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1993/05/24 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 本会議 第18号
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1993/05/24 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 本会議 第18号

#1
第126回国会 本会議 第18号
平成五年五月二十四日(月曜日)
   午後零時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
    ―――――――――――――
  平成五年五月二十四日
   正午 本会議
    ―――――――――――――
 第一 環境基本法案(閣法第六二号)及び環境
    基本法の施行に伴う関係法律の整備等に
    関する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 日程第一 環境基本法案(閣法第六二号)及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 両案について、提出者の趣旨説明を求めます。林国務大臣。
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(林大幹君) ただいま議題となりました環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 今日の環境問題は、地球環境という空間的広がりと、将来の世代にわたる影響という時間的な広がりとを持つ問題となっております。環境問題は、二十一世紀に向けて真に豊かさとゆとりを実感できる社会の形成を目指す我が国にとって重要な政策課題であるばかりでなく、人類の生存基盤としての有限な環境を守り、次の世代へと引き継いでいくという人類共通の課題でもあります。
 我が国では、かつて経済の高度成長期において環境汚染や自然破壊が大きな社会問題となり、これに対処するため、昭和四十二年の公害対策基本法の制定とこれに引き続く昭和四十五年の公害関係十四法の制定または改正、昭和四十七年の自然環境保全法の制定等により鋭意対策の推進を図ってまいりましたが、これらに基づく対策の推進及び国民や企業の努力によって、激甚な公害の克服やすくれた自然環境の保全については相当な成果を上げてまいりました。
 しかし、その後の経済的発展の中で、物質的にはより豊かになったものの、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動が定着するとともに、人口や社会経済活動の都市への集中が一層進んでおり、そのような中で、大都市における大気汚染や生活排水による水質汚濁等の都市・生活型公害等の改善は依然として進まず、また、廃棄物の量の増大等による環境への負荷は高まっており、さらに、身近な自然が減少を続けている一方、人と環境とのきずなを強める自然との触れ合いを大切にする国民の欲求が高まりを見せております。
 また、地球温暖化やオゾン層の破壊、海洋汚染、野生生物の種の減少など地球的規模で対応すべき地球環境問題が生じ、人類の生存の基盤であるかけがえのない地球環境が損なわれるおそれが生じてきております。昨年六月に世界の国々の首脳が集まって開催された地球サミットの成果も踏まえ、我が国としても積極的に取り組んでいく必要があります。
 環境は生態系の微妙な均衡によって成り立っている有限なものであり、人類はこのような環境をその生存の基盤として将来の世代をも含めて共有しており、また、環境から多くの恩恵を受けるとともに、環境にさまざまな影響を及ぼしながら活動しています。このため、広く国民、ひいては人類が環境の恵沢を享受するとともに、将来の世代に健全で恵み豊かな環境を継承することができるよう適切にその保全を図らなければなりません。
 今や、この環境を保全していくためには、環境の保全上の支障が生じないように科学的知見を充実して未然防止を図るとともに、国民一人一人が環境への負荷が人のさまざまな活動から生じていることを認識し、すべての者の公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に経済社会システムのあり方や生活様式の見直しを行い、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築することが求められています。
 また、地球環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び我が国の経済社会が国際社会と密接な相互依存関係にあることにかんがみれば、我が国は、その経験、能力等を踏まえ、世界の国々と手を携えて、地球環境保全に積極的に取り組んでいかなければなりませ
 ん。
 こうした状況を受け、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを示す新しい基本法を国民的合意として定立するよう、ここに環境基本法案を提案することといたした次第であります。
 次に、環境基本法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、環境の保全についての基本理念として、環境の恵沢の享受と継承等、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等及び国際的協調による地球環境保全の積極的推進という三つの理念を定めるとともに、国、地方公共団体、事業者及び国民の環境の保全に係る責務を明らかにしております。
 第二に、環境の保全に関する施策に関し、まず、施策の策定及び実施に係る指針を明示し、また、環境基本計画を定めて施策の大綱を国民の前に示すこととするとともに、環境基準、公害防止計画‘国等の施策における環境配慮、環境影響評価の推進、環境の保全上の支障を防止するための規制の措置、環境の保全上の支障を防止するための経済的な助成または負担の措置、環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進、環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進、環境教育、民間の自発的な活動の促進、科学技術の振興、地球環境保全等に関する国際協力、費用負担及び財政措置など基本的な施策について規定しております。
 第三に、国及び地方公共団体に環境審議会を設置すること等について規定しております。
 なお、衆議院におきまして、「環境の日」を設けることを内容とする修正が行われております。
 次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました環境基本法の施行に伴い、公害対策基本法を廃止するほか、自然環境保全法等の十八法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めるものであります。
 なお、衆議院におきまして、環境基本法案の修正に伴う所要の修正が行われております。
 以上がこれら二法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中尾則幸君。
   〔中尾則幸君登壇、拍手〕
#6
○中尾則幸君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表しまして、ただいま政府から提案のありました環境基本法案について幾つか御質問いたします。
 まず初めにお聞き願いたいと思います。
 「谷中と鉱山の闘いなり。官憲これに加わりて銅山を助く。人民死を以て守る。何を守る。憲法を守り、自治を守り、祖先を守り、ここに死を以て守る。」これは足尾銅山鉱毒問題と闘った田中正造翁の日記、明治四十三年四月一日の一節であります。
 それでは質問に入ります。
 提案の理由によりますと、政府案は、人類生存の基盤である地球環境が悪化している現状や、都市型、生活型の公害が依然改善されないことを重く見て提案されたものと言われております。そこで、まず地球環境の現状認識に関して若干お尋ねいたします。
 環境庁長官は、地球温暖化やオゾン層の破壊、海洋汚染、野生生物の種の減少などを指摘されました。今ここでこうして論じているうちにも、事態はこれまでの予測をはるかに超えて進んでおります。例えば、昨年発表された環境庁と気象庁による報告によりますと、オゾン層の破壊が非常に速くなっております。南極はかりでなく北極でも減少し、国内では札幌で減少傾向が初めて確認され、日本全体の皮膚がん等の発生率も高まっているそうです。また、FAOが九〇年に発表した森林資源の評価によれば、最近十年間の減少面積は一千六百八十万ヘクタール、減少率は年一・二%、それまでの倍のスピードと報告されております。
 総理はこのような危険な状況について一体どう認識されておられるのでしょうか。そして、この国会においては、政治改革、PKO問題と並んで、地球環境の悪化に対応して、例えばフロンガス等の回収及び生産の禁止、熱帯木材の使用及び輸入の規制などの具体的な措置を急ぐべきではなかったのでしょうか。また、この法案はそのような緊急な措置をとる上で果たしてどんな役に立つというのでしょうか。
 政府案は地球環境保全について次のように定義しております。すなわち、「人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの」というのです。そうだとすれば、地球環境の問題が実際には国民の健康で文化的な生活に直ちには響かないという理由で施策が後回しにされることにはなりませんか。地球環境をこのように狭く定義したのは現行の環境庁設置法の制約があるためと言われておりますが、それなら環境庁は設置法を同時に改正すべきではありませんか。
 ところで、総理は先日の衆議院環境委員会で、環境基本法によって「新しい価値観」が成立すると言われました。そこで、その意味するところをお尋ねしたいと思います。
 私は、既に人類共通の価値として理解されている平和と人権といった理念に、環境という新たな価値が加わったものだと考えております。昨年六月に採択された「環境と開発に関するリオ宣言」は、その世界史的な価値観を新たに編み上げたと言えるでしょう。総理が言われる「新しい価値観」もそのような意味と理解してよろしいでしょうか。もしそうだとすれぼ、この法案がそのリオ宣言に忠実な内容になっているかどうか吟味されなければなりません。例えば、その第一原則に「人類は、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る権利がある。」とその権利をうたっていますが、本案のどこにそれが生かされていますか。「限りある環境の恵沢を分かち合う権利」をどうして明記することができなかったのでしょうか。
 また、例えば宣言の第十及び第二十原則は、市民、とりわけ女性が公共機関の意思決定過程に参加する権利を主張したものです。政府案にこのような規定が全くないのは一体どうしたことでしょうか。それにもかかわらず、国民には「日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。」と責務ばかりを強調していますが、国や自治体に対する提案権、措置請求権異議申し立て権、情報開示請求権などの権利が保障されないのに、どうやってこの責務を履行することができるでしょうか。
 責務について国にこのようなお説教をされなくても、多くの市民は既に努力を始めており、例えば札幌ではことしからごみの一日百グラム減量作戦に市民全体で取り組んでおります。もちろん私も家族もこれを実行しておりますが、市民には責務と同時に環境保全を実践するための権利があってしかるべきです。そして、このように日常何らかの取り組みを実践しておりませんとその必要性にはなかなか気づかないものであります。そこでお尋ねしますが、総理を初め関係大臣は、地球市民として毎日環境への負荷を減らすためにどんな努力をされておられるのでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
 次にお尋ねしたいのは、政府案には限りある資源をいかにして守るのかという視点がないことについてであります。
 今、地球上の資源消費量のうち九割までが、世界人口の二割しかいない先進工業国で使われているなどと言われております。日本が世界有数の大量輸入、大量消費を続けている例えば食糧、木材、石油などについて、この法案まどうこたえようというのでしょうか。具体的な施策の方向が見えるようにお答え願いたいと思います。
 グローバルな視点に立って環境負荷の少ない社会をつくるというのなら、私は少なくとも次のような施策が提起されるべきだと思います。
 その第一は、日本は海外からの資源を大量に輸入、消費していますが、これを大量輸出する外国がどのような影響をこうむっているのか、環境面だけでなく、政治、経済、社会、文化など多方面から実情を調査し、その結果を日本の消費者に知らせるようにしたらいかがでしようか。総理、お答え願います。
 第二は、グリーンGNPの開発を待つまでもなく、既に一九六〇年代末にノルウェーで導入され、また八五年に開かれたOECD閣僚レベル環境委員会でその開発が宣言された自然資源勘定を日本にも導入してはいかがでしょうか。
 第三に、総理、内外の農林漁業が環境保全型産業としての本来の機能を発揮できるよう配慮もしくは誘導することです。これらについて積極的な御答弁をお願いいたします。
 次に、衆議院の審議で最大の焦点でありました環境アセスメントの法制化についてお尋ねいたします。
 総理は、法制化も含め所要の見直しについて検討すると答弁されました。しかし、一体いつからどんな作業を開始するおつもりなのでしょうか。それがわからなければ、まるで雲をつかむような話と言わざるを得ません。それに、一九八四年に閣議決定された要綱に基づく今の制度を振り返って、これが不徹底、不十分と認識されているのかどうか、明確にしていただきたいのであります。
 私は、今の制度は次のような欠陥を抱えていると考えています。その一つは、開発事業の実施に必要な免許や許認可の事務を行うに当たって、その権限を持った当局は、当該免許等に係る法律の規定に反しない限りにおいて環境の配慮がなされているかどうか審査することになっている点であります。これに対して八一年に初めて政府が提出した環境影響評価法は、それぞれの規定にかかわらず環境配慮がなされているかどうか審査しなければなりません。制度としては現状よりも後者の方がよほどすぐれていると言わねばなりませんが、いかがでしょうか。
 二つ目には、八四年の閣議アセスの決定以前に計画が定められたものは対象外とされていることです。しかし、その個別事業の実施がアセス要綱決定後となる場合にはアセスメントを実施すべきであります。この点は建設大臣もお答え願います。
 三つ目は、発電所の立地についてはこの閣議アセスの対象でさえありません。七七年七月に通産省が決定したところによって行われるいわば省議アセスとされており、これでは不十分と言うべきではありませんか。さらにまた、準備書及び評価書に対する住民の意見や異議の申し立て権が担保されていないこと、いわゆる第三者によるアセスのシステムがありません。事業当事者によるものだけでは信頼性に欠けるのは当然であります。住民から見た不備を改善すべきではありませんか。
 そこで、社会党はこのような欠陥を克服できるシステムについて検討し、その結果を別途環境影響評価法案として今国会に提案した次第であります。政府案とともにこの法案を審議していただくことをこの機会に強く要望しておきたいと思います。
 ところで、環境アセスメントの法制化によって一番影響を受けるのは恐らく建設業界でありましょう。所管の建設大臣、法制化の必要性についてどう判断されておりますか。総理が関係省庁一体となって現状を見直すと約束していますが、建設省の積極的な参加、協力が得られるか心配でなりません。
 なお、総理並びに建設大臣は建設業界の体質改善に向けてどのような努力をされておるのか、この際報告をしていただきたいと思います。金丸元副総理の事件によって明るみに出たやみ政治献金、使途不明金、談合等の問題を解決できる展望が開けるのでしょうか。
 さらに、衆議院における審議で不明確なままに終わっている点について幾つかお尋ねします。
 その一つは、この法案の提案理由の一つとされている都市型、生活型の公害が、人口及び産業の大都市への過度の集中によってもたらされていることについてであります。そこで、国土庁長官、これは環境面から見れば国土利用計画や全国総合開発計画は失敗だったということになりませんか。どのような反省をしているのか御答弁いただくとともに、今後大都市への集中に歯どめをかけるためどんな施策を準備されておられるのか承りたいのであります。
 次に、環境基本計画の実効性を担保するには、法案の中で政府がその実施計画を策定すると明記すべきではないでしょうか。どうしてこれができないのかさっぱりわからないのであります。また、事業者に対してその情報を公開するよう指導する根拠規定、さらに海外での事業活動に際して環境配慮を行うよう指導する根拠規定も必要じゃありませんか。また、総合的な環境行政の機能を強化するための規定も必要だと思います。これらについて政府の前向きな見解を伺いたいと思います。
 最後に、アメリカNASAの元宇宙飛行士の言葉を御紹介して質問を終わります。「宇宙から地球を見たとき、だれでも大気層のひ弱さにショックを受ける。環境とエコロジーへの配慮なしには人間が生きていけないということがよくわかる。」
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、地球環境の現状についてどのように認識をしているかというお尋ねでございました。
 今日、先進国を中心とする経済活動が高度化をしてまいりましたし、また開発途上国を中心とした貧困や人口の急増などを背景として、地球温暖化あるいはオゾン層の破壊、熱帯林の減少等の地球環境問題がいわば顕在化をしてまいったと考えております。地球環境の保全は人類共通の緊急かつ重大な課題であります。世界各国と手を携えながら早急に取り組まなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
 この環境基本法は、地球環境時代における環境保全の新しい理念を明らかにするとともに、環境保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。政府としては、個別の対策といたしましてはかねてから、オゾン層保護のために特定フロン等の製造の規制あるいは御指摘の熱帯木材の利用合理化の推進など地球環境保全への取り組みを具体的には個々に進めておりますが、今後、国際的連携を図りながら環境基本法に基づいて施策を総合的に推進することにより地球環境保全に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 環境基本法案はこのようにして、基本理念として環境の恵沢の享受と継承などを掲げております。この法案が法律として成立いたしました後は、国、地方公共団体、事業者、国民などがこのまうな新たな基本理念のもとに物を考え行動することとなると考えております。
 それから、具体的に私が毎日環境への負荷を減らすためにどういうことをしているかというお尋ねでございました。
 私自身は日本の貧しい時代に育った人間でございますので、自然に電気を消して回るとか顔を洗うときに水を出しつ放しにしないとか、そういうもったいないということは自然に親から教わってまいったと思いますけれども、しかし新たにまた環境の問題が起こっておりまして、省エネルギーあるいは資源のリサイクルといったようなことをこれからももっともっと心がけていかなければならないと思います。例えて申せば、冷暖房の温度のことであるとかあるいは再生紙の使用、古新聞、雑誌のリサイクルであるとか空き瓶のリサイクル、あるいはいわゆる過剰包装はやめた方がいいとかいろいろございますけれども、自分も心がけてまいりたいと思います。
 それから、日本に対する資源輸出国の環境問題等の調査、国民への報告ということにつきましては、昨年のUNCEDを契機として環境問題がこのような国際的な問題として再確認をされました。我が国としては、国際社会に占める我が国の地位にかんがみまして、地球環境保全のために国際的枠組みをつくりまして、環境協力を通じ積極的に貢献していきたいと考えます。このような考え方に立ちまして、ただいま御指摘のような点も十分これから検討し実践していく必要があると思います。
 それから、農林水産業については、確かに国土・環境保全といりた多面的かつ公益的な機能を果たしているというふうに考えます。最近こういう認識が非常に高まってまいりました。こういう機能は農林水産業活動を通じて維持増進されていくものでありますので、農林水産業というものを考えるに当たってもこういう物の考え方は大事である、そういう施策の推進に努めてまいりたいと思います。
 アセスメントの法制化ですが、これまでも的確な環境影響評価の推進に努めてはまいりましたが、環境基本法が成立をいたしました暁には、現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体になりまして調査研究を行い、その結果を踏まえまして、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化も含めまして所要の見直しについて検討してまいりたいと思います。
 建設業についてのやみ献金等々についてお話がありまして、建設業における独占禁止法等関係法令の遵守については従来より指導を行ってまいりましたが、さらにその一層の徹底を図る必要がると思います。また、公共工事の入札制度について、透明性、競争性を一層高めるための改善策か現在建設省において取りまとめたところでございます。今後その的確な実施を図ってまいりたいと思います。
 いずれにせよ、法令の遵守、制度の改善とあわせて、これは関係者のモラルの問題でもあります。全力を挙げて国民の信頼確保を図ってもらいたいと考えております。
 使途不明金の課税でございますが、税法あるいは税務行政という立場から申しますと、どうしても使い道が言えない、わからないというものについてなし得る最大のことは、それでは使ったことを認めません、損金としては算入できませんということで対応しておるわけでございまして、不正行為がございましたらまたそれなりの法制がございますが、法人税制の枠内としてはこれが精いっぱいの措置ではないかと考えます。もとより、これからの問題としてどう考えるかということでありますと、それはやはり税制としては、支出として、経費としては認めないというととが限界であると思いますけれども、もちろん商法、刑法等の関連で検討さるべき問題があれば、それはそれとして指摘をすべきものであるというふうに思います。
 なお、残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(林大幹君) 私に対する御質問に対しまして中尾先生にお答えいたします。
 まず、地球環境保全の定義でございますが、御懸念のような限定的な趣旨ではございませんで、地球環境保全が人類共通の課題であるとともに、我が国の国民自身の現在及び将来にかかわる問題であるとの観点を明らかにするためのものでございます。したがいまして、現時点で環境庁設置法の改正は考えておりません。
 次に、リオ宣言の原則第一についてでございますが、この考え方は環境基本法案第三条の基本理念において明確に位置づけたところでございます。しかしながら、こうした考え方を法律上の権利として位置づけることにつきましては、権利としての具体的内容や法的性格が明確ではないということから困難と考えたものであります。
 次に、市民や女性の政策決定過程への参加や国民の責務についてでございますが、環境基本法案では、リオ宣言の趣旨をも踏まえ、すべての者が参加して環境保全の努力を行うことができるよう所要の規定を設けたところでございます。これにより国民の責務を果たしていけるものと考えております。
 次に、環境への負荷を減らすための努力についてでございますが、私としては、日常の生活の中で物を大切にし長く使用できるように、我が国の古きよき伝統を受け継いだ生活を営むように心がけております。
 次に、食糧、木材、石油などについての環境面からの施策の方向についてでございますが、環境基本法案は、すべての者が公平な役割分担のもとに自主的、積極的に環境の保全に関する行動に取り組むことにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築すること等を基本理念として定めております。環境基本法を受けた各種施策の展開により、大量消費、大量廃棄型の社会を見直していくこととなると考えております。
 次に、自然資源勘定についてであります。国際的な研究の動向も踏まえながら関係省庁と共同研究を行っており、これを施策に活用することができるようその手法の開発に一層の努力をしてまいります。
 次に、閣議決定要綱に基づく環境影響評価についてでございますが、御指摘のようにさまざまな議論があることは私も承知いたしております。政府といたしまては今後とも現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえて、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化も含め所要の見直しについて検討してまいりたいと存じます。
 次に、環境基本計画の実効性についてでございますが、同計画が閣議の決定により定められるものであり、本計画の策定後は本計画の示す基本的な方向に沿って環境保全施策が実施されることとなるので、その実効性は担保されていると考えております。また、必要な場合には個別の法律等の枠組みにより計画を定めることが有効であると考え、実施計画の規定を設けなかったものでございます。
 次に、事業者に情報提供を指導することについてでございますが、事業者の権利義務に直接かかわるもので、個別具体的なケースに即して判断されるべき事項であり、基本的政策の方向を示すことを主な内容とする基本法にはなじまないと考えたものでございます。
 次に、事業者の海外活動についてでございますが、相手国の主権を尊重する見地から我が国が一方的な措置を規定することは適切でないと考え、環境配慮が適正に行われるよう事業者の取り組みの進展を図る措置については基本法第三十五条第二項に盛り込んだところでございます。
 また、環境行政の機能強化のための規定についてでございますが、環境基本法案では政府の環境の保全に関する施策の基本的な方向を示すこととしております。また、環境庁としても、政府全体の環境行政の中枢として、その企画立案、調整機能を十分発揮していきたいと考えております。これらにより施策の総合的かつ計画的な推進が確保されるものと考え、御指摘のような規定は設ける必要がないと考えたものでございます。以上でございます。(拍手)
  〔国務大臣中村喜四郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(中村喜四郎君) 私に対する質問は、第一問に、アセスの法制化に対する建設大臣としての基本姿勢はという御質問でございました。
 環境と調和した住宅・社会資本の整備を進める上で環境アセスメントは重要であり、建設省ではこれまで閣議決定要綱に基づき鋭意環境アセスメントを実施してきたところであります。環境基本法案成立の上は、その趣旨を踏まえ、閣議決定要綱に基づく環境アセスメントの一層の充実を図りつつ的確にこれを実施していきたい、このように考えております。
 環境アセスメント制度のあり方については、今後関係省庁との連携のもとに調査研究を行い、その結果を踏まえ、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、所要の見直しについて検討していきたいと考えております。
 次に、閣議アセスの要網決定前に計画決定されたものであっても、個別の事業の実施に際してはアセスを行うようにすべきではないかという御質問でございました。建設省においては、現行の閣議決定要綱が定められる以前に計画決定された事業についても、その実施に当たっては、環境への影響を考慮し所要の環境保全対策を講じているところであります。
 なお、閣議決定要綱が定められる以前においても、昭和五十三年には建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針を定め、対応の充実を図ってきているところであります。今後とも環境保全上の配慮の充実に努めていく所存であります。
 さらに、談合の防止、入札制度の改善等の検討を行っていると聞くがその検討状況はいかにという御質問でございましたが、建設省としては、入札・契約制度及び手続全般にわたりより一層の透明性、競争性を確保するために、具体的には、指名基準の具体的かつ明確な運用基準の策定、さらに、広範な参加機会を確保し技術力による競争が期待できるような新たな入札方式の導入、さらに、積算体系、手法に関する外部有識者から成る委員会において評価、検討を実施していく予定であります。そして、地方公共団体における入札手続の改善を図るために、最近でありますが自治省と協議会を設置して、その具体的な検討に入っているところであります。
 また、独占禁止法に違反する行為の防止については、これら入札・契約制度の適切な実施に加え、基本的には、独占禁止法等の周知について昨年十月に設立した財団法人建設業適正取引推進機構を通じて講習会等を行い法令遵守の徹底に努めていきたい、このように考えております。さらに、独占禁止法違反者に対しては、指名停止措置及び建設業法に基づく監督処分により厳正な対応を行っているところでありますが、特に再度の違反者に対してはより厳しい措置を講ずることとしたところであります。
 建設省としては、今後とも公共工事の入札・契約制度の公正かつ厳正な執行及び独占禁止法違反の未然防止に向け全精力を傾けて取り組んでいく所存であります。
 さらに、地球市民として毎日環境への負荷を軽減するためにどのような努力をしているか、このような御質問でございましたが、私にも子供がおり、将来のためにも環境問題に対しては常日ごろから関心を持っているところでありますが、私の育ちました茨城県では霞ケ浦の水質問題の解消というものが県民挙げての関心事になっているわけであります。私の政治姿勢としても、今後、周辺の下水道の整備あるいは畜産排水の処理、こうした問題を、市町村、県、こういったところと連携をとりながら、できましたらばできるだけ早い機会に、霞ケ浦にワカサギが戻ってくるような、そういう日本の代表的な湖沼となるように懸命に県民の一人としても取り組んでいきたい、このように考えております。(拍手)
   〔国務大臣井上孝君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(井上孝君) 環境保全のために何かしているかという御質問でございますが、顧みて特に何も申し上げられるようなことをしていないことに気づきまして、ざんきにたえないところでございます。しかし、先ほどの総理の御答弁と偶然同じでありますけれども、私も戦前の育ちでございまして、何につけてももったいないという気持ちが抜け切れません。食べ物を残したり、まだ使えるものを捨てることに大変抵抗を感じますし、
 平成五年五月二十四日 参議院会議録第十八号電灯やテレビを小まめに消すという習性が抜けないということぐらいかなと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それから、国土利用計画や第四次全国総合開発計画は人口の大都市集中を食いとめられなくて失敗ではないかという御質問がございました。
 昭和六十二年に決定いたしました第四次全国総合開発計画におきましては、東京一極集中を是正し多極分散型国土の形成を通じて国土の均衡ある発展を図ることを中心課題といたしております。このために、政府におきましては地方拠点都市地域の整備など各般の施策をやりてまいったところでございますが、最近の国土をめぐる情勢を見ますと、総じて、関西圏で都市人口の社会減が続いておりますほか、東京圏への人口流入がここ数年鈍化してきております。そういう傾向が出ておりますけれども、いまだ東京への集中がとまっているという状況にはないということでございます。したがいまして、現在国土審議会におきまして四全総の点検作業を行っていただいております。六月中には中間報告をいただき、本年中には本報告をいただける予定でございますが、その結果によりまして、必要あれば四全総の見直しを行うことを考えております。
 今後とも、一部地域への過度の集中を是正するとともに、環境保全に十分留意し、快適な生活空間の確保に努めつつ、各地域の発展の核となる都市圏域の整備等諸施策の推進に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(原文兵衛君) 横尾和伸君。
   〔横尾和伸君登壇、拍手〕
#12
○横尾和伸君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました環境基本法案並びに関係法案について総理並びに関係大臣に質問いたします。
 環境基本法は本来環境対策の憲法であり、大量なる生産、消費、廃棄が特徴となってしまった現代の物質文明を是正し、環境の恵沢の享受と持続的発展が可能な社会の構築をなし遂げる第三の文明樹立のかぎを握るべきものであり、また国民のライフスタイルの見直し、総点検を促すべきものでなければなりません。第三の文明とは、国民の生命、生活を中心に据える価値観がベースにならなければなりません。私は、この価値観の一部に提案された法案の樹立が位置づけられるべきと考えております。
 さて、我が党は、一九七三年六月に独自に環境保全基本法案を衆議院に提出して以来、今日までその趣旨の実現に一貫して努力してきたところであります。したがって、今回の政府案提出は甚だ遅過ぎたと言わざるを得ないのでありますが、地球環境問題も視野に入れるなど、従来の公害対策の概念より広い環境保全の施策を推進するためにその基本法案が提出されたこと自体に対して一歩前進と受けとめたいと思います。
 初めに、本法案の実効性について伺います。
 法案では、目的と基本理念が大変立派なものであるのに対し、これを支える全体の構造が見えません。基本法とはいえ内容に抽象的なものが多過ぎることに加え、締めるべき要所要所が逆に緩んでいるということであります。そこで、単刀直入に、本法案の制定により今後何が変わるのか、形式論議ではなく実態的な面からの代表例を挙げて明確にすべきであります。まずこの点につきまして総理の明快な答弁を求めます。
 衆議院においては法案修正により新たに「環境の日」を制定することが追加されました。しかし、さらに法制定の実効性を高め、かつこれを担保する意味からも、この「環境の日」を国民の祝日とし、国民の行動、実生活の中に定着を図ることがまさに画竜点睛となるものと思うのであります。この点に関しての総理の見解を伺います。
 次に、環境基本計画について伺います。
 法案の実効性を支える最も大切な柱の一つが環境基本計画だと考えます。この環境基本計画には、基本となる環境保全目標や達成の責務などが明示されるべきです。また、他の経済・開発計画等に環境保全の観点から一定の枠をはめる計画として位置づけるべきであります。しかし、法案ではわずか一章一条のみの規定であり、内容も位置づけも不明確で、何とも締まりがなく心もとないものとなっております。そこで、確認をしたいのですが、国土利用計画、生活大国五カ年計画等の計画はすべて環境基本計画と調和し整合するものと明示すべきだと思うのですが、総理のお考えを伺います。
 環境基本計画が理想的に機能すれぼ、法案の実効性は相当に高まるものと期待されます。中央公害対策審議会等の答申では、例えば地球温暖化問題については特に重要な課題であるとして、「既に政府の方針となっている地球温暖化防止行動計画をここに位置づけることが必要である。」と言っております。これはそのまま本法案における環境基本計画の中に地球温暖化防止行動計画を位置づけるものと理解してよろしいのか、この点について総理及び環境庁長官の明確なる答弁を求めます。地球温暖化問題の我が国の取り組みについては海外からも特に注目され期待されていることを十分に踏まえてお答えいただきたい。
 次に、環境影響評価について伺います。
 環境影響評価制度は開発を環境保全の側からコントロールする必要最低限の手段であり、法案第四条に規定される「持続的発展が可能な社会の構築」を目指す上からもどうしてもなくてはならない不可欠なものであります。我が党は一貫してこの環境影響評価制度の確立を主張し続けてまいりました。しかし、法案では環境影響評価制度の推進について「必要な措置を講ずるものとする。」としております。これほど大事な環境影響評価制度の法制化の推進について、進めるのか進めないのかわからない、あいまいな表現にとどまっております。本法にこそ環境影響評価制度の法制化を明確に盛り込むべきであります。この点について総理並びに環境庁長官の明快な答弁を求めます。
 汚染原因者負担の原則は、公害対策、環境保全対策の基本中の基本であります。現行の公害対策基本法及び自然環境保全法においては、汚染原因者の社会的責任を明確に定めているところであります。しかし、提出された本法案においては、国及び地方公共団体が原因者に負担させるように「必要な措置を講ずるものとする。」としているだけで、原因者の社会的責任を定める規定そのものがなくなり、不明確になっております。このことは環境対策の基本である汚染原因者負担の原則を不明瞭にするものであります。また、今後の環境行政に大きな禍根を残すものと危惧するものであります。この点について環境庁長官の明快な答弁を求めます。
 次に、放射性物質の対策について伺います。言うまでもなく、現在多くの国民の不安の原因になっているものの一つに放射能汚染の問題があります。国内においては、小規模ながら原子力発電所における事故の多発があり、国際的には、ロシアの旧ソ連時代から続いている放射性物質の日本海への無謀なる投棄等があります。地球環境問題の最たるものの一つと言えます。
 放射性物質の対策については、従来より公害対策基本法では環境行政の範囲から除かれていますが、環境憲法とも言うべき本基本法案の提出においても従来と何ら変わらないことになっております。しかし、法案第三条の「現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受する」という基本理念こそ、問題が急速に顕在化しているこの放射性物質の問題、対策に適用されるべきではないでしょうか。この第三条と原子力関係法案との関係について総理の明快なる答弁を求めます。
 ここで国内の現状に目を移していただきたい。水道水源の環境問題であります。
 今、我が国では、全人口の約二〇%に当たる約二千万人もの人々が、毎年のように健康によくないとされる臭い水道水を我慢を強いられながら飲んでおります。また、一万種類に及ぶ化学物質が身の回りを循環しており、複合汚染の問題も含め、水道水源への影響が懸念されています。しかも、水道の専門家は、通常の浄水処理技術ではこれらの原因物質を除去し切れない、このまま推移すれば河川などの水道水源の水質汚濁のために安全でおいしい水道水を将来にわたって供給することができなくなると悲鳴を上げている現状であります。
 このような現状に対し、法案ではその基本理念として、健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受すべきものとうたつております。基本理念に反するこのような大問題が現実にあるわけであります。今こそ水道水源保全のため、基本法の基本理念を生かして、新しい法制度を確立するなど抜本的対策を講ずるべきであります。ボトルウォーターや高価な家庭用浄水器の急速な普及に見られるように、国民は水道水に強い不安と不満を持っています。泣き寝入りを強いられる国民の悲しき自衛手段と映るのでありますが、いかがでありましょうか。この点に関し、総理、並びに安全で良質な水道水を確保するなどの水道行政を所管する厚生大臣、及び河川等の水質保全を所管する環環庁長官に今後の取り組みの決意を伺います。
 水の問題は身近な環境問題であるとともに、単に地域社会にとどまらず地球上のどの地域にも共通する普遍性を有しています。昨年の地球サミットにおいて合意されたアジェンダ21においても水資源の質と供給の保護がうたわれているように、まさに、地球的規模で考え足元から行動せよとのスローガンどおり地球環境問題への取り組みの糸口であるとともに柱であることを強く訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境基本法案は、地球化時代における環境保全の新しい理念と環境施策の総合的な枠組みを定めようとするものであります。環境基本法の制定によりまして、国、事業者や国民の環境保全への取り組みが促進されることとなると考えます。
 衆議院の御審議の際にも申し上げたことでありますけれども、こういう法律が制定されることによりましてやはり新しい価値観というものがそこに生まれることになる、それによってすべての人々の考え方が影響されてくることと思います。行政もまた当然そうでなければならないし、またそうなるというふうに考えます。
 それから、「環境の日」を国民の祝日とすることについてお尋ねがございました。
 衆議院で「環境の日」を設けることの修正が行われましたが、これを祝日にするかどうかにつきましてはまた別途の見地から御検討いただきたいと思います。国民がこぞって祝い、感謝し、また記念するということでございますから、それにつきましては既にいろいろな、勤労感謝についての日もございますし、またいろんな方面から祝日を設けるべきではないかという御意見もございます。我が国では祝日は十三日ございます。これは先進国の中でもどちらかというと多い方だそうでございますので、そういうこともひとつ御考慮をいただきたいというふうに考えます。
 それから、環境基本計画は生活大国五カ年計画等とどういう関連を持つかということにつきまして、もちろん国が決めました他の計画と環境基本計画は調和が保たれ、これは閣議で決定されることでございますので、環境保全に関する限りは環境基本計画の基本的な方向に沿ったものにならなければならない、閣議決定でそういうことが担保されているものというふうに考えます。生活大国五カ年計画は既に発足をいたしておりますけれども、このときに既に環境問題についてはかなりの意識がございまして、計画の中にあちこちにそういう配慮が見えておりますことは申し上げて間違いでなかろうと思います。
 それから、地球温暖化防止行動計画との関連ですが、環境基本計画は中央環境審議会の意見を聞き閣議決定により定めることとなりますが、地球温暖化防止行動計画の扱いについては、中公審等の答申でうたわれておりますとおり、温暖化防止対策の重要性にかんがみまして、既に政府の方針となっている行動計画を環境基本計画に適切に位置づけることになります。
 それから、法制化につきましてですが、政府といたしましてもこれまで的確な環境影響評価の推進に努めてまいりましたが、環境基本法が成立いたしました暁には、現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえまして、経済社会情勢の変化等を勘案しながら、法制化も含め所要の見直しについて検討いたしたいと考えております。
 それから、法案第三条の理念と放射性物質の問題云々、第三条と原子力関連法との関係でございますが、法第三条は環境に関する認識とその保全のあり方についての基本理念を規定したものであり、その理念は放射性物質による大気の汚染等につきましても当然適用されます。しかしながら、その防止のための具体的な措置は、既に整備されております原子力基本法その他の関係法律によって行うことが適当と存じます。
 水道水源の保全は、まさに御指摘のように重要な問題になりつつございます。そのための施策について政府部内で関係各省庁で鋭意検討を行っておりまして、緊急な課題になっておりますのでできるだけ早く結論を得て対処をいたしたいと考えております。
 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(林大幹君) 横尾先生の御質問にお答えします。
 私に対する御質問の第一は、環境基本計画における地球温暖化防止行動計画の扱いをどう規定するのか、こういうことでございます。
 環境基本計画は、ただいま総理からも御答弁がございましたが、中央環境審議会の意見を聞き閣議決定により定めることとなります。中公審等の答申でうたわれているとおり、温暖化防止対策の重要性にかんがみまして、既に政府の方針となっている行動計画を環境基本計画に適切に位置づけることとしており、その扱いにつきましては先生の御指摘のとおりと考えております。
 次に、アセスメントでございますが、環境影響評価につきましては、環境の保全上の支障を未然に防止する上で極めて重要と認識しており、これを環境基本法に法制的に位置づけるため、第二十条に「必要な措置を講ずるものとする。」と明確に規定いたしました。
 政府といたしましては、これまでも的確に環境影響評価の推進に努めてきたところでございますが、環境基本法案を成立させていただいた後は、現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえ、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化も含め所要の見直しについて検討をしてまいりたいと思います。
 次に「汚染原因者の社会的責任についてでございますが、環境基本法案第三十七条において、国等の公的事業主体が実施する事業に係る費用について原因者負担を規定しているところでございます。この規定は、公害防止事業費事業者負担法や自然環境保全法における原因者負担制度などの環境法制における既存の原因者負担に係る制度全般を位置づける観点から規定したものでございまして、適切な記述であると考えております。
 次に、水道水源を初めとする水質保全の問題についてでございますが、環境庁としても環境行政上の重要課題であると考えております。当庁とい平成五年五月二十四日 参議院会議録第十八号たしましては現在必要となる施策について鋭意検討を行っているところであり、これらの検討の結果を踏まえ、現行の対策の運用上改善を図る必要があるものにつきましては的確に対応するとともに、必要に応じ制度の検討、見直しなど適切に対処していきたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣丹羽雄哉君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(丹羽雄哉君) 水道水源の保全対策についてのお尋ねでございますが、安全でおいしい水道水を確保することが国民生活にとって大きな課題となっております。
 厚生省といたしましては、昨年の十二月に水道水質基準の拡充強化を行う一方で、今年度の平成五年度予算で高度浄水施設事業として三十四億円を計上いたしております。しかし、基本的には水道水の根っこの部分の水道水源についても抜本的な対策が重要でございます。法制的な対応を含めまして、関係省庁等の理解と協力をいただいて最大限の努力をしていく決意でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(原文兵衛君) 江本孟紀君。
   〔江本孟紀君登壇、拍手〕
#17
○江本孟紀君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま提案のありました環境基本法案、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 産業革命以降の技術革新は人類に大きな福祉拡大をもたらしました。しかし、今やそのことによって、フロンガス等によるオゾン層の破壊、二酸化炭素などの排出増による地球の温暖化、酸性雨、海洋汚染、熱帯林の減少など地球規模での環境破壊が進行しております。今日の人類の活動がこのまま数量的に拡大していけぼ、一九七一年にローマ・クラブが発表した「成長の限界」、一九八一〇年にアメリカ政府発表の「西暦二〇〇〇年の地球」等で警告されているように、地球環境の悪化は決定的となり、遠からず人類の危機を招くことは確実です。
 この環境を守るためにも、行政機関の責務、努力と国民一人一人の自覚と努力を集結し、長期的展望に立った対策をとり、人類と共存関係にある環境を維持させる必要があります。その意味でも、今国会で提出された環境基本法案は非常に重要な意味を持つものであります。内容いかんによっては後々の環境行政に大きな影響を与えかねません。この観点から、まず環境基本法の持つ意義、環境基本法の定義する環境の範囲について、総理及び環境庁長官の見解をお伺いします。
 次は、環境行政の機能強化についてであります。
 言うまでもなく、環境問題解決に一番必要なのは国民一人一人の意識であります。しかし、現在、国民にとって国の環境行政の顔は見えていません。国民がある環境問題について役所に対し尋ねたい場合あるいは何か行動を起こしたい場合、一体どこに問い合わせをすればよいのかわからないというのが現実であります。このことがNGO等に参加していないいわゆる普通の市民の方々の参加意識を阻害していると思われます。国民幅広くが環境保全活動に容易に参加できるよう、国としても情報提供の窓口整備や啓蒙啓発活動などの体制を整備すべきであります。
 また、地球環境保全のため、我が国は人的、技術的、資金面での幅広い国際貢献を行うとともに、国内においても従来以上の環境保全対策を強力に推進する必要があります。しかし、現在、環境庁は調整官庁にすぎず、環境関連の予算、権限は十七省庁にも分かれており、環境庁独自の環境行政は打ち出しづらい状況にあります。今後、国と地方の環境行政の機能強化を図るとともに、その一環として、環境庁に対し、他省庁の環境関係の権限の移管、省庁調節機能の強化、環境問題に関するデータの一層の集約などを断行し、環境庁を省へ格上げすべきだと考えますが、総理の見解をお聞きいたしたいと思います。
 第三は、環境アセスメント制度についてであります。
 日本は南北に長く、地域地域により環境の状態も異なっております。それにもかかわらず新たにアセスメント法を制定し全国画一的な環境アセスメントを実施するということは、現在のアセスメント基準より基準が緩くなる地域もあれば、全く開発に手がつけられない地域が出てくることも容易に予想されます。厳しい基準のアセスメント法を制定すれば、高速道路、鉄道の新設、発電所の建設等の公共の福祉に資する開発さえも不可能になる場合があり、地域経済の衰退、日本経済の停滞、ひいては国民生活水準の低下は避けられません。逆に緩い基準のアセスメント法を制定すれば、アセスメント基準をクリアしたとして開発の歯どめがなくなり、乱開発が勃発することは自明の理です。
 また、地方の時代の確立が大きな課題となっております。国の権限をいかに地方に委譲するかが問題となり、地方の独自性、自主性が求められている現在、新たに国が地方を縛る内容の法律を制定することは絶対に許されません。地域の独自性を尊重し持続可能な開発を推進するためにも、環境アセスメント制度は全国一律に統一すべきではありません。地域のことはその地域自身の住民の手にゆだねるべきです。そのためにも、昭和五十九年に閣議決定された「環境影響評価の実施について」の内容を再検討して地方公共団体の作成する環境アセスメント条例のガイドラインとし、それをもとに地方公共団体が条例を制定するよう国が行政指導するという方策が最善であると確信いたします。この点について、総理並びに建設大臣の意見をお聞きすると同時に、地方自治の尊重という観点から自治大臣の見解もあわせてお願いします。
 最後に、環境保全と経済的手法についてお聞きします。
 環境基本法案第二十二条第二項において、負荷活動を行う者に対し適正かつ公平な経済的負担を課すことにより、そのことがみずから環境への負荷の低減に努めることとなり、環境の保全上の支障を防止するための有効性を期待される場合は、その施策を検討、調査し、必要とあればその措置を講ずるとの内容が明記されております。私は、この条文は将来における環境税の導入の可能性を示しているのではないかと考えますが、いかがなものでしょうか。
 同じころ環境税とともに話題となったスポーツくじの場合は、その後、マスコミを初め国民各層や各党の検討、努力によって、その導入については論議の高まりと一定の認識が形成されつつありますが、環境税についてはもう少し、その内容を含め国民に対し周知と理解を求める必要があるのではないでしょうか。
 ただ、将来、環境保全と費用負担の問題は避けて通れない課題となることも確実であります。今後、環境税導入の是非、あり方、税収の使途についての技術的検討を進め、国民の意思をまとめる必要があると考えます。この問題について総理の御意見をお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境基本法の意義、範囲などについてお尋ねがございましたが、環境基本法案は地球環境時代に対応した新しい理念と施策の総合的な枠組みを定めるものであると考えております。そうして、国、事業者等の環境保全への取り組みの上でこれは画期的な意義を持つものと思います。
 また、法案に申します環境の保全の問題ですが、範囲は大気、水、土壌等の環境の自然的構成要素などに注目をし、これを良好な状態に保持することを中心的な内容といたしております。
 環境庁の問題でございますが、環境問題に的確に対応していくためには、国及び地方公共団体の適切な連携のもとに環境行政の取り組み体制を充実強化していくことが必要でございます。環境庁につきましても、政府全体の環境行政の中軸としてその機能が十分発揮されるように対応してまいりたいと思っております。
 それから、地方公共団体のいわゆるアセス条例のガイドラインの問題でございますが、政府としては、国及び地方におけるそれぞれの環境影響評価への取り組みは、双方相まって我が国における環境保全の総合的な推進に寄与しているものというふうに評価をしております。政府としては、これまでも的確な環境影響評価の推進に努めてまいりましたが、環境基本法案が成立いたしますと、現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえまして、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、御指摘の法制化等の点も含めまして所要の見直しについて検討してまいりたいと思います。
 それから、環境税につきましてもお触れになられました。
 環境問題に係る税制につきまして国の内外にいろいろな議論がございますが、大別して考えまして、これは環境汚染を抑制するためのいわばおもしと申しますか、インセンティブの反対のそういう抑制的な意味合いを持つ税制であるという考え方と、国内外の環境対策のためには非常な新しい財源が要るので、その財源調達手段としての環境税というものが必要だという二つの御議論があるように思います。
 いずれにしましても、この法案の成立によりまして、環境問題についての世上の意識は非常に高まってまいると思います。また、法案の成立の過程で国会及び各界各層の議論が起こっておりますので、環境政策全体の理念あるいは枠組みについての国内外での議論の進展をよく見きわめながら、この問題についてはもう少し引き続き勉強をしてまいりたいというのが私の考えでございます。
 残りの問題につきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(林大幹君) 江本先生にお答えいたします。
 私に対する御質問は、環境基本法の意義、またその範囲ということでございまして、この点につきましてはただいま総理からも御懇篤な御答弁がございまして、それに尽きているわけでございますけれども、私への質問でもございますのでお答えさせていただきます。
 まず、環境問題でありますけれども、これは豊かさとゆとりを実感できるような社会を目指す我が国の重要な課題であるということは、既に先生御案内のとおりでございます。有限な環境を次の世代に引き継ぐ人類共通の課題でもあるので、今日の環境問題に適切に対処するためには、社会経済活動や国民の生活様式のあり方を含め、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものに変えていくことが必要であります。したがいまして、環境基本法案は、これに対応した新しい理念と施策の総合的な枠組みを定立する大変意義のあるものであると考えております。
 また、その範囲でございますけれども、環境の保全は大気、水、土壌等の環境の自然的構成要素と自然の系に着目し、これを良好な状態に保持することを中心的な内容としております。したがいまして、その具体的な施策の範囲としましては、現在、従来型の産業公害の防止や自然環境の保全にとどまらず、都市・生活型公害、廃棄物の排出量の増大、地球環境問題等への適切な対応を想定しているものでございます。
 以上で終わります。(拍手)
   〔国務大臣中村喜四郎君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(中村喜四郎君) 私に対する質問は、環境アセスメント制度はそれぞれの地域の実情に応じて対応すべきではないか、そのためにも、昭和五十九年に閣議決定された「環境影響評価の実施について」の内容を再検討して地方公共団体の作成する環境アセスメント条例のガイドラインとして、それをもとに地方公共団体が条例を制定するよう国が行政指導すべきではないか、このような質問でございました。
 建設省としても、地域の環境の状況を踏まえてアセスメントを実施することが重要であると考えております。このため、地域の実情に精通している都道府県知事と連携し、関係住民の意見を聞きながらアセスメントの実施に努めてきたところであります。今後とも、地域の特性に応じた対策手法の工夫を図ることなどにより的確なアセスメントを実施していくことが重要である、このように考えております。(拍手)
   〔国務大臣村田敬次郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(村田敬次郎君) 江本議員の御質問のうち、環境アセスメント条例の制定についてお答えを申し上げます。
 環境影響評価、いわゆる環境アセスメント制度につきましては、既に広く地方公共団体で条例等に基づき実施をされているところでございます。環境アセスメントの具体的な実施方法につきましては、御指摘にありましたように地域により自然条件や環境汚染などの状況が異なっておりますので、地方公共団体の独自の条例の制定も含め、今後とも引き続きそれぞれの地方公共団体において判断されることが地方自治の尊重という観点からも望ましい、このように考えております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(原文兵衛君) 西山登紀子君。
   〔西山登紀子君登壇、拍手〕
#23
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になりました環境基本法案について総理並びに関係大臣に質問いたします。
 青い地球を青いままで子供たちに残してやれるかどうか、今日、環境問題は地球的規模で人類生存の重大な課題となっています。そして、今最も大切なことは、足元の環境問題、日本の現実にどう対応するかということです。
 日本の環境問題でいえば、水俣病問題が未解決で残されており、窒素酸化物などの大気汚染が全国的に深刻化している上、民活路線のもとで大企業本位の乱開発が全国で進められた結果、緑と自然が破壊されています。地球環境を守るためにも、まず我が国自身の環境・公害問題の抜本的解決に全力を尽くすべきだと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 環境基本法案が成立すれば、従来の公害対策基本法は廃止されます。公害被害者の方々からは、公害という文字が消えることによって政府の公害対策がさらに後退するのではないかという不安の声が寄せられております。そして、一方で財界などが産業公害は解決済みという立場をとっているだけに、政府が大気汚染などの公害対策を断じて後退させないという立場に立つのかどうかは極めて重大な問題です。総理並びに環境庁長官の明快な答弁を求めます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 その公害対策の焦眉の課題の一つである大気汚染に関する具体的対策についてお伺いいたします。
 昨年、自動車の窒素酸化物総量削減法が制定され、大都市地域でディーゼル車を低公害車に買いかえることを義務づけましたが、本年三月に決められた政府の基準では長期の買いかえ猶予期間が設けられ、しかも大都市部へ入ってくる自動車は野放しとなっています。これではいつまでたっても空気はきれいにならず、国民の命と健康を守ることはできません。我が党が昨年提案したように、事業所ごとの総量規制やステッカー方式による走行規制などの具体的対策を行うことがぜひとも必要です。環境庁長官はどのようにお考えで平成五年五月二十四日 参議院会議録第十八号しょうか。
 また、八八年に大気汚染の公害指定地域が解除され公害患者の新規認定が行われなくなりましたが、その後も地方自治体が認定している公害患者はふえ続けています。この重大な事態を政府はどう認識しているのでしょうか。この際、公害地域を再指定して被害者への補償に万全の対策をとるべきです。総理の答弁を求めます。
 以下、法案の内容についてお伺いいたします。
 環境保全対策の上で重要なことは、何よりも環境保全を優先し、すべての経済活動は環境保全の基準に反しない範囲で行われるようにしなければならないということです。その原則を貫くために、七〇年の公害国会で公害対策基本法から経済発展との調和条項が削除されたのです。ところが、本法案第四条には、「健全な経済の発展を図りながら」という経済発展との調和条項の復活を思わせる表現が盛り込まれております。経済発展の必要性を理由として環境保全の目標、基準を緩めるようなことは決してあってはならないと考えます。環境庁長官の御見解を伺います。
 次に、環境基準とその達成の問題です。
 本法案では公害対策基本法の環境基準を引き継ぐ内容になっております。ところが、窒素酸化物の環境基準についていえば、七八年に大幅に緩和された基準さえ、当初の達成期限から七年たった今日でもまだ達成されておりません。その上、環境庁は大都市部での目標を引き下げる見解すら示しております。さらに、自動車騒音の環境基準についていえば、すべての時間帯で環境基準を満たした地点は全国で一三%にすぎません。このような状況を速やかに抜本的に改善する必要があります。環境基準の達成について政府が真剣に取り組み責任を負うようにするためには、これを単なる望ましい目標ではなく、期限を切って必ず達成しなければならない目標としての明確な位置づけをすべきではありませんか。環境庁長官の明快な答弁を求めます。
 次に、環境基本計画を策定するとしている点についてです。
 私は、国土開発計画など環境に影響を与える各種開発計画は、環境保全の基本計画に合致するものとして立案しなければならないことを明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、基本計画には、ユネスコの勧告が出されていることも踏まえて、京都、奈良、鎌倉などの歴史都市の景観やすくれた自然環境の保全も盛り込むべきであると考えますが、あわせて総理の答弁を求めます。
 さて、昨年の地球サミットでのリオ宣言でも指摘されているように、環境対策への住民の参加と環境問題にかかわる情報の公開は、今日国際的に認められている環境保全にとって不可欠の民主的原則です。ところが、本法案ではこの点が明確にされておりません。情報公開を進めるとともに、環境審議会に被害者や住民の代表を参加させることを明記すべきです。環境庁長官、いかがでしょうか。
 総理、国民は環境アセスメントの法制化を強く求めております。今進められている長良川河口ぜきの建設については水質の汚濁や自然破壊が心配され、臨海副都心計画についても東京の大気汚染やヒートアイランド現象がますます深刻になることが懸念されています。このような現状に照らしてみましても、開発の当事者である建設省などが定めた要網に基づくアセスメントだけでは環境を守る保障とならないことははっきりしております。開発の計画段階から総合的なアセスメントを行えるように、アセスメントの法制化を強く求めます。総理の見解をお伺いいたします。
 また、本法案は、「環境の保全上の支障を防止するための経済的措置」の条項で、「負荷活動を行う者に対し適正かつ公平な経済的な負担を課すこと」としています。これは、本来事業者が負うべき負担を国民一般に転嫁する余地を残すものではないでしょうか。製品を使用するのは消費者、国民ですが、その製品が有害であったり廃棄処理困難なために環境に影響を与える場合、その責任は製造した事業者にあります。この汚染原因者負担の原則をあいまいにして、消費者、国民に責任と負担を押しつけるようなことになってはならないと考えますが、総理及び環境庁長官の答弁を求めます。
 最後に、私は、これまでも厳しい国際的批判を浴びている日本企業の公害輸出問題についてお伺いいたします。
 本法案は、日本企業の海外活動に関して「地球環境保全等について配慮するように努めなければならない。」とするだけで、アジア諸国などで問題になっている日本企業の公害輸出を規制する具体的条項はありません。我が国が真に国際社会の一員としての責任を果たし地球規模の環境問題に真剣に取り組もうとするのであれば、日本企業による公害輸出を規制する方策を明確に盛り込むべきではないでしょうか。総理の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国における公害問題等の解決が環境行政における重大な使命であることは申し上げるまでもありませんが、地球環境の保全も同時に我が国としてゆるがせにできない課題であります。政府としては、環境基本法に基づき、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を旨に、これらの環境問題の解決に向け各種対策の推進に努めてまいります。
 環境基本法が成立いたしましても、公害対策はもちろん後退させることはありません。公害対策基本法そのものは廃止されますけれども、その内容は環境基本法にすべて引き継がれるものでありまして、今後とも公害対策はさらに推進をし、これ以上のことをしてまいらなければならない。万全を期してまいりたいというのがこの法の精神でございます。
 それから、公健法の指定地域の再指定でございますが、現在の我が国の大気汚染はぜんそく等の疾病の主たる原因をなすものとは考えられておりません。このような状況においては、民事責任を踏まえた損害賠償保障制度である公害健康被害の補償等に関する法律に基づく第一種地域の指定を行うことは適当でないと思います。
 それから、環境基本計画と全国総合開発計画、各種計画等の合致、それから歴史都市等の保全についてお尋ねがありました。
 環境基本計画は環境の保全に関する政府全体の基本的な計画として閣議の決定により定められるものでありますので、国のその他の計画は、環境の保全に関しましては環境基本計画の基本的な方向に沿ったものにならなければなりません。閣議決定によってそのような担保をいたさなければなりません。
 また、環境基本計画に盛り込むべき事項を含めまして、今歴史都市等のお話がございましたが、具体的な内容につきましては、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進する上で適切かつ効果的なものとなりますように今後十分に検討していきたいと思います。
 それから、環境アセスメントですが、政府としては、これまでも的確な環境影響評価の推進に努めてまいりましたが、この基本法成立の暁には、内外の制度の実施状況に関して関係省庁一体となった調査研究を行い、それを踏まえ、また経済社会情勢の変化を勘案しつつ、法制化をも含め所要の見直しについて検討いたしてまいります。
 それから、「環境の保全上の支障を防止するための経済的措置」につきましては、個別の措置の具体的な仕組みにつきましては、具体的にだれに負担を求めるかなどを含めまして本条文の趣旨にのっとりまして適切に調査研究を行うとともに、個別の措置を講ずる必要がある場合には、広く国民的な議論が行われ国民の理解と協力が得られるように努めましてそのような措置を講じていきたいと思います。
 海外におけるいわゆる公害輸出ですが、事業者は海外活動に関しても、当該地域において環境保全上の支障を来さないように努めるべきものであります。そのような環境配慮が適正に行われますように、この法案の第三十五条第二項におきまして、我が国として情報の提供等必要な措置に努める旨盛り込んだところでございます。
 残りのお尋ねにつきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(林大幹君) 西山先生にお答えいたします。
 まず、環境基本法の成立後の公害対策についてでございますが、私は、かつて生じたような激甚な公害問題を再び引き起こしてはならないという強い決意を抱いております。そういう強い決意で環境基本法案の作成に当たったところでございます。今後とも公害対策の推進には全力を尽くしてまいりたいと思います。
 次に、事業所ごとの総量規制やステッカー方式による走行規制についてでございますが、いわゆる自動車NOx法の立案過程において十分検討いたしましたが、実施可能性あるいは効果を検討しました結果採用されなかったものでございます。
 次に、環境保全の目標、基準でございますけれども、第四条は、削除された経済との調和条項とはその趣旨、内容が異なっているものでございまして、また、個々の環境保全の目標、基準は科学的知見に基づいて設定されるものであるので、経済発展を理由に緩和されるべき性質のものでないと考えております。
 次に、環境基準についてでございますが、将来に向かっての行政上の政策目標として「維持されることが望ましい基準」と公害対策基本法に位置づけられており、環境基本法においてもこれを引き継ぐことが適当であると判断したものでございます。
 次に、情報の公開という表現についてでございますが、法令に用いる用語としましては情報の公開という言葉は定着しておらず、意味内容も明確でないために用いないことにじたものでございます。
 また、中央環境審議会の委員につきましては、環境の保全に関し学識経験のある者のうちから任命することとされており、国民各層の意見が幅広く審議に反映されるような委員構成になるよう努めてまいりたいと存じます。
 次に、経済的措置についてでございますが、環境への負荷を発生させる者に対して適正かつ公平な経済的負担を課することにより、その負荷の低減に努めることとなるように誘導することを目的とする施策を規定したものでございます。個別の措置の具体的な仕組みにつきましては、具体的にだれにいかなる負担を求めるかなどを含めて、本項に規定する調査研究等を踏まえ、国民の理解と協力が得られるよう検討してまいりたいと存じます。
 以上で答弁を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(赤桐操君) 中村鋭一君。
   〔中村鋭一君登壇、拍手〕
#27
○中村鋭一君 私は、民主改革連合を代表いたしまして、今回衆議院を通過いたしました環境基本法と、先日京都で開かれましたIWC総会に関連する鯨の問題について、二、三質問をさせていただきます。
 まず、最初の質問でありますが、環境基本法はいわば二十一世紀に向けての環境憲法と言うべきであります。しかしながら、この理念を実現するための具体的な実施規定は残念ながら不十分と言うほかはございません。
 五月二十一日付の朝日新聞の社説でありますが、「法案をつくる段階で、関係省庁の省益がぶつかりあった部分をそっくり削り落としたため、条文には「努める」「配慮する」があふれた。残念というほかない。」と言っております。試みに私が法案の中で数えましたところ、「努める」が二十四、「配慮する」が七ございました。
 もとより基本法でありますから理念に重点を置くのはわかりますけれども、それにしても、実施規定と将来に向けてのプログラムに乏しいと言わざるを得ません。「努めるものとする」は、努力をしたができなければ仕方がない、「配慮する」は、大いに気は使うけれども、これまた結果がだめなら仕方がないというふうにもとれます。これについて総理の、私の質問に対します配慮ではなくて熟慮の結果としての明快な答弁をお願い申し上げます。
 この「努める」「配慮する」のファジーさが例えばアセスメントの法制化を妨げているのではないか、このように思います。環境アセスメントの法制化は環境行政の大眼目であります。
 昭和五十六年に、当時の鯨岡環境庁長官は辞表を懐にされまして、不退転の決意でこの法制化に当たられました。当時私は参議院環境特別委員会にありまして、野党ではありましたけれども、鯨岡さん頑張ってくださいと異例の留任要請をした記憶がございます。残念ながら、他省庁の介入、牽制、横やりその他の事情がございまして、成立に至らず今日に至っております。本法律案では二十条に「必要な措置を講ずるものとする。」にとどまっておりますが、今ここで再び総理の法制化に向けての御決意をお聞かせ願いたいと存じます。
 次に、本法案の二十二条についてお尋ねをいたします。
 第二十二条、特にその第二項の規定の意味するところがどうも私にはよくわかりません。ちょっと二項を読ませていただきます。
  国は、負荷活動を行う者に対し適正かつ公平な経済的な負担を課すことによりその者が自らその負荷活動に係る環境への負荷の低減に努めることとなるように誘導することを目的とする施策が、環境の保全上の支障を防止するための有効性を期待され、国際的にも推奨されていることにかんがみ、その施策に関し、これに係る
 措置を講じた場合における環境の保全上の支障の防止に係る効果、我が国の経済に与える影響等を適切に調査し及び研究するとともに、その措置を講ずる必要がある場合には、その措置に係る施策を活用して環境の保全上の支障を防止することについて国民の理解と協力を得るように努めるものとする。この場合において、その
 措置が地球環境保全のための施策に係るものであるときは、その効果が適切に確保されるようにするため、国際的な連携に配慮するものとする。
となっておりますが、同僚議員の皆さん、この規定はよくおわかりになりましたでしょうか。おわかりにならないという声が多かったように思います。聞けばこれは環境税の導入に含みを持たせた環境庁苦心の条文であるとのことでありますが、環境庁長官、ひとつその辺のところを、この中のどの文言がその含みにつながるかを明快に御説明願いたいと思います。
 我々は安易な大衆課税には反対であります。だが、一方では、環境負荷の抑制でありますとか環境保全に国民が等しく負担をすることは当然やっていかなければいけないと思います。政府は環境税を想定しているのか。とすればそれは新税なのか、あるいは現行のエネルギー諸税、例えば石油に上乗せをするような課税を考えておいでなのか。それとも単にこの二十二条の二項において論議の余地を残しておこうとおっしゃるのか。御答弁をお願いいたします。
 次に、昨年ブラジルで地球サミットが開かれました。私も参加をさせていただいたのですが、この会議に残念ながら総理はお見えになりませんでした。肩身の狭い思いをいたしましたが、これは御事情がおありであったと推察をいたします。総理はその節ビデオテープでメッセージをお寄せになりましたが、その中で、日本としては環境ODAとして五年間に九千億から一兆円を援助すると述べられました。この環境ODAの具体的な内容、またその優先順位について総理のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、ODAの実施に当たっては透明性を確保すること、また被援助国における事業がかりそめにも環境破壊等につながることはあってはならず、したがって現地における徹底したアセスメントが不可欠であると思いますが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。本法案では三十五条に「配慮するように努めなければならない。」と言うにとどまっております。
 次に、今後現実に開発途上国にありましてNGO、民間団体が活動してまいりますが、本法案では三十四条に、民間団体の「活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。」と規定がございます。先般の湾岸戦争における重油流出の処理の際にNGOは大きな危険にさらされたと聞きます。また、カンボジアにおいては、仕事の種類と目的は違いますけれども、中田厚仁さんがとうとい犠牲におなりになりました。当然今後とも、地球環境保全のための活動でNGO、民間ボランティアが大きな危険にさらされることが予想されます。PKO論論の際にも、我々は文民に迫る危険について論議を深めなかったのではないかという反省がなされています。今度は後手に回るわけにはまいりません。対応策は確保できているのでしょうか。三十四条は各項すべて「努めるものとする」「努めなければならない」と規定するにとどめておりますが、その点に私は大きな不安を抱きます。いかがなものでございましょうか。
 次に、これも先ほど江本議員から御提案がありましたが、早急に環境庁を環境省に格上げいたしまして、環境庁に他省庁のすべての環境関係の権限を移譲し、国民から環境行政の顔はまさに環境省であると信頼と愛情を持っていただける官庁にすべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
 六月五日が「環境の日」と決まったことは大変うれしいことでございます。これも公明党の横尾議員から御提案でございましたが、私もまたこの日を、環境に対する国民的関心をさらに高めるためにも祝日とすべきと思いますが、いかがでございますか。
 さて、最後に鯨の問題についてお尋ねをさせていただきます。私の質問は、捕鯨再開を是とする立場からの質問でございます。もとより捕鯨の問題には多様な意見がございます。私の意見も、民主改革連合の会派としての意見を代表するものではございません。私個人の意見であることをお断りさせていただきます。
 先般、京都で国際捕鯨委員会が開催されました。国民各界各層の注目を集めましたが、結果としては、南氷洋鯨類サンクチュアリーの設定は回避されたものの、捕鯨再開は先送りをされ、我が国沿岸小型捕鯨に対するミンククジラ五十頭の暫定救済枠も否決をされてしまいました。ミンククジラは南氷洋に七十六万頭、沿岸に二万五千頭の生存が確認されています。海域全体では百万頭を超える生息が確実であります。そのうちのたった五十頭すらとってはいけないという、何の根拠も科学性もない、いわば理不尽な言いがかりをIWC総会においてなされたのであります。
 昨年の地球サミットでは、持続的開発の原則に沿って、鯨類を含む海洋生物資源を保護しながらその余剰分を持続的に利用していくことが合意されています。我が国では古くから、鯨を含めて海洋生物資源を子々孫々にわたって持続的に利用してまいりました。この環境基本法案に衆議院で付されました附帯決議におきましても、生物多様性の重要性にかんがみ、自然環境の現状を認識するための調査研究に努めることとされています。したがって、鯨の問題は、今日、感傷や感情に基づくものではなく、科学的根拠に基づいて冷静な議論がなされるべきであると思います。
 鯨を食べる文化のない国の人にそれを強制するつもりは全くございませんが、逆に言えば、自国にそのような文化がないからといって日本人が鯨を食するのを妨げる理由は絶対にないと思います。ヨーロッパの人たちは子羊の肉をラムとして大いに珍重しているではありませんか。
 また、今次の会合でアメリカは、環境保全ではなく政治的理由によって捕鯨再開は認められないとはっきりと明言をしているのであります。このような状況の中で、果たして我が国は国際捕鯨委員会の中にとどまっている必要があるのでしょうか。捕鯨再開へ向けての科学的根拠は出尽くしています。また、IWC総会後に公表されました五月十七日付の日本経済新聞の世論調査におきましても、最新の世論調査でありますが、捕鯨再開に賛成する人は六五%、反対をする人は一五%、これは再開に向けて全国民的支持が得られているものと理解されます。
 したがいまして、我が国としては、名実ともに存在の意義を失いましたIWCを潔く脱退して堂々と捕鯨を再開すべきであると考えますが、農水大臣の御見解と御決意を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) 環境基本法案におきましては、国、地方公共団体、事業者、国民、それぞれの行動原理としての基本理念、これを受けた責務をうたっておりますが、これにとどまらず、施策の指針や環境基本計画、各種各種の具体的施策に係るプログラム規定など、環境政策の具体的な枠組みを規定した法律案になっております。この基本法が成立の暁には、この枠組みに従いまして政府といたしまして環境政策を積極的に推進してまいりたい、このような心構えでおります。
 政府としてはこれまでも的確な環境影響評価の推進に努めてまいりましたが、この法案成立の暁には、内外の制度の実施状況等に関し関係省庁一体となって調査研究を行います。その結果を踏まえまして、法制化も含め所要の見直しについて検討してまいりたいと思います。
 次に、UNCEDの会合におきまして私から環境分野へのODAの大幅拡充につきまして発表をいたしました。また、援助の内容につきましても、地球の緑、水、空気の保全及び途上国の環境問題対処能力の向上に貢献をしていく旨の立場を明らかにいたしました。
 これは約束をしたが大丈夫かというお尋ねであったわけですが、これから改めまして五年間のODAをやがて策定していかなければなりません。既にその作業はかなり進行いたしておりますが、従来の五年間に比べまして相当の増額をいたさなければならない。またそれができる見込みがはっきりいたしておりますので、先ほど御指摘のありました九二年度より五年間にわたり九千億円から一兆円を目途とする環境関連の援助、開発援助、これは間違いなく実施をいたしてまいるつもりでございます。
 それから、その際に、途上国側のいろいろな事情あるいは各国の抱えております環境問題の実情をよくよく考えました上で、環境を悪くしないような援助計画というものには当然配慮をしていかなければならない、そういう心構えでやってまいりたいと思います。
 それから、国際協力の実施につきまして、当該国際協力に係る事業がその地域において環境保全の上で害があってはいけない、これは当然のことと思います。現在、三十五条で「配慮するように努めなければならない。」と言っておりますのは、地球環境保全等に配慮をするよう努める旨のそういう規定でございます。政府としては、もちろん援助をいたします上で環境配慮をさらにいたしていくことは当然のことでございます。
 それから、NGO等々につきまして、これまでNGO、民間団体の関係者の安全確保のため、関連情報の提供、通信連絡体制、備蓄の整備のため努力をいたしてまいりました。今後とも、海外、特に開発途上国において活動しておられますNGO、民間団体の皆様の安全確保には、もちろん適切に、最大の努力をいたしまして対処をしてまいります。
 環境庁の問題でございますが、今後政府一体になって環境行政の取り組みをいたさなければなりません。環境庁におきましては環境行政のいわば中枢として、環境庁の機能が十分に発揮されるように対応してまいりたいと考えております。残りの問題につきましては関係大臣からお答、えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣林大幹君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(林大幹君) 中村先生にお答えいたします。私に対する御質問は、基本法案の第二十二条第二項についてでございます。
 今日の環境問題を解決するに当たりましては、規制措置等の従前の施策に加えまして、市場メカニズムを通じた経済的手法を活用することの有効性が期待されております。法案第二十二条の第二項は、このような考えを踏まえまして、経済的な負担を課することにより誘導する経済的手法一般を規定したものでございます。
 具体的にどのような内容の措置が必要かということにつきましては、本条文は予断を与えるものではありませんので、今後、本条文の趣旨にのっとり、各種の措置につきまして適切に調査研究を行うとともに、その結果などを踏まえ、必要があると認められる場合には、その措置に係る施策について広く国民的議論を行い国民の理解と協力が得られるように努めてまいりたい、そのように存じております。(拍手)
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えをいたします。
 ODAの実施に当たっては現地における徹底したアセスメントの実施が不可欠であると思うがいかがと、こういう御質問でございますが、援助を実施するに当たりまして環境に配慮することが極めて重要であることは当然でございます。政府は、政府開発援助大綱、昨年つくりましたものでございますが、ここにおきまして、環境の保全を援助の基本理念としたほか、環境と開発の両立を原則として掲げております。
 このような観点からいたしまして、援助の実施に当たりましては、途上国との対話の強化、環境配慮のためのガイドラインの作成及びその実施体制整備等を通じまして、アセスメントの実施を含めた環境への配慮が十分なされるよう、今までも努めてまいりましたところでありますが、今後一層このような努力を行ってまいりたいと思います。
 次に、海外で御活躍になっているNGOボランティアの方の安全対策は、先ほど総理から御答弁いただいたとおりでございます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(河野洋平君) 六月五日を「環境の日」として祝日にしてはどうか、こういう御提言、お尋ねでございますが、これが祝日法の趣旨に照らしてふさわしいものであるかどうか、あるいは、我が国は既にもう祝日を十三日持っており、この十三日という祝日が数において多いか少ないか、こういう判断、さらには、祝日としてはどうかという御提言が既に随分たくさんございます。例えば、働く者の日、あるいは海の日、あるいは障害者の日、こういった日を祝日としてはどうかという御提言が既に参っておりまして、それぞれ国会においても御検討をなされておりますが、私どもとしても検討をしているところでございます。
 さらに、「環境の日」とはあるいはいささか趣が違うかもしれませんが、既に「みどりの日」、これは「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。」ということで国民の祝日として決めている日もございます。そうしたことなどを考えまして慎重に考慮する必要がある、こう考えておるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣田名部匡省君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(田名部匡省君) 中村議員のお尋ねにお答え申し上げますが、IWCの京都総会、これを機に脱退しろという声が非常に多いことは十分承知をいたしておるわけであります。
 今後の対応については、どうすることが一番いいのかという問題もあります。十分検討することにしておりますが、今回のIWCにおいても、我が国が行っておる調査について各国から評価も高まっておるわけでありまして、今後一層、科学的根拠に基づいた主張を粘り強く継続することも必要でありますので、諸外国の理解を得ることと、先ほど申し上げたように、さらにどうするかということは検討してまいりたいと考えております。(拍手)
#33
○副議長(赤桐操君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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