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1993/03/26 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第3号
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1993/03/26 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第3号

#1
第126回国会 厚生委員会 第3号
平成五年三月二十六日(金曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細谷 昭雄君
    理 事
                木暮 山人君
                前島英三郎君
                菅野  壽君
                木庭健太郎君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                西田 吉宏君
                南野知惠子君
                糸久八重子君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                西山登紀子君
                粟森  喬君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  丹羽 雄哉君
   政府委員
       厚生大臣官房総
       務審議官     瀬田 公和君
       厚生大臣官房会
       計課長      高木 俊明君
       厚生省健康政策
       局長       寺松  尚君
       厚生省保健医療
       局長       谷  修一君
       厚生省保険医療
       局国立病院部長  田中 健次君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  藤原 正弘君
       厚生省薬務局長  岡光 序治君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       厚生省保険局長  古川貞二郎君
       厚生省年金局長  山口 剛彦君
       社会保険庁運営
       部長       佐藤 隆三君
       兼内閣審議官
   事務局側
       常任委員会専門  水野 国利君
       員
   説明員
       経済企画庁国民
       生活局消費者行
       政第二課長    田口 義明君
       大蔵省主計局共
       済課長      五味 廣文君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  近藤 信司君
       運輸省運輸政策
       局消費者行政課
       長        浅井 廣志君
       建設省住宅局建
       築指導課長    羽生 洋治君
       自治省財政局交
       付税課長     田村 政志君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成五年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成五年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (厚生省所管及び環境衛生金融公庫)
○国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 去る三月二十三日、予算委員会から、三月二十六日午後の半日間、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○日下部禧代子君 まず最初に、予算には関係ございませんが、昨日、熊本地裁で水俣病の第三次訴訟二陣の判決がございました。国や県には水俣病の被害を拡大させた責任があるといたしまして、行政の法的責任を明確に認定した判決でございました。これまで水俣病問題に関しまして国は法的な責任があることをお認めになりませんでしたが、今回のこの判決をどのようにお受けとめになっていらっしゃるのでしょうか。
 今、全国八つの高等裁判所あるいは地方裁判所で争っている二千三百人の原告のうち既に二百人が亡くなっていらっしゃいます。そして、ほとんどの方々が高齢者でいらっしゃいます。そういう状況から、国はやはり和解協議に加わることを今もう政治的判断として決断なさらなければならないというふうに私は思いますが、関連省庁の一つである厚生省の厚生大臣といたしましてどのような御見解をお持ちになっていらっしゃるのでしょうか。今こそ私は和解の場につくべき政治的判断の、もう時は遅過ぎるぐらいだというふうに思うわけでございますが、御見解をお聞きしたいと思います。
#4
○国務大臣(丹羽雄哉君) 熊本の水俣病訴訟につきましては、国はこれまで本件についての民事上の責任はない、こういうような立場から主張してきたわけでございます。今回の判決はこの主張が認められなかったわけでございます。極めて厳しい判決と受けとめております。
 今後の対応につきましては、判決の内容を検討し、各関係省庁とも協議の上に速やかに決定をしたい、このように考えております。
#5
○日下部禧代子君 私といたしましては、遅過ぎたくらいのこの政治的判断、和解の場にぜひとも国がつくべきだということを主張させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 ところで、いよいよ来月から老人福祉法等の福祉八法改正につきまして全面実施される運びになっております。私も社会党のシャドーキャビネットの市町村高齢化対策大臣といたしまして大変に関心を持っているところでございます。これからの高齢化社会におきまして、高齢化社会の福祉というのはまさに住民に密着した基礎自治体である市町村というのが主役になるべきだという、そのことに関しましては私は政府の御見解と全く同じでございます。
 ところで、前回三月二日の厚生委員会におきましても、この老人福祉法等の八法改正につきましての、特に老人保健福祉計画につきまして御質問をさせていただきましたが、きょうももう一度この問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、この市町村の老人保健福祉計画策定の状況でございますが、政府がお出しになりました報告によりますと、計画の作成がもう済んでいるという市町村が全体の八・八%でございます。作成中というのが二一・二%、そして実態調査をしている最中であるというのが六七・四%、大多数でございます。いまだに準備中というのが二・五%。この状況は、いわゆる平成五年度中に間に合うのでしょうか、これで大丈夫だというふうにお考えでしょうかということが第一点でございます。
 それから二点目は、これも厚生省の御報告によりますと、この計画を市町村職員がつくるのではなくてコンサルタントなど外部に委託しているというものが、厚生省御自身の御発表によりますと、一部委託が千五百四十四市町村で四七・四%、全部委託というのが九十市町村で二・八%、合計千六百三十四市町村に上りまして、これは五〇・二%ということでございます。全面委託をしている市町村が九十もあるわけでございます。こういう点に関しまして厚生省はどのような御指導をなさっていらっしゃるのでございましょうか。
 まず、この二つの面につきまして御質問をさせていただきます。
#6
○政府委員(横尾和子君) 第一の老人保健福祉計画が順調に完了するかどうかという点でございますが、進捗状況についてはお話しのとおりでございます。各県、各市町村が大変熱心にただいま取り組んでいただいておりまして、既に数県についてはもう間もなく県レベルの計画が取りまとめられるというふうにも伺っておりまして、私ども平成五年度中にほぼ予定のように実施ができるのではないかというふうに考えております。
 第二点の外部コンサルタントに委託する問題でございます。私ども、基本的な考えは、この計画が住民に最も身近な行政主体である市町村がみずからつくることに意味があるというふうに考えているわけでございまして、そういう考え方で指導をしてきたところでございます。
 ただ、実際に計画の策定に当たりましては、例えば実態調査を行ってその後の集計を委託するというような、極めて技術的な作業について作業委託をすることまでも除外する必要はないというふうに考えております。先ほど御指摘の一部委託の千五百四十四自治体については、こうした技術的な委託がほとんどであるというふうに理解をしているところでございます。しかしながら、計画の内容そのものも含めてすっかりコンサルタントにゆだねてしまった自治体が残念ながら九十自治体あったことも事実でございまして、こうしたところにつきましては、再度関係者と協議をさせていただきまして、地域のみずからの手でつくる老人保健福祉計画になるように指導をしているところでございます。
#7
○日下部禧代子君 次に、老人保健福祉計画の策定に際して、その主役である住民及び高齢者の意見を聞くべきであると、これは厚生省の通知にもそのようにその旨が記されているわけでございますが、住民、特に高齢者の意見をどのような形で、どのように聞いていらっしゃるのか、その辺のところをお知らせいただきたいというふうに思います。
 それからもう一点、厚生省が通知としてお出しになっていらっしゃいます老人保健福祉計画における目標量の標準というのは、各種サービスの一週当たりの回数は出ておりますけれども、サービスを受ける時間というものが出ていないように私は思いました。例えばホームヘルプサービスにいたしましても、これは一週間に何回というものだけではやはり大変に実際の状況に間に合わないんじゃないかと思うんです。何時間というふうに、そこがきちっとなされて初めて、本当に利用者が望む需要にきちっと充足させることができるのではないかというふうに思うわけであります。一日に一時間行ってそして一週二回ということと、それから二十四時間体制、ナイトサービスというのもイブニングサービスというのも全部ちゃんと含んでの一週の二回というふうなこととは、これはすごく実情が違ってくると思いますが、いかがでございましょうか。
#8
○政府委員(横尾和子君) 計画策定に際しましての住民の意見の徴し方という点でございますが、私どもの調査によりますと、すべての市町村が何らかの形で御意見を聴取しているということの報告を受けているところでございます。
 具体的に申し上げますと、約二割の自治体がシンポジウム等という集会の形で御意見をいただいております。約七割弱の自治体が計画策定委員会にメンバーとしてお入りいただく、あるいは意見を述べるために参加していただくという形をとっておられます。残りが、例えば実態調査を実施して御意見を徴するというような形でございまして、私ども計画策定に際しての要件についてはほぼ満たされているのではないかと考えております。
 次に、ホームヘルプサービスについての目標量の定め方でございます。現在、私どもは、そのサービスの提供目標につきまして、要介護の老人については週三ないし六回、虚弱な老人については週一ないし二回のホームヘルプサービスが提供できるようにということとしております。
 実際問題といたしまして、調査をいたしますと一回当たりの派遣時間は二ないし三時間というあたりが主力になっているわけでございますが、個別に見てみますと、ひとり暮らしの世帯、老人夫婦のみの世帯、その他の家族のいらっしゃる世帯によっても大変かかわる時間が変わっております。市の地域と町村ではまだかなり異なっておりまして、長い場合には四時間以上のこともございますし、一時間程度のものもあるということでございまして、私ども、具体的な一回あたりのサービスの時間というのは、地域の実情に応じて、あるいは御家庭の状況に応じて弾力的に運用していただくことがいいのではないかというふうに考えておりまして、余り時間で表示するのはいかがかという考え方を持っている次第でございます。
#9
○日下部禧代子君 地方に伺いますと、例えばホームヘルプサービスというのはなかなか需要がないというお声を聞くんです。やはりこれは、きちっと頼りになるホームヘルプサービスだったらばお願いできるんだけれども、ちょちょっといらしてちょちょっと帰ってしまわれるんだったらばかえってもうお願いしない方がいいと、そういう事情もあってホームヘルプサービスをお願いしないんだというふうなお声もよく聞くわけでございます。この辺のところをどうぞ十分に考慮なさいまして、いろいろな通知、御指導を出していただきたいなということを申し上げておきたいと思います。
 ところで今、私、コンサルタントに委託をしている市町村がかなり多いというふうなことを厚生省の御報告から数字を挙げて申し上げたわけでございますが、こういう問題が起きるというのもやはり、私、これは前回御質問させていただきましたけれども、高齢者福祉行政に携わる市町村職員の数と予算が非常に不足しているということから起きるのではないかなというふうに思うわけでございます。
 そこで、自治省にお伺いいたしますけれども、自治省は高齢者対策のための予算及び人員というのをもう少し地方交付税などで措置すべきではないかと思います。前回、地方財政計画上の手当てをしたというふうなお答えをいただいたのでございますが、それが実際に市町村できちんとどの程度増員されているのか、その実態を把握なさっているのでございましょうか。
#10
○説明員(田村政志君) 地方財政に係る高齢者対策の財源措置の問題でございます。
 ただいま御質問にございましたが、ことしは地方財政計画上、高齢者の在宅福祉の充実を図るために市町村の福祉関係職員の増員を計画的に厚生省と相談して行ってきておりますが、平成四年度では千百六十四人の増員を行っております。平成五年度、ただいま国会に地方交付税法改正案を提出しておりますけれども、平成五年度においては全国ベースでさらに千四百四十六人を増員できるような地方財政措置、交付税措置を講ずることといたしております。
 この地方財政計画に掲上された人数が、交付税そのものが一般財源でございますから、直ちにこれで人数がふえるという形では直接には連動しないわけでございます。定員管理計画等によって、地方団体の状況を見ますと、相当程度、今福祉の職員がこの増員に見合った形でふえてきている、あるいは振りかえということもございますが、地方公務員の数全体をそうふやすということもいかがかということで、行政需要の状況に応じまして違う部門からこちらに移す、つまり、一般的な事務部門から福祉の部門に移すといったようなことで職種の入れかえも行っておるものですから、これとぴったり対応した数字というのは持ち合わせておりません。定員管理計画等、あるいは地方団体の状況等を聞きますと、相当老人福祉の計画もつくらなければいけない、それからさらに、現場で実情に即した指導もしていかなければいかぬという観点から、市町村の方も問題意識を非常に強く持って増員をしているものというふうに考えております。
#11
○日下部禧代子君 これからもこういった地方自治体の計画に関して、あるいはまた高齢者対策そのものに対しての予算及び人員の措置というものは、私もフォローさせていただきたいと思いますので、自治省の方としてもきちんと実態を把握していただきたいというふうに思います。
 それで、厚生大臣にお願いいたしますが、ただいま私は幾つかの質問をさせていただきました。その中で、計画を作成済みというのが八・八%の市町村ということでございますが、この数字を高いと見るのか、あるいは低いと見るのか。これは、私はまだこれで間に合うのかなというふうな危惧もするわけでございますが、そういうことも含めまして、五日後に施行される計画でございますが、いろいろと問題も起きているようでございます。私は厚生省のカウンターパートといたしまして、何度か質問させていただきますけれども、改めて市町村の高齢化対策を推進する御決意を大臣に承りたいと思います。
#12
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは先生御案内のように、ゴールドプランというまず大きな柱がございまして、それを身近な市町村に当てはめていくという言葉が適当かどうかわかりませんけれども、住民の皆さん方のニーズにこたえていく、こういうことでございます。
 私どもは、平成五年度中に行っていくということでございますので、これからひとつことしじゅうに一〇〇%を達成できますように努力していく決意でございます。
#13
○日下部禧代子君 その次に、日本で今福祉の大きな課題の一つとして、社会的サービス、今ホームヘルプサービスを申し上げました。そういった社会的サービスの体系というのが供給サイドで決定されている。したがって、ばらばらに連携なくサービスのアイテムはふえるけれども、それは利用者にとって非常に不便であるということがございます。その結果として非常に非効率的で、そして社会的経費もかさむという、これは供給サイドだけではなく、需要サイドも非常に不幸せな結果が出ております。これを解消するためには、やっぱり利用者が主役であるというふうな形でサービス体系をつくり直すという必要があるのではないかというふうに私は思っております。シャドーキャビネットでも、そういう原則に基づいたシステムづくりというふうなものも考えております。
 ところで、今年度の予算を拝見いたしますと、施策の総合化という点におきまして、評価できる一つの施策があるというふうに私は思いました。それは、「健康文化と快適なくらしのまち創造プラン」というのが新たに加わっております。したがって、私の関心の観点からもこの進み方を注目しているところでございますが、そこで、このプランをより魅力的なものにするために、その策定費用にかかわる単価と補助率をもっとアップするなどの幅広い措置をとるべきではないかなということを考えております。数も、二十市町村だけではなく、もう少しふやすというふうなことは考えられないのでございましょうか。
#14
○政府委員(谷修一君) 子供から老人まで、おのおののライフステージに応じて、健康で快適な生活を送れるようにということで、そういったような町づくりを推進したいというふうに考えておりまして、今お話がございましたような健康文化都市推進事業というものを平成五年度の予算案に入れさせていただいております。
 この事業につきましては、厚生大臣がモデルとして指定をした市町村におきまして、地域の特性を生かした快適な町の創造プランをつくっていただくということでございます。私どもといたしましては、計画の策定に要する費用を補助するということのほかに、関連の計画に基づきます施設の設置等の事業について優先的な国庫補助を行うといったようなことで、事業を実施する市町村に対して必要な財政的な支援を行うということにいたしております。平成五年度初めての事業でございますが、今後とも必要な予算の確保には努めてまいりたいというふうに考えております。
#15
○日下部禧代子君 障害者やお年寄りが安心して暮らせる町づくりというのでございますが、兵庫とか大阪、神奈川など、自治体が条例を改正して、こういった方々に配慮した建築を普及させようとしていることは皆様方御承知のとおりだと思います。
 そこで、建設省にお伺いいたしますが、建設省も地方公共団体だけに任せておくというのではなくて、建築基準法それから道路構造令などをどんどんと改正していくべきではないかなというふうに思うんです。
 また、お聞きするところによりますと、官公庁施設建設法の改正なども予定していらっしゃるようでございますが、その中でも、率先して高齢者とか障害者に配慮した建築設計をしなければならないというふうな規定をするわけにはいかないのでございましょうか。そしてまた、官公庁施設建設法の改正というのはいつごろを御予定していらっしゃるんでございましょうか。
#16
○説明員(羽生洋治君) 今先生御指摘のように、高齢者や障害者に配慮した建築物や道路の整備を進めていくということは、建設省といたしましても極めて重要なことだというふうに認識しておりまして、その推進に努めてきております。
 例えば、今お挙げになりました施設の現状につきましてちょっと御説明申し上げさせていただきたいと思いますが、道路につきましては、その整備に当たりまして、幅の広い歩道や、それから段差の切り下げとかスロープつきの立体横断歩道施設等の整備を推進してきておりまして、このために必要な各種の技術基準を策定して進めております。
 それから、官庁施設につきましては、高齢者や身体障害者等の利用に配慮した建築設計基準というものをつくりまして、施設の性格に応じました整備を進めているところでございます。それから、官公庁の公の方の地方公共団体等の建築物につきましては、その同じ建築設計基準を適用していただくように周知を図って、その整備が行われるように努めているところでございます。
 それから、建築基準法というお話がございました。民間の建築物につきましては、不特定多数の方が利用される建築物等を対象といたしまして、身体障害者の利用に配慮した建築設計標準というものをつくっておりまして、その普及に努めてまいっております。また、平成四年度からは、こういった高齢者や障害者に配慮した建築物に対する融資制度を創設いたしまして、その整備の促進を図ってきております。
 そこで、さらにそれを強化したらどうだという御指摘だと思いますが、それも施設別にちょっと申し述べさせていただきます。
 道路につきましては、今申し上げましたような努力を今後とも一層推進する必要があるというふうに考えておりまして、道路審議会に二十一世紀に向けた新たな道路構造のあり方ということを諮問いたしておりまして、その中で、人間の復権、高齢者や障害者のための道路構造というものがどういうふうにあればいいのかということを主要な課題の一つとして検討をいただいているところでございます。この審議会の答申をいただきましたならば、その趣旨に沿いまして必要な措置を講ずるように考えているところでございます。
 また、官庁施設につきましては、現在、先ほど申し上げましたように建築設計基準というものに基づいて必要な措置をどんどん講じているところでございまして、それをさらに推進していきたいというふうに考えております。
 それから、建築物のうち特に民間の建築物につきましては、高齢者、障害者への配慮をお願いしているということでございますけれども、強制するということになりますとその負担の問題とかいろんな問題が出てまいるということでございまして、そういった意味での基準法上建築基準というのを強制規定として設けるということにつきましては、その対象範囲や基準の内容について慎重に検討する必要があるかなというふうに思っております。
 いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、新たな融資制度を創設するとかいろいろなことでさらに一層そういう建築物の整備が促進できるように誘導に努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#17
○日下部禧代子君 例えば、スウェーデンにおけるバリアフリーというふうな、そういうきちっと建築基準法の改正ということで規定するお考えは今のところございませんか。
#18
○説明員(羽生洋治君) 先ほどちょっと条例のお話がございましたが、現行いろんなところで条例をつくっておられる中には、建築基準法に基づきます条例としていろいろお決めいただいて、不特定多数の方が入られるような建築物についてはそれを強制しているという面がございます。しかしながら、それを全国一律に基準法本体で強制するということになりますと、非常に基準法は強制的な性格が強いわけでございますから、そういう基準を定めることにつきましての対象範囲や、どういう具体の基準なのかというようなことを慎重に検討した上で判断していかなければならないというふうに思っております。
 したがいまして、現段階におきましては、いろいろ各地の実情に応じたそういう施策の推進をお願いしているところであり、また国といたしましても、いろいろな手段を講じまして総合的にこういう整備が進むように努力しているところでございます。その努力は今後とも引き続きさらに推進していきたいと思っております。
#19
○日下部禧代子君 超高齢化社会ということを目前にいたしまして、やはり今そういうことをやっておくということが後々の社会的経費の節減ということにもつながっていくので、大変に重要なことなので今決断をすべき時期だというふうに思っておりますことを申し添えまして、次の質問に移ります。
 運輸省にお聞きいたしますけれども、運輸省は、やはりお年寄りとか障害を持つ方々が安心して交通機関を利用できるようにさまざまな御工夫をなさっていらっしゃると思いますけれども、設備構造基準関係法令をそういった観点から改正すべきではないかと私は思いますが、いかがでございましょうか。
#20
○説明員(浅井廣志君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘をいただきましたとおり、今後我が国は急速に高齢化いたします。それから、障害者の方々の社会参加の要請も大変強まっておるということでございまして、そういったためには、足の確保と申し上げるんですが、交通施設の改善というのが大変重要な課題だというふうに受けとめております。御指摘いただきましたとおり、こういうハンディキャップをお持ちの方々が安全で、かつ身体的な負担がなるべく少ないように施設を改善していくというふうに現在いろいろな施策を進めているところでございます。
 それで、先生御指摘の施設基準の問題でございますが、運輸省におきましては、従来から交通ターミナルの施設整備のガイドラインというのを策定いたしております。このガイドラインの中に、例えば駅の改札口の拡幅の問題ですとか通路の問題、それから垂直移動のためのエレベーターとかエスカレーター、障害者の方々の利便を考えたトイレ、それから視覚障害者のための誘導警告ブロック、こういったような施設を整備するようにという基準を定めているところでございます。
 この基準は、国連障害者年がスタートいたしました五十七年に定めたものでございますので、約十年経過しておる。その間のいろいろな新しい施設、例えば車いす対応のエスカレーターというようなものが我が国では開発されておりますが、そういったようなものを新たに取り込むということで平成四年度からその見直し作業を今進めておりまして、平成五年度にはその新しいガイドラインを策定したい、このように考えております。
 こういうふうに施策は進めておりますが、御案内のとおり、鉄道駅は全国に大変たくさん数がございます。そういったような中で、着実に整備は進んできておると私どもは考えておりますが、まだまだ残されている施設、改良を要する駅等がたくさんあるわけでございますので、先ほど申し上げましたガイドラインを適切なものに見直すなどによりまして今後とも運輸関係の施設整備に努めてまいりたい、このように考えております。
#21
○日下部禧代子君 アメリカにおきましてはADAが施行されております。そういう観点から見ますと、我が国では、心身障害者対策基本法はございますけれども、高齢化社会全体に対応するいわゆる高齢者対策の基本法というものはまだ存在していないように思うわけです。
 ゴールドプランというのがございます。これは、日本で初めての総合的、そして長期的な計画ではございます。厚生大臣、自治大臣、それから大蔵大臣の覚書ということででき上がっているものでございますが、やはりこれからは、閣議決定でその目標、事業量、予算、そういったものをきちんと決めることができるような、そういう総合的な高齢化社会に対応する計画というものが必要なんじゃないか、そういう法律が必要ではないかというふうに私は思います。
 私自身といたしまして、シャドーキャビネットで高齢社会総合計画法というふうなものを考えておりますけれども、厚生大臣、こういうふうな総合的な高齢化社会に対応する計画法というものについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#22
○国務大臣(丹羽雄哉君) 高齢化社会におきましても、高齢者の皆さん方や障害者の皆さん方が安心して過ごせるために、医療や福祉のサービスの向上というものが何よりも重要な課題となっておるわけでございます。
 先ほどからお話が出ておりますように、厚生省といたしましては平成二年度からゴールドプランというのを始めまして、ことしで四年目を迎えるわけであります。それから、先ほどから御指摘の、いよいよこの四月からはこの市町村版でございます老人保健福祉計画というものが策定されることになっておるわけでございます。
 この老人保健福祉計画におきましては、各市町村ごとに、デイサービスであるとかあるいはホームヘルパーであるとか、そういうような供給目標が定められることになるわけでございますけれども、それにとどまらず、福祉の町づくりの事業などを通じまして、いわゆるお年寄りや障害者の皆さん方が安心して住みやすいような町づくりに取り組んでいかなければならない、このように考える次第であります。
 なお、障害者対策でございますけれども、昨年「国連・障害者の十年」が終わりまして、今後の障害者対策のあり方につきましては、過日政府の方で新たな長期計画を取りまとめたところであります。これは私も副本部長をいたしておりますけれども、この中では、いわゆる障害者の自立と社会参加、これを一層進めていかなければならない、こういうような基本的なスタンスでこれから社会全体の中で障害者を受け入れていこうではないか、こういうような方針を打ち立てたわけであります。
 シャドーキャビネットの厚生大臣でございます日下部先生の御提案の高齢社会総合計画法の趣旨を十分に体しまして、これからもともに福祉の充実のために、御協力を賜れれば幸いだと思っております。
#23
○日下部禧代子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移りたいと思いをする。
 平成四年度の予算で、医療保険財政の中期的運営等を柱とした改正の中で国庫補助の引き下げと保険料率の引き下げが行われました。平成五年度では、国民健康保険法改正による財源の地方回しと、またさらに政府管掌健康保険の国庫負担の減額繰り延べが行われようとしておりますが、その額は一千三百億円でございます。制度改正とはいうものの、どうも私には経理的操作に終始した改正であるというふうに思われてならないわけでございます。お金がなくなると厚生省が捻出するというのは、一体どういうことなのかなというふうに考えてしまいます。厚生省は、大蔵省の要求を断固拒否するというふうなことはできなかったのでございましょうか。
 昨年の厚生委員会で同僚の菅野議員が質問なさいましたときには、五年度は八百億円の黒字見込みだというふうなお答えがございましたが、今千三百七十億円に変わってしまいました。その新たな中長期的財政を採用した初年度に見通しが狂うというのはおかしいというふうに私は思うんですが、その辺のところを再検討して、国民に健康保険財政の本当の姿というものを明らかにすべきではないかというふうに思います。この点が第一点。
 そして第二点は、昨年は保険料率の引き下げがございましたが、今回も黒字ならば国民の保険料率を引き下げるべきではないかというふうに思いますが、この二点に関しましてお答えをいただきたいと思います。
#24
○政府委員(佐藤隆三君) ただいま御質問の政管健保の財政の問題でございますが、まず第一点の従来の見通しでまいりますと、平成五年度八百億円の黒字というところの見通しが違うんではないかと、こういう御指摘でございます。
 御指摘のとおり、政管健保につきましては平成四年度からおおむね五年程度を見通しました中期的な財政運営に改めたところでございまして、この中期的財政運営に改めるに当たりましては、平成三年度末に作成いたしました中期的財政状況の見通し、これによりまして平成四年度から平成八年度までの五年間を見通して安定的な財政運営を行っていくということでございます。
 それで、御指摘のとおりその見通しを見込んだ当初におきましては、五年度の剰余を八百億円と見込んでいたわけでございますが、その後の実績等も踏まえまして、平成五年度の予算におきましては千三百七十億円の剰余の見込みになったわけでございます。この差でございますが、政管健保の財政規模、平成五年度の予算案の歳出規模で申しますと六兆四千億円のこういった規模から見ますとわずかなものでございまして、先生御指摘のようなこの中期的財政の見通しを見直す、こういう必要になるような程度の額には当たらないものではないかと、このように考えている次第でございます。
 それから第二点目の、そういう黒字になるならば保険料の引き下げをと、こういう御指摘でございます。御指摘のとおり、平成四年度からの中期財政運営に改めるに当たりまして、中期的な財政運営の安定が確保される範囲内で保険料率とそれから国庫補助率を調整いたしましてそれぞれ引き下げたばかりでございまして、また国庫補助が原則として行われておりません健保組合あるいは共済組合の保険料率との均衡を図る、こういうようなことを勘案いたしますと、当面は現行の保険料率を維持することが妥当であると考えているところでございます。
#25
○日下部禧代子君 では、大臣にお伺いいたしますけれども、毎年厚生省がこうやって大蔵省から言われるままに財源を捻出するというのは、私おかしいと思うのでございますが、厚生省はそう大蔵省の言われるままに出すのではなくて、今度は厚生省の予算をそれでもって強化するというふうにはいかないのでございましょうか。厚生省、もっと頑張ってほしいと思いますが。
#26
○国務大臣(丹羽雄哉君) 叱咤激励を賜ったわけでございますけれども、国の財政も大変厳しい、こういうことでまず御認識をいただきたいと思っております。
 ただいま政府委員の方からもお答えを申し上げたわけでございますけれども、今回政管健保で千三百億円に及ぶ繰入減額措置をお願いいたしましたのは、大変財政が厳しい中において、先ほどから議論になっておりますゴールドプランであるとか、あるいは大変社会的に大きな問題となっておりますエイズ対策など、こういったような必要な厚生省予算を確保するためのやむを得ない措置である、このように私ども考えているような次第であります。
 政管健保の平成五年度の財政収支でございますが、医療費の動向などを踏まえまして見込んだものでございまして、私どもは今後とも適正な運営に努めてまいります。念のため申し上げさせていただきますが、平成五年度末の事業運営安定資金というのは一兆六千二百億円に見込まれておるわけでございますので、中期的財政運営には支障がないものと、このように考えておりますけれども、御指摘の点は深く受けとめておるような次第であります。
#27
○日下部禧代子君 次に、私、先日シャドーの委員長といたしまして新潟県にございます国立療養所村松病院を調査いたしました。その結果、想像以上に深刻な状況に置かれているなというふうに思ったわけでございますが、厚生省は村松病院の現状をどのくらい把握していらっしゃるのかなということをまず疑問に思いました。
 村松病院は、脳卒中リハビリテーションがその病院の特色であるというふうに御説明を受けたわけでございますが、現在、OT、PTは何人いるのでございましょうか。
#28
○政府委員(田中健次君) お尋ねの国立療養所村松病院でございますけれども、その現況から申し上げますと、入院定床は百床でございまして、職員数は八十三名で運営をされておりまして、平成五年一月におきます一日平均患者数は、入院が九十三・五人、それから外来が三十七・五人となっておりまして、お話のように主として脳血管障害に対する医療を行っておるところでございます。
 それで、OT、PTの配置についてでございますが、御案内のとおり、国立病院・療養所の定員事情は非常に厳しい状況でございまして、脳卒中リハビリ医療の基幹施設にOT、PTの定員を配置してきておりますが、この村松病院につきましては、基幹施設としての位置づけがなされておりませんで、OT、PTの配置は現在なされておりません。しかし、マッサージ師等三名を配置いたしまして、脳血管障害等のリハビリテーション治療に対応しているところでございます。
#29
○日下部禧代子君 マッサージ師三名を派遣なさるということでその病院の特色がリハビリテーションであるというふうにうたわれるというのは、これはマッサージの方々に対する資格が云々ということではございませんで、やはり看板に偽りありということになるのではないか。承りますと、このPT、OTは当初から配置されていなかったというふうに聞いております。それで、ずっと特色はというところにきちっと印刷されて、脳卒中リハビリテーションが病院の特色であるというふうに印刷された説明書まで私どもは受け取ったわけでございます。
 そういうことで、途中からPT、OTの方が人員不足でいらっしゃらなくなったというのではなく最初からいらっしゃらなくて、どうしてその特色をリハビリテーションであるというふうに長いことずっと放置していらしたのでしょうか。
#30
○政府委員(田中健次君) 国立療養所は、もともと結核を中心に医療を進めてきたわけでございますけれども、御案内のとおり、昭和四十年代になりましてかなり結核の撲滅が進んでまいったということで療養所の機能をほかの機能に転換をしていくと、こういうことがあったわけでございます。それで、国立療養所を例えば重心あるいは筋ジスの施設に転換するとか、あるいは今申しました脳血管障害に転換をしていくとか、こういう経過をたどってきたわけでございます。
 それで、この脳卒中リハビリテーションの事業といたしまして、全国八ブロックに基幹施設を設けて、そのほかに脳卒中リハビリテーションの診療施設を置くということで、全国に基幹施設が八施設、それから診療施設が八十四カ所ということで、九十二カ所でこの脳卒中の事業を進めてきたわけでございます。先ほど御説明を申し上げましたとおり、非常に定員事情が厳しいということと、従来結核の療養所でございまして、いろんな職員の方がおられたという経緯もございまして、現在OT、PTの配置は非常に少ない状況でございます。非常に定員事情が厳しい折、私どももやむを得ない状況であろうと考えております。
#31
○日下部禧代子君 やむを得ない状況というふうに言ってのけられるには、余りにも世間一般には通じないのではないかなというふうに思うわけであります。看板に偽りありということで、イッツ・ジョークというふうには、それはジョークだというふうに言ってしまうにはこれはもう深刻過ぎる問題でございます。ですから、私は本当にびっくりしてしまいました。
 そういう状況の中で、赤字が一年に四億を超えるということでございますと、これをずっと放置なさっていた国としての責任というのは免れないんじゃないかなというふうに感じたわけでございます。
 そしてまた、村松町を含む新津保健医療圏というのは、地域保健医療計画の上でのベッド不足の地域なんです。これは当然御承知のとおりだと思いますけれども、九二年度末で不足病床数が三百十三床というふうになっております。入院待機者もたくさんいらっしゃるわけでございます。そういった中で、地元の住民のこの病院に対する期待は非常に大きいわけでございます。村松病院の百床をなくすということは、そのベッド不足ということをより深刻化させるんじゃないかというふうに思います。
 国会の決議にもございますように、地域保健医療計画との整合性ということが重視されなければならないと思うわけでございます。このような国立病院の統廃合の問題というのは、この病院だけではなく各地で起きているというふうに思うわけでございますが、再検討なさるという、そういうことはお考えになっていらっしゃいませんでしょうか。
#32
○政府委員(田中健次君) 国立病院・療養所の再編成につきましては、これは公私立の医療機関が逐次整備をされてまいりまして、その結果現在我が国の医療機関が量的にほぼ確保されてきたと、こういう状況の中で国立て担うべき医療はどうあるべきか、こういう視点から、そのほか経営合理化の観点もございますが、昭和六十年三月に厚生省といたしまして閣議に報告をいたしました国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針により進めているものでございます。それで、この基本指針におきましては、国立病院・療養所は、ほかの公私立の医療機関と連携しつつ、国立医療機関に相ふさわしい広域を対象とした高度あるいは専門の医療、それから臨床研究また教育研修などの機能を果たしていく、こういうことを基本として再編成を進めることとしておりまして、具体的なケースについては昭和六十一年一月に公表した全体計画により進めているところでございます。
 それで、いろいろお話が出ましたが、個別のケースにつきましては、従来から自治体あるいは議会、医師会等の地元関係者と十分話し合いを行いまして、その理解を求めながら、統合あるいは経営移譲を進めているところでございます。なお、計画の推進に当たりましては、統廃合後の地域医療の確保に努めるということで、後医療について住民の方々が不安を抱くことのないように配慮しながら進めていくということにいたしております。お話がございましたが、この再編成計画は国立病院・療養所の将来にとって避けて通れない問題でございまして、ぜひともなし遂げなければならないものと私どもは考えておりまして、どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
#33
○日下部禧代子君 計画が策定されている、それを遂行するというのは確かに国の義務ではございますが、やはりもう少し実態をきちんと把握なさって、そして地元住民の要望、ニーズというものをもう少しきちんと、形式だけではなく、把握なさっていただきたいということをさらに強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 ところで、前回の三月二日の私の質問で、精神保健法改正につきまして御質問をさせていただきましたけれども、六十三年改正法附則に基づく見直し作業が三月中に出るという御回答がございました。そしてまた、先日、公衆衛生審議会の意見の具申もいただいております。公衆衛生審議会意見の概要をかいつまんでおっしゃっていただきたいのと、また改正法はいつごろ国会に提出なさるのか、今回はお答えいただけるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
#34
○政府委員(谷修一君) 精神保健法の改正につきましては、今お話がございましたように、三月十七日に審議会から意見書をいただいております。
 その概要でございますが、基本的には二十一世紀の社会を念頭に置いた政策の目標として、一つは精神医療につきましてはよりよい環境において質の高い医療を受けるということを目標にすべきではないかということが一点でございます。
 それから、社会復帰対策につきましては、従来精神医療機関から社会復帰施設へという流れをつくってきたわけでございますが、さらにそれを進めて、社会復帰施設から地域社会へという新しい流れも考える必要があるというのが基本的な目標でございます。当面行うべき対策といたしましては、さらに精神病院におきますさらなる開放処遇の推進ですとか、あるいは仮入院制度の見直し、また法定施設外収容禁止規定の見直し、あるいは精神医療審査会制度の運用の適正化、また社会復帰施設に関係いたしましては、社会復帰施設の整備を促進すること、あるいは精神障害者に対する資格制限の見直し等、幾つかの事項について御意見をいただいております。
 また、従来から懸案でございましたいわゆる三つの宿題と言われております大都市特例の問題、それから精神障害者の定義についての見直しの問題並びに保護義務者制度等につきまして意見をいただいているわけでございまして、ただいま申しましたような、当面の改善すべき事項というのは約四十項目ぐらいについて具体的な改善事項が指摘されているわけでございます。
 私ども、今これの意見書の趣旨を踏まえまして、法律で対応すべきもの、法律の改正で対応すべきもの、またその他通知等によって対応ができる事柄というようなことを整理いたしておりまして、その改正法案をできるだけ早くまとめさせていただいて、今国会に速やかに提出をさせていただき、御審議をいただきたいというふうに考えております。
#35
○日下部禧代子君 いつごろということはまだ全然お答えできない段階でございますか。
#36
○政府委員(谷修一君) これから私ども厚生省としての考えをまとめ、社会保障制度審議会の意見も聞くわけでございますが、できれば四月あるいは連休を境にして何とか、あるいは五月というようなことになろうかと思いますが、できるだけ速やかにお願いをしたいというふうに考えております。
#37
○日下部禧代子君 わかりました。どうもありがとうございます。
 次に、これも前回御質問させていただきましたことでございますが、今非常に大きな問題になっておりますMRSA対策について少しお聞きしたいというふうに思います。
 最近、長野県の福祉施設の問題も私これは新聞で見たわけでございますが、また東京都が、福祉施設、老人施設、障害者福祉、児童福祉施設等における感染症が多発しているので、特に特別養護老人ホームや精神薄弱児者施設などの施設においてMRSA対策が緊急な課題であるということでマニュアルを作成しております。今までは病院ということでございましたけれども、このような福祉施設等におきましてもこのMRSAの問題はかなり深刻になってきているという状況がうかがわれるわけでございますが、施設内感染、院内感染を含めましてこの施設内での感染を防ぐためにも、ただ単に手指の消毒だけではやはりこれは大変心もとないんではないかなというふうに思うわけでございます。
