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1993/02/09 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 大蔵委員会 第1号
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1993/02/09 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 大蔵委員会 第1号

#1
第126回国会 大蔵委員会 第1号
平成五年二月九日(火曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         野末 陳平君
    理 事         竹山  裕君
    理 事         藤田 雄山君
    理 事         鈴木 和美君
    理 事         前畑 幸子君
    理 事         及川 順郎君
               大河原太一郎君
                北澤 俊美君
                沓掛 哲男君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                藤井 孝男君
                久保  亘君
                志苫  裕君
                本岡 昭次君
                山田 健一君
                牛嶋  正君
                寺崎 昭久君
                吉岡 吉典君
                池田  治君
                島袋 宗康君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     沓掛 哲男君     河本 英典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野末 陳平君
    理 事
                竹山  裕君
                藤田 雄山君
                鈴木 和美君
                前畑 幸子君
                及川 順郎君
    委 員
               大河原太一郎君
                河本 英典君
                北澤 俊美君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                楢崎 泰昌君
                藤井 孝男君
                久保  亘君
                志苫  裕君
                本岡 昭次君
                山田 健一君
                牛嶋  正君
                寺崎 昭久君
                吉岡 吉典君
                池田  治君
                島袋 宗康君
   衆議院議員
       大蔵委員長    藤井 裕久君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  林  義郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   村上誠一郎君
       大蔵政務次官   片山虎之助君
       大蔵大臣官房長  篠沢 恭助君
       大蔵大臣官房総  日高 壮平君
       大蔵省主税局長  濱本 英輔君
   事務局側
       常任委員会専門  下村 純典君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○租税及び金融等に関する調査
 (財政及び金融等の基本施策に関する件)
○平成四年度の水田農業確立助成補助金について
 の所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案
 (衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野末陳平君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(野末陳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(野末陳平君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、林大蔵大臣から所信を聴取いたします。林大蔵大臣。
#5
○国務大臣(林義郎君) 最初にごあいさつを申し上げますが、先般、大蔵大臣を拝命いたしました林義郎でございます。
 内外に数多くの重要課題が山積みしている中で、財政金融政策の運営の任に当たることとなり、その責務の重大さを痛感いたしております。
 今後とも、政策運営に遺漏なきよう全力を尽くしてまいる所存でありますので、よろしく御指導をお願いいたします。
 次に、お話ございました所信につきまして申し上げたいと思います。
 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 まず、最近の内外経済情勢について申し上げます。
 我が国経済は、現在調整過程にあります。他方で、住宅投資に回復の動きが見られ、公共投資は拡大しております。政府は昨年夏に、過去最大規模の総合経済対策を策定し、その着実な実施に努めておりますが、平成五年度予算についても、近年になく厳しい財政事情のもとではありますが、景気には十分配慮いたしました。こうした政策努力が、今後我が国経済の内需中心の持続的な成長に大きく寄与するものと確信しております。
 国際経済情勢を見ますと、世界経済は総じて緩やかな回復基調にあるものの、回復の足取りは国によりばらつきが見られ、その活性化が大きな課題となっております。また、ECでは統合に向けた動きが進展し、旧ソ連や中・東欧諸国では、市場経済への移行の努力が続けられるなど、世界の情勢には大きな変化も見られます。
 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 第一の課題は、内需を中心とした持続可能な成長を実現することであります。このような観点か
ら、景気に十分配慮した施策を実施することとしております。
 平成五年度予算編成に当たりましては、こうした見地から、公共事業関係費について最近では実質上最も大きな伸びを確保するとともに、財政投融資計画や地方財政計画における地方単独事業についても近年最大の伸びを確保するなど、国、地方を通じ全体として十分な額の公共投資を確保することとしております。この結果、今後とも公共投資の切れ目ない執行が可能となり、平成五年度の政府経済見通しにおける政府投資額は九・五%増と高い伸びで増加する見込みであります。
 また、住宅の質の向上により生活大国の実現に資するとともに、経済に対する波及効果の大きい住宅投資を促進する観点から、住宅対策の充実を図ることとしております。
 一方、金融面では、公定歩合の累次の引き下げの効果などにより、市場金利は低下を続け、これを受けて金融機関の貸出金利も低下してきております。さらに今般、第六次の公定歩合の引き下げが行われたところであり、政府としては、こうした政策効果がなお一層浸透していくことを期待しております。
 また、今後とも、主要国との政策協調及び為替市場における協力を通じ、為替相場の安定を図ってまいりたいと考えております。
 第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。
 顧みれば、我が国財政は、昭和五十年度以降、特例公債の発行を余儀なくされ、その結果、巨額の公債残高を抱え、財政構造の硬直化が進行しました。政府としては財政の対応力の回復のために懸命な努力を払い、平成二年度においてようやく、十五年間の長きにわたって続いた特例公債の発行が回避されました。このような経験から見ても、一たび特例公債を発行すれば、財政の赤字体質が慢性化し、特例公債依存から脱却することが極めて困難となるのは明らかであります。
 平成五年度予算においては、税収が前年度当初見積もりを下回るという、昭和五十八年度予算以来の厳しい歳入状況に直面しております。このような状況のもとで、制度や歳出の徹底した見直し、合理化に積極的に取り組むことなどにより、特例公債の発行を回避いたしましたが、他方、景気の動向等にかんがみ公共事業等を着実に推進していくため、建設公債の発行額は増加させることとしました。その結果、我が国財政は、公債残高が平成五年度末には約百八十二兆円にも達する見込みであり、巨額の国債費が政策的経費を圧迫するなど、依然として構造的な厳しさが続いています。
 財政改革の目的は、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を間近に控え、一日も早く財政が本来の対応力を回復することにより、今後の財政に対する内外の諸要請に適切に対応し、豊かで活力ある経済社会の建設を進めていくことにあります。
 したがって、今後の財政運営の基本的方向としては、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことが重要であります。財政の規律を重んずるという考え方は、国際的にも共通の認識となっているところであり、私は今後ともこのような基本的方向に沿って、財政改革を引き続き強力に推進していく覚悟であります。
 第三の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。
 保護主義的な動きを回避し、多角的自由貿易体制を維持強化することは、世界各国の経済発展と国民生活向上の基礎であります。このような観点から、ウルグアイ・ラウンドにつきましては、我が国を含め各国が有する困難な問題について適切な解決を図りつつ、成功裏に終結するよう努力することが重要であると考えております。
 関税制度につきましては、市場アクセスの一層の改善を図る等の見地から、重油の関税割り当て制度の廃止等の関税改正を行うこととしております。
 経済協力につきましては、開発途上国の自助努力を支援するため、昨年六月に策定された政府開発援助大綱のもとで、政府開発援助の充実に努めているところであります。
 また、累積債務問題につきましても、その解決は世界経済の安定と成長を図る上で重要な課題の一つと位置づけ、引き続きその解決に努力していく考えであります。
 旧ソ連地域に対する支援につきましては、これらの国々が新しい体制のもとで、市場経済への移行や種々の改革を円滑に進められるよう、他の主要先進国とも協調しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 第四の課題は、金融システムの安定性の確保及び証券市場の活性化を図るとともに、金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進展させることであります。
 金融システムの安定性の確保につきましては、金融機関の自助努力を基本としつつ、政府としても金融システムに対する国民の信頼が損なわれないよう最大限の努力を払っていくことが重要であり、このような考え方に立って各種の措置を講じてまいりました。
 まず、金融機関の不良資産の問題につきましては、その処理方針を早期に確定し、計画的、段階的な処理を図っていくことにより、金融システムへの不安感を払拭することが重要であります。この観点から、個別問題の早期処理が進められている一方、民間金融機関により共国債権買取機構が設立されるなど、必要な環境整備に努めております。また、各銀行によるいわゆる不良資産のディスクロージャーが本年三月期より行われる予定であります。さらに、経済活動に必要な資金の円滑な供給が阻害されることのないよう、新たな自己資本充実策を着実に実施するなど、金融機関の融資対応力の確保を図っているところであります。
 証券市場の活性化等のための施策につきましては、安定的で活力ある市場の確立に向けて、公的資金の簡易保険福祉事業団等を通じるいわゆる指定単への運用に関し、株式組み入れ比率を制限しない指定単を平成五年度においても設けるほか、株式累積投資制度の創設、従業員持ち株制度の運用の弾力化、先物取引の改善の基本的方向についての取りまとめ等の措置を講じております。
 金融・資本市場の自由化、国際化は、国民の幅広いニーズにこたえるとともに、我が国経済の発展にも寄与するものであります。また、近年、市場の一体化が世界的に進展する中で、世界の主要市場の一員としての我が国に対する期待は増大しており、その期待にこたえる上でも大きな意義を有するものと考えます。
 このような観点から、まず預金金利の自由化につきましては、定期預金金利の自由化を本年六月を目途に完了し、また平成六年中には流動性預金金利の完全自由化を図るべく努力してまいる所存であります。
 また、金融制度改革は、有効かつ適正な競争を促進することにより金融制度の効率化及び市場の健全な発展を図るという重要な意義を有しており、政府としても着実かつ円滑に実施していくこととしております。昨年十二月には、金融機関及び証券会社の相互参入の推進、諸規制・諸慣行の見直し等についての制度改革実施のための具体的事項を決定したところであり、今後は、本年四月ごろを目途に金融制度改革法を施行すべく所要の準備を進めてまいりたいと思います。
 次に、平成五年度予算の大要について御説明いたします。
 まず、歳出面につきましては、特例公債の発行を厳に回避するため、制度や歳出の徹底した見直し、合理化に積極的に取り組むとともに、景気や生活大国づくりに十分配慮するなど社会経済情勢の推移に即応した財源の重点的、効率的配分を行うこととして編成いたしました。
 その結果、一般歳出の規模は、三十九兆九千百六十八億円となっており、これに地方交付税交付金、国債費等を加えた一般会計予算規模は、七十
二兆三千五百四十八億円となっております。
 次に、歳入面について申し述べます。
 税制面では、現下の厳しい財政状況及び最近の社会経済情勢の変化に顧み、課税の適正、公平を確保する観点から、租税特別措置の整理合理化を行うほか、農林業対策等のための措置、第十一次道路整備五カ年計画に必要な財源確保等のための措置など、当面早急に実施すべき措置を講ずることとしております。
 公債発行予定額は八兆一千三百億円としております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は、二十九兆九千三百二十三億円となっております。
 財政投融資計画につきましては、景気に十分配慮するとともに、生活大国の実現に資するため、財政投融資の積極的な活用を図るとの考え方に立ち、社会資本の整備、住宅対策、環境対策等に対し、資金の重点的、効率的な配分に努めたところであります。
 この結果、財政投融資計画の規模は四十五兆七千七百六億円、前年度当初計画に対し一二・二%の増加となっており、また、資金運用事業を除いた一般財投の規模は三十六兆五千九百五十六億円、一三・四%の増加となっております。
 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。
 既に本国会に提出したものを含め、御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成五年度予算に関連するもの五件、その他一件であります。今後、提出法律案の内容について、逐次御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#6
○委員長(野末陳平君) 以上で所信の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(野末陳平君) この際、片山大蔵政務次官及び村上大蔵政務次官より、それぞれ発言を求められていますので、順次これを許します。片山大蔵政務次官。
#8
○政府委員(片山虎之助君) 先般、大蔵政務次官を拝命いたしました片山虎之助でございます。
 御承知のように、未熟非才でございますけれども、職責の重大さを痛感いたしまして、全力を挙げて職務の遂行に取り組む所存でございます。委員会の諸先生の一層の御指導、御叱正をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#9
○委員長(野末陳平君) 村上大蔵政務次官。
#10
○政府委員(村上誠一郎君) 失礼いたします。
 今般、図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました村上誠一郎であります。
 昨今の財政事情また経済情勢を見まして、一生懸命、誠心誠意努力、そしてまた景気対策に頑張っていきたいと思いますので、諸先生方のなお一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願いします。
 本当にどうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○委員長(野末陳平君) 次に、平成四年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院大蔵委員長藤井裕久君から趣旨説明を聴取いたします。藤井裕久君。
#12
○衆議院議員(藤井裕久君) ただいま議題となりました平成四年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、去る二日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。
 御承知のように、望ましい水田利用形態に可能な限り誘導する見地から、政府等から稲作転換を行う者等に対し、水田農業確立助成補助金を交付することといたしておりますが、本案は、平成四年度の同補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。
 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は一時所得の必要経費とみなし、また、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。
 なお、本案による国税の減収額は、平成四年度において約五億円と見込まれるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#13
○委員長(野末陳平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 質疑、討論も別にないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 平成四年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(野末陳平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(野末陳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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