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1993/04/08 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第5号
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1993/04/08 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第5号

#1
第126回国会 厚生委員会 第5号
平成五年四月八日(木曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     大島 慶久君     釘宮  磐君
     木庭健太郎君     荒木 清寛君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細谷 昭雄君
    理 事
                木暮 山人君
                前島英三郎君
                菅野  壽君
                木庭健太郎君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大浜 方栄君
                釘宮  磐君
                西田 吉宏君
                南野知惠子君
                糸久八重子君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                荒木 清寛君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                西山登紀子君
                粟森  喬君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  丹羽 雄哉君
   政府委員
       厚生政務次官   木村 義雄君
       厚生省健康政策
       局長       寺松  尚君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融
 公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○診療放射線技師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○視能訓練士法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○大浜方栄君 私は、質問の前に、本法律案は結論的に言って非常に画期的な立派な法案であるとこう思います。ただし不備な点があるので、私の質問の趣旨はその不備な点をこれから光やっていく上で、どうせ試行錯誤的にやっていかざるを得ないであろうから、その間に整備をしていっていただきたいということであります。
 それで、老人訪問看護事業というのは今後の老人に対する在宅医療の中で重要な位置を占めるものであります。厚生省は平成十二年までに全国で五千カ所の設置を目標に掲げておりますけれども、そのときに当たって、私はどうしても民間医療機関、特に開業医の先生方の御協力を得るべきである。すなわち医療人の積極的な参加は不可欠なものである、こういうぐあいに思っています。
 今できているのが百五十四カ所で、九十四カ所と次第に数を増しつつあります。そのときに当たって、この老人訪問看護事業における開業医の役割というものはどういうものであるか、これをまず第一にお聞きをしたい、こう思います。
#4
○政府委員(寺松尚君) 今先生御指摘のとおり、これからの高齢化社会におきまして、患者の生活の質を確保するというためには老人訪問看護などの在宅医療の普及あるいは定着ということ、これを図っていくことが非常に大事なことだと考えております。開業医は、日常の健康管理から疾病の予防、診断、治療、リハビリテーションまで一貫して担当していらっしゃるわけでありまして、在宅医療の中でその果たす役割は極めて大きいものと考えております。
#5
○大浜方栄君 局長の答弁はまだ足りてないのがあるんじゃないかな。
#6
○政府委員(寺松尚君) 今大綱のことを申し上げたんですが、少し具体的なことを申し上げたいと思います。
 平成五年度の予算におきまして御審議いただきましたが、かかりつけ医推進モデル事業というのを実施いたすことにいたしておりますが、これにつきましては開業医の方々が地域においてその役割を十分発揮していただくように厚生省がそれを支援していきたい、こういうことで予算化をしたわけでございます。
 老人訪問看護につきましても、今回創設されます融資制度というものをより整備いたしまして、それに伴いまして開業医が積極的に連携をとっていただくというふうに考えております。訪問看護センターの方に対しまして具体的にいろいろと訪問看護につきましての内容の指示等もかかりつけ医からお願いいたしますし、いろんな形で訪問看護の指導をお願いするというようなことがかかりつけ医の大きな役割ではないかと考えております。
#7
○大浜方栄君 今寺松局長がおっしゃったように、融資制度によって整備が進むに伴って開業医と積極的に連携をとっていきたいと。こういうことも私が本日強調したい面でございますが、先ほど申し上げたように試行錯誤的に充実させなければいけないというものの一つだと思っております。
 それで私は、保健、医療、福祉の連携のもとに在宅ケアに一体的に取り組む必要がある。御存じのとおり、施設医療から在宅医療へというのは世界の医療の流れであり、日本の医療の中の流れであります。そういう意味で、老人訪問看護ステーションの取り組みに当たっても非常に開業医の先生方に期待するところが大きいんだけれども、実際に全国を回ってみて、開業医の先生方の取り組みが弱い。
 その原因はどこにあるかと申しますと、まず厚生省のPRが不足している。それから看護婦等のマンパワーが足らない。あるいは開業医の先生方の高齢化の問題がある。それから市町村の在宅福祉サービスとの連携が不足をしている。最も大事な強調したいのは老人訪問看護療養費の額が不十分である。
 いろいろの制度があるわけでございますけれども、老人訪問看護事業者からは、実際に現場の声
として、特にかかりつけ医が老人訪問看護事業の制度の趣旨を理解していない、こういう声が強いわけでございますから、私はどうしても開業医の先生方に認識をしていただきたい、こういうぐあいに思っております。
 そういうことを踏まえて、訪問看護事業の重要性を開業医の先生方が理解はしておっても、どうしてもやっぱりマンパワーが足らない、その中でも看護婦さんが足らないという声が強いんですけれども、これに対して役所の方ではどういうぐあいに考えておられますか。
#8
○政府委員(寺松尚君) 今、訪問看護されます看護職員のお話が出ましたので私からお答えしたいと思います。
 訪問看護に従事する職員につきましては、看護の実務経験と豊かな人生経験というものを持ち合わせながら、夜勤ができないというふうな理由のために現在看護業務に従事していない潜在看護婦職員がいらっしゃる、そういう人たちを活用するという基本方針を持って取り組んでいるわけでございます。
 このために、質の高い訪問看護職員を確保する目的で私どもは訪問看護婦養成講習会というのを実施してまいっておりますが、これに加えまして平成三年度からは訪問看護養成指導者、指導者の方の講習会をも実施をいたしておるわけでございます。
 厚生省におきましては、高齢者保健福祉推進十カ年戦略等の開始等を念頭に置きまして平成三年十二月に看護職員需給見通しの見直し結果を取りまとめましたが、その際、老人訪問看護を中心といたしました在宅ケアの進展ということに伴います訪問看護職員の需要増というものを約二万人と見込んでおるわけでございます。
 さらに、昨年の十二月でございますが、看護婦等の人材確保の促進に関する法律というものに基づきまして策定いたしました基本指針、これにおきましても今後の訪問看護制度の進展により需要が増加していくものという見通しを立てております。
 老人訪問看護等につきましては、潜在看護婦職員の活用ということを図るとともに、需給見通しに沿って就業者等の確保に努めてまいりたいと考えております。
 今後とも必要な訪問看護婦等の確保が図られますよう、人材確保法とこれに基づきます基本指針を基盤としながら看護職員の確保対策の推進に努めてまいりたい、このように考えております。
#9
○大浜方栄君 ただいまの寺松局長の御答弁は、正直申し上げてもう自民党の社会部会あたりでも何回も言われたことで、これの実が上がっていないんですよ。本日ここに矢野課長も御出席のようでございますけれども、局長の今の通り一遍の答弁では私はだめだ、こう思っております。
 民間医療機関のナースも極度に不足しておって、病院倒産の一因をなしている。さらにまた、看護婦にとって魅力ある職場というのは何といっても臨床の現場ですから、現場に行く人は多いけれども、この老人訪問看護なんという地味な未開拓の分野にはなかなか手を挙げる看護婦は少ないですよ。そして、これから先、御存じのとおり十八歳人口が減っていく。あと十年もたったら、高等学校を出た学生の七名に一人は看護婦さんにならぬと需要を満たせない。こういうような状況の中で、今のような通り一遍と言ったら非常に恐縮ですけれども、もちろん厚生省も真剣になさっておられるかもしらぬけれども、僕はここは踏ん張って一層の努力をすべきだ、こう思います。
 これは、訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業の実施、厚生省の発表によると、在宅要介護老人の二、三割が訪問看護の対象。そうすると、寝たきり老人は六十万ですね、六十万の二、三割が訪問看護の対象になる。
 そうすると、二十万人のそういう対象者に対する潜在看護婦を発掘するに当たっては、私が前から主張している、准看から正看への道を開くということ、准看を何年がやって、実際に現場で一生懸命五年なり六年なり働いた看護婦さんで家庭に戻っておる、潜在看護婦になっている者に対しては、一定の教育を施して、それに国家試験を受ける資格等を与えて、正看の道を開いてこういう訪問看護にも従事してもらう、こういうことも私は一つの道であると思って前々から主張しています。これもひとつぜひこの際、今局長がおっしゃった潜在看護婦発掘の一助にもなると思いますから、それ答弁は要りません、そこもつけ加えてお願いをしておきます。
 それからもう一つは、実際に現場で働いている人たちの中にも声が強いんですが、今度の老人訪問看護療養費の中には、看護婦さんあるいは准看護婦、あるいはPT、OTの人たちに対しては療養費が算定されているけれども、ST、いわゆる言語聴覚療法士が訪問した場合には算定されていない、これはおかしいじゃないかという声が強いんです。
 これはSTの資格制度が法制化されていないことが大きな原因になっていると思いますけれども、私は、平成三年の五月二十二日の決算委員会で、速やかにSTの国家資格を制定するようにということを強調しました。その後どういうぐあいになっているのか、それをまずお聞きしたい。
#10
○政府委員(寺松尚君) 先生から平成三年五月に御質問いただいたと記憶しておりますが、言語聴覚療法士の資格法制化につきましてはその業務内容等を含め資格のあり方について各分野の関係団体の合意が得られていないということがありましてまだ実現を見ておりません。
 現在、言語聴覚療法士の資格法制化を推進するために、言語聴覚療法との関係の深い二十六の関係学会等で構成されております医療言語聴覚士資格制度推進協議会がございますが、関係団体との合意を得るべく今鋭意努力をしておると聞いております。
 私どもは、資格制度の問題につきましては、関係団体の合意がやはり必要だというふうに思います。したがいまして、それの合意を得るべく努力するようにということを私ども関係団体に働きかけておるという状況でございます。
#11
○大浜方栄君 ただいまの局長の御答弁に対しても私は非常に憤慨しています。平成三年の五月二十二日に、決算委員会で当時の下条厚生大臣にも御質問しましたけれども、現在、STの対象になる患者さんが九十万人もいるんです。五千七百名が必要とされていると。その中で実際に働いているのは千五百名なんです。その千五百名の方々は、国家資格を保証されないままに働いている。
 実際に訪問看護した場合、患者さんの方はどういう状態がというと、脳卒中を起こして言語中枢がやられて、それで耳は聞こえると。いろんなことを理解はできるけれども、発語できないために、言葉が出ないために悲惨な目に遭っている人たちがたくさんいるわけですよ。そういうような方たちをほったらかしておって、この老人訪問看護が十分いけると私は思わない。
 だから、私が平成三年五月二十二日に質問する前に、今までもう何回も先輩の議員の方々がこの社会労働委員会で質問しておって、いつも努力します、努力しますと言って、そのままほったらかしてきているんです。私は、これは行政の怠慢以外の何物でもないと思っているんで、今の御答弁では満足しないから、その点を特にこの際局長に、今後厚生省挙げて、特に新しい丹羽雄哉厚生大臣が就任なさったんだから、STの人たちの国家資格もできないような、こんな不条理なことが通るとは思わない。ぜひこの点をもう一遍厚生省でよく検討してもらいたい。これは答弁は要りません。
 それで、時間もあれですけれども、もう一つは、今度は訪問看護を現場でやる場合に、ドクターあるいは看護婦さんだけが行ってもちょっと能率が上がらぬ場合があるらしいんです。というのは、相手が寝たきりであったり体が大きかったり、いろんな障害の方々ですから、力のない看護婦さん一人じゃだめで、看護補助者が一緒に行った方がいいと。これは、実際に福山市の医師会で医師会立の訪問看護ステーションをつくっている
そこの医師会長さんが私にそういうことを要望しているんです。
 その場合に、厚生省の方ではその訪問看護の費用に関して、看護婦が一人行っても七千二百円、それからヘルパーの人を一緒に連れていっても七千二百円。一人行っても二人行っても同じ額というのはおかしいんじゃないか、こういう声があるんですが、それに対しては、局長、時間がないんで簡潔に答弁をお願いします。
#12
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護事業は一年を経過したわけでございまして、その中でも先生が御指摘なさいましたような幾つかの問題点が浮かび上がってまいりました。今後検討させていただきたいと存じます。
#13
○大浜方栄君 同じくこれは日本看護協会の要望なんですけれども、その中で老人訪問看護療養費の引き上げを要望しております。
 それで、サービスの実施基準の中では、専従の管理者というのは職員の管理をやらにゃいかぬ、訪問看護計画の作成をせにゃいかぬ、職員の訪問看護の知識、技能の指導、それからさらに医療費の請求事務までも看護婦さんがやらにゃいかぬ、広報活動などいろんな事務を行うこととされているんで、この事務費についての補助をいただきたい、こういう声があるんですが、事務費については現在の訪問看護療養費の中でどのように手当てをされておられるんでしょうか。これもひとつ簡潔に御答弁をいただきたい。
#14
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問看護療養費の設定に当たりましては、事務に係る費用についてもカバーできるように設定されたものと考えております。
#15
○大浜方栄君 局長の御答弁でございますけれども、これは手当てが十分なされていると当局は思っておられるかもしれないんですが、看護協会の発表によると、実際に初年度は二百十四万円の赤字になっておるんだ。そして、これが十五年たったら二千十三万円の累積赤字が出るだろう、こういうぐあいに言って、年々赤字はふえていくんじゃなかろうかと。それで、要望の中では、月に四回の訪問をした場合、一回当たり今七千二百四十円ですか、これを一万円に上げてくれ、こういうことが要望されております。
 さらに、先ほど私が申し上げた福山市の医師会でも、老人訪問看護ステーションをやって、ここは非常に活発にやっていて、全国の医師会五十カ所から見学、視察に来られた。それぐらい熱心にやっているところなんです。そこの大田という医師会長さんが私に直接、今の指示料二千五百円というのは安いんだと。医師の指示料というのは、医師が実際に状況を把握せにゃいかぬ、さらに、把握してこれはこうこういう指示が要るという判断をせにゃいかぬ、それには責任が伴うんだ、こういうようなこと等もお述べになられて、今のようなたった二千五百円というのじゃどうも制度自身が形骸化するおそれがあるぐらい安いんだ、こうおっしゃっておるんです。
 それで、老人訪問看護療養費を引き上げるべきだと私は考えていますけれども、厚生省の御見解はいかがでございましょうか。
#16
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護療養費の設定につきましては、中医協の御審議も踏まえまして、この療養費と基本利用料とあわせて標準的な訪問看護ステーションにつきましては適切に運営できるように設定をしたというふうに私ども考えております。また、医師の指示料につきましても、諸般の事情を考慮して適切に設定を図ったというふうに考えております。
 看護協会の御試算もそれはそれで一つの御試算だろうと思っておりますが、それ以外のステーションですべてがそのように赤字を計上しているわけでもないということも聞いております。
 いずれにいたしましても、この訪問看護事業というのは、私どもも育てるべき事業というふうに考えておりますので、今後とも、その療養費、指示料のあり方については、中医協の御審議待ちではございますけれども、適正な額が設定されるように努力をしてまいりたいと考えております。
#17
○大浜方栄君 今、局長の御答弁で最後に、今後実態を把握した上で適切な額が設定されるようにという前向きのお言葉をちょうだいしましたが、実際に私も社会福祉法人を持っておって、特養を持っておってやっておるんです、老人訪問看護ステーションを。やったらやっぱり赤字だと。そしてその赤字をどこから補てんするかというと、特養からもできない、それからデイサービスからも補てんできないのだといって、責任者は苦慮しているのが実態なんですよ。
 だから、そういうこともあるので、まだでき上がったばかりですから、ぜひひとつ今後よく調査をなさって、本当に赤字なのか黒字なのか、赤字であれば、その面を今後うまく調整してやっていただきたい、こう思うわけでございます。
 それからもう一つは、厚生大臣も御出席いただきましたので、私は大臣に御質問をいたしたいと思いますけれども、大臣も御高承のとおり、今、日本の民間医療機関は、今後の医療のあり方、経営のあり方、進む方向で道に迷っていると言っても過言ではないぐらい厳しい状況の中にあるわけです。
 それで、先だって、日本医師会では「小規模入院施設検討委員会中間報告書」というのをつくって、有床診療所あるいは中小病院は今後どうあるべきかということをいろんな面で検討していまして、その中で、開業医が在宅ケアを積極的に支援するショートステイ等も一つの道である、こういうことが書き込まれておりますけれども、私自身は、保健、医療、福祉の一体化、特に施設医療から在宅医療へという世界の医療の流れ、日本の今後の医療の流れを踏まえて、そういう有床診療所あるいは中小病院の方も積極的に住宅医療に取り組むのがいい、こう思っておるんです。
 しかし、それに当たっては、やっぱり何といっても社会保険診療報酬の面とかあるいは税制の面とかあるいは金融の面とか、こういうようなインセンティブを与えないと、政策誘導をしないとなかなか道は開けないのじゃないかということを懸念いたしますのですが、それに対する厚生大臣の御答弁を拝聴したい、こういうぐあいに思います。
#18
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、衆議院の本会議の関係でおくれてまいりましたことをおわび申し上げます。
 有床診療所、中小病院の制度的な位置づけにつきましては、第三次の医療法の策定の大変主要な課題ではないか、まずこのように考えております。
 いずれにいたしましても、今後在宅ケアの推進をしていく上で開業医など地域の医療機関が果たす役割は大変大きい、こういうことでございます。
 老人訪問看護ステーションにつきましては、今回の融資制度の創設はもとより、先生も御承知のことと存じますけれども、医療機関同様にこれまでも税制上の配慮をもう既に行ってきておるわけでございます。さらにその設置の促進に努めていくところでございますが、また、今の診療報酬等の問題につきましては、いわゆる療養費の問題につきましては、老人保健福祉局長から答弁があったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今後とも地域の中核をなす医療機関の十分な御理解をいただきまして、在宅ケアの充実を図ることができるような環境づくりのために大浜先生の御意見というものも十分に踏まえながら施策の推進に努めていく決意でございます。
#19
○大浜方栄君 ただいま大臣から前向きの積極的な建設的な御答弁をいただいて感謝をいたします。
 時間が少しありますので、今度の老人訪問看護ステーション及び今後の医療の流れの上で私が常日ごろから考えていることの一つを申し上げたいと思います。
 日本の社会保障費の中で、特に社会保障給付費の国民所得に対する個別的なあれを分けてみると、年金とか医療とかその他の部分の三つに分かれるわけですね。その他の部分というのはいわゆ
る公共福祉サービスと言われている部分で、障害首とかあるいは老人ホームとかそういうようなものを定義づけていますけれども、スウェーデンあたりを見ると、医療と年金は日本の二倍ぐらいいっているんです。それから今言った公共福祉サービス、いわゆる我々が分類している医療、年金のほかのその他の部分では、驚くなかれ十倍の予算をつけているんです、予算というか社会保障給付費の使い方が。
