くにさくロゴ
1993/04/02 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 労働委員会 第4号
姉妹サイト
 
1993/04/02 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 労働委員会 第4号

#1
第126回国会 労働委員会 第4号
平成五年四月二日(金曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 岡田 利春君
   理事 愛野興一郎君 理事 大野 功統君
   理事 古賀 正浩君 理事 住  博司君
   理事 長勢 甚遠君 理事 岩田 順介君
   理事 永井 孝信君 理事 河上 覃雄君
      赤城 徳彦君    塩川正十郎君
      田澤 吉郎君    東家 嘉幸君
      野呂田芳成君    羽田  孜君
      平田辰一郎君    宮下 創平君
      石橋 大吉君    岡崎 宏美君
      外口 玉子君    鉢呂 吉雄君
      山下八洲夫君    石田 祝稔君
      伏屋 修治君    金子 満広君
      伊藤 英成君    徳田 虎雄君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 村上 正邦君
 出席政府委員
        防衛施設庁労務 荻野 貴一君
        部長
        労働省職業安定 齋藤 邦彦君
        局長
        労働省職業安定 岡山  茂君
        局次長
 委員外の出席者
        外務省北米局地 原田 親仁君
        位協定課長
        社会保険庁運営 金子  洋君
        部保険管理課長
        水産庁漁政部水 大隈  満君
        産流通課長
        水産庁振興部沖 片山 正宜君
        合課長
        水産庁海洋漁業 城  知晴君
        部国際課長
        通商産業省生活
        産業局繊維製品 瓦田 栄三君
        課長
        運輸省海上技術
        安全局船員都労 小島 充嗣君
        政課長
        労働委員会調査 下野 一則君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  岡崎 宏美君     五島 正規君
同日
 辞任         補欠選任
  五島 正規君     岡崎 宏美君
三月三日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     伊藤 英成君
同月六日
 辞任         補欠選任
  伊藤 英成君     中野 寛成君
同日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     伊藤 英成君
同月八日
 辞任         補欠選任
  市川 雄一君     石田 祝稔君
同月十日
 辞任         補欠選任
  石田 祝稔君     市川 雄一君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  石橋 大吉君     佐藤 観樹君
  岡崎 宏美君     森井 忠良君
  市川 雄一君     坂井 弘一君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 観樹君     石橋 大吉君
  森井 忠良君     岡崎 宏美君
  坂井 弘一君     石田 祝稔君
四月二日
 辞任         補欠選任
  田邊  誠君     鉢呂 吉雄君
同日
 辞任         補欠選任
  鉢呂 吉雄君     田邊  誠君
    ―――――――――――――
三月十一日
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第二号)(予)
同月二十九日
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第二号)(参議
 院送付)
同月二日
 労働基準法の改善に関する請願(長谷百合子君
 紹介)(第四一五号)
 同(沖田正人君紹介)(第四九二号)
 同(伊東秀子君紹介)(第五二五号)
同月十日
 トラック運輸の長時間労働一掃に関する請願
 (小沢和秋君紹介)(第六七三号)
 同(金子満広君紹介)(第六七四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第六七五号)
 同(児玉健次君紹介)(第六七六号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第六七七号)
 同(菅野悦子君紹介)(第六七八号)
 同(辻第一君紹介)(第六七九号)
 同(寺前巖君紹介)(第六八〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第六八一号)
 同(不破哲三君紹介)(第六八二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第六八三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第六八四号)
 同(正森成二君紹介)(第六八五号)
 同(三浦久君紹介)(第六八六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第六八七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六八八号)
 労働基準法の改善に関する請願(外口玉子君紹
 介)(第六八九号)
同月二十三日
 労働基準法の改正に関する請願(伊藤英成君紹
 介)(第七九四号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第七九五号)
 同(新盛辰雄君紹介)(第七九六号)
 労働基準法の改正等に関する請願(金子満広君
 紹介)(第七九七号)
 トラック運輸の長時間労働一掃に関する請願
 (佐藤祐弘君紹介)(第八二二号)
 同(辻第一君紹介)(第八八八号)
 労働基準法の改善に関する請願(菅直人君紹介
 )(第一〇〇六号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一〇〇七号)
 同(金子満広君紹介)(第一〇〇八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一〇〇九号)
 同(児玉健次君紹介)(第一〇一〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一〇一一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一〇一二号)
 同(辻第一君紹介)(第一〇一三号)
 同(寺前巖君紹介)(第一〇一四号)
 同(東中光雄君紹介)(第一〇一五号)
 同(不破哲三君紹介)(第一〇一六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一〇一七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一〇一八号)
 同(正森成二君紹介)(第一〇一九号)
 同(三浦久君紹介)(第一〇二〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一〇二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一〇二二号)
同月三十日
 労働基準法の改善に関する請願(岡崎宏美君紹
 介)(第一〇五〇号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一〇五一号)
 同(佐藤泰介君紹介)(第一〇五二号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第一〇九四号)
 同(嶋崎譲君紹介)(第一〇九五号)
 同(川崎寛治君紹介)(第一一八三号)
 同(田中昭一君紹介)(第一一八四号)
 労働基準法の改正等に関する請願(金子満広君
 紹介)(第一〇五三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
 締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第二号)(参議
 院送付)
     ――――◇―――――
#2
○岡田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩田順介君。
#3
○岩田委員 前段の駐留軍関係離職者臨時措置法につきましては、私が御質問をさせていただきたいと思います。さらに、漁業関係の離職者臨時措置法につきましては、我が党の鉢呂委員が後ほど質問に立ちます。つまり、分離して質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思うのです。
 駐留軍関係の法律が再度延長されるということで提案をされておるわけでありますが、関係者は一様にこれを歓迎いたしております。後ほど状況については御質問をさせていただきたいと思いますけれども、私どもも、再延長につきます労働大臣初め関係者の御努力には敬意を表したい、かように思っている次第であります。
 この質疑の前に幾つか、雇用問題、労働情勢についてお尋ねをしておきたいと考えております。
 最近の景気動向の中で、幾つか明るい材料も出てきているということが言われておるわけでありますが、しかし先行きは依然として暗いというふうに判断をしなければならないと思います。総務庁が三月三十日発表いたしました本年二月の就業者数につきましても、前年同月比でマイナスということが出ておりまして、これは一九八五年十二月以来、いわゆる円高不況以来七年二カ月ぶりの減少ということが発表されております。また、労働省が発表いたしました有効求人倍率を見ましても、二月では前月を〇・〇二ポイント下回っているということが報告されております。つまり、昨年の十月以来五カ月連続で下降しているという実態が明らかになっております、〇・九一ということが現況のようでありますけれども。明るいという幾つかの材料はあるものの、総体的には極めて厳しい。
 こうした中で、雇用情勢についてこれがどういうふうに影響していくのか、まず大臣の御所見を、御認識を賜りたいと思います。
#4
○村上国務大臣 おはようございます。
 現在の我が国経済を見ますると、御指摘のとおり、生産は五カ月ぶりに増加をし、経済の活発さをあらわすと見られるマネーサプライも前年と比べ増加するなどの動きが見られますが、全体としては景気の低迷が続いているものと認識いたしております。
 こうした中で、雇用情勢を見ますと、求職者の増加は続き、有効求人倍率は一段と低下し、失業者の増加も続いております。また、中高年齢者を対象とした希望退職の募集、勧奨退職、さらには新卒者の採用内定取り消しなど厳しい雇用調整を行う動きも見られ、一段と厳しさを増している、このような認識に立っております。
 今後についても、景気の先行きは依然不透明であること、また、雇用の回復は景気の回復におくれる傾向もあることから、ここしばらくはこうした厳しい状況が続くのかな、このように思っております。
#5
○岩田委員 厳しい状況という御認識が表明をされたわけでありますが、とりわけ中小零細企業には厳しい波が続くのではないかと私も思います。マネーサプライのこともお触れになりましたが、為替については、昨日はロンドン、ニューヨークで百十三円と最高値をつけております。これも一体どういうふうに影響してくるかということは今後心配でありますが、きょうは認識だけ伺って、この後やはり雇用調整が続くだろうと思われます最も厳しい中小企業への御配慮をお願いしておきたいというふうに思います。
 また、その特徴として新規学卒者の採用内定取り消しという問題を大臣も今若干お触れになったかと思いますけれども、これはやはりかつてない今春の特徴ではないかと思いますね。希望に胸を膨らませて社会に出帆しようというやさきにこういう仕打ちを受ける、こういった若者については本当に胸が痛む思いだろうと思います。また、これは社会的な問題でもあることは言うまでもないと思います。
 いわゆる新規採用の取り消しの状況は、新聞で読む限りでありますけれども、景気の後退による業績の不振が一つ、これは全体を覆っていると思います。また、倒産したということもありましょう。それから、従来、採用内定しておりましても辞退をするという人も、景気の動向、その時期によってかなり幅があったことは事実でありますが、こういう不景気になりますと辞退者が少なかったということも考えられます。それでその分あぶれてきた、これを取り消したということもありましょう。また、景気が先行き不安定なものですから、よその社でやっているならこの際おれのところもやったって余り制裁を受けぬのではないか、やっておこうというような、横並びというかそういうことで踏み切ったところもあると思いますが、労働省としてはこの問題についてどういうふうに対処されようとしているのか。企業名の公表等も考えておられるやに聞いておりますけれども、一体どういう御検討をされておるのか、また、今後どういう対策をとられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#6
○齋藤(邦)政府委員 採用の内定取り消し問題についてですが、対応策といたしまして、まず企業の事前通知制度の創設を内容といたします職業安定法施行規則の改正を四月一日付で行いました。この事前通知制度によりまして実態の正確な把握に努めるということにいたしております。
 それから、企業につきましては、事業者団体への要請はもとよりでございますが、個々の取り消しを行った企業につきましても、職業安定所を通じて指導をいたしてきております。現に、この指導によりまして内定取り消しを撤回していただいた事業所もございます。
 さらに、取り消された学生の方々についての就職のあっせんということにも、学校とも連携を図りながら、全力を尽くしてきております。内定の取り消しをされた方のうち数多くの方が、再就職と申しますか新たな就職先が見つかっております。
