くにさくロゴ
1993/04/27 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 労働委員会パートタイム労働に関する小委員会 第1号
姉妹サイト
 
1993/04/27 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 労働委員会パートタイム労働に関する小委員会 第1号

#1
第126回国会 労働委員会パートタイム労働に関する小委員会 第1号
本小委員会は平成五年二月十日(水曜日)委員会
において、設置することに決した。
二月十日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      愛野興一郎君    赤城 徳彦君
      大野 功統君    古賀 正浩君
      住  博司君    長勢 甚遠君
      岩田 順介君    永井 孝信君
      河上 覃雄君    金子 満広君
      伊藤 英成君
二月十日
 大野功統君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
 ―――――――――――――――――――――
平成五年四月二十七日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席小委員
   小委員長 大野 功統君
        愛野興一郎君  赤城 徳彦君
        古賀 正浩君  住  博司君
        長勢 甚遠君  岩田 順介君
        永井 孝信君  河上 覃雄君
        金子 満広君  伊藤 英成君
 出席政府委員
        労働大臣官房審 征矢 紀臣君
        議官
        労働省婦人局長 松原 亘子君
 小委員外の出席者
        労働委員長   岡田 利春君
        労働省婦人局婦 石川  透君
        人労働課長
        労働省婦人局婦 小泉万里子君
        人労働課調査官
        参  考  人
        (前信州大学経 高梨  昌君
        済学部教授)
        参  考  人
        (日本労働組合 加藤 敏幸君
        総連合会労働政
        策局長)
        参  考  人
        (日本経営者団 荒川  春君
        体連盟労務管理
        部長)
        労働委員会調査 下野 一則君
        室長
    ―――――――――――――
四月二十七日
 小委員伊藤英成君二月十八日委員辞任につき、
 その補欠として伊藤英成君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 パートタイム労働に関する諸問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大野小委員長 おはようございます。
 ただいまから労働委員会パートタイム労働に関する小委員会を開会いたします。
 パートタイム労働に関する諸問題に関する件について調査を進めます。
 本日は、本件につきまして参考人から意見を聴取することといたします。
 本件について意見をお述べいただくため、参考人として前信州大学経済学部教授高梨昌君、日本労働組合総連合会労働政策局長加藤敏幸君及び日本経営者団体連盟労務管理部長荒川春君の御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、本小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたく存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人の皆様からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、小委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 総質疑時間はおおむね一時間三十分程度といたしますが、各会派別の割り当て時間は特に定めておりませんので、質疑希望の小委員は挙手をお願いいたします。挙手の後、小委員長において指名をいたしますので、指名後御発言をいただきます。その際、労働委員会において通常採用されております各会派別の割り当て時間を念頭に置きつつ、小委員長においてただいま申し上げましたとおり指名いたしたいと存じますので、小委員会の運営につきましては、小委員各位の格段の御協力をお願い申し上げます。
 それでは、高梨参考人にお願い申し上げます。どうぞお座りになったまま御発言ください。
#3
○高梨参考人 実は、私は、今回法律になりました短時間労働者の雇用改善に関する法律案のもととなりますパートタイム労働問題に関する研究会の座長を務めて、労使各側のさまざまな御意見がございましたけれども、それをまとめて研究会報告を労働省に提出した責任者であります。
 私的なかかわりで申しわけございませんけれども、私が最初にパートタイム労働対策にかかわりを持ちましたのは、かなり古く、昭和五十四年のことでございます。このときに労働力需給システム研究会が労働省の職業安定局長の私的諮問機関として設置され、この中で議論しましたことは、労働者派遣システム以外に、パートタイム労働市場が急速に拡大してきているので、パートタイム向けの職業紹介機構を整備すべきだということを提言いたしました。これに基づきましてパートバンクが全国に設置されて今日に至っているわけであります。
 その後、昭和五十九年の末にパートタイム労働対策要綱が行政通達として決定されましたけれども、それを受けまして、労働省の婦人局に女子パートタイム労働対策に関する研究会が五十九年に設置され、専らパートタイムの労働市場に関する実態調査を中心に研究検討を進めてまいりました。その際にも私は座長を務めました。
 その中で専ら私が努力しましたことは、パートタイム労働者といいましてもさまざまなタイプがあるのじゃないか、このタイプ分けを試みました。私どもとしては、文字どおり短時間で働く労働者のことを典型的パートタイマーと名づけ、フルタイムパートのことを、申しわけありませんが、にせものパートということで疑似的パートタイマー、こういうような振り分けをしたわけであります。それぞれ対応策が当然違ってくるはずだ、こういう研究会のまとめでございました。
 それを受けまして、また労働省にパートタイム労働対策専門家会議が設置されました。それまでの研究会は専ら学識経験者レベルの構成でしたけれども、この専門家会議には労使の代表の方々にも御参加いただいて審議を進め、これの中間報告を昭和六十三年十二月に婦人局長に提出いたしました。これに基づきまして平成元年六月にパートタイム労働指針が大臣告示として定められたわけであります。この指針に基づきまして運営されてきたわけでありますけれども、今般、パートタイム労働問題に関する研究会が平成四年七月に設置され、かなり短期間でしたけれども、十二月になりましてこの研究会報告をまとめ、パートタイムについての法律が必要だという提言をまとめさせていただいた次第でございます。
 このようなさまざまなかかわりをパートタイム
労働対策で持ってきたわけであります。
 これらの研究会での検討過程でさまざまな論点が提示されたわけでありますけれども、私が専ら注書してきましたことは、最近パートタイム労働市場が急速に拡大してきているということであります。
 総務庁の労働力調査によりますと、週間労働時間が三十五時間未満のパートタイム労働者は、つい数年前までは五百万人程度でありましたが、今日では八百万人を超えております。しかも、これらのパートタイム労働者の方々は、不熟練・単純労働、こういうような業務分野以外の専門的な業務、また熟練を要するような業務につき始めて、私どもはそれを専門職パートとか熟練パートタイマーとか名づけた次第でありますが、このように今日、産業にとってパートタイム労働者というのがまさに必要不可欠な基幹労働力化しつつある、こういう判断、認識であります。
 それから、第二番目に、私どもが大変懸念しましたことは、このようにパートタイム労働市場が急速に拡大してまいりましたけれども、パートタイマーの人たちみずからの賃金や労働条件を維持し、改善していくための組織を十分に持っていないということであります。まさに未組織労働者としてとどまっているのが現状であり、そういう未組織の場合に賃金や労働条件をいかに改善していくかとなりますと、どうしても法律の力をかりざるを得ないのではないか、こういうように判断をした次第であります。
 それから、第三番目に、パートタイマーといいましても、一般にはパートタイマーというとあるイメージが浮かぶわけでありますけれども、その中を分けてみますと、文字どおり短時間で働いて、短時間労働だからこそ働けるということでパートタイム労働市場に参入している人たち、これは家庭の主婦が圧倒的多数を占めるわけでありますけれども、これからは高齢者が急速にふえてくるにつれまして、こういうタイプの労働者が国際的にも通用する文字どおりの短時間労働者でありまして、私はこれを典型的パートタイマーと名づけたことは先ほど申し上げたとおりであります。
 それからもう一つは、フルタイムパートと言われる常用労働者に近いタイプの労働者であります。これはパートタイマーという呼び名で呼ばれていますけれども、実際は典型的パートタイマーとは全く違った労働の態様、また需給のシステムから成り立っている、こういうタイプではないか。こういうふうにまず振り分けて、それぞれのタイプに応じた対策を立てないと対策そのものが有効適切に機能しないのではないか、こういうように考えた次第であります。
 それともう一つは、パートタイム労働対策といいましても、私はここ十数年かかわりを持ってきたわけでありますが、その過程でもってパートタイマーに対するさまざまな対策が現に政府によって実施されてまいっております。
 例えば、先ほど申しましたように、パートタイマー向けの職業紹介制度としてパートバンク、最近ではパートサテライト等、職業紹介機構がかなり全国的に整備されてまいってきております。また、パートタイマーについては、短時間被保険者の特例として雇用保険の適用の道も開いております。これは平成元年十月のことです。また、労働基準法の改正に伴いまして、パートタイマーに対しても年次有給休暇の比例付与制度が昭和六十三年四月から入っております。
 また、パートタイマーについて退職一時金制度が欠如しているという御指摘があるわけでありますけれども、これにつきましても、中小企業退職金共済制度の中の特例制度として、パートにも退職金制度が公共政策として適用されているのが今日であります。これは平成三年四月からのことであります。
 さらに、パートの方々がしばしば要望されます税制上の非課税限度額の引き上げに関してでありますけれども、これにつきましては、税制上の優遇措置としまして、配偶者特別控除制度を昭和六十二年一月から実施しております。こういうようなことをしてパートの収入の増に伴う税制上の不均衡の是正を行ったのは、昭和六十二年のことであります。
 さらに、先ほど言いましたパートタイム専門家会議の中間答申を受けまして、パートタイム労働指針が平成元年六月に労働大臣告示として決定されているのは御承知のとおりであります。
 今般、研究会報告をまとめ、また、私は中央職業安定審議会の会長でもありますので、この法律案要綱につきまして審議会で審議をし、労働大臣におおむね妥当であるということで答申をまとめた責任者でもあります。この短時間労働者法案につきまして、研究会の検討の過程で私なりにいろいろなことを労使の方々に申し上げましたけれども、私は、基本的には、パートタイム対策について、労働大臣告示というようなことよりももう一歩進んで法律上何がしかのバックアップ体制をとる必要性が強い、こういうようにかねがね考えてまいりました。
 そういうようなことがございまして、実はこの専門家会議の後のパートタイム労働問題に関する研究会の座長をお引き受けするに当たりまして、冒頭に私がごあいさつしたわけでありますけれども、私にとりましては再三いろいろな労働省の審議会、研究会に関係してまいりまして、ちょうど三度目に当たります、三度目の正直ということで、何とか法律案としてまとまらないかということを労使の方々に私なりの意見を申し上げた次第であります。
 そういうようなことで、私自身は法律化する必要性があるという判断を持っていますけれども、その法律の中身につきましては、言うまでもなく労使の方々の御意見を踏まえながらまとめなければならない、こういうことでございまして、その中で幾つかの議論がございました。
 一つは、言うまでもなく、法律に仕組むためには法律の適用対象が明確に定義づけられなければなりません。そういうようなことで、先ほど申しました、パートタイマーというのは何といっても短時間労働者であるところに最大の特徴がある、また働く人たちも短時間だからこそ働ける、こういうことで需給がマッチングしているわけであります。そういうようなことで、典型的パートタイマーと私の称したものを主たる法律の対象にすべきではないか、こういうことであります。したがいまして、いわゆるフルタイムパートはこの法律の枠外である、こういうことで研究会報告をまとめることにいたしました。