 そういうことを考えますと、消毒ということはもちろんのことでございますが、福祉施設の中での個室化ということをこの機会に急速に進めるべきではないかというふうに思うわけであります。感染された方を別のところのお部屋に隔離するというふうなことをするためにも、やはり個室がなければこういうことは実行に移されないわけでございます。そういうことを一点。そして、もう一点は、このMRSA対策につきましてちゃんとやっている医療機関とかあるいはまた社会福祉施設が本当に正しく評価されるように、診療報酬の面とか措置費の面で工夫ができないものでしょうか。この二点につきまして質問いたします。
#38
○政府委員(土井豊君) 社会福祉施設におけるMRSA対策の問題でございますが、正しい知識に基づく適切な対応ということを基本に置きまして私どもも今日まで取り組んできているところでございます。ただ、病院等に比較をいたしますと、比較的施設内での感染の可能性は低いというふうに聞いておりまして、健康状態が安定しているような場合には個室での隔離等の特別の対応をとる必要はないというふうに伺っているところでございます。
 ただ、具体的にそれではどうしているのかという問題でございますが、先ほどお話にありました五年度の予算の中で自動の手や指を消毒する機械を新しく購入する補助制度をつくるというようなことを考えておりますが、それと同時に、社会福祉施設の職員を対象とした研修を実施していきたいというふうに思っております。それから、さらに言えば、MRSA感染症が発症あるいはその疑いがある場合には、迅速に医師の指示を仰ぐとか医学的な管理に移行するというようなことを中心に必要な対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
 その際、個室化の問題にお話が触れられましたけれども、現在特別養護老人ホームにおきましては、重篤者のための特別の介護ということを念頭に置きまして約三割の個室化ということを念頭に努力をしておりますが、それ以外の施設におきましては、施設の種類にもよりますけれども、原則として二人部屋ということを目標に現在整備を進めておりまして、まだ量的にそういったものが十分達成されていない今日の段階では個室化というところまではまだ至っていないというふうに考えております。
 それから、もう一つの問題は経費の問題でございますけれども、現在、福祉施設の措置費の中におきまして入所者一人当たり、例えば特別養護老人ホームでいいますと年額七千三百円といったような保健衛生費を見ておりますし、また、そこで働く職員のためには職員研修費といったような経費を予定しております。そのほかにも、これは全体の民間の施設の約三分の一程度でございますけれども、すぐれた処遇を行っているような施設につきましては事務費の一%加算というような特別の仕組みを設けておりまして、そういう中で施設における衛生管理等の努力をさらに進めてまいりたいと考えているところでございます。
#39
○日下部禧代子君 この問題は、今おっしゃいましたように、さらにさらに体制をきちんと整備していただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 これも前回質問させていただきましたエイズの問題でございますが、五年度には予算的には前年度の五倍になったということで、これはまあ評価しなければならないというふうに思いますけれども、その内容、内訳を見ますと、五〇%強が広報、啓蒙予算なんですね。もちろん啓蒙は必要でございます。広報も必要でございます。しかしながら、治療とか病院の受け入れ体制の整備、そしてまた、これは病院の受け入れ体制の整備の中に入りますけれども感染者のカウンセリング対策、そういった方面に対する予算というのはまだまだ少ないんではないかというふうに思いますが、どのようにこの予算の配分をお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#40
○政府委員(谷修一君) エイズにつきましては、今もお話にございましたように、来年度、平成五年度の予算として百一億を計上させていただいておりますが、正しい知識の普及、いわゆるおっしゃいました広報のほかに、医療体制の充実、検査体制の充実、それから相談、指導体制の充実、並びに研究及び国際協力、さらに都道府県におけるエイズ対策の促進ということで、これにつきましては十億の予算を計上いたしております。
 今おっしゃいますように、私どもも、広報、正しい知識の普及ということが非常に大事なことではございますが、現在既に感染をされている患者あるいは感染者の心理的な社会的支援を行うということで、カウンセリングの充実あるいは医療体制を整備していくということは非常に重要な課題だというふうに考えております。この予算の中でもそういったような観点から、保健所で個室の相談室を整備する、安心して相談が受けられるような体制を整備するとか、あるいは在日外国人等へのカウンセリング体制の充実というものも予算の中に盛り込んでいるところでございます。また、患者や感染者の方が安心して医療を受けられるような拠点病院の整備ということを含めました医療体制の整備、また医療関係者に対する研修、そういうようなことを一層充実をしていくという考え方でございます。
#41
○日下部禧代子君 受け入れる病院というふうな病院の整備というもの、受け入れ体制というものをもう少しやはりきちんとすべきだということをもう一度申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 ところで、現在、総額十三兆円とも十四兆円とも報道されております補正予算というものが言われておりますけれども、予算本体が審議中なのに補正予算のお話が出るというのは非常にこれはおかしいことではないかというふうに思うんですね。補正が必要ならば本予算そのものを修正すべきだというふうに思うわけでございますが、閣僚の一員として、大臣はどのようにこの点を考えていらっしゃいますか。
#42
○国務大臣(丹羽雄哉君) 全く同意見でございまして、まず本予算を通していただきたい、このように考えておるような次第であります。
 今自民党内などにおきましては、大変景気が深刻であるものですから早目にひとつ次の処置を考えていったらどうか、こういう中で議論がなされておるわけでございますが、私どもといたしましてはとにかくまず本予算を最優先で通していただきたい、このように考えているような次第でございます。
#43
○日下部禧代子君 これからの公共投資ということについて少し申し上げてみたいと思うんですけれども、今までの公共投資というのは道路とか橋、そういったことに使われてまいったわけでございます。これからはそういったいわゆる箱物、ハードというものではなくて、高齢化社会を今本当に大変な問題として受けとめますと、福祉とか保健、医療の分野でもっと金額を大きく伸ばすべきときに来ているのではないか。この機会に、いわゆる高齢化社会へのための投資というものをきちっとすべきときではないか。このことが将来の社会的経費を軽減することにもなるというふうに思うわけであります。
 国債の発行というと、今まではみんな箱物だったわけでございます。ハードだったわけでございますね。それをもう少しソフトの面に転換すべきではないか。また、私がずっとしつこく申し上げております特別養護老人ホームの個室化の問題あるいはまた単独デイサービスの施設とか、先ほども触れましたMRSA、エイズの対策というような高付加価値のそういった事業にもっともっとここでお金を投ずるべきではないか。そういう事業を所管している厚生省の予算を高めるということは、公共事業より波及効果も大きいのではないかというふうに思うわけであります。
 この機会にぜひとも従来の予算の配分の発想というものを大きく転換させる、また公共投資の枠組みというものを大きく変えるという、そういうきっかけにしてはどうかというふうに思うわけです。厚生省からこそ、いわゆる生活福祉、ソフト重視型へと予算のパラダイムを大きく変えていく。そのことが次の世代のための文化遺産にもなる、そしてそれが現代の私たち今生きている世代の役割である、責任であるというふうにおとりになりまして、ここで厚生省が他の省庁に先駆けてそういった予算のパラダイムを変えるという、その辺のところの大英断を今なさるべきではないかというふうに思うわけでございますが、大臣どのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。
#44
○国務大臣(丹羽雄哉君) 平成五年度の厚生省関係予算は十三兆一千七百億円でございまして、国の予算の歳出部分の三分の一を占めておるわけでございます。最も多いのは厚生省関係の予算でございます。その中では、水道、廃棄物処理施設の整備のほか、先ほどから先生が御指摘なさっております特別養護老人ホームの個室化などの施設の整備や、さらに大変深刻になっておりますエイズ対策、これは前年度に比べまして五倍の伸びでございますけれども、百一億円計上いたしております。そのほか保健所の個室相談の相談室整備など必要な予算の確保を図ったところでございます。
 先生が御指摘のように、これからの高齢化社会を迎えまして何と申し上げましても真の意味で、宮澤内閣も生活大国の実現ということを掲げておるわけでございますが、そのためには保健、医療、福祉の分野においてさらに一層の充実に努めていかなければならない、このように考えておるような次第でございます。
#45
○日下部禧代子君 次に、年金法の改正問題に移りたいというふうに思います。
 三月二日の厚生委員会で私も質問させていただきましたが、年金制度の問題で政府の方から御回答がございました。私も、年金法改正問題につきまして小委員会の設置など提案いたしました以上、この問題にこれからもかかわってまいりたいというふうに思っております。
 まず、一元化の問題が大きな課題となっておりますが、この一元化の全体像につきまして、私、総理府の社会保障制度審議会の委員でもございますが、社会保障制度審議会で三つのパターンをお示し申し上げました。
 この三つのパターンにつきまして、政府はどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。社会保障制度審議会がお示しいたしましたパターン以外にも、何かまたその他の方策がおありになるんでしょうか。あるいは、この三つのパターンのメリット、デメリットということにつきまして簡潔にお考えをいただきたいというふうに思います。そして、厚生省は一体どのようなイメージをお持ちでいらっしゃるのか、以上簡潔にお願いいたします。
#46
○政府委員(山口剛彦君) 公的年金制度の一元化の問題につきましては、政府としては、平成七年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了すると。いう目標のもとに今鋭意作業を続けておるところでございます。この作業のスケジュールといたしましては、私どもとしては、まず年金制度は過去にいろいろ経緯のあることでございますので、それぞれの制度がこの一元化についてどういうふうに考えるかという方針を決めまして、その後政府全体として一元化の方向づけをしていこうという段取りを考えております。
 したがいまして、現時点で一元化についての私どもの確固たる方向というものを持っているわけではございませんけれども、基本的な考え方としましては、一元化がなぜ必要か、どういう理念を持ってこの問題に取り組むかということを申しますと、一つは、やはり公的年金制度が全体として長期的に安定したものでなければいけない、そのためには、産業構造だとか就業構造の変化に耐え得るようなそういう保険集団をつくりたいというのがまず第一点でございます。それから、制度が分立をしておりますと、加入した制度によって給付、負担、それぞれ両面にわたりまして、例えば成熟度の差というようなことで不公平、不合理が出てまいりますので、そういった不合理な格差が生じないような給付と負担の両面にわたって公平な制度をつくっていきたい、またあわせて、国民へのサービス、業務の効率化というものがより発揮できるような制度にしていこうという観点でございます。
 したがいまして、今御指摘のございました年金数理部会が三つのモデル案ということで御提言がありますけれども、そのそれぞれにつきましても、今申し上げましたような観点からこの三案についてどういうような評価をしていくかということだろうと思います。これは、先ほど申し上げましたような段取りを私ども考えておりますので、今軽々にこの三案について確定的な、断定的な評価をするということは必ずしも適当でない、これから大いに議論をしていくべき問題だと思っております。
 非常に単純化をして申し上げますと、三つのモデル案というのは、一つは、制度を統合して、財政運営を一本化していく方式、それから二番目が、制度を統合整理し、複数の制度に集約をしていく方式、三つ目が、制度を分立したまま、財政面において制度間で費用負担の調整を行っていくという三つのモデル案の提示がございました。
 それぞれにつきまして、本当に簡単にその特色等を申し上げますと、統合、一本化をしていくという方式につきましては、先ほど申し上げましたような一元化の理念、必要性というようなことから考えますと、そういう方向に一番近い方式ではなかろうかというふうに考えております。ただ、この統合、一本化方式というのは、従来からの経緯、歴史がございます各制度を一本にまとめてしまうということでございますので、具体的には、それまで各制度が積み立ててきている積立金、あるいはそれぞれが行ってきました業務、施設等も含めまして原則的に新制度へ移行する、移管をするということになりますので、これは制度間の関係者の合意が得られるかどうかという点ではかなり大きな問題があろうかと思います。
 それから、二番目の複数の制度に集約をする案、例えば官民別建てにするというような御提言だと思いますけれども、そういう方式につきまして関係者の、特に国民の目から見たときに、そういう二本立てにしていくというようなことがいいのかどうかという合意の形成、あるいはその二本立てにしました制度間の調整をどうしていくかというような問題があろうかと思います。
 それから、財政調整でやっていくという三番目の方式につきましては、これは各制度は分立をしたままということでございますので、各制度の長期的な安定という面から若干問題があるのではないか。あるいは、費用負担の面につきましても必ずしも同一なものになりませんので、先ほど申し上げましたような給付、負担面の公平化というような観点から問題を抱えているかと思います。
 いずれにいたしましても、以上のようにそれぞれの三万式につきましてもメリット、デメリットがございますので、先ほど申し上げましたようなスケジュールに従いまして、この数理部会の御提言も参考にしながら政府全体としてこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
#47
○日下部禧代子君 制度間調整法を見直す際に、各制度ごとに一元化を議論して、その後各制度がその案を持ち寄って一元化を審議する場をつくるべきであるということが提案されたというふうに聞いておりますけれども、その中で加入者、いわゆる被保険者の意見も反映されるようなそういう場を設けるという御提案に対しまして、今どのような具体的な進め方がなされているのでしょうか。いつごろ、そういった意見を出し合えるような場がどのような形でつくられるのでございましょうか。
#48
○政府委員(山口剛彦君) 先ほど申し上げましたように、この一元化の問題は、各制度でことしの秋ぐらいを目途に、それぞれの制度として一元化のあり方についてどういうふうに考えるかというのを議論いたします。その進捗状況を見まして、政府全体としてこの問題を議論する検討の場を設けたいというふうに考えております。
 今御指摘のございました懇談会の報告におきましても、その検討の場をつくるときには広く被用者年金各制度の関係者及び学識経験者等の参画を求めるべきだという御指摘がございますので、この検討の場を設ける場合には、そういう報告書の御提言の趣旨を踏まえまして、関係省庁とよく相談をしてまいりたいと思っております。
#49
○日下部禧代子君 それでは、いつというふうな具体的なお話にはまだなっていないわけでございますか。いつそれができ上がるんですか。
#50
○政府委員(山口剛彦君) 先ほど申し上げましたように、現時点では、まだ各制度がこの一元化の問題についてどういうふうに考えるかという方針を持っておりませんので、そういう状況で一堂に会して議論をしても方向づけがなかなかできないのではないか。だから、まず各制度でこの問題についてどう考えるか。年金審議会も、厚生年金、国民年金の立場からこの問題を考えようということで今やっていただいておりまして、これも秋ぐらいをめどに意見を取りまとめるということでございますので、共済組合等におきましてもそんな段取りで今作業が進められておりますので、秋ぐらいにその検討状況を見まして、また関係省庁とよく相談の上、タイミングもはかって検討の場を設けたいと思っております。
#51
○日下部禧代子君 その際には、ぜひ被保険者の御意見が反映されるような形で場が設けられますことを要望いたしまして、次の質問にいたします。
 大蔵省にお伺いいたしますけれども、鉄道共済年金の問題でございます。
 JRは、経理内容というのは株式の上場をするくらいで悪くはないというふうに私は受けとめておりますけれども、JR各社はもっと鉄道共済年金の救済に資金を回すべきではないかなというふうに思うわけでございます。また、制度間調整見直し懇談会におきまして、初めて百九十八億円の黒字が判明しているわけでございます。ここでは、大蔵省はその前に、財政収支というものを明らかにしていらっしゃらないわけでございます。ぜひとも、これからは大蔵省は情報を秘密になさらないで、こういった情報を公開すべきだというふうに思います。
 重ねて大蔵省に申し上げますけれども、自助努力を求める余り、鉄道共済の年金受給者に対して現在過酷な措置になっていないだろうかということが疑問になるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、一〇%スライド停止と言われているものとか再評価の繰り延べということは、受給者個人に責任を転嫁するものではないかというふうに思われます。この点、こういった個人に転嫁するというふうな形で自助努力を求めるという、これは黒字も出ているわけでございますから、そういったやり方というのはこの辺で直ちにやめるべきではないかというふうに私は思います。一言で言えば、自助努力を余りに強いているのではないかという気がするわけでございますが、大蔵省いかがでございましょうか。
#52
○説明員(五味廣文君) 鉄道共済年金の財政状況でございますけれども、お話しのとおり、平成三年度には百九十八億円の黒字を計上しております。この決算につきましては、各年度決算を締めました後、鉄道共済年金から大蔵省の方へお話がございまして、大蔵大臣がこれを承認いたしまして、あるいは関係省庁の御了解も得た上でこれを事業年報という形で皆さんに公開をし、あるいは組合員の皆様へはこれを周知するために財務諸表を事務所に備えつけて閲覧をできるように、これは法律上そういうふうに決められております。
 ただ、おっしゃいますとおり、現在年金の一元化が議論されておりますけれども、ある意味ではその発端になりました鉄道共済の問題でございますから、こういった共済年金の決算状況等につきましては、法令上の要請のやり方だけでなくて、できるだけいろいろな形で関係者の皆様にわかりやすくこれを公開していくということは私どもぜひやっていかなければいけないと思っておりますので、御指摘の趣旨に沿うように今後やっていきたいと思っております。
 それから、JR各社の決算状況との関係で、各社の負担という問題でございますけれども、現在、鉄道共済年金問題に関しまして制度間調整事業で鉄道共済が年間千百五十億円を実質いただくようになっておりますが、これだけでは決算が締まりませんので、自助努力ということで千八百五十億円をこれは行っている。その中に、JR各社の負担というものが、特別の負担として二百二十億円入っておるわけでございます。
 この負担につきましては、このJRといいますのは本来、旧国鉄の年金債務と申しますのは国鉄清算事業団の方へ既に引き継がれております。したがって、JR各社といたしましては通常の事業主負担であります折半負担というこの負担はしなければいけないわけでございますけれども、ただ、それを超えた負担を今回お願いをしている。と申しますのは、やはりJR各社というのは鉄道共済のこの問題の一方の当事者であるということでございまして、これはやはりいわゆる労使折半負担という通常の会社の行っております負担を超えて、特別に一方の当事者として負担をお願いしようということでございます。制度間調整事業の実施の前提がさまざまな自助努力でございますし、制度間調整に関します懇談会でも、この点につきましては引き続き相応の措置をとるようにという御意見をいただいております。
 そこで、平成五、六年度におきましても、鉄道共済年金に実際必要とされます対策額は当初の見通しよりも小さくなりまして、制度間調整で負担をお願いする額につきましては、限度額を減額するという形でやっていける状態になったわけではございますけれども、JR各社に対しては、これは減額というようなことはいたしませんで引き続き同額の負担をお願いしている。こういう状況でございますので、ぜひひとつ御理解を賜りたいと存じます。
 それと、各JRの現職の皆さんあるいは年金を受給しておられる皆さん、こういう方の自助努力という形でございますけれども、これにつきましてはいろいろな自助努力を自来やってきております。昭和五十九年にいわゆる統合法と呼ばれる法律が施行されまして、当時の国鉄共済年金が財政困難に陥りましたので、その赤字の穴埋めとして共済組合のうち国家公務員それから旧専売公社、そして旧電電公社、この三つが年間四百五十億円を国鉄の共済組合に財政支援として繰り入れるということの前提としてこの統合法ができましたが、こういった措置をとります際に、いわゆる一〇%スライド停止というようなことをしていただいております。
 これは、国家公務員の年金に比べましても当時の国鉄の年金水準は相当に高いということがございましたし、国家公務員からは年間三百五十億円が第一次財政調整で国鉄に流れますので、助ける側の立場というものもございまして、ひとつ既裁定の年金の皆さんについては一〇%の累積スライドの停止というようなことで年金水準の調整をお願いする。助ける側と似たような水準にまで年金の水準を下げていただこうというようなことで一〇%スライド停止というようなことも行いました。またこの制度は、したがいまして昭和六十一年四月以降、新しい厚生年金と全く同じ設計になりました国鉄の年金におきましてはこういった制度はもうとられておりません。こういったようなこともしてまいりましたし、また制度間調整事業を導入するにつきましては、平成元年度の再評価を繰り延べるというようなことをしてまいりました。
 特にこの平成元年度の再評価の繰り延べと申しますのは、他の制度におきましてはすべてこれは実施しておるわけでございますので大変厳しい自助努力でございます。先ほども出てまいりました制度間調整に関する有識者の懇談会の御意見でも、こういった厳しい自助努力につきましては、当面五、六年度において継続することはやむを得ないけれども、早く見直す必要があるというふうにお話をいただいておりまして、自助努力の扱いにつきましては、次期財政再計算、公的年金制度の一元化の検討、こういった際に関係者の皆様と十分協議して見直しを検討してまいりたいというふうに考えております。