 それからさらに、企業名の公表の問題でございますけれども、社会的責任ですとか安易な取り消しに対します防止策という観点からも重要な措置ではないかというふうに考えております。ただ、
不公平にならないようにしなければならないとかいろいろ問題がございますので、十分慎重な配慮をしなければならないというふうには思っておりますけれども、四月中旬ぐらいに公表をいたしたいということで、そのために現在準備を進めておるところでございます。
#7
○岩田委員 過日、社会党からこの問題について具体的な施策を含めた申し入れをしておりますが、大臣、ひとつこの点につきましてもあわせて御検討を進めていただきたいというふうに思います。
 今局長から御答弁ありましたが、これはどういうことになっておりますか。例えば、先ほど私が申し上げました就業者数が減っているという総務庁の報告がありましたが、その新聞記事でも、いわゆるパートを含む女性の就業者数が減っているということが特徴として述べられていましたね。採用内定取り消しにつきましても、これは女性が犠牲になるというか、しわ寄せが女性にいっているということが考えられますが、傾向としてはいかがでしょうか。その点だけ聞いておきたいと思います。
#8
○齋藤(邦)政府委員 今まで集計をいたしましたところによりますと、確かに女子学生の方が数自体としては多うございますが、個々具体的な事例をそれぞれ調べさせておりますが、特に女性の学生だけを対象にして取り消しを行う、早く申し上げれば男性だけ採用して女性だけ内定取り消しをする、こういうような事例はないようでございます。たまたまの結果としてそういうことになっているのではなかろうか、こういうふうに思っております。
#9
○岩田委員 次に、今回の駐留軍関係の法律につきまして、先ほど我々は評価をするというふうに申し上げましたが、大臣、この法律につきましていわゆる御決意と申しますか、この法律を提案された大臣として御所見を賜っておきたいと思います。
#10
○村上国務大臣 日本に駐留する米軍基地で勤務する日本人の従業員の方々については、米軍の事情によって人員整理が行われることもあるため、その雇用状況は不安定であります。労働省としては、離職される方々の再就職を促進するなど、その雇用の安定に努めてまいりました。
 今後についても、部隊の縮小、撤退などにより離職を余儀なくされる方々が生ずることが見込まれますし、離職された方々の再就職は、年齢の高い方が多いことなどから、難しい状況にあります。
 このような離職者の方々の再就職を促進し、雇用の安定を図ることは、労働行政に課せられた重要な使命であり、私といたしましても、法律の有効期限を延長して引き続き対策を講ずる必要があると考えており、今回の法改正をぜひとも実現する必要がある、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#11
○岩田委員 今この法律の必要性について大臣から御答弁がありました。高齢化されているということも極めて厳しい状況であろうと思います。いわゆるこの該当者、日本人のこの従事者というのは特殊な立場に置かれておるのですね。一般の民間の労働者とちょっと違うのです。労使関係だって違っていきます。その動向というのは、米軍の動向にすべて任せるというか運命はそこにかかっているわけですから、極めて特殊な状況に置かれているということが一つあると思います。
 そこで、駐留軍従業員の数が最近どういうふうに推移をしているのか、現在どうなっているのか。かつては大量解雇があったり、大変な問題を歴史的に持ってきた職場なんですね。全駐労という労働組合もそういう波にさらされてきた関係がありますが、最近どういうふうになっておりましょうか。
#12
○荻野政府委員 お答えいたします。
 現在のその数でございますけれども、二月末現在で二万二千二百五十八人おります。このうち、米軍の部隊とか機関に勤務する人間でございますけれども、これが一万四千四百六十人、それから、いわゆる食堂とか売店とかいう歳出外の資金によります諸機関でございますが、これに勤務する者が七千七百九十八人おります。
 米軍に勤務する従業員でございますけれども、これは毎日、日々採用しておりまして、数の推移を見る場合に、ある時期で見ると不正確であります。どういうふうな推移になるかといいますと、六月三十日と十二月三十一日に定年でやめる人間がおります。そのときが一番数が少ないわけでございます。ですから、一月からだんだんふえてまいりまして五月に一つの山が来まして、六月で減って、また七月からふえて十一月までいって、十二月に減る、こういうようなことを毎年繰り返すわけでございます。ですから、年間の平均従業員で見るのが一番いいのではないかということで、年間の平均従業員を見てまいりますと、ここ五年ぐらいはほぼ二万二千人前後で推移しておりまして、雇用は安定してきております。
 先生御指摘のように、それから先ほど労働大臣がお答えになりましたように、かつては非常に解雇されまして、今の二万二千という数字を例えば昭和四十七年の数字に比べてみますと、昭和四十七年では四万三千人おりました。約四万四千人おりましたので、半分ぐらいに減ってきているということでございます。
#13
○岩田委員 あわせて、従業員の離職の状況について、同じく推移についてお知らせをいただきたいと思います。
#14
○荻野政府委員 これもまた最近の状況からお答えいたしたいと思いますけれども、駐留軍従業員というのは、離職の理由を大きく分けまして、一つは自分の意思でやめる、いわゆる自己退職者でございますね。それとあと定年退職者、それからいわゆる人員整理などによって離職を余儀なくされる者、大きく分けますとそういうふうに分かれるわけでございます。
 離職者全員の数でございますけれども、これは毎年四千人から五千人ぐらい大体離職しております。この四千人から五千人ぐらいのうちの大部分は定年退職者と自己退職者でございます。
 最近の駐留軍関係離職者等臨時措置法の適用を受ける者でございますけれども、昭和六十三年度が二百三十四人、平成元年度が二百五人、平成二年度が百九十三人、平成三年度が百四十人、平成四年度が九十九人と非常に少ない数になっております。
 これらの法律の適用を受けた者の大部分は、米軍の業務運営上の都合によりまして解雇された五十九歳に達した者でございます。予算の削減や部隊の撤退、移動、縮小等に伴う人員整理はこの五年間はございません。
#15
○岩田委員 つまり、最近は安定しているということですね。今おっしゃいましたように、五十四年から五十九年を見てみますと大体二万人台ですね。その後、六十年以降六十二年までは二万一千に膨れていますね。それから六十三年以降は二万二千で大体推移をしております。数から見ても、おっしゃいましたように、かつて五万人体制、四万五千人という時代がありますけれども半分になっておりますが、数の推移としては安定をしているというふうに思っております。
 この安定しているという理由は一体どういうことでしょう。今御説明になりましたそれ以外に何かお考えがありますか。
#16
○荻野政府委員 お答えいたします。
 ただいま離職状況を御説明申し上げましたけれども、その状況から見まして、主な理由として二つのことが言えるんじゃないかと思います。
 一つは、特別協定による労務費負担でございます。これが安定の理由になっているのではないかと思うわけです。と申しますのは、特別協定による労務費の負担以前の昭和六十一年以前でございますけれども、これは毎年予算の削減に伴う人員整理がありました。ところが、労務費の負担後はこれがなくなっているということが一つ理由として挙げられます。
 もう一つは、従業員の職場に影響を及ぼすような部隊の撤退、移動、縮小がここのところはない
んじゃないか。と申しますのは、ここ五年間、今申し上げました理由に伴います人員整理がないということからも推測されるんじゃないかと思います。
#17
○岩田委員 日本の米軍に対するいわゆる肩がわりということが影響しているというか安定の理由だということをおっしゃったようでありますが、確かに、五十二年度から始まったのですかね。さらに平成三年度から発足した新特別協定というものがございますけれども、これは五カ年で段階的に肩がわりをふやしていくということですね。最終年度は平成七年度、こういうふうにされておるわけでありますが、平成七年度には本俸全額をするということになるんですね。この特別会計というのは七年度まではきちんとなっていますけれども、しかし米軍の移動によって基本的には減っていったりふえていったりするということでありますが、このいわゆる特別協定による労務費負担が続く限り安定をしていくだろうというふうに思いますけれども、そういうふうに理解をしてよろしいのですか。
#18
○荻野政府委員 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、特別協定による労務費の負担以降予算の削減に伴う人員整理というのはないわけでございます。それからもう一つ、特別協定による負担の目的といたしまして、一つは従業員の雇用の安定ということが入っているわけでございます。したがいまして、特別協定による労務費の負担が続く限りにおきましては予算の削減に伴う人員整理はないだろうというふうに言えるわけでございます。
 しかしながら、従業員が多数勤務しています部隊、こういう部隊が米軍の都合によりまして撤退したり基地が閉鎖されたりした場合には、従業員の職場そのものが根こそぎ失われることになるわけでございます。このような場合には従業員の雇用に影響はないということは言えないのではないかと思うわけでございます。
#19
○岩田委員 これは米軍がどういうふうに変化をしていくか、配備の変化がどういうふうになるかというのが大きな問題だろうと思います。これはここで議論したって仕方のないことでありますけれども。
 ところで、過日、全駐留軍労働組合の中央執行委員長目取眞栄文さんという方から我が労働委員長にあてられたこの法延長に関する要請というものが参っておりますが、その一部を紹介させていただきますと、
 私たち駐留軍労働者は、他国の軍事政策や国際政治の動向に影響を受ける立場におかれております。
 さらに、最近の駐留軍労働をとりまく情勢は、冷戦体制の崩壊による国際情勢の変化とアメリカの国防費削減策によって、在日米軍においても部隊・機構再編などの動きが目だってきています。
 とりわけ、米国防総省が一九九〇年四月に発表した「二十一世紀に臨むアジア太平洋地域の戦略的枠組み」に基づく米軍兵力の削減計画では、第一段階の削減がすすめられ、一九九三年から第二段階、第三段階の削減計画も実施に移される動きにあります。こうした在日米軍の兵力削減の動きは、駐労雇用に影響を与えることが必至であることから、駐留軍労働者は大きな不安を抱えているところであります。こういうふうに言われていますね。
 これは、この労働組合の方々の歴史を思い起こしてみますと、いわゆる基地反対、戦争反対、米国の極東における拠点であります日本への配備反対であるというような反戦闘争をなさった経過がありますよね。しかし一方では、雇用の場としての駐留軍施設に働いているという矛盾、こういったもので悩まれたことを私もよく知っておりますけれども、しかし、すべての方々が好んでここに就職されたわけではないと思いますね。やむを得ず就職されたという歴史だってある。とりわけ沖縄なんかではそういうことが言えると思います。
 つまり、第二段階が今始まっているわけでありまして、四万七千を七百人削減をする、これはされたというふうに聞いておりますけれども、今後このいわゆる米軍の動向というのがどういうふうになっていくのか、その辺の動向についての報告はできますか。
#20
○荻野政府委員 お答えいたします。
 米軍の動向がどうなるかというのは、米国の国防政策とか安全保障政策に絡む問題でございます。非常に難しい問題でございまして、駐留軍従業員の労務管理をやっている私どものところではなかなか推測できないことでございます。
 ただ、先ほど先生御引用になりましたアジア・太平洋地域の戦略的枠組みによります兵員の削減に絡みます従業員の雇用の影響でございますけれども、これにつきましては、現在までのところ影響が与えられていないということでございます。
#21
○岩田委員 おっしゃるように、それはなかなか答えようといったって答えられない問題かもしれません。しかし、それによって雇用状況が変わってくるとなれば、御当人たちもここが一番心配なのですね。
 私も専門家でも何でもありませんからお聞きをしているのですけれども、三月でしたかアメリカ議会に対して、クリントンになって初めてだと思いますけれども、海外にアメリカが派遣をしている、駐留をさせている米軍の数が三十六万人である、そのうち相当部分を冷戦構造に基づいて配備の計画を検討する、つまり削減をする、そういった議会報告をされておりました。三十六万人を二十二万人にするわけですか、こういう計画が発表されておりました。
 これは第一段階か第二段階か知りませんけれども、クリントンになって極東における戦略というのが変わるのではないかとか、いや変わらぬのではないか、ブッシュ政権、前政権の基本方針を受け継ぐのではないか、いろいろ議論があります。しかし、クリントンになって、先月だったと思いますが削減をするという報告が出ておるわけですよ。この中で、日本に配備されている米軍がどれくらいそれに加わっているのか、含まれているのか、この辺は一体どうでしょうか。
#22
○荻野政府委員 私どもの承知しておるところでは、まだ三十六万の中身について全然連絡も受けておりませんし、私どもは承知していないということでございます。
 ただ、先生おっしゃいましたアジア・太平洋地域の戦略的枠組み、先ほど引用されたのでございますけれども、これは一九九一年二月二十八日のブッシュ政権の時代でございますので、それとは関係のないことだろうと思うのです。
#23
○岩田委員 これは要望になると思います。労働省、大臣の所管ではないと思いますが、一つ要望をしておきたいと思うことがありまして、できれば御所見を賜りたいと思うのです。
 沖縄に限って申し上げますと、米軍が施設を縮小すると当然跡地の活用が問題になるのですね。地主もたくさんおられるのですけれども、農業に転用する、もとに復元するといったって、後継者問題も含めてなかなか難しい問題があるわけですよ。それから、基地が全部そっくりそのまま返還をされるという場合もありましょうが、それはなかなかそうではなくて、部分的に返還をする、こうなってまいりますと、雇用問題とも関係をするのですけれども、この跡地を一体どういうふうに利用するかというのが沖縄では大きな問題になっているわけですね。既になっておるわけです。もともと沖縄は産業が本土に比べて比較的少ないところです。ですからこそ基地に頼らざるを得ないという矛盾を含んだ現状が存続をしてきたわけですね。ですから、沖縄の地元の方々は、まさに返還後の基地の跡地利用を地域の活性にどう役立てていくのかということが大きな問題だと思いますね。
 詳しくは調べておりませんけれども、これについては、例えば政府がその活用について、また地域政策を積極的に手助けをしていくという責任はかなりあると言わざるを得ないと思います。これ
は労働省の所管ではありませんけれども、関係各省庁連絡会議ぐらいはきちんとやっていただく。なかんずくこれは雇用問題につながっていくわけでありますから、これにつきましては大臣もぜひ御承知おき願いたい、御努力をしていただきたい、こういうふうに私は思うわけでありますが、何か御所見ございましょうか。
#24
○村上国務大臣 私は、一昨年まで自由民主党の基地対策特別委員長をやっておりまして、沖縄にも参りまして地主の方々との対談もいたしてまいりました。今岩田委員の御指摘なさったこうした問題があるということは、十分認識をいたしております。
 おっしゃるようなことで、これは政府としても、沖縄問題ということになれば当然そういうところに帰着することだと思いますので、労働省の所管といたしましても大いに関心を持っていかなければならない、そういう問題意識は私自身十分承知をいたしております。また、かつては防衛政務次官も経験をいたしておりますし、おっしゃることの意を十分受けながら対応してまいりたいと思っております。
#25
○岩田委員 これで質問を終わりたいと思いますけれども、最後に、先ほども雇用問題、再就職を含めてなかなか困難だという大臣の御答弁もございましたが、基地の中で働いている従業員の方々というのは、職域といいますか職場が、持ち場が非常に細分化されているわけですね。例えばトラックの運転手さんとかバスの運転手さん、それはもちろんそうですけれども、タイヤのパンク修理ならタイヤのパンク修理をする部門だとか、自動車関係は日本の自動車修理工場のようにトータルに何でもできるという体制じゃないのですね。売り子であったりPXであったりというふうに……。ですから、何か事があって出る場合に、解雇されたり何かすると、今の基地外ではなかなか通用しないと思いますね。だからこそ再就職のための訓練というのがあるわけでありますが、そういった事情に考慮をいただいて、一層きめ細かな御配慮を賜りたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#26
○岡田委員長 以上で岩田順介君の質疑は終了いたしました。
 次に、鉢呂吉雄君。
#27
○鉢呂委員 私は、今回提案されました国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の改正案について御質問をいたしたいと思います。
 昭和五十二年の二百海里経済水域設定後、さまざまな国際協定によって特に我が国の遠洋漁業の撤退が重なっておるわけでありますけれども、この法律も累次の改正をして今日に至っておるわけであります。特に昨年末におきましては、アカイカを中心とした公海流し網漁が禁止をされました。ここに労働委員会の委員長もされております岡田先生も地元が釧路でありますし、私も実は北海道三区、函館市でありまして、今度の禁止された公海流し網漁の日本の最大の基地であったと言われておりまして、大変大きな影響を与えておるわけであります。大臣も御承知のとおり、漁業のこういう撤退は、単に漁業のみならず幅広い関連業種に大きな影響を与えておるところでありまして、ここで地元の実態調査に基づきましてそれらの課題、問題点について指摘をさせていただき、所管の御答弁をいただきたいというふうに考えておるところであります。
 まず、この法律制定以来、資料によりますと二万六千人の漁業離職者が発生をしたところでありますし、今度の公海流し網におきましても六千四百人ほどの漁業離職者が対象になるというふうに言われております。本年度、平成四年度でありますけれども、全国で三千七百人余り、北海道でも千三十三人、私の地元でも、三月十二日現在、北海道運輸局の船員職業安定所によれば七百五十人、大変多い数の離職者が出ておるわけであります。しかし、今度の法律については十分に活用されておらない経過がございます。
 今度の場合におきましても、函館管内七百五十人の対象者のうち、求職手帳発給者数、これは、この法律に基づいて希望する者については手帳を発給するのでありますけれども二百四十九名、三〇%弱にとどまっておるところであります。また、この法律に基づく各種給付金の支給実績を見ましても、昭和六十二年から平成三年まで五年間を見ましても、特に技能習得手当でありますとか移転費、雇用奨励金等の活用はまさに皆無に等しいわけであります。活用されるべき客観情勢はあるのでありますけれども、各種制度が活用されておらない。したがって、最も有効に活用すべき制度的な見直しが必要であるのではないか、そういう観点で、運輸省あるいは労働省がそういった点についてどのようにお考えになっておるか、これをまずお伺いをいたしたい。
 時間がありませんから、三つほど続けて御質問いたします。
 また同時に、各種給付金の支給額が大変低額であります。漁業船員の場合は大変特殊でありますから、こういう産業構造の転換において、漁業においてはだんだん就職機会が狭まっておるわけでありますけれども、しかし、汽船あるいは内航船等の就職の機会がまだ相当あるわけであります。それには資格等の問題がありまして、これらの技能習得を伴う機会を十分得る必要があるのでありますけれども、最終的には自力で探す結果を招来せしめているというふうに思わざるを得ません。
 三月十五日の函館海運支局の再就職意向調査というのがございます。これはことしであります。これによりましても、百七十六名の意向調査に応じた中でも、九〇%の方は、百五十九名の方は漁船または内航船で再就職を希望している。そういう実情からいきますと、船員の特殊性からいきまして、各種給付金あるいは手当の単価等についてのアップが、これはもちろん雇用保険法あるいは関係法の横並びの関係があると思いますけれども、これらのアップが必要と思われるが、その点についてどのように考えておるか、お伺いをいたしたいと思います。
 それから、もう一点でありますけれども、漁業離職者給付金制度の中で、訓練後さらに就職を求めるために就職促進手当等の制度があります。これについては三十五歳という年齢制限が行われておりまして、三十五歳以上でなければこの就職促進手当が支給されないということであります。私も地元に帰りましたら実はまだ漁業に従事するという道はございますが、しかし、三十五歳未満の者はこの就職促進手当を支給される道がないために、どうしても船主は若い人を雇う、三十五歳未満の人を雇いがちである。ですから、高齢者の乗組員の方は玉突き現象ではじき出されるというようなことが間々あるようでありまして、そういった面で、これも雇用対策法という共通法の制限はさまざまあると思いますけれども、船員の特殊性にかんがみて柔軟な対応をぜひともお願いいたしたい。特に八十三国会の参議院の社労委員会では、この問題等について、給付金の受給年齢や支給額について漁業の実態を考慮して措置をすることということを附帯決議として出しておりますので、そういった意味からも柔軟な対処をお願いいたしたい。
 この三つについてまず最初に御答弁をお願いいたしたいと思います。
#28
○齋藤(邦)政府委員 まず、私どもの所管しているところから御答弁させていただきたいと思います。
 まず第一点でございますが、いろいろな措置について利用が図られておらないのではないか、こういう御質問だというふうに思いますが、私ども、制度といたしましては一応整ったものができておるのではないか、こういうふうに思います。ただ、御指摘のような点につきましては、さらに関係者の方々に御理解を賜るよういろいろな工夫をしてまいりたい、このように考えております。
 それから、手当の額の問題でございますが、額自体につきましては、平成五年度におきましても、賃金等の上昇を考慮いたしまして単価の改定を行いました。今後におきましても、経済情勢を考慮しながらその改定につきましては努力をいた
してまいりたい、このように考えております。
 それから、就職促進手当の関係でございますが、三十五歳以上の方につきまして就職促進手当を支給できる仕組みになっておりますが、これはやはり三十五歳以上の方が再就職をする場合にはいろいろな困難が予想されるということから、一般の方と違って手厚い措置を講じているということでございまして、三十五歳未満の方は割合容易に再就職ができるということ、三十五歳以上の方は非常に難しい、こういうような関係から就職促進手当を支給しているわけでございまして、やはり画一的な措置をするのには問題があるのではないか、このように考えております。
#29
○鉢呂委員 今給付金のアップについてもそれぞれ行っておるということでありますけれども、先ほど申しましたように、五十二年以来北洋漁業等からの撤退が相次ぎまして、まさに漁業としての就職機会の場、これは大変先細りをしておる現状であります。もちろん今特定漁業十二業種でまだ一万九千人程度職を持っておるわけでありますけれども、先行きが大変暗いという状況であります。しかし一方、免状を取得している船員、これはまた非常に少ないのでありまして、そういった意味では、絶対数については減っているわけでありますけれども、その内容については、まだ職を得る機会は漁業についてもあるということであります。しかし、免状のない者で今船員として船に乗っておる人がいるのです、単純な仕事をして、これは段階はいろいろあるのですけれども。したがって、一級、二級、三級、四級、さまざまな資格取得の場合においてもある程度の資格を取得するための研修期間が必要なわけでありまして、先ほど言いましたように、もちろん最長三年程度さまざまな給付金が支給されることになっておりますけれども、その月額は大変少ないのでありまして、家庭を持ちながらそういう資格を得るための研修を続けていくというのは大変困難になっておるということで、やむを得ず陸上に上がるという船員さんが大変多いということも聞いておるわけでありまして、今すぐこれは改定ということにならないかもわかりませんけれども、五十二年当初の法律の制定された当時とは乗組員の環境が変わっておるということに十分配慮をして、今後対処していただきたいということをお願いしておきます。
 それから、先ほど言いましたように、このような漁業の減船が相次ぎますと、主に水産業に依存をしておるような地域は大変な影響を受けるところであります。まず最初に、漁業はもちろんでありますけれども、この関連産業も全体としてその地域で大変な影響をこうむるわけであります。
 具体的な例といたしまして、昨年末禁止をされました公海流し網漁、その関係の、これは実は皆さんも御承知のとおり国連決議が一昨年の暮れに出まして、アカイカ等については半年の漁期でありまして、昨年の七月から十二月という形で一回漁を終わって、それでもう昨年の十二月末で禁止という措置であります。もちろん国連では、混獲の度合いを調査して、その結果に基づくということは数年前出されておったのでありますけれども、大方の船主あるいはその関係者は、突如として昨年末禁止になった、そういう受け取り方をしておるわけでありまして、その影響は非常に大きいわけであります。
 具体的に今触れていきますけれども、まず漁業の離職者対策、アカイカ流し網漁にかかわる漁業の離職者対策としてお伺いをしたいのであります。
 先ほど言いましたように六千名余りの船員の離職者が今後発生する、この平成四年は約半数が発生するわけでありますけれども、これらについて、船員の雇用対策として、一つは漁業へ就職する、もう一つは、先ほど言いましたように内航船あるいは汽船等に非漁業関係の船員としての就職先、並びに陸上に上がらざるを得ないというこの三つの部門について、労働省としてどのような具体的な対策を講じようとしておるのか、この点についてもお伺いをしておきたいと思います。
#30
○齋藤(邦)政府委員 漁業離職者の方々ですが、まず今回の流し網漁業の禁止によりまして、漁業だけではなく数多くの関連のところにも影響が出てくるだろうというふうに思っておりますが、前提といたしまして、できる限り離職者を出さないようにすることが可能なところは、雇用調整助成金等の活用を図っていくということが一つあると思います。
 それからさらに、漁業本体のような、いわゆる失業者と申しますか離職者がやむを得ず出てくるところにつきましては、数多くの給付金等も活用しながら、離職者の方々の希望なり能力なりに応じた形での再就職というところに努めていく必要があるだろう、このように考える次第でございます。
 また、漁業から漁業の問題につきましては、これは運輸省の所管でございますけれども、運輸省で十分やっていただけるものというふうに思っております。
#31
○鉢呂委員 今漁業についてはお聞きをいたしましたが、非常に抽象的であります。
 そこで、関連業界への対策、対応ということでありますけれども、このアカイカの流し網漁に関しては、一つはアカイカを原料とする水産加工業への影響であります。これは、私の函館市はまさにイカの加工が水産加工の中でも一番重要な業種の一つになっておりますけれども、この水産加工業への影響。それから燃料等の資材供給業、これもまた大きな影響を受けておるわけであります。昔のように漁船から漁船へ転換するという道が残されておれば、これらの関連業界はそう影響ないのですけれども、特にこの資材供給を業とする業界は大変な影響を受けています。同時に漁船造船、造船界は、今非常に不況下であっても長期的には受注ができるという道が出てきて特定不況業種から外れたわけでありますけれども、事漁業の造船については、全く廃船をしてスクラップにしていく道ばかりでありまして、大変大きな影響を構造的に、最期的に受けておるわけであります。
 それから、このアカイカに関しては、一刺し四キロぐらいの長い網を使って、これを一日に一回ずつ上げていくという手法でやったわけです。そういう意味では、まさにアカイカの流し網漁は鋼業界によって成り立っておったと言っても過言ではないのですけれども、この網地の製造業あるいは網を一たん加工して、例えば鉛をつけたりさまざまなものをつけて、すぐ海に出しても仕事ができるような加工業というのがあるのですけれども、これらに対する影響が大変大きいものがあるということで、これら関連業種についての労働省としての対応策についても総括的にまず伺っておきたいと思います。
#32
○齋藤(邦)政府委員 関連業界、数多くあろうかと思いますが、一つはあかいか加工品製造業につきましては三月二十四日に特定不況業種に指定をいたしました。それから、昨年の十一月には漁網製造業を雇用調整助成金の指定業種に指定をいたしました。