 もちろん、フルタイムパートの人に問題がないと言っているわけではございません。これには大変複雑ないろいろな問題がございます。とりわけ、フルタイムパートにつきましては、通常で働く労働者と同じような仕事をしている人たちもおります、労働時間についても全く差がない、こういうような人たちについては、もう少し別の視点から対策を講ずる必要があるというのが私の考え方であります。それについては余りにも検討の時間も不十分であるということで、さしあたり国際的にも通用する短時間労働者のところをこの法律の適用対象として考える、こういうように研究会報告をまとめた次第であります。
 それから、その次に問題になりますのは、この典型的パートタイマーを法律の適用対象にした場合にどういうことが必要か。これは研究会報告の中でも強調した論点でありますけれども、パートタイム労働市場を適正かつ健全な労働市場として育成する必要性がある、これが強調した点であります。
 もちろんパートタイマーについては、さまざまな労働法制、社会保険の適用があるわけでありますけれども、この際、法律で考えていく場合に一番重要な視点は、雇用政策の視点からこのパート対策を立てるべきだ、こういうようにこの研究会ではまとめたわけであります。もちろん労働基準法がパートタイマーにも適用されることは言うまでもありませんけれども、その視点よりも、むしろ雇用政策の視点からまとめること、これが何といっても今日パートタイム労働対策として緊急、
必要な政策ではないかということで、この報告書をまとめたわけであります。
 それならば、パート労働市場を適正かつ健全な労働市場として育成するための手段、方法は何があるかでありますけれども、この研究会では二つのことを提案いたしました。
 一つは、平成元年に決定されましたパートタイム労働指針、これに法律的根拠を与えて行政指導を強めるということであります。この内容につきましては、研究会の審議では、労使双方ともおおむねこれは妥当であるという御意見をいただきましたので、労働指針を法律に盛り込むというようなことで一応まとまったわけであります。今般の法律案でもそれが入っていることは御案内のとおりであります。
 その次に、この労働指針に基づいて従来も労働省はそれなりの行政指導を行ってまいったわけでありますけれども、行政機関の指導助言、これをより一層支えるための機関として、パートタイム労働センターの必要性を提案したわけであります。これは、法律では短時間労働援助センターという名称になっておりますけれども、これによってパートで働く人たちに対して的確な、正確な情報を提供し、また働くことによって伴うさまざまな苦情、相談、そういうようなアドバイスをするためのセンターが必要ではないか。
 また同時に、パートタイム労働市場というのは最近急速に拡大してきておりますけれども、産業別、業種別に見できますと必ずしもそのタイプは同一ではございません。さまざまなパートタイム労働者の使い方、また地域によってパートタイム労働市場に参入する方々の違った考え方がございますので、客観的な調査に基づいて正確な情報を絶えず掌握する必要があるだろう。これに基づいて行政指導をより一層拡充していく。このための基本的な材料、資料を得る、こういうようなことをセンターの重要な任務とすべきではないかということであります。
 同時に、パートを雇われる方々の問題でありますけれども、この法律は、雇用管理の改善のための法律になっておりますように、雇い主の方も今日では、常用の正社員以外のパートとか派遣とか臨時とかさまざまな雇用形態の労働者を採用しているわけでありますが、これらの人たちがそれぞれの能力を十分に発揮し効率よく働いてもらうための人事労務管理システムは、それなりに従来とは違った方策が必要であります。
 そういうようなことで、雇用主に対しましてもさまざまな雇用管理の改善に関する指導と助言、また、パートタイム労働者を活用するための雇用主に対するさまざまな政府のバックアップ体制、この中には助成金の支給も含むわけでありますけれども、こういうようにしてパートタイム労働市場を適正かつ健全な市場として育成することが必要ではないか、このように考えて、今回の研究会の報告では、この二つを中心に据えましてパート労働法案というものを提案した次第でございます。
 以上、パートタイム労働研究会のまとめ作業の経過と、またそれに基づきました今回国会に提案されております法律案についての私なりの解釈、評価を私なりの意見として申し上げる次第でございます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#4
○大野小委員長 どうもありがとうございました。
 次に、加藤参考人、よろしくお願いいたします。
#5
○加藤参考人 連合労働政策局の加藤でございます。
 私は、労働組合の立場から、パート労働問題に関する諸課題について、また、労働組合の立場の考え方等を中心に意見を述べさせていただきたいと思います。お手元に参考資料として用意をさせていただきましたので、それを少し参照しながら意見を述べていきたいと思います。
 連合といたしましては、一九八七年民間連合結成以来、本問題について非常に深い関心を持ちつつ対応を進めてまいりました。特に、資料で三ページに我々がパートタイム労働者について組織内で行いましたアンケート調査の結果が出ておりますけれども、就労の多様化が進んでおり、女性の働く人たちの中ではパート比率が三二・六%、三人に一人がパートという就労形態を持っておる。その形態につきましては短期の労働契約の繰り返しが多いということでございまして、しかし、平均の勤続期間について、常用パートタイム労働者について言えば、四・六年の比較的長い勤続年数を持っておるということ。
 その働く内容につきましては、労働基準の不徹底という問題があり、労働法規関連では、項目ごとに数えますとそれぞれ一割程度の違反状況があるのではないか。右下、大きい数字で四ページと打っておりますけれども、「賃金を書面で明示していない」とか「就業規則がない」とか「年次有給休暇が法定の水準に達していない」、そういうふうな問題点があった。
 また、フルタイム型パートタイム労働者、先ほど高梨先生の方から疑似パートというお言葉を使われましたけれども、その人たちが三分の一に及ぶということであり、それぞれのフルタイム型パートタイム労働者の労働条件に関する正社員、通常の労働者との差別ということについては大変大きな問題を抱えている、そういうふうな内容がございました。
 また、六ページに、組織化ということからとらえてみますと、パートタイム労働者の労働組合加入率は、我々の調査で見ましても、非製造業において二七・一%、製造業では六・四%であり、残りの皆さん方は労働組合には加盟をしておらない。したがいまして、八百万人と今言われている数についてその労働組合加入率を見ますと、推定でも数%程度ではないのか、このように見られるということでございます。
 労働組合自身が、我々の問題として、このようなパートタイム労働者についてどのような活動をしているかということが七ページに書かれておりますけれども、賃金、退職金、一時金等につきましてはなかなか思うような成果が上がっていない。しかしながら、それ以外のいわゆるその他労働条件の内容につきましては、五ページに載っておりますけれども、賃金以外の労働条件では労働組合が、組合員ではございませんけれども、いろいろな形で対応いたしまして、成果が多少上がっておるというのがその我々の行った調査の実績でございます。このような調査を行いました。
 また、最近では、中小企業労働者あるいはパートタイム労働者に対する「なんでも相談ダイヤル」というのを行っておりまして、この内容につきましては三十八ページの方に収録をいたしております。
 では、昨日時点で収録いたしました一九九〇年一月から行った「なんでも相談ダイヤル」という内容、これは地方連合も含めて行った内容で、パート労働者に関する課題、問題提起を集約したものでございます。
 そこの三十八ページにありますとおり、「賃金・一時金・退職金関係」では、
 勤続年数も長く、勤務時間も正社員とほとんど変りないのに、パート労働者には、定期的な昇給や一時金、退職金がない。
 きちんとした賃金規定がなく、上司の恣意的な決定であったり、勤続年数や経験が正当に評価されないケースがある。
「労働時間」につきましては
 有給休暇について「わが社には制度がない」「パートはとれない」など、取得日数の問題以上に、「とれない」というケースが非常に多い。
このような形で、これは日々開設しております相談ダイヤルに流れ込んでくる全国のパートタイム労働者の問題でございます。
 また、三十九ページには、「解雇・契約更新打ち切り」という視点からいきますと、
 「パートだから」と安易に解雇する例が目立っている。理由もあいまいで、予告ないし予告手当てに関する義務の周知も極めて不徹底。労働者の方にも、権利意識が弱く、安易に応じてしま
う傾向があるようだ。
これは電話応答に当たった担当者の意見でございます。契約書等の交わし方ということも不徹底である。それらが問題を深刻化している。
 このような我々自身が把握した問題状況をとらえまして、連合といたしましては、連合の基本方針ということで、九ページから、この問題に対する労働組合としての基本的な態度を討議し固めてきたわけであります。
 十ページに「パートタイム労働の問題点」ということで我々自身総括した内容を御紹介いたしますと、労働基準が不徹底である。これは労働関係での特に労働基準法、安全衛生法、当然適用されるべきものでありますけれども、そのことについて社会全体の周知、とりわけ使用者自身がその周知徹底を欠いておるのではないか。
 それから、フルタイム型パートタイム労働者の問題ということが大変大きいということでございます。先ほど高梨先生が述べられたとおり、フルタイム型パートタイム労働者に対して不当な格差というものが存在するのではないか、こういうふうなことで、これらに対する対策というのが非常に重要であるということであります。
 また、労働契約と雇用管理に関する問題点は、そこに記述していますとおり、労働契約ということが文書等で確認されていないということから発生する問題が多々ある。また、賃金・労働条件に関しましても、いろいろな形でその賃金水準を我々自身検証いたしました結果、やはり低い賃金水準であり、同一価値労働同一賃金という原則がなかなか確立されていないのではないか。また、賃金制度自身といたしましても、退職金制度が正社員の場合にはあるけれどもパートタイム労働者についてはない。なぜないのか。パートタイム労働者は社員でないから、雇用責任の所在が不明確になるような、そういうやりとりの中でそういう問題が発生しておるということでございます。
 以下、労働時間管理、教育訓練・職業能力開発、職業紹介、労働者福祉、労働・社会保険、そういうふうな諸問題等含めて課題が多々あるということでございます。
 それらに対しまして、我々自身といたしましては、当然問題に対応する形で、労働基準の徹底から法規対策等含めていろいろな対策を検討した結果、やはりパートタイム労働法的な、パートタイム労働者を特定の対象者とした法的な規制が必要ではないか、こういうふうな結論に至りまして、十三ページに、当時考えておった我々の必要とするパート労働法の骨格を内部的に提起をいたしまして、以下、国会の各政党の皆さん方と相談をさせていただき、昨年の四野党共同提案の法案の骨格ができ上がったと我々といたしましては大変喜ばしく思っております。そういうふうな形で必要性を考えてきたわけであります。
 以下、政策・制度としても、過般の雇用政策あるいは職業安定、就業あっせん、能力開発等、いわゆる今労働者に行われております労働政策、雇用政策を同様にパートタイム労働者にも展開する必要がある。かつて、パートタイム労働者は、その場限りの安上がりの中途半端なそういう労働力としてとらえておりましたけれども、過般の状況の中では、正規の基幹的労働力として、また女性の社会参加を大いに促進する就労形態になりつつある。そういうふうな形で格段の法的整備が必要ではないか、これが我々連合の考える基本方針であり、パート労働法に対するスタンスであるわけであります。
 なお、今般の政府御提案の短時間労働者に関する法案に対しましては、三者構成による研究会報告を踏まえた上で、各審議会等一定の手続を経ている点につきましては理解するところでございます。しかし、労働側といたしましては、先ほど申し上げました諸問題、諸課題、そして我々の基本的な考え方等に照らし合わせまして、なお不十分であるという感想を持っております。その内容につきましては、婦人少年問題審議会で労働側委員全員一致の意見として意見書を添付しております。その内容は三十七ページにございますので、御参照願いたいと思います。
 今国会でこのような形でパートタイム労働者の諸課題について御議論いただくことに心から感謝をいたしますとともに、二、三の項目を要望として申し上げたいと思います。
 まず、パートタイム労働者というものを、国の産業、社会を推進するに当たって正規の基幹的労働力であるということを認知していただく、このようなことが必要ではないかということでございます。このような就労形態が新しい社会の、女性あるいは八時間就労ができない方々の社会参加、労働参加として有意義であるということでございます。
