くにさくロゴ
1993/04/22 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第8号
姉妹サイト
 
1993/04/22 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 厚生委員会 第8号

#1
第126回国会 厚生委員会 第8号
平成五年四月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任       補欠選任
     糸久八重子君     峰崎 直樹君
 四月二十二日
    辞任       補欠選任
     峰崎 直樹君     糸久八重子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細谷 昭雄君
    理 事
                木暮 山人君
                前島英三郎君
                菅野  壽君
                木庭健太郎君
    委 員
                石井 道子君
                尾辻 秀久君
                大島 慶久君
                大浜 方栄君
                西田 吉宏君
                南野知惠子君
                糸久八重子君
                今井  澄君
               日下部禧代子君
                栗原 君子君
                峰崎 直樹君
                横尾 和伸君
                勝木 健司君
                西山登紀子君
                粟森  喬君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  丹羽 雄哉君
   政府委員
       厚生省薬務局長  岡光 序治君
       厚生省社会・援
       護局長      土井  豊君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       工業技術院総務
       部長       松藤 哲夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水野 国利君
   説明員
       建設省住宅局建
       築指導課長    羽生 洋治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法
 律案・(内閣提出、衆議院送付)
○母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、糸久八重子君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(細谷昭雄君) 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○日下部禧代子君 高齢の方とか障害を持つ方が、家族や友人とともにいつまでもなれ親しんだ地域で過ごしたいと願われるのは、これは本当に当然のことだというふうに思います。
 この際、寝たきり老人のゼロ作戦という、そういった必要性が叫ばれるまでもなく、人生の最後の瞬間まで人間の尊厳が保たれるということは言うまでもないことだと思います。それはとりもなおさず、自分の行動半径の距離、行動半径に比例するというふうに私は思うわけであります。また、自分の人生は自分が決めるという主体性、人間としてこれがやはり生きている証拠ではないか。この二つが保障されて初めて、お年寄りが地域で希望を持って生きることができると私は信じております。今回の福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案は、このような私どものかねてから主張しておりますことに対するバックアップになるというふうに思っております。地域や在宅で主体性を持ってケアが受けられ、そして社会参加の促進に寄与できるようにこの法律が運用されますことを願いまして質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、大臣にお伺いいたします。
 今回の法律案が提出される背景及びこの法律案が高齢者や障害者対策における既存の施策の中でどのように位置づけられているのか、また、この法律案の持つ意味とその効果についてどのように考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。
#5
○国務大臣(丹羽雄哉君) 本格的な高齢化社会を控えまして、高齢者の方々や心身障害者の方々がこれまで長年住みなれた地域や家庭などで安心して暮らし続けるとともに、できるだけ自立をして積極的に社会に参加していく、こういうことを可能とするために、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランに基づきまして保健福祉サービスの充実に今努めておるところでございます。
 こうした対策とともに、これに先立ちまして昭和六十一年の六月には長寿社会対策大綱というものをまとめました。さらに、本年の三月には、障害者対策に関する新長期計画、こういうものをまとめさせていただいたわけでございまして、こういう中において福祉用具の研究開発及び普及の促進の必要性について指摘されておるところでございます。また、平成三年の老人福祉法及び老人保健法の改正の際にも、関係者の御意見というものを踏まえまして国は研究開発の推進に努めなければならない、こういった旨の規定が設けられております。
 このような状況のもとで、厚生省といたしましてはさらに検討を進めまして、今回通商産業省と共同で、福祉用具の研究開発及び普及を一層促進する上で必要な基盤整備を図っていくためにこの法律案の提案をいたしたところでございます。この法律案に規定する諸施策を進めることによりまして、利用者を初め産業界、さらに地方自治体の御理解が一層深まって、我が国の産業技術を応用した利用者の心身の状況にふさわしい福祉用具が研究開発され、普及していくものと考えております。
#6
○日下部禧代子君 今回のこの法案のお話が出ましたときに、介護に大きな力を発揮する福祉機器と言われるものがなぜ余り普及しないのか、なぜ利用者が喜ぶものが手に入らないのか、日本はこんなに豊かになっているにもかかわらず、というふうに思ってしまいました。自立した生活を送るには、在宅ケアの充実が必要なことは言うまでもございません。在宅ケアを可能にするためには、家庭や地域の役割とともに、それを支える福祉用具の役割というのは非常に大きいと思います。
 福祉用具というのは、高齢者などの機能を維持増進させるもの、自立した生活を営むことを可能
とするもの、そしてまたクオリティー・オブ・ライフを尊重したきめ細かな介護が提供できるもの、人間と機械の役割分担がきちんとされた上でそれらを交互に連携させるもの、使いやすいもの、家庭や施設に配慮した設計であるものというふうなことが求められているのではないかと思います。
 福祉用具は、お年寄り一人一人に合わせた福祉と保健と医療の在宅及び施設サービスの供給システムが構築されるための大きな武器になるんじゃないか、助っ人になるのではないかと思います。それを使って、それぞれの個人に合わせたサービスの青写真ができ上がっていくのではないかと思います。今回の福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案も、高齢者や障害者の在宅サービスなどを充実させる、その流れの中に位置づけられるものというふうに思っております。
 ところで、福祉用具が普及しない原因の一つに、主役である利用者、高齢者や障害者から見た視点というものが少なかった。なかったとは言わないまでも少なかったというふうに私は思うのでございますが、この福祉用具が普及しなかった、していない原因は何か。その原因をどのように改善することによってどのような結果が得られるのか。すなわち、厚生省はどのような福祉用具のあり方を目指そうとなさっているのか。その点を承りたいと思います。
#7
○政府委員(横尾和子君) 福祉用具がまだ日本においては普及していない原因につきまして、一つは、そもそも福祉用具というものの存在を知らないという方もまだまだ多くいらっしゃるのではないかと思っております。あるいは、福祉用具を知っていらしても、どこに行けば福祉用具についての相談や説明が受けられて手に入れられるのかということがわからないといった点も指摘をされております。
 全国社会福祉協議会が一九九二年になさいました実態調査によりますと、この情報の欠如といった点がかなりはっきりしておりまして、よくわからないという方が非常に多くなっております。そして、具体的な情報をどこから得たかというところでございますと、まず病院からという方が三四%、ヘルパーからというのが三一%、本で読んだというのが二五%、行政に尋ねたというのが二四%、重複もございますがそんな内容にもなっております。恐らく、病院に御入院中の方が退院をするときに、初めていろいろどうしたらいいでしょうかということで福祉用具との接点が出てくるということは当然想像ができることでございます。私どもは、一つには、ユーザーに対してしっかりした情報を提供するシステムが欠かせないというふうに思っております。
 それに加えまして、もう一つ普及がしない原因にありますのが、実際に利用してみたけれども、非常に使い勝手が悪い。例えて申しませば、車いすを使ってみたけれども、小柄な方には体に合わない、力がなくて車いすを回せない、こういったことですぐにあきらめてしまうというようなこともあるのではないかと思っております。そのためには、情報のみならず、そういった機器の適切な選択を助けるという助言も必要なのではないかというふうに思っております。
 また、三番目の問題として、相当いろいろと御工夫をなさっていらっしゃるユーザーの方からの声としては、いろいろやるけれども自分の家ではとても使えないとか、デザインその他の面でとても使う気になれないといったようなこともあろうかと思っております。
 今回の法案を御提案申し上げましたのは、例えばこの三番目の問題については、ユーザーの声が反映されて機器開発が行われるシステムを整備することによって、第三の問題にもこたえようとしているものでございます。
#8
○日下部禧代子君 今おっしゃいましたことは大変に重要なことだと思いますけれども、それにつけ加えてもう一つあるのではないかなというふうに思うわけですね。
 今、やはり退院なさるときにということ、つまり病院でインフォメーションを得たという方が一番多かったということでございますが、例えばある方が脳卒中で入院なさる、退院なさいます。そのときに、だれがこの患者さんにアドバイスするのか、それはどこで受けられるのか。また、今おっしゃいましたように福祉機器の情報にどこで接することができるのか、また値段は幾らなのか。そういったことを退院したばかりの患者さんが理解するのは非常に困難じゃないかなというふうに思うんですね。
 ですから、例えば利用者である患者さんのことを知っている人がいるかもわかりません、もちろんいます。用具のことに関しての知識のある方はいらっしゃると思います。またリハビリについての知識のある方もいらっしゃいます。ところが、それらを組み合わせる人がいないんではないかと思うわけです。つまり、それぞれの情報がばらばらになっているということも、これは非常に大きなことではないか。つまり、だれかが利用者と福祉用具のコーディネートをするということが非常に必要だと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
#9
○政府委員(横尾和子君) 今後の物事の進め方を申し上げますと、今後は、都道府県レベルで整備を進めていきます介護実習・普及センター、市町村レベルでの在宅介護支援センターを主力としてこの機器の相談業務を助言も含めて取り扱いたいと考えているわけでございますが、この介護実習・普及センターは既に七カ所が稼働しておりまして、そこでこの相談業務に携わる職員等について調査をしてみますと、看護婦、保健婦、介護福祉士、PT、OT、リハビリテーションエンジニアといった方が携わっていることがわかりました。私どもは、既にある程度の知識を持っておられる方がここに携わっているということに安心はしておりますけれども、今後地方に整備をいたします在宅介護支援センターにおきましても、こういった業務が進展することを考えまして、こういった機器についての研修といったことを十分行う必要があるのではないかというふうに考えております。
 またもう一つ、ユーザーの方が接点を持たれるのが販売やレンタル業の事業者でございまして、この事業者に対しましても相談業務を行う人を置き、研修を行うように指導しているところでございます。具体的に申し上げますと、このレンタルの事業者に対しますサービスガイドラインというのを通知で出しておりまして、その中で職員に適切に研修を行うことという旨の規定をしております。またこれを受けまして、シルバーマークを取得する条件として採用時に五十時間の研修を行うことを要件としているところでございます。そうした研修によりまして、こういった分野について適切に相談、助言のできる関係者をふやしてまいりたいと考えております。
#10
○日下部禧代子君 今、確かに看護婦さん、保健婦さん、PT、OT、リハビリテーションエンジニア、そういう方々のスタッフの必要性というのは言うまでもないんですけれども、それぞれの職種の方々がそれぞれ分立しているのではなくて、どういう場合にどの方がどういうふうに必要になってくるのかということが、やはりそれぞれの職種を利用者の立場からコーディネートするということがとても必要なんじゃないかと思うんですね。
 また、それだけではなくて、福祉用具がきちんと適切にその機能を発揮するためには、そのほかにもやはり住環境の問題、それから介護する家族の状況、あるいはまた何のためにこの福祉用具を必要としているのか、つまり、その人は外に出たいと思っているのか、いろいろな人々とのコミュニケーションを必要としているのか、あるいはまた自分がベッドから起き上がるだけを必要としているのかとか、さまざまなケースによってさまざまなニーズというのは多様性があるわけでございますね。そういう人と介護者との関係ということもあると思います。だから、それぞれの場合をそれぞれにじゃなくて、全部を包括的にとらえなければいけないという役割がここで求められてくると思うんです。
 そうしますと、これはやはり幾ら事業者の方に
いろいろと五十時間の研修をなさっても、今私が申し上げたようなことを、これは知識としてということではなくて、とらえるということは非常に難しいというふうに思うんです。ですから、そういった意味で、やはり利用するユーザーと、そして介護する家族、住環境、あらゆる状況を包括的にコーディネートするという、それがなければ、それぞればらばらにやっていたのでは本当に社会的経費がかかるだけではなくて、利用する方にとっては非常に不自由になるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 これは、先ごろの私の質問でも申し上げましたけれども、どこの国でもそういうケアをコーディネートする、さまざまなサービス、職種をコーディネートするという新しい職種が生まれてきつつあるわけでございます。日本でも、やはり在宅サービス、施設サービスというものの調整を円滑にするということの意味も含めて、やはり福祉用具を扱う人の問題というのはもっともっと考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。この福祉用具を扱う方の資格というものを法定化するというふうなお考えは全くないのでしょうか。そのコーディネートするというふうな意味も含めまして、その点どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#11
○政府委員(横尾和子君) この福祉用具の法案を御提案申し上げました背景に、かねてから進めてまいりました福祉サービスというサービスの問題に加えて、物的な環境を整備することが高齢者の生活を豊かにするためにも欠かせないというスタンスで御提案申し上げているわけでございます。
 したがいまして、福祉サービスまたこの福祉用具をあわせて全体として高齢者の処遇をどうするかという、処遇の決定をだれがどうするかというのが基本的な先生御指摘の調整の問題であろうというふうに思っているわけでございます。この処遇の調整は、私どもとしては、特に一人の人が権限を持って調整するというよりは、それぞれの地域ごとに御関心の深い方に寄り寄り集まっていただいて、全体として決めていくという方向が日本の風土に合うのではないかという気持ちでございますので、高齢者サービス調整チームのような形で進めさせていただいているところでございます。
 また、そうした考え方に立ちつつも、この福祉用具について極めて専門的な知識を持った身分制度といいますか、資格制度の必要性ということについてのお尋ねもあったわけでございますが、私ども、今のところ、そうした資格制度よりは広く関係者の方々にこの知識を持っていただくことが先決ではないかというふうに思っておりまして、具体的な制度の創設については慎重な検討で臨んでまいりたいと思っております。
#12
○日下部禧代子君 それでは、これからやはりそういう資格が必要だというふうなお考えはお持ちでいらっしゃいますか。
#13
○政府委員(横尾和子君) 資格、身分というものにいろいろなものがございますが、それを資格、身分というふうに具体的にするかどうかは別としまして、ある種の専門知識、場合によっては技能を持つ人々がたくさんふえていくことは大切なことだというふうに考えております。
#14
○日下部禧代子君 ぜひその実現に向けて検討していただきたいというふうにお願いしておきます。
 次に、この基本指針に盛り込まれる内容、現段階の概要、策定手続、それから策定の時期、これは利用者主役という理念の盛り込み方がどうしても必要だと思うんですけれども、利用者がその指針の策定に参加できるのでしょうか、あるいは参加できるような場はどのような形で設けられるのでしょうか。
#15
○政府委員(横尾和子君) 基本方針でございますが、条文上も明記しておりますが、具体的に申し上げますと、まず第一には、「福祉用具の研究開発及び普及の動向に関する事項」を掲げることとしております。これは、今後の福祉用具のニーズ、研究開発、普及の現状及び動向等について定めることになります。
 第二に、「研究開発及び普及の目標に関する事項」でございますが、この点につきましては、研究開発や普及が必要な福祉用具の種類、範囲、あるいは福祉用具の研究開発体制及び普及体制の整備の基本的な事項を定めることとしております。
 第三に、「研究開発及び普及を促進するため講じようとする施策の基本となるべき事項」でございますが、これは国及び地方公共団体の講ずべき主要施策、例えば介護実習・普及センターの整備方針等について記載をすることになります。
 第四に、「事業者及び施設の開設者が講ずべき措置に関する事項」として、例えば事業者が品質の向上について取り組むべき措置、あるいは衛生上の措置を定め、あるいは福祉施設面への福祉用具の導入の方向を定めるといった内容を予定しているところでございます。
 また、基本方針を定めるに当たりましては、条文の中にも、老人及び心身障害者の心身の特性並びにこれらの者の置かれている環境を十分に踏まえるように留意しなければならないということとしておりまして、具体的な文言は今後検討することになりますが、利用者の観点に立った内容としてまいりたいと存じます。
 基本方針は、厚生省、通産省両省により法が施行されまして、できるだけ早い時期に策定をしたいと考えておりますが、その過程で御関係の方々、専門家の方々の御意見を幅広くちょうだいをいたしまして、御指摘のような利用者の意見が基本方針に十分反映されるように努めてまいりたいと存じます。
#16
○日下部禧代子君 重ねて申し上げますが、ぜひ、利用者主役ということを実現させる方向でいっていただきたいと思います。
 次に、福祉用具の範囲というのは非常に広いというふうに思います。企業者を把握するということは困難だろうと思うんですが、私の聞き及んでいるところによりますと、車いすは三十数社、年間製造十八万台、売り上げ百六十億円規模、療養ベッドは十社前後で、年間製造十五万台、売り上げ百六十億円規模、補聴器は十数社で、年間製造三十四万台、売り上げ百三十億円規模というふうに言われていると聞き及んでおります。また、レンタル業者については四百店舗、売り上げは年間三十五億円というふうに言われておりますが、高齢化社会を迎えまして、この市場規模というのはもちろん拡大することでございますね。
 そこで、厚生省は、福祉用具に対する国民の需要というものをどのように把握していらっしゃるのか、この将来はどのように伸びていくのか、生産とレンタルを含めましてお伺いさせていただきたいと思います。つまり、需給予測でございます。
#17
○政府委員(横尾和子君) 私ども、まだ具体的な需給予測をしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、福祉用具の存在も知らないという方がかなりいらっしゃることを考えますと、今後、さまざまなこういったことへの知識の普及とともに、相当程度の需要の拡大が見込まれるのではないかというふうに想像しております。
 また、いわゆる福祉用具でないもの、一般の機器でございますが、電話でありますとか、ファクスでありますとか、台所の設備でありますとか、一般用の機器につきまして、高齢者仕様でありますとか、障害者が使うにも使いやすいものでありますとかという工夫がなされていくとすれば、それはもっと広い観点からこの分野への機器市場というのが広がってくるのではないかと考えております。
#18
○日下部禧代子君 やはり、相当程度あるいは想像では困ると思うんですね。こういう法律ができるということは、やはりそれなりの需給予測というものをきちっと立てておくということが前提ではないかと思うのですけれども、相当程度あるいは想像ということでは少し、少しどころかかなり大ざっぱ過ぎるのではないかなというふうに思うんですね。やはり、これは需給予測というものをきちんと立てるということは、これは産業育成という意味、そういった点だけじゃなくて、福祉の
理解を進めるということのためにもすごく必要だと思うので、今お持ちでございませんでしたら後ほど、早急にそういうきちんとした予測というものを資料としてつくって提出していただきたいと思います。
 次に、通産省にお聞きしたいと思いますけれども、この法律における通産省の役割というのは非常に大きいというふうに思います。こういうときにこそ積極的な御指導というものをお願いしたいと思うんですけれども、障害者あるいは高齢の方々はお一人お一人異なるわけであります。それぞれ異なったニーズ、異なった状況に置かれていると思います。福祉用具に限らず多品種少量流通というものが可能な物流ができていないと、障害者やそれから高齢者の個々のニーズに真に合致したものというのは給付されないのではないかと思うんですが、そういった物流が可能なような形に関係業者というもの、関係業界を指導するということが必要だというふうに思うのですが、通産省いかがでございますか。
#19
○政府委員(松藤哲夫君) 先生御指摘のように、福祉機器というのは、一般に需要の規模、したがってまた流通の規模が少ロットでございますし、またほかのスペースも相当要る、さらに販売について専門的な知識を要するということもございまして、なかなかコストも割高になりがちでございます。しかし、福祉機器の社会的な重要性というものを考えますと、こうした制約を克服しながらいかにこれを普及させていくか、またそのための流通の近代化をどうやっていくかということは、大変重要な課題であると私どもは認識しております。
 したがいまして、私どもとしては、現在、日本開発銀行に福祉関連機器普及促進融資制度というものを設けておりまして、レンタル業者を含めまして流通業者を対象といたしまして低利資金を供給することによりまして、この流通コストの低減、さらには流通の合理化に努めているところでございまして、今後とも、流通業界に本制度を一層活用していただくように周知徹底に努めながら、福祉機器の流通の拡大に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#20
○日下部禧代子君 確かに流通の合理化ということももちろん必要でございますけれども、いわゆる品種がたくさんであってしかしながら少量生産というふうな、それが産業としても成り立つように産業構造全体の仕組み、あるいはパラダイムというものを変えていくということが、ここで長期的な転換という視点からも今やらなきゃいけないことなんじゃないか。今までの発想のままではなくて、今までのシステムではなく、ここで発想を変え、そしてシステムを変えていくということが産業界にとっても非常に必要なのではないかなと思うんですね。
 日本は豊かだと言われておりますから、非常にこの豊かだということの視点というのは何だろうかと。さまざまな品物が自分で使えるというふうなこと、それも非常に豊かだと実感されることの要件の一つではないかというふうに思うのですが、そういった観点から重ねてお尋ねをしたいと思います。
#21
○政府委員(松藤哲夫君) 御指摘のように、福祉機器というのは多品種少量生産型の産業構造でございますから、大部分が中小零細企業ということでございまして、これをいかに需要の実態に合ったような産業構造に変えていくかということは、先生御指摘のように大変重要な課題であると思っております。
 多品種少量生産の問題を克服する一つのアプローチの仕方といたしましては、メーカーによる技術力の向上、それからJISによる規格の統一、あるいは先ほど申し上げましたような開銀融資等による低利資金の供給という、そういう角度からの規格化、合理化というのが一つのアプローチだろうと思っています。
 これは、この法律を御提案いたしました一つの理由でもございまして、こうした努力を一方では行うわけでございますけれども、同時に、現代の最先端の技術を使いますとどういうまた改革が可能であるかということについても我々今考えておるところでございまして、特にコンピューター技術を活用しまして、多品種少量生産どころか、一品種一品生産ということが可能になるのではないかということを実は我々は考えておるところでございます。
 それで、ことし平成五年度から車いすをモデルにとりまして、いわゆるCAD・CAMを徹底的に利用いたしまして、先ほど申し上げましたように、いわば一品種一品生産のシステムというものに六年間かけて総額五億円で挑戦したいということで、ことしからそのプロジェクトを開始いたします。この考え方は、コンピューターを使いまして、まず体の寸法とか、体の機能、それから使用環境等を入力いたしまして、個々の利用者にとりまして最適な車いすの寸法値を算出する。それから、この算出結果をもとにして、今度は車いすの設計とか製造あるいは組み立ての手順というものをやはりこのコンピューターを使って実施する。
 そういうことが可能になってきますと、先ほど申し上げましたJISによる規格の統一と相まって、中小企業者であっても、コンピューターを利用することによっていろんな種類のものを一品一品がなり合理的に、機械的に生産できるようになるのではないかということを我々は期待しておるわけでございます。これが可能になれば、車いすに限らずほかの福祉機器につきましても、十分それが適用可能になるわけでございまして、私どもとしては、そうした製造革命といいますか、製造技術の革新にあわせて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#22
○日下部禧代子君 製造革新と同時に、やはり流通機構というものの革新ということも、ぜひともこれから真剣に検討していただきたいと思います。
 ところで、社会福祉施設というのは、これは専門的な介護供給の基地で、非常に基地としては重要な役割を果たしております。ここをまた福祉用具普及の拠点といいましょうか、そういう観点として焦点を当ててみるということはできないのかなと思うわけですね。さまざまな需要というのが、集約的に福祉施設では発掘できるのではないかというふうに思うわけです。そのための推進策というものを講じてはどうかなと思うんです。例えば、手厚い補助金だとか割り増し単価、あるいはそういった福祉機器を使うための改造費の助成というふうなことを考慮に入れた形で、この福祉施設というものと福祉用具普及の拠点という、そういう結びつきはできないのでしょうか。
#23
○政府委員(横尾和子君) 私ども、社会福祉施設での利用というのは、ある意味では直ちに入所者の生活の利便や潤いをもたらすことになるという観点もありますし、もう一つの観点からすれば、福祉用具を使っていくことの中から、次なる改良のポイントというものが浮かび上がってくるという点もあろうというふうに考えております。
 そういった考え方も踏まえまして、平成五年度からでございますが、一施設当たりに約一千万円程度としておりますが、介護機器普及促進事業というのを設けておりまして、こういったものの中から御提案のような検討を加えてまいりたいと思っております。
#24
○日下部禧代子君 ぜひその辺のところを手厚く補助していただいて、そしてそこでさまざまなトライアルを繰り返していく、実験といったら大変失礼でございます。さまざまな形で、そこでさまざまな用具の普及ということの、その実践ということの基地として考えるという、その考え方をさらに推し進めていただきたいと思います。
 次に、この普及のためには、やはり社会福祉施設だけではございませんで、常設の展示場が重要でございます。一体どのようなところを常設の展示場になさろうとしていらっしゃるのか。その確保はどのような形で、方法でなさろうとしていらっしゃるのか。これは厚生省と通産省にお聞きしたいと思うんです。
 特に、通産省では、デパートなどで福祉機器を
常時展示をするというふうな、デパートなんかの協力というものをもっと積極的に得られないのでしょうか。今現在、幾つかのデパートにおいてはそういう場所を設けているところは確かにございます。だけれども、それをほとんどの方が知らないのではないかなと思うんですね。そういった点も含めまして、厚生省と通産省にさまざまなアイデアがおありになりますでしょうと思いますので、そのアイデアを出していただきたいというふうに思いますが、どのようなアイデアを今お持ちでいらっしゃいましょうか。
#25
○政府委員(横尾和子君) 大規模な展示場については、既にこの点に着手をしておられる自治体におかれましては、大きな福祉センターの中にそのスペースを設けるようなもの、あるいは県立のリハビリテーション病院の一画を活用されるものなどありまして、基本的にはそれぞれの県の御判断にゆだねたいと考えておりますけれども、一つの御活用いただきたい施策として介護実習・普及センター、これはその本店と支店と両方つくることを原則としておりますので、こういったことの御活用をぜひお願いしたいと思っております。
#26
○政府委員(松藤哲夫君) 私どもといたしましては、福祉機器について世界じゅうのいろんな技術とか製品を集めて展示いたしまして、それを日本のいろんな関係者の方々に見てもらおう、あるいはこれを外国の企業から輸入する機会として活用していただくというようなことで、例えばジェトロがことしの三月にヘルスケア展というのを池袋のサンシャインビルで行いまして、これちょっと今数字は覚えておりませんが、諸外国から数十社参加していただきまして、いろいろな福祉機器が展示されて、またそこでいろんな商談が行われているところでございます。
 それからまた、ことしの十一月には国際保健福祉機器展というのが予定されておりまして、これも諸外国の機器メーカー等に声をかけまして、また政府としてもいろんな形で助成を行うことにしておりますけれども、こうして日本国内のみならず世界じゅうからいろんな機器あるいは技術あるいは製品が日本に紹介されるような機会を持つべくいろいろ努力しておるところでございます。
 また、先生御指摘の百貨店における福祉機器展というのは、私ども今まで試みたことはございませんですけれども、先ほど申し上げましたように、開銀の低利融資制度というのは、こうした時間を切って展示会をやるというようなことにも活用できるものでございますから、これからそういうことも含めて普及の促進にいろんなアイデアを活用してまいりたいと思っております。
