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1993/02/18 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第11号
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1993/02/18 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 予算委員会 第11号

#1
第126回国会 予算委員会 第11号
平成五年二月十八日(木曜日)
    午後四時四十四分開議
 出席委員
   委員長 粕谷  茂君
    理事 石川 要三君  理事 小杉  隆君
    理事 鴻池 祥肇君  理事 佐藤 信二君
    理事 中川 昭一君
       相沢 英之君     愛野興一郎君
       井奥 貞雄君     臼井日出男君
       衛藤征士郎君     越智 通雄君
       大石 千八君     岡島 正之君
       亀井 善之君     唐沢俊二郎君
       久間 章生君     倉成  正君
       古賀  誠君     佐藤 敬夫君
       鈴木 宗男君     高鳥  修君
       戸井田三郎君     原田  憲君
       松永  光君     松本 十郎君
       宮里 松正君     村山 達雄君
       谷津 義男君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣  林  義郎君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官) 河野 洋平君
        外務大臣臨時代
        理
 出席政府委員
        内閣官房内閣外
        政審議室長
        兼内閣総理大臣 谷野作太郎君
        官房外政審議室
        長
        内閣法制局第一 津野  修君
        部長
        国際平和協力本 萩  次郎君
        部事務局次長
        防衛庁長官官房 村田 直昭君
        長
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        経済企画庁調整 長瀬 要石君
        局長
        経済企画庁調査 土志田征一君
        局長
        国土庁大都市圏 内藤  勲君
        整備局長
        外務省アジア局 池田  維君
        長
        外務省中近東ア 小原  武君
        フリカ局長
        外務省経済局次 林   暘君
        長
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合 澁谷 治彦君
        局長
        大蔵大臣官房総 日高 壮平君
        務審議官
        大蔵省主計局長 斎藤 次郎君
        大蔵省主税局長 濱本 英輔君
        水産庁長官   川合 淳二君
        通商産業省産業 熊野 英昭君
        政策局長
        中小企業庁長官 関   收君
委員外の出席者
        予算委員会調査 堀口 一郎君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  粟屋 敏信君     岡島 正之君
  石原慎太郎君     佐藤 敬夫君
  内海 英男君     井奥 貞雄君
  衛藤征士郎君     久間 章生君
  倉成  正君     亀井 善之君
  中山 太郎君     谷津 義男君
  浜田 幸一君     鈴木 宗男君
  柳沢 伯夫君     宮里 松正君
  綿貫 民輔君     古賀  誠君
同日
 辞任         補欠選任
  井奥 貞雄君     内海 英男君
  岡島 正之君     粟屋 敏信君
  亀井 善之君     倉成  正君
  久間 章生君     衛藤征士郎君
  古賀  誠君     綿貫 民輔君
  佐藤 敬夫君     石原慎太郎君
  鈴木 宗男君     浜田 幸一君
  宮里 松正君     柳沢 伯夫君
  谷津 義男君     中山 太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成五年度一般会計予算
 平成五年度特別会計予算
 平成五年度政府関係機関予算
     ―――――◇―――――
#2
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 開会に先立ちまして申し上げます。
 日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の所属委員の方々に事務局をして委員会御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。
 つきましては、再度自民党の理事の方々をして各党に御出席方を御要請していただくようにお願いをしたいと思います。暫時お待ちいただきたいと思います。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#3
○粕谷委員長 速記を起こしてください。
 申し上げます。
 再度御出席を要請いたさせましたが、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の以上各党の所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 平成五年度一般会計予算、平成五年度特別会計予算、平成五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。鴻池祥肇君。
#4
○鴻池委員 委員長の良識ある御決断によりまして委員会が開かれましたことに、まず心から敬意を表するものでございます。
 自民党の先生方にも随分お待たせをして今に至ったわけでございますけれども、御高承のように、昨夜もそして本日も随分野党の皆さんと理事会を開いて議論を続けてまいりました。私たちの主張は、当然のことでございますけれども、とにかく早く、一日も早くこの予算を成立させ、不況から脱出を図らなければならない。当然、政治不信を払拭することも大事であるけれども、しかし、最も大事なのはやはりこの予算を通すことである。そしてまた、野党の皆さんから、小沢先生、竹下先生そして佐川清さん、この三人の喚問要求につきましては、我々もその決意をして、その実現が図られたわけでありますが、佐川清さんにつきましては病気のために出頭できないという、そういう結論が出ました。しかしながら、野党の理事そして我が方の石川理事が金沢まで出向きまして、主治医と面談。その折に、今は糖尿で、そして感冒、非常にインフルエンザで酸素吸入をしておる状態である、いましばらく様子を見て、三月か四月によくなればこの喚問につきましても協力しようという、そういうお医者さんからのお話も取りつけて帰ってこられたわけであります。