 あとの問題につきましては、関係業界からいろいろお話がこれから出てくるだろうというふうに思いますが、業界からいろいろお話を伺いながら、特定不況業種の指定の申請、こういうような場合もあろうと思いますけれども、必要な対策はそれぞれ講じていきたい、このように考えております。
#33
○鉢呂委員 今局長言われたとおりでありまして、水産加工については特定不況業種に指定を受け、さらに網地製造業については雇用調整助成制度に先般指定をされたということであります。
 特に今申しました漁船造船業については、先ほど言ったような急激な受注量の減退を起こしておるわけでありまして、私は、雇調助成金あるいはまた特定不況業種の指定にもこれはなっていくものだろうと思いますので、その点についてもう一度答弁を願いたいというふうに思います。もちろん、業界の意向ということをおっしゃられましたけれども、業界の意向もあると思いますけれども、私は、漁船の造船業についてはこれに該当す
るものだ、しかも早急に行っていただきたいというふうに思います。
 同時に、もう一点質問させていただきますけれども、先ほどの網地製造業あるいは修理業を含むというふうに指定にはなっておりますけれども、先ほど言いましたように、網地の仕立て業というのがあります。漁網仕立て業ということであるのですけれども、これは非常に中小零細であって、全国的な、横断的な業界もない。私の函館でも三十五社が協議会をつくっておりますけれども、全国的な業界にはなっておらない。通産省の調査でも、全国的にどのくらいの業者がいるのかつかめないという状況であります。下請をやっておる会社も多いのでありますけれども、これは雇用調整助成制度というよりもむしろ特定不況業種の範疇に入る、まさにアカイカの流し網漁の漁網だけに依存をしてきたという業者が非常に多いわけです。三十五社のうちほとんど大半です。それが昨年末急遽なくなったということで、まさに今もう何も仕事がない。全面的にアカイカの漁網に依存しておったという実態であります。
 特定不況業種の指定基準を私も見させていただいておりますけれども、十分これは指定に該当する。指定区分についても、日本標準産業分類にない場合は実態に照らしてそれを該当させるという項目もあるようでありますから、地域的なものであるといいながら全国的に散らばっております。そういう意味で、ぜひ実態に即して早急に指定をするべきであると思いますので、御答弁を願いたいと思います。
#34
○齋藤(邦)政府委員 最初に、漁船製造業の問題でございますが、現在のところ関係団体からのお話はございませんけれども、業界からのお話があれば、十分御相談に応じまして必要な対策を講じていきたい、このように考えております。
 それから、もう一つの網地の加工のお話でございますが、現在、雇調金の対象業種には当然入るというふうに思っておりますが、十分関係者の御意見を伺って対応をしていきたい、このように思います。
#35
○鉢呂委員 関係者という中には、いわゆる全国的な業界の組織がつくられてないということは事実でありますから、やっておる地域の関係者に十分お聞きをして、しかも、的確に、時期を逸しない形で指定をしていただきたい。本当に別の業種に行きたいということを――非常に若手の経営者が多いのですけれども、雇用についても非常に不安定な形で雇っておりますから、それを何とかつなぎとめて、次の職といいますか次の仕事を探してその従業員を職につかせたい、そういう意気込みはあるのですけれども、なかなかその間のことを、もう今は既に一月から仕事がない状態が続いておりますから、そういう点で十分地方自治体等とも協議をしていただきたいというふうに考えておるところであります。ぜひ特定不況業種ということで柔軟な対応をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 次に、先ほど局長から、雇調助成制度にいわゆる漁業部門から陸上に上がる部門については、乗組員についてはそういう形もという話がありました。そこで、先ほど岩田委員の方からも雇調制度の強化についての御質問があったと思いますけれども、今日の不況を脱するためにもこの制度の拡充は重要な政治課題になっておるというふうに考えておるわけでありまして、雇用調整助成制度の大幅な拡充強化について、これは大臣としてどのように考えておるか。一部には、例えば支給率を中小企業は今三分の二ですけれども四分の三に引き上げる、あるいはまた中小零細下請企業もこの対象にするとか、あるいはまた休業者が一人でも受給資格の対象にしていくというようなことが検討されているやに聞いておりますけれども、大臣、この雇調助成制度を拡充強化する考えがあるかどうか、御答弁を願いたいと思います。
#36
○村上国務大臣 実態に即してやっていかなければ意味がない、こう思っておりますので、そういう意図であるというふうに御理解を賜って結構だ、こう思います。
#37
○鉢呂委員 実態に即して行うということだと思いますので、先ほど来話がありますように、一時帰休ですとかあるいはまた解雇、さまざまな雇用調整が行われておることは事実でありまして、大変多業種にわたって雇用関係に不安定な状態を招来せしめていることは事実でありますから、早急にさまざまな業種指定を拡大していることは、もう既にやったというふうに承知しておりますけれども、ぜひお願いをいたしたい。
 特に、三月に労働省が発表いたしました労働経済動向調査によりましても、昨年の十月から十二月期を見ましても、何らかの雇用調整策を実施した企業は製造業では三九%、まさに一九八六年の円高不況のときの四〇%に匹敵する最大の高さになっておるわけであります。まだ残業規制等のものが多いのですけれども、中途採用の削減ですとか配置転換あるいは出向というものが相当数出てきておる調査結果が出ておりますので、時期を逸しないように的確にやっていただきたいと思いますし、先ほど言った拡充強化についても十分配慮していただきたいと思います。
 同時に、船員保険における雇調制度、これは、労働省所管の雇用保険部門については従来陸上部門ということで行われてきました。雇用調整助成制度でありますとか特定不況業種の指定に係る雇用保険法の適用はそういう形で行われてきたわけでありますけれども、私、この関係の調査をしてきた中で海上部門を預かる船員保険についてはこの制度がございません、ないというふうに私は思います。
 例えば、漁業から漁業に移る場合、あるいは漁業から汽船、内航船に移る場合、事業を拡大する、事業を転換する場合に事業主を通して賃金の保障をしていく、賃金の助成をしていくという制度が船員保険の方にはないというふうに思いますけれども、この点についてはそのとおりか。あるいは、そのとおりであればこれはやはり法律のはざまであるというふうに思います。
 船員保険と雇用保険の歴史的な経過は承知しますけれども、しかし、そういうものの不平等があってはならない。船員関係も先ほど来言いましたように大変な構造的な産業転換あるいは不況に陥っておるわけでありますから、ぜひ船員保険の方にも雇調助成制度というようなものを早急に創設していただきたい、このことについて御答弁を願いたいと思います。
#38
○金子説明員 お答えいたします。
 船員の雇用対策につきましては、運輸省と連携を図りながら、船員保険制度におきましても、その福祉施設事業の一環といたしまして、船員労働の特殊性に配慮した事業を推進してきているところでございます。
 具体的には、まず内航海運適応訓練助成金制度でございます。これは平成四年度に新たに設けられた制度でございますが、国際的な漁業規制などによります減船等に伴いまして離職を余儀なくされる漁船船員を、内航船等の海上職域へ転換する際に必要とされる内航海運適応訓練を受けさせる船舶所有者に対しまして、訓練期間中の賃金の二分の一、中小船舶所有者につきましては三分の二を助成するものでございます。
 そのほか、船員保険特別会計のもとでは、外国船に船員を派遣する際に助成を行う船員派遣助成金など、船舶所有者に対する助成を行っているところでございます。
 今後とも運輸省と連携を保ちながら、船員の雇用促進に資する施策を推進してまいりたいというふうに考えております。
#39
○鉢呂委員 福利厚生事業としてはあっても、基本的に雇用保険法で言っているところの雇調助成制度あるいは特定不況業種、いわゆる当該する漁船の事業主が漁船をやりながら同時に関連業種に手を広げて雇用者をそのまま雇用する場合に、その事業主に賃金相当として例えば三分の二を助成するということにはなっておらないわけでありますから、このことは法律のはざまの中で、やはり労働省の所管とスライド、きちっと横並びになっておらないというふうに私は思いますから、ぜひ
これは関係省庁で検討して、当該する従業員といいますか職員に対して不利益にならないように、これは早急に法的な整備をしていただきたいというふうに思うわけでありまして、これはそのように指摘をさせていただきたいと思います。
 時間がありませんから、続きまして、海技免許の取得機会の拡大ということで、先ほども言いましたように、漁業離職者はぜひとも漁業関係あるいは内航船関係で働きたいというのが大多数であります。希望はそうなのでありますけれども、実態はそれに反してまさに陸上で単純作業、単純労働になっていくというのが実情であります。したがいまして、免許なしで従事をしておる船員につきまして海技免許、これは海技免状の三級、四級あるいは一級小型船舶操縦士等のさまざまな免状があるのですけれども、その取得の機会は、研修を含めてでありますけれども、非常に少ないのであります。中には、函館の関係船員は、広島の呉にあります研修センターが非常に充実をしておるということでその方に希望しておるのでありますけれども、その研修移転費についても出ておるのですけれども満足でないということで、なかなかそれができない。函館にもその機会はあるのですけれども年一回程度。これは大量に出るわけでありますから、もっと年数回開催するとか等の研修機会の拡大、資格取得の拡大を関係機関にぜひとも要望したい、このことについての御答弁を願いたいと思います。
#40
○小島説明員 離職船員に対します海技免許の取得等のための各種訓練につきましては、財団法人日本船員福利雇用促進センターにおきまして全国各地で実施しているところでございまして、この訓練を受講する場合の受講料というものは無料になってございます。
 ただいま御指摘の当該訓練の開催回数あるいは開催場所等をさらに充実することにつきましては、訓練希望者の規模あるいは訓練内容等を踏まえ、また御指摘のような実態を踏まえまして、関係省庁と協議してまいりたいと考えております。
#41
○鉢呂委員 次に、減船交付金にかかわる退職金相当額の交付のあり方についてでありますけれども、これは水産庁関係であります。
 減船事業者については国際規制に伴う漁業の再編整備だということで、これは平成元年の閣議了解で減船補償ということをしてきておるわけでありますけれども、救済費交付金の算定方式によれば、交付対象者が、交付対象者というのは船主になるわけでありますけれども、対象漁船の乗組員に対して減船に伴い再編期間中に支払った退職金、この退職金相当額に対して、例えば専業船、アカイカだけに専業しているそういう専業船については四カ月分、これは固定給の四カ月分でありますけれども、これについて国が交付金という形で補てんをするということになっております。
 この当該乗組員に対する支払い済みの証明を水産庁としてはどのようにこれを確認しておるのか。
 従来、この間でありますけれども、乗組員に空領収書というような形で徴収して、これを交付金に添付をしておるというふうな話を聞くわけでありますけれども、このような違法行為ということは絶対に許されない。船主と乗組員との関係は、雇用関係においても非常に乗組員の方が弱い関係になっております。零細中小、そういう船主においてはこの関係が非常に強いのでありますけれども、このようなことは絶対に許されないというふうに思いますけれども、これらについて、水産庁としてどのように把握をし、どのように対処をしておるのか、お聞きをいたしたいと思います。
#42
○片山説明員 お答えいたします。
 現在、申請書が漁業者から協会を通じまして大日本水産会の方へ出ておりまして、チェック中でございますので、実際に支払いはまだ行われておりません。
 ただ、公海流し網漁業の減船漁業者救済費交付金のうち退職金相当額につきましては、振り込み証明等によりまして漁業者が乗組員に支払ったことを確認して交付することといたしております。
 今申し上げましたように船主による退職金の支払いが確実に行われたことを確認の上支払うこととしておりますので、そのような不正行為が行われるということは考えにくいことでありますけれども、必要に応じまして、関係者に対して厳しく指導してまいりたいというふうに考えております。
#43
○鉢呂委員 銀行振り込み等、等という中身がくせ者でありまして、また考えにくいというふうに言っておるわけでありますけれども、実態として、これはずっとこの間減船補償交付金というものが交付されてきたわけでありまして、平成元年というのは何回かの最新の閣議了解でありますけれども、この間にもそういう形があったというふうに労働組合から指摘をされておるわけでありますから、こういうことが絶対ないようにきちんとした確認をして交付をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 大臣に最後に、今までこのような形で質疑を交わしてきましたけれども、漁業を取り巻く国際環境はまだ続いておりまして、昨年も遡河性魚類の四カ国の条約を締結いたしました。いわゆる遡河性ということはサケ・マスなんでありますけれども、まさに公海からも全部撤退をする。アメリカ、カナダ、ロシア、日本が二国間ではなくこういう多国間の交渉を終えて条約を結んだところでありまして、あるいはベーリング海における規制も今後ますます厳しくなるということでありまして、大変厳しい国際環境になっております。
 もちろん水産業の構造転換を図るべく、前浜といいますか沿岸漁業における栽培漁業等について今転換を図っておるさなかであります。もちろん遠洋、公海に出漁している乗組員の中にもそういう沿岸の漁業権を持っている組合員もおります。しかし、大半は、実態を見てみますと、この間、十五年間程度でありますけれども、まさに故郷を離れて首都圏で働いておる。それも、もう本当に一年じゅうこちらに来ておる。私も地元を回りますけれども、小学生の御家庭でも、まさに三十代、四十代の方でもこちらに来て、盆、正月しか帰らないという実態を呈しておりまして、そういう意味では、おかに上がれば海の者は本当に手も足も出ないというような実態でありますから、ぜひこの漁臨法の拡充強化、今回は単純に五年延長でありますけれども、その意味合いは大きいと思いますけれども、さらに政令、省令、通達等で拡充強化を図っていただきたいものだなということをお願いするところであります。
 同時に、先ほど来お話がありましたとおり、地域の問題としてあるわけでありまして、時間がありますから一つだけ伺いますが、地域雇用開発を促進する法律がありまして、これの指定には札幌市を除いて北海道はすべてなっておるのですけれども、特定地域に指定されますと、これが一年という対象が三年に拡充をされるわけでありますけれども、この特定地域の指定についても、今全国で芦別の閉山に伴う滝川所管の職業安定所しか指定されておりませんけれども、ぜひ実態に即して函館市等のこの関係についても特定指定地域に指定を願いたい、このこともあわせてお願いをし、大臣の決意をお願い申し上げたいというふうに思います。
#44
○村上国務大臣 最近の我が国の漁業を取り巻く国際環境については、外国の二百海里水域内のみならず公海においても規制が非常に強化されており、依然として厳しいものになっている、こういう認識に立っております。
 このような状況にかんがみ、今後も漁船の減船に伴う漁業離職者の発生が予想されます。今回の改正は、本年六月三十日までの本法の有効期限をさらに五年延長いたしましたのもそうした意味があるわけでありまして、引き続き離職者に対する雇用対策を講じ、このような方々の生活の安定のために努力してまいりたい。
 それから、最後の件でございますが、検討させていただきます。
#45
○鉢呂委員 どうもありがとうございました。終わります。
#46
○岡田委員長 以上で鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、伏屋修治君。
#47
○伏屋委員 労働委員会における質問は、私、初めてでございますので、さきに質問されました委員の方々の質問と重複する面もあるかと思いますし、また、やや難解な法案でもございますので、ちょっと焦点がぼけるようなところがございましたら、お許しを願いたいと思います。
 最初に、駐留軍の離職者の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 一九九〇年のアメリカ議会の報告書、アジア・太平洋地域の戦略的枠組みということが発表されたわけでございます。その後もかなりドラスチックな国際情勢の変化があったわけでございますが、その戦略的枠組みの内容と、その変化があったのかなかったのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#48
○原田説明員 お答え申し上げます。
 先生今御指摘になられました国防省報告、アジア・太平洋地域の戦略的枠組みについて御指摘になったのだろうと思いますけれども、アメリカの国防省は九一年二月に、今後十年間を三段階に区分しまして、第一段階、すなわち九〇年から九二年末におきまして、在日米軍については九二年末までの間に約四千八百名を削減する旨発表いたしております。さらに、九二年七月、第二段階、すなわち九三年から九五年までに在日米軍につきましては約七百名を削減するとの計画を発表しておりますが、以上の計画についてはクリントン政権のもとでも変更されていないと承知しております。
#49
○伏屋委員 私の資料では、第三段階というのはまだ未定、こういうようなことになっておるようでございますが、それは確かなのですか。
#50
○原田説明員 先生御指摘のとおり、第三段階につきましては、現段階では未定でございます。
#51
○伏屋委員 その後、ブッシュ大統領からクリントン新政権にかわったわけでございますが、クリントン政権におけるところの軍備、軍縮の方針、これについてお尋ねをしたいと思います。
#52
○原田説明員 軍備、軍縮全般につきましての方針について、現在までのところ、大きな変更があるとは承知しておりません。
 また、先生はアジア・太平洋地域における戦略についても御念頭に置かれていることだと思いますけれども、結論から申しまして、アジア・太平洋地域の安全保障の基本的立場につきましても、クリントン政権になってもその基本的立場は変更はないというふうに我々受けとめております。すなわち、アメリカは、今後とも引き続きアジア・太平洋地域におきましては兵力の前方展開及び域内諸国との二国間防衛取り決めにより軍事的プレゼンスを維持し続け、アジア・太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしていく方針であると承知しておりまして、日本政府としてもこれを歓迎しているところであります。
#53
○伏屋委員 次に、具体的な中身に入ってまいりたいと思いますが、駐留軍関係の従業員の実態について二点ばかりお尋ねをしたいと思います。
 雇用形態の特色でございますが、そのうちの採用とか配置の方法、あるいは労働条件の決定方法等についてはどのようにされておられますか。
#54
○荻野政府委員 お答えいたします。
 在日米軍従業員は、日本国政府が雇用主になりまして雇用いたしまして、実際に使用するのは米軍が使用しているわけでございます。したがいまして、従業員の採用とか配置の手続とか労働条件というものは、法律上の雇用主であります防衛施設庁と実際の使用主であります在日米軍との間で締結しております労務提供契約――これは三種類ございます。一つは米軍の部隊に勤務する従業員に対するものでございますけれども、基本労務契約というものがございます。それから、これは数が少ないのですけれども、内航船に乗り組んでいます船員が十名ばかりおります。それを提供するための船員契約というものがございます。それともう一つは、売店とか食堂、いわゆる歳出外資金諸機関と言っておるわけでございますけれども、そこに勤務しています従業員を雇用するための諸機関労務協約という三つの種類の労務提供契約がございます。これによって決定されております。
 この労務提供契約によりますと、在日米軍の採用は、出勤日とか配置場所とか職種、就業計画等を明示して米軍が発出しました要求に基づきまして日本側の渉外労務管理機関が差し向けた候補者を米軍が面接しまして、合格した者につきまして日本側の渉外労務管理機関が採用通知を出すというような手続で行っております。
 配置は、先ほど申し上げました米軍の要求に書いてございますから、そのとおり行われております。
 労働条件でございますけれども、先ほど申し上げました、日米間で締結いたしました労務提供契約の中の労働条件に関する部分が適用されております。具体的には、渉外労務管理機関が発出いたします採用通知書で職種名とか適用基本給表、それから初任給、勤務場所、雇用の種類、雇用の期間等が明示されております。
 なお、申し上げますと、給与その他の勤務条件でございますけれども、これは労働基準法に適合しておりまして、しかも、国家公務員に準じたものとなっております。
#55
○伏屋委員 労働条件その他、私の手元の資料によりますとかなり詳しい給与形態のランクづけがされておるわけでございますが、それが今の御答弁によりますと国家公務員に準じておるということでございます。
 そうすると、身分というのは公務員に準ずるというような立場になるのかどうなのか、その辺はどうお考えですか。
#56
○荻野政府委員 お答えいたします。
 一般に国家公務員の要件といたしまして、一つは国が採用するということ、それからあとは国が給与を払う、負担するということ、それからもう一つは公務に従事するという三つの条件がございます。
 それで、駐留軍従業員につきましては、初めの二つの条件は満たしておりますけれども、三つ目の公務に従事するという点が、米軍に勤務しているものですから、公務に従事してないということで国家公務員ではないというふうにされております。しかし、国が雇用する人間であることには間違いございません。
#57
○伏屋委員 給与表については国家公務員に準じた給与表にのっとって昇給をしていく、こういうことでございますね。
 これは諸機関労務者についても同じことが言えるわけですか。
#58
○荻野政府委員 お答えいたします。
 諸機関従業員についても同じでございます。
#59
○伏屋委員 では次に、各種の保険制度は一体どういうふうな形をとっておられますか。
#60
○荻野政府委員 在日米軍従業員の各種保険制度につきましては、一般の民間会社の会社員と同様でございまして、健康保険につきましては健康保険法に基づく健康保険。なお、これを実施するために、健康保険法に基づきまして駐留軍要員健康保険組合というのが設置されております。それから、厚生年金は厚生年金法に基づく厚生年金の制度が適用されます。それから、雇用保険でございますが、これは雇用保険法に基づきます雇用保険。あと労働者災害補償保険法に基づく労働者災害補償保険がそれぞれ適用されております。
#61
○伏屋委員 次に、従業員数の推移等を見てまいりますと、年々減少してきておるわけですが、六十年から若干ふえてきておるようです。これはどういう理由によるのでしょうか。
#62
○荻野政府委員 御指摘のように、在日米軍従業員数は、昭和五十年度が年平均で約二万七千人でございます。それで、昭和五十五年度には年平均で二万五百人になりまして、ここ五年ぐらいはほぼ二万二千人ぐらいで推移しているわけでございます。
 そのふえたり減ったりする理由でございますけれども、実は私どもの従業員の雇用というのは、
米軍の労務要求に応じまして雇用しているわけでございます。つまり、米軍の労務の需要に応じまして労務を提供するということになっておるわけでございます。そういうふえたり減ったりする理由が何なのかということは、私どもは的確にはつかんでないわけでございますけれども、従業員全体としてここ五年ぐらいほぼ二万二千人前後で安定している理由の一つといたしましては、特別協定による労務費の負担というのが挙げられるのじゃないかと思います。
#63
○伏屋委員 その中で、特に諸機関労務者がふえておるというのが目立つわけでございますが、先ほどもちょっと触れられたようでございますが、諸機関というのは一体中身は何なのか、どういう理由でここがふえるのか、そのあたりをお答えいただきたい。
#64
○荻野政府委員 お答えいたします。
 諸機関といいますのは、地位協定十五条1項(a)によりまして、施設、区域内に歳出外資金により設置されていますPXとか食堂とか社交クラブとか劇場とか新聞というようなもので、独立採算性がとられている機関でございます。
 この機関の従業員が、確かに最近だんだんふえてきているわけでございます。ここ一、二年は大体同じでございますけれども。その理由が何かということは、先ほど申し上げましたように相手方の需要によって提供するものですから、私どもがどうも的確につかめないのでございますけれども、これは米軍といろいろな交渉を通じて、私もだんだんふえているので何でふえているのかということを聞いたことがあるわけでございます。そうしましたところ、米軍の回答は、結局、この諸機関というのはやはり福利厚生を主としてやる機関でございますものですから、米軍の軍人の福利厚生の向上を図るというようなことから業務の拡充をしている、ですから従業員がふえているのだというような説明がございました。
#65
○伏屋委員 次に、離職者の発生状況と今後の予想についてお尋ねをしたいと思います。
 年々減少はしてきておるわけでございますが、今後についてはどうかということをまず第一点、お尋ねしたいと思います。
#66
○荻野政府委員 御指摘のとおり、駐留軍関係離職者等臨時措置法が適用されます対象者は、最近減少しております。
 この主な理由といたしましては、二つございます。一つは、特別協定によります労務費負担の結果、予算の削減に伴います人員整理が皆無となっているということがございます。それからもう一つは、従業員の職場に影響を及ぼすような部隊の撤退、移動等がないということが挙げられると思います。
 では、現在どんな人間がこの法律の対象になっているかといいますと、米軍の業務管理上の都合によりまして解雇されます五十九歳に達した者でございます。
 この五十九歳に達した者は今後も発生するわけでございまして、この人間が業務管理上の都合によりまして解雇されるということは発生する可能性があると思います。それからもう一つは、これは現在はないのですけれども、従業員が多数勤務する部隊が撤退、移動した場合、この場合には大量の人員整理が生ずるおそれがあることは否定できないと思います。
#67
○伏屋委員 現在離職者が予定されておるというような状況はございませんか。
#68
○荻野政府委員 お答えいたします。
 ただいまお答えいたしましたように、米軍の業務管理の都合によりまして解雇されます五十九歳に達した者、これが発生する可能性はありますけれども、その他の理由による人員整理は現在のところ予定されておりません。
#69
○伏屋委員 次に、人員整理の見込み把握についてお尋ねをしたいと思いますけれども、米軍当局との連絡関係が現在どのようになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
#70
○荻野政府委員 お答えいたします。
 日米間の取り決めによりますと、人員整理が発生する九十日前までに、在日米軍司令部は防衛施設庁に、それから現地米軍は都県の労務管理機関に、発効日とか理由とか施設名とか職種別従業員数を明らかにした人員整理の予告を行うこととなっております。なお、この予告があった後は、人員整理の数を少しでも減らすように日米間で絶えず連絡をとり合うということになっております。
 このほか、従業員の雇用の安定を図るということは雇用主にとっては最も重要なことでございますので、私どもとしては、雇用の安定に影響を及ぼす情報はできるだけ早く米側から入手しようということで、常に米軍に注意を喚起しております。この結果、最近米軍は、従業員の雇用に影響を及ぼしそうだなと思うような機構の変更とかそういったものについては早くから当庁に提供していただいています。
 従業員の多数勤務する部隊の撤退とか移動の場合には、従業員の職場が根こそぎなくなる、一定の限られた地域におきまして大量の人員整理の発生の可能性は否定できないわけです。そういう場合に、先ほども御指摘がございましたけれども、従業員の職種が非常に細分化されているということもございまして同種の空きポストを探すのが非常に難しいといったようなこともございますし、地元出身者が多く転勤を希望する者が少ないというようなことから限界がありますけれども、他の職場の空きポストへの配置転換とか退職希望者の募集などによりまして、人員整理を最小限度に食いとめるということが制度として確立されております。
#71
○伏屋委員 大体わかりましたが、突然に起こってくる離職の問題等々について、あるいは配置転換とかいろいろな問題が起こってくると思いますが、米軍当局との間にそういうような混乱を未然に防止するようなシステムがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#72
○荻野政府委員 ただいまもちょっと申し上げましたように、人員整理が発生しそうになりますと事前に通知があるわけでございます。通知がありましたら、今度は日米間でまず退職希望者を募るというようなこともいたします。それから、配置転換を希望する者があったらその希望者を募るということで、それから空きポストを探しまして、できるだけ人員整理を減らすということを日米間で話し合うということが先ほど申し上げました労務提供契約に決まっております。
#73
○伏屋委員 次は、思いやり予算の関係について確認をしたいと思います。
 平成二年十二月二十日の官房長官談話によりますと、平成三年度から段階的に負担の増大を図り、平成七年度に全額を負担する、こういう発表があったわけでございますが、これは今もそのままでございますね、確認でございますが。
#74
○荻野政府委員 お答えいたします。
 発表が変わったということは承知いたしておりません。
#75
○伏屋委員 この思いやり予算が平成七年度を目指して全額負担するという形になってくると、年度を追うごとに思いやり予算が膨らんできた、そのことによって、米国の予算削減を理由とするところの駐留軍の離職者の発生というものが減少してきたわけでございますけれども、最近離職者が少ないという理由もこの辺にあるのではないかな、こう思いますが、どう思われますか。
#76
○荻野政府委員 お答えいたします。
 御質問のとおり、最近の特別協定の前の旧特別協定というのが六十二年に適用され執行されているわけでございますけれども、この旧特別協定によります労務費負担が始まりまして以来五年間、予算削減によります人員整理は全くございません。
 このような実績と特別協定による労務費負担が従業員の雇用の安定を目的の一つとしているというようなことから見まして、特別協定によります労務費負担を続ける限り、予算の削減に伴う人員整理はないものというふうに推測しております。
#77
○伏屋委員 最近の総理大臣の、統幕長、統合幕
僚議長さんですか、その人との懇談の中での発言内容、あるいはアメリカにおける発言内容等々を見ていきますと、さして駐留軍関係の従業員の数に大きな変動があるとは考えられないわけですし、むしろ、こういう思いやり予算で七年度に全額負担というような形になってまいりますと、駐留軍の従業員というものは非常に安定してくる、こういうふうにも考えられると思います。
 そうなってくると、この法案そのものがもうなくしてもいいのではないか、こういうふうな、極端かもしれませんがそういう考えもできるのではないかと思いますが、その辺はどうお考えですか。
#78
○荻野政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、特別協定によります労務費の負担に伴いまして、予算の削減を理由とします人員整理は今後とも発生しない、これは先ほどもお答えしたところでございます。
 しかしながら、従業員が多数勤務する部隊が撤退したり、それからまた、従業員が多数勤務する基地が閉鎖された場合には、従業員の勤務場所がなくなってしまうわけでございます。そうしますと、人員整理が生ずる可能性というのは否定できないわけでございます。しかも、このような事態は、国際情勢の変化とか米国の安全保障政策の変更などに伴いまして、突然生ずるおそれがないということも否定できないと思うわけでございます。もしもこのような事態が生じました場合には、特定の地域で一定時期に多数の解雇者が出るということになります。
 また、このような解雇者が出た場合でございますけれども、従業員は高齢者であるということが一つ、それから、勤務期間中は非常に細分化された職種にずっと勤務している、一生同じ職種にいるということでございます。そのようなところで長年勤務しているわけでございますので、今度世の中に出ましても経験が使えないというようなこともございます。そういうことから、再就職が非常に厳しいということでございます。
 このような事情から、この法律の有効期限を五年延長するということはぜひ必要であるというふうに考えております。
#79
○伏屋委員 最後に、他の離職者法にはないところの、駐留軍関係の離職者についての特別給付金という制度があるわけでございますが、その内容とか性格、その存在理由についてお尋ねいたしたいと思います。
#80
○荻野政府委員 お答えいたします。
 六カ月以上勤務しました従業員が、合衆国軍隊の撤退、移動、部隊の縮小、予算の削減などによりまして離職を余儀なくされ、または業務上死亡した場合に、特別給付金が支給されます。その額でございますけれども、これは、離職理由とか勤務期間に応じまして、最低十万四千円から最高百七十二万九千円まででございます。
 特別給付金の性格でございますけれども、これは、長年にわたりまして言語、風俗、習慣等の異なります労働条件のもとで我が国の条約上の義務履行に協力した従業員が、米軍の撤退等という特殊な事情によりまして離職を余儀なくされたことにかんがみまして、退職手当のほかに、国が雇用主の立場から支給する見舞い金、慰労金的な性格のものでございます。
 この特別給付金は、離職を余儀なくされました従業員の離職後の生活の安定に資するものでございますので、有意義なものであるというふうに認識しているわけでございます。
#81
○伏屋委員 次に、漁業離職者に関しての問題に入りたいと思います。
 最初に、公海流し網漁業というものがことしから停止になったわけでございますが、公海において規制が強化される見通しというものはどうお考えになっておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#82
○城説明員 お答えいたします。
 一九七七年に米国、ロシア等が二百海里水域を設定しまして以来、各国二百海里沿岸までの水域につきましては沿岸国の管轄権に属するということがほぼ国際的に確立しておるわけでございますが、それに伴いまして各遠洋漁業国はそれぞれ公海におきます漁業を拡大いたしまして、現在はそのような公海漁業をいかに管理していくか、いかに規制していくかということが国際漁業の焦点になっております。
 この流れにつきましては二点ございまして、一つは、公海漁業を自由にやることによりまして自国二百海里内の水産資源に悪影響を及ぼす、そういう問題からの公海漁業を規制すべきだという意見でございまして、代表的な事例といたしましては、ベーリング公海におきますスケトウダラ漁に対します規制問題、これが挙げられようかと思います。もう一点は、イルカ等、あるいは鯨も入りますが、海産哺乳類の保護等、環境保護的な視点から公海漁業をどのように規制するかという問題でございまして、ただいま御指摘の公海流し網漁業につきましては、焦点となっておりますのはアカイカの資源問題なのではなくて、アカイカをとるに際しましての海鳥なりイルカなりの混獲問題から国際的な批判が非常に強まりまして、今回のような本年からの禁止という事態に至ったわけでございます。
 私ども水産庁といたしましては、公海漁業につきましては、科学的な根拠に基づきまして資源の実態を常に把握いたしまして、その保存を図りながら合理的な利用を図っていく、こういう考えで各国と交渉を進めておりまして、今後ともこのような考え方で各国の理解を得まして、何とか我が国公海漁業の存続、公海漁場の確保を図ってまいりたい、このように考えております。
#83
○伏屋委員 大体わかりましたが、それ以外にも、やはり生物を保護するという意味とかあるいは環境保全という意味におけるところの規制も、今後強化されてくるのではないかと予想されるわけでございます。その辺の動きはどうか、お尋ねしたいと思います。
#84
○城説明員 お答えいたします。
 ただいまも御返答いたしましたように、海洋生物資源保護、特に代表的なものといたしましては海産哺乳類でございますが、これとの関係におきまして公海漁業を規制していくという動きが出てきております。先ほども申し上げましたが、公海大規模流し網漁業につきましても、焦点となりましたのは、当初はサケ・マス問題でございましたが、最終的な焦点といたしましてはイルカ並びに海鳥だったということでございます。
 それから、現在のところ、本年五月に京都でIWCの総会を開きますが、鯨問題につきましても、我が国等の調査によりミンククジラにつきましては大幅な資源の増大が見られておる、資源的には捕鯨の再開ということは適当ではないか、このように私ども考えておるわけでございますが、今先生御指摘のように動物愛護といいますかそういう保護的観点から、これのモラトリアムの見直しにつきまして賛同しないとする国がIWCにおきましても多数を占めておる、こういう状況でございます。
 このほか、マグロはえ縄漁業につきましても、海鳥の混獲が一部ございまして、現在そのような混獲を生じないようなシステムをつけつつございますが、そういう問題での各国からの御批判もあるということでございます。
 いずれにいたしましても、私ども、そのような混獲をできる限りなくす、そのような混獲対象生物の存続を危うくしないような漁業の推進ということを図っておるわけでございますが、ただ残念ながら、漁業につきまして混獲をゼロにするということについては非常に科学的にも難しい問題がございまして、各種生物の再生産の確保、存続の確保を図りながら漁業の存続をどのように調整していくかということが今後重要な課題ではないか、このように思っております。
#85
○伏屋委員 公海流し網漁業で減船を余儀なくされた人が大勢おるわけでございますが、これらの減船数あるいは離職者数がどれぐらいなのか、また地域的にはどの地域が多いのか、これらの人たちに対しての緊急の対策、現状どういうふうに対
策が行われているのか、お聞きしたいと思います。
#86
○片山説明員 お答えいたします。
 今回の公海流し網漁業の停止によりまして操業ができなくなりましたのは、イカ流し網漁業四百二十六隻、それから公海大目流し網点業六十九隻でございます。
 この減船を余儀なくされた漁業者に対しましては、その影響を緩和するために平成四年度から三カ年計画で国際漁業再編対策を発動し、所要の救済対策を実施しております。一定の基準によりまして当該救済対策の対象となりますのは、イカ流し網漁船二百九十隻、それから公海大目流し網漁船五十五隻でございます。ただし、公海大目流し網漁業はイカ流し網漁業と兼業でございますので、総数では二百九十隻ということになります。また、二百九十隻のうち平成四年度に減船いたしますのは、二百六十三隻というふうになっております。
 公海流し網漁業に従事しておりました漁船乗組員は平成四年現在で約三千七百名でございまして、この多くの人たちが退職を余儀なくされるというふうに思われます。
 それから地域別の減船数、離職者数の状況でございますけれども、過去三カ年公海流し網漁業に従事しておりました漁業者は十八都道県に及んでおりまして、北海道、それから青森から福島の東北四県、石川県及び富山県にその九五%が集中しております。
 以上でございます。
#87
○伏屋委員 次に、そういう離職者の人の再就職の問題についてお尋ねしたいのです。
 今まで船に乗っておられた方でございますもので、船員になろうという希望の方が大部分であるわけでございますが、職業安定所での手帳発給件数というのは、いわゆる船員の職業安定所の手帳発給件数の十分の一ぐらいの程度しかない。労働省としての対応の限界というものはそこら辺にあるのではないかなということを考えるわけでございますが、船員職業安定所の運輸省と労働省がどういう連携をとりながらこれを進めておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#88
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 私ども公共職業安定所でお世話を申し上げておりますのは、漁業離職者のうちの陸上産業分野に再就職を希望される方についてお世話を申し上げておるわけでございます。船員になろうとされる方、船員の中で別の場所で働こうという方につきましては船員職業安定所で担当されておるわけでございますが、そういうことで私どもが担当している分野についての手帳発給件数が少ないということは事実でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、そういう希望の状況に応じるものでございまして、私ども公共職業安定所と船員職業安定所におきましては、十分随時連絡をとり合っておりまして、再就職の促進について相互に連絡協力は十分やっておるところでございます。
#89
○伏屋委員 言うなれば、おかに上がったかっぱという形で、船上生活の長い方々にとっては陸上勤務というのは耐えられないものだ、そういうふうに考えられるわけでございますから、そういう面では、連携を密にしながら、その希望にかなうような方向で進めていただきたい、このように思います。
 この問題と絡んでくるわけですが、漁業については、行政一般については水産庁が管轄しておりますし、船員という面からは運輸省が管轄しております。また、雇用の面から考えていきますと労働省と、こういうことになってくるわけでございますが、その三者の連携というものが密にとられておるのかどうか、その辺は不都合はないのか、お尋ねしたいと思います。
#90
○齋藤(邦)政府委員 漁業離職者の雇用対策の問題については、労働省、運輸省、水産庁、社会保険庁、四省それぞれの分野で絡んでくるわけでございますが、必要に応じまして四省庁で連絡会議等も行っておりますし、この場で各省庁の連絡、意見交換などを行ってきておりますし、また、そのほか必要があれば随時連絡をとって、遺憾のないようにいたしておるつもりでございます。
#91
○伏屋委員 とりわけ労働省はそういう雇用関係の一番主たる所管庁でございますので、労働大臣にそのお考えをお聞きしたいと思います。
#92
○村上国務大臣 雇用問題を所管いたします労働省といたしまして、十分関係省庁との連絡をとりながら進めてまいりたいと思っております。
#93
○伏屋委員 以上で終わります。
#94
○岡田委員長 以上で伏屋修治君の質疑は終了いたしました。
 次に、河上覃雄君。
#95
○河上委員 法案から離れて大変恐縮でございますが、雇調金の関係について若干御質問をさせていただきたいと思います。
 日産の座間工場の自動車生産ラインの廃止が発表されて一カ月以上経過をいたしました。地元座間市を初めといたしまして、商店街あるいは下請企業に不安や動揺もございます。とりわけ下請企業は、現下の不況と重なりまして、特に依存度の高い下請企業あるいは一定業種につきましては、雇用不安を含めて深刻に受けとめておる企業も少なくございません。
 私も実は一日かけて六十から七十軒ぐらいの中小零細企業の方あるいはそこにお勤めの方に、いろいろなお話を聞いてまいりました。
 座間市の商工会でも会員を対象にアンケート調査を実施いたしましたが、これによりますと、工業会そして工業部会を合わせますと、「直接および間接取引がある」といたしました関係者は、全体として約三〇%に当たる五十一事業所、そのうち六事業所が五〇%以上の取引があると答えておりますし、中には、八〇%が二事業所、一〇〇%と高い数値を示されたところもございます。さらに、商業、建設、サー保ビス関係につきましても、「影響度あり」こう回答なさっているのが百六十三事業所で全体の約五〇%程度、こういう商工会の会員に対するアンケートの結果も出ております。
 これは座間市一市でございまして、周辺にもまだこれに関連する中小零細等の企業がございまして、一次下請四百六十一社、二次が一千百六十程度でしょうか、あるとおっしゃっておりますが、三次以下の下請企業を含めますと、相当な数に及ぶのではないのか、このように思っております。
 こうした事態を踏まえて、雇用面の影響について、座間工場本体のみならず下請企業を含めまして、労働省としてはどのような御認識をお持ちか、この点をまずお尋ねしておきたいと思います。
#96
○齋藤(邦)政府委員 日産自動車の座間工場につきましては、平成六年の七月に生産ラインの相当部分が、平成七年には生産ラインのすべてが九州工場あるいは村山工場へ移管される予定だというふうに聞いておりまして、これに伴いまして、従業員につきましては、現在四千人おりますが、そのうち二千五百人の従業員の方について他の工場、事業所にそれぞれ配転させる方針だというふうに聞いております。
 それから、下請の問題でございますが、先生おっしゃられましたように、一次下請で四百六十一、二次下請で千百七十ばかりというふうに聞いております。私ども、これらの下請企業、特に中小企業の方につきましては、今後いろいろな面で影響が出てくるのではないかというふうに懸念をいたしております。そういう意味におきまして、その動向には十分注意を払っていきたい、このように考えております。
#97
○河上委員 自動車産業のすそ野は広いわけでございまして、部品であるとか、車体であるとか、シートであるとか、ガラスであるとか、輸送であるとか、多くの下請事業所に影響が及ぶことは必至だと思うのです。
 これらの業種は、現在雇用調整助成金、雇調金の指定業種となっておりますでしょうか。もし指定業種でなければ、早急に業種指定すべきと考えますが、労働省の見解をお伺いいたします。
#98
○齋藤(邦)政府委員 確かに自動車関連産業は非常に広範にわたっております。現在指定されております業種は、トラック、バス、トレーラーの車体を製造いたします自動車車体・附随車製造業でございます。それから、自動車製造業を主に需要先としております業種として、非鉄金属鋳物製造業、金属プレス製造業、鉛蓄電池製造業、引抜鋼管製造業、このような業種を既に指定しております。
 一般的な自動車部品・附属品製造業につきましては、生産が減少しているということを聞いております。今後、業界団体からお話があり次第、速やかに検討していきたい、このように考えております。
#99
○河上委員 日本自動車部品工業会は、会員企業五百二十八社を対象にいたしまして、現在雇用実態の調査を実施しておるそうでございます。そして、その対応を検討する、こういう報道もありました。
 現段階でこの工業会から申請は出ておりますか。もし申請があれば、それに対する対応、この点についてお伺いします。
#100
○齋藤(邦)政府委員 まだ申請は出てきておりません。先ほど申し上げましたように、もし申請が出てきた場合には、十分お話を伺った上で、指定について十分検討していきたい、このように考えております。
#101
○河上委員 円高不況時の一九八七年、雇調金の指定業種は百六十五であったそうです。現在百十九と拡大をされました。しかし、今後の雇用情勢の悪化によりましては、さらに雇用安定を図っていかなければならない、このように思うわけでございます。
 五年度予算においては五百九億だそうでございますが、果たしてこれで十分とお考えか、これで対応ができるとお考えか、この点について質問いたします。
#102
○齋藤(邦)政府委員 平成五年度予算におきまして五百九億、助成金の経費を計上いたしておりますが、円高不況時の最高の支給額が昭和六十二年度三百九十三億円でございまして、それから見ますとはるかに上回る予算措置をいたしたつもりでございます。
 このような額を計上いたしましたのは、今後の雇用動向については依然として予断を許さないところがあること、さらに、指定業種が今後ふえていく可能性が極めて高いこと、それから、円高不況時と比較をいたしまして賃金水準が高くなっているというようなことを勘案をいたしまして五百九億という数字を計上したわけでございますが、現在までの指定状況あるいは申請状況を見てまいりますと、まあこの額で十分対応できるのではないか、このように考えております。
#103
○河上委員 下請業者の企業の中には、事業転換もせざるを得ない、こういう事業所も現実的にいろいろお話をしたところありました。
 そこで、特定不況業種に適用されます産業雇用安定助成金の活用、これは活用できるようにすべきだと私は考えるのですが、この点いかがでしょうか。この点の御見解を伺いたいと思います。
#104
○齋藤(邦)政府委員 産業雇用安定助成金につきましては、構造不況に陥っている業種において、早く申し上げれば特定不況業種に指定されている業種の事業所に支給をするということになっておるわけでございます。
 特定不況業種の指定につきましては、それぞれ関連業界からのお話も承った上で、業界全体の状況を判断しながら指定を行っていくということになるわけでございますが、今後いろいろな関係団体のお話を伺いながら適切に対応していきたい、このように考えております。
#105
○河上委員 最後になりますが、雇調金につきましては、先ほども申し上げましたように、指定業種は百十九に拡大をいたしまして、手続の簡素化がなされる、こう伺っております。しかし、なお中小企業には利用しづらいのではないかと心配する面もありますし、業界団体に属さない中小企業の皆さんも多くあるわけでございまして、私は、この属さない中小企業の皆さんも含めてさらに広く公知をし、そして利用しやすいようにすべきではないか、このように考えるわけであります。
 大臣は、本国会冒頭のごあいさつの中で、人間愛あふれる労働行政を目指す、このように御主張なさいました。血も涙もある村上労働大臣といたしまして、最後にこの点について総括的に御見解を賜りたいと思います。
#106
○村上国務大臣 十分気配りを細かいところへやってまいりたい、そうした意味では御趣旨に沿うよう検討をしたい、こう思っております。
 それから、座間につきましては、私は、できれば経営の代表者とも会ってみたい、また、座間にも行ってみたい、こう思っております。
#107
○河上委員 終わります。
#108
○岡田委員長 以上で河上覃雄君の質疑は終了いたしました。
 次に、金子満広君。
#109
○金子(満)委員 まず、労働省から伺います。
 漁業離職者法の延長の問題、これはいいのですけれども、これと関連して、海の上しゃなくて、今度は陸の上の方の問題を幾つか伺いたいと思います。
 既にこの問題については質問もありましたが、さらに政府答弁もあったけれども、まず大きいところから見れば、今度の漁業離職者の問題はもちろんですけれども、関連産業が直面しているいろいろの困難というのは、一般的不況ではないのですね。国際協定という問題、そして政府の政策という問題、国の政策から生じた困難という点はもう非常にはっきりしていることだと思います。したがって、原因ははっきりしているんですから、そういう点で具体的に幾つかの問題を伺いたいと思いますが、離職者はもちろんですけれども、その関連産業に対して特別の保護が必要だ、この問題です。
 そこで、労働省は、昨年末の流し網の禁止によって打撃を受けている関連産業がどのようなものがあるか、そして、どういう分野についてどのような対策を講じてきたか、その対象の労働者の数はどのくらいか、この点について最初に伺っておきたいと思います。
#110
○齋藤(邦)政府委員 流し網漁業の禁止に伴いまして、関連産業の広い範囲に影響が及ぶのではないかというふうに考えておりますが、中でも水産加工業あるいは漁網製造業につきましては、重大な影響が生ずるのではないかというふうに考えております。
 私どもといたしましては、あかいか加工品製造業を三月二十四日に特定不況業種に指定をいたしました。さらに、昨年の十一月一日に漁網製造業を雇用調整助成金の指定業種に指定をいたしました。それぞれの業種の労働者の失業の予防あるいは再就職の促進のための措置を講じたところでございます。
#111
○金子(満)委員 その関連産業の対象の労働者の数はどのくらいになりますか。
#112
○岡山政府委員 ただいま御説明いたしました水産加工業につきましては約千八百名くらいの方、それから漁網の製造業につきましては六千七百名くらいの方が働いておられますので、それらの方々についての影響が出るものというふうに考えておるわけでございます。
#113
○金子(満)委員 今の数字で合計すると、八千五百人ということになります。これ自体非常に多い労働者が打撃を受けるわけですが、漁業離職者の数が三千七百なんですね。その三千七百に比べると、今労働省側から答弁のあったこの数字は、これは非常に大きいということになります。これははるかに上回っているわけですからね。
 しかし、こういうことを考えたときに、関連産業で働く労働者の数というのが漁業離職者をずっと上回っているのですが、私どもの調査で八戸だけ見ても、アカイカの加工生産関係だけで千八百十二人と言われていますね。八戸だけで千八百十二人だ。この八戸がアカイカの加工では全国の約半分ちょっと、そうしますと、全国ではそこで働
く労働者の数というのは倍になる、こういうように思うのですね。こういう非常に大きい数字ですが、そういう実態はつかんでおりますか。
#114
○岡山政府委員 どのような影響が出るかということについて、私どもは注視をしてまいりたいと思っております。
 先ほど申し上げました関連業種につきましては、先ほど申し上げました水産加工業と漁網製造業につきまして把握をいたしました数字でございます。その他につきまして全国的にどのような数にどういう影響が出るかということにつきましては、今後十分注視をしていきたいと思っております。
#115
○金子(満)委員 関連産業の労働者の数は予想よりはるかに多いことは事実ですね。
 そこで、先ほど答弁がありましたように、関連産業は加工生産と漁網製造、この二つはもう挙がりました。しかし、ほかに関連産業というのはあると思うのですね。そのほかの関連産業について今労働省としてどのように掌握されているか、伺いたいと思います。
#116
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 関係都道府県に調査をしていただいたところによりますと、流し網関連業種の事業所のうち約八割の事業所が影響を生じると回答しておられますし、水産加工業とかあるいは漁網製造業以外の業種につきまして幾つか影響が出てくるかと思いますけれども、その点につきましては、今後十分考えて、注視をしていきたいと思っております。
 また、今御指摘にありました関連業種としましてはいろいろなものが考えられます。そういうものにつきましては、業界と十分連絡をとりながら対応していきたいと思っております。
#117
○金子(満)委員 去年の暮れから見るとかなり時間も経過しているわけで、ですから、加工生産と漁網の関係についてはつかんでいるのだが、そのほかの問題、他の関連産業という点についてはこれからというお話ですけれども、これはスピードが非常に遅いと思うのですね。
 私どもの調査で、八戸の水産課の調査では加工生産では二百七十六億円の打撃だ、これはつかんでいるとおりだと思いますね。それから漁網では、販売を含めて約七億円ということが出ています。次の関連産業ですね、燃料油の販売というのがあります。それから造船があります。さらに市場の魚を入れる箱、製函があります。それから運送があります。そのほか、市場のいろいろの労働者もおるわけですね。それがそれぞれ五億円から六億円の被害を受けると言われるわけです。ですから、水産加工と漁網以外のところというのは非常に広いわけです。
 そういう点についてもやはり早くつかまないと、二つ以外のところの産業で働く労働者というのは全く見捨てられたというか、浮かばれない状況にあるので、この点はぜひ早く掌握をすることが大事だ。というのは、同じ国策のもとで進められながら、片方では一定の助成がある、他の方は助成がない。他の方についてはどういうことがあれば助成措置が講じられるか、その点はどうなんですか。
#118
○齋藤(邦)政府委員 特に北海道中心でございますけれども、いろいろ流し網関連業種の事業主、事業所に対します影響について報告を受けておりますが、大体八割ぐらいの事業所が何らかの影響が生じるのではないかというような話もございます。こういうようないろいろな業種の状況を把握しながら影響が及んできた場合には適切な措置をとっていきたい、このように考えておりますが、一つは特定不況業種に指定をするという場合もあろうかと思いますし、あるいは雇用調整助成金の業種指定でいくという場合もあるだろうと思いますし、幅広く現在の対応策を動員と申しますか活用していきたい、このように考えております。
#119
○金子(満)委員 いろいろな対策で、特定不況業種もありますけれども、一つの国の政策のために生じているさまざまな犠牲というのがあるわけですね。その受けた犠牲の側の方に現実にいろいろの差別が出てきているわけですよ。やはりこれは統一してやらなければいかぬ。
 ですから、不況業種指定というのも、先ほどの質問の中にありましたが、どういう形で業者団体、業者組織あるいは地方自治体などなど、どういうところからどんな申請があればどのようにやるのかという具体的なところはどうなんですか。
#120
○岡山政府委員 不況業種等の指定あるいは雇調金の業種指定につきましては、その制度の仕組みにつきましてこれまでもPRに努めておるところでございますが、また、関係都道府県におきましても、関係の業界を抱えている都道府県はそれにつきまして関心は当然持っておるところでございまして、関係の業界とそれぞれ具体的な、いろいろな話をしております。それで、業界がそれらにつきまして、その制度を使っていきたい、こういう御希望があれば、当然のことながら十分御相談をしながら採用しておるところでございます。
#121
○金子(満)委員 その点については、関係の同業者の組織、これも零細の場合には必ずしも組織がある、そういうことに限らないですね。ですから、地方自治体、その他商工会議所なんかを通すか、あるいは個人ではなかなか難しいと思うのですね、そういう点についてもぜひ配慮していただかないと、助成を要求する、そういう気持ちはあっても具体化まで進まないのですね。制度がありますよ、それでは、この間が広過ぎますから、そういう点では地方自治体などを介してもぜひ積極的に受けとめてほしい、こういうように思います。
 そこで、大臣、ちょっとお伺いしたいのですが、流し網漁業の問題では、一般的な不況対策というのではなくて、この法の延長をするというように漁業離職者に対して法律をつくって特別に保護しているわけですね。これはもうはっきりしていることなんだが、ところが、関連産業の労働者に対しては同じような保護対策がないわけです。だから、海の上の方はあるが陸地の方はないわけですね。そういう点についても何か考えていくべきじゃないだろうか。申請があればいろいろの助成はやる……、そうすると、逆に言うと申請がなければそのままで終わってしまうということもあるのですけれども、法のもとに平等という意味で、私は労働省としても積極的に乗り出し、調査をしてしかるべき対応をやっていくべきだと思う。こういう点についてひとつ大臣の所見、考え方を伺っておきたいと思います。
#122
○村上国務大臣 おっしゃるとおり、法のもとの平等、法のもとに平等ないろいろな助成措置を講じていかなければならない、こう思っております。
#123
○金子(満)委員 その点、ぜひ積極的にやってほしいと思います。
 そこで、加工生産の場合には、お話にもありましたように、特定不況業種として指定はされているわけですが、労働者がそこから転職しなければならぬというときには、どのような保護がありますか。具体的な内容です。
#124
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 例えば、今ありましたようなあかいか加工品製造業といったような業界から離職した方につきましては、公共職業安定所におきまして、例えば特定不況業種の離職者求職手帳を発給をいたします。その手帳を持っておられる方につきましては雇用保険の個別延長給付の制度の対象といたしておりますし、また、雇用保険受給終了後にありましてもなお失業しておられる方につきまして、職業転換給付金を支給するといったような形で、再就職の促進あるいは求職期間中の生活の安定を図ることにいたしておるところでございます。
#125
○金子(満)委員 そこで、加工生産の場合、事業転換を行うというときに、雇用をそのまま維持していく、労働者をそのまま維持していくというときには、やはりその場合も助成があるわけですね。
#126
○岡山政府委員 事業転換によりまして雇用維持を図る必要がある場合につきましての問題でございますけれども、それにつきましては、例えば特定不況業種に指定をされますと産業雇用安定助成
金の制度の対象になるわけでございまして、景気変動等により余儀なくされた場合の雇用調整助成金とは違いまして、そういう構造不況に陥っている業種につきましては、事業転換を実施する事業主に対しまして、その事業転換に伴う労働者の配置転換をしなければいけない、あるいは職業転換訓練をしなければいけないといったような場合につきまして助成をしておるところでございます。
#127
○金子(満)委員 やはりそういう点で一定のものはあるのですが、今度雇調金の対象となった漁網製造の場合、ここで事業転換のために施設整備を行うというときに、漁網から他に転換するときに、これは何か保護というのはありますか。
#128
○岡山政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、例えば漁網製造業につきまして特定不況業種の指定を受けるといったようなことになりますと、先ほど言いました事業転換につきまして、それに伴います労働者の配置転換あるいは訓練等についての助成が出るわけでございまして、それは事業転換に伴う種々の対策について助成するものでございます。
#129
○金子(満)委員 そこで、水産加工の場合と漁網の場合、完全に同じかということになりますと、水産加工の場合にはかなり補助の幅が広い。しかし、漁網の場合は転換ということについていろいろ水産加工の場合と違いがあると思いますが、その点はどうなんですか。
#130
○齋藤(邦)政府委員 水産加工業につきましては特定不況業種に指定をいたしておりますし、漁網製造業につきましては雇用調整助成金の指定になっておる、こういうことでございまして、それぞれ影響の度合いに応じまして指定の仕方が異なっているわけでございます。したがって、その助成の内容なりあるいは離職労働者に対します給付の内容等につきましても差が出てくるわけでございますが、これはある程度国の政策によって出てくる問題ではございますけれども、それなりの影響度の違い等があるところから見ますと、やむを得ないことではないかというふうに思います。
 ただ、制度的な仕組みとしてやむを得ないということでございまして、漁網製造業につきましてもこれからいろいろ御相談をする場は当然あるだろうというふうに思いますし、特定不況業種への指定の申請をしたいというような業界のお話があれば十分に御相談に応ずるようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
#131
○金子(満)委員 よく言われることですけれども、水産加工と漁網の場合の事業転換の違いは確かにある。
 現地でも話に出ているわけですが、漁網の場合は、ゴルフ場のネットでもいいじゃないかとか、テニスのネットだってできるじゃないかとか、そういうように単純に言われるというのですね。そういう場合には、漁網と違って、また別の機械を設備をしなくてはならぬ。そうすると、資金の問題、融資の問題が当然出てくるのですね。こういう点では水産加工の場合とかなり差が出るのですね。そういう点でも、同じ国策から出ている困難なんだから同じように扱ってはもらえないか、当然そういうものがあってしかるべきだというのが漁網関係の方々からも出ているわけですが、その点についての配慮、改善というのはどうなんですか。
#132
○齋藤(邦)政府委員 先ほどもお答えをいたしたつもりでございますけれども、さらに今後関係都道府県を通じまして十分業界なり事業主の方々の御意見を伺った上で適切に対応してまいりたい、このように考えております。
#133
○金子(満)委員 ぜひそれは急いでほしいと思うのですね。北海道の函館だけでも漁網関係の製造業者は三十五あるのですね。我々の調査でそうなっているのですが、そこの人たちというのはほとんどが五十歳以上なんですよ。すぐほかに転業といってもなかなかできるものじゃないのですね。そういう点で、今いろいろお話がありましたが、当然の助成を行っていかなければならぬ、この点を重ねて強調しておきたいと思います。
 そこで、今度は水産庁と、これは通産省関係ですか、漁網製造の場合、要望があるなしにかかわらず、助成、保護はしなくちゃならぬわけですけれども、そういう中で、まず伺いたいのは、漁網からほかの網の仕事に転換する場合、それからもう一つ、アカイカから他のイカの加工に転換する場合、もう一つは漁網から水産加工に転換する場合に、どのような融資の制度があるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#134
○大隈説明員 水産加工の関係についてお答えいたします。
 漁網からイカの加工業へ転換する場合あるいはアカイカからその他のイカの加工へ転換する場合の措置でございますけれども、私どもこの三月三十一日に水産加工資金法という法律を通していただきました。この中で、漁種の転換をいたします場合に、通利五・二%、特利四・二%の農林漁業金融公庫からの特別の融資制度というのを設けまして、したがいまして、イカ一般に転換してこられる場合にはこの資金制度を御利用いただけるということでございます。
#135
○瓦田説明員 お答えいたします。
 流し網漁業からほかの、例えば陸上用とか、あるいは全く漁網とは違った分野に出る場合につきましては、この一月から新しく事業転換貸し付けの対象に加えるということで、低利の融資を準備いたしております。
 それから、同じ漁網内の、流し網からほかの漁網に移る場合は、これは事業転換貸し付けの対象にならないのでございますけれども、それ以外にこの流し網漁業関連の業界の苦境ということを踏まえまして、実は信用補完につきまして特別枠を設ける、不況業種にいたしまして特別枠を設けるとか、あるいは昨年暮れに総合経済対策で緊急経営支援貸し付けというものを準備しておりますので、こうしたものを活用して、ぜひ他に転業していただきたいという御支援をしたいと考えている次第でございます。
#136
○金子(満)委員 利率はどのくらいになりますか。
#137
○瓦田説明員 事業転換貸し付けにつきましては、これは体質強化資金制度というのを使っておりまして、国からは四・六五%で出しまして、あとは県の資金を加えまして、このプラス・マイナス一%の範囲内、つまりその四・六五から下げるという場合もございます。一般的にはこの四・六五%前後でございますが、これよりかもっと低い金利で貸している県もございます。
 それから、緊急経営支援貸し付けにつきましては、これはやはり三・八%の国の資金、これのプラス・マイナス一%の範囲内で融資をするという非常に低利な制度が準備されておるわけでございます。
#138
○金子(満)委員 いろいろな配慮があるわけで、そこで私も感じますし現地でもいろいろ出ているのはどういうことかというと、それぞれの利率が違うわけですよ。これは一般的な不況から受ける借り入れの場合の利率ではなくて、それこそ国際協定、そういう国際的な要因、国の政策から出ている困難、障害なんですから、利率の点についても何とかこれを統一的に下げるというようなことは考えられないことですか、どうなんですか。
#139
○大隈説明員 利率の引き下げにつきましては、国会で水産加工資金法を議論いたしましたときにも同種の御質問がございました。ただ、農林漁業金融公庫制度の中の金利の体系というのが一定の考え方に従いましてできておりまして、本資金制度は、他の中小企業関係の企業に対する貸し付けの金利等と比べても遜色のないものであるということが一つと、全体の金利体系の中で飛び出して引き下げるということには非常な困難が伴うということで、今回は先ほど申し上げたような利率でやらせていただいておるわけでございます。
#140
○金子(満)委員 そこで、大臣、お聞きのようにいろいろのことがあるのですけれども、やはり国の政治、政策から出ている問題ですね。そこで、この関連産業ではばらばらの状況が出ておる、しかし受けておる打撃は同じだという、こういうことを考えるときに、これは各省庁ばらばらではど
うしようもないと思うのですよ。それから、ある部分は地方自治体の方で面倒を見るというのでは、これはなかなか事は改善できない。こういう事態ですから、問題の所在ははっきりしているのですから、私は、労働大臣、他の省庁にも働きかけて、特別に統一対策を至急確立しないと、もう関連産業の労働者も業者も浮かばれないという事態があるわけですから、その点でひとつ努力をしていくことが大事じゃないか、このように思いますが、どうでしょう。
#141
○村上国務大臣 今の議論をお聞かせいただきながら、それぞれ個々の役所のそうした規制の中で凹凸がある、なかなか難しいようでございますが、この問題については、国際情勢の変化に伴って、事業主の努力の及ばないそうした問題であるという認識に立ては、金子議員のおっしゃることについて、十分耳を傾けて拝聴をさせていただいた次第でございます。
#142
○金子(満)委員 大臣、やはりいいことを言われるのですね。事業主の努力ではどうにもならない分野というのがあるのですね。そこのところを解決するのが私は政治だと思うのです。それをやらなかったら、政治に対する不信というのはぬぐい去るどころか拡大するわけですから、特に関連産業の業種はもちろんのこと、そこで働く労働者も、こういう流し網がだめになったということから受ける打撃というのは深刻だし、そういう点では、主張されるようにぜひその点で積極的な施策をとってほしい、このことを要請して、質問を終わりたいと思います。
#143
○岡田委員長 以上で金子満広君の質疑は終了いたしました。
 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#144
○岡田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#145
○岡田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○岡田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#147
○岡田委員長 この際、内閣提出、参議院送付、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。村上労働大臣。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承詔を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#148
○村上国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、職業生活の中でその能力を有効に発揮したいという希望を持つ女性が増加している中で、それぞれの就業希望に応じたきめ細かな再就職援助措置を講じていくことが重要になっていることにかんがみ、労働省では、平成三年度から、女子の就業希望登録、離職期間中の職業情報の提供、職業講習、きめ細かな職業相談・職業紹介等を内容とする総合的女子就業援助事業を実施しております。
 この案件は、総合的女子就業援助事業を専門的に推進する組織として、公共職業安定所の出張所を札幌市、仙台市及び名古屋市に設置することについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願いを申し上げます。
#149
○岡田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十一分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト