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1993/03/29 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第4号
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1993/03/29 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第126回国会 地方行政委員会 第4号
平成五年三月二十九日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                石渡 清元君
                久世 公堯君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                須藤良太郎君
                関根 則之君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                西川  潔君
                細川 護煕君
   国務大臣
       自 治 大 臣  村田敬次郎君
   政府委員
       自治大臣官房長  吉田 弘正君
       自治大臣官房総  遠藤 安彦君
       務審議官
       自治大臣官房審  松本 英昭君
       議官
       自治大臣官房審
       議官       小川 徳洽君
       兼内閣審議官
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門  竹村  晟君
   説明員
       国土庁土地局地  藤田 博隆君
       価調査課長
       運輸省自動車交  洞   駿君
       通局企画課長
       建設省都市局都  板倉 英則君
       市計画課長
   参考人
       立教大学経済学  野呂 昭朗君
       部教授
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日、立教大学経済学部教授野呂昭朗君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(佐藤三吾君) 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田自治大臣。
#5
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、平成六年度の固定資産税の評価がえにおける土地の評価の適正化等に伴う固定資産税及び都市計画税の負担の調整措置を講じるとともに、個人住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、軽油引取税の税率の引き上げ等を行うこととし、あわせて、地方道路譲与税の都道府県に対する譲与割合を引き下げるほか、国有資産等所在市町村交付金等について所要の改正を行う必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額の引き上げを行うほか、寄附金控除の対象となる寄附金の範囲に、都道府県、市町村または特別区に対する寄附金を追加する等の措置を講じることといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減を図るため、個人の事業税の事業主控除額を引き上げることといたしております。
 また、新聞業等七事業に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置を一年度間延長することといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。
 不動産取得税につきましては、日本電信電話株式会社の株式の売却収入を活用して第三セクター等が取得する一定の港湾施設または漁港施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を二年間延長する等の措置を講じることといたしております。
 その四は、自動車税についての改正であります。
 自動車税につきましては、天然ガス自動車に係る税率を軽減する等の措置を講じることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 固定資産税及び都市計画税につきましては、平成六年度の固定資産税の評価がえにおける土地の評価の適正化等に伴う税負担の調整を図るため、住宅用地について固定資産税の課税標準の特例措置の拡充及び都市計画税の課税標準の特例措置の導入を行うとともに、平成六年度から平成八年度までに限り、評価の上昇割合の高い宅地に係る課税標準の特例措置及び前年度の税額を基礎としたなだらかな負担調整措置等を講じることといたしております。
 また、三大都市圏の特定市に所在する市街化区域農地の所有者が計画的な宅地化のための手続を開始し、宅地化のための計画策定等がなされた場合における税負担の軽減措置を拡充することといたしております。
 その他、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を延長する等の措置を講じることといたしております。
 その六は、特別土地保有税についての改正であります。
 特別土地保有税につきましては、三大都市圏の特定市の市街化区域内において取得される一定規模以上の土地に係る課税の特例措置の適用期限を一年間延長する等の措置を講じることといたしております。
 その七は、自動車取得税についての改正であります。
 自動車取得税につきましては、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法に規定する特定自動車排出基準に適合する一定の自動車の特定地域内での取得に係る税率を取得の時期に応じて軽減する措置を講じるとともに、天然ガス自動車に係る税率を軽減する等の措置を講じることといたしております。
 また、地方道路財源の確保を図るため、軽自動車以外の自家用自動車に係る税率の特例措置の適用期限を平成十年三月三十一日まで延長すること等の措置を講じることといたしております。
 その八は、軽油引取税についての改正であります。
 軽油引取税につきましても、地方道路財源の確保を図るため、税率の特例措置の適用期限を平成五年十一月三十日まで延長するとともに、平成五年十二月一日から平成十年三月三十一日までの間について、税率を一キロリットルにつき三万二千百円に引き上げることといたしております。
 その九は、事業所税についての改正であります。
 事業所税につきましては、都市計画に定められた自転車の駐車のための施設に対する非課税措置を創設する等の措置を講じることといたしております。
 その十は、国民健康保険税についての改正であります。
 国民健康保険税につきましては、課税限度額を現行の四十六万円から五十万円に引き上げることといたしております。
 第二は、地方道路譲与税法の改正に関する事項であります。
 地方道路譲与税につきましては、地方道路税の税率の引き下げに伴い、都道府県に対する譲与割合を引き下げることといたしております。
 第三は、国有資産等所在市町村交付金法の改正に関する事項であります。
 平成七年度から平成九年度までの各年度分の市町村交付金につきましては、平成六年度の固定資産税の土地の評価がえに伴う負担調整措置等の改正にあわせて所要の措置を講じることといたしております。
 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 なお、政府委員からの補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明の聴取を行わず、会議録に掲載することといたしました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○岩本久人君 皆さんおはようございます。
 それでは、ただいまから地方税法等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、皆様方のお許しをいただきましたので、参考人として立教大学経済学部教授の野呂昭朗先生においでいただいておりますので、先生の方からいろいろと承りたいと思っております。
 その前に、野呂先生には、急なお願いをしたにもかかわりませず、御多用の中わざわざお出かけいただきまして本当にありがとうございました。心から厚くお礼を申し上げます。
 それでは、以下順次質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず第一点は、今回の固定資産税の改正についてであります。去年七月からいろいろ皆さんも作業を進めてはおるんですが、一番基本的な問題というのは、私ども従来から言ってきた固定資産税の性格からいって、今回のこの改正というものは土地の売買のための指標になっている国土庁の地価公示価格というものをまず基本的なベースに据えるというところにあると思うんです。つまり、そのことについて制度、趣旨の異なる地価公示価格を基礎として云々という今回のこの固定資産税の改正についてどのようにお考えなのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
#8
○参考人(野呂昭朗君) 私、先ほど御紹介いただきました立教大学経済学部の野呂でございます。二、三日前からせき込んでおりまして、ちょっと御迷惑をおかけすることもあるかと思いますけれども、御容赦願いたいと思います。
 岩本委員からの御質問ですけれども、今回の改正を評価するに当たって、固定資産税の基本的性格、機能との関係でどう考えるべきかということであります。
 私、日ごろ固定資産税についていろいろ考えまして、現在我が国で行われている固定資産税の評価のあり方というものはいろいろ問題があるんではなかろうかというふうに考えておりますので、ここで披露させていただきたいと思います。
 もちろん固定資産税は、戦後我が国においては市町村の基幹的な税として約五割近い時代もあったわけですけれども、今日でも非常に大きな地位を占めておりまして、市町村の独立税としては非常に重要な財源であろうというふうに考えております。
 それから、固定資産税の性格というのは、これまでも学会等でいろいろ言われておりますように、一つには行政サービスとの関連で応益的な側面、性格を持ったものである。それからもう一つは、全国の市町村のすべてのところで税源が存在し得るという意味で非常に普遍性を持ったものである。それからもう一つは、景気の変動等とかそういうものに左右されない安定的な税であるというようなことで、市町村の行政の需要等々にかんがみまして非常に重要な税であろうというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、この固定資産税をどう賦課徴収するかという点におきましては、やはり固定資産に対する資産価値というものをどう評価するかということが非常に重要な問題を含んでおるわけであります。
 つまり、どういうことかといいますと、すべての資産に資産価値に応じて税を賦課するということでありますから、きょうは土地を中心にして述べてみたいと思うんですけれども、売買される土地あるいは売買されない土地、利用されている土地あるいは利用されていない土地、有効に利用されている土地あるいは有効に利用されていない土地、そういうものをどう評価して課税するかということは非常に重要な点だろうと思うわけです。そういうことからいきまして、固定資産税につきましては財産税なのか収益税なのかという学問的な論議もあるわけですけれども、一般には収益的財産税というふうにとらえているわけです。
 つまり、財産税というとどうしても売買価格、市場価格というものを中心に考えがちなんです。そうすると、もう一方では、収益課税として考えてみると収益というものを中心に考えがちなんですが、収益というと資産を持っている人の収入であるとか、そこまで拡張する必要はないんですけれども、ただ有効利用されていない場合の収益をどういうふうに有効利用されている収益として考えるのかということが非常に重要な意味を持ってくるわけです。
 そこで、市場価格というのは御存じのように、最近のバブル経済によって明らかなように、低金利政策であるとかあるいは金余り現象であるとかそういうようなことで投機的な値上がり待ちの売買価格が中心になりがちであります。法ではこれを適正な時価で評価するというふうになっていまして、不正常な市場価格というものを排除しようと。それは適切であろうと思うんです。ただ、何が不正常で何が正常かという判断というのは人によって非常に違ってくるわけでして、そこで固定資産税の評価をどう考えるべきかということが大きな課題になってくるわけです。
 そこで、まず一つ問題なのは、先ほど有効利用されているのかされていないのかというようなことを述べましたけれども、例えば農業とその他の工業であるとか商業地域であるとかそういうものを比較した場合であるとか、あるいは居住用、住宅用として消費を対象にして利用している住宅用地、それともう一つは高度利用といいますかオフィスビル等として利用されている土地との比較を考えた場合に、必ず単位面積当たりの収益というのが非常に違うことは当然なんですね。それを区別しない評価の方法というのは問題だろうと思うんです。
 ただ日本の場合は、土地の利用、用途別の評価をしようという努力はしておりますけれども諸外国に比べてこれが非常に緩やかでして、諸外国の場合は、都市計画なりあるいは土地利用計画というのは非常に厳しく、住宅地域は高層ビルであるとかあるいは事業用のものとして利用することに対しては非常に厳しく規制をしておるわけです。
 そうであるとすれば、住宅地域にそういう有効利用といいますか収益の高いそういう利用の仕方が入ってこないために住宅地域はそんなに値上がりしないというようなそういう土地の価格、今日の日本のように、住宅なのかマンションなのか、市街化区域でも、商店街の中にも住宅があったり非常に混在しておるわけですが、そういうような場合の評価方法というものと非常に異なっているということを考えてみなきゃならないと思うんです。
 そういう意味で、日本の場合はまず幾つかの区分をして、評価額を決める場合に現行でも地目の区別をしておりますけれども、田であるとか畑であるとか宅地であるとか十項目ほどに分けておりますが、ただ日本の場合は、宅地として、居住用であるとか事業用であるとかそういうことを区別しないで土地利用を考えている。その宅地というものをもう少し詳細に分類すべきではないかということが第一点なんです。つまり、用途別の分類課税、評価をすべきであろうということなんです。
 それからもう一つは、その分類別課税をする場合に、先ほど来ちょっと述べておりますように、まず基本的に事業用と非事業用とを区別する、それから居住用と非居住用とを区別する、それから高度利用をする地域とそうでない地域を区別する。少なくともこの三点の区分をして評価すべきでないかというふうに考えておるわけです。
 そういう点から、地価公示価格との連関というものをどう考えるべきか、後ほど述べてみたいと思うわけですけれども、地価公示にリンクさせる場合にそういう考慮を、地価公示価格というのはどちらかといえば短期的な市場価格が基本のように身受けられますので、そういう意味では本来の固定資産税とちょっと性格が違うんではなかろうかというふうに考えておりまして、日本の場合は今日までこういう状況で来ましたからここで急に改善しようとしても大変なことでしょうから、考え方としてそういう分類別、用途別の評価の方法というものをまず念頭に置いて考えていくべきでなかろうかというふうに考えておるわけです。
 以上でございます。
#9
○岩本久人君 いろいろありがとうございました。
 今、先生は、特に宅地について現状というのはいろんな利用方法があっているわけだからもうちょっと詳細に、現状に合った、活用方法に合ったように分類をして活用すべきだと、こういうことを言われたわけですね。
 それで、そこで言われた中身というものは、事業用か非事業用か、住宅か非住宅か、それから高度利用か高度利用でないか。こういった方式をとっているところ、いわゆる先進諸国といいますか、そういったところでは大体どこの辺がどのようになっていますか。
#10
○参考人(野呂昭朗君) 都市計画等の土地利用計画を厳しくやっているところというのはドイツにしてもアメリカにしても諸外国があるわけでして、例えばニューヨーク市の不動産税なんかを見てみますと、明らかにそういう私が今述べたような分類をして評価しているということでございます。
#11
○岩本久人君 今の意見について自治省どう思われますかということを言いたいところですが、先生との時間の関係がありますから、これは後からしますのでしっかり聞いておいてください。
 それでは次の質問でございますが、今回の目指すところというのは地価公示価格の七割ということなんですね。一般国民が素朴に思うのはなぜ七割なのかというところだと思うんです。言われておりましたのは、今までの固定資産税の評価というのは実勢価格に比べてみて、全国で今約一億七千筆ぐらいあるわけですが、トータルで言えば平均で三割ぐらいではないかと言われていたものですから、それを七割というから二倍半、現在の自分たちが持っておる資産について倍以上の固定資産税が今度かかってくるんじゃないかというようなことも言われておる。もちろんそのためにいろんな措置が講じられてはおりますが、そこで、七割というこの目標値について先生はどういうお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
#12
○参考人(野呂昭朗君) 七割ということを考える前に、基本的に地価公示価格と固定資産税の評価額との性格の違いをひとつ考えておく必要があろうと思うんです。
 先ほどもちょっと触れましたように、どちらかといえば地価公示価格というのは売買実例価格といいますか単年度主義の短期的な市場価格を中心にしているように見受けられます。それに対して固定資産税というのは、固定資産税の性格からいきましても、例えば資産保有の継続性であるとか毎年度経常的な負担をしていただくんだとかあるいは市町村の安定的な財源であるとかということであるわけでして、そういう意味からいけば、経済のいろんな変動に必ずしも対応するような形の評価ではなくて、固定資産税の基本的な性格を考えた上での、もう少しどちらかといえば客観的な長期的に見ても適応するようなそういう面での評価ということが重要であろうというようなことで、性格がひとつ違うということがある。
 しかしながら、日本の固定資産税の評価額というのは、これは一般的に皆さん周知なわけですけれども、我々が普通、市場価格といいますか異常な土地の値段を考慮しなくても、正常に考えたにしても非常に低い評価額である。それからもう一つは、地域によって、市町村ごとに評価の率、水準というものが非常に不均衡である。そういうことはだれでも周知の点だろうと思うんです。今度の改正というのはそういうところを手直ししようという、そういうことについては私は理解を示したいと思うんです。
 もう一つは、七割ということは自治省がいろんな今までの固定資産税の評価額を長期的に考えて、自治省の書いたいろんな説明を見ますと客観的な長期附な視点から求められたようなそういう説明もございますので、比較的適当であろうというふうに考えております。しかしながら、ここ二年ぐらいの状況を見てみますと、何日か前でしたが今年の一月一日の地価公示価格が発表になりましたけれども、あれを見ましても非常に大きな下落がありますね。こういう大きな下落のあるときに、六年度からの評価がえとはいえ、今から七割というふうに決めてしまうことが合理的なのかどうかというような危惧の念は持っております。
 以上でございます。
#13
○岩本久人君 それで、まず性格的なところで言われましたね、継続的所有という問題が強いとか市町村財政に寄与する問題とか。そういったことからいって、公示価格そのものをそのベースに置くというのはいかがなものかということを言われました。
 その中で私考えたんですが、最初の質問のときに、先ほど先生は収益的財産税という言葉を使われたと思うんです。この収益的財産税という考えについて、どういう考え方かもう少し御教示をいただきたいと思うんです。
#14
○参考人(野呂昭朗君) これは学問的に言っていろんな問題があろうかと思いますけれども、ただ、収益的な面と財産課税的な側面の両方を加味して考えざるを得ないんじゃないかということなんです。財産税として、物税として中心に考えていきますと、どうしても市場価格というものが大きなウエートを占めできます。
 それよりももう少し収益というものを考えてみると、収益というのは、国民総生産であるとか国民所得であるとかそういうものを長期的に見れば、相当程度パラレルに進行するものだというふうに考えられるわけです。そういう安定的な側面を持っている。資産課税というのは当然応益主義的な原則で、行政サービスとの関連に着目して課税されるものだとかそういうようないろんな見方がありますけれども、収益を考えることによって、本来財産を取得してその税金を払えるだけの能力を持った人がその資産価値に応じた収入といいますか、支払い能力のある人が資産価値の高いものを取得していたはずなんです。
 しかし、社会経済の変化、時代の変化とともに、一生懸命収入を得た人も定年退職になれば収入が少なくなってくる、あるいは収入がなくなってしまう。そういうようなことと対応して考えた場合に、収入と資産価値というものが相応しなくなってくる。
 そういうようなことを考えていきますと、単に市場価値のようなそういうようなものだけを考えるのではなくて、もう少しこういう人税的な収益、収入というそういう側面を考慮すべきであろう。現実に住宅用地を今度の改正においても特例措置でもって非常に減額しておるわけですけれども、そういうような考え方の根底には今言ったようなことも考慮せざるを得ないものだというような性格を持ったものであるというふうに考えておるわけであります。
#15
○岩本久人君 七割という、七という数字については総合判断としてある程度理解できる、しかしここ二、三年におけるバブルがはじけて急激に下落をしている過程で今押さえるということについではいかがなものかというような意味のことをおっしゃいました。私も全く同感だと思うんですが、そうはいっても、いつの時点がで押さえないと行政は前に進まないということがあるものだから、そこのところは後から自治省の見解を聞いてみたい、このように思っております。
 それから、今度は最後に言われたことの関連で次の質問に移りますが、今回の法律案の概要というのは、まさに今言われたようにさまざまな負担調整措置を内容としております。具体的には、住宅用地に係る課税標準の特例措置を拡充すること、評価の上昇割合の高い宅地に係る暫定的な課税標準の特例措置の導入とか、それからよりなだらかな負担調整措置ということで、いろんな点について配慮がなされているのではないか、このようには思っておりますが、この中身についてどのような評価をお持ちでしょうか、お願いいたします。
#16
○参考人(野呂昭朗君) 現行の評価というのは三年ごとに評価がえをするということになっておりまして、その結果、三年を振り返ってみれば土地の価格というのが非常に大きく変動することもあり得るわけです。そういうようなことを考えてみれば、当然これはなだらかな負担調整というものが必要であるというふうに考えます。
 しかし、ことしの改正の中身を見ますと、三年ではなくて何か十年以上にわたって調整するというような内容のものも含まれておるように見受けられます。その点は固定資産税の性格からいって、三年で評価がえをするというようなそういう期限を持っているということからいっても、ちょっと長過ぎるんではなかろうかというふうに考えております。