 また、このパートタイム労働者問題は、雇われて働く女性のほぼ三分の一はパートであるということでございますので、家庭責任を持つ女性の働き方としてこれからもますます重要である、この点からも御理解をいただきたい。特に、今後、介護労働等家庭における女性の責任というものが倍加するような情勢の中では、我々自身が社会の就労形態についても格段の工夫をする必要があるのではないか。
 逆に、女性に限らず、この働き方というものが、高齢化社会を迎える我が国にとって、最前線を引退されたけれども、なお体力、知力、創造力たくましい方々の社会参加としても大いに活用される点があるのではないか、このことも付しておきたいと思います。
 そして、一番重要なことでございますけれども、多くのパートタイム労働者が労働組合のない職場、労働組合があってもその加盟についてなお整備がされていない、そういう状況にあり、そして使用者との関係においては大変弱い立場にあるという現状を深く御認識していただきたいというふうに思います。我々労働組合もその責任を深く痛感しておるところではございますけれども、現状数%の組織率、我々自身としてもなかなかケアができない状況の中で、その労働基準をいかに守っていくかということにつきましては、社会的にはやはり法的規制にゆだねざるを得ないのではないか、そのことを申し上げたいと思います。
 権威ある国会の場で八百万人を超えるパートタイム労働者の問題が初めて本格的に議論されることは、これらのパートタイム労働者にとって大変すばらしいことだと思います。その意味で、フルタイム型パートの扱いの問題も含めまして、広範囲な問題についてぜひ御議論をいただきたいと思いますし、本年六月に開催されますILO総会においても、パートタイム労働が国際的に議論されることになりました。日本だけの問題ではなく、世界のパートタイム労働者がテーマになっている今日、ぜひともよろしく御議論をお願いし、その結実を今国会においてお願いしたいというふうに思います。
 以上をもちまして私の意見表明といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#6
○大野小委員長 どうもありがとうございました。
 次に、荒川参考人にお願いいたします。
#7
○荒川参考人 私は、ただいま御紹介いただきました日本経営者団体連盟労務管理部長の荒川でございます。
 本日、衆議院労働委員会のパートタイム労働に関する小委員会が開催されまして、私ども参考人から意見をお聞きいただくことになりまして、心から感謝申し上げる次第でございます。
 私の見解といたしまして、経営側から見た今日のパートタイム労働に関する認識を述べさせていただきますと、次のような諸点に集約されるのではないかと思います。
 第一には、パートタイム労働の雇用形態は、雇い入れる側、働く側それぞれのニーズにマッチしたものとして、これからの労働市場を健全に発展させる必要があると考えられる点であります。
 先ほど高梨先生からも御紹介がございましたとおり、総務庁の労働力調査によれば、パートタイム労働者と言われる方々が大半を占めているのではないかと思われます過所定労働時間三十五時間
未満の雇用者は、俗称で短時間雇用者と言っておりますが、昨年の平成四年で八百六十八万人であり、雇用者に占める割合は一七・三%に及んだと言われております。また、平成元年と比較いたしますと、平成元年時は六百二万人でございましたので、その間、数で二百六十六万人、率で四四・二%増加したということでございます。
 このようにパートタイム労働市場が拡大した背景には、御案内のとおり、経済のソフト化、サービス化の進展の中で、パートタイム労働に適した業務が増加し、需要が高まったことがあると思います。また、就業意識の変化などにより、パートタイム労働者として就業したいと希望する者が増加したことにあると思います。
 経営側といたしましては、積極的にパートタイム労働を戦力化していくために、就労者の属性や就労意識を十分勘案しながら、雇用形態、労働条件、雇用管理制度、職種・職務領域などについて多様な対応ができるよう取り組んでいかなければならないと考えています。
 第二には、第一の認識の条件となるものでありますけれども、雇用形態、労働条件、雇用管理制度、職種・職務領域など需要側の問題と供給側の就業事情等とのマッチングにつきまして、あくまでも関係労使、この場合の労使は、集団としての労働組合と経営者との関係だけではありません。あくまでも関係労使が市場原理にのっとり、自主的に工夫、改善努力することが必要だろうと思います。パートタイム労働市場は、これまでこの自由で柔軟な発想と積極的な市場育成があったからこそ、このような活況を呈したと考えているわけでございます。
 そこで、この自主的な改善努力の重要性に関連しまして、パートタイム労働をめぐる行政指導あるいは法制化の問題について述べさせていただきます。
 前述のように、パートタイム労働者の雇用管理の改善は、労働市場育成の条件であります。それはあくまでも現行の各種労働保護法令、中身は労働基準法であり最低賃金法であり安全衛生法であり、そのほかたくさんあると思いますが、これを遵守することは絶対条件であり、前提であります。それを前提にしながら関係労使が自主的に行動することであって、改善努力がその基本にあるわけでございます。
 この点では、政府が平成元年六月にパートタイム労働指針として、パートタイム労働者の処遇及び労働条件などの改善を図るために、労使を初め関係者が考慮すべき事項を定めましたが、まさしく自主的改善努力の方向が指針とされたことであり、健全な労働市場づくりに寄与するものと評価していかなければならないと思います。まだこの指針が十分徹底していないと指摘が多くされております。さらに経営側としては指針の趣旨を周知徹底し、適切な対応に努めていくことがまず大切なことだと認識しております。この点については、パートタイム労働指針の行政指導をいただくということもありましょうが、まず個別の経営者の意識、パートタイム労働者を雇用する意識につきまして喚起が非常に大切であります。
 そこで、いろいろな方策が考えられるわけでございますが、私どもの経営者団体、何も日経連ばかりじゃございません、商工会議所あるいは中小企業団体、商工会あるいは業種別のさまざまな団体があるわけでございますが、そこでの勉強会、そういう団体を通じたいろいろな御指導などがこれからもますます有効な手段と考えられるわけでございます。
 特に、ポイントになりますのは雇入通知書の点でございます。先ほどの御両者からの御指摘もございましたが、パートタイム労働をめぐりましては、とかく労働につきまして労働性の意識、これは使用者側も労働側もひょっとしてない場合がございます。そういう中で、後々の労働条件をめぐりまして、あるいは働く期待というのでしょうか、それをめぐりましてさまざまな問題が提起され、それが大きなトラブルになってくるということがあろうかと思います。その防止のためにも、雇入通知書の使用者側からの交付、こういうものがまずベースにあってしかるべきではないかと思うわけでございます。
 ここら辺につきましては、使用者団体などでもいろいろ議論があるようでございますが、私としましては、まず入り口のレベルできちっと労働の内容をはっきりさせる、そしてそれを条件として、後々そごのないような管理にしていくというところが大切ではないかと考えるわけでございます。
 ところで、今春、国会に短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案が上程されています。この法律案づくりにつきましては、高梨先生の研究会あるいは婦人少年問題審議会での熱心な御議論というものがあり、今回の法案上程になったわけでございますが、婦人少年問題審議会の使用者代表委員の立場からいたしますと、いささか立場を異にした態度を表明いたしました。
 短時間労働の雇用形態が労使のニーズにマッチしたものとして労使が有効に活用できるようにすることが必要である。法的規制を行うことはやはり慎重でなければならないのではないか。それには現行の労働保護法令の遵守と指針の周知徹底が先決であって、新法の制定の必要性というものはないのではないか。法案の内容は法律の根拠がなくても現在も実施されているものであり、新法の制定の必要性というものも乏しいと思う。指針に法的根拠を与えることになれば行政指導の強化を招くおそれもあり、これが経営者の自主的努力を阻害するおそれもあるということなどを理由にいたしまして、法制化に反対をしたものであります。この根底にありますのは、契約自由の原則のもとに多種多様な雇用形態を創造していく、つくっていく、そして企業の雇用活動をより活発にしたいと願っているからであります。
 第三に、雇用管理のあり方についての見解であります。
 それは、特にパートタイム労働者の労働条件・処遇について、フルタイム労働者との関連でどのように位置づけをするかであります。
 パートタイム労働者の賃金・手当、賞与一時金、退職手当、休日・休暇、配置・昇進あるいは教育訓練、福利厚生などなど、労働条件・処遇につきましては、やはり法令の遵守と指針の趣旨の理解を前提にして、パートタイム労働の特性から独自に判断され、決定されるものだと理解するものであります。
 つまり、パートタイム労働というフルタイム労働とは違った雇用形態を前提にして、労働市場の中で当事者が仕事の内容、責任の度合いあるいは雇用管理制度、例えば配置転換のようなこともあろうかと思います、諸要素をもってして、さまざまに勘案されて合意した結果というものを尊重していくというのが筋ではないかと思うわけでございます。
 第四には、パートタイム労働者に対する社会保険の適用及び課税についてのあり方であります。
 本問題は、現実には利害関係が交錯しています。使用者側の中でもさまざまな意見があり、整理がなかなか難しいのが現状であります。直ちに変更を迫ることは問題がありますので、将来を見越した十分な検討が必要であるというところが最終的な結論になるわけでございますが、社会保険適用については、パートタイム労働者に対する現行の社会保険制度の被扶養者認定基準というものが、一番目には労働時間・日数、次に所得となっている点に着目をしてみますと、フルタイム労働者の被扶養者認定基準が原則として所得基準のみになっているのに照らし、パートタイム労働者にもまず所得基準としつつ、調整のため労働時間・日数という方式で改めていくことではどうだろうかという議論も使用者の中ではされているわけでございます。これは一つの例でございます。
 所得課税の問題につきましては、当面の対策として、非課税限度額の引き上げを図るべきという考え、あるいは将来的には所得に応じた税負担に持っていくべきであるとの考え、大変交錯しております。利害関係がいろいろ複雑に絡んでおりま
す。しかしながら、将来的に所得に応じた税負担に持っていくべきであるという方向は、当面の対策以上に大切なことではないかと思うわけでございます。
 社会保険、税制ともに、いずれも夫婦のいずれかが主として就労する姿を前提にし、部分的にそれを調整するということで今日の扱いがされていますが、今後は就労意識の変化と実績を見ながら、制度の根本的な枠組みを見直していく方向が必要になってくると思われるわけでございます。
 パートタイム労働の問題はさまざまありますが、以上の諸点につきまして所見を述べさせていただきました。御清聴ありがとうございました。(拍手)
#8
○大野小委員長 どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。
 高梨、加藤、荒川三参考人の皆様には改めて厚く御礼申し上げます。
    ―――――――――――――
#9
○大野小委員長 これより参考人に対する質疑に入りますが、質疑応答の時間を十二時十五分までとさせていただきます。時間が限られておりますので、各小委員の皆様にはどうぞ簡潔、明瞭に御発言をいただきたいと思います。また、参考人の先生方におかれましても、簡潔にお答えをちょうだいしたらと思います。
 なお、小委員伊藤英成君より、やむを得ざる事情により退席せざるを得ないので、最初に発言をしたい旨申し出がございます。委員皆様のご了解の上で伊藤英成君に発言していただきたいと思います。
#10
○伊藤(英)小委員 どうもありがとうございます。
 民社党の伊藤でございますけれども、本日は、高梨参考人、加藤参考人、荒川参考人の三人の参考人の貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。今もお話にありましたとおりに、ちょっと私は今からすぐ退席しなければいけないものですから、最初に意見と質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、今のお話にありましたとおりに、パートタイマーも八百万人余という状況の中、しかも、そのパートタイマーにはいろいろなタイプがあるわけでありますが、賃金あるいはその他労働条件をとってみましても大変な格差ということですね。そういうことで、私ども野党が、現行法制のもとにおいてはこういういろいろな問題について解決できないという意味で、共同提案でいわゆるパート労働法というのを提案しているわけでありまして、これはぜひとも成立をさせたい、こういうふうに思っております。
 そこで、加藤参考人に一つだけお伺いいたします。
 先ほど政府案についてなお不十分、こういう言われ方をいたしましたけれども、何が一番問題だというふうに思われるのか。考え方ということでもいいでしょうし、具体的に最も問題だなと思われる部分はどういうところかについてお伺いをいたします。
#11
