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1993/03/29 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 文教委員会 第4号
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1993/03/29 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 文教委員会 第4号

#1
第126回国会 文教委員会 第4号
平成五年三月二十九日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     高崎 裕子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦  功君
    理 事
                木宮 和彦君
                田沢 智治君
                森  暢子君
                山下 栄一君
    委 員
                井上  裕君
                小野 清子君
                清水嘉与子君
                世耕 政隆君
                柳川 覺治君
                上山 和人君
                國弘 正雄君
                肥田美代子君
                山本 正和君
                刈田 貞子君
                江本 孟紀君
                高崎 裕子君
                乾  晴美君
                小林  正君
   国務大臣
       文 部 大 臣  森山 眞弓君
   政府委員
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部省初等中等  野崎  弘君
       教育局長
       文部省教育助成  井上 孝美君
       局長
       文部省体育局長  奥田與志清君
   事務局側
       常任委員会専門  菊池  守君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、
 適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松浦功君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○上山和人君 日本社会党・護憲民主連合の上山和人でございます。
 ただいま議題になりました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御質問いたします。
 その前に、本法律案にかかわるものとして一連の佐川疑惑、そして金丸脱税事件に関連いたしまして文部大臣の見解を初めに少しばかりお聞きいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 おととい金丸さんが追起訴されまして、八七、八八、八九、三カ年にわたる所得隠し額が十八億四千八百万余円、そして脱税額が十億四千百万余円と発表されております。さらに、それに関連いたしまして、庶民感覚とはかけ離れた莫大なやみ献金、それを流用しての不正蓄財の模様が次から次にと明らかにされております。
 そういう状況の中で、参議院では三日後の四月一日に証人喚問、参考人招致が行われる日程になっております。一日はお一人の参考人招致と、そしてお二人の証人喚問が予定されておりますけれども、残念ながら政治家はお一人もこの一日には登場なさらないわけでございます。政治家が主役で起きている疑惑の解明に、この真相を明らかにすべき証人喚問、参考人招致の中に政治家はお一人もお姿をお見せにならないわけでございまして、これは恐らくは国民は注目しておりましたし、大変失望を感じているんじゃないでしょうか。そしてますます政治不信を募らせているのではないかと心配しているのであります。
 このことに関して、おとといからきのうにかけての新聞では、自民党がとりわけ竹下元首相の喚問を阻止することに党の全力を挙げた。そして、その喚問を阻止したことについて自民党は高く評価しているという報道が行われているわけでありますけれども、大臣いかがでしょうか。文部大臣として、同じようにやっぱり、竹下元首相の喚問を阻止したと表現されておりますけれども、阻止したことについて評価してお喜びになっておりますか。どうかその点は、文部大臣ですからはっきりさせていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(森山眞弓君) 仰せのような事件が起こりまして、私どもの耳目を驚かせているわけでございます。
 この事件は二、三年前にさかのぼっていろいろ事実が明らかになって、検察が懸命にこれを解明しつつあるということで、国民がこの問題に注目しているということはもう先生おっしゃるとおりでございますが、国会における証人喚問の件につきましては予算委員会の理事会においてたびたび長時間にわたって御協議の結果、仰せのようなことでやろうということに決められたと聞いておりますので、それは各党のお話し合いの結果ということで私は承知しております。
 特に、私個人としてその間の話し合いなり打ち合わせなどに参加したわけではございませんので、その結論をそのまま承知しているという以外に特別の感じは持っておりません。
#5
○上山和人君 六十年の十月十四日議決の政治倫理綱領の第四項は、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と規定されておりますけれども、今までかって、私は昨年の七月二十六日の選挙の結果こちらに参りましたが、それ以前を含めて、この政治倫理綱領が六十年の十月十四日に制定された後も政治家がみずから進んでこの疑惑を解明し、責任を明らかにしようとした経過を知りません。
 今回の一連の佐川疑惑をめぐる真相解明の場でも証人喚問をどうして逃れようか、正直に申し上げまして、どうして証人喚問を拒否しようか、そういうことに終始しているように思えてならないんですけれども、今回、与野党合意で一日の参考人招致、証人喚問が決められた。これは大臣のおっしゃるとおりです。
 しかし、長い過程の間で野党がどれほど、とりわけ竹下さんと小沢さんの喚問を求めていたかということは御存じだと思うんです。にもかかわらず、予算成立の問題ともかかわって、やむなくとりあえずは合意した結果が先ほど申し上げたような結果なんですけれども、どうしてみずから進んでこの政治倫理綱領に沿って責任を明らかにしようとなさらないのか、疑惑を解明しようとなさらないのか。そういうみずから決めた政治倫理綱領にみずからもとる行為を政治家が、特に国会議員が続けている状態を見て子供たちはどういうふうに思うでしょうか。
 そしてまた、こういうことが社会の道義感覚に対してどういう影響を及ぼすのか。とりわけこういう問題、こういう事実がどんどん重ねられていくことが子供たちの教育にどういう影響を及ぼすと大臣がお考えになっていらっしゃるか、その点をお聞かせいただきたいと思うんです。
#6
○国務大臣(森山眞弓君) このような事件は、子供でなくても大人である私たち、また特に政治に携わっている、その問題についてはかなり近い場所にいる私たちでさえも大変驚いているようなわけでございまして、今情報化時代でございますから、子供たちがテレビや新聞や雑誌を通じてこの問題に接触するということは非常にたびたびあることであり、それを聞いている大人や多くの人たちのコメントを耳にすることも多いと思います。
 したがって、子供たちがこの問題で世の中というものに対して非常な不信を抱く、特に政治について不信を抱くということがないようにということを私としては祈るような気持ちでございまして、私たち政治家は政治倫理をしっかりと踏まえて、政治に対する信頼を回復するようにこれからも努力していかなければいけないということを特に痛切に感じているところでございます。
#7
○上山和人君 大臣のお気持ちはよくわかります。そうおっしゃるのであれば、これは宮澤内閣の一閣僚としてなかなかそれを超える意思表明はされにくいということもよくわかりますけれども、とりわけ教育行政の最高責任者として、子供たちにこういう問題がどう影響するかということにつきましては、ほかの閣僚と違う立場で真剣に受けとめていらっしゃると思うんです。
 とすれば、やっぱりみずから定めた政治倫理綱領にもとるような行為がどんどん続いていることについては、自民党の党員でいらっしゃると思いますが、党員として、また宮澤内閣の閣僚としても、そういう問題、そういう状態からやっぱり脱却する努力をぜひ積極的にしていただきたい。そうでなければ、おっしゃることとかねての言動がつじつまが合わなくなる、ますます教育関係者からも文部行政に対する不信さえ私は招きかねないと思います。
 これは新聞が伝えることですから、真相は私たちも知る由はまだ今のところありませんけれども、これはほとんどの新聞が報道しておりますから真実に近いと思っていますが、自民党が組織の総力を挙げて竹下喚問を阻止した、そして阻止したことを評価しているという報道につきまして、そういう状態が事実であるとすれば、私は文部大臣としてはぜひ党内で、また内閣の中で戒め合っていただいて、これからまだ六月二十日まで会期はございます。真相解明を続けなくちゃならないわけですので、それに際してやっぱりみずから定めた政治倫理綱領だけはきちんと責任を持って守ろうじゃないか、ぜひ党内にも内閣の中にもそういう風潮が生まれるような努力をしていただきたいと思うんです。
 大変御無理なことを申し上げますけれども、それについて決意のほどをほんの一言お聞かせいただけませんか。
#8
○国務大臣(森山眞弓君) 私自身は自民党の参議院議員といたしまして、自民党で三、四年前に着手いたしました政治改革の問題についてかなり深くかかわってまいりまして、こういう事件が起こらないようにするにはどうしたらいいかということを真剣に話し合い、また政治改革大綱の起草委員の一人として真剣に考えた者でございます。その後、海部内閣におきましても役目をいただいて、そのような方針で一生懸命に努力を続けた者でございまして、今日もその気持ちに全く変わりはございません。
 特に、今回明らかになったさまざまなケースが、私どもが必死の思いで政治改革を断行しよう、政治倫理を確立しようということで努力しておりました一九八九年のころにもかかわっていたということを知りまして、愕然としているところでございます。
 このようなことが決して二度と起こらないように、そして子供たちに世の中や大人や政治に対する不信が起こらないように、明るい希望の持てる、信頼し合える社会というものをつくっていくために、微力ではございますけれども、今後とも一生懸命やってまいりたいと思っております。
#9
○上山和人君 肝心の政治家のあるべき姿に関してはなかなかはっきりおっしゃらないんですけれども、ぜひひとつ大臣頑張っていただきたいと思うんです、大変深刻な状態でございますから。
 それで、これからはこの後の法律案にもかかわる問題でありますけれども、私は一連の疑惑、汚職事件、脱税事件から教育行政の最高責任者として何を教訓とされようとしているのかという点につきまして端的にお尋ねしたいのであります。
 おとといの毎日新聞に農業作家と言われております山下惣一さんの「新聞時評」が掲載されておりました。これは、ブラジルの政界腐敗と日本の現状を比較しながら提言されておりましたが、私はその山下惣一さんの文章を御紹介しながら大臣の御見解をお聞きしたいのであります。
 ブラジルの政界腐敗が世界的に有名であることはもうだれしもがよくわかっていることでありますけれども、さきに失脚したコロル前大統領が就任演説で汚職一掃をぶち上げたところが、建設業界から、建設業界ですからどこも同じだなと思うんですけれども、建設業界から、そんなことはいいから四割のわいろを三割にしてほしいと要請されたという笑い話が伝えられておりましたが、今の日本の現状で本当に笑える話かなと思うんです。
 ブラジルの日系人の皆さんは、この腐敗体質を改革できないのは教育がないからだと言っていらっしゃるんだそうです。そして、日系人の皆さんは異口同音に教育だ、最も重要なのは教育だ、教育がないからブラジルの政治腐敗体質は改革できないんだとおっしゃっているんだそうです。
 翻って我が日本は、教育については大臣どうでしょう。世界に冠たる国であるといつも胸を張っているんじゃないでしょうか。内容にいろいろ問題ありますけれども、私たちはそういう思いでやっぱり日本の教育を誇りに思っているんじゃないでしょうか、全体的には。
 そういう教育が行き渡っている日本で、それではブラジルの状態と比較して考えてみますと、そういう日本になぜ汚職、腐敗が絶えないんだろうか。それを深くやっぱり考えさせられるんです。なぜだろうか。
 ここ二十年、三十年、やっぱり私たちが、親も子も、教育もどちらかというと偏差値、受験競争に追いまくられて社会正義など少し忘れかけているんじゃないか。そして、社会を批判する精神もだんだん遠のいてしまっているんじゃないか。
 そういうことをやっぱり一番よくあらわしている一つの現象が、これほどの状態の中で若い人たちが動かないということなんだ。問題のよしあしは別にしまして、青年運動が見えない、学生運動はどこに行ってもないわけですから。やっぱり今、日本の教育が問われる一つの問題を写し出している現象ではないかと思うんです。山下惣一さんが、社会批判の精神がない世の中に悪がはびこるんじゃないかと言っていらっしゃるんです。
 そういうことを思いながら、これからの教育改革に当たって文部大臣として、一連の汚職、疑惑の問題を教育的にどう教訓化なさろうとしていらっしゃるのか、その点は大事な問題ですからお聞かせいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(森山眞弓君) ブラジルの教育については私は余り詳しく存じませんのでどのような状況がわかりませんのですが、日本の教育は、確かに先生が御指摘のとおり、いわゆる読み書きそろばんということから始まって一般的な社会人として最小限必要な常識をすべての国民が持つ、それを活用して社会発展に貢献するという意味ではよその国に比べて決して劣るところがないというふうに考えております。
 その点は非常に自信を持って申し上げられると思うんですが、一方、政治というものはそれだけではなかなか解決できないものでございますし、国民全体が、子供ばかりではなく大人も男も女もすべての人が政治というものに対して一つの考え方を自分なりに持って、そしてその理想を実現するためにどうしたらいいかということをそれぞれの立場で考えるというそういう姿勢が必要だと思うのでございますが、残念ながらそれがなお十分ではないということなんではないでしょうか。政治家も確かに大きな責任がございますけれども、政治家だけではなくて国民全体の意識改革、政治に対する考え方を正しく、また真っすぐに伸ばしていくということがとても大切なんではないかというふうに思います。
 そういう意味で、先生もお触れになりました教育というものが今偏差値とか入学試験とかそういうことにばかり目が向いて、社会全体についていかにあるべきかとかこうするべきではないかというようなことを自分なりに考えるという自主的な判断、あるいは自分のそれなりの立場でどうすればいいかということを決めて行動していくそのような力、そういうものにここのところしばらく力点が置かれなかったといいますか後回しになったということがたくさんある理由の中の一つかもしれないというふうに思うのでございます。
 そういう意味では、これから御審議いただきます平成五年度から実行していこうという定数の改善などを初め、教育のあり方というものに一石を投じることができて新しい方向へ導いていく一つの材料にすることができるのではないかというふうに考えているところでございまして、国民のそれぞれの能力を自主的に、個性的に、多様に伸ばしていくということの一助にしたいというのが私どものこれを御提案申し上げた気持ちの大きな部分でございますので、そこを御理解いただきまして御審議をいただきたいというふうに考えております。
#11
○上山和人君 本題に移らなくちゃいけませんけれども、今よくわかりましたが、最後に、文部省が英断をされて業者テストの追放に踏み切られました。そして、学校五日制も進んでおりまして、どう本格的に定着させるかがこれからの課題になっておりますけれども、そういうものを通して、そういうものを足がかりにしながら、おっしゃるような教育改革に向けてこれから大胆に進んでいかなくちゃならないと思うんです。
 偏差値主義といいますか偏差値に偏っている今の教育の状態、そして受験競争に追いまくられている状況、高校入試の問題、大学入試の問題があります。いろんな問題を改革しながらもっと子供たちが本当に連帯感を分かち合えるような、そして今おっしゃったように、社会にも目を向けられるような、そして少しでも不正なものに対する批判の精神、正義感というものを身につけることができるような、そういう本当の意味の教育の姿に教育を改革するように一連の汚職事件、疑惑、脱税事件は教訓化されなければならない、そういうものの根底的な問題として教訓化されなければならないと思うところでございます。
 先ほどおっしゃったことと余り差がないと思いますので、どうぞその点は大事な時期に差しかかっておりますので、ひとつ責任を持って対処していただきますように、これからも佐川疑惑の解明、脱税事件の真相究明が重ねてこの国会で行われなければならない問題であります。みずから定めた政治倫理綱領にもとるようなことは会派の違いを超えてあってはならないという立場でぜひ御努力いただきたいことを重ねてお願い申し上げまして、この点についての質問を終わらせていただきます。
 本題に移ります。
 義務標準法と高校標準法の改善につきましては、義務標準法は昭和三十四年度から平成三年度まで長い間にわたって、五次にわたって改善が進められてまいりましてこの第六次の改善計画になっていると思います。高校標準法の方は三年おくれてスタートしておりますから昭和三十七年度に始まりまして平成三年度まで、これも四次にわたる改善の経過を経てこの第五次改善計画になっていると思うのでありますが、この今次改善計画の内容、それがまた含んでいる問題点を明らかにしていくためにも、どうしてもこれまでの改善計画をやっぱりまとめておかなくちゃいけないと思います。
 これは文部省の局長からのお答えで結構ですが、これまでの改善計画につきまして第一次から第五次までは、あるいは高校の方は第一次から第四次までなんですが、これは大部分五年刻みです。そして義務標準法で第五次、高校標準法で第四次計画だけが十二年の刻みになっております。
 まず、第一次から第四次まで、第一次から第三次まで義務標準法と高校標準法の刻みが五年刻みであった理由は何だったのかということと、続いて、前の昭和五十五年度から平成三年度までの計画がそれまでの五年刻みから十二年間という刻みになぜ一挙に長期化したかということにつきまして、ぜひ理由をお聞かせいただけませんか。
#12
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 ただいま先生からのお尋ねでございますが、公立の小中高等学校の教職員配置改善計画は、そのときどきの社会状況等を踏まえまして児童生徒に対してどのような学校教育を行うことが適当であるかという観点から、そのために必要な教職員配置を計画的に行うものでございます。
 このような観点から、児童生徒数の推移やそのときどきの社会状況等に適切に対応できる計画期間といたしまして、義務教育諸学校の第一次から第四次までの改善計画は五年間、また高等学校につきましては、第二次は七年間でございますが、第一次と第三次は五年間という期間を設定しまして計画的に改善を図ったものでございます。
 また、前回の第五次の公立義務教育諸学校の教職員定数の改善計画と第四次公立高等学校の教職員定数の改善計画につきましては、義務教育諸学校におきます四十人学級の実施を含む計画であったために、当初文部省案におきましては小学校一年生からの学年進行による実施方法を考えて九年計画の案としたわけでございますが、予算折衝の過程におきまして市町村ごとの長期的な児童生徒の増減状況等を踏まえまして実施方法を変更することとして、これに伴い十二年計画となったものでございます。
#13
○上山和人君 社会の情勢、そのときどきの教育の諸条件に対応しながら改善をしてきたとおっしゃる。そのとおりだと私たちも思うし、そうでなければならないと思うんです。
 そうすると、やっぱり情勢が移り変わる、時代が進む、余り長期にわたって改善計画を立てることはいろいろと不都合が生じるんじゃないか、そういう観点からも五年刻みというのは理解できるわけです。情勢が移り変わる一つの期間として五年はよく理解できるんですが、そういう意味では十二年という長い期間がなぜ設定されたのかということについてはまだわからないんです。非常に大きな変動のある期間、移り変わる期間ですが、十二年間にわたって一つの改善計画が進められるということについてはなぜだったのか、それ相当の理由があるんじゃないでしょうか。
#14
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたが、前回の改善計画が義務教育諸学校における四十人学級の実施を含む計画であったということもございまして、小学校一年生からの学年進行による四十人学級の実施方法を考えていたわけでございまして、そういう意味では文部省としては九年計画でその改善計画を実施したいという考え方でございましたが、予算折衝の過程において市町村ごとの長期的な児童生徒の増減状況等を踏まえまして実施方法を変更することとして、これに伴って十二年計画になったものというように私どもは聞いているところでございます。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(松浦功君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#16
○上山和人君 やっぱり財政上の理由だったということが今の局長のお答えでよくわかるわけです。
 同じように、そういう経過を考えてみますと、今回六年という期間が設定されております。この六年という期間の刻みはなぜでしょうか。どういう理由でしょうか。
#17
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 前回の改善計画は、先ほど申し上げましたように、義務教育諸学校の四十人学級の実施を含む計画であったため十二年計画という長期にわたる計画になったわけでございますが、今回の改善計画は、新しい学習指導要領の目指す目標を実現しまして教育の個性化を推進するための教職員配置の改善を主要な内容とするものでありまして、さらに現下の厳しい財政事情のもとで、児童生徒数の減少に伴い今後毎年減少する教職員定数を利用して改善を行うことから、現時点でその減少傾向がある程度予測できる範囲内の期間として六年間と設定したものでございます。
#18
○上山和人君 ただそれだけじゃないんじゃないでしょうか。やっぱり先ほどおっしゃったように、財政上の制約というのはないんですか。ありませんか。
#19
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたように、現下の厳しい財政事情の中で、特に現在概算要求では政府全体としてシーリングの枠が設定されております。そういう意味で、文部省全体の予算編成の中でこの教職員配置改善計画は文部省として最重要課題として設定をさせていただいて概算要求したわけでございますが、その中でなおかつ、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の報告、従来から臨教審、中教審等の個性尊重の趣旨、そういうものを踏まえて今回の改善計画を設定させていただいたわけでございまして、そういう意味で六年間の計画というのは、現時点で児童生徒数あるいは教職員定数の減少傾向というものをある程度予測できる範囲内の期間としては六年間が妥当であるということから、六年計画というように設定させていただいたものでございます。
#20
○上山和人君 私がこういう経過について質問申し上げておりますのは、今度の第六次及び第五次計画について六年間は長過ぎるんじゃないでしょうか、もっと短縮できないか、あるいはこの計画の見直しはできないかという観点で御質問申し上げておりますので、これからもその観点で二、三具体的にお尋ねいたしたいと思います。
 まず、一次から五次までのあるいは一次から四次までの改善経過の中で、それぞれの期の教職員の改善数につきまして、差し引きで結構ですから明らかにしていただけませんか、第一次何人というふうに。
#21
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 私どもで学級編制あるいは教職員定数の改善状況という場合にはそれぞれ義務標準法あるいは高校標準法に基づきまして、それに基づいてそれよりは改善した数を改善数と申し上げておりますので、それとの関連で自然増減も合わせて、その差し引きということでございますので、お答え申し上げたいと思います。
 公立義務教育諸学校のこれまでの改善状況でございますが、第一次の昭和三十四年度から昭和三十八年度までの改善は、これは学級編制及び教職員定数の標準の明定でございまして、いわゆるすし詰め学級を解消し五十人学級を定めたものでございますが、その改善数は三万四千人でございました。それに対して自然減が一万八千人でございまして、差し引きは一万六千人の増ということになっております。
 第二次は昭和三十九年度から昭和四十三年度までの五年間で、その内容は四十五人学級の実施及び養護学校教職員の定数化等を内容としておりまして、その際の改善数は六万一千六百八十三人でございましたが、第一次ベビーブームの後の自然減が大幅でございまして、自然減が七万七千九百六十人ということから、その差し引きは一万六千二百七十七人の減ということになっているわけでございます。
 第三次は昭和四十四年度から四十八年度までの五年間でございまして、四個学年以上の複式学級の解消等が中心でございますが、改善増が二万八千五百三十二人、それに対して自然減が一万一千八百一人でございましたので、差し引きは一万六千七百三十一人の増となっております。
 第四次は昭和四十九年度から五十三年度までの五年間でございまして、その内容としては三個学年複式学級の解消及び教頭、学校栄養職員の定数化等を主な内容としておりまして、改善増は二万七千七百七十八人、自然増が三万八千六百十人でございまして、それを合わせますとトータルで六万六千三百八十八人の増ということになっております。
 第五次は昭和五十五年度から平成三年度までの十二年間でございまして、その主な内容は四十人学級の実施等でございますが、この際の改善増は七万九千三百八十人でございまして、自然減が五万七千九百三十二人でございましたので、差し引き二万一千四百四十八人の増でございます。
 また、公立高等学校等のこれまでの改善状況でございますが、第一次は昭和三十七年度から四十一年度までの五年間でございまして、その主な内容は学級編制及び教職員定数の標準の明定で、五十人学級の設定をしております。改善増は一万一千五百七十三人で、自然増が三万九千八十九人でございましたので、トータルで五万六百六十二人の増となっております。
 第二次は、これは半数県、半数の県ずつでその実施計画を分けておりまして、四十二年度から四十六年度までと四十四年度から四十八年度までということで、全体としては四十二年度から四十八年度までの七年間に及んでおりますが、これはやはり四十五人学級の実施のため、県の事情によって異なるためにこのようになっておりますが、その改善増は一万六千二百十六人、自然減が一万五千二百四十五人でございまして、差し引き九百七十一人の増でございます。
 第三次は昭和四十九年度から五十三年度まででございまして、改善内容の主なものは小規模校、通信制課程の改善等でございます。改善増は七千百十六人でございまして、自然増が一万五千七百三十八人ございましたので、合わせまして二万二千八百五十四人の増となっております。
 また、前回の第四次改善計画では昭和五十五年度から平成三年度までの十二年間でございまして、習熟度別の学級編制等が主な内容でございますが、改善増は一万二百三十八人、自然増が三万二千百十四人でございまして、合わせまして四万二千三百五十二人の増、こういう状況になっております。
#22
○上山和人君 そうしますと、これまで第一次から第五次までの義務標準法の改善の中では第二次を除いていずれも差し引きプラスで積極的な改善が進められてきたことがよくわかるのであります。高校標準法については第一次から四次まで、いずれもこれは現状により定数を大幅にふやして積極的な改善が進められてきたというのがよくわかるのであります。
 それに比べて今回の第六次計画では、もう私の方から申し上げますけれども、義務標準法で差し引きマイナス三万人です。現状の教職員定数より三万人も減る計画で、差し引きで結果として三万人マイナスの改善計画になっております。高校標準法についてはマイナス九千七百人の改善計画になっているわけです。
 これは、今までの改善経過と今次改善計画案の違いがここによくあらわれているし、第六次の改善計画の一つの大きな特徴ではないかと思うんです。
 そこで、私は次に質問を進めたいのでありますけれども、三万人も結果として減る計画になっている、九千七百人も結果として教職員定数が現状より減る計画になっている点はいろんな意味を含んでいるように思うのであります。
 そこで、それと関連しながら、今回いろいろ大臣も趣旨説明で御説明ございましたけれども、今次改善計画の内容につきましては質的な面を重視していることはよく理解をいたしております。しかし、量的なものも伴わなければこの改善内容を具体化することが難しいと思うのでありまして、そういう点で今度の改善計画の内容の問題を見るためにあえてお尋ねしたいのであります。
 全国の小学校、中学校、公立高校の数をお示しいただいた上で、一つはまず義務標準法について話題になっておりますチームティーチングの導入による加配がございます。これが小学校、中学校それぞれ何枚に今次改善計画で配置されることになるのか学校数を明らかにしていただけばおのずから割り出せることでありますので、局長どうぞ明らかにしてほしいと思う。
#23
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 全国の小学校、中学校の数でございますが、小学校の国公私立を合わせますと二万四千七百九十八校ございますが、そのうち公立の小学校は二万四千五百五十七校で九九%を占めているわけでございます。また中学校でございますが、国公私合わせますと一万一千二百九十校でございますが、そのうち公立の中学校は一万五百九十五校で全体で九三・八%、こういう状況でございます。これはいずれも平成三年五月一日現在の数でございます。また、公立高等学校についてあわせてお答え申し上げますと、国公私合わせますと五千五百三校でございますが、公立の高等学校は四千百七十校で七五・八%というような状況でございます。
 そこで、今回の改善計画のうち義務標準法でチームティーチングの導入等新しい指導方法の導入による定数の加配というものについてのお尋ねでございますが、チームティーチングの導入あるいは中学校の選択履修の拡大等新しい指導方法の導入にかかわる改善数は、小学校につきましては八千四百四十一人で学校総数の約三分の一の三四・四%に当たるわけでございます。また、中学校につきましては七千四百九十人で、チームティーチングのみですと五千八百五十八人でございますが、学校総数の約七割の七〇・七%に相当する数となっておりますが、チームティーチングのみですと五五・二%というような状況になっております。
#24
○上山和人君 チームティーチングの導入による加配、今お答えいただきましたように、小学校では三分の一つまり三校に一人しかこの計画の中で配置されないことになる計画です。
 これは単年度ならまだ理解できるんですけれども、六年間にわたっています、この改善計画の期間は。六年間で三校に一人しか小学校は配置されない内容になっております。これで本当に新しい質的な転換と言われる改善内容として中身のある充実したものと言えるのだろうかという疑問をぬぐい去れないわけです、六年間で三校に一人しか配置されない計画になっているわけですから。
 同じように中学校を見ますと、中学校の方は少し比率が高こうございまして、今お答えいただきましたのでわかりましたのは、一・八校に一人ですからほぼ二校に一人は、半分ぐらいは中学校はチームティーチングの導入による加配が行われることになりますね。これもしかし六年間です。六年かかって二校に一人でしょう。