 それからもう一つは、住宅用地についての軽減の特例措置でございますけれども、これも先ほど固定資産税の基本的な性格からいって用途別分類課税をすべきであるというようなことを言って、住宅用地を評価の段階で現在区別をしておりませんので、こういう課税標準のところでこういう住宅用地に特別な措置を講ずるということには私賛成であります。
 ただ、その何分の一がいいのかというのは根拠というものがどうも明確ではないような気がいたします。それはやっぱり収益というものを、あるいは賃貸価格といいますかそういうものを長期的なそういう住宅の帰属家賃等も含めて考慮して、そういう根拠づけのようなものが必要ではないかと思うんです。ただ六年度から評価がえすることによって負担が急増するから住宅を今おっしゃったような割合にしようというようなそういうことではなく、もう少し根拠づけを明確にしてほしいというふうに考えておるわけでございます。
#17
○岩本久人君 ただいまの御意見は私も本当にもっともだと思いますので、後からまた聞いてみたいと思っております。
 そこで、先生、今回のこの改正によって、改正によってというより改正そのものが私は全体として見て大都市圏での評価の急上昇というようなものを基本としている、最近は下落したけれども全体としては上がっているというように思えるんです。今回のさまざまな負担調整措置によって、私のところのような超過疎地等では違った意味の心配が起きてくるような気がするんです。そういったことについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか、お願いいたします。
#18
○参考人(野呂昭朗君) 今回の調整措置等の中身とも関連するわけだろうと思うんですけれども、地価公示価格と固定資産の評価額との水準の比率ですけれども、先ほども少し触れましたように地域的に非常に不均衡である。ある地方団体は五〇%以上に、時によっては七割程度になっている場合もあります。それから、ある地方団体は一〇%台のところもある。こういうふうに、特に今先生おっしゃったように大都市地域はこの割合が低いわけですね。
 そうすると、本来、従来高く評価してきた地域は今度評価がえ、七割をめどにすることによってそう大きな評価そのものの変動はないんですね。しかし一方では、公示価格が全国的に下落する傾向にありますから、そういうことを考えてみますと、先ほど述べたような住宅用地の特例の減額措置等の影響を受けて固定資産税の納税者の負担がマイナスになってしまうところもあるんじゃないか、これまでに比べて。つまり、市町村の固定資産税収入額が減少する地方団体も出てくるのではなかろうかというように考えております。
 これは実務的に数字がどういうふうになるのか自治省等で恐らく計算すればいろんな状況はわかってくるだろうと思いますけれども、私の個人的な感覚としてはそういうことも生ずるんではなかろうかというふうに考えております。
#19
○岩本久人君 実はこの案が発表された段階から既に地方のあっちこっちでは、これはまた大変なことになった、既に自分のところの自治体では七割はおろかもう八割あるいはそれ以上のものに現実になっている、それを七割にしさらに調整措置をかけられるということになると大幅な固定資産税の減収ということで、財政的に大変な心配が出てくるという声も実は既に私のところにいっぱい来ておるんです。
 そこで、基本的な考え方として先生は、また後からいろいろお聞きしますが、そういうことはこの固定資産税という税の持つ性格、意味からしてやむを得ないことだとお考えになるのか、あるいは、いやそういったことについては今回の改正でもっとこういう点を配慮すべきではないのかというようなことを思われるのか。そういったこと等を含めて、再度御意見を聞かせていただければと思います。
#20
○参考人(野呂昭朗君) 日本の固定資産税の評価というのが用途別分類をしてこなかった、それから用途別分類をするための都市計画等が非常に緩やかであった、そういう条件が整っていなかったということで、やむを得ざる面もありまして課税標準を調整する段階でいろんな特例なりをしてきているわけですね。そういう基本的な考え方のところで少し考えを変えてもらったらどうかということなんです。課税標準のところで調整するのではなくて、評価のところできちんと土地の収益というものを重視しながら長期的な視点で固定資産税というものを考えていくということを、これからもそういう方向を考えながらいろんな調整措置も講じてほしい、こういうふうに思います。
 例えば住宅の特例措置であるとかそういうことは、この課税標準の特例のところで、住宅用地というのが収益という面から見れば非常にほかの利用方法に比べれば低いんだというようなことの考えが根底にあってそういうようなふうになっていると思うわけですから、今回の改正というのは今までの継続性からいけば当然こうならざるを得ないんだろうというようなことを考えております。
 ただ考えなきゃならないのは、土地保有関係のそういう税というものがどうも土地政策との関係で地価の抑制をするとかあるいは土地の供給をふやすとか、そういうようなことから保有コストを税でもって何とかしようというようなことで、地価税の創設なんかもそういう理由で設けられたと思うんですが、固定資産税というのは本来そういうものと、結果的にそうなっても、結果的にそうなる場合もありましょうけれどもそこにウエートを置いて考えるんではなくて、もう少し市町村の基幹税としてあるいは行政サービスとの関連等々から考えていくべきものだというふうに考えております。
#21
○岩本久人君 ただいま先生の方からもいわゆる土地保有課税のあり方についてお話がありましたので、では私の方からもお願いしたいと思うんですが、固定資産税の問題は一応おいて、今後の土地保有課税全体のあり方は一体どうあるべきか。
 ただいま先生おっしゃったように、実はここでも地価税導入のときにさまざまな意見があったんです。国税として地価税を導入するということについてさまざまな疑問がある中で、やはりその中の一つは大きな流れでありましたが固定資産税をもっときっちり評価してやるべきではないかという意見がかなりあったというふうに私記憶しておるんですが、そういったようなことを踏まえて、先生は土地税制全般のあり方について基本的にはどういうお考えをお持ちか、よろしくお願いしたいと思います。
#22
○参考人(野呂昭朗君) 先ほどちょっとその考え方を触れたわけですけれども、三点ほどに分けて考えてみたいと思うんです。
 一つは土地政策との関係で、ちょっとさっき触れましたけれども、土地政策というのは地価の高騰であるとかそのときどきの土地の需給の面であるとかそういうことを考えて臨時的な側面を持ったものでもあろうと思うんです、土地政策と税制というものを考える場合に。それが地価税のようなものだと思うんですけれども、固定資産税は基本的性格からいってもっと長期的なほかのいろんな側面を考えてみなきゃならない問題であるというふうに思うわけです。
 それで、最初に述べましたように、固定資産税につきましては何といっても評価のところで基本的な考え方を明確にしておくということだろうと思うんです。収益的な財産税ということを明確にして考えていくべきだろう。そのところをあいまいにしたままで課税標準のところで調整したりあるいは税率のところで調整したりしておると非常に不透明なことになる、混乱する要素も多分にあろうかと思うんです。
 そういう意味で、先ほど言ったような収益面を重視する評価方法であるとかあるいは資産の用途別、分類別評価をする必要があるのではないかということ、それからその前提にその地域地域の自主性に基づいた土地利用なりそういう計画をきちんとつくっておく必要があるということです。この土地は何に利用すべきかということをきちんとしておく必要があるということです。
 それから、もう一点考えなきゃならないことは地方のサービスとの関連なんですけれども、今日、地方の経費、支出、サービスといえどもどんどん増大する傾向にあるし、かつ質的にも大きく変化しております。今まで福祉といっても選別的な福祉、あるいは基本的なサービスといいますかナショナルミニマムというような言葉で言われるようなそういうサービスに非常に力を入れてきたわけですけれども、最近のように地方のサービスというものが一般的な国民の所得や生活水準の向上とともに非常に多くのサービスが行われるようになって、福祉も非常に多種多様な高度な福祉がふえてきております。
 そういうことを考えてみますと、固定資産税というのは、土地の所有者、地権者、そういう者にかかわる資産価値に応じてかける税金ですので、土地を所有している人としていない人が、今日のように大都市圏においてはこんなに土地の価格が上昇してしまうとこれから若い人がだんだん土地を所有すらできなくなってくる、そういうような事態がどんどんふえでくる、資産格差といいますか。そうすると、そういう資産にばかりウエートを置いて税金をかけていきますと、どうも税金を負担しなくてもサービスだけを受けるというそういう階層がふえてくる傾向というものもこれは考慮しなきゃならない。
 固定資産税の地位というのは市町村の歳入の中で五割近くまでいった時期もありまして、最近は三割ちょっとというような、四割近い面もありますが、そういうふうに低下してきておりますけれども、この固定資産税の地方歳入に占める地位がどの程度かというのは、今言ったようなことを考慮しながら、余り固定資産税にばかり依存するようなそういう事態は、それだけで税収を上げていこうというようなことはだんだん無理になってくるんではなかろうかというふうに考える側面もあるんじゃなかろうかというふうに考えております。
#23
○岩本久人君 今、先生の御意見を聞いておりまして、なるほどそういう考え方もあるかなということで勉強になったんです。つまり、今ごろの若い人は家を持つということにそれほど大きな意義、意味を感ぜず、生涯にわたってできるだけ安い家賃の公営住宅等に入って、それから年をとるとさまざまな福祉施設に入っていくと。そうすると、全然固定資産税というものを払わなくて一生を終わる。
 しかし、よく考えてみると、それぞれの市町村においては五割とまでいかなくても三割四割という非常に重要な税金だから財政が成り立っている。その財源に基づいてさまざまなサービスがなされておるということを考えると、一口で言えば、先生がおっしゃったように、固定資産税だけではないとも思いますが、税の負担をせずにサービスのみを受けるという階層がふえてきたらいかがなものか。
 そういうことを考えると、固定資産税がとにもかくにも市町村財政を今後担っていく上でダントツに一番なんだよというような考え方ばかりを志向するのはいかがなものか、こういうことなんですか、再度確認をしたいと思います。
#24
○参考人(野呂昭朗君) 私が先ほど述べた意味は、先生が今おっしゃったような意味でございます。
#25
○岩本久人君 大変勉強になりました。
 そこで、先生は地価税については臨時的なものであるというふうに評価されておるようですが、そこのところが今後どうなるのかということでは私も確信を持っておるわけではないんですが、この地価税という国税そのものを先生はどのように評価をしておられるのか、急なことでなんですが、もしあればお聞かせいただきたい。
#26
○参考人(野呂昭朗君) 今、地価税の中身について詳しくは記憶しておりませんけれども、考え方として、地価高騰というものが地価税の導入の契機だったということですね。それからもう一つは、地価税が大規模な法人の所有を中心にした税であるということですね。その土地保有に対して、保有コストに対してもう少し高くじょう、そのことによって地価抑制、土地政策というものを考えた税であるということなんですね。
 ただ残念なのは、固定資産税は先ほどちょっと触れましたように、大都市の評価額を見ますとその他の地方団体に比べて評価の水準が、市場価格といいますかあるいは地価公示価格といいますか、そういう我々一般的にこのくらいの土地の値段が適当なんだろうなというふうに考えている水準から見でも異常に評価額が低いということなんですね、一〇%台。そのことは、やっぱりそういう大きな土地を保有している法人、そういう人力がその土地の資産価値に応じた負担をしていないんじゃなかろうかという側面があるわけです。
 そう考えてみると、固定資産税の今までの評価の仕方、そういうことに問題があって、そういうことをもう少し合理化していけばもっと土地保有に対するコスト税としての役割を結果的に十分に果たして、それで地価対策の役割も果たすことになったんじゃなかろうかというふうに考えております。
 そういう意味で今度の、できるだけ市場価格に、我々常識的に考えているそういう土地の値段というものに大都市を初め近づけていこうという、そういう方向に固定資産税を考えていこうという方向については私は賛成でございます。
#27
○岩本久人君 それでは、最後に先生のお考えをお伺いしたいんですが、いわゆる地方税、地方税制全般について今後どうあるべきかということです。地方税財政制度と言いかえてもいいかもわかりませんが、例えば国税との割合の問題だとか、もちろん権限移譲とかそういうことも当然包含してくると思うんですが、大きなテーマで急な話で大変御迷惑がもわかりませんが、そういったことについての基本的な見解をひとつ賜りたいと思いますが、よろしくお願いします。
#28
○参考人(野呂昭朗君) 今の質問の課題というのは非常に大きな課題で、短時間で答えるというのは容易ではないんですけれども、三点ほどに絞って私の考えを述べてみたいと思います。
 一つは、最近地方分権というので言われておることは、制度的にもいろんな改革をされつつあることには私大賛成でございますが、ただそこで考えなきゃならないのは、どうも財政的に、地方分権のための財政システムはどうあるべきかということについでは、余り具体的な主張というのが見受けられないことは非常に残念に思っているわけでございます。
 そこで、私せっかくの機会でございますので、私の日ごろ考えていることをちょっと御披露させていただきたいと思います。
 まず一つには、なぜ地方分権か、あるいは財政システムを地方分権にしなければならないかというようなことの根本的な点をまず考えてみる必要があると思うんです。それは、私ども税負担にしても考えてみた場合に、責任を持つ財政の運営のあり方というものは自主性がなければ責任をなかなか持てないわけです、ほかのものに依存したりしていたりしたらば。責任を持てないということは財政運営の有効性あるいは効率性というものも非常にあいまいになっていく、明確になってこないという点があろうかと思います。
 つまり、地方の財政責任を明確にするためにも地方に財政面での自主性というものを拡充していく必要があるということなんです。これは単に財政だけを分離して税金をふやすとかそういうことだけではなくて、サービスと負担というもののパッケージ、そういう両面から考えてもらう。これは地方政府が、地方団体が理事者を含め地方議員も含めて責任あるそういう行動をとると同時に、地域の住民もまた自分たちが受けたサービスに対して負担をどうするのか、そういうことを自主的に考えるそういうシステムをつくるべきであろうということで、地方分権の財政システムというものが非常に重要な面だろうというふうに考えておるわけです。
 そうしないと、サービスを提供する、生産する公共機関の生産性、効率性というものが保たれないんじゃないかということなんです。そういう自主性を与えることによってまた地方団体間の競争、住民のためにすばらしいことをしていこうというそういう自主的な競争が生まれてくることによって地域の活性化、効率化が図られていくんだろう。そういう考え方をやっぱり基本にきちんと持つべきだろうということが第一点でございます。
 それで、自主性を高めるということなんですが、きょうは地方税を中心にして考えておりますので、まず今の現状を眺めてみますと、地方の自主性というものが非常に制約を受けている。税の面でも、自主財源であると言われるんだけれどもどうも地方団体が自由裁量でもって税を拡充する余地というものがほとんどない、そういうところに問題があろうかと思います。もう少し地方自治体が自由裁量できる余地を残しておく必要があるということなんですね。
 ただ、こう言ってしまうと自主課税権だというふうに極端に解される向きがどうもあるので困るわけですが、税というのはやっぱり全国的な統一といいますか、例えば経済活動からいっても、勝手気ままに税率が地方団体ごとに違っていたんじゃ日本全体の調和のある経済発展あるいは財政の中立性というのは保たれなくなりますので、そういう大枠はきちんと国の方で責任を持って決めてもらって、その中でもう少し自主的な余地、税率面でもあるいはどういう独立税が適当なのかというような面から見でももうちょっと考慮すべきであるということなんです。
 ただ問題なのは、日本の全国を考えてみますと、最近まで東京の一極集中ということが大きく問題になりましたが、経済力が地域によって非常に大きな格差があります。自主課税権というふうなことを主張しますと、そういう財政力、税源の格差というものはまだまだ非常に大きいものがあるわけです。そういうことを考えてみると、地方税というものはどの程度の地位が適当なのかということをどう考えるかということなんです。
 まず一つは、どうしても地方のやっている仕事の中に、これは統一的な全国的な水準において均一的にやらなきゃならない、画一的な行政、標準的な行政と言ってもいいしあるいはナショナルミニマムと言ってもいいと思うんですけれども、そういう行政も行っていることは事実だし、そういう行政が存在することも事実だろうと思うんです。
 そういう全国的な立場から見て、どこの地域でも行われなきゃならないような行政の財源は、これはいかに経済力が低くて税源のない地域であっても国がきちんと保証する。保証する段階で、保証するのはいいんだけれども、もう少しそういう経済力の低い地域でも自前の財源で住民の要求、ニーズに合った自主的なサービスをしたいと考えた場合に、やっぱりそれをできるだけの余裕がなければならないと思うんですね。
 そういう意味からいけば、税負担というものは、そういう例えばナショナルミニマム的なものを遂行するために要する負担というものはできるだけ低くする。そして、自主的にサービスをしたいという面に住民の理解を得て課税して、できるものはそういう負担、先ほどサービスと負担のパッケージと言いましたけれども、そういう地方政府自体も住民も責任持って行えるようなそういう状況をつくり出していくということであります。
 今日、残念ながらずっと眺めてみますと、経済力があって財政力もありそうな、東京はもちろんですけれども、そのほかの地域でも、地方税というものだけではそういうものを実施できないほどどうも税源が乏しいと思うんです。つまり、国の方に交付税や補助金で依存しないとやっていけない。そういう地域は国税をいっぱい納めているわけですから地方税としての余力はあるわけですね。だから、そういうところの地方税を拡充するような税構造というもの、例えば所得税を累進化する、今は比例的な税ですけれども、少し累進性を加味していくと経済力のあるところには税収というものが入ってくるだろうということなんです。
 そういう経済力があって明らかに財政力があるはずの地域には自主的にサービスをできるようなそういうようなことをしていかないと、財政運営の効率性というものが、もう有効なサービスの生産、提供というものもおぼつかなくなってくるというふうに考えておるわけです。
 大体以上でございます。
#29
○岩本久人君 いろいろありがとうございました。
 先生には当初から約一時間程度ということでお願いしておりましたので、ちょうど時間が来ましたので以上で終わりたいと思います。本当にありがとうございました。
 それでは残り時間、残り時間といっても残り時間の方が多いのでございますが、今のことも踏まえて、自治大臣初め自治省の皆さんにお願いしたいと思います。
 まず自治大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、先ほど来から野呂先生がるるお話をされていた中に地方分権という問題が随所に出てきました。地方税を考える上でやはりこれは大変重要なファクターなんだなということをつくづくと私も考えるに至ったわけでございますが、この問題について、地方中心といっても具体的にはどういうことかというと、住民参加ができる地方分権システムというものがないとだめだと思うんですね。そういったことについて大臣はどのようなお考えをお持ちか、まず基本的なお考えを伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来の岩本委員と野呂教授の質疑を承っておりまして、私は地方分権の問題についてもそれから地方税の問題についても肯綮に当たった御意見を随分聞かせていただいたと思いまして、非常に参考になりました。
 そこで、地方分権でございますが、全国四十七都道府県は非常に差があります。例えば私が勤務をしておりました鳥取のようなところ、それから東京都のようなところ、過疎過密という点でも非常に差がありますし、先ほど野呂教授も指摘をされたように税源の偏在があるわけですね。それで現在の地方自治制度では、地方交付税やそれからまた地方税制等を通じてこの平衡性を保つように努力しておるのでありますが、いかに努力をしても東京都は財源がはるかに地方の県より多いわけでございまして、そこにいかにして地方分権をしいていくかというところだろうと思います。
 そこで、野呂教授も指摘をされたように、ナショナルミニマムとしての行政そしてまた税負担、これをいかように地方財源を充実し、そしてその上に地方分権を確立していくか。これは非常に広範な、しかも深い問題でございまして、私どもも岩本委員とともに追求をしていきたい問題でございます。ぜひ今後の課題として、今地方分権議論が非常に活発に出てまいりました、例えば社会党におきましてもシャドーキャビネットでこの問題を検討していただくということで、私は今こそ時期であると思いますので、これから大いにその研究を続け、そしてまた実施に移していきたい、このように実感をしております。
#31
○岩本久人君 今、大臣が言われましたように、私も党のシャドーキャビネットの中で、今中心的に最優先テーマとしてやっているのが地方分権をいかにやるかということで、実は今国会に地方分権を進めるための決議をお願いしているところでございますが、そのことについての大臣の決意をせっかくでございますからお願いしたいと思います。
#32
○国務大臣(村田敬次郎君) 実は社会党のシャドーキャビネットの、岩本委員も今その責任者、中心になっておられるわけでありますが、そちらの方からの申し入れを承りました。そして非常に重要な内容を持っておると思います。これは政府がお受けをする部分と各党間で大いに検討を進めていただきたい部分と両方ございます。今の政治改革についても各党間で極めて真剣な議論をしていただいておることを感謝しておりますが、ぜひ各党間で御審議をいただき、国会の問題としても大きく取り上げていただきたい。
 政府としては、そういった国会の決議が出ますればもちろんこれに誠実に対応しなければならない、このように心得ております。
#33
○岩本久人君 そこで、地方分権を進めるに当たり必要なのは、言うまでもないことですが国の権限をいかに地方に移譲するかということです。
 その中身というのは、権限だけではなくて何といっても財源をいかに移譲するか、さっきの課税自主権の問題とかいろいろありましたが、そういったことだろうと思うんです。今までも、公の場で議論されてきた経過を見ると、総論賛成だけれども、いざ各論となると、いろんな省庁の縄張りの問題だとかあるいはだれかれの、本当はあってはならないことですがメンツだとかいろんなことで結果として進まない、そういうところも無理からぬということなんですが、そういったことについての大臣のひとつ決意、それについて再度伺いたいと思います。
#34
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は自治省で育った人間でございまして、したがって昭和二十数年来、シャウプ勧告以来その実務を中央でも担当いたしましたし、地方行政でも先ほど申し上げたようにいろいろ税財政の実務を担当いたしました。そして、今地方交付税は、例えばでありますが所得税、酒税、法人税の三二%をずっといただいておるわけです。そしてまた、その後さらに拡充をされましたが、どんな税財源の配分をしてみても地方の取り分が少なくなるという点が非常にこの点の大きな問題点だと思います。
