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1993/05/20 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第9号
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1993/05/20 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第126回国会 地方行政委員会 第9号
平成五年五月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     西川  潔君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                石渡 清元君
                久世 公堯君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                須藤良太郎君
                関根 則之君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                長谷川 清君
                下村  泰君
                細川 護煕君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  村田敬次郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
   政府委員
       内閣法制局第一  津野  修君
       部長
       警察庁長官官房  垣見  隆君
       長
       警察庁警務局長  井上 幸彦君
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       自治政務次官   片岡 武司君
       自治大臣官房長  吉田 弘正君
       自治大臣官房総  遠藤 安彦君
       務審議官
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
   事務局側
       常任委員会専門  佐藤  勝君
       員
   説明員
       国際平和協力本  松村 博史君
       部事務局調査官
       法務省刑事局刑  大泉 隆史君
       事課長
       大蔵省主計局主  木村 幸俊君
       計官
       大蔵省主計局主  津田 廣喜君
       計官
       厚生省保険局国  石本 宏昭君
       民健康保険課長
       通商産業省立地
       公害局環境政策
       課公害防止指導  石黒 義久君
       室長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、西川潔君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐藤三吾君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○大渕絹子君 おはようございます。
 四月十二日、政府は新総合経済対策という名目で総額十三兆二千億円の経済対策を打ち出しました。それに伴う補正予算案が今回の国会に提出をされているわけですけれども、その財源のほとんどが国債を発行するということで、二兆二千四百六十億円の国債の増額発行。そして、それによって国債の依存度は一三・九%に上昇します。また、財政投融資計画の三兆一千五百六十七億円の追加ということで、この両財源の運用で事業の総規模は十三兆二千億という過去最高の経済対策ということです。
 今回のこの補正予算に当たり、財源不足ということで、当初予算で予見しがたい予算の不足のために計上された三千五百億円の予備費が二千億円減額されています。財政法二十四条で当初予算の相当と認められた予備費がいとも簡単に減額をされてしまった。このことについて大蔵省はどういうふうに思っていらっしゃいますか。
#5
○説明員(木村幸俊君) お答えいたします。
 五年度当初予算におきます予備費についてでございますが、先生御指摘ございましたように、財政法二十四条に基づきまして「予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上する」ということでございます。それで、その性格を踏まえつつ流動的な諸般の情勢等を総合的に勘案いたしまして当初予算におきましては三千五百億円を計上いたしたところでございます。
 ところが、極めて厳しい財政事情のもとで先生から御説明ございました今回の経済対策を実施するため、そのためのやむを得ざる措置といたしまして今回二千億円を減額することといたしたところでございます。
#6
○大渕絹子君 当初予算で、平成五年度には三千五百億円の予備費が必要であるということの中で組まれた予算。二カ月もしないですね、予算が本院で上がったのが三月三十一日ですから。そういう状況の中で、その予算はそれでは相当額から外してもいいということの中で三千五百億の二千億ですからその中の半分以上の金額が補正予算の財源として使われるということは、これはもう当初予算を審議した過程というようなものも全く無視をしていますし、大蔵省の先見性というようなものも疑われるわけなんです。
 もしこういう状況の中で、千五百億円に減らされた予備費、本年度に予備費を使わなければならなくなった予見しがたい事態というものが生じたとき、一体どうなさるおつもりですか。
#7
○説明員(木村幸俊君) 先生の御質問の趣旨は、今後さらに不測の事態が生じたとき、今三千五百億円を二千億円減額いたしまして千五百億円という予備費になっているわけでございますが、それで対応できるんだろうかという御趣旨だと思います。
 まさに予備費というものは、予見しがたい予算の不足に充てるために使用することが認められている制度でございます。確たることは確かに現時点で申し上げがたいわけでございますが、今後とも、予備費使用に当たってはできる限り効率的な使用に努めることによりまして、何とか残された予備費の範囲内で対応するよう最大限努力してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#8
○大渕絹子君 当初予算の審議の過程の中ででも、補正予算をこれが上がったら直ちに組みたいんだというような発言を閣僚の中でする方もあったりで、当初予算がベストだと言いつつもその裏でもう既に新たな補正予算を組む準備、その準備のためにこの三千五百億円の計上というものがあったのかどうか。
#9
○説明員(木村幸俊君) 当初予算どこの補正予算ということでございますが、平成五年度の当初予算というのは、異例に厳しい税収動向、財政事情のもとで、既存の制度や歳出の徹底した見直しに取り組む一方、内需中心の持続的成長を図るために予算編成時におきます経済情勢等を勘案して景気に十分配慮するということで、最善の施策を盛り込んだものでございます。
 ただ、景気の現状を見てみますと、回復の兆しを示す動きが徐々にあらわれてきておりますものの、前回の対策におきまして財政面の柱となりました四年度補正予算の成立が昨年暮れとおくれたこともございまして、景気の先行きがいまだ予断を許さない状況にございます。
 こうしたことから、政府といたしましては、今後の景気の足取りを一層確かなものとするために、先般、予算成立直後という極めて異例の時期ではございますが総合的な経済対策を策定し、また今回、それをできるだけ速やかに実施するための補正予算を提出した、そういった経緯でございます。
#10
○大渕絹子君 ちょっと何か違う答弁のように思いますけれども、それでは当初予算で不用なものを二千億円も上積みをして予備費として計上したというふうに受け取ってもいいのですか率直に聞けば。
#11
○説明員(木村幸俊君) 予備費につきましてでございますが、予備費につきましてはまさにその性格が予見しがたい予算の不足に充てるということでございまして、それにつきましては当初予算におきまして最近ずっと三千五百億円というものを計上してきている、そういったものでございます。
#12
○大渕絹子君 何だかちょっとよくわからない答弁でございます。
 それで、今私たちはこの委員会で当初予算に基づく必要があってこの地方交付税の改正ということを審査しているわけですけれども、この同じ国会に、まだ参議院において地方交付税の改正案が通過をしないこの時点で補正予算が出されてきたために、またすぐに地方交付税の改正案が出てくるというようなこんな不正常なあり方というものはないと思うわけです。余りにも国会を軽視した拙速なやり方ではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#13
○説明員(木村幸俊君) 繰り返しになってまことに恐縮でございますが、当初予算を編成いたしまして、その後、景気の現状というものを見ますと、先ほども申しましたように、回復の兆しを示す動きが徐々にあらわれてきておりますもののやはり先行きはいまだ予断を許さない。そういうことで、今回経済対策等を策定し、さらにそれをできるだけ速やかに実施する。そういうことで補正予算を今お願いしているわけでございます。
 今回出されている補正予算、これと前回の対策、さらには景気に配慮をしました五年度当初予算と相まちまして内需中心の持続的成長の実現を一層確かなものにすると考えておりますので、その点ぜひ御理解を賜りたいと考えております。
#14
○大渕絹子君 自治省に聞きます。
 地方自治体ではこの新総合経済対策を予定どおり受け入れられるのかということです。昨年の八月の経済対策のまだ公共事業残というものもあるということの中で、さらに当初予算では地方単独事業を大幅にアップしているという状況。しかも、上半期にその当初予算の七五%を前倒しして工事をしろという通達も出ているわけです。その上にさらにこの新総合政策が立てられているわけですけれども、地方自治体はこれらの膨大な公共事業を国が定めた予定どおりに消化できる体制になっているかどうかということをお聞きしたいと思います。
#15
○政府委員(湯浅利夫君) 最近、昨年からの建設事業につきましては、ただいま御指摘のように、昨年度の当初予算におきましても地方の単独事業を相当大幅に伸ばしていただく、さらに八月には総合経済対策によってまたこの追加をお願いするというようなことで、昨年度におきまして地方単独事業を含めます建設事業は非常に大きな金額になってきたわけでございます。
 その執行状況を昨年度で見てまいりますと、九月末、上半期におきまして七七・四%の契約執行率が結果として出てきたわけでございます。これは、七五%を超える率でやってほしいという私どもの要請に対しまして、地方団体が積極的に対応していただいたという結果だと思います。
 そういうものを受けまして、全体として平成四年度の契約執行率が二月末でどうなっているかというと、これが今の段階で一番新しいデータでございますけれども、二月末の公共事業、単独事業を含めました契約執行率は九〇%になっております。この九〇%という率は例年の状況から見ましても遜色のない率でございまして、そういう意味では平成四年度の建設事業は例年と同じテンポで行われているんではないのか、こういう推測が一応できるわけでございます。
 平成五年度になりますと、さらに単独事業を一二%以上伸ばしていただきたいということで、当初予算に積極的な対応をお願いいたしました。各都道府県の状況を御報告いただきましたのを見ますと、これを上回る率で単独事業を計上していただいておりますので、この点については地方団体も非常に積極的に対応していただいたと思います。
 しかも、この間の四月の経済対策が決められたときに、上半期七五%の契約執行率でお願いをしたいということ、これは国も決めましたのでそれに合わせて地方もやっていただきたいというふうにお願いをいたしました。その結果は今集計中でございますけれども、各都道府県におきましてはこれに対応していただくような措置をいろいろと講じていただいているというのが現状だと認識いたしております。
 そういたしますと、昨年もそうでございましたけれども、上半期にそれだけ契約の執行が進みますと下半期の方で仕事が少し足りなくなってしまう。その分を補正予算なり地方単独事業の追加でお願いをしようということで昨年度も行ったわけでございますけれども、同じような状況がことしも出るんじゃないか。こういうことを踏まえまして、国の補正予算を伴う公共事業の追加にあわせまして、地方の単独事業につきましても追加をこれから要請したいというふうに考えているところでございます。
 昨年からことしにかけまして確かに相当事業量が膨らんでいるということも事実でございますけれども、こういう異例の状況でございますので積極的な対応を私ども地方団体にお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
#16
○大渕絹子君 地方自治体の事業に必要な財源の手当てということの中で、政府は七月にも九三年度の地方債計画を改定して二兆五千億円程度の地方債の増発を認める方針だというようなことが報道されているわけですけれども、その増発する地方債の五〇%が財政投融資資金、それから一五%が公営企業金融公庫資金、三五%が民間資金で賄われるということの中で、当初予算の発行額十兆三千五百八十五億円を加えますと実に十二兆八千五百八十五億円の地方債の発行ということで、その依存度は一一%に膨れ上がるということでございます。
 この経済対策の公共事業の地方債の発行に対しては、後年度において元利償還金は交付税で賄うということで地方には負担をかけないということが言われているわけですけれども、これだけ膨大な地方債の発行によって、将来、自由に使える地方交付税がその地方債の返済のために圧迫をされるようなこと、そういう懸念は全くないのですか。
#17
○政府委員(湯浅利夫君) 今、先生御指摘のように、ことしの当初の地方財政計画におきまして
も、景気に配慮して地方単独事業を積極的に実施するというために地方債の大幅な活用をお願いしているところでございます。それにあわせまして、今回の景気対策によりまして、地方単独事業の追加あるいは公共事業の追加に伴います地方負担の増額の分につきまして地方債でまた対応していかなきゃならないということでございますから、御指摘のように地方債の依存度は相当高くなってくると思います。
 こういう状態をいつまでも続けるということになりますと、御指摘のように公債費の重圧に地方団体は大変な財政運営を強いられるということになりますので、景気が一定の軌道に乗った段階でやはりきちんとけじめをつけまして、地方債の活用というものにつきましても一定の歯どめをかけなきゃいけない。現在でも借入金の現在高は八十一兆円を超すと見られておりますが、それにさらに今御指摘のようないろいろな借入金の増があるわけでございますから、これが公債費の重圧にならないというわけはないわけでございます。これはよほど注意をしながら今後財政運営をしていく必要があると思います。
 こういうこともございますので、近年におきましても、今まで特例的に借り入れました地方債につきましては地方財政計画上繰り上げ償還の措置を講ずるようなこともやってきたわけでございまして、今後の財政状況によりましては、そういうことも配慮しながら公債費の重圧というものに対しては細心の注意を払っていかなければならないものだと思っているわけでございます。
#18
○大渕絹子君 今度の計画の中でも、政府が地方債の発行を認める方針が出なければ地方債を自由に発行できないというような状況で、これは地方自治の確立をするという観点からは非常に不合理な問題じゃないかというふうに思うわけです。現行の起債許可制度というのを廃止する方向に検討される意思はございませんか。
#19
○政府委員(湯浅利夫君) 地方債の許可制度につきましては、私どもは現段階でこの許可制度がいろいろな機能を果たしているというふうに考えているわけでございます。例えば元利償還金をどういうふうに保障していくかということを考えますと、地方財政計画で最終的には毎年度毎年度の公債費をきちんと積算して滞納がないようにしていくというようなことを考えなきゃいけない。現実に地方公共団体では今まで一度も借入金の償還をおくらせたということはございません。
 それは、やはりそういう財源の保障というものを地方財政計画できちんとやっているということが一つの裏づけになっているんではないかと思うわけでございます。あるいは国と民間との資金需要の配分というような問題、あるいは弱小の団体におきましても比較的スムーズに資金調達ができるということは、やはり許可という制度がございまして、その許可がある意味では保障的な機能を持つということがあってこういうことができているんではないかというふうに私は考えているわけでございます。
 そういう意味におきまして、当面この許可制度を廃止するということは適当ではないのではないかということを私は考えております。
#20
○大渕絹子君 できれば前向きに取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。
 平成四年度の地方交付税の不交付団体は都府県で四団体。そして、市町村では三千二百三十七団体のうちの百四十三団体が不交付団体ということになっています。十八日の参考人の陳述によれば、不交付団体も決して財源が豊かではない、一生懸命節約をしながら不交付団体ということを維持をしていると。十八日の参考人の方はそういう御発言をなさっていましたけれども、そういうことで地方税収だけでやっていけない団体がもうほとんどなわけです。
 そういう構造になっていますので、地方の財源を確保するというような形で地方交付税が重要な位置づけをされているということはわかるわけでございますけれども、将来的に地方固有の財源を拡充する必要があるのではないかというふうに私自身は思っているわけでございます。そういうことに対して、例えば地価税などを地方税として変えていくような前向きな検討をされているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
#21
○政府委員(湯浅利夫君) 地方公共団体が自主的、自律的な財政運営をしていくということが地方自治を進めるための一番大きな要因だと思うわけでございます。そのためには国の財政というものに依存しないで自分たちの財源で仕事をする。これが一番望ましいわけでございますから、今御指摘のように地方税で賄えるということが最も望ましいやり方だと思います。
 しかし、残念ながら、我が国のそれぞれの地域を見ますと、どうしても経済力に格差がございますからそういうわけにもいかない。それに準ずるものとしてではどういうものがあるかと言えば、地方譲与税なり地方交付税というようなものを使いまして、ひものつかないいわゆる一般財源ということで、それぞれの自治体が自主的に財政運営ができるようなそういう財源というものの充実を図っていくというのが次に望ましい問題だと思っております。そういう意味からいけば、地方税なり地方交付税という地方一般財源を充実していくということが中長期的には一番望ましいものだというふうに考えております。
 今、具体的に御指摘の地価税の問題等もございますが、いろいろな税制をつくる際に地方は地方の立場で税制を検討していただくように今までも各関係方面にお願いをしてまいりましたけれども、これからもそういうことでお願いをしていかなきゃならないというふうに考えております。
#22
○大渕絹子君 基準財政需要額は多様な地域の実態を反映するものでなければなりません。衆議院の地行委員会、四月十四日の参考人の質疑の中なんですけれども、参考人として出席をされた林さんは、現在の基準需要額はほとんどが人口と面積によって説明できると言い切っています。このことに対して反論ができるようでしたら反論していただきたい。 過疎化の進む中山間地帯や例えば産炭地のような産業構造が一気に変わってしまって人口の変化が著しいところには特別な手当てを今もされているわけですけれども、さらに大きな特別な手当てというようなものが必要になってくると思うんです。そのことをよろしくお願いします。
#23
○政府委員(湯浅利夫君) 交付税の基準財政需要額を算定するに当たりましては、ただいまも御審議いただいておりますように、各費目ごとにそれぞれの自治体の財政需要が的確に算定できるようにいろんな指標を使いまして算定をしているわけでございますが、人口要素あるいは面積の要素というようなものがどうしても財政需要の中に反映してくることは事実でございます。例えば小学校費、中学校費を計算する場合には生徒数だとか学校数だとかというようなものを単位にいたしますけれども、生徒数とか学校数というものはやはり人口に反映してくるというような問題もございましょうから、最終的に人口とか面積というものにウエートがかかってくるということは事実だと思うんです。
 しかし、そういうやり方といいますか、人口とか面積というようなもので画一的に需要額を算定していくということになりますと、今御指摘のように地域の具体的なニーズに対応できる財政需要額を算定できないんじゃないか。いわゆる静態的な財政需要しか測定できないんじゃないかということで、これからはもっと地域の実情に応じた個性的な地域社会をつくるための動態的な財政需要を捕捉する必要があるということをよく指摘されているわけでございます。
 そういう意味も含めまして、今いろいろな形でこの動態的な財政需要をつかむように努力をしているところでございます、例えば地方債と交付税をうまく組み合わせることによりまして単独事業を積極的にやっていただくというようなことは、まさに動態的な財政需要をつかまえていこうという一つの方策だというふうに考えているわけでございますが、逆にこれが余りひどくなってまいり
ますと、交付税というのはひもつきなのか、いわば特定財源化しているじゃないかというような議論がまた逆の方向から出てくるわけでございます。
 交付税はあくまでも地方団体の自主的な財源でございます。条件も使途も特定してはならないというのが交付税の性格でございますから、この交付税の性格とそれぞれの自治体の具体的な財政需要をどう捕捉していくか、この二つの問題を調和させながら財政需要の的確な捕捉には今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○大渕絹子君 地方交付税は、地域に合った行政サービスに必要な財源の保障機能であるとか地域間の財源の再分配のための財政調整機能、国と地方自治体間の財源配分機能、そして近年では単独事業などを通じて地方の活性化の機能も持っている大変すぐれた性格というものがあるわけでございます。ぜひ大臣にもこの交付税の総額の確保ということにつきまして特段の御努力をいただきたいということをお願いし、時間がないので決意をお伺いいたしませんけれども、確認をさせていただきまして、次に監査委員制度についてお聞きをしたいと思います。
 さきの地方自治法の一部改正で自治体の監査委員に自治体OBを選任することに規制が加えられていますけれども、その法改正によって現状は改善をされているかどうか。改善されていない自治体にはどのように改善策を図っていくのかということを手短に御説明をいただきたいと思います。
#25
○政府委員(紀内隆宏君) お話ございましたように、平成三年四月の法改正におきまして監査に関する制度改正が三点行われてございます。
 一つがいわゆる行政監査ができるようになったこと。二つ目が今御指摘ございましたように俗に言われるOB制限の話でございます。三つ目が都道府県と人口二十五万人以上の市の場合には少なくとも一人は常勤にすべし。こういうことでございました。
 それで、各地方公共団体におきましては、この法改正の趣旨に沿ってOB制限につきましてもそのとおり行われているものと承知しておりますけれども、何分、改正法の施行後、最初に任期が来るまでの間は現在在職している者についてはこの適用がないということになっておりますので、その期間を経過してみないと全体の状況はわかりませんが、期間の経過した暁には法の趣旨が徹底されるもの、このように考えております。
#26
○大渕絹子君 同じように町内会の法人化ということが規制をされたと思うのですけれども、現状、その町内会の法人化という部分はどんなふうになっていますか。
#27
○政府委員(紀内隆宏君) 調べたものがございますが、突然の御質問でございますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
#28
○大渕絹子君 では、後からお願いいたします。
 検察庁の方、お見えになっていますでしょうか。
 新潟県の県知事選挙、これは一九八九年に行われました県知事選挙でございますけれども、東京佐川急便から三億円のやみ献金が知事側に入ったということの中で、その中の一億円については金子前知事が選挙費用として使われたということで今起訴をされているわけでございます。残りの二億円について、金子清側の選対に入ったということだけは事実確認というようなことの中で、これは昨年の十一月三十日、法務省が衆議院の予算委員会で行った東京佐川急便事件中間報告によって、渡邊前社長から金子陣営等に対し三億円の選挙運動資金を提供した事実が把握された旨が報告をされているわけでございます。
 この三億円のうちの二億円について解明をしてほしいということで、社会党の新潟県本部が中心になりまして新潟地検に告発をいたしました。その告発、県本部だけでなくて全国的に告発運動というものを広げていく中で、全国からこちらで把握しただけでも三千二百人の告発人ということの中で告発が検察側に出されていると思いますけれども、その告発状の取り扱いはどうなっておりますか。
#29
○説明員(大泉隆史君) 検察当局におきましては、委員御指摘のように、昨年十二月、氏名不詳者に対する告発ということで政治資金規正法違反等の告発を受けております。これは新潟地検で受理をいたしまして、東京地検特捜部の方へ移送されて、現在そこで捜査中ということでございます。
#30
○大渕絹子君 もしこの告発がなければ、その時点で二億円の捜査というものは打ち切られていたのでしょうか。
#31
○説明員(大泉隆史君) 捜査の展開がどうであったかということで仮定のお尋ねでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#32
○大渕絹子君 この告発状の中でも私たちはその告発事由として申し上げているわけでございますけれども、その二億円を東京佐川急便の元社長の渡邊廣康氏から受け取った者は一体だれなのかということを追及しているわけです。その受け取った者を告発しているわけです。そして、その受け取った者と受け取った者が配った先。配られた側は特定をしていますね、新潟県内の氏名不詳の自治体議員複数の者ということの中で告発をしているわけです。捜査の途中であるということで恐らく御答弁はいただけないだろうと思いますけれども、あえて聞きます。この被告発人として表示をされている者のめどといいますか、そういうものはついていますか。
#33
○説明員(大泉隆史君) 捜査の過程でどの程度の事実が解明されているかということにつきましても、捜査の内容にかかわることでございますので答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#34
○大渕絹子君 それでは、私は本院の亡くなられました長谷川信元法相の名誉のためにお尋ねをするわけでございますけれども、当初マスコミは、こぞって亡くなられた長谷川元法相がこの二億円を受け取った本人ではないかということで報道をされました。しかし、私たちの情報、調査等によりまして、長谷川さんが受け取ったということは事実関係とは違うというように思っているわけですけれども、この件、亡くなられた長谷川法相の名誉のためにもきっぱりとここで否定をしていただけますか。
#35
○説明員(大泉隆史君) この二億円の行き先等につきましては、先生の御指摘のようなことも含めて種々の情報なり指摘がなされておる、また報道がなされておることについて、検察当局は承知しておるものと思いますけれども、それが事実どうであったかということにつきましては、現在その関係につきまして公訴が提起されているというわけでもございませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
#36
○大渕絹子君 その二億円を受け入れた有力な団体と言えば、金子前知事の選挙を実質的に担った自由民主党新潟県支部連合会以外に想定することは困難なわけでございます。また、平成元年五月ごろ、東京都内で渡邊前社長より二億円を受領した者は、その趣旨及び金額からして、自民党新潟県連の中枢に位置し、渡邊前社長と親密な関係にある自民党所属の国会議員クラスの者であるということも容易に推測をされるわけでございますけれども、この件についても間違いなく捜査をやっておりますか。
#37
○説明員(大泉隆史君) 検察当局としては、先生御指摘のような点も踏まえまして、それをも視野に置きつつ捜査中と承知をしております。
#38
○大渕絹子君 さらにその後、右の者、今私が指摘をした者から二億円の一部を配分された者らが自民党新潟県連に関連をする自治体議員であり、その配分金の合計額が少なくとも金二千万円を超えるということも算出をされるわけでございます。そういうことに対しても、その地方の自治体議員についてくまなく捜査をされておりますか。
#39
○説明員(大泉隆史君) 御指摘のような事情は告発状等にも明示されておるところでございます。そういう告発がなされておるということを踏まえて所要の捜査をしておるというふうに考えております。
#40
○大渕絹子君 その自治体議員の捜査の過程で、この件とは全く別な件が新たに浮上してきて逮捕をしたというようなことがありますか。
#41
○説明員(大泉隆史君) そういう事実は承知しておりません。
#42
○大渕絹子君 西蒲原郡黒埼町が選挙区であります県議会議員がこのたび逮捕されているわけですけれども、この件で捜査をして挙がったということではないですね。
#43
○説明員(大泉隆史君) 捜査がどういう経緯あるいは端緒で始まったかということにつきましても、現に捜査中の事件のことでございますので、恐縮ですがお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#44
○大渕絹子君 捜査中ということでお答えいただけないのはそうだろうと思いますけれども、さらに捜査を強化していただき、私たち新潟県民はこの二億円の行方について本当に厳しい目で見守っています。金子前知事は一億円の選挙資金ということで辞任をされて起訴されているという状況の中で、二億円を受け取りそして使途が分からないというような人に対して全く捜査の手が及ばない、あるいは逮捕されないというようなことであるならば、これはもう全く法のもとの平等性というのを欠くと思います。徹底的な捜査をし、たとえそれが国会議員であってもひるむことなく突き進んでいっていただきたいということを心からお願い申し上げます。
 それから、さっきのはわかりましたでしょうか。
#45
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほど地縁団体についてのお尋ねがございました。
 地縁団体につきましては、一定の要件を満たすものが市町村長に申請をしたときには、目的の範囲内で権利義務の主体となり得る、認可を受けた場合にはそういうことになっているわけでございます。
 昨年の七月一日現在の状況を調べておりまして、認可をされた団体が八百四十一団体でございます。八百四十一ございまして、その認可した市町村は三百五十五の市町村。つまり、一つの市町村で複数の団体の認可を行ったものもある、こういう趣旨でございます。現在、審査を行っているのがその段階で五十五団体ある、このように調べております。
#46
○大渕絹子君 カンボジアの問題についてちょっとお聞きをいたしたいと思います。
 文民警察の任務は現地警察の指導、助言、監視ということになっていますけれども、射殺をされた高田警視さんたちは定められた任務と違う任務についていたのではないかというふうに思うわけでございます。昨日、警察庁長官は、宮澤総理それから河野官房長官あてに現在行われている警察官の活動内容それから生活状況についての一覧表を提出したというふうに報じられているわけでございますけれども、その警察官の任務とリストについて、私たちも要求すればいただけるものかどうかということをお尋ねいたします。
#47
○政府委員(井上幸彦君) お話しのありましたとおりに、私どもの派遣しております文民警察官の任務というのは警察行政事務に関する助言、指導、監視ということでございます。
 また、高田警視の殉職時の任務はどうであったかというお尋ねでございましたが、これにつきましては、今申し上げました事務を遂行する過程の中において相互の安全を守る等のために情報交換等を行っているわけでありますが、今回はアンビルからプムクーに出向いて、相互に情報交換をして、お互いの安全を守るための確認をして、その帰途にああいう事件に遭遇した、こういうことでございました。
 それからもう一つ、昨日の長官から官房長官、総理への報告の中で一覧表というものを提出したんではないかということでありますが、これにつきましてはそのような資料は差し上げてございませんし、一般的に警察官のカンボジアにおける活動の厳しい状況というものを申し上げるとともに、なおかつ一層の安全対策に政府として力を注いでほしい、こういうお願いをしたまででございます。
#48
○大渕絹子君 それでは、朝日新聞の本日の朝刊に報じられていることは誤報ということでございますね。
#49
○政府委員(井上幸彦君) そうでございます。
#50
○大渕絹子君 わかりました。
 ハンガリーの文民警察二名が身体の危険を感じて帰国したという確認があるわけでございます。日本の文民警察四人も病気のために任地を離れて今プノンペンにいるというふうに伺っています。これは仮定のことだからお答えできないと言われるかもしれませんけれども、もしUNTACの命令の任地から避難をして帰国したいというような希望があった場合、さきの決算委員会の審査の中では、日本から派遣をされた要員については辞表を提出しない限り帰国は認められないだろうということだったんです。どうしてももう任地におることが耐えられないといいますか避難をしなきゃならないという状況の中で、帰国をしたいと願って、辞表を出して帰国をした文民警察官や地方自治体の選挙監視員の人たちのその後の身分というものはどう保障されるんでしょう。
#51
○政府委員(井上幸彦君) 今、プノンペンにおります四名の者につきましては、お話しのありましたとおり、病気の療養ということでそのままプノンペンに現在とどまっておるという状況であります。
 また、一般論といたしまして申し上げますならば、我が国の文民警察官はそれぞれ都道府県警察の所属であったわけでありますが、この文民警察官になるにつきましては、それぞれの所属の都道府県警察を辞職いたしまして国際平和協力本部の要員に採用された、こういう経緯であります。したがいまして、当然帰国した暁にはそれぞれの都道府県警察に復帰させるというのが前提と、このように理解をいたしております。
#52
○大渕絹子君 ぜひそういう措置をしておいていただきたいと思うのです。ややもすると、日本人の気質からいきますと、重要な任務を負ってみずから希望して出かけていった者がのめのめと帰ってきた、そんな者を受け入れられるかというようなことにならないように、ぜひこの委員会で確認をしておいていただきたいと思うわけでございます。
 さて、大臣、五月十九日付の朝日新聞の朝刊のこの写真なんですけれども、ごらんになりましたでしょうか。見ておらなければ今見ていただきたいのでございますけれども、カンボジアのプノンペン政権の将校が兵隊に一万リエルというお金を配っている写真でございます。その写真をごらんになった率直な御感想をお聞きしたいのでございます。
#53
○国務大臣(村田敬次郎君) 今大渕委員の御指摘になりました五月十九日の朝日一面の写真は見ております。ただ、これについての詳細な事情は実は承知をしておりません。非常に日本の選挙などの場合と事情が違いまして、この配られたというものがどういう使途に供するものであるか、そういうことがわかっていないわけです。
 日本の選挙の場合は、非常に選挙法がはっきりとしておりまして、それについての違反等については極めて明確でございます。ところが、まだカンボジアの場合は憲法自体が施行をされておりませんし、ましてこういった諸法の施行がありませんので、一体これはどういう事情によるものであろうかと思いながら、連日新聞の記事やテレビを見ておりまして、非常に関心を持って見たところでございます。
#54
○大渕絹子君 きょうの読売新聞にも、Tシャツを配るその中に、一万リエル、お金の札束が入れられて配られているという報道が出ています。
 日本では当然こういうことは買収行為ということで公正な選挙ということの前提にはならないわけでございます。カンボジア人民党が一万人集会を開き、参加者に一万リエル、日本円で二百五十円相当が配られたと報じられている。この写真は明らかに買収行為そのもの。こんな選挙で果たして民主的な政府がつくられるのか。こんな選挙の
ためにとうとい命を犠牲にしてよいとお考えかどうか。公正な選挙が行われるようになるまで選挙を延期するように国連安保理に強く要請するのも日本の役割だと思うのです。
 きょうはもう既に二十日。あと三日だというこの時期に、とてもそういうことはできないだろうと思うわけでございますけれども、今後のこともございます。派遣をするときにはきちんと選挙ができる状態であったのかどうなのかという見きわめというのが非常に大事だと思うわけでございます。そこのところをきちんとして、これからは対応していただきたい。
 この二つの写真。これはマスコミ、日本のマスコミは非常にいろんな意味で報道自体が問題視をされている部分もあるわけですけれども、写真一枚ですべての事情というものを物語っているというようなことで、まだまだ捨てがたいものがあるという思いをしながら朝日一面の記事、記事の中身というよりは写真の方が強烈な印象として、公正な選挙が行われる状態でないということを記者は訴えたかったんじゃないかというふうに私自身は思っているわけでございます。大臣もそのように感じ取っていられるということが御答弁の中で私自身にも感じられて、ちょっとほっとしているわけでございます。
 重ねて大臣に、十八日の閣議後の記者会見で、自国の要員を他国の部隊に守ってもらうのは問題である、PKO凍結について議論する必要があるのではないかと自衛隊の警護の任務について前向きな発言をなさったと報じられていますけれども、その発言の真意はどこにあったのでしょう。
#55
○国務大臣(村田敬次郎君) 大渕委員の御質問は非常に重要でございますから、ちょっと詳細に答えさせてください。
 まず、選挙についてお金が配られたというごらんになった二枚の写真でございますが、日本の公職選挙法によっても法律上認められておる現金の支給があります。例えば日当でございますとか運動員の食事費でございますとか、そういういろいろな選挙をやっていくために必要な管理経費及び運動員の経費等については認められておるわけでありまして、したがって、この人民党の一万人集会、その他いろいろカンボジアで今行われておる選挙についてそういう現金の支給が仮にあったといたしましても、その写真だけでこれは大変汚い選挙だというふうに考えるのは早計ではないか。もっとよく調べてみて、それが民主主義国の例えは日本の公職選挙法上などでも認められておる支出であるかもしれない。それをよく見ないと、それについての早急な断定というのは私は非常に困難な事情がありはしないかと思っています。
 それから、私が閣議後の記者会見で申し上げたということでございますが、実は今並行して衆議院の予算委員会が開かれております。そのときにもこの発言についての真偽の御質問がございました。
 UNTACには世界三十二カ国から二万六千名の方々が行かれておる。そして、日本人では自衛隊の方、選挙監視員の方、文民警察官の方等約七百名余が行っておられると思います。全体のこれは三%前後の数字であろうと思う。そして、日本の選挙監視要員は世界各国の配置の中でぜひ生命の安全が確保できる場所へ配置をしてほしいということをUNTACの明石代表に非常に強く申し上げました。
 明石代表は非常に誠実な答えをされて、それは各国の部隊の配属せられておるところに配置をするのが国際間の常識であるから、したがって日本の場合はタケオに配置するということになると思いますと。これは私は非常に明石代表の誠実な答弁を受けとめたわけでございます。そして、けさのテレビにおきましても、UNTACから配置をされた日本の選挙監視要員の配置先、タケオの中の任務先などの報道がございました。あの報道を見ておりまして、ひとつ一大もとうとい命を失われるようなことのないようにということを心から祈っておるところでございます。
 あの閣議後の記者会見におきましては、日本の行っておる施設部隊、これは施設部隊でありますから工兵であります。私の地元からも行っておったわけでございますが、工兵は戦闘能力というのは歩兵には到底及びません。したがって、日本から行っておる自衛隊の方々のためにフランスの部隊がこれを守っておるというような事実がございます。こういうことは非常に片肺飛行になるのではないかという私個人が印象を持っておりまして、したがって、そういうことについては日本はPKO法を各党の御協力のもとに通しPKFは現在凍結をされておる状態である、これらの問題については非常に大事なときだからなお各党とともに研究をしてみる必要があるのではなかろうかという意味のことを申し上げたのでありまして、私の職務権限を逸脱した意見を申し上げたわけではないと思っております。
#56
○大渕絹子君 大臣のお優しい気持ちですから、一人も犠牲者を出したくないという思いの中の発言ということは私もよく理解をしています。しかし、そのことと法の取り扱いということはちょっと違うわけで、昨年の五月、PKO法案の審議のさなかに自公民三党が今の凍結の部分を合意をしたとき専ら言われたのは、PKO活動が開始されればその安全性が全国民にわかってもらえる、だから三年後に凍結を解除すればいいんだと。その安全性が確保されたのを見届けた中で凍結を解除すればいいんだというのが専らの議論だったわけです。
 ところが、今は危険な状態になって自衛隊を活用しなきゃならないという全く正反対な事情のときに、各閣僚から盛んにPKFの凍結解除という問題が出てきているのは、これは全くその法制度化されたときの状況とは違うということの認識の中で対処をしていただかなければいけないということを、時間がないので、まず御指摘させていただいておきます。
 また、現行法の中では、この凍結を解除したといたしましても、警護という部分については当たらないと私は思うわけでございまして警護の任務はできないということを思うわけでございますけれども、宮澤総理は、本院の本会議の質問におきまして、輸送形式をとれば自衛隊が要員を警護することは可能である、こういう発言をしているわけです。法制局、こういう根拠はありますでしょうか、教えてください。
#57
○政府委員(津野修君) 本会議での総理の答弁に関連しての御質問でございますが、一般論として申しますと、そもそも内容的には自衛隊が他の国際平和協力隊員の警護をすることができるかというようなことであろうとは存じますけれども、そのような場合の他の国際平和協力隊員の警護につきましては、現行の国際平和協力法上その根拠となる規定は存在しないわけでございます。したがいまして、自衛隊がそのような警護の任務を行うことはできないというふうに解されているところでございます。
 しかし、国際平和協力法には第二十四条の規定がございまして、自己とともに現場に所在する我が国の国際平和協力隊員につきましては、国際平和協力法二十四条に基づきましてその生命または身体を防衛するため武器を使用することができるということになっているわけでございます。したがいまして、仮に自衛官が国際平和協力業務に際しまして我が国の国際平和協力隊員と行動をともにしているというような場合におきまして、同条の要件を満たすような事態に遭遇したときには武器使用が許されることになるということがございます。
#58
○大渕絹子君 その場合でも、あくまでも正当防衛の範囲内というような規定が設けられていて、襲われた人たちを守るためにだけというその正当防衛が確立をされなければだめだということだろうと思います。
 そういう状況の中で、派遣をした本部長である総理大臣がみずから、法上も、実施計画、実施要領から見ても問題はないと言い切っているわけですね。実施は可能と判断していると、こう言っているわけです。これは総理大臣の気持ちもわかり
ますよ。さっきの自治大臣の気持ちもよくわかるわけです。日本の要員の犠牲者を出したくないという気持ちはよくわかるわけですけれども、法の拡大解釈によって、こういうことがなし崩し的に行われていくことにこそ危険があるというふうに思うわけです。そこのところをどう思っていられるかということ。
 もう一点は、国連のガリ事務総長は十七日、選挙の状況はパリ和平協定が想定したものではもうなくなっているという報告書を安全保障理事会に報告しているわけです。また、十八日の朝、河野官房長官は、文民警察の再配置問題に触れて、移動することの方が危険が大きいという発言を公然としていらっしゃいます。この二つの発言は明らかに停戦の合意、PKO参加五原則が確実に崩れているというあかしたと私は思うわけでございます。このことについて、まだ停戦合意は崩れていないということを言い張り続けるのか、あるいは崩れているけれどもやむなく現地にとどまらざるを得ない状況があるという判断をするのかここのところを聞かせていただきたいということ。
 最後に、日本政府として今できることというのは任務を中断し撤退をさせること以外に、たった今、日本人の要員の方、世界から派遣されたUNTACの要員の方たち、ポル・ポト派の人たち、プノンペン政権側の人たちがあるいは殺されているかもしれないというこういう状況の中で、日本政府として今できることは何であるかということをもう一度確認をしていただきたいと思うわけでございます。
 お願いいたします。
#59
○政府委員(津野修君) まず、第一点は国際平和協力法第二十四条の拡大解釈ではないかというお話でございましたが、その点につきましては、この二十四条に記述してございます要件に合致するという状態におきまして、それに基づきました適正な行動をとるということは法の許容するところであるというふうに一つは考えております。
 それから第二点は、いわゆる国際平和協力法で国連平和維持活動を行う場合の前提となります合意とか中立とか相手国の同意とか、そういった前提条件が崩れているのではないかというような御質問でございました。それは現時点において政府としては、たびたびこれは総理からも御答弁がございますけれども、そういった前提条件が崩れているというようなことはないと認識しているというふうに承知しております。
 それから、第三点はちょっと聞き漏らしましたが……
#60
○大渕絹子君 それは大臣にお聞きをしたんです。
#61
○国務大臣(村田敬次郎君) 非常に真剣な御質問を賜っておりまして、感謝をしています。
 パリ和平協定、それから三原則、日本のを入れれば五原則、これは守られているという総理の公式答弁のとおり私どもは了解をしております。
 これについて、協力本部の政府委員から御答弁を申し上げたとおりでございますが、今、選挙がカンボジアでは二十三日から二十八日まで、あと九日間で終わると。そうすれば、十三年間の泥沼のようなカンボジア国民の苦しみ、いろいろ言われますけれども、数百万人が死んだということもありますね。そういう苦しみの中からカンボジアが平和な朝を迎えるときがやがて来るのではないか。そういう私は心からの期待を持っておりまして、私自身の印象では明治維新のようなときだという印象を持って帰ってきたんです。
 二万六千人の展開というのは、関係国全部を入れると四十五カ国になります。そして、もっと狭い範囲で言うと三十二カ国ですが、二万六千のUNTAC要員の展開、国連の展開というのは史上最大であります。まさに世界の目がカンボジアに向けられていると言っていいそういうときでありますから、大渕委員が御心配をいただくことは本当によく理解できるのでありますけれども、何としても私どもはカンボジアの制憲議会をカンボジア国民にやってもらいたい。九十数%の方が登録をしておいでになるんですね。そして平和三原則、五原則が守られておるという前提に立ってこの選挙が施行されるということを心から望んでおるのでございます。
 そして、安全の確保ということは、総理が例えば百万ドルの拠出をして、ヘリコプターの輸送、インマルサットの配備等々いろいろなことをやっておりますし、UNTACの明石特別代表も私と約束してくれたことは本当に誠実に、例えば防弾チョッキの配置などは私と話をした翌日に届いておりました。それからヘルメットであるとか。
 それから、河野官房長官がお答え申し上げたという現地の見回りは、昨日、ルースという文民警察官の隊長、これは准将でオランダ人でありますが、その人にも会いました。これは明石代表と会ったときにぜひ同席してくれということを求めたわけであります。そのルース隊長が日本の山崎隊長とともに、これは階級からいうとルース隊長が総司令官ですから山崎さんがその下になるわけですが、一緒に各地をヘリコプターで巡回をしておられたんです。
 したがって、今文民警察の要員の配置になっておるところの配置がえの問題であるとかその他いろいろな問題がきのうもきょうもきっと話題になっておると思います。ですから、そういった緊急な事態でございますので、相ともに、私もテレビを毎日朝早くつけます。祈りたいような気持ちでつけるわけですが、何とかカンボジアの民主主義を完遂してもらいたいという気持ちで、この点は大渕委員と完全に同じではないかと思います。
#62
○続訓弘君 先ほど大渕委員もちょっと触れられましたけれども、五月の十八日に、本委員会では参考人のお三方をお招きして御意見を伺いました。お一人は、全国町村会の財政部会長でかつ新潟県の黒川村の村長さんをやっておられる伊藤孝二郎さん。もう一人は、京都府八幡市長の西村正男さん。もう一方は、東京都日野市の元職員で現在は千葉大学教育学部講師の池上洋通さん。このお三方でありました。限られた十五分ずつの時間ではありましたけれども、それぞれの経験を生かして大変率直な意見の開陳がございました。
 きょうは、その話を中心に大臣並びに事務当局にお伺いいたします。まず大臣に二問だけ冒頭に御質問申し上げて、時間があれば事務当局にあとは御質問させていただきます。
 それぞれの参考人からはこんな趣旨の意見の開陳がございました。平成五年度の地方税収は大きく落ち込んでいる。そして、それを起債でつじつま合わせをしているのが地方の実態である。加えて、今回十三兆二千億の新しい経済対策が打ち出されたと。その中には、二兆三千億の地方単独事業並びに一兆二千億の地方の公共用地の先行取得、そういうものが追加財政需要額として予定をされている。そういう状況の中で、現場の市町村には国にお貸しをするような財源の余裕はさらさらありません。こんな例の特例減額についてのお話であります。大臣も御案内のように、平成三年度、四年度、五年度と合わせて一兆七千二億円の特例減額がなされている。これらに対して、今申し上げたように地方にはさらさらそういう余裕はありませんと、こんなお話でありました。
 そこで、来年度以降、仮に大蔵からまた同じようなことが要請をされた場合には、今申し上げたような地方の実情を踏まえて、絶対にそれは相ならぬというそういう決意で大蔵当局にはね返していただきたい、こんなことをお願い申し上げたいんですけれども、大臣の決意を伺いたいと思います。
#63
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員の御質問の心は本当によくわかるんです。参考人の三人の方から、こんな苦しい地方財政の事情のときに国に貸すような金はない、そういう答弁があったのは私はもう当然だと思います。私も恐らく地方団体の職員をしておりましたら必ずそう思うだろうと思います。そういった意味で、続委員が今御質問になったのも、一番大事な大蔵省との勝負だと、だからひとつ自治大臣頑張れよという御激励の言葉だと思うんですね。
 私は自治省財政局育ちで、奥野財政局長の下で
働いたんです。そのときの貴重な体験を一つだけ述べることを許していただきたいんですが、あの当時からいわゆる地方交付税の予算化ということは非常に大きな問題で、今は三税プラス二税で正税の一定率を入れるわけでございますが、これについては大蔵大臣と当時は自治庁長官、私の仕えた当時の自治庁長官は愛知揆一さんですが、私は三代仕えたんですが、その愛知揆一さんが大蔵大臣である佐藤栄作さんと折衝することになった。その前に、奥野財政局長が佐藤大蔵大臣と会った際に、どうしても地方財政は困る、だから配慮をしてくれということを言いましたら、佐藤大蔵大臣は怒りまして、私その場にいたんですが、そんな偉そうなことは国会議員になってから言え、生意気だと、こう言いましたが、奥野先生はひるまずに堂々と反論をしたんです。
 それで、いよいよ大蔵大臣と自治庁長官の折衝のときに愛知さんが悩んだんですよ。私は秘書官ですからよくわかる。そのときの事務次官が今の読売の会長の小林輿三次さん。大蔵省で大げんかになりました。愛知さんはもう本当に悩んで見るも気の毒なぐらいの状況でございましたが、しかし小林事務次官は、ひるまずに頑張ってくださいと、こう言いました。そのくらい大蔵省と自治省との間の懸案の問題なんです。
 ですから、私はその三人の参考人の方が述べていただく気持ちもわかりますし、続委員が質問をしていただいた温かい心もわかりますから、その意を体して頑張りますということで御了解いただきたいと思います。
#64
○続訓弘君 よろしくお願いします。
 次は、大臣がこの間、許認可関係については一万九百現在ある、それを少なくとも五千ぐらいに減らしたい、こんな決意表明がございました。それと関連をするわけですけれども、参考人は、それぞれ地方には自主性を持たせてほしい、その能力は十分ございます、地方を信頼してください、こういう意見の開陳がございました。
 そこで、今、地方分権を進めるには申し上げましたように地方に権限を移譲することだと。つきましては、確認ですけれども、五千ぐらいに減らすような努力は何年をめどにやっていただくのか。それが三人のそれぞれ意見開陳といいますか、それは全地方団体の悩みであるとも思いますので、その辺のこともあわせて決意のほどを伺いたいと思います。
#65
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員にお答えいたします。
 私は地方分権は政治改革の重要な一環だと思っております。それから首都移転も重要な一環だと思っております。だから、そういうことを組み合わせてダイナミックにやっていくということがこれについての作戦だと思うんです。小さなことを言ったらできないんです。鯨をとることは今非常にいろいろ問題があるんですが、大きな魚をとろうと思ったら大きな網をかけなきゃいかぬ。小さな網をかけたんじゃ小さな点もとれないというのが私の小論です。したがって、首都移転それから地方分権、もっと言うと地方の全般的な組織の見直しを三年以内にやるべきだと思っています。
 そして、それを思い切ってやらなきゃ日本国家はよくならないと思っておりまして、私は皆様先生方の御同意を得てやっていきたい。地方行政委員会というのは自民党だけが与党じゃないんで、みんな与党でいらっしゃいますから、ぜひ応援していただきたいと思います。だから、一万九百幾らを五千にするのは三年以内にもやりたい、そういう意気込みでございます。
#66
○続訓弘君 今、三年以内にというそういう決意の表明がございました。せっかくの御努力をぜひお願い申し上げます。
 以下、事務当局に御質問申し上げます。
 参考人は、地方債と交付税を組み合わせて行う地方単独事業はある意味では時代の要請だろう、こんなふうにも言っておられました。しかし、それは過渡的なものであって、事業費補正の増加によって交付税の特定財源化を大変心配しておられました。今後、交付税の運用に当たってこの辺の心配をどう解消していかれるのか、その辺のことをお伺いいたします。
#67
○政府委員(湯浅利夫君) 地方交付税の基準財政需要額を各自治体ごとにどういうふうに算定していくかということは、これは非常に難しい問題で永久の課題のような話でございます。
 それぞれの地域の実情を的確に財政需要に反映させるということになりますと、これはかなりそれぞれの地域のいろいろな要素を加味して算定をしていかなきゃならない。今までの地方交付税というのは、どちらかというと、先ほども御議論ございましたけれども、人口とか面積だとかというような客観的な指標を用いまして、それぞれの自治体の最小限の、最低限の、あるいは全国的に求められている財政需要というものを捕捉するんだという、いわば静態的な財政需要を捕捉していたというふうに考えられるわけでございます。しかし、これからの地方行財政というものを考えた場合には、それぞれの地域の実情に応じた個性のある行政運営を行うためのそういう財政需要というものを捕捉する必要があるだろう、こういうことでございます。
 では、そういう方法にはどういうようなものがあるだろうか。いろんなやり方があるわけでございましょうけれども、一つのやり方といたしまして、今御指摘のような地方債と地方交付税というものを組み合わせることによりまして動態的な財政需要というものを捕捉していく。従来は、国庫補助事業の裏負担につきましては事業費補正というものがあちこちで使われていたわけでございますけれども、これを単独事業にもできないかという発想から、今いろいろな単独事業につきましても地方債と交付税とを組み合わせるというやり方ができてきたわけでございます。
 しかし、これを余り進めてまいりますと、今御指摘のように、交付税というものは特定財源ではないんだ、もっと一般財源として測定するような方法を考えるべきだという御議論が当然出てくるわけでございますから、ここらあたりの兼ね合いをよく考えながら、地方交付税というのは使途も条件もつけてはいけないということでございますから、こういう交付税の性格というものを一方で踏まえながら地方団体それぞれの財政需要をどういうふうに算定していくか、これをこれからもいろいろな角度から勉強をしながらやってまいりたいと思います。
 今、交付税法の中ではいろんな補正を規定していただいて活用することをお許しいただいているわけでございますけれども、余りたくさんいろんなものを補正をかけると、今度は交付税というのは複雑でわかりにくくなってしまうというような議論もございますし、実態を余り反映し過ぎると特定財源化だというような話にもなります。そうかといって、余り大ざっぱに計算をすると地域の実情に合わない。こういうジレンマみたいなものがございまして、そこらあたりをよく調整をとりながら、これからもいろいろと御意見を賜りながら需要の捕捉に努めてまいりたいと思います。
#68
○続訓弘君 参考人は、一般財源化に当たっては超過負担がどうなるのか不安である、そしてまた一般財源化すれば超過負担という概念がなくなる、こんな意見も言っておられました。そして、地方には実際の需要はたくさんあるんだ、一般財源化された事務事業についての財源措置をぜひ検討してほしい、こんなふうな御意見もございました。これに対する財政局長の御意見をお伺いいたします。
#69
○政府委員(湯浅利夫君) 国庫補助金を一般財源化するに当たりましては、それまでに超過負担があったかどうかという点は確かに重要な問題でございます。
 例えば百億の国庫補助金を一般財源化したからということで百億だけ地方財源に移しかえますと今仰せのような事態が出てくることがあるわけでございます。現に、国民健康保険の事務費を昨年一般財源化したときには、その中に算定されている人件費というものが実際の人件費よりもかなり小さかったというようなことがございました。こ
としはこれを直そうということで、交付税の統一単価で決められている人件費に置き直しまして、そして一般財源化ではもらったもの以上に基準財政需要額を算定することにしたというような例もございます。
 そういうことで、今までもそういうことをやりましたけれども、単なる補助対象事業費というものを移しかえるということだけではなしに、その移しかえられた事業というものが実際にその経費だけで賄われたかどうかということをよく検証をしながら需要額の算定に努めてまいりたいというふうに考えております。
#70
○続訓弘君 時間もあと数分しかございませんので、参考人の意見を私お伝え申し上げます。
 先ほど大渕委員からの質問にもあって財政局長が既にお答えになっておられますけれども、今の地方債の発行状況では元利償還その他後年度の負担を我々は心配している、こんなお話がございました。したがって、でき得べくんば公債の増発は考えてほしいと、こんな要請でありました。同時に、矢野さんの本を開きながら、交付税は今財政局長がお答えになったように本来自由な財源だと、ちゃんと法律に明示された一定割合を地方行政の担保のために財源を賦与している、そんな我々の権利の地方交付税なんだと。したがってひもつきであってはならぬし、また、それを国にお貸しすることも困ると。したがって我々が地方自治を全うできるようなそういう配慮をぜひやってほしいと、要約をすればこんな意見の開陳ではなかったかと思います。
 その辺のことを踏まえながらこれからの地方行政をやっていただきますことを要望申し上げまして、質問とさせていただきます。終わります。
#71
○長谷川清君 ただいまの続委員の質問に村田自治大臣が答えました三年以内に大改革をダイナミックにやろうと、このお話を聞いただけで私はきょうは十分満足をしております。我々も頑張りますので、ぜひひとつその点について今後御尽力を賜わりたいと思います。
 これからの質問は小さな話ではございますけれども、せっかく幾つか用意しましたので質問をいたします。
 最初に、大蔵省にお聞きしたいんですが、公共事業費の重点配分という点について、人口が急増しているところであるとかあるいは物価が急騰するようなところ、特に首都圏等のそういう激しい地域についての重点配分は一体どういうふうに配慮をされているのか、その点をひとつお伺いします。
#72
○説明員(津田廣喜君) 公共事業予算の具体的な配分に当たりましては従来からいろんな要素を勘案しているわけでございますが、例えばそれぞれの地域におきまして道路ですとか下水とか河川とかそういった公共施設の整備水準が今どういうところにあるのかということでありますとかあるいはそれぞれの事業の中におきまして全国的な優先度をどう考えるか、こういったことが一番の基本になると思っておりまして、その上にそれぞれの地域経済の実情といったものを勘案して適切な配分を図っているということでございます。
 したがって、例えば首都圏などにおきましても、一たん事業として採択されますと、地価の高低を問わずに用地補償費を含めまして全体が補助事業であれば補助対象になるわけでありまして、地価が上がっているようなところは、その上がった地価も含めたものがいわば財政措置として勘案をされてくるということになると思います。
#73
○長谷川清君 今の公共投資、地方自治体が受け持っております下水道にしても公園にしても住宅にしても、みんな生活関連の基盤整備でございますだけに、現実を見ますると土地代だけでひどいところは九〇%消えるという状況にございますから、いろんな部分について大蔵省の配慮をお願いしたいと思います。大蔵省、結構でございます。ありがとうございました。
 あとは、通産、資源エネルギー庁にお聞きをしたいのでありますが、省エネルギーを推進するということで全国的展開をしておるわけであります。地方自治体がいろいろ実施しておりますこの省エネルギー、省資源、こういうものに対して、例えばリサイクル法がもうできておりまして、いろんな意味の使い捨て製品に対する業者規定とか運搬に対する業者規定があると思いますけれども、そういう状況は一体今現実にどのようになっておるのか、その点をひとつお伺いしたいと思い、ます。
#74
○説明員(石黒義久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のリサイクル関係でございますが、私ども、かけがえのない地球を廃棄物の発生による環境の悪化から守り快適な生活水準と経済活動を長期的にするためには、まさにリサイクルを組み込んだ経済社会への転換を進めることが必要と考えております。また、リサイクルは、深刻化する廃棄物処分場の不足を解消する観点からも、また省資源、省エネルギーにも資するという観点からも重要なものであるというふうに考えております。
 通産省といたしましては、平成三年の十月に施行されましたリサイクル法を適切に実施することはもとより、リサイクル製品の需要拡大、回収ルートの整備、広く国民の理解と協力を求めるための普及啓発活動等各般の施策を講じてきているところでございます。さらに、今国会では、省エネ・リサイクル支援法におきまして、再生資源を利用する事業者等に対しまして日本開発銀行からの低利融資等支援策を講じてリサイクルの一層の促進を目指してきているところでございます。
 地方公共団体の関係でいきますと、この再生資源の利用の促進につきましては非常に重要な役割を果たすというように考えておりまして、私ども通産省といたしましても、地方公共団体を含む関係者の参加を求めまして、いろんなモデルリサイクル事業とかあるいは十月はリサイクル推進月間等ございますが、そういうことを通じまして広くリサイクルの啓発普及に努めてまいっているところであります。
 今後ともこういった施策を通じましてリサイクルの促進に一層努めてまいっていきたいというふうに考えております。
#75
○長谷川清君 この省エネルギーというものにいろいろと努力されておることはわかるんですけれども、なかなかこれは実効が上がらない。したがいましてどんどん需要は伸びる一方でございまして、この三年間だけでも、関東だけで見ましても一千七百万キロワットぐらい増加をしておって、神奈川県一県分ぐらいの需要が増加している。こういう状況でございますから、いつも供給が後追いになっている、こういう状況でございます。
 これからの日本の社会にとって、ベースになるのはこの省エネルギーがどこまで健全に進んでいくか、こういうことだと思います。こういう点について、資源の再利用施設、リサイクル設備、ごみ発電、地域冷暖房、そういったいろいろとエネルギーをリサイクルする多くの努力をされておる施設について、いろんな意味において投資減税であるとか補助金であるとかというフォロー策がなお一層重要だと思うんですが、そういう点についてひとつ希望しておきたいと思うんです。
 自治省にお伺いしますが、そういう点についての財政上のバックアップの状態についてお伺いします。
#76
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のように、最近の資源の有効利用の問題でございますとかあるいはごみの減量化の問題というものは、地域に一番密着した問題でございますので、地方団体がこれに非常に重要な役割を果たすのではないかというふうに考えております。
 そういう意味で、いわゆる環境対策の経費につきましては、ことしも地方財政計画におきまして大幅な増額を図りまして基準財政需要額に算入をしたところでございまして、リサイクルを行います住民団体の支援でございますとか啓発活動あるいはリサイクル施設の整備というようなことにこの基準財政需要額が使われることを私どもは期待しているわけでございます。また、施設の整備に当たりましては、廃棄物処理施設と同じような考
え方で、地方債によりまして財政支援を行うということも今考えているところでございます。
 また、公営企業の関係になってまいりますけれども、ごみを焼却することによって出てまいります熱を利用いたしましたごみ発電というようなものも積極的にやっていこうということで、いろいろと今検討をいたしております。最近ではスーパーごみ発電というようなやり方、技術というようなものも出てまいりまして、こういうものをひとつ地方団体の公営企業として実施をして、できた電気を電力会社に売却していくというようなこともひとつ考えていこうというようなことを地方団体においては検討しているところでございまして、これからも、資源の有効活用あるいは地球環境の保全という観点から、地方団体が積極的な役割を果たせるように財政面におきましてもきちんとやってまいりたいというふうに考えております。
#77
○長谷川清君 警察庁にお伺いしたいんですが、最近、車の運転免許を持っている人が六千四百万を超えているといいますし、車の保有数もどんどんふえる一方でございます。最近における犯罪も車両を使った犯罪がふえておると聞いております。特に凶悪なる事件が多発をしております状況の中で、非常に範囲が広くなってきているしスピード化されておる。こういう点について、これは警視庁対応の場合、車両の台数であるとか車両の機能であるとかあるいは通信施設の改善とかといったようなところはきちんと対応ができているのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
#78
○政府委員(國松孝次君) 御指摘のとおり、最近の犯罪は大変スピード化、広域化の様相を強めておるところでございますので、こうした傾向に的確に対応いたしますため、事件の初動的な段階における機動的な捜査力の確保、それから事案が数県、つまり広域にまたがりました場合の広域的な対応力といったようなものを強めるということが私どもの今急務になってきておるわけでございます。
 初動的な機動力ということにつきましては、もう既に昭和三十年代から各県に機動捜査隊というものをつくって対応してきているところでございますが、最近ではその広域化に対応するため、そうした機動捜査隊の中に広域機動捜査班というものを設けまして数府県にまたがりました場合の初動捜査というものを専管させる部隊をつくっておるところでございまして、それぞれの部隊に通信資機材を初めいろんな資機材の整備をお願いし、必ずしも十分なものと言えるわけではございませんが、精いっぱい努力をして充実しているところでございます。
 ただ、そういったハードな面の整備だけでなくて、やはりシステムと申しますか、そういった方面の整備というものも必要なことでございますので、特に最近は都市構造の変化であるとか、あるいは居住環境といいますか居住範囲の拡大に伴いまして数府県にまたがって社会的、経済的には一体性を有する地域というものが出てきております。
 例えば我々は北関東地域と呼んでいるところでございますけれども、茨城の結城市、栃木の佐野市、群馬の館林市、桐生、それから埼玉では熊谷、深谷というところは四県にまたがるわけであります。この地域というはほとんど一体の社会実態があるというところでございますので、そういったところにつきましては管区警察局の調整のもとにそれぞれ四つの県の警察が一体的な活動ができるように、私どもは北関東広域捜査隊と呼んでおりますけれども、そういった部隊をつくりまして対応していく。そういうソフトの面でのシステム開発というものもこれからはやってまいらなければならぬというように思っているところでございます。
#79
○長谷川清君 もう時間がありませんので、総理府に一つお聞きをしますが、PKOの問題について現行法の見直しを行う用意があるかどうか。この点について、特に第一条の目的の中の一行目に「人道的」という一言が入っているぐらいでございまして、なぜ今国際貢献なのかその目的や意義や大義名分、こういった点が非常に希薄なように思うんです。私は、ここでは今時間ございませんけれども、それを含めて、ひとつ見直しの必要性についてまず伺っておきたいんです。
#80
○説明員(松村博史君) 先生御指摘のとおり、国際平和協力法では、法律施行後三年を経過した場合においてそのあり方につきまして見直しを行うということにされております。
 昨年八月に法律が施行されまして、九月にアンゴラ、カンボジア、そしてこのたびモザンビークということで国際平和協力業務を実施し、また実施中でございまして、私どもとしましては、まだ施行後一年もたっておらないという状況でございますので、これまでの実績またはこれからの展開状況などを踏まえたさまざまな御議論をいただくということを踏まえて対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
#81
○長谷川清君 終わります。
#82
○有働正治君 私は、交付税法とのかかわりで国保料・税について質問いたします。
 まず自治省に、地方税法改正で国保税の最高限度額が五十万円に従来より四万円引き上げられました。これ自体重大であると私どもは考えるわけでありますが、今回、国保法の改正の中で、保険基盤安定繰入金に対する国庫負担の額を二分の一の定率負担から総額百億円の定額負担にするという内容となっています。二分の一の定率でありますれば五百六十億円を国は国保財政に負担しなければなりません。ところが、その差四百六十億円を今回地方がいわば負担するということになるわけであります。
 自治省としまして、地方住民に直結するこういう重大な内容を容認されたのはなぜなのか。恐らく国の財政を考慮してということだろうと思いますけれども、簡潔に御説明いただきたい。
#83
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、保険基盤安定制度の国からの負担につきまして御指摘のような形になったわけでございますけれども、基本的にはこれは国の厳しい予算編成の中でどうしても厚生省の関係の予算の編成上やむを得ないんだということでやったわけでございます。
 ただ、これはやはりあくまでも異例な措置ということでございまして、当面の問題といたしましては、これによって出てきました地方負担、御指摘の四百六十億円につきましては全額地方交付税の基準財政需要額に算入をするということをしたわけでございますが、それとあわせまして、この分につきましては後年度以降交付税の総額に加算をしてもらおうということを三大臣の覚書で決めておりまして、この点について将来交付税の総額に加算をしてもらうということ、今回の交付税法の改正で翌年度以降の加算額の中に含まれて積算をされているということを申し添えておきたいと思います。
#84
○有働正治君 交付税で将来のことを申されましたが、本来地方固有の財源であって、私どもその点も納得するわけにはいかないということだけ申し上げておきます。
 厚生省に事実確認を求めます。
 資料をいただいた中で、国保の実質収支状況の中の収入の比率を見てみますと、保険料・税が昭和五十六年三三・三%、これが平成三年度は三九・○%に五・七ポイントアップしています。同じく国庫支出金、これが昭和五十六年五八・○%、平成三年度は三八・三%と一九・七ポイントも大幅にダウンしているわけであります。もちろんほかの統計のとり方もあります。それを見ましても下がっていることは間違いないと国庫支出金が統計上出ているわけでありますから、事実確認だけ、間違いないかだけ伺います。
#85
○説明員(石本宏昭君) 委員御指摘の数字につきましてはそのとおりでございますが、一つ追加させていただきますと、五十九年には健保法等の抜本改正がございまして、当時、医療費に対する国庫負担率から保険給付に対する国庫負担率に変更があったこと。また五十九年度には、退職者医療制度によりまして、退職者医療につきましては国
庫負担が入っておりませんので、その関係で国庫負担率が変化したことを追加させていただきます。
#86
○有働正治君 保険給付に対する国庫負担の割合を見ましても明白に下がっているわけであります。
 再度厚生省にお尋ねします。
 一つは所得に対する保険料の負担です。途中、年度で若干の変遷はあると思いますが、一世帯当たりの平均所得に対します保険料の割合いわば負担率というのは、昭和五十六年に比べまして元年度は上がっています。つまり、所得の伸びよりも保険料の伸びが上回っているということが途中の若干の変遷はあるにしてもはっきりしていると思いますが、この点、間違いございませんか。
#87
○説明員(石本宏昭君) 五十六年度の負担率は六・○%でございまして、六十二年度に七・一%まで微増し、改正の影響を受けまして六十三年度は六・七と○・四ポイント下がりまして、二年度は六・三%であるということでございます。
#88
○有働正治君 そういう中で、保険料を引き下げる市町村の数がふえていると思いますが、その数の推移、それから、その背景の中にはやはり国保料・税に対する住民の強い値下げ要求があるということも一つの要因になっていると考えるわけでありますが、その点を含めまして御答弁願います。
#89
○説明員(石本宏昭君) 保険料を引き下げた市町村の数でございますが、平成三年度の二百五市町村に対しまして、平成四年度は三百四市町村と相なっております。
 これは、私どもは全体的に国民健康保険財政がマクロで見ますればある程度好転をしておる影響かと思いますが、一方、引き下げをされた市町村の中にはそのほかの要因でもって下げられたところもございまして、私どもは安易な保険料の引き下げにつきましては適正かつ厳正な指導を行っているところでございます。
#90
○有働正治君 全国の自治体の中では住民の署名要請行動が相当多く見られ、例えば九二年度、私どもが独自に調べた中では四百五十九市町村が値下げをしているということも言われているわけであります。だから、もちろん財政上の状況があるということも当然でありますけれども、それはいわば取り過ぎていたということも一因にあるんではないかと私どもは考えるわけでありますが、いずれにしても、住民の大きな負担になっているということは明白だと思います。
 そこで、自治大臣にお尋ねするわけでありますが、この国保料・税の問題を考える場合に、私はそもそもの原点からとらえ直すというのが非常に大事ではないかということを考えるわけであります。そもそもの原点というのは、一義的には国の責任であると考えるわけであります。そして、財源としては保険料と国庫負担金が原則だと考えるわけであります。
 それは、例えば昭和三十三年、国保創設に当たっての国会論議の中で、当時の堀木国務大臣が国保法の提案理由説明の中でも第一に国の責任を明確にしたことを挙げていまして、従来の補助金を負担金に改めたのもそうした立場からであるということを明確に述べています。
 そしてまた、歴代自治大臣もこの点では明瞭であります。例えば昭和五十六年の十月十三日の行財政改革特別委員会の中で、当時の安孫子自治大臣は、国保は社会保険の一つの部門だから国の負担と保険料をもって賄う、それは単なる地域制度ではない、全国的問題だと述べられて、かつ、当時県に財政負担を導入する動きについて、よこしまな道だということまであえて言われたわけであります。
 また、梶山自治大臣が昭和六十三年三月の地方行政委員会の中で、原則としては当然、国の制度として創設をされたものであり、一義的には国の責任において処理されるべきものであるということも強調されているわけであります。
 先ほど来の厚生省との確認の中でも明らかなように、国庫負担金が下がり保険料の比率が上がっているという状況は、そもそもの原点から見まして、国の責任が放棄されて、被保険者負担が拡大しているあらわれだと事実が示していると思うのです。
 そこで、大臣の決断、明快な答弁を求めるわけでありますが、第一に、国保について一義的に国の責任だと歴代大臣も強調してきましたが、この認識に変わりはないのかどうか。第二に、財源の問題として、原則として保険料と国庫負担であるとされてきたわけでありますが、この点の認識に変わりはないのかどうか。それから、統計上の推移からも明白なように、国庫負担の削減はそうした立場から見たら地方自治をつかさどられる自治大臣としてはやはり好ましくないというふうに考えられると思うのです。当然そうした方向で積極的に対応すべきだと思いますが、その点につきまして。それから、第三点として国庫負担の問題。冒頭述べました措置というのは、二年間の暫定措置ということになっているわけであります。当然、財源措置が終わればもとに戻すというのが筋だと考えるわけでありますが、明快な答弁を求めます。
#91
○国務大臣(村田敬次郎君) 有働委員にお答え申し上げます。
 国保制度は、高齢者の加入割合が他制度に比べて極めて高いこと、平均的には低所得者の加入の割合が高いことなどの理由により、その財政基盤が脆弱であって、その運営の安定化が常に問題とされてきております。これまでも、老人保健制度の導入、退職者医療制度の創設等により、医療保険制度間の負担の公平化等が図られ、国保の負担も相当程度是正されてきているとは思います。これらの制度改正の結果、国庫負担の水準が相対的に低下してきておりますが、医療費が大きく伸びてふえていく中で国庫負担の絶対額は必ずしも減少しているわけではないということも事実と認識をしております。
 国保制度は国費と保険料とで賄うことが基本原則であることに変わりはないものと考えておりますが、国保財政の真の安定化のためには、さらに医療費の適正化や医療保険制度間の給付と負担の公平等、基本問題を解決していくことが必要であると考えており、これは本来国において適切な対策が講じられるべきものと考えております。
 この問題につきましては、既に医療保険審議会において検討が開始されておりますし、自治省としても国保問題の根本的な解決に向けて厚生省等関係省庁とともに検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#92
○有働正治君 再度確認だけ求めますが、一義的に国の責任があると歴代自治大臣も強調されてきたわけですが、この認識に変わりはないかどうか、不明確でしたので。
 それから、暫定措置という以上、いろいろ検討しているから云々とおっしゃられましたけれども、あくまでも暫定措置として、自治大臣としてはもとに戻すことを基本に考えるという考えに変わりはないのかどうか。
 その点だけ、二点。
#93
○国務大臣(村田敬次郎君) 明確にお答えを申し上げておきます。
 有働委員の御指摘のように、この国保問題は根本的に国の責任だと考えております。
 そして、二年間の暫定措置がとられておりますが、根本的な解決に向かって、厚生省、そしてまたこれは内閣全体の問題でもあると思いますので、努力をいたします。
#94
○下村泰君 私は先ほどこの委員会に来て大変うれしいことがございました。と申しますのは、大抵私はもう一番最後でございますので一番最後のいすに座ったところが、委員部の方が一つこっちへ繰り上がってくださいと。何でと言ったら、日本新党の方がまだ後にいるんだと。格が一つ上がったような優越感。喜んでいいのか悲しんでいいのかこんな感じがありました。一言私は何か思いつくとしゃべらないと気の済まないたちでございます。
 さて、道路交通法の改正に伴いまして、ちょっと疑問点がございますのでそれをお尋ねしたいと思います。
 昨年の道交法の改正に伴いまして、電動車いすに二つの制度、型式認定制度と警察署長の確認制度の二つなんですが、この改正は、端的に申し上げて、電動車いすがふえて事故もふえて、道交法上明確にして歩行者として位置づけ、自動車等に歩行者同様の安全義務を課す、さらには他の歩行者への安全も考えたということだと思うんです。そこまではいいんです。そこまではいいとしますけれども、その後がどうも納得の得られないことが出てきたわけです。
 まず、この電動車いすの利用者及び他の歩行者の安全ということをどのように考え、検討し、今回の結論に至ったのかということなんです。すなわち、さきに申し上げました二つの制度をつくることによってどういう具体的な安全対策になるのか、それをまず御説明願いたいと思います。
#95
○政府委員(関根謙一君) 昨年改正していただきました道路交通法の規定によりまして、電動車いすと言っておりますが、原動機のついた身体障害者用の車いすが手動式の車いすと同様に歩行者と同じような扱いを道路交通法上受けることができるということを明確にしていただきました。
 どうしてそういう改正をお願いしたかという点でございますが、ただいま先生御指摘のように、当時は、手動式の車いすと同じように電動車いすを扱うことができるように、電動車いすの大きさなり性能なりについて行政指導ということで処理をしていたわけでございますが、いろいろな苦情がございました。
 一般のドライバーの方々からは、どうしてああいう原動機のついたものがゆっくり走っているのか、その結果非常に交通に危険があるというような苦情がございました。歩行者の方々からは、ああいうものが歩道を走っていると子供とかお年寄りにとって非常に危険であるという苦情もございました。それから、車いすを利用する方々からも一般の理解がまだ得られていないようであるから理解を得られるように仕組みを考えてほしいという苦情もございました。
 ということで、行政指導ということで余りわかりやすいような制度でなかったものを法律で基準を明確にしていただきまして、動力のついた車いすであっても、一定のサイズ、一定の性能を備えたものは手動式の車いすと同じように道路交通法上扱いますということが明確になるような仕組みを設けていただいたということでございます。
 そのシステムの一環といたしまして、型式認定ということで法令上の基準に該当する電動車いすであることを公に証明するような仕組みを設けさせていただきました。それにあわせまして、その基準に合わないような方々につきましては、その基準を超える大きな車いすではあっても警察署長にその車いすで歩道を歩行することが他の歩行者の方々にとってもそれほど支障がないということの確認をさせるということによりまして、その基準を超えるものについても利用していただけるようにする、こういう仕組みにしていただいたわけでございます。
#96
○下村泰君 もうその辺で結構です。おたくの独演会になっちゃう。
 今あなたはおっしゃったけれども、歩道の上に電動車いすがいたら老人、子供が危ないと言うけれども、今最も危ないのは自転車ですよ、歩道上は、いつの間にか自転車が歩道を占拠するようになった。本来、歩道上を歩いているのは人間なんですよ。そこへ自転車が走るようになってから、やたらに事故が多いんだ。むしろ自転車の方が多いんですよ。あなた、ちょっと認識を変えてください。
 それで、今回この二つの制度に対して電動車いすを利用している方々から幾つかの問題とか疑問が出されています。警察庁の方でも事前に障害者団体から意見も聞かれていると思いますけれども、もう少し幅広く電動車いすの利用者の意見を聞いてほしかったと思います。
 どういう疑問があるかと申しますと、一つは、今国会で成立しました福祉用具研究開発普及促進法の趣旨や欧米諸国の動向を見るまでもなく、福祉機器の代表としての電動車いすなどはまさに多様化、個性化の時代に入っています。むしろ規格のあり方そのものが問われるのではないかと思うんです。
 これまでは、歩道、歩行者用道路等を歩行者として通行することが妥当な形式のものということの表現になっていたものを、長さ百二十センチ、幅七十センチ、高さ百九センチと、これがJIS規格になった。ところが、こういう規格をつくられても、例えば頸椎損傷、それから筋ジストロフィーあるいは脳性麻痺、こういう方々は、その状態によってこの寸法じゃ足りないんですよ。どうしたって体に合わせなくちゃいけない。今両国でお相撲やっていますが、みんなあれは基準よりでっかい人ばっかりですよ。あれは超異常体質と言うんですが、もし曙が両足がおかしくなっちゃって車いすに乗ったらどうします。こんな基準で合いますか。
 電動車いすというのは足の使えない方のための足なんですよ。だから、私はいつも申し上げているのは、我々健常者が、目の不自由な人には目のかわり、耳の聞こえない人には耳のかわり、足の不自由な人には足のかわり、それのかわりをするのが我々の務めでなければいかぬというふうに申し上げているんです。ですから、こんな規格つくったって、これはどうにもならないんです。こういう方々には電動車いすを使うことによって日常の生活が快適にならなきゃいけないんです。
 それから確認制度の問題。現在、福祉事務所で交付されたものは判定医や福祉事務所長の決定を得ているわけで、さらに警察署長の確認が必要。おかしいんだ、これはどう考えても。大体そうした判定を警察署長は追認するだけだと思うんですが、どうですか。
#97
○政府委員(関根謙一君) まず、この規格についての御疑念でございますが、この法律は昨年の十一月一日から施行されましてはぼ半年ほどたったわけでございます。昨年の十一月一日から十二月三十一日までの二カ月間の数字でございますが、この規格を超えて警察署長の確認が必要となった電動車いすの件数は私ども承知しているところでは八件でございますので、大部分の方はこの規格内の電動車いすを利用されているのではないかと考えます。
 それから、警察署長の確認がなぜ必要かとのお尋ねでございますが、規格を超える大きな車につきまして、それが道路に出てきて他の歩行者とともに電動車いすを利用する方も安全に走行することができるかどうかについての判断は警察署長が行うことが適当であるとの考えからでございます。
 それから、福祉事務所等での判断によって大体警察署長も確認をしているではないかとのお尋ねでございますが、これはそのとおりでございます。
#98
○下村泰君 私、あなたのお話を聞いていると、あなた、地震が来た場合にどうするのかと思います。あなたの生命を私は心配しちゃう。
 それから、今申し上げました電動車いすにかかわる事故ですが、この事故の件数が私のもらった資料は七件になっています。これは必ずしも障害者ではないのかもわからないんです。と申しますのは、近ごろ、お年を召した方で高齢になって電動車いすの方が便利だからというんでやたらにこれを使われるようになったんです。そういう方の電動車いすの扱い方と、生まれたときからずっとという方とではやっぱり違います、扱い方が。ですから、こういう事故を起こすのは恐らく本来の電動車いすを使っている方ではないというふうに私は予測しています。むしろ、高齢者でにわかに使っていた方々が扱い方を間違えたとかいうようなことの結果がそういうふうになっているんじゃないかと思います。そこのところはひとついろいろと考えていただきたいと思います。
 そこで、自治大臣、国家公安委員長に伺いますが、今回の改正については最初にボタンのどこかにかけ違いがあったんじゃないか。それを一言で言えば、当事者の意見ですね。まあ日身連にお伺いになったんでしょうけれども、日身連の幹部の
方々と実際に電動車いすを使っている方々とは違うんですよ、感覚的に。ですから、本来は一番最前線で使っていらっしゃるそういう方々の意見を私はもっと聞いてほしかったと思います。ですから、この電動車いす利用者、他の歩行者の安全のためになされた改正だとは思いますが、何か意地になってこうでなければならないというようなものではないわけで、本当に安全に、しかも電動車いす利用者が必要以上に制約やプレッシャーを持たずになされることだと思います。だとすれば、電動車いすの利用者が危惧を持ったり疑問を持つことは避けるべきだと思います。
 制度の見直しも含めた利用者との協議を積極的に進めるべきだと思いますが、自治大臣と国家公安委員長としてはいかがでしょうか。そのお答えをいただいて、終わりにしたいと思います。
#99
○国務大臣(村田敬次郎君) 下村委員の御指摘、承りました。
 現在の制度は、電動車いすの利用者の団体やメーカ−の団体などの関係団体の意見を十分に尊重して制度化したものと承知をしております。御指摘のように、今後も、関係団体等と連携をとり、意見を踏まえながら身体障害者用の車いすの通行の安全と円滑を確保するために施策を検討してまいりたい、このように考えております。
#100
○下村泰君 ありがとうございました。
#101
○委員長(佐藤三吾君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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