 だから、私は、こういう老人訪問看護ステーションというようなものは当然今後力を入れていかなければいかぬものであるから、出すべきものには金を出すという姿勢が今後は非常に大事である。公共福祉サービスにもっと金をつけて、きょうの新聞にも発表になっているいわゆる総合経済対策の十兆七千億円プラス新社会資本という言葉、あいまいな定義づけをしてやっているけれども、これもうみんなドンカチ費用、公共工事等をするいわゆる土木工事費用なんですね。新社会資本は福祉資本につけるべきである。厚生大臣はクリントンに次いで若い大臣でありますから、ひとつ日本の予算の流れを変えるようなことをやるべきだ、こう思っているんです。ぜひひとつ、私が今申し上げた年金、医療のほかに公共福祉サービス、いわゆるその他の部分に対しても積極的に予算をつけていくべきである。今度の新社会資本なるあいまいなものじゃなくて、生活大国と言っているんだから、もっとそういう面をひとつお願いをいたします。できましたら大臣の御答弁をいただきたい。
#20
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御協力を賜りました平成五年度の予算で、厚生省関係は御案内のように十二兆一千七百億円でございます。このうち医療関係が五兆円、そして年金関係が大ざっぱに言って四兆円でございました。そのほか大変苦しい財政情勢の中で、今御指摘のありましたゴールドプラン、福祉推進十カ年計画に基づきまして地方自治体の御理解を賜りまして着実にいろいろ推進をいたしておるわけでございますけれども、こういった分野へもっともっと力を入れていかなければならぬ、こういうことでございます。私どもも、諸先生方のひとつ御支援を賜りまして、より豊かな充実した社会福祉の充実のために全力で尽くす決意でございます。今後ともよろしくお願いします。
#21
○大浜方栄君 終わります。
#22
○日下部禧代子君 住宅ケアの重要性及び在宅医療の重要性と、そしてそれを支える訪問看護、訪問看護ステーションの必要性を訴える、そういう観点から質問をさせていただきたいと思います。お年寄りはどなたでも、住みなれた場所で家族や友人、そしてまた地域社会から隔離されないで自立した人生をより長く充実して生きたいというふうに願っていらっしゃると思います。その願いをかなえるために在宅サービスの拡充ということは大前提でございます。
 私は、これまでさまざまな自治体の福祉医療政策の作成に携わってまいりました。その関係で地域の福祉医療活動を実践してまいりましたが、その中で、ホームヘルパーさんや保健婦さんと同行して寝たきりのお年寄りのいらっしゃる御家族を訪問する機会が多々ございました。
 そこで私が見た光景というのは、経管栄養にとどまらず、膀胱留置カテーテルあるいはカニューレ交換、点滴を必要とする方、さらにIVHあるいはまたCAPD、IVHは中心静脈栄養でございます。CAPDは腹膜――これはもう皆さん御承知と思いますのでそのままIVHあるいはCAPDというふうに申し上げておきます。このような高度な医療技術を必要とする、医療処置を必要とする方々が在宅でいらっしゃるということを私見聞きしてまいりました。そのお年寄りを介護なさっている御家族が本当に苦労していらっしゃる。そういうケースが大変多くございました。訪問看護指導だけではなく、ぜひ訪問看護をという強い御要望を私営にいただいてまいりました。
 私も、本委員会におきましてたびたび取り上げさせていただいたわけでございますが、ようやく老人保健法の改正によりまして訪問看護が導入され、そしてきょうここで訪問看護ステーションに関する法律案を討議することができるというのは非常に私は前進だというふうに評価しております。そして、それはまた従来の利用者の方からやってくるのを待っている、いわゆる待ちの機能に加えて、積極的に地域に出ていくという、そういう医療の機能が加わったということによって、日本の在宅ケアが新しい方向性を示すものだというふうにも評価しております。
 ところで大臣、大臣にお伺いさせていただきたいと思いますが、在宅ケアの重要性とそれを支える訪問看護の位置づけをどのように認識していらっしゃるのでございましょうか、御意見を承りたいと存じます。
#23
○国務大臣(丹羽雄哉君) 本格的な高齢化社会を目前に控えまして、お年寄りが介護を必要とする状態になってもできるだけその地において、生まれて生活をしていた地域において、住みなれた地域で家族の方々あるいは友人の方々と一緒に暮らしていただけるようにするということがお年寄り自身が強く望んでいることではないか、このように考えています。
 このため、政府におきましては、今世紀中に整備すべき目標といたしまして、いわゆるゴールドプランにおきましてホームヘルパーの増員、デイサービス事業の拡充等在宅ケアの充実を図ってまいりました。また、先ほどから御論議を賜っております平成四年度からスタートいたしました老人訪問看護制度は、いわゆる在宅の寝たきり老人に対して、看護婦さんなどが訪問をいたしまして介護に重点を置いた介護サービスを提供する、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、いわゆるホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス、これら在宅三本柱と言われておるわけでございますけれども、この在宅三本柱と車の両輪として今度のいわゆる訪問看護ステーション、これを位置づけておるわけでございます。いずれにいたしましても、このいわゆる融資制度を契機にいたしまして、一層在宅サービスの充実が図られるよう全力で頑張る決意でございます。
#24
○日下部禧代子君 ところで、在宅サービスを実効のあるものにするためには、多様な社会サービスが地域で有機的かつ包括的にネットワーク化されなければならないのは言うまでもないことでございます。特に、福祉と医療の連携というのは重要だというふうに先ほどの大浜先生の質疑の中にも出ておりました。
 しかしながら、現状では縦割りに分断されているわけでございます。それは社会サービスの体系というものが供給サイドによって決定されたからでございまして、これは利用者にとって不便であるばかりではなく、社会的経費が非常にかさむという点で、利用サイドの視点に立ったサービス体系の構築というものが絶対に必要だというふうに思うわけでございます。特に訪問看護事業につきましては、訪問して在宅介護事業を行うホームヘルパーさん、ホームヘルプ事業と密接に連携をとる必要があるというふうに思います。
 実際に私さまざまな御家庭を訪問しておりまして、在宅医療サービスが必要とされる方は当然のようにホームヘルプサービスを必要とされていらっしゃるわけでございます。それはお年寄り一人一人に合わせた福祉と保健医療の、そしてまた在宅サービスと施設サービスの青写真をつくり上げていくというふうなことでもあるというふうに思うわけでございます。
 そこで、質問をさせていただくわけでございますが、現在ございます在宅介護支援センターとそれから訪問看護ステーションとの相違、そしてその連携をどのように図るお考えでいらっしゃいましょうか。
#25
○政府委員(横尾和子君) 高齢になりまして介護が必要になった場合でもできるだけ家庭で療養できるようにしていくということを目標にするという意味では、在宅介護支援センターも訪問看護事
業も同じ目的を持って制度化されたものと認識をしております。
 そこで、老人訪問看護制度は具体的に訪問看護サービスを提供するものでありますし、一方、在宅介護支援センターは在宅で苦労をされている家族や御本人が身近なところで相談できる、また相談に基づいて市町村の窓口に行かなくても必要な保健サービスが受けられるように調整することができるというように、一時的な相談窓口と調整の役割を担っているというふうに考えております。
 したがいまして、御指摘のような総合的な高齢者保健福祉を実現していく上で、この在宅介護支援センターと老人訪問看護ステーションの連携が深められるということは極めて大切な御指摘であると考えております。
#26
○日下部禧代子君 それでは、具体的にいわゆる福祉と医療、もっと具体的に言いますと、一時的な相談の窓口、調整の窓口である支援センターと老人訪問看護ステーションとの連携を具体的にしていくためにはどうするのかということが問題になると思います。だれがコーディネートするのかということはこれは大変に重要なのではないか。必要であると言いましても、コーディネーターがいなければこれは具体化しないわけでございます。
 イギリスでは、御承知のように一九九〇年に成立いたしまして九一年から施行されましたナショナル・ヘルス・サービシィーズ・アンド・コミュニティー・ケア・ビルというのでは、今までのリエゾン・ナースとか、リエゾン・オフィサーと言われる役割を持っていたオフィサーの役割をさらに強化いたしまして、コミュニティーケアラー、ケアする人というふうな役割が新しい職種としてできたわけでございます。
 我が国でもこのようないわゆる専門のコーディネーター、さまざまな福祉サービスあるいはさまざまな医療サービスというもののメニューがだんだんそろってきております。それをより実効あるものにするためにはぜひそのようなコーディネーターというものも必要だというふうに思うわけでございますが、そのコーディネーターをこれからどのように、どのような場で設定していこうとしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#27
○政府委員(横尾和子君) イギリスの例をお引きくださいましたが、私ども現在進めております老人保健福祉計画の中では、日本的な社会での対応として、ある特定の人に取りまとめの責任を集中するよりは、現在の状態では多くの関係者の方々がそれぞれ御自分の立場に立って連携を深めていただくことが重要なのではないか、そういう考え方を基本として施策を進めているところでございます。
 具体的に申し上げますと、市町村に置きました高齢者サービス調整チーム、これを活用させていただきますとともに、先ほど申し上げました在宅介護支援センターの役割を地域の計画の中で十分位置づけていきたいと考えております。
 また、この訪問看護ステーションとの関連を申し上げますと、現在市町村で進められております老人保健福祉計画におきまして、訪問看護事業につきましてもその役割を位置づけるようにと指導をしているところでございます。
#28
○日下部禧代子君 いろいろなサービスのメニューがそろってはきているわけでございますが、それは結構でございますが、それだけにやはりそれがばらばらに運用されていくということでは利用する側にとっては非常にこれは不自由でございます。窓口がたくさんあるばかりになってしまいます。したがって、どこの場でそれを総合的にネットワーク化していく一番基本的な場にしようとなさっているのかということをお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(横尾和子君) 地域の中でさまざまな資源ができていくわけでございますが、第一義的には在宅介護支援センターがその役割を担っていくように整備を進めてまいりたいと考えております。
#30
○日下部禧代子君 今私が申し上げました点は、もう十分に御承知のことだと思っておりますので、より実効あるものに、そして包括的有機的なネットワークが地域でできるような手だてをぜひ具体的に進めていただきたいというふうに強く要望しておきます。
 次に、老人訪問看護という言葉は、これは高齢者だけに限られるということではございましょうけれども、実際に家庭訪問などをしておりますと、もう少し低い年齢の方々でも在宅医療サービスを必要としている方が非常に多く見られるわけでございます。ここでいわゆる難病や重い障害を持った方などの訪問看護制度、その対象の枠、年齢制限というものをもう少し緩和するということはできないのでございましょうか。
#31
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問看護制度は、高齢者の保健、医療、福祉のあり方を検討してまいりました中におきまして、特に今後大変ニーズが増大をされる在宅の高齢者ということに着目をいたしますと、従来行われてまいりました保健医療機関からの寝たきり老人訪問看護指導ということだけではなくて、新しい施策が必要ではないかということで制度化をされたという経緯がございます。
 それに対しまして、若い方々につきましては既に保健医療機関からの訪問看護でありますとか訪問リハビリテーションという制度があるわけでございまして、これで対応が可能ではないかというふうに考えております。
#32
○日下部禧代子君 それでは次に、訪問看護ステーションの整備の問題について質問いたします。
 ところで、訪問看護事業、現在ステーションの数はどのくらいでございましょうか。私がいただいております資料によりますと、平成四年十二月末現在でございますが、百四十三。この数字でよろしゅうございますか。
#33
○政府委員(横尾和子君) 新しく平成五年一月末で集計ができておりますのでその数字を申し上げますと、合計が百五十四カ所になっております。
#34
○日下部禧代子君 私、その平成五年一月の新しい資料を持ち合わせておりませんので、平成四年十二月末の資料で質問させていただきますけれども、かなり地域によって設置状況にばらつきがあるように思うのでございます。
 例えば、これは新しい資料じゃなくて大変申しわけございませんけれども、北海道はかなりございますようですが、ほとんどが札幌市に集中しているとか、あるいはまだまだ全く設置されていない県も多数ございます。
 このような設置状況のばらつきというのはどういうところに原因しているのだというふうに厚生省は受けとめていらっしゃるのでございましょうか。
#35
○政府委員(横尾和子君) 新しい数字で申しましても、先生御指摘のありましたような傾向はなお引き続いておりまして、全く看護ステーションのない県が神奈川県、富山県、滋賀県、和歌山県の四県ございます。
 こうしたばらつきの理由でございますが、まだそれぞれどういう理由なのかということが私どもも把握できておりませんで、関係市町村に対しまして設置を促進するように指示をいたしますとともに、実情を調べてみたいと考えております。
#36
○日下部禧代子君 早急にその実情と、そして強力に支援をするといいましょうか、設置を促進するということを強く要望しておきます。
 ところで、この訪問看護ステーションの整備目標は、これは一九九九年までに五千ということでよろしゅうございますか。
#37
○政府委員(横尾和子君) おおむね五千カ所の整備を目標としております。
#38
○日下部禧代子君 では、五千カ所というその根拠をお尋ねいたします。
#39
○政府委員(横尾和子君) これは二〇〇〇年の要介護老人を百万人と見ておりまして、この制度発足前にモデル事業で訪問看護事業をやっておりましたときの実績等を勘案いたしまして、またそれぞれの地域配分等を総合的に勘案して五千カ所と
いう目標を定めさせていただいたところでございます。
#40
○日下部禧代子君 在宅介護支援センターのように中学校区に一カ所、一万というふうな数は全くお考えの中にはないのでございましょうか。実績が百五十四ということでは、いかにスタートしたばかりとはいえ、非常に心もとないというふうに思うわけでございます。
 ですから、今回の融資制度創設以外にも、もっと強力な強化策をとるべきであるというふうに私主張だけさせていただきまして、次の質問に移りたいと思います。
 ところで、訪問看護ステーションの整備目標には年次計画がございますか。
#41
○政府委員(横尾和子君) 年次計画は持っておりません。
#42
○日下部禧代子君 では、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、ゴールドプランには位置づけられておりますか。
#43
○政府委員(横尾和子君) ゴールドプランの項目としては位置づけておりませんが、現在進められております市町村の老人保健福祉計画の中では位置づけるように指導をしておりまして、実態的には同様の効果が期待できるのではないかと考えております。
#44
○日下部禧代子君 例えば、都道府県福祉人材情報センターとか福祉人材バンク、介護実習・普及センターというふうにゴールドプランの中に途中から位置づけられたものもあるわけでございますね。なぜ年次計画がなく、なぜゴールドプランの中に位置づけられていないのでしょうか。
#45
○政府委員(横尾和子君) 介護実習・普及センターなどにつきましては、ゴールドプランそのものではなくて、ゴールドプランの基盤的な事業という形で位置づけております。そういう意味で、老人訪問看護事業はマンパワーの確保事業等基盤的な事業とはやや性質を異にしているというふうに考えております。
#46
○日下部禧代子君 ここでゴールドプランの進捗状況にちょっと触れておきたいと思うんですけれども、例えばホームヘルパー制度につきましては、平成三年度末で予算の四万九百五人に対しまして実績が四万八千五百九十一人というふうに進んでいるように見えますが、これは非常勤職員が多いのではないかなというふうに存じております。
 それから、特別養護老人ホーム、これは十八万二千十九ベッド予算に対しまして十八万六千二百六十七ベッド、比較的これは進んでいるように見えるわけでございます。
 ところが、老人保健施設は六万九千八百十一ベッドに対しまして五万六千二百三十八ベッド、これは多いとは言えません。
 また、ケアハウスに至りましては、――済みません、ケアハウスの予算の目標は……。
#47
○政府委員(横尾和子君) ケアハウスの整備状況は、予算が四千七百に対しまして実績二千五百二十でございます。
#48
○日下部禧代子君 どうもありがとうございます。
 さらに、在宅介護支援センターは七百カ所に対して四百カ所ということで、先ほど大臣はゴールドプランは着実に進捗しているというふうにおっしゃっておりましたけれども、確かに着実に進んでいるものもございますが、多くは着実に進んでいるとは言えないのが実態ではないかというふうに思うわけでございます。
 ここで、大臣にお尋ねしたいと思いますが、いわゆるゴールドプラン、高齢者保健福祉推進十カ年戦略をさらに強力なものにするために、年次計画を設定し、おくれているものにはさらに強力な推進策を講じ、そして訪問看護ステーションなど新規の項目を加えて抜本的に見直すべきではないかというふうに思うわけです。どんな計画でも、見直すことというのは、時代は変わっていくわけでございます、状況も変わります、見直すということは必要でございますが、このことにつきましての大臣の御見解を承りたいと思います。
#49
○国務大臣(丹羽雄哉君) 十カ年戦略の推進に当たりましては、国民の皆さん方のニーズや事業の進捗状況などを十分に勘案しながら毎年度ごとに予算編成においてきめ細かく事業量を設定をいたしまして、そして何よりも、実施主体がいわゆる各自治体でございますので、各自治体の御理解を得て柔軟的に事業の着実な推進を図っていくことが適当だろう、このように考えております。
 十カ年戦略そのものを見直すことよりも、今置かれているような状況でございますので、さまざまな工夫を行いながら現在の計画を着実に実現していくことがまず先決だろう、このように考えております。
 それから、訪問看護事業でございますけれども、医師による訪問診察とともに、在宅サービスを進める上で大変これから中心的な施策であります。御案内のように、これはモデル事業そのものが平成二年度まで実施しておりまして、四年度からスタートした、こういうことでゴールドプランには位置づけなかったわけでございますけれども、この問題につきましては、将来の検討課題にさせていただきたい、このように考えております。
#50
○日下部禧代子君 この訪問看護ステーションの事業をより実効あるものにするためには、やはりゴールドプランの中に位置づけて、そしてゴールドプランも年次計画というものをきちんとつくるべきだというふうに思います。ぜひ御検討をお願いいたしたいと思います。
 大臣のお答えを前向きな御検討の姿勢がおありになるというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#51
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今もちょっと申し上げたわけでございますが、あくまでもこれの実施主体というのは地方自治体でございますので、その辺のところを年次ごとに計画をつくってやっていくということが果たして適当なのかどうかということでございます。
 先ほどから先生のお話がございましたような、例えば新しい施設であります在宅介護支援センターであるとか、あるいはケアハウスなどは平成元年度に創設されたものであります。老人福祉計画というのは、最終的に平成五年度じゅうにつくっていただくわけでございますので、そういうものを見きわめた上で柔軟的にやっていった方がより私は現実的ではないか、このように考えております。
#52
○日下部禧代子君 訪問看護ステーションをぜひともゴールドプランの中に位置づけて、より実効あるものにするという御意向が強くおありになるというふうに私は解釈させていただきまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 この訪問看護ステーションの設置、それから訪問看護制度というものが創設されたということは、在宅ケア利用者のクオリティー・オブ・ライフ、つまり生活の質の重視ということと同時に、看護職の独立性に配慮したものだというふうに私は受けとめております。
 ところで、現在設置されております百五十四の老人訪問看護ステーションの設置主体はどのようになっておりますか。
#53
○政府委員(横尾和子君) 六割が医療法人でございます。残りは、医師会一二%、社会福祉法人力%、市町村六%、看護協会五%等でございます。
#54
○日下部禧代子君 今の御答弁をお聞きしておりますと、看護協会五%ということでございまして、非常に看護協会、看護婦さんたちがなさっているのが少ない割合でございます。
 そうなりますと、看護職の独立を支援するというふうな、そしてまた、この訪問看護ステーションの創設の目的、看護職の独立性に配慮したものだというふうな観点から見ますと、この数字を片のように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
#55
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護ステーションは、設置主体のいかんにかかわらず看護婦さんに新しい活躍の場を広げた制度であると私ども老妻
ておりまして、実際に、設置主体のいかんにかかわらず大変活躍をしていただいているというふうに認識をしております。
#56
○日下部禧代子君 それでは、少し具体的なイメージがわきますような御質問をさせていただきたいと思うんですが、もし何人かの看護婦さんが訪問看護ステーションを設立したいというふうに思われたとします。一体どのような手続をしてその設置をスタートさせればよろしいのか、指示をする医師との連携、地域との連携、そういったことも含めまして、具体的なイメージをお聞かせいただければと思います。
#57
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問事業を行うことができる者は、老人保健法の規定によりまして、「地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生大臣が定める者」とされておりまして、この「その他厚生大臣が定める者」という中に、例えて申しますと、日本看護協会、これは各支部も含まれておりますし、日本医師会、都道府県、郡市町村単位の医師会、あるいは厚生連等の協同組合が掲げられているわけでございます。したがいまして、個人はこの中に含まれておりませんので^看護婦さんが事業をなさる場合には、この中のいずれかの形態をおとりいただくことが必要だと存じます。
 この指定の申請を行われる場合には、必要な書類を整えていただきまして、都道府県に御相談をいただくようなこととなっております。
#58
○日下部禧代子君 これまでいわゆる訪問看護サービスというのは、制度はございませんが、志のある医療機関が実施はされていたわけでございます。そういう訪問看護というものは、指導だけではなくなさっていたわけでございますが、これは、従来のいわゆる病院からスタートして医療機関が独自に行っておりました訪問看護サービスと、これからの訪問看護ステーションからの訪問看護サービスとはどのような違いがございますか、それともこれは全く同じような形になるわけでございますか、その辺のところをお知らせいただければと思います。
#59
○政府委員(横尾和子君) 従来からとお話しいただきましたのは、病院が派遣をいたします寝たきり老人訪問看護指導といったものだと理解をいたしますが、これは医療機関の外来診療の一環として実施をされるものでございます。したがいまして、こちらは診療報酬の請求の対象ということでございます。これに対しまして、新しく設けられました老人訪問看護は、かかりつけの医師の指示書に基づきまして療養費の形で行われる事業と理解しております。
 そこで行われます看護の内容も、前者の方は、例えば病院からの退院直後で病状が比較的不安定な患者さん、あるいは医療的な補助がより色濃く必要な方々が実態としては多くなってくるのではないか。これに対しまして、老人訪問看護の方は介護に重点が置かれた看護というふうに考えておりますので、実際の運用もそういったサービスが主力になっているものと理解をしております。
#60
○日下部禧代子君 それでは、もう少し具体的に、訪問看護ステーションの訪問看護婦さんの業務内容あるいは医師の指示による医療的処置の内容というのは今どういうものを実態としてとらえられていらっしゃいますか。
#61
○政府委員(横尾和子君) 具体的に内容を申し上げますと、患者のかかりつけの医師の指示に基づき行われるわけですが、この医師の指示とは、医師が訪問看護ステーションに対して月に一回包括的な内容で指示書を出すことになっております。指示書を受けました訪問看護ステーションは、幾つかの例を申し上げますと、病状観察、清拭、洗髪、褥瘡の処置、体位交換、カテーテル等の管理、リハビリテーション、食事、排泄の介助、そして家族の介護指導等が含まれております。
#62
○日下部禧代子君 わかりました。
 それで、いわゆる訪問看護婦さんとそれから病院や施設に勤務する看護婦さんとの割合というのはどのような割合というふうに目標を立てていらっしゃるのでしょうか。
 数年前でございますが、私がヨーロッパの看護婦さんたちの世界的なお集まりの中に伺ったときには、多くの欧米諸国では大体四割強が訪問看護婦さんでございました。そういう数字を聞きまして非常に私は日本との違いに驚いたわけでございますが、我が国の場合にはこれからどのような割合の目標を設定していらっしゃるのでございましょうか。
#63
○政府委員(横尾和子君) 看護婦さん全体の問題の前に、この訪問看護ステーションの整備に伴いましてこうした事業に携わる看護婦数について申し上げますと、訪問看護ステーションでは、先ほど来申し上げております五千カ所ということを目標にいたしますと、常勤換算でございますが、約一万六千人の看護婦さんが必要でございます。それ以外に、例えば市町村が訪問指導されるというようなことも含めまして約二万人がこういった訪問看護事業に携わるものと想定をしております。
#64
○日下部禧代子君 これが十分であるかどうかということは、またこれからさまざまな現状と兼ね合わせた目標数が改められるというふうにとらえていてよろしゅうございますか。
#65
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護ステーションの数はおおよそ五千というふうに申し上げましたので、地域の実情に応じまして非常に需要が多ければそれぞれ充実が図られていき、場合によってはより多くの看護婦さんを要するということになろうかと思いますが、当面は約二万ということを想定いたしまして、看護婦さんの需給計画の中にも織り込んでいるところでございます。
#66
○日下部禧代子君 それから、訪問看護ステーションを利用する側という立場から考えますと、やはり幾つかの問題点があると思います。一つは利用する側の意見がどのように反映されるかということでございます。
 例えば、アメリカではVNA、これはビジティング・ナース・アソシエーションというふうに言ってもいいと思いますが、訪問看護協会の最高議決機関として、住民代表で構成される理事会がございますことはもう御承知だと思います。日本で訪問看護ステーションあるいは訪問看護というものをさらに充実する、そしてまた、訪問看護ステーションを運営するに当たって住民の声、そして利用者の声を聞くための場をどのように設ける御計画がございましょうか、あるいは全然そのような場を設定なさるという御計画はございませんでしょうか。
#67
○政府委員(横尾和子君) 恐縮ですが、私はそのアメリカの例を存じませんのでございますが、医療全般に言えることと存じますけれども、患者さんと医療に携わる方との信頼関係というのはサービスの基本にあるべきものだと承知をしております。特に、訪問看護ステーションの場合はまさに地域に密着した運営が必要でございますので、それぞれの施設、事業者がそうした制度の趣旨を踏まえて対応していただくことを期待しておるところでございます。
#68
○日下部禧代子君 これはサービスを供給するサイドだけで運営されるのではなく、もう一方の主役であるサービスを利用する立場の意見がぜひ反映されるステーション運営ということを強く要望いたしまして、その場が設定されることを切望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 また一方で考えますと、利用したいという方々がどこでどのようにインフォメーションをもらえるのか、どこでどのように受け付けられるのか。そしてまた、ステーションを運営する側からいっても、利用者の掘り起こしということ、これは非常に重要なことではないかというふうに思います。やはり日本では申請主義でございますね、これはかかりつけのお医者様からの紹介だけということになるのでございましょうか。
 そういった点、手続の問題、そしてまたいかにして、訪問看護サービスを普及させるためにどのようなPR、情報提供をなさっていこうとしていらっしゃるのか、今なさっているのか、お尋ねいたします。
#69
○政府委員(横尾和子君) まず、御質問に対して逆の方からお答えを申し上げますと、PRにつきましては、この訪問看護ステーションの趣旨、利用方法についてのパンフレットを近々作成いたしまして、関係者に配布をするということを予定しております。
 それから、具体的な利用の方法でございますが、通例はかかりつけの開業医から紹介をされるということが多いかと存じますが、訪問看護ステーションに御相談がありましたときにも、そこを出発点といたしまして御利用の方法あるいはかかりつけのお医者さんをお持ちになることをお勧めするなどの方法によって、利用者の声を受けとめて具体的なサービスにつなげるようにしていきたいと考えております。
#70
○日下部禧代子君 先ほどの介護支援センターからの紹介ということもあるわけでございますか。
#71
○政府委員(横尾和子君) そういうことも十分考えられます。
#72
○日下部禧代子君 それでは、これはさまざまな他の福祉サービスにも言えることでございますが、とにかく我が国の申請のための手続というのは非常に煩雑でございます。これは私が社労委員会で第一回目に質問させていただいて、早速改定をしていただきましたような介護ヘルパーの申請のフォームの問題もございますので、ぜひとも手続の簡素化ということも強く要望しておきたいと思います。
 次に、訪問看護ステーションの設置費用について質問をいたします。
 訪問看護ステーションのうち厚生省が把握する中で最大規模の人員構成及び平均的な人員構成というのはどのようになっておりますか。
#73
○政府委員(横尾和子君) 一番大きいものが、常勤換算にいたしまして六人というのが現在のところ三カ所ございます。その六人の三カ所の施設につきまして、常勤はそれぞれ二人、四人、六人というのが状況でございます。平均的に見ますと、常勤換算で三人以上四人未満というステーションが全体の約半数を占めているところでございます。
#74
○日下部禧代子君 それでは、訪問看護ステーションを一カ所整備するのに費用はどのくらいかかるというふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。これは都市型あるいは郊外とかさまざまな地域によってかなり違ってくるとは存じますが、いかがでございましょうか。
#75
○政府委員(横尾和子君) 昨年の十月に十八の老人訪問看護ステーションを対象に行いました調査がございます。これによりますと、事務所設置費、備品等のいわゆる開設資金は平均で二百九十三万円でありました。また、人件費等の運転資金は平均で百二十七万円でありまして、開設時には合計をいたしまして五百万円弱の資金が必要になるものと思われます。
 サンプルが少ないので都市型、郊外型で分けるには不十分かと思っております。
#76
○日下部禧代子君 それでは、ステーション整備の費用負担というのを、設置者、地方公共団体、国というふうに考えられますが、これは費用負担の割合というのはどうなんですか。

#77
○政府委員(横尾和子君) ステーションの整備はすべて設置者負担になっております。

#78
○日下部禧代子君 国庫補助というのは検討なさいませんでしょうか。
#79
○政府委員(横尾和子君) 現在のところ国庫補助は検討しておりません。今回御提案を申し上げました低利融資というような形で円滑な事業運営が図られるものと考えております。
#80
○日下部禧代子君 しかしながら、今五百万円でスタートなさったという実例を伺ったわけでございますが、やはり事務所の購入、それから電話あるいはポケットベルの設置、ファクシミリ、それから訪問看護対象者の自動安全装置からの通報を受信する装置だとか、戸棚とかロッカーとか机、いす、テーブル、そしてまた、近距離でございましたら自転車で訪問看護なさるかもわかりません、その自転車。あるいはまたバイクかもわからない、自動車かもわからない。そういったもの。そしてパンフレット、記録の用紙、それから医学会へ出席をして勉強もしなきゃならないでしょう。
 そういったさまざまな費用ということを考えますと、かなりの額がまだまだこれは必要とされるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#81
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問看護ステーションも老人医療の一環であるという点から考えますと、通常の診療所の開設についてもその設備の資金と申しますのは全体としての診療報酬の中で考慮をするという基本的なスタンスがございます。そういう意味で、この訪問看護ステーションにつきましても療養費の対応の中でそれを含めて考えていくということを基本にさせていただいておりますが、税制の面あるいはこうした御提案を申し上げております融資の面では医療機関とこれもまた同様の扱いを講じているところでございます。
#82
○日下部禧代子君 訪問看護ステーション整備に社会福祉・医療事業団の融資はどのくらいを考えていらっしゃるのでしょうか。
 私の持っております数字でございますと、建築資金百万円、その他八百万円というふうにございますけれども、建築資金百万円というのは、「敷金を含む」というふうになっておりますが、建築ということを百万円でどういう建築ができるのでございましょうか。これ非常にイメージがわかないのでございますが、この点につきましての御説明を承りたいと思います。
#83
○政府委員(寺松尚君) 社会福祉医療・事業団の医療貸し付けにつきましてでございますけれども、平成五年度におきましては総額で千三百八十億円の貸し付け契約額を見込んでいるわけでございまして、老人訪問看護ステーションに対します融資につきましてもこの中で対応していこう、こう考えております。
 今先生御指摘の老人訪問看護ステーションでございますが、これは先ほどから老人保健福祉局長が申し上げておりますように、開設に際しまして大きな金額は必要としないというような調査結果等もございまして、私どもそれを参考にいたしまして、今回の制度の創設につきまして先生今御指摘のようないわゆる貸付限度額は所要資金の八〇%以内で八百万円以内、こういうふうに置いたわけでございます。
#84
○日下部禧代子君 もう一度お聞きいたしますが、「建築費金百万円、(敷金を含む)」というのは、これはどういう根拠でこのように出ているのですか。百万円でどういう建築ができますか。
#85
○政府委員(寺松尚君) 建築して大きなビルをつくったり、老人保健施設という施設だとかあるいは診療所をつくるというわけではございませんで、老人訪問看護ステーションというのは恐らくどこかのビルの一室を借りるとか、そういうような形ではないかと思いますし、それに伴います改装費だとかそういうふうなものではないか、先ほどの調査の結果等からも大きな建築を要するというようなものではないというふうに聞いておるわけでございます。
#86
○日下部禧代子君 だったならば、これは建築資金という言葉ではなく、今お答えになりましたような言葉に改めた方がよろしいんじゃないんですか。そして、それ以外に建築資金という形の項目を設けるべきではないでしょうか。
#87
○政府委員(寺松尚君) 今先生がおっしゃっておりますように建築資金というと何か大げさなように聞こえますけれども、一応便宜的な言葉でございまして、私が申し上げたようなことで、まあそれを建築資金と呼んでおる、こういうわけでございます。
#88
○日下部禧代子君 診療所、薬局あるいは助産所でございますか、これは建築資金は四億円といろふうになっております。余りにも差があり過ぎるというふうに思います。例えば薬局とか診療所もマンションの一室でもできると私は思うんですけれども、いかがですか。
#89
○政府委員(寺松尚君) いろいろとお話が出ておりますけれども、診療所もいろいろございます。いわゆるビルの中でビル診という形でおやりになる方もございましょうし、大きな二月建ちの診療所を構えられるという場合もございますので、最高限度額でございますから、それはそれぞれのケースによって違うんではないかと存じます。
#90
○日下部禧代子君 余りの差がありまして、これではなかなか訪問看護ステーションを創設しようという意欲がわかないのではないでしょうか。四億円というのと百万円というのはこれはけた違いということでございますけれども。
#91
○政府委員(寺松尚君) 先生今せっかくの御指摘でございますけれども、先ほども申し上げました、いろいろと訪問看護のステーションの実態を見てみますと、そういう大きなものはないわけでございまして、私どもその辺の実態を把握いたしました上で、せいぜい、常勤職員が六人とかというようなものでございますから、しかもほとんどは訪問看護というサービスをやることになるわけでございまして、そこの場でもって訪問看護自身のサービスを行うわけではございませんので、その辺で御理解をいただきたいと存じます。
#92
○日下部禧代子君 いずれにいたしましても、もう少しの増額ということを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 ところで、次は運営費用につきましてでございますが、運営に要する費用につきまして、平均的な訪問看護ステーションでの収支はどのようになっておりますでしょうか。何人の看護婦さんで、OT、PT、そして事務職員がいらして、その人件費、それで利用者は何人ぐらい、そしてどのくらいの時間でどのくらいの訪問回数というふうな、具体的な例でお答えいただければと存じます。
#93
○政府委員(横尾和子君) 制度発足後間もないことでもありますので、発足後の収支状況は把握するに至っておりません。
 この療養費を設定をいたします前提といたしましては、訪問看護ステーションが大体四十人程度の利用者がいらっしゃるということを想定して設定をしたところでございます。
#94
○日下部禧代子君 訪問回数と、それから時間はどのようになりますか。
#95
○政府委員(横尾和子君) 療養費設定の前提といたしましては、利用者四十人、一人につき月に四回訪問をするということを考えております。
#96
○日下部禧代子君 時間は一回につきどのくらいでございますか。
#97
○政府委員(横尾和子君) 一回一時間半を前提としております。
#98
○日下部禧代子君 細かいことになりますが、この一時間半というのは、やはり自転車だとかバイクだとか自動車だとか、そういったお時間ですか、それとも実際に処置をなさる時間でございますか。
#99
○政府委員(横尾和子君) 家の中でサービスを提供する時間を一時間半と見ております。
#100
○日下部禧代子君 そういたしますと、月四回の場合、基本療養費というのは四千七百円掛ける四回、そして管理療養費が一万百六十円というふうな計算でよろしいわけですか。
#101
○政府委員(横尾和子君) そのとおりでございます。
#102
○日下部禧代子君 この老人訪問基本療養費の積算根拠はどういうところにございますか。
#103
○政府委員(横尾和子君) 今申し上げましたことは中医協の御審議の中で定まってきたことでございますが、その前提として、それまで行われておりましたモデル事業の実情を踏まえて、勘案いたしまして決めたものでございます。そのモデル事業の標準的なステーションの姿と申しますのが、先ほど来申し上げているような状況でございます。
#104
○日下部禧代子君 やはりこれは都心と郊外、そしてまた過疎地ということでさまざまに違ってくるかと思います。つまり、実際に処置を行うお宅に伺うまでの時間、そういうことを換算していきますと、それはかなりいろいろと違ってくるのではないかというふうに思うわけであります。そうしますと、ここで収支ということもかなり差が出てくるんではないでしょうか。その点はどのようにとらえていらっしゃいますか。
#105
○政府委員(横尾和子君) 診療報酬あるいは療養費につきましては、現在の体系は地域差というのを考慮しないで一つの標準的なものを想定してその水準を定めてきていることでございますので、先生御指摘のように、地域によっては不十分なものがあろうかと思いますが、これは制度のこれまでの仕組みの上でやむを得ないものと私どもは考えております。
#106
○日下部禧代子君 やむを得ないと思われると大変に困るわけでございまして、サービスを利用したいという人はどこに住んでいてもそれは公平にサービスを利用できるようにするのがやっぱり国の立場だというふうに思うわけです。
 特に過疎地にいらっしゃる方、そこでひとり住まいをしていらっしゃる、あるいはお年寄り御夫婦だけでという方は過疎地ほど多いように思うわけでございます。そうした場合にこそ、訪問看護サービスというのを必要とされるのではないかと思いますが、そういうケースにつきましての特別な措置ということはお考えになっていらっしゃいませんか。
#107
○政府委員(横尾和子君) 過疎地の医療問題というのはまた特別なものがあるというふうに思っておりますが、それはまた医療全体の中で考えていくべきものでございまして、特にこの老人訪問看護事業だけを取り上げて対応するのは実際の制度の仕組みの上からも大変困難ではないかというふうに考えております。
#108
○日下部禧代子君 さらに、先ほど私最初に申し上げましたように、かなり濃厚な医療処置を必要とするような方々が在宅でございます。そうしますと、処置に非常に時間がかかる場合が多くなってまいりますと、訪問の回数、件数でございますね、これもかなり減ってきて、したがって収支が苦しくなるということもこれから十分に考えられるのではないかと思います。したがいまして、もう少し訪問看護管理療養費というものの改善ということは全く考えられないのでございますか。
#109
○政府委員(横尾和子君) ただいまの御指摘は大変重要な問題を含んでおりまして、老人訪問看護事業の目的といたしますもの自身が、非常に医療的なものを色濃く持つ方々の看護というよりも寝たきりの状態にある老人、またそれに準ずる状態にある老人であって比較的病状が安定しているという方々に対しまして、介護に重点を置いた看護のサービスを行う、これを制度の主眼点にしておりますので、やはりそのことを想定した療養費の水準になっているということをぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#110
○日下部禧代子君 実際を見ておりますと、いわゆる社会的入院というものがございますが、あちらこちらの病院をたらい回しされたあげくに、体じゅうチューブだらけで退院をして、在宅で御家族が全くどうしようというふうな形で困っていらっしゃる、そういう実例を私数多く見ておりますので、指導だけではなく、いわゆる訪問看護が充実していくということはもう非常にこれは私は重要なことだと思います。そのためにも、費用の面、管理療養費というものをやはりもっともっと改善していくというふうなことがどうしても必要になってくるのではないかと思います。その点を強く要望いたします。
