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1993/05/25 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第18号
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1993/05/25 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第18号

#1
第126回国会 政治改革に関する調査特別委員会 第18号
平成五年五月二十五日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 田邉 國男君
   理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
   理事 中西 啓介君 理事 野田  毅君
   理事 浜田卓二郎君 理事 左近 正男君
   理事 堀込 征雄君 理事 伏木 和雄君
      石井  一君    佐藤謙一郎君
      自見庄三郎君    島村 宜伸君
      武村 正義君    津島 雄二君
      戸塚 進也君    葉梨 信行君
      深谷 隆司君    細田 博之君
      増子 輝彦君    阿部未喜男君
      池田 元久君    大畠 章宏君
      菅  直人君    小林  守君
      鈴木喜久子君    田並 胤明君
      土井たか子君    早川  勝君
      細川 律夫君    松原 脩雄君
      井上 義久君    北側 一雄君
      渡部 一郎君    木島日出夫君
      川端 達夫君
 出席政府委員
        自治大臣官房審
        議官      谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部長     佐野 徹治君
 委員外の出席者
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  中野 正志君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       大竹 邦実君
        特別委員会第二
        調査室長    田中 宗孝君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  阿部未喜男君     松原 脩雄君
  岩垂寿喜男君     早川  勝君
  後藤  茂君     小澤 克介君
  土井たか子君     鈴木喜久子君
  川端 達夫君     小平 忠正君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  小平 忠正君     川端 達夫君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  小澤 克介君     阿部未喜男君
  鈴木喜久子君     土井たか子君
    ―――――――――――――
五月十八日
 企業・団体等の政治献金の禁止等政治資金規正法の改正に関する請願(鈴木喜久子君紹介)(第二一六八号)
 公職選挙法、政治資金規正法の抜本改正に関する請願(佐藤恒晴君紹介)(第二一六九号)
 小選挙区制の導入反対に関する請願(小沢和秋君紹介)(第二二〇七号)
 同(金子満広君紹介)(第二二〇八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二二〇九号)
 同(児玉健次君紹介)(第二二一〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二二一一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第二二一二号)
 同(辻第一君紹介)(第二二一三号)
 同(寺前巖君紹介)(第二二一四号)
 同(東中光雄君紹介)(第二二一五号)
 同(不破哲三君紹介)(第二二一六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二二一七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二二一八号)
 同(正森成二君紹介)(第二二一九号)
 同(三浦久君紹介)(第二二二〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二二二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二二二二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十八日
 小選挙区制導入反対に関する陳情書外二件(東京都港区新橋六の一九の二三山北孝之外六十一名)(第二五八号)
 女性の国政進出の推進と選挙制度改革に関する陳情書(東京都渋谷区代々木二の二一の一一中村紀伊外二名)(第二五九号)
 政治改革の早期実現に関する陳情書外十三件(松江市殿町一島根県議会内宇津徹男外十三名)(第二六〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六君外二十三名提出、衆法第六号)
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十三名提出、衆法第七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山静六君外二十三名提出、衆法第八号)
 政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆法第九号)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十四名提出、衆法第一〇号)
 衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
 政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君外二十四名提出、衆法第一三号)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため、去る五月十九日から二十日まで、第一班北海道、第二班新潟県、去る五月二十日から二十一日まで、第三班愛知県、第四班福岡県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から、それぞれ報告を求めます。第一班大島理森君。
#3
○大島委員 北海道に派遣された委員を代表して、団長にかわり、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、田邉國男委員長を団長として、自見庄三郎君、増子輝彦君、左近正男君、大畠章宏君、小林守君、渡部一郎君、木島日出夫君と私、大島理森の九名でありました。このほか、藤原房雄議員が現地参加されました。
 会議は、五月二十日午前九時三十分より札幌市内のホテルニューオータニ札幌において開催いたしました。まず団長からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、北海道議会議員岩本允君、全道労協センター議長相原敬用君、株式会社自由広報センター社長大場信吾君、北海道大学法学部助教授山口二郎君、株式会社アイエスティ北海道取締役社長佐々木宣君及び北海道大学法学部教授田口晃君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、岩本允君からは、今国会で抜本的な政治改革が実現することを強く念願するとともに、自民党案に賛成の立場から、政権交代が可能な政策中心の金のかからない政治を実現するため、単純小選挙区制の導入、政党を中心とした政治資金制度の確立、節度ある企業・団体献金の存続と政治的自由の保障、政党に対する公的助成等を行うべきだとの意見が述べられました。
 次に、相原敬用君からは、政治腐敗を断つため政治改革関連法案の今国会での成立を期するとともに、社会党、公明党案に賛成の立場から、企業・団体献金の禁止と個人献金中心の制度の確立、政治資金規正法違反への連座制の導入、政党交付金制度の創設、政治資金の透明性の確保、政治倫理の確立と政治倫理法の制定等を行うべきだとの意見が述べられました。
 大場信吾君からは、自民党案に賛成の立場から、小選挙区制の導入、政治資金に関する公私の峻別、企業・団体献金の存続等についての意見が述べられました。
 山口二郎君からは、選挙制度については社会党、公明党案の併用制に賛成であり、また、企業・団体献金については過渡的措置を設けた上で一定期間経過後は禁止するべきだとの意見のほか、腐敗防止対策、国会の活性化と野党の強化についての意見が述べられました。
 佐々木宣君からは、自民党案に賛成の立場から、単純小選挙区制の導入、政治資金の流れの透明化と公私の区分の明確化、節度ある企業・団体献金の存続、さらに政治改革と並行して行政における規制緩和を行うべきだとの意見が述べられました。
 最後に、田口晃君からは、選挙制度について、国民の政治不信の一つの柱である不公平感を是正し、多様な民意が直接議会に表明される制度として比例代表制をとるべきだとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、政治改革に関する国会での論議や各党の姿勢についての評価、政治改革関連法案の今国会での一括処理、企業・団体献金の是非、衆参両院の選挙制度のあり方、地方選挙のあり方との関係、民間政治臨調の連用制についての評価、各党の妥協の必要性、国会改革など多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。
#4
○田邉委員長 第二班浜田卓二郎君。
#5
○浜田(卓)委員 新潟県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、石井一君、武村正義君、細田博之君、堀込征雄君、池田元久君、細川律夫君、井上義久君、小平忠正君と私、浜田卓二郎の九名でありました。このほか、小渕恵三議員及び星野行男議員が現地参加されました。
 会議は、五月二十日午前九時三十分より新潟市内のホテルイタリア軒において開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、新潟県議会議員三富佳一君、新潟県評センター顧問宮下弘治君、見附市議会議員三本進一君、新潟大学教養部助教授吉田和比古君、自由民主党新潟県支部連合会婦人部長滝沢佳子君及び日本労働組合総連合会新潟県連合会会長滝沢剛君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、三富佳一君からは、政治に緊張をもたらすとともに安定した政策遂行ができる単純小選挙区制の採用、小選挙区の区割りに当たっての各地域の歴史や風土への配慮、政治倫理の確立、政治資金の節度や公正、公開の確保等を行うとともに、政治改革関連法案の今国会での一括成立を期するべきだとの意見が述べられました。
 次に、宮下弘治君からは、政治浄化を実現するため、企業・団体献金の禁止、パーティー収入の寄附扱い、株や不動産等による寄附の禁止、政治資金の収支の透明性の確立、罰則の強化等を行うとともに、政治改革関連法案の一括処理がどうしてもできない場合は政治腐敗防止の問題について一歩でも前進するようにすべきだとの意見が述べられました。
 三本進一君からは、単純小選挙区制及び企業・団体献金等について自民党案を支持するとともに、政治資金に関する規制及び助成について地方議員の政治活動に十分配慮するべきであり、さらに、政治改革関連法案の今国会での一括成立がぜひとも必要だとの意見が述べられました。
 吉田和比古君からは、本委員会での活発な論議の展開についての積極的な評価が表明されるとともに、選挙制度については小選挙区併用型比例代表制を支持するとの意見及び政治改革関連法案は一括して決着をつけるべきだとの意見が述べられました。
 滝沢佳子君からは、単純小選挙区制の採用、政党における公認手続と女性議員の誕生、地方選挙の選挙区のあり方、公職の候補者等の寄附禁止の緩和、政治改革関連法案の今国会での一括成立等についての意見が述べられました。
 最後に、滝沢剛君からは、選挙制度については併用制を支持することを明らかにしつつ、政治への信頼回復のためには政治改革関連法案の今国会での一括成立が不可欠であるので、各党は妥協のための決断をするべきだとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、民間政治臨調の連用制についての評価、国会議員の役割、民意の反映、候補者選定手続、企業・団体献金の是非、政党助成のあり方、地方選挙のあり方、政治改革関連法案の一括処理など多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。
#6
○田邉委員長 第三班中西啓介君。
#7
○中西(啓)委員 愛知県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、北川正恭君、深谷隆司君、佐藤謙一郎君、戸塚進也君、小澤克介君、鈴木喜久子君、松原脩雄君、伏木和雄君と私、中西啓介の九名でありました。このほか、今枝敬雄議員、久野統一郎議員、田辺広雄議員、網岡雄議員、佐藤泰介議員及び塚本三郎議員が現地参加されました。
 会議は、五月二十一日午前九時三十分より名古屋市内の名古屋観光ホテルにおいて開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、歯科医師河合俊輔君、名城大学商学部教授水田洋君、弁護士・愛知県議会議員梅村忠直君、名古屋市立大学教養部教授伊藤光利君、会社役員小林功君及び椙山女学園大学人間関係学部教授山口利男君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその概要を御報告申し上げます。
 まず、河合俊輔君からは、選挙制度については単純小選挙区制の導入を支持するとともに、政党中心の政治資金制度の確立、節度ある企業・団体献金の存続、政党に対する公的助成についての国民の十分な理解の確保、連座制等制裁の強化、さらに、政治改革関連法案の今国会での一括決着を図るべきだとの意見が述べられました。
 次に、水田洋君からは、政治腐敗を根絶するためには政治家の金に対するモラルを正し、政治に金がかかる原因は政治家自身がなくす努力をすることが必要であるとともに、企業献金をぜひ禁止すべきだとの意見が述べられました。
 梅村忠直君からは、政治改革関連法案の今国会での一括成立を期待するとともに、単純小選挙区制に賛成するが、これが困難な場合の妥協案としては小選挙区比例代表並立制を検討すべきであり、これとあわせて、衆議院議員総定数の削減、地方議会議員の選挙区割りについての第三者機関の設置、節度ある企業献金の存続、国会改革、地方分権等が必要であるとの意見が述べられました。
 伊藤光利君からは、単純小選挙区制と小選挙区併用型比例代表制の特徴を比較しつつ、小選挙区併用型比例代表制が現在の我が国にふさわしい制度であり、また、企業・団体献金は禁止すべきだとの意見が述べられました。
 小林功君からは、小選挙区制の導入と地方分権、節度ある企業献金の存続と政治資金の透明性の確保が必要であり、政治改革関連法案は大胆な妥協を行ってでも今国会でぜひ成立させるべきだとの意見が述べられました。
 最後に、山口利男君からは、政治改革特別委員会がリーダーシップを発揮して、政治改革関連法案を一括して今国会で一歩でも実現に近づけるべきであり、選挙制度については、国民が政策をコントロールしやすく候補者もフェアな競争が可能な比例代表制に小選挙区制を組み入れた社会党、公明党案を基軸として各党が合意形成に努力すべきだとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、民意の反映と集約、選挙制度改革と地方分権の推進、単純小選挙区制における死票、併用制における超過議席、企業・団体献金の是非、個人献金の拡大のための方策、政党に対する公的助成、地方選挙のあり方との関係、政治改革関連法案の一括処理と妥協のあり方など多岐にわたる質疑が行われました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。
 以上であります。
#8
○田邉委員長 第四班野田毅君。
#9
○野田(毅)委員 福岡県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、大原一三君、衛藤征士郎君、津島雄二君、穂積良行君、菅直人君、田並胤明君、早川勝君、北側一雄君と私、野田毅の九名でありました。このほか、麻生太郎議員、古賀誠議員、塩川正十郎議員、西岡武夫議員、三原朝彦議員、松本龍議員、小沢和秋議員が現地参加されました。
 会議は、五月二十一日午前九時三十分より福岡市内のホテル日航福岡において開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
 意見陳述者は、福岡県議会議員板橋元昭君、田川市長滝井義高君、甘木市長中島茂嗣君、西南学院大学教授大内和臣君、福岡県医師会長櫻井日出生君、日本婦人会議福岡県本部議長大町多喜子君の六名でありました。
 意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
 まず、板橋元昭君からは、選挙制度については衆議院議員選挙への単純小選挙区制の導入と参議院議員選挙の比例代表制のみへの変更、政治資金については節度ある企業・団体献金の必要性と収支の透明性の確保、公私の峻別、政党への公的助成の必要性等について意見が述べられました。
 次に、滝井義高君からは、選挙制度改革の目標は政権交代可能な制度をつくることであるとの前提に立ち、かつ、我が国の現状から考えると、当面の措置としては小選挙区比例代表併用制を採用すべきであり、また、企業・団体献金の禁止、連座制や罰則の強化、さらに、政治改革関連法案の今国会での一括成立を図るべきだとの意見が述べられました。
 中島茂嗣君からは、単純小選挙区制が最もよい制度であるとしながらも、選挙制度の改革を必ず実現するべきだとの立場から、妥協の可能性のある案として小選挙区比例代表並立制が望ましいとの意見、さらに、選挙公営の充実、地方分権の徹底等についての意見が述べられました。
 大内和臣君からは、日本人の民族性、野党の健全育成、民意の多面性、すぐれた人材の育成等の観点から、多くのメリットを持つ連用制が妥当な案であるとの意見が述べられました。
 櫻井日出生君からは、現行中選挙区制が有する問題点を指摘しつつ単純小選挙区制の導入に賛成するとの意見が述べられ、さらに、妥協ができない場合の緊急避難の措置として中選挙区制のもとでの連記制の採用を提唱するとの意見が述べられました。
 最後に、大町多喜子君からは、汚職構造や金権腐敗の体質について国会としての自浄能力を高めることが重要であり、また、政治資金について企業献金の禁止、選挙制度について女性の政治参加を促す比例代表制を希望するとの意見が述べられました。
 次いで、各委員から、各党の妥協の可能性、連用制の評価、戸別訪問の是非、女性の政治参加、政治家の倫理観、政党の成熟度、クロスボーティング、地方議会の選挙制度など多岐にわたる質疑が行われました。
 質疑を通じて各意見陳述者から、今国会での一括成立を目指すこと、選挙制度について小選挙区制と比例代表制の長所を生かして妥協を図ることの必要性が述べられました。
 以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと存じます。速記録は、本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
 なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、報告といたします。
#10
○田邉委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました第一班、第二班、第三班及び第四班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#12
○田邉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十三分散会
     ――――◇―――――
  〔本号(その一)参照〕
    ―――――――――――――
   派遣委員の北海道における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年五月二十日(木)
二、場所
   ホテルニューオータニ札幌
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山
   静六君外二十三名提出)、衆議院議員選挙
   区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十
   三名提出)、政治資金規正法の一部を改正
   する法律案(梶山静六君外二十三名提出)
   、政党助成法案(梶山静六君外二十三名提
   出)、公職選挙法の一部を改正する法律案
   (佐藤観樹君外二十四名提出)、衆議院議
   員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観
   樹君外二十四名提出)、政治資金規正法の
   一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十
   四名提出)及び政党交付金の交付に関する
   法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)につ
   いて
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 田邉 國男君
      大島 理森君    自見庄三郎君
      増子 輝彦君    大畠 章宏君
      小林  守君    左近 正男君
      渡部 一郎君    木島日出夫君
 (2) 現地参加議員
      藤原 房雄君
 (3) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  松尾 徹人君
 (4) 意見陳述者
        北海道議会議員 岩本  允君
        全道労協センタ
        ー議長     相原 敬用君
        株式会社自由広
        報センター社長 大場 信吾君
        北海道大学法学
        部助教授    山口 二郎君
        株式会社アイエ
        スティ北海道取
        締役社長    佐々木 宣君
        北海道大学法学
        部教授     田口  晃君
     ――――◇―――――
    午前九時三十一分開議
#13
○田邉座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の田邉國男でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することにした次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いを申し上げます。
 まず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言をしていただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いをいたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の大島理森君、自見庄三郎君、増子輝彦君、日本社会党・護憲民主連合の左近正男君、大畠章宏君、小林守君、公明党・国民会議の渡部一郎君、日本共産党の木島日出夫君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として藤原房雄君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 北海道議会議員岩本允君、全道労協センター議長相原敬用君、株式会社自由広報センター社長大場信吾君、北海道大学法学部助教授山口二郎君、株式会社アイエスティ北海道取締役社長佐々木宣君、北海道大学法学部教授田口晃君、以上の方々でございます。
 それでは、岩本允君から御意見をお願いいたします。
#14
○岩本允君 まず、衆議院議員の政治改革にかかわっている先生方に対しまして、敬意を表させていただきます。
 それでは、私の方から意見を述べさせていただきます。
 まず、政治改革の必要性でございます。
 既に御承知のように、ソ連、東欧などの社会主義体制が崩壊しているということでございまして、現在の東西の冷戦は終結をしているわけでありますが、このことは、また逆に西側諸国において政治、経済、社会体制の変革を求める結果を招いているのではないか、こう存じているわけであります。またアメリカは、冷戦時代が清算され、現政権による国の再生に動き出しつつあります。またフランスは、社会党が大惨敗をし、保革まだらな模様の政権を余儀なくされているわけであります。さらにまたイタリアは、戦後から現在に至る構造的な腐敗が国家的な規模で明るみに出ている現状であります。
 世界は今、新たな世界協調の体制に移行しようと試行錯誤している時代に突入したと私は認識しているわけでありますが、我が国も例外ではございませんで、今日まで政治と金をめぐる腐敗、行き過ぎた中央集権、政治構造に対して、国民の政治不信は極限に達していると言っても過言ではない、こう思います。現在の政治不信は、冷戦時代からの制度疲労、言いかえますと、自民党の長期単独政権下ではぐくまれてきた構造的な政治腐敗と、政権の獲得を放棄し単なる批判政党に甘んじてきた野党に対する政治不信ではないかと考えております。
 ことし三月、ある全国紙でございますけれども、世論調査によりますと、政界再編を前提とした政治の枠組みの変更を求める声が七割以上に達している。このことは、政権交代可能な政治制度の一日も早い実現を国民は切実に待望していることを示すものであると思います。
 特に、我が国の政治の現状について、昨年十一月の民間政治臨調の政治改革に関する緊急提言で、「政治が真面目な市民の営みとは無縁な裏側の世界の営みであり、社会倫理の破壊者であるかのような印象さえ与えている。」と厳しく指摘をされているのでありますが、一連の政治と金の不祥事件を目の当たりにした大多数の国民は、同様に受けとめていると思います。したがって、今求められております政治改革とは、政権の交代を可能にする政策中心の金のかからない政治の実現ではないかと私は考えております。
 今回の政治改革は、国民の政治に対する不信を解消し、国民の、国民による、国民のための政治をいかにして確立し、世界に対応し得る政治システムを構築していくのかという、まさに我が国の政治史上画期的な作業ではないかと存じます。今国会で是が非でも抜本的な政治改革を実現し、国民の希望と活力を反映した、内外に開かれた我が国の政治を確立されますことを、まず心から念願するものであります。
 そこで、政治改革四法案のことにつきまして意見を述べさせていただきますが、現在国会で論議されております政治改革法案について、私の意見を申し上げます。
 結論として、自民党の提出した四法案に賛成するものであります。その理由は、現在求められている政治改革とは、さきに述べましたように、政権の交代を可能にする政策中心の金のかからない政治の実現ではないかと思います。現在、一部に、与野党間で考え方の開きがある選挙制度改革は後回しにして、政治資金規正法の改正や政治腐敗防止法の制定を優先して処理すべきとの意見があるようでありますが、政治に金がかかり、利益誘導など腐敗の温床が現行の中選挙区制度そのものにある以上、政治資金規正法の改正だけでは不祥事件の再発防止にはならない、選挙制度と政治資金の問題は切り離して議論のできないものであると考えます。四法案は不離一体と考えますので、一括処理して初めて総合的な抜本的政治改革が実現するものと考えております。
 次に、選挙制度の改革についてであります。
 政治改革の最大の問題、現在の中選挙区制度について、共産党以外は小選挙区制について一応理解を示されていると承っております。この中選挙区制の弊害は、今日まで、まず政権を目指す政党は同一選挙区に複数の候補者を立てる、結果として同士打ちが避けられない。さらにまた、内容によっては個人本位の選挙になる、政党の公約や政策より有権者に対するサービス合戦、また地元への利益誘導中心になることではないかと承知しております。そういたしますと、当然に選挙には資金が必要になる、必然的に派閥が存在する、結果として活発になり、さらに選挙後は党内に主導権確保のための派閥を維持するためにも、膨大な政治資金を必要とすることが現在の中選挙区の制度ではないか、このように思います。また、このほかにも、中選挙区制度は、政権交代の可能性を阻害しているとか、地方分権や行政改革の障害になっているなど、さまざまな問題が指摘されております。
 したがって、これにかわる選挙制度として、私は、自民党が提案しております単純小選挙区制の導入を積極的に支持したいと思います。その理由は、この制度が政権交代を可能にする政策中心の金のかからない政治の実現に最も手の届くところに位置すると思うからであります。単純小選挙区制は、一票でも多くの票を獲得した者が当選するという現在の知事選また首長選など、国民に最もわかりやすい選挙制度であると思います。同時に、政党による政策の違いが鮮明になり、政策中心の選挙になります。したがって、政権の選択について、有権者の意思が明確な形で示されると思います。時代の変化に的確に対応する能力と先見性が政党に要求され、おごりや怠けは許されない厳しい競争原理が働く制度でありますから、安定した政策遂行能力と不断の緊張感を政党に与える単純小選挙区制が最もふさわしい制度であると考えております。
 小選挙区比例代表併用制に対する私の意見を若干述べさせていただきます。
 併用制は、基本的には比例代表制であると存じます。各党の得票率に応じて各党の総議席数が決まります。現在の各政党の勢力を議席に反映できる反面、政権交代の場合、連立政権が避けられないのではないかと思います。連立政権というのは本来、もう御承知のように、国民が政権を任せようと考えていた政党に、キャスティングボートを握った政党の力が加わることになるということで、結果として国民の審判を経ない政権が誕生することになりはしないか。しかも、多数党よりそれと連立する小数党の方が、政権に対する大きな影響力を持つこともあるのではないかということであります。私は、併用制では政権の不安定は否めないのではないか、今の我が国の政治状況下では、併用制の導入については強い危惧を抱く者の一人というふうに申し上げたいと思います。
 次に、政治資金制度についてであります。
 自民党の改正案では、政治と金にまつわる不祥事件、つまり金権スキャンダルに対する厳しい反省から、選挙制度を政党中心とした仕組みに改めることに合わせ、政治資金制度についても、政党が中心となって政治資金を調達するようになっております。例えば、企業・団体献金は政治家が指定する資金調達団体に対する少額のものを除いて、政党に対してのみ行うことができるというふうに伺っております。また、政治家個人は、政党から受けるものや選挙運動に関するものを除き、金銭などによる寄附を一切受けられないことになっており、政治資金における公私の峻別が徹底されています。これに関連して、政治家が指定する資金調達団体が関与する政治団体間の資金提供も禁止をされています。さらに、政治家が持てる資金調達団体も二つに制限され、企業、団体はこの資金調達団体に年間二十四万ということにされております。
 現在、政治資金制度の改正で最大の問題となっておりますのは、企業・団体献金を自民案のように一定限度の範囲内で認めるか、それとも全面禁止するかであると思います。私は、現在の自由主義社会において、企業も個人も同様に社会的存在であり、政治に一定の考えを持ち、政治参加の一形態として節度ある献金を行うことは当然であると考えます。つまり、企業は納税者で、また経済運営や政治運営の仕方によって重大な影響を受けるわけでありますから、したがって支持する政党、政治家を応援する政治的自由も保護されているべきであると思います。
 次に、政党助成法について少し意見を申し述べさせていただきます。
 今回の四法案のうち、政党助成法は、選挙制度と政治資金制度を個人本位から政党中心に改める、政党の財政基盤の確立、強化の観点から、政党に対する公的助成を導入するというものであります。当然必要な措置であると考えます。ただ、政党への公費助成は、何よりも納税者である国民一人一人の理解が必要であります。つまり、国民が納得のいく抜本的な政治改革の実現が前提であると存じます。政治資金の調達をめぐって国民の不信を生まないようにする上でも、このことを国会の場でさらに明らかにする必要があると思います。
 以上、ざっくばらんに、雑駁な意見でありましたが、政治改革に関する私の意見を申し述べさせていただきました。政治改革は、政党のための政治改革ではないと思っております。将来、二十一世紀に向けて、国民の納得いく抜本的な政治改革が、今国会において国会議員の皆さん方の責任と英断をもって実現されますよう重ねて要望いたして、私の意見を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
#15
○田邉座長 ありがとうございました。
 次に、相原敬用君にお願いをいたします。
#16
○相原敬用君 ただいま御紹介をいただきました意見陳述人の相原でございます。特別委員会の各議員の皆さん方には、大変御苦労さまでございます。
 このたびの公聴会に当たりまして、私は、政治資金、政治倫理にかかわる事柄を中心にして意見を述べさせていただきたいと思います。なお、問題によっては、選挙制度の部分にも関連して付言することがあるかと思いますが、あらかじめ御了解をいただいておきたいと思います。
 さて、初めに総論的に、今国民が政治改革に関して何を最も期待しているのか、望んでいるのかということであります。別な角度から言えば、何に不満を持っているのか、不信を感じているのかということであります。それは、政治と金の関係を明朗にしてほしい、政治資金、政治献金など金の流れについて透明にしてほしい、政治と金の関係で、利権、つまり腐敗の根を断ってほしいということだと思うのであります。政治家に金を見せるなという極言をする人さえおるのであります。
 一九八〇年代から九〇年代にかけて、リクルート、共和、佐川急便問題、そして、個人の名前を挙げて大変恐縮でございますが、金丸前議員の脱税や資金調達の仕組みや方法が明らかになるにつれまして、国民の政治と金に対する怒りと不信は頂点に達していると言っても過言ではないと思うのであります。もし、このたびの政治改革の審議において、政治資金に関する改革がなおざりにされ、選挙制度とも相まって改革が見送られることにでもなったとすれば、すべての既成政党と政治家は国民、有権者から絶縁状をたたきつけられると思うのであります。したがって、今次政治改革法案の審議によって、必ず政治資金規正法の改正を初め政治改革に関連する法案の成立を図り、政治腐敗を断つ断固たる結果を求めたいと思うのであります。
 こうした国民、有権者の願いと思いを前提に、以下幾つかの点について意見を述べたいと思います。
 まず第一に申し上げたいのは、政治資金の寄附、いわゆる政治献金の主体者をどこに置くのかということであります。もともと政治というものを議会制民主主義という制度で見た場合、政治の当事者は主権者である個々の有権者であります。そして、その有権者から負託を受けたそれぞれの議員であります。また、議会制民主主義のより健全な発展と充実のためには、政党政治の完熟が必要であることは定説でありますから、一方で、政党もまた政治の直接の関与者であります。
 今さら言うまでもありませんが、議会制民主主義と議院内閣制をとっている我が国において、有権者は選挙時における投票行為を通じて議員あるいは政党に政治を負託し、議員と政党は、その投票の結果を受けて有権者、国民の負託にこたえなければなりません。このような中で、政治活動に必要な費用は、議員にあっては支給される歳費、調査費、秘書費等々を主に、政党にあっては政党構成員による党費、党事業収入などを中心に賄うべきが本来であります。一方、有権者個々は、みずから負託した政治についてその実現を図るため、政治の当事者として議員、政治家、政党の行う政治活動に対して、ボランティアあるいは政治活動に必要な費用について個人として寄附、献金を行ってしかるべきと考えます。すなわち、政治資金の寄附、献金の主体者は、政治の当事者としての個人とすることが本来的に妥当と考えるものであります。
 しかし、現状はどうかといえば、本来的な個人からの寄附、献金は微々たるものでありまして、企業、団体も含めまして企業献金が我が物顔に大手を振ってまかり通っておるのが実態であります。しかも、政治団体数については制限がないことから、庶民感覚にとって気の遠くなるような金額の政治献金が行われております。そして、この企業献金が政治家と金の関係を不明朗にし、腐敗の大もとになっていることは明らかであり、昨今の出来事から見ても、何人も否定のできないことであります。したがって私は、政治腐敗の根を断つため、この際、企業及び団体からの寄附、献金を一切禁止し、政治資金の寄附、献金は個人からのみに限るべきと思います。文字どおり個々人からの浄財によって政治活動が行われることになるものであり、このことを断行することこそが国民、有権者の意にかなうことであります。
 これに対して、企業も立派な社会的存在であるし、企業にも政治活動の自由が保障されるべきであるとして、企業献金を存続する意見があります。私は、企業の社会的存在や企業、法人の政治活動について否定をいたしません。しかし、献金の伴わない陳情、要請などのロビー活動、企業、法人の政治理念や政策などについて国民、有権者に向けての宣伝、啓蒙活動など、政治献金の伴わない政治活動は幾らでもその方法があるのであります。それを、あえて企業、団体の政治献金の存続に固執するというならば、率直に言って、そこに利権や特別な関係のにおいを感ずるのは、果たして私だけなのでありましょうか。決断を促す次第であります。
 第二に、政治資金の寄附、献金の主体者は個人であるとしても、その寄附の対象者、その寄附の方法の問題について、幾つか意見を述べたいと思います。
 まず、寄附を行う対象として、政治家個人をその対象から外すことであります。政治家個人への寄附、献金は、今までも公私混同の温床となっておりました。場合によっては、政治家個人の蓄財に利用されるおそれが十分にあり、現在もそうした事例で司直の調査を受けていることがあります。したがって、政治家個人への寄附は禁止すべきものとし、また政治家、議員と一心同体の秘書による政治資金規正法違反については、議員本人の監督責任を明確にし、公民権停止の連座制の対象にすべきものと考えます。国民は、それは秘書の行ったことという弁明を二度と聞きたくないのが本心であります。
 また、政治家が指定する資金調達団体への寄附、献金は、結果として政治家個人への献金に転化をいたします。ましてや、企業献金が存続される中での指定資金調達団体への寄附、献金は、現在の利権絡みの腐敗の種をそのまま残すこととなり、とるべき方策ではないと考えます。
 次に、個人の寄附の方法についてであります。これについては、直接的な方法と間接的な方法の二つがあると思います。直接的な方法は、文字どおり個々人が政党や政治資金団体、あるいは政治活動を行う政党以外の者に直接寄附する方法であります。間接的方法については、政党交付金という形での方法であります。
 企業、団体の寄附、献金を禁止し、個人の寄附、献金のみによるものとすると、現状では総体として、政治資金の寄附、献金は減ることになるでありましょう。政治活動資金が減ることは、政治活動が弱まることに連動いたします。寄附、献金が減少する中で政治活動を強めるとすれば、裏献金などというよからぬことを考え、腐敗の新しい種も生まれる可能性があります。したがって、正常な政治活動を行うために必要な政治資金の確保策として、政党に対する公的助成金の交付、つまり政党交付金制度を創設することが肝要であります。個人からの直接的寄附と政党交付金を車の両輪として、政治活動資金の確保と腐敗防止を図らなければならないと考えます。
 公的助成金の交付は、当然のごとく国の財政からの支出を必要といたします。国の財政は租税を中心として成り立っていますから、国民は納税という形で、間接的に政治資金の寄附を行うこととなるのであります。政治活動資金を税金から支出することについて、さまざまな意見があろうかと思います。しかし、有権者が投票行為を通じて負託したはずの政治が、現状の政治資金規制のざる法状態の中で政治腐敗が進行し、深化し、我が国の議会制民主主義が危機状況になっていることを考えるとき、抜本的な腐敗防止策がとられるならば、政治浄化という意味で、国の財政を通しての間接的寄附は受忍でき得る事柄だと考えます。いやむしろ、耐え忍んででも、企業献金や資金調達のための政治団体の野放し状態をなくし、政治腐敗の根を断つことが有権者の責務とさえ考えるものであります。
 さらに、政治の活性化という意味で、政党と政治家にとっては、直接的な個人献金、間接的な政党交付金という方法で有権者個々からの寄附をいただいたことにこたえるためには、政治姿勢として、有権者ひいては国民全体に基盤を置いた、しっかりした政治と政治活動を実行しなければなりません。なぜならば、もし有権者や国民に背を向けた政治と政治活動を行ったとすれば、支持を失い、個人献金も減り、政党交付金の交付割合も減ずることとなり、政党、政治家の存立そのものが危うくなるからであります。議会制民主主義のより健全な発展にとって、政党政治の完熟は不可欠であります。したがって、我が国の民主政治の充実を図る意味からも、政党交付金制度の制定を図るべきと考えます。
 なお、政党交付金の交付対象となる政党の基準については、憲法で定める結社の自由のかかわりから、ミニ政党の取り扱いについては慎重にしなければなりません。今、国会で審議されている法案のうち、国会議員三人以上か、国会議員を有する得票率一%以上得た政党とする社会、公明案が、現状ではベターと考えます。
 さらに付言させていただきますならば、直接個人献金と政党交付金制度は、選挙制度とのかかわりで申し上げると、民意の反映が図られることと政党選挙の徹底が図られることと密接な関係があります。そうした意味で、選挙制度に当たっては比例代表制の導入が極めて重要であり、その実現を求めたいと思います。
 第三に、情報公開に触れて意見を申し述べます。
 この世の中で最もわからないこと、それは政治資金の出入りという笑えない小話があります。これが国民の率直な気持ちであります。現在は、政治家、政治団体とも、百万円未満のものは公開の義務なし、しかも献金受け入れの政治団体の数は制限なし、だから百万円未満に小分けをして公開しない、入りがわからなければ出るのもわからない。これがリクルート、共和、佐川急便事件など腐敗の土壌にもなっており、国民の不信を募らせております。とにかく有権者、国民は、政治資金の流れをガラス張りにしてほしいというのが一致した考えであり願いであります。したがって、この出入りの公開基準は単純化し、基準額も思い切って引き下げることによって、だれでもなるほどと納得のできるものにすることが肝要であります。
 社会、公明案によりますと、入りの公開基準は一律一万円を超えるもの、出の方は一件三万円を超えるものとしております。このぐらい単純化し、基準額を引き下げるならば、情報公開として納得ができると思います。一万円というのは余りにも低いではないかという意見もあるやに聞いております。しかし、政治資金の寄附と情報公開の先進国の一つと言われるアメリカでは、贈答品も含めて百ドル以上と仄聞をしております。今の為替相場から考えて、一万円というのは国際的にむちゃな数字ではないと思うのであります。また仮に、一万円では一々面倒だ、煩雑だという意見があるとすれば、それはもってのほかの話であります。寄附という浄財を受け取るわけでありますから、どんなに面倒でも、どんなに煩雑でもそれを受忍して、政治資金の流れをガラス張りにすることこそ政治腐敗根絶の第一歩であり、政治改革のスタートであると考えます。
 最後に、政治倫理の確立にかかわって意見を述べます。
 現在、一九八五年に、国会において政治倫理綱領と行為規範について議決をしております。しかし、現実は全くこの議決が生かされておりません。贈収賄容疑で起訴され裁判中でも恬として恥じることなく、道義的責任はどこ吹く風、議席にしがみついている議員、暴力団関与が指摘され、多くの自治体から辞職意見決議が出されても、強弁を繰り返して、これまた道義的責任を果たさない議員、こうした議員が存在し、国会自体が自浄作用・能力を果たさないまま今後も推移するとするならば、国民、有権者の政治不信はますます募るばかりであります。
 国権の最高機関たる国会に籍を置く政治家の皆さんは、李下に冠を正さずとのことわざにもあるとおり、疑惑には最も敏感でなければなりません。もし一たん疑惑に包まれたならば、みずからその道義的責任を果たすことこそ、政治を負託された者としての倫理観でなければなりません。しかし、前述したように、現状はそうした政治倫理の確立がされておりません。とするならば、この際、政治倫理にかかわって法制度の中で行動規範を明示し、もって政治腐敗の根絶と政治倫理の確立を図るべきと考えます。政治倫理法の制定を求めるものでございます。
 以上、政治資金規制、政治倫理に関連じて幾つかの意見を述べました。重ねて強調いたしますが、このたびの政治改革の審議が論議のための論議に終始し、結果として政治改革が実行されないということがあってはならないと思います。どんなに困難性があっても、ハードルが高くても、それを克服をいたしまして、各政党、各議員の皆さんには必ず選挙制度、政治資金、政治倫理にわたる一括した政治改革を断行するよう強く訴えまして、私の発言を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#17
○田邉座長 ありがとうございました。
 次に、大場信吾君にお願いをいたします。
#18
○大場信吾君 特定のメディアの名を挙げて大変恐縮でございますが、「NHKスペシャル」というテレビ番組があります。一九八九年七月のこと、イギリス議会史にスポットを当てて、「かくして政治はよみがえった」という番組を電波に乗せました。この放映に注目したイギリスのマスコミはこれをニュースに取り上げて、今や日本は一八八三年にイギリスの首相だったグラッドストーンに熱い視線を向けていると伝えたそうであります。一八八三年、それはイギリスの議会史上特筆すべき腐敗行為防止法制定の年であります。この法律こそ、瀕死のイギリス議会を蘇生せしめ、世界の政治改革史に刻まれる金字塔となりました。今、一部の人々は、腐敗が進行し、金権がばっこする日本の政治の現状を評して、百十年をさかのぼるイギリスの状態そのままだと述べております。それだけに、この法律制定の経緯と影響を無視することができないのは当然であります。
 現在、国会で御審議中の四法案は、自民党案も社会党、公明党案も、基本的に政治倫理の確立を第一義とし、選挙制度や政治資金の仕組みの改革を行う中で腐敗行為の防止を図り、政治に信頼を取り戻すことが目的だと承っております。したがって、それぞれ議論の余地はあるとしても、まず提案されている四法案について十分双方の所見を述べ合い、整合を図りながら、必ず成立に持ち込み、政治改革へ大きく一歩を踏み出していただきたいと心から願ってやみません。
 そこで私は、このたび拝見した原案の段階で二つの四法案に対する私見を総合いたしまして、自民党提出の四法案がベターであるとの判断に立ち、その理由を申し上げたいと思います。
 冒頭にイギリスの腐敗行為防止法に触れましたが、この法律は、実は成立の二年後に制定された議席再配分法と言われる小選挙区制によって大いに実効を上げることになったと伝えられております。それまでほとんど二名区だった国内の選挙区を再編し、小選挙区に改めた結果、一挙に政党の比重が高まったと言われます。しかも、厳しい罰則を打ち出した腐敗行為防止法との相乗作用により、買収、供応を逐次一掃し、選挙の浄化へ前進することになったと報告されています。つまり、政治改革の手本として注目された腐敗行為防止法は、たとえ時代と国情の違いがあるとはいえ、小選挙区制によってその効果を高め、次第に定着を果たした事実に着目をしたいと思うのであります。
 そこで、小選挙区制を可とする主な論拠を挙げたいと思います。
 第一に、政権が国民の意思によって直接選択される道が開かれます。自民党の小渕恵三議員は、去る四月十三日の代表質問でマックス・ウェーバーの言葉を引いて、政治とはまさに政権へ近づくことだと述べ、単純小選挙区制は野党にとっても政権の獲得を十分可能にする制度であると指摘をしました。一選挙区一議員の小選挙区制は、その候補者が政権を託すに足る政策と見識を持ち合わせているかどうかを前提に投票が行われ、その行動を通じて有権者は、国家の意思の形成に参画したとの意識をはぐくむことになります。既にマスコミ関係の試算によると、平成元年の参院選の結果を分析すれば、定数五百の単純小選挙区制に当てはめた場合、野党第一党の社会党は圧倒的な議席を獲得できると試算されており、それは政権交代の可能性を示唆するものだと受け取られています。このことは、当然政権に緊張感をもたらす要因を生み、ふだんから国民の意思にこたえ、政策の立案、実行に努める姿勢が求められるようになりましょう。
 また、小選挙区制は、政治活動を進める上で大幅に金の負担を軽減するに違いありません。同一政党に所属する者同士の競合がなくなり、個人的な後援会の拡大競争やサービス合戦は影を潜めると予想をされます。勢い、所属する政党と一体になった政治活動は、議員として国政に集中できる案件を整えることになりましょう。もちろん、これまでの中選挙区制にあっても多くの長所を認めるにやぶさかではありませんが、むしろ制度疲労による欠陥が色濃くあらわれ、政策に対する取り組みの甘さが目立つ以上、この制度の改革は当然の成り行きであります。
 今や日本は、国内的には停滞する経済の打開を急がねばならず、一方、世界の安定に寄与するため、名実ともに果敢な国際貢献を求められております。その局面を開くためにも、国の制度的な枠組みについて、速やかに論議と改革を加えなければならないでしょう。政権を託された政党が、国民多数の支持を背景に先見性に富んだ政策を前面に打ち出し、堂々とリーダーシップを発揮して活動できるように、小選挙区制に基づく改革への歩みに大きく期待を寄せたいと思います。
 ちなみに、小選挙区併用型比例代表制についてでありますが、これは基本的に比例代表選挙の得票数に応じて総議席数を配分することとしており、かつて海部内閣が提案した並立制の趣旨とは異なり、比例代表制の短所をそのまま持ち込む結果になると判断いたします。すなわち、小党分立を招いて連立政権を生みやすいこと、連立政権となれば政権を担当する政党が国民によって直接選択されたことにならないこと、国の意思決定がおくれて政権が不安定になるおそれがあること、超過議席を生ずる場合があること、候補者が小選挙区で落選、比例で当選という甚だわかりにくい現象もあらわれること、これらはいずれも看過できない問題点であります。
 ところで、この併用制はドイツで採用されている方式だと言われますが、ドイツでは、小党乱立を回避するため、三議席五%阻止条項を加えていると聞いております。これは、第一投票で選挙区議席を少なくとも三議席獲得できない政党、あるいは第二投票で有効投票の五%以上獲得できない政党は、比例による議席配分に参加できないこととしたものであります。この条項は、実際に併用制を採用するに当たって浮上した問題点に対する緊急避難措置だったと解釈されるのでありますが、社会党、公明党案ではそのことに触れておられません。ただし、この種の条項が付加されたとしても、憲法上の疑義が伴うという心配があります。
 以上の理由に基づき、大変僣越な点をおわびいたしますが、併用制については、単純小選挙区制にまさる提案であるとは申し上げにくいのであります。
 次に、政治資金について申し上げます。
 ある著名な学者の言葉として、権力は腐敗する、絶対的な権力は絶対的に腐敗すると書かれた文章を目にとめました。その腐敗を抑止するためには、絶対的な力をお持ちになる政治家みずからがみずからを厳しく制御する、自制の精神を発揮していただかなければなりません。国民の素朴な疑念は、なぜそんなに金がかかるのか、一体どこから政治献金を受けているのかなどに集約されましょうか。そんな疑念にこたえるかのように、自民党所属国会議員が連名で、政治資金に関する公私の峻別についてみずからを戒める基準を明らかにしたことは注目に値します。
 その声明によれば、みずからを改革する断固たる姿勢を国民に示さなければならないとし、両院で定められている政治倫理綱領及び行為規範、並びに党倫理憲章及び党所属国会議員倫理規程を遵守することを宣誓し、一つ、すべての政治資金を政治団体で取り扱うこと、二つ、政治家個人による政治資金の収受と保有を一切禁止すると申し合わせております。この声明の直後に四法案の提出となっておりますから、いかにも毅然とした決意のほどがうかがわれた次第であります。もちろん、政治資金は民主政治を支えるコストとして不可欠でありますが、金にまつわる政治腐敗が極度にあらわれている現状では、これまでの慣行を打ち破る英断が必要であります。その意味で、鋭く実態に切り込んだ自民党案にも、社会党、公明党案にも、基本的に双方に対し敬意を表します。
 問題は、企業や団体からの献金について、社会党、公明党案では全面禁止を打ち出しておられるのでありますが、これは四月十四日の代表質問で自民党の加藤紘一議員が述べておられるように、個人献金システムが熟成していない現在、規制を施しながら経過的に存続を図る方がより現実的と言えるのではないかと判断をいたします。また、政党枠の限度を二倍とした点は、現在の社会情勢に見合う措置として認知できる程度であると判断をいたします。さらに、政治家個人の政治資金調達団体を二つに絞り、資金の流れをわかりやすくする措置を講じたことは、有権者の信頼を回復するために適切だと思います。
 最後に、政党助成制度でありますが、特に今回の抜本改革に当たっては、選挙制度や政治資金制度を個人本位のものから政党中心に改めるため、政党の財政基盤の確立強化が絶対に必要となってまいります。しかも、それが議会制民主主義を守る不可欠の費用であるとの判断に立ち、政党に対する公的助成を導入することに踏み切ったと説明されております。その対象となる政党は、一定の資格要件を備えなければならないことは当然ですが、その収支報告の適切な処理と相まって、公正な政治活動を支える役割を果たしてほしいと思います。
 以上、選挙制度の改正に附帯する選挙区画定委員会設置法案を含め、自民党の提案による政治改革関連四法案に対し賛成の意を表し、意見の陳述を終わります。(拍手)
#19
○田邉座長 ありがとうございました。
 次に、山口二郎君にお願いいたします。
#20
○山口二郎君 山口でございます。
 政治改革の中で、特に選挙制度や政治資金の問題に一般の議論は集中しておりますが、私はまずここで、腐敗はなぜ起こるのかということを広い視野から考えて、政治改革の本当の課題は何かということについて少し考えてみたいと思います。
 今の日本の統治の仕組みを見ておりますと、よほどの聖人君子でない限り、どうしてもこの腐敗に陥りやすいわながある。そのわなというのは何かといいますと、行政府、中央政府の官僚機構における巨大な権力や許認可権限や情報の集中ということであります。そしてもう一つ、日本の行政機構は非常に大きな裁量を持っておりまして、許認可や補助金の箇所づけ、さらには建設公共事業における指名競争入札の指名といったような、さまざまな場面で大きな裁量を持って利益の配分や利害の調整を行っております。この裁量の大きさと資源の集中という二つを前提とすれば、どうしても行政から特別な恩義や便益を受けたいと思う業者が、政治的な手づるを使ってその資源にアクセスしようとするのも当然であります。
 まさに金丸前自民党副総裁の建設スキャンダルが教えることは、そういった肥沃な腐敗の土壌の中で、特定の企業が行政からの便益を求めて自民党の有力な政治家にアクセスをする、それが今や日常化しているということであります。国民の税金であります建設公共投資のお金が、不正なやみ献金という形で特定の政党の政治家にキックバックされるということは、大変ゆゆしい問題であります。
 もちろん、選挙の仕組みや政治資金に関するいろいろなルールづくりも大事ですけれども、国会議員が一体何をするのかということを根本的に考えることなしに政治改革はできないと私は思うわけであります。その意味で、行政の過程におけるさまざまな利害調節や利益配分の中から政治家が引っ込む、そして政治家は国会において広い見地から国全体の政治的な課題について討論をするという本来の政治家のあり方に戻るということが、私は究極的な政治改革の課題ではないかと思います。そういった観点から、選挙や政治資金の問題も考えられるべきだと思います。
 それで、やや本題からはずれるのですけれども、政治改革の中でそういった腐敗の土壌というものにどうやってメスを入れるかということもあわせて議論していただきたいと思うわけであります。つまり、選挙や政治資金の問題を変えたら即腐敗がなくなるということではありませんで、いかにして先ほど申し上げた中央の官僚機構における権力の集中や閉鎖性にメスを入れるかという制度の改革も必要であろうと思います。今、政府は行政手続法をこの国会に提出しようとしておりますが、こういった新しい法制化によって、まず利害調整のプロセスを透明化するということが第一歩であろうと思います。それから、参議院で議員立法によって情報公開法の素案がこれから提出されようとしておりますが、こういった法制化もまた政治腐敗の防止にとって極めて重要な意味を持っております。そういった法制化に加えまして、中央権力の分権化ということもあわせて政治改革の中で議論されるべきだろうと思います。
 今、与党、野党は政治改革のいろいろな案についてお互いの相違点を盛んに力説しておられますけれども、私は、国権の最高機関である国会を構成する議員として、共通の基盤というものを発見することの方が大事ではないかと思います。実際の日本の政治のあり方を見ておりますと、基本的な政策の主導権というものは、残念ながら中央官庁の官僚機構がまだまだ持っていると言わざるを得ないわけであります。何と申しましても、議員立法というのはほんのわずかでありますし、また、重要な政策問題について政府の中でさまざまな法制度の原案をつくり、それに対して国会で質疑とか行いますけれども、これも極めて形骸化している、国会の討論の中で新しい制度や政策が生まれてくるということは極めてまれであります。
 それから、国会議員、政治家という一つの職業集団の中で、国権の最高機関を構成するという自覚がどこまであるかということも一つの疑問であります。つまり、弁護士であれ医者であれ、社会から尊敬を受けております一つの専門的な職能集団というものには、必ず職能集団の自己規律、内部自治というものが存在するわけでありまして、その職能集団の名誉や威信を傷つけるようなことがあれば、それは例えば弁護士会の懲戒処分といったような形で、いわば内部的に一定の水準を確保するというメカニズムが存在するわけであります。まさに国会議員というものは、今こそ国権の最高機関を構成する一員であるという自覚を持って、政治倫理の問題やあるいは政治資金のコントロールに関する仕組みをつくっていくべきではないかと思います。その意味で私は、政治資金のコントロールにしても、行政府の中に監査機関を設けるのではなくて、国会の附属機関としてそういった政党のお金の面に関する監査やチェックの機関というものを設けることがどうしても必要なことではないかと思います。
 そういうことで、腐敗の土壌についてこれからさらなる制度化が必要であるということを申し上げた上で、少し具体的な今の政治改革の議論について私の意見を申し上げてみたいと思います。
 しばしば自民党の方から野党に対して、政権交代の意欲を持てということがこの一連の議論の中で言われております。実際、今の国会というものは全く政権交代を前提としていない議会の運営であり、政党の行動様式というものが存在しております。例えば、野党というものは、先ほどどなたかのお話にもありましたように、自民党が政権をとるという前提でいわば揚げ足取り的な質問を行う。あるいは予算の提出をいつにするかとか、審議日程をどうするかといったような、政策の本体とは全く関係ない手続の次元で自民党に抵抗し、影響力をつくり出すということで、議会の運営を日々行っているわけであります。
 他方、野党が政治腐敗の防止や政治責任の追及のために、例えば国政調査権を発動して証人喚問や資料の提出を求めようとしても、疑惑の張本人がかつて所属していた自民党が、そういった国政調査権の積極的な発動に抵抗するという形で、国会としての積極的な腐敗の追及活動が十分できないという問題もあります。つまり、自民党の側も野党の側も、まさに国会という一つの共通の基盤で活動する共通の感覚というもの、共通性というものを意識していないわけであります。自民党が将来野党に回るかもしれない、そのときに野党としてどうやって議会活動をしていくのか、あるいは野党が将来政権をとった場合、どういう形でその政権を担っていくのかということを、いわば立場をかえて考えるということも、政権交代を本当に可能にするためにどうしても必要なステップであります。
 その意味で、これも今の政治改革の本題とは余り関係ありませんけれども、例えば国政調査権の発動に関する要件をもっと緩和して、これを日常的に発動する、そのかわり、例えば予算委員会で予算を人質にとって自民党から譲歩を引き出すというような、いささか不健全な議会運営のルールというものも考え直す、そして今政治改革特別委員会で展開されておりますような、与野党間のそれぞれ自分の意見や案というものを持った両方向的な討論というものを日常化していくというような工夫を行うことも、重要な課題ではないかと考えております。
 次に、本題であります選挙や政治腐敗に関する具体的な制度の検討に移っていきたいと思うのであります。
 私は、基本的には社会、公明両党提出のいわゆる併用制というものに賛成であります。しばしばイギリスの例を引き合いに出して、小選挙区制にすれば二大政党が生まれ、政権交代が起こるという議論がされておりますが、それはいささか議論の飛躍であります。イギリスの場合、六百の選挙区がありますけれども、保守党、労働党というものがそれぞれ極めて強い地域的な基盤をある程度持っております。そして、その中間に草刈り場的な選挙区があり、その帰趨が政権の行方を決めるということになっておりまして、いわば二つの政党がたまたま歴史的、地理的な偶発的な要因によって安定した基盤を持っているから二大政党制がある、決して小選挙区制が二大政党制を生んだわけではないと私は考えております。
 今の日本の小選挙区制の議論で、政権交代というもののイメージは、要するに勝った政党が四百とって負けた政党が百しかとれない、そういう極めてドラスチックな議席の移動というものが小選挙区制の最大の効用であるという議論があります。しかし、そういった四百対百というドラスチックな変化が選挙のたびに起こるということで本当に安定した政党政治が営めるのかというのが、大きな疑問と言わねばなりません。つまり、百しかとれない政党が次の選挙までどうやって生き延びていくのかというのは、これは結構大きな問題であります。その意味で、イギリスの例を単純に引き合いに出して、小選挙区制にすれば政権交代、二大政党制、安定した政権というふうに結びつけるのは短絡だと思います。
 それから、私は、二大政党制というものをそんなに理想化してよいのかということについても疑問を持っております。つまり、今国民の意識は非常に多様化しておりまして、安全保障、経済、教育、福祉、いろいろな争点についてさまざまな意見を持っておりますが、それを無理やり二つの政党の中に押し込めるということがよいのかという問題であります。つまりある人は、自民党の経済政策には賛成であるけれどもこの安全保障についてはどうか、あるいはある人は、社会党の福祉政策には賛成だけれどもこの安全保障についてはどうか、そういう形の、いわば留保を持って政党の政策を今見ているわけであります。無理やり二大政党制をつくり出していって選択肢を二者択一にするということは、いささか国民に対してその選択肢を制限するということになるのではないかと思うわけであります。その意味で私は、やはり多様な民意を反映するための比例代表制というものを選挙制度の基本的な前提として支持したいわけであります。
 比例代表制にすると小党分立、連立政権で不安定になるという批判も多々ありますけれども、これも、二大政党制が安定で小党分立は不安定だ、あるいは連立政権は不安定だというのは事実の裏づけを欠いたドグマであります。つまり、ヨーロッパの各国を見れば、スウェーデンやドイツやオランダやオーストリアや、いろいろな国で安定した連立政権というものがあります。私は、今の日本の政党システムを前提として小党分立、連立政権不安定という危惧を抱かれる議論については、理解はできますけれども、だからといってこの比例代表制というもの自体を欠陥品だと言うことはできないと思います。要するに、比例代表制の導入とあわせて政党そのものの変革、つまり、党内における候補者選定過程にかかわる党内民主主義の徹底でありますとか、あるいは連合政権論議に臨む政党としての基本的な論議の仕方、マナーというものを身につけていく、そういった政党そのものの自己変革と相まって比例代表制というものが日本の政治風土に定着し得るのではないかと考えます。
 それから、選挙制度のあり方を考える上でどうしても重要な論点は、選ぶ側と選ばれる側の距離という問題であります。今の日本においては、選ぶ側と選ばれる側の距離が余りに近過ぎる。したがって、国会議員であっても、選挙区のさまざまな公共事業でありますとか補助金でありますとか、そういった非常に小さな利害にかかわる調整を地元の支持者から要請され、そういった小さな争点にかかわる日常的な世話をやっていないと次の選挙では危ないという構図があります。私は、政治腐敗を正す、あるいは政治家をして国全体の問題について広い見地から議論をさせる自由を与えるためには、少し国民と国会議員との距離を広げる必要があるのではないかと思います。
 小選挙区制は全く逆でありまして、人口二十五万程度の小選挙区でもって国会議員を選挙いたしますと、例えばこの札幌市では一つの区が単位となります。この区を単位に国会議員の選挙をいたしますと、今以上の細々した争点や利害をめぐる選挙が戦われる危険が非常に大きいだろうと思います。比例代表制というものはその意味で、政治家をいわばそういった地域の矮小な利害から解放し、国全体の大きな課題について広い視野から高い見識を持って議論させることにふさわしい制度であります。その意味でも、これからの二十一世紀の日本には、比例代表制こそ必要とされていると私は信じております。
 それから政治資金の問題でありますけれども、これは私は自民党案も社公案もそれほど本質的な違いはないと思います。私は、個人的には企業献金というのは廃止した方がよいと思います。企業というのは自然人と違いまして、要するに実体がないわけであります。そういった実体がない、いわばフィクション、擬制が政治に対して大きな影響力を持つということは、要するに国民主権、つまり実在する自然人が政治に参加するという憲法の原理からしても、大きな疑問と言わざるを得ません。
 ただ、現実問題として、先ほどのどなたかの話にもありましたように、今すぐこれを全廃するかといえば、それはやはり自民党の側も反対するわけで、将来的に時間を区切って、例えば十年後には企業献金を全廃する、それに備えた新しい政治資金の調達方法を考えるといったような過渡的な措置を講じた上で、当面企業献金も必要悪として認める、しかしそのお金の流れについて徹底した透明化を行い、また違反があった場合は厳しい罰則を科すということが最も現実的な対応ではないかと考えます。その意味で、政治資金の面については、自民党と野党との間で早急な妥協をし、速やかな制度化を行うことを心から念願したいと思います。
 いずれにいたしましても、政治改革というのは極めて大きな課題でありまして、さまざまな論点が含まれております。このさまざまな複雑な論点について、一度の対応でもって全部処理をするということは不可能であります。これから必要なことは、政治改革、特に選挙制度について試行錯誤を重ねてよりよい制度を求めて、これから当分我々は模索をしていくという心構えではないかと思います。その意味で、政治改革を求める国民世論の高まりは大変歓迎すべきことではありますけれども、しかし今の政治改革論議に余り過度な幻想を抱くべきではない。国会議員の方々も、いわばこの国会の議論というものを出発点として、これからさまざまな論点に関する着実な改善の試みを続けていくことを心から期待したいと思います。
 以上で私の話は終わります。(拍手)
#21
○田邉座長 ありがとうございました。
 次に、佐々木宣君にお願いをいたします。
#22
○佐々木宣君 アイエスティ北海道の佐々木でございます。
 私は、経済に携わっておりますので、その立場で政治改革四法案に関して意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
 国民生活の安定向上とこれを支える福祉政策を初めとする諸政策の実現のためには、経済の安定成長が基盤となるものであります。そして、この経済の安定成長には政治の安定が必要不可欠なものであります。このところ引き続いていろいろな事件が起きたことによりまして、政治不信が高じ、国民の意識と政治との乖離が大きくなっていると言われておりますが、国民の意識が政治に無関心となり離れている状態は、根本的な意味で政治が最も不安定であるものと考えられます。幸い議会におかれましては、このことを重大視され、政治改革を最優先課題として取り組み、推進されておりますが、これに対しましては心から敬意を表しますとともに、早急に実現の運びとなり、国民の信を取り戻し、国民とともに歩む政治となりますことを強く期待申し上げるところでございます。
 私は、為政清明、政をなすには清く明らかなれということでありますが、これが重要なキーワードになろうかと考えております。清くは、本来政治家個人の志にかかわることでありますが、制度としても清からざることを行う余地がないよう配慮、整備することが必要であろうかと考えております。明らかにつきましては、いろいろな意味がありますけれども、ここでは政治が国民の立場から見てわかりやすいものにするということに考えたいと思います。かつては、よらしむべし知らしむべからずなどという時代もありましたけれども、今はそんな時代ではありませんし、また専門の立場で緻密に詰めていけば詰めていくほど制度の構造が複雑になり、一般的にはわかりにくいものとなりがちであります。少なくとも基本的なこと、原則的なことなど、制度の大もとに関しては、国民の観点からしてわかりやすいもの、単純明快に理解できるものとしなければならないと考えております。この辺の兼ね合いについても、十分御配慮いただきたいものと思います。
 具体的な問題に入りますが、まず選挙法の改正につきましては、中選挙区制は戦前戦後を通じて長年我が国の風土になじんできた制度として続いてまいりましたが、ここに来て諸問題の根源はこの中選挙区制にあるのではないかとの認識が大方のものとなってきております。
 第一の問題点は、中選挙区制の選挙では、このところ何回やっても、多少の消長はあっても各党の大勢は変わることなく、政権交代の可能性がほとんどないと言っても過言ではない実情にあります。政権交代という国民の最大のチェック機能が働かないようになっているところであります。
 第二には、政権を目指すためには、同一選挙区に一政党から複数の候補を立てざるを得ず、政党間の戦いではありますが、それ以上に候補個人の戦いという面が強くなっている現実であります。その結果、国政選挙であるにもかかわらず、国政の枢要な問題をさておいて、どちらかというと手近な問題が取り上げられ、争点が矮小化されており、場合によっては利益誘導にもなりかねませんし、また国民の国政に関する意識を高めることにマイナス効果となっているとも考えられます。
 したがって、是正の方法としては、大方の皆様のお考えのとおり、小選挙区制を採用し、政党間の国政に関する争点を明確にし、政権交代の可能性を高くすることが肝要であると考えております。また、政権交代の可能性が高くなりますと、政権の行使に当たって持続的に緊張感を持つこととなって、政界浄化の機能を果たすことも大きく期待できるものと考えます。また、小選挙区制の採用に当たりましては、国民から見て最もわかりやすく、国民の最大のチェック機能が端的に行使できる、政権交代の可能性が一番高い単純小選挙区制の採用に賛成いたします。
 政治資金規正法の改正につきましては、政治資金の流れを透明なものとすることと、公私の区分を明確にするなど基本的な問題について、これも国民にわかりやすいものとなるよう制度の整備をすることが必要と考えております。
 もう一点、企業、団体など法人の献金につきましては、企業、団体も法人格を有する社会的存在であり、納税などの義務を課され、それを果たしている以上、個人と同様、政治的行為の自由を基本的に有しているわけでありますから、節度を持って社会的役割を果たす範囲内での寄附、献金は認められてしかるべきものと考えられます。
 衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政党助成法案につきましては、特に意見はございません。
 なお、政治改革に深い関連がある事項として一点申し上げたいと存じます。行政における規制の緩和につきまして、政治改革と並行して行政改革のメーンテーマとして検討されておりますが、この規制緩和は、今回の政治改革の実際の効果を裏打ちする面もありますので、ぜひとも早急に取り進めていただきたいと思います。現在のように、国際的にも開かれている成熟した我が国の経済社会におきましては、規制は公共の利益を損なうもの、自由競争を阻害する行為などの排除に関するものに限定し、できるだけ少なくし、公正なる自由競争によってその活力を十分発揮できるようにすべきものと考えます。また、規制が少なくなりますと、これに関連するいわゆる利権の発生する機会も少なくなることになります。
 最後に、この政治改革に当たりまして、国民の常識に基づく国民の視点からの政治改革を断行されますよう重ねて要望申し上げまして、私の陳述を終わります。(拍手)
#23
○田邉座長 ありがとうございました。
 次に、田口晃君にお願いをいたします。
#24
○田口晃君 田口でございます。
 私はヨーロッパ政治史の研究をしておる者でございまして、その立場から、議会制民主主義の制度と運用の経験という点からいえば、これが最も豊富なのはヨーロッパでございますので、そこから今でも多くを参考にできるのではないかと思い、一言意見を述べさせていただきます。
 限られた時間でございますので、ここでは与野党の違いが最もはっきりしている選挙制度についてだけお話しすることにしたいと思います。それも、細かい技術的な問題は議員の先生方が知恵を絞って詰めていただけると思いますので、その制度の持っている意味というようなことに力点を置いてお話をしてみたいと思います。
 この間の日本の国民各層の政治不信、これはいろいろな柱があると思うのですが、その政治不信の柱の一つとして、今の政治制度は不公平ではないか、そういう柱があるかと思います。この不公平もしくは公平さという観点からこの選挙制度を見ますと、これは国民各層の意見が公平に反映されているかどうかということでございますから、小選挙区制の場合には死票が多いということになりまして、比例代表制の方が望ましいという結果になります。現にヨーロッパの場合は、大部分の国が過去のいろいろな経験を踏まえながら、そういう比例代表制を採用しているわけです。もちろん、小党乱立とかその他比例代表制に伴う欠点も指摘されているわけであります。
 そこで、ここでは御参考までに、ドイツの選挙制度の成立過程について御紹介したいと思います。ドイツの選挙制度については、いろいろな方が議論されていますので皆様よく御存じかと思いますけれども、どうしてそれができてきたかということですね。実は、現行の制度の原型は北部の州、一番現行に近いものはニーダーザクセン州のものと言われておりますが、この州の選挙法は一九四七年の初めにできたものです。これはどうしてできたかというと、この地域はイギリスが占領していた地域でございまして、イギリスが占領の中で改革を進め、その一環として選挙制度の検討もしたわけですけれども、イギリス占領軍の側から見ますと、それ以前ドイツで行われていた比例代表制というのは、政権が不安定になって、それからもう一つは選挙民と議員の距離が大き過ぎる、つまりリストのメンバーの選択を政党の幹部がやるという形になっているということで望ましくない、したがってイギリス型の小選挙区制を導入しようということで、そういう制度改革をしようとしたわけですね。
 ところが、これに対しては、占領されているドイツ人側が非常に強く反発しました。つまり公平さを欠くということです。非常に頑強に抵抗しまして、その結果出てきたのが四七年の北部の州の選挙法であります。結局、一つには議席の半分を小選挙区で選び、残りは全体が比例代表制になるように配分するということです。しかしながら、それでは小党乱立のおそれがありますので、それを避けるためにパーセント条項を入れるという現行の制度ができたわけであります。ですから、これはドイツ型というよりは、ドイツの制度とイギリスの制度を合わせた、公平さを保証しながら比例代表制の欠陥を補うという、大変よく考え抜かれた制度であろうと思います。
 ただ、もう少し突っ込んで考えますと、そういうドイツ型の選挙制度をヨーロッパのほかの国が全部採用しているわけではありませんで、それぞれいろいろなタイプの比例代表制を導入しているわけです。ですから、もう少し考えますと、比例代表制が持っている欠点と言われるものが本当にそうかどうかということも、問題として各国の事例に照らして見る必要があろうかと思います。
 巷間非常によく言われる議論として、比例代表制では政権が不安定になるという議論がございますけれども、これはもう少し突っ込んで考える必要がある。これは二つの段階を区別して考える必要があろうかと思います。一つの段階は小党乱立ということですが、小党乱立の一番極端な形を政治学では原子化多党制、原子のようにばらばらになってしまう、そういうふうに呼んでおりまして、これは二つの特色があります。一つは、政党の数がやたら多くなって、しかも小さい党ばかりになってしまうということですね。それからもう一つは、対立が非常に激しい。そうしますと、これは議会での多数派形成が非常に困難になりまして収拾がつかなくなってしまう。
 こういう事例は一つだけありまして、これは第一次世界大戦後のポーランドでありました。ポーランドの場合はそこから独裁体制にいってしまうわけですが、それ以外の国について見ますと、大部分はそうはならないわけですね。なぜかといいますと、それは、それ以前に存在していた政治勢力が大体そのまま出てくるわけであります。例えば、これは小国ですから余り知られてないかと思いますが、オランダの場合ですと、これは言ってしまえば全国一区でパーセント条項を持たないという完全な比例代表制ですけれども、選挙をやりますと議会にせいぜい政党は十ぐらいで、しかもそのうち五つの党で議席の八〇%を占めるというようなことですから、極めて安定的な議会ができる。こういうふうに見ますと、日本の場合にも、比例代表制を導入したとしても原子化多党制になるおそれはほとんどない、政党が五十にもなって連合が組めないというおそれは全くないということです。
 それから、比例代表制が政権を不安定にするかどうかという問題を考える場合に必要な二番目の段階としましては、連立政権というのはそもそも不安定なのかということでございます。連立政権あるいは連合政権というような呼び方をしていますが、といってもこれは実にさまざまなやり方が各国で行われておりまして、それを安定させるというのは、まさにプロの政治家の先生の腕の見せどころになっております。全体としては実は極めて安定しておりまして、不安定なケースの方が少ない。これはちょっと手前みそになりますけれども、十年ほど前に私どもで共同研究をしまして、「連合政治」という研究をしましたので、そちらを見ていただけると、具体的などういう連合の、連立のやり方があるかということはおわかりいただけるかと思います。
 それからもう一つの、ちょっと離れますけれども、連立政権は国民の意思を直接に反映しないのではないかという議論がございますが、これは連合政権協定というのを政権を構成する政党が結ぶわけでして、その過程はどこの国でもよくわからないのですけれども、出てくる協定そのものははっきりしている。任期中に一体何と何を行うということを国民に責任を負うか、これは非常にはっきり出されるわけです。そうしますと、それがやられたかどうかということは事後的には判定できるわけでありまして、したがって国民に隠されたところでその政策決定が行われるということでは必ずしもないということです。
 というわけで、話をもとに戻しますと、比例代表制のもとでは政権が不安定だという言い方は、第一段階で確率が十分の一、第二段階でも確率が十分の一としますと、せいぜい確率が百分の一というのがこれまでの経験則だと言ってよろしかろうと思います。
 それから最後に、この全般的な政治改革は、今当面の問題はもちろんありますけれども、将来的にこれからどういう政治社会を日本の中でつくっていこうとするのかという視点がやはり必要かと思います。その点から申しますと、価値観の多様化というようなことが言われますが、単に価値観だけではなくてさまざまな意見それから利害、こういったものがますます多様化していく可能性がかなり高い。そしてさまざまな少数グループが、現在では自分たちを少数グループというふうに自覚していないグループもいずれ自覚してくるというようなことが出てくるわけでありまして、そういうさまざまな多様化に対応していくためには、しかもそれを議会という場で非常にオープンな形で表明していくためには、別な言葉で言えば、もっと自由な政治社会を構成していくためには、やはり比例代表制の性格の強い制度の方が望ましいのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。(拍手)
#25
○田邉座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#26
○田邉座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島理森君。
#27
○大島委員 冒頭に簡単に質問させていただきますが、陳述者の岩本さんと相原さんにちょっと一言だけお尋ねさせていただきます。
 きょうは各陳述者の皆様方、大変御苦労さまでございました。私は、中身の議論じゃなくて、まさに皆様方が日ごろ接しておられる国民の皆様というのでしょうか道民の皆様、そういう方々が今の政治改革の論議、政治改革に対する御注文あるいは政党に対するいろいろな御意見、私どもが接している部分とまた違った意味で接しておられるのだろうと思います。
 特に、岩本陳述者は我が党の道議会議員で大変重要な職、幹事長というお職でもありますし、相原陳述者は労働組合の組合員の皆さんとお会いをしている。そうしますと、ずばりお尋ねしますけれども、例えば岩本陳述者の場合は我が党の支持者の皆さんと会うことの方が多いのだろうと思います。そういう中にあって、今の自民党に対して、この政治改革を進めている姿をどういう目で見ているのか。また一方、相原陳述者は、むしろ社会党さんを中心に労働組合員の方々やそういう方々とお会いをしておられる。既存政党というのでございましょうか、そういうふうな社会党を含めた御支持されているそれぞれの政党、そういうものとこの政治改革というものに対してどういう目で見ておられるか。
 漠然とした質問でございますが、率直な御意見、道民の声、そういうものを率直にお聞かせ願いたい。非常に総論でございますが、まずそういうことをお聞きしたいと思っております。
#28
○岩本允君 では私の方から先に、今の質問に対して率直に意見を申し述べたいと思っております。
 私も、地方の立場でいろいろな多くの人たちと会う機会があります。その中で言われますことは、国会の運営、また諸課題、諸政策について、その陰に大きななれ合いがあるのではないか、このことが私ども道民という立場からいえば、やはり道民からの今の政治に対する大きな不信につながっていると私は思っております。特に今、意識の問題がありましたが、やはり最近の自民党の諸問題、このことは非常に大きくあります。そしてまた、現在の自民党に対して本当に信頼を持つことができるかどうかということを言われれば、非常にそういう状況にはなっていない。こういう場でこういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、やはり北海道の場合、佐川急便、身近な問題がありましたし、それから共和問題というのが北海道内にあったという事実もございます。
 そういうことで、日常の活動の中での政治に対するとらえ方、その中に生まれていた信頼というのは今全く逆になっているということでございまして、どのような形であってもいいから今回、各政党の皆さん方が本当に真剣になってこの政治改革を決着をつけてほしい、決断をしてほしいというのが何よりもの願いではないか、私はそう思っております。
 自民党という立場で先ほど意見を申し上げましたが、それより以上にやはり政治改革は、政党のための政治でもありませんし、また今既成政党がいろいろなことを言われておりますが、多くの意見が一つになっていただければ、結果としてそれを謙虚に受けとめ、それに対して我々は全力で意識を持って理解をして取り組まさせていただきたい、私はこう思っております。
#29
○相原敬用君 大島さんから御質問がございました。
 私は労働組合という仕事についているわけでありますが、仕事柄、単に労働組合員だけではなくて、多くの市民の方々ともいろいろ話をする機会があるわけであります。政治改革やるやると言うけれども本当にやるのだろうか、率直に言って各市民の方々の気持ちを一言で要約すると、今そういう気持ちなんだろうと思うのです。どうせまた、何だか知らぬけれども国会の中でごちゃごちゃ議論やって、結果として何もやらないのではないだろうかという気持ちをどうやって、これは自民党であるとか社会党であるとかあるいは公明党さんであるとかという、いわゆる党の主義主張を超えてまず今しなければならないのは、つまり戦後約五十年間、今の選挙制度や政治資金制度のありようの中で今問題が問われ、政治改革が問われているわけですから、各政党、各議員の皆さん方は、今までどおりではだめなんだということで、まずきちっとした共通認識に立っていただいて政治改革を断行するということが必要なんだろうと思います。
 これは、現に国会に議席を持ち、政権政党である自民党さんはまず大きな責任を負うべきだろうと思います。あわせてやはり、それぞれ多くの議員を擁している社会党あるいは公明党さん初め野党の皆さんも、これは従前の方法ではだめなんだということで、新しく改革をしようではないか、この一点だけはぜひ守っていただいて、もしそれをでき得ないとすれば、既成政党というふうに私は先ほど申し上げましたが、既成政党の皆さんに国民から絶縁状が本当にたたきつけられて、日本の政治というものについて日本国民は本当に信頼をしない、二十一世紀に向けて我が国の政治は、そういう意味では大変な状況になってくるのではないのかなと思います。
 そういう意味では、先ほども私最後に申し上げましたが、確かにいろいろな問題で困難性があると思います。ハードルの高い部分も多々あると思うのです。しかし、政治改革ということで今までどおりではいけないんだという前提に立つならば、必ずや各政党、議員の皆さん方の話の中で一定の接点というものはおのずから見出されてくるのではないだろうか。その努力をこれからどれだけ行って、国民が期待をしている、やるやると言うけれども本当にやるのだろうかという不信や不満というものは、そうではなかったという結果が出れば、そこから政治の信頼というものが出てくるのではないかということで、各政党の皆さん、議員の皆さんに、政治改革についてまずそこにすべての基本を置いて議論をし、結果を出していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
#30
○大島委員 大変ありがとうございました。
#31
○田邉座長 次に、自見庄三郎君。
#32
○自見委員 きょうは、意見陳述者の方々から大変貴重な御意見を聞かせていただきましてありがとうございます。
 いろいろな御意見があったわけでございますけれども、中選挙区を小選挙区に変えるということでございますが、これも実は国会の中でいろいろ、我が党の中でも意見がございまして、中選挙区を小選挙区制に変えたら即金のかからない選挙になるのでなくて、中選挙区の場合、岩本先生御存じのように、今個人の色彩が非常に強いわけでございます。当然小選挙区になりましても、政党中心の政策のPRと申しますか、あるいは今選ばれる人と選ぶ人の距離が非常に近くなるというお話もございましたから、むしろトータルとしては、小選挙区になったらすぐ政治活動資金あるいは選挙資金が減るのではなくて、それが政党中心に移行するから、むしろ今回のようないろいろな不祥事は個人の問題に帰するところもあるわけですけれども、実はそういった意見も政治改革特別委員会の論議の中であったわけでございます。
 先生は、小選挙区制は逆にお金がかかると、これは奄美大島の例なんかよく引き合いに出されるのですが、これは個人中心だからこういうふうになるわけで、あくまで政党でやれば、それはある程度コストはかかっても健全ではないかという御意見があったわけです。小選挙区に変えればもう金がかからない選挙だというふうなことが一般には言われていますが、長い間、道議会でまさにやってこられたわけでございますから、その点につきましてまずどう思われるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#33
○岩本允君 今お話ありましたように、中選挙区、小選挙区で金がかかる、かからないのかということであると思います。
 先ほどもある先生からもちょっとお話があったのでありますが、これはやはり国会議員の先生方が、政党を通じながら制度をしっかりされるということではないか。私どもは、たまたま地方の議員という立場であります。大小は別にして、同じ経験を持つ者の一人として、大変失礼なんですが、やはり資質の問題あり、指導性、それからまた、そういう見識の中で政治に対する取り組む姿勢が国民からの信頼に結びつくのではないか、こう思っております。
 奄美大島でありましたでしょうか、お話がありましたが、政治のための選挙ではなくて個人のための選挙、さらにまた、失礼な言葉になるかもしれませんが、自分のための、全く自分本位の選挙というところにあのようなことが現実として行われたのではないか、こう思っております。私は、すべての国会議員の皆さん方がそうだということでは全くないのでありまして、選挙区によっては本当に整然と、また県民なり道民の理解の中で行われている地区もあるだろうと信じております。
 そういう面で、現在取り組んで可能なものはこういうものであるということをしっかりお示しをいただいて、そのお示しに対する責任を国会の中でもお持ちいただきたいというふうに私は考えております。
#34
○自見委員 相原敬用さんにお聞きしたいのですが、企業・団体献金を一切禁止だという話があったわけでございます。しかし田口陳述人からは、それは理想であっても経過措置としてはしばらく認めたらいいのではないかという話があったわけです。
 実際に、現実としてこの問題も国会で大変論議になりまして、企業・団体献金を一切、法律が通ったら瞬時に禁止をするというのは現実的ではないのではないか。私も質問させていただいたのですが、例えば労働組合がある候補者を推薦する、当然労働組合費から献金をすることも禁止ですし、また社公の方によりますと、労働組合が推した人を、結局これは労働組合員個人にも個人献金をしてくれと勧誘することもいけないんだという話だったのです。相原公述人は現実に政治をずっとやってこられたと思うわけでございますけれども、それで果たしてやっていけるのかどうか。やらねばならないといったらそれまででございますけれども、余りそこに無理がありますとやはりゆがみ、ひずみが逆に出てくるのではないかと思うわけでございます。
 また、企業献金、団体献金を禁止しますと逆に、ある国の例によりますと、会社が、個人の給料から出してくれ、その分だけ個人の給料を上げてやるよというふうなこともあるやに聞くわけでございます。やはりそこら辺は、企業、団体といえども社会的存在ですから、一定の節度を持って、これは当然節度を持たないといけませんが、やはり献金は合法的に認めるべきではないかなと私は思うわけでございますが、その点につきまして御意見がございましたら、もう一度お聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
#35
○相原敬用君 長い間、企業献金が認められて現実的に行ってこられたわけですから、今回政治改革の中で法案が通って直ちに政治献金一切禁止、そのことによる混乱といいますかデメリットといいますか、そのことを御心配をする。
 私はまず原則的に、もう一度立場をはっきりさせておきたいと思うのですが、労働組合も含めてこの際、企業、団体の献金について思い切ってみずから律しないと、いわゆる政治改革はここ二年、三年のことではなくて、まさにそういう意味では、日本の古い言葉では国家百年の大計に値することでありますから、したがって労働組合も含めて企業、団体の献金は、これはみずからを律するという意味も含めて禁止をするという方がベストだと思っております。
 先ほど山口さんの方からもお話がございまして、今自見さんの方からもお話がございました。そうは言っても直ちにやめるとなってくるといろいろなことが出てくるのではないか、非現実的ではないか、こういうお話がございました。これは政治の最終的な落ちつきのところをどうするかということとのかかわり合いのことがかなり頭の中に、先生の方におありなんだろうと思うのです。企業、団体の献金を禁止をするという大前提で、しかしきょう法律が通ったからあす直ちに禁止ということではいささか非現実的ではないかという、政治のいわば着地点の問題としての議論が出てくることはあり得ることだろうと思います。
 その場合であっても、例えばそれが五年、十年先のことではなくて、一年なり二年なりのごく短期間の間であって、しかも駆け込み献金などがないような仕組みをしっかりしながら、なおかついわゆる政党中心、政治家個人ではなくて政党に対する献金、しかも額についてもやはり一定程度の節度のある額で、ごく短期間にわたって一時的な妥協点というのは、政治の議論の中で出てくることは予測はされます。
 ただ、大前提は企業、団体の献金は禁止をする。この大前提を崩されて、現実的に問題があるから企業、団体の献金は存続するということでは、私は賛意は表することができないという立場だけ申し上げておきたいと思います。
#36
○自見委員 わかりました。
 それから、これはどなたか考えておられる方にお答えいただきたいと思うのですが、憲法上、御存じのように衆議院と参議院があるわけでございます。衆議院の選挙は各党で案を出しておりまして、今御意見をいただいたわけでございますけれども、やはり二院制というのは、衆議院と参議院でどういうふうに国民の声を集約するかという、政治システム全体として非常に大きな問題だと思うわけでございます。
 私は、政治改革特別委員会でもこのことを質問させていただいたわけでございますけれども、やはりこれはいろいろな少し生臭いような話も絡んでおるようです。基本的に、衆議院と参議院の二院制ですから、同じ選挙制度でやるのか。参議院は、御存じのように戦後すぐ、緑風会という政党でない個人の団体が長い間、伝統的にあった時期もあるわけでございます。
 衆議院は、自民党の場合は単純小選挙区制、あるいは社公案は比例併用制でございますけれども、おのおのの陳述者の方々に、衆議院と参議院は同じ選挙制度がいいのか、あるいは違う選挙制度がいいのか、その辺につきまして御意見がございましたら、特に山口先生はいろいろな研究もしておられるかと思うわけでございますから、山口先生と田口教授にそこら辺をお聞かせいただきたいし、ほかの方でもぜひ、それについて私は意見があるという方がおられたら、その衆議院と参議院の選挙制度につきましてお聞かせをいただければと思うわけでございます。
#37
○山口二郎君 御指摘のとおり、やはり二院制でもって国会を構成する以上、代表の原理というものも違うもので構成すべきだと私は考えます。
 私が先ほど申したように、比例代表制を基調とする選挙制度で衆議院を構成するということで、つまり政権の構成なり国政の運営で一番大きな影響力を持つ第一院で比例代表制を基軸といたしますと、第二院においては恐らく違う原理、要するに、第一院は比例代表制でありますと過疎地の問題とか人口の少ない地域の声をどうするかという問題が出てきますので、第二院においてそれを救済するということで、例えば都道府県から人口の大小に関係なしに同じ数の代表を選び出す、今の選挙区選挙で。一人ずつにするのか複数の定数にするのか、それはまた検討の余地がありますけれども、極端な話、例えば都道府県から人口の大小に関係なしに二名ずつ出して、それで各回一人区の選挙を全国でやるというような形で、参議院をシンプルにするということを私は個人的に考えているのです。
#38
○田口晃君 実は、私はスイスの政治が専門なものですから、その事例にちょっと引きずられるということがあるかもしれません。
 スイスの場合には、国民議会の方は比例代表制で、もう一つの議会の方は人口の大小にかかわらず各州、各カントンから二名ずつ、チューリヒ州と一番小さい州ですと人口比でいうと二、三十倍、もう少し違うと思いますけれども、それにかかわらず二名ずつということでやっておりまして、やはり二院がある以上、基本的には違う原理で代表を選ぶべきではないかと考えております。
#39
○岩本允君 今、参議院の関係についてちょっとお話がありました。昨年参議院の方が、参議院独自で今の選挙制度ではなくて定数について御検討なさいました。このことを承って、私は意見として参議院に申し上げたことがあります。
 というのは、今もちょっとお話がありましたように、衆議院の性格と参議院の性格でそれぞれ独自性があるとすれば、参議院が地域に二名を割り振られているということの中で、人口との関係があって、例えば北海道の場合、八人区が四人区になるというお話がありました。大事なことは、民意を反映すると同時に、民意の中に、今もお話がありましたように過疎対策、それぞれ地域の政策問題がありまして、ただ単純に人口割で果たして参議院の場合はいいのかという、素朴な疑問を私はどうしても持っているわけであります。
 と同時に、参議院の場合、北海道はこれだけ広域であります。その中で、政治に金をかけないで参議院選挙をやれということの整合性は保たれないのではないかということを、私は率直に疑問として申し上げました。今度選挙制度が改革されるかどうかわかりませんが、参議院の場合、選挙資金は北海道が一番高いのです。人口の割には東京は低いのです。法律上、現実にそのことを国会が認められて現在行われているわけですね。
 こういう観点を十分に御判断いただいて、参議院の場合、やはり人口と地域というものを御検討願うことによって、政治資金なりいろいろな問題が、今の四法案のうちにかかわる問題があるのではないかということを、私はぜひ御提起させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#40
○田邉座長 次に、増子輝彦君。
#41
○増子委員 きょうは、大変お忙しいところを早朝より意見陳述者の皆様方には貴重なる御意見をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。私からも厚く御礼を申し上げるところでございます。
 大体皆様方が意見を述べられたこと、私ども国会の委員会で今日まできょうを含めて百時間近く議論をしてきた中で、ほぼ同じようなお考えや御意見というものを承ってまいったわけであります。そういう意味で、国会と国民の皆様方の間に大分考え方にずれがあるのではないかという心配もございましたが、きょうの御意見をお伺いすると、ほぼ共通のそれぞれの考え方があるということで、ある意味では安心をしたところでございます。
 そういう中で、大体多くの皆様方が、今国会でこれは一括処理すべきだというような共通の認識を持っておられましたが、山口助教授と田口教授においては、この辺についてまだ若干はっきりとしたお考えが聞けなかったような聞き方をいたしておりましたので、まず最初にお二人に、今国会でこれは一括処理をするべきかどうかということを改めてお伺いいたしたいと思います。
#42
○山口二郎君 私もやはり、これだけ政治改革をめぐる国民の関心が高まっておりますこのチャンスをとらえて、選挙制度、政治資金を含めた一括の改革をぜひ断行していただきたいと念願をしております。
#43
○田口晃君 私は先ほど、選挙制度についての提案がかなり違うということでお話をしました。それ以外の法案については、いろいろな話し合いで可能性があると思いますけれども、選挙制度については少し難しいかもしれない。ですから、場合によっては、選挙制度についてはもっと議論をしていただいてもいいかもしれないと考えております。
#44
○増子委員 それでは、岩本さんにお聞きいたしたいと思います。
 いずれにしても今国会でやるべきだ、これが国民の声だと、先ほど強いお話も伺いました。いずれにしても、自由民主党の案あるいは社公の案、どこかで妥協しなければならないのではないかという時期が場合によっては来るのかもしれません。自由民主党としての長い経験をお持ちになって、地方の政治を預かっている代表の一人としてきょうおいでいただいたわけでございますが、これにつきましては、両党案にこだわらずお互いが妥協してでもこれを必ずやり遂げるべきだというようなお考えについては、どのようなお考えを持っているか、お聞かせいただきたいと思います。
#45
○岩本允君 率直に言えば、今先生が言われたとおり今回どうしてもやるべきである、そのためにはやはりお互いに協力し合っていただきたい、これが現在の政治に対する信頼すべてに結びつくのではないか、私はそう信じておりますので、ぜひひとつ断行願いたい。その中でのいろいろな各政党とのお話し合いについては、これは私どもは信頼してお任せしたいと思っております。
#46
○増子委員 同じような質問につきまして、相原さんと山口さんにもお聞きいたしたいと思います。
#47
○相原敬用君 選挙制度について自民党案があり社公案があり、さらには民間臨調から連用制という意見の提言もあり、最近はまた両立案とかいうような意見なども出て、何が何だかよくわからないというのが国民の率直な気持ちなんであります。しかし、先ほど私が申し上げましたように今国会、この時期で選挙制度も含めて政治改革をしない限り、政治改革というのは政党と国会議員の先生方は二度と口にできないのではないかというぐらいに、国民は片面で期待、片面で不安といいますか、本当にやるんだろうかという不信の念もあるわけであります。
 したがって私は、この際、現在国会に上程をされております自民党案、社公案、そして院外のいろいろな御意見というものを総合的に判断しながら、何が何でも政治改革を選挙制度も含めて行う。政治資金、政治倫理も含めて、まさに我が国の政治が戦後約五十年たってこれからの世紀に向けて新しい一歩を踏み出していくんだという観点に立って、接点が見つけ得られる部分があるとすれば、その接点を見つけるための各党各議員の積極的な御論議と御審議をお願い申し上げて、何が何でもやはり今国会で一括して政治改革を行う、この基本をぜひひとつ貫いてほしいと思います。
#48
○山口二郎君 私も、基本的に中選挙区制を廃止するということで選挙制度の問題を議論していくべきだと考えております。したがって、妥協としてどのような形が入るか私はわかりませんけれども、ともかく中選挙区制を廃止して、より民意を的確に反映する、そして金権腐敗が起こりにくいような制度に一歩前進するということで、妥協もある場面では必要になってくるだろうと思います。
#49
○増子委員 それでは、若干細かい点に触れて御質問をさせていただきたいと思います。
 まず岩本さんの方にお尋ねを申し上げたいと思いますが、先ほども参議院の問題が出ました。衆参両院があるわけでありますから、当然それぞれの役割を担っているわけであります。ただ、今度の選挙制度を含めた政治改革に関しましては、一部衆参セット論というような考え方も出ているようであります。しかし、今国会でやり遂げなければならないということであれば、当面衆議院の件につきまして先行してでもきちっとしていかなければならないというのが、当然今国会で一括処理をするということの前提条件になるかと思います。当然近い将来、この参議院の問題も含めてやっていかなければならないわけでありますけれども、このいわゆる衆議院、参議院のセット論についてのお考えをひとつお聞かせ願いたい。
 さらに、選挙制度が変わってくるとすれば、共産党を除く各政党とも、とにかく中選挙区制は廃止して小選挙区を中心としたものにしていくべきだということになってまいりますと、将来的には地方選挙の制度まで触れていかなければ本当の意味での地方分権を含めた選挙制度改革、政治改革にはつながっていかないと思えるわけであります。そういう意味で、現在道議会議員として地方制度に大きく寄与されている岩本意見陳述人は、この地方選挙制度のあり方について、今回の私どもの選挙制度改革との関連性の中でどのようにお考えになっているか。この二点をお聞かせいただければありがたいと思います。
#50
○岩本允君 まず一点であります。
 大事なことは、今もいろいろとお話がありましたように、まず衆議院でこの政治改革を一括処理するんだということが何よりも大切ではないかと思っております。ただ、いろいろなお話、またいろいろな資料の中で、将来参議院それからまた政令都市を含めた都道府県についても当然この対象になり得る。地方は地方として、地方の立場だけからいえば、いろいろな意見をたくさん私は持っております。地方に対する議論があるようでありまして、私も承りましたが、国会議員と同じような縛りが都道府県議会議員まで行われるということについては、率直に大きな不満を持っております。
 しかし今大事なことは、現状の政治改革を行うというところに主眼を置かれて、その後、経過措置なりいろいろな方法の中で具体的にスケジュールを決めていただいて、そして参議院、地方に手をかけていただけるようなスケジュールを国民に示していただきたい、私どもに示していただきたいと思っております。
 ということで私は、一括ということではなくて、まず衆議院が先頭に立って行うんだということの中でお取り組みいただければ大変ありがたいと思っております。
#51
○増子委員 それでは、もう一つだけ相原さんにお聞きをしたいと思います。
 先ほど政治資金の献金問題で、寄附の対象者の問題の観点から直接的、間接的にこれは両輪だというような形でお話がありました。まさしく私もそのとおりだと思います。ただ、この献金問題につきましては、先ほど山口さんも話をされておりましたとおり、やはり将来的には企業・団体献金も禁止すべきであろうけれども、十年ぐらいは経過措置もある意味では必要ではないのかというようなお考えも出たわけであります。
 自見委員の質問に対してお答えになりましたけれども、もう一度改めてお伺いをいたしたいと思いますが、当然この問題についてはいきなり全面禁止というわけにはまいらないと私は思うわけであります。企業、団体も立派な政治への参加者でありますし、社会的な貢献も当然されているわけであります。そういう意味で、将来の課題としてこれは当然考えていく必要もあるかと思いますが、やはり企業あるいは団体の献金というものは、当然節度ある中で、透明性を持つ中で認めるべきだという考えにつきまして、もう一度相原さんのお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
#52
○相原敬用君 私は先ほども申し上げたのですが、企業、団体の政治献金について、いわゆる節度ある方法をとるならば将来とも続けていいのではないかという御意見であるとすれば、それは私は賛成できがたい。
 やはり今、国民の皆さんの目には、なぜ政治家と金の問題をめぐってこれだけの大きなことが起きているのだろうか、その根っこは企業献金があるからではないのか、率直な国民の気持ちであります。つまり、企業献金は政治腐敗というものの培養基になっていると、率直に言って国民は感じているのだろうと思うのです。そうすると、政治腐敗の根を断つという場合には、その培養基をも破棄をするということでなければ、政治腐敗の根を断つことはできないというふうに私は思います。
 そういう意味で、企業、団体の政治献金を禁止しようではないかということで各党が合意をし、企業、団体の政治献金を禁止する。しかし、きょう法律が通ったからあすから直ちにということでは混迷が出てくるではないか、したがって一定の期間、企業、団体の関係について経過期間を持とうではないかという政治的な論議が行われた場合に、その期間はごく短期間にすべきであるし、駆け込み献金などをするようなことは禁止をすべきですし、あるいは政治家個人とのかかわりについてはシャットアウトして政党とのかかわりに限定をする。額についても、世の中の皆さんが納得できる額にする。そういう厳しい条件をつけた上で、ごく短期間にわたって政治的な妥協というものが仮に行われるとすれば、それはそれとして一つの方法であると思いますが、大前提は企業献金、団体献金については禁止をすべき、この大前提は崩してほしくないという御意見を先ほど申し述べましたので、重ねて考え方を申し述べておきたいと思います。
 以上です。
#53
○田邉座長 次に、左近正男君。
#54
○左近委員 日本社会党の左近正男でございます。
 きょうは、意見陳述者の皆さん方、大変貴重な御意見を示唆をしていただきまして、本当にありがとうございます。
 そこで、私、二、三の御質問をしたいと思います。
 今なぜ政治改革なのか。私の理解は、やはり汚い政治の大掃除、そして国民から信頼される政治システムをいかにきっちりと確立をさせていくか、私はこのことに尽きると思います。しからば、具体的に何をやるか。皆さん方から御指摘のように、政治資金規正法にかかわる企業なり、あるいは労働組合も含めた団体献金を禁止していく、政治資金の徹底的な透明化を図っていく、連座制を物すごく強化をして刑事責任を問われるまでの法の仕組みをつくっていく、こういうことをしっかりとやっていかなければなりませんが、しからばそれだけやったら汚い政治が大掃除できるのか。やはり選挙制度の仕組みにまでメスを入れなければきれいな政治をつくることにはならないのじゃないかということを、今日まで私も国会の中でいろいろと論議をしてきたわけであります。
 ところが、いろいろ世論調査の結果を見てみますと、国民の皆さん方は案外、選挙制度よりも腐敗防止に重点を移してやれ、選挙制度については、これは言うてもできないことだというような世論調査のデータがかなり多くの各社から出ております。この点について、私どもは腐敗防止と選挙制度は車の両輪だという意識を持っておりますが、相原陳述者、岩本陳述者におかれては、世論調査の動向についてどういうような御見解を持っておられるか。世論調査では、腐敗防止を先行させろというようなかなり強いデータが出ておりますが、この点と選挙制度の絡みの問題についてどういう御意見を持っておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#55
○相原敬用君 今御質問がございましたが、その世論調査に答えた人の頭の中を考えてみると、選挙制度については、自民党の単純小選挙区案、社公の併用案、さらには民間臨調案とさまざまな議論が出て、それぞれ各党が我が党の方針こそということで接点がないのではないか。その世論調査の時期は、そういった意味ではまだまだ各党間の論議はまさに対立のままという状況で、このままでは選挙制度については一致しないのではないかという考え方がある程度あったのではないか。その世論調査の結果を考えた場合に、私自身はそういうふうに想定をしているわけです。しかし、いわゆる政治腐敗の問題については、これはもう何を置いてもやってもらわなければならぬということで、政治腐敗を先に選挙制度を後に、そういう世論調査の結果あるいはそういうような動向として出てきているのではないか、私は私なりにそういう分析をしております。
 したがって、先ほども申しましたように一括処理、つまり政治腐敗と選挙制度は不離一体のものであって、そうしたことを我が国の将来の政治改革のために今勇断を振るって行うんだ、各党間それぞれ歩み寄ってでも、接点を求めてでも選挙制度も含めて一括処理をするんだ、そういうことが今後の国会審議の論議や状況の中で浮き彫りにされてくると、そのときもう一度世論調査をすればその結果は違うことになるだろうというふうに、過日の世論調査の分析を私なりにそういうふうに見ておりますので、むしろ皆さん方のこれからの審議の状況で世論は変わると私は思っております。
#56
○岩本允君 世論調査につきましては、私も今の相原さんと同意見でありますが、やはり今世論調査を受けられる側の意識は、マスコミのいろいろな情報によっての判断でございまして、結果としてそのマスコミの皆さん方が正しく国会の現状を知らしめていただけるということ、整合性あるような方向での御努力が必要ではないかなと思っておりますから、そのときそのときに世論調査が変わって、それを素直に受けとめていただけることが大事なことではないかな、こう思っております。私は、否定は全くしないつもりであります。
 次は、選挙制度と腐敗防止であります。こういうことを私は、漏れ承ることで申し上げて失礼になるかもしれませんが、戦後、国会運営の中で与野党がいろいろな陰のお話し合いなり、取引と言っていいかどうか、あったと伺っております。一方、今の選挙区でいいますと、政権を担おうとすれば、複数選挙区でありますから、多くの選挙候補者を出される政党は少ないところとは当然中身が違ってくる。こういう面で腐敗防止ということは、先ほどもちょっと申し上げましたように、政党の取り組み方、政権に対する考え方、この中でやはりしっかりしたものをお持ちになって腐敗防止は行わなければなりませんし、行っていただけるものと私たちは信じておりますから、こういう形で制度とやはり腐敗も当然、先ほど議論がありましたように四法案は一体のものである。ただ、特に大事なものは、この部分にも当然あることは事実であるというふうに思っております。
#57
○左近委員 そこで、田口、山口、大場各氏に端的に聞かしていただきたいと思います。
 私どもは今日まで、先ほどもお話ございましたように、百時間近い審議をしてまいりまして、その中で政治改革に対する入り口論についてはかなり一致点を見出しました。その一つは、政治改革関連の四法案について一括して今国会で成立をさせる、現行中選挙区制を廃止し新たな選挙制度を導入する、新たな選挙制度は次の総選挙から実施をする、この三点については、共産党を除いて、私ども自民、社公案を出しておりますが、一致をいたしております。しかし、出口が見つからない。自民党の言う単純小選挙区制では、私どもはどうしてもこれは了解できない。また、自民党の立場からは、社公案の小選挙区比例併用制はどうしても受け入れることができない。しからばどういうような形で船を岸につけていくか、こういうことを私どもは今非常に苦慮し、また時期的に見て、時間のない選択をしていかなければならない時期に今来ております。
 そこで、民間の政治臨調が連用案なるものを提示いたしておりますが、この連用案について、田口、山口、大場各氏はどのような見解をお持ちか、端的にお聞きをしたいと思います。
#58
○田口晃君 連用案そのものについては、細かいことについて私はここで申し上げる余裕はありませんけれども、先ほど私、選挙制度以外の問題と選挙制度については、今回少し切り離して考えてもいいのじゃないかと申し上げたのは、それ以外の問題については、いわば向いている方向が皆さん同じですからこれは比較的つくりやすい。ところが、制度については向いている方向が全く違いますから、それは先ほど申し上げた公平という観点からいったら全く違う制度をそれぞれ与野党が目指していらっしゃるわけですから、その中で妥協をつくるというのは相当難しかろう、こういうことです。
 その中で、公平の観点から国民に納得のいく妥協を皆さんがつくってくだされば、それは問題ないと思います。連用制は一つのきっかけになり得るかもしれないと思いますが、具体的に細かいところは、私はちょっと申し上げることはできません。
#59
○山口二郎君 私も、連用制が一つの妥協の際の着地点となり得ると思います。
 ただ、あの案では都道府県単位で比例代表選挙を行うということになっております。都道府県単位で比例代表選挙を行いますと、特に人口が百万程度の小さい県においては、比例代表選挙としての意味を余り持たないわけですね。ですから、その部分で大幅な修正が必要になってくると思います。つまり、私は連用制にもう少し比例代表の側面を強化した上で妥協することがよりよい選択ではないかというふうに考えます。
#60
○大場信吾君 先生の前段のお話を伺いまして、今回の四法案を一括成立へ持ち込むということで合意がされているということは非常に心強いとまず思います。前進への糸口がそこにあるというふうに、一つは理解をいたします。そのことによって今後話し合いをどう進めるかということが非常に重要かと思いますが、先ほど来お話が出ておりますように、内容について試行錯誤を恐れないという立場が必要ではなかろうか。自説に固執をするということではなかなか展望が開けないというふうに思いますし、私は自民党の案に賛成をいたしましたけれども、自民党自体の謙虚な合議というものがやはり前提に必要ではなかろうかというふうに思います。
 連用制につきまして、私の立場上、新聞知識以上のものはございません。しかし、おおよそ合意のかぎになるかどうかということにつきましては、まず有力な折衷案であるということは言えるように思います。今後、内容につきまして私自身も勉強をさせていただいて、国会の審議の推移を注目したいと思います。
 以上です。
#61
○左近委員 どうもありがとうございました。
#62
○田邉座長 次に、大畠章宏君。
#63
○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。
 きょうは、いろいろ参考になる御意見を賜りまして、大変ありがとうございました。
 そこで、端的に一、二点お伺いしたいと思います。
 先ほど山口先生の方から、国会は共通の基盤を築くことである、そういう趣旨の御発言もございました。私たち政治改革特別委員会の中で論議をしてまいりましたけれども、まさに今、自由民主党案だけの流れではこの法案は通らない、また社公案だけの流れでも法案は通らない、何とか合意をしなければということで、今合意案を模索しているところであります。言ってみますと、衆議院では自由民主党さんが過半数を制しておりますが、参議院では野党の方が過半数を制している。そういう意味では、野党と与党が協力をしなければ一つの法案が通らないということで、私は今回のこの政治改革特別委員会を取り巻く環境というのは、非常にすばらしい環境のもとにこの法案の審議がされてきたのかな。
 言ってみれば、先ほど連立政権というのは不安定であるという話がありましたけれども、私は与野党が論を通じて一つの方向性に持っていく。これが、もしも自由民主党さんが過半数を参議院でも衆議院でもとっていたら、もっとこの政治改革特別委員会の流れというのは変わっていたと思うのです。そういう意味では、連立政権というものは日本にふさわしくないというような趣旨のことがいろいろありましたけれども、私はやはりこれからの日本としては、議論を踏まえて共通の認識のもとに方向性を決めていくという意味では、この政治改革特別委員会の流れを見れば、まさにこれから日本が目指すべき一つの方向としては、連立政権というのも大変重要な課題ではないかと思いながら、先ほどの山口先生のお話を伺っておりました。
 そこで、ちょっとお伺いをしたいのですが、私たちも提案当初はこの比例代表併用制というものが一番いいと思っておりますが、とにかく議論の中で一つの妥協点を見出そうとして努力をしております。議論をすれば必ず人間の考えも少しずつ変わってくるといいますか、ある方向を求めようとしているわけであります。
 そこで、ひとつ大場さんにお伺いをしたいのですが、先ほど大場さんは献金問題について、個人的な献金システムが確立されてないから企業献金はいい、さらに一億円の枠を二倍にした二億円というものもいいではないか、さらに個人の資金調達団体を二つに絞ったということも認められるという話がございました。それに対して、相原さん並びに山口さんの方からは、そうじゃない。相原さんは、特にこの企業献金についてはいろいろにおいがするというお話もされました。いろいろな議論がありますが、私は今回のこの公聴会の中で大場さんが、いろいろな方の意見を伺って改めてちょっとお伺いしたいのですが、この企業献金について、意見を求められた政党からのお話もあるので最初はそうだと思いますが、本心はどういうふうに考えておられるのか。特に山口さんからも、時間を区切ってそろそろ将来はということで、だんだんやめてもいいじゃないかという御提言もございましたけれども、今この論議を通じていかに考えておられるでしょうか。
#64
○大場信吾君 本心はという御質問でございますけれども、私は本心に基づいて説明をしているつもりでございます。
 ただ、問題の一つは、政治資金として評価をされるものといいますか、資金のスケール全体について実は詳細なデータを私どもは持ち合わせていないというところに反省がございます。つまり、政治資金として充足すべき金額をどの程度に抑えるのか、個々の政治家の活動について例えば幾らかかるかとか、あるいは政党についての総合的な評価というものがどうなるか、そういう点についての積算といいますか、それをもう少し厳密に精査をした上で、全体の今度は入りの方を考えるということになろうかと思いますけれども、今は一般論として申し上げるしか方法がないというふうに思っております。
 一般論ということになりますと、これは従来政治活動を進めてきたそれぞれのお立場、政党なり個人の方々のいろいろな手持ちの材料、資料があろうかと思いますけれども、それに基づく判断として、自民党は例えば企業献金を打ち切ることによって非常にダメージを受けるということが明らかになっているというふうに想像をいたします。したがって、民主主義政治を守るというそのコストを正しく評価をされているという前提に立って、それを維持するために、企業献金は当面経過措置としてでも続けなければならないというふうに考えているわけでございます。
 それから、例えば企業が献金することによって不正につながる、あるいは腐敗に結びつくというふうな御指摘があるといたしますと、そのにおいがあるのではないかというお話が今ございましたけれども、これはつまり透明化の手法をどうするかということによって、一つ打開の糸口はあるのではないかというふうに思っております。収支報告等の精査あるいは一般への公開というふうなことも一つ方法になろうかと思いますが、この点は法律制定に当たって具体的に施行をどうするかということで、英知を集めていただきたいというふうに思うわけです。
#65
○大畠委員 相原さんにもう一つ端的にお伺いしますが、今も山口さんの方から、お金の透明化を進めるためにいろいろ工夫をしなければならない、言ってみれば政治資金についての監査の制度をきちっとしなければならないというお話がございました。民間政治臨調の方からも、公的助成をする場合には必ずそれに見合う公的な監査制度が必要だという、ワンセットで提言がございますが、この件について相原さんの方ではどういうふうに考えておられるかお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#66
○相原敬用君 結論の方を先に申し上げれば、いわゆる政治資金、金の入りと出を明確にする、そのためにその入りと出がきちんとチェックでき得る、そういう体制を整備をしなければならない。その場合に、今言った、山口さんからも指摘のあったような機関の設置などについては十分有効だと思うのであります。
 と同時にもう一つ、やはり一般の市民が政治資金の流れについて、収支についてどなたでも見れるという情報公開についてもっときっちりと議論をしていただく。この二つが、単にチェック機関だけではなくて一般市民も見れるという情報公開、この制度についてももっときちっと図るべきだというふうに私は思っております。
#67
○大畠委員 ありがとうございました。
#68
○田邉座長 小林守君。
#69
○小林(守)委員 社会党の小林守でございます。
 時間が極めて少なくなりましたので、特定の論点に絞ってお二人の方にお聞きしたいと思います。
 少なくとも今、国会では最終局面を迎えているわけですけれども、我々は今国会の中で、何としてでも一体のものとして、政治改革の中の腐敗防止そして選挙制度の改革は実現しなければならない至上命題だ、そういう観点に立って今進められているわけです。しかし私は、政治改革というのはもっとトータルな問題だというふうに考えている一人でございまして、国会の改革とか、さらには中央集権的な構造がもたらしている腐敗、これらを地方分権的な仕組みの中に少し時間をかけてでもやっていかなければならぬ、そのように考えているのです。
 まず一つとして、山口先生にお聞きしたいのは、百時間に及ぶ論議を続けてきて、討論型国会というような姿が見え出したというような状況なんですけれども、これで委員会中心そして国対政治を打破していくというような大きな切り口がつくられつつあるということなんですが、この委員会中心の、そして討論型国会をいかに定着させていくか。実りあるものにさせていくためには、討論すれども結論が出ずというような、活発ではあっても結論が出ないというような状況では、またもとのもくあみになってしまうというおそれがあるわけです。そういう点で、この委員会の中では少なくともそれぞれの提案者、与野党合意を何としてでも見出していこうという姿勢はあるのですが、全体的な国会の中では温度差が非常に広がっているというような状況もあるわけなんですけれども、この委員会中心の討論型国会を定着させていく国会改革について、どのような合意形成のための条件、仕組みを用意しなければならないのか、その辺を教えていただきたいと思います。
 もう一点は、いわゆる選ぶ者と選ばれる者との距離の問題がお話がございました。私も大賛成でございまして、そういう点で、やはり国政レベルの選挙においては比例代表的なものを中心とした選挙制度がふさわしい、そのように思うわけです。ただ問題は、地方分権という観点の中で、いわゆる地方議会レベルでの選挙制度も含めてトータルな日本の政治というものを考えていった場合、国政レベルの選ばれる者と選ぶ者との距離という問題と同時に、地方レベルではどういう観点で構想をし、どういう仕組みが必要なのか、その辺を教えていただきたいなというように思います。
 それから佐々木さんには、いわゆる選挙制度の中で、民意の反映それから民意の集約という形で選挙制度の考え方の違いが出てきているわけであります。民意の反映という価値観の中では、やはり多様な選択肢をいかに保証していくか、そして緩やかな二大政党化というか、そういう方向を目指すかというのが一つの価値観なんだろうというように思います。それからもう一方の民意の集約という立場に立つならば、やはり国家の主権というか、それの統治、統合機能を強化しないと今日の激動する国際社会に対応できないではないか、そういう論点があろうかと思います。
 この二つの選挙制度の大きな理念の違い、価値観の違いがあるわけですけれども、問題は死に票の問題を中心にやはりこの価値観が分かれていくのだろうというふうに思うのです。
 それで佐々木さんには、死に票の問題について、単純小選挙区制の場合は極めてドラスチックに出てくるわけです。これを死に票ではないとか、そういう見方もあるわけですけれども、我々はやはり民意の反映という観点に立つならば、死に票の問題は重大な欠陥だと言わざるを得ないわけなんですが、そこをもう一度教えていただきたいと思います。
 以上でございます。
#70
○山口二郎君 第一の点ですが、要するに二つの政党なりグループがそれぞれの案を持って討論型の議会運営をするということで、やはりその出口がなかなか見えなくても、国民に対する教育効果というのは非常に大きいと思います。ああいう取り組みを、予算審議だとか重要法案の審議なんかで対面型の討論を行うことで、要するにその過程そのものが意味があるといいましょうか、国民に対する非常に大きな啓発効果があるということです。
 それからもう一つは、やはり党議拘束の問題がどうしても出てくるわけでして、例えば情報公開法案みたいな具体的な利害が余り絡まっていない、国民と行政との関係をどうするかといったようなルールについては、これはもう党が英断を振るって党議拘束を外して、要するに議員個人個人の立法府の一員としての良心に任すみたいな、そういった舞台設定をこれから折に触れ実験してみるということで、討論が新しい制度づくりに結びついていくという仕組みをつくっていく必要があると思います。
 それから、中央地方を通じた改革の問題でありますが、先ほど言ったみたいに、国会議員とその地元との距離を少し遠くしますと、地域のいろいろな利害調整の問題は地方レベルで処理をするということになります。そこで、やはり地方議会の強化ということは必要になってきますけれども、私は、現在の画一的な首長と議会の二元代表制というものをある程度見直して、どういった形の自治体の構造をとるかということをその住民の自治に任せるといったような、大幅なその意味の規制緩和といいましょうか自由化を行って、それぞれの自治体でいろいろな外国の例を参考にしながら、より能率的で民意を反映しやすい地方の政治、行政の仕組みというのをつくっていくということが将来的には必要ではないかと思います。
#71
○佐々木宣君 結論から申しますと、私は死に票というのはないと考えております。やはりこれは、あくまで批判票として非常な重みを持っているというふうに考えております。それから、この死に票ということを言っていきますと、要するに民意の集約という段階で生きるか死ぬかということをいいますと、例えば国会決議の中で多数決原理に従う以上、これは死に票という考え方でいえば、そこまでいくと非常に大きな死に票が出てくるということになるわけでございます。
 それから、問題は民意の反映という点かと思いますけれども、これについてはいろいろ計算上、議論としては大きな格差が出るということはありますけれども、それほど日本国民はおかしなことはしないというふうに私は考えております。
#72
○田邉座長 次に、渡部一郎君。
#73
○渡部(一)委員 公明党の渡部一郎でございます。社公案の法案提出者の一人でございます。
 本日は、大変貴重な意見を聞かせていただきまして、まず心から御礼を申し上げたいと存じます。
 最初に、ただいま各委員からお話がありましたように、現在、対立する自民党案対社公案の決着がそろそろつき始めてきた段階でございます。昨日、山花委員長が、明らかに社公案に拘泥しないということを述べられましたし、公明党の方といたしましても、三役会議懇談会におきまして、連用制を含む合意点を模索しようということをもう意思表示をいたしました。自民党の方はそれに対して、総務会決議に縛られておりまして、梶山さんのきのうの発言に期待をしておりましたところ、依然としてけしかりませぬことは、合意を目指すというところまでは何とかおっしゃったのですが、いまだに単純小選挙区制というやぼな案に拘泥しておられまして、委員会に出ておられる委員の御意向は、今既にごらんに入れましたように非常に協調的に合意を取りつける方向で動いてはいるわけでございますが、まだそう言っておられる。
 むしろ問題は自民党の、国会用語で言いますと本国と申しますが、自民党のリーダーシップをとられるほんの数名の方々にひどく協調を避ける面がおありなのでございまして、ひどく残念に思っておりまして交渉を続けております。恐らく、公聴会終了の時点では一歩前へ出てこられるのではなかろうかと思いますが、協調、妥協の交渉をするためには、政治資金の問題は交渉できます。ただ制度になりますと、こちらの併用制は交渉できます。ところが、単純小選挙区制というと絶対交渉できない制度なものですから、そこでとんざしているわけでございます。
 何も八つ当たりしているわけでは毛頭ございませんけれども、自民党には人材が多数、豊富であることは、先ほどの岩本先生の御意向を聞いておりましても力強く思っているところでございます。北海道の全議員を代表されまして、また先ほどの御見識を伺いましても大変高く評価したいわけでございますが、まず岩本さんのこの問題についての御見識を承りたいとお願いするわけでございます。
#74
○岩本允君 今お尋ねいただきました趣旨は、今お話がありましたように社公は一歩前進しようとしている、しかし自民党の中で、特に指導者の方々はまだそこへ踏み込もうとしない姿勢がある、これについての意見はどうか、こういうことでございます。
 これは、田邉座長を初め自民党の先生方がおられますが、大事なことは、どの政党であっても、この公聴会は全国で行われていると思っておりますし、その中の声を必ず反映をしていただかなければ、このような機会、私どもが真剣に取り組んだこの発言は、それぞれきょう御出席いただきました委員の方々の発言は非常に重いものであるということをお受けとめいただきたい、私はこう思っておりますし、政党でありますからその中でいろいろな問題点、また譲れない面、主張もたくさんあると思います。それだけに、それをおもみいただいて結論を出していただくことは、結果としていいものに仕上がるのではないかという期待を私は持っているところでありまして、これは渡部先生、時々テレビで見させていただいておりますけれども、ぜひ頑張っていただいて、私どもも努力をすることはもう当然でございますので、御期待をさせていただきたいと思います。
#75
○渡部(一)委員 はい、ありがとうございました。
 次にお尋ねいたしますが、私どもの公明党といたしましては、併用案をベストだと思って社会党との間で法案を提出しているわけではございますが、その決着点といたしまして幾つかの案を考慮しなければならぬ段階にもう来ておると思いまして、委員間にはいろいろな打ち合わせをいたしているわけでございます。今、いろいろなまぜっ返しの議論はたくさんございます。例えば衆議院と参議院を一緒に制度を改革しろとか、腐敗防止を先行させろとか、この二つはもう議論が行われました。また、どうせ間に合わないのだから継続審議にしてしまえとか、四番目には制限連記でいけとか、両立制でやれとか、中選挙区定数是正こそ最高なのだとか、あるいは中選挙区無制限連記制でいけとか、この最後の土壇場になりますと山ほどこう出てきまして、田口先生が御心配いただいたような状況が出ているわけでございます。しかし、そういう報道とは別にいたしまして、私どもの方ではもうほとんど話し合いの焦点は絞られてきたという認識を持っております。その中でも連用制というのは、有力な案として私どもは目の中に入れているわけでございます。
 そこで、まず山口先生から伺うわけでございますが、山口先生は先ほどこの連用制は一つの着地点として考えられるなという表現でおっしゃっていただいております。ただ、そこにおいて府県単位の比例制というのは問題だなという御指摘をちょうだいしておりまして、先生はブロック制型のを志向しておられるのは既に承知しているわけでございますが、そのほか、この連用の問題についてはもう既に議論の間で二つ問題が出ております。一つは、一票制か二票制かの問題です。それから、これには併用制でもってやります一票二記載という点もございますが、これはまだ余り議論をされておりません。つまり、一票制か二票制か。それからもう一つは、政党の資金に対して、Gメンあるいは政府の手によって使ったお金を全部チェックするかどうかという問題なんです。この連用制の提案者、民間臨調の方は厳しくそれを書いておられます。その点については、各党反発が相当強うございます。この問題につきまして、率直に申し上げまして御意見を伺いたいと存じます。
#76
○山口二郎君 私は先ほど比例代表制を支持するという立場で申し上げましたが、一つ憂慮しておりますのは、比例代表制というのは政党に対していわば安定した議席数を与えるという特色を持っております。例えば、社会党がさほど大きな努力を払わなくても、国民の中の革新的な意識を持った人が社会党を支持することによって、自己努力、自己研さんなくして生き延びるというのは、比例代表制のもたらし得る一つの欠点だと思います。それとの関連で、やはり選挙制度の改革というものが将来的には政党再編というものに連動することに意味があるというふうに、私は個人的に考えております。
 そこで一票制、二票制という議論になるのですけれども、もし一票制で行うとすれば、これは要するに各選挙区でのその候補者への投票を政党の投票として読みかえるということでありますから、なかなか既存の政党の仕切りといいましょうか、秩序というものを変えにくいことになるのではないかということを考えます。例えば参議院の一人区と比例代表区という二つの選挙を見ていますと、一人区では野党が共同して連合型の候補を推す、比例区でそれぞれ独自の戦いをするというような形で、全体として一つの野党間の共闘のスタイルというものがあらわれてきたわけで、やはり衆議院選挙の選挙制度を変えることによって、そういった国民のより広い期待を担い得るような新しい勢力の結集なり再編というものをしていただきたいと私は思います。その意味で、一票制というものは、要するに政党の再編を阻害するという点で反対したい思います。
 それから資金に対するチェックの問題でありますけれども、これは私、先ほど本論の中で申し上げたように、行政府といいましょうか官憲が政党のいろいろな内部秩序に介入してくることはやはり憲法上大きな問題がある。政党のいわば自律、自由というものは民主社会においては尊重されるべき原理であります。そこで、やはり資金の流れに対するチェックというものは、行政機関の中にこれを担当する部局を置くのではなくて、国会の中に附属機関として、公認会計士だとか弁護士だとか、そういった専門的な知識を持った人を委嘱した委員会をつくり、そこに強い調査能力といいましょうか調査権限を与えた上でチェックをするということの方が、より現実的な案ではないだろうかというふうに考えております。
#77
○渡部(一)委員 次に、相原陳述者にお尋ねしたいと存じます。
 個人と法人の政治献金の問題につきまして力強い御意見を述べられました。敬意を表したいと存じます。現在の選挙法は、個人の投票行為で選挙が行われ、政治活動が行われるのが原則であります。これは憲法でも認められているところでございます。それに対して、法人の政治活動も許されてはいるのでございますが、それは最高裁の判例にも、判決にもございますように、やはり公共の福祉を阻害しないという前提がつき、また個人が選挙するという前提を破壊しないようにしなければいけないと存じます。そうしないと、個人と法人を比べると、だんだん法人の力がふえていく。情報収集力、宣伝力、あるいは自己の意思を社会に広めていく能力からいうと極端に肥大化していくというのが、法人と個人とを比べた場合の法人の力であるからであります。必ずしも法人が全部悪いとか、団体が全部悪いなんということを申し上げているつもりは毛頭ございません。
 特に、生活の資金を得ている企業活動の中における意思決定というものは、所属員にとって決定的な命令行為となって伝わることは、選挙運動を多年手がけてきた者としては認めざるを得ないのであります。したがって、労働組合の指示とかは企業の指示とは違ってやはり非常に薄いものになる、弱いものになる。いわんや民間団体の中における指示なんというものは、もう極めて薄いものになる。例えば、お茶のお師匠さんが選挙運動をやりましょうと言ったときの指示と、労働組合の指示と、会社の社長の指示と、三つを典型的に並べてみればおわかりいただけるとおりであります。そうしますと、法人の持つ力に対して制限的な措置をとることは当然のことではないか。
 したがって、今回政党に対する政治献金に限ると自民党案には書いてありますけれども、それが一億円が二億円になったということは、随分抑えられてはきたのですけれども、この際そんなことをおっしゃるとは何事かという意味で、私どもは多少残念に思っておる。お話し合いも今している最中ではございます。要するに、法人、団体のこうした活動に対して、個人の運動とは違う別の観点が要るのではないかと私は思っているわけなんですが、相原さんから適切な言葉で言っていただくとありがたいと存じます。
#78
○相原敬用君 先ほども陳述の中で申し上げましたが、政治の当事者というのはやはり主権者である個人だと思うのですね。これは山口先生も、いわゆる自然人としての個人、議会制民主主義あるいは民主主義一般として、やはりそこが中心になって、そこにいわばウエートがかけられて、そこが浮き彫りにされて政治が行われていくというのが、民主主義の政治あるいは議会制民主主義の場合は、負託をした個人と議員の関係、これが政治の当事者だと思うのであります。
 確かに企業は社会的な活動をしているけれども、企業活動を通じて企業みずからが利益を上げるというのが、いわゆる自由社会における企業の活動の本質であります。したがって、個人の政治にかかわっていく当事者の対応と、企業の活動を通じての政治へのかかわりというのは、本質的に違うものだというふうに私は思っているところです。そういう意味で、本質的に違う政治献金ということで考えていけば、政治献金は個人に限定をするのが本筋だと思っておるところであります。
 以上、基本的な考え方だけ申し上げておきたいと思います。
#79
○渡部(一)委員 今度は田口先生に伺いたいのです。
 田口先生は、スイスを初めヨーロッパの制度について大変御見識のあるのを伺いまして、うれしく思っているのです。国会議員同士で議論しましたときに、ヨーロッパの例をお互いに引きながら言っておるのですが、ちょっと怪しげな引き方もたくさんあるものですから、率直に伺うわけであります。
 一つは、イギリス天国説というものがあるわけであります。イギリスはすばらしい、イギリスの小選挙区制は世界最高なんだ、あそこに並んだらすべて世の中がよくなるんだというような意見のタイプがある。ところが、最近統計をとってみますと、小選挙区制を変えようという意向がイギリスで五〇%もある。それを僕らは手に入れて、これはどういう意味なんだろうと戸惑っているわけですね。そうすると、どうやらイギリスでは政党の得票と獲得議席数とが時々逆さまになったりする、または小選挙区制が必ずしも民意を反映しないという意味で、イギリス病の原因となっておるのじゃないかという議論さえあるわけであります。したがって、議会政治のそれこそ模範だとも思っていたイギリスに対して、どうも選挙に関しては最近もめておるなと私どもは思っておる。しかし、それを適切に、どの辺に比重を持って言えばいいのか、どうもわからぬ点があるわけなんです。それをひとつ御評価を伺いたい。
 もう一つは、イタリーなんです。イタリーはこの間から汚職で、議員のうち千名近く逮捕されたわけであります。ここは比例制でやっていて、小党分立していて、第七党の人が総理大臣になったという例を、自民党の委員の方は強烈におっしゃるわけでございます。日本で第七党の人が総理になったらどうするかとまで演説された方があるわけで、私どもも第七党ってだれだろうなと勘定してみたいきさつまである。つまり、私どもは知らないための恐怖に襲われているわけでございます。イタリアの比例制はどうしてあんなにもめているのか、そしてそれはもう一歩何とかならないのか。その比例制を推進する者としては、私たちのやる小選挙区併用型比例代表制とは全く違うものですから、それは違いますよで一応片づけてはきましたけれども、その二つの国の例をひとつわかりやすく、しかも的確に短くお話しいただくと大変ありがたいと存じます。
#80
○田口晃君 かなり難しい御質問ですけれども、後半のイタリアの場合についてからお話し申し上げます。
 あそこは政権が不安定だと言われていますけれども、実際には政党の組み合わせで見ますと非常に安定しているわけです。政治勢力の組み合わせとしては非常に安定している。DC、キリスト教民主党が常に中間にいて、組み合わせでいいますと、一九六〇年代ぐらいまでは中道右派、その後中道左派、最近ではそれにまた右派、大連合みたいな形になっています。ですから、組み合わせとしては一貫して安定しているわけですね。そこで、準国営企業であるIRIとの関係とか、それから公共投資をめぐる汚職というような形で、いわば癒着構造ができている。ですからある意味では、今の自民党の政権がずっと長い間続いてきたところから出ている腐敗とむしろ非常によく似ている面があるのではないか。ですから、それは選挙制度の問題とはちょっと違うのではないかと思っています。もう少し言いますと、比例代表制に仮になったとしても、その中で政権交代がないと余りうまくいかない、腐敗が生じやすい、これはやはりどこの国の場合でも言えるのではないでしょうか。
 それからイギリスの場合ですが、比例代表制を主張しているのは、特に社民党、自由党という少数党ですね。これはもう圧倒的に死票が多いですから、公平に欠けるということで比例代表制ということになるのですが、イギリスの安定政権の持っている問題というのは、ドラスチックに政権がかわる、そうしますと今までやっていた政策ががらっと変わる。これも一九六〇年代ぐらいまでは、与野党が比較的共通の基盤がありましたから大きな問題はなかったのですけれども、七〇年代以降になると労働党と保守党の政策がかなり違う、政権がかわるとがらっと政策が変わるということで、それがむしろ経済の混乱を助長しているのではないかということが考えられます。
 ですから、比例代表制をとりながら、かなり政策が違うタイプの政権交代が何年に一遍かはできる、しかし余りドラスチックではない、理想からいえばそういう形が一番理想ではないかと思います。
#81
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
#82
○田邉座長 次に、木島日出夫君。
#83
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。
 最初に山口先生にお伺いしたいのですが、先生が我が国の政治腐敗の構造を広い視野からとらえるというお話を、大変興味深く拝聴いたしました。先生が小選挙区制に反対し比例代表制度を支持する一つの理由として、選ぶ有権者と選ばれる政党、政治家との距離が近過ぎることはよくないという立論も、政治の腐敗の構造の中にこの距離の問題をしっかり位置づけているからではないかと拝察するわけであります。そしてもう一つは、先ほど小選挙区制イコール政権交代、二大政党、これはドグマだという中で、二大政党に無理やりに押し込めることには賛成しがたいということをおっしゃられました。これは、民意の反映という観点からそういう論立てをしているかと思うわけであります。私もその点については賛成であります。
 そういう立場から考えますと、先生先ほど来、社公両党の併用制に賛意を表されているようであります。せっかく社公両党が、基本が比例代表制度だと思うわけでありますが、二百の小選挙区制を導入するということになるわけですね。その社公両党の二百の小選挙区制を入れる理由は、主に二つあるのですね。一つは、顔が見える比例代表。この顔が見えるということは、まさに選ぶ有権者と選ばれる政党を短くするという意味であって、先生の立論からいくと、どうも顔が見えるという立場で小選挙区制を入れることはよくないのではないかということを感ぜざるを得ないのですね。
 もう一つ、社公両党が二百の小選挙区制を入れる積極的な理由づけとして、全体として二大ブロック化、二大政党化を促進していくんだということを言っているわけであります。これは私の立場からしますと、無理やり選挙制度によって二大政党化して小党、少数政党を排除していくとまでは言わないにしても、真綿でじわじわと首を絞めていって少数政党を排除していくという論拠につながっていくわけでありますね。先ほど先生が選挙制度を変える大きな意味づけを、政党再編と連動することにあるんだとおっしゃられましたことが、このこととも矛盾するのじゃないかと思うのです。
 二つの大きな立場から見ますと、社公両党が、せっかくの比例代表制でありながら、なぜそのよい点を壊すような二百の小選挙区制を入れなければいけないのかという理由がわからない。むしろ入れないで、違う形でよりよい案を模索すべきではなかったのかと思わざるを得ないわけなんですが、その辺どうお考えなんでしょうか。政治的な妥協として、こういう社公の併用制案もやむを得ないという立場なんでしょうか。それとも、二百の小選挙区制を入れ込むことの積極的な意義を付与しているのでしょうか。
#84
○山口二郎君 私は、距離の問題を申し上げましたけれども、やはり代表と国民とが余り遠過ぎても困るわけでありまして、その間に適切な距離というものが必要であると思うわけです。完全な全くの比例代表制、例えば今参議院でやっているようなああいう形にいたしますと、これは地域の声が代表に届きにくいという弊害も一方ではあり得るわけでありまして、適度な距離をとるということで、比例代表制をベースとしつつ二百程度の小選挙区をつくって、生身の政治家が地域で運動する、あるいは政党の基本的な単位をそういった部分に置くということが、国民と政治家の間の適度なきずなを保つということで必要ではないか。これは、要するにバランスをとった仕組みではないかと考えるわけであります。
 それから後の御質問でありますが、私は別段二大政党制を特に推進するつもりはありませんで、実際シミュレーションなどを行いますと、併用制のもとにおいても、例えば公明、民社、共産という野党第二党以下の政党も、それぞれ得票に応じた議席を獲得するということが出ております。あるいは、併用制ですと日本新党みたいな新しいチャレンジャーが入ってきやすいわけですね。ですから、そういった国民の意識変化や状況変化への対応を果敢に行う政党にとって非常に関門が広い、そこに併用制の利点があると私は思います。したがって、単純に二大政党制に持っていくという展望の中で比例代表小選挙区併用制を議論しているわけではありません。
#85
○木島委員 それでは、続いてもう一点。
 選ぶ有権者と選ばれる政党、政治家との間に適切な距離が必要だろう、それがいいのではないかというお話でした。実は、昨日東京で中央公聴会をやりまして、西平公述人から、選ぶ有権者と選ばれる政党、政治家の間を短くする、しかも小選挙区制を入れずに比例代表制の原則を貫くという、なかなか興味ある提案も出されたのですが、そういう先生の適切な距離を保ちつつ比例代表のよさを貫徹するためにいろいろな案が、小選挙区制二百を入れなくても、あるいは小選挙区制を入れなくても考案できるのではないかという感じもしたのですが、その辺いかがでしょう。
#86
○山口二郎君 選挙制度というのは、やはり国民にとってある程度わかりやすいものでないと困るわけですね。だれかが頭の中で考え出したものをさあやってみましょうと言っても、国民は戸惑うわけでありまして、やはりどこかにモデルがある制度を基本に日本型にある程度適応した形で実施するということでないと、なかなか一般国民にも浸透しにくいと思います。
 私はドイツの政治を見ておりまして、安定した連合政権のもとで民意の反映が的確に行われている成熟したデモクラシーだと評価したいわけであります。そういった具体的なモデルに即して選挙のあり方を考えていかないと、単に理論的にこういった仕組みがあり得るということを議論していても、なかなか実行可能な案はできないのではないかと思います。
#87
○木島委員 それでは、続いて田口さんからお聞かせ願いたいのですが、一九四七年にドイツの北部の州でつくられた併用制、その立法過程については大変参考になりました。先生は、単純小選挙区制のイギリスとドイツ・ワイマール下での比例代表制の折衷案だとおっしゃられました。そうだと思うのですが、より正確には、立法過程の中での妥協の産物ではなかったのかな、そう思うわけであります。
 それはともかくとして、比例代表の欠点として小党乱立というのは大体十分の一だ、連立政権不安定だというのも十分の一だ、トータルすると百分の一にすぎないのではないかとおっしゃられました。そうすると、もう政治的にはほとんど欠点がないということになると思うのですね。そうしますと、先ほど山口先生にお伺いしたのと同じ立論なんですが、無理やり小選挙区制を入れ込んで小党乱立とかいう欠点を補う必要すらないのではないかなと思うわけなんです。どうお考えでしょう。
#88
○田口晃君 ドイツの場合、先ほどイギリスの占領側とドイツ人の間の二つの知恵を寄せ合った選挙法だと申し上げました。妥協の産物だとおっしゃいましたが、もちろん妥協ですけれども、その州の選挙法がやはり望ましい結果が出たということで、その後、ドイツ連邦共和国ができた後、そういう選挙法を連邦共和国として採用しているわけです。ですから、要するに力関係で妥協で決まって余りよくないけれどもということでなくて、非常に高い評価を受けているということがまず第一点です。
 それから、小選挙区制を導入したということは小党排除ではなくて、先ほど御説明申し上げましたけれども、イギリス人から見てワイマール期の比例代表制というのは、候補者の選考が党の中で行われる、党の幹部が行う、したがって選挙民との距離があり過ぎる、それではまずいので、やはりそれぞれの選挙区の地域の人たちが直接その議員にいろいろな形で影響力を及ぼし得るような制度が必要なのではないか、こういう観点です。
 そこで、小党乱立に対する歯どめは、小選挙区制の方じゃなくて、パーセント条項の方で歯どめをつけるという仕掛けですから、全体としては比例代表制に基づいて選ぶけれども、そのうちの半分はあらかじめ直接選挙で選ぶということですから、そこのところは小数党排除ではないと思います。
#89
○木島委員 終わります。
#90
○田邉座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後零時三十二分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の新潟県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年五月二十日(木)
二、場所
   ホテルイタリア軒
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山
   静六君外二十三名提出)、衆議院議員選挙
   区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十
   三名提出)、政治資金規正法の一部を改正
   する法律案(梶山静六君外二十三名提出)
   、政党助成法案(梶山静六君外二十三名提
   出)、公職選挙法の一部を改正する法律案
   (佐藤観樹君外二十四名提出)、衆議院議
   員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観
   樹君外二十四名提出)、政治資金規正法の
   一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十
   四名提出)及び政党交付金の交付に関する
   法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)につ
   いて
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 浜田卓二郎君
      石井  一君    武村 正義君
      細田 博之君    池田 元久君
      細川 律夫君    堀込 征雄君
      井上 義久君    小平 忠正君
 (2) 現地参加議員
      小渕 恵三君    星野 行男君
 (3) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       大竹 邦実君
 (4) 意見陳述者
        新潟県議会議員 三富 佳一君
        新潟県評セン
        ター顧問    宮下 弘治君
        見附市議会議員 三本 進一君
        新潟大学教養部
        助教授     吉田和比古君
        自由民主党新潟
        県支部連合会婦
        人部長     滝沢 佳子君
        日本労働組合総
        連合会新潟県連
        合会会長    滝沢  剛君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#91
○浜田座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の浜田卓二郎でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この際、派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することとしたところであります。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いいたします。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の石井一君、武村正義君、細田博之君、日本社会党・護憲民主連合の堀込征雄君、細川律夫君、池田元久君、公明党・国民会議の井上義久君、民社党の小平忠正君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として、自由民主党の星野行男君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 新潟県議会議員三富佳一君、新潟県評センター顧問宮下弘治君、見附市議会議員三本進一君、新潟大学教養部助教授吉田和比古君、自由民主党新潟県支部連合会婦人部長滝沢佳子君、日本労働組合総連合会新潟県連合会会長滝沢剛君、以上の方々でございます。
 それでは、三富佳一君から御意見をお願いいたします。
#92
○三富佳一君 ただいま御紹介をいただきました三富佳一でございます。
 諸先生方におかれましては、大変御多忙の中、地方公聴会を本日この新潟市におきましてお開きをいただき、私どもの御意見を申し上げる機会をいただきましたことについて、地元の一人として感謝を申し上げる次第であります。皆さん方には、常日ごろ、国勢の伸展、あるいはまたこのたびの政治改革に関しまして日夜御苦労をいただいておりますことに対しまして、まずもって深く敬意を表したいと存じます。
 御案内のように、先般来、国会におきましては政治改革関連法案の審議が行われておりますが、各党会派におきます活発な論議を拝見いたしますと、諸先生方のこのたびの政治改革に対する熱意あるいは意気込みがひしひしとそれなりに感じ取られるわけでございまして、国民の一人といたしまして、まことに心強く、また政治改革の実現に対して大きな期待を抱いているものでございます。
 さて、政治改革関連法案に対する意見についてでございますが、既に皆さん方の委員会におきましてもかなり十分な論議が尽くされているとの感もいたすわけでありますが、私は、一地方議員としての立場から御意見を申し上げたいと存じます。
 まず、選挙制度のうち、小選挙区制度についてであります。
 現在審議されております単純小選挙区制並びに小選挙区比例代表併用制の両案についてでありますが、そのいずれもが小選挙区制度を採用いたしております。
 私ども、総選挙に際しましては、地方議員として当然のことながらそれぞれの立場で選挙運動に携わっておるわけでありますが、保守であると革新であるとを問わず、同一選挙区におきまして同一政党から複数の候補者が立候補した場合、いわゆる骨肉相はむと申しますか、これが志を同じくする者かと疑うほどの極めて激しい争いが、時には感情的にまで高まるのを幾度か経験をいたしております。そして、このことは日常の政治活動においても全く同様の様相を呈しておるのであります。
 この弊害を除去するためにも、地方議員として政治の第一線におります私といたしましては、政策の相違をもって争うことのできる小選挙区制度の採用をまずもって強く願う一人であります。
 次に、単純小選挙区制と小選挙区比例代表併用制との長短についてでありますが、単純小選挙区制は少数政党にとって不利であるとの批判が一部にあります。確かに否定できない一面もあることは事実でありましょう。しかしながら、私は、平成元年に行われました参議院議員の通常選挙を思い起こすのでありまして、三点セットの逆風と言われるほどの苦しい選挙戦を行いましたが、結果は御案内のとおりでございました。
 最近における政治家をめぐる相次ぐ不祥事は、単なる政治不信のみにとどまらず、今や国民の強い怒りとなって、抜本的な政治改革を断行することを求めているのでありますが、政治腐敗は、政治家の倫理観の欠如と一党支配による長期政権が誘因であると指摘されているところであります。世論調査などによりましても、国民の多くは、二大政党の出現による政権交代が可能な政治形態を望んでおると思います。単純小選挙区制の実施は、政権党に失政があれば選挙において民意が直ちに的確に反映される結果、政権の交代は容易に行われることになると思うのであります。
 失礼な言い方になれば恐縮でありますが、新しい選挙制度が既成政党にとって、現有勢力から見て有利あるいは不利であるという観点のみから選挙制度を論ずることは、誤りではないのかと思うのであります。いやしくも政党たるものは、本来それぞれの政策の優劣を国民の前に明らかにし、その支持を得ることによりまして党勢の拡大を図るべきものである、このように思います。新しい選挙制度は、国民の望む二大政党による平穏な政権移譲を実現するための政治形態を、このたびの選挙制度の改革によっていかに求めるかの観点から論じなければならないと思うのであります。
 関連いたしまして、この視点から、私は、現有勢力の維持を基本に据えている一面があるため、中庸であり現実的な妥協案の一つであるとも言われているいわゆる連用制についても、疑問を持つものであります。
 また、理想的には、選挙制度は国民にとってわかりすいものであることが望ましいと思うのであります。この点、連用制は、選挙制度について大きな関心のある私にとっても極めて難解でございまして、いろいろな方々から連用制とは具体的にどういう制度なんですかと問われましたときに、一言にこういう制度だと言うにはなかなか難しい一面を非常に持っておるというふうに私は強く感じております。そういう意味で、単純かつ明快さを欠く連用制がよく国民の理解を得ることができるのかどうか、甚だ疑問のあるところであると思っております。
 次は、比例代表併用制についてであります。
 併用制の採用は、少数政党の乱立を招き、連立政権を余儀なくされると言われておりますが、その可能性は否定できないようであります。
 本県においても同様でありますが、最近、首長選挙におきましては、いわゆる各党相乗りが実質的に増加する傾向にあります。このことは、現在、実態として中央集権のもとにあり、地方分権が確立していないため、政党間における大きな政策の相違を持ち得ず、あるいは自由裁量の幅が限定されている地方行政の現状からは、ある程度は容認されると考えられるのであります。
 しかしながら、国政におきましては、いささか地方とは異なると思うのであります。各政党は、本来、独自の異なる綱領、政策を持つことによってのみ存在するものであるからであります。有権者もそれぞれの政党の掲げる政策に共鳴し、その一票を投ずるわけでありますが、そのいずれもが多数をとり得ず連立政権が組まれる場合、その政党が持つ本来の政策を曲げてまでも妥協せざるを得ないわけであります。これでは、結果として支持者の信頼にもとることにもなりかねないと思うものであります。
 また、例えば農業問題を例にとりましても、御案内のように本県は、我が国における食糧供給基地として、コシヒカリを初めとする良質米の生産に努めているわけでありますが、現在、米の需給事情から、良質米生産県であるにもかかわらず減反を余儀なくされている現状であります。この減反問題一つを取り上げましても、減反を容認する政党と絶対反対の立場にある政党がどのように結びつき、どのような政策を打ち出していくのか、理解しがたいところであります。
 現在、我が国また本県農業は内外ともに厳しい環境に置かれており、農業従事者は今後における農業経営の展望に大きな不安を抱いているところであります。新農政プランの実施など農政の重要な転換期を迎えている現在、多くの課題を抱えている我が国農政を呉越同舟のかじ取りでうまく乗り切っていくことができるのかも憂慮されるのであります。
 このほか、本県は御案内のように原発立地県でもありますが、原発問題につきましても基本政策に大きな相違があるようであります。
 いずれにいたしましても、我が国は現在、国際的にもまた国内的にも多くの課題を抱えております。全世界に対して大きな責任を有する我が国が外交、内政ともに確たる政策を打ち出していくためには、連立政権より単独政権がベターであると考えるものであります。
 これらの諸点からも、私は、このたびの政治改革に当たりましては、既に申し上げましたとおり、特に政治に緊張をもたらすとともに、比較の意味で安定した政策を遂行することのできる単純小選挙区制の採用が最も望ましいものであると考えております。
 なお、いずれの案におきましても、小選挙区の区割りについては学識経験者による第三者機関を設置して具体案を得ることといたしておるようでございまして、この点につきましてはまことに当を得たお考えであり、いわゆるゲリマンダーとならないことを望むものでありますが、希望として申し上げるならば、小選挙区の区割りに当たっては、格差是正のための人口割りをそのまま基本とすることはもちろんではございますが、それぞれの地域にはまたそれぞれの長い歴史的な固有の風土というものもあるわけでございまして、できるならば、こういった点につきましてもそれなりの配慮を賜ればありがたいと思っております。
 次は、政治腐敗の防止の問題でございます。
 政治家をめぐります相次ぐ不祥事について、地方議員として政治の末席に連なる私は、今、自責の念とともに、国民の信頼を失った政治の現状に対しまして、むしろ深い悲しみを覚えておる一人でございます。
 先般発表されました総理府の「社会意識に関する世論調査」によりますと、「民意は国政に反映されているか」という問いに対しまして、「あまり反映されていない」というのと「ほとんど反映されていない」というのとを足しますと、回答の約七〇%を占めておるわけでございます。蓄財事件が公になった後の調査であれば、この比率はなお増加したものと考えられます。
 国政への民意の反映こそが政治本来の役目であり、それを失った政治はもはや政治たり得ないものであります。国民の信頼を失った政治が今しなければならないことは、まず政治倫理を確立することであります。それなくしては、どのような法律をつくり、あるいは罰則を強化いたしましても、意味を持たないものとなりかねないと思うものであります。失礼ではありますが、まさに仏つくって魂入れずのことわざさえ思い出されるのでございます。
 このたびの政治改革関連法案には、政党助成法の制定を初め、公選法における連座制、政治資金規正法における献金、公開基準、罰則についてそれぞれ改正案が出されております。そのうち、特に大きな相違点として挙げられるのは、企業・団体献金の取り扱いについてであります。私は地方議員として既に二十七年を過ごしてまいりましたが、この経験からも今求められているのは、政治資金について節度や公正と公開を確保することにあると思います。
 最高裁大法廷の判例におきましても、企業も社会的な存在であり、その社会的な役割を果たすためには相当な程度の寄附を行うことは許されているところであります。自民党案は、選挙制度を政策本位、政党中心に改めるこの機会に、政治資金制度についても政党が中心となって資金調達に当たろうとするものであり、現状では極めて妥当な改正案であると確信をいたしております。
 なお、その他の数量的な相違点につきましては、各党が十分な協議を行い、ぜひとも一致点を見出されることを強く願うものであります。
 以上、意見を申し上げましたが、政治の抜本的な改革は国民の強い願いでございます。特に、この機会を逸するならば、国民の政治に対する不信がさらに増幅することは明らかであります。
 各党案につきましては、現在それぞれ大きな隔たりがあり、このままでは成立を期することは極めて困難であります。NHKが国会議員に対して行った調査によりますと、回答者の七〇%が歩み寄りによる改革の達成を支持し、五八%が改革は実現するとしております。厳しい数字ではありますが、私は、国民の一人として大きな期待とともに、成立することを強く確信をいたしておるものでございます。報じられるところによりますと、現在妥協案をめぐってさまざまな動きもあるようでございまして、けさのテレビ等もその向きの報道がなされておりました。
 ぜひひとつ、今後とも、歩み寄りには多くの障害も予測されるのでありますが、政治改革の実現は今や国民的な要請でございます。諸先生におかれましては、まことに御心労のことと存じますが、なお一段のお力を尽くされ、ぜひとも今国会において、会期の延長も含め、政治改革関連法案が一括成立するよう御努力されることを強くお願いを申し上げたいと思っております。今多くの国民は、現在に停滞することなく、一歩でもこの政治改革の前進することを強く望んでいると思っております。
 以上、私の所信を述べまして、陳述を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#93
○浜田座長 ありがとうございました。
 次に、宮下弘治君にお願いいたします。
#94
○宮下弘治君 私、ただいま御紹介いただきました宮下でございます。
 まず、意見を申し上げる前提として二つ申し上げたいと思います。
 その第一は、本公聴会の意義づけの問題であります。過去いろいろな問題で公聴会を開いていただきましたが、その公聴会は、ややともすると、その事案の通過を目指す一つの手続という形式的なものに終わっていたという嫌いを私は感じます。本国会における政治改革問題は、申し上げるまでもなく、日本の政治の最悪危機の状態の中で改革問題が議論されている。その一つの公聴会でありますがゆえに、直接有権者や国民の声をお聞きいただいたことに敬意を表しながら、これを単なる形式として終わらせないよう、今後の特別委員会における審議の中に十分取り入れていただきますことを心からお願い申し上げる次第であります。
 二つ目の前提は、政治改革の課題についてでありますが、私が今さら申し上げるまでもなく、二つございます。一つは政治と金の問題。この金権腐敗、汚職構造をどういうふうに抜本的にこの際改革すべきなのか、これが一つの問題であり、二つ目は、言うところの選挙制度の改革でありましょう。この二つの問題は、別々の問題ではなくてそれぞれが相関関係を持っているという認識、私もそういう立場に立っているものでございます。
 そこで、私の意見の主題を一番目の政治と金の問題に中心を置いて、以下申し上げてまいります。
 その第一番目に申し上げたいことは、今叫ばれている政治改革、これは一体どこから起こってきたのであろうかということを振り返りたいと思います。言うまでもありません。ロッキード事件から始まるリクルート事件、共和事件、佐川、このように次から次へと金と政治の癒着、日本の政治の構造的な汚職状態が国民の前に露呈されてまいりました。そして、その都度政治浄化あるいは政治改革というものが国会の中で言われながら、いまだに前進を見ることはできておりません。これが直接原因で政治改革問題が今日叫ばれているのではないでしょうか。私は、そのように受けとめております。
 二つ目に申し上げたいことは、政治改革のポイントは何であるかということであります。
 お聞きするところによると、特別委員会は今日まで百時間に及ぶかつてない長期にわたる議論をされてこられたと思いますが、これについては心から敬意を表する次第であります。しかし私は思うに、残念ながら、この議論の大半は選挙制度の問題に費やされてきたのではないでしょうか。もちろん今三富公述人がおっしゃいましたように、政権交代のない原因の一つとして政治に対する国民の白けというものが起きていることの事実は、私も認めるわけでございますけれども、しかし、今の政治不信というのは白けだけではございません。政治に対する怒り、不信、その極に達しているということの直接原因は、先ほども申し上げたように今までの政治献金などによる金権腐敗事件、これがその直接原因であって、中選挙区制が今日の政治改革が叫ばれてきた主原因ではないということを私は強調したいのであります。
 国民の皆さんは、恐らくそういう受けとめ方をしているのではないでしょうか。ちなみに五月三日の朝日新聞の世論調査によれば、腐敗防止が先決であると答えた人たちは約半数、四九%に及んでいるという点から申し上げましても、この腐敗防止問題が政治改革の頂点に立たなければいけないんだというふうに思うわけであります。しかし、私は、中選挙区制を変えるべきではないという立場ではございません。その立場をとりつつも、国民の政治改革への期待は金権腐敗の政治浄化そのものであるということを私は再度強調いたしたいのであります。
 次に申し上げたいことは、政治と金のかかわりを根絶して政治浄化を実現するためにはどうすべきであるかということであります。既にこの点については特別委員会の中で十分な議論をなされておりまして、私も重複するような意見を申し上げる場面もあって恐縮でありますが、お聞き取りをいただきたいと思います。
 まず企業・団体献金などの問題について、以下考察をしてまいります。
 これは政治と金のかかわりをどうすべきかという点で、その問題の最大課題であるのであります。今出されております企業・団体献金問題について、自民党案と社公案との間に大きな相違点がございますし、これは政治腐敗防止策の最大課題であると私も受けとめております。三富公述人からも御意見がございましたが、つまり、自民党の主張の中に、企業も社会的存在として政治に関与する権利があることは当然である、こういう御意見がございますけれども、私はこれについては以下のように考えておるのであります。
 企業の社会的存在という考え方について、それ自体私は否定をいたしません。否定をいたしませんが、今の政治腐敗防止の観点から、だからといってその議論はそこで終わっていいのだろうかというふうに思うわけであります。
 その一つは、国民の政治への不信と怒りをもたらした直接原因、つまり腐敗の事実は、全部が全部企業と政治家、もしくは自民党の派閥との結びつきであったという、この事実を見逃してはならないと私は思うのであります。
 二つ目は、にもかかわらず、自民党の改革案では、政党にということでこの献金制度の存続を認めようといたしております。それで金権腐敗構造の抜本的改革になるのでしょうか。私は、大きな疑問を提起せざるを得ません。
 三番目として言いたいことは、利益を上げるということを絶対的目的としている企業が特定の政党や政治家に献金する、それ自体、何らかの見返りやメリットを期待しないなどということは常識的にあり得ないのでありまして、この点についてどんな説明をなされましても国民全体の合意を得ることはできないでありましょう。私は、断言してはばかりません。
 四番目に、この点についても朝日新聞の世論調査によれば、六五%が企業・団体献金の禁止を求めている。この一つの世論調査の結果によっても御理解いただけるのではないだろうかと思う次第であります。
 以上の理由から、まず第一に、企業、団体の献金を全面的に禁止をすべきであると思うのであります。
 二つ目は、今、パーティーによる収入ということで選挙資金などを捻出されていることが常識になっておりますが、このパーティー収入というものをやはり禁止扱いにしていく、寄附扱いにしていく、そして公開性というものをきちっとさせていく、そういう法律制度というものをつくっていかなければならないと思う次第であります。
 三番目は、株や不動産、絵画などによる寄附の禁止ということについても明確にしなければならぬと思います。
 四番目は、政治資金の出し入れの透明と公開性の確立であります。ここが国民の立場からすると最も疑問を持たれる点でございますので、この透明と公開性の確立をぜひ実現させていただきたいと思います。
 そして五番目は、この新しくできる政治資金規正法に違反をした者への罰則は、今よりももっと厳しく強化していく必要があるのではないかと私は思う次第であります。
 以上申し上げたことなどを中心とした厳しい政治資金の規制を図りまして、よく今まで言われましたざる法と言われるようなあいまいさを残さず、この改革の実現によって国民の政治への信頼と期待を呼び起こして、今日の政治の危機を乗り切ることが国会議員の各位に課せされた責務ではないだろうか。大変失礼な言い方でございますが、私は有権者、国民の一人として声を大にして申し上げる次第であります。
 次に四番目の問題として、今提出されております二つの四法案一括処理の方針に対する私の疑念と不安について申し上げます。
 特別委員会が審議に入ります冒頭で、与野党一致をいたして一括処理という、まあ申し合わせというのでしょうか、私は議員じゃございませんからわかりませんが、そんなような合意の中で今日まで審議されてきたように受けとめております。この意味は、今まで国民に期待を持たせながら政治改革に手をつけることができなかったという責任を感ぜられて、今回この四法案を一括成立させなければならないという意欲のあらわれとして一括処理という方針をとられたのではないだろうかと、私は純粋に受けとめてまいりたいと思う次第であります。
 しかし、先ほど指摘申し上げましたように、今日までの論議の集中は選挙制度にございました。選挙制度は、どんな立派なことを言われましても、突き詰めて言えば、それぞれの政党にとってその制度が不利であるのか有利であるのか、個々の代議士にとって自分の選挙区の事情からいって有利なのか不利なのか、ここが大変現実的なネックとなっておりまして、そう簡単に選挙制度問題は確認、合意されるという代物ではないと私は思います。だからといって否定する立場ではございません。これはどんなに日時がかかっても、時間がかかっても、なし遂げていただかなければならない課題であることを強調いたしますけれども、しかし、なかなか合意ができる代物ではないということを考えるときに、私は大きな不安を持ちます。
 それは、政治改革ができなかったというときに責任を他党に転嫁し合う、お互いになじり合う、こういうような状態が国民の前にさらけ出されたら一体どういうことになるか。各党間においてそれはそれなりにお考えになっておやりになることでありましょうけれども、有権者や国民の立場からしたら、政治改革を期待する者からしたら、今までより以上に政治に対する不信というものが増幅していくことは明らかであります。まさにそれは日本の民主政治の崩壊につながるというふうに私は強調してやみません。
 こういう事態は絶対に避けなければならない。そのために、一括処理の方針で今後とも努力願いたいのでありますが、どうしてもそれができなかった場合、一つでも二つでも、特に私の立場からすれば政治腐敗防止の問題を一つでも二つでもいいから前進させる、そして政治改革への努力を国民の前に事実をもって証明していただく、こういうことが最終的に選択されるものでなければならないのではないだろうか、私は強く要望してやみません。
 最後になりましたが、政治改革について今日まで何回も私たち国民は裏切られてまいりました。今の政治不信は、有権者というレベルの国民だけではなしに、中学生や高校生など子供たちにも深い傷を植えつけているという現状認識、このことを与野党問わず考えていただきたいのであります。この事態の中における今日の政治改革、大きな課題を背負っている国会並びに国会議員の先生方が、これから鋭意努力をされまして国民の期待にこたえていただくことを重ね重ね訴えて、私の意見陳述といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#95
○浜田座長 ありがとうございました。
 次に、三本進一君にお願いいたします。
#96
○三本進一君 私は、人口四万四千人の見附市の市議会議員を務めております三本進一と申します。
 衆議院政治改革に関する特別委員会におかれましては、本日、当地新潟におきまして地方公聴会を開催していただき、意見を申し述べる場を与えていただきましたことに深く感謝申し上げますとともに、日本を取り巻く内外の状況が激しく変動する今日、国政の場における先生方の御努力に対しまして深く敬意を表すものであります。
 現在、政治改革の論議が、国会の場はもちろんのこと、民間の立場でもさまざまな論議が熱心にされております。これは言うまでもなく、リクルート、共和、佐川と続いたスキャンダルによる国民の政治不信がもはやピークに達し、また空出張、脱税などの問題で政治家に対する不信感が地方議員にまで及んでいる現状は、私も一地方議員の末席を汚しているものとして厳しく襟を正すべきものと考え、このたびの政治改革関連四法案の審議に際しましては、何としても今国会において成立させていただきたいと考えております。
 また、かなり以前から若者の政治離れということが指摘されてまいりましたが、その現象が今日さらに拍車のかかっていることも見逃してはならないことと認識をしております。現在、二十一世紀に向けてさまざまな施策が立案をされ、実施されつつある中で、やはり来るべき高齢化社会への対応というものが我が国のこれからを展望する上で大変に重要になることは、既にだれもが深く理解しているところであります。そして、その高齢化社会の中で国の屋台骨を背負っていくのは現在の青年の役割であり、さらにはまだ選挙権を持たない少年たちであります。
 ここに一枚の年賀状がございます。これはことしの正月に高校で社会科の教師を勤める大学時代の友人から来たものであります。その中に「生徒に教えやすい政治をお願いします。」こんな一節がありました。国民から政治に対する信頼を取り戻すことはもちろんでありますが、特に青年の政治に対する信頼回復、少年が正しく理解できる政治をどう確立するのか。
 二十一世紀の新しい時代、日本の将来をより確実なものにするためには、この政治改革の実現こそが最重要課題と考えるものであります。すなわち、現在国民注視の中で論議されているこの政治改革関連四法案の成立は、そのことが目的なのではなく、二十一世紀の日本の国づくりの基盤をより強固にするための手段であり、将来に向けての前進の第一歩になるものと考えております。
 さて、政治改革関連法案に対する私の意見を述べさせていただきたいと存じますが、まず選挙制度に関して申し上げます。
 中選挙区制度については、その弊害が既にいろいろと論議されているところであり、もはや制度疲労を来しているという状況だと考えます。
 今回の選挙制度の改正の最大のポイントは、国民にわかりやすい制度であることと考え、このたび提案されている両案はともに小選挙区制度でありますが、私は単純小選挙区制を支持するものであります。政策本位、政党本位の選挙を実現すること。また、事ある場合に、任期満了を待つことなく、国民の意思を問うために解散・総選挙を行う衆議院の制度、特性というものを考え、そのすべての候補者が有権者に対してその政策と人格を直接訴える制度であるべきと考え、比例代表などの、有権者に候補者の実像の見えにくい形は衆議院にはなじまないものと私は考えます。
 現在いろいろと論議されている選挙制度については、それぞれ一長一短が論んじられておりますが、小選挙区制については、政権の選択について国民の意思が明確に示され、政権交代の可能性が高くなるという利点を生かして、自民党の一党支配が続いたと批判されていることも踏まえて、政権交代可能な二大政党体制の確立が望まれると考えます。
 法案からさらに踏み込んで申し上げるならば、今日の政治改革論議の中で、中選挙区制が要因とされた派閥の弊害、派閥力学による権力の二重構造と言われるものに対する厳しい批判もあり、国民の負託を得た衆議院議員がその中から内閣総理大臣を選ぶという議院内閣制度を見直すぐらいの大胆な論議も必要なのではないでしょうか。政権交代可能な二大政党体制を強く望むことはもちろんでありますが、さらに国民と政治をより密接に結びつけるものとして、首相公選ということも論議の中に加えていただきたいと考えるものであります。
 次に、政治資金に関連することについてでありますが、政治家と金の関係については、一連のスキャンダルによって国民の厳しい批判の第一の対象となっていることは論をまたないものであります。金の出と入りについてや、罰則の強化についてはより厳しい姿勢で臨もうということが、現在この場で論議をされている両案ともにしっかりと映し出されているものと考えますが、企業、団体等による寄附については、考え方の分かれるところであります。
 私は、今日の社会情勢において、企業もそれぞれの地域の中で社会的な存在としておのおのの役割を果たすためには、相当なる寄附は許されるものであり、政治家に係る政治団体への個別規制枠を、自民党案においてはその限度額も現行の二割以下に設定をし、寄附する対象を政党と政治資金調達団体に限り、しかも一人の政治家の政治資金調達団体を二つに限定、また政治家同士の寄附や他の政治資金調達団体間の寄附の禁止など、これまでの反省に立ち、政治資金についての節度や公正な運営を求めることが盛り込まれており、政党を中心とした政治資金の調達、運営を行おうとするその姿勢は、適切なものであると考えております。
 ところで、そういいながら、私自身も市議会議員としていろいろな政治活動を実際に行い、また選挙に臨む立場として、このたびの政治改革関連四法案の中で直接かかわりのあるのが、政治資金に関する法案であります。その中でいささかの疑問と申しましょうか、みずからの立場に照らし合わせた場合に危惧の念を持つ部分がございますので、この場で申し述べさせていただきたいと存じます。
 冒頭でも申し上げたように、一連の不祥事による政治不信は、地方議員の立場でも深く反省をし、みずから律することが肝要であることは自覚しているつもりであります。また、選挙制度と政治資金にかかわる問題は一括して整備することこそが、政治改革の姿勢として求められていることも理解をしております。
 しかしながら、選挙制度は衆議院の制度改革であり、政治資金に関することは国会議員から知事、都道府県議員、市町村長、そして市町村議員まで、いわゆる政治家と呼ばれる者をすべて包括してその対象としております。政治資金に関連する改正案、これは政党助成の法案にも関連をしてくるかと思いますが、国会議員の選挙資金は政党に交付をされ、選挙そのものが党営で行われるようになっている。したがって、国会議員が独自で集める選挙資金、政治資金の範囲は制限されるにしても、それに国または政党からの交付金を加えて選挙運動を展開することができる。では、知事以下の地方の政治家の場合は果たしてどうなるのか。規制は国会議員から市町村議員まで一律、優遇・助成措置に関しては、偏りがあるという感じが否めません。
 このたびの改正案は、すべての政治家を網羅しての規制ということになるのだろうと思いますが、例えば市議会議員において、現行における個人からの寄附に係る税制上の優遇措置についてはその対象となり得ませんし、現実に政治資金を集めることは厳しい現状であります。それがこの改正によってさらに厳しいものになることを覚悟しなければならないのでしょうが、それによって、みずからの政治資金はもちろんのこと、調査研究などの日常の政治活動にも支障を来さないだろうかということが非常に気になるところであります。規制の強化とともに、地方議員の調査研究などの日常政治活動に係る公的助成制度の確立を各自治体にゆだねるということではなく、法制化するということもぜひ御検討いただきたいものと考えます。
 昨年の臨時国会において、緊急政治改革の実施により、地方選挙においても選挙公営の拡大がなされたことは十分に理解をしておりますが、選挙のみが政治活動ではなく、むしろ日常の政治活動の重要性は既に先生方からも十分御認識をいただけるところと考えます。政治家は常に住民とともにあることは言うまでもありませんが、特に地方の立場、市町村議員という立場は、最も住民と密接な関係にあり、住民生活に密着すればするほど政党との関係を越えたものになる現状であります。
 このたびの政治資金に関連する改正案をまずしっかりと立法化していただくこととともに、地方政治における地方政治家の活動の実情というものも踏まえていただき、地方政治の現場にもさらに目を向けていただきたいものと考えます。
 ここまでいろいろと私なりの意見を申し述べてまいりましたが、最後にお願いをしたいのは、政治改革関連四法案を今国会においてどうしても成立をさせていただきたいということであります。
 現在の衆参ねじれ現象と言われる中で、またそのほかいろいろ取りざたされる中で、成立を危ぶむ声もあります。衆議院の任期は来年二月までという状況の中で、政治改革関連四法案が成立することなく、次の総選挙も現行の体制ということにでもなれば、まさに国民の政治不信は爆発すると言わざるを得ません。会期延長も含めた徹底的な論議の中で、あるいは大胆な歩み寄りをもってしてでも、ぜひとも政治改革関連四法案を一括成立させていただくことをお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#97
○浜田座長 ありがとうございました。
 次に、吉田和比古君にお願いをいたします。
#98
○吉田和比古君 新潟大学の吉田でございます。
 私は、大学を職場といたしておりますが、政治に関してはほとんど門外漢でございます。専攻しております研究分野は言語学ということで、今から申し上げる陳述に関しましては、ほとんど素人考えの域を出ないものであることを初めにお断りしておきます。したがいまして、今回はあくまで一有権者という立場で発言させていただきたいと思います。
 とはいいましても、今回の一連の政治改革論議は、何か今までの政治の動きや流れとは違う、何かしら予感めいたものを抱きました。それは、激動する国際社会の中にあって日本の政治はこのままではだめなのだ、何かが確かに今変わらなければいけないのだといった、いわば内なる声に突き動かされた予感めいたものでした。
 マスメディアにおいても、日本の将来を憂える政治家の方々からも、今が改革の絶好の機会なのだということが繰り返し主張され、どちらかといいますと政治音痴な私も、今回は大いに関心を持った次第です。とりわけ、衆議院政治改革に関する調査特別委員会の活動に関する報道を見るにつけ、何か政治本来の活発なディベートといいますか、本来の意味での議論、対話が展開されているというふうな、大変よい印象を抱きました。
 私は大学でドイツ語を教えております関係上、ドイツ文化、ドイツの歴史、なかんずく政治に関しては強い関心を抱き続けておりますが、今回の一連の政治改革に関する幾つかの法案の中で、社会党、公明党で共同提案された小選挙区併用型比例代表制が現在のドイツの制度にも近いということもありまして、私なりに勉強してみました。そこで、併用型が現在の日本でなぜ有効な改革案となり得るかにつきまして、私なりの意見を述べてみたいと思います。
 過去数年間、私たち国民は、日本の政治の腐敗あるいは金権政治の実体、あるいは政治が特定の個人の金もうけの場になっているという実態をうんざりするほど見せつけられました。もういいかげんにしてほしいと辟易している国民が多いと思います。過去七十年近く続いた現在の中選挙区制度に疲労が生じた、その弊害が今や明らかになってきたと私は思います。
 ここ数年、衆議院の現行中選挙区制度において、格差三倍などという定数の著しい不均衡があるにもかかわらず、いまだに定数の抜本的な是正すらも行われておりません。定数是正に関しては、イギリス、アメリカ、ドイツなどでは、選挙区の区割りは人口変動に合わせて新しくすることが当たり前であって、ドイツでは総選挙のたびに見直されているという形で一票の価値をできるだけ均等化する努力が常に払われてきたのに対して、現在の日本の政権は、素人目にも明らかなそうした常識的な手続すらも怠ってきたと思います。
 私は、現行の中選挙区制こそが、政党の所属候補者が激しい同士打ちを演じたり、地元への利益誘導型の政治を行ったり、あるいは派閥政治、お金のかかり過ぎる政治の現状、すなわち政治腐敗の温床となってきたと判断しました。同時に、野党が単独で議席の過半数以上出していないという形での政権構想の不徹底さも目をつぶるわけにはまいりません。
 以下、併用制に関する支持理由を述べていきたいと思います。
 社会党、公明党の提案しております併用制は、現在のドイツの制度にほぼ近いものです。つまり、先進国の中に十分に経験された先行事例があるということを意味しております。その意味で、併用制がまるっきり未知数というわけではないと思います。併用制を採用するとなりますと、連立政権がつくりやすいということ、言いかえますと、単独の政権によるあたかも一党独裁のようなこれまでの状況を排除できる可能性が生じます。連立政権か、あるいはこれまでのような単独政権かは、選挙制度そのものによってではなく、選挙における国民の意思で決まるものであって、連立政権そのものが不安定要因になるという主張は、いかにも党利党略的な見解だと思います。
 事実、先進国の一つであるドイツでは、連立政権がこれまで圧倒的でありましたが、そのことによって政治そのものが極端に不安定であったということはないと思います。日本と同じように戦争の廃墟の中から立ち上がって奇跡的な経済復興を遂げた国として、道路あるいは住宅、公共施設といった社会資本の充実にはとても目を見張るものがあります。かつてのナチス時代の経験から、一党独裁が国民にとっていかに不幸を招くかを身でもって体験した国であるからこそ、連立政権の中で、幾つかの政党の政策のすり寄せ、妥協という形で民意を最大限に反映するという政治風土を形成したのだと思います。その意味で、同じ併用制を採用するイタリアの現状のみを引き合いに出して、連立政権は政治的不安定を招くという併用制反対論に、私は納得できないのであります。
 さらに私が考えますには、政権が単独でなければならないという論理的必然性はないと思います。併用制の選挙制度が実現すれば、政党中心、さらに国民にとって重要な政策が中心の選挙となることは明らかだと思います。どの政党とどの政党が基本政策で一致しているか、おのずと明らかになるはずです。ドイツなどでも連立を組む政党同士は選挙前に話し合いをしており、日本でも併用制になりますと、各政党間で活発な風通しのいい議論や協議が行われて、国民にとっても顔の見える政治状況が生まれるのではないかと思います。
 権力は長くその座にいると必ず腐敗する、それが歴史の必然であることを私たちは知っています。これからの日本の将来を考えるとき、最も危険なのは単独の政権が長く居座ることなのだということを国民は深く認識すべきだと思います。
 日本の現状から見ても、アメリカやイギリスのように短期間で二大政党政治ができ上がるという状況は、素人目にも考えにくいと思います。また、国民にも多様な物の考え方というのが生じておりますから、民意を反映するという選挙本来の意義においても併用制は、複数の政党が立ち並ぶ日本の政治状況、あるいは既存の風土というものになじまないということはないと思います。
 私を含めた国民の多くは、金権腐敗体質の自浄力のない政治はいいかげんに終わってほしい、そして、政権が何らかの形で変化するダイナミックで緊張感のある政治の実現を求めていると思います。その意味で、自民党の支持率にほぼ匹敵する政党が日本に現在存在しないという状況を考えまして、連立政権という形での政権交代が起こり得る選挙制度として、併用制を支持します。
 ドイツの文豪ゲーテは、かつてこう言ったことがあります。「人間は努力する限り迷うものである」と。もし有権者である国民が、今の制度は疲労している、今の制度のままでは弊害が大き過ぎる、何かを変えなければという切実な思いに駆られているのが偽らざる心情であるとするならば、国民の代表である政治家はその声に謙虚に耳を傾けるべきだと思います。現行の選挙制度がお金がかかり過ぎるということ、政治の金権腐敗という体質の悪循環の輪を今こそ断ち切るべきです。政治の場をあたかも錬金術の場にしてしまったのが仮に一部の人間であったとしても、それを許したのは今の選挙制度にほかなりません。一部の政治家が単に既得権の確保、維持にきゅうきゅうとしている姿は、余りにも国民として恥ずかしくて見るにたえないのです。人間は努力する限り迷うものであるならば、試行錯誤も結構ではないですか。まず何かを変えてみるべきです。
 選挙制度というのは、ある意味では技術的な問題であります。重要なのは、国政レベルの選挙の際に、私たち有権者が、単なる義務としてではなく大事な権利として、自分の一票でささやかでも変化を心から期待できる、そういった積極的な投票行動ができるような政治風土を形成するために努力するのが、国民の代表者としての政治家の責務であることをどうか忘れていただきたくないのです。
 現在の政治家が、もし立場の違いを乗り越えて、なおかつ妥協の道を模索しながら、改革に真剣に取り組み、そして日本の政治風土に少しでも変化が起きて、日本の将来に少しでも明るい展望を国民に見せてくれたならば、現在の政治家は、現代を生きる我々のみならず、必ずや後世の人々に高く評価され続けるのだということを肝に銘じていただきたいと思います。どうか後の時代に禍根を残さない最大限の努力をしていただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、もし今回提案されています二つの法案が相打ちになりそうな場合には、どうか政治家としての最高の英知を振り絞って、ぜひとも何らかの妥協の道を模索していただきたいのです。そして、残り時間が少ない場合には、会期を延長してでも明確な決着をつけていただきたいと思います。と同時に、例えば腐敗防止法のみを先に決定しようという動きがあることも聞いておりますけれども、そういった中途半端な決着をつけることなく、今回提出されております一連の改革法案を一括した形で解決するという道をどうかみずからの手で見出されますことを切にお願いしまして、私の陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#99
○浜田座長 ありがとうございました。
 次に、滝沢佳子君にお願いいたします。
#100
○滝沢佳子君 御紹介いただきました滝沢佳子でございます。
 このたび、衆議院政治改革に関する地方公聴会に意見を申し上げる機会をいただきましたことに厚く御礼を申し上げ、また、このような形で政治に参加させていただけたという思いでいっぱいでございます。
 お忙しい政務の中、新潟までお越しいただきまして公聴会を開催されましたことは、皆々様の政治改革にかける御熱意のあらわれであり、連日の御苦労を感謝申し上げ、私も与えられました時間、精いっぱい陳述人としての責務を果たしたいと存じます。
 このたびの政治改革には関連四法案が提案され、審議されているところでございますが、選挙制度につきましては、今までの中選挙区制ではいろいろの弊害があり、小選挙区制が望ましいと共産党を除き各党一致しておられるようでございます。今までの個人本位の選挙より政党本位となり、本当に国会議員としての本分を発揮することができ、政党の代表として民意の反映ができることは、まことに理想的なことだと思います。
 まず、単純小選挙区制ですが、私は、まず大変わかりやすいということが一番いいのでなかろうかと思います。一つの選挙区から一人を選出するので、すぐそこで当選が決定しますし、本当に簡単明瞭であり、また、政党も時代に合った政策を立てなければなりませんから、そうしなければ国民の支持を得ることもできませんから、お互いに切磋琢磨されて政治が活性化すると思います。
 今までの選挙では、本当に大変だったと思います。それは政党より政治家個人本位の選挙であり、地元に利益還元をしてくれる政治家が力のある政治家だと思っているものですから、結局金のかかる選挙となり、同士打ちにもなってしまいます。しかし、これは政治家だけの問題でなく、選挙民にもそういう土壌があるから、金のかかる選挙にはその責任の一端は私たちにもあると思います。
 小選挙区制となりますと、政党本位の選挙となり、大変よいとは思いますけれども、一人の候補を公認するとき、はてまたそこでどうなるのだろうと、私はちょっと一抹の不安がよぎります。また、候補者は政党で公認決定することになれば、本当に優秀な女性の方がいらっしゃれば女性議員の誕生する可能性もあると思います。男女共同の社会参加の時代に女性議員が少ないことは残念であり、新しい道が開けてくるだろうと私は非常にうれしい思いがいたします。
 次に、比例代表併用制の方ですが、両方組み合わせにより、より民意が反映されると思いますが、前回の参議院選挙のように小党分立は必至だと思います。小党でも議席がとれること、それは結構なことだと思います。だが、実際問題としていかがなものでしょうか。政策妥協をするとおっしゃると、皆様はそれぞれの政策を訴えて支持されていることを思うとき、私は疑問を感じます。そして連合政権となったとき、どうなんだろうかと思います。今は世界に対応できる政権でなければならないと思います。
 この両案にも一長一短があり、また、それぞれの党案にその党の方全員が賛成なさっていることはないと思われます。お互いに有利不利が、そして自分の政治生命にかかわる問題であり、それだけに難しいと思います。だが、お互いに緊張感の持てるような姿になって、切磋琢磨されるようになってほしいと思っております。そう言うことは簡単でも、実際問題として一番難しい法案だと思いますが、どうかお互いに英知を結集し、審議されることを願っております。いろいろなことを考えますと、一番大切なことは、やはりしっかりした政権ができることがまず第一だと思います。そんな点で私は、単純小選挙区制が安定政権ができると思いますので、ぜひそれをと願っております。
 次に、選挙区画定委員会設置法案についてでございますが、これはもう大変な権威ある委員会であり、公正な学識経験者により設置されることは当然ですが、選挙区につきましては、その地方によりましては地方選挙区よりも小さい選挙区ができると思いますので、これからの問題として、地方選挙区の方もこれからまた検討していただきたいと思います。本当に決めるということは、いろいろな交通事情とか地勢とか大変な作業だと思いますけれども、いろいろな事情等をよくお考えくださいまして、万全を期していただきたいと思います。
 次に、政治資金規正法についてでございますが、政治家の日常活動、また選挙におきまして金のかかることはよく理解できます。ただ、一部の不祥事のために、あたかも政治資金の寄附が全部その見返りを求めるものであるように思われていることは、私は残念なことだと思います。殊に企業からの献金がやり玉に上げられますけれども、企業も政治参加の形で節度ある献金をしてくださることは、私はありがたいことだと認識しております。このたびの法でいろいろ規制されて、今まで不透明な部分が透明になるように改革されているようでありますが、今までの弊害、腐敗防止が期待されると思います。
 ただ、私はちょっと理解できないことがあります。国会議員であっても、また地方議員であっても、私たちと同じように生活していらっしゃると思うのですが、庶民として気楽に交際のできないような面があるのではないでしょうか。町内のお祭りの寄附、新年会のお酒の寄附もだめ。例えば町内のちょっとした世話役の人たちでも、何かあれば心してくださる。それは、私たちは欲しいというのでなく、生活の中のそんな気持ちのあらわれがみんなの心を和やかにして、またみんなで支え合っていく、そういうことさえもできない。そんなにまで窮屈な思いをして規制することが本当にいいのだろうかと私は思います。気楽な近所交際のできないような、いやいや私たちもう何もできないのでとそのたびごとに頭を下げていらっしゃるのを見ると、むしろ何かお気の毒のような気がいたします。
 それから、いろいろ今後の問題が起きないように罰則の強化も大事かとも思いますけれども、しかしそんな罰則など必要ないように皆様方の良識を期待申し上げます。
 次に、政党助成法案についてでございますが、政党本位の選挙となり、政党の財政強化が必要になってくるのは当然であり、また政治は国民のものであり、国民の税金でされることに、私は異論はございません。このことでむしろ国民も政治に関心を持って、今までと違った目で政治を見てくれるのでないかと思っております。また、その使途の報告により、党活動の様子がはっきりいたしますので、お互いに政治の活性化にもなるのでなかろうかと思います。私は、これは大変な進歩だと受けとめております。また、額につきましては、各党で同じように提案されておりますので、妥当だと思います。
 終わりに、私は自分の意見を本当に率直に申し上げました。前の四人の方の陳述を聞いておりまして、私が申し上げることがいかに幼稚で未熟なものであるかということを本当に汗の出る思いで聞いておりました。でも私は、ここに出させていただきますことで私なりに皆様がお出しになっている法案をいろいろ勉強させていただきまして、本当にこれを機会に、やはりこれから今まで以上にしっかり政治の姿を見詰めていくというのも国民の大事な義務だということを感じました。
 今、地方では、果たして政治改革はできるだろうかと思っております。いや、できないだろうと思っている人が多いようです。お互いに譲り合わない審議ではいつまでも平行線であり、また不信の念に駆られます。長い間の一党支配の政権で緊張感も薄れ、またそれを許している党にも責任があると思います。やはり立派な議員が選出されることが一番の基盤であり、その議員の良識がすべての問題を解決し、政治改革につながると思います。苦しかった終戦後から経済成長国とまで言われるようになった現在、長い間築かれてきたものがところどころに疲労が見え、早く手当てをしなければ、それが政治改革だと私は思います。
 今、日本は世界の先進国と肩を並べられるようにまでなりましたことは、皆様方の御尽力のたまものであり、政治が間違っていなかったことと、国民の努力、頑張りがあったればこそと思っております。たび重なる一部の不祥事で政治不信が、そして国民がそっぽを向いているようにさえ感じられることがございます。どうかこんな点などもお考えくださいまして、このたびの政治改革は不退転の決意で、大所高所から妥協できる点はお互いに歩み寄り、この政治改革に関する四法案が今国会で成立しますよう、そして国民の負託にこたえてくださいますことをお願いいたします。
 大変皆様方に失礼を申し上げたと思うのでございますけれども、何も知らない家庭の主婦の言うことでございますので、どうか御容赦をお願いしたいと思います。
 以上で、私の陳述を終わります。(拍手)
#101
○浜田座長 ありがとうございました。
 この際、現地参加議員の自由民主党の小渕恵三君が出席されましたので、御紹介いたします。
 次に、滝沢剛君にお願いいたします。
#102
○滝沢剛君 御紹介いただきました連合新潟の滝沢でございます。
 私どもは地方におりますので、特別委員会の論議の細かい点はつぶさに把握をしていません。マスコミ報道等で把握をする程度でございますので、もし後段の方で申し上げる点について間違いがあれば御指摘をいただければありがたい、こういう前提でまず申し上げたいと思います。
 まず一つ目に申し上げたいのは、今五人の公述人の皆さんが言われましたけれども、国民の政治不信は極限に達している、もうこのことを一日も放置することができない、このことについて政治にかかわるすべての人が厳しく深刻に受けとめる、このことが政治改革を論議する際の大前提だろうというふうに思います。
 言われましたように、ロッキード問題やリクルート、共和、佐川、金丸脱税問題、公共事業をめぐる汚職事件、こういうふうに繰り返されるたびにどんどん政治不信が増幅をされていく。このことについては、もう国民も不信感を通り越して怒りに達しているのだろうと思います。このことが各種選挙における投票放棄、投票率の低下、あるいはだれが議員になっても変わりはしない、さらにだれが首相になっても世の中は変わらない、こういうあきらめに似た声が充満をしていることをきちんと受けとめておきたい、このように思うわけです。国民は、既に何も政治に期待をしなくなった。しかし、このことを逆に放置をしておくわけにはいきません。そういう意味では、今回のこの政治改革をぜひ今国会で成立させることをまず国民も含めて決意し合う、このことが大切なのではないかというふうに思います。
 二つ目に申し上げたいことは、関連法案の一括処理の問題です。これも五人の公述人の皆さんが異口同音に言われました。これも恐らく国民の総意、このように言ってもいいのではないかと思います。
 私はあえてこの場で指摘をさせていただきますけれども、汚職事件がなぜ起きるのか、あるいは政治腐敗がなぜ生まれるのか。よく政治に金がかかり過ぎるとか、あるいは議員に対していろいろ求めるとか、こういうふうに言われる議員の方もおりますけれども、私は、最大の理由は、自民党の一党支配が長く続き政権交代がなかったことに尽きる、このように指摘をしておきたいと思います。そして、それは単に自民党の責任だけではなくて、やはりそういうことを許してきた野党のチェック機能の甘さにも原因があるのではないか。しかし、このことは翻ってみて、国民にもその責任の一端はある、このように皆受けとめているのではないかと思います。
 昨日の報道で、自民党の若手議員の皆さんが、今国会で政治改革関連法案の成立のための署名活動を行い、衆参自民党国会議員の皆さんの過半数を集めた、こういう報道がなされました。私はこの行動を高く評価したい、このように思います。しかし一方で、安易に妥協はしない、政治腐敗防止法を優先させる、解散で国民に信を問う、こういうおどしめいた主張も一部にあると聞きます。もしこのことが仮に自分自身の保身や政党のメンツなどというところから出ているとすれば、大変なことだと思います。国民はそんなに愚かではない。
 このことをきちんと受けとめ、今回の国会の中で政治資金規正法や政治腐敗防止法など関連法案の一括処理を何としても達成する、このことを強く要請をしておきたいと思います。
 次に、以上二点を前提に、時間の関係もございますので、私は選挙制度改革に絞って意見を申し上げたいと思います。
 選挙制度改革についての各党の意見やあるいは特別委員会での論議は、先ほども言いましたようにマスコミ報道でしか承知していませんが、聞くところによりますと、現状では、一つとして民意を正しく反映する制度、二つとして国民にわかりやすい制度、三つとして政党中心、政策中心の選挙が可能な制度、四つとして政権交代が可能な制度、五つとして政権安定が可能な制度というイメージ。まだその他にあるのかもしれませんが、今言った五点は、恐らく共産党を除く各党でほぼ一致をしているのだろうと思います。私は、この一致しているイメージをぜひ大切にしてほしいと思います。それは当然のことでしょうが、このイメージの具現化を一つ一つ行うことが選挙制度改革法案をつくることになるからであります。
 そこで、このイメージが共産党を除く各党で一致しているという前提で、私は小選挙区制に反対をする立場から、以下二点について理由を申し上げたいと思います。
 その第一は、小選挙区制は民意を正しく反映をしないという点でございます。私は端的に言って、小選挙区制が全く民意を反映していないとは思いません。小選挙区制においても投票する有権者の意思が結果としてあらわれるわけですから、その点では一つの民意ではあると思います。しかし、正しく反映されているかどうかという点については、私はそうでないと思うものであります。
 各種のシミュレーション等を見ればわかりますように、限定をされた地域の民意を全国的に集約をすると、二五%から三〇%の得票率で八〇%から九〇%の議席が獲得をされるという点は、そのことを如実に物語っているというふうに思います。私は、正しい民意の反映だけを考えれば、全国を一律にした比例代表制が一番正確に民意を反映するものだと思います。しかし、各党における名簿順位の策定の困難さや、あるいは投票をする有権者から議員の顔が見えないといった欠点、あるいは現状の参議院との関係を考えたときに、全国一律の比例代表制の採用には無理があるというふうに思います。
 二つ目に小選挙区制に反対をする理由は、政権交代可能な制度というイメージにも反すると思うからであります。それは、少数の得票率で大多数の議席を獲得するということは、野党の勢力をそぎ、その存在感を薄め、結果として野党の排除につながる、そういう危険な側面を持っていると思うからであります。健全な野党が存在をしなければ政権交代などはありようがなく、絵にかいたもちに終わると言わざるを得ません。
 私は、政権は国民の過半数の支持を得た政党が担う、これが原則、基本だというふうに思います。しかし、現実に今の日本の状況は、どの党も過半数をとったという経験は持っておりません。しかし、この基本目標を大切にしながら、そのために与党も野党も国民の過半数の支持を得るため公正な競い合いができる条件、このことが必要だと思っています。しかし今も言いましたように、小選挙区制ではこの点も不可能になります。したがって、私は小選挙区制について反対をする、この立場を申し上げておきたいと思います。
 次に、私は、基本的には併用制を支持をする立場でございます。それは併用制が小選挙区制に比べましてわかりにくいこと、当選する議員が小選挙区と比例区で偏ること、超過議席が生ずること、クロスボーティングの取り扱いの整理など、確かにパーフェクトとは言えません。しかし現在、共産党を除く各党合意のイメージに一番近い、このイメージを具現化するときに一番適している、このように思うからであります。ただ私は、今回の国会で併用制でまとめるべきだという主張をするつもりはございません。冒頭述べましたように、政治改革関連法案は何としても今国会で成立をさせなければならないわけですから、それぞれ各党がその主張にこだわっていればいずれも廃案となります。
 そこで、各党に最後に強く望んでおきたいことは、法案を成立させるために各党が大胆に妥協することを明確にしてほしいという点でございます。
 特に政権政党である自民党の若手議員の党内の動き、どうも逆の動きもあるようにはお聞きしますけれども、あるいはきょうの報道にもございましたけれども、社会党の全国代表者会議の中で併用制にこだわらないことを決めたことや、公明党の皆さんが並立制とともに連用制についても検討に値するというふうにお考えのこと、あるいは民社党の大内委員長が両立制についても検討に値するという発言をされたこと、自民党を除いた他の政党の責任ある立場の人たちがそのように発言をされている。このことを踏まえたときに、私は自民党の皆さんに、政権政党であるがゆえに大局的見地から小選挙区制の撤回を明言していただければ一番ありがたいというふうに思います。しかし仮にそれが無理であるとすれば、大胆に妥協する、このことを明言してほしいというふうに思います。
 私は、次に社会党の皆さんにもお願いをしたい点がございます。今言いましたように、昨日の社会党都道府県本部代表者会議において、併用制にこだわらず成立に向けて努力するというふうに決めたということが報道されました。このことがもし仮に事実だとすれば、私は、社会党内にある併用制以外は認めないという立場から署名活動を行っておられる国会議員の皆さんの行動を即時中止をさせていただき、そしてまとめるべき妥協案づくりに早急に着手をしてほしい、その上に立ってその妥協案を明示をしてほしい、このように思います。その際は、連用制にしても、両立制にしても、あるいは民社党の皆さんが提起をされている民社党案にしても、そのよい点については積極的に取り入れる努力をぜひお願いをしておきたいと思います。
 また、公明党の皆さんや民社党の皆さんにもぜひ、野党案をまとめることが先というふうに私は強くは申し上げませんけれども、できたら共通項が多い社会党、民社党、公明党の皆さんが手を携えて、社会党に申し上げたことと同様の対応を早急にしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 最後に、各党の良識ある決断、このことを今多くの国民がこぞって見守っていることをぜひ忘れずに本件の処理をしていただくように強くお願いをいたしまして、発言を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#103
○浜田座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#104
○浜田座長 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井一君。
#105
○石井(一)委員 新潟へやってまいりまして、六人の方から非常に貴重な意見を拝聴させていただきました。それぞれ主張、立場は違いますけれども、非常に説得力のある、また国民を代表した声であると、敬意を表したいと思います。
 今、最後に滝沢公述人から各党の決意を述べよというようなお言葉もございましたが、私たちもこの国会で政治改革を実現し、国民の期待にこたえなければいけない、そうしなければ既存の政党すべてが国民から不信任される、そういう危機感と時代認識を持って取り組んでおるわけでございまして、今後の我々の協議を見守っていただきたいと思います。
 場違いかもわかりませんが、一言申し上げたいと思いますことは、一昨日の中央での公聴会あるいはそれ以前での各マスコミの代表七名の意見の陳述の中に、かなりの方が、小選挙区比例代表並立制の特徴なり評価をされた方がございました。ただし、この制度は海部内閣のときに廃案になりましたために当委員会ではほとんど議論をされておりませんが、私は、今後の与野党の接点を見出す中でこの案が、一たんは死んだ案ではございますけれども、論理的にも哲学的にも思想的にも一つの根拠があり、同時にまた、野党が主張されております民意の反映、それから単純小選挙区からおりて新しい妥協を見出すといういろいろな点から考えましても、野党の主張も入れた案であるというふうに思います。
 並立制がだめだと言われるのは、あと何なのか。既に廃案になったということも一つでしょうが、結局、それをそれ以上主張されるということはまさに党利党略だ、こう言わざるを得ません。私たちは場合によっては妥協をも辞さないという気持ちを持っておりますだけに、この案に対して新たに御注目をいただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
 そこで、御意見をお伺いしたいのでありますが、区画の問題につきまして三富、滝沢佳子さんのお二人からお話がございました。これは議員の立場で行うものでなく専門家にゆだねてこれを行うということでございますが、区画の設置委員会の基本的な問題は我々が法制化をしなければいかぬところがございして、その中にはこういう方針で区画をお願い申し上げたいという基本的なことを書き込むことになっております。
 新潟県の場合、一時は大変大きな人口を持っておられた最大の県であったわけですが、その後人口の異動もございます。恐らく五百の選挙区画をつくるとすれば九つか十の小選挙区になると思いますし、三百でございましたら六つぐらいになるだろう。二百ということになればそれよりもう少し少なくなるわけでございますけれども、基本的な考え方の中に、この変更によって地方選挙の選挙区が国政の選挙区よりも大きいという場合にはそれを同じように割ってほしい、こういうことを決める一文もあるわけでございます。
 そういう場所はこの新潟には恐らくないだろうと思いますので、そのことはいいのでございますけれども、お二人がたまたま抽象的な言葉ではございますけれども、公正に、いろいろの歴史があり、沿革があり、地域性があるので、それを配慮してと言われました。もし例えば新潟において六つなり十の区画をされるときに、ここの点だけは御注意をいただきたいとかこういう希望を申し述べたいということがございましたら、これは公の席でございますから新潟県民の声は必ず、我々ではございませんけれども区画委員会のメンバーに届くと思いますので、どなたからでもよろしゅうございますが、三富公述人、滝沢佳子公述人の方から御要望がありましたら、この点お伺いをいたしたいと思います。
 もう一つ、私は今並立制を新たに検討の課題にしたいと申しましたのは、自民党もいつまでも一つのものにこだわらずに実現するという意思のあらわれとして申し上げたわけでございますけれども、両立制とかその他の案はもう全く問題になりませんけれども、民間臨調が出されました連用制という案はそれなりに評価をするべき一面もあると考えておりますが、これの最大の問題点は非常にわかりにくいということであります。ドント式、しかもプラスワン、それは選挙管理委員会が計算するのだから国民の方は関係ないじゃないの、こういう意見もございます。
 新潟県の場合、小選挙区で仮に自民党がかなり勝つとすると、自民党がたくさんとっても比例の部分では通らないということになりましたら、新潟県で政党投票された方がどういうふうに思われるだろうか、こういう問題点があるわけでございます。国民の立場から見て、連用制のわかりにくさ、今言ったような矛盾点をそれはいいと考えられるのか、ここはやはり問題があるというふうに認識をされるのか。この点、宮下公述人、吉田公述人、それから滝沢公述人から一言ずつ。制度の中身その他を申し上げておるわけではございません。投票をする立場から、これでいいと言われるのか、いややはり多少修正をしなければわかりにくいと言われるのか、この点を一言ずつお答えをいただきたい。
 以上でございます。
#106
○三富佳一君 私の方から簡単に申し上げたいと思います。
 まず一つは、ちょっと余談になるかわかりませんが、我々県議会もこの定数問題で昨年、一昨年と議論をいたしまして、いわゆる合区等の問題でいろいろな議論がなされました。その際にも、実は地方議員の定数をめぐる選挙区についても、人口だけでなくて地域の特殊性というようなことがかなり、これはむしろ野党の方から大きく提言をされた経緯が本県にございます。
 それからもう一つこの際申し上げたいのは、このたびは国会議員の方々の選挙区制度の問題が中心になって議論されているわけでございますが、我が県議会におきましては、例えば新潟市選挙区の県議会定数が十幾つというように非常に多いわけでございまして、中選挙区制なんというものじゃない、さらに大きな定数を持っている。こういう中で、むしろそういった地域の分割選挙区というような問題についても検討されるべきだろうという議論もあるということだけちょっと申し上げたいと思っております。
 次に、特殊性ということについて何か具体的なものがあるかということでございますが、選挙区割りについては、先ほど申し上げましたように第三者による公正な区画割りをお願いしたいということは基本的に同様のようでございますので、さようで結構かと思っております。特殊性と申し上げますと、例えば本県で一例を申し上げれば佐渡島、八万有余の人口を持っておりますが、離島という佐渡島を抱えております。その佐渡島が日常の生活、経済、交通、そういったような関係はどういった地域と最も深いかかわり合いを歴史的に持ってきているか、現在持っているか、こういうようなことも考えていただかなければならない要因の一つではないのか。
 もう一つは、御案内のように新潟県は非常に過疎地域でございまして、とりわけ山間地はいろいろな行政の諸施策を進めるにもかかわらず、毎日人口減少をたどっていることは御案内のとおりでございまして、そういうところは山林を中心に、農地も含め非常に広大な土地面積を有しております。こういうところと例えば東京、大阪のような人口密集地とを、ただ単純に人口だけに比例した定数を設定することでいいのかどうかというようなこと、そういった点も考えていただかなければいけないのではないか。
 それからもう一つは、例えば本県におきまして、各市町村で一部事務組合でいろいろな仕事をやっている、あるいは市町村圏の生活圏域の問題もある。こういった問題がまた衆議院の定数区割りによって幾つかに分断されるということが、果たして地域の住民の意識からして、そういったものが気持ちよくそうかそうかということにはつながっていかないのではないか。むしろ、そういった市町村圏等の圏域というものは、ある程度一つの選挙区の中にとどまるような形で考えられるべきものではないのか。
 幾つか申し上げればまだあるのかもわかりませんが、そんな点を一、二例として申し上げて、御配慮していただければありがたい、このように思っております。
 それからついででございますので、今並立制の問題がございましたが、連用制について私は非常にわかりにくい案だと思っております。一言で説明できません。そういう意味では並立制というのは国民にもわかりやすく、理解しやすい制度の一つではないかということだけ一言申し上げさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
#107
○滝沢佳子君 今三富さんのおっしゃったようなことと同じようなことですけれども、ただ新潟県だけでなくて、例えば都会のように非常に人口密度の高いところもありますので、やはりそういうことは考えられますし、また新潟県の場合ですと、広いものですから、交通とか過疎とか、そういう問題があります。そういうこともいろいろ考えて区画をしていただきたい、私はそんな単純な気持ちで申し上げたつもりでございます。
 以上でございます。
#108
○宮下弘治君 私は、選挙制度につきましては、基本的には併用制が一番いいのじゃないかという立場に立っておることをまず申し上げます。
 それから、確かに連用制についてはわかりにくいという議論がありますし、私もそう思うのですが、問題は、わかりやすいのか、わかりにくいのかという尺度の問題です。どこに尺度を置くかというと、投票をする国民の立場に立ってわかりやすいか、わかりにくいかということが一つの重要な点だと思うのです。だからといって私は、小選挙区を認めるという立場ではございませんから、それは誤解のないように受けとめていただきたいのですが。
 そこで、石井先生がわかりにくいと言われましたが、選挙管理委員会が事務的に難しい、最終集計とか当選圏者を決めるという作業上の難しさということは、わかりにくいという論理には当たらないのじゃないだろうかというふうに思います。問題は、投票する国民の側にわかりやすいのか、わかりにくいのかという尺度で検討されるべきであろうと思います。
 それから、ちょっと御質問から離れるかもしれませんが、やはり問題は、単純小選挙区制を主張されている自民党以外の政党は、併用制なり、民間臨調のように連用制なり、あるいは過去の話じゃないが並立制とか、いろいろな案が出ておりますが、いずれにしても単純小選挙区を主張しておられるのは自民党だけでありますので、ここをまず取り払うということにおいて、では小選挙区比例代表、どういうふうな比例代表を組み合わせていくのかという議論に入っていくことによって、この選挙制度というものは何か明るさを見出すことができるのじゃないだろうかと私は思っております。
 以上です。
#109
○石井(一)委員 私の質疑時間が終わったようですが、残余のお二人の御答弁はいずれ関連のときがあると思いますので。
 私が聞いておりますのは、今のような選挙制度の話ではございません。国民が見た場合に連用制は難しい、これでいいのかということを、イエスかノーかだけ聞いておるわけでございます。
 それでは次の武村さん、お願いします。
#110
○浜田座長 次に、武村正義君。
#111
○武村委員 六人の皆さんから、政治改革について大変真摯な、どんなことがあっても実現せよというお話を承りました。ありがとうございました。
 最初に、これもイエスかノーかでいいのでありますけれども、皆さんそれぞれ新潟を中心にして活躍をされ、人生を生きてこられた方々でありますが、随分いろいろな人と交流があり、人物を見てこられた経験からいって、私どもを前に置いて、あるいは新潟の代議士も頭に置いてなかなか言いにくいことではありますが、皆さんそれぞれの人生経験、人間をさまざま見てこられた経験から、今の国会議員というのは立派なすばらしい人が選ばれていると思いますか、思いませんか。まず、それだけ簡単に答えてください。
#112
○浜田座長 質疑時間が極めて限られておりますから、答弁は簡単にお願いいたします。
#113
○武村委員 三富さんから一言ずつ答えてください。今の国会議員よりもっと立派な人がたくさんいるけれども、そういう人が選ばれていないとか、一言でいいです。
#114
○三富佳一君 選ばれていると思いますが、個々それぞれ、何といいますか、その人の特性が違いますし好き嫌いもございますから、おおむね我が県の県民性を代表した方々が選ばれていると思っております。
#115
○武村委員 今聞いているのは、全国ベースで聞いていますからね。
#116
○宮下弘治君 一概にそういうふうには言えないと思います。政治家の資質はそれぞれの政治家によって違いますので、いい人もいれば悪い人もおります。
#117
○三本進一君 基本的には立派な方々から出ていただいていると思いますが、個々のいろいろなことになれば、それぞれ個人個人ということになりますので、いろいろ問題はあろうかと思います。
#118
○吉田和比古君 過去二十年近い投票行動を振り返って見ますと、少なくとも自分が選択した候補者は、自分なりの判断に従ってすぐれた人物が多かったとはっきり言うことができます。
 以上です。
#119
○滝沢佳子君 私は、立派な人が選ばれていると思います。
#120
○滝沢剛君 やはり、その人の人格、識見、あるいはその人の立場によって、差のある結果はどうしても生まれるのじゃないか、このように思います。
#121
○武村委員 ありがとうございました。どちらかというと私どもには耳ざわりのいいお答えばかりいただいたのですが、これはこれで結構でございます。
 石井委員も申し上げたように、自由民主党も、信じて、数百回の論議を重ねて、小選挙区制を提案いたしているわけであります。一部の人から見れば、これは自民党の党利党略だと一刀両断のようにおっしゃる方も少なくありません。大変残念に思っております。
 世界をごらんいただいてもおわかりのように、英米を中心にして民主主義の先進国、フランスもそうですが、数多くの国がこの単純小選挙区制を百年、長い国は二百年の歴史の中で、信じて、国民の支持を得て続けているということも事実でございまして、一部の方がおっしゃるような、大変ゆがんだ、自民党だけの党略で考えた案ではないということを改めて申し上げたいと思います。
 ただしかし、おっしゃるとおり、歩み寄るべきである、あるいは妥協をしなければいけないというのも事実でございます。我々も、もう数十時間単純小選挙区制の論陣を張ってまいりましたが、残念ながら野党の皆さんから全幅の御理解をいただいておりません。同時にまた、野党の皆さんの主張にも聞くべき点があることを私ども率直に認めます。そういう意味では、石井さんおっしゃったように、自民党もいろいろこの辺から与野党の真剣な合意案づくりを目指していかなければならない。
 私は、一〇〇%小選挙区というこの自民党の主張が通らないことを認識しながら、今後、石井さんは並立というお話もございましたが、やはり自民党としては小選挙区制を基本にして、これに野党のおっしゃる比例代表制を加味する、こういう基本的な考え方に立って、野党との話し合いに臨むべきであるというふうに考えております。
 そこで、三富さんからはちょっとお話を伺いました。小選挙区制がいいと信じて御開陳をいただいた三本さんと女性の滝沢さんに、妥協をするとすればどんな案が考えられるか、あればお教えいただきたいと思います。
#122
○三本進一君 妥協というその部分ですが、さっき申し上げましたように、衆議院と参議院、国会の二院制という中のそれぞれの特質を当然考えなければいけないと思うのですけれども、今まで何か不祥事があったときに、それが自民党所属の国会議員であれば自民党の体質も求められましたが、いろいろマスコミ報道から出てくるのは、最終的には個人の問題だという話が出てきます。
 比例代表というものをやることは、さっき申し上げたように、候補者の人格等が見えづらいという意見は基本的には変わらないのですが、やるとすれば、その比例代表に載せる候補者に仮に何かあった場合の政党としての責任のとり方を明確にしていただくような形が何かないと、国民からの理解はなかなか得られないのではないかと私は考えます。
#123
○滝沢佳子君 私は自民党ですから、自民党にひいきするつもりはないのですけれども、やはり政権の安定とかいろいろ考えますと、一番国民にわかりやすくて簡単な単純小選挙区制がよくて、もし妥協してくださるのだったらそちらの方へ妥協していただきたい、正直なところ、私はそう思います。
#124
○武村委員 最後に、連合の滝沢さんにお伺いいたします。
 先ほどのお話で、これは宮下さんのお話にも共通する話でありますが、自民党の一党支配は自民党の責任であるかのごときニュアンスに聞こえるわけですね。こういう支配を許してきたのは野党にも責任の一端があるというお話なんですが、我が党は政権を責任を持って背負ってまいりましたので、選挙に臨むたびに引き続き日本国の責任を預かろうということで、絶えず最善を尽くしてきたわけであります。だから、一党支配の責任が自民党にあるということは当たらない。一党支配を許したというならば、これは一〇〇%野党の側に責任があるというふうに、むしろ野党の皆さんの側が謙虚な反省をされるべきではないか。お話を聞いて、そんなふうに感じました。
 そこで、また選挙制度に返りますけれども、小選挙区制には賛成じゃないということでありますが、新潟県は、たしか四年前でございましたが、参議院の補欠選挙で大変鮮やかに圧勝されましたね。補欠選挙ですから、まさに小選挙区でありました。一議席を争って勝たれました。知事選挙は与党と野党の対立ではありませんでした。また、違った形の仕組みが生まれたというふうに認識をいたしておりますが、これも小選挙区でございます。どういう人を代表に選ぶか、相対多数で一番たくさん票をちょうだいした人が全体の代表として当選するというのが、私どもの主張している単純小選挙区であります。そういう新潟県の経験からいって、なぜ小選挙区はいけないのか。
 よくおっしゃるのは、民意を反映していない。この理屈もわからぬではありません。国会でも繰り返しておりますように、政党支持の民意、政党支持の全国的な統計データと結果として出た議席の数とが一致しないということを指摘されているわけで、これは一理ありますよ。ありますけれども、政党というのは大変抽象的というか、どなたかおっしゃったように実在性のない存在でもありますから、一人一人の代表、候補者に民意を託するという意味では、だれに託するか、このことの民意は小選挙区制においては大変明快にわかりやすい形であらわれてくるわけであります。あの人が一番たくさん票をとられて当選された、非常にわかりやすい民意の反映になるシステムなのであります。
 政党の全国集計の民意は一面大事ではありますが、それだけで民意を云々して反対されるのか、そこを少しお伺いいたしたいと思います。
#125
○滝沢剛君 先ほども言いましたように、民意の反映がうまくいかないという点では全国集計の問題をポイントにしましたが、例えば先ほど言われたように全国を五百の議席に割ったときに、これは新潟県のことを例に出して言えば一番いいのでしょうけれども、新潟市は四十五万人の地域です。そうすると、新潟県に九人から十人の割り当てがあるとすれば、新潟市で二人、つまり新潟市を真ん中から割らなければならぬ、こういうことも出てきます。そういう点、あるいは新潟の場合とほかの場合との数のバランスがどういうふうになるのかという点で、やはりできるだけ大含みのものの中から民意を問う。小さくしないで、できるだけ大きくした方が民意の反映は正確になる、こういう立場から私は反対をしたということでございます。
#126
○浜田座長 細田博之君。
#127
○細田委員 本日は皆様ありがとうございます。
 まず、三本さんにお伺いいたしたいのでございます。
 私は、実は島根県選出でありまして、元総理が出ておるわけでございます。新潟県も、やはり元総理が出られた。ところが、我が県におりますとよく比較をしまして、こちらの元総理は地元のために新幹線その他大変いろいろなことをされた、しかし我が元総理はそこまでいかないので不満だというような声も聞くわけでございます。
 これは我が民主主義の原点を問う問題でございまして、確かに政治家は地元の問題というのを一生懸命やる。建設省や運輸省やその他の役所に陳情して地元の御要望を実現することは、地方の立場からいうと大事な政治家の役割であると私個人は考えているのです。しかしながら、それをどんどん繰り返していきますと、今回某県でいろいろ起っておりますような、そのためにまた腐敗問題とか談合問題とか大きな問題が生ずるという弊害を持っておるわけですね。
 したがって、政治家はおよそそういうことについては地元の問題であっても介入すべきでない、むしろ防衛や教育や外交を大乗的見地に立って議論すればいいという意見があると思いますが、地方の立場から見ると三本さんはどうお考えか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#128
○三本進一君 その問題になりますと、むしろ選挙制度とか何かより離れまして、今いろいろ言われている地方分権のところ、私ら地方の立場でいろいろなことをやりたい、こう思っても、当然財政的な裏づけの問題等にもかかわってくる問題かと思いますので、これはちょっと。選挙制度の問題にも当然かかわってくるのはよくわかるのですが、むしろ地方に権限をどうゆだねていただくかという話になりますので、地方分権とかそういうことについての論議になりますが、さっき申し上げましたように、今政治の中で、やはり私たちも地方の立場で問われている。
 だから、私たちも一生懸命政策的なものも勉強しなければならないという立場にありますので、さっき、国会議員の先生方から地方に目を向けてくださいという主張をさせていただいたつもりでありますが、今の御質問にはおよそ短い時間で答えられるだけの要素でもありませんので、むしろ地方がもっと元気になるためには地方議員の活動というものもきちっと保障していただくものでありたいという程度のことで、答弁になったかどうかちょっとわかりませんが、お許しいただけますでしょうか。
#129
○細田委員 大変大きな問題ですから、そういうことだと思いますけれども、これは本当に本質的な問題なんですね。我が国の政治の実態において、まさに地方が発展していくために国会議員はやはり働くべきではないかということは民主主義の基本でございますから、そうなるとどういう問題点が生ずるのか、こういうことだと思うのです。それはおよそやるべきでないという考え方も一つの考え方だと思うのですね。
 そこで、三富さんに伺いたいのですが、例えば今妥協案ということを考えますと、連用でいうと三百名というような小選挙区になるわけですね。そうすると、新潟県の場合六人ほど、二百五十万人というのは全国の比でいうと二%ですから、大体小選挙区で選ぶのは六人ぐらいになるわけですね。今は十三人ということで、非常に減るのでございますが。直観的に言って、さっきの、過疎地に対して、あるいは大都会以外のところに対しては配慮せよということがありますから、もうちょっとふやせという、二倍の格差であれば八人ぐらい、九人ぐらいでいいじゃないかということにもなるかもしれませんが、六人という感じは新潟県の立場からいうと、これは各県全部同じような比でございますから、民意反映という意味ではちょっと小さ過ぎるという感じがあるのかないのか。妥当な線でいいじゃないかということであればそれでもいいのですが、ちょっと感覚的なお答えをお願いします。
#130
○三富佳一君 地方ということで申し上げれば、大勢ほど結構だと申し上げなければならぬと思っています。
 ただ、先ほど申し上げましたように、何としてもこの際やっていただかなければならぬという立場で、何らかの形で妥協していただくとするならば、並立制等での妥協はやむを得ないのではないかと思います。
 ただ、その場合に、例えば新潟県の比例区の代表になる方が、沖縄や稚内から来て新潟県の比例区の代表だよというようなことのないように、やはり県民となじみのある方から出ていただくような制度にしていただきたい、こう思います。
#131
○細田委員 滝沢佳子さんにお伺いしたいのですが、公認候補を絞れるかどうかという問題は非常に難しいと思うと言われたわけですけれども、この問題もかなり本質的な問題でして、やはりきちっとした、各党がどういう人を本当に選んでいくのかということを決めなければいけませんし、小選挙区になると二人出せないのですよね、二人出れば落ちるということがありますので。例えば県連の実態から見て、もちろん断固やらなければいけないのですが、いい手続を決めれば、負けた人は敗れて非常に潔く去るという制度ができそうかどうか、一言でちょっとお願いします。
#132
○滝沢佳子君 私も、それが非常に疑問に思います。
#133
○細田委員 しかし、これは何かやらなければいけないのでしょうね。だから、それはルールをつくれということですかね。
#134
○滝沢佳子君 それはどういう方法でやられますのか、皆様方の英知を結集してやられることだと思いますけれども、私たち家庭の主婦が考えますと、はてどうなるのかなという思いがありますので、申し上げたつもりでございます。
#135
○細田委員 宮下さんにお伺いいたしたいのでございますが、小選挙区制になると、この新潟県のように非常に保守色の強いところ、十三人あって四選挙区で社会党が各区一人ずつ四人出ているというような県におきましては、小選挙区で当選するということは相当難しいだろうという直観がするわけですね。地方はどこでもそうですけれども。そのときに、投票によって直接選ばれる人が出ている制度と比例で救われる制度というのは、制度を変えるためだから仕方がない、いずれそれで二大政党にして小選挙区で選挙を勝つ、そこへ向かって断固頑張る、そういう御決意がおありになると思うのですが、その点についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#136
○宮下弘治君 私は、小選挙区を是とする立場ではございません。基本的に私はこう考えます。選挙制度をどういうふうに変えるのかという議論の基本は、やはり民意が正しく政治に反映できるシステムはいかにあるべきか、こういう観点で検討をされるべきであります。各自の党がどうなるのか、そのことによって党として得なのか損なのかという観点に立つ議論というのは、基本的に間違いだと思います。
 そこで、二大政党論というのは、今の選挙制度をどうするかという議論の中で、二大政党を目指すのだという議論が出ておりますけれども、私は、これは間違いだと思います。それは、選挙制度は今指摘したように、国民の政治への意思が正しく反映される道筋は何かということの観点でのみ議論をし、新しくできた選挙制度の上に立ってそれぞれの政党が、政権交代可能の政党というものはいかにあるべきか、それは二大政党化を目指すのか、あるいは小党の存在を認めながら連立政権で結構なんだという方向で行くのか、政党の仕組みをどうするかということは、制度ができた後における政治家の立場に立った検討をされるべきである。選挙制度の問題を議論するときに、政党の仕組みをどうするのかということを混同して考えているところに今回の混乱があるのではないかと私は思います。
 以上です。
#137
○浜田座長 細川律夫君。
#138
○細川委員 社会党の細川でございます。
 きょうは、さまざまな貴重な御意見をお聞かせをいただきまして、大変ありがとうございました。
 これまでは、どうも選挙制度のことについていろいろ御質問が続いておるようでございますから、私の方は政治資金の問題についてお伺いをしたいと思います。
 皆さん方から御意見を伺いまして、それぞれ皆さん方全員がお述べになったことは、今国民の皆さんから大変な政治不信を私どもが突きつけられているという点であろうかと思います。この政治不信が一体どうして出てきたのか。それはやはり皆様方の御意見でも出ましたように、政治腐敗、政治スキャンダル、こういうことが発生し、もう我慢ならないというところまで来ているのではなかろうかと思います。そこで私どもは、その政治腐敗、政治スキャンダルが、企業と政治家が密接に結びつき過ぎてそこに腐敗が生じている、そういうことから企業献金、団体献金は一切禁止をすべきだ、こういう法案を提案いたしているところでございます。
 そこで、五人の方からそれぞれ企業献金についての御意見がありましたけれども、まだはっきりされなかった吉田さんと滝沢剛さん、お二人は企業献金の禁止についてどのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#139
○吉田和比古君 先ほどの公述でも述べましたように、先生おっしゃいますように、選挙制度を特に自分としては勉強してまいったわけですけれども、質問に関しましては、要するに金がかかり過ぎるということの因果関係というのは、やはり現在の選挙制度にあるのだろうと考えております。つまり、金がかかるがゆえに、金がなければどこかから調達しなければならないと必然的に思うのですね。そこに問題があるわけですから、私の考えでは、いわばそこにはっきり明確な因果関係があるのだという判断なんですね。ですから、制度の改変と同時に、金がかからない状態に持っていくという、大きなシステムの変化が今必要なんだ、必要な時期に来ているというふうに判断します。
 以上です。
#140
○滝沢剛君 端的に言って、私は、企業献金、団体献金については禁止をすべきという立場でございます。
 先ほど宮下公述人も言われましたけれども、人に物をやるとき必ず見返りを求めるというのは、残念ながら人間の持って生まれた本性だと思うのです。損をして得をしようということはあるでしょうけれども、損をして損をするということはないと思いますので、やられる方がそういうふうに思われたかどうかわかりませんけれども、そういう危惧のあるものについてはやはりきちんとやめておくべきだ、今までの構造汚職と言われる点についてもそのことが一番大きな原因になっているわけですから、やめるべきだというふうに思います。
#141
○細川委員 それでは、次に宮下さんにお伺いをしたいと思います。
 宮下さんの方では、はっきりと企業献金を禁止すべきだ、このようにおっしゃられたわけです。私どもとしては、企業献金を禁止する、しかし政治にはコストがいろいろかかる、国民の皆さんにもその政治のコストを負担していただこう、こういうことで国民一人当たり約二百五十円のお金を負担していただいて、いわゆる政党に対する公的助成をしてもらう、こういう法案も提案をいたしているところです。
 この点については自民党さんのと大体同じようなところなんですけれども、違うところが、自民党さんの方では企業献金あるいは団体献金を認め、温存をする、政党に対する企業献金などについてはこれまで以上の倍額にふやしてまで企業献金を認める、こういうことになっているわけなんです。その点、宮下さんの御意見がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#142
○宮下弘治君 まず、政治家と企業の癒着、こういうものは絶対に断ち切らなければならぬ。同時に、政党と特定企業との癒着、これもまた政治を汚染する一つの大きな原因になり得るわけですから、それも断ち切らなければならない。ゆえに、企業並びに団体の政治献金というのは一切認めないという立場をとるべきであろうと思います。
 しかし、政治には必ず政治活動としての資金を必要とします。ゆえに、各政党に対して公費を助成するということが絶対的にこれまた必要なことです。政治家個人あるいは各政党が民間団体やそういうところから献金を受けている、その上に公費を助成するということは、国民の合意を得ることはできないと私は思います。
 政治家として、政党として政治活動をするに必要な経費は国民の税金で賄う、そのことにおいて政治家の襟を正す、政党の活動の襟を正すということになるし、同時に反面、国民の立場からすれば、税金をもって政治活動を保障しているというシステムがつくられることによって、常に国民は政治に対して関心を持つ、チェック機能を有権者が持つというところに民主政治の根幹ができ上がっていくのではないだろうか、私はこういうふうに考えます。
 自民党さんには申しわけないのですが、そういう企業献金を認めている立場に立ち、かつその実施について、六年目にそれを行う、五年間手をつけないという猶予期間をつくっているという提案の仕方そのものに、私は強い怒りを感じますね。今、この政治改革というのは一刻を争わなければならない状況なのに、五年間も現在の制度を温存していくということについては、一体どういう感覚なんだろうかと、大変失礼な言葉を使いまして恐縮でありますが、どうも納得できないわけです。
#143
○細川委員 六人の意見陳述者の中で、三人の方は企業献金はいいんだ、企業というものは社会的に実在しているものであるから企業献金は認めるべきだ、こういうお考えを述べられたわけなんです。
 そこで、今宮下さんの方からもお話がございました。企業献金を廃止するからこそ公的助成が認められるべきなんだ、やはり国民の皆さんの納得をいただかなければ税金から約三百億円もの政党に対する公的助成はすべきではないのじゃないか、こういう御意見だったと思うのですけれども、三富さん、そして三本さん、滝沢佳子さん、この点どのようにお考えになるのか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#144
○三富佳一君 私は、先ほども申し上げましたように、企業が地域社会あるいは国全体の社会構成の中でいろいろな場面で果たしている役割は大きく、またその責任ある構成員としての立場からすると、そういう意味での一定の責任分担の政治資金の分担もあってしかるべきではないか、こう思います。ただ、額だとか方法だとか、あるいはそのお金がどういうふうに使われたかというチェック等の問題については、しかるべき方法をとるべきじゃないかというふうに思います。
 それからもう一つ、この際申し上げたいのは、今回は衆議院のそういった問題でございますが、我々地方議員からいたしますと、秘書の問題とか何かは、国会議員の方々はまた一人増員だとかいろいろなことがございますが、地方議員にもそういうことをひとつぜひお考えいただきたいということを、この際一言申し上げたいと思います。
#145
○三本進一君 基本的には三富さんと同じ考え方でありますが、特に地方の立場で地方の活性化をどうするかという考え方に立ったときに、やはり若者が定着したり何かするときにはどうしても企業の存在というものが離して考えられない状況であります。そういったことも踏まえて、企業の地域の中における存在というものも考えなければいけない。
 それと、先ほど申し上げましたように、今回の政治資金規正法あるいは政党助成に絡まる問題についても、両案ともに政党助成という立場では国会議員の先生方、国会議員という言葉は出てきますが、地方という言葉は出てこない。先ほど申し上げましたように、規制は一律、助成は偏りがあるということでは、我々地方で住民と密接に関係した中で政治を行っていく者の活動が果たしてどういうことになっていくのか。先ほどの公述と重なりますが、その辺のところを当然今後の課題として国会の中でも論議をいただきたいというふうに考えます。
#146
○滝沢佳子君 先ほども私は、節度ある献金はいいのではないかということを申し上げたのですが、今度公的な助成があるといいましても、毎日の日常活動そして私たちの周りを見ていますと、そんなとんでもないような額の献金というのは余り聞いたことはありませんので、ほんの、何といいましょうか、ちょっとお手伝いするぐらいのものしか見ておりませんので、やはりそういうことがあれば日常活動の足しになりまして、少しでも政治家としての活動ができるのではないか。それがいいというのでなくて、本当、そんな気持ちでいいのでなかろうかということを申し上げたのでございます。
#147
○細川委員 私ども社会党、公明党の政治改革法案では、一切企業献金、団体献金は禁止をする、こういうことでやっておるのですけれども、最後に滝沢剛さんにお聞きしたいと思います。
 ちょっと細かくなりますけれども、今回法案では約三百億円の公的助成というのを政党に行う。これは自民党さん、我々社公案、両方とも大体同じなんですけれども、政党の活動をする資金については、一体どういうような負担で政党は政治活動をしていったらいいのだろうか。
 私の考えは、政党というものはいわゆる党費あるいは政党の事業活動、これが一つだろうと思います。それからもう一つは、個人献金であろう。そしてもう一つは公的な助成で、この三本柱がいいのではないかというふうに思うのですが、いろいろ意見を聞いてまいりましたこれまでの法案審議の中では、公的助成も将来的にはやめるべきだとか、あるいは政党が公的助成に依存し過ぎるようになるからそういうこともやめるべきだとか、いろいろ御意見があったのですけれども、滝沢さんとしては、政党というのはどういうお金で運用、政治活動をしていったらいいかということについてお尋ねしたいのです。
#148
○滝沢剛君 今先生言われましたように、基本的には党費なりそういう党の事業活動で上がった収益、それから個人献金、公的助成、この三本柱で私はいいと思うのです。ですから、言われていることについてそれでいいというふうに思うのですが、ただ、個人献金についても一定枠をきちんとはめるということがどうしても前提になると思いますので、そういう点では、公的助成を廃止するということについては現状ではなじまないと思いますし、当面そういう形でいくべきじゃないかというふうに思います。
#149
○浜田座長 次に、池田元久君。
#150
○池田(元)委員 池田でございます。
 先ほどから皆様方の御意見を拝聴しておりました。大変貴重な御意見を述べられて、敬意を表する次第です。
 とにかく、皆様の意見の中にもありましたが、国民の政治不信というのは極限に達しておりまして、私どもは厳粛に受けとめて、今国会で一括処理でやらなければならないと感じております。
 問題は、選挙制度について私ちょっと申し上げたいと思うのですけれども、状況は御存じだと思うのですが、自由民主党は前には並立制を出しました。今度は単純小選挙区制。自民党の政治改革大綱には「比例代表制を加味する」となっていたのですが、そういう点からいうと、これは残念ながら後退した提案ではないかというふうに考えております。
 選挙制度は、単純小選挙区制から比例代表までの間にたくさんございます。小選挙区の方からいいますと、並立制そして連用制、併用制、最近は両立制というのも出てまいりましたが、一番こちら側には比例代表制がある。自民党も党内の署名運動などもございます。それから当委員会の中の発言でも、必ずしも単純小選挙区制にこだわっているとは私は思っておりません。まずそこから離れることが必要であるということを私は強く主張していたのですが、単純小選挙区制からできるだけ離れてもらう。
 社会党、公明党、これは初めは中選挙区制の是正から出発したわけですね。それが単純な比例代表ではなくて小選挙区制のメリットも認めて併用制を打ち出している。妥協するとすれば、やはり自民党が近寄って並立制と併用制の間で妥協を探るのが一番いいのではないか。これは何も私、社公の立場で言っているわけではありません。常識的にはそのようなことが一番いいのではないかと考えております。
 先ほどから並立制というものも出ておりますが、これは海部内閣のときに提案されました。参議院でもやっておりますが、いわばよく言われるように木に竹を接いだような制度、理念がちょっと分極している。やはり混合的な選挙制度を考える場合には、とにかくいろいろな案が提案されているのは小選挙区制のゆがみを正そうということで連用制などが出てきているわけですね。ですから、小選挙区制と比例代表制と単純に両立させるのではなくて、リンクさせてお互いのいいところを出すという意味で、並立制というのは大変問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 さて、小選挙区制について先ほどから三富さん、三本さん、いろいろおっしゃっております。滝沢佳子さんもそうなんですが、よく小選挙区制につきましては民意の集約とかいろいろな意見がございます。ここで余り基本的な主張を述べるつもりはないのですけれども、比較多数をとった者が全体を代表するというのは大変無理がある。当然ゆがみも生じる。死に票も大変多い。さらに議席も固定化する。それから、政局の安定ということも言われますが、これは何をもって政局の安定を言うのか。相対多数をとった者が全体を代表する。少数の者が全体を代表していいのか。そういう政権はしょせんは見せかけの安定ではないか。むしろ民意を吸収できた政権こそ安定的な政権ではないかという基本的なところで私どもと意見が違うわけです。
 そういった小選挙区制の欠陥というものがあるのですが、ここで一言お聞きしたいのですが、先ほど滝沢佳子さんがちらっと正直におっしゃいましたけれども、小選挙区制で一つ問題点は、公認争いではないか。新潟県知事選挙の候補者を決めた際、多額の金が動いたということは記憶に新しい事実です。アメリカではプライマリー、要するに予備選挙というものがあるのですが、この辺はどうなるのか。実際に政治活動に携わっていらっしゃる三富さんと三本さん、それに滝沢さんに一言ずつお答えをいただきたいと思います。
#151
○三富佳一君 御質問の端的な御趣旨、ちょっともう一回お願いしたいのですが。
#152
○池田(元)委員 小選挙区制は一人の候補者を決めるのですから、それを決める際には公認争いが大変激しくなるのではないか、いろいろな不祥事も起きる可能性があるのではないかということをお聞きしているわけです。一言で結構です。
#153
○三富佳一君 それは各党においてそれぞれの候補者選定基準をきちっと確立することによって解消できるのではないか、このように思います。
#154
○三本進一君 同じ意見ですが、まことに失礼な言い方をするかもしれません。お許しください。
 今の中選挙区制でも、要するに政権をとって国を動かそうということがベースにあるわけですから、公認争いが激しくなるということはそれだけその党に人材がある、それだけ人材が育ってきているということにも関係すると思うのです。ですから、これは自民党だけじゃなくて社会党さんにしても、各政党一つの選挙区の中でだれがいいんだというのを真剣に、公認をだれにするかということを一生懸命やるというところまでいっていただきたいと思います。
#155
○滝沢佳子君 私も同じ意見でございまして、そこをはてと思うから申し上げたわけでございます。
#156
○池田(元)委員 それで、人材の問題は別にして、とにかくそういう公認争い、もちろん党内的な手続をちゃんとすればいいというのもわかります。しかしながら、一人の候補者を決めるという場合、現実に今起きているわけですね、新潟県でも。これはアメリカなんかでもいろいろ言われて、結局予備選挙になったと思うのです。その辺をやはり私たちは考えなければいけないと思います。別に今の三本さんの意見は全然失礼ではありません。全く同じベースで僕らは、公認という問題は、社会党でも政党である限りはその辺のところが大変問題である、その辺を何らか制度的に直すなり、あるいは基本的に制度の欠陥ではないか、こういった観点から申し上げているわけです。
 それから、小選挙区制になりますと、アメリカの例などを見ると非常に議席が固定化するわけです。イギリスでもそうです。相争う選挙区は本当に一部なんですよね。保守党なら保守党の選挙区が決まっている。労働党の選挙区も決まっている。
 それで、大変失礼といいますか、新潟三区で大物の政治家がいらして大量得票しましたね。要するに、金脈事件が起ころうと何事件が起ころうと変わらない。どうも日本の政治風土からいいますと、その辺のところは議席の固定化ということが起きて、しかも一人の政治家が、これは社会党であれ何党であれいいんですよ、その地域の予算配分権などを事実上握りましてむしろ利権構造が広がるんじゃないか、こんな感じがいたしますが、その辺は三人にお伺いすると時間がかかりますので、三富さん、一言お願いします。
#157
○三富佳一君 それは私は、その人、その政治家の政治行動、政治活動に一にかかっていると思いまして、それを認めるか認めないか、これは候補者とあるいは政治家と有権者の関係の問題だ、このように思います。
#158
○池田(元)委員 それで、先ほど滝沢佳子さんが率直なことをおっしゃいましたので、ただ、私が政治家としてやっていく中でちょっとどうかなと。
 選挙制度ではございませんが、町内会とか近所づき合いといいますか、そういう寄附というのは日本的なあれで容認すべきではないかと。個人的なつき合いは、今でも認められているわけですよ。ところが、町内会とか運動会とか、そういうものに対する寄附を容認するような発言がこういう席上ありましたので一言申し上げたいのですが、私はゼロから出発して政治家の端くれとしてやっておりますが、大変助かっているわけです。政治家が一々町内会に酒一本とか御祝儀を持っていくとか、組合の大会に御祝儀を持っていくということをやったら、それが全部まとまりますと多額の金額になるわけですよ。やはり政治家に利を求めるような政治風土、風潮、これはお互いになくしていきたいということを一言申し添えたいと思います。
#159
○浜田座長 井上義久君。
#160
○井上(義)委員 意見陳述者の皆様には、きょうは貴重な御意見を賜りまして、心から感謝申し上げる次第でございます。
 私どもも、約百時間に及ぶ委員会の議論を通じまして、もはや相打ちで現状維持は許されない、今国会で一括処理をして次の選挙から新しい選挙制度でやるべきだ、そのためには各党血を流すような思いで合意をつくるべきだ、こういうふうに考えておる次第でございまして、そういう前提に立ちまして何点か御意見を賜りたいと思います。
 初めに三富さんにお伺いいたしますけれども、いわゆる政策の相違を争う選挙制度がいい、そして二大政党でスムーズに政権交代する制度がいいということで小選挙区制がいいんだ、こういうお話でございました。併用制は、小党乱立で連立政権になる。その具体的な例示として、例えば新潟で減反の問題と原発の問題と取り上げられたわけでございます。原発の容認と反対がある、あるいは減反の容認と反対がある、そういう基本的な違いのある政党が連合政権を組むということは日本の将来の選択に大きな過ちを犯す、こういうような御趣旨だったろうと思うのです。
 ただ、考えてみますと、例えば新潟県で原発の問題、減反の問題、この二つの問題が大きな争点になったとして、減反を容認する人と反対する人、それから原発を容認する人と反対する人、この二つの政策の組み合わせだけで実は四つの組み合わせがあるわけでございまして、これが果たして二つの選択になじむものかどうか。それからほかにもいろいろな選択肢があるのだろうと思うのですけれども、少なくともこの二つの重要な問題を限定しただけでもかなりの選択肢があって、果たして二つの政党だけがこの問題について自分たちの意見を代弁しているというふうに県民が考えるのかどうか、これは非常に大きな問題があるのではないか。
 もしそれに合わなければ多くの人たちは、先ほど七〇%の人が今の政治は民意を反映してない、こういうふうに世論調査で出ているとおっしゃったわけでございますけれども、どうも議会構成に自分たちの民意が反映してないんじゃないかという思いが非常に強くなるのではないか。ひいては有権者の政治離れというものを一層促進するのではないか。そういう意味で、いかに小選挙区といえども、もう少し多様な民意を議席に反映していくような仕組みというものを考えざるを得ないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 それと同時に、例えば減反を容認あるいは反対、新潟県の皆さんがそれぞれどういう御意見をお持ちかわかりませんけれども、今の小選挙区制ですと、ほぼ今のような日本の多党化状況ですと、三〇%ないし四〇%であれば比較多数で議席を占めることができるわけでございまして、例えば減反を容認する人が比較多数を得る、新潟県全体で三〇%から四〇%ぐらいの人がどちらかというと容認をしているということでほとんどの議席を占めた場合、ほかの、減反についてはそうじゃないという考えの人たちが過半数を占めている場合もこれは選挙の結果としてあるわけでございまして、そういう人たちが議会に全く議席を得ていないというようなことが果たして民主主義の制度として有効なものであるかどうか、この辺についての率直な御意見をまずお伺いしたいと思います。
#161
○三富佳一君 一つの例として今二つの問題をちょっと申し上げたわけでございますが、当然ほかの政策の問題につきましても、ある意味では同じようなことが私は言えるかと思っております。
 そのときに、有権者が選ぶときには、場合によって原発だけに焦点を絞って投票権を行使する人、あるいは農業政策をめぐって行使する人、福祉政策をめぐって行使する人、あるいは今度はそういったいろいろな諸施策を総合的に判断して右か左かAかBかという選択をする人、これは有権者個々の権利行使におけるときの考え方でございますから、一概にどうこうと私は申し上げられないと思っておりますが、一例として申し上げたのは、政治家が当選したとき自分にどれだけの批判票があったのかということは、自分が当選後の政治行動、政治活動をする中で当然生かされるべきであり、生かしていくというのが政治家の務めでもあるのじゃないか、そういう中でそういった問題は解消されていくだろう、私はこういうふうに思います。
#162
○井上(義)委員 批判票があるということで当然それを考慮して政治活動をやる、こうおっしゃったわけですけれども、例えば減反容認ということに関して言いますと、やはり公約ですからそれを貫く、少なくとも選ばれた期間については貫くということが政治家の基本的な姿勢であろう、こう思うわけでございまして、結果として当選したけれども、実はその政策については半分以上の人が反対しているという場合に自分がそっちの方に傾斜するということは、これは有権者に対する基本的な裏切りになるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 この問題はこれ以上やってもしようがありませんから、小選挙区の利点というものは我々も十分認めているわけでございまして、そういう意味で議会構成の中に多様な民意というものができるだけ反映されている、そのことによって自分の考えとほぼ同じような考えを持った人が議会の中できちっとした発言をしている、それが多数派を占めているかどうかはもちろんわかりませんけれども、やはりそういう仕組みが基本的に必要なんじゃないか。単純小選挙区制は単純でわかりやすい、こうおっしゃるわけですけれども、どうもそれだけに固執しているとますます国民の政治離れというものをもたらしてしまうのじゃないか、このように思うのですが、重ねて、比例代表を組み合わせるということについてどのようにお考えでございますか。
#163
○三富佳一君 先ほど来申し上げておりますように、並立なり何なりの形で最終的に与野党が意見の一致を見るならば、三百対二百がいいのか、二百対三百がいいのか、あるいは二百五十対二百五十がいいのか、ここらはまた議論のあるところと思いますが、何らかの形で妥協点が見出せるならばそういった方法もやむを得ないのではないか、こういうことを基本的には申し上げているつもりでございます。
#164
○井上(義)委員 妥協を見出すということなんですけれども、ただ足して二で割るということじゃいけないわけでございまして、やはり選挙制度というのはそれなりの基本的な物の考え方、思想性というものがなければ合意はできないわけでございますので、ぜひそういう意味で民意を集約しながら、なおかつ民意の反映をできるだけやっていくという基本的な物の考え方を御理解いただければということで申し上げた次第でございます。
 次に、宮下さんにお伺いいたします。
 いわゆる腐敗防止をまずやるべきだ、こういう国民感情があることは我々も十分理解しているわけでございます。全くそのとおりだと思うわけでございます。
 しかしながら、いわゆる政治腐敗というものが自民党長期政権によって構造化している。したがって、やはり自民党の長期政権というものを崩して、政権交代可能な政治のシステムというものを日本にもつくらないと、腐敗というものは根本的にはなくならない。そういうことから、一つは、政権の受け皿というものを真剣に模索しなければいけない。もう一つは、自民党長期政権の下支えになっております中選挙区制、これを抜本的に変えなければいけない。こういうことで今回、一括処理をしようということで法案を出させていただいたわけでございます。
 先ほど宮下さんの方から、選挙制度というのはしょせんは党利党略、個利個略である、したがってなかなか時間がかかる、もしできなかった場合には腐敗防止一つでも二つでもやるべきだ、こういうお話であったわけでございまして、なおかつ、長い間国民は政治改革に関しては裏切られてきた、こういう御指摘があったわけでございます。私は、御指摘は確かにうなずける面もあるわけでございますけれども、もし四法案一括処理ができなくて抜本的な改革ができなかった、しようがないので一つ二つの腐敗防止策をやったとすると、これこそまさに国民に対する裏切り行為だというふうに考えているわけでございまして、もはや私たちにそういう選択肢はないと認識しているわけでございます。
 御承知かと思いますけれども、先般、政治改革で自民党の並立案が出てまいりましたときに、廃案になりました後、政治改革協議会というのが与野党間でできまして、我々も石井委員、武村委員なんかと実務者会議で、この問題、非公式の会合を入れますともう百回近い議論を重ねて、やっと前回の十八項目プラス三項目の緊急是正をやったわけでございます。はっきり申し上げますと、現状の選挙制度でやれることはあそこまでというのが自民党の一つのガードでございまして、そこから先は自民党さん一歩も出れないなという認識を私たちも持っているわけでございます。
 そういう意味からいいますと、先ほど宮下さんがおっしゃったような、できなければ腐敗防止一つでも二つでも、もうそういう選択肢はないと考えているわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#165
○宮下弘治君 これから政治改革問題がどう動いていくのかということと、それに対する国民の受けとめ方がどうあらわれるのかという意味において、時期的に見ましても今の問題は大変重要な問題だと私は思います。
 私の意見を率直に申し上げさせていただきますと、先ほども触れましたが、一括処理ということを合意して今日まで来た特別委員会の皆さん方の意思というのは、率直に受けとめますと、この際やはり政治改革をなし遂げなければならぬという積極的意味において、逃げの立場ではなしに積極的意味においてそういう合意をなされたのだと私は受けとめたいわけなんです。
 しかし、思うに、ある事案について考えるときに、それは忽然と出てきた問題ではなしに、政治改革なら政治改革というものが叫ばれるに至った経過、原因、これがあって、審議されている現在があって、将来が出てくると思うわけです。そのときにやはり原因というものをまず常に忘れないで、これを原点として対応を進めていかなければならないのだろうと私は思います。確かに、金がかかる中選挙区制では自民党の長期政権で来た、これは野党にも大変な責任があると私も思います。思いますが、現に今日、政治腐敗による政治不信、怒りというものが渦を巻いているこの現状と、政治改革が叫ばれてきた直接原因は何であったかということを考えますときに、私は先ほど申し上げたような意見を開陳したわけであります。
 そして私は、これからもどうぞ四法案一括、国民が理解できるような、納得できるような方向で結実するように、最後の最後まで努力をしていただきたいと思っているのです。しかし、どんなに努力してもどうしても一括処理ができなくなったという、とことんそういう段階に来たときに、一括先送りということが果たして国民が見たときに納得できるのかどうかというせっぱ詰まったことを想定するときに、私は、腐敗防止に関する一つでも二つでもいいから、そこに一つの光明というものを有権者に与えていただきたい。そしてさらに、未解決問題は継続審議という道筋を明確に残していく。こういうことを切に期待をしているものであります。
#166
○井上(義)委員 続いて、吉田さんにお伺いをいたします。
 ゲーテの言葉を引かれまして、人間は努力する限り迷うものである、最高の英知を発揮して合意案をつくっていただきたいという、大変温かい、また大変厳しいお言葉をいただきまして、全くそのとおりだなというふうに今考えておるわけでございます。
 そこで、私も答弁者として特別委員会の議論を、実質審議時間八十時間ぐらいございましたが、答弁者でございますからずっと聞いていなければいけないわけでございまして、こんなにきちっと人の話を聞いたことはないなと。そういう中で、小選挙区に比例代表を組み合わせて、民意を集約しながら、あわせてまた多様な民意をも議席に反映していくということで、大体コンセンサスができつつあるのじゃないかな、こういうふうに思っておるわけでございます。
 組み合わせの仕方はいろいろあるわけでございますけれども、そういう中で今、連用制というのが一つの案として民間政治臨調の皆さんから御提案されているわけでございます。民間政治臨調は、財界、労働界あるいは学者の皆さんということで、かなり重い存在であると私は思っているわけでございますけれども、この連用制につきまして何か御意見がございましたら、お伺いできればと思うのです。
#167
○吉田和比古君 まず一点は、現行の選挙制度が何らかの形で変わってほしいという意味で支持したということを確認します。
 それから、連用制に関して、先ほど議員の先生から質問があって答えそびれたのですが、わかりやすい、あるいはわかりにくいというのが一つの論点になっているようでございますけれども、私自身、参議院の選挙制度が変わったときにとてもわかりにくいと思いました。それで、わかりやすい方が国民にとって親切なのかどうかといったときに、ヨーロッパの大多数の国は実際に併用制をやっているわけです。ですから、あくまで易しい、わかりいい制度が国民にとって親切だというのは、とても国民をばかにしていると私は思います。
 重要なのは、どういう制度に変わるにせよ、国民が真剣にその制度を学び、わかろうとする意欲をわかせるような、そういう風潮、風土をつくるのが議員の責任だと僕は思うのですね。ですから、わかりやすい、わかりにくいというのは絶対その基準にしていただきたくないのです。あくまで我々が選挙制度を選ぶ根底にあるのは、もちろん将来的には二大政党制に移行するのが望ましいかもしれませんが、日本の現状を考えたときに、まさしく今回の特別委員会の形であらわれましたように多様な意見がとにかく議論できる、お互いの立場や見解はさまざまに違うのでしょうけれども、単に多数決で一方的に何かを押し切るという形ではなくて、多様な意見を日本語でディベートする、議論する、そういう政治風土がもし我々の目の前に開かれたならば、極端に言ったらどんな制度でもいいのかもしれないと私は思いたいくらいなんです。
 まさに、変わるとすれば今しかないのだろうという、全く素人の予感ではありますけれども、そういった意味で何かを変えていただきたい。その変えていただきたいという中に、連用制ということも十分考慮していただいて結構だと思います。
 以上です。
#168
○井上(義)委員 それでは、滝沢佳子さんにお伺いいたします。
 小選挙区制というのは、基本的には人に投票するわけですけれども、先ほどから出ていますように政策本位、政党本位ということで、どの政党に政権をゆだねるかという選択である、こういうふうに理解できると思うのですね。
 今の中選挙区制の場合は特にそうなんですけれども、滝沢さんは自民党員でいらっしゃるから、まず自民党の候補者であることが前提で、次に候補者ということになるのでしょうけれども、小選挙区になりますと、候補者の選択というのは一つしかないことになるわけですね。そうすると、狭い地域ですからかなり身近に接するわけですから、例えば、この候補者はなかなか立派な人だけれども所属している政党が自民党では私は今回はだめだ、あるいは、私は自民党は支持しているのだけれどもどうもこの候補者についてはいろいろ問題がある、こういうようなことは十分考えられるのだろうと思うのですね。その場合に、有権者は非常に迷う。棄権の可能性も非常に高くなる。
 そういう意味からいうと、やはり人も選べる、党も選べるという選択肢は常に残しておかないと、どうも制度としては、特に次の選挙からやろうと言っているわけですから、有権者の政治離れをもう一つ引き起こしてしまうのじゃないかということも危惧されるわけです。この点、いかがでしょうか。
#169
○滝沢佳子君 そういうことが本当に考えられますね。だけれども、たとえ自民党であっても、その人が本当に嫌いであったならば、選ぶのはやはり有権者一人一人の意見ですから、それでもいいと思います。答えになりませんでしょうか。
#170
○井上(義)委員 結構でございます。
 以上で終わります。
#171
○浜田座長 小平忠正君。
#172
○小平委員 私は、民社党でございます。本日は、六名の皆さんそれぞれのお立場での貴重な御意見の陳述、本当にありがとうございます。
 今、自民党から始まって各党皆さんいろいろと御質問いたしましたが、今回のことは、今の選挙制度のもとでいろいろなひずみとか弊害が出てきまして、言うならば制度疲労を起こしている、何とかしなければならない、これは各党各人共通で、入り口は大体一緒なんですね。ではどうするという出口のところでいろいろと主張がぶつかり合って、それぞれ一長一短あり、なかなか完全無欠という案がない。それが今の実態だと私は思うのです。
 そこで、皆さんいろいろと自説を主張し合って、これがいいのだと言う。また、民間臨調でも御意見が出たりしていますね。私ども民社党においても、非拘束名簿式比例代表制、少しく長ったらしいのですけれども出しております。残念ながら、我々民社党は議席数の関係で衆議院に法案として出せません。したがって、特別委員会では、自民案、社公案を中心に論議されてきました。
 私は思うに、言うならば自民党さんの主張の根拠にはいろいろとございますけれども、やはり現実的に見て、結果的には自民党の案では自民党圧勝になりますよね。八割から九割方の当選者。そこから新たな政党づくりというか、進んでいこう、それが基本にあるように私には思えるのです。また、社公案等では既存の、もちろん政党にしても個人にしても、選挙を通じていろいろな支持者の要望を体して、また組織や団体の期待を担って国会に来ているのですから、責任があるわけですね。したがって、今我々が持っている形は壊したくないというのは当然だと思うのです。それが政治ですから、いわゆる選良として来ているのですから。そういう意味においては、それぞれの主張はそれぞれ一理あると私は思うのです。
 そこで、私がお聞きしたいのは、これは皆さんにお聞きしたいのですけれども、いろいろな御意見の中で、ともすれば小選挙区制では個人が中心になりますね。個人というのは、立候補者。個人の存在、力が割と重きをなしますね。しかし、比例制ではどちらかというと政党が強くなりますね。政党の意向によって順位が決まって、当選者が決まっていくでしょう。端的に言うと、小選挙区制では個人、議員の意味において個人ですね。それから、比例区では政党。大きく言って、こういうふうに分けられると思うのです。皆さんは、これから我が国の政治を展開する上において、どちらの方を中心として重きをなしていったらよいと思われているか、まずお聞きしたいのであります。
#173
○三富佳一君 いろいろ議論のあるところだと思いますが、一口で言うならば、私は政策だと思っています。
#174
○宮下弘治君 やはり将来とも政党政治を確立してあるべきだと思います。そうしますと、政党を選ぶという道に重きを置いていいのじゃないかと思います。
#175
○三本進一君 政党と政治家という非常に難しい問題だと思うのですが、でも、例えば小平先生が国会で賛成か反対かという投票をされるときに、僕らも議会はそうですが、名前を呼ばれるときは個人で呼ばれますね。だから、個人と政党。その政党の中で、政策をきちんと持ち得た個人ということになるのだろうと思うのです。
 そういう意味では、一人の政治家としてその場で賛成なのか反対なのかということを執行するわけですから、当然、有権者の選択の中には人格というものも入ってこなければいけない。そうすると、冒頭申し上げましたように、やはり名前は、ここの政党にはだれだれさんという候補者がいる。だけれども有権者から見たときに、写真では見るけれども直接顔も見ない、声も聞かないというふうなことで果たしていいのかということがありますので、そういう意味で僕は、できれば単純小選挙区制で、候補者が直接有権者と相対して話をし、政策を語り合うような体制が欲しいと思います。
#176
○吉田和比古君 簡単に申し上げます。
 安定という名のもとに単独の政権が将来長期に続くということを考えたときに、私は、自分の息子のことも考えまして、危機感を越えて恐怖心すら覚えるのです。あくまでも多様な意見が議論できる風土をつくっていただきたい、つくるべきだということを繰り返します。
 以上です。
#177
○滝沢佳子君 やはり政党。そして、その人はまた政党が選ぶわけですから、やはりそれでよろしいのでないかと私は思います。
#178
○滝沢剛君 非常に難しい問題ですけれども、どちらかをとれというふうに二者択一を迫られれば、私はやはり政党でいくべきだと思います。
#179
○小平委員 私の政党の背景から言いまして、正直に申し上げまして、比例区という制度があればそれはそれだけの数が確保されます。しかし、私は個人的に考えて、もちろん今三富さんが言われましたように政策は大事ですよ。これはもう絶対的な問題ですから、基本的な問題です。しかし、政治の原点というのは、いわゆる有権者、選挙民の痛みをわかるというか、その要望、意向を体する、その政治家が直接自分の目で見て、耳で聞いて、それを中央の政治に反映する、私はそれは政治の原点だと思うのです。そういう意味からいうと、単純小選挙区制というものはかなっていると思うのです。
 しかし、ではその場合に、国民のいわゆるコンセンサスというかそういうものが政治に反映するかというと、今の制度では欠陥が出てくる。そういう中においてこの比例区というものが加味されていく。そこで、いわゆる水と油という意見もありますけれども、違ったものもお互いに加味しながらつくっていくという制度が、今の時点ではやはり一番ベターな方法ではないかと私は思うのです。
 したがって、私どもとしても、これからの過程において、来週以降、最大公約数としてはこの小選挙区と比例区を加味しながら、そこにどこかの落としどころを見出しながら、皆さんの御期待にこたえていかなければならぬ、そう思います。
 それと、もう一点最後にお聞きしたいのですが、三本さんが、政治資金的なことを含めて地方議会のことをおっしゃいましたけれども、逆にこれはお聞きしたいのですけれども、今衆議院の選挙制度の改革をしようとしておりますが、では各級選挙、県会議員ですとか市町村会議員とか、そういうところにおいては、今後今のままでよろしいのか、やはりそれはもっと小選挙区制に持っていったらいいのか、そんなところをどう変えていったらいいかということですね。
 逆に議員以外の方がいいと思いますので、まず滝沢佳子さん、どうですか。今後、まず衆議院の選挙制度を改革した後、地方議会も今の選出方法を変えていくべきなのかどうか、御意見どうですか。簡潔で結構ですから。
#180
○滝沢佳子君 そうですね、やはり変えていくべきだと思います。
#181
○小平委員 宮下さん、どうですか。
#182
○宮下弘治君 ちょっと一概に今ここで結論を申し上げられません。というのは、国会議員、これはやはり国政を担当する議員であります。地方議員というのは、その地域、もっと簡単に俗な言葉で言えば、どぶ板議員というくらいに徹する地方議員というものの存在は認められているし、そういう一面もある、私は認めます。
 ですから、議員の責務というものにおいてやはり違いがあるわけなんで、そういう立場に立って選挙制度というのはいかにあるべきかということを考えますと、申しわけありませんが、直ちにお答えするということは、私の能力ではちょっと困難であります。
#183
○小平委員 わかりました。
 では滝沢剛さん、御意見、簡潔で結構です。
#184
○滝沢剛君 今宮下さんも言われましたけれども、国会議員、県会議員、市町村会議員、それぞれやはり任務は違いますし、エリアも違いますし、そういう意味では、国会議員の衆議院の問題を考えるに当たって、地方の段階については同じような立場で考えて検討するという必要はないというふうに私は思います。
#185
○小平委員 ありがとうございました。
#186
○浜田座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後零時三十五分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の愛知県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年五月二十一日(金)
二、場所
   名古屋観光ホテル
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山
   静六君外二十三名提出)、衆議院議員選挙
   区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十
   三名提出)、政治資金規正法の一部を改正
   する法律案(梶山静六君外二十三名提出)
   、政党助成法案(梶山静六君外二十三名提
   出)、公職選挙法の一部を改正する法律案
   (佐藤観樹君外二十四名提出)、衆議院議
   員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観
   樹君外二十四名提出)、政治資金規正法の
   一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十
   四名提出)及び政党交付金の交付に関する
   法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)につ
   いて
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 中西 啓介君
      北川 正恭君    佐藤謙一郎君
      戸塚 進也君    深谷 隆司君
      小澤 克介君    鈴木喜久子君
      松原 脩雄君    伏木 和雄君
 (2) 現地参加議員
      今枝 敬雄君    久野統一郎君
      田辺 広雄君    網岡  雄君
      佐藤 泰介君    塚本 三郎君
 (3) 意見陳述者
        歯 科 医 師 河合 俊輔君
        名城大学商学部
        教授      水田  洋君
        弁  護  士
        愛知県議会議員 梅村 忠直君
        名古屋市立大学
        教養部教授   伊藤 光利君
        会 社 役 員 小林  功君
        椙山女学園大学
        人間関係学部教
        授       山口 利男君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#187
○中西座長 これより会議を開きます。
 衆議院政治改革に関する調査特別委員会名古屋派遣委員団団長の中西啓介でございます。
 私がこの会議の座長を務めることになりました。よろしくお願いをいたします。
 この際、当派遣委員を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、現在、国際社会は激動の渦の中に揺れ動いており、我が国の果たすべき役割もますます重要なものとなっております。一方、来るべき二十一世紀への課題として、各界各層の方々から既存制度の見直しや改革についても指摘されておるところでございます。かかるとき、制度改革の第一歩として政治改革の実現は緊急かつ重要な命題となっており、当委員会におきましても、精力的に政治改革関連諸法案の審査を行っているところでございます。
 このたび、今後の審査の参考に資するため、各地において各界各層の皆様から御意見を拝聴することになり、御当地においてもかかる会議を開催することとなった次第でございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうか腹蔵なく、思うところを十分に御披瀝いただければ幸いと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆様から御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただき、次に委員から意見陳述者の皆様に対し質疑をすることになっております。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の深谷隆司君、戸塚進也君、北川正恭君、佐藤謙一郎君、日本社会党・護憲民主連合の小澤克介君、松原脩雄君、鈴木喜久子君、公明党・国民会議の伏木和雄君、以上の方々でございます。
 なお、現地参加議員として、今枝敬雄君、塚本三郎君、田辺広雄君、久野統一郎君、佐藤泰介君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介申し上げます。
 歯科医師河合俊輔君、名城大学商学部教授水田洋君、弁護士・愛知県議会議員梅村忠直君、名古屋市立大学教養部教授伊藤光利君、会社役員小林功君、椙山女学園大学人間関係学部教授山口利男君、以上の方々でございます。
 それでは、河合俊輔君から御意見をお述べいただきます。どうぞよろしくお願いします。
#188
○河合俊輔君 ただいま御紹介をいただきました、私、名古屋の市内で歯科医院を開業しておる歯科医師でございます。
 相次ぐ不祥事に対する国民の厳しい批判、そして政治不信増大の中、ここで真剣に政治の再生を果たさなければ国民は政治に対して全く絶望してしまい、せっかくの国家基本理念である議会制民主主義の危機、ひいては我が国の存立の危機をも果たしかねないという認識を各党の先生方が深刻にそして冷静に受けとめられまして、与野党の壁を乗り越えて政治改革を断行しようと決意されましたことに対しまして、まずもって心から深甚なる敬意を表するものでございます。
 戦後四十五年、国際貢献を果たすまでに発展をしてまいりました日本を築き上げてきました政権政党である自由民主党を支持する者といたしまして、また法律の裏表すら熟知すべくもない一小市民といたしまして、今回の政治改革関連法案上程に当たりまして一言意見を述べさせていただきたいと思います。
 政党中心、政策中心であるべき選挙が、同士打ちとなり、政策は不在、また有権者への過剰とも思えるサービス合戦、そして実行不可能な公約の発言、有権者百人中十五人前後の固定的な支持者があれば当選できるという、いわゆる固定化された議席、さらには、みずからの選挙地盤をみずからが守り育てていかなければならず、事務所を開き、秘書を雇い、莫大な経費を費やし、その費用を政治家御自身の方が集めなければならない、このような背景により政治と金にまつわるスキャンダルの発生となり、ひいては派閥化、党内党的になってきて、このような現行の構造的に問題のある中選挙区制の弊害につきましては、与野党とも認められ、そして、共産党を除き各政党とも小選挙区制への改革がこのような諸悪の根源を絶つ第一歩と認識されたと思います。
 ただ、その方法論として、単純小選挙区制または併用制、並立制、さらには民間政治臨調の連用制が公表され、今後もさまざまな理論の構築の上に立っての方法論が発表されると思います。ともに一長一短があり、このまま理論のための理論の繰り返しを重ねれば、全く国民不在の争いとなりかねません。国民は完全に政治離れをしております。民主政治の破壊の道をたどることになるでしょう。
 私は学者ではありません。もちろん法律家でも政治家でもございません。単なる普通の平均的小市民でございます。そこで、大は国政選挙から小はグループ選挙に至るまで、どんな選挙でもそうでありますように、だれでもが簡単明瞭に理解できる制度を推すものでございます。すなわち、単純小選挙区制でございます。
 知事選や市町村長選挙という一人選挙区は、その人の経歴や実績そして政策で争い、政党の政策の違いが明瞭となり、選挙民の選択が容易で、その得票数で決定するという大変理解しやすい制度と思っております。一部有識者または政治家が、死票が多く得票率以上の議席占有率などと御指摘されておられますが、小選挙区制では死票が絶えず議席を脅かし、政権政党の一つの失政等で政治的に影響力を持った方に集票拡大すると考えられます。政権の安定をもたらすと同時に、政権交代の可能性が高まってくると思うのでございます。英国や米国のように二大政党に移行すればすべてが氷解されます。それまでの過渡期と御理解をすべきではないでしょうか。
 小選挙区比例代表制は、少数党でも議席が確保でき、死票も得票に加算されます利点がございますが、一面、小党分立となり、連立政権となる可能性が高く、有権者の政権政党への意思が全く不明瞭のまま、直接選択されず、政党間の政策協定等により決定されるということになると思います。せっかく国民が政権担当をこいねがいながら、その意に反して、その政党よりもキャスチングボートを握った政党の方が力が強く、そのことによって政権が左右されることになってしまうのではないでしょうか。ゆえに、小党分立連立政権は不安定となると推測いたしておるものでございます。
 また、死票の話が本会議での質問に再々登場してまいりますが、前回の参議院の選挙では約半分の棄権があり、当地方の最近の市長選でも三〇%前後の投票率でございます。その死票も無視はできませんが、それよりも、半分の棄権者の真意は完全に無視されておるという論議ではなかろうかと思うのでございます。もちろん、国民の義務を果たさなければならないということは承知でございますが、いわゆる政治は政治家がやってくれるものと、他人任せにしてきた嫌いがありました。政治とは何か、政治家とは何をする人なのか等、我々一人一人が明確な問題意識を持って、しっかりとした考えを持つ必要を痛感いたしました次第でございます。
 この際、小異を捨てて大同につくと申しましょうか、私ごときが申し上げますのは大変失礼とは存じますが、一大野党の結成を心から願うものでございます。もちろん私は、二大政党賛成論者でございます。政権交代のできる土壌が一刻も早くできて、国情に合った、そして民意の反映されたる政治構成を望むものでございます。
 次に、政治資金制度の確立と政治家の資金の公私の区別の明確化、透明化と罰則規定の整備を包含されましたる政治資金規正法の一部改正の法律も出されております。
 政治と金の問題は、不祥事が起こるたびに論議され、政治への信頼が失墜されてまいりました。なぜこんなに金がかかるのか、政治家はどこから一体政治献金を受けて、それをどのように使っておるのか、また政治資金規正法に違反した者は厳しく罰して、いわゆる議員の資格を剥奪すべきだ等々の素朴な意見が出るのも当然と思います。
 しかし、金のかかる選挙制度を放置したまま入るのを制限しても根本的な解決にはならず、まず選挙制度の抜本的な改正を行い、そして次に、疑問を氷解すべく出されました政治資金制度も抜本的に改革すべく提案され、金に左右されない選挙、節度や公正と公開を原則といたしました政治資金、すなわち政治家個人が中心となって調達が行われている今の状態を一変いたしまして、政党が中心となって政治資金を調達することができるよう改め、公私の区別が透明化された今回の改正案をつくられましたことに対しまして大変評価するものでございます。
 政治献金は、個人献金が政治活動を支えるというシステム、これが最良と思いますけれども、私ども職域におきましても、なかなか寄附行為というものは理解を受けるのに大変苦労しておるのが現実でございます。我が国には、習慣的に政治献金をして政治に参加する土壌がいまだできておらないと思うのでございます。
 そこで、企業、団体の献金を悪いと決めつけられる方もいますが、社会構成は企業と個人の共存であり、お互いに納税義務もともに果たしており、それなりの政治活動をする自由もあるのではないでしょうか。個人と同じく、支持する政党、政治家に対して献金することに反対するものではありません。上限の厳守、資金の透明度をはっきりさせていただきまして、すべて薄く広く集める仕組みで大変結構と思います。
 また、民主国家を維持する根幹となる議会制民主主義を維持発展するために、政党への公的助成に反対するものではありませんが、国民の税金の上乗せになる結果となるのではないかという不安を正直言って抱かせております。私どもが選んだ議員、そして国政において政策の実現を期する政党への公的助成については、国民に対し十分なる理解を得るように努めていただきたいと思います。
 自由民主党は、腐敗行為や違法行為に対する制裁を今以上に強化するため、公職選挙法や政治資金規正法の中で連座制や罰則の強化を行うことにいたしましたが、当然でありまして、交通違反に対する罰則刑も二倍から三倍に強化をされました。違反団体に対する罰則の強化とともに、違反者に対する公民権の停止等、一層の強化を要望いたします。
 私ども歯科界でも、国民皆保険制度のもと、医療経営の主体となる社会保険診療報酬の引き上げにつきましては、経済成長率や給与ベースのアップ率よりはるかに低い一%前後に実は甘んじ、特に入れ歯においては全くの逆ざや現象で、歯科に対する御理解は大変薄いのが現状でございます。今日まで私どもは我慢してまいりましたというのが現状でございます。いつも国民がその痛みを受忍し、時代の波を乗り越えてきたということを決して忘れないでいただきたいと思います。
 各党が中選挙区制の弊害を認め、政治と金の関係をきれいにしたいと話し合いをされ、一歩前進をいたしました。お互いに相手を非難し合うだけでなく、真摯にそして冷静に受けとめられ、政治の再生を果たすべく今国会で政治改革法案の一括の決着をされますことを強く要望いたしまして、公述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
#189
○中西座長 ありがとうございました。
 次に、水田洋君にお願いいたします。
#190
○水田洋君 政治改革ということは結構なことだと思うのですけれども、国民の政治不信というのは、実は政治不信と言うよりも政治家不信と言った方がいいということを初めに申し上げておきたいと思うのですね。
 それで、実はきょう地下鉄の中でひょっと思い出したのですけれども、昔大学紛争ということがありました。そのときに、大学の自主改革ということを我々は主張したわけです。ところが、それに対して、大学の自主改革、大学が自分自身で変えるということは、これは泥棒を取り締まる法律を泥棒がつくろうというようなものだと批判を受けました。これ以上申しませんけれども、なぜそれを僕が思い出したかということは御想像に任せます。
 それで、恐れていますことは、そういう政治改革、大変声高く言われていますけれども、それが現実に起こっているスキャンダル隠しに使われるのではないかということです。それはやはり徹底的に究明していただきたいと思うのですね。それなしには、政治不信あるいは政治家不信を克服することはできないと思います。そういう問題をまず第一に申し上げておきたいのです。
 それから、なぜ政治改革、政治改革と皆さんおっしゃるかというと、政治に金がかかるということなんですね。しかし、どこで金がかかるのかというと、これはやはり政治家の方の問題がかなりあると思います。だから、政治家のモラルの問題、これを全然手をつけないでおいて、そして制度だけを変えようとしてもこれは無理だと思うのですね。どこかですり抜ける人が出てくるに違いないわけです。例えば、料亭政治というのが依然続いています。それから接待ゴルフなんてあるでしょう。そういうものを全部拒否する姿勢がなければ、到底政治改革、清潔な政治なんてできっこないと思うのです。
 それは金だけの問題ではありません。例えば選挙公報に経歴の虚偽の記載をする、そういう堕落した政治が行われているわけですから、それも政治不信のもとになっていると思うのですね。ですから、それをまず清潔にしていただきたい。例えば料亭だとかゴルフだとか、それは何も悪いことばかりしているのじゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、昔から李下に冠を正さずとかなんとか、そういう儒教の教えがあるとおりなんです。政治家というのは国民の代表なんですから、代表としての職責というのか、それをちゃんと心得ていただきたいと思います。それが第一です。
 それからその次に、金の問題なんですけれども、金がかかるかかるとおっしゃいますけれども、実はどこで金がかかるのかわからないのです。ちゃんと政治家の収支を明らかにしていただく。これは個人収支も含めてですね。
 自民党の書類なんかを見ますと同士打ちということが言われていますけれども、中選挙区制だと同士打ちで金がかかると。しかし、これは自民党さんの党内事情であって、国民にそのしりを持ってこれらても困るのです。中でちゃんと民主化して統制していただければいいわけです。そんなことで金がかかると言われるのは大変迷惑だと思うのですね。その金というのはどこからどうなっているかというと、かなりの部分は税金なんです。それで、その金がかかる原因をまず政治家御本人の方でできるだけなくしていただきたいということが第一。
 それができなければ金の流れを断つしかないわけですから、政治資金規正法ということになります。
 これはやはり今のような状態、今のような政治家の活動がある限り、金の流れのもとを断つということがかなり効果があると思うのですけれども、その最大のものは企業献金の禁止であります。企業も社会的な存在だからという判決があったそうですけれども、それは別に、だから献金をしてもいいということにはならないわけで、企業が社会的な存在であるということは一体何を意味するかということをもう一回考えていただきたいのですね。確かに企業は法人として認められていますけれども、法人と自然人との間には法律上いろいろな区別があるわけです。例えば銀行に金を持って行ってごらんなさい。違いますから、取り扱いが。そのように、社会的にも法人と自然人との間には区別があるわけです。
 この今の問題について、どういうところに区別が出てくるかというと、企業が社会的な存在として動いているというからには、まず株主があります、それからその企業の製品を買う消費者がいます、それから企業の従業員がいます。そういうものを全部ひっくるめた上で社会的存在ということが言われているわけですから、もしその企業が定款に、私のところは自民党に献金しますと書いてあるならば、そしてそれが公表されているならばまだ許せることですが、もしそうなったら、例えば株主の中に、それでは株を買わないとか、あるいは従業員の中にストライキが起こるとか、あるいは消費者が不買運動を起こすとか、そういうことはやり得るわけですけれども、それが何にもなくて企業が献金するというのは、法律的にはまだ許されているのかもしれませんが、社会的に見ればこれは背任行為だと思うのです。
 デンマークにビール会社が二つありますけれども、そのどっちだったかは覚えていませんが、そのビール会社の定款には収益の何%かを文化事業に寄附するという規定があります。そして、それでデンマーク人の人名事典が、これはかなり前ですけれども出版されている。そのことでも定款にちゃんと書いてあるわけです。ですから、企業が政治献金をするならば定款にちゃんとお書きなさい、そしてそれを株主総会にかけなさいということになるわけですけれども、恐らくそうする企業はないでしょう。
 したがって、企業が献金をしながら、それをいいこととは思っていない。要するに、天下晴れてやれるとは思っていないし、それから、その企業の人たちがいろいろ言っていることは、見返りなしに献金することはない。それは具体的な事実でないかもしれませんけれども、全体としてそうだということ。具体的な事実として示されているのは、これは一番有名なのは建設業の話です。これを否定する人は恐らくないだろうと思うのですね。
 ですから、一番政治資金問題で目玉になることは、企業献金の禁止だ。実は、僕きょうそれだけ申し上げればいいと思ったのです。あとはもう枝葉です。ですから、これで終わります。(拍手)
#191
○中西座長 ありがとうございました。
 次に、梅村忠直君にお願いいたします。
#192
○梅村忠直君 それでは、政治改革四法案についての意見を述べさせていただきます。
 国、地方を問わず、今日の政治状況は本来の姿とはほど遠い閉塞状況を呈し、国民の政治不信はそのきわみに達しております。この憂うべき現状を打破するため、国権の最高機関である国会、なかんずく第一院である衆議院は、今こそ改革への情熱と良識を結集し、相互に密接に関連する政治改革四法案を一括して今国会で成立させ、抜本的政治改革へのリーダーシップを発揮すべきであります。政治に権威と信頼を取り戻すためには、単に法律や制度の改革のみでは足りず、政治家と政党の改革も含めた、新しい時代へ向かっての全面的な改革を展開すべきでありますが、審議中の改革四法案は、改革のすべてではないとはいえ、抜本的政治改革への重要な第一歩と位置づけるべきものであり、この成立なくしては政治改革の幕は開かないというべきでありましょう。
 そこでまず、改革四法案の中でも最も議論の分かれる選挙制度改革について検討をしてみたいと思います。
 政治倫理の欠如、政治資金の不透明、わかりにくい国会審議、不合理な議員定数、派閥抗争など、政治不信の中心となる問題の多くが現行中選挙区制度の弊害に起因する、すなわち、中選挙区制は制度疲労を来しているとの認識は広く共通するものといえましょう。この認識のもとに、単純小選挙区制、小選挙区比例代表併用制などの改革案が論議されていますが、これは、民意の反映と政権の安定のいずれに力点を置くか、単独政権型、連立政権型のいずれを志向するかといった問題であり、どの案が絶対的に正しいというものではなく、いずれも一長一短というべきでありましょう。
 結論としては、私は、自民党案の単純小選挙区制が最も妥当であると考えます。
 その理由は、第一に、今回の改革により議会制民主主義の基本とも言える政権交代可能な、緊張感のある政治状況をつくり出すべきであると考えるからであります。第二に、今日の激動の時代、変革の時代には政治に強いリーダーシップが求められるため、連立政権となる可能性の高い選挙制度には、政権の安定、政治責任の明確化といった点で不安を感ずるからであります。第三に、選挙制度は単純でわかりやすいものほど望ましいと確信するからであります。超過議席や、議席確定に難解な方程式が必要とされる制度は好ましくないと考えるのであります。
 もとより、現在の各政党の勢力関係と従来の選挙結果を前提とした単純小選挙区制の実施を考慮したとき、自民党に圧倒的に有利な結果がもたらされるであろうとの批判は十分に承知をしております。しかしこれは、現在の名政党の勢力関係を固定してとらえた議論であり、国民は、現状の政党に満足せず、政界再編による新しい政界地図のもとでの政権交代を期待していることを忘れてはなりません。このことは、既成政党に対する支持率が例外なく低下し、新党を含めた新しい政治勢力に対する期待感が高まっている事実からも明らかであります。
 東西冷戦が終結し、イデオロギーの対立が過去のものとなった今日、各政党間の理念や政策の違いは政界再編の大きな障害とはなりません。現在、左右の意見の対立も激しく、理念も決して同一とは認めがたい自民党や社会党でも一つの政党として成り立っているのであります。再編の中から生まれる新しい政治勢力が、多様な国民意識をくみ上げる政党に成長し、政権獲得を目指していくことは、国民の目から見ても決して困難なことではありません。国民にとっても、選挙前あるいは選挙後に示される連立構想よりも、政界再編によって生じた二大政治勢力の対立による選挙の方がはるかにわかりやすいのであります。
 要するに、衆議院の選挙は、基本的に政権を選ぶ選挙との性格を有し、主権者たる国民が選挙を通じて重大政策の是非について審判を下すものと理解すれば、単純小選挙区制というわかりやすい制度のもとで、二大政治勢力というわかりやすい対立の構造が存在し、現実的な政策を掲げたわかりやすい争点で、政策本位、政党本位の選挙が行われるのが望ましいと考えるのであります。
 ところで、選挙制度改革は、党利党略、私利私欲にとらわれることなく、既得権の意識も捨て、国民の側に立って必ず実現すべきものであります。いたずらに自説に固執し、相手の見解を批判するばかりでは解決策は見出し得ません。単純小選挙区制批判の一例として奄美の選挙が挙げられますが、これは保守同士の激突で、むしろ中選挙区制の弊害から生ずる問題と同一視すべきでありましょうし、また、極端な例外的事例を一般化するのはフェアな議論とは思えません。相互理解の精神に立脚して生産的な議論を展開し、必ず合意形成に至るべきであります。
 この観点から、私は、単純小選挙区制が成立し得ない場合の妥協案としては、小選挙区比例代表並立制を真剣に検討すべきものと考えます。政局の安定と民意の反映を調和でき、少数政党も議席が確保できることから、政界再編の過渡期の選挙制度として適切と思われますし、併用制、連用制と比較しても、仕組みもわかりやすく、単純小選挙区制により近い制度だからであります。政界再編が完結して二大政党が誕生した際には単純小選挙区制への移行に踏み切るとの前提で、柔軟な姿勢を示していくことも必要と思うのであります。
 なお、選挙制度改革に関連して若干の意見をつけ加えておきたいと思います。
 その一は、一票の価値の平等についてであります。
 格差一対二未満が議論の中心の感がありますが、これはあくまでも許容範囲を言っておるのであって、原則ではありません。民主主義の原点に立って一票の価値の平等の精神を厳しく貫き、限りなく一対一に近づけるような方策を講ずべきと確信いたします。
 その二は、総定数についてであります。
 国民意識としては総定数削減の声も強いこと、そして、地方議会の多くが法定数を下回る議員定数を定めている実情を考慮するならば、総定数は公職選挙法の本則にある四百七十一とすべきではないか、また、政治改革の観点からすれば、四百七十一をさらに削減する議論があってしかるべきではないか、このように考えるものであります。
 その三は、選挙区画定委員会の設置についてであります。
 第三者機関の設置に踏み切った見識には敬意を表したいと思います。と同時に、地方における議員定数、選挙区問題の抜本的解決策としても、この公正な第三者機関設置の姿勢が浸透していくように望むものであります。
 その四は、選挙に関する予想報道等の慎重配慮規定についてであります。
 この規定は、訓示規定であるとはいえ、報道の自由を保障する憲法の精神に照らして疑義を感じざるを得ません。政治家側の論理の押しつけはわずかでもあってはならないのであり、選挙の公正を確保すべき報道機関側の自主的な配慮と良識に期待すれば足りるものと考えます。
 次に、政治資金制度の改革及び政党助成についてでありますが、議会制民主主義は、民間各層がコストを負担しながら政治に参加していくことで機能していくとの認識に立ち、公私の峻別と収支の透明性を確保していく姿勢が示されているのでありますから、合意点を見出し、法案成立に至るべきと思います。
 そこで、議論の分かれる企業献金についてでありますが、個人献金のシステムが成熟していくことが望ましいとはいえ、企業献金のすべてを悪と決めつけ、節度ある献金まで直ちに禁止していくとの考えは行き過ぎの感が否めません。企業献金のうちわいろ性の強いものが問題なのでありまして、その予防策としては、昨年十二月の緊急政治改革及び今回の自民党案によっても相当の法的解決が認められるものと考えるのであります。
 最後に、政治改革にかかわる問題点として二、三の点を述べておきたいと思います。
 その一は、国会改革であります。
 国会は、本来、国民の前で国の基本的な針路などについて本質的な本音の議論を展開すべき場であります。政治改革特別委員会では、今回、答弁者に逆質問を認めるなど議員間のディベートが展開されていますが、私は、これこそ本来の国会審議のあるべき姿と思います。今後とも、議員間のディベートによる審議方法を定着、発展させていってほしいのであります。
 また、議論の対象もタブーを設けることがあってはなりません。憲法問題を例に挙げれば、制定時における理想的な平和主義から今日までの九条解釈の変化の経緯を見るとき、時代の変化に対して解釈の変更のみで対応していくことは、その歯どめの点から見て不安を生じないのであろうか、また、崇高な平和主義を理想として掲げつつ、現実の国際情勢や日本の国際的地位に対応した国家防衛のあり方、国際貢献のあり方を国民合意のもとに憲法に明記すべきではないかといった問題が、議場で徹底的に議論されてしかるべきでありましょう。また、国民の意見も二分される米の自由化問題も同様であります。
 国会が議論の府として議会改革の模範を示し、それが地方議会へと波及し、国全体の議会改革が実現することを願うものであります。
 その二は、利権構造との批判のある許認可や補助金制度の改革であります。
 公共工事の入札、契約について、透明性を確保すべく現行の指名入札制度を大幅に改革していくことは緊急の課題であります。また、中央集権から地方分権への観点から、権限と財源を大幅に地方へ移譲し、地方のことは地方に任せる、地方主権の確立も速やかに実現すべき課題と確信をいたします。
 以上、政治改革についてのつたない私見を述べてきました。改革四法案の成否は、日本の政治の運命を決するものであります。法案成立を第一歩として改革への道を着実に歩み、政治に強い信頼が生じてくるのであれば、国民は痛みを伴う政策であっても理解を示すときが来るでありましょう。法案が廃案となって改革が放置されるならば、政治家という職業は常に嫌悪と軽べつの対象とされるでありましょう。法案の成立を強く期待して、意見陳述を終わります。(拍手)
#193
○中西座長 ありがとうございました。
 次に、伊藤光利君にお願いいたします。
#194
○伊藤光利君 まず初めに、調査特別委員会並びに国会にお願いしたいことがございます。
 社会、公明両党及び自民党がそれぞれ政治改革関連四法案を提出されているわけでございますが、ぜひ四法案を一体のものとして御審議され、成立を期していただきたく、お願いします。
 さて、私は、本日の特別委員会の陳述におきまして、主に選挙制度改革について述べさせていただきます。政治資金あるいは政治腐敗の防止に関する部分につきましては、質疑のときに機会があれば述べさせていただきます。
 ただ一つ政治改革で大切な点は、政権交代に加えまして、政治腐敗を根絶することであります。そういった意味で、政治資金規正法の改正につきましては、最も根本的で重要な問題の企業献金、団体献金を全面的に禁止し、腐敗の根をもとから断つようにお願いいたします。これがなければ、政治腐敗、例えば佐川事件あるいはリクルート事件がなぜ起こったのかということについての反省が全くないということになるだろうと思われます。しかも、一方では、公的な助成が政党に行われるという制度があるわけですから、その上になぜ企業献金かということになりますので、国民としては理解しがたい改革になるということを初めに指摘させていただきたいと思います。
 以下、私は、主に衆議院の選挙制度改革につきまして、いわゆる社会、公明両党提出の小選挙区併用型比例代表制が自民党提出のいわゆる単純小選挙区制よりも現在の日本にふさわしい制度であるという立場から意見陳述を行いたいと思います。
 各制度の詳細につきましては皆様よく御承知のことと存じますので、両制度の特徴を比較する上で必要な限りでのみ言及したいと思います。また、時間の節約のために、ここでは社会、公明両党の案を単に併用制と呼び、自民党の案を小選挙区制と呼ぶことにします。ただし、併用制の基本は比例代表制でありますから、比例代表制の特徴について述べるときには単に比例代表制という言葉を使います。初めに主に併用制の特徴について述べ、次に小選挙区制の特徴について述べていきたいと思います。
 まず第一は、民意の反映ということについてであります。
 我が国の政治の基本原理は議会制民主主義でありますから、国権の最高機関たる国会及び国会を選出する新しい選挙制度は、民意を十分に反映するものでなくてはなりません。この民意を反映するということ、もう少し具体的に言いますと、各党の得票率と議席率がほぼ一致する、こういう点で比例代表制は極めてすぐれており、この点で小選挙区制は根本的な欠陥があります。
 第二に、このたびの選挙制度改革論議につきまして、併用制の民意による政治か、それとも小選挙区制による政権の選択かという議論が一部でなされておりますが、この二つを二者択一的に論じることはおかしいということを指摘しておきます。
 この問題は、次のように考えるべきであります。日本の内閣、すなわち政権をつくり上げる原理は議院内閣制でありますから、政権を選出する衆議院こそ民意が反映されていなければなりません。衆議院が民意を反映してこそ、そこで選出された政権が初めて国民の信頼を得ることができるということになると思います。選挙制度と政権の問題につきましては、改めて次に述べます。
 こうして、三番目が政権交代の問題であります。
 現在、選挙制度を考える上で大切な視点は、これまで一つの政党が一九五五年以来ほとんどいつも単独で政権についていた、そういった状態を変革するということであります。私ども政治学者は、これを一党優位制と呼んでおりますが、現在の日本では、いわゆるリクルート事件や金丸事件に見ますように、政治腐敗はそのきわみに達しております。そして、国民の政治不信もかつてないほど深まっております。そして、この政治腐敗の大きな原因は、政権交代が行われないために、腐敗が政府と与党の内部で進行していても国民に見えにくかったという政治の密室性にありました。
 これまでは、中選挙区制の特徴と定数配分のゆがみのために、与党は、多くの選挙で得票率が五〇%を下回っても、五〇%をはるかに超える議席を確保してきました。比例代表制を採用していれば、単独政権がこんなに長く続くということはなかったと考えられます。政権交代という点からも、我が国が現在比例代表制を採用することがふさわしいと考えられます。
 また、選挙制度と政権選択につきまして、社公案の併用制では直接政権を選べないという批判がございます。これは、ヨーロッパの多くの国で実際に行われていることについての知識がなさ過ぎる議論であります。
 比例代表制では、政党中心、政策中心の選挙になり、どの政党とどの政党の基本的な政策が近いか、あるいは一致するかということがおのずと明らかになります。選挙の前に当然連立の政策協定も行われることになるわけですから、国民は政権の選択が十分にできます。御存じのように、西ヨーロッパの大陸では、フランスを除けばほとんどの国が比例代表制を採用しておりますが、選挙の前にはこのような協議を行っております。
 また、比例代表制を採用すれば政権が必ず連立になるというものでもありません。連立になるかどうかは、あくまでも国民の選択によるわけです。すなわち、国民が特定の政党に過半数の得票を与えたい、そして与えれば単独政権になるでしょうし、そうでなければ国民が連立を求めたということになります。
 このように、併用制では直接政権を選べないという批判は、これまでの各国の経験を余り知らないということを示しているにすぎません。
 第四は、政権の安定性の問題であります。
 併用制は連立政権になりやすく、そして連立政権は不安定だという意見がございます。前段につきましては前に述べましたので、連立政権は不安定だということについて述べますと、これも事実を知らないか、そういうふりをしている、そういう議論だと思います。
 比例代表制を採用している西欧の多くの国は、戦後安定した政治運営をしております。しかも、政権交代もスムーズに行われています。実際、西ヨーロッパの政権の安定度に関する有名な研究では、むしろ連立政権の方が安定度が高いということが報告されております。こうして、連立政権は不安定だという意見は、今では各国の経験に反する神話でしかありません。すなわち、単独政権でも不安定な政権がありますし、連立政権でも安定した数多くの政権があるわけです。政権の安定というのは、選挙制度にあるというよりも、政権そのものの質にあると考えるべきだと思います。
 これまで主に併用制の比例代表制としての側面について述べてきましたが、以下においては、比例代表制の中でも併用制のすぐれた側面、すなわち、人の要素を加えた比例代表制としての特徴について述べたいと思います。
 比例代表制は、政党政治において各党に民主的に議席を配分する制度であります。その枠の中でどのように議員を選出するかという方法についてはいろいろありますが、併用制は議員の選定にも有権者の声が反映するというすぐれた制度です。その議員選定には小選挙区制を採用しますので、併用制と言われるゆえんであります。
 また、比例代表制による各党への議席配分より小選挙区制でその党の当選者が上回った場合は、超過議席が生じます。併用制に対する批判として、超過議席が出るのは欠陥だというのがあります。しかし、超過議席は、極めて民主的で、かつ有権者が議員も直接選べるという、選挙制度としてすぐれた併用制の機能を保つために制度的に認めているものです。小選挙区の選挙民の意思を尊重する意味でも、妥当な処置だと思われます。しかも、今回の社公案では小選挙区の数を二百にとどめておりますので、過去の国政選挙の結果からしましても、出たとしても超過議席は極めて少ないものになると考えられます。
 社公案の併用制には、また、小選挙区で否定された候補者が比例代表で当選するのはおかしいという批判がございます。
 この制度は、小選挙区制で比較多数をとった候補者が優先的に議席を得るという意味でありまして、二位以下の候補者が議員になるのが否定されたという意味ではありません。つまり、選挙というのは肯定のための競争でありまして、否定のための競争ではありません。むしろ、この制度は、併用制の欠点ではなくて長所であると考えられます。例えば、併用制を採用しているドイツでも、コール首相は前回の選挙までは小選挙区では議席を得られませんでしたが、比例代表制で議席を得ています。ゲンシャー外相もほぼ同じでありました。併用制は、すぐれた政治家を議会に送ることができるのに適した制度であります。日本でも、例えばすぐれた大臣を比例代表の名簿の上位に載せれば、自分の選挙区のことを心配せずに、思う存分能力を発揮できると思われます。
 これまで社公案の併用制について述べてまいりましたが、次に、主に自民党提案の単純小選挙区制について私の考えを述べさせていただきます。
 第一は、民意の反映ということでありますが、小選挙区制は民意が反映されないという点で、日本には適さない制度であります。このように、民意が反映されないという点では、現在、実際イギリスでは小選挙区制度の見直し論が起こっております。
 第二に、政権交代の問題であります。
 単純小選挙区制では政権交代が起こりやすいという意見がありますが、今の日本では当てはまりそうもありません。さらに、イギリスでは一九五一年と七四年の二回、総得票数の少ない第二党が政権についたという原理的な欠陥がございます。小選挙区制の欠陥が政権交代を阻んだわけで、したがって、小選挙区制は必ずしも政権を選ぶ制度だということは言えません。日本で単純小選挙区制を現在採用しますと、政権交代どころか、むしろ一党優位制が続く可能性の方が一層高くなると考えられます。こういうリスクの大きい選挙制度を今採用することは好ましくないと考えられます。
 第三に、代表の質の問題であります。
 単純小選挙区制にしますと選挙区が狭くなり過ぎる、そこで、地域の個別的な利益が優先され、国民全体の立場に立った意見が阻害されて、政策不在のサービス合戦に拍車がかかりかねないという懸念があります。
 次は、小選挙区制における選挙のあり方であります。
 単純小選挙区制では、選挙は政策中心、政党中心になるという意見がございますが、その根拠はまことに疑わしいものです。したがいまして、買収や不正がなくなることはなくて、金権選挙が続くことになる可能性があります。特に、公認争いにおいては、現在公職選挙法が直接適用されないということになりますと、今以上の金権選挙という懸念が予想されます。
 以上述べてきましたように、現在日本が採用する衆議院の選挙制度としましては、併用制が単純小選挙区制よりもふさわしいというふうに考えられます。
 私の所論をこのように述べてまいりましたけれども、国会議員の皆様には、国民全体の代表としての重責をかみしめられて、与野党ともに真摯に議論をなされて、ぜひこれからの日本にふさわしい政治改革を実現してほしいと思います。これが国民の期待にこたえることだと思います。
 以上で私の陳述を終えたいと思います。(拍手)
#195
○中西座長 ありがとうございました。
 次に、小林功君にお願いいたします。
#196
○小林功君 小林でございます。
 まず、意見を陳述させていただきます前に、私の肩書が会社の役員というふうになっておりますが、私は決して大きな会社の重役ではございませんので、小さな町の、本当に零細企業を経営しておる者でございます。それからもう一つは、その町は人口約二万でございますけれども、そこの町議会議員をしておりますので、そういった地方の立場から本日の意見陳述をさせていただきたい、そのように思います。
 やはり私も選挙制度を中心に意見を述べてまいりたいと思いますが、結果から申し上げますと、自由民主党の出しております小選挙区制、こちらを支持するものでございます。
 それでまず、今回こういった状況の中で政治改革関連四法案が提出されるに至った背景と申しますのは、もう既にいろいろなところで議論をされておりますし、マスコミでも報道されておりますので、あえて繰り返すつもりはないわけでございますが、とにかく現在本当に住民が政治家に対して落胆をしておる、これは事実でございます。そして、これらの落胆の原因は、やはり不祥事件等に起因するものが多いわけでございますが、この原因が、選挙に金がかかるとかいろいろな問題が言われておりますけれども、私は、現在の中央集権制に一番問題があるんじゃないかな、そのように感じるわけでございます。
 と申しますのは、いろいろな許認可権それから権限、財源、情報、すべて東京に集中をしております。ですから、その情報とお金、それから許認可をいただくために、いろいろな企業なりいろいろな人が東京へ東京へと進出をしております。ですから、バブル経済の発生も、これは中央集権がもたらした結果ではないかな、そのように考えるわけでございます。そして、私どものような人口二万の小さな町でも、何百万単位の事業をするにも、国の補助金とか起債の世話にならなくては事業展開ができないわけでございます。そして、そのために東京へ何度も足を運びまして採択をしていただいておるのが現実でございます。そういった意味で、ぜひ権限とそれから財源を各地方に移譲していただきたい、そのように感じるわけでございます。
 やはりどうしても権限が集中しておりますところには不正が発生しやすい、これは当然でありまして、ですから、首都機能を分散させるのではなくて、国家の持っている権限を分散させていただかないと、これは幾ら分散しても権限を持っているところにどうしても集まってしまうという弊害が発生してくると思います。そういうような状況の中ですが、この権限が私どもの地方に移ってくるというような状況は当面すぐには期待ができない、そのように感じております。
 そういう中で、今回のこの政治改革四法案が提出されたわけでございますが、選挙制度を考えますときに、社公の出しております比例制を中心とした考え方、そして自民党の出しております小選挙区を中心とした考え方、両方あるわけでございますけれども、参議院の例をとってもわかりますように、比例区の国会議員の方は、はっきり申し上げまして、私ども田舎の者にとっては大変なじみの薄い方ばかりでございます。そして、先ほど申し上げましたように権限も財源も全部東京が握っておる状況の中で、では我々は一体だれにその我々の実情を訴えて地方を活性化する道を選択すればよろしいのか。比例区の先生では、どうしてもそういう実情を訴えにくいわけでございます。そういう意味では、なるべく身近なところから我々の代表を出していきたい。そして、東京に座っていてはわからない、本当にこの地方のことをよくわかっている方にも行っていただいて、そういったいろいろなものを積み上げた上で国家全体のことを考えていただきたい、そのように感じておるわけでございます。
 中選挙区が制度疲労を起こしておるという状況は、改めて私が申し上げるまでもないわけでございますが、中選挙区の中には都会部とそれから農村部、両方入っております。今回社公案で提出されておりますブロック制ですと、例えばこの地方でも名古屋ですとか、それから私どもは愛知県の東の外れの方から出てきておりますが、私どもの地区には人口二百人という小さな村があります。でも、東京の方は名古屋のことはある程度わかっても、二百人の村のことは多分わからないだろうと思います。名古屋は、国家が面倒見なくても何とかなっていく町です。でも二百人の村、三千人の村というのは、やはり国家に面倒を見ていただかなければ何ともならないわけです。でも、そこの方は一生懸命村を守って、そして自然を守っておるわけでございます。そういった方たちの意見、考え方を国家の政治の中で反映していただくには、どうしても身近な方に国会議員になっていただく必要性がある、そのように考えておる次第でございます。
 それから、政治資金の問題でございますけれども、確かに何かの見返りを求めて企業の献金がなされる、そういったこともある一面ではあると思います。しかし、それは金額の問題でありまして、やはり企業の中でも善意で献金する少額なら、私は問題ないと思います。この際一番問題になるのは、個人であれ企業であれガラス張りにするという点が一番考えていただかなくてはならない問題だと思います。だれが見ても、どういう状況で政治献金がなされたかということがはっきりわかるようにしておく必要がある、そのように思います。
 そういうような状況の中で、今回この政治改革法案が現在国会で審議されておるわけでございますが、ある程度大胆な妥協があってもぜひ成立をさせていただきたい。どんなことがあっても今回やらなかったら、もう国会議員の先生はやる気がないんだな、そのように判断いたします。
 私たちのような小さな町の議会でも、定数の削減をやっております。確かにつらいです。議員はやはりその次も議員になりたい、そういう気持ちは持っております。しかし、町民ですとか国民を中心に考えたときに、やはり自分をある程度犠牲にしても前へ進まなければならない、そういったときがあると思います。PKOの問題で、よく貢献というような言葉が使われます。国際貢献です。貢献というのは、自分の身をある程度犠牲にしても人に尽くしていくという、そういった言葉だと思います。ぜひ国会議員の先生にその貢献をしていただきたい、我々国民に対して貢献をしていただきたい、そのように思います。
 ですから、単純小選挙区制を支持はしておりますが、場合によっては比例代表並立制ですとか、そういったものも十分審議していただいて、それぞれが納得のいく接点を見つけていただいて、今国会中にどうしても成立をさせていただきたい、それが私のお願いでございます。
 取りとめのない意見になりましたけれども、ぜひ国民の信頼を確保していただく意味でも今国会中に法案が成立することを期待を申し上げまして、意見陳述とさせていただきます。(拍手)
#197
○中西座長 ありがとうございました。
 次に、山口利男君にお願いいたします。
#198
○山口利男君 山口でございます。
 私は政治学者でございますが、たまたまワイマール時代のドイツ、そして選挙のことをやっておりますので、きょうこの公聴会で発言の機会を与えられたことを大変光栄に思っております。
 なお、私はもう一つの顔を持っておりまして、明るい選挙を推進するという民間のボランティア活動に参加をいたしましておよそ三十年以上になっておりまして、今回やめますので、今までの体験をまとめて、これからやってくださる方へのメッセージという気持ちで、実は「日本の選挙」という本をまとめたところでございます。たまたまその本の中で、選挙制度を扱っておりましたところで、いわゆる今問題になっております併用制を支持するということを書いてございますので、本日はそういう立場で発言をすることになろうと思います。
 実は、きのう、きょう、その明るい選挙推進の組織であります政令都市のブロック会議がこの近くで行われておりまして、きょうこちらに出かけるというお許しを得ましたらば、集まった方々が激励をしてくださったわけであります。フロントで、頑張ってこいと。何を頑張るのかよくわかりませんけれども、多分その方々のお気持ちは、先ほどから繰り返し公述人の方がおっしゃっておられますように、今問題になっております政治改革、その第一歩としての選挙制度の改革をこの国会でぜひ実現してほしい、こういう激励の言葉だと思いますので、お伝え申し上げたいと思います。
 我々、戦後一貫して明るい選挙の推進あるいは投票参加ということで多くの方が努力したのでありますが、やはり政治離れ、選挙離れ、特に若者のそのような実態を我々はいかんともしがたい。御存じのように、西ドイツの教育制度審議会では、政治家の心ない行為というものがこのような啓発運動に水をかける、水泡に帰させるという答申を出しておりますが、ぜひ、なぜ選挙離れか、この根を絶つためにやはり一歩を踏み出していただきたい、こういうふうにお願いをいたします。
 そしてまた、私は最後になりましたが、きょう既に陳述された五人の方々すべて熱意あふるる、また多くの点ですばらしい御発言でございました。ぜひこの陳述人の御発言を今後の審議に生かしていただきたい。
 ほとんど同感なことが多いのですが、ただ一点、小選挙区を支持する方々に対しては残念ながら同意できないわけであります。そして、併用制を支持された、あるいは政治資金についての水田さん、そして伊藤さんの御発言、大体賛成でございますが、なお若干両氏に対しても違いがございますので、時間のあるだけ選挙制度を中心に陳述をさせていただきたい、こういうふうに思います。
 皆様も同じことを言われましたが、今一番やっていただきたいこと、必要なこと、それは特別委員会の方々がやはり改革のためにリーダーシップを発揮していただく、四法案を一括してこの国会中に一歩でも実現に近づくように努力していただきたいということです。そのために、二つのお考えをいただきたいわけであります。
 一つは、これまでの議論の論点を整理をして優先順位をつけていただく。私は、その場合に、いわゆる社公案といいますか、いわゆる併用制案をベースにして実現可能な妥協案をつくっていただきたい、その点で若干私見を申し上げたいと思います。
 結論は、先ほど申し上げましたように比例代表制をベースにして小選挙区のいい点を組み合わせる、これが全体としてバランスのとれた制度だというふうに思います。したがいまして、当然現行制度であります中選挙区制度及び小選挙区制度というものは支持できないと思います。
 組み合わせ案、これは比例と小選挙区を組み合わせる場合に、いろいろな組み合わせ方、バリエーションがございます。既に議員提案をされた併用案のほかに、御存じのとおり連用制あるいは既に出た並立制、そして最近は両立制、もっといろいろ、割合によっては味かげんを変えることができますが、私は先ほど申し上げたように、この機つかの案を並べてみますと、小選挙区を極に置きますと、それに限りなく近いのが並立制。そして連用制、これは並立に限りなく近い。そして、そこに若干の溝を置いて併用制。両立制は、なかなか考えられていますが、超過議席がかなり多く出るわけでございまして、やはり併用制あるいは連用制の間の問題が今後議論になろうかと思いますが、私は学者ですから、妥協の実現に向かっては代議士の諸先生にお願いをしたい。少なくとも有権者は選挙によって白紙委任をしたわけではございませんので、今後皆様の態度を十分に注目していきたいと思っております。
 この論点の整理と優先順位についてでございますが、皆様既に触れられましたので、少し私の考えを中心にお話しいたします。
 選挙制度を考える場合に、三つの基準があろうかと思います。
 一つは、選挙制度というものを投票を議席に換算する手段あるいはルール、こういうとらえ方が学者によってなされております。つまり、はさみも使いようと申しますか、選挙制度もある目的のために生かされるわけですから、その目的、目標、つまり理念とか思想との関係でございます。
 二つ目は、選挙制度をゲームのルールととらえる見方でございます。私は、戦いのおきて、こんなふうに呼んでおります。一つのゲームのルールができますと、そのルールのもとでプレーをする方々はそれに拘束されます。選挙制度のもとで選挙関係者はある方向に誘導されます。また、ある方向に規制されます。だれだって恐らく政治家の皆さんは、初めから私腹を肥やそうと思って政治家になった方はないと思います。日本の政治家の資質は、僕は世界のレベルから見て決して遜色がないと思っています。当然有権者も決して平均的には遜色がないと思って信頼をいたしておりますが、しかし、例えば腐敗というものは、腐敗せざるを得ないような仕組みがある、あるいはそうすれば得するという誘導要因がある、これが制度だと思います。私はインセンティブというふうに呼んでおりますが、このルールの場合、どんなインセンティブがあるかということが問題になります。
 三つ目は、制度そのものの力学と申しますか、制度のひとり歩きという点がもう一つの物差しということになりますので、この三点に従って簡単に申し上げてまいります。
 まず第一点、選挙制度が議席に換算される手段。どういう目標でそれが選ばれるかということでありまして、当然民主主義に基づいた意思形成でございますので、民意の形成が民主主義であって、民意の形成につながる制度がよろしいということでございましょう。自民党案の中で、例えば特別委員会で塩川議員が言われたとおり、政府のトップリーダーを国民が確実に選択し得るシステム、民意の集約、これは機能する多数派が政府を形成するということで、御存じのとおり、イギリスのバジョットあるいは日本の吉野作造以来、一つの民主主義の考え方として承認されなければなりません。
 もう一方、民意の反映というふうに民主主義をとらえる立場もあります。特別委員会では渡部議員が、民意を一〇〇%反映をすると。一〇〇%完全にはできるわけではございません、少数の者にもチャンスを与えるという意味であろうと思いますが、これもまたジョン・スチュアート・ミルあるいは日本の美濃部達吉以来、国民の政治参加を最大限保障するという立場の民主主義から見て、これまた堂々たる民主主義の理念に基づいております。
 つまり、民意の形成という点では二つの異なる民主主義観があると言われておりますので、そのどちらをとるかは国民の選択でありまして、学問上優劣はつけがたいと思います。したがいまして、小選挙区をとりましたときに、そのような目的でやりますので、多数党の支配になったのを一党独裁という批判は、これはやはり当たりません。民主主義にその立場から反しないということであろうと思います。
 ただ、一つ、民主的な意思を形成するときに、一度選ばれた後に、国民に対して、民意に対して国会は、あるいは政府はどのように責任を負うか、これもまた民主主義の大事なポイントであります。フランスの学者は、国民の意見の変化に対して議会ないし政府がどういうふうに対応するか、感度と言っております。結論だけ申します。比例代表のシステムは変化に敏感である。小選挙区は変化に鈍感である。ただ、さらに詳しい説明がありまして、比例は敏感に反応するが、短期的、小さな動きに敏感である。小選挙区のやり方は、過剰代表でございますので、長期的には感度がいい、あるいは大きな変化、つまり解散総選挙ということで対応できるという見方があり、これもまた優劣がつけがたいと思います。
 第二の、ゲームのルールという立場。これが一番問題でございまして、関係者に大きな影響を与えますので、どのように手続を決めるかということは一番大きな問題になります。そして、先ほど申し上げたように、政治活動や選挙運動、こういうものを規制をいたしますので、これを抜きにしてどの制度がどうだという利害得失論は慎重に扱わなければいけない、あるいはそれ抜きの利害得失論は水かけ論である、余り意味がない。また、違った制度のもとでできたデータをもとにいろいろなシミュレーションをなしてああだこうだ言っておりますが、これもまた予測が極めて困難でありまして、世上言われるシミュレーションは一つの目安である、このように思います。
 それで、両者のプラス・マイナスがございますが、ちょっと時間の関係で、御質問があったら後で御説明をいたしますが、やはりこの点からいって小選挙区よりも比例代表を基準にした制度に軍配を上げたいと思います。
 結論だけ簡単に申しますと、有権者の立場から見て、国民によって政策をコントロールできる可能性がより大であります。つまり、人よりも党を基準にして選ぶ方がはるかにメリットが大きいのであります。候補者または公職者から見て、やはりフェアな競争が可能なシステムである。少数党にもチャンスのあるシステムである。ただ残念ながら、選挙管理の立場からは先ほど出ておりますように難しい。しかし、これは有権者、国民からは少しも難しくございません。
 第三の物差し、制度のひとり歩きでございまして、これが現行中選挙区制度のいわば欠陥でございます。委員の方はこの制度疲労を、武村さんですか、ボウフラがわいてしまった、こういうふうな言葉で言っておられますし、これは野田委員でございますか、一〇%程度の得票で当選できるようなシステムだということでございますので、中選挙区は目標、理念の点でもだめですし、これは学会の通説でございますが、中選挙区は激しい競争、その結果先ほど御指摘のようないろいろな弊害が出てくる。
 要するに、中選挙区は相対的多数で陣取り合戦をすれば議員のポストが安定でありますので、緊張もないということは当然であります。そして、既に七十年、これは数え方によりますけれども、一九〇〇年のあの山県内閣を最初のモデルと考えますと九十年、やはり制度は疲労いたします。したがって、議員はその制度の中で残念ながら利害媒介人と言われるような胸の張れない仕事をやらざるを得ないということであります。そして、最もいけないことは、社会全体にその汚毒が流れておりますので、社会のイノベーションができなくなった。これは自由民主党の方自身がおっしゃっていることでございます。
 これはちょっとだじゃれでございますが、ビートたけしですか、赤信号みんなで渡ればこわくない。もう中選挙区制度という大変ユニークで珍妙な制度が定着をいたしまして何とも思わないということが一番の大きな欠陥でありますから、ぜひこれは、野田さんですか、中選挙区廃止または決別宣言をしなければいけないというふうに言われたのでありますので、一部はまだ中選挙区制度に郷愁を持たれる方もいらっしゃいますけれども、はっきりと決別をしていただいて、新しい案に取り組んでいただきたい。
 組み合わせ案につきましては、いろいろな御批判がございますけれども、さっき申し上げたように、全体としてバランスがとれている。ただ、併用制のモデルをとったドイツと比較しますと、若干社公案に問題がございますが、省きます。
 そして、この実現可能な妥協案の可能性として、既に皆様の間に一致した共通点がたくさんございます。そして、新しい建物をどうするかということでもかなり歩み寄りがございます。したがいまして、先ほど申し上げたように、社公案をこれからの基軸にしてほしい。社公案というものはこの考え方の妥協が既になされた案だ。したがいまして、より強い者はより大きく譲歩する、三方一両損ではなくて、強い者がより大きく妥協して、自民党がこの組み合わせ案に近づいていただくようにお願いをしたい。
 先ほどから政権安定とか小党分立がございますが、伊藤さんが言われたとおりでございます。ただ残念ながら、ちょっと時間を超過いたしますが、あと二、三分お願いいたします。
 本当に残された対立点は、恐らく諸先生方の本音の部分でございます。数をめぐっての党利、これについて、私は、やはりトップリーダー、委員長の御決断、または総裁・総理の御決断、あるいは野党各党の委員長の御決断が一つである。また、現職議員への配慮というものが本音の中にありますので、これは、中間政党と言っては失礼でございますけれども、少数党の役割、そしてまた党議拘束で決定されるという、この問題は見直していただいて、この重要な問題についてはひとつ各議員諸先生が一人一人御決断を願うということを考えていただきたいと思います。
 その他、選挙運動、選挙管理について評価すべき点、検討すべき点がございますが、省きます。お金についても省きます。
 最後に一つ感想を述べさせていただいて、陳述を終わります。
 私も先生と呼ばれ、皆様も先生と呼ばれる共通の立場でございますが、同じ悩みを持っております。私たちは、受験戦争と呼ばれる中で、どんな制度がよい入試制度かということで苦心をし、残念ながらまだ完璧な入試制度をつくっておりません。そして、幾つかの柱を中心にあれこれの入試制度を抱き合わせをして、そして、いい制度、いい学生をとろう、これから伸びる学生をとろうというふうに努力しておりますが、まだ残念ながら至っておりません。
 先生と呼ばれる私たちと皆さんの間で違う点もございまして、私たちは、もしありとすれば永遠の真理とか絶対的真理というものに妥協いたしませんが、皆さんの場合は、政治の世界は妥協であります。よく言えばこれはバランスだと思いますので、一度決めたら不磨の大典だとか、あるいは明治維新の志士のように余りかたくならずに、リラックスした形で取り組んでいただきたい。しかし、いずれにしても、あれこれ難点を理由、言いわけに挙げまして、何も改革しないで終わるということだけは避けてほしいと心からお願いをして、陳述を終わります。(拍手)
#199
○中西座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#200
○中西座長 これから質疑をいただくわけでございますが、この際、現地参加議員の網岡雄君が出席されましたので御紹介をいたします。
 それでは、これから委員からの質疑を行っていただきます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。深谷隆司君。
#201
○深谷委員 きょうは陳述者の皆様には貴重な御意見をいただきまして、まず心からお礼を申し上げます。
 いろいろな形で政治ないしは政治家に対する批判がございます。この政治に対する批判あるいは不信、これを払拭しなければこれからの内外ともに厳しい時代を乗り切ることはできない、その認識と反省の上に立って、どのような形に変えたら国民の御理解と御協力が得られるか、私たちは今真剣にそのことを論議いたしておりますことをまず申し上げさせていただきたいと思います。
 私に与えられました質疑の時間はわずか十分でございますから、余り多く語れませんので、何人かの方にのみ限定して質問あるいは意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、河合さんから単純小選挙区制を支持するという、そういう趣旨のお話がございました。
 その中で、死票につきまして触れておられました。国会の論議の中でも、単純小選挙区制の場合、つまり当選をした議員及び数を得た政党、それ以外の一票を投じてむだになったと思われる票は死票で、いわばむだ死にのようだという、そういう声が多うございました。しかし、単純小選挙区制で一議席を争うという、そしてそれが集まって政権をつくるという、そういう形で考えます場合に、当選した者あるいは当選した数を有する政権をとった政党は、相手の候補者、相手の政党に投じた人々の心も十分受けとめて政治に生かしていかなければ次の選挙で全く逆の現象が起こるという意味では、それは死票ではなくて、影響力を持ち続けた生きた票だと私どもは思っているのであります。
 死票という言葉は、残念ながら日本にだけしかありません。デッドボートという言葉は外国にはないのであります。あくまでも死票ではなくて、政権をとったないしは当選した議員に大変な大きな影響力と緊張感を与えるのが、私は小選挙区制における形ではないかと思っておりまして、河合さんのおっしゃった死票についての御意見は全く賛成でございますが、これらについて御商売柄いろいろな方々からお声も聞いていると思いますが、どんなふうな反応が一般の方に多いのか。
 あわせて、公的助成の問題に触れられました。
 一体今のような状態の中で公的助成が国民にどこまでお認めいただけるのか、私たちには不安がございます。これらについての周囲、一般の方々のお声はどんなものであるのか、ぜひ承りたいと思います。
 それから、梅村さんにお尋ねいたしたいのでございますが、予想報道についてでございます。
 我が国は、憲法で言論の自由というのは保障されています。私も郵政関係の仕事をやってまいりましたけれども、例えば放送法という法律がありまして、すべて自主規制でございます。郵政大臣といえども、放送の内容に触れるような発言は一切禁じられているというのが現状です。しかし、自主規制が必ずしも守られないというところに今日のテレビ、ラジオ等の報道の問題点があることは有識者の指摘しているところであります。選挙の予想報道についても、確かにあなたがおっしゃるように自主的に節度のある行動をとっていくべきでございますが、しかし、今日までの報道の中で過剰な、行き過ぎた予測というものがしばしばなされてまいりました。ある有力な議員は、すべてのマスコミが最高点と書き立てて、そのためにわずかな差で敗れたというケースもございます。
 だから、言論の自由を守りながら、しかし行き過ぎた予想、それも週刊誌的なおもしろおかしく書くような予想、そういうものについて果たして自主的な規制だけでうまくいくのだろうか、大変私は不安があります。だから、一定の期間限った、例えば投票日数日前とか、そういうような形の配慮というものはなされてしかるべきではないかと思うのでありますが、そこらについてどのようにお考えか、お尋ねしたい。
 それから、あなたがおっしゃったあるいは小林さんもおっしゃった地方の時代、中央集権でなくて地方にもっとさまざまな権限を与えよという意見は全く同感で、私どもそのような方向で努力したいということをつけ加えさせていただきたいと思います。
 それから、伊藤さんに御質問申し上げますが、比例代表併用制の場合、超過議席が出るということについて容認される御発言がなされたように承ります。しかし、先ほど梅村さんは、議員定数、今日五百でございます、皆さんの提案は。しかし、本来四百七十一に縮めるべきではないか、つまり縮小の方向に行くべきだと。そういう状態の中で超過議席を容認いたしますと、例えば総定数五百で、それが五百二十とか五百三十というふうな形になるわけで、これを一体容認することがいいことなんだろうかという、そういう疑念を持ちます。民間臨調は、連用制の中において超過議席をなくすためのドント方式の後の配分ということを考え出しております。そういう声も含めて、この件についてどのようにお考えになっておられるか、伺いたいといます。
 最後に、小林さんは、大胆な妥協が必要だ、今国会で上げるべきだと。今国会で上げるべきだというのは、私たちの共通の認識であります。しかし、どこに妥協点があるか、そこがまさに最大の悩みなのであります。妥当性のある妥協でなければなりません。妥当性のない妥協を無理やり、ここで何しろ上げればいいということだけで、木と竹を接ぐような形でやりました場合、後に禍根を残します。私たちは、最後まで与野党と相談をしながら今国会で成立することに全力を挙げますけれども、妥当性のある妥協というものを見出していくように真剣に考えていきたいと思っておりますが、その点にもし御意見があればお触れいただきたい。
 以上であります。
#202
○河合俊輔君 公的助成の件でございます。
 私ども実は歯科医師会でも、政治関係で多少政治活動費として会員から何とか御無理をいただこうという場合でも大変苦慮いたしまして、なかなか末端まで御理解を賜ることは、正直言いまして苦慮しておるのが現実でございます。ですから、一般個人が政治に、政治献金というものにきっちりなれていただきます地盤ができるまでの間は、ある程度こういう党を主体にした選挙になってまいりますと、公的助成が必要ではないか。
 例えば消費税の問題で、あの三%で自民党は大打撃を受けて、選挙も敗北いたしました。けれども、現在の段階で、あの消費税のいわゆる真意である高齢化社会に対して福祉だとかそういう面で充実した施政をやるための税金であるというはっきりした国民の御理解というものが得られれば、おのずとこの消費税でも国民も了解するんではなかろうかと。ですから、今回の公的助成におきましても、そういう形でしっかりした御理解をひとつしていただくようにお願いをしたい、こういうことでございます。
 また、死票の件でございますけれども、これは、つい最近の私どもの地元の名古屋市長選でも三〇%前後の投票率です。それに付随する市会の補選におきましても、やはり同じような三〇%前後。実際百人のうち三〇%よりは投票しないんだ。だから、死票云々というのはもちろん必要かもわかりませんけれども、国民の義務であり、選挙というものをしないのは大変悪いとは思いますけれども、それよりも、今の政治に対する不信というもので棄権をした何十%のいわゆる背景というものをこの際死票云々よりもお考えいただくべきではないか、これが私の考えでございます。
#203
○梅村忠直君 予想報道について御指摘がありましたので、お答えをしたいと思います。
 深谷先生の御指摘のような過剰な報道、確かに中にはあるかもしれません。しかし、これを過剰と感じるかどうかは、選挙の候補者、当事者と有権者との間でまた感覚も違ってくるものと思います。私自身も、選挙に立つ立場からすると、報道というのは確かに気にはなりますが、しかし一般国民の側に立って本当に過剰と言えるのかどうか、ここらも慎重に判断しなければならないと思います。
 それと同時に、健全な社会というのは、やはり法律上の規定を置いて慎重に配慮してくれというのではなくて、やはり自主規制に任せる、期待をする、そういった土壌ができ上がることを期待するというのが正しい態度ではないかと思います。そしてまた、同時に、政治家側の論理の押しつけという批判を受けることがやはり恐れるべきことではないかと思います。
 そういった観点から、こういった規定はできるならば置かない方がいいのではないか、そのように考えております。
#204
○伊藤光利君 深谷先生から超過議席についての御質疑でございますが、超過議席というのは、併用制というすぐれた本体を支えるための微調整の装置だというふうに理解していただければいいと思います。
 それで、議員の減員の問題がありますが、私は、地方議会にしても国会にしても、どうも減員の問題が行革、つまり経費削減の問題として論じられているということは、これは根本的に間違っているんじゃないかと思います。やはり国民あるいは住民の意見をよく聞いて、どう中身のある議論をするかという、合議制の規模という議論ですべきであって、一億一千万を超える国民を代表する議会として、その経費削減の面から十とか二十というのはちょっと基礎がおかしいのではないかと思います。
 ある試算によりますと、現在の社公案として小選挙区が一応二百に抑えられていますので、一応五百十を超えることはない。西ドイツの場合ですとそれがせいぜい三つか四つですので、ですから、微調整のための装置というふうに考えていただければよろしいかと思います。
#205
○小林功君 私は、最初に申し上げましたように単純小選挙区制を支持しておりますが、先生の、その妥協案がどの辺かという点でございますけれども、やはり死に票にはなりませんけれども、国会の場でその方たちの意見を代弁する意味からいっても、ある部分では比例代表制も加味しなければならない、前回出されまして廃案になりましたが、並立制、私はここいらが妥協点ではないかな、そのように考えます。ですから、単純小選挙区制から見れば、そこで三分の一なり二百なりのものを比例に回すわけですから、大胆な妥協だなというふうに考えております。
 以上です。
#206
○中西座長 それでは、戸塚進也君。
#207
○戸塚委員 きょうは皆さんありがとうございました。
 河合さん、梅村さん、小林さんにお伺いいたします。
 河合さんの御意見、私感銘いたしました。ほとんど私と同じ考えでございます。ただ、現実問題として、小選挙区制の単純だけでやっていった場合に、果たして今国会でできるかということを考えますと、なかなか難しいと思います。強行採決は私はやるべきでないと思います。選挙制度についてだけは野党の言っていることを相当に取り入れていい、私個人はそう思っています。梅村さんと小林さんは、かなり妥協してもやれということですが、この点、河合さんいかがお考えでしょうか。
 梅村さん、あなたは弁護士さんをやりながら議会をやっていらっしゃいます。私は、県議会のときに父親に家業を返して、議員だけで、それでなければもうやっていけないと思って、実はそうしました、苦しかったけれども。恐らく梅村さんも、弁護士さんだけやっていればもっとゴルフへ何回も行けるんだろうけれども、そういうことをやめて議会をやって、それは大変でしょう。そういう実態を教えてください。
 それから、小林さんも含めて、こちらが、国会がいわゆる小選挙区を主にとった場合には、当然地方議会も選挙制度が変わっていいと思っていますが、その辺のことについてどう考えていらっしゃるか。お二人共通で伺います。
 最後に、三人の方に共通で伺いたいのは、この間、相馬雪香さん、あの尾崎行雄さんの娘さんがテレビに出られて、議員ばかり批判するけれども、その議員を選んでいる側のいわゆる国民の側にもやはり意識の変革や問題点があるのですよ、自分たちの日常の行為や政治家に対するいろいろな、何かある意味では政治家に物を頼むとかなんとか、そういったようなことも含めて、その辺のことも改革していかなければいかぬよと言っていましたけれども、この点についてお三方どう考えていらっしゃいますか。
 以上でございます。
#208
○河合俊輔君 今戸塚先生からおっしゃいまして、私は単純小選挙区制というものに固執するものでございます。
 といいますのは、また手前どもの職域のことを申して大変恐縮なんですが、実はこの二月に私ども歯科医師会に対しまして裁判所から判決が正式に出されました。この判決というものは、ちょっと国会の選挙とは違いますけれども、私ども日本歯科医師会という一番ヘッドの組織がございます。その代議員を選定、選挙をする段階で、とかく学閥だとか地域閥という形で、大体その地方、都道府県の執行部の考えで推薦という下地をつくりまして、表向きは選挙というような形で、実質は推薦という形で、五百名に一名選挙をして日本歯科医師会の代議員として送る、こういう形で過去から経過してまいりました。それが、一部会員の訴訟によりまして、ここ三年間実は争ってまいりました。負けましたのが日本歯科医師会でございまして、四十七都道府県のうち四十二県の歯科医師会の定款改正を正式に命ぜられました。現在の代議員の資格は存続するも、次回は新しい公平なまた公正な選挙で行うべしと、強い判決をいただいたのが実はこの二月でございます。この選挙というものは、五百名に一名という形のはっきりした投票選挙で行うということもきっちり判決文の中にも入っております。
 それを国会選挙と同日にあれするのも大変恐縮なんですけれども、選挙というものはやはり数の論理が民主主義の基本ではないか。ただ問題は、いわゆる最大多数になったとき、その国会そのものの運営、運用を民主的にやるのがこれが本当の民主主義ではないんでなかろうか。比例だとか併用だとかいろいろ出ておりますけれども、単なる一時しのぎの論議ではないか、こういうふうに私は思っております。
#209
○梅村忠直君 まず、戸塚先生から大変温かい配慮をいただきまして、ありがとうございます。
 確かに、二足のわらじというのは大変な状況でありますが、地方議員だからできるのかなといった面もございます。ただ、私の信念といたしましては、弁護士というのは事後的な、個別的な救済が中心となる仕事であり、政治家というのは一般的、事前的な救済を講じることができる仕事である、したがって可能な限り両立をしていきたい、そう思ってやっております。
 それから、地方選挙の制度についてでございますが、これは当然同じように制度の改革の問題が出てくると思います。ただ、これは、あくまで期待しておりますのは、国会の選挙制度改革ができ上がることによって、先ほども申し上げましたように、例えば公正な第三者機関の設立といったようなことが実現していくことによってこれが地方へ浸透してくれば、地方の定数是正の問題も抜本的な解決につながっていくんじゃないか、そのように期待をしております。
 それから、国民意識の改革の問題も当然あると思います。これは、かつての公職選挙法の改正によって政治家側の寄附の禁止、これがやはり徐々に徐々に徹底をされてきまして、意識の改革もかなりでき上がってきたと思います。さらにこれを進めていくことが大切なことであろうと思います。
#210
○小林功君 梅村さんへの御質問と同様の御質問であると理解して答弁申し上げます。
 まず、私どもの町議会は報酬が二十万そこそこです。全くそれでは生活も何もできませんし、二足のわらじを履かなければやっていけないというのは、これは現実の問題でございます。
 それから、地方選挙の制度の話でございますが、たまたま私の町を例にとりますと、面積が九・九三平方キロでございます。そこに二万二千の人口が住んでおりまして、有権者が一万五千ぐらいです。ですから、法定定数は三十人でございますけれども、条例で二十二に削減をしております。ですから、これを小選挙区にするというわけにもいきません。本当に小さくなってしまいます。このくらい狭い町ですと、全体から選びましても町の隅々まで状況は全部把握できます。ただ、これが市会議員なり県会議員になりますと、またそれぞれの大きさとか有権者の数があると思いますが、それぞれの実情に合うように改正していく必要はあると思います。
 それから、政治家に物を頼むという件でございますけれども、やはり個人的に頼む場合と、例えば私どものような自治体が自治体のために陳情に上がるという、二つがあると思います。
 前者についてはいかがかと思いますが、後者につきましては、先ほど申し上げましたような実情で、私どもも、今年度の当初予算、一般会計六十五億でございますけれども、そのうち税収はすべて合わせて二十七億しかありません。そういった中でいろいろな事業を展開していくには、どうしても中央の方にお願いをしなければやっていけない。ますます都会と田舎の格差がついてしまう。道一本通すにしたって、大きな町ではすぐできますけれども、田舎では長い距離をやらなければなりませんし、財源がないということで、自治体として国会議員の先生にお願いしたり中央官庁にお願いをするということは、現制度の中では、先ほど言ったように中央から権限と財源が移ってこない限りは、これはもうできない話でございますので、やむを得ないなと思います。
#211
○戸塚委員 最後に、河合さんにもう一回だけ伺いますが、すると、小選挙区あくまで単純だ、したがって、これがもし仮に今度の国会でできなくても、どこまでもこの単純小選挙区で政治改革に頑張れ、こういう趣旨でしょうか。
#212
○河合俊輔君 はい、私の気持ちはそうでございます。
#213
○戸塚委員 わかりました。
#214
○中西座長 それでは、北川正恭君。
#215
○北川(正)委員 陳述人の皆さんには、きょうはありがとうございました。
 今河合さんはお答えいただいたんですが、今国会で、改革の一歩だということで、我々は四法案一括して通そうという前提でございますが、それぞれの陳述者の皆さんに、今国会で一括して、妥協という言葉が適当かどうかわかりませんが、妥協してでも今国会で通すべきだということについて、一言ずつで結構ですが、見解をお聞きいたしたいと思います。
 次に、伊藤陳述者にお聞きをいたしますが、ドイツの例をとられましたが、五%条項についての考え方、見解をぜひお聞きをいたしておきたいと思います。
 山口陳述者にお尋ねいたしますが、明るい選挙をずっと進めてこられましたが、それの効果と限界と、お苦しみとか楽しみとか、そういったことについて、多分これは有権者側だと思いますが、できましたら率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#216
○中西座長 それでは、順次お答えをいただきます。
#217
○山口利男君 四法案一括という問題については、ぜひそう願いたい。丸ごととは申しませんが、やはり実行した、一歩進んだという形をぜひ見せていただきたいと思います。
 それから、私どもが進めております啓発運動、この機会に宣伝できるので大変うれしく思いますが、効果それから限界、それから何か喜びみたいなものがあるかということでございますが、私個人の見解でございますが、やはり効果は残念ながら所期の目的を上げておりません。
 なぜかといいますと、二つ目的がございまして、戦前から一貫して私どもの運動のねらいは、いわゆる汚い選挙をやめよう。力とかお金とか情実とか、こういうものについては統計の上でかなりよくなったと思います。ただ、残念ながら陰に潜んだあるいは潜在的になっているというふうな指摘がございますが、私は、一九六三年の非常に大きな事件がございましたが、しかし、その以後この点は、悪質違反というようなことにつきましてはかなりよくなったと思います。
 ただ、もう一つは、七〇年代以降御存じのとおり選挙離れ、特に若者が選挙から離れちゃった、この問題を投票総参加運動ということで、もう一つの大きなテーマにいたしております。残念ながら、これは効果を上げておりません。なぜかと申しますと、私は少しく皆さんと違うんですけれども、やはり投票自由という原則をとっておりますので、イタリアとかよその国のように罰則をつけたり強制をしたりいたしておりませんので、自由投票の原則を維持する限りそんなに、九〇%とか、一〇〇%はもちろんでございますが、とれない。戦後十六回、大体七〇%台でございますね。僕はこれをもって了としなければいけないと思っております。
 そこで、なぜそのように離れたかということにつきまして考えますと、どなたもそうなんですが、まず立候補の段階で顔ぶれがさっぱり変わってない。もう食べたくないということが一つございますので、まずこれは皆様にお考えを願いたいということが一つございます。
 それから、多くの方は選びたいんですけれども、選んでも、自分が入れた一票、あるいは人を基準にして選んでも、その方が述べている我々への約束事、公約、こういうものを通して自分の生活にはね返ってくるかどうか、この手ごたえがございません。入れたんだけれども、むなしい。やらぬでも同じだという答えがはね返ってきます。
 ですから、この問題につきましては、私は今度の本にも書いておきましたが、投票ということはチャンスなんですよ、日ごろ考えていることを投票を通して発言するチャンスですよ、こういうことを申し上げておりまして、今度全推協でもそれを調査するそうでございますけれども、効果が上がってまいりますので、選挙についての取り組み方、特に若い人に対するそういうことをやっております。皆さん全国的にやっておりますので、私はいつも申すんですが、現状は極めて絶望的です。きのうそう申し上げたし、本にも書いてございますけれども、でも我々は投げてはいけませんので、あすに期待を持つ、そして若い人に期待を持ちながら楽観をし、楽観の土台は信用でございますので、やはり有権者に信頼をつないで運動を続けてまいりたい、このように思っております。
 ありがとうございました。
#218
○小林功君 まず、四法案は一括でなければ意味がないと思います。全部関連しておりますので、部分的に取り出してもこれは全く意味のない話でございまして、国家のトップの政治家ですから、本来なら罰則規定がなくてもきちんと守っていただけるモラルがあって当たり前だと思います。罰則があるからやらないというのは、ちょっと寂しい気がいたしますけれども、ともあれ、四法案は一括でやっていただきたいということと、ぜひ今回出発していただきたい。
 もし悪ければ、もう一遍改正すればいいじゃないですか。今回やれないものがこの次ならやれるという保証は全くないわけです。僕は、今回やらなかったらもう永久にやれないと思いますし、自分たちで自分たちのことをやる意思がない、このように判断させていただきますので、ぜひ妥協点を見つけて今回とりあえず出発してください。そのようにお願いします。
#219
○伊藤光利君 まず、基本的に関連四法案を一括して成立を期していただくよう、ぜひお願いいたしたいと思います。
 五%条項ですが、これはドイツの特殊的な事情もございます。極端な立場の人たちについては余り参加権を与えないという歴史的な状況がございます。ただ、現在の社公案ですと、一人一派で全国で万一当選するというようなことは余り好ましくないだろうということがありまして、それはブロック制ということにしているのだとは思います。ただ、その辺でまた修正の余地があれば、歩み寄る範囲はあるのではないかというふうに考えております。
#220
○梅村忠直君 四法案の一括成立は当然のことであると思います。中選挙区制が制度疲労を来しているという認識が共産党を除く与野党で一致しておるわけでありますから、それだけの認識がありながらこれが成立しないというようなことは考えられない、当然一括して成立させて、しかも今国会で成立させていただきたいと思います。
#221
○水田洋君 どういう結果になるか知りませんけれども、政治改革が行われること自体は必要だと思います。ただし、前に申し上げましたように、それが現実のスキャンダル隠しにならないように期待します。まだその前にすることはたくさんあると思うのです。
#222
○河合俊輔君 私も、ただいま梅村先生がおっしゃいましたように、一括して四法案の審議、そしてスムーズな形の解決を望みます。会期の延長をされても結構ではないか、これが考えでございます。
 以上でございます。
#223
○中西座長 ありがとうございました。
 佐藤謙一郎君。
#224
○佐藤(謙)委員 本日は、陳述者の皆様、どうも御苦労さまでございます。
 私は、今までの議論を聞いていて、水田陳述者が先ほどから、政治改革がスキャンダル隠しに使われないようにと言われる、これはもう肝に銘じなければいけないと思うし、まさに政治改革のまだ第一歩、そのとば口でこんなにもたもたしていることに大変な焦りを感じている者であります。
 一つは金がかかるということなんですけれども、私は県議会から参議院に出ました。私の選挙区は、有権者が五百五十万人。補欠選挙ですから、二週間しか時間がない。で、私を訴えるためにどうしようか。有権者五百五十万人にどう訴えたらいいか。はがき一枚四十一円にあて名を書いて印刷して、それだけで三億円がかかってしまう。もちろんその百分の一も我々はできなかった。つまり、何を訴えたいかということを有権者に知らせないままに選挙に出て、そして当選をしてきたという経験があります。
 金をかけないというところから公的助成の話が出てきたわけですが、これは先ほど梅村さんを初め一、二の方からお話がございましたから、水田さん、伊藤さんそれから山口さんに、もう一度公的助成というものについてお聞きしたいと思います。
 私が選挙区を回ると、冗談じゃない、我々の税金をそんなに出せるかということです。三百億円、一人当たり大体二百五十円、そういう数字が出ているわけですけれども、公的助成に対して今国民はかなり厳しい目を向けているなということを痛切に感じておりますが、その辺のお考え。そして、特にドイツでは、金権政治というのはなくなりつつあるわけですけれども、そのかわり政党金権政治というのが問題になっていますね。政党にお金が集中して、政党の金権政治というものが大変今批判されていますけれども、そういう流れになりはしないかということについて、第一点、お三方に御質問します。
 それともう一つ、お三方にそのまま、我々政治家だけの、政治家のための政治改革というふうに言われがちでありますし、ついせんだってある通信社の世論調査で、あなたは小選挙区制、併用制、並立制の違いがわかりますかという問いに対して、これは面接調査だったそうですけれども、六五%の人がわからないというふうに答えているわけで、本当にこうした制度論争というものを今市民にどう定着をさせていったらいいのか。かなり熱はあるだろうと思いますけれども、その温度差というものをどうやって縮めていったらいいかについて、これもお三方に質問させていただきます。
#225
○水田洋君 公的助成は何らかの形で必要だと思いますけれども、今おっしゃったように、公的助成というと、そんな金が出せるかという反応があるということ、これはやはり今までの政治家のあり方についての信頼が回復されていないからだと思うんですね。そして、その公的助成をしたのがどこに行ってしまうのかわからないというような状態。これは先ほど申し上げましたように、国会議員、いや国会議員に限らないかもしれませんけれども、身辺をもう少し清潔にしていただいたらそういう支持も出てくるのではないかと思う。ですから、先ほど一番初めに申し上げましたように、まず政治家不信ということをなくしていただきたい。その次の問題だと思います。
#226
○伊藤光利君 政党に対する公的補助の問題ですけれども、私は民主主義のコストという、いい表現かどうかわかりませんけれども、やはり最低限自分の主張を有権者に訴えるという、例えばそういうことだけでもお金がかかるということを国民によく知ってもらうということが大事だと思います。政党の金権政治ということについては、もちろんその監視機関でこのように収支というものを徹底して国民に知らせる、そういうことによってかなり公正な運営ができると思います。
 二番目の、制度論の複雑さ、それがわからないということだと思いますけれども、これはやはりマスメディアの協力ということも必要だと思います。本当にこういう制度をとればこうなる可能性があるという、公正なそしてわかりやすい解説、政党はもちろんですけれども、マスメディアの協力も得て、そういうふうにして、そして有権者が、それなら私はこうだというような世論といいますか、そういうような場をつくっていくということが必要だろうと思います。
#227
○山口利男君 公的助成についてでございます。
 大変難しくて、私も困っております。一つの証拠として、八九年の九月でした、世界政治学会がございまして、その中の委員会に政治資金・政治腐敗研究委員会がございまして、東京宣言というものを出しております。ここでもいろいろ議論をいたしましたが、実は、さまざまな意見が出されたという意見の列記で終わって、結論が出せませんでした。公的助成、その他企業献金等であります。ですから、大変難しいのですが、やはり今回一括して、できる範囲のところで必ず実を示していただきたいというのが私の結論です。
 それで、今伊藤さんが言われましたように、民主主義のコストという考え方は私も基本的にとっておりますので、民主主義にかかることは終局的には、基本的には国民がみんなで負担すべきだ。自由に調達できるという考えを実はとっておりますが、やはり実現の可能性ということが次の物差しでございますので、守れる、実効性のある改革でないといけませんので、法律はできたわ潜ったわではますます不信が高まりますので、そういう意味で、私は、妥協といいますかバランスといいますか、実現可能な範囲で、ここだけはしっかり決めたら絶対守る、これをお金の場合にはお願いをしたいと思います。
 さて、公的助成でありますが、基本的には検討していただきたいと思います。ただ、条件つきで賛成をいたします。例えば政党条件。これはドイツの例が参考になりますが、日本は一本ですけれども、ドイツは御存じのとおり三本違ったものを立てておるわけでございますね。その政党条件。それから総額。今九百億と言われましたが、自治省の計算ですね。その三分の一、これが果たして妥当かどうか。私は問題があろうと思います。それから配分の基準。一律にやるということは日本はよくやりますが、これは先ほどのただ金は使えという、むだが多いので考えなければいけませんし、これは両議員立法案によりますと、得票数とそれから議員数、候補者数などを足したものの一定割合ということでございますが、国民が負担するということでは、基本的にはやはり有権者のあるいは得票数というものがベースだと思うのですね。人口に掛けてトータルを出しますね、人口掛ける二百五十円、こういうことは検討に値します。
 したがって、企業献金は、伊藤さんと同じように、理論的には成り立ちませんから、基本的に反対で、廃止をしていただきたい。そして、公的助成とは相入れないと思いますね。ですから、これは公的助成を認める限り企業、団体の献金というものは両立しないのじゃないか。ただ、ここは若干妥協的ですが、個人献金しろといったって、私もすぐ出せといったって出せませんので、自分に出せないものを人に要求できませんので、ここはやはり一度はやってみて、段階的にあるいは時限立法的にこの部分、団体ないしは企業献金についての歩み寄りは可能かなと個人的には思っております。
 以上でございます。
#228
○佐藤(謙)委員 ありがとうございました。
#229
○中西座長 小澤克介君。
#230
○小澤(克)委員 社会党の小澤でございます。
 陳述者の皆様方には、御多忙の中から貴重な時間を割いていただいて、かつ、大変有益な御意見を陳述いただきまして、派遣委員の一人といたしましても心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず、河合陳述人にお尋ねをしたいと思います。
 基本的には個人献金が望ましい、しかしながら現在まだそのような政治的な風土がないという御意見でございました。そうであるとすれば、そのような個人献金主体という政治風土をつくり上げていく、そういう努力あるいは誘導政策が必要なのではないだろうかというふうに思います。
 私は、個人的には、これは民社党さんの方から既に提案されているのですけれども、税額控除、所得控除ではなくて、献金をした場合にその同額、税金そのものが安くなるという制度に私は関心を持っているわけでございまして、これは形を変えた公費助成とも言えるかと思うのですが、納税者の意思が最も尊重されるシステムではなかろうか、もちろん上限を決めなければいけませんけれども。このようなことについてどうお考えかという点をお尋ねしたいと思います。
 それから、選挙制度につきましては伊藤陳述者の方から大変詳細かつ実証的な御意見がございましたので、もはや私があれこれ言う必要はなかろうかと思うのですけれども、関連いたしまして、梅村陳述者に一点だけお尋ねしたいのは、衆議院の選挙は政権をつくり出すという御立論でございましたが、私は、やはり第一義的には立法府の構成員を選び出すのが選挙ではなかろうかというふうに考えております。現在の国会が立法府として十全な機能を果たしているかどうか。明治憲法以来の、天皇の立法権の協賛機関であったころからの慣習を無批判に踏襲している面がありまして、行政主導で立法作用自体も事実上行われているというようなことについては、私自身も、批判というより、内部にいるものですから不満を実は持っているわけでございますけれども、その点は改善していくべき目標といたしまして、やはり第一義的には立法府の構成員を選ぶのが衆議院の選挙である。そして、首班指名という形で行政府の長を選ぶわけですけれども、執行部を選ぶ、その段階で民意の集約ということが多数決原理で行われる、これが憲法の基本ではなかろうかと思うわけでございますが、この点についてお尋ねをしたいと思います。
 次に、小林陳述者にお尋ねしたいのは、人口二百人の村などがあって、やはり国に面倒を見てもらう必要がある、そのためにも身近な人を国会議員として選ぶシステムがよいという御意見でございましたが、その一方で中央集権に問題がある、権限を分散しなければならないという御主張でもございました。大変失礼ですが、ちょっと表面的には矛盾するような感じを受けましたので、この点について御説明いただければありがたいと思います。
 それから、最後に山口陳述者、併用制は有権者にとって決してわかりにくくはないという結論だけおっしゃいました。時間の都合であったかと思います。私、拝察するに、要するに自分の支持する政党の名前を書く、そしてまたその小選挙区での自分の支持する人の名前を書く、有権者にとってこれだけのことでございますので極めてわかりやすいという趣旨ではなかろうかなと推測したわけでございますけれども、この点について御説明を願いたいと思います。
 以上でございます。
#231
○河合俊輔君 公的助成の件でございます。(小澤(克)委員「個人献金」と呼ぶ)個人献金ですか。
#232
○小澤(克)委員 はい。それで、税額控除方式についてはいかがかということをお尋ねしたのでございます。
#233
○河合俊輔君 御無礼いたしました。
 この税額控除ですが、公的助成だとか今の献金に対するいわゆる国民の受けとめ方、こういう形で、実は公述人に御指定を賜りましてから、いろいろ四法案について皆様の御意見も聞きました。大体七〇%ぐらいの方が一番献金だとか公的助成だとかこういう問題についての強いアレルギーを持っておりました。ですけれども、正直言いまして、私も歯科医師会に入りまして、一応政治連盟の一員として働かさせていただきまして痛切に感じますのは、代議士の先生、お金が相当かかるものだなということを実は痛切に私も感じておりますし、見ております。それで、やはりある程度浄財というものは国民が出さなければならぬのではなかろうか、また協力すべき仕儀ではなかろうか。
 それで、民社党の出されましたいわゆる税金控除の方法ですけれども、実は、この案をちょっとお聞きしましたら、割合に賛成者が多かったということを御披露申し上げまして、私もこの案には賛成をしておりますということを御報告かたがた御意見としてお聞きいただきたいと思います。
#234
○梅村忠直君 小澤先生の御指摘の、選挙は立法府の構成員をつくり出すものではないか、それはそのとおりだと思います。しかし同時に、やはり選挙というのは政権をつくり出すという面もあるわけであります。どちらに力点を置くかという価値判断の問題となるわけでありますが、私は、もう時代の要請からして政権をつくり出すべき選挙という価値判断の方が妥当なのではないか、このように考えているわけであります。
 その背景としては、当然政界再編をにらんで進んでいただきたい。たまたま三月にシリウスの江田代表、それから改革フォーラムの羽田代表と続けてお話を聞く機会がありましたが、お二人は、所属政党が違っておること以外に、考え方の基本として違いをほとんど感じない、もうそんな時代に来ておるのだと思います。国民の期待も、政界再編の中での新しい政治勢力、そしてその二大政治勢力がどちらが政権を担当するかということを選挙で決めるのだ、そんな時代が来たのじゃないか、またそういう時代をつくるべきじゃないか、そんな感がいたしますので、私の結論に達しておるわけであります。
#235
○小林功君 中央集権と小選挙区の問題でございますけれども、まず中央集権に対する私の考え方は先ほど申し上げましたとおりでございまして、ぜひ権限を地方に移していただきたい。しかし現実問題として、中央官庁が例えば今の権限の半分を地方に移すということがすぐできるかどうかという問題ですね。それから、議員の先生方も、いわゆる何々族と言われる先生方が自分の持っているその権限がなくなってしまうわけですから、そういうことをすぐやっていただけるというならまた全体を考えるというふうに進まなければいけないわけですが、現実の問題として、それは理想でありますけれども、そちらへ向かっていく過渡期としては、やはり我々のような小さなところの意見を吸い上げていただく方、現実に候補者選びから何から全部東京で決められてしまっては、私たちの意見は、あくまで間接民主主義というのは我々の意見を代弁していただくわけですから、じゃどなたに代弁をしていただけばいいのか。比例区でどうやってそこのところを、ただ先生方の言っていることだけを聞いて判断するだけで、こちらの意見を伝達する方法というのは非常にしにくくなると思うのですね。そういう意味で、先ほど申し上げました中央からの権限の移譲がどんどんできれば、それはまた考え方を変えなければなりませんけれども、現実の中ではやはり身近な代議士が必要ではないかな、こういうことでございます。
#236
○山口利男君 わかりにくくないと、原則と申しましたが、細かく言えばちょっと不正確な点がありますので、その点も含めながら御回答申し上げます。
 比例代表は、我々の経験ではたしか八三年に参議院で全国区でとりました。五十人ぐらいのリストから選ぶ、そういう形になりますと、これは幾ら名簿でもわかりにくいので、若干やり方があろうと思いますが、基本的にやはり政党単位に選ぶわけでございますし、リストがはっきりしておりますことは、あたかも我々が品物を買うときにメーカーさんを信用してとかブランド名を信用して選ぶわけですから、五十人のリストを見て考えるよりははるかにわかりやすいという意味です。
 そして、今度社公案の十二ブロックというのは、大体人口四十ないし六十万でございますね。それは小選挙区二十四万ぐらいですから、それから見たらかなり広いから、いわゆる顔が見えないという点もあったりいたしまして問題はございますでしょうが、やはり私はさっき申し上げたように、比例は大きなブロック、リストで選ぶから、選ぶ方では考えようによってはわかりやすいのです。ただ残念ながら、現状、我々平均的日本人はまだまだリストを見て選ぶということにはなれておりません。参議院制度でやってはいてもなかなかわからないわけでして、これは少し時間をかけなければいけないと思います。
 また、現在の社公案の中で、少し細かく見ると、我々を迷わす部分が若干あろうかと思うのです。一つは、いわゆる二票入れるという二票システムですね。これはドイツの例もございますように、やはり有権者が迷っているのですね。どっちを大事にしたらいいか。いや比例が基本だとドイツでも言っておりますが、実態はちょっと違うようなことがこの間の九〇年十二月の総選挙の調査団の報告にございました。つまりスプリット、分かれるのですね、小選挙区の候補者とそれから比例と。こういうふうに抱き合わせのときに若干候補者は、両方入れようかな、あるいは分かれようかな。これは戦後第一回のときにありましたですね。私も調査いたしましたけれども、二名選ぶとき、一方は共産党さんを選んだ、一方は自民党さんを選んだ。これは国民の合理的でない選択ですけれども、気持ちがあらわれていることで、一概にだめだとは言えませんので、その辺をやはりだんだん我々もなれていくということがございます。
 それから、名簿の問題、拘束、非拘束あるいは緩やかな拘束にするか、この問題、そして無所属の扱いのこととか、幾つか細かいことがある。それから、煩雑なのはやはり選管事務局ですから、私もちょっと関係をいたしますが、これは大変なことでございますが、しかし有権者にとってはそういう問題は表に出てきませんので、この点は担当の事務局ないし関係者に御配慮をいただきながら比例を進めていただきたい、こういうふうに思います。
#237
○中西座長 松原脩雄君。
#238
○松原委員 早速お伺いいたします。
 公述人の皆さんが法案の一括処理並びにこの国会でとにかく取りまとめようという形で御意見を述べていたようにお伺いをいたしましたが、私どもも、特別委員会で百時間を超える議論をしてまいりまして、それぞれの党の案のそれぞれの主張というのはもう既によくわかってこれまで論議を闘わせてきまして、このままいけば平行線でどちらもつぶれてしまう、したがって何とか譲り合ってでも取りまとめなければいけない段階に来たなというふうに思っておるのですが、そういう考え方の議員の方は非常に多いと私は思っております。私自身もそうしなければいかぬと思っておりますが、そこで、今後この政治改革法案を取りまとめていくに当たって、この政治改革の特別委員会の場で国民の目に見える形で取りまとめていくべきだという意見と、その他の機関、その他の場所でやったらどうかというふうな意見もあるように聞いておりますが、この点について皆様方の御意見がどんなところにあるのか、お一人お一人からお聞かせを願いたいと思うことが第一点でございます。
 それから二つ目に、我々が譲り合ってでもまとめなければいかぬというときの一番大きな問題点は、やはり選挙制度と企業・団体献金、これをどうするかという、この二つが主たる観点になるだろうと思うのです。
 そこで、これは伊藤先生と山口先生にお伺いをしたいのですが、今度対立しているのは、単純小選挙区制といわゆる単純比例代表制が対立しているのじゃないのですね、単純小選挙区制と併用制。まあ併用制というのは小選挙区制と比例代表制の混合型、組み合わせ型だと思うのですが、私は、この小選挙区制と比例代表制の組み合わせの中には十分な政治思想というものが含まれていると思うのです。民意の集約か民意の反映かという二者択一の問題をいわば統合して、民意の反映も満足させながらいわゆる集約にも寄与する。具体的に、併用制を入れているドイツでしたら、いわゆる二大政党ブロックができて、そこに第三党以下が存在をするという形になっておりまして、そういう効果があると思うのですが、こういう政治的効果をもたらす選挙制度、小選挙区制と比例代表制の取りまとめというものの中には十分に政治思想というものがあると私は思うのですが、その点についてお二人の御意見をお聞かせを願いたいと思います。
 それから、企業と団体献金の件ですが、これは河合さんと梅村さんにお聞きをしますが、お二人の御主張は、個人献金に限るというのが本来あるべき姿だというふうにお考えになった上で、現状からしたら企業献金もやむを得ないというお考えに立っておられるのかどうかという点が一つ。
 それから二つ目に、いわゆる民間政治臨調の案は、企業献金を認めるが、すべてこれは政党一本だ、政治家及び政治家の関係政治団体に対する企業献金はこれをやめようじゃないかという形で出しておるわけですが、こういうありようについての御意見をお伺いをしたい。
 それから、あとは水田さんにお伺いしますが、私ども社会党も、企業献金のみならず、労働組合も含めた団体献金の禁止という措置に行くべきだという提案を社公案としては出しておるのですが、この団体献金の禁止について水田さんのお考えをお聞きをしたいと思います。
#239
○山口利男君 私には二つかと思いました。ちょっと聞き間違えたら御訂正いただきますが、第三者機関でつくれというのは、選挙制度の案を含めてでございましたか、区画とか特定のことではなくて……。(松原委員「全部です」と呼ぶ)全部ね、はいわかりました。
 結論から言いますと、やはり私は、皆様が責任を持って法案をつくり決めていただく、案は第三者機関なりさまざまな試案があっていいと思いますが、この線を崩したら今後そういうことになろうと思います。私たちは皆様のお仕事を見せていただくという原則でございますので、制度改革についての立法については皆様に。
 そして、今回すばらしいことに議員立法で出されているということは、今後の国会のあり方について一つのモデルでございます。先ほどどなたか言いましたように、委員会の議事録を見て私も、新しいスタイルになっていると本当に感銘を受けました。ぜひこれを今後国会全体に広げていただきたいと思います。御存じのとおり、国会の討論は真剣勝負だというふうに憲政の神様尾崎行雄が言っているわけでございますので、ぜひひとつそのようにお願いいたします。
 それから、小選挙区につきまして比例との併用である。私は、どちらが基軸かということで一つさっき申し上げました。二つのやはり考え方がありまして、今松原さんとてもいい言葉で、統合されているんだ、それで妥協ではないんだと。私は妥協でもいいと思うのですね。妥当性のある妥協とさっき先生が言われましたけれども、そういうことで、合理性、妥当性のある妥協でいいと思います。
 ただ、妥協をどのレベルでやるかということですが、簡単に言うと、国民のレベルで、選挙の結果でやるのか、あるいは国会で討論してまとめ上げていくのか。私は、これもやはり統合するレベルは、選挙のレベルでなくて、その結果を踏まえて立法府、立法府をベースにした政府が議論をしていただく、そして我々にお示しいただいて、次の審判で判断をするということでございますので、妥協のレベルもやはり国会のレベル、この線は崩してはいけないというふうに思っております。
#240
○小林功君 私の方への質問は決め方の問題だと思いますが、先ほどおっしゃってみえますように、国会というのは立法府でございますので、ぜひそれは皆様方の段階で決めていただくのが筋だ、そのように思います。
 以上です。
#241
○伊藤光利君 決め方の問題ですけれども、やはり実効性ということを考えますと、あずかり知らなかったところが決めてしまう――つまり自分たちの責任の問題ですから、もし委任する場合でも、まず基本的な枠を各党が個々枠内で決めていただければお願いという、そういう形ができれば結構ですが、基本的には、やはり国会が自分たちのことを決めるというのが実効性が一番あるだろうというふうに思われます。
 あと、二番目の問題ですが、例えばイギリスで小選挙区制で政権交代が行われたというのは、あれはいろいろな条件のもとでの偶然なんですね。例えば、お隣の韓国では小選挙区制ですけれども、ある地域、部分は完全に政府から排除されていまして、ですから、選挙という形ではなかなか意見が通らないから、ときどき過激なということもあります。ですから、例えば今のイギリスのように、日本で一つの政党が十三年間ずっと政権につくということに、そこから排除されたとは言いませんが、直接代表を送っていない五割近い有権者が、たまたま自分たちが直接支持しなかった人たちがいるという状態に十年以上も果たして耐えられるかということを考えますと、それはやはり比例代表で自分たちの意見が代表されている政府で運営されているということの方が、僕は今の日本には合っていると思います。結局はそれは選挙で試されるわけですから、どういう責任ある発言と行動をしているということは選挙で最終的に試されるわけですから、そういう点で、やはり小選挙区制というのを日本が今採用するのはちょっと危険が大きいんじゃないかというふうに思っています。
#242
○梅村忠直君 まず、この法案のまとめでありますが、やはりこれは委員会の場でオープンな形でまとめていっていただきたいと思います。その際にも、従来行われておりましたように、ディベートを中心とするわかりやすい形でまとめていっていただきたいと思います。
 同時に、国会議員のといいますか、これは国会議員に限らず議員というのは、やはり評論家ではありませんので、百時間以上の議論をすれば、その議論の成果をまとめなければ責任を果たしたことにはならない。それだけは肝に銘じていただきたいと思います。
 それから、企業・団体献金の問題でありますが、個人献金を中心とすべきではないか、そのとおりだと思います。そうした成熟した社会が成立することを期待しております。ただ、現段階でそこまで踏み切っていいのかということになりますと、やはりまだちょっと無理があるんじゃないかという意味で、私は、自民党案の、政治団体に対して少額に制限する、これが過渡的なあり方としてひとまずの解決策なんじゃないだろうか、そのように思います。民間臨調の政党に一本化するという案も、これは見識ある見解であると思いますし、また、自民党案そのものもそれに近い形での案を出しておるということも理解すべきではないか。そこのあたりは議論の中でまとめていっていただくべき問題ではないかな、そのように思います。
#243
○水田洋君 質問は二つあると思うので、簡単な方からお答えします。
 簡単な方といいますのは、企業並びに団体ということですね。これは実は舌足らずで申しわけありませんけれども、団体の献金も当然禁止されるべきだと思います。それで、個人献金を優先させるということならば、自民党案のようなあの二億という限界は全然要らないわけで、あれは企業献金としか考えられないわけです。ですから、個人献金を中心にして、企業並びに団体の献金は禁止すべきであると考えます。
 それから、この政治改革を第三者機関にという意見をどう思うかということですけれども、現実には、今までいろいろな第三者機関が本当の第三者機関であったためしはないのですね。ですから、そういう意味でも信用できませんし。それで、逆に言えば、今の実効性の点から言うと、今の国会でおやりになるのが一番いいと思います。ただし、その場合に、繰り返して申し上げますけれども、国会議員というのは主権者である国民の代理人であるということを忘れないでいただきたいと思います。
#244
○河合俊輔君 まず最初のでございますが、私も、国会を延長してでも一括処理をすべきではなかろうかと。それと、国民の前でだとかその他の場所というようなお話も今ございましたが、これはあくまでも先生方のひとつテクニックの問題でございまして、私自身はこの面については異がございません。
 それと、ただいまの個人献金の問題でございますが、私も、正直言いまして個人献金一本が一番すっきりしていいんじゃないか、こういうような考えを持っております。しかしながら、何にしましても金のかかるのが選挙じゃないかと、単純に私どもが考えましてもそう思います。
 それで、先ほどの小澤先生の御質問で大変私も御無礼させていただきましたが、公的助成につきましても、私、民社党の案のいわゆる税額控除というものが一番最大に了解できるのじゃないかと思いますけれども、その前にいろいろ意見を聞いたときに、例えば、国民皆保険なんだ、だから国保の掛金の一部にちょうど消費税のような形で加算をする方法はどうだろうか、こういうような意見を実は聞いたこともございます。それもちょっと不平等な面もありますから、そうなってまいりますと、やはりある程度企業そのものも、我々と同じように日本国に生を受けて商売をしてやっておるんだ、当然税金も払っておるんだからそれなりの負担額は当然必要ではなかろうか、だから、また自分が支持する政党に対してそれなりの政治献金をしても別に異ではないんではなかろうか、ただ問題は、浅く薄く広く、これをひとつ大前提にしていただきたい、こういうふうに思っております。
#245
○中西座長 鈴木喜久子君。
#246
○鈴木(喜)委員 社会党の鈴木でございます。
 先ほど来いろいろなお話を伺いまして、本当にありがとうございました。水田先生言われているみたいに、地下鉄の中で連想させるような、泥棒に泥棒取り締まりの法律をつくらせるというようなことを連想させるようなことのないように、私たちこれからも頑張っていきたいというふうに思っております。
 それで、私も弁護士をしておりまして、衆議院もやっておりますし、主婦もやっておれば母もやっておる。でも、こういう幾つも、もちろん濃淡も軽重もありますけれども、そういうふうなことをしているからこそ、民意というものも一つ一つそれなりの主婦の感覚、また、弁護士として相談を受けるときの庶民の感覚、そういったものも失わずに済むということで、もちろん、国政に大きな重点を置いたとしてもこういったことは必要だと思いますし、どうぞ梅村先生も頑張っていただきたいと思います。
 それで、先ほど来ずっとどの陳述者の方もすべて一括成立ということを目標にとおっしゃっております。特に、政党助成とそれから政治資金という面では一括ということは、これはだれしもが考えつくことだと思います。そこにもう一つ、選挙制度の改革も入れてぜひとも一括だということの積極的意義、たくさんの要素というもの、理由というものはあるだろうと思いますけれども、やはり選挙制度によって政権交代の可能性というものを秘めた制度に変えなければ、あとのことをいかにいい法律をつくったとしても担保ができない、それこそそこが国会議員の議員としての役割、今回進めるということの意味合いであろうというふうに私は思っているのですけれども、先生方は、どういうふうに陳述人の方々はそれぞれ思っておられるか、簡単に伺いたいと思います。
 それから、ちょっと個別に伺いたいと思うのですが、先ほど小林陳述人がおっしゃった、小澤議員の方からも言われたのですけれども、権限の移譲と小選挙区の関係に、ちょっとそこに矛盾する点が失礼ですけれどもあるんじゃないかということで、現状ではそれは仕方がない、現状では権限の移譲がされていないんだからというふうに言われたのですけれども、しかし、今回前向きにこの選挙制度を変えるということの中身は、やはりそこで政治の制度も変えて、そこに分権的なもの、また地方主権としての問題も組み合わせていくとするならば、やはり向かう方向としては、小選挙区ということで細かく分けてしまったのではちょっと困るんじゃないかなと思っている点がありますので、もう一度その点を伺いたいと思います。
 それから、梅村陳述人に伺いますけれども、一票の価値というものを、これは二倍だ三倍だということではなく、本当ならばきちんと一対一にしなくてはいけない関係なんだ、ここに向かっていくときに小選挙区制というものをとられたならば、一体これはかなうのだろうかという点にちょっと疑問がありますので、お答えいただきたいと思います。
 それから、水田陳述人に伺いますけれども、政治資金の問題でございますが、企業献金、団体献金もぜひとも禁止したいという、これは私たちも全く同じ意見を持っているわけですけれども、今問題になっておりますのは、企業献金の中でも、特に表に見えている部分ではなくて、使途不明金と称する非常に悪いばい菌のようなものがありまして、それがあちこちで暴れまくっているという状況があると思うのです。この使途不明金というものについて、これをどういうふうに退治していくかということが、これから、透明性の担保、または政治家が襟を正さない限りは裏を何とでもして考えてしまうのがどうしても政治家不信ということにつながるわけです。その裏をなくすという意味でも必要なことではないかというふうに思いますが、この点はいかがお考えでいらっしゃいましょうか。このところを伺いたいと思います。
#247
○小林功君 まず、私の陳述に矛盾があるというような御指摘でございますけれども、先生の言われる点もよくわかるわけでございまして、目指す方向はあれなんですが、現実の問題として、先生の方に伺いたいのですが、ではいつまでに権限を移譲していただけるか。そういう話は移譲してから言っていただきたいのです。やりますという空手形でもって地方を無視していいという話は成り立たないと思うのですね。
 現実問題として、私たちは本当に貧しい財源の中で、やりくりして、一生懸命知恵を絞ってやっているわけです。そういうときに、この実情をよくわかっていただく方でないと、例えば社会党の出してみえますブロック制の中には、多分人口百万ぐらいの町もあるでしょうし、先ほど言ったような小さな町もあるわけです。多分先生たちは百万の方を向かれると思うのです。当然です、それは、票がたくさんありますから。先ほど言った小さな村は百何票しかないのです。この名古屋から行くと、四時間ぐらいかかってしまうのです。往復八時間かかって百何票の票を求めに出かけられる方はないと思うのです。百票なんか、名古屋で稼げばすぐとれますから。そうして大都会の方ばかり向いた選挙をされてはたまらない。
 ですから、まず権限を移していただいて、これだけ権限を移しました、ですから地方はやれますから、天下国家のそういう外交ですとか防衛ですとか、そういう問題だけやりますから比例区でどうでしょうかという話なら、私どももまた再考するあれがあります。
 それから、先ほどドイツとかいろいろな例をとってみえますけれども、外国の先進国というのはかなり地方分権が進んだ上でいろいろなことをやってみえるわけです。それを現在の日本のこういう状況において、先ほども申し上げましたように、一千万の工事をやるにも東京へ出かけて行ってお願いをして、中央省庁へ頭を下げて補助金をつけてもらわなければできないのです。道一本直らないのですよ。そういう状況を直していただいてから、比例制がいいとか天下国家のことだけ考える政治にすべきだという御意見をいただきたいな、そのように思います。ですから、例えば三年後には権限の半分を移しますと約束していただければ、私も考え方を変えてもいいと思います。
 以上です。
#248
○鈴木(喜)委員 一括成立の意義についてのことは、全員の方に伺いたいと思ったのですが。
#249
○小林功君 これは、やはり全四法案それぞれ関連があって出てきた部分ですし、選挙制度がどういうふうに変わるかによって選挙にかかる金も変わってまいります。
 政治資金の問題ですけれども、例えば選挙制度をそのままにしておいて中選挙区のままでもって、そのままにしておけば当然区割りの部分はこれはなくなってしまうわけですけれども、そういう段階の中でやってもやはり現実性がない。選挙法も変えましょう、だから、この部分もこの部分も全部変えていきましょうというとりあえずそこのところで――ほんのちょっとなんですよ。社会党の案も自民党の案も、そのほかの案に対しては変えよう、資金を規制していこうという考え方はみんな持っているわけです。ほんのちょこっとのところですから、それだけを取り上げて、それだけやったからいいんだという話ではなくて、ぜひ一括のものとしてやっていただきたいと思います。
#250
○梅村忠直君 先ほどもお話しさせていただきましたように、この改革四法案は中選挙区制の制度疲労、中選挙区制の弊害というところからスタートして出てきておるわけでありますから、選挙制度改革だけを切り離すというようなことでは本当の改革にならないと思います。そして、鈴木先生がおっしゃるように、政権交代可能な政治状況をつくり出すべき改革にしていかなければならない。
 さらに私見を言わしていただきますならば、社公民の先生方は勇気を持って政界再編に踏み切って、そして、ドラスチックな政権交代が可能になるような選挙制度をつくり上げていっていただきたいと思います。
 それから、一票の価値の平等についてでありますが、小選挙区制であって果たして実現されるのかということですが、これは選挙区の区割りの問題でありまして、例えばアメリカの下院では現実に一票の価値の平等が実現されているわけであります。一対一・コンマ幾つということ自体でもう問題になっておるような実態があるわけでありますから、選挙区を固定して考えなきゃいけないということで発想をすると問題になるでしょうが、私はそうした固定した考えは捨てるべきであると思います。私どもが地方議会の立場で言いましても、例えばハワイの州議会のある下院議員とお話をしたときに言っておりました。その方は、投票価値の平等の観点からある島が選挙区からなくなりましたというようなことを平然と言っておる。もうそれになれ切ってしまえば、選挙区の区割りも当然変わるんだという認識が成り立つわけでありますから、これは意識の改革の問題であると思います。
#251
○水田洋君 一括成立ということ、これは望ましいと思いますけれども、問題は、繰り返して申しますけれども、金権腐敗政治です、選挙に金がかかるということです。ですから、政治資金の規制の方が優先で、そして、それと論理的に必然性がある限りで選挙法の改正をやるべきだということを考えております。
 それから、使途不明金ですね。これも触れるべきであったら申しわけありませんでしたけれども、使途不明金というものが許されているということ自体が、我々の税金の取られ方を考えるととんでもない話なんです。そして、それは経費として落とされているんだろうと思います。そういうものが容認されているということが我々には納得いかないのですけれども、もう一つ、それと連動して日本の公認会計士、会計制度というのは、これは経営者に雇われているわけです。アメリカの場合には株主の代表なんです。ですから、そういう点でも、そこら辺からもう全部直していかなければならないので、これはもう政治改革に続く問題だと思います。
#252
○河合俊輔君 私も、一括処理、大賛成でございます。
 公述のときに私ちょっとお話し申し上げましたが、こういう金のかかる選挙制度だから、選挙制度だけ改革しても、その裏づけとなるいわゆる政治資金の諸法案、これも一括してやるのが筋ではないか。ですから、今度の四法案の一括御上程、そして御審議、結論をきちっと出していただく、これに私は大賛成、そういう気持ちでございます。
#253
○山口利男君 一括の問題と、それから政権交代でございますが、まず第一点につきましては、先ほど申し上げたように、私も一括でお願いをしたい。
 ただ、水田先生の御指摘を聞いて、私も、法案の審議がかなり急速に進んでいる、その中で水田さんのような御批判も出てくる可能性があると思います。それから、最近、いや金の問題から来たんだから切り離してというふうな声もありますので、私はむしろそういう動きをちょっと気にいたしまして、一つの勢いでございますので、私は勢いを非常に尊重したい。そして、これができなかったときの反動が大きいのであります。問題は金から始まったわけです。それからいろいろな議論に波及いたしまして、例えば安定政権とか将来の政権展望ということに発展をいたしましたが、筋はやはりお金をどういうふうにして政治と切り離すか、そして現行制度からその問題が出ているということでは認識が一致しておりますので、これはやはりお金、制度一括して、できるところで絶対に成果を上げてほしいと思います。
 それから、政権交代でありますけれども、これは非常に大きな問題でございまして、連立ないし政界再編成をにらんだ御議論だと私は見ております。伊藤さんがさっき既にこれについていろいろと御批判がございましたから、私も全く賛成でございますけれども、まず皆様の御意見がこの点では一致しているのではないかというふうに思います。例えば、今座長に座っていらっしゃる中西さんの御発言を読みましたら、「一遍がらがらかきまぜて二つの拮抗する二大勢力をつくる。」こういう御発言があります。ただ、その中には、先ほど伊藤さんは知らないのではないかと言うけれども、皆様には知らないと言うのは大変失礼でございまして、私は、知っていらっしゃる、ただそういうふうにとっていらっしゃらない、誤解されているというふうに理解をいたします。
 誤解の大きなのは、この連立とか連合というものに対するアレルギーが非常に強いと思います。例えば、自民党さんの場合には、単独政権であって、連立をしたり連合をしたりする政権というものは前提から外れているのではないか、これが私は誤解の第一点であろうと思います。世界の大勢は、先ほど伊藤さんが説明されたとおり、私の読みました文献でも、既に戦後五十年、四分の三の国々は連合で安定をしてやってきているではないかという実証がございますので、単独政権で安定をするということは、もはや正常ではなくて、むしろ特殊だと考えていただきたい。野党の方々の御意見の中に見えるのは、取引は不純だ、筋を通すべきだというお考え。当然筋は通すべきでしょうけれども、やはり政策や政権の維持にとって、こういうことは少しく考えていただきたい。
 だから、連合が悪いというのは、やみ取引をするだろう、国民の目の届かないところでやるだろう、野合だろう、つまり派閥的連合だろう、こういう御認識ですけれども、有権者がちゃんと監視できる、選択できるという保証の中で連立が行われていれば、私はこの問題は解決できるのではないか。そして、今日ではむしろ政局の安定は、幾つかの政党のブロック化、国民の信頼の中で、国民のコンセンサスの中でやっている方が安心をする、安定をするというふうに理解をしていただきたいと思います。
 以上です。
#254
○伊藤光利君 一括の問題ですが、鈴木委員の御懸念はわからないわけではないのです。というのは、政治改革というふうにかなり盛り上がっていますが、確かに一般の国民は、お金の問題なのにどうしてわからない議論にいっちゃうんだという、実際この政治改革の問題もその問題から始まったので、それだけをきっちりしてくれ、そして様子を見たいという気分が確かにあるだろうと思うのですね。
 ただ、実際にやってみますと、例えば政治資金団体を完全に禁止する、しかしやはり現実的な問題としまして、政見を訴えるとかそういう場合にある程度のお金はかかります。そして公的助成ということになります。そうしますと、今の中選挙区制そのままですと、個人選挙でやっているそれにどういう形で公的助成をというのは、税金を何か極めて私的な運動に支払いをしてしまうような……。ですから、そうしますと、どうしても政党中心の選挙制度に変えなければいけないという論理も一方ではあるかと思うのです。
 ただもう一つは、やはり政治資金だけ厳しくしろといっても、それでは自分たちが損で不都合だという政党もあるわけですね。私は、不都合ではなくて、今までひどいお金の使われ方をしていたのがおかしいんだというべきだと思いますけれども、現実の国会の勢力を見ますと、そうはいっても結局何にも歩み寄りが起こらない。それなら、選挙制度でもある程度歩み寄りながらその一括をしていただきましょう、恐らくそういうような論理にはなっているんだとは思いますけれども。
 確かに、鈴木委員がおっしゃったように、実際国民の大半は、何かすりかえで、これは専門家で実際に書かれている方もいますが、選挙分析で評価ある研究者も、お金の問題なのがどうして選挙制度の問題になっちゃうんだということが十分納得できないし、国民の大半はわからない。そういう議論は私はよくわかりますけれども、先ほど言ったような理由で、やはり現実ということを考えて、何とか一歩でも二歩でも進むということを考えれば、やはり何とか一括の方で努力していただきたい。委員の御懸念は、私は大変よくわかるつもりであります。
#255
○鈴木(喜)委員 ありがとうございました。
#256
○中西座長 伏木和雄君。
#257
○伏木委員 公明党・国民会議の伏木でございます。
 先生方、きょうは大変ありがとうございます。いよいよこれでもう最後でございますので、もうしばらくお時間をちょうだいいたしたいと思います。
 先ほど公述の中で、伊藤先生あるいは山口先生からお話がございました。特に伊藤先生からは、日本の内閣、すなわち政権をつくり上げる原理は議院内閣制である、政権を選出する衆議院こそ民意が反映されなければならない、このようにお話がございました。そうして、その反映された民意の中から選ばれた政権が初めて国民から信頼を得るというように言われておりましたし、また山口先生からも、あくまでも民意を議席にあらわすために選挙制度があるんだというような御指摘もございました。私も全く同感でございます。
 ただ、国会もそうですけれども、ここでも選挙制度というと必ず対立になる、ここでもまさに国会の縮図のようにいろいろな意見がある。選挙制度については一長一短があるということも、もうきょうの公述人の先生方の皆さんも御承知の上で、ただ、その中でこの制度がいいんではないか、こういう御指摘であろうと思います。
 ただ、我々は、いろいろな制度があるけれども、一体国会とは何なんだということをもう一遍考え直す必要があると思います。国会というのは、憲法で定められていることは、国権の最高機関ということであり、我が国の唯一の立法府なんだということが規定されている、これが国会の役目だと。ですから、唯一の立法府である以上、そこでつくられる法律というものは、すべての国民がその法のもとに拘束をされるわけです。したがって、その法律をつくる議会の構成というのは極力民意を反映していかなければ、偏った民意で法律をつくられ、そしてその法律に拘束されるというようなことになると、またここから新たな政治不信が起きるのではないかというような懸念を私どもはいたしております。
 したがいまして、選挙制度につきましては、一つには民意の公平な反映。第二には、民主主義ですから、政権が移行しないという制度であってはならない、政権交代が可能な制度でなければならない。それから三番目には、政策中心に争える選挙でなければならない。と同時に、四番目に、不安定な政権であってはならない、政権が安定するように。このような幾つかの要素、認識に立った上で、こういうものを満足させるという制度でなければならない。そこに選挙制度の難しさが私はあるんではないかと思います。それが代表されるのが、民意の集約か民意の反映か、あるいは単独政権か連合政権か、こういう議論になってくる。それは極端に、言い方は悪いかもしれませんけれども、単独政権は善であり連合政権は悪と、あるいは逆に表現するような場合もあるかもしれませんけれども、要するに真っ向から正反対になってくるということがあるんではないかと思います。
 今言われていることは、基本である総理大臣を選ぶのに連合政権であってはだめだ、要するに連合政権では本当の政治が運用できないんだという議論からこういう対立になっているんじゃないかと思います。そこで、両先生にお伺いをいたしたいと思いますが、本当に連合政権というものは不安定なのかという点でお話しをいただきたいと思います。
 それから、梅村先生にお伺いいたしたいと思いますが、小選挙区制で自民党圧勝というけれども、そうでもないんではないか、政権交代があるんではないか、こういうお話もございましたが、私は選挙区が小さくなると、その狭い範囲の実力者が強くなってくるんではないか、あるいはその集団が強くなるんではないかという懸念がございます。
 選挙自身、衆議院の選挙と県議会の選挙は違いがありますけれども、例えば衆議院でいいますと、この愛知県下、自民党と国会での野党というのは恐らく議席は半々だったと思います。ところが、県議会の先生ですからお伺いするんですけれども、全国的に見まして県議会の選挙の一人区というのは五百幾つかあるんですけれども、その九〇%は自民党さんがとっちゃっている。ですから、この愛知県下で一人区の選挙区が県議会で二十八あると思いますが、この愛知県で自民党以外、要するに国会レベルの野党がその二十八の選挙区の中で幾つとっているか、もしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。全国的平均から見ますと、恐らくその一割に満たない数ではないか、そういうことになるんではないかと思います。その点をちょっとお伺いをいたしたいと思います。
 それから、先ほど小林先生から分権のお話がございました。御指摘ありましたように、予算獲得するんでも、道路、河川という公共事業でも、もう全部国に依存しなければならないということから、選挙区が小さくなればなるほどそこにサービス合戦、選ばれる側がもう地元のことにきゅうきゅうとしなければならない、そういう御懸念はないか。これは小選挙区制で一番心配される点でございますが、それについての御意見をいただきたいと思います。
 それから、スギヤマ先生にお伺いしたいことは、先生は政治献金はなるべく薄く広く集めた方がいい、でも今の段階ではやむを得ないんではないかという意味のお話がございました。
 ただ、今の自民党案を見ますと、今まで企業献金最高一億だったのが二億まで献金できるようになるということでございますけれども、二億といいますと、一人一年間に政党に千円寄附して政治しっかりしろよという浄財、この本当に零細な浄財によって政治が支えられるということでなくて、一人千円ということで考えますと、二億円ということは二十万人から集めるということになる。すると、二十万人の人が千円の献金をしたほどの力を発揮する、政治に対して影響力を与えてくる。私は、ここのところが一番企業献金として考えていかなければならない点だと思います。政治参加は平等でなければならないということから、企業献金に対して私どもはいろいろ意見を持っているものですが、大きな企業献金になりますとこういう問題が出てくるんではないか、非常に大きな影響力を与えてくるということがあるんではないか、この点、先生のお考えをお伺いしたいと思います。
 最後に、水田先生に同じく企業献金についてお伺いをいたしたいと思いますが、先ほどの先生のお話は、企業献金は禁止だ、その中で外国の例をとられて、企業の定款の中に政治献金ということが盛り込まれている、あるいは株主総会で企業献金を決めてないではないか、こういうお話がございましたが、それでは、そういう手続があれば企業献金というものは考慮していいのかどうか、この点について先生の御意見を承りたいと思います。
 最後に、締めくくりといたしましてお伺いしたいことは、この特別委員会では大体一括ということで合意をする。特別委員会で発言されている方々はほとんど一括ということなんですが、どうも政党の後ろの方の偉い人で、腐敗防止だけでいいのではないかと。我々はこれは改革ずらし、改革をずらすのを目的に、本当に腐敗防止だけで政治がよくなるという認識じゃなくて、改革をずらそうという発想から一括でなくていいという御意見がたまたま新聞にどかんどかんと出てくるということで、我々も危惧いたしているのです。一括ということはあらあらわかりましたけれども、こういう後ろの方から、影響力のあるような方々から一括でなくてもいいというような発言が出てくる、このこと自体にどういうお考えをお持ちか、感想をお持ちか、最後に先生方にお伺いをいたしたいと思います。
#258
○伊藤光利君 私は、併用制についてちょっと時間をとってお話ししたのですが、これはもう先生方重々承知であるということは私もわかっていてお話ししたわけですが、ただ私も完全に硬直的でありまして、やはりその中でも政治学者ですから、もっとリアルで、権力政治があるということを承知していますので、何とか歩み寄って何か成案をつくっていただきたいということを最後にお訴えしたいと思います。
 そして、連合政権は不安定かという伏木委員からの御質疑でございますが、これは一部繰り返しになりますので言いませんが、ヨーロッパは、イギリスは別ですが、大陸は今までフランスを除けばほとんどが比例代表制で戦後ずっと安定して、平穏な政権交代も行われてきたわけですから、もちろんドイツもやっていますし、日本人にできないことはないと思います。ですから、実際の研究におきましても、そういう意味では安定度が高い。むしろ小選挙区制ですと、先ほど言いましたように、これは見方によりますけれども、一党優位性がしばらく続く可能性が高まってしまう。そうしたときに、果たして日本の国民の方がそういう状態に耐えられるか。つまり、政権だけではなくて政治全体に対する、私どもは正当性、つまりレジティマシーと呼んでいますが、それが下がってしまうのじゃないか、あれは自分たちの政府じゃないのだということによって、むしろ議会制民主主義の基礎そのものが掘り崩される、そういう不安の方が大きいというふうに私は申し上げておきます。
 最後に、一括でなくていいという偉い先生方がいらっしゃるのをどうお考えになるかということなんですが、これはやはり二極分化していると思うのですね。つまり、一般市民ではちょっとわかりにくい、何でお金の問題だけで片づかないかという多くの国民がいらっしゃることは確かです。その偉い先生方がおっしゃるのは、すべてわかった上でおっしゃっている。つまり、一括ということは、それでは困る多くの議員がいるだろう、そうすれば結局は何も起こらないだろうという、そういう高等な、知り尽くした先生の一括でなくていいという御意見だと思いますが、やはり一歩でも二歩でも進めば実効性といいますか、これだけ有力な政党が集まって何とか変えていこうというときですから、そういう意味でやはり何か、歩み寄りというのは一つの法案の歩み寄りもありますけれども、四つの関連法案についてそれぞれ組み合わせ合った歩み寄り方というのがあると思いますので、そういう点で一括でぜひとも実効性のあるというものを、そういう意味の一括ということでございます。
#259
○梅村忠直君 まず、小選挙区制になった場合に自民党が圧勝するのではないかという問題でありますが、愛知県議会、先生の御指摘のように二十八の小選挙区がありまして、民社党一名、社会党一名を除けばあとは自民党ないしは保守系であるということであります。
 ただ、このことは、単純小選挙区制にした場合に、じゃ同じような結果が出てくるかというのは、現状の政治勢力、政党を固定して考えた場合にそうだと思います。例えば私どもの愛知県議会の選挙でも、確かに社会党一党では勝つ力はない、民社党一党では勝つ力がない、あるいは公明党一党では勝つ力がない、そういう中で自民あるいは保守系が強いということは言えるのでありますが、本当に単純小選挙区制になったような場合に、社公民が現状固定のままで本当に戦うのでしょうか。また国民がそれを望んでいるのでしょうか。そういった観点から申し上げておるわけであります。
 やはり政界再編を真剣にとらえて、そして二大政治勢力というわかりやすい形で、本当の本音の議論ですね。私が懸念するのは、多党化した場合にはやはり格好いいこと、無責任なことを選挙で言いがちになると思うのです。我が党の力ではできなかった、しかし訴えました、最大限努力しましたというようなことであってはいけない。やはり真っ向からぶつかり合って、本音の議論を闘わせて、そして国民がその問題に対して審判を下すという選挙が望ましいのではないかな、そんな時代に来たのじゃないだろうかということで、単純小選挙区制が妥当ではないかということを言っておるわけでありまして、現状の政党が固定された中で単純小選挙区制がいいという考えはありません。
 かつての田中首相のころに、小選挙区制が取り上げられたこともございました。あの当時は、私は個人的には反対でした。あれは、政界再編が進むだけの土壌がまだなかったと思いましたので、賛成はできませんでした。しかし今日は、国民も期待しておるし、現実にもうイデオロギーの対立はないのですから、政界再編へ進むことが可能じゃないか、またそうしなければいけないのじゃないか、その中で二大政党が対立していく構造が望ましいのじゃないかということを申し上げておるわけであります。また期待しておるわけであります。
 それから、一括処理の問題でありますが、これはもう何回も申し上げましたように、相互に密接に関連するこの法案をばらばらにして、これだけ通してこれだけ成立させないなんというようなことでは、本当の政治改革とは言えないと思います。やはり責任を持って改革に向かって進んでいくことが必要であると思います。また、国民にとって選挙制度改革がわかりにくいという面も確かにありますが、しかし、わかりにくい問題をわかりやすく議論の場へ提供して、そして理解を求めていくのも政治家の責務であると思います。どうぞ頑張っていただきたいと思います。
#260
○水田洋君 初めに申し上げますけれども、御質問の中にはないのですけれども、先ほど小選挙区がローカルボスの支配になりやすいという危険、これはそのとおりだと思います。ですから、小選挙区だけでは実際の政治改革にはならないということははっきり言えると思います。
 それから次は、腐敗防止だけでいいじゃないかという意見、それを出している人は、ちょうど腐敗について疑われていいような人たちなんです。ですから、これは信用するわけにいかないので、それから後は繰り返しになりますけれども、要するに金権腐敗を阻止できるような形の選挙制度改革ということで一括やっていただきたいと思います。
 それから三番目は、定款に書いてあれば寄附していいのかという話ですけれども、実はあのときの説明は、最高裁の企業も社会的存在であるということに対する反論として申し上げたので、企業にはそういう定款はないではないか、定款にないことをやるのは背任行為である、そういう意味で申し上げたので、別に定款に決めてあれば何をしてもいいとは言っておりません。
#261
○河合俊輔君 今先生の御質問の、私には多分連合政権に対する安定度の問題のお話ではないかと思います。
 私は、大体公述のときに申し上げましたとおり、まず二大政党賛成論者の一人でございます。それと同時に、何か民主主義、民主主義というものが前面に出されて、いかにも民主主義がにしきの御旗のようなお話も出ておるのでございますけれども、やはり選挙による結果というものが民主主義ではなかろうか。ですから、この四十五年間政権を維持した自民党、もちろん悪いところはたくさんあると思いますが、その間に片山内閣ですか、あの辺のところで一回野党が政権をとったと思いますけれども、あれも連合政権のような気がいたしますし、外国のことは私はさっぱりわかりません。けれども、そういうような過去の実績もございます。ですから、ここで四法案ばらばらでひとつ御採択というふうではなしに、審議はやはり一括して国民が納得するような形の選挙制度、政治資金制度、同時にやっていただきたいと思います。
 ただ私は、単純小選挙区論者ではございますけれども、先生方のお話をずっと聞いておりまして、その真意はどうも後ろに見える方というよりも、先生方のお考えが大体四法一括ではなくして、要はばらばらでやってもらいたい、そういうような腹のように私は聞き取れました。ですから、その面については、私は四法一括ですけれども、先生方がスムーズに国政をつかさどり、国会を上手に乗り切っていただくならばどんな方法でももう結構でございます。
 以上です。
#262
○伏木委員 先ほどどうも失礼いたしました。お名前をスギヤマさんと言ってしまったもので、大変失礼しました。河合公述人に実はお伺いしたかったことは、政治献金はなるべく幅広く、一人一年千円というような幅の広いような献金を例にとると、今の自民党案の一億から二億に企業献金を拡大するということは、千円とすれば二十万人の人からの献金という形になる。その膨大な影響力、企業献金の影響力ですね、幅広くというのは、私理解できるのですが、現段階では企業献金やむを得ないというお話がございましたので、今の自民党案の二億というような膨大な数はやはり政治に重大な影響力を与えるのではないか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#263
○河合俊輔君 余りそんな、私は政治屋でも何でもございませんから。ただ問題は、ちょっと正直言って多いですね、先生。私もそう思います。
 以上でございます。
#264
○山口利男君 三点問題が出されていると思います。
 一つは、安定政権の問題でございます。既にいろいろ御議論が出ていましたが、やはり世界の流れは連立という形あるいは政党ブロックの上に成り立つ政権がより安定をしている時代ではないか、こういうふうに考えております。議事録の中でもそういう御発言がたくさんございます。例えば、国民のコンセンサスの上に立った新しいリーダーシップというのが望ましいという御意見でございます。
 理由を三点申し上げますが、一つは、現実に若干誤解がある。先ほどから何度も出てまいりましたドイツの歴史をずっと見ましても、詳しくは御説明いたしませんけれども、やはり連合政権で安定をしている。ドイツをどう見るかですけれども、私は安定してきたのではないか。大きな東西ドイツを、今世紀にはできないということをやりましたのですね。それから、現実に日本でも既に、これはどう見るかわかりませんが、相乗りというものをどう見るのか。新しい流れなのか、取引なのか。既に大平、新自由クラブのときのあの形は連立、連合でないのか。それから、さっき出ましたが、地方の場合にそういう形になっているのをどう見るか、こういうことが一つございます。
 それから二つ目は、つまり小政党がキャスチングボートを握る、しっぽが犬を振り回すという御議論でございます。確かにそういう面はございますが、また逆に、ドイツの例を見まして、御存じのとおり自由民主党がそういう役割を果たしている。選挙制度の改革についても、現行制度はこの自由民主党の役割、これが実はかなめの党になっているというふうに言われております。したがいまして、こういうふうな、相対的弱者効果と学者は呼ぶのですが、これをもう一遍評価し直していいのではないか、こういうことが第二点でございます。
 それから、現在の社公案の中には既に安定要件に対する配慮が出ております。安定要件を我々は政策的な問題の一つと、これは制度と関係ございませんが。それから、政党のサイズが安定要件に数えられます。それで、歯どめの一%、これはちょっと僕は疑問でございます、どの程度歯どめになるか。ただ、十二ブロックの四十ないし六十万単位の有権者の中で投票いたしますと、学者の計算ですが、二・六なしい三%ぐらいでないととれないということで、歯どめ的なことがあって、これが政党ないしブロックの促進を図るのではないか、こういう気がいたします。したがいまして、この安定政権についてはそういう積極的な御理解をお願いしたい。
 一括については、既にお話がありましたけれども、切り離しという御意見の中で、果たしてその方は政治資金というものをどうするのか、その内容を明示せずに切り離せと言っておりますので、その偉い方の資金をどう処置するかについての見解を聞いてみないと、内容、背景はうろん臭いと考えております。
 それから、最後の大変デリケートといいますか、恐らく難しい問題は、どこでこの話し合いの、皆さんの落としどころですか、そういうことですが、私はさっきから申し上げますように、比例をベースにして小選挙区を加味するという立場でございますので、この点で小選挙区の割合を六、四にするのか五、五にするのか、具体的には人数をどうするのかということでのお話し合いをひとつ詰めていただきたいと思います。
 以上です。
#265
○小林功君 まず、サービス合戦の点でございますけれども、これは中選挙区だからこそ起こるサービス合戦でございまして、その選挙区から一人しか出ておりませんので、その選挙区民はいろいろな問題については当面はその先生にお願いするよりしようがないというような形になると思いますし、また私も、前提といたしましては、梅村さんがおっしゃってみえますように、あくまで政権交代のできる二大政党ができるという前提のもとに立って話をしておりますので、そういう意味で、またサービス合戦だけやっておるような議員でしたら、多分落とされると思います。ですから、中央のこともしっかり考えた上で地元のことも考えていただける、大きいことも小さいこともやっていただける方、先ほど鈴木先生も主婦の立場でとおっしゃいましたけれども、この感覚を持っていただける方に、ぜひ話ができる議員の方に出ていただきたいということで、確かにその懸念もございますけれども、それほどではないのではないかな、そのように考えております。
 それから、大物がという点でございますが、大物がおるからこそ、そういうことがあってはいけないから政治改革をやっているのでありまして、それぞれの議員の方、皆同じ権能を持ってみえますから、いろいろな面でお世話になっておるとも思いますけれども、それはこっちへ置いておいて、各それぞれの権能を十分生かしていただいて、大物の意見は一つの意見として考えていただいて、本日お見えになりました委員の皆様の積極的な御意見を国会内に充満させていただいて、ぜひとも一括で今議会で成立させていただくようにもう一度お願いをして、私の答弁とさせていただきたいと思います。
#266
○中西座長 これにて委員からの質疑はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述者の皆様におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると確信をいたしております。
 国会は、宿命として最終の意思決定をしなければならない責務を負っております。このことを心に銘じて、これから私たちもベストを尽くしてまいりたいと考えております。
 この会議開催のために格段の御協力をいただきました関係各位に対しましても、深甚なる謝意を表する次第でございます。大変ありがとうございました。
 予定した時間をいささかオーバーをいたしました。これはもうひとえに進行係の責任でございます。最後におわびを申し上げまして、名古屋での地方公聴会、これをお開きにさせていただきます。大変ありがとうございました。
    午後零時四十九分散会
     ――――◇―――――
   派遣委員の福岡県における意見聴取に
   関する記録
一、期日
   平成五年五月二十一日(金)
二、場所
   ホテル日航福岡
三、意見を聴取した問題
   公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山
   静六君外二十三名提出)、衆議院議員選挙
   区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十
   三名提出)、政治資金規正法の一部を改正
   する法律案(梶山静六君外二十三名提出)
   、政党助成法案(梶山静六君外二十三名提
   出)、公職選挙法の一部を改正する法律案
   (佐藤観樹君外二十四名提出)、衆議院議
   員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観
   樹君外二十四名提出)、政治資金規正法の
   一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十
   四名提出)及び政党交付金の交付に関する
   法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)につ
   いて
四、出席者
 (1) 派遣委員
   座長 野田  毅君
      衛藤征士郎君    大原 一三君
      津島 雄二君    穂積 良行君
      菅  直人君    田並 胤明君
      早川  勝君    北側 一雄君
 (2) 現地参加議員
      麻生 太郎君    古賀  誠君
      塩川正十郎君    西岡 武夫君
      三原 朝彦君    松本  龍君
      小沢 和秋君
 (3) 政府側出席者
        自治省行政局選
        挙部管理課長  中野 正志君
 (4) 意見陳述者
        福岡県議会議員 板橋 元昭君
        田 川 市 長 滝井 義高君
        甘 木 市 長 中島 茂嗣君
        西南学院大学教
        授       大内 和臣君
        福岡県医師会長 櫻井日出生君
        日本婦人会議福
        岡県本部議長  大町多喜子君
     ――――◇―――――
    午前九時三十分開議
#267
○野田座長 これより会議を開きます。
 私は、衆議院政治改革に関する調査特別委員会派遣委員団団長の野田毅でございます。
 私がこの会議の座長を務めますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この際、派遣委員を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様御承知のとおり、本委員会におきましては、政治改革関連諸法案の審査を行っておりますが、各法案の審査に当たり、国民各界各層の皆様から御意見を聴取するため、御当地におきましてこの会議を開催することとしたところでございます。
 御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いをいたします。
 まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。
 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に、意見陳述者の皆さんから御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。
 出席委員は、自由民主党の津島雄二君、大原一三君、穂積良行君、日本社会党・護憲民主連合の田並胤明君、菅直人君、早川勝君、公明党・国民会議の北側一雄君、以上でございます。
 なお、現地参加議員として、三原朝彦君、松本龍君、小沢和秋君が出席されております。
 次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。
 福岡県議会議員板橋元昭君、田川市長滝井義高君、甘木市長中島茂嗣君、西南学院大学教授大内和臣君、福岡県医師会長櫻井日出生君、日本婦人会議福岡県本部議長大町多喜子君、以上の方々でございます。
 それでは、板橋元昭君から御意見をお願いいたします。
#268
○板橋元昭君 御指名をいただきました板橋元昭でございます。政治改革に関連しまして私の意見を述べさせていただきます。
 昭和二十一年十一月三日に公布され、昭和二十二年五月三日に施行された日本国憲法は、施行後四十六年を経て、内外の諸情勢の激変のために、今日種々の問題を露呈してまいりました。世界の中の日本として、現憲法のもとで、無理な判断を下すことなく、国際的役割を分担し、十二分な国際貢献を果たしていけるのかという問題であります。一方、国内においては、政治と行政が癒着し、金にまつわる不祥事が頻発、国民の政治不信ここにきわまれりの感があり、議院内閣制のあり方が問われ、衆議院と参議院の両議院で構成されている国会が、現在の選挙制度のもとで選出された国会議員によりその権能を効果的、効率的に発揮しているだろうかという問題であります。
 衆議院議員を選出する現行の中選挙区制度は、七十年間続いてきた制度であり、我が国の社会風土に密着しなじんできた部分が多く、評価に値する部分もあります。また、参議院の選挙制度であったかつての全国区、地方区選挙、そして昭和五十六年に制度を改正し導入された現在の小選挙区比例代表並立制の制度も、それぞれに時代に即応した意義があったと思います。
 しかし、新憲法施行後のこの四十六年間を振り返ってみますと、アメリカの強力な援助により戦後の復興を果たしてきた時代から、世界の冷戦構造の中で日米安全保障条約によりアメリカの傘のもとで平和を享受し、経済成長を図ってきた時代へ、そして、日本人の英知と勤勉さがドルショックやオイルショックの危機を乗り越えて、その経済力が世界を席巻するまでに強力になり、かつての友好国アメリカとの間で貿易不均衡の広がりのために将来への展望が開けなくなりつつある今の時代まで、それぞれの時代に政治が果たすべき役割は極めて重く、その適格性が日本の将来を決めてきたし、またこれからも決めていくものと思われます。日本が必死になって経済成長を進めていた時代までは何とか対応してきた政治も、事ここに至って制度の欠陥が露呈をし、政治の仕組みの根幹を見直す必要性に迫られてきたと言わざるを得ません。
 現在、衆議院においては、そのような状況を踏まえ、政治改革に関し、自民党から出された四法案、そして社会党、公明党提案の四法案を審議中でありますが、その中心はいずれも選挙制度の改革のようであります。私は、政治は国民の目に映りやすく、わかりやすいものでなければいけないと考えております。また、選挙制度は単純明快な制度であるべきだと思います。
 現在の衆議院の中選挙区はさまざまの欠陥が出てきたと言われております。金がかかる原因だと言われる同一政党からの複数立候補による同士打ち、それによる地元への過剰なサービス合戦、そして情実中心で政策不在、公約は軽視され、選挙区内の勢力は固定化され、それに伴う政治上の緊張感が喪失し、結果として政党内派閥の公然化、ひいては国会審議の停滞等であります。もはや運用面でこれらの弊害を改善することは不可能に近いと考えられるところであります。
 そこで、これらの問題点を排除して、よりよい制度を導入するとすれば、単純小選挙区の導入がよいのではないかと思います。政党による政策の違いが鮮明になり、また判断の基準に据えられるため、国民の目から見て、政党中心の選挙になる、また、政権を託したい政党の選択に明確に個人の意思が働き、しかも身近な候補者を選べる等のことがあるために、衆議院に不断の緊張感を与えることのできる制度であると考えるからであります。
 しかし、付言をいたしますならば、私は、衆議院の選挙制度の改革のみでは不十分であると考えております。国会は衆議院と参議院の二院制でありますから、バランスのとれた国会運営のためには、参議院においてほとんどその存在価値を感じないほどに有名無用化し、選挙だけは極めてむだが多くて大変な選挙区選挙を廃止して、その都度政治状況の変化によって多様な民意の反映が期待できる比例代表制一本の選挙制度に変更し、単純小選挙区制度の衆議院と比例代表制の参議院にすべきだと思うのであります。
 さらに申し上げますならば、二院制の国会でありながら、議会としてのすべての権能は衆議院が優先し、参議院には独自性を持つものがありません。しかし、これは憲法の定めるところでありますので、容認せざるを得ない部分であります。
 私は、冒頭に申し上げましたように、たび重なる不祥事の原因に政治と行政の癒着があると思いますが、この悪弊を排除することも考えていくべきだと思います。憲法六十七条と六十八条には、内閣総理大臣と国務大臣の過半数は国会議員の中から選ぶことが明記されております。現在は、内閣総理大臣はもちろんのこと、国務大臣のほとんどが衆議院議員の中から選ばれていますが、ここに政治と行政の癒着の原因があるのではないでしょうか。国会の権能である立法権は衆議院がすべて優先するところでありますから、行政権を有する内閣の構成は比例代表制選挙で選ばれた参議院を中心につくっていくぐらいの理解と決断をすべての国会議員は示されるべき時期に来ているのではないかと思うのであります。
 次に、政治資金規正法と政党助成法についてであります。
 政治に携わる者が政策立案や調査研究等の日常の政治活動をするに当たって多額の政治資金を要するのは、論をまたないところであります。それは、議員歳費等で賄えるようなものではありませんから、正常な政治資金は必要であります。個人献金はいまだ日本の政治風土の中で定着いたしてはおりませんので、企業や団体等の健全な政治を醸成していくための正しい政治献金は必要であります。もちろん、政治資金の収支についての透明性を確保することは当然でありますし、政治家本人の資金面における公私の峻別を明確にすることも重要であります。したがって、これらの事柄に対する違反についての罰則が強化されるのは当然のことであります。
 また、今回の政治改革においては選挙や政治活動の中心が政党になっておりますから、政党の財政基盤の確立、強化が必要となります。そのために、公的助成は必要やむを得ないものであり、このことは健全な民主主義の発展につながることになると確信をいたします。
 ただいま進められております政治改革は、すべて衆議院を中心に検討が進められておりますが、参議院や地方議会についてはこれまで全く触れていただいておりません。私は、先ほど述べましたように、国会の政治改革は参議院もぜひ同時に進めていただきたいと思いますし、また、国会での思惑が地方議会の政治活動を圧迫しないように最大限の御配慮をいただきますよう切望いたすものであります。そして、今回の政治改革については国会は不退転の決意で実現をしていただきますようお願いを申し上げ、私の意見陳述を終わらせていただきます。(拍手)
#269
○野田座長 ありがとうございました。
 次に、滝井義高君にお願いいたします。
#270
○滝井義高君 ただいま御紹介いただきました田川市長の滝井義高でございます。本日、衆議院の政治改革調査特別委員会の地方公聴会の公述人として御選定いただきましたことを心からお礼を申し上げたいと思います。
 委員各位も御存じのように、日本の汚職構造というのは、一九四八年の昭和電工事件、それから、我々に関係のある炭鉱国管事件に始まりました。そして一九五四年、昭和二十九年には造船疑獄が起こりました。一九七六年にはロッキード事件が起こり、さらに最近では、リクルート、共和、佐川急便事件と立て続けに政治スキャンダルが起こっております。この四十五年間のうちに実に八十一件に上る疑獄事件が続発をいたしました。戦後日本の政治史は、まさに金権腐敗の歴史そのものであります。これらの日本の金権腐敗の歴史を総括するがごとく、最近、佐川急便とともに金丸事件が起こりました。
 それで、金丸事件は、御存じのように、政治資金規正法というのはざる法でございます。このざる法が二つの「金」をすくい上げたわけでございます。一つは新潟の「金」、一つは永田町の「金」でございます。新潟の「金」は金子新潟県知事、永田町の「金」は金丸信という「金」でございました。いわゆる天網かいかい疎にして漏らさず、ざる法と言われておったこの法律がそういう大きな政治権力のあるところをすくい上げて、国民の前に明確にしていただきました。私は、これで日本の政治というのは一つの大きな転機を迎える契機が来たと思っております。
 御存じのように、この金丸事件に国民が大変憤激をしたのは、五億円の金をもらって二十万の罰金を払う、新潟県は相当深刻な調査、取り調べが行われましたが、権力のあるところは取り調べが行われなかった、政治資金規正法というのは大体そういうことができるものである。ですが、国民は、国民の良心として、国民の常識として納得をしませんでした。そして、検察は、金丸さんの不正蓄財、そして膨大な脱税があるということを明白にしてくれました。
 この金丸事件というのは私たちに五つの教訓を与えたわけです。
 一つは、政権政党というのが良心を失ったということです。だれも面と向かって悪いことをした人に忠告を与える者がなくなった。一方、社会党を中心とする野党もそれらのものに対して、深刻に考えて、急激な行動力でそれを攻撃し解明するという態度に欠けました。すなわち政権与党も野党もともに国民から不信を受けるというのが第一の教訓でございます。
 第二の教訓は、正義の味方であると我々が思っておった検察が、これは行政官でございますから、案外上層部が政府・与党と癒着をしておるということが言われ始めました。そして権威を失墜することになった。二十万というのはそれを示したわけです。こういう第二の教訓を得ました。
 第三の教訓は、天下の木鐸と言われておるマスコミの批判精神というのが大変脆弱になってきた。ある人は、それはマスコミは企業から広告等をもらわなければならぬからそういうことになるのはやむを得ぬじゃないかと言う人もおりましたけれども、とにかく批判精神が薄れてまいりました。
 四番目には、内閣総理大臣をつくるのに右翼と暴力団が関与しておる、しかも、それも明白にならないままでうやむやに葬られようとしておるという姿でございます。
 そして、第五番目は、内閣総理大臣あるいは一党の総裁というのが、自分の派閥なり自分の党から不正をした議員ができても、その議員に対して面と向かってリーダーシップを発揮することができないということでございます。こういう五つの教訓を私たちは今度の金丸事件で得ることができました。
 この姿を見た国民はどういう感じを持っておるかというと、世論調査をしてみますと、国民の九一%はもう政治家は信用ならない、急速な政治不信が広がりました。政治家を信用するというのはたった四%しかいないわけでございます。この政治不信の姿というものは、私たちは一体どうしたらいいか。参議院の選挙が昨年夏に行われましたが、投票率は五〇・七二%、日本の政治始まって以来の低率でございます。もし今の段階で衆議院が解散・総選挙になった場合にどういうことになるだろうか。政治不信というのはきわまっておるわけですから、参議院どころじゃない、いわゆるアイ・ドント・ノー・クラス、政治に関心を持たない、あるいは政治を批判して棄権をする層がうんとふえてくると思います。こういう実態を考えますときに、速やかに日本の政治を革新して、政治家が良心を取り戻し、野党は健全な野党としての存在を示す必要があると思っております。
 論語を読んでおりましたら、論語にこういうことが書いてあります。国家というものは三つの要素から成っておる。一つは兵である、一つは食である、一つは信である。弟子が、先生、その三つのものでやむを得ずどうしても除かなければならぬ場合は何を除いたらいいですか、孔子いわく、まず除くべきものは兵である、それでは残りの二つで除かなければならぬ場合は何でしょうかと言ったら、食である、食を除いたら死んでしまうじゃありませんか、いや、人間はどうせ最後は死ぬのだ、信がなかったら世の中というのはもう暗黒でだめだ、信なくば立たず、政治家が信を持たれなかったら国民は立ち上がることはないのだと言われました。
 今日本は、兵はPKOで語られております。食はガットのウルグアイ・ラウンドで語られております。信は今野田先生を中心とするここで語られておるわけです。PKOも大事、あるいはガットも大事、しかし、信なくば立たずで、私たちはまず第一に信を明確にする必要があるというのが私の地方自治体から見た感じでございます。
 今回、自民党の案と、それから社会党、公明党の案が出ました。これは、今、国会に出されて先生方が熱意を持って審議中でございます。私は、特に先生方にお願いをいたしたい点があります。
 それは、まず第一に、制度疲労を起こした中選挙区に決別を告げるということです。もうこの制度には絶対返らぬということを、まず、この法案を審議していらっしゃる田邉委員長以下全議員が与野党を通じて明確にその覚悟を持ち、宣言をするということです。これが一つでございます。そして、政権交代のできる新しい制度を、かわるものとして出してもらいたい。
 それから、今度の国会で、選挙制度とともに腐敗防止の法案を、すなわち四法案をひとつ一括通していただきたいということです。
 三番目は、次回の総選挙は新制度で実行していただきたいということでございます。
 そして、これからの交渉はすべて、この委員会の委員長である田邉國男委員長を中心に与野党の折衝をやっていただきたい。絶対、国会対策に持っていったり、あるいは水面下の交渉はやらない、堂々と一億二千四百四十五万の国民の前で、政治改革調査特別委員会が責任を持ってやるという、こういうよき慣例をひとつ今度からつくっていただきたいと思います。
 そして、交渉が幾分長引いて、どうしてもこれはどうにもならぬという状態が出たら、思い切って会期を延長して、この国会で結末をつけていただきたい。これがまず公述人としての私のお願いでございます。
 そこで、選挙制度の改革に当たりまして、私は、方向は二つあると思っております。一つは単純小選挙区制でございます。一つは完全比例代表制でございます。
 御存じのように、単純小選挙区でいきますと、民意は確実に集約をされます。安定政権ができます。しかし、五十一票をとって、野党が四十九票をとると、五十一票をとった方が全部制圧をすることになるわけでございます。したがって、そこに多くの死に票が出ます。この死に票が出るというところが大変大きな欠陥でございます。少数党の意見を抹殺してしまうという点があるわけでございます。
 一方、社公案を見ますと、この社公案というのは小選挙区と比例代表が併用をされております。これは、民意を確実に反映して、死に票が大変少なくなります。しかし、小党が乱立するおそれがあるわけです。強大な一党は単純小選挙区のようにできません。小党乱立をするおそれがあるわけです。したがって、政局が不安定になると言われております。
 しかし、現在の日本の今まで四十五年間歩み来った状態を考えると、これは、この際私は、小選挙区は非常に民意を集約するが、比例代表制は民意を反映する、こういう二つの長所をやはりある程度ミックスする必要があると思っております。すなわち、完全な比例代表をするということはいいのですが、これはまた、ますます小党分立を多くする。そこで、小選挙区と比例代表とをミックスをした社会党、公明党提出のものが、現在の日本の激変緩和をし、そして、少なくともある程度の政権の安定のできる道を開く方法ではないかと思っております。
 これは、御存じのように、今、こういう併用制のほかに、並立制もありましたし、連用制も出ておりますし、いろいろなことが言われておりますけれども、そこは、委員各位が良識を持って話し合いをして、明確にひとつ新しい選挙制度をつくっていただければ、これにすぐる幸せはないと思っております。
 そこで、この際私は、社会党、公明党にお願いをいたしたいわけでございます。
 両党がこういう併用制の案を出しました。あるいは幾分これを将来変えなければならぬかとも思いますけれども、当面これを出されております。そうだとすれば、社公は土俵を一緒につくろうという考えを持ったわけでございます。それならば、そういう、一緒に土俵をつくろうという観念を持ったならば、一緒に政権をとろうという考えまで進んでいく必要があります。それはどういうことかというと、やはり政権を確立するための推進組織をまずお互いにつくることだと思います。これは既に日本新党で政権交代期成同盟というのが言われております。あるいは、社会党が緊急改革政権というのも言われております。やはり政権をつくるものが必要だと思います。
 過去の野党の姿を見ると、局面が重大化し、大事な局面になると、野党はいつもばらばらになります。だから、したがって、いつも野党は分割支配をされて、一党支配が続いておるわけでございます。社会党は、非常に重大な局面になると分裂の歴史を持っております。野党がいつもばらばらになり、そして重大な局面で分裂をする。これは、政治というのはやはりぬるま湯にじっと入っておることが必要です。ふろがぬるいからといって飛び出しておったのでは、いつも自由民主党の政権が続くということになるわけであります。
 もうここらあたりで、あつものに懲りてなますを吹くのではなくて、勇断を持って、ひとつお互いが手を握りながら、小選挙区三百とつくったならば、三百の中に全部それぞれ今の勢力で案分をしながら立てていく、三百に全部立てる。こういう形になると、自由民主党がどういう形になってくるか知りませんけれども、政権確立の可能性が生まれてくる。可能性が生まれれば、国民は、見放している野党に対してある程度意欲を持ってくると思います。そういう意味で、ぜひひとつ、政権獲得のための推進組織をこの選挙法と同時につくっていただく覚悟が欲しゅうございます。
 次に、政治腐敗の問題についてでございます。
 政治腐敗の問題について、今までの政治は、政治は力なり、力は数なり、数は金なり。だから、金を持たなければ派閥の領袖になることはできないし、金を持たなければ内閣総理大臣をつくることができない。それは金竹小の歴史、金丸、竹下あるいは小沢の姿が明確にあらわれました。内閣総理大臣をつくるのに、大先輩の三人の総裁候補を若い小沢さんが呼びつけて、試験をするという、こういう状態は金の力が背後にあるからです。こういうことは、これは自民党ではない、我々国民としてそんなことは恥ずかしいことなんです。自民党も恥ずかしいでしょうが、我々も恥ずかしい。
 そこで、金のもとはどこかというと、企業でございます。先日、私は亀井さんに申しました。亀井さん、あなた方はこういう民間臨調をつくっておやりになっておるが、企業献金をまずあなたが率先しておやめになったらどうですか。いや、それはだめだ、三木さんのときにやめようとしたけれども、やみができてくると言うのです。やみは征伐したらいいのです。どんな立派な制度をつくっても、やみは出てくるのです。それは、石川五右衛門ではないけれども、浜の砂子は絶えないのです。だから、それはやはりきちっとやらなければならない。まず、隗より始めよ。こんな大きな汚職を起こして、政財官癒着をしている姿は、財界が諸悪の根源をつくっているわけです。ここにメスを入れるためには献金をやめさせる。自民党もこの際、別れることはつらいかもしれぬけれども、少なくともワルツを踊って別れてもらいたいと思います。
 それから、政治資金規正法と公職選挙法の違反者に対しては連座制を強化し、罰則を強化することは当然でございます。世論調査で、政治腐敗というのに罰則を強化せよというのが一番多くて、四九%あります。それから政治資金の規制を強化せよというのは二三%、その他、選挙区を変えろというのは一五%から二〇%、非常に少ない。上の方の、腐敗に罰則を強化し、政治資金の規制を強化するというのが一番多いわけです。
 だけれども、私は、これを分離せよとは言いません。中選挙区をやめて、一緒に選挙制度を変えるということがやはり大事です。その四法案を一括してやってもらわなければならぬと思います。
 最後になりますけれども、これから政党本位の選挙をやる、政策本位の選挙をやるわけでございます。今まで二十七、八年ごろの選挙あるいは三十年の初期の選挙というのは立会演説が非常に盛大でございました。もう実際に全部で立会演説をやったのです。そのときにはサクラは余り来ませんでした。そして、その立会演説の政策演説を聞いて、大体、その選挙区において、あの代議士はしっかりしておる、あの代議士はだめだ、こういうように県民、市民が見たわけです。したがって、立会演説を三十分ぐらいやって、そしてそれぞれ、これからは政党と政策の選挙ですから、堂々と政策論争をやるということです。
 もう一つは、価値観が多様化しました。多様化したから、したがって私は、この比例代表と小選挙区を一緒にしたものをするわけですが、どうしてかというと、それだけ価値観が多様化し、しかもボーダーレスの時代になっておるのですから、したがって、やはり国民の意見が反映するものをつくればいいのです。そして、多党化したら、その多党化した各党が良心を持って連立なり連合政権をつくる。基本的な政策はしばらく置いて、当面、緊急な政策、例えばガットの食糧の問題とか、景気の問題とか、地方分権の問題とか、環境問題とか、あるいは減税の問題、そういうような問題をやって、つくればいいわけだと思います。
 最後に、戸別訪問です。自由民主党の方は戸別訪問を書いておりません。初めは書いておると思って私は探したけれども、ありません。社公案はあります。
 戸別訪問は、これは買収が一番起きやすいところです。しかしまた、一番見つけやすいところでございます。堂々とやったらいい。戸別訪問をやれば、健康で政策がないと戸別訪問はできないのです。そういう意味で金が一番要りません。一番安い選挙は戸別訪問を確実にやっていくということです。これぐらい安いものはないです。一軒一軒の家に行ってごらんなさい。七十、八十のおばあちゃんが候補者を拝みますよ。よく来てくれた。私のうちは今まで一回も衆議院の候補者などは来てもらったことがない。市長さんなどは来てもらったことがない。そうして、おばあちゃんが一票を入れることになるのです。
 こういう立会演説と戸別訪問はぜひ解禁をしていただきたいと思います。
 最後に、当委員会は一切の難局を乗り越えまして、今国会において四法案を一括成立することを心から祈念をして、私の陳述を終わります。
 以上です。(拍手)
#271
○野田座長 ありがとうございました。
 次に、中島茂嗣君にお願いいたします。
#272
○中島茂嗣君 甘木市長の中島茂嗣でございます。
 私は、代議士の秘書を十四年、また県議会議員を四期十六年、そして二年前より市長を務めておるところでありますが、昭和三十年代の半ばから今日まで約三十年間にわたりまして国政選挙というものに携わり、また選挙に後援会幹部として支援をし、また現在は市長という立場で一歩間隔を置いて、現在の国政選挙、また選挙のあり方というものを見ておるところであります。
 そして、この二年間、つくづく私が感じますのは、やはり国会の先生方のお考えと、そして今国民が考えておることにかなりのずれといいますか、距離ができておるのではなかろうか、そのように考えております。そして、政治に対する国民の不信と不満というものは、本当にもうピークに達しておる、想像以上のものがある、そのようなことを肌で感じておるわけであります。
 そしてまた、今回の政治改革、選挙制度の改革について、自民党、また社会党、公明党からそれぞれ法案を提案し、本日の地方公聴会になっておるところでございますが、ただいまもお話があっておりましたように、各種世論調査の結果を見ますと、国民は選挙改革に対しては余り関心を持っておりません。パーセンテージで一五%から二〇%程度が選挙改革に対する関心度でありまして、あと、それよりもむしろ、政治資金規制でありますとか腐敗防止、このような政治浄化に多くの関心を持っておるところであります。
 このような一つのずれを感じるところでございますが、私は、やはりこの選挙改革をやることが政治改革につながってくる、そして、もう長い間続いてまいりましたこの中選挙区制、これを何とか形を変えないと、今の政治はよくならないということを感じております。
 この衆議院の福岡一区選挙区は、定数六人区でありまして、全国でもただ二カ所だけの六人区選挙区であります。また全国きってのマンモス選挙区であります。こういう選挙区で、中選挙区制ということで同じ政党の候補者がしのぎを削り、また当選後も、現職議員として選挙区に対する活動面で相当の力を注がないと次の選挙に対する備えができないというのが現実でありまして、選挙のことに気をとられないで政治活動に専念ができるような体制、これをつくっていくことが大変大事である、そのように考えるわけであります。先ほど申し上げました国民の不信と不満を解消するために、一日も早く選挙制度の改革なり、また各種の政治改革を是が非でも実行に移していただきたい、このように要請をまずしていきたいと考えております。
 きょうの新聞報道またテレビ報道等で、昨日からこのことに向けて政府においても積極的な取り組みがなされておるという報道がなされております。幾らか安心をしておるところでありますが、選挙制度の仕組みが一般の人には非常にわかりにくいという面がございます。そして、ここのところ何かそのことに対する取り組みがトーンダウンしたのではないか、こういうことも言われておりまして、大変私自身も心配をしておったところでございますが、昨日のあのような協議を十分踏まえていただいて、本格的に当委員会、もう全力を挙げて今後この選挙制度の改革に向けての取り組みをしていっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 選挙制度の改革につきましては、私は、単純小選挙区制が最もよりよい方法であるということを考えております。なぜならば、この制度は何といいましても最も国民にわかりやすい制度であるからであります。選挙制度は、税の制度と同じように、わかりやすいものであるということが大変大事であると考えるところでございます。そして、それでないと国民の理解と支持も得られないし、また、理解困難なものであれば国民の基本的権利とも言える参政権の幅も狭めるゆゆしき問題になる、そのように考えるところであります。
 しかしながら、自民党が現在単純小選挙区制に固執をする余りに、あるいは社会党、公明党が小選挙区比例代表併用案を強固に主張され、両案ともこれが流れるということになりますと、政治改革の第一歩が大きく狂ってくるところであります。そういうことから、何らかの妥協点を求めていただかなくてはいけない、そのように考えております。
 私は、妥協点として最も可能性が高い案は小選挙区比例代表並立案であると考えております。小選挙区と比例代表とを完全に分離して行うこの選挙制度は、既に現在の参議院選挙で実施されております。国民にもなじみのある制度であります。何よりもまたわかりやすい選挙制度である、そのように私は判断をするところであります。
 次に、この選挙制度は、定数を小選挙区と比例代表で完全に分け別個に行うために、併用制で心配がなされております超過定数の問題が発生をしないわけであります。今日、国民の目は政治に厳しく注がれております。そして、そういう状況の中で、選挙結果によってはその都度定数をふやしていかなくてはいけないという問題、いわゆる超過定数の問題も起きる可能性があります併用制は国民から到底理解と協力を得られず、反発さえ招きかねないということも私は指摘をしておきたい、そのように考えるところであります。
 定数五百人、そして何らかの形で、中選挙区制を廃止して、小選挙区制を導入しようということについては自民党案も社会党、公明党案も同じであります。もし国会でやる気があるならば妥協案は必ず実現ができる、そのように私は確信をしておるところであります。まずは単純小選挙区制、そしてこの制度を直ちに導入することが困難であるならば妥協の道を見出す策をとり、そして、今度こそ必ずこの選挙制度の改革を実現していただきたい、そのように要望したいと思います。もし今回もこのことが実現をしないならば、国民の政治不信はそのきわみに達し、憤激さえ招きかねないことを私は最も心配しておるところであります。各政党間の歩み寄り、そして妥協案を十分審議していただいて、この期待にこたえていただきたい、そのように考えております。
 それから次に、私は、選挙公営の問題について意見を述べさせていただきたいと思います。
 福岡県の大川市の山崎市長は、次の市長選挙そして市議会議員選挙に選挙公営制度を取り入れたい、そして自分は引退をするが、この次は若い有能な人に市長選または市議選に立候補をどしどししていただきたい、こういうことで、六月定例市議会に条例案の提案をしたいということで今準備が進められております。これは、選挙用ポスター、選挙用自動車に対する助成を行うという条例でありまして、上限は六十四万円までということになっておりますが、現在の選挙制度について大きな一石を投じております。新聞等にも報道されておるところでありますが、地方におきましても、現在の選挙制度を何とかしなくてはいけない、こういう声が日一日と強くなってきておるところであります。
 福岡県におきましても、次の統一地方選挙に向けて選挙公営についての取り組みがなされておるということが報道されておるところでございますが、私は、やはり選挙をやる者の立場として、いわゆるポスター、また文書、また遊説車、こういう経費が余りにも多くかかり過ぎる、そのように考えるところであります。これは、選挙区の大きい衆議院そしてまた参議院、また参議院の比例代表制になりますと、ますますその比重は大きくなってくるところであります。これを少しでも公営化することによって、そしてその負担を軽くするということになりますならば、必ずや国民も安心をして、政治に対する信頼が回復をされる一つの大きな道となってくるであろう、そのように考えるところであります。国政選挙においても既に実施をされておるところでありますが、地方においてもそういう動きが出てきておるということでありますので、いかに多くの選挙の準備のためのポスターとか、また事務・通信費でありますとか、また選挙用車の経費でありますとか、こういうことに頭を痛め、そしてその資金調達に苦労をされておるか。こういうことを考えますと、何とかこのような面にも踏み込んで今後取り組みをしていただきたい、そのように考えるところであります。
 選挙民は、このような事務的な経費に莫大な経費がかかっておるということを意外に知ってないのではないか、そのように考えます。莫大な経費がかかるのは選挙のための買収費等に経費が使われておる、そういうことがこのような形を生じておるという考えが強いと思うところでありますが、実態に関しましても、いわゆる国民との間に一つの大きな考え方の違いが出ておるのではなかろうかと考えます。そういうことも政治不信を増幅させておる一つの大きな原因ではないか、そのように考えます。
 そしてまた、地方議会においても最近、政治倫理条例の制定を各地でやっております。福岡県は、全国で最も多く、六つの市と四つの町が政治倫理条例の制定をしております。その内容につきましても、かなり厳しい内容の制定をしておるところでありまして、地方も一生懸命、今政治倫理、また選挙公営、そういうことに取り組みをしておるということを本日出席の先生方にも御理解をしていただきたいと思うところであります。
 私は、今政治浄化が叫ばれ、そして地方分権の問題も論議をされておるところでありまして、地方拠点都市の問題、また地方分権特例制度、パイロット自治体の制度等も今取り組みをしていただいておるところでありますが、国会の先生方が本当に国政に専念ができるような政治制度、選挙制度の改正をやるということが今最も急がれておる問題ではなかろうか、そのように考えるところでございます。蛮勇を振るっていただいて、当委員会が中心となっていただきながら、今一番国民が切望しております政治改革、選挙改革に全力を尽くされることを重ねてお願い申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。(拍手)
#273
○野田座長 ありがとうございました。
 次に、大内和臣君にお願いいたします。
#274
○大内和臣君 私は、一般市民の立場から、特定の政党にこだわることなく、私のかねがねの持論を展開させていただきたいと思います。
 私は、専攻が国際法、それから国際関係論でありまして、憲法あるいは行政法、地方自治法ではございません。専門でない領域にわたって意見を述べるわけですから、あくまでも単なる市民としての意見としてお聞きおき願いたいと思います。しかし、それなるがゆえに、かえって意見が述べやすいというところもございまして、恐らく専門家であったならば、本日この場には来ていないと思います。
 たまたま私は、非常に多感な青年時代を長期にわたりましてアメリカで過ごしました。そして日本人でありながら、あたかもアメリカの市民かのごとく、どっぷりとアメリカの政治に浸り込んでしまったのであります。それはアメリカの政治が大変おもしろいからでありました。外国人に外国人であることを忘れさせるほど非常に活気のある、そういう意味では市民と直結したところで身近に政治が展開しておったということでありまして、私は、日本の政治が曲がりなりにもそういう形に今後変わっていけばいいがなというふうに思っております。
 例えば、先ほどから出ております戸別訪問なども、私のエール大学の法学部の学生が、学生の身分でありながら地方議員に立候補いたしまして、一生懸命戸別訪問をやっておる姿を見ました。そのとき私は、これは腐敗につながるのではないかと思いながら見ておりましたら、むしろ逆に、戸別訪問を始めますと、すべての家庭を訪問しない者は不利になりますので、かえって汚職が起こらないという実態を見てまいりました。我が国においても必ずしもこれは悪い制度ではないのではないかと思います。
 本日私は、短い限られた時間の中で、四つの要点を述べさせていただきます。一つは政治浄化、二つは政権交代可能性、三つは民意の反映、四つは人材の登用と育成であります。
 まず最初の政治浄化でございますが、今日の政治腐敗というのは、人間、政治家を含めまして、だれしも欠点と弱さを持っております。したがって、人間がその本来の弱さを外に出す、それは言うならば、制度に帰着すると思うわけであります。したがって、どうしても選挙制度を改革しなければならないという認識のもとに今の大きな流れがうねっておると思うのでありますが、その政治構造をやはりどうしても改造しないことには日本はもう行き詰まってしまうと思います。我々の、一市民の立場から見まして、宮澤内閣が政治改革をしないということはもはや考えられない状態であります。もししなかった場合の宮澤さんの歴史的汚名は消えることがないと思うのであります。しかし、これは同時に、各政党の皆様方の誠実な御協力が必要でありまして、総理一人で果たすことのできないことでありますので、ひとつ党利党略を離れて御協力を願いたいと思っております。
 日本人の社会には、これはまた政治制度だけではままならないところがございます。よほどしっかりしたものをつくり上げない限り、それは、あえて申しますと、日本人自体が持っている弱点、日本の社会の因襲、これはある点においてはよきものになり、ある点では悪いものでありますが、今の制度は無記名投票なんですから、したがって、汚職をされて、お金をもらって頼まれても、その人の名前を書かなければいいのに書くという変なまじめさが日本人にはあります。外国人には見られないようなまじめさであります。そういう心理的拘束を受けやすい日本人の体質をよく考慮しておく必要があります。そして、変な義理人情があります。したがって、当面の話題の中では、政策中心の選挙にしようと皆さんおっしゃっていますが、理念的にはそのとおりなんですが、果たして政策中心の運動を展開されて、そのとおり国民がついていくかどうか、一国民として私自身大変疑うものであります。そういう意味で、選挙制度は、その民族的弱点を十分にカバーして余りあるものを考えなければならないというふうに思います。
 第二の政権交代可能性、これを可能にする選挙制度の実現、非常に大変大切なことでございますが、私は全く第三者として日本の政党を眺めてまいりましたが、私の好きな政党、嫌いな政党、当然ありますけれども、しかし一応今日まで日本に存在してきた各政党のそれなりの役割を評価します。それは、今日の日本の繁栄をもたらしたところには日本の政治がありまして、その日本の政治は、いろいろと欠陥を持ちながら、今日の日本を実現してきたわけであります。そこにおいては、野党が果たしたいわゆるブレーキ役としての役割は過小評価はできないと思いますし、また与党自民党が果たした過去の推進力、これもまた評価すべきだと思うのであります。したがって、私が多少懸念しておりますことは、今回の選挙制度の改革によりまして少数党の乱立、ある意味では乱立でしょうが、それのプラス面とマイナス面があるとすれば、プラス面を抹殺することはよくないのではないかという気がするわけであります。
 私が知っているアメリカ人のような国民によって成り立つ国では、共和党がだめだったら民主党、民主党がだめだったら共和党という、そういう形でうまく展開していくわけですが、それは教養の程度等においては必ずしも私は日本の民族よりアメリカの国民が高いとは思いませんけれども、しかし、なぜか政治的成熟度が非常に高い。多分これは、多数の異民族が共存している社会であるがゆえに、必然的にそこに出てくる政治選択が極めて成熟したものに見えるのかもわかりません。
 しかし、日本のように単一民族の社会では、相当の教養のある人でも、制度によりましては一党に偏してしまって、そして少数党あるいは他の政党に一切配慮しないという、そういう事態が発生するのではないか。まあ多くの欠陥を持ちながら、今日まではそういう少数政党も存続できたという体制であったということですが、これがある意味で政権を不安定にし、それから政策をぼかし、ある意味で国際社会における役割について多少アクションがおくれるという効果をもたらしているかもしれません。それなりの弊害はあるんでしょうけれども、私がここで新しい制度についてこいねがっておりますことは、この野党の持ち味をさらに生かしていくようなそういう改革はできないものであろうかということであります。
 いわゆる野党の健全育成であります。しかし、健全育成は今の制度の中では私は不可能だと思います。大体今の中選挙区制度の中では、もう自民党も行き着くところまで行き、社会党も公明党ももうこれ以上伸びないところにあると私は見ております。そうしますと、これは、飛躍をそれぞれの政党に望むならば、抜本的な改革が必要であろうと思う。そこで出てくるのが政界再編だというふうに思うのであります。余りちまちましたことに角を立てないで、大同に徹するような野党間の協力態勢が何らかの形ででき上がっていき、やがてはもうこれは世界の常識となっております二大政党、これが実現すれば大変結構なことだと思います。
 小選挙区制度については、確かに理論的には、自民党が一生懸命やって勝てばそのときはそれでいい、しかし、もしだめだったら野党が頑張ればいいじゃないかということになりますが、私は、この日本的社会の中では、やはり小選挙区制度にしても永久に自民党政権が続くのではないかと懸念するわけであります。そして、どういう制度であれ、一党が永久的にあるいは半永久的に支配する制度、社会には必ず汚職が出てまいります。それは、我々が想像できない、現時点では予想できないような種類の汚職が出てくると思うわけであります。したがって、ちょうど野球がいつもジャイアンツが勝っていますとおもしろくないように、やはり時々かわってもらうことによって政治に活力がわくのです。この話は、国会の討論なんかを聞いておりましても、与党の方々も言っておられることでございます。ただ、言っておられることが果たして小選挙区制度で実現できるかということにつきまして、私はむしろ疑いというか、お問いかけをしたいと思っております。
 第三点でございますが、民意の反映という点がまた非常に大きなことでございまして、理論的に言えば、小選挙区制度が一番直接的に民意を反映するわけでございます。ところが、民意とは何かということを問う必要がございます。我々の民意、一人一人の意思には、多分に両面性、二面性がありますし、矛盾性があります。
 例を挙げますと、個人の政治家については自民党の人に入れます。しかし、憲法九条の改正について国民投票が行われますと、今世論調査では、相も変わらず個人の政治家に投票した数だけ入らないですね。いわゆる政党に対する日本人の民意と個人の政治家に対する民意は違うわけです。しかも、よしあしは別といたしまして、両方とも真実なんですね。そうしますと、我々が持っているそういう多面的な意思といいますか多面性、これを実現することが非常に大事であります。そういう選挙制度を考える必要があるのではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、アメリカの場合はどうなっているかといいますと、御承知のように、アメリカでは三権分立がはっきりしていまして、大統領は共和党で、国会は民主党支配がずっと続きました。それでアメリカも、当初第一期四年間は非常にうまくいきましたが、うまくいかなかったわけです。結局、アメリカの場合でさえ二面性を持っているわけです。共和党の大統領を選んで、そして民主党の下院議員あるいは上院議員を選ぶ。そしてそこに一人一人がバランス感覚を政治に反映させるシステムがあるわけであります。アメリカの場合は、ある人がある人に入れ、他の人が他の人に入れてできるバランス感覚だけではないわけですね。一人一人の中にバランスされるべきものが対立しておるというその実態をよく御検討いただきたいと思うわけであります。
 また、それでは、多様性を実現するためには日本は参議院があるじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、これは実証的に見まして、参議院はアメリカの上院の役割を果たしておりません。それでは今から上院の役割を果たすかということについては、相当慎重な御審議が必要であろうと思います。それは可能かもしれませんが、できないかもしれません。制度の変更にもかかわらず、いわゆる衆議院の二軍的存在になる、これは国民あるいは政治家、すべての人たちの意識の中にそういうものがあるのじゃないか、そういうことがございますので、これも御検討いただきたいと思います。したがって、我が国では、衆議院が独自でいわゆる両院の役割を今日まで果たしてきておると私は見ます。上院であり下院である、それほど強大な機関でございますので、衆議院の選挙制度はその点から考える必要があるかと思います。
 それで、小選挙区比例代表制というのが出ておりますが、私は民調から出ております連用制のメリットに着目したいと思います。
 なぜ私は連用制を重視するかといいますと、とにかく何かが生まれてほしい、素人目に見ておりますと、結局はそこに落ちつかざるを得ないのじゃないかというふうに思うからであります。あるいは皆さんでぜひそこに落ちついてほしいと思います。そしてその効果は、死に票が出ない、それから政策中心の選挙が可能である、それから民意の不安定性あるいは近視眼的弱点、欠陥が補強、克服されます。私は民意の絶対視、神聖視は大変危険であろうと思いますので、それはやはり小選挙区プラス比例代表制というのを兼ね合わせることによってチェックできるというふうに思います。
 そのようにいたしまして、政治改革は、再編成を促し、バランス・オブ・パワーがそこで実現し、したがって政局が安定し、また政権交代が可能である、したがって、それはまた長期的な意味での日本国民の民意が実現するというふうに思います。
 我々は選挙では、今の時代にあっては、どちらかといえば短期的政策の選択をいたします。長期的な日本の運命、世界の人類の問題、ここまで一人一人の選挙民は思いが及びません。しかしそれをだれがするかといいますと、議院内閣制度のもとでは我々国民から選ばれた議員さんたちがするわけであります。したがって、そういう意味では最後の人材の登用と育成ということを重視したいと思います。
 世界を憂え、国の平和を念ずる政治家たちはやはりすぐれた人材でなければなりません。そうすると、立派な人材が政治家として育っていくためにはやはりそのような制度が必要であります。そういう意味では、私は、小選挙区制度で選ばれた方々も優秀であると思います。また地域住民の利益を代表する、これぞ民主主義の基本でありますけれども、同時に、長期的視野に立って、あえて個人の利害を抜きにして、政治を推進できる人材もまた席を占めるような制度が必要であるというふうに思うわけであります。例えばドイツのコール首相などは、記録によりますと、小選挙区制度では落選しておりながら比例代表制で選ばれて、しかも総理大臣をやっておるわけであります。そういうところで、私は今のところ民調から出ております連用制が最も妥当な案ではなかろうかというふうに思っております。
 粗雑な陳述になりましたが、以上をもちまして終わります。(拍手)
#275
○野田座長 ありがとうございました。
 次に、櫻井日出生君にお願いいたします。
#276
○櫻井日出生君 福岡県医師会長の櫻井であります。
 公聴会になぜ私が指名されたのか、正直なところ、わかりません。本来私は、相撲に例えれば、土俵を幾ら広げろとか俵の高さがどれだけがいいとかいうようなことには関心は低くて、問題はいかに内容がよくなるかにだけ興味があります。そこで、本日は政治に関心を抱く一国民の立場から話をさせていただきます。
 御承知のように、我が国の政治、経済は今日大きな岐路に立っております。敗戦後の荒廃期を国民の英知と努力、何よりも国政の確かな指導力のもとに克服し、今日経済大国とまで呼ばれている我が国でありますが、ますますふえ続ける貿易黒字、カンボジアへのPKOの派遣、米の市場開放問題など、どれをとっても、その対応を一歩誤ると世界の孤児になりかねない要素をはらんでおります。とりわけ、今日まで我が国のよき理解者、パートナーでありました米国に若いクリントン政権が誕生し、従来と違った対応を打ち出すと伝えられていることには特別の関心を払わざるを得ません。
 言いかえますと、今日ほど政治、経済のかじ取り、すなわち国政運営が重要になっているときはなく、安定した政局のもとで強力なリーダーシップが最も必要なときであり、国民の多くもそのことを期待しているのであります。しかし、国政の実情は残念ながらそのような方向に進んでおりません。むしろ相次ぐ不祥事によって国民の憤激は政治不信の極限にあると言わざるを得ません。ここに今日の政治改革が急がれる理由があると考えます。
 ただ、一言つけ加えますと、私は日本の政治を考えるときに強調したいのは、日本国民は象徴天皇という求心力の核を有しておることであります。政治の外にありながら、国内の安定にはかり知れない影響を有しておられるのでありまして、このことに揺るぎない理解を示すことが我が国政治の要諦であります。これに異を唱える政党は政権担当能力がないのだ、私はそういうふうな認識に立っております。
 話をもとに戻しますが、今日の政界不祥事については、すべてとは申しませんが、選挙に金がかかり過ぎることに主な原因があり、ひいては、このことが政治をゆがめる原因にもなっていることは論をまたないところであります。まず何よりも金のかからない選挙の実現を期さねばなりません。このためには、具体的な選挙制度の改正、金のかからない制度の確立であり、政党の日常活動のために新たな費用の調達が図られなければなりません。
 次には、戦後ずっと行われてきました現行の中選挙区制度に制度的欠陥があり、また長年の実施で制度疲労をも起こしているために、この制度を改めなければいけないとの議論であります。果たしてそうなのかどうか、私には断定する見識はありませんが、今日、世界の選挙制度では大選挙区か小選挙区に二分されていると言われておりますし、中選挙区は日本独自のものとのことであります。
 もちろん、世界に例を見ないでも、よりベターであれば問題はありませんが、残念ながらそうでないことは、小選挙区制が議論の大勢を占めたということからもわかるわけであります。
 そこで、現行の中選挙区制度の制度的欠陥について述べます。
 まず第一に、この制度は、三人から五人の議員を選ぶという制度であります。このため、政権獲得のための多数工作として同一政党から複数の候補者が立候補して争うわけでありまして、いわゆる同士打ちの事態が出てくるのであります。同一政党の候補者が争うことは、有権者の選択肢としての政策的な意味合いは不明瞭となり、本来政策を掲げて争うべき国政選挙が専ら有権者への利益誘導になり、政策選挙の観点はボイコットされ、また、有権者の方も選挙を通しての政策のコントロールの意識は希薄になります。かつて全国のかなりの選挙区で複数候補を擁立されていた野党第一党の社会党が今日ほとんどの選挙区で一人にとどめられておるのは、この同士打ちによる共倒れを避けているためと判断されます。こうしたことが国政における政権交代の可能性をなくし、今日まで自民党が長期に政権を託された原因にもなったことは、多くの方の指摘されるところであります。
 政権交代のない政治は、民主政治において決して好ましいものではありません。政治がよどみ、政権党と官僚とのなれ合い、あるいは企業との癒着といった問題などから腐敗汚職が発生をし、その結果今日の政治不信を招いていると言えます。政治は与野党間で常に緊張感をはらみ、政策のいかんによっては政権交代がスムーズに行われるような選挙制度が確立されていなければならぬと考えます。が、この意味からは現行の中選挙区制度の悪い面が極めて色濃く出てきているのが現状であります。
 次に抱える問題点として指摘しなければならないのは、選挙と金の問題であります。すなわち、中選挙区制度では、有権者は選挙を通じて政策のコントロール意識は希薄でありますから、競争は別の次元で行われることになります。候補者は争って有権者と個人的につながろうとして、これが選挙費用の膨張をもたらしております。受ける側からすればわずか一枚のはがきでも、送る側は、何千、何万、何十万となれば莫大な費用となり、候補者同士の競り合いでとめどない膨張を見ることも必然であります。今日一回の選挙費用が四億とか五億とかうわさされますが、これが民主国家でまともな姿とは考えられません。
 最近、国会議員の世襲制が取りざたされております。二世の衆議院議員の数がかなりに上るようでありますが、これも、選挙に余りにも金がかかり過ぎ、多くの新人の進出を阻んでいる反面、組織を継承できる二世議員が進出しやすい原因の一つであることは間違いありません。政治に夢と希望を持ちながら、金の面から前途有望の新人が国政での活躍を阻まれているとすれば、国家のためにも大変に惜しまれるところであります。
 以上のようなことから、私は小選挙区制導入に賛意を表します。もちろん、小選挙区制度についてもいろいろと批判があることは十分に承知をいたしております。
 第一は死票の問題であります。
 イギリスの総選挙は小選挙区で行われております。比較多数ですから、当選するのに投票総数の過半数を得る必要はありません。したがって、当選者以外の候補に投じられた票はすべて死票となります。一票でも勝ちは勝ち、負けは負けですから、極端な話では、自民党が提案の単純小選挙区案に即していえば、全国合計五百票の差で五百全議席独占の可能性もあり得ます。反対に、他党は、わずか五百票の差でオール死票となり一議席も得られないということもあります。これは誇張した議論でありますが、イギリスでは、保守党が労働党に得票率で下回りながら議席数で過半数を占めて政権を握った例が何度かあったと聞きます。死票になるわけですから、民意が議席を通じて国政に正確に反映されないと反対論の方は盛んにこの点を追及されております。
 しかし、逆に考えると、一票でも勝ちは勝ちという単純な選挙制度でありますから、国民にわかりやすく、また理解されていると考えることもできるかと思います。首長選挙はすべて一人を選ぶ幅広い意味での小選挙区制度の一つであります。この選挙で、不正がない限り、国民は一票の差をとらえて、または死票の問題を指摘して選挙に異を唱えたことがあったでしょうか、あるいは民意が反映されにくいと批判をしたことがあったでしょうか。卑近な例ですが、本県の五十八年の知事選挙は、いわゆる知事公舎問題を争点として争われまして、県民が豪華知事公舎を建設したとされた現職知事に対していわば拒否権を発動した形になりました。これは小選挙区制度ですから主な民意が伝わった格好となったものであり、もし連記制を許す制度であれば現職が当選したでありましょう。やはり第一位が当選、一票でも負けは負けの単純小選挙区制は既にここでよく理解されているのであります。
 次に小選挙区制で取りざたされるのは、区割りの問題であります。政権党が自分の都合のよいように区割りを行うならば、かつてこの制度の批判のときに用いられました代名詞のゲリマンダーになるおそれは残されております。
 しかし、今日の民主主義議会ではまずあり得ないと考えます。現に、各党とも区割り画定委員会を法で設置し、これは第三者機関にするとしております。人口を基盤に地域の歴史、伝統などを考慮して選挙区を画定していくならば、必ずや納得のいく区割りが実現するものと確信をいたします。要は国会のやる気の問題であります。
 そろそろ私の意見をまとめたいと考えます。政治家にまつわる不祥事の続発とこれに基づく国民の政治不信を解消し信頼を取り戻すためには、何よりも個々の政治家が政治倫理を確立し、国民の非難を受けることがないようにすることが先決である、これによって政治を立て直すという議論はそのとおりであります。これが前提であるべきであります。
 かつては政治家は選良と呼ばれ、その言葉には、それに連なる有権者と本人との尊敬と誇りを伝えておりました。今日この言葉が死文化したことはまことに残念であります。しかし、それを待っていても、いつのことかわかりません。今日、緊急の実効性を期待できないのであります。そこで、制度改正の方から取り組んでいただきたいということであります。
 小選挙区制では大部分が意見が一致しているようであります。あとは比例代表併用制とかあるいは連用制などと言われております。しかし、やって試みるならば、単純小選挙区制のわかりやすい理念でしてほしい。参議院と同じルールを持ち込むのは賛成をしかねます。また、定数が増加する可能性のある案も反対であります。
 政治は一種の妥協であります。真剣に討論し、検討して、結論を出していただきたい。しかし、それでもなお妥協ができないならば、私は、とりあえず現行の中選挙区制度の中で連記制の採用を提唱します。これは、我が福岡県医師会の役員選挙で現在行っている方法であります。あらかじめ候補者名を届け出順に印刷しておいて、半数以上定員までに丸印をつける方法であります。計算も迅速に済みます。これは緊急避難として紹介をいたします。
 いずれにしても、選挙制度は民主政治の重要なシステムでありますから、これをよりよく設計して、日本政治の質を高めるという社会工学的な発想を望みます。何はともあれ、制度改革をやっていただきたい。まずチャレンジせよと言いたいけれども、いろいろのお考えが錯綜をして、今日まで引きずってこられたわけでありますから、私としては、一応緊急避難の考えまでも申し上げまして、選良の先生方の良識に期待して、私の公述を終わらせていただきます。(拍手)
#277
○野田座長 ありがとうございました。
 次に、大町多喜子君にお願いいたします。
#278
○大町多喜子君 大町多喜子でございます。
 ただいままで各先生方のお話をお聞きいたしておりまして、私が考えておりますこととダブっていく面もあるかと思いまして、当初から全く角度を変えまして、重ならないという、言うならば、私が婦人の市民運動のこともやっているという単なる一市民の女性の立場から感じましたこと、ある意味では直観的と申しますか、そういったことで一応お話をさせていただきたいというふうに考えます。確かにいろいろな制度の提示がございましたし、そのことにつきましては重なる部分がございます。あとは賢明な皆様方の方で御賢察いただきますということを前置きいたしまして、全く角度が違ったところで公述させていただきたいと思います。
 今私は、先ほどもちょっと出たかと思いますけれども、なぜ今選挙制度なの、なぜ今選挙制度のことを言うの、これが私の周辺におります女性の皆さんの率直な声であるというふうに思います。そして、端的に申しまして、選挙制度を変えても国民の政治家に対する不信はすぐは解消されないのでしょう、こういう声がまた追いかけてくるわけでございます。
 共和汚職事件で贈賄などの罪に問われた元共和副社長森口五郎被告は東京地裁で懲役五年六カ月の判決が出されましたが、国家行政の公正に対する国民の信頼を著しく失墜させましたことはよく御存じだと思います。そのことをして、また国民に政治離れの風潮を引き起こしてまいったわけでございます。
 近くロッキード事件に始まって、そしてリクルート、そして共和、そして佐川急便、金丸信前自民党副総裁の五億円の献金並びに巨額の脱税問題、あるいは竹下登元首相への皇民党及び暴力団の関与の疑い、旧平和相互銀行合併にまつわる四十億円金屏風取引疑惑など、これらの真相究明が徹底的に追及をされて、政治の場でやっていかなければならないと思いますが、残念ながら、そのことは一向に進んでいないまま、今日選挙制度改革論ばかりが先行しているというところに、ある意味では、市民として解せないとするところがあるわけでございます。
 今自民党の金権体質が問われている、そのことを、私は、国会で政治家の皆さんに篤と腹におさめていただきたい。もちろんわかっていますよという言葉が返ってくるとは思いますが、今いろいろなことを見ながら、国会の中で期待していたこともさほど追及の形にならないまま今日に来ている、そういうことが原因で政治改革をやらなければならないのねという、そういうことになったのだと思います。であったら、十分に国民の怒りを受けとめて、政官業界の癒着構造を根底から正すとする真の反省の上に、これらは取り組まなければならないというふうに私は考えるわけでございます。
 金丸前副総裁の七十億円にも及ぶと言われています不正蓄財の原資が、東京佐川急便または山梨県の建設業界からの献金、公共事業を請け負った企業からの見返りとして不正蓄財をやっていられたということは、これは税金の横流しではないのですか。国民が怒るのは当然だと私は思います。まさに金権汚職構造そのものであると思います。政界、官界、産業界の依存関係、特に族議員の問題、政官財癒着の構造を断ち切らなければならないという思いが、国民の中に痛切に、痛いほどに政治に対して批判をしているわけでございます。
 汚職構造、金権腐敗の体質について国会としての自浄能力をつくっていくことが今極めて重要なのではないでしょうか。政治家が政治倫理に反する事実があると思った場合に、あるいはそういう疑惑を持たれたとしたら、みずから真摯な態度でもってその疑惑を解明し、その責任を明らかにするように努めていかなければならないのではないかというふうに思います。
 国民は一体何を怒っているの、そして国民は何を政治家に期待をしているの、こういう問題があると思います。
 議事録を見ておりましたら、土井たか子氏もおっしゃっておりましたが、選挙制度を、勝つか負けるかという問題を競い合うのではなくて、不正を克服し、不信を解消し、民意を反映した、今日に生きる日本の政治の展望を国民に示してくれることを国民は今期待しているのです。反省と清算、けじめをつけるということを望んでいるのです。それが政治改革の大前提でなければならないと考えるわけでございます。
 今回の政治改革の柱である選挙制度改革と政治資金規正法の改正につきましては、政官財のもたれ合いの体質を一掃する思想が込められているはずと思いますが、政治家自身の倫理欠如の目立つ中で、公共事業に絡む政界、業界、官界の癒着構造を正すことは、選挙制度と関係なく可能と思う問題もございます。癒着の土壌となっています指名競争入札制度をやめて一般競争入札を原則とすれば、その透明度は一定程度高くなるのではないかというふうに思います。具体的な問題をできるところから少しずつ、一つずつ対応して改めていくことが必要ではないかと思います。
 先ほども中島市長がおっしゃっていたと思いますが、昨年の参議院選挙の投票率は実に五〇%、史上最低の投票率となりました。どう分析をなさいますか。とりわけ、私は女性でありますが、女性の社会進出を願って、その投票率は近年上がっていたというふうに思っておりましたが、昨年、九二年の七月の参議院の選挙、選挙区も含めて、女性の投票率も前回よりも何と一四%も減ってしまったという事態を招きました。国民の政治離れがその中でうかがえるのではないでしょうか。国民の政治への関心を高める魅力ある政治改革を進めるため、一人でも多くの有権者が公平な条件のもとで投票する、投票率の向上を図ることが今大切であろうかというふうに考えています。
 政治改革は、選挙制度と腐敗防止という両輪であります。進む方向は民意の反映であるということは今さら申し上げるまでもございません。
 政治資金規正法の一部を改正する法律案は、社会、公明の提案によりますと、企業献金は全面禁止になっています。これは賛成でございます。企業献金を禁止するということは、確かに選挙には金がかかります、しかし今、国会に課せられた課題であると私は思います。
 自民党の政治資金については、これは提案なさった内容ですね、今までの既存の献金方式を温存しているというふうに思います。一部、個人から政党へというふうにお変えになったところがございますが、例えば、政党の献金が今まで一億円が上限だったのが二倍の二億円にする、そして政治家の資金調達団体は二団体以内に限定をして、それぞれ二十四万円の限度額とする、しかもそれは経過措置が五年というふうになっているわけですね。
 今回の改革法案の最大の問題は、この改革でもって政治家の政治と金の問題について、国民の信頼を取り戻すということであったと思います。企業献金それ自体が利益誘導的性格を持っていると思います。今日までの事実がそれを端的に示していると思います。企業が無制限に金を出し、企業が政治に金を出せば必ず見返りを期待する、これは人情だと思います。一連の政治腐敗の再発を防ぎ、派閥をなくし、金のかかる政治を改革していくことこそ国民が期待しているところでございます。
 だからこそ、金がかかる政治であれば政党助成の新設は国民は賛成すると、その六〇%が示しております。私の隣におります女性は、本当に金と切れるのであれば、たばこ一個代ではなしに二個代出してもいいとさえ言っているのです。
 なお、政治資金規正法の違反者の公民権停止も、社公案は実刑プラス五年、自民党案は実刑期間のみ、実質的な立候補制限にはつながっていないと思います。国民感情からいえば、疑惑を持たれた政治家の皆さんはおやめいただきたいと思います。
 また、ロッキードの反省から、衆参両院に今、政治倫理審査会が設置されているやに聞いておりますが、現在のところ、その機能がなかなか容易ではないというふうに、まあ開店休業と申したらよろしいのでしょうか、この際、その政治倫理審査会を常任委員会へ昇格なさって、議員辞職勧告も含む強い権限を付与されるようにと思います。
 次に、政官業の癒着構造の中で、今地方分権が進められています。これはちょっと横にそれるようではございますが、国の政治を全うしようとして御努力なさっていらっしゃる先生方もおられるようでございますので、あえて地方分権と絡めて申し上げさせていただきたいと思いますことをお許しいただきたい。
 これまで我が国が経済先進国に追いつけと猛進して、日本の近代化過程の中でつくられた国内政治行政構造が、激動の国際社会に対応できなくなって、政府のこれからの対応を高めるために、地方分権制定による国と地方の役割を明確にしていくということがこの平成五年の四月から進められています。確かに重要なことでありますし、私も大変賛成するところでございます。特に、政治腐敗を生む政治と金の関係を断ち切るため、地方に権限を一部移譲する、利権構造の中央集権体制を改める、地方分権制定により平成五年から国と地方の役割の明確化を図る、決定権が市町村にゆだねられることになっています。
 現実は、政官界の既得侵害という感情もございまして、必ずしも十分にいっているというふうにも思いませんが、福祉の関係でかなり進められているように思います。しかしながら、地方ではその受け皿がなくて、施策展開のための財源や人材などが不足しているということが言われています。
 県内の八女市では、高齢者ニーズにこたえて、高齢者福祉センターを総工費六億四千万円で建てたわけでございますが、年間二十億円の市の財政の中で、平年度二億円の運営費の捻出は非常に困難なものがあると言われています。職員は、課長を含めて三人。
 これからの福祉社会の形成は、そういう意味で、中央で権限を移譲しただけでなくて、その裏づけになる財政の御配慮をいただきたいということを申し上げているわけでありますが、特に福祉社会の形成の中で女性が果たしております今日的な役割、女性が置かれている現状を改めて、少なくとも自立と基本的人権を確立させた視野の中で、地域における生活課題の共同化で地域市民の合意形成が容易にできるよう、その機構をつくらねばならないと決意をしているところでございます。女性が生活者の視点から、より大きな声としてそれらを世論化し、政策に直接反映させる社会参画の実現を築き上げていく課題が同時にここにあるわけでございます。
 国民の政治に対する不信が深まっているだけに、より多くの女性と連帯して、私どもは、政治と社会を変える主体者として、暮らしの豊かさを実感できる地域づくりに努力をしてまいらなければならないと考えているところでございます。よろしく御判断をいただきたいと思います。
 その次に選挙制度につきまして、これも女性の、生活者の立場から申し上げたいと思います。
 選挙の安定というのは、国民が、自分たちの意見を忠実に反映した議会構成になっているということを認めるときであると私は思います。重ねて申しますならば、民意を率直に反映する得票数がそのまま議席につながっていくということだと思います。そしてまた、少数の意見があっても、よく聞き取られるという制度でありたいと思います。価値観が多様化した今日の中で、私は多様な意見があってもよろしいというふうに思いますし、それらをまとめて政策をつくっていくということは議会制民主主義として極めて重要であろうかというふうに思うわけでございます。
 その意味で、今提示されております選挙制度の中で、女性は何を求めるの、どれがよろしいのということを尋ねてみました。その中で女性が申しましたのには、比例代表制がいいわね、こう申しています。比例代表制は、単独の比例代表はここで提示してありませんが、併合のものがございますね、連用がございますね、並立がございますね、各選挙の定数が自動的に決定され、議会に国民の意向を公正に反映するからでございます。
 ちなみに、御存じだと思いますが、北欧四カ国の選挙結果を挙げてみましょう。フィンランドは一院制、比例代表制であります。そして国会議員が二百名おりますが、うち七十七名、三八・五%が女性議員であります。また、大臣は十七人中女性は八名、四七・一%、これは一九九一年のデータでございます。スウェーデンは一院制、これも比例制でございまして、議員三百四十九名のうち女性百十七名、三三・五%、大臣は二十一名中女性八名、三八・一%。これは一九九〇年で、任期は三年となっています。デンマーク、百七十九名中三〇%が女性だと言われています。ノルウェー、これもやはり比例制で、これは二院制度ですね、女性議員が三五%、大臣七名。これはちょっと資料が古いんですが、一九八五年となっています。それぞれに比例代表で国民の意思を可能な限り反映させる制度として定着しています。
 日本の現在、衆議院についてまた参議院について、私が申し上げるまでもないと思いますが、念のために、衆議院は四百九十七名で、そのうち女性が十二名で二%、参議院は二百五十二名中女性は三十七名で一二%、これはやはり比例が若干入っているからだと思います。日本の男女の比率から申しまして女性の方が多く、有権者の多い女性の声を反映させることは議会制民主主義の原点であると私は思います。
 宮澤首相はそれこそ昨年、「生活大国五カ年計画」を御提示になりましたが、これまでの産業、経済優先を排しまして、高齢者や障害者の問題をやりますというふうにおっしゃってくださったのですけれども、予算案は必ずしもそうならず、やはり景気優先となっていて、福祉は抑えられています。伸び率はわずか三・二%増にとどまり、公共事業は四・八%増となっています。全国七十数万人の要介護老人の世話をするホームヘルパーは来年は六千人増、急増する介護ニーズに及ばず、高齢者福祉推進十カ年ゴールドプランは危うくなっていて、高齢者対策は先進国の中で最低ということになっています。
 これはぜひお考えいただきまして、国連婦人ナイロビ将来戦略は、二〇〇〇年に向けて平等、開発、平和を達成するために、国の審議会等へ女性の登用をするということ、あるいは法律はそのまま実際に平等であるということ、そして男女平等に参画できる社会を創出するということなどを今世界の連帯の中で進めているわけですが、それらの中で国内で一番重要視していますのは、女性の政治参加であるわけでございます。その意味において、今回の選挙制度が女性の進出を促すものであってほしいということを切に考えているところでございます。
 ですから、先ほども選挙区制で単純と比例制の問題が出ておりましたが、私はそれぞれに長所があると思うのです。ですから、小選挙区制、比例代表制のそれぞれの短所を補い合った選挙制度として有効に機能して、女性の議席数を増していく、その中から新しい政治の改革も芽生えてくるのではないかというふうに思います。なぜなら、女性は生活に立脚した目ですべてを見ていますし、政治を見ていると思います。
 総選挙は、明治二十三年七月、一八九〇年、第一回以来、平成二年の今日まで三十九回、そのうち大、小選挙区十六回、中選挙区二十三回が行われ、ことしはちょうど百周年に当たります。極めて記念すべきこの年を機会に、国民の期待にこたえられる政治改革をなし遂げていかなければならないというふうに私ども女性も考えています。今、国会ではいろいろな論議が行われておりますが、修正案の採用も含めて、必ず妥結の道を真剣に模索していただきたいというふうに考えるものでございます。
 選挙制度改革と政治資金規制強化と腐敗防止を一括処理をして、国会の自浄努力を高めていかれることを切に切に念じて、私の陳述を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#279
○野田座長 ありがとうございました。
 以上で意見陳述者からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#280
○野田座長 この際、派遣委員として衛藤征士郎君並びに現地参加議員として塩川正十郎君、古賀誠君、麻生太郎君が出席されましたので、御紹介をいたします。
 これより委員からの質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津島雄二君。
#281
○津島委員 陳述者になられた皆様方、お忙しい日程を割いて、本当にありがとうございました。皆様方の真剣な御意見は大変参考にもなりましたし、私ども国会で既に百時間に近い審議をしておりましたが、国会で聞くことのできないような大変立派な御意見に接することができてうれしく思っておるところでございます。時間が限られておりますので、実はもっとたくさんお伺いしたいこともあるのでありますけれども、要点を明らかにして、皆様方から御意見を補足的にお伺いしたいと思います。
 先ほどから皆様方、これまでの不祥事の反省に立ってやってもらいたい、これを選挙制度の改正にかえてしまうような安易な考え方は困るとおっしゃっておりましたけれども、実は私どもは、厳しい厳しい反省に立つからこそ選挙制度にまで踏み込まなければならないという結論にだんだんだんだん達してきたということを御理解いただきたいわけであります。それは、何よりも御理解いただきたいのは、私ども政権政党の方から、政権交代がないということが問題なんだよということを申し上げているこの気持ちをお察しいただきたいと思うのであります。幸いきょうの皆様方は、政権交代が可能な政治状況をつくるというお考えに賛成のお立場から、いろいろ御意見をいただいたということをうれしく思っております。
 それから、政治資金についていろいろ仰せられましたけれども、昨年の緊急是正というものがいかに厳しいものであるか。つまり、政治資金規正法の量的制限違反をした場合には禁錮刑の対象にもなる、したがって公民権も失うというところに踏み切ったわけでございまして、私どもは、この改正の結果、今の日本の政治資金規制の制度は世界で最も厳しいものであるというふうに考えております。
 そういう立場に立って先生方にお伺いをいたしたいのでありますが、まず板橋先生でありますけれども、先ほど、今度の改革が参議院や地方議会のこれからの運営あるいは改革を圧迫しないような最大限の配慮をお願いしたいという、圧迫しないようなという言い方をされましたが、これをもう少し具体的に、殊に地方議会に対してどういう点が一番御心配なのか付言をしていただきたいと思います。
 次に滝井陳述者にお伺いをいたしますが、社公案がよいと思うというお考え、その背景もよくお話を承りましたが、これからの私どもの議論の方向によっては、現在の社公案に是正の余地があるというふうにお考えなのかどうか。つまり、滝井市長さんが述べておられるお考えの中で、さらにこれを変える余地があるかどうか、御意見をいただきたいと思います。
 それから中島さんに対しまして、並立をよしとするという御意見であったようにお伺いいたしますが、それは、かつて政府から提出をされたような案を頭に置いておられるのかどうかということをお伺いいたしたいと思います。
 それから、大内先生のお話は大変非常に、私、おもしろく興味深く拝聴させていただきましたが、連用制について、これは県別の言ってみれば比例代表制でございますね。この点についてどういう御意見か。つまり、比例代表制という立場に立てば、全国一本あるいはブロック立てといろいろありますけれども、その点についてどういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思います。
 それから櫻井先生でありますが、連記制、これは一つのお考えだと思いますが、何人の連記制か。つまり、今現在の中選挙区制を前提としますと、三人から五人の選挙区制でございますね。連記制を何人の連記にするかという議論は当然あり得るわけで、それについて何かお考えがあれば、お伺いをしたいと思います。
 それから大町先生でありますが、一つだけ、大町先生はお立場上いろいろ各党からの資料、情報に接することが多いかもしれませんが、私は、日本の場合に、有権者に各政党から十分な情報が送られていないのではないか。つまり、選挙にコストがかかるという場合に、みんな選挙のときのコストだけをお考えになるのですけれども、政治活動の基本というのは、各政党がどのような考え方でどのように日ごろ活動しているか、国会でも活動しているかという正確な情報が行かなければ、有権者は、いざ選挙になって、選挙期間中だけのPRでは正しい判断ができない。そういう点で十分とお考えになっているかどうか。それを女性の立場から、主婦の立場等からちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 以上であります。
#282
○板橋元昭君 先ほど私が述べました言葉で、圧迫というのは余り適当ではなかったかと思いますけれども、参議院の改革あるいは地方議会の改革ということについての言葉の中で申し上げたわけでございます。
 参議院について申し上げますと、先ほど陳述をいたしました中で、本来憲法のもとにおける参議院と衆議院という二院制のもとでの国会でございますから、当然参議院の立場、衆議院の立場、それぞれに独自の選挙制度のもとで行われていっております現在の状況についてはよく認識はしておるわけでございますが、衆議院の方で現在のような状況のもとで進んでいきますいずれの選挙改革が行われるといたしましても、それはあくまでも衆議院の立場と参議院の立場の双方の二院が同じように力を発揮できていく、国政の正常な運営のために活動できるという、やはりこういう体制が望ましいのではないかというふうに思うわけでございます。
 ですから、衆議院の方の政治改革の中でいろいろな方法を論じられておるわけでございますけれども、それが、現在参議院の方にございます小選挙区比例代表制という形をとっております参議院のあり方と重複するような形になることは好ましくないということもございますし、それから衆議院の方に小選挙区制が仮に導入されたといたしましたときに、それの進む過程において参議院のあり方というものについての検討の過程でそのことが参議院自体に対する問題点を提起するというような形になるのは好ましくないのではないか。あくまでもそれぞれの両院が独自の立場でやっていけるという、そういうふうなことでありながら、なおかつ参議院と衆議院が双方に補完をし合いながら正常な国会運営ができる、そういう体制をつくっていくための選挙制度であっていただきたい、こういうふうな気持ちで申し上げたわけでございます。
 それから地方議会についてでございますが、実はこれは小選挙区制の場合で言われておることでございますけれども、県会議員の立場で申し上げますと、県会議員の選挙区とそれから衆議院の小選挙区の場合に、県会議員の選挙区よりもむしろ狭い選挙区が衆議院に出てくるのではないか、こういうような予測もございます。そういう場合、選挙区の変更というものについては、国の変更が行われますと必ず地方議会の変更ということが余儀なくされていくわけでございますから、そういうことに責任として地方議会が対応しなければいけないという事態も想定されないことはない。そういう場合に、逆転するような地域のことだけではなくて、そのほかのことも含めて、国会の変更に伴うものが地方議会にいろいろな形で変更を求められてくる。これはもう今までも当然あったことでございますから、そういう点で、地方議会の方に発した問題ではない状況から出てきた問題で地方議会の方にいろいろな押しつけが出てくるということは非常に迷惑だ、こんなふうなことでございます。
 それからもう一つは政治資金面でございますが、実はこれは私ども福岡県の議会の中でもいろいろ論議することでございますけれども、金と政治の癒着というこの腐敗の構造というものについては、ほとんど問題は国会の中で起きている問題ではないか。しかし、そのためのいろいろな倫理規定を初めとして今回の政治資金規正法の改正、そのようなものはいろいろ行われておるところでございますが、私が先ほど申し上げましたように、やはり地方議会といえども、政治を進めていく上ではそこにどうしても資金を必要とする。それを、私どもの場合も、やはりいろいろな企業あるいは団体からの支援をいただくという形で、正常な形でやらせていただいている例はたくさんございます。
 しかし、今回のいろいろな改正の内容を見ておりますと、内容については非常に大事なことですからいろいろおやりになっていると思いますが、政党中心ということになってきましたときに、果たして私ども地方議会に政党がそこまで面倒を見てくれるだろうか。こういう面で、圧迫はされる、しかし面倒は見てもらえない、こういう事態も想定をされるわけでございますから、この点について、地方議会はそれなりに正常な立場で活動をいたしておりますので、その点をも十分御配慮いただいた対策を講じていただく必要があるのではないか、こういうふうなことをちょっと念頭に置いて申し上げたわけでございます。
#283
○滝井義高君 いわゆる社公案についてでございますが、選挙制度を両極に分けますと、自民党提案の単純小選挙区制、片一方には完全比例代表制、こうなるわけです。そうしますと、単純小選挙区制というのはいわゆる民意を確実に集約することができる、したがって安定政権ができる、しかし多くの死に票ができて困る。片一方は、非常に多党化して、そして民意を確実に反映はできるけれども、政権としては小選挙区に比べて弱い政権になる。しかし、日本の現状の民主主義という点から考えますと、御存じのように、政治に対する価値観が多様化しております。多様化しているのに、その半分くらいがぱさっと切られてしまって、半分の人は満足するけれども半分の人が満足できないという形では困るわけです。
 それから、戦後ずっと五五年体制以来自民党一党支配の政権ができ、万年与党、万年野党というのができて、野党は非常に気力がない、政権担当の意欲を喪失しているということです。こういう中で小選挙区に一挙に単純で入りますと、やはり一党支配の状態がずっと続くであろうという感じがします。そこで、単純小選挙区制と完全比例代表制の中間的なものをとって、ある程度の方向を見出す必要があるであろう。そうなりますと、一応今我々が公述の資料として与えられておるのは社会党、公明党提案の併用案という形になってくるわけですね。
 ところが、それがうまくいくかどうかというと、御存じのように、併用案も大変多くの欠陥を持っております。それは、最前申しましたように、民意を反映しておるかもしれないけれども、小党分立でその政権基盤というのが非常に弱い、政局不安が起こる可能性があるというのを持っております。それからもう一つは、比例代表が中心になって、候補者の顔が見えないということがあるわけです。これは、小選挙区はもう一対一でやるわけですからすぐ顔が見えます。そして制度が非常に煩雑でございます。小選挙区に比べてシンプルでない、それはあります。
 それからもう一つは、超過議席というややこしいものが出てくる、五百名と決めておっても定員オーバーになる、こういうものでございますけれども、政権交代をするというのが当面の最大の目的でございます。だから、政権交代をするためには、煩雑であったり、幾分民意の集約ができないという点があっても当面やむを得ないのじゃないかという考えなんです。いわば、ベストじゃないけれども、当面ベターをとって、政権交代の道を歩む以外にないだろうと思います。
 その場合に、前の海部内閣の当時に出した並立制あるいは今の亀井さんあたりの連用制、いろいろの修正が出ておりますから、我々は今自民党案と社公案の二つで公述を求められましたから、それから先は、各人の同意を得なければならぬから、シミュレーションその他もやって、ひとつ議会の方で真剣にやってもらって、そして小選挙区と比例代表のプラスしたものをきちっとした体制で当面はとるべきだ、私はこういう意見です。
#284
○中島茂嗣君 私が申し上げましたのは、海部内閣のときに国会に提出をされた方式であります。
 以上です。
#285
○大内和臣君 併用制のことについて触れる時間がございませんでしたが、併用制と連用制とどちらがいいかということにつきまして、私はそれぞれ持ち味があると見ております。
 まず御質問にお答えいたしますと、併用制の方では十二ブロックということでございましたね。これに対して県別ということですが、私はこっちの方がいいと思います。なぜならば、日本の政治は、地方議員が出ていって、そして国会で大物になって、帰ってきませんね。そしてどこの人かわからないということになる。それは、確かに国家の命運を担った非常に立派な政治家に育っていただいておるわけですが、他面、地方が忘れられておるという弊害がございます。これは、なぜそういう政治が生まれるかというと、選挙民の意識から来るわけです。それでいいと選挙民が思うからそうなるわけでございます。
 したがって、選挙民の自治意識を高揚させるためには、新しい制度は県別単位の方がいいのじゃないかと思います。十二ブロックにしますと、参議院がいずれ改革が出てきましょうが、参議院は県単位と全国単位、となりますと、十二ブロックがその間に来ましてちょっと複雑になるので、極めて幼稚なんですが、私はむしろ県別がいいのじゃないかと今のところは考えておるのです。したがって、郷土愛を高揚し、今叫ばれております地方分権、地方自治意識の実現が可能になるのじゃないかと夢を見ております。
 それからついでに、こういうことはどうかなと思うのですが、小選挙区議員とそれから比例代表制で生まれた議員がありますと、どうも私は、傾向としては、小選挙区議員の人が威張って、比例代表の人は何となく肩身が狭いのじゃないかと思うのです。そういう窓際族にならないようにするためには、長い時間の中で小選挙区議員が長老になったときに比例代表に回す、そして小選挙区の議員はひとつばりばりの若手でやってもらう。いわゆる役割分担をして、一人は世界のこと、日本のことに専念し、それで若手議員は、もちろんそういう方も全国、世界のことを考えなければいけませんが、やはり地方住民と密着して、新鮮な政治を展開していけば、それぞれ個性が出てくるのではないか、これは実はよその国のやっておることを申し上げておるわけです。
 ついでに申し上げますと、併用制のメリットはどういうことにあるかなと思ったら、私は、私の考え方からしますと、小選挙区議員の数は連用制の三百より併用制の二百の方がいいのじゃないかと思います。それは、やはり今の野党は三百だったら持ちこたえ切れないのじゃないか。結局健全野党として育成するのに相当時間がかかってきて、いわゆる代替性を持った受け皿的野党に育つのに時間がかかり過ぎるのじゃないか。当初は自民党も比例代表制でもって少し応援をして、そしていよいよ力がついてきたときに政策で戦う、そういうプレーをしていただいたらどうかなと思っているのですが、もしそれがだめならば、なぜ初めから公平に二百五十ではだめなのかなとちょっと思っておりますが、その辺ひとつ御考慮願いたいと思います。
#286
○櫻井日出生君 私は、こういう時代に政局が安定をしておるということは世界的に見て非常に大事なことだというふうに思っているわけです。ですから、選挙よりも、腐敗のために今国民は怒って、何とかせいと言っているのが事実でありまして、中選挙区云々とか小選挙区云々というのは、先生方は非常にやいやい言っておるけれども、国民がそうかというと、私は、それは必ずしもそうでないという気持ちもありますよ。
 ただ、そういう中で、今のような体制の中ですから、やはり大いに脳漿を絞って一種の結論を出す、そういう勇気を持っていただきたい。また、それによって出れば、それによって国民に訴え、国民もそれに従ってやるということであろうと思いますけれども、それがどうしてもできなければ、私が言ったように、現行の制度に連記制ということは過渡的には考えてもいいのじゃないかという気持ちがあります。
 この案としては、定数がありますから、定数の半数以上から定数全数まで、こういうことなんですよ。そういうことでまずやって、頭の冷えたところでまたやるとか、いろいろやられたらいい。しかし、激動の時代ですけれども、挑むということ、トライアルしてエラーが出るかもしれぬ、出たらまたやるのだ。コレクトするのだ、コレクトできなければ、もう一回新しく御破算にしてもやるのだ。それくらいの気持ちでやったらどうか。だから私は、そのために緊急避難的にそういうことを言ったということです。
#287
○大町多喜子君 今の御質問は、各政党からの情報は十分ですかというふうに受け取っておりますが、それでよろしいでしょうか。
#288
○津島委員 自民党からも十分届いておりますか。
#289
○大町多喜子君 私の方は市民運動をやっておりますので、こちらの方からお願いしなくても下さるところは下さるのですけれども、まあそう大きい組織でもありませんので、いただかない方が多いかもわかりません。
 それで、自民党さんからはいただいておりません。ただ、プライベートに存じ上げている方からたまたま不定期にいただいたり、話したりすることはございますけれども、今これが重要よということでわざわざ、わざわざと言うとちょっと失礼ですけれども、特別におっしゃっていただくようなことはございません。自然発生的な方向ですね。
 それで、今社会党の方からは時折は、こういうふうになっていますよというのを聞いておりますけれども、確実にということでもありませんで、ある意味では、いろいろなところの一番の情報というのは、やはり自分たちで新聞その他の状況を見てみんなで察知して、それで問題があって、考える場合には、個人的に知っている政党の方だとか、社会党さんだとか、そういうところでお尋ねして、私たちの考え方が妥当であるかどうかを確かめるというようなことはやっているわけです。ですから、どこかが正確に常に情報を入れてくるということは、事実としては余りございません。それでよろしいですか。
#290
○津島委員 はい。ありがとうございました。
#291
○野田座長 穂積良行君。
#292
○穂積委員 御質問をいたします。
 引き続く不祥事によって金権腐敗の政治に対する不信がその極に達しているということを皆さんそれぞれおっしゃいました。政治不信と申しますが、実質は政治家への不信、特に政治家と金の関係ということで皆さんは不信を持っておられる、こういうふうに皆さんの意見を私は受けとめております。その政治家と金の関係を根本的に是正する、つまり政治改革の根本課題への対処としては、現在の選挙制度そのものを改めて、幾らかでもこうした不祥事続発の根源を断つ方向に持っていく、こういうことでは、政治改革特別委員会のこれまでの議論では、共産党はやや意見を異にしますが、その他の与野党ではほぼ共通の認識になっております。
 選挙制度について、今までさまざまの提案の中で、どれがいいかということになっておりますが、結局は、まず中選挙区制度は、これは一応これまでの経験はあるけれども、直してみようではないかという共通認識が高まりつつある。そういう中で、きょうの御意見は、板橋さんは単純小選挙区制が最善だ、それから滝井さんは社会、公明党案がいいと思う、それから中島さんは、単純小選挙区制が最善と思うが、妥協するとすればいわゆる並立制、それから大内さんは連用制が落としどころではないか、さらに櫻井さんは、単純小選挙区制が最善だが、これが通らない場合には中選挙区制のもとでの連記制を提案された、大町さんは、比例代表制が最善だが併用制にも言及された、こんなことですね。私はこう整理いたしました。
 そこで、選挙制度について今後与野党でどのような歩み寄りがされるかされないかということでありますが、これについては、歩み寄りをしてともかく一括処理、それから次の選挙で新たな選挙制度をということではほぼ共通した御意見だったと思います。
 その中で、もう一回確かめますが、板橋さん、櫻井さんのお二人に、単純小選挙区制を主張する自民党がどの辺まで歩み寄ってもいいかということについての率直な御意見があれば再度お聞きいたしたい。
 もう一つは、政治家そのものの資質の問題に言及された皆さんが何人かおられました。その点から、政治腐敗の根源はしょせん政治家個人の自覚の問題、政治倫理の問題という認識をもう皆さん持っておられます。そういう中で、櫻井さんのおっしゃる国民の選良、あるいは滝井さんのおっしゃった信なくば立たずという、信を置かれる政治家が選ばれる、そのような選挙制度としては本当にどのような制度がいいのか、こういうことが問題と思います。その点で、それに関連する話として、戸別訪問をフリーにしてもいいのではないかという意見を、大内さんもそうでしたが、何人か出されました。
 戸別訪問といいますと、五百の小選挙区だとほぼ二十五万くらいの人口に一人、仮に三百の選挙区ならば四十一万人くらいの選挙区に一人、五、六万戸から十万戸以上の選挙区に戸別訪問をということになりますと、その努力を求めて、国政で長期的な将来を案じながら、国民の負託にこたえて、国会議員として見識を持って働いていくというような政治家が育つかどうかということがあると思うのです。
 戸別訪問については、自民党の中では、そうしたことも踏まえまして、一定の制限のもとにとか、そういうふうな議論がされております。この点について、戸別訪問をフリーにとおっしゃった方々は、選良を育てるという観点からの選挙制度とそれから戸別訪問制ということについてはいかがお考えか、もう一度お触れになった先生皆さんにお聞きいたしたい。
 私は、とりあえず選挙制度、それから、今の選良選びの問題について御質問いたします。
#293
○板橋元昭君 私は、先ほど単純小選挙区制をベターとするということで申し上げたわけでございますけれども、実はそのときに、ただしこれには条件があるということを申し上げました。
 と申しますのは、いわゆる地方の小選挙区で、立候補者との間の顔の見える投票ができるという点において、あるいはその内容がよくわかるという点において小選挙区は非常にいいところもあるわけでございますけれども、ただそれだけでは、いろいろ議論がされておりますように、日本国民全体の民意がわかりにくい、これが反映されにくい、あるいは少数意見が出にくいとか、いろいろなことがあるようでございますが、それを吸収するための方法として、参議院の改革を同時にやっていただきたい。そして、参議院の方は比例代表一本でやっていただくことができないか、こんなふうなことを申し上げたわけでございます。
 同時にまた、参議院の機能として、現在国会は二院制でございますから、衆議院の方については立法権という国会の最高の議決権を持っておられます。立法権については衆議院の方がすべて優先的に今おやりになっておりまして、参議院はそれに追随する形になっております。そこで私は、行政権についてはむしろ参議院を中心にして行政の組織をつくっていくというふうなことで、一つは、今の派閥の問題とか、あるいはお金のかかる問題とか、いろいろなことについての配慮すべき問題は、この二院が国会の中で力を出せる、そういう場所をつくっていくという点において、そういうことも含めてやはりこの問題は考えるべきものではないかな、こんなふうなことを私は先ほど申し上げたわけでございます。
 ですから私は、選挙制度、選挙制度ということで、今の政治不信の解消に対する課題がそこに集中しておるようでございますけれども、本当に大事なことは、先ほどどなたかの話にもございましたが、やはり政治腐敗をどうしたらなくするか、ここのところが私は一番望んでおるところでございまして、そこのところを忘れて、選挙改革をすればそちらの方もすべて解決をするという考え方は、非常に問題があるのではないかというふうに思います。
 ですから、国会の機能を最大限に発揮できる、しかも衆議院と参議院がともにその存在価値をきちっと証明できるような、そういう国会内の改革をしていただき、そして同時に、それぞれの選挙制度をきちっとしていただくことによって初めてできるものだと思いますから、どこまで妥協かということになりますと、妥協ということについては考える必要はないのではないか、私はこんなふうに思います。
#294
○櫻井日出生君 どこまで歩み寄れるかということは、皆さんで考えていただかなければ、私はどうにもならぬのですが、ただ、今の社公の案で言う、定数が変動する、しかも五百を超すことがあり得るなどというのは全く反対でありまして、私どもは、五百でももう多い、もっと厳選でやれというぐらいの気持ちなんですよ、本当の話は。今の国会のやり方、それから今の腐敗の状況なんかとミックスしておりますけれども、もっと少なくてもやれるのではないか。それが、条件によれば上になってもしようがないじゃないかというようなことは絶対反対。だから、定数、前は四百七十一名ですか、どこかその辺のことが出たと思いますが、それに近づくようなことの案ならば、我々は大いに知恵を絞ってほしいということが一つであります。
 それからもう一つ、板橋さんも言われましたように、衆議院と参議院というものは、やはり独自性というかな、そういうことがもう少しはっきりと出るような制度が僕は望ましい。もっと昔の、緑風会があったときの方が、我々からいえばもっとよかったというふうに思っていますよ。ですから、そういう意味では、選挙の方法もおのずから変わっていいのだ。ですから、比例代表にして、その中に民意が取り入れられるような制度をやる。片や、鮮明に顔も見えて、政策を吐露して、その人に反映をさせ、その人に託するのだ、そういうことで世界にも対応をする、そういう政体が望ましい、そういうことです。
#295
○穂積委員 中島さんも、単純小選挙区制が通らない場合は並立制とおっしゃいましたが、その先を考えておられますか。それを一言、ちょっと。
#296
○中島茂嗣君 これは、もう一つの妥協としての小選挙区の並立制を言ったわけですが、やはり単純小選挙区制が究極的な理想的なやり方、そのための妥協策だ、私はそのように考えております。
#297
○滝井義高君 まず第一点の、信なくば立たず、いわゆる政治家の資質の問題の関係があるわけですが、先生方もおわかりのように、やはり代議士が一人前に取り扱われるためには、最低三回ぐらい当選しないと役人との太刀打ちはなかなかできかねるのですね。自民党の方で、五回当選をすると大臣の資格ができる。これはやはり相当政策に通じていると思うのです。
 国会を見ていると、大事なところの答弁は全部役人がするのですね。あの大事なところに議員が出て答弁をして、そして役人がやらぬという逆ならいいのですけれども、大事なところになると、大臣は座ったままで、役人がやる。そうなると、テレビを通じて、ぴしゃっと大衆、国民は見ておるわけです。代議士というのは役人よりかつまらぬな、こういう形を言われることが一つあるわけですね。これはもう資質の問題。
 ところが、最近は金帰火来で、御存じのように、もう選挙区が、特に自民党さんの方は同士打ちが激しいものですから、金帰火来をする。そうすると、どうしても国会で質問をしない。政調でだけやってしまうから、自民党さんのやっているところは見えないのですね。こういう点が、やはり長く一党支配をすると、役所と政調会が癒着をしてしまうということが一つあるわけです。
 それからいま一つは、野党の方からいうと、多党化したわけです。そうしますと、最前もお話がありましたが、この委員会ではもう既に百時間やっていますよ。問題は、その時間ではなくて、内容と質が問題なのですね。多党化すると、社会党、公明党の持ち時間は三時間だよ、そして社会党が二時間持ったら公明党は一時間、そうやって制限されてしまうのです。
 昔はそんなことはなかったのです。私は質問を十時間やったことがあるのです。だから、足がはれるから靴下を脱いでやると、政府の方がもうお手上げになっちゃうのです。やはりそのくらいの形を持たないとだめなのですね。一生懸命になって勉強する。今、一に体力、二に忍耐、三に知性となっているのですね。体力がないと代議士になれないのです。体力と忍耐、その次が知性。だから、そういう点では、もう少し自民党が寛容で、野党にうんと質問をさせる、そして合意をするという形をとるべきだと私は思うのです。
 それからもう一つの問題は、東京一極集中主義です。もう人も金も物も全部東京に行って、我々のところは空っぽになっておるわけです。それを直すことができないわけです。ますます東京に金を入れるわけですね。
 我々のところで、例えば筑豊横断道路をつくるというのに、これはあと残りが十キロです、二百億あったらできるわけです。ところが、東京湾の横断道路は一兆一千五百億、今あれは地価が上がったから二兆も三兆もかかると思うのです。そうすると、予算が七十二兆しかないのに、その七十二分の一をあそこにつぎ込んで、我々の二百億をするのに、三十年かかってもまだできないのです。こういう東京一極集中主義、東京にみんなが集まって、我々のところはいつも過疎、こういう形です。
 それから、今我々の地方で一番問題なのは何かというと、高齢者問題です。高齢者保健福祉推進十か年戦略をつくろうというのに、マンパワーは一体どうしますか、その予算の裏づけはどうしますかというと、全然政府は明示がないのです。そして我々にその権限を与える。代議士の質の問題のほかに、こういう政治のあり方について非常に不満がある。これが、我々が今の選挙区を変えて本当のものをやってもらいたいという、それは、自民党一党支配もそういう弊害があるし、野党がつまらぬということもあります。
 それから、もう一つは戸別訪問です。
 戸別訪問をやるのは、候補者は孤独の戦いをやらなければいかぬわけです。それはやはり、今主なところを一軒一軒回っても、捕まえられたら選挙違反で挙げられます。あるいは、商店街でずっと今やっておるものですが、あれは、最高裁の判断では戸別訪問に当たって、違反なんです。ただ、それを大目に見てくれておるだけです。だから、そういう薄氷を踏む思いで回るのではなくて、公然と回る。そうしますと、先生が言われたように、公然と回るともうみんな回るわけですから、金を持ってきて置いていった者は、これはすぐわかるのです。もう有権者が持ってくるのです。有権者の方が、滝井市長さん、相手方からこれだけ金をうちに持ってきたよ、これは返す、こう言う。そういうのがあるから、これはいいのです。そうしますと、これは怠け者はだめになるのです。やはり、住民といつも顔を合わせている方がいいのです。
 しかし、そのときに欠陥は何かというと、中央における金帰火来がますます激しくなるという問題がありますから、そこはやはり調整をして対応をしていく必要がある。今でも金帰火来ですから。
 やはり力を持つためには、いつも政治の場に代議士がおることが必要なんですね。だからこれは、そうやったって、しょっちゅうしょっちゅうできるかというと、先生はしょっちゅう帰ってきて、国会は何をしているのですか、だめではないですか、こう必ず言います。それは、選挙民がだんだん意識が高くなってくる、政策論争で。そういう点で、私はやった方がいいと思う。自民党も思い切っておやりになった方がいいのではないかと思うのです。
#298
○穂積委員 時間がなくなりましたから、大内さんからのお答えをいただいたらバトンタッチしますが、ただ、私が今質問した趣旨は、戸別訪問などばかりやっていたら、長期的に民族の将来を考えての思索をめぐらし勉強をする暇が国会議員は本当になくなってしまうのではないかという意味でお聞きしたのですが、大内さん、それも含めて。それから、連用制をおっしゃいましたが、そのことも触れて。
#299
○野田座長 穂積君、時間が超過をしておりますから。
#300
○大内和臣君 それでは、短く申し上げます。
 戸別訪問は、権利であって義務ではありませんので、できない人はしなければしなくていいわけですね。それで、お忙しい人はそちらに専念すればいいのです。それから、ベテランになりましたり大物になりましたら、戸別訪問がむしろ逆作用の場合があると思いますね。貫禄のある政治家は出てこない方がかえって票が集まるわけですね。したがって、これは全く個人差です。
 特にアメリカで私が見た実例は、若手、新人ですね、この人たちはもう戸別訪問以外に方法がないのです。そうすると、政界がいつも新陳代謝があるという意味で、それから軒数が多くても、できるだけどれだけ訪問するか、これは体力ですね、これもまた非常に大事な、おもしろいところだと思います。
 それから、最も大事なことは、お金が使えなくなるでしょう。そうしたら、お金のかわりに何のツールがありますか。そうすると、金にかわってもっとまた汚いことをしたくなるかもしれません。したがって、私は、その代替策の一つとして戸別訪問があるというふうに考えます。したがって、あれやらこれやらの戦術の一つとして、それが非常に有効に作用する人と、戸別訪問をしたら票が減る人もいると思いますよ、雰囲気とか容姿その他で。したがって、これはよく考えられてやられたらいいのではないかと思います。
#301
○野田座長 この際、現地参加議員として西岡武夫君が出席されましたので、御紹介いたします。
 引き続き、質疑を続行いたします。菅直人君。
#302
○菅委員 きょうはいろいろな立場からの意見を聞かせていただいて、どうもありがとうございます。
 時間が短いので、まず大町さんに幾つかちょっとお聞きをしたいのですが、先ほど女性の政治参加ということで、私も以前、亡くなられた市川房枝さんのところでいろいろとお手伝いなどしておりまして、そういうことにも関心もありますし、また、先ほどいろいろと北欧の例を挙げられました。私も、何か物の本によりますと、各党が女性の候補者の比率を決めておいて、それを比例制で出す、そういうことでかなり多くの割合の女性が議員になったり、あるいは閣僚も五割近いところが先ほどの紹介にもあるという、そんなこともお聞きしておりますが、日本の場合は中選挙区制で、特に自民党は、たしか衆議院は今一人も女性議員がおられない。社会党は前回かなりたくさん出られましたが、それまで必ずしもそうたくさんおられなかったわけで、そういった意味で、もし御意見がありましたら、どういう形をとれば女性の議会への参加というものをより高めることができるのか、あるいはこれが比例制ということともつながるのかとも思いますが、その点、ひとつ御意見を聞かせていただきたいのが一点です。
 もう一点は、先ほど政治腐敗の問題が国民の関心だ、選挙制度というものをなぜ変えなければいけないのかという意見も多いのだということなのですが、これは私も、率直なところ、そういう意見を聞く機会も多いわけです。しかし同時に、この何年間か、あるいは十数年間か、こういう議論を私自身もいろいろな機会に国会などでやっていて、政治腐敗問題を解決する制度をつくろうとすると、これは特に与党自民党の皆さんからすると、同士打ちのあるこの中選挙区制のままでは、あるところ以上はどうしてもそれと一緒でなければできないのだということで、そこでとまってきた経緯があるのも事実なわけです。
 もちろん、これは自民党が悪いのだと言ってしまえば、それで言うことはできるのですが、現実にはそれでとまっていた経緯もありますし、また中選挙区制があるいは野党にとっても、先ほどどなたかもおっしゃいましたが、各選挙区で一人ずつの候補者であれば政権交代になかなかつながらないということもありますし、あるいは個人中心選挙で、世襲制が非常にふえているというようなこともありまして、そういう点では野党の方も、共産党を除いては、選挙制度と一体での改革でこれを進めようということに今回考え方をまとめてこういう態度で臨んでいるわけですが、そういう点について理解をいただけるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
 それから、滝井市長の方に、逆に言うと、これは一番知恵をおかりしたいのですが、野党は重要なところになるとすぐばらばらになるということを言われて、そういう場面にも私も何度か出会って、本当に残念な思いがしたわけです。難しいと思いますが、何かそうならないいい知恵があったら、ぜひお聞かせをいただきたい。
 あと大内先生に、アメリカに大変長くおられたということで、それから、ちょっとお聞きしておりましたら、何かアメリカの場合は個人個人といいましょうか、そういうものがある種の、非常に積極的に政治表現をするけれども、日本はやや大勢に流されるようなところがあるので、少数政党がやはり存在していなければそういうチェックがきかないというような、ちょっとそういう趣旨であったのかどうか正確ではありませんが、おっしゃっておられたような気がしますが、何かアメリカと日本のそういう意味での違いと、あるいは制度のあり方、アメリカは小選挙区制であるわけで、必ずしもそれが、私自身がいいと言っているわけではなくて、あるいはアメリカのそういう国民性がこうだからこれでうまくいっているけれども、日本の場合はそうでないからこうだという、もし何かそういう御意見があったら聞かせていただきたいと思います。
 以上です。
#303
○大町多喜子君 今女性のサイドからどういうふうにやったら、確かに北欧は比例制でもあるわけですけれども、出てこれるのかというふうにおっしゃったように思います。
 実際に日本の場合も、今おっしゃってくださったのですけれども、通常の場合ですと、女性が議席を獲得するということはある意味では非常に難しゅうございますね。ですから、今度の提案の場合も、一部が小選挙区で一部が比例制というような選び方が、今併用とか連用という御提示がありましたけれども、そういうことによって女性が少しずつ国会に出ていって、出ていった女性議員がすばらしい才能だということをだんだん認められていくという、段階的に行った中で新しい選挙のあり方というのはまた考えてもいいとは思いますけれども、当面は、今そういうように選挙区と併用して比例とおっしゃっていますので、そういうふうにやっていただくと女性が進出していく場があるのではないかというふうに今考えているわけです。
 ですから、今度の場合も、私も最後にちょっと申し上げたのですけれども、小選挙区と比例とを折衷したような形の方法がということを申し上げた、そういう意味での御質問だったかと思いますけれども、それに対する意欲は女性にはたくさんございます。やはりどうしても、何にもなかったら、極端に言えば、今の衆議院の中には女性の方はもう本当に少なくて、いらっしゃらないのと同じような状態ですね。ですけれども、そういう意味で制度を変えていただくと大変ありがたいというふうに思っています。
#304
○滝井義高君 ばらばらにならぬ方法はどうだということですが、自民党さんの方をごらんいただきましても、五派閥あるわけですね。そして物の考え方は、例えば三木さんたちの考え方と三塚さんたちの考え方はうんと違います。これは、もう違っておっても派閥連合政権をつくらないと損だと思うからです。みずからが政権を握るということは非常にいいことで、その政権を一遍握ってみたら社会党もすぐばらばらにならぬのですが、握ったことないからばらばらになるのですよ。我々は地方自治体の首長で、いわば政権をとっておるのと同じです。これはやはり総合的にやっていかにゃいかぬ。そうすると、自民党さんの方は派閥連合で、これを飛び出たらもうそこは糧道を断たれちゃうのです。だから選挙に落ちちゃうのですよ。だからやはりこの中にいなきゃいかぬ。いろいろ言っておるけれども、まあこんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、羽田さんやなんかがなかなか出にくいというのはやはりそういうところがあるわけです。連合です。だから野党の方も連合をつくったらいいのです。
 その場合に、御存じのように、今や変化の時代で、産業構造は変わりました。人口構造は変わった。ボーダーレスになったのです。我々田川市なら田川市で市民は生活できないのです。田川市を越えて北九州に行き、飯塚に行き、福岡にやってくるわけです。いわば生活の糧を求めるためには行政の外に出なきゃならぬ。だからボーダーレスです。学問もボーダーレスになった。人間の考え方もボーダーレスになった。それでエネミーレス、敵が見えなくなったのです、冷戦構造がなくなって。だから五五年体制が壊れたら、もう一遍やりかえる。幸い宗教的な政党と労働組合を基盤とした社会党とがこういう土俵を出したのですから、もう一遍腹を割ってお話しになって、小選挙区をやるならそれに対抗する形をひとつとってみよう、私はこれができれば自民党と対等の戦いができると思うのです。だから、自民党さんを模範にしておやりになったらいいと思うのです。
#305
○大内和臣君 小選挙区制は、どちらかというと、自民党か野党か、まあ野党連合か何かになるのでしょうが、そういう白か黒かという対決案じゃなかろうかと思うのですね。比例代表制はちょっとぼけた部分、ぼかした部分がありますね。本来日本人は、白か黒かという民族でなくて、ファジーなところがあるのですね。我々一人一人がそうであるように、集団もそうです。それは単なるファジーでなくて、先ほどから申しますように、勢力均衡論がそこにはちゃんと理論的に成り立ちますし、それはやはりよき政治の基本原則だと思います。
 それで、皆様はそこにお座りでございますけれども、恐らく今の国会の先生方の選挙区の支持者たちは、この次に小選挙区になってもやはり投票されると思いますよ。その次もまた投票されると思います。小選挙区制になったからといって、社会党の人に入れたり、あるいは自民党の人に入れたりは恐らくしないのじゃないですか、日本人の選挙の一つの性癖として。これはある意味で安定の要素でもあるのですが、政策によほど大きなブランダーがない限り、例えば汚職をしたとか、皆様自身が汚職でもしない限り、恐らく再選は間違いないというふうに思うのですね。しかし、そこが私はちょっと心配なんです。それはそれで置いておいて、こちらの方に比例代表制があれば、それをチェックする意識が個人の投票人にもわいてきますし、それから政党単位でもやはり出てくるのではないかというふうに思うわけでございます。
 そういうところで、先ほどから出ております連用制は、中島市長が言っておられる並立制とも共通するところがあります。すなわち、県別単位という意味では並立制とも共通しますし、それから社公案の二百、三百の案にも共通しますし、いろいろなメリットがございます。それからもう一つありましたね。この三者に共通の、小選挙区制にも、自民党案にも共通するので、結局そういうふうになるのではないかと思っておりますが、ひとつ御努力願いたいと思います。
#306
○野田座長 早川勝君。
#307
○早川委員 大変貴重な御意見をありがとうございます。時間がございませんので、私は端的に質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 最初に滝井先生にお伺いいたしたいと思っております。国会の体験を持たれる大先輩であり、現実に政治に携わっておられまして、先ほど来お話がございました。
 重複する分がありますけれども、三点お聞かせいただきたいと思っております。
 第一点は、先生が国会におられた当時、そしてまた今日の政治家を見ておられて、一体現在の政治家というのは倫理観が希薄になってしまっているのかどうか。まあ原因等はございますけれども、率直な感想をお聞かせいただきたいと思っております。それが第一点です。
 二番目は、この政治改革をなぜやるかということにかかわるわけでございますけれども、よく明治維新が引き合いに出されるわけです。明治維新のことを考えてみますと、同時に廃藩置県をやったり地租改正、つまり税制改革をやり行政改革をやったということを考えてみますと、まあ国際化の問題もございます、今選挙制度だとか政治資金規正法の問題がありますけれども、ぜひセットにして議論していかなければいけない問題です。先ほど来地方分権のお話が若干出ましたけれども、ぜひもう一度聞かせていただきたいと思っております。
 それから三点目ですが、単純小選挙区制でも、比例代表を加味したものでも、政党中心、政策中心のこれからの政治構造になり選挙制度になるといいますと、やはり政党の民主主義というのですか、その成熟度が問われることになると思います。現在の各政党をごらんになって、ここは改めるべきだという点がございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
 それから大町公述人にお伺いいたします。三点でございます。
 第一点は今菅さんからもございましたが、そしてまた、先ほどの御意見の中で、女性にとって最も望ましいのは比例制だということを言われたと思うのです。そういった意味で、比例制が望ましいということは、現行の中選挙区制度あるいは地方議会における大選挙区制ですね、県議会でも市議会でも町議会でもいいですが、なぜ女性が政治に進出しがたいのか。お金がかかるとかいろいろな問題があると思いますけれども、ぜひ聞かせていただきたいと思っております。
 それから二番目は、公的助成について、六〇%の人が出してもいいですよ、こういう気持ちを持たれているという話がございました。公的助成の問題については、政党助成法を出しているわけでございます。政党交付金ですね。政党への公費助成を出しているのですが、政党中心となると必然的にそうなるわけです。どこへ出すかという問題があるわけですけれども、政治家個人に出すのが望ましいのか、出しやすいのか、あるいは政党へ出しやすいのかということを率直に聞かせていただきたいと思っております。
 三番目ですが、先ほど戸別訪問の話が出ました。これは議員の話が出ていたわけですけれども、非常に乱暴な言い方をしますと、選挙の始まる前は運動員も含めて何をやってもよろしい、選挙が告示されたらもう運動はだめですよ。よく考えると、何のために選挙運動をやるのかなと考えると、逆のような感じがするわけです。そういった意味で戸別訪問は、議員はもちろんそうですけれども、だれがやってもいいのじゃないですか。支持者がそのために人物を、政党の政策を率直にアピールする。そういった意味でこの戸別訪問について、とりわけ女性にとっては有力な武器になるのではないかと思いますので、御意見を伺いたいと思っております。
 それから大内先生に伺いたいのですが、連用制も社公案もクロスボーティングですね。価値観の二面性という話をされて、個人に入れたり党に入れたり、個人と党が一体でなくてもよろしいという問題があるわけですが、このクロスボーティングの問題についてどのように考えられているのかということで御意見を伺いたいと思っております。
 それから、最後になりますが、板橋公述人には、先ほど地方議会への影響の問題がありまして、お答えになりましたけれども、国政レベルで選挙制度を変えれば地方の制度も、例えば県議会のレベルの選挙制度も変わっていってもおかしくないのじゃないかという感じがします。今は一人区のところがあり複数区のところがありということで、割と衆議院の選挙制度、いわゆる中選挙区制度とセット、まあタイアップした形になっているのですが、比例型を入れていった場合に県政の場ではどうなるのだろうか。どういうのが望ましいとお考えか。この点だけ伺いたいと思います。
 以上でございます。
#308
○滝井義高君 まず政治家の倫理観でございますが、これは、私は昔と今とは変わっていないと思うのです。ただ変わっておるのは、代議士に出るためには地盤、かばん、看板が強固でなきゃいかぬから、二世、三世の議員というのが議会の四割を占め始めた、それから国会に出るのに役人出身が非常に多くなってきた、こういう形になってしまって、国民が、自分が代議士にでも出たいと思っても、なかなか出にくくなったという問題があるわけです。
 昭和三十一年の鳩山内閣のときに、小選挙区制をやるのに熊本に行ったことがあるのです。そうしましたら、熊本の市民は小選挙区に全部反対です。名前を言ったらちょっとぐあいが悪いのですが、なぜかといったら、そんなことをしたら松野のぼんちゃんと坂田のぼんちゃん、そういう者ばかりが出て、封建の殿様と同じようになってしまうからだめだというお話があったのです。私らは、そうではないと言って説得もしたのですが、頑として聞かなかったのです。そういう形ができますと、やはり、政治家自身の倫理観は変わらないと思うが、国民の見る側が政治家というのはちょっとおかしくないかという形があると思います。これが一つです。
 それから二番目は地方自治の問題でございますが、御存じのように、政治腐敗の原因というのは政財官の癒着なのですね。その癒着の根本は何かというと、許可、認可です。それから起債、補助金、これにある。補助金が十四兆も十五兆もあるわけですから、したがって起債をもらえるかもらえぬかというのは非常に大事です。今のように国の中央財政がだんだん苦しくなってくると、当初に内示されるのは四割とか六割しかつかないのです。ダムをつくるとすれば今年度予算というのは四割か六割、そうするとあと六割とか四割をもらうためにはやはり参勤交代をし、江戸屋敷を持ってやる以外にないという問題が出るわけですね。
 そこで、今度の選挙制度の改革は、我々地方自治体からいえば何かというと、選挙制度を変えることによって中央集権、画一化をなくす。そして我々の地方分権に、いわゆる許可、認可とか補助金とかあるいは起債の自主性を与えてもらう。
 そのために、政府は今、御存じのように、拠点都市構想あるいはパイロット自治体構想、あるいは都市連合あるいは中核都市とやっているのです。それは結構です。ところが、それはどういうことになっているかというと、例えば拠点都市は三十万から三十五万以上、パイロットは二十万以上、こうなるのです。そうすると我々みたいな小さな十万以下の自治体はどうなるのですか。東京に大きな磁石を置いておくと、ぶあっと全国から人も金も物もくっついてしまう。それから県庁所在地に磁石を置くと、ぶあっとそれがくっついてしまう。拠点都市に置くとくっついてしまう。
 そうすると、我々のような三万か五万の小さな自治体は、何の権限も与えられずに、お年寄りと過疎だけが残るのです。これで一体日本の幸せが来るか、来ないのです。だから、この制度の改革とともに、地方分権というものを確立して、そういうものをやってもらわないと、日本列島というのは非常に偏向したものになってしまう。過密と過疎が極端になる、こういうことが一つであります。
 それから三番目は、ちょっとわからなかったのですが。
#309
○早川委員 選挙制度が変わりまして、政党中心という選挙制度に変われば、各党の民主主義の成熟度が問題になると思うのですが、どういう問題を感じられているかということです。
#310
○滝井義高君 それは、最前お話を申し上げましたように、単純小選挙区制では世論の集約というのは非常にできて、強い政権ができます。そういう意味では難局を乗り切ることにはいいかもしれぬけれども、民主主義という観点からいくと、価値観の多様化した今のような国家体制の中でそういう形ができると、不満足の住民がいっぱいできてくるのです。だから、価値観が多様化をしておるけれども、今のままで小選挙区をやれば当面自民党政権は続くであろう。一党支配を切るために、いわば我々は政権交代を目的にして今選挙制度を変えようとしておるわけです。
 したがって、政権交代ができるためには、小選挙区制と比例代表とを加味したものが当面は必要であろう。これ以外にない。そうでないと、小選挙区のままでいけば、社会党、公明党さんあるいは共産党さんでも、みんなだんだん衰退をしていく、ナッシングになってしまう。そうすると、最終的にはやはり独裁体制になる可能性が出てくるおそれがある、こういうことなんです。ヒトラーもそういう形で鉄鋼から金をもらってしてきたわけです。そういう点では我々は注意する必要がある、こう思っておるのです。
#311
○大町多喜子君 一番最初におっしゃったのは、比例制の方が女性としてはよろしいですかということですね。
 当面、やはり比例制の方が女性の場合はかなり国会へ出ていく可能性があるのではないかと思います。なぜなら、比例制でなくて、個人個人で立候補して地域から上がっていくという場合に、人選の段階からいろいろな意味でやはり難しい面が率直に言ってあるだろう。皆無だと言いませんけれども。ですから、比例制で社会党に均等ある順位等をお考えいただきますと、かなり常識的な意味での一定の比率の女性を出すことができていくのではないだろうかというふうに思っているわけです。
 現行の場合では、今女性の方は全体で二%ですか。社会党だけじゃありません、全体で二%なんですよ。そうしますと、人口の過半数を占める、あるいは長寿社会になりまして女性の方が長く生きていきますので、いろいろ政治の施策をお願いしなければならない立場の人がかなり出てきます。そうしますと、どうしてもそれを国会に反映させていかなければなりません。男性ももちろんやっていただくと思いますが、直接に血の通った意味での国会ということになりますと、女性の議員が今よりはもう少しふえなければなりません。北欧でも三十数%ですから半数というようなことはとても申しませんけれども、少なくとも女性の立っている非常に困難な立場の悲しみや苦しみや思っていることが、女性議員を媒体としてその政党全体ないしは日本の政治全体に浸透していくということを考えますと、比例制の方が、永久にとは申しません、今のところ妥当ではないかというふうに考えているわけです。したがいまして、そういう論からいきましたら、それこそ公的な助成、これも一応、個々にということよりは、公平に落差なしに皆さんに党として分けていただくというような方がよろしいのではないだろうかというふうに思います。
 それから、戸別訪問はどうですかということですが、私は選挙本来を考えましたら、その選挙区の大きさにもよりますけれども、可能な限り戸別訪問というのはやってよいと思うのです。何もおのれを利するというのではなしに、本当に真剣に日本の政治にかかわっていこうとする真剣な顔と態度を見せるということは、民主主義の中で非常に大事だと思うのです。ただ、物理的に地域的にそれがすべてできるかという問題は残しますが、これらの問題につきましては、やはりそれぞれの党で、あるいは議会を構成されている方も含めてですけれども、十分に論議なされればと思います。議会制民主主義というのは、直接こうやろうと思うから私は出ますよということが理想であるわけです。それがどこまでできるかということが今の課題になっていると思いますが、基本的には是だというふうに思います。ただ、いろいろな制約がございますので、それらは、政治に携わっていらっしゃる皆さん方が、精神を逸しない範囲で、また行動できる行動半径等も加味して、決めていかれたらよろしいのではないでしょうかというふうに考えます。
#312
○大内和臣君 先ほどの戸別訪問、ちょっと追加いたしますが、私がちょっとおつき合いしておりましたニューヨーク市長のリンゼーさんがまだ市長になる前に、グリニッチビレッジ、ワシントンスクエアあたりの下院議員だったころ、選挙の前何日かの間に、あの区域の人全部と握手をしておりました。それこそデパートに入っていき、あらゆるところに行って握手をしておりましたが、リンゼーさんの重なる再選は握手だと言っておりました。
 それで、もちろん戸別訪問も入れるわけです。しかし戸別訪問の欠点は、時間がかけられませんから、わずか数秒もしくは数分の間に政策を訴えることはできませんので、見ておりますと、どうもハウスパーティーが主な武器、方法のようでした。ハウスパーティーというのは、特定の支持者の家で二十人から三十人くらい呼んでやっているパーティーですが、これは全く個人的な寄附といいますかドネーションで、コーヒー出して酒は出ないパーティーですが、そういうところで政策を訴える時間が何か必要なような気がします。
 私は、今でこそ、日本の選挙民は政策中心の選挙を当分はしないだろうと思いますが、やがてはだんだんするようになるのじゃないか、そういう成熟の過程に今あるのじゃないかと思います。そういう意味で、今非常に永久的、固定的な選挙制度をここでつくり上げるというのは非常に難しいので、私たちの国際法の分野でよくやるのですが、時限立法的に、二十年後にはもう一度レビューするというような手も最後は残っているのじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 以上でございます。
#313
○板橋元昭君 地方議会のことについてでございますが国会の方の選挙制度が変わったために地方議会の方まで押しつけられたら困る、こういう意味についてでございます。
 実は、地方議会と国会の一番大きな違いというのは、これはもう先生よく御存じだと思いますけれども、地方議会の場合は、執行権者である首長さん、福岡県の場合は知事でございますが、これは直接選挙で選ぶわけでございますから、既に県民の民意というのは知事選挙のときにもうそこに出ておるわけでございます。ですから、県会議員は進めていく役割が国会議員さんの場合と違いますので、そういう点で、先ほどお話のありましたような、民意を反映するような制度ということでの比例区みたいなものを考える必要はもちろんないと思いますし、それから福岡県の場合も、前回の選挙等の場合には一人区の場合にも保守から革新にかわったところも幾つかございますし、それから複数区ももちろんございます。そういうところも現行の中での問題点というのはございませんですから、今の県会議員の選挙、いわゆる地方選挙の場合には、まあ県レベルの話でございますが、今の問題でさして変更しなければいけないという制度にはなっていないのではないか、このように私は考えております。
#314
○野田座長 北側一雄君。
#315
○北側委員 長時間大変ありがとうございます。私で最後でございますので、もうしばらくよろしくお願いいたします。
 私最後でございますので、公述人の皆さんにそれぞれ共通してお聞きをさせていただきたいと思っております。三点質問したいことがございます。
 一点目は、きょうで公聴会が終わりまして、いよいよ来週から与野党の合意に向けてのさまざまな動きが本格的に始まってくると思うのです。私はいよいよこれからが大事だなというふうに思っているわけでございまして、そういう意味で、与野党の合意を見出していく、合意を求めていく中でぜひ皆様の御要望、御意見等を聞かせていただきたいと思うのです。
 先ほど滝井市長さんの方からこういうお話がございました。与野党の合意を見出すために五点おっしゃっていただいたのですけれども、一点、中選挙区制にもう決別しなさいよ、二番目に、腐敗防止も選挙制度改革と含めて一括にやっていきなさいよ、それから、次の選挙は新制度でやるのですよ、四番目に、合意形成の過程はこの委員会でオープンにやっていきなさい、五点目に、会期を延長してでも今国会でやりなさいよ、五点、極めて重要な指針をいただいたのかなというふうに私は思っております。
 ほかの公述人の皆様にも、これから妥協をしていくに当たって、合意点を形成するに当たってどういうところが重要なのか、ぜひ御意見、御要望等を聞かせていただきたい。
 二点目が、選挙制度についても合意をしなければいけないわけでございますけれども、これまでの委員会の議論を集約しますと、簡単に言いますと、結局、小選挙区選挙と比例代表選挙をどう混合していくのか、どうミックスしていくのか、ここに合意点を形成するしかないというのが恐らく多くの方々の共通した認識であると思うのですね。
 小選挙区選挙の方は、やはり政権の安定とか政権の基軸たり得る政党を選べるとか、そういうメリットがございます。比例代表の方は、多様な民意を公平に、正確に反映していくというメリットがございますので、このメリットをどうリンクさせていくか、ここが最大のポイントでございまして、私の意見では、並立制のような小選挙区制と比例代表が全く分離してしまった選挙制度じゃなくて、やはり何らかのリンクをし合った、小選挙区選挙での落選者の方々に投じられた投票、死に票が生かしていけるような比例代表選挙にしないといけないのじゃないのかな、そういう意味では、民間臨調の言っている連用制というのは私は非常に検討に値するのじゃないかと思うのです。そこで、ぜひこの連用制等を含めた御意見を聞かせていただきたい。
 三点目に、やはりこの政治改革というのは私は政党の改革でなくてはいけないと思うわけでございまして、この時代の激動の中で、我々公明党、自民党さん、社会党さんも含めまして、政党そのものが時代の激動になかなか対応し切れていないという面があると思うのです。やはり政党の改革、政党内の改革というのを考える必要がある。また、政権交代可能な政治を実現していくとか、時代の変化に対応し得るリーダーシップある政治を実現していくとか、そういうことを考えますと、政党の枠を超えて、政界再編ということもやはり考えていかないといけないのじゃないかと思います。その点の御意見を聞かせていただきたいと思います。
 以上三点、よろしくお願いいたします。
#316
○板橋元昭君 第一点は合意を得るということに対する考えでございますが、今いろいろ審議をされておる過程で合意をしようといういろいろな立場でのお考えが進んでおるということについては私どももいろいろ感じるわけでございますけれども、ただ、合意ということは、やはり妥協をすればいいということではないと思うのですね。やはりそこに、同じ基軸に立って、将来の日本の政治をどうするかということから、どういう制度が望ましいかということ、あるいはどういう法整備をしなければいけないかというようなこと、そういうことに対する一つの共通の認識というものを持ってやらないと、ただ今世論がやかましいからとにかく何とかそれを逃れる、逃れると言うとおかしいのですが、一応緊急避難的に今の選挙制度を改革しようじゃないか、こういうふうなことでの妥協で新しい制度はつくっていただきたくないな、私はそんなふうに思いますから、やはり合意ということは共通の基軸を持つということを基本にお考えになる必要があるのではないかな、こんなふうに思います。
 それから、選挙制度の件で、死に票も含めてでございますけれども、選挙制度の場合に特に、先ほど申し上げたこととも一致するわけでございますが、やはりそこにそれぞれのお立場があって今いろいろな方法をお出しになっていると思います。ただ、きょうもちょっとお話をお聞きして思うことでございますが、今の立場、野党の立場でございましたら、その中から何とか脱皮をして、政権をとれるような政党になっていきたい、そのためには何が何でもその方向に合うようなことでひとつやらしてもらえないか、こういうふうな感じの意識が非常に強く出ておるような気がいたします。しかし私は、政権をとるためにどうするかということだけで選挙制度をいじるということ自体非常に問題があると思いますから、やはりもっと体質的な、基本的なもので日本の将来ということに対する一つの共通の基軸をしっかりつくって、そして選挙制度をお考えになっていただくということの共通点というものをおつくりにならないとこの制度についても非常に問題があると思うのです。
 連用制については、私は、先ほど申し上げましたように、国会全体の問題としてお考えをいただきたいということでございますから、今のお話は、選挙制度の改革というのは何か衆議院の選挙改革をすればすべてそれでうまくいくような感じのお話になってしまっておりますけれども、私は、両院がしっかり機能を果たしていける、そういう体制で国会全体が国民の信を受ける政治制度でなければならないと思いますので、そのための選挙制度ということになりますと、私は、連用制も必ずしもいい制度ではない、このような気持ちでございます。
 それから、政党の再編ということでございますが、これもやはり政権をとるための妥協によって生じるものは政界の再編ではないと思いますので、基本的に一つの理念といいますか、そういうものが一致するところまで徹底的に議論をされた上で、一つの政党としての方向を見出されるのなら結構でございますが、妥協の産物としての政界再編ではやはり将来に大きな禍根を残すのではないかな、こういうふうな受けとめ方を私はいたしております。
#317
○中島茂嗣君 第一番目の、合意に向けてどういう意見があるかというお尋ねでございますが、これにつきましてはそれぞれきょう陳述人からお話があっております。これだけ非常に長い時間をかけて論議をされ、そしていよいよ来週から本格的な取り組みをされるということでございますが、会期延長をやっていただいてでも、是が非でもこの機に選挙制度の改正をやっていただきたい、そのように考えます。いろいろな方法につきましては、国会の先生方がいい知恵を絞っていただきたい、そのように考えます。
 また、二番目の御質問でございますが、私は、もうかねてから申しておりますように、単純小選挙区制がベストであると考えております。しかし、合意に達する過程において、やはり比例代表の並立制がかねて国会に提案をされた過去がございますし、あわせて、参議院で既に使用されておる制度でございます。そういう面から、この制度を暫定的に行い、そして究極の完全小選挙区に持っていく、そのような方法をとるべきであろうと考えております。
 三番目の、政界再編成についてでありますが、これも、今激動の時代と言われ、また、国民の考え方、ニーズというものが非常に多様化しておる時代であります。あわせて、各政党いろいろな新しい動きが出ておるところでありますので、やはり国民の考えておること、ニーズというものを十分取捨選択されて、最も今の時代に適した政治の仕組み、枠組み、そして政党の再編成、そういう方向に進んでいっていただきたい、そのように考えます。
#318
○櫻井日出生君 滝井さんの五点を非常に強調されましたが、私は、これだけ紛糾をしたというか、今まで引きずってきておりますが、しかし、その大勢は小選挙区制でいこうということになっておりますから、その後の折衝は、与野党の委員の先生方の必死の努力というか、そういうことで取り組むべきものであろうということであって、それで帰結をすれば、それは、国民としては、これだけ苦労してやったのだからそれでいこうということになると私は思うわけであります。
 ただ、私自身は、はっきり顔の見える選挙、単純小選挙区制の方がいいのだ、しかも世界的な視点で政治を行わなければならないという現状においては、その方がいいのだという気持ちであります。そういう中で、比例制とか連用制とかのことは、妥協としていろいろと先生方の方でやっていただきたい。私の方からこうせいということは申しません。
 ただ、最後に、こういう激動の時代に対応されていない政界の再編はどうなのだという、政界再編、結構でありますが、要するに社会党がこんなに凋落したというのは、やはり国民の意識、国民は利口ですから、これはこんなことで大丈夫なのかなという気持ちがあるのですよ。それがいわば理想論というか、雲の上のような議論ばかりしておったら、このような者に任したらえらいことになるぞ、海千山千の外国に対抗できるかという基本的な不安というか、そういうことがあってどんどん凋落した。
 たまたまこの前、女性委員長が出られたときに一時的にパワーが上がったというだけの話であって、問題は、そういう政策といいますか、国民が安心ができる、そういうふうなところまで、そこを改めなければ、いつまでたったってだめですよ。そういうことがないから、また、みずからそういう中で生き延びるために一人だけ出しておこう、既にそういうことの意気込みからもう間違っておる。我々の政策の実現のために全区に立てるのだ、そういう壮烈な気持ちがないのはだめですよ。そういう中で政界再編をもし同志を集めてやられる、結構ですから、そういう意味で交代のできる、国民が安心なされる政党に再編されることを私は望みます。
#319
○滝井義高君 まず第一点でございますが、最前五点出しましたが、特に私は、この委員会の運営その他を新聞で見ましても、与野党がそれぞれ政府に頼らずに意見の交換をやり、いわゆる質疑をし答弁をする、こういう形をとっておられる。こういう形を百時間もとった前例というのは恐らくないと思います。したがって、選挙制度に対する勉強はこの委員会が一番勉強している。そしてしかも、全国四カ所、あるいは中央でも公聴会がある、こういうことである程度民意をお聞きになっておるわけです。したがって、田邉國男委員長、たまたま金丸さんと同じ山梨県出身ですが、金丸さんの後始末を田邉さんを中心にやるということで、この委員会がきちっとした方向を出すべきだ、決して国対やら、あるいは水面下でやみ取引をしない、ここできちっと国民の前で選挙制度の合意案をつくる、それを私はひとつ望みたいわけです。
 それから二番目の、小選挙区と比例代表のほかに連用制の案が出ておるわけですが、今、この連用制をどうするかということです。ところがこの連用制も、御存じのように、いろいろの欠陥を持っておるわけですが、まず、ちょっと新聞で見ただけで、原本をもらっておりませんからわかりませんけれども、とにかく仕組みが非常に複雑です。ちょうど社会党と公明党の案がなかなか難しいように難しいわけです。それからもう一つは、妥協を優先させて、選挙制度の理念とか理想というようなものが見えないわけですね。それからもう一つあるのは、二票制を採用しているわけです。その二票制を何のために採用したか、理論的根拠が、新聞その他を見ただけでは、ちょっと理解しにくい。亀井さんあたりや内田健三さんに説明してもらわなければいかぬと思いますけれども、わかりにくい。それから、これは与党に対して損になるわけですが、比例代表部分という票が反映しないのですね。これはもう没になるわけです。小選挙区で五なら五とったら、五プラス一で割り算、ドント式やりますから、そこがないということ。それからもう一つ、これはちょっと内容がよくわからぬのですけれども、連結名簿というのがあるのですね。名簿を二つの政党が合わせて一つにして出すことができるという、そういうところがなかなかわからぬわけです。それから、重複立候補ができるのですね。これもちょっとおかしなことです。
 そういう点で、連用制にも素人がちょっと見ただけではなかなかわかりにくいところがいっぱいありますから、これは専門的に研究された先生方ですから、あるいは海部内閣が出した、甘木の市長はあれをやれという、並立制ですか、もうたくさんありますから、そういうものをひっくるめて、ひとつ二、三日徹夜で検討して、これだというものを我々の前に示していただければ、もう我々は一応意見を述べたのですから、後は皆さんに全面的に一任ということになると思います。
 それから、政党の問題。まず、今の政党をそれぞれどう見ておるかということですが、これは、自民党さんはもう自民党さんの方で、今の中選挙区というのは悪い、変えようではないか。その中選挙区で政権をとってずっとやってきた人が変えようやとおっしゃっているから、これは非常に正直だと思う。問題は、野党も、今の中選挙区でいったら、社会党が百六十ちょっととったのが最高です。公明党さんも五、六十、日本新党も、出ても四、五十だ。こうなりますと、野党が分立しておったのでは、政権はいつまでもとれない。とするならば、やはり考え直して、どうするかということを、野党は野党の立場で、与党は与党の立場で考えて話し合いをしていく必要があると思う。
 その場合に、政界再編というのはどうなるのだ。これは私は、政界再編というのは、今の政党を全部ばらばらにして、ガラガラポンにして新しい政党をつくるというのは大変難しいと思います。それはどうしてかと申しますと、最前も申しましたけれども、やはり二世、三世の議員の方というのは牢固たるものを持っているわけです。地盤、看板というものはそう簡単に崩れません。これはもう父祖伝来のものになっていますから、簡単に崩れない。そうすると、政界再編成というのは、言葉で言うのは易しいけれども、できないだろう。それならば、野党が結束して自民党さんと新しい選挙制度、そして自民党さんに対抗する道をつくる。そのときに、野党がばらばらであって結束できなかったら、永遠にだめだ。これは、二十一世紀に向かって日本の国民が野党に与える最後のチャンスである。与党が再生する最後のチャンスである。どっちも最後のチャンスなら私は話ができる、こう思っています。
 以上です。
#320
○大町多喜子君 今、皆さんがもうおっしゃいましたので重ねることはないというふうにも思わなくもありませんが、連用制、それからもう一つ議席数二百五十、二百五十というのがございますね。それらを含めて、今日までに選挙制度についていろいろな案が五つぐらい出ているわけです。そういうのを、どこが出したからどうだという先入観を抜きにしまして、真摯にその内容を御検討いただいて、その中から国民が考えている方向の議員の選出にぜひ努力をしていただきたいというふうに考えています。あくまでもその基本は、国民のニーズを考えて、政党の再編成も含む内容で御論議をいただきますと大変ありがたいと思います。
 ただ、その中で、ある意味では、このまま余り手を加えないでおりましたら女性の議員数がかなり固定化されてしまって、ふえていかないのではないかという危惧が先ほどからしてならないのです、何も負け犬という意味ではありませんが。男女に対する社会一般の考え方も加味されて、財政的なことも含めまして、そういうことを気にしているというのが率直なところでございます。ですから、やはりこの社会を構成しているのは男女でもって構成しておりますという基本に触れて、両性がともに力を合わせて、一足す一は三になるかもわからないわけでございますので、力を合わせてこの国の政治を、国民のいわゆる福祉、日本の国の成長、幸せ等を総合的に加味して、それを含む選挙制度というのをぜひお考えいただきたいというふうに思います。
 率直に申しまして、先ほどちょっと北欧のデータを申し上げましたが、三〇%を下ったところは一つもありません。高いところでは四〇%程度の女性議員の構成率でございます。そういうふうになっておりますが、日本の場合には、実数でいいましても、それこそわずかだと言わなければならない。私は外国へ行きましたときに、衆参両議院の女性議員は何人おりますかと聞かれても、まともによう答えられないというような気持ちに何回か逢着したことがございます。したがいまして、両性でこの日本を支えているのだということで、女性の英知もいかに結集して国政に反映させていくことができるのかという観点をぜひ皆様方の中に一本入れていただきますことを心から皆様方に要請を申し上げます。それこそそれぞれの議員さんが本当に公平な、日本が幸せに向かって一歩ずつ向上していくような政策を国民の前に御提示していただきますことを、私は一市民でございますので、心からお願いをいたしたいと思います。
 以上でございます。
#321
○大内和臣君 初めに、先ほど早川議員からお尋ねの質問にお答えしてませんので一言申し上げますと、私も、クロスボーティングはやはり適正でなければならないし、これが過剰になりますと政権の不安定につながると思うのです。そして、今回の制度の意味がないと思うのですが、私は、現実問題として、そうたくさんクロスボーティングはないだろう、しかし無ではないだろう、いい候補者を立てますと野党側は相当いけるのじゃないかという気はいたします。
 今の北側議員の質問ですが、私は、これが最後のチャンスだと思います。それで、大枠でとにかく与党、野党全体で了解をする余地が残るのではないか。今のところ連用制と併用制の違いは数字じゃないかなという気がするのですね。二百と三百と、それから地盤の問題くらいですから、この数字については必要であれば適当な時期に将来改定されたらいいわけです。不公平であれば、みんなの目に不公平になる時期が来ると思います。しかし、この大枠の制度は結構耐久性があるのではないかというふうに私ちょっと考えておりますが、そういう点で合意できるのではないかと期待しております。
 それから、特に野党が一つの大きな野党にまとまるということは、これは私は自民党とも関係があると思うのですが、今までの派閥が前提でありますと野党の再編成、野党合併はできないと思いますが、今回の一連の浄化措置で自民党の派閥もお金中心にできなくなると聞いております。そうしますと、自民党の派閥がなくなるかというと私はなくならないと思います。それは、人とそれから政策中心に残っていくだろう、それはよその国がそうでありますから。共和党にしても民主党にしても、御承知のように、右の共和党、左の共和党、右の民主党、その右、右が一緒になって議案、議案で個別的に投票しますね。私は、非常に成熟した政党はそうなっていかざるを得ないと思うのです。私は、いつの日か日本の政党もそうなるだろうという必然性を今感じる。これは、金権政治から脱皮した段階でできると思います。そうすると、自民党がそれをやりますと、社会党も、あるいは公明党も、あるいは合併党もできると思います。政策中心に、例えば新野党の中の合憲派、憲法九条、自衛隊の合憲派、それから違憲派、あるいは合法違憲派、そういう集団ができてもいいのではないか。しかし、野党の共通の目標、すなわち政権担当というその一点においては一致結束するという、そういう非常に大きな目標において私はまとまる可能性があるのではないか、このためには相当の情宣活動が当然必要になると思います。
 以上でございます。
#322
○野田座長 これにて質疑は終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 意見陳述の方々におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
 拝聴いたしました御意見は、政治改革関連諸法案の審査に資するところ極めて大なるものがあると信じます。厚くお礼を申し上げます。
 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚なる謝意を表する次第でございます。
 それでは、これにて散会いたします。
    午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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