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1993/04/13 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第6号
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1993/04/13 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第6号

#1
第126回国会 厚生委員会 第6号
平成五年四月十三日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     釘宮  磐君     大島 慶久君
     荒木 清寛君     木庭健太郎君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     糸久八重子君     堀  利和君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細谷 昭雄君
    理 事
                木暮 山人君
                前島英三郎君
                菅野  壽君
                木庭健太郎君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                西田 吉宏君
                南野知惠子君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                堀  利和君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                西山登紀子君
                粟森  喬君
   国務大臣
       厚 生 大 臣 丹羽 雄哉君
   政府要項
       厚生大臣官房審
       議官      市川 和孝君
       厚生大臣官房審
       議官      阿部 正俊君
       厚生省健康政策
       局長      寺松  尚君
       厚生省保健医療
       局長      谷  修一君
       厚生省保険医療
       局国立病院部長 田中 健次君
       厚生省薬務局長 岡光 序治君
       厚生省老人保健
       福祉局長    横尾 和子君
       厚生省児童家庭
       局長      清水 康之君
       厚生省保険局長 古川貞二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員       水野 国利君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局給与第一
       課長      大村 厚至君
       文部省高等教育
       局医学教育課長 遠藤純一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○診療放射線技師法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○視能訓練士法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基
 金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、荒木清覧君及び釘宮磐君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君及び大島慶久君が選任されました。
    ―――――――――――――
 また、十二日、糸久八重子君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。
#3
○委員長(細谷昭雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に木庭健太郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(細谷昭雄君) 診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○今井澄君 それでは、ただいま議題となりました診療放射線技師法の一部を改正する法律案について幾つかお尋ねしていきたいと思いますが、今回のこの法律の改正という問題は、私は大変結構なことだろうと思っております。
 医学医療の進歩に伴って各種の検査法がだんだん開発されてくる、あるいはそれを医師だけではなく、各種の医療関係職種の人がそういう検査を共同でやって質を上げていくということは、国民、そして患者さんにとって非常にいいことでありまして、こういった法律で新しい検査法を法的に認め、あるいはその検査を担当することについて業務を拡大していくというのは、これは非常にすばらしいというか、場合によっては多少もっと早くてもよかったぐらいの法律だろうと思いますので、全面的にこの法律に賛意を表しながら、幾つかの問題について御質問をしていきたいと思います。
 今回のこの法律では、第二十四条の二というところに「磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査を行うことを業とすることができる。」という、こういう定めになっております。まず、ここに出てくる磁気共鳴画像診断装置ですが、これは最近急速に普及してきていると思いますが、厚生省の方としてはこの普及の現状を現在どのように把握しておられるのか。あるいはこれがどの程度までふえていくのだろうか。かって放射線CTが非常な普及を見て世界一の普及率ということになったわけですが、このMRIについてはどのように見ておられるのか、その点をまずお尋ねしたいと思います。
#7
○政府委員(寺松尚君) 今、先生から御質問いただきました磁気共鳴画像診断装置といいますものは、内臓とか脳とか脊髄を初めとします全身の画像診断ができるということで非常に使われかけておるところでございます。
 その普及状況でございますけれども、ちょっと数字が二年ほど前の話なんですが、平成二年の十月一日の医療施設調査という調査によりますと、
七百三十三病院、全体の病院でいきますと約一万ほどございますので七・三%に当たりますが、そこに七百五十六台、したがいまして、一カ所に一台ちょっとあるという感じでございます。それから、その三、四年前なんですが、前回の医療施設調査におきますと、これは六十二年の十月一日でございますけれども、その三年間の間に六百十六病院、六倍ぐらいの率で病院が所有しておるし、また台数も六倍ぐらい伸びております。この三年間の増加傾向とか、いわゆる御承知のようにエックス線被曝がないというふうなことから考えまして、今後とも増加していくだろうと思っておりますが、どのくらいまでいくかちょっとそこまでは申し上げられませんけれども、増加の傾向が推測されるということは言えるのではないかと思います。
#8
○今井澄君 それではそのMRIですけれども、現状では病院のどういった部門に配置されていると厚生省としては認識しておられるのか。これは、もちろん中央検査部門には間違いないだろうと思いますが、その中で放射線部門とか臨床検査部門とかいろいろいありますが、その辺もし把握されておられましたらお答えいただきたいと思います。
#9
○政府委員(寺松尚君) 磁気共鳴画像診断措置、いわゆるMRIと呼んでいるものでございますけれども、内臓とか脳、脊髄を初め全身の断層像が得られるというようなこともございますので、やはり病院としましては、大学の附属病院でありますとか総合病院のほか、脳神経外科や整形外科を標榜しております病院に多く導入されておるわけでございます。これらの病院の中でどこかと申しますと、先生が今御指摘のところもそうだと思いますが、病院によりましては画像診断部門というような形でそういうエリアを設けているようでもございますし、そういうところに配置しているのではないかと、詳しいことはよくわかりませんのですが、そのように考えております。
#10
○今井澄君 私の認識では、大体が放射線部門あるいは放射線部門を中心とする画像診断部門、こういうところに配置されているんではないだろうかと思いますので、そういった意味でも、今回放射線技師がこれを担当してやるということが大変適切だろうというふうに考えております。
 さて、法律自体には賛成なわけですけれども、ただ、この法律案を見ましてちょっと奇異に思った点があるわけですが、先ほども読み上げましたように、この第二十四条の二に、「磁気共鳴画像診断装置その他」ということで、MRIというのはもう非常に具体的な装置なんですね。MRIというのは何を指すかということはもうそのまま機械がイメージできるぐらい具体的なものなんですが、こういう非常に具体的なものを法律の本文に例示しているというのは、ほかの医療関係職種法の十幾つありますのをいろいろ見てみたんですけれどもないんですよ。強いて挙げれば、歯科衛生士について歯のどうとかこうとか非常に細かいことが本文に規定されておりますが、その法律を除けば、他の法律は一般的な規定なんです。
 それを、なぜこの診療放射線技師法に限って、そして今回の改定に限ってある特定の機械を例示したのか、その必要性、目的を教えていただきたいと思います。
#11
○政府委員(寺松尚君) 今回の改正におきまして診療放射線技師が行うことができるとされます業務は、診療放射線技師法の改正案につきましては、「磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査」と、こう規定しておりますのは先生の後指摘のとおりなのでございます。
 この改正法文上でございますけれども、磁気共鳴画像診断装置を例示として挙げているわけでありまして、これは政令で定め得る範囲を画像診断装置に限定し、その一つの例示として挙げておるにすぎないわけでございます。
 なお、具体的には、実際は政令でさらに磁気共鳴画像診断装置というものは新たに明記しなければならぬことになっておりますし、その他に私ども考えておりますのは、超音波診断装置、無散瞳眼底写真撮影装置というようなものを規定する予定にいたしておるわけで、強いあれはない、一つの例示にすぎないと考えております。
#12
○今井澄君 その他の政令で定めるものも今お示しいただいたわけですが、そうすると、磁気共鳴画像診断装置も政令でもう一度定めるわけでしょうか。
#13
○政府委員(寺松尚君) 今私ども考えておりますのは、政令でも同様に書く予定にいたしておるわけでございます。
#14
○今井澄君 細かいことにこだわるつもりはありませんけれども、しかし、やはり法律というのはほかの法律とのバランスという問題が一つあるだろうと思うんです。法律の書き方というのは、私は専門家でないからわかりませんけれども、医療関係職種法をいろいろ見た中で、こういう具体的な例示をしているものがほかにほとんどないということから、やっぱり私は奇異に感ずるということを繰り返し指摘しておきたいと思います。
 もう一つの問題は、医療現場では、ある一つの検査あるいはある一定の機械を使っての検査についてどの部門がかかわるかということについてはいろいろ微妙な問題が出てくるんです。その病院の特徴ですとか、その病院の患者さんの数や傾向とか、あるいはその病院が採用している職員の数とか、またその職員の中でもいろいろ技能の点とか、そういうことで新しい検査の導入に当たっては、どの部門に設置してそこで主にやっていくかということがいろいろ問題になるわけですね。
 そのとき、病院の中では二つの傾向が見られるわけです。一つは、奪い合うということですね。これは、自分たちの部門において自分たちの部門でやりたいという奪い合いが起こる場合もある。また逆に、業務がふえることを嫌って押しつけ合うということもあるんですね。これはもちろんそれぞれの病院の個別の問題ですから、こういう行政レベルの問題ではないわけですけれども、しかし、現実にそういう問題が起こったときに、常に論拠にされるのが法的な根拠なんです。法的にこうだから自分のところではできない、よそでやってくれとか、法的な根拠がこうだから自分の部門によこせと、そっちの部門でやってもらっては困るという一種の争いとか、そういうものがかなり頻繁に起こるわけです。
 したがって、こういう法の整備というのは、そういう現場の運営がやりやすいこともぜひ考えていただきたいと思うんですが、ここにMRIという非常に具体的なものが例示されますと、これはもういかにも放射線技師だけがやるんだと、現実にはほとんど混乱は起こらないんですけれども、もうここに書かれている以上、これはもう放射線技師の仕事なんだよということになってくるおそれもあるんです。そういう意味も含めて、政令事項で定めることの方が適当ではないかと私は思っているんですが、これについては特別お答えをいただかなくても結構だと思います。今後そういった方向でやっていただければと思います。
 次に御質問したいと思いますが、今、政令で定める画像診断の事例として無散瞳眼底写真撮影というのが入るということになる、そういう方向とお聞きしたわけですが、診療放射線技師が無散瞳眼底撮影を行うということを政令で定めるということは、具体的にはどういう場で放射線技師が行うんだろうか。
 私といたしましては、無散瞳眼底カメラについては、これは臨床検査技師が行うのが通例ではないだろうかあるいは看護婦が行っているのが通例ではないだろうかと思うんですが、どのように考えて政令でこれを定めるおつもりなのか。その目的をお尋ねしたいと思います。
#15
○政府委員(寺松尚君) 今先生御指摘の件でございますけれども、私どもは、医学医術の進歩等に伴いまして新たに生じた業務等であって、技術の進歩等により簡便化、安全化が図られたような業務である、かつ既存職種と共通の技術的な基盤があるような業務につきましては、資格制度を細分化していくよりも、既存の職種によってその隣接
業務を担わせる、すなわち相互乗り入れをするというようなことが望ましいのではないか、それがそういうマンパワーの効率的な活用につながるのではないかと考えております。
 それで、今先生の御指摘の看護婦並びに臨床検査技師のお話が出ましたが、私ども、看護婦業務はもちろん当然できるということでございますが、今回、臨床検査技師の場合にこれは政令でもってできるようにいたしたい、このように考えております。
 もとに返りますけれども、先ほどそういうふうなことで既存の職種に隣接業務を担わせる、効率的に活用するというような見地から、共通の基盤でもございますので、無散瞳眼底写真撮影について診療放射線技師で行わせることにいたしたわけでございます。
#16
○今井澄君 今のお答えではその理由、目的がちょっと明らかでないんですが、基本的に業務を拡大するということはよろしいと思います。実際の問題は多分私が想像しますには、放射線の機械を置いてレントゲン撮影等をやるには、これは放射線医師でなければと、放射線技師ということになるわけですね。ですから、小さな病院とかでなかなか職員をたくさん採用できない場合には、まず優先的に放射線技師を採用する、そうすると臨床検査技師やなんかがいないときでも放射線技師でできるという、こういういい点が一つあるだろうと思います。もう一つは、集団検診業務などでは、レントゲン車で移動しますので放射線技師がついていく。そういうときに放射線技師があわせてやれるようにするということでも、これはヘルス医療の拡大の点では意味があるというふうに思いますので、そのこと自身はいいと思っております。
 それで、次の質問に移りたいと思いますが、放射線技師についてです。今放射線技師が足りないという声を医療現場から聞くわけでございますが、厚生省の方としては、放射線技師の需給状況についてはどういうふうに把握しておられるのか、またそれに対する対策をどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#17
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師につきましては、医療の現場からも足らないという話はいろいろお聞きいたしておるわけでございまして、私どもといたしましても、この需給の状況につきまして検討会をつくりましていろいろと御意見を伺ったわけでございます。やはり足らないということでございまして、ひとつ養成に力を入れるようにということでございます。ただ、この検討会で出ましたのは、どのくらいの数をいつまでにどのくらい用意するというのはなかなか計算がしにくいというようなことで数字は出ておりませんけれども、そのようになっておるわけでございます。したがいまして、私どもは、診療放射線技師が不足ぎみであるというふうな感じを持っておるわけでございます。
#18
○今井澄君 確かに、今回のMRIですとか、いろいろそういう新しい機械ができる。それで、特に放射線技師の場合は、待っていてそこに検査をする者が来るという、例えば検査室のように血液が回ってくるから座っていて検査をするというものじゃなくて、機械のところに張りつけになるわけですね。ですから、医学医療の進歩に伴ってこの需給環境は大いに変わってきますので、ぜひ早く充足できるように対策をお願いしたいと思います。
 そこで、大臣にお尋ねしたいわけです。今回のこういったような法律改正は大変いいことだと思いますが、医学医療は不断に進歩をするものであるわけですが、そういう点についてこの医療関係職種にかかわる法律の見直しが多少おくれている面もあるのではないかなという危惧を持ちますが、その点、今後どのように厚生省としては対処していかれるおつもりか、大臣にお尋ねいたします。
#19
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私は、病院に大勢の方々が従事していらっしゃる、それぞれの分野、それぞれの専門知識の中でいろいろな業務に従事なさっておることに対しましては、かねがね心から敬意を表しておるわけでございます。率直に申し上げて、オールラウンドプレーヤーと言われるのは、どちらかというと医師と看護婦、こういう者に限定されておるような嫌いがなきにしもあらずではないか、こういうふうに考えておったわけでございますけれども、今回の法律の改正は医療関係者の間で連携を十分にとり合いながら、連携協力しながらいわゆる効率的な業務分担をやっていく、まず基本的にはそういう考え方に基づいておるわけであります。そして、あくまでも医療関係者の合意を踏まえて制度の改正を行っていく、こういうことでございます。
 それから、先ほど今井委員からも御指摘がございましたけれども、新しい高度の医療機器というものが次から次へ開発されてくるわけであります。その新しい医療機器が開発されるたびに法律改正を行っていくということは、私どもが目指しております規制の緩和あるいは簡素化、こういうものにややもするとそぐわないんじゃないか、こういう考え方に私自身は立つものであります。ですから、基本的には、法律改正ではなくて政令の範囲の中で機動的に柔軟に対処していく、しかも安全というものは確保する、こういうようなスタンスでこれから臨んでいく決意でございます。
#20
○今井澄君 ただいまの大臣の御答弁は、私も大変結構だと思います。やはり、余り法で規制するというよりは、実情に応じてどんどんやっていくということが大事だと思いますし、その点では前回の厚生委員会で、看護婦の業務、特に注射等につきまして、健康政策局長の方から非常に柔軟に具体的に理解をするという御答弁があったのを私は大変評価するわけでありますけれども、ぜひ今後ともそういう点で機敏にかつ柔軟に対応をお願いしていきたいと思います。
 さてそこで、今回の法律の第二十七条に、「その他の医療関係者との緊密な連携を図り、」、これも大変いいことだというふうに思っておりますが、その点では特にこの画像診断ということになりますと、診療放射線技師とその他の医療関係者との関係ということになりますと、臨床検査技師が領域としてオーバーラップしてくる、あるいは連携をとる対象になってくるというふうに思います。それで、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律を見ますと、その第二条で幾つかの検査が列挙された後、「政令で定める生理学的検査」というのがあります。その中身を見ますと、画像診断にかかわるものについては八番に「超音波検査」というものしかないわけですね。先ほどの健康政策局長のお話では無散瞳眼底写真撮影というのを入れるということで、これはいいと思いますが、そのほかに今後政令の中に入れていく事項としてどんなことを予定しておられるか。また、その政令はいつごろ改正される予定か、お聞きいたします。
#21
○政府委員(寺松尚君) 法律の二条で「政令で定める生理学的検査」、今先生御指摘のようにございますが、現行では心電図検査でございますとか脳波検査、呼吸機能検査、超音波検査など八項目が定められておるわけであります。
 今回の法律改正によりまして対応いたします診療放射線技師及び視能訓練士のほか、臨床検査技師につきましても、既存の医療関係職種において適切かつ効率的に役割分担していくという観点からその業務拡大を政令改正によって対応したい、このように考えておるわけでございます。