 しかし、どういうことでございますか、佐川がだめなら次よ、こういう主張が繰り返されました。これは皆様方御存じのように、予算委員長のこの席から、次なる喚問の問題については予算の審議と並行しながら協議をしようという重い発言があったわけであります。しかしながら、それを聞かずに、きょう返事しろ、きょう返事しろ、そしてこの返事がなければもはや予算の審議に応じられないというような、ルール違反、委員長の重要な発言無視、私は非常に不可解でございます。せっかくこの質問席に立たしていただいて、野党の皆さんにもお聞きをいただき、あるいは御批判をいただきたい、心からそう思っておったわけでありますが、極めて残念でございます。
 私は、二十八歳から中小企業、私の名前が鴻池ですし、比較的上品な顔をしておるものでありますから、大企業の御曹子のように思われておるかもしれませんが、百人足らずの中小企業の港湾運輸の仕事に従事しました。代表者でございました。その折には、トラックの運輸一般、はしけ、内国船の全日海さん、あるいは沿岸の作業員さんの全港湾さん、それぞれの組合の皆さんと絶えずいろいろ話し合いをしてまいりました。どうでしょう。そういう毎日毎日汗水垂らして働いている労働者の皆さん、その方々から給料から組合費を天引きして、そして選挙になればポスターを持って走り回る、野党の先生方のためにですよ。今彼らは、残業が減り、そしてまた解雇という大変恐ろしい、職場を失うという恐怖に駆られて、日夜仕事に励んでいるわけであります。その彼らの悲痛な気持ちを無視して、この大切な予算審議に応じない。極めて、極めて遺憾なことだと私は最初に申し上げ、シャドー内閣というのは笑止千万という気持ちでございます。
 いずれにいたしましても、こういう事態を憂慮された委員長が、異常事態かもしれませんけれども、この委員会を開催されましたことに再び敬意を表させていただきまして、質問に移らしていただきたいと思います。
 両大臣には随分お待たせをいたしました。
 今申し上げましたように、私は中小企業の経営者出身でございます。今、大変なんです。大変な状況にあります。町へ出ても、空のタクシーがずっと客待ちをしている状況でございます。日に日に難しくなってきているわけであります。
 ここで大蔵大臣に御説明をちょうだいしたいのでありますが、この平成五年度予算の中において、この悪い中小企業にどのように配慮をされておるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#5
○林(義)国務大臣 鴻池議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 中小企業というのは、我が国経済を、非常に大きな分野を支えているところのものである。日本の中小企業の占める比率というのは、ヨーロッパやアメリカなんかの占める比率よりもはるかに高い比率を私は占めておると思っておりますし、そうした意味で、経済全体の動きの中で、経済全体をやはりよくしていかなければ中小企業の対策にはならないんだろう、こう思っておるところでございます。
 今回の予算におきましては、特に景気に配慮した予算、こういうことで予算案を作成をしたところでございますけれども、その中でも中小企業につきましては特に意を注いでやってきたところでございます。今申し上げましたように、中小企業の経営環境が大変厳しい中でいろいろな配慮をしていかなければならない。
 特に、予算項目といたしましては、小規模企業対策を強化すること、またエネルギー環境問題、時短、労働力確保の中小企業の構造改善を支援するというような形でやってきておりますし、金額的には若干ふえてないじゃないかというお話があるかもしれませんけれども、実は商工会、商工会議所の経営指導員というのは今まで国の方で出しておりましたけれども、これを一般財源化しまして、地方、県の段階で負担をしていただくような格好にしたわけでございまして、この点におきまして約七十五億円ぐらいのものを地方公共団体に御負担をいただく、こういうふうにしたわけでございまして、実質的には中小企業関係予算は七十億円の増加、こういうことになっているところでございます。
 そのほかに、これは単に予算だけでございますけれども、中小企業金融公庫あるいは中小企業の信用保険その他の点につきましても、いろいろな点で配慮をしてやってきたところでございます。
 予算的な配慮をいたしておりますけれども、中小企業の実態は、鴻池先生御指摘のように、いろいろな点で大変な事態になってきているということを私自身も思っておりますから、今後いろいろなことがありましたならば、いろいろな手段を適時適切に講じていかなければならない、こういうふうに考えていることを申し上げておきたいと思っています。
#6
○鴻池委員 今大蔵大臣は、今後中小企業に対してもいろいろな施策も考えていかなきゃいかぬという、そういうお言葉をちょうだいしたわけでございます。
 このたびの日銀の公定歩合の引き下げでございますけれども、下げ幅〇・七五、大幅な下げでありました。日銀が今回の利下げ、これは六回目でございます。これで最後ではなかろうかなという、そういう感じもあるわけでございますけれども、いずれにしましても、せっかくのこの六回目の公定歩合の引き下げを利用する、価値あるものにしなければならないわけでございまして、この利下げを景気の回復にどのように結びつけるか、これが非常に重要なところだと思います。
 ところが、大蔵大臣、今中小企業は設備投資が冷え切っている。それと同時に、資金繰り、いわゆる市中に金がないものでありますから、資金繰りにもう大変な状況でありまして、私どもの方にも公的金融機関、こういうところへ紹介してほしいとか、何とか早くお願いできぬだろうか、私どもの間尺に合わないような依頼事がたくさんございます。株式市場は低迷をしたままでありますし、マネーサプライは下降線、こういう状況の中で景気回復とどのように結びつけるか。
 昨日の朝に、宮澤総理が産業労働懇話会というところで御講演をなさったそうでございますが、そのときに、景気の低迷ということで追加景気対策ということに含みを持たされた、こういう報道があります。もう一つは、土地や株の価格の暴落で金融機関の融資能力あるいは気構えが低下しているんではないか、そういう指摘があったようであります。いわゆる金融機関の貸し渋りに批判を加えられた、このように私は受けとめるのでございますが、大蔵大臣はどのようにお思いでございましょう。
#7
○林(義)国務大臣 先般、公定歩合の引き下げが行われましたときに、それまで自由民主党の中でもいろいろと御議論がございました。自民党でも各地でいろいろな地方の実情を聞いてまいろう、こういうふうな話でありますし、地方の実情を聞いてまいるということは、とりもなおさず地方の中小企業の方々のいろいろな御意見を吸い上げて政策に反映をしたいという私はあらわれだろう、こう思っております。
 そういったことをやっておられますが、党の方からもいろいろと御要望がございました。今御指摘のように、どうも金融機関貸し渋りではないか、こういうふうな話もございましたので、私の方で銀行局長に命じまして、銀行局長で、公定歩合の引き下げがあったならば、当然に貸し出しの金利はやはり下がっていくのが当たり前の話でありますし、それに準じて下がるように、またいろいろな形で貸し渋りのないようにというような話の通牒を出したところであります。願わくはこの通牒が、単にあて先であるところの銀行の頭取さんだけにとどまらないで、各支店長その他のところにも十分徹底していくように私たちの方も期待をしているところでありますし、またそういったことをやっていただかなければならないと思っています。
 どうも見ておりまして、金利の問題だけではなくて、やはり金が動かない、こういうところに問題があるようでございます。先ほどお話がありましたように、マネーサプライの状況などももう一つうまくいっていない。
 そういういろいろな点が私はあると思いますが、一つには、大手の銀行でございますけれども、大手の銀行としては、貸し出しのときに、BIS規制というものをこれからやらなくちゃいかぬ、自己資本比率を充実していく、こういうことである。株価が低迷しておるものですから、はっきりした株の評価というものができない、どうもその辺がというような話がありましたけれども、はっきりした考え方を出しまして、やはり自己資本でもっていわゆるBIS規制の言われているところの八%のものは達成してもらうようにいたしたい、そういった形でもってやっていくということを原則にいたしましてやっていこう。それで、余り株価にどうだこうだというような話でなくてやっていくというような体制をとりまして、いわゆる劣後債その他のものにつきましても積極的にやっていただくような施策をいたしました。そういったことをしていけば、私は当然のことながら銀行も現在の状況に応じたところの貸し出しをしていただけるものだ、こういうふうに期待をしておるところであります。
 どうも土地や株というような話になっています。確かに私は土地や株が下がってきているということが影響してくるかと思いますが、やはりノーマルな形で私はこれからの金融が行われるものだ、そういうふうなまた形に持っていかなければならない。いろいろな点で努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
#8
○鴻池委員 きのうの日本経済新聞でありますけれども、昨年の補正の成立がずれ込んで、これが響いて公共事業の三割の支払いが来年度になった、景気効果おくれもあり得る、こう第一面に出ておるわけでありまして、先ほど来のお話ではありませんけれども、一日も早い予算案の年度内成立ということこそ当面すべてのいわゆる景気浮揚策であると私も思うわけでございますが、宮澤総理も追加景気対策ということについて含みを持っておられるやに聞いております。
 その軸というのはやはり減税というものにあるんではないかというふうに思うわけでありますけれども、濱本主税局長、ついこの間ですか、テレビに出られて御主張なさったようです。孫子の代まで赤字国債で苦しめるようなことはちょっとまずいぞ、そのようなお話もあったようでございますけれども、もしおいででしたらちょっと再現をしていただいたら――もうお出になりましたか。それじゃ、またの機会に承りたいと思います。
 戻し税方式でありますとか、住宅、教育、投資、政策減税とか、いろいろ方法があるようでございますけれども、もしこの予算成立後になお悪い状態であれば、大蔵大臣、どのような方法あるいはどういう案をお持ちであるか、聞かせていただきたいと存じます。
#9
○林(義)国務大臣 私の方からいたしますと、現在お願いをしている予算でもって不況に対する対策というのは私たちはやれるものだ。昨年の総合経済対策でいろいろなことをやってまいりました。今お話がございましたように、まだその実効が上がってない、こういうふうな話でありますが、すぐに十兆七千億のものがさっと出てくるような話ではないということは、これはおわかりでございましょうし、平成四年度また五年度両年にわたってずっと支出がされるものだろう、こういうふうな形で御理解をいただきたいな、こう思っておるところでございますし、それと今回の予算を引き続いてやっていったならば、私は必ずや景気は回復の方向に向かっていく、安定的成長の路線に乗っていくものだと信じておるところであります。
 そこで、いろいろなことが言われております。私たちの方も、今お話がありました所得税減税、これにつきましては、当委員会におきましてたびたび申し上げておるわけでありますが、いろいろな問題がある。何か、景気をよくしていかなくちゃならないから所得税減税だとすぐに思いつかれるわけでありますが、私は、これはなかなか問題がある。それは金を使った割には実際余り効果が上がらない、こういうことでありますし、それよりは私たちの方の考え方は、公共事業をやっていった方が乗数効果その他から考えましても当然にいい効果が出てくるものではないか、こういうふうなことを考えておるところであります。
 住宅の問題にいたしましても、いろんな話があります。住宅減税というような御提言もあります。ありますが、この住宅減税につきましてもやはり問題がある。それは、現在相当な程度のところまで国の方の所得税減税をやっておるわけでありまして、今でも大体年収六百五十万円ぐらいのサラリーマンの方々が払われる税金というのは二十五万円である、それと同じぐらいのものをやっておるわけであります。そうしますと、今度も、この前民社党の先生がおっしゃいまして、これを五十万円にしたらどうだ、こういうふうな話がありました。しかし、五十万円にしたときには、そういった今言われるところの平均的なサラリーマンの方々が払っている税金よりははるかに大きいものを減税しなくちゃならない。そうすると、その効果が及ぶのは高い所得層の方々でしかない。税金払ってないのですから、そこの減税ということはなかなかありようがないんだろう、こう私は思っておるところであります。
 いろんなことを私は今まで議論をしておりましたけれども、腰を入れた形で今のところはいろんなことお話あるけれども、それはとてもできる話じゃありません。税のバランスその他の問題から難しいんだということを申し上げております。しかし、経済ですから、私は経済というのはやっぱりそういったことを離れていろんなことを、これからうまくいかなければどうにもならないわけでありますから、まずうまくいくためには何としてでもこの予算を一刻も早く通していただくことが先決であろう。それをやってみて、私たちはそれでうまくいくんだろう、こう考えておりますけれども、そうじゃなくて、また上がった暁にはそれはまた新しくこれから考えなくちゃいかぬ、これは政治家として当然の話であろうと思います。今そこを私はまだやる必要ないという立場でありますけれども、それはそのときになって虚心に話を、議論をしていかなければならない話だろうなと、将来の話でございますけれども、私はそんなふうな感じを持っておるところでございます。
 もう一つ申し上げますならば、今回のやつは、今のは景気循環的なサイクルでは動いてない、こういうことだろうと思うのですね。特にバブルという形で崩壊いたしました。土地の値段が、非常に上がってきたものがまた下がってきた。株も三万八千円まで上がったものが、一時は一万四千円まで下がった、そんなような話でありまして、それを糧にしていろいろとやってこられた方々にとっては大変な影響があった。その影響というのは、単に景気循環だけの話じゃありませんから、そういったことも考えながらいろいろとやっていくということが必要だろうと思います。
 現在でも、既にそういった形での不良債権を持っておるところのものにつきましては、銀行でいろいろなこと、買い取り会社をつくってもらってやっていくという形をやっておりましたり、また住宅金融専門会社が相当大きな焦げつきを持っている、こういったようなこともございまして、そういったこともやっています。この前公定歩合の引き下げをやりましたのもその一環でありますし、また証券市場の活性化に対しまして特別の措置を講ずるというようなこともやっております。
 まあいろんなことを知恵を絞って日本経済が本当にうまくいくようなことを考えていかなければならない、そういうふうに私は思っておることを申し上げておきたいと思います。
#10
○鴻池委員 とにかくこの予算を年度内に成立させること、これはもう当然それを信じて我々も今一生懸命、委員長にも嫌な思いをさせながら今に至っておるわけでございます。
 IBMが千二百人首切りを発表した。三菱重工ですかは配置転換、それから四、五百人の解雇、こういうことを発表しているわけであります。IBMについてはよく存じませんけれども、私は下請の仕事をしておりましたから、親会社がそういうことをやり出すときには、いわゆる出入りの下請、協力会社というのはもっと大きな波がかかってくるんです。大変厳しい風が吹くんです。恐らくこの三菱さんの下請、協力会社というのは大変なことになっていると思います。大企業は企業内でいわゆる失業者を抱えておる、抱える力がある限り抱えていくんです、日本の企業のそういう仕組みでありますから。しかし、それも抱えられなくなったということは、もう下請が、協力会社が、中小企業が大変な時期になっているということをどうかひとつ御認識をいただいて、よりこの景気刺激策というものを、これからよくなると私は思いません、こういう状況ですから。予算を通すのはこれはもう絶対に大事だと思いますけれども、ぜひとも次なる追加景気策というもの、対策というものをお考えをいただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 何か御意見ございましたら、お願い申し上げます。
#11
○林(義)国務大臣 今IBMの話なり三菱重工業のお話が出ました。私は、こういった企業もそれぞれのところにおきましてトップで走っておられるところの企業である、その企業がこれだけのことをしなければならないというのは、やはりその業界におきましても大変な問題だ、こう思っております。特にそれのところの下請という形になっておりますと、その大きなところに全部依存をしている、こういうふうな下請になりましたならば、これは大変なことだろうということは、私からもう申し上げるまでもないことだろうと思います。
 下請企業振興計画などというものがありまして、きょうは通産大臣おられませんから私から申し上げておきますけれども、いろんな振興事業をやって、下請の人が正当に報われるようなことというのは、やはりいろんな形でもって考えていかなければならない、そういうふうに考えておることを申し上げておきたいと思います。
#12
○鴻池委員 ガリ国連事務総長が来日中でございます。ガリ旋風と申しますか、随分いろいろなところで考えさせられるような発言もあるわけでございますけれども、けさのテレビなんか見ておりましたら、ボスニアで荷物が、いわゆる援助物資が欲しいところへ届かなくて、死んだ人の肉を食べているというような報道を聞きました。地球上ではいろんなことが起きているわけであります。
 ガリ事務総長は、いわゆる国連の安全保障の強化と申しますか、そういったことを背景に、日本に対してさらなる人的な国際貢献、これを求めてこられたそうであります。どうなんでしょう、このガリ構想というものについて、官房長官、外務大臣代理、いかがお考えでいらっしゃいましょうか。
#13
○河野国務大臣 ブトロス・ガリ国連事務総長が日本にお見えになっておられますが、事務総長に就任されて非常に意欲的に新しい国連といいますか、そういうものを目指してさまざまな提案をし、活動をするべく努力をしておられることには敬意を表したいと思います。
 第二次世界大戦が終わりまして、国連が多くの国の合意を得てスタートをいたしましたが、その後、東西冷戦の中にあって国連は機能がなかなかできないという時代が昨今長く続いておりました。最近になりまして冷戦が終えんをする、さらに湾岸問題が起こる。大変不幸な事態ではありましたけれども、この湾岸の一連の問題で国連はもう一度機能をし直したといいますかし始めたというふうに言われております。しかし、冷戦が終わり、世界がもう一度新しい秩序を求め始めて動き出しますと、今度は逆に民族間の対立てありますとか宗教上の対立てございますとか、あるいは貧困からくるトラブルでございますとかさまざまな問題が起きて、それが皆国連に持ち込まれる、それに対して国連はどう対応するか、今国連はもう一度その力を問われている、あるいはその存在を問われていると言ってもいいのだと思います。
 そういう状況に際して、ガリ事務総長は提言を行われた。この提言はさまざまな提言が中にございますけれども、これまでなかったものを新たにつくろうということがその中にございます。いわゆる平和執行部隊。この平和執行部隊については、これまでどちらかといえば、特定の国がその力をかりて世界の警察あるいは世界の秩序を維持する行動をしていたものを、国連という国際社会の秩序づくりの主役となるべきものの枠の中でそれをやっていこう、こういう一つのお考えだろうと思いますが、さてその場合に、今まで長い間これまでの国連の中で行動してきた国が、すべてその御提案に賛意を表して、その提案どおりに行動をするのにはやはり若干の時間がかかる、議論があると思わなければならないと思います。提言を我々は十分に熟読玩味して、そしてその提言に対して我が国も真摯な議論をする。そして、世界の各国がその提言に対してどういう反応をし、提言に対してまたさらにどういう議論をしていくかということを見ながら我が国の対応を決めていかなければならないというふうに考えております。
 新たな提言をなされたガリ事務総長のお考えには敬意を表しながらも、その提言については、我が国として、我が国がその提言にどう対応するかについてはまだまだ議論を相当しなければならないものが残っている、こんなふうに考えております。
#14
○鴻池委員 そうしますと、そのガリ構想と申しますかガリ提言というものに関しては、今のところ支持をするのか支持をしないのかまだまだ議論の余地がある、こういうお話だったと存じますけれども、宮澤総理と会談をされたときにこういう問題、例えば、きょうですか、モザンビークヘ出してくれ、こういう話もあったやに承っておりますが、このあたりを含めて、宮澤総理との御会見のお話等お漏らしいただけるところがございましたら、お願いを申し上げたいと思います。
#15
○河野国務大臣 宮澤総理とは十六日の夕刻、八十分にわたって会談がございました。この会談で宮澤総理の方から、自分はブトロス・ガリ事務総長のお考えは拝見しましたということを総理の方から申し上げましたが、実はガリ事務総長の方がこの提案についてはそれほど時間を割いて踏み込んだ御議論をなさいませんでした。むしろこの提案についての議論よりもいわゆるPKO一般、今日のPKOの問題について相当時間を割いて御議論がございました。もちろん、カンボジアの問題もございましたし、ソマリアについての日本からの援助について感謝の意が述べられたことも事実でございます。
 そして、事務総長は、大変に世界各地で問題がある、さまざまな問題がある、そのさまざまな問題に国連は対応していかなければならない、日本からもひとつできるだけの支援が欲しいということを述べられたわけでございます。ただ、その中で事務総長はこうも言っておられました。PKOは国連のすべてではない、むしろPKOは国連の二〇%、二〇ぐらいだ、他に八〇の問題もあるということも言われましたが、当面の問題としてこのPKOについて日本からのこれまでの、例えばカンボジアにしてもそうですし、アンゴラの選挙監視もそうですが、日本からの支援には大変感謝をしておる、しかし自分として、事務総長の立場からしてできるだけの支援が欲しいということを繰り返しおっしゃったことも事実です。
 そして、その支援が欲しいというお話の中で幾つかの例示を、例えばソマリアも大変困っておる、モザンビークも大変困っておる、さらにはニカラグアについても言われましたし、エルサルバドルについてもいろいろ求めてきているよというようなことが例示として幾つか言われまして、特にモザンビークについては、その例示の中で、日本がお考えになっているさまざまな条件をモザンビークは満たしているといいますか条件にかなっているというか、そういうことだということもおっしゃったことは事実でございます。それについて総理の側からは、明確にわかりましたと、やっというような御返事はございませんでした。また、そういうものを求めるような話しぶりでも実はなくて、幾つかの例示の中の一つとしてモザンビークの話題が出たことは事実でございます。
#16
○鴻池委員 先ほど来お話に出ておりますいわゆるガリ提言の中の一つ、平和執行部隊、これは重装備の部隊であると聞いております。そして、フランスでは既に事務総長の指揮のもとで直ちに強力に展開できる一千名の部隊、これを用意することができるんだ、こういう報道も聞いておるわけでありますが、そのあたりはいかがでしょうか。
#17
○澁谷政府委員 今委員が御指摘になりましたいわゆる待機軍構想につきましてはいろいろな情報が乱れ飛んでおりますが、ガリ事務総長の言っております待機軍は、これはPKOについての待機軍でございます。平和執行部隊についての待機軍ではないと私どもは理解しております。従来、安保理の決議が出てからPKOが出ていくまでには三カ月から六カ月かかる、これではもう余りにも長過ぎる、したがって、あらかじめ各国に出せる要員の規模それから種類等を知らせておいてくれ、それを参考にして自分の方でPKOの要員を編成していくというのがガリ事務総長の待機軍構想でございます。フランスは一千名ないし二千名を出す用意があるということは言っているようでございます。
#18
○鴻池委員 総理は我が国を安全保障理事国にしたい、このように思っておられるやに聞いておりますが、そのあたりはいかがでございましょう。
#19
○澁谷政府委員 我が国といたしましては、国連の組織、特に安保理を現在の世界情勢の現実に合わせるように改革すべきであるということは基本方針として述べておりますけれども、これを実際に実現していくためにはいろいろな過程を踏まなければなりません。例えばことしの六月までに我が方の意見を国連事務総長に提出する必要がございますけれども、それからさらに主要国との協議、それから国連の中での協議もやっていかなければなりません。
 この問題につきましては、当然、憲章の改正という問題も絡まってまいります。したがって、かなりの長期間を要するということでございますので、その議論の過程に私どもは参加しつつ今後の対応を決めていくという方針でございます。
#20
○鴻池委員 安保理事国というのは文字どおり世界のいわゆる平和というものに責任を持たなければならない立場だと思いますが、そういうことになりますと、危ない仕事はひとつ他国にお任せをいたしまして、危なくない仕事はうちがやりましょう、こういうことになるのではないか。そういう中から憲法論議というものが出てくるわけです。今局長は、国連憲章をさわらなきゃいかぬということを少し触れられましたけれども、当然、憲法改正というのはすぐにできるものではございませんけれども、最低限、そういう国の方向づけが決まりつつあるならば、今も既に議論は高まってきておりますけれども、憲法九条と国連憲章との整合性というもの、これをやはり考えていかなければならないのではないか、このように思いますが、日本の国が世界に貢献していくための憲法の見直し、こういうところについて官房長官の御意見を承りたい。
 もう一点、総理との会談の中でガリ総長とこういった話、あるいは憲法についてガリ国連事務総長に総理がお話しなさったかどうか、このあたりも含めてお話しをいただきたいと思います。
#21
○河野国務大臣 宮澤総理とブトロス・ガリ事務総長との会談の中で、総理は、ガリ事務総長から国際貢献についてのお話があったのに対して、国民の理解と支持を踏まえながら憲法の枠内で最大限の協力を行います、あるいは行ってきました、これからもそうしますという姿勢を示されたのでございます。
 これに対してブトロス・ガリ事務総長は、日本のみならず多くの国はそれぞれ固有の問題をそれぞれの国が抱えておる、国連はそうしたことを考慮に入れてやっていくのは当然のことだ、日本としてどのような協力を行うかを決めるのは日本自身であって、事務総長としてはそれを受け入れるが、日本が強い国連を求めるのであればより一層の協力を行ってほしいというのが自分の希望だ、こういうふうに言っておられました。要するに我が国の自主的な決定が重要であるということに尽きると思います。
#22
○鴻池委員 関連しまして、カンボジアに展開しておりますPKOについて質問をしたいと思います。
 大変お笑いのような話で恐縮でございますけれども、私はそのテレビを見なかったのですが、町を歩いている若い女性に、UNTACって何ですかとこう聞いたら、風邪薬、鼻水の薬、こういう答えが随分多く返ってきておったようでございます。
 現在約七百名の同胞、青年が今一生懸命カンボジアの再生のために頑張ってくれております。その活動状況につきまして、今さら先生方には失礼でございますけれども、国民の、特に若い女の人にあるいはおばさん方にわかってもらうような表現をひとつ聞かせていただきたいと思います。
#23
○萩政府委員 御質問がありましたように、現在カンボジアには停戦監視要員八名、それから文民警察七十五名、それから施設部隊の隊員六百名、七百名近い要員が活躍をしております。
 停戦監視要員の八名は、二名ずつ組になりまして、現在四カ所に分かれて勤務をしております。一組はプノンペンにありますカントンメントという、宿営地と言っておりますが、ここで武装解除された兵士の監視業務を行っております。それからほかの六人三組は、ベトナムとの国境の監視チームとして、ほかの隊員とともに国境におきます武器の搬入等の監視に当たっております。
 それから七十五名の文民警察、これは警察庁及び都道府県警から募集されました警察官でございますが、七十五名が各地に勤務をしております。プノンペンに十名、カンダールに八名、タケオに八名、プレイペンに八名、コンポンチャムに八名、コンポントムに九名、シエムレアプ九名、それからコンポンチュナン五名、それからアンピルというところに十名、大変各地にわたって勤務をしております。
 この文民警察官の仕事は、基本的に現地の警察官の指導助言、監視というものに当たっております。先ほどの停戦監視、非武装であります。文民警察、一応ピストルは持っていっておりますが、現実にはけん銃を携帯をしておりません。こういうことで、文民警察官は治安の維持というのに当たっておりますが、先般、このシエムレアプにおりました五名の隊員の宿舎が武装集団によって焼かれるという事態がございました。幸いにして五名とも休暇中で国外に出ておりましたが、今川大使から明石代表に対して安全確保の申し入れを行ったところであります。
 最後に、施設部隊六百名でございますが、タケオを中心といたしまして国道二号線、三号線、これの道路、橋の補修を中心とした活動をしております。最近はタケオから若干離れましたカンポットというところに百名ほど分派をいたしまして、さらに三号線の道路、橋の補修をやっておるところでございます。
 間もなく選挙が始まるということで、現在選挙要員の選定の準備にかかっておるところでございますが、これらの人間のほかに、あと二カ月ぐらいしましたらさらに五十名の選挙監視要員が加わる、こういう状況にございます。
    〔委員長退席、中川委員長代理着席〕
#24
○鴻池委員 一月にシエムレアプの文民警察の宿舎が、相手がわからないそうですけれども、襲撃されて、幸いという表現がございましたけれども、やはり中にいた、残っておった他国の若い人々が犠牲になったわけであります。
 最近のカンボジアの情勢について聞きたいと思うのですが、ポル・ポト派の動き、それから五月に果たして選挙ができるのかどうか、どのような見通しをされておりますでしょうか。
#25
○池田政府委員 カンボジアにおきましては局地的、限定的な軍事的緊張というものは存在いたしておりますけれども、全体としまして私どもはパリ協定の基本的な枠組み、なかんずく停戦の合意というものは維持されているというように考えているわけでございます。そして、カンボジアの現状につきましてはUNTACとも日々極めて緊密な連絡をとっておりまして、現地の情勢を注意深く見守っているという状況でございます。
 ただいま御質問の選挙につきましては、一月の末に行われましたSNCの会合におきまして五月の二十三日から三日間選挙を行うという決定が行われました。それで、私どもとしましては、この決定に基づいて総選挙は行われるであろうというように考えております。現在のところ総選挙の準備のためにいろいろなことが行われておりますけれども、その中でもタイとカンボジアの国境におりましたカンボジアの避難民約三十万人が既にカンボジアに帰っております。それから、有権者の登録というのが四百七十万人程度もう既に行われておりまして、これは有権者全体の九〇%以上、恐らく九二、三%ではないかというように見られているわけでございます。今後総選挙に向けまして若干政治的な緊張状況が増大することはないかどうか、我々としては注意深く見守りながら、同時に各派に対しまして自制を促していくということを引き続きやっていきたいというように考えているわけでございます。
 それから、ポル・ポト派でございますけれども、ポル・ポト派はこの間締め切りました政党登録というものは行いませんでしたけれども、依然としてポル・ポト派に対しては門戸は開かれているということでございますので、そういうような状況が現在続いております。
#26
○鴻池委員 それじゃ、いわゆる五原則というのは局長の方では確保されているというふうに解釈されて、我々はそういうふうに思っておればいいということですか。
#27
○池田政府委員 そのように認識しております。
#28
○鴻池委員 最近カンボジアの情勢というのは、局長から御報告いただきましたけれども、随分銃撃戦があるようであります。また、ポル・ポト派によるUNTAC要員の拘束事件あるいは今申し上げたように宿舎へ銃撃がかかる、非常に危険な状態にあると私は思いますけれども、まず自衛隊の施設部隊、タケオとカンポットに派遣されている隊員諸君の安全というのはどのように確保されておるのか、承りたいと思います。
#29
○畠山政府委員 自衛隊の施設部隊が展開しておりますタケオあるいはカンポットないし二号線、三号線の周辺といいますのは、一部のカンボジアの地域に比べまして比較的には安全なところといいましょうか危険がそれほど大きくない実態にあるところだ、現在のところはそういうことであろうと思います。しかしながら、ただいま委員御指摘のとおり、カンボジアの中で全く一〇〇%安全だと言い得るところはないと言われておりまして、我々も隊員の安全確保というのは極めて重要な問題であると思っております。
 そこで、今まで我が国の施設大隊におきまして隊員の安全確保のために一定の規則を決めておりまして、例えば夜間二十一時以降の外出禁止、それから原則として日没後の車両運行の禁止、それから外出時の単独行動の禁止、あるいは一台の車両での運行を極力避けることといったような、そういう具体的な細かい安全指導というのを行っておりまして、現在そのラインで対応しておるということでございます。今後ともこの実情に即しながら我々としてもこの安全確保に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#30
○鴻池委員 先ほどの御説明によりますと、施設部隊はけん銃、小銃を持っていっているけれども一括保管している、こういうことでございますけれども、これは事実でしょうか。
#31
○畠山政府委員 原則として武器弾薬というのは通常施錠した金属製のコンテナに入れまして一括保管しているという状況でございますけれども、必要に応じましてこの武器を携行させるという形をとっております。具体的にどういうケースでだれが持っているかということは、隊員の安全確保の観点から若干問題でございますので、そこまでは御説明申し上げられませんけれども、大隊長ないしその委任を受けた者の判断によりまして、実情に応じて、必要に応じて武器を携行しているということでございます。
#32
○鴻池委員 一月の十一日から十八日まで総理のお供をいたしましてASEAN四カ国に参りました。その折にちょうどタイで明石代表が総理にごあいさつというか御報告、こういう機会がございまして、それぞれの部隊の隊長クラスと我々派遣随行員、議員が四名と食事をする機会を得ました。随分頑張ってくれているという報告を聞きました。タイの日本料理店ですから刺身でも本当に大したものはないわけでございますけれども、じっと見て感慨深くはしを運んでおった彼らの姿が目に浮かぶわけであります。
 今のお話のように、ちょうど休暇中で難を逃れたその隊員も来ておりました。彼らが非常にショックを受けておる、大変なショックを受けておる。それは、今まで、きのうまで一緒に働いておったのがみんなやられた、自分たちが休暇で出ている間に、自分たちが助かったんだ、もう表現のできないそういう胸のうちを隊長から聞きました。何とか無事であってほしい、このように思うわけでございます。
 私は、選挙区が伊丹市というところも含まれておりまして、自衛隊の諸君とときどき出会うことがございます。彼らが直接言っていたわけではありません。これを国会の場で取り上げてほしい、こう言っていたわけではありませんけれども、又聞きの又聞きということでお聞きをいただきたいのですが、施設部隊が移動するときに、フランスでありますかどこでありますか、武装したいわゆる仲間が前を走って守っていってくれるそうであります。ところが、非常に危険な国道沿いに入りますと、ポル・ポト派の動きがあるぞという連絡が入る。当然フランスの重武装した兵士は緊張します。そして何を言うかといえば、おまえたち、早くバスからおりてバスの陰へ隠れておれ、フランス語でしょうけれども、そのように言うそうであります。同じ訓練を受けたというか同じ立場でカンボジアの再建に頑張っておる者が随分屈辱的な気持ちを味わったと隊員が家族に、その家族がその友人に、そして私の耳に入ったんだと思います。武器携行というのは極めて重要な問題かもしれませんけれども、私は、たった二十センチのナイフをまくらの下に置いて眠るんだと言うその隊員の心境を考えた場合に、自衛隊幹部の皆様方にどうか守ってやってほしいということをお願いを申し上げたいと思います。
 ところで、他国の例はどうでしょうか。他国はどのように武器の携行をしているのでしょう。
#33
○萩政府委員 必ずしも全部資料が集まっておるわけではございませんが、先ほどのフランスの部隊を初め、カンボジアは十の軍管区に分けられてありまして、それぞれの軍管区を十カ国の歩兵部隊がそれぞれ担当しております。これらの歩兵部隊は全員武装をしております。一般の兵隊は小銃、幹部はけん銃というのが一応装備の基準であります。
 それから、ただいまの工兵、施設部隊でありますが、これは原則、銃を携帯をしておりません。いろいろ聞きますと、何かいざというときに保管をしている銃を出すという程度で、普通のときには銃を保有をしていない、こういうふうに聞いております。
 それから、そのほか航空部隊とか医療部隊とかいろいろ各国部隊を出しておりますが、いずれを聞きましても、ふだんは銃は携行していないということでございますので、一番数は多うございますが、各国十カ国、歩兵部隊が原則として武装をしている、こういうふうに聞いております。
#34
○鴻池委員 もう一つ教えていただきたいことがあるのですが、PKO協力法で、派遣人員二千名、この枠がある。この枠というのは、これからいろいろなことが始まったら、あるいは交代要員とか、こういうものが出てきた場合に、今後この増員とかこの枠の見直しということは考えておられるのでしょうか。
#35
○萩政府委員 現在、法律で二千名となっておりまして、これにはもちろん交代の要員も、要しますれば協力隊員として発令する者が全員入ってくるわけでございますので、交代時には場合によっては倍の数になる可能性がございます。
 しかしながら、今二千名という枠は、たとえ現在のカンボジアの人間が倍になったとしてもまだ枠が余裕がある状態でございますので、直ちにその増員をするとか法律を変えなければ何かができない、そういう状況ではございません。
#36
○鴻池委員 PKOの関係につきましてはこれぐらいにさせていただきたいと思いますが、少し時間があるようでございますので、日ごろ私が疑問に思ったりあるいは聞いておきたいといった、余り大きな問題ではありませんけれども、御質問をさせていただきたいと思います。
 大阪の箕面市の忠魂碑訴訟の最高裁判決が十六日に出されました。これは箕面市の忠魂碑の移設費を市が負担したこと、あるいは市の教育長が忠魂碑の前で行われた慰霊祭に参列した、これは信教の自由と政教分離の原則に反し憲法違反ではないかと地元の一部住民が訴えていたのでありますけれども、十六日、最高裁の第三小法廷では、いずれも憲法には違反せず、このように、結論からいえば、私からいえば常識的な判決を出されました。これに関して官房長官の所見をお伺いしたいと思います。
#37
○河野国務大臣 最高裁の判決は、地方公共団体にかかわるものでございまして、政府として特にコメントをする立場ではございません。しかし、判決の基本的な考え方は、昭和五十二年の津の地鎮祭にかかわる最高裁判決において示されたいわゆる目的効果論を踏襲しているものというふうに私どもは考えております。
 若干の説明を法制局からお求めがあればさせたいと思います。
#38
○鴻池委員 いや、結構でございます。
 この判決において注目すべきポイントというのは、先ほど申し上げた教育委員会委員あるいは教育長の慰霊祭の参列について、慰霊祭は戦没者の慰霊、追悼を目的とするものであり、教育長の参列は、重要な公職にある者の社会的儀礼として、遺族に対して弔意、哀悼の意を表するのが主たる目的の行為であり、それは政教分離の原則を逸脱するものではないという見解が示されておるわけでございます。私はこの意味というのは非常に大きいと思います。閣僚の皆さん方が、総理を含めて、靖国神社への公式参拝もこれと同趣旨のものではないかと思いますけれども、官房長官の御意見を承りたいと思います。
#39
○河野国務大臣 靖国神社の参拝については、国際的な問題もこれあり、さまざまな視点を持って考える必要も一方であるということから、かねて内閣としてはそうした対応をしているわけでございます。今回の問題とはその事柄の持つ背景が少し違うように思います。
#40
○鴻池委員 先ほど御報告を申し上げましたように、総理のASEAN四カ国訪問にお供をさせていただきました。やはりかの地で戦没者に花輪をささげられます。どこの国に行かれましても、一国の元首、総理は、祖国の国民を代表してそのような行為をされるわけでございます。我が国だけはどうしてみずからの国のそういう方々のところにはお参りになれないのかということが、いろんな意味もわかりますけれども、私は不満でございます。これだけを申し上げ、まず官房長官から、ぜひとも官房長官も含めて靖国神社にお参りがいただけますように、お願いと御要請を申し上げるものでございます。
 続きまして、もう一つ疑問にあることがございます。大変話題になっておりますが、従軍慰安婦のことでございます。
 私は、小学校、中学校、高校まで神戸でございまして、在日韓国人の友人が本当にいっぱいおります。本当に親友であります。お互いに胸襟を開いて、お互いの国家のことから本当に小さな話までできる仲間がたくさんいるんです。彼らの一世の苦労話もだれよりも僕はよく知っているんではないかと思うくらい詳しいんです。ですから、そういう立場の方々、指紋押捺の問題もありましたし、差別の問題がございましたけれども、私はどちらかといえば、今のこの日本の国で指紋押捺はおかしいじゃないかと表現をしてきた者の一人でございますのでありますから、この従軍慰安婦の問題に関しましても、だまされて慰安婦にさせられた韓国人の方々、大変つらい心情につきましては改めて御同情を申し上げるものでございます。
 しかしながら、だました主体というのはだれであったのか。必ずしも我が国がその主体であったのかというところに私は疑問を持つわけであります。だました主体は、業者がいたかもしれない、あるいは肉親であったかもしれない、あるいは人身売買であったり、いろいろなケースがあったろうと思いますけれども、すべてがすべて我が国がその主体であったということはどうもおかしいと思うのであります。
 問題の核心は、まさに慰安婦としての強制連行の事実があったかなかったかという、そういうことであろうかと思います。韓国側も我が国に対して強制連行の事実を認めるように盛んに迫っておるようでございますけれども、新聞の報道によりますと、政府は来月中にも従軍慰安婦問題の第二次調査結果を発表するという。現在のところまで強制連行を示す資料は見つかっていないとも聞いておりますけれども、これはどうなんでしょう。現況をお教えいただきたいと思います。
#41
○谷野政府委員 一昨日でございましたか、同様の御質問をいただきましたけれども、政府で関係省庁にお願いいたしましてこの問題についての実態の調査を進めておりますけれども、これまでのところ、先生が今言及なさいました強制性を裏づける資料は、日本側の資料としては発見されておりません。
#42
○鴻池委員 それでは、新聞報道だけでありますけれども、韓国の元慰安婦たちの証言に配慮して強制連行を認める、そのような声も外務省内にあるというふうにかいま見たり聞いたりしておるのでありますが、いかがでありましょうか。
#43
○池田政府委員 現在、真相究明ということに全力を挙げております。これは、韓国側も日本側に対してそれを要望しているからでございます。そして、その真相究明としまして、我々はこれまで、関係七省庁のところに保管されている資料とか、あるいはこれまで以上に調査の範囲を拡大いたしまして、調査を続けております。したがいまして、まだその結果を取りまとめる段階ではございませんけれども、しかるべき段階でその結果を取りまとめたい。そのときに今先生がおっしゃられました問題点についても、どういうように見るのかということを出せるかどうか、そのあたり、今のところまだ真相の事実関係を調査中であるということしか申し上げることはできません。
#44
○鴻池委員 その真相の事実解明、非常に難しいかもしれませんけれども、その事実解明というものをきっちりやっていただきたいと思います。
 しかし、宮澤総理はこの問題について、実態調査が現在進行中であるにもかかわらず、去年の一月に韓国を訪問されたときにまず謝罪をされたやに承っております。私は、これは順序がちょっと逆ではないか。今申し上げますように、十分調査をして実態を解明して、その上で謝罪するべきことは謝罪しなければならない、このように思いますけれども、官房長官、御見解はございますか。
#45
○河野国務大臣 真実の解明が極めて重要だと思います。しかし一方で、人間として筆舌に尽くしがたい苦しみを味わわれた方がおられることも事実でございます。こうした方々に対して我々はやはりその心の傷の深さというものを考えるということは、これはまた当然のことであろうと思います。総理がおわびをしたお気持ちは、そういう心の傷、そして人間として感じたに違いない深い、つらい痛み、そういうものに対する素直なお気持ちをおわびという形で表現をされたというふうに思っております。
#46
○鴻池委員 私の友人の話を一部申し上げましたけれども、日韓関係というのは非常に大切だと存じます。どこの国とも大切でありますけれども、特にそういう歴史の中にあって、今官房長官が真情を総理にかわって吐露されました。大変これも大切なことだと私も存じます。さきの大戦にかかわる問題、これも非常に難しいところでございますけれども、ただひたすら謝罪する、ただひたすらすべてを反省する、私はこれもいかがかな、このように思いますということを申し上げたいと存じます。
 続いて、中国でありますかどうかわかりませんけれども、日本の船を威嚇したりあるいは突然停船命令を出して飛び乗って臨検をする、こういう事件が随分多く出ておるようでございます。今までの御議論の中にこの話題が出ておりませんので、外務省にその実態について確かめておきたいと思います。
#47
○池田政府委員 お答えを申し上げます。
 東シナ海の公海上で日本船が臨検されたりするという問題につきまして、一九九一年の春以降国籍の不明な船によって臨検とかそれから発砲ということが発生してきておりまして、特にことしに入りましてから二回にわたりましてそういう事件がございました。そして、ことしのこの二回の分につきましては、海上保安庁の巡視船がその不審なる船を捕まえまして、それが中国の公の船であるということが判明したわけでございます。したがいまして、この件につきましては我々は直ちに中国側に対して抗議の意思を表明いたしまして、再発の防止の措置をとってほしいということを申し入れたわけでございます。
 ただ、中国側に言わせますと、中国はことしに入りまして行われたこの二回の船のケースにつきましては、自分たちも事実を誤認して、密輸船と間違えてそういう発砲を行ったということを認めておりまして、遺憾の意は表明いたしております。しかし、同時に中国側は、自分たちも時折国籍不明船によって同じような被害を受けている、こういう話がございます。
 それで、日本側といたしましては、今後の問題もございますから、両国の取り締まり当局同士で話し合いを行うことによってこういった問題の再先を防止していきたいということを申し入れてきたわけでございますが、先般中国側から、これに応じまして、今月中にでも本件につきまして日中の取り締まり当局間の協議を開催したいということを言ってまいりました。恐らく海上保安庁の担当課長等が今月中にも訪中することになるだろうというように考えております。
#48
○鴻池委員 中国の公の船というのはいわゆる軍艦なんですか、何なんでしょうか。
#49
○池田政府委員 この中国の公の船といいますのは、なかなかどこに所属しているのかはっきりわかりませんが、日本でいいますと海上保安庁のようなところに所属している船であろうというように推測しております。
#50
○鴻池委員 当局同士で会議を持たれるということでございますので、ぜひとも強く御主張をお願いを申し上げたいと思います。
 加えて、近年の中国の海軍力増強というのは、この軍縮という大きな流れの中でとりわけ際立っているというふうに思います。これらの動きを考え合わせれば、大変乱暴な表現かもしれませんけれども、南シナ海、東シナ海、中国の影響力のもとに入っていく、これで我が国のシーレーンが脅かされることにもつながりかねないのではないかという懸念を私はしているわけでありますけれども、政府はこのような中国の動向に今後どのように対処されるのでありましょうか。
#51
○池田政府委員 私どもとしましても、中国の軍の近代化についての動向を注意深く見守っておりまして、これが各国が行っている一定の常識的な範囲内における近代化の努力のためなのかあるいはそれ以上のものなのかということを十分に見きわめたいというように考えております。
#52
○鴻池委員 あと持ち時間は十分残っておりますけれども、質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
#53
○中川委員長代理 これにて鴻池君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明十九日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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