 次の質問に移ります。
 訪問看護ステーションの看護婦さんでございますが、常勤、非常勤の割合は、把握なさっているだけでも結構でございますので、一体どのようになっていらっしゃいますか。そして、常勤の方と非常勤の場合の給与はそれぞれどのくらいの違いがあるのでございましょうか。そしてまた、訪問看護ステーションの看護婦さんの給与というのは、病院、診療所勤務の看護婦さんとどのような格差がございますか。
#111
○政府委員(横尾和子君) これまでに指定をしました訪問看護ステーションの申請時のデータで見ますと、全体の五五%が常勤者という数字になっております。
 賃金の格差等については、資料の性格上把握しておりません。
#112
○日下部禧代子君 平均の賃金というのはお持ちでいらっしゃいますか。
#113
○政府委員(横尾和子君) 先ほど申しました数字は、実は申請のときの書類から把握をしたものでございまして、賃金等については把握をしておりません。
#114
○日下部禧代子君 これは先ほどの大浜委員の御質問の中にございましたけれども、魅力ある場にするためには、やはり賃金、看護婦さんの待遇、処遇の問題というのは非常に大きいというふうに思うわけでございます。そういう魅力ある場でなければ、潜在看護婦さんがまた職場につこう、訪問看護ステーションで働こうというそういう意欲をお持ちにはならないだろうと思うんです。
 せっかく訪問看護ステーションを創設し、そして四十二万を超えるという潜在看護婦さんの持っていらっしゃる能力、技能そして意欲というものを生かそうという、そういう御希望を生かすためにも、訪問看護ステーションで働くということが本当に魅力ある職場になる、そのためにもやはり給与の問題というのは非常に重要だと思いますが、いかがでございますか。
#115
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護ステーションに働く看護婦さんの給与水準につきましては、それぞれの事業者が地域の実情等を勘案されて具体的にお決めになるべきものというふうに考えておりますが、こうした事業にかかわっていただく看護婦さんがふえるということは非常に大切でございますので、将来の問題ではございますが、経営状況を見ながら療養費のあり方については検討させていただくことになると考えております。
#116
○日下部禧代子君 それでは、大臣にお伺いしたいと思いますが、看護婦さん不足ということはもう本当に叫ばれて久しいわけでございまして、そのための人材確保法などもつくられたわけでございます。私ただいま申し上げましたように、潜在看護婦さん、せっかくのそういう資格をお持ちになっていらして、そして看護婦さんとして働きたいという意欲を持ち続けていらっしゃる、しかしながら、御自分の働きたいという意欲にもかかわらずやめざるを得なかった、そういう看護婦さんたちがたくさんいらっしゃることは、もう大臣よく御存じのとおりだと思います。
 そういう方々が、今度訪問看護ステーションの創設によりまして、本当に御自分の御希望に沿った形で働くことができるように、そういうふうな看護婦さんたちを確保するためにどのような手だてを考えていらっしゃるのか、その辺のところを、抜本的な対策ということも含めましてぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
#117
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま先生からの御指摘がございましたように、訪問看護に従事する職員につきましては、看護経験が大変豊かである、しかし夜勤ができない、家庭を持っている、こういうような方々がたくさんいらっしゃるわけであります。先生からも御指摘ございましたけれども、潜在看護婦職員というのが四十四万人いるということであります。こういう方々を活用するという方針のもとに、訪問看護婦の養成講習会等を開催いたしましてその確保にこれまで努めてきておるわけであります。
 先ほどからお話が出ておりますけれども、この訪問看護ステーションでございますが、まだ残念ながら百五十四カ所でございます。これを平成十二年までに五千カ所の設置を目標にして今後いろいろな施策を講じていくわけでございますけれども、看護職員につきましても、先ほど老人保健福祉局長からもお話がございましたけれども、三人か四人ということで、一万六千人から二万人を確保することを目標にしておるわけであります。
 いずれにいたしましても、今後とも訪問看護婦を初め必要な看護婦職員の確保が図れるよう人材確保法並びに基本指針に沿いまして、看護職員の確保の対策を進めていきたい。
 それから、先ほどから御指摘がございました訪問看護のいわゆる療養費の額でございますけれども、中医協の場で十分に御検討を賜りたい、このように考えておるような次第でございます。
#118
○日下部禧代子君 訪問看護の指定の要件につきましては、昨年二月二十九日、厚生省令第三号の指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準というのがございます。これを見直すおつもりはないのでございましょうか。
 第二条では、看護婦さんが二・五人以上、OT、PT適当数というふうになっておりますけれども、これではどうも私は配置基準というものが非常に薄いのではないか。二十四時間体制でいつでもどこでも訪問看護が利用できるというそういうステーションでなければ、利用する側にとっても余りこれは需要が出てこないのではないか。
 これは、デンマークなんかの例でも、幾つかの調査を見ておりますけれども、やはり夜間でも訪問看護してもらえる、二十四時間してもらえる。実際にはそういう例はそれほどはないそうなんでございますが、そういう保障、そういう安心があるという制度に切りかえてから訪問看護に対するニーズが非常に高まったということを私は聞き及んでいるわけでございます。
 そうなりますと、看護婦さんのみならず、PT、OTも含めまして、この基準では非常にまだこれは足りないのではないかというふうに思うわけでございます。特に、コメディカルスタッフの種類、人数というものの基準を見直すべきではないかというふうに思いますけれども、その点いかがでございますか。
#119
○政府委員(横尾和子君) この人員及び運営に関する基準でございますが、その基準を策定するに際しまして、私どもはこの新しい施策がなるべくたくさん地域に整備されるようにということで、最低限必要な最低限の基準として設定をさせていただきました。
 したがいまして、これで各地で訪問看護事業を始めていただきまして、地域の方の利用がふえていくという中で、それぞれ地域の実情に合って増員をしていただくことはできるわけでございまして、私どもは今のところはこの基準で、まず数をふやし利用をふやす中で人員がふえていくことを期待しているところでございます。
#120
○日下部禧代子君 訪問看護ステーションというのは、まさにこれは福祉と医療の連携の場でもあるというふうに思います。したがいまして、医療サービスの従事者だけではなく、福祉の方面のホームヘルパーさん、そういった方々をも含めたいわゆるチームになる、そういうことがやはり実効を上げていくことの前提ではないかというふうに思います。これは厚生省の権限でおできになることでございますので、ぜひともその点を強く要望させていただきたいと思います。
 次に訪問看護推進の方策の一つとしてお聞きしたいのでございますが、在宅で介護、看護をお受けになるお年寄りの楽しみの一つは食べること、食事だというふうに思います。しかしながら、歯が悪くなってしまったのではその楽しみもなくなってしまいます。厚生省も八〇二〇運動などをやっていらっしゃるわけでございまして、歯の健康というのはこれからますます必要になってくるのだろうと思うわけでございますが、その中で歯科衛生士の役割も非常に大きくなっていくだろうと思います。
 私は、訪問看護制度というのは、看護職主体の、独立採算性を初めとして、既存の医療制度を見直す画期的な出来事だったというふうに高く評価しておりますが、これは歯科衛生の分野でも同じような現象が起こりつつあると私は思っております。例えば、昨年三月には歯科衛生士の全国統一国家試験が実施されましたし、四月の診療報酬改定による歯科保健指導や弗化物局所応用への保険点数の導入というふうな変化も出てきております。
 こういう中で、歯科衛生士が訪問して歯科保健指導を行うことができるように、この訪問看護の対象になるように指定基準の中に歯科衛生士を加えるということはお考えになっていらっしゃいませんでしょうか。
#121
○政府委員(横尾和子君) 歯科衛生指導につきましては、既にヘルス事業で市町村が行っております事業の中で歯科衛生士さんが寝たきり老人等を訪問して指導することが認められておりますので、それでおっしゃるように食べることの楽しみを確保するための一つの支援が行われているというふうに考えております。この訪問看護事業の中に加えることは考えておりません。
#122
○日下部禧代子君 私の知人の中にも歯科衛生士をやっている方々がいらっしゃいますが、この訪問看護ステーションができることによって、自分たちのお仕事がこの訪問看護指導という中にも入れられると、どんなに自分たちの生きがいがまたさらに強まることだろうというふうなお話を私個人的にも何人かから承っているわけでございます。現在、歯科衛生士の方々は本当にそういう意欲的な方々が多いにもかかわらず、実際おやめになっていらっしゃる方々も多いというふうに承っておりますが、この点、指定基準の中に加えるということは全く考慮されないのか、もう一度お伺いしたいと思います。
#123
○政府委員(横尾和子君) この訪問看護制度というのは看護のサービスを行うということをねらいとしておりますので、制度の目的からいたしまして歯科衛生士さんのいわゆる保健指導に類するものはなかなか困難ではないかというふうに思っております。先ほど申し上げましたヘルス事業の中で御活躍をいただけることを期待したいと存じます。
#124
○日下部禧代子君 歯科衛生士さんが、やはり医師の指導、指示のもとではございますが、看護職の方と同じように独立した形での活動ができる場をもっとふやすというふうなお考えは全くございませんでしょうか。
#125
○政府委員(横尾和子君) 歯科衛生士さんの業務範囲については、関係身分法との関連もありますので、検討させていただかないとなかなかこの場でお答えがしにくい部分でございます。
#126
○日下部禧代子君 意欲ある歯科衛生士さんがもっともっと活動ができるように、ぜひともその活動の場を、そしてまた独立した活動の場を持てるように、そのことを強く要望いたしておきたいと思います。
 ところで、PT、OTを初めとしてコメディカルスタッフの重要性ということはもう本当に叫ばれてから久しいわけでございまして、私も前回、国立病院の村松病院の例を引きまして御質問させていただいております。いわゆるリハビリテーションということがその病院の特色でありながら、開設以来PT、OTが一人もいないという非常に信じられないような現状がございました。これから訪問看護ステーションにもPT、OTなどコメディカルスタッフを配置するということでございますが、この人材養成の実態はどのようになっておりますか。PT、OTなどコメディカルスタッフが本当に厚生省がお考えになるようにきちんと配置できるというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#127
○政府委員(寺松尚君) 今先生が御指摘のいわゆるコメディカルスタッフでございますけれども、その中で理学療法士、作業療法士につきましては、従来から需給計画を策定いたしておりまして、その養成確保を進めているところでございます。
 平成五年の四月一日現在の状況をちょっと御説明いたしますと、理学療法士の養成施設数は五十九カ所ございまして、入学定員数は千八百十五人であります。作業療法士の方は養成施設数が四十三カ所でございますが、入学定員数は千百二十五人でございます。
 私どもの需給計画で大体想定しておりますのは、平成十一年におきまして理学療法士は需要が二万三千八百人ぐらい要るだろう、それから作業療法士は一万五千八百人ぐらい必要だ、こういうわけでございますが、先ほど申し上げました計画によりまして養成いたしますと、平成十一年におきましては理学療法士は二万四千二百人で需要よりも少し超えるという状況でございます。それから作業療法士もほぼ需要数を満足いたしまして、一万五千六百人というふうなことに相なるというわけでございます。
#128
○日下部禧代子君 平成十一年にはそのようになるというふうにおっしゃいますけれども、現状におきましてはもう本当に圧倒的に少ないわけでございまして、現状をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。訪問看護ステーションで実際にOT、PTはどのように今配置されている現状にございますか。
#129
○政府委員(寺松尚君) 今私ども需給計画をつくりまして養成数をふやそうとしておりますのは、やはり不足しておるということから考えておるわけでございます。したがいまして、鋭意その養成箇所数をふやし、定員をふやしていくということがこれから望まれるわけでございます。
 今私訪問看護のステーションにおきましてどの程度いるのか数字を持っておりません。したがいましてちょっとお答えができないわけでございます。
#130
○日下部禧代子君 先ほど訪問看護ステーションのサンプル、実例幾つかございましたね。その人員配置の中でPT、OTはどのようになっておりますか。
#131
○政府委員(横尾和子君) PT、OTについて把握しておりませんが、恐縮ですが感じで申し上げますと、常勤の方はいらっしゃらないという実情だと思います。
#132
○日下部禧代子君 PT、OTをせっかく配置基準の中で指定されていらっしゃるわけでございますから、これは必要とする患者さんたちは平成十一年までは待てないわけでございます。ぜひとも早急にその対策を講じていただきたいというふうに思います。
 そのために社会福祉・医療事業団の融資事業ということをもっと拡大して、コメディカルスタッフの養成のためのメニューというものをもっと充実させるということは考えられないわけでございましょうか。
#133
○政府委員(寺松尚君) ちょっと現状からまず申し上げたいと思いますが、社会福祉・医療事業団の医療貸し付けにおきましては、医療従事者養成施設に対します貸付制度がございます。例えば理学療法士、作業療法士、看護婦、臨床工学技士等の養成施設でございます。これらの施設に制します融資内容につきましては、私ども漸次メニューの拡大とか融資条件の改善を行ってきておりまして、必要な医療従事者の確保が図られるよう今後も努力してまいる所存でございます。
#134
○日下部禧代子君 ぜひともよろしくお願いいたします。
 次に、社会福祉施設、医療施設の建築単価についてお伺いいたします。
 大都市部では障害者とか高齢者が社会福祉施設にお入りになることができずに遠くの県に措置されているという場合が非常に多いわけでございますけれども、この点、社会福祉施設や医療施設の建設につきまして、そういった現実に合わせて、あるいはまた私が再々申し上げておりますように、二人部屋あるいは個室というものを進めるためにも、国庫補助単価というものを私は引き上げるべきだというふうに思うわけでございますし、社会福祉・医療事業団の融資枠の拡大あるいは返済条件の緩和というものも図るべきだと思いますが、この点いかがでございましょうか。
#135
○政府委員(土井豊君) まず社会福祉施設の関係から申し上げますと、従来、毎年度の予算におきまして単価の改善を行っておりまして、本年度予算では二%程度引き上げをしております。特に、御指摘がありました都市部におきましてはこれが追いつかないという事情もございますので、都市部の割り増し加算を拡充しておりまして、例えばゴールドプランの関係施設等につきましては一
〇%の単価の上乗せをするというようなことをやっておりますし、その他の施設につきましても五%の上乗せを行うというような、都市部の実情に応じた対応をしております。
 それから、事業団の融資でございますけれども、国庫補助基準の一五%の上乗せということをやっておりまして、それと同時に政策的な低利融資というようなことをあわせ行いまして施設の整備を進めているところでございます。
 御指摘がありました個室化の進展の問題でございますけれども、御案内のとおり二人部屋あるいは個室化の推進ということでございまして、そのための無利子融資期間の適用等の優遇措置を講じているところでございます。
 なおまた、医療施設の問題でございますけれども、療養型病床群を有する病院に対する貸付限度につきましては他の病院よりかは引き上げるというような特別の措置を講じておりまして、今後ともできるだけの努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#136
○日下部禧代子君 都市部から、自分の家族から離れて、全く自分の知らない土地の施設に入所なさるという件数はどのように把握していらっしゃいますか。例えば、東京の方が全然もう遠くの方の県の施設に入所なさるというふうな場合ですね。東京都の持っている施設がよその県にあるというふうな、そのような件数はどのように把握していらっしゃいますか。
#137
○政府委員(土井豊君) 福祉施設全般についてのお話だと思いますけれども、今先生がお話しのようなケースがあるということは私どもも聞いておりますが、現在その状況についてここにデータを持っておりませんので、後ほどまた調べましてお伝え申し上げたいと思います。
#138
○日下部禧代子君 ぜひそれは実態を調査して、結果をお知らせいただきたいというふうに思います。
 それからまた、以後この補助単価の引き上げということを毎年考えていらっしゃるというふうに承ってよろしゅうございますね。
#139
○政府委員(土井豊君) 建設単価につきましては、いろんな施設の建設単価の実態というものの中で、予算案におきまして毎年度とういう単価を設定して御提案をするかということを決めておりますので、そういう形で今後とも努力してまいりたいと思っております。
#140
○日下部禧代子君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、長寿社会福祉基金についてお尋ねしたいと思います。
 長寿社会福祉基金の平成元年度から現在までの運用益は幾らになっておりますか。そしてその使途はどのようになっているのか、まずお伺いいたします。
#141
○政府委員(土井豊君) 平成二年度が三十七億円、平成三年度が四十六億円、平成四年度が四十一億円、平成五年度はまだ見通してございますけれども、金利が低くなっておりますので、約三十六億円程度ではないかというふうに見込んでおります。
 具体的な運用例でございますけれども、高齢者、障害者の総合的在宅福祉事業という柱で幾つかのものに対する支援を行っております。それから、二番目の柱が高齢者、障害者の生きがい健康づくり事業、三番目が広報事業等というこの三つの柱のもとに、いろんな先駆的な事業等々を対象にして補助を行っているという状況になっております。
#142
○日下部禧代子君 では、その配分先の事業に対する評価はどのようになっておりますか。
#143
○政府委員(土井豊君) 事業でございますけれども、事業団におきまして有識者で構成をします業務運営委員会というものを設けておりまして、その委員会で毎年度具体的に御検討をいただきまして、その委員会の審議を参考にして最終的な助成先を決定するということになっております。なお、私どもにおきましても、事業団の事業計画を認可するに当たりまして、配分が適切であるかどうかということを常に審査しているところでございます。
 なお、具体的な事業の評価等の問題でございますけれども、事業団の中にそのような組織が設けられておりまして、事業のいろんな完了報告あるいは実施結果の評価等々について担当をしておるところでございますが、そういう評価等の重要性にかんがみまして、ことしから内部の体制も強化をしているということでございます。
#144
○日下部禧代子君 配分の決定あるいは成果の評価というふうなことに関して、これは公表をされているわけでございますか。
#145
○政府委員(土井豊君) 時に公表はしていないと思います。
#146
○日下部禧代子君 そういう要望はございますか。
#147
○政府委員(土井豊君) いろんな事業がございまして、調査研究というような事業もありますれば、ラジオ、テレビによるいろんな広報活動、啓発というような事業、あるいはまた在宅福祉事業といったようなものに対する実際の事業の実施等いろんな種類の事業がございますので、評価、公表というものになじむようなもの、あるいはテレビのPR広告といったようなものはちょっとなじみにくいというような側面もありますので、今御指摘をいただいた点につきましては少し勉強させていただきたいと思います。
#148
○日下部禧代子君 どのように使い道が、配分が決定されていくのかというそのプロセス、そういったものを知るということも私ども大変に必要なのではないかと思います。大体、国のやっていることはわけがわからないというのが一般の国民の皆さんがおっしゃることでございまして、やはりこれからは、長寿社会福祉基金も例外ではなく国民に見えるようなそういう御努力をぜひさらにやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 ところで、この報告書の中に福祉公社が行う在宅福祉の支援という項目がございます。先日、私は生活協同組合などの行うデイサービス事業に関して質問させていただきましたけれども、そういう協同組合などが行うデイサービス事業というのは対象にはならないのでございましょうかり
#149
○政府委員(土井豊君) 生活協同組合がお話のようなデイサービス事業を行う場合に補助対象になるかという点でございますが、これは対象としていないということでございます。私ども、生活協同組合が行う事業でありましても若干先駆的な事業については助成を行った事例はございますが、今お話しのようなものについてはなじまないのではないかと考えております。
#150
○日下部禧代子君 なじまない理由はどういうことですか。
#151
○政府委員(土井豊君) いろんな事業につきまして一定の基準を設けておりまして、新しい試み、先駆的な事業とかモデル的な事業、そういったものについては助成対象として取り扱うということにいたしておりまして、一般的に既に普及されている事業、それをいろんな事業主体がやるという場合に助成するということは考えていないということでございます。