 具体的には、政令で定めます生理学的検査といたしましては、その現行の八項目のほかに、磁気共鳴画像検査、無散瞳眼底写真検査、サーモグラフィー検査等を追加する予定でございまして、時期等につきましてはできるだけ早くというふうに考えております。
#22
○今井澄君 もう少し具体的にお話をいただけないでしょうか。今はMRIと無散瞳眼底カメラとサーモですが、そのほかにはどうでしょうか。もっと使われて現実に行われている生理検査あるいは画像診断があると思いますし、検査技師に任せた方がいい検査も多いと思います。
#23
○政府委員(寺松尚君) 私ども、先ほど申し上げました八つの項目につきまして、三つは既にお話しいたしましたが、あと二つばかり考えておりまして、一つは毛細血管抵抗検査それから経皮的血液ガス分圧検査というふうなものを考えておるわけでございます。
#24
○今井澄君 平衡機能検査などはどうでしょうか。
#25
○政府委員(寺松尚君) いろいろと関係者の間で議論にはなっておるわけでございますが、まだこれでよかろうという合意というのでございましょうか、それが得られていないために今回は外してございます。
#26
○今井澄君 できるだけ前向きな方向でお願いをしたいと思います。
 さて、今のいろいろな検査ですが、局長さんが言われたその八項目、施行令の第一条の一から八まであるわけです。そして、これは本文を見ますと生理学的検査というふうになっているんですね。ところが、先ほどの診療放射線技師法の方ではMRIなど画像診断というふうになっているわけです。画像診断というのは昔はレントゲン写真ぐらいしかなかったわけですが、その後超音波検査ですとかMRIですとか、それから内視鏡カメラなんかもこれも一種の画像診断だと思います。そのほか、放射性物質を使って脳の検査をしたりするポジトロンCT、PETと言われるようなものもどんどん出てきております。そうしますと、今そういうCTとかMRIとか超音波とか内視鏡カメラとかいうのを生理学的検査ということでくくるのは、もはや時代おくれだと思うんです。
 それで、例えば検査技師がやることでも、心電図とか心音図とか脳波とかこういうものは、これはもちろん明らかに人間の生理的な機能、生理的な状態を検査するものです。しかし超音波検査は、まず心臓の超音波検査、一部生理的機能の検査と言ってもいいですが、画像診断なわけですね。MRIは明らかに画像診断です。無散瞳眼底写真撮影もこれも画像診断なわけです。そうすると、今の時代としては、先ほど局長の御答弁のようにMRIは病院によっては画像診断部門というところをつくって置いているという御答弁もあったぐらいですから、もはや生理学的検査というふうに一括するのは訂正した方がいいんじゃないか。
 この臨床検査技師等の法律を改正すべき時期に来ているのではないかと私は思います。生理学的検査の後に、その他画像を診断する、検査する装置を用いての検査というふうに、放射線技師法の今回改正しようとする条文に見合う形で臨床検査技師等の法律についても改正していく。生理学的検査と画像診断とはっきり分け切れないものもありますが、分けて政令事項でも規定していく、こういうふうにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#27
○政府委員(寺松尚君) 今先生の御説をいろいろ承ったわけでございますが、私ども、今回の改正に当たりましていろいろ学会等の御意見を聞いておるわけでございますが、一応、生理学的検査に磁気共鳴画像検査を追加することにつきまして医学的な視点からいかがなものかということを日本医学放射線学会等の関係学会にお聞きしたわけでございますが、そのときには特段の支障がないというような意見でございました。したがって、私どもは生理学的検査の中に磁気共鳴画像検査等を追加することは問題がないのではないかと考えたわけでございます。
 今先生御指摘のように、これからどんどんと新しい医療機器ができます。今もおっしゃいましたPETなんかもそうでございましょうが、そういうふうなことになってやはりどうしても合理的でないというようなことになりますとまたその辺を考えなければならぬかと思いますが、いずれにいたしましても学会等の御意見も踏まえましてまた対処してまいりたい、このように考えております。
#28
○今井澄君 ちょっとしつこいようですけれども、確かに学会の見解として支障がないと。まあ支障がないだろうと思うんですね、生理学的検査で一括して支障は全くないわけですけれども、しかし繰り返して言いますが、画像診断というのが医学の分野、医療の分野で大きな独立した部門になってきている。そして診療放射線技師法の中には、画像診断ということを法律の本文の中に入れている。そうすると、同じ画像診断を扱う臨床検査技師等の法律の方にも入れるべきだと思います。
 というのは、先ほどもちょっと申し上げましたが、医療現場ではいろいろなことがありまして、できるだけ医療関係職種を平等に扱いたい。少なくとも、法的に不平等なもとに置かれている間はいいチーム医療ができないんですね。特に、この画像診断の中で一番普及している、害もないと言われている苦痛もない超音波検査、この超音波検査がこのように普及してくる過程では、実は臨床検査技師の非常に大きな貢献があったわけです。むしろ、医師が多忙のために検査や解析が十分できないのを、臨床検査技師が超音波検査というものを先頭に立って頑張ってやってきたということが、今のような医学医療の進歩や患者さんに対するメリットを生み出してきているわけです。
 そういう意味で考えますと、ちょっと情緒的な言い方かもしれませんけれども、やはり臨床検査技師の方にもちゃんと本文に画像診断というのを入れるべき時期に来ていると私はどうしても思えてならないわけです。その点について、簡潔で結構ですが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#29
○政府委員(寺松尚君) 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、そういうふうにどんどん新しい機器が出てくるということで、画像診断機器もさらに飛躍的に高度なものができることがこれから予測されるわけでございますが、その辺の状況も見ながら、先生が今御指摘のようなことも考えながらこれに対処していかなければならぬのではないか、このように思います。
#30
○今井澄君 重ねてお聞きするのも何かと思いますが、大臣にお尋ねしたいんです。
 そういうことで、やはり医療はもはや医師一人でやるものではなく各種の医療関係職種を含めてのチーム医療でやる時代になってきたわけですが、そういう医療関係職種の皆さんが気持ちよく全力を、実力を発揮してできるようにバランスを図るべきだということで臨床検査技師等の法律の改正を先ほど御提案申し上げたわけです。こういうのでは私は法律上不均衡が生ずるんではないかということを大変危惧しておりますが、大臣はその点についてはいかがお考えでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど基本的な考え方については申し上げたわけでございますが、臨床検査技師の業務の拡大は、今回の診療放射線技師の場合とはちょっと異なっておりまして、従来の生理学的検査を定める政令に追加する、こういう形で十分に賄っていくことができる、こういうふうに考えています。
 法律改正か政令改正かという違いはあるわけでございますが、先ほど局長からも答弁を申し上げておるわけでございますけれども、今回の改正に当たりましても十分に医療現場の皆さん方の御意見というものを私どもは尊重いたしておるわけでございます。診療放射線技師と臨床検査技師との間で実質的な内容において不均衡は生じておらない、こう考えておるわけでございます。
#32
○今井澄君 現実の問題としては、これは考え方の問題と言えるかもしれませんが、これからだんだん医療現場も整備されていく、連携、チーム医療も盛んになっていくという点では画像診断部門という形で大きな病院からどんどん始まっていくわけです。そういう意味では、画像診断ということを一つのテリトリーとして確立し、臨床検査技師がやっている画像診断も政令で定めるものはその領域だというふうな方向での法律の整備を私としては重ねてお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、その他の医療関係職種に関する法律の整備についてざっとお尋ねをしていきたいと思いますけれども、現在、政府として医療関係職種で法
的に整備をしていきたいと考えておるものに何かありましたら、どんなものがあるかお答えいただきたいと思います。
#33
○政府委員(寺松尚君) 私ども、先ほどからくどいように申し上げておるわけでございますけれども、医学技術の進歩等に伴いまして新たに生じた業務等に対応するために、安易に新しい資格を創設して、そして資格制度自身をいたずらに細分化するということは望ましいことではない、このように考えております。このために、新資格の創設はその職種の業務範囲が医学的専門性、独立性を有していることなどの条件を満たすものでありまして必要やむを得ざるものに限り、それ以外については新たな業務等に関して技術的な基盤のある既存職種に担当させていく、そういう効率的な活用ということが適当ではないかと考えております。
 しかし、先ほども申し上げておりますように、新資格の創設がどうしても必要だというような職種が出ました段階では、適正な医療の確保及び医療資源の効率的配分というような観点から考えて対応していきたい、このように考えておるわけであります。
#34
○今井澄君 確かに時代の変化や考え方の変化でいろいろあるだろうと思いますので、一律に国家資格をどんどんふやせばいいと私も考えてはいないわけですが、政府の方針は、今から十年余り前でしたか栄養士の国家資格を国家資格から都道府県の資格に格下げする、格下げするというか国家資格ではなくするという動きがありまして大変な問題になったことがあると思います。あれは行政改革の一環だと思いますが、その後一転して、例えば救急救命士などを含めて医療の現場の実情に合わせて今度は国家資格をどんどんふやす方向に来ていると思うんですね。
 もちろん、情勢の変化や時代の変化に合わせて方針が変わるというのは、これは決して悪いことではない。変わること自身は構わないんですが、そういうこの間の政府の方針がこの十年ぐらいの間でちょっと変わってきているんではないかと思いますので、変わった理由とか、今は基本的にどっちの方向であるのか、もしそのスタンスについてお答えいただければありがたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから局長も御答弁申し上げておりますけれども、私どもは、あくまでも国民の健康と医療をどうして守っていくか、まずそういう基本的な視点からこの問題について取り組むべきではないか、こう考えております。
 救急救命士の問題につきましては、実は私自身が携わった者としてお話をさせていただきますならば、我が国の医療は、病院の中においては一流であるけれども、一歩病院の外に出ますと大変お寒い限りで、しかも救急隊の皆さん方が何らの医療行為をすることができない。
 そういう中で、もろもろの手当てというのがあるわけでございますが、先生御案内のように、大きなものといたしましては、除細動電気ショックそれから静脈路確保、さらに気管内挿管、こういうものがあるわけでございます。と申しますのは、平均的に見まして、一一九番をいたしましてから病院まで運ばれるのにたしか二十一分三十秒ぐらい、ちょっと数字に誤りがあるかもしれませんがかかっておる。先生の御専門の分野でございますが、ほんの三分とか五分という中で、要するにこういうものが生命にかかってくる。こういう中で私は、気管内挿管については麻酔学会であるとかいろいろなところから反対が強くて、要するに我々自身も大変難しい問題だということで、とりあえず三点セットのうち二点セットだけ認めさせていただいたわけであります。
 ですから、私どもは、基本的にはパラメディックというのは、そういうような国民の実情に合ったものについてはこれからも当然のことながら認めていかなければならないけれども、医療業務全体においては相互の乗り入れということが今後求められてくるのではないか。いわゆるマンパワーの不足の問題だけではなくて、やはりいろんな意味においてチームワークをよくするために、そして一つの治療、医療に当たって医療のスタッフがみんなで取り組んでいく、こういうふうな姿勢が必要ではないか。そういう中において、私はいわゆる業務の交換ということを申し上げておるわけでございます。
 ケース・バイ・ケースがありまして、私のところにも率直に申し上げて、大分前から例えば眼鏡士の法案というものが強く業界から求められております。これは御案内のように、眼鏡店においては、眼鏡を製作するに当たりまして、検査というものを法的には実際問題としてはしてはならないことになっておるわけでございます。しかし、実質的には今医療器械が大変発達している中においてそういうものが一部において行われておるのも、これも紛れもない事実でありまして、その辺のところを、現実問題としてそういうものが行われているような問題であるとか、あるいはこれは明らかに国民の健康に大変大きな影響が出てくる問題とか、そういうものを仕分けしながらやはりこれから取り組んでいかなければならない、こう考えておるような次第であります。
#36
○今井澄君 確かにこういういろいろな職種法、資格法については難しい問題があると思いますし、いたずらに法律をつくる、規制をするということがいいわけではなくて、規制緩和あるいは行政の簡素化ということからできるだけ法律をつくらないということがあると思います。もう一方では、非常に医療が進歩したり複雑多岐にわたったりして見えにくくなってくるという中では、やはりおのずと行政が方向を示すという責任もあるだろうと思いますし、また消費者保護と申しますか、患者さんの立場に立って質を確保するという意味では一定の資格制度や何かが大事だろうというふうに思っております。
 この前も大浜委員の方からお話がございました言語聴覚訓練士、これは現場でも今非常に必要とされているので、もう一つ法を整備する意味は、待遇を保障する、待遇を改善するためにも資格法というのが大事ですので、そういう意味では働きがいを持って現場で働いていただくためにこういう言語聴覚訓練士についても資格化をできるだけ進めていただきたいと思いますし、それから医療ソーシャルワーカーについても進めていただきたい。それから、臨床心理士とか精神科ソーシャルワーカー、こういったものについてもぜひ積極的な取り組みをいただきたいと思うんです。これは時間がなくなりましたのであれですが、確かに関係職種の中で意見が一致しないとかいろいろな問題があることは私もお聞きしておりますので、行政の力だけではできないだろうと思いますが、ぜひまたその辺をお願いしていきたいと思います。
 それから、例えばあと内視鏡士というのが消化器内視鏡学会の方で認定されているわけで、この内視鏡というのも扱い方がなかなか難しいというか、丁寧に扱わないといろいろ事故のもとになったりするので、こういうことも学会では資格化していること。それから細胞検査士ですね。病理の医者が大変少ないために、細胞検査士などの手助けがあって初めて肺がん検診であるとか子宮がん検診ができている実情があるわけですので、こういう人たちの力というのは非常に大きい。しかも、これはかなりきちっとした研修制度でつくられているので、こういうことについても、いいか悪いかはわかりませんが、一応もしそういう業界団体の方で希望があれば、やはり認めていく方向も必要ではないだろうかと思います。
 ついでに一つあれしておきますと、病院の事務長の方の資格制度も問題になっていると思います。日本では病院の院長は医者ということになっておりますが、医者というのはどうも経営管理の面で非常に不得手である。アメリカなどでは院長は専門学校を卒業した事務職であるということで、今、日本病院会でも病院の事務長の認定制度を通信教育などを使ってやっておりますが、この面についてもぜひ御配慮をお願いしたいと思います。
 最後に、保健婦の規定を見ますと、保健婦は女子でなければならないとなっているわけですね。助産婦も女子でなければならないとなっている。これは女子の方が適当な面が多いのかもしれませんけれども、保健婦についてこの女子という規定を外していただきたいというふうな希望もありますが、いかがでしょうか。
#37
○政府委員(寺松尚君) 先生御指摘のように、保健婦と助産婦につきましては男子でもやれないものかと。ただ、今の制度ではできないことになっておりますので、これを改正してほしいというような御意見があります。男女差の撤廃ということが基本というような観点から両職種についてそういうような要望が出ているわけですが、関係の団体の中で、これは保健婦もそれから助産婦も同時に改正をやってもらえぬかというようなお考えの方もございますし、助産婦の方はちょっと無理かなというようなお話の団体もございます。
 今ちょうどその議論を調整中でございまして、私どもは、その調整がされて意見が出てまいりましたら、それに対しまして調整ができ次第対応してまいりたい、このように考えております。
#38
○今井澄君 終わります。
#39
○堀利和君 私は、視能訓練士法の改正についてお伺いしたいと思います。
 現場で働いている視能訓練士の方、私は知らなかったんですけれども、団体ではもう社団法人になっていらっしゃるわけですね、こういう方々からいろいろお話を聞きまして、今回の法改正を大変喜んでおりますし、満足しているというような御意見も出ておりました。私もこの改正については賛成なんですが、そういった観点から御質問させていただきたいと思います。
 ところが、視能訓練士という職種について余り国民の間にも知られていないのが現状でございます。大変残念なことだと思います。ということから基礎的な点についてまずお伺いしたいと思いますけれども、この資格はいつ創設されて、どのような業務を行っているのかお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(寺松尚君) この視能訓練士の資格でございますが、これは昭和四十六年に創設されたものでございます。
 視能訓練士は、仕事としまして、両眼視機能に障害がある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査、こういうものができることになっております。したがいまして、わかりやすく申しますと、主に弱視の方とかあるいは斜視のある児童等に対しまして視能訓練及びこれに必要な検査を行っているということでございます。
#41
○堀利和君 それで、この視能訓練士の方々は現在何人ぐらいいらっしゃるのか。そして、当然養成学校があるわけですが、何枚ほどあるんでしょうか。
#42
○政府委員(寺松尚君) まず、視能訓練士の数の御質問がございました。数は、平成三年までに免許を取得した者は千九百三十一二名でございます。また、病院、診療所において実際業務に従事している視能訓練士は、非常勤も含めまして平成二年十月一日現在で千五百七名ということになっております。
 また次に、養成校のことについてのお尋ねでございますが、平成五年四月一日現在十校ございまして、一学年の定員は三百二十五名となっております。
#43
○堀利和君 視能訓練士の団体の方からもお話を伺いましたら、ことし新たになられる方以外ですと現段階でも二千人程度というふうにお聞きもしたんですけれども、とにかく少ないんだろうなと思うんですね。そういう点で、これからやはり訓練士を養成すべきだと思います。
 やはり、医療関係職種の中でも大変少ない、また知られていないということを申し上げましたけれども、仕事、業務を見ますと、斜視、弱視などの両眼視機能に障害を持っているお子さんを幼少期の段階で矯正訓練をするという大変重要な仕事であるわけです。こういうことで、遠近感を回復するということで大変重要なんですが、そういう点でやはり数が少ないんではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#44
○政府委員(寺松尚君) 視能訓練士の数が少ないのではないかという御指摘でございます。
 近年、私ども、養成施設のない地域や需要が多いと考えられます都市圏につきまして養成所の承認をやってまいりました。この辺の地域では需給が逼迫しておるというふうには考えていないわけでありますけれども、やはり地域的なバランス等も考えながら、視能訓練士の需給の動向を十分把握いたしまして、必要な視能訓練士が確保できますように適切に対応してまいりたい、このように考えております。
#45
○堀利和君 そこで、今回の法改正に当たり、その目的といいますか考え方はどのようなものかお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(寺松尚君) 今回の改正の基本的な考え方でございますが、医療の高度化や疾病構造の変化など医療をめぐる状況の変化、また医療の現場では比較的安全な取り扱いのできる医療機器が導入されているというようなことで、視能訓練士の業務を取り巻きます環境が大分変わってきており、制度創設時と現在では変わっていると言っていいんではないかと思います。