○加藤参考人 提出いたしました資料三十七ページにございます婦少審の労働側代表委員の意見書に書かれております「短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保」、この内容において、私が先ほど申し述べました現在八百万人のパートタイム労働者が主として抱えております課題の一番重要な点は、この均等待遇というところでございまして、これが政府御提案の内容についてはない。もちろん高梨先生が意見を申されましたとおり、雇用改善、労働市場の整備育成というところに主眼が置かれております。しかし、我々が今喫緊の課題として要望しております内容がこれだということで、簡単に申し上げればそういうことでございます。
#12
○大野小委員長 それでは、他の小委員の皆さん、御意見、御質問がありましたらどうぞ。
#13
○永井小委員 荒川さんに最初にお尋ねいたします。
 荒川さんの御見解によりますと、雇用形態、労働条件、管理制度あるいは職務領域などなどについて整備する必要があるけれども、それは労使が努力することによって達成するんだという基本的な見解は間違いございませんね、今の御主張は。
#14
○荒川参考人 間違いございません。
#15
○永井小委員 そこで問題なんですが、連合からも言われておりましたように、パートを雇い入れている事業体で、労使の関係が話ができ得るという組織整備がされているところはごくわずかなんですね。一%台にとどまっているわけです。そういう状況の中で果たして労使が、法律によると労使対等ということになるのですが、労働組合がないわけですから、労使が自主的に努力をすることによって問題の解決を図ることができるとお考えになっているのですか。
#16
○荒川参考人 私は、先ほど労使と申し上げまして、お断りをしたわけでございますが、それは集団的な労使関係ばかりではなく、個別の経営者、雇い主と個別のパート労働を希望される方との関係も労使関係と略して申し上げました。多分に労使関係といいますとかたくなりますが、パートタイム労働の雇用の場におきましては、それぞれ雇う側、雇われる側のいろいろな個別の事情がマッチしなければ成立しないわけでございます。お互いにマッチさせるように努力する。そこには労働条件の明確化も努力の一つでありますし、それから働き方、意識の努力も必要であります。そういうものがまず必要であろうということを申し上げました。
 もう一点は、労使といいましても、やはり経営側の努力というのが大切であるということは言うまでもございません。経営側の改善努力ということがまずスタートにあることは、私は間違いないと思っております。
#17
○永井小委員 同じことで加藤参考人にお聞きするのですが、大変な御努力で随分と実態調査もしていただいております。その中に、何ページか忘れましたけれども、例えば理由もわからぬままに簡単に解雇されるという実態も浮き彫りになっておるわけです。
 そういう状況の中で、今荒川参考人から言われましたように、組織的ではなくて、個々の働く人も対象にして雇い主との間で労働条件の改善を進めるとかいうことについて、実際に話ができるような状況なんだろうか、労働組合の立場からするとそれをどう受けとめられるか、お聞かせいただきたいと思います。
#18
○加藤参考人 率直に申しまして、我々が労働組合を結成し、その職場に労働組合があるケースについて言えば、この我々の基本方針を策定して以来、いろいろな形でパートタイム労働者の労働条件の改善等に取り組むように努力をしてまいりました。ただし、このときの使用者側の対応というのは、非組合員である場合については、非組合員であることを理由にその申し入れを拒絶するという事態が一つあります。しかし、比較的労使関係が順調に、良好に推移しているところについては、いわゆる善処をするという形で何らかの応答をしていただくというケースが第二、このように考えております。
 一言その後を申し上げますと、パートタイム労働者自身の労働組合加入率が低いという状況の中で、今荒川参考人の方から使用者も含めた改善努力が必要だ、こういうふうな御意見がございましたけれども、そうはいいましても、なかなか労使対等という実態が形成できていない。なぜ我々が憲法のもとに労働関係法規をつくったか。それは通常の状態では労使対等ができ得ないという歴史的な事実、現実に立って、労働組合に団結権等の三権を与えていただいたわけで、また我々も受けとめているわけでありますけれども、そういう実態の中で、労働組合もない、そして個々に分断されたパートタイム労働者が使用者を相手にみずからの権利、労働条件の向上、雇用確保等を図ることが実態問題として大変難しい、このように我々はとらえております。
 そのような改善が本当に経営者側の努力で今世紀中にでも実現するならば、私は本当に敬意を表するわけでありますけれども、私どもが取り組んでから既に五年の年月がたっておりますが、その間、改善されたという状況ではなくて、むしろここ数カ月間の雇用に関する状況は悪化しておる。これは相談ダイヤルに伝わってくるわけであります。
 そういう状況を考えたときに、単に労働組合を持たない職場の労使関係に問題の解決をゆだねるということでは、百年河清を待つということになるのではないか、このように私は感じております。
#19
○永井小委員 今度は高梨先生にお聞きします。
 今加藤参考人と荒川参考人からそれぞれ御見解をお聞きしたのですが、高梨参考人の場合は、大変な御努力をいただいて、パートの実情からパート指針を策定させるために大きな役割を果たすことができたというふうに言われました。
 それを今度は政府の方では法制化しようとしているということでございますが、この指針の中身を厳密に検証した場合、今お二方が言われたようなパートの持っている独特の問題、雇用主との関係、不安定な身分、こういうものを仮にこのパート指針に法的根拠を与えたとして解消するに足る中身になるだろうか、あるいはその成果を求めることができるだろうか、私は非常に疑問に思うのですが、ひとつ高梨参考人の御見解を承りたいと思います。
#20
○高梨参考人 私は、その指針を作案したときから考えていますけれども、ここにパートタイム労働の含んでいるさまざまな問題がほぼ網羅されていると思います。
 ただ、その中で、労働組合側から絶えずいろいろ御意見が出るわけですけれども、それは先ほど加藤参考人からも発言がございましたように、パートタイマーの均等待遇の問題であります。この指針には均等待遇の原則のところは盛り込まれていますけれども、これがどれだけ効力を持つかどうかについて絶えず疑念が提示されているわけであります。戦後、男女同一労働同一賃金の問題でもう半世紀近くもいろいろ議論をしてきている経過があります。それを踏まえましても、労使の間でもなかなか意見の一致を見ません。また、行政の基準法の解釈、適用についても一致を見ていないのが現状だろうと私は思います。
 そういうようなことで、この問題に余り深入りすることは研究会では避けてまいりましたけれども、この席で私見を申し上げますと、パートタイム労働市場というのは、もともと時間給に基づいて市場の需給がマッチングしているところに最大の特徴があると私は見ております。したがいまして、時間給というものについて何がしかの公共的な規制ができるかできないかがポイントでありますけれども、現行法制の中では法定最低賃金制度がある。この法定最低賃金につきましては、日額の実態を調べて、これに基づいて中央最低賃金審議会で決定しているのが現状であります。それを八時間もしくは七時間半で割って時間給をはじく、こういう計算でありますけれども、もともとパートタイム労働市場は日雇い労働市場とは違った市場であります。
 そこで、時間給労働市場であれば、その実態を調べて時間額を表示して、そこの労働者の賃金改善を図る方が先決ではないかという意見を私はかねがね持っております。研究会でも提案をいたしましたけれども、経営側の支持を得られませんで、ここに書き込まれませんでした。そういうような考えを私は持っておりますので、指針が具体化されても、ここについては十分に機能するとはどうも考えられない。このことは若干懸念している論点であります。
#21
○古賀(正)小委員 それぞれ参考人の方の貴重な御意見、ありがとうございました。
 近年、パートタイマー市場というのは急速に成長してきた。今や八百万人を超えているわけでありますから、日本経済の中でも非常に重要な基幹的な部門を担っている、そのとおりだと思うのです。ただ、これはまさに労使のニーズが非常にマッチしておったということがあると思うのです。ある種の柔軟性のようなところにそれぞれのメリットがあったということではなかったかという気がいたします。
 そういうことから考えていきますと、先ほどたしか伊藤小委員の御質問に対して加藤参考人から、一番ポイントは何かといったら、通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保である、こういうことをおっしゃいました。抽象的な面では私もそう異存はないわけでありますが、何が均等待遇かということに関しましては、ただいま高梨先生の時間給の話もありましたけれども、非常に難しい、社会的にもなかなかコンセンサスができにくいことがあるのではないかという気がするのです。そういう中で、こうして今回法制化に持っていくということについても逡巡する向きも非常に多いということであります。
 そういった意味で、もう一度加藤参考人に、その辺のことをどんなふうにお考えなのかということについてお話しいただきたいと思います。
#22
○加藤参考人 大変ポイントとなる御質問でございますけれども、少し時間をかけて意見を申し述べたいと思います。
 まず、労使のニーズが一致したということでございますけれども、加えて、我々はパートタイム労働者の就労の動機ということについて分析をいたしました。そして、これはもう既に皆様方も御承知のことかと思いますけれども、やはり第二の所得を支える立場から、生計費をいかに支えていくかというところが大きな就労の動機でございます。その生計費の内訳でございますけれども、大ざっぱに言ってローンの返済、子供の教育費、これがパートタイム労働者が就労するときの重要な動機である、そういうふうなことでございますので、単純に好きなとき好きなように働けるという意味でのニーズだけではなくて、やはり家計上の必要性があってパートタイム労働を選択しているという現状が大きいということでございます。
 この就労の動機を前提といたしまして、私どもはいろいろな形で均等待遇というふうなことを考えてまいりました。
 その中で、例えばお手元に用意いたしました資料二十八ページに「「差別的取扱となる行為の基準」に関する連合の考え方(案)」ということで、これは内部での検討資料でございます。これは野党法案自身に均等待遇ということを盛り込んでおられまして、その具体的な差別的取り扱いということについていろいろ考察する必要があったために、ここに我々としての見解を内部的にまとめたということであります。
 基本的な考え方は、基準の対象が時間比例均等待遇原則で取り扱うことのできるものについては、その原則によるという考え方でございます。八時間の通常の労働者に対して仮に今対象とすべき短時間労働者の就労時間が六時間であれば、原則として八時間に対応する六時間という時間割りをもって均等待遇をなすべきである、この原則であります。
 ただし、先ほど荒川参考人が言われましたように、雇用管理上の区分の問題で、例えば通常の労働者について言えば、転勤が予想されるとか、現在やっている仕事以外に将来を含めた処遇に期待があるとか、つまり、現下の労働を超えた要請を経営側が持っておるという状況を我々は否定するものではございません。賃金そのものが現下の労働内容だけで決まるというふうに、単純に我々は考えているわけではございません。
 しかし、原則として、そのような制約がない通常の労働者との比較においては、当然八時間に対する六時間をもって均等待遇の原則とすべきではないかという基準をまず我々としては確立をしていきたい。つまり、時間比例というのが、我が国の連合が考えるだけではなくて、先進諸国も含めた各国の基準として一応コンセンサスの得られるところではないか、こういうことであります。
 次に、基準の対象が今言いました時間比例均等待遇ができない、例えば幹部候補生としての将来
を期待するということを前提として賃金を決めておる、そういうふうな労働者との関係においてどのように見るかということにつきましては、我々としては、以下そこにありますそれに準ずる内容でありますとか、あるいは賃金について見れば七五%だとか、そういうふうに内部ではいろいろな基準を検討しておるということであります。
 当然そこにあります賃金、有給休暇、配置、昇進、異動、定年または解雇、それぞれの内容についても、原則としてはやはり時間比例原則をベースとしながら、今申し上げましたその基準だけでは判断できないということにつきましては、なお加えた個別の基準をつくるべきではないか、そういうふうなことで、「「個別の事例に関する当面の判断についての基準」(案)」といたしましては、三十ページの賃金、これは基本給等の定期的賃金と賞与・一時金等の臨時的賃金、そして退職手当、こういうふうな賃金の内容について、それぞれ差別と考えるべき範囲をこのような考え方で対応する必要があるのではないか、このような考察に至ったということでございます。
#23
○大野小委員長 ただいまの加藤参考人の時間比例待遇原則について関連の御質問ございませんか。