#27
○日下部禧代子君 非常に重要なことだと思いますので、時々大規模な展示の機会を持つのではなくて、例えば常設展示場というふうなことも通産省にはもう少し考えていただきたいというふうに要望しておきます。
 常設の展示場を確保するということのためには、やはり在宅介護支援センターの充実というのは非常に重要だと思います。しかしながら、これまで介護センターというのは特別養護老人ホームに併設される形で設置されているのがほとんどだというふうに思いますが、特養の立地が非常に困難な大都会などでは、やはり介護支援センターが特養に併設ということである限りにおいて、常設の展示場がないということにつながってくるわけであります。
 前回、四月八日のこの委員会で私が質問させていただきましたときにも、在宅介護支援センター設置の進捗状況が必ずしも良好ではないということがわかったわけでございますが、そこで、在宅介護支援センターの今後の普及策というのをどのように考えていらっしゃるのか。単独での設置を認めるとか、補助金などの増額ということも含めましていかがでございましょうか。
#28
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターにつきましては、これまでのところ整備されたものの八割が特養併設というふうなことでございますので、御指摘のとおりであります。
 今後でございますが、特養と同じ場所になければならないというような運営ではなく、特養との連携あるいは老人保健施設との連携が十分とれるのであれば、例えば離れた場所にありますデイサービスセンターと在宅介護支援センターが一緒になるというようなことも含めまして、機能的な面での連携ということに主眼を置いて整備を進めていきたいというふうに思っております。
 また、従来、やや病院との連携のもとに設置される在宅介護支援センターの数が少なかったわけでございますが、この点につきましても関係者の方々に働きかけまして、退院時に在宅での過ごし方についての指導も含めまして、介護支援センターが福祉用具の利用の助言ができるようなことを進めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、運営費でございますが、これは毎年必要な引き上げを行ってきたつもりでございます。
#29
○日下部禧代子君 さらに普及というものを促進させるためには、抜本的な普及推進策というものが、ここでこの法律が施行されるということと同時にやはり講ぜられなければならないというふうに思います。その点ぜひよろしくお願いいたします。
 今までも何度も申し上げてまいりましたけれども、十カ年戦略というものは、その進捗状況がよいもの、悪いものとございまして、なかなかはかどっていないものもございます。四月十六日の国民生活調査会で、私の質問に対しまして、補正予算で特別養護老人ホームを増設するというふうなことをお答えいただいたわけでございますが、ここでゴールドプランそのものもやはり見直していくということが必要なのではないか。介護支援センターの進捗状況も含めまして、ゴールドプランを見直すというふうなそういうお考えはございませんでしょうか。
#30
○政府委員(横尾和子君) 整備が進んでいるもの、ややおくれがちなもの、さまざまございますけれども、このゴールドプランは、国の目標であると同時にそれぞれの市町村が計画をつくっていくものでございます。そういう意味で、今関係市町村が地域のニードを見ながら計画を立案中でございます。その中で、いろいろな工夫をしながら進めていただけるものというふうに考えておりまして、この介護支援センターのおくれも地域の中での工夫、あるいはそれを受けての私どもが柔軟な対応をとることによって実現できていくのではないかと考えている次第でございます。
#31
○日下部禧代子君 ぜひとも再検討ということをお願いしておきまして、次の質問に移りたいと思います。
 先ほどから重ねて申し上げておりますけれども、主役である個々の利用者のニーズというものが必要でございますが、それをどうやって製品に反映させていくのかということも、これは非常に重要なことだというふうに思います。この点に関しまして、個々の利用者のニーズをどのように製品に反映させていこうとなさっているのか、厚生省にお尋ねしたいと思います。
#32
○政府委員(横尾和子君) 先ほど申し上げましたけれども、この法律の目的の一つがユーザーに適切な情報を提供して使っていただけるようにするということでありますし、もう一つは、ユーザーが持っている希望なり提案なりをメーカーの側に伝えることによって新たな製品の開発につなげていくという、双方向の情報の流れをつくっていくということがこの法案の目的でございます。
 具体的には、御指摘のユーザー情報については、厚生大臣が指定いたします法人がその情報を収集し製造業者に伝えるという点で大きな役割を果たすものと考えておりますが、これにあわせまして、個々の事業者に対しまして苦情の処理を適切に行わなければならない旨規定しておりまして、これにも取り組み、あるいは開発につながる情報が寄せられるのではないかと考えております。
#33
○日下部禧代子君 個人に合わせた用具といいますと、どうしても単価が高くなるんではないかなというふうに思うんですね。そういうものに対する購入対策というのはどういうふうな形でなさろ
うとなさっていますか。
 それからまた、補装具など公費負担があるものはよろしいわけでございますが、それ以外のものに対しても、今現在公費負担ではないものに対しても補助金などを導入すべきではないかと思いますが、この点いかがでございましょうか。
#34
○政府委員(土井豊君) 補装具についてのお尋ねがございましたが、御案内のとおり、これは補装具を給付するという形で、更生相談所が専門の業者に委託をしまして一人一人に適合するようにいろいろと工夫をしながら適切な補装具をつくって給付をする、そして本人におきましてはその所得の状況に応じて費用負担をするという形で、徴収金の体系で処理をしているというのが現状でございます。
 この場合に、今対象になっていないものはどうするかというお話もございましたけれども、私どもとしましては、関係団体等からいろんな御要望を常にお聞きしながら、必要なものについては逐次これを追加していくということで今後とも検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#35
○日下部禧代子君 ぜひともそれは検討していただきまして、また補正予算に組み込むことができればぜひ加えていただきたいというふうにお願いしておきます。
 ところで、現行の補装具の給付の問題点というものをどのように把握していらっしゃるんでしょうか。再度交付するときの費用負担とか、利用者が用具の色とかデザインをどの程度まで選択できるのでしょうか。また、適合判定というのは利用者のところに出かけていってなさるんでしょうか、あるいは利用者がどこかに行かなければならないのでしょうか、その辺のところもお聞かせいただきたいと思います。
#36
○政府委員(土井豊君) 御案内のとおり、この四月から町村が市と並んで補装具の行政の責任主体に移行いたしましたが、市町村とそれから都道府県に設置されております身体障害者の更生相談所、それから製作とか修理の業者、それからそれを利用する身体障害者本人という四者の関係がこの場合にあるわけでございますけれども、まず市町村と申請者本人との関係はこれは通常の行政手続ということでございますが、今お尋ねの件は恐らく本人と実際にこれをつくる業者との関係だろうと思います。
 そこで私どもは、一定の基準の範囲内でできるだけ本人に適当な中身のものをつくるということにいたしておりますけれども、ただこれは機能面を中心に現在考えておりまして、その機能面については専門的な知識のある更生相談所の専門官というものが常にタッチをしていくという形にしているところでございます。したがいまして、実際の運用として、御指摘がありましたようなできるだけ本人の希望が入れられるような工夫というものはこれは当然努力していかなければならないと思いますけれども、あくまで私どもで定めている基準という範囲内でのことでございまして、その点は十分なことができるかどうかというのは具体の問題にかかわることだと思います。
 それからなお、再交付の場合でございますけれども、これは新規交付の場合と同じような実務手続ということになっておりますので、一定の年数がたって再交付をする必要がある場合、あるいは途中何らかの事情で既に交付されたものが壊れたといったような場合には、再交付の手続で新しいものと同じような事務処理をしていくというような形で処理をしているところでございます。
#37
○日下部禧代子君 私どもは、交付という言葉も、何か交付されるという、何か上の方からおろしてくるという感じがどうしても否めないんですけれども、お客様として扱うという発想、そういうものがやはり欠けているような気がするわけであります。ぜひとも色、デザイン、そういうものも含めまして、今基準の範囲内とおっしゃいましたが、その基準の範囲をもっともっと拡大していただきたい、そのことをお願いいたしまして、次の質問に移りたいというふうに思います。
 開発経費につきましてお尋ねいたしますが、これは通産省、厚生省とが入り乱れてとても複雑でございます。長寿基金の運用益についてこれまで四十五件、十一億円の助成実績があるほかに、国立リハビリテーションセンターが行うものが約五億五千万円、テクノエイド協会やシルバーサービス振興会が行うものなどさまざまでございますが、これらをまとめた形で、つまり全体像というものを国民の前に明らかにしてほしいと思うわけでございます。そういった観点で御質問させていただきます。
 開発費、普及費及び給付費などの予算関係というのはどうなっているのか。つまり、厚生省、通産省、地方公共団体、民間などどのくらいの予算を負担するのか、そして今後どのくらいそれを伸ばそうとしているのか。これを各機関がばらばらに行うのではなく総合的に調整するということ、そのことが国民が望んでいることだというふうに思いますが、その観点で簡潔にお答えいただきたいと思います。
#38
○政府委員(横尾和子君) 厚生省関係だけを取り上げましてもさまざまございますので、大ぐくりでお答えを申し上げます。
 まず、五年度予算で福祉用具の研究開発にかかわる予算は二つの項目がありまして、製造メーカーに対する助成金として五億四千万円がございます。また、国立身体障害者リハビリテーションにおける研究開発等の予算として約一億円を計上しているところでございます。普及関係でございますが、これは在宅介護支援センター及び介護実習・普及センターに要する経費として運営費が約六十四億円でございますが、これに加えまして必要な施設整備費を確保しているところでございます。また、福祉用具についての公的な給付事業でございますが、日常生活用具給付事業と補装具給付事業を合わせまして約百六億円でございます。また、健康保険の保健福祉施設として行われますものが十二億円ということになっております。
#39
○政府委員(松藤哲夫君) 通産省の福祉機器の関係は、どちらかといいますとニーズを想定しながら技術的なシーズに重点を置いて研究開発をやるということが中心になるわけでございますけれども、具体的には五つの項目がございまして、ほとんどが今年度から開始される新規のものでございますが、まず第一には、技術の具現化のためのデータベースの構築ということでございまして、これはどういうニーズがあってどういう福祉機器が具現化可能であるかというためのデータベースを構築する費用でございまして、平成五年度五千二百万円を新規に予算の中に組み込んでおります。
 それから次に、基盤技術の研究でございまして、福祉機器の技術開発のすそ野を広げるために横断的、基盤的な技術の研究を行うわけでございますが、これは、国立の研究所を中心に民間の専門家も動員しまして集中研究方式でこの技術シーズを研究するわけでございます。これが平成五年度から新規に六千万円予算に組み込んでおります。
 それから三番目には、プロジェクトの研究開発でございまして、基盤技術ではなくて、具体的に最先端の産業技術を駆使いたしまして、安全性、利便性にすぐれた、かつ低コストの福祉機器の技術開発を行う。これは、具体的には医療福祉機器研究所という研究組合がございまして、ここに委託して行うものでございますけれども、これは継続でございまして、ことし五億五千七百万円予算に組み込んでおります。
 それから四番目が実用化の開発助成ということでございまして、先ほども先生たびたび御指摘のように、技術があってもなかなかマーケットが小さいために実用化がしにくい、そこを、民間企業が実用化することをブッシュしていこうという制度をことしからこの法律のもとで改めて創設することになっておりまして、具体的には、この技術を駆使して実用化をするための研究開発を行う民間企業に対しまして補助金を交付するということでございまして、その予算を新規に一億六百万円組み込んでおります。
 それから最後に、標準基盤の確立ということでございまして、先ほど来申し上げておりますように福祉機器のJIS化というのが大変大事なわけでございますけれども、福祉機器とか材料の試験・評価方法の確立、あるいは設計ガイドラインの提示等、福祉機器を標準化するための基盤研究を行うために「くらしとJISセンター」というものを建設いたしまして、ここに標準基盤の研究をさせることになっております。これが新規に八億四千二百万円ついてございます。
 こうした予算を合計いたしますと、平成五年度は十六億一千七百万円、平成四年度が四億七千百万円でございましたから、約四倍の伸びになっているわけでございます。
#40
○日下部禧代子君 次の質問に移ります。
 障害者や高齢者は福祉用具だけを使うわけではございませんで、むしろ日常的に使う公衆電話とかテレビとか駅の券を売る機械だとか、それはもう本当に障害のある方もない方もともに使う機器、そういったものに障害のある方あるいは高齢者に対する配慮というものが求められているわけでございますが、つまり町づくりでございますね、それとまた住宅ということも、やはりすべて住環境、そしてその町の町づくり、トータルに考えられなければならないというふうに思います。
 この点は厚生省と建設省と両方にお尋ねするわけでございますが、特に建設省では、在宅で介護サービスを受けるには福祉用具だけでは不十分だと思うんですね。今申し上げたように、住居の問題も同時に解決されねばならないと思います。その住居の場合、もう建て売りとかマンションのレディーメードでやりますと、これはまたこういった福祉機器を使う場合には改築をしなければなりません。そうした場合には非常に二度手間で費用もかさむわけでございます。最初から、今度この際建築基準法を改正すべきではないかというふうに思いますが、この点、建設省いかがでございましょうか。厚生省と建設省にお伺いします。
#41
○説明員(羽生洋治君) 今、先生御指摘のように、高齢者や障害者が家庭や地域で安全かつ快適な生活ができるということのための施策を講じていくということは、極めて重要な課題であると私どもも思っております。
 特に、御指摘の点の建て売り住宅やマンションということでございますが、建築を行う時点では、障害を持つ方が御購入されるのか、それから御購入される方の心身の特性、こういったものがなかなか把握できない。先に建てて後で売るというふうなこともございます。そういうことでございまして、建てるときから一律に建築基準法で一定の基準を義務づけて実行させるということにつきましては、そういう意味での経済的な負担も当然ふえるということもございまして、いろいろ検討していかなければいけない問題点があるというふうに考えております。
 しかしながら、御指摘のような建て売りやマンションにつきましても、できるだけ障害者や高齢者に配慮した設計や構造を最初からつくっておくということを促進するということは極めて重要なことでございますので、私どもでは、そういったことをあらかじめやる場合におきましては、住宅金融公庫の融資の場合の割り増しの貸し付けを行ったり、購入後でも、既存の住宅に高齢者や身障者用の設備を設置するといった場合にでも割り増し融資を行うというようなことをいろいろやっております。また、そのためのいろいろな部品の推奨というふうなこともやっておりまして、例えばバスユニットですとかそれからホームエレベーターですとか、そういったことにつきましてもいろいろ普及の促進を図っているところでございます。