#152
○日下部禧代子君 その先駆的、モデル的というのはどういうことを意味するのでございましょうか。
 例えば、生活協同組合が組合員ではない方々を対象にして一生懸命に先駆的に事業をやっていらっしゃるわけですね。そうした場合には、これはまさに先駆的というふうに言っていいんじゃないか。ところが、現在でございますと、これは会員にならなければならないということで、せっかく会員ではない市民の方々を対象にしているにもかかわらず、そういう先駆的なことをしているにもかかわらず対象にならないということは非常に不思議な気がいたしますが、その今おっしゃいましたいわゆる先駆的、モデル的ということをもう少し具体的に解説してください。
#153
○政府委員(土井豊君) 生活協同組合について新しい試みという点では先駆的かもわかりませんけ
れども、ある事業がその地域において既にいろんな実施主体から実施されているというような場合に、それを先駆的、モデル的と言うかどうかという点では消極的に取り扱っているというのを申し上げたつもりでございます。
 ただ、これまでも、生活協同組合の高齢者等に対する食事サービスモデル事業といったようなものを、平成四年度でございますけれども補助対象にしたことがございますし、また同じく在宅福祉コーディネーター等の研修事業というのを行っておりまして、これは助成対象にしております。したがって、生活協同組合がやる事業の中で、その事業が一般的に助成事業としてふさわしいかどうかということを、先ほど申しました委員会でよく御議論をいただいて決めているということでございまして、決して生活協同組合だから除くとかなんとかという趣旨で申しているのではございません。
 また、先ほど言いましたいろんな在宅福祉サービス事業でも、一般的に既にやっているものについては御遠慮いただくけれども、新しい試みという形で中身の新しいものは対象として考えていくということではなかろうかと思います。
#154
○日下部禧代子君 せっかく社会福祉・医療事業団が独自の基金で行うわけでございますから、国庫補助が出ていないところに手厚く配分するということが必要なのではないかと思いますが、こういう考え方についてどうお思いになりますか。
#155
○政府委員(土井豊君) 基本的には同感でございまして、国庫補助の出ていない事業に対して助成をするという趣旨であろうと私どもも考えております。
 ただ、全体的には基金額が昭和六十三年度と平成元年度の補正でお認めいただきました七百億ということで、その利子につきましては、その年によって多少違いますけれども四十億前後という規模でございますので、おのずから限界があるというふうに考えております。
#156
○日下部禧代子君 少ししつこいのでございますけれども、どのようなものが先駆的、モデル的だというふうにお考えでいらっしゃいますか。その例を幾つか挙げていただきたいと思います。
#157
○政府委員(土井豊君) 恐縮でございます。ちょっと読ませていただきますと、地域福祉公社、ボランティア等が行う在宅福祉事業の支援という中身でございますが、在宅福祉等に関するモデル事業、民間シルバーサービスの評価研究、ボランティア活動用車両等の貸与等先駆的、モデル的事業を支援するということでございまして、具体的に何がモデル価であり、何が先駆的であるかということにつきましては、先ほど言いました委員会でよく御議論いただくということでございまして、したがってそういう意味では、先ほど来お話がありました生協の事業はそういう事業ではないのではないかということを申し上げているつもりなんでございます。
#158
○日下部禧代子君 私は、何も今生協だけにこだわらず、本当にこれこそモデル的、先駆的だというふうにお思いになった例があれば、いろいろと参考にしていきたいと思うので、読み上げるのではなく、御自身でどういうのがモデル的、先駆的だというふうにお考えになっているのか、御示唆をいただきたいと思いまして御質問したわけでございます。
 これは、私、今まで御一緒に現場でいろいろな活動をやってきた多くの市民団体の方々との接触もございますので、そういった方々に示唆を与える意味で、こういうのはいいのではないかというのをぜひとも幾つか例示していただきたいというふうに思います。
#159
○政府委員(土井豊君) 生活協同組合の食事サービスモデル事業ということで、平成四年度に私どもが認めた事業の内容を申し上げますと、組合員のボランティア活動を活用し、対象者のニーズに即した会食型、それから個配型、これは個別配食という意味だと思いますが、これらの事業の随意提供を見ました生協に見合う食事サービスをモデル的に実施するというような内容のものでございまして、その中身は、要するに今のボランティア活動というようなもの、食事の会食型と配食型と両方ありますけれども、それを組み合わせたもの、そういったものを生活協同組合の地域活動としてやろうという場合にこれを対象にしたというケースでございます。
#160
○日下部禧代子君 それはその辺で、またもっともっと先駆的、モデル的な例を私どももつくりまして、これはいかがでございましょうかというふうにこれから持ってまいりますので、またそのときにはよろしくお願いいたします。
 次に、この基金の運用益を福祉という分野に限ることなく、退職した方々の人材の再確保のためにも、例えば看護婦さんや保健婦さん、歯科衛生士などコメディカルスタッフが自発的に地域で行う事業、研究事業、研修事業あるいはまた学会に出席する、そういったことなどに配分できないかということでございます。
 これだけ介護が非常に重要だと言われております。そして、実際にそういうお仕事に携わりたいというふうに思っていらっしゃる方々、そういった方々がやっぱり研修に行かねばならない、しかしながらやはり費用がなかなか出せないということもございます。それからまた、自分たちがそれこそモデル的あるいは先駆的な事業を始めたいというふうにお思いになるかもわからない、そういったことにこの基金の運用益というものを使う、そういうところに配分するというふうなことはいかがお考えでいらっしゃいますか。
#161
○政府委員(土井豊君) ただいまお話がありました保健婦さんなどが地域で行う研究、研修等の事業でございましても、その事業が高齢者、障害者の在宅福祉サービス等に密接に関連を持っておって、そして、これもまたなかなか内容が抽象的だと言われると思いますが、先駆性でありますとか、全国的展開の可能性等に照らして適当であるというふうに認められる場合には助成の対象となり得ると考えております。
 こうした観点から、従来、在宅ケアに従事する看護婦の確保のための研修でありますとか、あるいは在宅ケアのための潜在看護婦さん等の確保に関する調査研究等に対して助成を行った事例もございます。
 なお、お話がありました学会への出席旅費といったようなものは、これは事柄の性格上、難しいというふうに思います。
#162
○日下部禧代子君 例えば、潜在看護婦さんでいらっしゃる方、あるいは保健婦さんであった方、歯科衛生士といった方、その有志が何かこの地域で福祉活動をしようと、事業を始めたいというふうなときには、具体的にはどのようなことからスタートさせればよろしいわけでしょうか。どこにどのように言っていってこの基金の運用益を配分していただくということが可能になるわけでございますか。
#163
○政府委員(土井豊君) いろいろ個別具体のケースがあるのかと思いますけれども、どういうケースなのかということをお話しいただきまして、私どもの方の実際の運用基準に照らしてそれが対象となり得るものであるかどうか、一度よくまたお話を聞かしていただいて、検討させていただければと思います。
#164
○日下部禧代子君 それでは、個々に対応していただくということで受けとめさせていただきたいと思います。
 ところで、時間もなくなってまいりましたが、いわゆる在宅サービス、在宅福祉、そして在宅医療サービス、両方とも在宅ということの流れというのは、もうこれはどなたも否定するわけにいかないというふうに思います。地域で、家族のもとで障害を持った方も、そしてお年を召した方も、御自分の人生を、自立した人生をそこで過ごしたいというふうな自然な皆様方の願いというものを実現させていかなければならないと思うわけでございますが、それはどなたも否定なさることではないと思います。しかし、そういう方々が安心して地域でお過ごしになることができるためには、やはり福祉と医療が分断されているのではそう
いった安心して、そして十分なサービスを利用するというところにはいかないのではないかと思います。
 ここで、今までの議論をお聞きくださいました大臣に、締めくくりの意味を込めましてお伺いしたいと思います。
 福祉と医療を初めといたしまして、さまざまな福祉サービス、医療サービス、そして在宅サービス、施設サービスの連携、これをどのように連携させていくのか。その重要性、必要性ということは、これはもう私が改めて言うことではないと思いますけれども、その具体的な方策についてどうお考えになっていらっしゃるのか。また、この訪問看護をより実効性あるものにするために、これに対する社会福祉・医療事業団の融資の拡大、そしてまた老人訪問看護療養費の増額ということが私は緊急の課題ではないかと思っております。
 それをぜひ実現するためにも、大臣の御決意を承りまして、質問を終わりたいと思います。
#165
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今後の本格的な高齢化社会に向けまして、医療、福祉、保健、この三つを連携をとりながら、高齢者の方々のそれぞれの心身の状態と申しますか、特性と申しますか、そういうものに応じたサービスを提供していくことが何よりも大切だと、まずこのように考えております。
 先ほどから御指摘いただいておりますように、平成五年度から都道府県あるいは市町村において老人保健福祉計画というものが策定されることになっておるわけでございます。これによって、住民に最も身近な市町村において保健、福祉、医療サービス、こういうものがきめ細かく一元的に、今お話がございました一元的に窓口を一つにして計画的に提供されるという体制ができ、まずお年寄りがどこへ行ったらこういうような福祉のサービスを受けられるとか、さらに、症状が悪化して医療のサービスを受けられるとか、こういうようなことを今後十分に協議していきたい、このように考えているような次第であります。
 それから、老人訪問看護ステーションに対する件でございますが、融資のことにつきましては先ほど健康政策局長から御答弁申し上げましたように、私どもは、四人から六人ぐらいのスタッフで運営をするということで、そう大がかりなものを考えておるわけでございません。余り大がかりなものを考えますと採算も合わないわけでございますので、その辺のところから十分に御理解を賜りたいと思っております。
 それからもう一つ、今度は老人訪問看護療養費の額でございますけれども、これにつきましては中医協の場で御検討を賜る、こういうことを先ほど来申し上げておったわけでございます。ちょっと補足して余計なことかもしれませんけれども、七千二百四十円が療養費でありまして、それから一部負担と申しますか自己負担でございますが、これが一回につき二百五十円と設定されたわけでありますが、これはお年寄りの方が医療機関にかかりますと一カ月千円かかる、そういうことで四回ということからバランス的に考えてこういうような額を設定させていただいたわけでございます。
 いずれにいたしましても、この老人訪問看護ステーションというのは、先ほどから申し上げておりますように、いわゆる在宅三本柱とともに今後の在宅ケアの柱となるわけでございますので、関係市町村の御理解を賜りながら、ひとつ一層の充実に向けて努力をしていく決意でございます。
#166
○日下部禧代子君 ありがとうございました。終わります。
#167
○委員長(細谷昭雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
#168
○横尾和伸君 今回の法改正の趣旨を改めて大臣にお伺いしたいと思います。
#169
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の指定老人訪問看護事業は、在宅に対する適切なケア体制の確立のために平成四年度から正式にスタートいたしました事業でございますけれども、在宅ケアといたしましては、先ほどから申し上げておりますが、ショートステイ、デイサービス、ホームヘルパー、この三本柱と相まちまして車の両輪として一層普及させていかなければならない、このように考えているわけであります。
 そして、今回の改正案は、新たに創設された指定老人訪問看護事業を社会福祉・医療事業団及び沖縄振興開発金融公庫による低利の融資の対象に加えることによって、同事業の一層の推進を図り、こういうものがより普及しやすいような環境づくりをしていくものであります。
#170
○横尾和伸君 より有利な融資条件の道が開かれたという位置づけなんだと思いますけれども、その具体的な融資条件について、整理して御説明いただきたいと思います。
#171
○政府委員(寺松尚君) 今、先生御質問の具体的な融資条件等でございますけれども、今回創設されます融資制度の貸付対象といたしましては、法律で規定されております医療法人のほかに、社会福祉法人、医師会、看護協会等を想定いたしております。
 次に、貸付限度額でございますが、所要資金の八〇%以内で八百万円以下とし、その使途は、先ほどいろいろ御質問がございましたが、建築資金が百万円以内、機械購入資金が二百万円以内、長期運転資金が五百万円以内とすることを考えております。利率につきましては、老人保健施設と同率の低い利率とすることを考えております。
 次に、償還期限でございますけれども、建築資金が七年以内、機械購入資金が五年以内、長期運転資金が三年以内としまして、据え置き期間を建築資金につきましては一年以内、機械購入資金と長期運転資金につきましては六カ月以内、こういうふうに考えております。
#172
○横尾和伸君 額が小さいとはいえ、特に償還期限が大変に短いという印象を受けます。もともと組織が小さいということも考えれば、規模が小さいからといってそれだけを軽く見るわけにはいかないという気がします。訪問看護ステーションの実態として今百五十幾つかしかない。これをこの五、六年の間に、具体的には平成十一年でしょうか、五千までふやしていくという目標を持っているわけです。これは大変なことだと思うんですけれども、そういう観点からすると、事業団の融資枠、融資条件をもっと改善をすべきではないか、こう思うんです。新しい融資の道を開こうとしているスタート時点からこう言うのもなんですけれども、やはり少し長期的な意味で今後もっと努力をしていくという方向がないのかどうか、お伺いいたします。
#173
○政府委員(寺松尚君) 先生、特に今回の老人訪問看護ステーションにつきましての御質問でございますので、それに絞ってお答えをしたいと思います。
 老人訪問看護ステーションに対します融資条件につきましては、社会福祉・医療事業団の医療貸付制度の中で、老人保健施設という一番低い率が設定されておりますなど極めて優遇されておるものと考えておるわけであります。しかしながら、融資を受けられる方が非常に弱小の方々が多いということもございますし、事業も円滑に実施しなければならないということもございますので、私どもは無理のない返済が可能になるものと考えておりますけれども、また今後ともその辺を頭に入れながら様子を見守りたいと考えております。
#174
○横尾和伸君 ぜひともこのステーションの円滑な増加といいますか普及が図られるように、よく実態を見て、今後さらに条件の改善等を図っていただきたいと思います。要望しておきます。
 そして、今回の改正による融資に関連しまして、官民の役割についてお伺いしたいと思います。
#175
○政府委員(寺松尚君) この老人訪問看護ステーションというのは、利用者の生命、健康にかかわ
るサービスを提供する極めて公共性の高いものだ、こういうふうに思いますので、その経営は健全かつ安定的でなければならぬということがまず要請されるわけでございます。また、営利法人につきましては指定を行わないということにいたしておりますため、資金調達面におきまして他の事業に比べますと不利な状況にございます。したがいまして、民間の金融機関からの借り入れは非常に困難ではないかと思っておるわけでございます。今回の法改正によりまして、財投資金を活用して社会福祉・医療事業団の低利融資の対象に加えたところでありますが、今後とも社会福祉・医療事業団において公的な政策融資によりまして支援してまいりたい、このように思います。
#176
○横尾和伸君 先ほど既に質問されている部分もございますが、在宅福祉サービスと訪問看護との連携を図るということが、これから効果といいますか、内容的には一番大切なことになるのではないかと思います。そういった観点から、この訪問看護と在宅福祉サービス等との連携、総合的なケアシステムの構築について確かな展望が必要だと思うんです。
 先ほど来のお答えの一部には、在宅サービス調整チームでしょうか、もし言葉が違っていたら訂正いただきたいと思いますが、そういったコーディネート機能を在宅サービス調整チームのようなものにゆだねる、あるいはそういう役割を持たせるという御説明だったかと思いますけれども、そのサービス調整チームというのは実態はどのようなものなのか、それから数の上ではどのくらい機能しているのか、その点についてお伺いいたします。
#177
○政府委員(横尾和子君) 医療と福祉の連携の方策でございますが、私ども、この訪問看護事業を発足させるに当たりまして、従来の福祉計画絡みの事業との連携について三つの点で連携が図られるように施策を進めてまいりたいと考えております。
 第一は、御質問のありました高齢者サービス調整チームでございまして、これの概要については後ほど御説明を申し上げます。第二は、地域の老人保健福祉計画の中にこの訪問看護事業も織り込んで策定をするということを指導している点でございます。第三は、患者さんの了解を得た上のことでございますが、療養費の中に、訪問看護ステーションがしかるべき福祉サービスが必要であると判断されたときに、市町村に対しましてその状況を知らせる場合について情報の提供関係費用を織り込んでいるというような体制をとっているわけでございます。この三つの点を活用していただいて、何とか地域における医療と福祉の一体的なサービスの展開ができるようにと望んでいるところでございます。
 さて、そのサービス調整チームの設置状況でございますが、全国で三千百三十市町村、九六%において設置されているところでございます。
#178
○横尾和伸君 老人訪問看護ステーションは、先ほど来出ておりますけれども、平成五年一月末現在で百五十四カ所、政府が目標としているのは平成十一年に全国で五千カ所という計画であるわけです。このために今回の措置もあるのだと思いますが、先ほど来融資条件についてお話をいただいておりますけれども、実際に五千カ所まで達成できるかどうかという非常に難しい問題を抱えております。
 このできるかどうかということを踏まえて、先ほど来の融資条件だけではなくて、ほかに財政的な支援策も含め、広い観点から訪問看護ステーションの設置促進のための方策をお伺いしたいと思います。少し長期的に広い観点からのお考えを伺いたいと思います。
#179
○政府委員(横尾和子君) この訪問看護事業を発足するに当たりまして、療養費を設定いたしますとともに、既に税制面についてかなり詳細な手当てを済ませております。概算経費率の問題でありますとか事業税の問題あるいは消費税上の取り扱いについて、これまでの医療機関と同様の扱いがされるように手当てを済ませているところでございます。
 また、これからの運営については、先ほど来特別の補助等の御提案がございましたけれども、私どもは、基本的には訪問看護事業というのは療養費と利用料というものの中で運営をしていただくべきものと考えておりまして、療養費につきましては、今後経営状況等調査をいたしまして適切な運営ができる水準が維持できるよう中医協にも御相談をしてまいりたいと存じております。
#180
○横尾和伸君 この問題につきましては、政府のお考えとしては今回の措置で五千カ所までできる、こういう自信を持っておられるのか、あるいは、とりあえずこの点について一歩でも前進するということで措置をとられた案なのか、そのどちらなのかお考えを伺いたいと思います。
#181
○政府委員(横尾和子君) おおよそ五千カ所という数字は、将来の寝たきりの高齢者の数等を勘案して定めた目標数値でございます。その数を実現するにはこれからもさまざまな努力をしなければならない、こう考えております。関係者の御理解、地域の御理解、そして経営状況を安定させるための施策等々これからも努力をすべきものと考えております。
#182
○横尾和伸君 これからもぜひとも努力をしていただきたいと思います。
 我が公明党では、昨年の八月に、老人訪問看護制度の第一号として昨年の四月一日からスタートした大崎訪問看護ステーションを訪ねました。そこで具体的に強く要請されたことは、ステーション開設時に国からの助成金や補助金がどうしても不可欠である、こういう生の声、指摘だったわけです。
 先ほど来出ている件ではありますけれども、この点について、介護関係の施設については老人保健施設にしても特別擁護老人ホームにしても開設時にはいろいろな形で助成金や交付金が受けられるようになっております。老人訪問看護ステーションを初めとする医療関係施設については今回の改正がなされても事業団からの低利融資の道しか用意されていないということになりますけれども、私は老人訪問看護ステーションに対しては、今後さらに在宅ケアということを進めるという観点、またその重みを増していかなければいけないという観点から、さらに飛躍的な展開が必要である、こう考えます。そういう観点からぜひとも施設整備の補助を創設すべきであると思うんですけれども、政府のお考えをお伺いします。
#183
○政府委員(横尾和子君) 福祉関係の国の補助のあり方は、基本的に、施設を整備することについては別枠の整備をいたしまして、運営費については施設整備費とは別に年々の運営に要する費用を補助する、そしてまたその施設の設置につきましても一定枠を認可にかかわらしめるというような形の中で動いているわけでございます。これに対しまして、医療関係につきましては、その施設整備も含めまして診療報酬ないし療養費で対応していくという基本的な考え方の相違を持った二つのシステムでございまして、この訪問看護事業の方は従来の医療関係への支払いという枠の中で工夫をしてきたところでございますので、なかなか補助制度を福祉関係と同様に行うということについてはにわかには難しいのではないかというふうに考えております。
#184
○横尾和伸君 次に、同じ訪問看護ステーションでも、僻地、過疎地といいますか、そういったところに集中的な努力をしないとこれから大変地域偏在が進むのではないかということがもう今から十分予想されるわけです。訪問看護は言うまでもなく国民がひとしくそのサービスを受ける機会を与えられることが必要であります。その意味からも適正な配置は極めて重要なわけです。
 この点につきましては、先ほど既に問われている点もありますが、しかしそのときに言われたのは、今後調査をしてということだったかと思います。実は、調査をするほど実例があるのかどうかというのも心配ですし、むしろスタート時点でそれなりに調査がなくても、調査をすることがいけないわけではありません、調査に時間をかけると
いうことでなければ調査があった方がいいわけですけれども、そういった実態を踏まえて、あるいは問題を先取りして具体的な方策をもっと進めるべきではないか。例えば考えられることは、過疎地で問題なのは、交通の問題というのは恐らく調査しなくてもある程度わかると思います。交通費などは患者といいますか在宅のケアを受ける方が持つということになりますけれども、過疎地で何時間もかかるようなところを想定しますと、その費用というのは患者さんが二百五十円払うというのとちょっとけたが違ってくるんじゃないか。しかし、このサービスを国民全般に享受してもらうということを考えると、少なくとも交通の問題というのはかなりネックになると思います。そういう問題はそんなに調査をしなければわからないという問題ではないと思います。
 そういったことを踏まえて、ある程度骨子については過疎地に普及を図る、集中的な努力をするということは大変重要であるし、十分今でもできることだと思うんです。そういうことも踏まえまして、具体的な方策、ある意味ではスタート時点ですのでそれだけにやっぱりしっかりした方策を今の時点で持つことが大切だと思います。途中で変えるというのはなかなかできるものではないと思うんです。それだけ大事な時期での大事なお考えだと思うんですが、その点についてのお考えをお伺いいたします。
#185
○政府委員(横尾和子君) 過疎地の高齢者の方々の福祉医療をどういうふうに整えていくかというのは、都会とは違った困難を伴っている大変重要な課題だと認識をしております。そうしたことにこたえるために、今御提案がありましたような老人訪問看護ステーションの問題だけではなかなか工夫の余地が少ないように思っておりまして、せっかく老人保健福祉計画を立案をする時期になっておりますので、さまざまな社会資源を活田していただきまして、トータルな形で安心あるいは健康の維持といったことができるように対応すべきではなかろうかと私自身は考えております。その中で過疎地の市町村への財政的な負担への支援の方策等々は幅広に検討すべきものだというふうに思っておりますが、この訪問看護事業の枠の中で特別扱いをするというのは大変難しいと考えております。
#186
○横尾和伸君 難しいのは十分承知しているつもりですけれども、これは偏在が顕在化する、偏在がはっきりしたところでなかなかとりにくい対策だと思いますので、ぜひこの視点を忘れずにこれからも御努力をいただきたいと思います。
 次に、訪問看護のマンパワーの確保についてはこれまた大きな問題で、先ほどからの質問にもございました。特にこの点での研修制度について、その実態といいますか、どのようになっているのか、これをお伺いいたします。
#187
○政府委員(寺松尚君) 御質問の訪問看護に従事します職員の研修制度でございますが、それに従事いたします職員というのは、看護の実務経験と豊かな人生経験ということは持っていらっしゃるわけでございますが、家庭のいろいろな事情から夜勤ができないというような方々が多いのではないかというふうに思います。そういうふうな方々を潜在看護職員と呼んでいるわけでございますが、そういう方々を活用したい、このように考えておりまして、そこで、講習会あるいは研修会をやって資質の向上を図ろうということでございます。
 昭和六十三年度からでございますけれども、訪問看護婦養成講習会というのを開催いたしております。これは平成四年度からは各都道府県ナースセンターの事業として位置づけております。やっております中身でございますけれども、年二回、一回当たり二十日間、一回当たり対象数を二十人から三十人というふうなことでやっておりまして、これからいろいろと考えながらこの拡大を図っていかなければならないのではないかと思っております。
 また、質の高い訪問看護職員を確保するという目的から、平成三年度からでございますけれども、訪問看護婦養成指導者講習会、指導者の講習会を開催いたしております。中身といたしまして申し上げますと、年三回、一回当たり二週間、一回当たり対象者数は五十人ということでございます。
 今後とも、訪問看護婦を初め必要な看護職員の確保が図られますように、人材確保法と同法に基づきます基本指針というものを基盤といたしまして看護職員確保対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
#188
○横尾和伸君 その研修制度なんですが、現在の状況で十分だという御判断なのか、あるいは今後充実を図っていかなければならない課題を抱えているのか、そういった意味から今後の方策についてお伺いします。
#189
○政府委員(寺松尚君) この融資制度もそうでございますけれども、老人保健福祉計画等も策定されましてそういう老人の訪問看護ステーションができていきますと、それに従いまして訪問看護をやります看護職員が必要になってくるわけで、その増がまた予測されるわけでございます。それらに合わせまして私どもも養成といいましょうか研修を進めてまいりたい、このように考えております。
#190
○横尾和伸君 日本看護協会の要望書がございます。これによりますと、週二回以上の訪問看護を必要とする例がスタート当初から発生しているということです。一部の末期の悪性腫瘍というような特殊な場合を除いて一人について週二回を限度としている老人訪問看護療養費、この算定の回数制限を緩和してほしい、こういう内容でありますけれども、この点について厚生省の見解をお伺いいたします。
#191
○政府委員(横尾和子君) この制度の創設のねらいが、病状が安定期にある寝たきり老人等に対する訪問看護サービスである、またその訪問看護サービスの内容を訪問看護計画に沿って実施する、そして介護的色彩の強い看護サービスである、以上のような形で創設をしておりますので、週二回の範囲内で適切な時期を選んで看護が行われるというふうに私どもは考えているところでございます。
#192
○横尾和伸君 原則としての考え方はよくわかります。ただ、人間は生きているわけで、生きている人間はそう計算どおりにはいかない。いかない部分については我慢をしろと、こういうことになるわけでして、今後、実態に即した弾力的な部分というのは出てきてもいいんではないか、むしろそれを考えるのが行政の温かい心ではないか、こう思います。ぜひともこの場でお願いしておきます。
 次に、同じような観点なんですけれども、今度は逆に患者の病状の急変時などの場合に、同一日であっても二回の訪問が必要である、あるいは患者の重症度によってどうしても二名で訪問しなければいけない、そういったこともあるように聞いております。そういった場合に二名分の請求も認めるべきではないかという主張なんですが、厚生省はどうお考えになりますか。
#193
○政府委員(横尾和子君) 一日に数回にわたる訪問あるいは複数の看護婦さんによる訪問ということは、先ほど来申し上げております訪問看護がねらいとしております寝たきり老人の範囲、あるいは提供されるサービスの範囲をこれからどう拡大していくかという制度の目的にかかわる問題でございまして、今の制度の立て方からすれば現状の形で賄えるのではないかというふうに考えております。
#194
○横尾和伸君 老人訪問看護においてぜひ早急に解決すべきであると考えているもう一つの課題があります。それは老人訪問看護の対象年齢の問題なんです。
 現在、老人訪問看護制度を利用できる者は、七十歳以上のお年寄りかあるいは六十五歳以上の寝たきりのお年寄りに限られている。在宅で寝たきりとなって訪問看護の必要のある方もいっしゃるわけですけれども、年齢を問わずサービスが提供
されるのが訪問看護の望ましい姿ではないか、こう思うわけであります。
 現に、同じく老人保健法に基づく老人訪問看護の対象をこの年齢まで拡大している、具体的に言いますと、六十五歳と言わず四十歳以上を対象とするというふうに改正をしている自治体もあります。この年齢まで老人看護の対象を拡大して、年齢だけの機械的な判断ではなくて、実態に即した、現状に即した助ける手を差し伸べるということが必要だと思うんですけれども、そういった点から対象年齢をもっと引き下げるということについては今後どのようにお考えになっていくのか、お伺いいたします。
#195
○政府委員(横尾和子君) 従来から在宅の寝たきり等の高齢者の方々に対しまして保健医療機関から派遣をされます寝たきり訪問看護ということがあったわけでございます。これは現在も引き続きございます。そういうふうなもので運営をしてまいりましたけれども、今後の高齢者の増加あるいは高齢者のニーズといったものを考えていきますと、従来の保健医療機関からの訪問ということに加えて、新しい施策を展開しないとなかなかニーズにおこたえすることができないということで、こういった老人の特色を踏まえまして制度化が図られたという経緯があるわけでございます。
 これに対しまして、いわゆる若人と言われる方々につきましては、従来高齢者に対しましてありましたのとほぼ同様な趣旨から、既に保健医療機関から看護婦さん等が訪問されます訪問看護あるいはOT、PTが訪問する訪問リハビリテーションというのが診療報酬上手当てをされているわけでございまして、そちらの方で対応が可能なのではないかというふうに考えております。
#196
○横尾和伸君 この訪問看護ステーション事業については、利潤を第一とする民間事業者の参入を禁止している、スタート時点からそういうお約束だったかと思いますけれども、ただ、もう数年もするとこの参入を許すのではないかということを心配している関係者の皆さんもいらっしゃいます。私もそういう気がしないではない、これは私の主観ですけれども。
 そこで、民間事業者のステーション事業への参入について、訪問看護ステーション事業が少なくとも軌道に乗るまで最低認めるべきではないということですけれども、この法案が審議されたときにも約束されたように、当分の間民間事業者の参入を行わないということを再度ここで明言していただきたい、確認をしたい、こういうことですけれども、よろしくお願いします。
#197
○政府委員(横尾和子君) 制度発足後一年を経過いたしました現時点では、当面対象としないという方針を引き続き維持してまいりたいと考えております。
#198
○横尾和伸君 最後に、少し角度が変わりますけれども、社会福祉・医療事業団の仕事についてお伺いしたいと思うんです。
 病院経営の危機問題なんですが、この問題については、既に公明党としましてもこの一月に衆議院予算委員会で市川書記長が、また参議院では木庭議員が大臣に御質問をさせていただいております。
 大臣からは、病院経営の実態について早急に調査を行って夏までに結論をまとめるという御答弁をいただいているわけですけれども、この病院の危機に対処するために社会福祉・医療事業団においても新たな融資制度あるいは新たな支援策を講ずることはできないか、講ずる必要があるのではないか、こう私は考えているんですけれども、病院経営の危機問題についての実態調査が出次第、社会福祉・医療事業団において何ができるかについても前向きに検討を行っていただきたい。具体的には、来年度の予算編成までに何らかの処方せんを出していただきたい、こう考えているわけですけれども、最後に厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
#199
○国務大臣(丹羽雄哉君) 民間病院を含む医療機関は地域の医療の中核的な存在でございます。したがいまして、地域住民が良質な医療サービスを享受、受ける、こういう観点からも、いわゆる民間の医療機関の経営の健全化、安定化というものは大変重要なことである、このように私はまず認識をいたしております。
 私自身も、貴党の市川書記長あるいは木庭議員の御質問に対してお答えをしておるわけでございますけれども、現場の医療機関の生の声として、ここにきて大変最近は経営が厳しくなってきておる、こういうことを再三耳にいたしております。
 その原因というものがどこにあるのか、このことをつかまなければならない。看護婦さんが非常に逼迫しておる中において、看護婦さんを初めとする人件費のいわゆる高騰にあるのか。あるいは、最近はどこの民間の医療機関でも次々に開発されております高額の医療機器、こういうものを導入する傾向にあるわけでございます。こういうところにあるのか。あるいは、医療品の購入状況、いわゆる流通改善に伴いまして薬価の差益が縮小されて実勢に近くなってきておるわけであります。こういうところにあるのか。率直に実態を関係団体の協力を得まして調査いたしまして、今委員から御指摘がありましたように、夏ごろをめどにその調査の結果をまとめていきたいと思っております。
 また同時に、厚生省といたしまして、近く医療機関の経営健全化対策に関する検討会、こういうような検討会を設置いたしまして、この調査結果を参考にいたしまして、医療機関の経営の健全化のため、また、今御提案がございました社会福祉・医療事業団からの融資等を含めまして一体どのような具体的な対策が必要なのか、十分に検討を行いまして、いずれにいたしましても地域において良心的に地域医療のために従事していらっしゃる医療機関が今後とも健全に運営できるような方策を講じていく決意であります。
#200
○横尾和伸君 終わります。
#201
○勝木健司君 老人訪問看護の制度は、昨年の四月からスタートしたわけでありますが、十分な在宅ケアを行っていくためには老人訪問看護ステーションの整備を当然急がなければならないわけであります。
 平成十二年までに五千カ所を設置する目標を掲げておられるわけでありますが、平成五年一月現在でその三%の百五十四カ所でありまして、今後五千カ所を設置していくためには、単純に計算をいたしましても毎年六百カ所余りの設置をしていかなければ間に合わないわけであります。加えて、人材確保の困難さを考え合わせますと、大変この達成は難しいのではないか。また、果たして全国の各市町村にまんべんなく設置ができるのか、非常に疑問に思えるわけであります。
 この目標としておる五千カ所の根拠、また十二年までに目標を達成することが可能なのか、そして、各市町村にまんべんなく果たして設置ができるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
#202
○政府委員(横尾和子君) この五千カ所を目標といたしましたのは、平成十二年度におきます寝たきり要介護老人を約百万人と見込んでおりまして、そのうちの三十三万人ないし三十七万人程度が在宅の方であるというような展望のもとに、モデル事業で実施をいたしました状況を勘案いたしまして約五千カ所という目標を定めたものでございます。
 そして、現在までの設置状況でございますが、おっしゃいましたように大変少ない数でございますが、指定件数は大体毎月二十カ所前後新たに開設をするような機運でございまして、まだ一年経過というような状況を考えますと、決して将来を危ぶむような状況にはならないんではないかというふうに思っております。
 もちろん、これから必要数を整備するに当たりましては、関係方面の御理解なりあるいは施設、事業運営の安定なり、さまざまな工夫が必要になっていくと存じますが、私どもは訪問看護事業を大変大切な事業と認識をしておりまして、その整備確保が図られるように最大の努力をしてまい
りたいと考えております。
#203
○勝木健司君 老人福祉法などの福祉関係八法の改正によりまして、都道府県、ことしの四月から市町村、それぞれ老人保健福祉計画を策定することになりまして、今開始されておるわけであります。
 そこで、ゴールドプランに基づいて在宅福祉サービスの充実を推進をしていくわけでありますけれども、老人訪問看護ステーションの増設を進めていくために老人訪問看護を老人保健福祉計画の中にきちんと位置づけられておるということでありますが、どのように今位置づけられておるのかお伺いをしたい。
 それとあわせて、老人訪問看護サービスを受ける在宅老人の方々を総合的にサポートをしていくためには、この老人訪問看護と在宅福祉サービスをそれぞれ組み合わせて提供していくことが必要だと思います。
 そこで、当然住民に身近な市町村が積極的にこれに取り組む姿勢を持つことが大切であるわけでありますが、在宅福祉サービスについての市町村の現在の取り組み状況についてどうなっておるのかもあわせてお伺いしたいと思います。
#204
○政府委員(横尾和子君) まず老人保健福祉計画との関係でございますが、現在進められております市町村老人保健福祉計画の策定に際しまして、私どもその作成の指針を各自治体にお示しをしたわけでございますが、その中で整備すべきサービスとして、老人訪問看護ステーションによるサービスを織り込むべきこととしているところでございます。
 また、そうした計画の実施の進捗状況でございますが、今各市町村が非常な御尽力をいただいている最中でございます。都道府県のレベルでは、この三月末に奈良県及び福島県の二県が県としての計画を策定完了されまして、厚生省に報告をいただいているところでございます。
 いろいろ計画の策定と同時に各地での実際のサービスの進展も大変著しいわけでございまして、本年一月に取りまとめましたいわゆる老人保健福祉マップを見ましても、ショートステイやデイサービスの平成二年度の利用状況は元年度に比べまして五割を超えるというような増加が見られておりまして、平成五年度中にはそれぞれの自治体がかなりの程度この在宅介護についてのサービスの供給が可能になるのではないかと期待をしております。
#205
○勝木健司君 ゴールドプランの在宅福祉サービスでも指摘されておるところでありますけれども、現実に高齢者を抱えておる家庭からいたしますと、ホームヘルプサービスよりもデイサービスあるいはショートスデイサービスの方が実際には喜ばれておる、需要が高いようであります。
 今回の法案は、老人訪問看護を供給する側のイニシアルコストの壁を少しでも低くしようというわけでありまして、その意味では一定の効果が確かに今後出てくるだろうと思いますが、地域医療の中で老人訪問看護を本当に定着するには、いわゆる需要サイドの環境整備も今後の課題になってくるんじゃないかと思います。
 平成十二年までに五千カ所を設置するということになっておるわけでありますが、果たして現状の住宅事情あるいは家族の介護能力を考えますと、それだけの需要が本当に出てくるのかどうかいささか心配をしておるわけでありますけれども、お伺いをしたいと思います。
#206
○政府委員(横尾和子君) 福祉サービスの分野で申し上げますと、かつては入所型の施設への御希望というのがほとんどであったわけでございます。特別養護老人ホームヘの入所というのが一般的な福祉需要であったわけでございますが、しかしながら、供給が整うにつれまして在宅でのサービス、それも御指摘のようにデイサービスとかショートステイとかといったものが今大変喜ばれておりますが、そうしたものへの御理解が深まり、そうした需要がふえてきているというのが実情でございます。
 そういう意味で、医療の面でのサービス、新しいサービスである訪問看護事業につきましても、恐らく具体的に御利用になった方がふえるにつれ、評価をいただけるものではなかろうかと考えております。
#207
○勝木健司君 昨年の医療法改正におきまして、病院等の医療施設と並びまして患者の居宅を医療の場として指定したわけでありますので、そういった意味では在宅医療というものが法的に認められたと言うことができるというふうに思います。
 この在宅医療におきましては、多くの場合が慢性疾患についての現状維持的な医療を受けつつ日常生活を営むことになるわけであります。そこでは看護が中心になるわけでありまして、治療を主とする施設医療ではありませんけれども、それでも看護を要する在宅の患者には看護を受けるに必要な環境というものも整えていかなければいけないんじゃないかと思います。
 そういった意味で、事業団が老人訪問看護ステーションに対して、融資対象として供給サイドに対する支援だけじゃなしに、こういう需要サイドに対する支援も今後検討していく必要があるんじゃないかと思いますが、これについての厚生省の見解をお伺いしたいと思います。
#208
○政府委員(寺松尚君) 介護を要します高齢者等が居宅におきまして生活ができる、そして療養ができるというために、都道府県や市町村が実施主体となっております高齢者住宅整備資金貸し付け、あるいは障害者住宅整備資金貸し付けというような制度、あるいは年金福祉事業団がやっております老人同居等の割り増し貸し付けというふうな各種の資金貸付事業が既に実施されておりまして、住宅の整備を図っているところでございます。私どもは、今後ともこのようないろんな資金貸付事業がございますので、これらの制度を積極的に活用しまして、高齢者の在宅におきます療養環境が整備されるよう関係方面とも協力しながら努力をしてまいりたい、このように思っております。
#209
○勝木健司君 時間の関係で次に進ませていただきますが、老人訪問看護に伴う事故責任の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 基本的には訪問看護は病院内の看護とは違いますので、看護婦の行為あるいは判断の主体性、自律性の性格はますます強まってくるんじゃないかということで、やはり看護婦の個人責任というのが問題になってくるんではないかというふうに思います。
 主治医による病状の安定性の判断がなされるのか、あるいは主治医から訪問看護事業者に看護指示書の交付がなされるということになっておるわけでありますが、診療の補助には医師の指示が必要であることが明文化されておるわけであります。この療養上の世話につきまして医師の指示が必要かどうかについての見解が分かれておるようでありますので、老人訪問看護における療養上の世話に対する医師の指示の有無、特に看護指示書の交付との関係で看護婦の法的責任の範囲がどうなっておるのか、お伺いをしたいと思います。