 こうしたことを踏まえまして、視能訓練士の業務に関しましても、その専門性はもちろん生かしながら効率的かつ適正に業務の役割分担をしていくことが求められている、したがって、業務の拡大を図っていくことをこれから私どもやらなければならぬということで今回の改正のお願いをいたしておるわけでございます。
#47
○堀利和君 そこで、もう少し細かく具体的にお聞きしたいんですけれども、今回の法改正によって業務が拡大されるわけです。これまでの視能訓練士の行っている訓練等に加えて検査等が入るというふうに聞いておりますけれども、この込もう少し具体的に業務内容をお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(寺松尚君) 先生もう御承知のことでございますが、現在、視能訓練士は、両眼視機能に障害のある者に対しまして両眼視機能の回復のための矯正訓練あるいはこれに必要な検査を行うということがその業務とされているわけであります。今回の改正におきまして、これらに加えまして、人体に影響を及ぼす程度が低い眼科検査を行うことができる、また、両眼視機能に障害のある者以外の者に対しましても眼科検査を行うことができるというふうに業務の拡大をしたわけでございます。
 もう少し具体的に申し上げれば、脳卒中の早期発見のための眼底写真撮影あるいはドライアイ等に関して涙腺の分泌状況等を見るための検査などが追加されるものと考えております。
#49
○堀利和君 そうしますと、新たに業務が拡大される中で、今御説明がありましたようにさまざまな検査が入るわけですね。眼科では今看護婦さんなどがこういった検査を行っているわけです。したがいまして、看護婦さんが行っているこうした業務、検査を今後視能訓練士が今回の法改正に基づいて行うということになりますと、一面、看護婦さんの業務の負担の軽減ということもあるわけです。これはこれで大変結構なことだと思います。しかしその一方で、今まで看護婦さんのやってきた業務に新たに視能訓練士の方々が、言うなれば入り込むといいますか競合すると言うんでしょうか、入り込んでいくわけですね。
 この辺のところを含めて、医療関係者の中で今回の改正について十分理解されているのか合意が図られているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(寺松尚君) 先生から今御指摘いただいております医療関係職種間での連携といいましょうか、医療をするためのチームというものを組んで仕事、業務をやっていくという習慣につきましては、大分医療機関でも合意といいますかコンセンサスが得られて行われているというふうに承知いたしておりますが、私ども、六十二年ごろ
からそのことが非常に重要なことだというふうに認識いたしまして、新しくできる法律につきましてはそういう規定を入れておるわけでございます。
 私ども、この業務の連携ということにつきましていろいろな関係の方々に聞いておるわけでございますが、大体そういうふうな、先ほども申し上げたような合意の傾向がだんだんと深まっておるというふうに承知しておりますので、今度新しく視能訓練士の業務を拡大いたしましても、恐らく非常にその辺は円滑にいくのではないかというふうに思っております。
#51
○堀利和君 先ほども今井議員の方から、医療関係者の協力、連携ということが重要だというお話もありましたし、私もそう思うわけです。やはり国民、患者にとって、医療分野に働く方々が角を突き合わせていたんじゃこれは困るわけですから、そういう点ではお互いに理解、了解をしながら協力し合って患者さんに当たるという点では非常に私は結構なことだと思います。そういう点で、看護婦さんがこれまで行ってきた検査を視能訓練士が法律に基づいて行うということですから、看護婦さんと視能訓練士の間あるいは眼科医師の間で十分話し合い、了解しながら患者さんに当たっていただけるんであろうということを期待しながらこの法改正を歓迎しているわけでございます。
 次にお伺いしたいのは、今のように新たに検査が入ってくるわけです。そうしますと、視能訓練士としては、これまで行ってきた訓練、この辺がどうなるんだろうかというのが一つやっぱり心配もあるわけです。眼科領域全般にわたっていろいろ行っていくわけですので、ますますその辺が視能訓練士の業務が重要になってくるわけです。両眼視機能の回復訓練、こういうことが本来の業務ですけれども、この辺が、新たに加わる検査によって忙しくなるといいますか、そんなことからおろそかになるんではないかなという懸念もあるわけですが、この辺はどのように考えているんでしょうか。
#52
○政府委員(寺松尚君) 従来から視能訓練士が行っております中心的な業務、それに加えまして今回の業務拡大を行いまして、私どもの感じでは、あるいは専門家のお話を聞いておりますと、これによって業務量が飛躍的に拡大するとは言えないのではないかというふうなことで、私ども、本来の業務も十分やりながらこの拡大された業務をやっていただけるものだ、このように思っております。
#53
○堀利和君 著しく負担になることはないだろうというような御見解なんですけれども、しかし、従来の訓練に加えて種々の検査がまた入ってくるわけです。そうなりますと、トータルといいますか総合的に考えれば、当然それだけの業務内容、仕事量がふえてくるわけです。そうしますと、現在でも恐らく少ないんだろうと思うんですが、一層視能訓練士の養成、増強というのが求められると思いますけれども、その辺についてはどういうお考えでしょうか。
#54
○政府委員(寺松尚君) 先生おっしゃいますように、これから高齢化が進んでいく中で、やはり視能訓練士の仕事もいろいろと需要がふえてくるんではないかというふうにも予測されます。私どもは、今後、視能訓練士の需給の動向を十分把握しながら、必要な視能訓練士が十分確保できるように配慮してまいりたいと考えます。
#55
○堀利和君 私も眼科には大変お世話になっておりますけれども、大学病院の眼科に行っても大変患者さんが多いんですね。朝早い時間に行っても、薬をもらうということになると、大体もうお昼過ぎにやっと薬をもらって帰るというのが現状です。眼科も非常に患者さんが多いわけです。
 ですから、人数が足りなければ当然そういった点で視能訓練士の数をふやさなければならないだろうと思いますけれども、同時に、この法改正によって従来の訓練という業務に加えて検査というようなものも入ってくるわけです。そうしますと、視能訓練士を養成する施設、学校においてその辺のところをどういうふうにしたらいいかということが問題になると思うんですね。これまでのように訓練という形だけであれば従来どおりの養成内容、カリキュラム等でいいと思うんですが、新たにこういった検査等が加わるわけですので、当然養成する側もそれなりの適切な対応というのが必要だと思いますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
#56
○政府委員(寺松尚君) 今まで養成施設におきましてカリキュラムに従っていろいろな技能を習得されているわけでございますけれども、私ども、今回の業務の拡大によって養成課程を大きく見直さなければならぬということではなくて、ほぼ共通的な技術の基盤をもってやれる分野だというふうに思うわけでございますが、やはり医学の進歩等これからどんどん進んでいくわけでございましょうから、それに伴いまして業務も高度化していくということになるのではないかと思います。したがいまして、質の高い視能訓練士の養成ができますように養成課程につきましても今後必要に応じまして見直しをしてまいりたい、このように思います。
#57
○堀利和君 そうしますと、今後養成課程をさらに充実するなりして今回の法改正に基づく業務拡大に対応するということですから、今後、視能訓練士として世に出る場合は、それはそれで教育課程といいますか養成課程で十分対応できるんだろうとは思うんです。
 それでは、既に資格を持って視能訓練士として働いている方々はどうだろうかということになろうかと思うんです。そういうことを考えた場合に、現在の業務に携わっている視能訓練士の方々に対して研修といいますか、あるいはこれからもう少し長い時間的なもので考えれば、生涯学習等が必要になってくるんだろうと思うんですね。やはり医学の進歩というのがありますし、新しい医療機器というのも入ってくるでしょうし、そういったさまざまのことを考えれば、現在働いている視能訓練士の方々に対して研修をし、あるいは生涯学習というものが当然必要になってくると思うんですけれども、この辺はどのようにお考えなんでしょうか。
#58
○政府委員(寺松尚君) 一般的に申し上げまして、医療関係者につきましては、医学医術がどんどん進歩していきますわけでございますから、やはりそれに沿っていろいろと研修あるいは教育を受けていくということになるのではないかと思います。したがいまして、生涯教育といいましょうか生涯学習ということが非常に大事になるかと思います。
 この視能訓練士におきましても、私同様であろうかと思います。今回の拡大の程度では、恐らく現在まで持たれております技術をさらに拡大的に特別な研修等をやらなければならぬというわけではないかと思いますけれども、やはり先ほども申し上げましたようにどんどん医学医術が進歩していくわけでございますし、医療機器等もそれだけ高度なものが出てくるわけでございますので、それらの生涯教育が非常に大事だと考えております。したがいまして、私ども、この関係専門団体の方でそういうふうな自主的な取り組みをお願いしたい、このように考えておりますし、また当然医療関係者として自己研さんをおやりにならなければならぬことでございますので、その辺はぜひお願いしたいものだと思います。
#59
○堀利和君 私自身も、視覚障害者でありながら、視能訓練士の分野について十分に理解していなかったんです。先ほど冒頭で申し上げましたように、団体が社団法人だということもつい最近知りましてむしろ驚いたわけなんですが、今回の法改正によって視能訓練士の業務がますます眼科領域において重要な位置を占めてくると思うわけです。両眼視機能の訓練にとどまることなく、さまざまな検査もするということですから、当然これは視能訓練士の地位の向上というふうにも言えると思うんです。同時に、若い者から見て、非常にこれはいい仕事だと、国民、患者の皆さんに非常に役立つといいますか、信頼のおける仕事にますますなっていくということでは、大変魅力の増す
ものだろうと思っています。
 そういうことからいいますと、よし、視能訓練士になってみようというような方がどんどんふえでくると思うんですけれども、この辺の見通しといいますか、期待も含めて、どのようにお考えでしょうか。
#60
○政府委員(寺松尚君) 今、先生が御指摘になりましたように、こういうふうに眼科領域におきまして、視能訓練士の方々の果たす役割が大きくなっていますし、位置づけが高くなっていくんだろうと思いますし、また重要視されることだと思います。したがいまして、この先生方が非常に生きがいを感じ、そしてまた、やりたいという意欲が上がってくるのだろうというふうに思います。
 したがいまして、私どもは、そういう方々がふえ、質の高い視能訓練士の方々を確保することができるように、またそれが恐らく眼科領域におきます医療の質の向上というふうなものに役立つのではないかと、大いに期待いたしておるわけでございます。
#61
○堀利和君 そこで、大臣に御見解をお伺いしたいと思いますけれども、今回の法改正でますます視能訓練士の業務というのは広がり、かつ重要になってくるわけです。眼科において、その地位が向上されるわけです。こういった重要な仕事を担っているわけですけれども、大臣、その辺の御認識はどのようにお考えでしょうか。
#62
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、さまざまな視覚障害を取り巻く問題について大変御熱心に取り組んでいらっしゃいます堀委員に対しまして、心から敬意を表したいと思っております。
 一般論でございますけれども、医療の現場には数多くの医療関係職種が設けられておるわけでございます。どの資格一つとりましても、適切な医療を提供していく上において、欠かすことができない大変重要な業務を担っておると、このようにまず考えておるわけであります。
 これまで視能訓練士の担ってきた仕事といたしましては、先ほどからお話が出ております両眼視機能の回復訓練に関する業務、これらを中心として担っていただいたわけでございますが、私も眼科医等にお伺いをいたしまして、視能訓練士の果たしていらっしゃる役割というのは大変大きなものがある、こういうふうに私自身も十分認識いたしております。今回の眼科検査業務を幅広く行うことによりまして、眼科の領域における重要な資格としてこれまでにも増してその役割が高まっていく、このように考えているような次第でございます。
#63
○堀利和君 ありがとうございます。
 今回、この法律では、弱視のお子さんたちの両眼視機能の回復訓練、そして加えて、眼科における検査等を業務に含めるということで、大変前向きの視能訓練士に関する法律の改正であったわけです。
 実は、少し時間をいただいて、直接法律には関係しないんですけれども、しかし視覚障害のことからいえば全く無縁ではないということで、ひとつ御質問させていただきたいと思うんです。平成三年の六月二十八日に、カイロプラクティックに関しての通達が出たわけですね、課長通達が出て、研究報告も出たわけですけれども、最近ちょっとその動きがありましたので、この問題について取り上げさせていただきたいと思います。
 脊椎原性疾患に関するいろんな研究報告、そして通達があるわけですけれども、私たち視覚障害者にとっては、あんまマッサージ指圧、はり、きゅうというのがほとんど唯一の仕事であるわけです。私たちの仕事だから、施術についてはいいかげんでいいとかいうわけではないので、これは国民の健康を管理あるいは回復する重要な仕事ですから、当然それはそれとして医学的な知識、技術を磨かなければいけないわけです。ことしから国家試験になって、合格者も発表になったわけですが、私たちは三年間一生懸命勉強して、ことしは国家試験ということで、そういう試験も受けて資格を取ってやっているんだと。
 ところが、今から取り上げます問題、特にカイロプラクティックの施術をやっている方々は無免許、無資格であるわけです。この点につきましては、以前にも当委員会で取り上げさせていただいたわけですけれども、やはりそこに、視覚障害者にとって、はり、きゅう、あんまマッサージ指圧を業とする者にとって、どうしても腑に落ちない点があるわけです。
 しかし、昭和三十五年の最高裁判決では、有効無害であれば憲法における職業の選択の自由という保障権利から取り締まることができないと、こういった業をやっている方々を取り締まれないんだということと、あくまマッサージ指圧とカイロプラクティックの施術とは違うという、昭和四十五年の医務局長通達も出ているわけです。この辺については、もう既に何度もこの問題で厚生省と私もやり合って、結局は堂々めぐりなんです。ですから、そこに余り踏み込みたくないわけですけれども、この平成二年の研究報告なり通達をもう一度見ましても、どうしても腑に落ちないといいますか、御見解を伺いたいというふうに思っております。
 そこで、いわゆるカイロプラクティックの施術を行っている方たちは全国に何人ほどいるのか、これはもう推計になろうかと思いますけれども、その辺を把握されているんであればお聞きしたいと思います。
#64
○政府委員(寺松尚君) 先生が今御指摘のように、カイロプラクティックにつきましてはその資格法がないわけでございます。したがいまして、それを業としております人の数の把握というのはなかなか難しいわけでございまして、厚生省としては実はその資料を持っておりません。
 私どもが聞いております団体でございますけれども、日本カイロプラクティック連絡協議会というものに所属しております団体の会員数で仮に見てみますと、約九千人ぐらいというふうに聞いております。
#65
○堀利和君 九千人というと大分私は多いんだろうと思うんです。
 そこで、研究報告なり通達の中で幾つか問題点が挙がっています。特に四点ほど挙がっています。
 一つは、禁忌疾患の問題があります。二つ目は、危険な手技の禁止、三つ目としましては、医学的治療の遅延防止、四つ目は、誇大広告の規制というふうに通達にもあるわけですけれども、そのうちの禁忌疾患について少しお伺いしたいと思うんですが、「徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、」ということで幾つか挙がっているわけです。椎間板ヘルニアとか変形性脊椎症、あるいは亜脱臼、不安定脊椎、こういったようなものが幾つか挙がっているんですけれども、こういう疾病を持った患者さんがどういうような症状を訴えるのか、どういうところに痛みを感じるのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(寺松尚君) 今、先生が御指摘いただきました疾患等でございますけれども、腫瘍でございますとか出血性あるいは感染性の疾患、リューマチというようなものは障害の部位や病歴等に応じまして多様な症状を生じます。また、これは先生が御指摘になりました椎間板ヘルニア等の脊椎の疾患につきましても、その障害部位や障害の程度に応じまして首の痛みあるいは腰の痛み、あるいは四肢のしびれや知覚異常というようなものが生じるわけでございます。そのような症状が、今のような疾患のあらわれておるといいますか感知することができるような症状ではないかと思います。
#67
○堀利和君 平たく言えば、腰が痛いとか肩が痛い、背中が痛い、手がしびれるとかいろいろあろうかと思うんですが、あんまマッサージ指圧、はり、きゅうの勉強をして資格を取って業としている者にとっては、腰が痛いという患者さんが来た場合ある程度自分たちの施術の対象の範囲として判断すると思うんです。これ診断することは医師以外はできまませんから医師法に抵触するわけですけれども、マッサージ師なりはり師にとってはそこの判断は許されると思うんです。その許され
るということはそれなりの教育を受けて、教育課程のカリキュラムがあると思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。
#68
○政府委員(寺松尚君) これも先生御指摘の課長過知でございますけれども、その中でカイロプラクティック療法につきましていろいろ注意をいたしておるわけでございますが、まず施術前に十分な聞き取りを行う、椎間板ヘルニア等と明確な診断がなされておる者については対象としないということ、それから施術中に症状が増悪する場合等においては速やかに医療機関において精査を受けるよう徹底することというようなこと、そういうようなことを指示しておるわけです。カイロプラクティックを業とする者は、その療法の禁忌対象疾患の診断ができないといたしましても、事故を何とか未然に防ぐということは可能ではないかというふうなことで今のような通知を出しておるわけでございます。
#69
○堀利和君 私も、マッサージ指圧、はり、きゅうを業としている者は、当然三年間勉強して資格を取っているわけですからそれなりの判断が法的にも認められているし可能だと思うんです。ところが、カイロプラクティックを施術している方は、果たしてどこまで勉強してどこまでの医学的な知識があるかわからないわけです。そういうことからいうと、例えば腰が痛いからといって患者さんが来ます。九千人ほどカイロプラクティックをやっている方がいらっしゃるということなんですけれども、恐らく全国で看板を数千掲げて業としていると思うんです。その中に腰が痛いからといって患者さんが来ると思うんです。これ、患者さんが果たして禁忌疾患なのかどうかどこで判断するんですか。
#70
○政府委員(寺松尚君) したがいまして、今の通知の繰り返しになるわけでございますが、とにかく事前にいろいろとお話を聞いて、その辺の医師からの診断をもらっているとかいろいろあるかと思いますので、明確な診断をされている者についてはそれはやらない、こういうことでございます。それからまた、実際施術をやっておりまして症状が増悪するような場合もあるわけでございます。そういう場合には、速やかに医療機関の方で精査を受けるようにということを徹底することを指示しておるわけでございまして、そのようなことでなされるのではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、禁忌疾患自身を診断することはこれは医者でございませんからできないわけでございまして、そこで、それを何とかそういう事故が起こるのを未然に防止するということはできるのではないかと先ほども申し上げましたが、そのように考えておるわけでございます。
#71
○堀利和君 いや、どうもそこがよくわからないんです。
 そうすると、腰が痛いなという患者さんはとにかくまず病院に行って、それが重要な病気であるかないか、禁忌疾患なのかどうか病院に行って診断を受けて、それからカイロに行きなさいということですか。
#72
○政府委員(寺松尚君) そういう場合もあるのではないかと思いますし、それから先ほども申し上げましたように、そういうことがなくて実際自分が施術をやっているうちに気がつかれる。どんどん増悪していくという可能性も出てきたときに、それによりまして判断をし適宜医療機関の方の受診を勧める、こういうことになるのではないかと思います。
#73
○堀利和君 今、判断をしと言われた。判断をしていいんですか。
#74
○政府委員(寺松尚君) 今申し上げたような医学的な判断というようなそういう専門的なという意味ではございませんで、話を聞きながら、あるいは様子を見ながらと、こういうようなことではないかと思います。
#75
○堀利和君 そこが問題なんです。つまり昭和三十五年の憲法判断では、有効無害であればいいと。これは、みんな来る方が禁忌疾患のおそれもない、やって有効無害だと、害がなければいいという患者さん全員ならいいですよ。逆に、無効といいますか、むしろ有害ということもあり得るわけですね。そういう患者さんが含まれる可能性というのはあるわけです。ここの判断を今言ったようなあいまいなものでやっていいのかどうかです。
 研究報告なり通知もそうです。医学的治療の遅延防止、まさに判断もできないからこそ、腰が痛いからといっていわゆるカイロの施術を行っていつまでもやっていて、結果として本格的な医学的な治療が遅くなってしまうということをはっきりここで言っているわけです。つまり、それほど判断もできない、そういう現場が許されていいのかどうかということなんです。もう一度、くどいようですけれども、そこの点だけお聞きします。
#76
○政府委員(寺松尚君) したがいまして、先ほどから申し上げているんですが、通知も出し、またそういう団体の連絡協議会もございますので、そこらで適正に行われるように自主的に判断していくことにつきましてのいろいろ取りまとめをお願いしておる、こういうことだと思います。

#77
○堀利和君 適正に判断するための担保は何ですか。

#78
○政府委員(寺松尚君) 私が先ほど申し上げましたことをもう少し詳しく申し上げますと、日本カイロプラクティック連絡協議会におきましていろいろな自主的なことを取りまとめておられるわけでございまして、そこに例えば危険な手技の禁止についてはいろいろと手順を書いてございます。それから、医療受診の遅延並びに医療機関との連携についてもいろいろとその中身を、例えば施術当初及び施術開始後症状の好転または改善のない者、または必要と認めた場合は、速やかに専門医を紹介またはかかりつけの医院へ精検の受診を勧めるというようなことで、自主的にその辺を取り決めておられる、こういうことでございます。
#79
○堀利和君 時間が来ましたから最後に一言、大臣にお伺いしたいんですけれども、これは国民の健康という観点から見て大変私は重要なことだと思うんです。
 そこで、昨年十一月二十五日に、先ほどから出ているようにカイロプラクティックの連絡協議会が発足しました。ここに医事課長が、現職の職務にある課長が出席して、これ言うなればお祝いの場所ですよ、会が発足したわけですから、あいさっしたわけです。厚生省として、このカイロプラクティックの施術をしている方々を育てていくのか、育成していくのか、どうなんでしょうか。
#80
○国務大臣(丹羽雄哉君) カイロプラクティックの療法等いわゆる医業類似行為でございますが、これにつきましては先ほど委員からも御指摘がございましたように、基本的には昭和三十五年の最高裁の判決を踏まえまして、人の健康に害を及ぼすおそれのあるものは取り締まりの対象となる、それから、人の健康に害を及ぼすおそれのない業務行為については禁止、処罰の対象とならない、こういうことになっておるわけでございますけれども、現実問題といたしましてこれは非常に難しい厄介な問題であります。
 と申しますのは、私どもいわゆる健康を守るという立場から、医事課長がもし出席したとすれば、大変大きな問題を抱えている中においてこれはこのまま放置していいのかどうか、こういうような観点から連絡は密にとらなければならない、こういうことから出席したのではないかと私なりに考えておるわけでございますけれども、いわゆるカイロプラクティックというのは、まず基本的に無免許であります。無免許でありながら看板を掲げております。しかしその一方で、こういうことを言ってはおしかりを受けるかもしれませんけれども、結構そのニードというか愛用者というのがいることも紛れもない事実でありまして、要するにこのカイロプラクティックというものをそのまま放置しておくことが、いわゆる国民の健康を守る厚生省の立場として大変難しい立場にあるわけでございます。
 ただ、御理解を賜りたいのは、今このカイロプラクティックを基本的に育成する考え方は持っておりません。しかし、こういうような問題をその
まま放置していいのか。しかし、現実問題としてこれだけ大勢の方々が行っておるということも耳にしておるわけでございますし、堂々と看板を掲げていわゆる職業選択の自由の中で業務が行われていることも事実であります。
 いずれにいたしましても、そのあり方等につきましてどういうような方向が望ましいのかどうか、今この場においてすぐに先生に即答はできないわけでございますけれども、この問題については、推移といいますかカイロプラクティックのあり方については十分に検討を加える必要がある、このように考えているような次第でございます。
#81
○堀利和君 終わりますけれども、三十五年の最高裁判決は別としまして、とにかく腰が痛いといって来た患者さんに対してカイロの施術をやることが果たして無害なのか有害なのか、この判断をいつだれがどこでするのかということに答弁いただいたと私は思っておりませんので、さらに御検討をお願いしたいと思います。
 終わります。
#82
○南野知惠子君 質問をさせていただきます南野でございます。よろしくお願いいたします。
 このたび、皇太子殿下におかれましては、昨日、納采の儀を終えられましたことは、国民の一人として慶賀の念にたえないところであります。私は、助産婦でありますことから、御成婚とさらに近い将来に皇太子妃におかれます御懐妊などの喜びをも待ち望むものであります。
 厚生大臣におかれましては、御就任早々から、人道的にまた積極的にエイズ等にもお取り組みなされたことは、医療関係者の一人として大いなる学びをいただきました。今後もさらなる御指導を賜りたいと存じます。
 このたびの放射線技師法及び視能訓練士法の一部を改正する法律案についてお伺いしたいと思います。
 今回取り上げられました二つの法案は、ともに保健婦助産婦看護婦法を開いて業務の拡大でございます。看護職の業務専念には望ましいこととも思われます。私も、臨床教育にありますとき、ともに仲よく仕事をしてきた職種の方々であります。特に、視能訓練士の方々については、日本で初めて活動された理事長さんまたは日本で第一回目の卒業生と言われる方にもお会いしました。若い職種であることから、また長年の望みでもあることから、この法律の通過によりニーズに合ったその専門性の育成を見守りたいと思っておるところでもございます。
 そこで、医療関係職種二法案として今回提出されています二つの法律改正において、診療放射線技師と視能訓練士の業務範囲が拡大されていますが、まずどのような考え方に基づいてそれぞれの業務の拡大を行うこととされるのか、その法律改正の基本的なお考えをお尋ねしたいと思います。
#83
○政府委員(寺松尚君) 医療の分野におきます科学技術の進歩あるいは医学医術の進歩というものに伴いまして、医療の現場におきましては比較的安全に取り扱いができます医療機器が使われる、そういうふうな業務が新しい業務として生じております。このような業務の中には既存の医療関係職種の業務と隣接した領域にあるものもあります。こうした業務につきまして、既存の医療関係職種がそれぞれの持つ専門性を生かしながら効率的かつ適正に業務の役割分担をしていくことが求められている、このように考えておりまして、このような観点から今回診療放射線技師及び視能訓練士の業務の拡大をお願いしているわけでございます。
#84
○南野知惠子君 現在、医療の立場にありましては多くの医療関係職種がそれぞれの法律に規定され業務を担当しております。それぞれの専門性は養成課程において具体的にその資質が裏打ちされており、その資格を持つ者がその業務を専門的にまた的確に行うことができるのだと思いますが、今回の診療放射線技師と視能訓練士の業務拡大は、従来これらの職種が持っている専門性をさらに変更するような業務拡大なのではないでしょうか、お伺いいたします。
#85
○政府委員(寺松尚君) 現状からまず申し上げたいんですが、診療放射線技師は、エックス線写真撮影など放射線を人体に照射することを業務としております。また、視能訓練士は、両眼視機能に障害のある者に対しまして、両眼視機能の回復のための矯正訓練あるいはこれに必要な検査を行うということになっておるわけでございます。
 こうしたそれぞれの資格の医学的な専門性を形づくっております業務につきましては、今回の改正においてもそれぞれの資格の基本的な性格には変わりはないものでございます。したがいまして、他の職種につきましても、例えば看護婦等の職種がこの拡大によって変わるということではございません。
#86
○南野知惠子君 今回二つの法律改正が提案されているわけでございますが、先ほどおっしゃっていただきました考え方に沿って、診療放射線技師と視能訓練士以外に制度改正が必要な職種はあるのでしょうか、お尋ねいたします。
#87
○政府委員(寺松尚君) これもちょっとお答えしたことではございますが、今回の改正は、医学医術の進歩等によりまして新たに生じました業務につきまして、可能なものについては既存の医療関係職種において効率的かつ適正に役割分担をしていくという観点を持っておるわけですから、この観点によりまして業務の拡大を図ったということでございます。それをまた法律の改正によって対応するということでございまして、診療放射線技師及び視能訓練士のほか臨床検査技師につきましても政令改正によりその業務を拡大することを予定いたしておるわけであります。
 なお、私ども、これらの医療関係職種の業務の拡大は医療関係者の合意を踏まえて行うということを原則にやっておるわけでございます。
#88
○南野知惠子君 先ほど御答弁いただいていることかもわかりませんが、放射線技師について今回の改正によって具体的にどのような業務を追加して行うことができるのか、再度お尋ねしたいと思います。
#89
○政府委員(寺松尚君) 今回の改正につきましてお願いいたしておりますのは、診療放射線技師の業務といたしまして、「磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査」ということを追加いたしたいと思っておるわけでございます。具体的には、政令におきまして、磁気共鳴画像診断装置それから超音波診断装置、無散瞳眼底写真撮影装置を規定する予定にいたしております。
#90
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 超音波診断装置による検査が診療放射線技師の業務として追加されるということでございますが、助産婦は超音波や分娩監視装置の取り扱いができるのは従来と同じでありますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#91
○政府委員(寺松尚君) 先ほどお答えいたしたかと思いますけれども、それによって看護婦業務ができなくなるというようなことはございません。できるわけでございます。
#92
○南野知惠子君 ありがとうございました。確認させていただきまして幸せに思います。
 さらに、今後も科学技術等の進歩によって新しい医療機器が登場してくることも十分予測されるわけでございますが、今回追加しました業務と同様の業務が今後生じ放射線技師に担わせることが適当だと思われるような場合には、機動的な対応ができるのでしょうかお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(寺松尚君) 今回の診療放射線技師の業務といたしまして拡大をお願いしておりますが、「磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であって政令で定めるものを用いた検査」、こういうふうに追加いたしておりますことでございますので、今先生がおっしゃいましたような新しい業務がさらにこれに関連しまして出ました場合には、医療関係者のもちろん意見も踏まえながらでございますが、さまざまな角度から検討を進めて適当となれば政令改正によりまして対応していきたい、このように思います。
#94
○南野知惠子君 次に、視能訓練士に関してでご
ざいますが、具体的にどのような業務を行うことができるのでしょうか。再度お聞かせいただきたいと思います。
#95
○政府委員(寺松尚君) 今回の改正によりまして、視能訓練士の仕事は、人体に影響を及ぼす程度が低い眼科検査を行うことを業務とし、両眼視機能に障害のある者以外の者に対する眼底検査を行うことができるということを追加いたしたいということでお願いをいたしております。それをさらに具体的に申し上げれば、脳卒中の早期発見のための眼底写真撮影やドライアイ等に関しまして涙腺の分泌状態を見ますための検査というものを追加したい、このように考えております。
#96
○南野知惠子君 それぞれに医療開運の資格を持っている者が専門性を発揮しつつ、協力して業務に当たることは重要であります。今回チーム医療に関する規定が診療放射線技師法と視能訓練士法の中に盛り込まれております。さらに、放射線技師法の中には守秘義務ということも盛り込まれておりますが、このことについての考えをお伺いいたします。
#97
○政府委員(寺松尚君) 最初にチーム医療に関してでございますが、医学医術の進歩あるいは医療の高度化というふうなものに伴いまして、高い専門性を有します業務やこれを担う職種が発生してくるとともに、医師を中心として多くの医療関係職種が連携して治療に当たるチーム医療という考え方が不可欠であることは先生御承知のとおりでございます。こうした観点から、昭和六十二年でございますが、制定されました臨床工学技士法とそれから義肢装具士法、さらに平成三年に制定されました救急救命士法におきましても、他の医療関係職種との連携規定が設けられておるわけでございます。こうした最近の新しい医療関係職種に盛り込まれた考え方を踏まえまして、診療放射線技師法、視能訓練士法におきましても今回の改正を機会にそれを導入いたしまして、他の医療関係職種との連携を図っていくこととしたわけでございます。
 それから、守秘義務規定の問題が診療放射線技師の場合にお話がありましたけれども、御承知のように医療関係職種におきましては、その職務柄人のプライバシーにかかわります事柄を知る機会が非常に多いわけでございまして、人権擁護の観点からこうした個人の秘密を守ることが今求められております。こうした守秘義務は医療関係者の職業倫理としても当然に守ることが求められているわけでありますが、これに加えまして、ほとんどの医療関係資格法において守秘義務は課せられて罰則までついておるわけでございます。ただ、この診療放射線技師につきましてはその辺がなかったものでございますので、今回規定を設けて守秘義務を厳守させようとしておるわけでございます。
#98
○南野知惠子君 ありがとうございました。やはり医療関係者にとっての守秘義務というのは大切な問題かとも思われます。
 また、今回の改正によって診療放射線技師や視能訓練士の業務が拡大されるわけですが、この改正が直ちにこれらの職種の需給に影響を与えるほどのものではないと考えられますけれども、診療放射線技師については以前から不足の声も聞かれております。診療放射線技師と視能訓練士について現状の需給の認識と今後の育成に関する考え方をお伺いいたします。
#99
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師につきましては、医療の現場の方からも不足の声を私どもも聞いております。関係者の間でもそのようなお話が出ておりました。そこで昨年でございますけれども、関係者、有識者から成ります診療放射線技師需給計画検討委員会というのを私ども設けまして、いろいろと御議論いただいたわけでございますが、そのときに出ましたのは、現在の養成定員のままでは将来的には不足の状況が拡大するのではないかというようなことで養成定員の増を図る必要がある、こういうふうな御趣旨のお答えをいただいたわけでございます。こうした報告を受けまして、私どもも、地域の状況は各ブロックで多少差がございますが、それぞれの地域の状況等も勘案しながら必要な診療放射線技師養成所の確保に今後も努めてまいりたいと思います。
 それから、視能訓練士の場合は、様子が若干違うのでございますが、近年、養成施設のない地域や需要が多いと考えられる都市圏におきまして、私ども養成所の承認をいたしてきておりまして、今のところ直ちに需給が逼迫しているという状態ではないというふうに思っております。しかしながら、私どもは、今後の視能訓練士の需給の動向の把握に十分努めまして、必要な視能訓練士が確保されるよう適切に対応してまいりたいと思います。
#100
○南野知惠子君 科学の進歩に伴い専門性を深めるためには継続教育または自己研さんなど大切なことではございますが、これらの教育に関連しましても研究が盛り込めるような専門大学の整備を行っていただきたく要望申し上げます。
 次に、厚生大臣にお伺いいたしたいのですが、今回の改正のような業務が今後新しく生じてきた場合どのように対応されるのでしょうか。また他方、既存の職種で対応できない場合には新しい資格の創設が求められるのでしょうか、この点についてのお考えもあわせてお聞かせいただきたいと思っております。
#101
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の改正の基本的な考え方といたしましては、医学の進歩などに伴いまして新しく生じてきた義務について、既存の医療関係職種の業務とそれに隣接する領域にあるものについては関係の職種がそれぞれの持つ専門性というものを十分に発揮しながら効率的で適正な業務を行っていただく、同時に、相互の業務の乗り入れというものを行いまして医療業務が全体として一体となって取り組んでいく必要がある、こういう考え方に立つものであります。いずれにいたしましても、医療の現場のニーズに適切に対応しながら、求められる医療を的確に提供していくという観点から今後ともこうした考え方は大変重要になってくるのではないか、このように考えておるような次第であります。
 また、ただいま御指摘がございました既存の医療関係職種では対応できない、こういうような問題につきましては、真に新しい資格の創設が求められるものに限ってそうしたことの方向もあわせて検討していくことはやぶさかでない、このような考え方に立つものでございます。
#102
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 この機会に看護婦等に関してもお尋ねいたしたいと思いますが、初めに、過日この委員会でも話題となりました指定老人訪問看護事業を行う医療法人に対し必要な資金の貸し付けに御配慮をいただいたこと、看護協会からも喜びとして伝えられました。ありがとうございました。
 また、五月十二日が看護の日と制定されましてことしで三年目を迎えております。この看護の日も国民の間に定着してきているのではないかと思われますが、この日を中心とした看護に関する普及啓発事業についてどのような取り組みが進められてきているのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#103
○政府委員(寺松尚君) 高齢化社会がだんだんと進行しておりますが、看護職員の確保というのは重大な問題だと思っておりまして、看護職員の確保を推進していくために、国民が看護に対します理解を深め看護の仕事の重要性を認識することは重要なことだと認識いたしております。
 その方法といたしまして、障害者等に対します日常生活上の必要な援助を行うなど国民の看護に親しむ活動への参加を促すことが重要と考えておりまして、平成四年度におきましては、看護週間中に中央行事といたしまして看護フォーラムを開催する、それにさらに全国的に一日看護婦体験を実施いたしたわけであります。また、各都道府県におきましても、看護について関心や理解を深めるために、看護週間を中心といたしまして地域の実情に応じまして多彩な記念事業や啓発普及事業を実施しているところでございます。
 本年度のことでございますけれども、昨年と同
様、中央及び各都道府県において看護の日及び看護週間の記念事業等の実施を計画いたしておりまして、これらへの参加を促進することによりまして国民の看護に親しむ活動が推進されますよう努めてまいりたいと思います。
#104
○南野知惠子君 ありがとうございます。看護の日はやっと定着してきて、看護の日ということもひとり歩きできるようになったのかなと感謝申し上げておりますが、助産婦の国際学会の中にICMというのがございまして、そこでは国際的に五月五日を助産婦の日というふうに制定されてもおります。そういったことも助産婦の仲間たちは検討し、会を持っていくところでございますが、そのことについてもよろしく御高配をお願いしたいと思っております。
 また、昨年人材確保法が制定され、ありがとうございました。この法律に基づいて看護婦確保に関する基本指針を昨年末に策定していただいたところでございます。人材確保法やそれに基づく基本指針を基盤として、さらに継続的に看護婦確保対策などに取り組んでいただきたいと思うわけですが、厚生大臣の御決意をお願いしたいと思います。
#105
○国務大臣(丹羽雄哉君) 四人に一人が六十五歳以上となる二十一世紀の本格的な高齢化社会を控えまして、ゴールドプランなどの円滑な実施を図るために、保健医療サービスを担う看護職員の質面、量面にわたる確保を促進していくことが不可欠である、まずこのように考えております。
 これまでも、いわゆる養成の拡充、再就職の促進などを柱といたしまして看護職員確保対策を講じてまいりました。さらに、ただいま先生からも御指摘がありましたように、看護職員の確保の重要性を十分に考慮いたしまして、昨年成立いたしました看護職員の人材確保法、これは助産婦さんも当然のことながら含まれておるわけでございますけれども、この人材確保法とこの法律に基づきます基本指針を基盤といたしまして、現在就業しております看護職員の離職の防止や、四十四万人を超えるのではないかと言われております潜在看護職員の再就職を促進するなどの確保対策を推進していく決意であります。
 なお、昨年の診療報酬改定におきましては、初めて看護面に着目をいたしまして二〇%の診療報酬の引き上げを行ってきたわけでございます。今後とも、待遇改善のあり方等につきまして積極的に取り組んでいくわけでございますけれども、何と申し上げましても医療で働くとうとさというものを国民の皆さん方にもっともっと御理解をしていただきたい。そして、看護職員が今申し上げましたような働きやすいような環境づくりのために全力で頑張る決意でございます。
#106
○南野知惠子君 ありがとうございました。予算も大幅に獲得された大臣の有能性は、これはもう周知のことと存じますが、厚生大臣の前向きな御決意に感謝申し上げます。
 そこで、人材確保法の基本指針には養成に関する項も含まれておるところでございますが、看護婦等の養成には複雑な点や矛盾点もありますため、魅力ある看護職種の養成とその業務のあり方を期待し、大臣の御高配により、ぜひ近い将来の検討課題としてこれらのことを取り上げてくださるよう提起させていただき、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#107
○委員長(細谷昭雄君) 両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#108
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#109
○木庭健太郎君 それでは、二法について審議をさせていただきます。
 まず、午前中の質疑の中でも今回法案を出した意味について大臣及び局長の方から種々御答弁があっておりました。その趣旨はよくわかりますし、医療関係職種をこれからどういうふうに位置づけきちんとしていこうという中で出てきた法案だと、しかも高度医療という問題があると、その辺は十分私も認識しているつもりでございます。
 ただ、まず冒頭お伺いしておきたいのは、ではこの二法というのは、そういう医療関係職種をいろいろこれから整理していく中でこの法案でもうでき上がったという認識を抱いていらっしゃるのか。それとも、この二法案を受けて、これからまだまだ医療職種の中には整理したりまた新しく制度化したりいろんなさまざまな問題を抱えているけれども、これが一つのステップであるというふうな御認識を持っていらっしゃるのか。また、今後課題があるとするならばどういう課題が一番大きいととらえていらっしゃるのか。その辺を含めて御答弁を冒頭いただきたいと思います。
#110
○政府委員(寺松尚君) 今回の法律改正の趣旨につきましては、もう何度か申し上げましたのですが、これから医学医術の進歩等に伴いまして新たに生ずることとなった業務等につきまして、既存の医療関係職種の間で適正かつ効率的に業務分担をしようとするものであります。このような観点から、診療放射線技師及び視能訓練士の業務の拡大を行うということでございます。
 また、今回の法律改正にあわせまして、先ほどからも御説明しておりますように、臨床検査技師の業務につきまして、これは政令でもって改正を行って拡大をしていこう、こういうことを予定しておるわけです。こういう拡大をしようとしております業務につきましては、医療関係者の間で検討、それから合意が得られたというようなものでございまして、私どもその得られたものから適切に対処していきたいと考えております。具体的に新たに業務分担の必要性が生じた場合には、厚生省としても、医療関係職種間でのまず検討を促しまして、必要に応じて助言を行い、合意がなされた業務につきまして所要の措置を講じていくことが適当であると考えておるわけです。
 なお、既存の医療関係職種では対応できないというふうな真に新しい資格の創設が求められる、そういう場合につきましては、そうした方向もあわせていろいろな御意見を伺いながら必要に応じて検討していく考えでございます。
#111
○木庭健太郎君 答弁していただくときに、私わざわざ今回の趣旨はわかったということを言っているわけですから、その分をまた御答弁いただくと、以前理事会で論議のありました、同じ答弁を求めるのはけしからぬという話もある理事から指摘もございましたし、そういう重複を避けようと思って私は質問しておるわけでありまして、その辺は御配慮いただきながら御答弁をいただくとありがたいと思っております。
 それでは次に、今回の法案の中で、先ほど診療放射線技師法案について政令で定めるものということについてお問い合わせがあっておりました。確認をいたします。政令で定めるのは三つだということでいいのか。先ほど言われた磁気共鳴画像診断装置、これなど三件を先ほど局長は挙げておられましたけれども、政令で書くものはこの三件でいいのか。
 それからもう一つお聞きしたいのは、視能訓練士法においては、「厚生省令で定めるものを除く。」というふうに定義しておるんですけれども、厚生省令で定めるというのは何をお定めになるのか。この二点を教えていただきたいと思います。
#112
○政府委員(寺松尚君) 前の診療放射線技師につきましては、先生がおっしゃったとおりでございます。
 それから視能訓練士につきましては、眼科にかかわります検査一般を従来の業務に追加することとしておるわけでございます。今先生が御指摘の、何を除外するのかという御質問がございましたが、これは人体に及ぼす影響が大きい検査という
ことで、涙道通水・通色素検査につきまして除外する予定にいたしております。
#113
○木庭健太郎君 そうすると、厚生省令で定めて除くものは、その具体例だけの一件だということでいいのかどうかをもう一回確認させていただきたい。
 それともう一つ、診療放射線技師法では第三十条、視能訓練士法では第二十条の二に新たに経過措置を定めることができる旨の規定を設けておりますけれども、今回の改正に伴ってどういう経過措置を考えていらっしゃるのか、これをあわせて御答弁いただきたいと思います。
#114
○政府委員(寺松尚君) 今の除外例につきましては、現在のところ今申し上げたことだけを考えております。
 それから、法案に設けました経過措置に関することでございますけれども、この改正を行いました後の第三十条及び視能訓練士法の改正後の第二十条の二は、今後政省令の改正を行った場合において、当該政省令において必要な経過措置を定めることができるということを定めたものでございます。今回の法改正に伴う政省令につきましては、特段の経過措置を想定しておるというわけではございません。今までなかったものにそういうふうな経過措置を入れたということでございます。
#115
○木庭健太郎君 それと、今回の法案で、結局診療放射線技師については画像処理みたいな分野が非常にふえてくるわけですね。そういう意味では、放射線技師というとすぐエックス線のことを思い浮かべてしまってどうも限定されるような職種に感じるんですけれども、この名称について何か御検討はなさらなかったのかどうか。例えば画像情報処理技師とか、もっと適度な名前があったんじゃないかというふうに考えるんですけれども、そういうことがなかったのかどうかというのを一点お伺いしたい。
 それから、業務拡大について先ほどお話があっておりました。その中で、具体的に聞いておきますけれども、そうするとカリキュラムの変更については先ほどの答弁ではそうなくてもいいとおっしゃっていましたけれども、試験とか試験科目とか試験内容とか、そういうものには今後変化が生じるのかどうか、そういう点について教えていただきたい。
#116
○政府委員(寺松尚君) 先生が御質問になりました第一点の件でございますが、私ども、今回の改正は中心的な業務を改正しておるわけではございません。それに付加した業務をしておりますので、名称につきましては特別な御意見はございませんでした。診療放射線技師としてで適当ではないか、こういうように承っております。
 それから、カリキュラムの件に引き続きまして試験の改善の話が出ましたけれども、今回追加します業務につきましては、その内容が従来の業務の技術基盤と共通しているものでありますし、かつ、人体に対する侵襲性の低い業務でございます。そこで、また自由選択科目というようなことを利用するなどしまして、既にかなりの養成所におきまして教育において対応されているという状況も承っておりまして、その辺でございますので、基本的にはカリキュラムを大きく見直す必要もなく、また試験を大きく変える必要もないのではないか、このように考えております。
#117
○木庭健太郎君 それと研修の問題、先ほど局長の答弁を私はっと書いたところによると、一言で言うと研修というのは現在働いていらっしゃる人の問題ですね、業務追加になると。そうすると、やはりその部分の技術を習得しなければいけないんじゃないかという問題が起きてくる。確かに、これから業務がすごく広がるわけではないのでという御答弁もありましたけれども、先ほどの御答弁でいきますと生涯学習は大事だと、私もそれは大事だと思います。それから、専門団体で自主的な取り組みも大事だと、それもそのとおりだと思います。
 ただ、そういうものに加えて、専門団体がやるものに対して、やはり厚生省も今後そういう医療関係職種の技術の向上という問題に前向きに取り組んでいくならば、例えば専門団体がそういう研修を行うならば、それに対して厚生省も参加しながら、サジェスチョンしながら、やはり研修というのをきちんとした枠内でとらえる必要があるんじゃないかというふうに考えるんですけれども、これについてはいかがですか。
#118
○政府委員(寺松尚君) お答えいたしましたように、先ほどからいろいろな共通的な基盤というものでございまして、そういう付加する業務が特別なあれはないというふうなことを申し上げた、あるいは大きく変える必要はないというようなことを申し上げたわけでございますけれども、やはり医学医術の進歩というのは目覚ましいわけでございまして、やはり生涯教育として取り組んでいただくということは望ましいわけでございます。
 そこで、私どもは、こういう講習会とか研修会というようなことを通じまして、各医療関係団体と申しますか、そういう団体がおやりになることにつきましてそのようにぜひ積極的に取り組むような形で指導してまいりたい、こう思っております。
#119
○木庭健太郎君 だから、相手任せだけにするんじゃなくて、やはり厚生省としても、今後の医療という問題を考えたときに、ともに取り組んでいくということが見えるような形が大事だと思うんですよ。確かに自主性というのを尊重するのも大事だし、そのとおりだと思うんですけれども、その点もう一回確認させていただければありがたいと思います。
#120
○政府委員(寺松尚君) 私が申し上げましたのは、そういうふうな自主的な取り組みにつきましてもいろいろと相談等も受けるわけでございますし、適切な助言とか指導をしてまいりたいと思います。
#121
○木庭健太郎君 それから次に、先ほど南野委員は御要望だけでとどめられていたんですけれども、私はちょっと質問として聞いておきたいと思うんですが、それは何かというと、これからこういう医療関係職種の方々が要望している問題というのは、より技術の専門化であり、その研修をより高めたいということで養成施設の大学化という問題を御要望なさっていらっしゃいます。
 例えば診療放射線技師会でも、従来からこの養成教育というのは四年生大学で行うべきだという主張をなさり、要望もされているようでございます。こういった関係、いわゆる大学化、学部の設立というような問題について厚生省としてはどういうふうなお考えを持っていらっしゃるのか、これをまずお伺いしたいと思います。
#122
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師の養成についてでございますけれども、医療の技術の進歩による業務の高度化等に対応して、質の高い有資格者を確保していくという観点から申し上げれば、四年制大学の設置に取り組まれることは基本的には望ましいことだと認識をいたしております。
 しかしながら、診療放射線技師の学校養成所の修業年限につきましては、その年限の間に必要な知識、技能を修得できるかどうかというような観点もこれ必要かと存じます。それから、法令上の他の医療関係職種とのバランスというようなこともございます。私ども、高等学校卒業三年以上、そんなようなことを考えて決められているわけでございますが、現在、診療放射線技師の量的な不足も指摘されておりまして、養成力を増強しなければならない状況にあることなども踏まえて考えますと、現在のところはこれを改める状況にないのではないか、こういうふうに考えております。
#123
○木庭健太郎君 他の職種とのバランスの問題とおっしゃいました。私は、もちろん今こういういろんな関係職種の人たちの人数が少ないという現状の中では、まず養成していくことが必要だということも十分認識はしているつもりでございます。
 ただ、逆に考えるならば、大体こういう医療専門、医療関係職種というのは、従来、高卒三年というのが一つの基準で、どの職種も大体そういうめどをつけて横並びになっている。ただ、逆に言
えば、いろんな業務を付加するようなことができるようになってくる、しかも専門化という問題が起きてくるということであれば、この医療関係職種の育成自体について従来どおりの三年でいいのかどうかという問題も含めてやはり考えていかなければいけない問題ではないかというふうに思うのでありますけれども、そういう養成課程そのもののあり方を今どんどん要望が高まっている中で検討していく必要があるんではないかと考えますが、いかがですか。
#124
○政府委員(寺松尚君) 基本的な考え方につきましては申し上げたのでございますけれども、これからの医学医術の進歩というものに対応して、養成課程の具体的内容につきましても今後適切に対応していかなければならぬと思いますし、見直していかなければならぬと思っております。
#125
○木庭健太郎君 そこで、文部省に一つお伺いしておきたいんですけれども、こういう医療関係職種について四年制大学の問題、文部省にも要望が幾つか上がってきていると思います。そういった問題を文部省としてはどんなふうにおとらえになっているのか、大学教育の中での位置づけ等ができるのかどうか、その辺も含めて御答弁をいただきたいと思います。
#126
○説明員(遠藤純一郎君) 文部省といたしましては、医療技術者の教育におきまして、それぞれの職種の教育の充実という観点で大学レベルでの養成は大事な問題であると考えておりまして、平成五年度におきましては、医療技術関係の大学といたしましては、国立大学では、大阪大学医学部保健学科、これは従来の医療技術短期大学を発展的に転換するというものでございますけれども、ここでは保健学科に看護学専攻あるいは放射線技術科科学専攻、検査技術学専攻といったようなものを設けておるわけでございます。あるいは、山形大学、富山医科薬科大学、佐賀医科大学に医学部看護学科を設置したということでございます。
 それから、公立大学につきましては、札幌医科大学に保健医療学部というものが今度新しく認可されたわけでございますけれども、これでは看護学科、理学療法学科、作業療法学科というものができたわけでございます。そのほか、兵庫県立看護大学、これは看護でございます。岡山県立大学、これも看護が主でございます。
 それから、私立大学では、東日本学園大学看護福祉学部、これも看護学科を持っておるわけでございますけれども、こういったような公私立大学につきましても、十二月に認可しまして、この四月からスタートということに相なっておるわけでございます。
 以上でございます。
#127
○木庭健太郎君 もう一つお聞きしておきたいのは、医療、福祉、それから保健の連携強化という問題では、総合的な連携強化という問題が今高齢化社会を迎えて言われているわけです。リハビリテーションの問題を考えていくと特にそういう問題が出てくると思うんです。また逆に、医療の現場におきましては、これまで当委員会でも随分議論をしましたけれども、実際はこれは福祉的分野である介護職員というのが数多くこの医療分野で関係しているというような、活躍しているという問題もあるわけでございます。そういう意味で、何となく厚生省の考えでは縦割りになりやすい福祉とか教育分野、それから医療、保健分野、こういう職種も含めて医療関係の養成課程の整合性みたいなものもやっぱり要るような時代になったんではないかというふうに思うんですけれども、そういった面で何か御検討をされるお考えがあるのか、お聞きしたいと思います。
#128
○政府委員(寺松尚君) これからの高齢化社会におきましては、先生がおっしゃるように保健と医療と福祉の連携ということはどうしても求められることでございます。それにまたもちろん対処してまいらなければならないのでありますけれども、医療関係者の養成ということについて考えてみますと、まずその資格で担います医療関係の業務自身が適切に行われることが必要なわけでございまして、それをまずやっていただかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。しかしながら、私どもいろいろ教育の中で福祉との連携ということにつきましては、医師の分野でもそうでございますけれども、看護婦の分野あるいはその他の職種の場合もそれぞれ問題として取り上げられておりまして、その辺はいろいろとお話を聞く機会も非常に多く、またその辺の認識も学生の間では高まっているのではないかと思います。
 したがいまして、医療従事者としましては、この専門性を基礎としながら、こうしたニーズに的確にこたえていくことが求められるというふうに考えておりまして、幅広い視野を持った医療従事者等が育成されるように努めてまいりたい、このように考えております。
#129
○木庭健太郎君 その中の一つの具体的問題で、作業療法士の方の問題で、これは作業療法士の方々からも御要望が出ているようでございます。この作業療法士を研修するときに、臨床実習施設として福祉施設、これは単なる福祉施設じゃなくて現在作業療法士が働いている福祉施設で研修をぜひやらせてほしいし、そういった問題が必要だというふうな指摘もなされているようでございますが、この例については厚生省としてどんなお考えをお持ちでしょうか。
#130
○政府委員(寺松尚君) 福祉施設におきます実態から考えてみますと、大体、作業療法士の方が一人というところが多いのではないかと思っております。そのような施設では、実際に臨床実習施設としてやります場合にその〇丁自身が自分の仕事をしながら実習生に教えるわけでございまして、なかなか時間的な余裕もないというようなこともあるやに聞いておりますし、いろいろな問題が起こってくるんではないかということで、私ども、今後福祉施設なんかでもそういうOTが多くなってくるというような場合にはまたいろいろ考えていかなければならぬのかもしれませんが、現在のところではとてもそれに合うような形ではないのではないかというふうに考えております。
#131
○木庭健太郎君 確かに言われるように、作業療法士さんが実際に福祉施設にいる場合は一人というケースが多いわけですね。ただ、今後の問題として、何人かチームを組んでやれるような事態になった場合はやはりそういうものも視野に入れていかなければならないんではないかと思いますので、その点をぜひ御検討いただきたいということを申し添えておきたいと思います。
 それではもう一つ、午前中から局長も今回の法案の中で非常に強調されております、要するに他の医療関係者との連携というものがだんだん強化されるようになったという問題をお尋ねしたいと思うんです。
 先ほどの御答弁の中で、いわゆる他の医療関係者との連携規定が設けられているものは、六十二年に新しく法律ができました、制度ができました臨床工学技士、義肢装具士、この二つの法律の中にはこの連携規定がある。それから、新しくできました救急救命士ですか、これにも連携規定がある。さらに、今回この二つの医療関係職種について連携規定が設けられるようになったというふうな御答弁があっておったと思います。私も、こういうふうに本当に医療というのはこれからはいろんな方々のチームワークでやっていかなければいけない、それぞれのいい分担ができればできるほど、より高度な医療ができる、より患者さんにとっていい医療ができる、そのことはそう思うのであります。
 もう一つ、そういうことをどうせお進めになるならば、一番やらなければいけないのは何かといったら、医療の中心になるのはだれかといえば、私は医師であり、歯医者さんであれば歯科医師、これが中心になってくるんだろうと思います。
 そういう意味では、中心となるべき医師法、歯科医師法、この二法がございますけれども、これには今のところ古い法律でございますから連携規定というのはございません。ただ、医療の中心的存在の医師がチーム医療の核になるわけですから、まさに医師、歯科医師が一番の連携なりチーム医療の認識がなければならないと思うんです。