 また、全体の町づくりというお話がございましたが、これにつきましても、私ども、福祉の町づくりというようなことでいろいろな助成策を講じまして、高齢者や障害者の方が安心して住んでいただける快適な町づくりということを重要な課題として推進しているところでございまして、今後ともそういった考え方で努力してまいりたいというふうに思っております。
#42
○日下部禧代子君 厚生省、時間がないので、そのお答えは省いていただいて結構でございます。
 最後に、大臣にお尋ね申し上げます。
 この福祉用具のように、問題が起こるたびに法律をつくるというふうなことではなくて、将来の長期的な福祉の動向、国民のニーズというものを視野に入れて、十カ年戦略などを法定化してもっともっと強力に推進すべきではないかと思うんですね。高齢化社会を総合的に計画する、そういう基本的な法律こそ今必要とされているのではないかなというふうに思います。私自身もそのような法律をつくりたいと思っております。
 それからもう一つ、心身障害者という用語につきまして、これは、体に障害があるという方はいらっしゃるかもわからないけれども、心に障害があるというのはやはりおかしいのではないかというお考えがもうこのごろ一般的に国民の中に非常に広がっております。別の言葉に置きかえるような御検討をなさっていただきたいというふうに思いますが、その点も含めまして大臣の御答弁をいただきまして、質問を終わりたいと存じます。
#43
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど、冒頭申し上げたわけでございますが、政府といたしましては、長寿社会対策大綱の閣議決定及び高齢者保健福祉推進十カ年戦略の長期展望に立って着実にその推進を図っていくことが大変重要なことである、こう考えておるわけであります。
 こうした施策の主たる根拠といたしまして、老人福祉法や老人保健法というものがあるわけでございますけれども、この老人福祉法の第二条、第三条、さらに老人保健法の第二条に、先生から今御指摘がございましたような、基本的な理念というものが明らかになっておるわけでございます。今回、高齢者、障害者を問わず福祉用具に着目をいたしまして、法律の制定をお願いしたわけでございますけれども、まさにこれらの基本的理念、哲学を実現させるその一環としてこういうようなことを考えておるわけでございます。
 それか良心身障害者という用語の問題でございますが、心身障害者対策基本法に規定する心身障害者の範囲が、この福祉用具を使用する者の範囲と一致する、こういうことでございまして、こういうことから基本法の心身障害者という用語を引用したものでございますけれども、この基本法におきます「補装具その他の用具の研究及び開発を促進しなければならない。」という国の責務を具体的に促進したものでございまして、したがって、心身障害者という用語を使用するということが適当である、こう考えているような次第でございます。
#44
○峰崎直樹君 私は、日本社会党・護憲民主連合の峰崎でございますが、昨年七月に北海道選挙区で当選をしてまいりました。
 それらの選挙活動の中を通じましても、多くの障害者の方々から御支援をいただきまして、二十一世紀の福祉を考える会、こういったような組織をつくりまして、いろいろとこの問題についても議論をしてまいったわけでございます。その人たちの声も含めて、実は福祉機器開発の基本的なあり方において、私どもの言葉では、これはまだ勝手につくっている言葉ですが、対話型の研究開発というものが重要だ、言わんとする意味は、本当に末端の障害者の人たち、それからこの会の中には工房で義手をつくっている方とか、そういう製造に従事されている方々の声も研究開発に本当に生かしていただけないか、こういう声が大変強いわけでございます。
 この法案につきまして、そういう要望、これ法律の第三条第三項の中で、いわゆる「福祉用具の研究開発と普及が相互に連携して行われるように留意しなければならない。」、こう書いてありますが、冒頭に大臣から、これらの点についてのまず基本的な考え方だけお聞かせ願いたいと思います。
#45
○国務大臣(丹羽雄哉君) 福祉用具の研究開発を進めるに当たりましては、もとより高齢者や心身に障害のある方々の利用者の、先生今末端のとい
うお言葉をお使いになりましたけれども、利用者の御意見、御要望などを生かしていくことが極めて重要である、このように考えております。
 こういうような観点から、今度の法律案のねらいの一つといたしまして、高齢者や心身に障害がある方々の御意見あるいは御要望が行政や研究開発を担当する関係者などにつながるようなシステムをつくることといたしております。そのための、先生も御指摘がございましたけれども、条項も織り込んでおるところでございます。
 いずれにいたしましても、高齢者や心身に障害のある方に真に喜んでいただけるような、まさに先生が冒頭御指摘になりました対話型の研究開発を目指してこれからも一層の推進を図っていきたい、このように考えておるような次第でございます。
#46
○峰崎直樹君 通産省の方にお聞きしたいと思うんですが、この法律の目的のところ、第一章の第一条に「この法律は、」以下云々と書いてありまして、もちろんこの「福祉用具の研究開発及び普及を促進し、もってこれらの者の福祉の増進に寄与し、」ということでございますが、そしてその次なんですが、「あわせて産業技術の向上に資することを目的とする。」、こう記載されておるわけでございます。この意味するところというのは、ちょっと福祉という観点を離れまして、この機器をつくっている産業といいますか、そういう産業を育成し、さらに発展をさせていくという産業政策という観点はこの中に入っているのかどうなのか、その点お伺いしたいと思います。
#47
○政府委員(松藤哲夫君) 産業政策というのはなかなか定義が難しゅうございまして、いろいろな意味で使われておるわけでございますけれども、福祉のニーズに的確に対応するという形で福祉機器産業が発展するということは、福祉を充実していくという上で非常に重要であると思っております。逆に、福祉のニーズに対応できないような製品しかつくれないのであれば、結局産業も発展しませんし、その機器を必要とする方々も非常に不便な状態に置かれたままで終わるということでございまして、理想的には、福祉のニーズにきちっと適応した製品がメーカーで供給できて、したがって使用者側も大変ハッピーであり、また製造者側も発展するというのが非常に望ましい姿であると思っております。
 それで、先ほども議論が出ておりましたけれども、何といってもやっぱり多品種少量生産で非常に中小零細企業が多いというところでございますので、そういうところの技術力あるいは製品製造力を強化することによりましてこのニーズに的確にこたえていく、そういう産業構造あるいは技術開発を行っていきたいというのが我々の願いでございまして、そういう意味では産業政策的な視点が入っているというふうに御理解いただいても結構かと思います。
#48
○峰崎直樹君 私は、先ほど横尾局長がお答えになりましたように、将来的な潜在的なニーズというのは大変大きくなっていく可能性を持っている一それだけにぜひとも産業としても育成していかなきゃいけないなと思っています。地元で、今それらの産業といいますか本当に小さな工房だとか中小企業が多いのでありますが、その方々も切に自分たちの業の発展のために大いに支援してもらいたい、こういう要望などが強いのであります。
 さて、そのときに、産業政策という観点、ちょっときょうは厚生委員会ですから、本来福祉の話をしなきゃいけないんですが、これ通産省も所管していますので、産業政策という観点で私は三つ非常に重要な点があると思っているんです。
 第一は、今お話ししたニーズ、もっと言いますとマーケットに対する感度が非常にすぐれていなきゃいけない。第二点目は技術水準、その産業が進めていく非常に技術というものが高くなきゃいけない。恐らく、これは研究開発等で今五十五の研究組合なども含めて進められている、あるいは国立リハビリテーションセンターだとか、テクノエイド協会だとか、そういったところで技術水準が高められようとしている点だと思います。三点目には、その産業の担い手が非常にすぐれていなきゃいけない。この三つが私は非常に重要だというふうに思っているんです。
 今度の法案を見ますと、その産業のねらい、中心が福祉の観点、そしてそれを研究、そしてそれを普及させるという、非常に重要なんですが、この製造事業者に対する措置、それが今申し上げた三点に関連してさまざまな助成だとか情報提供だとか援助というのがあるんですが、それを進めている実際の担い手は中小企業家かもしれません、工房で実質はつくっているかもしれません。そういう人たちに対する支援措置といいますか、ちょうどあたかもビル・クリントンさんはアメリカでそういう技術訓練というか、それを担っている人たちの職業訓練というものを非常に高めようということで産業政策を強めているわけですが、まだ市場が非常に小さい、ロットが小さい、そういう分野でそういうことをいきなり求めてもなかなか大変なのかもしれませんが、そういうことに対する手当てというものは何か考えられておるのでしょうか。
#49
○政府委員(松藤哲夫君) 福祉機器のメーカーはほとんどが中小企業であるわけでございますけれども、中小企業のメーカーに対しあるいは流通業者に対しましては、先ほど申し上げましたように一般的な中小企業施策に加えまして、開銀からの低利融資制度というものが設けられておるわけでございます。
 そういうことで、従来からいろいろな形で支援してまいりましたけれども、今回のこの法律のわらいというのは、こうした中小企業者等が、いわば国が開発したいろんな技術あるいは現在既に民間で開発されているいろんなハイテク技術、これを福祉機器というものに具現化していく上で、何としてもやっぱりマーケットも小さいですし企業の体力も弱いし、なかなか実際に製品化に挑戦するということはリスクも大きいわけでございまして、そこを何とか支援することによりまして中小企業者でも新しい技術を使って新しいニーズに合った福祉機器を開発していくということができるように、資金的な援助、具体的には補助金でございますが、これを交付しようとするものでございます。
 したがって、私どもといたしましては、これは別に中小企業者に限るわけでございませんけれども、何といっても中小企業者というのは資金的あるいは技術的にも若干大企業に比べるとハンディキャップがある企業が多うございますから、そういうところに十分留意しながら本法律の制度を運用してまいりたいと考えております。
#50
○峰崎直樹君 金融的あるいは財政的な補助システムというのは非常に重要だと思うんですが、私は末端のそういうつくっていらっしゃる方にいろいろお話を聞いてみたら、そういう面も非常に重要なんだけれども、やはり一緒に何かつくりたい。情報が本当に、今最先端で進んでいる分野の技術的な問題も重要なんだけれども、しかし末端で使っている人たちのニーズだとか、そういう意味で産学共同というんですか、ユーザーも含めたそういうシステムみたいなものが地域でできないものだろうか、こういう要望が非常に強い。これは要望でございますので余り答えは今いただかなくて結構なんですが、私は、そういうところの技術水準というものを底上げしていくということが非常に今地域で求められているということだけ要望として申し上げておきたいと思うんです。
 それで、先ほどちょっとこれは日下部委員の質問に答えられていた中身で、一品一種生産も可能なような状況であるということで、確かに日本の技術というのは少品種少量生産でもやっていけるような非常にすごい、そういう意味では福祉機器をつくるのには非常にフィットしているのかなと思っているわけです。ただ、産業の世界でも、最近ではそういう日本のすぐれた少品種少量生産といいますか、そういう技術そのものが本当にそこまでの多様性というのが求められているのかというような市場の側の反応というのもあるやに聞いているわけです、これはもっと意見の分かれるとこ
ろかもしれないんですが。
 福祉の分野の補装具の交付だとか、さまざまな今度は実際に使われている側の観点からして非常に心配するのは、私は、福祉機器が確かに一人一人の個人のニーズに合っているそういうものをつくりたいということと、それから、そのことをすることによってその人の持っている潜在的な能力というものを失ってしまう危険性というのが同居しているんじゃないか。その意味では、福祉機器というものの性能とそれからそれを実際に使っている人をフィットさせる人、先ほど言いました更生相談所だとかそういうところで実際にタッチしている人たちの、本当にこの人はどういう能力を持っているんだ、だから余りにもフィットし過ぎるものを使うとその潜在的能力を殺してしまうかもしれないという、そういう非常に難しい判定というものがこれから要せられる分野が出てきているんじゃないかと思うんです。
 そういった点で、これは厚生省さんになるんでしょうか通産省になるんでしょうか、やはり実際に末端の現場でつくっている人の能力といいますかそういうものを見る目といいますか、そういった点についての何らかの研修だとか含まれて検討されていることがあれば教えていただきたい。
#51
○政府委員(横尾和子君) 福祉用具については、私自身は極力ぴったりとしたものであるべきだというふうに思っております。もちろん、今回御提案申し上げました福祉用具の定義の中には、幅広なものが含まれておりますから、訓練のための機器というのも入っております。ですから、訓練の場においてしかるべき訓練が行われるということは大切ですが、それ以外の日常の場では、自分の洋服のようにぴったり合って快適に暮らせるというのが原則ではないかというふうに思っております。
 それを、ぴったり合っているというものは実際にこれまで使われてこなかったことの理由の中に、快適に使うためにも使い方についての若干の調整の期間というのが必要であるにもかかわらず、それが行われなかったために使い勝手が悪いとして捨てられてしまうというようなことがありまして、したがって、おっしゃるように助言というのは大変的確に行われなければいけないということは事実だろうと思うんです。それにつきましては、先ほど日下部委員にもお答えしましたように、私どもは、幅広な研修を今後とも充実させまして多くの方々が知識を持っていただけるように努めてまいりたいと存じます。
#52
○政府委員(松藤哲夫君) ただいまの先生の御指摘というのは非常に大事なポイントをついておられるなと思っておるわけでございまして、確かに、例えば寝たきりになってしまうと本人も周りも楽だから、逆に寝たきり老人をふやしているのではないかという議論をよく聞くわけでございますけれども、私どもとしては、この機器開発の中で、特に機能回復ということに非常に重点を置いた機器開発を従来からやってきておりまして、身体障害者用機能回復訓練装置あるいは言語障害者用発声発語訓練装置、こういったものの研究開発に相当努力してきておるところでございます。
 余りフィットし過ぎるために、かえってそれになれてしまって機能が失われてしまう、あるいは回復するかもしれない機能が回復しなくなってしまうというようなことがあってはかえってマイナスの面があることは御指摘のとおりだと思っておりまして、そういう点を踏まえて、例えば先ほど申し上げました標準基盤の確立ということで、「くらしとJISセンター」などにおきまして機器、材料の試験・評価方法の確立、設計ガイドライン等の提示を考えておるわけでございますけれども、そういう研究の中で御指摘の点は十分に留意していかなければいかぬというふうに思っております。
#53