 選択履修の拡大への加配というのは、中学校で見ますと六・五校に一人です。局長、六年かかって六・五校に一人しか選択履修の拡大への加配は行われないことになっておりまして、同じように生徒指導の充実のための加配を見ましても、これは小中全体で八百九十人なんです。小中合わせて三万五千校余りの学校数があるわけですけれども、そういう状況の中で全体で六年かかって八百九十人しか生徒指導のための加配が行われないわけでありまして、こういう内容をよく見てみますと、計画の趣旨は非常に高く評価しながらも、現実に具体的な改善内容としては非常に薄いと思うんです。
 そういう疑問といいますか問題点をこの改善計画は大きく内包しているということを最初に御指摘申し上げながら、次に進んでいきたいと思うんです。
 高校標準法についても少しばかり義務標準法と関連して明らかにしておきたいのですが、普通科における多様な教科・科目の開設と指導法の工夫による加配が二千五百二十一人です。これも六年かかってそうです。これは普通科高校の何%に当たりますか。
 それともう一つは、学科の特色に応じた指導方法のための加配、これは千七百十八人が六年がかりで加配されることになりますが、これは職業系の学校ですけれども、この配置される割合は大体どれぐらいになりますか。
#25
○政府委員(井上孝美君) 高等学校の普通科における多様な教科・科目の開設と指導方法の工夫改善のための教職員の加配につきましては、生徒の能力、適性、進路等の多様化に応じまして特色ある類型を設けて職業教育の充実を図る学校、生徒の主体的な教科選択を可能にするような積極的に多様な教科・科目を設置する学校、並びに外国語及び数学について小人数指導等を行う学校に新たに教員を配置するものでございまして、先ほど先生からお話がございましたように、今回の改善計画におきましてはこのための改善数としては二千五百二十一人を措置しているわけでございます。
 したがいまして、高等学校の四千百七十校に比べますと、率をちょっと手元に持っておりません。が、半数以上の学校でこのような措置を講ずることができるということになるわけでございます。
 また、今回の改善において学科の特色に応じた内容の教育を確保するため、福祉科については学級数に応じて家庭科と同様の加配を行うことといたしまして、国際関係学科及び外国語関係学科については学級数に応じて理数科と同様の加配を行うこととしております。
 また、衛生看護科につきましては実習時間の増加に対応して現行加配措置をさらに改善することとしたところでございますが、現在これらの学科を有する学校でこの基準に合致する学校は百七十二校でありまして、この学校数を基礎として今回の改善数を二百九十九人というように措置したところでございます。
#26
○上山和人君 高校についても少し義務制よりは配分される学校数の割合が高くはなりますけれども、六年間の改善措置としては同じようにやっぱり大変薄いと思います。
 そこで、私は最初から六年間という期間を短縮することはできないのかという観点で申し上げておりますが、そういう観点でさらにお尋ねしたいのは、義務標準法について今回四十人学級規模は据え置かれております。これにつきまして、今次改善計画に先立って多くの皆さんから、各団体の代表の皆さんからもあるいは教育関係者からも、ぜひこの際三十五人学級にしてほしいという要望が強かったことは、これは否定されないと思うんです。そういう状況で計画は四十人学級に据え置かれているわけです。
 そうすると、やっぱり四十人学級に据え置くという決断をなさるまでの過程で、多くの関係者から要望のありました三十五人学級について試算をされたと思うんです。三十五人学級を実現するとしたら教職員定数が何千人ふえる、そのための財政負担が幾らふえる、したがってどうなるかということについて丁寧な試算があったと思うんですけれども、三十五人学級を実現するとして試算された結果を、どのようになったかお知らせいただけませんか。
#27
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 今回の改善計画は、先ほどもお答え申し上げましたように、新しい学習指導要領の目指す基礎、基本の徹底と個性を生かす教育を実現し、個に応じた多様な教育を展開することを目的としているところでございます。
 このため、一学級当たりの児童生徒数の全国平均の現状が平成三年度におきまして小学校が二十九・一人、中学校は三十三・九人であるという状況を踏まえまして、現行の学級編制の標準を一律に引き上げるよりは、学習手段を固定化することなく、より弾力的に個に応じた多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことを主眼としたわけでございます。さらには、今後児童生徒数が大幅に減少することに伴いまして学級規模もある程度縮小していくこと等を総合的に勘案して、小中学校の普通学級の学級編制の標準を変更することはしなかったものでございます。
 三十五人学級を実施するに当たってどの程度の教職員数が必要となるかというお尋ねでございますが、義務標準法に基づきまして各学校ごとに児童生徒数を算定基礎として学級数に応じて教職員定数が算定されることから、各学校の置かれております地域社会の人口構成等に応じて児童生徒数を個別に推計して各学校ごとの学級数を推計しなければ正確な数を算定することはできないことから、そのような試算は行わなかったところでございます。
#28
○上山和人君 とおっしゃると、試算はしていないとおっしゃるんですか。それは少し理解できませんね。四十人学級に据え置かれているわけです。しかし、今度の改善計画に当たっては各界から、現場の教職員を代表するところからもあるいは教育関係者からも三十五人学級にしてほしいという要望は強かったんじゃないですか。
 であるとするなら、今次改善計画をお立てになる場合に、そういう要望に沿って三十五人学級にした場合にはどうなるかという試算がまず初めになければいけないんじゃないでしょうか。今難しい事情の説明はありましたけれども、そんなことはやる気になれば簡単なことでしょう。文部省としてそれを試算する能力がないとおっしゃるんですか。そんなことはないでしょう。
 たくさんのものが三十五人学級をお願いしたいと言っているときに四十人学級に据え置かれる。そのときこそやっぱり、要望に沿って改善すればこうなるということは明らかにされなければならないんじゃないでしょうか。もうちょっと、試算をされなかったならその理由についておっしゃってください。
#29
○政府委員(井上孝美君) 今回の改善計画を策定するに当たりましては、臨時教育審議会の答申、中央教育審議会の答申等を踏まえまして、文部省に教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議を昨年四月に設置いたしました。新しい教職員配置のあり方について検討するために設置されたものでありまして、その構成員は、蓮見東京学芸大学長を座長として学識経験者及び教育関係者等十三人から構成されたわけでございます。
 この協力者会議におきましては、教職員定数充実の考え方、学級編制及び教職員の配置等教職員定数のあり方に関する諸問題について調査研究を行うとともに、教育関係の十八団体から意見聴取等を行いました。その中で二団体からは三十五人学級についての意見の表明がございましたが、そのほかの団体からは特に三十五人学級についての要望はございませんでして、そういう点を総合的に判断してこの中間まとめが昨年七月に今後の教職員定数のあり方として文部省に提出されたわけでございまして、また本年一月十四日に最終報告を取りまとめてちょうだいしたところでございます。
 したがいまして、その調査研究協力者会議の報告の中におきましても、今回の改善の趣旨として、個性尊重の重視あるいは個性を生かす教育をその目標としております新しい学習指導要領の趣旨を円滑に実施するためのチームティーチング等新しい指導方法の工夫改善の導入を中心として円滑な教育の展開を図る、多様な教育の展開を図る、こういう観点からこの報告は取りまとめられておりますので、この調査研究協力者会議の報告に基づいて今回の改善計画を策定したものでございます。
 そういう意味からも、三十五人学級について、特に先ほど申し上げましたような地域の人口構成の変化なり児童生徒数の個別の事情、そういうものを勘案しなければ各学校ごとの学級数を推計して正確な数を算定することはできないということから、先ほど申し上げましたように、そのような試算を行わなかったところでございます。
#30
○上山和人君 そうすると、最初から対象にしていなかったということですね。
 最初から対象にされないにしても、二団体とおっしゃいましたけれども、あえてどこかということはお尋ねいたしませんが、現場の教職員を代表する大きな団体も入っているんじゃないですか、その中には。仮に、最初から対象になさらないにしても、そういう三十五人学級というのは前々から学級規模と教育効果の関係でも議論されてきているし、より教育効果を高めるという観点でも三十五人学級というのは早くから言われていることなんです。
 今次はその要望にこたえられないとされるなら、その時点でやっぱり試算をしてこうだと、財政的にもこうなんだと、だからこの六年間の計画の中にはのせられないということを明らかにされて説明されるべきじゃないでしょうか。それがやっぱり血の通う行政のあり方じゃないでしょうか。それを、協力者会議の報告に基づいて改善計画を立てた、協力者会議の報告の中にそれも触れられていないから最初から対象にしなかったとおっしゃるのは、いかにも行政のあり方として問題だと思うんです。
 高校の標準法は少し性格が変わりますけれども、農、工、水寺の学級規模について四十人学級が据え置かれたままです。普、商、家庭等は四十五人から四十人に改善されておりますので、その点は評価できる内容ですが、農、工、水寺が据え置かれているということについても試算はないんですか。農、工、水寺の学級規模を三十五人にした場合に教職員定数がどれだけふえて、財政負担が幾らになる。だから、負担に耐えられないとか今次計画の中にはのせられないとかそういう試算は、これもやっぱりないんですか。
#31
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 工業等の三十五人学級を実施するに当たってどの程度の教職員数が必要となるかというお尋ねでございますが、高校標準法に基づきまして各学校ごとに生徒数を算定基礎として学級数に応じて教職員定数を算定する必要がございまして、そのためには今後の各都道府県ごとの募集定員や進学状況等を的確に把握して推計しなければならないわけでございまして、そういう意味でそのような試算を全国規模で行うことは困難でありまして、試算をしていないところでございます。
#32
○上山和人君 例えば、三十五人学級に改善しようとなさるときは計算をされるでしょう。能力は同じじゃないですか。それが三十五人学級に改善する試算ができない、文部省にはその能力がないとおっしゃるんですか、先ほどの問題と同じように。それはおかしいですよ。
 困難だということは、それは全国状況を集約して計算なさる場合はいろんな難しい問題がありましょうけれども、どういう難しい問題があっても計画を立てられると必ず試算といいますか計算をされるはずなんです。同じように、要望に沿えないというときこそ説得力のある資料をお示しになって理由を説明なさるのが行政のあり方じゃないでしょうか。血の通う行政というのはそういうものじゃないでしょうか。最初からやっぱり対象にしていないということなんですね、この問題は。
 じゃ、あえてもう一点聞きますが、今までは教職員定数をふやしてきております。差し引き第二次の義務標準法を除いてプラスにして改善してこられておりますが今回だけマイナス三万人とマイナス九千七百人になっているわけです。
 マイナス三万人、マイナス九千七百人にしないで、つまり減らさないで少なくとも教職員定数を現状で維持した場合に、三十五人学級を実現できないにしても三十八人学級なり三十七人学級なりにできるかできないかの試算をなさいましたか。ふやせとは言わない。少なくともマイナスにしないで、教職員定数を現状で維持するならば、三十五人学級に一挙に学級規模を縮小することはできないけれども、でも三十八人にはできるよ、三十七人にはできるよと、そういう試算はありませんでしたか。
#33
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、私どもは今回の改善計画を策定するに当たりましては臨教審答申あるいは中教審答申を踏まえて、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の中間まとめ、こういうことを総合的に勘案しながら計画を策定したわけでございまして、そういう意味から現状の教職員定数を固定して、その場合に何学級が実現できるかというような試算につきましては、先ほどの三十五人学級と同様、非常に各地域の人口構成なり児童生徒数の各学校ごとの推移、また全国的なそういう状況等個別の算定基礎をすべて要素として洗い直さないといけないということもありまして、そのような試算はいたさなかったところでございます。
#34
○上山和人君 そうすると、義務標準法で三十五人学級の要望にも沿えない、高校標準法でも農、工、水寺の学級規模は据え置かざるを得ないという結論を出されるに当たって、その要望に沿えるか沿えないかの試算は全くされていない。まして、減るときに改善してもプラスマイナス義務標準法関係で三万人も減る、高校標準法で九千七百人もマイナスになるときに、せめて財政が厳しいとおっしゃるんだから、減らさないでこの計画を立てるとしたら、三十五人学級にはできないけれどもこのぐらいにはできるよという試算があって、そういうことに踏み切る踏み切らないは別にしまして、資料をお示しになって御説明なさるのがやっぱり行政の責任じゃないでしょうか。それは一切しなかったとおっしゃるわけですね。
 そのことについては私は非常に問題だと思いますので、これから文部行政のあり方について改めていろいろと議論をしなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。六年間にわたる大事な時期に、質的転換をする内容についても大きな期待を持たせているような計画に当たって、そういう配慮のない計画の作業をなさったとすれば、大変大きな問題だと思います。
 これはこれから、やっぱり行政のあり方について私は疑問を感じていますので、いずれ議論をしたいと思うんですが、そういう作業の過程について局長が説明なさって問題点明らかになりましたけれども、大臣としてどのようにお考えですか。そういうやり方でいいのかどうか。
#35
○国務大臣(森山眞弓君) 定数の配置というのは非常に教育を実施していくときの基本的な条件でございまして、これは文部省も常に多大の関心と強い関心を持ちまして改善に努力をしてまいったところでございまして、その点は先生も先ほど来おっしゃってくださいましたとおりでございます。
 今回の改善に当たりましても、十分多方面、各方面の御意見を聴取いたしまして、そして慎重な計画のもとに可能な最善の方法を探ってまいったというふうに考えておりまして、この方法によって改善計画を実施してまいり、着実に達成していくということに努力をしたいというふうに考えております。
#36
○上山和人君 時間がたっていらいらしているんですけれども、少しやっぱり大臣かみ合わないんですよね。
 率直に申し上げて、先ほど局長答弁で明らかになりましたように、いずれも試算がされていない。試算されるべきことだと思いますよ。そういうものがされていないこの計画の立て方に問題があると申し上げているんで、今後はやっぱりそういうことはないようにしてほしい。ここで確認できないにしても、これからはやっぱり行政のあり方として考えなくちゃならないことじゃないかと思います。これは大臣はっきりおっしゃらないので、時間がもうこれ以上過ぎるのは後の質問にも影響しますのでやめますけれども、大きな問題だということをあえて申し上げておきたいと思うんです。
 それで、今度の改善期を文部省としてどういうふうに位置づけ、とらえられたかというのが今の局長答弁で明らかになった。そういう六年間という第六次、第五次の改善期間をどういうふうに位置づけて、どういうふうにその意味をとらえるかということについて本当に本格的な議論がなかったと思わざるを得ないんです。
 後で生徒数の推移はまたお示しいただきますけれども、この六年間は漸次ずっと児童生徒の数は減っていくわけです。だからこそ、改善計画でマイナス三万九千七百人という結果にもなる。こういう時期こそ改善のチャンスじゃないか。これは常識的なことですよ。児童生徒数が減るときこそ積極的な改善の好機だというのは関係者のだれもがよく理解していることです。そういう明確な位置づけがなくて、協力者会議の報告に基づいてただ計画を立てられたということですから、大きな問題をこの改善計画は残したというふうに思っております。
 したがって、一、二の例で見ましたけれども、非常に改善計画が薄いんですね。薄いです。六年間でチームティーチングによる加配の割合を調べてみても、小学校で三校に一人しか配置されない、中学校は二校に一人しか配置されない、幾つかの例で示したとおりです。選択履修の拡大への加配は六・五校に一人しか六年間で配置されないんですから、それは配置される学校、配置されない学校出てくるわけですよ、六年間に。そういう学校間の差の問題も出てまいります。
 したがって、多くの問題がこの計画によって生じる。少しでも是正していくために第六次計画の期間を短縮してほしい。できるなら半分ぐらいに短縮して、平成五年度計画は改めようにも改めようがもうこの時期にはないと思いますが、これは進めながらも、この一年間に集中的に議論をしながら第六次計画、第五次計画を半分ぐらいに短縮して、もっと現場が改善説画を具体的に実感として感じることのできるような内容に直すことができないか。その方向に向かって文部省、何かお考えになることないですか。ぜひそういう方向で検討してほしいと思う。どうでしょうか、局長。
#37
○政府委員(井上孝美君) 今回の改善計画を六年と設定するに当たりましては、先ほど申し上げましたような社会状況等を勘案しながら、今後の学校教育のあり方、そういうものをいかに円滑に教育を展開していくかという観点からの要素を踏まえ、また児童生徒数の増減状況等も踏まえているわけでございます。
 それとともに、高等学校については今回の改善計画におきまして四十人学級を実施するわけでございまして、そういう点から各県におきます高等学校の生徒数の増減状況というのは地域によってかなり異なるというところもございまして、どうしても六年間の期間は要するわけでございます。
 そういう意味から、本日御審議いただいております標準法では、平成五年度から十年度までの六年計画として、平成十年度におきましてその完成した姿をこの法律どおり実現したい、こういうことで御審議をお願いしているところでございますので、そういう点から何とぞ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
#38
○上山和人君 そこまでおっしゃると、やっぱり最後にもう一つ総論的なものを締めくくってから、次に進みます。
 じゃ、過去の改善計画の中でいろいろと申し合わされたことがありますよ。昭和四十九年の附帯決議、これを局長お読みください。その一項だけでいいです。
#39
○政府委員(井上孝美君) 昭和四十九年の標準法改正時の参議院文教委員会の附帯決議でございますが、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」といたしまして、一項では、「一学級定数四十五人の学級編制の標準を、例えば、四十人以下に引き下げるとともに、複式学級を解消すること。」。
 この一項でよろしゅうございますか。
#40
○上山和人君 よろしいです。
 実は、その六年後に昭和五十五年附帯決議がございます。やっぱり改善計画を決めるに当たりまして、この昭和五十五年の附帯決議で「昭和四十九年標準法改正案に対する本委員会の附帯決議の趣旨を尊重し、その実施に最善の努力を行うべきである。」、これは昭和四十九年附帯決議を踏まえてその趣旨を尊重して、その実現に努力すべきであるというのが昭和五十五年決議です。
 だから、昭和四十九年決議だけ今局長にお読みいただいたんですが、この昭和五十五年決議が尊重すべき決議として指摘しているのが昭和四十九年決議、これは十三項目にわたって附帯決議が行われていますけれども、その第一項です。「一学級定数四十五人の学級編制の標準を、例えば、四十人以下に引き下げるとともにことあるんです。だから、四十人以下に学級規模を縮小する努力をしなさいというのが昭和四十九年決議ですよ。そういう決議に基づいて四十人学級も実現したんだと思うんです。
 そして、第六次計画を今審議しているわけですけれども、やっぱりこういう附帯決議を尊重しながらこの改善計画は進められてきたし、今後ともそういう努力をされなければならないと思うんですが、こういう附帯決議については、協力者会議とおっしゃるので、協力者会議では十分議論をされた上でこの期の改善計画にはのせないということになったんですか。この附帯決議は議論されたんですか。
#41
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議では、先ほど先生からもお尋ねがございましたが、過去における昭和三十三年に義務標準法が制定されて以来の教職員定数の改善の状況等については詳細な説明をしておりますし、また国会におきます附帯決議についても当然調査研究協力者会議において御説明し、そういう点についての意見交換、そういうことは当然行われているところでございます。
#42
○上山和人君 時間がなくなりますので強く御要望申し上げたいのは、何度も申し上げますけれども、私は、現場が今度の改善計画に基づく改善については実感を持ち得ないと思うんです。
 先ほど申し上げたように、非常に薄い。具体的に配置される学校の数が少ない。だから、文部大臣は、この六年計画について短縮できないかという観点で平成五年度計画を進めながら集中的にぜひ検討してほしい。これは、この後の委員会の審議の中でも私たちは引き続き求めてまいりたいと思いますから、問題提起を強くいたしておきます。今後のこととして積極的に期間を短縮できないか、そして計画そのものを六年度から見直すことはできないかという観点でぜひ集中的な御検討をいただきたいとお願い申し上げておきます。
 それでは、今度の改善計画について協力者会議の報告というのを局長が何遍もおっしゃいました。実は、私はこの委員会の席に協力者会議の座長または座長代理の先生に御出席いただいて、その上で協力者会議の報告内容についてお尋ねしたいと思ったんですけれども、いろいろな関係ございましてそれは今回は断念いたしました。それはそれでよろしいんですが、協力者会議の構成員、それから協力者会議の性格、これを局長、時間がありませんから端的にお答えいただけませんか。
#43
○政府委員(井上孝美君) 教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議は、新しい教職員配置のあり方について検討するため設置されたものでございまして、その構成員は蓮見音彦東京学芸大学学長を座長といたしまして、学識経験者及び校長など教育関係者が十三人でございます。
 そして、この調査研究協力者会議におきましては、先ほども申し上げましたように一教職員定数充実の考え方、学級編制及び教職員の配置等、教職員定数のあり方に関する諸問題について調査研究を行いまして、教育関係の十八団体からの意見聴取等を行い、昨年七月に今後の教職員定数のあり方についての中間報告をちょうだいして、また本年一月十四日に最終報告をまとめていただいたところでございます。
#44
○上山和人君 今、局長が具体的な委員の御氏名は発表されませんでしたけれども、おっしゃったように、大学関係四名、教育委員会関係二名、国立教育研究所二名、国立教育研究所だけで二名なんですね、十三名のうちの。そして学校長四名、その他日経新聞の編集委員の方が一名、合わせて十二名です。この中に、教職員の現場代表がないんですよね。
 この構成はどういう観点からされたのか。いろいろ議論をされたと思いますけれども、私はやっぱり偏っているなと思いますのは、大学関係の四は学者の御意見を聞くのは大変重要ですから何も異議はありません。教育委員会の関係二もこれぐらいは相当だろうと思います。国立教育研究所が二名も参加されている。学校長が四名、これは学校種が中学校、高校、特殊学校いろいろありますからそれも妥当だと思います。その他一名、その他というのが少な過ぎると思いますが、そのほかにやっぱり現場の教職員の代表というのをお加えになれば、先ほどから指摘しておりますような問題は起こらなかったんじゃないかという気がいたしまして、現場の経験を尊重しながら結論を導くという姿勢は大変大事じゃないでしょうか。
 教職員の現場の皆さんの御意見は校長を通じてだけ集約なさったんですか、あるいは教育委員会を通じてだけ集約なさったんですか、どのようにして一般の教職員の声を聴取されたんでしょうか、それをちょっと明らかにしていただきたい。
#45
○政府委員(井上孝美君) この調査研究協力者会議の委員構成の中におきましても、小学校、中学校、高等学校、それから養護学校の校長先生がおのおの一名入っておりまして、一応各学校種の御意見というのはそれらの校長先生を通じて意見の表明がありますし、また教育関係団体の御意見として、もちろん教職員団体を含む十八団体から御意見をちょうだいして、そこにおきまして教育界における教職員の今後の定数のあり方等についての意見を率直に私どもは承ったものと考えているわけでございます。
 そういう点から、先ほどからお話がございましたような、今後の教職員定数のあり方についていろいろな御意見をちょうだいしたわけでございますが、結果として先ほど来申し上げておりますような今後の教職員定数のあり方についての中間まとめという形でその意見を集約していただき、その御意見を踏まえて私どもとして、文部省として今回の教職員配置改善計画について策定をさせていただいたということでございます。
#46
○上山和人君 局長、答弁は少し短くお願いできないでしょうか、みんなわかりますので。私の質問より何倍も局長の答弁の時間が多いわけですから。これはまたそれでいいわけですけれども。
 それでは御要望申し上げておきますけれども、特に教育の問題は難しゅうございます。だから、当事者だけでなくて、もっと客観的に物事を見ることのできるような人たちをこういう場合には構成員の中に加えてほしいことと、現場の教職員を代表する立場にある人たちもぜひメンバーの中に加えていただく御配慮をこれからはしていただきたいということを強くお願い申し上げておきます。
 そこで、この協力者会議の報告の中に、文部省が行った平成三年度の調査研究結果が報告されております。その調査結果の報告の中に、文部省が平成三年度に六十五校を指定して調査研究をなさった結果が報告されていますが、この六十五校というのはもう学校名など要りませんが、いろんな角度から検討された結果だと思います。鹿児島でも三校ほど指定されております。
 ただ、六十五校、本当に偏った指定はなかったと思いますが、協力者会議の報告の中で調査研究結果として数点にわたって評価される内容が報告されております。こういう点が成果であった、こういう点が評価されるという御報告がありますけれども、いずれもよかった、成果が上がったと評価される点だけ記述されておりまして、少しも問題点は記述されていないんです。こんな難しい問題で、よかったよかったという結果だけ六十五校の調査結果が出てきたのか、こういう点に留意しなくちゃならないという問題は少しも提起をされていないのか。この協力者会議の構成のことを申し上げましたけれども、非常に疑問があるんですよ。
 文部省がおやりになった調査のこういう結果に基づいて今度の改善計画は立てられているわけですから、責任大きいと思うんですよ。全く、文部省の平成三年度の六十五校を対象にした調査研究の結果、現場からは留意すべき点など問題点は少しも指摘されなかったんですか、どうでしょうか。
#47
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 六十五校の小中高等学校におきます指導形態の多様化等に関する調査研究協力の結果といたしまして、チームティーチングを実施するに当たりまして、一つは協力教授による指導を行う際、事前にチームを組む教員同士で意思の疎通を図る必要があること。二つ目に、協力教授による指導を行うことについて事前に保護者等の関係者の理解を十分しておく必要があること。三つ目は、児童生徒の到達度や理解の進度等によりグループ分けをする場合に、児童生徒の差別感や劣等感が生じないよう配慮する必要があることなどが留意点として報告されております。
 協力者会議の最終報告でも、これらの調査結果をも踏まえて実施上の留意点等についてもお示しいただいたところでありまして、文部省としては、今後チームティーチング等の指導方法の工夫改善を行うに際しましてはこれらの点に十分留意し、円滑かつ適正に実施されるように指導してまいりたいというように考えております。
#48
○上山和人君 私は事前に何も、今の局長が発表されました留意点というものの報告は入手できませんでした。全く初めて今お聞きするんですけれども、大変大事な問題が含まれているんじゃないでしょうか。
 例えば、学習集団を編成する場合に、子供たちが差別感を持たないように留意すべきだという点などは非常に根本的な問題じゃないでしょうか。どうしてそういう大事な問題点が協力者会議の報告の中には出ないんでしょうか。よかったよかったという成果、評価される点ばかり列挙されているわけですよ。それは言ってもしょうがない、座長もおいでになってないんですから。しかし、非常に疑問を感じますね。
 だから、私はやっぱり協力者会議の皆さんの四カ月という時間も非常に短いと思うんです。集中論議をなさったと思いますけれども、大事な教育の改善計画の下敷きになるような報告なんですから、もっと公平を期してほしいなと。そうすれば、みんなもう少しわかったと思うんです。今報告なさった点は大変大事な問題点のように思いました。
 そこで、いつか座長にも御意見をお伺いする機会があればと思っておりますけれども、協力者会議の問題は以上にいたしまして、留意点も指摘をされていることがよくわかりましたので、そういう局長の御答弁をもとにしながら、順次具体的な改善内容について質問いたします。
 時間がどんどん過ぎておりますので、本当は学級編制の問題につきまして、学級規模と教育効果の関係につきまして十分文部省の見解をお聞きしたかったのでありますけれども、次の機会に論議は譲ることとして、きょうはもう省略をいたします。
 ただ私、文部大臣にもよく御理解いただきたいのは、義務標準法の学級規模が据え置かれていることの問題はもう重々指摘をしましたが、高校標準法に関する農、工、水、わかりやすく言えば職業系の方の学級規模が据え置かれております。
 ところが、私たちが普通系を四十人にするとき、五人減らすときに職業系の方をなぜ据え置くんですかと、職業系も同じように五人減らして三十五人にしてほしいと。今まで四十五人と四十人という五人差があったんですから、普通系と職業系については。それなりの理由があるわけです。
 どういう理由がというと、これは私の方から申し上げますけれども、局長に違う見解がありましたらどうぞおっしゃっていただきたいんですが、私たちは残念ながら職業系につきましては、特に農、工、水につきましては希望外人学者が非常に多いんです。農業高校に入りたくて入ってくる生徒というのは少ないんです。工業はいささか違いますけれども、水産高校も大体似たようなことでして、希望外人学が多いために問題を数多く職業系の方が抱えております。そういう状況、それから学科指導の面などもいろいろ考慮しながら五人差がずっとあったんだと思うんです。
 そういうことを考えていただくと、特に職業系の問題をあらわす一つの数字は、これは全体を律することはこれではできませんけれども、高校中退の実態をごらんになっていただきますと、高校中退の実態では公私いずれも職業系の方の中途退学者が普通系の二倍なんです。これは公立も私立も同じように二倍なんですね。いろんな実態調査をしてみましても、普通系より職業系の方が中途退学者は二倍なんです。
 そういうことを考えてみましても、工、農、水寺にどんなに問題が多いかということはおわかりだと思うんです。こういう子供たちの、生徒たちの指導のためにも、四十人にするときはやっぱり三十五人にしてほしいと思うんです。これは先ほど申し上げた、期間を短縮して内容を見直せないかという問題の中の一つとしてこれからも引き続きお願いをしていきますけれども、ぜひもう少し、普、商、家庭等と工、農、水寺の子供たちの置かれている状況の違い、学習指導上の問題点などを精査されて、これから職業系の工、農、水寺の学級規模を改善することについて目を向けていただきたい。お願いを申し上げておきます。
 そして、学級規模と教育効果論につきましては、この協力者会議のメンバーの中に上智大学の加藤先生がいらっしゃいます。この方は学級規模と教育効果の関係につきましての研究では専門家でいらっしゃいます。この先生の論文が去年の十一月からことしの三月まで「教職研修」という月刊誌に五回にわたって掲載されておりますから、内容はよくお読みになっていらっしゃると思うんです。私も読ませていただきましたが、この加藤先生の御意見が多分にこの協力者会議の報告の中には取り入れられている、これは記述の内容からも一致しますので。また、それであっていいんじゃないでしょうか、メンバーになっていらっしゃるわけですから。
 非常に難しいことはよくわかります。しかし、先ほどから昭和四十九年決議のことも申し上げております。学級規模をどういうふうにして改めていくかという問題はこれからも、今度は据え置かれたにしましても、義務標準法で大事なことになるんじゃないでしょうか。したがって、ただ生徒が減っていくから、児童生徒の数が減るからそれに合わせて少しは学級規模も縮小していくんだよという趣旨の記述がありますけれども、ただ子供たちが減っていく、減るから学級規模も縮小するという発想ではなくて、しっかりした教育論なり教育理念があって学級規模の問題は取り扱われてしかるべきだと思います。
 局長、これからは何を目標に学級規模については検討されていくおつもりなのか。これからの学級規模を考えていく場合の目安にされるものだけを簡単におっしゃっていただけませんか。
#49
○政府委員(井上孝美君) 今回の改善計画におきましては、一学級当たりの児童生徒数の全国平均の現状や、あるいはより多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことが望ましいことなどの観点から、小中学校の普通学級の学級編制の標準を変更することはしなかったことは先ほど来申し上げているとおりでございます。
 そこで、小中学校の学級の適正規模につきましてはいろいろな御意見がありまして、必ずしも一致した見解が確立していない状況にあるわけですが、いずれにしても、今後の児童生徒数の減少に伴い、全体としての学級規模もある程度縮小していくことが予想されることもございまして、このような状況も見ながら今後とも研究してまいりたいと考えております。
#50
○上山和人君 それでは、私の方から申し上げますが、昭和六十一年四月二十三日の臨教審の第二次答申がございます。
 この中で、「現行改善計画の完成後は、小・中学校の教員配置について、欧米主要国における教員と児童・生徒数の比率等を参考としつつこという文言がございます。児童生徒数と教員との比率という表現にこの答申はなっていますけれども、欧米主要国の実態を参考にしながら進めなさいという答申と私たちは理解しております。そういうふうに受けとめてよろしゅうございますね。
#51
○政府委員(井上孝美君) 臨教審答申におきましては、今先生が御指摘のように、欧米先進諸国の学級編制の状況、そういうものを参考にして、「教職員定数については、当面、小・中学校における四十人学級の実施を含む現行の教職員定数改善計画を」「実施する。」。また、「完成後は、小・中学校の教員配置について、欧米主要国における教員と児童・生徒数の比率等を参考としつつ、児童・生徒数の推移等を勘案しながら、さらに改善し、学級編制基準については弾力化する。」というような御答申をいただいておりまして、こういう点を踏まえて今回の調査研究協力者会議でも御議論をいただいたところでございます。
#52
○上山和人君 そこで、これからの学級規模の問題については、局長、やっぱり欧米主要国の実態などを参考にしながら、引き続き教育効果との関係も重視しつつ改善に努力をするんだという見解としては変わらないものとして理解してよろしゅうございますね。今後の学級規模の是正の問題、改善の問題についての文部省の目標といいますか方針といいますか、そういうものはぜひはっきりさせておきたいと思いますから。
#53
○政府委員(井上孝美君) 今後の教職員定数のあり方をどうするかという問題につきましては、ただいま御審議いただいております標準法の改正をお認めいただいた場合に、平成五年度から十年度までの教職員配置改善計画を着実に実施させていただくわけでございますが、その実施された段階におきまして、先ほどから申し上げております社会状況等あるいは児童生徒数の推移、そういうものを総合的に勘案しながら、その段階において検討すべき課題であろうというように考えております。
#54
○上山和人君 臨教審の答申は、表現は少し違いますけれども、欧米主要国の実態を参考にしながらと言っているわけですから、その答申を受けて協力者会議の報告もこういう臨教審、中教審の答申に沿っていることはもう内容を見ればわかるわけですよ。だから、都合の悪いときには参考にしない、都合のいいときには積極的に利用するという、そんな構えじゃなくて、率直に受けとめるべき点を受けとめながらやってほしい。
 したがって、これからはやっぱり、これまでの日本の教育の成果について外国からも評価されている長所もあります。しかし、日本のこのやり方でマイナス面もある。欧米主要国の先例を参考に、教訓にすべき点も多いと思うんです。だから、そういう評価すべき点については欧米主要国の実態を参考にしながら、学級規模の問題は教育効果との関係も重視しつつ、ぜひ今後とも改善の努力をしていただきたい。
 これ以上のもう局長答弁は期待できませんから、強くその点はお願い申し上げ、これからも私たちはこの問題については積極的に意見を申し上げるつもりでございます。
 特に、欧米の実情がどうなっているかが文部省資料に、「教育指標の国際比較」の中にも明らかにされております。日本の学級規模の現状が欧米主要国の学級規模に遠くまた及ばない実態であるということは文部省の資料でも明らかになっているわけですから、臨教審のそういう答申に基づいて、そういう方向にやっぱり努力する基本的な姿勢で改善計画に取り組んでいただきたい、これは強くお願い申し上げておきたいんです。
 それから、少し具体的な問題に入ってお尋ねをいたしたい。もうたくさん問題点ありますけれども、ぜひ確認しておきたい点がございます。
 一つは、定数加配の問題で先ほど私はびっくりしたんです。協力者会議の報告の中の六十五校の研究調査結果、留意すべき点が報告されていないので、それを局長に明らかにしてもらってびっくりしたんですが、定数加配の対象となる指導方法の範囲が一月十四日の協力者会議の最終報告の中にまとめられておりますね。アイウエオですね。
 この具体例というのは、定数加配の対象になる指導方法の範囲の問題です。アイウエオと五点にわたって列挙されていますが、これは固定したものですか。今後はずっと各学校はこの格好に基づいて考えることになるんですか、指導方法としては。これは固定的なものですか。弾力性があって、各学校の工夫にゆだねる部分がまだ多いと考えていいんですか、どっちですか。
#55
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 最終報告の「付記」の「指導方法の改善に伴う教職員配置の基本的考え方」におきまして、「定数加配の対象となる指導方法の範囲等」について掲げられております具体的事例は、新しい指導方法の導入に伴う教員を加配する際の基本的考え方の例示として示されているものでありまして、これらの例示のいずれかに該当する場合に加配の対象としたいと考えているものでございます。
 したがって、各学校においてもこれを参考として実施計画を立てたり、市町村教育委員会や都道府県教育委員会において教員を配置する際にもこの例示に示された考え方に沿って配置していただきたいというように考えているものでございます。
#56
○上山和人君 そうすると、固定的なものではなくて弾力性がある、それぞれの学校でこの例示に沿いながら工夫する範囲がある、そういうふうに理解してよろしいですね。学校の創造性にもゆだねる部分が大いにあるんだと。これは非常に大事なところです、はっきりアイウエオと列記されているだけに。もう一度その点を念のために。
#57
○政府委員(井上孝美君) 今回のチームティーチング等、新しい指導方法の導入に当たりましては、各学校における指導方法の改善工夫というものについて私どもは期待しているわけでございまして、したがって、この最終報告の「付記」におきます考え方は一応基本的な例示というように考えているわけでございますので、各学校においてこれに沿った形で指導方法を御検討いただき、指導計画というものをまとめていただくことを期待しているところでございます。
#58
○上山和人君 その点はよくわかりました。固定的でなくて弾力的に考える、各学校で創意工夫してこの例示に沿う形で研究してほしい、そういう御見解だということがわかりました。これは大事な現場の問題です。
 そこで、先ほどの局長の御報告にもありましたが、習熟の程度に応じて学習集団を編成する場合にこの加配の対象になるというのがございますけれども、習熟の程度に応じてクラスを、ホームルームを解いて学習集団を編成する。二学級を三集団に分けて一人教員を配置するということだと思いますけれども、この「習熟の程度に応じて」という言葉は非常に何かきれいに聞こえるんですが、習熟の程度に応じてグループ編成をするということになりますと、小学校の問題としてはどうなんでしょうか。そういうことが具体的に期待されているんですか、小学校の段階で。習熟の程度に応じて学習集団を編成することを小学校の段階で具体的に期待なさっていますか。
#59
○政府委員(井上孝美君) 基礎的、基本的な内容を重視しまして、個性を生かす教育の充実を図るという今回の教育課程の基準の改善のねらいの達成は、教員の児童生徒一人一人に対する学習指導の充実に負うところが大きいわけでございます。そういう意味で、今回の小中高等学校を通じまして学習指導要領の総則におきまして、特に個に応じた指導方法の工夫改善について示されているところでございます。
 そこで、習熟の程度に応じた指導につきましては、各学校において児童生徒の実態等に応じて多様な指導方法の工夫改善を進めていくべきものでありますが、そういう意味で学習集団の編成、習熟度別の学級編制を行うような場合には基本的な学級編制を変更することなく、学校の実情等に応じて必要な教科について適宜弾力的、流動的に行うということでございますが、義務教育段階ということを考慮いたしまして、そういう実施時期、指導方法あるいは評価のあり方等については十分研究の上、慎重な配慮のもとに実施する必要があるというように考えているところでございます。
#60
○上山和人君 慎重な配慮をすべきであるというのはよくわかりますのでも、具体的に現場はそこが大事なんです。具体的に小学校の段階で慎重に配慮した結果、小学校の段階でもやっぱり習熟の程度に応じた学習集団の編成を期待されるんですか。そこをはっきりしてほしいと思うんですよ。
#61
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 最終報告の「付記」のところで、「同一学級内で習熟の程度等に応じた学習を行うため、複数の教員が協力して指導を行うもの」というようなアの例示がございます。これらにつきましては小学校の学習指導要領では、「各教科等の指導に当たっては、学習内容を確実に身に付けることができよう、児童の実態等に応じ、個に応じた指導など指導方法の工夫改善に努めること。」ということでございまして、その子供たち一人一人の理解の程度、そういうものの実態を踏まえて個に応じた行き届いた教育が行われるような工夫改善を行うということをここでは要請しているわけでございます。
 中学校、高等学校については、先生御存じのとおり、そういうものについて学習指導要領にも明記されているところでございます。
#62
○上山和人君 子供たちは敏感なんですよ。その集団A、B、Cと名前をつけようが、一、二、三とつけようが、分けられているということについては非常に敏感なんです。集団の内容を見れば、できる子とできない子がすぐわかるんです。これを間違えますと、新しいいじめの発信地になりますよ、ここは。
 こういう時代の置かれている状況の中で、個々に行き届いた教育を進めることは非常に大事です。ですが、それが習熟の程度に応じてグループをつくってということについては小学校の段階では特に戒めなくちゃいけない。特に、いじめの問題、登校拒否の問題を考えますと、新たな発信源になるようなそういう方法は、理屈の上では成り立っても現実の問題としては現場で期待してはならない方法だと思いますから、ほかの方法を考えて十分行き届いた教育ができるように、決して、いわゆる能力別編成とも言えるような学習集団の編成だけは特に小学校段階、中学校段階では戒めるべきだと思います。これは強くその点を申し上げておきます。私が事前にいろいろお聞きした範囲では、文部省も余り小学校段階の習熟度編成には期待していないんだというお話も聞いておりまして少し安心しているんですが、ぜひ局長、その点は御留意いただきたい。
 同時に、中学校の早い段階で個性の多様化に対。応ずる選択教科の幅を拡大するという問題が盛り込まれておりますけれども、これは大臣、どうお考えですか。子供たちの適性なり持っているものがあらわれる時期というのはそれぞれの教科なり分野によって違うんじゃないでしょうか。音楽とか絵をかくとか、そういう芸術、美術といった才能は子供たちの早い段階にあらわれるように思うし、詩を書く歌を詠むといったような文系の芽は早く出やすいように思うが、理数系は少しおくれるんじゃないでしょうか。
 だから、子供たちの個性があらわれる時期というのはそれぞれ違うと思うんですね。早い段階で、この子が今何を希望しているからといって、それに対応する学科をたくさん用意するというやり方が義務教育のあり方としていいのかどうか。中学校の段階において選択の履修幅を広げることは長短ありますので、マイナスになる面を十分考慮していただいて、余りたくさんメニューをつくらない方がいいと私たちは思っています。
 その点は、具体的には何教科ぐらい選択履修の教科の幅がありますか。もうこれは簡単に数字だけでいいです。
#63
○政府委員(井上孝美君) 今回の学習指導要領の改訂におきまして、中学校段階において生徒の多様化に応じて選択履修の幅を拡大するということから、学習指導要領におきましては、第二学年におきましては新たに音楽、美術、保健体育、技術・家庭、こういうものを選択履修の拡大の対象とし、また第三学年においては国語、社会、数学、理科を新たに選択履修の対象として、全教科を対象とするというようにしているところでございます。
 なお、これらにつきましては、第一学年及び第二学年は生徒に履修される選択教科の履修数は一以上、第三学年は二以上となっているわけでございまして、従前は各学年とも一以上でございましたので、そういう点では第三学年で従来よりは選択履修の幅を拡大した、こういうことになっております。
#64
○上山和人君 わかりました。具体的には余りたくさんの教科は想定されておりませんね。局長、そうですね。
#65
○政府委員(井上孝美君) ただいま申し上げましたように、履修数は第三学年も二以上でございますが、開設する教科数は、先ほども申し上げましたように、第三学年は全教科ということになっております。
#66
○上山和人君 残り十分間に、どうしてもお願いしたいこと、今度は私の方からお願いすることだけしかできませんが、一つは局長、高等学校の今次改善計画の中に実習助手の改善が盛り込まれていないんです。第一次から第四次までの改善の中には実習助手の改善も盛り込まれて、それなりの改善が行われてきたわけです。
 なぜ実習助手の改善がこの期に取り上げられていないのか、大変実習助手の皆さんは差別感を抱いておりますよ。なぜ我々だけ改善されないんだろうか、改善の対象にならないのか、ほかの職員がみんな改善の対象になっているのに。これは私は手落ちじゃないかと思っておるんです、はっきり言って。何か理由があるんですか。それはもう聞く時間がありませんが、実習助手の改善が落ちているんです、今度の改善計画の中で。
 ぜひほかの職員と差別をしないで実習助手の改善も同じように取り上げてほしい。これは平成五年度には盛り込めないにしても、平成六年度から実習助手の改善も具体的に進める計画になるよう検討してほしい。大変大事な問題ですから、これも試算をされたかどうか聞きたかったんですが、恐らく試算はされていないと思います。ぜひ実習助手の問題を真剣に考えてほしい、理科助手を含めて。これが第一点のお願いです。
 次に、高校の家庭科の男女共修問題が新しい問題になります。そこで、免許外の教師の配置が、関連してほかの教科についても同じですが、問題になるんですけれども、愛知県の教育委員会が家庭科を教えたい先生を募集しているんです。これは新聞に出ておりますから把握なさっていらっしゃると思うんですけれども、そういうふうに家庭科の男女共修にこたえる教職員の配置は非常に難しくなっておりますので、家庭科が軽視されているという印象を教職員も子供たちも持たないように、ぜひ慎重な行き届いた配慮をしてほしいと思います。
 それに関連して、免許外教科の担当教師の問題では、この三月の初めに、「免許外先生やめて」という、千葉県の浦安で署名運動が展開されたことも新聞に発表されておりますから、御存じじゃないでしょうか。やっぱり免許外の教科を教える先生は非常に準備に時間がかかるし、生徒も大変不満に思っていて、免許外の先生はわかるんですね、子供たちは。だから、そういう授業のときは聞いていないとこの署名運動の中で指摘されております。
 ここにありますので、お持ちだと思いますが、ぜひこの内容もお読みいただいて、免許外担当教師をどういうふうに解消するかということについては非常に重要な問題ですので積極的に御検討いただきたい、これが第二のお願いでございます。
 それから次に、その他の問題というのは少しおかしいんですけれども、私立学校の問題がございます。
 これは、高校の普通系の学級規模が四十人に改善されることに伴って私立学校の学級編制を中心とした教育条件をどう整えるかというのもあわせて検討されるべきことだと思いますから、どうぞそういう私立関係の条件整備につきましてもあわせて一体的に御検討いただいて具体的な施策を構じてほしい、これを第三番目にお願い申し上げておきたい。
 最後になりましたけれども、離島、僻地の問題が配慮されていないというのが大変今次改善計画の中では残念に思う点でございます。
 先ほど附帯決議のことを申し上げましたけれども、昭和四十九年附帯決議の第四項は、「へき地、同和地域等教育困難地域の学級編制及び、教諭、養護教諭、事務職員の配置については、特段の配慮をすること。」とある。だから、離島という表現はありませんけれども、僻地の教育困難地域については、教諭、養護教諭、事務職員等の配置について特段の配慮をしなさいというのは昭和四十九年附帯決議でもう申し合わされていることなんです。
 今回、定数加配方式が改善内容として新しく登場しているわけですけれども、そういう加配方式を採用するときに教育困難地域も加配の対象にする改善が欲しかったと思うんです、ここにはっきり四十九年決議にもあるんですから。離島、僻地に対しては離島振興法もございます。離島振興法の中に、僻地、離島の条件を振興していくために教育面でもどうやって配慮すべきかということもうたわれておりますから、そういう離島振興法等もごらんになっていただいて、教育困難地域こそ今度の改善計画の加配の対象にすべきだと思います。
 離島、僻地への加配について鹿児島で言いますと、鹿児島の本土内は鹿児島市で会議をしても一日でみんな日帰りするんですが、種子島、屋久島地域は一日の会議に出るのに三日かかるわけですよ。奄美大島だって同じなんですね。それ以上かかるんです。小学校では学級担任が一日用務で出るのに三日かかって、いなくなるわけですよ。小規模校がどういう状況になりますか。そういうところにこそ定数を加配して、僻地、離島の教育条件を整えていくというのがこういう時期に一番大事にされなくちゃいけないことじゃないかと思うのに、離島、僻地問題が何ら盛り込まれていない。
 離島、僻地、そういう教育困難地域こそ定数加配の対象にするんだという方向でぜひ来年度見直して英断していただけないか、文部大臣にもこれはお願いを申し上げたいことなんです。
 たくさん問題を残してしまいましたので、あとは各会派の皆さんにぜひ解明していただきますようにお願いを申し上げ、最初からいろいろと厳しいことも大臣にも申し上げましたけれども、この改善期は子供たちがずっと減っていく時期になります。こういう時期こそ教育条件の改善に最もいい機会だというのは常識でありますので、そういう常識に沿って文部省がもっと積極的な改善策について検討していただきますように、重ねて第六次、第五次計画を少しでも短縮して、現場がこの改善を実感することができるような状況に見直していただきますように特にお願いを申し上げまして、たくさん問題残しましたが、質問を終わらせていただきます。
#67
○委員長(松浦功君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時一分開会
#68
○委員長(松浦功君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○小野清子君 第五次公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画について、また第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画について御質問を申し上げたいと思います。
 質問の冒頭に当たりまして、森山文部大臣に所見をお伺いしたいと思いますけれども、ことしの年明け、ラグビー、サッカー、そして大臣が御出席をされました春の選抜高校野球、そして昨年は中学生を代表するようなバルセロナのオリンピック大会で水泳の岩崎恭子ちゃんがすばらしい金メダルという成果を上げられました。まさに、青春の最も体力と気力と活力にあふれた時代がこの年代ではないかと思います。
 そういう大変すばらしいニュースとまた裏腹に、いじめの問題や暴力の問題等々が後を絶ちません。やはり、教育というのは学校教育ばかりではなく家庭教育、地域教育、三位一体となりまして、そして子供たちが本当に学ぶことの楽しさというものを身にしみて成長していかなければならない時期に、学校教育の中が何かいま一つさまざまな問題を醸し出しているような気がしてなりません。
 そういった意味では、学校教育の中の学ぶことの楽しさ、その最たる学校教育というもので喜んで登校する、そういう子供たちを一人でも多く、そしてすべての子供たちに与えていきたい、私ならずとも大臣もそのお気持ちだと思いますけれども、その辺の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
#70
○国務大臣(森山眞弓君) 先生の御指摘のとおりでございまして、子供たちの健全な成長、育成ということにはいろいろな面がございます。学校教育もでありますが、家庭教育も地域の教育も、そしてさらにそれら全体を包み込む社会全体のあり方というようなものも大なり小なり影響を与えて、子供たちはそれらの刺激の中でそれをどのように受けとめ、自分の糧として成長していくかという総合的な話だと思うのでございます。
 やはり、学校教育というのはその中でも一つの大きな柱でございまして、その柱がしっかりしておりませんと、ほかの分野での問題もさらに大きくなったり、また深刻になったりということも考えられるわけでございまして、学校教育というものの重要性は、社会がどのように複雑化し多岐に多様にわたるということになっても一層大きくなるわけでありまして、それが小さくなるということは考えられないというふうに思います。
 そこで、今までの日本の学校教育について考えてみますと、百二十年間の学校制度の歴史があるわけでございまして、最初のうちはこれから発展していくという途上国であった日本が、いかに一人前の国に早くなってほかの国と肩を並べることができるようになるかというのが最大の課題でございましたので、そのために一番必要な方法ということを我々の先輩が真剣に考え取り組んでくださいまして、大変大きな成果を上げてきたというふうに思います。
 しかし、ここまで参りました日本にとって、また日本の国民にとってこれから何が必要かということを考えますと、それぞれの個人個人が持っております個性をさらに伸ばしてそれぞれの立場で充実した人生を送り、幸せに生涯を送ることができて、しかも社会のためにそれぞれ貢献できるというようなことを目標にいたしまして今までのやり方にさらにプラスする、あるいは直すべきところがあれば直すということで教育制度も見直していかなければいけない、そのように考えているところでございます。
 今回のお願いしております改善計画につきましても、従来、時代の変遷とともに昭和三十四年以降数次にわたって計画的に改善をしてきたところでございますが、最近特に著しい情報化、国際化などの社会の変化に対応いたしまして、小中学校におきましては複数の教員の協力によるいわゆるチームティーチングなどの指導の方法を取り入れまして工夫改善していくとか、また高等学校においてはすべての学校で四十人学級を実現する、さらに多様な教育課程の編成、指導方法の工夫改善を図るなどのための教職員の配置を行うことによりまして、教育の一層の個性化を推進するということを考えている次第でございます。
 そのようなやり方によって、学校教育の中で個性の尊重、個性をさらに伸ばすということに役に立っていきたいと思いますし、これを取り巻く家庭教育においても、また社会全体の雰囲気の中でもそのような気持ちをそれぞれの場で出していただきまして、子供たちが伸び伸びと成長していくようにということを心から願っております。
#71
○小野清子君 教育の個性化、そして個性尊重ということで子供たちが生き生きと教育現場で学ぶことの楽しさを知っていくための今回のチームティーチング、教職員の配置問題等々だと思います。
 新聞記事をちょっと持ってまいりましたけれども、「担任多クシテ教室…どうしよう」かという、こういう現場での戸惑いの声もありまして、これからそれぞれの教育現場に認知をしていただくのにちょっと時間が足らなかったという、そんな御意見がなきにしもあらずでございます。
 「二人目の先生の活用方法は学校現場に任されていて、まだ決まっていない。」とか、現場の問題が幾つかございます。
 「わからない子に個別に教えたり、グループに分けて理解度に沿った授業を進める。」、また「帰国子女が多い学校では、日本語の指導を専門に担当させる。」あるいは「二つのクラスを習熟度に応じて三クラスに分け、二人目の先生を加えた三人の先生がそれぞれ指導する。社会や理科では課題別にグループ分けをするなど」とさまざまな記事がございまして、これを拝見させていただきますと、それぞれの学校に任されていながら、かつまたどうしたらいいだろうかという戸惑いも決して少なくないようでございます。
 それで、チームティーチングという言葉を伺いましたときに、私もチームという概念がどれほどのチームになるのかということを一つ考えさせていただきましたけれども、こんな新聞を拝見しますと二人であったり三人であったりする場合もある。
 もし、これまでチームティーチングの先導的試行なりの実績があるようでありましたら、それをぜひお聞かせいただきたいと思いますし、また、チームティーチングの導入によって教育的効果というもののメリットがあればデメリットも必ず出てきたのではないかと思います。その辺をぜひお聞かせ願いたいと思います。
#72
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 チームティーチング等の新しい指導方法の導入は、基礎、基本の重視と個性を生かす教育を実現するため、複数の教員が協力して小人数による指導や個別指導を行えるようにすることを目的とするものでございます。
 具体的には、学校におきまして年間の指導計画と事前の入念な授業計画に基づきまして複数の教員が役割分担を明確にし、例えば一つの学級を二人の教員が指導し、一人の教員が主として一斉指導方式により全体を指導している間はもう一人の教員が机の間を巡視したり、場合によっては別途理解のおくれている児童生徒に特別の指導をするような形態の授業や、ある教科の特定の単元につきまして一斉授業の後、学習の到達度や理解の程度、つまずきの違い等によって、例えば一つの学級を幾つかの小グループに編成し、各グループごとの到達度や課題等に応じた指導を行う授業などが考えられておりまして、実際にそのような授業方法による調査研究の結果を得ているところでございます。
 また、特に中学校等におきましては、例えば三つの学級を四つのグループに分割いたしましてグループ別に授業を行うなどの方法も考えられるところでございまして、具体には先生がおっしゃったように、各学校の創意工夫によってさまざまな効果的な方法を実施してもらいたいと、このように考えているところでございます。
 これまでのチームティーチングの実践に取り組んだ学校におきまして、例えば児童生徒が意欲的に授業に取り組むようになること、自分に合った学習課題が提示されるので学習しやすくなること、わからないところや疑問点をすぐ聞くことができ安心して授業に取り組むようになることなどの教育効果が上がっているところであります。
 また、教職員にとりましても児童生徒一人一人のつまずきや理解の不足を早く発見でき適切な対応ができること、児童生徒一人一人に目が行き届き生徒指導面でも効果が上がること、教員が協力して授業を行うことなどを通してお互いが切磋琢磨するため、指導能力の向上や教材研究の深化が図られることなどの効果が上がっているという報告を受けているところでございます。
 ただ、この調査研究の結果として、チームティーチングを実施するに当たっては、一つは協力教授による指導を行う際事前にチームを組む教員同士で意思の疎通を図る必要があること、二つは協力教授による指導を行うことにつきましては事前に保護者等の関係者の理解を十分しておく必要があること、三つ目に、児童生徒の到達度や理解の進度等によりグループ分けをする場合に児童生徒の差別感や劣等感が生じない配慮をする必要があることなどが各学校から留意点として報告されているところでございます。
 また、教員が相互に協力して指導方法を工夫することなどを通しまして学校内の一致協力体制が確立して、円滑な学校運営が行われることなどの成果が上がっているというような報告も受けているところでございます。
 今後、一層の教育効果が上がることを期待しているところでございます。
#73
○小野清子君 効果は大変上がっているというふうに受けとめさせていただきましたけれども、この新聞によりますと、「現状では、習熟度別を取り入れた学校だけに二人目の先生が認められる恐れがある」という、こういう懸念を持っているところもございます。
 また、あともう一つお伺いしたいのは、活力ある授業というのはクラスとして何人くらいが、最低限授業をやるときに何でも少なければいいというわけでもないと思います。活力ある授業というのは大体最低限どれくらいの人数が適当なものか。ちょっと難しいかもしれませんけれども、お答えいただきたい。
#74
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 授業を小中学校等において展開する場合、学級の適正規模がどういうものであるかということについては今までいろいろな調査研究の結果というのもあるわけでございますが、ただそれについてはいろいろな意見がございまして、必ずしも今の段階で適正規模が何人であれば最も適当であるというような報告が一致しているわけではございません。
 そこで、今回の改善計画におきましては、小中学校については前回の第五次の教職員配置改善計画におきまして四十人学級を既に実施しているところでございますし、また全国平均の学級規模の実態が小学校で二十九・一人、中学校で三十三・九人というのが平成三年度の状況でございまして、そういうような点も踏まえ、今回におきましては、先ほど大臣から御答弁がありましたように、個に応じた多様な教育を実現するために、チームティーチング等の新しい指導方法を導入することによって児童生徒一人一人の個性を生かす教育を実現するという観点からこのような教職員配置改善計画を策定させていただいているところでございます。
 したがいまして、そういう点から申しましても、今回の定数改善計画におきまして、先ほど先生からございましたが、習熟の程度に応じたグループ分けだけを行うためのチームティーチングを導入するおそれがあるということでございますが、私どもはそのように必ずしも考えておりませんで、例えば教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の本年一月十四日の最終報告の「付記」、「指導方法の改善に伴う教職員配置の基本的考え方」の中でも、「個に応じた多様な教育を推進するため、複数の教員が協力して、一斉授業に加えて、個別指導、グループ指導等を取り入れたり、学級の枠を超えて学習集団を弾力的に編成するなどの新しい指導方法を積極的に導入する学校」にチームティーチング等のための教職員配置を行うということを基本的な考え方にしているわけでございます。
 そういう意味で、個に応じた多様な教育を行うということを目的に各学校におけるチームティーチングの導入についての事前の入念な授業計画、あるいは授業方法等を踏まえた計画というものを各学校から申請をしていただき、それを各都道府県教育委員会で取りまとめて、私どもとして適切に専門家の意見等も聞きながら配分をしていきたい、このように考えているところでございますので、本来の趣旨は先ほどから申し上げておりますように、個性の生かす教育をいかにこのチームティーチング等導入の新しい指導方法によって生かしていくかということを私どもとしてはねらいとしているところでございます。
#75
○小野清子君 子供たちも受けとめ方がまあまあいいということでございますけれども、それぞれの地域によって違うと思いますが、一クラスの人数が今、少子化の問題が教育現場の中に大変大きく響いておりまして、二十数名の学級というのが決して珍しくない状況になるわけです。
 そうしますと、チームティーチングのための教職員の配置という問題が、例えば四十人ぴったりいるクラスでなければそういう先生の指導は得られないのか、人数的なものが逆に多いから得られるのか。子供の人数によって教育を受ける受けられないという問題が起こってくるのかどうかということもちらっと心配になってまいりましたけれども、その辺のぐあいはいかがなものでしょうか。
#76
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 チームティーチングのための教職員配置をどのようにするかということでございますが、今回の改善計画におきましてチームティーチングの導入、選択履修の拡大に係る改善数は小学校総数の約三分の一の三四・四%に当たりまして、仮に規模の大きい学校から各学校に一人ずつ配置したといたしますと十五学級程度の学校まで配置が可能になるわけでございます。また、中学校につきましては学校総数の約七割の七〇・七%に当たりまして、同様に各学校に一人ずつ配置したと仮定しますと九学級程度の学校まで配置が可能となるわけですが、実際の配置に当たりましては、これを一つの目安に各都道府県、市町村、学校等の実態に即して配慮をしていただきたいと、このように考えているところでございます。
 そこで、一学級当たりの児童生徒数の全国平均が平成三年度で、先ほど申し上げましたが、小学校で二九・一人、中学校で三三・九人となっているわけでございまして、小学校については十二学級以上の学校、中学校につきましては九学級以上の学校で一学級当たりの児童生徒数の平均値がこの全国平均を上回っているわけでございます。
 このような実態にかんがみまして、チームティーチング等の導入のための教職員につきましては、一学級当たりの児童生徒数が全国平均を上回る学校から配置していきたいというように考えているわけでございまして、実際には各都道府県教育委員会でそういう学校の学級規模等も考慮しながら適切な配置をしていただけるものと、このように考えているところでございます。
#77
○小野清子君 先ほどのお話にもございましたけれども、教育効果を上げていくということになりますと、二クラスを一緒にしたり三つのクラスを一緒にしたりして、さらに細分化してということになりますと、教育の施設の環境問題というものが引き続いて出てくるだろうと思います。
 多目的スペース整備、それから子供の数が基本的に少なくなってきますと、空き教室の問題の活用とかいろいろなものが出てまいりまして、やはり教育の効果というのは施設のあり方というのも非常に大きな影響があるとよく言われております。
 こういうオープンスペース等を新設の学校であればつくりやすいんだと思いますけれども、従来の学校の中でこういう教育の現場の施設面での問題は、今回のこの改善計画の問題とどういうふうに関連づけてお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
#78
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 小中学校におきましては、チームティーチング等の多様な指導方法に対応できるよう多目的スペース等を整備することが重要でございまして、文部省といたしましては、昭和五十九年度から、校舎の新増改築に当たりましてはこれを国庫補助の対象としているところでございます。
 この結果、新たに校舎の新増改築を行う学校につきましては相当数が多目的スペースを整備するようになっているわけでございまして、例えば平成四年度における学校の新増改築事業におきまして補助した小中学校数が千二十五校ございますが、そのうち多目的スペースの実施校は四百八十一校で四七%に及んでいるところでございます。また、既存の学校におきましても余裕教室を改造して多目的スペース等の整備が行われておりまして、文部省としてはこれらの事業に対しても大規模改造費の補助対象としているところであります。
 なお、こうした観点から、余裕教室の積極的活用を一層促進するため新たに指針を作成いたしまして、指導の充実を図ることといたしております。
#79
○小野清子君 文教委員会の視察でオープンスペースの視察を一度、秋田高校でしたでしょうかさせていただいたことがございましたけれども、じゅうたんを敷き詰めて非常に学校とは思えないようなすばらしい施設の視察をさせていただきました。
 片や、今月に入ってからでしょうか、東京の学校でじゅうたんがアレルギーの子供たちに非常に問題になった例が出てまいりまして、父兄の反対が出ているというのを私は新聞を通して知りまして、いや実に難しい世の中になったなと、そんな気持ちにさせられたわけですけれども、文部省の方にはそういうデータというものは何か来ているものでしょうか。
#80
○政府委員(井上孝美君) 先ほど先生がおっしゃいましたように、秋田高校の視察には私も随行させていただきましたが、非常に校内がフローリングされて、多目的スペース、オープンスペースも非常に広々として、高等学校教育の上で非常に教育効果が上がっているというお話を校長先生から御一緒にお聞きしたことがあるわけでございます。
 確かにそういう学校内におきますオープンスペース、多目的スペースの整備というのはかなり私どもは進んでいるというように把握しているわけでございますが、先ほど先生からお話がございました、そういうスペースでじゅうたんを敷いた場合に皮膚アレルギーその他の病状が出るというようなことにつきましては、私ども今外部の団体に委嘱いたしまして、それらの調査研究をお願いしているところでございまして、それらの調査結果をまって文部省として適切な対応をさせていただきたいというふうに考えております。
#81
○小野清子君 あと、登校拒否児童、それから生徒数、そうした子供たちの数が残念ながら増加していく傾向にありましたり、また家庭なり学校なりが一生懸命努力する割には、いじめの問題も校内暴力の問題も本当に残念ながら消えていく傾向ではないわけでございます。そうした中で、これも新聞情報その他のさまざまな報道情報から考えますと、結構いじめに遭っている子供たちがサインを送っているわけですけれども、これがなかなか受けとめられていない例も少なくないようでございます。
 こういった現状を考えますと、今回の改善計画というものの中でどのようにこういう登校拒否とかあるいはいじめ、校内暴力等々に関する面の改善が盛り込まれているのか、その辺をお伺いさせていただきたいと思います。
#82
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 文部省では、毎年教育委員会を通して校内暴力、いじめ、登校拒否の実態把握を行っているところでございます。そういう点で、近年の登校拒否児童生徒数は急激に増加しているわけでございまして、また高等学校中途退学者も依然として相当数見られるところでございまして、これらの問題への対策が重要な課題となっております。
 中でも、学級数の多い大規模校や登校拒否児童生徒が多数いる学校など生徒指導上の困難を伴う学校では生徒指導主事等の生徒指導担当教員が個別の問題行動等への対応に追われまして、校内の生徒指導の企画運営や教員間の連絡調整、教育相談活動等まで手が回らない状況にありまして、児童生徒の状況に応じたきめ細かい対応を行うことが困難となってきております。この面での教職員の充実が望まれていたところであります。
 今回、標準法の改正案によりまして、従来十八学級以上の中学校に配置していた生徒指導担当教員を三十学級以上の中学校に複数配置いたしますとともに、新たに三十学級以上の小学校にも生徒指導担当教員を配置することといたしております。また、高等学校におきましては、従来二十一学級以上の全日制高等学校に生徒指導担当教員を一人、三十一学級以上に複数配置していたものを十八学級以上に一人、二十七学級以上に複数配置することといたしまして、新たに十二学級以上の定時制高等学校にも一人配置することといたしております。
 このほか、登校拒否児童生徒や中途退学者が多数いる学校に対しまして、これらの児童生徒に対する生徒指導に専門的に携わることのできる教員を配置することといたしております。
 これによりまして、学校におきます生徒指導体制や教育相談体制の整備充実を図ることができ、また関係機関や保護者とも連携協力が図られるなど、登校拒否問題等に対するきめ細かな対応を行うことができようになると考えております。
#83
○小野清子君 きのうは私の同窓会のようなものがありまして、やはり定時制を受け持っている後輩が、もう授業そのものよりもいかにして学校に出てきてもらうか、このために相当なエネルギーを割いているというお話を聞いたところでございます。こうした改善計画の一環が非常に実りあるものになっていくように御期待を申し上げたいと思います。
 それと、やはり子供たちが学校の先生にも言いにくい、だけれども、だれにその学校の中ですがっていくかという中で、養護教諭の諸先生にお世話になることが非常にふえてきているという実態を私も自分の子供の保護者会に行きましたりした折に、あるいはデータをいただいた折に目にし耳にしたわけですけれども、やはり養護教諭の先生たちというものの今回の改善計画、どのように充実をされることになっているのか、その辺をお伺いさせていただきたいと思います。
#84
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 現在の標準法の規定によりますと、養護教諭は四クラス以上の小学校、中学校、高等学校には全校配置されておりまして、三クラスの小規模校は四校に三名配置されているところでございます。また、無医村及び医療機関のない離島地域の小中学校には別途特別の配置を行うこととしております。今回の改善計画では新たに三十クラス以上の大規模校に複数配置を行うことといたしまして、また三クラスの小規模校まで全校配置を行うこととしております。
 なお、養護教諭は専門的立場から、すべての児童生徒の保健及び環境衛生の実態を的確に把握して、疾病や情緒障害、体力、栄養に関する問題など、心身の健康に問題を持つ児童生徒の個別の指導に当たり、また健康な児童生徒についても健康の増進に関する指導にも当たるのみならず、一般教員の行う日常の教育活動にも積極的に協力する役割を持つものであると考えているわけでございます。
 特に、今回の改善計画によりまして複数の養護教諭が配置される学校におきましては、養護教諭の積極的な取り組みを私どもとしては期待しているところでございます。
#85
○小野清子君 五クラスを持っている、一年次ずつですね。そうすると、五、六、三十ということになるわけですけれども、一クラスの人数は何人として計算するのか非常にこれもまた人数的なものがあろうかと思いますけれども、現実的には養護教諭の諸先生たちというのは非常に忙しいようですね。
 それで、例えば本当に身体的ぐあいが悪いのかどうかわからない子供も大変居心地よく、とにかく頭が痛い、ぐあいが悪いということの中で、言葉が悪いんですけれども、教室から保健室に逃げ込んでくると。もう大丈夫だから戻りなさいと言ってもなかなか戻らない。そうすると、実際の養護教諭としての活動にも非常に制限があるというお話も私は漏れ伺っているわけでございますけれども、子供たちがやはり生理的にも非常に発達が早くなっておりますし、またいろいろな観点から養護教諭の先生たちが持っていらっしゃる能力あるいは知識、そういうものをいわば教育の現場における活動をもう少し大きく広げていただくということが逆に保健室に来る子供たちの数をいい意味で少なくして、そして健康な子供たちが、これは心もあわせた健康な子供たちが多くなっていくのではないかと、そんなふうに考えさせられます。
 そういった意味では、今回三十クラス以上に複数配置ということでございますね。ということは大変喜ばしいことだと思いますけれども、持っている能力というものを十分に生かすためには、やはり教育の現場に教育活動の一環としてこの養護教諭の諸先生たちが活動の場が得られるようになっていくということが、一人のお子さんに話すことよりも大勢のお子さん方に理解を深める、これが子供たちの心身の発達の上からも正しい理解と、そして授業に対しても正しい姿勢で向かえることになるのではないかと思いますけれども、大臣その辺はいかがお考えでしょうか。
#86
○政府委員(井上孝美君) ただいま先生からお話がありましたように、近年、表面的には頭痛や不快感などの身体的な症状を訴えながら、内面的には心の問題を持って保健室を訪れる児童生徒がふえているということについては御指摘のとおりでございまして、こうした児童生徒に保健室で対応する養護教諭の相談活動の充実を図るということも急務になっているわけでございます。
 そこで、先生からそういう大変多忙な養護教諭の先生方についても、やはり幅広く学校における教育活動、特に健康な児童生徒についても健康の増進に関する指導に積極的に当たるようにすべきであるというような御指摘がございまして、今回の配置改善計画によりまして新たに三十クラス以上の大規模校に複数配置を行うことにしたわけでございます。
 そういう意味で、一般教諭の行う日常の教育活動に積極的に協力する役割も果たしていただくように、私どもとしては今回の定数改善計画によってそのような取り組みを期待いたしているところでございまして、先生がおっしゃるようなそういう体制づくりを今後各学校において整備していただくことを期待しているところでございます。
#87
○小野清子君 今回の改善計画の中には軽度の障害児の皆さんに対しても、いわゆる通級による指導というものが特別の教育課程を編成して行われることができるようになったとございます。通級指導の導入のための教員配置が新しく入っている。これはどのような指導が行われるのかお伺いをしたいと思います。
#88
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 通級による指導と申しますのは、小中学校の通常の学級に在籍しております軽度の心身障害児に対しまして各教科等の指導は通常の学校で行いつつ、心身の障害に応じた特別の指導を特別の指導の場、いわゆる通級指導教室で行うという新しい特殊教育の一形態でございます。
 通級による指導は心身の障害の状態を改善克服することが主な目的でございまして、したがって基本的にはこれを目的とする特別の指導、すなわち養護・訓練の指導が中心となるわけでございますが、特に必要がある場合にはこれに加えて教科の補充指導を行うことも可能でございます。
 通級による指導につきましては平成五年度からの実施を図ることといたしており、去る一月二十八日に学校教育法施行規則の改正等を行い、教育課程の取り扱いを明確にするとともに、通級による指導を行うために必要な教員定数として千五百二十九人を今回の改善計画に盛り込み、その初年度分として平成五年度予算には二百五十五人を計上しているところであります。
 通級による指導の実施は特殊教育関係者の長年の念願でございまして、文部省としては今回の措置により、心身に比較的軽度の障害のある児童生徒に対する教育の一層の充実が図られるものと考えております。
#89
○小野清子君 それと最近は、外国人労働者の皆さんが大変多くなってきているわけでございますけれども、家族一緒に来日される外国人労働者の方々も多くなっておりまして、その来日された子供たちが、従来ですと英語圏が大体主流であったわけですけれども、昨今はブラジルから来たりして、ポルトガル語とか従来日本の教育の中で扱っていない語学の部類も大変多くなっているように承ります。
 学校へ行きましても全然言葉がわからないからということで学校に行くこともやめているなどというのもいろいろなところから聞こえてまいりますけれども、今回のこういう外国人子女、増加しておりますこういう方々に対する対策というものを何か考えられているのかどうかその辺をお伺いしたいと思います。
#90
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 先生がおっしゃるように、国際化の進展に伴いまして我が国の学校に就学する外国人児童生徒の数が増加をしているところでございます。
 文部省といたしましては、これらの外国人児童生徒ができる限り早く我が国の学校生活に適応できるように、日本語指導の充実を初め必要な諸施策を講ずることが重要であると考えているところでございます。
 公立小中学校におきまして日本語指導の必要な外国人児童生徒等は、最近の調査によりますと、小学校は約四千人、中学校は約千五百人、合計約五千五百人に達しているわけでございまして、これらの児童生徒の母国語は四十三言語に及んでいるところでございます。
 特に、先生からお話がございましたように、そのうち日常生活で使用する言語を多い順番に申しますと、ポルトガル語が千九百三十二人で三五・四%を占め、中国語が千六百二十四人で二九・七%、それからスペイン語が五百九十六人で一〇・九%というのが多い方から三番目までの言語でございます。
 このような状況を踏まえまして、外国人児童生徒、帰国児童生徒に対する日本語指導等の一層の充実に対する要請が強いことから、平成四年度に行いました一定数以上の外国人児童生徒が在籍する学校に対する教員の加配を充実することといたしまして、今回の改善計画におきましては七百七十八人の教員数を新たに措置しているところでございます。
#91
○小野清子君 数字を承ってまことに驚くばかりでございまして、まさに国際化という言葉がこういう数字を通してもぴったりするわけですけれども、ぴったりするという何かわかりやすい言葉の割にはこれを一体どうなさるんだろうか、これが全国的に散らばってまいりますと本当に大変なことだなと、改めて国際化という問題の重さというんですか、そういうものも感じさせていただいたところでございます。
 しかし、私どもも海外へ行きましたときに日本語の案内パンフレットがあったときの喜びというのは何とも言えない喜びで、ああこの国はよくできていると、こういう気持ちにさせられるわけでございまして、いい意味でそういう国際化であるという現状を踏まえて、あらゆる意味で言語の問題がやはり心の扉を開く一ページでもございますので、これは文部省が中心となってあらゆる分野にそういう方々に対する配慮が行き届くような施策を、私はこういう機会を通してぜひお願いしたいと思います。
 ちょっと私の専門の方のスポーツ・体育、体力づくりに移らせていただきたいと思います。
 「何かおかしい 子供たちのからだ」とか「運動不足が脳に影響 低体温」とか、このごろいろんな問題が言われております。また、「背だけ伸び 小言の親は 見下ろされ」などという川柳も出てまいりまして、男子は父親を高校一年で追い越し、女子は中学三年で母親を追い越すという体格の面では身長、体重、胸囲、座高等は伸びているんですけれども、一番最近のデータによりますと、「体格は立派 体力は低下」と、これは私は文教委員として非常に大きな問題だと思うわけです。
 一九六四年の東京オリンピックのときには十六個の金メダルをもらいましたけれども、あのときに日本が考えたのは、もっとたくさんのメダルが日本は得られるのではないかという期待の中で十六個に終わったという現状であったわけです。
 今からしますと夢のような話ですけれども、そのときに、あれだけ鍛えた日本の選手、いわゆる青年の代表が最終的に体力がなくて負けだということは、日本人の体力はどうだろうかということが東京でオリンピックをやった非常に大きな意義であったわけです。要するに、基礎体力がなければ技術が幾ら優秀でも最終的には体力負けをしてしまう、そういうことから体力づくりということに総務庁も音頭をとりまして各省庁全力を挙げて取り組んだわけですけれども、あれが経済発展の出発であり、車社会になり、エレベーター、エスカレーターと、まさに体を使わない文化社会に移行していったわけです。
 そうなってきますと、健康づくりの原点からして、体を使わなければ人間はあらゆる機能がなえていくわけで、体力づくりを一生懸命唱えたにもかかわらず、十年たったときに東京オリンピックのときのデータよりは体力が落ちているんですね。そして、さらに十年たった後、その落ちている十年の体力づくりのデータと比較したらまた落ちていたんですね。
 そして、ことしの三月二十二日の新聞を見ると、十年前より落ちているということは東京オリンピックから考えるとすさまじいという言葉を使ってもいいと思います。落ち込んでいるわけです。「運動能力の落ち込みも大きく、連続きか上がり、持久走、懸垂、ハンドボール投げなどは、低学年になるほど十年前との差が広がり」「千メートル持久走の場合、高校一年女子は二十七秒遅くなっている。」、要するに心肺機能、体で言うエンジン部分がなえてきている。それから、柔軟性がないというのは筋肉がかたい、ということは動いていない。
 世界はまさに国際化で、今の青年たちが日本を背負って諸外国と対等にやり合っていきながら、そしてリーダーシップをとっていかなきゃならないときに、海外に出かけて疲れちゃったなんといって横になっているようでは、これは頭脳が幾ら優秀であっても、力も発揮できなければリーダーシップもあり得ない。
 こういう現状を考えますと、私はまさに人間そのものが国の財産でなければならないと思うわけです。その国の財産に、例えば公共投資などということで建物にはどんどんいくわけですけれども、人間に対する公共投資ということをなぜ考えられないのか。西ドイツのゴールデンプランのように、第一の道は選手強化、第二の道は国民の健康、体力づくり、この二本がうまくいってドイツが世界のリーダーシップをとっていくんだというあの哲学というものに対して、日本の中では十年ごとに体力というものが落ちていく。体力がなくて気力があるわけがないわけです。
 こういう現状を考えますと、私は文部省のこれからの健康づくりに対するあり方というものが非常に大事ではないか、そんなふうに考えさせられ、改めてここで出されていただくわけですけれども、公共投資とか新しい景気対策の施策の中に文部省がもっともっととっていい予算が出てくるのではないか。
 例えば、きのうの同窓会の集まりでも、器械体操の用具などというのは全くそろっていないんですね、買えない。これは、私も中に入ってみて、シーリングが決まった中でどこかを膨らますとどこかがしぼんでしまうと言われると、もう声の出しようがないわけですけれども、施設整備という中での例えば文教の、そういう子供たちの体を動かすクラブ活動等々の予算を公共投資並みに考えるということはいかがなものかということを御質問申し上げたいと思います。
#92
○政府委員(奥田與志清君) 先生御指摘のように、私どもの調査あるいは各県で自主的にやっておられる調査を見ましても、お話のように、体格は立派になってきておりますけれども、体力が低下してきているというような状況にございます。
 私ども文部省といたしましても、このことにつきまして、これは重要な課題だと考えておりまして、特に生涯を通じてスポーツに親しみ、そして体力をつけるということは大事なことだと考えております。
 そういう意味でも、学校教育が中心となりまして、当然家庭教育あるいは地域社会での教育、これも重要でございますが、相互に連携をとりながら、特に小さいときから運動に親しむ習慣を身につけさせたいというふうに考えているわけでございます。
 先生御指摘のように、そのためには運動をする場所も必要でございますし、また体を使うような機会をできるだけ多くつくるということも大事でございますし、さらに運動をやればいいんだ、楽しくなるというふうな、そういうことを通じて運動しようという意欲といいますか気力、こういうふうなものを養っていきたいと考えております。
 学校教育におきましては、先生御案内のように、新しい学習指導要領におきまして、生涯スポーツを重視するというふうな観点をも重視して、これを明確にいたしているわけでございます。
 御指摘ございましたように、体力づくりにつきましては、文部省といたしましても推進校を設けたりあるいは運動部活動の推進校、これも指定をいたしております。こういうところで実践的な研究をやり、その成果を他の学校でも生かしてもらうということをやっております。
 さらに、特に指導者の関係も重要かと思いますが、特にこの資質を向上させるという意味で、現に体育を担当しておられる先生方に対しまして講習会でその能力を高めてもらうということもいたしておりますし、運動部活動につきましても外部から優秀な指導者を派遣していただくということを各県でやっていただいておりますので、これに対しても助成するというふうなことをしているところでございます。
 さらに、昨年秋から学校五日制が導入をされ実施されておりますし、学校だけではなくて地域社会におきましても、地域におけるすぐれた民間の指導者、そういう方のお力添えもいただいて、体力づくりが子供のために一層推進されるようにしてまいりたいと考えておりまして、先生の御質問にお答えになったかどうかわかりませんけれども、いろんな方々の御協力をいただきまして全力投球をしてまいりたいと思っております。
#93
○小野清子君 私も体育・スポーツ推進校というのを視察したことがございますけれども、実に見事に成果が上がっておりました。ですから、やればその時期の子供たちというのはすばらしい力を発揮するものだという現場を見まして、すべての学校に推進校になってもらいたいと、私自身そう思ったほどでございます。
 それで、今指導者の問題もお話しをいただいたわけですけれども、私は、一番大事なことは、スポーツというものは勝つこと負けること、これだけではなくて、スポーツが大好きになる、体を動かすことが大好きになるということが体育の最も上手な指導者による効果だと思うんです。ところが、体育大嫌いというのは、これはできるできないがはっきりするものですから、どうもだめなのは嫌いになってしまう。
 そこで、私、これは提言をさせていただきたいんですけれども、小学校時代に専科制の、これは体育に限りません、体育、図工、音楽にも限りません、数学でも何でもいいと思うんです。学校教育の中で小学校時代にも専科制というものがある意味で今後考えられていってもいいのではないかと、そんなふうに思うんです。
 子供たちの個性ということを望むばかりではなくて、指導者にもやっぱり個性ある指導者というものが生まれてこなければならないと思います。ですから、とにかくスポーツクラブづくりというものを文部省が一生懸命力を入れてこれまで培ってこられたことは私も十分存じ上げております。しかし、そのスポーツクラブづくりがどちらかというと中年族に非常にその効果が生まれまして、肝心の子供たちにこのスポーツクラブの効果が生まれておりません。
 そういった意味で、学校のグラウンドというのは最も安心のできるすばらしい施設ですけれども、四時になるともう終わりだといって使えないという、私はこの矛盾を非常に感ずるわけです。ですから、校長先生、教育長の責任ではなく、学校を中心とした地域の運営委員会をつくって、そういう場においてスポーツクラブというものを考え、夕方から夜にかけては社会人の使う場でもよろしいかと思いますし、またあいている場合においては民間の方々が学校を地域のコミュニティーの核として使っていっていただけるように、そうすることで子供たちも非常に視野も広くなり、そしてまた健康に対する認識も広がっていくのでは、ないかと、そんなふうに考えます。
 また戻らせていただきまして、あと二点ほど御質問申し上げたいと思います。
 やはり、教育というのは教員の資質能力向上という問題がとても大きいと思います。
 今回の改善計画では研修等定数の改善措置もなされているようですけれども、教員の長期の研修、こういうものの実態がどうなっているのか簡単で結構でございます、お願いいたします。
#94
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 学校教育の成果は担当する教員の資質能力によるところが極めて大きいわけでございますので、教員はその職責を遂行するために不断の研修に努めることが求められているところでございます。
 その研修の一つの形態として、教育公務員特例法の第二十条には、「任命権者の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。」との規定が置かれておりまして、この規定に基づき現在、新教育大学を初めとする大学院、教育センター、各種研究所への派遣研修が行われているところであります。
 特に、上越教育、兵庫教育、鳴門教育の新教育大学の大学院につきましては、その入学定員の三分の二程度は現職の教員を受け入れることとしておりまして、平成四年度は四百八十人の現職教員が入学しているところでございます。
 今回の改善計画におきましては、大学院等への長期派遣研修を充実するとともに、企業等におきます新しい先端技術の研修や実務研修を中心とする研修なども含めて、できる限り長期の研修が行えるように研修等定数の充実を図ったところであります。
 この定数を有効に活用することによりまして、教員の資質能力の向上に資する長期派遣研修をより積極的に行うことが可能になるというように考えているところでございます。
#95
○小野清子君 やはり、一方的に教える場だけでは教師というものがひとりよがりになってしまいますから、立場を変えるということがとても大事だと思いますし、また教育はある意味では、私は刺激という言葉をよく使わせていただくのですけれども、さまざまな刺激が必要で、大学院とかそういうところもいいんですけれども、自分たちの現場と全く違う世界、先ほど企業というお話もいただきましたが、そういう別世界の中で何かを感じてくる。具体的に技術が上手になる何が上手になる以上に何かを感じてくるような、そういうやはり機会をぜひこれからも、社会的体験と申しましょうかお考えをいただき、実行していただきたいと思います。
 また、教員の採用に当たりましては、専門的知識を問うばかりではなくて社会的な経験を重視して、これからの経験をもっと適切に評価していく方法が私は工夫されるべきではないかと思います。
 先生たちというのは皆さん優秀であるということは、これは一様に間違いないわけです。優秀であるけれども、やはりそこに個性があるかどうかというと、教員こそいい意味で何か一つ個性を持ったものが培われていかなければならないと思うわけです。子供たちにしても、ちらっと目が光るときは、この子は何に興味、関心を持つかと言われるように、押しなべて平らに何でもできるという先生も確かに大事かもしれませんし、日本の教育というのはすべてが平均していいことを評価するという、いわばそういう嫌いがあるわけです。
 しかし、個性という問題を教育の個性化、個性尊重という大臣のお言葉をおかりするまでもなく、個性という言葉を使ったときに、例えば社会的経験を全然持たない先生が、ボランティアを一度もやったことのない先生が、試合に出て勝ったこともない先生が、負けて悔しさを知らない先生がどうやって子供たちと一緒に涙し、感激、感動を味わうかということは、やはり百点満点の先生もすばらしいけれども、七十五点でももっともっと大きな体験なり、そういうものをお持ちの先生こそ私は教育の現場で大変必要なことではないかと、そんなふうに感じられるわけですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#96
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 先生がおっしゃるとおり、学校教育の成果は教育に携わる個々の教員の資質能力に負うところが大きいわけでございまして、採用の段階で教員としてふさわしい資格及び能力を備えた人材を確保していくことが重要でございます。
 このため、文部省におきましては、教員採用選考に当たりましては、筆記試験のほかに面接、論文等の活用を図るとともに、クラブ活動、社会的奉仕活動等を重視するなど選考方法の多様化を図るように各教育委員会に対して指導を行っているところでございます。
 各教育委員会におきましてもこのような指導を踏まえまして、教員採用選考におきましては、面接等の活用や社会的奉仕活動等の重視など選考方法の多様化を図るとともに、受験年齢の上限を引き上げることなどによりまして、社会人からの受験が容易になるよう工夫を加えているところであります。これらによりまして、平成四年度には全国の公立学校で約千三百人が教員として社会人から採用されているところでございます。
 文部省といたしましても、従来から選考方法の多様化を図るよう各教育委員会を指導してきたところでございますが、今後とも引き続き、先生がおっしゃるような観点を踏まえ、必要な指導に努めてまいりたいと考えております。
#97
○小野清子君 教育は人が人を教え、その人格というものが知識、技術、体験を通してより興味、関心、理解を深めていくものであると私は認識をいたしております。
 今回の教職員の配置改善というものは単なる人数的な改善ではなくて、最近の子供たちのさまざまな状況あるいは行動をどうとらえ改善していくべきか、その辺を家庭、学校、社会が理解し協力を深めていく機会となりますように心から期待を込めまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#98
○山下栄一君 私の方からは、具体的に四点ほどお聞きしたいと思います。
 まず初めに、先月の委員会でも取り上げた問題でございますが、不登校対策の問題でございます。
 先ほども御質問ございましたが、先ほど局長からも御説明ございましたように、今回、不登校対策のための加配、教員配置、これが小学校、中学校の義務教育段階並びに高校段階でも考えられておるわけでございます。もちろん、教員の数をふやすことによって現場の負担を軽くするという対応をしていくことも大事なわけでございますが、教員の数がふえればよいという問題でもない。やはり教師の質といいますか、特に教育相談能力を持っている教師が具体的に配置されていくということが非常に不登校対策にとっては大事な問題である、このように思うわけでございます。
 そういう観点から、先月もお話ございましたように、教員の研修についても文部省は非常に力を入れられて、本年度は特にこの不登校対策のための教員研修も新たに考えられるということも聞いておるわけでございます。研修対策の充実と同時に、全教師にそういう教育相談の力を身につけるというそういう観点も大事なわけでございます。やはり具体的に、学校に非常に専門的な、特に教師の免許を持っておられて教育経験がある方で安心できる先生がいらっしゃること。
 特に、不登校対策と申しますのは目に見えない心の問題が非常に中心でございますので、家庭訪問すればよいとか、また学校へ引っ張り出せばよいという問題ではなくて、かえってそういう引っ張り出そうとすることによってこじれてしまって問題が大きくなって取り返しがつかなくなって病院にというふうなことも考えられるわけでございますので、そういう意味で心の問題もある程度理解し対応できるという専門的な力を持った教師の存在、学校の中にそういう先生がいらっしゃるということがこれからますます大事になっていくのではないか。
 精神の問題、心の問題と申しますのは、やはり物が豊かになればなるほど非常に大きくまた広がって問題になっていく可能性が強いというふうに思われますので、そういう意味で学校現場にぜひとも専門的な教師の存在が必要である。そのために、私が先月申し上げました教育相談担当教員、どういう方がいいかわかりませんが、学校カウンセラーという方がいいのか相談教諭という方がいいのか、そういう資格認定制度、これの導入を考える時期が来ているのではないかなと、このように思うわけでございます。
 特に、法的裏づけのある国家資格としてそういう資格教員のカウンセラーといいますか教育相談担当教員の資格認定制度の導入、これをぜひとも考えるべきである、このように思うわけでございますが、御答弁をお願いしたいと思います。
#99
○政府委員(野崎弘君) 先生御指摘のように、登校拒否児童生徒数は年々増加傾向にあるわけでございまして、この問題の対応は大変重要な問題になっているわけでございます。
 これは協力者会議の方の報告にもございましたが、この登校拒否の問題というのは特定の子供に起こるということではなしに、あらゆる子供にその可能性があるんだということなわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、この問題につきましては校長のリーダーシップのもとに全教職員が一致協力してこの問題に取り組むということが大事だと、こう思っておるわけでございます。
 先生御指摘の、そこにやはり専門的知識を持った指導的な教員が大事であるという点は私どもも十分わかるわけでございます。しかし、その先生にそれじゃ問題を任せちゃっていいのかという点になりますと、もちろん先生もそういう意味でお話しされているわけじゃございませんけれども、えてしてそういう専門の先生というものができますとその先生に問題を任せてしまうというようなことが考えられるわけでございまして、やはり私どもとしては全教職員がみずからの問題としてこの問題に取り組んでいくということが大事なわけでございまして、その際にその中心となる人物にやはりいろいろな指導力を持っていただくということが大事でございまして、今先生御指摘のございました平成五年度の予算案におきまして、指導の中核となる登校拒否担当教員の指導力の向上を目的としました登校拒否研修講座というものを新たにつくろうとしている趣旨も、先生がおっしゃる資格認定試験制度というものではございませんけれども、やはり中心となる指導力のある先生というものをまずこの研修講座で養成をしたい。そして、その結果をそれぞれの学校におきまして全部の教職員にまたその指導力をさらに伝え、そして養成していっていただきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
 私どもとしては、資格認定試験制度というような形ではございませんけれども、そういうような形で専門的な知識を持った教員というものをできるだけ多く、そしてできることならば全部の教員がそういう目を持って子供たちに接触していただく、そういうようなことでこの問題に取り組んでまいりたい、このように思っているわけでございます。
#100
○山下栄一君 具体的に、全国教育相談研究会等の団体があると思うんですけれども、そういったところからの陳情も文部省の方にされているようにお聞きをしているんですが、その辺はどうでしょうか。
#101
○政府委員(野崎弘君) いろいろな立場からのお話は私どもも聞いておるわけでございます。
 最近、臨床心理学とかいろいろな形の子供に対する心理学的な接触の方法あるいは病理学的な接触の方法、いろいろあるわけでございまして、先生おっしゃるように、そういう形で一人の教員があらゆる知識を持つということは大変大事なことだと思うんですけれども、なかなかこれは心理学的な問題あるいは病理学的な問題、いろいろなことを本当に一人の教員がきわめるということは難しい。
 そんなことで、協力者会議の中でもそういう専門的な知識を持った人たちの連携体制、そういうものを強調しておるわけでございまして、私どもとしては、そういうものが各県にございます教育センターなり、そしてまたそのセンターなりで設けられております適応指導教室、そういうあたりが中心になりましていろいろな専門的な知識を持った人の連携のもとにこの仕事が進められるということが望ましいんじゃないかということで指導を続けているわけでございます。
#102
○山下栄一君 専門家との連携、確かに精神科医の先生とか心理学の専門家とか大事だと思うんですが、やはり具体的に学校現場で登校拒否の傾向のある、そういう問題を抱えて学校に行けない、行けない理由も非常になかなか込み入っておって判断が難しくて、どうしてこの子は学校に行けないのかというようなことを判断できなくて非常に対応に苦慮して戸惑っている。現場で具体的にそういう戸惑いがいっぱい教師にあるわけですよね。
 そうすると、相談するときに外部のお医者さんとかいうこともあるとは思うんですけれども、医学の資格を持った人でなくても、そういう教師の中で学校内である程度振り分けできるというか、担任の先生が相談されて、ああこの子は病院に行ったほうがいいですよとかそういうふうな振り分けできるような先生が現場にいらっしゃると、全学校にということでなくても、ある程度全国に教師という経験を持った方がいらっしゃるということは、私はもう本当に大事なことではないかなと、安心感だけでも大分違うというふうなことを思うわけですよね。
 そういう意味で、教員の中からそういうある程度この専門家を養成し、そういう資格まで考えていくということは今後の方向として大事な方向ではないかなというふうに思います。具体的な要請もカウンセラー学会とか心理学会とか、また全国の相談学会等からも陳情があるというふうに聞いております。
 そういう意味で、それを含めて検討会議みたいなものを設置して前向きにとらえていただきたいなと、このように思うわけでございますが、大臣どうでしょう。
#103
○国務大臣(森山眞弓君) 子供たちが健全に成長するように、それを見守り、助け、引き伸ばしてやるというのが先生方の本来なさっていただくべき仕事でございますし、それができるというのが先生の条件であるというふうに言っても差し支えないと思うわけなんでございますが、現在の社会が大変複雑多岐にわたっておりまして、子供たちの環境もさまざまでございますし、そのすべての問題を一人で判断し処理するというのは大変難しいことだと思います。
 従来の先生方の勉強していただいたその力だけではしょい切れないということも確かにあろうかと思うのでございますが、しかしこの問題は校長先生のリーダーシップのもとに、各先生方がそれぞれ御自分の担任しておられる子供たち一人一人をきめ細かく見守っていただいて、そしてかなり難しい問題でも何とか互いに力を合わせ、知恵をかし合って処理していただくということをできるだけしていただきたいものだというふうに思っております。
 しかし、今までの勉強や資格だけでは処理し切れないものもあろうかということで、かなり専門的なことにわたる研修などをさせていただいて先生方の心配や不安を除いて実際に処理していただけるのに随分役に立っているかと思うのでございますが、そのようなことを方法といたしまして、これからも学校の全体が協力をして一層研さん、研究をしていただくとともに、みんなで力を合わせて子供たち一人一人に目を届かせていただきたいと、そんなふうに考えておりますが、先生の大変貴重な御指摘を参考にさせていただいて、これからも努力をしていきたいと考えております。
#104
○山下栄一君 次に、適応指導教室の問題でございます。
 これは国の委託事業、また都道府県、市町村の独自の事業として、学校になかなか行けない不登校の生徒、登校拒否の生徒たちの面倒を見る教室が学校以外のところで設置されておりまして、非常に大きな成果が出てきておるというふうにお聞きしておるわけでございますが、この適応指導教室の推進拡大計画、この辺はどうなっておりますでしょうか。
#105
○政府委員(野崎弘君) 適応指導教室、これは文部省がどこそこに具体的に置くということじゃなしに、ある意味では各県、そしてまた各市町村の必要性なりそういうものに応じまして適応指導教室が設置をされてきたわけでございます。
 文部省が平成四年五月に調査したところでは、全国で百八十六カ所という形になっています。これが平成四年三月の時点では百三十三カ所だったわけでございますけれども、それが平成四年の五月になりますと百八十六カ所ということで、やはり現在の登校拒否児童生徒数が増加傾向にあるという中で、それぞれ県なり市町村で工夫をしてこの指導教室がつくられてきておる、このように理解をしておるわけでございます。
 文部省におきましては、そのすべてに対して助成措置ということじゃなしに、こうした教育委員会の取り組みを支援する、そしてまた適応指導教室におきます指導のあり方などにつきまして調査研究をするということで委託事業を実施しておるわけでございます。平成四年度はその委託事業が四十九カ所の適応指導教室において行われておるわけでございます。
 平成五年度の予算におきましても、この予算を増額計上しているところでございまして、委託事業の実施箇所数の増を図りたい、このように考えておりまして、具体的な数は平成五年度の予算でございますので、これから決めていきたい、このように考えているわけでございます。
#106
○山下栄一君 適応指導教室の担当指導員の方なんですけれども、私も何カ所か具体的に回らせていただいて感じたんですが、非常勤の方が多い。また、場合によっては大学生、大学院生などがアルバイトで来られて非常に活躍をされているということもお聞きしているわけでございます。現場では、教育委員会としては人件費の負担も大変であるというふうなこともお聞きしているわけでございますけれども、そのかわり大変成果も上がり、学校に行けない子供が適応指導教室に通級すると、文部省の配慮もございまして、出席日数にもしていただけるという状況になってきているわけでございますが、この適応指導教室に教員を配置するという、そういうお考えはございませんでしょうか。
#107
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、いわゆる適応指導教室は教育委員会が登校拒否児童生徒を対象にカウンセリング、教科指導、集団指導を行う場として学校とは別途に設置しているものでございます。
 そういう意味から、現在のような適応指導教室に対しまして義務標準法によって教職員を配置することは現行の学校教育法に規定する学校に配置するという基本的な考え方に照らしまして困難でございますが、文部省といたしましては、適応指導教室実践研究委託事業の充実を図るとともに、平成五年度から適応指導教室における非常勤の指導員の報酬等の財政措置を地方財政当局に要望しているところでございまして、それによりまして適応指導教室の円滑な運営を図っていただくように期待しているところでございます。
#108
○山下栄一君 国からの委託事業の場合でも非常に費用が低くて、なかなか現場では負担が大変であるということをお聞きしているわけでございますけれども、実際は学校に行けない子供たちを預かって、そして学校へ行けるような状況をつくって帰してあげるという、それで出席日数にも扱われるというふうなことで、ある意味じゃ学校の代替の役割を果たしているということで、そういう観点から考えましたら、教員配置を適応教室にという、そういう要望も非常に説得力があるんじゃないかなと、こういうふうに思いますもので、今後の方向性としまして、これからやはり適応指導教室は減るよりもますます必要性が高まっていくというふうにも考えられます。
 そういう意味で、教員の配置をする方向でやはり検討していただきたいなと思うのですが。
#109
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 ただいまも申し上げましたような観点で現行法の建前としては困難ではございますが、適応指導教室における指導内容が学校教育の本来の活動として位置づけられる必要や、あるいは今後の適応指導教室のあり方が、先生がおっしゃるように、非常に学校教育の内容に極めて近づくとかあるいはそのあり方、そういうものを今後の推移を見きわめつつ教員の配置については研究課題として検討させていただきたいと考えております。
#110
○山下栄一君 次に、先ほど上山委員もお話がございました免許外教師の問題でございます。
 この問題につきましては、これも先月でしたか衆議院の方の文教委員会で我が党の冬柴委員も取り上げられて、非常に大臣も前向きにお答えいただいた問題でございます。教員の定数改善の計画が今回の法律案の中心になっておるわけでございますけれども、教師であっても自分が免許を持っていない教科を教えるということが、現実にそういう先生方がいらっしゃるということが非常に大きな問題である、それこそ真っ先になくしていくべき問題ではないかなというふうに私は思うわけです。
 教師自身の負担も大変なものになると思いますし、余分に教材研究する必要があるわけでございますし、先ほどもお話ございましたように、免許を持ってない先生に教えてもらう、特に中学の段階で、最も学ぶ喜びみたいなものを感じるべき年齢、それが全然素人の先生に教えてもらう。その先生も苦痛を感じながら教えている。そして、全然心が伝わってこない。したがって、学校へ行く気が起こらなくて学校嫌いの原因になっていくというようなことも考えられるわけでございますし、まして保護者、父母にとっては専門外の先生が自分の子供を教えているということになると、大変なこれはショックなことではないかなというふうに思います。そういう意味で、免許外の教師をなくすということはやはり最も優先してやるべき課題ではないかなというふうに思うわけです。
 そういう意味で、免許外教師がたくさんいらっしゃる。全国の中学校教員の一五%ですか。私どもも全国的にお聞きしているわけでございますが、非常に多い。ましてや、過疎地だけではなくて大都市にも大変多いという、この原因はどこにあるのかという認識をお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 免許外教科担任教員が減少しない原因といたしましては、公立中学校においては僻地等におきます小規模校が少なくないこと、ベビーブーム等の急激な教員増の影響等によりまして教科別に必要な教員と現員に若干の乖離がございますこと、また各学校における教員の持ち時間数の調整などが主な理由であると考えているところでございます。
 なお、平成四年に総務庁により行われました義務教育諸学校等に関する行政監察結果に基づく勧告におきましては、「免許外教科担当の理由を学校規模別にみると、七学級以上の学校では教員間の時間調整を行うためとしているものがほとんどであるが、六学級以下の学校では教科の教員が配置されていないためとしているものが多い。」とされているところでございます。
 文部省といたしましては、免許外教科担当教員の解消に向けまして学習指導要領に沿った教育の円滑な実施など適切な学校運営に必要な教職員の確保を図るため、標準法を昭和三十三年に制定いたしまして、昭和三十四年以来数次にわたる年次計画によりまして教職員定数の計画的改善を図ってきているところでございます。
 その中で免許外教科担任教員の解消にも十分配慮をしているところでございまして、特に義務教育諸学校の学級編制及び教職員の定数改善計画におきましては、複式学級の改善とともに、例えば三学級の中学校にも九人の教員を配置できるようにするなど教職員定数の改善に努力をしているところでございます。
 また、教員の任命権者でございます各都道府県、指定都市教育委員会に対しましては、教職員定数改善計画の趣旨を踏まえまして、また各学校のカリキュラムに沿った必要な教員の採用、配置を行うことを要望しております。
 また、各学校において単に持ち時間数の調整のために免許外教科を担任させることのないように、教員の勤務負担については授業以外の校務の分担も加味して適切に行うように配慮することを指導しているところでございます。また、小規模校等におきましては複数教科の免許状所有者の活用や本校と分校の連携等を行うことなど教員の適切な人事管理についての指導を行っているところでございまして、今後その徹底を図ってまいりたいと思います。
 なお、やむを得ず免許外教科を担任させる教員につきましては、その指導力の向上を図るために、昭和五十四年度より都道府県、指定都市教育委員会の実施する免許外教科担当教員研修に対しまして国庫補助を行っているところでございます。
 今後、その時期や内容の一層の工夫改善によりまして、その指導力の向上に努めていきたいというように考えているところでございます。
#112
○山下栄一君 特に、小規模校ではなくて、今お話ございましたように、七学級以上の大きな学校、大都市圏でもそういう免許外教師がたくさんいらっしゃる大きな原因が受け持ち時間の調整という、これが非常に大きな原因になっているということでございますけれども、これは私は受け持ち時間調整のために、同じ例えば二十四時間なら二十四時間に整えるために余分に別の教科を教えるということは、これはもう絶対にあってはならないことであるというふうに思うわけです。
 そういう意味で、文部省も指導されておると思うわけでございますが、ただ実際年々子供が減ってくる、専任の教師ではなかなか賄い切れないのでということもあると思うんです。そういう意味で、非常勤の講師でそれを調整していくというようなことが考えられてもいいんじゃないかなと思うわけでございまして、免許のない教師を補うために非常勤講師を積極的に採用していくという、そういうことについてはどうでしょうか。
#113
○政府委員(井上孝美君) 高等学校におきましては高校標準法において定数の範囲内で非常勤講師を採用できるような措置が講じられているところでございますが、義務標準法におきましては現在そのような措置が講じられていないところでございます。
 そこで、非常勤講師の採用につきまして、今回の新しい改善計画の策定に際しまして教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の報告の中でも非常勤講師の活用についての提言もございましたので、文部省として検討を行ったところでございますが、非常勤講師の報酬についての経費負担のあり方等につきましては現行の義務教育費国庫負担制度との関係等についてさらに検討を要する問題もございまして、今後引き続き文部省としても検討してまいりたいと考えているところでございます。
#114
○山下栄一君 冒頭申しましたように、特に中学校の段階ではやはり専門的な力を持った先生方に教えていただいて、そして学問といいますか学ぶ歓喜といいますか、それをつくっていくことが私はもうあらゆる教育の問題を解決していく大きなことではないかなと。
 生徒が元気出てくるのは放課後だけであるとかそういうことじゃ非常に大きな問題だと思いますし、実際授業時間の中で本当にあの先生に教えていただいてよかったなというふうな感動を持った、そういう授業を展開していくためにも、免許外教師というのはこれはもう大変大きな問題でありますし、特に一番多感な一番難しい教育の段階でございます中学校におきましては、これはもう速やかな解消に全力挙げて取り組むべきである。
 いつかは解消するというような悠長なことを言っておれない。ある意味じゃこの教員配置の改善計画の最も優先すべき課題であるというとらえ方で、非常勤講師の国庫負担の問題も含めまして、ぜひとも強力なそれこそ御指導を展開していただきたい、このように強く要望するわけでございますが、再度大臣に、衆議院の方で言っておられたわけでございますけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#115
○国務大臣(森山眞弓君) 免許外教科担当教員の問題につきましては、先生御自身から御指摘くださいましたようないろんな問題がございまして、その問題に関しては文部省といたしましてもかねて留意いたしまして、その改善のために懸命に努力をしてまいったところでございます。
 今後とも、一層この状況の改善のために努力をしてまいりたいと思います。
#116
○山下栄一君 次に、先ほども小野委員からお話がございましたが、今回の改善計画では義務教育段階の通級指導のための加配が考えられておるわけでございますが、私は義務教育じゃなくて高校段階の障害児教育、一人の生徒に光を当てていく多様な障害児教育という観点から質問させていただきたいと思うわけでございます。
 幼稚園、小学校、中学校と健常児とともに学んできた、生活してきたという障害児が高校へ進学するときは道が非常に狭められておるという状況があるわけでございます。特に、知的なハンディを背負った子供たち、生徒。高校で一緒に健常児と学ぶチャンスというのがほとんどないという状況があります。高校進学の道は養護学校の高等部が原則であるという、こういう体制はもうやはり見直す時期が来ているのではないかなというふうに考えるわけでございまして、障害児の希望に応じて養護学校も行けるし普通の高校も行けるという、このような選択権を保障していくということが時代の流れではないかな、このように思っております。
 そこで、中学校の特殊学級、大阪では特殊学級生言わないで養護学級という言い方を普通しておるわけでございますが、中学校の特殊学級から高校進学への実績がどうなっておるのかということを教えていただきたいと思います。特に、精神薄弱といいますか知的障害者の場合はどうなっておるのかというふうなことも含めて教えていただくとありがたいなと思うわけでございます。
#117
○政府委員(野崎弘君) 平成四年三月の中学校特殊学級卒業者が全国で九千三百八十人おるわけでございまして、そのうち高等学校、高等専門学校への進学者が千六百八十人ということで進学率が一八・〇%、こういう数字になっております。
 確かに、先生御指摘の養護学校のうちの精神薄弱ということでございますと、卒業者が四千九百六十五人でございますが、高校等の進学は、これはほんのわずかでございます。大部分が高等部に進んでおるというのが状況でございます。
#118
○山下栄一君 それが実情であろうと思うわけでございます。例えば、高校の入学試験ももう終わりましたけれども、入学定員に満たないそういう学校がある、いわゆる定員割れの高校があるというときに、知的障害者が受験したと。学ぶ意欲は非常にあると。もちろん、知的な面で障害があるわけですから点数はそんなにとれないわけでございますが、定員割れしている学校を受験しておるという場合はやはり入学を許可して、そしてそのためにまた受け入れ態勢を整えるための専門教員、専任教員の配置も考えてあげるという、これが基本的な教育的配慮ではないかなと、このように思うわけでございますが、この点いかがでしょうか。
#119
○政府委員(野崎弘君) 高等学校の入学者選抜につきましては、昭和五十九年に通知が出たわけでございます。その昭和五十九年に通知が出るまでの間は高等学校の教育を受けるに足るということで、高等学校一般というようなことを念頭に置いて通知が出されておったわけでございますが、五十九年の通知以降、「各高等学校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を判定して行うものとする」ということで、それぞれの高等学校でその教育を受けるに足りる能力、適性等があるかどうかを判定して入学者選抜を行いなさい、こういうことに制度としてはなっておるわけでございます。
 しかし、やはりその高等学校の特色あるいは目的とするところがあるわけでございますから、定員割れが出たからといってすぐ進学希望者を選抜なしに入学させるというような形にはなっていないわけでございます。
 障害のある生徒の高等学校への入学につきましては、それぞれの学校におきまして生徒の障害の程度というものを考慮して、入学後当該高等学校の教育を履修できる見込みがあるかどうかという観点から判断すべきものと、このように考えておりまして、その際文部省といたしましては、従来から、単に障害を有することのみをもって受験の門戸を閉ざしたり不合理な取り扱いがなされることのないよう各県に指導してきているところでございまして、今回の入学者選抜の通知につきましてもそのことを明記しておるわけでございます。
 また、現実に、多くの県におきましても障害者の高校入学者選抜についていろいろ配慮がなされているところでございます。
#120
○山下栄一君 現在、高等学校には特殊学級というのがないわけですね。したがって、先ほども少し触れましたけれども、特に知的障害者の多くは中学卒業後、養護学校に行くかまた就職するかという、そういうふうな道しかないということでございます。
 いわゆる養護学校の高等部、これは東京都内でございますけれども、特に知的障害者中心の養護学校の高等部でございますが、七割の生徒が普通の中学で特殊学級また普通学級に在籍しておったと、もちろん三割は養護学校中等部からの出身者ということでございますけれども。すなわち、七割の障害児は小学校、中学校と九年間、せっかく健常児と一緒に生活してきたにもかかわらず、高校は障害者だけの学校に進学せざるを得ないという、そういう実態になっているわけでございます。
 特に知的障害者の場合は、健常児と触れ合う中で健常児のしていることをまねることによって刺激を受けて非常に能力が開発されていくという面が非常に強いというふうに聞いておるわけでございまして、障害児のみの学校で、いわゆる分離方式、セパレート方式では刺激をなかなか受けられないという実態があるわけでございます。今日、高校進学率はもう九四%を超えておるわけで準義務化という状況にあるわけでございまして、地域の子供たちの中で生活していくためにはやはり高校にも特殊学級をつくるべきである、このように考えるわけでございます。
 したがいまして、高校に特殊学級をつくりますと、中学校の特殊学級がそうでありましたように、ホームルームとか給食とか学校行事とか、また音楽とか体育とかについては健常児と一緒に生活する、それで学力の差の激しいところの例えば英語とか数学とかにつきましては特殊学級で授業を受けるというふうなことができるわけでございます。
 特に、学校教育法の七十五条には、小中高等学校には「特殊学級を置くことができる。」「精神薄弱者」というふうにきちっと明記されておるわけでございまして、高校に特殊学級を設置するという七十五条の実現の見通し、これをお聞きしたいと思います。
#121
○政府委員(野崎弘君) 現在、中学校の特殊学級卒業者のうちで高等学校の教育課程を履修できる見込みがあるという者の教育につきましては、現在高等学校の教育課程も相当弾力的に編成できるようになっているわけでございまして、そういう教育課程を弾力的に編成する、あるいは指導方法にも工夫を凝らして適切な高等学校教育が受けられるように配慮することが重要だと、このように考えておるわけでございます。
 先生御指摘のように、確かに学校教育法の規定では特殊学級が高等学校にも置かれるようなことになっておるわけでございますけれども、私どもとしてはやはり高等学校教育の中で対応することがいいと、こういうことでございまして、特殊学級を設けて指導するということを現時点では考えていないところでございます。
#122
○山下栄一君 非常に文部省の考えはかたくて、ちょっと時代に逆行しているなというふうに感じるわけでございますが、健常児と障害児がともに学ぶということの意義、これを確認したいと思うんです。
 まず、高校はもちろん知的学習の場であるわけでございますが、ともに生活の場であるというとらえ方も大事であると。特に、現在の高校生活はもう本当に知識偏重が非常に行き過ぎておる面がございまして、高校生活で青春の思い出をつくる、また友情をはぐくむ、ともに苦しんでともに喜んで、そこで思い出をつくるという観点が非常に低下してきておると、高校生活の意義としましてそういうふうに思うわけです。
 以前は、少しどこかの記事でも読みましたんですけれども、本当に今大人の、特に四十代以上でしょうかの方々の思い出の歌ということで一番心のよりどころとなっている歌というので多いのが、例えば「青い山脈」であったり「高校三年生」であるというのが非常に多いわけですよね。一番懐かしい歌というのはそういう歌であると。今現在の高校生が卒業してから大人になったときに果たして一番よりどころになる歌は何かといったときに、高校生活を思い出すような歌が出てくるかということになっていくと非常にやはり疑問があると思うわけでございます。
 そういう意味で、私は、もちろん高校は知的な訓練を受ける場であるわけでございますけれども、これだけたくさんの中学生が高校に行くわけですから、そういう生活の場でもある、そして小学校、中学校ともに友だちと、健常児と学んできて友情をはぐくんできたと。それがぶつっと切られてしまって、高校はもう養護学校の高等部一カ所しか行けないとふうな状況では、やはりこれは民主教育の観点からも非常に配慮が欠けているというふうに思うわけでございます。
 そういう意味で、障害児が健常児とともにはぐくんできた人格形成のプロセスといいますか、それを中断させないためにも、やはり少なくとも高校に特殊学級の設置というようなことは緊急の課題であると思うわけでございます。
 また、人権教育という観点からも、特に多感な高校時代、健常児も障害を持った、ハンディを持ったそういう子どもたちもきちっと、違いがあるけれども一個の大事な今なのであるという人間尊厳の理念をしっかり学ぶ、生きたそういう経験を学んでいくという意義を考えましても、特に今人間を偏差値ではかっていってしまうというふうな傾向の非常に強い時代性があるわけでございますから、そういう観点からも高校でともに学ぶ機会をやっぱり保障していくべきであると思うわけでございます。
 また、そういう知的なハンディを持った子供たちの一生を考えた場合に、やはり学校生活というのは本当に人生のうちの四分の一ぐらいですし、もっとですかね、五分の一、あと五倍ぐらいは社会で生きていかなきゃいかぬわけでございまして、そういう意味で自立の力を養っていくという、これは非常に大事な課題であると思うわけでございます。
 そういう意味で、社会へ出る直前の高校生活がある意味ではノーマルでないそういう生活を強いられるということは、非常に障害児の社会的自立という面からも配慮が欠けていると。やっぱり厳しくても健常児ともまれながら自立する力を養っていくということが大事であると思いますし、国際障害者年のテーマであります「完全参加と平等」という意義から考えましても社会的自立ということ、自立する力を養うという意味におきましても高校段階で健常児とともに学ぶ場を保障するということが非常に重要な観点であると思うわけでございます。
 特に、今回の高校教員配置改善計画の主眼は、個に応じた多様な教育の推進、高校教育の個性化を推進するためにも多様な指導方法を工夫するということが主眼になっておるというそういう趣旨からも、新しいタイプといいますかそういう高校をつくっていくという観点からも、障害児を積極的に普通高校に入れていくというそういう配慮がぜひとも大事だと思いますし、今回の法律の精神にかなっておると、このように考えるわけでございます。
 そういう意味からも、再度高校に特殊学級の設置を強く要望したいと、このように思いますが、大臣いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(森山眞弓君) 義務教育を修了しました障害児の進路につきましては、障害児の能力、適性や障害の状態などに応じまして、盲、聾、養護学校の高等部、高等学校への進学、職業訓練校、福祉施設、授産施設などの福祉、労働機関への入所あるいは医療機関への入院、就職など非常に多様な進路が用意されておりますが、平成四年三月、昨年の三月の特殊教育諸学校中学部及び中学校特殊学級の卒業者のうち約一一%が高等学校へ進学いたしております。
 文部省といたしましては、高等学校の入学というのは障害児の個々の障害の程度、これはさまざまでございますし、学校での受け入れ態勢もそれなりに整えなければなりません。入学後、履修が可能であるかどうかということについてもきめ細かく判断しなければなりませんので、その入学者の選抜試験において単に障害があるということだけで不合理な扱いがされることのないように指導しながら、できるだけの準備をしたいということでやっているところでございます。
 今後とも、障害児の後期中等教育の機会の確保ということには努めてまいりたいと思うのでございますが、後期中等教育段階における障害児に対する教育につきましては、その能力を最大限に伸ばすために、障害の種類や程度に応じまして適切な教育を行うことが必要でございます。
 現在は、比較的障害の程度の重い生徒につきましては特殊教育諸学校の高等部において、また比較的障害の程度が軽くて高等学校の教育課程を履修できる見込みのある生徒については高等学校においてそれぞれ適切な教育を行っているところでございます。
 先生のおっしゃいましたとおり、一般の子供たち、生徒たちと一緒に勉強することによって、通学することによってそれなりの刺激を受け、それがまた状態の改善につながることもあり得るというふうにも思いますし、また逆の立場から、一般の学生、生徒の思いやりとかあるいは福祉問題への自覚とか、また世の中にはさまざまな環境でさまざまな努力をしている人がいるということを身をもって知るというような面からも大変意義のあることだと思うわけでございますが、先ほど来申し上げましたようなさまざまなことを考慮していきながら、これから努力したいというふうに考えております。
#124
○山下栄一君 今、大臣のお話聞いておりましたら、障害児の状態もさまざまであると、能力をやっぱり障害児なりに全面的に伸ばしていくためにもさまざまな配慮が必要であると、細かい配慮が必要であるというお考えなわけですから、具体的に障害児の方も数は少ないですけれども一般校へ行っておられる場合もあるわけですから、そこできめ細かい指導、教育を行うためにも、例えば高校段階の普通高校における通級指導体制とか特殊学級の設置とか、これはもう当然一つの道として選択の幅として障害児の能力を伸ばすために当然考えられるべき配慮じゃないかなと思うんです。
 大臣の今のお話の趣旨に合った提案だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(森山眞弓君) 大変、先生の御熱意には深く感銘をする次第でございます。
 おっしゃるようなものがこれから将来の理想として考えられる一つの形だというふうには考えられますが、先ほど来申し上げておりますように、いろいろと検討しなければならない事項がたくさんございまして、いつということをお約束できないのはまことに残念でございますが、将来の理想としていつかそういう方向を追求していきたいというふうに考えております。
#126
○山下栄一君 非常に細やかな教育の配慮をされる文部大臣としましては、なぜすぐにとおっしゃらないのかなというふうに思うわけでございます。
 私は、今回の法律はまさにそのために個に応じた多様な教育を配慮していくという、またそういうさまざまな指導を工夫していくために教員配置を考えていこうという趣旨ですので、当然考えられる。まして、今回本当に、先ほどもございましたように、障害児教育の方々の念願であった義務教育段階における通級指導体制というようなこともいよいよ始まったわけでございますし、全く同じ趣旨で普通高校における通級指導の体制、また特殊学級の体制は人権教育の観点からも、まさに国連障害者の十年、またことしアジア太平洋障害者の十年も始まっているわけでございますので、その趣旨に最もかなった教育的配慮ではないかなと。
 森山文部大臣がやれとおっしゃることがもう歴史に残る英断になってくるというふうに思いますので、ぜひともこの場でお約束していただければなと。そんな、いつかとかそういう悠長なことじゃなくて、もうノーマライゼーションの日本も非常に実質的な、経済大国だけじゃなくて本当に文化大国といいますか人権を大事にする国になってきたなという、そういう精神的レベルの高い国になってきたということを示すためにもこれは考えるべきことであると思いますが、再度お願いいたします。
#127
○国務大臣(森山眞弓君) 大変、先生の御熱心な御提言には改めて感銘を受けるわけでございますし、私がそう思えばできるというのであれば大変簡単なんですけれども、なかなかそうはまいりませんものですから、将来の課題として心にとめておきたいというふうに思いますのでお許しください。
#128
○山下栄一君 非常に残念なことでございますが、今申し上げました高校段階における特殊学級の設置、通級指導の体制、ぜひとも早急に御検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後に、社会人講師の問題でございますが、これは非常に教育的な効果が大きいということで臨教審、また中教審、高校教育改革推進会議の報告等でも積極的な社会人講師の活用ということを言われておるわけでございますが、特に生徒の観点に立ちましても生きた知識を学べる。小学校、中学校、高校それぞれであると思いますが、特に高校段階におきましては具体的な進路教育になっていく、職業教育になっていくというふうに思うわけでございます。
 社会に目を開く具体的な方法としましても社会人講師の方が教壇に立つということは非常に意義があると思いますし、教員にとりましても視野が拡大するし教育技術もある意味では新しい観点で学べ、向上に資するんじゃないかなと思います。また、社会人の講師その方にとりましても新しい生きがいを見出すといいますか、そういうふうな効果もあるんじゃないかなと。特に、定年退職された方で非常に生活経験、社会経験豊かな方が語りべとして教壇に立たれますと、子供と接することによって新しい生きがいを見出せるというそんな効果もあると思いますし、学校にとりましても、地域に開かれた学校という意味でも非常に大きな意義があるんじゃないかなと思います。
 社会人講師の積極的な活用、教員免許法でも新たに数年前に、教員免許がなくてもそういう社会人の方が教壇に立てるという道が開かれたわけでございまして、非常に大きな教育効果があるというふうに認識しておるんですが、実際現場ではどれぐらいの社会人の方が講師として教壇に立っておられるのか。特に、具体的には教員免許の観点、三条二項の数でしかわからないかもわかりませんけれども、教えていただきたいと思います。
#129
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 学校教育の多様化や活性化を図る上で、広く一般社会から教員にふさわしい方を積極的に教育界に迎え入れるということは、先生がおっしゃるとおり、重要なことであると考えております。
 このことから、昭和六十二年の教育職員免許法改正におきまして、すぐれた知識や技術などを有する人材を学校教育で活用することができるよう、免許を有しない者でありましても非常勤講師として採用することができる特別非常勤講師制度を設けたところでございます。
 この制度によりまして、平成三年度には全国で千百六十二件の特別非常勤講師の許可が行われておりまして、さまざまな分野ですぐれた知識や技術等を有する社会人が中学校、高等学校等において教科の領域の一部やクラブ活動の指導に当たっているところでございます。
#130
○山下栄一君 千百六十二件、これは小中高それぞれ合わせてですね。これはちょっと偏りがあるのかなと思うんですけれども、長野県とか神奈川県、岡山県等でそういう例を新聞報道等によってお聞きしているわけでございます。
 確かに、例えば高校のレベルでしたら社会人の方が講師として教壇に立っておる学校というのは進学率が非常に低くなってしまう、そういうふうな方が講師になっておるんだったら進学に不利であるというふうなとらえ方もありまして、なかなか高校段階においては普及しないというふうなことも聞いておるわけでございますけれども、私はそれは大変大きな誤ったとらえ方であるなというふうに思います。
 特に、高校生が将来どう生きていくかというふうに考えました場合に、社会人として活躍されている方が、銀行マンであれさまざまな専門的な技能を持った方であれ、そういう方に接するだけでも非常に具体的な生きた進路指導になっていく、職業教育になっていくという意味で、これはどんどん積極的に拡大する方向で、余りふえ過ぎても問題でございますけれども、推進を図るべきではないかなというふうに考えておるわけでございます。
 そういう意味でも、国からの人件費面の補助といいますか、これはやっぱり考慮すべきであるというふうに思うわけでございます。教育的な効果から考えましたら、社会人の方の講師採用ということは非常に大きな意義があるという観点から、また国として推進する意味からも、先ほど申されました、特に義務教育段階の非常勤講師を定数の枠の中に入れて国庫補助の対象にしていくという、これはやはり具体的な課題ではないかなと。これは大蔵省もあることですから大変でしょうけれども、文部省としては積極的に働きかけをお願いしたい、このように思うんですが。
#131
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 特別非常勤講師制度で採用されております教員については、特に高等学校において積極的な活用が行われまして、そのうち千百二十七件、かなりの部分が高等学校において社会人が特別非常勤講師として各学校において英会話とかあるいは外国事情とかあるいは工業関係、商業関係あるいは美術工芸関係と、いろいろな分野で実際に生徒の教育活動に携っていただいているところでございます。そこで、もう一点の、高等学校につきましては標準法の枠内で非常勤講師の採用が法律上認められているところでございますが、義務教育諸学校につきましては、先ほど申し上げましたように、一応非常勤講師の報酬についての経費負担のあり方等について、現行の義務教育費国庫負担制度との関係等についてさらに検討を要する問題がございますので、今後引き続き検討させていただきたいと考えております。
#132
○山下栄一君 ぜひともよろしくお願い申し上げます。
 質問を終わります。
#133
○江本孟紀君 一番最初にお聞きしようと思って一生懸命書いてきたんですけれども、最後に山下先生がほとんど言われましたので聞きづらくなりましたが、非常勤講師のことをもう少しお伺いしたいと思います。
 やはり、もっと大いに活用された方がいいんじゃないかと思います。特に、具体的に言いますとコンピューターの指導員とか特に運動部の部活におけるスポーツ経験者の活用とか、それからこれは極端な話かどうかわかりませんけれども、例えば技術・家庭なんかにおいては大工さんが来て授業をしたり、校外学習なんかでは農家の方の講義とか実習ですね。それから、今お答えされておりましたけれども、語学教育なんかは特に商社とか航空会社のOBによる生きた英会話などというのを正規の教員の方とともにやられると非常に多様な指導方法が実現できると思うんですね。そういうことで、大いに活用していただきたいと思います。
 こうしたことが導入できれば、今回のこのチームティーチングが単なる児童生徒の減少による教員定数削減に対する措置という疑念にこたえることにもなると思います。それから、生徒の評価の見直しというようなことにも通じると思いますので、ぜひこのあたりを考えていただければ幸いだと思います。お答えの方は今大体お聞きしましたので、もうこれに関してはいいと思います。
 次にお聞きしたいんですけれども、今回の計画には高校における総合学科などに対する教職員の配置は含まれておりませんが、今後の方針はどのようになっているのでしょうか。総合学科の内容やねらいを含めてお尋ねします。
 また、総合学科に関連しまして、選択履修が導入されても、それらの科目がどのように入試に反映されるのかということと、もし反映されないということになれば生徒に与える影響は非常に大きいと思います。入試改革の検討内容も踏まえてお答えいただきたいと思います。
#134
○国務大臣(森山眞弓君) 総合学科につきましては、去る平成三年四月の中央教育審議会の答申におきまして、「普通科と職業学科とを総合するような新たな学科」というものの創設についての提言をいただきました。
 文部省におきましては、高等学校教育改革推進会議を設けまして検討を進め、去る二月十二日に最終報告をいただいたところでございます。
 総合学科は、普通科目のみならず専門科目も含めて多様な教科・科目を開設いたしまして、生徒が自分の興味、関心に基づいて主体的に履修するというその科目を選択することに最大の特色を有するということになっております。このため、履修科目の自由な選択を通して能力、適性等の多面的な角度からの評価が行われるということによりまして、学力を単なる知識の量としてとらえることから生じるいわゆる偏差値を尺度とする高等学校間の序列意識を打破する契機となるというふうにも期待されているわけでございます。
 また、業者テストによる偏差値等に過度に依存した中学校の進路指導、高等学校への不本意入学とか中途退学などが社会的問題となっておりますが、このような問題を是正するためには高校入学者選抜の改善とともに高等学校の側の多様化が要請されているわけでございまして、一人一人に合わせた多様なカリキュラム編成が可能となる総合学科は多様性を有する高等教育を提供する代表的存在となるということで大きな期待を寄せているところでございます。
 文部省といたしましては、この総合学科の創設について趣旨の徹底を図りますために、先ごろ都道府県等に対しまして指導通知を発しますとともに都道府県関係者を集めまして会議を開催いたしまして、この総合学科の開設へ向けての各設置者の積極的な取り組みを促したところでございます。
 これは、実は私も大変有意義なことだと個人的にも強く感じておりまして、先般埼玉県の先進的なこの種の学校を見学に行ってまいりました。生徒たちが大変生き生きと勉学に励んでおりまして、余り難しい拘束とか厳しい監督よりは、そういうものを置くよりは、むしろ生徒たちの自主的な活動を重視するというやり方で大変順調に発展している様子を見てまいりまして、あわせて申しますと、そこには何人かの社会人の先生方がおいでになりまして、非常に効果も上がっているように見てまいりました。
 これからの高校のあり方の一つの姿だということで高く評価しているところでございまして、これがこの機会に全国的に受け入れられて、多くの高校生にとってより有意義な高校生活が送れる一つの場となりますように願っているところでございます。
#135
○江本孟紀君 それから、今個性ということを非常に言われておりまして、個に応じた教育ということでございますけれども、個が生きている基盤であります地方とか地域の特性を生かした教育というのが非常に必要じゃないかと思います。
 例えば、これまた野球のことで恐縮ですけれども、甲子園なんかへ行きますと、甲子園の近くの子供たちというのは野球をただで見たいというのがありまして甲子園にアルバイトに行ったり、それからグランドキーパーというのが非常に少ないんですね。そうしますと、グランドキーパーのアルバイトに入っていきます。グランドキーパーをやっている間にただで野球が見られるということもあるんですが、土の大事さとか自然に対する何か強さとかそういったものを自然に覚えていって、最後には甲子園園芸というのがあるんですけれども、そこへ入って、じゃおれもこういうことをしようかというようなことにもつながるケースが多いんですね。
 特に、これも余談ですけれども、甲子園球場の水はけのよさというのは、これはもう大変なものでして、例えば人工芝と甲子園の土を比べますと、同じように雨が降って同じ時間に雨が上がっても、じゃどっちができるかというと甲子園の方が水はけがいいんですね。人工芝の方が本当は雨に強いはずなのに中止になるというような、そういう特性があるんです。そういったものを目の前にして見ますと、非常にそういうことにあこがれて、僕も甲子園時代便利なものですから何度かそういう坊主を面倒見たことがあるんですけれども、非常にそういうことでそのまま園芸の方に入っていくというようなケースもあります。
 そういうことですから、正課の中で取り上げられるものももちろんありますけれども、こういった何か。自分の興味から出てくる課外教育というものも非常に大事じゃないかと。地域地域の例えば伝統や文化、それから固有の自然を教材として行われるそういったものも含めて、そして郷土にそこから何となく愛着が出たり自然を大切にしたりする心とか、そういったものを地域というものともう少し密着させれば非常に教育として体験できるんじゃないか。
 そういうことですから、ぜひそういう環境も含めて、そういったものを充実させてあげるというようなことを考えていただきたいと思いますが、その辺の大臣の御所見を賜りたいと思います。
#136
○国務大臣(森山眞弓君) 今、先生がおっしゃいましたようなことを具体的に教育制度として取り上げるとすれば、先ほど来申し上げている総合学科のようなものにつながっていくのではないかというふうに思います。
 総合学科というのは、自分の興味、自分の関心のあること、自分の得意なことを自分の考えで選んで、そしてそれを勉強していくことによってその分野の知識を得、経験を積んで将来の自分の進路としてつなげていくというものでございますので、今までの普通科とか割合に範囲の狭い職業科というのだけではカバーし切れない分野を多様に取り上げていくということでございますので、まさに先生が言おうとされていることを実現していくのが総合学科の考え方であるということでございます。
#137
○江本孟紀君 そういうことで、高校とかそういうところは、特に中学校も含めてそうですけれども、もっといろんなものがでさるような環境というのが必要だと思います。
   〔委員長退席、理事田沢智治君着席〕
 そういう中で、ちょっと関連していると思うんですけれども、去年まだここの仕事をしていない前ですけれども、野球場へ仕事に行くときに途中で隣に座った方が都内の公立の工業高校の校長先生でして、何でそういう先生がいたのかよくわからなかったんですけれども偶然いて、その先生からいろいろ話を聞いておりますと、野球の話もしたんですが、そのときにどういうわけか僕に、最近工業高校に入る人が非常に少ない、特に工業とかという名前を聞いただけでも入る人が少なくなって私も大変困っているというような話をされておったんですね。それはそのときは、ああそうかなという程度で聞き流しておりましたけれども、そのことをふと思い出したんです。
 そうすると、僕らもいろいろ考えてみたんですけれども、何か工業高校とか例えば農業高校とか、そういうところは非常に入る人が少ないんですね。先日もどなたか言っておられましたけれども、どうもそういうことで考えますと、僕らのイメージからしてもそうなんですが、工業とか農業に行くということは大体勉強できないからまあそこでも行ってこいと言われるケースが一般的に多いんですね。
 そうしますと、行く人たちも何か本当にエリート意識を持って行くんじゃなくて、何か進学もできないし勉強もできないから最後に行くかみたいな、そういうふうに思うケースが非常に多いんです。僕は、もともとそういう専門的な学校というのはちゃんと職業としてのプロフェッショナルになるための本当は学校だと思うんですけれども、現実には偏差値教育の弊害なのかもしれませんが、どうもそういう連中が行くようなところだという中でみんなから敬遠されるんではないかというふうに思います。
   〔理事田沢智治君退席、委員長着席〕
 そういうことで考えてみた場合に、かといってそれをなくすわけにはいきませんので、じゃどうしたらいいかということになると、最近の世の中そうですけれども、大体名前とかそういったものに非常にこだわる傾向がありますから、僕はこの仕事を昨年からするようになって、またその校長先生がたまたま来られたものですからその話をしたときに、じゃひとついろいろアイデアを考えましょう。僕ら教育者でもありませんし学校時代は本当に劣等生で、こちらに座っている中では一番僕が勉強できなかったんではないかなと思いますけれども、そういう中で大したアイデアはないですが、今風に考えればこれは名前を変えた方がいいんではないか。
 要するに、ネーミングの問題でして、何とか工業高校と言わないでただの高校にするか、それとも最近はやりの横文字の名前にして何とかコミュニティーカレッジとかなんとかそういうふうにして、その中に工業科とか農業科とかバイオテクノロジー科とか今風の格好いいものをつけてやったらそんなに差別感がなくすんなり入ってきて、そしてなおかつ専門的なことができるんじゃないかというふうなネーミングの問題をちょっと言ってみたんですけれども、そういうことで工業高校をなくすとか農業高校をなくすとかいうことはできないと思いますから、実際そういった知恵を出してネーミングの問題も考えていただいたらどうかなと思いますが、文部省の御見解を伺いたいと思います。
#138
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるようなことは確かにあるようでございまして、これは私の地元のことで恐縮ですけれども、長年の伝統がありました県立宇都宮農業高校というのがあったのでございます。そこは大変たくさんの指導者を輩出した、県内でも指導的な立場にある方がたくさんお出になった名門校なんですけれども、農業高校という名前がどうも最近の若い人には受けないということで、そのほかにもいろんな理由があったんでしょうが、その名前を去年、おととしでしたか白楊高校という名前に変えたんです。
 ちょうど学校の一番目立つところに柳が三本立っていまして、その学校のシンボルであったんですね、長年。白楊と言えばその宇都宮農業高校のことだったんです。たまたま大変いい名前が見つかって白楊高校という名前に変えまして、中身は先生がおっしゃいますように、いろんな職業人をつくるためのいろんな科に分かれているんですけれども、それで非常にイメージチェンジになりましてまた希望者が大分上向いてきたということでございまして、確かに先生がおっしゃいますように、名前というのは今の特に若い人には大きな影響があるようでございます。
 ただ、一律にどの学校も名前を変えると命令するわけにもまいりませんし、基本的には学校の名前というのは、県立の場合でしたら各都道府県とか、あるいは私立ならその学校法人が判断して決めることでございますので、文部省といたしましては一冬設置者が地域におけるその状況あるいは生徒の動向などをよく勘案いたしましてふさわしい学校名を考えていくということがよろしいのではないかと考えております。
#139
○江本孟紀君 そのネーミングのことはぜひお願いしたいと思います。
 さっきちょっと言い忘れましたけれども、もう一つ、これはお答えがあってもなくてもいいんですが、さっきの最初のところのチームティーチングの中でちょっと一つだけ注意をしたいことがあります、注意というのはおかしいんですけれども。
 やっぱり、例えば複数の先生になったときに、これは確かにいい面もあるでしょうけれども、人間関係というところで非常に難しい面も出てくると思うんですね。だから、その辺を配置の部分では非常に神経を使っていい方法でその複数の先生を入れていただきたい、これは学校だけではなくてどの世界でも全くそうですから。
 特に、またこれも野球で申しわけないですがしばらくやらせていただきますけれども、特に優秀な選手が入ってきても一人のバッティングコーチだけで教える分には非常にいいんですが、ちょっと打てなくなるとまた違うのが出てきて、その次また違うのが出てきて、それで外部から来てと、松井選手のように絶不調になったりなんかするケースがあります。これは、まさしく学校教育の中でも同じことが言えると思いますので、チームティーチングというのは非常にいいんですけれども、その辺は十分に注意をしていただきたいと思います。
 これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#140
○高崎裕子君 定数改善計画についての文部省の基本的な姿勢というか考え方についてお尋ねしたいと思うんですが、今回の改善計画では小中学校の学級定数の改善は見送ったわけです。この点に関連してお尋ねいたしますが、前回十三年前ですね、定数改善計画では小中学校の学級編制の標準が四十五人から現在の四十人に引き下げられるということなどが行われましたが、このときの改善計画が策定された経緯についてどうだったのか簡潔に御説明をいただきたいと思います。
#141
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 学級編制基準の改善につきましては昭和三十三年の標準法制定当時、いわゆるすし詰め学級の解消を図りまして、その後昭和三十九年度から始まった第二次改善計画におきまして四十五人学級を実施したところでございます。
 その後、児童生徒数が増加を続けてきておりましたが、昭和五十五年度から始まります第五次改善計画におきましては、この計画期間中に児童生徒数が減少する見込みから、教育条件の一層の整備を図るために、長年の懸案事項であり教育関係者の強い要望がございました四十人学級の実施を行ったものでございます。
#142
○高崎裕子君 その当時の文部省の諸澤事務次官が次のように述べているわけですね。
  今回の改善計画策定に当たっての最も大きな懸案は、やはり、いかにして小・中学校の四十人学級を実現するかであった。 昨年八月、文部省が文部省としての改善計画を公にし、その中で四十人学級の実現を公式に打ち出すと、一学級の児童・生徒数を四十人にすることによってどのように教育効果が上がるのか、一学級当たり五人程度の児童・生徒数の引き下げで教育効果がどう変わるのか、といった四十人学級問題に消極的な意見が、現下の厳しい財政事情を背景に、主として財政当局を中心に続出した。これらの意見に対して、我々は、小・中学校の一学級の児童・生徒数が四十人でなければならないという明確な科学的説明はなかなかできないけれども、これからの学校教育では一人一人の児童・生徒の能力・適性に応じた教育が大切であり、そのためには今よりも一学級の児童・生徒数を減らすことが必要なこと、米・英・仏等の欧米諸国における初等中等教育段階の学校の学級編制基準は四十人以下となっていること、大学でのいくつかの研究例でも、大規模学級よりも四十人学級のほうが教育効果の上がることを示していること等を繰り返し説明し、説得に努めた。
こう諸澤さんは当時述べていらっしゃるんです。
 ここで私が注目したいのは、諸澤事務次官が当時の財政当局の意見として紹介している、「一学級の児童・生徒数を四十人にすることによってどのように教育効果が上がるのか、一学級当たり五人程度の児童・生徒数の引き下げで教育効果がどう変わるのかといった」「消極的な意見」は、今回は四十人と三十五人の違いはあるんですけれども、文部省の教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議が学級定数の改善を見送る理由として挙げている、「学級規模と教育効果との関係は必ずしも明確ではない。」、「財政負担に比して学級規模の縮小の効果が必ずしも確かではない」とか「最適な学級規模についての 実証的な調査結果が得られにくい」などと、基本的には十三年前の財政当局の意見と同じことを今回文部省はこの協力者会議の意見としておっしゃっているわけですよね。
 十三年前には大蔵省、財政当局が持ち出した理屈を、今回は事もあろうに文部省が持ち出したという点で、この三十五人学級をやらないという理由にしているとしか思われないわけなんですけれども、この点はそうではないんでしょうか。
#143
○政府委員(井上孝美君) 今回の定数改善計画を策定するに当たりましては、臨教審、中教審等の答申あるいは教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議の中間まとめ等の中でもございますように、基礎、基本の徹底と個性を生かす教育の実現を目指す新学習指導要領の趣旨を実現するために、個に応じた多様な教育を実現するための教職員配置を行うということを主眼としているところでございます。
 したがいまして、今回の調査研究協力者会議の中間まとめでも提言されておりますように、学級編制の実態が平成三年度で小学校が二十九・一人、中学校が三十二・九人という実情あるいは今後児童生徒数が減少して学級規模もある程度減少するというような実態を踏まえ、学級編制の基準を一律に引き下げるよりはチームティーチング等の新しい指導方法を導入することによりまして、児童生徒一人一人の個性や能力を生かす教育を実現するということを今回の定数改善計画の主眼としているわけでございまして、したがって今回の第六次の義務教育諸学校の定数改善計画の三万四百人のうち半数以上の約一万六千人をそのようなチームティーチング等あるいは選択履修の拡大に必要な教職員配置に要する教職員配置というようにさせていただいているところでございます。
 これによって新学習指導要領の趣旨の実現を目指した、個に応じた多様な展開ができるものと私どもとしては考えているところでございます。
#144
○高崎裕子君 この点については、もうぜひ大臣にお伺いしたいんですけれども、今一学級当たりの平均児童生徒数は減っているというお話もありましたが、三十五人を超えるクラスというのはまだ小学校で全体の二五・二%、中学校ではまだ六一・四%、半数以上も現実にはあるということで、決して児童数は減っているわけではないということがあるわけですね。
 それから、当時の諸澤事務次官が述べている事情で国際的な立ちおくれなど、基本的には現在も変わっていないというふうに思うわけです。むしろ、先ほど来出されておりました登校拒否とかあるいは高校中退、いじめ、落ちこぼれの増加など学級規模縮小の必要性というのは、私はより切実になっているというふうに思うんです。だからこそ、母国会この文教委員会にも二千万人を超える請願署名が寄せられている。学級定数の引き下げというのは、もう国民的な切実な要求になっているというふうに思うわけです。
 ところが、文部省はこういう国民の要求にこたえて大蔵省、財務当局を説得するどころか、今示した協力者会議の報告にいわば名をかりて学級定数の引き下げを要求すらしないという姿勢だということで、私は十二年前の文部省の姿勢とはこの点では大きな違いがあると言わざるを得ないと思うんです。もう明らかに後退しているのではないかというふうに思うわけです。
 それで、文教行政の基本姿勢にかかわる大変重大な問題だというふうに思うので、ここは大臣の見解をぜひお伺いしたいと思います。
#145
○国務大臣(森山眞弓君) 今、十三年前の記録をもとにいろいろ御指摘がございました。私も、十三年前がどのような情勢であったか、特に教育界の現実について当時のことをよく詳細に存じておりませんけれども、今日では十三年前とはかなり違った状況であろうということは容易に想像できるわけでございます。
 今私どもが教育界の中で直面しておりますさまざまな問題、その諸問題にきめ細かく対応していくこと、そして一人一人の個性を伸ばして多様な対応をしていくことというようなことを考えてまいりますと、もちろん数の問題も全く無視はできないかもしれませんけれども、それよりはさらに別の面で工夫改善をするということがもっと必要なのではないかと、そういう感じが私はいたすわけでございます。
 したがって、今回の改善計画におきましては一学級当たりの児童生徒数の全国平均の現状とか、より多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置というようなこと、それが望ましいということの観点から普通学級の学級編制の標準を変更するということはいたしませんで、別の方法で子供たちのニーズにこたえていきたいというふうに考えているところでございます。
#146
○高崎裕子君 個性の問題についてはまだ後でお尋ねしたいと思うんですけれども、実際に教育現場で苦労されている先生方の声にやっぱり本当に耳を傾けていただきたいと思うんです。
 何とか学習のおくれがちの子供たちに手当てをしたい、一人一人に目が行き届く教育をということで考えると、もう一クラス四十人ではとても手が回らない、せめて三十五人学級にしてほしいというのはもう現場の教師の本当に血を吐くような切実な願いだという、やっぱりこの点を私は無視するものではないかということをどうしても指摘しなければならないと思うんですね。
 それと、私は今という時期は本当に三十五人学級を実現する絶好のチャンスなんだということを強調したいわけです。現在は児童生徒数の急減期と言われているわけで、教員の自然減も大量に見込まれるという点では財政的にも無理なく三十五人学級に移行する条件があるということで、そういうことにもかかわらず、教育の条理よりは財政、大蔵省の論理で三十五人学級を見送ったという点は私はとても納得できないということを指摘しておきたいと思います。
 時間の関係で次の問題に移りますけれども、前回の定数改善計画はどんな目的で行ったんでしょうか、この点を確認しておきたいと思います。簡潔にお願いします。
#147
○政府委員(井上孝美君) 前回の第五次改善計画におきましては、昭和三十四年度以来の数次の改善計画に引き続きまして教育条件の一層の整備を図る観点から、教育の不朽的な課題である基礎と基本をしっかり身につけた、人間性豊かで創造力に富む心身ともに健全な国民の育成を図るため、四十人学級の実施を初めとしてさらに計画的に教職員定数の改善を図ることを目的としたものでございます。
#148
○高崎裕子君 これもまた諸澤事務次官なんですけれども、当時この前回の改善計画の目的について、これは先ほど指摘した教育委員会の八五年の七月の月報なんですけれども、この中で、「この改善計画は、一人一人の児童・生徒により行き届いた教育を行う条件を整える、一人一人の児童・生徒にもっと目の届く教育をして、基礎と基本をしっかり身にづけるとともに、一人一人のもっている能力をもっと伸ばしてやる、そのための条件を整える、という目的をになっている」と、こう述べておられます。
 ところが、今回の改善計画では、文部省はその目的については個に応じた多様で柔軟な指導方法が工夫できるような教職員配置を行うことを主眼とした、あるいは新学習指導要領の目指す目標を実現し個に応じた多様な教育を推進するためのものなど、個に応じた多様な教育ということを強調しているわけなんですが一前回の「一人一人の児童・生徒により行き届いた教育を行う」あるいは「生徒にもっと目の届く教育」ということは言っていないわけなんですよね。
 ここが前回の改善計画と今回では私は明らかにその意図しているところが異なっているというふうにどうしても見えるんですけれども、この点いかがですか。
#149
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 今回の改善計画におきましても新しい学習指導要領の趣旨が基礎、基本の尊重と個性を生かす教育の実現を目指すことにあるわけでございまして、そういう意味から申しましても児童生徒一人一人の個性や能力、興味、関心に応じた多様な教育が実現できるようなことをその改善計画においても目標としているところでございます。
 したがいまして、そういう観点からチームティーチング等の新しい学習指導方法の改善工夫によりまして児童生徒一人一人の能力や適性、興味、関心に応じた指導方法ができるように配慮した教職員配置改善計画を策定したわけでございまして、そういう意味で従来の固定的な学級編制よりは弾力的に、複数の教員の協力等によりまして個別指導やグループ指導等を行うことによりまして児童生徒の理解の程度やあるいは興味、関心に応じた多様な指導ができるような体制づくりを今回この教職員配置において行うこととしているところでございます。
#150
○高崎裕子君 やっぱり今回の改善計画を見ますと、小中学校の場合は教職員の増員の半分以上が新学習指導要領の目指す目標を実現し、個に応じた多様な教育を推進するためという、これに充てられるということで、その意図と目的が前回とは違うということが私は明らかだと思うんですね。
 だから、本当に一人一人の児童の持っている能力を伸ばして基礎と基本をしっかり身につける、その条件を整える定数改善計画を考える、これが基本だと思うので、この点では繰り返し御説明いただいていますけれども、やっぱり私は、文部省の姿勢というのは前回と違って問題があるというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 次に、個に応じた教育の実現のための新しい指導方法の導入、これに関連して具体的にお尋ねしていきますけれども、文部省は新しい指導方法を積極的に導入する学校に教員を優先的に配置すると、こういうふうになっているわけですけれども、個々の学校への教員の配分については文部省が一々口出しをしていくということではなくて、各都道府県の教育委員会に基本的に任せていくべきだというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
 それからもう一つ、配置と指導方法。
 新たに配置される教員を含めてどのように児童生徒の実態に合った効果的な教育指導をするのかは、いわばその学校が創意工夫を凝らして研究し実施していくのが当然だというふうに思うんですけれども、この指導方法については文部省や教育委員会が画一的に学校に押しつけていくということがあってはならないというふうに思いますが、これらの点についていかがでしょうか。
#151
○政府委員(井上孝美君) お答えいたします。
 チームティーチング等の指導方法改善の定数につきましては、各都道府県教育委員会におきまして市町村教育委員会の意見を十分聞きながら、協力者会議の最終報告で示されました内容に合致する新しい指導方法を積極的に導入する学校について配置していただきたいと考えているところでございます。
 文部省といたしましては、各都道府県教育委員会から配置希望校の申請を受けまして、各都道府県の学校数、学校規模、教職員数等を基礎として各都道府県ごとに一定の定数を配分したいと考えており、各都道府県教育委員会におきましてはこの配分定数の枠内で配置を希望する学校に教員を配置していただきたいと考えております。
 したがいまして、各学校において実施教科、実施方法などの具体的な指導計画を作成し、これに基づいて市町村教育委員会の意見を聞きながら都道府県教育委員会が責任を持って配置校を決定すべきものと考えております。
#152
○高崎裕子君 そうすると、教員の配分についても各県教委で具体的には考えて、尊重していくし、それから指導方法についても各学校における工夫改善ということを尊重していくという文部省の立場を今お話しされたわけですけれども、その点は非常に大切なことだというふうに思いますので、ここは十分そういう形で進めていっていただきたいというふうに思います。
 次に、新学習指導要領に沿った意欲的な学校などという形で学校に差をつけたり優先配置をすべきではないということで、この点についてはマスコミも、競争原理が働くのではないかというようなことが危惧されるということで指摘もされているわけですから、こういうことはやっぱりすべきではないというふうに思いますし、新しい指導方法の導入について文部省は各都道府県における取り組み状況を今言ったように的確に把握する、画一的な指導方法を押しつけないということですから、こういうことを十分考慮して国民のあるいは職員の期待に、学校の期待にこたえてやっていただきたいと思います。
 次に、この新しい指導方法の導入についてはいわゆる習熟度別の学級編制も想定されているわけですけれども、これについてお尋ねいたします。
 この習熟度別の学級編制については大変問題が多いと思うんですけれども、実際に千葉県の松戸市のある中学校で十一年前の一九八二年に進路別学級編制という名称で、いわゆる習熟度別学級編制が行われたことがあったんです。そこでは父母に対しては、一人一人の子供を伸ばすためにとか個々の子供の実態に照らして必要な指導を実現するためにというふうに校長先生が説明されて、当初は反対もなく、むしろ拍手で歓迎するというような父母もいて、期待を持って受けとめられたといってもよい状況があったと言われています。
 この学校では、生徒を前年度の成績の上位の者から、ランク五からランク一と五ランクに分けて教室の座席を決めるんですね。それで、一番窓側はランク一と二の生徒、それから中側はランク三の生徒、それから廊下側がランク四と五の生徒ということで教材とか宿題も別のものを与えて指導するということが行われました。
 これを実施していくうちに窓際の席はばか席と、こういうふうに呼ぶ子供も出てきて、その席に座った子供は恥ずかしさに耐えられないで、差別されているということを泣いて担任の教員に訴えるという子供も出てきて、これがふえてくるという状況で、授業参観があったときでも学級懇談会では、ランク一とか二の子供たちの父母の中にはその懇談会の中でも耐えられなくて帰ってしまうという人が急増してPTAの中でも問題になって、学校長はその批判の中で、指導要領によって能力に応じた適切な指導をしているんだ、こう強調されたわけなんですけれども、父母の方は実態がそうなっていないということで納得せずに、この試みは実施後わずか二カ月で取りやめになったということで、もとの学級編制に戻っている、こういう例が実際にあるわけですね。
 今回の習熟度別学級編制ということがこうしたことにならない保証はないのではないかということを私は本当に危惧しているところで、この点いかがでしょうか。
#153
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 今回、チームティーチング等の教職員定数の配置につきましては調査研究協力者会議の最終報告の「付記」のところに基本的な考え方がございまして、その基本的な考え方としては、「個に応じた多様な教育を推進するため、複数の教員が協力して、一斉授業に加えて、個別指導、グループ指導等を取り入れたり、学級の枠を超えて学習集団を弾力的に編成するなどの新しい指導方法を積極的に導入する学校」に教職員配置を行うということが一つの考え方として、基本的な考え方として示されているところでございます。
 そこで、習熟度別学級編制についての文部省の考え方でございますが、基礎的、基本的な内容を重視して個性を生かす教育の充実を図るという今回の教育課程の基準の改善のねらいの達成は、教員の児童生徒一人一人に対する学習指導の充実に負うところが大きいわけでございます。このため、今回、小中高等学校を通じて学習指導要領の総則におきまして、特に個に応じた指導方法の工夫改善について示されているところでございます。
 そこで、小学校におきましては、その発達段階や学習の内容などから見まして、学級内において担任教師が把握した児童一人一人の学習の状況に応じて指導の工夫を行うようにすることが一般的でありまして、学級の枠を超えて習熟の程度に応じた指導を行う必要性は薄いものと考えているわけでございます。
 したがって、小学校については同一学級内で理解の程度等に応じて複数の教員が協力して指導を行うということを考えているところでございますが、中学校につきましては個に応じた指導方法の例として、学習内容の習熟の程度に応じた指導を示しているわけでございますが、これは教科によって生徒の習熟の程度に差が生じやすいことを考慮しまして、それぞれの生徒の習熟の程度に応じたきめ細かな指導方法を工夫して着実な理解を図っていくことを目指したものでございます。
 習熟の程度に応じた指導については各学校において生徒の実態等に応じて多様な指導方法の工夫改善を進めていくべきものでありますが、中学校における学級の枠を超えた学習集団の編成を実施する場合には基本的な学級編制を変更することなく、学校の実情等に応じ必要な教科について適宜弾力的、流動的に行うこと、義務教育段階ということを考慮して、実施時期、指導方法、評価のあり方等について十分研究の上、慎重な配慮のもとに実施する必要があるというように考えているところでございます。
#154
○高崎裕子君 この点で、八二年の高校に習熟度別学級編制を導入した際の文部省の運用上の留意点というものが五点指摘されていて、これが非常に私、重要だと思うんですけれども、
 (1)習熟度別学級編制は各学校において主体的に判断すべきことで、全国一律に強制するというようなものではない。
 (2)学級を分けるにあたっては、学力検査などが主要な基準となろうが、いたずらに生徒が劣等感などをもつことがないよう配慮し、なるべく生徒の希望や要望を尊重すること。
 (3)運用にあたっては、常に生徒の学習内容の習熟度を考慮し、学期ごとや学年ごとのいれかえを行うなど、流動的なものとすること。
 (4)到達目標は、指導の結果として異なるのはやむをえないが、学習指導要領の定める教科や科目の目標は、すべての生徒が到達することをめざすようにすること。
 (5)習熟度別学級編制を実施するに際しては、全校の教師が一体となって取り組まねば成果が上がらないものである。生徒や父母にも正しい趣旨を十分理解させるようにすること。こうあるわけで、高校以上にやっぱり義務教育である小中学校についての導入は慎重な配慮が必要だと思いますので、この点は特に強く要望しておきたいと思います。
 最後に、今回の改善計画のもう一つの目玉とされている中学校における選択教科の拡大についてですけれども、これも問題が非常に多いわけですね。
 現行の学習指導要領のもとでも、例えば大阪でこういうことが起こっています。大阪のA中学校は英語を重視するということで、必修やゆとりの時間を使って英語の時間を週五時間にふやした。周辺の地域からは英語を重視したいからA中に行きたいという声が大きくなって、隣のB中学校はこのA中に対抗して数学をふやした。しかし、C中学というのは現行どおりで何にもしなかった。すると、英語のA中、それから数学のB中という評判が立って、何にもしないC中学というのは学区の父母から、なぜうちは何にもしないのか、落ちこぼれてしまうという非難を受けて、対応に苦慮するという事態も現実に生まれているわけですね。
 このように、現在の受験競争のもとでは、受験中心のカリキュラムをとる学校とか受験対策の特別コースを設ける学校が出てきて、中学校同士が競争に巻き込まれて学校間の格差を生み出すということが懸念されていることがあるわけで、生徒を今以上に分断して、できる子できない子ということで差別、選別する危惧も指摘されているわけです。
 この選択教科を拡大するということは、このような問題がどうしても危惧されるわけで、私はこの点は賛成できないわけなんですよね。少なくとも、選択教科の拡大に対応して教員を加配するということで一律にこの選択教科の拡大を押しつけるべきではないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#155
○政府委員(井上孝美君) 今回の学習指導要領の改訂におきまして各学校段階の各教科の編成等につきましては、中学校の段階までは基礎的、基本的な内容を共通に履修させるようにしながら、おおむね中学校高学年の段階から生徒の特性等に応じることができるように漸次選択履修の幅を拡大していくことを基本方針として行われたわけでございます。中学校におきます選択履修の幅の拡大はこの基本方針に沿って行われたものでございます。
 これは、中学校教育を義務教育であるとともに中等教育の前期としての性格をあわせ持つものとしてとらえるとともに、中学校が小学校段階と比べ個性の多様化が一層進むことを踏まえまして、一人一人の生徒の特性等に応じた個性を生かす教育を充実していくという考え方に立って行われたわけでございます。
 そういう新学習指導要領は平成五年度から全面実施されるわけでございますが、文部省では、教育課程講習会の開催等によりまして、その趣旨の徹底に努めますとともに、平成三年度からは二年間選択履修の幅の拡大に伴うカリキュラム編成や指導内容、指導方法等の望ましいあり方等についての実践研究を七府県に委嘱するなどしておりまして、今後とも各学校において選択履修の幅の拡大に伴う効果的な教育が実施されるように一層指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
#156
○高崎裕子君 終わります。
#157
○乾晴美君 私は、先ほどの農業、工業、それから水産高校などの職業高校についてのネーミングをどうするかということを聞かせていただきまして、もう非常に悲しい論議だったと思います。それは、事もあろうにこの文教委員会の中で、名前を変えたらいいというようなそんな話がなされたということを農業高校に学ぶ生徒、工業高校に、水産高校に学んでいる子たちは本当に悲しむと思いますね。私は、そこに学ぶ子たちのためにも、名誉のためにも一言ちょっと言わせていただかなければいけないなというように思います。
 それは、私も農業高校で九年間学校の先生をさせてもらったわけです。そのときに、なぜ魅力のない高校になっているのかということは、例えば森山大臣がおっしゃった、昔その高等学校もすばらしい人をたくさん出したと言うけれども、私も徳島農業高校という、徳島ではもうすばらしい高校なんです。高校の校長先生をなされた人もいらっしゃいます。物すごい人材を輩出しています。そのときは、その時代に応じるよりは時代を先取りしたいろんなことをその学校で教えたんだろうと思うんです。ビニールハウスがないときにはビニールハウスの実験をしたりして、自分の家の農業よりも先のこと先のことをやっていたんだろうと思うんです。
 ところが、今は本当に学校に対するお金がなくて、いろんな文部省自身のお金が五兆何ぼしかないんですから無理なんですけれども、家ではもうトラクターでやっている、そして家ではもっと機械化が進んでいるのに、農業高校に学ぶ子はかまを持って草取ったり手で草取ったりという本当に時代におくれた、後からついていくようなところになっているんですね。
 やっぱり学校というのは文化の中心であり、時代より先立ったことがそこで学べたり、さっきちょっと江本さんがおっしゃっていましたけれども、バイオテクノロジーというような農業がこれからの農業だと思うんですよ。そこのところに物すごくお金を出したり、また機具を上げたり魅力ある中身をつくっていくということの方が私は先で、徳島の農業高校も落羽松がシンボルマークになっていますが、徳島農業高校を落羽松学校と変えたって、中身が本当に魅力のある、いい学校の施設なり教育課程、カリキュラムが組まれなければ、やっぱり同じことが繰り返されていくだろうと思うんですね。
 それは、そこに寄ってくる生徒ということではありませんで、もっと中身の充実ということだと私は思いますので、ちょっとそこら辺の、ネーミングだけでなくていろいろおありになるんでしょうかということを、大臣お答えいただきましたけれども、つけ足してそういうことの方面でもお答えをいただいておきたいというように思います。
#158
○国務大臣(森山眞弓君) 私が例に引きました栃木県の白楊高校は名前を変えただけではもちろんございませんで、内容も随分工夫をいたしまして、農業という内容だけではなくて、例えばその農業も農業生物科とか農業情報科とかかなり専門的に分けましたり、また農業だけではない、ちょっと今詳しく覚えておりませんが、工業面とかあるいは商業面にも進路がとれるような大変多様な内容になったのでございます。
 したがって、先ほど来お話が出ておりますような、いわゆる農業に中心を置いた総合学科のような感じになってまいったわけでございまして、私はもちろん内容がそのように変化したということが多くの若い人の興味を引きつけた、そして学校の中にも活気が出てきたということに重大な要因があるというふうに思います。
 しかし、すべての人がその内容を初めから理解するわけではございませんので、この学校はどういう学校がなと、行ってみようと思わせるのに名前もかなり重要だと、そういう意味もございますので、そこは御理解いただきたいと思います。
 内容こそ本当に重要なのは、おっしゃるとおりでございます。
#159
○乾晴美君 話が出ましたのでついでに、農、工、水寺の高校の学級を四十人から三十五人にどうしてしなかったかという午前中の上山議員の質問は、私も大変同感なんです。
 これは、普通科高校が四十五人クラスだったにもかかわらず、そういった職業高校を四十人で五人減らしたというのはいろんな意味がありまして、やっぱり機械を使ったり、それから指導の面も非常に手間がかかりますし大変なわけなんです、本当は三十五人とか三十人クラスがよかったんですけれども、普通高校が四十五人で頑張っているんだから、こういう御時世だから四十人クラスでも仕方がないなというようにして四十人で我慢してきたと思うんですね。
 せっかく普通科高校が四十人クラスになるのであれば、やっぱり農、工、水のそういった職業高校は三十五人にすべきだったなというような感想を持たせていただいておりますけれども、今後そういうことで考え直すお考えはございますでしょうか。
#160
○政府委員(井上孝美君) 高等学校の学級編制の標準につきましては、今回普通科、商業科、家庭科については現行四十五人でありますのを四十人に改善させていただくことにしているわけでございますが、職業科の農、水、工の学科につきましては、実は先生御案内のとおり、昭和三十七年度から公立高等学校の学級編制及び教職員定数の改善をスタートした段階から四十人できているわけでございまして、当時は普通科は五十人でスタートしておりますが、その後四十二年からの第二次の際に四十五人学級にさせていただいたと。
 そして、今回の改善計画におきましては、職業科等につきましては小人数教育等、従来から実験、実習等を行う場合の教職員配置も行っているところであり、今回の学級編制基準の改善の際には一応すべての高等学校について四十人学級にするということから、普通科、家庭科、商業科について四十五人から四十人にさせていただき、職業科等については今回の改善計画においては学級編制の標準については変更することをしなかったわけでございます。
 しかし、実際の教育におきましては、それぞれ実験、実習等を伴う教科につきましては教員の加配措置を講じておりますし、また実習助手につきましても、先ほどお話がございましたが、一応そういう教科・科目につきましては措置しているところでございますので、そういう観点から今回の改善計画では三十五人学級というようなものについては実現をしなかったわけでございますが、今後の学校教育、特に職業科における教育の実態、また新たに先ほどから御説明を申し上げております総合学科の設置等、高等学校教育の改革が進行するわけでございますから、そういう実情等を踏まえて、今回の改善計画の完成した平成十年度の段階におきまして高等学校教育の多様化、個性化の実情、または生徒数の推移、そういうものを総合的に勘案して改めて検討させていただきたい、このように考えておるところでございます。
#161
○乾晴美君 やはり、学級を四十人にしていくということは学校の生徒が減ってくるということを勘案してこういうふうになってきたんだろうなというように思えて仕方がないわけですね。学級は三十五人がいいのか三十人がいいのか、また二十人がいいのか四十人がいいのかといったような、本当にあるべき姿ということからきていないんじゃないか。先ほど高崎議員もおっしゃいましたけれども、私も同感でございます。
 そういうことなんですが、一つのクラスが四十五から四十になったということもさることながら、学校全体の規模ということでどうなんだろうなということでお聞かせをいただきたいと思います。
 例えば、三十クラスある。そして、一クラスが四十人学級といたしまして全部で千二百人ぐらいになると思うんですけれども、この千二百人に対して教職員は何人配属されるんでしょうか。例えば、普通科高校として考えていただきたいと思いますが、教員、養護教諭、それから事務職員も含めて千二百人の学校規模ならどれぐらいの教職員がいらっしゃるんでしょうか。
#162
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 普通科の三十学級の学校の教職員数については今回の改善計画によりまして、教頭一人、教諭等一人、養護教諭一人の計三人の改善増が図られることとなっておりまして、教員に事務職員及び実習助手を加えた教職員数の合計は現行で七十一人の配置基準から七十四人となることを予定しております。
#163
○乾晴美君 私は議員になる前に、この前も申し上げましたけれども、県立城北高等学校というところでお世話になっておりました。ここは一クラス四十五人で三十六クラスです。ですから、千六百二十人いらっしゃるわけです。基準がございまして、先ほどお教えいただきましたように千二百人であれば七十四人になるというんですけれども、千六百何人に対してはまたそれに対する基準があって先生が配当されると思いますけれども、本当は数をそろえたらいいというものでないんです。
 実は、私は体育の教師でして、一年生の女子のしかも半分、二年生の女子のしかも半分、三年生は全然教えさせていただかない。だから、一年生の半分の生徒を知らない、二年生の半分の生徒を知らない、三年生は全然知らないという、そういう中でいろんな指導をしていくわけです。教科指導はもちろんですけれども、生徒指導もさせていただくわけです。そのときに、乾さん、こうこうですねとか後ろから名前が呼べるぐらいの指導ができなければ本当は難しいと思うんですね。そこにいる彼女、とかですね。ちょっとちょっとこれこれというような感じでは本当の指導はできないと思うんですね。
 ですから、やっぱりクラスも大事ですけれども、学校の規模というのが非常に問題になってくるんだろうと思うんです。そのために、やっぱりマンモス校というのをなくして二十から二十四クラスまでが限度でないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#164
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 学校の適正規模がどうかということにつきましてはいろいろ御意見もあるところでございまして、必ずしもその規模で一定するわけではございませんが、従来から小中学校等については過大規模校ということで三十一学級以上の学校については分離、新設をするような指導もし、またそれに対する施設の補助等も行ってきているところでございます。
 したがって、学校教育法の施行規則では一応その小中学校等につきましては十二学級から十八学級ぐらいを標準とするというような規定もあるところでございますが、そういうようなことを勘案して学校が適正な運営ができるような学級数の規模の学校というのは、最終的にはそれぞれその地域の実情等を踏まえて学校の規模等については設置者の方の判断において決定していただくべきものではないかというふうにも考えております。
#165
○乾晴美君 今回の改正で養護教諭が三十クラス以上のところにはお二人ずつということになったそうなんですけれども、現在三十クラス以上の高校というのは全国でどれくらいあるんでしょうか。
#166
○政府委員(井上孝美君) 平成三年五月一日現在におきます三十学級以上の高等学校の数は八百三十三校でございます。
#167
○乾晴美君 八百三十九人にするわけではないわけですか。八百三十二校のうちで養護教諭はじゃ何人になるわけでしょうか。
#168
○政府委員(井上孝美君) 今回の養護教諭の改善数は八百三十九ということになっておりますが、これは新しい改善計画では三十学級以上の大規模な高等学校に複数配置をするものが八百三十三人、それから三クラスの小規模校に養護教諭の全校配置、従来は四校に三人を配置しておりましたものをすべての三学級の小規模校に養護教諭を配置するというそのための定数措置が六人分ございますので、それを合わせて八百三十九人の改善数を措置しているところでございます。
#169
○乾晴美君 そうしたら、養護教諭は三クラス以上あるところには必ずお一人ずつということなんですが、それでは無配置校というのもあるわけですよね。その現状がどうなっているか、またそれを将来どのように解消されようという方策なんでしょうか。
#170
○政府委員(井上孝美君) 現在、全日制の高等学校についてはすべて三学級以上というように私ども承知しておりますので、すべての学校に養護教諭は配置されるものというように考えておるところでございます。
#171
○乾晴美君 よくわかりました。
 養護教諭につきましては一律三十クラスにお二人というのではなくて、私は現場でよく見てまいりまして、やはり千名を超すとお二人というのが理想ではないかと思うんです。それでも一人が五百人の方を見なきゃなりませんのでね、そういうことにはなりませんでしょうか。
#172
○政府委員(井上孝美君) 平成三年の五月一日現在におきまして生徒数が千一人以上の高等学校は千九百六十五校ございます。したがいまして、いずれにしても今回の改善計画では学級規模に応じて、すなわち三十学級以上の学校ということで、先生おっしゃったように、千二百人以上の学校につきまして複数配置ということでございますので、千一人の場合には学級規模を引き下げることになるわけでございまして、一応今回の改善計画では、先ほど申し上げましたように、三十学級以上ということでございますので、今後その養護教諭の配置のあり方につきましては、今回の改善計画によりまして各学校における養護教諭の役割分担あるいはその学校における運営の実態、そういうものを踏まえまして、平成十年度におきましてこの改善計画が完成した段階で改めて検討させていただきたいと思います。
#173
○乾晴美君 この前二月二十三日のときにもこの養護教諭というのがどれだけ大変なのかということを私申し上げたと思うんですが、そういうことでなかなかこの養護教諭をふやすということが難しいのであれば、やっぱり精神面の問題も非常に不登校の子だとか保健室登校の人には大きいと思いますので、スクールカウンセラーの導入というのを検討したらいかがでしょうか。
#174
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 スクールカウンセラーにつきましては、確かに先ほども御議論があったところでございまして、精神医学あるいは心理学等を専門的に学んだ方が児童生徒の一人一人の心の問題等を中心として教育相談に応ずるということかと思うわけでございますが、先ほど初中局長からも御答弁申し上げましたように、担任教員あるいは生徒指導主事あるいは学校全体においてそういう教育相談事業というもののあり方、そういうものの改善に努めていくというのが現在の考え方でございますが、私どもとしてはそういう初中局におきますカウンセラーあるいは教育相談、そういうものを含めて生徒指導のあり方、そういうものの充実を今後とも図っていく必要があるとは思っているわけでございます。
 そこで、実際に生徒指導担当教員につきましても今回その配置基準の改善を図っているところでございまして、複数配置等の効果、そういうものを踏まえながら今後十分そういう問題についても研究をさせていただきたいと考えているところでございます。
#175
○乾晴美君 こういう法律を決めるときは多分そうだろうと思うんですが、配置基準というのがありまして、何でも基準で決めてやっていこうということなんですけれども、やっぱり一律にクラスを四十人として区切っていくというような現行制度はちょっと再検討していただいて、例えば小学校一年生と中学校三年生は三十五人にするとかというような、そういった一律でない方法というのは考えられませんでしょうか。
#176
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 複式学級につきましては今回の改善計画におきましても、新一年生を含む場合は十人から八人、それ以外は十八人から十六人にというようにしているところでございますが、学級編制基準自体につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、新しい学習指導要領の趣旨を実現するために、個性を生かす教育を円滑に実現するために、個に応じた多様な教育を展開するための教職員配置ということで今回行っているところでございます。
 そういう意味から、全体として学級編制のあり方というものについても調査研究協力者会議の中でもいろいろ御議論をいただいたわけでございますが、今回は一律の学級編制の引き下げは行わないということから、チームティーチング等の指導方法の改善を行うための教職員配置を行い、それによって児童生徒一人一人の個性や能力を生かす教育をしていきたいということから今回の改善計画を策定しているところでございまして、先生がおっしゃいましたような課題につきましては、今後今回の改善計画が完成した段階におきまして研究をさせていただきたいと思います。
#177
○乾晴美君 幼稚園の定数は何人になっていますでしょうか。
#178
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 幼稚園設置基準が「一学級の幼児数は、四十人以下を原則とする。」と定めているわけでございまして、これは最低の基準を示したものでありまして、各幼稚園におきましてはこの基準の範囲内で地域の実情や幼児の発達の状況等に応じまして適切な学級編制を行うこととされております。
 文部省では、幼児によりきめ細かな教育が行えるように、平成二年度から学級定員を三十五人以下にすることを奨励することといたしまして、学級定員を三十五人以下に引き下げることに伴い、新たに保育室等の増築を行う場合には補助できることとしたこと、教職員配置につきまして地方交付税の積算におきまして教諭の数を十五人から十七人に増加したことなどの制度改正を行いまして、漸次学級定員の引き下げに努めているところであります。また、平成三年三月に第三次幼稚園教育振興計画を策定しまして各都道府県に通知したところでありますが、その中で一学級の幼児数につきましては三十五人以下とするよう計画的な改善に努めること等を指導しているところであります。
 今後とも、幼児によりよい教育環境を提供するため学級定員の引き下げ等、教育条件の整備に努めてまいりたいと考えております。
#179
○乾晴美君 これもやっぱり設置基準というような形で、「努めること」などというのではなくてきちっと三十五というふうにしていただきたいと思うんです。幼稚園の四十名というのは明治四十年ごろに決められた数字だというように伺わせていただいておりまして、時代がこれだけ変わり、そして高等学校も四十人になろうかというときに、やっぱり幼稚園だけを四十人で置いておくというのはいかがなものかというように思います。
 それでは次に、学校図書館の充実のために今後蔵書を一・五倍ぐらいにしょうという計画がおありなようなんですけれども、それで人の配置をどうするかということで、今度事務職員の配置改善計画で千三百八十九人の増員を予定しているそうなんですが、これが各学校での他の一般事務に回されて図書館の方には行かないというおそれはないんだろうかというように関係者から心配が出ているわけなんです。
 文部省としての指導を徹底していただきたいということと、将来、司書の資格を持った人を採用する方向に考えているのかどうなのか、そこら辺をお教えいただきたいと思います。
#180
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 今回の改善計画におきます事務職員の千三百八十九人の改善は、学校図書館の機能の充実を主な目的としておりまして、各学校において図書館機能の一層の充実のために活用されることを期待しているところであります。
 なお、小中学校におきましては各学校の実情に即して、すべて図書館事務に専任化することまでは考えていないところでございます。また、これらの趣旨については施行通達等で指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、先生からもう一つのお尋ねとして、事務職員の採用で司書の資格を有する者に限定すべきではないかというお尋ねでございますが、小中学校におきます図書館事務担当の事務職員につきましては、学校の実情を踏まえまして、すべて図書館事務専任とすることまでは予定しておりませんので、司書の資格を有することを採用の条件にするということまでは現在考えておりません。
#181
○乾晴美君 ここでやっぱり司書教諭の資格保有者を採っていただきたいというように思うわけなんです。先生方の中には、下手に資格を取ると教壇から外されるんでないかとか、また反対にたくさん余分な仕事をさせられるのではないかといったような、資格を取ることによってデメリットになっていくということを心配している方もいらっしゃいますので、そこら辺のことをきちっと考えた上で対処していただきたいというように思います。
 先ほど定数をいろいろ変えられないかと申し上げましたら、それにつきましてチームティーチングというのをやっているということでございますけれども、やはりこれは先ほど明治の話を出しましたが、一つの教室に一人の先生というのは明治以来からの教育制度だった、それを大きく変えるということで非常に現場には期待と戸惑いというのが交錯しているんでないかと思います。同僚議員もたくさん質問を出しておられましたけれども、私もやっぱりそこら辺の、担任をさせてもらえるのか、仕事の分担はどうなるんだろうかという先生間の心配もあるのと同時に、生徒の評価についても複数の先生がするのか、それとも二人の教師間に上下関係を持ち込むことはないだろうか、主担とか副担とかというようなそういう上下関係というか、そういうことが心配されるわけですね。
 学級王国というのを崩すということは私はいいのでないかと思いますけれども、責任の分散とか児童の混乱とか注意力の拡散などが心配されるんですが、いかがでしょうか。
#182
○政府委員(井上孝美君) チームティーチングは既に昭和三十八年から先進的な学校において始められておりまして、昭和四十三年の小学校学習指導要領において教員の協力により指導方法を工夫することが学習指導要領上規定されたことから、全国的にかなりの学校において実践されてきた経緯がございます。
 しかし、チームティーチングなどの新しい指導方法を一斉にすべての学校に導入するということは困難であるということから、各学校の準備体制や実施計画の整った学校から今後六年間で順次教職員を配置することが適切であると考えているわけでございます。
 そこで、定数加配の対象となる学校の指導方法の範囲につきましては、文部省協力者会議の最終報告におきまして、「一斉授業に加えて、適宜、個別指導、グループ指導等を導入し、複数の教員がそれぞれの専門性を生かし、組織的に指導計画、学習指導案の作成、教材教具の収集開発、評価活動等」を行うものとして、「学級内」または「学級の枠を超えて学習集団を編成し、」、児童生徒の「習熟の程度」または「興味・関心等に応じて」「複数の教員が協力して指導を行うもの」と示されているところであり、また実施の際の準備体制の確立等につきまして留意事項も示されているところでございます。
 そういう点で、文部省といたしましては、この趣旨に沿って新しい指導方法の導入が円滑に行われるよう各都道府県市町村教育委員会に対して適切に指導してまいりたいと考えているところでございます。
#183
○乾晴美君 時間が参りましたので終わりますけれども、今までのお答えの中で随分と積み残して、今後検討していかなきゃならないということが出たと思います。
 それで、新しいこの改善計画実施に当たってこれからの大臣の決意のほどを伺わせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
#184
○国務大臣(森山眞弓君) 先生の大変豊富な御体験の中からいろいろと示唆に富む御意見を伺わせていただきましてありがとうございました。
 文部省といたしましては、先生の御意見も十分参考にさせていただきながら改善計画の着実な達成に向けて最大の努力をしていきたいと存じます。
#185
○小林正君 戦前からのいわゆる生活つづり方の運動の中で、最近復刻版が出たんですけれども、大関松三郎という少年が「山芋」という詩集を出して、これが戦後教育の中で大変教材として活用されてきた経過がございます。私も自主教材としてプリントをして子供たちに配って、それを一緒に鑑賞したという思い出がございます。
 最近、クラス会をやりましたら、その当時私は川崎で仕事をしていたんですけれども、養鶏をやりながら近郊農家として仕事を手伝っていた子供だったんですが、その「山芋」という詩集を先生から紹介されてそれを読んで農業の後継者になろうと決意した、そして今も一万羽養鶏というのをやっている、野菜などをつくっているんだという話をしておりました。
 私は、最近どちらかといいますと三Kという言い方があって、何か手を汚して物をつくることが嫌われるそういう社会風潮みたいなものが蔓延をしておりまして、人間が人間たるゆえんというのはまさに物をつくるということが動物と異なる最大の問題だというふうに思っているんですが、そのことが嫌われる状況というのは極めて異常だろうというふうに思います。そして、考えてみますと、このバブルの崩壊に至る経済成長の経過の中でそうした風潮がだんだん蔓延をしてきた。第三次産業への人の偏りというものが非常に強くなってきているわけであります。バブルが崩壊して、あれは虚業だったんだということは今にしてわかって反省期に今入っていると思うんですね。先ほど来、農、工、水の話もございましたけれども、私はやっぱり虚業が栄えて実業が軽んぜられるような社会風潮の中で実学が栄えるはずはないというふうに思いました。
 子供というのはそういう社会の風潮に非常に敏感ですから、どうしてもそういう傾向にならざるを得ない。物をつくる喜びを子供時代から知らないでどうして物をつくることに親しむことができるかという、基本的な問題が教育とかかわってあるんじゃないかなという気がしているわけです。
 それで、社会的背景の中で教育がどう変わってきたかということを考えてみますと、戦後復興期の段階では新教育としてこれが復興のばねになっていって、それがやがて経済成長、バブルということの中で経済優先ということから生活が軽視をされていく、そしてバブルがはじけて今反省期に入って、もう一回教育が見直される時代に入ってきたんじゃないかなと。
 つまり、物の時代から心の時代への回帰といいますか、そういう状況になってきていると思うんですね。したがって、経済から教育へという、まさに教育が出番の時代に今差しかかっているという認識でお互いにやっぱり今のこの仕事について分かち合いたいなという気持ちがしているわけであります。
 そういう点で考えてみますと、どうも生活大国というような言葉あるいは生活優先という言い方はあるんですけれども、教育がじゃ政治の中でどういう位置づけになっているのかということについて私も予算委員会の場で宮澤総理ともやりとりをいたしました。教育は何よりも大事だと、未来への投資だというようなことも含んで共通の認識があるようなんですけれども、実際配分の段階になりますと教育が優先されているとは到底思えないような状況になっている。
 その最大の理由は何かといいますと、やはり教育も例外的ではないシーリングがかけられている。そして、単年度主義ですから、中長期的な展望に立って教育をどうするかという課題からしますと、単年度主義というやはり予算の構成上の問題を含んだ制約というものは教育の質の充実ということにとって大変マイナスの要因になってきているというふうに思うんですね。シーリングは見直すんだというようなことをちらっと総理も言ったんですけれども、以後の経過を考えてみますと、若干のつまみ食いはありましたけれども、実質的にシーリングはそのまま位置づいていますし、物件費あるいは政策的な経費と人件費の割合からいって考えてみれば、どうしても政策的な部分、物件費が圧迫をされるという実態は引き続き同じ形で進んできているというふうに思うんです。
 平成五年度予算は編成されて、もう成立間近という段階を迎えているわけですけれども、これからのそうした教育重視へ向けた次代社会への大きな変わり目の段階で、文部大臣としてどのように受けとめて抱負をお持ちなのかお伺いをしておきたいと思います。
#186
○国務大臣(森山眞弓君) 文教関係の予算につきましては、先生御指摘のとおり、長年のシーリングという制度の中で大変厳しい年をずっと過ごしてまいったわけでございますが、財政の事情ということを考えますと、シーリングを全体としてかけるということは一つの方法としてやむを得なかったのではないかと理解できるところなんでございますが、おっしゃいますように、文教予算というのはいわゆる人件費の占める割合が大変高いということもございまして、新しい政策経費について弾力的な対応がなかなか困難な状況にあるわけでございます。ですから、その上に一律のシーリングがかけられるということになりますとますます窮屈でございまして、いろいろな問題が出始めておりまして、先生方にも大変御心配をいただいているところでございます。
 文部省といたしましては、厳しいシーリングの中でありますけれども、各種施策の合理化、重点化を図りながら所要の予算の確保に努めてまいったところでございますし、シーリングのもとでの文教予算の充実化方策を必死で求めてきたわけでございます。
 平成五年度の予算案におきましては、経常的経費について生活・学術研究臨時特別措置というのが新しく講じられまして、政府全体で千百億円、そのうち文部省の予算については三百三億円が新たに加算されるというようなこともございました。いろいろなほかの工夫も試みまして、何とか従来懸案であったものを少しずつ解消していこうと鋭意努力をしているところでございます。
 このたび、今議論していただいております改善計画も予算は単年度ではございますけれども、六年計画で改善をしていくという方針を決定いたしまして、そのためのスタートをしたいという考え方でございまして、文教予算はますます重要でございますので、その充実について各方面の御理解と御協力が得られますように一層努力をしてまいりたいと思います。
#187
○小林正君 きのうの新聞に総理府が発表いたしました国民の意識調査というのが出ておりまして、それぞれの世帯が教育費について大変家計の圧迫要因ということで関心も高いわけですけれども、そういう認識を持って教育費について見ているわけです。
 それで、今、少子時代と言われている中で一・五三人という数字が出ているわけです。この数字というのは非常に深刻な意味があって、日本の次世代以降の問題、人口構成を含んで考えてみますと極めて深刻な事態だと思うんです。
 そういう中で、教育費の圧迫要因が家族計画にゆがみをもたらしていると言っても過言ではないわけで、そういうことになりますと、教育が未来への投資だと言われる最大の原因はまさに次世代以降の人口構成そのものにかかわっているんだという認識をやっぱり今の国の政治家自身が共通認識として持たないと大変なことになるなというふうに思うんです、これは取り返しつきませんからね。
 そして、出産をする女性の場合で言うと〇・七四とかいう数字が一方にあって、これも次世代を考えてみますと、それを分母にして考えますから大変な事態になってくる。その理由の一つが、やはり教育費がかかり過ぎるというところに原因があるということがその意識調査で出てくるという実態から考えると、国がまず教育に最優先順位を与えて予算編成していくということがないと、これは民族の将来というような大上段に物を言うつもりはないけれども、そうした問題に発展しかねないことで、今からやっていかなきゃならない問題だろうというふうに思うんです。
 そのことで考えてみましても、どうもやはりまだそのことの深刻さが十分共通認識になってないというのは、私は大変残念なことだというふうに思うわけでございます。
 話は少し飛びますけれども、実はこの三月の末に小学校の校長さんで退職される方が私に手紙をくれまして、こういうことを書いてこられましたので御紹介しておきたいと思います。
  今、教育界は、あまりにも行政と法曹界が口出し手出しをしすぎて教師の専門性と意欲とをそいでいます。 だからこそ教師は今気概を持ってことに当らねばならないとも思っています。 子ども一人一人の個性に迫るためには、教師の個性も明らかにしなくてはなりません。 あれもこれもと要求されて、バラバラになりそうなのが真面目な教師の直面する現実の様に思われます。 文部省も折角丁・下方式や初任研修を打ち出しても、その何倍もの事務量を伴うような方式を押しつけてくるようでは、教育現場はやる気を失すことになります。 教師の専門性とは何か、免許状がなぜ必要なのか、改めて問い直してほしいように思っています。指導要録の全面開示も、本当に教育全体を問い直してのことであれば良いのですが残念です。
ということで幾つか感想を書いてこられているわけです。
 今度の定数改善計画、いろいろ当初打ち出されてきたチームティーチングという考え方が日本の従来の教育方式を変えていく上で画期的な一つの問題提起になるという側面を持っているということは、現場でも私どももみんな共通して受けとめたわけなんですけれども、その他幾つか改善案が出ているわけですね。これらを考えてみて、一つ一つをとってみますと、きょういろいろ局長から御説明をいただいて積極的な意味があるということもよく理解はできるんですが、何せ一番問題なのは何かといいますと、いかにも元手が少な過ぎるということです。それだけたくさんのいいことをやるのにこれだけの元手で全部やりますよということになると、先ほど上山さんもおっしゃっていましたが、余りに薄過ぎるという結果になっちゃうんじゃないでしょうか。
 改善計画全体からしますと、今度の六年間で六万人の人が減って三万人ふやすという関係ですから、私は前回の年次計画がずっと九年次が十二年というふうに足踏みしながらようやく四十人学級へ到達をした。そして、一年間踊り場にいて、さらにまた改善で上の階段に上がっていくという期待感をやっぱり三十五人学級との関係で現場では抱いていったわけですね、実際は。ところが、今までは前の計画を超えてどんどん上がっていく階段であったんですが、今度は六万人減って三万人ふえるわけですから、実質全体としては三万人減るという感じになっていくわけで、そういうことから考えると、踊り場を経てまだ登っていくのかなと思ったら、少し階段をおりていくような感じに現場では受けとめているわけです。
 それからもう一つ言えは、チームティーチングという方式を取り入れるに当たって、現場段階、各県段階でいろいろな交渉や事前の協議があって、その結果一定のルールを決めて実施段階に入っていく、それらが余りにも人数的に数が少ない。やりくり算段の中でどう理屈をつけて配分するかということになると、受け入れ側にそれなりの事務量を伴う問題提起をして、そしてそれが整えばいいですよという形になりますから、勢い事務煩瑣になってしまう。目的はいいんだけれども、余りにも元手が小さいゆえに本質的な矛盾が結果として配分段階で出てくる。このことについてはやっぱり問題だろうと思うんです。
 このこと一つをとって、一体協力者会議でチームティーチングということを論じた場合に、必要な数として今ここに提起されている数字が打ち出されたのかあるいはそうでないのか、その辺についてお伺いしておきたいと思います。
#188
○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。
 今回のチームティーチング等新しい指導方法の導入に当たりましては、先生もおっしゃいましたように、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議において十分御議論をいただいたわけでございますが、その中で今回の学習指導要領の趣旨である基礎、基本の重視と個性を生かす教育をいかに実現していくか、そのためには新しい指導方法の導入がどうしても必要であるということから、個に応じた多様な教育を実現するためにチームティーチング等の導入が提言され、私どもとしては今回の改善計画ではまさにチームティーチングなどの新しい指導方法を導入して、一斉授業の中で指導上のさまざまな工夫をすることに加えて、教育指導の展開に応じて適宜個別指導、グループ指導を取り入れるなど新しい指導方法を積極的に実施できるようにするための教職員配置改善を行うことを主眼としているわけでございます。
 そういう点から、今回概算要求段階におきましては、先生御案内のとおり、全体として三万五千二百九人の概算要求をいたしましたが、予算折衝の段階で、現下の厳しい財政状況もあり、そういう点から、全体としての第六次の義務教育諸学校の教職員配置改善計画は三万四百人ということになったわけでございまして、そういう点で四千八百九人ほどの縮減を見たわけでございますが、その中でチームティーチング等の新しい指導方法の導入に要する教職員配置としては約一万六千人の改善を計画いたしまして、計画全体の中では半数以上をこのチームティーチング等の導入に充てているわけでございます。
 したがいまして、この改善計画が六年間の計画でまた新たにこういうチームティーチングの導入等が実現できたということから、一応今後ともこの計画の実施状況や導入の効果等を十分的確に見きわめながら、今後の配置のあり方等については引き続き研究をしていく必要があるというように考えているわけでございますが、今回の改善計画におきましては、全体として小学校の総数の約三分の一の三四・四%、また中学校につきましては学校総数の七〇・七%に当たる学校に配置ができるわけでございますので、そういう学校において適切な指導によってこのチームティーチングの教育効果、各学校において実のある教育活動が行われることを私どもとしては期待しているところでございます。
#189
○小林正君 結局、先ほど来も伺っておりまして、すべての学校にそうした配当がされるんではなくて、学校の規模に応じて段階的に配当されていくというようなことになるのかなという気はしますけれども、チームティーチングという考え方自身は僕は学校規模で決められる問題ではないと思うんですね。
 それは、あくまで山があって、その原資をどう配分するかというときに、そこまで行くほどの山じゃないからしょうがないから勘弁してくれ、こういうことでしょう。ですから、そういうことになると、教授法の問題としてのチームティーチングを前面に打ち出してやるということと、学校規模でここまではいいけれどもここから先は切っちゃいますということとはおのずから問題が違うだろうと思うんですね。
 だから、それを同時並行的に納得させる理由になるとすればどういう方式がいいかといいますと、これは当時それが話題になったときに朝日新聞に、学級規模はもういいのかというテーマで社説が出たわけです。私はその問題がやっぱり残ると思うんですね。四十人から三十五人以下にどう持っていくかということが一つあって、そしてそれと同時に、チームティーチングという新たな教授法を通して複眼で一人の子供の実態をお互いに見詰め合って協力して指導し合おうという関係は、それは新たな体制として大変積極的な意味があると思うんです。だから、三十五人学級の問題については結構ですということとは全く質が違うというふうに言わざるを得ないんですね。
 ですから、いろいろその他にも配分がありますけれども、結果考えてみますと、結論から言えば、やっぱり元手が少な過ぎるから配分過程で矛盾が生じて、いいことをやろうとしてもそれがそのような形では現場で受け取られにくいという結果になっちゃっている、ここのところをもう一回再検討すべきじゃないかと。
 たまたま、今法律を通そうという段階ですから、これはこれでスタートするとしても、先ほど来言われております年次計画を繰り上げて実施して、そして実施する過程の中でさまざまな問題が出てきたのをさらに克服する意味で改正しながら改善を図るということもあわせてやっぱりやっていかないと、この問題は当初余りに耳目を集めたテーマでありましたので、結果何だというのが、せっかく文部省も頑張ってこの財政事情厳しい折に政策的に最終的に決まったというような経過も含んで日の目を見たわけですから、何としてもこれは豊かに広げていく、今や教育こそが最優先順位として尊重されるべきテーマなんだ、こういうことで自信を持って主張していっていただきたいと思うんですね。
 何かこう、財政が厳しいから、文部省が予算ばかり食っているようで何となく気が引けて物が言いにくいみたいな雰囲気があるといけないと思うので、きょうここにおられる委員の皆さん方は全面的にバックアップしますから、ぜひ勇気を持ってはんばん言っていってくださいよ。文部大臣、一言。
#190
○国務大臣(森山眞弓君) 大変心強い御激励をいただきまして、ありがとうございます。
 私どもは別に遠慮しているつもりはございませんで、財政が厳しいということはもう二言目には財政当局から言われながら、教育のよりよい改善、向上のためにはこれがどうしても必要だということで、長い時間をかけ、たびたびの折衝を繰り返して、そしてようやくこのような形に案としてまとめることができたわけでございますが、もちろん十分ではございません。これからもさらに改善されるように精いっぱい努力してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#191
○小林正君 今、公教育離れという問題が大変大きな社会問題にもなっておりまして、これはアメリカでも、前回申し上げましたけれども、公教育の活性化というのは大変大きな課題にもなっています。
 私は、やっぱり公立学校が、日本のいわゆる公教育という視点からしますと、一〇〇%近い児童生徒がそこで教育を受けて知識と技術を身につけて社会に出ていくわけですから、その公教育に対する信頼度、そしてそのことがやはり日本国民の最低の知的水準としての教育を受ける権利というものを保障する上で大事な部分でもあるわけで、公教育離れといったような現象が今大都市を中心にしてどんどん広まりつつあるというのは大変大きな病理現象だろうというふうにも思っています。
 ぜひ文部省として、公教育が本当の意味で教育の場として活性化をして、そしてその中から信頼関係が醸成をされて地域と結ぶ教育が実現できるような体制を整えていただくことによって公教育への信頼回復もあわせて図っていただきたい、そのことを最後にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#192
○委員長(松浦功君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について高崎君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高崎君。
#194
○高崎裕子君 私は、日本共産党を代表して、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 学校における学級は、児童生徒にとって教科の学習とともに、自主的、自治的活動にとって最も基本的な集団であります。したがって、学級規模を適正化することは、一人一人の児童生徒にしっかりとした学力を身につけさせ、その能力と個性を豊かに伸ばす教育を行うための不可欠の条件です。
 ところが、我が国の学級編制基準は、小中学校で九一年度に四十人となったものの、三十人以下学級が常識となっている欧米諸国と比べて立ちおくれた現状にあります。また、高等学校も今回の法改正によってようやく四十人学級になるものの、これまた欧米諸国に大きくおくれています。これが、授業についていけない子供や学校嫌い、登校拒否、高校中退の増大など、さまざまなゆがみをもたらしている原因となっています。
 このため、三十五人以下学級の実現は母国会二千万を超える請願署名が提出されているように、父母、教職員共通の国民的要求となっています。特に、児童生徒の減少期にある今こそ、早期に学級規模縮小を図るべきであります。
 政府原案は、教頭複数配置や新しい指導方法に対応した教員加配など、管理強化や画一的な指導方法の押しつけにつながる問題点はあるものの、高校四十人学級の実施など、全体としては教職員の増員を図ろうとするもので、一歩前進であります。しかし、小中学校の学級編制基準の改善を見送るなど、今日の我が国教育の現状と国際的動向から見れば極めて消極的なものと言わざるを得ません。
 修正案は、こうした政府案の不十分なところを補うものですが、その概要は次のとおりです。
 第一は、小中学校の学級編制基準を九三年度から三カ年で三十五人に引き下げることとしております。
 第二は、高等学校の一学級の生徒数をこれまた九三年度から三カ年で、全日制の課程は四十人、農業、水産に関する学科等専門教育を主とする学科及び定時制の課程は三十五人とすることとしております。
 これによる初年度の教員の増員は、小中学校で一万三千名、国庫負担の増額は三百九十八億円を見込んでいますが、これは世界第二位の経済力を持つ我が国として当然の措置であり、十分実現可能であると考えます。
 以上が本修正案の提案理由です。
 何とぞ、委員各位におかれましては、御賛同のほどよろしくお願いいたします。
#195
○委員長(松浦功君) ただいまの高崎君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。森山文部大臣。
#196
○国務大臣(森山眞弓君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。
#197
○委員長(松浦功君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。別に御発言もないようですから、これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、原案及び修正案に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、高崎君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(松浦功君) 少数と認めます。よって、高崎君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(松浦功君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 森君から発言を求められておりますので、これを許します。森君。
#201
○森暢子君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、民主改革連合の各派及び会派に属しない議員小林正君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 学校教育における教育水準の一層の向上を図るため、政府及び関係者は、次の事項について特段に配慮すべきである。
  一 改善計画期間中における年度計画の策定に当たっては、地域の事情を尊重するとともに、着実な計画実施に努めること。とりわけティーム・ティーチング等の新しい方式による教職員配置に関しては、地域や学校の実情に則して実施されるよう、各自治体の意見を十分尊重すること。
  二 全日制単位制高校及び総合学科の創設等高等学校改革に当たっては、別途措置されることとされている教職員配置を含む条件整備について財政上万全を期すこと。
  三 豊かな、行き届いた教育を更に推進するため、今後の児童・生徒数の推移等をも勘案しながら、学級規模等の在り方の検討を早急に開始すること。
  四 養護教員、事務職員、学校栄養職員及び実習助手の定数改善について、その機能と任務とに十分対応できるよう今後更に検討すること。
  五 学校図書館の重要性にかんがみ、その教育的機能の向上を図るため、司書教諭の確保に努めること。
  六 心身障害児の教育並びに日本語が不自由な外国籍及び外国から帰国した児童・生徒などの普通学級における学習を保障するため、教育環境の整備と必要に応じた教職員定数の確に一層努力すること。
  七 児童・生徒数の少ない地域の学校教育を一層改善するため、複式学級の解消その他について検討すること。特に、離島など教育条件の困難な地域における教職員の確保のための適切な措置を講ずること。
  八 免許外教科担当教員の解消のための適切な教員配置等に努めること。
  九 公立高等学校の学級編制の標準の改善に伴い、私立高等学校の学級規模についても、高等学校設置基準の見直しについての検討を含め適正化に努めること。
  右、決議する。
 以上でございます。
#202
○委員長(松浦功君) ただいま森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#203
○委員長(松浦功君) 全会一致と認めます。よって、森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森山文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森山文部大臣。
#204
○国務大臣(森山眞弓君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#205
○委員長(松浦功君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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