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1993/04/22 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 法務委員会 第5号
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1993/04/22 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 法務委員会 第5号

#1
第126回国会 法務委員会 第5号
平成五年四月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     大脇 雅子君     千葉 景子君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     大脇 雅子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片上 公人君
    理 事
                下稲葉耕吉君
                真島 一男君
                竹村 泰子君
                猪熊 重二君
    委 員
                斎藤 十朗君
                服部三男雄君
                平野 貞夫君
                山本 富雄君
                大脇 雅子君
                角田 義一君
                深田  肇君
                矢田部 理石
                石原健太郎君
                紀平 悌子君
   国務大臣
       法 務 大 臣  後藤田正晴君
   政府委員
       内閣法制局第二  秋山  收君
       部長
       法務大臣官房長  則定  衛君
       法務省民事局長  清水  湛君
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省矯正局長  飛田 清弘君
       法務省保護局長  杉原 弘泰君
       法務省人権擁護  筧  康生君
       局長
       法務省入国管理  高橋 雅二君
       局長
       事務局側
       常任委員会専門  播磨 益夫君
       員
   説明員
       公正取引委員会
       事務局審査部管  上杉 秋則君
       理企画課長
       総務庁北方対策  阪本 和道君
       本部参事官
       国税庁調査査察  藤井 保憲君
       部調査課長
       国税庁調査査察  石井 道遠君
       部査察課長
       文部省初等中等
       教育局中学校課  河上 恭雄君
       長
       建設大臣官房人  福田 秀文君
       事課長
       建設省建設経済  百武 伸茂君
       局総務課長
       建設省建設経済  鈴木  一君
       局調査情報課長
       建設省建設経済  折笠竹千代君
       局建設振興課長
       建設省道路局日
       本道路公団・本  林  雄作君
       州四国連絡橋公
       団監理官
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (政治改革への展望に関する件)
 (ゼネコンの政治献金に関する件)
 (企業の使途不明金に関する件)
 (金丸事件の中間報告に関する件)
 (皇太子殿下御成婚に伴う恩赦に関する件)
 (国会議員の収賄罪に関する件)
 (死刑確定者の信書の発受に関する件)
 (北方領土旧島民の戸籍事務等に関する件)
 (いじめ問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片上公人君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○竹村泰子君 おはようございます。
 初めに、先日、私の大臣の所信に対する質問のときに、私が昭和三十六年の矯正局長からの札幌矯正管区長あての文書を要求いたしました。それを私は矯正局から受け取りまして、なかなか納得はできないのですけれども一応これを受け取ったということで、この件につきましては委員長に御報告を申し上げておきます。ありがとうございました。
 副総理に御質問を申し上げたいと思います。
 四月八日の朝刊各紙を見ますと、「後藤田氏、副総理に就任」という、そういう記事がずっとたくさん各紙出ております。「副総理に後藤田法相」等の見出しが並んでおりますけれども、内閣法を見ましても副総理という文言は見当たりません。四月十二日付の官報あるいは四月八日付の本院公報を見ますと、宮澤総理から、「国務大臣 後藤田正晴 内閣法第九条の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う国務大臣に指定する」として発令が行われたと記載されております。
 そこでちょっとお伺いいたしますが、渡辺前外相に対しましても副総理という言い方がされておりましたけれども、副総理の意義と権限、内閣法第九条との関係について、これは内閣法制局に御説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(秋山收君) 御質問のまず副総理という言葉でございますが、これは法令上の用語ではございません。
 内閣法第九条、これは今言及が先生の方からございましたけれども、「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。」という規定がございます。この規定に基づきまして内閣総理大臣の職務を代行すべき者として指定される国務大臣のうち、実際に内閣総理大臣自身による職務遂行に支障が起こりそうな状況においてその都度応急的に指定される者ではなくて、予期しない支障の発生に備えて常設のものとして予備的に指定される方、この方を通例指して副総理と呼ぶわけでございます。
 したがいまして、その意義と権限でございますけれども、内閣にいわゆる副総理を置くことということは、法律的に申し上げますと内閣法第九条の規定に従いまして、内閣総理大臣に事故のあるとき、または内閣総理大臣が欠けたときに備えまして、その際に臨時に内閣総理大臣の職務を行うべき国務大臣をあらかじめ指定しておくというのが法律上の意義になろうかと思います。
 この場合のいわゆる副総理の権限でございますが、現実に内閣総理大臣に事故などが発生したときに臨時に内閣総理大臣の職務、原則として職務一般を行うことができるというものでございます。
#5
○竹村泰子君 宮澤総理の要請をお受けになって、法務大臣は大分抵抗なさったようにお見受け
をいたしますが、そうではございませんですか。
#6
○国務大臣(後藤田正晴君) いや、抵抗なんということはございません。
 今、法制局から御説明がございましたのをやや平易に砕いて申し上げますと、二通りあるんだと、こういうことなんですね。
 一例を言いますと、総理が例えば外国へ出かけられるというときに、先任とでもいいますか、一応序列みたいなものが議員歴とかあるいは閣僚歴にあるわけですね。その中から古い人に臨時代理を指名する、閣議の席で。これは普通行われるんですね。
 もう一つは、渡辺さんとか今度の私の場合のように、外国へ行く場合に云々といったようなことではなくて、常時臨時代理を命じておくというやり方、これを俗称副総理、こう言っているんです。
 私は、そういうお話があったときに宮澤総理に、そんな必要はないじゃないですか、あなたが外国へ行くときに言ってくれれば私は代理をやりますから特別に不自由はないはずじゃないですかということを申し上げたんです。ところが、それはそのとおりなんだけれども、総理大臣自身も生身の体だと、いついかなることが起きるかわからない、そういうときに任命権者がおらぬ、亡くなってしまったといって総理がなくなっちまうということがあり得る、そういうときにこれは後藤田さん困るんです、こういう話ですから、言われてみればそれはそうかもしれぬが余り必要ないですなといったようなやりとりがございました。
 そのときの話で、過去に一例あるそうです。臨時代理を任命ができなくてお亡くなりになった総理がいらっしゃるそうでございます。そのときの処理に非常に実は困ったんだと、こういうようなお話がございまして、言われればそういうことがありますかな、それなら御指名をお受けいたしましょう、こういう経緯でございまして、私は拒否反応を示したわけでもなし、相手も法律が詳しい人ですし、私も普通よりは法律が詳しいものですから、多少のそういうやりとりがあった、かように御理解しておいていただいたら結構だと思います。
#7
○竹村泰子君 今、大臣からお話がありましたように、総理は副総理を置く理由の一つとして、危機管理の一環としての制度上の欠缺を挙げたというふうに報じられております。
 もう一つ法制局にお伺いして確認しておきたいんですが、国務大臣の任免は総理の専権事項となっているわけですね、憲法六十八条。いわゆる副総理の任免についても同様の理解でよろしいんでしょうか、確認をしたいと思います。
#8
○政府委員(秋山收君) いわゆる副総理の指定及び解職でございますが、これは先ほど御説明しました内閣法第九条に基づきまして行われるものでございまして、今、先生の御指摘のとおり、その権限は内閣総理大臣に属するものでございます。
#9
○竹村泰子君 今回の発令は、属人的に後藤田法相の力量を期待して、宮澤内閣のかなめに据えることだけを念頭に置いた発令なのかなとも言い得ない面もあるように受けるんですけれども、またいわゆる危機管理のための内閣法の改正も考慮しておられるように懸念されます。
 この点について、宮澤内閣としての明確な御方針や答弁を私実はきょう官房長官の御出席をお願いしておりましたのですけれども、内閣委員会が開かれております。そうで希望がかないませんでした。ほかの方にこういうことをお聞きするのもちょっとどうかと思いますので官房長官に対しての質問はいたしません。
 そこで、後藤田法務大臣は官僚歴が長くていらっしゃる。そして政界入りをなさる前には内閣官房副長官も歴任され、また総務庁長官も歴任されたことから、国家行政組織法第五条の規定を申し上げるまでもなく、主任の大臣のあり方ということはもう十分御存じでいらっしゃると思います。その後藤田大臣がそもそも副総理不要論であるというふうにもとられる報道もございました。まさか副総理の発令をお受けになるのが、先ほどは抵抗はしなかったとおっしゃいましたけれども、余り喜んではいはいと言ってお受けになったわけでもなさそうにお見受けをする。主任の大臣を辞職なさってとのお考えではなかったのかなというふうに思うのですけれども、法務大臣にとって副総理を受諾することの意義、責任等についてどのようにお考えでしょうか。
#10
○国務大臣(後藤田正晴君) 要するに私は、制度上の欠缺を生じないような処置である、こういう受けとめ方でお引き受けをしたわけでございます。
 それから、先ほどお答えしたときにちょっと抜けたんですけれども、俗称副総理の指定をせられますと、このときは辞令が出るんです、紙に書いた辞令が。ところが、外国へ行かれるときに臨時代理を任命せられるときは辞令は出ないといったような事実上の区別をしているんですが、これは別段何も余り意味のないことだと思います。
 意味があるのは、要は生身の体で任命権者が任命しないままで欠けてしまったといったときにどうなるんだということ、つまり制度上の欠陥ですね、欠缺を埋め合わせるというのが今回の処置であろう、かように私は理解をしておりますから、私がやる仕事は何もちっとも変わったことはありません。私は法務大臣としてやっているわけでございます。総理に何かあればまた代理でやる、こういうことになるわけです。
#11
○竹村泰子君 非常に法務大臣としてお忙しくしておられる。そこへもってきてまた副総理をお受けになったということで、いささか私ども法務委員のメンバーとしては心配もし、失礼な質問をしているわけなんです。
 各紙インタビューに答えられまして、大臣は党との間に立って調整というふうにおっしゃっておられますけれども、これは政治改革の問題も当然含まれると私は考えたんですが、それ以外の問題も念頭に置いておられるのでしょうか、どうでしょうか。
#12
○国務大臣(後藤田正晴君) それは総理からどんなことを言われましたかというインタビューの御質問でありましたので、こういう重大な時期だから、生身の体であるし、制度に欠陥が生まれてもいかぬからよろしく頼む、こういうことだったわけですが、よろしく頼むというお言葉を私なりに翻訳をいたしまして、総理の言葉の中にはなかったんですけれども私の翻訳として、今、党と政府の間で御案内のような政治改革その他重要な問題があるわけですから、党と政府の間でできる限りの連絡等はやるつもりでおります、かようなお答えをしたわけでございます。
 いずれにいたしましても、特別な変わったことはない、こう御理解をしておいていただければ一番ありがたいと思います。
#13
○竹村泰子君 大臣は先般の私の所信に対する質疑に対しましても、また各紙インタビューに対しましても、政治改革は待ったなしだ、そういう現状認識を持っているというふうにおっしゃっております。
 ところで、佐川疑獄、金丸事件に至るまで、戦後、政治家絡みの汚職事件、枚挙のいとまがないと言っても過言ではない。後を絶ちません。先般の世論調査を挙げるまでもなく、国民の政治に対する不信、これは政治に対する不信もありますし、何もしていない、一生懸命走り回って働いている多くの議員たちまで全部政治家は信頼できない、こういうことを言われるわけで、国民の不信は極限に達していると思います。
 改めて法務大臣の政治改革に対する現状認識、それから、連綿とこうやって起こってくる政治家絡みの汚職事件の原因は何か、その対策はどうあるべきか、所感を伺いたいと思います。
#14
○国務大臣(後藤田正晴君) 御指摘のように、政治家絡みの事件が相も変わらず頻発をしておるといったようなことに対しては、国民の政治に対する不信感、これは当然のことであって、我々といたしましても大変申しわけなく、何とかこういう
事態の再発を防止するという意味合いにおいて、何といっても基本は政党なりあるいは政治家個々のモラルの問題、これが基本であろう、こう思います。
 しかし同時に、モラルの大事さを説いてみましても、なかなか実際問題としてはうまくいかぬ、相変わらず事件が起きるということになりますとどこかに、制度上の政治のシステムの上にそういう事態の避けがたいようなことが起きる原因があるのではないか。そこにメスを入れるということでなければならぬ。つまりは、それをとらえて政治の抜本改革をやらない限りこういった不祥事が絶えないのではないかな、かように認識をしております。
 政治改革のそれじゃ抜本改革は何かということになると、私は実際は、議会政治の活性化とでもいいますか、何といっても議会政治という基本は、健全な野党というものが存在をして、そして政策の失敗、不祥事件の発生、こういった不幸な事案が発生したときには国民の手によって当然政権の交代がある、そういう緊張した与野党間の建設的な政治のシステムの中で国民の要望にこたえられる政策の課題、これを適時適切に処理をする、そういう仕組みをつくるのが政治の改革だと。
 じゃ、どこから切り口としてやっていくかといえば、やはり一番問題は、不信感が起きておる原因は政治と金にまつわる問題であろう。ならば政治と金の問題、さらにはなぜ金がかかるかといえば、現在のような選挙制度、その選挙制度を前提とした常日ごろの政治活動、その活動に要する経費、こういうことにならざるを得ませんから、そういう面を切り口として改革をする。そうなれば結果として、私はやはりそれが議会政治そのものの活性化に通じて議会政治のシステムそのものも変わっていくのではないかな、かように私は考えているわけでございますが、そういう時期が今はまさにもう待ったなしに来たなと。
 したがって、それぞれの党には党の立場があるし、個々の政治家にとってもそれぞれのお立場はあろうけれども、党利党略を超え、個利個略というものを超えて、やはり今政治が何をなすべきかといったようなことを真剣にお互いに考えて信頼を得ることができるような政治システムの再構築をやらきゃならぬ重大な時期である、かように考えておるわけでございます。
