますとかしっかり組合だけでやれと、そんなことで通りますか。来年度予算においては何としてもやらなきゃいけない。そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#72
○三上隆雄君 私も今回の法案に対する通告を十本ほどしておりますけれども、これまた緊急を要し、そしてまた最終的な今回のニュージーランド輸入に対するいわばセレモニー的な公聴会にかわる行事をきのう農水省でやられましたようでありますから、前段そのことについて確認をしながら政府の見解をただし、そしてまた強い要望を申し上げたい、こう思います。
 実は、今まで三月三十日にニュージーランドからのリンゴ輸入に関する公聴会を催したわけでありますけれども、あのとおり紛糾をいたしまして、私どもはあの公聴会は無効であるという、そういう判断をしているわけであります。その後、青森県のみならず各県、そしてまた消費者の多くから要望が出まして、公述人を初めとして公聴会をもう一度開いてくれと、その要望が多く出てきたわけでありますけれども、遺憾ながらきのうは青森県の生産者のみからその切実な、そして深刻なそういう意見を開陳されたようでありますが、その結果をどう受けとめて、これからどう対処されるのか、まず伺いたいと思います。
#73
○政府委員(高橋政行君) ただいまのお話のように、我々農水省といたしましては、常日ごろからの農業生産者団体あるいは農業生産者の皆さん方がいろいろな要請なりあるいは陳情にいらっしゃるわけでございますが、そうした場合には誠意を持って耳を傾けてきたところでございます。
 このたび、青森県の農協中央会から傘下の生産者などの要請や意見を聞いてほしいという御要望がございましたので、昨日、農林水産省においてそういう場を設けたところでございます。
 その際、要請者側からは、農家の置かれている現状を訴えられるとともに、コドリンガあるいは火傷病に係る検疫処置、それから両国の検疫体制あるいは農薬の残留問題、あるいは公聴会のあり方などにつきまして質疑がなされたわけでございます。
 それで、農水省といたしましては、こういうことによりまして生産者の本件に対する理解が一段と深まったのではないかというふうに思っております。
#74
○三上隆雄君 実は、きのうは私は本会議がありまして、その大変重要な意見を聞く会に出られなかったわけでありますけれども、少なくとも後段あの会場に出て関係者の意見を聞いた範囲では、今局長が理解が一段と深まったというお答えがありましたけれども、私は全く逆だと思います。あれほど不安と不信があった会合はないと、私はそう判断しておりましたが、そこにまず一つの認識の違いが出たと思います。
 そこで、そのことをつまびらかに大臣にお伝えしたのか。お伝えしたならば、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(田名部匡省君) 終了後にこの様子の報告を受けました。今、局長が答えたようなことで、淡々と意見が言われて、それにお答えをいたしました、こういう問題の質問がありまして、こういうふうに答えましたということは承っております。
#76
○三上隆雄君 だから、それを聞いて大臣はどう判断されますか。
#77
○国務大臣(田名部匡省君) 技術的な問題は私も専門家でありませんので。しかし、技術的に専門官が問題がないと言っていることでありますから、そのことを十分説明したということで理解できたんではないか、こう思っております。
#78
○三上隆雄君 いや、貴重な時間だから、余り前にやったことをやりとりしたくはないと思いますけれども、先ほど村沢議員の質問にも局長が答えましたけれども、皆さんが正式に実施された公聴会と言われる報告書が大臣にまだ報告されていない、まだ検討中だという、そのずさんさは何なんですか。
#79
○政府委員(高橋政行君) 前にも申し上げましたが、大臣には公聴会の概要につきましては御報告を申し上げておるところでございまして、我々は六十五名の皆さん方のそれぞれの公述内容につきまして現在技術的な面から精査をしている段階でございまして、その詳細なる内容の一つ一つについては全体の検討が終わった段階でまた御相談を申し上げたいというふうに思っております。
#80
○三上隆雄君 政府の対応を見ると、その場しのぎの何か隠し事が多いような気がしてならないんですよ。結局、最初あの公聴会がもめたのも、大臣に報告する旨のその報告書を公表するかしないかでまたもめたわけでしょう。今なぜそれを出せないんですか、二週間以上もたって。二十日以上たっているんですよ。それでもなおかつまだ報告できないという、そういう検討のずさんというか怠慢さというか、目に余りますよ。
 それでは次に、それ以上この問題議論してもどうにもならぬと思いますから、若干技術的な問題に入ると思いますけれども、厚生省の方が見えておりますから厚生省の方にお尋ねをしたいと思います。
 厚生省は食品安全基準法に基づいて、食品の有毒な物質を一定の基準に基づいて検査するわけでありますけれども、今回のニュージーランドから輸入されるリンゴを想定して、それが事前に厚生省に相談があっておるのかどうか、それからまず確認したいと思います。
#81
○説明員(牧野利孝君) ニュージーランドのリンゴにつきましての輸入をどうするかにつきましては農水省の判断でございまして、私どもは事前の相談を受けておりません。
#82
○三上隆雄君 今、厚生省からお答えあったように、現実にニュージーランドでは日本で使用禁止の農薬も使われている。そして水際で心配されるコトリンが、火傷病があるから臭化メチル薫蒸をしなけりゃならない。そしてまた、次亜塩素酸ソーダという、そういう農薬でも処理をしなきゃならない、そういうことを厚生省が、もはやことし入るという状況でしょう、そんなことを厚生省にまだ報告していないという、そういう検査体制というか防疫体制というか、それをまた我々は理解できないのであります。その点についての御見解をいただきたい。
#83
○政府委員(高橋政行君) 我々農林水産省といたしましては、植物防疫法上の見地から、これが完全なる殺虫殺菌技術であるかどうかということでの判断をしているわけでございます。それから、特に我々といたしましては、今回の殺虫殺菌技術に際して用いられる次亜塩素酸ソーダ、またナトリウムとも言いますが、とか、あるいは臭化メチルにつきましてはどういうような状態になるか。例えば、臭化メチルで言いますと、我が国の残留基準があるわけでございますので、その面から見て問題があるのかないのかというような検討、あるいは次亜塩素酸ナトリウムにつきましては特別な基準はございませんが、どういう状況であるかということにつきましては我々も農林水産省なりにチェックをしておるところでございます。
#84
○三上隆雄君 臭化メチルについては、かつては米を薫蒸して問題があるということで禁止になって、そしてまた、今局長がくしくも言ったように、次亜塩素酸ソーダというものはまだ基準がない。農水省に基準がないとすれば、当然厚生省に食品衛生法に基づいた基準があってしかるべきだと思うんですよ。その点どうなんですか、厚生省は。
#85
○説明員(牧野利孝君) ただいまの臭化メチルにつきましては食品衛生法に基づきます残留基準がございますけれども、次亜塩素酸ソーダにつきましてはまだ設定してございません。
#86
○三上隆雄君 例えばの話ですよ、これを一つの基準をつくるといったらどのぐらい常識的に期間がかかるわけですか。
#87
○説明員(牧野利孝君) 仮定の話で申しわけございませんけれども、まず基準設定にかかわります必要な資料というものがございます。それは安全性に関する資料、あるいはその農薬を農産物中から分析する分析法がございますけれども、こういったものが集まったという前提でお話し申し上げますと、厚生大臣から食品衛生調査会に対しまして基準設定の諮問をいたしましてから後、部会での審議、諸外国の意見聴取、常任委員会という経過をたどりますけれども、まあ半年ぐらいかかることになると思います。ただし、あくまでもいろんな資料が整備されてからという前提でございます。
#88
○三上隆雄君 その資料の収集にどのくらい時間がかかるか未知数の点もあるけれども、少なくとも全部そろった段階で半年ということは、相当な年月がかかるということだと私は判断します。それが現実に今入ってくる。そして果たして国民の健康を守れますか、そういう状態で。
 それから、質問続けますけれども、ヤケ防止のために、ニュージーランドから長期間輸送する段階では、その輸送の段階であるいは、まあ輸送の段階と言った方がいいと思うけれども、ヤケ防止の一つの措置が薫蒸というか実洗いというか、その措置が必要だと思いますけれども、ジフェニルアミンというものは日本で基準が示されておりますか。
#89
○説明員(牧野利孝君) ジフェニルアミンにつきましては食品衛生法に基づきます食品規格は設定してございません。
#90
○三上隆雄君 それからナフタリン酢酸、これはどうでしょうか。
#91
○説明員(牧野利孝君) ナフタリン酢酸につきましても同様に基準を設定してございません。
#92
○三上隆雄君 それからデナポンという農薬があります。これはニュージーランドでは収穫五日前まで使用オーケーだということになっております。日本では収穫三十日前までは使用していいけれどもそれ以降は使用禁止であります。
 調べてみますと、日本で使えない農薬あるいは使っても条件が違うという農薬がいろいろあるわけであります。日本で使用されていない農薬、向こうの輸出国ニュージーランドで主要農薬大体三十種ぐらいある中で、約十種類ぐらいは日本で中止あるいは禁止あるいは未登録のものがあるわけであります。実際そういう実態の中で国民の健康を守りながら、日本で余っている農産物をあえて安易に輸入するという考え方は私はおかしいと思うんです。
 くしくも農水大臣は、直接的に経済的な今被害をこうむろうとしている青森県出身の大臣であります。私も七百有余名の国会議員で一番生産現場に近いと言ってもいいほど、特にリンゴに近い立場の人間として、リンゴ百二十年の歴史に重大な今影響を及ぼすことを決断しなきゃならぬと岩であります。
 したがって、私はあらゆる手だてを通して、国民的合意を通して、国際的合意をもって、今回は何としてもニュージーランドでコドリンガ、火傷病が撲滅して、そして絶対薫蒸処理、いわゆるポストハーベストなんというものが要らない状況になってから、これならやむを得ぬと思うけれども、あえて向こうにその病害虫が発生しておって、水際でその処理をしなきゃならない、そういうことまでしてなぜ入れなきゃならないのか、これについての大臣の決意をいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(田名部匡省君) 経済的なことを考えれば私もおっしゃるとおり私の県のことでありますから反対でありますが、しかし、国際的な取り決めというものを無視してこれを入れないということはできないと思うんですね。ですから、これはあくまでも政治的な問題でなくて、技術的な問題をクリアするかどうか。
 何回も申し上げておりますが、いろいろ問題があって、本当にこれが日本に上陸するときに問題があれば、私はそれを突き返しますと、こう言っているわけですから、そこまでがどういうことになるか。いろいろ農薬のお話がありましたが、これは技術的なことですので、私は使っていないものを使った場合はどうかということはお答えできませんが、単純に世界がやっていることはやっぱり日本も、もう輸入しているわけですから、認めているわけですから、それを経済的な理由で阻止するということは、いかに地元のことであっても私はそのことはちょっと違うんでないか、こう思います。
#94
○三上隆雄君 私は単なる地元の利害で言っているのではありません。こういういろんな問題、今厚生省との関係で日本でまだ整備されていない問題がいろいろあるでしょう。ですから、そういう状況を踏まえればあえてなぜこう急いでやらなきゃならないか。確かに、前大臣がそのレールを敷いたかもわからぬけれども、実際機関車を今走らすのは現大臣の田名部大臣の段階で決められようとしているわけでありますから。
 それでは、今度は厚生省の検査体制について質問したいと思います。
 これは若干古いデータになりますけれども、検査体制、一九九〇年、全国に二十二の空港や港があるようであります。そこで、その時点での輸入件数がおおよそ六十七万九千件、そして現物検査が二万五千件、その検査率が三・七%、そのうち分析しているというのはわずか一%足らずという状況。それは、監視員の不足から検査体制の不備不足というか、それから来る結果だと思うわけであります。しかもまだ、その検査の中心は書類検査である。現物検査というのは、サンプル検査はほとんどさっき言ったような状況である。その監視員の状況は今どうなって、九〇年から最も近い結果までその輸入件数・量等々の提示をいただきたいと思います。
#95
○説明員(織田肇君) 厚生省といたしましては、食品輸入の増加に対しまして、食品衛生監視員の増員を図るなど検査体制の充実に努めてきたところでございます。
 食品衛生監視員に関しましては、平成元年度八十九人でございましたが、この間増員に努めてまいりまして、検疫所では、平成五年度百九十五人と、倍増という状況になっております。また、輸入食品の高度な検査を行うために、全国に二カ所、三年度、四年度、輸入食品・検疫検査センターを整備いたしまして、これが横浜、神戸で現在稼働しているところでございます。
#96
○三上隆雄君 実は、きのうの意見を聞く会で答弁者は、七百四十五人の検査員がいて万全を期しているという言い方をしましたね。(「それは植物防疫ですよ。厚生省のあれじゃないんだ、農水省ですよ」と呼ぶ者あり)そうか。それにしても現状の検査体制は極めて弱い、こう思うわけであります。
 それでは、農薬の取り締まり法、これは外国で該当しないもの、それから残留基準も定めていないもの、そしてそれは食品衛生法でも定められていないとすれば、日本の検査はどういう形で検査するんですか。
#97
○説明員(織田肇君) 食品中の残留農薬に関しましては、現在国で基準の定まっているものにつきましては、例えば今回のニュージー産のリンゴのように我が国に初めて輸入される食品のような場合には、これは農薬の使用状況についてのデータを集め、また輸入時に必要な検査を行うことにしております。
 そのほか、現在日本で基準にないものにつきましても、情報収集に努め、仮にそれがあった場合においても検査ができる体制を整えておるところでございます。
#98
○三上隆雄君 いや、検査の体制をとると言うけれども、その農薬の残留基準、そしてその残留基準がないものは食品添加物としていいのかどうか。そして、食品衛生法で定めているもの以外の添加物の禁止はどうなりますか。
#99
○説明員(牧野利孝君) 農産物中から残留農薬基準を設定していない農薬が検出された場合の対応でございますけれども、その検出されました農薬に関します安全性に関する情報、一日摂取計客量などの安全性に関する資料、さらに国際規格であるとかあるいは諸外国の基準、こういったものを参考にいたしましてその適否を判断することにしております。(「食品衛生法には何て書いてある。おかしいぞ、今の答弁は」と呼ぶ者あり)
#100
○三上隆雄君 今、たまたま出ていますけれども、その食品衛生法で定められていないものをどうして、どういう形で検査できますか。
#101
○説明員(牧野利孝君) 食品衛生法で定められておりますものにつきましては、それぞれについて分析法が指定してございます。食品衛生法で規格の定められていない農薬につきましても分析法はございます。例えば、諸外国で使われているものにつきましては、その諸外国で分析法がございますし、また、そうでない場合でありましても各研究機関におきまして分析法の開発が行われているところでございます。
#102
○三上隆雄君 その基準をつくるのに、先ほどのとは違う、今質問していることの基準をつくるにはどのぐらい期間がかかりますか。
#103
○説明員(牧野利孝君) 残留農薬基準の設定でございますが、先ほど御答弁をいたしましたように、必要な資料が整備されてからという前提でございますけれども、およそ半年はかかるんじゃないかと思っております。
#104
○三上隆雄君 いろいろ問題があることを承知でやっぱり入れなきゃならないという、そこに私は疑問を感じながら、きょうの主題の質問に入りたい、こう思います。
 先ほど同僚議員からいろいろ質問されました。今回の農業共済法の改正によって一番問題になっているのは、農作物共済の部門の超過累進方式による国庫負担分の削減だと思います。それについて、先ほど村沢議員にも申されましたけれども、青森県のある組合が全国で一番負担が多いということを初めて聞きました。そのことをもう一度もう少し詳しく。大変だね、大臣。
#105
○政府委員(眞鍋武紀君) 今回の国庫負担方式の見直しによりまして、水稲の十アール当たり農家負担増は全国で百八円、十アール当たり百八円でございます。青森県で四百四十二円でございます。それから、先ほど申し上げましたように、ある組合では千七百円でございます。
#106
○三上隆雄君 十アール当たりは大した額ではないけれども、そういう生産性の低い地域は面積が多いわけであります。そういう地帯の一戸平均の、今回の改正に伴う負担額の増額分はどのぐらいになりますか。
#107
○政府委員(眞鍋武紀君) 一戸当たり一万三千九百十四円でございます。
#108
○三上隆雄君 その青森県の一番負担の多い組合は、ここで組合の名前をあえて言う必要もないけれども、大きく分けて津軽と南部に大別することができると思うわけでありますけれども、その実態というのはどうですか。
#109
○政府委員(眞鍋武紀君) 南部地方でございまして、この組合のございます地域は、大体農業の構成といたしまして、総生産額で見ますと畜産が約七割、米は一〇%を若干切っておる、こういうふうな地帯でございます。
#110
○三上隆雄君 津軽と南部とを比較して、きょうは県内問題を余り取り上げて、大変−しかし地元の問題が一番重要ですから。津軽と県南と大別して、その負担の割合がどうなるかということを聞いているんですよ。
#111
○政府委員(眞鍋武紀君) 十アール当たり農家負担増は、青森県平均で見ますと四百四十二円、日本海側の米の主産地域でございます組合について試算をいたしますと、十アール当たり五十五円ということでございます。同じように、太平洋側の米の主産地域という組合について試算をいたしますと六百六十五円ということで、簡単に言いますとそういうことで、同じ県内でも全国平均の半分ぐらいのところから全国平均の六倍というふうな非常に開きがございます。
#112
○三上隆雄君 こういう地帯は、その地帯なりの今までの共済制度の精神にのっとり、今の制度はやっぱり私は存続していただきたいものだなと、こう思うんです。前に村沢大臣が六十年度の経過も言ったように、(「大臣じゃないよ」と呼ぶ者あり)いや、かつては影の内閣でありましたから。
 それで、いわゆる激変緩和ということができないか、それについての御見解をいただきたいと思います。
#113
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、これは地方によってかなり差があるということは事実でございます。
 今回この超過累進方式の見直しをするということは、米の需給状況あるいは農家の負担等を考えまして、この際これを廃止するということを御提案しておるわけでございます。
 また一方、ちょうど掛金率の見直しの時期に来ておるということで、全般的に見ましてこの掛金率が下がるということで、国庫負担の超過累進方式の見直しに伴う負担増とそれから平均的な被害率の低下に伴う負担減がかなり相殺をされるということで、先ほど村沢委員に御答弁申し上げましたように、事実上の激変緩和になっておるという面もございまして、激変緩和措置を特別に講ずるということは考えていないわけでございます。
#114
○三上隆雄君 果樹共済のことについて最後にお尋ねをしたいと思います。
 台風十九号時代は、残念ながらあの時点での加入率は一三%台であったわけでありますけれども、今はおかげさまで三〇%台になったのですかな。なぜこれほど加入率が進まないと思いますか。
#115
○政府委員(眞鍋武紀君) 果樹共済の加入率は樹種ごとに、また地域ごとに異なっておるわけでございまして、加入率の高い県、低い県がありますが、全体としては、先ほど御答弁申し上げましたように、二〇%台というふうなことで一般的に低いということは御指摘のとおりでございます。
 果樹農家はいろいろなタイプがございます。専業、兼業もございますし、あるいは経営規模の大小、それから栽培樹種、品種の違い等がございます。そういうことで、経営形態が多様であるということで、農家のリスクに対します考え方が差がございまして、要するに一戸一戸の農家の考え方が非常に違っておるということが一つの原因というふうに我々は見ておるわけでございます。
 そういうことでございますが、それからまたさらに、平成三年は大災害があったわけでございますが、それを除きまして、近年、災害が比較的少なかったということも影響しておるんではないかというふうに考えております。
#116
○三上隆雄君 農業共済全体の充実強化槽政府が唱える新農政に向けてもやっぱりもっと強化すべきだと思うんです。最終的には強化するということは、単なる一定の財政的枠内で今回のようにやりくりするんでなく、法の精神に基づいて予算措置をして、そして充実させるところを充実させていく、現状は今の段階では維持していくという姿勢がなけりゃ農業の振興発展がない。特に、こういう停滞ムードの中になかなか出てこないと思うんです。その意味で、何とか今回の平成五年度の補正でもいいから、この強化する分を増額すべく私は政府の努力を要望したいと、こう思います。
 最後になりますけれども、大臣、前段お願い申し上げたリンゴの輸入解禁については、田名部大臣と私がこの解禁の幕引き役にはなりたくないと思います。その意味からいっても、日本の消費者、国民の健康を守る意味からいっても、どうぞひとつニュージーランドから薫蒸処理の要らないような状況をつくるまで我慢していただきますことを切にお願い申し上げて、終わりたいと思います。
#117
○一井淳治君 稲作農家やあるいは関係農業団体、関係市町村に大きな不安を巻き起こしております他用途利用米の不足の問題につきまして、この場をおかりして二、三質問をさせていただきたいと思います。
 新聞報道によりますと、自主流通米を他用途利用米に転用していくということも書かれておるわけでございますけれども、この不足対策はどのようにお進めになるんでしょうか。
#118
○政府委員(鶴岡俊彦君) 他用途利用米につきましては加工用米の需要量の約三分の一を占めておりまして、その安定供給が極めて重要でございます。
 今米穀年度、いわゆる五米穀年度でございますけれども、他用途米の需給につきましては、四年産米につきまして転作緩和したという中で、一部の地域で他用途米から主食用に回ったというようなこともございまして集荷量が減少いたしておりまして、八万トン程度の不足が見込まれるところでございます。このうち三万トン程度につきましては、他用途米自身の五年産米の早食いというようなことで対応が可能であるというふうに考えておるわけでございますけれども、差し引き五万トン程度につきまして別途の対応が必要なのではないかというような現状でございます。
 それで、昨米穀年度につきましては、不作に伴います供給不足に対しましては政府米と四年産他用途米の交換ということで対応したわけでございますけれども、今米穀年度につきましては、それと政府管理米であります政府米、自流米、それぞれの需給事情等を慎重に見きわめた上で具体的な手法をとりたいということで指定法人等関係者と十分協議しておるところでございます。
#119
○一井淳治君 高額な自主流通米の転用あるいは借用ですね。その場合に生産者に負担が及ぶんじゃなかろうかということが今回の大きな不安の原因になっておると思いますけれども、そういった生産者に負担をかけることが絶対にないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#120
○政府委員(鶴岡俊彦君) 他用途米と政府米あるいは自流米との交換自身では若干交換する時点が変わりますので、その際のいろんな価格に若干の相違があることは事実でございます。
 ただ、やり方につきまして、自流米でやるのかあるいは自流米をUターンして政府米としてやるのか、この辺まだ定かでございません。そういう過程での価格差が出てくる、これはやむを得ないところだと思っていますけれども、いずれにしましても関係機関と十分協議しながら進めていきたいというように考えております。
#121
○一井淳治君 その差額を生産者やあるいは農協、市町村の負担にならないようにしてほしいというのが私の質問の要点なんですが。
#122
○政府委員(鶴岡俊彦君) 他用途米自身は、もう御案内のとおりでございまして、第二次の過剰処理が終了したことに伴いまして、加工用原料米の米穀についてどういうふうにするのかという議論の中で、生産調整の一形態として考えますれば、手取りは低くても農家がある程度ほかの米と一緒につくれる、それからまた加工原料業者も一定の価格であれば使えるというようなことで、水田利用転換対策の一環としてやってきたわけでございます。
 他用途利用米との交換自身では価格差は出てこないんですけれども、交換の仕方が、今自流米自身もちょっと過剰ぎみでございますので、それを一たん政府米に回して行うのか、それからまた政府米に回す場合も買い入れ価格か売りの価格がいろいろあるわけでございます。そういう回す過程の中ではどうしても価格差が出てくるというのはやむを得ないと思うんです。これは、直にその生産者だけじゃなくて、いろんな系統の中で工夫しましてブール計算その他やると思いますけれども、そういう中で極力影響が少ない方法はとりたいと思いますけれども、そういうことで若干影響が出てくる。これは全体で調整してもらうつもりでございますので、その辺は御理解いただきたいと思います。
#123
○一井淳治君 この価格差を生産者の負担に持っていかないようにということが私の要望の主要な点でございますので、その点だけは間違いなきようにお願いしたいと思います。
 それから、これは将来の問題でありますけれども、現在自主流通米あるいは政府米との価格差が六千円とか一万円とか相当大きな額になっておりまして、生産者に対してこれを全部負担しろと言うたって、生産者がそのような安い額の他用途利用米を大量につくるということは現実の問題として不可能であると思います。
 現実の問題として不可能であるというのは、もう本当に市町村とかあるいは農協が数千円の負担を現実にして集めてきているという現状があるわけですから、それからまたお米の需給というのは政府の責任でございますから、国庫負担を大幅にふやす形で他用途利用米が確保できるように方策をできるだけお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#124
○政府委員(鶴岡俊彦君) 先ほどの負担の問題も先生の御要望の趣旨は十分受けとめたいと思いますけれども、若干の調整の過程でそういう調整が必要であるということは御理解いただきたいと思います。
 それから他用途米自身、その導入の過程でいろいろございまして、減反を強化する過程ではむしろ需要を超えた生産が行われたりしたわけでございますけれども、現在逆になっておりまして、減反を緩和する中でつくりにくさが出てきているというのは事実でございます。
 その他用途米自身の制度、仕組みの観点から、それを全部差額を政府で負担するというわけにはいかぬわけでございますけれども、この間決定していただきました五年度予算でも、これはあくまでも転作の中の一形態というようなことでございまして、転作奨励金に見合う奨励措置、あるいはそのほかに集約加算でありますとか早出し加算とかいろんな加算金を計上いたしまして、我々としても何とか末端で難しい中で御努力いただいておることに少しでもおこたえしたいと思っております。
 いずれにしましても、農家の方々あるいは系統の方々の理解と尽力が必要なわけでございまして、一体として対応していきたいというふうに考えております。
#125
○一井淳治君 他用途利用米が必要であるということは、これは共通の認識でございます。しかし、国がこの逆ざやをなくそうという方向に余りにも強く突っ走るために、農家はもちろん市町村、農協までに大変な実害が起こっているという状況もありますので、他用途利用米確保のために国庫の負担をふやしながら最大限の努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、先ほども質問に出たわけでございますけれども、御回答の方は今回の法案との関係について御答弁があったわけでございますが、農水省の出しておられます新政策との関係で農業共済をどのように位置づけられるかという点について簡単な御説明をいただきたいと思います。
#126
○国務大臣(田名部匡省君) 経営体の育成など新政策の各施策の展開方向を勘案しながら、農業者の保険ニーズに対応した制度の改善についても今後とも検討していくことが必要であろう、こう思います。したがって、今回の改正の中にもこのような考え方で所要の措置を講じております。
#127
○一井淳治君 それから、農水省はさまざまな施策を展開しておられますけれども、大変農家に有利な融資制度も実施しておられます。そういった融資制度は、回収の確実性という観点からしても共済制度には加入していただいておいた方がいいんじゃなかろうかと思いますし、あるいは農水省の補助金を交付するときにも共済加入を勧めるという一つの接点があるわけでございますが、融資あるいは助成ということと共済加入との関係についてどういうふうな対応をなさるのか。これは余り行き過ぎてもいけませんけれども、やはり積極的に指導することも必要であると思いますが、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
#128
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済制度につきましては、やはり基本は何といいましても農家の方に御理解をいただいて、農家の方の自主的な加入ということによりまして加入率が高まることが一番大事であるということで、我々はその自覚を促すあるいはいろいろとPRをするということにこれまでも努めてきたわけでございますが、今後ともそういうことに努めていきたいと思います。
 ただ、農林水産省がいろんな施策をやっておるわけでございますので、そういう施策との関連づけも行っていきたいというふうに考えておりまして、平成四年度から果樹共済でございますとか畑作物、園芸施設共済、いわゆる任意加入制をとっている共済につきましては、共済の対象になっている作物等の生産等に関連をする一部の補助事業でございますとかあるいは融資事業等につきまして共済への加入状況を事業採択の判断の要素とするということ、あるいは事業の実施に際して共済加入を指導する、こういうふうなことをやっておるわけでございます。
 しかしながら、あくまでもやはり余り強制ということではなくて、指導ということでやっていきたいと思いますが、こういうことで農水省が補助事業なり融資を行うに当たりましても共済加入を一定の要件にするということ、さらには指導するということもやっておるところでございます。
 今後とも共済の加入率が高まりますように努力をしてまいりたいと思います。
#129
○一井淳治君 共済の加入に当たりましては、農水省はとにかく一生懸命旗を振ること、そして都道府県段階でも全力を挙げていくことが必要だと思いますけれども、やはり農水省がやる気を起こすということがいろんな面で影響していくわけですから、多様な接点を使いながら加入率の向上のために一層の御努力をお願いしたいと思います。
 それから、農業共済事業の発展のためには、何をおいても共済掛金国庫負担金を十分に確保していただくことが必要であると思います。先ほどの果樹共済の引受率が五割までというふうなお話があって、局長はちょっとしり込みされたんですけれども、予算が確保できなければそもそも引受率を上げることもできないわけです。ですから、共済掛金国庫負担金を今後予算確保に当たっては十分御努力いただくということが基本になると思いますけれども、いかがでしょうか。
#130
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済事業につきましての国庫負担でございますが、これは加入しました者につきましては掛金について国庫負担があるということでございますので、共済に加入して加入率がふえますと当然に国庫負担もふえてくる、こういう関係になっておるわけでございます。
 そういうことでございますが、御指摘のように、農業共済制度は農業経営の安定のために基本的な制度でございますので、今後とも国庫負担金の確保には努力をして、円滑な制度運営が図られるように努めてまいりたいと思っております。
#131
○一井淳治君 今回の法改正を見ましても、農作物共済の組合員を減らしている、あるいは農作物共済に対する国庫負担金の割合を減らしているということで、相当財源を減らせるということをやりながら、その財源をほかの方へ持っていくという、我々とすれば本当にもう残念な法改正であると思います。今後はこんなことが決して起こらないように、共済掛金国庫負担金をぜひとも十分確保されるように、強く要望しておきます。
 それからもう一つは、先ほどもお話があったわけですけれども、農業共済事業の事務費負担金の関係です。相当長期間、その間は消費者物価も十数%、一般の賃上げも大変な額が上がっているわけですけれども、定額にされたままになっておるわけでございます。
 先ほど大臣は、加入者をふやして一つは解決していくというふうに言われたんですけれども、今回の改正なんかを見ますと加入者が減るような体制ですから、大臣のお考えもちょっと甘いんじゃなかろうかという心配をいたします。
 そこで、もう一遍お尋ねしたいんですが、やはり事務費負担金も、次の年度の予算確保がそろそろ始まるわけでございますけれども、大臣にも本気で取り組んでいただかなくちゃならないと思いますが、いかがでございましょうか。
#132
○国務大臣(田名部匡省君) 人件費の大部分を充足しておるわけでありますが、財政大変厳しい折から私ども努力はしていかなきゃならぬと思いますが、今後団体の方でも一層の広域合併あるいは機械化を推進することによって、事業運営の合理化及び効率化に努めることによって人件費のアップ等に対応していく必要がある、こういうことで指導してまいりたいと思いますし事務費負担金の確保にも努力はしていかなきゃならぬ、こう思います。
 私の方だけではなくて、いろいろ相まって努力をしていただく。農家のためにやっているわけでありまして、そこの理解ができてこないとこっちの方も対応できないということになるわけでありますから、いずれにしてもそういうことで努力をしていきたいと思います。
#133
○一井淳治君 単位当たり共済金額の問題ですが、この額が適正でなければならないのは当然でありますけれども、ちょっと低いんじゃなかろうか。そのために損害もカバーされないし、また加入の意味がないというので加入意欲がわいていないんじゃなかろうかという点が幾つかございます。
 例えば、水稲について言いますと、現在政府買い入れ価格と他用途利用米価格の加重平均によって単位当たり共済金額が決められておるようでございますけれども、現在大部分の水田は自主流通米を耕作している。そうすると、共済金額がマッチしないという問題がございます。また、果物なんかにつきましては高級品を生産している府県もございますけれども、そういったところでは品種についてランクづけがありません。ですから、高級品をつくっている地域については、例えば果物の共済に入っても意味がないということで進まないということもあるようでございます。
 園芸施設につきましては別途質問いたしますけれども、単位当たり共済金額の適正化ということにつきましてはどういう御見解でしょうか。
#134
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済制度につきましては、国が補助をするという政策的な保険制度になっておるわけでございます。そういう意味で民間の保険に比べまして余り弾力性がないという点があるわけでございます。
 それから、基本的にはやはり再生産を確保するということで、収量保険といいますか、一定の収穫量が減少したことに対して一定の補償をする、こういうことによって再生産を確保する、こういう仕組みになっておるわけでございます。価格につきましては余り反映をされてないということでございます。
 そこで、価格変動の激しい果樹共済につきましては試験実施ということでこれまでやってきたわけでございますが、それを今回本格実施するということでやっておりますし、今回さらにお茶につきまして品質面を加味した制度を取り入れるということもやっておるわけでございます。それから、てん菜につきまして糖度の低下を反映させるということでやってきておるわけでございますが、自主流通米でございますとか高級の果樹につきましてとか、そういうふうな高価格をどういうふうに反映させるかという点につきましてはそれぞれ技術的にいろいろ難しい問題がございます。
 自主流通米につきましてはどのような価格をとればいいかというふうなこと等々ございます。さらには、米につきましては当然加入制というふうな加入を義務づけておりますので、価格を高くすると掛金も上がってくる、こういうふうな問題もございましてどの辺の兼ね合いをとったらいいかということでございまして、今の制度の中で、例えば果樹につきましてはそれぞれ農家ごとの価格を反映するような方式も一部取り入れておるわけでございますので、そういうものも利用しながらできるだけ農家の実感に合った共済価額がとれるようにしてまいりたいと思いますし、またそういう農家のニーズにこたえましてどういうふうに改善したらいいかということで、自主流通米等々につきましてはこれからもいろいろな試験なり勉強を続けてまいりたいと思っておるわけでございます。
#135
○一井淳治君 高級品の果樹あたりで見直しが必要な箇所も多々あると思いますので、十分な御配慮をお願いしたいと思います。
 次に、園芸施設共済でございますけれども、ブドウと温州ミカンは施設以外に内側の作物も別個に共済に加入できるというシステムになっておりますが、それ以外の作物については施設と一体として加入するというシステムになっておるわけでございます。そして、被害に遭った場合に、内側にある作物の方が場合によっては被害が大きいということが起こります。
 また、今回は壁がなくて屋根だけの施設も加入が可能であるというふになってまいりますと、屋根の下にある作物の被害の方がかえって大きい、果樹等によりましては作物の被害の方がうんと大きいということが起こると思います。この点も実情に合うように、内部の作物についても被害の大きさに相応できるような工夫が必要じゃなかろうかと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#136
○政府委員(眞鍋武紀君) 園芸施設共済の内部の作物についてどう考えるか、こういうことでございますが、御指摘のように、現在のところ園芸施設の中の作物につきましては種類も多く、また個々に設定することが困難であるということで、園芸施設本体の価格の一定割合というふうな取り扱いをしておるわけでございます。
 しかしながら、農家の方ではその中の作物について共済価額を設定してほしいという要望があることは我々も承知しておるわけでございます。しかしながら、保険でございますので、そういう個別の作物につきまして被害率がどうなるか。過去の一定のデータの集積が必要でございます。さらには損害の査定という技術的な問題もございます。それから一定のまとまり、危険分散のためのまとまり、こういうふうなものがございます。そういうふうな技術的な問題等々を検討しなきゃいけない問題があるわけでございますが、今後とも農家のニーズに対応した共済制度が仕組めますように検討を続けてまいりたいと思っております。
#137
○一井淳治君 その検討もできるだけ早くしていただきまして、農家の方々がこれは役に立つ共済だということで積極的に加入できるように早急に進めていただきたいと要望いたしておきます。
 次に、家畜共済の関係でございますけれども、乳用牛の関係で事業収支が急速に赤字に転換しておるという部門がございます。この原因は牛肉の輸入自由化によることは明らかであると思いますけれども、牛の価格の急激な低落というものは今とまっていませんし、また最近の円高が進む中でこの問題はまだまだ今後に影響していくと思います。
 農水省の方では高被害率地域対策事業の拡充あるいは家畜共済特定損害防止事業交付金の拡充ということを予算措置としておやりいただきまして、また今回は掛金率の改定ということを進めておられるわけでございますけれども、それだけでは私はまだ事業収支の赤字は解決できないんじゃないかという心配をいたしております。結局はこの点は政府がつくり出した大変な経済環境の中で起こっている問題ですから、これは保険を超えているんじゃないかという御意見もあるかもしれませんが、しかし外部的な状況は数字にははっきりと影響してきておるわけでございますから、国庫負担をふやすなど強力な対応を保険の部門においてもしてもらわなくちゃならないと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#138
○政府委員(眞鍋武紀君) 家畜共済事業につきましては、過去はかなりいい状態で推移してきておったわけでございますが、平成二年から平成三年度の被害率が掛金率を上回ったということで赤字が出たということでございます。
 御指摘のように、料率の改定とかあるいは被害対策をいろいろやっておるわけでございます。そういうことでございますが、家畜共済につきましては国庫負担の問題もございますが、被害率が低くならないと負担がふえるわけでございますので、何とかこの被害率を減らしたいということで、事故低減対策ということで御指摘いただきましたようないろいろな事業をやっておるわけでございます。特定損害防止事業でございますとかあるいは高被害率地域対策でございますとか、いろいろな被害防止対策をやっておるわけでございますが、さらに今後ともこういうふうな事業、あるいはほかの畜産部局とも連携をとりながら何とか被害率を下げまして、この赤字対策を行っていきたいと思っておるわけでございます。
#139
○一井淳治君 被害率を下げることも非常に大切なことでありまして、そのためにも相当国庫の費用が出ていくわけですけれども、今回の改正ではそういう方向は余りありませんでしたけれども、国の負担率をふやすということはできないことではないわけですから、そういったことを考えていただくことが、今回のような国の政策として牛肉の輸入自由化をした場合の対応とすれば最も適切ではなかろうかと思います。これは畜産局の方の政策的努力ということも必要でございますけれども、これが共済事業の中にもろに影響してきているわけですから、共済事業内部においても国庫負担しながら助成していくということをもう一遍お考えいただきたいと思います。
 次に、加入促進でございますけれども、先ほども申し上げたんですが、相当本格的な努力をしていただかないとなかなか加入促進はできない。これは基本的には農業の未来に対する希望が持てないという、ここに基本があるとは思うんですが、しかし農水省がもっともっと元気を出してもらわないと加入促進ができないと思いますが、いかがでございましょうか。加入促進についての御方針についてお聞きしたいと思います。
#140
○政府委員(眞鍋武紀君) 御指摘のように、現在の農業共済制度につきましては当然加入制と任意加入制とございまして、どちらかといいますと従来当然加入制におんぶをしてきたといいますか、それ中心の制度になっておるわけでございます。任意加入制の果樹共済でございますとか園芸施設共済の加入率が低いという状況でございます。
 農業の事情が、米麦中心から多様な作物、まあ選択的拡大と申しますかそっちの方向へ変わってきておるという状況の中で、これが農業の事情変化に対応したような制度に変わっていくためには、果樹共済でございますとか園芸施設共済、こちらの方の加入率が高まってくるということが大変重要であると我々も認識をしておるわけでございます。
 そういうこともございまして、今回てん菜の支払い損害割合を改善するとか、あるいは糖分取引でございますとか、いろいろな畑作物共済についての改善あるいは果樹共済についての改善、園芸施設についての改善を盛り込んで、少しでも魅力ある制度に変えたいということで今回の御提案をしておるところでございます。
 さらには、幾らこういうふうに制度を直しましても、実際にそういう勧誘といいますか加入促進をやっていただく共済組合が一生懸命やっていただかないとなかなかうまくいかないわけでございますので、共済組合が一生懸命加入促進に励めるようにということで、責任分担割合を共済組合の方がより多く持てるようにしまして、これによりまして共済掛金が共済組合に入るということで、加入促進の励みにもなるということで責任分担割合の改正もあわせて行っておるということで、個々の共済組合にも一生懸命やっていただこうということでございます。
 さらに、先ほど申し上げましたように、農林水産省としましても、補助金を出すときあるいは融資を行いますときに、共済に入っているかどうか、あるいは共済に加入してほしいということをチェックするといいますか指導するということもやっておるわけでございます。
 これらは、共済組合それから政府も一緒になりまして、この共済の加入率を高めていくということがぜひ必要であるというふうな方針のもとに努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#141
○一井淳治君 今回は省令を改正されまして、農作物共済の組合員資格を十アール以上にされるとか、その他組合員の加入に逆行するようなことも多々あったわけでございますけれども、そういった点の弊害が出ないように、例えば生産組織単位での加入をしやすくして、極力弊害が出ないように御努力いただくということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#142
○委員長(吉川芳男君) 先ほどの村沢委員の質問に対する答弁の件は、午後の委員会で政府より検討の上答弁していただきます。
 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#143
○委員長(吉川芳男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言言願います。
#144
○谷本巍君 午前中多くの皆さんから質問があったわけでありまして、重複を避け、またもう少し伺いたいという点等もございますので、そうした点を中心にしながら若干御質問申し上げたいと存じます。
 まず初めに、組合員の資格制限の問題について伺いたいと思うんです。
 今回の場合は、農地面積で言いますというと、十アール未満のいわゆる農家については資格がなしというようなことにしたわけであります。なぜ下限を新設したのか。これについては、農業委員の選挙権もそうなっておりますし、それからまた農業センサスの農家の定義がそうなっておりますとか、さらにはまた統計調査の関係等々事情を幾つか挙げられておるようでありますが、ああでもあればこうでもあるじゃ話にならぬのでありまして、どれが基本なのか、簡潔に伺いたい。
#145
○政府委員(眞鍋武紀君) 組合員資格につきましては、現在は下限が決められておりませんで、極めて零細な規模の農家までも組合員になり得るということになっておるわけでございます。それで、行政監察におきましても、それはおかしい、一定の下限を決めるべきではないかという指摘もございました。
 そういうことで検討いたしましたが、そのときに、農家の定義といいますか、統計上の農家の定義が経営耕地面積十アール以上というのが農家として位置づけられておるということがございまして、それから今御指摘もありましたように、農業委員会の選挙権等を有する者を見ても十アール以上、こういうふうなこともございまして、一応農業に関する保険といいますか、共済制度ということで、やはり十アールを一つの下限にしようということでこの資格を設けたわけでございます。
#146
○谷本巍君 ですから、私が伺っているのは、基本的な理由、事情、それは何なんですかと伺っているんです。
#147
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど御答弁申し上げましたように、今の共済事業では十アール未満の五アールなり三アールなり、そういう人までこの共済にはいれるということになっておるわけでございますが、そういう国の保険制度として全然下限面積が決まっておらない、そういう状態は農業に関する災害補償制度として適当ではないという指摘もございまして、そういうことから、農家として定義するといいますか農家として扱う場合に一体どこに線を引いたらいいかということで、いろいろと農家の定義といいますか、ほかのところの扱いなんかも見まして十アールということを設けたわけでございます。
#148
○谷本巍君 農家としての定義ということになってきますと、局長、構造政策事情、そういう観点でこれを決めましたということになってくるんですよ。いいですか。そうすると、どんどんこの基準を上げていかなきゃならぬという話になってくる、そこはどうなんですか。
#149
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済制度につきましては、災害補償ということでございまして、構造政策としてあるべき姿というものはまた別途あるわけでございます。しかしながら、現実の農家がどれぐらいあるか、現実に農家としてどういう人がいるかという現実を踏まえまして、その人たち、農業をやっている人、そういう農家として災害補償にどういう人を入れたらいいかという検討のもとに入っていただく、こういうふうに決めたわけでございます。
#150
○谷本巍君 農家の定義というのは構造政策との絡みの中から出てくるんですよ。今度の新農政のような要するに効率化一辺倒的なやり方になっていくとそういうことになってくるんだよ。どうなんですか、はっきり答えなさい。
#151
○政府委員(眞鍋武紀君) 構造政策として確かにいろいろな議論がございました。今後、大きな規模の十ヘクタールなり二十ヘクタール、そういう人を対象に制度を仕組んだらどうかという議論もございましたが、現実にそういう農家が幾らぐらいあるか。それから、農業共済制度というのは、災害補償、現実にそこにある農家が災害に遭ったときにその補てんを受けられる、こういうことでできておるわけでございますので、現実の農家の数、実態、将来の目指すべき方向ということではなくて、現実にどういう人がどれぐらい生産しておるか、こういう実態を踏まえまして、農家としてこの共済制度に加入できる限度というものが十アールが適当であろうということで決めたわけでございます。
#152
○谷本巍君 そうしますと、今あなたの言葉をそのままそっくり引用しますと、将来目指すべき方向としてではなくというお話ですから、つまり構造政策的視点あるいは財政政策的視点というものからの資格制限ではない、こう受け取っていいですね。
#153
○政府委員(眞鍋武紀君) 構造政策的な視点ということでこの下限面積を設けたわけではなくて、それはあくまでも、構造政策的な観点はけさほど御答弁申し上げましたが、一定の生産組織でございますとか、あるいは地域単位でなくても大規模農家につきましては全相殺方式に加入できるようにすると、こういうふうなことを今回入れておりますが、構造政策的な観点からこの下限面積を設定したわけではございません。
#154
○谷本巍君 そこのところをしかと確認しておきたいと存じます。
 続いて、若干細かいことを伺いたいと思います。
 まず第一点、無事戻しのことであります。
 三年間災害がなかった場合、二分の一の範囲内で無事戻しがこれまでできたわけであります。改正後もこの点は変化はないかどうか、いかがでしょうか。
#155
○政府委員(眞鍋武紀君) 無事戻してございますが、今回の制度改正におきましては無事戻しの方式自体を変更するということは考えておりません。
 今回、若干無事戻しに関係いたしてまいりますのは責任分担方式。責任分担方式を改正いたしまして、組合等、要するにこの共済制度は組合、連合会、国というふうな三段階になっておるわけでございますが、組合段階の責任を大きくすることによりまして、組合が保留する手持ち掛金、これがふえるわけでございます。そういうことによりまして従来よりも組合等に生じます剰余金がふえる可能性がふえてくるということで、無事戻しの財源等に充当されるということもあるわけでございまして、そういう意味では今回の責任分担方式の改正によりまして従来よりも組合等が行う無事戻し等の強化充実が図り得るものと考えております。
#156
○谷本巍君 局長、お願いします。できるだけ簡潔にやってください、私も時間がありませんから。
 続いて、米の収量の判定基準について伺いたいのです。
 災害に遭いますというと、農家のまあ減収実感とでもいいましょうか、それと共済の判定というものに一致しない場合というのが少なくないんです。米の場合についてそれはどういう事情なのか。例えば一つはコンパイシロスといった問題もあるでありましょう。私がきょう伺いたいと思いますのはふるいの目のことであります。
 この議論については古くから議論があるわけでありまして、政府統計調査の場合には一・七ミリを使っている。最近は自主流通米が圧倒的な比重を占めるようになった。使われているふるいの目は一・八から一・九、中には二・〇というものもあるやの話も聞くことがあります。この誤差が結構ばかにならぬのですね。特に災害になった場合にそういう状況が出てまいります。
 それで、その点は実態に合わせるべきであるということを私どもはこれまで何度か言ってまいったのでありますが、今回の法改正と絡んでこの辺のことについては検討しておられるのかどうか、いかがでしょうか。
#157
○政府委員(眞鍋武紀君) 水稲におきます基準収穫量の設定とか損害評価の収量基準につきましては農林水産統計を使っておりまして、したがいまして、委員御案内のとおり一・七ミリというふるい目を使っておるわけでございます。最近事情が変わってまいりまして、自主流通米では一・八ミリあるいは二ミリというふるい目を使うというものがふえているということは事実でございます。その場合の目幅につきましては年産なり地域等によっていろいろ差があるわけでございます。
 そこで、この問題は古くから指摘をされておるわけでございますが、農林水産省としましても一・七を一・八にするとか変えたらどうかということでいろいろ検討をしてみたんでございますが、なかなか現在のところどの目をとったらいいか、一・八なのか一なのか、さらには、過去のデータが大体一・七でやっておるわけでございますので、過去のデータをどういうふうに修正したらいいか、等々の問題がございまして、まだ結論が、今これを変更するということにはなっていないわけでございます。
 しかしながら、事情の変化、こういうことがあるわけでございますので、さらに検討を続けさせていただきたいと思っておるわけでございます。
#158
○谷本巍君 この点は私ども大分前から提起をさせてもらっておるのでありまして、その都度検討検討という話を伺ってきたのでありますが、いつごろまでというおおよそのめどだけでも出していただけませんか。
#159
○政府委員(眞鍋武紀君) この点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、これを積極的に変えるということにつきましてはなかなか現段階では難しい、こういうふうな状況でございます。それからまた、我々保険の世界だけで処理できない。要するに、米の流通の問題あるいは統計の問題というものとも関連いたしまして、なかなかいつまでということについて今御答弁申し上げることができないわけでございますが、さらに急いで検討を進めてまいりたいと思っております。
#160
○谷本巍君 この種の問題というのは共済不信にかなりつながっている度合いが高いものがあるわけでありますから、それだけにできるだけ早い機会に農家の期待に沿うことができるように、言いかえるならば実収にぴたりと合うようなものにするようお願いをしておきたいと思います。
 続いて、大臣に伺いたいと存じます。
 なぜ今の時期にこの共済法の改正をやるのか、私にはわかるようなわからぬような気がしてならぬのであります。
 御存じのように共済制度というのは農政のフォロー役です。つまり、農政の方が主役だとするならば、言うなればこっちの方が脇役のような性格を持ったものであります。じゃ、主役の本体はどうかというと、新農政は出たばかり、肝心のウルグアイ・ラウンド、十二月までに結論が出るのかどうか。仮にドンケル提案が通ったとしますと、これは米だけじゃありませんよ。麦だって、牛肉だって、それからまた酪農だって、豚だって、それからビート、甘藤類等々も大打撃を受けるというような状況が起こってくるわけですね。
 そういう状況というのが目の当たりにあるという前に掛金についての五〇%以上のものは五〇%で切っちゃう。ですから、農家の側からしますと、どうやらこれは例外なき関税化に踏み切る前段的なものなんじゃないかということを言う方も実はおるわけであります。
 ともかくも、自由化問題一つとってみてもこれは大変な状況変化を起こすでしょう。例えば具体例が牛肉の場合ですよね。牛肉の自由化をやった。そうしたらそれが家畜共済の方について大変な赤字を拡大させるような状況にもなってきた。こんなことは自由化をやる前なんかちょっと想像がつかないことでしたよ。それだけに予測できないことがかなりこれから生じてくる。これは新農政も同じですよ。
 そういう状況を目の前にして先に国庫負担の方を五割に抑えるというような法改正をやったというのがどうも私どもには理解ができぬのであります。なぜ急がなければならなかったのか、大臣、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
#161
○国務大臣(田名部匡省君) 私が就任をいたしました一昨年、ちょうど台風の被害が甚大でして、随分全国の方々から要請がありました。実態を調べてみましたら、私のところの青森県のリンゴでも十数%、一四%ぐらいであったと思うんですが、そんな状態だったんですね。一体どうしてこうなんだということでいろいろと私も勉強してみました。
 しかし、結果的には加入していない人たちが一番困ったわけでありまして、そういうことからいろんな意見がその後ありまして、どうやったらば加入できるのか、しにくいという話がありましたから、そういうことで抜本的に制度改正を考えてみたらどうかということとあわせて、今までもずっと園芸施設でありますとかいろんなことがあったのと軌を一にして事務当局がこれに着手をしてくれたということと、あるいは六十年の制度改正以来、今お話しの中にもありましたが、生産品目がだんだん変わってきておるわけですね。
 この事業対象が拡大、あるいは生産の実態に見合った補償というものもどうもなされていないという、そのときの意見では、もう相当被害がないともらえない仕組みだから入らぬという意見等もありまして、そういうことを考えながら本制度の運営主体である農業共済団体の自主的な事業推進意欲をまた向上させたい。やっぱり保険制度というのはみずからがそういう体制になっていく、それに国が支援をする、そういう体制がとれぬものだろうかという、こういうことを考えて、近年の農業事情の変化に対応したものだというふうに、私はそう思って御提案しているわけです。
#162
○谷本巍君 今度の改正では若干新しい手法を取り入れてきているということは一遍でこれはわかるんですけれども、新農政だってこれからいろいろなものを皆さん出していかれるんでしょうし、その進展状況だって見ていかにゃならぬでしょうし、それからまた、ウルグアイ・ラウンドの結果いかんでは大改正をやらなきゃならぬ場合もあり得ると思うんですね。その辺のところは、大臣、確認しておいてよろしいですね。
#163
○国務大臣(田名部匡省君) これは災害によって受ける、そういうものを救済すると私は考えておるわけでして、その他の要素でいろんなことが起こりますことについては、それはまた別途に対策を講じていかなきゃいかぬ。牛肉の自由化、これもそういうふうに価格の保証といいますか、そういうものとかいろんな制度の中でそっちはそちらで救っていくということでございますので、まあどういうことになりますか、いずれにしても、農家の皆さんが意欲を失うことのないようにどう配慮していくかというのはいろんな制度との絡みでしていかなきゃいかぬというふうに考えております。米の自由化前提でありますとお答えしにくいわけでありますが、いずれにしても一般的に申し上げて、私どもは全力を挙げていかなきゃいかぬ。
 それから、新政策との関係でありますが、望ましい経営体の育成を考えておるわけでありまして、保険のニーズに対応した制度の改善ということも当然規模拡大をすればしたなりのことを考えていかなきゃならぬ。これは規模拡大ばかりではありません、園芸の施設にしてもですね。新政策が順調に進むように私どもも検討していく必要があると考えております。
#164
○谷本巍君 私は、例外なき関税化を受け入れるべきだということをもちろん言っているんじゃありませんよ。受け入れるべきじゃない。しかし、万が一不幸にしてそれを受け入れざるを得ないとか受け入れてしまったというような場合は、これは農業関係の事情がもう大変革の状況が出てくるわけですよ。そういう場合は、そういう事態に対してフォロー役としてのこの共済制度も再検討される状況になるんでしょうなということを私は言っているわけですよ。
 しかも、大臣も御存じのように、ドンケル提案の中でドンケルさんは作物保険への政府負担についてはかなり柔軟なものを出してきているわけですよね。片方で、今度は価格政策がどうにもならないというような場合には、今度はフォロー役の方がかなり元気よくやっていかなきゃならぬというような場合も出てくるわけですよね。そういう意味で私は大臣の考え方をちょっと伺っておきたかったという意味なんです。よろしいですか。
 それじゃ、先に進ませてもらいます。
 大臣がなさっておる新農政とは少々違ったものかもしれませんが、有機農業についてこの保険の対象にしていくという検討をしていただくことができないかということについて伺いたいのです。
 有機農業を集団的にやる。例えば、一つの集落あるいは農協単位ぐらいの規模でやる。その種の場合は一番問題になるのは、我が市町村長や農協の組合長さんなどに聞きますと、圧倒的に多いのは技術指導ですよ、技術指導。これは改良普及員それから営農指導員ですね。ここからふやしてもらえぬかと、行政に一番注文したいのはそれだというのがまず出てまいります。
 それから、関係農家の間などから出てまいりますのは、一つは有機肥料センターをつくってくれといったようなものも出てきますけれども、もう一つ大きな問題というのは減収補償の問題です。生協などと産直でやっている場合は、例えば生協の場合は減収補償制度をつくっていくための基金づくりについて二分の一を持ちます、残りの二分の一については村と農協と関係者で負担してくださいというようなことで、現に減収補償制度などをつくっているという例も結構最近はぼつぼつ出始めていますよ。そういう努力が既にもう民間段階で出ているんですね。これを見てみますというと、共済制度の中でこの種の問題を検討することができないのだろうかということを私は思うのです。いかがでしょうか。
#165
○政府委員(眞鍋武紀君) 環境保全型農業といいますか有機農業、こういうものにつきましては、先生御指摘のように近年非常に盛んになってきておりますし、また今後の環境保全型農業を育てていきたいということで我々も取り組んでおるわけでございます。
 農業共済につきましては、ある姿のものを応援していくということでございまして、有機農法によりまして栽培される例えば水稲なんかにつきましても原則として一般の栽培による水稲と同じような扱いになっておるというのが現状でございます。これは国庫負担をしておるということで、任意の保険に比べましてかなり厳格なといいますか弾力性のない制度になっておるという点もございまして、一律に扱っておるわけでございます。しかしながら、実態として有機農業が進んできております。
 ただ、通常の栽培方法と著しく異なるということで、一部なかなか適正な管理が行われないというものについて引き受けができないというものもあるわけでございますが、一般の水稲と同じような方法では引き受けができるということでございます。さらに、高付加価値の価格を反映できないかという要望もあるわけでございますが、共済制度といいますのはやはり保険の理論がございまして、過去の被害率についての一定のデータがそろわないとなかなか取り組めない。それから一定のまとまり、危険分散、ある県の一部地域だけつくられておるということではなかなか危険分散が図られないというふうな問題。それから、災害が起こったときにどれぐらいが減収であるかということが、損害査定といいますか、損害査定がちゃんとできると、こういう条件が整っていないとできないわけでございます。
 今後の方向としては、そういう農家のニーズを反映したような仕組みができないものかということで検討をさせていただきたいと思います。
#166
○谷本巍君 局長の前向きの答弁が出まして、私もほっとしたのでありますけれども、ともかくも日本の場合には組織された消費者が一千五百万世帯を超える状況に今なってきているんですね。ここ最近は毎年百万世帯ずつふえてきているわけですよ。まだまだふえていくと思いますね。この皆さんがやっぱり何といっても一番重視しているのは安全な食料を得たいというようなところに要求の基本があるわけでありますから、したがって農業生産の側もそれに対応していくことが望まれていくわけですから、しかとひとつ検討してくださるようにお願いを申し上げておきたいと存じます。
 もう時間がなくなりました。最後に大臣に伺いたいと存じます。
 米の収量問題あるいは今の有機農業生産を新たな対象にということは今お願い申し上げたわけでありますけれども、私が今挙げた以外でも、例えば果物でも洋ナシとかスダチとか、あるいはまたカボスですか、この事業対象の拡大の検討課題としてありますね。それからまた、乳牛の子牛、胎児などの問題等々あるわけでありますし、そのほか米の問題についても自主流通米等の価格を反映した共済金の設定問題があるわけであります。
 大臣、この種の問題についてどういう機関で検討していかれますか、新たな機関を設定してやっぱり検討していただきたいと思うのですよ。いかがでしょうか。
#167
○国務大臣(田名部匡省君) 私もどうすればいいかよくわかりませんが、ただ、一つ一つが専門的なことでもありますし、そういうところでやっぱり検討していかなければ、何か形をつくってということの方がいいのかどうか、いずれにしても少し勉強させていただきたいと思います。
#168
○谷本巍君 大臣、一つお願いしておきたいのがあるんですが、経済局だけじゃなくて、関係局を入れてやっていきませんというと、どうしても縦割りだけでいくといったって、これはもう無理な時代でもあるし、複雑ないろんな多くの問題を抱え込んでおるわけでありますから、だから縦割り的にならないように、関係局なども含めて全体として論議ができるような、そういう発想でひとつやっていただきたいということをお願いしておきたいんですが、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(田名部匡省君) 大体そういう考え方で勉強してみたいと思います。
#170
○谷本巍君 ありがとうございました。
 終わります。
#171
○委員長(吉川芳男君) この際、午前中の村沢委員の質問の件について政府に答弁いたさせます。
田名部農水大臣。
#172
○国務大臣(田名部匡省君) 六十年度改正の際に、当時の佐藤大臣から、「今のところ農林水産省はそういうことは毛頭考えておりません。超過累進制とそれから国庫負担の割合については、現在のまま守る決心でございます。」と、こう答弁しておるわけでありますが、さらに局長から、「これだけの大議論をして得た結論でございますから、現時点で予想をしがたいような非常に大きな変化というようなものが起きれば別でございますけれども、そのような変化がない限りにおきまして、この国庫負担の仕組みというものを堅持をしていくつもりでございます。」と答弁しておるわけでありますが、この答弁の趣旨に沿わない点がありますことはまことに申しわけないと思います。
 今回の改正は、新政策を策定するほどの農業事情の変化があったこと、また厳しい財政事情があることなどから、本制度全体の円滑な運営を確保していく上で必要なものとして御提案申し上げておるものでありますので、御理解をお願いいたします。
 以上です。
#173
○村沢牧君 農水省の見解を聞いたわけですが、この際、一言申し上げておきたいというふうに思います。
 国会で答弁をし公約したことを政府の都合によって勝手に変更することは、国会軽視であり、許されません。大臣が申しわけなかったという答弁でありますので、この件については聞きおく程度にいたしておきます。
 そこで、大臣、今議題となっております改正案が成立するか否かは私はここでは申し上げませんが、成立した場合には、今後掛金の国庫負担割合を削減するための見直しは行わない、このことを確約してください。
#174
○国務大臣(田名部匡省君) 掛金国庫負担につきましては、現在この方式がよいということで提案をしているところでありますので、当面これを変更することは考えておりません。
#175
○村沢牧君 もう一点お伺いします。
 当面ということは、将来変更することもあり得るというふうにもとれるわけであります。
 そこで、先ほど大臣の答弁にありましたように、先回の改正の際、大臣は当面というようなことを言ったんですが、後藤局長が、当面ということはいろいろ問題がありますから、現時点で予想しがたいような非常に大きな変化というものが起きれば別でございますが、そのような変化がない限りにおきましてはこの国庫負担の仕組みというものを堅持してまいりますと、こういうふうに局長が補足しているんです。眞鍋局長もこうした考え方に変わりはないと思いますが、どうですか。
#176
○政府委員(眞鍋武紀君) ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、農業事情等に大きな変化がない限りはこの国庫負担割合を見直す考えはございません。
#177
○村沢牧君 もう一点。
 非常に大きな変化がない限りということを前局長は言っておるんですね。そういうことですね。もう一回答弁してください。
#178
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業事情に非常に大きな変化がない限りはこの国庫負担割合を見直す考えはありませんと、こういうことでございます。
#179
○村沢牧君 はい。いいですか。
#180
○風間昶君 今のお話を聞いて、本当に一部ほっとするけれども、当面ということの規定が非常に幅のあることで、なかなかくせ者だなというふうに思ったわけでございます。
 そこで、国庫負担率の引き下げにつきまして私も質問させていただきたいと思いますが、先ほど来、災害時における農業経営の安定を図る意味から共済掛金に対する国庫負担は行われているというふうに伺っております。
 今回、そのうち農作物共済と蚕繭共済及び畑作物共済について国庫負担の合理化を行うという法案ではないかというふうに思いますが、そのことについて、合理化というのは非常にある意味では聞こえがいいわけでございます。やる側にとっては合理化、やられる側にとっては不合理化の部分も随分とあるわけで、要は国庫負担割合を引き下げるということで、私の地元北海道でも大変な思いで何とか引き下げないでほしいという現場の声があるわけでありますけれども、今回の国庫負担率の引き下げの対象が、農作物、蚕繭、畑作物共済の三共済事業だけというふうにされた理由、なぜこの三共済の国庫負担率を引き下げるのか、初めにもう一回きちっと伺っておきたいと思います。
#181
○政府委員(眞鍋武紀君) 掛金国庫負担につきましてはこれまでも累次簡素合理化を行ってきておるところでございます。
 農作物共済につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、例えば水稲につきましては、過去二十年間の被害率を見まして、被害率の高いところほど国庫負担を厚くするということで制度ができておるわけでございます。
 これは、災害になっても米を作付して一定量の米を確保するという趣旨から、戦後、増産時代に導入されたわけでございます。ところが、その後昭和四十六年から、米の生産調整が始まったわけでございます。そういうところで、片方で米の生産増加という制度を残しながら、片方で米の生産調整を行う、こういうことにつきましてはいかがなものかということで、だんだんこの超過累進方式を簡素合理化してきておるわけでございます。
 それで、その後の推移を見てみますと、被害率が下がりまして、現在三段階の超過累進方式になっておりますが、全体として被害率が下がってきたという状況の中で農家負担等を考えてみますと、この超過累進方式を廃止しても農家が負担にたえられると、こういう判断のもとに米についての超過累進方式を廃止するわけでございます。
 さらに麦につきましては、被害率の水準が水稲に比べましてかなりまだ高いということを考えまして、二段階の超過累進方式ということで超過累進方式を残しておるわけでございます。
 それから蚕繭共済につきましては、適地適産の施策の進展でございますとか、あるいは養蚕の技術の進歩ということもございまして、金額、被害率が低下をしておるということでございまして、これも超異常の災害の部分については国が負担するということになっておったわけでございますが、その部分を廃止いたしまして、国庫負担割合を一律五〇%にするということにしたわけでございます。
 さらに畑作物共済におきましては、制度発足当時、水稲との均衡を図るということで六〇%とされておったわけでございますが、水稲の国庫負担割合が下がってくるということ、さらには近年の被害の発生状況等を考えまして、国庫負担割合を一律五五%というふうにすることとしたわけでございます。
#182
○風間昶君 一つ一つの部分についての説明はわかりましたが、要するに、ほかにも共済の対象となるものがあるわけで、なぜこの三つに最初に絞ってやったのかというその判断は、ですからどういう判断に基づいたのかということを明快に一言でお答えいただきたいと思います。
#183
○政府委員(眞鍋武紀君) これは初めに申し上げましたように、米についての超過累進方式が現在の実情に合わなくなってきたということ、さらには蚕繭につきましての超過累進方式といいますか超異常災害部分の全額国庫負担、こういうものが時代に合わなくなってきた、それと関連をいたしまして畑作でございますとかそういうものを修正した、こういうことでございます。
 要するに、生産に対しまして中立的といいますか、今までは被害率の高いところを補助率を高くする、こういうことにしておったわけでございますが、そういうことの必要性、それから現在におきます他の政策との整合性、こういうことを考えまして、そこを直して、それに関連して畑作まで及んだということでございます。ほかの果樹とかそういうものにつきましては現在のところ一律に五〇%というふうに決まっておりますので、そこはその関連で改正する必要がなかった、こういうことでございます。
#184
○風間昶君 もうちょっと奥深いところに私は意図があるんじゃないかというふうな感じがするわけです。つまり、やっぱり国の財政事情というのが一番大きい問題ではないのかなというふうに思うわけです。昨年の末には行政監察局から国庫負担のあり方についての見直しも勧告されているわけですから。
 ただ、先ほど来午前中からお話があるように、農家の方々の一番の不安は、今回五〇%になった、やはりなし崩し的にやられていくんではないかという不安があるわけで、そういう意味で先ほど大臣からも、また局長からも、当面これを変更することはないと。当面というのは非常に本当にあいまいな言葉でありますが、大臣、間違いなく五〇%を最低確保するということでよろしいんですね、もう一度。
#185
○国務大臣(田名部匡省君) 全般的に私の考えましたことは、農家の方々が再生産を確保できないということだけは、これは避けていかなきゃならぬという点が一つ。それから、今後どういうことになろうかということはなかなか予測しがたい問題であります。
 いずれにしても、農家のためにある制度でありますから、それがギャップが生じた場合にはいろいろと改正をしていかなきゃならぬ。だからといって、五〇%のことについては考えていないと先ほど申し上げたとおりでありますが、いずれにしても、そのときどきどういうことになるかわからぬが、私どもが国会議員をやめてからでもいろんなことがあれば、いずれにしても農家に再生産が確保できないようなことには絶対してはいかぬ、こう思うんです。だから、そこのポイントは国会として将来とも外してはいかぬというふうに考えます。いいことに改正していく、その時代に合ったように改正するということはあるにしても、そう考えております。
#186
○風間昶君 大臣、やめることになるって、その消極的なですね、おれは国を出たら大臣になるという、私は先輩からいろいろ教えられてきたわけです。それが今現実に大臣が私の目の前でそういう言葉を言うということは、日本の農業、畜産を守るという観点に私は立っていないんでないかというふうに思わざるを得ないんですが、そこのところどうしますか。撤回しますか、今の言葉。
#187
○国務大臣(田名部匡省君) やめるというのは、国会議員をそれは何十歳までもやれるものではありませんし、まあ余り長いことはどうかと思いまして。しかし、だれかがみんな我々の後を継いでやるわけでありますから、そういうときに至っても今の視点をきちっと踏まえて農家のために全力を尽くしていただきたい。そういう時代にどういうことになるかというのは今から私が申し上げることはなかなか難しいので申し上げたんでありまして、決してポイントだけは外さずにやっていくのが本来の姿だ、こう思っております。
#188
○風間昶君 力強い、かどうかはちょっとまだ私も不安でございますが、ぜひともきちっと決着をつけていっていただきたいというふうに思います。
 そこで、国庫負担率の引き下げをされますと、農家負担というのは経営そのものに、まあ経営に対しての負担の割合というのは大して多くはないにしても、(「そんなことはないですよ。北海道は大きいですよ。」と呼ぶ者あり)いや、今北海道の話をしようと思ったんですけれども、全国的にそうであるというふうにはあれですが、やっぱり北海道は非常に大きいというふうに私は思うわけです。
 先ほど村沢議員からの質問でも青森もそうだったですが、北海道も一戸当たり一万五千円近い一万四千何ぼですか、ちょっと数はもう忘れちゃいましたけれども、青森で一万三千九百何ぼでしたか、全国平均と比べて要するに規模が大きい北海道はもう大変負担が、どうもこのことでやってられないという声がたくさんあるわけです。
 それで、平均的なあれしか出ていないわけですけれども、先ほど局長が最高は青森で、それから最低で、あるいはゾーンによって言われておりましたけれども、じゃ確認ですが、北海道で十アール当たり、一戸当たりの平均、そして最大のふえる額あるいは最小、つかんでいるデータ、北海道の農業の経営に影響も非常に大きいわけですので、しっかりとここで伺っておきたいと思います。私、大きいところに今度行ってみるつもりですから。
#189
○政府委員(眞鍋武紀君) 北海道の掛金、水稲でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、十アール当たりの農家負担掛金の増が三百九十六円でございます。一戸当たりに直しますと一万七千八百六十六円という金額になるわけでございます。それから、先ほど申し上げた高いところでは十アール当たり千百二十九円で、二戸当たり四万五千六百八十二円でございます。
#190
○風間昶君 大変な額だと私は思うんですよね。規模拡大を目的にしているはずなのに、こんなに農家に災害が起こったときに負担がいくのはおかしいと思いますよ。ですから、対策の部分で言いますと、私がそういう農家であれば何とか勘弁してくださいと、一年間で四万五千円。例えば三年に一度の見直しだったら、その三年間の四万五千円を一年間一万七、八千円にしてもらえないのかどうかというふうに思うわけですけれども、そのくらいの弾力的な運用はあってしかるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#191
○政府委員(眞鍋武紀君) ただいま申し上げました北海道の事例でございますが、これは畑作地帯でございまして、畑作が七割強を占めておるということでございます。それで水稲は一%。ほとんど畑作をやっておるというところでございます。そういうところで非常に被害率が高い。こういうことから国庫負担がほかのところに比べまして大変大きくなっておる。
 こういうふうな状況のところでございますので、国の負担をさらにそういうところにつき込んでいくということは政策の整合性から見ていかがなものかということでございます。そういうふうな状況のもとで、またここの一戸当たりの水稲の所得に占めます農家の負担掛金の割合は五・六%が六・七%に一・一ポイント増加する、こういうふうなことでございます。
 そういうふうなことで、我々といたしましては、これまでそういうふうに被害率の高いところでも何とか作付を奨励するという観点から国庫負担率を高くしてきた。そういう奨励措置を今回廃止したいという趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思います。
#192
○風間昶君 ちょっとどうも納得がいかないんですね、そこのところが。国の整合性に支障を来すということをもうちょっと具体的に言ってくれませんか。私はそういう難しい言葉を言われてもちょっとようわからないんですよ。
#193
○政府委員(眞鍋武紀君) ここの地域におきます生産状況は、北海道の十勝でございまして、従来開田をしたところもございますが、米の生産調整の過程等々でほとんど畑作に変わってきておる、そういう農業地帯でございます。そういう農業地帯でございまして、被害率が極めて高い。しはっちゅう水稲については被害が起こるわけでございます。そういうことから被害率が高くまた掛金が高い。こういうことによりまして、国庫負担もそれに伴って高くしてあるわけでございます。
 ところが、片方で米の生産調整として奨励金を出してほかの作物に転換をしていただいておる。そういうふうな状況の中で、そこまで優遇といいますか奨励措置を講じてまでそういうところで米を奨励して生産量を確保しなければならないという状況では現在ない。こういうふうな総合判断のもとに今回の超過累進方式の廃止ということを御提案しているわけでございます。
#194
○風間昶君 しかし、何か言いくるめられてしまっちゃっている感じがどうもしないわけじゃない。要するに終始一貫していないわけですよね。そのこと自体もころっころころっころ、当面とさっきから言っていますけれども、状況に応じて変わっている。きちっとそこのところを言って、またやっていただかないと困るわけでございます。
 私も勉強して、これからまた突っ込みますので、次回またやらせていただきます。
 次に、責任分担方式の改善のことでございますけれども、組合、連合会それから政府の三段階で運用されていることを私も今回初めて知ったわけでございます。一定の割合で手持ちの掛金を持っていて、それに応じて支払いの責任を負っているわけです。
 その責任分担方式を見直すということでございますけれども、一体それが組合もしくは農家の方にどういう影響を及ぼすと考えているんでしょうか。
#195
○政府委員(眞鍋武紀君) 責任分担方式の見直しと申しますのは、御指摘がございましたように、組合、それから連合会、それから国、こういうことでだれがどれだけ責任を負うかということで決めてきたわけでございます。これまでは単位組合といいますか末端の共済組合の力が弱かったということもございまして、かなり低い部分を、低いといいますか少ない部分を共済組合が責任を負っておったわけでございますが、だんだんと合併をしてまいりまして力がついてきたということもございます。
 それからさらに、共済組合の方では、掛金を集めましても、それを連合会に上げ、それから国に上げるということになってまいりますと、自分がせっかく集めても全部上へいっちゃう。こういうことでは余り加入促進意欲もわかない、こういう問題点もございまして、何とか手持ちの掛金を自分のところに置かせてほしい、もう少し責任を持たせてほしいという要望もあったわけでございます。しかしながら、余り組合の責任部分を多くいたしますと、大きな災害とか何かのときに問題が生じてもいけないわけでございますので、一定の範囲内でそういう組合の責任部分をふやす、こういうふうなことにしたわけでございます。
 そういうことによりまして、組合としましては、手持ち掛金がふえるということから加入促進意欲なり事業推進意欲が高まる、こういうふうに予想しておるわけでございますが、農家の方にはこの負担割合の変更は今度の改正によりまして直接は関係してこないと思っているわけでございます。
#196
○風間昶君 なるほど。じゃ、今お話しの政府それから連合会、組合、手持ちの掛金を何とか自分のところにということで事業の意欲を出していただく、それから活性化というふうに理由として挙げられていますよね。今、局長もそういうふうにおっしゃいましたが、事業推進意欲の向上という言葉。
 実際に大きな災害があった場合には共済金の支払いができてこない、幾ら振り分けしたとしても。そういう事態が、これまで災害がなかったといっても。ちょっと余談になりますが、私はフロンガスの研究を五年ばかりして、地球環境の中で、オゾンホールで紫外線による皮膚がんあるいは白内障の患者さんが随分ふえていることを、オーストラリアから北海道に来た患者さんと会ったときに相当大変な状況であるという話を聞いたわけです。地球環境のさまざまな問題は、人間だけじゃなくて、地球上のさまざまな生成物といいましょうか、生きとし生けるものに大きな影響を及ぼしてくるわけです。そういう意味で私は、二十一世紀前半ぐらいまでには、これまで私たちが予測できなかった、あるいはできないような複合的な災害というのが起こってくる可能性は十分あると思うんです。つまり、日本は季節風で台風しか、今まではそういう概念しかなかったけれども、同じ台風でもちょっと質の変わった、今までは南から来るやつですが、今度はどこから来るかわからないようなものも考えられないことはない。
 そういったことで、非常に大きな災害があったときに、そのときは共済金の支払いができなくなるんではないかという懸念をしているんです。これについては、先ほど谷本議員からもお話があったように、各関係省庁がこういう災害の予防についてのいわばプロジェクトを組んでいかないとその予測が出てこないと思うんですね、農林関係のことばかりの視点でおりますと。そういう意味で、大きな災害で支払いができなくなるような懸念、これについてはどうなるんでしょうか、大丈夫でしょうか。
#197
○政府委員(眞鍋武紀君) 災害の状況でございますが、これまでは技術進歩等々、気象庁とかいろんなところと農林水産省は連絡を密にしましていろいろな技術改善を行ってきた結果、いろいろな作物について被害率が下がってきておるという事実はございます。しかしながら、御指摘のようにこれからいろいろな現象が起こってくるということで、考えられないような災害が起こるやもしれないということでございますので、今後とも関係省庁とも連絡を密にしながら、技術改善なりいろいろ災害防止について努めていくことはもちろんでございます。
 今回の責任分担方式の改正は、ちょっと先ほど説明が不足いたしましたが、組合等は過去の被害発生状況によりまして通常発生する程度の被害についての責任の多くを保有するということにしたいと思っているわけでございます。大災害が発生した場合には、組合等の責任部分を超えるという部分については、これまでどおり連合会なり政府への再保険ということに残すわけでございますので、したがいまして、手持ち掛金がふえるというメリットはありますが、責任部分の多くは通常発生する程度の被害についての責任ということでございますので、共済金の支払いができなくなるような事態は生じないというふうに我々は考えておるところでございます。
#198
○風間昶君 なるほど、わかりました。
 果樹共済の責任分担の見直し、被害が少ない組合については、戻ってくる無事戻しというんですか、無事戻し制度が有効に働けば非常に大きなメリットがあると思いますけれども、これが果樹共済の引受率の向上に大きく寄与するんではないかというふうな期待もあるわけでありますけれども、どうですか、そこは。戻ってくる率が多ければ多いほどどんどんどんどん加入していくという期待がありますが、どういうふうに見通しを立てておられますか。
#199
○政府委員(眞鍋武紀君) 果樹共済の責任分担方式につきましては、昭和三十八年から引受実施され、この間、組合等ごとの被害実態に応じた組合等単位の保険設計を行うに必要な基礎データが得られたわけでございます。
 それから、組合等の広域化が進展をいたしまして、事業実施体制の充実とか共済資源の規模の拡大等が図られたと、こういうふうな条件が満たされたということで、今回は合理的な掛金率が設定できるような保険設定単位を、現在は都道府県単位にしておるわけでございますが、これを組合等単位、組合単位というふうに移行させるわけでございます。そういうふうなことで、手持ち掛金の増加を通じまして組合等の事業の推進意欲が向上するように、保険・再保険割合の改善を行うというふうにしたわけでございます。
 こうした改善によりまして、掛金率が県一本ではなくてそれぞれの組合ごとの過去の被害率を基礎として算定されるということで、農家の感覚により近い結果が得られるんではないかというふうに思っておりますし、それから、先ほど申し上げましたように、組合等が通常災害部分につきましてより多くの共済責任を保有するということになりますので、手持ちの掛金が増加するということで組合等の財政基盤が強化されるということが考えられますので、先ほどお話しございました無事戻しを実施し得る条件が整えられることによりまして事業運営の円滑化、事業推進意欲の向上が期待できる、こう思っておるわけでございます。
 先ほど、私ちょっと果樹共済につきまして三十八年からと申し上げましたが、四十八年からでございますので、訂正させていただきます。
#200
○風間昶君 その引受率の向上にだから寄与する見通しがあるということでいいんですね、そういうお返事で。どこまで……(「本当に無事かね」と呼ぶ者あり)本当にそれが心配なんです、もつかどうかということが。書類上の問題じゃなくて、本当にそうなのかなという疑問を持たざるを得ないようなあれですけれども。見通しは伺いましたが、ちょっとこれも勉強してまいります、本当にどうなのか。私はちょっと疑問があるような気がするわけです。
 次の質問でございますが、組合員資格の面積基準の見直しの件でございますが、今回の改正に伴って、いただいたこれによりますと、「省令」というふうになっておりますが、資格基準に十アールの下限を設けるということで、この十アールで設定している組合、どのぐらいに達しているかわかりませんが、この見直しによって組合員の資格を逆に失うのはどの程度というふうに把握していらっしゃるでしょうか。
#201
○政府委員(眞鍋武紀君) 平成三年産の水稲の引受実績から見てみますと、耕作規模十アール未満の戸数は十五万七千戸、約五・四%でございます。それから面積で見ますと一万一千ヘクタール、〇・七%、こういうふうな数字になっておるわけでございます。
 しかしながら、下限十アールというものを設けましても、園芸施設共済、ハウスなんかを持ってやっておってそっちで入っているような場合には、共済組合の場合には引き続き組合員資格は失わないで、十アール持っていなくても施設園芸とか何かで入っておれば資格は失わない、こういうことでございます。
 さらには、今回法人格のない生産組織というものが共済に加入できる、こういうことにするわけでございますので、そういう小規模な農家でも生産組織に加入をしていただくということによりまして、十アール持っていなくてもこの共済に加入できるということになるわけでございますので、先ほど申し上げました数字から、こういうことで資格を保つといいますか、引き続き共済にとどまる人を除いたものが資格を失う、こういうことでございます。
#202
○風間昶君 その基準に満たない小規模農家を生産組織への加入でカバーできる。先ほど一井委員の方からも加入促進について具体的には何々事業とかと言っていましたけれども、ちょっと私長い言葉だったんで聞き漏らしたんですが、そのほかにいろんな加入促進策をどういうふうに具体的に考えていられるのか、伺いたいと思います。
#203
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済への加入促進につきましては、やはり何と申しましても農家の方に理解をしていただいてこの共済に入っていただくということが必要なわけでございます。
 ただいまお尋ねの小規模農家につきましては、生産組織に入りたいということであれば、そういう生産組織にできるだけ入っていただく、さらには、面積が小さいという方は、施設園芸とか何かは余り土地が要らないわけでございますので、施設園芸その他でおやりいただく場合にはそういう面積に満たなくても入っていただけるということでございます。
 そういうことで、いずれにいたしましてもこの共済制度をよく農家の方に理解をしていただいて、農業再生産のためにはぜひ必要な制度だということで理解をし、また改善すべきところは、今回もいろいろと改善をしておるわけでございますが、手直しをしながら加入促進を図っていきたいと思っておるわけでございます。
#204
○風間昶君 もうちょっと具体的にしていく段取りといいましょうか、だれがそれをやっていくのかということ、都道府県単位なのか、あるいは実行する側のPRを含めたやり方というのがあるんじゃないかと思います。その辺は当然考えていらっしゃると思うんですけれども、これは、例えば労働者で言えば未組織労働者をどう組織化していくのかというのと同じく、加入促進をしていく上でのある意味ではあめが必要でないか。あめと言うとおかしいですけれども、こういうメリットがあるんですよということが十分伝わるような方法をとっていかなきゃまずいんじゃないかというふうに思います。その辺のところをちょっと伺いたかったわけです、ただ単にどうぞどうぞじゃなくて。
#205
○政府委員(眞鍋武紀君) この農業共済制度というのは、先ほど来御議論になっておりますように、国庫が負担をしておるということでございますし、保険の制度でございます。そこで、二十年間という一定の過去の期間をとりまして掛金を払ってそれを受け取る、こういうことでございますので、大ざっぱに申し上げますと、五〇%の補助率としますと、農家の方は一負担をすれば国が一負担をして二になるわけでございます。それは一定年間で必ず農家に返ってくる、こういう仕組みで保険設計をするわけでございますので、そういうことで、一定年間で掛けたものが五〇%の補助率としますと倍になって返ってくる、こういう趣旨でございます。
 それから、それはさておきましても、被害を受けたときに、日本で考えてみましてもほかの中小企業とかでは、いろいろな災害につきましてこのような収穫保険といいますか、要するに所得といいますか収入を補てんするというふうな制度はなかなかないわけでございます。そういう意味で農業に特殊な制度でもございますし、五〇%とはいえかなり高率の補助率になっておるわけでございますので、その点はよく農家の方に御説明をし、また農家の方からの改善要望につきましてもいろいろと改善をしていきながらこの勧誘をしていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
 しかし、何と申しましても、単位の共済組合がわかりやすいパンフレットをつくりまして勧誘して回る、こういうことが必要だというふうに我々は考えておりまして、そのために連合会段階で、あるいは国の段階の共済協会というのがございますが、その段階でいろいろなパンフレットなりいろいろな資料をつくりまして、各単位組合でそういう趣旨徹底を図る、こういうこともやっておるわけでございます。
 先ほども御答弁いたしましたように、そういうよく説明をし勧誘するということのほかに、国としましても、補助金なり融資をするときに、そういう農業生産、一定の作物をやる場合にはこういう共済保険に入りなさいよということで、ちゃんと入っているかどうかということをチェックをし、入っていなければぜひ入ってくださいという指導をしたり、あるいは補助金を出す場合の条件にするとか、そういうことまで昨年の通達で改正をしたところでございまして、あめとむちと言ったら、むちと言ったら問題があろうかと思いますが、そういうことで加入促進を図りたい。
 いずれにいたしましても、御指摘のとおり、これは農家の方に多く入っていただくということが大事なことでございまして、そういう点で今後とも一層の努力をしてまいりたいと思っております。
#206
○風間昶君 今後ともぜひ加入促進を図っていっていただきたいというふうに思います。
 次に、家畜共済の件についてですが、北海道では非常に乳牛の死廃事故がふえておりまして、平成元年に入ってからは十万頭、二年では十二万頭、だんだんだんだんふえていっておるわけでございます。赤字額も、平成四年度の共済金支払い見通しによりますと、四十億円と物すごく額が大きいわけでございます。このままでは家畜共済もパンクしてしまうんでないか、保険が出なくなってしまう可能性があるわけで、これも先ほど一井委員が指摘したとおり、牛肉の自由化の影響が原因として最大に挙げられるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 そのために、枝肉価格がひどい暴落、個体価格も暴落、そして生乳の生産にウエートがかかって、もう搾りに搾ってという状況で、しかも、なおかつ人手不足もあって一人当たりの管理頭数が多くなってきている。これは、もう本当に牛肉の自由化の影響がこの共済事業にもえらい及んでいるわけであります。
 その原因について政府はどういうふうにとらえているのか、伺いたいと思います。
#207
○政府委員(眞鍋武紀君) 家畜共済事業の収支は近年安定的に推移してきていたわけでございますが、平成二年度以降に事故の発生あるいは牛肉価格の低下、こういうことで悪くなってきたわけでございますが、これはやはり死廃事故頭数が増加したということが一点でございます。それから、低品質規格の牛肉の価格が下がったということで、乳用種の廃用牛の残存物価格が低下をしたということによりまして支払い共済金が増加をしたということで、平成二年度、平成三年度におきます再保険収支あるいは保険収支が赤字になったということでございます。
 そういうふうなことで、先ほどどなたかの御指摘にもございましたように、これはなかなか共済だけの原因ということだけでは対応しにくい面があるわけでございますが、家畜共済事業の収支の均衡を図るという観点からいろいろと対策を考えていかなければならないということで、何といいましてもこの被害率を低くするようにということで、共済の観点からいいますと、被害率をどうやって低く、事故の低減をいかにして図っていくかということで、先ほども御答弁申し上げましたような特定損害防止事業でございますとか、高被害率地域対策事業というふうな、いわゆる損害防止事業というものをやりまして被害率をできるだけ少なくする、こういう対応をしているところでございます。今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
#208
○風間昶君 今、対策のことを聞いているわけじゃないんですよ。例えば死亡診断書を書いたら、亡くなった事実を証明する死因とさらにそれを引き起こしている原死因とを書くようになっているわけです。ですから、死廃事故、低品質牛にせざるを得なかった根本の原因をどういうふうにとらえているかというふうに今お聞きしているんです。いかがですか。
#209
○政府委員(眞鍋武紀君) 死廃事故につきましては、生産性の向上というふうな観点で搾乳牛につきまして乳量を上げるためのいろんな努力が行われておるということもあろうかと思いますが、そういうふうな結果としてそういう死廃事故がふえておるというふうに認識しております。
 それから、低品質規格の牛肉価格が低下したということにつきましては、需給事情、やはり需要と供給の関係で低品質のものがだぶついたということでこのような残存物価額の低下が起こってきたというふうに認識しておるわけでございます。
#210
○風間昶君 だから、その前に私は牛肉の自由化がもっと大きな原因になっているんでないかというふうに思うわけですよ。そこのところをいわば覆い隠しちゃって現実の死廃事故のことだけでやっていっては、これはどうにもならないわけですよ。そこのところの押さえがない限りは、したがって治療も小手先治療になっていかざるを得ないわけです、今の対策を伺っても若干損害防止事業というお話が出ましたが。とにかく事故を減らさないとまた赤字がふえるわけですから、事故対策で農家の自助努力は当然必要ですよ。だから、自助努力ができるような状況をつくっていかなきゃならないということをきちっと認識していただきたいんですよ。ここの場だけじゃなくて、常に局長として。
#211
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、そういう酪農事情といいますか、それが大きく変化をしてきている中で、全体としてこういう事故が起こっておる、家畜共済についてこういう事情になっておる、赤字が出ておるということは、先ほど来申し上げているつもりでございます。ただ、私どもの所管としまして、こういう共済の立場から見てどうかということで、そちらの方を重点に御説明しておるわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、共済の立場だけで解決できるというふうには考えておりませんので、畜産担当のところともよく連携をとりまして対応してまいりたいと思っているわけでございます。
#212
○風間昶君 ですから、ぜひともそういう意味で農水省が、各関係官庁の連携といっても、食を本当に自給していけるような状況をつくっていく。そして、なおかつ生産性が高まっていって、被害があったとしても頑張ってやっていこうという意欲が起こっていく、そういう生産者の方の気持ちに御自分がまずならないと、発想として出てこないんじゃないかというふうに思うわけです。そういう意味で、ぜひとも先頭に立ってやっていっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間ありますので、次に、昨年の四月でございましたでしょうか、私はまだここにおりませんでした。百二十三回国会で獣医師法の一部改正ですか、あるいは獣医療法案でございますか、行われて、これも大変な問題ではないかというふうに思うわけです。
 さまざまな問題点はありましょうが、産業獣医、また小動物飼育の獣医さん、たくさんジャンルとしてはあるわけで、私のような元整形外科医のような立場ですと、整形外科以外は知らなくてもやっていくことが可能でありますけれども、獣医の場合はそういうわけにいかない。ありとあらゆる動物を診察しながら対処していかなきゃならないという状況の中で、産業獣医師の方々のなり手がない。
 これはひとえに、要するにはっきり言って給料が安いということが一つです、聞いてまいりましたけれども。それから、自分もそうでございましたが、大学病院にいるときは一生懸命やれるんですが、外にアルバイトに行くと、あるいはそのまま帰ってこれなくなってしまうのではないかと、事実そういった時代もございました。それがためにインターン制度が改正されたわけですけれども、そういう意味で十分な技術を習得また研究できるような状況がないという実態があるわけでございます。
 特に、北海道の道東の方あるいは東北の方へ行きましても、農業共済団体の獣医師さんがデータでは七百七十五人、この方々が加入書百三十万頭ぐらいですか、扱っていらっしゃるというふうにお伺いしたわけでございますけれども、アルバイト料といいましょうか雇い上げ料がえらい安いわけです。それは全体的にというか総体的に見たら高いか安いかという問題はあると思いますが、少なくとも労働内容に比してえらい安いわけです。
 御存じかどうかわかりませんけれども、実際に現場を見られたことありましょうか、局長。まず、それをお伺いしたいと思います。
#213
○政府委員(眞鍋武紀君) 牛は見たことございますが、獣医師が診療している現場は残念ながら私は見たことございません。(「牛はだれでも見ているよ」と呼ぶ者あり)
#214
○風間昶君 いや、牛も見られない場所もありますから、そういう意味ではだれでも見ているというわけにはいかないんですが、本当に大変なんですね。ですから、そういう意味でいろんな、昨年の法律の改正に伴って、大学を卒業した新規獣医師だけじゃなくて、もと獣医さんをやっていらっしゃったOBの方々に対してのきめ細かな施策も読ませていただきました。
 私も現役の医師時代に大体月三回ぐらいは講習会があるんです。つまり、現下の医療状況におくれないような知識と、またいわば技術の習得のためにあるわけですけれども、そういった講習会を何回実際にやっているのかつかんでいらっしゃいますか。
#215
○政府委員(赤保谷明正君) 昨年、当委員会で獣医療法の制定をしていただきました。それで、新年度というか、今年度からそのとき予定していた業務を今着々実行に移しつつあるところでございまして、当面は卒業後六カ月、昔のインターンに相当するものですが、六カ月の研修をする。その間、商売をやっていれば収入があるわけですけれども、収入がないというようなこともありまして、無利子の資金を貸し付けるというようなことを、今そういう方向で進めているところでございます。新年度からやるつもりでございます。
#216
○風間昶君 今のお話は恐らく新規の方に対するあれだと思いますけれども、そうじゃなくて、勤務獣医師OBのための講習会は何回やっていらっしゃいますかというふうに伺ったわけでございます。
#217
○政府委員(赤保谷明正君) 既に職務に従事されておられる勤務獣医師の研修、それもやるということで、そういう方向でこの前の法案審議のときにも御説明申し上げましたが、当面は卒業後、これをまだ一度もやっておりませんので、今年度からの話でございまして、それを今準備を進めているというところでございます。勤務獣医師についても、追っかけといいますか、まず卒後六カ月、これを優先してやりまして、その後準備ができ次第できるだけ早くやりたいと思っております。
#218
○風間昶君 時間が余りありませんのであれですが、もう一方では獣医師確保と同時に、獣医療施設、設備を含めて、その体制を図るために都道府県整備計画というんでしょうか、都道府県計画がその法律としてできたということでございますけれども、診療施設整備計画を含めて都道府県の計画の報告、これはどのくらい来ているんですか。
#219
○政府委員(赤保谷明正君) この法律は昨年の秋施行いたしまして、国が基本方針は定めておりますけれども、その基本方針に沿って各都道府県が計画を定めることになっております。今は各都道府県でその計画策定中でございます。その計画に沿ったような形で施設整備を行う場合に公庫融資の道も用意しているということで、今その準備中というところでございます。国の方は基本方針を立てましたが、県の方の計画もできるだけ早く立てるように指導したいと思っております。
#220
○風間昶君 せっかく苦労されてつくられたこういういい法律が実行できるような状況をぜひとも急いで実務的にやっていっていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。時間がもうありませんので終わります。
#221
○林紀子君 私も今回の法改正、超過累進方式の廃止についてまずお伺いしたいと思います。
 前回の改正、昭和六十年の当時、経済局長は村沢議員の質問に答えて、「現時点で予想をしがたいような非常に大きな変化というようなものが起きれば別でございますけれども、そのような変化がない限りにおきまして、この国庫負担の仕組みというものを堅持をしていくつもりでございます。」というふうに答弁なさったという、私もこの前回の改正時の当委員会での論議というのを全部読ませていただきましたので、この部分大変注目をいたしまして、けさほど来からの論議も大変注意をして聞いていたつもりです。
 先ほど、大臣の方から今回のこの超過累進方式の廃止というのは前回の答弁の趣旨に沿わないという見解がなされましたけれども、私はこの見解を聞きましてかえってわからなくなってしまったわけですね。
 といいますのは、前回の答弁の趣旨に沿わないということは、結局予想しがたいような非常に大きな変化が起こったということは認められないということだと思うわけですね。そうしましたら、その当然の結論としましては、超過累進方式の廃止というのはするべきではないという結論になるべきだと思うわけなんですね。それにもかかわらず、まあ謝ったわけですけれども、これはあくまで推し進めようというわけですから、どうして推し進めなければいけないのか、私にもわかるように御答弁をいただきたいと思うわけです。
#222
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、今回の改正につきましては、新政策を策定するほどの農業事情の変化があったということ、さらには厳しい財政事情があるということから、本制度全体の円滑な運営を確保していくと、こういうふうな必要性から今回の御提案を申し上げているということでございます。
#223
○林紀子君 今厳しい財政事情というお話がありましたけれども、本当のところはここなんじゃないですか。農政サイドの問題ではなくて、現時点で予想しがたいような非常に大きな変化というのは、結局大蔵省や財政当局の態度だということなんじゃないでしょうか。この見直しというのは大蔵省、財政当局主導による制度改悪だと思いますけれども、どうでしょうか。
#224
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、農業を取り巻く情勢がいろいろと変化をしてきておる、そういう変化の中にございまして農業者のニーズ等もいろいろ変化をしてきておるという状況の中で、そういうことの中で検討いたしまして、特に先ほど来御答弁申し上げております任意加入の果樹共済でございますとか畑作物共済、園芸施設共済の各共済の事業内容についてぜひ充実をしてほしいと、こういう切実な要望も出てきておるわけでございます。
 そういうふうなことを受け、さらには運営主体でございます組合の自主的な事業推進意欲の向上と、こういうふうなことからも保険・再保険の割合を見直すということが必要になってきておる。こういう情勢を踏まえまして総合的に判断をし、合理化すべき部分は合理化し、改善を図るべき部分は改善を図ると、こういうことで御提案申し上げているところでございます。
#225
○林紀子君 確かに、台風十九号のような、これは大変大きな災害があったわけですから、果樹共済などで見直していただいて、前進をするというのは大事なわけですね。しかし、それを合理化するところを合理化してということで、この超過累進方式というのをやめてしまうというのはどうしても納得がいかないわけです。
 十一月十一日付、これは昨年ですが、「農業共済新聞」というのを見せていただきました。それによりますと、十一月五日に全国農業共済協会が都道府県農業共済連全国会長会議というのを開いた。この中で農水省の川上博志保険管理課長が、制度検討項目についての財政当局との折衝の状況を明らかにした。それによりますと、財政当局が特に問題にしているのは、組合員の資格、当然加入基準、掛金国庫負担の三点だと。そして、特にこの超過累進制を廃止して、一律二分の一にするように強く求められているということを明らかにしているわけですね。こういうところを見ましても本当に財政当局の圧力に屈してしまったということは明らかじゃないかと思いますが、どうですか。
#226
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、本制度の改正につきましては、六十年以降情勢がいろいろ変わってきている中で、農業者の方からいろいろな改善を図ってほしいという要望が出てまいっておりました。それからさらに平成三年度に大きな災害が起こったということで、改善の要望が切実なものになってきておったという状況でございます。さらに、国庫負担につきましては合理化すべきところは合理化すべきではないかという意見があるわけでございます。
 そういう中にございまして、水稲の超過累進方式につきまして考えてみますと、米の生産調整を依然として続けながら、片方で米の生産を確保する、増産時代の超過累進方式を維持することはいかがなものかという検討をいたしました。
 そういう中で検討し、さらに農家負担の点から見て農家が耐えられるかどうかという検討もいたしまして、最近の被害率の低下状況、こういうものを見た場合に、農家の負担に耐えられないということではないという判断のもとに、総合的に改善すべきところは改善し合理化するところは合理化するということで、農業関係の団体初め、関係者のいろいろな意見を聞く中で一つの案としてこういうふうなことで今回御提案をしているわけでございますので、そういう各地の要望それからいろいろな要請を、十分研究会も開き、あるいはその後もいろいろと関係者と打ち合わせをしてまとめた案であるというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
#227
○林紀子君 それでは、具体的にお聞きいたしますけれども、先ほど来北海道の例というのがいろいろ出てまいりましたね。北海道の共済掛金率の一番高いところでは、平均四百五・八アール、四万五千六百八十二円の負担がふえるというお答えがありましたけれども、四万五千六百八十二円というのはふえる分だけですね。そうしますと、今まで幾ら払っていて、その上乗せで四万五千六百八十二円ふえるのか、それもちょっと教えていただきたいと思います。
#228
○政府委員(眞鍋武紀君) これまで二十二万六千二百三十九円払っておったわけでございますが、これに四万五千六百八十二円加わりまして、二十七万一千九百二十一円になるわけでございます。
#229
○林紀子君 四万五千円と、これも大変なものだなと思いますけれども、全部合わせると二十七万円にもなるわけですね。どうしてこれが負担増にならない、大したものではないということが言えるわけですか。
#230
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど御答弁申し上げましたが、一戸当たりの水稲の所得に占めます農家負担掛金の割合が五・六%から六・七%と一・一ポイントの上昇になるわけでございます。
#231
○林紀子君 私も北海道の共済掛金率が高い組合というのはどこかというのをちょっと資料をもとに見せていただいたわけですけれども、音更が一九・二%、北見地区が一八・七%、十勝が一八・六%、こういうふうになっていますね。一番高い音更の場合は、国庫負担割合が五八・四%、農家負担割合が四一・六%であったのが五〇%ずつになったわけですね。ですから、農家負担割合が二一・四%もアップして、今四万五千円ぐらいふえてしまうということになったと思うわけですね。
 先ほど来局長は、米の生産調整というのを行って、そして片方で被害地に補償する、奨励措置を講ずるのはいかがなものかというお話を盛んに何度もなさっていらっしゃいました。
 それでは、具体的に北海道の場合を聞かせていただきたいと思うわけですが、適地適産ということで今年度から水田営農活性化対策というのが進められるわけだと思いますけれども、この適地適産、被害をよく受ける地域では米をつくるなということでこの減反政策というのをやっているわけですか。
#232
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほど来御説明しておりますのは、被害率の高いところほど補助率を高くして、災害が起こっても災害が起こっても作付をしてほしいという時代にそういう方式を取り入れたわけでございます。今度これを廃止するということは、同じ条件で同じ負担率で栽培をする、こういう生産に対して中立的といいますか、そういうものに直すものというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
#233
○林紀子君 農蚕園芸局の方からお答えいただきたいと思いますけれども、今中立的というようなお話があったわけですけれども、被害をよく受ける地域では米をつくるなということで今の減反政策、減反緩和というのをやっているんですか。
#234
○政府委員(高橋政行君) 転作目標面積の配分をどんなふうにやっているかということでございますが、このたびの水田営農活性化対策を本年度から始めるわけでございますが、その場合の転作等目標面積の配分につきましては、この前の対策が水田農業確立後期対策と言っておりまして、そのときは八十三万ヘクタールであったわけですが、この八十三万ヘクタールの配分を基礎にいたしまして、今回緩和を十五万ヘクタールいたしまして、結局六十七万六千という数字にまでしたわけでございます。
 それで、では水田農業確立後期対策の八十二万ヘクタールはどのような配分をしていたかということでございますが、これは、自主流通米比率であるとか水稲被害率といったような適地適産を進める観点からの配分要素、そういうものを取り入れまして配分をしておりましたので、北海道は転作率は相当高いものになっておったわけです。それで、今申し上げました八十三万ヘクタールの配分をしていたわけですが、そこから今度十五万ヘクタール分だけ緩和いたしますが、その緩和分につきましては、今回は特に他用途利用米などを含む米づくりの推進を図るという観点もございましたので、そのときの十五万ヘクタール分の配分の仕方は、稲作の生産性、それから担い手のウエート、それから農業依存度、稲作依存度、それから水稲作の四年度の復帰状況、そういったような四つの要素に基づきまして配分をいたしたわけでございます。
 この結果、特に北海道は今申し上げました要素は非常に高くございますので、今回、転作目標面積は北海道は四九・八%から三八・六%ということで一一%低くなったわけでございます。
#235
○林紀子君 今いろいろ御説明くださいましたけれども、北海道では今年度から始まる活性化対策で、昨年度より一万二千ヘクタール、百三十二市町村のうち百七で減反を緩和し、作付面積をふやすということになっているわけです。
 それで、この共済掛金率との関係で言いますと、例えば士別市では共済掛金率が九・八%、これまでの国庫負担割合五六・九%だったものが五〇%になってしまうわけですが、減反面積が五百五十八ヘクタール緩和されているわけですね。また、北見市でも共済掛金率が一八・七%、これまでの国庫負担割合が五八・四%、これが五〇%になって、じゃ減反面積の方はどうかといいますと四十八ヘクタール緩和している。幕別町でも共済掛金率が一五・一%、国庫負担割合がその結果五八%だったものが五〇%になりますけれども、減反面積は四十四ヘクタール緩和される。ですから、適地適産、米の被害のあるところはもう米をつくるなというのとは全く違った状況で今回の減反緩和というのが進められているんじゃないですか。
 こういうことを考えますと、被害があってももうそれは自分で持ちなさいということになってしまうわけで、これで合理化なんということが言えるわけですか。ここのところが、どうも減反緩和とそして超過負担の累進性というのをやめるということが一つも整合性がない形で進んでいるわけですね。ますます農家にとっては大変になっている、こういう状況じゃないですか。
#236
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほども御答弁申し上げましたが、共済の世界で被害率の高いところほど優遇をして補助率を高くしておる、こういうふうなことを今回廃止するということでございますので、共済の分野だけに限って申し上げますと、そこのところはほかの地域と同じ条件で生産をする、今までそちらを優遇しておったところを直して中立化する、こういうふうなことでございますので、先ほど来そういうふうに御説明しているつもりでございます。
#237
○林紀子君 中立中立とおっしゃいますけれども、大変被害の高いところに国の補助を厚くする、これがこの農災制度の役割なんじゃないですか。それを今回この超過累進制度をやめるということは、根本から崩してしまうということだと思うわけですね。
 麦のこともお聞きしたいと思うわけですけれども、この超過累進制度というのは辛うじて残りましたけれども、それも補助の率が非常に大幅に圧縮されたわけですね。どれだけの国庫負担が麦の場合削減になるのか。農家負担になるわけですね、国庫負担が削減された分。その農家負担はどれだけふえるのか。それから、米と同じように将来これを廃止してしまうのかどうか。そのこともきちんとお答えいただきたいと思います。
#238
○政府委員(眞鍋武紀君) 麦についてでございますが、今回の共済掛金の国庫負担の見直しによりまして、麦につきましては約六億円の国庫負担の減額が見込まれるわけでございます。
 十アール当たりの農家負担増は、試算してみますと、全国平均で十アール当たり三百八円でございます。麦につきましては水稲と同様超過累進方式がとられておるわけでございます。昭和四十六年、六十年と累次簡素合理化が図られてきておるということでございます。
 最近、主産地化とかあるいは技術の向上等によりまして被害率も低下傾向にあるということで今回見直すことにしたものでございます。収穫期の降雨量が多いなどまだ地域的に見ましても被害率に差がかなりある、そういうふうなことも考慮いたしまして今回二段階の超過累進方式にしたものでございます。
#239
○林紀子君 将来、廃止することはありませんね。
#240
○政府委員(眞鍋武紀君) 将来のことはなかなか申し上げにくいんでございますが、事情の変化のない限り当面見直しを行う考えはございません。
#241
○林紀子君 当面ということで、なかなかきちんとお答えいただけないわけですが、もう一つぜひお伺いしておきたいことがあります。
 先ほど申し上げました十一月五日の全国農業共済協会の会議、このときに川上課長は、財政当局から当然加入者と任意加入者とで掛金の国庫負担割合に差をつけることが求められていると、こういうことも明らかにしているわけですが、どうですか、この辺は将来とも差をつけることはないということをお約束できますでしょうか。
 この部分につきましても、前回の改正時に当時の佐藤農水大臣は「将来とも我が省としてはそういうことは考えておりません。」と村沢議員にお答えになっていらっしゃいますね。いかがでしょうか。
#242
○政府委員(眞鍋武紀君) 先ほどと同じ答えになるわけでございますが、将来のことはなかなか申し上げにくいわけでございますが、当面見直しを行うことは考えていないわけでございます。
#243
○林紀子君 大臣に最初の部分をお答えいただこうと思ったんですが、局長の方からお答えがあったので、大臣にぜひお答えいただきたいと思うんですけれども、こういうふうに見てまいりますと、当面というお答えしか返ってこないわけですけれども、財政当局、大蔵の圧力に屈しないで、農業を守る、農民を守るという立場、そしてこの農災法の目的にありますけれども、農業経営の安定を図って農業生産力の発展に資することをこの農災法というのは目的としているんだということを書いているわけですから、大蔵の圧力に負けないで、こういう改悪というのは今後絶対しないでほしいということを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(田名部匡省君) もちろん、これは農家のためになる制度でありますから、そこのところに重点を置いていろいろと考えていかなきゃいかぬ、こう思います。
 大蔵当局のお話がありましたが、必ずしもそればかりでもありませんし、またそうかといってあり余るほどの財政、財政は厳しいということは皆さん御理解いただけるわけでありますけれども、そういう中にあってもよりいい制度を、私どもが農家の皆さんに喜んでもらえる制度というものも考えながら、今回改正をして御提案申し上げているわけでありますから、基本的には農家の皆さんが再生産を確保できるような体制というものは堅持していかなきゃいかぬ、こう考えております。
#245
○林紀子君 もう少し時間がありますので、野菜及び花卉共済の制度化というものについても伺っておきたいと思うわけです。
 いわゆる露地物というのは今対象になっていませんね。農水省では一九七七年度から基礎調査を行っている、省内に一九九〇年度から野菜共済制度研究会というのを設けて検討を進めているということですが、この検討状況というのはどのようになっていますでしょうか。
#246
○政府委員(眞鍋武紀君) 露地野菜の共済制度化につきましてはいろいろと保険設計上の技術的な難点があるわけでございます。
 若干申し上げてみますと、作付時期が非常に長いということで、災害が起こりましてもまたもう一度作付をして収穫が得られるということがございます。また、収穫時期が長きにわたりますので、損害評価をどの時点でどういうふうにするか、収穫量が的確に把握できるかできないか、こういうふうな問題がございます。
 それから、価格変動が大きいわけでございまして、これは不作になりますと価格が一般的に上がるわけでございます。そうしますと、災害を受けても収入としては予想を上回ったというケースも出てくるわけでございます。そういうふうな問題点もあるわけでございます。
 それから、価格要素を加味した災害収入共済方式ということになりますれば、どのように生産金額を設定するかということ、それから農家ごとの出荷数量でございますとか販売金額を把握するという必要があるわけでございますが、そういうふうな把握の仕方等についていろいろ技術的にまだまだ解決すべき問題があるわけでございますので、これらの点をさらに詰めなければならない、こういう状況にございます。
#247
○林紀子君 いろいろ難しい点があるということは並べられたわけですが、災害収入共済方式というものを適用したらやれる部分というのが随分あるんじゃないかというふうに思うわけですね。
 先ほど申し上げましたように、一九七七年度から調査を始めている。そのときから数えますともう十五年たっているわけですね。十五年もたっていつまで調査検討を続けているのかということで、これも早急に結論を出してほしいと思うわけですが、その見通しというのはいかがでしょうか。
#248
○政府委員(眞鍋武紀君) 野菜の共済制度につきましては、災害収入共済方式の実施の可能性につきまして、野菜の価格変動のデータ等を収集整理しながら検討を行っているということでございます。
 ただ、野菜は非常に種類も多いわけでございます。それから作型といいますか作期といいますか、そういうものも多様であるということで保険技術上いろいろと問題点が多いわけでございます。それから、別途野菜につきましては価格安定制度というものもございます。こういうものとの関連をどう考えるかという点もございまして、今の時点でいつ結論が出るかということは申し上げられないわけでございますが、今後とも鋭意検討していきたいと思っております。
#249
○林紀子君 超過累進方式の廃止などというのはすぐ結論が出ますのに、この野菜の共済のニーズというのはなかなか結論が出ないというのは本当におかしい話だと思います。この結論も早く出していただきたいということもお願いいたしまして、質問を終わります。
#250
○星川保松君 私は、三十数年前に農業委員会の委員をやったことがございまして、その際に、秋になりますと農業共済の現地調査によく立ち会ったものでございます。被害の届け出のあったところを悉皆一筆調査、立毛調査ということで回ったわけでございますけれども、そのころからこの農業共済制度について私は大きな疑問を抱いておるんであります。
 それは、いわゆる農業共済制度というのは、先ほどからも大臣が何回もおっしゃっておられますように、被害をこうむった農家がそれでもう生産をやめてしまうというようなことのないように、再生産が可能なようにつくられた制度であって、建前としては大変立派ないい制度なわけでございます。そういう立派な制度でありながら、この加入者の農家の皆さんからは極めて評判が悪いんですね、これは。それで、任意加入と当然加入というふうになっていますが、前はこれは強制加入となっておったような気がするんですが、農水省もなかなか言葉遣いが上手になったようでありまして、当然加入というふうになっております。これは、農家の皆さんは当然加入とは言っておりませんで、強制加入と言っておるわけでございます。それで、これがもし当然加入、強制加入でなくなった場合、今のような農家の皆さんの共済に対する不満から考えますと、もう加入率というのは一挙にがた落ちするんじゃないかというふうに思うわけですよ。
 何でそんなに評判が悪いのか、不満が多いのかということを考えているんですけれども、農家の側からすれば、立派な共済制度、いい共済制度というのは、当然まず掛金が安いこと、そして評価が適正、的確に行われるということ、そして損害額にできるだけ近い共済金がもらえること、それが農家からすればいい共済制度なわけですよ。だから、そういう農家の希望にどうも応じていないといいますか、当てはまっていないというところで私はこんなに不満が多いのかなと思っているわけなんですよ。それで、掛金が安いほどいいことは当然なことでありまして、その一番大事なことは、今回の国の掛金の負担率の削減によって当然農家の方の掛金が高くなってくるわけですよ。これではますます私は人気が悪くなるなという心配をしているわけですよ。それで、強制加入、当然加入の方は抜けるわけにはいきません。抜けたいと思ってもこれは抜けるわけにいかないので、中でもうそれがすべて不満になって高まってくるんじゃないかという気がするわけですよ。
 それから畑作物の場合は、これは任意加入でありますから、こっちの方は加入率のダウンになってあらわれてくるんじゃないか。農水省としては、局長さんはさっきから、加入率を上げるために共済組合に頑張ってもらうんだ頑張ってもらうんだと、こういうことをおっしゃっておりますけれども、組合の方で頑張るにも、国の方で掛金を農家の負担分をふやしながら、共済組合の方に頑張ってくれと言われても、これは共済組合としてはたまらない話じゃないか、こう思うんですよ。
 それで、大変立派な制度でありながら農家の皆さんから評判が悪いというのを、局長はどのようにとらえておられるか。そして、今回農家の掛金が上がることによってふんまんが出てきて、任意の方ではかなり加入率がダウンするんじゃないかと私は思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
#251
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業共済制度につきましていろいろな意見があることは私どもも承知しておるわけでございます。
 この共済制度は、当然加入制というものを繭でございますとかあるいは水稲等についてとっておるわけでございますが、どうもこれはそういう米麦、繭というものを中心の制度になっておるということは事実でございまして、任意共済でございます園芸施設でございますとか果樹共済の加入率が悪いということで、私どもといたしましても、やはり当然加入で守られているという制度ではいけないんではないかということで、任意加入のものをふやして、農業の実態に合った、最近の農業生産状況に応じた制度に改めていきたいということで、今回制度改正を行おうとしておるわけでございます。
 そういうことでございまして、水稲とか繭につきまして掛金の国庫負担率を見直すわけでございますが、果樹共済でございますとか園芸施設共済につきましては、今回負担率は改定しないということでございますし、中身も、果樹共済につきましては、災害収入方式の本格実施あるいは品目の追加ということ、園芸施設につきましても、雨よけ施設の追加でございますとかいろいろな改善措置を講ずることとしておるわけでございます。
 畑作共済につきましては、てん菜の支払い開始損害割合を三割から二割にする、あるいは糖分取引に対応した損害評価方法の導入というふうな、農業者のニーズに合うような制度改善をするということで、御指摘ございましたような農家の方に喜んでいただける、農家の方のニーズにこたえられるように改正をしてまいりたいということで今回御提案を申し上げているところでございます。
#252
○星川保松君 局長がおっしゃるように、掛金を削減することによってふんまんが出てくる。ところが、こっちの方でいろんな別の新しい施策をやるので、こっちの方と両方で帳消しになると農水省は見ているかもしれませんよ。しかし、掛金が田んぼの方でとにかく減っていくという人が畑作の方でその恩典をこうむるというふうには必ずしも一致しないわけですね。恐らく私はばらばらだと思うんですよ。
 そうすると、やっぱり掛金の負担がふえるばかりの人がますますふんまんが大きくなっていくというふうに思うんですが、局長として、そのふんまんが高じてくるということと、それから任意の方の加入率がダウンするんじゃないかということについての判断がどうも甘いような気がするんですが、その点は大丈夫ですか。
#253
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済の制度は、一定の掛金を収めましてそれが返ってくる、こういう制度でございまして、それぞれの危険率に応じて払ったものが二十年間なら二十年間で農家に返ってくる、こういうふうな制度でございますので、そこを農家の方によく理解していただく必要があろうかと思っておるわけでございます。
 特に、御指摘ございました畑作物共済の掛金国庫負担につきましては、先ほど来見直すということでやっておるわけでございますが、他方でてん菜の支払い損害開始割合、これを三割から二割にする。それから糖分取引の実施に対応した損害評価方法を導入する。さらには大豆の全相殺方式の導入でございますとか、それからお茶につきまして災害収入共済方式の導入と、こういうふうな制度を改善することにしておるわけでございます。
 しかしながら、御指摘のように、農家にはいろいろな意見があることも事実でございます。法律的な手当てとしましてはこういうことを考えておるわけでございますが、さらにいろいろな運用面、損害査定の面等々につきましてきめ細かな対応をすることによりまして、これらの任意共済への加入率を高めていきたいということでございます。
#254
○星川保松君 任意の方が落ち込んだら、局長、これはあなたの責任ですから、しっかりやってくださいよ。
 それで、当然加入の方ですけれども、共済制度は四十五周年を去年迎えたわけですよ。そのときの共済の機関紙の中に、山形の佐藤さんという人が、「稲作の当然加入方式は、あまりに芸がなさすぎる。一般の保険会社はあらゆる事態を想定して、実にきめ細かに、いろいろなタイプの保険を売り出しているではないか。それに比べると農業共済の場合は、選択肢がまったくないものに私たちは強制加入させられている。また、私たちは自分の水田が、一筆ごとに性格が違うのを知っている。全面積加入、全面積評価などは、なんとも、おおざっぱなやりかたで、農民を経営者として扱っていない。」、こういうことをおっしゃっているんですね。
 それで今度の新農政では、いわゆる経営感覚のすぐれた農家を育てると、こういうことなわけですよ。そうしますと、この佐藤さんのように、極めて芸のない一本やりの共済制度に対してますます私は自覚した経営者の皆さんの不満が出てくると思うんですが、これは少し変えていこうという気持ちはありませんか。
#255
○政府委員(眞鍋武紀君) 農作物共済につきましては当然加入制がとられておるわけでございます。これは、あくまでも災害時におきます農業経営の安定を図ることによりまして農業の再生産を確保するということでございまして、逆選択の防止でございますとか有効な危険分散を図り得るということで保険の母集団を確保する、こういう観点からの必要性からこういうことを設けておるわけでございます。
 一般的に申しまして、これは国の保険でございますので、例えば自動車の保険がございますが、強制加入の保険とそれから任意加入の保険と両方あるわけでございます。国が強制的にやる部分というのは、やはり任意の保険とは若干違いまして、いろいろ制度として余り弾力性がないといいますか、そういう面はあろうかと思います。
 国が国庫負担を伴った法律制度として仕組んでおるという点で、必ずしも融通無碍にいろんな方式を導入するということについては限界があろうかと思います。そういう限界はあるわけでございますが、現行制度の中でも、例えば引受方式にしましても、一筆単位でやりますとかあるいは半相殺方式あるいは全相殺方式という引受方式をそろえておりますし、それから病虫害に関しまして病虫害除外方式でございますとか提防給付の方式というものも設けられておるわけでございます。それからさらに、共済金額につきましても多くの区分の中から選択できる。こういうふうに一定の限界はございますが、こういうことの選択ができるようにしておるわけでございます。
 今回の改正におきましても、今まで全相殺方式が適用できるのは一定の地域に限りまして、そういう指定を受けた地域の農家の方に限って全相殺が適用できる、こういうことになっておったわけでございますが、今回一定の規模以上の法人、個人につきまして、特例的に大規模な経営体につきまして全相殺方式で加入ができる、経営感覚のある大きな農家についてそういう有利な方式が選択できる道を開くということで道を開いておるということでございます。
 今後とも、御指摘のように農家の要望にこたえまして、制約はございますが、制度の改善なり充実に努めていく必要があるというふうに認識しておるわけでございます。
#256
○星川保松君 今までは共済制度そのものはいいんだけれども、それについての農家の理解が足りないんだということで、わかってくれない方々に対する啓蒙ということでよかったかもしれませんけれども、今の山形の佐藤さんの場合はそうじゃなくて、非常に経営感覚のすぐれた方が不満を漏らしているわけですから、これには制度の改正なりなんなりで努力をして、国のやることだから一本やりでいいということでなしに、やはり努力をしていかないと、今度は意識のある、経営感覚のある人のふんまんとなったらもっともっと強いものになってくるということをおそれているわけですから、ひとつ努力をしていただきたいと思います。
 それから、これも以前から言われておることですが、「農業共済新聞」に出ておりました。その中である人が、「若い人は、共済は“惰農奨励”だという感覚の人もいます。もらう人は毎年もらっているじゃないか、」共済金をですね、「技術のあるものは被害がなく、掛け捨てばかりで損をしている、」と、こういう意見がやっぱり農家の皆さんにも非常にあるんですね。
 それから、もう一人の方は、「種をまいて最後まできちっとやる人と、中途でほったらかしにする人もいます。それで、どちらかというと管理不十分な人が共済金をもらっている。」というようなことで、これが共済制度に対する大変大きな不信にもつながっているわけなんですね。
 これについては、局長、どのようなお考えですか。
#257
○政府委員(眞鍋武紀君) 共済に加入した農家につきましては、通常行うべき肥培管理その他の損害防止を行う義務があるわけでございます。そういう肥培管理なり損害防止の義務を怠ったために被害が生じたという場合には、共済金の支払いについては免責もしくは分割評価といいまして、管理不十分による減収量は支払いの対象から除く、こういうふうなことが行われることになっているわけでございます。
 したがいまして、共済に入る人は被害を防止するための通常の防止措置を講じなければならないということになっておるわけでございます。また、農家間の肥培管理の技術上の差がありまして、引き受けの際の基準となる収穫量なり被害率に差が生じているような場合には、基準収穫量を実情に応じて弾力的に設定できる方法とか、あるいは危険段階別掛金率の適用、こういうふうな対応ができることになっておるわけでございます。
 そういうことで、先ほどもお話がございましたが、一定の期間事故がなければ無事戻しという制度もございますので、技術のある者が不利になってはならないというふうに私どもは考えておるわけでございまして、またそういうことのないように運用していかなければならないということでございます。
 いずれにいたしましても、基準収穫量の設定等について引き受けに際してきめ細かい対応、あるいは厳正、的確な損害評価によりまして農家の理解を得ていくことが基本でございます。要するに、そういうきちっとした損害評価ということをやっていくように、農業共済団体等を指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
#258
○星川保松君 それは、通常の管理をしたか、しないで被害が大きくなったかという判定が極めて難しいんですよ。局長がおっしゃるような一目瞭然たるものじゃないんですよ。そこにいろいろ問題があるわけですから、こういうこともえこひいきの批判の対象にならないようにやっていくようにしていかなくちゃいかぬと思います。
 それから、これは大臣の青森県のリンゴの例ですけれども、今度は「優秀な農家ほど加入していない」というのが、これもこの共済新聞に出ているわけですよ。その理由は、基準収穫量の設定が低いために、相当な被害でも共済金がもらえないということがしばしば起こる。そのために、現行の制度でも園地ごとに差をつけることができるけれども、基準収穫量の平均を農水省から示された収穫量に合わせなければならないので、結果的に余り差をつけられないということを共済の県連が言っているわけなんですね。
 それで、その県連としては、基準収穫量の設定に農家の過去の実収穫量の平均を基準収穫量にしてはどうかと、こういう提言があるんですね。優秀な農家ほど十アール当たり収穫量が多いわけなんですよ。そうした場合に、足切り三割ということをやってもとてもとても該当しないということで、どうせもらえないというようなことで優秀な農家が入らないというようなことがあるんですが、これについてはどのようなお考えでしょうか。
#259
○政府委員(眞鍋武紀君) リンゴの基準収穫量の問題でございますが、我々の農業共済制度といいますのは、基準収穫量は平年の収穫量をベースに定めておるのを基本にするわけでございます。ところが、農家の方は、ことしどれぐらいとれるだろう、いわゆる豊作時の収穫量をベースにした共済金の支払い、こういうものを期待するという傾向もあるわけでございます。そういうところから食い違いが起こるということもあるわけでございます。
 ただ、お話にもございましたように、圃場ごとに基準収穫量をきめ細かく定めるということが可能でございますので、そういうことをやりますほか、災害収入共済方式でございますと全体の農家の販売実績なりなんかに基づきまして設定できるわけでございますので、災害収入共済方式を取り入れますとその部分が改善をされるという面もあるわけでございます。
 しかしながら、残念なことながら青森のリンゴにつきましては、そういう共販制度といいますか、案出荷施設なり農協等によりましてきちっとした個人別の販売実績というものが把握できる部分が少ない、こういうふうなこともございまして、そこのところがなかなか農家の方の要望と我々の制度との間の食い違いといいますか、農家の方の不満になっておるんではないかということでございます。
 そういうことでございますので、共販でございますとかそういう単なる共済制度だけではなくて、そういう面もあわせて考えながら、それからまた園地ごとの基準収穫量の設定をきめ細かくやるということで、共済団体等を指導いたしまして、農家の方の要望にこたえられますように指導してまいりたいと思うわけでございます。
#260
○星川保松君 いずれにしても、これはリンゴのみに限らず、この基準収穫量が設定される場合に優秀な農家は該当しないような、そういうようなことにならないように、優秀な農家もどんどん加入するような方向でひとつ改めていっていただきたい、こう思います。
 それから、大変味もよく香りもいいラ・フランスという洋ナシでありますけれども、この作付面積ももう三百ヘクタールぐらいになったそうですね。山形県の方からこれを果樹共済事業の対象作物にしてほしいという要望が出されておるんだそうですが、農水省はなかなか応じてくれないという話なんですよ。それで、これはおととしの台風十九号ではリンゴよりももっとひどい被害を受けたそうなんですよ。山形県はこれの産地形成に今一生懸命頑張っておるわけですから、ひとつ農水省も積極的な対応をしていただきたい。
 それから、参考までに大臣に申し上げますが、このラ・フランスというのはこの名のとおりフランスの原産のものだそうですね。ところが、今フランスでは壊滅だそうですよ。それで、私の方の天童の農協の土屋さんという人が苗木を百本持ってフランスへ行ってきたそうです。それで、フランスでどうしてこれがなくなったんですかと聞きましたら、今ニュージーランドのリンゴで問題になっております火傷病、この火傷病というのはリンゴ以上に猛威を振るうんだそうですよ、このナシについて。これでフランスでは壊滅したんだそうですね。これは大変恐ろしい病気なんですよ。このラ・フランスについて、局長、ひとつ。
#261
○政府委員(眞鍋武紀君) 西洋ナシにつきましては、栽培面積が平成二年産で千六十ヘクタールでございます。ただ、一部の県に偏っておるということでございますし、さらに二戸当たりの栽培面積が小規模であるということで、農家経営に占めます重要度の観点から、保険需要、果たして加入者がどれぐらいいるか、こういうふうな問題が保険設計上、それからさらに保険設計上必要な全国的な危険分散といいますか、こちらがやられてもこちらがやられないとか、要するにそういう危険分散に必要な母集団が確保できるかどうか、こういう問題があるわけでございます。
 それから、さらに申し上げますと、販売を目的として栽培が開始されてから日が浅いということで、これは保険を仕組むには何年間かの危険率といいますか被害率、そういうふうなデータが、品種なり栽培方法ごとの被害発生態様等の基礎的なデータが要るわけでございまして、そういうものがまだそろっていないという事情もございます。
 それからさらには、西洋ナシにつきましては、収穫後に追熟貯蔵、要するに熟成を待つわけでございますが、その期間をどうするか、共済責任期間に入れるかどうか。ほかの果物とちょっと違うわけでございまして、その間の損耗といいますか、そこの貯蔵期間を含めるかどうか、そういう点も検討を要するわけでございます。
 そういうことで、今回の制度改正ではこれを共済の対象にするということはできなかったわけでございますが、御指摘がございましたように、地方にとりまして大変重要な作物でございますので、さらに今申し上げましたような技術的な問題を鋭意詰めまして、この共済事業の対象にするような方向につきまして十分検討を深めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#262
○星川保松君 終わります。
#263
○新間正次君 最後になりますと準備いたしました質問事項を全部諸先生方に先を越されてしまいまして、復習の意味も兼ねてやらせていただこうと思っております。
 ラ・フランスといえば、星川先生、秋に福島でおいしいのをいただきまして、ありがとうございました。あれはぜひひとつ普及していただきたいと思っております。
 先日、名古屋で行われましたある集会で、自民党の先生とそれから私と出席しておったわけでございますけれども、そのときに、お米の自由化はもう時間の問題だというようなことをその自民党の先生がおっしゃいまして、私は農水委員といたしまして一瞬どきっといたしました。私の目の前でそんなことを言われたので、よほど私は反論しようかと思いましたが、まあ大人げないと思ってとりあえずやめておきましたけれども、都市部の御婦人方の集会ということもありまして多少リップサービスということもあったのかなというような気がしておりまして、けさの新聞を見ましたら、何かECとアメリカあたりは今度のガットでもう包括でやって、お水もかなり厳しく日本を責めてくるような話も出ております。
 円高がこれだけ進んできておりますし、ここでお米が自由化されたら、それこそ減反だ、それ今度は緩和だというようなことで、農家の方々にとりましては大変なことになるわけでございます。それから、今週でしたか、朝NHKがお米の特集を七時四十五分からずっとやっておりましたですね。あれも私ずっと見ておったわけでございますけれども、あの場合でも減反してしまうと、本当にその減反をした一区画の周りの立派な水田が大変なまた迷惑を受けるというようなこともありますし、そういう意味では、ひとつ一貫したお米の保護ということに力を入れていただきたいなと思っております。
 それから、新農政の中で企業マインドということをうたわれておるわけでございますけれども、それこそ今はやりの異業種間交流といいますか、技術向上の上でも大変役に立つのではないだろうか。バイオのこと等を含めて大学の技術系の人たちにたまには農業の方のお手伝いをしてもらうと。
 大臣と私は全く同年輩でございます。私、田舎におりまして、農繁休暇というのがありました。田植えの時期とそれから収穫期には、私は普通科でございましたけれども、農業科の生徒のところへお手伝いに行って、判こだけもらって学校は遊んでおりました。それは冗談でございますけれども。そういうようなことでそういういろんな交流をなさるという、グローバルな形でつかまえられていくといいんではないかなというような感じがいたします。
 前段はこのぐらいにいたしまして、今回の農業災害補償制度というのは、まさに農業者の方々にとりましては大変ありがたい制度になるであろうと予測はしておりますけれども、先進諸外国においてこういう制度があるのか。また、あるとすれば、それはどのようなものについてあるのか。
 前に私、この問題とは直接関係ないかもしれませんけれども、フランスの場合は若い農業後継者には奨学金制度というものがあったというようなお話もこの委員会でさせていただきましたけれども、諸外国についてそのような例があれば、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#264
○政府委員(眞鍋武紀君) 農業が自然条件の影響を最も受けやすい産業であるということは洋の東西を問うものではございませんで、各国におきましてもそれぞれ自然的、社会的、経済的な条件等から多種多様な農業が営まれておるわけでございまして、各国の農業保険制度もさまざまな形で運営されておるわけでございます。
 先進各国の制度と申しましても、我々の承知しておるところを調べた限りでございますが、保険制度につきましてはアメリカ、フランス、カナダ等にその例があると承知しておるわけでございます。それぞれの国の自然条件なり農業事情から重要な作物について保険制度が設けられておるということでございます。保険料について一定の政府助成があるということもまた同じようなことでございます。
 各国の制度、概略をちょっと申し上げてみますと、アメリカでは、実施主体が農務省の連邦作物保険公社、こういうふうなものがやっておるようでございます。それから、対象作物は小麦とかトウモロコシ、大豆等でございまして、四十四作物が対象になっておるということでございます。それから、補償の水準は、収穫量について付保割合というものが決まっておりまして、五〇%から始まりまして、五〇、六五、七五の三つの中から農業者が選択をする、最大でも七五%まで、こういうふうなことになっておるようでございます。
 それから、保険料に対します政府負担は、これは付保割合が六五%までは三〇%が国庫負担でございます。六五%を超える部分につきましてはゼロということでございまして、付保割合六五%まで三〇%の国庫補助が出ておるということでございます。
 それから、フランスにおきましては、農協組織におきます農業保険と政府による災害補償制度との二本立てになっておるということでございます。農協による農業保険が一時的に機能しまして、それによってカバーし得ない甚大な災害に対して政府による災害補償制度が機能する、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 それから、カナダにつきましては、実施主体は州政府になっております。それから、対象作物は小麦、トウモロコシ、大豆等六十六件物ということでございます。それから、収穫量についての補償水準付保割合は最大が九〇%ということでございます。保険料に対する政府負担は、連邦政府が二五%、州政府が二五%という状況になっておるわけでございます。
#265
○新間正次君 私の調べた数字と全く一致しておりましたので、今さら申し上げることもありませんけれども、カナダあたりの制度、あるいはフランス、アメリカを含めまして、やはりいいところはぜひまた盛り込んでいっていただきたいなと思っております。
 それから、続いて果樹共済、これも先ほど諸先生方がお尋ねになっていらっしゃったわけでございますけれども、果樹共済の加入率の向上に今回の改正点でどの程度に寄与するものと考えていらっしゃるか、その辺をお伺いしたいと思います。
#266
○政府委員(眞鍋武紀君) 果樹共済につきましては、先ほど来御答弁しておるところでございますが、災害収入共済方式の本格実施ということで、品目が現在災害収入共済方式は九品目が対象になっておるわけでございますが、これが全品目災害収入共済方式が適用になるということ、それから支払い開始の損害割合が三割から二割になるという改善、さらにはキウイフルーツでございますとかセミノール等々のかんきつ類を追加するということ、さらには責任分担方式の改善、こういうふうなことを行うことにしておるわけでございます。
 そういうことによりまして、農家の理解も得ながら加入率の向上を図っていきたいということでございまして、先ほど御答弁申し上げましたように、先の見通しは難しい面があるわけでございますが、一、二割程度向上するということを期待しているわけでございます。
#267
○新間正次君 先ほどの星川先生のお話しやないんですが、私の地元愛知県、特に蒲郡というのはキウイなんかなかなか非常に盛んなところでございまして、逆に彼らから言わせるというと、どうも保険が高いなというようなことを言っておりました。それに絡めましてということではないんですが、園芸施設共済について質問をしたいと思います。
 ガラスハウスといいますと愛知県の渥美半島、電照菊という観光名所があったわけでございますし、また今言いましたようにハウスミカンあるいはキウイというのは、これは愛知県の場合は全国的にもかなり広いシェアを持っておるわけでございますけれども、愛知県で大体二千九百ヘクタール強、熊本県に次いで二位の施設園芸県である。その雨よけ施設が愛知県においても六十二ヘクタールもう設置されておるわけでございますが、今回の改正で共済対象となる雨よけ施設は具体的にはどのようなものであって、また雨よけ施設を用いて栽培されている農作物について、現在の施設内農作物と同様共済の対象となるのかどうかという点についてもお伺いしたいと思います。
#268
○政府委員(眞鍋武紀君) 現行の園芸施設共済の引受対象施設は、その骨格の主要部分がパイプとか鉄骨等によりましてつくられておるということ、さらにはガラスとかプラスチックフィルムによりまして施設全体が覆われておるというものを対象にしておるわけでございます。
 今回、この共済の対象に加えたいという雨よけ施設でございますが、その骨格が現行の引受対象施設と同様なものであるということと、それから屋根面、要するに、横は別でございますが、屋根面のみをプラスチックフィルムによりまして被覆しているものというふうに、全体を覆っていなくても屋根面だけ覆っておるというものを予定しておるわけでございます。
 それから、その雨よけ施設の中にある作物について対象になるのかということでございますが、施設内の作物につきましても農業者の保険需要が高いということでございますので、共済目的に加えるということにしております。現行の施設内農作物の場合と同じように、雨よけ施設に合わせて農家の希望によってこの中の作物も共済に付することができるようにするという予定にしておるわけでございます。
#269
○新間正次君 次に畑作物共済、お茶について諸先生方もお尋ねになっていらっしゃるわけでございますけれども、愛知県の場合は高級茶のいわゆるお抹茶の産地としてもかなり有名なところでございますけれども、お抹茶なんかの場合ですと、まさに一番茶といいますか、最初の芽というのが一番大事なわけでございまして、その大きな被害を受ける茶栽培の総収入の八割を占めるこの一番茶の収穫時期の凍霜害等を聞いておりますと、かなりのものがある年もあると聞いております。
 今回、このお茶について災害収入共済方式を試験的に導入されることになっておるわけでございますけれども、この方式の導入によって農家にとって具体的にどのようなメリットがあるのか、またどのような地域においてこの方式が導入されるのか、その辺をお伺いさせていただきます。
#270
○政府委員(眞鍋武紀君) 災害収入共済方式は、災害があった場合に農家ごとの生産金額の減少に応じまして共済金を支払う、こういう方式でございます。
 御指摘のように、お茶につきましては、一番茶が被害に遭うという場合にその横から芽が出てくるわけでございます。そこで、従来の方式でございますと、収量としては変わらないということで、一番茶が被害を受けてもほかの出てきた葉っぱによって収量自体が減少にならない、こういうふうなことで共済金がもらえないということがあったわけでございますが、今回はそういう不満を解消するために生産金額が減少した場合には補てんの対象にするということで、そういう品質低下といいますか、収量はあったけれども品質低下があったという場合には共済金がもらえるようになるという点で農家にとってメリットがあるということでございます。
 さらには、収穫量なり生産金額を出荷資料によりまして確認する、こういうことになりますので、耕地ごとに現地評価によって行う現行の方式に比較しまして、引き受けでございますとか損害評価の両面で信頼度が高く、また効率的な損害評価ができる、引き受けなり損害評価の両面で効率的なものができる。この二点がメリットであると思っておるわけでございます。
 それから、茶の災害収入共済方式をどういうところで実施するのかということでございますが、農業協同組合等の出荷資料から生産金額が適正に確認できる見込みがあるというものといたしまして、農林水産大臣が指定をする地域を対象にしたいということで考えておるわけでございます。
#271
○新間正次君 大臣にお尋ねをいたしますけれども、昨年の六月、新しい農政の方向としていわゆる新政策を打ち出されたと聞いておりますが、今国会においてもこの関係の法律案が提出されております。この農業災害補償法の改正に当たりまして、新政策の方向をどのように検討し、またどのような点で反映されているのかをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
#272
○国務大臣(田名部匡省君) 農業災害補償制度につきましては、もう今までの議論の中で、基本的には災害対策の一環として災害による損失を補てんする、そういうことによって農業経営の安定を図ることを目的にしておるわけであります。お尋ねの部分につきましてはこの趣旨を基本としておるわけでありますけれども、望ましい経営体の育成など新政策の各施策の展開方向、これらを勘案して農業者の保険ニーズに対応した制度の改善について検討をしていく必要があるということで、目下いろいろと作業をいたしておるわけであります。
#273
○新間正次君 先ほど各委員からも出ておりますように、余りばらつきがあり過ぎても、また農業をやられる方に意欲がなくなってきても大変なことになりますので、その辺は十分ひとつ御留意をいただいてお骨折りをいただきたいと思います。
 時間の方も迫ってきておりますので、愛知県というのは野菜生産県でございます。今後、野菜共済の実施いかんについてどのように考えていらっしゃるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#274
○政府委員(眞鍋武紀君) 野菜につきましては、園芸施設共済として、施設の中にありますものについては現在も対象になっておるわけでございます。
 露地野菜について共済制度に制度化できないかということでいろいろ検討しておるわけでございます。先ほども御答弁申し上げましたが、作付時期が長いために、一度被害になりましてもまたまき直すというふうなことで収穫が確保できるということ、あるいは栽培期間が長いということで収穫量の把握が的確にできるかどうかということ、さらには価格変動が大きいために収量の減収のみを対象とする制度ではなかなか保険需要があるかどうかということでございます。それから、価格要素を加味した共済制度として仕組むためには、出荷数量でございますとか販売金額等々について把握できるということが前提になるわけでございます。
 そういうことでございまして、いずれにいたしても、共済制度として野菜共済を仕組むということにつきまして、残念ながらまだ解決すべき問題点もあるということでございまして、引き続き検討を深めさせていただきたいと思っておるわけでございます。
#275
○新間正次君 まさにそのとおりでございまして、ぜひ検討を続けていただきたいなと思います。
 話はちょっと余談になりますけれども、いわゆる根菜類といいますか、てん菜については先ほどお話をお伺いしたわけでございますけれども、根菜類なんかは、サツマイモ、ジャガイモあるいは大根とかという、愛知県でそういう野菜がかなりつくられております。その野菜でモグラの被害がかなり出るんですね。愛知県にはモグラとりの名人がおりまして、県下を引っ張り回されているという、まあこれは余談でございますけれども、そんな話も出ておるわけでございます。
 最後に、地域農業共済の導入について今回の改正では取り上げられていないというような感じがするんですけれども、その理由についてお伺いしたいと思います。
#276
○政府委員(眞鍋武紀君) 地域農業共済制度ということで農家の方から要望があることは我々も存じておるわけでございます。
 農業災害補償制度はかなり拡充をされてきておりまして、現在露地野菜とか露地の花等を除きまして、全国的に相当程度の生産が行われているというものは大体対象にしてきておるわけでございます。そういう意味におきまして、地域農業共済の対象になり得るものというのは、生産規模が比較的小さい地域特産物、こういうものが考えられるわけでございます。
 やはりこれにつきましても保険設計上の問題をクリアしなければならないわけでございます。地域農業共済の対象になり得るものは、大体生産規模が小さくて、非常に限られた地域で生産をされている特産物というものが多いわけでございますので、全国的な危険分散、保険としての危険分散という点でうまくいくかどうかという問題がございます。
 それから、地域特産物でございますので、被害発生態様と保険設計に必要な過去の何年間かのデータが整備されているかどうかということがあるわけでございます。
 それから、地域農業共済としてどういうふうにして仕組むのかということで、現行の六共済事業と同じように国に再保険を掛けさせるかどうか。それから、地域の実情がまた違うわけでございますので、どういうふうに国と地方の関係を整備したらいいのか。あるいは現在の共済制度は国の負担はあるわけでございますが、地方公共団体については負担がないわけでございまして、その辺をどう考えるかという問題もあるわけでございます。
 そういうふうなことで、これから地域農業といいますか地方の農業を考えてみた場合に、立地条件なりそれぞれの地域の実情に応じた作物を選択し、その地域の生産振興を図っていく、こういうことが大事であるというふうに思っておりますので、こういう技術的な問題を解決すべくさらに検討を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#277
○新間正次君 農業災害補償法というものをぜひひとつじっくりと練り上げていただいて、農家の方々、これから農業を目指す方々にまあ支障のないようにといいますか不満のないように、均衡のとれたものになるようにさらに一層の努力を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#278
○委員長(吉川芳男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について林君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林君。
#279
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、今お手元に配付されております案文のとおりです。
 その趣旨と提案理由について、以下、御説明申し上げます。
 共済掛金国庫負担制度の中で、農作物共済の超過累進制度や蚕繭共済の超異常全額国庫負担制度は、災害常襲地域など被害率の高い地域では共済掛金率が高くなることから、手厚い国庫負担により農家負担を軽減し、災害から農家の経営を守るという災害補償制度の根幹をなす制度です。
 したがって、この制度を廃止し、あわせて掛金国庫負担率を引き下げることは、災害から農家の経営を守るという農業災害補償制度の根幹にかかわる抜本的な改悪であり、認めることはできません。
 そのため、共済掛金国庫負担方式に関する改正部分を削除する修正案を提出するものです。
 その内容は、農業災害補償法の一部を改正する法律案のうち、第十二条の改正部分及び十三条の四にかかわる国庫負担方式にかかわる改正部分を削除し、現行どおりとするものです。
 なお、この修正の結果必要となる経費は約三十億円の見込みです。
 以上の趣旨でありますので、委員各位の御賛同をお願いして、提案理由の説明を終わります。
#280
○委員長(吉川芳男君) ただいまの林君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
#281
○国務大臣(田名部匡省君) ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府としては反対であります。
#282
○委員長(吉川芳男君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#283
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、農業災害補償法の一部を改正する法律案に対して反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、共済掛金国庫負担制度を抜本的に改悪して、麦を除いて超過累進方式を廃止するとともに、掛金国庫負担率を引き下げることです。
 この共済掛金国庫負担制度は、国家的な要請に基づく農業生産の維持、拡大を図っていくためには、国も社会保険的な見地から助成する必要があること、また、農作物共済や蚕繭共済は、一定の経営規模以上の農家等には当然加入制をとっていることの裏づけとして国の助成が必要であることなどの理由で、制度発足時から行われてきたものです。また、超過累進制は、災害常襲地帯などの掛金率の高い地域の農家負担を軽減し、災害から農家の経営を守るという災害補償制度の根幹をなす制度です。
 今回の改正案は、この超過累進制を廃止するものであり、決して認めることはできません。
 反対の第二の理由は、新政策推進の小規模零細農家切り捨ての組合員資格要件の政令改正を表明している点です。
 今回の改正案では、新政策推進のため大規模農家への対応を進める一方、小規模零細農家に対しては、農作物共済加入の組合員資格を現行の十アールを超えない範囲となっているものを十アール以上に改め、耕地面積が十アール以下の小規模零細農家の加入に門戸を閉ざすことを打ち出しました。このことによって、全国で十五万七千戸の農家が加入できなくなり、特に小規模零細農家が多い都市近郊農家や中山間地域では、地域内で非加入農業者が増加し、集落組織を基盤として運営されている共済制度全体の崩壊を招くことにもなりかねません。
 最後に、今回の改正案には果樹共済の拡充など我が党も従来から改善を主張してきた点が多く含まれており、この点に反対するものではありません。しかし、超過累進制の廃止や国庫負担率の引き下げなど国庫負担方式の抜本改悪は、農業災害に対する国の責任を大きく後退させ、農業災害補償制度の根幹にかかわる改悪であります。
 以上、反対の理由を述べて、討論を終わります。
#284
○委員長(吉川芳男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより農業災害補償法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、林君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#285
○委員長(吉川芳男君) 少数と認めます。よって、林君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#286
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、菅野君から発言を求められておりますので、これを許します。菅野君。
#287
○菅野久光君 私は、ただいま可決されました農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民主改革連合の各派及び各派に属しない議員新間正次君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本制度が農業災害対策の基幹として重要な役割を果たしていることにかんがみ、事業運営の実効性を確保することとし、農業経営の安定、農業生産力の発展に資するよう、次の事項の実現に努め、制度の円滑な運営の確保に遺憾なきを期すべきである。
 一 共済掛金の国庫負担方式の合理化措置に対応じ、農家の負担が過重とならないよう、無事戻しの実施につき適切な指導を行うとともに、異常災害の折には国が積極的な支援を行うこと。
 二 責任分担方式の改定に当たっては、これが組合等の事業推進意欲の向上と活性化に結び付き、加入の促進等が図られるよう指導すること。
   また、万一、組合等の共済金の支払財源に不足が生じた場合には、農家に著しい影響を与えないよう適切な指導を行うこと。
   なお、園芸施設共済に係る責任分担方式の在り方については更に検討を加えること。
 三 生産組織単位での共済加入、大規模農家等に対する全相殺引受方式、大豆における全相殺引受方式、茶における災害収入共済方式の導入等が円滑に実施されるよう、その体制整備に必要な各般の措置を講ずること。
 四 今回の改正措置に関連し、現在、加入率が低迷している果樹共済、畑作物共済、園芸施設共済については、組合等の加入促進の活発化等を通じて一層の加入促進が図られるよう所要の措置を講ずること。
 五 組合等の広域合併の推進に当たっては、画一的に指導することなく、地域の実情を反映させるとともに、組合員等の意見が十分反映される体制が整備されるよう指導すること。
 六 農作物共済に係る組合員資格面積基準の設定に当たっては、基準面積以下となる農家につき、生産組織単位での加入を図る等所要の指導を行うこと。
   また、当然加入基準の緩和に係る指導については、関係者の意見を踏まえ、地域の実態等を勘案して行うこと。
 七 今回の法改正の実施措置の推移を踏まえつつ、新たな農業施策の展開に即応した農業災害補償制度の在り方について、更に検討を加えること。
   また、中山間地域等の農業振興を図るための地域特産物を対象とする地域農業共済の導入、自主流通米の増加に対応した共済事業の実施、米の収穫量の基準の改善、乳牛の子牛及び胎児の家畜共済の対象への追加等対象品目の拡充について検討するとともに、これに必要な財源の確保に努めること。
 八 農業共済団体の事業活動の強化が図られるよう、事務費負担を初めとする所要の助成措置について、その適正な確保に努めること。
   また、現在、事故率が増加傾向にある家畜共済事業の運営強化が図られるよう、獣医師の確保等家畜診療体制の整備に努めるとともに、事故率低下のための所要の措置を講ずること。
 九 各種共済事業について、引受、損害評価方法の簡素化に極力努める等効率的な事業運営を行い得るよう配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#288
○委員長(吉川芳男君) ただいま菅野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#289
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、菅野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田名部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許し良す。田名部農林水産大臣。
#290
○国務大臣(田名部匡省君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#291
○委員長(吉川芳男君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#293
○委員長(吉川芳男君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産業の実情を調査し、もって本委員会に付託を予定される農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案、農業機械化促進法の一部を改正する法律案、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案、以上三案の審査に資するため、来る五月二十一日及び二十二日の二日間、群馬県に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#295
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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