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1993/02/23 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 法務委員会 第1号
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1993/02/23 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 法務委員会 第1号

#1
第126回国会 法務委員会 第1号
平成五年二月二十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         片上 公人君
    理 事         下稲葉耕吉君
    理 事         真島 一男君
    理 事         竹村 泰子君
    理 事         猪熊 重二君
                井上  孝君
                斎藤 十朗君
                鈴木 省吾君
                服部三男雄君
                山本 富雄君
                大脇 雅子君
                角田 義一君
                深田  肇君
                矢田部 理君
                石原健太郎君
                紀平 悌子君
                原 文兵衛君
                平野 貞夫君
                安恒 良一君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     鈴木 省吾君     藤江 弘一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片上 公人君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                真島 一男君
                竹村 泰子君
                猪熊 重二君
    委 員
                藤江 弘一君
                大脇 雅子君
                深田  肇君
                矢田部 理君
                石原健太郎君
                紀平 悌子君
                平野 貞夫君
   国務大臣
       法 務 大 臣  後藤田正晴君
   政府委員
       法務政務次官   志村 哲良君
       法務大臣官房長  則定  衛君
       法務大臣官房会  永井 紀昭君
       計課長
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務  仁田 陸郎君
   事務局側
       常任委員会専門  播磨 益夫君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (法務行政の基本方針に関する件)
 (平成五年度法務省及び裁判所関係予算に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片上公人君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として藤江弘一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(片上公人君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(片上公人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(片上公人君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 まず、法務行政の基本方針について、後藤田法務大臣から所信を聴取いたします。後藤田法務大臣。
#6
○国務大臣(後藤田正晴君) このたび、法務大臣を命ぜられました後藤田正晴でございます。
 内外にわたって極めて困難な問題が山積しておりますこの時期に法務行政を担当することになり、その職員の重大であることを痛感いたしております。
 法務行政に課せられました使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあります。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤ともいうべき法秩序が揺るぎなく確立され、国民の権利がよく保たれていることが極めて重要であると考えます。
 私は、こうした認識のもとに、法務行政の各分野にわたって適切な方策を講ずるよう全力を尽くしたいと考えております。
 以上簡単でありますが、就任のごあいさつといたします。
 次に、当面する法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を切に賜りたいと存じます。
 第一は、治安の確保及び法秩序の維持についてであります。
 最近における犯罪情勢を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められますが、けん銃等を用いた凶悪事犯、暴力団関係事犯、薬物事犯、大型の財政経済事犯、過激派や右翼によるテロ・ゲリラ事犯等が相次いで発生しております。また、来日外国人による犯罪が増加、凶悪化するとともに、諸外国との間において犯罪人引き渡しや捜査共助等を要する事件が増加するなど、国際化の傾向が依然として顕著であります。
 私は、このような情勢のもとで、各種犯罪事象に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実を図り、さらに、刑事司法に関する国際協力を促進していくことにより、良好な治安の確保と法秩序の維持に努めてまいりたいと考えております。
 加えて、こうした内外の犯罪情勢等の変化に対しては、刑罰法規の改正等により適宜対応してきたところでありますが、時代の趨勢に応じ、刑法の現代用語化を初め、刑事法制のあり方等について引き続き検討を加えてまいりたいと考えております。
 第二は、出入国管理行政の充実強化についてであります。
 出入国管理行政においては、業務量の急速な増大に迅速かつ円滑に対応するとともに、我が国社会の健全な発展の確保及び国際協調と国際交流の増進への寄与という基本理念のもと、この理念に沿った外国人の受け入れの促進と不法就労外国人問題に対しての効果的な対策を推進していく必要があります。これらの諸問題に関しては、個別かつびほう的な施策では今後一層激しい変化の予測される行政環境に適切に対応し得ないので、法務省においては、将来を見越した抜本的な対応のあり方を検討しつつ、入国管理局の体制整備等に取
り組んでいるところであり、引き続いて要員及び施設の確保に努め、業務体制の整備を図ることといたしております。
 また、技能実習制度については、より実践的な技能を習得させることにより、効果的に開発途上国等への技術等の移転を図り、それらの国の発展に協力するという観点から、昨年来鋭意検討を行い、関係省庁との調整を進めてまいりましたが、法務省では、平成五年度予算成立後、その速やかな実施を図りたいと考えております。
 第三は、一般民事関係事務の効率化と訟務事件の処理についてであります。
 一般民事関係事務は、登記事務を初めとして事務量が逐年増大するとともに、社会経済活動の多様化、国際化を反映して年々複雑困難の度を強めてきております。特に、登記事件は、公共事業の活発化等を背景に依然として高水準で推移をしており、今後ともこの傾向は続くものと考えられております。そこで、このような現状に対処し、あわせて窓口サービスの抜本的改善を図るため、引き続き登記事務のコンピューター化を鋭意推進してまいりたいと考えております。
 民事関係の立法につきましては、法制審議会の各部会において調査検討を進めているところでありますが、商法部会における社債制度の改善を中心とする商法の改正につきましては近く答申が得られる見通してあります。この答申が得られ次第、改正法案を今国会に提出したいと考えております。
 また、婚姻及び離婚制度の見直しについては、昨年十二月に民法部会で問題点を取りまとめた中間的な報告が公表され、今後これに対する意見を踏まえて検討を加えてまいりたいと考えております。
 なお、そのほかに民法の第一編ないし第三編並びに民事訴訟法及び商法の現代用語化についても引き続き検討を行っているところであります。
 次に、訟務事件の処理についてでありますが、最近の訟務事件は、国際化の進展を反映したものや、最先端の知識、技術あるいは新たな法制度に関連するものなど、複雑困難なものが増加する傾向にあります。また、これらの訴訟は、集団化、大型化し、全国各地の裁判所に提起される傾向にあり、訴訟の結果いかんが国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものも少なくありませんので、訟務事務処理体制の一層の充実強化を図り、適正円滑な事件処理に努めてまいりたいと考えております。
 第四は、人権擁護行政についてであります。
 人権の擁護は、憲法の重要な柱であり、民主政治の基本でもあります。人権の擁護については、国民のすべてが人権についての正しい認識を持ち、お互いに他人の人権を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。
 人権擁護行政におきましては、各種の広報活動によって国民の間に広く人権尊重の思想が普及高揚するよう努めるとともに、具体的な人権に関する相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて関係者に人権尊重の思想を啓発し、被害者の救済にも努めてまいりたいと考えております。
 中でも、我が国社会の国際化に伴う外国人の人権問題、部落差別を初めとするもろもろの差別問題、子供をめぐるいじめ、体罰の問題等につきましては、関係省庁とも緊密な連絡をとりながら、一層活発な啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
 また、法律扶助制度は、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するために極めて重要なものであり、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。
 第五は、犯罪者に対する矯正処遇と更生保護についてであります。
 犯罪者の矯正処遇につきましては、対象者に暴力団関係者、覚せい剤事犯者のほか、施設への入出所を繰り返している累入者等改善困難な者の占める割合が増加をしているのに加え、高齢化傾向が顕著であるなど処遇の複雑困難化が著しくなっておりますので、これらの者の年齢、犯罪傾向、刑期その他の特性等を考慮した適切な処遇の推進を図りたいと考えております。また、これらの者の社会復帰、再犯防止につきましては、犯罪のない明るい社会の実現のために多大な貢献をしている民間篤志家、団体との緊密な連携を保って社会内処遇の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 第六は、外国弁護士規制緩和問題についてであります。
 我が国における外国弁護士の受け入れ制度は、外国弁護士による法律事務の取り扱いに関する特別措置法施行後、円滑に運用されてまいりましたが、同制度に関する近時の内外の動向を踏まえ、先般、日弁連と共催で外国弁護士問題研究会を発足させました。今後も日弁運とともに責任を持ってこの研究会を運営し、その研究成果を踏まえて問題の解決に当たりたいと考えております。
 最後に、これら法務行政の適正円滑な推進の確保等のため本国会において御審議をお願いすることを予定しております法務省関係の法律案は、不動産登記法の一部を改正する法律案、商法等の一部を改正する法律案等四件であります。このほか、前国会から引き続き御審議をお願いしておる刑事施設法案外一件があります。
 何とぞ十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るようよろしくお願いを申し上げまして私のごあいさつにかえたいと思います。ありがとうございました。
#7
○委員長(片上公人君) この際、志村法務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。志村法務政務次官。
#8
○政府委員(志村哲良君) このたび、法務政務次官を命ぜられました志村哲良でございます。
 時局柄大任ではございますが、後藤田法務大臣の御指導を仰ぎます中で、大臣を補佐し、時代に即応した法務行政の推進のため、微力ではありますが、誠心誠意努力をいたす所存でございます。
何とぞよろしく先生方の御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
 簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。
#9
○委員長(片上公人君) 次に、平成五年度法務省所管及び裁判所関係予算について説明を聴取いたします。
 まず、永井法務大臣官房会計課長。
#10
○政府委員(永井紀昭君) それでは、平成五年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、法務省所管の一般会計予算額は五千二百三十四億六千百万円であり、登記特別会計予算額は一千四百九十五億四千六百万円でありまして、その純計額は六千四十四億円となっております。この純計額を平成四年度補正後予算額五千八百八十三億二千五百万円と比較いたしますと百六十億七千五百万円の増額となっております。
 次に、重点事項別に予算の内容について御説明申し上げます。
 まず、定員の関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純増百九十九人となっております。
 平成五年度の増員は、新規五百九人と部門間配置転換による振りかえ増員七十五人とを合わせ、合計五百八十四人となっております。
 その内容を申し上げますと、一、検察庁における特殊事件、財政経済事件、公安労働事件等に対処するとともに、公判審理の迅速化を図るため九十一人。二、法務局における登記事件、訟務事件及び人権擁護関係の事件に対処するため、登記特別会計の百五十四人を含め百五十八人。三、刑務所における保安体制、分類体制及び医療体制の充実を図るため百四人。四、少年院及び少年鑑別所における処遇体制の充実を図るため三十一人。五、保護観察活動等の充実を図るため二十六人。六、不法就労外国人対策の強化、出入国審査及び在留資格審査等の業務の充実を図るため百七十一人。七、公安調査活動の充実強化を図るため三人となっております。
 他方、減員は、平成三年七月の閣議決定に基づ
く「定員削減計画(第八次)の実施について」による平成五年度定員削減分として三百八十五人を削減することとなっております。
 次に、主要事項の経費について御説明申し上げます。
 第一に、法秩序の確保につきましては、三千億七千百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較いたしますと九十一億六千二百万円の増額となっております。
 その内容について申し上げますと、まず、検察庁関係では、検察活動の充実を図る経費として九百二十二億九千六百万円を計上しております。
 矯正施設関係では、刑務所等矯正機能の充実を図るため一千七百三十五億三千百万円を計上しており、この経費の中には、被収容者の処遇の確保のための生活備品、日用品の改善及び食糧費の単価改定等に要する経費を含んでおります。
 更生保護関係では、保護観察の充実を図る経費として百五十七億九千七百万円を計上しております。
 訟務関係では、国の利害に関係のある争訟事件の処理経費として十三億四千三百万円を計上しております。
 公安調査庁関係では、公安調査活動の充実を図る経費として百七十一億四百万円を計上しております。
 第二に、外国人登録制度及び出入国管理業務の充実につきましては、二百三十四億二千六百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較いたしますと二十七億六千六百万円の増額となっております。
 その内容の主なものについて申し上げますと、不法就労外国人対策の強化を図る経費として十一億六百万円、出入国及び在留管理業務の充実を図る経費として二十九億二千二百万円等を計上しております。
 第三に、国民の権利保全の強化につきましては、一般会計で八百五十三億八千七百万円を計上し、前年度補正後予算額と比較いたしますと八億八百万円の増額となっております。
 その内容について申し上げますと、まず、登記関係では、登記事務費として六百八十六億七百万円を計上しております。この登記事務費は、登記事務を円滑、適正に処理するために設けられている登記特別会計の財源の一部として繰り入れるための経費であります。
 法務局のうち登記を除く関係では、国籍、戸籍等の事務処理の充実を図る経費として百五十六億七千百万円を計上しております。また、人権擁護関係では、地域改善対策としての啓発等人権擁護活動の充実を図るため十一億九百万円を計上しております。
 第四に、施設の整備につきましては、老朽、狭隘化が著しい基幹の大行刑施設、拘置支所の継続整備及び入国管理局関係施設を含めた法務省の庁舎、施設を整備するための経費として百五十七億六千八百万円を計上しております。
 第五に、登記特別会計につきましては、総額一千五百七十三億八千九百万円の歳入、一千四百九十五億四千六百万円の歳出となっております。
 歳出の主な内容といたしましては、登記所等管理経費八百八十六億五千万円、登記事務のコンピューター化計画の推進及び登記簿謄抄本交付事務の適正、迅速化を図る経費四百八十一億六千百万円、登記申請事件の審査等経費三十四億三千六百万円、法務局の支局出張所等を整備する施設整備費として七十九億八千五百万円等をそれぞれ計上しております。
 以上、平成五年度法務省所管の予算の概要を御説明申し上げました。
#11
○委員長(片上公人君) 次に、仁田最高裁判所事務総局経理局長。
#12
○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) 平成五年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。
 平成五年度裁判所所管歳出予算要求額の総額は二千八百三十八億九千八百九十七万四千円でありまして、これを前年度補正後予算額二千七百九十六億九千四百三十一万八千円に比較いたしますと、差し引き四十二億四百六十五万六千円の増加となっております。
 これは、人件費において三十七億八十八万八千円、裁判費において八億一千六百五万九千円、司法行政事務を行うために必要な庁費等において十七億二千三百六十九万二千円が増加し、施設費において二十億三千五百九十八万三千円が減少した結果であります。
 次に、平成五年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。
 まず、人的機構の充実、すなわち増員であります。
 民事訴訟事件、民事執行法に基づく執行事件、破産事件の適正かつ迅速な処理及び司法修習体制の充実を図るため、判事補七人、裁判所書記官三十一人、裁判所事務官二十五人、合計六十二人の増員をすることとしております。
 他方、定員削減計画に基づく平成五年度削減分として裁判所事務官等三十二人が減員されることになりますので、差し引き三十一人の定員増となるわけであります。
 次は、司法の体制の強化に必要な経費であります。
 裁判運営の効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料の整備に要する経費として七億一千二百三十六万四千円、複写機、計算機等裁判事務能率化器具の整備に要する経費として九億五百六十八万三千円、調停委員に支給する手当として六十一億四千三百九十四万一千円。裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として二十五億六千百五万二千円、証人、司法委員、参与員等旅費として九億七百八万八千円を計上しております。また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百二十一億四千二百五十九万一千円を計上しております。
 以上が平成五年度裁判所所管歳出予算要求額の大要であります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#13
○委員長(片上公人君) 以上で所信及び予算の説明聴取は終了いたしました。
 大臣の所信に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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