○峰崎直樹君 もう時間が来てしまいましたので最後にしますが、私は、実は福祉というのはそれほど専門ではないんですが、アビリティーという言葉があるやに聞いているんです。これは、本当に経済なんかを進める上においても非常に応用できる言葉だというふうに私は思っていまして、ぜひともいわゆる能力を引き出していくような、アビリティーを引き上げていくようなそういう機器開発というものを求めておきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、これも答弁は必要ないんですが、私は北海道という地域におりまして、非常に雪国であるという特性を持っております。冬場の道の中を車いすで通っていらっしゃる方の苦労だとか、あるいは義足などを使っていらっしゃる方の、そういった意味での地域には地域なりの情報が、例えば都道府県の工業試験研究所であるとか寒地研究所だとか、そういう情報がございますので、ぜひともそういう情報も含めてこの機器開発、そして普及に応用するためにぜひとも利用していただきたい。そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
#54
○木庭健太郎君 私どもの党は、現在、商工委員会の方ではございますけれども高度医療福祉機器の研究開発等の促進法案というのを今提出させていただいて、継続審議になっているところでございます。今回厚生省が通産省と一緒に出されましたこの福祉用具の法案を見ますと、いわば私どもの法案と比較いたしましても、さまざまな点で我が党の法案も取り入れていただいているという点は評価をいたしているところでございます。
 私どもがそういった高度医療福祉機器の研究開発の法案を出したという背景は、一つは、我が国のそういう科学技術とか高度技術というのは、どっちかというと企業の合理化とか生産性の向上とかあるいは家庭生活の利便性、そんな問題に重点を置いていた。ただ、今本当に本格的な高齢化社会でございますし、またノーマライゼーションということを考えても、そういう高度技術というのをもっと医療や福祉の分野に活用できないかというのが私たちの視点でございました。そういった意味で法案を出させていただいたわけでございます。
 今回の厚生省の法案を見ると、そういった面ももちろんですけれども、より広くこの福祉機器の普及という面にも重点を置かれ、また福祉機器というのも随分範囲を広げられて法案を出されているという点は結構なことだと私どもは思っておるのでございます。ただ、今回の法案を見させていただいて一つどうなのかなと思ったのは、国としてどこまで主体性をこの法案で発揮していただけるのかなという問題なんです。
 基本方針の説明を先ほど局長からいただきました。確かに、かなりいろんな形で動向とか、目標とか定められているとおっしゃっております。じゃ、例えば今後の福祉機器の需要についてどういう目標値を定められるのか、その辺を含めてどこまで踏み込まれるのかというのが非常にわかりにくい基本方針というものになっている。ですから、私どもはこの考え方の中で、一つは、例えば研究開発という問題については、福祉機器については多額の費用がかかったり長期の期間を要するというようなことがございますから、特にこういう困難なものについては厚生省と通産省が共同して、例えば研究開発計画というものをきちんと定める、品目については。そういったことまで踏み込むべきじゃないかというような形で私たちは提案をさせていただいたわけですけれども、どこまで具体性を持って主体性を発揮されるのかということをまず御答弁いただきたいと思います。
#55
○政府委員(横尾和子君) 私どもが策定する基本方針は、公明党が提出されておられます研究開発計画として掲げられた事項におおむね合致するものであろうというふうに私どもも考えている次第でございます。
 御指摘のように、具体的な開発計画を医療福祉機器ごとに立てるという点が一つ私どもの方は明記をされていないという点であろうと思いますが、これにつきましては、この基本方針そのものにはそうした具体的な計画を織り込むということは考えてはおりませんが、基本方針に沿いまして具体的にどの分野にどういう助成を行っていくかということの実行の段階ではやはりそのときその
ときの必要とされるもの、あるいはそのときの産業技術の熟し方で今研究費を投入することが意味があると思われるものを拾っていくことになると思っております。
#56
○木庭健太郎君 それともう一つ聞いておきたいんですけれども、先ほどから利用者の視点ということが何回も意見が出ておりました。最も大事なことだと思うんです。局長、先ほど関係者から意見を幅広くと、大臣もそういう声は必ず反映するというお答えをいただいたんですが、関係者を幅広くとおっしゃる、なるべくそういうのは聞くという形なんですけれども、具体的に例えばそういう障害者だったら障害者団体であってみたり、研究機関であればそういうことをやっている人たちから直接聞く場を必ず設けようという考えがあるというふうに理解しておいていいんですか、その点だけ確認させておいてください。
#57
○政府委員(横尾和子君) 御指摘のことも含めて幅広く御意見を伺いたいと存じます。
#58
○木庭健太郎君 それと、今度は高度医療機器という研究開発がどうなのかということを聞いておきたいと思います。
 今度の法案では、一応福祉用具というものについての研究開発をやろうということがこの法案でうたわれておる。もう一つ、先日論議させていただきましたけれども、薬事関係の二法の中では、希少疾病用医療用具については試験研究に助成金や交付金が盛り込まれております。
 しかし、それとともにもう一つ、いわゆる高度な技術を使って必要なものは何かといえば、例えば深刻化するがんとか心臓病とか慢性疾患の診断、治療あるいは予防などにこういう高度技術を使うという面も必要ではなかろうか。一体この分野についてどうお取り組みになるのかというのが余り明確に見えてこない。私たちは、もちろん一般的な福祉機器とともに、高度技術を生かすならばまさにこれは福祉用具ともう一つはやっぱり医療機器の面でもその面をやらなくちゃいけないんじゃないか。希少疾病用と限ってしまったんではそこが抜け落ちるんじゃないか。私たちの法案では、この高度医療機器というのをきちんとやるべきだという主張をしたんですけれども、この点についてどう考えていらっしゃるのかについても御意見を伺っておきたいと思います。
#59
○政府委員(岡光序治君) 御指摘のとおりでございまして、今回改正をお願いしました薬事法におきましては、患者数が少なくて収益性の乏しい医療機器につきまして開発を支援するということにしておるわけでございます。これだけでは今御指摘がありましたような社会的要請にこたえることができないわけでございますので、そういった面期的な医療機器の研究開発に積極的に取り組んでいるところでございます。どういったところをターゲットにするかということで、実は昨年、医療機器政策検討会という内部のこれは懇談会でございますが、その辺からターゲットの御指摘をいただきました。
 御紹介申し上げますと、一つは、高齢化等によりまして失われる身体機能を代替補完する人工臓器、それから小型で取り扱いが容易な在宅医療機器、それから医療関係者の負担軽減などにつながる医療を効率化する機器、こういったところに重点を置いて開発をするように、そしてそのためにその研究開発のための基盤的な研究をやる。それから、企業単独で取り組むことが困難なそういった部分につきまして国も積極的に関与していくべきだ、こういう方向でございます。
 具体的な手段といたしましては、財団法人の医療機器センターが新医療技術開発研究事業というのを行っております。これは、そういった医療機器などの基礎的な技術開発につきまして産学官共同プロジェクトを推進するこういうシステムでございまして、例えば平成四年度で申し上げますと、六十二の研究施設が参加をいたしまして、二十二の課題の研究が行われるというふうなことをやっております。それにあわせまして、医薬品基金が行っております出融資事業がございまして、この出融資事業の中でも医療機器の研究開発の仕事が進められておる、こういう状況でございます。
#60
○木庭健太郎君 ぜひそういった面もあわせてやっていただくことが、総合的にそういったものを生かせる道になると思っております。
 それでは次は、福祉用具ということについて先ほどから具体的に何なのかという指摘もあっておりました。横尾局長が衆議院段階で御答弁されているのは、日常生活の利便性を高めるもの、機能訓練を図る用具、補装具と三つの部門に分かれると。その御説明は納得できるんですけれども、この幅の広さというのは一体どこまであるのかということなんです。
 例えば日常生活の利便性を高めるもの、車いすもそうでしょう、移動用リフトもそうでしょう、おっしゃるとおり。じゃ、例えば車いすの昇降装置というのがある。それから車いす対応のエスカレーターというのもある。もっと言うならば、バスだったらリフトバスというのも開発されている。そのどこまで踏み込む気でいらっしゃるのか。この前の衆議院段階の横尾局長の答弁を聞いておりますと、対個人だというような感じを受け取ってしまうんですよね、一個人。だから、多数が利用できるものは何かぽんと省かれているような印象も受けたんですが、そんなに限定しているわけじゃないと、厚生省としてはやはりいろんな意味でこの福祉用具というのは、用具という言葉自体が難しいですけれども、どこまで広げる気でいらっしゃるのか、そこはぜひ少し考えを聞かせていただきたいと思います。
#61
○政府委員(横尾和子君) この法律は、一般的に研究開発や関係者に対する啓発という分野の規定をしておりますとともに、事業者の責務あるいは地方公共団体の責務規定をあわせて規定しております関係上、あるところで線を引いてその責務がどこまでに及んでいるかということを明確にすることが求められているわけでございます。
 したがいまして、その意味では、御指摘のありました建物の設備は除外しております。それから、車両全体も除外しております。車両、リフトバスというふうな御指摘がございましたが、リフトバスのリフトの部分というのは研究対象になり得ると思いますが、バス全体をつくるメーカーを事業者としてある責務を負わせる、あるいはエレベーターをつくる会社を事業者として責務を負わせるというようなことまでは至っていないのがこの法律の限界でございます。
#62
○木庭健太郎君 今の考えていくと、エスカレーターの会社であっても、例えばこれは車いすの専用のものだけをやろうとする事業者がいたとすると、そういったものについてはこれは少し考えなくちゃいけない問題になってくるのか。それと、そうすると車いすの昇降装置あたりは、これはもう特別それだけの装置ですからこういうものは含まれてくる、こういった考え方でよろしいんですか。
#63
○政府委員(横尾和子君) 車いす専用のエレベーターというのがちょっとイメージができないので恐縮でございますが、建築物の設備として一体になっているものは除かれていると考えております。
#64
○木庭健太郎君 その辺が、これから本当に福祉用具と言いながら、福祉のノーマライゼーションというものの考え方のときにどこまでするかという普及の問題にも本当はこれ絡んでくる話なんです。ですから、もちろんどういうものを開発していくかという目標も定められる、その中で品目ですか、そういったものをやるとおっしゃっているわけですから、その辺は建物という問題をおっしゃいましたけれども、ひとつ幅広い考え方をしながら、最初の段階ではここまでだ、ただ拾い方としてはこうなんだというのをぜひ持っていただきたいし、そうしなければなかなかこのノーマライゼーションという考え方が広がらないと思うのです。その辺を少し指摘させていただきたいと思います。
 もう一つは、今度は税制上の優遇措置の問題でございます。
 私ども、法案では税制上の優遇措置というのは
やっぱりとるべきじゃないかという指摘をいたしました。オーファンドラッグの件で、厚生省の方は税制上の問題までわずかですけれども踏み込むことまでやられました。税制というものを考えたら、本来この税の公平化とかいろんな問題を考えると、優遇措置をやるというのはなかなか困難であるということもわかりますし、その中に厚生省として踏み込んでいかれ、なおかつ大蔵省を説得してやられたということについては、これは私は非常に評価をしておる。
 ただ、一つは、希少疾病の医薬品というのがなかなかつくられにくい、多額な費用がかかる、また、今海外でつくられているものに頼っているような事情もある。種々判断した中で踏み込んできた。その同じような要素というのは、実は福祉用具にも私は本来あると思うんです。例えば、今こういう福祉用具の高度なものはどうなのかというと、結構福祉先進国のスウェーデンとかデンマークで入っているものが実際にある。我が国の研究開発が進まない、なぜか、それは多額のお金がかかり長期の期間がかかる、そういう問題を含んでいる。そうなると、ある意味では同じような要素を抱えていることがあるわけです。
 ただ、今回の法案は福祉用具全般に広げられているものですから、それを全部というのはこれは難しい話だというのも理解はできます。ただ、今後、そういう福祉機器の中でも非常に期間がかかり非常にお金がかかるというような問題については、やっぱりそういう点に着目して税制上の問題というのも厚生省としては検討していかなくちゃいけないのじゃないか。壁は厚いと思います。でも、厚生省としてそれをやっぱりやるということがこういう開発につながっていくと私は思うのです。その点についての見解を求めます。
#65
○政府委員(横尾和子君) 今回、法案を検討する過程の中で幾つかの税制について検討を加えましたが、全般として特別な税制をしくことはなかなか難しいという判断をいたしました。御指摘のように、例えばメカトロ税制になじむ分野とかいったものについては今後検討をさせていただきたいと存じます。
#66
○木庭健太郎君 次は、研究開発についてもう一点。
 今回、政府の案では国の研究施設の廉価使用という問題が出ております。こういうことに踏み込めるのもこれはいいことだ、と思っております。
 ただ、私どもは、どうしてももう一歩踏み込んでいただいて、いわゆる国有特許の問題まで踏み込めないのかなということを思いました。私たちの法案ではそこまでやらせていただいたわけですけれども、いろいろこれも難しい面があります。現状では外国との研究協力のみですか、そういうことも重々承知しております。それでも、やはりそういう面にもどうにか踏み込もうというお気持ちがなかったのか、その辺についても伺っておきたいと思います。
#67
○政府委員(横尾和子君) これも検討をさせていただきました。
 公明党案に盛り込まれていた重要なテーマであるというふうに認識をいたしましたが、やはり国際共同研究促進という目的以外のところで一例もそういったものが認められていないという制度の建前にかんがみまして、今回断念をしたということでございます。
#68
○木庭健太郎君 新しいものへ踏み込んでいく、そうすると、そこの法律自体も変えていかなくちゃいけないというような形になっていくんですけれども、今回の出された法案の中ではすぐにできなかった。でも、やはり厚生省としては、こういう問題もこれからやっていく中で求めていけるものなら何回でもやってみる、それでだめでももう一回やってみるというぐらいの努力が必要だと思うんですけれども、その点について聞いておきたいと思います。
#69
○政府委員(横尾和子君) 引き続き検討させていただきます。
#70
○木庭健太郎君 それと、通産省の方にちょっとお尋ねするんですが、工業技術院でございますけれども、現在、先ほども継続というお話をされていましたが、医療福祉機器技術研究開発制度というのを五十一年から持たれまして、三十一プロジェクトの研究開発を終了した。今現在は十一プロジェクトだということもお聞きしております。
 ただ、この研究開発プロジェクト数を見ていくと余りふえていないんです、特に医療の分野におきまして。予算も、福祉の方は少し伸びたとおっしゃるけれども、これも新しい施設をつくる部分が大きいんであって、だから、実際に伸びているかというと、ちょっとこれもやや伸び方が少ないんじゃないかなと思うんです。これは、やはり今後こういう問題に取り組んでいかれるならプロジェクト数をふやすとか、こういう関係の予算についても新しいことをいっぱい始められるということは聞きましたが、でも、こういう既存のものについても拡充という考え方がなければいけないと思うんですけれども、この点についてお聞きします。
#71
○政府委員(松藤哲夫君) 医療福祉機器の研究開発制度につきましては、近年、予算はトータルとして大体六億から七億の範囲で推移してきておりますけれども、平成五年度におきましては、八億二千七百万ということでかなりの伸びを組み込んでおるわけでございます。