そういう意味で、一番根本になる医師法、歯科医師法においてこういう連携規定というのをきちんと設けるべきだと思うんですけれども、それについての見解を求めたいと思います。
#132
○政府委員(寺松尚君) 今先生の御指摘のとおりだと思います。医師につきましても、医療というものはチームでやるということの認識は普及定着しつつあると思います。私ども、これからのいろんな医療関係者の関係の法律を直しますときに、機会があればそういうような規定を入れていくように努めてまいりたい、その辺につきましてもいろいろと御意見も伺いながらというところが必要かと存じますけれども、そのような姿勢でやっていきたいと思います。
#133
○木庭健太郎君 もちろん法律を改正してきちんと位置づけるということも大事ですけれども、もう一つ大事なことは、現場において医療関係職種間の連携をいかに進めていくか深めていくかというのが一番大事な問題だと思います。
 例えば、今問題になっているMRSAの問題についても、ある意味では今厚生省の考え方は感染防止のための専門看護婦をモデル的に配置するというふうに言っているんですけれども、これについても本当ならこういう医療関係職種の連携ができていなければ、私はそれだけぽんと持ってきてもできないような話ではないかと思っておるんです。ですから、本当にチーム医療というのをやろう、連携を強化しようというのであれば、養成課程においてどうそのことを徹底するかというのが一番大事だと思うのであります。特に、先ほど言いましたように、中心となるのが医師であり歯科医師であるというならば、医学教育なり臨床研修、そういった問題の中でこのチーム医療なりそれから連携、こういう問題についてきちんと徹底して教えていくというかわかっていただくということが必要じゃないかなと思うのであります。
 その点について、どんなふうなお考えを持っていらっしゃるか厚生省にもお考えを聞きたいし、もし御意見があれば、大学教育それから高等教育におけるということで文部省にも一言御意見をこの点について例えればありがたいと思います。
#134
○政府委員(寺松尚君) 患者に適切な医療を提供していくためには、医師と看護婦を初めとします医療関係者が適切に連携しながら業務を遂行する、いわゆるチーム医療というものが重要であるという認識はもちろん持っております。この場合、集団治療を行う医師が望ましいチーム医療の実現に積極的な役割を果たしていくことがまた必要だ、こういうふうにも考えています。このようなことから、私ども、所管しております卒後の臨床研修というものの充実を通じましてチーム医療を的確に担うことができる医師の養成に努めてまいろうと思っております。
#135
○説明員(遠藤純一郎君) 文部省におきまして、昭和六十二年に医学教育関係者にお願いしてまとめました医学教育の改善に関する調査研究協力者会議の最終まとめにおきましても、実践教育の中でチーム医療といいますかいろんな医療関係職種との協力の重要性を学ばせるという指摘がなされておりまして、現在、各医学部におきましては医学概論や臨床実習の中で看護婦等医療関係職種との連携についての教育を実施しているということでございまして、例えば医学部の学生にも看護の体験学習を行わせている大学もございますし、チーム医療実習ということでやっておる大学もあるというふうに承知しておるわけでございます。
#136
○木庭健太郎君 ぜひ、そういう意識をまず変えていただくということを本当にやっていただかないとそれこそ、もちろん法律に規定することも大事だけれども、実際の現場でできないと思いますので、その点を特に強調しておきたいと思います。
 それと、人事院に来ていただきましたので一問だけお伺いをしておきたいと思うんですが、これはどういう問題かといいますと、結局こういう保健医療の関係職種というのは、午前中から質疑があったんですけれども、非常に人数が少ない。人数が少ない結果どうなるかというと、例えば国立病院などに勤務する場合はまことに少人数で配置されてしまう。そうなるとどうなるかというと、結局今の給与の体系でいくと国家公務員になるわけですね、国立病院に行った場合は。そうすると、給与体系上、上位級になかなか進みにくいような現状があるし、また、年齢が一定以上になると給与の中だるみ現象が生じるというようなことをそういう人たちがおっしゃっておりました。
 こういう国立病院等に勤務する医療関係職種について、いわゆる上位級定数の拡大というようなことを図ることもこういう人たちの働きがいを増すだろうし、なおかつ人数がふえていく一つの要因になるとも思うんですけれども、そういう点、給与体系のあり方を含めて人事院からぜひお伺いをしておきたいと思います。
#137
○説明員(大村厚至君) 人事院におきましては、従来から、看護婦さんを初め、医療関係職員の処遇改善という点につきましては努力をしてまいったところでございます。
 今お話しのように、給与体系の話、それから上位の格付の話がございますが、こういう処遇改善につきましては、まずやっていただきたいのは、各省で実際にそういう方たちの人事管理をやっていらっしゃるところでどういう人事管理をやっていくのか、そういう点がまず重要なんではないだろうか。そういうものを御検討いただいて、この検討の中身というのは病院内のバランスとか、それから仕事の内容とか、それから修学年数の話とか、そういういろいろな点があるのでございますが、そういうところをやっていただいた上で今度は具体的に人事院に対して御要求いただいて、それに対して人事院が各省さんと御相談しながらいろいろ検討していくということでございますので、まずそういう具体的な要求がありますれば我々も実際に検討していきたいというふうに考えております。
#138
○木庭健太郎君 一つ素朴な質問をしたいと思います。何かというと、今回の法案を見たときに、診療放射線技師の師は師匠の師でございます。視能訓練士の士は武士の士、さむらいでございます。この職種をいろいろ見せていただいたんですけれども、よくわからない部分があるんです。臨床検査技師の方は師匠の師でしたね。マッサージ師とか柔道整復師も師匠の師。お医者さんももちろんそう、歯科医師もそう、薬剤師もそうなんですけれども、その他の職種についてはいわゆるさむらいの士を使うわけでしょう。これはどんなふうにして分けていらっしゃるのか素朴に聞いておきたい。
 もう一つ、女性の専門職の話が出ました。今はもう男性にも少し広がっていますけれども、看護婦、助産婦、保健婦、これは女性に一応限って、特例というか附則の中で今度は男性もできるというのが看護婦なんですが、基本的に女性のみということで看護婦、助産婦、保健婦とつけられているんです。歯医者さんにいらっしゃる歯科衛生士というのは、これは一応原則女子なんですね。歯科衛生士というのは、女子のみで、男性にも附則でできるとなっているんですけれども、これはさむらいなんですよ。これは一体何をどうやって、好き勝手につけていらっしゃるのか根拠はあるのか、教えてもらいたいと思います。素朴な質問でございます。
#139
○政府委員(寺松尚君) 素朴な御質問とおっしゃったので素朴にお答えする以外にないのでございますが、私どもいろいろと過去の関係の法律を調べておりますと、どちらかというと今おっしゃった医師の師と書いております。その師の方はどうも古い法律が大体そういうふうになってございます。最近は大体さむらいという士を書いておるようで、どうもその根拠というのはなかなか明快にお答えするようなものを私どもも持っておらないわけでございまして、全般的には先ほど申し上げたように最近のものはさむらいの士になっておる、こういうようなことでございます。
#140
○木庭健太郎君 歯科衛生士の方はどうですかね。一応女子専門でこれだけが士なんです。歯科衛生婦といったら何か格好悪いからということで
すか。いわゆる女性を中心とする職種ならば、看護婦、助産婦、保健婦、歯科衛生婦でいいんじゃないですか。これだけ何で士になっているんですかね。それはどうですか。
#141
○政府委員(寺松尚君) いや、今おっしゃるのは、それぞれ附則におきまして男子もやれることができるようになっておりまして、別に男性を意識して士と書いたわけではないと思いますし、女性をあれしてさむらいを使ったというわけでもないのだと思います。そういうことで、先ほどから申し上げておりますように、確定的な、統一的な特に区分をつくったというわけではないのでございます。その辺を御理解いただきたいと思います。
#142
○木庭健太郎君 経過は何かよくわかりませんけれども、何か説明があったようでございます。ただ、やっぱり普通の人から見た場合にわかりにくいのじゃないですか。やっぱりこういう問題も含めて、法律を見られて、いや、厚生省のお偉いさんたちがやるんだから何か意味をつけてやっているのだろうと思うんじゃないんですかね、一般の人は。そうじゃなくて、やっぱり本当にわかりやすくするならば、名前についてもきちんと、別に全部統一するのがいいと言っているわけではないんですけれども、何かこれ整合性がないと、本当に聞かれたとき私も答えられませんでしたものね。ぜひそういうのも検討していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#143
○政府委員(寺松尚君) 今後、いろいろ法律をつくりまして医療関係業種につきましてやります場合には、その辺を十分踏まえまして考えてまいりたいと思います。
#144
○木庭健太郎君 それでは、午前中とダブるかもしれませんけれども、大臣にお聞きしたいと思います。
 一つは、例えば医療ソーシャルワーカー、それから言語聴覚療法技術者の問題、午前中から質疑がございました。これについては、やはり資格制度として整備を促進してほしいという声が実際にあり、昨年の医療法改正のときだったと思うんですけれども、本委員会でもたしか制度化の検討を進めることという附帯決議をした覚えが私はあります。
 それから、一月には中央心身障害者対策協議会ですか、ここが「「国連・障害者の十年」以降の障害者対策の在り方について」ということで、専門従事者の確保ということで、やはりソーシャルワーカー、言語聴覚療法技術者、臨床心理技術者等、専門従事者の資格制度の整備を推進することが必要であるというような旨を提言していたと思うんですけれども、やはり政府としてはいろいろ関係もあるとおっしゃいました。でも、やっぱりそういうのを受けながら真摯に受けとめて制度化という問題について真剣に取り組む必要があるのではないかと思うんですけれども、大臣の決意をまずお伺いしたいと思います。
#145
○国務大臣(丹羽雄哉君) 身分法といいますか、資格法といいますかこの問題は、どちらかというとこれまでの経緯で、政府自身が提出するよりは議員の皆さん方の方から提出をしていただくというケースが間々多かったことも先生十分に御承知いただいていると思います。
 私どもは、基本的に必要ないわゆる資格というものは、だんだん高齢化社会もさまざま複雑になってまいってきておりますし、これは当然のことながら必要である。ただ、私は個人としての考え方でありますけれども、余り細分化したような資格というのは、これは医療全体の医療サービスそのものを硬直化してしまうのではないか、こういう考え方を私がねてから実は持論でございますけれども持っておるわけであります。
 今先生が御指摘の医療ソーシャルワーカーでございますか、この問題等につきましては、当然次に予定されております精神保健法の関連で議題の一つとして上がってくるのではないかと考えておるわけでございます。必要なものにつきましてはひとつ先生方の御理解を賜りながら設けていく。基本的には、余り医療従事者の資格という業務範囲を細分化することがこれから果たして好ましいかどうかについてはいろんな議論があるのではないかこのように考えております。
#146
○木庭健太郎君 最後に、医療ソーシャルワーカーの問題では、私が聞いている範囲内では、どこまでが医療でどこまでが福祉かというような問題がやっぱりあるんですよ。だから、厚生省自体の考え自体が、やはり医療と福祉というものをどう本当にひとつリンクを考えていくかという問題は極めて重要だと思うんです。そういうのがネックになってできないというものも出てくると思うわけです。ですから、やはり医療、福祉というものをこれからどうきちんととらえていくかという視点を大臣がぜひ持っていただかないと、これはいつまでたってもだめなんですよ。これはもう単に資格だけの問題じゃないかもしれませんけれども、その点について大臣から見解を伺って、私の質問を終わります。
#147
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、寝たきりのお年寄りが七十万人、痴呆性のお年寄りがまた百万人いらっしゃる。年間六万から七万の割合でふえ続けておる。そういう中において、どこまで福祉でどこまで医療がきちっと区分するということは非常に難しい問題があります。しかし私どもは、やはり福祉と医療の連携というものは常に考えていかなければならない、こういう基本的な立場に立っておるわけであります。
 例えば、突然の御質問でございますのでよく整理しておりませんけれども、老人病院において、介護福祉士であるとか社会福祉士、こういう方が活用できないかどうか。それから、今度は逆の意味で、例えば福祉の分野で、いわゆる理学療法士であるとか、一部これは入っておりますけれども、義務づけられていますけれども、作業療法士、こういうような方が活用できないか。私が先ほどから申し上げているような、やはりお互いに業務の交流ということがこれからは求められていくのではないか。そういう中において、いわゆる福祉と医療の連携というものを図っていくことが、要は寝たきりのお年寄りであるとか国民にとってどういうような安心した福祉、安心した医療、これが受けられるか、こういうことでありますけれども、模索しながら今後十分に整備していきたい、こういう考え方に立っております。
#148
○勝木健司君 用意いたしました質問はほとんどダブっておるわけでありますが、せっかくの持ち時間がありますので、お許しをいただきまして二、三お聞きをしたいというふうに思います。
 まず、今回提案されておりますこの二つの法律改正でありますけれども、この業務の範囲の拡大について法律改正の基本的な考え方を、もう何回も同僚議員がお尋ねになっておるわけでありますので、かいつまんでお伺いをしたいというふうに思います。
#149
○政府委員(寺松尚君) 今回の業務拡大につきましてキーポイントが幾つかございます。
 一つは、医療現場では、比較的安全に取り扱うことができる医療機器が開発され、それを使った業務が新しくできたということが一つ。それからまた、既存の医療関係職種の業務とそれが隣接する領域にあるということ。それから、したがってそういうふうなものに対応しますために、それぞれ医療関係職種が持っております専門性を生かしながら、効率的に適正に業務の役割分担、人材の効率的な活用という意味を含みまして役割分担をしていく。こういうふうな三つではないかと思います。そのような観点から、今回診療放射線技師及び視能訓練士の業務の拡大を行った、こういうわけでございます。
#150
○勝木健司君 医療関係職種が数多く存在する背景には、医療の専門分化とそれを踏まえたそれぞれの資格の専門性というのがあろうかというふうに思います。今回のこの業務の拡大は、それぞれ資格の専門性あるいは独自性をお互いに阻害するようなことがあってはならないというふうに思うわけでありますが、その点については問題がないのかお伺いをしたい。
 それと、今回の改正でこの二つの職種の業務拡大が行われるわけでありますが、これはその他の
医療関係職種の中でも当然合意されておるのかどうかもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#151
○政府委員(寺松尚君) 前段の方の御質問でございますが、それぞれこれを考えていますが、周辺の領域の問題でございまして、その基盤は共通な技術基盤というものに立っておると考えますので、お互いに何といいましょうか干渉したりあるいは排除したりするものではない、このように思います。
 それから、このことにつきましては私ども、医療関係職種の効率的業務分担に関する研究会というのを設けておりまして、そこでいろいろと専門家の間であるいは関係者の間で議論が行われまして合意が成り立ったものを受けまして、今回それぞれの法の改正をお願いしておるわけでございます。
#152
○勝木健司君 診療放射線技師についてでありますけれども、今回の改正によって具体的にどのような業務を行うことができることとなるのか。現行法でも政令で業務拡大ができるようになっておるわけでありますが、今回のこの業務拡大は政令改正では対応できないのかということもお尋ねいたしたいと思います。
#153
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師は、御承知のように、エックス線写真撮影などの放射線を人体に照射することを業務としておるわけでございます。今回お願いしておりますのは、そのエックス線というよりも、例えば磁場を使ったいわゆるMRIというようなものだとか、あるいは超音波というようなものを使っております、そういうふうに技術は共通的な基盤なんでございますけれども、そこら辺を拡大しないと、法の改正をして業務の拡大を行わないとやれないと、こういうことになるのではないかと思います。
#154
○勝木健司君 今回の両法の改正は、医療関係者の業務をその専門性を生かしつつも弾力的にしようとされておるものだというふうに思うわけであります。今後、やはり今回の改正と同じような業務が当然生じてくるだろうというふうに思いますが、これについても同じような考え方で対応をされていくのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#155
○政府委員(寺松尚君) 先生御指摘のとおり、今回お願いいたしましております基本的な考え方に従いましてやっていきたい、このように考えております。
#156
○勝木健司君 大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 医療を支えるには、医療関係者の養成の充実がとりわけ重要になってくるわけであります。質の高い医療関係者を養成していくために、今後とも継続的にぜひ努力をしていただきたいと思うわけでありますが、大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。
#157
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療の高度化や専門分化のいろいろな進展に伴いまして、医療の現場では多くの医療関係職種が業務に従事するようになってきておるわけでございます。先ほどから申し上げておるわけでございますけれども、当然のことながら、高齢化や疾病構造の変化に伴いまして、患者が医療に求めるニーズも多様化しております。
 このようなことを背景にいたしまして、医師を初めとする医療従事者がお互いに連携協力をしながら、いわゆる患者の求める質の高い医療サービスを提供していくことがますます重要だと認識いたしておるような次第であります。こうした観点から、求められる医療サービスを的確に提供していくために、まさに世界に冠たる質の高い医療従事者の養成確保が一番大切な問題だという観点に立ちまして、これからも全力で取り組んでいく決意でございます。
#158
○勝木健司君 もう用意した質問はほとんどダブっておりますので、終わったわけでありまするけれども、これから質問通告はいたしておりませんが若干お尋ねをしたいというふうに思います。
 先々月でしたか、熊本の病院の患者の取り違え事件があったわけでありますが、先ほども厚生大臣、安心して病院にかかれるという体制が大事だろうということでありますが、どういうことでこついうことになったのかということも大事だろうと。今後、やっぱり安心して病院にかかれるような体制をつくっていくことが大事だろうというふうに思いますので、大臣から、質問通告はいたしておりませんけれども、その後の経過報告なり改善内容についてお伺いしたいと思います。
#159
○国務大臣(丹羽雄哉君) お尋ねの熊本の市民病院の件でございますが、これについて私は詳しい事情は承知しておりませんけれども、新聞で拝見しておる範囲でございますけれども、これは病院側も事実を認めて、言いわけのしょうがないミスである、このようにコメントをしておるようでございますし、まさに初歩的なミスであります。
 このような事件、事故が起こること自体大変遺憾なことでありますし、私どももちょっと考えられないことでありますが、やはり私は熊本市民病院という病院について、今私がこの新聞だけでとやかく申し上げることはいかがかと思いますけれども、やはり管理体制そのものにどこか欠陥があるのではないか。
 いずれにいたしましても、厚生省といたしまして関係者の注意というものを十分に喚起いたしまして、今後こういうようなことを、まさに患者の医療機関に対する信頼関係を根底から覆す問題でございますので、ひとつ徹底していきたい、このような決意でございます。
#160
○勝木健司君 けさの新聞にも載っておるわけでありますけれども、総務庁の行政監察結果も載っておるみたいであります。先月の参議院予算委員会でも、丹羽厚相から報告がされておるわけでありますが、赤字の垂れ流し、医療機器の代金の支払いが滞っておるということもあるわけでありますけれども、その後の改善内容なり、その後どういう形でこれを改善されようとされておるのかも、感想をお伺いしたいというふうに思います。
#161
○政府委員(田中健次君) 国立病院・療養所に関します行政監察でございますけれども、これは平成三年の十月から十二月にわたりまして、私どもの地方医務局、八地方医務局、支局も含みますが、それから二十八の国立病院、二十二の国立療養所の監察が行われたわけでございまして、今お話がございましたように本日総務庁の方から監察結果を勧告としてちょうだいをいたしたわけでございます。
 本日いただいたところでございまして、私どももその中をまだ十分に精査、検討はいたしておりませんが、概要を申し上げますと、一つは、先生も今お話がありましたように、国立病院・療養所の経営管理の問題、一般会計から多額の繰り入れを今受けておりまして、これについての基準を整理しなさいというのが主なポイントでございます。
 それから二番目に、国立病院・療養所の業務運営につきましての勧告をいただいております。診療体制の整備、あるいは地域の医療機関との連携、あるいは会計事務の適正化、患者サービスの向上等でございます。
 それから三番目の大きな柱といたしまして、国立病院・療養所の再編成でございます。これは既に再編成の実行を行ったところもございまして、その辺でその再編成計画の機能類型を踏まえた具体的な診療機能を地域に示して、さらに統廃合を積極的に働きかけていけと、こういうふうな三点の御指摘でございます。
 それで、一番目の経営管理でございますけれども、この経営管理につきましては、本年度の予算で一般会計からおよそ二千五百億の繰り入れを受けておるわけでございますけれども、その繰り入れの中身につきましては、大部分が政策医療、例えばがんとか循環器疾患あるいは難病、精神疾患等の政策医療の費用、あるいは看護学校の経営、あるいはまた研究なり研修の費用等でございますが、その中に若干経営努力が足りない面もあるということでございます。
 この点につきましては、既に、平成三年の五月から有識者の懇談会をつくりまして、その繰り入
れ基準を昨年の六月にお示しをいただいております。それに基づきまして、平成五年度、今年度の事業からそれを現場の各病院で実行していくということで既に指導いたしております。それから毎年、事業計画というのを各病院でつくりまして、その中でその辺をさらに明確化していく、こういうことで既に改善に手をつけております。
 それから業務運営でございますけれども、会計事務の適正化その他がございます。先ほどお話がございました医療費の滞納等の問題、これもことしの四月の会計の処理期間内には滞納を解消するということで今処理をいたしております。
 それから再編成の問題でございますが、この再編成の問題は、地元の大方のコンセンサスを得ながら進めるということでございまして、地元の自治体等の御理解をいただくということで非常に時間がかかるわけでございますけれども、この点につきましても既に何カ所か実効が上がっておりまして、その点も踏まえましてさらに積極的にその推進を図っていくということで今努力をいたしているところでございます。
#162
○勝木健司君 もう時間も来ましたので、もう一点、けさの新聞に載って報じられたことでありますが、大臣もごらんになったというふうに思います。千葉県の精薄施設の保護者会が、併設する老人ホームの建設資金の一部にということで、保護者から一人当たり四十万円の寄附金を徴収していたということで、寄附をできないなら子供を引き取ってもらうというような、そういう発言もしていたとの記事が載せられておるわけであります。こういう話が事実であれば、保護者の気持ちを逆手にとった極めて悪質な許すことのできないことじゃないかというふうに思います。
 厚生白書にも、障害者福祉は福祉の原点だと、福祉社会の創造の基盤、そして国民皆が参加するぬくもりのある福祉社会の創造ということで、非常にすばらしいことが書かれておるわけであります。私もそのような社会が築き上げられることを心から望んでおるわけでありますが、しかし、今私たちを取り巻く環境は、我が国の経済力にふさわしい果たして国民生活の向上があるのかどうかということで、労働時間の短縮あるいは住環境の整備、社会資本の整備など懸命に努力をしておるところであります。
 しかし、肝心なところは、人の心の豊かさを涵養していかなければ本来の豊かさ、ゆとりのある社会はできないんじゃないかと思います。行楽地でのごみの投げ捨て、物を粗末にする風潮、あるいは無差別暴力、いじめ、そして老人や障害者に対するいたわりの欠如など、思いやりあるいは社会正義、公共心といったものが何か欠落しつつあるのではないかというふうに思います。
 そこで、このぬくもりのある福祉社会とは、こういった精神的荒廃に歯どめをかけ、私たち一人一人が心のゆとりと豊かさを育てていくことが大切だろうと思うわけであります。丹羽厚生大臣は、このぬくもり行政を推進していくんだということでありますので、私も国民の一人として大いに期待をいたしておるわけでありますが、このぬくもりのある福祉社会とはどういう社会を言われておるのかということ、そして心の通い合うぬくもりのある社会をつくるためには一体どう取り組んでいかれるのか厚生大臣の御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#163
○国務大臣(丹羽雄哉君) この千葉の精薄施設の記事を私も拝見いたしております。実態についてはまだどういうようなことなのか十分掌握しておりませんけれども、私ごとで恐縮でございますが、私もちょっと日曜日を利用いたしまして精薄施設に泊まってまいりまして、いわゆる園生、そして保護者の会の皆さん方の御協力によって大変すばらしい運営がなされておりまして、大変感動して実は帰ってきたような次第でございます。いずれにいたしましても、精薄という大変社会的に恵まれない方々を保護者の皆さん方あるいは施設長を初め職員の皆さん方が力を合わせて自立への道、そして生活しておる姿を、私は実は一泊してまいりまして大変感動したわけでございます。
 基本的に、こういう社会福祉法人の運営というものは大変厳しいものがあって、いわゆる善意の寄附による部分もあることを私は全く否定はできないのではないか、こういう考え方を持っておりますけれども、ただこの記事に書かれておりますような、もしできるなら子供を引き取れというようなことは、まさにこういうようなことはあってはならないことである。あくまでも、要するにお金のある方もない方もひとつこういう精薄施設において十分に生活ができるような環境づくりというものを、私ども、これは行政の立場を離れて、やっぱり世の中全体がそういうふうな世の中につくっていかなければならない、こう考えております。私はかねがねいわゆるぬくもりのある厚生行政ということを申しておりますが、基本的には、やはり強者というものはこの自由社会の中において十分に歩んでいくことができるわけでありますけれども、ハンディを背負った方々というものはまさに健常な方々あるいは強者と同じように人生を歩むことができないわけであります。そこに光を当てていこうということが、私の考えておりますぬくもりのある厚生行政でございます。
 いずれにいたしましても、いわゆる誤解を生むような経営というものについては、私どもも今後十分に留意していきたい、こういうような考え方でございます。
#164
○西山登紀子君 まず、放射線技師法の問題についてお伺いをいたします。
 エックス線の発見が近代的な医学の発展に寄与した役割は大変大きなものがあると思います。そして、医師はもちろんのことですが、診療放射線技師は医療の発展や的確な診断にかかわる重要な仕事をしておられます。私も何人かの技師の方にお会いしてお話を伺ってまいりましたが、私が大変感心いたしましたのは、もちろん当然のことでしょうけれども、皆さん仕事に大変誇りを持っておられました。今度の法案の改正で、MRIなど、こういうほかの診断業務に携わることができるというふうになればお仕事がふえるんじゃないですか、こういうふうにお伺いしましたら、いやそれでもやりたいんだ、こういうふうなお話です。それからまた、難しい部位の、例えば早期がんなどの発見なんかには非常にやりがいを感じている、こういうふうなことを伺ってまいりました。
 その放射線技師の現状はどういうふうに見ておられるでしょうか。不足をしているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#165
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師の現在の需給状況というようなことでございましょうか、それをどう認識しているかという御質問でございます。
 診療放射線技師につきましては、医療界あるいは現場の方から不足の声が聞かれております。昨年、私どもは、関係者、有識者から成ります診療放射線技師需給計画検討委員会というものを設けまして、いろいろ御議論をいただいたわけでございます。やはり今後の必要数というようなものについては、明確になかなか推計がしにくいというふうな御判断でございましたけれども、少なくとも現在の養成定員でまいりますと、将来的には診療放射線技師の不足が起こるのではないか、それも大きくなっていくのではないかというふうなお話でございまして、私どもも緊急に養成定員増を図るため、養成施設を設置するようにいろいろと指導しておりまして、それの実現の成果を期待いたしておるわけでございます。
#166
○西山登紀子君 今言われた、平成四年八月十九日に診療放射線技師需給計画検討委員会が報告を出しておられるんです。
 その報告は、現状について、一つは、地域別に見ますと大都市圏に非常に従事者が多い。病床規模別では、中小の病院での従事者が大規模病院に比して少ない。それから三つ目、設置主体別では、全病院数のうち約八〇%を占める私立病院での従事者数が少ない。四つ目には、一般病院に比べて精神病院だとか結核療養所での従事者数が少ない。こういう現状分析的に報告をしておられますのに加えまして、日本放射線技師会がアンケート
調査をやっておられるその調査の中で、不足感のアンケート調査をやっておられるんですけれども、その不足感は七四・一%の施設で働いていらっしゃる放射線技師の方が不足感を訴えておられます。そういう七四・一%という数字が出ております。
 そして、先ほど数がきちっと出ていないというふうにおっしゃったわけですけれども、いろいろな工夫をして推計数を出しておられるんですね。エックス線フィルムの消費量の方向から推定いたしますと、一九九五年にはおよそ三千百八十六人が不足してくると。そして、もう一つの方法は、診療放射線機器別の検査をやって、検査の施行件数というところから割り出した推計数で見ますと、一九九五年には二千六百三十一人が不足してくるだろうと。数はそういうふうに出しながら、確かに先ほどおっしゃいましたように、将来にわたって不足の程度は時の経過とともに増加していく傾向にあると予測がされる、こういうふうに述べておられるわけです。
 こういう全く数が出ていないわけではありませんので、数を厚生省の方としてどうやって不足を解消し充足を図っていくおつもりなのか、お伺いいたします。
#167
○政府委員(寺松尚君) 今先生の御指摘されました件、数字的には、先ほど申し上げました検討会でいろいろ前提を置きまして、あるいはいろんなことを想定いたしまして出しました数字でございます。いずれにしましても、地域的にもまた病院の規模別にもいろいろと不足の状況は違うようでございます。
 そこで私どもは、例えば養成施設の設置につきましても、そのようなことを考えながら、頭に入れながら養成の設置の許可を与えていく。あるいは、そういう要請が出てこない場合にも、都道府県等を通じまして、そういうふうな養成施設を設置するようにいろいろ関係者に働きかけてくれるようにというようなことを指導してまいって、養成所の新設をしていきたい。また、実際の養成所の中で、既にあります場合でも、できれば少しでも定員をふやすなりというようなこともお願いしていきながらその需給に対応してまいりたい、このように考えております。
#168
○西山登紀子君 この養成施設の増設の場合に、日本放射線技師会は、放射線技師の養成は四年制大学でなければ協力はできない、こういう立場をとっておられます。関係団体の理解が得られないのに、専修学校だとかあるいは短期大学の設置を強行するということは大変難しいことだろうと思うんですけれども、学校の設置は文部省の所管かもしれませんが、技師の不足の問題は厚生省が解決しなければならない課題だと思います。大変困難な問題もあるかとは思いますけれども、関係団体の理解と協力を得て放射線技師の増員を図る御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#169
○政府委員(寺松尚君) 診療放射線技師の養成につきましてでございますけれども、医療技術の進歩によります業務の高度化というのは避けて通ることができないわけでございまして、それらに対応いたしまして質の高い有資格者を確保していくということは非常に必要なことでございます。このような観点から、四年制大学の設置に取り組まれることにつきましては、基本的には望ましいというふうに認識いたしておりますけれども、私どもが与えられておりますのは、非常に放射線技師の不足を今強く指摘されておりまして、何とか養成力を強化しなければならないという状況にございます。
 したがいまして、私ども今までいろいろと専門家等のお考えを入れて、高等学校卒業後三年以上ということに定められまして、その上に技術的な研修、あるいは必要な知識を修得するというような形で今のところいいというようなお話でございますので、そういうふうな施設をできるだけ多くつくっていきたい、このように今のところは考えております。
#170
○西山登紀子君 放射線技師の方の給与面の問題ですけれども、非常に特殊な専門的なお仕事をされている割には意外に給与が低いなというように私も聞いて思ったわけです。
 そこで、厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、厚生省は人事院に対しまして、毎年、国立病院の医療関係職員の給与の引き上げについて特段の配慮を要望されていらっしゃいます。昨年は、七月二十日に厚生大臣から人事院総裁に対して要望が出ております。
 それには、特に医療施設に勤務する職員の職務の特殊性などを考慮して所要の改善を図ることということの中に、特に看護婦については給与の引き上げを図るなど特段の配慮をされたいと。それに続きまして、医療職の俸給表の(二)というのがあるんですが、その(二)に該当するのは薬剤師、それから診療放射線技師、臨床検査技師などなんですが、それにつきましても、医学医術の進歩に伴って各職種が行っている業務がますます高度化し複雑化していることから、初任給を初めとする若年層を中心に給与水準の引き上げを図るなど、特段の改善を行われたいという要望を出しておられますが、ことしもぜひ出していただきたいと思いますが、厚生大臣の御答弁をお願いします。
#171
○国務大臣(丹羽雄哉君) 昨年は、医療関係従事者の中で、先生が御質問になりました診療放射線技師が二・九%ベースアップいたしました。それから看護婦さんが四・〇%、全体といたしましては二・八七%ベースアップとなったわけであります。それから昨年からでございますけれども、週四十時間体制がスタートしたわけであります。
 いずれにいたしましても、高齢化社会を迎えまして、だれもが安心して生きがいを持って暮らせるような真に豊かな社会をつくり上げていく上において、私どもは、ゴールドプランであるとかいろいろな施策を講じておりますけれども、そのサービスの担い手であります看護職員であるとか、今御指摘の診療放射線技師を初め、社会福祉施設の職員などいわゆるマンパワーの確保が重要でございますので、本年につきまして今後とも引き続きこういった姿勢で取り組んでいく決意であります。
#172
○西山登紀子君 どうもありがとうございます。
 次に、視能訓練士に関連してお伺いをいたします。
 やはり、視能訓練士受給計画検討会というのがありまして、一九八七年の十二月に報告書を出しているわけですけれども、私はこの報告書を見て大変驚きましたのは、愛知県総合保健センターの調査例が出ておりますが、小さな子供の斜視、弱視の発見率が一・四%というふうに紹介をされています。私は具体的に知らなかったので大変驚いたのは、百人に一人ないしは二人出ているというふうに、私は多いなと思いました。
 私も子供を育てましたときには、小さいときに斜視だったんですが、大きくなったら治るだろうというふうなことで軽く考えていて、確かにそれは治ったのでよかったわけですけれども、やはりこうした障害の早期発見ということは非常に大事だと思いますし、同時に早期治療ということを望んでいるわけなんです。
 母子健康手帳が改訂されまして、昭和六十二年の四月一日から眼科領域のチェック項目が加わったというふうになっておりますけれども、実行されてどうなったのかということについて、三点お聞きしたいわけです。
 全国的には、乳幼児健診での斜視、弱視の発見率はどのくらいであるか、わかっていたら御報告をお願いします。
 それから、発見された後のフォローなんですけれども、医療機会の通院だとかリハビリはどのように行われているのでしょうか。
 それから三つ目は、愛知県総合保健センターで一・四%という報告がされておりますが、その程度のそういうレベルの発見率に対する治療の効果、それがどのような程度で、効果率というんですか、視能訓練士が加わっていらっしゃると思うんですけれども、そのことを教えてください。
#173
○政府委員(清水康之君) 御指摘のように、実は
平成二年度から三歳児健康診査における視覚検査というものを導入しまして全国的に実施をしているわけでございますが、大変申しわけありませんけれども、現在、全国的にその結果どのくらいの斜視、弱視の発見率であったかというデータは今のところございません。
 御指摘のように、愛知県が県単で行った調査によりますと、これは過去のことでございますけれども、全国的に実施をする前のことでございますけれども、お話のように斜視で約一・二%程度、弱視で〇・二%程度の発見率であった、こういうデータがございます。
 もちろん、健康診査の結果、斜視、弱視が発見されますと、その児童に対しまして、父兄も含めて専門機関において事後指導を受けるように勧奨し、またいろいろ福祉の措置が必要であれば福祉事務所等に連絡をして対応しているというのが実情でございます。
 愛知においてどれだけの治療効果が上がったかということにつきましても、具体的な統計的な数字というものは申し上げられませんが、数字で御説明するようなものを持ち合わせておりません。
#174
○西山登紀子君 視能訓練士の役割は、その中ではどういう役割を果たしておられるんでしょうか。早期に発見された弱視や斜視の子供に対して、視能訓練士はどういう役割をどんなふうな場所でどんなふうに果たすんですか、子供に対してはどんな訓練をやっておられるのか。
#175
○政府委員(清水康之君) 私どもは、一般的に福祉事務所に連絡したり、あるいは障害の程度が非常にひどい場合には、障害児手帳が出ているとかいろいろ対応があるわけでございますけれども、具体的に視能訓練士が現場においてどういうことをやっているのかということについてはつまびらかなところは存じ上げ保ておりません。
#176
○西山登紀子君 次の質問とも関連するんですけれども、視能訓練士需給計画検討会が報告を出しているんですね。その報告書を見ますと、母子保健法に基づいて母子健康手帳が昭和六十二年四月一日付で改訂をされて、新たに眼科領域のチェックが加わった。それに伴って斜視や弱視の早期発見と早期治療が促進されるために、今後視能訓練士に対する大幅な需要の増加が見込まれると。そして、いろいろ推計をしておられるんですけれども、二千六百人視能訓練士が必要になるんだと。こういうふうに報告をしておられまして、今後十年をめどに視能訓練士の免許取得者の総数を四千人確保する必要があると、こういうようにこの報告が言っておられるわけですね。
 ですから、一九九一年度現在で視能訓練士の方は千五百四十九人なんですけれども、今後、この報告書が出しておられるようなそういう子供たちの早期発見、早期治療を促進する事業の促進に伴って視能訓練士が本当に必要になってきている、二千六百人要る。将来、十年先には免許者は四千人要ると、こういうふうな推計を出しておられますので、私は、この仕事というんですか、この早期発見、早期治療というのは小さな子供たちにとっては非常に大事な仕事だし、幼い子供を対象にして訓練をするという特殊なお仕事をされるこの視能訓練士さんのお仕事というのは大変大事なことだろうと思いますので、もちろん待遇の改善も含めましてですけれども、その視能訓練士をふやしていくということについての厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
#177
○政府委員(寺松尚君) 今先生から必要数二千六百人というお話もございましたが、それはほぼ達成いたしておるわけでございますけれども、今先生おっしゃいましたように、いろいろと母子保健の分野でも視能訓練士の活躍の場がふえてまいる可能性もございます。
 そこで、私ども、今回の法律の改正で業務拡大もやったことでもございますので、需給が逼迫してくるとは考えておらないわけでございますけれども、今後の視能訓練士の需給の動向というものを十分把握いたしまして、それに必要な視能訓練士が確保されるように適切に対処してまいりたいと考えています。
#178
○西山登紀子君 先ほどもお伺いしましたが、具体的に視能訓練士がどういう役割を果たしてどういう仕事をし、効果を上げているかということについて余り具体的なお答えをいただけなかったわけですけれども、やはりこの分野の子供たちの早期発見、早期治療ということにかかわる視能訓練士さんのお仕事は大変重要だと思いますので、今後ともしっかりとお願いいたします。
 終わります。
#179
○粟森喬君 今回の法律改正が、医療の検査体制の変化に対応して改善、改革につながるものだというふうに理解をしております。特に、この間、新しい検査技師の方が入られる分野では、医師の配置がネックとなって検査をしなければならなくてもかなり順番が後になるなどということがありましたが、これでいわゆる検査を受ける検診者にとっても一つの前進だというふうに理解をしています。
 そこで、私の方で少し集中的にお尋ねをしたいし、問題意識を持っていることについて申し上げますと、一方で今のエックス線検査のあり方の問題であります。エックス線検査というのは常に放射線障害が問題であります。その問題の認識の程度ではいろいろ違いがあるわけでございますが、これは検診者やそれから放射線技師双方にやっぱり課題を抱えていると思います。
 したがって、私は、今回のMRI及びCTスキャンが検査体制としてこういう格好になりまして、より普及をしてこの検査がこれからの主流になるのではないか、こういうふうに思います。しかし、その場合であっても、エックス線検査というのは減るということを前提で私考えているわけでございますが、減っても残るものは何なのか、そしてこれを入れることが結果としてエックス線検査を低減していくということにつながっていくのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
#180
○政府委員(寺松尚君) 医療の分野におきます放射線の利用というものにつきましては、個々の診断の中で検査を行う部位や目的に応じまして、あるいは人体への影響も勘案して適切に検査がなされるべきものと考えています。今後の話でございますけれども、確かにMRIが導入されましてエックス線検査と競合する部分もございますので、その辺でエックス線の検査の伸びが恐らく減ることはあり得るのかもしれませんが、先ほども申し上げましたように、検査を行う部位や目的に応じましていろいろと違うところがございます。
 そこで、今後の話に入りたいと思うのですが、エックス線を含めました放射線は、放射線治療というときにはこれは放射線を使わざるを得ませんし、それから核医学診断、血管造影や胸部の単純撮影というものにおいては今後も利用されるものではないかと考えています。
#181
○粟森喬君 エックス線検査の現状の中で特にいわゆる組織に受ける総線量といういただいた資料がございます。一々読み上げる必要もないと思いますが、股関節とか大腿骨上部、尿道、膀胱撮影、小腸それから肺のトモグラフィーというのは特に数値が高いように思いますので、ぜひともこの分野で新しいMRI、CTの多角的な、これから機械そのものも進歩するんだろうと思いますから、ぜひともそういう部分については解決をするように努力をお願い申し上げたいと思います。
 そこで、今おっしゃった中で一つだけ、胸部の単純撮影の問題であります。これは、結核予防法に基づく結核の健康診断の実施の問題でございます。
 私が「公衆衛生審議会答申の概要」というのを読ませていただいたときに、こういうふうに書いてございます。「放射線被曝による影響とのバランスからみても、もはや小・中学校におけるエックス線集団検診の意義は乏しいと言わざるを得ない。」。極めて丁寧に書いてあるけれども、余りやらなくてもいいんではないかという意味だと私は思います。
 一方で、もう一つ、「エックス線間接撮影のリ
スク・効果分析については、いくつかの仮定に基づいた計算が可能であり、仮定の置き方には議論があるものの、いずれの場合も〇―十四歳の小児については、現在の結核患者発見率に基づくと、その発見率が著しく低いことから、エックス線間接撮影の効果は、エックス線被曝によって将来起こりうるがん発生のリスクを十分に補いうるものとは言い難い点で一致している。」、こういう言い方をしています。それから、WHO、世界保健機構も、罹患率の低いところでは「積極的な意義が見いだせない」、こういうふうに言っています。
 その中で、ことしの四月から胸部撮影の仕方について変更するという前提で幾つかのことが出ていますが、まず十歳まではやらない、こういうことでございますが、この結果をまとめるに当たって、今申し上げたようにエックス線撮影における問題点との間でこれからどうしようとしているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
#182
○政府委員(谷修一君) ただいま先生お話しになりました結核健診におきますレントゲン撮影の取り扱いでございますが、これはただいま引用されました公衆衛生審議会におきます議論を経て、昨年の九月の末だったと思いますが、答申をいただいております。
 考え方としては、結局、結核対策の中で、特に小中学生あるいは小児といいますかの発生率が非常に下がってきている。従来は、小学校一年生あるいは中学校一年生については全員に間接撮影をやっていたわけでありますが、現在の発生状況から見てそういう一律にやっていく必要はないのではないか。その考え方の、どういいますか、学問的な背景としては、今引用されたWHOの考え方とかそういうものがあるわけでございますけれども、そういった今申したような結核発生の状況を勘案いたしまして一律のレントゲン撮影をやめるべきであるという御意見をいただきました。
 私どもとしては、その意見を受けて、この四月から結核予防法に基づきます省令なり実施規則の改正を行いまして、先ほど申しました小学校一年生及び中学校一年生におけるエックス線撮影を廃止する、また、小学校四年生時あるいは中学校二、三年生時のエックス線間接撮影を廃止するということを実施いたしました。
#183
○粟森喬君 次の質問に移ります。
 MRIとCTの普及状況というところ、とりわけできるだけエックス線検査をやめるためには、それぞれの病院にこの種の検査のための設備が必要なわけでございます。私は平成二年までの導入状況についての資料をいただいていますが、これは二年までのものでございますから、多少折れ線グラフの角度みたいなものを見たときに、現状で大体MRIは一〇%台かなと、CTは六〇%から七〇%台ではないかなというふうに私は推測していますが、特にこの全体の病院に入るという、入れてほしいという前提に立つと、これは価格が問題だと思う。もちろんメーカーやその性能によっても大分値段が違うんですが、おおむねのところ、これ幾らというふうに理解をしておればよろしいんでしょうか。
#184
○政府委員(寺松尚君) 最初に先生が御指摘になりました数の問題につきましては、今先生がおっしゃったような感じだと思います。そのくらいの数字だと思います。
 それから値段の件でございますけれども、これも私どもが一々あれしているわけではございませんが、社団法人の日本放射線機器工業会からの話を聞いたところによりますと、機種によりまして、あるいは性能によりましていろいろ違うのでございますけれども、大体一億円から二億円というのがMRIの取引価格でございまして、CTの方は大体五千万から一億円足らずと、こんなところではないかと思います。
 それから今MRIを普及させる、CTのかわりに普及させるというお話でございますが、先ほどから申し上げておりますように、それぞれ目的で多少違うわけでございますけれども、MRIの普及を図るということが放射線の安全性の問題からは大事だということはもちろん御指摘のとおりでございます。
 MRIにつきまして評価の仕方でございますけれども、一応社会保険診療報酬の中で評価されるということ。それから今値段のお話が出て、高いことが普及を妨げているのではないかというようなお話もございますが、私どもも政策融資といたしまして、これは社会福祉・医療事業団でございますけれども、政策融資で金利を低くすること、あるいは税制上の特別償却というような措置も講じて、購入がしやすくするようにしておるわけでございます。
#185
○粟森喬君 この機械を普及しようとすると、いわゆる中小病院ではそれだけのものを買うというのは大変経営を圧迫するのではないかと懸念を持っています。もちろん保険点数も、お聞きをしたところ、価格に相応するような大体スライドになっているような感じはいたしますが、やはりもう少し安くというか入れやすくする体制として、今のいわゆる低利融資であるとかそれだけで果たしてこれはやれるのかどうか。機能は違うといいますか、多少類似をしているというか、変えていくことが可能な分野だと思いますので、この種の価格を安くするための対策というのは何か考えられないものか、お尋ねをしたいと思います。
#186
○政府委員(寺松尚君) ちょっと私が先ほどの御答弁の中で申し上げたのでございますけれども、社会福祉・医療事業団によります低利というもの、あるいは税制上の特別償却というような形で買いやすくするというような努力をいたしておりますが、さらにこれをどんどん普及していきますと恐らく価格も下がってくるのではないかというふうに思います。
 それから、私どもこういう高額医療機器の活用につきましていろいろと申し上げておりますことは、やはり高額の医療機器は何か病院が共同で活用できるような、共同利用型のそういうふうな施設をつくって活用していただくというようなことも一つの方法ではないかというようなことでございます。その辺もいろいろと第二次医療圏なんかの医療供給サービスをしますときに、機器の方も含めてそのようなことをいろいろ指導いたしておるところでございます。
#187
○粟森喬君 そこで、もう一度、エックス線検査のあり方について私の方から意見を申し上げます。
 といいますのは、エックス線の検査でエックス線を浴びますと、甲状腺がんあるいは白血病との因果関係があると思われる、これは通説でございます。ただ、これが多因子要素といいますか、人によってはそうなる人とならない人、それから量、そのときの条件などで、さまざまな原因を多重的に持っているので、特定をしたり限定することは非常に難しいというふうに、これまた通説で言われております。
 しかし、エックス線検査、例えば先ほど答弁にもありましたように核医学の治療などというのは、ある種のもろ刃の剣でございまして、これをとるか命の延命をとるかというそういうことであるんですが、やっぱり検査によってこの種のことの可能性のあるところをできるだけ抑えていく、抑制していく。もろ刃の剣だということを申し上げましたが、そこをやっぱりぎりぎりの限界をきちんと整理をして、エックス線検査というのを低減していくという政策的な方向性をきちんと持ってほしい、こういうふうに思います。
 そこで、そういう前提でちょっとお尋ねをしたいと思いますが、検査技師などがその種の因果関係を調べるというのは、これ非常に難しゅうございます。例えば、私が知っている限りでも、定年で病人になる、その後何で死んだのかというときにそういうケースがあるけれども、それを直接の因果関係と結びつけるのもかなり難しい。しかし、やっぱりある種の因果関係が成立をするとするならば、この種のことについて調査をしたり分析をする必要もあると思いますが、とりあえず、まず厚生省としてこの種のことについて検討したことがあるのかかいのか、そのことについてまずお尋ねを申し上げたいと思います。
#188
○政府委員(寺松尚君) 今、先生いろいろおっしゃいましたけれども、常識的に医療関係者の間では、不必要な放射線を診断にでも治療についても使うことはないような努力をされておると思います。
 そこで、私どものいろいろと言っておりますのは、例えば患者の被曝につきましては、放射線診療に伴います患者が受ける利益がはっきりしていること、あるいは医療被曝の減少については、医師、放射線技師が十分な知識を持ってそれに必要な努力をしていること、あるいは放射線診療に必要な放射線の量は、個々の症例によって異なり画一的な値を示すことができないというようなことから、なかなか一律に線量制限を行うことは難しいのでございますけれども、私ども考えておりますのは、医療従事者及び患者の被曝につきまして、合理的に達成し得る限り低減すべきものというように考えておりまして、これALARAと言っておりますが、そういう形でいろいろ指導をいたしております。
 例えば職業被曝と申しますのは、放射線技師の方々とか、医師とか、そういうふうな方々の場合は年間五十ミリシーベルト以下だというようなこと、あるいは公衆被曝という場合には、年間でございますけれども、一ミリシーベルト以下というような形を目標にしてやっておるわけでございます。
#189
○粟森喬君 現場で、検査技師の方の因果関係というものをある程度念頭に置いた調査を厚生省が何らかの格好でやっているかというふうにお尋ねをしたんです。
#190
○政府委員(寺松尚君) 今のような、おっしゃっておりますような疫学的な調査というのでございましょうか、そういうようなものはやったことがございません。
#191
○粟森喬君 厚生大臣に、最後に質問とお願いを申し上げたいと思います、
 今いろいろと論議をしても、エックス線の検査というのは問題があっても残さざるを得ないということ。やはりこの種の検査をできるだけ低減していただくためにも十分な問題意識を持って、エックス線で検査することのこれからのあり方、私は、エックス線検査をできるだけ少なくしてほしいということ、それから関係団体への協力を求めながら、実態と問題点をもう一度整理して調査研究をしていただくと、こういうことをやっていただく体制を厚生省として確立をしていただきたいと思いますが、大臣の答弁を求めたいと思います。
#192
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど先生から御指摘が出されておるわけでございますけれども、放射線の被曝につきましては、診療放射線技師などの医療従事者の被曝はもちろんのこと、患者の被曝につきましてもできるだけこれを低減といいますか低く抑えるということが望ましいということは、これはもう言うまでもないことであります。
 厚生省といたしましては、こういうような立場から、平成三年度から、医療従事者はどういう場合に被曝量が多いのか、あるいは被曝をできるだけ少なくするための有効な方法はどういうことがあるか、こういうようなことを中心にいたしまして放射線防護に関する研究というのを実施しているところでございます。そして、今先生からございました調査につきましても、関係団体の協力を得ながらひとつ早急に実施したい、このように考えておる次第でございます。
#193
○粟森喬君 終わります。
#194
○委員長(細谷昭雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、診療放射線技師法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#195
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、視能訓練士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、木暮君から発言を求められておりますので、これを許します。木暮君。
#197
○木暮山人君 私は、ただいま可決されました診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案の両案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    診療放射線技師法の一部を改正する法律案及び視能訓練士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一 医学の進歩や新しい医療機械の登場等に適確に対応できるよう制度面での検討を進め、新たな業務については、今後とも、既存の医療関係職種において、あるいは新規の職種を設けることにより、効率的かつ適正な役割分損の検討を進めること。
 二 医学の進歩等に従い高度化する医療サービスに適確に対応し、適正なチーム医療のための医療関係職種間の連携が十分確保されるよう努めること。
 三 今後とも、養成施設のカリキュラムを必要に応じて見直していくとともに、医療関係者のそれぞれが生涯学習、自己研鎖に積極的に取り組めるよう配慮すること。
 右決議する。
 以上であります。
#198
○委員長(細谷昭雄君) ただいま木暮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、木暮君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#200
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して努力いたす所存でございます。
#201
○委員長(細谷昭雄君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#203
○委員長(細谷昭雄君) 次に、薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案並びに福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案の両案を議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
#204
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま議題となりました薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 難病、エイズ等を対象とする医薬品や医療用具は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、十分にその研究開発が進んでいないのが現状です。
 また、医療をめぐる国民のニーズの多様化等に対応して、安全かつ良質な医薬品等を一日も早く医療の場に提供する必要があります。
 このため、政府として希少疾病用医薬品等の研
究開発を促進するための措置を講ずるとともに、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保のための施策の充実等を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、厚生大臣による希少疾病用医薬品等の指定制度を創設し、その研究開発について助成金の交付、税制上の特例、優先審査、再審査期間の延長等の措置を講ずることとしております。
 第二に、医薬品等の製造業の許可等の基準にその製造管理及び品質管理の方法の基準を追加することとしております。また、既に承認された医薬品等との同一性に係る調査を医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構に行わせること等により、承認審査の迅速化等を図ることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、本年十月一日からとしておりますが、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保のための施策の充実に係る事項は平成六年四月一日からとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 老人や障害者が自立し積極的に社会に参加していくためには、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」等に基づく保健福祉サービスの充実とともに、各種の福祉用具の利用が近年ますます重要となってきております。
 こうした状況を踏まえ、老人や障害者の自立を促進し、介護者の負担の軽減を図るため、福祉用具の研究開発とその普及を促進することとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、厚生大臣及び通商産業大臣は、福祉用具の研究開発、普及の動向やその目標、施策の基本的事項等を定めた基本方針を策定することとしております。
 第二に、国、地方公共団体、福祉用具の製造業者、老人福祉施設等の開設者は、福祉用具の研究開発とその普及を促進するための責務を負うものとしております。
 第三に、厚生大臣が指定する法人に、福祉用具の研究開発とその普及に対する助成等を行わせることとしております。
 第四に、新エネルギー・産業技術総合開発機構は、福祉用具の技術の向上のための研究に対する助成等の業務を行うこととしております。
 第五に、市町村は、福祉用具に関する情報の提供、相談等を積極的に行う一方、都道府県は、専門的な知識及び技術を必要とする福祉用具に関する情報の提供及び相談を行うとともに、市町村に対し、助言その他の援助を行うよう努めなければならないこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#205
○委員長(細谷昭雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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