#53
○日下部禧代子君 ありがとうございました。
 それから次に、公的年金の未払い者の問題に移りたいと思いますが、国民年金など公的年金の未払い者が七百万人もいるという、これは地方自治総合研究所の調べでございますけれども、非常に大変な数の方々が公的年金未払い者の数として上っているわけでございます。
 この未払い者の数が非常に多いという点につきまして、厚生省はやはり事態を深刻に受けとめなければならないんじゃないか。ある日突然この方々が、ある日突然ではございませんが、高齢者になられた場合には、こういったいわゆる無年金状態の方々というものがどっとふえることになってしまうわけです。あるいは無年金にならないまでも、低い水準の年金しか支給されないという、そういったいわゆる無年金あるいは低年金者が大変大量に出てくるということになるのではないかなというふうに思うわけでございますが、この問題につきましてどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。厚生省のお考えをいただきたいと思います。
#54
○政府委員(佐藤隆三君) ただいま御指摘の将来の無年金者の問題等々、国民年金につきましてそういう御指摘はあるわけでございますが、国民年金の事業につきましては、全体といたしまして事業実績は着実に向上しているわけでございますが、人口移動の激しい都市部を中心といたしまして、適用の問題あるいは保険料の収納、こういった面でさらに改善の余地があるわけでございます。御指摘のとおり、国民の年金権確保の観点からも、その対策につきまして積極的な推進を図っていく必要があると考えております。
 そこで、国民の年金権を確保していくためには、被保険者が制度の趣旨を理解していただきまして制度に加入していただく、それで保険料を確実に納めていただくということが必要なわけでございますので、個々人に対する加入あるいは納付の勧奨、さらにはテレビ、新聞などを通じました制度の周知徹底、いろいろな対策を講じてきているところでございます。
 また、特に社会保険庁といたしましては、平成五年度からは新たに国民年金の都市対策室というような組織の強化も図りますし、都市部を中心といたしました国民年金事業の充実強化のための体制整備を図りまして、また国民年金事業推進検討会というものも設置いたしまして、取り組むべき課題につきまして検討いたしまして、必要な対策を積極的に進めてまいる予定でございます。
#55
○日下部禧代子君 今のようなお考えで、七百万人にも上るかと言われている未納者、滞納者の方々の問題が解決するとはなかなか思えないわけでございますが、平成五年度の国民年金の保険料というのは一万五百円となりまして、万の大台を超えたわけでございます。国民年金一万円を超えるということは、これはなかなか庶民感覚では納めにくいという感じがするわけでございますね。そして支給額というのは、基礎年金の国民年金水準というのは生活保護よりも低いわけでございます。
 そうなってまいりますと、やはり定額保険料制度というふうなものを見直すというふうなこと、もっと納めやすいものにしていくというふうな工夫というものは全然お考えの中にないのでございましょうか。
#56
○政府委員(山口剛彦君) 御指摘のように、国民年金制度は我が国の年金制度の基盤になるような大事な制度でございますので、何としてでもこの制度を長期的に安定したものにしなければならないというふうに私どもも考えてはおります。
 その場合に、私どもの将来の推計といたしましても、この四月から一万五百円になる国民年金の保険料が、高齢化に伴ってさらに上昇するという見通してございます。したがいまして、これを国民の皆さんの御理解をいただいて、きちっと納めていただくというのは大変な努力が必要だと思います。先ほど保険庁の方から申し上げましたような工夫だけではなくて、制度面につきましても現在はその負担能力に応じて免除制度を設けるというようなことも工夫をしているわけでございますけれども、今後ともその保険料をきちっと納めていただけるような工夫というのは、国民年金制度の中で大変大事なことだと思っております。
 ただ、御提案の定額保険料でなくて所得比例の保険料を取ったらどうかということでございますけれども、これはこれで一つの御提言だとは思いますが、御案内のとおり国民年金の方々の所得の水準ということになりますと、具体的に税金を納めていただいている方も相当少ないというようなことでございますし、またよく言われますように所得の把握が本当に的確にできるかというような問題についても、かなり大きな問題を残しております。また、負担をしていただくのを所得比例で、あとそれでは給付の方はどうするかということになりますと、これまた大変大きな問題でございます。御提案のところは、中長期的な問題として私どもも意識をしてまいりたいと思いますけれども、今直ちに所得比例制を導入するということについては相当大きな問題があるということで、この点は御理解をいただきたいと思います。
#57
○日下部禧代子君 年金問題に関しましては、これはまた大変きまざまないろいろな問題がございますけれども、時間も限られてまいりましたので幾つかの点をまとめて質問させていただきます。まとめてお答えいただければというふうに思います。
 まず第一点は、育児休業法の成立に私もかかわらせていただきましたけれども、育児休業を今取得した場合には所得保障が全然ございません。そういった中で、年金制度の中で本人の保険料負担というものを企業が負担するというふうなことは考えられないかどうか、それが一点でございます。
 次に、国民年金第三号被保険者の加入漏れの問題が、これは厚生省の職員の中にもあるというふうに聞いておりますけれども、その辺の救済策というものをどのように考えていらっしゃいますか。
 それから次に、遺族年金のことでございますが、夫が亡くなった後せめて六カ月ぐらいは従前の年金を支給できないのかどうか。これは、ドイツなどでは三カ月支給しているというふうなことも聞いておりますが、この点いかがでございましょうか。
 それから、また次には、年金額の引き上げというのは物価スライドではなく人勧並みに引き上げるか、せめてその引き上げ時期を一月に繰り上げられないかどうかという点でございます。
 それから、これは以前から問題になっておりますけれども、年金がこれは年金受給者の方々にとりましては収入でございます。唯一の収入源でございます。それが毎月支払われていないということは非常に奇妙なことでございまして、私がおりました国々におきましては、もうこれはその国が週給でございましたら週給で年金も支払われておりました。そういうことを考えますと、もうぜひとも年金は毎月支払われるということがこれは当たり前ではないかというふうに考えますが、その点いかがでございましょうか。
 まず、その年金に関しましてはそれらの点につきまして一括してお答えいただきたいと思います。
 それから、児童扶養手当の十八歳支給打ち切りの問題でございますが、これは高校を卒業するまで支給できないかということ、私がもう何年か前にも質問をさせていただきましたが、この点いかがでございましょうか。まとめてお答えいただきたいと思います。
#58
○政府委員(山口剛彦君) えらいたくさん御質問をいただきましたけれども、それぞれ簡単にお答えをさせていただきたいと思います。
 育児休業期間中の保険料の問題ですけれども、現在は御承知のように休業直前の報酬額に基づきまして保険料を労使折半で御負担をいただくということになっておりまして、この問題については先生も御指摘がございましたように、育児休業制度そのものをどうするかという問題にかかわってくることだと思います。年金制度の中で、この部分について労使折半の原則を崩すということにつきましては、年金制度が今まで労使折半という原則でやってきておりますので、かなりこれは慎重に議論をしなければならない問題があろうかと思います。
 なお、育児休業期間中に育児休業手当というような形で企業が負担をしていただいて、手当として支給されたものの中から本人の負担分の保険料に充てる、事実上そういうことはできるわけでございまして、その点については現在もそういうケースはございます。
 それから、国民年金の三号被保険者の加入漏れの問題でございますが、この問題は、御承知のとおり六十年の改正のときに、今まで年金権のなかった無業の妻にも独立した年金権を付与する、そのためにはどうしたらいいかということで大変御議論がおって、三号被保険者という位置づけ事させていただいたわけですけれども、こういう経緯からいたしましても、この届け出というのは年金権の行使の裏づけになる大変重い義務でもあろうかと思います。そういう意味で、ぜひそういろ御認識をいただいてこの届け出を励行していただくように、社会保険庁とも相携えまして今後ともこの点については十分PR等をしていきたいと思います。
 したがいまして、その加入漏れに既になっておられる方の救済をどうするかという御指摘もございましたが、今のようなこの制度の持っている重さというものも十分理解をしていただいた上で、なおかつ私どもも十分指導なりPRもしていくという前提はありますけれども、それでも漏れている問題についてどうするのかという点については、国民皆年全体制のもとでの大きな問題でもございますので、よくよく検討をしてまいりたいと思っております。
 それから、遺族年金の問題でございますが、考え方としましては、御本人が亡くなられて必要な経費もそれなりに減ずるということでございますので、年金額自体が命四分の三というのを原則にしておりますし、ドイツあたりでも四割とか六割というように聞いていますが、それ自体は理屈に合ったことであろうかと思います。
 御指摘のように、それにしてもすぐ減額をしてしまうのはどうかということで、ドイツにはたまたま三カ月間は従来のだんなさんの老齢年金を支給するという手厚い制度があるようでございますけれども、これを直ちに我が国の制度として取り入れることが適当かどうかという点につきましては、外国におきましてもドイツがたまたまそういうことをやっておるということでございますので、もう少し研究をさせていただきたいと思います。
 それから、年金額のスライドを直ちにやったらどうかということで、現在四月からやっておりますけれども、一月かもできないかということでございます。これも御承知のように、従来、年金額のスライドについては人勧並みにやったらどうかということでございますが、年金につきましては、五年ごとに再計算をして賃金なり生活水準の上昇に見合った年金額の改定をする、その間は物価スライドをするということで、物価スライドにつきましても、これも御承知のように、従来かなり現実の物価の上昇から実施まで期間がありましたのを、六十年の改正のときに、暦年の物価の上昇率で、これが毎年大体一月ぐらいにわかりますので直ちに措置をいたしまして、四月からスライドをするということで年金の実質価値を維持すると。年金の使命として大変大事なところでございますけれども、それについては、私どもも精いっぱい現実の物価の上昇率等を把握してそれを年金額に反映をしていくという、ぎりぎりの努力をしてここまできているという点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、遺族年金の、児童の十八歳の問題ですが、問題点としては十分認識をいたしております。ただこの問題は、御指摘がございましたように、年金だけでありませんで、ほかの社会保障制度全体の児童、子供の範囲をどうするかという問題にもかかわる問題でございますので、御指摘を受けとめまして慎重に検討をさせていただきたいと思います。
#59
○日下部禧代子君 もう一つ、年金の毎月という……
#60
○政府委員(佐藤隆三君) 年金の毎月払いということでございますが、国民年金とそれから厚生年金の支払いにつきましては、平成二年の二月から、従来の年四回支払いというものを年六回の支払いに改善を図ったところでございます。
 年金を毎月支払うことといたしますと、現在でも大変受給者が増加しておりまして、例えば平成三年度で申しましても、年間の支払い件数は一億二千万件強というような状況でございまして、非常に業務量全体が増加することがさらに考えられるわけでございまして、現在の支払い体制を前提といたしますと、毎月払いということはその実施が難しいのではないかと思っております。
 今後、支払い通知の簡素化といった問題、事務処理体制の整備ということを図りながら、年六回の現在の支払いの実施状況も勘案いたしまして、将来の課題として検討してまいりたいと考えております。
#61
○日下部禧代子君 今申し上げました質問、もう少し積極的に、単なる御検討ではなく、私どもの希望どおりに沿った形でさらに前向きに考えていただきたいということをもう一度要請させていただきまして、最後に厚生大臣に。
 この年金制度というのは、国の基本的なものでございます。本当に二十一世紀、私どもそしてまた私たちの次の世代の人たちが安心して暮らせるかどうかという非常に大きな課題でございますが、そういう課題に向かって、厚生大臣といたしましてどのような御決意で取り組もうとなさっていらっしゃるのか、御意見を、そしてまた御決意を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#62
○国務大臣(丹羽雄哉君) 年金制度につきましては、いわゆる国民の皆さん方の理解を得られなければならないわけであります。それから、世代間の支え合いであります。そういう観点に立ちまして、現在、年金制度の現状や課題につきまして国民の皆さん方にできるだけ情報を提供する、こういうような基本的なスタンスのもとに、今回、年金制度の改正に向かってひとつ努力をいたしておるような次第であります。
 いずれにいたしましても、本年の三月には、初めての試みでございますけれども、新しい人口推計などを基礎とした年金財政の暫定的な試算をお示しをいたしました。また、現在、各界各層の方々の御意見を伺うために、有識者調査を行っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、高齢化社会を迎えましても長期的、安定的な体制を確立していかなければならない、そして国民の皆さん方の御理解を得なければならない、こういった観点に立ちまして年金の抜本的な改善に向かって努力していく決意でございます。
#63
○大島慶久君 自由民主党の大島慶久でございます。
 厚生大臣におかれましては、連日の予算審議で大変お疲れだと思いますけれども、御答弁の方、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 厚生省の方からお届けをいただきました平成四年版の厚生白書の中にもいろいろと表現がされておりますけれども、今や我が国のみならず世界的な大問題でございますエイズに関して、厚生大臣はいろんな場をとらえて極めて積極的な発言をなされております。関係者の間では大変な評価でございまして、私もそういった前向きなエイズに対する大臣の取り組み姿勢に対しては評価をしている者の一人でございます。きょうは、そのことに関しまして数点質問をさせていただきたい。
 それからもう一点は、最近、経済成長の大変著しい我が国でございます。そういった中で、国際貢献の仕方というものはいろんなやり方があるわけでございますが、この厳しい財政の中からも、世界の各国から見れば大変な金額のいろんな国際貢献がなされておりますけれども、なかなかお金だけではいい評価をいただいていない、私どもも残念でならないわけでございます。そういった観点から、医療分野における日本の国際貢献は、大臣を初め厚生省の皆様方、どういうスタンスで今それを展開されようとしているのか、その辺に関して数点御質問させていただきたいと思います。
 限られた時間でございますので、できるだけ簡潔明瞭な御答弁をいただけたらと存じております。
 現在の世界の人口の四分の三が、いわゆる開発途上国と言われているそういう国々に集中をいたしております。そういった開発途上国における保健医療の状況というものは、我が国を初めとする先進諸国と比べまして極めて厳しい状況にあるわけでございます。
 例えば、WHOの統計によりますと、発展途上国では毎年千二百九十万人もの五歳以下の子供が死亡している。これは大変な数です。そしてこれは、途上国全体の死亡の割合で見ておりますとその三分の一に当たる。本当に想像を絶するような大変な状況でございます。毎日六千人の子供が予防接種を受けられなかったために死亡している。そして、九千人の子供が下痢で、また一万人が肺炎で死亡している。しかし最近では、WHO等の努力により、全世界の子供の八〇%が予防接種を受けながら、そして七〇%の子供がいわゆる経口補液療法というものを受けることによって、徐々にではありますけれども、そういった改善方向に向けられているということも事実であります。
 しかし一方、新たな問題となった分野もあります。先ほど私が申し上げましたエイズはその一つであるわけでありますけれども、WHOの統計によれば、紀元二〇〇〇年までに全世界で三千万人から四千万人の人がエイズウイルスに感染をするであろうという推定がなされております。これは大変な問題でございます。
 我が国の状況を見ておりますと、我が国の乳児死亡率、これは生後一歳未満の出生一〇〇〇に対してどれだけ死亡するかという数値で見ておりますと、大正末期までは一五〇以上であった。年々そういったことが改良されまして、一九八九年にはその大正時代の一五〇という数字からわずか四・六と大変なこれは進歩でありまして、世界でもこういった状況というものはトップクラスではないだろうか、こんなふうなことも言われております。また、戦後結核を含む感染症や寄生虫性疾患など、多くの疾患を制圧してきた経験もあります。
 とにかく、五十年も前、あの敗戦のさなかから今日のようなこのすばらしい日本の建国がなされました。その過程において、私どもの日本というのは、そういった疾病に関してもいろんな歴史を経験しながら今日に至っております。そういうノウハウを駆使すれば、本当の意味でのそういった開発途上国の人々に対する立派な社会貢献というものができるんじゃないか、国際貢献の責任を果たせるんじゃないか。こんなことで、私は今の質問をさせていただいているわけでございます。私どもが経験をいたしました、その経験を踏まえた技術移転ということ、日本が国際社会で果たす重要な役割であろうと思います。
 そこで厚生省に、この分野での取り組みの現状について、今どんな状況にあるのか、まずもってお尋ねをさせていただきたいと思います。
#64
○政府委員(瀬田公和君) 厚生省といたしましては、開発途上国への保健医療分野での国際協力というものは、昨年閣議決定をされました政府開発援助大綱の協力重点分野ということでございまして、国際協力として大変重要なものであるというふうに考えておりまして、従来より、先生からお話しございましたけれども、積極的に対応しているという状況でございます。
 ちょっと具体的に申し上げますと、二国間の協力ということで、国際厚生事業団というのがございますが、この事業団を通じまして、開発途上国における保健医療行政の専門家を我が国に招聘をいたしまして、お話がございました感染症対策とか食品衛生の対策とかという分野で保健医療行政に係る研修を実施しております。
 さらに、この国際協力事業団が実施をいたします保健医療分野の各プロジェクトがございますが、そういったプロジェクト方式の技術協力でございますとか各種の研修事業に対しまして、国立病院の医師その他の専門家を派遣いたしまして、そういった技術協力の計画立案の段階から実施の段階まで、さまざまな段階において協力をするという形で実施をいたしております。
 そのほか、御承知のように国際機関を通じた協力ということで、WHOに対する財政的、技術的支援を通じてWHOの進めるプライマリーヘルスケアの推進、またお話のございました予防接種活動など開発途上国に対しまして支援を実施している、そんな現状でございます。
#65
○大島慶久君 せっかく我が国はとうとい経験をたくさん踏んでまいっております。どうぞ今後ともそういった経験に基づいたさらなる御努力をいただきたい、強く要望させていただきたいと思います。
 次に、去る三月二十四日の読売新聞で、医療の海外協力に派遣医師の不足が大変大きな壁になっている、こういう記事をたまたま拝見させていただきました。
 我が国における医師の供給というものは非常にすばらしいものがありますが、海外へ向けていざ国際協力という観点からそういった派遣をしようと思いましても、この記事にあるようないろんな障害があるわけでございますけれども、厚生省におかれましては、こういった人材の育成だとか確保に対してどんなお取り組みを合いただいているのか御説明いただきたいと思います。
#66
○政府委員(瀬田公和君) お話のございました人材育成の面でございますけれども、これは平成元年度より派遣専門家養成事業というものを始めまして、それもやはり国際厚生事業団に委託をいたしまして実施いたしております。
 内容でございますけれども、開発途上国におきまして保健医療分野の協力に従事することを希望する医師とか歯科医師とか薬剤師とかの医療従事者に対しまして、派遣時におきます基礎知識や専門技術等の研修を行いまして、その研修の終了後は、この方々を派遣専門家として登録をすることによりまして開発途上国に対する保健医療協力の推進に資することを目的とする、そんな制度でございます。平成元年度から毎年ほぼ五名ずつの養成を行っておりまして、この修了生の中には国際協力事業団の専門家や、またWHOの専門家として現に御活躍をいただいている方々も誕生している、そういうふうな状況でございます。
 この保健医療分野での国際協力の基盤強化のためには、先生御承知のように、昭和六十一年に国立病院医療センターに国際医療協力部というのを設けてさまざまな開発途上国のニーズにこたえてきたところでございますけれども、さらにこれを一層充実するために、平成五年度の予算におきましては、国立病院医療センターと国立療養所中野病院とを統合し、国際協力に係る情報機能、研究機能、人材育成機能、また高度の総合的な診断機能を備えました国立国際協力医療センターというものを設置したいというふうに考えております。こういったことを通じまして、いろいろ問題はございますけれども、さらに開発途上国に対する協力を積極的に推進したいというふうに考えております。
#67
○大島慶久君 次に、エイズに関して御質問をさせていただきたいと思います。
 WHOの調査によりますと、一九九二年の一年間、世界百七十三カ国のエイズ患者の発生状況は六十一万人、また感染者に至っては千百万人というふうに推計をされております。これは厚生白書にも出ております。アメリカにおいては、一九八一年に最初のエイズ患者が発見されて以来、エイズ感染の急激な増加が社会問題にもなっております。全米の二十五歳から四十四歳までの男性の死亡原因のもう今や第二位ということだそうでございます。そして同年齢の女性はいかがかといいますと、その死亡原因のもう第五位を占める。これは本当に大変な問題だなと、こういう数値を見れば見るほどそういう感じがいたします。