 また、その内訳は、医療と福祉関連と両方あるわけでございますけれども、限られた予算の中で医療と福祉のテーマを取り上げるに当たりましてはある程度バランスを考えながらやらざるを得ないわけでございまして、医療関係につきましては若干予算が低下したというのは先生御指摘のように事実でございます。ただこれは、一課題終了すれば新しく一課題を取り上げるということで、新しく課題を取り上げた初年度はどうしてもやっぱり予算はごく小さいものでございます。例えば平成四年度でございますと、医療につきましては二つのテーマを新しく取り込んでおりまして、福祉関係はむしろ継続のものが多かったものでございますから、医療の方が金額的には逆に小さくなるという現象が生じましたけれども、決して医療の方を軽視しているというふうなことはございません。
 我々としては、医療関連、福祉関連あわせて極力今後とも予算を確保することによりまして、研究開発を今後ともさらに充実してまいりたいと考えております。
#72
○木庭健太郎君 もう一点通産省に聞きます。
 三十一プロジェクト中、今十四プロジェクトが実用化に入りました。残りについてはまだ実用化になっていないわけです。研究開発ですから、もちろんそれが直ちに実用化につながるとは思いませんけれども、確率として少し低いんじゃないか。三十一分の十四ですから、約五〇%、打率としては非常に低い。その辺について、やはり通産省としてもどうお考えになって今後こういう実用化、研究開発とは即座につながらないといえども、どう打率を高めていくかということについてのお取り組みの考え方をお聞きしておきたいと思います。
#73
○政府委員(松藤哲夫君) 御指摘のように打率が約五割ということで、これは低いという御指摘であれば、まことに低いというそういう評価もあり得るかなと思っておるのでございますけれども、しかし、研究開発というのは、打率が五割というのが低いかどうかというのは、これはなかなか一概に言えない性質のものだと思います。
 例えば、特に福祉関連の機器でございますが、今までやってきたものの中でモジュール型の電動車いす、これはほとんど工技院の開発したものが現在普及されておるわけでございますし、身体障害者用機能回復訓練装置、それから点字複製装置、それから重度身障者用多機能ベッド、それから言語障害者用発声発語訓練装置、それから作業用三次元車いす、こういったものは実用化されまして、いろんなところでまた活用されているわけでございます。
 しかし、先生御指摘のように、もっともっと実用化可能なものがあるにもかかわらず実用化され
ていない部分があるというのは事実でございますので、このたびこの法律を御提案することによりまして、我々としては、技術開発のシーズもありかつ製品についてのニーズもあるという分野について企業が実用化するときには、これを助成することによって先ほど先生御指摘の打率を高めていく努力を今後とも一層充実してまいる所存でございます。
#74
○木庭健太郎君 それでは、今度は普及という点で何点か伺いたいと思います。
 これまでの厚生省の答弁は、普及という点で核となるのは、都道府県では介護実習・普及センター、高齢者総合センターを活用する、市町村レベルでは在宅介護支援センターを核とすると。ただ、在宅介護支援センターがある意味では一番身近なものになるわけです。先ほども御指摘がありましたけれども、しかしまだ支援センターが余りできていないと。平成十一年度にはぜひ一万カ所にしていただきたいんですけれども、平成十一年までは期間がございます。それでありながら、市町村レベルでは在宅介護支援センターが核とおっしゃる。一体この間はどうなっちゃうのか、ほっておくのか、どうやってやられるのか見えてこない。どうやられるのか聞きたいんです。
#75
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターの整備にまず全力で取り組みますが、行き届かない場面につきましては、ユーザー向けの情報というのをきちんと整備をいたしまして、例えばホームヘルパーでありますとか訪問看護ステーションの看護婦さんの手元に置きましてそれをユーザーの側に届ける、あるいは在宅介護支援センターの先発隊につきまして少し幅広な相談に応じてもらうように求めるといった対応で乗り切りたいと考えております。
#76
○木庭健太郎君 私もそのやり方しかないなと思っているんです。ただ、ホームヘルパーさんにしても訪問看護をやられる方についてもなかなか知識がまだないと思うんですよ。ホームヘルパーは随分広がっていますから、そこに対して知識の普及みたいなことをどんなふうにやっていけばいいのかというのもこれもなかなか見えにくいんですけれども、これはどうされますか。
#77
○政府委員(横尾和子君) まず、そういった情報の仕組みをつくっていく過程の中で、御指摘のような情報を伝達する関係者の研修、啓発等も検討してまいりたいと思います。
#78
○木庭健太郎君 それともう一つは、普及のための人材確保の問題でございます。都道府県レベルについては先ほども話があっておりました。介護福祉士、OT、PT、保健婦、看護婦、いろんな形の方たちが実際にその場にいらっしゃるわけですから、そういう意味では人材確保というのはやりやすいだろうと思うんです。
 もう一つは、先ほどおっしゃったやはり一番身近になる在宅介護支援センター、平成十一年度までに一万カ所になる、ここにどういう人材を配置するかという問題になってくるんだろうと思います。やはりここの場に、どういう部門の方がいらっしゃるかわかりませんけれども、それこそ今言われた専門家を置かざるを得ないと思うんです。結局、この福祉用具というのは、先ほどから指摘があるように一人一人に本当にマッチしたものかどうかというのが大事になるわけですから、じゃ、この在宅介護支援センターについてはどういう人材配置をし、そこでその人たちをどう研修しようとなさっているのか、これはまだ少し先がある話であり、それでも同時進行しなくちゃいけない話ですけれども、この点についてお尋ねをしたいと思います。
#79
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターの職員につきましては、平成四年度におきましても、福祉機器についての知識も含めまして研修を行っているところでございます。本年度も、さらに具体的な福祉機器のカタログあるいは使い方についての研修を充実させていきたい、こういうふうに考えております。
#80
○木庭健太郎君 人材配置としては、例えば介護福祉士という人がいらっしゃる。今盛んに養成の問題もいろいろあっておりましたけれども、少なくとも在宅介護支援センターにおいてはやっぱり介護福祉士が一カ所一人ぐらいはいる、こういう体制を厚生省としてはとっていきたいと、こういうお考えでしょうか。
#81
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターの体制につきましては、ソーシャルワーカー、保健婦、看護婦または介護福祉士という職員を置くことにしておりますので、それらの職員が福祉用具についての知識を修得するように努めてまいります。
#82
○木庭健太郎君 そういう人たちを置くときにぜひ局長にお願いしておきたいのは、看護婦さん、保健婦さんになるとやっぱり医療分野主体になってしまうんですね。介護福祉士さんになるとまたこれは福祉の面でやられますから、両方がいてうまくマッチしていけばいいんですけれども、別に縦割りとは言いませんが、どうしても偏りがちになるから、そこをどううまくオーバーラップさせるかというのが介護支援センターの一番大事な点なんですよ。その辺はぜひ御認識をいただいてやっていただきたいと思っております。
 それと、今度はいわゆる事業者、開設者の責務の中で、この法律の中で、「老人福祉施設、身体障害者更生施設その他の厚生省令で定める施設の開設者は、」「福祉用具の導入に努めなければならない。」となっております。この場合、「その他の厚生省令で定める施設」というのは一体どういうものをお指しになっているのかということをお聞きしたいと思います。
#83
○政府委員(横尾和子君) 具体的に申しますと、肢体不自由児施設、精神薄弱児施設あるいは精神薄弱者施設等を考えております。
#84
○木庭健太郎君 先ほども福祉用具のところで少し議論をさせていただきましたけれども、福祉用具の普及という面でもひとつどこまでかということが、建物に付随するものは一切だめなのかどうか。例えば、やはり車いすの昇降装置なんというのは、機器が開発されていけば、これは一体化というよりはそのためだけに使うわけですよ。
 そうすると、そういうものについての普及は、逆に言えば国として責任を持たなくちゃいけない部分があるんではないか。この法律全体を見ておりますと、実際にこういうものを設置するときに、国がどこまで関与をしていただけるのかなというのが非常に心配になる面があるんです。だから、例えばそういう機器については国が責任を持って国がつくる施設、地方公共団体がつくる施設、そういった問題については、せめてそういうものについては積極導入をする。私はもっと言うならば、本当は運輸省を呼んでおかなくちゃいけないんですけれども、公共機関である駅とかそういうところの問題については、やはりこの福祉用具の法案をつくり普及のことをやるわけですから、そこまで本当は検討すべき課題だと思っているんです。その辺についての見解を伺っておきたいと思います。
#85
○政府委員(横尾和子君) 障害者対策推進本部の障害者対策に関する新長期計画でも、利用者に配慮した施設の整備というのがうたわれておりまして、政府全体でこの問題に取り組むべきこととされているわけでございます。
 私ども、今回の法案では、みずからの所管であります福祉施設についての導入を義務づけたところでございますが、現在、関係省庁におかれましても、例えば身体障害者の利用に配慮した建築設計基準でありますとか、運輸省におかれましては公共ターミナルにおける施設整備のガイドラインとかというものが進められておりますので、それぞれの分野で機が熟するように働きかけをしてまいりたいと存じます。
#86
○木庭健太郎君 局長は、この前衆議院段階の審議の中で、私見ではございますけれども協議機関をつくりたいというお話をされました。というのは、やはり厚生省と通産省がまたがっている。しかも、例えばNEDOというものもかかわってくれば指定法人というものもかかわってくる。そういう相互で乗り入れしながらやるまことにいい法
律になっているわけですね。これがどううまく機能するかは、やはり一つの何か機関、協議機関がないと難しい。私たちは審議会という言い方をしておったんですけれども、局長が協議会という言葉をおっしゃったので、じゃ、この協議会というものの基本的考え方だけ聞いておきたいんです。
 厚生省、通産省、これは両方だれかが入ってくる、その一方NEDOと指定法人がいる、この四者を一体として考えていらっしゃるのか。NEDOと指定法人だけにやらせておけばいいんだと、通産省と厚生省は、それはあなた方のやる問題ですよ、私たちは私たちでやりますからと、そう考えていらっしゃるのか、どちらなのかの見解を伺いたい。
#87
○政府委員(横尾和子君) 開発協議会はあくまでも私見でありますので、今後通産省も含めて関係者に御相談をしないと生まれないわけでございますが、私が申し上げた趣旨は、厚生省、通産省、あるいはNEDO、指定法人、あるいは厚生省には既に国立リハビリテーション病院があり、各地にも研究開発に携わっておられる組織が既にあるわけでございまして、そういうようなところが役割分担をしながら効率的にいい開発を進めるためには何らかの形の連絡調整の場面が必要だということで、そういった趣旨のものを御賛同が得られる範囲で組み立てていきたいと考えている次第でございます。
#88
○木庭健太郎君 最後に、論議をさせていただきましたが、私たちも法案を出した上で、そういうものを非常に受けとめていただいてこういう法律が出てきた、まだ私たちはこの法律では足りない点はあると思っております。しかし、基本的には、基本方針の中でどう具体的にこれを展開するか、ある意味では、大臣自身がこの法律をどう運用するか、本当にノーマライゼーションのために使うんだという気構えさえあればこの法律は随分生き方が変わってくるんです。そういう意味で、これから基本方針を定め、やっていく運用の上でいろいろ問題が出てくると思うんですけれども、そのときに大臣としてどう決意してやっていくかでこの法案は生きもし死にもすると思っております。そこで、最後に大臣の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#89
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、かねてから公明党がこの問題に大変熱心に取り組んでいらっしゃったことに対しまして心から敬意を表したいと思います。
 高齢者や障害者が住みなれた家庭や地域で暮らし続けるために、その環境整備の一つとして福祉用具の研究開発、普及促進というのは大変重要なことだと考えております。今回の法案の成立を契機にいたしまして、これに盛り込まれました施策の具体化を初めとして、福祉用具の研究開発、普及の促進のための一層の充実を図っていかなければならないわけでありますけれども、ただいま先生からも御指摘がございましたように、この福祉用具が十分に有効的に活用できて真の意味でのノーマライゼーションの実現を図っていくためには、いわゆる歩道におきます段差の解消あるいは駅のエレベーターの設置、さらには御自分の自宅におきます住宅の改良などいろいろな問題を抱えていると思います。
 いずれにいたしましても、私どもは、今度の福祉用具に関するこの法律案が真の意味で有効的に活用されるために、優しい町づくり、高齢者や障害者にとって住みやすい町づくりのために全力で頑張っていく決意でございます。
#90
○委員長(細谷昭雄君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時三十分まで休憩いたします
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十分開会
#91
○委員長(細谷昭雄君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として糸久八重子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#92
○委員長(細谷昭雄君) 休憩前に引き続き、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#93
○西山登紀子君 本法案の目的は、老人や障害者の自立を促進し介護者の負担の軽減を図るために、福祉用具の研究開発及び普及を促進し福祉の増進に寄与することと、こうなっているわけです。
 この目的を本当に達成するためには、高齢者や障害者自身の自立や能力を高めるためという理念の上に立った研究の開発と普及の促進ですね、展示とか相談、有効な説明、そのことと給付とが一体のものとして連携して進められなければならないと考えております。開発は開発、展示は展示、有効なものが開発されておりますのに旧来のものばかり展示しているだとか、あるいは有効なものが開発されたけれどもそれが給付の対象にならないなど、こういうふうにばらばらでは意味が非常に薄れると思います。こういうことがなくなるように連携の体制、非常に大切だと思うんですけれども、どのような体制をおつくりになるのか、お伺いをいたします。
#94
○政府委員(横尾和子君) 御指摘の点につきましては、例えば昨年の七月に、厚生省に設けられております厚生科学会議が介護機器等研究開発についての会議報告をまとめておりますが、その中でも次のようにコメントをしております。すなわち、介護機器等の開発には、利用者のニーズや使用後の評価についての情報が不可欠であるため、こうした情報を開発側に恒常的にくみ上げる体制を整備することが必要であると、以上でございますが、こうした考えを受けまして、本法案におきましては、福祉用具の研究開発と普及との連携システムとして、指定法人にその役割を求めることとしております。福祉用具の研究開発あるいは製品化についての情報を地方公共団体等の関係者に提供いたしましたり、利用者がどのような福祉用具を求めているかといった情報を製造業者に提供をしたりすることがこの指定法人の重要な役割になっている点でございます。
 また、公的な給付事業につきましても、こうした研究開発の動向等を十分に参考にして対象品目の決定等に当たってまいりたいと考えております。
#95
○西山登紀子君 それでは、具体的にお聞きいたしますけれども、現在、身体障害者福祉法に基づいて給付されている補装具や日常生活用具は五十一品目。補装具は十六種類です。日常生活用具は本年度より五十四品目になると、こういうことなんですが、この指定ですけれども、一体どういう基準で、またどういうシステムで決められているんですか、お教えください。
#96
○政府委員(土井豊君) 補装具及び日常生活用具の給付対象品目の問題でございますけれども、毎年度給付品目の見直しに努力をしてきておるところでございます。
 今お話がございましたが、新規種目の取り入れに当たりましては、関係団体などの御要望をお聞きいたしますとともに、その必要性、緊急性などを総合的に勘案いたしまして、優先度の高いものを選定してきているところでございます。なお、平成五年度におきましては、補装具としては骨導式補聴器、それから日常生活用具としては入浴補助用具及び拡大図書器、これをそれぞれ新規に取り入れたところでございます。
#97
○西山登紀子君 値段のことでお伺いしますが、この交付基準額ですけれども、これも厚生省がどのようにお決めになるのか、例えば市場価格なんかを参考にして決められるのか、教えてください。
#98
○政府委員(土井豊君) 補装具の基準額でございますけれども、毎年度、個々の種目の市場価格を調査いたしますとともに、人件費や物価の動向等も勘案いたしまして基準を設定しております。物によりましてそれぞれ取り扱いを異にしておりまして、例えば、義肢の装具という点につきましては材料費、人件費等のアップがどうなっているか
といったようなものを勘案して定めることにしておりますし、一般的な車いすなどにつきましては実勢の価格調査を行って決めていく、そんな形で取り扱いをしているところでございます。
#99
○西山登紀子君 お聞きしたわけですけれども、確かに障害者の方の御要望も聞いて決めるだとか、市場価格をにらみながらお決めになるというふうなことだったんですが、どうもこういう日常生活用具や補装具の指定が、障害者の皆さんから見ますと、いつどのようなものが指定されるかよくわからないと。あるいはその交付基準額もそうなんですけれども、低いものもあれば高いものもあると。何が基準で、どういうルールでこの価格が決まるのか、よくわからないというような御意見もお伺いしているわけです。
 ですから、今後非常に有効なものが開発されましても、いつ指定されるんだろうかとか、こういうことが利用される側から見ますと不透明ということでは問題ではないかと思いますので、私は、そういうことをなくするためにも客観的なシステムをつくるべきだ、このことを提案したいと思っているわけです。例えば名称は何でもいいんですけれども、そういったものを利用される障害者の方、あるいは高齢者の代表者の方、学識経験者の方だとか、あるいは地方の在宅介護支援センターの方などの御意見を十分吸収できるようなそういうシステムをつくる必要があるんではないかということで、これは大臣にお答えをいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(丹羽雄哉君) 補装具や日常生活用具の新規種目の導入に当たりましては、これまでも障害者団体などの御要望をお聞きいたしております。また、身体障害者福祉審議会の中に障害者の代表四人を初めとする学識経験者、さらに補装具の製作作業者などを委員とする補装具の小委員会を設けて、補装具の給付制度についてのいろいろな事項について御審議を実はいただいておるわけであります。
 今後とも、関係者の御意見を十分に把握いたしまして、お年寄りや障害者の方々のニードに合った給付対象品目についての適宜見直しを行っていくつもりでございます。
#101
○西山登紀子君 シルバー新報という、こういう情報があるわけですけれども、その三月二十五日号に非常に興味深いアンケートの結果が載っております。厚生省もごらんになっていると思うんですけれども、簡単に御紹介したいと思うんです。これは、「福祉機器・介護用品の普及へ」ということで、全国の介護支援センターのアンケートをとっているわけなんですけれども、六百六十カ所を対象にいたしまして、三百八十五カ所から回答が寄せられたものの分析です。
 その中で、私は三点ほどお伺いしたいと思っているんですけれども、その回答の中で、現在の日常生活用具それから補装具が利用している側にとって一体どうかということで、こういう御意見が出ております。「日常生活用具給付の制度改善を求める声も大きい。「福祉機器・介護用品で、日常生活用具給付品目に含まれていない物品が多く、高齢・独居世帯の年金生活者にとって、機器の使用を思いとどまられるケースが多い」」、「「現行の貸与品は、画一的でニーズに合わないものが多い。利用者のニーズに合ったものへの見直しが必要」などの声が多い。」、そして結論的に、「制度の普及はもとより時代のニーズに合った弾力化を迫られている。」、こういうふうに分析がされているわけです。
 先ほど来、こういうふうにやっているというお答えはいただきましたけれども、こういうふうな声もありますので、今の時代に合ったそういう品目を指定する上での客観的なシステムづくり、これが必要ではないかということで、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#102
○政府委員(横尾和子君) 日常生活用具の給付事業で、一番利用されておりますのが車いすとベッドであります。多くの方々がこれを利用しておられるわけですが、これらの品目の中で指摘をされておりますのは、市町村が一品目一機種に限定をして、車いすであればこれを使いなさい、ベッドであればこれを使いなさいと限定しているような場合には、選択の幅が広がるような何らかの工夫が欲しいという御要望が強いことを私ども承知しております。
 そのことにつきましては、先般も各自治体に対しまして、複数の機種の中から利用者がみずから選択できるようなシステムをとるようにと指導したところでございます。また、不満があるとすれば、これら定めているもの以外の品目の追加を求められるということもあるかもしれませんが、そのことについてはこの調査においても具体的に何かというようなことが明らかにされておりません。私どもは、今後、自治体等関係者の意見も聞きながら逐次品目の追加等を図ってまいりたいと存じます。
#103
○西山登紀子君 品目の追加を図る上でもそういう客観的なシステムが必要だということを提案させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 このアンケートで、介護センターが今後どのようなことに取り組みたいかと聞きましたところ、「展示を充実する」というのが六二%でトップです。そして、その展示をする際に、実は展示室とかモデルルームの取りつけ工事、介護用品やその機器はすべて業者側の負担になっているので、その展示をする際の行政負担、こういうものが何とかもう少し拡大できないものかというような御要望も載せられているわけですけれども、何らかのそういう財政支援を講ずるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#104
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターが今後こうした福祉用具について積極的な意欲を示していただいているという調査結果に私ども喜んでおりますが、今御指摘がありましたことの中で、展示をするスペースについては国庫補助の対象にしているところでございます。
 それから、具体的に展示をする品物の点でございますが、これにつきましては、かねてより地方公共団体が設置をしております地域福祉基金を活用するようにというふうな指導をしておりまして、これの活用方についてはその周知徹底を図るつもりでございます。
#105
○西山登紀子君 次に、この介護センターでもいろいろなスタッフの方が相談に乗っていらっしゃるわけですけれども、やはり用具の機能、特徴についての知識も必要ですし、そしてまた、お一人お一人の障害の状況に合った適切なアドバイスが非常に必要だと思います。そして、もう一つ大事なことは、こういう仕事をしていく上でのアドバイスの方向なんですけれども、障害者の方や高齢者の方の生き方というんですか生きていく一方向、これをどういうふうにアドバイスを行っていく人たちが持っていくのかということです。
 そして、その方向というのは、最近政府の方でお出しになりました障害者対策に関する新長期計画の中で、「障害者の主体性、自立性の確立」というところで述べられておりますように、障害者自身が主体性と自立性を確保して社会活動に積極的に参加していくことを期待し、その能力が十分発揮できるような方向、こういう方向でアドバイスをしていく必要があると思うんです。そういう意味でも、やはりこの研修制度は非常に大切だと思いますけれども、ぜひやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#106
○政府委員(横尾和子君) 在宅介護支援センターの職員等を対象とする研修を行っております。その講義内容の主なものを申し上げますと、第一には、在宅福祉対策における介護機器普及の必要性について理解を深める、第二には、高齢者の生活特性と介護機器との関係について理解を深める、第三に、介護機器の特徴及びその使用に当たっての留意点について理解を深める、第四に、介護機器の商品動向について理解を深める等々ございますが、これらに加えまして、相談の進め方とその留意点といった事項も加えさせていただいておりまして、先生御指摘のような視点も織り込んで知識が得られるように工夫をしてまいりたいと存じます。
#107
○西山登紀子君 最後に、具体的な問題でお聞きします。
 視覚障害者用に指定されております音声体温計、これ、私が今手に持っているものですけれども、実はこれの現物がないんですね。そして、いつごろからないかとお伺いしますと、四年前からないと。つまり、企業の方が採算に合わないのでもうつくらなくなってしまったというお話でした。そして、これを御要望のあったところから借りてまいりまして、私も目をつぶって使ってみたんですけれども、実際に音声が出てくるまで長い時間がかかります。十分ぐらいかかってしまうんですね。私は故障しているのではないかと思ったぐらいなんです。今お伺いしますと、オムロンが開発中だというふうに聞いておりますけれども、いつごろから発売ができるのかということと、もう少し性能がよくなる見通しがあるのかどうかということを、具体的なことですが、お伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(土井豊君) 今お話がありました音声式体温計についてでございますが、十年ほど前にあるメーカーから発売されましたけれども、お話しのとおり、四年ぐらい前からもう在庫がなくなっているという状況でございます。私ども、財団法人テクノエイド協会というのがございますけれども、ここから今お話しのメーカーに対しまして開発研究を平成三年度からお願いしております。
 最近の情報では、ことしの秋ごろからこのメーカーにおきまして製品化を行って販売を開始できるというふうな情報を得ているところでございます。なお、その際の性能でございますけれども、まだ正確なところは伺っておりませんが、これまでのものに比べまして、不適切な検温をしている場合とか電池切れとなった場合に、その旨を音声で知らせるといったような幾つかの新しい機能がつけ加わるというふうに伺っているところでございます。
#109
○西山登紀子君 次に、やはりお話は具体的になるんですね。例えば、視覚障害者の方から寄せられた御要望ですが、御夫婦とも全盲の方の場合は、例えばこういう障害者手帳を、これはコピーですが、もらっているんだけれども、日常の生活の中では、実は点字じゃないものですからどっちの手帳かわからなくなってしまうと。だから、これは本当に使っておられる人でないとわからない御要望ですけれども、そういうことでこの点字の障害者手帳を出してもらえないか、こんな御要望がありました。点字の母子手帳は大変歓迎をされているわけですが、こういう声もお聞きくださって点字シールを張るなど具体的な方法は、要らないという方もいらっしゃるようなお声も聞いておりますけれども、そういう要望がありますので、よく相談をしていただきまして解決策を検討していただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。いかがですか。
#110
○政府委員(土井豊君) 身体障害者手帳の点字の問題でございますけれども、御案内のとおりこの手帳は、福祉事務所の職員でありますとかあるいは駅で切符等を買うような場合とか、そういう場合に日常的には利用されているものでございます。ただ、御指摘がありましたような事情もありますので、私ども関係者の意見をよく聞いた上で、検討させていただきたいと思います。
#111
○西山登紀子君 終わります。
#112
○粟森喬君 まず最初に、幾つかのところが重複をしておりますが、ちょっと基本的なことでお尋ねをしておきたいと思います。
 と申しますのは、この法律のこの間の関連の質問でもあるように、利用者といいますか、障害のある方であるとか病人の方の意見をどう反映するのかということが再三にわたって問題になっております。私もこの法案は賛成をする前提で考えておるわけでございますが、率直に申し上げてこの法律を作成するときに、例えば目的のところにそういう利用者の利便というのですか、意見を反映してという言葉をなぜ入れることができなかったのか。検討されたのだろうと私は思いますが、検討した結果入れないというふうになったのかどうか。
 それから、私が厚生省から事前に説明をいただいたときも、どこでそれを読むのかと言ったら八条のところを御指摘いただきました。私もこの八条を読んだのでございますが、福祉の増進に関するものの収集といいますか、情報の収集という言葉で片づけるには余りにもこの間の、例えば福祉の問題やそういう現実に体にハンディのある人たちに対してもうちょっと自立を促すという基本的な理念から見ると、この法の中には極めて抽象的なことでございますが、きちんと書き込めなかったのはいかなるところに限界があったのか、そのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
#113
○政府委員(横尾和子君) 私ども、この法律を御提案申し上げる原点は、ユーザーの声を開発部門に反映させる、開発の状況、製品化の状況をユーザーに届かせる、それを原点にしておりますので、考えるところについては、先生御指摘のようなことは全くそのとおりなんでございますが、条文の文言として特に、例えば第一条の目的が心身障害者の自立の促進や介護を行う者の負担の軽減といったことを書いておりますこと、あるいは事業者に対する責務規定として、常に老人及び心身障害者の心身の特性等を踏まえ、福祉用具の品質の向上及び利用者等からの苦情の適切な処理に努めなければならないという規定を置いたこと、そして御指摘がありました八条の指定法人の事業の中にこういった情報の収集を行うことと織り込んでおりまして、当然一番開発のために有効な必要な情報の中にはユーザーの声というのが入らないわけはない、こういう観点から入れなかったということでございます。
#114
○粟森喬君 法律の概念規定でそれが当然入っているということでございましたが、私は、これからの問題として、やはりそういう理念というのをどこかで反映をしていただけるように、これは閣法として出されるわけでございますから、今回のことは今回のこととして、これからこの種の関連の法案というのは時代の状況の中で出てくるはずでございますから、ぜひともそういう部分を書くことが、やはりこの種の法律をつくるに当たって大切なことだと思います。
 同時に、なぜ私がそういうふうに言うのかというもう一つの問題は、福祉用具がいろいろ開発をされる、そうしますと大半のものは何らかの格好で公的に補助を利用者がいただくという、こういう仕組みになります。そうしますと、それぞれのいわゆる公的な資金にある種の限界が来たときに、これで我慢しろというような話が出たり、うちの事務所や施設はこういうものを扱っているんだからそうぜいたくを言うなというような話になって、結果的に苦情とかはぜいたくという言葉の中で問題を解決するというのは適切ではない、そういう思いが私は多少しております。したがって、これに伴う政令のことをいつごろされるのか、その政令の際にぜひともその部分は御反映をいただきたい、こういうことを要望しておきたいと思います。よろしゅうございますか。
#115
○政府委員(横尾和子君) 政令事項になじむかどうかは別途検討させていただきますが、御指摘の気持ちは生かすように運営をしてまいりたいと存じます。
#116
○粟森喬君 次の質問として、地方公共団体の責務の問題、これも私は、単にこれだけの問題ではなく、ほかの関連法の関係もあって、これ以上踏み込むのは難しいのかなという感じは受けました。同時に、地方公共団体の責務をかなりきちんと書き込むということは、地方公共団体からそのための財政的な裏づけを何らかしてほしいとか、いろんな関係省庁の関連もあって難しいのかなと思いました。
 どうも地方公共団体の責務もその意味で言うと、とりわけ今回は指定法人をつくって、そこが一つのキーステーションになるわけでございます。そうすると、地方公共団体のかかわり方というのはこの法の中でもあいまいではないか、そういう私は懸念を持っておりますが、そのことにつ
いてまず見解をいただきたい、こういうふうに思います。
#117
○政府委員(横尾和子君) 私どもは、この福祉用具に関しましては、地方公共団体については既に老人福祉法あるいは高齢者の各種施策の進展の中で、介護実習・普及センターでありますとか在宅介護支援センターについて具体的に整備をすることが求められている、それを前提としておりますので、この法律の中ではそういった基礎の上に立ってそれらを活用して、場合によっては県立のリハビリテーション等も活用して、その地域地域の実情に合った整備をしてこの法律の目的とする責務を遂行していただきたい。こういう意味で、この法律自身は御指摘のように理念的な規定にとどまっているわけですが、実態は極めて具体的に動く仕組みが整っていると考えているところでございます。
#118
○粟森喬君 そういうふうに答弁をいただいたということで、そこは確認をさせておいていただきたいと思います。
 と申しますのは、私の出身のところは北陸でございまして、大変雨なども多くて、例えば車いす利用者の方からときどきお聞きをするのは、どういいますか、雨も降っていない極めてフラットなといいますか、そういう条件の中でつくられた車いすの条件と、そこはやっぱりその地域の特性に合った開発も多少考えるときには、これは今度指定法人になるところにお願いをするというだけでは本当にきめ細かな開発の条件が生まれるのかというと、やっぱり私はそこに地方公共団体が何らかの一あるいは地域におけるそういう対応があって、本当にこの種の用具というのは端的な言い方をすれば一人一人によって条件が全部違うわけですから。
 例えば、車いすの利用者を見てもハンドルの持つ位置、いわゆるモーターのついたもの、ついていないもの、いろんなケースがあるわけでございますから、その種のところの意見を反映するときには、つまり指定法人につながるところからのラインとしてやっぱりここはまだ見えできていない。これらは、単なる抽象論の問題じゃなく、具体的にそういう個別の意見が反映できるような条件を考えていただきたいと思います。この法律の成立以降、そのことについてどういうふうに対応されるのかお尋ねをしたい、こういうふうに思います。
#119
○政府委員(横尾和子君) 福祉用具は、基本的には一人一人に対応するという原則で、この一人一人に対応するのをいわばオーダーメードで対応していくというと非常にある意味でコストも高こうございますし、普及が難しいわけでございます。
 今回通産省と共同で提案をさせていただきました背景には、一人一人に即したということをより効率的に、あるいはより一人一人に即するために産業技術というのを援用できないだろうかという気持ちがあるわけでございます。既に、我が国の産業技術の分野では、例えばさまざまな衣料品の分野、衣服の分野においてはそういうことがかなり先駆的になおかつもう実用化の形で行われているわけでございますので、私どもがねらうところは、オーダーメードの部分を残すと同時に、そうした産業技術の活用ということをねらいとしているわけでございます。そうした中で、今それぞれの地域が持っている特別の要望といったことにつきましても、指定法人が情報を収集する中でそれを受けとめるように指導してまいるつもりでございます。
#120
○粟森喬君 お気持ちとしては十分そういう意味ではいただいておきますが、何せ私は財政的な裏づけを含めてそこまで一遍にいけるのかなという懸念はございます。しかし、これからの問題で申し上げますと、私は、オーダーメードでなくても、一つ一つの用具が個別のそれぞれの身体的な条件に見合ったようにフレキシブルにやれるようなものをつくるという意味では、ぜひともここは力も入れていただきたいし、そういう意味での改善を、より前向きの対応をお願いしたいと思います。
 そこで、先ほどからのこの制度のことで、メーカーの対応の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 いずれにせよ、これを企業で言うなら大企業というところを中心にしてやるのか、いわゆる中小と言われるところを中心にしてやられるのかというのは、これからのこの法案をつくった後のそれぞれの対応によってかなり差異が出ると思うのでございます。私はむしろ、ある種の基本的なところは大企業と言われるところがやるんだろうと思いますが、やっぱり地域にそういうメーカーが育ってほしいし、一つ一つの要望をできるだけ聞いてやっていくというときには、中小のところもぜひともこれに参画できるそういう状況を、単にその扱い店ではなく、自分たちが何らかのそこにいろんなものを加えることによってより利便にするためにやってほしい。ただ、これはいわゆる利益を生む産業としてはなかなか育ちにくいものですから、資金面であるとか制度融資の問題を含めまして、これからそういう展望とその種のことについての改善のあり方についてお考えがあるかどうかお尋ねをしたいと思います。
#121
○政府委員(横尾和子君) 福祉用具に熱意のある企業の数多い御参加というのを期待しているわけでございますが、現実のように中小の企業がこれまでこうした分野を担ってきたということを考えますと、今後とるべきこととして、一つはマーケットに対する展望、情報について、これを開発の事業者に的確に伝えるようなシステムが必要だということ。それから、JIS規格等々関係部分について、できるだけ基準、規格を明確にすることによって業者の側が対応しやすいようにすることも一つの方法であろうと思われます。その面では、通産省が検討を進められている点は大変中小の企業の方にとっても大きな影響を与えるのではないかと思います。
 また、具体的に、開発コストの回収が難しいという製品の特徴から、製造業者に対する助成でありますとか、国有の試験研究施設を安い対価で使用することなどを織り込んでいるところでございます。何とか意欲ある事業者の参加が得られるように努力をしてまいりたいと存じます。
#122
○粟森喬君 大臣に、最後にちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
 私は、この法律がつくられる一つの背景は、障害のある人たちもできるだけ地域社会に、いわゆるノーマライゼーションという概念の中で住むことを前提にしているというふうに理解をしています。と申しますのは、施設にいる限りはその範囲の中で施設は便利なんですが、地域社会に出ようとするとやっぱり在宅であっても地域社会にいろんな問題があることを、用具の面から何とか少し前進しようという意味でそれなりに前向きの法案として私は受けとめています。そういう意味で、在宅なのかどうかということをまず一つお尋ねをしておきたいということと、在宅に一つの重点をこれからの全体として持っているというふうに私は理解をしていますが、そのことについてまずお尋ねをしたいと思います。
 二つ目に、たしかこの厚生委員会でも私が質問をいたしまして、次の障害者の十年はどうなるのかということで、いわゆる障害者対策推進本部からの新長期計画もいただきました。それを私なりに一読をして、それなりに前向きの評価もしたいと思うのでございます。ところが、一つ一つの問題を見ると、果たしてそういうふうに進んでいるのかどうかという問題です。
 一つの例で申し上げてなんでございますが、過日、都市計画法が改正をされたときに、地域に障害のある人たちがいわゆる住むという前提だったら、やっぱりあのときにそういう視点からの意見をきちんと反映する、そういうことが入るべきだということを思っていたわけですが、残念ながらその部分は何とはなしに通り過ぎてしまった。このように厚生行政が、ある意味ではいろんな分野においてその問題意識をきちんとして、道路の問題であるとかデイサービスセンターをちゃんとつくるためのスペースを都市計画の中に入れてもらうとか、そういうことについて積極的に働きかけ
をいただかないと、私どもは私どもの立場でそれを申し上げるところでございますが、厚生大臣としてそういうあらゆる分野でこの長期計画の中でそういう配意をしていただく、そういう意味の私の期待を込めて答弁をお願いしたい、こういうふうに思います。
#123
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、寝たきりのお年寄りが今全国で七十万人を超えておる、こういう中でございますが、基本的に私どもは、施設の面においては特別養護老人ホームでかるとか、あるいはそのほか病院と老人ホームの中間的な位置にあります老人保健施設であるとか、こういったような施設面の充実というものもいわゆるゴールドプランの中で図っておるわけでございますが、基本的には、その地域において生まれ育ったお年寄りはやはりその地域において福祉サービスを受けたい、こういうような願いがあるのではないか、こういう観点から私どもはいわゆるデイサービスを中心とする在宅福祉サービスの充実を図っていかなければならない、こう考えておるわけでございます。その在宅福祉サービスの充実と、先ほどから御議論をいただいております福祉業務の普及というものは、高齢者や障害者の自立を図るためにまさに車の両輪である、私はこう考えておるわけでございます。
 高齢者や障害者の社会参加、まさに先生御指摘のノーマライゼーションでございますけれども、これは中心協の、いわゆるこれからの十カ年の中においても自立と参加、こういうような指針というものが定められておるわけでございますので、これを進めていく上において、要はこれらの福祉用具が十分に活用できるようないわゆる社会の環境の体制づくり、こういうものを考えていかなければならない。政府部内におきましても、関係省庁との間におきまして身体障害者の利用に配慮した建築設計の標準であるとか、あるいは公共交通ターミナルにおける身体障害者施設整備のガイドライン、こういうものが実は策定されておるわけでございます。さらに、一部の地方公共団体においても、高齢者や障害者に対する配慮を定めた条例が制定されておるわけでございます。
 厚生省といたしましては、いずれにいたしましても、高齢者や障害者の皆さん方が真の意味で住みよい福祉の町づくりに今後ともひとつ鋭意努力していく決意でございます。
#124
○委員長(細谷昭雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、木暮君から発言を求められておりますので、これを許します。木暮君。
#126
○木暮山人君 私は、ただいま可決されました福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、日本共産党、民主改革連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 以下、案文を朗読いたします。
    福祉用具の研究開発及び普及の促進に関
    する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講
 ずべきである。
 一 福祉用具の研究開発及び普及を促進するに
  当たっては、利用者のニーズを尊重し、在宅
  ケアの推進及び社会参加に資するよう努める
  こと。また、老人及び心身障害者の居宅での
  生活を容易にするための住環境の改善、さら
  には福祉の観点からの街づくりについての調
  査研究を推進すること。
 二 福祉用具が老人及び心身障害者の自立の促
  進や介護者の負担の軽減に資することにかん
  がみ、国民の関心と理解を深めるよう鋭意努
  力すること。
 三 福祉用具の研究開発及び普及が効果的に行
  われるよう、福祉用具の研究開発や普及につ
  いて大きな役割を担う民間事業者等に対する
  助成、情報提供等の支援施策の充実に努める
  こと。
 四 老人及び心身障害者の福祉用具の自主的か
  つ適切な選択に資するため、福祉用具の利用
  者からの相談に応ずる者に対する研修の充実
  に努めるとともに、地域における福祉用具に
  関する情報提供や相談を行う施設として、在宅
  介護支援センター等の整備の促進を図ること。
 五 老人福祉法、身体障害者福祉法等に基づく
  日常生活用具給付等事業及び補装具給付等事
  業については、常に、福祉用具の開発状況並
  びに老人及び心身障害者の心身の特性を踏ま
  え、対象品目等について所要の見直しを図り、
  制度の適切な運用に努めること。
 六 「心身障害者」等の用語については、今後と
  も検討を加えること。
  右決議する。
 以上であります。
#127
○委員長(細谷昭雄君) ただいま木暮君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(細谷昭雄君) 全会一致と認めます。よって、木暮君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽厚生大臣。
#129
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#130
○委員長(細谷昭雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(細谷昭雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#132
○委員長(細谷昭雄君) 次に、母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。丹羽厚生大臣。
#133
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま議題となりました母子及び寡婦福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 母子家庭及び寡婦は、経済的状況が不安定なこと等から、自立促進が課題となっているところであります。
 こうした状況を踏まえ、都道府県の母子家庭及び寡婦に対する福祉資金の有効な活用を図るとともに、専門的な助言、指導等を行う事業を法的に位置づけることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、都道府県の母子福祉資金及び寡婦福祉資金のそれぞれの特別会計を統合するとともに、剰余金が生じた場合の国への償還に関する規定等を整備することとしております。また、貸付金の償還金のうち都道府県が貸付事務に要する費用に充当できる限度額を弾力化することとしております。
 第二に、母子家庭及び寡婦に対する専門的な助言、指導等を行う事業を社会福祉事業として法的に位置づけることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、福祉資金に関する特別会計の統合等に関する事項については、平成六年四月一日、専門的な助言、指導等を行う事業に関する事項については、平成六年一月一日と
しております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#134
○委員長(細谷昭雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト