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1993/06/01 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第11号
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1993/06/01 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 地方行政委員会 第11号

#1
第126回国会 地方行政委員会 第11号
平成五年六月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月三十一日
   辞任         補欠選任
    長谷川 清君      吉田 之久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 三吾君
    理 事
                石渡 清元君
                久世 公堯君
                岩本 久人君
                有働 正治君
    委 員
                狩野  安君
                釘宮  磐君
                坂野 重信君
                須藤良太郎君
                関根 則之君
                林田悠紀夫君
                上野 雄文君
                大渕 絹子君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                続  訓弘君
                吉田 之久君
                下村  泰君
                細川 護煕君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣  村田敬次郎君
       (国家公安委員
       会委員長)
   政府委員
       国際平和協力本  柳井 俊二君
       部事務局長
       警察庁長官    城内 康光君
       警察庁長官官房  垣見  隆君
       警察庁警務局長  井上 幸彦君
       警察庁刑事局長  國松 孝次君
       警察庁刑事局保  中田 恒夫君
       安部長
       警察庁交通局長  関根 謙一君
       大蔵省主計局次  竹島 一彦君
       長
       自治政務次官   片岡 武司君
       自治大臣官房長  吉田 弘正君
       自治大臣官房総  遠藤 安彦君
       務審議官
       自治大臣官房審  松本 英昭君
       議官
       自治省行政局長  紀内 隆宏君
       自治省行政局公  石川 嘉延君
       務員部長
       自治省行政局選  佐野 徹治君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
       消防庁長官    浅野大三郎君
   事務局側
       常任委員会専門  佐藤  勝君
       員
   説明員
       社会保障制度審
       議会事務局総務  柏崎 澄雄君
       課長
       公正取引委員会
       事務局審査部管  上杉 秋則君
       理企画課長
       法務省保護局恩  栃木庄太郎君
       赦課長
       厚生省社会・援  松尾 武昌君
       護局更正課長
       厚生省社会・援
       護局施設人材課  大田  晋君
       長
       厚生省年金局年  中村 秀一君
       金課長
       建設大臣官房地  峰久 幸義君
       方更正課長
       建設長建設経済  風岡 典之君
       局建設業課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政の拡充強化に関する決議の件)
○銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨三十一日、長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として吉田之久君が選任されました。
#3
○委員長(佐藤三吾君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○岩本久人君 皆さん、おはようございます。
 通告に基づいて順次質問したいと思いますが、まず最初に、昨晩の大蔵大臣質問の際に大蔵省の方から答弁をいただいた中身についてどうしても納得できないことがありますから、その点について再度答弁を求めたいと思います。
 それは、一つは、昨年度の地方財政計画では、土地開発基金が五千億円、それから臨時財政特例債償還基金が一兆一千八百八十二億円措置されておりますが、本年度なぜ措置されないか、こういう質問でございました。それについて大蔵省の竹島主計局次長は、一言で言えば財源がない、お金がないからやめたといったことのように私には聞こえました。もしそれが本気の答弁ならば、そこにはかけがえのない国の財政をより国民的にどのように使っていくかという思想も理念もない、大変ゆゆしき問題だ、こういうふうに私は思いますから、再度御答弁を求める次第であります。
#5
○政府委員(竹島一彦君) 昨日は時間の関係もありまして失礼申し上げましたが、改めて御答弁申し上げます。
 御指摘のように、平成五年度の地財計画におきましては土地開発基金や臨財債償還基金の積み増しは行われておりませんけれども、これは、まず一番目に、五年度の財政事情が国、地方を通じまして極めて厳しいということがございます。二番目に、具体的な点でございますが、土地開発基金につきましては平成四年度までの措置によりまして当面必要な基金の残高は充足しているという判断もございまして、これらをあわせまして総合的に勘案し、当然自治省とも協議をさせていただいた上、五年度においては積み増しは行わないということにさせていただいたものでございます。
#6
○岩本久人君 次に、これに関連してでありますが、公共事業関係の補助負担率が一年度前倒しで恒久化されました。中身は、直轄事業が三分の二、補助事業が二分の一ということでございますが、どのような論議でこのような結果になったのか、このような負担率はどのような基準で決められたのか、これに伴って生じる地方の負担増はどの程度になるのか、さらにまた、そのような負担増の出る恒久化を自治省はなぜのんだのか、大変重要な問題でありますので、お願いしたいと思います。
#7
○政府委員(竹島一彦君) まず、公共事業等の補助率等の恒久化についての御質問を三点ばかり伺いましたが、どういう議論を経てこれを決めたのか、まだ一年残っていたではないかという御趣旨かと思います。
 これにつきましては、経緯がございまして、それまでの暫定の補助率というものが平成三年度の予算におきまして決定を見まして向こう三年間ということで来ておったわけですが、平成三年度の見直しの際に、行革審答申などを踏まえまして、体系化、簡素化の観点から関係省庁間で総合的な検討を進め、暫定期間内に結論を得るよう最大限に努力し、その上で可能なものから逐次実施に移すべきである、こういうことになりまして、三年間はやらないということではなくて、その三年間の暫定期間内にできるだけ議論をして逐次実施せよと、こういうことがあったわけでございます。
 また、その際、一括法案でお願い申し上げましたんですが、その附帯決議におきましても同様の御趣旨の国会の御意思もあったということでございます。加えまして、平成五年度から公共事業の中で大変大きなウエートを占めております道路につきまして新しい五カ年計画がスタートをするという年度にも当たったということもございまして、そういう意味で、一年間は残っておりますけれども、協議をいたしまして結論を得たということでございます。
 具体的には、平成三年七月に公共事業等の補助等に関する関係省庁連絡会というものが設けられておりまして、この会を中心に関係省庁、大蔵、自治、事業所管官庁、地域官庁が参画いたしまして協議を行いました。その結果、平成四年十二月十九日に合意が行われまして、その内容は、直轄事業にあっては原則三分の二、補助事業にあっては原則二分の一ということになったわけでございます。あわせまして、この際、補助率だけではなくて、かねてから地方の御要望の強かった直轄事業負担金のうちの維持管理経費の地方負担の割合を引き下げる、そのほか補助基準を見直すというようなことも行っておるわけでございます。
 それから、第二点といたしまして、なぜ三分の二なり二分の一なのかということでございます。
 いずれも原則の率でございますけれども、これは平成元年十二月の行革審からいただいております「国と地方の関係等に関する答申」というものがございまして、これが重要な参考になっておるわけでございます。その中で行革審は、「一定の行政水準の維持等のため国と地方が等しく分かち合う性格の事業の補助率は二分の一」、「諸要素を勘案の上これより高い又は低い補助率を設定する必要のあるものはそれぞれ三分の二又は三分の一」というふうなことで、簡素化の観点を含め見直すべきである、こういう答申をいただいておりまして、これを踏まえまして議論をした結果、恒久化をするということでございますので、やはり端数のあるような補助率なり負担率というのは適当ではないということで、原則は三分の二、二分の一ということにさせていただきました。
 ただ、国の直轄事業につきましてもその性格等に応じまして三分の二ではないさらに高い負担率というものも設定されておりますし、例外的ではございますが補助事業につきましても二分の一じゃないものもございますが、なるべく原則三分の二、二分の一ということで簡素化を図るということになったわけでございます。
 それから、第三点でございますが、この恒久化に伴いまして、地方団体、地方財政への影響額はどうなるかということでございます。
 これはいろいろ考え方があるわけでございますが、今回は暫定ではなくて恒久措置にするということでございますから、私どもはそうしますと国と地方の財政関係も基本に戻るというのが言ってみると原則だと思っております。そういう意味では、特別の措置ということは例外的ないしは暫定的なものであるということになるわけでございます。
 ただ、財政の継続性の問題もございまして、従来、昭和五十九年度の負担率、補助率と比べてどうだということで措置がなされてきたという現実がございますので、それとの関係で申し上げますと、この恒久化に伴いまして昭和五十九年度の水準と比較して地方団体の負担が幾らふえるかといいますと、普通会計及び公営企業会計を合わせまして現年度事業分で約六千九百億円ということでございます。
 これにつきましては、暫定的な措置といたしまして、公共事業等臨時特例債というネーミングをしておりますが、そういった地方債で全部手当てをするということになっておりまして、それの将来の元利償還につきましては全額地方団体の基準財政需要に算入いたします。そのためのマクロの財源手当てといたしまして、利払いに要する費用の十分の九に相当する額、これは交付団体については全額という意味でございますが、それについては、当年度において地方交付税の特例措置として一般会計から交付税特別会計に繰り入れをするということにさせていただいております。
#8
○政府委員(湯浅利夫君) 公共事業等の国庫補助負担率の恒久化につきましては、ただいま大蔵省から詳細御説明のとおりの経過でございまして、私どもといたしましても、平成三年度にこの暫定補助率が決まったときに、五年度までの間にできるだけ早くこの暫定的な不安定な状況というものを解消しようということで鋭意関係省庁とお話し合いをしてきたところでございまして、特に平成五年度は道路整備五カ年計画という公共事業の中でも非常に大きなウエートを占める事業が一つの区切りになったものでございますので、この機会にやはり恒久化をすべきだという判断から、先ほど来経過の御説明がございましたような経過で私どもといたしましてもこの恒久化につきましてお話し合いに応じたところでございます。
 影響額等につきましては、地方団体の財政運営に支障のないように十分配慮をいたしましてこれからも対応していかなければならないと思っているわけでございます。
#9
○岩本久人君 大蔵省にお伺いしたいと思うんですが、きのうの大蔵大臣の答弁のいわゆる語調を見ておると、地方交付税の性格についてやや疑問を持たざるを得ないという点があります。そこで、再度詰めてみたいと思うんです。
 大蔵大臣がきのうここで話しておられたのは、要約すると、地方交付税というものは地方から見て権利のある金だと、こういうことです。しかし、昨年、私もここで取り上げましたが、当委員会での議論では、地方からだけでなくて国の側から見てもこれは一〇〇%地方固有の財源だということが確認をされていると思うんですけれども、この点についてはどのように見解を述べられますか。
#10
○政府委員(竹島一彦君) 毎回同じような答弁で恐縮でございますが、御質問につきましては、これは昭和四十四年の福田大蔵大臣の国会答弁というものがございまして、それ以来一貫して同じ趣旨で御答弁申し上げているわけでございます。
 歴代の大蔵大臣は、そういうことで申し上げておりますように、地方交付税につきましては、特定の国税の収入の一定割合が国から地方に交付されることが決まっているということから、地方の権利のあるお金であり、そういう意味において固有の財源と言って差し支えないと考えているということでございまして、まさにそういった法律で定められている一定の割合の国税の収入が地方に交付されるということが決まっておりますので地方の権利のあるお金である。国は、逆に言うと、そういうことで権利のあるお金ということで固有の財源として扱わなきゃならぬ、こういうことでやってきている。これからもそうであろう、こういうふうに思っております。
#11
○岩本久人君 わかったようなわからないような答弁ですが、私が言った趣旨でいいのですか。もっと歯切れよく、わかりやすく言ってください。
#12
○政府委員(竹島一彦君) 国から見ても一〇〇%地方固有の金であるかどうかということでございますが、いずれにしましても、この四十四年の大蔵大臣答弁の趣旨は先生の御指摘の趣旨とそう違うものではないというふうに思っておりますが、大変経緯のある御議論、御質問なり答弁の積み重ねがございますので、新しいことをつけ加えるというのはかえって現場を混乱させるおそれがあるんではないかと思いますので同じ答弁を申し上げているわけでございますけれども、国も、まさに地方の権利のあるお金であり、そういう意味において固有の財源であるという認識に立っているということは申し上げているとおりでございます。
#13
○岩本久人君 はい、わかりました。それでは大蔵省は結構でございます。
 それでは、総理府来ておられますか。PKOの問題についてお伺いをしたいと思います。
 けさも早朝からのテレビニュースで、文字どおり命をかけて頑張って御苦労されてこられた七名の方がけさ六時過ぎ成田に到着されたというのを映像で映しておりました。また、とうとい血と汗と涙の結晶で現在カンボジアでは総選挙が終わり、徐々にではありますが開票が順調に進んでいると、こういうことのようでございます。
 そこで、まず基本的な問題としてお伺いをしたいと思うんですが、経過を見ると、日本の文民警察官というのは一番最後に参加したということもあって、結果として治安状況の厳しい地域に配置されることになった。そういうことを考えると、文民警察官の配置に当たっての状況認識の詰めが甘かったということが言えるんではないか、こう思うんですが、その点についての見解をまずお聞かせください。
#14
○政府委員(柳井俊二君) ただいま文民警察官の配置についてのお尋ねがございました。
 確かに我が国の文民警察官が参加いたしましたのは比較的遅い時期でございまして、昨年の十月十四日にプノンペンに到着いたした次第でございます。配置先につきましては、これは日本の文民警察だけではございませんが、各国から参加しております文民警察官はプノンペンに到着いたしまして若干の研修がございますが、その後で配置先が決まるということでございました。
 それで、遅く参加したんであるいは条件の厳しいところに配属されたのではないかという御指摘でございますが、特にせんだって高田さんが殉職された北西部につきましては、確かにあの時期非常に治安状況も悪いまた生活条件も厳しいという状況になっておりましたけれども、昨年の秋に配属が決まりましたころはむしろ極めて平穏な地域でございました。
 カンボジアのようなところにつきましては、地域によって治安状況が異なるのはもとよりでございますけれども、同じ地域でございましても、そのときどきの時点によっては状況が非常に異なるということがございます。特にアンピルにつきましては従来は非常に平穏でございまして、この三月ぐらいまでは、アンピルとそのちょっと東北にございますフォンクーの間、この間でせんだっての五月四日の攻撃事件があったわけですが、そこの間はいわばジョギングでも通れるぐらい平穏でございました。これが四月に入りましてフォンクーにおりました平林さんという文民警察官が強盗事件に遭いましたが、そのころから急激に状況が悪化したということでございます。
 そういうわけでございまして、アンピル、フォンクーに関しましては、必ずしも遅く配置になったんで危険な地域に配属されたということではなくて、むしろ状況が途中から変わったということであろう、そういうふうに思っております。
#15
○岩本久人君 次に、UNTACの大きな任務の一つであった総選挙が終了したということから、政府として文民警察官の早期引き揚げという問題についてどのように考えておられるのか。
 きょうの新聞報道を見ると、一部でありますが、済んだということで、帰国の準備をせよということで送別会も済んだ、と思っていたら待ったがかかったといったような、現場ではいろんな状況があるようでございます。いずれにしても、総選挙の終了を一つの大きな契機にして早急に明確な回答をUNTACからとってやること、これがいろんな意味で安定につながる、このように思うんですが、その点どうですか。
#16
○政府委員(柳井俊二君) ただいま先生が結論としておっしゃいましたことは私も同感でございます。
 文民警察要員につきましては、派遣終了時期は本来本年の七月中旬となっておるわけでございます。これは我が国の文民警察官でございます。実際の帰国につきましては、政府といたしましては今後のUNTACの活動状況を踏まえつつ任務終了に応じでできるだけ早く帰国させたいというふうに基本的に考えておる次第でございます。
 一部にと申しますか、かなり報道では大々的に帰国の日取りが報道されておりますが、結論から申しますと、UNTACの中でいろいろな撤収計画を現在検討しておるところでございまして、いまだ具体的な計画が確定していないというふうに承知しております。一部報道されたような日取りが一つの案として考えられているということはどうも事実のようでございますが、これはまだUNTACの最終的な案にはなっていないというふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、我が国としては、勤務地によりましては本来の文民警察の業務が難しくなっているところもございますし、また選挙終了後の情勢いかんによりましては文民警察の業務を行うことが困難になるということもあり得ますので、かねてから文民警察要員の早期帰国に関する希望を述べてきたところでございます。ただ、きょう現在、UNTACの内部で、我が国の文民警察だけではございません、三十二カ国から参加しておりますので、その全体の撤収計画についていろいろ検討をしているところであるというのが現状でございます。
#17
○岩本久人君 そうすると、報道されておもように十五日に一斉帰国ということではない、こういうことですね。
#18
○政府委員(柳井俊二君) そのような案がいろいろな案の一つとしてあるというふうには承知しておりますけれども、そのような日取りで最終的に決定したものではないというふうに聞いております。
#19
○岩本久人君 いずれにしても、そこのところは重大なところですから、きっちりと対応してもらいたいと要望しておきます。
 次に、現に派遣されている文民警察官はUNTACからの要請によって本来任務と異なる国境の監視とか要人や選挙事務所の警護などについているということのようでありますが、その点についてまさに我が国の法令を逸脱するようなことをさせている、しなければならない、こういう状況について、村田国家公安委員長そして警察庁長官はどのような見解をお持ちか、お伺いいたします。
#20
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。
 我が国から派遣されている文民警察隊の任務は、国際平和協力法に規定がありますように、警察行政事務に対する助言、指導、監視ということでございます。しかしながら、地域によっては、指導、助言の対象となる地元の警察官が存在しなかったり、あるいは政党事務所の警戒など本来の業務以外と思われるような任務を付与されているというような状況もあったと承知しております。
 そういうことで、警察庁といたしましては、国際連合の平和維持活動への我が国の協力の重要性を認識しつつも、やはり文民警察隊員が法律で定められた業務を逸脱する任務を課せられることのないように、再三にわたりまして協力本部に対してその旨UNTACに要請していただきたいというお願いをしてきたわけでございます。
#21
○岩本久人君 反省点ということでいろいろ挙げられておりますが、いずれにしても、これだけの大変な任務をしかも外地でやるということでいろんな苦労とかはあったと思うんですが、結果として、警察庁、PKO協力本部事務局、外務省といった関係当局の連携というものが大変悪かったのではないか、こういう指摘があるわけです。今回のこのこと全体を通じて、そういった面からの教訓とか反省とか、この点はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
#22
○政府委員(城内康光君) 警察庁は、都道府県の警察官で適性を有する者を協力本部の方に推薦をいたしましたし、またみずから警察庁の職員を協力本部に派遣いたしたわけでございます。いわば実家みたいな関係でございます。私どものところから協力本部にも人を出しまして協力本部の要員としていろいろ事務にも携わっておるわけでございまして、その間には日常密接な連絡をとり合ってきたということでございます。
 ただ、何せ初めての経験でございますので、なかなか頭で考えるようなわけにはいかないということで、いろいろと問題はあろうかと思いますが、しかしこういうものは、全部任務を終了いたしまして、細かくそういった状況を掌握して将来に生かす問題点について考えてまいりたい、このように考えております。
#23
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は実際に現地に参りましたからその感じをこの際申し上げておいた方がいいと思います。
 五月七日の夜、総理から御連絡があり、私の派遣が正式に決定したのは五月八日の午前零時五分であったと思います。そして、その日の朝の十時過ぎのJALでバンコクに向けて出発し、プノンペンに行ったわけであります。
 そのときは、総理から御連絡があって、官房長官とお会いをし、そして柳井局長もそのとき来てくださったと思います。私の随員には、外務省のスタッフ、警察庁のスタッフ、自治省のスタッフ、全部行ったわけでございまして、城内長官は成田に見送ってくれ、また、私が帰った五月十二日にはすぐ城内長官と会っておるわけでございます。そして、プノンペンから総理大臣とも官房長官とも城内長官とも電話連絡をとり合っておりました。それから今川大使はずっと一緒でありますし、文民警察官の日本の隊長、山崎隊長も連日私と朝晩会っておったわけでございます。
 したがって、総理、そして官房長官、外務大臣、私の関係は極めて密接でありまして、その間、間然するところなく連絡をとり会いました。そして、帰ってからも総理にはその日すぐに朝お会いしました。五月十二日の朝八時十分であります。それから党三役、後藤田副総理等とも連絡をとり合ったところでございます。
 そして、今回の出張の一番の主要目的でありますUNTACの明石特別代表とは、日本におったときから連絡をとっていて、五月十日の朝、一時間半にわたって会談をいたしました。ルースという文民警察官の隊長も私の要望によって同席をしてくれたわけであります。今川大使も同席であります。そして、文民警察官の安全確保の問題あるいは選挙要員の安全確保の問題は、UNTACに派遣されておる三十二カ国の全要員とともにぜひその安全を確保してもらいたい、そして総理は国連及びUNTACに全面的に協力を申し上げる所存であるということも申し上げたわけであります。
 山崎隊長は朝晩一緒におってくれましたし、今川大使も朝晩一緒におってくれました。また帰りには、バンコクの藤井大使、これは大変立派な男でありますが、この藤井大使と今川大使とが不断に連絡をとるように、それから外務省本省、官房長官等とも不断に連絡をとるようにということで、後事を託して帰りました。
 私が帰ったのは五月十二日でありますが、五月十三日には、きょう出席をしております柳井事務局長に総理からの御指名によって直ちにプノンペンに飛んでもらったわけでございますし、この随行には警察庁の田中総務審議官、非常に責任感の強い男でありますが、一緒に行きまして、そして柳井事務局長は総理との連絡その他のために帰り、田中総務審議官はそのまま残っていろいろな関係要務をしておるところでございます。
 私は帰りましてから、官房長官、外務大臣、そしてまた大蔵大臣ともお会いをして、直ちに連絡をとり合っておりまして、その間の連絡は私はお互いに総理のもとでベストを尽くしてきた、このように思っておるところでございます。
#24
○政府委員(柳井俊二君) ただいま村田大臣、それからその前に警察庁長官から大変詳しい御答弁がございましたのでそこに尽きているとは思いますが、私ども国際平和協力本部の側から見たところを二、三つけ加えさせていただきたいと存じます。
 先ほど警察庁長官から御答弁がございましたように、東京におきましては、日常的に私どもと警察庁それから外務省との間で連絡をとり情報交換等を行っております。これは毎日のようにと申しますか、日に何度もやっております。それから、私どもの事務局の方には警察庁からも出向者をいただいております。現地につきましては国際平和協力本部事務局の現地支援チームというのを派遣しておる次第でございますが、これは大使館の一部として今川大使の指揮のもとにあるわけでございます。そこにも警察庁からの出張者を出していただいておりまして、そこで情報収集あるいは現地の文民警察官の皆さんに対する支援というものをやっているわけでございます。
 そこで、こういうような業務につきまして非常に重要なことは通信体制でございますが、御承知のとおり、UNTACの通信体制はオーストラリアの通信部隊が中心になって行っております。これによりましてプノンペンの本部と地方の各都市との間の通信が確保されてはおりますが、他方、我が国の文民警察官との連絡というのはこのUNTACの通信体制だけではなかなかとりにくいという面もございますので、私どもの方で十七カ所にインマルサット、衛星通信の機材を配付いたしまして、現在は文民警察官と直接連絡をとれる体制を確保しております。状況については毎日連絡をとらせていただいております。
#25
○岩本久人君 カンボジア選挙の開票状況、現時点でどうなっているかわかりませんが、けさのニュースでは、ラナリット派、人民党がそれぞれ十八議席ずつとったと、猛烈な接戦を繰り広げておる、こういう状況のようでございます。そうした矢先に、これまたけさのテレビニュースで私見たんですが、ポル・ポト派の幹部が、もし人民党が勝ったら内戦が起きることは必至である、だから日本の自衛隊も早く帰った方がいいということを警告したということが放映されておりましたが、開票状況を含めてその辺の情勢分析はどのようにしておられますか、お伺いをいたしたいと思います。
#26
○政府委員(柳井俊二君) 開票状況でございますけれども、UNTACが速報を毎日出しております。一番新しい速報は昨日現地時間の十九時、日本時間で申せば二十一時でございます。けさ報道されておりますのは、これに基づいたものだと思います。
 開票率は四三%、百八十二万票ということでございまして、ただいまお話ございましたカンボジア人民党、フンシシペック党いわゆるラナリット派でございますが、それぞれの得票率は、人民党が三五・三%、票で言いますと六十四万三千二百二十五票。それからラナリット派のフンシンペック党が三六・七%、票数で言いますと六十七万一千二百五十七票ということになっております。
 それから、開票状況は州によって相当違いがございます。全体の開票率は四三%でございますけれども、中には一〇〇%開票されたところもございますし、まだほとんど行われていないところあるいは全然行われていないところというのがございます。一〇〇%開票されましたのは、州で申しますとクラチエ州、モンドルキリ州、プノンペン、これは特別市でございますが、それからフレアビヒア、ラタナキリ、ストントレン、こういう五州一特別市ということになっております。確かに相当接戦でございまして、発表のたびにシーソーゲームを繰り返しているということでございます。
 それから、先ほどお触れになりましたポル・ポト派が、もし人民党が勝ったら大規模な内戦になると、自衛隊も帰った方がいいという趣旨のことを言ったという話につきましては、私どもこれは通信社の報道では承知しておりますけれども、何分、この報道によりましてもポル・ポト派の拠点のカンボジア北西部のどこかでそういうことを言ったというふうに伝えられておりまして、直接聞いたわけではございませんので、どういう言い方をしたのか確認はしておりません。
 ただ、従来からのポル・ポト派の動向を見ておりますと、投票のときに、これも伝えられておりましたけれども、ポル・ポト派の兵士が投票所にあらわれて相当投票した。だれに投票したか、どの党に投票したかということはもちろん秘密投票ですからわかりませんが、報道によればフンシンペック党、ラナリット派の方に投票せよというふうに言われてきたというようなことを語った兵士も放映されておりましたけれども、どちらかと言えば、ポル・ポト派はこのフンシシペック党の方に肩入れと申しますか、近い関係にあるのではないかと思います。他方、プノンペン政権との関係につきましては、御承知のとおり、非常に敵対的な関係にあるということは一般的には言えると思います。
#27
○岩本久人君 その種の情報の信憑性の問題だとか、あるいは直接聞いたことがあるとかないとかといったようなことで見過ごすというようなことは今までの経験から見てよろしくない。そういったわずかな情報でも大事に重たく受けとめておかないと、結果としてまた重大な事件に発展をする可能性もあるということから私も問いかけたわけですが、その点は今後しっかり対応してもらいたいと思っております。
 それと、きのうの予算委員会で宮澤総理は、新しい政権にはポル・ポト派を加えてもらいたい、加えた方がよいと、こういったような発言をされた。まあ総理が言われたことについてどなたかに答弁ということは難しいでしょうから、宮澤内閣の主要閣僚である村田自治大臣に聞きたいんですが、そのようなことをこういう時期に発言するということはいかがなものか。まさに内政干渉ということでもありましょうし、いろんな思惑を持って皆命をかけてやっておる最中であると思うんですが、その真意と、またそういったことを宮澤総理が発言したことについての村田国務大臣の感想をお願いしたいと思います。
#28
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、予算委員会、きのうは集中審議でありますが、出席をしたときとしないときとあったわけです。
 それで、宮澤総理の予算委員会あるいは本会議等における発言は注意をして聞いておるつもりです。カンボジア問題についてもそうでありますが、宮澤総理は極めて言葉を選んで慎重に答えておられると思います。それで、共通の認識としては、国連ガリ事務総長それからUNTAC明石特別代表、そういう方々がいろいろな発言をしておられるのも踏まえながら、日本国の総理大臣として国連、UNTACには全面協力をする、それと同時にPKOの法律の精神もよく重んじてやっていく、こういうことに対する配慮が全体としては非常に私は行き届いた発言であると思っております。
 私は、閣僚の一人でございますし推進本部の部員でもあるし、それから文民警察官、選挙監視要員等についての所管大臣でございますので、総理の意を体し、できるだけカンボジアがUNTACの協力を受けながら、しかもカンボジアの人民の方々が全面的に中心となった行動のもとに新しい体制をつくってもらいたい。そして、そういった配慮を宮澤総理は十二分にされながら内政干渉にわならないようにということで御発言をされておる、こういうような認識をしておるところでございます。
#29
○岩本久人君 五月二十六日の朝日新聞に、恐らくほかの新聞にも出たと思うんですが、「自治体の反対がPKOのネック」という記事が載っておりました。中身は何かというと、外務省の幹部が、カンボジアへの選挙監視要員に内定していた地方公務員の中から辞退者が出たことについて、今後自治体がもう少し積極的にやってもらわないと困るじゃないかと、こういう意味を込めて言ったと思うんですが、このことについて、現状どうなのかを含めてお答えをいただきたいと思っております。
#30
○政府委員(遠藤安彦君) 私どもも、二十六日の新聞二紙ほどに似たような記事が掲載されておりまして実はびっくりいたしたわけでございまして、早速外務省に事実関係と事の真意というものを問いただしたわけでありますが、外務省からはそのような事実は承知していないということでございまして、むしろ自治省及び地方公共団体に対しては協力をしてもらって感謝をしているという趣旨のことを考えているというお答えがありましたので、私ども、外務省のそうしたお答えについて承知しているところでございます。
 なお、この問題につきましては、予算委員会でも同様の御質疑があり、外務大臣からも先ほど申し上げましたような同様の御答弁があり、自治大臣もその答弁について了解したという旨の答弁をされた経緯がございます。
#31
○岩本久人君 この問題の最後に、警察庁長官にお伺いをいたします。
 きょうの新聞報道を見ますと、昨日の全国都道府県警察本部長会議で、長官は功労に十分な称揚をということで帰国された後の文民警察官の処遇について言及しておられますが、その内容はどういうものなのか、お伺いをしたいと思います。
#32
○政府委員(城内康光君) 我が国から派遣されました文民警察隊員は、大変厳しい情勢の中で国際貢献のために使命感に燃えて勤務をしておりまして、その士気の高さにはまことに心強いものがあるわけでございます。
 昨日、全国都道府県の警察本部長会議を開催いたしました際に、この隊員が帰国をする際にはそうした功労に対して十分な称揚を警察庁としてもやりたいと。なお、隊員を派遣いたしました都道府県におきましても、隊員の帰国後、そうした長期にわたる労苦に報いる処遇を行うとともに、この間留守を守ってこられた御家族に対してもきめ細かい配慮をするように要請したものであります。
#33
○岩本久人君 各都道府県本部において警察庁長官のきのうの発言を体してしっかりやってもらいたいと言っても、裏づけがないとなかなかならない話だろうと思いますから、その点はじっくり配慮してあげてもらいたいと思っております。
 PKOの問題はいろいろありますが、時々刻々状況が変わりますから、ひとまずここのところでおいて、次の問題に移りたいと思います。
 次は、いわゆる政治改革、なかんずく選挙制度改革の問題です。
 御存じのように、野党六会派は、昨日共同統一案をつくるということを合意いたしまして、きょうじゅうにその新たな妥協案をつくって、自民党と真剣に相談をして何が何でも今国会で成立させるという意気込みでやっておるということです。一方、自民党の方もきょうじゅうに党内調整を行う旨の報道があるといったようなことを考えると、ここ一両日中というところが今百二十六通常国会の中でも一番大きな山場ということではないかと思うんです。
 そこで、そうは言ってもという意見がたくさんある中でありますが、ひとつ村田国務大臣として今後の展開をどのように見ておられるか、なかんずく、双方の関係者の皆さんの努力が実って法案が成立したということになった場合、前回も質問いたしましたが、そのときよりも状況はずっと進んでいるわけで、法案が成立した後の実施までの周知期間というのはどの程度あればよいのか。その点について、それぞれの法案には、法案が成立し委員任今後六カ月以内ということが書いてあるわけですね。六カ月以内ですから、オーバーに言えば半月でも一月でもいい、こういうことになると思うんですが、常識的な線としては大体何カ月ということになるのでしょうか。
#34
○国務大臣(村田敬次郎君) 事務的な点については選挙部長も来ておりますからなお御質問があれば答えさせますが、大筋を申し上げたいと思います。
 私は、このたびの政治改革のことに対する各党の御協力と申しますか、これはもう本当に頭が下がるんです。正直言って、私は自治省の選挙局に今から三十年以上前におりましてこういった問題に関係をしておりました。政府が当面の衝に当たったときには見られなかった今回は新しい現象があります。それはどういうことかというと、自社公民共等極めて真剣な態度でこの問題に当たっておりまして、大変な活性化した場面が本会議でも政治改革の委員会でも見られるということでございます。このような活性化した国会こそ民主政治の基本じゃないかということを私は感じておりまして、各党の御努力に心から敬意を表しております。
 自治大臣としては、今申し上げられる案は自民党の単純小選挙区制それから社公から提案をされております小選挙区比例代表制、この二つの案については正式に出ておるわけでございますから意見を聞かれれば申し上げることは自由でありますけれども、ただ、民間臨調から出ている連用制であるとかその他の考え方について、自治大臣としての所見は私は目下は差し控えるべきであると思っております。
 それで、いよいよ各党の協議が進んでおります。私は、一昨日も梶山幹事長とともに高田さんの御葬儀に出席をいたしましたし、それからその前の日には、政策首脳である三塚政調会長とも山口県に参りましたのでいろいろと会っておるわけでございますが、まだこのことについて、きのうも政府・与党首脳会議があって、梶山幹事長も三塚政調会長もそれから佐藤総務会長も出ておったのでございますが、公式の場で公式の意見を交わしたことはございません。
 ただ、自治省はいろいろこの問題について勉強をしておかなければなりませんので毎日のようにスタッフから意見は聞いておるわけでございますが、いよいよ各党の案がまとまりつつあります。そして、自民党としてもこれに対する対応をいろいろとしていかなければならないということで、後藤田副総理や党三役ともいろんな会談が行われておると承知をしております。この詰まっていくところはいつなのか、早ければ今週の後半なのかあるいは来週なのかということを私自身も大きな期待を持って見ておりますし、この国会でぜひ政治改革についての各党の一致点を見出していただいて、そして今度の選挙から適用すべきである、こういうふうに私個人としては総理とともに心から望んでおるところでございます。
 一番問題なのは区割り委員会です。区割り委員会にどうやってその結論を早急に出していただくかということでありまして、周知期間は常識的に見れば少なくとも三カ月ということでありましょうが、何としてもそういう各党の御要望を踏まえて、私どもは国会議員の選挙の執行をする官庁でありますから、できるだけ早い時期にこれが行われるようにしなきゃならぬ、今度の選挙からそれをやりたい、こういう強い要望を持っておるところで、これは皆様方と全く同じ認識であろうかと思っております。
#35
○岩本久人君 私は政治家としての村田大臣の基本的な見解を聞いたわけです。それで、今言われましたぜひ合意をしてもらって次の選挙からということになると、おのずと日程というのはもう見えているわけですね、任期がいつまでかということを考えると。そうすると、いずれにしても、選挙の担当大臣としての長年の常識から、大体周知期間というものは何カ月ぐらい必要なんだということを言ってもらいたかったわけです。だから、そのことについて再度伺います。
 同時に、前回の平成三年度のときの区割り作業期間はどの程度であったのか。それで、選挙制度審議会にあのときにも諮問して答申をもらって区割りの案を確定されたということがありますが、あのときにどの程度の期間であったろうかということをぜひ聞きたい。
 それから、実は宮澤総理が、あるいは関係の閣僚が、あるいはどこかの政党の長が、何が何でも今国会で成立をさせて次の選挙からやるということをあっちこっちでかたい決意表明をしておられるにもかかわらず、現状はどうなっているかというと、例えば私の地元の島根でも、きょうは有力代議士が今度の選挙のためのパーティーをやるんです。これは金集めということもありますが、やっぱり票固めが第一なんです。それは何かと。現行中選挙区制を大前提にしてパーティーをやるわけですよ。少なくとも、それだけのかたい決意表明をやっているなら、それぞれがそれぞれの系列ででもいいです、党という機関ででもいいですが、そのようなものは差し控えよということをやっておかない限り、皆さん方がかたく決意表明されてもむなしく響くだけと、こういうことになりますから、そういったことについてもきっちりやるということの決意を、二、三の事務的な問題も含めて答弁をお願いしたいと思います。
#36
○国務大臣(村田敬次郎君) ちょっと選挙部長から事務的なことを答弁させていただきます。
#37
○政府委員(佐野徹治君) 前回の選挙制度審議会におきます区割りの関係につきまして、事務的なことを若干御説明いたしたいと思います。
 選挙制度審議会が小選挙区比例代表並立制の答申を行いましたのは平成二年の四月でございます。この答申後、審議会の指示によりまして、事務局におきまして区割り案の作成のための資料の収集、整理、分析等が行われたところでございます。こういった資料の収集、整理、分析等の作業を経まして、平成三年の六月六日に区割り案の作成につきまして審議会に諮問がなされ、平成三年の六月二十五日にその答申がなされたところでございます。
#38
○国務大臣(村田敬次郎君) 大事なこと言い忘れましたが、今度の法案がまとまれば、それは国会議員の提案ということに必ずなると思います。これは政府はなるべきではないと思っています。そうすると、国会議員の関係ではその事務をやるのは衆議院の法制局でございます。したがって、国会を通過するためには衆議院法制局が事務方になって進めていただくわけでございまして、これは私は大変ありがたいことだと思っております。
 ただ、政府としてももちろん勉強させていただくわけでございまして、こういった国会議員の先生方の研究について、ぜひ私どもも勉強しながら対応をしていくということでございます。選挙部長もこの問題に毎日のように朝から夜まで働いてくれておりまして、この法律案が各党提出の形でまとまれば区割りの委員会ができてその作業をやっていく、そして、次の選挙からこれを適用していくという気迫で進められることであると思っておりまして、私個人としてもそういう強い要望を持ちながら、周知期間等はできるだけ短い期間、先ほど常識的には三カ月と申し上げましたが、そういう私は感じを持っております。とにかく次の選挙から適用するようにしていきたい、こういうように思っております。
 ただ、衆議院の選挙は国会議員の地位にかかわる最も重要な国事行為でございますので、これについては極めて慎重な配慮と、各国会議員の方々のいろいろな御労苦があろうかと思いますので、そういうことも考えながら作業を進めてまいりたい、このように思っておるところでございます。
#39
○岩本久人君 前回は、選挙制度審議会へ区割りを諮問して答申得るまでに二十日間だったということが一つ。それから、周知期間は常識的にも三カ月ということのようでございます。そういったことを考えると、いずれにしても、今からすぐ法案が合意されて成立したら年内選挙も十分可能だと、こういうことになるわけですね。
 それで、さっきから私が言っておりますように、それに逆行する動きが現実には多々あるというようなことですし、議員提案だということですから、ここじゃありません、衆議院ですが、みずからが提案をしてやろうというのに、自分の選挙では現行中選挙区を大前提に置いて運動を積極的に展開しておるということはいかがなものかということですから、そういったことについては宮澤内閣の一員としてやっぱりしっかり対応してもらう必要があると思いますが、そのことについての決意表明をひとつお願いしたいと思います。
#40
○国務大臣(村田敬次郎君) 岩本委員が非常に周到な御準備をされて質問をしていただいておりまして、感謝しております。
 私は、今岩本委員が御指摘になったように、この国会で関係法案を通していただき、そして区割りの作業を通じ次の選挙からぜひやっていきたいと私自身は思っておるわけでございまして、それには衆議院のスタッフ等の格段の御努力を心から願うものでございますが、決意としてはそのような強い決意を総理とともに持っておるところだと思います。
#41
○岩本久人君 時間がもう一時間過ぎましたんで次に入ります。
 引き続き政治改革の問題でございますが、今度は、そのスタンスは談合問題といったようなことに入りたいと思います。
 先日、テレビの報道番組を見ておりましたら、最近のPKO論議に対する国民の声を聞くと、政府がここまでPKOに固執するのは、それは莫大なお金が動くわけだから、この裏には利権が絡んでいるといったようなことを堂々とテレビでいろいろな識者が言っているわけです。ことほどさように我が国日本の政治不信、地に落ちたということかもわかりません。実に私は残念なことだと思っておるんです。佐川急便事件、あれほど国民注目の的で国会でもいろいろとやってきたんですが、全く問題は解決してないのにトーンが下がっているということです。これはどんなことがあっても我が国日本の政治、行政が国民の信頼をから取るためには絶対に避けて通れないことでありますので、そのことについては今後とも引き続き飽くことなく徹底的に追及していかなければならない、このように思っております。
 村田大臣には、現在ある利益誘導型政治を改革するためには現段階でどうしたらいいと思われますかということについて、改めて伺いたいと思うんです。
#42
○国務大臣(村田敬次郎君) いろいろ御指摘がありますように、現在の中選挙区制の衆議院選挙ということにいろいろな問題点があるんじゃないかと思うんです。中選挙区制でありますから同士打ちが避けられないことになりますし、そうすると、選挙民に対するサービスというようなことから、政治資金が通常考えられるよりももっとたくさん要るというようなことが一つの原因かと思います。
 ただ、PKOについてそのようなことがあっては絶対にならないのでありまして、PKOにつきましても政治改革についても、政治資金等がこのために動くというようなことは絶対にあってはならない。また、今岩本委員が御指摘になられるようなことが巷間で言われるとすれば、それはぜひ極力否定をしていただいて、必ずPKOについても政治改革についても透明な中で進めていくんだということを我々国会議員が深く心に認識しなければならないと思っております。
 そこで、先ほど政治改革論議が各党の実に熱心な活性化した議論の中で進められておるということを申し上げましたが、これは各党の政治改革にかける熱意というものが非常な形であらわれておる、自民党の中でもそういうことが若い方々からもあるいは先輩の方々からも強く言われておるところだと思うのでございまして、私どもはこの政治改革に二十一世紀の政治がかけられていると思っております。したがって、国会改革、あるいはもっと言えば地方分権等広範な課題の中で、真剣に追求をされてやっていかなければならない最大の命題であるというふうに認識をいたしております。
#43
○岩本久人君 公取の方来ておられますね。
 先へ進みますが、いわゆる政財官癒着を基本とする利益誘導型政治、これが今一番のやり玉に上がっておるわけでありますが、これの大きな要因として例の金丸やみ献金事件で明らかになった談合という問題があります。報道によりますと、公正取引委員会は五月十三日に建設談合による独禁法違反で山梨建設業界に対して立入検査を行ったと、こうありましたが、この検査の状況について説明をいただきたいと思います。
#44
○説明員(上杉秋則君) 御説明申し上げます。
 公正取引委員会は、五月十三日、十四日の両日、社団法人山梨県建設業協会の本部及び同支部の事務所並びに同協会加盟の建設業者の事務所計五十数カ所において、いわゆる入札談合を行っていた疑いで独占禁止法に基づく立入検査を実施したところでございます。
 現在、留置した資料の分析等調査を鋭意進めている段階でございます。
#45
○岩本久人君 この立入検査に当たっての新聞報道等で目を引いたのが異例であるという文字なんです。つまり極めてまれということなんでしょうが、しかし世の中では、世間一般の常識はほとんどすべての公共事業に談合があるということを認めております。にかかわらず、山梨県建設業協会に立入検査されたということが異例ということは、世の中の常識で談合になっているにかかわらずほとんど取り組んでいない、検査をしてないということになるんですかどうですか、その点についてお聞きしたい。
 また、建設談合の摘発というのはどの程度なされているものなのか。今まで公正取引委員会が敬遠をしてきたというのには、実は政治的な圧力が大変なものだったということも聞くわけですが、その辺も含めてお伺いをしたいと思います。
#46
○説明員(上杉秋則君) 独占禁止法上禁止されております入札談合行為といいますのは、官公庁等が入札を行うに当たりまして入札の参加者側があらかじめ受注予定者を決定するという行為でございまして、これは競争入札制度の根幹を揺るがすものであるとともに独占禁止法にも違反するということで、従来から積極的にその摘発に努めてきているところでございます。
 ただいま件数についてのお尋ねでございますが、過去十年間の件数を申し上げさせていただきますと、建設業、これは電気工事業等を含む広い意味でのものでございますけれども、そういう建設業に係る受注予定者の決定事件に関しましては私ども十四件の審決等の法律に基づく措置をとっておりまして、これまで、延べ三百十四名の事業者に対しまして総額十六億六千七百二十八万円の課徴金の納付を命じたところでございます。
 いわゆるゼネコンが属する一般土木建設工事業というカテゴリーで見ますと、今の数字は法的措置をとったものが二件、これは旧米軍工事安全技術研究会のいわゆる横須賀基地の談合事件でございますが、それと鹿島建設ほか六十五名事件、これはいわゆる埼玉土曜会事件でございますが、この二件、延べ百十三名の事業者に対しまして、総額十二億九千六百四十七万円の課徴金の納付を命じているところでございます。
 入札談合行為につきましては、先ほど述べさせていただきましたように、私どもの審査の重要案件でございまして、そのような入札談合に関する情報収集に一層努力するとともに、具体的な端緒に接した場合には、調査を進めて法律に基づく厳正な対処を行いたいと思っております。
#47
○岩本久人君 過去十年間で十四件、三百十四名、罰金十六億円といった今言われたのをここにも書きましたが、世間の常識から見ると余りにも僕は少な過ぎると思うんですね。
 それで、そうは言っても競争社会ですから、いろんなところからいろんな情報というのはあるんだと思うんですが、公正取引委員会に寄せられてきた談合についての情報というものはどの程度あるのかということをまず伺ってみたいと思います。
#48
○説明員(上杉秋則君) 私どもの審査活動の前提として、いわゆる一般の方々、事業者の方々等を含めまして、当方に対しまして情報の提供、報告がございます。この申告に係る情報というのは私どもの活動の中で特に機密を要する事項でございまして、公正取引委員会といたしましてもその取り扱いには特に注意を払っているところでございます。
 かかる観点から、その件数、どの程度ということにつきましては特に年次報告等においても報告していないところでございまして、そのような申告がどれぐらいあるかということについて私の方から申し上げるわけにはいきませんので、御理解いただきたいと思います。
#49
○岩本久人君 最近でも月に十件ぐらいですかね、新聞によく載っております。どこどこの県があるいは市町村が入札をやろうと思ったら談合の情報が入ってきた、したがって入札はその指名業者を外して新たにやりかえたということが新聞にずっと載っていますよね。かなり僕はあると思うんです。そういったところについては、確実な情報だからこそそこの県いわゆる発注者がそういう措置をとるわけですから、確実な情報に基づいているわけでありますから、そういったところについては公正取引委員会として調査をやっておられますか。
#50
○説明員(上杉秋則君) 私どもが独占禁止法第四十六条に規定する権限、先ほどの立入調査の権限でございますけれども、そういう権限を行使するに際しましては、独占禁止法に違反する行為、入札談合行為等でございますけれども、そういう行為が行われたとする具体的な端緒となる情報に接した場合にこういう権限を用いて行うこととしているわけでございます。
 先ほど申し上げさせていただきましたように、一般的に、入札談合行為につきましては私どもの情報探知部門において十分の注意を行いその情報収集に鋭意努めているところでございますけれども、私どもの実務におきましては、新聞に報道されたというだけで私どもの権限を発動するに足る具体的な端緒となる情報が得られるという場合はそれほど多くないわけでございます。そのような新聞情報に加えまして、それ以外に、私どものところに寄せられる申告等の情報、それから私どもがいろいろ審査活動の中で得た情報、そういうものを総合勘案いたしまして、私どもの法律上の権限を発動するに足るかどうかということを検討した上で必要とあれば権限を行使して審査活動を行う、そういう方針で望んでいるところでございます。
#51
○岩本久人君 一般的な国民の見方としては、あのごとく談合が堂々とまかり通っておるのに公取は一体何しているんだというのがあるんです。しかし一方、公取の側にしてみると、そうは言っても人的体制とか物理的なこともあってなかなか一挙に対応できないということも十分理解できます。
 そこでお伺いするんですが、現在、公正取引委員会の職員は何人で、検査等に携われる人数は何人おられるんですか。
#52
○説明員(上杉秋則君) 公正取引委員会の事務局の職員というのは四百八十名強おりますけれども、私ども先ほど申し上げさせていただきました法律に基づく強制権限、独占禁止法四十六条に基づく権限の行使をできる者というのは審査部の審査官という地位にある者でございます。この数というのは、現在、私ども事務局の東京における本局それから全国に地方事務所がございまして、合計をいたしますと百七十八名ぐらい、百八十名弱というところでございます。
#53
○岩本久人君 わかりやすく言えば百八十名で全国を網羅している、こういうことなんですね。余りにも少ないという印象なんですが、全国で地方組織というのはどことどこにあるんですか。
#54
○説明員(上杉秋則君) 大体ブロック単位に事務所を置いておりまして、北からいきますと、北海道、仙台の東北事務所、中部、近畿、四国、中国、九州と、それから沖縄におきましては総合事務局の中に公正取引室というものを置かせていただいて、それらを全部合わせて百八十名弱の審査官を動員できる体制をとっているわけでございます。
#55
○岩本久人君 よりわかりやすく理解するために、恐縮ですが、中国は広島にあるんですね、広島で中国五県をカバーしている審査官は何名おられますか。
#56
○説明員(上杉秋則君) 中国事務所に審査課を置いておりまして、課長以下三名の体制であろうと思います。
#57
○岩本久人君 中国五県という広いところを考えた場合、中国山脈を渡るだけでも大変なんですね。わずか三名と。
 私は、前回のこの委員会でも、とにかく山梨型利権構造、つまり、公共事業の発注者でもないのにおのれを天だと称して一方的にゼネコンに対して指名をし決めつける、そして受託業者からは三%五%のリベートを巻き上げる、これは山梨でなくて本家は島根県だと。私も二十何年見てきておりますから、だから早くそのことも言っておくわけだから調査してもらいたいということを言っておきましたが、なかなかおいでにならない。何でかと思ったら、中国五県で三名ではやっぱりなかなかならぬということですね。その三名という数について、どのような評価ですか。
#58
○説明員(上杉秋則君) 私ども審査部門の強化ということで、平成元年の時点で百二十九名の審査部職員が本局、地方含めてございました。これをいろいろお願いいたしまして、先ほどの平成四年度で百七十八名という体制に持っていきまして、今年度予算が通過いたしましたことによりまして百八十六名の体制を組むことができているわけでございます。私どもの審査活動に対する各方面の理解をいただきましてこのように充実させていただいているわけですけれども、今後この数字をさらに充実できるように努力していきたいと思っております。
 それから、地方の案件につきまして、私ども地方には確かに少人数の担当官しか置いていないわけですけれども、私どもの事件の性格上、かなり全国的な事件それから地方におきましても立入検査を行いますという場合にはやはり東京等から相当の人員を送り込む必要がございまして、そういうことで審査官の配置の上でも東京を中心に置いているわけでございます。東京に百三十九名置いて地方に三十九名置いているというような形でございまして、地方の事件におきましても、先ほど申しましたように、具体的な端緒となる情報に接した場合には本局の人員を動員いたしましてそれに取り組む準備は整えているつもりでございます。
#59
○岩本久人君 今の件で自治大臣にお伺いいたしますが、公共事業のうちの七割は地方なんですね。それで、その発注に当たってはほとんど全部指名競争入札。そして、この指名競争入札のそのまたほとんどに談合が存在しておるということは世間万人が認めるところであります。この談合が今の日本の政治腐敗構造を生んでおるということですから、今や談合摘発という問題は社会的な要請です。にもかかわらず、先ほど私も初めて伺ってびっくりしたんですが、それを是正さすための体制というものが余りにも貧弱だと思います。そのことについて大臣の感想を聞かせてもらいたい。同時にまた、ぜひとも私は十倍とまではいかなくても最低二倍三倍はやっぱり置く必要があると思うんですが、そういった増員についての努力をぜひしてもらいたいと思うんですが、そのことも含めてひとつお願いいたします。
#60
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は県におきまして水道部長や建築部長もやっていたことがあるんです。こういった事務についても多少は経験上承知をしておるわけでございますが、いわゆる建設大臣登録という業者の方も大変な数なんですね。そして、知事登録の業者もおられまして、一般競争入札をもし何の準備もなしに施行すると大変な混乱に陥ると思うんです。業者の持っておる能力、スタッフ、技術、そういったいろんな点も考えてまいりますと、日本のこの競争入札制度の風土というのは長い間いろいろと経緯があったわけでございますが、アメリカで行われているようなことをすぐに持ってくることができるのかどうなのか、いろいろ問題点があります。
 公正取引委員会、これは独占禁止法に基づいていろいろなことを作業していてくれるわけでございまして、この独占禁止法に基づく公取の作業も極めて重要であります。それから、関係官庁でございます例えば建設省、農林水産省あるいは運輸省等公共事業の発注官庁があります。また御指摘にあったように、現在の公共事業は都道府県、市町村を通じてなされるものが全体の七十数%にも及ぶわけです。そういった点で、指名競争入札制度、一般競争入札制度を一体どういうふうにしていったらいいのかということは中村建設大臣も非常に心を痛め、そしてこれに対する相談にも来られました。
 これはひとつ建設省と自治省とでこういう入札制度をどういうふうに持っていったらいいのか研究してみようじゃないかということから、建設経済局長、自治省の行政局長等がスタッフになりまして入札制度の合理化についての会が今発足をいたしました。したがいまして、これについての研究機関がその成果も着々と上げていくことができようかと思いますし、公正取引委員会あるいは大蔵省等ともよく相談をしながらやっていかなきゃならぬと思います。
 指名競争入札制度にすれば入札に参加する業界が比較的限られておりますから、現在の制度では、もしそこに不正が介入する余地がなければ非常に理想的な制度の運用ができるというわけでございまして……
#61
○岩本久人君 大臣、その問題は後からと思っておりますが、私が今聞いておるのは、公正取引委員会の体制が余りにも貧弱ではないのか、そのことについてどう思いますかと。そのことだけ答えてください。
#62
○国務大臣(村田敬次郎君) これは大蔵省、自治省等いろいろと関係機関があるわけでございますが、公取は極めてまじめに事業を遂行してくれておるわけでございますが、スタッフが少ないという点は確かにあろうかと思います。その点については、これからの公取と大蔵省あるいは人事院等との折衝になっていくんじゃないでしょうか。
#63
○委員長(佐藤三吾君) 国務大臣としてどうするかということです。
#64
○岩本久人君 そういうことなんです。もう一回言いますよ。いいですか、ちゃんと聞いておいてくださいよ。
 私が言いたいのは、公共事業のうちの七割が地方だと、それで地方自治体を所管する自治大臣として、言われているような談合だという疑惑があるということはもう世間の常識であります。しかしながら、さっきから私が言うように、どんな情報が寄せられようとどんなに意欲があっても、物理的に人的体制が余りにも貧弱だからうまく機能してない。だから、現在の人数をどの程度評価するか。私は今の社会的要請からいえば十倍ぐらい欲しいと思うんですが、どの程度の人数が要るかはもちろん所管のところと相談してもらわなければならないと思いますが、いずれにしても、そういう要請があるということをまず認識いただいて、自治大臣としても担当の大臣とか省庁に対して大幅の増員をしてきっちり国民の期待にこたえるようにやってもらいたいということを全力を挙げて頑張ってもらいたい、こういうことを今聞いておるわけですよ。
#65
○国務大臣(村田敬次郎君) 岩本委員の御指摘はよくわかります。努力をします。
 それで、要は活性化ということでございます。国会も政治改革の問題が出て極めて活性化した。関係各省も本当にやる気を起こしてやるということになれば必ず能率も上がると思いますし、その点、公正取引委員会や会計検査院等の機能を極めて期待をするわけでございますが、岩本委員の御要望はよく承りました。
#66
○岩本久人君 公正取引委員会の課長さんに最後に要望しておきたいと思うんです。
 いずれにしても、どういいますか、極めて脆弱な体制の中で大きな社会的な課題に向かって頑張っておられるわけでありますが、事は社会正義にかかわることでありますから、今後ともひとつ元気を出してしっかり頑張ってもらいたい。そして、勇気を持ってやっぱり増員要求もやってもらわないと、要求のないところには絶対に予算はつきません。しかし、自治大臣が最大限努力すると言っておられます。大きな味方もできましたんで、ひとつしっかり増員要求してもらって体制をつくって国民の期待にこたえてもらいますようにお願いをして、長時間ありがとうございました。あなたは結構でございます。
 建設省来ておりますか。
 それでは、指名競争入札制度の問題について、次に移りたいと思います。
 ごらんになったかと思うんですが、週刊誌で、「官製粗大ゴミ」といったシリーズで屋山太郎氏が金丸やみ献金の原因は建設省にあると指摘しております。原因は建設省にあると言っておるわけであります。その上で、指名競争入札制度こそが汚職、談合、やみ献金の温床となっていると批判しております。そして、こうした指名競争入札制度によって事業費が実に一六%から三三%も高くなるといったアメリカの学者の説を紹介し、これを裏づける判例を挙げるとともに、こういった制度のもと建設省の建設企業への天下りがなされていると批判しておられます。
 そこで、こうした指名競争入札制度が談合の温床となり、やみ献金を横行させているといった事実に対して、建設省はどのようにお答えされるでありましょうか。また、指名競争入札制度の結果事業費が高くなってきているという指摘に対して、どのようにお答えでしょうか。お願いをいたします。
#67
○説明員(峰久幸義君) 公共工事につきましては、物品の購入等と異なりまして現地の組み立て作業でありますとかあるいは単品受注等そういうような特殊性がございますので、特に所定の期限内に良質な工事を施行していただくと、こういう建設業者を指名して質の確保を図ることができる指名競争入札方式を公共工事に関する運用上の基本としているところでございます。
 一方、一般競争入札制度につきましても昔から種々御議論がございます。それで、中央建設業審議会等からの答申におきましても、不誠実な建設業者を排除することが極めて困難で、不良工事、工期の遅延などを発生させるおそれが非常に大きいということ、それから審査、施工、監督等の事務量が膨大になるということ、それから過当競争いわゆるダンピングの発生を招来するおそれが大きいということ、それから公平な受注機会の確保ということの観点が薄くなるということ等の問題があるということで指摘されております。
 それで、欧米の主要国について見ましても、例えばアメリカでは一般競争入札方式を採用しておりますけれども、イギリスでは指名競争入札を採用しておりますし、またフランス、ドイツでは指名または公募を行いまして、そこで技術審査を経て入札参加者を選定するという方式が見られるところでございます。各国各様の方式が採用されているところでありまして、必ずしも一般競争が主流ではないということでございます。
 建設省におきましては、指名競争入札を採用しているところでございますけれども、これの運用に当たりましては、特に指名については指名基準に従いまして、かつ合議制の指名運営委員会の議を経て業者を選定するということとか、あるいは入札結果等につきましては指名業者名を含んで公表していること、こういうことによりまして厳正かつ公正な入札契約事務の執行に努めております。
 それから、一般競争入札方式を採用しておりますアメリカでも年間数十件の入札談合に対する刑事訴追が行われているということも聞いておりまして、必ずしも入札方式と談合というものが直接結びつくものではないと考えております。したがいまして、指名入札制度が談合、やみ献金の温床とは言えないと考えております。
 ただ、御指摘のように、指名競争入札制度についても手続のより一層の透明性を高めるとか競争性を確保する、こういうことが非常に指摘されていることでもございますし非常に重要だと我々考えておりまして、五月の初めにもいろんな改善策を発表させていただいたところでございますけれども、その中におきましては、一般競争の有する長所を最大限に生かすため、広範な参加機会を確保するということと同時に、技術力を重視する新たな入札契約方式の導入とかあるいは指名基準の運用基準を具体化していくとか、こういう形での現行の入札手続の大幅な改善に取り組まさせていただいているところでございます。今後ともこういうことで全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、雑誌で指名競争入札がゆえに価格が高いではないかという御指摘でございます。一六%から三三%指名入札の制度のために高くなっているということでございます。御指摘の数値は外国人の寄稿によりますものであると思われますけれども、当該数値と申しますのは、一般競争と指名競争とを問わず、談合が行われる場合とそうでない場合の差を単純化された前提のもとで、かつまた数学的モデルによって推測されたようでございます。ですから、こういうことから実証的な結論を導くことは非常に難しいと思いますし、特に公共事業一般につきましてこういう形で高くなっているとは言えないというふうに思っております。
 申し上げるまでもございませんけれども、公共工事の発注に際しましては、予算決算及び会計令に従いまして取引の実例価格等を考慮して適正に予定価格を定めることとされております。その予定価格というのは、工事を行うに当たって必要な材料費、労務費、それから機械経費等から成る直接の工事費、工事の準備費、機械の運搬費等の共通の仮設費、それから工事を管理するために必要な現場管理費、それと一般管理費とを合計して定めておりますが、この算定に当たりましては、直接工事費については工事の実態に基づきまして労務費、材料費や作業の所要人員等を定めておりますし、また共通仮設費とか現場管理費についても同様に工事の実態調査に基づいて基準額を定めて行っております。また、一般管理費等については財務諸表等を分析して適正に定めているところでございます。
 このような予定価格は指名競争入札と一般競争入札を問わず同様に採用されるものでありますけれども、今申し上げましたように、予定価格の算定に当たりましては予算決算及び会計令等に基づきまして適正、厳正に定めさせていただいております。それと同時に、先ほど申しましたけれども、アメリカでも一般競争入札方式を採用しておりますが、談合のケースもあるということ等から考えますと、指名競争入札制度のために事業費が一六から三三%高くなっているというふうな雑誌の指摘というものはあり得ないことだと考えております。
 積算につきましてはそういうふうなことでございますけれども、なお、諸経費が甘いのではないかとかあるいは算定方式、積算方式がわかりにくい、こういうふうな御指摘もございます。そういうことにかんがみまして、建設大臣のもとに検討委員会を設置しまして、市場の実勢ですとか施工形態の変化、こういうものに機動的に対応できる積算でありますとかあるいは透明性の高い会計をつくるという観点から、第三者の方々の目も入っていただきまして、そういう形で評価、検討を行うということも行っていこうとしております。
 いずれにしましても、今後とも予定価格の設定に当たって適正、厳正に行うよう努めてまいる所存でございます。
#68
○岩本久人君 峰久地方厚生課長さん、建設省を代表して一生懸命今お答えになりまして、その一生懸命さはわかるんですが、そのスタンスが悪い。なぜかと。今まで自分たちがやってきたことはまず基本的に間違いでなかった、絶対正しいんだという前提に基づいているからなんです。しかし、今まで皆さん方が一生懸命頑張ってやってきたことが実はどうなのか。にもかかわらず、あれほどの社会的な問題に発展するだけの談合、政治腐敗というものを呼んでいるんですよ。そのことをまず謙虚に考えてもらいたい。まず私はそれを一番言いたいです。あなたがひとりその原稿を書いたんでないことぐらいわかりますから、あなたが建設省を代表して来ておられるから言うわけです。あなたを通じて皆さんに言ってもらいたい。
 そこで、私が言いましたが、答弁が漏れておりますが、そういうことの中の一つに例えば天下り、建設省からゼネコンへ天下りしておられる方の数は何人なんですか。そして、新聞報道によると、建設省は建設業法に基づき、三十一日というからきのうからですか、ゼネコンから事情聴取するということが載っておりましたが、これはどういう目的でなされておるのですか。中身は何ですか、お伺いをいたします。
#69
○説明員(峰久幸義君) まず天下りの件でございます。
 建設省の職員が本人の知識、経験などを生かしまして退職後各分野で活躍することというのは、本人の生活上はもとより、社会的にも必要なものがあると思います。こういう形で今……
#70
○岩本久人君 人数を聞いているんです。
#71
○説明員(峰久幸義君) 人数としましては、建設業界には平成二年度十二名、三年度七名、四年度には四名という形で人事院の承認を受けて行っているところでございます。
 こういうことで、人事院等の公正な審査を経て承認を得た者について就職できるような形で行っております。行政の公正さを損なわないということはもちろん重要でございますので、さらに厳正に対処していきたいと思っております。
#72
○説明員(風岡典之君) 先生の方から建設業者のヒアリングの状況をということでございました。
 実は私ども、建設業界の一般的な状態というもの、今回のいろんな件を反省いたしまして、その実態の把握に努めるということにしております。既に事業者団体、これはゼネコンの団体でございますが、連休前に事業者団体にまず来ていただきましてその状況というのをお聞きしました。それに引き続きまして大手のゼネコンということで、事業者団体につきましては実はまだスタートしておりませんけれども、六月の上旬ということで間もなくスタートしたいと思っておりますが、三十社程度につきまして業者の一般的な実態というものをお聞きしたいというふうに考えております。
 具体的には、それぞれの大手ゼネコンの事業活動の実態とかあるいは会計処理の状況とか、あるいは元請、下請関係ということもいろいろ議論になりましたのでその契約の実態、あるいは独禁法等を含めた法令遵守についての今後の取り組み方針というようなことにつきまして、三十社程度からその状況を聞くということでこれから作業に入る、こういう予定でございます。
#73
○岩本久人君 さっきの天下りの話ですが、人事院の承認を受けた者は十二人ということですが、実は受けてない方がたくさんおられるんですね。その数字がわかればお願いしたい。
#74
○説明員(峰久幸義君) きょうは人事担当者が来ておりませんので、ちょっと数字を私持ってきたものでお答えさせていただいたものでございますから、ちょっと把握しておりません。
#75
○岩本久人君 それでは、後から資料をお願いいたします。
 それでは、大臣がいいのか自治省の方がいいのか建設省の方がいいのか、さっき大臣が若干言いかけておられました自治省と建設省との間で入札制度の改善策について協議会を設けるということでありますが、地方公共団体発注の建設事業について自治省は今後どのようなスタンスで地方団体を指導していかれるのか、お伺いをしたいと思います。
#76
○政府委員(紀内隆宏君) 先ほど来御指摘いただいておりますように、地方公共団体の財務の執行、特に契約につきましては、その公正さを確保するということが何としても必須の要件でございます。
 私どもかねてから住民から疑惑を持たれるようなことのないように指導をやっているところでございますけれども、お話にもございましたように最近いろいろ取りざたが行われているということでございまして、自治省といたしましても、地方公共団体に対する入札の助言に当たりまして、建設省がみずからその公共工事の発注者でもあるしあるいは建設事業者の指導にも当たられるということで専門的な識見をお持ちでございますので、この間に、情報交換をいたしまして入札なり契約手続の改善とか、あるいはその運用の適正化というものを検討しようということで、先ごろ協議会を設置いたしました。
 この協議会におきましては、まずいろんな入札方式の活用をどうするかという点、それから次に指名競争入札に当たっての指名基準の制定なりあるいはその公表ということ、また業者の指名あるいは指名の結果の公表などにつきまして協議をして、その協議の結果に基づいてさらに綿密に地方公共団体に対して助言をしていきたい、このように考えております。
#77
○岩本久人君 時間がだんだんなくなりますのでちょっとはしょることにしますが、今年度の地方財政計画でも単独事業の伸び率は大変高い。加えて、今度の新総合経済対策では二兆三千億円もの追加が行われている。そういう予算がつくこと自体は結構なことだと思うんですが、それだけの大変なお金がまたその工事発注の段階で談合が行われてその一部が政治家にリベートとしてやみ献金されるといったようなことを考えると、税金を納める国民の側としてはとてもやり切れない気持ちだと、こういうことなんです。
 それで、談合という問題を排除するために入札制度は、いろいろ建設省は言っておりますが、やっぱり変えていかなければだめなんだと思うんです、今のやり方では。そのところも含めて、大臣、政治家としてこの問題にどのように対応されようとしておられますのか、お伺いいたします。
#78
○国務大臣(村田敬次郎君) 先ほど来の質疑応答の中にございますように、建設大臣が非常にこの問題を真剣に検討して相談してこられた。そこで協議会をつくったわけでございますが、私は、これから地方公共団体の発注等を通じて改善すべきものはぜひやっていかなきゃならぬ、そして政治改革の問題がこのように国民的世論となって盛り上がったときこそこういった問題についての大切なときであると思っておりまして、自治大臣としてはよこいとの一環でございますし、宮澤総理の政治改革の決意をよく存じておりますので、何としてもこれから立派にこのことをなし遂げていくこと、これは先生方とともに進むべきである、このような認識を持っておるところでございます。
#79
○岩本久人君 この問題の最後に建設省とそれから自治省にお伺いをしたいんですが、実は、私の地元の島根県の平成四年度の建設省発注の工事全部と一億円以上の県の工事の全部の指名状況の一覧表を持っております。
 それで、その道のプロに全部分析してもらったら、やはり一党一派に、偏ったところにばっかり指名がなっておるんです。なぜだろうかということでいろいろ検討会をしてみましたら、指名をする前段でどういう工事が計画をされているかということが一部の者にしか情報が入っていないというところに一番問題があると。それで、その一部は例えば県の場合だったら、県の土木部、農林部等の幹部を退職して天下った会社のところに極秘情報みたいな形で行って、それらが日参をして営業活動が顕著だったということで指名を受けるような建前になっている、こういうことなんです。
 だから、私が言いたいのは、毎年度当初、適当な時期にできるだけ早く、国では、あるいは県では、市町村では、それぞれ発注する側の責任において今年度の発注予定はこういうものがあります、大体時期はいつごろですと、そして予算については入札額との関係もあるでしょうが、おおよそこの程度でございますというのを一覧表にして公表するということをされると、ある程度今まで一部のものが好き勝手なことをやっていたということがクリアできるんではないかと思うんですが、この提案について建設省と自治省の考え方を聞きたいと思います。
#80
○説明員(風岡典之君) 発注計画を年度当初に公表すべきであるという御指摘でございますが、一般に、年度当初ということになりますと当然発注する工事の時期だとかあるいは予算とかあるいは内容というものはもちろん必ずしも明確に確定しているわけではございません。しかしながら、できるだけ早期に幅広く情報提供をするという必要性というのは御指摘のとおりでございます。
 建設省におきましては、予算が成立した段階におきまして、これは建設省の所管の直轄工事、それから補助工事も含めてでございますけれども、いわゆる箇所づけの資料というものを公表させていただいておりまして、これにつきましては一般の方々も閲覧をもちろんできる、そういった形にしております。さらに、地方建設局におきましても、毎年度事業概要、これは事業概要ですからある程度ラフなものになりますけれども、そういったものも公表しているところであります。
 それからまた、今回、平成五年度から新しい入札方式としまして技術情報募集型等々の方式を実施いたしました。これにつきましては、技術情報募集型につきましては五年度七十一件でございます。それから、意向確認型の方式というのは三十件予定しておりますが、この内容につきましては、どういう事業が対象になるのかということにつきまして既に一括公表させていただいております。
 今、私申し上げましたような実態でございますけれども、先生御指摘の点というものも十分頭に入れながら可能な限り内容の公表ということについては努力をしていきたいと思っております。
#81
○政府委員(紀内隆宏君) 私ども地方公共団体の実情をつまびらかに知りませんけれども、今建設省からも答弁がございましたように、できるだけ情報を広く公開するということは好ましい話でございます。地方公共団体の実情等も聞きながら、具体的にどのようなことが可能であるのか、そのようなことを検討させていただきたいと思います。
#82
○岩本久人君 政治改革の関連で、今度は地方分権の問題をお願いしたいと思うんですが、四月十九日に地方制度調査会から広域連合と中核市という問題について答申がありました。内容もるる伺ったわけではありますが、広域連合の場合、現在ある一部事務組合との関係がどうなのかという疑問があります。それから中核市の場合、いわゆる政令指定都市との関係、整合性はどのようになるのかということについての大いなる私は疑問を持っているわけでありますが、そのことについてまずお伺いいたします。
#83
○政府委員(紀内隆宏君) 四月十九日に地方制度調査会から答申がございまして、広域連合と中核市の制度を創設せよという内容でございました。
 まず、広域連合についてでございますけれども、広域連合制度というのは、従来の一部事務組合制度と違うところを申し上げますと、国から直接権限移譲を受けることができるようにするということ、それからみずからの所掌事務の変更について構成団体に対して自分のイニシアチブを行使することができるということ、また、広域計画とか共通政策といったようなものをその広域連合でつくった場合には、これについてそれに沿って行政が行われるように構成団体について勧告をする機能を持つとか、そういう形で、一部事務組合に比べますと構成団体からの独立性を強めるというふうな内容になっているわけでございます。
 ただ、そうやって独立性が強くなりますと、構成団体の住民という関係でつなぎますと住民との距離が遠くなってしまうということもございまして、広域連合そのものに住民という観念を導入して、そこに住民に一定の直接請求みたいなものを働かせる、こういう工夫がされているわけでございます。
 一方、従来からございます一部事務組合制度は今言ったような特徴を含んでいないわけでございまして、各地方公共団体にありましては、この新しく考えられました広域連合制度、いずれまた法制化をお願いすることになりますけれども、でき上がった暁には広域連合と一部事務組合制度、そういうふうに独立性の違いというふうなものを頭に置きながら、具体的な地域の実情とかその地域で扱おうとする広域的な処理事務の特性とかというものをにらみ合わせて、そのいずれかを選択する、こういう方向になっていくんであろうと、このように思っています。
 それから、中核市につきましては、一定の要件を御答申いただいておりまして、人口についていえば三十万人以上ということになっております。一方、政令指定都市の指定の要件は明文の上では人口五十万人以上、こうなっているわけでございますけれども、具体的な運用におきましては、人口だとかあるいは都市としての態様といいましょうか機能といいましょうか、そういうものが既存の指定都市と大体同程度であるというものを政令で指定する運用になっているわけでございます。
 したがって、形の上だけで見ますと、中核市につきましては人口三十万人以上でございますから非常に大きいものも中核市として動くこともできるし政令市もなり得るように読めますけれども、実際には、一定の人口段階になりほかの要件を整えてくれば、恐らくは政令市に移ることを団体が希望し、かつ私どもが政令で指定する、こういう運びになる関係であろう、このように考えております。
#84
○岩本久人君 それで、この中核市の要件というのがいろいろ書いてありますが、やっぱり一番のネックは何といっても人口の要件、三十万以上ということがあります。
 実は、私の出身の島根県の一番大きな都市、県都松江市でも十四万人しかいない。鳥取県でも同じような状況です。そのほか数県あるようですが、もちろん政令指定都市には入らない。それで今回の中核市もだめということになると、我が日本全体が全国民的な課題で取り組んでいかなければならない東京一極集中を排除して国土の均衡ある発展を図っていくんだというこの大義に逆らうことになる、こういったものが次々できてくると。この間も説明でありましたように、政令指定都市、中核市、そしてその他と、こういうわけですから、全部その他に入ってしまうということなんですね。
 ですから、そういった意味では、せっかく地制調からの答申があったという重たい中身かもわかりませんが、やはりそういったことについてもしっかり受けとめてもらって今後きっちり対応してもらわぬと困るというふうに思いますが、自治大臣の見解を聞いておきたいと思います。
#85
○国務大臣(村田敬次郎君) 御指摘になった四月十九日の地方制度調査会の答申は、私は総理のお受けになるのを立ち会って見さしていただいたんです。
 確かに岩本委員の御指摘のようにこれは広域連合と中核市の問題が中核になっておりますが、しかし、御承知のように地方分権の決議が間もなくなされようとしておるわけでありまして、市町村自治の強化というのは、私は地方分権の目玉であると思います。したがって、中核市の制度からは確かに松江なり鳥取なりはこの対象になることは考えられませんけれども、市町村の地方分権強化という点ではまさに政治改革の大きな一環でありますから岩本委員の御指摘になられた点もよくわかりますし、市あるいは町村の自治の強化ということに向かって、委員とともに、先生方とともに取り組んでいきたい、このように考えております。
#86
○委員長(佐藤三吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ――――◇―――――
   午後一時開会
#87
○委員長(佐藤三吾君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○岩本久人君 地方分権の問題について引き続き質問をさせていただきます。
 平成三年十二月に、行革審の豊かなくらし部会からパイロット自治体という問題について報告がありました。当時、国民全体としても、とてもこれは斬新で、今後の地方自治のあり方として注目をされ歓迎されるという状況であったわけでありますが、関係省庁の大変な抵抗に遭ったというようなこと等もあって、今年四月二日の事務次官会議申し合わせで結局いいところは全部削り取られて骨抜きになったというようなことでございますが、こういったことについて自治大臣はどのような感想をお持ちか、お伺いいたします。
#89
○国務大臣(村田敬次郎君) 地方自治の制度につきましては午前中に岩本委員が御指摘になった中核市制度あるいは府県連合その他いろいろな問題が出ているわけでございますが、パイロット自治体については御指摘のような事情があって法律にはならなかったものであると思います。
 地方分権の特例制度、パイロット自治体、これは非常に意味があるものだと思いますが、いろいろな意味での試行錯誤というような問題も地方自治の問題はございます。これから本当に地方分権の問題について制度的な整備、それから何よりもでき上がった仏様に魂を入れなきゃならないという大事な時期だと思っておりまして、パイロット制度を含め中核市制度あるいは拠点都市等のいろいろな問題について研究をし対応していくべきだと思っております。それぞれに意味があるわけでございますが、要は、いかにして地方分権、地方自治を活性化させていくかという視点から前向きに対応すべきものであると思っております。
#90
○岩本久人君 いずれにしても、この問題は今後のいろんな事柄を私たちが検討していくに当たって重要な意味を持つと思いまして、委員長の御配慮で、できたら当時の行革審豊かなくらし部会部会長である細川さんに意見を聞きたいと思っておるわけですが、今見えませんので、帰られたらぜひ聞いてください。事前に言っておりませんで、事前に言うとまた何かあったらいけませんので言っておりませんが、まさかちょっとおくれると思わなかったので、それをお願いして、次に行きます。
 地方分権でどうしても大事なのは、その一つの核になってもらわなければならない地方自治体の一万の核である地方議会議員の問題、なかんずく議員報酬の見直しの問題を私この際取り上げたいと思っています。
 最近の傾向として、私たちの党だけではないと思うんですが、地方議会議員にはなかなかなり手がないという状況が生まれております。これは地方自治の発展にとって極めて危機的な状況だと思うんですが、その一つの理由に、もちろん全部ではありませんが、十分に活躍できるだけのやはり保障がない。わかりやすく言えば、議員報酬をもうちょっと引き上げてもいいんではないかという声があるわけでありますが、現状どのようなことになっているのか、まず自治省に伺いたいと思います。
#91
○政府委員(石川嘉延君) 平成四年四月一日現在の地方議員の報酬は、都道府県議会議員の場合は平均で、これは単純平均でございますが約七十七万円、指定都市で約八十二万円、市で約三十八万円、町村で約十九万円、特別区で五十六万円という状態でございます。
#92
○岩本久人君 この議員報酬等については、自治省事務次官通知等で適正な額に措置することが適当であるというようなことが出ておるわけでありますが、こういった通知というのは何に基づいて出しておられるのか、伺いたいと思うんです。
#93
○政府委員(石川嘉延君) これは地方自治法の規定に基づきまして、地方団体に対する一般的な技術的な指導助言ができる条項に従ってこういう通知を出しております。
#94
○岩本久人君 自治大臣にこの問題で伺いたいと思うんですが、現在の状況というのは、市町村議会議員にあっては二十万円あるいは十万円を切るといったような状況も実はあるんです。そういった中で多様な住民ニーズにこたえて頑張っていくということ、社会的にも注目されている中、今も例えば尼崎の市議会とかいろいろなところでいろいろな問題が起きているというようなこと等も含め、総合的に考えてみて私はやはり地方議会のこの議員報酬というものを大幅に見直す、そして、それもできるだけ制度化するといったようなことが重要ではないかと思うんですが、こういったことについての基本的見解を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(村田敬次郎君) 地方議会の議員の報酬につきましては、その職務の内容に応じ住民の理解と納得が得られるよう慎重に決定する必要があり、自治省としては、第三者機関でございます特別職報酬等審議会を設置いたしましてその意見を聞いて報酬を決定するなど適切な措置を講ずるよう指導してまいりたい、このように考えております。
#96
○岩本久人君 この問題は私は極めて重要だと思うので、ぜひ大臣にあっては今後とも積極的に勇気を持ってこの問題に対処してほしいと要望しておきます。
 次、警察庁、よろしくお願いいたします。
 去る五月十六日のNHKのテレビで、「犯罪捜査・岐路に立つ警察」という題名で、警察庁の城内長官も出演をしておられましていろいろ言っておられました。私も見させていただいたわけでありますが、検挙率が低下をした原因としてどういったことをお考えでしょうか。
#97
○政府委員(城内康光君) お答えいたします。
 委員ただいま御指摘のとおり、全刑法犯の検挙率というのは下がっておるわけでございますが、特に低下の原因として考えられますものは、一つには、捜査本部を設けなきゃならないような凶悪重要犯罪がふえているとかあるいは深夜のスーパーマーケットに対する強盗事件などがふえております。特に都会では二十四時間営業のスーパーマーケットなどがありまして、これに対する強盗事件などもふえておる。それから銃器使用犯罪もふえております。これはいわゆるけん銃の拡散現象というようなことで説明をしておるわけでございますが、またさらにボーダーレス化の社会の変化を反映して犯罪の広域化とかあるいは来日外国人による犯罪などがふえておる。また性的な犯罪もふえておる。こういう犯罪そのものの複雑多様化ということが一つにあると思います。
 それからもう一つは、都市化の進展に伴いまして住民の連帯意識が希薄になってきているとかあるいは匿名性が増大してきておるというようなことで、なかなか貴重な情報の入手がうまくいっていないというような点があろうかと思います。また、物が大量生産され大量販売されるようになっておりますので、犯罪現場に遺留されていたような物件についてなかなかもとをたどることが困難である。そういうことで捜査が非常に長期化、困難化する。そういうようなことがいろいろあるわけでございます。
 ただ、そういう情報の中で、検挙率そのものが直ちに治安水準を示すものとは必ずしも言えないわけでございますけれども、しかし、やはり国民が真に解決を望むような事件については優先的にやっていかなきゃいけないということで、犯罪といっても凶悪事件から軽微な事件までいろいろあるわけでございますが、とりわけ国民の要望の強いものについては重要犯罪あるいは重要窃盗ということで一つのカテゴリーをつくりまして、そういったものについて検挙実績を向上すべくいろいろ努力しておるというところでございます。
#98
○岩本久人君 私自身の周辺にも、何でこの事件がまだ未解決かといったようなものがたくさんあります。
 そのうちの一、二を申し上げますと、一つは、十二、三年前に私の地元の町でいわゆる新妻殺害事件というのがありました。間もなく時効ではないかということで毎年県議会やなんかでは出ておるんですが、見通しが立っていないというのが一つあります。
 それから、去る四月三十日には、私の隣の鳥取市の病院で起きた新生児誘拐事件、いわゆる琢磨ちゃん事件というのがあるんですが、これは一体どういうことになっているのか、伺いたいと思います。
#99
○政府委員(國松孝次君) お尋ねの件の最初のものは、昭和五十六年七月四日島根県鹿島町で発生した殺人事件のことであろうというように思うわけでございますが、この事件は大変特異な事件でございますので、事件認知以来、捜査本部を設置いたしまして鋭意捜査を推進してきたところでございます。ただ、残念ながら今日までこれといった手がかりがないという状況でございますが、まだ時効と申しましても三年ありますので、こういう件につきましては、私ども決してあきらめるとかなんとかいうことじゃなくて所要の人間を置きまして継続捜査する。例えば類似の事件が発生した場合には必ずその事件との検討をしながら捜査するというような粘り強い継続捜査をいたしておるところでございますので、この事件につきましてもまだまだ捜査をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
 それから、もう一つの四月三十日に鳥取市内の産婦人科医院で発生いたしました事件、これは全国的に見ましても大変特異な事件でございます。現在、鳥取県警におきまして刑事部長以下二百八十四名という大態勢で捜査をいたしております。これはまだ一カ月を経過しただけでございましてやることはたくさんございますので、こういったことにつきましても今後ともぜひ新生児の発見と犯人の検挙というものに結びつけてまいりたい。今鋭意捜査をしておるところでございます。
#100
○岩本久人君 検挙率が下がったといったようなこと、もちろんそれだけでどうかということは長官が言われたわけで、それを理解しないわけではありませんが、私が思いますのには、期待されている社会的要請にこたえる、そのことからいえば定数が余りにも厳し過ぎるということが一つはありはしないか。現場段階における週休二日制は一体どういうことになっているのか。あるいは基本的な待遇です。命をかけてやっているわけですから、それが今のままでいいのかといったような根本的な問題もあると思うんです。時間がありませんから答弁はいいです。そういった問題について、今後やっぱり抜本的に対策を立ててほしいということを要望しておきたいと思います。
 以下、随分通告しておりますが、時間がありませんので、かなりはしょることを皆さん御容赦ください。
 次、年金の問題ですが、公的年金制度一元化の方法について、社会保障制度審議会や年金審議会等のいろんな審議が進んでいるんではないかと思うんですが、基本的にこの問題はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
#101
○説明員(中村秀一君) 一元化の問題についてお答え申し上げます。
 年金制度につきましては、国民の老後生活の中心でございますし、高齢化が進展していく中で長期的に年金制度を安定させていくということが極めて重要になっております。公的年金制度につきましては、先生御承知のとおり、いろいろ歴史がありましていろいろな制度に分かれております。こういうふうな分かれた制度それぞれが長期的に安定していくということが課題になっておりまして、これが公的年金制度の一元化の問題というふうに言われている問題の根本でございます。
 一元化に向けての取り組みにつきましては、もう昭和五十年代の初めからいろいろな提案がなされたり取り組みが行われておりますが、政府といたしましては、昭和五十年代末からこの問題に取り組んでおりまして、平成七年を目途に公的年金制度を一元化する、こういう方針のもとで作業を進めているところでございます。
 これまでの進捗状況でございますが、説き起こしますと、昭和六十年の年金の改正によりまして国民お一人お一人に基礎年金制度に入っていただくということで、いわゆる年金制度一階二階と申し上げておりますが、二階制度の一元化というものは昭和六十年に完了いたしております。問題になりますのはいわゆる二階部分、サラリーマンの年金制度が例えば公務員ですと共済組合、民間のサラリーマンですと厚生年金、旧国鉄の方々ですと現在はJRの共済組合、いろんな制度に分かれているという二階部分のサラリーマンの年金の一元化が問題になっているわけでございます。
 このサラリーマンの年金の一元化の問題につきましても、まず給付の面では昭和六十年改正以来そろえられてきておるということでございます。問題は、残っておりますのは各制度ばらばらでございまして、特に抱えております年金受給者の数が現役の数に対して違いがある、こういう成熟度の違いから、それぞれの制度について保険料負担などの違いが出ている。いわば負担面の不均衡が問題になっているというところでございます。これにつきましては、平成二年度から被用者年金制度の制度間調整事業というのをやらしていただいておりまして、ことしの三月に三年後の見直しというものも行わさせていただいたところでございます。
 こういう見直しの過程におきまして、懇談会の方からも、政府は平成七年を目途とする一元化の完了に向けて精力的に検討を行うべきであるという御意見を有識者から成る懇談会からいただいておりまして、ただいま先生御質問がありました各制度の検討状況といたしましては、政府としては平成七年の目標に向けて精力的に検討を続ける。ただ、先ほども申し上げましたように、厚生年金制度、国家公務員共済制度、地方公務員共済制度、その他幾つかの共済制度がございます。一元化の問題についてそれぞれ制度固有の問題もございますので、政府の各省の間の申し合わせとしては、ことしの秋までに各制度でまず一元化の問題について議論を進めていこう。
 それから、これは制度間の問題ですから、例えば厚生省の厚生年金制度で申し上げますと年金審議会がございますが、そういった各省の審議会でさばき切れる問題ではない、各制度共通して審議できる場を設けるべきであるという御提言も先ほど申し上げました制度間調整事業の見直しの懇談会からいただいておりますので、まず秋までに各制度それぞれの立場から検討を進め、その後共通の審議の場を設置するなり、そういった方向を経て、平成七年の年金制度の一元化に向けて進んでいこう、こういう申し合わせになっております。
 厚生年金の立場からは、先ほど先生からお話がありましたように、昨年の六月来、年金審議会で次期制度改正へ向けての審議が始まっておりまして、その中の検討項目として一元化の問題も掲げられておるところでございます。年金審議会の方では、次期制度改正問題も含めまして秋までに意見書を取りまとめたいと考えておりますので、公的年金一元化の問題につきましても年金審議会の方で、厚生年金として、また基礎年金を抱える立場から、どういった観点を踏まえて一元化を進めていくべきかについて御意見を取りまとめていただこう、こういうような方向でやっておるところでございます。
#102
○説明員(柏崎澄雄君) 御説明させていただきたいと存じます。
 公的年金一元化の問題については、現在年金制度を所管する関係の各省庁におきまして検討が進められていると存じているところでございます。今後、年金制度所管の各省庁の公的年金制度一元化に関します検討の内容がまとまりますとこれらの省庁より社会保障制度審議会に対して諮問がなされるものと思われますので、それを受けまして社会保障制度審議会において審議がなされていくというようなことになるのではなかろうかと思っている次第でございます。
#103
○岩本久人君 では、次に移ります。
 消防の問題でありますが、全国的に問題になっております過疎地域での消防、救急体制のあり方について、象徴的に社会問題になっておりますのが徳島県三好郡の組合消防における山城町、東祖谷山村、西祖谷山村での消防署統廃合問題があると思うんですが、この問題の原因はどこにあって、今後それにどのように対応されようとしているのか、簡単にひとつお願いしたいと思います。
#104
○政府委員(浅野大三郎君) 私どもが聞いておりますところでは、ここは従来消防署が六署あったのでございますけれども、それを三署一分署に統合したということでございます。
 簡単にということでございますから簡単に申し上げますと、要は、財政的に非常に大変だということが一つと、それからその地域における火災なり救急件数の状況、そういうものを考え合わせて統合したんだというふうに聞いております。
#105
○岩本久人君 いずれにしても、いわゆる過疎が抱える消防問題として考え得る問題点のすべてがそこに集積されているというふうに聞いておるわけでありますが、同じような状況というのは、実はそこだけでなくて全国の過疎地域が共通の悩みを持っていると思うんですね。ですから、そういった問題について今後できるだけ早急に調査をしていただいてきっちり対応していただくように要望しておきたいと思います。
 それでは、次の問題に移ります。次は恩赦の関係でございます。
 御案内のように、六月九日、皇太子殿下の御成婚という慶事があるわけでありますが、報道されているところによりますと、その際恩赦が実施されるというふうに聞いておるわけでありますが、この恩赦の根拠と手続、そしてその見通しはどういうことになっているのか、お伺いをいたします。さらに、その内容について、規模、人員はどのようになっておるか、またその基準は何なのか。そして、過去の実績の中で、戦後主なものにはどのようなものがあるのか、お伺いをいたします。
 さらに、この問題で最後に自治大臣にお伺いしたいと思うんですが、巷間、公選法違反者がこれに該当するかどうかというようなことが言われているわけでありますが、この点どうなるのか、一閣僚として自治大臣の基本的な見解を伺いまして、私の質問は終わりたいと思っております。
#106
○説明員(栃木庄太郎君) 恩赦と申しますのは、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の五つを一つにまとめて呼ぶ名称でありまして、その根拠は憲法にございます。
 憲法では天皇の国事行為を第七条で規定しておりまして、そこでは、「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」といたしまして、その六号におきまして「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。」というふうに定めております。そしてまた、内閣の職務を規定しております憲法七十三条では、「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」といたしまして、その七号におきまして「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。」というふうに定めております。そして、この憲法の規定を受けまして恩赦法あるいは恩赦法施行規則が公布されているわけですが、恩赦法及び同法施行規則におきまして、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除、復権の効力とその実施方法などを定めているということでございます。
 恩赦は、先ほど申しましたように、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除と復権の五つを一つにまとめた呼び名でございますが、これをどのようにして行うかという実施の方法から分けますと、政令によって一律に行われます政令恩赦と特定の人に対して行われる個別恩赦の二つに大別されるわけでございます。その政令恩赦の中身には大赦と減刑と復権が含まれまして、個別恩赦には特赦、減刑、刑の執行の免除、復権がございます。
 次に、個別恩赦は、常に行われております常時恩赦というものと内閣が一定の基準を設けて一定の期間を限って行う特別基準恩赦に分かれるわけでございます。そして個別恩赦の手続ですが、この個別恩赦は常時恩赦と特別基準恩赦の二つを指すわけですが、監獄の長あるいは保護観察所の長または検察官が本人の出願あるいは職権で中央更生保護審査会というところに恩赦を上申いたしまして、審査会におきまして個々の事案について審査を行いまして恩赦が相当であるというふうに認めました場合には、その実施について法務大臣に申し出をいたします。そして、法務大臣が内閣に閣議請議いたしまして内閣で恩赦を決定いたします。その後、天皇陛下がこれを認証される。こういう手続になっております。
 ところで、今回の恩赦はどうなのかという御質問でございますが、今回は抑制的に恩赦を行うという方針のもとに、先ほど申しました政令恩赦は実施しないで個別恩赦であります特別基準恩赦を実施する方向で検討作業を行っているということでございます。
 それに関連しまして、先生、戦後の実施された政令恩赦の対象となった人員について問うということでございますが、長くなりますが、よろしゅうございますか。
#107
○岩本久人君 あと一分しかありませんので、短く。
#108
○説明員(栃木庄太郎君) それでは、後で表ででも……。
#109
○岩本久人君 そうしてもらいましょうか。
#110
○国務大臣(村田敬次郎君) 今、恩赦の問題について法務省当局から御説明がありました。
 恩赦は、刑事政策上の立場から判断されるべき問題でございまして直接私が所管するところではございませんので、後藤田副総理のお言葉やいろんなことを見ておりますが、私から意見を述べることは差し控えるべき事柄と考えております。私としては、恩赦のいかんにかかわらず、今後とも明るい選挙の推進に一層努力してまいる考えでございます。
#111
○続訓弘君 村田大臣から、先日、地方主権を進めるためには現在一万九百件に上る国の許認可事務を向こう三年間で約五千ぐらいに減らしたい、こんな力強いお言葉がございました。地方自治体としては、恐らくその決意を伺って大変感謝していると思います。
 そこで、地方分権を進めるという立場から、私は以下数点にわたってまず事務当局に御質問をいたします。
 地方分権を進めるためには、財源の裏づけがなければならないことは言うまでもございません。このためには、地方財源を地方財政全体として制度的に確保するというだけではなく、地方が独自に財源調達ができるようにすることも必要であろうと思います。
 その具体的な例として三つばかり挙げますけれども、その第一は、地方に独自の課税権を保障すること。これは新たな課税客体に係る税目を選択できるようにすることも重要ですけれども、現行税目の超過課税や減税も自由にできるようにすることが第一である。そしてその第二は、地方債の発行は地方自治法二百三十条の原則どおり地方公共団体の自主的判断に任せ、二百五十条にあるような現行の許可制を廃止すること。第三点は、地財法第五条から、減税すると起債できなくなるという仕組みを改める。こんなことがまず考えられるんじゃなかろうかと思いますけれども、この具体的な改善策について事務当局の御見解を承りたいと思います。
#112
○政府委員(滝実君) ただいま課税自主権のお話がございました。その中で、新しい税目を選択することに加えて超過課税あるいは減税の点もございましたので、これらについて申し上げたいと存じます。
 御指摘のように、現在の地方税におきましては、できるだけ課税の自主性を尊重するという立場から、税法の立て方として法定外普通税というものも認めておりますし、また標準税率によらない超過課税、こういうようなことを制度的に設定いたしているわけでございます。
 ただ、先生おっしゃるところは、そういった制度が必ずしも十分に運用されていない、こういうような御指摘かとも存じますけれども、こういった制度の運用そのものにつきましては、やはり社会経済活動というのはどうしても広範囲に公平にと、こういうような観点からの御要望もかなり強いということもございますので、そういう意味で、制度的には今申しましたようなものが保障されているわけでございますけれども、実際の運用についてはかなり慎重な対応が必要ではなかろうかという感じがございますし、現実に地方団体もそのような観点からの慎重な対応、こういうようなことで従来から来ているのではなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
 また、減税についても、一定税率といいますか、そういう固定された税率の部分は税目としてもわずかでございますけれども、それ以外に標準税率あるいは制限税率で設定している税目が圧倒的に多いわけでございますけれども、こういった点での運用につきましても、減税ということになりますとやはりほかの団体がそれをどういうふうに受けとめるか、こういう問題もございます。それから、納税者全般として日本の場合には特に横並びと申しますか、そういうような観点がかなり強く作用されてくる、こういう問題もございますものですから、税財政全般の立場からやはりこの減税という問題も運用上は慎重にいかざるを得ない、こういうのが建前も含めましての実態ではなかろうかという感じがいたします。
#113
○政府委員(湯浅利夫君) 続先生の御質問のその他の点につきまして私から御答弁させていただきたいと思いますが、まず地方債の許可制度の問題でございます。
 この点につきましては、地方に自主性を確保するという観点から廃止すべきではないかという御意見があることは十分私ども承知しているわけでございますけれども、この許可制度というものが現在果たしておりますいろいろな機能というものを考えてみますと、なかなか難しい問題があるのではないか。例えば許可制度というものと地方財政計画の策定を通じまして地方債の元利償還財源を保障するというものが連動しているという点がございます。現に今まで三千三百の地方団体がこの元利償還を滞納したことがないということは、こういう元利償還財源を地方財政計画で保障しているという点がやはり強くあるのではないかというふうに感じるわけでございます。
 また、国、民間あるいは地方団体の資金需要の調整という問題がございますけれども、これも地方債計画というようなものを通じて調整をしていく必要があるというような問題。それから、地方債の発行規模をどの程度にしていくかという問題、これは今の国、民間等との資金需要の調整という関連からも図っていかなければならない。それからまた、財政力の弱い団体におきましては許可制度を通じてかえって資金が円滑に調達できるのではないか。低利な資金を調達できるというのには、国からの許可というものが一つのお墨つきみたいな形になって、一種の保証という形になって、これによって資金調達が円滑にできるというような点も見逃すことができないのではないか、こういうようなことが考えられるわけでございます。
 もちろん、この地方債の許可につきましてはできるだけ発行手続については簡素化していかなければならないという点がございますので、従来に比べまして発行手続につきましてはかなり簡素化を大幅にやっているわけでございまして、これからもこういう観点からの弾力化、簡素化という点については鋭意努力していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 それから三番目の問題といたしまして、地方団体が独自に減税をするとした場合に地方債が起こせなくなるという仕組み、これが地方財政法の第五条の一項第五号にございますわけでございますが、この点につきましても、おっしゃるように、地方税の賦課徴収に当たりましては、標準税率を定めてそこを中心にいたしまして超過課税をやったりあるいは税率を引き下げて減税をするということは、制度的には可能だと思うわけでございます。
 しかしながら、今の地方財政法の建前、これは国の財政法の建前もそうでございますけれども、毎年毎年の歳出に見合う財源というのは基本的にはその年の財源で賄うということが基本になっているわけでございまして、例外的に地方債あるいは国の場合の国債というものの発行が認められる。この発行が認められるというものが非常に限定的になっているということは、やはり財政の健全性を保つためにはその年に入った財源でその年の仕事をするというのが基本ではないかと思うわけでございます。
 そういう観点から考えますと、本来、標準的な負担を住民に求めないでおきながら借金でその不足財源を賄うということは財政運営の立場からいかがなものだろうか、こういう発想からこの地方財政法の第五条の規定が生まれているのではないかというふうに考えるわけでございます。そういう観点から、やはり負担していただく説とそれから後世代に負担をお願いする地方債というものとの兼ね合いというものをそこで調和をとっていく必要があるのではないかという気がするわけでございます。
 先生のおっしゃることに余り前向きの答弁でなくて申しわけないのでございますけれども、現在私どもはそのように考えているわけでございます。
#114
○続訓弘君 ただいまの両局長の御答弁に関連をしてですけれども、さきの都議選で実はこの問題が問題になりました。あるいは自治省事務当局も御存じかと存じますけれども、公党間の話し合いとして、今の地方債の許可制度の問題並びに地財法五条の問題については前向きで検討しよう、こんな話でありましたけれども、きょうは時間の関係がございますので詳しくはここで申し上げません。これはこれからの課題でございますので、いずれ引き続き議論をさせていただくことにさせていただきます。
 そこで、第二点として、今申し上げたような財源調達の自由を認めた場合、本来的には地方団体の破産の自由まで与える必要があるであろうと、これはもちろんでございます。現在のシステムは過保護に過ぎるんじゃないか。今、財政局長がおっしゃったように、とにかくこういう地財法でいろんな保護をしている、なるがゆえに起債の償還についてもスムーズにいっているんだと、こんなお話がございましたけれども、こういうシステムは過保護ではないんだろうかというふうに思います。もちろん、一挙に今申し上げたようなシステムになるということは大変困難ではあると思いますけれども、これにたえられる地方団体をつくることもまた私は重要な課題ではなかろうか、こんなふうに思います。
 特に地方の時代、そして地方の主権だと、こんなふうに言われ、そして法制定当時よりももっと地方団体が進んできている。財政的にも充実をされている。そしてまた規模も大きくなっている。そんな状況を考えたときに、今の御答弁はいかがか、もうちょっと前向きに対応していただいてもいいんではないかなと、こんなふうにも思いました。
 いずれにいたしましても、真に地方に自主権を与えるという観点から私は御質問申し上げているんですけれども、御心配のように、為政者が、首長さんが財政運営で行き詰まった場合には四年に一度の選挙を通じてちゃんと是正されるんではないか。したがって、もうちょっと地方自治体を信頼し住民を信頼して、権限を大臣のおっしゃるように移譲してしかるべきではなかろうか、こんなふうに思いますけれども、当局の重ねての御見解を承りたいと存じます。
#115
○政府委員(湯浅利夫君) 地方団体が責任を持って地方自治を運営していくということ、これが最も望ましいわけでございまして、そういう点では、今仰せのように、財政面において自主的な運営ができるということが最も望ましいということは仰せのとおりだと思います。
 しかしながら、一方では、自治体というものが日本の国家というものの中の一つ一つの構成員であるということを考えますと、先ほどもお話ございましたように、例えば税負担を一つとりましても、Aという地域とBという地域で住民の負担が非常に違ってくるということになりますとこれは非常に問題が出てくる。
 これは現に先生も御案内のとおり、住民税の課税方式というものが過去は五つのやり方があったわけでございますが、これがどうしてもやはり裕福な団体には税負担が軽く、それから財政力の弱いところでは税負担が重いというようなことで非常に大きな問題になって、この課税方式を統一したという事例が過去にございます。これは本来からいけば課税方式をもっと多様化していくのが本当は望ましかったのかもしれませんけれども、実際の国民のニーズというものは逆に、税負担というものはどこにいても同じ負担であった方がいいのではないか、こういう議論の方がむしろ強く出たためにそういう住民税の課税方式の統一ということが過去行われたということも実際はあるわけでございます。
 そういう意味から考えまして、同じ国の中に住んでおられる住民の方々が自治体が異なることによってどこまで税負担が変わってくるということを許容されるのか、こういう点も含めて議論をしていきませんと、人の移動というものが非常に自由に国家、国の中でございますからできるわけでございますから、そのときに、こちらから別のところに移ったときに税負担が変わるということで御不満が出るということはよくある事例でもございますので、こういう点もよく検討しながらこの問題を議論していくべきではないかというふうに考えるわけでございます。
 借入金の問題につきましても、おっしゃるように、すべて任せてしまって破産をすればそれはその自治体の責任でまたこれを直していけばいいんじゃないかという、これも一つにはごもっともだと思います。
 ただ、その議論が通用するのはやはり大きな団体、大都市を抱えている大きな団体で、税収入の非常に豊富にあるというようなところで金融機関と対等にいろいろな借入金の折衝やなんかもできるというようなところ、こういうところにおきましては今のようなお話があるのかもしれませんけれども、財政力の弱い団体で金融機関との間で対等に話のできないという団体がかなりあることも事実でございまして、放置しておいたために、例えば地方団体間で財政力の差によって、会社の場合ですと格付がなされて内容の悪い会社は起債条件なども悪くなるというのと同じように、税収入の非常に悪いところは恐らく起債条件はうんと悪くなっていくだろう。それを今は許可ということを通しまして償還財源を保障するということで、ほぼ全国的に財政的に弱い団体におきましても発行条件というものが比較的有利に起債できる、こういうことも一方で考えていく必要があるんじゃないか。
 やはり金融機関が金を貸す以上は、その事業の内容というものを十分審査してから貸さなきゃならぬというようなことになりますと、逆に今度は金融機関から地方団体がいろいろな形で制約を受けるということ、これは考えなければならない問題ではないかという気もするわけでございまして、この資金の貸し借りという問題、これは今仰せのような方向というものも非常に大切なことではございますけれども、よくそういう実態も考えながら検討させていただければというふうに考えるわけでございます。
#116
○続訓弘君 以下、私は幾つかの具体的な例で、自治省としては大変な英断をもって地方団体に対して理解を示しておられるなという事例を二、三挙げまして、これからもそういう方向でひとつ強力に推進していってほしいと、こんな願いを込めてお話を申し上げます。
 先生方御存じだと存じますけれども、多摩川中流部に橋が幾つかございますけれども、橋の数が少なくて大変困っておられる。東京都は中流部に六橋かける実は計画を立てておりました。三十年前に計画を立てたけれども、ちっとも進行しない。やっと平成二年に立川と日野に、今の国道二十号線の日野橋の上に三十年ぶりに一橋建ちました。わずかに七十八億ぐらいの工事費でありましたけれども、これが十四年かかった。
 あと五橋ありますけれども、まだ計画が遅々として進まない。しかも、計画から実際に竣工するまでは十四、五年かかる。それに業を煮やした鈴木知事は、これじゃだめだ、都民の要望にこたえられないと。だとするならば、それは何がネックなのかといえば国庫補助金がネックだ、国庫補助金に頼らないで独自の起債でやったらどうだろうか、こういうことで実は道路公社をつくって第二多摩川原橋に着工した。このときは自治省が大変理解を示して、よろしい、起債でいこうじゃないか、今度は借金でいこうじゃないかということで計画を立案をしまして、六年間でその橋ができるということになっております。
 一方、地下鉄十号線というのは、これは八王子から京王線が新宿に行きます。その乗り入れで新宿から千葉県の本八幡まで、キロ数は二十三キロございます。何と十八年かかりました。わずかに、わずかと言うとちょっと語弊がありますけれども、工事費は五千八百億円。
 ところが、鈴木知事が都庁の移転で都民に公約をされました。それは地下鉄十二号線であります。財政の非常に不如意なときに、美濃部知事のときでございましたけれども、地下鉄は掘らないということで凍結をされたんです。先ほど申し上げた地下鉄十号線は二十三キロで十八年かかった。それはなぜかというと国庫補助の関係であります。仮に、地下鉄十二号線の環状部は二十五キロございますが、それを国庫補助金を当てにして工事を進めたら恐らく二十五年はかかるだろう。それを五年で掘り上げる、こういう公約でありました。自治省の協力をいただいて、第三セクターで実は仕事をもう既に始めております。
 こんな仕事のやり方をやれば、私は都民のあるいは県民のニーズにこたえられる行政ができるんじゃないか。そして同時に、金利関係等々を見れば起債でやった方がうんと安く上がるという結果になります。そんなことから、これからもそういう大型プロジェクトに対しては、今申し上げたように、自治省が肩を入れて地方のプロジェクトに積極的に指導援助をしていただきますようにお願いをしたらどうだろうか。このことを含めて、財政局長のこれらに関するこれからの方針について御見解を承りたい。
#117
○政府委員(湯浅利夫君) ただいまお話しのように、国庫補助金の枠が少ないために事業の進捗がおくれてしまっているというような事例を私どももよくお話として聞きます。
 今お話しのような大きな道路整備だとか地下鉄工事というようなものもさることながら、非常に身近な施設でございます例えばごみ処理の施設などにつきましては、一昨年来、国庫補助金が地方の要望に比べて非常に少なかったというようなこともございまして、これは何とかしなきゃいけないということで、最終的には国の補助金の対象を重点化するとか、あるいは補助事業と単独事業を選択してもらって、単独事業を選択しても補助事業と同じような財源措置を地方債と交付税で考えていったらどうだろうかというようなことで、ごみ処理施設につきましてはそういうことをやったこともございます。
 ただ、やはりいろいろな関係省庁との関係がございますので補助事業をやめて単独事業へ切りかえていくということがスムーズにいかないという場合もいろいろございますものですから、一昨年、平成四年度から、道路につきましては補助事業と単独事業を効果的に組み合わせることによって事業の進捗を図るということで特定道路整備事業というようなものを始めたところ、これが非常に評価されまして、それに似たものが、例えば特定河川の環境整備もどうだろうかとかあるいは下水道もどうだろうかというようなことで、そういうものがここ一、二年の間に非常にいろんな形で各省との間で話し合いができまして、その各省と話し合いができることによって各省からのいろいろな意見も少なくなってくる、こういう効果も出たわけでございます。
 これからの地方財政というものを考えますと、国の補助事業というものは極力整理合理化していかなきゃならないということも考えますと、単独事業でもっと仕事を進めていく余地というものを機会あるごとに広げていくことが私ども必要なんじゃないかというふうに考えるわけでございまして、その一環として、今御指摘のような問題につきましても、単独事業で対応できるものは、特に地域の問題についての単独事業で対応できるものについては極力そういう方向でできないかということで、関係省庁とも話し合いをしながら進めていきたいというふうに考えております。
#118
○続訓弘君 最後に、自治大臣に決意を再度伺わせていただきます。
 今、地方主権を推進するという立場から幾つかの事例を挙げて御質問申し上げました。大臣としてもそういう方向で地方行政を進めていかれますことの決意について、ぜひひとつお聞かせいただければと思います。これで終わりにします。
#119
○国務大臣(村田敬次郎君) 続委員の御質疑を承っておりまして、東京都という非常に財政力にフレキシビリティーのある地方公共団体の財政運営というものについて勉強させていただいたと思います。
 橋や地下鉄の事例をお挙げになりました。そして、財政局長からも御答弁申し上げたように、日本の狭小な国土、過密人口等々から考えていきますと、東京都が独立国になることは不可能でありますし、また各地方公共団体もナショナル、ミニマムを達成するという点でいろいろ守らなきゃならない面があると思います。したがって、課税権の問題や地方債の問題や、いろいろ御豊富な都行政の体験からお話をいただいたわけでございますが、地方分権をやっていくのに際して、東京都のようなところあるいは農山村の場合と、そういういろいろな変化を見ながら地方分権は対応しなきゃならないと思っております。
 そして、続委員も御指摘になりましたように、私は、許認可権をずっと減らしていわゆる規制を緩和していくこと、地方自治を強化していくこと、いろいろの大きな目標があるわけでございますが、これは地方行政委員会のお力、そしてまた国会のお力をかりて推進していくべき問題だと思っておりまして、今後ともよく御相談を申し上げて対応したいと思います。
#120
○続訓弘君 どうもありがとうございました。
#121
○吉田之久君 きょうは我が会派の長谷川委員にかわりまして御質問を申し上げたいと思います。
 まず初めに、村田自治大臣に申し上げます。このところ大臣は大変いろいろ御苦労をいただいておりまして、改めて敬意を表する次第でございます。
 まず質問の第一は、戦後四十数年、我が国の経済は飛躍的に向上し、科学技術は進歩し、アクセスも情報文化の発展も隔世の感があるが、中央、地方の行政システムはほとんど変化、進歩の跡が見られないのはどういうことかということでございます。
 実はこの間、富山県へ参りましてある会合に出ておったわけでございますが、そのとき富山の中沖豊知事がお話になっておりました。私はそのお話を聞いて、大変大きな感動を覚えた次第でございます。中沖知事さんがおっしゃいますのは、中央集権から地方分権へと今しきりに言われているけれども、この考え方は間違いである、むしろ地方集権の時代なんだ、そして中央にどう分権するかということが地方自治体に与えられたこれからの使命であるということを力強くおっしゃっておりました。この知事の発言は、最近とみに富山県の議会や県民にも非常に勇気を与えておるということでございます。
 顧みて、明治二十三年、一八九〇年に府県制あるいは都制が施行されております。以来一世紀がたったことになります。また、戦後、昭和二十二年、一九四七年に地方自治法が制定されました。四十数年をけみしているわけでございます。まだ一世紀しかたっていないとかまだ四十年だという考え方もあるかもしれませんけれども、それにしても我が国の変化というのはまさに予想もしなかった大発展を遂げているのであります。
 にもかかわらず、まだ昔のお殿様の名残をとどめている都道府県の区域、あるいは先ほどもお話がありましたが、東京都のように一千万を超える大都市、これはもうほとんど国家に匹敵する大きな単位でございます。大阪府にしたってそうだと思います。そういう自治体もあれば千人前後の村もある。その差は一万倍でございます。鯨とメダカを並べているような感じでございまして、それを同じ地方自治体だ、地方自治だといって国が指導するところに無理や不自然があるのではないかとつくづく思うわけでございまして、この辺で思い切った見直しをしなければならない時期に来ているのではないかと思いますが、大臣のお考え方をただしたいと思います。
#122
○国務大臣(村田敬次郎君) 吉田委員の御高見を拝聴いたしました。
 私は、明治維新後、約百三十年の日本の歴史というのは地方自治にとって大別して二つに分けられると思うんです。一つは第二次大戦までの中央集権の歴史、それからもう一つは戦後の約半世紀に及ぶ歴史でございます。
 御指摘のように、明治維新で全国の市町村の数は七万ぐらいでございました。今は三千三百弱になっております。その間、終戦後の市町村大合併を経てこうなってきたわけでございますが、御指摘のように、明治時代には都制というものがございました。そして、府県制度は官の任命する知事が統治をしたわけでございまして、まさに中央集権でございました。そして、御承知のように、東京都は都だけでも約一千二百万、東京圏を合わせれば三千万を超す大変な大きい地域でございます。これは優にECの一国を凌駕する世界的な実力と言っていいと思います。
 一方、過密過疎は進行いたしまして、明治初年には徳川時代を通じて三千万であった人口が今一億二千万、四倍になっております。東京都等はこの百二十年の間に約十倍になりました。明治維新を推進した地方の主体であった例えば山口県は一・八倍でございます。その間、農山村等では、よく私の田舎の例を挙げるんですが、北設楽郡富山村という村はかつて明治時代は千数百の人口があったと思いますが、今は二百、全国一、二の過疎村でございます。
 したがって、その間に空の上から日本を見ますと物すごい勢いで東京に人が集まってきたという状況が見られるわけでございまして、これは徳川時代、いわゆる明治維新に至るまでは地方分権というのは今とは違った形で進行しておったわけですね。諸大名等がおって、地方分権というのがある意味で進行しておったわけでございますが、三千万の人口が一億二千万にふえて過密過疎が進行しておる。これは私は、工場制大工業の時代になると、そういう都市の規模というものが経済の情勢から実際にはどのくらいがいいというのりをはるかに越えて過大化するということを示しておると思います。
 したがって、このままにしておいてはならないのであって、例を申し上げて恐縮でございますが、例えば旧約聖書にあるソドムとゴモラという昔の大都市、余り住民が勝手なことをするので神が天の火を降らしてその都市を減ぼしたという旧約聖書の話があります。これはもちろん例え話でありましょうけれども、現実にエイズ等が進行したり、今の東京都は、江戸時代でも「秋深し隣は何をする人ぞ」というくらい本当に隣のことを知らなかったのが、今ではもう全く一千二百万がばらばらでございます。女性の方はもう結婚することは嫌だなんて言ってみたり、そういうことになると世の中というのはよくなるのだろうか、ほうっておくと大変なことになるんじゃないかと思うのでございまして、戦後四十八年の地方自治の歴史もかつての中央集権をよくするという方向には必ずしも進まなかったと思います。
 したがって、今これからが地方分権を推進する大事なチャンスでありまして、先ほど御質問になられました続委員のような東京都の豊富な経験をなさった方もあれば、私どものような過疎町村というものをいろいろと見てきた立場もあります。そういうものを押しなべて、ナショナルミニマムを守り地方分権をいかに確立していくかということを一緒に考える好機だと思っておるのでございまして、これはこれからも吉田委員にいろいろと御指摘をいただいたりして、地方分権の推進、これが現在の民主主義の大きな要請だと思いますので頑張ってまいりたい、このように思っております。
#123
○吉田之久君 大臣がおっしゃいましたとおり、そろそろ神の怒りに触れ始めているのではないかと思われるほどの今日の日本の地方行政のアンバランスでございます。
 昔は昔なりにそれなりの理由があったと思うのでございますけれども、これだけの激しい変化によほど懸命に対応しないと、全然間尺に合わない行政だけがその日暮らしで繰り広げられていくというふうな気がしてならないわけでございます。だから、先ほどの続委員のように大東京で責任あるお仕事をなさってこられた方がおっしゃっているのでございますから、起債などを自由にして、そういう大きい国家に匹敵するような大地方自治体はそれなりに自由にほとんど任せる、そして脆弱な過疎に悩むそういう小さい自治体を国はどのように手厚く守っていくかというふうに、やっぱり二つに分類して対応しなければならない時代が来ていると思うんです。
 そこで、二番目の質問でございますけれども、平和国家、民主主義国家は地方自治が最大限に拡大発展したときに結実すると思われるが、それを達成するためにまず必要なこととは、行政事務、財源の再配分ではないか。そこで、この際思い切って国の事務と地方の事務とをきちんと峻別して、もっと身軽なスリムな政府をつくるべきときに来ているのではないか。
 例えば国の存立のために直接必要な事務、外交、防衛、立法、司法とか、あるいは全国的視野に立って行う政策の企画立案の事務、財政、予算、法律、義務教育などですね。それから全国的規模で統一的に処理することが必要である事務、例えば労働基準行政とかあるいは公正取引とか検察とか税関でございますね。それから都道府県を越える事務、総合開発、国際空港、重要港湾、全国幹線道路網の確立とか、そういう問題はもちろん国家の仕事でございますけれども、それ以外はどんどん下部に移譲するということをもうしなければならない時期に来ていると思うのでございますが、いかがでございますか。
#124
○国務大臣(村田敬次郎君) おっしゃるとおりだと思います。今、明治以来の伝統で許認可権等が残っておるのもありますが、いろいろな意味で本当に地方自治を推進していく、いろいろな地方公共団体の立場を考えてやっていかなきゃならぬと思います。
 戦後、日本国憲法ができまして、この日本国憲法の制定下で日本は文字どおり今の経済大国に発展をするいろいろな下地が築かれたと思うのでございます。それで、平和国家、民主主義国家をつくっていくにはこれからは地方自治が一番大事なときだと思うのでございまして、そのためには、吉田委員がおっしゃいますように、例えば地方自治法という法律で東京都も人口二百の富山村も一緒に律するというところになかなか難しい点があると思うんです。
 先ほど続委員が御指摘になりました地方債の許認可の問題などは、「当分の間」という、有名な「当分の間」で連綿として何十年も続く、あるいは百年以上になるかもしれませんが、そういう地方債の許可権が残っているわけですね。ところが、それを一挙に野放しにいたしますと、先ほど財政局長が申し上げたような非常にアンバランスが生じる可能性がある。
 したがって、ここでいろいろな点で平和国家、民主主義国家日本の行く先をしっかりと見詰めて、いわゆる地方自治権、権限における地方への分与とそれをやっていくための財政権、これはどちらも必要ですね。これは宮澤総理が予算委員会でも述べられたとおりでございますが、そういった一つの基本的な考え方に従って、それならば実際にはどうやっていったらいいのかというのがこれからの具体論だと思います。
 そこで私は、先ほど御指摘がありましたように、一万九百もある許認可をひとつ思い切って五千以下に減らすべきであるということをこの間申し上げたのでございますが、これは我々国民の目標としてあるいは政府の目標として三年以内にはそういうめどをつけるべきであるということを申し上げたわけでございまして、そういった意味での新しい時代をもたらそうという意欲を結集してやっていかなきゃならぬ、そのために地方自治法の大改正も地方分権に向けてのいろいろな努力もやっていかなきゃならぬと、こういう意味で認識をしているわけでございます。
#125
○吉田之久君 ともかく、かつての日本、軍国主義の時代、軍を養うためにすべては国が優先すると、そういう時代がありました。また、ナチス政権のときも同じような経過を踏んでおります。旧共産圏、現にまだ共産国家は残っておりますが、全く中央絶対支配を強いておる。そういう地方自治を抹殺した歴史がどのような悲劇を招いているかということに私どもはお互いにこの際思いを新たにして、世界に冠たる平和国家を築くためには、どのような困難があろうとも、日本の地方自治というものを見事に開花させるために今何をなすべきかということをどうか大臣が一層真剣にお考えいただきたいと思うのでございます。
 特に、今お話がありましたが、許認可が一万九百四十二件現にある。余りにも膨大過ぎます。行政手続法等もこれから進んでまいると思うのでございますが、そういうことをてこにしてこの許認可の見直しをどのように進めていくべきであるか。
 それから、現行の補助金制度は算定基準が非常に低い現実にあります。そして交付時期が間々おくれております。それから地方は補助金関係業務に忙殺されている現状にあります。こういう問題、そして中央政府が地方に対して過剰介入している傾向が非常に頻々としているわけでありまして、この辺をどう直していくか。それから、我が党がかねて申しておりますサンセット法に基づいて定期的な見直し制度を確立する時期に来ているのではないかと思います。また、類似ないし同一目的の補助金の統合メニュー化を考えるべき時期に来ておると思います。
 要するに、事務手続の簡素合理化を行う余地は十分にあると思うのでございますが、いかがでございますか。
#126
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘の国庫補助負担金につきましては、一面では国と地方が共同して仕事をするための有効な政策手段として機能するという面があるわけでございますけれども、今御指摘のように、いろいろと細部にわたって地方団体を拘束するというような問題でございますとか、あるいは算定基準が低いためにいわゆる超過負担が発生してくるとか、あるいは縦割り行政の弊害が非常に出てくるとかといろいろな弊害が出てくるわけでございまして、そういう面から考えますと、地方団体が行政を行う場合には基本的にはその地方団体の調達した財源で自主的に行うということが最も望ましいというふうに考えるわけでございます。そういう観点からいけば、国庫補助負担金はできるだけ整理合理化をしていくということが望ましいのではないかと思うわけでございます。
 もちろん、日本の国の中でございますから一定のナショナルミニマムというものを前提にしていろんな行政が行われるわけでございますから、それを保障するための国と地方との負担というものが残るものも当然にあるわけでございますけれども、しかし、方向といたしましては国庫補助負担金というものはできるだけ整理合理化をしていくということが望ましいというふうに考えているわけでございます。
 そういう意味から、私どもといたしましては、できるだけ地方に同化定着したような事務につきましてはその補助金の廃止を含めて合理化をしていただきたいという問題、あるいは先ほど御指摘のように、補助金を設けた場合には一定の期限でこの補助金をやめるためのサンセット方式というようなことの導入でございますとか、あるいは同じような補助金はできるだけ統合化していくべきだと、こういうようなことを毎年度各省庁に対しましても申し入れまして協力をお願いしているところでございます。
 権限の委任とこの補助金の整理合理化というものは表裏一体のものではないかと思いますので、これからも国庫補助負担金の整理合理化につきましては、私どもといたしましては積極的に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#127
○政府委員(紀内隆宏君) 許認可についてお答えを申し上げます。
 いわゆる国の許認可につきましては二つの面がございまして、一つは、国の許認可の権限を地方公共団体がこれにかわって行使するということで対民間の問題でございます。もう一つは、地方公共団体が権限を行使するに当たって国が許認可という形でこれに関与するというタイプのものでございます。
 先ほど来お話がございます一万余件というような許認可は国が民間に対して許認可を行うものの件数でございまして、これは全体としていわゆる規制緩和の時代でございますから減らしていくべきであるということが一つ。それから、特にその許認可の権限を実際に存続する場合にあっても、地域の住民の生活に密接に関連するような許認可の権限というのはできるだけ地方公共団体の手で行わせた方がよろしいという意味で、やっぱり権限移譲の問題として我々努力すべきだと思いますし、逆に、今度は地方団体が自分の権限を行使する際に国から関与を受ける立場としての許認可につきましてはやっぱり地方の自主性という面で問題がございますので、できるだけこれを減らすように努力をしていくべきだと、このように考えております。
#128
○吉田之久君 補助金の統合とか、許認可をたんたんと整理するあるいはもう少しこの数を減らす、そういう一層の努力をされたいと思うのでございますけれども、例えば地域づくり関係の補助金等で、地方道改修費補助とか公園事業費補助とか街路事業費補助とか交通安全施設等の整備事業費補助とか、どこでも当然持続的にやっておる項目がいっぱいずらっと並んでいるわけでございますね。
 例えば農村整備関係にいたしましても、農道整備事業費の補助とかかんがい排水事業費の補助とか公害対策事業費の補助とか林道事業費の補助とかずっと並んでおりますが、この種のことを毎年毎年いろいろと国と地方とがひざを突き合わせて決めて、そしてちゃんと交付しなければならないものか。ともかく財源が中央に握られているものですから、今日も依然として参勤交代よろしく各首長やあるいは議会の責任者、それが霞が関へ集まる、あるいは全国大会を開いて議員会館にお越しになる、こういうことの繰り返してございますね。
 しかも、そういう財源を国が握っておってそれを交付したり補助したりするという仕組みの中で、主として与党の方々、野党もそうかもしれませんけれども、それにいろいろ仲介の労をとりまして地方への貢献度を顕示するとか、あるいは地方の首長もできるだけやっぱり次の選挙のことを考えて住民の目に触れるものを建てることにまず専念するとか、そういう傾向。そしてまた、一つ間違えばそれが政治腐敗の温床にもなっておるというのが今日の偽らぬ現状でございます。
 ですから、このままでいきましたら政治家のための政治ですね。選挙のための行政ですね。本当に弱い人たちの住民のための行政にならなくなるのではないかと思うわけでございまして、その辺、今責任ある自治大臣としてどういう改革をしなければならないとお考えになりますか。
#129
○国務大臣(村田敬次郎君) 吉田委員が先ほど御指摘になりましたように、中央政府は外交とか防衛とかそういう特定の事務を持った小さなしなやかな政府、それから地方政府は住民に直結したいろいろなきめの細かい行政をやる政府という位置づけがいいんじゃないでしょうか。
 その意味で、東京の一極集中を排除して多極分散型の国土をつくる、いわゆる私の言葉で言うと真珠のネックレス構想でございますが、私は東京が好きです。東京が好きだから余計これを申し上げるのは、東京では余りにも何と申しますかむだが多過ぎると思うんです。夜などは、私が九段の宿舎へ帰るときに毎日道路の掘り返しをやっているんですね。あの財源はすべて都の税金なり国の税金でありますから、もし地方であの財源を投資したら東京でやる百倍も千倍も道路ができると思うんです。
 せんだって、これはNHKでございますか座談会があって、ある市の市長さん、これは具体的に申し上げた方がいいと思います。掛川の有名な市長さんが出られた。そして、年に少なくとも東京へ六十回は行きます、補助金の折衝その他で上京いたします、こういうことで、この市長さんは非常に新しい考え方を持った方で、こういう中央集権は間違っておるという意味で言われたんですが、まさにそのとおりでございまして、東京に六十回上京することによってJRは非常にプラスになりますでしょうけれども、行政とか財政はよくはなりません。
 ですから、それは初めから財源なり権限なりが分与された形で六十回行くものが一回で済めばずっとはるかに能率的になる、これからはそういった地方分権を考えなきゃならぬだろう、だから余計な中央政府の関与は慎まなきゃならぬ、こういうふうに思っておりまして、そういう方向に向かって美しい大中小の真珠がきらめくような多極分散型の国土を新しい時代のグランドデザインとしてつくらなきゃならぬというのが私の基本的な考え方でございます。
 そういった意味で吉田委員のお考えと非常に似ておるんじゃないかと思っておるのでございまして、許認可権の大幅な移譲その他、中央集権を地方分権に切りかえることが東京都の方々のためにも日本国民のためにも大切であると思っております。
#130
○吉田之久君 最後に、地方自治体の特殊事情に合わせてそれぞれがその道を独自に選択するためには、やっぱり第二交付税的なものが必要なのではないかと私どもはかねて考えているところでございます。
 地元のことになりまして大変恐縮でございますが、例えば奈良市ですね。ふだんは非常に静かないい町でございますが、一たび日曜、祝祭日あるいは観光の時期になりますと、もはや車で身動きならない状況でございまして、国道はもとより、県道も市道も生活道路も全部車で埋まってしまう。町の住民の日常生活もできない。まして、せっかく来られる方々が朝早く出たって昼ごろになってもまだ奈良市へ入れない。これは箱根へ登ったときも私はままそういうことを実感いたします。
 こういう観光地はどのようなアクセスを完備するか。やっぱり車を持っている人の本能として、途中で車をおりてバスに乗りかえてというわけになかなかいかないんですね。だとするならば、車のままでその中心、目的地まで入らせるためにどう立体交差をするか、あるいは奈良は史跡の多いところでありますが、若草山の下なんかを掘れば別に遺跡にもぶつからないと思いますし、そこへ大駐車場をつくってリフトで上へ上げるとか、いろんな構想はあるんですけれども、今の地方行政のマニュアルの延長線上ではそれは私は不可能だと思うんです。明日香でもそうでありまして、いろいろ保護と制約を受けておりますけれども、しかし活力がだんだんと低下してくる。何か新しいものをと、国際会議場あるいは歴史博物館、美術館、考えることはできたって今日のこの交付金の制度や補助金の制度ではちょっとできないと思うんですね。
 しかし、日本じゅう各地でそれぞれ独特の要求、今なさねばならない優先順位のものがいっぱいあると思うんです。それに対応するためには、事細かに全部目的を定めてひもつきの補助金でやるよりも一括して、これを自由に使いなさい、もちろん監査は厳格にやりますよ、使途の報告は求めますよと、何かそういう新しい発想がないと日本の地方行政はこのまま行き詰まらざるを得ないのではないか。とても本当の生活先進国にはならないような気がするわけでございますが、いかがでございますか。
#131
○国務大臣(村田敬次郎君) 昔読んだ本に中国の昔の帝王のことが書いてありました。これは帝堯、帝舜というのでありますから恐らく何千年も前だと思いますが、朝、農夫が太陽の光を浴びて畑に出る。夕ベは農夫が太陽の沈むのを見て帰る。帝力いずくんぞ我にあらんやと、一体皇帝がいるのかいないのかわからない。つまり、自然のままに非常によい政治が行われておったという帝堯、帝舜の時代を言ったのでございますが、今の時代は規制が多過ぎます。もっと思い切って要らない規制は捨ててしまって、本当に必要な規制だけにしたらいいんじゃないかと思います。
 だから、二十一世紀の全く新しい考え方というのは、要らぬことはやめちゃった方がいいんですね。補助金行政なんというのも思い切り整理していいんですよ。そして、監督制度も思い切りやめて、先ほどお話のあったような地方自治、地方分権の制度をやっていくのが私は新しい民主主義のあり方じゃないかと思っておりまして、日本もよい国になり過ぎて改めなきゃならぬ点もいろいろ出てきたと思うんです。このまま置いておくとどうもとんでもない方向に進んでしまうのじゃないかというおそれをよく感じるのでございまして、思い切って規制を緩和し、そしてのびのびと地方行政、そして国家の行政をやるというような新しい考え方の発想がぜひ必要であると思います。
#132
○吉田之久君 大臣の勇気ある決断をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#133
○有働正治君 私は、まずカンボジア問題についてお尋ねします。
 政府のカンボジア派遣は文民警察官の死傷事件を引き起こしました。また、この間の論議を通じましても、PKO法で規定されていない任務外のことまでやらされていたということもはっきりいたしました。
 政府はもともとこの派遣に当たりまして、例えば宮澤首相自身、昨年の七月十五日の記者会見で、武装解除というパリ協定の第二段階に無事に入っていけるかどうかを見届けるのが先決だということを明快に述べていました。しかし、実際にはポル・ポト派の武装解除は拒否されたわけで、そういう態度が変わらないにもかかわらず自衛隊及び協力隊の派遣が行われた。そして、警察庁としても、国家公安委員長としても自治大臣としても、これに応じて派遣を推進されたということになるわけであります。当然死傷事件はこの状況下で予想されていたわけです。
 まず、警察庁長官にお尋ねします。
 どういう見通しのもとで文民警察官の派遣を行われたのか。また、死傷事件まで起こすという重大事態に陥ったわけで、その結果から見まして、その見通しがどうだったのか、基本認識をお尋ねします。
#134
○政府委員(城内康光君) 我が国の文民警察官に死傷者が出たことはまことに残念なことでございまして、二度とあってはならないことだと考えております。
 警察庁といたしましては、昨年の派遣時におきまして、政府調査団の報告などに基づきまして可能な限り要員の安全対策が講じられるように総理府の国際平和協力本部に要請してきたところでございます。
 当時の認識といたしましては、例えばこれは政府広報用パンフレットでございますが、国連平和維持活動は「停戦の合意が成立してから活動を開始するもので、戦いが行われている場所に行くのではありません。」、こういう記述もあるわけでございまして、私ども、武力衝突が予想されるような地域については軍事的な対処が必要であって文民警察官はそういうところへは行かないんだ、こういうような認識であったわけでございます。
 確かに派遣をいたしました当初は、タイとの国境で今非常な危険地域と言われておりますバンデアイミエンチャイのアンピル部でございますが、そういったところは牧歌的な雰囲気でございまして、現に日本の文民警察官が向こうのポル・ポト派の自宅に呼ばれて一緒に食事をしている、こういうような状況を私ども承知しておりまして、割合平穏だなという感じでいたわけでございます。ところが、ポル・ポト派の方針変更というのがありまして、とりわけ三月末から四月の初めごろにかけてでございますが、情勢が急変して当初の予想を上回る状況が現出したわけでございます。
 私どもといたしましても要員の安全対策の強化を再度申し入れたところでございまして、現在、当面の目標であった選挙も終了したということで、私どもの立場で、文民警察官についての任務の終了、早い段階での撤収というような希望を表明して、いろいろ関係向きにお願いしておることでございます。
 いずれにいたしましても、現実に文民警察官に犠牲者が出た、今になって考えると、これは結果論でございますけれども、なかなか私どもの当初考えていたように情勢が展開されなかったといううらみはございますけれども、今後の要員の安全対策についてもいろいろな要素を考えながら万全を期してまいりたいと思います。
#135
○有働正治君 いろいろ状況を説明されましたけれども、極めて反省が足りないと私は思うわけであります。
 状況の変化と言われますけれども、ポル・ポト派の戦略、戦術というのは当初から明確であったわけであります。
 それから、きのう長官は政府調査団のことについても論及されましたけれども、もともとこの調査団につきましては、昨年の夏の参議院選挙を前後いたしまして各党派間で合意いたしまして、超党派のカンボジア調査団派遣というのが合意されていたわけであります。それには我々も当然参加する用意があるということも述べていたわけで、そういう合意を無視して政府だけが一方的に調査団を出して、参加五原則は満たされているなどという実感をゆがめた結論を出して派遣を強行したというのが事の真相であります。
 そういう点からいいましても、そういう各党合意さえ無視して派遣を強行した見通しに甘さどころか大きなやっぱり問題がある、無責任きわまるということをきのう予算委員会で我が党代表も追及いたしまして、宮澤総理自身、そういう点から指摘されれば、間違いと申されたらそういうことになるという趣旨、結果として間違いだったと申し上げるしかないということまで言っておられるわけであります。
 そういう点からいいましたら、死傷者を出した当の最高責任者の言動とは思えないような、極めて認識が甘いと私は言わざるを得ないわけでありますが、再度明確な責任ある答えを求めたいと思います。
#136
○政府委員(城内康光君) 繰り返しになりますが、現実に文民警察官に犠牲者が出たという事実は厳粛に受けとめて、今後ともこういった事態が二度と起こらないように努力してまいりたいと思います。
#137
○有働正治君 一つは安全だという問題、いろいろ、戦いがあるところに行くんではないという趣旨も言われたわけでありますけれども、このことが崩壊したことは死傷事件で明白であります。もう一つ、日本独自の判断で中断、撤収も可能であるということが言われていたわけでありますけれども、現実は文民警察官の一時的な移動あるいは配置がえもできなくてUNTACの指揮に従わざるを得なかったというのが実態だと思うんです。
 そこで、長官と国家公安委員長である自治大臣にお尋ねしますけれども、このPKO法が言っていたことと現実というのは、安全性、危険性の問題の上におきましても、また中断、撤収という問題におきましても、極めて現実と大きな矛盾があるということがはっきりしたと言えると私は考えるわけであります。この点どう考えられるのか、答えていただきたいと思います。
#138
○政府委員(城内康光君) 今、撤収というお言葉も出ましたけれども、そういう判断につきましては総理府の国際平和協力本部が決めることでございます。私どもとしてはそれについてコメントする立場ではございません。
 ただ、警察庁というのは文民警察官を派遣しあるいは推薦をしたという立場でございますので、私どもの立場でも安全対策についていろいろとお願いをする、こういう立場でございます。また、私どもは法律を守るという立場がございますので、法に書かれている本来の業務を逸脱しているようなそういう疑いのある場合には、それについて是正措置を申し出るということも私どもとして当然やらなきゃならないというようなことでございます。
 また、安全措置の中身といたしまして、任務が果たせないような状況になっている地域からの配置がえというようなことについても総理府の国際平和協力本部に要請をいたしたわけでございます。そうした要請は、当然、総理府国際平和協力本部からUNTACの方に伝えられて、UNTACからも一定の理解が示された、こういうふうに承知をしております。
#139
○有働正治君 つまり、安全性の問題において実態との矛盾の問題、同時に、安全性の問題にかかわって、一時移動、配置がえ等々を協力本部に要請したということは、警察庁として考えていたことと現実とは乖離していた、だからこそ要請したということになろうと思うわけであります。
 私が聞いていますのは、協力本部の答えでなくて、警察庁長官として、この安全性、危険性の問題、それから一時移動あるいは配置がえ等が十分ところか実際上できなかったこと、それについてPKO法と現実とは矛盾がある、これについてどう認識しているかあなた自身の見解を聞いているわけですから、はっきり答えてください。
#140
○政府委員(城内康光君) まず安全性についての見通してございますが、これは先ほど冒頭申し上げたとおりでございまして、一言で申し上げれば、当初私どもが予期していたとおりの展開にならなかった、途中から情勢が急変した、こういうことで、派適当時においてそこまで私どもは見通しとしては持っていなかったということがございます。
 それから、私どもとしては協力本部の隊員として派遣したわけでございますから、その要員は協力本部の隊員ということになっておるわけでございます。また、それが協力本部の方からUNTACに派遣をされておるわけでございまして、現実に使っているのはUNTACが使っておる、こういうことでございますので、言ってみれば私どもは実家でございます。人を出した実家でございますから、実家としては当然安全措置とかあるいは法の遵守について深い関心を持たざるを得ないという立場で再三にわたって強く協力本部の方にお願いをした、こういうことでございます。
#141
○有働正治君 そういう強く要請したということで述べられたわけですが、結果的には当初予定したとおりにいっていないという事態が起きたからそういう要請が行われたということ、それは事実でしょう。
#142
○政府委員(城内康光君) 例えば法で規定している指導、助言、監視という言葉からはみ出るようなそういう使われ方もあるんではないかということで、私どもその事実をある程度把握いたしまして、そういったことに基づいて協力本部の方に文書などをもちまして要請し、そしてそのことが相手方に伝えられたわけでございます。
 UNTACといたしましても、過般、柳井局長ともそのことについて話しましたが、文民警察官というのは助言、指導、監視というのがやはり向こうでも任務と認識している、こういうことでございます。そうすると、現実の運用の状況と、UNTAC本部で理解しており、また私どももそのように理解しておる助言、指導、監視ということとの間に若干のずれがあるわけでございますが、そのずれについては、UNTACは建前を認めた上で、それは運用の問題であるというような感じで応答があったということでございます。
 しかし、今選挙が終わった時点におきまして今日私どもが承知しておるところによりますと、ほぼ選挙前の状態に復しつつある、つまり、指導、助言、監視というような枠の中で現在は仕事が行われつつあるということを聞いておりまして、私どもも胸をなでおろしておる次第でございます。
#143
○有働正治君 乖離があることは長官として認められました。
 自治大臣にお尋ねします。
 当初言われていたPKO法と現実との今言われた乖離の問題、安全性、危険性の上でも、また自治大臣自身現地で一時文民警察官の移動あるいは配置がえを要請されて、必ずしもそのとおりに現実問題としてはならなかったわけで、このPKO法と現実とに矛盾があったということは言えるんじゃないかと思うんですけれども、その点はどう認識されておられたんでしょうか。
#144
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、五月八日にJALに乗って参りまして、五月十二日に帰ってまいりました。
 その間、現地はムックカンポールというプノンペンから川を渡って約二十キロ、二十キロですけれども、大変ながたがた道でございますから約一時間を要しました。そこは三カ月ぐらい前までは全く平和な農村であった。それが最近は非常に危険にさらされるようになったという説明で、今川大使が私と同乗をして、文民警察官が運転をしてまいりました。文民警察官の駐屯所、各国の文民警察官やいろいろな要員の方々、これは隊長がインドで、フィリピンの要員だとかモロッコだとかブルガリアだとか、いろいろな方々ともお会いをして、お話のできる方とはお話をしたりしてまいりました。それから、文民警察官やボランティアの方々、そういう方々とも別の機会に対話をしたりしてまいりました。
 そして、明石UNTAC特別代表と十日に予定されたとおり正味一時間半の懇談をしたわけでございます。私は宮澤総理の御指示でございます国連、UNTACの業務に関して日本は全面的に御支援を申し上げますということをお伝えをし、それと同時に、日本から派遣されている要員、三十二カ国から派遣されている要員と同様にひとつぜひ一身上の安全を図っていただきたいということを申し入れました。
 明石代表は極めて誠実にこれにこたえられて、投票所の千八百から千四百への縮小であるとか、あるいは防弾チョッキやヘルメットの配備であるとか、それからいろいろな輸送手段であるとか、そういったことについての誠実な対応を示され、なお今後も連日のように日本側と御連絡をさせていただきます、こういうふうに言われたわけでございます。そして、文民警察官の全体の司令官でありますルース准将、これはオランダの人でありますが、その方も私の要望で途中から同席をして、日本の文民警察官、三十二カ国の文民警察官の安全のために何をしたらいいかということを一緒に相談をしてくれました。
 そして、私は五月十二日には帰り、十三日には柳井事務局長等が行かれたのです。
#145
○有働正治君 大臣、ちょっと発言の途中で失礼ですけれども、私の質問にぜひ、その答えはこの間も十分お聞かせいただいていますので、PKO法と現実との矛盾があったんじゃないか、そのことに関して。
#146
○国務大臣(村田敬次郎君) 私は、日本では想像できなかった現地を見せていただいたわけです。ですから、そういった意味で、先ほど来警察庁長官が御答弁申されておるような、非常にこれは危険な状態に最近はなったところもある、あるいは水や食糧さえ得がたいところもある、何としてもこれに対する対応をしなきゃならぬということで、帰った日の、午前六時に着きまして、八時十分に総理、官房長官とお目にかかって、私の見てきた様子を伝えました。
 総理は直ちにそれに対する対応を開始され、柳井事務局長その他を派遣し、百万ドルを拠出し、ヘリコプターの配備その他いろんなことをUNTACと話し合っていただいたところでございます。私は、その点においてベストを尽くしてきたし、総理はまさにベストを尽くしておられる、明石代表も極めて忠実にベストを尽くしておられると思っておるところであります。