#210
○政府委員(寺松尚君) まず一般的な場合について申し上げたいと思いますが、一般的に看護婦は診療の補助、または療養上の世話をその業務としております。患者の状況に応じた適切な医療サービスを提供するという観点から、看護婦は医師の行う診断、治療行為等に沿って医師と連携を図りながらその業務を遂行することが求められているものと考えております。
 その際、必要となります医師の指示の具体的な程度、内容につきましては、具体的な業務内容や患者の状況、あるいは看護婦の経験、看護婦の力量等によって異なるものと考えております。また、看護婦の果たす役割もこうした諸事情に応じまして異なる、こういうふうに考えられるわけであります。
 こうした考え方は、基本的には病院内におきます看護も訪問看護も同様であるというふうに思っております。ただし、老人訪問看護におきましては、先ほどから老人保健福祉局長が申しておりま
すように、症状が比較的安定しておりまして寝たきり老人になっていらっしゃるという方々が対象であるというために、医師の包括的な指示によりまして看護婦業務を行う割合が高いわけであります。したがいまして、看護婦の役割がそれだけ大きくなりますが、また期待される面も大きい、こういうふうに考えておるわけであります。
    ―――――――――――――
#211
○委員長(細谷昭雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大島慶久君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君が選任されました。
    ―――――――――――――
#212
○勝木健司君 訪問看護婦の主たる業務は当然療養上の世話であるわけでありましょうが、診療の補助業務の場面でも新しい事態が生じることが考えられるわけであります。事前に主治医から看護指示書の交付により具体的指示を受けるにせよ、医師が立ち会わないことが多い在宅医療における看護婦の宿命といたしまして、具体的な指示を超える診察の補助業務を余儀なくされることも当然あり得るんじゃないかというふうに思います。
 この点で、関連規定であります医師法の十七条あるいは保助看法の三十七条は、これらの規定を厳格に適用いたしますと訪問看護婦の行い得る診療の補助というのはかなり限定されてしまう結果になってしまって、訪問看護制度を導入した意味が損なわれることにもなってしまいかねない。したがいまして、医師法の十七条あるいは保助看法の三十七条の規定に必要な再検討を加えるとともに、その上で訪問看護婦の行い得る医療行為についての現実に即した検討を行っていって何らかのガイドラインを示すことが必要になってくるんじゃないかと思います。
 例えば、注射とか採血はできるのか、あるいはカテーテル挿入、気管カニューレ、経管栄養はどうなのかということで、必ずしも厚生省は明確に示しておらないわけでありますので、そうかといいまして否定もしていないということでありますから、やはりきちんと対応すべきじゃないかと思いますが、これについての見解をお伺いいたします。
#213
○政府委員(寺松尚君) 先ほど一般的な問題を申し上げましたが、診療の補助及び療養上の世話を業務内容といたしておりますが、医師が行うのでなければ危険性が高い業務まで看護婦が行うことはできないということにされておるわけであります。具体的に申し上げれば、疾病の診断や手術などは明らかに医師の行う診療に属するものであります。また、診療機械の使用、医薬品の授与などは医師の具体的な指示を要するものとされているわけであります。
 しかしながら、実際的な医療の現場におきましては、先ほども申し上げましたけれども、医療行為の個々具体的な内容は、個人の状態あるいは看護婦の経験、力量等に応じて異なるものでありまして、医療現場におきますさまざまな要因を総合的に考慮して適切に対応されるものと考えているわけでございます。
 今先生から注射のお話が出たわけでございますが、定型的に看護婦が行います診療の補助行為あるいは医師の行う医療行為を区別することはなかなか難しいということがあります。それから、医療現場の現実から考えましてもなかなかそれが難しいし、分けることは適切ではないんではないかと思っております。ただ、注射等につきましては、包括的、一般的に看護婦が行い得る業務とは言えないものの、患者の状態、くどいようですが看護婦の経験でありますとか力量等個々の事情を総合的に判断いたしまして、医師の指示を受けまして看護婦が行うことまで排除されているとは考えておりません。
 また、訪問看護事業におきます医師と看護婦の間の具体的な連携の仕方というものにつきましても考慮していかなければならない、こういうように思います。したがいまして、訪問看護婦が注射等を行うことについては、これらの事情を総合的に判断していく必要があるのではないかと思っております。
#214
○勝木健司君 訪問看護におきましては、訪問看護婦ないしは訪問看護事業者の責任が正面に出てくるということは十分あり得るという点におきまして、従来の病院あるいは診療所内の看護事故とは異なるんじゃないか。そういった意味で、昨年厚生省も、「指定老人訪問看護の事業に係る賠償責任保険制度について」という通知を出されておるわけでありますが、この概要、そしてこの保険については準強制的な保険となっておるようでありますけれども、加入状況等についても明らかにしていただきたい。
 さらに、責任の所在でありますが、主治医と訪問看護婦側との間に争いが生じた場合の保険者の対応についても考え方を承っておきたいと思います。
#215
○政府委員(横尾和子君) まず、賠償責任保険制度の概要でございますが、加入の対象者はそれぞれの指定老人訪問看護事業者でございまして、被保険者はこの事業者及びその業務に従事する者を対象としております。
 支払い保険金が支払われますのは損害賠償金及び訴訟費用等でございまして、損害の概要につきましては、身体障害につきましては一名につき一億円か一事故につき一億円を限度といたします。物的な賠償については一事故につき一千万円が限度とされておりまして、保険料は一看護ステーションにつき年間一万四千三百円でございます。加入の状況でございますが、これは昨年の十月末の調査で恐縮でございますが、百三カ所のうちの八七・三%が加入をしている状況でございます。
 お尋ねの第三の、事故が発生したときの医師と看護ステーションの責任の所在について争いがあった場合でございますが、これは個別具体的なケースによってそれぞれ判断しなければなりませんので、民法等の規定で判断されることになります。
#216
○勝木健司君 時間が参りましたので、あと最後に厚生大臣に。
 在宅の要介護老人に対しまして保健とか医療あるいは福祉のそれぞれのサービスの供給力をふやしていくことが必要になることは当然のことでありますけれども、老人訪問看護ステーションからの訪問看護とか、あるいは市町村、保健所による訪問看護、あるいは市町村によるホームヘルプサービスがそれぞればらばらに行われていたのでは質の高い在宅ケアを実現することはできないので、十分に連携をとり合う体制を確保する必要があるわけであります。
 特に在宅介護の分野におきまして、いろんな問題があるわけでありますけれども、保健と医療と福祉の連携をどのように図っていくのかお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#217
○国務大臣(丹羽雄哉君) 高齢者の心身の状況に応じ、最も適切な在宅サービスを提供していくためには、先生御指摘のように保健、医療、福祉の密接な連携がまさに不可欠である、まずこのように認識をいたしております。
 このため、市町村が地域住民のさまざまなニーズ、これを的確に把握することが必要であります。的確に把握するとともに、個々の高齢者の状況を踏まえて、まさに保健、医療、福祉の各サービスの総合的な調整を整えていくという体制をこれから進めていきたい、このように考えております。
 さらに今年度から老人保健福祉計画というものが作成されることになるわけでございますが、各地域において保健、医療、福祉の連携あるサービスが行われるための環境が一層これによって整備されると考えておりますけれども、いずれにいたしましても、お年寄りにとって必要なサービスが享受できるように窓口をふやしていきたい、このように考えておるような次第でございます。
#218
○勝木健司君 ありがとうございました。
#219
○西山登紀子君 私は、指定老人訪問看護事業の普及を促進するために何が必要か、何がネックに
なっているのか、本法案の改正内容が実態に合っているのかどうか、地元の京都で幾つかの事務所やこれから発足しようとしている事業所などを視察してまいりましたので、その結果を踏まえまして幾つか具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 実は、私の実家でも九十五歳の祖母が寝たきりの状態でして、母が世話をしております。先日、近くのステーションから訪問看護婦さんが来てくださいまして、体をきれいにふいてくださったり、血圧や熱をはかったりとか、かかりつけのお医者さんとも連絡を密にとって実にてきぱきと処置をしてくださって、私の母も非常に適切なアドバイスをしていただいたということで大変喜んでおりました。ですから、こういう住民のニーズにこたえるようなこんな事業は、普及を促進し、内容を一層充実しなければいけないと思ったわけです。
 大切な事業ですので、まず最初に厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、平成十一年までに五千カ所というこの目標、本当に普及促進される御決意がどうか、お伺いしたいと思います。
#220
○国務大臣(丹羽雄哉君) 二十一世紀には四人に一人がお年寄りである。こういうことで、先生の今の御指摘にございますけれども、本格的な高齢化社会の到来を目前にいたしまして、お年寄りができるだけ住みなれた地域や家庭で暮らし続けるような環境づくりをすることはお年寄り自身の願いであると思っております。
 平成四年度からスタートいたしました老人訪問看護制度の創設によりまして、ショートステイ、ホームヘルパー、デイサービスのいわゆる在宅三本柱と相まって、在宅サービスのより一層の充実が図られる、このように考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、現在百五十四カ所でございますけれども、平成十二年を目標にいたしまして五千カ所の整備に向けて全力で頑張る決意でございます。
#221
○西山登紀子君 大臣も積極的に普及をさせていく、こういう御決意なんですけれども、そのために何が必要かということなんです。
 本改正案は貸付金を設けるというものなんですけれども、私が実際にお聞きした御意見の中では、むしろ立ち上がり資金の補助、これが非常に強く出されたわけです。これから開所したいというある事業所の方は、新しくマンションに部屋を借りたり車を買ったりするので準備金が三百八十万ほどかかる、独立採算で、赤字を覚悟で運営していかなければいけないということで、借金してもなかなか返せないというような御意見でした。
 先ほども御質問が出て、厚生省は大体五百万ぐらいかかるという御認識を持っておられるようですけれども、私調べてびっくりしたんですけれども、東京都では最高限度額で一千三百万円の立ち上がり資金を、助成金として出しておられるんですね。これを利用された事業者は、開設を非常に容易にしてくださったし、借金を返さなくてもいいので、その後の運営が非常に軌道に乗りやすいということで大変喜ばれているわけです。そして東京都は、本法案の貸付金制度ができましてもこの助成金は続けていきたい、こういうふうにおっしゃっているわけです。
 そこで、厚生省にお伺いしますけれども、この事業促進のための立ち上がり資金、一定の助成金、こういう方向は考えられないかどうか、お伺いいたします。
#222
○政府委員(横尾和子君) 老人訪問看護ステーションにつきましては、その事業運営に要する費用は基本的には老人訪問看護療養費、利用料によってカバーができるように療養費を設定してまいったつもりでございます。そういう意味で、事業開始のいわゆる初期投資については、今回の低利融資を設けることによりまして、またさまざまな税制上の軽減措置とあわせて活用していただくことによってある程度の円滑な事業運営が図られるものと考えております。
#223
○西山登紀子君 先ほど来もそうした説明が繰り返されているわけですけれども、私はやはりそういう説明だけでは、また貸付金だけではこの事業の普及促進には大きな限界があるというふうに考えます。東京都はそれだから助成金を出しているということだと思います。
 ここに日本看護協会が去年の十二月二日におやりになった第一回全国老人訪問看護ステーション管理者交流会で採択されたアピールがあります。もちろん厚生省もごらんになっていると思うんですけれども、そのアピールの第一の要求に、「訪問看護ステーションを開設するための資金の助成」というのが第一番目の項目に上がっているわけです。ですから、私は、やはり本気になって普及しようと思えば、一定の立ち上がり助成金、これが絶対に必要だということを重ねて要望して、次の質問に移りたいと思います。
 次に、貸付金制度ができるのはいいんですけれども、私は率直に言って、こういう制度ができるんだけれども借りますかというふうに聞きましたら、借りたくないとおっしゃるんですね。その理由は、利子が高い、借りても返せない、こういうのが理由で、せっかく今度設置しようというこの貸付金制度が利用していただけない、こういうことを聞きました。
 じゃ、どういうふうにすれば借りてもらえるのか、こういうふうにお伺いしますと、金利は無利子ないしは取るとしても一%か二%、そして据え置き期間をもっともっと延ばしてほしい、三年ぐらい延ばしてほしいと言うわけです。ある事業者の方にお伺いしますと、事業を始めてみたけれども、半年やってみたけれども、まだ患者さんがなかなか制度の理解もされていないということもあって、対象者は月十数人しかない、その赤字分が現在本体の病院の持ち出しになっていると伺ったわけです。
 もともと営利を目的とする事業ではありませんが、長期の赤字覚悟で献身的にこの事業をやり出そうと言っている事業者に対する今度の貸付金制度ですから、そういう場合にはやはり実際借りてもらえるような内容にする必要があるんじゃないかと思います。
 日本看護協会がこの事業を大変評価をしておられて、促進をしていきましょうということで貸付金制度をつくっておられるんです。それは五百万円で無利子で一年据え置きで四年返済、こういうふうな内容だということですけれども、政府はせめてこうした民間の水準を上回るそういう努力をすべきではないでしょうか。
#224
○政府委員(寺松尚君) 老人訪問看護ステーションに対します融資条件の件についてお話がございましたけれども、私ども最も低いといいますか、いわゆる老人保健施設などと並びました低い利率でもって設定をいたしておるわけでありまして、極めて優遇されたものではないか、このように考えております。
 したがいまして、融資を受けられました方につきましては、事業を円滑に実施しながら無理のない返済というものが可能なんではないか、このように考えておるわけでございます。
#225
○西山登紀子君 実際、この事業は独立採算でやりなさいということになっておりまして、お借りになるのは三人の看護婦さんがお借りになるということですけれども、そういうことも念頭に置いていただいてぜひ改善を今後図っていただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 老人訪問看護事業そのものについても幾つかの改善の要望が出されておりましたので、お伺いしたいと思います。
 一つは、患者さんの対象の拡大、年齢の引き下げです。訪問看護は、実際やってみますとこの人もあの人も行って診てあげたいと思います。この事業に熱心であればあるほど思うわけなんです。そして、訪問看護しておられる看護婦さんにお聞きしますと、例えば四十五歳の難病の方がいらっしゃる、四十代、五十代の末期がんの方も診てあげたい、重度の障害者で自宅療養している方もいらっしゃるのでぜひ診てあげたい、こういろ
ふうに対象を広げたいという御要望がありました。
 この点、弾力的な運用を図るお考えはないかどうか、お伺いいたします。
#226
○政府委員(横尾和子君) この老人訪問看護制度は、老人保健法に基づく制度として制度化をされているわけでございます。老人保健法がなぜこの訪問看護制度を設けたかということにつきましては、先ほど来御答弁を申し上げておりますけれども、今後急速に増大をする高齢者、そしてその高齢者の方々が在宅サービスを恐らく望むであろうということに着目をして、従来からあります病院、医療機関からの訪問看護制度に加えて新しい施策が必要であるという考え方に立って出発をしたものでございまして、そういう制度からいたしますと、実行上弾力的な運用というのは不可能だと考えております。
#227
○西山登紀子君 次に、先ほど来も御質問がありましたけれども、訪問回数の上限を設けているという問題でございます。
 厚生省は先ほど来の御答弁では現状で賄えるんだと、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、実際やってみられた御意見をお伺いしますと、週二回そして月八回というこの上限が実際の患者さんの容体とそして必要な訪問看護に合わないという御意見をいただいたわけです。最近は医療が非常に高度化しているということもありまして、酸素吸入だとかカテーテルだとかこういう非常に高度な機器を使う、患者さんも在宅でいらっしゃるわけです。入院をしていらっしゃると当然毎日看護婦さんが消毒したりチューブをかえたり、そういうことをしてくれるわけなんですけれども、在宅の場合はなかなかそういうこともいきませんし、勢い家族の方に負担がかかったり、ひとり暮らしの方が非常に危険な状態で待機されている場合も起こり得るということで、急性の非常に重篤な場合に今どうなっているかというと、事業者が持ち出したりとか、そういう形でその重篤な緊急の場合に備えられているわけです。
 そこで、厚生省にお伺いしますけれども、この上限を医師の指示のもとに病状に応じて弾力的な運用をしてもいいと、そういうふうに変える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#228
○政府委員(横尾和子君) 訪問看護事業は入院治療にかわるものではないと私ども考えているわけでございます。また、御指摘のありましたような急性、重篤といったものもこの制度の主たる対象としているものではございませんで、そういった方々への訪問看護のありようとしては、医療機関が派遣をされる従来からある施策によって主として対応をしていただくことが適切なのではないかと思っております。
 これは従来型の施策に加えて、介護を中心とした看護事業がこれからも大変重要な役割を持つということに着目して発足をしておりますので、その制度発足の趣旨にかんがみまして考えますと、現在のような形が適切なのではないかと考えている次第でございます。
#229
○西山登紀子君 実際、お年寄りのところに訪問してそのお年寄りとの人間的な関係もきちっとつけて介護に当たっていらっしゃる、その看護婦さんが行くか他の人が行くかということで、そういう違いもあると思うんです。そういうことで私は、今後やはり医師の指示のもとにですけれども、重篤な、そういう派遣をする必要があった場合には弾力的な運用をしていくという方向が必要だということを重ねて要望しておきたいと思います。
 次に、老人訪問看護療養費の問題です。この訪問看護ステーションというのは独立採算を前提としているわけですけれども、ところが、どう試算をしてみても経営が難しい、こういう御意見を伺いました。ある県の看護協会では、この事業の意義はよくわかる、そしてやりたいと思う。しかし、どんなに頭をひねって計算をしてみてもなかなか踏み切れないんだ。なぜかというと、やはり採算がとれそうにない。これが理由なわけです。日本看護協会は何回も要望書を出しておられるわけですけれども、この事業について一回の訪問看護料を一万円に引き上げてほしいという要望を出しておられます。
 看護協会だけではなくて、私が地元で実際お伺いしたステーションでも、一カ月、ことしの二月の収支の結果なんですけれども、常勤三人でスタートして、利用する対象者が二十四人、そして収入は三十五万一千六百四十円、支出は百四十五万二千四十二円ということになって、赤字が百十万四百二円。こういうふうな経営になっているところもあれば、人件費をぐっと抑えて、それでも赤字が四十一万七千五百六十一円、こういうふうなステーションもある。新しく発足している事業ですので、そういういろいろな試行錯誤をされているところがあるわけですけれども、実際赤字なんです。こういうところでも、やはり老人訪問看護療養費を一万円以上にしてほしいという強い要望が出ておりましたので、厚生省の方で御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#230
○政府委員(横尾和子君) 現在の療養費は、これまでのモデル事業の調査結果や人件費、物品費の動向、あるいは現行の診療報酬によります訪問看護の報酬とのバランス等を考慮して設定したところでありまして、適切な額であるというふうに考えております。
 いろいろと収支についての御説明もありましたが、利用者が非常に少ないところに重装備の職員配置をいたしますれば、これはそれなりに将来とも赤字要因になるわけでございまして、大変大切な事業でございますが、やはり地域の事情を酌み上げながら事業を始めていただくということが原則なんではないかというふうに私ども考えております。
 また、具体的な経営状況については、これから私どもも必要に応じて調査をするつもりもございますけれども、私どもが承知しております限り、これはいろいろな御工夫を凝らされている結果だと思いますが、実際に黒字で運営されているステーションもあるわけでございまして、御指摘のような事業所ばかりではないということも念のために申し添えさせていただきます。
#231
