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1993/06/03 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 災害対策特別委員会 第6号
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1993/06/03 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 災害対策特別委員会 第6号

#1
第126回国会 災害対策特別委員会 第6号
平成五年六月三日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 森井 忠良君
   理事 植竹 繁雄君 理事 畑 英次郎君
   理事 松岡 利勝君 理事 光武  顕君
   理事 山本 有二君 理事 有川 清次君
   理事 安田 修三君 理事 薮仲 義彦君
      岩屋  毅君    臼井日出男君
      衛藤 晟一君    大石 正光君
      金子徳之介君    木村 守男君
      小坂 憲次君    鈴木 俊一君
      住  博司君    平田辰一郎君
      星野 行男君    増田 敏男君
      山本  拓君    沖田 正人君
      川俣健二郎君    佐々木秀典君
      佐藤 泰介君    田口 健二君
      藤田 高敏君    安田  範君
      吉岡 賢治君    石田 祝稔君
      倉田 栄喜君    平田 米男君
      藤田 スミ君    高木 義明君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 井上  孝君
        (国土庁長官)
 出席政府委員
        国土庁地方振興 秋本 敏文君
        局長
        国土庁防災局長 黒川  弘君
        農林水産大臣官 今藤 洋海君
        房審議官
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局運 野津 研二君
        用課長
        文部省教育助成 矢野 重典君
        厚生省社会・援 酒井 英幸君
        護局保護課長
        農林水産省構造
        改善局建設部防 崎野 信義君
        災課長
        農林水産省畜産
        局畜政課畜産総 高濱 正博君
        合対策室長
        林野庁指導部治 工藤 裕士君
        山課長
        運輸省鉄道局総 縄野 克彦君
        務課長
        気象庁地震火山
        部地震火山業務 森  俊雄君
        課長
        建設省都市局街 溜水 義久君
        路課長
        建設省河川局防 山口 嘉之君
        災課長
        建設省河川局砂 大久保 駿君
        防部砂防課長
        建設省道路局企
        画課道路防災対 納   宏君
        策室長
        建設省住宅局住 那珂  正君
        宅建設課長
        自治大臣官房参 武田 文男君
        事官
        特別委員会第三 平川 陽三君
        調査室長
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件(雲仙・普賢岳の火山活動
 に伴う土石流等による災害等)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○森井委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ちまして申し上げます。
 本日は、雲仙・普賢岳の大火砕流による災害から九二年に当たります。ここに、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
#3
○森井委員長 黙祷を終わります。御着席ください。
     ――――◇―――――
#4
○森井委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、去る五月二十四日及び二十五日、雲仙・普賢岳の火山活動に伴う土石流等による被害状況調査のため、長崎県に委員派遣を行いましたので、私が派遣委員を代表いたしまして、便宜、この席から調査の概要について御報告を申し上げます。
 派遣委員は、自由民主党の畑英次郎君、植竹繁雄君、松岡利勝君、日本社会党・護憲民主連合の有川清次君、安田範君、公明党・国民会議の倉田栄喜君、日本共産党の藤田スミ君、そして私、森井忠良の八名であります。
 地元から、委員田口健二君、高木義明君、地元選出議員の久間章生君の御参加を得ました。
 雲仙・普賢岳は、平成二年十一月十七日に約二百年ぶりに噴火して以来二年半を経過し、今なお、火山活動は終息の見通しが立たず、昨年末ごろまでは比較的落ちつきを見せておりましたが、今年二月ごろから火山活動が活発化し、三月十七日ごろ第十一溶岩ドームが出現するなど大きく変化し、北東部のおじが各方向に火砕流が頻発するようになりました。また、今までの溶岩の総噴出量は一億三千万から五千万立方メートルとも言われております。このため、住民を初め関係者は降雨に伴う土石流の発生を危惧しておりましたが、四月二十八日から二十九日にかけて及び五月二日の大雨により、水無川の流域ではこれまでで最大量の土石流が発生し、中尾川地区でも大規模な土石流が発生して、大きな被害をもたらしました。
 この土石流被害の状況とその復旧状況でございますが、去る五月十九日の当委員会において政府から説明がありましたので、割愛させていただきます。
 雲仙・普賢岳の溶岩ドームは、成長、崩落を繰り返し、五月二十一日夕刻にも火砕流が発生し、その本体は、火口から三キロメートル流下し、おしが谷を越え、治山ダムの上流三百メートルのところまで迫り、熱風は治山ダムまで達し、危険な状況となり、北千本木地区、上折橋地区の住民の方々は個室型の集合避難施設等に避難しましたが、さらにその後、雨も降り出したこともあり、島原市では、それまでに避難勧告されていた者を含め、五月二十一日現在で千百五十四世帯、四千三百九十四名に避難勧告が出されております。
 また、幹線道路の国道二百五十一号、県道島原愛野線も通行どめとなりました。五月二十一日から火砕流、地震が頻発して、三日続けて臨時火山情報が出され、五月二十二日、二十三日にも大きな火砕流が発生し、人家近くまで到達しております。そのため、島原市においては、五月二十四日正午から六月三十日正午までの間、避難勧告がされていた南千本木可及び北千本木町のそれぞれの一部について、警戒区域を設定し、八十四世帯、三百二十八名の方々に避難していただくとともに、両町及び上折橋町の一部八十九世帯、三百二十八名の方々に避難勧告を出しました。国では、遊砂地の新設と増強などの応急措置の技術的検討をしており、また、島原市長の要請で、自衛隊による北上木場地区における土石流に対し、矢板打ち込みによる緊急砂防工事が実施されております。火砕流に加え、少量の雨でも大規模な土石流被害の発生が懸念される等、これから本格的な梅雨の時期を迎えるに当たり、住民の方々の不安がますます大きくなっているので一層の警戒が必要と思います。
 次に、被災地の調査について申し上げます。
 自衛隊の御協力により、ヘリコプターで上空から視察いたしましたが、山の斜面の眼前にせり出した巨大な溶岩ドームの状況、火砕流により谷沿いになぎ倒された雑木とその焼失跡、被害の面的な広がり、土石に埋没した広範囲にわたる住宅や農地を眼下に見て、今次災害の被害の甚大性を改めて痛感いたしました。
 視察では、長崎県副知事、島原市長、深江町長に同行していただき、要所要所で説明を受けました。
 まず、土石流対策の応急措置として既に建設されている遊砂地を視察しましたが、土石流の相当部分が水無川の本川流域にはんらんし、自然をコントロールする難しさを見せつけられる思いがいたしました。説明では、警戒区域の直下の新しい遊砂地の建設と既設遊砂地の機能拡大を検討しているとのことでありました。
 次に、今回の土石流によって流出した広域農道の水無川にかかる茶屋の松橋から水無川沿いを国道二百五十一号の水無川橋まで歩いて、橋梁、住宅、島原鉄道の被害状況を視察いたしましたが、土石流による被災した住宅、田畑の面積の広さに驚くと同時に、住宅の一階部分がほとんど土石によって埋まっており、大きな石が散乱し、また、島原鉄道の線路も土石をかぶって曲がっておりました。
 なお、流出した茶屋の松橋については、当面の仮設橋の設置を急いでおります。
 また、島原鉄道は、現在、島原外港駅と深江駅でそれぞれ折り返し運転し、その不通区間ではバスによる代替輸送を行っておりますが、復旧の目途が立たない状況にあります。
 引き続き、現地で一般国道五十七号島原深江道路の事業概要等の説明を受けました。島原深江道路は、土石流に対し安全な構造を持った、島原市秩父ケ浦町から深江町諏訪名までの間、延長約四・六キロメートルの道路として事業を促進していくことにしております。
 次いで、下折橋集合避難施設を視察した後、記者会見を行いました。
 その後、道路沿いの灰をかぶった特産の葉たばこ等農作物、ビニールハウス等をバスの中から視察しながら深江町に入り、池平仮設住宅では、長期にわたり不便な生活を強いられておられる被災者の方々の出迎えを受け、お見舞いと激励をして日程を終えました。
 次に、当面の土石流対策としての現地の要望を御紹介いたしますと、雲仙・普賢岳に関する直轄火山砂防事業の促進、直轄事業における国道五十七号上流の砂防施設の機能拡大、導流堤左岸側の緊急対策、水無川災害復旧助成事業の早期完成、国道五十七号島原深江道路の早期建設、眉山地区における治山事業の促進、水無川広域農道橋の農業用施設災害復旧事業の採択、被災者等に対する公営住宅等の建設、公共交通機関(島原鉄道)に対する支援措置等であります。
 以上が調査の概要でありますが、今次火山災害は、平成三年六月三日の四十三名の犠牲者を出した火砕流からきょう六月三日で二年にわたる類を見ない長期災害であります。
 また、島原市北東部の中尾川でも土石流が初めて起きるなど、今回の土石流災害は、復興へ向けて歩み始めた直後の大被害であり、本格的な復興事業もでき得ず、しかも、今後も降雨に伴う土石流の発生が予想されており、また、火山の噴火が続いていることから、市長、町長は人命の安全確保の観点から警戒区域を設定しなければならず、一方では土石流を防止するための工事の促進を図らなければならないというはざまに立たされ、大変苦慮されていることなどが述べられましたことを申し添えておきます。
 終わりに当たり、今回の災害で被災されました方々に改めてお見舞いを申し上げ、日夜災害対策に御努力されておられます関係者各位に感謝を申し上げ、調査に全面的に御協力を賜りました長崎県を初めとする多くの関係者各位に心からお礼を申し上げまして、報告といたします。
 この際、お諮りいたします。
 長崎県からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録の末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○森井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    〔要望事項は本号末尾に掲載〕
#6
○森井委員長 本日は、特に雲仙・普賢岳の火山活動に伴う土石流等による災害等について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畑英次郎君。
#7
○畑委員 ただいま視察報告が委員長からなされたわけでございますが、たまたま視察のため現地にお伺いした日に新たな、再度といいますか、警戒区域の設定があった。そしてまた本日は、ただいま委員長御提案によります黙祷がささげられましたとおり、二年前の四十三名の方々、いわばきょうが三回忌に当たるわけでございまして、私の立場からも、謹んで御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災をされた方々、あるいはまた、今なお避難をされておられる方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げさせていただく次第でございます。
 我が党といたしましても、本問題に懸命の努力で取り組まさせていただいているわけでございますが、きょう我が党の梶山幹事長も現地に参りまして、追悼式に参列をし、そしてまた、重ねて現地を視察させていただき、私どもの立場におきましても、皆様方委員の方々の御指導を賜りながら、層一層本問題には真剣に取り組んでまいりたい、かような気持ちを新たにさせておる次第でございます。
 そういう中にございまして、私は、本事件発生以来今日まで、各省庁とりわけ国土庁の皆様方が中心となりまして、現在二十一分野九十八項目にわたりまして諸般の対応策、施策といいますものが、ある意味におきましては、かつてない弾力性を持って積極果敢に取り組まれてまいりました姿にあるわけでございまして、この間の国土庁を初めとする、長官を初めとする各省庁の皆様方の真摯なお取り組みに、まずもって心から敬意を表してやまない次第でございます。
 実は私は、この委員会の皆様方のお供をしまして、昨年三月でございましたか、その第一回目の視察結果を踏まえまして、当委員会でもこの雲仙・普賢岳の問題を質問させていただいたところであるわけでございます。
 さような意味合いで、実は今回現地に参りまして、正直申し上げまして、前回の視察をさせていただきましたときよりもより厳しい実態を目の当たりにいたしまして、御関係の、そしてまた地元の方々の御難渋に思いをはせますとともに、私ども政党あるいは政治家としまして、これは、将来に向けて、行政の枠を乗り越えて、各党が前向きに取り組んでいかなければならない実態であり、今日の姿ではないかということを私は実感させていただいたような次第であるわけでございます。
 そういうことを踏まえまして、きょうは三、四御質問をさせていただきたいというように考えるわけでございます。
 まず最初に、何といいましても、私どもは、まさかと申し上げた方がいいと思いますが、心配されます現在の姿がこんなに長く継続をされるということは予期しなかったということが当初の偽らざる気持ちであるわけでございますので、火山活動の終息にすべての方々が期待をされておるわけでございますが、残念ながら、最近はまたマグマの供給量がふえたというようなことも言われておるわけでございますので、火山活動の見通しにつきまして気象庁の御見解を伺いたい、かように考えるわけでございます。
#8
○森説明員 雲仙の火山活動について御説明させていただきます。
 雲仙岳の溶岩噴出量は、昨年次第に減少しておりましたけれども、本年二月から再び増加いたしまして、二月二日ごろからは第十溶岩ドーム、三月十七日ごろからは第十一溶岩ドームが成長を始め、現在も成長を続けております。また火砕流も、昨年十二月から一日一回程度に少なくなりましたけれども、三月に入ってから次第に増加いたしまして、一日十回程度となり、最近は一日五回程度となっております。五月下旬からは、中尾川沿いに千本木付近に達する火砕流が発生しております。
 このように、溶岩の噴出、火砕流の発生など、雲仙岳の火山活動は依然と活発でありまして、大きな火砕流を含め、今後とも火山活動に対する十分な警戒が必要であろうというふうに考えております。
 気象庁は、今後とも、関係機関と緊密に連携をとりながら、厳重な監視を続けてまいりたいと思います。
#9
○畑委員 気象庁のお立場では、失礼でありますけれども、そういった上品な御回答しかいただけないというように考えるわけでございますが、私は、一般的な庶民感覚をもって述べさせていただければ、二年以上続いた、逆に言いますと、今まで期待をしておった終息ということは難しいのではないかなという意味合いのものを残念ながら前提に物事を考えなければならない、そういう段階に入っておるのではないかと言わざるを得ないわけでございます。気象庁のお立場では、なかなかその辺を具体的にわかりやすくというわけにはいかないと思いますけれども、私自身は、終息ということが難しくなったなという実感を肌で感じさせていただいておるということをこの機会に述べさせていただく次第でございます。
 そしてまた、今度現地を拝見しまして感じましたことは、昨年来、建設省等々御関係の皆様方が、水無川沿いに対する河川改修あるいは緊急対策工事、あるいは遊砂地の問題、あるいはまた国道五十七号線から下の海岸に至ります導流堤工事の問題、そういうことに大変御熱心なお取り組みをされておったわけでございます。今回、四月二十八日、九日、そしてまた五月二日、あの大きな九十五万立米といわれますものが流れた。あのときに、例えばそういった緊急対策ができ上がっておったとした場合には、九十五万立米というものを防ぎ得たのかどうか。ちょっと俗っぽい質問でございますが、御努力なさっておられる皆様方のお立場での受けとめ方をお知らせ願いたいと思うわけであります。
#10
○大久保説明員 御説明申し上げます。
 今回の土石流は、先生御指摘のとおり、約九十五万立米というふうに言われておりまして、水無川本川方向に流れまして、下流ではんらんいたしております。二年前の平成三年六月三十日にはこれまで最大規模の約四十万立米という土石流が発生いたしておりまして、これは一回で発生した土石流でございますが、土石流の持っております直進性という性格がございますけれども、まさにそのとおり直進をいたしまして、現在計画しております導流堤の方向に流れた、こういうことでございます。
 今回の土石流につきましては、いろいろ分析をしておりますが、比較的規模の小さな土石流が数回発生したのではないかと思われておりまして、国道五十七号より上流に設置いたしております第三号遊砂地で約十五万立米捕捉いたしておりますけれども、その捕捉いたしました土石流は土石流の本体であります大きな礫を含んだ部分を捕捉いたしておりまして、それよりも細かな粒形の土石流が下流に流れたのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 現在、御指摘のとおり、砂防計画をつくっておりまして、上流には砂防ダム群、下流部分には導流堤を計画いたしております。砂防ダムによりまして、上流にたまっております火砕流堆積物をその場で押さえて、あるいはそこで発生する土石流をとらえて、下流の導流堤につきましては、砂防ダムが完成するまでの間の土石流にも対応しよう、こういう目的で計画をいたしております。
 上流域は警戒区域に設定されておりますので砂防ダム等の工事はできないわけでございますけれども、現在のところとり得る最善の策といたしまして、導流堤を早急に設置したい、こういうふうに考えております。導流堤が完成いたしますと、土石流は導流堤内を流れることになりまして、ここで相当の土石流をためまして、被害の軽減が図れるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、導流堤を早期に完成したく思っておりまして、地元の皆様方の御協力と御理解が不可欠ではないか、こういうふうに考えております。
#11
○畑委員 この導流堤ができ上がっておれば今回の災害がかなり違った形で収拾できたというように私は考えるわけでございますけれども、いささか当たりさわりのある申し上げようをさせていただければ、これだけ長くなった、しかしながら、やはり現地住民の方々は、何としても、自分の先祖伝来の土地、あるいはまた生まれ育った土地でこれからも生活していきたい。でありますがゆえに、公共事業をやっていただく場合でも、最小限の用地をもって、そしてその買い上げ価格につきましては破格の取り扱い、破格の便宜を図ってもらいたい、こういう期待がありますことは言うまでもないわけでございますが、私は、正直申し上げまして、地元関係の方々にもいささかお願いしたいことは、この段階になった場合には、公共事業の用地問題につきましては、なおさらダイナミックな取り組み、事業展開ができますような意味合いでの御理解を賜りたいというように、あえてこの機会に申し上げさせていただくわけでございます。
 幸い、鎌田町でございましたか、あるいはまた海岸線のそばの浜の町でございますか、そういったところは町単位で集団移転をして、その地域をかさ上げしてもらおう、あるいはまた公共事業を受け入れようというような動きが、新聞報道等によりますと、だんだん出てまいっておるということでございます。私も、その辺につきましては、事柄の深刻な実態をもってすれば、被災者の方々あるいは関係者の方々にはいささか非情的な言動に相なるかもしれませんけれども、この機会に、従来のいわゆる復興に軸を置いた物の考え方から、この時期におきましては、少なくとも長期になる、場合によってはなかなか従来の場所で生活の本拠を築き、家庭を築くことが難しいということを踏まえた中での、さらなる論議あるいは御検討をぜひいただきたいというようにも考えるわけでございます。
 実は私は、せんだって高田知事さんが見えましたから、そういうことも申し上げました。あるいは私の聞き違いかもしれませんけれども、知事さんとしては、住民の方々を追い出すようなことは言えませんというようなお言葉であったわけでございます。私は、住民の方々を追い出すということではなくて、やはり事の深刻性、現実の姿の中からは、少なくとも公共事業が従来の一般的な公共事業をやるテンポよりも速いテンポで事業展開できる、そういうような理解を関係住民の方々に得させていただくような地元行政サイドの御努力をしていただかなければならない。そういう時期ではないかなということも、この機会に私の考え方として申し上げさせていただきたいわけでございます。
 なおまた、現地を視察させていただきましたときに、従来心配されておりませんでした中尾川流域に新たな土石流の発生を見たということであるわけでございます。あの現地を、委員長のお供をしまして、自衛隊の方々、従来から大変な御苦労を賜っておるわけでございますが、今回もまた自衛隊の方々の御協力、ヘリコプターによって頂上間際、中尾川方面も視察をさせていただいたわけでございます。
 そういうときに実感として感じましたことは、いわゆる林野庁の治山ダムあるいはまた建設省の砂防ダム等々がその流域にもでき上がっておりました。今回かなりの土石流に対しまして、治山ダム、砂防ダムがそれ相応の、私どもいささか専門的な知識の足らない人物をもって言わせていただければ、やはり治山ダム、砂防ダムというものは大したものだなという実感を新たにさせていただいたわけでございます。大変な土砂がそこに堆積をしまして、あの治山ダムあるいは砂防ダムがなかりせばというような意味合いでの御努力にこの機会に改めて敬意を表しますとともに、あの地域につきましては、建設省そしてまた林野庁の方々の積極果敢なお取り組みを願いたいということを、感謝を込めながら、この機会にお願いしておきたいというように考えるわけでございます。
 私はこの機会に、林野庁の方々におかれましては中尾川流域、そしてまた建設省のお立場におきましては中尾川流域に遊砂地でございますか、これをつくるという計画も立てていただいている。しかしながら、再度警戒区域に入ったというような意味合いで、なかなか工事展開が難しい、そういうようなことであるわけでございますが、この機会に、中尾川流域の関係の方々は大変御心配をされておりますので、林野庁そしてまた建設省におかれましての中尾川流域に対する取り組みを具体的にこの機会に御披露いただければありがたい、こう思うわけでございます。
#12
○工藤説明員 今回土石流災害の発生しました中尾川流域につきましては、土石流対策といたしまして、本年三月に完成しました大型治山ダムを含めまして、治山の方では五基の治山ダム等を設置しているところでございます。
 先生御指摘のとおり、これらの治山ダム等によりまして、今回上流から流れ出しました土砂の約八割を抑止しまして、相当の効果を発揮したと私ども思っておるところでございます。しかしながら、この土石流の規模が膨大でありましたことから、一部の土砂が治山ダムを乗り越えるなどいたしまして下流に被害を与えたところでございます。
 治山対策といたしましては、今後の土石流災害に備えますために、満砂した治山に堆積いたしました土砂の緊急排土を実施いたしますとともに、新たに治山ダムの建設を計画いたしまして、準備を進めていたところでございます。しかしながら、火砕流の危険から当該地区が五月二十四日に警戒区域に設定されたことによりまして、残念ながら、当面この事業を中断せざるを得ない状況にあるわけでございます。治山事業の方は林地を対象として工事を実施しているわけでございますけれども、中尾川流域の治山事業の対象林地が今回警戒区域に設定されたということで、治山事業としては、現段階では他に事業地を求めることが困難な状況にございます。
 このため、下流部におきまして遊砂地とか砂防ダムの建設を計画されております建設省の砂防事業等とも連絡を図りまして、治山の立場としては、今後現地への立ち入りが可能となり次第、早急に対策工事に着手できるよう準備を進めているところでございます。
#13
○大久保説明員 砂防関係の中尾川流域における計画を御説明いたします。
 中尾川におきましては、四月二十八日から二十九日あるいは五月二日にかけまして土石流が発生いたしまして、約二十万立米というふうに言われております。その直後に既設の治山堰堤の直下に遊砂地を計画いたしましたが、五月二十四日にその区域が警戒区域に設定されましたので、急遽計画を変更いたしまして、現在計画しておりますのは、警戒区域直下流のところに遊砂地二基と、その下流に砂防ダム二基、合わせて二十万立米の土砂をため得る施設をつくるべく、現在着手の準備を始めたところでございます。現在中尾川には四基の既設砂防ダムがございまして、これとあわせまして、下流島原市街地の安全確保に努めていきたい、こういうふうに考えております。
 さらに、こういう砂防設備の整備とあわせまして、土石流あるいは火砕流の監視をするために従来から監視カメラ三台と雨量テレメーター、ワイヤセンサー等を設置いたしておりますけれども、このうちの雨量テレメーターそれからワイヤセンサーが、警戒区域の中ということで、維持が困難になりましたので、別途雨量計につきましては、小型レーダー雨量計を布津町に設置いたしますし、またワイヤセンサーにつきましては、これからつくります遊砂地の上流端に移しかえる、こういう計画を持っているところでございます。
#14
○畑委員 先ほど申し上げましたとおり、これからも建設省そしてまた林野庁等、従来から本問題につきましての対応はかつてない大変な、御熱心な、そしてまたそれなりのすばらしい成績を上げていただく中でのお取り組みがなされておる、ぜひとも、引き続き全力投球を賜りたいというように私は考えるわけでございます。
 そういう中にございまして、今度の災害等々が懸念されますような、ここ数カ月前から動きが気象庁等々の予想がなされました段階で、井上国土庁長官がいち早く現地の御視察をなされた。あるいはまた、黒川防災局長が既に最近におきまして四回現地を御視察になりまして、大変な馬力をかけてのお取り組みを賜っておりますことに改めて敬意を表する次第でございますが、私は、昨年の三月の当委員会でも申し上げましたとおり、そしてまた、こういった噴火がありましてから二年以上たちました今日におきまして、ますます前回申し上げました物の考え方を自分なりに強くさせていただいているわけでございます。
 私は、少なくとも警戒区域のところには、これまた当たりさわりがある言い方ではありまするけれども、現在の普賢岳の直下の警戒区域、建設省がスーパー堤防等々を予定されております警戒区域、ここに復興してお帰りを願うということはあり得ないと言わざるを得ないぐらいに現実は厳しいというように考えるわけでございますので、私は、さような意味合いにおきましては、被災をされた方々の立ち上がり資金等々のことも考え合わせまして、少なくとも警戒区域の中の被災地はすべて公有化を図るべきである。そしてまた、その地域は、例えば防災記念公園等々の事業を展開すべきであろう。そしてまた、いつのことになるかわかりませんが、幸いに将来地域の方々がお帰りを願って、生活が再開できるというような状態になりましたときにおきましては、その自分の住んでおられた、所有をいたしておりました土地には、優先的に買い戻しができる買い戻し特約といいますか、そういうものを付したような意味合いで、警戒区域はすべて公有化を促進すべきではないかというように私は考えるわけでございます。
 なおまた、先ほど申し上げましたように、浜の町でございますか、全町挙げて集団移転も考えよう、そしてまた、その集団移転をしている中でかさ上げをしていただこう。ちょうど水無川と導流堤の建設予定の間の三角州、これあたりはかさ上げをする。これは申し上げていいかどうかわかりませんけれども、かさ上げをするということは、土石流をそこに廃棄ができるという一石二鳥の要素もあるわけでございますから、さような意味合いでは、思い切って積極果敢にそういうこともやり得る前提として、警戒区域外の地域でありましても、そういうことの可能性が、町として、関係者全員の気持ちとして、その地域の買い上げ、公有化を願いたいという地域は積極果敢に買い上げができますようなそういう対応といいますものを、これは、きょうは、長崎県、地元の御関係の国会議員さんも、先生方もおられるわけでございまして、大変失礼な言い分でございますが、この間そういう考え方を高田知事にも申し上げましたところが、なかなか地元の意向がまとまりませんのでということもおっしゃっておられました。
 地元の県あるいは市町村段階の行政関係におきましては、やはり直接関係の方々の意思統一ができなければなかなか難しい。これは、私も田舎の市長をやっておった経験から十二分にわかるわけでございますが、私はあえて失礼を省みずに申し上げれば、この際第一段階として、長崎県御出身の国会議員の方々が、知事さんを中心として、ただいま申し上げたような問題を、これは本当の意味でひとつ前進せしめようではないかというような意思統一ができれば、その分野に限っての特別立法ということもなされなければならない今日の私は実態ではないかなというようなことも感ずる次第であるわけでございます。
 この二、三日来、テレビあるいは新聞等々で、三回忌あるいは二周年というような意味合いのことから、いろいろ報道がなされておるわけでございますが、いわゆる普賢岳の噴火の終息ということを前提として今までは取り組んできた。残念ながらこれからは、終息が長引く、その実現の時期がおくれる、場合によっては、もうお帰り願うことができない地域はどこどこの地域になりますよ、この地域はひとつ公有地化させてもらいたいというようなことをそろそろ行政も、そしてまた政治家も、とりわけ地元の先生方におかれましては、県御当局等々と一緒になりまして、この辺を御検討願うのが必要ではないかなというようなことも私は考えるわけでございます。
 私自身のような立場から言わせていただきますと、建設省等々が、大変知恵を絞っていただいてお取り組みを願って、四十基ぐらいでございますか、上流の方に砂防ダム等々をつくっていただく、これが一千数百億円になるのではないかというようなことも言われでおるわけでございますが、警戒区域ですから、実際には作業は何もできないわけです。そういうような中での、二年以上経過した今日、しかも避難をされて、戻れるかなという期待、これは、人間としましで、なかなか断ち切りがなされ得るものではありません。百も承知であります。しかしながら、この辺で、いささか厳しい言い方かもしれませんけれども、戻れない地域があり得る、その戻れない地域に対しての対応はこうする、幸いに戻り得る状態のときには優先的に買い戻しをお願いする、そしてまた、さらに言わせでいただければ、その間のいわゆる金利等につきましては、場合によっては思い切って金利を取らないというようなこともあり得ていいのではないかなということを私は考えるわけでございます。
 この普賢岳のケースは、よく人口に膾炙されておりますように、島原大変肥後迷惑でございますが、そういうことが日本の火山の歴史の中で最も大きな大事件であった。そしてまた、これは申し上げていいかどうか知りませんが、一部九大の先生方によりますと、地質学的にはまだまだそういったような意味合いでの問題点を抱えておるということを言われますと、今言ったような意味合いのものは、関係者にとっては本当に申しわけないことでございますが、もう帰ってくることはできませんということを前提とした、新しい政治からの行政展開ができる基本、枠組みといいますものをつくり上げていく段階に入っておるのではないかなということを私は感ずるわけでございます。
 幸い、井上国土庁長官におかれましても、例えば活火山法に対しての云々、あるいはまた仮設住宅にしましても、これは二年が限度でございますが、もうことしの六月からは大方の仮設住宅が二年に該当するわけでございまして、二年が過ぎれば、それを延長すれば建築基準法に違反する、違法建築になるということも現実であります。しかしながら、そういった問題は幸いに幅を持って対応しようというようなお取り組みが既に厚生省を初め建設省、そしてまた井上大臣のお考えの中にもあることも十分察知をいたしておるわけでございますが、そういうものを含めて、この機会に第二段階、従来の終息を前提とした思い切った対応もさることながら、これからは、終息というものが確定し得ない、そしてまた、長期にわたる中でお帰りを願うことが難しいという線引き、これをやる中で公有化、そしてまた、その公有化の際には、被災者のお立場、関係者のお立場を十分にくみ上げたぬくもりのある対応といいますものをやっていく、こういうことが大切ではないかと私は考えるわけでございますが、この辺の考え方につきまして、井上大臣の御所見を伺いたいわけでございます。
#15
○井上国務大臣 御答弁申し上げる前に、今般の土石流による現地の災害に際しまして、早速当委員会の委員長初め委員の方々が現地に赴かれまして、先ほど拝聴いたしました調査報告、それから、二年目の本日こうして委員会を開いていただきまして、私どもに対して現地の調査に基づいでいろいろと御指導、御指摘を賜わるという機会をつくっていただきましたことに心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 ただいまの畑委員からの御質問でございますが、今、畑委員のお考えの一端を聞かせていただきました。私は、前の委員会でも申し上げましたが、実は一月の二十一日、今国会が始まります前日に、国土庁といたしまして、責任者として現地を見ようということで、二度目でございますが、現地に行ってまいりました。そのときは、山が終息の兆しが顕著に出ておりました。現地の知事さん、市長さん、町長さんも、皆明るい雰囲気でございました。これはよかったな、それではこれから復興再建だという気持ちで帰ってまいりましたが、数日後には再び火砕流、ドームができるというようなことで、再び噴火が始まったわけでございまして、大変残念に思っておりました。
 ところが、四月の二十八、二十九日に大きな豪雨によりまして土石流が出て、大変な被害が起きたということでございましたので、四月の三十日、一日と政府調査団を現地に派遣いたしました。五月の一円に国土庁で私はこの政府調査団の調査結果を聞いておったわけでございますが、そのとき、五月二日に再び土石流が発生したということでございましたので、翌五月三日に現地へ入ってまいりました。幸いその三日は、前日に比べて、大変いいお天気でございましたが、空からと陸の上から現地を子細に拝見してまいりました。そして、帰ってまいりまして、五月の七日に雲仙の災害対策本部を開きまして、七項目にわたるとりあえずの政府の方針を決めたわけでございます。
 そこで、私が現地に参りましたときに、正直申し上げて、率直に申し上げまして、あの土石流で埋まった水無川、それから付近の農地、宅地、荒涼たるあの状況を見て、私は、再びここに住民の皆様方が帰ることができるのだろうかという気持ちを持ったことは事実でございます。そこで私は、知事さん及び市長さん、町長さんにお願いをいたしましたのは、住民の方々と十分に御相談をくださって、やられた被災地をどういうふうに復興するのか、今後どういうふうに使っていくのかということについて計画を早急にお立て願いたい。そのために必要な国及び県、そういうところの公共事業のやり方とか、それから、集団移転というものをどういうふうにやるか、それから、公共事業によってどの区域、どの辺が買収できるかというようないろいろな情報が必要だと思いますが、こういった情報は、すべて早急に政府の側も立てて、提供申し上げます。そして早く復興の計画をお立て願いたいということをお願いしてまいりました。
 知事さん、市長さんあるいは町長さんは、今一生懸命そういうことについて御努力中と承っております。その計画ができました上は、国としてはあらゆる手段を駆使して御支援を申し上げるし、現地の復興のために国も最大の努力をいたしますということを申し上げてまいりました。それ以来、政府におきましても、応急対策をどうするか、先ほどもいろいろ話がございましたが、そういう詳細な計画を今立てておるところでございます。
 畑委員のただいまの、警戒区域に帰れないという、大変思い切った公有化というような御提案がございましたが、そういうものも含めて、現地の方でしっかりした計画を立てていただきたいということをお願いしでおる次第でございます。
#16
○畑委員 私は、井上長官が建設行政の超ベテランでございますし、そしてまた、たまたま国土庁長官としてのすばらしいお取り組みを賜っておる、そういう中における、普賢岳は、いまだかつてない、従来の枠組みを超えた、災害の一過性というものはまるっきりない、そういう位置づけの中で、これからの対応をぜひともお考えを願いたいというように考えるわけでございます。
 私は、これまた当たりさわりのあることを申し上げさせていただければ、何年か後には再噴火もあり得ると言わざるを得ないというふうに考えます。これは、気象庁あたりの方のお立場ではなかなか言えないと思いますけれども、私の動物的な、現地を二、三回、そしてまた、私の知り得た情報の中では、何年か後にはあり得るかもしれないなということを考えますと、遊砂地を設ける、砂防ダムを設ける、あるいはまた治山ダムを設ける、従来にはなかった積極果敢なお取り組みを賜りましたいわゆる対症療法というものの限界を超えたこれからの新しい対応を政治の場で行政展開ができるように、私は、その枠組みを、地ならしを私どもがやっていかなくてはならぬのではないかなというように考えるわけでございます。
 今大臣お話しのとおり、先立って地域の方々の御理解を願う、納得を願う、これが大切なことはもう民主主義の世の中では当たり前であります。しかしながら、私は、そういう中にございましても、住民の方々が非常に困惑をされている、あるいはまた、厳しい状況下に置かれている中におきましての、行政サイドからも、そういったことを御理解願えるような意味合いでの働きかけといいますか、誘導といいますか、熱心な説得ということも、これは住民の方々がそういうような、公有地にしてくださいと言うのを待つような姿勢ではなくて、そういうこともあり得ますよ、皆様方の考えがまとまればという、積極的に呼びかける、働きかける、こういうことを県御当局等々が積極果敢にやって、国土庁が、あるいはこの衆議院、国会といいますものが動きやすい、そういう前提をつくっていただくこともこれまた大切ということを痛感いたしておる一員であるわけでございます。
 幸いに有力なすばらしい先生方が地元にもおられるわけでございますから、何としてもおまとめを願い、そしてまた、私は、国土庁といいますものは、これからは従来の存在とは比較にならない大きな重要性があるというふうに考えますので、井上大臣御在任中に国土庁のさらなる新時代に向かってのレールを引いていただくことを御期待申し上げて、与えられた時間が終わりましたので、発言を終わります。ありがとうございました。
#17
○森井委員長 次に、田口健二君。
#18
○田口委員 きょう六月三日は、先ほど委員会冒頭に黙祷をささげましたように、二年前のあの大火砕流で四十三名のとうとい犠牲者が出ましてから、ちょうど九二年目を迎えるわけであります。改めて、犠牲になられました四十三名の方の御冥福をお祈りするとともに、被災をされた皆さん、そして今日なお過酷な避難生活を送っておられる被災者の皆さん方に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 私も、この二年間、雲仙・普賢岳噴火災害にそれなりに対応してまいりましたが、当時からいえば、このように長期にこの噴火災害が継続をされるとは予想もしておりませんでした。とりわけ今回の四月の二十八、二十九日の大雨による土石流被害を実際に見まして、自然の力の大きさ、人間の考えでははかり知れないものがあるということを改めて痛感してまいったわけであります。
 そこで、去る二十四日の委員会の視察に私も参加をさせていただきました。当面幾つか具体的な問題をこの際お聞きいたしたいと思います。
 それは、間もなくこれから梅雨を迎えるわけでありますが、この梅雨どきに際しての土石流対策が一体どうなるであろうか。私は、三十日にまず現地に入りまして、翌一日と、二日間現地の状況を見てまいりましたが、今回参りましたときは、既に水無川の土砂並びに三号遊砂地の土砂がほぼ排除をされておりました。随分状況としては変わってきたなというふうには思っておりました。そこで、今後の当面をする対応なんでありますが、まず計画をお聞きしてと思いましたが、もう時間が余りありませんので、私の知っている状況でひとつお尋ねをしたいと思うのであります。
 現地で聞きました計画によれば、現在建設をされております一号遊砂地十二万立米、二号遊砂地十二万立米、三号遊砂地十七万立米に対して、さらに一号遊砂地で五万立米拡大をしていく、あるいは三号遊砂地の上方に四号としてさらに十三万立米の遊砂地を建設して一応対応したいということであります。大体これで約六十万立米になるわけですね。そして、水無川がほぼ土砂の除去が終わっておりましたから、ここにいっぱい入ってきて、大体三十万立米ぐらい容量がある。だから合計九十九万立米。これだけあれば大抵の土石流には対応できるのではないかという話を聞いたのでありますが、私は、どうもこれは机上の空論ではないか、こんな感じがしてなりません。
 第一に、私が三十日に参りましたときに、三号遊砂地、十七万立米の容量があるのですが、最後は十五万入ったというふうに私聞いたのですが、当時は九万だというふうに現地では聞きました。この数字は合っているかどうかわかりません。確かに、見てみますと、容量は十七万あるのですが、流れ込んだ土砂は偏っているわけですね。そんな平たんにきちっとたまるわけじゃない、地形の関係もありますから。そしてあふれているわけですね。御案内のように、国道五十七号線を越えて、二号遊砂地に約二万立米ぐらい入っている。一号は全然入っていません。恐らく、今後大きな土石流が発生をしたときに、二号から一号まで満杯になることはもうあり得ないと私は思いますね、地形上から。もし二号、一号に入れようと思えば、そこに導流路をつくって流し込まなければだめですね。そうすると、それがいっぱいになったら下の鎌田地区はもう全滅するわけですからね。これは、そういうことで対応できるだろうか。
 そして、水無川に入っていったのが仮に三十万立米だということで満杯になって、ちょうどこの前のときが明確にしていると思うのです。二十八、二十九でいっぱいになってはんらんをした。二日に少量の、大した雨ではありませんが、降って、それがまた拡大をしたわけですから、これから梅雨どきに入って、この水無川の土砂の除去というのが一日や二日でできるならいいのですが、たまったままのところにもう一度土石流が発生をしたら、これはもう到底消化できないと思いますね。これは梅雨どきですから、連日のように雨が降ってくる、土砂の除去もできない、こういうことになれば、今考えられておるこの土石流対策で一体梅雨ときには万全なのか、これをひとつ見解を聞かせていただきたいと思います。
 それからもう一点、先ほどもありました、中尾川流域にかなりの火砕流、土石流が今発生をしておりますが、現在県道愛野島原線から上は警戒区域に設定をされていますから、恐らく遊砂地の工事もできないと思いますね。やるとすれば、もう愛野島原線の下方にしか遊砂地の建設ができない。これではどうしようもないなというふうに思うのですが、その辺の考え方もひとつまとめてお聞かせをいただきたいと思います。
#19
○大久保説明員 まず、水無川について御説明いたします。
 先生御指摘のとおり、三つ遊砂地がありまして、それぞれ、一号を若干拡幅いたしまして、それから三号も拡幅いたす予定にしております。さらにその上に四号遊砂地をつくりまして、それで当面、この梅雨あるいは台風季までに、前回出てきたと想定されております約九十五万立米の土石流に何とか対処したいということで、私どもは計画をつくっております。
 計画の考え方は、一号、二号、三号、四号まで含めますと、全部で約六十万立米ぐらいがためられるということでございます。それで、九十五万に対して六十万ですから、まだ足りないわけでございますけれども、これは、一号遊砂地から海までの間に現在導流堤を計画しておりますけれども、これを仮設導流堤ということで、簡易な短時間でできる構造にいたしまして、至急両岸にそういう仮設導流堤をつくりたい、こういうふうに考えております。その仮設導流堤をつくりますと、その区間に約三十四万立米ほどためられる、こういうことになっております。そのためには当然、一号遊砂地の下流には鎌田町の集落が残っておりますので、これの移転等について急いで用地確保をしたい、こういうふうに考えております。
 それから三号遊砂地、容量が十七万立米でございますが、今回約十五万立米たまった、こういうことでございます。確かに三号遊砂地の、四角い形でございますので、その隅の部分はたまらずに容量があいていた、こういう実態がございます。今回、その上に四号遊砂地をつくりますので、土石流は四号遊砂地に入りまして、恐らく四号遊砂地の幅いっぱいに土石流が流れてくれば三号に入るだろう。もちろん、予定しております容量ぴったりに入るかどうかは、これは自然の現象でございますので、私どもも予測が大変難しい、こういうふうに考えております。
 それから、二号から一号へ遊砂地の間に流路をつくっておりませんので、これもうまく流れるかどうかという心配は持っております。ただ、一号と二号の間を流路でつなぎますと、その一号の下流に集落が残っておりますので、その点の心配もございますので、集落がなくなった段階でつなぎたい、こういうふうに考えております。
 それから、水無川本川の方へ土石流が行った場合はどうするかという対応でございますけれども、国道五十七号から上に三号、四号がございますので、これで約三十万立米は処理できるというふうに考えております。それで、水無川本川へ九十五万立米の土石流が全量行った場合には、水無川本川の河道の掘削は終了しておりますので、それにあわせまして両岸に仮設矢板等を設置いたしまして、本川河道の中に残りの土砂をため込むという計画で現在進めております。
 それから、中尾川でございますけれども、御指摘のとおり、愛野島原線の直上流のところまで警戒区域が設定されましたので、私どもが当初計画いたしました遊砂地は警戒区域の中に入ってしまいました。したがいまして、その遊砂地を、急遽計画変更いたしまして、警戒区域外、警戒区域ぎりぎりのところでございますけれども、そこへ移して設置しよう、その場合の遊砂地は、当初計画よりも、面積等の関係で二つに分けて、若干面積が減りますので、遊砂地の下流に砂防ダム二基をつくりまして、それらを合わせまして前回出ました土石流量約二十万立米に対処していきたい、こういう計画でございます。
#20
○田口委員 計画は一応お伺いをいたしました。
 ただ、私も、この二十八日の土石流の現場を見まして、全く予想ができないような事態が発生をしている、ということになると、その計画は、まさに計画でありますが、果たしてそのとおりにいくものかというのを大変今危惧しておるわけです。
 今ちょっとお聞きをしましたが、二号と一号の間に流路をつくるというのも、下方に集落がございますから、それは一たん移転をしてからという話もありますが、やられてしまってからやったのではどうしようもないので、その辺は明確にどういうふうにするということを決断してもらうべきである、こういうふうに、これは意見として申し上げておきます。
 そこで、今のことに関連をして、将来の恒久的な土石流対策、これはこの前も一たん御計画をお聞きしましたが、どうなんでしょうか、今日もその基本的な計画というものは変わっておらないのでしょうか。それをまずお伺いしたいと思います。
#21
○大久保説明員 水無川の砂防計画、基本計画でございますけれども、これは、上流に砂防ダム群を約四十基ほど設置いたします、それから、その下流に導流堤を海まで設置する、こういう計画で成り立っております。
 この計画の考え方でございますけれども、上流の火砕流堆積物がたくさんたまっておりますところに砂防ダムを、約四十基ですけれども、設置いたします。これによりまして、そこにたまっている土砂を動かなくするという効果が一つ期待できます。それからもう一つは、大規模な土石流が発生しました場合に砂防ダム群等で捕捉する、こういうふうに考えております。
 下流の導流堤につきましては、三つほど目的というか効果を期待しているわけでございます。
 一つは、上流の砂防ダム群が完成するまでに多少時間がかかるであろうと想定されますので、その間に発生いたします土石流は導流堤の中に順次ためながら下流に流していこう、こういう目的を一つ持っております。
 それからもう一つは、砂防計画をつくる場合にはある対象規模を目標につくるわけでございますけれども、相手が自然現象でございますから、そういう計画規模を上回るような土石流が起こることもあり得るということでございますので、そういう場合に導流堤で対処しようということがもう一点でございます。
 それからもう一点は、土石流が起こりまして砂防ダム群にたまりまして、それに引き続き連続して土石流が起こった場合にはやはり砂防ダム群を乗り越えて土石流が下流に行くことも想定される、めったにないと思いますが、そういう場合にも導流堤で対処しよう、こういう計画を持っております。
 いずれにいたしましても、相手が非常に厳しい自然でございますので、計画をつくるのに大変苦慮いたしておりますけれども、私どもといたしましては、大規模な土石流やあるいは連続して発生する土石流に対しても安全な地域を創出する計画になっているというふうに考えておりまして、現在のところ、この計画に基づいて引き続き、まず導流堤からでございますけれども、着工できるように進めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#22
○田口委員 恒久対策の問題で、私どもは、今回の四月二十八日の土石流の現状から見て、大変な不安を持っているわけですね。
 基幹ダム、地元ではよくスーパーダムといっていますが、この一番大きな砂防ダムが容量として大体百六十万だというふうに聞いているわけですね。それから、その上方に今御説明がありましたような四十基からの砂防ダムがずっと配置をされていく。
 第一の問題は、二年たっていまだに警戒区域が設定をされて、ここにはいつ入れるか、いつ測量の着手ができるかなど全く予測ができない状態にあるということですね。恐らく着工してからもまた相当の年月が必要になると思うのです。全く今後の予測がつかないような恒久対策で、果たしていいのだろうか。
 それから、導流堤を下流に設置するという問題ですけれども、これは、前回の北安徳地区に、流れた地域にずっと導流堤を建設していく。ところが、今度の土石流は、水無川流域からあふれ出て、南安徳から北安徳まで全滅しているわけですね。物すごく広大な地域になっているのですよ。それを、前回のこの北安徳の地域だけに導流堤をつくって、そこで土石を全部排除していくというか、吐かせていくことが果たして可能なんだろうか。そういう意味では、水無川の現状を含めて、恒久対策というものは現計画で果たして大丈夫なんだろうかというので、大変私ども不安を持っているわけです。もう思い切って、抜本的にこの恒久対策は見直しをしなきゃならないのではないか、私ども今こう思っているわけです。
 先ほど畑委員の方から貴重な御提言がございました。確かに、今地元でもいろいろな意見がございます。私は先日知事に申し上げまして、やはり行政ではなかなか対応ができにくい問題もあるのではないか、そこで、まず県当局並びに市町も含めてでありますが、建設、国会議員全部集まっていただいて、そこで対応策を意思統一しよう、お互いにばらばらにやっておったのではこれはどうにもならないということで話をしまして、知事も近々に御相談をしたいということで、ぜひ私どもも今後の抜本的な恒久対策について地元としてもまとめていきたい、こう思っております。そういう点では、本委員会の委員の先生方にもぜひとも御支援をいただきたいものだ、こういうふうに私からもお願いを申し上げておきます。
 そういう現状でありますから、これは国土庁においても建設省においても、今後の恒久対策については、抜本的に見直すということを含めて、さらに検討していただく必要があるのではないか、私はこのことをこの段階では申し上げておきたいと思います。
 それから次に、少し具体的なことでありますが、島原鉄道のことでお尋ねをいたしたいと思います。
 島原鉄道というのは、国道二百五十一号線とあわせて島原半島のいわば大動脈でありましで、地域住民のまさに品なのでありますが、たび重なる土石流のたびに線路が埋没をする、その他大変な被害を受けて、今日まで順次復旧をし続けてきたのでありますが、今回は非常に大きな被害を受けています。軌道の埋没だけで二百七十、あるいは路盤などの流出も約四百メーター、鉄橋なんかも一部破損いたしておりますし、これは大変なことだなというふうに思っています。この辺の復旧の見通しについて、あるいはその復旧工事についての国の助成などについて、考え方があればお尋ねをいたしたいと思います。
 同時に、これは私どもも思うのですが、原状復旧だけでやっていった場合、これから十年、二十年先、土石流が起こるたびにこれをやったのでは、これはもう大変だ。小さな会社でありますから、これはやはり何らかの方向を、例えば高架にするとか地下に滞らせるとか、あるいは海岸線の方に少し迂回をするとか、何とか対策を考えないといけないのではないか、こういう心配を地元でもいたしておりますが、そういう点についての何か考え方があれば、それもお尋ねをいたしたいと思います。
#23
○縄野説明員 御説明を申し上げます。
 島原鉄道につきましては、御指摘のように、四月二十八日と五月二日の二回にわたりまして、線路の埋没等の被害を受けております。このために島原外港」深江間は運休をしておりまして、並行する道路を使いまして、バスによる代行運行を行っておる現状でございます。
 会社といたしましては、先生今御指摘のように、復旧のめどをつけるべく検討中でございますが、周辺の線路のみならず、地域全体の暫定的な、かつ恒久的な防災対策のあり方と整合性をとった形で復旧を行う必要があるというふうに考えておりまして、そのようなことから、復旧の方法それから時期についてはなお検討中でございまして、運輸省としましては、政府あるいは地域における、今申し上げました地域全体の安全対策、防災対策との整合性をとった形で復旧が行われるように、会社と今後とも検討をしてまいりたいと思います。
 具体的な復旧方法につきましては、今御提案がございましたような高架等の、つまり土石流が万一不幸にして再度発生した場合に、その被害を受けないような形の復旧方法は考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても、具体的なその施設のあり方というのは、線路の周辺の防災対策がどのようになるかということを見きわめませんと、会社としても、あるいは私どもとしましても、具体的な決定ができない状況でございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 助成につきましては、鉄道軌道整備法に基づきまして、企業が復旧を行う場合に、要件に該当すれば復旧費の二五%を国が、二五%を地方公共団体が補助する制度がございますので、要件に合致すれば補助を行う考え方ております。
#24
○田口委員 次に、厚生省にお尋ねをいたします。
 応急仮設住宅の問題で、さきに本委員会でも私も御質問を申し上げました。体育館などの避難所から応急仮設住宅に入って、皆さん本当にほっと一安心している。それが一週間や十日ならいいのですが、数カ月にわたって、あるいは一年を超える長期間にわたって仮設住宅住まいをいたしますと、やはり問題になってくるのはその狭さの問題、それから、一棟二戸建てという形式でありますから、どうしてもプライバシーの問題が出てくる、何とかこの解消はできないものかということは本委員会でもたびたびお尋ねをしてまいりました。
 なかなか抜本的な解決方法はありませんけれども、今後災害公営住宅が建設をされるにつれて、応急仮設住宅から入居をされる方もいらっしゃる、そうなれば当然あいているところもできるので、多人数世帯などはさらに一棟を使用するとか、こういう形で解決をしていきたいというお答えもいただいておるのですが、二十四日に私は現地へ参りまして、仮設住宅の住民の方から大分要望を受けました。そういう話だったけれどもなかなか入れてくれない、いっぱいあいているところはあるじゃないか、これはどうなっているんですか、こういう質問、要望も受けましたので、その辺の現状は一体どうなっておるのかということ。
 それから、前回の委員会で私もお尋ねをしまして、先ほどもありましたが、いわゆる使用期間の二年というのは、弾力的に県などの要望を受けて対応していきたいというお話がありました。それは、現実にどうなっているんでしょうか。
 その二点についてお尋ねをいたします。
#25
○酒井説明員 先生御指摘の空室の弾力活用という点について、まず実態を申し上げさせていただきますと、現在、実際に入居されている世帯が五百一世帯で、六百戸の仮設住宅を利用されております。したがいまして、約百世帯が二戸の仮設住宅を御利用になっている。そのほか、家財等の保管用といたしまして、三百九十世帯の方々が四百二十五戸の仮設住宅を御利用されている。
 そこで、先生今御指摘になりましたように、空室につきましては、多人数世帯あるいは病弱者を抱えておられるとか、特別の事情がある場合につきましては弾力的に活用していこうという方針でございますので、先生からの今の御指摘もさらに踏まえまして、今後一層県当局にその辺の適切な弾力活用ということを私どもも話をしていきたいというふうに思います。
 それから、供与期間の延長の問題でございます。
 これは、前回も申し上げさせていただきましたように、私どもといたしましては、被災者のことを考えますと、できるだけ早く恒久住宅に転居されるということが望ましいということで申してまいったわけでございますが、一部の仮設住宅については、公営住宅のできぐあい等との関連で、県側としては、どうしても引き続き活用せざるを得ない模様でございます。
 仮設住宅は、先生御案内のように、二年前の六月から十月まで順次できて供与を開始いたしまして、早いものは今月、災害救助制度上の期限、最高二年という期限が来るわけでございますが、おっしゃいましたように、これから梅雨季あるいは台風季と続くことでもございますので、私どもといたしましては、今月期限が来るものも含めまして、当面台風季をしのぐことも念頭に置きまして、十月までは必要なものを引き続き利用できるように、県当局からも話を聞きながら、検討していきたい。県との間で詰めなければならないことはいろいろあるのでございますが、いずれにいたしましても、そういうことで、真に仮設住宅を継続的に活用せざるを得ない人の対策につきましては、県当局とよく連絡をとって対応してまいりたいというふうに考えております。
#26
○田口委員 それでは、国土庁に一点お尋ねをいたしたいと思います。
 実は、今度の普賢岳噴火災害が起こりましてから、随分私どもは、本委員会あるいは予算委員会その他いろいろなところで、特別立法という問題を取り上げて主張してまいりました。とりわけその中での個人補償という問題についていろいろ意見を申し上げてまいりましたが、なかなか現行制度では個人補償というのが難しい、こういう政府の答弁であります。
 その中で、関連をして、火砕流による家屋の焼失については一般の火災保険の適用ができない。何とかこの隘路が打開できないかということで、本委員会でも実は質問をしたことがありますが、それらの議論を受けて、国土庁の方では、こういう自然災害に対して共済制度をつくってはどうか、このような示唆といいますか考え方が出されまして、早急にこれらのものについて検討してみたい、たしか一昨年の十月ごろにはそういう話があった。何かそれで途中さたやみになっているのではないかというふうに、私が知らないのかもわかりません、こう感じるのですが、その辺の現状は一体どうなっているのでしょうか、お聞きをいたします。
#27
○黒川政府委員 一昨年、先生御指摘のような話がございました。そういったことで、国土庁におきましては、その後初動期の災害対策に関する調査ということで、学識経験者、それから関係の公共団体、各省庁の方に入っていただいて、調査を続けてまいりました。
 実は昨年の七月に、初動期災害対策に関する調査の報告書というのがまとまりました。この中身は、四つの事柄についていろいろ問題点等を出したということでございます。検討をいたしました。
 一つは、個人が拠出する共済制度というのが一つ。二番目に公的主体が拠出する公的主体共済。三番目に公益信託制度が使えないか。それから四番目にボランティア預金制度。これは、郵便局あるいは銀行にいろいろ預金をされる際に、ある金利の範囲内でそういった災害等に特定して何か御寄附いただけないか、そういう制度でございますけれども、この四つについていろいろ現況あるいは問題点等について検討いたしました。
 その結果、それぞれについていろいろな問題がございます。例えば共済制度でございますと、やはり逆加入選択と申しましょうか、災害が起こりやすいところは加入されますけれども、災害が今までほとんど起こらなかったところは加入されない。具体的に、全体としてバランスがとれるかなという、そういう逆選択の問題。あるいは料率の設定におきましても、地域によっていろいろ災害の状況が違いますので、非常に難しいというような、いろいろな問題がございます。
 そういったことで、今四つの項目の中で、個人の共済というのは非常に難しいなということでございますけれども、残りの三つの事柄につきましては、現在いろいろなところで御検討をいただいているのを、ちょっとこちらとしても推移を見守っているところでございまして、具体的には自治体が行う共済制度、それからいろいろ信託銀行等が行います公益信託、あるいは銀行等が行います預金制度、これらにつきましていろいろな公共団体の意見照会を行ったり、あるいは業界等と意見交換をしながら、現在、全体としての動きを、期待しながら見守っているという現状でございます。
#28
○田口委員 それから、ちょっと一点聞き漏らしておりましたが、建設省に。
 先ほど島原鉄道の問題も出しましたが、国道二百五十一も全く同じ状況にあるわけですね。これは大変な基幹道路でありますから、聞くところによれば、二百五十一にかわった五十七号のバイパスを海岸線近くを通して、それにかえる、かえるというか緊急災害時には使用できるようにするという話も聞いておるのですが、その辺の計画見通し、ちょっとわかっておりましたら教えていただきたいと思います。
#29
○納説明員 御説明申し上げます。
 島原、深江地区の安全な通行を確保しまして、当地域の復興の基盤となります道路を緊急に整備する必要があることから、平成四年度に一般国道五十七号の島原深江道路として事業に着手いたしました。島原深江道路は高架構造の四車線でございまして、延長は四・六キロメートルの本格的な幹線道路として計画しております。平成四年の末から、計画について地元説明会を開催いたしまして、測量あるいは地質調査を行いまして、平成五年度からは、新たに設置されました建設省の雲仙復興工事事務所におきまして、五月には地元関係者と道路構造や用地測量調査に関する協議を行いまして、現在用地測量調査を六月を目途に実施しているところでございます。用地測量調査が終わり次第、価格協議を行いまして、用地買収等を実施する予定でございますが、用地の進捗を見まして、平成五年度のできるだけ早い時期に工事に着手したいと考えているところでございます。
 本路線の重要性、緊急性にかんがみまして、長崎県を初め地元の皆様方の御協力を得まして、早期完成が図られるように事業の促進に努力していく所存でございます。
#30
○田口委員 最後に井上大臣の御見解をいただきたいと思うのでありますが、大臣も先日現地にお入りいただいて、つぶさに状況を御視察いただいたと思います。私も、先ほど申し上げましたように、二年間この問題に対応してまいりましたが、今回の土石流状況、さらには山の状況は、御案内のように、第十一ドームができまして、従来の火砕流などは、全部北東といってもおしが各方向に流れておったのが、今回空の方から見ましても、まさに中尾川千本木地区を直撃するような状況になっています。そういう意味では、もう今までの様相が随分変わってきた、こう思っています。今まで政府としても二十一分野九十四項目という弾力的な措置でいろいろなことをやっていただきましたが、随分変わってきたこの状況の中で、さらに一層の政府としての御支援をいただきたい。
 これは大臣、担当は違いますけれども、例えば長崎県には、この基金として、六百三十億の金で基金として運用されています。こういう新しい展開のもとではこれも足らないのではないか、もっと増額をしてもらって、さまざまな場面に有効に対応できるようにしていただきたいものだ。その辺についての大臣としての御協力、御努力といいますか、ぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#31
○井上国務大臣 先生御指摘の雲仙岳災害対策基金、これはもう御承知と思いますが、一昨年の九月にできまして、できたときには三百億、これは自治省の御好意で地方債をし、そして利子はゼロということでつくっていただいたわけですが、その後、やはりいろいろと住民の方々の援護資金とかそういうものにお使いになるし、また金利も下がってきたというようなことで、昨年の三月にこれを六百三十億、この中には義援金を充てたのも勘定に入っておりますけれども、六百三十億という金額にして、非常に今、知事さん、市長さん、町長さん、言葉は悪うございますが、便利にといいますか、大変有益にお使いいただいておるという実情でございます。したがいまして、今のところ、この基金を増額しよう、増額が必要だというような考えはまだ伺っておりませんし、したがって、今すぐふやすというようなことは考えておりません。
 ただ、今先生御指摘のように、これから、私も三日の日に行って、知事さんや市長さんに、今後の復興の計画を、地元の方々の意見も聞いて、しっかり立ててほしい。非常に大きなものにあるいはなるかもしれませんし、大変なお金がかかるものになるかもしれません。そういう段階で、ひとつ今御指摘のような基金の再検討ということも、必要があればやろう、こういう考えでございまして、現状では、まだ増額ということは考えておりません。
#32
○田口委員 終わります。
#33
○森井委員長 次に、倉田栄喜君。
#34
○倉田委員 公明党・国民会議の倉田でございます。
 まず、きょうは四十三名の方がお亡くなりになった一九九一年の六月三日から九二年の三回忌でございます。亡くなられた四十三名の方に改めて御冥福の意を表しますとともに、今なお被災を受けておられます方々に、心よりお見舞いを申し上げます。また、四月二十八日、二十九日、五月二日の土石流で水無川流域の方々が本当に茫然自失、こういう思いでおられるのではなかろうかと思いますけれども、あの土石流災害に遭われた方々にも、党を代表して、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、まず最初に、この土石流あるいは火砕流の対策についてお伺いをいたしたいと思いますけれども、先ほどからも議論が出でおりましたこの普賢岳の噴火、なかなか終息の見込みがない、最近は、もっと長期化するのではないのか、こんな観測も出ておるということも若干聞いてはおるわけでございます。そうしますと、今建設省の方で立てておられますスーパー砂防ダムを初めとする砂防ダムあるいは導流堤計画、これは一定の終息を見込みながら、一つのこれくらいの規模になるであろうということを前提としながら立てておられるのではないか、こう思うわけですけれども、二年にわたって、まだ現在の段階で終息をしない、さらに二年あるいはそれ以上長期化することも可能性として考えられる、こういうふうな状況になってきますと、今立てておる砂防ダムあるいは導流堤、このいわゆる地域安全対策としての計画そのもの、これがこのままで果たしていいのかどうかということも実は考えなくてはいけないんではないのか、こういうふうに思います。
 この点について、つくったものに対して今から見直しをしろというのは大変なことだと思いますけれども、検討は少なくともしなければいけないのじゃないか。もっと長期にこのまま続くことが十分考えられるということであるとすれば、この辺のところも、もう一度見直してみる必要ももしかしたらあるのかもしれないと私は思っておるのですけれども、この点について、建設省はどのように考えておられますか。
#35
○大久保説明員 御説明いたします。
 現在つくっております私どもの砂防計画は、上流の方に砂防ダム群約四十基、それから下流の方に導流堤という計画で成り立っております。
 この計画の前提といいますか考え方でございますけれども、上流の火砕流堆積物が堆積している区域に砂防ダム群を設置いたしまして、その場で火砕流が動かないようにという効果を一つ期待しているわけでございます。それからもう一つは、その地域で大規模な土石流が起こりましたときに、砂防ダム群でその土石流を受けとめてため込もう、こういう計画でございます。上流の砂防ダム群を完成させるのにやはり時間がかかりますので、その間に発生する土石流につきましては、下流の導流堤の中に流して、そこへためて処理していこう、こういうふうに考えております。
 計画の目標でございますけれども、大規模な土石流の量、それから今後十年間に毎年連続して発生すると想定される土石流の量を上流の砂防ダム群にため込む、こういうふうな計画になっているわけでございます。御指摘のとおり、流域はどんどんまだ火山活動も依然活発でございまして、火砕流堆積物の供給も大量でございまして、既に一億三千万立米を超えた、こういうふうに言われております。水無川だけでなくて、赤松谷側の方にも火砕流が発生したりしまして、赤松谷の計画も見て、現在の計画ができ上がっているわけでございます。
 この計画を作成する過程でございますけれども、過去に例を見ない、大変荒廃の進んだ厳しい状況を持っている流域でございまして、専門家の意見を聞きながら、ほかの例えは有珠山だとか桜島、そういったところでのデータも参照しながら、計画をつくったところでございます。現在連続して発生する土石流あるいは大規模な土石流に対応できるようにという計画でございまして、これからもこの計画に基づいて仕事を進めていきいたいというふうに考えております。
 ただ、砂防ダム群を予定しております地域が警戒区域に設定されているままでございまして、いつ着工できるかという見通しが我々も持てない段階でございます。ただ、先ほど申しましたように、砂防ダム群が完成するまでの間の土石流は、導流堤で対処しようということで考えておりますので、現在の段階では、導流堤を早急に完成いたしまして、土石流に対処していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#36
○倉田委員 工事の着工そのものが、今回の普賢岳の溶岩ドーム等が終息をしなければ着工できない、こういう問題がある。そこで、今御答弁にございましたけれども、流れる火砕流あるいは土石流については、導流堤を計画し、そこで被災の拡大を防ぐ、こういう話でございます。
 そこで、下流の方にある、何とか少し静まれば着工をしていくというその導流堤の方でございますけれども、これは建設省の方で模型実験をやられて、そして水無川と水無川でない方向に土石流を導いていこうということで計画を立てておられるわけでございますけれども、この間の四月二十八日、二十九日、それから五月二日、これはいわば現在建設省で計画しておられる導流堤と違う、違うというよりもともとの水無川の方にいわば土石流が流れて、この流域の方々、本当に二階まで埋まってしまった。私もこの間の視察のときに現地を歩かせていただいたわけでございますけれども、本当に、冒頭申し上げましたように、まさに我が家がなくなってしまっている、二階まで埋まってしまっている、屋根だけ残っている、本当に茫然自失、何とも表現のしようのない思いでおられたんだと思うのです。
 こういう人たちの思い、あるいはいろいろなことがあるんだと思うのですけれども、本来、土石流が発生したとしても、その導流堤の方に流れるんではなかったんだろうか。水無川はもうそれなりに工事もなされて、計画がなされておったのに、なぜここまで、水無川流域は今までいろいろな対策を立てながら計画を立ててきていただいておりますので、この流域の方々にとっては、二十八日、二十九日あるいは五月二日のこの土石流の災害というのは、危ない危ない、危険だと言われながらも、よもやここまで、二階まで埋まってしまうような状況が起こることというのは恐らく考えておられなかっただろうと思うのですね。そうだとすれば、いろいろな不安感から出てくることもあるのかもしれませんけれども、これは本来ならば、現在導流堤がある方に流れていくんじゃなかったのか、どうしてこっちの水無川の方に、しかもこれだけ被災が広がるようなところまで流れてきたんだ、人災なんではないのか、こんな声だって聞こえてくるんだと思うのです。
 そこで、建設省にお伺いいたしますけれども、本来の導流堤の方に流れていかずに、水無川流域の方に四月二十八日、二十九日、五月二日の土石流が行ってしまって、その周辺の方々に本当に大きな災害になってしまった。この原因はどんなふうにお考えになっておられますか。
#37
○大久保説明員 先生、模型実験の話もされましたので、模型実験のことから御説明させていただきます。
 模型実験は、砂防計画に基づく施設ができないときにはどんな状況になるかというのと、砂防計画による施設が完成したときにはどうなるかという二つの実験をやったわけでございます。
 砂防計画ができ上がったときの実験でございますけれども、このときの想定いたしました土石流は、大規模な土石流ということでやったわけでございます。実験の結果は、そういう大規模な土石流は現在導流堤を計画している方向に流れでいっている、それによりまして導流堤の中に土石流が閉じ込められた、こういう結果になっているわけでございます。
 今回の土石流、四月の二十八日から二十九日にかけての土石流でございますけれども、三号遊砂地で約十五万立米ためておりまして、ここでは土石流の本体を構成する非常に大きな礫を含んだ部分をためております。それから、残りの土石流は、数回に分かれまして、比較的小規模な流れという形で流れていって、下流で順次はんらんしでいった、こういうふうに想定されております。トータルとしては九十五万立米の土砂が流出したわけでございます。
 それから、平成三年の六月三十日に発生いたしました土石流は、御承知のとおり、導流堤方向に流れております。これは、一回の土石流の規模としてはこれまでの最大規模でございまして、約四十万立米の土石流が一挙に流れたということでございます。一般に大きな礫を含んだ土石流は非常に直進性が強い性格があると言われておりまして、平成三年六月三十日の土石流は、まさにそういった形の土石流となって、水無川本川ではなくて、導流堤方向に流れた、こういうようなことでございます。
 今後も、そういう大規模な土石流の発生が予測されます。砂防計画の考え方は、大規模な土石流を何とか処理しようということで導流堤を計画しているわけでございまして、比較的小規模な土石流につきましては、昨年の八月八日と十二日、二回続いでありましたけれども、これも大体二十万立米ぐらいの土石流でございまして、これは水無川本川の方に流れたということでございます。したがいまして、非常に大きな土石流が発生いたしますと、やはり直進をしまして、導流堤方向に流れるということが予想されるのではないかというふうに考えております。
#38
○倉田委員 今計画されている導流堤そのものは、非常に大規模な土石流が流れた場合はそっちに流れてしまう。それで、四月の二十八日からの分については、比較的小規模なものが水無川沿いに流れていって、河口で堆積してしまって、それがだんだん広がっていって水無川流域の今回の被災となってしまった。
 そういうことを考えますと、いよいよきのうから梅雨に入ったわけでございますけれども、視察のときに水無川関係写真ということでいただいた写真がございます。本来大きな土石流が流れてくる導流堤計画のある部分、そして今回水無川流域で被災が広がった部分、その中央部分、まだいわば住居、家屋としては残っているという言い方はおかしい言い方ですけれども、それほど四月の二十八日から五月の二日にかけてのようなああいう大被災を受けていない部分があるわけですね。そこにまだ自分の家がともかく残っている。そこの人たちというのは、特にこの梅雨入りを迎えて実は大変な心配をなさっておられるのだろうと思うのです。
 今の状況でいけば、大きな土石流だったら導流堤の方向に行くかもしれないけれども、少しずつ雨が降るたびに、また土石流が発生しで水無川流域、いわば残っている部分にどんどん広がっていくのではないのか。そうだとすれば、ここの部分も含めてですけれども、いわゆる緊急的な小規模の土石流対策あるいは梅雨を迎えての対策、これが必要になってくるのだと思うのです。そうしますと、一般論的にしても、梅雨対策として、まだ自分の家が残っているというこの三角州の部分、この辺について、被害の拡大を防ぐための対策というものは今どんなことを考えておられるわけでしょうか。
#39
○山口説明員 御説明申し上げます。
 本来、水無川につきましては、砂防課の砂防関係の事業とあわせまして、私ども防災課で所管しております災害復旧助成事業というのをやっております。これは、本年一月に採択して、現在まで仕事を続けておりますが、御案内のように、昨年八月に大きな土石流がございましたが、こういった多量の土砂を含んだ洪水流を安全に下流に流下させるということで、流水の流下断面積を拡大確保するということで、現在ございます堤防のかさ上げでございますとか、河床の掘削、あるいは局所的に狭い区間の拡幅等を行っております。また、多量の土砂を含みました洪水流のエネルギーを弱めるために国道五十七号から広域農道までの区間の川幅を大きく広げまして、そこで河道の緩衝部といいますか、一応容量を確保する、あるいは流水の流れ方をうまくそこでバランスできるようにということを考えておりますが、平成四年の補正予算、五年度の予算で全体の約七割強に当たります四十七億円の金をつぎ込みまして現在やっております。
 しかし、こういった助成事業そのものにつきましては、堤防のかさ上げ等につきましては、用地の関係はさることながら、現実に工事を行いますとかなり工事に時間がかかるものでございますので、効果の早期の発現、効果を早く発揮しようということで、そういった堤防の完成の前に、短期間で施工可能な矢板でございますとかあるいはH鋼等によりまして仮設の堤防を設置いたしまして、現在既に準備しておりまして、早々に着手することにしておりますが、梅雨季に一部効果を発揮させるとともに、今年の台風季までには一応そういった応急的な対策をやりまして、助成事業の効果を早期に発現させたいということで現在実施しております。
 これとあわせまして、上流にございます三号、四号の遊砂地の増強等々あわせまして、さらに河道の掘削等も現在暫定的に進めておりますので、そういった形で何とか被害を最小限におさめたいということで、最善を尽くすつもりでおります。
#40
○倉田委員 警戒区域設定の中でまだ自分の家が残っておる、こういう方々もおられる。その方々、今申し上げましたように、雨が降るたびに、また土石流が発生して自分の家がなくなってしまうのではないのかと毎日毎日本当に大変な不安感で過ごしておられるのだと思うのですね。少なくとも今残っている部分に関しては、行政としても、今矢板であるとか緊急の措置のお話がございましたけれども、やはりできる限りそれは守るという方向で緊急対策を立てていただきたい、また立てていかなければいけないのではないのかと思いますので、この点は強く要望申し上げておきたいと思います。
 それから、この間視察をさせていただきましたときに、いわゆる今問題になっている中尾川方面、千本木地区、この中尾川の土石流、火砕流対策、警戒区域が設定されておりますので、なかなか遊砂地の建設についても難しい、こういうこともあるのだと思いますけれども、このままほっておくと、これも被災は広がってしまう、そうすると、この中尾川方面にしても、その緊急的な被災拡大防止対策、とめるということも必要かもしれませんし、場合によったら、本当に流すということを基本的に考えていかなければいけないのではないのか、こういうことも必要なのではないのか、こう思えるわけです。
 そこで、この中尾川方面の被害拡大防止対策、緊急的な措置でも結構ですけれども、その辺をどう考えておられるのかということが一点。
 それから、ヘリコプターで上空から視察をさせていただいたわけでございますけれども、実はおしが谷がだんだん埋まってきているな、こういうふうな印象を受けたわけです。垂木台地の方まで埋まっていってしまって、眉山の下のまさに市街が、ということを考えたくはありませんけれども、まさに、先ほどのお話の中で、この噴火があと一年も二年も、場合によっては三年も四年もというふうに長期化してくることをもし可能性として考えるならば、そのことについての対策も何か考えておかなければいかぬ。おしが谷が埋まってしまって、垂木台地の方まで来たらどうするのだということでございます。この点について今どんなお考えでおられるのか。この二点をまずお尋ねしたいと思います。
#41
○大久保説明員 中尾川の応急的な対策でございますけれども、先生御指摘のとおり、五月二十四日に警戒区域が設定されましたので、その警戒区域の中に計画をしました遊砂地ができなくなりまして、急遽計画の変更をいたしまして、警戒区域の外、下流端ぎりぎりのところに遊砂地を移すということにいたしております用地形的な問題もございまして、遊砂地二基で約六万立米の土砂をそこで処理したいというふうに考えております。さらに、その遊砂地二基の下に砂防ダムを二基つくりまして、ここに十四万立米ため込んで、合計で二十万立米の土砂、これはこの前の四月二十八日から二十九日にかけて発生しました土石流量にほぼ相当するものでございます、これをため込むということで、既に現地で用地等の確保の手続、着工準備にかかっているところでございます。
 そのほかに、既に四基の砂防ダムが既設でございまして、これとあわせまして当面の対応にしたい、こういうふうに考えております。
 それから、一方、火砕流はだんだんとおしが谷の方に頻発しまして、中尾川の方に流れてくるという状況がございますので、従来から設置いたしております監視カメラ三台、これは上折橋町、中尾川の下流の方にございますが、そこに設置しておりますけれども、これを使いまして火砕流を観測、監視していきたい、こういうふうに考えております。
 それから、土石流の発生に備えましてワイヤセンサーを設置してございましたけれども、これは警戒区域の中に含まれたということで、今後の維持が非常に難しくなります。これは、今予定しております遊砂地の上流端に移設いたしまして、土石流の発生を監視していきたい、こういうふうに考えております。
 それから、火砕流がおしが谷を埋めまして、垂木台地がだんだんと埋まってくるというか、垂木台地に迫ってきているという状況でございます。火砕流につきましては、溶岩ドームの形成場所等によって流下方向が変わりますし、また崩落する量によりまして流下距離が変わると言われておりまして、どの方向にどれだけ流下堆積するかの予測が極めて困難というふうに聞いております。
 したがって、これまでの実態をもとに今回警戒区域が定められたのではないかと思っておりますけれども、私どもとしましては、警戒区域内での対策工事が非常に難しいわけでございますけれども、警戒区域外に設置いたします遊砂地等で万全を期したいというふうに考えておりますが、先ほど申しました監視カメラ等にもよりまして火砕流の監視等についても努めていきたい、こういうふうに考えております。
    〔委員長退席、有川委員長代理着席〕
#42
○倉田委員 それから、今計画になっている導流堤の方、本来大土石流が発生したときに流れるであろうという部分でございますけれども、この間お伺いしたときに、用地交渉というのが、こういうものはなかなかスムーズにはいかないのだと思うのですけれども、まだ完全に終わっていない、こういうふうなお話でございました。
 やはり工事着工を急ぐためには、用地交渉、用地買収というのも急がなければいけないし、そのためには住民の方々の同意をスムーズに得なければいけない、これは原則なんだろうと思うのですが、同意を得るためにはやはり住民の方々、それは土地に対する愛着という問題もあってなかなか難しいのだろうと思うのですが、同時に、我々に、被災者の方々が不安なお気持ちの中で過ごしておられる中で、特に十分な説明を求めたい、そしてそういう情報も十分得たい、こういう気持ちがあるのだと思うのですね。また強いのだと思うのです。そういう気持ちに、用地交渉に関しても、建設省として、あるいは交渉当事者として十分にこたえでおられるのかどうか。これは、いろいろな声があるわけですから、難しいのだろうと思うのですけれども、いや、なかなか説明を受けてないみたいな声も現場、被災者の方々から上がってくるわけです。
 そこでこの点、これは今後、さっき一般国道五十七号線の問題もありましたし、用地交渉において地権者の方々の十分な合意を得られるかどうかということは、いかにきちっとした説明をしていけるかどうか、あるいはそういう機会を十分提供できるかどうか、そしてまた、被災者全体においても、情報が欲しい、知りたいことがあったときには聞けるようなシステムになっているかどうか、こういうことも大切なことなんだろう、こういうふうに思います。この点について、十分でないというふうにはお答えにならないのだろうと思いますが、どういうふうな対応をなさっておられるのでしょうか。
#43
○大久保説明員 用地の問題につきましては、昨年の十二月二十二日でございますけれども、対象となる地域の土地区に分類いたしまして、その地域の標準的な基準価格という形で地元の方々にお示ししております。従来の用地交渉のやり方からしますと、こういう形で基準的な価格をお示しするというのは異例のことでございまして、住民の方々の生活再建等についての大変強い要望がございまして、長崎県が実施したものでございます。
 その後、ことしの二月二十八日に事業説明会を開きまして、買収範囲の確定をしましたり、あるいは三月二十八日に、用地説明会で、用地交渉の手順等の説明をしております。また、四月二十九日には土地価格の提示もさせていただきまして、以後個別の交渉に入っているところでございます。
 従来から用地交渉につきましては長崎県の方で実施していただいておりましたが、この四月から現地に建設省直轄の雲仙復興工事事務所を設置いたしまして、そこに用地課もございますので、現在、長崎県と建設省の雲仙復興工事事務所と協力しながら、住民の皆様方に種々御説明しながら、用地交渉を実施しているところでございます。雲仙復興工事事務所の中には相談窓口というのを開設いたしておりまして、用地の問題あるいは移転先地の問題、住民の方々が抱えでいるいろいろな問題にいつでも相談に乗れるという体制も整えました。
 今後とも、地元住民の方々のお気持ちをよくお聞きしながら、さらに用地交渉を進めていきたい、こういうふうに考えております。
#44
○倉田委員 時間がなくなってまいりましたので簡潔にお答えをいただければと思うのですが、まず個々の被災者対策について、農水省の方に、二点だけお伺いいたします。
 この間、水無川の広域農道橋が落ちておりましたけれども、農業用施設災害復旧としてあの橋が早くかかったらいいのかな、こういうふうに思ったわけですが、その点についてどうなっているのか。それから、被災地における警戒区域内の農業、特に葉たばこであるとか畜産であるとか、これらの方々に対する現在の支援策はどうなっているのか。この二点、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#45
○崎野説明員 広域農道橋につきましては、農道橋の地域における重要性にかんがみまして、早急に復旧をしたいということでございますけれども、とりあえず、仮設橋によって当面の交通を確保するように、応急工事の準備に入っているところでございます。
#46
○高濱説明員 お答え申し上げます。
 非難命令や勧告が出されている地域内の畜産農家につきましては、周辺のあき畜舎等につきまして移転先を確保いたしたところでございます。また、避難期間が長期化することに対応いたしまして、緊急に避難をいたしました家畜の収容先を確保するために、乳牛でございますとか肉用牛の仮設畜舎につきまして建設をいたしまして、部分的にではございますが、営農が再開されているところでございます。
 また、農林水産省といたしましても、長崎県等の関係機関に対しまして、家畜衛生対策の強化を指導するほか、平成四年度におきましては、肉用牛施設につきまして助成を行いまして、これによりまして被災農家の経営の再開が図られておるところでございます。また、引き続きまして平成五年度におきましても、牛舎等の設置を予定いたしているところでございます。
 今後の対応でございますけれども、被害畜産農家の方々が、他の地域に移転をいたしまして、営農を再開されるという場合につきましては、農林漁業金融公庫資金等の制度資金の活用でございますとか国庫補助事業を活用いたしまして、畜舎を設置する、そういうことへいろいろ助成をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、長崎県におきまして雲仙岳の災害対策基金が設置されてございますが、その運用財源を使いまして、地域の畜産の経営の継続と安定のための各種の助成ということにつきましても配慮してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#47
○倉田委員 それから、個人災害に対する救済法というのがずっと国会で論議されておって、これはなかなか難しいということはあると思うのです。個人の家の中に入り込んできた土石あるいは堆積物、これは基本的に個人がやっておられるのだと思いますが、これだけずっと続いておりますと、本当に大変な御苦労だと思うのです。そこで、この家の中に入り込んできた土石物の排出に対する支援措置は何か考えられないのかどうか、この点が一点。
 それからもう一点、被災者に対して、仮設住宅の話はありますけれども、公営住宅の建設をもっと進めたらどうか、また、公営住宅の供給計画の見直しというのを考えるべきではないのか、こう思うのです。
 この二点について、もう一点質問が残っておりますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#48
○溜水説明員 最初の、洪水等によりまして民家に入り込んだ土砂の排除でございますけれども、これにつきましては、一定規模以上であるというような条件等がございますが、都市災害復旧事業ということで、その中の堆積土砂排除事業ということを実施しております。
 ちなみに、この地域においても、平成三年五月の被災の後、民家に入り込んだ土砂について約三万三千立米ほどを排除いたしております。ただ、今回の場合につきましては、後のいろいろな生活再建等の検討も地元でされておりますので、この事業を実施するかどうかについては、地元のそういう検討の結果、やるということになりましたら対応していきたいというふうに考えております。
#49
○那珂説明員 公営住宅の件でございますが、今回の土石流災害によりまして住宅被害が拡大したわけでございます。また、地元での募集によりまして、公営住宅への入居希望者も増加したわけでございますので、当然この供給計画につきましては見直しが必要だと存じます。長崎県及び地元市町におきましても見直しの作業に入ったところでございまして、私どもとしても、速やかで適切な見直しが行われるよう指導しでまいりたいと存じます。
#50
○倉田委員 最後に、午前中畑委員からも御質疑がありましたけれども、いわゆる被災地、特に水無川流域それから導流堤に含まれる部分等々の復興計画、公有地として買い上げたらどうか、あるいは買い上げる部分については、将来的には、その土地に対する愛着を持たれる方々のためにも、またスムーズにこの買い上げが進むように、優先的に払い戻しの特約をつけるとか、そういう御提案がございました。私も大賛成でございますが、少なくとも将来的にこの復興計画がどうなるのか、地元の知事さんあるいは市長さん、例えば区画整理事業として何とかやっていけないものだろうかというふうなお話もございました。
 もちろん地元の市町、県でどういう計画を立てるかということが一番大切かと思いますけれども、この復興計画についてやはり国土庁としても基本的なスタンスがなければいけないのだろうと思いますので、この点についての大臣の御所見、それから最後に、自治省の方にもお見えいただいておりますので、この復興計画に対する自治省としての支援策をお伺いさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#51
○井上国務大臣 先ほど畑委員の御質問にもお答えいたしましたが、私、五月三日に現地へ入りまして、知事、市長、町長さんとお会いをいたしました。現地も詳細に見せていただきました。その結果、水無川流域の災害地をこれからどういうふうにするのか、土砂を排除して昔のような姿に戻すのか、あるいは土砂の上にまた宅地なり農地をつくるのか、いろいろな方法があると思います。畑先生のおっしゃったような一つの御提案もあろうかと思います。
 したがいまして、そういった知事さん、市長さん、町長さん方にお願いをいたしまして、地元の住民の方々の御意見も十分お聞きになって、そして国はこういうふうなことを応急的にやります、恒久的にはこういうことをやります、こういう場所は砂防事業で土地を買いますといった情報を十分御連絡し、また、集団移転をするというふうにお決めになったらこういう方法がありますということを、全部情報を差し上げ、そして恒久的な計画を立てていただきたいとお願いしてまいりましたので、今地元ではそういうふうにやっておられると思います。
 また、先ほど申し上げるのを失念いたしましたが、国土庁といたしましても、こういうのは即断即決でやらなければいけませんので、実は、災害対策本部を開いておりますと、二十何省庁一堂に会することになりますので、テーマごとに、問題ごとに防災局長が各省の関係する局長だけを集め、それから地元の県から担当部局長に来ていただいて、連絡会をやって、テーマごとに即決をしていくというようなことを今命じておりまして、明日第一回をやろうという考えております。
#52
○武田説明員 自治省におきましても、雲仙岳噴火災害に伴い、被災団体における各種の財政需要につきまして、その実情を十分調査いたしまして、例えば、被災団体が実施をいたします災害復旧事業につきましては、災害復旧事業債等の許可、またその元利償還を普通交付税により措置すること、さらに被災団体における財政需要の増加等を考慮いたしまして、特別交付税について特例的な算定を行うなど、これまでも積極的に対応しているところでございます。今後とも被災団体におきまして、財政運営に支障が生ずることのないよう、適切に対処してまいりたいと考えております。
#53
○倉田委員 行政におかれましては、被災者の方々の不安が少しでも取り除かれるように、なお一層の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#54
○有川委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十三分開議
#55
○森井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。藤田スミ君。
#56
○藤田(ス)委員 きょう六月三日は、四十三人が犠牲になった、あの雲仙・普賢岳の火砕流災害から二周年目になります。三周忌を迎えられた犠牲者の皆さんに、私は心から哀悼の意を表したいと思います。
 同時に、今日もなお、火山活動がおさまるどころか、火砕流の危険も広がっておりますが、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 今雲仙・普賢岳の問題をどうしていくか、その対策をどうするかということを考えるときに、これから火山活動そのものをどういうふうに見通していったらいいのか、そのことが非常に重要だというふうに思うわけです。九州大学の清水助教授は、終息を示すデータは何一つない、火山活動は、溶岩供給量が息の長い増減を繰り返しながら、長期間にわたっていく可能性がある、こういうふうに述べておられます。
 私は、この間、実は二度にわたって島原に行ってまいりました。最初のときはいろいろな学者先生と御一緒いたしました。その先生方も長引くということをおっしゃいましたし、私自身、委員会からヘリコプターに乗りまして、自分の目で確かめたときに、これは本当に胴を据えてこの火山とつき合っていかなければならないなということで、何となく私なりにそういう気持ちがしっかりとおなかの中に入ったというような気がするわけであります。
 私は、気象庁ではなく、国土庁にお伺いをしたいと思います。この雲仙・普賢岳の災害はこれからどういうふうになっていくとお考えでしょう。
#57
○黒川政府委員 雲仙・普賢岳の全体の動きにつきましては、気象庁あるいは文部省の現地の九州大学の測候所等でそれぞれ観測いただきまして、それを火山噴火予知連絡会というところで見解等を統一して、全体として認識をしていただいているところでございます。
 現況につきましては、今先生御指摘のような状況でございまして、現在の最終認識としては、溶岩の噴出、火砕流、地震、地殻変動等の火山活動が依然として活発であって、千本木方面への火砕流を含めて、今後も火山活動に厳重な警戒が必要であり、また降雨による土石流にも引き続き警戒が必要であるというのが統一見解であります。そういったことで、全体として、今後ともいろいろな取り組みを継続していかなければならないというふうに認識しております。
#58
○藤田(ス)委員 大臣、私は、これからもう十年、二十年あるいは五十年というつき合いでこの問題を見ていかなければいけないと実は思っています。島原の皆さんも、今そういうふうに見なければいけない、五十年というような単位で見てもいいのではないか、そういうふうにおっしゃる方があります。そういうかつて経験したことのない事態、しかもこの活動はさらに大きく続いていくということを考える場合、どうしても特別の対策あるいは立法措置も含めて、今日こういう事態に見合った対策が必要であります。
 そういう点では、政府の災害復興対策は、災害の実態に則して、根本的に改めていかなければならないと思うのです。大臣が記者会見で対策の見直しに言及されたのも同じ趣旨というふうにとるわけでありますが、とにかく現行の制度の枠内で一般事業を積み上げるだけのやり方はもう既に限界があって、立法措置を含めた抜本策をとらなければならないのだと考えます。
 昨年出されました九州弁護士連合会の意見書も、今の災害対策制度が応急的救助と事後の復旧を中心として、肝心の被災者救済が自力復旧とされているために、長期災害で矛盾が露呈しているというふうに言っているのです。そして意見書は、警戒区域の設定による損害の補償問題を含めて、被災者をしっかり救済することは憲法二十五条の国民の生存権を保障するという点で直ちに手をつけるべきであり、必要な法律の整備もするべきであると提案をしているわけです。私は、この考えは、既にもう実態を知っている国民の中で一つの大きな国民的合意が形成されてきていると考えますが、大臣、お考えをお示しください。
#59
○井上国務大臣 私も、この災害が二年前に発生したときに、こんなに長くかかるものとは夢にも思っておりませんでした。そして、何遍も申しますが、一月の下旬に現地へ参りましたときは、ちょうど火山が終息の傾向がございまして、現地の方々にも何となく明るい空気を感じました。これで本格的な恒久対策もできるなと思っておりましたが、数日後にまた大火砕流が起きるというようなことで、また先日は、四月の末から五月の初めにかけてあのような大規模な土石流が発生して大きな被害が生じましたし、また、火山の方も噴火を続けておりますし、ドームも発生、成長し続けておるということで、確かに今先生がおっしゃいましたように、これから何年も続くのかなという危惧を心の一部に持っておることは事実でございます。
 しかし、要するにいつまで続くのかなという程度でございまして、そういうことになりますと、何年もとなりますと、有川先生おいでですが、鹿児島の桜島のように長期にわたる噴火を続ける、地元の方々は火山とともに生きていかなければならぬのかな、私はこういう感じすら持っておりますが、ただ、現状におきまして私どもはまだそれを断定するわけにはまいりません、今局長が申しましたように。それと、現に大変な危険にさらされておられる住民の方々がたくさんおられ、しかも、二年にわたって不便な避難生活をしておられる。こういう方々の救済、生活再建、それから危険のとりあえずの除去ということで、今強力にそれを実施しておるわけでございまして、今先生御指摘のような長い間の対策というものは、実はこれから状況を見ながら立てていかなければならぬと思っております。
 なお、先生御指摘の特別の立法措置でございますが、御承知のように、今まで二十一分野九十四というのはこの間から九十八項目になりましたが、そういう広範な範囲にわたって、住民の方々の避難あるいは生活再建ということに力をいたしておりまして、ただいまのところ、特別の立法を必要とするという認識は持っておらないところでございます。
#60
○藤田(ス)委員 私も、この火山の活動がこれから何十年続くんだ、そういうことをそんなに断定的に言うつもりはありません。だけれども、私は、あの普賢岳を見たときに、少なくとも行政はそういう腹構えで取り組まなければうそだ、そういう点で申し上げているのです。そして、島原の皆さんもぜひそういう中で、この火山とともに生きていこう、そういう力というものを持ってほしい、それをまた支援していく国の姿勢であってもらいたいという立場から申し上げているのです。
 二十一分野九十八項目とおっしゃいましたけれども、それが本当に功を奏しているのかというと、残念ながら、そうなっていないじゃありませんか。あの中には、火山がおさまってから対策をとるというものが非常に多いのです。だから肝心のものが進まない、そういうことになっているわけであります。
 私たちは、この問題が起こったときから、この雲仙・普賢岳の問題は、常に私たち政治の側に何をするべきかのヒントを与えてくれているのだ、それに真正面からこたえていくことが大事だということを強調してきました。私は、今回雲仙一普賢岳に行って、そして何よりも思ったことは、応急対策として打ち出しているこの対策を、応急という、いわゆるいっときの災害じゃなしに、その応急もうんと延ばしていかなければいけない、そういう取り組みにしなければいけないし、復旧対策というものについては、これは山がおさまってからじゃなしに、おさまっでいないけれども復旧対策を先取りしていく、その両方から重ねていって、そしてその穴を埋めていかなければいかぬというふうに思っているのです。激甚災法の適用さえまだされていないというような状態の中で、このままでは、本当に国は全く何もしていないというふうな言い方をされてしまっても仕方がないというふうに思います。
 特に、水無川水系の砂防計画を見ましても、二千億円とも言われるようなダム、導流堤の計画にはなっておりますけれども、それ全体が完成するのはずっと先のことで、今工事に入ることだって砂防ダムの方は全くできません。そして、結局火山活動がおさまってからということになると、それが本当に実現できるのかどうか、現実的な問題として、それさえもはっきりしないじゃありませんか。それでいて、現在の被害者救済や緊急対策が、そういう振りかざした二千億円の水無川水系の砂防計画というものに曇らされてしまって、おろそかにされているのじゃないかというふうに思うのです。
 導流堤だとかあるいは遊砂地だとか、そういうふうな当面の被害軽減策に役立つものに対しては、住民も大いに期待していますし、私はそれは大いにやらなければいけないと思っています。また、公共事業に伴う移転補償が被災者への対策として実際には役立っている、意味を持っておりますし、そこのところは、本当に移転をしていくのにふさわしいように、買い上げの価格も上げていかなければならないと思っておりますけれども、とにもかくにも、砂防ダムを復興計画の中心、柱と据えてこういうふうにしていくんだ、そういう今までおっしゃっていたことはもう見直さなければならない、そういうことになっていると思います。そこのところは、今この際はっきりさせなければいけないと私は思うのです。
 そして、本当に必要な対策というもの、それは、被災者の救済問題、そして安全な地域への住宅移転と長期に生活再建できる措置、そのほか、あの山とつき合っての、観光の資源として活用していくための支援、そういうものに中心をとっていくべきじゃないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
#61
○黒川政府委員 二十一分野九十八項目につきましては、中には緊急対応のものもございます。さらに、住宅についての恒久対策もございます。また、移転対策をする場合のいろいろな支援措置もございます。そういったそれぞれの項目につきまして段階的に着実に進めていくということが私たち事務当局としては必要と考えておりまして、そういった中で見てまいりますと、現在の状況を前提にいたしますと、緊急対策としての安全対策は当然でございますけれども、基本的には、現在上の方でなお噴火している状況を前提にいたしますと、導流堤の建設それから水無川の改良復旧という、現時点で対応できる基幹的な施設についての対策、それからもう一つは、現実にまだ二千名を超える方が避難されております。そういった方々に具体的に恒久的な住宅に移っていただく対策、これは公営住宅の建設もございますし、地元の意見の集約を踏まえて、集団的に移っていただくというような考え方もあろうかと思います。そういった具体的な事業を中身としておまとめいただいて、これを具体的に支援していかなければいけない。
 その支援の中身としては、制度としては、相当程度のものが九十八項目の中には含まれているわけでございますけれども、具体的に事業を実施いたします場合には、公共事業でございますと、やはり用地の御提供をいただかなければなりません。また、具体的に住宅を建てで移っていただくという場合にも、行く先の場所の確保、あるいはそれに対する助成策、そういったものが必要でございます。そういったもろもろのものにつきまして、我々としましても、現在の時点に対応した具体的な事業促進について全力を挙げてまいりたい、そのように考えております。
#62
○藤田(ス)委員 私は、おっしゃることをわからぬことないわけですが、何だかとても冷静でいらっしゃるなというふうに思うのですよ。ヘリコプターから見たときに、垂木台のすぐそばまで土石流で埋まってしまっている。ああいう状態を見たときに、私思ったのは、こういう状態は一夜にしてできたのと違います。おしが谷というところは、この二年間ずっと積もり積もって、埋もれてずっと来たのです。だから、言ってみれば、そういう中で、そういう状態を見て、少なくとも中尾川対策なんでもっと早くにやれたのじゃないか。それを、何らか地元でまとめていただければ具体的に取り組んでいく。具体的にまとめてもらえば、こうおっしゃいますけれども、実際に中尾川の方は、私、たまたまあの近くに知り合いがおりますのでよくそこのおうちに行っているのですが、もうここも危なくなるということは言っていました。そういうふうに住民の方が言っていた。そして、毎日観測している山から見ても、おしが谷が埋もれ、もう垂木台まで来ているというようなことがわかっていて、なおかつ遊砂地さえもまともにつくってこれなかったというのは、私は、これはもっと真剣に国の責任として考えるべきじゃないかというふうに思うのです。
 しかも、危険予測図というのも、もう垂木台地がいっぱいになるということで、千本木方面への火砕流の危険から、危険予測図というのも出されていたわけですよ。ところが、実際には、本格的に警戒それから避難態勢がつくられていないというような状態と相まって、今はどういうふうになっているかといったら、各町内で避難所がくるくる変わって混乱しているのです。そして、もう自分たちでグループを組んで、どこか避難場所を自分たちで探そうかなんというようなこと、これまた物すごくうろたえがあるのです。そういう現状を御存じですか。
 一体この中尾川対策、もう一度おっしゃってください、どうしたらいいのですか。今はもう警戒区域を設定したから、あそこにつくろうと思っていたけれどもだめなんだ、だんだんおりできて、もう県道の下につくったらいいなんというような話がもう公然と行われているのです。どうするんですか。
#63
○黒川政府委員 中尾川の上流の箇所につきましては、私も一緒にヘリコプターに乗せていただきまして、つぶさに見せていただきました。先生おっしゃるように、谷の動き、自然のすごさというのを実感させていただいております。
 そういった中で、中尾川につきましては、土石流対策につきましては、従来から、治山ダムをつくっていこう、砂防ダムは下流の方にございましで、そういった計画も実は本年度も具体化しておりまして、具体的に作業を始めようとしていた段階にこのような火砕流があって、その事業は具体的にまだ着工できていない状態がございます。そういった中で、土石流については、先般来建設省の方からいろいろお答えしておりますように、遊砂地二つ、砂防ダム二つということで、全体で二十万立方メートルのウエートのものをつくろうという具体的な事業が進んでいるわけでございます。
 火砕流につきましては、先般来、そういったいろいろな事情がありました。地元でいろいろ、長崎県それから気象庁の雲仙岳測候所あるいは九州大学の島原地震火山観測所の皆さん方と協議をされまして、御承知のとおり、二十四日に警戒区域を設定しで、さらにその下には避難勧告区域がございます。そういった警戒避難態勢で、具体的には、人命というものを救うというぎりぎりの対策は講じておりますけれども、これらにつきましても、今先生御指摘のように、その地域の方々がどうされるかという問題につきましては、いろいろ地元、市、県含めまして、我々も一緒になって相談いたしますけれども、具体的にどうするかということをやはり現実の問題として積み上げていかなければいけないという認識は同じかと思います。
#64
○藤田(ス)委員 水無川の拡幅の問題もそうなんです。実は私たち、昨年の九月の申し入れのときに、国土庁の方に申し入れに参りまして、強調したのは、住宅地に来ないように水無川の改修を早くやってもらいたい、これはもう住民の要求であったわけですから、そのことを強調したわけであります。ところが、それに対しても政府が本当にどこまで真剣にやっていたかな、今度は水無川のあの土石流でいっぱい埋まった家を見ながら、私はそういうふうに思いました。
 土石流の応急対策として建設された遊砂地というのは、一号、二号、三号と下から順々にあるわけですけれども、三号遊砂地は水無川と共有しながら、土石流の方は三号、二号、一号とこういうふうに流れで、水の方が水無川の方に流れていくんだというような計画というのか御説明は、もう全く意に反して、自然はまさに自然のままに水無川の方にはんらんをしていったわけです。これも、私は政治の責任ではないか、そう思うのですよ。政治の責任ではありませんか。
 だから、水無川の拡幅、そして土を盛って、あれ以上もう扇形に広がらないようにしていくための対策、それは皆さん、手順でいえばそれは順々はあるでしょう。私みたいに、何だかやたけたに、ぱっと一夜にして何でもせいというわけじゃないですよ。しかし、それぐらいの構えでやるんだ、そういうことを、大臣、約束してくださいませんか。
#65
○井上国務大臣 先生の御指摘のように、今回の土石流の被害は私ども本当に予測しない大きなものでございまして、大きな被害を受けたということについては、本当に地元の方々にお気の毒でもございますし、防災対策に当たっておった私どもとしては、申しわけないことだと深く思っております。
 ただ、地元の市長さんとか町長さん方の、あるいは市町当局の御努力によって、人的災害がなかったのだけが不幸中の幸いだなと思っておりますが、そういう観点から、これからも被害を最小限にとどめるために、応急対策を一生懸命にこれからやらなければいかぬなというふうに考えておる次第でございます。
#66
○藤田(ス)委員 公営住宅の問題でも、仮設住宅から早く出してあげたい、大臣は前回そういうふうにおっしゃいました。私は大変ありがたくその言葉を受けたわけですけれども、実際問題としては、公営住宅ということで九一年度、九二年度に建ったのは二百八十四戸、そのうち災害住宅はたったの五十戸なんです。そして、この公営住宅というのは、それに入るためには保証人がどうの、収入基準がどうのということもありまして、また、希望しても、もう本当に抽せんて大変なんですね、当たるのが大変なんです。
 そういうようなことで、本当にこれも急がなければなりませんが、せっかく災害公営住宅というのがありながら、それが激甚災害法の適用がなされていないために、本当に大量につくることができないのです。具体的に、補助金でいえば四分の三の補助がつくのですが、それが四分の三の補助にならないということもありましょうし、それから、もう終息するかもしれないという気持ちがいつも国の方にぶら下がっているのと違いますか。だから、災害公営住宅を建てようという積極的な指導というのですか、応援というのですか、そういう国からの働きかけというのがないのじゃないかと思いますが、この点についでお伺いいたします。
#67
○那珂説明員 災害公営住宅は、二種公営住宅として建設するものでございます。補助率は、二種公営住宅と同じように三分の二でございます。その他の主な特例措置といたしましては、収入基準におきまして、二種収入階層はもちろんでございますが、このほか一種の人も入居できるという利点もございます。一方、災害から三年間は災害により住宅を失った者に限られているというような問題点もございます。
 災害当初の緊急的な対応が必要なときには、とりあえず災害公営の建設で対応することは適当だと思いますが、その後は、被災者等のいろいろな希望とか収入などの条件の把握もある程度は可能となってまいりますので、なるべく収入階層、立地条件等に見合った供給計画を策定して、建設を進めようという地元長崎県の考え方は適当であると考えております。
 実際、今回の災害の場合のこれまでの実績、ただいま先生御指摘の平成三年度及び四年度の公営住宅二百八十四戸の実績のうち、確かに災害公営住宅は五十戸でございますが、二種公営住宅百六十五戸、一種四十九戸、その他二十戸となっております。これらに関して、この一種、二種等のバランスが実際の入居対象層の実態とかけ離れているというような場合はともかくとして、形の上で災害公営の数が少ないということ自体は、特に問題ではないと考えております。
 ただ、ただいま先生もあわせて御指摘になりましたけれども、実際に被災者の方が応急仮設住宅等から公営住宅の方に円滑に、適切に、なるべく早く転居できるように、公営住宅建設事業の促進はもちろん、その手続等についても円滑な措置が図られるよう指導してまいりたいと存じます。
#68
○藤田(ス)委員 今御説明あったように、やはり三分の二なんでしょう、補助は。激甚災が適用されれば四分の三になるのです。だから、激甚災法の適用というのは非常に大事なことなんです。家が全壊した、あるいは半壊した、一部やられたというおうちが五百十二戸、それから警戒区域、勧告区域に入っているところは五百二戸、それから仮設住宅に今入っていることろが九百四十戸というふうに見ていったら、公営住宅の建設は、もっと進めていかなければならない大きな課題なんです。
 そこで、それを進めるために本当に大きなステップになっていくのが、やはり激甚災の適用なんです。だから、私は、早く激甚災を適用してもらいたい。それから農地の問題でも、激甚災適用になればもっと農業者負担を軽減することだってできるわけであります。
 私たち、この間大臣に申し入れに参りましたときに、被害を積み上げ、基準に達したら激甚災の適用を考えるというふうにお答えをいただいたつもりですが、もう一度確認しながら、激甚災の適用を早め、こういう対策を進めていただきたい。大臣の御決意も兼ねて、お伺いいたします。
#69
○井上国務大臣 激甚災の指定について、先般もご要望といいますが御指摘をいただきました。
 ただ、今までに、例えば個人の被害の救済のためのいろいろな金融公庫等の融資、これは激甚災害適用と同様の金利にもう既に下げてやっていただいております。それから、今の公営住宅等の問題でございますが、これはもう災害復旧も全部でございますけれども、これは地方公共団体に対する財政援助が結果としてなされるわけでございます。そういった災害のための県なり市町なりの支出が激甚災害適用の基準に達した場合には、その都度、年度を限ってということになろうと思いますが、財政援助を後からするということができるわけでございますので、そういうふうに対処をしていこうと思っております。
#70
○藤田(ス)委員 そういうことでは結局は、農地が個人負担にかかわるというような問題なども、本当にそういうものにこたえることができないというふうに考えるわけです。こんなにひどい災害が起こって、二年も続いているのに、どうして激甚災の適用がならないんだというのは、だれしもが思っていることなんですよ。本当によくそこのところをわかってもらいたい。どうしてなんだ。これが一過性のものだったらとうの昔に激甚災が適用されているのに、ずっと続いていて、被害のほどがちゃんと計算できないからというのでは困るわけです。
 だから、もう一度お伺いしますが、一体それでは、そのめどをどういうふうに見たらいいのですか。
#71
○黒川政府委員 御指摘の、公営住宅の問題等についての激甚災の指定でございますけれども、これについてはいろいろ要件がございます。それに当てはまる段階になりましたら、当然激甚災害ということで対応したい、そういうことでございますけれども、事業そのものは緊急を要するものでございますので、それぞれ公共団体等で住宅そのものについては、必要なものについては建設をしていただいている、そういうことでございます。
 激甚災の指定については、そういった基準に合致した段階でやっていきたいということで、引き続き地元とも相談してまいりたいと考えます。
#72
○藤田(ス)委員 この問題にこだわっていたら時間がなくなりますから、私は、激甚災の適用を本当に早くやってもらいたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 時間がもうなくなってしまいまして、せっかく他省庁の方から来ていただいておりますのに、あらかじめ通産省はお願いをしておりましたが、失礼いたします。どうぞ、もう質問しませんから。お許しいただきたいと思います。
 文部省の方ですが、三つ質問いたします。
 応急仮設校舎なんですが、これが今は深江町の大野木場小学校一つが、今のところに九二年につくられたわけですけれども、一体いつまで仮設でいくのか。山が全部おさまってからということになったら、いつまでたってもできませんから、恒久校舎についてどういうふうに考えておられるのかというのが一点です。
 それから二つ目の問題は、プレハブ校舎というものを仮校舎にして、島原の第五小学校の方はいっとき避難をしていました。しかし、これはおかげでもとへ戻ることができたのですが、また避難勧告区域に指定されて、またプレハブに行かなければならぬというようなことになるわけです。現に大雨警報で臨時休校もやったりしているのですが、このプレハブ校舎というのはリース制なんです。だから、避難勧告区域が解除されると、もう全然補助がなくなるというので、こういうリースを全部返しでしまうのです。そうすると、子供はいざというときに行くところがない、こういう不自由が出てきています。
 三つ目の問題は、プールの上屋を補助してほしい。そうでないと、灰が入ってきて困る。島原の六つの学校で四億三千万円の整備が予定されているということですけれども、これも、ぜひとも火山法の適用で三分の一から二分の一に補助を引き上げるべきだというふうに考えますが、この点について文部省から簡潔に御答弁ください。
#73
○矢野説明員 三点御質問がございましたので、順番にお答えいたします。
 最初に、深江町の大野木場小学校についてでございますが、本小学校は現在もなお警戒区域内でございます。その抜本的な対策につきましては、長崎県と地元深江町の復興計画の中でどうするかという検討が進められているわけでございますが、現段階では、本小学校につきましては、今後移転新築の方向で検討されているというふうに聞いているところでございます。したがいまして、文部省といたしましては、その具体的な計画が決定され次第、適切かつ速やかに対処する考えでございます。
 第二が、仮設校舎についての取り扱いでございますが、この仮設校舎につきましては、平成三年度から国庫補助を行ってきているところでございます。この補助の趣旨は、要は、円滑な学校教育活動の実施が困難になった場合に、必要な子供たちを収容するものでございますので、警戒区域に指定されているか否かで補助金の取り扱いということが、条件が異なることはございません。
 第三は、学校のプールの上屋補助についての特別措置を講じるべきではないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、平成四年度でございますが、当該地域につきまして特別の措置を講じまして、これまで建築単価が一万二千百円でございましたが、平成四年度からこれを十倍強に引き上げまして、十二万五千円という形で大幅に引き上げで、要望のあった深江町の小中学校二校を補助対象としたところでございます。また、今年度でございますが、今年度におきましても引き続き特別の措置を講じることといたしまして、建築単価をさらに引き上げまして十二万七千五百円として、計画のございました島原市小学校の六校、また深江町小学校一校の計七校について既に補助内定をいたしたところでございます。
#74
○藤田(ス)委員 もう一問だけお許しください。
 気象庁の方ですね。雲仙の測候所の方は、臨時的にということでずっと十一名体制をとってきました。これだけの山の活動が続いているわけですから、もうその臨時というのをやめて、大体予算の当初は予算定数というのがあって、その予算定数に欠員をつくって、緊急の採用で緊急時に対応できるような体制をとっているというふうに人事課からも聞いていますが、私は、ぜひそういうふうにして、やはり長い火山活動に耐えられる体制をもうつくっていただきたい。
 それから、島原の周辺のアメダス・データを同測候所に配信して、住民からの問い合わせやあるいは情報発表に対応できるようにしなければなりませんが、今は、土石流の心配で雨の見通しはどうかということを住民から問い合わされると、絹笠山などの近くのアメダス・データをわざわざ長崎まで電話で聞いて、それに対応しなければならないというような状態があると聞いています。これは本当に困ることですので、改めていただきたいわけです。簡潔に御答弁いただいて、私はこれで終わります。
#75
○森説明員 御説明させていただきます。
 雲仙岳測候所では、平成三年度に雲仙岳測候所と福岡管区気象台に火山観測解析処理装置を導入いたしまして、地震計等の観測データを迅速かつ効果的に、効率的に処理できる体制を整えております。測候所における人員体制につきましては、雲仙岳の活動の活発化に対応し、平成四年度に一名増員措置を講ずるとともに、火山機動観測班を派遣することによって対応しているところでございます。なお、今年度十月からは、本庁に火山機動班長を導入することとしております。
 次に、アメダス・データの常時監視についてでございますけれども、長崎海洋気象台は、アメダス・データ等の観測データに基づき、雲仙岳周辺の気象状況を監視し、長崎県や島原市等の防災関係機関に適宜予警報等の気象情報を提供しております。また、長崎海洋気象台からは雲仙岳測候所に対し、適宜、雨を含む気象情報を伝達し、地元からの問い合わせに対応しております。
 なお、雲仙岳の状況にかんがみまして、アメダス・データの雲仙岳測候所への還元についての技術的な検討を行っているところでございます。
#76
○藤田(ス)委員 終わります。
#77
○森井委員長 次に、高木義明君。
#78
○高木委員 ただいまから、割り当て時間の範囲内で御質問をいたします。
 まず、冒頭、あれから九二年がたちました。二年前の六月三日に大火砕流惨事が発生をいたしました。はや二年になります。本日は地元におきまして慰霊祭がとり行われておりますが、私は、この場から改めて、犠牲者の皆さん方に心からなる御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、被災者の方々にお見舞いをいたす次第でございます。
 今回私は、さきの五月二十四日の本特別委員会の現地調査を踏まえて、お尋ねをしてまいります。
 なお、委員長初め各委員の先生方の力強い御激励あるいはまた日ごろの御支援、地元の一人といたしましても、深く感謝を申し上げる次第でございます。同時に、井上国土庁長官を初め政府の方々、長い間の災害対策でございますが、それぞれに最善の御努力をいただいておりますことも、改めて、この場をかりまして、敬意を表する次第でございます。
 この質問の基調は、主に次の三点でございます。
 一つは、先ほど申し上げましたように、五月二十四日特別委員会の災害視察は、この四月の末から五月初めにかけたこれまででは最大規模の土石流対策について、今後さらに災害が長期化するのではないかという観点であります。
 二つ目には、これまでは、どちらかといいますと、水無川方向、赤松谷方向、こういったところに土石流なり火砕流の危険が主に発生をしておったわけでありますが、今回北東部、いわゆる中尾川方向に新たな土石流あるいは火砕流の危険性が出てきたということであります。
 三つ目には、当然ながら梅雨入りをいたしましたし、これまでは空梅雨ということで大きな事故には至っておりませんが、ことしあたりまたそういう意味においてかなりの雨量が予想されることからも、私はこの際、重複はありますけれども、改めてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 そういう意味で、私は、まず雲仙・普賢岳の現状につきまして気象庁にお尋ねをしておきます。
 さきの五月十四日に、火山噴火予知連絡会の新たに就任をされました井田会長の説明によりますと、三月中旬からいわゆる山頂部東側で新たな溶岩ドームが成長を始め、火砕流の発生も最近では増加傾向にある、最盛期の三分の一から三分の二に当たる一日約二十万立方メートルの噴出量が確認をされておるということでございました。これまでも火砕流、土石流あるいはまた火山性地震等の観測は、皆さん方のお力によりまして、かなりのデータあるいはまた警戒監視が行われておるわけでありますが、火砕流の危険性について、昨今、その時期あるいは規模、コース等については、これまでの二年余りの火山活動の中からある程度は予測もできるのではなかろうか、そういう状況になっておるのではないかと私は考えるわけでありますけれども、この点についていかがお考えであるのか、お示しをいただきたいと思います。
#79
○森説明員 御説明させていただきます。
 火砕流の予測についてでございますけれども、現在は東斜面の第十一溶岩ドームが成長しておりますので、ここから北東方向に火砕流が流下しております。ここしばらくはこの方向の火砕流が続くものと考えられますので、警戒が必要であろうと考えでございます。また、火砕流の及ぶ範囲、規模につきましては、主に溶岩の崩落量に関係すると考えられますけれども、崩落の日時または量を具体的に予測するということは今の技術では困難だと考えてございます。
 以上です。
#80
○高木委員 もちろん自然のことですから、その日時とか量とかそういうものを予知することは不可能だと私は思っておりますが、これまでの観測経過からすれば、大体の傾向については、住民の避難対策の一助になる程度まではわかってくるのではないかと思いますけれども、改めてお伺いをしておきたいと思います。
#81
○森説明員 今まで火砕流が主に水無川、赤松谷の方向に流れておりましたときには、そちらの方向に溶岩が成長するということもございましたし、また新しい溶岩の噴出によって押し出されるというようなこともございました。今回の中尾川の方向に行きましたのは、谷がだんだん埋められでいきまして、少しずつそちらの方向に流れていくというような感じになってございましたので、気象庁といたしましても、中尾川の方向には注意を呼びかけていたと思っております。
 今後どういうふうな方向に流れるか、どういうときに火砕流が発生するかということでございますけれども、一つには溶岩が、例えば今第十一溶岩ドームが成長しているわけでございますけれども、これがまた別なところに溶岩ドームが成長した場合には、その周囲に既にある溶岩ドームをどの方向に押し出すかということがコースの予測につながるだろうと思います。ただ、現時点では、今ある溶岩ドームとともに今生に押し出されて、第十一ドームが崩れているわけですけれども、今まであった溶岩ドームがまた崩れないとも限りませんので、今のところは、かなりの方向がある程度の危険性をはらんでいると思っておりますけれども、残念ながら、今の時点で、どの程度のことが起こり得るのかということにつきましては、今はっきりと予測するということはできません。ただ、中尾川方面につきましては、今の時点ではかなり警戒が必要であろうと考えております。
#82
○高木委員 いずれにいたしましても、監視観測体制、そしてまた予報等につきましては十分な徹底を図られて、住民の安全を守るべく体制であっていただきたい、この点は強く要望しておきます。
 次に、土石流対策に入りますが、まず建設省にお尋ねをいたします。
 この堆積物は、委員長の冒頭報告でもありましたように、約一億三千万立米から一億五千万立米と言われております。よく言われますが、東京ドームの百二十三杯分というふうな堆積量でございます。したがって、梅雨を前にして、既に四月二十八日から五月二日の間の土石流災害に対する手だて、いわゆる復旧作業についてどの程度完了しておるのか、この点についてお伺いしておきます。
#83
○大久保説明員 四月二十八日から二十九日にかけまして約九十五万立方メートルの土砂がはんらんいたしております。このうち、約十五万立米が第三号遊砂地に堆積いたしまして、一部が二号遊砂地に堆積いたしております。残りは水無川本川の河道に堆積したものと、あふれたものでございまして、現在三号遊砂地にたまった土砂、それから二号遊砂地、水無川本川の河道にたまった土砂はすべて除去して、完了いたしております。
#84
○高木委員 北千本木の町内会では、この雨の時期を前に、主に三つの対策を強く要望しております。すなわち、まず第一に、防災工事を前提に町内全戸の調査測量をしてほしい、第二は、防災工事に伴う用地の評価は被災前価格で、第三は、火砕流対策として矢板を立てるなどしてほしい。こういうふうに、新たな危険が予測されるこの地区においては、そういうことを町内会でまとまって島原市長に要望しておるわけであります。
 今、水無川方向、これは警戒区域の中でありますので、自衛隊の方が約三十人、土石流対策の一つとして、少しでも被害を軽減するための矢板工事をいたしております。これは、大変危険を伴う状況の中で、自衛隊の皆さん方に大変なお仕事をしていただいておるわけで、私は、この際改めて敬意を表するわけでございますが、この作業の状況について、この際ちょっと報告をしていただきたいと思うのです。
#85
○野津説明員 御説明いたします。
 今御指摘の矢板打ちの作業でございますが、これは、梅雨時期を控えまして、土石流対策として緊急に実施する必要があるということで、長崎県の方から自衛隊の方に支援要請がございまして、今、災害派遣部隊の方で対応いたしております。
 五月十九日に作業を始めまして、予定といたしましては約二週間、六月四日までということで鋭意実施しております。場所は白谷町筒野付近で、今御指摘のとおり、約三十名の隊員が作業をいたしております。予定の総数は矢板約六百八十枚の設置をするということで、六月二日、昨日の段階で約六百枚の打ち込みを終了しておりまして、全体の九割方進んでおるという状況でございます。
 御案内のとおり、警戒区域内の作業でございますので、自衛隊といたしましても、安全を期しながら作業しなければならない。あるいは、天候の状況、土石流の堆積状況などによりまして作業の進捗に影響があるわけでございますが、できるだけ予定期間中に作業を終了するよう今努力しているところでございます。
#86
○高木委員 大変御苦労さんでございます。
 そこで、私はこれはかなりの効果が上がるのではないかと思っておりますが、中尾川方向では、ちょうど特別委員会で視察をした折に、警戒区域が設定されました。防災ダムの事業とか治山ダムの事業、いろいろあったわけでありますが、しかし警戒区域が設定された。したがってもう当座は、雨が来たら避難する以外に手の打ちようがない、こういう状態だと私は思っております。
 それでは、お手上げの状態ではなくて、被害を最小限に食いとめるためにということで、例えば県知事あたりから、水無川の方向のみならず中尾川の方向でも、警戒区域の中で、危険な状態なのですけれども、安全を確認しながら、そういう仕事をしていただけないかという要請がもしあったならば、自衛隊としてそういう態勢が今ありますか、いかがでしょうか。
#87
○野津説明員 ただいまの点でございますが、先ほど御報告しました作業は、長崎県の方から緊急に必要があるということで要請があって実施しているところでございまして、それ以外のところについて必要があるということであれば、また現地の方で調整して、検討する必要があるというふうに理解をしております。
#88
○高木委員 この点について、例えば南千本木地区の治山対策として今どうなっておるのか。特に、今、事業を採択して、早期に進めていただきたいという要望が県、市から出ておるのですが、例えば自衛隊があらゆる能力を使って警戒区域の中で、矢板等で少しでも土石流等がとめられるという意味で、林野庁あるいは建設省、中尾川系のそういう砂防工事はどうなのか、少しでもできないのか、そういうことについて、ちょっとお考えをお聞かせいただきたい。
#89
○工藤説明員 治山事業につきましては、先生御指摘のとおり、林地を対象として工事を実施しているところでございまして、中尾川流域の治山事業の対象林地、今回警戒区域に設定されたために、治山事業としては、他の事業地を求めることは困難ということで、当分事業を中断せざるを得ない状況にあるわけでございます。
 このため、下流部におきまして、遊砂地とか砂防ダムの建設を計画しているという建設省さんの砂防事業、それから、今先生御指摘の自衛隊、いろいろ御検討いただくという御答弁がございましたけれども、こういったことも、いろいろ各省庁と連絡をとりながら、私どもとしては、今後、現地への立ち入りが可能となり次第、早急に対策工事に着手できるよう準備を進めていきたいというぐあいに思っているところでございます。
#90
○大久保説明員 中尾川につきましては、警戒区域が設定される前に遊砂地を計画いたしました。しかしながら、警戒区域が設定されまして、急速遊砂地の位置を警戒区域ぎりぎりの下流側に移しまして、二つに分けて、遊砂地二基を計画したい。さらに、その下流に砂防ダム二基をつくりましで、四月二十八日に発生しました土石流の規模、約二十万立米でございますけれども、これに対応していきたい、こう考えております。
 警戒区域の中での仕事は、工事が長期にわたるということもありまして、非常に至難なことでございますので、警戒区域の外ぎりぎりのところで仕事をしていきたい、こう考えております。
#91
○高木委員 ヘリコプターの上からも、中尾川系のあそこの砂防ダムにはかなりの土砂が堆積いたしておるのが確認をされました。もしあのダムがなかったら、かなり被害は拡大していたと私は思っております。あの効果はすごいものがあります。したがって、あの土砂を少しでも排除するという、遊砂地等も大切でありますが、そういうものができれば非常に効果があるのではなかろうか。あるいはまた、住民の財産を守るためにもいい方法ではないか。しかし一方では、警戒区域が設定されて立ち入りができない。だとするならば、水無川でもそういうことが行われておるなら、あるいは自衛隊の能力を活用してそういうことができないのだろうかと私は素朴に思うわけでございます。その点、いかがでしょうか。
#92
○大久保説明員 現在、既に砂防ダムが四基でき上がっておりまして、容量としまして約六万立方メーターの土砂をためる容量がございまして、前回の土石流で満砂いたしております。これを現在緊急的に除石を続けておりまして、まもなく完了するということでございます。この既設砂防ダムは警戒区域の外にございますので、どんどん作業が進められるという状況でございます。
#93
○高木委員 次に移りますけれども、地元では、たまった土石の排出場所に大変苦慮しておると言われております。その一部に、有明海の沿岸を埋め立てる、あるいは近隣町の同じく海岸を埋め立てる、こういう計画がありますが、土石の排出場所いかんではまた新たな二次災害のおそれもありますので、この場所についていかほどに確保されておるのか、この辺についてどのように掌握をされておるか、お聞かせいただきたい。
#94
○山口説明員 これまで土石流等で堆積いたしました土砂の量についてでございますが、まず、例えば水無川の河道あるいは砂防の遊砂地あるいは国道等の道路に堆積いたしましたもの等につきましては、それぞれ管理者が直ちにその土砂の除去をやっております。現在までにそういった各管理者が除石をして処分いたしました土量は、正確なところはまだわかりませんが、恐らく約百五十万立米を超えておるかと思います。
 先ほど先生御指摘のとおり、安徳海岸埋め立てについてでも、今後そういった地域を利用するということでございますが、現在でも島原市あるいは深江町周辺には大きな規模の適切な処分地がございませんで、より離れました、例えば布津町でございますとか有明町でございますとかあるいは国見町といった、かなり周辺の遠くな地域に何カ所か処分地を見つけて、処分しておるところでございます。今後もこういった状態が続くことになりますれば、やはり処分地が要るわけでございますので、それらにつきましても現在新たな処分地を県等で探しておる状況でございます。
#95
○高木委員 現在、水無川におきましては拡幅工事それから堤防のかさ上げ、こういう方向が打ち出されておりますが、これはいわゆる災害復旧助成事業というふうに呼ばれておりますが、この事業の進捗状況についてお尋ねしておきたいと思います。
#96
○山口説明員 水無川につきましては、ただいま災害復旧助成事業を本年一月に採択いたしまして、事業を実施中でございます。
 まず、用地の取得の必要のない現在の河道につきまして、河床の断面を広げるための掘削につきましては既に着手しております。
 その他、この事業の目的といたしましては、河川の流水断面を増大するといいますか大きく確保するということで、堤防のかさ上げ、河床の掘削あるいは局所的に狭い区間の拡幅等を行うということでやっておりますが、堤防のかさ上げ等に要します。地につきましては、現在、地権者の方々に御理解をいただいて、御協力いただくというような用地交渉を行っておる最中でございます。暫定掘削等につきましては申しましたように既にやっておりますが、しかし、堤防そのものは、用地交渉が終わり、その後実際に土の堤防をつくることにつきましてはかなり時間がかかりますので、特に今回の出水期を乗り切るために、あるいは秋の台風季を乗り切るために、土で将来完成いたします堤防と同じ高さのH型鋼あるいは矢板等でその断面を緊急に確保する、そういった応急的な工事を現在やるべく準備を進めております。
#97
○高木委員 四月二十八日から五月二日にかけた土石流のルートにつきましては、これはいろいろなところで議論があっております。以前に流れましたいわゆる第一遊砂地、第二進砂地、この方向に流れるであろうというものが水無川の本流を流れたということでございました。これはもう過ぎたことでございますが、私冒頭にも述べましたけれども、これまでの状況の中で、土石流についてはルートがある程度は予測できるのではないか。この前のも一つの経験でもございました。今後は、土砂の排出状況とか、あるいはいわゆる堆積物のたまりぐあい、あるいは溶岩ドームの成長ぐあいからいけば、量とか日時は別ですけれども、ルートについてはある程度推測ができるのじゃなかろうか。こういうことについて、いかがでしょうか。
#98
○大久保説明員 この前の四月二十八日からの土石流につきましては水無川本川に流れているわけでございますが、いろいろ分析をいたしますと、この前の土石流は比較的規模の小さなものが数回にわたって流れたのではないか、こういうふうに推定しております。
 それから、二年前の平成三年六月三十日、このときは約四十万立米の土石流が流れておりますけれども、これは一回にどっと流れたという土石流のようでございまして、これは現在導流堤を計画している方向に真っすぐ流れております。
 したがいまして、多分、土石流は規模、その中に含まれる土石の量あるいは水の割合、それから土石の大きさとかいろいろなものに支配されると思いますので、その土石流が必ずこちらに来るというふうな予測をするのはなかなか難しいのではないか、こういうふうに言われておりまして、土石流の実態についての研究もどんどん進められておりますけれども、土石流の流速、土石流の波高といいますか深さ、あるいは規模、それから構成している土石の大きさ、土砂濃度、これらによって相当変化するということで、現在の学問水準では、土石流を必ずしもきちっと予測することはできないのではないかというのが一般的な考え方ではないか、こういうふうに思っております。
#99
○高木委員 あらかじめの避難あるいは対策に大いに参考になるであろう、こういう意味で私はお尋ねした次第でございます。なお一層ひとつ調査研究等を重ねていただきまして、専門的な立場から、ある程度の特定ができるような、そういうことができれば非常に役立つな、こういう気持ちでございます。
 次に、いわゆる直轄砂防事業と集団移転の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。
 さきにも非常に貴重な御意見がございまして、大体あそこに住めるのかという提起がございました。私たちはよく人間の物差しで、あるいは人間の都合で自然の物事をはかりがちなんでありますが、ここに来て、長期化をするということになりますと、やはりかなりのものを想定しておく必要があるのではないかという率直な反省もさせられるわけであります。
 昨日のNHKの報道で、長くここの観測をしておられます九大の中田先生は次のように言っておる。雲仙・普賢岳は、一時終息の兆しがあったけれども、また活動が活発化しておる、数千年に一回あるかないかの、山をつくる活動の一つではないか。数千年ですね。そして、中田先生は結論的には、これもあくまでも推測の域でありますが、数年は続くであろう、こういうことを言っておられました。
 そうなりますと、この四月に現地に直轄砂防工事の事務所ができまして、国が、このような非常に人手不足の折にもかかわらず、現地にそのようなものを配置して、さあ今から復興するんだ、私は非常にありがたい励ましになると思っておりましたが、いわゆる砂防ダムができないと、導流堤の効果も出てこない。そういう意味で、警戒区域が設定されておる以上はこの工事ができない。そういうことになりますと、本当の意味の本格的な災害対策とか復興対策あるいは集団移転対策のめどが立たない、そういう考え方が出てくるわけであります。
 したがって、この点について、いわゆる長期化ということを前提にすれば、今の直轄砂防事業は一体どうなるんであろうか、そういう意味の考え方についてもやはり検討されてしかるべきではないかと思っておりますが、この点について、お考えを聞いておきたいと思います。
#100
○大久保説明員 現在、私どもの持っております砂防計画は、上流の砂防ダム群とそれから下流の導流堤の組み合わせになっております。
 御指摘のとおり、砂防ダム群を予定しておりますところは警戒区域でございまして、また火砕流堆積物が大量に堆積しているところでございます。したがいまして、砂防ダムにつきましてはまだ工事が開始できない状態でございます。ただ、導流堤につきましては、砂防ダム群四十基をつくるに際しまして、いずれにしましてもある程度の時間を要するだろうということで、砂防ダムが完成するまでの間に発生する土石流には導流堤で対処しよう、こういう考え方で計画をつくっております。
 したがいまして、現在の状況では、私どもは、導流堤を早期に完成すべく努力をしたい、こういうふうに考えておりますし、また、導流堤そのものはやはりこの島原地域の復興のかなめではないかな、こういうふうに私も思っておりまして、先生御指摘のように、この四月に現地に雲仙復興工事事務所を設置いたしまして、二十四名の職員が発足以来日夜を分かたず、用地交渉等あるいは災害にも対応努力しておりまして、これからも引き続きまして、この計画に基づいて導流堤を早期に完成させて、地域の安全を確保できるように努力したい、こういうふうに考えております。
#101
○高木委員 地元では、もうとにかく水無川周辺は住めないし仕事もできない、だからこれを国か県がどちらかで、とにかく防災公園的なものですべて一括買い上げて、そしていわゆる集団移転に取り組むべきではないかという意見が出ております。この件について長官、いかがお考えでしょうか。
#102
○井上国務大臣 私も現地を拝見いたしまして、土石流の堆積状況、農地、宅地の被害状況をこの目で見まして、率直に言って、一瞬そういう感じがいたしました。ここに再び住めるだろうかという感じがいたしましたが、しかし、これはやはり先祖以来ずっと土地に住んでこられた住民の方々の御意思も聞かなければいかぬことだと思いましたので、けさほども申し上げましたけれども、五月三日に参りましたときに、県知事さん、市長さん、町長さんに、住民の方々の意見も聞いて、そしてこの被災地をどうこれから復旧していくのか、こういうことについて計画をお立て願いたい、そのために必要な国の施策あるいは県に対する国の助成、そういったものは必要ならば情報を提供させていただく。
 例えば、今先生御指摘の、集団移転ということがまとまった場合には一体どういう手だてをする。国がやってくれるのか。あるいは個人的にどこかへ行きたいというような人は、がけ近と言っておりますが、がけ地近隣の移転事業で採択もできる。それからまた、砂防事業あるいは水無川の拡幅というようないわゆる災害復旧または公共事業、そういうもので用地も買い上げるということができる、どの区域ができるというようなことを御相談しながら、地元の今申し上げた知事さん、市長さん、町長さんに恒久的な計画を早急におつくり願いたい、こう言ってきた次第でございまして、私どもは、そういう計画ができれば、国を挙げて、政府のできることはあらゆる施策を講じて御支援を申し上げたい、こう思っておる次第でございます。
#103
○高木委員 長官は、建設関係ではもうオーソリティーだというお話を聞いております。もちろん、地元の合意というのが大切でありますし、まさに自立自主というものが尊重されなければなりません。そういう意味では、それは大切にしながらも、こういった長期に及ぶ災害でありまして、かつてない事例です。したがって、国がある意味では指導をするということも大切なんです。地方自治体は、そういう意味では、非常にわからないところがたくさんあるのです。
 そういう姿勢も大事でありますし、同時に、長官もこの前会見で一部語っておられましたように、いわゆる警戒区域設定がこれほど長期化しておるし、例えば損失補償問題でもまだまだいろいろ声が多いし、いわゆる長期災害としての特別措置においても、例えば期限切れとかあるいは適用をもう少し拡充しなければならぬところがたくさんございます。
 そういう意味で、集団移転等あるいは災害基本法等を含めて、私はひとつこの際見直しをすべきではないかと思っておりますが、この点について、最後でございますが、その御決意なり御所見をお尋ねして、私の質問を終わります。
#104
○井上国務大臣 再三申し上げておりますように、今回の災害につきましては、二十一分野九十八項目にわたる施策を現行の制度内で講じてまいりました。しかし、先ほど来御指摘のように、この火山活動が非常に長期にわたるということになりますと、いろいろな点にあるいは支障が出てくるかもしれません。そういう点につきましては研究を続けろということで、今国土庁の防災局を中心として、過去の制度と、それからこれが非常に長期化した場合の問題、そういうものを研究させております。ただ私は、今防災局に申しておりますのは、活動火山対策特別措置法というのがある、これの中でまずこれを研究してみたらどうかということを申しておる次第でございます。研究を進めさせております。
#105
○高木委員 ありがとうございました。
#106
○森井委員長 次に、有川清次君。
#107
○有川委員 先ほど来皆さんも申し上げられましたように、平成三年六月三日、火砕流で四十二名の方が犠牲になられました。三周忌を迎えるわけでありますが、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 また、被災者の皆さんも、今度現地に参りまして、大変だということを痛感いたしました。心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 さて、それぞれ皆さん御質問になり、感じたこと、前進をしないので腹が立つこと、現地の皆さんが非常にもやもやして、これから先どうなるのかということで悩んでいらっしゃることを踏まえるならば、何とか思い切った措置ができないのかという意味ではお互い共通しておったと思いますし、重複は避けたいと思いますが、私も同じような気持ちで、以下質問を申し上げたいと思います。
 私は、現地に今度で七回行きました。そして、ヘリコプターで三回ドームの上も回ってみたわけでありますが、まず感じましたのは、前から、土石流が起こる、大変だ、こういうことが盛んに言われながら、現実に起こってみると、大変な状況が生まれた。火砕流のときも、人命まで奪って、非常に大変でございました。あるいは家が焼ける、そういう状態も見ましたけれども、これほど広範に巨大な石が人家を押しつぶす、こういう状態を見て、よほど私たち政治に携わる者として真剣に対応しなければならない、このように思ったわけであります。
 現地の皆さんも、土石流が起こった場合はということは従来考えていらっしゃっただろうと思いますが、いざそれが起こってみると、惨たんたる状況で、命は救われたけれども、何をしていいのか放心状態であったのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 そういう意味では、せっかく私たち行ったので、国会中だったので時間がなかったわけでありますが、現地の被災者の皆さんともっと生に話し合って、それをこの場で論議ができればよかったなということを後悔をしたところでございますが、そういう意味で、私たち今全力を挙げたいというふうに思います。
 また、今度の場合に、住宅の流失など、全壊その他を含めて四百八十八戸ですか、非住宅で百六十九戸、こういうふうになっておりますし、橋梁も破損をされた。あるいは、手塩にかけて、いよいよ今から収穫ができるというビワがハウスの中で見るも無残な状況になっておった、こういう状況がございました。道路の土砂を除去されておりましたが、私は背が小さい方だけれども、私を越えて、その横の人家の庭園の土石があった。二階まで届く土石ですから、これをどうやってのけるんだろう。道路はのけたけれども、私たちはどうすればいいのか、茫然として、その対策も見当たらないというのが皆さんの感覚ではなかったのか、こういうふうに思うわけでございます。
 そうした立場から、私たちはこれからの対策について、当然予測されながらも、それに対応し得なかった欠陥について、十分反省の気持ちを含め、やはり責任を持って対応するということがこれから大事なのではないだろうか、このように思いました。
 ドームも見てみましたら、今までとは違って、生きていましたね。今までとは違うのです。煙の噴き上げ方から何から、随分盛り上がっていました。かなりの高さに盛り上がったのだなということも思いましたし、ヘリで回りますと、至るところに噴煙が出る。そういう状況で、一たんは終息の状況はあったけれども、再び活動期に入ったという、そんな感じを持ったところでございます。
 そういう意味では、雲仙の普賢岳の噴火は、先ほど来言われるように、やはり持続するという立場で、今住民の皆さんはそのときそのときいろいろ対応するだけで、生活するという立場では先が見えない、こういう不安があるのではないか。けさ、出てくる前にNHKテレビを見ましたけれども、放映がきょうあしたあるということでしたが、千本木地区でもう六回移動した。危ない、逃げろ、もういい、これをもう六回目だという。家財道具を運ぶ実態も出されておりました。そういう意味では、先が見えるような、皆さんが安心して生活ができる状態をどうつくるかというのが私たちに課せられた任務なのではないか、このように思います。
 桜島も、当初は一過性だろうと思っでおったら、もう三十年を優に過ぎた。今も激しく、油断がならないように来る。集団移転の問題はありました。前も私言いましたが、それは計画的に、畑委員から言われたような、そういうことが大事だとは思います。しかし、現地では本家(もとえ)と言うのだそうですが、本家と書いて「もとえ」と読んで、ふるさと、それを大事にしなさい、頑張ってくれという激励もどんどん来るというのをちょっと報道で見ました。
 そういう意味で、桜島でも大きな石が落ちたりするけれども、すぐ潜り込むようなドームをつくってもらって、間に合うのかどうかわかりませんが、そういう形で残る人もおるけれども、全体的に生活を安定させる、そういう考え方を基本に据えなければならないというふうに感じておるところでございます。
 そこで、先ほど来、噴火の現状とこれからの予測という面については御報告があったわけでありますが、私はもう少しその辺のことについて、北海道に行きまして、昭和新山を見ましたけれども、私がちょうど二十ぐらいのころ北海道におったのです。昭和新山が畑から盛り上がってくるところを見に行きました。大きなドームになって、一つの山になっている、そして燃えでいる。こういう状況が、この前行っても、あるわけですけれども、まさにあれの大型だという感じを持つのですが、そういういろいろな研究は観測所の方もされておると思いますけれども、この終息の問題、見通しをもう一回お聞かせ願いたいと思います。
#108
○森説明員 雲仙岳の活動状況と今後の見通しなどについて御説明させていただきます。
 雲仙岳の溶岩の噴出量は、昨年次第に減少しておりましたけれども、本年二月から再び増加いたしまして、二月二日ごろからは第十溶岩ドーム、三月十七日ごろからは第十一溶岩ドームが成長を始め、現在も成長を続けております。また、火砕流の頻度も、昨年十二月から一日一回程度に少なくなっておりましたけれども、三月に入ってからは次第に増加いたしまして、一日十回程度となりました、また、最近は一日五回程度となっております。五月下旬からは、新たに中尾川沿いに千本木付近へ達するような火砕流が発生しております。
 このように、溶岩の噴出が依然続いておりますし、火砕流の発生など、雲仙岳の火山活動は依然として活発でありますので、今後とも、大きな火砕流を含めまして、火山活動に対する十分な警戒が必要であろうというふうに考えております。
#109
○有川委員 マグマがどの辺にあるのか、前に行ったときも、この辺だろうとかいろいろ説明があったのですが、桜島の例も、マグマが小さいのがあって、奥の方にまだ大きいのがあるとか、こういうのが今言われておるのだけれども、実態はわかりませんよね。最初桜島が噴火したときに、三十何年もだつのだが、記録上、当初、これは長く続くぞとか、まあ適当に終息するだろうとか、その辺の判断はどんなふうになっていましたか。
#110
○森説明員 地下に蓄えられておりますマグマの量でございますけれども、これはいろいろな地殻変動または重力観測その他の観測によって推定される場合がございますけれども、実態に本当にどこにマグマがあるかということについてとらえた例は今までにないだろうと思います。
 したがいましで、いろいろ推定はございますけれども、それが実際にどの程度の量があって、いつまで続くかということを予測することは困難だろうというふうに考えております。
#111
○有川委員 今の科学の実力ではそれ以上追求するのは問題があると思いますが、いろいろな前例、いろいろな山の実態などを調べながら、そうされておると思いますけれども、ぜひ予測が十分できるような体制を急ぐように要請をしたい。だからこそもっと要員をふやして、今臨時的にというのじゃなくて、もっと研究班をふやしてというのが要望されているのではないだろうか、このように思います。
 時間がありませんから次に移りますが、今度は水無川の遊砂地の問題で、それぞれ御意見がございました。私も現地を見まして、前のから見れば大体ここに来るだろうということで第一、第二、第三と建設をされたと思いますが、現実には第一と第二が余りその役割を果たす状況にならなかった。それがやはり一つ大きな広がりをつくった原因じゃなかったのか、このように思うわけであります。
 前の平成四年六月の災対委員会の記録を見ると、答弁の中で、「遊砂地がどの程度の降雨に対して対応できるか判定することは極めて難しい。しかし、今年の四月二十二日から発生した四回の土石流に対しては、すべて施工中の遊砂地でとまっており、下流の被害を防止している。」よって土石流発生監視装置などを設置しておるのだ、こういうような答弁があるのです。
 私は、こういうのを見ると、非常に甘かったのじゃないか。今度の出たのが東京ドーム一杯ぐらい、九十五万立米、そしてあと上の方には一億五千万立米ぐらい、ドームの百二十杯分ぐらいあるのだ、こういうお話を聞いたわけでありますが、向こうに堆積をして、どんな程度で流れてくるかというのがやはり甘かったように思うのですけれども、その辺の判断については、遊砂地をあそこに設定したこと、これは現実には生かされなかったわけですから、今まで回答を聞いておると、やはりそのことはちょっと予測を誤ったとか、そんな言葉は出ないのだけれども、どうなのですか、どのように考えでいらっしゃるのか、今後のこともありますから、明確にしていただきたい。
#112
○大久保説明員 先生御指摘の平成四年四月二十二日から四回という土石流でございますが、これは四月二十二日が約二・四万立米、それから五月八日に起こっておりますが、○・三万立米ですから三千立方メーター、五月十五日が五千立方メーター、六月七日が一万八千立方メーターということで、極めて小さな土石流でございまして、そのときに、その土石流につきましては遊砂地でとめたということではないかというふうに考えております。
 今回遊砂地を一、二、三と三つ用意しておりましたけれども、これの考え方でございますけれども、当然、この梅雨のときに発生する土石流に対応しようということで、平成三年六月三十日に四十万立方メーターの土石流が発生いたしまして導流堤方向に流れたわけでございますけれども、現在の一、二、三、三つの遊砂地合計で六月三十日の土石流ぐらいのものは想定してつくったわけでございます。ただ今回の土石流は、水無川本川方向に流れまして、導流堤方向には流れておりません。平成三年六月三十日の土石流は四十万立方メーターの土石流が、非常に規模の大きなものが一気に流れ下ったということで、土石流が直進したわけでございます。今回の四月二十八日のものは、既に御説明もいたしておりますけれども、比較的規模の小さなものが数回にわたって流れたのではないかということでございます。
 それで、当面の応急対策といたしましては、約九十五万立方メーターの土石流が出ておりますけれども、これに耐え得るようないろいろな施設を計画いたしているところでございます。
#113
○有川委員 自然の力は大変ですから、すごいですから。どうも後手後手に追われて対応する、こういう状況に追いまくられているような感じがするわけですね。あれはやはりもう少しやればよかったなというのもお話がないわけですが、これは世界日報というのでちょっと記事がありますけれども、「上流のダム、中流の導流堤は立ち入り禁止区域内にあるから、普賢岳が沈静しない限り着工は不可能。それに上流のダム、中流の導流堤ともに、溶岩ドームが実験とは違った形で崩壊したら、期待通りには流れないと、建設省が説明するほどいい加減なものである。」こういう論文があるのだけれども、そういうようなことに対してどうお考えですか。
 もう一つは、総理大臣が、宮澤さんが四年三月に現地視察をされまして、そのときの一定の状況説明がある中で要請を指示されています。その第一に、遊砂地等の緊急対策としては、早期完成を期するため早急に着工すること、そのほか幾つか並べでありますが、とにかく遊砂地が相当な効果を上げるという皆さんの方の説明があって、宮澤さん、技術は詳しくわからぬわけですから、総理大臣はそのことを急げ、と。
 ここは台風常襲地帯、しかも梅雨も激しいところ。昨年は少なくて済んだけれども、ことしは非常に心配される、そういう状況になっておるわけで、その辺の判断について、皆さんは、建設省は、砂防の方はどのように認識されて、取り組んでこられたのか、もう一回その辺を明らかにしていただきたい。
#114
○大久保説明員 砂防計画の基本構想につきましては、非常に大きな土石流が発生した場合に耐え得るようにということで、砂防ダム約四十基それから導流堤、こういう計画になっているわけでございます。御指摘のように、砂防ダム四十基を設置する予定にしている場所は、現在も警戒区域にかかっておりまして、工事ができない状況でございますけれども、先ほども申しましたように、警戒区域から外れております導流堤につきましてはどんどん進めていきたいということで、用地交渉をどんどん進めているわけでございます。
 ただ、そういう工事、導流堤あるいは砂防ダムがすぐ目の前に迫っている梅雨には間に合わないということで、緊急的に遊砂地をつくって、そこへ当面の土石流をため込もうということで計画をしたわけでございます。一、二、三と順次遊砂地をつくってまいりましたけれども、最後の三号ができましたのはこの三月でございますけれども、いずれにいたしましても、短時間の間にできるだけの効果を出すための施設ということで、遊砂地、地面に穴を掘りまして、そこへ土砂をため込もうという施設をつくっているわけでございます。一号、二号、三号で合わせますと約四十万立方メーターの土砂を堆積させ得る能力がございます。それをできるだけ早期に完成するということで、工法も極めで簡易な工法で進めて、できるだけ短い時間に効果を期待するようにということでこれまで努力をしてきたところでございます。
#115
○有川委員 宮澤総理が行ったのは昨年の三月なのですよね。奥地の方は対応できなかったとしても、これほどの災害が出るような状態になったということは、私は、この上の方にある堆積の推定など間違ったのではないか、そんなような感じもしてならぬわけです。
 そこで、それぞれ今まで努力をされて、砂防建設頑張っていらっしゃる内容になっているけれども、前砂防部長がいらっしゃるころではないですか。そのころの問題が新聞や週刊誌で次々に取りざたされておった。皆さんも御存じだろうと思う。現地では、政府を信頼し、政治家を信頼し、行政を信頼しながら期待をしておった、しかし、なかなか進まない、歯がゆい思いをした。私はこの記事をずっと見てみましたが、さもありなんという裏切られた感じが現地の人はするのじゃないでしょうか。
 週刊誌等は言いませんが、ずっと見出しだけ申し上げますと、「公務を利用したび重なる鹿児島入り」、地元入りの集会など行っておる。それからもう一つは、金丸さんが逮捕されたその問題で、建設族のゼネコンの関係の金の問題までいろいろ出されておりますね。あるいは「雲仙対策より選挙運動の方が優先!?」。これは週刊現代ですが、これには「建設省エリート」「梅雨に入ってからが怖い」「避難住民は怒るより呆れた!」「事前運動に利用する」「住民七六〇〇人はいまだ仮設住宅暮らしというのに、くだんのエリート氏(建設省砂防部長・国の火砕流対策責任者)は島原を素通りして、せっせと郷里の鹿児島入り。すでに出身地の川内市には選挙事務所も開き、被災地の写真入り名刺をバラまいて」おる。それで、記者が現地に行って同期生や旧友に聞いてみたところが、「島原の方々に申し訳ない」、そんなことを言った記事が載っておりました。
 私は、こういう状況を見ると、非常に努力されている皆さんに対しても裏切った形で、腹が立つわけです。これが事実なら許されない行為だと私は思います。そのことについてどんなふうに今まで理解をされていたのか、御存じだったのかなかったのか、明確にしていただきたいと思います。砂防課長ですか。大臣も後でお伺いします。
#116
○大久保説明員 雲仙・普賢岳の土石流災害対策につきましては、建設省挙げて全力で取り組んでいるところでございます。個人が自分の目的で自分のために仕事をしているわけではないというふうに理解をいたしております。これは、これまでもまた今後もそうであるというふうに理解をいたしております。今後とも、土石流災害から地域の安全を確保しまして、復興の礎となる安全な地域を創出すべく全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
#117
○井上国務大臣 私、この件余りつまびらかにはしておりませんが、ただいまお読み上げになりました新聞、雑誌等の記事の内容が事実であるとすれば、公務員として、国家公務員として、在職中にそういうことをしたということは、私は許されないことだと心得ております。
#118
○有川委員 膨大な資料があるのですよ。いろいろなものに書かれておる。御存じなかったはずはない。砂防の方でも問題になって、いろいろ出ておった。そういう内容も書いてありますよ、皆さんで論議されたことも。そして、公休もあるけれども、公金を使って、出張の名目でという形でも書かれてます。そうじゃなかったのであればそのことを明らかにして、雲仙の皆さん方に明確な回答をしてほしい。どうなのですか。雲仙にこの部長が何回ぐらい行かれたのか、明らかにしてください。
#119
○大久保説明員 前砂防部長は雲仙に在職中四回行っております。最後の一回は泊まっておりますけれども、建設省の技監と同行でございまして、残りの三回は日帰りしております。
#120
○有川委員 私の方で、現地で動いた日にちを事実をもって連絡しますから、その日が勤務であったのか、公休だったのか、これは後日明らかにしていただきたい。皆さんが一生懸命やっているのに、トップの最もやらなければならぬ人がこういう状態では、私は雲仙の人たちは浮かばれないと思う。
 それで、そういう形のものの一つじゃないかと思うのだけれども、ある評論家の書いてある内容を見ると、「県から、現在残っている家を守るために遊砂地を作るので土地を借り上げたいという話があった時、地権者はみんな快く協力した。その際、県は将来的には土石流は水無川に流すと説明した。なのに、その数日後には、砂防ダムと導流堤の計画を発表した。しかも、地権者には事前に何の話もなく、いきなり公式発表。ほとんどの住民が新聞で知ったんです。そういう対応だからみんなよけいに苛立つんです。当面は他の地域を守るために鎌田の土地を使ってくれて結構です。」云々、こういうふうに書かれております。住民が言った言葉なのです。いろいろな計画、遊砂地の相談をして、後、この砂防ダムをつくるということについでは住民に全く相談をしないまま、ぱあんと発表があった。協力すると言ったのに、今度は別なものがそこに据わっできたということの怒りなのですね。
 トップがおかしければ、今は二十四人派遣をして砂防の方もやるということでありますが、下の方も緩みがくるのじゃないですか。住民に対するいたわりと、本当に御苦労さん、何とかしなければならぬという気持ちがあれば、せっかく遊砂地で協力すると言われたのだから、計画はこう変わって、今度はこれをやりますという相談や連絡が事前にあってしかるべきじゃないですか。それはどうだったのですか。
#121
○大久保説明員 平成四年二月二十二日に基本計画を発表いたしまして、その後、用地等につきまして順次説明会等を開きまして、地元の方々との意志疎通を図りながら、仕事を進めてまいったところでございます。
 今回、ことしの四月に現地に雲仙復興工事事務所をつくりまして、二十四名体制で仕事を始めておりますけれども、そこにも相談窓口をつくりまして、どんな相談でも気軽に来てほしいというようなことで、住民の方々と接する場もつくらせていただいております。
 今回の災害の後の遊砂地をつくる、あるいは導流堤をつくっていくという仕事を進めるに当たりまして、用地に対する地元の方々の御協力がやはり不可欠でございます。今後とも、地元の方々との密接な連携をとりながら仕事を進めていきたい、こういうつもりでおります。
#122
○有川委員 砂防部長が現地に行った問題についての、あっなかなかったか、そういう問題については全くコメントがないのだけれども、どうなんですか。この問題については、それを一つだけお伺いして、けりをつけたいと思います。
#123
○大久保説明員 先ほども申しましたように、前の部長が長崎・島原に行きましたのは四回でございますけれども、いずれも公務でございますし、政府調査団の随行あるいは宮澤総理の随行ということで、言ってみれば、前砂防部長は島原復興のための、砂防事業推進のための先頭に立って仕事をしていたという立場で現地に行ったものと理解いたしております。
#124
○有川委員 それでは、たくさんのこういう記事があるけれども、そういうことはなかったと思っている、信じる、どっちなんですか。
#125
○大久保説明員 先生お持ちの資料の、すべては私存じておりませんが、幾つかは目を通しております。そういうふうに記事にされているという事実も承知いたしております。ただ私は、前部長は島原の災害の重大性にかんがみまして、大変熱意を持って島原の仕事に当たっていた、雲仙の仕事に当たっていた、こういうふうに理解をしているところでございます。
#126
○有川委員 私も個人的にはよく知っているのです。人もいい、それはどうこうという問題じゃない。公務と、こんなに苦しんでいる実態と、責任者という立場では許せない行為だと思うから、声を荒げて言っているわけです。
 あなたはその程度で信じておるということでありますが、これは今後尾を引く非常に大きな問題だろうと思う。皆さんのところで話題にならなかったはずはないし、心配されたことも書いてある。そういうことで、私がもうやらなくても、これは公のものが後日明らかにするだろうけれども、私もそれなりに島原の皆さんに対してもきちっとしていきたい。
 また、今後そういうことがないように引き締めてやっていただかないと、せっかくこんなに難儀をして、皆さんが努力されているのに、報われない。現地では、やはり先が見えないのじゃないですか。県や市町村で策定しながら国が、政府がやったことに対して、安心してお任せします、皆さんに頼っていれば大丈夫だ、相談をすれば大丈夫だという雰囲気では今ないのじゃないですか。その上にこういうのが流れれば、なお一層問題があると思いますので、今後そういうことのないようにきちっとしていただきたいと思います。
 次に移りますが、砂防ダム、導流堤のことについては既にいろいろお話がありました。私は、危険区域でなかなか踏み込めないというのであれば、先ほどもお話がありました、新しい対応というのがどうしても必要なのではないか。テレビでちょっと雲仙のことが出ましたけれども、模型があって、ずっと砂防の、家がそのまま出ていましたが、それがシミュレーションでぱっぱっととれちゃって、これが役に立たないという映像がありましたよ。とすれば、それが実態なんだから、どうするかということを明確に考えて、教えていただきたい。
 もう時間がありませんから、さらに、中尾川方面、これも治山事業などありまして、辛うじてとまっている感じもしましたけれども、立入禁止、警戒区域になったわけですが、このままでは今後また大きな土石流なり起こる危険性があるのです。けさほど来いろいろ説明がありましたけれども、皆さんの生活のことを考えながらどうするかという抜本的な対策について、そして当面の中尾川の梅雨対策について、もう一回、明確に対処方針を明らかにしてください。
#127
○大久保説明員 中尾川につきましては、この前の四月二十八日に発生いたしました土石流の一部が砂防ダムにたまっておりますが、これの除石は現在継続しております。まもなく完了する予定でございます。
 それから、緊急的に遊砂地を二基予定しておりまして、警戒区域のぎりぎり外側に設置いたしたい、こういうふうに考えております。さらに、その緊急進砂地の下流に砂防ダム二基をつくりまして、遊砂地と砂防ダム合わせまして、合計二十万立米の土砂をためる施設としたい、こういうふうに考えております。
 それから、既に前から設置いたしております監視用のカメラがございますけれども、それに加えまして、今回警戒区域の設定に伴って、ワイヤセンサーがその区域の中になってしまったということで、維持ができなくなりましたので、ワイヤセンサーをこれからつくる遊砂地のすぐ上流につくりまして、遊砂地、砂防ダム、あるいは監視カメラ等による監視、こういったものをあわせまして、今後の梅雨さらに台風に備えたい、こういうふうに考えております。
#128
○有川委員 個々の問題を申し上げておりましたが、時間がありませんから、項目だけちょっと申し上げて終わりたいと思います。
 私は、遊砂地のああいう状況からして、先ほどもありましたけれども、今度のあれほど広がった土石流のはんらん、住宅踏みつぶし、そういう状況はまさに人災だ、このように思います。ただ、あの被害を受けられた住宅についての援助は、こう聞いたら、大体二百五十万程度ということを聞いたわけでありますが、そんなものではどしようもないのじゃないか。もっと抜本的な、皆さんの責任も含めて、検討をする必要があるのじゃないか。火砕流で家が焼けでも保険が通用しなかった、こういうこともあるわけであります。次々と踏みにじられ、前からの借金もある、そういうものも返す力がない、こういう状況になっておるわけです。
 これについては、大臣は災対法の検討をしたい、こういうのがありましたが、災対法、災害救助法の抜本的な見直しを考えていただかなけりゃならぬのじゃないか。私たちも、特別立法を含めて、せっかく畑先生を中心に小委員会がありますから、これは早急に対応せぬと、長い目で見た対策をしなけりゃならない、このように感じておるところでございます。
 それから基金の問題、六百三十億。答弁もさっきありましたが、利息も低下をし、非常に今日の被害状況も広がっておる。そうした被災者に対する見舞いたって、二百五十万ということじゃなしに、もっとこう何かプラスをしたいと思っても、資金が足りないんじゃないか、こういうことも思います。前の三百三十億が六百三十億に今なっておるのですけれども、なお状況は悪くなっておるわけですから、出す方も入る方も悪くなっておるわけですから、これは抜本的な検討をもう一回してもらえないものか。
 それから、就職ですね、働く生活の場。農業もやれない、あるいはいろいろな職場の先も思うようにいかないという人たちもいらっしゃるでしょう。
 そういうことも聞きたいと思いましたが、いろいろな状況がある中で、私は最後に、今国土庁を中心にして二十四省庁、いろいろ必要の都度、項目ごとに話し合いをするというお話がありましたが、さっきの砂防部長のようなのがおりますから、ここできちっと、県も市も悩んでおるのですよ、対策本部をつくって、一定期間でいいからじっくり論議をして、基本的なものを決めて、住民に落とす、こういうようなことをせぬと、手があいたときに合間合間でやるようなことではどうにもならぬのじゃないか。
 さっき言い忘れましたけれども、現地の人たちが、この部分にいろいろ出ていますが、いろいろ視察に見える、大臣も見えます、しかしそのときにはこうしましょう、ああします、わかりましたとおっしゃるけれども、帰られたらナシのつぶて、幾らかはちびちび来るけれども、私たちの心に触れるものが返ってこない、こういうはがゆさを言われておるのですよ。やはりそういうぶつけるところは、国土庁長官に言っても、いや私の担当じゃない、各省庁縦割りが非常に問題だ。そういう意味で、この問題だけは、縦割りでなしに、きちっと対策本部などをつくるような考え方もしてほしい。
 最後に、畑委員から言われましたように、買い上げていくような思い切った、長い将来を見越した対策というのをもう一回真剣に検討していただきたい。私がさっき言った本家(もとえ)という長崎の住民の言葉があるように、ふるさとから離れたくない、そういうのもありますから、強制をする必要はない。しかしながら、その辺は話し合いの中で、桜島と違って、これはもうどうにもならぬという雰囲気に私はなっておるのだろうと思うのです。その辺の対応をきちっとしていただくように要請申し上げ、最後に大臣のコメントをいただいて、終わります。
#129
○森井委員長 一言御答弁を願います。
#130
○井上国務大臣 今度の四月二十八日から五月二日にかけての土石流、突然起こったものではなくて、二年前からの災害地でございますし、私が政府の責任者として対策を練ってきたものでございます。したがいまして、あの災害につきましては、私はいたく責任を感じております。人的災害はなかったとはいえ、物的なあれだけの災害が起きたということは、本当に申しわけなく思っております。そのためにも、二度とああいう災害が起こらないように、万全の対策をこれから講ずる責任がある、こう思っておる次第でございます。
 それから、今いろいろとたくさんおっしゃいましたけれども、私はけさほど畑先生にも御答弁申し上げましたが、県及び市町と十分相談をしまして、その中には住民の被災者の方々の御意見も十分取り入れて、そして国のなすべきことは何か、県のなすべきことは何かということを見きわめて、柔軟に、しかも積極的に対処してまいりたいと思っておりますので、お返事になりますかどうかわかりませんが、御理解を賜りたいと思います。
#131
○有川委員 大臣の決意を聞きましたので、期待をしながら、終わります。
#132
○森井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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