#24
○愛野小委員 パートタイムの法案化について、加藤参考人は、どちらかというと雇用政策の面でとらえて、法制化を前提に、企業間格差とか所得格差、それから労働条件の不平等とかというところをなくしていかなければならぬ、こういうふうなことを前提にして言っておられる。私も法制化に対して反対じゃありません。しかしながら、今度はまた荒川参考人は、労使の双方のニーズにマッチした、いわゆる相互認識によって雇用契約を労使間で結んでいくべきであるという考え方であろうと私は思っておるわけです。
 そういう意味で、労使双方の団体の方が考えておられるのは、労使双方ともみずからの団体のところを要求していこうという当然のことを考えておられるわけであるが、もう一つ消費者とか生活者の立場に立っていくと、双方ともに片側通行であるというふうに、ちょっと言っちゃ悪いが思っておるわけですね。
 例えば地方を見た場合に、荒川参考人にお聞きをいたしますが、労使双方で仕事の内容を認識して就労をしておるパートタイマーばかりじゃないと思うわけであります。やはり所得それから生活のために就労しておる。今荒川参考人が言っておりましたように、無原則に、仕事の内容を十分理解せぬままに入っている。あるいは、日経連とか、それからまた商工会議所に加入しておるような企業は就業規則や労使の関係もぴしゃっとしておるが、百人以下の企業は、現行の労働基準法そのものさえも余り読んでいない経営者もおるわけでありますから、そういうところはまるっきり経営側もだめであるし、また入ってくるパートも、無原則に、まるっきり仕事の内容を認識せぬで、ただ所得を向上させようというだけで入ってくる。それは私は片っ方の消費者、生活者を無視した労使の一方通行であると考えておるわけですね。
 今度は加藤参考人に申し上げたいのは、連合や旧総評や旧友愛会議、これに加入しておる組合のパート対策は、たとえその組合の組織に加入しなくても、準組合員扱いでいろいろと代行して経営側と話し合っていける。しかし、同じく未組織組合員とか、あるいは百人以下の零細のパートタイマーが時代のニーズとしてたくさん出てきておるわけであります。こういう人たちが谷間に入ってしまって、それこそ総評傘下の組合員、友愛会議傘下の組合員と比べれば、同じ労働者としても極めて格差のあるパートの労働条件になっておる。
 そういう意味で、私は、労使ができるだけ話し合うことが第一原則であるが、ある程度の指針や法案も必要であると思います。そういう意味において日経連と連合が一言あるべきであるというか、自分たちも若干顧みて足らざるところをちょっと反省をしてもらうというか、そういう点についてお伺いをしたいと思います。
#25
○加藤参考人 率直に申しまして、御指摘の点については、これは日々我々が反省をしておるというのか、反省ばかりしておってもしょうがないのですけれども、非常にじくじたるところでございます。
 単にパートタイム労働者ということに限定しませんで、企業規模間における労働条件の格差というのはまさに自明のことでございまして、率直に申しまして定例賃金、月例賃金で大体八割、退職金などは四割程度、一時金も半分から六割程度、これがざっと我々がとらえている企業間格差というものでございます。
 もちろん、企業規模が違うことによってそういう労働条件に格差が出るということも、ある面やむを得ないということもわかっております。これはその企業の業績だとか、あるいは労働者としての、あるいは労働力としての銘柄といいましょうか、能力、業績、そういうふうなことも総合的に勘案して、単に大企業に就労した者が余り努力もせぬのに給料だけたくさんもらっているということじゃなくて、それなりにやはり相当厳しい状況で就労をなし遂げての対価としてもらっておりますし、そういうようなことをいろいろ言えば、格差にもその理由はあります。
 しかし、その合理的理由を超えてなお企業規模間の格差が存在するのではないかという点が我々の指摘であり、そういうふうなことを解消したいということで、連合の運動の柱としても、今申し上げました企業規模間格差の是正と、特に未組織労働者の改善というふうなことについて非常に重要な課題だというふうに思っております。
 これらにつきましては、私は、戦後の労働運動はいろいろな形で国の経済復興、人々の生活の安定、平和を守ってきたというふうな要素において、また社会制度を改善してきたということについて、大変自負を持っておりますし、世界の労働運動の中でも冠たるものであるというふうに思っております。しかし、それでもなお今申し上げました分野については大変大きな課題が残っており、これはやはり既に組織を持っている我々自身の重要な仕事だというふうに認識をしておりますし、今後努力をしていきたいというふうに思っております。
 そういうふうなプロセスの中で、特に恵まれないというのでしょうか、大変取り残された層の改善をどのようにしていくか。そこで、先生御指摘の最も我々が反省すべき点は、企業別労働組合を加盟単位として我々の運動を構成してきました。そうしますと、企業別労働組合が持つ労働組合としての性格上、なかなか周辺の労働者にまで思いが至らないというこの特性を我々はいかにして克服していくかというのが今後の労働組合としての大きなテーマではないか、このように考えております。
 みずからの労働条件は相当改善をした、しかし、それだけで社会全体がよくなるのかと申しますと、推定労働組合組織率が二四・四%程度でございますから、四人に一人しか労働組合の活動の恩恵を受けていない。多くが、四人に三人が本当に労働組合の恩恵を受ける中でより一層豊かで健全な社会をつくっていくためにも、我々の活動領域を広げるべきだ。そういうふうな意味では、自民党の先生に御指摘されるというのもこれまたあれなんでございますけれども、まさに連合の中で日々議論をしておるところでございます。
#26
○荒川参考人 パートタイム労働の労働条件につきまして規模的な格差が存在しているということにつきましては、私も率直に認めていかなければいけないわけでございますが、その格差の要因はいろいろあるわけでございまして、加藤参考人が述べられました格差の存在もその一つであろうかと思います。
 もう一つ一番格差にありますものは、特にパートタイム労働の市場におきましては、その市場が言ってみればタイトであるかないかというような点、あるいはパートタイム労働市場が多分に狭い地域内での就労を求め、あるいは余儀なくされているかもわからないのでございますけれども、そういう中での労働条件決定として経営側からすれ
ば対応できるといったところに地域性の格差がある。規模別格差につきましては、そこには生産性の格差あるいは仕事の内容の格差など、いろいろ織りなしているものが発生するわけでございます。
 ただ、これからのことを見ますと、地方におきましてもあるいはこういう大都会におきましても、規模、業種を問わず、同じように人手不足の状況というのはこれから存在していくわけでございます。そういうことをもってして、全体としてパートタイム労働市場における労働条件の格差というのは、どんどん縮まってくるのではないかなと予想されるところでございます。
#27
○河上小委員 御苦労さまでございます。公明党の河上でございますが、高梨先生に二点お伺いをいたしたいと思います。そして荒川参考人に二点お尋ねをしたいと思います。
 高梨先生、一つは、今回の法律の性格でございますが、私ども社公民連四党共同提案で法律を出させていただきましたけれども、当然その中身については十分触れていただいたと思います。そうしますと、大変内容において性格が異なっていることにお気づきだと思います。
 その点から申し上げますと、今回の政府案の法律につきましては、雇用管理の改善あるいは能力開発、向上など環境整備という側面が強いように思うわけでございますが、先生もお言葉をお使いになっていらっしゃいました、パートといえども基幹的な労働力としての位置づけがあるということ、さらに、今後も急速に拡大するであろうと思われるパート、全雇用者における割合も急速に高まるのではないかと思います。こうした背景を考えて、こうした環境整備の内容で十分であるという御認識が、あるいは今後もこれでよい、効果は十分発揮できる、いや、そうではなくて、将来はまた一歩二歩さまざまな策を図るべきであるとお考えなのか、こうした認識についてまず一点お伺いします。
 それからもう一点は、先生のお書きになられた報告の内容ですが、この法の対象は典型的パートタイマーを中心といたして、いわゆる疑似パートタイマーは別途取り扱うべきだ。この典型的パート、いわゆる疑似パート、これをお分けになって考えられる背景について先生のお考えをお教えいただきたい。この二点でございます。
 それから、荒川参考人におかれましては、一点は、私が今申し上げました四党共同法案、これに対する御感想をお聞かせください。保それからもう一点、お話の中で、平成元年六月に指針が出た、これは寄与するものだと評価しているがまだ十分徹底をしていない、さらに周知徹底が必要であって、これでよい、法的根拠を与える必要はない、このようなお考えだと思っております。それとあわせて、その際に、法律の内容は現行で行っている指針のとおりであるのだから、余り意味がないのじゃないかという発言にも私は聞こえましたが、今後ともこの指針の範囲で十分とお考えになっていらっしゃるのか、あるいは、将来はそうではなくて法的根拠は必要だ、こうお考えになっていらっしゃるのか、どのくらいの期間があれば周知徹底がおできになるとお考えになっていらっしゃるのか、これだけお願いします。
#28
○高梨参考人 今お二つの質問をいただいたわけですが、二番目の質問からお答えしていきたいと思います。
 私が先ほど申し上げましたように、典型的パートタイマーは文字どおり短時間労働者であります。また、研究会報告でも短時間労働者についての対策をここで提案したので、疑似的パートタイマーは、パートタイマーという名称で呼ばれているけれども、私は短時間パート労働者とは違ったタイプ、もっと違った政策が必要ではないか、こうかねがね考えてまいりました。この研究会では短期間の間の審議ということもございましたし、それからまた、経営者側の方々がいわゆる私どもの名づけた疑似的パートタイマーについて御批判でありますので、研究会は最終的にこの問題まで含めてまとめることは大変困難だという判断を私はしました。
 もしこの問題について将来どういうような対策を講ずるかとすれば、フルタイムで働いている常用正社員の方々がおられるわけですね、この方々とほぼ同じ時間働いている労働者でありますから、もちろん仕事の内容も同じ場合もあるし違う場合もあるわけでありますし、私の調べた限りでは不熟練労働分野に多くの方が就業しておるようでありますけれども、この一つの直接的な関係で対応を考える必要があるのじゃないか。中には身分差別があるかもしれません。それは短時間労働者対策とおのずから違った骨組みになっていくだろう。
 例えば、これも労働組合はかねがね御主張のあるところで、雇用、解雇についての雇いどめ措置を云々という御発言もございましたけれども、これは専ら労働基準行政の中で果たすべきことであって、現行の労働基準法を見直す中で検討せざるを得ないのではないか。私はもともと経済学者でありまして、法律学者ではございません。むしろ法律の専門家の方々にそちらの方は審議をお任せした方がいいのではないか。臨時的パートタイマーとしては宿題として残すということを私は考えてまいっております。それが二番目のお答えであります。
 私は、野党の方々が今国会に提案しています法案についても十分承知しておりますけれども、その法案との関係で、私どもの研究会が提案しました短時間労働者対策、これに基づく労働省の指針、パートセンター、これはさしあたり短時間労働者に対する有効な対策だと考えておりますが、これで必ずしも十分だとはもちろん考えておりません。
 あとどういうような方法が必要かということは、パートタイム労働市場がダイナミックに変化しておりますから、これからは高齢者パートタイマーもどんどんふえていくと思います。また、高齢者の雇用機会の保障のためには、十分健全なパートタイム労働市場をつくっていかなければならない。こういう課題はこれからますます大きくなっていくと思いますので、そういうような必要に応じて当然見直していかなければならない、また見直す必要が出てくるのではないかと考えておるところであります。
 それから、もう一つは野党法案との関係でいいますと、先ほど私申し上げましたように、均等待遇の問題につきましては、パートタイム労働市場の市場の結果に聞くことが一番フェアだと考えております。私は経済学者ですから、そう強く申し上げるわけです。その市場の結果については、もちろん需給のまま放任しておいたのでは賃金が下がる可能性もありますので、その最低の歯どめを法定最低賃金で考えることを私は考えているわけですが、経営者側の合意がいまだ得られていないのが実態でございます。したがって、均等待遇は、まず市場の法則に任せながら、それに公的規制を加えて、それに聞いていくことが労使皆さんが一番合意しやすい賃金になるのではないかと考える次第でございます。
#29
○荒川参考人 四野党共同の短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案、この点につきましては私どもも十分検討させていただきました。
 感想ということになるわけですが、これは私の見方と見ていただきたいと思いますが、この法案の背景にありますものが、パートタイマーで働いている方は何か社会的弱者というような感じが見受けられて、だから保護する、あるいは均等待遇を法律で確保するといったような感じに私には見受けられたわけでございます。正式に日経連あるいはほかの経営者団体がこのコメントを出しておりませんので、私の限りにおいてお聞きいただきたいと思いますが、そういう観点からしますと、これまで、特に最近になりましてこれだけパートタイム労働市場が拡大したのが、果たして社会的弱者と見られるような形でとらえられてきたものと一致させていいかというところに私は大変疑問があるわけでございます。
 それよりも労働市場の原理、これは先生にお話をするまでもございませんで、そこには需要と供給が一致していなければならないわけでございまして、これまで一致しようと努力してきたわけでございますので、その努力をさらに促進させる。これは現場と言ってはなんでございますけれども、通常の労働市場の中で育てていくべきものではないかと思いまして、野党の法律案につきましては、私の考えとは相入れないものだなという感じがするわけでございます。
 それから、指針についてでございますけれども、指針のそれぞれにつきましても、平成元年にでき上がりましたときにも経営側も労働側もそれぞれ随分いろいろ批判をいたしましたが、しかしながら、健全なパートタイム市場を育てていくというベースの認識においては一致したわけでございまして、その限りにおいてあの指針の内容が特に経営者の中にきちっと理解されて、それを遵守していく、あるいは発展させていくことが大切だということは私自身よく思っておりまして、この効果たるや大変なものではないかなと思います。
 いろいろな調査、特に政府の調査におきまして指針の周知徹底がなされていないということは、私ども経営者団体としても大変残念なことだと思っておりますので、さらにいろいろな機会に。経営者団体のほか、あらゆる手だてを駆使しましてこの指針が徹底されれば、最終的には指針をもとにしたこの法律の必要性はないのではないかと思っているわけですが、現にこうやって法律が出されているわけでございますので、私の認識としては、その限りにおいては残念ながら大分違ってきてしまっていると思わざるを得ないところでございます。
#30
○永井小委員 再度質問しますけれども、今の御答弁、御見解を聞いておりまして、八百万人を超えるパート労働者がいるわけですね。これは日本全国の雇用労働者の数の中に占める割合は極めて高いのですね。高梨先生も言われておりましたけれども、単に単純労働力だけではなくて、専門的分野あるいは熟練労働者の中に占めるパート労働者の割合も非常に高まってきたし、これから雇用主側からの要望というか要請というかその期待も非常に高まってくるだろう。だから、今の日本の産業経済構造を支えるためには、そういう専門的分野や熟練者をパートの中で占めていくということについても、不可欠の条件だというふうなお話もございました。
 そうすると、加藤参考人から説明があったように、パート労働者がそういう現状の中で直面している雇用、労働問題というのは随分あるわけですね。さっき言ったように、これは現実なんです。現実の姿はこうなっているわけですね。
 それで、荒川参考人は、この指針に基づいて経営者が自主的努力をしてきている、これは今も絶大な効果があるというふうに御説明されたのですけれども、絶大な効果があったとするなら、こういうパート労働者が直面している雇用とか労働問題についての問題点というのは、こんなに出てこないと思うのですね。だから、どんなに言ってみても、雇用主と雇われている労働者の関係からいうと、圧倒的に働く者が弱い立場に置かれているわけですね、パートの場合は組織化もされていないわけですから。
 したがって、働く者の都合によって就職できるという利便さもありますけれども、雇用主の側からすれば、これだけパートが八百万人も超えてきたということは、雇用主が自由に景気の動向にも合わせて雇用調整を行うことができるところに、このパート労働者がふえていった最大の原因があると私は思うのですね。
 だから、そうなると、八百万人を超えるような膨大な数になっているわけですから、それは弱者。と見るかどうかということはさておいても、その人たちの労働条件を守らせるということについては、やはり国の行政も責任を果たさなければいかぬですね。国会もそのことについては要請にこたえていかなければいかぬ。そのために野党の共同提案を法律で出しているわけですね。私は関西人ですから言葉は非常に悪いのですが、その法律は納得できないとかいうだけで済ませられる問題ではないと思っているのです。
 最後に、高梨参考人にもお聞きしたように、今の指針を法律に置きかえたとして、担保したとして、そのことで今の問題点を解決することについてはいささかの懸念を持っていらっしゃるわけでありますから、やはり労働者が法のもとにおいて平等ということからいうと、機会均等も含めてそうでありますが、労働条件についても均等化されるような担保が法律的に必要だと私は思うのですが、改めて荒川参考人に御意見を聞きたい。
 あわせて加藤参考人には、こういう問題点が出てきておるわけですから、今の議論を聞いておって、じゃ、そのことで果たしてこの問題は解消できるという見通しは持てるのか、期待を持てるのかということについて私からお聞きしたい。
#31
○荒川参考人 繰り返しになって大変申しわけございませんけれども、パート市場が拡大したというのは、これは需要供給のニーズがマッチしたことであります。これは皆さん御理解いただける点だと思うのでございます。
 これからのことでございますけれども、確かに経営者の中には、パートタイム労働者に対して、労働者たるいろいろなお約束事であるとか条件について大変公序良俗に反するようなこと、あるいは労働法規に照らして違った内容のこと、あるいは知らないと称してそのままにしたりなんかするようなことがある経営者もあると認めざるを得ないことは、私もわかっているつもりではございます。
 しかしながら、今我々が考えます、経営者が考えます健全なパートタイム労働市場をさらに育成していくということはどういうことかと申しますと、新しい雇用形態、新しい働き方、新しい仕事の与え方というのでしょうか、あるいは労働条件の設定の仕方などを発展させていくためのものであらねばならないと思っているわけです。ですから、規制をされる、あるいは労働条件の面において一定の枠をはめていくということをもってして保護をしていくという点につきましては、現在の労働関係法令、きちっとした労働関係法令ができておりまして、それを遵守する、これはもう当然でありますけれども、今現在当然でないところもあるわけですから、そういうのが先でございまして、さらにその上に発展させようとする市場に対しまして規制を課すということは、我々使用者側としては納得がいかないのではないかということであるわけでございます。
#32
○加藤参考人 まず最初に申し上げたいのは、八百万を超えるパートタイム労働者すべてが私どもが申し上げている諸課題、問題状況に置かれているというわけではございません。これははっきり申し上げます。
 しかし、では、そういう問題状況に置かれているパートタイム労働者がいないかというと、これは大間違いでございまして、私が冒頭申し上げましたように、相当な比率で問題状況を抱えているパートタイム労働者がいるというのは事実でございます。我々の調査、これも大体労働組合があるという意味では、労使関係上、労働組合が対抗力を持っているという職場においてさえ、労働基準が不徹底、守られていないというのは一割も超えるわけでございますから、そういう労働組合が職場でチェックをしてないところにおきましては、それは相当ある、これも事実でございます。
 したがって、社会的弱者というイメージを荒川参考人が言われましたけれども、私は、社会的弱者というイメージよりも、むしろ職場における弱者である、そして使用者との関係において弱者である、こういう人たちをいかにその労働条件の改善なりあるべき待遇のところに持っていくかということが最大の論点であるんだ、このように考えているわけであります。
 したがいまして、大企業職場、そして労働組合があるという職場においては、我々もある意味で何とかそこの労使の関係でその条件向上というふうなこと、そして問題解決に努力してきました
し、実際に我々が面接の調査を行った場合でも、そういうふうな大企業・労組、労使関係のもとで働くパートタイム労働者においては、例えば年収も二百万を超えている、税金はどんどん払うべきだ、健康保険もしっかりすべきだ、一個の労働者としてむしろ課税最低限の枠の中で出勤調整をすること自体おかしい、そういう主張をされる方もおられるわけであります。
 しかし、それらはそういう恵まれた環境におられる方々であって、先ほど先生が御質問してくださいました中小零細の職場に働くパートタイム労働者の現実というのは、そんなに生易しいものではないということでございまして、もっと申し上げますと、パートタイム労働者に限らず、通常の労働者における労働基準違反事項が先ほどの相談ダイヤルにリンリンとかかってくるというのが現状でございますから、いわんやパートタイム労働者においてはと、こういうことでございます。
 したがって、本当にそういう職場において労働者が我が国の定めたる労働法令、基準によってちゃんと保護されている状況があるなら、私どもこういう形で国会の先生方の御苦労を、問題提起する必要もないわけでありますので、まさに現実がそうである。
 そして、一言つけ加えさせていただきましたら、例えば雇用機会均等法の実態を見ましても、そういう法律をつくってもなおかつ促進し切れない状況があるのではないか。例えば六十歳定年法とかいろいろな形で国会の場において、働く者の条件の向上にいろいろ腐心された。しかし、その結果が法律化したことだけによって前進しているかというと、それでもなお取り残されている部分がたくさんあるわけでございますから、逆に私は日本の使用者の皆さん方に申し上げたいのは、そういうふうにいろいろ言われるけれども、法律があってもそれを無視し、あるいは知らぬふりをして現実にやっておる、このことについて、では一体どういうふうに解釈をされるのか、もっと真剣にそこの労働条件の改善を積極的にやっていただければ、我々も新しい時代の労使関係に一歩踏み出すことができる、このように思っております。
 私は、日経連加盟の使用者の皆さん方に言っているわけじゃなくて、そうではない皆さん方においてこそ問題が随分あるんだ、こういうふうなことで、それらに対する対応策として現状は不満だ、こういうことでございます。
#33
○大野小委員長 他に御発言ございませんか。
#34
○金子(満)小委員 御苦労さまです。若干の問題について質問をしたいと思います。
 まず、高梨さんですが、おっしゃるとおり年々パート労働者の数はふえてくる。しかも、それは単純労働だけでなくて、言われるように専門職とか専門業務、それから熟練業務。しかし同時に、そういう中で雇用問題、それから労働条件というのは、矛盾そしてあつれきがだんだんひどくなっているのは御承知のとおりだと思うのですね。これが社会問題になり、政治問題になってきておるからこういう議論になってきているのだと私は思うのですね。
 そこで、もう二十三年ぐらい前になりますか、七〇年のときに労働省が通達で、パート労働者は「身分的な区分ではなく、短時間就労という一つの雇用形態であり、労働時間以外の点においては、フルタイムの労働者と何ら異なるものではない」こういうふうな通達があるんですよ。私は当然だと思うのですね。それからまた八一年には、「パートタイマーの職業紹介業務について」という通達の中でこういうようなことがありますね。パート労働者の賃金は、当該事務所に勤務する同職種、同経験の労働者と比べて低い額でないことを求人者に指導するよう命じた、こういう意味の通達が出ています。これも私は至極当然で、当たり前のことだと思うのですね。
 ですから、今パート労働者問題が大きな社会問題になっている、矛盾をどんどんはらんできているということであれば、今の、つまり二十年前、十年前通達で出しておるこの立場を今度の政府提出の法律案の中に明確に位置づけるべきだと思うのです。そうでないと、やってよし、やらずよし、極端に言えば。ですから、この二つの通達というのは、これを廃止したとかなくなったという宣言は労働省もやってないわけだし、政府もやってないですから、当然生きていなければならぬ。生きている以上、法律にこれが盛られなければならぬ。推進とかなんとか、そういう精神が生きるとかなんとかじゃなくて、そういう点が非常に大事だというのがお伺いしたい一点です。
 もう一つ、これは高梨さんに伺いたいのですが、先ほどからいろいろ出ている中で、また世間でもそうですけれども、労使関係でそれを決め改善している、労使関係で努力せよというようなことが言われ、そうだなとうなずく面も社会には若干あるわけですね。ただ、労使関係と言われるとかたくなるという意見もさっきございました。それから、労使関係で努力しているという方向も出るわけですけれども、こういう問題は言うことはたやすいけれども、実行はそうできないのですね。精神訓話みたいなもので終わってしまうのです。
 ですから、そういう点で、いい言葉があるのですけれども、パート労働者というのは極端に言えば景気調節の手段に使われている、ひどい話だと思う。労働者にとっては耐えられない。しかし、使用者側にとっては、これはほどよき存在であるというような理解も実際にはあると思うのですね。ですから、やはり法的に一定の拘束力を持ったものを、しかも原則的なものは明確にすべきである、こういうふうに思うのですが、まずこの二点についてお伺いしたいと思います。
#35
○大野小委員長 参考人にお願いいたします。まだまだ発言の申し出がございますけれども、時間が迫ってなくなってまいりましたので、お答えは簡潔にお願い申し上げます。
#36
○高梨参考人 第一点目の問題は、確かにそのとおりでありますけれども、先ほどの加藤参考人の発言とも関係しまして、常用の正社員とパートタイマーは単純に時間の差だけだとは私は考えておりません。ですから、先ほどの最低賃金の決め方も、日給を基準に定めて八時間労働で割ることについては、私は賛成ではありません。実際にパートの人たちは五時間とか六時間働いている。短時間労働の賃金はむしろ時間賃金に直せば−常用の正社員は八時間であっても賃金の相場は高いはずです。そういうようなことで、私はもともと別の労働市場で需給関係が成り立っているんじゃないか、こういうように判断していますから、単純に時間比例で処遇すれば済む、こういうことではパートの処遇改善は余り進まないんじゃないか、そういうように考えているところであります。
 そういうようなことで、指針等について今度労働指針は法律に位置づけるわけですから、これはこれなりに従来の大臣告示に比べれば効力は持つと私は思いますけれども、その中にこれに類することが幾つか労働指針に入っております。それをどうこれから具体化していくかは法律が通った後具体化していく作業でありますので、その中での御審議を私はお願いしたい、こう考えているところであります。
 それから、第二番目の労使関係での自主的な努力といいますか、私はもちろん労使関係ですべてが決まるとは思いません。そのために、労使紛争が起きた場合には、さまざまな公共的なバックアップ体制もあるわけであります。また私が冒頭申し上げましたように、パートの人たちの多くは未組織であります。そういう未組織労働者の組織化は大変望ましいことですけれども、これは容易に進まないのが実情だろうと私は思いますので、組織化の一つの手段として法律によって対象を捕捉して、そしてその人たちの賃金、労働条件の改善を図る。私は、組織化という意味をかなり幅広く考えて勉強してまいりました。そういうような意味で、パート労働法が大変必要だと考えております。
 ただその際、パート労働者が景気変動の過程でどちらかといえば常用正社員よりも先に解雇される、こういうことが現にあります。その点を一体
どう考えるかということで、先ほど疑似的パートタイムのところで申し上げましたように、その辺の雇用、解雇に当たっての雇いどめの問題、これをどうやるかということは、もう少し基準法の議論の中で詰める必要があるのではないか。単純に経営側の都合だけで、雇用調整面でパートタイマーを処遇することは望ましいこととは決して思っておりません。それなりに責任を経営者側にも負ってもらわなければならぬ、こういう問題だと私は思いますけれども、現行法制の中ではまだそこまで議論が煮詰まっていないということでございます。
#37
○金子(満)小委員 加藤さんに一言お聞きしておきたいのですが、政府提出の法律案については非常に不十分な点があるという御指摘があり、その内容についても言及されました。そこで、社会党、公明党、民社党など野党四党の共同提案があります。これは先に出されたわけですね。
 そこで、端的なことなんですが、したがって連合は政府提出の法案には反対なのか賛成なのか。それから、四党提案というものを御支持されていると思うのですけれども、この両者の関係をどのように位置づけているのか、その辺について伺っておきたいと思います。
#38
○加藤参考人 私どもは、今国会に対しましての基本的なスタンスといたしましては、先ほど御説明いたしました連合の基本方針にのっとり、そして四野党共同提案を推進してきたという経過を踏まえた上で、実効あるパート労働法の制定をお願いしたい、これが私どもの基本的な考え方であります。
 私どもが先ほど申し上げました均等待遇、また法の実効性の確保から罰則なりあるいは紛争解決の手段の設置とか、いろいろ注文とか御要望を申し上げました。これは私たちの考えるものはすべて明らかにした、この上で、我々が問題提起したすべての課題について十分なる御討議、御議論をしていただいた結果、ぜひこの国会で建設的な結論を出していただきたい。連合は労働組合の団体でございまして、国会は国民の負託を受けた場でございますので、大変僭越ではございますけれども、この場でぜひ福音となるべき結果を出していただきたい、これが私の本日参りました偽らざる気持ちでございます。
#39
○金子(満)小委員 政府案に対しては。
#40
○加藤参考人 政府案に対しましては、先ほど申しましたように、婦少審の労働側委員が申し述べております不足の部分があるという意見を提起しておるということでございます。
#41
○長勢小委員 途中中座をいたしまして失礼いたしました。
 これからのパート労働者が、特に労働力不足時代を迎えて、御婦人あるいは高齢者の方々の活用を含めて日本の労働市場に大変重要な役割を占める、そういう意味で、労働市場の健全な育成をやっていかなければならぬという部分については、お三方の御意見も一致をしておるのではないかと拝聴いたしました。ただ、法的整備についてそれぞれ御意見がお違いになる。
 荒川さんからは規制が強化されるような印象でお話しになっておられましたが、私は規制ということよりも、むしろ労働市場の健全育成のための基盤整備の法律という位置づけが政府提案としては適当なのではないだろうかというふうに思っておる次第でございますが、それについては御意見は伺いましたから、結構であります。
 労働側あるいは高梨先生の違いは、結局法律の対象労働者の範囲の若干の違い、まあ大きな違いがあるわけですが、結局は罰則つきにするかどうかというところが最終的に我々の一番大きな関心のあるところであります。
 弱者であるとかどうとかという議論もございました。私どもがいろいろな中小零細企業のパートの方々のお話を聞いておりますと、皆さん方のおっしゃっているような不満ももちろんありますが、一方使用者側も、来てもらいたいときにはなかなか来てもらえないとか、これはパート減税とも関係をしてくるんだろうと思いますが、いろいろな意味での煩わしさというか不満もたくさんあるわけであります。
 ところが、そこがうまく、個々のケースは違いますけれども、形式ではなくて総合的に、有無相通ずる、ニーズが合ってどうにかそれなりに労使ともうまくやっておるという部分も、相当私は顕著に見られる事実だろうと思います。ただ、これがまだまだはっきりした形になっていない部分もありますから、言い出せば切りのないことを労使双方とも言うということになるのだろうと思うのであります。
 そういう観点からしますと、健全な労働市場を育成するという観点、その環境整備を図るという観点から政府提案というものは私は必要な案だろうと思うのでございます。ただ、これを一律に網をかけて均等と言っても、何が均等かよくわからないというのが、私が言いましたとおり個々に違うわけですから、そういう中で罰則つきでやる、強制をするという考え方は、むしろ健全なる労働市場の育成という観点からは大変な混乱を引き起こしたり、また現場の労働者にとっても大変迷惑なことが起こるということも現状では想定をされると思うのです。
 そういう意味で、連合のお立場はあるでしょうし、加藤さんの正義感あふれる対応にはいつも敬服をしておりますが、本当に罰則つきだということが現下の情勢の中で必要だと、本当に大丈夫かということを私は心配をするのですが、ぜひ御見解を承りたいと思いますし、高梨先生にもぜひこの罰則つき均等待遇ということについて、いろいろ先ほどもお話しあったのかもしれませんが、その一点に絞って御見解を承れればありがたいと思います。
#42
○加藤参考人 現実に、社会的に見ても相当の処遇をして十分なる働き場を提供しまた働いている、そういうケースについては、これは罰則の適用も必要ないし、そういうようなことまでが対象になるような罰則というのは悪法であって、我々の求めるもの」ではございません。
 しかし、現実に実態論を言えば、例えば不当なる解雇を申し渡されたパートタイム労働者として、一体そのことについてどう対抗し得るのかという現実論を考えますと、最終的には裁判闘争しかない。しかし、現下の日本の裁判というのは、ちょっとしたことでも数年あるいは十年にかかる裁判をなし遂げなければならない。また、その費用も場合によっては莫大なものになり、その間の生活の支援だとかあるいは家族の苦痛を含めまして、事実上は裁判の場において正義を問うことはできない現状だと思うのです。
 したがって、我々が罰則というようなことを言うのは、法の実効性ということを本当に担保するにはどうしたらいいのかという根源的な問いかけがあるわけでありますから、何でもかんでもアクセサリーとして労働組合だから口をあけたら罰則と、そういうつもりで言っているわけではございません。
 したがいまして、本当にどうすればこのような現実に発生する紛争をちゃんと処理し、調停をしていって早期に解決に至るという、そしてそれがはっきり言って使用者側の競争条件の均等化にもなるわけです。ルールを守るところが守ったら損をする、守らぬところはどんどん不法行為で、うちは安く使っているんだ、嫌ならやめたまえと、そういうふうな使用者側の競争条件を正していくためにも、私はそういうための方法論を必要とするという趣旨でもって、また過去の均等法等の経験から見て、やはり罰則というふうなものもお考えをいただきたい。この罰則にかわる方法論が提起されれば、我々も十分そのことは受けとめる用意はございますけれども、ただ、現下においてそのことを含めてかかる主張をしている、こういうことでございます。
#43
○高梨参考人 今抽象的に罰則の必要性の有無については大変お答えしにくいのですけれども、パート対策との関係でいいますと、一番問題になった論点の一つは雇入通知書の交付の問題であります。
 現行法制の中でも、建設労働者の特別につくりました建設雇用改善法という法律がございますけれども、その中でも雇入通知書は努力義務で入っております。ただ、これは罰則がついておりません。もし罰則つきでするとすれば、当然基準法上の解釈適用の問題になりますから、その問題については、先ほどから申し上げますように、むしろ労働基準をつかさどる審議会もしくは局の責任でその辺は処理していただいた方がいいのではないか。
 ただ、他の均衡から考えますと、建設労働者の場合でも雇入通知書の交付が義務づけられておりますけれども、これと同じ程度にパートも義務づけるわけでありますから、それで足りるのではないか、こういうふうに私は判断しております。
#44
○岩田小委員 荒川さんにお聞きしたいのです。
 今労働基準法をたまたま議論をしている最中ですけれども、これに際しましても、荒川さんおっしゃったように法的規制の問題が問題になって、経営者団体の事情聴取など我々説明などを受けたのですけれども、まさに自主決定である、法的規制が介入をするということはそれを排除してほしい、るる御説明をいただきました。
 私もこの点は基本的には賛成ですけれども、しかし、現状はやはり労使にゆだねるには相当に問題があることは、荒川さん自身もこれはお認めになっておられると思いますね。例えば雇用主に対する啓蒙や指導というのは積極的にやらざるを得ない、こうおっしゃっているわけです。ことしに入って東京のある労政事務所が調査をしているものを見ますと、景気の後退とも相まってでしょうけれども、以前の調査よりもよくなっているという傾向はどの分野にもありませんね。悪い傾向になっていますよ。
 時間がありませんから内容は言いませんけれども、私の言いたい点は、そうすると、労使の自主決定だとかこういうことを言う前に、一定程度の改善をしていくことの必要性を痛感をするわけです。労働基準法の委員会審議でもそうですけれども、あえて労働大臣は、時短が進まないということに対して、意識革命が必要だということをおっしゃっていましたが、私の理解では、意識革命をしなければならない、これは国民もそうですし、従業員もそうでしょう、労働組合もそうだということでしょうけれども、まずやはり雇用主が意識改革、革命をやり遂げなければこの実態は進まないし、荒川さんは前段に政府、政策の介入ありきだとか、法的規制云々だというのはちょっと現実にそぐわないということはおっしゃいましたけれども、改めて私は申し上げておかざるを得ないんじゃないか。すべていわゆる基準に達するまで法規制せよというふうに私は言っているわけではもちろんありませんが、強くその点感じます。
 それから、加藤さんにお聞きしたいのですけれども、荒川さんは、まず、パート問題というのは需要供給のバランスが非常に問題であるということをおっしゃいました。ニーズがあるからそこにパートというものが発生をした、これが拡大をしてきた背景だというふうにおっしゃいましたね。加藤さんは、つまり、いわゆるローンの支払いだとか教育費がかさむ、したがって当然パートに出ていかざるを得ない、こうおっしゃいましたが、これは言うまでもなく、ことしの春闘もこういう状況でした。このままでいくと、来年の春闘もやはり明るい春闘にはならないでしょう。この二、三年だけじゃなくて、オイルショック以降の賃上げというのはむしろ抑制をされてきたという傾向がありますが、そういった世帯主の賃金収入というものが比較的抑制されてきている。生活様式の変化、教育費の高騰、それからローンの支払い、そういったものに追いつかないという構造に陥っているということが一つの問題じゃないかというふうに思うのですね。これとのかかわりで一体どういうふうに見ていけばよろしいのか。
 高梨先生の方から、その分類と、当面は典型的なパートタイマーに対する対策が必要である、疑似パートについては法律専門家にお任せになるというお話もいただきましたが、このパート問題というのは、ひいては女性問題というふうに考えてもよろしいのではないかというふうにも思います。女性でも主婦が圧倒的に多いのですけれども、その主婦の中にも、三時間だけ自分の自由な時間を働きたいという方もおられましょうし、もっと働いて収入の補足をしたいという主婦もおられましょう、いろいろそれは多様な形態があると思いますけれども、将来の生産人口、出産の問題等々考えますと、このパートと女性問題ということと、この問題を将来的に考えた場合に、法的保障といいますか保護といいますか、こういった観点ではどういった議論がされてまいりましたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
#45
○大野小委員長 参考人にお願い申し上げます。
 時間の制約がございますので、それぞれ簡潔に御意見をお述べくださいますようお願いいたします。
#46
○荒川参考人 意識改革のお話でございますが、先生がおっしゃるとおりだと私も思います。必要であると思います。ただし、その内容につきまして二点申し上げますと、意識改革を促す要因としましては、経営外からの要因、そして経営内の要因、双方相まっていなければならないと思います。
 経営外の問題というのは、まさしく労働市場がタイトになるかどうか、そこでどんな優秀な人材がとれるかどうかというところに経営者がどれだけ目覚めるかということだと思います。
 内的な問題につきましては、従業員の雇用管理のあり方、言ってみれば経営者の心と申しましょうか、そういうような諸点まで言及して、その中から、例えばおっしゃられるような労働基準を守る守らない、守らないということはおかしなことでございまして、そういうふうに全体を持っていくべき話でございます。経営者団体としましても、ここら辺の意識改革につきましては一層努力しなければならない問題ではないかと思っております。
#47
○加藤参考人 御指摘のとおり、連合内部におきましても、労働市場に安易に労働力が流入すること自体が労働条件の向上を阻害している要因になるのではないかという論もございます。また、パートタイム労働者がイージーにいわゆる課税外の、そして社会保険の対象外の所得を求めて参入していること自体の持つ国民経済的な位置づけに対する指摘もございます。そういう指摘も我々は視野に入れながら、しかしながら、家庭責任を持ちつつ社会に労働を通じて参加したいというこの女性の熱意をも、やはり大いに受けとめた就労形態ということでとらえなければならない。
 なお、ローンだとか教育費だとか家計の問題につきましては、国全体の政策、制度の分野でも解決する必要があるのではないか。そういうような意味で、総合的、多角的な対応が必要ではないか、このようにとらえています。
#48
○高梨参考人 私は、パートタイム労働問題は、圧倒的に女性が多数を占めます関係もありまして、大変女性問題が重要だと思います。
 そういうようなことで、日本の女性の多くは子育て中は家庭に入る、そういう選択をしている人が多いわけでありますけれども、パートタイム労働市場は、一たん家庭に入った人たちについても、中途採用者にも門戸を開放している市場であります。この市場を健全かつ良好な市場に育てることは大変重要だと考えております。
 そういうようなことで、私はかねがね女性の地位向上のためには家庭生活と職業生活との調和を図ることが大変重要だと思って、その一つがパートタイム労働市場を健全な市場でつくっていこう、こういうふうに考えているところでございます。もちろんそれ以外に、女性問題としてはさまざまな対策が当然必要だと考えております。
#49
○住小委員 今ほど岩田委員の御質問でもお答えがあったとは思いますけれども、改めてお聞きしますが、今のパートタイムの問題から考えますと、言ってみれば定勤の勤務以外に多様な働き方がある。そして働く時間が短いパート労働というのは、男女あるいは老若問わず、これから選択の
一つとして労働市場の中で位置づけられでいかなければいかぬ、こう思っているわけです。
 しかし一方で、今の雇用の現状あるいは働いている側の論理からして、先ほど加藤参考人がおっしゃいましたけれども、美を言うと働く側にも、本当に自分の条件が均等にされることが正しい、要するに必要であると思っているかどうかというところから始めていかなければいけないと思います。だとするならば、まず最初にこのパート労働者というものをきちんと定義づけをして、そこで、いろいろな法律との兼ね合いもありますけれども、まずその法律を成立をさせて、それから実態に応じて内容を見直していく方法というものが最も現実的だと私は思うのです。
 だとするならば、最初から罰則によって一律にいろいろなことで強制をするということが、果たして妥当なのかどうなのかという疑問がやはり生じてくると思います。
 その点について加藤参考人とそして荒川参考人、荒川参考人は法律の問題はまだ必要ないのではないか、こうおっしゃったけれども、現実からすればやはり法律をつくる方向になっていると私は思うのですけれども、そのことについて両参考人から御意見を伺いたいと思います。
#50
○加藤参考人 実態に応じて見直していくということにつきましては、御指摘の言語概念として、私は、そういうふうな対応をしてきた法案も多々ありますから、今言葉として、それは受け入れざる内容であるとか受け入れるとかいうことは言いにくいということでございます。
 しかしながら、そのことを国会の場で、本当に実態とは何なのか、どういうふうな状況になったときに見直していくべきなのかということが合意されて、それをまさにわかりやすく、パートタイム労働者としてはなるほどという内容であれば、私はそのことに反対するということにはならないのではないか。ただし、それには、しつこいようですけれども、本当に現下のパートタイム労働者の実態を正確に把握されて、なおかつ、将来に対してほごにならないことがやはり前提としてあるべきではないか。ただし、本日ようやく議論が始まった段階で、そのようなことについて労働組合、連合の立場としてなかなかお答えはしづらいというのが真実のところです。
#51
○大野小委員長 法制の必要性について、荒川参考人。
#52
○荒川参考人 先生のおっしゃったとおり、パートタイム労働者の定義から始めるべきという点につきましては、法制化問題の前提になるわけでございますから、そのアプローチ自体につきましては私も否定するものではありません。
 ただ、現状あるいはこれからもそうかもわかりませんが、パートタイム労働者の定義というものにつきましては、ここに高梨先生がいらっしゃいますが、大変な御努力をされても、なかなか世の中が納得できるものとしてできるものではないわけでございます。そういうところからしまして、法制化というものは、かかる対象範囲が明確でないものは法制の名に値するかどうか疑問があるわけでございますので、なお一層研究を進めなければならないというところで私の見解とさせていただきたい。
#53
○大野小委員長 最後の質疑にさせていただきます。
#54
○赤城小委員 加藤参考人にお伺いします。
 均等待遇というのか、特に時間で賃金を割るというお考えなんですが、むしろ時間で割れるという場合の方が少ないのじゃないかなと思うのであります。というのは、そのほかの労働条件が全部同じで、勤務形態が同じであって、ただ単に八時間か六時間がという違いだけで別の労働市場ができるというのは、むしろまれなんではないかと思うわけであります。
 最近ある会社が、転勤もあるし残業もあるけれども幹部候補生だというふうな採用枠と、転勤や何かばない、地元で働けるけれども昇進はないよというふうな使い分けをして、両方とも正社員だというふうな採用をされているところがあるらしいのですが、そういうふうに、もう労働の質そのものが違うというのが普通なんじゃないかなと思うわけであります。
 御質問は、むしろそういうふうに時間で労働をはかるという考えを推し進めていきますと、正規の社員の方に影響してくるんじゃないかなと思うのであります。それは最近の不況のところへ、いろいろ論議されましたけれども、日本型の終身雇用を見直そうということにつながってくるんじゃないかと思うのであります。それは、退職金を払うというようなやり方や、何十年同じ会社に勤めていって、そこで一生を全うするということでなくて、いつでも転職できるというふうな方向へなってくるんじゃないか。
 今までは、確かに若いうちは社員教育もするし、会社も投資をする、しかし、将来幹部になって会社に貢献してくれる。だから若いうちは退職金は安く、ほとんど支払われないけれども、年限がたつに従って累進するというふうな形で、また、社宅や何かのフリンジベネフィットとかそういうことと相まって、生涯一つの会社へ貢献して、その中で幹部としていろいろなノウハウを蓄積して育てていくというふうなのが日本型のあり方だったと思うのです。
 それを時間で割り切ってしまうと、同じような労働をするということになると、そういう正社員という考え方がむしろ成り立たなくなって、正社員のパート化ということを推し進めてしまうんじゃないか。つまり、いつでも転職もできるし、いつでも採用ができるというふうな形に全体が割り切ってしまうことにならないかなと思うのでありますけれども、その点、日本型の雇用のあり方を将来見通した場合にどういうふうに持っていくようにお考えなのか、お伺いします。
#55
○加藤参考人 御質問の範囲が非常に幅広うございますので、私はちょっと十分なお答えが本日できないかもわかりませんけれども、もし御希望なら、後日、日をかえてやっていきたいと思います。
 特に日本型雇用制度の、終身雇用と言われましたけれども、長期安定雇用の展望については、連合は連合なりの見解なり所信を持っております。一言で申しますと、そういうふうに正社員のパート化ができて日本経済が成り立つならば、それでおやりになればいい。しかし、労務管理と申しましょうか、働く者の気持ちなり何十年かかってつくった制度は、そう簡単に変更はできないし、そう割り切れるものではない。ただし、日本的な雇用管理制度、雇用慣行制度の中で唯一割り切っているところが、パートタイム労働者の存在なんです。
 特に我々が均等待遇を申し上げたいのは、一般職で例えば高等学校を卒業して働いている女性と、その職場における四十を超えているパートタイム労働者との間の関係論が一番大きい。仕事の上では指導者なんです。ことし入った若い子の面倒を見なさいといって面倒を見ているわけです。しかし、ボーナスも退職金も、そして時間給で見ても、その高卒の新入社員の方が余計取っている、この関係。そして、仕事の関係では明らかにパートタイム労働者の方がベテランで、私が面倒をみています、こういうふうなことは私は放置できない。このことが一番我々がこういう主張を持ったときの動機になっておるということで、これは御理解をぜひお願いしたいと思います。
#56
○大野小委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。小委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#57
○大野小委員長 この際、本小委員会の調査の概要を御報告申し上げます。
  衆議院労働委員会パートタイム労働に関する小委員会においては、かねてから、パートタイム労働に関する諸問題について調査検討を行ってきたところですが、本日、労使団体及び学識経験者からの意見の聴取及び質疑を行いました。
  参考人の意見としては、パートタイム労働者に対する対策の充実強化を図ることが必要であることについてはおおむね一致していたところであります。しかしながら、その方策としては、
 一 パートタイム労働者がその能力を有効に発揮することができるようにパートタイム労働  市場の適正かつ健全な育成という観点からの法的整備が必要であるという意見、
 一 パートタイム労働者に対する差別的取り扱いを是正することが急務であり、そのためには罰則つきの法律による規制が必要であるという意見、
 一 雇用管理の改善等のためには労使が自主的に努力することが重要であり、法律を制定することは必要ないという意見、
 などが述べられたところであります。
  これに対し各小委員からはパートタイム労働対策の基本的考え方、パートタイム労働対策の対象とすべき者の範囲、法的整備のあり方等について質疑及び意見があったところであります。特に法的整備のあり方については、罰則によらず雇用管理の改善等を進める法律が必要という意見と罰則により差別を禁止する法律が必要という意見があったところでありますが、小委員会としては、パートタイム労働者に対する対策の充実強化が必要であり、そのため、何らかの法的整備が必要であるという認識では意見の一致を見たところであります。
以上でございます。
 この際、お諮りいたします。
 委員会において以上の内容の趣旨に沿った報告をすることとし、報告文の作成につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○大野小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト