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1993/06/08 第126回国会 参議院 参議院会議録情報 第126回国会 本会議 第23号
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1993/06/08 第126回国会 参議院

参議院会議録情報 第126回国会 本会議 第23号

#1
第126回国会 本会議 第23号
平成五年六月八日(火曜日)
   午後二時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十三号
  平成五年六月八日
   午後一時開議
 第一 農業機械化促進法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 農業経営基盤の強化のための関係法律の
  整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第三 特定農山村地域における農林業等の活性
  化のための基盤整備の促進に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第四 電波法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、平成五年度一般会計補正予算(第1号)
 一、平成五年度特別会計補正予算(特第1号)
 一、平成五年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
 一、自衛隊法の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、日程第一より第四まで
 一、租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、民間海外援助事業の推進のための物品の譲
  与に関する法律案(大蔵委員長提出)
 一、地方交付税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 一、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外
  二件両院協議会の協議委員の選挙
 一、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外
  二件両院協議会参議院協議委員議長報告
     ―――――・―――――
#3
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成五年度一般会計補正予算(第1号)
 平成五年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成五年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長遠藤要君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔遠藤要君登壇、拍手〕
#5
○遠藤要君 ただいま議題となりました平成五年度補正予算三案の予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 今回の補正予算は、今後の景気の足取りを一層確実にするため総合的な経済対策を実施することとし、公共事業等の追加を行うほか、対ロシア連邦支援関係等特に緊要となった事項について措置を講ずることとし、歳出の追加総額は二兆四千三百五十一億円となっております。
 他方、地方交付税交付金及び予備費の減額で二千四百六十四億円の修正減少を行うこととしておりますので、歳出の純追加額は二兆一千八百八十七億円となっております。
 歳入につきましては、租税及び印紙収入について住宅取得促進税制の拡充や設備投資減税による内需拡大措置の実施に伴い一千四百六十億円の減収を見込むほか、建設公債の増発二兆二千四百六十億円を行うこととしております。
 これらの結果、平成五年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し二兆一千八百八十七億円増加して七十四兆五千四百三十五億円となっております。
 以上の一般会計予算補正に関連して、国立学校特別会計など十九特別会計と国民金融公庫など八政府関係機関について所要の補正が行われております。
 補正予算三案は、去る五月十四日国会に提出され、五月二十日林大蔵大臣から趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、五月二十七日から本日まで、宮澤内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し質疑を行いました。
 この間、五月三十一日にはPKOに関する集中審議を、六月七日には景気・経済に関する集中審議を行うなど、終始濃密な審査を行ってまいりました。
 以下、質疑のうち補正予算に直接かかわるものとして、「今回政府が、当初予算と同一会期内に、しかも史上最大の巨額の補正を行うやり方は、国会審議の上からも、また年間経費の適正計上の予算編成原則からも問題ではないか。政策経費の新規計上や当初予算対比百倍超といった施設費の追加補正等は財政法第二十九条の補正予算編成方針に反するのではないか。さらに政府は、当初予算審査段階において平成五年度政府経済見通し実質三・三%の達成は容易と答弁していたのに、巨額の補正追加は矛盾ではないか。」との質疑があり、これに対し宮澤内閣総理大臣及び関係各大臣並びに政府委員から、「景気は回復の兆しが見られるものの先行き予断を許さない状況にあり、四月に新たな総合経済対策を決めたが、昨年の補正予算等の措置がおくれぎみであったことにかんがみ、対策の実効を確実なものにするため補正予算は早い方がよいと考え、まことに異例ではあるが同一国会での審議をお願いすることにした。本補正予算に追加計上した経費の主なるものは当初予算成立後の四月十三日に決定した総合経済対策を実施するためのものであり、また対ロシア連邦支援等いずれも予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の追加を行うもので、財政法第二十九条を逸脱するとの批判は当たらない。平成五年度の三・三%の政府経済見通しについては、当
初予算の際そう無理なことではないと答弁したが、景気回復の兆しが徐々にあらわれているものの、なお我が国経済を取り巻く内外の環境は厳しく、景気の回復と経済の成長をより確実なものにするため総合経済対策をとることにした。年度を通ずる経済の成長率見通しは、個々の経済変動や成長要因を捨象し、政策努力を加味しての数値で、今回の補正予算も政策努力の一環で、これが直ちに需要項目の数値や成長率の改定に連動するというものではない。経済成長率の見直し等の作業は、次年度予算編成との関連で年末に行うのが慣例である。」との答弁がありました。
 減税問題として、「平成四年度補正予算審議の委員長報告に述べられ、また本年度当初予算の衆議院通過の際自民党幹事長が約束した所得税減税を実行しないのはなぜか。」との質疑に対し、宮澤内閣総理大臣から、「所得税減税については、前回の税制改正で税率刻みのフラット化等が残っており、また年金財政の再計算を来年には行わなければならないことなど国民の負担と給付の関係を考慮し、さらに国会の御論議は十分承知しており、そう遠くない時期に抜本的改革を行う考えである。」旨の答弁がありました。
 このほか質疑は広範多岐にわたりますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲民主連合を代表して三重野委員が反対、自由民主党を代表して柳川委員が賛成、公明党・国民会議を代表して荒木委員が反対、民社党・スポーツ・国民連合を代表して寺崎委員が反対、日本共産党を代表して吉川委員が反対、民主改革連合を代表して乾委員が反対の旨それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成五年度補正予算三案は賛成少数をもっていずれも否決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(原文兵衛君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。山本正和君。
   〔山本正和君登壇、拍手〕
#7
○山本正和君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、平成五年度補正予算三案に対し反対の討論をいたします。
 何よりも申し上げなければならないのは、本補正予算案が本院、すなわち参議院の多数意見をほとんど無視して編成されていることであります。
 本院は、平成四年度補正予算の通過に当たり予算委員長報告において所得税減税の必要性について触れ、政府はこれを重く受けとめるべきであるとの要請が行われたのであります。また、五年度本予算審議の委員会審査のまとめとして同趣旨の委員長見解が本院本会議において述べられているのであります。予算編成権は内閣に帰属するとはいえ、参議院の多数意見をほとんど無視した本補正予算三案はこれを容認するわけにはまいりません。
 次に指摘しなければならないのは、同一国会内で、しかも本予算通過後月余を経ずして補正予算を提出するという無責任きわまる内閣の姿勢であります。これは予算編成の原則を大きく踏み外し、また今日の予算編成のあり方に根本的な欠陥があったことを証明するものであります。
 さらに、本補正予算案が財政法二十九条に定めた編成の要件を十分に満たしていないことであります。
 我々は、昨年十二月に編成された平成五年度予算については、予算審議の際景気対策として不十分であることを再三指摘いたしましたが、政府は、景気に十分配慮したベストの予算であり、政府経済見通しの実質三・三%成長も十分達成可能と豪語していたのであります。しかるに、政府はそれほどまでに自信のあった五年度予算の成立後わずか一カ月余りでなぜ景気浮揚のための補正予算の提出が必要となったのでありましょうか。財政法二十九条は補正予算編成の要件として「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」などを定めておりますが、むしろ景気底入れとも思える指標が目立ち始めたことを政府自身が口にしているこの一カ月の間にいかなる経費が特に緊要となったのか全く理解できず、かかる補正予算の編成は到底認めることができないのであります。
 反対の第三の理由は、依然として生活関連社会資本整備への取り組みが不十分で、生活大国を目指した予算とはほど遠い内容となっていることであります。
 本補正予算案では一兆二千億円に上る一般公共事業関係費の追加が行われておりますが、事業別の配分比率は、生活の質の向上に配慮するとの政府の説明とは裏腹に相も変わらず固定化されたままで、住宅や下水道、環境整備など生活関連社会資本の割合も、当初予算の二八・六%に対し二八・八%とわずか〇・二%の変化にとどまっております。加えて、省庁別の配分についてもほとんど変化は見られません。生活大国づくりのためにはかかる公共事業の配分の見直しこそが何より必要であるにもかかわらず、これを怠る政府に対し反省を促すものであります。
 反対の第四の理由は、第二段階の財政再建目標が既に事実上破綻していることであります。
 政府は、平成七年度までに公債依存度を五%以下にするとの第二段階の財政再建目標を掲げております。しかるに、公債依存度は五年度当初予算において一一・二%となお二けたに達し、さらに本補正予算案では建設国債の増発二兆二千四百六十億円が計上されており、補正後の公債依存度は一三・九%にまで上昇するのであります。財政再建目標を達成するためには今後毎年度国債発行額を三兆円以上減額していかなければならず、内需拡大、生活大国づくり、高齢化社会への対応など歳出需要が高まる中でかかる大幅な国債発行額の削減が全くと言ってよいほど不可能なことはだれの目にも明らかであります。政府は第二段階の財政再建目標の破綻を率直に認めその責任を国民の前に明確に示すとともに、財政再建目標の見直しに着手すべきであります。
 さらに、五年度当初予算における税収見積もりに手をつけていないことであります。
 五年度税収の見積もりの土台となった四年度税収は補正後見積もりを三兆円以上下回ると言われ、その確保はほとんど不可能となっており、決算調整資金からの繰り入れさえ取りざたされているのであります。補正予算編成に当たっては税収の減額修正を行うべきであるにもかかわらず、これを怠る政府の財政運営は認めるわけにはまいりません。
 本予算成立後直ちに補正予算を提出せざるを得ないという異常な事態を繰り返さないために、政府に対し従来の予算編成方式の抜本的見直しを強く求めるものであります。本予算編成の時点と経済の実態が大きく離れざるを得ないのは現状の予算編成方式に問題があるからであります。従来のシーリング方式や増分主義的決定では今日の世界経済の実態や我が国経済の激しい動きに対応し得ないのであります。
 また、議院内閣制がその特徴を示し得ないのみならず、立法府の国権の最高機関たる機能を大きく制御していると言わなければなりません。
 さらに、歳入の中心となる税制の抜本的改正を求めておきます。不公正、不公平、複雑な今日の税制を、広く国民の声を聞く中で、大幅な所得減税の実施と、公正、公平、簡素なる税制へと改正すべきことも強く求めるものであります。
 討論を終えるに当たり、一言、政治改革について私の考えを述べておきたいと思います。
 国民の政治に対する不信はまさにその極に達しておるのであります。政治の場にある者はその怒りを厳しく受けとめ、みずからを律しなければなりません。
 「甚だしきかな 吾 老いたるや 久しきかな 吾 また夢に周公を見ず」、春秋戦国の時代、戦乱の中でさまよい落ちついた先で我と我が天命を知ると言った孔子が、世のために働くその役割を忘れたそのことに対するおのれを責める言葉であります。政治を志した者は国民のために働くべき使命を持ち、そのための夢を持たなければなりません。「甚だしきかな吾老いたるや 久しきかな 吾 また夢に国民を見ず」、まさに今日政治にある者が我が身を厳しく責める言葉ではないでしょうか。
 政治改革を言にしてはなりません。信頼の信という文字は人の言と書きます。にもかかわらず、政治家の言葉に不信が充満しておるのであります。総理が国民を前に語った政治改革は断固として行う、その決意を強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
#8
○議長(原文兵衛君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#9
○議長(原文兵衛君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(原文兵衛君) 少数と認めます。
 よって、三案は否決されました。(拍手)
 ただいまの結果、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。
     ―――――・―――――
#11
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 自衛隊法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。中山国務大臣。
   〔国務大臣中山利生君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(中山利生君) 自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 平成三年十月、政府専用機検討委員会において、政府専用機の防衛庁への所属がえ、使用目的「等が決定されました。この使用目的に関し、緊急時における在外邦人救出のための輸送が現行法上自衛隊の一般的、恒常的な権限として規定されていませんので、この輸送を自衛隊が行うことができることとするため、自衛隊法の改正を行うことが必要となったところであります。
 この法律案は、外国における緊急事態に際して生命等の保護を要することとなりた邦人について外務大臣から輸送の依頼があった場合に、防衛庁長官が政府専用機を含む自衛隊の保有する航空機により輸送することができることとすること等を内容とするものであります。
 以上が自衛隊法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 何とぞ慎重御審議の上速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(原文兵衛君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。藁科滿治君。
    〔藁科滿治君登壇、拍手〕
#15
○藁科滿治君 私は、ただいま議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党・護憲民主連合を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 近年、邦人の海外活動は急激に拡大する一方ですが、その中にあって世界各地で地域紛争や騒乱が多発しており、在外邦人の安全確保が重要課題となっています。このような事態に対応するため、民間法人、団体などの自助努力を促すとともに、国としても的確かつ迅速な対応体制を整備することは当然なことであります。しかしながら、緊急事態における在外邦人の輸送を自衛隊機で行おうとする本法案は日本国憲法の根幹に触れる重大な問題を含んでおり、さらにまた、カンボジアにおけるPKO活動の生々しい経験から見ても強い懸念と危惧を感ぜざるを得ません。そのような認識の上に立って、六項目にわたり具体的な質問をいたします。
 最初に、自衛隊槻を使う必要性について。
 緊急時における邦人輸送についてはこれまで民間定期便や政府のチャーター磯によって高い実績を上げてきております。にもかかわらず、なぜ今自衛隊機による輸送を行おうとするのか。衆議院における質疑応答で政府は、一九七五年のサイゴンの事例を引用して、一、調整時間がかかる、二、保険料が高い、三、危険なところへ行く同意が得られないと答弁しております。
 そこで、私が第一に総理にお尋ねしたいのは、政府は安全性が確保されなければ自衛隊機は派遣しないと強調されていますが、安全性が確保されれば民間機でも飛べるわけであり、自衛隊機でなければならないとする論拠について答弁を求めたいと思います。また、調整時間がかかるという理由については、それ以前の問題として、湾岸戦争の際にも指摘されたように、緊急事態に対応する政府の情報収集・分析体制そのものに問題があるのではないかと考えますが、総理はどのように認識しておられるか、見解を求めたいと思います。
 第二に、自衛隊機でなければ救出できなかった過去の事例について。
 我が国の経済発展によって邦人の海外活動や海外旅行は急増し、それに伴って、残念ながら邦人が事件、事故に遭遇する件数も増加しております。そこで、外務大臣にお尋ねしますが、過去、海外において邦人が紛争や騒乱に巻き込まれ緊急避難しなければならなくなった例はかなりの件数に上ると思いますが、その中で、今回政府が言うような安全性が確保され、派遣国の許可がとれ、しかも民間機でなく自衛隊機でなければならないようなケースがどれほどあったのか、実績を明らかにしてもらいたいと思います。
 あわせて、衆議院においては、一九七五年四月のサイゴン陥落、一九八五年三月のイラン・イラク戦争、一九九一年十月のハイチのクーデターの例を挙げていますが、これらのケースは安全性と派遣国の許可の点で問題のない事例であったのかどうか疑問であり、政府の答弁しているような要件は満たしていなかったのではないかと思われますが、外務大臣はどのように認識されているか、答弁を求めます。
 第三に、政府専用機に限定しない理由について。
 本法案では、輸送手段について自衛隊の航空機による輸送となっており、機種が明確になっていません。緊急時の邦人輸送については政府専用機の導入が決定される以前から議論のあったところであり、使用航空機は政府専用機に限定すべきと考えますが、外務大臣並びに防衛庁長官の答弁を求めます。
 第四に、法文上歯どめのない危険性について。
 安全性が確保できなければ自衛隊機は派遣しない、安全性が確保されているから現地で武器を使用することも戦闘機の護衛をつけることも考えていない、こういった趣旨の衆議院における政府答弁はありますが、しかしながら、これは法文上何らの明記も保証もありません。政府のこの口約束をもって信用しろという方が無理な話であります。ましてや、カンボジアにおけるPKO活動をめぐって今国会でも白熱した論議がなされているように、当初の政府答弁では危険ではないとしていたものが現実には防弾チョッキを常時着用する事態となり、さらにまた、指令権はUNTACより日本の方が上位と言っていたものが逆転している事態ともなって、結果的にお二人のとうとい命をも失うこととなりました。
 このような痛ましい教訓から目をそらして仮に自衛隊機の使用が認められれば、これは国際法上軍用機ということになり、かえって避難輸送中の邦人に危険を生ずる可能性があり、また軍用機としての認定によって、自衛隊法第九十五条による航空機保護のための武器使用、戦闘機による護衛等とエスカレートして武力行使に道を開く危険性があります。さらに、輸送任務という観点のみから考えれば、航空機だけではなく、安易に海上自衛隊の艦艇使用にまで拡大する危険性もあります。さらに加えて、本法案はPKOの派遣とは異なり、自衛隊は政府の指揮権、すなわち国権の発動としての行動であり、武器の使用は直ちに憲法で禁止する武力行使となるおそれがあるわけであります。
 この法案は以上指摘したような視点から全く歯どめのない危険性を含んだものと言わざるを得ませんが、総理並びに外務大臣、防衛庁長官の見解を求めたいと思います。第五に、自衛隊の縮小と防衛計画大網の見直しについて。
 ここ数年、自衛隊の任務付与の中身を見ると、自衛隊法第百条の五の国賓等の輸送、同六の国際緊急援助活動、同七の国際平和協力業務の実施、そして今回の緊急時の邦人輸送というように、自衛隊法第八章の「雑則」に規定する余技ばかりがふえています。このことは紛れもなく、本来の任務である国の防衛をめぐっての国際的な背景、事情がさま変わりしていることを意味しております。既に宮澤総理は国会答弁の中で昭和五十一年に閣議決定された防衛計画の大綱見直しの必要性を約束されており、防衛庁においても大網見直し作業に入ると聞いていますが、米ソ冷戦構造の崩壊、日本に対する脅威の低下、さらには若年人口の減少など、自衛隊の縮小・再編の環境条件は成黒していると考えますが、国民的論議の場の設定、論議の日程的展望などを含めて、総理並びに防衛庁長官の所見を求めたいと思います。最後に、アジア・太平洋地域への平和貢献について。五月末にASEAN拡大事務協議、そして日中外相会議が開かれましたが、これは冷戦後のアジア・太平洋地域における安全保障の枠組みを模索する動きとして国内外から注目されています。しかし一方で、一部には国防予算を大幅に拡大して平和、軍縮への世界の潮流に逆行する国もあります。そうした中で、今こそ我が国は、非核国、経済大国の特徴を生かしてアジア・太平洋地域の平和と発展に貢献するためのイニシアチブを発揮すべきと考えます。最後に総理の所見を求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
  〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府は従来、外国における災害、騒乱等の緊急事態に際しまして生命等の保護を要する邦人の救出につきまして、民間機をチャーターするなどして対処をしてまいりました。しかしながら、この民間機のチャー夕ーにつきましては実際問題として民間航空会社との調整あるいは適時適切に対応することができないといったような過去の経験がございまして、先ほど一九七五年のサイゴンのケースを御引用になられましたけれども、実はあのときは私は外務大臣でございまして、何とか救出をしたいと考えました。一九七五年の四月でございます。それで民間航空会社といろいろ折衝をいたしましてある程度の進歩があったのでございますが、しかし最終的に起こりましたことは、サイゴンというようないわば戦乱と申しますかそういう地域にそもそも行くということ自身、乗組員、クルーが拒否をしたという問題が一つ。それから、民間航空会社が保険料が日とともに高くなりましてほとんど不可能に近い高い保険料になりまして、それで私企業としては到底それを負担し得ないという二つの問題が起こったわけでございます。今でも思いますが、十分時間的余裕がございましたので、政府専用機がございましたらこれは邦人の救出をし得ただろうということをあのときに実は非常に強く感じました。同じ安全なことであれば、どうせ安全なら自衛隊が行けるところは民間機も行けるだろうと一概
に言われましたけれども、実際にサイゴンではそのような事例が起こりまして、そのとき以来、私自身はやはり何とか政府の責任において邦人を救えないかということを実は今日まで感じておりました当人でございます。たまたまサイゴンの例をお引きになられましたので、そのことを申し上げておく次第でございます。
 それから、政府の情報収集の機能、体制についてでありますが、外務本省あるいは在外公館におきまして従来一生懸命やってまいってはおりますけれども、なお強化をしていく必要がありますことは仰せのとおりであります。臨時行政改革推進審議会の答申がございまして、本年度から外務省に情報・分析機能に特化をいたしました国際情報局を設置いたしました。政府の情報収集・分析の強化を一層図ってまいることといたしたいと思っております。
 それから、政府専用機を含めまして自衛隊の航空機、これの危険との関連でございますけれども、一般的に言えば、やはり国際法上は軍用機として取り扱われるものと承知をいたしております。ただ、この自衛隊機による在外邦人の輸送はこれは安全でありませんと、いささかも危険があればこれは到底やることができません。邦人をそういう危険に陥れることはできませんので、安全であると考えられる場合に行われるものでございます。したがいまして、そういうときに派遣先の国内におきまして自衛隊員がその航空機を防護するために武器を使用するとか、あるいは戦闘機の護衛をつけるとか、そういうことは、もちろんそういうことが必要な状況におきましては空輸そのものが、輸送そのものが危険と考えなければなりませんので、そのような事態を想定いたしておりません。
 それから、我が国の防衛力の問題でございますが、国際情勢がこういうふうに変わってまいりました。また、将来我が国もだんだん若い人が少なくなるといったような問題もございますから、現在の中期防の期間中にこの考え方、防衛力の考え方を再検討して結論を得たいと考えております。この場合、防衛力全般を対象として、中長期的な見通しのもとに、国際情勢の変化も考えながら検討いたしたいと思いますので、多少時間が必要でございます。もちろん、検討に際しましては国民各層の御意見に耳を傾けていきたいと思います。
 ただ、現在の防衛計画の大綱は、御承知のようにいわゆる仮想敵というものを置かずに独立国としての基盤的な防衛力の整備という考えに立っておりますので、いろいろ再検討をいたしますけれども、この防衛計画の大綱という考え方そのものは恐らくこの冷戦後の時代においても誤っていることはあるまいとは考えております。しかし、いずれにいたしましても、こういう国際情勢の変化の時代でございますから再検討をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
 それから、アジア問題につきまして、これからのアジアの平和と発展に我が国はどういうふうに対処するかということは、実は本年一月に私がバンコクで政策の演説をいたしたところでございますが、第一の点は、やはりアジア・太平洋の平和と安定の強化のために域内各国の政治・安全保障の対話を促進したい。第二は、このアジア地域、太平洋地域の強みと申しますか特色はその開放性というところであるということ。第三には、各国において民主化の増進あるいは環境問題の重視等々の課題にも取り組んでいかなければならないということ。第四の点は、インドシナ半島の平和と繁栄のために特にこの際ASEAN諸国と我が国が協力をいたしたいということが四つの命題であるというふうに考えまして、その際、日本は二度と軍事大国になることはない、またASEAN諸国との話し合いを大事にしていきたい、こういうことを原則としてやってまいりたいということを申したところでございます。
 もちろん、我が国は唯一の被爆国でもございますから、したがって核兵器の廃絶ということが究極的な目標でございますけれども、そこに至りますまでの間でも、アジア地域のみならず全世界的な視点から、核軍縮、あるいは通常兵器についてもそうでございますけれども、それらを減らしていくことに積極的に努力をいたさなければならないと考えております。
 残りの問題につきましては関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣中山利生君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(中山利生君) 私に対する御質問についてお答えを申し上げます。
 まず、政府専用機に限定すべきという御質問でございますが、先生御指摘のように、航続距離あるいは輸送能力、搭載能力等を考えますと、この種の業務には政府専用機が最も適しているということは事実であると思います。ただ、相手国の飛行場の問題、あるいは政府専用機そのものが何らかの都合で使用できないという場合も想定されますので、自衛隊にはC130という極めてこの種の業務に適している輸送機がございます、これも利用できるというふうにしておいた方がいろいろな事態に対応できると、うことで、主としてC130を想定しておりますが、政府専用機だけに限定をするということはしなかったわけでございます。
 また、救出に向かう航空機の安全についてでございますけれども、今総理からも詳しく御説明がありましたが、現在のような大型の航空機を運航する場合には、出発から到着まで飛行場あるいは空路等の安全が確保できない場合は、民間機であれ自衛隊機であれ運航ができないわけでございます。したがいまして、武器を使用するとか戦闘機の護衛が必要だというようなことはこれはもう考えられないと思っておりますし、もしそういう危険があります場合には、外務大臣から要請がありましても運航の責任者としてお断りすることもあり得ると私は考えております。
 また、船舶、艦艇の使用について御質問がございましたが、今回の法改正では艦艇の使用については考えておりません。
 それから、最後の防衛大綱の見直しでございますが、我が国の防衛力のあり方については、先生御指摘のように、また今総理からも御答弁申し上げましたように、常に国際情勢の変化などを見ながらそれに対応する対策をとっていかなければならないということは事実でございます。そういうことで、私どもも中期防の期間中に見直しをするということで今防衛庁部内で事務的に勉強を始めているところでございます。
 この検討は、組織とか編成、配置、装備体系等防衛力全般を対象といたしまして行うものでございますが、先生がおっしゃっておりますように、国
際情勢や人的資源の制約あるいは技術水準の動向等いろいろ議論をすべきことがたくさんございます。したがいまして、短期間で結論を得られるものではないと思っておりますし、詳しいスケジュールについては現在検討をしているところでありますが、その間におきまして広く国民各層の御意見に耳を傾けるということは大変重要なことであると認識しておりまして、その方法についていかなる方法が望ましいのか、これも現在真剣に検討をしているところでございます。
 なお、大網の精神等につきましては、総理からもお話がありましたが、現在もこの精神は間違っていないというふうに考えております。(拍手)
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(武藤嘉文君) お答えいたします。
 私に対しての御質問は、まず、これまで海外で緊急事態が発生したときに邦人の退避が必要になり、可能な範囲でいろいろと民間の航空機をチャーターしてやったりしてまいりましたが、その中で一体自衛隊機でなければならなかったケースはどれだけか、こういうことでございます。
 どうもこれはあくまで仮定のお話でございますので断定的には言えませんけれども、これらの事例の多くのケース、特に他国の航空機による輸送のケースにおいて、自衛隊機の利用が可能であったならば、派遣先国の許可取得を含めた輸送の安全性を確保しつつ、より適時適切に対処できる可能性がありたのではないかと思います。
 次に、サイゴン陥落、イラン・イラク戦争、ハイチのクーデターのケースは安全性と派遣国の許可の点で問題のない事例であったのか、政府の答弁しているような要件を満たしていたのか、こういうことでございます。
 過去のケースにおいて自衛隊機の派遣が可能または適当でありたかどうかは、これもあくまで仮定の問題でありまして断定をするわけにはまいらないと思います。安全性や派遣先国などの許可についても、タイミングや手順によって変わるわけであります。
 しかし、次のようなことは言えるのではないかと思うんです。それは、ベトナム戦争の終盤、先ほど総理からもお話があったケースでございますが、救援槻をマニラまで派遣しましたが、同地出発当日サイゴンの空港が爆弾を受け使用不能となったため羽田へ引き返しました。しかし、このチャーターの際、保険などの問題で実はチャーターの契約の交渉がおくれたわけであります。現地空港は、少なくともチャーター機の検討、交渉を開始した時点より実際の派遣までの相当な期間にかけて使用可能との報告を受けておりました。といった当時の状況を踏まえれば、チャーター契約等の問題がなくより早いタイミングで救援機が派遣できれば別途の対処もあり得たのではないかと考えております。
 なお、イラン・イラク紛争のケースにつきましては、当時自衛隊機の派遣が可能であればやはりこれもより迅速に対処する可能性もあったと思われますし、ハイチのケースについては軍用機または政府機のみ飛行可能であった事例でありまして、当時自衛隊機の派遣が可能であればこれも派遣を検討することができたのではないかと考えております。
 緊急時の邦人輸送の際の使用航空機は自衛隊の航空機による輸送となっているが、使用航空機は政府専用機に限定すべきではないかという御質問でございますが、これにつきましては、在外邦人保護のための輸送の手段については主として政府専用機が想定されるわけでありますけれども、次のような場合も想定されますので政府専用機に限定しないことにしたのであります。すなわち、その第一に、例えば政府専用機がほかの目的で使用中または整備中のため使用できないような場合もあるわけであります。あるいは、被派遣国の受け入れ能力等により最適な輸送手段を使用することが当該輸送を最も効率的に実施できるというときもあるわけでございます。
 次に、自衛隊機の使用が認められればこれは国際法上軍用機ということになってかえって危険ではないか、こういうことでございます。この点については総理からも御答弁がございましたが、私の立場からはこの点についてまた一つの見方として御答弁を申し上げたいと思います。
 今般の自衛隊機による邦人輸送の実施に当たりましては、民間チャーター機と同様、関係国より着陸または領空通過の許可を得ることが前提であります。また、航空機の飛行経路等において、派遣先国政府等の措置によっては航空機の安全が確保されないと認められるときもありますが、そういうときには民間チャーター機と同様自衛隊機も在外邦人の輸送を行うことはあり得ません。したがって、自衛隊機による輸送ということで邦人の安全の観点から問題があるとは考えておりません。
 なお、邦人の生命、身体を保護するという目的のため関係国の許可等を得て派遣される自衛隊機に対する攻撃が国際法上正当化されるものでないことは当然でございます。(拍手)
#19
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#20
○議長(原文兵衛君) 日程第一 農業概械化促進法の一部を改正する法律案
 日程第二 農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案
 日程第三 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案
 (いずれも内閣提出、衆議院送付)以上三案を一括して議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長吉川芳男君。
    ―――――――――――――
  〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔吉川芳男君登壇、拍手〕
#21
○吉川芳男君 ただいま議題となりました三法律未につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案は、農業経営の目標の明確化、農業経営の改善を図ろうとする者に対する農用地の利用の集積、農業生産法人の事業及び構成員の範囲の拡大その他の農業経営基盤の強化のための措置を総合的に講じようとするものであります。
 次に、農業機械化促進法の一部を改正する法律案は、高性能農業機械及び農業機械化適応農業資材の計画的な試験研究、実用化の促進及び導入に
関する措置等を講じようとするものであります。
 次に、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案は、基盤整備計画の作成について定めるとともに、農林地所有権移転等促進事業の創設、森林組合法及び土地改良法の特例の創設、地方財政上の特例措置等所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、群馬県に委員派遣を行い、また参考人を招致してその意見を聴取するとともに、農業基本法農政に対する評価と反省、食糧自給率の向上、農林水産予算の確保の必要性、農業の担い手対策、今後の価格政策のあり方、農地流動化の方策、認定農業者のあり方、農業生産法人の構成員要件の緩和と企業参入、高性能農業機械化等の開発及び実用化、中山間地域の活性化対策及び財政、金融措置の拡充強化、環境保全型農業のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑終局の後、まず、農業機械化促進法の一部を改正する法律案について採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して林理事より両法律案に対しいずれも反対である旨の発言がありました。討論終局の後、順次採決の結果、両法律案はいずれも賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、これら三法律案に対しそれぞれ附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 まず、農業機械化促進法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#23
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(原文兵衛君) 日程第四 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長野別隆俊君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔野別隆俊君登壇、拍手〕
#26
○野別隆俊君 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国内外の国際化の進展にかんがみ、アマチュア無線局及び陸上を移動する無線局等について外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととするほか、行政事務の簡素合理化を図るため、放送をする無線局以外の無線局の免許申請については財政的基礎に関する審査を行わないこととするとともに、不法な無線局の増加に対処するため、特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備の小売業者に対し無線局の免許に関する事項の告知義務を定め、及び技術基準適合証明の表示の除去に関する規定を設ける等のための所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、電波に関する規制の緩和、不法開設局への対応策、今後の電波行政のあり方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し五項目から成る附帯決議案が提出され、本委員会の決議とすることに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#29
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 民間湾外援助事業の推進のための物品の譲与に関する法律案(大蔵委員提出)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。大蔵委員長野末陳平君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔野末陳平君登壇、拍手〕
#31
○野末陳平君 ただいま議題となりました二法律案のうち、まず租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新総合経済対策の一環として、住宅取得促進税制を拡充するほか、中小企業者等の機械の特別償却制度を抜本的に拡充する等の設備投資減税を行うとともに、特定扶養控除額を引き上げようとするものであります。
 委員会におきましては、新総合経済対策の財源とその波及効果、住宅取得促進税制の適用要件と他の住宅政策との整合性、政策減税の税制上の位置づけ等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。
 次に、民間海外援助事業の推進のための物品の譲与に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本法律案は、本日、大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。
 御承知のように、我が国の経済協力は、政府開発援助を初めとして、民間による資金援助、物資援助、人材派遣、研修員の受け入れ等が活発に行われているところであります。とりわけ、民間海外援助団体の活動は、国民参加による経済協力を推進するという見地から、草の根レベルで開発途上にある海外の地域社会に密着した事業の展開や、災害あるいは食糧危機等の緊急事態に柔軟かつ迅速な救援活動が可能である等、極めて重要な役割を果たしております。
 本法律案は、このような民間の発意に基づく海外援助事業の自主性を尊重しつつ、その活動をより一層推進するため、国等の所有に属する物品の譲与について所要の措置を講じようとするものであります。
 その概要について申し上げますと、各省各庁の長は、その事務または事業の用に供していた物品につき民間海外援助団体からその譲与を求める旨の申し出があった場合において、開発途上にある海外の地域における住民の福祉の向上に寄与するものと認められるときは当該物品を譲与することができることといたしております。
 また、地方公共団体は、その事務または事業の用に供していた物品の民間海外援助団体に対する譲与に関し必要な措置を講ずるよう努めることといたしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及びその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(原文兵衛君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(原文兵衛君) この際、日程に追加して、
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長佐藤三吾君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔佐藤三吾君登壇、拍手〕
#36
○佐藤三吾君 ただいま議題となりました法律案、につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方財政の状況にかんがみ、地方交付税の総額を確保するため、平成五年度分の地方交付税の総額の特例として減額すべき額を四百六十四億円縮減することを内容とするものであります。
 委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、特例減額を縮減した理由、平成五年度の経済見通し、総合経済対策実施に伴う自治体の財政負担等の諸問題について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して有働理事より反対の意見が述べられました。討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○議長(原文兵衛君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 これにて休憩いたします。
   午後三時四十分休憩
     ―――――・―――――
    午後四時一分開議
#39
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先ほど衆議院から、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。
 これより、平成五年度一投会計補正算(第1号)外二案に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。
 つきましては、両院協議会協議委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。よって、議長は、平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案に関する両院協議会の協議委員に穐山篤君、小川仁一君、志苫裕君、村沢牧君、山本正和君、白浜一良君、広中和歌子君、寺崎昭久君、吉岡吉典君、磯村修君を指名いたします。
 これより直ちに両院協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。両院協議会の結果の報告を待つため、暫時休憩いたします。
   午後四時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時二十六分開議
#41
○議長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 平成五年度一般会計補正予第(第1号)外二件両
院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。
 この際、報告を求めます。協議委員議長村沢牧君。
    ―――――――――――――
   〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔村沢牧君登壇、拍手〕
#42
○村沢牧君 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして議長から指名をされました後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、村沢牧が、副議長に白浜一良君がそれぞれ選任されました。
 なお、衆議院側におきましては、佐藤信二君が協議委員議長に、石川要三君が副議長に選任されました。
 両院協議会の初会の議長はくじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち抽せんを行いました結果、参議院側協議委員議長の私、村沢牧が議長に当選いたしました。
 両院協議会におきましては、衆議院側の小杉隆君から、本補正予算は、景気の足取りをより確実なものにするため策定された総合経済対策を実施するもので、公共事業の追加、中小企業対策、政策減税の実施など、我が国が直面をしている景気回復と内需拡大による貿易黒字縮小の重要課題に対処するための極めて重要かつ緊急なものである等の理由で賛成、次に、参議院側の山本正和君から、所得税減税実施の参議院予算委員会の要請を政府は真摯かつ重く受けとめていないこと、史上最大規模をうたう総合経済対策を実施する本補正の公共事業費が生活の質的充実とは裏腹にその配分が固定化されていること、財政法第二十九条の補正予算編成要件から遊離した政策経費中心の追加補正となっており、政府の補正予算編成が恣意的に過ぎること等の理由により反対と、それぞれ議決の趣旨の説明が行われました。
 次に協議に移りましたところ、本院側協議委員の穐山篤君、広中和歌子君、寺崎昭久君、吉岡吉典君、磯村修君から、また、衆議院側協議委員の中川昭一君から発言があり、双方において熱心な協議が行われました。
 かくて協議終結に当たり、本院側の白浜一良君から、両院協議会としては、参議院側が指摘した平成五年度補正予算三案に反対する理由として掲げた諸事項を除去することによって本補正予算が成立できるよう衆議院側に協力を要請する旨の意見が述べられました。また、衆議院側の桜井新君からは、本補正予算は当面する我が国経済にとって極めて重要かつ緊急なものであることにかんがみ、原案どおり成立することが望ましい旨の意見が述べられました。
 結局、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#43
○議長(原文兵衛君) 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきましては、両議院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十条第二項の規定により、衆議院の議決が国会の議決となります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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