#147
○有働正治君 大臣、一言最後にお尋ねします。
 城内長官もお認めになられましたように、実際上死傷事件まで起きたということからいって安全性、危険性の問題、それから大臣自身も一時プノンペンに移動させたりあるいは配置がえ等々で要請されたけれども必ずしも思っておられるようにはいかなかったと、だからPKO法と現実には乖離があったということは明白だと思うんですけれども、その点はお認めになるのかどうか、その点だけ簡潔に。
#148
○国務大臣(村田敬次郎君) それは私がここで御答弁申し上げる権限を越えておると思います。
#149
○有働正治君 それは問題ですね。国家公安委員長として、責任者として対応していながら、それさえも答えられないようではこの問題から教訓を明確に引き出すということにはならないわけでありまして、非常に重大だと私は思います。そういう無責任な答弁をやるべきでないということを私ははっきり申し上げておきます。
#150
○国務大臣(村田敬次郎君) ちょっと待ってください。無責任な答弁と言われましたが、私は誠心誠意対応しております。日本国政府も誠心誠意対応しております。
#151
○有働正治君 国家公安委員長として、大臣として、どうその点を認識されるのかということに対して答えられないというのはおかしいじゃないかと私は提起したわけです。ちゃんと答えてください。
#152
○国務大臣(村田敬次郎君) それは予算委員会、本会議等で総理がお答えになり、そして私が見たところを率直に物語っておるところからお察しをいただければいいのであって、答えられないと申し上げたのは、全体の責任は総理にあるわけでありますからそのような答弁を申し上げたわけで、私が責任を回避しておる意味では全くございません。
#153
○有働正治君 総理自身は結果として間違いだったということをきのう答弁されたんで、それじゃそういうふうに私は解します。
 時間が随分延びましたので、次の質問に私入ります。
 地方交付税法の問題についても、私、限られた時間でありますが、質問します。
 まず自治省に確認を求めます。昭和六十年度、八五年度以降、臨調行革、地方行革が大々的に行われた中で、国庫補助負担金の一律カットによる地方自治体への影響額、私に言わせれば地方負担と言えるわけですけれども、この影響額の総額、八五年度から今日までの九年間のトータルの結論だけで結構ですので、数字をお知らせいただきたい。
#154
○政府委員(湯浅利夫君) 昭和六十年度からの国庫補助負担率の暫定措置によりまして、経常経費につきましては二兆四千九百八十七億円、それから投資的経費につきましては普通会計で五兆六千二百億円の影響額が出ております。
#155
○有働正治君 合計しますと八兆二千億円弱であります。これに対する補てん措置のうち、地方交付税によるものは幾らでございますか。
#156
○政府委員(湯浅利夫君) 補てん措置のやり方につきましては、御案内のとおり、経常経費の部分と投資的経費の部分とでは違っているわけでございます。
 経常経費につきましてはそれぞれの年度の影響額につきまして交付税とその他の措置を分けたわけでございますけれども、経常経費についてだけ申し上げますと、七千六百億円余りが地方交付税で補てんされております。また地方税の暫定措置という形で三千六百億円、約一兆円をちょっと超える一兆二千億ぐらいの措置がこの二つでなされているわけでございます。
 また、投資的経費につきましては、臨時財政特例債の措置がございますが、これにつきましては元利償還金の一定割合を後年度以降地方交付税に加算するということになっておりまして、この金額はまだ確定はしていないわけでございます。
#157
○有働正治君 総額八兆二千億近くの中ではわずかであって、残りは全部地方債の増発で穴埋めされているということになるわけであります。しかも、このカット分に対して国の一般会計からの繰り入れもわずかであると言わざるを得ません。したがって、結果的には私は地方へ負担転嫁されたと言わざるを得ないわけでありますが、時間の関係上、次に進みます。
 補てん措置のうちの交付税での補てんは、もちろん地方債の増発分も多くが元利償還分を事業費補正、公債費といった形で後年度の地方交付税に算入されることになっており、結果的に大半が交付税の基準財政需要額の中に取り込まれることになるわけであります。これは最も優先度の高い義務的経費として交付税の特定財源化を進めることにならざるを得ないのではないかと考えるわけでありますが、簡潔に御答弁願います。
#158
○政府委員(湯浅利夫君) 御指摘のように、臨時財政特例債で投資的経費の影響額については措置をいたしました。その元利償還金を交付税の基準財政需要額に算入するという措置を講じているわけでございますが、これは基準財政需要額でございますから、この措置に基づいて交付される交付税、不交付団体の場合もありましょうし交付税がわずかしか行かない団体もございましょうし、そして交付された交付税は条件も使途も制限されないものでいくということでございますから、決して交付税の特定財源化ということには当たらないというふうに考えているわけでございます。
 また、臨時財政特例債の元利償還金にあわせまして一定の割合については後年度以降交付税に加算するという措置も講じることになっているわけでございまして、この点もこの措置を考える場合には考慮の対象に入れていただきたいと思うわけでございます。
#159
○有働正治君 やはり結果的には特定財源化にならざるを得ません。そういう点で答弁は納得できません。そういう点では、負担の強要だけでなくて特定財源化を進めるという点で、二重に負の痕跡を残すということになるわけであります。
 次に、同じく八五年度以来、国庫補助負担金が一般財源化された分の総額は、いただいた資料によりますと三千七百五十九億円に上っています。これに対しまして、国からの税財源の移譲というのはほとんどないというのが実態であります。一般財源化に当たりまして、私は地方自治体と住民の立場から考えますと、地方への負担転嫁にならないように国からの税財源の移譲をきちっとする必要がある、また一般財源化によって従来の行政水準の低下や住民の負担増をもたらすことがないようにする必要があると。要するに、全体として国の責任が果たされて国の責任の放棄とならないようにすることが非常に大事だと、こういう立場を貫く必要があると考えるわけであります。
 ところで、これまでの一般財源化を見ますと、国からの税財源の移譲はほとんどありません。これでは結果として地方への負担転嫁と言わざるを得ないと私は考えるわけでありますけれども、いかがでありますか。
#160
○政府委員(湯浅利夫君) 国庫補助金の一般財源化に伴いまして地方がその分負担が増加すること、これは確かでございます。しかし他方では、この国庫補助負担金の整理合理化によりまして地方の自主性を高めるという地方の立場からも進めていかなければならないという観点があるわけでございまして、国の財源がその分減って地方の財源がふえたから、それは金の勘定からいえばそういう形になるわけでございますが、一般財源化の意味というものはそれを超えた大きなものがあるということをまず御理解いただきたいわけでございます。そして、その所要財源につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じまして全体の地方財政が円滑に運営できるかどうかというものを検証しながら財源措置を行っているということでございまして、決して単なる負担の転嫁というふうに考えるものではないと思っております。
#161
○有働正治君 それについては、全くごまかしの議論であると私は指摘だけしておきます。
 最後に一点だけ、雲仙・普賢岳対策。
 非常に長期化して事態は重大であります。九州地方の各県議会の議長会も特別立法による被災者救済というのを決議して、国会、政府にも要請しています。長期化と新たな段階に入っている中で、立法化を含めた抜本的な措置、とりわけ住宅対策が求められています。被災者の新築について固定資産税の減免を含めました対応等、積極的な対応だけ要望しておきたいと思います。
#162
○下村泰君 障害者の利用する自動車の駐車禁止除外指定についてちょっとお尋ねします。
 現在、障害者が御自分で持っている車、これは駐車禁止除外指定が行われています。これは当事者にとっては大変喜ばしい制度でございまして、これこそ心優しい行政のあり方だというふうに思っています。中には車いすで車を運転していらっしゃる方もいます。そうしますと、仕事先でまず駐車場を探さなきゃいかぬ、そこからまた車いすで仕事場へ行かなきゃならないというようなことになりますと、これは大変な労働でございますし時間のロスです。この駐車禁止除外指定によりましてその方の活動が大変しやすくなっている。これは大変結構で私の方からもむしろお礼を申し上げたいくらいなんですが、これが条件がちょっと変わるとおかしくなっちまうんですね。
 と申しますのは、障害者雇用促進法の中で通勤対策として事業主が常用労働者の障害者のために自動車を購入して使用させるとしますと、これは助成が受けられるわけですね。促進法の中にもございますように、障害者の方々が働きやすいように職場を改造する、そういう意味におけるこれは助成措置だと思うんですが、この車は障害者にとっては雇用主から借りている形になるんです。この車を運転した場合にはどういうふうになるのかということが問題なんですが、これは除外指定になっていますか、それともなりませんか。
#163
○政府委員(関根謙一君) 歩行困難な身体障害者の方が現に使用している車でありますれば、所有関係がどうであろうと駐車禁止の除外指定車として指定することができるという制度になっております。
#164
○下村泰君 ですから今私が申し上げたように、雇用主がいて、その方に借りてその雇用主のところの仕事をしているんですよ。雇われているところの仕事をしているんですから、私は同一のものだと思うんですがね。それが雇用主に借りている車だと除外にならない、こういうことになりますか。
#165
○政府委員(関根謙一君) 雇用主から借りている車であろうと何であろうと、その身体障害者の方が現に使っている車であれば除外指定の対象となるわけでございます。
#166
○下村泰君 なりますね。
#167
○政府委員(関根謙一君) はい、なります。
#168
○下村泰君 実際に大阪の方でそういうのが起きているんですよ、つまり雇用主から借りている障害者が運転した場合に。
 出先のお巡りさんが知らないと言えばそれまでなんでしょうけれども、せっかく障害者の方、これはいわゆるこの地方自治の今日の取り扱われている法の中から比べれば微々たる細々たる小さな問題かもわかりませんけれども、運転している障害者自身にとっては大きな問題なんですね。それこそ自分のうちの財産がひっくり返るような問題なんです。だから、こういったことがきちんと出先機関でも徹底していただきませんと、障害者の方々がそのたびに怒られたり指導されたり言いわけしたり、大変なことだろうと思うんです。これはひとつ徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#169
○政府委員(関根謙一君) 先生の御指摘のとおりかと存じますので、この制度の趣旨が現場に徹底するように指導してまいりたいと存じます。
#170
○下村泰君 ありがとうございます。仏つくって魂入れずで、せっかくの法も生きた使い方をしなきゃへの突っ張りにもなりませんから、よろしくお願いします。
 では、今度は障害児者それから高齢者への防火対策、防災対策について伺いますけれども、障害者の療護施設及び障害児の重度身体障害児施設、そして高齢者の特別養護老人ホームいわゆる重度の方々の入居施設と、いわゆる在宅の重度障害児者、そして寝たきりや痴呆のひとり暮らしの方々への防火対策について、消防庁及び厚生省は現状をどういうふうに見ていますか、御説明ください。
#171
○政府委員(浅野大三郎君) ただいま御指摘いただきました対象の施設、在宅というお言葉がありましたと思いますので、自宅の方はちょっと別にいたしまして、療護施設でありますとか特別養護施設でありますとかそういう施設の関係について申し上げますと、大きくはこれは社会福祉系統の施設としてそこにたくさんの方々も入られるものですから、そういう意味での消防法上のいろんな消防設備についての規制を加えております。
 ただ、かつて松寿園の火災というようなこともございましたものですから、特にスプリンクラーでございますけれども、このスプリンクラーの設置を必要とする面積につきましては従来六千平米であったものを、特に避難をすることが困難な方々がおられるような施設については千平米以上のものはスプリンクラーをつけなければいけない、こういうような形でまず法規制はそのときに変えております。
 それから、これはただそういう法規制をハードの面でやるだけでは決して十分ではないだろうと思うわけでございまして、問題は避難の困難な方がそこにいらっしゃるわけでございますから、その避難のお手伝いをできるマンパワーの方の体制がどれだけあるかということによってもいろいろ変わってくる面がありますものですから、そのハード面の法規制とは別に、全体として一体そこでの防火対策というのはどうできるかというようなことについてマニュアルのようなものをつくりましてお示しして、それでちゃんと一定の時間内に避難がうまくできるかどうか、そういうようなこともあわせていろいろやっていただく、これは法的な強制力はありませんけれども、そういうようなことで今やらせていただいております。
#172
○説明員(大田晋君) 私の方からは社会福祉施設の防災対策がどのようになっているかということをお答えいたしたいと思います。
 ただいま消防庁の方からお答えございましたように、我々も消防庁所管の消防法というものを遵守するように施設整備を進めているところでございますが、具体的には社会福祉施設の設備及び運営に関する基準、これは厚生省令でございますが、これによりまして具体的な火災を含む防災計画を施設ごとにつくるという指導をしております。この計画に基づきまして避難訓練を年二回実施しております。
 また、我々、箱と呼びますけれども、施設の建設ということに当たりましては、建築基準法に基づきます強度あるいは耐火構造はもちろん遵守すること、さらに消防法に沿ったさまざまの設備、構造を遵守することというふうにいたしております。
 他方、設備、箱でございません後でつけるような装置といたしまして、ただいま説明ございましたように、消防法に基づく面積千平方メートル以上の建物にはスプリンクラーを設置するように補助をいたしております。それ未満のものにつきましては屋内消火栓の設備を補助いたしております。
 最後に、先ほど答弁ございましたように、マンパワーと呼びましょうか、施設の方々のいろんな意味のお世話をするという観点で、この火災につきましては、夜間には、いわゆる直接処遇の方を中心としたお世話をする方以外に管理当直者という名前のもとに一名配置をするということにしております。他方、地域の消防機関、近隣住民との協力体制というものも平素から確保するように指導いたしております。
 このように、施設、設備、マンパワーという三点で私どもの方も頑張っているつもりでございます。
#173
○下村泰君 これから私が聞こうと思ったことを先にお答えになっちゃった。
 ところで、去る三月二十九日に東京消防庁の火災予防審議会が「高齢者施設を中心とした災害弱者施設の防火安全対策に係る調査報告書」というのを提出しましたが、その内容について簡単に説明してください。
#174
○政府委員(浅野大三郎君) 簡単にという御指摘でございますので、簡単にやります。
 主な提言内容といたしましては、出火防止対策を初めといたしまして、小規模な施設に対するスプリンクラー設備の設置や各居室の防火区画の設置などの延焼拡大防止対策、それから水平避難区画を設置する等の避難救助対策、視聴覚が不自由な方に対する災害情報の覚知・伝達方法の対策、近隣支援体制等の充実強化などと承知いたしております。
#175
○下村泰君 実際に私もこれをいただきまして、この御本です、すごいですな。これはこのとおりうまくいきゃいいんだけれども、一つ一つ取り上げていると大変長くなりますから、残念ですがこの報告は読ませていただくだけにとどめておきます。
 今後の対応でございますけれども、私もこれまで幾つかの施設を見てきましたけれども、現状では、大きな火災などが起こると、これは十分な対応がとれるのかいなと、重度施設ではかなり難しいんじゃないかなと思いますよ。それから、先ほど厚生省の方がお答えになったかもしれませんけれども、夜にでも起こったらどうしますかと聞いたら、死ぬしかないわと言う人もいるんですね。こんな恐ろしい言葉が返ってくるんじゃ何のための施設だかわけがわからない。死ぬために入っているようなものだ。それじゃ困る。
 そこで、防災計画、避難訓練、消防関係機関との連絡、防火設備の強化というふうにいろいろやられていますけれども、先ほどもお話に出ましたが、御近所の住民の協力、これは欠かすことのできないものだと思います。
 それから最近は、合格の合に築と書いて、これ何と読むんですかといつか伺いましたら、ガッチクと読むんだそうで、私はゴウチクと読むのかと思ったら、ガッチクだなんて何か非常に読みにくい。この合築で施設が高層化しています。かつては平屋だったものが、三階、四階というものもあります。対応としては今のままで大丈夫なのかなという気がするんですが、消防、厚生、もう一回ひとつお考えをお伺いしたいと思います。
#176
○政府委員(浅野大三郎君) 全体的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、特に考えなければいけないのは、避難をすることがなかなか困難な方々がたくさんいらっしゃるということでございまして、そこのところをどう対応したらいいかということですが、これは建築基準法なり消防法であらかじめ画一的な規制で措置をするということは難しいだろうと思います。
 そうしますと、結局、いろんな施設設備の面、それからマンパワーの面、こういうものをトータルしてどういう形でうまく避難をしていただけるシステムをつくっていくかというようなことが重要なんではないだろうかと思います。ですから、既存の施設につきましては、そういう意味で先ほどもちょっと申し上げましたマニュアルというのをお示しいたしまして、一体どれくらいの時間で本当に避難ができるかというようなことをチェックしながらやっていっていただきたいということを申し上げております。
 もっと進みますと、これは設計をする段階から、建築基準法の適合はもちろんでございますが、プラス、もう少し避難の困難な方が避難しやすいようなこともいろいろ配慮しながら設計の段階で考慮するということも大事だと思いますものですから、そういう設計段階まで含めて、しかもそれは画一的なものではなくて、実際に職員がそこではどう配置されるであろうかというようなことも含めまして、トータルとして避難ということを考えた場合にどういう設計をしたらいいかというようなものについての一つの指針といいますか、そういうようなものを考えていったらいいんじゃないかと、そういう研究を今やらしていただいておるところでございまして、先ほどのあの東京消防庁の報告書のいろんな御提言もありますから、そういうものもその今の研究の中で大いに活用してさらに研究を進めていきたい、こういうふうに思っております。
#177
○説明員(大田晋君) 厚生省といたしましては、先ほどお答えした全般にわたる対応ということが中心にございますが、さらに委員御指摘の高層化あるいは合築という、そこに着目した特別の対策ということは特には考えていません。
 ただ、私の方で承知いたしておりますところは、消防法に基づきまして、四階以上の建物になった場合には先ほどのスプリンクラーの設置義務が、恐らく各階は狭くても四階以上については設置するようにという基準があったように私は承知しておりますし、それは強制法でございますから、その遵守はもちろんのことです。
 さらに一つ、これはやはり高層化の対応かと我々考えておりますのは、バルコニーの設置といったものは二階以上のものには積極的につけるようにという指導をしております。結果においては、合築あるいは高層化に対応する一つの対策というふうに考えております。
#178
○下村泰君 こういった施設の場合はそういうふうにいろいろと方策もありましょうが、今度、在宅の障害者について伺いますが、障害を持った人、特に重度障害者には住むところにしてもなかなか貸してくれません。狭かったり路地裏だったり、二階三階しか借りられない人も多い。結局、いざというときには取り残されるところにしか住めない。
 これは消防庁にはどうしようもないことなんですけれども、重度の障害者も地域で暮らすというのはもうごく当たり前のことになりつつあるわけですね。それに伴い、今申し上げたような環境の中で暮らす障害者もふえてくるわけです。そのことを踏まえて在宅の方々に対して現在の対応で十分かどうかということなんですが、御意見があったら伺わせていただきたいと思います。
#179
○政府委員(浅野大三郎君) 在宅の方々に対する対策、これはいわば住宅防火対策というふうに言ってもよろしいかと思いますが、私どもとしては今一番大事な課題の一つだというふうに思っております。
 と申しますのは、障害を持って避難が困難な方もたくさんいらっしゃいますが、同時に、非常に高齢であるがためになかなか避難できないという方も非常にたくさんいらっしゃいます。統計的には、これは年齢での統計しか出しておりませんものですから恐縮でございますが、ともかく住宅火災で亡くなる方の半分は六十五歳以上の高齢の方になっておりますから、一体そういう方々、障害者の方々含めまして避難が難しい方々の死亡の割合というものをどう減らしていったらいいのかということを考えておるわけでございます。
 いろんな対策がございまして、限られた時間の中で申し上げることはちょっと無理なのでございますけれども、私は、やはり早く火が発見されるということ、それが消防機関に通報されるということが一つあると思います。それから、できるだけ介助できる方が近くにいていただいて、いざというときには避難をさしていただくということがもう一つあると思います。それから、案外たばこの火とかなんとかそういうものが原因になるものですから、身の回りでなるべく火がぽっと出ない、炎が出ないような、例えばパジャマで毛布団でも、防炎製品、炎が出ないというのがありますから、それだとなかなかぽっと火が燃え上がりにくいようですから、そういうものをお使いいただく。
 以上のようなことを十分まず住民の方に知っていただくということが非常に大事だと思いますものですから、そういうものをトータルして一生懸命進めていきたいというふうに考えております。
#180
○説明員(松尾武昌君) 在宅障害者、高齢者に対します防炎対策につきましては、ただいま御答弁のとおり、消防庁において種々配慮いただいているところでございます。
 厚生省におきましては、身体障害者福祉法や老人福祉法等に基づく日常生活用具給付事業におきまして、緊急通報装置、これは消防署等に緊急の場合に通報する装置、あるいは火災警報機、自動消火器等の給付を行っているところでございます。さらに、本年三月に政府の障害者対策推進本部が作成しました障害者対策に関する新長期計画におきまして、防災対策施策についても今後十年間の基本的施策の方針を定めております。
 今後とも、消防庁ともよく連携をとりながら、在宅の障害者や高齢者の防災、安全対策に努めてまいりたいと思っております。
#181
○下村泰君 大変丁寧に消防庁がお答えいただきまして、ありがとうございました。
 最近、とにかくテレビの画面なんかを見ていましても、火事のニュースがあると、必ずお亡くなりになるのが幼児か高齢者なんですよ。あれを見るたびにもう少し何とかならないものなのかなと常に考えますので、よろしくどうぞ。
 それから、ここにマル適マークの基準という資料があるんですけれども、障害者、例えば視覚聴覚障害者への配慮は一体どのようにこの中に含まれているのか、それがわからないんですね。私が読む限りでは、それはないんです。そのきめの細かさがこの中には見えない。
 例えば聴覚障害者へはどうやって避難を知らせるのか、視覚障害者はどうするのか、車いすはどうするのかというようなことが全然配慮されていない。それでもマル適はマル適ということになるんですか。そうすると、事前にフロントに申し出ておけばそれでいいとして済ませてしまうのか。そういうことが一つも配慮されていないでマル適と。マル適というのはすべてにマルだから適合するんでしょう、マル適という意味は。かんてきや何かとは違うんだからね、マル適というのは。すべてがいいからマルとして適合の適がマークされているとなれば、ちょっとこれは配慮が足りないんじゃないかなというような気がするんですが、いかがですか。
#182
○政府委員(浅野大三郎君) 俗にマル適マークというふうに言っているわけでございますが、役所的な言い方をしますと防火基準適合表示制度ということですが、これは建築基準法なり消防法なりで規制というものが画一的に決められておりますが、要するに、その規制にきちんと合っているかどうか、それからあと、維持管理の面あるいは防火管理の面も若干の項目で見ておりますけれども、基本的には法令の規制に適合しているかどうかという観点で実はマル適マークというものを出しているわけでございます。
 そこで、今御指摘いただきました問題は現在の法令のもとで強制的に規制をされている事柄では実はないわけでございまして、障害を持った方々が例えばお泊まりになった場合に、万一火災があった場合、円滑に避難していただくためにはそういう施設もあった方がいいではないか、これはもう間違いないのでございますが、ただ、法律上そこまで一体義務づけることができるかどうかというような問題もあろうかと思いまして、現在のところ法律上の義務にはしていないということになっております。したがいまして、マル適マークを出す場合も、そこの項目はなくても、これは法令の基準は守っているわけでございますからマークは出るということでございます。
 私どもは今の考え方では、マル適マークというよりも、むしろ実際の、行政指導というと言葉がよくないかもしれませんけれども、そういう形でいろいろ御理解を求めていくということでとりあえずは進めていったらどうだろうかというふうに考えておるところでございます。
#183
○下村泰君 極端な言い方をすれば、大臣、障害者の方々は何もこんなところに物見遊山に来ることはないんだとか、あるいは遊びに来る必要はないんだとか、逆に考えればそんなふうにもとれるわけですよ。だから、そういう人たちに対して一番いい例が、私いつも申し上げるんですが、ハワイのホノルルのワイキキの浜辺に行きますと、あの浜辺にずっと車いすが並んでいるんですよ。
 江の島、鎌倉にはないんですよ。今度見てごらんなさい。世界からあれだけ大勢いろんな方々が来る。中にはお年寄りで動けない方もいましょう。ですから、どうぞお使いくださいって車いすがあれだけ並んでいるんですよ。江の島、鎌倉にあんなものを置いてごらんなさい。置くなそんなものと片づけられますよ、印象が悪いとか。ここが違うんですよ、この観念が。私はこの観念が何で日本人にもう少し広がっていかないのかなと。だから、国民全部がわからなきゃ皆様が音頭をとってこれは行政指導するしかないでしょうということを私はあえて言いたいんです。
 今もこういうことをお伺いしましたけれども、防火設備も含めた居住環境、人手すなわちマンパワー、予算、そして防火、安全への意識など、幾つも幾つも取り上げれば切りがないんです。それで、率直に消防庁に伺いたいんですが、事人命にかかわる問題なんです。遠慮は無用として、さらに安全を高めるために何をまず合すべきか。予算があれば相当やれるとも思いますけれども、そう言ったからといってすぐにやりなさいということではなく、これはみんなでやらなきゃならないことだと思います。他省庁、行政のことでもいいんですが、やるべきことについて何を考え、どうしたらいいのか。今もし長官に御意見があったらお述べください。
#184
○政府委員(浅野大三郎君) 先ほど来申し上げましたことと重複するかと存じますが、簡潔に申し上げますと、住宅防火という点では、特に高齢者、障害を持った方々と結ぶ火災の通報の設備というふうなものが一つ具体の施策としていろいろ考えられるんじゃないか。これはただ、消防の面で考えるのか、むしろ福祉の面であるいは考えるべき施策かもしれません。現に、地方公共団体の中には緊急通報システムというものをやって、その実行の際に、消防機関が二十四時間おりますからその一翼を担っておると、こういうようなやり方でやっているところもございます。例えばそういうようなこと。
 それから、やっぱり私は身の回りでなるべく燃えにくいもの、防炎製品をつけていくというようなことも非常に大事なことじゃないか、そういうようなことを具体的にできるだけ国民の方々に知っていただく、そういうことを進めたいと思います。
 それから、社会福祉の施設面につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、設計段階から総合的にいろいろ考えていかなきゃいけない、そういうことをできるだけ進めていきたいということでございます。
#185
○下村泰君 次に、自治体における公文書の点字について伺います。
 ここでいう文書というのは、住民が提出する文書と役所が出すものと二つあるわけですが、住民が提出する分については、ことし四月から都道府県として初めて大阪府が一部例外はありますが受け入れを始めました。
 自治省に伺うと、こうしたことは自治体の固有事務とのことなんだそうですが、さて、ここで自治省にお考えをいただきたいのは、東京の世田谷区ではパソコン点訳のシステムを導入したんですね。ことしからすべての公文書を点訳するんだそうです。ほかにも、すべての公文書ではないが市町村レベルで点訳しているところが幾つかあります。相当ふえています。パソコンシステムでなくても、決まった文書のものについては、点字の判このようなものがありまして、それも活用されています。こうした機器の導入等への助成も含めて、自治省としてこうした方向を促進する施策を考えられないでしょうか。例えば交付税の算定基礎とするとかいろいろあると思います。
 京都府の城陽市では、広報の点字版をつくったところ、視覚障害者の方から、大変ありがたく、同じ市民として扱ってもらえたと思いますといって喜ばれているんだそうです。この感覚ですね。この感覚が市民、国民に与えるというところ、私は大変な行政のあり方だと思うんですが、大臣、いかがでございますか。
#186
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に、交付税の関係でございますので私からちょっと申し上げたいと思います。
 先生も御案内のとおり、いろいろな役所の事務文書の取り扱いというようなものにつきましては、これはそれぞれの役所が独自に決めているという分野が多うございますので、交付税の基準財政需要額の算入の際にも包括的に役場、役所の事務費という形での算入を一般的にしておりまして、具体的にこういう点字というような財源措置は、現在の段階では交付税の措置ではちょっとやはり限界があるんじゃないかという気がしているわけです。
 ただ、今お話しの点を含めまして、身体障害者の方々とか高齢者の方々に対する優しい町づくりをしていこうという考え方は非常に強く出てきております。ハード面におきましてはいろいろな形で支援する措置がございますので、今お話しのようなソフト面につきましてもどういうことができるかという点につきまして、もう少し私どもも検討させていただきたいと思います。
#187
○国務大臣(村田敬次郎君) 障害者、高齢者などに対する下村委員のいろいろな御配慮は非常にありがたく承っております。
 今、全般的な問題について財政局長から交付税の問題をお答え申し上げましたが、温かい心を持って対応していかなければならないと思います。
#188
○委員長(佐藤三吾君) 時間が来ました。
#189
○下村泰君 委員長が時間だと言ってますけれども、あと一分残っています。
 世田谷区では、今後年金や保険にも利用したいそうです。障害者手帳及び年金手帳というのはまさに視覚障害者と関係のあるものなんですが、本当は厚生省が先にやらなきゃならないことじゃないでしょうか、世田谷区が今やっているようなことは。厚生省が今おくれているんですが、どういうふうにお考えですか。
#190
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者手帳は、身体障害者福祉法等に基づきまして各種福祉措置の対象であることを証明するものであります。福祉事務所の職員等が手帳の記載内容を確認することとしております。
 御指摘の点につきましては、具体的な実施の方法あるいは点字を付す事項等検討を要する事項がございますので、関係者の御意見を聞きながら検討してまいりたいと思います。
#191
○下村泰君 まだ残余ございますけれども、時間ですのでこれで終わります。
#192
○委員長(佐藤三吾君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#193
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本改正案では、地方交付税の総額を、四千億円の特例減額及び法定加算、覚書加算の先送りで、自治体に交付すべき本来の額より合計一兆一千億円も削減しています。
 今、地方自治体は高齢者保健福祉対策や環境問題対策など住民要求に即した新たな財政需要が山積しており、自治体の一般財源の拡充が強く求められています。にもかかわらず、その財源となる地方交付税の総額を増額するどころか、逆に大幅に減額することは、地方自治体と住民の要求を全く無視するものと言わなければなりません。このような交付税の削減を絶対に容認することはできません。これが反対する第一の理由であります。
 次に、私の質問の中で明らかにしましたが、本改正案は、国庫補助、負担金のカット分で六千七百億円、一般財源化で一千八十四億円の地方負担分をすべて交付税または地方債の増発で措置しています。これらは一九八五年度からの累計で見ますと九兆円前後にも上っており、国庫からの税財源の繰り入れがほとんどなく、結果的にこのような巨額が地方へ負担転嫁されたものと言わざるを得ません。また、これらが最終的に基準財政需要額に取り込まれることにより交付税の特定財源化を著しく強めており、二重に問題であると考えます。
 反対理由の第三は、本改正案では、地方単独事業を初めとする公共事業の拡大のため地方債の大増発を前提としていることであります。
 昨年秋と今年の四月の政府の総合経済対策では、対米公約と景気対策のため政策的に地方単独事業を大幅に拡大しておきながら、その財源はすべて地方債の増発という異例の措置を講じています。今年度の地方債発行予定は公営企業分を含めれば十兆三千六百億円という過去最高の額に上っており、これまで自治省が進めてきた財政健全化政策とも逆行するものであります。これに加えて、景気対策での地方債の大増発は、自治体の公債負担比率の増大をもたらし、かつてのオイルショックによる地方財政危機の再燃を懸念させるものであります。
 以上が本法案に反対する主な理由でありますが、最後に、自治大臣も認められました独立共有財源としての地方交付税の性格を政府が厳格に尊重するよう求めて、私の討論を終わります。
#194
○久世公堯君 私は、自由民主党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして賛成の討論を行います。
 今回提出されました地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の状況等にかんがみ、平成五年度分の地方交付税の総額について、地方交付税法第六条第二項による額に三百七十億円を加算した額から同法附則第三条による特例措置額四千億円及び交付税・譲与税配付金特別会計借入金元利償還額千八百二十四億円を控除した額とすることとし、特例措置額の四千億円に相当する額につきましては、平成六年度から平成十三年度までの地方交付税の総額に加算されることになっております。
 次に、平成五年度の普通交付税の算定については、自主的、主体的な地域づくりの推進など地域振興に要する経費、高齢者の保健及び福祉の増進、生活保護基準の引き上げ等の福祉施策に要する経費、教職員定数の改善、義務教育施設の整備、私学助成の充実、生涯学習の推進など教育施策に要する経費、森林、山村対策に要する経費及び地域社会における国際化、情報化への対応に要する経費などを措置するとともに、地域福祉基金費を設けることといたしております。
 以上のような措置を内容といたしております本法律案は、現在の経済情勢の動向、さらに国及び地方における財政状況などを踏まえれば、地方財政の円滑な運営にとりまして極めて適切なものであると考えられ、本案に賛成の意を表するものであります。
 なお、最近の景気動向にかんがみ、政府としては昨年度に引き続き今年度も大規模な経済対策を講じたところでありますが、地方団体は地方単独事業を積極的に計上して対応するなどその役割の重要性はますます高まっているところであります。政府におきましては、地域社会の健全な発展と地域住民の福祉の向上に果たす地方団体の重要な役割にかんがみ、今後とも地域振興を積極的に推進するとともに、地方財政運営の健全化を図りつつ地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 以上で政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する私の賛成討論を終わります。
#195
○岩本久人君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして賛成の討論を行います。
 本案は、三年連続した附則第三条に基づく特例減額が行われ、四千億円が減額されています。この減額について政府は公経済バランス論の立場から説明していますが、地方財政余剰論にはさすがに立脚していないとはいえ、地方団体共有の固有財源であるという地方交付税の性格や、昨年の本委員会での論議の経過、昨年秋の補正による特別会計からの借り入れ、今後の地方財政対策への影響を考えますと、極めて遺憾であります。
 しかも、国民健康保険の国庫負担縮減を初め、文教、厚生関係における国の負担金の理念なき一般財源化として事実上の地方転嫁が行われております。私たちも一般財源化自体は賛成ですが、権限の移譲や財源の移転もなく国の都合で国の負担金を地方へ押しつけることは問題だと言わざるを得ません。
 このような交付税額の圧縮や負担金の地方転嫁は、国の財政困難を地方財政に依存して切り抜けようとすることであり、地方税収の伸び悩みや地方債の大幅増発、公債費の増大を考え合わせると、今後の地方財政に与える影響が懸念される極めて遺憾な措置であります。したがって、地方自治、地方財政を尊重するならば、政府案には重大な問題があると言わざるを得ません。
 その一方で、政府案の中にも評価すべき点がないわけではありません。
 その第一は、森林、山村対策の創設であります。保存すべき森林の公有化、林業担い手基金の設置、林道整備の促進は、自治体からも要望が強いものであり、創設の意義は大変大きく、単年度に限らず引き続き充実していくことが求められていると思います。
 第二は、環境保全対策経費の二千億円の増額であります。今後とも、リサイクルの推進を初め地域における環境保全は大きな課題であり、一層の充実が必要であります。
 第三は、地域福祉の充実であります。地域福祉基金が四千億円計上されたのに加え、社会福祉系統経費も大幅に伸ばされております。ゴールドプランの着実な推進をするためにも来年度以降も拡充を図っていくべきであります。
 さらに、地域文化に対する支援措置や国際化対策などにつきましても地財計画に盛り込まれましたが、今後とも一層の充実が望まれます。
 日本社会党・護憲民主連合は、地方財源を十分確保した上で国への貸し付けを行なったというような政府の主張を受け入れるものではありません。特例減額について反対であることは、一昨年、昨年と同様、不変であります。しかし、歳出面の前進と現下における経済情勢等を総合的に勘案し、法案に対しては、決議を採択することによって交付税減額についての歯どめとするとともに、今後の地方財政の充実改善を期待し、賛成することといたしました。
 最後に、二度とこのような特例減額が行われることのないよう強く訴えまして、私の賛成討論を終わります。
#196
○続訓弘君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場で討論を行います。
 平成四年度末の我が国の国際収支は史上最高の千二百六十億ドルを超える黒字を生み、海外から集中批判を浴びましたが、一方、国内経済では、政府の楽観的な景気回復宣伝にもかかわらず特に中小企業の実態は深刻な不況状況下に置かれております。
 これらの影響は当然地方公共団体にも及び、地方公共団体は税収の落ち込みを将来財政負担を伴う起債でカバーしているのが実態であります。このような状況下にもかかわらず、本改正案において地方交付税の特例減額が前二年度に引き続いて本年度も四千億円行われております。このようないわば国が地方から借り入れる隠れ国債の累計額は四兆一千億円以上の巨額に達するのであります。
 今さら改めて申し上げるまでもなく、地方交付税は憲法に保障された地方公共団体の固有財源であり、加えて、地方公共団体の財政構造の実態や税収、財政需要の現状等々から見ても、地方公共団体固有の財源を国に貸し付ける余裕はさらさらないと言わざるを得ません。このことは、去る五月十八日、本委員会における参考人の意見開陳でも明らかなことであります。
 私は、さきの委員会で、地方公共団体の固有財源を国に貸し付けているいわゆる隠れ国債は国が地方へ早急に繰り上げ償還すべきである、仮に現状それが不可能な場合は来年度以降地方交付税の特例減額は昨年の当委員会の決議の趣旨からも絶対に行うべきでないと、自治、大蔵両大臣に強く申し上げたところであります。
 このような問題点はありますが、一方において評価すべき点もございます。
 本年度において、第二次のふるさとづくりが規模を拡大して継続されるようになったり、地域福祉対策として地域福祉基金が措置されたり、社会福祉のための経費の増額、保全すべき森林の公有化、林業の担い手対策、林道の整備等々森林、山村対策のための経費の創設、国際化対策及び地域文化振興対策のための経費の拡充、自動車公害、廃棄物、緑化対策など身近な環境保全の増額など、これらの施策は住民福祉の向上、社会生活の充実という視点から評価できるものであります。
 公明党・国民会議は、地方交付税の特例減額についてはあくまで反対でありますが、一日も早い不況からの脱出と地方自治の果たす役割の大きさを考慮し、賛成することにいたしました。
 また、本法案の審議の過程で村田自治大臣は、真の地方自治実現のために現在一万九百件を超える国の許認可権限を向こう三年間で五千件に半減したいとの強い決意を確約されました。この実現方と地方行政のさらなる発展を求めて、私の賛成討論を終わります。
#197
○吉田之久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し賛成の討論を行うものであります。
 民社党・スポーツ・国民連合は、地方自治の確立のため特に地方財源の拡充を最重要課題として取り組んでまいりました。この見地から、今回、政府から提出された平成五年度の地方交付税法の一部を改正する法律案については一応の評価ができるものであります。
 しかし、日本経済の深刻な不況は国のみならず地方財政にも及んでおり、地方財政の運営に大きな支障が生じています。
 自治省がまとめた平成三年度の都道府県普通会計決算の概要によると、実質単年度収支は昨年に引き続き七十一億円の赤字を計上、また市町村ベースで見ても五百三十九億円の赤字であることが明らかになっております。当然のことながら、四年度決算においてはさらに厳しい状況が予測されております。
 しかるに政府は、このような厳しい状況下にもかかわらず、地方固有の一般財源である地方交付税交付金を平成三年度五千億円、平成四年度八千五百億円特例減額したのに続き、今年度についても四千億円特例減額する方針を示しております。このように特例減額を続けるならば、国から地方への返済は実質的に棚上げされ、地方交付税は減額され続ける結果になり、地方公共団体に大きな影響が生ずることは明白であります。
 さらに、昨年度の交付税改正案採決の際に決議された政府は特例措置の慎重かつ適正な運用に努めることという趣旨を無視していると言わなければなりません。
 国の財源が不足し地方の財源余剰が表面上続いていることを理由に今後も特例減額を実行するならば、実質的に国から地方への返済は棚上げ、地方交付税はカットされ続けることになり、今後に問題を残すものであります。しかし、地方交付税改正案の成立が滞ることになれば地方公共団体への大きな影響を与えることは確実であり、ひいては日本経済の混乱が起こることも予測されます。
 よって、民社党・スポーツ・国民連合は、大局的見地から、以上の諸点を指摘しつつ賛成するものであります。
 今後、地方財源の拡充をすることと、地方交付税の特例圧縮を実施しないこと、そのためには租税徴収配分をフィフティー・フィフティーにするなど、基本的見直しが必要であると考えます。
 以上のことを強く申し述べて、私の討論を終わります。
#198
○委員長(佐藤三吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(佐藤三吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#201
○委員長(佐藤三吾君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 岩本君から発言を求められておりますので、これを許します。岩本久人君。
#202
○岩本久人君 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、民社党・スポーツ・国民連合、二院クラブ及び日本新党の各派共同提案に係る地方行財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方行財政の拡充強化に関する決議(案)
 政府は、地方行財政の長期的な安定と発展を図り、地方行財政の課題に的確に対応し、地域の特性を活かした自主的・主体的な地域振興と住民福祉の向上、環境問題への対応と生活関連社会資本の整備等の諸施策を着実に推進するため、左記の事項について善処すべきである。
 一、地方交付税は、国と地方の事務分担、経費負担区分に基づき、国と地方との税源配分の一環として設けられている地方団体共有の固有財源であり、とりわけ地方交付税法附則第三条に基づく特例措置については、昭和五十九年度改正の経緯及び地方交付税制度の趣旨にかんがみ、慎重かつ適正に運用すること。
 また、地方交付税を国の一般会計を通すごとなく、国税収納金整理資金から直接「交付税及び譲与税配付金特別会計」に繰り入れる制度を積極的に検討すること。
 二、地方財政計画の策定に際しては、住民の要請に応えるため、地方団体の意見を反映させ、地方団体が必要としている財政需要について、更に見直しに努め、的確に計上することとし、より地方の実態に即したものとしてその充実に努めること。
 三、地方行財政の自主性を高め、地方自治・地方分権を推進するため、地方団体への権限の移譲を進めるとともに、補助金等については一般財源化を含めその一層の整理合理化に努めること。なお、一般財源化された事務・事業については、国は十分その趣旨を踏まえ、地方行財政の自主性を高めるよう配慮するとともに、地方団体への負担転嫁にならないよう適切な財政措置を講ずることとし、特に不交付団体に対する財政措置に留意すること。
 また、存続する補助金等については超過負担の解消を図ること。
 四、高齢化社会に対応し、よりきめ細かな地域福祉を推進するため、地方団体が単独で行う社会福祉経費の拡充及び地域福祉基金の充実を検討すること。
 また、国民健康保険事業における住民負担及び地方団体の財政負担の現状にかんがみ、国保財政の在り方についての抜本的な検討を進めるとともに、その改善を図ること。
 五、地域の実情に応じた生活環境及び住民生活に密着した社会資本の整備を推進し、自主的・主体的な地域づくりを更に進めるため、地方単独事業の一層の充実が図られるよう財政措置を検討すること。
 また、交通、上下水道、病院等の基幹的社会資本を担う地方公営企業については、特別会計と一般会計との関係の見直しを含め、その整備運営に関する財政措置の充実を検討すること。特に地域において中核的役割を担う公立病院に対する経営基盤安定のための財政措置の充実を検討すること。
 六、地方団体が環境問題に対して積極的かつ主体的に取り組めるよう、環境保全経費の一層の充実を図るとともに、とりわけ森林・山村対策については引き続き充実を検討すること。また、国土保全上重要な公益的機能を有する農山漁村に対しては、これらの地方団体の財政力が脆弱であることにかんがみ、適切な財政支援措置を行うよう検討すること。
 七、地方団体の行う国際交流、海外支援事業を推進するとともに、在留外国人等に関する新たな財政需要に的確に対応するため、財政措置の充実を検討すること。
 また、地域における文化活動を積極的に支接し、特に文化振興に対する財政措置を検討すること。
 八、地方団体における完全週休二日制を推進し、住民サービスの向上を図るための財政措置を充実するとともに、高齢者福祉、地方単独事業、環境保全等の推進のため、地方財政・計画において、必要な人員の確保を図り、かつ十分な処遇を行うこと。
 また、安全で安定的な生活機能を維持し、かつ住民生活の安寧に資するよう、災害対策に万全を期するとともに、必要な消防力及び救急体制の整備が図られるよう努めること。
 九、現下の経済状況にかんがみ、景気対策を行うに当たっては、円滑な事業の執行を図るため適切かつ十分な財政措置を行うとともに、将来の地方財政運営に支障の生じないよう配慮すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#203
○委員長(佐藤三吾君) ただいまの岩本君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#204
○委員長(佐藤三吾君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、村田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田自治大臣。
#205
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#206
○委員長(佐藤三吾君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村田国家公安委員会委員長。
#207
○国務大臣(村田敬次郎君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
 最近、けん銃等の不法所持事件が急増しており、とりわけ、暴力団員以外の者によるけん銃等の不法所持事件やけん銃等を使用した凶悪犯罪が多発し、大きな社会問題となっております。
 この法律案は、こうした実情にかんがみ、けん銃等の不法所持の根絶を図るため、けん銃等の所持、輸入及び製造に関する罰則を強化するとともに、けん銃等の譲り渡し、譲り受けなどを禁止するほか、けん銃等を不法に所持する者がそのけん銃等を提出して自首した場合には、当該所持等に係る刑を減軽しまたは免除すること等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 まず第一に、罰則の強化についてであります。
 これは、けん銃等の不法所持を抑止するため、けん銃等の不法所持罪の法定刑を十年以下の懲役または二百万円以下の罰金から一年以上十年以下の懲役に引き上げるとともに、新たに不法所持罪の加重類型として、けん銃等を実包等とともに携帯し、運搬し、または保管した場合に三年以上の懲役を科すこととし、あわせて、けん銃等の密輸入及び密造を抑止するため、けん銃等の密輸入罪及び密造罪の法定刑を一年以上十年以下の懲役から三年以上の懲役に、それらの営利犯の法定刑を一年以上の懲役から無期または五年以上の懲役に、また密造罪の営利犯の罰金については三百万円以下から密輸入罪の営利犯と同じ五百万円以下に、それぞれ引き上げることとするものであります。
 第二に、けん銃等及びけん銃部品の譲り渡し、譲り受け等の禁止についてであります。
 これは、けん銃等の不法所持の蔓延を抑止するため、新たにけん銃等及びけん銃部品の譲り渡し、譲り受け等を禁止し、けん銃等の譲り渡し、譲り受け等をした者を一年以上十年以下の懲役に、営利の目的でこれらの行為をした者を三年以上の懲役または三年以上の懲役及び二百万円以下の罰金に、これらの行為の周旋をした者を三年以下の懲役にそれぞれ処すこととするなど所要の罰則を設けることにより、およそ不正取引に関与した者については確実に処罰されるようにすることとするものであります。
 第三に、けん銃等を提出して自首した者に係る刑の減免についてであります。
 これは、けん銃等の不法所持罪の決定刑を大幅に引き上げる一方で、不法所持者がそのけん銃等を提出して自首した場合に当該所持等に係る刑を減軽しまたは免除することにより、不法に所持されているけん銃等の提出を促すこととするものであります。
 その他、これらの改正に伴う所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概略であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#208
○委員長(佐藤三吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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