 したがって、先ほど野呂教授も言っておられましたが、それならば一体何がナショナルミニマムを確保し、そして地方分権を確立する上の重要な決め手になるのか、これはまだ実は私自身が解答を得ておりません。私自身の確信を得ておりませんが、しかし長い間その勉強をしておるわけでございますから、国会においても御論議をいただき、政府においても今例えば宮澤総理は極めてこの地方分権の問題に熱心でございますので、この機会こそこれを逃さずとらえていかなければならない大切な地方自治確立の時期であると思っております。
#35
○岩本久人君 その決意をぜひとも今そこに並んでおられる皆さん方を初め省内一致のひとつ基本的方針にしてもらうようにお願いをしておきたいと思っております。
 そこで、分権を進めるに当たって考えていかなきゃならないことは権限移譲をされた側です。つまり、受け皿が一体どうなるのかということも実は無関係ではありません。地域経済の活性化を図るということも含めて、さっきも野呂教授がおっしゃっていたのは、それぞれの地域によってそのばらつきが余りにも大き過ぎるということでございますので、ふるさとづくり推進事業、これもそのために非常に重要な意味を持つんじゃないかと思うんですが、これを今後どのように発展をさせ有効に作用させるかということについてお伺いしたいと思います。
#36
○国務大臣(村田敬次郎君) 今岩本委員の御質問された点はまさにポイントでありまして、この問題を歴代内閣においても、ふるさと創生あるいは現在は第二次ふるさとおこし事業として自治省が担当しております。
 そして、私は今大臣に就任いたしましてから自治省の中にプロジェクトチームをつくりましで、こういうことについて本当に熱心に考える人たちに集まれということで、ここに自治省の政府委員その他ずっとおりますが、これはもう極めて優秀な私はスタッフだと思います。そういう人たちの衆知を募って今後その課題についての解答をできるだけ早く、そしてできるだけ着実に、効率的にやっていきたい。
 基本的には、中央政府は小さなしなやかな政府、地方政府は文字どおり身近な住民のための政府、こういう理論づけで、まさに百年河清を待つというようなことではなしに、二十一世紀に向かつてのグランドデザインとして短期間にその基本だけはまとめたいと考えております。ぜひ国会のいろいろな御指導をいただきたいと思います。
#37
○岩本久人君 具体的に固定資産税の質疑に入る前に、もう一つ全体的な問題についてお伺いしたいと思うんですが、今年度、つまり平成四年度の地方税収の見込みはどうなっているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
#38
○政府委員(滝実君) 平成四年度の地方税収の見込みいかん、こういうお尋ねでございます。
 現在段階では、まだこの一月末までの計数的なものしか私ども把握しておりませんので、二月、三月以降の確定的なことは申し上げられませんけれども、法人関係税あるいは利子割、こういうところで前年を大幅に下回る、こういう状況かと思います。その反面では、特に市町村の個人住民税あるいは固定資産税、こういうところがそれなりの伸びは確保している、こういうような状況でございます。
 したがって、トータルで申し上げれば、平成三年度の決算額は今のところ下回る、こういうような厳しい状況ではないだろうかというふうに思っておりますし、また団体によっても、法人関係税あるいは住民税の利子割のウエートが高い団体、こういうところは個別に見れば非常に落ち込んでいる、こういうような状況だと考えております。
#39
○岩本久人君 四年度の税収が三年度を下回ることは確実だ、こういうことなんですが、具体的にはどの程度下回るのか、また税目別にはどういうことになるのか、大まかにお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(滝実君) 先ほど申しましたように、確定数字で申しにくいのでございますけれども、恐らく平成三年度の決算額を約二千億ぐらい下回るのではないだろうか、トータルでございますが、そういう状況でございます。
#41
○岩本久人君 税目別にはちょっと難しいということですか。はい、わかりました。
 そうすると、大変なことだと思うんです。では平成五年度はどうかということになるんですが、五年度については地方財政計画の中にきっちり活字で打ってありますが、地財計画の中にある税収確保という問題、このことについて不安はないのかということについてお伺いをしたいと思います。
#42
○政府委員(滝実君) 平成五年度の税収見積もりでございますけれども、トータルとしましては平成四年度に比べて一・六%増の三十四兆五千億円ばかり、こういう見積もりをさせていただいております。
 この前提には、今申しましたように決算見込み等もあらかじめ前提に置いておりまして、平成五年度は平成四年度の決算見込みに比べまして下がったところから出発する、こういう前提を置いているわけでございます。中身につきましては平成四年度と同じような状況が引き続き続く、こういうことでございますので、法人関係税あるいは住民税の利子割、こういうところでは大幅な減収が引き続き続く、こういう前提をとっております。
 この結果、既に私どもも数字として発表してございますように、道府県税におきましては平成四年度対比で四・二%のこれは減収でございます。それから市町村税については六・四%の増ということで、市町村税についてはトータルとしては昨年度よりもといいますか平成四年度よりもそれなりの伸びは期待できる、こういう前提でございます。
 ただ、これも地方税は当然のことながらトータルとしての議論でございますので、個別の団体になりますとそれぞれ落ち込みの激しい団体というのがどうしてもあるわけでございます。個別的には一口で申せませんけれども、トータルとしてはそういうようなことでございますので、私どもとしては現在の政府が立てております各種の見通しあるいは景気刺激策、こういう点を配慮すれば当初に予定いたしております財政計画における税収の確保は何とかいけるんじゃなかろうか、こういうような期待を持っているわけでございます。
#43
○岩本久人君 最後の一言が気になってしょうがないんですけれどもね、期待をというところなんです。
 自治大臣に伺いますが、今の滝税務局長の話でいくと、合ってなかったら税務局長から言ってもらいたいんですが、こういうことですか。平成五年度の地方税収というのは、平成四年度決算つまり二千億円減というところをベースにして考えてみて、それをベースにして見通しは一・六%増のところで掲げている、こういうことなんですね。
 それについては、政府が今後掲げて実行していくであろう各種の景気浮揚策とか、あるいは各地方の頑張りとか経済界のさまざまな努力が功を奏して税収確保については何が何でも期待したい、こういう意味なんですが、そのことについて大臣はどのようなお考えなのか。大臣自身不安を持っておられないのか、自信満々なのか、ひとつそこのところをよろしくお願いしたいと思います。
#44
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、政府委員と岩本委員との質疑応答におきまして、平成五年度以降の見通しについて政府委員からお答えを申し上げたんですが、まさに私は景気はまだまだよくないと思います。
 ただ、月例経済報告等いろいろな参考資料を見まして考えるのは、何としてもことしの後半は陽転をさせなければならない。そのための公共投資等を各党お諮りをして今予算案等にも組んでおるところでありますから、最大の努力をして、そしてできるだけ国、地方全体について伸ばしていきたい。そして、国民生活をよくすることが国政の基本でありますから、そのことを努力したい、こう思っています。
#45
○岩本久人君 政府の施策の第一は、今までもそうであったし今後もそのようであります。大型の公共事業を三割獲得ということですが、大型の公共事業費を投入すればするほど、後からふたをあけてみたらいつものところで五割搾取されておったということのないように十分その辺は考慮して各地方団体にも言っておかなきゃいかぬと思っておりますが、どうか来年のこの時期この委員会でまた同じようなことがないように、ぜひきっちりとした計画を立てて、それぞれの地方団体の自助を前提としてもきっちり責任を持って行政が実行できるように要望しておきたいと思います。
 さてそこで、いよいよ固定資産税の問題に入りたいと思います。
 まず最初に自治省にお伺いいたしますが、土地評価の適正化についてでありますが、皆さん方が志向しておられます公的評価の適正化、均衡化方針を踏まえて今回こういったいわば画期的とも言える大改正をやられるわけでありますが、これはもう長い長い歴史があるわけで、これについて現在までの経緯を、大事なところだけは省略しないで、こういう経過でこう来た、こういう経過でこう来た、こういう改正があったということを具体的に、若干時間がかかってもいいですからお聞かせをいただきたいと思っております。
#46
○政府委員(滝実君) 経過をできるだけポイントを逃さずに説明せよ、こういう仰せでございますので、多少長くなるかも存じませんけれども申し上げたいと存じます。
 現在の固定資産税における土地の評価につきましては、長い歴史の中でポイントをさかのぼりますと、昭和三十九年の評価基準の改定と申しますか、これがいわば土地問題の一番クローズアップされた時期として浮上するわけでございます。
 要するに、高度成長ということもございますし戦後の混乱期から抜けたということもございまして、土地の実勢価格が大変上がった、こういうことが三十九年にあったわけでございますけれども、その際にこの評価基準をきちんと設定して現在の評価のもとになった、こういう時期があるわけでございます。これは最初からそういう考え方を実は持っているのでございますけれども、基本的には土地の評価というのは売買実例価格から不正常な部分を除去した正常売買価格に基づいて時価を評定する、抽象的にはこういうことになって今日に及んでいる、こういうことでございます。
 ところが、三十九年時代から四十八年当時の土地の高騰を経まして昭和六十年代の地価高騰ということで、現在この土地の実勢価格に対して固定資産税の土地の評価が大変低い、こういうことが批判されてまいったわけでございます。ちなみに申し上げますと、平成三年度の評価がえにおきましては、地価公示価格に対しまして平均しますと三六・三%、要するに全国平均の地価公示価格と申しますか各県の代表的な基準地の平均で申しますならば、地価公示価格に対して三六・三%の割合まで落ち込んでいたというのが平成三年当時における実態でございますし、また現在の状況はもう少し下がっておりまして、地価公示対比で二三・三%というところまできているというのが最近における数字でございます。
 こういうふうなことを受けまして、具体的にどういうような動きがあったかと申しますと、まず第一には、平成二年でございますけれども、これは地価公示価格の面でございますが土地鑑定委員会の答申が平成二年の十月二十六日に出されておりまして、ここにおきまして地価公示価格の鑑定に関連いたしました不動産鑑定評価基準というものが出されているわけでございますけれども、ここでは二つのことを提案いたしております。
 一つは、地価公示価格は、もともと取引事例の指標になるようにと、実際の土地取引に当たっての一つの参考資料というか目安になるようにという制度で出発いたしておるわけでございますけれども、この新しい鑑定評価基準に従いますと、取引事例の収集に当たっては当機的事例を徹底的に排除すべきことというのが第一点でございます。
 二点目は、その際に収益還元法を積極的に活用してその売買実例が正常なものかどうかの検証を行え、こういうような二つのことをこの土地鑑定委員会の答申では述べておりまして、私どもとしてはこの階段で地価公示価格の鑑定評価の方法も相当な見直しが出てくる、こういうように認識をいたしておるわけでございます。
 このような地価公示制度の側の手直しと申しますか見直しということも片やございますし、またこういうような動きを踏まえて、平成三年度以降のことについて申し上げますならば、平成三年度の税制改正に関する答申が平成二年の十二月十九日に政府税制調査会の答申という格好で出されておりますし、またこういった一連のことを背景にしながら、政府としましても総合土地政策推進要綱というものを平成三年の一月二十五日に閣議決定いたしてまいったわけでございます。
 その中で固定資産税についても触れておりますが、どういうことを触れておりますかと申しますと、固定資産税については平成六年度以降の評価がえにおいて速やかに地価公示価格の一定割合を目標にその均衡化、適正化を推進する、こういうことが平成三年の一月に総合土地政策推進要綱という格好で日の目を見たわけでございます。
 これを受けまして、その後の当地方行政委員会におきましても、平成三年三月のこの委員会におきましてはこの問題について各種の議論がございました。
 その中で私どもが申し上げましたのは、当然のことながら、この固定資産の評価については公示価格の一定割合をということを申し上げましたし、具体的な数値については公示価格の七割という線もあると。これについてはさらに検証する必要がありますけれども七割というのも一つの考え方としてあるということを申し上げてまいったわけでございますが、この平成三年三月の当委員会におきましては、結論的に、地方税法の法案の審議に際しまして固定資産の評価の適正化に関する決議、これは法律の附帯決議ということじゃなくて特別決議ということで当委員会としても評価の適正化の推進ということについてお示しをいただいたところでございます。
 こういうような一連のことを受けまして、その後平成三年の十一月に、中央固定資産評価審議会におきまして固定資産の評価の基準についての基本方針が了承をされたわけでございます。その中でどういうことを申しているかと申しますと、これは平成三年の十一月十四日でございますけれども、土地評価の均衡化、適正化につきまして二つのことをここで言っております。
 一つは、地価公示価格の一定割合を目標に評価の均衡化、適正化を図るということでございますけれども、それに続けまして、一定割合の具体的数値につきましては、固定資産税の性格と地価公示制度の趣旨との差異、それに昭和五十年代の地価安定期における地価公示価格に対する固定資産税評価の割合等から七割程度とするというのが第一点でございますし、この七割程度とすることについては依命通達等の改正によって明示する、こういうことが中心となっております基本方針をこの中央固定資産評価審議会で了承をしていただいたところでございます。
 今回の改正は、こういうような事柄を背景にして、それに伴う負担調整措置ということでこの法案改正をお願いしているところでございます。
 以上でございます。
#47
○岩本久人君 るる御説明をいただいたわけでありますが、一言でいえば、自治省としては課税の基本を従来の収益課税という観点から財産課税という方へさまざまな答申もあって若干姿勢を変えたというふうに受け取っていいんですか。
#48
○政府委員(滝実君) この従来の流れから申しますと、例えば昭和五十年代の地価が安定していた時代に地価公示価格との対比で固定資産の評価が平均すると七割近くまであった、こういうことを私どもは申し上げているわけでございますけれども、その際の状況を見ますと、例えば一番公示価格に接近している箇所は当時でも九割を超えている。固定資産、公示価格の対比で九割まで接近しているというポイントもございますし、その時代でも逆に三割台にとどまっているというポイントもございます。
 しかし、昭和五十六年の数字で言いますと、そういうような大きな振幅というか揺れはあるのでございますけれども、中どころを見てまいりますと、当時平均が六七・四だったと思いますが大体六割から七割に近いところ、そういうようなところにポイントがおさまっている。こういうようなことでございますので、今回の評価の考え方というのが収益的なところから財産的なところにウエートを変えたのかと、こういうことでございますと、必ずしも私どもはそういうことではないというふうに考えております。
 ただ、そうは申しましても、従来そういう公示価格というようなある意味でのよりどころとなるような物差しがなかったということもございまして、地域的なばらつきということは確かにあったわけでございますので、そういうようなばらつきは今回できるだけなくそうと。こういうようなことも含めてのことでございますので、評価の性格がこれによって従来から変わったということじゃなくて、むしろある意味では、従来以上にあるべき姿に戻そうというふうなことも一つの考え方としてはあるんじゃなかろうかと思います。
#49
○岩本久人君 実はまだあと四十ぐらい質問があるんですが、時間がなくてああしまったということになってはいけませんのでここで一つ入れたいと思うんですが、さっきの参考人の野呂先生の意見の中であっと思うようなことが二、三ありましたから、そのことについて、もちろん通告はしておりませんが聞いておられたわけですから、意見を聞きたいと思います。
 まず、滝税務局長さんにお伺いいたしますが、先生の言葉の中に収益的財産税と、こういう言い方を僕は初めて聞いたんですが、そういう考え方についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#50
○政府委員(滝実君) これは野呂先生もおっしゃっていましたけれども、学問的な性格づけとしては収益的な課税でありますとか財産課税でありますとかということが言われているわけでございますが、それは先生は収益的財産課税という両方の意味を持っているんだと、こういうことでございますので、私どもも基本的にはそういうような考え方がこの固定資産の評価にはあるというふうに理解をいたしております。
 少し長くなりますけれども、もともとシャウプ博士が指摘したときには、この固定資産税の基準は賃料、家賃ではいけませんよと。家賃というとそのものずばり収益課税という要素が強くなってくるのでございますけれども、シャウプ博士は、これは家賃ではありません、要するに資産価格ということにしなさいよということを念を押して強調されてきたわけでございます。
 そういう意味では財産税的な性格が初めから強いわけでございますけれども、しかしその中でも、基本的には物の考え方として要するに投機的な要素はその中から差っ引くとかそういうような感覚を中に取り込みながら評価をしてまいりましたものですから、土地の保有、長期的な使用、そういうものを前提とする税という意味においては収益的な性格の要素もあるというような、実際問題としてはそういうような取り扱いも織り込まれてきたはずでございますから、そういう意味では、野呂先生の御意見は固定資産税の評価としては私どもも学問的にはそういうものかなというような理解をさせていただきました。
#51
○岩本久人君 それから個別の問題ですが、宅地をもっと詳細に用途別に分類して課税すべきではないのかと。具体的には、事業用と非事業用、住宅用と非住宅用、工業用と非工業用といったことを言っておられるわけですね、聞いたと思うんですが、そのことについてどう思われますか。
#52
○政府委員(小川徳洽君) 先ほどの野呂先生からのお話でございますが、現在の私どもの固定資産税における土地の評価は、考え方といたしまして、それぞれの状況が類似した地域を一つのブロックにいたしまして、そういうところの中心的な部分についてこれを標準地と称しておりまして、全国四十万地点の基準地、標準地と申しておりますが、そういうブロック、かたまりが四十万ばかりある、こういうことでございます。したがいまして、適正な状況類似地区の選定を行っていくそういう中で、先ほど御指摘をいただきましたようなそういう全体的な都市計画区域ごとの分類というのはある程度勘案をされているということになるわけでございます。
 個々の用地につきまして例えば事業用地ですとか居住用の土地とか、こういうことにつきましては、先ほど先生のお話にもありましたように、当然そういう一般的な都市計画における地域地区の評価のものとまた別の次元のお話として現在取り扱っているというのが実情でございます。
#53
○岩本久人君 どうもはっきりわからんかったんですが、さっき済みません、私が第三番目を誤りましたが、三番目は高度利用土地か非高度利用土地かということで分けるべきだという意見ですが、それなりにもう現在そうなっている、こういうことですか。
#54
○政府委員(小川徳洽君) 現在の都市計画法におきまして、それぞれ用途地区が指定をされております。その用途地区の指定が先ほど野呂先生のお話にもありましたように日本の場合はそれほどきついものではないということから幅がございます。しかし、そういう点はございますが、ここは例えばそういう高度利用地区であるというような指定がなされておりますと、そのことは評価の段階で当然考慮されております。
#55
○岩本久人君 かなり厳しくなされているから大体なっていると、こういうことを言ったわけですか。
#56
○委員長(佐藤三吾君) 小川審議官、明確に言ってください。
#57
○政府委員(小川徳洽君) はい。
 現在、用途地区として指定をされておりますものについて、それは評価をされておりますが、その評価をするに当たりまして、現在の都市計画におけるそれぞれの用途地区の指定というのはその中で許される幅が大きいものですから、そういう意味では配慮はしておりますが、結果的に、当然傾向としては、そういう配慮はされておりますけれども、具体的、個別的な高度利用の中身まで見ているものとは違っております、こういう趣旨で申し上げております。
#58
○岩本久人君 それでは提案として、もっと詳細に分類してやるべきだという意見についてはどう思いますか。
#59
○政府委員(小川徳洽君) 評価全体の問題にかかわることでございますので今直ちにということにはならないと思いますが、私先ほどから何度か申し上げておりますように、日本の都市計画におけるそれぞれの用途地区の許容の範囲というものが非常に広いということを前提にいたしますと、これ以上やっていくことが可能かどうかということについて若干疑問を持っております。
#60
○岩本久人君 いずれにしても、提案をしておきますから検討の中には入れておいてもらいたいと思います。
 それでは次に行きますが、野呂先生が言っておられました負担調整措置の中身が、時間がかかりますから言いますが、例えば評価の上昇率の高い宅地に係る暫定的な課税標準の特例措置の導入、三年間に限ってということで、評価の上昇率の高い土地、上昇率が一・八倍を超え四倍以下のものについては、現行は特例措置はないけれどもこれを四分の三にするというように、これこれについては何分の何ぼ、何分の何ぼというものがいろいろ書いてあるけれども、これの根拠が明確でないということを言っておられまして、とにかく最初に激変緩和ありきといったようなこと、あるいは政治的な判断とかそういうことに重きを置いて決められておるのではないかといったような趣旨ではなかったかと私聞いたんですが、そのことについてどのようにお答えをされるでありましょうか。
#61
○政府委員(小川徳洽君) 今回負担調整措置を考えるに当たりまして、私どもとしてよりどころにすべきものというのは、やはり先ほど来の野呂先生のお話にもありましたように、固定資産税というものは市町村の最も基幹的な税目である、非常に大切な税であるというようなことを念頭に置きますと、やはり従来納税者の方々に負担をお願いしてきたそういう経緯というものをベースに置かなければいけないだろうというようなことから、過去における負担調整措置等においてどういうふうに負担を納税者の方々にお願いしてきたのか、そこら辺を念頭に置いてやってきたところでございます。
 その意味では一面野呂先生の御指摘のような面もございますが、私どもといたしましては、一方で市町村の基幹的税目である固定資産税というものはそれなりに市町村の財政規模の伸びなども念頭に置かなければなりませんし、また御負担をいただく納税者側の所得全体の問題とかそういうようなことも頭に置きながら、一番中心は従来御負担をお願いしできたその実績といいましょうか、そういうようなものを念頭に置いて考えたものでございます。
#62
○岩本久人君 自治大臣は十二時から何か用があるということですから、最大限配慮して、大臣にあと二問お聞きして、どうぞ御退席ください。
 一つは、さっき私が野呂先生の意見を問いでまとめたら、先生もそのとおりだと言われた例のことです。要するに、固定資産税という税金の性格からして固定資産を持たない者は払わなくていいわけですから、しかしそういう階層がふえてくるということもある程度これはいたし方ない、固定資産を持とうと思っても持てないという基本的な環境の問題もありますし、いろんなこともありますから。しかし、そういうような流れになりつつあるということはやっぱりある程度認めていかなければならない。
 そこに座っておられる方にもそういう方がたくさんおられるんじゃないかと思うんですよ、一生懸命固定資産をやりながら自分は納めたことはないと。まあ納めてもわずかだというような方がたくさんおられると思うんですが、そういったように税金を納めてなくてもサービスの方は公平に受けたい、権利として受けたいということです。
 そういうことを考えてみた場合に、私たち今まで何十年来固定資産税というのは各市町村にとって基幹税だから今後もっと強化をして上げるようにということも言ってきたわけですが、今の意見を聞いてみると、なるほどそういう見方もあるなというふうに思ったわけですね。だからそこの市町村の、単独自治体におけるウエートが高くなることだけに奔走してはいけないのではないかという議論をしたわけですが、そういったことについて自治大臣は、政治家として、担当大臣としてどういうお考えをお持ちですか、今のお話で。
#63
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に重要な問題点だと思います。
 先ほど来の教授とそれから岩本委員の質疑応答で示されましたように、まさにシャウプ勧告によって固定資産税になる前も、明治以来から地租、家屋税というのは市町村の税金であったわけです。したがって、市町村の固定的な財源という考え方は終始一貫しておるわけですが、最近は地価税というような国税も一部導入をされました。
 しかし、例えば固定資産税を納めでおられない住民の方はそういう行政のサービスを得るということについてどうなのかということでございますが、これは私は、市町村はまさにナショナルミニマムをしっかりと確保する基礎的な行政主体でありますから、当然固定資産税を納めていなくても市町村のサービスを受ける人間的な権利がある、こういうふうに思っております。
#64
○岩本久人君 僕が言うのは、受けてはいけないかどうかということではなくて、固定資産税のみに頼ってばかりいてはだめだよというふうに、やっぱりある程度地方税源を今後強化していく上では考える必要がないかということについてはどう思われますかということです。
#65
○政府委員(滝実君) 先ほどの野呂先生の考え方についてちょっとコメントさせていただきたいと思うのでございますけれども、要するに、野呂先生のおっしゃる一つの考え方の中には、固定資産税というのは市町村の基幹的な税でかつては三分の一ところか四割五割までいった時代もある、ところが最近はそれが平均すると下がってきている、こういうことの一つの見方としておっしゃったところがあると思うんですね。
 それを称して学会の中では、固定資産税というのは非常に将来性のない税だから、いつまでも基幹的な税だと言っていると市町村の税源賦与としては手おくれになるんじゃないだろうか、こういうような意見が片やあるわけでございます。そういうことに対して、いやそうじゃないと。やはり固定資産税というのは、それは将来とも基幹的な税として考えていかなきゃいかぬということが私は野呂先生の発言の中にあったと思うんです。
 そういう中で見でみますと、こういうことだと思いますが、野呂先生も学会やいろんな論文の中でおっしゃっていると思いますけれども、人口密度の高いところは固定資産の個人当たりの負担額が下がってくる。これは当然ですね。要するに、土地とか建物というのはみんな共有した中で住んでいるということが多くなりますから、人口密度の高いところでは固定資産のウエートが下がってくる。そのかわり、そういうところでは住民税がふえてくる。ところが、人口密度が従来のところは相変わらず固定資産税というのは基幹的な税目であり続ける、こういうような趣旨のことを踏まえての先生の御発言だったと思います。
 私どもも、都市のそういう固定資産の意味づけと申しますかウエートの違いというのは、先生のおっしゃるように、今後の都市の税源を考える場合十分にこれは思いをいたさなきゃならぬ、こういうようなふうに受け取らさせていただいたわけでございます。
#66
○岩本久人君 それでは、大臣に最後に一問。
 前回の評価がえのときには、評価がえで増収になるというのが前提にあったからではありますが住民税は減税できると考えたんですが、今回はその考えはないんですか、あるんですか。
#67
○国務大臣(村田敬次郎君) 住民税は地方の非常に重要な財源でありまして、現在地方財政が非常に困窮をしておるのは委員御承知のとおりでございます。したがって、現在の段階において住民税を減税することは財政的に不可能ではないか、こういうふうに考えております。
#68
○岩本久人君 そういう要望もあることをお含みの上、今後ひとつ健康に留意して頑張ってもらいたいと思いますということを申し上げて、大臣は結構でございます。
 それでは、先ほど来の議論に返らせていただきます。
 次は相続税の評価との差の問題です。固定資産税の場合は七割ということをやっておりますが、相続税の場合は八割に引き上げるというふうにしているわけですね。この公的評価の一元化というものをなぜやるか、やらなきゃならないのかということを考えてみた場合に、この一割の差というのはどういうふうに受けとめてよいのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#69
○政府委員(小川徳洽君) 今、先生から御指摘がございましたように、相続税におきましては八割程度、それから固定資産税におきましては七割程度、それぞれ地価公示価格を軸にいたしまして評価の均衡化、適正化を図ると。
 これは御存じのとおり、土地基本法の十六条の規定に基づきましてこういう方向でいっているわけでございますが、それぞれ相続税、固定資産税というのは税の性格が違うものでございます。特に固定資産税におきましては保有の継続を前提に毎年御負担をいただく税である。それから、相続税といいますとやはり相続の際にお支払いをいただく税である。こういうようなこと等を総合的に考えてこのような差がついている、こういうふうに考えているところでございます。
#70
○岩本久人君 七割の問題ですが、野呂先生は総合的に判断してみてまあ妥当な線かなというような意味ではなかったかと思うんです。七割という数字が出たのは財団法人資産評価システム研究センターから出てきたというふうに聞くんですが、なぜ七割となったのか改めてお伺いしたいと思います。
 それから、この財団法人資産評価システム研究センターというものはどういう組織で、そしてこの中ではどういう審議がされてこうなったのか。今、急に言う話ですからわかるだけ答えてもらって、後から補足してもらってもいいですから、よろしくお願いいたしたいと思います。
#71
○政府委員(滝実君) 七割の根拠は、これは当委員会におきましても申し上げてまいったわけでございますけれども、やはりこの公示価格と固定資産の評価とが接近していた時期、その平均的なところが六七・四%まで接近したのが昭和五十六年の時点でございますけれども、その時代に平均すると六七・四ということで接近をしておった。こういうことをとらえて、そういうことを踏まえれば七割が適当じゃないかというのがその基本的な物の考え方でございます。
 そのときには、確かに先ほども申しましたように、一番接近したポイントは九〇%を超えるところもございましたし三割台にとどまったポイントもあるわけでございますけれども、全体とすれば六割から七割、七割を超えるポイントが四十そのうち十七もあった。こういうような時代があったわけでございますので、七割ぐらいであれば上から見でも下から見ても接近しやすい数字じゃなかろうか、こういうふうな判断でございます。
 こういう判断を最終的に固めましたのが、今先生の御指摘にございましたように、資産評価システム研究センターの研究レポートというのがあるわけでございまして、その中でそういう公示価格との比較方法あるいは収益還元価格と申しますか家賃等をもとにした百四十一ポイントを引き出しての鑑定評価、そういうようなものも片や参考にしつつ、このセンターの報告ではそういうような報告をいただいたというのがいわば七割を採用するに当たっての一つの検証として判断のもとになったリポートでございます。
 それから、二点目にお尋ねのございました資産評価システム研究センターでございますけれども、これは昭和五十三年に設立をされました団体でございまして、地方団体からの会費あるいはその他の団体からの運営費助成、こういうことをもとにして設立されておりまして、年間事業費は約三億円余りでございます。事業の中身は、資産の状況に関する調査研究、あるいは資産の評価の方法に関する制度の研究、あるいは資料の調査、情報の収集、あるいは研究講習会の開催、こういうようなことが事業の主たる中身でございます。
 それから、順序は逆になりますけれども、平成三年度の土地研究委員会のメンバーは、学問的に固定資産等について造詣の深い各大学の先生方あるいは現実に評価を担当されております民間の方々あるいは地方の税務当局でこの問題に明るい方々を委員として編成して行ったものでございます。
#72
○岩本久人君 前段の問題の七割ということについてでありますが、対公示価格が一番高いときに七割に近づいたということが根拠のようでありますが、私の調査では、五十四年度のときにいえば六〇・四%、五十六年が六七・四%ということですね。六割から七割だから七割と言われるけれども、実際皆さんどの程度固定資産税を払っているのか後から調べてみたいと思いますが、払う側からいくと六割で決めるのと七割で決めるのとでは大変な差なんですね。六割と七割で一割違うということは大変な差ですよ、これは。だからその意味からいくと、今、滝さんが言われたような答弁で納得ということにはいかない。
 それで、この七という数字を出した一番の責任者は、今言いましたように財団法人資産評価システム研究センターということめようですが、その組織は一体どういうものなのかということを聞きましたら、年間予算が三億程度だと言われたもので、全国にこれだけ重大な影響を及ぼす判断をするところにしてはえらい予算が少ないということを思ったんです。現在のこの研究センターの組織の長はだれで、その人は今まで何をしていたのか、それをちょっと聞きたいと思います。
#73
○政府委員(滝実君) お尋ねの中で一つつけ加えて最初に申し上げますと、この七割という結論を出したリポート、これはそのセンターの中に土地研究委員会という組織をつくりまして、そこにただいま申しましたように学界の専門家あるいは不動産関係の実務に精通する人それから税務当局、こういう方々に集まってもらって組織的にこの委員会を結成して研究していただいたということでございます。
 それから、今お尋ねの組織の長でございますけれども、現在は、もとの衆議院の地方行政調査室長さんがおやめになった後この資産評価研究センターの理事長という格好で御就任をいただいている状況でございます。
#74
○岩本久人君 中心的に検討された人、どういう方が委員におられるかということと、それからさっき言った審議内容についても、後からでいいですから。今わかりますか。
#75
○政府委員(滝実君) 後から資料を届けさせていただきます。
#76
○岩本久人君 はい、そういうことにしましょう。
 それでは次に進めますが、評価がえの進捗状況についてちょっと聞いてみたいと思います。
 現在、公示地点一万五千ぐらいあるそうですが、そういったことを含めてそれぞれの市町村やっておられると思うんですが、現在どの程度進んでいるのか、お尋ねいたします。
#77
○政府委員(小川徳洽君)  市町村におきましては、平成四年の七月一日を価格調査の基準日といたしまして、基準地を含む全標準宅地、先ほどもちょっと申し上げましたが約四十万地点になりますけれども、これらにつきまして不動産鑑定士等に鑑定評価を委託するなど具体的な評価の作業を進めてきたところでございます。
 今後のスケジュールでございますが、最近の大都市を中心といたしました地価の下落傾向にかんがみまして、平成五年一月一日時点の地価動向を反映した価格の修正、基準地価格の調整、路線価の付設、名筆の評点数の算出等の作業を進めていくことになっておるわけでございます。
 また、固定資産税評価に活用をいたしますために、現在行われている鑑定評価は不動産鑑定評価基準等に定める要件を具備する鑑定評価書で正規の鑑定評価をお願いいたしているところでございます。
#78
○岩本久人君 これまでの固定資産税に対する住民からの苦情の一つに、住む自治体によって均衡がとれていないではないか、隣の町にいたときもこっちに来たときも同じような資産しかないのに、えらいこちらへ来たら高いんじゃないか、こういうふうな話がかなりあります。
 それで、そういったことについてはどのように対応をされていくのか、そういったことのために土地評価協議会等を設置したというようなことを聞くんですが、こういったようなものが全国の必要なところに全部あるのかどうか、それでその中ではどういう議論がなされているのか、お伺いをしたいと思います。
#79
○政府委員(小川徳洽君) ただいま御指摘をいただきましたその問題、まさに評価の均衡化というものが今回非常に大切なものであろうというふうに考えておるところでございます。したがいまして、鑑定評価価格の活用をするに当たりましてもその均衡を図っていかなければなりませんので、情報交換等必要な調整を行うための協議機関として、都道府県、市町村及び不動産鑑定士等関係者による先ほど御指摘のございました土地評価協議会を全国単位のものと都道府県単位のものとそれぞれ設置する旨、固定資産評価基準の取り扱いについての依命通達の改正によって明らかにいたしまして評価の均衡化と適正化に資する、こういうことにしたものでございます。
 この協議機関として、各都道府県単位に設置する趣旨、協議事項、構成員等の留意事項につきましては、局長通達をもちまして各都道府県に示したところでございますし、土地評価協議会規約につきましては準則でお示しをさせていただいており、既に中央、全都道府県でそれぞれ設置が済んでおるところでございます。
 なお、協議の中身でございますが、これはそれぞれの都道府県の分についてだけ申し上げますと、都道府県内の各市町村間の調整を中心といたしまして評価の均衡化を図るということのための情報交換が一番主なものでございます。
#80
○岩本久人君 今言われた鑑定評価でありますが、これが大変重要な意味を持つということでありますから、そこらは当然客観性とか信頼性が担保されるということはもう大前提に位置づけられなければならないと思います。こういうことについてはどのように対応しておるのか、お伺いいたします。
#81
○政府委員(小川徳洽君) 評価が客観性を持つということについては、御指摘のとおり大変重要なことでございます。したがいまして、先ほどお答えを申し上げましたように、正規の不動産鑑定評価基準に基づく正規の鑑定評価、これをお願いする、こういうことでやっておるところでございます。
 なお、それらにつきましては、内容について通達等を出して具体的に今申し上げましたような点等を各地方団体に通知をさせていただいている、こういうところでございます。
#82
○岩本久人君 さっき野呂先生も言われたんですが、こういう急にぐんと上がってまた最近は急激に下落するというようなこういう時期、いわゆる不安定時期にあるときの実態を押さえてということはいかがなものか。そのことから言えば、どうせやらなければならないということの中でより正解なのは、賦課する時期に押さえる時期というのはより近い時期というのが一番正解だということはだれが考えてもわかると思うんですが、その意味からは、来年の一月一日ということですから、いかに近づける努力をするかという点についてはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#83
○政府委員(小川徳洽君) 先生御指摘のように、賦課期日にできるだけ近いということが最も好ましいということは、そのとおりだと思っております。
 しかしながら、現在まで私どもがやっておりましたのは、賦課期日の一年半前、これは現在もそうでございますが、今回で言えば去年の七月一日、これを基準日として作業を進めてきております。
 実は全国の土地が一億六千万筆を超えるほどございます。それだけの土地につきまして、これは市町村、課税庁の側がすべて評価をしなければならないという点がございます。それから、宅地等に限って申し上げましても、基準地、標準地は四十万地点でございますが、それにぶら下がるといいますか、それにつながる先ほどちょっとパッケージみたいなお話の仕方をさせていただきましたけれども、そういうグループにある土地すべて一つ一つに価格を付していかなければならない。これが宅地等だけで六千五百万筆ございます。これだけの土地についてやるというのは四十万地点の鑑定評価だけでは済まない、その後膨大な作業が続いてまいります。
 したがいまして、昨年の七月一日の基準日に四十万地点について鑑定をかけていたから今回やっとできる話でございまして、この一月一日というのは今私どもが市町村の事務作業から考えますとぎりぎりの限界ではないか、こういうふうに考えております。
#84
○岩本久人君 私もかつて第一線の現場におったからその辺は理解をすることはできますが、要望は要望としておきたいと思います。
 ことしの一月一日ということについて、ある程度またやりかえられるわけだから、その点の費用はきっちりいいぐあいに対応されておりますか。
#85
○政府委員(小川徳洽君) 先生御指摘のように、当然経費がかかってまいります。したがいまして、この修正に要する費用につきましては平成五年度においては特別交付税による財源措置を行う予定でおるところでございます。
#86
○岩本久人君 それで、去年の七月一日というのをベースにしてことしの一月一日で見直しを若干かけるということですね。それは全体的な流れでいけば下がるというのを前提にしておるんですが、逆に上がるところも出ると思うんですね。そのことについてはどのような対応をしておられるのか、お願いします。
#87
○政府委員(小川徳洽君) 今回、ことしの一月一日時点での価格を反映するということにいたしておりますのは、先生も御指摘のように、最近の地価の下落傾向を見でとらせていただいた措置でございます。したがいまして、あくまでも基準日は変更いたしておらない。基準日は昨年の七月一日でございまして、それを基準日として地価の下落動向にかんがみて今回ことしの一月一日の地価動向を反映する、こういうふうにさせていただいておるものでございます。
 したがいまして、地価の下落傾向にあるところについて対応をしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#88
○岩本久人君 また勉強するにして、国土庁、来ておりますか。
 今の地価が下落するという問題について、二十六日に発表されましたが、最近における地価の動向をどのように把握しておられますのか、具体的にお願いをいたします。
#89
○説明員(藤田博隆君) 平成五年の地価公示につきまして、三月二十六日に公表をさせていただいたわけでございます。
 平成五年の地価公示に基づきまして平成四年一年間の全国の地価の状況をまず概観させていただきますと、大都市圏におきます地価は顕著な下落を示しております用地方圏におきましても総じて横ばいまたは下落という状況になってございます。
 平成四年と平成五年の間、一年間の変動率でございますが、幾つか具体的に申し上げさせていただきますと、まず住宅地でございますが、全国平均で八・七%の下落になってございます。この内訳でございますが、東京圏、大阪圏、名古屋圏の三大圏におきましては一四・五%の下落、地方圏におきましては一・七%の下落となってございます。
 また商業地でございますが、全国平均で一一・四%の下落でございます。この商業地の内訳でございますが、三大圏の商業地につきましては一九・二%の下落、それから地方圏におきましては五・六%の下落という状況になってございます。
#90
○岩本久人君 前回の評価がえといいますか、それは平成三年度なんですが、三年度に比べてどの程度の推移になっているのか、わかればお願いしたいと思います。
#91
○政府委員(小川徳洽君) 平成六年度の評価がえにつきましては、平成四年七月一日を価格調査基準日として先ほど申し上げたように進めております。それを五年の一月一日時点の修正をしていくわけでございます。
 前回のときと比較をいたしまして、現時点では正確な評価の上昇割合を推計することはできませんが、平成四年の地価公示価格のデータをもとにして各都道府県庁所在地の基準宅地に係る固定資産の平成三年度の固定資産税の路線価の地価公示最高価格地点に対する割合、これを見ますと、全国平均で二三・三%となっております。
 これをもとに推計をいたしますと、大都市圏では回ないし五倍程度、地方では約二、三倍、平均すれば三倍程度という評価額の上昇になろうかというふうに考えられますけれども、今御説明のありましたような平成五年の地価公示価格、これが大分下がってきているということからいいますと、今申し上げました割合は下方修正をすることになるというふうに考えられます。
#92
○岩本久人君 国土庁の方、よろしゅうございます。ありがとうございました。
 それでは、具体的に負担調整の問題に入りたいと思います。
 今回の負担調整措置はさまざまなことが予定をされておるわけでありますが、これが実施された結果、どの程度抑制をすることができるのかということが一つ。それと、先ほど来言っておりますように、大都市圏の問題もありますが、地方においては反対の問題が出てくる、心配な問題が。そういったことについては、私が言うところの心配な問題というのはあるのかないのかということも含めて、どう対応されるのかについて、具体的にお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(滝実君) 今回の負担調整措置につきましては、これは要するに総合的な観点から調整措置を講じるということで、土地、それから土地だけでも不十分な点もございますので家屋についても減価措置を講じる、こういうことで土地と家屋とを一体として調整するというのが一点でございます。
 それから二点目は、固定資産税のみならず、都市計画税においてもその辺の配慮をさせていただく、こういうことでございますので、仮にただいま審議官から申し上げておりますように、全国平均三倍ぐらいの評価額の上昇ということを前提にいたしまして家屋のある住宅用地、普通の地域でございますとパーセンテージにして大体一、二%ぐらいの固定資産税の上昇かな、こういう感じだろうと思います。
 そこで、二点目に先生から御疑念が指摘されておりますけれども、要するに上昇割合の低いところ、あるいは現在でも公示価格にかなり接近した評価が行われている地域、こういうところは減収になるのではないか、こういうふうなことでございますけれども、これは基本的にはあり得る話ということにならざるを得ないと思います。
 特に今回の土地の評価額の値上がりが緩やかな地域、固定資産税の中でのバランスを考えますと、これはどちらかというと土地の説よりも家屋の税の方にウエートが高い団体が市町村によってあるものですから、そういうところも一律に家屋の調整措置が働いでまいりますと土地の値上がり以上に家屋の軽減額の方が大きくなるという地域がありますから、土地の地価の上昇程度の低いところ、あるいは今申しましたようにもともと公示価格に接近しているというようなところ、こういうところでは当然そういう問題は出てくるわけです。
 その数でございますけれども、数を私ども細かに算定することができないものですから今の段階では何とも申しようがありませんけれども、それほど大きな団体ではない、数からすればそれはそう多くはない、こういうふうに私どもは想定をいたしております。
#94
○岩本久人君 評価がえの結果、固定資産税が下がるというところはそう多くはないと思うけれども基本的にはあり得る話だというそのあり得るところの部分について、できたら自治大臣にきょう聞きたいと思ったんですが、あり得るところはどういう状況になるかというと、そうでなくても忙しいのに莫大なお金と労力を使って一生懸命汗水垂らしてやったと。その結果、今後入ってくる固定資産税の税収が減るということでは、現実に対応した者は納得できない話だと思うんですね。
 そういったことについてはどのような気持ちでおられるのか、今後そういったことについてはどう対応されるのか、この際聞いておきたいと思います。
#95
○政府委員(滝実君) 先生のおっしゃる趣旨は、私どももそういうことはやはり心配をしなければならない問題だろうと思っております。
 ただ、固定資産の性格からいたしますと、やはりそのときそのときの時価を正確に押さえておく必要ある。評価額はやはりきちんとしておく必要ある。こういうことは過去の固定資産の歴史の中でも私どもはこう見ているわけでございますので、その点作業としては今おっしゃるような格好でむしろ固定資産税が減収になるようなところも今回の作業をやっていただくわけでございますから、あるいは空振りのというか非常にロスの多い作業だということにはなるのでございますけれども、やはりこれは全国的にこういう作業をやっていただきませんと固定資産のいわば存続にかかわる問題だというふうに大げさに言えばそういうことになりますものですから、この辺のところは手を抜かずにお願いをいたしたいという気持ちでございます。
 ただ、当然のことながら、そういった減収の問題が出てまいりますと、これは地方財政全体の中でこの措置は講じていく、こういうことは片や考えてまいる問題でございますので、その辺のところで御了解をいただきたい問題だというふうに考えているわけでございます。
#96
○岩本久人君 税の均衡化、公平化のためには私もやむを得ないものかと思わないではありませんが、そこのところの気持ちを今後交付税等で財政措置するときには配慮をしていってもらいたい、このように思っております。
 次に、負担調整の方法として、例えば税率でということは考えられないものだろうか。それと、例えば都市計画税なんかは目的税ですから、税率の変更等含めてそういったものは地方自治体に裁量を委ねたらどうかという意見もありますが、そのことも含めてお伺いをしたいと思います。
#97
○政府委員(滝実君) 税率につきましては、当然、今回の調整措置のみならず毎回の調整措置を講ずる場合でも税率の見直しの点は基本的な問題として当然イの一番に検討しなければならない問題でございますけれども、これで調整措置を講じようと思いますと、ただいま問題になっておりますような土地の価格の値上がりの低いところ、そういうようなところがもろに減収をするというような影響が出てまいります。したがって、そういう意味では税率の変更はなかなかできかねる問題だということがございます。
 余計なことでございますけれども、歴史をたどりますと固定資産税の創設期には一遍か二遍この税率をいじったことがございます。それはこういうような評価の問題じゃなくてさわったわけでございますけれども、評価に関連してこの税率にさわるということは以後の評価がえに当たってはそういう意味で技術的に難しい、こういうふうなことでまいってきておるわけでございます。
 それから、都市計画税でございますけれども、これはおっしゃるように現在の都市計画税そのものが固定資産税と行き方を異にいたしておりまして、都市計画税は制限税率という格好で法的に設定をいたしておりますので、この制限税率をその地域の都市計画事業の実態に合わせて増減させる、増減させるというか下げるということは制度上としてはあり得るわけでございますけれども、この辺のところは要するにその団体における財政需要、都市計画事業の規模、そういうところによって御判断をいただく、こういうことに建前としてはなろうかと存じます。
#98
○岩本久人君 個別の問題ですが、今回の措置の中に事業所用地については税額が損金に算入されるといったようなことがあります。これは少し税全体から考えてみてやり過ぎではないのかという意見、それから、今回のこの措置は三年間ということですが、では平成九年度以降はどうなるのか、あわせてお伺いをいたします。
#99
○政府委員(小川徳洽君) まず、住宅用地と事業用地の問題でございまして、事業用地については調整し過ぎではないか、こういう御趣旨だったのかと存じますが、今回の負担調整措置といいましても、種々の措置を組み合わさせていただいております。
 したがいまして、住宅用地につきましては、これは恒久的な措置ではございますが、一般住宅用地及び小規模住宅用地それぞれ別に特例率を拡充する、こういう措置を別途講じさせていただいております。したがいまして、よりなだらかな負担調整ということで、法律上表に出てくるものと実態はもう一ランク違った形になっているということから、そういう住宅用地と非住宅用地については十分配慮をしていたつもりでございます。
 それから、三年間の措置ということで平成九年度以降はどうなるかというお尋ねでございますが、これも従来と同様でございまして、先ほど申し上げました住宅用地関係の恒久措置を除きましてはすべて平成六年から始まる三年間の暫定措置でございます。
 したがいまして、それらのものについては九年度以降はその時点における土地の地価の動向、すなわち評価がそれによって出てくるわけでございますが、その評価の状況等を見た上で改めてすべて検討される、こういうことになるところでございます。
#100
○岩本久人君 トータルの問題として、今回このような改正作業が行われているということ、それから、国会で今集中的にこういう審議を行っているということを知っておられる国民の数は極めて少ないと思います。しかし、関心を持っておられる学者の先生とか関係地方自治団体の中にはさまざまな意見がたくさんあります。それから、それぞれの政党その他でもさまざまな評価がなされております。
 実は、私たちも最終的にはこの法案については全力で反対ということではなくて、今後のいろんなことから考えてみるとやむを得ないかなという、立場に立っておるものですから、それでいくと、一部で言われておるように、この改正が成ったら二倍三倍、多いところは十倍引き上がるといったようなことでは、それになぜ賛成したかといったことになってきても困るものですから、そういったことについては、国民が的確に、冷静に判断できるようなPRというようなこともやっぱりきっちり早めにやってもらう、そういうことも必要だと思うんですが、そういうことについてはどのように考えておられますか。
#101
○政府委員(滝実君) この問題については特にその点が重要だと私どもも考えておりますし、それから市町村の皆さん方も、昨年自治大臣を囲んでの懇談会を全国五つに分けましたブロックごとに開催しました折にも直接そういうような御意見を承らせていただいております。
 要するに、評価がえの問題と調整措置の問題、これはやはり別に分けてお考えいただくということが何よりも大事でございます。要するに、負担に耐えられるような調整措置を今回とっているわけでございますので、そういった点の趣旨徹底を図ってまいるために私どもも努力させていただく、それから都道府県、市町村の皆さん方もそれなりにきめ細かく対応していただく、こういうような対応を私どもとしてもぜひ進めさせていただきたい、こういうふうに思っております。
#102
○岩本久人君 固定資産税の問題で住民にかなり不安があるというのは、土地の問題もさることながら、住宅、家屋の評価がもう何年もたつのに全然下がらぬのはおかしいではないかといったようなことがたくさんあって、実は現場では市町村の税務職員、吏員といろんないざこざがたくさんあるというのが実態です。そういったことの解消のためにどのような対策を立てておられるのか。複雑で大変だと思いますが、その辺はしっかりやってもらいたいと思いますが、その点をお伺いいたしたいと思っております。
#103
○政府委員(滝実君) 家屋の評価の問題は、これは先生も御案内のように、説明をいたしますとなかなか難しいというかややこしいところがございます。
 特に家屋だけについて申し上げますと、一般的には、その家屋を新しく建て直したときにどの程度お金がかかるか、こういうことから出発をいたしまして、具体的に個々の家屋が新築した当時から何年経過しているか、こういうような経過年数によって割り落としをかけていって家屋の評価をする、こういうような仕組みでございますので、それを御理解いただくのは非常に技術的な問題ですからなかなか難しい点があるのでございますけれども、そういった点についても、どういう方法をとったらわかりやすいかということを含めましてひとつPRを考えてまいりたいと思います。
#104
○岩本久人君 去年の委員会があるいはもうちょっと前が、私はここでいわゆる固定資産税の課税ミスの問題を取り上げたことがあります。やはりそのミスを防ぐためにも明細書の添付はもう絶対必要だといったようなことを言ったと思うんですけれども、その後これはどうなったのか、お伺いしたいと思います。
#105
○政府委員(小川徳洽君) 今、先生から御指摘のございましたようにこの委員会でそういう御指摘を受けまして、私どもとしてはこれに対応していくために、地方団体における研究会等で報告書などが出ておりますので、そういうものとこの委員会での会議録、これらを地方団体に送付いたしまして、地方団体に趣旨が徹底されるようにということで適宜指導をさせてきていただいているところでございます。
 課税ミスをなくする上で課税明細書を添付するということが非常に有効である、こういうふうに考えておりまして、私どもとしてはできるだけ早い時期に課税明細書を送れるように、これは電算のシステムその他の体制の準備等がございますが、そういうことの努力をしていただきたい、こういうことで各地方公共団体に指導をさせていただいているところでございます。
#106
○岩本久人君 固定資産税の問題の最後に、今回のさまざまな措置をされた結果、固定資産税全体としてどの程度の増収が見込まれるのか。それから、さまざまな議論がありますが、そうはいっても固定資産税というのは市町村にとってはかけがえのない基幹税目でありますから、今後の固定資産税の中長期的なあり方についてどのような御見解をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。
#107
○政府委員(滝実君) 今回の固定資産の評価がえに伴う調整措置につきましては、本来的に税の増収を前提とするわけではございませんので、そういう意味ではできるだけ負担の増加を来さないように、こういうような調整措置を講じさせていただいているわけでございますけれども、それにいたしましても、トータルにおいて数%の増収にはなるだろうということが言えるかと思います。
 一般的には、住宅用地あるいはそういった家屋という問題については増収というものは極力抑えられているわけでございますけれども、それ以外の土地もございます。また、住宅地につきましても、今までの評価が大変低過ぎたというところも中にはあるわけでございます、極めて例外的な事象でございますけれども。それともう一つは、固定資産税というのは、毎年毎年の建物の増加、どんどん新しい建築物ができてまいります。そういう意味のいわば自然増収と申しますか、そういう新しい建物の増加による増収分もございます。
 そういったことを全体として考え合わせますと、恐らく平成六年度の評価がえの年には、いろんな前提がありますので確定的なことを申し上げるのはどうかと思いますが、まあ三千億ぐらいの増収がな、こういうような一応の想定を置いております。この辺のところはこれからの作業によってもう少し詰める必要があるかもしれませんけれども、今のところはそんなようなことを考えております。
 それから、これからの固定資産税のあり方の問題は、これは先ほど野呂参考人もお述べになっておりましたけれども、学界においては固定資産税は余り将来性がないじゃないかという意見も片やあるわけでございますが、しかしそれは一つの理論としてそういうものがあるわけでございますけれども、実際のところは、今申しましたように新しい建物等による自然増収というものはそれなりに出てきております。
 したがって、そういうことを勘案いたしますと、固定資産税というのは市町村税の中ではやはり今後とも基幹的な税目としての位置づけを考えた取り扱いをしていかなければならないというふうに考えておりますし、また、そういうことを前提にして、昨年の政府税調の答申においても固定資産税については市町村の財政需要の伸びに見合うぐらいのものは確保した方がいいというような趣旨のコメントもあるわけでございます。
 私どもは、そういうコメントにそのまま乗っかった調整措置を今回講じようとしているわけではございませんけれども、やはり固定資産税がそれなりの税としての安定性を持った税としていくべきだということについては、今後とも注意をそういう意味では払っていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
#108
○岩本久人君 時間がそろそろ参りますから、最後に一問ほどお伺いしたいと思います。
 軽油引取税の問題です。これは実は私たちの中でも賛否いろいろあるんですが、この引き上げについては第十一次道路整備五カ年計画との関係や、ガソリン税との関係があったと聞いております。この辺の経緯あるいは背景についてお伺いをすると同時に、自動車税の税率決定の問題ですが、去年のここの委員会で、私、例の課税自主権の問題からいって、それぞれの地方団体が地方議会で決める税率を府県税課長の指針である内簡でやるのはよろしくないということを言ったと思うんですが、それがその後どのように改善をされたのかお伺いをして、終わりたいと思います。
#109
○政府委員(滝実君) 軽油引取税の今回の引き上げの背景でございますけれども、やはり何といっても地方道路の整備水準が依然として低い、こういうことに尽きるわけでございまして、そのためにはなお道路目的財源としてそういうものが必要なんだ、こういうような判断に基づくものでございます。
 その中で、軽油の問題と揮発油税の問題と両方の問題があったのでございますけれども、結論から申しますと、やはりこのNOxに対する影響、要するに環境に与える影響ということから考えますと、軽油とこの揮発油を比較した場合にどうもやはり軽油の方の税負担がかなり低い、こういうことも勘案して、今回軽油引取税の引き上げ、こういうことにさせていただいたわけでございます。
 それから、二点目に御指摘のありました自動車の税率の決め方の問題でございますけれども、やはり先生の御指摘のとおり、私どももこの問題はそういうような指摘を受けてみますれば当然できるだけ税法にその基準を書いた方がいい、こういうことに相なるわけでございます。その後、いろいろ各県の状況を把握してまいりました。そうしますと、やはり今の段階では県によりましては私どもがお示ししている基準によらない基準というのがかなり散見されるわけでございます。
 したがって、今の段階でこのものを一律に一つの法律の中に取り込む、もう一遍取り込み直すということになりますと、団体によりましては相当税の変動が出てくる。こういうことがございますものですから、私どももひとつその辺のところは具体的に個々の団体と詰めまして、スムーズに法律の中で基準として書けるかどうか、できるだけ将来の問題としては書きたいと思っているわけでございますけれども、そういうような法的なレベルまで引き上げた基準にはするような格好でひとつ書く、今違った格好をとっております団体と詰めてからの話と、こういうふうに考えておりまして、この辺のところはひとつ鋭意詰めさせていただく、こういうふうに考えておるわけでございます。
#110
○委員長(佐藤三吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十五分まで休憩いたします。
   午後零時五十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十六分開会
#111
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#112
○続訓弘君 私は三月の二十六日の当委員会でも景気浮揚策について大臣の所信をお伺いしたわけでありますけれども、実は土曜日の二十七日のNHKのテレビを私拝見いたしました。それは日産自動車の座間工場の閉鎖に関連する報道でございました。
 日産自動車の座間工場は昭和三十九年に創業された。従業員は四千人。そして一分三十秒ごとに一台の新車が完成をする。三十九年創業以来、現在までに一千万台を超える自動車が生産されている。そんな大工場が今回閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれている。関連の下請企業あるいは孫請企業は全体で実は座間市に二百の工場があり、かつ周辺には五十ないし八十ぐらいの孫請工場を持っている。そして従業員は一万一千人を数える。そして、今回の座間工場の撤退に伴って、現地の下請、孫請の業者の苦しみ、血のような叫び、そういうのが実は報道をされました。
 先ほどの質疑の中でも明らかにされましたけれども、政府の予算もあるいは地方の予算も、あるいは地方の財政計画も、平成五年度は実質三・三%を前提に実はすべてが組み立てられているわけであります。しかしながら、果たして現状で三・三%の実質成長が期待できるのかということになりますと、私は大変な疑問を持たざるを得ません。
 そういうことで、実は公明党として同じ三月の二十六日に新たな景気浮揚策としての具体的な要求を提案しております。それは、総額十五兆円規模の不況対策を実施しなければ政府が公約している三・三%の成長率はおぼつかないであろう、こういうことであります。その内容は、大型所得税減税に約四兆円を、そして公共事業に十兆円程度の追加を、そして中小企業対策に約一兆円、合計約十五兆円規模の補正予算を今国会中にぜひとも実現したい、こんな要請を実は取りまとめたわけであります。
 ただいまは座間工場だけを申し上げましたけれども、今、不況に悩む企業は、日本鋼管にもあるいは日本アイ・ビー・エムもあるいは日本で一番大きな日本電気も、それぞれに企業の縮小だとか人員の整理だとかを真剣に検討されているやに報道されております。しかしながら、それらの人員整理だとか企業縮小に伴う直接の被害者は実は中小企業であり零細企業であり、そしてそのもとに働く従業員だと思います。そして、さらに深刻なことは、ことしの四月一日に実は新規の学卒者が就職内定の取り消しを受けているというそういう社会的な問題までも発生しております。
 そこでこの際、私どもとしてはぜひともこの三・三%、約束された成長率を達成するために今申し上げた十五兆円規模の要請を取りまとめたわけですけれども、これに対する自治大臣の評価並びに対応に対する基本的な考え方について、所見をお伺いしたいと存じます。
#113
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員の御質問にお答えをいたします。
 今お述べになりました十五兆円規模の不況対策というのは、実は公明新聞の紙上で拝見をいたしました。非常にいろいろ検討していただいた上での御提案であろうかと思います。それからまた、」日産座間工場の例をお挙げになりました。これは企業城下町である座間においてこのような企業の撤退が行われる場合、いかに深刻な不況があるかということの非常に顕著な御例示であると思います。
 そこで、現下の我が国の経済は引き続き調整過程にあって低迷しておりまして、政府としても景気の実態を見据えつつ、機動的かつ弾力的な対応に努める必要があると認識をしております。このため、公明党で御検討いただいておるいろんな事項は承知をしておりまして、非常にこのことは現在の経済情勢を見据えて時宜を得たものであると考えております。今後、与野党協議等を経まして、早急に取りまとめられていくべきものと考えております。
 自治省といたしましては、地方財政としても景気対策に関する国の方針と軌を一にして適切に対応してまいるつもりでありまして、現在は地方財政そして地方行政、国家行政と国家財政とのいわば公的な車の両輪として、自治省も今一生懸命努力をしておるところでございますので、御指摘の点は誠実に対応していきたいと思っております。
#114
○続訓弘君 せっかくの御努力を切にお願い申し上げます。
 そして、実は三月十五日付の新聞の社説をちょっとここで読ませていただきます。これは今の経済の状況についての社説であります。
 「日本経済は、底をはう不況の中にあるというほかない」。「設備投資と個人消費の不振は、目をおおうばかりだ」。こういう状況の中で、「所得税減税が必要なことも改めで訴えておきたい」。そして、さらに続けて、「貯蓄に回るとの理由から効果を疑問視する声もあるが、九〇年以降の減税なしと、ここに来ての収入の伸び悩みで、税負担は重くなっている。春闘の高額ベアを期待できないなかで、物価調整の意味からも、かなりの規模の減税は実施すべきだ」。さらに続けて、「財源として大蔵省は赤字国債の発行を極端に嫌っているが、建設国債の範囲拡大を許すなら、どれだけの違いがあるのか。三−五年後の全額償還を前提に、その償還の裏付けを真剣に考えるときだろう。」と、こんな記事が載っておりました。
 二十六日も御披露申し上げましたけれども、社会党、公明党、民社党が要求いたしましたあの四兆五千二百四十億円の所得税減税を含む減税要求の中には、実は財源として赤字国債があり、しかも五年内に借りかえるということを前提に要求しておりますので、このことを含めてひとつぜひ大臣のせっかくの御努力をお願い申し上げておきます。
 続けて、地方税法の改正に関連してお尋ね申し上げます。
 先ほど岩本委員からるる御質問がございました。私は観点を変えて、実は特に中小企業の町であります墨田区の人にお会いしてまいりまして、時間の関係でたくさんの例を申し上げるわけにはまいりませんけれども、一つだけその方とのやりとりについてここで御披露申し上げます。
 御承知のように、墨田は中小企業の集積している町でありまして、そこには二万軒を超えるような下請企業だとかあるいは孫請企業がございます。特に墨田の場合は、メリヤス工場だとかあるいは金型工場だとかメッキ工場だとかそういう中小零細企業がたくさんあるところであります。そこで私が陳情を受けたといいますか、固定資産税の評価に関連して陳情を受けた点でこんなふうなやりとりがございました。
 今回の評価がえはまさに増税に通ずるのではなかろうか、こういう心配であります。そして二番目に、私たち下請、孫請の中小零細企業は従来の三割四割の仕事しかありません。首つり寸前の深刻な状況にございます。これが二番目でした。そして三番目に、あの消費税導入時を思い出してください。その直後の都議会議員選挙で自民党は六十四の議席から四十三の議席、二十一入減らされました。社会党はどうかといえば十二人から三十六の議席、三倍増の議席を確保されたのが消費税のときのいきさつであります。同時に、それは国政の選挙でも同じ結果ではなかったでしょうか。事ほどさように、増税は国民にとってタブーでありますよと。これが三番目でありました。そして四番目として、都が六十三年以来実施しておられる都市計画税の税額の二分の一減免を平成六年度以降もぜひ続けてほしい、これも強く要請申し上げますと、そんなお話をされました。
 そこで、これから具体的な質問でありますけれども、平成三年度から五年度までの固定資産税の評価がえに伴う増収予定額は、もう既に公にされておりますけれども、全国ベースで約六千五百億円と私は承知しておりますけれども、その数字に間違いないかどうか、事務当局からお答え願います。
#115
○政府委員(滝実君) おっしゃるとおり、平成三年から四年、五年というものをトータルいたしました増収試算は、宅地だけで六千五百億円と当時見積もっておりました。
#116
○続訓弘君 その際、国民の税負担を軽減する、こういう趣旨も含めまして、ほぼそれに見合う六千五百億円の住民税の減税を実施されましたけれども、それに間違いございませんか。
#117
○政府委員(滝実君) これにつきましてもおっしゃるようなことでございまして、この宅地だけの六千五百億円が三年間にあるものですから、これをいわば一つの見合いにして何にこの増収分を振り向けるか、当時こういうような議論があったわけでございます。
 当時、住民税の負担感が非常に強い、こういうようなことが強く指摘されていた関係上、固定資産税と住民税は基本的には性格の違う税目でございますけれども、住民税の負担感が非常に強いということで、先生も御指摘のとおり、所得税、住民税合わせて昭和六十二年と六十三年に減税をいたしたのでございますが、その後、そういう特に住民税の負担感が強いということがございまして、平成三年におっしゃるような形で住民税の手直しをさせていただいたという経緯がございます。
#118
○続訓弘君 先ほど岩本委員と滝税務局長とのやりとりの中で、平成六年度の今回の固定資産税の評価がえに伴う増収予定額は全国ベースで大体三千億ぐらいになるだろう、そしてその改定率は約数%になるであろう、これははっきりしたことは言えないけれども、こういうお話をされました。これは確認の意味でそういうふうに理解をしてよろしいかどうか、お答え願いたい。
#119
○政府委員(滝実君) さようなことを申し上げさせていただきました。
#120
○続訓弘君 東京都は、各委員も御案内かと存じますけれども、実はほかの市町村と違いまして東京都自体が固定資産税を課税しております。それは二十三区が実は大都市という関係でそういうことになっている。私は長年実はずっと土地を一筋に生きてきた関係からよくそういうことを理解をしております。
 そこで、これから東京都の問題について大変恐縮ですけれども事務当局にお答え願いたいと存じますが、今回の平成六年度の改定に伴う都全体の類と、それとその中の二十三区の改定の額、総額ですけれども、それと率がわかればお示しを願いたい。
#121
○政府委員(小川徳洽君) 現在のところ私ども各県別のそこまでとらえておりませんので、御了承をいただきたいと思います。
#122
○続訓弘君 しかし、先ほどのお話のように、全国ベースでは三千億の増収が期待できる、こういうお話でございますから、それから類推すれば都の税額がどのぐらいふえるかということはすぐ理解できます。
 先ほどの岩本委員とのやりとりあるいは参考人の意見陳述等々から理解できましたことは、固定資産税というのは市町村税の大切な財源だ、貴重な財源だということはそれぞれにお話がございました。しかしながら、今回の改定の中にもその思想がやはり私はあるんではないか。単に評価を一本化したい。今、評価には三つございます。同じ固定資産に対して相続税の評価、そしてまた固定資産税の評価、それに地価公示の評価、その三つの評価をやはりこの際一本化したい。これは私は理解するわけでありますけれども、しかしその中で、根っこには固定資産税というのは地方の重要な財源である、同時に地方の行政需要は年々数%伸びている、その財源を確保するには貴重な財源の固定資産税の評価を改定して、そしてその収入に期待をする、こういうことが根っこにあるんではなかろうか。
 したがって、今回の評価に対する考え方の中にもそれがあって、三千億ぐらいの増収を図る、そのために評価がえをするけれども、その評価がえに対しては余りにも増税すれば市民の負担が高額になって困るだろう、そのために負担調整というものをとって税のなだらかな増収を図るというのが私は今回の固定資産税評価がえの前提ではないだろうか、そんなふうに思うわけであります。
 そこで、先ほど率直な墨田区民の声を代弁申し上げましたけれども、前回平成三年度に実施された六千五百億の増収見合いの住民税の減税を、平成六年度にも三千億の増収が期待されるとするならば、今回も三千億の減税をぜひ実施していただきたい。このことについて、村田大臣の所信のほどをお伺い申し上げます。
#123
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員の御質問になりました平成六年度の評価がえに伴う税負担の調整措置につきましては、都市計画税においても住宅用地に係る課税標準の特例措置を導入するほか、固定資産税における住宅用地に係る課税標準の特例措置の拡充、評価上昇割合の高い宅地に係る暫定的な課税標準の特例措置の導入を図るなど、土地及び家屋に対する固定資産税及び都市計画税の税負担が全体として過重にならないように総合的かつ適切な税負担の調整措置を講じることとしていることを踏まえますと、東京都の都市計画税の軽減措置をそのまま継続することにつきましては慎重な対処が必要であろうと考えております。
 なお、平成六年度の評価がえは平成五年一月一日の地価動向を反映すべく現在作業中でありまして、その結果も踏まえた上で東京都が慎重にかつ総合的に判断すべきことと、このように考えておるところでございます。
#124
○続訓弘君 先ほどのやりとりの中でも明らかになったわけでありますけれども、平成六年度の評価がえには三千億の増収が期待できる。しかし、これは市町村にとって貴重な財源だから、ぜひこれを実現したい、市民のあるいは町民の、村民の理解を得て実施したい、これが政府の本音だと存じます。
 しかし、私から言わせると、今度の平成五年度の地方交付税の中にも四千億円の実は減額がございます。その四千億はずっと累積すれば四兆四千億にも及ぶわけであります。しかも、言ってみればこれは隠れた、悪い言葉で恐縮ですけれども、赤字国債だというふうに私は理解をするわけであります。そういう本来ならば地方独自の地方交付税の持ち分を国の都合でお貸しをしている、召し上げられていると。そんなことは地方団体にとって大変なことであります。財源がないがゆえに増税をするというのであるならば、当然のことながら今まで当然の権利として地方が持っている持ち分の中から私は行政需要に充てるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣の所見をお伺いいたします。
#125
○国務大臣(村田敬次郎君) 四千億の貸しを国の財政当局にしたということは、これは続委員は御経歴から本当にそういうことに対して痛いことだと御痛感をしておられるんだと思います。私も当然痛いわけでございますが、これはしかし召し上げられたということではなしに、国家財政と地方財政はいわば公経済の両翼であるという所見でございまして、平成五年度においではなるほど四千億をお貸しするけれども、今後これは必ず返していただくんだ、そういう前提でございまして、言うなればこれは借り貸しの観念でございます。それを国家財政に贈与したという意味では全くございません。
 したがって、国家経済が景気がよくなって戻れば必ず返していただく。これは本会議でも申し上げましたとおり、大蔵大臣とも固く約束をしておるわけでございます。
#126
○続訓弘君 今、大臣がおっしゃいましたように、貸し借りの関係ということは寸各委員もすべて承知の上であります。しかしながら、住民が塗炭の苦しみを味わっていると、今は景気が不況で。そんな中で増税をするということは大変なことだろうと。そうだとするならば、同じ国家間のやりくりではあるにしても、地方の独自の財源がある、その財源を地方に充てるべきではなかろうか、こういうことを申し上げているわけであります。
 さらに、先ほど市民の率直な声に対して大臣から御答弁いただきました。昭和六十三年度から平成五年度の本年度まで、都が、固定資産税を本来なら減免したいけれどもいろんな関係で難しい。だとするならば、それにかわるものとして都市計画税の減免を実施しようと、そこで二分の一の減免を実施しております。その六年度間で二千七十億円に達するわけであります。その二千七十億に加えて、さらに今申し上げた平成六年度以降も実施してほしい。
 それに対して一定の御答弁をいただきましたけれども、都が実施に踏み切った際に、ぜひ大臣としても、もちろん自治省事務当局としても御理解を賜りたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
#127
○長谷川清君 地方税等の一部改正をいたします法案につきまして、早速ですが、最初に固定資産税に関する件について質問をいたします。
 この件につきましては、地価公示価格や相続税の評価や固定資産税評価などこういった公的な土地の評価というものについて、相互の均衡というものや適正化というものを図っていくという土地基本法の十六条に基づく趣旨からこれが発想されていると考えますが、これをとることによりまして土地の評価に対する信頼というものを確保していきたいという気持ちがあると思います。
 しかしながら、地価公示は全国で二万点ぐらいしかないわけでございますし、固定資産税の評価は一つ一つそれごとに評価をしていかなければならないことになっておりますし、そういった点を考えますと、その範囲というものは非常に大きな差があるということに現状はなると思います。
 こういう点について、市町村という立場から見まするというと、地価公示のたくさんあるところとそれから少ないところといろいろありましょうし、地価公示が十分でないようなところもあるでしょう。固定資産税の評価をする上におきましていろいろと支障が出るんではないかという危惧がございますけれども、この七割評価というものについて、受けて立つ市町村の側ではきっちりとそれがやれるようになっておるのかどうか、その点についてお伺いします。
#128
○政府委員(滝実君) ただいま先生から御指摘の、そもそも今回の評価がえが固定資産税そのものに対する信頼性という問題から出発している、こういう御指摘でございましたけれども、私どももそういうつもりでございます。
 それから、それにしてはそのお手本となる地価公示のポイントが二万点というのは随分心細い話じゃないか、それで市町村に信頼をいただけるような評価ができるのか、こういうことでございます。
 この点は、私どももそこのところがやはり一番中心の課題かと存じます。もともと地価公示のポイント数はもう少し少なかったのでございますけれども、ようやく二万点になり、これから約二万六千点になろうかということで、ポイントとしてはもともと根っこが小さかったものですからかなりの増加をいたしております。この増加をしていただくというのが私どもの第一点でございます。とにかく今までのような少ないポイントではそもそもお手本にならないということは御指摘のとおりでございます。しかし、これからポイントをふやしていただくにしても、それには限界がございます。
 そこで、私どもが考えておりますのは、現在の標準地点、地価公示地点以外の実際に市町村で設定をいたしております標準地点の四十万地点、これについて公的な評価をされている以外のところ、合計すると三十六万点ぐらいになるわけでございますけれども、三十六万地点について不動産鑑定士を応援をお願いいたしまして、正規の鑑定評価をやっていただく、こういうことを展開してまいっているところでございます。
 これによって前後左右かなり徹底的な評価ができ上がりつつある、こういうふうに私どもとしては見ておりまして、こういうような三十六万地点に上る地域について鑑定士を応援を頼んで鑑定をし直す、こういうことでございますから、そういう意味ではこれによってかなり、かなりと申しますか今までの固定資産の評価とはまるっきり違う評価ができ上がりつつあるというふうに私どもは考えておりまして、これによって信頼度が得られるというふうに私どもとしては見ているわけでございます。
#129
○長谷川清君 さらに、この固定資産税の件でございますが、地価公示が七割程度で評価をされるということになります。評価というのは、これは年々歳々下がるということは考えられないし、上昇をするであろうということを考えますと大体全国平均で三倍ぐらいにはなっていくのではないか。特にまた首都圏等になりますというと、その倍率はさらに高くなっていくということが想定されます。
 納税者の間では、この固定資産税は評価額に税率を掛けたものというふうに単純に考えがちでございまして、一般に評価額が上がればそれに税の負担がどんどん増していく、こういったような受けとめ方あるいは不安というものが一般にあると思うんです。こういった点について、今回の場合には大幅な調整措置というものが導入されておりますけれども、この点について国民の理解が得られるような説明というものが必要になってくると思うんですが、その点については具体的にどのようにお考えですか。
#130
○政府委員(滝実君) これは先生の御指摘のとおり、今回の評価がえというのは、少なくとも納税者の方々が負担ができないというような、税の増加につながるということではあってはいけないわけでございまして、そういう意味ではおっしゃるように、この評価の問題と税金の実際の金額、こういうものとは違うんだということをやはり説明する必要があるだろう、こういうふうに私どもも考えております。
 これは、私ども中央においてそういうようなことをきちんと説明するだけのPR活動を行うと同時に、各都道府県の応援も得まして各市町村においてもきめ細かい対応をしていただく、こういうような段取りを考えてまいりたいと思っております。
#131
○長谷川清君 平成六年度の土地の評価がえにつきまして、これは増税じゃないというお答えをしております。そこで今回の評価がえに伴いましての税負担については大幅な調整措置というものが行われているということだと思います。内容的には大変なだらかな負担調整措置というものがされているというふうに思いますが、地価がそのときそのときの景気の動向を反映しておりまして、その変動が非常に大きい中で、固定資産税について、税の性格上資産の保有の継続を前提とすることから、なだらかな負担調整措置というものをせざるを得ないという状況だろうと思います。
 そこで、今回のこの負担調整措置という点についてどのように考えていらっしゃるか、お聞きをします。
#132
○政府委員(滝実君) これはおっしゃるとおり、私どももできるだけなだらかな負担をいただく、こういう観点からの調整措置を今回考えさせていただいているわけでございます。
 これにつきましては、土地については評価額において全国平均三倍ほどの増加をするわけでございますけれども、負担調整の点から申しますと、税負担は基本的には年間五%を中心にした幅の中におさまるように、あるいは五%から一〇%ぐらいの幅の中におさまるように、こういうようなことを念頭に置きながら調整措置を講じたわけでございます。
 その結果、土地についてはその程度のところにおさまると思いますけれども、それだけではなお不十分だ、こういうことでございますので、例えば家屋の方でも最低三%の軽減措置を保障するという形で、特に住宅地についての軽減措置が必要でございますので、家屋と土地と一体になったところでもう少しなだらかな負担と、こういうようなことを目指しております。
 それからもう一つは、特に土地の値上がりの激しいそういう地域につきましては都市計画税というものがあるわけでございますので、今回は固定資産税のみならず都市計画税においても調整することによって全体としてなだらかな負担調整を目指す、こういうような仕組みを考えさせていただいて御提案をさせていただいている次第でございます。
#133
○長谷川清君 次に、建設省の方にお伺いしたいんですが、平成四年でしたか、東京都などのような大都市圏の市街化区域農地の問題が選択制になりましたね。これは現在、農地の部分とそれから宅地化の部分との割合はどのぐらいになっておるかをお聞きしたいんです。
#134
○説明員(板倉英則君) 三大都市圏の特定市の市街化区域農地につきましては、都市計画によりまして昨年十二月末までに保全するものと宅地化するものとに区分する作業が完了いたしまして、その結果、市街化区域内農地約五万ヘクタールございますが、そのうち三〇%の約一万五千ヘクタールに当たる農地が生産緑地として都市計画で指定されまして、残りの七〇%約三万五千ヘクタールが宅地化するものとして区分されたところでございます。
#135
○長谷川清君 宅地化をされる土地の方が七〇%ということでございます。こういう宅地化をされていきます従来の農地について、都市整備のための基盤整備、下水道などできれば共同溝とか、公園緑地、こういった関係等については今のところどういうふうに建設省ではお考えになっていますか、計画は。
#136
○説明員(板倉英則君) 市街化区域農地を活用しまして良好な都市環境をつくり出していくということは、先生御承知のとおり大変重要なことでございまして、基盤整備を伴った市街化を図りつつ良好な住宅宅地の供給促進を図っていくということが私どもとしては重要な課題であろうと認識しているわけでございます。
 このため、特定市における市街化区域農地を対象としまして、計画的な市街化のための基盤整備等の計画事業のスケジュール等を具体的内容といたします整備プログラムを新たに定めるよう、昨年の九月、関係都道府県知事に対して指示したところでございます。この整備プログラムにおきましては、良好な住宅プロジェクトの推進の観点から、特定市におきまして遅くとも平成五年度末を目途にこれの策定を下するよう都道府県にお願いしたところでございます。
 この整備プログラムを踏まえまして計画的な市街化を図っていくわけでございますが、先生御承知のとおり、私ども一昨年以来、市街化区域農地を対象といたします多様な制度、事業手法の充実強化に努めてきたところでございまして、今後これらの制度を駆使いたしまして基盤整備を伴った計画的な市街化が図られますよう地方公共団体の取り組みに対して全面的に支援をしてまいりたいと思っております。
 具体的には、地区計画の策定あるいは土地区画整理事業の積極的な実施のほか、市街化区域農地には先生御指摘のとおり都市基盤が必ずしも十分でないという実態がございますので、補助幹線道路、下水道、公園等の先行的な都市計画決定等の一連の措置を積極的に推進してまいる所存でございます。
#137
○長谷川清君 基盤整備を行うということは当然一つの大いなる条件だと思います。
 いま一つは計画的にそれを進めるということ。農地をいわゆる宅地化して供給していく、こういう方向をせっかくたどって、七〇%も宅地化という方向になってきているんですから、せっかくそういう土地が出ましても最終的には高いですから、十人、二十人が寄ってたかって十坪ぐらいの家をばっとつくってしまうようでは将来そこがスラム化してしまうわけですね。そうすると、これはマイタウン構想からいきましでも相反することになりますし、都市全体の整備という点に反していきますから、そういう点についてはよほど計画的に、しかもハードな部分の住宅であるとか下水道であるとか、そういった部分のほかにいわゆるソフトな部分、地域コミュニティーというものを視野に入れた計画ということが必要になってくると思いますので、この機会に建設省の方にはそのようにひとつ申し上げておきたいと思うわけであります。
 それでは、自治省の方に戻りますけれども、この宅地化は今言うような計画的な方向で行われていく必要があるわけでありますが、固定資産税についても特例措置というものがここではされていると思います。特別にこの税を軽減するという点について、その内容についてちょっと説明をしていただきたいと思います。
#138
○政府委員(小川徳洽君) 三大都市圏の特定市の市街化区域農地に対する課税につきましては、今お話しがございましたように、生産緑地地区として都市計画決定された区域内の農地等を除いて、平成四年度以降宅地並み課税を実施しているところでございます。
 これらの措置とあわせまして、宅地並み課税の対象となる宅地化する農地の計画的な宅地化を促進いたしますために、市街化区域農地の所有者が平成四年末までに、先ほどお話のあった点でございますが、計画的な宅地化のための手続を開始し、開発行為の許可その他の宅地化のための計画策定等が平成五年末までになされたことについて首長の確認を受けた場合には、固定資産税と都市計画税につきまして平成四年度分から平成六年度分までの税額の十分の九を軽減する、こういう措置が講じられておるところでございます。
 ところで、そういう措置が講じられているわけですが、計画策定等の期間が先ほど申し上げました平成五年末までとなっておりまして、予想以上に計画策定等の手続の開始がおくれたこととか、それから土地区画整理事業などの面的整備事業を活用するケースが多いため関係者の合意形成に時間を要する、こういうようなことなどから、今回の改正によりまして、やむを得ない理由があると認められた場合には計画策定等の期限を平成七年末まで延長することとしているのが一点でございます。
 また、これに合わせましてその計画策定等を行っている間は軽減措置を存続する必要がありますことなどから、現行の軽減措置を拡充いたしまして、平成五年末までの間に計画策定等が行われたものについては、現行の軽減措置にその後平成七年度分の税額の三分の二を軽減するという措置を加えておりますし、また平成七年末までの間に計画策定等が行われましたものにつきましては、新たに平成四年度分及び平成五年度分は税額の十分の九を、平成六年度分及び平成七年度分は税額の三分の二を、それぞれ軽減するという措置を講じることとしているところでございます。
 このような見直しにより計画的な宅地化がさらに促進されるものと期待をいたしているところでございます。
#139
○長谷川清君 税の面からもいわゆるオープンスペースが拡大をされる、土地の供給が行われるということは大いに私も期待をしているところでございます。
 次に、軽油引取税についてでございますが、これについて、税率の適用期限を平成五年の十一月三十日まで延長するとともに、平成五年の十二月一日から平成十年の三月三十一日まで一リットル当たりの税率を二十四・三円、これを三十二・一円に引き上げるというふうになっております。この理由として、軽油引取税は地方道路税、揮発油税等に比較をして暫定税率が低いということが挙げられております。暫定税率というものでありますが、これはあくまでも暫定でございまして理由にはならないと私は思うんです。石油に課税されている税というのは非常に多うございまして、国民の負担の軽減という観点からいきますと軽油引取税の暫定税率の引き上げは問題ではないのかというふうに申し上げたいのでありますが、この点についていかがでしょう。
#140
○国務大臣(村田敬次郎君) 今回、軽油引取税の特例税率を一リットル当たり七円八十銭引き上げることとしたわけでございますが、これは委員御指摘のように、平成五年十二月一日実施ということにしておるわけでございます。この内容は、第十一次道路整備五カ年計画におきましては前計画に比較して四三%増の総額七十六兆円にも上る投資規模が見込まれるということで、特定財源の充実強化を図る必要があるからであります。
 これは御存じのように、四百三十兆円、日米構造協議で十カ年計画を立てた結果こういった十一次計画を大きくしたわけでございますが、従来、同じ自動車の燃料油でございますガソリンと軽油の価格に大きな差がございました。これがガソリン車からNOxの排出量の多いディーゼル車への移行を加速しているということが見られまして、その価格差を縮小するということが望まれるということを理由として今回税率の引き上げに踏み切った、こういう状況でございます。
#141
○長谷川清君 次に、自動車取得税についてでございます。
 今、自動車を買いますと、消費税と自動車取得税の二種類の税が課税されますけれども、国民から見ますと、こういうことに対する不信が非常に強い、また疑問も多いことだと思います。今回、自動車取得税の暫定税率五%ということになっておりますが、これも約二十年ぐらい続いていることでございまして、本則の三%にいつになったらこれは回帰できるのか。本来ならば早くこれは戻すべきであると思いますけれども、そういう点についていかがであるかということ、さらには、今取得税の免税点は中古車でも五十万まででございますが、これを百万ぐらいまでに引き上げることはできないかという点について、二点質問いたします。
#142
○政府委員(滝実君) 自動車取得税の暫定税率につきまして五年間延長することといたしておるわけでございますけれども、ただいま大臣から今回の道路財源につきまして申し上げさせていただいたような理由に基づくわけでございます。しかし、これにつきましては先生の方から御指摘ございましたように、いつまで暫定税率でやるのか、本則にいつ戻すのか、こういうお尋ねでございます。
 私どもは、やはりこれはあくまでも現在の地方道路整備の状況、それに伴う財源の問題からきているところでございますので、基本的にはいつまでも暫定税率というわけにはいかないという認識を持っているのでございますけれども、これをいつ戻すかということになりますと、やはりそのときそのときの状況ということによらざるを得ないと思います。ただ、この辺のところは政府税制調査会の答申にもございますように、全般的な角度から検討すべきだという意見もつけ加えられている点でもございますし、この問題についてはやはり広い角度から今後とも検討を続ける、こういうことにさせていただきたいと存じます。
 それから、第二点目にございました現在の自動車取得税の免税点は五十万円でございますけれども、これの見直しはどうなのか、こういうことでございます。
 これにつきましては、現在の自動車取得税の免税点は、平成二年度の税制改正で従来の三十万円から五十万円に引き上げたところでございます。その趣旨は、当時の議論としてございましたのは、基本的には少なくとも中古車ぐらいは自動車取得税を免税にしたらどうか、こういうような議論が強く出されてまいったわけでございます。現在、そういう意味で検証いたしてみますと大体中古車の九割方は免税点以下ということになっていますから、この免税点を五十万円に引き上げた趣旨は今でもそのまま妥当するのかな、こういう感じでございます。
 しかし、それを引き上げたらどうか、こういうことになるのでございますけれども、これを仮に引き上げますと、せっかく道路目的財源として自動車取得税につきまして今回五年間延長させていただいているのでございますけれども、その趣旨の相当部分がこれでもって失われてしまう、こういうこともございますので、この点につきましては現在の五十万円を私どもとしては引き続き五十万円で御勘弁をお願い申し上げたい、こういう感じがいたします。
#143
○長谷川清君 税金という問題は、中央、地方を問わず、一人の国民から全部出ておるわけでございまして、その財布は大変だと思うんです。ひところはまだ負担率は二五%ぐらいの時代がございましたが、今は三二%。このままの状態でいきますと、国内における負担率の増加要因のみならず、この国際社会の中で、もう人口爆発が二〇二五年には百億、現在の倍に人口がなる、その九七%ぐらいは今生活に困っておる後発国で人口がふえるといったようなことが回り回って、将来は六三%ぐらいまで国民負担率は高まってしまうというような現下の状況でございますだけに、それぞれできるだけ、ここのテーブルでは地方自治の財源が少しでも豊かにという視点は当然あるでしょうし、中央は中央で赤字ですから、そういう意味でいろんなセクション、セクションのパートごとの税というものはどうしても上がっていくという傾向がございまして、これが今言うところの内外の負担率が六三%にまでなってしまうということを考えますと、本当に大変だなと。だから、そういうことを考えますと、やはり構造の部分や地方分権の問題や、そういうことをよほどこれはダイナミックに進める以外にはないという状況にきておるというふうに私は認識をしておるところです。
 そういう点において、私はこの案に賛成はいたしますけれども、そういうことをやはりちゃんと我々が自覚をしておくことが大事だろう、こう思うわけでございます。
 以上でございます。質問を終わります。
#144
○西川潔君 よろしくお願いいたします。
 諸先生方が皆さん方御質問されましたので、私は三番目からお伺いをいたしたいと思います。一番、二番を飛ばすことにいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 全国市町村は、行政の最前線としてお年寄りなどに対する福祉サービスなど高齢化社会の中で果たす役割がますますこれからも大きくなっていくと思います。固定資産税はそのような市町村の行政を支える貴重な財源であることはもう十分承知いたしておりますが、そのような固定資産税が市町村に現に住んでいる方々にとって過大な負担を強いるものとなってはならないと私は思います。
 今回の土地評価の適正化とその税負担の調整もそのような考え方でなされているものと思うんですが、いずれにいたしましても、税金を納める人にとって納得のいくものでなければならないと思います。
 そこで、固定資産税についてはより住民の理解を求めていく必要があると思うんですが、この問題からお伺いいたします。
#145
○政府委員(滝実君) これはただいま先生から御指摘いただきましたように、やはりこれだけの改正でございますから改正の趣旨あるいはその改正の結果どうなるか、私どももこういうようなことも含めまして納得の得られるような手段を講じていく必要があるというふうに考えております。
 これにつきましては、具体的にどう進めるかは私どももただいまこれから着手するところも多いのでございますけれども、既にそういうような段取りをつけるべく財源的な措置も講じようといたしておりますので、この辺のところはひとつ私どもも大いに努力をしてまいりたいと思っております。
#146
○西川潔君 次に、平成六年度の評価がえに伴う固定資産税の負担増が一番重く感じられるのは、僕は都市部で年金を支えに暮らしていらっしゃる高齢者の方また障害者の方々ではないかと思います。障害者の方々の高齢化も大変進んでおりますが、そこで納税者の一人として素朴に感じた疑問をお伺いしたいと思うんです。
 大臣にお伺いいたします。大臣ももちろん納税者の一人であるわけですけれども、大臣御自身が税を納められるときはどういったお気持ちで納税をしていらっしゃるのか、お伺いをしてみたいと思います。
#147
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は毎年の税金を納めるとき、三月十五日がたしか期限であったと思いますが、これはやっぱり税を納めるというのは国民の基本的な義務であるという認識を強くいたしておるわけでございまして、最近はでき得れば自分で税務署長を訪ねて納得のいく納税額を決定してもらってそして銀行に納める、これは引き落としてございますがそういうことを自分でやっておりまして、やはり税の負担というのは自由主義社会の市民である以上やむを得ない、このように感じております。
#148
○西川潔君 私も必ず税務署には足を運ぶようにいたしております。税を納めることはもちろん国民の義務でありますけれども、それぞれ納税者として税を納めるときには一人一人いろんなことを、今回も税務署に行ったときには、西川潔さん、我々高い税金を納めているのにあの金丸さんはどういうこっちゃねんというのが一番多うございました。もう私らこうして税務署へ来てまじめに納めてまんねんと大阪弁でいろいろとお話をさせていただきましたんですが、ひとつ身近な福祉でしっかり頑張ってやというふうに声をかけていただきまして、きょうも大臣にそういう素朴な疑問をお伺いしたわけです。
 そうした中で、納税義務がありながらその義務を果たせないという税の滞納ということも現実にあるわけです。たくさんの方がいらっしゃるわけです。そこで僕がお伺いしたいのは、固定資産税、都市計画税の滞納額がどれくらい発生しているものかということをぜひ伺ってみたいと思います。
#149
○政府委員(小川徳洽君) 平成三年度の決算にかかわります固定資産税の税収分、これは現年度分でございますが、六兆四千四百九十一億円ございます。これの滞納額が現年度分一千五十四億円でございまして、滞納の割合は一・六%となっております。また、都市計画税の税収、同じくすべてこれは現年分で申し上げますが、一兆十一億円でございまして、滞納額は百八十七億円、滞納の割合は一・八%というふうになっております。
 なお、これを市町村の税金全体の滞納の割合、これと比較いたしてみますと、全体の滞納の割合が一・八%となっておるところでございます。
#150
○西川潔君 今数字をお伺いいたしまして、私は、この滞納者のうち高齢者の割合はどうなっているのか、そしてまたその方々の実情は一体どうなっているのかということを自治省あるいは幾つかの市町村に問い合わせを行いました。固定資産税の場合は、税を徴収する市町村としては、納税者の住所、氏名、年度、税目については把握しているけれども年齢については把握はしておりませんというお答えをいただきました。滞納者の中にどれだけの高齢者がいるかということはわからないということでございました。
 つまり、固定資産税につきましては、納税者の置かれている状況には関係なく資産のあるなしによって一律に税が課せられるということでございますが、幾ら物税といえどもそれを納めるのはやはり人でありますので、この点も含めて固定資産税の持つ性格をここで改めてお伺いしたいと思うんです。
#151
○政府委員(滝実君) 固定資産税の物税という性格から、当然物税ではあるけれども実際に納税するのは人間だからその辺のところはどうなのかというような観点から再度固定資産税の性格についてどうなんだと、こういうふうなお尋ねかと存じます。
 私どもはそういうふうな結びつきで余り考えたことはないのでございますけれども、やはり固定資産税というのは資産の保有の継続というものを前提とする税だというふうなことを一つ挙げているわけでございますけれども、そういう意味では、ある意味では多少人間臭いところがその辺のところに出ているのかな、こういうふうな感じがいたします。
 もちろん、今も申しましたように、固定資産税は財産税的な性格を持っていますし収益税的な性格も持っているのでございますけれども、やはり今の先生の論理の展開から申し上げれば、保有の継続を前提とする、こういうことでございますので、決して固定資産税を重く課することによってその地域に住んでいられなくする、いわば追い出し税的な性格というのは、これはもう極力避けるということがやはり税の基本としてあるということは認識をいたしているところでございます。
#152
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほどの西川委員の御質問に、私国税のことでちょっと勘違いをしてお答えしたかと思います。
 税務署に対する対応はそのとおりでございまして、年々例えば原稿料収入とかそういうようなものがあって若干ずつ上がっていくというのが実態でありますが、固定資産税の場合、私は、親の代から市役所へ自動的に納めておるようなシステムがあるようでございまして、みずから市役所に行ってこれを納めるということはございませんので、念のため申し上げます。
#153
○西川潔君 かしこまりました。
 今、局長の方からいろいろ御説明いただきました。朝からの議論も私拝聴いたしまして、しかしこの滞納者の中には、地価高騰や納税者の高齢化という社会問題が背景となって、払う意思があるにもかかわらず払えないという窮地に立たされているお年寄りの方、そしてまた先ほど申し上げました障害者の方もたくさんいらっしゃるわけです。
 実は、このような視点に立っての新聞報道があります。昨年の十二月一日付の朝日新聞でございますが、これは徳島市のケースですけれどもこちらへ持ってまいりました。少しだけ読ませていただきたいと思います。
 徳島市の市税滞納額は、今年の三月末現在で十八億円の大台を超えた。市は、この税の徴収を目的に滞納者の所有する不動産を差し押さえてきた。しかし、「差し押さえだけでは未収分の回収にはつながらない」と判断、今年、差し押さえ不動産の公売に踏み切った。同市では、十三年ぶりの公売だった。市は「資産も、払う意思もあるのに払えないケースがふえている」という。その背景を探ってみた。
 ということですが、
 滞納は二割増同市の税金滞納は、十一億三千四百万円の固定資産税が最も多く、市民税の五億千八百万円、都市計画税の二億八千二百万円と続く。特に、お年寄りの固定資産税滞納はこの数年で二割近くはふえているという。
 こういうふうな報道がされているわけですけれども、お年寄りの固定資産税の滞納が二割近いということでございます。この部分についではすぐに徳島の方にも御連絡いたしまして問い合わせをいたしましたが、これは調査に基づく数字ではないというふうにお伺いをいたしました。この記事を書かれた記者の方が調査をして書かれたということでございます。
 この今の記事を読ませていただいたんですけれども、これに対する大臣の御感想を言いただければと思うんですが。
#154
○国務大臣(村田敬次郎君) 徳島市の固定資産税の滞納の状況につきましては、実は事務当局が徳島市に早速問い合わせでみましたところ、今西川委員も御指摘になりましたように、ここ数年滞納の割合は減少傾向にあるというふうに聞いたわけでございます。また、高齢者の固定資産税の滞納が目立つということはないということで、問い合わせについてはそういう返事でございました。
 ところで、高齢者の方のものを含め住宅用地等の居住用財産につきましては、その性格等にかんがみて従来から特例措置を講じるなど十分配慮していたところでございます。また、平成六年度の評価がえにおきましても、特に居住用資産に配慮いたしまして総合的かつ適切な税負担の調整措置を講じることとしておるわけでございまして、高齢者の方についても居住用資産の税負担の増加は極力抑制されていると考えております。
 いずれにいたしましても、委員の御指摘になられた点は非常に重要でございまして、高齢者の方などの居住用資産の税負担につきましては今後とも関係当局とよく相談をして十分配慮してまいりたいと思います。
#155
○西川潔君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。
 払える能力があるにもかかわらず払わないという滞納者と、一方、払う意思があるにもかかわらず払えないという滞納者を一緒に考え合わせてもよいものかなという疑問がございます。これから本格的な高齢化社会を迎える我が国ですからこうした事態がないとは言い切れないわけですので、本当にまだまだふえてくるのではないかなと思います。
 そこで、まず自治省にお願いしたいのは、こうした事態が全国的にどれぐらいあるものなのか僕はぜひ調査をしていただけたらと思います。そして、そうした実態があるのであれば、その対策として、単に税金をまけてくださいというようなことではなく、このような滞納者には自治体当局がもっと親身になって相談に応じていただいて、場合によっては土地を担保に自治体自体が低利で固定資産税を貸し付けるというようなこういう検討も必要ではないかと思うんですけれども、最後に大臣にこのことについて御意見をお伺いして、終わりにしたいと思います。
#156
○国務大臣(村田敬次郎君) 資産を保有している高齢者等に対しまして土地を担保に自治体が低利で固定資産税を貸し付けるということにつきましては、実はアメリカの州においては一部例があるそうでございます。
 ただ、日本の場合は、実質的にはこれは徴収猶予でございまして、毎年納付する固定資産税を相続の時点で所有資産を処分し一括納付することとなるという問題があること、それから相続の時点まで貸付期間の長期にわたる債権の管理が困難であるというような理由から、なじみにくいのではないか、こういうふうに考えております。
 なお、住宅用地等居住用資産に対する固定資産税の負担につきましてはこれまでも十分配慮してきたところでございまして、平成六年度の評価がえに伴う税負担の調整措置におきましても、住宅用地の特例措置を大幅に拡充するなど居住用資産の税負担については特に配慮をしておるところでございますので、ひとつ御了解をいただきたいと思います。
#157
○西川潔君 ありがとうございました。
#158
○有働正治君 ほかの委員会との私がけ持ち質問等がございまして、中座したりまた質問のやりくりをしていただきまして、御配慮に感謝いたします。
 まず、兵庫県における国有資産等所在市町村交付金問題について、具体的にお尋ねします。
 この制度が設けられた趣旨、概要について簡潔にお願いいたします。
#159
○政府委員(小川徳洽君) 市町村交付金制度でございますが、地方税法において固定資産税を課することができないものとされている国及び地方公共団体が所有する固定資産のうち、貸付資産として他の者に使用させているもの、それから空港用、国有林野、発電施設、上水道・工業用水道用のダム資産等を対象といたしておりますが、その使用状況や当該固定資産の所在する市町村との受益関係が固定資産税の課税客体となっている類似の固定資産と同様であること、あるいはその資産が広大な面積を有し、かつこれらの資産が所在することによって市町村の税財政に著しい影響を及ぼしていることなどにかんがみまして、固定資産税相当額の負担を求める、こういう趣旨のものでございます。
#160
○有働正治君 国有地、県有地等を国または市町村以外の者が使用している場合に、その使用の実態によって市町村交付金の交付対象となる場合と非交付、ならない場合とがあると思いますけれども、その基本的な考え方が自治省によって通達等で示されていると思いますが、ポイントをお述べいただければと思います。
#161
○政府委員(小川徳洽君) 交付金の対象となるもので地方公共団体以外の者が使用している固定資産というものでございますが、これにつきましては、私法上の契約たると許可処分たるとを問わず、また有償であると無償であるとを問わず、当該固定資産の使用について正当の権限を有する者が現に使用している固定資産をいうものでございます。
 しかしながら、文化施設やスポーツ施設など広く不特定多数の者に使用させることを予定している固定資産につきましては、地方公共団体が専ら公共の用に供するものとして設置し現に公共の用に供していると認められるものでありまして市町村交付金の対象とはならない、こういうふうになっているわけでございます。
#162
○有働正治君 二年ほど前から、兵庫県の姫路市や赤穂市など県下市町村の交付金について交付漏れがあるのではないかということが関係市町村から県に対して照会状が出されまして、兵庫県議会や関係市議会でも問題にされています。我が党の県議団や市議団等も自治省にも陳情いたしましたし、是正の指導を行うよう求めてまいりました。
 市の調査によりますと、姫路市だけでも四十四カ所にも上っているようであります。実情にかんがみて是正の指導を行うべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。
#163
○政府委員(小川徳洽君) ただいま御指摘いただきました問題につきましては、兵庫県からその使用の実態等につきましていろいろお伺いをいたしております。
 市町村の交付金の対象となる貸付資産の基本的な考え方につきましては先ほど御説明をさせていただきましたが、そのようなことを十分説明し、意見交換を行ってきているところでございます。
 今後とも、きちっとこの制度の趣旨を踏まえまして適切な措置がとられますように兵庫県を指導させていただきたいと思っております。
#164
○有働正治君 既に二年ほど経過しているわけです。対応が極めて遅い、適切と言いながら適切な処置がなされていないと私は考えるわけであります。
 聞くところによりますと、兵庫県がいろいろ持ち出しています非交付の理由というのは私は詭弁としか言いようがないと考えるわけであります。特に港湾における野積みの場所が問題となっていますが、要するに、使用契約が三カ月ごとの短期更新だから不特定多数の使用と認められる、したがって公共の用に供していると考えられるというものであります。三カ月ごとの短期更新をやっているようであります。しかし、実態をよく知っている関係の市町村から見れば、県の言い分は全く詭弁でしかない。白を黒と言いくるめるようなものでしかないという態度であります。
 実態を調べてみますと、海運や港湾会社などが長期にわたって排他的、独占的に使用しているのが実態であります。とても不特定多数の者が公共の用に使用しているということは言えないということは一目瞭然であります。これまで自治省に対しても現場の写真や地図等によって具体的に示してまいりました。中には十年も居座っている例、短期更新を重ねて実態的に十年も居座っているという状況であります。形式上の、書類上そういう更新のやり方で、そういう理由のみで不特定多数の使用、したがって公共の用に供しているといういわばこれはへ理屈であります。
 こういうへ理屈で実態を放置するということになりますと、法律が全国的に適正に施行されていないと、いわば事実上の脱法行為を容認することになるし、現にそういう事態であると私は考えるわけであります。その点で自治省の責任は重大であります。厳正な法律の実施、それに対するやっぱり指導が求められているということで、速やかに検討して速やかに対応をしていただくということが求められていると思うので、再度答弁を求めます。
#165
○政府委員(小川徳洽君) この点につきましては、先ほど来御指摘いただきましたように、県におけるいろいろな考え方、これにつきまして私どもとしては私どもの先ほど申し上げました考え方を説明させていただきまして、使用の実態というものに応じた取り扱いを、しかも制度の本来の趣旨にのっとった扱いをするようにということで指導させていただいておるところでございます。
 今後も、ただいま御指摘のようなそういうケースにつきまして、それぞれの制度の趣旨にのっとった運用が各地方団体においでとられますように十分全国会議その他で説明をさせていただくようにしてまいりたいと考えております。
#166
○有働正治君 詳細は申しませんけれども、自治省はこの実態にかんがみまして、公共の用に供しているとは解しにくいと、途中、当事者が兵庫県の担当部局に対して指導しているはずであります。それが依然として適切に対応されていないというところを私は問題にしているわけでありますから、実態をよく調べて、責任ある対応が法のもとの平等という立場からいっても求められていると。そういう点では、大臣、責任ある速やかな対応、自治省として責任者として的確に対応していただきたい、その点の意見を求めるものであります。
#167
○政府委員(小川徳洽君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、やはり都道府県、市町村の間でこういう制度が本来の制度の趣旨に従ってきっちりやられなければいけないということはもう御指摘のとおりでございます。
 私ども、そういう意味で、ことしに入ってからもかなりこの点につきましては兵庫県と頻繁に接触をいたしましてよく指導してまいっているところでございますので、十分そのような方向で進むものというふうに理解をいたしているところでございます。
#168
○有働正治君 大臣、速やかな今の審議官の方向で、実態に即して、実態が問題だと思うんですが、対応を求めたいと思います。所見を求めます。
#169
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員にお答えを申し上げます。
 この問題につきましては、今政府委員から御答弁を申し上げましたように、いろいろ実態を調査しておるところでございますが、今後も市町村交付金が制度の趣旨を踏まえて適切な措置がとられるよう兵庫県を指導してまいりたい、このように思っております。
#170
○有働正治君 次に、軽油引取税の引き上げ問題について質問いたします。
 運送事業で軽油引き上げの影響が最も大きい業種というのはトラック輸送業だと聞いております。全国のトラック事業者のうち中小企業の占める割合というのは圧倒的に多いと聞いていますが、どの程度でありましょうか。
#171
○説明員(洞駿君) お答え申し上げます。
 平成三年度末現在におきまして、トラック事業者は約四万ございますが、そのうちのほとんど九九・七%が中小企業でございます。
#172
○有働正治君 トラック業界に対する軽油引取税の引き上げの影響額はどれくらいでありましょうか。
#173
○説明員(洞駿君) トラック事業は、軽油引取税につきましては平成二年度で見てみますと約三千億円の納税をしております。引き上げによる負担増は約一千億円というものが見込まれます。現在、トラック事業の総コストに占める軽油燃料費の割合はほぼ八%でございますので、増税による総コストの上昇は一%程度と見込まれております。
#174
○有働正治君 全体として中小零細業者が圧倒的でありますし、影響も大きいと言わざるを得ません。
 トラック業界の営業収入全体は十兆円だと。経常利益が約三千億円。その三千億円に対して先ほど御答弁いただいたように約一千億という増税ということになりますと、極めてインパクトが大きいわけであります。全体のコストの中での影響率というのはどういうことになるのでありましょうか。
#175
○説明員(洞駿君) 先ほど申し上げましたとおり、トラック事業の総コストに軽油の占める割合が約八%でございます。今回、軽油引取税が値上げになるわけでございますが、それに伴いましてこのコストが約一%ぐらい上がる。これを逆に運賃にどれくらいはね返ってくるかということになりますと、それがそのまま運賃に転嫁されるとすれば、大体同じように一%ぐらい運賃が上がる、こういうことになろうかと思います。
#176
○有働正治君 私の出身県の熊本の業者の方から直接私は聞きました。運輸省の今の説明以上の影響があるという方が非常に多いというのに私はこの問題の重大性を痛感したわけであります。
 その業者の方々の声を、そして実情を調べでみますと、現在の運賃に対して一%と申されましたけれども、約二%増になるという状況であります。荷主に了解してもらえれば問題はないが、転嫁できない場合はそれだけ利益が減って、状況いかんでは赤字となる。即赤字になるという声も多々ありました。
 保有車両別の経常利益率、全国平均を見ますと、百台以上のところは四・〇%ないし五・三%でありますけれども、百台未満は二・八%となっています。小規模業者ほど二%のこの負担増というのが非常に大きなウエートを占めるということは明白だと思います。しかも、業者の方々は荷主に対して弱い立場にある。しかも、今不況時だということでありましで、なかなか転嫁が不可能に近い。自分でその分負わざるを得ないということを強調しています。
 私どもも、増税分の転嫁は運賃の引き上げという形で結局は消費者であります国民の負担増になる、最終的にはならざるを得ない面もあるわけで、こうした現場の実態、声、この点を運輸省、自治省はどう答えられるでありましょうか。
#177
○説明員(洞駿君) 先生御指摘のとおり、トラック事業は今非常に厳しい経営環境の中にございます。今回の軽油引取税の引き上げに伴いましてトラック業界はコスト増が見込まれるわけでございます。非常に苦しい経済情勢ではございますけれども、これにつきましては、何としても荷主等の理解と協力を得まして増税による総コストの適正かつ円滑な運賃への転嫁というものをお願いしていかなければならないと思っておりますし、このためには、トラック事業者みずからが荷主等への協力要請やいろんな広報活動、あるいはその業界団体等が構成員への転嫁についてのいろんな指導等を行っていくということになろうかと思われますけれども、私どもといたしましても、このような業界団体が講ずる転嫁のための施策が適切に行われるように指導していきたいと思っております。
#178
○政府委員(滝実君) 私どもも、この軽油の引き上げに伴う御負担については、トラック業界の規模によってそれなりの開きがあるだろうという感じはいたします。したがって、この今回の引き上げによって受ける影響もその企業における規模あるいは従業員数との兼ね合い、こういったところによって多少の変化があるということは想定されるわけでございます。
 そこで、私どもは今回のこの軽油の引き上げに当たりましで、先般の閣議の席上で特に自治大臣から発言をお願い申し上げました点が二つあります。一つは、これは運輸大臣からもあったわけでございますけれども、負担の転嫁につきまして、関係各省はできるだけ協力して円滑な負担の転嫁が進みやすいような努力をするというのが第一点でございます。それからもう一つ、これは特に消費者との問題がございますので、負担転嫁はスムーズにしていただかなきゃいけませんけれども、それに便乗して値上げということになりますと、これまた思わぬ影響が出てまいりますので、負担転嫁をお願いする一方では、便乗値上げについではひとつできるだけこれまた抑制するような努力を関係各省でとっていく、こういうような二点について発言をさせていただいたところでございます。
#179
○有働正治君 佐川など大きいところはともかくとして、圧倒的大多数の中小零細業者への影響は非常に大きいわけであります。
 先ほど、物価、運賃等への影響が一%程度という趣旨のようでしたけれども、実際の業者の声というのは二%ということが言われているわけであります。しかも、便乗値上げも抑制するといいながら十分考えられるわけでありまして、重大であります。しかも、こういうトラック業者なり特定のところに道路財源を求めるということは問題ありというふうに考えるわけであります。そういう点で、これからの施策として、こういう問題、特定の業者なりにしわ寄せがくるようなものはやるべきでないということ、そしてこういう中小業者いじめの増税には反対であるということを強く述べておきます。
 次に、地方自治体の公共事業と景気対策問題をめぐって御質問いたします。
 生活大国を目指す宮澤内閣は、生活関連公共投資を重視すると言っています。生活関連の社会資本整備は欧米の先進諸国に比べでもまだまだおくれております。抜本的な対策を講ずる必要があると考えるわけでありますが、大臣、いかがでありましょうか。
#180
○政府委員(湯浅利夫君) 我が国の公共投資におきましては地方のウエートが徐々に高まってきているわけでございますが、それはやはり一つは今御指摘のように生活関連の社会資本整備というものが立ちおくれておりまして、これを取り戻すというためにこちらの方に重点が移ってきているというふうに考えるわけでございます。
 その場合に、生活関連の社会資本を整備するという場合には住民に身近な行政主体でございます地方団体の役割というものが当然のことながら大きくなってくる、こういうふうに理解するわけでございます。
#181
○有働正治君 自治省の財政局が作成されました資料によりますと、我が国の公共投資の七割程度は地方自治体が実施している、六割程度は自治体が負担している、四割程度は地方単独事業だとされています。
 そういう点で、生活関連の社会資本整備をほとんど担っている地方の役割というのは今後さらに高まると見込まれると述べていることでも明白であります。自治省としても地方自治体がこうした生活関連社会資本の整備をこれまで以上に飛躍的に行える環境づくりをしていくということが大事だと考えますけれども、大臣の見解はいかがでありましょうか。
#182
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のとおり、我が国の公共投資のうち、国民経済計算上の統計で見ますと、公的固定資本形成のうち七七・五%が地方団体によって実施されている、これは平成三年度の統計でございますけれども。こういうようなことで地方団体の役割というものは非常に大きくなってきているわけでございます。
 特に最近では、この地方公共団体が行っております事業のうち、地方団体のそれぞれの実態に応じた生活関連施設の整備というものに重点が置かれる関係で、地方の単独事業がただいま御指摘のように非常に大きくなってきているというようなことでございまして、こういう傾向は当面続いていくものと思いますので、こういう地域経済の活性化にもつながるこれらの施設整備におきましては、今後とも地方団体の果たす役割はいよいよ大きくなってくるんではないか。これをやはり私どもも支援していかなければならないものだと思っております。
#183
○有働正治君 自治省が毎年作成されています公共投資実績をさかのぼってみますと、生活基盤整備の産業基盤整備に対する比率を見てみますと、一九六六年には一・五九でありました。その後、生活基盤の比重がそれなりに増大して、一九八一年には二・九四五にまで高まりました。ところがそれ以後、最近になるにつれましで言葉としては叫ばれるけれども逆に年々比率が減少して、九〇年には、最高の二・九四五から〇・五ポイントほど、二・四三三にまで下がっています。
 生活大国を目指しているというからには、もっともっと生活基盤整備に比重を置いた公共投資を行う必要があると思いますけれども、大臣の見解はいかがでありましょうか。
#184
○政府委員(遠藤安彦君) ただいま御指摘になられました行政投資実績における数値の問題ですが、確かにお話のとおり、産業基盤投資と生活基盤整備、これを比較してみますとおっしゃられた数字のようになっているわけでありますが、若干中身を分析してみますと……
#185
○有働正治君 簡潔にお願いします。
#186
○政府委員(遠藤安彦君) 生活基盤整備の中で若干数字が落ちておるものがあるわけでありまして、それは文教施設がこの期間少し落ちている。これがかなりきいておるわけでありまして、市町村道などはやはり順調に伸びているというようなことを見ますと、生活基盤整備の部分についてもそれなりに努力の跡がうかがわれるのではないかというように思っております。
 ちなみに、行政投資全体の中での生活基盤投資額の構成比を見てみますと、御指摘になりました一九八一年度の比率が約四四%であったわけでありますけれども、一九九〇年度、平成二年度にはこれが約四八%に全体としては上がってきているというようなことでございますので、全体としては行政投資の中で生活基盤整備も充実されてきているということが言えるのではないかと思っております。
#187
○有働正治君 地元の要請、住民の要請から見たらはるかにおくれているということを指摘せざるを得ません。
 私どもの調査によりますと、生活関連の公共投資というのは中小企業への発注率が高くて景気対策としても効果がある、高いと考えられます。例えば東京都の例ですが、都営住宅建設において中小企業向け契約は金額ベースで見ますと約六六%、福祉関係施設の工事では同じく九〇%、学校等教青関係工事においては約七〇%、その他すべてを含めました官公需発注全体の中の官公需法に基づく中小企業の比率は四八%、これから見ればはるかに高い。大阪でも同様の傾向が示されています。
 官公需法によりまして、「地方自治体は風の施策に準じて、中小企業者の受注の機会を確保するために必要な施策を講ずるように努めなければならない。」とされています。自治省としても、自治体に対して地方単独事業の推進を指導する際に、生活関連への公共投資の拡大、そして中小企業対策という両方の観点を考慮して行うべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。
#188
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のとおり、中小企業に対します受注確保につきましては、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づきまして、国におきましても毎年度閣議決定をいたしまして一定の方針を決めまして、それを各地方団体に要請しているということでございまして、このことは内閣全体として閣議決定したものを通産省から地方団体に御要請しているということでございます。
 したがいまして、自治省におきましても、内閣の一員といたしまして中小企業建設業者に対する受注機会の確保につきましては私どもとしても御協力をしなきゃならないというふうに考えまして、昨年の例を申し上げますと、昨年の四月十四日に公共事業の執行に関する事務次官通知を地方自治体にお願いしましたが、あるいは地方財政の運営全般に関する事務次官通知、これは六月十六日、それぞれの通知におきまして中小企業建設業者に対する受注確保についての配慮方を要請したところでございます。
#189
○有働正治君 最後に、国として官公需法に基づきまして必要な目標を閣議決定して対応されていることは承知しておりますけれども、地方自治体においてはそこまでいっているところが現実問題としては少ないようであります。目標比率を決めてはいるけれども、何年も前から据え置いて実際上お題目になっている。調べてみますと、目標も決めず、したがってどのようにして発注比率を高めるか具体的に検討せず、成り行き任せという自治体も多い状況にあります。
 本来は、中小企業庁が地方自治体に対してきちっと指導すべきであると考えますけれども、自治省としても、地方自治体における公共事業の役割の増大にかんがみまして、景気対策の観点から中小企業向け発注比率を高めるよう側面から協力すべきではないか。最後に、国務大臣としての所見を求めます。
#190
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員の御質疑、先ほどからよく承っておりました。実は私は、七、八年前に通産大臣をしておりまして、そのときは中小企業庁を所管するわけでありますからそのことについて特に申したことがございます、今の御質問ではたと思い当たるわけでございますが。
 中小企業の官公需の受注確保に関する地方団体の具体的な対応につきましては、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律というのがありまして、これを所管する通産省において方針を検討の上、通産省から各地方団体に対して所要の措置を講ずるよう要請がなされているところでございます。しかし、これは御指摘のようになかなか比率が増していかないという実態があります。したがって、私は国務大臣として、自治省としてもその趣旨に沿って中小企業者の受注機会の確保についての適切な協力に努力していきたい、このように考えております。
 また、先ほど来、生活関連施設と産業関連施設の比率についてのいろいろな自治省の資料をごらんになっての御質問がありました。実は私もこれを見ております。したがいまして、有働委員の御指摘はよくわかります。ぜひそういうことの実効が上がるようなそういう努力をしていきたいと思います。
#191
○有働正治君 終わります。
#192
○委員長(佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#193
○有働正治君 私は、日本共産党を代表いたしまして、地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 政府は、土地評価の一元化を目指し、九四年度の評価がえで地価公示価格の七割に固定資産税評価額を引き上げようとしています。本法案では、全国平均でも三・三倍という大幅な評価額の引き上げに対する国民の強い批判をかわすため激変緩和措置の内容を早々と一年も前から決めるなど、九四年度評価がえの土俵づくりを行うことを改正の柱としています。しかし、どのような負担調整措置がとられようと最終的には引き上げられた評価額に見合う税負担が求められるのであり、地価公示価格の七割という大幅な評価額の引き上げを前提とした改正内容を肯定することはできません。これが反対する理由の第一であります。
 第二は、軽油引取税の引き上げであります。
 今回の引き上げは九三年度から始まる第十一次道路五カ年計画の財源確保のためとされています。しかし、七十六兆円という巨額の十一次五カ年計画は、四全総や対米公約であります四百三十兆円の公共投資基本計画を推進するためのもので、国民生活に密着したものにつくり変えれば計画全体を大幅に引き下げることができ、増税をしないで済むはずであります。三千億という増税は、中小業者が多いトラック業界等に大きな打撃を与えるだけでなく、負担転嫁による運賃や物価へのはね返りで結局消費者である国民の負担増大となるもので、到底容認することはできません。
 理由の第三は、国保税の限度額を四十六万円から五十万円に引き上げていることであります。
 政府は、限度額を据え置くと相対的に低所得者層の負担が増大するという理由で七年連続して限度額を引き上げています。しかし一方では、国保税の賦課に当たって、相対的に低所得者の負担が増大する応益割合の比重を増大させる指導を行っており、結果的には所得なし階層の税負担の伸びが増大しています。限度額の引き上げではなく、国庫負担の削減をもとに戻し、保険税の負担軽減を行うことこそ国保加入者が強く求めていることであります。
 最後に、本改正案のうち身体障害者対策や公害防止対策に関連した特例措置など賛成できる項目もありますが、以上述べた主な反対理由のほかにリゾート開発等への支援措置など大企業優遇税制が温存されていること等もあり、全体として反対であることを表明して討論を終わります。
#194
○岩本久人君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。
 以下、賛成の主な理由を申し上げます。
 第一に、九四年度の固定資産税評価がえにおける宅地の評価の適正化とそれに伴う負担調整のあり方についてであります。固定資産税の宅地の評価については、土地基本法等の趣旨を踏まえ、地価公示価格の七割程度を目標とするとされております。評価の適正化、均衡化自体は妥当だと考えますが、問題は税負担がどうなるかでありました。二十六日には本年一月一日現在の地価公示価格が公表されましたが、それによると地価は下落傾向を見せてはいるものの、九一年度の評価がえの際の宅地評価と比べるとかなりの上昇と言えます。加えて、公示価格の七割程度に引き上げられるというのでありますから、このままでは大幅な税負担の急増になるのではないかということが当然危惧されました。
 結論的には、参考人を招くことにより学識者の見地からの貴重な御意見をいただくことができ、また内容的にも、評価がえに伴う急激な税負担増を避けるため私たちが主張しでまいりました住宅用地の特例の大幅な拡充、負担調整措置の延長、都市計画税における住宅用地の特例の創設など激変緩和措置が広範に講じられており、全体として土地政策等の観点からやむを得ないと言うことができます。
 ただし、なだらかとはいえ、大都市においては間違いなく負担は増加するのであって、年金生活者、高齢者、障害を持つ方など安定的な収入のない人々にとっては負担増は大変きつく、これらの方への温かい配慮を検討すべきであります。加えて、固定資産税のあり方についても、用途別分類別評価などの示唆に富む提起もいただいたことですし、総合的土地政策との関連、所得課税と資産課税の関係、負担とサービスのあり方、地価公示制度の適正化などの面から、なお一層論議を深めていく点が多々あると思います。また、評価するに当たっては、できるだけ直近の地価に基づいて評価し、問題が起き次第、直ちに是正を講じていかなければならないのは当然であります。
 第二の問題は、軽油引取税の税率の引き上げなどの措置についてでありますが、地方道路整備の一層の促進のための財源であることや、NOx規制の意味があることなどから、やむを得ないものであると考えます。しかし、景気や国民生活に与える増税の影響、道路整備財源のあり方、環境対策との関連などから、特定財源のあり方に対する今後の検討が必要です。
 第三に、排気ガス規制適合車に対する税を軽減することを初め、電気自動車、天然ガス自動車の導入促進、フロン規制、トリクロロエタン規制のための税制上の優遇など環境対策がとられていることは高く評価するものであり、一層の充実が求められます。
 そのほか非課税等特別措置についての早急の積極的な整理合理化を初め、事業税の分割基準の見直しや外形標準課税の実施、中低所得者の税負担感に配慮した住民税のあり方などについても今後検討を進めていくべきであります。
 るる政府案に対する考え方と今後の課題を述べましたが、日本社会党・護憲民主連合は、地方団体の意見を踏まえつつ、地方税源の拡充、住民負担の軽減、不公平是正の点で抜本的な改善が行われることを期待し、附帯決議を採択することをもって政府案に対し賛成するものであります。
 以上、私は本法律案に賛成することを表明し、討論を終わります。
#195
○委員長(佐藤三吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(佐藤三吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、岩本君から発言を求められておりますので、これを許します。岩本久人君。
#197
○岩本久人君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、二院クラブ、日本新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)に当たって、固定資産税に係る評価等の適正化を推進しつつ、税負担が急増することのないように善処するとともに、今後の地方税制の改正。に際しては環境保全問題・国際化・長寿社会化等に対応する行政需要の増大、引き続き厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、固定資産税の評価替えに当たっては、特に小規模住宅地所有者、年金生活者、中小企業者、賃貸住宅居住者等の急激な負担増とならないよう十分配慮するとともに、今後の地価動向に留意しつつ、固定資産税に係る評価において可能な限り地価動向を反映させるよう適切な措置を講ずること。なお、評価替えの趣旨及び税負担の軽減措置について、あらかじめ広く国民の理解を得ること。
 二、固定資産税は、土地保有税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえ、納税者の税負担にも配慮しつつ安定的税収の確保に努めること。なお、地価公示制度についてもその適正化の推進に努めること。また、固定資産税の評価替えに伴い予想される地方団体の課税事務の増加にかんがみ、その円滑な執行のために、必要な措置を講ずること。
 三、地方道路財源の拡充に今後も努めること。なお、軽油引取税については、道路目的財源としての性格に配意しつつ、社会経済情勢等の推移に対応しその在り方について広く検討するとともに、事業者の負担に配慮を払うこと。
 四、地方税は地方団体の重要な自主財源であることにかんがみ、国と地方の機能分担に応じた税源配分の見直しを検討するとともに、地方団体がその役割の増大に的確に対処し、地域の実情に則した行政運営が行えるよう、地方税源の拡充に引き続き格段の努力を行うこと。また、住民負担に配慮しつつ課税自主権の強化に努めること。
 五、税制の簡素化及び税負担の公平確保のため、非課税等特別措置については引き続き見直しを行い、一層の整理・合理化等を図ること。特に事業税の社会保険診療報酬に対する非課税措置については所得課税との均衡を図るとともに、いわゆるマスコミ等七業種に係る非課税措置の廃止に伴う経過措置についてはその撤廃を検討すること。また、利子課税・株式譲渡益課税については、課税の公平の観点から、総合課税への移行を展望し、適切な見直しを推進すること。
 六、事業税の分割基準の見直しを行うとともに、法人事業税における外形標準課税の導入を積極的に検討すること。また、個人住民税については、地方財政の状況を踏まえつつ、国民生活水準の動向、中低所得者の税負担感に十分配慮すること。
 七、 自動車に種々の税が課税されている現状にかんがみ、その在り方について幅広く検討すること。
 右決議する。以上でございます。何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
#198
○委員長(佐藤三吾君) ただいま岩本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(佐藤三吾君) 多数と認めます。よって、岩本君提出の附帯決議は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村田自治大臣。
#200
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。
#201
○委員長(佐藤三吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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