 幸い、そういう空気がだんだん醸成をされて、今衆議院でこの政治改革ということをどう取り扱ってどのような面にメスを入れて何を改革するかということでせっかくの論議が展開されておるようでございますから、そういった中からこの国会で改革案が実を結ぶように我々も努力をしなきゃなりませんけれども、各政党それぞれの個々の政治家の皆さん方の一層の御尽力を賜って何とかひとつ改革をしたい、かように考えておるのが私の現在の考え方であるし、また立場でもあるわけでございます。
#15
○竹村泰子君 大臣が私の質問を大分先まで答えてくださいましたので重複は避けたいと思いますが、大臣は衆議院の法務委員会などで五五年体制のひずみということを言っておられます。政治改革の一番のポイントは何か、何から改革していけばいいのかという御所見を伺いたいと思いましたけれども大体お答えくださったようですので、やっぱり政治家のモラルが第一番、しかしそれだけではなくてシステムを変えていかなきゃならないということで、大臣は小選挙区比例代表並立論者であるというふうに思いますが、違いますでしょうか。
 自治大臣も歴任され、選挙制度にも御造詣が深く、宮澤さんがあなたをぜひ副総理にとお思いになったのもその政治改革への思いがおありになったのかなというふうに思いますけれども、政治改革、選挙制度改革は私たち野党も含めまして国会として真剣に対処しなければならない。これはもう日本の政治にとって非常に不幸なことです。子供たちゃ若い人たちが政治家を信頼しない、人気がない、そういうことは日本の国にとって非常に不幸なことだと思います。
 宮澤さんからの期待にもおこたえいただいて、そしてこの政治改革、政治倫理、腐敗防止法などの一連の立法に向けて十分大臣の力を発揮してくださいますように心からお願い申し上げます。一言御決意を。
#16
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えいたしましたような気持ちで、もう待ったなしの時期になっておるように思いますので、何とかひとつこの国会で成案を得たい、そのために全力を尽くしたい、かように考えております。
#17
○竹村泰子君 今衆議院で非常に熱い論議が闘わされているわけですけれども、選挙区の問題を変えただけでこれは解決するわけでは全然ないと思いますので、ぜひその点も期待を申し上げます。
 それでは次に、やみ献金、使途不明金の問題についてお伺いをしたいと思います。
 この癒着の構造、裏金の温床である使途不明金、新聞等で私たちもよく見聞きしているところでありますけれども、東京佐川急便、日債銀疑惑の中、所得税法違反の罪で起訴されました自民党前副総裁金丸信被告にゼネコンを中心とする業界から、一九八六年から九一年までの間、毎年十億円を超えるやみ献金が届けられていたということが、三月二十二日、東京地検特捜部の捜査や金丸被告関係者の供述、業界団体などの経理資料から明らかになったと報道されております。日本じゅうの人がこれを見ているわけですけれども、このような事実報道を副総理はどうお考えになっておられますか。――私、副総理にお聞きしております。大臣にお聞きしております。
#18
○国務大臣(後藤田正晴君) 済みません。ちょっと局長から先に答えまして、その後で私。
#19
○政府委員(濱邦久君) まず、金丸前議員らの所得税法違反事件の捜査処理の過程において判明した事実等につきましては、先般、当院の予算委員会におきまして国政調査権の行使としてその概要を法令の許す範囲で報告をするようにという御要請がございまして、もう委員も御案内のとおり、法令の許される範囲で法務当局から御報告申し上げたとおりでございます。
 その中でも御報告申し上げましたように、この金丸前議員の所得税法違反事件におきましては、今、委員が言われました大手の総合建設会社や山梨県内の建設業者等から供与される資金の一部を原資として日本債券信用銀行や岡三証券からワリシン、ワリコー等の割引金融債券を購入して、これを隠匿する方法によって蓄財したと、所得税を不正に免れていたものであるという趣旨の御報告を申し上げたところでございます。
#20
○国務大臣(後藤田正晴君) 今、局長からお答えいたしましたように、いわゆる金丸事件につきましては所得税法違反事件としてほぼ終結をしておると、私はさように考えておるわけでございますが、しかしまだ、何といいますか例の五億円の関係について政治資金規正法上の不記載の方の問題が現在なお捜査中であると。
 いずれにいたしましても、この種事案につきましては、国民の不信を解消するということは大事なことでございますが、法務当局としては法令違反の事実がある限りこれを解明して、そして事件として、国民の皆さん方から見て、当局としてはやるだけのことはおやりになっておるなといったような信頼感のあるやり方をとらなければならないと、かように考えておるわけでございます。
#21
○竹村泰子君 刑事局長お答えくださいましたけれども、今の副総理の、大臣のお言葉ですと、まあ非常によくやっておられるなという御感想というふうに私は受け取ったんですけれども、それだけでございますか。――それだけでございますか、御所感は。
 次に行きましょう。
 金丸前副総裁は、やみ献金を所得申告せず、多くの割引金融債にかえて隠ぺいしていたと。それにゼネコン各社は副社長ら役員のトップクラスが盆暮れなどに金丸事務所にせっせせっせと現金を運んでいたとされております。このような報道に
建設省当局はどのような認識を持ち、建設業界にどのような対応をしておられるのでしょうか。
#22
○説明員(百武伸茂君) 建設業が健全に発達いたしまして国民の信頼を得てまいりますためには、建設業者みずからが関係法令を遵守し適正な受注活動を行うことが必要でございます。このため建設省といたしましては、従来から不良不適格業者の排除等を重要課題とする建設産業の構造改善推進プログラムというものを策定いたしまして、建設業の取引に関する法令の遵守の徹底に取り組んでまいったところでございます。また、公共工事につきましては、従来から、入札制度の合理化等を通じまして適正かつ厳正な執行に努めてきたところでございます。
 このような取り組みを行っております中で、このたび建設業界が国民の厳しい批判を受けることになりましたことはまことに遺憾であります。去る三月二十九日に建設大臣談話と建設省の対応方針を発表いたしまして、公共工事発注業務に関しましてはなお一層厳正な執行の徹底を図るとともに、入札・契約制度についてさらに透明性、競争性を高めるため新たな入札方式の導入等の改善を行うことといたしました。また、建設業界に対しましては、その社会的責務の重要性にかんがみまして、業界を挙げて企業倫理の確立に努めることを強く要請したところでございます。
 これに呼応いたしまして、代表的なゼネコン団体でございます日本建設業団体連合会及び全国建設業協会におきましては、今後おのおのの団体に所属する企業が一丸となって企業倫理の確立に努めるとともに、政治資金規正法に違反する献金は一切行わない旨の決意を自主的に表明したところでございます。建設省といたしましても、その内容が速やかに遵守徹底されることを期待しているところでございます。
 さらに、建設省といたしましては、一般的に建設業を指導育成する立場から、企業活動の適正化、企業倫理の確立を図るために主要建設業団体等に対するヒアリング調査に着手したところでございまして、その結果を検討した上で適切な指導を図ってまいる所存でございます。
#23
○竹村泰子君 今そういうふうにお答えになる。これ今始まったわけじゃないんでしょう。ずっと、連綿とこういう構造が続いていたわけでしょう。今になってそういう構造改善プログラムをつくりましたの検討いたしましたのって、そんな問題じゃないと私は思います。
 今いろいろいいことをたくさんお答えになりましたけれども、果たしてそれが実行できて、そして今後一切こういうことはないと思っておられるのかどうか、答えてください。
#24
○説明員(百武伸茂君) ただいまお答え申し上げましたように、建設省といたしまして業界が挙げて企業倫理の確立に努めることを強く要請してまいりますし、また必要なヒアリング調査など結果が出ましたらば、それを検討した上で適切な指導を図ってまいる所存でございます。
#25
○竹村泰子君 これだけの大きな汚職、疑獄が発生していて、あなたは建設大臣ではないから私はここであなたを責めてもと思いますけれども、しかしきちんと建設省の高官でいらっしゃるわけですから責任があるわけです。そんなことで、そんななまぬるいことで、十分に指導してまいりますとか、何の私は反省もざんげも見られないというふうに思っちゃうんだけれども、そういうことで済む問題なんですかね。
 おいおい聞いてまいりますけれども、それでは建設事業受注に占める官公庁工事の比率についてお尋ねいたします。
 一部もう報道されておりますけれども、過去五年間ぐらいの官公庁工事の受注額と受注比率について具体的に説明を求めます。
#26
○説明員(鈴木一君) お答えいたします。
 先生今、受注額と申されましたけれども、我が国におきます建設投資額は平成四年度、まだ見通してございますけれども、その中で官公庁投資につきましては三十四兆二千億円と見通されております。
#27
○竹村泰子君 それだけですか。過去五年間の官公庁工事の受注額と受注比率について答えてくださいと言ったんですよ。
#28
○説明員(鈴木一君) それでは昭和六十三年度から平成四年度までの我が国建設投資額の中で占める政府投資の数字とその比率についてお答えいたします。
 昭和六十三年度でございますが、二十三兆四千億円、平成元年度は二十四兆八千億円、二年度は二十六兆四千億円、三年度は二十八兆九千億円、四年度は三十四兆二千億円。
 これにつきまして建設投資全体に占めるシェアでございますが、昭和六十三年度が三五・一%、平成元年度が三三・七%、平成二年度は三二・四%、三年度は三五・二%、四年度は三九・一%でございます。
#29
○竹村泰子君 やみ献金はもう業界の常識であり、そして今の話をお聞きしても非常に官公庁工事の受注額、比率が高い。
 ゼネコンの幹部が金丸氏にやみ献金を届けた事実を証言しておりますけれども、業界関係者は、公共工事の受注高の何%かを持っている、普通一%から三%ぐらいだというふうに聞いておりますとそのシステムを説明しております。そして、地検特捜部の捜査の進展により政治家とゼネコンの癒着の構造の裏側が次第に明らかになってきております。さきの受注額及び比率からしてもゼネコン各社は巨額のやみ献金をしていると判断せざるを得ない。違いますか。
 この受注額という公共工事代金、もともとこれは税金ですよね。国民の汗の結晶、血税であります。それを特定の政治家や派閥集団のための巨額なやみ献金に使う、これは一体何ごとですか。すなわち、国民を冒涜する以外の何物でもないじゃありませんか。議会制民主主義を抹殺する行為ではないですか。
 法務大臣、どうお考えになりますか。
#30
○国務大臣(後藤田正晴君) 今の御質問を承っておりますと、何か公共工事の何%がどうこうというのは、全くそれはわかりません、私には。
 ただ、やみ献金というのは、一体どういうことを意味してお使いになっていらっしゃるのかわかりませんが、私は政治資金規正法、これによって行われておるのかいないのかといったようなことが一つのメルクマールではなかろうかな、こう考えておるわけでございます。そうなりますと、もちろんいろんな事件があることを見ますと、例外もあり得るわけでございますけれども、しかし大部分の方はこれはやはり政治資金規正法によってきちんとした処理をしておるものと、私はさように考えておるわけでございます。
 我々の立場は、法に触れるかどうかということについては、これは当然のことながら法務当局として厳正に対応をこれにしていく、こういう考え方でなければならぬ、こう思っております。
#31
○竹村泰子君 大臣、もう一度お伺いします。
 大臣は副総理になられましたのですからあらゆることに対して責任がおありになります。これは建設マターであるというふうなことではないと私は思います。今私がお聞きしましたのは、工事の総合的な受注額と比率とかそういうことを最初にお聞きしましたが、しかしこれはもともと国民の税金から出されているというふうに報道もされているし、事実この額からいって政治資金規正法の枠内でというふうなことではないでしょう、だれが考えたって。それが国民の血税を特定の政治家や派閥集団のために使われている、これは一部お隣の刑事局長がそういうお調べをもうなさっている。そういうところでこれは国民を冒涜する以外の何物でもないでしょうと私はお聞きしているんです。
 副総理としてどうお考えになりますか、こういうことは。
#32
○国務大臣(後藤田正晴君) だから私は、法律に違反しておるという場合には、これは我々として当然のことながらきちんとした事件として処理をする、こういうことでございます。それ以外の請負工事に関連して一%とか何%といったようなこ
とは私は全く知らないと。問題はやみ献金といったような言葉の意味をどうとらえるかということだと。法律違反であるならばきちんと我々は処理をいたします。しかし、大部分はやはり、やみ献金と言われてはおりますけれども、ほとんどの方はきちんとした政治資金規正法の法の枠内で出す方も、またちょうだいする方も私はきちんとした処理をしておるのではないかなと、かようにお答えをしておるわけでございます。
 いわゆる公共工事について、それがやみに流れておる、そのやみというのが悪い意味だということであるならば、それは文字どおり公共工事というのは国民の税金から出ておるものでありますから、それはそれなりのきちんとした私は処理をしなきゃならぬなと。ただ、それが一%だ、三%だということは、これは全く私にはそれはわからないことでございますから、違反があればきちんと処理をいたしますと、かように申し上げておきたいと思います。
#33
○竹村泰子君 永田町の論理とよくそういう言葉を言われます。国民は今、大臣がお答えになったように、建設業界と政官財の癒着ということはみんな知っている。そして、やみ献金が大手を振ってまかり通っていたということもみんな知っている。それは政治資金規正法の枠内できちんと正規のルートでされていたと、ざる法と言われる政治資金規正法であっても政治資金規正法の枠内であったと、正規のルートであったなんて考えている人は一人もいませんよ。みんな知っています。
 何が建設業界と政治家と行政、官との癒着の中で行われていたか。そうやって永田町だけの論理で国民の声を聞かずに、国民の怒りを聞かずに政治が行われているというところに私は日本の政治の腐敗の本当に根底があるというふうに思います。
 あきれたことには、ゼネコン各社が金丸もうでをしていた事実があります。つまり、やみ献金だけではない。それは談合入札、政官との癒着、手抜き工事といった報道と、建設官僚天下り、金丸もうでという報道により明らかにされてもおります。
 そこで、関係当局に伺いますが、これまでゼネコン業界などの体質にどのような対応策を講じてきたのですか、こなかったのですか。具体的かつ責任ある答弁を求めます。
#34
○説明員(百武伸茂君) 建設業が健全に発達いたしまして国民の信頼を得ていくためには、業者みずからが関係法令を遵守して活動を行うことが必要でございます。
 このため、先ほど申し上げました建設産業の構造改善推進プログラムといったものを策定いたしまして建設業の取引に関する法令の遵守の徹底などに取り組んできたところでございますが、具体的には、例えば昨年でございますけれども、建設業適正取引推進機構というようなものを、財団法人でございますが、設立しましたのが一つでございます。
 それから、もう一つといたしまして、建設業法二十二条で禁止されております一括下請負の禁止を周知徹底するための通達を出しております。
 それから、警察庁との間でこれは暴力団排除方策について検討する会を開催するといったようなことで、もろもろの策を講じまして構造改善に取り組んでいるわけでございます。
#35
○竹村泰子君 百武総務課長、そういうお答えを私は求めているんじゃありません。あなたは総務課長ですから一生懸命書いてきた原稿をお読みになるけれども、そんなことを私聞いているんじゃないですよ。人間としておわかりになるでしょう。
 金丸もうでと言われるような事実があって、これはもう証言されていますよね。あるゼネコンの幹部は数年前から金丸担当だったと、お金を届ける役目だったと。金はいつも生原秘書のところへ届けていったと証言していますよ、証言。そうでしょう、刑事局長。さらにこの幹部は、ほかのゼネコンからの申し出で前副総裁へのやみ献金も紹介し、生原さんのところへ連れていったと話しています。
 きょうは私は建設委員会が開かれているというので総務課長で我慢をしているんですけれども、そんな答えで、どこに何、いつ通達を出しました、こういたしました、こういたしました、そんなことでこの汚職の構造が直ると思っているんですか。もう一度答えてください。
#36
○政府委員(濱邦久君) 今、委員のお尋ねの中に、その前提の中で、例えば生原秘書がどういう話をしているとかいうようなお話があったかと思うわけでございますが、そういう報道がなされていたことはもちろん承知しておりますけれども、先ほど私の方からお答え申し上げましたように、金丸前議員らの所得税法違反事件の捜査処理等の結果につきまして、先般、当参議院の予算委員会で御報告申し上げたところが私どもの方でお答えできるすべてのことでございまして、今、委員がお尋ねの前提の中でいろいろおっしゃられたことにつきましては、私ども法務当局として確認をすることはしておらないということだけ申し上げておきたいと思うわけでございます。
#37
○竹村泰子君 建設省、答えてください。
#38
○説明員(百武伸茂君) 最初のお答えでもお答えいたしましたが、事実関係について私ども存じでおりませんけれども、一般的に建設業界と政治とのかかわりにつきましては国民の信頼を損なわないような最大限の留意をすべきものと考えております。
 したがいまして、建設業界に対しましては、その社会的責務の重要性にかんがみ、企業倫理の確立に努めることを強く要請しておりまして、これに呼応して業界団体も決意を表明しているところでございます。これが徹底されまして早期に業界としての信頼を回復していくことを強く望んでいる次第でございます。
#39
○竹村泰子君 あなたにそれ以上の答弁を求めてもむだでしょうからやめますけれども、これはしかと私たち政治にかかわる者が今後もしっかりと監督をし、そして自分の身も清く保っていかなければならない大きな問題であると思います。
 大蔵省にお聞きいたしますが、国税庁の調査では、九二年度の大企業がその支払い先を明らかにしなかった使途不明金、これは五百五十八億円であると、その七割弱に当たる三百八十二億円がゼネコンなどの建設業で占められていると報道されておりますけれども、その実態はどうなんでしょうか。また、過去五年ぐらいの使途不明金についても国税当局の説明を求めます。
#40
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 使途不明金につきましては、私ども原則として資本金一億円以上のいわゆる大法人につきまして実地調査を行います。この実地調査を行いましたものにつきましてその計数を把握いたしておるところでございまして、ただいま委員の御指摘の数字はその平成三事務年度の数字でございます。
 過去五年間、すなわち昭和六十二事務年度から平成三事務年度までの五年間の計数ということで申し上げますと、この間実地調査を行いました法人が二万四千二百五十一件ございまして、年平均にしますと四千八百五十でございます。そのうち使途不明金が把握されました法人が三千五十八、年平均にしますと六百十二でございます。使途不明金に把握されました総額は二千六百十八億円でございまして、これも年平均にしますと五百二十四億円、こういうことになってございます。
 把握されました使途不明金総額二千六百十八億円を業種別に申し上げますと、うち千七百八十六億円、六八%に当たりますが、これは建設業。以下、製造業が二百四十六億円、約九%。卸売業が二百三十億円、約九%。残りが小売業その他、こういうことになってございます。
#41
○竹村泰子君 大変な額ですね。
 ちょっと名前を出すのはどうかと思いますけれども新聞で既に報道されていることですから、大手総合建設会社、鹿島に約三十二億円の使途不明金が明るみに出たと。ゼネコン各社の無責任さはもう極限に達しているのではないかと思います
が、それでも石川六郎日商会頭、鹿島会長ですが、引責辞任を拒否されている。清水建設、大成建設など八社のゼネコンのトップも責任問題について口をつぐんだままであります。このような中、清水建設の広報部は、使途不明金は極力少なくしようと思っていると、当たり前のことですけれども、使途不明金の中の政治献金は当局の捜査中なので答えられないと、こういうふうに言っているわけですね。
 この自民党前副総裁の金丸被告の脱税事件をきっかけに、政界との癒着が問題になっている建設業界で、やみ献金などの原資となる使途不明金の実態、これももう四月七日ごろ明るみに出ました。そして今私がちょっと申し上げましたけれども、ゼネコン大手の三社による九〇、九一年度の使途不明金の総額は約百五十億円にも上ると言われています。つまり、使途不明金はお金を渡した先を隠せるわけですよね。時にはだからわいろにも利用できる。何にでも利用できるわけですね。
 私たちのような市民生活の中でも、家計簿の中でもちゃんと領収書というものがあります。人から物を頼まれたりしたら必ず領収書、私どもの小さな事務所の中でもちゃんと領収書が添付されていて、そういう経営を立てているはずです。
 しかし、この三社で九〇、九一年度で百五十億円にも上る使途不明金、また必要な経費とみなされないので課税されるところに企業側があえて使い道を公表しないでもいいというケースが大半を占めるというわけですね。使途不明金は企業にとって触れてほしくない出費であり、あるのがいわば当たり前であり、そして今までやみ献金などの絶好のこれは隠れみのになっていた。
 国税当局の御答弁をもう一度求めたいと思います。
 ゼネコン各社の巨額使途不明金の処理、対応などについてこれまでどうしてこれられたのか、今後どうされるおつもりか、お答え願います。
#42
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 私どもは税法の執行を担当いたしておるわけでございまして、適正課税を行っていくという税法の考え方からいたしましても、使途不明金は大変問題があるというふうに考えておるところでございます。すなわち、私どもは真実の所得者に課税をするというのが私どもに課せられた役割であるというふうに考えておるわけでございまして、使途不明金につきましてはその使途の解明に全力を尽くしておるところでございます。
 ただいま使途不明金の取り扱いというお話がございましたので若干説明させていただきます。
 税法上、使途不明金という定義はございません。法人税の基本通達で、「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。」という規定がございますが、これは国税当局が、先ほど申し上げましたように、使途の解明に最大限努力いたしましてもなおその使途が明らかにならないという場合があることも事実でございまして、そういう場合の取り扱いを定めたものにすぎないと、このように考えておるところでございます。
 したがいまして、今国会でも使途不明金につきまして種々御議論いただいておるところでございまして、そうした御議論も踏まえまして今後とも使途不明金の使途の解明に全力を尽くしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#43
○竹村泰子君 先ほどから出ております清水建設が政治献金リストランクづけというのを持っていた。金丸信被告を初め宮澤首相、海部さん、竹下さん、中曽根さん、各氏の、首相経験者ら自民党有力者五十七名の献金リストというのが報道されております。旧竹下派を中心に自民党全派閥に及ぶ。中でも建設族が目立つわけでありますけれども、リストどおりのこれが本当だとしますと、年間二億七千万円、建設業界の政界対策の一環であるというふうに報道が伝えております。
 この辺は国税当局、どうお思いになりますか。また、法務大臣、どうお考えになりますか。
#44
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、私どもは税法の執行を担当いたしておるわけでございまして、その立場から申し上げますと、あくまでも使途の解明に全力を尽くすということでございます。マスコミ報道について先ほど委員がお述べになりましたような事柄について承知はいたしておりますが、個別の事柄につきましては、税務行政の性格上、答弁は控えさせていただきたいと思います。
#45
○政府委員(濱邦久君) 今、委員のお尋ねの中でゼネコン等の今の使途不明金等の関係において、例えば政治資金規正法に違反するようなものがあったのではないかという報道との関連でお尋ねかと思うわけでございます。
 御指摘のような報道がなされていることはもちろん承知しておりますけれども、改めて申すまでもないことでございますが、具体的事案における犯罪の成否ということは、これは捜査機関が法の定めるところにのっとって収集した証拠に基づいて判断すべき事柄でございますので法務当局からお答えはいたしかねるわけですが、いずれにしろこれまでに例えば政治資金規正法違反等の事実が認められたという報告は受けていないわけでございます。
 ただ、これは先走るお答えになるかもしれませんが、一般論としてお答え申し上げますれば、常に検察当局としては刑事事件として取り上げるべきものがありますれば、これは適正に対処するというふうに考えているわけでございます。
#46
○国務大臣(後藤田正晴君) 竹村さんの御質疑を聞いておりまして、使途不明金とか不法献金とかいろいろお話がございますが、要は政治の場で政治資金そのもののあり方の問題としてこれは十分検討し、政治資金の改革という面できちんとした処理をすべきものではなかろうかなと、私はさように考えておるわけでございます。
#47
○竹村泰子君 年間二十兆円にも上る公共事業の大半を受注するゼネコンにしてみれば、三百八十二億円ぐらいの使途不明金は安いものなんでしょうかね。これはでも三百八十二億円、大体四百億円といいますと、中くらいの市や町の一年間の総予算にも匹敵する額であります。
 つまり、業界ではお世話になった人には落札価格の一%から三%くらいの謝礼が常識といいますし、日常的には後援会の会費負担、議員専用の車や運転手の提供、私設秘書の給与の負担、励ます会などのパーティー券の大量購入などの原資になっていると言われるわけですよね。後援会に入らなければ指名入札から外されるということも私の調査では聞いております。
 そのような中で、こうした裏献金の原資、公共事業費、これはさっきも申しましたとおり、公共事業ですから国民の血税であります。このような事実を国民のみんなが見ているし、大臣も新聞をくまなくお読みになると思いますからよく御存じと思いますが、どのようにこのことを考えておられますか。
 それから、架空経理の処理によって捻出した企業の使途不明金の税法上の性格について国税当局の説明を求めたいと思います。
#48
○国務大臣(後藤田正晴君) 私も連日新聞等に出ておる事実は承知をいたしておりますけれども、この新聞記事について私の立場で一々コメントすることはできません。
 ただ問題は、いろんな不祥事があるということは事実でございましょうから、これはやはり政治改革の基本の問題として、こういった政治資金のあり方の問題あるいは政治活動のあり方の問題、さらには選挙のやり方、こういったような点について私は抜本的な改革の中で改善措置を講ずべきものである、かように考えておるわけでございます。
#49
○説明員(藤井保憲君) ただいま委員から架空経費等の言葉が出ましたので少し具体的に申し上げますと、私ども調査の段階で使途不明金が把握されるというのは、例えば架空経費でございますと
か売り上げ除外とかそういった事実で把握されまして、それが社外に向けて支出されていると認められるわけですけれども、その支出の性格とか支出先が明らかにされない、こういった場合に、最終的にその支出先が明らかにされない、支出目的が明確でないということになりますと使途不明金、こういう扱いになりまして損金性を否認する、すなわち全額を課税対象にする、こういうことになるわけでございます。
 また、今申し上げましたような仮装、隠ぺいといった悪質な行為が調査で見つかる場合というのはそういう場合が一般的でございますので、そういう場合には重加算税を課しておる、こういう扱いをしておるところでございます。
#50
○竹村泰子君 そういう扱いをしておりますと、国税当局は今のところそれしかお答えになれないのかなと思いますけれども、そういう扱いでいいのかどうか。モラルとしていいのかどうかということは今後の大きな問題ではないかと思います。
 大臣、それから検察、建設にそれぞれお伺いいたしますけれども、例えばこういうことがありますね。サービスエリア利権というのがございます、少し話が飛びますけれども。例えば高速道路のサービスエリア、これは営業権を一度獲得すれば半永久的に営業ができるということから、業者にすれば政治家にやみ献金を上納しても手に入れたい権利なんですね。
 この利権において見られますように、建設省が公団を、公団が財団法人を、財団法人が陳情を受けたいわゆる子飼いの業者といいますか、ちょっと言葉がよくないかもしれないですけれども、いわゆるそういう子飼いの企業、これを五十社も六十社も持っている、つくるなど、この例に見られますように、官庁それ自身がもうピラミッドのトップに、牙城になっているというケースさえあるわけですね。そして、そのピラミッドの随所で指名などの許認可権、これが複合的に行使されている。私が何を言いたいかといいますと、つまりそこに政治家と天下り役人が暗躍する土壌ができてくるのではないかというふうに思うんです。
 さらに舞台を地方政治に移しますと、もうこの事態は、山梨県の例でわかるとおり、一層深刻です。金丸方式はそういうモデルケースとして、お手本として、ミニ金丸からミニミニ金丸まで、全国の市町村議員まで限りなく存在する、こういう事実も国民が日常的に見聞きしていることであります。
 そこで伺いますが、何ゆえにこのような利権構造を、わかっていなかったとは私は言えないと思います、何年にもわたり増殖、養成をし、そして国民の目を歎き、公共事業という血税を食い物にして、その癒着原因となる構造と責任を放置しておかれたのか内閣の重要なかなめのお一人としても大臣にお伺いしたいと思います。
#51
○国務大臣(後藤田正晴君) 確かに今抜本的な改革をやらなきゃならぬ時期であるし、いろんな不祥事案が発生をしておる、これはもう事実でございますからやるべき改革をやらなきゃならぬ、こう思っておるんですが、どうもお話を聞いておりますと、何かしらぬ世の中全体がそれで動いておるといったようなのは、私はさように思っていませんな。それは日本の社会というものはやはり健全であるというふうに私は基本的な認識は持っております。
 しかし、そうした中で許しがたいようないろんな事件があるということは事実でございましょうから、その面についてはきちんとしたメスを入れるべきものはメスを入れる、そして制度に欠陥があるならばその制度の欠陥を直すという努力は、これはやらなきゃならぬと思いますが、どうも竹村先生のお話を聞いていると、世の中全部が何かしらぬ狂ってしまっておる、こういう印象は、これは私は少し、まことに申しわけない言葉で失礼かもしれませんが、いただきかねる、かように私は考えます。
 いいと言っているんじゃないんですよ。直さなきゃならないのは幾らでもある。それがもう限界に来ておるということも事実なんです。しかし、日本の社会全体が何かしらぬ利権構造で、それで賄賂で、献金で、それで全部が動いておるといったようなのはちょっと私はそこまでは考えておりませんので、その点だけ私の率直な考え方を申しておきたい、かように思います。
#52
○政府委員(濱邦久君) 今の委員のお尋ねの中で、検察権との関係について私からお答え申し上げるわけでございますが、要するに委員のお尋ねの趣旨は、この公共事業等、利権に絡んでいろんな問題が指摘されているけれども、そういう問題について検察庁の立場としてはどういうことを考えているのか、こういう御趣旨のお尋ねと理解するわけでございます。
 これはもう検察当局としては、今、委員が御指摘になっておられるようないろんな事案につきまして、その職員の範囲内で権限を適切に行使するわけでございますし、またこれまで行使してきたと考えているわけでございますが、今後ともこの種の事案につきまして犯罪の嫌疑が認められる場合には適正に対処するものというふうに考えているわけでございます。
#53
○説明員(林雄作君) 私は道路局で公団監理官をしております。先生がお尋ねになりましたSAの関係について御説明させていただきます。
 SAにおきますサービス施設につきましては、非常に公共性の高いものと考えております。このため、道路管理者でございます日本道路公団が道路施設協会にSAの一部を占用させまして、サービス施設の管理運営を行わせております。また、道路施設協会がSA内におきましてサービスの提供が適切に行われますよう、信用、資力があるとか、あるいは十分な経験がある者を営業者として選択いたしまして、この業者に業務を委託することによって事業を実施しております。
 建設省におきましても、SAにおけるこのような業者の選定が公正に行われますよう、公団を通じまして協会を指導してきております。業者の選定に当たりましては、厳正な手続によりまして入札が行われ、公正に行われておると考えておりますが、今後とも公団、協会を指導いたしまして、そういう不正がないように公正な業者の選定と適切なサービスの提供が行われるように指導してまいりたいと考えております。
#54
○竹村泰子君 公団監理官、そんなお答えを私は求めているんじゃない。
 これは一つのサービスエリア利権というものを例に出しながら、こういう構造があるでしょうと言っているんで、もう既にこれは報道されていることですよ、隠したって。そんな通り一遍の当たり前の答えをしても、みんな知っていますよ。だからきちんと、これはそういう事実がありますか、どうですか。わからなかったら、今わからない、それならきちんと調査いたしますぐらいの答えをしたらどうですか。
#55
○説明員(林雄作君) サービスエリアの件につきましては、公正に行われておるというふうに公団から聞いておりまして、そういうことはないというふうに考えております。
#56
○竹村泰子君 聞いておりますというような答えをしていただいては困るので、何が公正だと私たちは言いたい。そういうケースがいっぱいある。ですから、ちゃんとこれは調査してください。調査させていただきますと答えてください、こういう構造を。
#57
○説明員(林雄作君) 再度公団に確認をしまして、不正があるかどうか調べます。
#58
○竹村泰子君 大臣、先ほど私がもしかしたら言い方がまずかったのかもしれませんが、私は別に日本じゅうがそういうことで汚職の中にあって、国民全体が金まみれでなんて、そんなことを言っているのではありません。
 とりわけこの政界と、それから公共事業あるいは建設業界、そういうところの金権腐敗の構造がどうなのですかと、きょうはそのことについて質問しておりますわけで、それは私がさっきから人々はみんな知っているとか、国民はわかっているとか言っているのは、もう今情報の時代ですか
らそういうことはもうかなりの部分みんなが知って怒っていますよということを言っているわけです。私は怒っている人々の代表としてきょうは質問しておりますので、その点は決して、日本じゅうが狂っているなんて、そんなことを言っているわけではありませんから、どうぞそれはわかっていただきたいと思います。
 今、大臣、刑事局長、建設、それぞれにお答えいただきましたけれども、皆さんだってこういう土壌があり、そしてこういう汚職の構造であり、建設省なり役所が、官庁がピラミッドの頂上になっているのだということは十分御存じだと思いますね。わかっていて、でもそうでございますと、そういう構造がありますから悪うございます、いけませんというふうにお答えになるわけにはいかないでしょうから、それでありきたりのお答えになっちゃうんだと思いますけれども、やっぱりそういう答弁でこの場を濁して済むものではないのではないでしょうか。
 地方の大型の公共工事では、通常、地元の業者が中央のゼネコンと共同事業体を組んだり、下請に入るわけですね。つまり、地元業者への配慮からこうした措置がとられるわけでしょうけれども、実際は施工能力も何もない、人員もない業者がほとんど何もしないでも工事費が入る仕組みになっている。これは私も知りませんでしたけれども、びっくりしましたね。こういうこともあるわけです。こうした仕組みが、またこう言うと大臣にしかられるかもしれませんけれども、日本国じゅうに蔓延している。新たなお金持ちをこれで生み出したり、国民のもう極端な不満と経済格差まで生じているこの具体的な実情に、建設省当局はこれまでこういう事実をわかっていたのかどうか、無為無策に、無認識に、無自覚にきたのかどうか、責任ある答弁を求めたいと思います。
#59
○説明員(折笠竹千代君) 建設工事につきまして適正に事業を完成させるためには、先生御指摘のとおり、適正な施工能力を持つ業者が選定されることが必要である、私どもそのように考えておりまして、御指摘のありましたような共同企業体の構成員あるいは下請業者につきましては、優良な業者を選定するというようにこれまでもいろいろと指導してきたわけでございます。
 例えば、共同企業体の活用につきましては、関係発注機関に対しまして昭和六十二年の八月に共同企業体のあり方に関する中央建設業審議会の答申と建議というのがございまして、不良不適格業者の参入を防止し、円滑な共同施工を確保するための発注機関において共同企業体の構成員について一定の基準を定めておりまして、それに基づいて適正に運用するようにということで建議、指導をしているところでございます。
 それから、下請業者の選定につきましても、例えば平成三年二月に生産システム合理化指針というのをつくっておりまして、施工能力あるいは経営管理能力、雇用管理あるいは労働安全衛生の管理の状況などを踏まえまして、優良な業者を選定するようにということで業界に指導しているところでございます。今後とも共同企業体の構成員の選択あるいは下請業者の選定に当たっては、そういった適正な施工能力のある業者を選定するように指導、要請してまいりたいと考えております。
#60
○竹村泰子君 そういう答えじゃないです。私が今お聞きしたのは、こういう事実を知っていたのかと。私がさっき言ったようなケースがたくさんあることを知っていたのか無策、無認識であったのかと聞いているわけです。
#61
○説明員(折笠竹千代君) そういうような施工能力のない業者が入らないようにということで従前から指導しているものでございます。
#62
○竹村泰子君 違う。事実はあったのかどうかと聞いているんです。自覚をしているのかどうか。
#63
○説明員(折笠竹千代君) そういう不良不適格業者が入りますと適正な工事が施工できないということになりますし問題があるということで、そういう方が入らないようにという指導を従前からしておりまして、私どもとしてはそういうのがないように鋭意努力しているところでございます。
#64
○竹村泰子君 そういう事実があるから指導しているんですか、どうですか。
#65
○説明員(折笠竹千代君) 仮にそういう事実がございますと公共事業の施行が適正にできないということでございますので、具体的にこの事実がこれであるということは私ども認識いたしておりませんが、そういうことがないようにということで従前から鋭意指導しているものでございます。
#66
○竹村泰子君 ないようにするのは当たり前でしょう、そんなことがあってはたまらないんですから。ただ、そういうことがもう一般的に広くみんなが大分わかっている、そういう事実がここにもある、あそこにもある、あれもそうだ、これもそうだと言われていることを建設省は知らないわけないでしょう。それを知っているから指導をしたいと思っているわけでしょう。
#67
○説明員(折笠竹千代君) 建設工事の施工をいたします業者につきましては、先生御案内のように、例えば構成員になるためには一定の国家資格等を有する技術者を主任技術者として配置しなければいけない。これは共同企業体であったら構成員皆そうでございますし、それから受注を受ける業者もそうでございます。そういった業者の選択あるいはそういった人の指導のもとに下請業者が加入いたしまして適正な施工を確保させるという形になっておるわけでございますので、そういうような事実が具体的にあるということは私ども存じておりません。
#68
○竹村泰子君 あなたと何度問答してもそれ以上の域を出ないのであれば時間のむだですから次に移りますが、そのような事実がないように指導しておりますということしか言えないわけですね、要するに。認めないわけですね。
 毎年巨額な公共事業を受注し、その受注額に応じて金丸被告らにやみ献金をしていたことが大きな問題になっています。大手ゼネコンの、これ一部報道されているんですけれども、上位二十一社に、あるいは新聞によりましては三十八社にという新聞もあります。二十一社に百四十一人が天下っていたと。それからもう一つの報道は三十八社を出しているんですが、これは役員が六十人天下っていた。俗称天下り白書というのがありますね、「営利企業への就職の承認に関する年次報告書」。報道されているこの表を見ますと、実にすさまじい天下りです。このような事実を建設省はどう見ているのか。これは事実ですか、どうですか。文書を提示していただきたいと思います。
#69
○説明員(福田秀文君) 今御指摘の記事は、去る四月十四日の朝日新聞の記事かと思われますが、その記事の中の表がございますが、表の中に載っているものについて調べた結果によりますと、おおむね事実でございます。
#70
○竹村泰子君 事実なんですね。そうしますと、後ほど文書をつくってお出しいただけますか。
#71
○説明員(福田秀文君) 今申し上げました記事につきましてはおおむね事実であると考えておりますけれども、一部正確を欠く点がございますので、その点を修正したものについて御提出申し上げたいと思います。
#72
○竹村泰子君 天下りの実態、中でもそれは公共工事発注の最高責任者である地方建設局長出身者が各社にずらりと天下っています。すさまじいものです。そしてこの天下り先のポストには、官庁営業部長、営業本部長といった職名が付記されています。また、建設会社が必要なのは官庁時代の財産で、それをいかに持ってきてくれるか、その人のそれが値打ちなんですというすごいコメントもあります。つまり、官庁情報、手土産工事であります。
 こうした長年の天下りの構造、すなわち国民の税金を食い物にする政官財の癒着構造、これを今こそ断ち切らなければならない、今じゃないとできないかもしれない。絶好のチャンスであると思いますが、大臣、御決断を聞かせていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(後藤田正晴君) 政官財の癒着という
言葉に表現せられるような事態に対しては適切にこれは処置をしなきゃならぬと、かように考えます。
 ただ、この天下りの問題というのは昔からよく言われておるんです。これは確かに弊害の面もございますからできるだけ弊害の出ないようにしなきゃいけないということで、歴代内閣は官邸が指導のもとに天下りについては厳重な指導を各省に対してやっておることは事実でございます。そして、同時にまた人事院にも規則があるものですから、たしか監督下にある会社に対しましては二年間の就職禁止といったような扱いもし、そして同時に一つ一つ一定の職務以上の人ですね、幹部ですが、人事院の承認を求めるといったようなことで対応をしておるわけです。いろんな弊害面もなくしなきゃなりませんが、同時にやっぱり役人というのは、今定年六十ですが、幹部は割合早くやめるんですね。しかもこれは専門的なそれなりの十分な知識を持っており、勉強もしておる連中だと私は思います。だとするならば、それをやはり専門知識を生かすような面において、これを人物経済の上から見ても使っていくということのメリットも私はやっぱり認めなきゃならぬのではないかなと。
 弊害は弊害として抑える、これは当然なんです。しかし同時に、プラス面はプラス面として活用する、こういったバランスを考えるのが一番私はいいのではないかなと思います。弊害面だけを取り出して一切まかりならぬといったようなやり方は、これは少し行き過ぎになりはせぬのかなと。そこらはひとつ竹村さんにも御理解をしていただきまして、やはりそういう点の行き過ぎは是正します。これは歴代内閣やかましくやっているんです。そこらもひとつお答えをしておきたいと、ぜひひとつ御理解をしてやってもらいたいと、こう思います。
#74
○竹村泰子君 建設省、短く答えてください、今の。
#75
○説明員(福田秀文君) 建設省職員の再就職についてでございますけれども、建設省職員が在職中に長年にわたって蓄積した知識、経験、こういうものを退職後各方面において活用するということは、本人の生活の必要性からはもとより、社会的にも有用なことというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、建設省の職務に関係のあるところにつきましては、公正さを疑われるということのないようにすることが大切なことというふうに思います。そのために人事院等の公正な審査を経て承認を得た者、これが就職できる形になっております。今後ともこの職務の公正さを疑われないように人事院の承認申請等に当たってはなお一層厳正な態度で臨んでまいりたいと考えております。
#76
○竹村泰子君 大臣は天下りをすべて一〇〇%否定するわけにはいかない、メリットもあるんだというふうな先ほどのお言葉でございましたけれども、それは全くゼロだとは言いません。しかし、天下に悪名高き天下りをやっぱり法務大臣としては余り認めていただきたくないというか、これが腐敗の構造になっているという事実をやっぱり御認識いただきたいと強く思います。
 私の持ち時間がなくなってまいりましたので次に大蔵にお伺いいたしますが、自己否認についてお伺いいたします。
 今回明らかになった大手総合建設会社三社の使途不明金約百五十億円も自己否認として処理されていた。また、国税庁のまとめによりますと、年間の使途不明金のうち自己否認分が七割を占めている。このように自己否認は最初から本当の支払い先は言えないと国税当局に説明をしているんですね。
 そこでお伺いいたしますが、自己否認としての使途不明金をこのままいりまでも無策のままで置いておきになるんですか。この際対応策を国民の前に明らかにされたい。こうやりたいと思いますと前向きにお答えいただきたいと思います。
#77
○説明員(藤井保憲君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、法人が経費として支出する、あるいは何らかの目的を持って支出するといった支出金につきまして、使途を明らかにできない、これを自己否認してくる場合も委員御指摘のとおりあるわけでございます。その場合は先ほど申し上げましたようにその全額が課税対象になる、こういうことでございます。ございますが、私ども国税当局といたしましては、その使途不明金を自己否認して法人税を納付したとしても、それでよしという考え方はとっておりませんで、あくまでも真実の所得者に課税していくという考え方に立ちまして使途の解明に全力を尽くしておるところでございます。
 御案内のとおり、私ども任意調査ということを税務調査の基本にしておるわけでございまして、使途の解明には限界があることもこれまた事実でございますが、そうした中でも全力を尽くして使途の解明に当たっていく、こういう態度で今後とも対処してまいりたいと思います。
 また、こういう使途不明金につきまして、最後までどうしても使途が明らかにならない場合に、その全額を課税対象にするという措置は、現行法人税制の枠内の措置としてはぎりぎりの厳正な措置である、このように考えておるところでございます。
#78
○竹村泰子君 それでなくなると思いますか、自己否認のようなことが。対応策というような、具体的なこうしたいというふうな情熱はお持ちじゃありませんか。
#79
○説明員(藤井保憲君) 先ほど申し上げましたように、使途をどうしても明らかにしないというものにつきまして、全額それを解明できるかということになりますと、なかなか難しいというふうに考えるところでございますが、やはり私どもに課せられた役割というのはその使途の解明にあると考えております。全力を挙げて使途の解明に尽力したい、このように考えておるところでございます。
#80
○竹村泰子君 対応策がないようですから私が提案しましょうか。
 自己否認分の使途不明金の三倍ぐらいの税率を設定するのはどうですか。このことについてどうお思いになりますか。なくなる方向に行くとはお思いになりませんか。
#81
○説明員(藤井保憲君) 私ども国税当局としての答弁ということでお許しいただきたいわけでございますが、税法の執行当局ということでございます。現行税制の枠内でその執行、適正課税に努めていく、こういう立場でございまして、それにさらに加えまして、立法上の措置を講ずるといったことについては発言は控えさせていただきたいと思います。
#82
○竹村泰子君 最後に大臣にお伺いして終わりたいと思いますが、国民の建設業界への不信、政治への不信は極度に達しています。このような不信の中でゼネコンが東京地検特捜部の参考人聴取を受けたことは業界の近代化を目指している一方の関係者にも衝撃を与えているということではないでしょうか。また、やみ献金、使途不明金という大企業などによる不明朗な経理に関する税法上の批判も大問題化していると思います。
 そこで、現在及び今後のゼネコン、税制、天下り問題などの対応策について、大臣の御所感を伺って終わりたいと思います。
#83
○国務大臣(後藤田正晴君) 法務大臣といたしましては、それが仮に法律の違反になるといったようなことでありますれば、時と場所と人を問わず、厳正にこれは処理をしたいと、かように思います。
 それから、国務大臣としての答弁ということになりますならば、こういった事案が国民の不信を買っておるといったようなことについては我々としては深刻に反省をして、これを何とかひとつこういうことのないような政治の抜本的な改革に向けてこういうことを教訓として生かして、そして是正をしてまいりたい、かように考えます。
#84
○角田義一君 私から時間もありませんので若干お尋ねをします。
 まず、過般承りました中間報告につきましてお
尋ねを申し上げます。
 中間報告の最後の方のところに、「金丸前議員においては、将来に備え自由に使用できる個人資産を確保しておくため、大手の総合建設会社や山梨県内の建設業者等から供与される資金の一部を原資として、」云々と、こうあります。
 そこでお尋ねいたしますが、検察当局はこの「大手の総合建設会社」あるいは「山梨県内の建設業者」、あるいは「等」とありますから「等」は何かということをちょっとお聞きしますけれども、これらから供与された資金というものについては今日全貌を把握しておると、こういうふうに承ってよろしいんでしょうか、理解してよろしいでしょうか。
#85
○政府委員(濱邦久君) これはもう委員御案内のとおり、先般御報告申し上げ、今、委員がお触れになっておられる中間報告と申しますのは、金丸前議員及び生原元秘書に対する所得税法違反事件の捜査処理等の関係でございまして、今、委員が御指摘になっておられるこの中間報告で御説明申し上げている部分というのは、金丸前議員らに対する所得税法違反事件の捜査の過程で解明した事実関係について御報告を申し上げたということでございますので、そのように御理解をいただきたい、こういうことでございます。
#86
○角田義一君 当然のことながら、金丸信さんに対するゼネコンあるいは山梨県の業者、例えばどこどこのゼネコンが幾ら、何年から何年にわたって幾ら、山梨県の業者はどういう形で献金をしたということは事実関係として検察当局は把握をしておる、こういうふうに理解をしておいて間違いないんですね。
#87
○政府委員(濱邦久君) 先ほどお答え申し上げましたように、金丸前議員及び生原元秘書に対して公訴提起をいたしました所得税法違反事件の公訴事実、これを立証するに必要な範囲の事実を確定しておるということでございます。
#88
○角田義一君 しかし、その肝心な公訴事実というのは、昭和六十二年と昭和六十三年と平成元年の三カ年だけでありまして、これは逋脱所得は約十八億四千八百四十二万円でございます。そうすると、平成二年あるいは平成三年というのは一体どうなっておるのか。その辺についても当然私は建設業界等からの献金はあったというふうに理解をしておるんですが、今の局長のお話ですと、いわば公訴事実に関係をする昭和六十二年あるいは昭和六十三年、平成元年だけだと。あと平成二年、平成三年等については何ら調べもしていないし、調査もしていない、捜査もしていない、こういうふうに理解をすることになっちゃいますけれども、そういうことでいいんですか。
#89
○政府委員(濱邦久君) 今、委員御指摘になられましたように、公訴を提起した以外の年について訴追するに足る所得税法違反の事実は認められていないというふうに聞いておるわけでございまして、ただこれ一般論として申し上げますと、もう十分御承知のことだと思いますが、所得税等の直接国税逋脱事件を起訴するためには相当額の所得の隠匿及び税の逋税の事実を証拠上確定する必要があるわけでございます。
 したがいまして、脱税事件につきましては、対象年度の前後における所得の確定が公訴事実を裏づけるためには当然必要になってくるわけでございますから、先ほど申し上げましたように公訴事実の立証に必要な範囲の事実を解明して確定しているということは申し上げられると思うのでございます。
#90
○角田義一君 我々国会の立場からいいますと、それは公訴事実の関係はわかりましたけれども、例えば平成二年とか平成三年とかということについては一体捜査したのかしなかったのか。したけれども、それは公訴を維持できないと。しかし金は上がってきた、使っちゃった、政治資金に使っちゃった、しかし所得税法違反にはならないんだ、こういうことなのか。そこは大変大事なことなんです、我々にしてみれば。そこをちょっと説明してくださいよ、国民にわかるように。
#91
○政府委員(濱邦久君) これは公訴提起をしていない事実でございますので、もちろん立ち入った事実関係に踏み込んだお答えはいたしかねるわけでございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、所得税等の直接国税逋脱事件を捜査して公訴を提起するためには、所得の隠匿、それに相当する相当額の所得の隠匿、それから税の逋脱の事実がこれは証拠上確定できなければならないわけでございます。
 今、委員が御指摘になっておられる平成二年以降につきましても、必要な捜査、検討を当然行ったわけでございますが、これは公訴事実が維持できるような事実を確認するには至らなかったというふうに聞いているわけでございます。
#92
○角田義一君 そうすると、所得税法違反にはならない。自分でため込んで、例えばワリシンを買うとか、割債を買うといって証拠も残っていない。しかし、金は吸い上がったというふうに理解をしていいんですか。それは政治資金として使ってしまったから所得税法違反にはならないというふうに我々には理解をしろということですか。
 これは国民の立場から見ると、例えば新聞に金丸さんの蓄財は六十億だとか百億だとか書かれてあるわけですね。ところが、検察庁がいろいろ御苦労していただいた公訴事実で出てくるのは、今言ったように十八億ぐらいしかないわけですよ、はっきり申し上げて。そうすると、あとのお金は一体どうなっちゃったのかな、これは素朴な疑問ですよ。知りたいなというのは当たり前の話です。その辺は一体どうなのかということを私はやっぱり聞きたい。それは国会の立場として聞きたいんですよ。いかがですか、局長。
#93
○政府委員(濱邦久君) 一つこれはあらかじめ申し上げておかなければならないことでございますし、これはもう委員十分御理解いただいていると思うわけでございますが、起訴されていない事実関係について捜査の過程でどういう事実を検察当局が把握したかという事柄につきまして立ち入ったお答えは、これは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
 これも改めて申し上げるまでもございませんが、検察は刑事責任の有無という観点から事案の真相を解明するために捜査を行うことをその職員としているものでございますから、その範囲で必要な捜査を行うものでございます。
 例えば、処罰の対象にならないことが明らかになった場合にはそれ以上の捜査は行わない。事実関係についても多分に不確定な部分が残ることもこれは少なくないわけでございます。元来、検察官による判断と処理というものは法律上の確定力をもちろん有するものではございませんし、そういう不確定な事実を前提として、あるいは起訴されなかった事実に関する事項につきましてこれを公にするということはいたしかねるわけでございます。
#94
○角田義一君 これはいずれ予算委員会なりあるいは法務委員会で、それは理事会で御議論をお願いしたいところなんですけれども、今、国会というものが大変な苦労をして証人喚問等をやってもなかなか事実関係とか金銭関係、具体的に出てこないわけです。ところが、検察庁は公権力を使っていろいろお調べになって相当なものをきちっと持っておる。しかし、政治の立場、国会の立場でいうと、やはり一体どの程度の金が金丸さんのところへ流れていったのかということは非常に国民の関心も強いし、それをきちっと洗わなければ真の意味の政治改革はできないと私は思っている。
 事実の究明なくして改革なしというのが私の信念ですから、だからこの究明をきちっとやるということについてはこれは検察当局も、私は後また大臣にお聞きしますけれども、例えば我々に全部出せとか言いませんけれども、ある程度的を絞った資料というようなものを国会に出してほしいというときには、やはり法務大臣みずからが地獄を見なければ改革はできない、こういうふうにおっしゃっているところを見ても、これは相当な覚悟でやはり私は国会に資料を出してもらうというこ
とを前向きに今後検討してもらわなきゃいかぬのじゃないかというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
#95
○政府委員(濱邦久君) これはもう委員からお尋ねを受けるまでもなく、国会が国政調査権を行使されるにつきましては、検察当局におきましても、捜査の過程で把握した事実等の関係で法務当局から法令の許す範囲内において御報告を申し上げ、できる限りの御協力をしなければならない、それはもう当然のことでございまして、従来からもそのように法務当局としても法令の許す範囲でできる限りの御協力をさせていただいてきたというふうに思っているわけでございます。
 ただ、これは先ほどもお答え申し上げましたように、十分御理解をいただかなければならないのは、要するに検察当局におきましては、もう改めて申し上げるまでもございませんが、犯罪を捜査し、公訴を提起し、公訴を行い、裁判所に法の正当な適用を請求する、そのために刑事訴訟法に強い行政処分をも含めた捜査権限が与えられているわけでございます。そういう強大な権限を行使して検察当局は刑事責任の有無、あるいはその程度を明らかにするために捜査を行うわけでございまして、事柄の性質上、当然に人の秘密、名誉に関する事実にも踏み込んで捜査を行うわけでございます。
 したがいまして、そういう刑事手続の場で刑事裁判の資料とする目的で、刑事責任を追及する目的で収集された証拠あるいは捜査上把握した事実関係等につきまして、要するに捜査の秘密に属する事柄につきましてこれを刑事手続以外の場で明らかにする、あるいは公にするということになりますると、関係者の名誉、人権の保護はもちろんのことでございますが、それだけではなくして、捜査、公判を含めた検察運営、刑事司法の運営、これは一般的にも国民の信頼と協力のもとに行われているわけでございますから、そういう検察の運営あるいは刑事司法の運営に重大な支障を生ずることになるということから、従来国会の場でお答え申し上げることは法令の許す範囲で、それ以上のことは差し控えさせていただいていると。刑事訴訟法の四十七条の趣旨もそういうところにあると理解しているわけでございまして、もちろんこれは委員も十分御理解いただいていると思うわけでございます。
 したがいまして、最初のところへ戻りますが、今、委員お尋ねのように、国政調査権の行使に対して法令の許す範囲内でできる限りの御協力をしなければならないということはもとより当然のことでございますけれども、今申し上げましたように検察あるいは司法の作用を妨げてはならないという観点からの制約もあるわけでございますから、そこはひとつ十分御理解をいただきたいと思っているわけでございます。
#96
○角田義一君 時間が私五十三分までということですから時間を守りたいと思いますけれども、あと二つだけ聞きましょう。
 一つは、金丸さんの関係でもっていろいろゼネコンの問題が出てまいりましたが、私は少なくとも新聞報道等で見る限りにおいては、やはりゼネコンの談合罪、今まで検察はほとんど談合罪を適用していませんけれども、やはり悪質なものについてはこれは法と証拠によって談合罪の適用も考えなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。したがって、これは恐らくあなたは一般論になると思うけれども、一般論でもいいですけれども、これは談合罪という問題について検察庁としてもそれなりの私は関心を持っているだろうというふうに思っています。
 それからもう一つは、これだけの問題の中でやはり汚職が出てきていない、さんずいかないということについては、やはり本来汚職があって私はしかるべきだなというふうに思っているんです、変な話だけれども。いろいろ非常に苦しい、立証だとか苦しい面はわかりますけれども、本来汚職になるような事案はあるはずです、これは。ということで、やっぱり汚職、要するに贈収賄あるいは談合罪、こういうものについてもやはりこれは重大な関心を検察庁が持っているか持っておらぬかということについて聞いておきたい。
 それから、大臣にお聞きしたいんですけれども、過般の閣議の終了後、今回の皇太子殿下の御結婚を機に恩赦をやりたいというふうな記者会見をやられたそうでありますけれども、国会の場でございますから、その恩赦の方針等について一応私は御説明をいただきたいというふうに思います。
 それから、そのついでにお尋ねしますけれども、公訴提起まで飛ばしてしまうような特赦、これもあるのかと。私が心配するのは、公訴提起を飛ばしてしまう、はっきり言えば金丸さんの公訴を飛ばしてしまうというようなことまでおやりにならないだろうなとは思っておりますけれども、一応承っておきたい。この二つ。
#97
○政府委員(濱邦久君) 委員の前段のお尋ねでございます。
 もう時間もないようでございますし、委員のお尋ねになっておられる談合罪あるいは贈収賄罪等の犯罪の構成要件については委員はもう十分御承知のことでございますからお答えは省略させていただきますけれども、これまでのところ、今申しました談合罪あるいは贈収賄罪等を含めまして公訴を提起いたしました事実以外に犯罪の嫌疑が認められたという報告には接していないわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、これも一般論としてお答えするわけでございますが、検察当局としては犯罪の嫌疑が認められる場合には、これは適切に対処するというふうに考えているわけでございます。
#98
○政府委員(杉原弘泰君) 恩赦の関係についてお答えをいたします。
 今回の皇太子の御成婚に際して、恩赦を実施する予定のもとに法務省保護局といたしましては、大臣の命を受けまして、それに必要な検討作業を進めております。しかしながら、その恩赦の具体的内容につきましては、まだ決定されるに至っておりませんので、残念ながら申し上げることはできません。御了承をいただきたいと思います。
 また、先ほどお尋ねの金丸前議員を大赦にするのではないかというような御質問がございましたが、これも今お答えいたしましたとおり、恩赦の内容はまだ決定されておりませんし、また一般論といたしましても、特定の個人が恩赦の対象になるのかどうかという点について申し上げることは、恩赦という事柄の性質上適当ではないと考えます。したがいまして、委員の御質問に答えはいたしかねますので御了承いただきたいというふうに思います。
#99
○国務大臣(後藤田正晴君) 恩赦の問題は、今、局長が答弁をしたとおりでございますけれども、新聞記者会見云々というお話でございましたのでつけ加えて申し上げたいんですが、私の方から積極的に言ったのではございません。これは質問等がございまして、それで支障のない限度で物を言ったというにとどまるわけでございます。
 趣旨は、私はいつかここでもお話ししたと思うんですけれども、恩赦をめぐってはいろんな世論がありますね。しかしながら、これはやはり憲法上の制度であるし、そしてまた終戦後も何回となしに行われていることでございますから、戦前とはもちろん性格を異にして、刑事政策的な立場からもこの制度というものは私自身は必要だと考えておると、したがって恩赦については実施する方向で事務当局に勉強をしてもらっておりますということを私が申し上げておったわけでございますが、ただ私が記者の質問に対して答えたということの中身が少し筆が走り過ぎております、これは。
 私が言っているのは、準備作業はやってもらっておるよと。しかし、恩赦というのは、これは行政権で司法の作用を場合によれば消してしまう作業ですからこれは大変な重大な仕事であること間違いありませんから、だから私は準備はしてもらっておるんだけれども、この恩赦をめぐっての
いろんな議論も一方にあるし、それから平成の時代に入って既に過去二回行われていますね。そうすると、続いて三回目になりますから、そういったようなことも考えて、事務当局には抑制的な考え方のもとに、過去の先例もありますからそれらも参考にして勉強してくれ、こう言っているんだよと、ここまでが私の発言でございますので、何を意味しているかは御賢察を願いたいと、こう思います。
#100
○角田義一君 終わります。
#101
○委員長(片上公人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
   
     ――――◇―――――
   午後三時開会
#102
○委員長(片上公人君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#103
○猪熊重二君 法務省は去る四月二日に本院予算委員会において金丸脱税事件についての報告をされました。その報告に関連して何点か質問しようということで考えていたんですが、午前中の角田委員の質問で大分私が聞こうと思っていたことをお聞きになられたし、また濱刑事局長から相変わらずほとんど中身のない答弁をいただいて、また蒸し返しで非常に気が引けるんですけれども、しかしどうしても、私はこの点は予算委員会でも伺いましたし、また先ほど角田委員も聞かれたんですけれども、金丸さんが昭和六十二年から平成元年までの三年間、年間十億円を超える金をいただいていたと。しかし、平成二年、三年分について何らの捜査に関する報告がないということはどうしても納得できない。
 刑事局長がおっしゃるように、平成二年、三年分については脱税にならないからということの御説明はまあそれなりにわかりますけれども、脱税になるならぬということを別にして、同じような形でのやみ献金をどのくらいもらったのかということだけはどうしても言ってもらいたいと思うんです。いかがでしょう。
#104
○政府委員(濱邦久君) 今、委員お尋ねになっておられます金丸前議員の平成二年、三年分の所得に関しましては公訴が提起されなかったところでございます。
 委員のお尋ねは、その起訴されなかった平成二年、三年分についての捜査の結果を報告しろという御趣旨かと思うわけでございますが、これは委員も十分御理解をいただいていると思うわけでございますが、起訴されていない事実関係につきましてこれを公にいたしますことは、午前中の御質疑の際にも申し上げましたように、やはり検察当局が捜査をいたしますのはあくまでも刑事責任の追及、刑事責任があるかどうか、あるとしてどの程度のものかということを解明するために捜査を行い、またそのためにこそ刑事訴訟法で認められておりますところの非常に強大な、強力な権限を行使して捜査を行うわけでございます。
 したがいまして、その捜査の結果得られた資料等、あるいは捜査の過程で把握した事実等につきましては、これを刑事手続以外の目的に使用する、あるいはこれを公にするということになりますと、関係者の名誉、人権の保護はもちろんのことでございますが、それだけではなしに、やはり捜査、公判というものは国民の信頼と協力、刑事責任の追及のために使用されるという信頼のもとに協力を得ているわけでございまして、検察当局が捜査の過程で刑事手続に使用する目的で収集した証拠の内容、あるいは把握した事実の内容を明らかにいたしますことは、今後の捜査、公判に対する支障を生ぜしめるということもございまして、お答えを御遠慮させていただいているわけでございます。
 もちろん、午前中もお答え申し上げましたように、国会の国政調査にできる限りの御協力をしなければならないということは十分承知しておりますし、また法令の許す範囲でできる限りのことをさせていただきたいと思っているわけでございますけれども、起訴されなかった事実関係についてのお答えを申し上げることはお許しをいただきたいということでございます。その点はひとつ御理解、十分御理解をいただいていると思うわけでございますが、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#105
○猪熊重二君 毎回同じお答えなんですが、要するに今おっしゃられた理由を勘定してみると、捜査、公判の維持に支障があるという理由が一つなんです。それから、犯罪として成立せず起訴もされないものについて公表することはプライバシー、名誉の問題だということが一つなんです。それからもう一つは、そういうことを公表すると検察に対する国民の信頼を失うことになるということが一つ。この三つの理由を今挙げられたように私は思うんです。
 確かに今後の捜査あるいは公判に支障を来すという理由はわかるんですが、この件はそういう理由はないわけです。なぜかというと、平成二年、三年分についてはもう犯罪にならぬというのですからこれを捜査する必要はない。それから、犯罪にならないものを公表することはプライバシーの問題になる、これについては後でまた申し上げたいと思います。それで、検察に対する信頼ということをおっしゃるのならば、そういうことを国民に公表する方が検察に対する国民の信頼というのは深まりこそすれ薄まることはないだろうと、こう思うんです。ですから、これが言えないということの理由は、どうもいろいろ考えてみるとプライバシーの問題ということに落ちつくんだろうと思うんです。
 この問題については、また引き続いて同じことを伺うとやっぱり同じ答えが出てくるだろうという予測のもとにお伺いするんですが、金丸さんに対して六十二、六十三、平成元年の三年分について脱税として起訴された。しかし、これは脱税という問題だけで終わるんだろうか。ということは、先ほども角田委員の方からもお話がありましたけれども、むしろこれは、脱税は脱税だけれども、脱税以外に贈収賄罪が成立するんじゃなかろうかと私は思うんです。
 どうしてかというと、山梨県内の建設業者あるいは都心の大手総合建設会社の献金というのは、名目は政治献金となっているけれども、献金する側においても帳簿上裏金として何らまともな日の当たる政治献金としているわけじゃないし、もらった金丸さんの方も政治献金として処理しているわけじゃない。裏から出てきて裏に入っていくという、まさにやみ献金なんです。ですから、この金銭の授受が職務に関連していれば当然に贈収賄罪になると私は思うんですが、贈収賄罪の成否というふうな観点から捜査をされたことはあるんですか。どうでしょう。
#106
○政府委員(濱邦久君) 贈収賄罪の構成要件自体、今、委員が御指摘になられたとおり、もう専門家でいらっしゃいますからお答えを繰り返すことは申し上げかねますが、検察当局がどういう観点からどのような捜査をしたかということにつきましては、これは法務当局からあれこれお答えを申し上げることはできないわけでございます。
 ただ、いつも申し上げておりますように、一般論として申し上げますれば、検察当局においては、具体的証拠に基づきまして刑事事件として取り上げるべきものがありますれば、それに対しては適正に対処するというふうに考えているわけでございます。
#107
○猪熊重二君 私は、これはなぜ贈収賄罪になるかというと、ちょっとおかしなことだけれども、こういうことを考えるんです。
 要するに、国会議員は予算の審議、議決の権限と同時に義務を持っているんです。ですから、予算案に計上されている数字について、歳入歳出予算について審議、議決するというのは国会議員の基本的な職務なんです。
 今度こういう公共事業やってもらいたい、そのための予算をぜひ百億のっけてもらいたいという
ふうに頼まれた国会議員が、この百億のつけるために一生懸命、いい悪いは別にして、努力してある公共事業のために百億を予算にのっけた。それのっけてもらって大変ありがとうございましたといってお金をもらって、そして予算案の審議に賛成、賛成と言って、起立採決にしろ何にしろ、賛成したらまさに職務に関する不正な金銭の授受そのものだと私は思うんです。ですから、国会議員は予算に関連することについて請託を受けて、それに関連してお金をいただけば、これはもう収賄罪になるんだということを一般論としてもう確定したらどうだと、そのくらい広げないと収賄罪で捕まる人がなかなか見つからなくなってしまう。
 濱刑事局長、どうですか。国会議員の予算審議、議決権を職務にして、予算に関連するものについて何か仕事をして金をもらったら全部収賄罪だというのは暴論ですかね。簡単にちょっと。
#108
○政府委員(濱邦久君) ちょっと簡単にはなかなかお答えできない御質問だと思うんですけれども、国会議員が一定の利益を収受した場合に収賄罪が成立するかどうかということにつきましては、今、委員まさに御指摘になられましたように、当該利益の収受がその職務に関するものであるか否かということに帰するわけでございます。
 国会議員の場合には、衆議院または参議院の構成員といたしまして国会に提出される予算案等につきまして、演説、質疑、質問、動議提出、討論、表決等をすることができるとされているわけでございますから、この職務に関してその報酬として金銭を受け取れば、これは収賄罪に該当することが考えられることは御指摘のとおりだと思うわけでございます。
 ただ、賄賂罪の成否はそれぞれの具体的事案ごとに証拠に基づいて個別に検討しなければ的確な判断はなしがたい事柄であることは申すまでもないかと思います。
 さらにもう少し申し上げますと、金品をもらってほかの議員に予算案について、例えば質問を行ったり取りやめたりすることを勧めたり、あるいは説得するというようなことは、これは収賄罪に該当しないのかということもよく問題になるわけでございますが、収賄罪につきましては、職務行為そのものに関してだけではなくして、その職務に密接に関連する行為に関して違法な報酬を受け取ればそれが成立する場合もあるということでございますから、予算案に関する質疑、討論、表決等についてはかの議員を説得したりすることの報酬として金品を収受すれば収賄罪が成立することも考えられるというのが一般の理解であろうと思うわけでございます。
 国会議員の予算案との関連における職務行為、この関係では今申し上げましたようなことを考えておるわけでございます。
#109
○猪熊重二君 時間がありませんから質問をはしょって大臣にちょっとお伺いしたいんです。
 要するに、今、刑事局長がいろんな捜査の内容をプライバシーのために公表できませんというのは、私はそれが一般国民に対する問題であるならば納得できるんです。ところが、何回も申し上げていますように、国会議員は不逮捕特権があり、発言の免責がある。こういう国会議員の特権があるから、その反面として、やっぱりもらったものはもらったと言ってもらうだけの不利益を受けて当然だ、こう思うわけなんです。
 というのは、例えば去年の十二月十六日に成立した政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律というのがあります。これはなぜ国会議員だけが資産公開をするんだということなんです。国会議員はやっぱり国民のそれだけの信託を受けて絶大な権限を持って国政のために尽くしているはずなんだから、その人が少しでも間違っちゃならぬということで資産公開法ができているわけなんです。町のおじさんに資産公開法がないにもかかわらず、国会議員にだけ資産公開法はなぜあるんですか。
 要するに、国会議員は一般国民が享受するプライバシーとは別個に、やっぱりそういう意味での不利益を受けなければならないと思うんです。ですから、金丸さんが平成二年、三年に幾らもらったかということは、町のおじさんの場合であったらともかく、金丸さんの場合は言うべきが筋だろう、こういう観点から毎回毎回質問しているんです。
 大臣、今の刑事局長の答弁はそれなりに私は理解できるんですが、国会議員とそれ以外の者を区分けして、国会議員の場合はもっと全部明らかにしていただきたい、そうするのが政治倫理の確立のために非常に大切なことだ、こう思うんですが、御所見いかがでしょうか。
#110
○国務大臣(後藤田正晴君) 申し上げるまでもなく、やはり政治家は国民から国政に関する権限を信託された代表でございますから、そういった重要な公的立場にあるわけですね。それだけに国会議員としては一般国民以上の倫理観、それに伴う責任、こういうものがあろうかと私は思います。
 そういうような意味合いから、国会議員に対しては私はそれなりの、何といいますか、いろんなプライバシー等についても一般国民以上に代議士個人は私は受忍をしなければならぬ面があると思いますね。
 ただ、今の御質問の点は捜査結果を報告しろ、こういうことですが、これは裁判以外の場で使うということになりますと、先ほどおっしゃったように、後に続く裁判に対する影響等も考えなきゃなりませんし、あるいはまたこれは代議士個人でなくて第三者の名誉、人権等に関するものが世間に出てしまう、しかもそれは犯罪とはその人は関係がないといったようなこと、あるいはまた、これは検察威信の立場になるんですけれども、検察権の行使に当たってはやっぱり国民の信頼を得なきゃなりませんから、それだけに協力を求めなきゃならない。その協力がうっかり言うとうっかりするぞといったようなことになりますと協力が得られないといったような、いろいろ考えますと、私は率直に言いまして、これ答弁し過ぎるのかもしれませんけれども、私が検察の立場だったら、本当はこうこうだとみんな言いたいと思いますね。その方が国民から、ああ、やっておるな、しかしやれないな、無理もないなというふうに理解はしてくれるんですね。むしろその方が楽なんですよ。
 しかしながら、やっぱり何といっても、罪刑法定主義とでもいいますか、法治国家の中における権力機関というものの立場を考えますと、自分自身はやりたいと思っても別の重要な人権上の問題あるいは裁判への影響等を考えますと、これはやっぱり無理だなと、我慢しなきゃならないんだなというのが私は率直な気持ちだと思います。
 そういうことを考えますと、濱君の国会における答弁はその域を一歩も踏み出すことができないんだと。いずれはこれは公開の裁判でその人自身の事柄については明らかになることですから、その点で運用をさせていただく以外方法はないのではないかな、かように考えているわけでございます。
#111
○猪熊重二君 途中、しり切れトンボになって申しわけない。
 国税の方に来ていただいていますので、国税についてちょっとお伺いします。
 これも先ほど竹村委員が伺ったこととほとんど同じことなんですが、私は今回の裏金による献金というのは単に使途不明金ではれちゃったからしょうがない、課税対象にされて、そして税金払って、それで終わりという問題じゃないんじゃないかと。要するに、ばれたら使途不明金として税金を払えばいいし、ばれなければもうけものというふうな形での使途不明金というものを建設会社に許しておいてはならないと。
 じゃ、どうするかということになるわけですが、なぜこれを脱税だと、法人税法違反ということで処置できないのか。単に通常の税務調査で行って、あら、これ経費がちょっと多いから修正申告しなさいというふうな問題じゃないと思うん
です。最初からもう全部本来経費にならぬものを損金に計上しておいて、うまくいったらそのまま、まずかったら損金不算入による使途不明金としての課税というだけじゃなくて、これはもう最初から偽りその他不正な行為により法人税を免れたものとして、脱税犯として国税当局はなぜ取り調べというか、国税犯則調査をしないのか。できないんですか、どうなんですか。
#112
○説明員(石井道遠君) 今、先生が御指摘になられました法人税法の百五十九条、これはまさに偽りその他不正の行為により法人税を免れた場合という構成要件がかかっておるわけでございますけれども、この法人税法の規定の違反の疑いありとして国犯法に基づくいわゆる査察調査を行いますためには、今申しました法律上の構成要件といたしまして、一つは、偽りその他の不正の行為があるということ、また二番目には、法人税を免れたという逋脱の結果が存在すること、三番目には、これは一般の刑法犯と同様でございますけれども、脱税の故意が存在すること、これが必要でございまして、これらの三点につきまして立証し得る見通しが得られますかどうかということにかかっておるわけでございます。
 したがいまして、使途不明金が支出されておりますときには、まずその使途を解明いたしまして、その支出されました資金がその支出した側の法人の所得を構成するのか、それとも支出先の、相手先の所得を構成するのかそこを見きわめることがいずれにしても先決であるわけでございます。
 したがいまして、使途不明金があるということだけでもって直ちに、先ほどのような構成要件を満たす疑いが十分であるとして直ちに脱税ということにはならないわけでございますけれども、その使途不明金の支出の過程において、仮に偽りその他不正の行為があり、かつその使途不明金の使途を解明いたしました結果、損金にならない、当該法人の、支出した法人側の所得の逋脱という結果が存在し、かつ脱税行為についての故意が存在するということが認められます場合には、これは査察調査を実施するという態度をとっておるわけでございます。
#113
○猪熊重二君 今おっしゃったのは理解できますが、まず偽り不正の手段、これは損金、要するに経費に計上できないものを経費に計上するという帳簿操作をやっている、これは偽り、不正の手段を弄しているんです。
 それから故意がどうかと。間違ってそんなところをやっているわけじゃないんです。承知の上でごまかしているんです。
 問題は法人税を免れたか免れぬかということなんです。ところが、今あなたはおっしゃるけれども、行ってみて使途不明金だと、じゃ直せばいいと言ったら、いつだってこの要件、要するに法人税を免れたという要件は実現されることないんです。そうでしょう。だって、行ってみてちゃんと計算して、取り直して取ったんだから免れていない、みんな取られちゃったんだということにおいては免れたということはないんです。どの時点で免れたと考えるかという問題なんです。
 ただ、うその申告したときに免れたと、後で取り返されたのならそれは別の話だと、こうでも考えなかったら使途不明金なんて絶対に脱税になりませんよ。と思うんです。よく検討しておいてみてください。これはさっきも言ったように、後ではれたら払えばいいというだけで済ませているからこういうふうに何億、何十億という銭が、お金があれなんです。銭と言うのは、私、群馬なものだから、子供のときから銭、銭と言うからどうもぐあいが悪いんです。よく検討していただきたいと思います。
 それから、公正取引委員会にお伺いします。
 新聞報道等によれば、今回の建設業者の裏献金の原資は公共事業の受注金額の一%ないし三%、この金額によっては三%、この金額では二%、こうみんなで決めて受注業者が支払って、これをプールして、それで金丸さんのところに持っていったと、こういうふうに言われているわけです。
 私が予算委員会で、これだけ新聞報道されているんだから、この不公正取引について公正取引委員会としては当然不公正取引の有無について調査するべきじゃないかという質問をしたのに対して、小粥委員長は、現段階におきましては法に違反する疑いがあるとする具体的な端緒となる情報に接していないので、調査を行っていないし、行うつもりもないと、こういうふうに答弁されているんです。これだけ新聞報道があって、一%だ三%だと、みんなでぐるで、しかもきのう一回やったというだけじゃなくて五年も十年も続けてやっているんだという報道があるのにもかかわらず、まだ具体的な端緒がないから私は全然動きませんとおっしゃるんです。
 じゃ、公正取引委員会にとって具体的な端緒というのはどんなものが具体的な端緒なんですか。これが具体的な端緒と言わなかったら全然出かけていって調べる場所はないんじゃないですか。その辺どうですか。
#114
○説明員(上杉秋則君) 側説明申し上げます。
 独占禁止法で禁止している入札談合行為というのは、官公庁等が入札を行うに当たりまして入札参加者側があらかじめ受注予定者を決定するという行為を言うものでございます。
 本件につきましていろいろ新聞で報道されていることは十分承知しておりまして、その内容についても検討するとともに、私どもとしてできる限りの情報の収集に努めているところでございますけれども、いまだ独占禁止法に違反するとする具体的な端緒となる情報に接しているとは言えない段階にあるわけでございます。
 独占禁止法に違反する具体的な端緒となる情報に接した場合には、私ども独占禁止法第四十六条に定めます権限を行使することができるわけですけれども、これは相手方に一定の受忍を命じまして、その義務違反に対しては罰則をもって間接的に担保するということでございますので、その権限を行使するためにはそれを行使するに足ると認められるような具体的事実が認められる必要があるわけでございます。
 今お尋ねのその具体的な端緒というのはどういう場合かということでございましたけれども、一般的に申し上げまして、公正取引委員会として得られた情報を検討いたしまして、独占禁止法に違反する事実があると信ずるに足るような十分に具体的な条件がうかがわれるという場合を言うわけでございまして、現時点におきまして我々が得ている情報によってはこのような判断ができかねる状況にあるということでございまして、今後とも本件に関連する情報の収集に鋭意努めていくということで対応させていただいているところでございます。
#115
○猪熊重二君 言葉が行き違っているのかどうか知らぬけれども、これだけ新聞で報道されているんだから、本当に請負代金の一%、三%をみんなが出すという合意があったのかなかったのかというふうなことを調査しているんですか。
 なぜこう言うかというと、百億円で請け負って三%取られれば三億円持っていかなきゃならないんです。そうすると、請負代金は名目は百億円だけれども実際は九十七億円でできるのかできないのか、こういうことで計算せにゃならぬでしょう。そうしたら、三%の上納金を持っていくということになると、この上納金を出すということを決めること自体が価格の決定に対する共同謀議だと私は思うんです。
 いずれにせよ、何にもしないというのか、それとも今でも新聞報道をもとにしてゼネコン等に対するいろんな調査、聞き込み等はやっているのかどうか、それだけ簡単に答えてください。
#116
○説明員(上杉秋則君) ただいま御指摘の受注額の一定パーセントを献金しているか否かについての合意と申しますのは、私が先ほど述べさせていただきましたような入札談合行為という意味での合意とはほぼ遠いわけでございまして、私どもはそのような事実があるか否かにかかわらず、受注に参加する者の間であらかじめだれが受注予定者
になるかということを取り決めるような合意があるかどうかということについて独占禁止法違反に問擬するわけでございますので、そのような事実があるか否かにつき鋭意今情報収集に努めているということでございまして、今どのようなことを具体的に行っているかということについては立場上申し上げかねるわけでございますので御理解いただきたいと思います。
#117
○猪熊重二君 次の問題に移ります。
 死刑確定者と表現の自由の問題についてお伺いします。
 過日、私のところに東京拘置所に在監する死刑確定者から、同人が出そうとした通信に対して刑務当局から不許可処分にされたということに関して、事実をいろいろ聞いてみてほしいという陳情が来たのでちょっとお伺いします。時間の関係でもう細かいことはやめます。
 要するに、死刑確定者が通信を発受するについて、どのような法規に基づいて、どのように制限もしくは禁止しておりますか。
#118
○政府委員(飛田清弘君) これは監獄法の解説みたいになってしまうんですが、端的に申しますと、死刑確定者が信書の発受をしようとするときに、当該死刑確定者が在監する施設の長がその発受を許可し、あるいは不許可にするその根拠というのは、結局監獄法の四十六条一項の規定及び五十条とそれを受けた法務省令の規定ということになると思います。
#119
○猪熊重二君 時間の関係で私の方で申し上げます。
 要するに、監獄法四十六条一項によれば、「在監者ニハ信書ヲ発シ又ハ之ヲ受クルコトヲ計ス」、こういうことになっているんです。ですから、死刑確定者は原則的に信書を発し、あるいは受くることが自由なんです。ただ、監獄法五十条によれば「信書ニ関スル制限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」ということになっているんです。ですから、原則自由だけれども、仮に信書に関する制限をしようとするんだったら命令をもって定めろということになっているわけです。この「命令」というのは、監獄法は明治時代の法律ですから明治憲法下における「命令」ということになるんでしょうが、私の解釈ではこの「命令」は現行憲法下においては政令と読むべきが当然だろうと思うんです。
 仮にこれを政令でなくて省令と考えてもよろしいと思いますが、いずれにせよこの死刑確定者に対する信書の授受に関する禁止を規定した政令も省令もないと思うんです。やっているのは矯正局長の通達でやっているんです。矯正局長の通達で、死刑確定者には心情の安定を害するようなおそれがあるような信書は授受を禁止していいと、こう書いてある。法律で、監獄法で信書の発受は自由である、どうしても制限したいんだったら命令をもって定めると、こう言うにもかかわらず、命令なしに通達で法律を改変していると思うんですが、これに対して矯正局長、どう思いますか。
#120
○政府委員(飛田清弘君) お言葉ではございますが、監獄法四十六条一項の規定は、確かに「在監者ニハ信書ヲ発シ又ハ之ヲ受クルコトヲ許ス」と書いてありますが、ここで言う「許ス」というのは施設の長の許可にかからしめる、こういうふうな趣旨で「許ス」と、こう使っているというふうに私どもは解釈しておるわけでございます。ですから、施設の長がそれをだめだと言うこともできる。だめだと言うことができるほかに、五十条では、一般に制限すべき場合は、こういう場合は制限しなさい、そのほかは個別的に審査して許可、不許可を決定しなさい、そういうふうに考えているというふうに私どもは解釈しているわけでございます。
 矯正局長通達の話が出ましたが、その矯正局長通達は施設の長が信書の発受を許可するか不許可にするかについての解釈基準、判断基準を示したものでございますから、監獄法令を矯正局長通達で変えてしまっているというふうなことではないというふうに解釈しております。
#121
○猪熊重二君 今、矯正局長、そういうふうにおっしゃるけれども、非常におかしな論理だと私は思う。
 どうしてかというと、今あなたは四十六条一項の「在監者ニハ信書ヲ発シ又ハ之ヲ受クルコトヲ許ス」というのは、好き勝手に刑務所長の、監獄の長の判断でできるんだというふうに読むんだと、こうあなたはおっしゃった。だけれども、同じ四十六条の二項で、受刑者については信書の発受は親族にあらざる者については原則として許さず、また許した者との授受についても不適当と認むるものは禁止し得るというふうにわざわざ四十六条二項と四十七条一項で書いてあるんです。
 もし四十六条一項の方の在監者には許すというのが、許しても許さないでも刑務所長の判断で、勝手でいいんですというのだったら、何で四十六条の二項と四十七条の一項で許さない、許してやっていい場合もある、しかしそのときでも不適当と見れば禁止できるなんて、こんなことなぜ書く必要があるのか、受刑者について。受刑者の方についてだって「許ス」と書いておけばいいじゃないですか。それで後は許すか許さぬか、わしの腹づもり、こういう解釈になって、これじゃ「許ス」と書いてある四十六条一項の趣旨が全く没却されてしまうと思いますが、いかがですか。
#122
○政府委員(飛田清弘君) 受刑者については、刑に服している特別の者でございます。御承知のように、監獄法の対象になっている者は、逮捕状で収容されている者、それから勾留状で収容されている者、その者でもまだ起訴前の音あるいは起訴後の被告人である者、あるいは受刑者あるいはいろいろな拘禁命令によって収容されている者、そういういろいろな者をまとめて監獄法で規定しているわけでございますが、その中で受刑者は特別な立場にある者でございますから受刑者については特別な規定がある、だから一般規定と特別規定のような関係だというふうに私どもは考えているわけでございます。
#123
○猪熊重二君 要するに法律の解釈として、あなたが言ったように、こちらの条項は、四十六条一項の「許ス」というのは全く裁量のことを言っているんです、こう言うのだったら受刑者の方についてそんなにこちょこちょいろんなことを書く必要はないんです。こちらも許すとか許さぬとか書きゃいい。ところが、そうじゃなくていろいろ書いてあるのは、こちらの四十六条一項の方が自由だと、「許ス」と、こう書いてあるから、それとの対比でそういう四十六条二項、四十七条一項という規定があるんだろうと思うんです。
 ですから、そういう観点に立って考えると、監獄法という法律で信書の発受は自由であるというものを、その法律を矯正局長の通達によって変更しているということは法治主義に対して非常に大きな問題です。現に法務省が現在国会に出して審議しろと、こう言っている刑事施設法案においては、死刑確定者の信書の授受について百二十一条を設けて、ここで信書の授受の制限、禁止の場合と許される場合といろいろ規定しているんです。
 ですから、法務省自身が死刑確定者の信書の授受の問題は法律事項だということを考えているから刑事施設法案に書いてある。そんな、刑務所長の腹づもりでいいですよ、通達でいいんですよというのだったら、こんな刑事施設法案に百二十一条なんという条項をわざわざ設けて、死刑確定者の信書の授受が許される場合、許されない場合、制限される場合なんということを法律で書く必要はない。死刑確定者にとっても信書の授受は当人の基本的人権にかかわることだから刑事施設法案では書いてあるんじゃないですか。
 あなたが今おっしゃるようなことだったら、刑事施設法案の百二十一条というのは要らなくなってしまう。刑事施設法案になぜ書いてあるんですか。一言で答えてください。
#124
○政府委員(飛田清弘君) 現在の監獄法は明治四十一年という物すごい古い法律でございますから、そのときの、その当時の刑務所長の権限あるいは拘置所長の権限というのは物すごい権限を
持っていたわけです。ですから、許すも許さないももう刑務所長の権限一つでそれでよかった、当時はそういうふうに考えられていたと私は思うのであります。ただしかし、受刑者については、それじゃ刑務所長の権限でみんな許しちゃっていいかというと、受刑者は特別な地位でございますから、刑務所長の権限をもってもそう無条件に許しちゃ困りますよというふうな感じの規定だろうというふうに私は思っているわけでございます。
 ただ、その当時から現在もう八十数年もたっておりまして、この平成の時代におきまして明治四十一年の監獄法は今の世の中ではなかなか通用しなくなってきておりますから、そこで監獄法改正では、御指摘のように死刑確定者の信書の授受に関する権利の内容及びその制約を明確にしようということで刑事施設法案第百二十一条の規定を立案させていただいて国会で御審議をお願いしているわけでございます。
 そういう趣旨でございますので、私どもの解釈が決しておかしいというふうなことではないと私は思っているわけでございます。
#125
○猪熊重二君 それは、あなたが解釈がおかしいなんて自分で言ったんじゃぐあいが悪いから、それはもうそれでいい。
 ただ、明治憲法下でできた監獄法が現憲法下においてもなおかつ効力を有するためには、中身をいろいろ考えなきゃならないんです。そんな許すなんというのを刑務所長の腹づもり一つなんという法律が今あり得るはずはないんです。
 私は、もう時間がなくなっちゃって、もっといろいろ申し上げたかったんだけれども、ともかく、死刑確定者であったとしても、死刑執行されるまでの間は人間なんです。だとしたら、この死刑確定者にも原則的に信書の授受の自由はあり、そしてまたマスコミや世間におけるあらゆる機関に対しての自分の意思表明の自由もあり、それからまた、自分で死ぬまでの間、歌をつくりたかったら歌をつくって歌集を発表する、著作する自由もあるでしょう。ところが、この私のところへ来た陳情では三通拒絶されたと。三通のうち二通は新聞社に対する投書、これはだめだと、世間にうだうだ言っちゃいかぬと。一つは国連人権委員会に対する救済申し立て、これもだめだと言っているわけなんです。
 いずれにせよ、法務大臣、大臣も恩赦から何からいろいろお忙しいことなんだけれども、もう少しこの死刑確定者の基本的人権というものについて、まことに申しわけない、一言でお願いします。
#126
○国務大臣(後藤田正晴君) もちろん、基本的な人権そのものは死刑確定者といえどもこれは、例えば思想あるいは良心あるいは字間研究とかいろいろな自由は、内的自由に関する限りはこれはもう当然保障しなきゃならぬと思いますが、それが外部に出るということになりますと、これはやはり拘禁に伴ういろいろな制約があるということは、これはやはり御理解を願わなければならぬのではないかなと、かように思います。
 あとの法律論議はいろいろあるようでございますけれども、私は現行法のもとではやはり、何といいますか、死刑囚の手紙を出したりいろいろなことをするのを許可するかどうかということ、これは裁量行為の範囲内ではないのかなと、現行法上、法律を改正すれば別ですけれども、さように考えているわけでございます。
#127
○猪熊重二君 終わります。
#128
○紀平悌子君 法務省にお願いいたします。
 さきの四月十四日、十五日、両日のG7で、日本が十八億二千万ドルの追加支援をすることもほぼ決定したロシアとの間の長年の懸案であった北方領土の旧島民の権利に関して質問を申し上げたく思います。
 まず、前提として北方領土旧在住者、島民の現況について簡略にお願いをしたいと思います。その上で第二次世界大戦終結時には一万七千二百九十一名おられたと言われる四島の旧島民の戸籍事務の扱い状況について御説明をいただきたく思います。大変恐縮ですけれども、簡略にお願いをいたしたいと思います。
#129
○説明員(阪本和道君) 北方領土元居住者の方々の現況でございますけれども、千島歯舞諸島居住者連盟の調べによりますと、終戦時に一万七千二百九十一人おられました元島民の方々でございますけれども、平成三年三月末日現在におきましては一万四百六十一人の方が生存されております。また、そのうちの約八割の方々は北海道を中心に居住されているというふうに承知してございます。
#130
○政府委員(清水湛君) 北方四島に居住していた方々、これは当然現在も日本国民でございまして、その方々の戸籍事務所がどうなっているかという趣旨の御質問であろうかと思います。
 いわゆる北方四島のうち歯舞諸島は、これは根室半島の先端に本村を有していた歯舞村の一部でございましたので、これはそういうようなことから戦後におきましても、この歯舞村がさらに根室市に統合されるというようなことがございましたけれども、その面での戸籍事務が行われていたということになるわけでございます。
 しかしながら、歯舞諸島を除きます色丹、国後、択捉のいわゆる北方三島六カ村につきましては村長が存在しないという状況になりましたために、これらのものの住民は戦後本土の方に引き揚げてまいりまして、それに伴いまして戸籍もこちらに移すということをいたしたわけでございます。
 しかしながら、第九十六回国会におきまして北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律というのが成立いたしまして、これが昭和五十七年の八月三十一日に公布されたわけでございますが、この法律におきまして、さきの三島に本籍を有する者についての戸籍事務は、「法務大臣が北方領土隣接地域の市又は町の長のうちから指名した者が管掌する。」ということになりまして、根室市長がその事務管掌者に指名されまして、現在例えばこの北方三島に本籍を設けたいということでありますればそういうようなこともできると、こういうことになっているわけでございます。
#131
○紀平悌子君 急ぎますのでまたの機会にして、次の質問をさせていただきたいと思います。
 きょう、図らずも大臣の御都合等もございましてお昼の休み時間が三時間ございました。私、ふだんテレビというものになかなか接しないので国会の食堂のテレビをずっと見ておりましたら、また埼玉県の新座市で集団のいじめというか集団暴力致死ですね、そういう事件がぽっと出ました。中身はまだよくわからないのですけれども、この前も質問申し上げたんですけれども、この深刻ないじめの問題というものについて再度お伺いしたいと思います。
 まず初めに、いわゆるいじめ事件は児童の間の問題であるとはいいながら、暴行、傷害、脅迫、強要、強窃盗あるいはそれらの致死罪を含む独特の犯罪事象だというふうに私は感じるんです。いじめについては国際的にもその異常性が着目され始めております。例えば、四月三日付のアメリカ、ニューヨーク・タイムズ紙でございますけれども、本年一月の山形県新庄市での児玉有平君のいじめられ死亡事件につき、日本の教育制度の暗黒の側面であるというふうに書いております。いじめは仲間に同調できなかったり体力的に弱かったりする者に対する独特の暴力であると定義した後で、児玉君の死は氷山の一角にすぎぬという宮澤首相の国会答弁まで引用されて載っております。
 ここで私は前々回の質問で法務省と文部省が御協力の上でいじめ未然防止に当たるべきということを申し上げたんですけれども、例えば人権事象として表に出てきた人権相談の件数が、平成二年が四百五十六件、平成三年で三百七十一件となっているわけですが、こうした事例について法務省ではどういう対応をして、被害児童と加害児童、またその親権者に対する再発防止を図られているんでしょうか。
 また、それらの問題について、当然学校内部の
問題として学校内でのいじめ防止措置が必要だと思いますが、学校の問題として、文部省に対してどのようなお話し合いというかあるいは連携をとるというか、なさっておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。
#132
○政府委員(筧康生君) いじめの問題に関しましては、各法務局から人権相談として相談を受けました件数の報告を受けております。その件数は先ほど委員の方から御指摘をいただいたとおりでございます。
 ただ、その一つずつの事件につきましてどのような具体的な対応をしたかということは報告を受けるシステムにはなっておらないわけでございますので、その一つずつの事件についてどのようなことをしたかということを申し上げることはできないわけでございますが、このいじめについてのいわば一般的な処理の方針というものを人権擁護機関として定めております。
 それによりますと、人権擁護機関がいじめがあるという事実を認めましたときには、原則として学校に連絡し、学校における人権擁護の観点に立った的確な対応を要請し、必要に応じ学校と協力して家庭及び地域社会に対する個別啓発を実施することによって事案の解決を行うことといたしております。そして、その学校における取り組み姿勢そのものに問題があると思われる場合には、適時学校と協議をし助言をし、あるいは教育委員会にその事実を通報し、的確な措置を要請することといたしております。また、個々的な事案におきまして必要があると認められる場合には、加害児童及びその保護者に対する調査を実施し、その過程において個別の啓発を行い再犯の防止に努めるということを処理方針として定めているところでございまして、人権相談によって私どもが察知した事案についてもそのような形において処理がされておるものと考えております。
#133
○紀平悌子君 起こってしまってからのことは今ちょっとお伺いしたわけですけれども、未然防止、事前防止でございます。
 文部省にお伺いしますけれども、いじめ防止のために各公立小中高校に対する文部省の御指導はどんな状況でございましょうか。この三年間の状況を簡潔に御説明をいただきたいというふうに思います。特に人の命が一番大事なものでかけがえのないものだということを生徒に徹底させるというようなことが必要だと思いますし、そのほかまた適切な御指導があれば伺いたいというふうに思います。
#134
○説明員(河上恭雄君) いじめなどの問題の原因、背景を考えてみますと、社会、家庭、それから学校における教育のあり方、そういうものがいろいろ複雑に絡み合っているわけでございまして、その解決のためには関係者の方々が一体となって取り組む、そして特に学校においては校長のリーダーシップのもとに全教職員が一致協力して指導に努めることが大切であるというまず基本的な考え方がございまして、そういう観点から文部省では従来から、今この三年間とおっしゃいましたが、従来からいろんな会議等を通じましてまずいじめの実態を把握するということ、それから取り組みの充実を図るということにつきまして、教育委員会を通じまして学校に対する指導を行っているわけでございますが、それだけではなくていろんな施策を行っております。
 例えば、まず教師の方々の指導力を高めるということで教師向けの指導資料というものをつくって配付をしております。それから、研修を行っております。また、教育相談ということが大切でございますのでこれの充実を図るということ、それから、子供たちが集団で自然の中でいろんな体験をするということが大切だということで、いわゆる自然教室という言葉を使っていますが、そういった授業を行っております。それから、問題の多い学校に対して教員を加配するというようなことも行っております。こういういろんな施策を通じて、いじめだけではないのでございますが、こういった問題行動の解消に努めているわけでございます。
 実際の学校の現場においては、かけがえのない命の大切さというのをどう指導するのかということでございますけれども、日常の教育活動に当たりまして、教師と生徒、それから生徒相互の人間関係が深まるようないろんな活動、それから当然のことでございますが、いじめはそもそも許されないんだという善悪の判断あるいは人間としての守るべき基本的なルールを身につけさせるということなどに配慮した指導を行っていただきまして、他人への思いやりや正義感を育成するという観点からの指導を行っているわけでございます。そんなふうな指導を行っているところでございます。
#135
○紀平悌子君 一応のマニュアルのようなものはおありになるわけでございますね。
#136
○説明員(河上恭雄君) いじめの態様といいますか、その実際の姿は非常にいろんなケースがございまして、マニュアルといいますと一つの方法でもってやるというような印象がちょっとあるかもしれませんが、教師がいじめに対してどう対応したらいいのかということについての指導書というものほかって発行しておりますし、毎年実はいろんな実態調査をやっておりまして、その中に資料としましていじめのチェックポイントとかそういったことを盛り込んだ従来の通知等を入れております。
#137
○紀平悌子君 いろいろ御努力をされているということは理解ができるんですけれども、いつも私不思議に思いますのが、もちろん事件が発生した後でございますけれども、管理責任者である校長先生とか教頭先生のコメントがテレビで必ずございます。非常につらい立場で涙を流しながら、また本当に耐えられないという感じてお気の毒には思うんですけれども、お言葉が、いじめについては知らず、担任の先生も知らなかったというふうなお答えが実は多いんですね。それで、私はこれがマニュアルかなというふうに、非常にそのときはこちらもかっかきておりますので、こんなことを押しなべてお答えになるような校長先生、教頭先生、責任者の方々ではとても、子供自身の問題もそれはありましょうけれども、学校教育行政の中で、また校内でこういうことが今後またどうなんだろうと思うやさきに大阪市の東淀川区の市立大桐中学の中三の生徒間での傷害致死問題も起こっています。冒頭申しました、昼のニュースで、未確認ですけれども埼玉県新座市で集団リンチが起こって人が死んでおります。
 このことをただ単に書面的なマニュアルということを出すだけじゃなくて、本腰を入れてやっていただきたいというふうにお願いしますと同時に、法務大臣にお伺いしたいんですけれども、このいじめ問題というのは、特別の今の日本の社会の現象、いろんな現象の中で、逃げ場のない、だれも、親も学校の先生も校長先生も、それから文部省も救い得ないというか、そういう状況になるいじめ問題というものを独特の人権侵害類型というふうにとらえられないでしょうか。そして、そういうことへの専門の窓口とか、それから専従の相談員を設けるとかそういうふうな、思い切ってというか、思い切らなくても法務行政の中で最初は小さく、そしてだんだんに大きくというふうにしていただけないものでしょうか。
#138
○国務大臣(後藤田正晴君) 最近いじめ問題が全国至るところでいろんな形で発生をしておるわけでございますが、大変私はこれは重要視して、我々としても努力しなきゃならない大きな課題だ、こういう認識でございます。
 法務省は人権擁護委員等と力を合わせながら対応もし、また地方の法務局には常設の相談所があるわけですね。しかし、常設の相談所だけでなくて、電話の相談であるとか臨時の相談所といったようなものを開設して、できる限り事前にそういう情報等も入手しながら、そして関係方面との連絡をするといったようなことで努力はしておるんですけれども、これは役所流の答弁でございまして、現実に起きているわけですよ。なかなかこれが難しい。
 私は、やはりこれは学校の中にも問題があるの
かなと。先生の最近、何といいますか、言葉はどうかわかりませんが、権威の問題とか、あるいは本当に子供と一緒になっているといったような気分でなくて、昔よく我々が使っておった勤め人気持ちですね。あるいはまた家庭にも私は問題があるんじゃないかと。わからぬはずはないと思うんですね、これは。それをどういうふうに、一つの町や村の中における地域間の対立の問題等も影響しておるんではないかなと、いろんなことを考えるわけですが、この問題は政府としても関係省庁さらなる努力をしまして、これは放置できない課題である、こういう認識で対応をしたい、かように考えます。
#139
○紀平悌子君 再びしつこいようですけれども恩赦についてお伺いをしたいと思います。
 昨日、官房長官のもとに、御本人は国会で御不在でございましたけれども、婦人団体の方で政令恩赦からの選挙違反者の除外をお願いしたいということをるるお願いしてまいりました。そのせいではないと思いますけれども、お昼のニュースを聞いておりましたら、衆議院の内閣委員会で河野官房長官が、慎重に、今度ばかりは慎重に諮っていると、今度ばかりはというのは私がつけた言葉ですけれども。政治的ないろいろな問題、関連もあるのでといったしかコメントづきで、この耳で聞いたわけです。これは私は相当、この間は法務大臣はまだよく考えてちょうだいということを当局におっしゃっているということまででございましたが、私は相当中身はもう進んでいるなというふうに直感をしております。
 そこでお伺いしたいわけなんですけれども、単に恩赦反対、恩赦反対を言っているわけではありません。恩赦自身には先ごろからおっしゃられてきたような意義はあるというふうにとらえた上で、統一地方選挙、これは平成三年でございますか、三千六百名罰金刑確定者がおられるということは、この数字は間違っておりませんでしょうか。三千六百名おられるんですけれども、衆議院選挙を前にいわば前科の抹消ということを受けるということになりますと、これは国民の間に国政選挙へ向けての政治恩赦というふうにとられることは必至でございます。
 昭和二十年十月十七日の第二次大戦終局の恩赦から平成二年十一月十二日の天皇陛下即位恩赦まで十回の政令恩赦が行われております。それぞれ公選法違反者、政規法違反者は何人対象とされましたか、人数を教えていただきたいわけでございます。これはたくさんいらっしゃると思いますので、申しわけございませんが早口でお願いいたします。
#140
○政府委員(杉原弘泰君) 若干数字が入りますので時間を要すると思いますが、お許しください。
 公職選挙法違反で恩赦となった者の数字を申しますと、昭和二十年十月十七日の第二次大戦終局恩赦は、公選法違反者についての資料がなく不明でございます。
 次に、昭和二十一年十一月三日の日本国憲法公布恩赦では、大赦令により四千三百九人の公選法違反者が恩赦になっておりますが、減刑余、復権令及び特別基準恩赦の対象者数は資料がなく不明です。
 次に、昭和二十七年四月二十八日の平和条約発効恩赦では、大赦令によりまして三万九百二十三人の公選法違反者が恩赦になっておりますが、減刑余、復権令及び特別基準恩赦の対象者数は資料がなく不明です。
 次に、昭和二十七年十一月十日の皇太子殿下立太子礼恩赦では、特別基準恩赦のみが実施されましたが、公選法違反者についての資料が残存せず不明です。
 次に、昭和三十一年十二月十九日の国連加盟恩赦では、大赦令により六万九千五百二十五人の公選法違反者が恩赦になっておりますが、特別基準恩赦の対象者数は資料がなく不明です。
 次に、昭和三十四年四月十日の皇太子殿下御結婚恩赦では、復権令により約一万二千人、特別基準恩赦により一千四十八人の公選法違反者がそれぞれ恩赦となっております。
 次に、昭和四十三年十一月一日の明治百年記念恩赦では、復権令によりまして約六万七千人、特別基準恩赦により三千百五十四人の公選法違反者がそれぞれ恩赦となっております。
 次に、昭和四十七年五月十五日の沖縄復帰恩赦では、復権令により約二万八千人、特別基準恩赦により千九百八人の公選法違反者がそれぞれ因赦となっております。
 次に、平成元年二月二十四日の昭和天皇御大喪恩赦では、復権令によりまして約一万五千人、特別基準恩赦により六百三十五人の公選法違反者がそれぞれ恩赦となっております。
 平成二年十一月十二日の今上天皇御即位恩赦では、復権令によりまして約五千人、特別基準恩赦により三百二十七人の公選法違反者がそれぞれ恩赦となっております。
 なお、政治資金規正法違反者につきましては、各恩赦についていずれも統計がなく人数を把握しておりません。
#141
○紀平悌子君 最後、もう時間が一分しかございません。それで質問を略しまして、法務大臣にお伺いしたいと思います。
 副総理のお立場もございますので、多分河野官房長官、それから宮澤総理大臣といろいろ御相談の、政治的な今の時代背景、つまり政治改革がこれほど唱えられておりますときに、実際、行政の手で選挙違反者の解き放ちというのがあるということについて、やっぱり政治改革というものに逆行することとして非常に問題になるということを御勘案くださって、選挙違反者を除外していただきたいというふうに最後にお願いをいたします。
 何秒か残っておりますけれども、お答えいただけますでしょうか。
#142
○国務大臣(後藤田正晴君) 御意見としてはお伺いをいたしておきます。
 いずれにせよ、まだ内容は決まっておるなんという問題ではございません。ただ、平成になってからこれは三回目でございますし、世間の恩赦制度についてのいろんな御意見等もございますから、それらを含めて抑制的な考え方のもとで対応をしていきたいと。しかし、特別な罪種について特別な考え方をするつもりはございません。
 これでお答えにいたしたいと思います。
#143
○紀平悌子君 ありがとうございました。終わります。
#144
○委員長(片上公人君) 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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