 そこで、厚生大臣みずから、平成四年十月に発足いたしましたエイズストップ作戦本部長として御活躍をいただいておるわけでございます。そして、今年度は厚生省の方から百億円を超える予算要求がなされているところでございますけれども、感染症の予防対策あるいは啓発、また患者の人権と、エイズにはいろいろと気配りをしながら対応しなければいけない難しさもある疾病でございます。厚生省として極めてグローバルな視野に立って、国際的なエイズ対策の充実をこれからどう図っていこうとされているのか、お答えをいただきたいと思います。
#68
○政府委員(瀬田公和君) 国際的なエイズ対策の充実の面についてお答えをしたいと思いますが、厚生省といたしましては、一九八八年にWHOが地球規模の緊急対策ということで始めましたエイズ対策特別計画に対して資金の拠出を行うなど、この特別計画というものを積極的に支援いたしております。現在御審議をいただいております来年度の予算案におきましても、このエイズ対策特別計画に対する拠出金というものを二百五十万ドルから四百五十万ドルヘ増額計上するということを行っておりまして、積極的に御支援を申し上げたいということでやっております。
 また、二国間の協力ということでは国際協力事業団を通じまして、国立の予防衛生研究所の職員を開発途上国等に派遣をいたしまして、この問題についての国際協力の充実を図っております。また、平成六年の八月には、横浜におきましてアジアで初めての第十回国際エイズ会議というものを開催する予定になっておりまして、今後ともこうした国際的なエイズ対策の支援充実というのを図ってまいるとともに、御支援をしていきたいというふうに考えております。
#69
○大島慶久君 厚生省側からの御答弁をいただきました。
 それで、厚生大臣にお答えをいただきたいのでありますけれども、開発途上国の保健医療の状況が大変厳しいということを先ほど私御指摘を申し上げたわけでありますが、厚生大臣としてこういった保健医療分野の国際協力にどんな御決意をお持ちなのか、お答えをいただきたいと存じます。
#70
○国務大臣(丹羽雄哉君) 我が国は、今や世界に冠たる医療水準を誇っておるわけであります。世界一の長寿国でもあるわけでございますけれども、この我が国の経験を国際医療協力という形で発展途上国に伝えていくということが我が国の国際貢献のあり方の上で極めて重要である、まずこのように認識をいたしておるような次第であります。
 こういった観点に立ちまして、いわゆる国際協力の分野では、災害時やPKO活動における医師等の派遣、さらに途上国の医療水準を高めるための技術協力、さらにワクチンなど医薬品の開発援助、それから海外からの医療留学生の受け入れ、こういうようなことを行っていかなければならない、こう考えておるわけでございます。こうした分野におきますいわゆる養成が必ずしも十分でないわけでございますので、先ほど総務審議官がお答えを申し上げましたように、来年度からスタートする国立国際協力医療センターなどを通じまして、ひとつ一層の努力をしていく決意でございます。
#71
○大島慶久君 力強い御決意を伺いました。
 本当にこういったことが着実に実行されることによって、我が国の国際社会における評価というものは必ず大きなものを得られるんじゃないか、私はこんな期待をいたしております。
 今の大臣のエイズに対して取り組むその姿勢、これからもどうぞ持続的に力強く推進をしていただきたい、重ねてお願いをしておきたいと存じます。
 次に、今国際的なことで申し上げましたけれども、それじゃ我が国のエイズの状況というものは一体どうなっているのか。いろんなマスメディアを通じて私ども情報をいただいておりますけれども、この厚生委員会として、我が国のエイズの現状がどうなっているかお答えをいただきたいと存じます。
#72
○政府委員(谷修一君) 我が国におきますエイズ患者、感染者の現状でございますけれども、ことしの二月末現在で患者五百五十四人、感染者二千六百一人が報告をされております。
 これら患者あるいは感染者の方の数は年を追って御承知のように増加をしておりまして、平成三年には前年の二・五倍、それから平成四年はやはり前年の二・一倍と倍々のペースで増加を続けてきているということでございます。特に、異性間の性行為が主たる感染経路になってきたということ、あるいは在日外国人の感染者も増加をしているというのが現状でございます。
#73
○大島慶久君 我が国の医療技術をもってもまだこのエイズを完全に撲滅するというところには至っておりませんでして、これはいろんなキャンペーンを張りながら厚生省も頑張っておられますけれども、大げさに言えば、本当に国家の存亡にかかわるこれは大変な病気でございます。少々のお金を投入してでも、ぜひともこういった撲滅に向けて最善を尽くしていただきたい、このように要望させていただきたいと思います。
 そこでお尋ねをするわけでございますが、この啓発普及について、今もいろんな方面でおやりをいただいておりますけれども、これからさらにどう進展をさせていこうというお気持ちなのか、伺っておきたいと思います。
#74
○政府委員(谷修一君) 現在、エイズにつきましては、治療薬あるいはワクチン等がないわけでございますので、エイズ対策の基本は、エイズに関する正しい知識を持つということが感染を予防する上で最も重要なことだというふうに考えております。また同時に、患者あるいは感染者の方々に対します理解ある行動がとれるようにするというようなことが重要だと思っております。
 そういう意味で、お話がございましたように広報活動といいますか、啓発普及活動がエイズ対策の中で最も重要な意味を持っている、極めて重要な意味を持っているというふうに考えております。先ほどもお話がございましたが、厚生省でも、昨年からエイズストップ作戦本部というものを設置いたしまして、省を挙げて啓発活動に取り組んでいるわけでございます。平成五年度におきましても、官民一体となったキャンペーン事業の実施、あるいはパンフレットの作成、また保健所におきます青少年へのエイズ教育の普及など、国民各層に広く対応したきめ細かな普及活動をやっていきたいというふうに考えております。
#75
○大島慶久君 エイズという病気は、まず患者さんがどこにいるかわからない、そういったことで大変な大きな壁があります。しかし、血液検査などを通じまして患者さんが発見されたとしましても、いざ医療機関の受け入れ体制というものが、果たして現在既存の病院でほかの疾病と同じように患者さんを受け入れて治療をしていかれるかどうか、これは大変国民の間にも不安感があるというか、わかりにくい点が私はあるような気がしてならないわけでございます。
 厚生省はそういった問題に対して、その医療機関をどのようにして確保されていくのか、そして、今後どのようにエイズの医療体制というものを整備されようとしているのかお伺いをしたいと思います。
#76
○政府委員(谷修一君) エイズに関します医療体制の整備に当たっての私どもの基本的な考え方は、どこの病院でも安心して医療が受けられる、そういう体制を整備することだというふうに考えております。
 このため、医療従事者への研修などを行いますとともに、平成五年度におきまして、各都道府県に拠点病院を整備してエイズに関するモデル的な医療の提供、あるいはそこにおきまして地域におきます医療従事者への研修などを行うというふうにしております。また、患者が末期になった場合などを想定いたしまして、症状に応じたいろんなケースに対応するために、エイズ治療のためのモデル病室あるいはエイズの緩和ケア病棟の整備、こういったようなことを行っていきたいというふうに考えております。
#77
○大島慶久君 私どもの身近な問題になりまして恐縮でございますけれども、私も歯科医の端くれでございます。いろんな仲間の先生方とお話をしておりますと、いわゆる歯科医療行為を受けることによって、もしエイズウイルスがあるところであれば逆に感染をしてしまうんじゃないか、こんなような不安を抱く国民もかなりいるんじゃないか、こういう心配事が一つございます。
 医療に関係しておる者の基礎的な知識として、消毒観念なんということは基礎中の基礎のことでありまして当たり前でございますが、そういったことになりますと、これはすべての医療に通じることだと思いますけれども、今までの消毒観念だけでは防ぎ切れない。ましてその対象になる患者さんの不安をぬぐい去ることができない。いろんな問題が発生してまいっておりますけれども、残念ながら今の医療点数の枠の中ではそういったことに対する措置は、新しい問題であるから当然といえば当然でありますが、従来なされていないと私は認識をいたしております。
 そういった意味で、大臣には、今後の医療費改定が来年は予定をされておりますが、そういう医療全体の中でその基礎的なことでありますけれども、医学にとっては大変大切な分野でございますので、ぜひとも十分御配慮をいただいて御検討いただきたいとお願いをするところでございますが、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(丹羽雄哉君) 歯科医の先生方からも、大変この問題が深刻であるということを私自身も十分承っておるわけでございます。
 我が国におきます歯科医師の感染防止対策につきましては、平成元年の四月にHIV医療機関内感染予防対策指針というものを作成いたしました。グローブの着用などの感染予防対策について周知徹底を図っているところでございます。さらに平成五年度では、歯科医師に対しまして、全部で延べ千六百人ぐらいでございますけれども、感染予防講習会を新たに行うことにいたしております。
 診療報酬の問題につきましては、十分に承っておきたいと思っております。
#79
○大島慶久君 わずかな時間でございましたけれども、せっかく厚生省の皆さん方と打ち合わせをしながら一部御答弁をいただけない、私が勝手に割愛をさせていただいた分がございます。恐縮に存じております。
 最後ですけれども、いろいろ今までの関連の中で、既に大臣からもお答えをいただき、厚生省の皆さん方からもお答えをいただいておりますが、最後に一言、エイズ対策の今後の取り組みについて再度大臣の強い御決意を承りたいと存じます。
#80
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど先生からもお話をいただいたわけでございますけれども、平成五年度の予算では、前年度のおよそ五倍の百一億円をエイズ対策費として計上いたしております。正しい知識の啓発普及のほか、いわゆる拠点病院の整備、さらに保健所におきまして、カウンセリングは必要でございますけれども、原則として無料で匿名でエイズ検査が受けられる。またさらに、都道府県におきましてはいわゆる補助金制度を創設したわけでございます。
 いずれにいたしましても、国と地方が一体となってエイズの撲滅に立ち上がっていかなければならないわけでございますけれども、私自身がエイズの感染者の方々とお会いしましたときに、何と申し上げても一番大きな問題は、精神的な意味で心のサポートが必要である。そういうことで、今市民グループの間でいわゆるボランティア活動というものが大変熱心に行われておりまして、心から敬意を表しておるわけでございます。ひとつこの予算を通していただくならば、都道府県におきますこういった啓発運動の中で、都道府県と一体となっていわゆるこういうボランティア活動を行う、例えば電話相談であるとか、こういうようなものに対しては補助の道を開くことができないかどうか、前向きに検討をしていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、これは我が国だけではなく、人類が滅亡するかどうか、こういった大きな問題でございますし、我が国は今のところ三千人でございますけれども、爆発的に拡大するかどうかまさに正念場でございますので、私自身が先頭に立ってこの問題に取り組んでいく決意でございます。
#81
○大島慶久君 大変力強い御決意を賜りましてありがとうございました。
 私の質問を終わります。
#82
○木庭健太郎君 まず、深刻になっております病院の赤字経営の問題につきまして、この前、予算委員会で大臣とやりとりをやらせていただきまして、大臣としても、きちんとしたこれは赤字の実態調査というのをやりたいということをおっしゃっていただきました。夏までにその結論を出すというお話をお伺いしました。
 その後、実はもう一つ問題を指摘したんですけれども、どうも私も言葉足らずでございまして、大臣に真意が伝わらずに食い違ったようなところがあったわけでございます。それは何かと申しますと、中央社会保険医療協議会の問題でございます。
 もちろん、ここに、一つは医師会の代表の方たちが入っていらっしゃる。それと保険者の代表の方たちが入っていらっしゃる。そのほかに公益委員が入っていらっしゃる。これはこれで大事なシステムだと思っているんです。私が予算委員会で指摘いたしましたのは、この協議会の中に、例えば病院の経営というような視点から、今病院団体というのが幾つもできておりますけれども、そういう病院団体の代表というものも、どういう形で参加させるかは別として、考えてみたらどうでしょうかというようなお尋ねをしたのでありますが、大臣は、いや、もう入っていますというような御答弁でございました。
 ちょっとその辺の認識の違いがあったのではないかと思い、この場をおかりして再度大臣から答弁を求めておきたいと思います。
#83
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず中央社会保険医療協議会でございますけれども、支払い側、診療側を代表する委員それぞれ八名、さらに公益を代表する委員四名によって構成されておるわけでございます。
 診療側につきましては、医師という職能を代表する医師会から推薦された医師五名が委員として御審議に加わっておるわけでございます。この医師会委員の中には、いわゆる今先生が御指摘の病院の開設者あるいは勤務医の多くの方々が加入しておるわけでございます。現に、中医協の診療側委員には、私もよく知っておりますが、北海道で大変大きく北広島病院というのをやっております方々、いわゆるまさに病院の代表でございますけれども、そういう方も参加しておる。こういうことでございまして、病院サイドの意見は診療側委員を通じて中医協に広く反映されている、こういうことでございますので御理解を賜りたいと思っております。
#84
○木庭健太郎君 ですから、いわゆる病院団体の代表というのはこの中には現在はいないということでよろしいですね。
#85
○国務大臣(丹羽雄哉君) 病院の団体も先生御案内のように各種あるわけでございまして、それぞれ例えば全日病の先生方であるとか、あるいは日本病院会、これらの方々もすべて医師会に加入をしておるわけでございますので、ひとつそういうことでお含みを賜りたいと思っております。
#86
○木庭健太郎君 大臣の発言も職能を代表する医師というのが中心になる、私はこれはある意味では当然のことだと思っております。ただ、私が指摘したいのは、確かに医師という立場で病院経営もしている。そういう問題にも詳しいかもしれない。しかし、今医療がいろんな意味で複雑化している中で団体も一生懸命、これまでも団体相互間がいろいろまとまっていないような面もあったようですけれども、そういう中で一つの統一した組織もつくろうというような動きもある。
 その中で彼らが言っている点で私が一つだけ理解できる点は何かというと、やはり病院経営というものを専門的立場でやられている方たち、病院事務であったりいろんな形でやっていらっしゃる方がいるが、そういう意見というのも、ある意味ではそういう場に反映するということは決しておかしくない。そういう意味ではそういうことを検討する。私は即座にどこに職能団体の委員として入れろと、そういう主張は今のところしておりません。この医療協議会の中で反映するような形というのはあり得ないのか、その点について検討する考えはないのかということをお尋ねしようと思っているんですが、局長でも結構ですけれども、御答弁をいただきたいと思います。
#87
○政府委員(古川貞二郎君) 大臣が御答弁申し上げましたように、中央社会保険医療協議会では、社会保険医療協議会法というものがございまして、それぞれ三者の中で診療側の代表の方あるいは支払い側の代表の方々については、第三条の第四項で「各関係団体の推薦によるものとする。」ということになっておるわけでございます。したがいまして、診療側としては、例えばお医者さんの関係の方、あるいは歯科医師の関係の方、あるいは薬剤の関係の方がございまして、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、それぞれの職能を代表する団体の方々から推薦をしていただいている。
 その日本医師会の中には、病院の開設者もかなりたくさんの方々が入っておられて、そういった病院の関係の代表でもあるという認識をしておりまして、長年こういったことで定着してきておりますし、私どもとしては、そういう日本医師会を通じて診療側の代表が入っていただいて、そこに病院の関係の方々も入っておられて、十分に御意見が反映するというふうに考えておるわけでございます。特に日本医師会のほかに何か病院団体の代表をという考えはございませんが、十分に病院の関係、先生御指摘のような病院経営、大変重要でございますので、そういったことが十分反映されるようなことに持っていきたいと、現にそういうことで心がけているつもりでございます。
#88
○木庭健太郎君 もちろんそのお考えは、私は決して間違っているとは思っていない。ただ、これだけ病院の赤字経営の問題がいろんな形で表面化して問題になり、その中でもちろん医師会と御相談されても結構ですし、そういった中でやはり違った視点を少し入れてこないと、やはり大変な問題になるんじゃないかなというような認識を持っております。その意味で、団体がそうやって一つのことをやろうとしているそのことを全く無視するんじゃなくて、その動きはぜひ見守っていただいて、どういう形でやっていくのかということについても、厚生省としても注意深く見守っていただきたいということを御指摘させていただきたいと思います。
 それでは、きょうはひとつ小さなお話なんですけれども、イオン整水器の問題についてお尋ねをしたいと思っております。昨年十月、国民生活センターがイオン整水器の商品テスト結果をまとめまして、行政官庁に対してその販売方法、不当表示などについて業者を指導するように要望しておりますが、まず経企庁の方にそのテスト結果を簡潔に教えていただきたいと思います。
#89
○説明員(田口義明君) 国民生活センターにおきましては、近年、安全な飲料水に対する消費者の関心が高まりますとともに、イオン整水器に対する問い合わせ等が増加してまいりました。このことから、消費者に適切な情報提供を行うことを目的といたしまして、イオン整水器の商品テストを行ったところでございます。テスト結果の概要はおおむね以下のような点でございます。
 第一に、生成するアルカリ性水のカルシウムイオン量は、多くても原水の二倍程度であること。
 第二に、生成するアルカリ性水の生産力は、多くても原水の二ないし三倍であること。
 第三に、生成する酸性水の酸度は、原水と比べ余り高くならないということ。
 第四に、薬事法に基づく医療用具として承認されました効能、効果を逸脱した表示も見られたことなどでございます。
#90
○木庭健太郎君 そういう指摘を受けまして、厚生省といたしましては、どういう手を打たれたのかをお聞かせ願いたいと思います。
#91
○政府委員(岡光序治君) まず効能、効果の評価の点でございますが、その品質、有効性、安全性につきまして、今日の科学技術の進歩に対応したデータを収集するように関係業界に指導を行いました。
 それからもう一点、表示の問題がございますが、問題のある広告があるという指摘でございますので、不適正な広告が行われることのないよう関係業界を指導いたしましたし、また監視に当たっておりますのが都道府県でございますので、都道府県に対しましても、監視取り締まり方につきまして指示をしたところでございます。
#92
○木庭健太郎君 その都道府県に対する指示ですね、それからこれは通達になるんですか、どういうやり方をなされたかわかりませんけれども、どういう方法で、何月何日にどういう形で何回やっているかを聞かせてください。
#93
○政府委員(岡光序治君) まず効能、効果の観点でございますが、関係業界は、業界の中に医師、薬剤師等から成りますアルカリイオン整水器検討委員会というものを設置いたしまして、このいわゆるイオン整水器にかかるデータを収集する、こういうことを始めたわけでございます。
 当面のところ、この業界からの報告では、この検討委員会におきまして、比較臨床試験を含む砒素、動物及び臨床試験を行うための具体的な試験計画をつくりまして早速試験に入る、こういう報告を受けているところでございます。
 それから広告の点につきましては、関係業界、都道府県に対しまして通達を出しました。これは平成四年十月でございますが、課長名で都道府県、それから業界に対しまして通達を出しました。都道府県におきましては、不適正な広告を発見した場合には改善指導等必要な措置をとっておりまして、具体的には数県でもってそういう問題のある広告がございましたので、それを回収するなり適切な措置をとったところでございます。
#94
○木庭健太郎君 最近おやりになりませんでしたか、広告の点です、広告の方で。
#95
○政府委員(岡光序治君) どうもいろいろ問題がございまして、つい最近も実はやりました。
 先ほども申し上げましたように、平成四年十月の趣旨が徹底しておらない、こう考えましたものですから、ことしの三月に、もう一度広告の監視指導を徹底するようにということで事務連絡をするなり、それからまた業界団体を呼んでもう一度お話を徹底するようにというお願いをしたところでございます。
#96
○木庭健太郎君 それでは、指導をされる前に、本当は私この問題を予算委員会でやろうと思っておって、指摘をさせていただいたんですけれども、もう余り個別名を挙げたくないんで、その時点では違反する広告が随分いっぱいございました。
 それで、今回この委嘱審査でやらせてもらうことになりましたので、状況がどうなっているかなということで厚生省にもお聞きした。私は、別に調査することというか、そういう指導を新たにしていただくことが悪いとは言いません。やっていただいて直ればいいんですから。そういう違法な広告がなくなり、いわゆる買う人たちに誤解を与えることがなくなれば一番いいわけですから、それは結構でございます。私は、厚生省はやったというお話を聞きましたので、もう完璧に直っているだろうと思って自分の足でもう一回、私の地元は福岡ですけれども、福岡のデパートにも出向き、東京でもデパートに行ってきました。
 それで、実際見てきました。なくなったかというと、なくなっていないんですよ、局長。一つ例として読みましょうか。厚生省が絶対これは使っちゃいけないという言葉どおりのがあるんですよ。どんな言葉か。これは使っちゃいけない言葉で、厚生省のをそのまま引いているもの。「カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が、体に吸収されやすい状態で生成されますので体を健康に保ち」、これは厚生省が使っちゃいけないと書いたそのままの文章を書いたのがあるんですよ。私、ここに持ってきましたから。(資料を示す)
 さらに、私は最近巧妙になっているなと思ったのは、局長、パンフレットじゃなくて、中にこういう紙を挟んでいる。その中に何と書いているかというと、例えば、にきびに効果があるとか、やけどに効果があるとか、水虫、ただれ、湿疹に効果があるとかというのは、これは酸性水の場合は書いてはいけないようになっているわけです。パンフレットから外して、外してどうしたかというと、中に差し込んでこうやって入れているわけです。何かかえって悪くなっているんじゃないですが。これはどうしてなんですかね。どうされますか。答弁願います。
#97
○政府委員(岡光序治君) 薬事法の上でこういう広告をしてはならぬという規定があるわけでございまして、私どももそういう趣旨で指導を徹底するつもりでございますが、どうもいかんせんデパートの、そしてまたテナントで入っているそういう販売業者のところにこういう趣旨が徹底するのにかなり時間がかかるようでございまして、先生の御指摘もこれあり、再度具体的に百貨店やそのほかそういう小売の現場に入るようにということを指示したところでございます。どうも残念ながら、例えば東京都でつい最近そういうチェックをしていただきましたが、やはり先生が今お示しになりましたような事例があるようでございます。
 したがいまして、これはやはり違反でございますし、もう既に今御紹介いただきましたように、こういう言葉を使っちゃいかぬと言って通達で出しておることを使っておるわけでございまして、そういう意味では私どもも本当に困ったことだと思います。これはやはり法律の考え方に従って不当な表示をしないようにということで再度関係団体に徹底させたいと思いますし、どうしてもそれが徹底しないケースにおきましては、もう少し強い措置をとらざるを得ないのではないかと考えております。
#98
○木庭健太郎君 まさにそのとおりだと思うのです。何度やっても直らないということになるならば、それはやはり厚生省としてはきちんとした形で臨まなくちゃいけない。
 これは厚生省が認めた医療用具なんですよね、医療用具なんです。医療用具で使っていい言葉はこれだけと決まっているわけです。それ以上やったらいけませんよ。その言葉をまさにそのまま使われている。厚生省がやっていることをすべてないがしろにされているわけですよ。それに対して、やっても言っても通じない。それならば、例えば医療用具の取り消しなり、今強い態度とおっしゃいましたけれども、そういった方向も含めてやはり余りひどいときはそういった措置をとらないと私はいけないと思う。
 私は、イオン整水器のことを悪く言おうとは思いません。ただ、この商品は非常に高い商品でございまして、もちろんまじめにやっていらっしゃる方もいる。しかしその一方で、そういう何か本当は使っちゃいけない言葉、例えばこういう効能がある、こういう効能があるということを宣伝することによって消費者がだまされてしまって被害に遭っている。御存じのとおりこれ高いですよね。もう二十万、三十万するものも実際あるわけですから。しかも、これは国民生活センターの調べによりますと、こういう商品がいわゆる悪徳商法、マルチの材料になっているケースもある。そういういろんな背景があるわけです。
 それならば、やはり厚生省としては強い態度で臨むべきだと、これは薬事法違反になってだめだということであれば、取り消しまで踏み込むという態度で臨む決意でいらっしゃるのかどうかを再度聞いておきたいと思います。
#99
○政府委員(岡光序治君) 先生の御指摘がありましたそういうことまで含めて対応したいと考えております。
#100
○木庭健太郎君 もう一つ、この問題で私が非常に危惧を抱きましたのは、実はこの医療用具というものの製造、それから輸入するときの承認申請ですよ。これをしたときの審査という問題なんです。これはどういった審査になっておりますか。どうすれば認められるんですか。
#101
○政府委員(岡光序治君) まず承認審査につきましては、提出されたデータに基づきましてその時点時点で最新の科学的な考え方で厳正にやっているつもりでございます。
 それから、臨床試験につきましては、昨年の七月にこの医療用具の臨床試験のための基準をつくったところでございまして、倫理的な配慮のもとに科学的な試験が実施されるようなそういう基準をつくったところでございます。こういったものに従った臨床試験がなされているかどうか、そしてそのデータが科学的に見て正しいかどうか、こういったことをチェックしていく考え方でございます。
#102
○木庭健太郎君 ちょっと経企庁に突然のお尋ねなんですけれども、一つは、私もこのイオン整水器のテスト結果をいただいたんですが、この中で最後の「行政への要望」というところで、その最後のところにこういう表現があるんです。今の医療用具の申請のあり方の件について国民生活センターさんは何とおっしゃっているかというと、医療用、この場合は医療用物質生成器なんですけれども、こういう問題についてどう考えるかということについて、こういう何か「早急に承認審査方法・基準等について、見直しをされたい。」というような要望をなさっておりますね。これはやっぱりこういう審査のあり方についての一つの提言だと思うんですけれども、具体的に言いますとどういうことをおっしゃりたいのか、簡潔に、一言言っていただけますか。
#103
○説明員(田口義明君) 国民生活センターにおきましては、先生御指摘の点も含めて昨年の十月にこの結果を一般公表いたしますとともに、その結果を厚生省に情報提供を行ったところでございます。その後の対応につきましては、厚生省におきまして関係業界への指導等が行われているものと認識しております。
#104
○木庭健太郎君 そうじゃなくて、「行政への要望」の中におっしゃっている「早急に承認審査方法・基準等について、見直しをされたい。」と、どこが悪いから見直しをしてほしいというふうに国民生活センターはおっしゃっているのか、何を見直さなくちゃいけないのかということについて、もう少し具体的にわかれば一言二言いただければと言っておるんです。
#105
○説明員(田口義明君) 国民生活センターが発表いたしました「行政への要望」というところでは、まさに「早急に承認審査方法・基準等について、見直しをされたい。」ということを述べているわけでございまして、個別具体的な内容までを含めて要望したわけではございません。ただ一般論といたしまして、こういう点について見直しをしていただきたいということを申し上げたわけでございます。
#106
○木庭健太郎君 言いにくいんでしょうから、私か言います。要するに、先ほど局長はこの臨床のいろんな形を昨年七月からとり出したとおっしゃるんですけれども、この場合にほとんどが書類審査ということが一番大きな問題だと思うんです。だから物によって、いわば実際にその物を検査するというシステムをより多くつくっていかないと、書類だけで、目の前をどんどん素通りしていくわけですよね。そこに一番の問題があるんじゃないですか。そこをきちんと、ある意味では書類だけじゃなくて実際に物を見て、大丈夫なのか、そういうのを調べた上でやらなくちゃいけないというものがふえてきているんじゃないか。そういう意味で、やはりこの審査制度というのは抜本的な見直しの検討に入らないといけない時期に来ているんじゃないかと私は思うんですけれども、その点についての答弁を求めます。
#107
○政府委員(岡光序治君) 一般論としての御指摘ではなくて、このイオン整水器の効能、効果についての御指摘だというふうに私ども受けとめております。
 といいますのは、これが承認されましたのは実は昭和三十年代でございまして、三十年以上も経過をしているわけでございます。当時の科学的な考え方と比較をしまして、効能、効果に対する適正な評価方法は現在は相当進んでいるわけでございます。
 おっしゃいますようにペーパーだけではなくて、先ほどもちょっと申し上げましたが、最近では臨床試験もやるようにということを言っているわけでございます。そういうことで私どもは、このイオン整水器の効能、効果につきましてセンターの方で指摘されておりますのは「効能・効果に対する適切な評価方法等も時代とともに変化していると考えられる。早急に承認審査方法・基準について、見直しをされたい。」ということでございますので、したがいまして、先ほど申し上げましたアルカリイオン整水器検討委員会というのを業界の中につくってもらいまして、そしてそこではどういう検査をするかという実はプロトコルを出してもらっております。そこでは、非臨床と臨床と両方をやるように、動物実験もやるように、こういう計画が出ておりますので、それに従ったひとつ試験をしていただいて、そのデータをもって私ども改めて評価をしたい、そういう考え方でございます。
#108
○木庭健太郎君 イオン整水器の問題についてはわかりました。
 ただ、私が指摘しておきたいのは、例えば人の口に入るもの、それから直接人が触れるもの、これがいわゆる健康にかかわるものという場合に、イオン整水器だけに限らず、やはりそういったものの臨床という部門を今ようやく見直しを始めているわけですから、医療用として申請したもの、イオン整水器については。そうじゃなくて、一般的な問題としてもそういった方向をふやしていかないと、やはり今そういった問題に対して非常に関心が高いし、逆に言えばそういう審査方法の全般的な見直しというものも必要ではないか、こう考えるんですけれども、いかがですか。
#109
○政府委員(岡光序治君) 先生御指摘のとおりでございまして、その必要の高いものの順からそういった具体的な基準をつくっているところでございますし、国民の安全、健康の保持という観点からそういった点につきまして一層配慮をしていきたいと考えております。
#110
○木庭健太郎君 それでは、私また一カ月後ぐらいに見にいきますから、本当になくなっているかどうか精査させていただきますから、しっかりそめ点は油断なさらずにやっていただきたいと思っております。
 それでは、大臣、この問題ではなくて実は予防接種禍の問題についてきょうはお尋ねしようと思います。
 東京高裁判決が出たときに大臣は談話を発表されておりますけれども、あの判決をお聞きになって、また検討会もできてきたわけですが、大臣のそのときのお気持ち、今後の取り組みについて率直な気持ちをまずお伺いしておきたいと思います。
#111
○国務大臣(丹羽雄哉君) 昨年になりますけれども、いわゆる東京高裁で国の責任を認めました判決に対しまして、まず大変厳しく受けとめておるわけでございます。二十年間に及ぶ苦しみをこれ以上引きずらせてはならない、こういったような考え方から最高裁への上告を断念させていただいたような次第であります。
 今後は、判決において指摘されました、いわゆる接種に当たりまして接種を受ける人の体調あるいは体質などを十分に検査するとともに、このちょうど二十四日でございますけれども、公衆衛生審議会に予防接種のあり方について諮問をいたしたわけでございますので、この公衆衛生審議会で御検討を賜りまして年内にも結論を出したい、このように考えているような次第でございます。
#112
○木庭健太郎君 それでは、そういうお気持ちで委員会をおつくりになられた、検討委員会が発足したと。もちろんそこでさまざまな問題を検討していただくわけですけれども、やはり検討していただく前に大臣としてこの検討委員会に対しどういう基本的態度で臨むか。被害者の方たちにはまたいろんな思いもございます。また、今後の予防接種の問題についてもさまざまな指摘もされているわけです。その中で、大臣としてどういう基本姿勢で臨んでいこうとされているのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#113
○国務大臣(丹羽雄哉君) 予防接種制度というのは、率直に申し上げまして、伝染病などに対する社会防衛的な色彩が強いものでございます。こうした反省の上に立ちまして、社会環境の変化あるいは医療水準の向上などを考慮いたしまして公衆衛生審議会におきましてこれから御検討を賜るわけでございます。予防接種の義務づけのあり方、さらに集団接種があるいは個別接種がふさわしいのか、さらに大変お苦しみになっていらっしゃる皆様方に対する救済制度の給付の内容と水準、こういったような点につきまして幅広い観点から御検討を賜れば幸いだと思っております。
#114
○木庭健太郎君 この委員会のメンバーを見せていただきました。さまざまな分野からいろんな立場の方が入っていらっしゃると思います。ただ、私がこれをさっと見たときに、あれっと思った点がございます。それは何かと申しますと、救済制度ということについてもこれから見直しをしていかれようと、救済の見直しも大事な視点だとおっしゃっているその一方で、被害者の方は一体この中でどうなるんだろうかと。一言で言うと、被害者の代表がいないということなんです。これはなぜなのか、私はよくわからないんですけれども、その点の御説明をいただきたいと思います。
#115
○政府委員(谷修一君) ただいま大臣からもお話がございましたように、二十四日に厚生大臣の方から諮問をさせていただきました。
 それで、委員会の構成メンバーでございますが、予防接種に関する医学あるいは薬学、また法律、地方公共団体の関係者などの専門家の方々に御参加をいただきまして、先ほど大臣からもお話のございましたような現行の予防接種のあり方と申しますか、対象疾病の問題あるいは義務づけの問題、それから現在やっておりますこの救済制度をどういうふうに考えていくのかというようなことについて専門のお立場から基本的に議論をしていただこう、そういうことでメンバーを決めさせていただきました。
#116
○木庭健太郎君 なぜ被害者の方が入っていないのかという点を簡潔に教えてくれますか。
#117
○政府委員(谷修一君) 私ども、昭和二十年代から続いておりますこの制度の考え方そのものについて、基本に立ち返ってやっていただこうということで考えておりますので、先生おっしゃいますように、確かに救済制度に関係して被害者あるいは予防接種によって健康被害を受けられた方の現状というようなことについては、別途何らかの形で御意見を聞くというようなことは必要かと考えておりますが、現時点でメンバーとして入っていただくということは考えなかったわけでございます。
#118
○木庭健太郎君 大臣、私はわからないんですよ。さっき大臣がやりたい二つの大きな柱をおっしゃった。一つは、今後の予防接種のあり方についてさまざまな検討をしたいとおっしゃった。これは大事な視点です。これからやらなくちゃいけない。その中で、やはり今までこの予防接種によって被害を受けた方たちが一番こう何とも言えなくやるせないのは何かというと、健康な方が受けに行くわけです、より健康になろうと思って、健康を守ろうと思って、その途端に一歳かゼロ歳児でなった方が、その後何十年間も後遺症に悩むというケースが実際起きているわけでしょう。そしてもう一つの大きな柱は、救済の見直したとおっしゃる。
 私は、大臣が非常にいいことをやっていらっしゃるなと思ったのはエイズのときなんですよ。実際に御自分で被害者に会われた、大臣室に招いてその意見を聞かれた。そのときからエイズの対策が本当に展開されていった。そういう一番の本当の痛みをわかっている人の声を聞くことから始めようと大臣はなされた。じゃ、何で予防接種のときこんなことをされるのかなと。今ちょっとどこかで意見を聞くとおっしゃいました、けれども、具体的にその被害者の方たちからの声を大臣はどうされるおつもりですか、どうしようとされるんですか。
#119
○政府委員(谷修一君) 私が申し上げましたのは、先生のお尋ねが、委員の中になぜ被害者の方を入れないのかということでございましたので、繰り返しになりますが、予防接種制度、被害救済制度も含めまして根本的に見直しをしていただこうという、まあどういいますか制度論ということについてまずやっていただくということで考えましたので、こういったような委員構成になったということでございます。
 なお、先生が先ほどからおっしゃっておられます被害者の声と申しますか、そういったようなことについては当然審議が進む中で意見を聞く、あるいは別途また何らかの調査をするというようなことは今後考えていかなければいけないというふうに私どもは考えております。
#120
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私がこの場で申し上げることが適当かどうかわかりませんけれども、私自身、個人的に被害者の会の弁護団の何人かからお話は聞いております。
 いずれにいたしましても、今後、被害者の声がこういったいわゆる対策の中で反映されるように努力していく決意であります。
#121
○木庭健太郎君 局長もさっきおっしゃいましたけれども、声を聞く場を設ける。もう一つ調査をするとおっしゃったんですか、その被害者に対して実態調査をやられるということでございましょうか。
#122
○政府委員(谷修一君) 必要があればそういうこともやっていかなければいけないということでございますが、現時点でまだそこまで私ども決めているわけではございません。
#123
○木庭健太郎君 大臣、やっぱり大臣が答えないとこういうふうな答弁になっちゃうんですよね、なかなか難しい面があるから。そのお気持ちもよくわかります。ただ、委員に入れることがどうなのかという是非で、全般的な問題でもし外されたとおっしゃるなら、直接聞く場も設けられたとおっしゃった、それならば実際に今被害者たちがどうなっているかという実態についても、大臣やっぱりきちんと調査した方がいいですよ。やるやらないも検討していただきたい。そして、こういう問題というのはきちんと調べた上で、本当に抜本的に今度見直すわけですから、それはぜひやっていただきたいと思いますけれども、大臣からちょっと答えをいただいておきたいと思います。
#124
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員会で一つの方向づけを出していただくわけでございますけれども、当然被害者の声というものが今後の予防接種のあり方の上において反映されなければならないわけでございます。私自身も弁護団の方からお話を聞いたわけでございますが、いずれにいたしましても、今度この公衆衛生審議会でまとめる一つの方向づけが被害者にとって大変救いのあるような救済策でありたい、このように願っております。
#125
○木庭健太郎君 まだ本当は具体的な個別の問題もいろいろお尋ねしたかったんですけれども、最後に一言局長に聞いておきますが、被害者の方たちの一番要望が強いのは介護の問題ですよね。どんなやり方でするかは別にして、要するに、介護を二十何年ずっとやられてしかも年をとられてきて、今後どうするかという問題が一番大きいわけです。やはり介護という問題は大きな視点の一つだと思います。その点についてぜひいろんな形で御検討をいただきたいということを要望し、局長から答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#126
○政府委員(谷修一君) 私も、昨年の十二月十八日に判決がございました際に、被害者、原告の代表団の方からお話をいろいろ伺いました。その中でも、今先生お話しの介護の問題、特に家族の高齢化が進む中で介護が大変だというようなお話は承っております。そういったようなことで、大変御家族が高齢化をされ介護等に苦労されているというお話も伺ったわけでございますが、先ほども申しましたように、今回の検討においてはこうした問題も含めて幅広く検討をしていきたいというふうに考えております。
#127
○勝木健司君 ゴールドプランについてお伺いしたいというふうに思います。
 平成二年度からこのゴールドプランもスタートをしたわけでありますが、もう四年目に入るわけであります。今までの実績を踏まえて、その進捗状況を評価すべき段階に今差しかかっておるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、その進捗状況につきましてどのように分析、評価をなされておるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
#128
○政府委員(横尾和子君) 現在のところ、約三割の市町村におきまして計画作成中かまたは計画原案作成を終了しているところであります。残りの七割の市町村が、高齢者実態調査について実施中または準備中であります。この四年度内にはほとんどの市町村において……
#129
○勝木健司君 順番がちょっと、ゴールドプランについてお聞きしているんですけれども。
#130
○政府委員(横尾和子君) 計画ではないのですか。わかりました。失礼いたしました。
 ゴールドプランの進捗状況を申し上げますと、平成三年度の実績の点で、まず在宅福祉対策の面では目標十万人に対しましてホームヘルパーが四万八千五百九十一人、ショートステイは目標五万床に対しまして一万三千三百七十一床、デイサービスは目標一万カ所に対しまして二千二百二十四カ所、在宅介護支援センターは目標一万カ所に対しまして四百カ所、特別養護老人ホームは目標二十四万床に対しまして十八万六千二百六十七床、老人保健施設は目標二十八万床に対しまして五万六千二百三十八床、ケアハウスは目標十万人分に対しまして二千五百二十人分、高齢者生活福祉センターは目標四百カ所に対しまして七十一カ所となっております。
#131
○勝木健司君 そこで、老人保健福祉計画の策定状況を取りまとめられたということで今状況報告をされたわけでありますが、この策定に対して、国も技術的な指導及び助言を行う、そしてまた必要な援助を行うよう努めなければならないというふうにされておるわけでありますけれども、策定に当たって行われてきました援助、また今後検討されている支援策について明らかにされたい。
#132
○政府委員(横尾和子君) 市町村、都道府県が老人保健福祉計画を作成する際の政府としての支援策といたしましては、年次を追って幾つかの施策を講じてまいりました。
 まず、平成二年度及び三年度におきましては、全国で八つのモデル計画を作成することにつきまして支援をいたしました。また、各自治体が計画作成についてのノウハウを得るために研究班を設置いたしまして、作成の手順、留意点、内容について取りまとめましたいわば指針をつくり、お示しをしたところでございます。また、計画の前提となります高齢者実態調査の実施につきましては、国の補助の対象とするなどの施策を講じてまいりました。また、平成五年度におきましては都道府県職員の研修を予定しているところであります。
 今後とも、必要に応じまして各自治体の計画作成が円滑に行われますように対処してまいりたいと考えております。
#133
○勝木健司君 この老人保健福祉計画というのは、地域の実態を把握した上で策定をされておるということであります。このゴールドプランにつきましては、平成元年の十二月に策定されたわけでありますが、その内容につきましては、確かに十万人のホームヘルパーとか二十四万床の特別養護老人ホームといった具体的数値が目標として明示されている点では画期的であったわけであります。一面で、消費税の導入に当たって取り急ぎ作成されたという経緯からか、行政需要としての実証的に検証された数値ではないんじゃないか、ひょっとして過小に見積もられているかもしれないということであります。
 そこで今般、全国の市町村、都道府県が住民の要望あるいは寝たきり老人の数など地域の実態を把握した上で老人保健福祉計画を策定いたしておるわけでありますから、その結果を踏まえて、このゴールドプランにつきましても実際の需要に見合うように見直すべき時期に来ておるんじゃないかというふうにも思われるわけでありますが、お伺いをいたしたいと思います。
#134
○政府委員(横尾和子君) 今、各自治体が鋭意計画を作成しているところでございますので、先回りした形で結論を申し上げる時期ではないというふうに思っておりますが、基本的に私どもは目標に掲げました数値は妥当なものだと思っております。また、この考え方に沿って各自治体も取り組んでいただいているものと思っておりますが、平成五年度中にでき上がりました計画全体を見まして、今御指摘がありましたような状況にあれば、その時点でまた検討をさせていただきたいと思います。
#135
○勝木健司君 現在、日本経済の現状というのは大変厳しいものがあるわけでありますが、この経済の実態というものにつきまして、やはり従来の制度とかあるいは慣行にとらわれないような、そういう総合的な景気対策を今や求められておるんじゃないかというふうに思います。政府が今進めているのは、公共事業中心の景気対策が中心でありますけれども、既成の発想を変えられまして、やはり景気対策を福祉の分野にももっと手厚く配分すべきではないかと思います。
 例えば、障害者とか高齢者対策の一つとして、全国の駅あるいは娯楽施設に弱者の方々が使いやすいエレベーターを設置する年次計画をつくれという提案も一部にあるようでありますが、こういうプランを三年で一挙にやってしまうというような、そういう豊かな生活大国を実現するためには、国民生活に密着したこのインフラストラクチャーの整備、なかんずく福祉への配慮を施した町づくりが当然大切になってくると思われます。そういう支出であるならば、建設国債の対象外の経費であっても現下の緊急課題となっている景気対策に含めるべきじゃないかというふうに思うわけでありますが、厚生大臣、どういうお考えですか、お伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(丹羽雄哉君) 政府といたしましては、景気にも配慮いたしましたただいま御審議を賜っております新年度予算案を提出し、御審議をいただいているところでございます。まず新年度予算案の早期成立、早期執行が最優先である、このように考えております。
 今般、障害者対策推進本部におきまして、障害者のアクセスの確保のための取り組みを含む新しい長期計画というのを策定したわけであります。いずれにいたしましても、福祉への配慮をした町づくりについて、私も厚生行政の責任者として、また政府の障害者対策推進本部の副本部長として力を入れていきたい。先生が御提案になりましたいわゆる駅にエレベーターをつけるとか、こういったものにつきましては全面的に私も賛同するものでございます。
#137
○勝木健司君 次に、昨年、看護婦等の人材確保の促進に関する法律が制定されたところでありますけれども、この法律を施行するに当たっての基本指針を今策定されておるようでありますので、当面の具体的施策あるいは来年度予算における措置等について簡単に御説明をいただきたいと思います。
#138
○政府委員(寺松尚君) 今先生からの御質問は、具体的なことについて予算案の中でどう考えているかということだと思いますので、お答えいたします。
 一つは、離職の防止に関しまして、院内保育について延長保育の充実のほか共同利用型の施設の追加などの対象増、都道府県の創意工夫を凝らした事業への弾力的な補助の新設、また就業の促進に関しましては、ナースセンターについて電算機の導入あるいは潜在看護職員調査事業というふうな新規の事業を追加いたしました。このようなことを行って看護婦の確保に資したいと考えておるわけでありますが、また看護職員が働きやすい環境づくりを進めるということもこれまた必要でございますので、平成五年度におきまして業務改善のマニュアル事例集を作成する予定といたしております。
 いずれにしても、今後とも国民に適切な医療を提供することができるように必要な看護職員の確保には努めてまいりたい、このように考えております。
#139
○勝木健司君 次に、昨年同じく制定されましたいわゆる福祉人材確保法でありますが、この法律で指定をすることとされております中央福祉人材センターの指定に必要な予算措置、あるいは同様にこの法律で設置することとされております都道府県の福祉人材センターの設置についての進捗状況についてお伺いをしたい。そしてまた、この基本指針の策定がまだのようでありますが、その策定スケジュールあるいは基本指針の中で福祉ボランティアの位置づけをどのようになされるおつもりなのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
#140
○政府委員(土井豊君) 昨年成立させていただきました福祉関係のマンパワー対策法に基づく準備でございますけれども、まず中央福祉人材センターにおきましては、新年度予算におきまして全国社会福祉協議会を指定予定にしておりますけれども、所要の経費を計上しております。それから都道府県の福祉人材センターでございますけれども、新年度予算で四十七都道府県分全部を計上しておりまして、全国で出そろうという計画にいたしております。
 次に、福祉関係の人材確保の基本方針でございますけれども、今月末に中央社会福祉審議会に諮問をいたしまして、答申をちょうだいしたいということで準備中でございます。それを受けまして、四月にも厚生大臣がこれを決定して告示をするという手順で、現在準備を進めておるところでございます。なお、都道府県等からの意見の聴取というものは既に終わっているところでございます。
 それから、その際ボランティア関係につきましても、国民の社会福祉に関する活動への参加を促進するという観点での基本指針がもう一本ございますので、それを同時に制定をしたいということで並行して準備をしておりますが、御案内のとおり、マンパワーの確保の基本方針とは独立した形で福祉への参加という観点から準備をしているところでございます。
#141
○勝木健司君 この福祉の人材確保対策として、社会福祉施設等に勤務する職員についてのその職務の専門性を考慮した給与体系を用意すべきじゃないかと思います。広く民間も含めた社会福祉施設に対する社会的評価を高めていく、そして福祉の現場を働きがいのある職場にするためには、まず国が率先して福祉職の俸給表などを用意することがぜひともこれから必要になってくるんじゃないかというふうに思います。厚生省におきましても、人事院との協議を重ねられておるんじゃないかとお聞きしておるわけでありますけれども、その展望についてお伺いをいたしたいと思います。
#142
○政府委員(土井豊君) 福祉職の俸給表の問題でございますが、過去三年にわたりまして厚生大臣から人事院の方へ要望を出しております。現在までの検討状況でございますけれども、私どもの附属機関における実態調査等々を人事院の担当官がやっている段階でございまして、まだ現時点では今後の展望が開けておりません。
 ただ、お話しになりましたように、福祉職に対する社会的評価を高める、その専門性に基づいた適切な給料表をつくるということは必要であると考えておりまして、国家公務員で該当する人間は約千人程度と非常に少のうございますけれども、全国の福祉の現場で働いている方々は三十数万人がこの福祉職に該当するのではないかと私どもは見込んでおりまして、そういう意味では将来に備えて非常に大きな事柄でございまして、今後ともその実現に向けて努力してまいりたいと考えております。
#143
○勝木健司君 次に、ごみ問題について若干お伺いをいたしたいと思います。
 このごみの減量化については、ごみ対策の大きな柱であるわけでありますが、具体策を今後より強力に進めていく必要があるんじゃなかろうかと思います。資源として利用できるものは資源化するという再生利用という点では、これはごみの減量化だけではなく、省エネルギーあるいは省資源、地球環境保全の観点からも重要だろうというふうに思います。
 そこで、廃棄物処理法の改正あるいはリサイクル法の制定によってこうした取り組みを実施する市町村が確かに増加してきており、結構なことだと思いますが、肝心なのはそうして集められた資源がきちんと利用されているかどうかという点に今現在あるんじゃないかというふうに思います。景気の低迷でこれらの資源、具体的には空き缶や瓶等の再生利用が滞っているというふうにも聞いておるわけであります。再生利用の推進は、厚生省だけで行えるものではなく、製造業を所管いたしております通産省の指導も確かに重要になってくるわけでありますが、これについての御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#144
○政府委員(藤原正弘君) 再生資源の市況の低迷によりまして、回収された空き缶やカレットが滞貨し、このままではこれまで再資源化されていましたものがごみとして出されることとなりかねないという現状があることは先生御指摘のとおりでございます。ごみの減量化を推進しております厚生省といたしましても、この状況は極めて憂慮すべき事態であるというふうに受けとめておるわけでございます。
 このような状況を解決するためには、事業者において再生資源の利用を促進することが必要でございますが、廃棄物処理法におきましても、事業者がその事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用に努めることなどが規定されておりますことから、厚生省といたしましては、通産省など関係省庁と連携をとりながら関係業界の理解と協力を求めてまいる所存でございます。
 また、再生資源を利用した製品の消費活動を図るということも一方で大変重要なことでございますので、厚生省といたしましては、ごみ減量化推進全国大会などを設けまして、こういう機会を通じまして今後とも国民への意識啓発を推進してまいりたいと考えておるところでございます。
#145
○勝木健司君 もう時間が参りましたので、あと厚生大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 空き缶、空き瓶等がごみにならずに資源として回収されるようにするためには、我が国でも茨城県で空き缶回収を促進するために新つくば方式空き缶回収システムを導入しておるというふうに聞いております。缶飲料販売の際に上乗せ金をかけずに通常の価格で販売をして、消費者が空き缶を販売店に戻すとアルミ缶の場合は一円相当のレシートを発行する、これが五百枚になりますと五百円の商品券と交換しているということです。このように、販売店は空き缶を資源とみなして空き缶を持参した消費者に経済的代価を支払うということで、そういうことを行っておるわけであります。
 そういった意味で、いわゆる製品のデポジット制についても政府として検討したらどうかというふうにも思うわけでありますが、これについての外国の事例も含めて厚生大臣の見解があればお伺いしたいというふうに思います。
#146
○国務大臣(丹羽雄哉君) いわゆるデポジット制度でございますけれども、私の地元でございます茨城県のつくば博覧会においてまず実験的に行われまして、つくば方式というものが全国的に知られるようになったわけでございます。その後、自治体といたしましては、やはり地元でございます土浦市において採用され、またスーパーなどでもこういったデポジット制度というものを採用しておることを承知いたしております。廃棄物の散乱防止や減量化、再生利用に資するものであり、自然公園の区画内で実施される場合など限定された条件下の中においては大変私は有効な方法と考えておりますけれども、ただ、一般的に広げて回収するためにはなかなか難しい困難な点があるのではないか、このように考えているような次第であります。
 厚生省といたしましては、ごみ減量化のための経済的手法の活用につきましては、昨年の十二月、経済的手法の活用による廃棄物減量化研究会、ちょっと長いんですけれども、こういうような研究会を設置いたしました。現在、専門的な立場から学識経験者の先生方などに御参加をいただきまして、今御提案のございましたデポジット制度を含めまして御検討をいただいているところでございます。
#147
○勝木健司君 ありがとうございました。終わります。
#148
○西山登紀子君 きょうは、まず最初に口腔衛生、特に子供の虫歯予防や歯肉炎の防止に効果が非常に大きいと言われますブラッシングなどについてお伺いいたします。
 最近、あごの発達が十分でなくて歯列不正常の子供や歯肉炎の子供がふえてきていることが憂慮されております。そこで厚生省にお伺いいたしますけれども、WHOの歯科保健目標であります十二歳児で虫歯三本という目標から見ますと、残念ながら我が国は先進国の中で虫歯が多い方ではないでしょうか。
#149
○政府委員(寺松尚君) 今、先生のお話しになりましたWHOの歯科保健目標というものと比べてみるわけでございますけれども、我が国の十二歳児におきます一人平均の虫歯の数と申しますのは、昭和六十二年の調査でございますが、その実態調査で四・九本となっておるわけでございます。そういうことでございますので、まだ改善すべき余地があるというふうに考えておるわけでございます。
 最近のちょっとデータを追ってみますと、五十年ぐらいがピークでございまして、昭和五十年が五。六本、昭和五十六年が五・四本、昭和六十二年が先ほど申し上げましたように四・九本というふうに年々下がっておるということでございまして、一応減少傾向にあるというふうに理解をいたしております。
#150
○西山登紀子君 文部省の方は、昭和五十九年度からは十二歳の永久歯のDMF指数が統計処理されているけれども、漸減傾向にあるとはいっても我が国はWHOの歯科目標にはまだかなりの差があると認めておられるわけです。各国のDMF指標を比べてみますと一九八五年から一九八八年の比較ですけれども、先進国ではオランダが一・七、アメリカが一・八、スイスは二・〇、イギリスが二・九、それからイタリアが三・〇という状況ですから、先ほど言われました日本の四・九という数は虫歯の多い国の順番でいいますと世界で四番目という、大変残念な状況になっているわけです。
 確かに、その後少しずつ改善されてきているということで、学校保健統計調査速報というものを見せていただきますと、一九九二年度では四・一七になっているということなので、厚生省にお聞きしますけれども、こうした状況というのはさらに改善を図っていかなければならないと思いますが、改善策については多様な方法があると思いますけれども、その一つには歯磨き習慣の定着、ブラッシングの励行もあるんではないかと思うんですが、どうでしょうか。
#151
○政府委員(寺松尚君) 先ほどもお答え申し上げましたように、子供の虫歯というものは減少傾向を示しておるのでありますが、その理由もいろいろ考えられると思います。
 なかなか難しいのでございますけれども、私どもが理解しておりますのは、歯科衛生思想の普及に伴いまして食生活の改善、あるいは西山先生が今御指摘になりましたが、歯磨きとかブラッシングの励行というようなことが寄与しているものではないかと認識いたしております。したがいまして、厚生省としましても、今後とも歯磨きの励行と申しますか、ブラッシングというものを含めまして国民の歯科保健の向上を図っていくための取り組みというものに努力をしてまいりたいと思います。
#152
○西山登紀子君 次に、文部省にお聞きしたいんです。
 文部省は、日本学校歯科医会などの協力を得てブラッシングの拡充などのために虫歯予防推進指定校制度、こういうことを推進しておられるわけですけれども、現在は第六次と。第五次の一九八八年から九一年度の三年間の虫歯予防推進指定校の研究成果をまとめておられるわけですが、それによりますとその評価は、研究実践の三年間に虫歯保有率が低下をして、口腔環境が改善されていると指摘ができるとしているわけですけれども、このとおりの評価でよろしいでしょうか、文部省。
#153
○説明員(近藤信司君) 委員御指摘のとおりでございまして、文部省におきましては、昭和五十三年度から全国に虫歯予防推進校というものを設けまして、学校における歯の保健活動の充実を推進してきたところでございます。
 特に、今お話がございました昭和六十三年度から平成二年度までの三カ年間での指定校の実績と申しますか、それは今先生が御指摘になったとおりでございますけれども、これらの推進指定校におきましては、例えば学級活動等における歯の保健指導の一層の充実を図るほか、保護者への啓発のために保護者の参加もいただきまして歯の保健指導を行うなどの実践的な研究活動を実施してきたわけでございます。そういった成果がそういう形であらわれてきたのではなかろうか、このように私どもは推測をしておるわけでございます。
#154
○西山登紀子君 給食の後のブラッシングの指導なんかは非常に効果が大きいと思うのですが、私も、京都市の指定校になっております伏見板橋小学校で実践報告を担当されました校長先生にも事情を聞いてまいりました。私が非常に感心をいたしましたのは、単なる医学的、身体的という直接的な効果だけではなくて、教育的、社会的効果も非常に大きいということです。当該校の教職員の皆さん、PTAの努力も大変なものです。
 大臣にもぜひお聞き願いたいんですけれども、例えば生活習慣の改善、これは歯をきちんと磨くためには朝早く起きる、おやつも時間を決めるなど、朝起きたらしつけができるだとか、それから医学面の歯磨きを通しての交流が進んで、いじめがなくなった、自分の体と同時に他人の体を大切にするようになった、こういうこともあるそうでございます。それから、食べ物についてもよく考えるようになった。歯を丈夫にする食べ物は何かなと、こんなことにも子供の関心が向いていく。また、給食は歯を丈夫にするかたい献立にしよう、こういうふうな工夫もされてきたとか、それから子供から親にも注文がつきまして家庭でも歯を磨こうという姿勢が、子供がうるさく言うものですから、親にも、おじいちゃん、おばあちゃんにも影響を与えて、地域にも影響を与えている。
 こういうふうな波及効果があるということなんですけれども、厚生大臣、こういうことについてお聞きになってまず御感想はいかがですか。
#155
○国務大臣(丹羽雄哉君) 生涯を通じて自分の歯で食生活を楽しめるようにする、こういう観点から三年前から厚生省が歯科医師会などの協力を得まして八〇二〇運動というのを始めたわけでございます。ところが、実際のところ八十歳で自分の歯を持っている方というのは、要するに四本しかない、これが実態でありまして、先生が御指摘のようにやはり子供のころからいわゆる歯の健康づくりを進めていくことが極めて重要なことではないか、こう認識しております。
 いろいろな京都の事例をお示しになったわけでございますけれども、確かに歯というのは一番体の中での基本でもあるわけでございますので、これからもひとつ学校教育などの場においていろいろ創意工夫しながら、いずれにいたしましても歯のブラッシングであるとか、あるいは歯磨き、こういった歯科保健の基本的なものに厚生省といたしましても全面的にひとつ尽力をしていく決意でございます。
#156
○西山登紀子君 どうも積極的な御答弁をありがとうございました。
 引き続いて厚生省にお伺いしますが、そういう歯磨き、ブラッシングが普及していきますと医療費の節約にもつながるのではないかと思うのですが、いかがですか。
#157
○政府委員(寺松尚君) 今の先生のようになれば非常によろしいのでございますが、歯磨きの励行が医療費の動向にどう影響を与えるかということにつきましては、ちょっと私どももわかりかねるところがございますけれども、その歯磨きの励行も含めまして、歯科保健対策を総合的に進めていくことが国民の歯科保健の向上に役立ち、かつまた医療費の節減にもつながるようであれば非常に結構なことではないかと考えております。
#158
○西山登紀子君 大臣に二点を端的に要望したいと思うのですが、最近ふえてきているわけですけれども、子供の歯磨き、ブラッシングの普及、この意義を大いにPRしていただきたいというのが第一点です。それから二つ目は、保健所とか市町村の保健センターを通じて、歯科医の先生方とか歯科衛生士、保健婦の皆さんの非常な御努力また協力を得て乳幼児健診のときなどもやられてはいるわけですけれども、そういうこと、それから保育所や地域でのブラッシング指導、こういったことを事業として拡充していただく。この二点について御努力をいただけるかどうか。
#159
○国務大臣(丹羽雄哉君) 子供に対するブラッシングであるとか、歯磨きの必要性、励行性はあらゆる機会を通じましてPRしていく覚悟、決意であります。従来より、保健所や市町村における幼児の歯科健康検査や歯科保健指導の際に歯磨きの励行などをお母さん方にも指導しているところでございますけれども、今後とも、関係団体の協力を得ながら歯磨きやブラッシングの励行を含めて幼児の歯科保健指導の充実を図っていく決意でございます。
#160
○西山登紀子君 大変積極的な御答弁をいただいてありがとうございます。
 次に、文部省の方に三点お伺いしたいんですが、現在実施されております虫歯予防推進指定校制度、これは五十校ほど一年間に指定されるわけですが、せっかく意義のある事業でございますので、この際、地方自治体や現場の先生方の協力を得てこの指定校をふやすお考えはないか、御検討をいただけないかということが一点。
 それから二つ目に、その場合に実施される学校は一定の設備の改善費も非常にかかるわけなんですね。例えば水道代が倍になったとか、蛇口を四十個もふやしたとか、そんな御努力もあるわけですが、そういう努力に対して、取り組みを奨励していくという意味での設備の基準の改善だとか補助の増額、こういうことで御努力いただけないかというのが二点。
 それから三つ目は、指定校以外の普及の問題なんですけれども、歯科医の先生方、歯科衛生士の皆さんの協力を得て養護教員の皆さんなんかに講習を実施していくという、指定校以外にもブラッシングなどその効果が普及するように努力していただけないか。この三つの点について手短にお願いします。
#161
○説明員(近藤信司君) 第一点の虫歯予防推進指定校の数の増の問題でございますが、平成四年度現在で全都道府県で五十八の小学校を指定しておるわけでございますが、これは各都道府県、最低一校ずつは指定をしたい、こういうことでやっておるわけでございます。
 私どものこの指定校制度につきましては、その指定校になった学校が全国の学校のいわば参考となるようにいろんな角度から実践的な研究を実施していただきまして、その成果を私どもの方で取りまとめて全国に普及をしていく、あるいはその成果をもとにいたしまして、先ほど御指摘のございました養護教諭でありますとかいろんな関係者の方々に対する研修事業を行うと、こういうことでございます。
 なお、国が指定をいたしますと多くの都道府県では、都道府県なり市町村が独自に推進校を指定するというようなことが多々あるわけでございまして、国の指定校と相まって、そういった指定校における歯の保健指導のいろんな面での実践研究がなされておる。こういうことでございますので、必ずしも国の指定校の数をふやさなくても、推進指定校制度を設けた趣旨なり目的は達成されておると、こういうふうな認識を持っておるわけでございます。
 第二点目の予算の増の問題でございますが、指定校に対する予算は大変事務的な経費でございまして、こういう財政状況の中でそういうものの増額を図るということはなかなか国としては難しいのでありますが、本来の設置者でございます市町村の教育委員会あるいは都道府県の教育委員会等から助成がなされておるというようなこともございます。いずれにいたしましても、さまざまな工夫をしながら実践活動をして成果を上げていただくよう、都道府県の教育委員会を通じてお願いをしておるわけでございます。
 第三番目の養護教諭でありますとかそういった保健の関係者への研修でございますが寸おっしゃるとおり私どもそれは大変重要な事柄であると認識をしておりまして、毎年、教員、保健主事、養護教諭、あるいは学校歯科医、いろんな関係者の方々を対象にいたしまして各種研修会、講習会を実施しておるわけでございます。
 今後とも、そういった施策の推進に努めてまいりまして歯の保健指導の充実に尽力してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#162
○西山登紀子君 ぜひ、厚生省それから文部省が連携を強めていただきまして、子供のブラッシングの普及促進に努力していただきますように要望をいたしたいと思います。
 次に、国立病院の統廃合問題について質問をいたします。
 この根拠法であります国立病院等再編成特別措置法には、第百九国会で我が党と社会党、公明党、民社党の各党が反対をいたしました。
 私は、この間、京都の国立福知山病院、滋賀県の比良病院、この二十二日には新潟県の村松病院を視察してまいりましたけれども、地元では、みんな地域になくてはならない病院であって、共通して国立としての拡充を求めておられました。
 村松病院では、昨年十二月に定めた入退院業務取り扱い内規によって、長期入院を予防するため入院期間をおおむね三カ月ないし六カ月であることを患者と家族に説明し同意を求めるとして、入院患者のうち四十三名が退院を強要されておりました。村松病院でお見舞いした脳卒中の患者さんは、いつ心臓発作が起こるかわからないのに、病院の人にアパートを見つけてやるから退院してほしいと言われた、御飯も一人で食べられない、考えると夜も眠れないと泣いて訴えられました。全く医療機関にあるまじき事態が起こっていると思います。村松病院では、病床百床、そのうち現在入院患者は八十八名です。そのうち四十三名が退院を強要されたと患者会の皆さんは訴えておられて、あと国会議員団に対しましては、病院側は偉い人が調査に来ると患者の追い出しはしていないと言うけれども、現実にはしているから何とかしてほしいと訴えられたわけです。
 こういう事態を見ますと、本年度、西新潟病院の増改築と、村松、寺泊病院の九五年度統合実施という厚生省の強行姿勢から、患者追い出しが指示されているのではないかとして、皆さんが不安になるのも無理はないと思いました。新潟では、寺泊の町議会、村松町議会、五泉市議会も村松病院存続を求めて、県も、国に地域医療の確保を求めていくと私たちに明確に答えております。自民党の五泉支部も統合反対、存続を求めていると報じられております。
 このように、地域住民挙げての統合反対の意思表示は尊重されねばなりません。ましてや、退院しても受け入れる病院がなく、介護の人の確保もできないままに退院を強要するようなことは許されないことです。厚生省は、こうしたことが起こらないように指導したと思いますが、二度とこういうことが起こらないように、患者さんや住民の皆さんに不安を与えることがないように決意を込めて御答弁をいただきたいと思います。
#163
○政府委員(田中健次君) 患者の退院につきましては、その治療を行っております主治医の判断において行うのが、これが医療の基本原則でございます。
 村松病院におきましても、医学的判断に基づきまして入院治療を要しなくなった患者につきましては、例えば福祉施設を紹介する等の配慮を行いながら退院をお願いすることはございましても、医療を必要とする患者を退院させるということはございません。なお、病院に対しまして、統合を前提に患者を退院させているという誤解を招くことにならないよう、これは適切に対応するように指導いたしております。
#164
○西山登紀子君 最後ですが、この五年間の事態というものは、国立病院の統廃合の強行というものがやはり地元に根づいた身近な医療機関を住民から奪うものである、また職員や看護婦さんの首切りにもなって、地元住民の要望にも逆行するものだと指摘せざるを得ません。
 最後に、厚生大臣にお伺いしますけれども、住民合意のない統廃合の強行をやめて、この計画を国民の要望に沿って抜本的に見直し、再検討する段階に来ているのではないかと思いますけれども、御答弁をお願いします。
#165
○国務大臣(丹羽雄哉君) 国立病院や療養所におきます医療機関の役割分担につきましては、昭和六十一年に全体像を決めまして、いわゆる国立病院にふさわしい難病であるとか、がんであるとか、そういった分野を中心にして質的な強化を図っていこうではないか、こういうような観点に立ちましていわゆる経営の移譲、統合の再編成を進めておるところでございます。
 その実施に当たりましては、自治体、議会、医師会などの地元の関係者の理解を求めながら計画の具体化に取り組んでおるわけであります。これまでに、経営移譲が一ケース、統合等が三ケース既に実現をいたしております。平成五年度におきましても、岩手、栃木、東京において四ケースの統合が予定されているなど、着実に実績が上がっております。
 国立病院・療養所のあり方につきましては再編成が不可欠でありまして、これを見直す考え方はございません。
#166
○粟森喬君 まず私は、中医協の役割について幾つかのことをお尋ね申し上げたいと思います。
 昨年のことでございますが、政府管掌保険が比較的安定的に運営されておる、したがって国庫負担率を下げたい、保険料率も下げたいと、まことに結構な話ばかりで多少私は疑念も持ちながら見ていたわけでございます。実は、この前後に行われました中医協の保険診療報酬の改正の中身がかなり問題があったんではないかと思います。昨今、中小病院の赤字経営がかなり論議をされて問題になっているが、実はこの診療報酬の改定の中で結果的に中小病院にしわ寄せがいくことになったんだろうと思います。
 したがって、先ほど申し上げたようないいことの話ばかりではなく、結果的にそのしわ寄せは医療の現場に来まして診療する医師の側も大変でございます。定額制などが導入されてその部分が多くなっていますから、そういう意味のいわゆる診療のあり方もかなり変えざるを得ない。そして、被保険者がやっぱり結果的に一番しわ寄せを私は受けているんではないかと思います。そういうことを考えますと、診療報酬の改定のあり方について我々は言及せざるを得ない、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、まずお尋ねをしたいわけでございますが、診療報酬の改定に当たって厚生省はどのような諮問の仕方、資料の提供、これは公表することになっていないわけでございますが、改めて基本的な審議のあり方のスタンスをまずお答え願いたいと思います。
#167
○政府委員(古川貞二郎君) 中医協の審議の進め方でございますが、これは社会保険医療協議会法の定めによりまして中医協が自主的に制定いたしました議事運営規則にのっとりまして行われているというところでございます。
 そこで、厚生省とのかかわり合いを御指摘でございましたが、厚生省といたしましては中医協の事務局を務めておるわけでございまして、中医協の御要望、指示に応じまして資料の作成等を行っているものでございまして、厚生省主導というようなことは当たらないと考えておるわけでございます。
 また、中医協の審議事項でございますけれども、これは大変専門的な性格を有するというようなこととともに、場合によっては事柄が支払い側と診療側の間で利害が対立するというようなこともございますので、自由な審議を保障するというようなことで非公開ということで、国民がわからないということではないので、総会は公開で行われておるわけでございますが、いわゆる懇談会といいましょうか、そういったことについては非公開にしておるという扱いでございます。
#168
○粟森喬君 今の話を聞いておって、かなりややこしいというか、私どもから見たらかなり問題意識を感じます。自主的に議事運営規則をつくっていると言いますが、私はそこまでちょっと承知をしていなかったので、今度改めてそれも見せていただきたいと思います。
 本来、厚生大臣が諮問をするわけでございます。指示されて資料を提供するなどというのは論理の逆転でございまして、少なくとも予算をつくるときに、経過から見れば、大体皆さんも私以上に詳しいんだから、大蔵原案が決まった段階で、予算が決まる前後に、二年に一遍でございますがこれは開いておるわけでございます。厚生省の恣意があたかも全くないようなごとく言われても、私は労働側から出ている方の何人かに断片的に事情もお聞きをしているんです。厚生省の恣意がなしに、中医協が自主的にやっておるなどということが本来的にあるんですか。
#169
○政府委員(古川貞二郎君) 診療報酬につきましては、中医協がそういったことでいろいろの議論を、つまりどういうふうな点でどうするかとか、診療の内容、今回の改定をどうするかというようなことについては、実際問題として私ども事務局がかかわり合いを持つことはおっしゃるとおりでございまして、これは関係の中医協の先生方ともいろいろと詰めをしまして整理をしていく。そしてある程度の整理ができて、ある程度といいましょうか整理が作成された段階で厚生大臣が諮問をするという形で御答申をいただく、こういうふうな形になっておるわけでございまして、おっしゃるとおりに、私どもとしては中医協の事務局というふうな形でございますけれども、実際上の診療報酬の作成に当たりましては中医協の御指示等に従いまして作業をしているということは事実でございます。
#170
○粟森喬君 私は、法の定めからいったってこれは絶対おかしいと思うんです。少なくとも厚生大臣が諮問するわけでしょう。私はここに法律の規定を持っています。そういう格好になっているものを、あたかも自主的だということ。
 私は、厚生省の原案があったら、いわゆる診療報酬の基礎的な額というのはもちろん診療の状況によって結果が違うわけですが、原案があってそこで審議をするというのが本来のあり方なんだけれども、どうもそれを自主的なやり方だというふうに逆に責任を転嫁し、厚生省はその原案を出したことについて、その結果だけ私たちも報告いただいて、新聞にも報道されている。しかし、国民の側がこの決め方について、内容について、例えばこれはおかしいではないかと言ったときに、だれがどのようにそのことについて意見を言うことができるんですか。私は国会の場しかないんではないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
#171
○政府委員(古川貞二郎君) 中医協の役割あるいは診療報酬の決定の仕方でございますけれども、中央社会保険医療協議会は、健康保険法等における適正な診療報酬の額に関する事項などを厚生大臣の諮問に応じまして御審議を願い答申するというようなことが所掌でございます。その点におきまして診療報酬の御諮問は厚生大臣がするわけでございますが、最初の御質問は、厚生省とのかかわり合いというお話でございましたので、実際工事務局としていろいろ詰めをしまして、そして作業をして具体的な診療報酬の御諮問する諮問案を作成すると、それまでの間のことを申し上げたわけでございます。当然、それは厚生大臣が中医協の御意見を聞きまして診療報酬を決定するわけでございますから、諮問そのもの、諮問案については厚生大臣が諮問をして決定する、これはそのとおりでございます。
#172
○粟森喬君 あなた、厚生大臣がまず諮問をするんでしょう。何か事前にいろいろやったことが、自主的にやっているからそれでいいという意味じゃない。基本は、診療報酬の改定について厚生大臣が原案を出すわけでしょう。どんな原案を出したのかということについて、我々に、国会なら国会にそれは聞けば言うということは、きょう予算案の委嘱審査を受けたんだから当然答えなければならぬでしょう。それは否定されますか、どうですか。
#173
○政府委員(古川貞二郎君) 診療報酬について諮問するのは厚生大臣であるということは、もうそのとおりでございます。
#174
○粟森喬君 いや、国会との関係で、何を諮問したのかというふうに私どもがお尋ねをしたら、皆さんは私どもにも言わないんですか。それじゃ予算審議ができないじゃないですか。予算の根拠に、幾つかのところに関係するところがあるわけです。私どもが何を諮問したんですかと聞いたときに、皆さんは私どもにお答えすることは何もしないんですか。それも公表できないという範疇に入るんですか。
#175
○政府委員(古川貞二郎君) 諮問をしたときにそれは公表することといたしております。諮問案を公表するということにいたしております。
#176
○粟森喬君 公表というのは、一般的に公表するというと、その諮問について私どもが意見があったときにどこかで述べるという機会が私どもは必要だと思っておるわけです。
 といいますのは、この間のいわゆる厚生省の予算が、いろいろあっても順調に医療費の伸びなり福祉費の伸びというのがある種の聖域的に私は守られてきたと思う。ところが、最近の予算の伸び率からいったって、残念ながらどこかで何かが抑制されることは、これ厚生省の総枠を見たって一つの常識です。
 そのときに、医療費のあり方の中身がかなり変わってくるということについて、我々もやっぱりこれは、国民の代表といいますかそういう立場でかかわっているわけですから、当然この部分について論議するということをこれからやっていかないと、例えばこの審議会のそれぞれの構成を見ても、金を払う側、診療を受ける側と公益と両方ですが、本当に国民の側というか患者の立場に立って物を言うというのは本当にどのくらい保障されているのかというと、この構成を見てもかなり私は問題が残っているというふうに思っているんです。ですから、厚生大臣、これからの医療のあり方の中でここは根幹にかかわる問題でございますが、どうお考えなのか御答弁願いたいと思います。
#177
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど局長からも御答弁を申し上げておるわけでございますが、診療報酬につきましては、支払い側、診療側及び国会の同意を得て任命された国民の利益を代表する公益代表、この三者によって構成されている中医協の議を経た上で厚生大臣がこれを定める、こういう仕組みになっておるわけであります。
 率直に申し上げまして、審議の内容というのは非常に専門的であり、また、かつ技術的であります。それと同時に、当然のことながら、こういう問題になりますると支払い側と診療側の利害が対立する、こういうことが予想されるわけであります。そこで、いわゆる中医協という特別の審議会を設けて必要な調整を行っていく、こういうことでございますし、いわゆる国民の利益代表ということで国民の声も十分に反映されて診療報酬というものは適切に設定されていく、このように確信をいたしております。
#178
○粟森喬君 私は、ここは大臣と大分見解が違うと思います。何遍もこれは詰めますからきょうはこの辺にしておきますが、私は、今の委員の選出の仕方を見ても、皆さん専門的と言ったけれども必ずしもそういう公益側委員が国民の側――今や現実に自分たちは全部金を払っているわけです。そして定額なりそういう制度が入ったりしたら、医療の選択にはこの診療制度のあり方について国民というか病院へ行く側が無関心ではおれない、こういう状況でございます。したがって、これからの問題としてこの部分は、法制上の問題なのか運営の問題なのか、きょうは時間がございませんのでこのぐらいにしておきますが、十分な問題意識を持って私はこれからもやるということを申し上げておきます。
 次に、もう一つ問題を申し上げたいと思います。
 かかりつけ医推進モデル事業が、ことしモデル試行として予算化されました。これは、日本医師会からの要望を受けて厚生省が実現にこぎつけたというふうに私どもは聞いております。
 そこでお尋ねをしたいんですが、家庭医ということが、これはたしか昭和六十年から二年ほどかけまして論議をされて、提案をされて、そのことについて日医は、これに反対だとこう言ってけったんです。今度は、日医はそれをどの部分に対して言っているのかよくわかりませんが、家庭医制度とは全く無縁のものだというふうな日医は見解を持っているんです。開業医はいま一度深い反省の上に立って行動を起こすべきではないかというふうに言っています。いわゆるかかりつけ医推進モデル事業を積極的にやろうという立場で提唱しているわけでございますが、私が見る限りは、十年前の家庭医の機能と今度のモデル事業の間に余り差異はないんではないか。特に開業医の、無床診療所といいますか、診療所の機能の位置づけが非常に今問われているときに、この間のところで何で変わったのか、そして、今このことについてどういう立場で厚生省が指導しようとしているのか、その点について答弁願いたいと思います。
#179
○政府委員(寺松尚君) 先生の御質問のかかりつけ医の推進モデル事業でございますが、今、国会で御審議をお願いしておる予算案の中に入っておるわけでございます。
 これは私どもこう考えておりまして、かかりつけ医推進モデル事業というのは、慢性疾患の増大等疾病構造が非常に変化しておる、あるいは住民の医療に対しますニーズがいろいろと多様化、高度化しておるというようなことに適切に対応するために、住民の身近にいらっしゃる地域の開業医の先生方がそれぞれの専門性に応じたかかりつけ区となることを地域で推進したらどうだろうかというようなことで出したわけでございます。
 実は、今先生が御指摘の六十年あるいは六十二年にかけてございましたけれども、家庭医に関する懇談会というものの報告が昭和六十二年にできまして、それを受けてモデル事業をやろうとした経緯がございます。そのときに日本医師会側からの御意見が出ましたのは、そのときは、医師の裁量や患者の主治医の選定に関しまして一定の制約を課し、診療報酬の支払い方式を変更していこうとしておるものではないかというような御意見が出たりしまして、そういう反発があったというふうに私どもは聞いております。
 そういうふうなことでございますが、今回のかかりつけ医推進モデル事業につきましては、先ほども先生が御指摘になりましたように、日本医師会を初めとする医療関係団体の方からも、これを何とか推進していこう、そして患者と医師との間の信頼関係というのを確立しよう、こういうようなお話もございます。それから健保連なんかの調査を見ましても、かかりつけ医というのを持ちたいと思っている方々は八〇%ぐらいおられる、しかしながら実際持っていらっしゃるのは三〇%というようなことを拝見いたしまして、私どもも、患者と医師との信頼関係を基本にしまして、開業医のかかりつけ区としての役割を推進していくというような事業を各地域の特色も含めていろいろと御議論いただいてやっていただいたらどうだろうか、こんなことでございます。
#180
○粟森喬君 時間がございませんので、これ以上きょうは言いません。いずれにしても、開業医の立場から強い懸念が幾つか問題点として出されています。先ほどから指摘されている慢性疾患だとか福祉の分野にも入るということが、例えば例示の中でも入っていることについてどうするのかという問題がありますので、十分慎重に検討して、そういう意見を十分反映しないとまたこれは失敗に終わるというか、しわ寄せだけがここへ来るというような懸念があります。
 きょうはこのぐらいにしておきます。
#181
○委員長(細谷昭雄君) 以上をもちまして、平成五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び環境衛生金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#183
○委員長(細谷昭雄君) 次に、国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
#184
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国民健康保険制度は、我が国の国民皆保険体制の基盤をなす制度として重要な役割を果たしておりますが、近年における社会経済情勢の変化や人口の高齢化により、低所得者や高齢者の加入割合が著しく高まるなど、制度の構造的な問題により、その運営は不安定なものとなっております。
 このため、国といたしましても、こうした国民健康保険の現状等にかんがみ、当面緊急に講ずべき措置として、平成五年度及び平成六年度において、国民健康保険財政安定化支援事業の制度化等を行うことにより、国民健康保険の財政の安定化や保険料負担の平準化等を図ることを目的として、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、国民健康保険財政安定化支援事業の制度化であります。市町村は、国民健康保険の財政の安定化等に資するため、低所得者の加入割合が大きいことなど保険者の責めに帰することができない理由により国民健康保険の財政が受ける影響を勘案して算定した額を、一般会計から国民健康保険特別会計に繰り入れることができることとしております。
 第二は、保険財政基盤の安定化措置に係る国庫負担の変更であります。市町村は、国民健康保険の財政基盤の安定のための措置として、低所得者に係る保険料軽減相当額を一般会計から国民健康保険特別会計に繰り入れ、これに対し国はその二分の一を負担することとされておりましたが、これを、政令で定める基準により算定した額に改めることとしております。
 なお、国庫負担の変更に伴う地方財政への影響額につきましては、その全額について、所要の地方財政措置を講ずることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、本年四月一日としております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#185
○委員長(細谷昭雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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