○西山登紀子君 対象者が少なければ赤字が出るというふうなお話がございましたけれども、それも一つの例であって、私が重ねて言いたいと思いますのは、いろいろ試算をしたけれどもやれない。日本看護協会はこういう試算をしておるわけです。一人が一日三回訪問するという試算をしても、四回訪問するという試算をしても、やはり一万円以上はかかるんだという試算を出しておりますので、さらにこういう点でも検討は必要だということを強く要望しておきます。
 最後に、厚生大臣にお伺いしたいんですが、できることなら家族とともに暮らしたい、これはだれもが願うことなんですけれども、在宅療養を希望するお年寄りと自宅で看護のアドバイスを受けたいという家族の要求にもこたえているこの新しい老人訪問看護事業は、新しいだけに改善すべき問題もまたたくさんあると思います。
 いろいろ申してきましたけれども、実際現場でやってみようと思っていらっしゃる関係者の皆さんは、大変献身的で意欲的で頭が下がる思いがいたしました。こういう意欲的に取り組もうとしておられる、それこそ赤字覚悟でも始めてみようというふうに思っておられる方々に、開設に当たっての国の施策が今度の貸付金だけでいいのだろうかと率直に思った次第です。
 平成十二年ですか、五千カ所ということなんですけれども、先ほども計算すれば六百カ所だという御意見もありました。単純計算すれば一年間に六百から七百カ所になるわけですけれども、現在百五十四カ所ということでは実際実現の見通しは暗いのではないかと思います。国の援助が立ちおくれますと、そのすき間に営利企業が進出していく、たとえ高くても利用せざるを得ないというふうな原因がそういうものに出てくる。それは絶対に許してはいけないわけですから、国の責任は非常に重大だと思います。
#232
○委員長(細谷昭雄君) まとめてください。
#233
○西山登紀子君 はい。
 そして、厚生大臣にお伺いしますけれども、国がやはりつくれつくれとこういう号令をかけるだけでは、端的に言って余りにも非常に内容が乏しいというふうに思います。
 冒頭で言いましたように、東京都は千三百万円余りの補助金を出しておるわけですから、本当に普及と促進を考えるなら、号令だけではなくて補助金制度をつくる、または無利子の融資などを含めまして本当の補助金制度をつくるということ、また融資をする場合にも無利子の融資をつくる、こういうことを含めて事業の普及を積極的に図るべきではないかと思いますが、厚生大臣の積極的なお考えをお伺いいたします。
#234
○国務大臣(丹羽雄哉君) 老人訪問看護制度は、先ほどから私申し上げておりますように、今後の高齢化社会におきます在宅ケアの重要な役割を果たすと考えておりますし、冒頭に先生から決意を私に尋ねられたのでございますが、平成十二年までに五千カ所の整備に向けて最善の努力を尽くすということを再度申し上げさせていただきます。
 そこで、東京都の例などをお出しになりましていろいろな御提言を賜ったわけでございますけれども、私どもといたしましては、現行の融資制度あるいは税制というもの、優遇税制、こういうものを有効的に活用する中において十分に整備していくことができるのではないか、このように考えております。
 なお、訪問看護療養費につきましては、先ほどから局長等に御指摘がございましたけれども、これにつきましては今後の経営状況を十分に見ながら中医協の場において議論をさせていただきたい、このように考えております。
 なお、市町村が平成五年度から老人保健福祉計画を策定するに当たりましては、新たに訪問看護事業というものも織り込むことになったわけでございますので、これを契機にいたしまして一層整備が進むものと期待をいたしておるような次第でございます。
#235
○粟森喬君 厚生大臣にまずお尋ねを申し上げたいと思います。
 今回、この法律を閣議に提出する前に、厚生大臣としてこの社会福祉・医療事業団法の改正と沖縄振興開発金融公庫法の改正について署名をされている、確認をされていると私は思うんです。
 そこでお尋ねをするんですが、私は、今回の制度改正の中身についてある程度承知をしているという前提で結構でございますが、なぜ沖縄振興開発金融公庫法のこの部分を改正することに同意をされたのか、こうお尋ねをしたいと思うんです。
 といいますのは、私は、社会福祉・医療事業団法の目的というものと沖縄振興開発金融公庫法の目的は明らかに違う。すなわち沖縄振興開発金融公庫法は、「一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、」と、その中に今の医療関係もこれまで入っていたんです。しかし、今回いかなる事情でどのような趣旨でこのことに大臣として納得されたのかそのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
#236
○国務大臣(丹羽雄哉君) 社会福祉・医療事業団と沖縄振興開発金融公庫、これが二本立てでけしからぬということでございますけれども、これは適用除外というようなことではなくて、沖縄につきましては、その土地の沿革、あるいはさまざまな今までの行政的な対応から見ましてこういうような扱いにさせていただいたわけでございまして、貸し付けの中身であるとか条件であるとか全く同じでありますので、これによって沖縄の方々が何か不利な扱いを受けるようなことは全くございません。
#237
○粟森喬君 制度について私ども不利な扱いを受けているから問題だと言っているわけではございません。私が今言おうとしていることは、法の目的が全然違うわけでしょう。この昭和五十九年につくられた段階で、沖縄におけるさまざまな戦後の問題を含めて、この段階では無理ではなかったかということは多少理解はできるんです。ところが今回あえて、この沖縄振興開発金融公庫法というのは公庫で貸し付けをやるという意味だと思います。例えば離島振興法とか地域指定法というのがいろいろございます。しかし、本来的には法というのは全国にあまねく平等に目的のところはかからなければならない。しかし、この解釈をどういうふうに理解しても、その目的とこの運用の仕方には多少無理と矛盾が私の立場から見るとあるのでございますが、いかがなものですか。
#238
○国務大臣(丹羽雄哉君) この問題につきましては、当然のことながら沖縄開発庁とも十分に協議いたしましてこのような措置が適当である、こういうような結論を見たので二本立てにさせていただいたような次第でございます。
#239
○粟森喬君 運用上適当だというのは私も十分わかります。しかし、じゃ私申し上げますが、社会福祉・医療事業団法の目的というのは、沖縄県に限って言うなら、この目的は全部適用されますかされませんか。
#240
○国務大臣(丹羽雄哉君) ちょっともう一回お願いします。
#241
○粟森喬君 社会福祉・医療事業団法は、この目的なり法の適用は沖縄県に適用されているんですか、されていないんですか。
#242
○政府委員(寺松尚君) 私どもの立場からお答えするのが適当かどうかわかりません。しかし、私どもがお聞きしておりますことについてお答えを申し上げたいと思います。
 沖縄振興開発金融公庫法第一条でございますけれども、沖縄における病院その他の医療施設を開設する者に対しまして政策融資を実施するということがこの法律の中に規定されておりますことから、事業団の医療政策融資は沖縄地域では行われないことになっておるというわけでございまして、沖縄振興開発金融公庫でもって融資をする、こういうことになっておるわけです。
 したがいまして、昭和四十七年に同公庫法の提案理由の説明においても、同公庫は本土において政策医療金融が行っているそれぞれの業務を一元的にかつ沖縄のみを対象として行う機関とされておりまして、本土にある医療金融公庫等、一銀行五公庫ございますが、その融資業務に相当する業務を復帰後の沖縄において一元的に行う、こういうふうに説明されておるわけでございます。
#243
○粟森喬君 目的はかかっているかどうかと聞いているんです。目的はかかっているかどうか。
#244
○政府委員(寺松尚君) 目的は変わっておりません。
#245
○粟森喬君 ですから、社会福祉・医療事業団法の一部がもし沖縄にかかっていないとすれば、そこはやっぱり私は改良すべきだ。本来法律というのは、私は沖縄における事情というのを十分承知をした上で申し上げているんですが、法の目的をできるだけ拡大をしていくという趣旨がなかったら、何のために法の改正をやるのか。法の改正の都度そのことについて留意をすべきという配慮があったのかどうかということを私は聞いておるんで、そのことについて大臣に改めてお伺いしたいと思う。
#246
○国務大臣(丹羽雄哉君) 健康政策局長の方から御答弁を申し上げましたように、この沖縄振興開発金融公庫というのは医療だけではなくて多岐にわたっている問題でございまして、厚生省だけでこの問題の解決がつく問題ではございませんけれども、今後の大きな検討課題として十分に承っておきたいと思います。
#247
○粟森喬君 私は、この法律を見たときに多少感じたことを含めてちょっと申し上げます。
 私は、沖縄における特別措置というのはやはり必要だという認識には立っています。例えば今回のこの問題に関して言うなら、いわゆる金融公庫法で全体の医療政策にかかわる問題も人口比率でいえばかなり上回った基準になっている。私はやっぱりそういうことは必要だろうと思います。そしてまた、今沖縄におけるさまざまな新しい医療施策をやるときに、例えば離島が多いとかいろ
んな問題を抱えている。
 したがって、そうすることは必要でございますが、やはり法律というのはそういう意味で目的のところをかなり、これは行政府が、私はこんな言い方はなんでございますが、ある種の安易なすみ分けになってもらったら困る。行政権限で言いますと、実は沖縄の持つ財政枠とこことは明らかに違うわけでございます。しかし、お金に色がついているわけでもない、識別がついているわけでもないわけでございますから、一体的に運用していくということがやっぱり厚生省のあるべき姿だろう、こういうふうに思っているわけでございます。したがって、ぜひともそのことについて、厚生大臣が答弁で明確に言われましたので、今後の運用の扱いの中でそういう配慮をお願いしたいということをここで申し上げておきます。
 そこで、次の問題に入りたいと思います。
 今、老人訪問看護の問題で幾つかのテーマが取り上げられているわけです。ひとつ厚生省に、ここは見解をはっきりしてもらいたいわけでございますが、厚生省の予算の中に、いわゆる厚生省の職員の中に賃金職員という言われ方がされている方々、これは国家公務員法が適用されない職員の方々を言っているわけでございますが、この実態と、これを見直す考え方があるのかどうか、その辺のところについてまずお尋ねを申し上げたいと思います。
#248
○国務大臣(丹羽雄哉君) 賃金職員は、国立病院であるとかあるいは療養所なんかにおきまして、決められた定員の枠内で決められた予算で運用していく中でどうしても不足する場合、いわゆる一年ごとに交代をする、こういうような職員の方々を賃金職員と呼んでおるわけでございます。
#249
○粟森喬君 賃金職員というのは、同じ看護婦の資格を持ちながら、今の人事制度で言えば、もちろん国家公務員の場合は号俸があって制度があるが、賃金職員の場合もいろんな実態があるようでございます。明らかに雇用に当たって格差があることは、これはもう当然でございます。
 にもかかわらず、これは定員法が一方にあってどうしようもないということと実態の間に乖離がかなり出てきている。とりわけ、今看護婦不足の問題ということが一方で言われ、一方では、私もいろんなところからお手紙をいただいたりしている中身を見ると、例えば重心病棟だとかいろんなところにとにかく賃金職員ででも入って頑張りたいという人がおる。しかし、もうある種の現実の前に挫折するケースが非常に多いわけでございます。
 同時に、この問題は、例えば皆さんが予算をつけているところでも看護婦の方がいわゆる二・八体制もつくれない。賃金職員の人はほとんど日勤です。そういう実態をどこかで変えていかないと、老人訪問看護制度で同僚議員の方々もいろいろ提起をしているんですが、看護婦確保法案をつくったけれども、まず自分の手元のところの改善なしに全体における看護婦のあり方を論ずることは私は難しいという認識をしておるんですが、その辺の実態と改善の方法についてどういう方法をお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。
#250
○政府委員(寺松尚君) 今の先生のお話は国家公務員のお話でございますが、私ども、一般的な話でまずちょっとお話をしたいと思います。
 看護職員の勤務場所は病院とか診療所というのが大半を占めているわけでありますが、病院の病棟等につきましては、夜勤を含めて二十四時間交代制勤務ということであるために一般には常勤職員で対応いたしておるのが普通でございまして、看護職員不足の中でパートタイムで就業する看護職員の活用が今課題になっておるとは認識いたしております。
 昨年十二月に策定されました看護婦等の人材確保のための基本指針でございますけれども、これにおきましては、潜在看護婦の中にはパートタイムを希望する者も多いというふうな実情もございまして、そのようなことを踏まえまして、まず家庭状況等から夜勤や常勤ができないようなそういう方々に、日中に業務を行うことが多い老人訪問看護事業というふうなものへの就業促進やパートタイム労働者が勤務しやすい勤務条件の整備を進めて、人材を活用する必要があるということを言っておるわけでございます。
 そこで、私どももこの訪問看護の場合を考えますときに、やはりフレキシブルに対応できるようにということでパートタイムの非常勤という形も考えておる、こういうわけでございます。
#251
○粟森喬君 あなたの言う一般というのは、民間という意味を含めているんです。私、今聞いているのは、厚生省所管の職員の中でそういう形態があることについてどう改善をするのかということをお尋ねしているので、一般論で幾ら答えられても困ります。厚生省所管の中で賃金職員という看護婦の皆さんのそういう状態をどうやって改善するのかということをお尋ねしているので、もう一遍お答え願いたいと思います。
#252
○国務大臣(丹羽雄哉君) 大変難しい御質問でございますが、先ほども公明党の横尾議員からお話がございました。今民間の医療機関は大変厳しい中にあって、ややもすると、国立病院であるとかあるいは療養所であるとか公的病院というものは民間の医療機関の経営状態に比べると大変経営感覚というものに対する認識が甘いのではないか、こういうような指摘もされております。国立病院等につきましては、平成五年度の予算におきましても実に二千五百億円の一般のいわゆる繰り入れをいたしておるわけでございます。そういう中において、国立病院の経営のあり方というものが今厳しく問われているわけでございます。
 しかし、私どもは、定員の枠の中では実際問題としてなかなか難しい、そういう中において賃金職員の採用というものを行っておるわけでございまして、十分に御理解を賜りたいと思います。
#253
○粟森喬君 私は、賃金職員が不必要で配置されているとは思わないんです。ただ、もう格差があり過ぎて、これはやっぱりいろんな問題を今後とも引っ張るだろうと思いますので、この問題はぜひとも何らかの格好で、今の改善をする中身として重要問題としてお考え願いたいと思います。
 同時に、このことがきちんと整理できないと、先ほどから答弁の中でも言っているように、看護婦の資格とこれからのあり方というものが非常に大きな課題だと思います。ぜひともそういう意味ではこれからの課題の中で、確かに看護婦さんがみずからの意思としてパートでいいとかこの日だけ私はフレックスに出たいという場合がありますが、それは認めるべきだと思います。同時に、コストの上で、今の診療報酬の計算の中でここがどうもあいまいで、実は五千カ所になるときにここが一番最大のネックになるだろう、こういう私は認識をしておりますので、ぜひとも看護婦の資格、あり方について、これからの五千カ所に向けて重要なテーマとしてとらえていただくことをお願いする意味で厚生大臣に答弁を願いたいと思います。
#254
○国務大臣(丹羽雄哉君) 失礼でございますが、今の先生の御質問の趣旨は、要するに老人訪問看護ステーションにおいていわゆる看護婦の常勤化を図るべきだと、こういうことでありますか。
#255
○粟森喬君 いいえ、常勤化じゃなく、フレックスであってもパートであってもいいんです。そのときの賃金のコストを幾らで見ているかということがどうも定かではない。ちょっと低過ぎるんではないか。基本的にもう少し高い――パートだとかフレックスだったら安いという認識は多少そこに間違いがあるんではないか。そこにはきちっとした格付と賃金の賃率と申しますか、そういうものもやっぱり見ておかないと問題点が生ずると、こういうふうに私は思っているわけでございます。
#256
○国務大臣(丹羽雄哉君) 常勤とパートの賃金の格差の問題ですね。
 これは一般論として申し上げさせていただきますならば、例えば看護婦さんで二・八体制の中で要するに昼間も働いて夜勤をするという方、あるいは今先生がおっしゃったような夜勤だけを行う
とか、また土曜日、日曜日だけ手薄になっておる看護病棟において従事する、こういう方においては賃金の格差というのは近づけるべきです。
#257
○粟森喬君 終わります。
#258
○委員長(細谷昭雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、木暮君から発言を求められておりますので、これを許します。木暮君。
#260
○木暮山人君 私は、ただいま可決されました社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    社会福祉・医療事業団法及び沖縄振興開
    発金融公庫法の一部を改正する法律案に
    対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講
 ずべきである。
 一 今後の高齢社会における在宅看護を充実す
  るため、老人訪問看護事業と高齢者保健福祉
  推進十か年戦略の諸事業との密接な連携を図
  るとともに、市町村の老人保健福祉計画を通
  じて老人訪問看護事業の一層の普及を図るこ
  と。
 二 老人訪問看護事業の実施に当たっては、利
  用者が適宜・適切なサービスを受けられるよ
  うホームヘルプ事業との連携及び調整を十分
  に図ること。また、必要な訪問看護婦等の確
  保に努めること。
 三 高齢者施策の推進に資するため、社会福
  祉・医療事業団においては、融資内容の充実
  に引き続き努力すること。
  右決議する。
 以上であります。
#261
○委員長(細谷昭雄君) ただいま木暮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#262
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、木暮君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#263
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#264
○委員長(細谷昭雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#265
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#266
○委員長(細谷昭雄君) 次に、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
#267
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま議題となりました二法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年医学の進歩に伴い、新しい医療機器が次々に開発されていますが、これらの取り扱いには、既存の医療関係者の業務と隣接する領域のものもあります。
 そこで、既存の医療関係者が、それぞれの持つ専門性を生かしつつ新しい業務を効率的かつ適正に分担をしていくことが求められております。
 このような観点から、診療放射線技師及び視能訓練士それぞれにつきましてその業務範囲の拡大等の措置を講ずることとし、これら二法律案を提出した次第であります。
 まず、診療放射線技師法の一部を改正する法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、診療放射線技師の業務として、従来のエックス線撮影などに加えて、比較的安全な磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査の業務を行うことを追加することとしております。
 第二に、診療放射線技師は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととしております。
 第三に、診療放射線技師は、正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日につきましては、業務の拡大及び医療関係者との緊密な連携に関する事項は公布の日、その他の事項については公布の日から一月を経過した日としております。
 次に、視能訓練士法の一部を改正する法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、視能訓練士の業務として、従来の両眼視機能の回復のための矯正訓練やそのための検査に加えて、人体に影響を及ぼす程度が低い眼科に係る検査を行うことを追加することとしております。
 第二に、視能訓練士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日につきましては、業務の拡大及び医療関係者との緊密な連携に関する事項は公布の日、その他の事項につきましては公布の日から一月を経過した日としております。
 以上、二法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明を申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#268
○委員長(細谷昭雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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