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1993/04/14 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第5号
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1993/04/14 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第5号

#1
第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第5号
平成五年四月十四日(水曜日)
    午後四時二十二分開議
出席委員
  委員長 田邉 國男君
   理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
   理事 中西 啓介君 理事 野田  毅君
   理事 浜田卓二郎君 理事 左近 正男君
   理事 堀込 征雄君 理事 伏木 和雄君
      石井  一君    衛藤征士郎君
      大原 一三君    奥野 誠亮君
      坂井 隆憲君    坂本 剛二君
      自見庄二郎君    島村 宜伸君
      武村 正義君    津島 雄二君
      戸塚 進也君    額賀福志郎君
      葉梨 信行君    深谷 隆司君
      穂積 良行君    細田 博之君
      増子 輝彦君    阿部未喜男君
      池田 元久君    岩垂寿喜男君
      大畠 章宏君    菅  直人君
      小林  守君    佐藤 観樹君
      田並 胤明君    土井たか子君
      早川  勝君    細川 律夫君
      松前  仰君    井上 義久君
      北側 一雄君    渡部 一郎君
      木島日出夫君    東中 光雄君
      川端 達夫君
 出席政府委員
        自治大臣官房審 谷合 靖夫君
        議官
        自治省行政局選 佐野 徹治君
        挙部長
 委員外の出席者
        議     員 伊吹 文明君
        議     員 石井  一君
        議     員 小渕 恵三君
        議     員 大野  明君
        議     員 塩川正十郎君
        議     員 武村 正義君
        議     員 津島 雄二君
        議     員 西岡 武夫君
        議     員 額賀福志郎君
        議     員 小澤 克介君
        議     員 佐藤 観樹君
        議     員 田並 胤明君
        議     員 早川  勝君
        議     員 細川 律夫君
        議     員 松原 脩雄君
        議     員 井上 義久君
        議     員 北側 一雄君
        議     員 日笠 勝之君
        議     員 渡部 一郎君
        衆議院法制局第 内田 正文君
        一部長
        参議院法制局第 臼井 貞夫君
        一部副部長
        衆議院法制局第 小菅 修一君
        一部第一課長
        自治省行政局選 松尾 徹人君
        挙部選挙課長
        自治省行政局選 中野 正志君
        挙部管理課長
        自治省行政局選
        挙部政治資金課 大竹 邦実君
        長
        特別委員会第二 田中 宗孝君
        調査室長
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
 辞任         補欠選任
  佐藤謙一郎君     坂本 剛二君
  細田 博之君     坂井 隆憲君
  後藤  茂君     松前  仰君
  佐藤 観樹君     菅  直人君
  早川  勝君     池田 元久君
  木島巳出夫君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  坂井 隆憲君     細田 博之君
  坂本 剛二君     佐藤謙一郎君
  松前  仰君     後藤  茂君
  東中 光雄君     木島日出夫君
    ―――――――――――――
四月十四日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
 君外二十三名提出、衆法第六号)
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
 六君外二十三名提出、衆法第七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
 静六君外二十三名提出、衆法第八号)
 政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
 法第九号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外二十四名提出、衆法第一〇号)
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
 藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外二十四名提出、衆法第一三号)
は本委員会に付託された。
四月十四日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外六名提出、第百二十五回国会衆法第九号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外六名提出、第百二十五回国会衆法第一
 〇号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外六名提出、第百二十五回国会衆法第二号)
は委員会の許可を得て撤回された。
三月三十日
 企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正
 法の改正に関する請願(山口鶴男君紹介)(第
 一〇六〇号)
 同(井上義久君紹介)(第一二〇一号)
 政治腐敗防止の緊急立法に関する請願(石橋大
 吉君紹介)(第一一一四号)
 企業・団体献金の禁止に関する請願(小沢和秋
 君紹介)(第一二〇二号)
 同(金子満広君紹介)(第一二〇三号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一二〇四号)
 同(児玉健次君紹介)(第一二〇五号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一二〇六号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一二〇七号)
 同(辻第一君紹介)(第一二〇八号)
 同(寺前巖君紹介)(第一二〇九号)
 同(東中光雄君紹介)(第一二一〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第一二一一号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一二二二号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一二一三号)
 同(正森成二君紹介)(第一二一四号)
 同(三浦久君紹介)(第一二二五号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一二一六号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一二一七号)
四月六日
抜本的政治改革の早期実現に関する請願(河上
 覃雄君紹介)(第一二五七号)
 同(伊藤英成君紹介)(第一二八二号)
 同(山下八洲夫君紹介)(第一二八三号)
 同(森本晃司君紹介)(第一三六八号)
 企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正
 法の改正に関する請願(土井たか子君紹介)
  (第一二八〇号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一二八一号)
 同(鈴木喜久子君紹介)(第一三五二号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一三五三号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第一三六六号)
 同(長谷百合子君紹介)(第一三六七号)
同月十三日
 小選挙区制反対に関する請願(木島日出夫君紹
 介)(第一四五三号)
 企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正
 法の改正に関する請願外一件(長谷百合子君紹
 介)(第一四五四号)
 同(鈴木喜久子君紹介)(第一五六二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 政治改革の早期実現に関する陳情書外七件(沖
 縄県島尻郡東風平町字東風平三〇五東風平町議
 会内仲座清次郎外七名)(第一七九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外六名提出、第百二十五回国会衆法第九号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外六名提出、第百二十五回国会衆法第一
 〇号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外六名提出、第百二十五回国会衆法第一一号)
 の撤回許可に関する件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
 君外二十三名提出、衆法第六号)
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
 六君外二十三名提出、衆法第七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
 静六君外二十三名提出、衆法第八号)
 政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
 法第九号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
 君外二十四名提出、衆法第一〇号)
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
 藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
 観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
 外二十四名提出、衆法第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 第百二十五回国会、佐藤観樹君外六名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
#4
○田邉委員長 次に、本日付託になりました梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。塩川正十郎君。
    ―――――――――――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案
 政治資金規正法の一部を改正する法律案
 政党助成法案
    〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○塩川議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上四件につきまして提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 この改正法案は、我が国における政治の現状にかんがみ、政策本位、政党中心の選挙を実現するため、衆議院議員の選挙について、小選挙区制を導入することとし、総定数、候補者届け出政党の要件、政党の選挙運動等に関する規定を整備し、あわせて、連座制の強化、政治活動用ポスターの規制の強化等を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一は、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。
 その一は、選挙制度の基本的仕組みとして小選挙区制を採用することといたしております。
 その二は、衆議院議員の定数について、五百人とすることといたしております。
 その三は、衆議院議員の選挙区について、別に法律で定めるものとし、各選挙区において選挙すべき議員の数は一人とすることといたしております。一
 その四は、投票についてであります。衆議院議員の選挙の投票については、候補者の氏名が印刷された投票用紙に○の記号を記載して投票する記号式投票の方法によることといたしております。
 その五は、立候補についてであります。衆議院議員の選挙における候補者の届け出については、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であること、または当該選挙において所属候補者を五十人以上有することのいずれかに該当する政党その他の政治団体が行うことができるほか、本人届け出または推薦届け出もできることといたしております。
 また、一定の要件に該当する政党その他の政治団体の候補者の選定の手続の届け出、供託等に関し、所要の規定を整備することといたしております。
 その六は、当選人について有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすることといたしております。ただし、有効投票の総数の四分の一以上の得票がなければならないとするものであります。
 その七は、再選挙等特別選挙についての規定を整備することといたしております。
 その八は、選挙運動についてであります。衆議院議員の選挙においては、候補者個人のほかに、候補者届け出政党についても選挙運動を認めることといたしております。具体的には、候補者届け出政党は、原則として候補者を届け出た都道府県ごとに当該都道府県における届け出候補者の数に応じて、自動車の使用、文書図画の頒布及び掲示、新聞広告、政見放送等を行うことができることといたしております。また、今回、候補者個人について立会演説会を復活することといたしております。
 その九は、政党その他の政治団体等の衆議院議員の選挙における政治活動に関する規定等を整備することといたしております。
 その十は、選挙訴訟及び当選訴訟に関する規定を整備することといたしております。
 その十一は、候補者の選定権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受した者等について罰則を設けることその他罰則に関し所要の規定を整備することといたしております。
 第二に、衆議院議員の選挙区と都道府県議会の議員等の選挙区の調整に関する事項であります。
 都道府県の議会の議員または指定都市の議会の議員の選挙区とされている一の郡市または一の区の区域が二以上の衆議院議員の選挙区に属する区域に分かれている場合には、当該各区域を郡市または区の区域とみなすことができることといたしております。
 第三に、連呼行為に関する事項でありますが、運行中の選挙運動用自動車等の上において、選挙運動のための連呼行為をすることができないことといたしております。
 第四に、公職の候補者等及び後援団体の政治活動のために使用されるポスターの掲示の禁止に関する事項であります。
 公職の候補者等の氏名等または後援団体の名称を表示するポスターについては、選挙ごとに一定期間これを掲示することができないことといたしております。
 第五に、予想報道等に関する事項であります。
 選挙が選挙人の自由に表明される意思によって公明かつ適正に行われることを確保するため、選挙に関する公職につくべき者の予想報道等については、慎重に配慮しなければならないことといたしております。
 第六に、連座制に関する事項であります。
 立候補予定者の親族並びに候補者及び立候補予定者の秘書を連座制の対象とするとともに、当選無効に加えて、連座裁判の確定等のときから五年間、立候補制限を課することといたしております。なお、この立候補制限については、運座制の対象となる者の行為がおとりまたは寝返りによるものであるときは、運座制は適用しないことといたしております。
 第七に、罰金額の引き上げを行うこととしております。
 なお、この法律は、衆議院議員の選挙区に関する法律の規定が適用される最初の総選挙から施行することといたしておりますが、政治活動用ポスターの掲示、予想報道等及び罰金額の引き上げに関する事項は、この法律の公布の日から起算して三月を経過した日から、衆議院議員の選挙区と都道府県議会議員等の選挙区の調整、連呼行為及び連座制に関する事項は、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日から施行することといたしております。
 次に、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案につきまして御説明申し上げます。
 衆議院議員の選挙区の改定に関し調査審議し、その改定案を作成して意見を提出させるため、衆議院に衆議院議員選挙区画定委員会を設置しようとするものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 第一に、設置及び所掌事務に関する事項であります。
 この委員会を衆議院に置くものとし、委員会は、衆議院議員の選挙区の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して衆議院に意見を提出することといたしております。
 その改定案の作成に当たっては、総定数を、まず都道府県に一人ずつ基礎配分し、残りを人口に比例して都道府県に配分することとし、また、各選挙区間の人口の格差が一対二以上にならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うことといたしております。
 なお、十年ごとの国勢調査が行われた場合における意見の提出は、その結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うことといたしております。
 第二に、組織及び委員に関する事項であります。
 委員会は、委員七人以内をもって組織することとし、委員は、国会議員以外の者のうちから、衆議院の承認を得て、衆議院議長が任命することといたしております。
 任期は、五年とし、委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないことといたしております。
 第三に、資料の提出その他の協力等について所要の規定を設けております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとし、最初の衆議院議員の選挙区の画定に係る意見の提出は、委員が任命された日から六月以内に行うことといたしております。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この改正法案は、政治資金と密接な関連を有する選挙制度が政策本位、政党中心に改められることと軌を一にして、政治資金制度についても、政治資金の調達を政党中心にするとともに、政治家の資金面における公私の峻別の徹底を図り、あわせて、政治資金の透明性を高め、さらに政治資金についての規制の実効性を確保するための改正を行うものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一は、政治資金の調達を政党中心とするための改正であります。
 その一は、選挙制度の改革と相まって、選挙や政治活動が政策本位、政党中心となることに伴い、政治資金の調達も政党中心とするため、企業等の団体の寄附については、政治家が指定した二以内の資金調達団体に限り年間二十四万円を限度とした少額の寄附ができることとするほかは、政党に対するものに限ることといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。
 なお、経過的に、五年間に限り、政党及び資金調達団体以外の者に対して寄附ができることとするとともに、資金調達団体に対しても年間二十四万円を超えて寄附ができるものとし、それぞれその限度を逓減する措置を講ずることといたしております。
 その二は、政治資金の調達を政党中心とするため、寄附枠の区分を改め、政党に対する寄附枠を独立させるとともに、企業等の団体の政党に対する寄附枠の限度を現行の二倍といたしております。また、政党以外の者に対する寄附枠については、その限度を、個人の寄附にあっては政党に対する寄附枠の二分の一、企業等の団体の寄附にあっては政党に対する寄附枠の四分の一といたしております。
 第二は、政治家の資金面における公私の峻別の徹底のための改正であります。
 政治家の資金面における公私の峻別を徹底するため、政治家は原則として金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、政治家の政治資金はその資金調達団体で取り扱うことといたしております。これに伴い、指定団体及び保有金の制度は、廃止することといたしております。
 また、政党中心の政治資金制度の確立に資するため、政治家間の資金提供を禁止することとし、その実効性を確保するため、政治家間のみならず、政治家の資金調達団体とそれ以外の政治団体との間の資金提供を禁止することといたしております。
 第三は、政治資金の透明性の強化等のための改正であります。
 その一は、政治家がその者のために政治資金の拠出を受けることができる政治団体として資金調達団体を二つ以内に限り指定することができるものとして、政治資金の拠出を受けることができる政治団体の数を制限いたしております。
 その二は、政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準を現行の年間百万円超から、資金調達団体については、企業等の団体の寄附にあっては年間十二万円超、その他の寄附にあっては年間六十万円超に、また、資金調達団体以外の一般の政治団体については年間一万円超にそれぞれ引き下げることといたしております。
 なお、政党に対する寄附の公開基準については、事務処理の簡素化を図るため、現行の年間一万円超から年間十万円超に改めることといたしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準については、一の政治資金パーティー当たり現行の百万円超から六十万円超に引き下げることといたしております。
 第四は、政治資金の規制の実効性を確保するための罰則の強化に係る改正であります。
 政治資金の規制の実効性を確保するため、罰金額の引き上げを行うとともに、企業等の団体の役職員または構成員が、政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほかその団体に対して刑罰を科することといたしております。
 また、政治資金規正法違反の罪により禁錮の刑に処せられその刑の執行猶予中の者は、公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を有しないことといたしております。
 以上のほか、政党の名称を保護するため、これと同一の名称またはこれに類似する名称を他の政治団体が使用することができないことといたしております。
 また、法人が政党に対して寄附をした場合においては、当該寄附については、法人税の課税について特別の措置を講ずることといたしております。
 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、原則として、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 次に、政党助成法案につきまして御説明申し上げます。
 議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって、民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 第一は、助成の対象となる政党についてであります。
 政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙の得票率が百分の三以上の政治団体といたしております。
 また、政党交付金の交付を受けようとする政党は、その年の一月一日現在で、所定の事項を自治大臣に届け出ることとし、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うことといたしております。
 第二は、政党交付金に関する事項であります。
 政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に二百五十円を乗じた額を基準として予算で定めることといたしております。
 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数に応じて一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定することといたしております。
 第三は、政党交付金の使途の報告及び公表等の措置であります。
 政党交付金については使途を制限しないこととし、各政党は政党交付金の使途を記載した報告書を提出し、これを公表することといたしております。
 なお、収支報告書には、公認会計士または監査法人が行った監査報告書を添付しなければならないことといたしております。
 第四は、政党の解散等に関する措置であります。
 政党が合併または分割により解散を行った場合には、所要の措置を講ずることといたしております。
 第五は、政党交付金の返還等の措置であります。
 政党がこの法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、交付すべき政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることといたしております。
 その他この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか、政党に対して刑罰を科することといたしております。
 なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の提案理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
#6
○田邉委員長 次に、田並胤明君。
    ―――――――――――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案
 政治資金規正法の一部を改正する法律案
 政党交付金の交付に関する法律案
    〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#7
○田並議員 私は、日本社会党・護憲民主連合並びに公明党・国民会議が共同提出いたしました公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政党交付金の交付に関する法律案につきまして、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 ロッキード事件に始まり、リクルート、共和・佐川急便事件と、政治と金にまつわるスキャンダルが次々と国民の前に明らかにされ、その上、政権党の最高実力者と言われた金丸前自民党副総裁の巨額なやみ献金受領による不正蓄財と脱税事件が摘発されるに及び、国民の政治不信はその極に達し、我が国の議会制民主主義にははかり知れない影響を与えています。
 これら一運の政治スキャンダルを根絶するには、関係した政治家個々人がその責任を問われることは当然でありますが、あわせて、このような政治スキャンダルを生みやすい現在の金権腐敗の政治構造を改めなければなりません。
 したがって、私たちは、政治腐敗根絶と再発防止、政治倫理の確立、選挙制度改革など、抜本的な政治改革の実現を図り、もって、国民の政治に対する信頼を回復し、我が国の議会制民主主義の再生を図るため、ここに四件の法律案を御提案申し上げる次第であります。
 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 民意を正確に反映した国政を実現し、国民の信頼に足る政党政治を確立するため、衆議院議員の選挙について、小選挙区併用型比例代表制を導入し、名簿届け出政党等の要件、選挙運動等に関する規定を設け、あわせて、政治腐敗の防止を図るため、公職にある間に犯した収賄罪に係る公民権停止の強化、連座制の強化、戸別訪問の規制の緩和、公職の候補者等の寄附の制限の強化のための措置等を講ずる必要があります。
 以上が、本法律案を提出いたしました理由であります。
 以下、本法律案につきまして、その内容の概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。
 その一は、制度の基本的枠組みとして、小選挙区併用型比例代表制を採用します。定数は五百人とし、都道府県を十二に分けた各ブロックごと及び各ブロックを分割して設ける小選挙区ごとに選挙を行い、小選挙区の定数を二百とします。
 その二は、衆議院議員小選挙区画定等審議会を設置することといたします。
 その三は、投票についてであります。一票の第一欄に名簿届け国政党等の名称または略称を、一票の第二欄に候補者一人の氏名を記載します。
 その四は、立候補についてであります。
 まず、ブロックの選挙における候補者の届け出についてであります。
 名簿届け国政党等は、名称または略称並びに候補者名及び当選人となるべき順位を記載した名簿を選挙長に届けることといたします。
 なお、名簿届け出政党等の要件は、所属する衆議院議員または参議院議員を三人以上有すること、直近に行われた総選挙または通常選挙における得票総数等が当該選挙における有効投票総数等の百分の一以上であること、名簿登載者を当該ブロックにおける定数の十分の一以上有すること、以上三つといたします。
 名簿届け出政党等は、小選挙区の立候補者をブロックの選挙の名簿登載者とすることができること、すなわち、重複立候補を認めることといたします。重複立候補者は、当選人となるべき順位を同一のものとすることができることといたします。
 その五は、当選人についてであります。
 まず、小選挙区の選挙における当選人については、第二欄の記載総数の最多数を得た者とします。ただし、記載総数の合計数の六分の一以上なければならないものとします。
 次に、ブロックの選挙における当選人についてであります。
 各ブロックの定数から、無所属等候補者で小選挙区の選挙において当選した者、すなわち、無所属等当選人の数を差し引き、これを各名簿届け出政党等に対する総配分議席数とします。各名簿届け出政党等に対する記載総数から、無所属等当選人に投じた選挙人の各名簿届け出政党等に対する記載数を差し引き、これを各名簿届け出政党等の獲得記載総数とします。総配分議席数を、各名簿届け出政党等の得票総数に基づき、ドント式により各名簿届け出出政党等に配分し、これを各名簿届け出政党等の配分議席数とします。各名簿届け出政党等の配分議席数から、当該名簿届け国政党等の候補者が小選挙区の選挙において得た議席の数を差し引き、残余の議席を、各名簿届け出政党等の名簿から、当該名簿において定める当選人となるべき順位に従い割り当てます。重複立候補者で順位が同一のものとされた者の当選人となるべき順位は、小選挙区の選挙において記載総数が最多である者に対する記載総数の割合の最も大きい者から順にします。
 その六は、選挙運動についてであります。
 各小選挙区における公職の候補者が選挙運動ができることはもちろん、各名簿届け国政党等も各ブロックにおいて選挙運動ができることとし、特に、立会演説会については、ブロック選挙管理会が、回数を定め、当該ブロック内の小選挙区ごとに指定する市町村で開催することとします。さらに、午前八時から午後九時までの戸別訪問を解禁することといたしております。
 腐敗防止に関しても規定を設けております。公職にある者が収賄罪に問われた場合、実刑期間終了後五年間、選挙権及び被選挙権を有しないこととします。連座の対象を候補者のみならず候補者になろうとする者に使用される秘書にまで拡大することとし、さらに親族については、執行猶予の言い渡しがあった場合においても連座制の適用除外が行われないもの寺といたしました。
 また、地域主宰者の定義について、現行法の定義に、「選挙区内の一の市町村を含む区域において選挙運動を主宰した者」を追加いたしました。さらに、連座制をより実効あるものとするために、当選無効に加えて、裁判の確定のときから五年間、参議院選挙区選出議員の選挙については七年間立候補制限を加えるものといたしております。
 公職の候補者等の寄附禁止についても強化されております。公職の候補者が、政治教育のための集会に関して、必要やむを得ない実費の補償としてする寄附を禁止するものといたしました。
 これらに加えて、罰金額も引き上げております。
 特別選挙、供託等、その他の関連事項については、所要の規定を設けることといたします。
 なお、この法律は、衆議院議員の小選挙区に関する法律の規定が適用される最初の総選挙から施行するものといたします。
 以上、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げました。
 次に、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 さきに御説明申し上げました公職選挙法の一部を改正する法律案では、衆議院議員の選挙は小選挙区併用型比例代表制を採用いたしております。これに従って、衆議院議員の小選挙区の改定等に関し、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告させるため、総理府に衆議院議員小選挙区画定等審議会を置く必要があります。
 以上が、本法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、総理府に、衆議院議員小選挙区画定等審議会を置くこととします。
 第二に、同審議会は、国勢調査の結果に基づき、各小選挙区の人口比の格差二倍以内を基本に、小選挙区の改定案を作成し、内閣総理大臣に勧告するものといたします。必要があるときは、フロックの定数、都道府県における小選挙区の数の改定案についても勧告いたします。
 第三に、内閣総理大臣は勧告を尊重し、国会へ報告するものといたします。
 第四に、同審議会の委員は七人とし、国会議員以外の者で両院の同意を得て、内閣総理大臣が任命いたします。
 その他の関連事項については、所要の規定を設けることといたします。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたします。
 以上、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案につきまして、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げました。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 政党その他の政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動の公明と公正を確保するため、政党の定義を改正し、法人その他の団体の政治活動に関する寄附の禁止、公職の候補者に対する政治活動に関する寄附の禁止、政治活動に関する寄附の量的制限の強化等の措置を講ずるとともに、寄附に関する公開の強化等を行い、あわせて、株式等による政治活動に関する寄附の禁止、罰則の強化その他の措置を講ずる必要があります。
 以上が、本法律案の提案理由であります。
 次に、本法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、政党の定義であります。これは、さきに御説明申し上げました各名簿届け国政党等の要件に準ずるものといたします。
 第二に、政党交付金の収支とそれ以外の収支を分離します。
 第三に、寄附の公開基準として年間一万円超、支出のそれは一件当たり三万円以上とします。
 第四に、公職の候補者への寄附を禁止するとともに、指定団体、保有金制度を廃止します。
 第五に、法人その他の団体の政治献金を禁止します。
 第六に、政治活動に対する寄附の量的制限を強めております。個人がする政党、政治資金団体への献金につきましては年間一千万円までとし、それ以外は年間五百万円としました。また、株式、土地等による政治献金は禁止いたしました。
 第七に、罰則の強化と政治資金規正法違反に伴う公民権停止を盛り込むことといたしました。
 その他の関連事項については、所要の規定を設けることといたします。
 最後に、この法律は、政党交付金の交付に関する法律の施行の日から施行するものといたしております。
 以上が、政治資金規正法の一部を改正する法律案の提案理由並びに内容の概要であります。
 次に、政党交付金の交付に関する法律案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 政党が議会制民主政治において重要な機能を果たすものであり、その健全な発達が国民の利益に資するものであることにかんがみ、国が政党に対して公的助成を行う制度を創設することとし、もって、民主政治の健全な発展に寄与しようとするのがこの法律の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容の概要を申し上げます。
 第一は、政党交付金の対象となる政党についてであります。これは、さきに御説明申し上げました各名簿届け出政党等の要件に準ずるものといたします。
 第二は、政党交付金の算定に関する事項であります。毎年の政党交付金の総額は、直近の国勢調査人口に二百五十円を乗じて得た額を基準として予算で定めるものとし、毎年分として各政党に交付すべき政党交付金の額は、当該政党の総選挙、通常選挙の得票率等で算出いたします。
 交付金交付資格、政党の届け出手続、交付手続、使途の報告義務、罰則等、その他の関連事項については、所要の規定を設けることといたします。
 最後に、この法律は、衆議院議員の小選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年一月一日から施行するものとします。
 以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の提案理由とその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重な御審議を賜り、速やかに以上四件の法案が可決されんことをお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
#8
○田邉委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。
 次に、各案の内容につきまして詳細な説明を聴取いたします。石井一君。
#9
○石井(一)議員 私は、自由民主党を代表して、我が党から提出いたしました公職選挙法の一部を改正する法律案の詳細について、重点に絞って御説明を申し上げます。
 まず、初めに衆議院議員の選挙制度の改革に関する事項について、御説明申し上げます。
 第一に、選挙制度の基本について、単純小選挙区制とすることといたしております。
 単純小選挙区制は、民意を総括的に集約した形で反映し、安定した政策遂行力と不断の緊張感を政権に与える選挙制度であり、自由主義と民主主義を基盤とする政党間で政策の競い合いを通じ政権交代を可能とする新たな政治システムを構築し、活力ある健全な議会制民主政治を揺るぎないものとするために最もふさわしい制度であると確信いたしております。一第二に、衆議院議員の定数は、これまでの定数増が暫定的な定数是正に伴ってもたらされたものであること等を考慮し、五百人とすることといたしております。
 第三は、選挙区に関する事項であります。衆議院議員の選挙区は、別に法律で定めるものとし、現行法の別表第一を削除することといたしております。また、各選挙区において選挙すべき議員の数は、一人とすることといたしております。
 ここに述べます別の法律とは、後に御説明申し上げます衆議院議員選挙区画定委員会設置法に基づいて設けられる選挙区画定委員会から提出される選挙区の区割り案についての意見を踏まえ、本院において提出されるべき衆議院議員の選挙区に関する法律、いわゆる選挙区法を念頭に置いております。
 第四に、衆議院議員の選挙における投票は、できる限り無効投票の減少を図るとともに、開票事務の簡素合理化を図るため、不在者投票等を除き、記号式投票の方法によるものといたしております。
 第五に、立候補について御説明申し上げます。
 政策本位、政党中心の選挙制度を実現する見地から、候補者の届け出は、原則として、一定の要件を満たす政党その他の政治団体がこれを行うことといたしております。
 具体的には、@当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員または参議院議員を五人以上有すること、A直近において行われた衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙における比例代表選出議員の選挙もしくは選挙区選出議員の選挙における当該政党その他の政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の三以上であること、B当該選挙において、当該政党その他の政治団体に所属する候補者を五十人以上有することのいずれかの要件を満たす政党その他の政治団体が候補者を届け出ることができることとしております。
 なお、これらの要件を満たす政党その他の政治団体のほか、本人届け出または推薦届け出による立候補もできることとしております。
 次に、候補者の選定の手続の届け出等についてであります。
 政党中心の選挙においては、政党の行う候補者の適正な選定が重要であり、これが適切な手続に基づいて行われることが必要であります。
 このため、政党は、候補者の選定の手続を定め。たときは、その日から七日以内に、その旨を自治大臣に届け出るものとし、自治大臣は、この届け出があったときは、候補者の選定の手続等を告示するものとしております。
 また、候補者選定が財産上の利益の収受や供与などによってゆがめられることのないよう、これらの行為については、罰則を設けることといたしております。
 次に、供託についてであります。
 候補者の届け出をしようとするものは、候補者一人につき、三百万円を供託しなければならないものとし、候補者の得票数が有効投票の総数の十分の一に達しないときは、供託物は、国庫に帰属するものといたしております。
 第六に、当選人について御説明申し上げます。
 まず、当選人の決定については、有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすることといたしております。ただし、有効投票の総数の四分の一以上の得票がなければならないものとしております。
 次に、当選人の繰り上げ補充は、得票数が同じであるためにくじで当選人を定めたときに当選人とならなかった者の中から行うものとしております。
 また、当選人の更正決定または繰り上げ補充を行う場合において、除名、離党その他の事由により当該候補者届け出政党に所属する者でなくなった旨の届け出がされている者については、これを当選人と定めることができないものと定めております。
 第七に、特別選挙について御説明申し上げます。
 まず、再選挙は、当選人がないとき、訴訟の結果当選人がなくなったとき等の場合で、当選人の更正決定または繰り上げ補充により当選人を定めることができないときに行うものとしております。
 また、議員の欠員が生じた場合の繰り上げ補充は、得票数が同じであるためにくじで当選人を定めたときに当選人とならなかった者の中から行うものとしております。
 この場合において、除名、離党その他の事由により当該候補者届け国政党に所属する者でなくなった旨の届け出がされている者については、これを当選人と定めることができないものとしております。
 さらに、補欠選挙は、議員の欠員が生じた場合の繰り上げ補充により当選人を定めることができるときを除くほか、議員の欠員の数が一人に達したときに行うものとしております。
 第八に、選挙運動についてであります。
 今回の衆議院議員の選挙制度の改革は、政策本位、政党中心の選挙の実現を図ろうとするものであることから、候補者個人とは別に、候補者を届け出た政党にも一定の選挙運動を行うことを認め、その政策を国民に訴える機会を保障することとしております。
 具体的には、まず、候補者個人については、おおむね現行制度を基本として選挙運動を行うことができることとし、また、候補者届け出政党については、選挙事務所を設置できるほか、原則として候補者を届け出た都道府県ごとに当該都道府県における届け出候補者の数に応じて、自動車の使用、文書図画の頒布及び掲示、新聞広告、政見放送等を行うことができることといたしております。
 このうち、政見放送については、政策本位、政党中心の選挙を実現するためには、政党がその政策を広く有権者に伝達することが必要不可欠であり、それにふさわしい広域的メディアである放送を選挙運動手段として政党に十分に保障することが必要である一方、候補者個人にとっては選挙区が相当程度狭くなること、選挙区数の増加に伴う全体としての候補者数の増加に対応する必要な収録時間、放送時間の確保が困難であること等から、今回の改正においては、候補者届け出政党のみに認めることといたしたところであります。
 また、立会演説会については、御承知のとおり、かってさまざまな弊害が指摘され、昭和五十八年の公職選挙法改正により廃止されたところでありますが、各選挙区において少数の政党候補者間で政策を競い合う衆議院議員の選挙においては、各政党候補者の政策を直接かつ同時に比較できる場であることから、今回、回数を限って復活することといたしております。
 また、各政党届け出候補者の政見比較の効果を上げるため、日本放送協会または一般放送事業者は、立会演説会についてその実況を放送することができることといたしております。
 以上が衆議院議員の選挙における選挙運動の特徴的な点であります。
 引き続きまして、衆議院議員の選挙区と都道府県議会の議員等の選挙区の調整に関する事項について御説明申し上げます。
 今回、衆議院議員の選挙区数を五百としましたことに伴い、都道府県議会の議員または指定都市の議会の議員の選挙区とされる郡市の区域または区の区域が二以上の衆議院議員の選挙区に分かれる場合が少なからず生じることが予想されるところであります。
 したがいまして、都道府県の議会の議員の選挙区とされている一の郡市の区域が二以上の衆議院議員の選挙区に属する区域に分かれている場合、あるいは、指定都市の議会の議員の選挙区とされている一の区の区域が二以上の衆議院議員の選挙区に属する区域に分かれている場合には、当該各区域を郡市または区の区域とみなすことができるものとし、地域の実情に応じて、衆議院議員の選挙区との間において調整を行うことができるようにしたところであります。なお、市町村の議会の議員の選挙区については、既に現行法において、「特に必要があるときは、条例で選挙区を設けることができる」旨の規定があり、同様の調整ができることとされております。
 さらに、現行の選挙運動に係る事項として、日常生活の静穏を阻害し、世上批判を受けている連呼行為について、特に苦情の多い運行中の選挙運動用自動車または船舶の上における選挙運動のための連呼行為は、これを禁止することといたしております。
 次に、公職の候補者等及び後援団体の政治活動のために使用されるホスターの掲示の禁止に関する事項であります。
 選挙がある程度近づきますと、演説会の開催告知のためのポスターがはんらんとも言えるほど、相当多数掲示される傾向があり、それがまた、掲示の過当競争を招き、政治や選挙に金のかかる要因になっておりますとともに、街頭に無差別に掲示され、町の美観を著しく損ねているとの批判を招いているところでもあります。このため、公職の候補者等の政治活動のために使用される当該公職の候補者等の氏名または氏名が類推されるような事項を表示するポスター及び後援団体の政治活動のために使用される当該後援団体の名称を表示するポスターについては、選挙の種類に応じ、一定期間、これを掲示することができないものといたしております。
 具体的には、衆議院議員の総選挙にあっては、任期満了の日の一年前の日から当該総選挙の期日までの間または解散の日の翌日から当該総選挙の期日までの間、その他の選挙にあっては、任期満了の日の六月前の日から当該選挙の期日までの間、補欠選挙等であっては、当該選挙を行うべき事由が生じた旨を告示した日の翌日から当該選挙の期日までの間、これを掲示することができないこととするものであります。
 次に、予想報道等に関する事項であります。新聞、雑誌、テレビ、ラジオは、社会の公器であり、その報道、評論の自由はできる限り保障すべきものであります。一方で、新聞等は選挙情報提供の媒体として多大な影響力を有しているところから、選挙が選挙人の自由に表明される意思によって公明かつ適正に行われることを確保するため、選挙に関する公職につくべき者の予想に係る報道もしくは評論の新聞紙もしくは雑誌への掲載または放送番組の編集もしくは放送については、慎重に配慮しなければならない旨を規定することといたした次第であります。
 次に、連座制に関する事項であります。
 公職選挙法の違反者に対する制裁強化の一環として、次に申し上げます者を新たに連座制の対象とすることといたしております。
 その一は、公職の候補者となろうとする者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹で当該公職の候補者となろうとする者と意思を通じて選挙運動をしたものであります。
 その二は、公職の候補者または公職の候補者となろうとする者の秘書で当該公職の候補者もしくは公職の候補者となろうとする者、総括主宰者または地域主宰者と意思を通じて選挙運動をしたものであります。
 なお、秘書については、総括主宰者のように、選挙において当然に重要な地位を占めるものではありませんので、親族運座の場合と同様、選挙に当たって、当該公職の候補者等、総括主宰者または地域主宰者と「意思を通じて選挙運動をしたもの」に限定するとともに、禁錮以上の実刑に処せられたときに限り、連座制の適用があるものといたしております。
 また、当選無効に加えて、運座裁判の確定等のときから五年間、当該選挙に係る選挙区において行われる当該公職に係る選挙について立候補制限を課することといたしております。なお、この立候補制限については、候補者本人に責任を問うことができないような場合、具体的には、連座制の対象となる者の買収罪等に該当する行為がおとりまたは寝返りによるものであるときは、連座制を適用しないこととしております。
 そのほか、平成三年に刑法等の罰金額の引き上げが行われましたことから、これに伴い公職選挙法の罰金額の引き上げを行うことといたしております。
 改正の内容については、以上御説明を申し上げたとおりでありますが、この法律は、原則として、別に制定されることとなる選挙区法の規定が適用される最初の総選挙から施行するものといたしております。
 ただし、事前ポスターの禁止に関する事項、予想報道等に関する事項及び罰金額の引き上げについては公布の日から起算して三月を経過した日から、都道府県議会の議員等の選挙区の調整に関する事項、連呼行為に関する事項及び運座制に関する事項については、先ほど申し上げました選挙区法の公布の日から施行するものといたしております。
 また、連呼行為に関する事項及び連座制に関する事項についての改正後の公職選挙法の規定は、衆議院議員の選挙については選挙区法の規定が適用される最初の総選挙から、その他の選挙については選挙区法の公布の日以後その期日を公示されまたは告示される選挙について適用するものといたしております。
 なお、都道府県議会の議員等の選挙区の調整に関する事項に関する改正後の公職選挙法の規定は、選挙区法の規定が適用される最初の総選挙の期日の公示の日以後初めてその期日を告示される一般選挙から適用するものといたしております。
 その他、この法律の施行に伴い必要な経過措置等を定めるとともに、地方自治法、最高裁判所裁判官国民審査法、漁業法、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律、農業委員会等に関する法律、租税特別措置法、市町村の合併の特例に関する法律及び自治省設置法の一部改正その他所要の規定の整備を図るものといたしております。
 以上で、我が党から提出いたしました公職選挙法の一部を改正する法律案の詳細についての説明を終わります。
 自由民主党提出の衆議院議員選挙区画定委員会設置法案の詳細について御説明申し上げます。
 本法案は、衆議院議員の選挙区の改定に関し調査審議し、その改定案を作成して意見を提出させるため、衆議院に国会議員以外の公正な第三者から成る衆議院議員選挙区画定委員会を設置しようとするものであります。
 これを衆議院に置くこととした理由は、まさに我々自身が今問われているもろもろの問題について、特に議員の政治生命に直結する選挙区割りを第三者の手にゆだね、最大限尊重することにより、我々自身に恣意のないことを国民の前に明らかにし、自制、自律に徹する姿を示すことをもって、政治に対する国民の信頼を確保したいがためであります。
 以下、本法案について逐次御説明申し上げます。
 第一に、設置についてであります。我々衆議院議員がその任を全うする場である本院の中に、衆議院選挙区画定委員会を置くことといたしております。
 第二に、所掌事務に関してであります。
 その一は、選挙区の改定に係る意見の提出であります。
 選挙区画定委員会は、衆議院の選挙区の改定に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、改定案を作成して、衆議院に意見を提出するものといたしました。
 その二は、改定案を作成する基準についてであります。
 各都道府県の区域内における衆議院議員の選挙区の数については、衆議院議員の総定数五百を、まず各都道府県に一人ずつ基礎配分し、残りを、統計法により十年ごとに行われる直近の国勢調査の結果による人口に比例して各都道府県に配分するものといたしました。
 次いで、その際、実際の選挙区割りを行うに当たっては、各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区間の人口の格差が一対二以上にならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うものとしたのであります。
 その三は、意見の提出の期限についてであります。
 国勢調査が行われた場合、選挙区画定委員会が衆議院に対して行う意見の提出は、国勢調査の結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うものといたしました。
 なお、国勢調査が行われない場合でも、各選挙区間の人口の格差が著しく拡大している場合等特別の事情があると認めるときは、委員会が随時意見の提出ができるのは、委員会の所掌事務からいって当然のことと考えております。
 第三に、選挙区画定委員会の組織についてであります。
 委員会は、委員七人以内をもって組織することといたしました。
 第四に、委員に関してであります。
 その一は、委員の任命についてであります。
 委員は、国会議員以外の者で、識見が高く、かつ選挙区の改定に関して公正な判断をすることができる者を、衆議院の承認を得て、衆議院議長が任命するものといたしました。公正・公平な第三者機関とするためであります。
 その二は、委員の任期でありますが、これは五年といたしました。
 その三は、委員の守秘義務であります。委員は、職務上知り得た秘密は、在職中はもちろん、職を退いた後も、これを漏らしてはならないことといたしました。
 その四は、委員は非常勤とすることを定めております。
 第五に、選挙区画定委員会の会長についてであります。
 委員会には会長を置き、その会長は、委員の互選によって定めるものといたしております。
 第六に、資料提出その他の協力についてであります。
 委員会は、その所掌事務である選挙区の改定案の作成に当たって必要があると認めるときには、行政機関や地方公共団体の長に対して資料の提出、意見の開陳、説明、その他必要な協力を求めることができることとしました。選挙区の改定案の作成に当たって、地域の実情について幅広く情報や意見を聴取するためであります。
 第七は、庶務に関してでありますが、委員会の庶務は、衆議院事務局において処理することといたしました。
 第八は、細則についてであります。
 委員会に関し必要な事項は、この法律に定めるもののほか、衆議院の議決によってこれを定めるものといたしました。
 第九は、施行期日についてでありますが、この法律は、公布の日から施行するものといたしております。
 第十は、所掌事務の特例に関してであります。
 その一は、選挙区の画定に係る意見の提出についてであります。
 これは新しい選挙制度のもと、全国に五百の小選挙区を初めて画定する際のことを定めたものであります。すなわち、選挙制度の改革を含んだ公職選挙法の一部を改正する法律が成立したとき、衆議院議員の定数や選挙区に関する改正内容を踏まえて、選挙区の画定に関し調査審議し、その画定案を作成して衆議院に意見を提出するものとしたのであります。
 その二は、ただいま申し上げた意見の提出の期限についてでありますが、委員が任命された日から六カ月以内に行うものといたしております。
 その三は、最初の画定案の作成の基準についてでありますが、第二の二にある改定案の作成基準を準用することといたしました。
 最後に、第十一、その他として、関係法律の整備を行うものとしたのであります。
 以上、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案について御説明申し上げました。
 以上であります。(拍手)
#10
○田邉委員長 次に津島雄二君。
#11
○津島議員 私は、自由民主党を代表して、まず、我が党から提出いたしました政治資金規正法の一部を改正する法律案から御説明を申し上げます。
 第一に、政治資金の調達を政党中心とするための改革に関する事項について御説明申し上げます。
 今回の改正では、衆議院議員の選挙制度を現在の中選挙区制から小選挙区制に改革することと相まって、選挙や政治活動が政策本位、政党中心となることに伴い、政治資金の調達を政党中心とする制度を確立することとしております。
 このため、その一として、企業等の団体の寄附については、原則として政党に対するものに限ることとしております。
 ここで政党とは、具体的には、衆議院議員または参議院議員を五人以上有する政治団体、直近において行われた衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙における得票率が百分の三以上である政治団体のいずれかに該当するものとしております。
 その二として、政治資金の調達を政党を中心とするため、政党に対する寄附と政治家個人に対する寄附とを同一の寄附枠としている現行の区分を改め、政党に対する寄附枠を独立させることとしております。あわせて、選挙や政治活動を政党中心の仕組みに変えていくためには、政党の財政基盤の確立、強化を図ることが不可欠であることから、現行の寄附の限度が昭和五十年の法改正以来現在まで二十年近く据え置かれたままその後物価が上昇していること等も勘案して、企業等の団体の政党に対する寄附枠に限り、その限度を現行の二倍としております。
 その三として、政治資金の調達を政党中心とするため、法人が政党に対して寄附をした場合において、通常の寄附金の損金算入限度額と政党に対する寄附の額とのいずれか大きい金額まで損金算入できることとする法人税の特別措置を講ずることとしております。
 その四として、政治資金が政党中心に調達されると、政党の報告書に係る事務量が一層大きなものとなることが予想されるため、弊害のない限度内においてその事務処理の簡素化を図る見地から、政党に対する寄附の公開基準については、現行の年間一万円超から年間十万円超に引き上げることとしております。
 その五として、政党中心の政治資金制度の確立のためにさまざまな措置を講ずることとしていることに伴い、政党とそれ以外の政治団体との識別を明らかにして、類似の名称等による混同を避け、国民が政治資金を拠出するに当たって混乱の生ずることのないようにするため、政党の名称を保護する措置を講ずることとしております。
 なお、ここで企業等の団体の寄附につき申し上げますと、今回の改正で、選挙や政治活動を政党中心の仕組みに改めるとしても、政治家の政策立案、調査研究という日常の政治活動に要する政治資金について対応する必要があることから、政治家のための資金調達ができる政治団体を二つ以内に限り認めることとし、これに対して、その公開を原則に、年間二十四万円以内という限られた額の寄附の受け入れを認めることとしております。この場合において、資金調達団体は、専らその者が主宰する政治団体または専らその者を推薦しもしくは支持する政治団体のうちから、政治家が指定し、届け出ることとしております。
 また、これらの措置が円滑に実施できるよう一定の準備期間を設ける配慮を加えることとしております。すなわち、法施行後五年間に限り、企業等の団体は政党及び資金調達団体以外の者に対して寄附ができることとするとともに、資金調達団体に対しても年間二十四万円を超えて寄附ができることとし、その限度額は、法施行日の属する年は年間百二十五万円とし、それ以降毎年二十五万円ずつこれを減額していくこととする経過措置を設けることとしております。
 第二に、政治家の資金面における公私の峻別に関する事項について御説明申し上げます。
 政治家の資金面における公私の峻別を徹底するため、別に公職選挙法で厳しく規制される選挙運動に関するものを除き、政治家個人は金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、政治家の政治資金は専ら資金調達団体で取り扱わなければならないこととしております。
 一方、政治家個人は本来、政党の政治活動の主要な一翼を担うべきものでありますから、政党の政治家個人に対する寄附はこれを認めることとし、これを受けた政治家個人が、その寄附を資金調達団体に取り扱わせる場合には、寄附の総枠・個別の量的制限に関する規定は適用しないこととしております。
 今回の改正により政治家個人は原則として政治資金を取り扱うことがなくなるため、指定団体及び保有金の制度は廃止することとしております。
 第三に、政治家間及び政治団体間の資金提供の禁止に関する事項について御説明申し上げます。
 政党中心の政治資金制度の確立に資するとともに、資金収支の明朗性を保持するため、政治家間の資金提供を禁止することとし、あわせて、その実効性を確保するため、政治家間のみならず、政治団体間の資金提供を禁止することとしております。
 まず、政治家間の資金提供については、政治家個人に対する寄附を禁止することにより、禁止されるところであります。
 次に、政治団体間の資金提供については、まず、政治家の資金調達団体と他の政治家の資金調達団体との間の資金提供を禁止することとしております。
 さらに、政治家の資金調達団体と政党を除くその他の政治団体との間の資金提供も禁止することとしております。これは、資金調達団体間の資金提供の禁止を逃れるために、その他の政治団体を介した資金提供がなされる余地があることから、これを含めて禁止することとしたものであります。
 第四に、政治資金の透明性の強化に関する事項について御説明申し上げます。
 政治資金の透明性を強化するため、政治資金の拠出を受けることができる政治団体の数を制限するとともに、政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準を引き下げることとしております。
 まず、特定の政治家のために政治資金の拠出を受けることができる政治団体である資金調達団体は、一人の政治家につき二つ以内に限ることとしております。
 次に政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準を現行の年間百万円超から、資金調達団体については、企業等の団体の寄附にあっては年間十二万円超、その他の寄附にあっては年間六十万円超に、また、資金調達団体以外の一般の政治団体については年間一万円超にそれぞれ引き下げることとしております。
 第五に、政治資金の規制の実効性の確保に関する事項について御説明申し上げます。
 政治資金の規制の実効性を確保するため、罰則の強化を行うこととしております。
 その一は、罰金額の引き上げであります。これは、昭和五十年の法改正以来現在まで二十年近く改められなかった罰金額を、政治資金の規制の実効性を確保する見地から引き上げることとしたものであります。引き上げ幅については、平均二・五倍としておりますが、これは平成三年の刑法改正における罰金額の引に上げ幅が平均二・五倍であったことに倣ったものであります。
 その二は、両罰規定の整備であります。企業等の団体の役職員または構成員が、政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほか、その団体に対して刑罰を科することとしております。
 その三は、公民権停止措置の拡充であります。選挙犯罪以外の犯罪に係る公民権停止については、公職選挙法の規定するところにより、従来、禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者、及び刑の執行猶予の場合を除き、その刑の執行を受けることがなくなるまでの者がその対象とされていたところでありますが、昨年十二月の公職選挙法の一部改正において、公職にある間に犯した刑法の収賄罪により刑に処せられその刑の執行猶予中の者についても公民権を停止することとされたところであります。今回の改正では、政治資金規正法違反の罪についても刑法の収賄罪と同様の取り扱いとすることとし、禁錮の刑に処せられた者について、刑の執行猶予の言い渡しを受けた場合にあっても、その執行猶予中の期間は公民権を停止することとしております。
 改正の内容については、以上御説明申し上げたとおりでありますが、この法律は、原則として、別に制定される選挙区法の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することとしております。
 ただし、政党の定義及び政党の届け出に係る改正規定については、選挙区法の公布の日から施行することとしております。
 以上で、政治資金規正法の一部を改正する法律案の詳細についての説明を終わります。
 次に、政党助成法案の詳細について御説明申し上げます。
 まず、第一に、総則に関する事項について御説明申し上げます。
 その一は、助成の対象となる政党についてであります。
 政党助成の対象となる政党は、衆議院議員または参議院議員を五人以上有する政治団体、衆議院議員または参議院議員を有するもので、かつ、直近において行われた衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙における得票率が百分の三以上の政治団体のいずれかに該当するものとしております。
 その二は、この法律案の運用等についてであります。
 国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、またはその使途について制限してはならないこととするとともに、政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、国民の信頼にもとることのないように、これを適切に使用しなければならないこととしております。
 第二に、政党の届け出に関する事項について御説明申し上げます。
 その一は、政党交付金の交付を受けようとする政党の届け出についてであります。
 政党交付金の交付を受けようとする政党は、毎年一月一日の「基準日」現在における名称、主たる事務所の所在地、代表者等の氏名、所属衆議院議員または参議院議員の氏名、前回の総選挙並びに前回及び前々回の通常選挙における当該政党のそれぞれの得票総数等を、基準日の翌日から起算して十五日以内に自治大臣に届け出なければならないこととしております。
 その二は、総選挙または通常選挙が行われた場合の届け出についてであります。
 政党交付金の交付を受けようとする政党は、その年において総選挙または通常選挙が行われた場合には、基準日現在における届け出事項と同様の事項を、当該選挙により選出された衆議院議員もしくは参議院議員の任期の初日または当該選挙の期日の翌日のいずれか遅い日の「選挙基準日」現在で、その翌日から起算して十五日以内に、自治大臣に届け出なければならないこととしております。
 その三は、届け出事項の異動の届け出等についてであります。
 政党は、届け出事項及びこれにあわせて提出する文書に係る事項に異動があった場合には、所要の事項を届け出ることとしております。
 また、自治大臣は、届け出事項及びその異動の届け出があった場合には、届け出事項を告示することとしております。
 第三に、政党交付金に関する事項について御説明申し上げます。
 その一は、政党交付金の総額等についてであります。
 国は、この法律の定めるところにより、政党に対して、政党交付金を交付することとし、政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に二百五十円を乗じて得た額を基準として予算を定めることとしております。
 また、政党交付金は、議員数割及び得票数割とすることとし、議員数割の総額及び得票数割の総額は、政党交付金の総額のそれぞれ二分の一とすることとしております。
 その二は、政党交付金の額の算定等についてであります。
 各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、議員数割の類と、得票数割の類とを合計した額とすることとし、議員数割の額は、当該政党に所属する衆議院議員及び参議院議員の数に応じて、また、得票数割の額は、当該政党の総選挙及び通常選挙における得票総数に応じて算定することとしております。
 また、その年分として各政党に交付すべき政党交付金の額は、一月一日の基準日現在において算定した額とすることとし、基準日の属する年において総選挙または通常選挙が行われた場合においては、選挙基準日現在で再算定することとしております。
 なお、当該選挙基準日後さらに総選挙または通常選挙が行われた場合においては、さらに再算定することとしております。
 その三は、政党交付金の交付決定等についてであります。
 自治大臣は、その年分の政党交付金を計上する年度の国の予算が成立したときは、速やかに、その年分として各政党に対して交付すべき政党交付金の額を決定し、これを各政党に通知するとともに、告示するものとし、決定後、総選挙または通常選挙が行われた場合において、再算定により政党交付金の額に異動が生じたときも同様とすることとしております。
 また、各政党に対して交付すべき政党交付金は、毎年、一月から三月までの分を四月に、四月から六月までの分を七月に、七月から九月までの分を十月に、十月から十二月までの分を十二月に、それぞれ四分の一ずつ交付することとし、この場合において、各政党は、請求書を提出することとし、当該請求書を提出しないときは、政党交付金を交付しないこととしております。
 第四に、政党交付金の使途の報告等に関する事項について御説明申し上げます。
 政党の会計責任者は、会計帳簿を備え、政党交付金による支出等について記載するとともに、十二月三十一日現在で政党交付金の収支に関して記載した報告書を支部から提出された支部報告書等とあわせて、自治大臣に提出しなければならないこととしております。
 また、政党の報告書を提出するときは、会計監査を行うべき者の監査意見書とともに、公認会計士または監査法人が行った監査に基づき作成した監査報告書をあわせて提出しなければならないこととしております。
 自治大臣は、政党の報告書、支部報告書及び総括文書を受理したときは、これらの要旨を公表することとし、何人も、告示日または公表日から五年間、政党の届け出書、綱領・党則等、報告書等の書類または政党の支部の報告書等の閲覧を請求することができることとしております。
 第五に、政党の解散等に係る措置に関する事項について御説明申し上げます。
 その一は、政党の合併についてであります。
 一月一日の基準日または選挙基準日後に政党が合併する場合においては、その年分として当該合併により解散する政党に対して交付すべき政党交付金の残額については、新政党に対して交付することとしております。
 また、次の基準日以後、新政党に係る政党交付金の額の算定における得票総数は、合併前のそれぞれの得票総数を引き継いだものとみなして算定することとしております。
 その二は、政党の分割についてであります。
 基準日または選挙基準日後に政党の分割が行われいずれも新政党を設立した場合においては、その年分として当該分割により解散する政党に対して交付すべき政党交付金の残額については、分割により設立された新政党に所属する衆議院議員または参議院議員の数により案分した額をそれぞれ交付することとしております。
 また、次の基準日以後、分割による新政党に係る政党交付金の額の算定における得票総数は、分割により解散する政党の得票総数を分割による新政党のそれぞれの所属議員数で案分した数を、それぞれ新政党の得票総数とみなして算定することとしております。
 その三は、政党の解散等についてであります。
 政党が解散しまたは目的の変更その他により政治団体でなくなった場合は、政党交付金は交付しないこととし、政党が政党の要件に該当しない政治団体となった場合は、当該政党でなくなった日の属する月まで政党交付金を月割りで交付することとしております。
 第六に、政党交付金の返還等に関する事項について御説明申し上げます。
 自治大臣は、政党がこの法律の規定に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が受けた政党交付金から政党交付金による支出を控除して残余がある場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、交付すべき政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることとしております。
 第七に、罰則について御説明申し上げます。
 この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか、政党に対して刑罰を科することとしております。
 政党助成法案の内容については、以上御説明を申し上げたとおりでありますが、この法律は、別に制定されることとなる選挙区法の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することとしております。なお、この法律の施行の日から五年を経過した場合においては、政党交付金の総額については、改正後の公職選挙法及び政治資金規正法の執行状況を踏まえ、政党及び公職の候補者の政治活動の状況、政党財政の状況、会社、労働組合その他団体の寄附の状況等を勘案し、その見直しを行うこととしております。
 以上で、我が党から提出いたしました政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の詳細についての説明を終わります。(拍手)
#12
○田邉委員長 次に、井上義久君。
#13
○井上(義)議員 私は、公明党・国民会議並びに日本社会党・護憲民主連合が共同提案しました公職選挙法の一部を改正する法律案など関連四法案について御説明を申し上げます。
 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案について御説明いたします。
 第一に、衆議院議員選挙の選挙制度に関する事項について説明を申し上げます。
 一に、選挙制度の基本は、各ブロックごとの小選挙区併用型比例代表制といたします。
 二に、議員の定数は五百人とします。ただし、この法律に基づく選挙の結果五百人を超えることを妨げないものとします。
 三に、衆議院議員は、各ブロック及び各ブロックにおける各小選挙区において、選挙するものといたします。
 ブロックの定数は十二とし、小選挙区の数は二百とします。
 各ブロックに含まれる都道府県並びに各ブロックの定数及び各ブロックにおける都道府県ごとの小選挙区の数は、別表で定めるものといたします。
 小選挙区は、別に法律で定め、各小選挙区において選挙すべき議員の数は、一人といたします。
 四に、総理府に、衆議院議員の選挙における各ブロックの定数の改定、各ブロックにおける都道府県ごとの小選挙区の数の改定及び小選挙区の改定について調査審議し、その改定案を作成するため、別に法律で定めるところにより、衆議院議員小選挙区画定等審議会を置くものといたします。
 五に、投票は、投票用紙の第一欄に政党その他の政治団体一以下「名簿届け出政党等」といいます)の名称または略称を、投票用紙の第二欄に小選挙区の候補者一人の氏名を記載して行うものといたします。
 六に、立候補について説明をいたします。
 初めに、ブロックの選挙における候補者の届け出であります。
 政党その他の政治団体は、当該選挙の期日の公示または告示があった日に、当該政党その他の政治団体の名称(略称を含みます)並びにその所属する者の氏名及びそれらの者の間における当選人となるべき順位を記載した文書(以下「名簿」というふうに称します)を当該選挙長に届け出ることにより、その名簿に記載されている者(以下「名簿登載者」というふうにいいます)を当該選挙における候補者とすることができるものといたします。
 名簿を届け出できる政党その他の政治団体の条件は、@当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員または参議院議員を三人以上有すること。
 A直近において行われた衆議院議員の総選挙における当該政党その他の政治団体に係る第一欄の獲得記載総数が各政党その他の政治団体に係る獲得記載総数の合計数の百分の一以上であることまたは当該政党その他の政治団体に所属する候補者に係る第二欄の記載総数の合計数が各候補者に係る第二欄の記載総数の合計数の百分の一以上であること。
 B直近において行われた参議院議員の通常選挙における比例代表選出議員の選挙または選挙区選出議員の選挙における当該政党その他の政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の百分の一以上であること。
 C名簿の届け出をすることにより候補者となる名簿登載者を当該ブロックの定数の十分の一以上有すること。
 以上であります。
 各名簿届け出政党等は、名簿登載者を小選挙区の選挙における当該名簿届け国政党等の届け出に係る候補者とすることができるものといたします。
 重複立候補がある場合には、それらの者の全部または一部について当選人となるべき順位を同一のものとすることができるようにしてあります。
 名簿登載者の数は、当該ブロックにおける当該選挙において選挙すべき議員の数を超えることができないものとしております。
 次に、小選挙区の選挙における候補者の届け出についてでございますが、名簿届け国政党等は、当該名簿届け出政党等に所属する者を候補者としようとするときは、当該選挙の期日の公示または告示があった日に、文書でその旨を当該選挙長に届け出なければならないものといたします。
 そのほか、本人届け出または推薦届け出による立候補もすることができるものといたしております。
 次に、候補者の選定手続の届け出等について御説明をいたします。
 政党その他の政治団体は、当該政党その他の政治団体のブロックの選挙の名簿登載者の選定及び小選挙区の選挙の候補者となるべき者の選定の手続を定めたときは、その日から七日以内に、その旨を自治大臣に届け出なければならないものといたします。
 自治大臣は、届け出があったときは、当該届け出に係る政党その他の政治団体の名称、本部の所在地及び代表者の氏名並びに名簿登載者または候補者の選定を行う機関の名称、その構成員の選出方法及び名簿登載者または候補者の選定の手続を告示しなければならないものといたします。
 七に、当選人について説明をいたします。
 まず、小選挙区の選挙における当選人について。
 1 第二欄の記載総数が最多である者をもって当選人とすることといたします。ただし、各候補者に係る第二欄の記載総数の合計数の六分の一以上の記載総数がなければならないものといたします。
 次に、ブロックの選挙における当選人についてでございます。
 1 各ブロックの定数から、無所属等候補者で小選挙区の選挙において当選した者(以下「無所属等当選人」というふうにいいます)の数を減じて得た数をもって、各名簿届け出政党等に対する総配分議席数といたします。
 2 各名簿届け出政党等に係る第一欄の記載総数から、第二欄に無所属等当選人の氏名の記載のある投票に係る各名簿届け出政党等に係る第一欄の記載数を減じて得た記載数をもって、各名簿届け出政党等の獲得記載総数といたします。
 3 総配分議席数を、各名簿届け出政党等の獲得記載総数に基づき、ドント式により各名簿届け出政党等に配分し、これを各名簿届け出政党等の配分議席数といたします。
 4 各名簿届け出政党等の配分議席数から当該名簿届け出政党等の届け出に係る候補者が小選挙区の選挙において得た議席の数を差し引き、残余の議席を、各名簿届け出政党等の名簿から、当該名簿において定める当選人となるべき順位に従い割り当てるものといたします。この場合において、当該名簿届け出政党等の小選挙区の選挙において獲得した議席数が配分議席数以上のときは名簿からの割り当ては行いません。
 5 重複立候補者で当選人となるべき順位が同一のものとされた者の間における当選人となるべき順位は、当該小選挙区における第二欄の記載総数が最多である者に係る第二欄の記載総数に対する当該者に係る第二欄の記載総数の割合の最も大きい者から順次に定めるものといたします。
 当選人の更正決定及び繰り上げ補充については別に定めてございます。
 八に、特別選挙につきましては、再選挙、議員の欠員が生じた場合の繰り上げ補充、補欠選挙につきまして別に定めてございます。
 九に、選挙運動について御説明申し上げます。
 選挙運動につきましては、公職の候補者、名簿届け出政党等それぞれにつきまして、選挙事務所、自動車、船舶及び拡声機の使用、文書図画の頒布、文書図画の掲示、新聞広告、政見放送、経歴放送、立会演説会、個人演説会等及び街頭演説、選挙公報の発行、投票記載所の氏名等の掲示、交通機関の利用につきまして、それぞれ定めてございます。
 また、衆議院議員の選挙においては、名簿届け出政党等が行う選挙運動の制限に関する規定は、公職の候補者の選挙運動が、この法律において許される態様において名簿届け出政党等の選挙運動にわたることを妨げないものとしております。
 第二に、戸別訪問に関する事項について御説明申し上げます。
 選挙に関し、戸別訪問を行うことができるものといたしました。ただし、時間については午前八時から午後九時までに限るものといたします。
 第三に、腐敗防止に関する事項について御説明申し上げます。
 一に、収賄罪を犯し刑に処せられた者に係る公民権の停止の強化に関する事項でございます。
 公職にある間に犯した刑法第百九十七条から第百九十七条ノ四までの罪一収賄罪)により刑に処せられた者は、その執行を終わりまたはその執行を受けることがなくなった日から五年間選挙権及び被選挙権を有しないものといたします。
 二に、連座制の強化に関する事項でございます。
 連座制の運座対象の拡大でございます。
 1 次に掲げる者が買収等の罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられたとき(執行猶予を含みます)は、連座制の適用があるものといたします。
 @公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するもの(以下「秘書」というふうに称します)。
 A公職の候補者等の父母、配偶者、子または兄弟姉妹で当該公職の候補者等、総括主宰者、地域主宰者または秘書と意思を通じて選挙運動をしたもの。
 2 選挙区の区域内の一の市町村の区域を含む地域の選挙運動を主宰すべき者として公職の候補者または総括主宰者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者を新たに地域主宰者といたします。
 3 秘書もしくはこれに類似する名称を使用する者または公職の候補者等の政治活動のために使用する常設の事務所に所属する者であることを示す名称を使用する者について、当該公職の候補者等がこれらの名称の使用を承諾しまたは容認している場合には、秘書と推定するものといたします。
 立候補制限について。
 当選無効に加え、連座裁判の確定のときから五年間(参議院選挙区選出議員の選挙については、七年間)、当該選挙に係る選挙区(衆議院議員の小選挙区の選挙における政党その他の政治団体の届け出に係る公職の候補者等であった者については当該小選挙区に係るブロック、その他の衆議院議員の小選挙区の選挙における公職の候補者等であった者については当該小選挙区とし、選挙区がないときは選挙の行われる区域といたします)において行われる当該公職に係る選挙において、公職の候補者となり、または公職の候補者であることができないものといたします。
 ただし、連座制の対象となる者の違反行為が、おとり、寝返りによるものであるときは、立候補制限については免責するものといたします。
 第四に、公職の候補者等の寄附の禁止の強化に関する事項について説明をいたします。
 公職の候補者等は、当該選挙区内にある者に対し、専ら政治上の主義または施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする寄附をしてはならないものとします。
 第五に、その他の事項について御説明申し上げます。
 一に、罰金額の引き上げを行います。
 二に、政府は、選挙権に係る年齢の満十八年以上への引き下げ及び電子式投票の採用については、公職選挙法の施行の状況等を考慮して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものといたします。
 三に、この法律は、衆議院議員の小選挙区に関する法律(以下「選挙区法」というふうに略称いたします)の規定が適用される最初の総選挙から施行するものといたします。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案に対する説明でございます。
 次に、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法について御説明申し上げます。
 第一に、設置について御説明申し上げます。
 総理府に、衆議院議員小選挙区画定等審議会(以下「審議会」というふうに申し上げます)を置くことといたします。
 第二に、所掌事務について説明申し上げます。
 一に、小選挙区の改定等に係る勧告であります。
 審議会は、衆議院議員の選挙における各ブロックの定数、各都道府県の衆議院議員の小選挙区の数及び衆議院議員の小選挙区の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものといたします。
 二に、改定案の作成の基準でございます。
 1 衆議院議員の選挙における各ブロックの定数の改定案の作成は、衆議院議員の定数に相当する数を人口(直近の国勢調査(統計法により十年ごとに行われる国勢調査をいいます)の結果による人口をいいます)に比例して各ブロックに配当した数により行わなければならないことといたします。
 2 各都道府県の衆議院議員の小選挙区の数の改定案の作成は、衆議院議員の小選挙区の数を人口に比例して各都道府県に配当した数により行わなければならないことといたします。
 3 衆議院議員の小選挙区の改定案の作成は、各小選挙区の人口の均衡を図り、各小選挙区間の人口のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならないものといたします。
 三、勧告の期限は、国勢調査が行われた場合における勧告は、その結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うものといたします。
 第三、勧告の尊重等、第四、組織、第五、委員、第六、会長、第七、資料提出その他の協力につきましては、別に定めてございます。
 施行期日につきましては、公布の日から施行することといたします。
 第十に、所掌事務の特例といたしまして、一に、小選挙区の画定に係る勧告でございますが、審議会は、公職選挙法の一部を改正する法律、私どもが今提案している法律案でございますけれども、による衆議院議員の小選挙区に関する公職選挙法の改正の内容を踏まえ、衆議院議員の小選挙区の画定に関し調査審議し、その画定案を作成して内閣総理大臣に勧告するものといたします。
 勧告の期限は、委員が任命された日から六カ月以内に行うものといたします。
 以上が、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案についての説明でございます。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 第一に、総則に関する事項について御説明申し上げます。
 一、目的の改正でございます。
 法人その他の団体による政治活動に関する寄附の禁止措置を講ずることに伴い、目的に「政治活動が法人その他の団体の資金に頼って行われることがないようにする」を追加いたします。
 二に、政党の定義の改正でございます。
 総選挙または通常選挙において一%以上の得票を得た政治団体を新たに政党といたします。
 衆議院議員または参議院議員が五人以上所属するものとする政党の定義を、三人以上所属するものに改めます。
 三に、寄附の定義の改正でございます。
 個人がみずから労務を無償で提供することによる利益の供与を「寄附」の定義から除外することといたします。
 政治資金パーティーの対価の支払いは、政治活動に関する寄附とみなすものといたします。
 第二、政党等の名称の保護、第三、政党交付金に係る収支の分離に関する事項については、略させていただきます。
 第四に、政治活動に関する寄附等に関する公開の徹底について御説明申し上げます。
 一、政治資金の寄附の公開基準についてでございます。同一の者からの寄附の公開基準は、一律に年間一万円、政党及び政治資金団体以外の政治団体については現行百万円でございますけれども、一万円超といたします。
 二に、政治資金の支出の公開基準でございます。支出の公開基準は、一件当たりの金額が三万円(現行五万円)以上といたします。
 第五に、公職の候補者に対する政治活動に関する寄附の禁止等について御説明を申し上げます。
 一に、何人も、公職の候補者に対しては、政治活動に関する寄附(金銭等による政治活動に関する寄附に限るものとし、選挙運動に関するものを除きます)をしてはならないものといたします。
 ただし、政党がする寄附については、これを適用しないものといたします。
 二に、何人も、一に違反してされる寄附を受けてはならないものといたします。
 三に、これらの改正に伴い、特定公職の候補者に係る指定団体及び保有金の制度は、廃止するものといたします。
 第六に、法人その他の団体の政治活動に関する寄附の禁止について御説明申し上げます。
 一に、法人その他の団体(政治団体は除きます)は、政治活動に関する寄附をしてはならないものといたします。
 二に、何人も、法人その他の団体(政治団体を除きます)に対して、政治活動に関する寄附をすることを勧誘し、または要求してはならないものといたします。
 三に、何人も、一に違反してされる寄附を受けてはならないものといたします。
 第七に、政治活動に関する寄附の量的制限の強化について御説明を申し上げます。
 一に、個人がする政党及び政治資金団体に対する政治活動に関する寄附は、各年中において一千万円(現行は公職の候補者に対するものとあわせて二千万円)を超えることができないものといたします。
 二に、個人がする政党及び政治資金団体以外の者に対する政治活動に関する寄附は、各年中において五百万円を超えることができないものといたします。
 第八に、株式等による政治活動に関する寄附の禁止について御説明申し上げます。
 一に、何人も、株式、土地その他政令で定めるものを供与し、または交付することにより、政治活動に関する寄附をしてはならないものといたします。
 二に、何人も、一に違反してされる寄附を受けてはならないものといたします。
 第九に、罰則の強化について御説明申し上げます。
 一に、法人その他の団体の政治活動に関する寄附の禁止並びに株式等による政治活動に関する寄附の禁止につきまして新たに罰則を設けることといたします。
 二に、罰金額の引き上げを行うことといたします。
 三に、団体の役職員または構成員が、政治資金規正法の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その団体に対して当該罰金刑を科するものといたします。
 第十に、政治資金規正法違反による公民権の停止について御説明申し上げます。
 政治資金規正法の罪を犯し刑に処せられた者は、次の基準により選挙権及び被選挙権を有しないものといたします。この場合において、裁判所は、情状により、選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用せず、または期間を短縮する旨を宣告できるものといたします。
 1 禁錮の刑に処せられた者 その裁判が確定した日から刑の執行が終わるまでの間もしくは刑の時効による場合を除くほか刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間またはその裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間。
 2 罰金の刑に処せられた者 その裁判が確定した日から五年間(刑の執行猶予の言い渡しを受けた者は、その裁判が確定した日から刑の執行を受けなくなるまでの間)といたします。
 第十一に、施行期日等について。
 この法律は、政党交付金の交付に関する法律の施行の日から施行するものといたします。
 以上が、政治資金規正法の一部を改正する法律案についての御説明でございます。
 次に、政党交付金の交付に関する法律案につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、総則に関する事項でございます。
 一に、目的であります。
 この法律は、政党が議会制民主政治において重要な機能を果たすものであり、その健全な発達が国民の利益に資するものであることにかんがみ、選挙を通じてあらわされた国民の意思を反映した政党に対する公的助成としての政党交付金の制度を創設することとし、これを実施するために必要な政党の要件、政党の届け出その他政党交付金の交付に関する手続を定めるとともに、その使途の報告その他必要な措置を講じ、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的といたします。
 二に、基本理念等でございます。
 政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、国民の信頼にもとることのないように使用しなければならないものといたします。
 国は、政党の自由な活動が議会制民主政治の発展にとって不可欠なものであることにかんがみ、政党交付金の交付を理由に、政党の行う政治活動及び政党交付金の使途について、いかなる制限も加えてはならないものといたします。
 三に、政党の定義でございます。
 この法律において「政党」とは、政治資金規正法第三条第一項に規定する政治団体のうち、次のいずれかに該当するものといたします。
 一、総選挙または通常選挙において当該政治団体に所属する候補者であった衆議院議員または参議院議員(以下「所属議員」というふうにいたします)を三人以上有するもの。
 二、所属議員を有するもので、直近において行われた総選挙における当該政治団体に係る獲得記載総数が当該選挙における各政治団体に係る獲得記載総数の合計数の百分の一以上であるものまたは当該選挙における政治団体に所属する候補者に係る記載総数の合計数が当該選挙における各候補者に係る記載総数句合計数の百分の一以上であるもの。
 三、所属議員を有するもので、直近において行われた通常選挙における比例代表選出議員の選挙または選挙区選出議員の選挙において当該政治団体の得票総数が当該選挙の有効投票の総数の百分の一以上であるものというふうにいたします。
 四に、政党交付金の交付でございます。
 国は、この法律の定めるところにより、政党に対して政党交付金を交付するものといたします。
 第二、政党の届け出に関する事項については省略させていただきます。
 第三に、政党交付金の算定等に関する事項について御説明申し上げます。
 一に、毎年分の政党交付金の総額は一月一日現在において算出するものとし、その日の直近の国勢調査人口に二百五十円を乗じて得た額を基準として予算で定めるものといたします。
 二に、毎年分として各政党に交付すべき政党交付金の額は、政党交付金の総額に、次に掲げる数をそれぞれ乗じて得た額を合計した額とし、毎年一月一日現在において算定するものといたします。
 1 上前回の総選挙における当該政党の獲得記載総数の割合に八分の三を乗じて得た数。
 2 前回の総選挙における当該政党に所属する候補者の記載総数の割合に八分の一を乗じて得た数。
 3 前回の通常選挙の比例代表選出議員の選挙における当該政党の得票率に八分の一を乗じて得た数。
 4 前々回の通常選挙の比例代表選出議員の選挙における当該政党の得票率に八分の一を乗じて得た数。
 5 前回の通常選挙の選挙区選出議員の選挙における当該政党の得票率に八分の一を乗じて得た数。
 6 前々回の通常選挙の選挙区選出議員の選挙における当該政党の得票率に八分の一を乗じて得た数といたします。
 第四に、政党交付金の使途の報告に関する事項、並びに第五に、政党の解散等に係る措置に関する事項、第六に、報告書等の公表に関する事項、第七に、政党交付金の返還等に関する事項、それから第八に、届け出書類等の説明聴取等に関する事項については、それぞれ所要の規定を定めております。
 第九に、罰則に関する事項について御説明申し上げます。
 一に、この法律に違反する行為について、所要の罰則を設けることといたします。
 二に、この法律の罪を犯し刑に処せられた者は、次の基準により選挙権及び被選挙権を有しないものといたします。この場合において、裁判所は、情状により選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用せず、または期間を短縮する旨を宣告することができるものといたします。
 1 禁錮以上の刑に処せられた者 その裁判が確定した日から刑の執行を終わるまでの間もしくは刑の時効による場合を除くほか刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間またはその裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間といたします。
 2 罰金の刑に処せられた者 その裁判が確定した日から五年間(刑の執行猶予の言い渡しを受けた者は、その裁判が確定した日から刑の執行を受けなくなるまでの間)というふうにいたします。
 第十に、その他について御説明を申し上げます。
 一に、この法律は、衆議院議員の小選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行するものといたします。
 二に、政党交付金の総額については、この法律の施行状況等を踏まえ、五年を経過した場合に見直すものといたします。
 以上で、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案、政党交付金の交付に関する法律案についての説明を終わらせていただきます。(拍手)
#14
○田邉委員長 これにて各案の詳細な説明は終わりました。
 この際、ただいま趣旨の説明を聴取いたしました各案に関連して、委員東中光雄君及び委員川端達夫君から発言の申し出がありますので、これを許します。東中光雄君。
#15
○東中委員 私は、日本共産党を代表して、政治改革問題について意見を表明いたします。
 一九八八年のリクルート事件に続き、佐川急便事件、金丸巨額脱税事件と底知れぬ腐敗事件が相次ぐもとで、金権腐敗政治の根絶・政治改革を求める国民の怒りが広く、大きくなっております。日本共産党は、こうした事件が示す政治と金の問題に徹底したメスを入れ、金権政治の根源である企業・団体献金を禁止すること、選挙権の平等を保障する定数格差の是正を国会決議に基づいて実行すること、これこそが国民の求める政治改革の中心課題であると一貫して主張してまいりました。
 自民党は八九年五月、竹下政権のもとで「政治改革大綱」を決定し、その中で、「リクルート疑惑をきっかけに、国民の政治にたいする不信感は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態をむかえている」といたしました。ところが、その政治改革の中心に小選挙区制の導入を据え、金権腐敗の問題を選挙制度の改変にすりかえました。この自民党「政治改革大綱」を受けて海部内閣が提出した小選挙区制導入を柱とする政治改革三法案は、国民の多数の反対のもとで本院において各党の合意で廃案としたのであります。
 その後、佐川急便事件、金丸巨額脱税事件が発生し、大企業から自民党有力政治家への莫大な額のやみ献金が常態化し、その見返りとして、国の行政全体が大企業の利権のためにゆがめられているという構造的な金権腐敗政治の実態をますます明らかにしました。
 今、国民が求める政治改革の基本は、この構造的金権腐敗政治を根絶することであり、選挙制度の改変ではありません。金権腐敗政治の根源である企業・団体献金の禁止こそ政治改革の中心でなければなりません。
 ところが、自民党は、政治と金の問題を選挙制度にすりかえて、事もあろうに、自民党が戦後再三企てて果たせなかった小選挙区制導入を政治改革の名で一挙に強行しようとしております。小選挙区制は比較第一党だけが圧倒的な議席を占め、多くの有権者の票を死票として切り捨て、民意を全くゆがめる最悪の選挙制度であり、断じて認めることはできません。また、前回は小選挙区制導入に反対して闘った社会、公明両党が、中選挙区制は制度疲労などという内容のない空語を弄する自民党などに同調して、併用制ならよいとして小選挙区制の導入を提案したことは、自民党の小選挙区制導入の土俵に上る危険な道であることを私は厳しく指摘しないわけにはいきません。
 今、選挙制度についての緊急の優先課題は、国民の選挙権の平等、法のもとの平等を実現するために、国会の国民への公約である一九八六年国会決議に従って現行制度のもとでの定数抜本是正を行うことであります。選挙制度の改革問題は、定数抜本是正を実施して現在の不公正を解消し、民意を公正に反映した新しい国会において論議をするのが筋道であります。なお、制度改革について言えば、我が党は、最も望ましい選挙制度として都道府県単位の比例代表制を既に二十年も前から提起しておるところであることを申し添えておきます。
 以下、皆さんに配付をいたしました我が党の、金権腐敗政治を根絶するための、政治資金規正法等改正案要綱(骨子)及び衆議院議員の定数是正に関する提案について、順次説明をいたします。
 一、まず、政治資金規正法等改正案要綱(骨子)についてであります。
 日本共産党は、金権腐敗政治を根絶するために、政治資金規正法を抜本的に改正して、企業・団体献金を禁止し、これに違反したものは、出した企業の側も、受けた政治家の側にも、厳しい罰則を科するとともに、公民権を停止し、政治家としての地位を剥奪すること、それを実効あらしめるためにやみ献金の温床になっている使途不明金にメスを入れること、個人献金についても透明性を高めること等の措置をとることを提案しております。
 第一に、企業・労働組合その他の団体は、政治活動一選挙運動を含む)に関する寄附をしてはならないものとし、何人も企業・団体に対して政治活動に関する寄附を勧誘・要求してはならず、また寄附を受けてはならないものとし、企業・団体献金を全面的に禁止をいたします。
 これに違反した者への刑罰は、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処するものとし、団体の役員または構成員が違反した場合は、その行為者を罰するほか、その団体に対して罰金刑を科するものとするとともに、有罪判決確定の日から五年間公民権を停止するものとします。
 第二は、いわゆる政治資金の透明性の確保であります。政治活動に関する個人の寄附は、政党・政治資金団体、指定政治団体、その他の政治団体に対してすることができます。政治家は、政治活動に関する寄附をこれらの政治団体に取り次ぐ以外は、個人からの政治資金としての寄附にかかわる金銭の授受に携わってはならないものとしております。なお、政治家が持つことのできる指定政治団体の数は一つに限るものとします。
 同一の者からの政治活動に関する寄附の公開基準は一万円を超える金額とします。
 寄附に関する量的制限については、政党・政治資金団体に対しては年間一千万円、その他の政治団体に対しては年間五百万円、政治家の指定政治団体に対しては年間百五十万円とします。
 これらの寄附の量的制限に違反した者は、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に処するものとし、公開に関する政治資金規正法に違反した者と同じく、その有罪判決確定の日から五年間公民権を停止することができるものとします。
 政治家に対しては、自己の指定政治団体の役職員または構成員が、会計帳簿、収支報告書並びに寄附に関する制限等の規定に違反する行為を行わないよう監督する義務を課し、監督を怠った政治家に対し、違反行為者の罰則の法定刑の重さに応じた刑罰を科するとともに有罪判決確定の日から五年間公民権を停止することができるものとします。
 第三は、政治家が拠出を受けた政治資金を私的に流用しまたは蓄財した場合は、公的な政治資金の私的利用でありますから、違反者は、業務上横領罪と同じように十年以下の懲役に処するとともに、十年間公民権を停止するものとしております。
 第四は、悪質な選挙犯罪、収賄罪に対する公民権停止の強化と連座制の対象拡大であります。
 買収・利害誘導など悪質な選挙犯罪を規制するため、政治家の当選を無効とする運座制の対象を政治家の秘書、親族、市区町村を含む区域の地域主宰者に拡大します。右犯罪については有罪判決確定の日から十年間、違反行為者と政治家の公民権を停止します。また、収賄罪についても公民権停止は十年間とするものです。
 第五は、使途不明金に対する規制です。資本金一億円以上または売上高五十億円以上の法人に対して、その使途不明金が一千万円を超えるときは、超過部分に対し一〇〇%の追徴課税をするとともに、当該法人名とその金額・調査に対する弁明を公表するものとします。
 また、使途不明金が一億円を超える法人に対しては、翌年度の国からの補助金・その他の給付金の交付及び公共事業の発注をしない措置をあわせてとるものとしております。
 次に、衆議院の定数是正に関する我が党の提案を説明いたします。
 衆議院の定数は、昨年十二月のいわゆる九増十減の是正が行われたものの、最大格差は二・七七倍、格差が二倍を超えている選挙区は二十九選挙区で、依然として憲法上の原則である選挙権の平等の原則がじゅうりんされたままであります。一九八六年の国会決議は「選挙権の平等の確保は議会制民主政治の基本」だとし、「二人区・六人区の解消」「選挙区画の見直し」を含めた定数の抜本是正を速やかに行うとしています。我が党は、この国民への公約である国会決議を実行することを強く求めるものであります。
 我が党は、衆議院定数抜本是正の基本原則と具体的提案を発表いたしました。
 まず、定数是正の三つの基本原則を明らかにしています。
 一つは、定数是正に当たっては、各選挙区間の定数格差を少なくとも一対二未満に抑えること。二つは、二人区・六人区を解消し、中選挙区制(選挙区定数三―五人)を維持すること。三つ目は、国勢調査に基づく定数是正の実施を国会と政府に義務づけること。以上三つの原則を公職選挙法に明記することを提案するものであります。
 次に、具体的な是正案は別紙に示したとおりであります。
 この案は、基本原則に基づき、九〇年国勢調査確定値人口を基礎に作成しております。これに用いた具体的な是正方法は、まず九〇年国調をもとにして総定数五百十一を各都道府県に人口比例するよう配分し、次に各都道府県に配分した議席数を現行の選挙区割りをできるだけ尊重しながら、必要な場合は、合区、分区、境界変更による再編などの方法で選挙区を再構成しました。選挙区定数は三―五人区とし、現行の二人区・六人区はすべて解消しました。
 この是正によって、選挙区の数は現行百二十九から百二十六となります。三十二選挙区で合区、五選挙区で分区、三十九選挙区で境界変更・再編、合区の上分割を含むわけですが、を行い、三十五選挙区で定数の増減を行っております。現行の選挙区・定数に変更のないものは十八選挙区です。選挙区の定数は、三人区三十八、四人区四十三、五人区四十五となっております。
 この結果、定数格差は、現行の一対二・七七から一対一・五〇に是正されます。
 以上であります。
 最後に、委員会に配付をいたしました二つの提案につきまして、会議録に添付されることを求めまして、私の発言を終わります。
#16
○田邉委員長 次に、川端達夫君。
#17
○川端委員 民社党の川端でございます。
 初めに、委員長並びに委員各位の御配慮で発言の機会を与えていただいたことを感謝申し上げます。
 民社党の今回の政治改革の案について御説明を申し上げます。
 民社党の政治改革に関する方針を、公職選挙法の一部を改正する法律案要綱、政治資金規正法の一部を改正する法律案要綱及び政党に対する公費補助に関する法律案要綱、政治倫理法案要綱としてまとめましたので、その内容の概略を御説明申し上げます。
 初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案要綱について説明いたします。
 我が党は、衆議院の選挙制度は民意を公正に反映することが最も重要であると考え、比例代表制の導入を提案してきましたが、今回、その具体案として、原則として都道府県を選挙区の単位とする非拘束名簿式比例代表制を提案するものであります。
 まず第一に、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。
 その一は、選挙制度の基本的仕組みとして、原則として都道府県を選挙区の単位とする非拘束名簿式比例代表制を採用することとしています。
 その二は、衆議院議員の定数について、総定数は五百人とし、そのすべてを非拘束名簿式比例代表制で選出することとしています。
 その三は、選挙区について、原則は都道府県とし、人口三百万人以上の都道府県については分割することとしています。
 その四は、選挙区定数について、総定数を人口比例に基づき各都道府県に配分することとしていますが、後述するように、ここで配分された定数は、人口比例による仮の定数であり、投票率、各党の得票数などにより若干変動することがあります。
 その五は、立候補についてであります。
 立候補は、次のいずれかの要件を満たす政党その他の政治団体が行うこととしています。当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員または参議院議員を五人以上有すること、または直近において行われた衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙における得票率が一%以上であること、または衆議院議員の総選挙において全選挙区の一割以上の選挙区において名簿を提出することがその要件であります。また、無所属の候補者も立候補できるよう、本人届け出または推薦届け出もできることとしています。
 なお、名簿登載者には当選人となるべき順位を付さないこととし、名簿登載者の数は当該選挙区における選挙区仮定数を超えることができないこととしています。
 また、名簿登載者一人につき三百万円を供託しなければならないこととしています。
 その六は、投票についてであります。
 投票は、候補者名簿を提出した政党の名簿の中から候補者一名を記載するか、または政党名の一つを記載して投票することといたしております。
 その七は、当選人についてであります。
 選挙区において、政党等の得票数と当該政党等に所属する名簿登載者の投票数を合算した数を当該政党の選挙区における得票数とし、この選挙区における得票数を全国集計し、その合計得票数を当該政党等の全国得票数といたします。
 この全国得票数に基づき、総定数五百をドント式により各政党及び各無所属等候補者に配分し、これを各政党及び各無所属候補者の配分議席といたします。
 なお、この配分において、選挙区単位に一定の法定得票数を定め、全国の各選挙区での得票がこの選挙区ごとの法定得票数を超えることのない政党は議席配分の対象とせず、小党乱立を防ぐこととしています。
 政党等に配分された議席は、各政党別に各政党等の選挙区得票数に基づき、最大剰余方式により各選挙区に配分し、選挙区においては、当該政党等に所属する名簿登載者のうち、その得票の多い順に当該選挙区に配分された議席数に至るまでの者を当選人とすることにしています。
 その八は、繰り上げ補充の規定について所要の整備を行うこととしています。
 その九は、再選挙等特別選挙の規定について所要の整備を行うこととしています。
 その十は、選挙運動についてであります。
 戸別訪問について、候補者本人に限り認めることとしております。また、各選挙区における政党間のテレビ等を利用した放送討論会の実施などのほか政党・政策中心の選挙運動が可能となるよう、選挙運動用文書図画について所要の整備を行うこととしています。
 第二に、腐敗防止に関する事項についてであります。
 その一は、収賄で有罪となった者について、実刑後及び執行猶予後五年間公民権を停止することとしています。
 その二は、運座制の対象の拡大を図るとともに、当選無効に加え、運座裁判の確定の時から五年間(参議院選挙区選出議員は七年間)の立候補制限を課することとしています。
 その他、公職の候補者等の寄附の禁止の強化、罰金額の引き上げについて所要の規定の整備を行うとともに、選挙権の十八歳への引き下げ、在外邦人の選挙権の行使、電子式投票などの導入について所要の検討を行うこととしています。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案要綱について説明いたします。
 議会制民主政治の健全な運営には一定のコストがかかるのは当然でありますが、その費用をどこから調達するのが最もよいのか、またその透明性、公開性をいかに確保するのかということが最も重要な課題となっています。
 その観点から、政党への公費助成を前提に、企業・団体献金は廃止することとし、透明性、公開性を高める方策をとるとともに、罰則の強化を行うこととしています。
 第一に、総則に関する事項として、当該政治団体に所属する国会議員を五人以上有するもの、または直近の国政選挙で有効投票の一%以上を得たものを政党と定義することにしています。
 第二は、政党等の名称の保護について所要の規定の整備を行うこととしています。
 第三は、資金調達団体の定義とその数の制限についてであります。
 資金調達団体とは、公職の候補者が、その者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として、その者が主宰する政治団体のうちから指定したもので、当該公職の候補者による届け出がされているものとしています。また、資金調達団体の名称には公職の候補者の氏名を記載しなければならないこと、公職の候補者が指定することができる資金調達団体の数は一に限ること、自治大臣への届け出の義務について規定しております。
 第四は、政治活動に関する寄附等に関する事項について、同一の者からの寄附の公開基準を一律に年間一万円超とすること、支出の公開基準は一件当たりの金額が三万円以上とすることとしています。
 第五は、何人も政治家個人に対する政治活動に関する寄附については禁止することとし、それに伴い、特定公職の候補者にかかわる指定団体及び保有金の制度は廃止することとしています。
 第六は、法人その他の団体(政治団体を除く)の政治活動に関する寄附について禁止することとしています。
 第七は、政治団体間の寄附の制限についてであります。
 資金調達団体は、政党及び政治資金団体以外の政治団体に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならないこととし、また政党及び政治資金団体以外の政治団体は、資金調達団体に対して政治活動に関する寄附をしてはならないこととしています。
 第八は、政治活動に関する寄附の量的制限についてであります。
 個人が政党及び政治資金団体に対して行う寄附は、各年中に一千万円を超えることができないこととし、資金調達団体に対する寄附は、各年中に五百万円を超えることができないこととしています。また、個人がする政党及び政治資金団体並びに資金調達団体以外の者に対する政治活動に関する寄附は、各年中において五百万円を超えることができないこととしております。
 第九は、政治資金パーティーの規制についてであります。
 政治資金パーティーのうち、当該政治資金パーティーの対価にかかわる収入が五百万円以上であるものを特定パーティーと定義することとしています。
 また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準を一のパーティー当たり十万円超に引き下げることとしています。
 政治資金パーティーの対価の支払いに関する制限について、何人も、各年中において同一の者に対する政治資金パーティーの対価の支払いは三十万円を超えることができないものとしています。
 第十は、公職の候補者は、みずからが指定した資金調達団体の役職員及び構成員を監督する義務を創設し、この義務に違反した場合に罰則を適用することとしています。
 第十一は、罰則の強化に罰金刑の引き上げなど所要の整備を行うこととしています。
 第十二は、政治資金規正法の違反者には、禁錮刑、罰金刑にかかわらず、違反者には公民権を停止することとしています。
 その他、個人献金を促進する措置として、個人が政党もしくは政治資金団体または資金調達団体に対し政治活動に関する寄附をした場合においては、租税特別措置法の定めるところにより、所得税の課税について、政治資金規正法による報告がなされたものに相当する金額を、その総所得金額の百分の一に相当する金額を限度として、税額控除の措置を講ずるものとし、これに伴い、現行の政治活動に関する寄附にかかわる所得税の寄附金控除の制度は廃止することとしています。
 次に、政党に対する公費補助に関する法律案要綱について簡潔に説明いたします。
 政党が議会制民主政治において重要な公的機能を果たしていることに着目し、その健全な発達が国民の利益に資するものであることにかんがみ、国が政党に対して公費補助を行う政党交付金制度を創設することを主な内容とするものであります。
 政党とは、国会議員を五人以上有するか、直近の国政選挙での得票率が一%以上であるものとし、政党に対して政党交付金を交付するものとしています。
 この政党交付金は、総額を直近の国勢調査人口に三百円を掛けて得た額とし、一律割と得票数割で交付することとし、一律割の額は総額の四分の一、得票数割の額は総額の四分の三としております。
 その他、政党の届け出に関する事項、政党交付金の使途の報告に関する事項、政党の解散等にかかわる事項、罰則に関する事項などについて所要の整備を行うこととしています。
 なお、政治倫理法案要綱については、これまで野党共同で提案してきたものと同一の内容でありますので、説明を省略いたします。
 さらに、政党に関する所要の法整備を行い、政治腐敗防止のため収賄罪の対象に政党役職者を加えることが重要であり、本委員会でも討議の対象とすることを提案いたします。
 以上が、民社党の政治改革案の内容の概略であります。
 法案として提出してはおりませんが、我が党の方針を法案要綱としてまとめ、委員各位に配付させていただきましたので、今後の討議の参考としていただき、よりよい政治改革の実を上げる一助としていただくことをお願い申し上げ、意見の発表にかえます。ありがとうございました。(拍手)
#18
○田邉委員長 これにて東中委員、川端委員からの発言は終わりました。
 これより懇談に入ります。
    〔午後六時三十二分懇談に入る〕
    〔午後六時三十三分懇談を終わる〕
#19
○田邉委員長 これにて懇談は終わりました。
 次回は、明十五日木曜日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後六時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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