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1993/05/26 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第9号
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1993/05/26 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 逓信委員会 第9号

#1
第126回国会 逓信委員会 第9号
平成五年五月二十六日(水曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
  委員長 亀井 久興君
   理事 川崎 二郎君 理事 佐田玄一郎君
   理事 坂井 隆憲君 理事 笹川  堯君
   理事 松浦  昭君 理事 上田 利正君
   理事 大木 正吾君 理事 石田 祝稔君
      赤城 徳彦君    今枝 敬雄君
      植竹 繁雄君    岡島 正之君
      塩谷  立君    谷垣 禎一君
      原田 義昭君    深谷 隆司君
      福永 信彦君    古屋 圭司君
      森  英介君    山本  拓君
      阿部未喜男君    上田  哲君
      鈴木  久君    田中 昭一君
      田並 胤明君    武部  文君
      吉岡 賢治君    小谷 輝二君
      鳥居 一雄君    菅野 悦子君
      中井  洽君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  斉藤斗志二君
       郵政大臣官房長 五十嵐三津雄君
        郵政省郵務局長 上野 寿隆君
        郵政簡易保険  江川 晃正君
        局長
        郵政省電気通  白井  太君
        局長
 委員外の出席者
        総務庁行政管理 畠中誠二郎君
        局管理官
        大蔵省主税局税 渡辺 裕泰君
        制第一課長
        大蔵省理財局次 佐藤  謙君
        長
        大蔵省証券局証
        券市場課公社債 東  正和君
        市場室長
        逓信委員会調査 丸山 一敏君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任        補欠選任
  植竹 繁雄君    福永 信彦君
  小林 興起君    山本  拓君
  佐藤 守良君    岡島 正之君
  虎島 和夫君    古屋 圭司君
  松岡 利勝君    塩谷  立君
  吉岡 賢治君    鈴木  久君
  坂井 弘一君    小谷 輝二君
同日
 辞任        補欠選任
  岡島 正之君    佐藤 守良君
  塩谷  立君    松岡 利勝君
  福永 信彦君    植竹 繁雄君
  古屋 圭司君    虎島 和夫君
  山本  拓君    小林 興起君
  鈴木  久君    吉岡 賢治君
  小谷 輝二君    坂井 弘一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四九号)
 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)
 簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一
 部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 一号)
 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第三四号)(参議院送付)
 郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第三五号)(参議院送付
 )
     ――――◇―――――
#2
○亀井委員長 これより会議を開きます。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。
#3
○赤城委員 おはようございます。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案等三法案について幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、言うまでもないことですけれども、我が国が高齢化社会に向かって、これからその長寿社会を支えるための経済社会システムをどうやって構築していくかということが二十一世紀に向けての大きな課題でございます。その中で公的年金については、財政上の問題から支給開始年齢の引き上げなどなど、なかなか難しい問題を抱えておりまして、どうも公的年金だけでは十分でない。そこで、国民の自助努力、これをどうやってバックアップしていくかということが大変大きな政策課題になってこようかと思います。
 そうした中で、この簡保法一条の目的に書いてありますように、「国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供」する、こういう簡保事業の重みというのがますます大きくなっていると思います。これまでも全国の郵便局のネットワークを生かして、三事業一体でこの事業を支えてきたということ、これがあったからこそ国民にあまねく公平に安い保険料でこのサービスを提供できたと思うわけでありますし、また、いろいろな国民のニーズに対応するという面でもさまざまな努力をやってきたところであります。最近では、十年満期の養老保険の加入年齢を引き下げたり、トータルプランのしあわせ、ふうふの発売、職域保険の新設などなどいろいろなサービスの多様化をやってきたわけでございます。
 これからも、長生きしてよかったと言えるような長寿社会をつくるために、今回のこの改正にとどまらず、簡保事業をより一層充実強化していくということが重要かと思いますけれども、まず大臣のこの点についての所見をお尋ねしたいと思います。
#4
○小泉国務大臣 高齢化社会において簡保も自助努力の一つの手段として大変重要な役割を担っていくと思います。今委員が御指摘のとおり、この法律の「なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」というこの法律の目的に沿って、自立策をいろいろ考えていかなければならない、そう思っております。
#5
○赤城委員 この自助努力をバックアップするということ、もちろん民間の生命保険等あるわけですけれども、個人生命保険市場をずっと眺めてみますと、高齢化社会に向けて市場がかなり拡大しているということが読み取れるわけです。保有金額のベースで年率一〇%以上伸びている。大変な勢いでございますけれども、この個人生命保険市場に占める簡易保険のシェア、これが保有契約件数では順調にふえておりますけれども、保有金額で見ますと大分低下しておって、全体の一割にも満たない状況でございます。
 これは、簡保が国民のニーズに対応しなければいけないといいながら、数字で見ると、ここ数年どうもそのシェアが低下している。国民のニーズに対応し切れなくなっているんではないかなと思うわけですけれども、これがどういうことを意味しているのか、また、その原因はどんなところにあるのか、お尋ねいたします。
#6
○江川政府委員 先生御指摘いただきましたように、個人保険の保有金額ベースと申し上げておりますが、そういうレベルで申しますと年々下がってきておりまして、最近では九%台というのが御指摘のとおりでございます。前は、昭和三十年度のときには三十数%、四十年のときには一五%、五十年のときには一二%、六十年は一〇%というふうにやってきて、今こうして九%台、ほぼ九%台で安定しているわけではございますが、推移しているというのが実情でございます。
 全体的にこのシェアの低下というのは、我々も、ただいま先生御指摘なさいましたように、一種の国民の多様なニーズにこたえ切れなくなっているのかなという一面も我々否定し得ないんじゃないかな、そう思っております。その多様なニーズの一つとして具体的にあらわれてくるのが、簡保の場合には限度額というのがございます。その限度額との関係があるのではないかと考えております。いろいろな調査によりますと、いざというときに欲しい保障額はどのくらいかといいますと、最近の調査でいきますと五千万円というふうになっております。それに対して、簡保は一千三百万円が限度、ある一定条件で一千三百万が限度になっておりますから、そういう意味でも、それがこたえ切れなくなっているのかなというふうには考えているところであります。
 その意味で、そういう原因の一つがそういうところにあるということを考えますと、今後とも我々は、いわゆる限度額の問題や、それから、そのほかの保障を図る商品改善などもいろいろやって多様なニーズにこたえていかなければいけないんじゃないか、そう考えているところでございます。
#7
○赤城委員 まさに、契約件数で伸びていて金額ベースでは下がってきているということは、一件当たりの契約額が小さい。まさに、その限度があるのでどうしても小口のものにしか対応し切れていないという部分、これがやはり大きな原因でしょうし、まあほかにも商品開発の面での立ちおくれ等々あるんではないかなと想像されるわけです。
 そこで、今回の改正の学資保険についてどうなのかなとお尋ねしたいわけなんですが、この学資保険は一九七一年に発売されまして、これまで販売状況はどんな推移で来たか、また、民間でも同じような商品、特に今回改正されます育英年金付の学資保険、こういうものも発売されていると聞いておりますけれども、その売れ行きがどんなものでありましょうか。特に、簡保の学資保険にも育英年金付というのが欲しい、こういう要望が強かったんではないかなと思うんですけれども、その点もあわせてお尋ねします。
#8
○江川政府委員 簡保の学資保険の販売状況を先に御説明申し上げます。
 おっしゃいましたように、一九七一年に販売を開始いたしまして、国民の好評を得て、今では簡保の主力商品の一つになっていると言っていいと考えております。過去最高でありましたのは昭和六十三年度でして、百五十五万件の新規契約がとれました。それをピークにして、今、百数十万件でありますが、ここ五年間をならしてみますと百四十万件強の新規契約がとれているという状況でございます。保有契約をストックで見ますと、発売以来千四百二十八万件の契約を現在保有しておりまして、全体の中で、簡保が保有している保険契約の二〇%弱がこの学資保険になっております。
 御質問の、民間ではどうなのかというところですが、民間生保では、言葉は商品の呼び名がいろいろあります。教育保険とか子供保険、いろいろな呼び名がありますが、大手五社全部やっておりますけれども、全企業二十七社ありまして、そのうちの二十社で子供保険、いわゆる学資保険を発売しております。そして、今回我々が年金付のものを御提案申し上げておるところですが、それと同じ年金付というのは二十社のうちの七割で十四社。ですから企業全体で申し上げますと、二十七社のうち十四社で今回我々がやろうとしている年金付のものと同じ生保商品を発売しているところでございます。
 資料などを見たところによりますと、平成三年度で民間の販売状況は全部で七十二万件ほどになっておりまして、そのうちの八割、五十七万件が年金付だ、そういう学資保険の発売状況でございます。
 それから、今先生御質問ございました、こういう種類の学資保険に対する要望も強いのではないかという御指摘でございますが、私たちはまさにそうだと考えておりまして、平成四年に、どういう種類の学資保険とかなんとかというものを求めるかということで調べましたところ、教育資金の準備手段として望ましい生命保険の仕組みとして、今回提案しております、親が死亡した場合に年金がもらえるという構造の学資保険を、三五%弱の要望が上がっているところでございます。そういったようなことから今回の学資保険の新設ということを提案している次第でございます。
#9
○赤城委員 ただいまのお話によりますと、この学資保険、簡保事業の中でもかなり大きな、契約件数ベースで二〇%弱という大きな部分を占めているわけですし、主力商品でありますけれども、民間の方で既に十四社がこういう年金付を発売していて、民間の教育保険とか子供保険のうちの八割がもう年金付だということでございます。そうすれば、民間の方で既にそういうふうに対応していて、国民のニーズを受けとめているにもかかわらず、主力商品である簡保の学資保険がおくればせながらやっと年金付ということに今回の改正でなるわけでございまして、どうも国民のニーズに機敏に、速やかに対応できないところがあったんじゃないかな。これは先ほどの限度額の問題もそうですけれども、簡保事業にいろいろな手かせ足かせがあって後手後手に回る部分があるのだろうと思うんです。
 この年金と保険を組み合わせるという考え方自体は、平成二年に郵便年金と簡易保険を合体させたときに、基本的にこういう組み合わせ商品というのは出せるんだろうなと思っておったんですが、どうもこの簡保法の書き方を見ますと、そういう組み合わせ商品を出すのに改めて規定をし直さなければいけない、こういう構造になっています。この簡保法の十七条の一項三号に、養老保険と定期年金保険で被保険者を同じくするものを改めて商品として出しますよ、そのときの養老保険というのはこういう保険で、定期年金保険というのはこれこれです、こう三項にそれをさらに敷衍して書いてございます。こういうことを細かく規定しないと、商品を一部変えるとか、新しい商品を出すためにはこういう規定を置かないと対応できない。ここが民間の場合と大きな違いでありまして、民間の場合には、業務方法書とか保険約款で、主務大臣の認可を受けるということで新しい商品をどんどん国民のニーズに対応して出していけるわけであります。
 こういう部分、簡保法の規定をもっと弾力化して、基本的な部分は法律に書くとしても、それを組み合わせたり、一部変えて新しい商品を開発するということをしやすくする、そういう規定の置き方、弾力化ができないものかなと思うんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか、伺います。
#10
○江川政府委員 ありがとうございます。我々の簡保法自身に対する考え方の将来を御示唆いただきました感じでございます。
 ちょっと現実のことを御説明させていただきますと、簡易生命保険法の法律の中では、保険の種類とか加入限度額、保険金とか年金の支払いなどというような、制度の基本的な枠組みというか、加入者の権利義務にかかわる部分を定めまして、あとは、細目につきましては約款でやるという仕組みにしてございます。
 今回の法律、年金付の学資保険の発売一つとりましでも、御案内のように二十五カ所の条文の変更をするということで、確かに、おっしゃいますような機敏、機動性というものがどうかなという一面はあろうかと思います。
 我々の考え方としましては、国営事業として制度の基本的事項が法律で規定されるということは、それはあることで、いわば当然だろうと考えておりますが、先生おっしゃいましたように、加入者のニーズの変化に機敏に対応できるような仕掛けというものも、同時に我々はつくっていくように考えていかなければいけない。御指摘いただきました御意見を、我々の今後の簡保法の運用及びその改善などを考えていくディレクションとしていきたいなと考えているところでございます。
#11
○赤城委員 そういう簡保事業に係るいろいろな制約といいますか、ほかの部分にも見られるんですけれども、今回、この簡保資金の運用についても改正になりまして、コマーシャルペーパーが追加されるわけです。こういった運用についても、加入者の将来の保険金の支払いに充てるという意味からは、確実で、しかも有利な方法で運用するということは、これは当然でありますし、さらに、この公的資金という性格から、公共の利益に沿うようにというふうなことが運用法に書いてございまして、この三点の要請、確実、有利で、公共の利益に資する、これを同時に満たすというのはかなり大変なことであります。
 これから保険についても、保険料率の自由化とか、そういった金融自由化の流れをくんだ改正というのがこれからも出てくる。自由化の流れというのが出てくるとなりますと、簡保資金をより有利に運用していかなければ、簡保事業、対応し切れなくなってくるんだろうと思うんです。
 ところが、この運用利回り、長期的に見ると低下傾向にありますし、これまた民間と比べても、民間の運用利回りをここ数年ずっと下回っております。そうした中で、金融自由化に対応して、より一層の有利運用をする、そのためには、コマーシャルペーパーということももちろんでございますけれども、根本的なところで、さらに有利な運用というものを求めていかなければならないんじゃないか。例えば株式にも本格的に運用していくとか、第三セクターに対する、あるいは企業に対する貸し付けとか、そういった部分についても運用対象としてこれから考えていかなければいけないんじゃないかなと私は思うわけですけれども、この金融自由化の流れの中で、簡保資金のより有利な運用についてどういうふうに考えるか、また、今後の方向としてどういうふうに考えるか、お答えいただきたいと思います。
#12
○江川政府委員 御指摘のとおり、簡保事業が国の企業でございますから、そういう基盤の上に立った運用の仕方ということで一定の枠があるのは御案内のとおりでございます。一言で民間と我々との比較を一点だけ申し上げますと、非常に非法律的な表現をさせていただきますが、簡保ができる運用は民保は全部できまして、民保ができる運用の一部分が簡保ではできない、こういう状況になっております。その一部分というのが大変重要な部分でして、先生ただいま御指摘ございました例えば株式へ、例えば不動産へ、例えば第三セクターへの貸し付けとか企業貸し付けとかというところが全部抜けているわけでございます。
 そういうものについて、それではどういうふうに考えていくのかという御質問がと思います。ただいま申しましたように、一応国の企業であるという基盤の上に立ちつつも、簡保資金というのは加入者の貴重な財産でありますし、できるだけ有利に運用して配当金を取っていく、稼いでいくということで加入者の利益の向上を図るということが重要である、そう考えておりますから、先生今御指摘なさいました株式とか第三セクターなどなどへの運用なども今後真剣に我々は考えていって、関係の向きとも相談しつつ実現できるようにしていきたいなと考えているところでございます。
#13
○赤城委員 まさに今の局長のお答えどおり、民間の場合の運用対象は株式と一般貸し付け、これが半分以上を占めている、非常に大きな割合を占めていますので、この違い、民間ではできるけれども簡保で今までできていない部分、これを今後どう考えていくのかというのは大きな焦点になろうかと思います。
 ちなみに、今回コマーシャルペーパーを追加することによってどのぐらい運用改善になるのか、わかる範囲でお答えいただきたいと思います。
#14
○江川政府委員 数量的な御説明ができなくて申しわけないのでございますが、簡保の運用というのは長期というのをベースにしてございまして、しかし、これだけ長くやってきておりますから日々これが回収金として戻ってくるという事態がいっぱい発生しております。そうしますと、次の長期べこの金を持っていくまでの間、よい長期対象が見つかるまでの間遊ばせておくわけにいきませんから、運用しなければいけない。これを短期運用と言っております。それの一こまに今度CPを加えさせていただくということでございます。
 ですから、CPにどのくらいの金が入っていくのかどうかというのは、日々の動きによって生じますので一概に申し上げられないのですが、申し上げられることは、そういう短期運用で遊び金がなくなるということが一つと、短期運用のできる範囲といいましょうか幅が広がるということで、より一層有効に、資金のアイドリングがなく稼ぐことができるのじゃないかな、そういうふうに理解しておりまして、この短期運用、CPを有効に、機動的に活用して配当金の増に向けていきたい、そう思っているところでございます。
#15
○赤城委員 次の改正事項に移らせていただきます。
 かんぽ健康増進支援事業、新たに行うことになりましたけれども、この対象事業、どんなものがあるのか。それから、この事業をどういうふうに選定、審査していくのか。また、この助成額をどういうふうに算定していくのか。簡単で結構ですから、お答えいただきたいと思います。
#16
○江川政府委員 対象事業は三つを予定しておりまして、成人病等の予防事業、それから介護支援事業と健康づくり事業、こういう三つを予定しております。この三つが大体のところ希望、加入者の意見をとりますと大体この三つで多く、カバーできるなど考えているところでございます。
 そして、それらをどうやって、それぞれに幾らつけていくのか、助成していくのかというお話につきましては、今仕組みをつくっているところでございますが、地元、地元というのはまあ、町にあるそのプロジェクトが上がってくる段階で、大体それに要する費用などをそのまま積算していただきまして、できるだけ希望に沿えるようにしようというふうに考えまして、もう一つ、それらを助成金配布要綱をつくりまして、その要綱に合うように、透明にして、それを見ながらチェックして配分していこうかな、そういうふうに考えておるところでございます。
#17
○赤城委員 具体的な細部はこれから要綱等々で明らかになるということでございまして、いずれにしても、この成人病予防とか介護支援、健康づくり、こういった高齢化社会へ向けて非常に大きな役割を果たしていくという点で大いに頑張っていただきたい、推進していただきたい、こう思うわけなんです。
 ただ、加入者の福祉増進事業というものについて、これまで簡保事業団自身が行ってきたわけです。老人福祉施設でありますとか、保養施設とか、診療施設、レクリエーション施設、会館、こういった全部で百二十その施設がありまして、年間の利用者数が千二百万人というかなり大きな役割をこの加入者福祉施設という簡保事業団自身が行う施設の中で対応してきたわけで、今回、この事業団以外に公益法人、これは具体的には簡易保険加入者協会というところが実質行うわけでございますけれども、この加入者協会が健康増進プロジェクトを行うようにしたその理由はどこにあるのでしょうか。
#18
○江川政府委員 事業団は全国に一本ありまして、地方に細かく手足は持っておりません。それに対して加入者協会は、全国に手足が、手足という言葉はあれですが、支部みたいなものがございまして、それで全国一本というふうにもなっております。それが一つと、お金を渡す先ですから、私団体ではなくて公益団体であることが必要だということで、それが一つと、それからもっと大事なことは、今回のプロジェクトが、民間で考える、先ほど申しましたような三つのジャンルのプロジェクトを支援しようというわけでございますから、民間能力の、いわば民活というのでしょうか、民間部門の活力とかノウハウを活用してやっていこうということを目的としているわけでございます。
 その意味で、一番民間と密着している、地域性を持つ、密着している公益法人がこれだということで、この加入者協会を利用して、かつ事業団とペアを組んでやっていくと、全国的な目もきくし、個別の地域地域の具体的な筋肉の動かし方にも通暁してくるのじゃないかな、そう考えて加入者協会を使うことにしたという次第でございます。
#19
○赤城委員 よくわかりました。地域に密着した、特に国民のニーズにより的確に対応できるという意味で新たな福祉対策の一歩でもあろうかと思います。よくわかりました。
 最後に一点だけお尋ねして終わりたいと思うんです。
 このかんぼ健康増進支援事業の対象、どういう人が利用できるかという点なんですが、簡易生命保険法の百一条に、従来、加入者の福祉施設について、「加入者の利用に支障がなく、かつ、その利益を増進すると認められる場合には、加入者以外の者に利用させることができる。」ということがはっきり書いてありまして、この条文はそのまま今回の改正法の中にも盛り込まれています。ところが、この第一項の加入者福祉施設のうちイの施設についてはということで、ロは除くと書いてありますので、今回のこの健康増進支援のプロジェクト、これが加入者以外の者が利用できるのかどうか、この規定がないわけなんですけれども、その点についてお尋ねして、質問を終わらせていただきます。
#20
○江川政府委員 結論的に申し上げますと、加入者以外の者も利用できるという仕組みをつくろうとしているところでございまして、先生御指摘の条文に関しましては、いわば立法技術論でございまして、加入者協会という組織を使うことは、それは文字どおり加入者の集まりですから、それにやらせるということですから、それ以外の者にも利用させることができるという文章は必要なくなるわけでございます。したがってここでは除いているということですが、実際に加入者協会がやって、その向こう側に、実際やる中に非加入者の人たちも入っていたとしても、思想として、支障がなければどんどんやっていっていいというこのもとの考え方はそのまま踏襲しているところでございます。いわば立法技術論でございます。
#21
○赤城委員 加入者以外の者も健康支援プロジェクトを利用できるということでございます。確認できましたので、よくわかりました。
 以上、いろいろ御質問申し上げましたけれども、大変この簡保事業、これからいろいろな部分で貢献していかなきゃならないし、細かな、地域やニーズに対応していかなければいけないということで、我々も大いにこの事業を支援してまいりたいと思います。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
#22
○亀井委員長 次に、吉岡賢治君。
#23
○吉岡委員 保険法の改正が三件上がっております。これについて簡潔に質問させていただきたいと思います。
 今日まで簡易保険というのは、郵政省で、営利を目的にせずに、なおかつ加入に当たって医師の診断も要らない、あるいは職業によって加入の制限はない、さらに、郵便局でございますから全国どこでも手軽に利用できる、そして保険金の加入額、年金の加入額等に制限が設けられている、こういうような特色の中で今日まで郵政省の皆さん、さらには現場で頑張っている皆さん方、そういう努力の積み重ねの中で、保険では七千六百六十万件、そして百六十一兆六千七百九十億という保険額、さらに年金の方は三百十六万件、七千六百一億円、こういう契約を成立させていただいているのは、まさに職員の皆さん方の努力の結集であろうというように思っているわけで、心から敬意を表さなくてはならないと思っています。
 そこでまず、資金運用について今回出ております問題で質問をしておきたいと思いますが、御案内のとおりコマーシャルペーパーは証券法という法律の中で有価証券に位置づけるということがこの四月から行われて、これをもって、要するに、郵政省もそれを扱いながら加入者利益を増進さすというふうに御提起いただいているわけであります。この加入者利益を増大きすということは、短期ということの中で運用を図る、むだなくやっていこうということであろうと思います。市場金利になると思いますから、それなりに金利は変わってくるというようには思いますけれども、加入者利益、言うなればどれほどの利益を新しく取り入れられるCPによって得られるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#24
○江川政府委員 このたびの、四月から実施しておりますCPの運用につきましては、先生御案内のとおり、短期ということでやっているわけでございますが、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、長期運用と長期運用の間に発生するはざまで資金の有効利用の選択の範囲を、短期運用の範囲をこれによって一つ広げだということが、今回の最大の利点だと考えております。
 それで、その利子率は短期運用でもほかに、例えば大口定期とか譲渡性預金、いろいろございますが、それよりちょっと〇・〇一とか〇二ぐらいはCDの方が高くなっております。そういう意味で広がったのみならず、それだけちょっと余計高い利息を稼げる対象でございますので、我々としたら大変有効活用できるのじゃないかなと考えておりますが、具体的に幾らぐらいそれで上乗せできるのか、稼げるのかと申しましょうか、その辺はちょっと私なかなか把握しにくいところでございまして、性質論として幅が広がり、ちょっと高いものを買えるようになったからよいと考えていますということで御回答させていただければありがたいと思います。
#25
○吉岡委員 それにしてもCP、言うなればこれは約束手形ということになります。しかも、無担保でということになっておるだけに安全性も高い商品だというふうにおっしゃっているわけであります。その点について、安全性が高い高いというけれども、何を基準にされているのか、なお、その資料は何をお使いになって安全性についての確認をされるのか、一言お願いします。
#26
○江川政府委員 安全性の高さは、CPを発行できる企業がどこでもいいという状態になっていないというのがまず第一でございます。それは一定の条件以上の企業であって、しかも、その企業について十分第三者機関が信用性の高いということをいろいろ調査してくれる仕組みになっておりまして、逆に言うと、その調査結果がなければ発行できないというふうになっておりますので、その調査を信頼するということが第一でございます。
 そして、企業としては日本を代表するようなトップ企業の方が中心になっておりますので、一応信頼性は高い、そういうふうに考えているところでございます。
#27
○吉岡委員 資料は第三者機関とおっしゃいますが、第三者機関、一言ではわかりませんので、具体的に教えていただきたいというように思います。
#28
○江川政府委員 CPを発行できる企業の格付というのがございまして、その格付をする機関のことを私第三者と申し上げましたが、その機関は現在のところ、大蔵省が一定の条件のもとで指定する仕組みになってございますが、九つの機関がございます。
 例えば、文字どおりの言葉で株式会社日本格付研究所とか、固有名詞が出て恐縮ですが、例えば日本公社債研究所とか日本インベスターズサービス株式会社などがございまして、そういう機関というのは大蔵省告示によりまして、過去の格付実績とかその企業の人的構成とか組織とか格付の方法とか資本構成、そういったものの一定の条件に合致しているところについて、大蔵省が格付機関として指定する、その指定された機関が、先ほど申しましたような申請してくる企業に対していろいろチェックをして判定するという構造になって帝るところでございます。
#29
○吉岡委員 もう一つついでにお聞きしますが、外国のCPも運用される、こういうふうに理解していいでしょうか。その点についても同様の調査機関というふうに、それが資料になっていると思っでいいですか。
#30
○江川政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#31
○吉岡委員 日本の場合だったら現実に倒産が起こるとかなんとかということはめったにないとおっしゃるけれども、それはまた、株式会社のことですからあり得るというふうに理解しておかなければならないわけで、安全性の高い運用を図っていただけると思いますが、要するに、経済動向によってはいつどうなるかわからぬという現実もあるわけです。外国の場合だったらよほどのことわからない。そういうことがあるのではないか。
 したがって、独自調査をするというようなこともないとするなら、信頼性の高いという問題をどのように保証されるのかということが非常に重要なことになってまいりますので、その点十分気をつけて運用をお図りいただきたい、こう思っております。
#32
○江川政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、信頼性の高さというものを何に求めるかというのは、日本で申しますと今の格付機関でございますが、外国債ですと、特に先が見えませんのでおっしゃいますとおりですが、いわば、カントリーリスクとか通貨による不安、いろいろございます。そういうことも全部考えてやっていかなければいけない。
 幸いなことに、そういったことについて、カントリーリスクをランキングする仕掛けがございまして、そういうものを見ながらやったりしていこう。それから、そういうカントリーリスクの中には政治的な安定度とか経済的な、金融、経済状況の安定度とか、みんな入っておりますから、一応それらの調査結果を我々としては信頼しつつやっていきたいな、慎重に対応してまいりたい、そう考えているところでございます。
#33
○吉岡委員 次に進みます。
 育英年金付学資保険の新設ということが今回上がっておるわけです。同様の商品は民間では既に提供されているというように聞いております。これを新設されることによって民間サイドから官業の民業への圧迫というような声が上がる可能性があると思いますが、その点について見解があればお聞かせいただきたいと思います。
#34
○江川政府委員 御心配いただきましてありがとうございます。
 一般的、抽象的な言い方といたしましては、いわゆる官業の民業圧迫というような言われ方があるのは事実でございますが、他方、保険の世界で申しますと、民保の指導者クラスの方々の公的な言葉としてもございますが、簡保と民保はお互いが最大限の機能を発揮して国民全体の幸せづくりに貢献していきたいという表明もございます。そういう意見もございまして、本件の育英年金付学資保険につきましては、殊さらにこれが取り上げられて強い反対に出会ったというふうに私承知しておりません。いわば、学資保険というのが簡易保険では主商品でございますが、民間では必ずしも主商品になっていない。一種のすみ分けみたいなものができているのではないかな、そう考えているところでございます。
#35
○吉岡委員 契約者の告知義務が今回課せられていますね。これはなぜなのか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#36
○江川政府委員 ここで申します契約者といいますのは、わかりやすく申し上げますと、父親がいて、生まれたばかりのゼロ歳の子供がいて、その子供を被保険者として年金付学資保険に入るときの父親のことを契約者と申します。
 先生御指摘のように、その契約者である父親も健康告知を求めるのはなぜかとおっしゃるわけでございますが、この保険は契約者である父親が亡くなりますとそこから年金支給という効果が発生いたしますから、この父親の健康状態というのも無視できない話でございます。つまり、契約の中に重要な要素として入ってきているわけでございます。したがって、契約者である父親に対しても告知をしていただくというふうにした次第でございます。
#37
○吉岡委員 郵政省のいわゆる簡保に告知義務が課せられたのは初めてではないか。ほかにもありますか。
#38
○江川政府委員 この年金付以外の学資保険そのものがやはり同じように、契約者である父親に対しても告知を求めておりました。というのは、その後亡くなってしまいますと掛金が要らなくなりますから。しかし、この種の保険だけと申し上げてよろしいかと思います。
#39
○吉岡委員 今回新設される育英年金付学資保険によって、需要見込みとでもいいましょうか、どのくらいの件数でどのくらいの契約金額ということを想定されておられるのか、お聞きしておきたいと思います。
#40
○江川政府委員 先ほど申しましたこれまでの学資保険が五年で平均しますと百四十万件強でございまして、この年金がつく新しい保険でプラス十万件ぐらい、百五十万件ぐらいになるだろう、そのうちの三割、五十万弱がこの新しい年金付学資保険に加入していただけるのではないかと予測しております。これは過去のいろいろな事例からそう見ているところでございます。
#41
○吉岡委員 先ほど言いましたような特色を持った簡易保険であるだけに、国民の皆さん方も随分親しみを持っておられます。そういう意味からも、ぜひ今後も国民あるいは加入者のニーズにこたえる商品をつくっていただくようにお願いをしておきたい、このように思います。
 さて、三点目の、かんぽ健康増進支援事業の新設についてお尋ねをしたいと思います。
 成人病等の予防、そして介護支援事業、健康づくりの三分野を対象にしてこの事業を新設されておるわけであります。この三分野に絞られた理由を聞かせていただきたいと思います。
#42
○江川政府委員 今回ただいまの三分野を助成対象にいたしましたのは、加入者の健康保持増進に対するニーズの大部分がこの三分野でカバーされると見たからでございます。
 そこをちょっと細かく申し上げますと、一つは成人病の部分でございますが、それは三大成人病というのがございますが、がん、心疾患、それから脳血管疾患、これによる死亡率が六割を超えております。これは我が簡保の加入者に即した事実でございます。
 それから二つ目に、老後の不安で何が一番大きいかというと、介護に関すること、健康に関することというのが、これは内閣広報室での老人に関する世論調査ですが、それがまた七割とか何とか高い数字をとっております。
 三つ目に、健康への関心と申しますか、これがやはり総理府で、「体力・スポーツに関する世論調査」というところで見ますと、これまた健康づくり、あるいは体カベの関心を払っているという人が七割ありましたということで、それ以外のところが非常に落ちた、落ちだと言うと変ですが、その三つが非常に際立っているわけでございます。
 そういうことで、加入者のニーズがここに集中しているなということからとりあえずスタートするところでございますから、まず山をつかまえるということで、とらえるということで、そこからスタートしようとした次第でございます。
#43
○吉岡委員 そこでお聞きしますが、簡易保険事業団、この方に十五億四千三百万円の交付金を簡易保険の特別会計から支出することになっています。先ほどお話を聞きました三事業を具体的に実施するのは財団法人の簡易保険加入者協会、こういうふうに聞いているわけでございます。事業団から協会へは助成金ということでお出しになる。この三分野に事業対象を決められたわけでございますから、いわば、その助成金をどのように割り振りながら、あるいはどのような方法でこの助成金を支払って効果あるものにされようとしているのか、その辺は初めてのことでございますから、新設された事業ですから、お聞きしておきたいと思います。
#44
○江川政府委員 今回の事業団への交付金は全部で十五億四千三百万円何がしですが、そのうちの四千三百万円という額は助成事業を行う上でのいわば事務費ということで処理しております。
 先ほど来出ております三事業に十五億を分配しよう、そこで、御質問の三事業それぞれに幾らずつなのかどうなのかということにつきましては、一応、予算の要求算定上は、一の成人病のジャンルでこのぐらいあります、二の介護でこのぐらい、健康でこのぐらいということで積み上げて十五億にいたしましたが、具体的行動といたしましては、この後いろいろなプロジェクトが、希望が上がってまいりまして、そのプロジェクトに応じて枠をちょっと取っ払って、十五億の枠の中で三つの事業にそれぞれ使えるようにしていきたい、そういうふうに弾力性のある使い方をしていきたいと考えております。
 それじゃ、もう他の二つは全くゼロで一個だけにしてしまうのかというような御疑問があろうかと思いますが、そういうことはもちろんいたしませんで、その辺は自主的にちゃんとプロジェクトが出てくるであろうという期待と、それなりの常識的な判断というものでやっていきたい、そう思っております。
 具体的にそれじゃどうやって分配していくのかというのは、地域、まあ郵便局、我々の言葉で言いますと郵便局のようなコミュニティー、ああいう中で協会の支部に上がってくるプロジェクト、それらを取りまとめて、言ってみれば県単位とか郵政局レベル単位の大きさで全部並べてみて、大体予算とあわせて上から必要性とかなんとかということを考えながら絞り込んでいって、それを全国に上げて東京の事業団本部で決定してもらう、そういう形にしたいと考えております。
#45
○吉岡委員 事業団は一つでありますけれども、加入者協会というのが全国にばらばらに散らばっておるわけです。その辺で地域の加入者のニーズに基づいて事業が上がってくればそれに助成をするという方向で今言われるわけですけれども、地域ではやはり、どれくらいの予算が来るのか、どれくらいのことができるのかということが目に見えてこないとなかなか実行できないじゃないか。したがって、三事業で込みでやるとおっしゃるのは、それは地域の実情でよろしいですけれども、あなたのところで、こういうことをやってくれ、これくらいの予算があるよということぐらいは示してやらないと、上げてきたらそれからお金おろしてやるわということでは、本当に主体的な今言われたかんぼ健康増進という事業が進むのかどうか、ちょっと疑問に思うもので、その辺ありましたら具体的に、初年度ですけれどもその支援事業の具体的なスケジュールをお聞かせいただいておきたい、このように思うんです。
#46
○江川政府委員 スケジュールにつきましては、この法律が通していただきまして成立しましたら、そこからこういうふうにやるというふうに全部線表を用意してございますが、助成金配布要綱とかなんとかという細かい事務的なことはございますが、それはそれなりに勉強しているところでございます。ただ、幸い通していただきましたならばこの秋には、配分というか、助成第一回をできるように動きたいなと思っているところでございます。
 その際に、先生御質問のように、地元から見て、じゃ私のところはどのぐらい来るんだろう、どのくらいのプロジェクトができるんだろうかという目安みたいなものが欲しいんじゃないかと思いますが、幾らありますからということをぼんと世の中に知らせるというのは、これは余りどうかと思いますが、我々事務方としては、これは先生、そうするという意味ではなくて、おおよその算段でちょっと申し上げさせていただくんですが、アバウトで言いますと五十都道府県でございますから、十五億ですから三千万というんでしょうか、そうでございますね、三千万ぱっと全部流してしまう、そういう意味ではございません。加入者の分布というのが全国的にほとんど共通でございますから、どこかに集中していいとか悪いとかということはありません。大体どこも同じように使ってもらうのが大事だと思いますから、そういう意味では、原理原則的には平均的に散らばるように金を分配しなければいけないなと思います。割り算してみるとそういう数字が出ますので、それなりのプロジェクトを地元で組んでもいいんじゃないかなと。しかし、一つのプロジェクトで一千万だ、三千万だと取ってしまったら、一つの県の中でもほかが泣きますから、それはもうとてもあれで……。
 それで、いろいろとお話伺っておりますと、例えば老人のゲートボール大会というのは、もう五万円でも大喜びだ、十万円でも大喜びだという声をたくさん聞きます、これは、まじめな意味でですね。そういうのをたくさんやるのが草の根のプロジェクトだぞというふうにいろいろ知恵をいただいている方もございまして、そんなものを一つの物差しにしながら考えていこうかと思っているところでございます。
#47
○吉岡委員 今お聞きするんですが、具体的な姿がもう一つ見えてこないんですね。今ゲートボールはわかったんですが、例えば成人病等の予防だとか介護支援事業だとかということで、具体的に地域の人たちがどういうふうに考えるかということだと言われてしまえばそれまでですが、今加入者協会の方ではそれぞれ国民の皆さんや加入者がどんなニーズを持っているのかということもつかんだ上でこの法律ができた、その辺が逆に心配になってきますのでね。もっと言ったら、十五億来たよ、ことしは初年度だ、これくらいの金ならやっつけ仕事でいけるじゃないかということになるとしたら大変だと思いますので、今後も引き継がれていく事業だと思っておりますので、もう少し具体的な計画性と、資金をきちんと活用する、そしてそれが実効あるものにつながっていく、こういうことにしていただきたいと思います。
#48
○江川政府委員 先生、申しわけございませんでした。私、自分がわかってしまっているものですから余り細かいことを申し上げませんでしたけれども、例えば三事業というふうに申し上げましたが、その中でどんなことがイメージされているのか、具体的にどういうプロジェクトがあると考えているのかというところをちょっと御説明させていただきます。
 一番細かいプロジェクトの例で申し上げますと、例えば成人病などの場合でいきますと、成人病予防パンフレットをつくろうとか、エイズ予防教室を開催しようとか、それから成人病予防セミナーを開こうとか、老化に伴う病気に関する公開講座を開こうとか、ストレス予防セミナー、あるいは成人病予防のための料理講習会などなどが具体的プロジェクトとしてあります。
 それから、介護などで申し上げますと、介護技術教室の開催とか、介護技術マニュアルをつくろうとか、介護相談の実施、在宅介護者支援イベントの開催とか、介護フェアなどなどございます。それから介護の機器の展示などというのもあろうかと思います。
 それから、健康づくりで申し上げますと、健康教室を開こうとか、健康づくりのマニュアルを作成しよう、それからスポーツ指導技術セミナーをやろうとか、スポーツ教室を開こうとか、スポーツ大会をやろう、先ほど申しましたゲートボール大会みたいなのはこういうジャンルに入ろうかと思います、健康相談とか、シルバーボランティアの講習会などなどあります。
 この辺のことは、我々予算要求するに当たりまして、頭で考えたわけではありませんで、実情をいろいろ調べてみました。どういうものがあるのだろうかということを、民間のこういうことをやっている方々にも知恵を出してもらうという形で、もしこういうことをやったらどんなプロジェクトが上がってくるのだろうかということで調べてもらった、いわばフィージビリティースタディーをしたわけでございます。そういうのが今申しましたようなことで、これの裏側に個々の具体的な積み上げも出でございます。そういうものが結構あるんだということの上に立って、ことしは十五億ということで予算を組んだわけでございます。
 それで、先ほど申しましたように、一個一個がこのレベルでいきますから、そう高い大きな額ではなく進められるぞというふうに考えております。それらをどうやって吸い上げていって、わかりやすく、じゃ、十万円出しましょう、こういうふうにするのかという仕組みづくりのところを今せっせとやっているところでございます。
 大体、大枠だけちょっと申し上げさせていただきますと、加入者協会という公益法人がございますが、もう一つ、簡保加入者の会という私団体が郵便局一個ずつに対応してございます。五千何百という仕組みがあるわけです。そういったような人たちの知恵とか、もちろん市や町の行政に携わる人たちの知恵とか、何しろうちには二万の特定局長がおりますから、そういう方々の知恵とか、町のいろいろな方の知恵というものが総合できるような形をつくりつつ、それが要望にまとめられて上がってくるという仕掛けにしていこうというふうに考えているところでございます。
 その人たちから見ますと自分の周りに幾ら予算があるのか見えないわけですが、我々の側から、出す側から見て、大体このくらいの目安だということをおろしておきますから、その中で一定の、査定という言葉は失礼ですが、計画を立てて上に上げていって、全国レベルでもう一度見て、チェックして確定する、指定するというふうにしていきたい、そう考えておるところでございます。そういう今仕掛けをつくっておるところでございます。
#49
○吉岡委員 ぜひ目的に向かって実効あるものにしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 さて、次に、加入者の福祉施設についてお伺いをしておきたいと思います。
 簡易保険福祉事業団は、第二臨調の答申によって、保養センター、簡易保険会館等の宿泊施設の新設をストップされております。しかし、簡易保険加入者及び国民の余暇の増大、あるいは保養、レジャーに対すを需要というものは増大をしてきております。また、高齢化社会に向けた政策の実行もさらに必要となっていると思っています。
 現在、民活によるリゾートの開発というのが各地で行き詰まっている、こういうようなことも考えてみますと、加入者国民の期待にこたえて、政府の言う生活大国実現のためにも、公的事業体である簡保福祉事業団などの、いわば特殊法人になりましょうか、安定した政策というものが必要になってくるのではないかと私は思っているわけでございます。
 そこで質問をさせていただきますが、簡易保険福祉事業団の加入者福祉施設の年間利用者がどのくらいになっているのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
#50
○江川政府委員 施設は全国で百二十七ございますが、その利用者は、平成四年度で延べ一千二百十万人になってございます。このうち、保養センターとか会館など宿泊施設の宿泊利用の人数は、平成四年度で三百八十四万人となっております。
#51
○吉岡委員 三百八十四万人が宿泊をされている。これは言うなれば、簡保センター等の宿泊施設というふうに理解をさせていただきます。
 そこで、申し込みがあって、満杯で取り消さざるを得ないというようなこと等を含めて、施設をフル稼働させるといっても、曜日によって違うとか、シーズンによって違うとかということがありますけれども、満杯で断ったというような件数はどのくらいに達するのか。
#52
○江川政府委員 満杯でお断りした事例というのは確かにございますが、申しわけございませんが、どれだけ断ったかのデータはございませんので、今ここでお答えできる状態にございません。大体利用率は八〇%ぐらいというのが全国ならした姿で、特に土日が混んでいる、しかし平日になりますとぐっと落ちて利用されているという状況、まあ答えにならない答えで恐縮でございますが、定員をオーバーして申し込みがある、このオーバーしている部分が一々それぞれ何ぼだったかという統計、統計というか事実を把握してございませんので、ここでお答えできなくて申しわけございません。
#53
○吉岡委員 宿泊施設というのは旅館業法に基づく施設、あるいはホテル業という問題もありますけれども、この簡保が第二臨調で五十八年にストップされたまま新設されていないという実情があるわけでございます。本当に、民間を圧迫しているというふうに言われてストップされてきたわけですが、実際に圧迫しているのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#54
○江川政府委員 先生御指摘ございましたように、五十八年三月の臨調の最終答申で言われました。いわゆる「施設関係法人については、民間と競合する会館、宿泊施設等の施設の新設を原則的に中止する」、それからさらに「簡易保険郵便年金福祉事業団」、今話題にしている事業団のことでございますが、「については、原則として会館、宿泊施設等の新設を行わないこととする」こう書き込まれたのは事実でございます。
 ただ、我々の簡易保険の世界で加入者福祉施設をつくり、いろいろサービスを提供していくといいますのは、いわば施設を設置して相互扶助組織の一つとして加入者に御利用していただいて、保険金の支払いに加えて加入者に対する一種の還元措置だ、そう考えているところでございまして、そういうふうに考えてこれをやってきているわけでございます。
 このような趣旨で設けられております保養センター等の施設の運営が民業を圧迫しているかどうかについては、これらをつまびらかにする資料がございませんので何とも言えないのですが、施設の具体的運営に当たりましては各地域地域、地元で、その地域の観光協会とか旅館組合に加入するなどして結構協調してやっているというのが現実でございます。例えば観光地の周知活動などもそういうところと共同してやるというようなことをしておりますし、また、観光の入り込み客というのでしょうか、そういう周知、そういう増加なども図りつつその地域振興の貢献に努めているというところでございまして、私たちとしては特に、先生御指摘のような民業を圧迫しているとは信じ。ていないところでございます。
#55
○吉岡委員 「保養センター等については、簡易生命保険事業で行う必要性は薄くなっていると考えられるのでここう臨調の最終答申になっているわけです。私は、この記述は実は疑問に思っているわけです。
 国民あるいは加入者のためにサービスとして還元をしていく、このことが趣旨となってきたものであります。そうしますと、五十八年度以降というのは宿泊施設をつくらずにほかの例えは健康センターだとかそういう事業、あるいは浦安の介護老人ホームだとか、そういう方向に転じていらっしゃるわけですね。実は私は過疎地から出てきています。健康センターだとかそういうものは大都市に大体設置されているということになりますと――宿泊施設が過疎地であるとかいろいろな観光地であるとかというところにあることによって私たちは活用し得るという条件が生まれてくるわけです。そうなりますと、この保養施設等いわゆる宿泊施設等をストップされるということは、いわば加入者に対するサービスが公平に行われないという状況というのが生まれてくる可能性があると思っているわけで、私は必要性がなくなったというこの記述について非常に疑問に思っておりますので、郵政省の方としてどうお考えになっているのかをお聞きしておきたいと思います。
#56
○江川政府委員 ちょっとすれたようなお答えになるかもしれませんが、我々といたしましては、いわば簡保のような公的資金を利用する加入者福祉施設の設置ということについては非常に積極的にやりたいと考えておりますし、また最近、方々の市町などから我が地方にこれをつくってくれという要望がとみに多くなってきております。これは事実でありまして、こういう公的施設の整備に対する要望がそれだけ大きくなっているんだなということを肌で実感しているところでございます。
 この種の施設といいますのはまさに地元と密着してつくってまいりますから、非常に地域振興にも貢献するし、地元の活性化にもなるんだな、そう理解しているところです。そういうことですから、私たちといたしましては、そのような社会経済の変化とか加入者のニーズとか地元のニーズなども十分に把握し、踏まえながら、こういう施設の整備充実を図っていきたいと強く思っているところでございます。
#57
○吉岡委員 カーサ・デ・かんぽ浦安、この介護つき老人ホームというのは非常に好評だというふうに聞いております。申し込み状況と入居待ちの状況について簡潔に聞いておきたいと思います。
#58
○江川政府委員 申し込み状況は、全部で百六十室利用できるわけでございますが、募集時に希望件数がそれに対して五百五十四件ございました。現在、平成五年五月一日現在で入居待ちの数字を申し上げますと、百四十件ほどになってございます。
#59
○吉岡委員 この種施設に対する国民のニーズンいうのは非常に高くなってきているというように考えるわけでございますけれども、浦安の加入者ホーム、これに続く今後の計画があるのかどうかお聞きしておきたいと思います。
#60
○江川政府委員 おっしゃいますように、この種の施設に対する要望は強いし、ますます長寿社会になってまいりますからこの要望は大きくなるであろう、そう承知しております。そして、我々の計画としましては、やはりある程度人口のあるところに隣接していないとちょっとうまくいかない部分がございますので、とりあえず第二弾目は近畿に、大阪の方につくろうかなということで、用地を取得するところまで平成五年度では進んでいるところでございます。
 さらにその後につきましては、ただいまの基本的な思想に立ちまして、いろいろと国民の意識の変化とか経済社会の動向などを踏まえながら設置方に取り組んでまいりたいな、そう思っておるところでございます。
#61
○吉岡委員 この分野は非常に重要だと思うわけであります。今も国民のニーズもどんどん高まっているというお話もございますし、それから現に浦安では入居待ちの方々がメジロ押しという形が先ほどの数字から見ても明らかになっている。そういうことを含めて考えてみますと、その施設の運営というものも非常に大事になるし、またそのサービスのあり方ということも非常に重要視されてくるというように思いますので、この点について、施設運営に当たっての基本的な考え方について大臣の方にお聞かせをいただいておきたいと思います。
#62
○小泉国務大臣 カーサ・デ・かんぽ浦安、私、実はこの前、視察に行ったのです。厚生大臣在任中もいろいろな老人ホームに行きましたけれども、カーサ・デ・かんぽ浦安は、まさに最高水準といってもいいくらいすばらしいところでしたよ。率直に言ってびっくりしました、よくこのようないい場所にすばらしいものができたなと。利用者も非常に喜んでいる。しかも、何とか入りたいということで待っている人もたくさんいるということでして、今後高齢化社会を見ると、こういう施設、しかも背景が国ですから安心して入居できる、しかもそれほど高くない、設備もよろしいということで、この要望は、私は今後ますます高まってくるなあと見ております。
 ですから、そういう要望、対応、しっかり踏まえて、このような国民の要望にこたえ得るような施設の充実とか運営の適切さ、しっかり検討して準備をしなきゃいかぬなと、そういうふうに考えております。
#63
○吉岡委員 最後になりますけれども、今加入者の福祉施設の問題についてお聞きしてきたのでもうおわかりかと思いますけれども、民活方式によるリゾートの開発が各地で行き詰まっている。あるいは事業団のように公的事業が加入者、国民の保養のためのリゾート施設などをつくり、運営していくことが必要ではないかと私は思っているわけであります。そうしますと、第二臨調の答申というのは、先ほど申し上げますように、公的な宿泊施設の新設禁止、こういうことになっているわけであります。少しこのことを考えてもらえないだろうか。生活大国を目指してという政府の方針、あるいは内需拡大も必要だ、こういうようなことを見詰めてみますと、五十八年に臨調で答申が出たということは、尊重するということはそれなりに意味があったと思いますが、今日までの期間、ストップしてきたというようなこと等をもう一度見詰め直して、いわば臨調答申を見直す、こういうことができないのかどうか、これは総務庁の方に伺いたいと思います。
#64
○畠中説明員 お答え申し上げます。
 臨調の答申で、会館、宿泊施設の新設をストップするとされた趣旨は、民間の施設を含めて全国的に同種の施設の整備が進んでおるということ、それから、公的施設相互及び民間との競合が発生しつつあるというところから、原則として新設を行わないということとされ、累次の行革大綱でもその旨うたっておるところでございます。
 現在、第三次行革審で政府部門の役割の見直しについて議論されておると承知しておりますが、行革推進の立場にある総務庁といたしましては、既往の臨調、行革審の答申等に基づきまして、その適切な推進を図るという立場にございますので、この旨御理解を賜りたいというふうに考えております。
#65
○吉岡委員 そうおっしゃるのはわかるわけですけれども、今申し上げますとおり、この事業というのは、一般の宿泊施設、こういうことでなくて、加入者のサービス、そういうことを提供していくということからいえば少し意味が違うと思うんです。なるほど現在までは、五十八年度までに建設をしてきた、それを利用すればいいというものの、先ほど言いますように、それから以降は、浦安の問題にしても健康センターの問題にしても都市部に集中しておる。それを利用するということはなかなかできないですよね、遠隔地からでは。
 そういうことを考えていくと、郵政省の保険事業の一環として進めていくという立場からすれば不公平が起こっておるんですよ。その点ほどのようにお考えなのか。私は、臨調答申を尊重する立場にあるというのはよくわかるんですが、しかしそういう問題というのも少しは御検討いただくという余地はないのか。
#66
○畠中説明員 簡保事業団の保養センターとか簡保会館等は加入者の福祉施設として重要な役割を果たし、また加入者等からも評価されているということは十分承知しております。ただ、官でやるのか民でやるのかということにつきましてはいつも問題になることでございまして、この種の施設でも特殊法人でやっておられるということで、官民の事業分野の調整という観点が重要になってくるというふうに考えております。
 だから、現在の行革審でどういう結論をお出しになるかまだわかりませんが、私どもとしましては、繰り返しになりますが、過去の答申の適切な実施という立場にあることを重ねて御理解いただきたいということでございます。
#67
○吉岡委員 私は兵庫県の日本海に面しておるところにいるんです。その地域に但馬海岸の保養センターが実はあるんです。城崎という温泉地の近くでございましただけに、旅館業界から猛烈に反対がありました。長い間話し合いが行われ、そして政治問題にも発展するのかというような時期もあったわけですが、そういうことを乗り越えてお互いに協調するところをつくって発足していただいて、今日まで非常にスムーズな運営をされております。そのことによって旅館のお客をとられるのではないかというのが、いわばもめた原因だったんです。簡保センターが来ることによってむしろ総体としてお客はどんどんふえてきた、そういう実態があるんですよ。
 そういうことを含めて、競合するところからいろいろな声が上がると、だから簡保は要らないとか、あるいは簡保の宿泊施設にかわるものがあるからというようなことで切ってしまうには、やはり問題があるのではないかというように私どもは思っています。
 したがいまして、先ほど言いますように、いわゆる簡保事業の一環としてやっておられる問題は公平に行われなくなってきたよと。健康センターなりそういうものが、先ほども御回答がありましたように、過疎地の方に、私たちの方に使えるような状況が出てくるのか。ないですよ。せめて旅行に行ったり観光地に行ったときに簡保を利用させていただいてということができるぐらいですから、そこのところは少し弾力を持って考えていただかないとというように意見を持っておりますので、いきなり変えろ、どうだというふうに私は申し上げませんけれども、少し紋切り調で言っていただかないで、そういう実態も見詰めていただいて国民の、加入者の不満も地域にはあるんだということも十分総務庁の方で御判断をいただく、そういうことにしていただきたいという希望を申し上げておきたいと思います。
 できれば郵政省の方からも、その意見について言いただければありがたいと思います。
#68
○江川政府委員 先ほどもお答えしたかもしれませんですが、今とみに各市町村長の側から簡保の施設づくりへの要望が強まってきているということだけは確かな事実でございまして、そういうものに対して我々は十分こたえて、業務の支障にならない範囲でございますが、こたえていきたいと考えているということだけは間違いない事実でございます。
#69
○吉岡委員 私らから言えば、郵政省の方としても今後簡保センター等の宿泊施設について、だめだということで言われているからと、その答えが返ってくるんですが、少しは御検討いただいて、総務庁の方にも意見具申をするような方法をとっていただきたいことを要望として申し上げて、私の質問を終わります。
#70
○亀井委員長 次に、阿部未喜男君。
#71
○阿部(未)委員 きょうは簡易保険法関係の三法案一括審議ということでございますから、私も各法案ごとに区切らずに、内容的には一括した質問になろうかと思いますので、あらかじめ了承を願っておきたいと思います。
 それから、本日は委員長を通じて大蔵大臣の出席を要請いたしまして、大蔵大臣はきょうはちょうど補正予算の審議がありますのでこれはそちらにおいでになるのは当然だと思いますが、そうなれば、大臣にかわる人として政務次官をというお願いをしたのですけれども、これも何かよんどころのないつかえがあって出てこれない。それから、政府委員の方は御出席をいただくということになっておりますが、お見えになっておりましょうか。はい。
 これは先般、郵便貯金法の改正の際にも申し上げたのですけれども、どうも今、内閣の方では、それぞれ行政を所管する大臣が出ればいいのだ、ほかの人はほかの委員会には出なくていいという風潮があるように思われてなりません。かつて私は、宮澤さんが官房長官のときにそのことについて、先般も申し上げましたが、いわゆる憲法上の内閣の連帯責任あるいは内閣の一体性、そういうものからしても、区別なく、要請があればどこの委員会でも大臣は出ていく性格のものだと思っておりますし、とりわけ逓信委員会に、特に郵便貯金法とか簡易生命保険法について大蔵大臣の出席を求むるゆえんは、これは確かに国家行政組織法では郵便貯金も簡易保険も郵政大臣の所管でございます、しかし、その運用の内容は、貯金の利子、貯金の資金の運用あるいは保険の資金の運用等々、これは大蔵省と非常に深い関係がある。ある意味ではまさに両省の共管的な性格も持っておる。それだけに、逓信委員会においては、郵便貯金法とか簡易生命保険法等の審査に当たっては大蔵大臣の出席を求むる、あるいはそれにかわる人に出席をしてもらうということは至極当然なことであると私は理解をしておりますし、また法的にもそうなっておるし、宮澤官房長官のときにもそういうふうに政府は考えますという約束もいただいております。
 それで、これは委員長にもお願いしておきたいと思いますけれども、それぞれの委員会が国務大臣の出席を要求した際には、可能な限りそういう配慮をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、具体的に質問に入らせてもらいますが、まず、今回の関連法案で一つ問題になりますのは、簡易生命保険の種類、あるいは商品といいますか、これは幾つぐらいあって、どういうふうになっておるのか、ちょっと説明してもらいたいと思います。
#72
○江川政府委員 法律の上では十種類ございます。そして、約款の上ではそれが細分されて二十四種類になってございます。したがいまして、・我々は十種類の二十四種類ある、こういうふうに通常よく申しております。
 ちなみに、今回年金付学資保険ができ上がりますと、これが十一種類、二十五種類、こういうふうになろうかと思います。
    〔委員長退席、川崎(二)委員長代理着席〕
#73
○阿部(未)委員 ここに、これは多分郵政省の宣伝あるいは案内のために出されたものと思いますが、「簡易保険の現況93」というのがございます。まず、この四ページ。ここの「新契約種類別加入割合の推移」というところに、いわゆる種類がずっと列挙されております。これと法律あるいは約款上の種類とのかかわりはどうなりますか。
#74
○江川政府委員 ちょっと私これを精査してございませんが、法律上の表現といたしましては、終身保険とか定期保険、養老保険というような名前のものが法律上の種類になってございます。これは、それがもう少し広がって書かれているようでございます。法律上の種類プラス若干の名前でここに整理されているな、そう考えております。
#75
○阿部(未)委員 保険局長、これは簡易保険局が多分責任を持って加入者国民の皆さんの周知宣伝用に出しておるものと思います。今局長お答えになりましたが、簡易保険法上は保険が八種類、年金が二種類ですか、それで十種類。これはだれが見ても、法定されておるわけですね。そのほかに、おっしゃるように法律上は特約を付することができるという規定がありますから、それに特約を付したものが出てくるだろうと思いますが、それがおっしゃるところの約款上の種類になるのだと私は思うのです。
 これを見ますと、約款上の種類でもなければ法律上の種類でもない。何かわけのわからぬものが国民の前に、郵便局にはこういう保険の種類がありますよと出されておることになって、国民利用者がこれをごらんになっても、郵便局には一体どういう保険の種類があって、どうなっておるのだろうか。しかも、この組み合わせによりますと二百六十三ですか、べらぼうにたくさんの保険の種類になっておるはずですが、どうですか。
#76
○江川政府委員 おっしゃいますように、支払いの仕方まで個々に分けていきますと二百六十何がしの種類になってしまいます。
#77
○阿部(未)委員 それはわかっています。約款上分けていけば、支払いの形式まで入れると二百六十三になるというのはわかるのですけれども、法律上あるいは約款上の種類と郵政省が宣伝しておるこの種類とのかかわりはどうなりますか。
#78
○江川政府委員 このパンフレットの方は保険の中身的に書いているというふうに理解します。つまり、学資とか成人とか家族とか職域とか、入ろうとする方の側から見てとっつきやすいとらえ方でこれを整理してしまっているものでございます。
#79
○阿部(未)委員 それでは、この「現況93」の七ページを見てもらえますか。もちろんこれは保有契約数の状況を報告したものではありますけれども、「保険の種類別保有契約状況」、こうなっていますね。これは幾つありますか。
#80
○江川政府委員 表四でございますね。「その他」を入れますと七種類ございます。ばらばらで申しわけございません。
#81
○阿部(未)委員 局長、私が申し上げたいのは、利用者国民が見て、郵便局の簡易保険にはどういう種類がどのくらいあるんだろうかということが載然としないのですよ。表によってはこういう七種類の表がある。表によっては二十何種類の表がある。あるいは、約款上は二百六十三もの組み合わせがある。まさに一番わかりやすく説明をしなければならない簡易保険の種類の内容が、非常に複雑多岐にわたっておる。
 かつて私は簡保の約款について郵政省に提言したことがあります。昔の非常に難しい片仮名の言葉で書いてあって、とてもじゃないが、約款というのは本来加入者が理解をして契約を結ばなければならないものであるのに、約款がこれではどうしようもないじゃないですかと提言したことがあるのですが、もう少し加入者にああそうかと理解しやすいような分類の仕方といいますか、しょうがないでしょう、種類が二百六十三あっても、しょうがないかもわからぬが、もう少し一目見てわかるような、簡易保険の種類というものを一般に周知できるような方法を検討されたらどうだろうかという気がしますが、どうでしょうか。
#82
○江川政府委員 いろいろと考えてみたいと思います。
#83
○阿部(未)委員 大体、前向きと言うときは余りやる気がないときで、考えるというときは全然やる気がない、こういうふうに役所の言葉でなっておるそうですが、やはりそういうことですか。本当に考える気があるんですか。
#84
○江川政府委員 まじめに考えて、いろいろ検討してみたいと考えております。
#85
○阿部(未)委員 それでは、次の問題に移りたいと思いますが、簡保資金の運用の問題ですけれども、今資金の総額は幾らあるんですか。
#86
○江川政府委員 平成四年度末で六十五兆五千三百十一億円になっております。
#87
○阿部(未)委員 これは資金運用部に入っておる余裕金を含めてありますか、含めてありませんか。
#88
○江川政府委員 含んでございます。
#89
○阿部(未)委員 そこで、次、お願いしたいんですけれども、大蔵省の資金運用部の方ですけれども、今、郵便貯金それからこの簡易保険の資金は財投の方でどのくらいの金額で、どのくらいの割合を占めていますか。
#90
○佐藤説明員 お答えいたします。
 フローベースで申し上げますと、平成五年度の財投計画及び国債の引き受け、財投計画が平成五年度は四十五兆七千七百六億円でございます。それから国債の引き受けが一兆円というのが当初計画でございますが、合わせて四十六兆七千七百六億円でございますが、このうち産業投資特別会計の分が五百七十七億円、それから資金運用部資金の分が三十七兆六千五百九十五億円でございまして、このうち郵便貯金の新規積み立て増分が十兆四千億円、厚生年金、国民年金の分が七兆一千九百億円、回収金等が二十兆六百九十五億円となってございます。それから、簡保資金でございますが、フローベースでは七兆五百三十四億円、こうなっておりまして、このほか政府保証債二兆円を加えまして、全体としての財源が四十六兆七千七百六億円になっているところでございます。
#91
○阿部(未)委員 それでは、郵政省の方にお伺いしましょう。
 先ほどお話のあった、いわゆる六十五兆五千億ですか、六十五兆五千億という簡保資金の総額の中で、現在、財投を通じて運用されておる額は幾らであり、資金総額の何%に当たりますか。
#92
○江川政府委員 資金総額六十五兆五千三百十一億のうち財投運用に充てておりますのは三十九兆九千六十四億で約六割でございます。
#93
○阿部(未)委員 それで、もう一遍大蔵省の方に伺いますが、累積といいますか、平成四年度末で郵便貯金並びに簡易保険等の財投に入っておる金あるいは財投を通じて運用されておる金は幾らになって、何%になりますか。
#94
○佐藤説明員 お答えいたします。手元に、財投に実際に運用されている額ベースでのストックベースの数字をちょっと持ち合わせておりませんもので、御参考までに資金運用部に現在預託されている金額、これをちょっと申し上げたいと思います。これも、私、手元で今直近の平成五年の四月末現在の数字を持っておりますので、それを申し上げます。
 平成五年の四月末現在で資金運用部に預託されております預託金が三百一兆九千八百三十五億円でございます。このうち郵便貯金の分が百六十九兆一千六百七十五億円でございます。それから、簡保の分でございますが、これが六兆五千二百四十四億円、厚生保険が八十九兆二百八十四億円、国民年金が六兆八千六百九億円、その他三十兆四千二十三億円、こういった内訳になっているところでございます。
#95
○阿部(未)委員 大蔵省の方が資料の持ち合わせがないようですけれども、しかし、今のは資金運用部を通じてのお話ですね。資金運用部を通じなくて、いわゆる政府財投の割り当て等を受けて郵政省が簡保の方から財投の方に運用しておるお金は、先ほど保険局長が申された三十九兆九千億。これは大体余り間違いのない数字だと私は思うんですが、いいですか。いいですね。――はい、よければ続けます。
 それで、私は非常に心配しておるんですけれども、今行革審等がいろいろな意見を出しておるんですけれども、一体、今日までの日本の国の財政運用で財投の果たした役割というのは非常に大きかったし、その中で郵便貯金なり簡易保険等が果たしたその資金の運用の割合というのも、これは五〇%を超えておるはずですから、多いときは六〇%近くなっておるはずですから、それだけの大きな貢献をしてきた。
 そこで、もし財投の方に、あるいは資金運用部を通ずる通じないは別にして、財投計画の中に郵便貯金なり簡易保険のお金が入っていかない、そういう事態になったときに、国の財政の運用、特に財投の運用というのはどういうことが考えられるんだろうか。率直に言って気になるんですが、忌憚のない意見を聞かせてくれませんか。
#96
○佐藤説明員 お答えいたします。
 今先生お話ございましたように、我が国の財政運営におきましては、租税等の無償資金を使ってやる分野と、それから財投を通じます、有償資金を通じて社会資本整備であるとか住宅対策あるいは中小企業対策、こういうものをやるところが非常に大きな役割を果たしているわけでございます。そういう中で、まさに郵貯は資金運用部の主要な原資になっているわけでございますし、それから、簡保資金につきましてはその一部が財投計画のもとで運用されているということで、有償資金を用いた我が国の各般の政策的要請に対応する、こういう財投運営、財投システムの中でこの郵貯、簡保資金はまことに大きな位置づけを持っていると私どもも思っております。
 ただ、今先生がおっしゃいましたけれども、これがなかった場合どうなんだというふうなお話でございますけれども、まさに有償資金を活用しての政策遂行という、財投システムのいわば入り口部分に当たりますこの原資を将来にわたってどういうふうに確保していくかというのは、やはりそのときどきの財投に対する需要だとか、経済金融情勢だとか、そういったものを総合的に勘案して考えていかなければならない問題ではないのだろうか、こう思っておりまして、まことに恐縮ではございますが、なかった場合どうなんだということにつきまして、今ここでこうだというふうに申し上げる答えを持っていないものですから、そこはちょっと御容赦いただきたいと思います。
 いずれにしても、現在の財投システムにおいて非常に重要な位置づけは、そのとおりでございます。
#97
○阿部(未)委員 率直に言って、有償の場合、一つは大きいのは国債がございますね、それから郵貯とか厚生年金資金とかいうふうな政府資金の中の財投繰り入れがあると思うのですけれども、私どもが心配するのは、今大きな割合を占めておる、郵政省が所管をする貯金とか保険という資金がこれから先もしもなくなるというような場合には、一体財投について政府はどういうことをお考えになるのだろうか。今のお答えから推測するならば、今そういうことは検討していない、考えていない、そう受け取っでいいですか。
#98
○佐藤説明員 まさに現在郵貯、簡保資金、それぞれ財投において重要な位置を占めているわけでございますけれども、これがなかった場合どうだということについて、いわば仮定の状況と申しましょうか、そういった仮定の想定に立った検討といいましょうか、それは現在のところやっていないところでございます。
#99
○阿部(未)委員 わかりました。
 実は、私が聞きたかったのは、そういう計画を既に持っておるのだろうか、持っておるとするならばどういうものだろうかということを聞いておきたかったのは、例えば利回りにしても、常識的に言えば国債の利回りの方が高い、貯金、保険の利回りの方が安いはずですから、そういうことをいろいろ考えてみますと、今まで果たしてきた役割はもとより、これからもやはり大きい役割を果たしていくんだなというふうに考えておるものですから、もしそういうことを今政府の方でいろいろ検討なさっておるならば、どういうことが考えられるのか、聞いてみたいと思いましたが、幸か不幸かまだ検討されていないようでございますから、そこで次の質問に移ります。
 次に、保険局長、この簡保資金というものは、確かに、今お話があったように、財投計画を通じて地方に回っていく部分も相当あるわけですけれども、特に私は、その性格から、地域の活性化に貢献をすべきであろう、地域還元をされるべきだと考えておりますが、地方還元の状況とこれからの考え方を承っておきたいと思います。
#100
○江川政府委員 地方公共団体への貸付額が平成四年度末で十兆九千億円ございます。地方債への運用額が三兆一千億、合わせて十四兆円でございまして、簡保全体、六十五兆円の中で十四兆円を占めているところでございます。
 今後とも、簡保といたしましては、豊かで活力のある地域経済社会の形成に貢献するために、簡保資金の地方還元に配慮してまいりたいと思います。
#101
○阿部(未)委員 申し上げましたように、可能な限り地方に還元をするという方針で、財投計画等についても大蔵と十分お話し合いの上、配慮をしてもらいたいという希望を申し述べておきます。
 それから次に、簡保資金の運用利回りでございますけれども、大体、最近の資金の運用利回りはどういう状況でございますか。
#102
○江川政府委員 過去の運用利回りは、民保が簡保を上回るという状況にございましたが、ここ数年、簡保、民保ともに利回りが低下傾向にございます。平成三年度につきましては、簡保は六・一三%で回りました。民保は、私どもの資料によりますと五・〇二%と承知しております。平成四年度につきましては、今取りまとめ中でございますのでつまびらかにできませんが、昨今の事情ですから、これを少し下回るのではないかというふうに予想しております。
#103
○阿部(未)委員 かつてこの運用利回りというのが民間保険と簡易保険を比較する場合にいろいろ議論されてきた経過がございます。おっしゃるように、かつては民間の保険の方が運用利回りは高かったのです、簡易保険の方が低かった、もちろんこれは金利の設定等の関係がありますから、一概に運用利回りだけをもって議論するわけにはまいりませんが。
 理財局長、数字でちょっと伺いたいのですけれども、年度で言いますと、昭和六十二年の簡保の運用利回りは六、六一%、そのときの民保の運用利回りは七・五五%という数字が出ております。しかし、平成三年度については、今郵政省の保険局長お答えになりましたように、簡保の方は六・一三%、民保の方が五・〇二%という運用利回りになっております。これの出所は、保険研究所が出した「インシュアランス生命保険統計号」、こういうところが出所ですけれども、もしこの数字に誤りがなければ、理財局のお考えは、この運用利回りはこんなに、六十二年から実に二・五ポイントも下がっておる、こういう運用利回りというのは大体正常なのかどうなのか、保険経理としてはどういうふうに見ればいいのか、ちょっと学問のあるところを聞かせてもらいたいと思います。
#104
○佐藤説明員 お答えいたします。
 私どもの担当分野と少し食い違う部分もございますので、まことに不十分な答弁になって恐縮でございますけれども、確かに今先生おっしゃいましたように、六十二年度の簡保の利回りは六・六一、そのときの生保は七・五五、それから三年度が簡保は六・一二、生保が五・〇二、こういう数字と私どもも承知しております。
 ただ、実際、簡保の運用利回りがどういうことでこういう結果になったかということにつきましても、そうつまびらかにお話を承っているわけでもございませんし、これは先生も御存じのように、民保と簡保で単純な比較は不可能でございますけれども、大ざっぱに私どもが考えますのは、例えば生保が二年度は六・四三だったわけですけれども、これが五・〇二に下がっているわけでございます。それは一つには、市場金利の低下を背景にいたしまして、生保の貸付金利あるいは債券の利回りが低下したということと、それからもう一つは、株式市場の低迷によりまして、株式売却益が減少したことだとか、あるいは保有株式の評価損が拡大したこととか、こういうことが背景にあるのではないかな、こんなふうに私は思っております。
 どうも不十分な答弁で申しわけございません。
#105
○阿部(未)委員 私も大体、素人ながらそういうことではないかと。例えば、民間保険の場合には相当の株式を購入しておる、これが評価が下がる、あるいは売買利益が減ってくる、したがって運用上、運用利回りが悪くなってくる。言いかえてしまえば、そういうところに債券とかあるいは不動産投資もそれはあったと思うんですよ。不動産投資もかなりあったと思うんですが、そういうところに投資をしておったから、早く言えばバブルがはじけてその影響が運用利回りに出ておるのではないかと、素人考えでそう思うんです。今の次長さんのお答えも大体そういうところではないかというふうに理解ができるんですが、そういうことでしょうか。
#106
○佐藤説明員 お答えいたします。
 おおむねそういうことではないかなと私も思っております。
#107
○阿部(未)委員 郵政大臣、今お聞きになっておったと思うのですけれども、簡易保険の資金運用の分野におきましても、民保の場合はいわゆるバブルをもろにかぶって運用利回りがぐっと下がらざるを得なかった。運用利回りが下がっていくということは、とりもなおさず加入者について利益の配当が十分に行われなくなってくる。これは保険のシステムですからやむを得ないでしょう。それに比較をして、簡易保険の場合にはほとんど六%台をキープしておる。したがって、官業と民業を比較する場合にもそういう正確な度合いといいますか、国民に対してどれだけの責任を持ち得るのかというふうな点から考えても、堅実な運用である、簡易保険が国の事業として堅実に運用されておるということは言えるのじゃないかと思うのですが、その辺どうでしょうか。
#108
○小泉国務大臣 民間に比べて運用先が限定されますから、確実性が問われている、その点においては簡保というのは規制されている面においてプラスとマイナス両方ある。今回そのプラス面が出てきたということだと思います。
#109
○阿部(未)委員 大臣、大変気になるお話があった。そのマイナス面というのはどういうのが出てくるか、ちょっと参考までに。大臣がお考えになっているマイナス面というのはどういうものなのか。
#110
○小泉国務大臣 運用先がかなり自由になりますと、ある程度危険を覚悟しても高利なものをという面も出てくると思うのですが、簡保の場合はそういう心配がありませんから、かなり確実性が見込まれるものに運用していますからそういう心配はないのじゃないか。しかし民間の場合は、株は上がるときもあるし、下がるときもあります。上がるときはいいけれども、下がったときは、これまた元も子もないという場合もありますから。そういう心配はないということでございます。
#111
○阿部(未)委員 私は、原則的に、国の事業として非常に堅実な運用をされておるのが簡保であると。民間保険の場合には、お話があったように、株が上がってもうかるときもあれば、不動産投資をしてもうかるときもある。しかし、不動産投資で大変もうかったから保険金の割り戻しを倍にしましょうとか、株がぐっと三倍になったから保険の加入者の皆さんに還元しましょうという話を余り聞いたことがないのです。その基本は、この簡易保険法で定められておるように、一つは、利益を目的とせずに運用されておる、国民のために運用されておる、片方は、何といっても利益を上げることを目標にしながらつくられておるのが民間と国営の違いだというふうに私は思うのです。それは必ずしも片方だけに長所があって片方だけに短所があるとは言いません。言いませんけれども、押しなべて言うならば、そういうものではないのだろうかという認識を私は持っておる。
 したがって、国営だから、官だから悪いとか、民だからいいという短絡的な議論にはならないのではないかというふうに考えるのですが、その辺どうでしょうか。
#112
○小泉国務大臣 有利性というのも簡保は大事ですけれども、もっと大事なのは確実性ですね、安全。これに配慮する。そして、できるだけ安い保険料を提供するというその趣旨に沿っていくということがやはり大事じゃないかなと思っております。
#113
○阿部(未)委員 大臣もだんだんいいところもわかっていただいたようでございますから……。
 それでは大蔵省の方、もう結構です。
 それでは次に入らせてもらいますが、簡易保険の限度額の問題について少し伺っておきたいのです。
 現行簡易保険の加入限度額は一千万である、一定の条件のもとにおいてのみ千三百万までは加入ができるというふうに私は理解をするのですが、先ほどの同僚の赤城委員の質問だったですか、それに対して保険局長お答えになりまして、いわゆる保険金額において簡易保険が伸びないのは限度額と関係があるのではないか、こういう御答弁をちょっとなさっておりましたね。私もそういう気がしてならないのですけれども、現行の一千万円というのは、これはいつ決められた額ですか。
#114
○江川政府委員 現行の一千万円は昭和五十二年に決められたものでございます。
#115
○阿部(未)委員 昭和五十二年、ことしは平成五年ですが、昭和にしたら何年になりますか。
#116
○江川政府委員 六十八年かと思います。
#117
○阿部(未)委員 それで、その間は何年ですか。
#118
○江川政府委員 経過でございますか。(阿部(未)委員「はい」と呼ぶ)十六年でございます。
#119
○阿部(未)委員 十六年間加入限度額が全然変わっていない。それは物価が全然動いていない、社会情勢が変わっていないというのならともかく、相当大きく変動しておることは間違いがない。
 私が知る限りでは、何か簡易保険に関する市場調査でいろいろなことをおやりになり、それから国民の、加入者の皆さんに対して、簡易保険の限度額はどのくらい、保険にどのくらい期待するかというようなものを調査されたことがあったように思うのですが、そういう調査があるならば、ちょっと数字を発表願えませんか。
#120
○江川政府委員 ごく最近、平成三年に郵政省で、簡易保険局でいたしました簡易保険に関する市場調査というものによりますと、保険に期待する額は五千十五万円となっております。
#121
○阿部(未)委員 これは万一の場合の、死亡した場合に要るというお金ですか、簡易保険に期待するということですか。
#122
○江川政府委員 おっしゃるとおり万一の場合の生命保険期待額でして、これは簡易保険ばかりでなく生命保険全体のことでございます。
#123
○阿部(未)委員 そこで、常識的に考えて、十六年間据え置かれたということについて、簡易保険を預かる郵政省としてはどうお考えになっていますか。
#124
○江川政府委員 簡易保険の加入限度額というものは、一つは、国営事業である簡易保険の業務範囲としての適正水準という見方があります。もう一つは、無診査の保険でございますからそれなりの適当と認められる保障水準というのがございます。そういうものを考えながら、なお簡易保険法の一条に書いてございますように「簡易に利用できる生命保険を、」「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」という目的を果たすべく提供しなければいけない、こう考えておりまして、そういたしますと、先ほど申しました五千万円の希望、期待額などからいきますと、簡保といたしましては現在の水準ではどうも不十分ではなかろうか、限度額の見直しをすることが必要ではないか、今後とも保険の加入限度額の見直しについて鋭意検討していかなければいけないな、そう考えているところでございます。
#125
○阿部(未)委員 今局長がお挙げになった中で、国営であるとか無診査であるとかいうのは、これは昭和五十二年もそうだったのです。特に変わったわけではございません、その条件は。問題は、昭和五十二年でまず一般的な常識として一千万円程度は簡易保険が受け持っていいのではないかという考え方から一千万円という限度額が定められた。それから十六年が経過をした。その限度額が全然変わっていない。確かに一定条件のもとで三百万上積みができることはあります。しかしこれは一定の条件が整わなければ上積みはできないわけです。あるいは別に特約があります。特約があった場合、いわゆる一千万なら一千万の特約はありますけれども、それは特約を満たす条件がなければ特約は発効しないのです。したがって、常識として考えられるのは昭和五十二年に決めた一千万、これが今簡易保険の限度額である、そう理解をするならば、それから十六年たった物価の推移、国民の期待、ニーズといいますか、そういうものを含めて今の一千万が果たして妥当なのか、私は非常に疑問を持ちます。
 これは、保険をつかさどるあなたの方が積極的にこの程度のことをこうすべきであるということを打ち出すべきだと私は思うのですが、どうでしょう。
#126
○江川政府委員 先生御指摘ございましたように、十六年間一千万になっているということは、世の中の変化との対応で考えますと、やはり我々としてはここでそれなりに限度額についての要望なりなんなりを整理して、関係の向きと交渉に入っていかなくちゃいけないんじゃないかな、そう思います。
#127
○阿部(未)委員 ただこれは私が非常に心配しておるのは、このところ附帯決議等を見ましても、かってあった限度額の引き上げというのがなくなっておるのですよ。附帯決議の中から消えておるのです。ということは、もう郵政省はこの一千万でいいとお考えになっておるのかな。我々の常識からすれば、どうも少し今の社会常識からすれば、子供たちの学災というのがありますわね、学校で災害をこうむったときの。学災だって千何百万ですよ、一千万じゃないですよ。ましてや一家の働き手が将来のことを考えて入っておる保険ですから、社会の通念としても一千万ではどうにもならぬのではないか。
 したがって、どの程度引き上げたのがいいとお考えになるのか。それは、保険事業を扱っておるあなたのところで検討し提起すべき問題だと私は思うのですが、どうでしょうか。
#128
○小泉国務大臣 これはいろいろ議論があるところでありまして、一千万円限度額を利用している人がどのくらいいるのか、一千万というのは月々どのくらいの保険料を払うのか、これが本当にできるだけ安い保険料を提供するという法律の趣旨に沿っているか、こういう点も含めて検討していく問題だと私は思っております。
#129
○阿部(未)委員 だから、昭和五十二年に仮に一万円の掛金で一千万円をもらうという保険のシステムが一般として適当であると考えられておったならば、今日サラリーマンならば月給も上がっております、物価も上がっております、葬式代も高くつきます、そういうものを勘案すれば、まさに大臣のおっしゃったとおりこのくらいの掛金までならばいいのだ、安い掛金でいけるんだ、しかし期待するのはこの程度だから、その後の物価の上昇、社会情勢を勘案して改定するのが至当であると考えるのか。昭和五十二年に一万円しか掛けられなかったのだから昭和六十八年になっても一万円でいいのだというこの理屈は成り立たないと思うのですよ。
#130
○小泉国務大臣 一千万だと平均、いろいろなのがあると思いますが、月々保険料が七万ぐらいですね。これ以上払える人がどういう程度の層がということも考えなきゃいけないんじゃないでしょうか。そういう点も含めまして、限度額を引き上げるのが妥当かどうかという、やはり総合的に判断して検討が必要じゃないか、そういうふうに思っております。
#131
○阿部(未)委員 それでは大臣の御答弁から推測をすると、昭和五十二年に限度額を一千万としたことは限度額そのものが高過ぎて不当であったということになるのですか。
#132
○小泉国務大臣 かなり大幅に引き上げたということじゃなかったかな、そう思っております。
#133
○阿部(未)委員 大臣、昭和五十年の十二月に八百万だったのですよ。それが五十二年六月に一千万になったのですよ。そう大きな、大幅な引き上げじゃないでしょう、これは。そう大きな、大幅な引き上げではなくて、私が言いたいのは、昭和五十二年の常識で、全員が七万円掛けられると私言うんじゃないですよ。
 それから、大臣は平均でおっしゃったと思うけれども、掛金は、保険料は加入したときの年齢によって違いますから、生まれてすぐの人が保険に入った場合七万円掛けるということはないのですよ。それは七万などというのはどこかの一つの水準をとったのかもわからぬが、要するに、昭和五十二年の常識として最高一千万ぐらいまでは保険をしてあげるとする。一千万にしたから全部入らんならぬという理屈もないのですよ。したがって、限度額というものは、ある程度は国民の期待に沿って余裕を持ったものであり、掛けれる人はそれを掛ければいいではないか。掛けれぬ人がおるから高い掛金があってはならぬという理屈ではない。下の方もずっとあるわけですから、二万円しか掛けられぬ人は二万円掛ければいいのです。しかし、もう少し欲しいなという人もおる。その場合に、社会常識として今もしも万一の場合にどのくらい欲しいと思いますか、掛金はどのくらい掛けられますかということを検討しながら、昭和五十二年の常識と今日の貨幣の価値の常識とを比較をして、昭和五十二年から変わってないということが妥当であるかどうか。そのことを大臣は大所高所から考えてもらわなければ。
 おっしゃるように、掛金は掛けられない人もありますよ。しかし掛けれる人もあるとするなら、それが限度額なんですから、限度額というのは、それより上に打っちゃいかぬが下は何ぼでもいいわけだ、早く言えば、そういうものなんでしょう。どうでしょう。
#134
○小泉国務大臣 民間の保険もたくさんあるわけですから、簡易保険の役割、民間の保険の役割、いろいろすみ分けがあると思います。それ以上の方は、民間でもたくさんやっているわけですから、そういう選択の余地もある。それで、簡易保険は簡易保険の法律の目的に沿いまして、できるだけ安い保険料を提供するというその趣旨も大事じゃないか。ですから、民間とか簡易保険両方の役割を見きわめながら、そしてどの程度の人が、どの階層の人が利用しているのかという利用状況も見ながら総合的に検討していく必要があるのじゃないか、そういうふうに思っております。
#135
○阿部(未)委員 そういうことがあるからこそ、郵政当局も世論調査等をやって、万一の場合にどのくらいのものを期待するかとか、いろいろな資料に基づいて調査をされておる。そういう調査を基本に考えるならば、昭和五十二年に設けた限度額は、それから十六年を経過した今日なお妥当であるということになるだろうかどうだろうか。
 それから、確かに、民間を選択するか、官業を選択するか、加入者の自由です。自由ですが、だから先ほど私はわざわざ申し上げたのですけれども、やはり民業の場合のリスクと官業の場合の確実性、大臣もおっしゃったけれども、そういうものを勘案して加入者は選択するわけですから、その加入者の選択を、おまえはこっちがあるんだから、こっちの方の高いのは民間に行け、安いのは簡易保険に行けというふうに押しつけるわけにいかないのじゃないでしょうか。したがって、限度額というものは大体可能性のあるところで、しかも民業を圧迫しないようなことを配慮しながら考えていく。その基礎は、十六年たった今日、十六年前の金額が妥当であったかどうかということを考えるのが良識というものじゃないでしょうか。
 ですから、国民の世論調査にもあらわれておるように、もう今限度額が一千万では私はどうも少し足らぬ、やはり官業である簡易保険でもう少し面倒を見てもらいたい、そういう国民のニーズが多ければ、それをつくったからといって別にどうこうということではないし、つくったからこれに入らなきゃならぬというわけじゃない。これは限度額を設けたのであって、それ以上は圧迫をするとかいろいろなことがありましょう。だから、これが限度額ですよというものが十六年前と今日同じでなければならぬという理由はどこにもない。
 正直に素直に考えて、これはやはり改定すべき筋のものである、そう私は思うし、当局もそうお答えになっておるわけですけれども、これはもう大臣、そういうふうにお考えになった方がいいのじゃないですか。
#136
○小泉国務大臣 利用状況とかあるいは保険料がどの程度になるのか、そして民間とのバランス等を考えて総合的に検討していくべき問題だ、私はそう思っております。
#137
○阿部(未)委員 それはもう当然総合的に検討しろと、私も総合的にやっちゃいかぬと言うわけじゃないのだけれども、仮に考えてみると、今高齢化社会に入った。国民の平均余今もどんどん延びておるのですよ。これは保険の大数計算からいくならば、大臣がいろいろ心配しています掛金は恐らくかなり下がってくるのではないかという気が私はするのです。終身保険の場合なんか特にそうですが、いろいろ平均余命が延びていけば掛金はそれだけ下がってくる性格のものだ。したがって、やはりここまでは入れますよという限度でございますから、これをつくったからこれに入れというわけじゃないのですから、もう十六年間たった今日、限度額について検討しなければならないというふうに考えるべきだ、こう思います。もう答弁は要りません。――あなた何かありますか。
#138
○江川政府委員 事務的なことでちょっと補足させていただきたいと思います。
 大臣が申しました民間とのバランスとか、あるいは支払える能力とかいろいろなことを考えてやっていくということは私たち当然だと思います。そういう中で、阿部先生先ほど来、十六年間据え置かれていることについての問題を強くおっしゃったということを頭に置いて、今後検討を進めてまいりたい、そう思います。
#139
○阿部(未)委員 それでは、特にこの委員会でそういう保険限度額の引き上げについて意見があったということを、十分委員長の方でも参考にしながら処理をしてもらいたいというふうに思います。
 それでは、次に参ります。
 育英年金付学資保険についてですけれども、先ほどちょっとお話がございましたが、保険金額と限度額との関係はどうなりますか。別枠というわけじゃないのでしょう。
#140
○江川政府委員 保険金としての限度額の中にはこれは入ります。それから、年金としても九十万円を超えないという限度がございますが、その中で処理しなければいけません。
#141
○阿部(未)委員 具体的にお伺いしますが、仮に今五百万の契約をしておる人が、自分の子供あるいは子供でなくてもいいのですが、育英年金付の保険に入る、あと五百万までは保険金額で入れる、こういうことになりますね。それは違うのですか。
#142
○江川政府委員 先生おっしゃいました五百万というのは、掛ける父親の方が五百万というふうに……(阿部(未)委員「そうです」と呼ぶ)そうしますと、それではなくて、子供が七百万しか入れない限度額でございますからあと二百万までしか入れません。
#143
○阿部(未)委員 契約者が五百万既に契約しておれば、新しい契約はもう二百万しかできないということですか。違うのではないですか、子供の方でしょう。
#144
○江川政府委員 私ちょっと間違えたかもしれませんが、子供の限度額が七百でございますから、子供が入ってなければこれは七百まで入れます。以上でございます。
#145
○阿部(未)委員 問題が起こるのですが、仮にぎりぎりいっぱいに入りますね。そうすると、この保険は加入されて十八歳なら十八歳で満期になってお支払いするわけです、学資保険を。ところが、たまたま不幸にしてその途中で契約者が亡くなります。契約者が亡くなると掛金は要らなくなります。そして年金をお払いになります。そして満期になったときに保険金をお払いになります。そうすると、明らかにこれは七百万なら七百万の限度額を超えませんか。
#146
○江川政府委員 今の例で申しますと、子供に七百万掛けておりまして父親が亡くなりました、一定額年金を払っていきますね、それで満期が来るとこの人の七百万が入る。年金と合わせて七百万を超すじゃないか、そうおっしゃるわけですね。それは、限度額という視点からいきますと、保険の限度額とそれから年金が九十万円を超えないという限度額とそれぞれ別でございますから、もらう金が七百万プラス年金の全体分という足し算はいたしませんので、超えたことにはなりません。
    〔川崎(二)委員長代理退席、委員長着席〕
#147
○阿部(未)委員 ならぬかなるかわからぬけれども、実際に受け取る金額は、七百万の契約であるにもかかわらず年金部分としてプラス年金部分が入ってくる。そうすれば、実態としては限度額を超えておるではないか、こういうことになるではないか。
#148
○江川政府委員 先生おっしゃいます意味での限度額は、そのように使われるのかどうか。
 一番手っ取り早い話を申し上げますと、生まれて七百万に入り、年金を、一二%と考えておりますが、八十四万円入ったとします。そして、そのあした親が死んでしまったら、だあっと向こう十七年間払い続けるわけでございますが、十七掛ける八十四万プラス七百万をもってその本人の七百万を限度額を超えているというふうに評価するかしないかということになると思います。それは、年金と保険は別でございますから、それを限度額を超えたと評価することにはしておりません。
#149
○阿部(未)委員 その年金と保険を一緒に契約してあるのですから、年金部分は別ですよという理屈もちょっとおかしいのだけれども、そうたくさんある例でもないでしょうし、実は私が申し上げたかったのは、そういうややこしいものであるならばこういう保険は別枠で扱うことが考えられなかったのか。いわゆる子供の学資を保障するためにつくるわけだから、ある意味では貯金みたいなものなんですよ。ただ、死んだときに年金をやるという違いがあるだけで、零歳で入れば十八年間の定期積み企みたいなものなんですよ、言いかえれば。それならば、そういう種類として全然別個に考えられなかったのか。これは保険がつかなければぐあいが悪いのですか。
#150
○江川政府委員 保険という商品のつくり方の問題かと思いますが、はっきり申しまして、子供を対象にしてこの保険をつぐるわけですが、契約者が亡くなって年金が出る場合の確率というのは大変小そうございまして、その分、年金がつく分だけふえる掛金は七百万の本体の掛金に対して非常に小さいところです。一〇%かそこらふえるくらいなわけです。それで、抽象的な危険ですが、父親がない場合の年金を保障するという、その方が商品としては魅力があるのではないかと我々は考えてつくった次第でございます。
#151
○阿部(未)委員 それは確かに保険の対象は、被保険者は子供さんですね。しかし、この場合は契約者が非常に大きくかかわるわけですね。
 これは学資保険一般の場合でもそうですけれども、死んだらもう掛けぬでいいとか、契約者が死んだら掛けぬでいいのですよ。被保険者が死んだらじゃないのですよ。契約者が死んだら掛けぬでいいというような保険は、親とも、契約者とも非常にかかわりが深いことは間違いがないと僕は思うのですよ。ですから、これは保険対象は子供だけれども、契約者と非常に深いかかわりを持った保険である。おやじが死んだら掛けぬでいい上に年金をあげようというわけでしょう。被保険者が死んだらじゃないのです。おやじが、契約者が死んだら年金をあげますよというのですから、これはかかわりが深いのですよ。被保険者だけが対象じゃないのですよ。保険というのは本来対象になる者が、被保険者が対象のはずなんだけれども、それをおやじが出てきて、そのおやじが死んだら年金をあげましょうというような保険は、言いかえれば保険だけの性質のものではないと思うけれども、決して悪いものではありませんから進めてもらって結構ですけれども、今言ったように限度額の問題とかかわってくると非常に計算上ややこしい問題も出るような気がしますから、したがって参考までにお伺いしたわけですけれども、解釈はわかりました。
 それから、当然のことですが、この場合でも一括払い込みの方式はとれるのですね。
#152
○江川政府委員 一括払いはできますのでできるようにしたいと考えております。
#153
○阿部(未)委員 そのままいきます。
 一括払い方式をとるとしますと、初めに加入したときに払い込みますね。何年で、おやじが死ななければ結構ですが、契約者が死んだときの計算というのは大変難しいのじゃないですか。どういうことになるのですか。
#154
○江川政府委員 一括払いにしてしまって途中で亡くなってしまえば、その先の部分は月払いで換算してお返しするというのが大原則でございます。
#155
○阿部(未)委員 そう簡単なものじゃないでしょう。例えば、七百万円入りますね。一括払いだからこれは五百万円で済みますね。仮に、一括払いだから五百万円払い込めば七百万円の保険に対するあれはできると思う。その場合は、払い込んだ時点からの利息というものを計算してできておるはずですよ。それが途中で死んだから返さなければならぬという場合は、その利息部分等の計算は相当ややこしいものになるはずですよ。
#156
○江川政府委員 私簡単に申し上げましたけれども、利息などがつきますから、それはそう単純なものではありません。ただ、お返しするということだけ私申し上げたかったわけでございます。
#157
○阿部(未)委員 一括払いという方式は当然とってもいい、とった場合には、契約者にもしものことがあった場合には、既に払い込んだ保険料はお返しする。計算はかなりややこしいが、それはやります。そういうことでございますね。大体わかりました。
 もう少しありますが、時間が来たようですから終わります。
#158
○亀井委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時三十一分開議
#159
○亀井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。石田祝稔君。
#160
○石田(祝)委員 簡易生命保険法等の三法の質疑をさせていただきますが、まず順次、三本ありますから、簡易生命保険法の一部改正からお伺いをしていきたいと思います。
 今回のこの生命保険法の一部改正の大きな特徴は、育英年金付学資保険、仮称ということでありますけれどもやられるということで、これはこれから順次詳しくお聞きをするとしまして、せっかく政務次官においでをいただいておりますので、まず最初に、簡易生命保険、いわゆる簡保というものが、どういう部門というんでしょうか、どういう部分で日本の発展というもの、日本の社会の発展に役立っているのか、とにかくその意義と申しましょうか、こういうところで間違いなく簡保に入って掛金を納めている方々のお金は生かされている、こういうところがありましたら、簡単にお述べをいただきたいと思います。
#161
○斉藤(斗)政府委員 お答え申し上げます。
 委員御承知のとおり、簡易保険事業の役割というのは、国民に簡易に利用できる生命保険を確実な経営によってなるべく安い保険料で提供する、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することと私ども考えておるところでございます。
 簡易保険といたしましては、この簡易保険事業の果たすべき役割を踏まえまして、国営事業として、国民の立場に立って積極的な制度改善を行うとともに、国民の要望に合った新しい商品、サービスの提供に努めて国民の期待にこたえられるよう努めてまいるというのが肝要かと思いますが、加えまして、運用面におきましてもそれぞれの状況に応じて貢献していくべきだ、またそのように今なっておると理解しているところでございます。
#162
○石田(祝)委員 それでは、内容の育英年金付学資保険について若干詳しくお伺いをしたいと思うんですが、この新しい制度はどういう趣旨になっているのか、また、その仕組みについて教えていただきたいんです。そして、この制度を商品化した理由、要望がもちろんあったと思いますけれども、その三点についてお述べをいただきたいと思います。
#163
○江川政府委員 まず、この趣旨でございますが、簡易保険では学資保険というのを昭和四十六年から発売しております。これは、親に万一のことがあった場合でも学資金の準備ができる保険商品を提供するということによりまして、安心して子育てができる環境づくりを支援しようという趣旨で始めたものでございます。
 最近、平成四年ですが、「生活大国五か年計画」などにおきましても、子育てに対する経済的支援とか家庭を支援する施策を推進するなどのことがいろいろうたわれているところでございます。こういったものを踏まえまして、現に存在する学資保険の商品性を改善して、親に万一のことがあった場合の経済的負担の軽減ができるような趣旨で、通常の満期保険金に加えまして、契約が満期になるまで年金支払いを行うことのできる育英年金つき学資保険を今回新設しようというわけでございます。
 この仕組みでございますが、現在ある学資保険に年金が付加されるというふうになります。保険契約者、親が死亡した日から育英年金の支払いをするという保障なんですが、現在の仕組みのことから申し上げますと、現在の学資保険は、一つは満期になりますと満期保険金が出ます。それから二つ目に、子供が死亡しますとそこで当然死亡保険金が出ます。もう一つ、三つ目ですが、親が死亡いたしますと、そこから充満期までの間は掛金をしなくてよい、掛金がゼロ、免除される、こういう仕組みになってございます。それが今の学資保険ですが、そこにプラスして、親が亡くなった場合にはそのときから満期まで一定額の年金を支給していこうというのもつけ加えることにするというのがこの仕組みでございます。
 なぜ今この時期にそういうのをまた商品化するのかという御質問でございます。言うまでもなく世の中の要望というのが十分ございまして、我々も昨年調査いたしましたが、この種の、つまり年金がくっつく新しい保険の仕組みについては三五%にも及ぶところの希望が上がっているところでございますし、加入者協会という加入者の意見、要望などを取りまとめたりしている団体がございますが、そこからもこの種の学資保険の改善の強い要望が出ているところでございます。そういうことを受けまして、今回この新商品をつくろうとした次第でございます。
#164
○石田(祝)委員 そうしますと、契約者、いわゆる親御さんが亡くなられた後は払い込みは要らない。そして、満期まで年金が出る。そしてその年金が、例えば子供さんが十八歳満期の保険に入ってお父さんが八歳のときに亡くなった、十年間年金をいただく、そうしたらその後は、年金を十年間もらった後も満期の保険金と配当が出るわけですね。
#165
○江川政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#166
○石田(祝)委員 そうすると、加入できる限度もあると思うんですが、加入できる保険額と年金額についてお伺いしたいんです。
 年金額は保険金額の一二%ですか、こういうふうに聞いておりますけれども、これは物価スライドというんでしょうか、例えば十年間たては相当物価も上がるし、給与も上がっていくと思うんですが、そういうスライドはないのかというのが私も一つ疑問があったんです。ですから、加入できる保険額といわゆるスライドをしていく仕組みになっているのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#167
○江川政府委員 初めのスライドの問題でございますが、これはスライドの仕組みは設けられておりません。
 それから、加入保険額の限度との関係でございますが、今度の年金付学資保険も今の学資保険も同じでございますが、被保険者がある年齢以下でなければいけません。それは、物によりますが十二歳以下とか十五歳以下、そういう年齢でございます。ということは、その年齢の人の保険の最高額は七百万となってございますので、それに見合いましてこの保険も七百万が最高限度ということになります。そして、先生が今御指摘の一二%という話も、これは年金の部分でございますが、年金額は法律上九十万円を超えないというふうに書いてございまして、七百万円の中で九十万円を超えない月々の支払いがラウンドナンバーでいけるのは大体七万円以内の八十四万ということになるわけですね。八十四万を年金額の最高にしよう。そうすると、七百分の八十四で一二%になる、そういうことで逆算して一二%としたところでございます。
#168
○石田(祝)委員 私はそこのところを、この一二%というのを保険数理で出されたと思っておりましたけれども、今お話をお聞きするとそうじゃなくて、九十万円という枠があるから、それの割り算をして一二になった、どうもこういうふうなことのようですね。
 ちょっと待ってください。これは保険の事業としてそういう決め方はふさわしいんでしょうか。例えば、契約者、御両親、保護者の方、そういう人たちが、言葉は悪いんですけれども、ある一定の確率で事故に遭うとか、御病気になって亡くなっていくという確率はあるわけですね。生命表というんでしょうか、そういうものに基づいて通常は年金とか保険は決めていると思うんですね。そうすると当然一二%というのは、そういう意味で保険全体の中で、もちろんいわゆる配当もしなくちゃならない、みんなに間違いなく保険も出さなくちゃならない、そういう枠組みの中で、いわゆる厳密な保険数理というものに基づいて一二というのは出されているんではないかというふうに私は思い込んでおったんですけれども、頭に九十万があるから最高七百万で割って一二%、これはちょっと話が違うんじゃないかと思うんですけれども、この点いかがですか。
#169
○江川政府委員 年金額の九十万円といいますのは、法律で最高限度がこれを超えてはいけないというふうに書かれてございまして、どういう理屈を立てようとも九十を超える年金を出すことができないというのが仕組みでございます。
 したがって、もらう側から見ると、年金額はできるだけたくさん欲しいと思うわけでございますから、それが最高に取れるような額でいきますと、九十を超えないわかりやすい数字というふうに考えていくわけです。そこで八十四というのが出て、これが一二%だというふうに言ったわけですが、先生がおっしゃいましたような生命表に基づくいわゆる数理でございますね、数理に基づく議論というのは、したがいましてこれの保険料の方にカウントして出してくるわけでございます。八十四万円という最高の年金を掛けたとしても、ゼロ歳の子供に、父親が死んだ場合ですから、父親が三十五歳とすれば三十五歳の人の生命表で議論していきますから、八十四万円に対して契約者の保険料が幾らになるか、そこで死亡率が効いできますので、端的に言ってしまえば安くなる、そこで調整しているわけでございます。
 一二%というのは、それがひとり歩きする意味ではありませんで、要するに九十という頭に対して八十四ぐらいを出して、それは最高七百でいくと一二%になる、こう申し上げている次第でございます。
#170
○石田(祝)委員 そういたしますと、例えば、私、資料でいただきましたのは、契約者が三十五歳の男性で被保険者がゼロ歳の男性だと現行の学資保険では一万七千四百円だ、そういう資料をちょうだいしましたけれども、それが育英年金付学資保険になると月額二万円程度になる、試算中ということでありますけれども。これは、年齢も同じ、契約者も被保険者も私のいただいた例と全く同じ形だと、具体的にどのくらいになりますか。
#171
○江川政府委員 先生のお手元にございます資料はまさに試算中でございますが、大体ラウンドでいきますと、三十五歳で五百万円の保険に入って年金六十万円つけて、掛ける契約者が男性、こういうふうにいたしますと、今の学資保険は一万七千四百円でできますが、それに幾ら足したらば今度の年金付になるのかというのは、今アクチュアリーで計算しているところでございますが、大体のところ二万円前後といいますか、一〇%から一五%ぐらい上積みするとこういけるというふうに考えているところでございまして、その一〇か一五か、この辺の上積みする額自身にこの三十五歳の方の生命表の死亡率がかかってきているわけでございます。
#172
○石田(祝)委員 わかりました。そうすると、保険数理に基づいて一二%という割合を決めるべきではないのかというその部分は上乗せの金額のところで調整をしている、こういう理解でいいわけですね。
#173
○江川政府委員 そのとおりでございます。
#174
○石田(祝)委員 それで、続きまして、税金のことでお伺いしたいんですが、保険者が死亡して育英年金が支払われるようになるわけですけれども、そうすると、私のつたない知識で、例えば年間六十万以上は贈与税がかかるとか、何かそういう話もうろ覚えの中で記憶をしているんですが、例えば保険金五百万の場合は年間六十万の年金になる、そういう場合、これは変な話になりますけれども、保険契約者が亡くなって年金が支払われた場合に税金についてはどういうふうになるのか、これは素朴な疑問でございますが、この点いかがでしょうか。
#175
○江川政府委員 これはいろいろな場合がございますので、いわば一般的な方程式のようなやり方で申しわけございませんが、親が、つまり契約者が死亡しますと子供に育英年金の受給権が発生することになりますが、相続税法の定めによりますと、その年金受給権の評価額を算出いたしまして、これに他の、その人が承継、相続する財産と合体しましてその相続税の課税対象になるというふうになってございます。
 ただ、保険の世界でちょっとこれを見ますと、生命保険のうち、五百万円に相続人の数を掛けた分だけは非課税財産とされるということになっておりますから、そういう部分がまた引かれるとか、それからもう少し広く見ますと、相続税のうちの基礎控除がおよそ四千何百万でございます。その中に含まれてしまうような額だったら、これまた対象にもならないというようないろいろなはまり込みがありまして、税金上そういう対応をすることになっているところでございます。
#176
○石田(祝)委員 そうすると、大体そんな税金のことなんか心配する必要がない、そういう程度のことなんでしょうか。個人差あって、たくさんお金持っている者もいるから、かかるかもしれませんけれども、普通のところはほとんど、そういう不幸な例のときには、また新たに年金というものをもらっても特に税法上問題は生じない、こういう理解でいいんですか。
#177
○江川政府委員 ただいまの御質問にお答えするのは大変難しゅうございまして、周りに相続する財産がどのぐらいあるかとのかかわりになってまいりますので、一概にこれはもう問題ないなどというふうに、そう簡単には申せられないかとは思います。ただ、この保険に関する相続だけでいいますと、例えば先ほどの例で五百万円程度でございますから、生命保険の控除額で五百万で引かれるとかなそのことでいけるのかな、ポシブルかなというふうには考えております。一概に全部問題ないと申し上げることはできないと思います。
#178
○石田(祝)委員 わかりました。そうしたら、特に普通の御家庭だったら問題ない、こういうことのように私は理解をいたしました。
 これも万々が一ということになると思いますけれども、親御さんが死亡して、年金を受給する子供さん、被保険者、例えばその年金受給中の子供さんも不幸にして亡くなったら、ある意味では、その人が生存しておれば年金受給権というのは満期まで当然ある、その被保険者の方が不幸にして亡くなられた場合、その年金の受給権はどうなるんでしょうか。
#179
○江川政府委員 この保険の年金は、その子供が生存している間だけ支払うものでございますので、不幸にしてその被保険者が亡くなってしまいますと、この育英年金の支払いはその時点で終わりということにしております。
#180
○石田(祝)委員 それはわかりました。
 そうすると、例えば満期の保険金というのは十八までということで組んでいるわけですよね。そうすると、例えば十二歳、十三歳で亡くなると、当然十八という予定の年齢にならないと満期保険金がおりないということになりますか。
#181
○江川政府委員 途中で亡くなった場合には死亡保険金ということで予定の五百万が支払われるようになります。
#182
○石田(祝)委員 それでは続きまして、告知の問題についてお伺いをしたいんですが、告知と医者の診断というのが一緒かどうか、私はちょっとわかりませんが、「日本の郵政」という中で、簡保事業の特色として、「加入に当たり医師の診査を要しません。」いろいろな特徴が書いてありますけれども、この「告知を受けるようにする。」という、この「告知」というのは、今回初めて入れられたのでしょうか。何か入れられた理由がありますでしょうか。
#183
○江川政府委員 簡易保険における告知というのはスタートのときから全部ございまして、これはちょっと、こういう様式で、イエス、ノーで答えられる仕組みをつくってございます。入ろうとする人に、面接しながらこれをチェックして、イエスかノーか、持病ありやなしやというのをチェックしていく、そういうのを告知と言っておりまして、これを告知書と言っているところでございます。これを書いてもらうのは、今回に始まったことではありませんで、全部です。
 ただ、先生御疑問の一つは、契約者である父親ですね、被保険者、子供の健康状態の告知ならわかりますが、契約者である父親までどうして調べるのかというのが御疑問がと思いますが、それは、今回の保険は、父親が亡くなるとそれによって年金の支払いが開始されるという効果が発生しますので、父親の健康状態も当然問題になるわけでございます。その意味で、契約者に対しても告知を求めることにしたわけでございます。
#184
○石田(祝)委員 そうすると、今までは保険契約者の健康状態について告知は必要なかったわけですか。何かちょっと、説明書もらうと、この簡易生命保険については必要だ、こういう書き方になっているものですから、要らなかったのかなという疑問があったんですけれども。
#185
○江川政府委員 簡易保険については告知が全部必要で、普通の保険ですと被保険者と契約者と大体一緒なわけです。ですからそれ一人で足りるわけですが、今回つくろうとしている学資年金保険と現に存在しておる学資保険は、契約者である父親の健康状態が同時に問われるわけです。その意味で、告知を契約者にも広げだというのは学資保険のときからでございまして、今度は年金についても当然そこを承継するということになっておるところでございます。告知そのものはほかの保険でも全部やっているところでございます。
#186
○石田(祝)委員 それでは、この件で最後にお伺いしたいんですが、例えば現行の学資保険、私も実は利用しているんですけれども、それから年金付のに変えたい、新たにこういう新しく、我々から見れば万が一のときに非常に助かるということもありますので、現在入っているのから変えることはできるのかどうか、また、その際に新たな健康の告知というのは必要なのかどうか、それをちょっとお伺いします。
#187
○江川政府委員 先生おっしゃいます御要望におこたえできるような仕組みにしたい、端的に言いますと、現行の学資保険から育英年金付学資保険に変更が一定の条件のもとでできるようにしたい、そう考えておるところでございます。その際に、変更の申し込みの際には、保険契約者、被保険者それぞれの健康状態について再度告知を求めるということにしてございます。
#188
○石田(祝)委員 それでは続きまして、積立金の運用についてお伺いをしたいのですが、外国債の運用範囲の拡大についてまずお伺いします。
 この外国債の運用範囲の拡大ということで、今般、いわゆる資本金というものから純資産に変えられたようでありますけれども、この変更の理由と、変えられたメリットというのはどういうものが考えられているのか、お願いします。
#189
○江川政府委員 変えました中身といいますのは、御案内のように、外国債の運用範囲については、証券取引所に上場されている株式または債券の発行法人で、資本の額が六十億円以上となっていたものを、このたび九三年四月二十三日から、純資産額十五億円以上というふうに変えたというのがこの内容でございます。
 このことは、資本の額というあらわし方よりも純資産額にした方が、その企業の持つ財力とか担保力を表現するのに適当であるという判断でこざいまして、いわば、その企業の発行する社債の安全性の基準としては、総資産から総負債を引いたものが純資産でございますから、担保力がそれだけ余計的確に見えるということで、それを使うようにしたということでございます。十五ということは、国内の社債で同時に十五でやってございますので、それと平仄を合わせだということが一つございます。メリットといたしましては、こういうことによって有利な運用対象がそれだけ広がるというふうに考えておりまして、有効な資金運用に役立たせることができると考えているところでございます。
#190
○石田(祝)委員 証券業界というんでしょうか、その業界では九〇年の十一月から適債基準を格付基準に一本化しているというふうなことも聞いておりますけれども、いわゆる純資産から格付基準に適債基準を一本化した、このあたりの経緯についてちょっと大蔵省の方から御説明をいただきたいと思います。
#191
○東説明員 御指摘の国内公募社債の適債基準でございますが、この適債基準は、社債権者保護の観点から、企業が公募社債を発行する際に充足しなければならない基準として設けられているものでございます。
 この適債基準につきましては、従来、証券会社の自主ルール等といった形によりまして一定の基準が設けられてきたところでございますが、当初、その具体的中身といたしましては、発行会社につきまして、純資産額の規模で区分した上で、自己資本比率とか純資産倍率といった数値等を適宜組み合わせまして、その経営状況あるいは信用力を判断する基準、いわゆる数値基準として用いてきたところでございます。他方で、証取法上のディスクロージャーとか格付制度といったものの整備拡充の進展に応じまして漸次格付基準を導入し、他方で数値基準を緩和する、こういった方向で進んできたところでございます。
 御指摘の格付基準への一本化でございますが、この見直しは、平成二年十一月に、証取審の報告といったものを踏まえまして、社債発行市場自由化のための段階的措置として実現したものでございます。その際、この適債基準につきましては、大蔵省が市場の透明性確保等の観点にも配慮いたしまして、市場関係者の意見を勘案しながら見直しを行い、その結果、大蔵省の行政指導としてこれを発表した、こういったものでございます。
 その際、格付への一本化の考え方でございますが、そもそも格付は、個別の社債等につきまして、発行体の財務内容、収益性、あるいは担保の有無等を総合的に判定いたしまして、いわば従来の数値基準で考慮されてきましたような財務内容等につきましても、当然に価値判断の一環として取り込みまして、その上で格付を付している、こういったことでございまして、格付と併用いたしまして数値基準を維持するだけの合理性に乏しい、このような考え方から、適債基準を格付基準に一本化したものでございます。
#192
○石田(祝)委員 今御説明をいただきましたが、九〇年十一月の段階から適債基準というものを格付に一本化する、要するに、それと資産を併用する必要はない、こういうことで進められておるようでございます。
 そこで、新聞に、「郵貯・簡保資金の外債運用純資産額を基準に」、こういう記事が載っておりまして、そこのところで、これまで資本金が六十億以上だったのを「純資産十五億円以上の企業に改める。」社債の運用対象として。それは「資本金は少ないが業績が好調で担保能力が優れている外国企業にまで運用対象を広げるのが狙い。」こういうふうに書いてありますけれども、ここでなぜその純資産額にしたのか、ちょっと私疑問点がありまして、その新聞記事の最後に、「郵政省は」ということで「民間の機関が定めている格付けという尺度を政令に基づく公的な制度に取り入れることができなかった」こういうふうなコメントに新聞記事ではなっております。
 そうすると、例えばほかの公的資金の運用、そういうものも含めて、こういう格付を民間がやっているから取り入れられないんだ、これはほかのところも利用してないんだろうかということが私疑問点なんですね。ですから、ある意味では、こういう形で格付一本になっているんだったらそれに統一したらどうかな、そういう気持ちもするんです。
 これは大蔵省の方にちょっと最初にお伺いしますけれども、ほかの公的資金を使っているところでこういう格付というものを使っているところ、これはありますでしょうか。
#193
○東説明員 御指摘の公的機関の資金運用に係る基準等として、格付の利用状況いかん、こういった点でございますが、このような具体的な利用のいかんにつきましては、基本的にそれぞれの公的機関を所掌する省庁が決すべき事項と承知しておりまして、私どもといたしましては、基本的にそのような利用状況につきましてつまびらかに知り得る立場にない、こういった点を御理解いただきたいと存じます。
 ただし、逆に、公的機関の資金運用等におきます基準といたしまして、おおよそ格付を利用してはならないとか、そういったような一般的ルールないし規則があるともまた私どもとしては承知しておりません。
#194
○石田(祝)委員 簡易保険局にお伺いをしたいんですが、こういうふうな記事が出ております。これは記事が文字どおり、このとおりそのままかということは私わかりませんけれども、要するに民間の定めている格付というのを取り入れられない、こういうふうなお考えでしょうか。それとも別のお考えがあって、あえて純資産額で我が簡保はやるんだ、こういうことなんでしょうか。
#195
○江川政府委員 新聞報道につきましては、私ちょっとそのことはよくわかりませんが、また、その郵政省のコメントということもあるようでございますが、我々としてはどうもそういう覚えがないというのが事実でございます。
 ただ、なぜ簡保が格付基準に一本化しないのかということにつきましては、我々も将来の検討課題だとは今考えております。格付基準を適用するということについても課題と考えておりますが、とりあえずは、今のところその格付基準というものの定着の動向を見きわめる必要があるなということで、その定着の動向を見定めながらやるということで、とりあえずは現在の私募債の適債基準、資産十五億円以上というものを適用しているところでございまして、今頭からノーと言っているのではなくて、状況を見ようというようなところでございます。
#196
○石田(祝)委員 いろいろお考えがあって私は結構だと思うんですが、二年半近くもうこれは適債基準を格付一本にしているわけです。それで、今大蔵省の御答弁もあったように、特に格付を使ってはいけないということもない、それはそれぞれで基準を考えればいいということであろうかと思いますけれども、あえてこの時期に、平成五年四月二十三日に変えたわけですね。そういうときに、二年半ぐらい前からもうそういうことで証券業界は統一してやっている、大蔵省もそういう通達を出している、そういう環境の中で、特に問題がなければこれに統一してもよかったんじゃないかというふうに私思います。気になるのは、民間の機関が定めているから入れられない、どうもこういうニュアンスに見えるんですね。そういうことはないんですか。
 ともかく、局長の御答弁のとおり、もうちょっと時間を見て、定着状況を見てやるというのか、それとも民間の機関だからだめなんだ、公的な格付機関がなければ難しい、こういうふうなお考えになるのか、ちょっとどちらか私わかりかねるんですね。ですから、こういう格付一本でほかのところが進んでいるんだったら合わせてやれば、全く同じ土俵で、同じ情報の中でこの外債の運用等もできるんじゃないかな、いろいろなぜ簡保だけそうなのかと言われずに、全く同じフラットなところでその運用ができるんじゃないかなという気もするんですけれども、これはいかがですか。
#197
○江川政府委員 格付基準は頭からリジェクトしているわけではございませんで、我々の判断材料としてはそういうものを見ておりますが、とりあえず、我々の簡保資金が公的資金であるということもありますので、やはりもう少し動向、定着を見きわめたいというのが本当のところでございます。
#198
○石田(祝)委員 これは今後検討していただけると思いますけれども、どうも民間だからだめだということじゃなくて、全体的にこの格付機関というのはみんな利用しているみたいですから、これはぜひ御考慮になった方がいいんじゃないかと思います。
 続きまして、CPについてお伺いをしたいんですが、このコマーシャルペーパーを今回運用に加えたい、こういうのが今回この運用の大きな柱でありますけれども、国内、国外問わず、必要な資金を調達するために発行する約束手形、コマーシャルペーパーをその運用の対象に加える、こういうことでありますけれども、このCPのメリット、それと安全性、これはどのようにお考えになっていますか。
#199
○江川政府委員 メリットでございますが、簡保の運用の基本と申しますのは長期運用でございます。しかし、やってはおりますが、これだけ経過してまいりますと、債券、貸付金の償還等による回収金というのは日々発生しておりまして、これをまた次の長期運用に回すわけでございますが、その回すまでのいわばタイムラグといいますか、すき間が出てきます。そこのときに、ただ寝かせておくのではなくて、どこかでとりあえず有効に使うという運用が短期運用で、CPというのがその短期運用のジャンルの中の利子率もそう悪くない一つの対象だということがメリットでございまして、それだけ短期運用の幅が広がる、機動性を持つことができるというのがメリットだと考えております。
 ところで、ではそのCPの安全性というのはどういうことなのかといいますと、大蔵省の方から指定されたある条件にかなう組織体が格付機関として指定されるわけですが、そこによってその企業の格付が行われます。その上の方だけがそのCPを発行できるという仕組みになっておりますので、そういう格付を信頼するという形で安全性が確保されるといいますか、安全性が推定されるというふうに考えているところでございます。具体的に言いますと、大体結論的に言いますと、日本の優良企業がそこにみんな入ってくるということでございます。
#200
○石田(祝)委員 局長、揚げ足をとるわけじゃないんですが、先ほどの社債のときには格付の動向を見守りたいとおっしゃいましたね。今度はその格付機関を信用して、大丈夫だからやるんだ、これはちょっと矛盾するんじゃないですか。
 では、このCPについてちょっと、大蔵省にも来ていただいていますから、どういう形でこのコマーシャルペーパーというのは出せるようになっているのか、このCPの市場は六十二年の十一月からできているようでありますが、この件について、ちょっと通告に漏れておったかもしれませんけれども、この社債とCP、これは基本的にどういう違いがあったり、今、私、何か局長の答弁の言葉じりをとらえたみたいな形になりましたけれども、基本的に違いがあるのかないのか、期間の長さはもちろんこれは違いますけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。
#201
○東説明員 御指摘のCPと社債との相違、こういった点でございますが、まさに御指摘のとおり、CPは基本的にいわば短期金融市場の商品でございまして、九カ月以内と期間が比較的短い。他方で、社債は比較的長期の資金調達の手法として用いられている、こういう相違があるわけでございます。他方で、その発行適格基準と申しましょうか、先ほど公募社債につきましては適債基準、こういうことで申し上げたわけでございますが、CPの場合は発行適格基準、こういったものを設けてきております、
 この点につきましては、従来通達でこのような適格基準を設けてまいりました。それで、この四月以降、CPにつきましても証取法上の有価証券として新たに位置づけまして、証取法のもとでの市場の整備を図ったところでございますが、あわせましてその通達を再度見直した上で発出いたしました。その中で同様にCPの発行適格基準を設けているわけでございます。
 その具体的中身につきまして若干経緯的に御説明いたしますと、平成三年四月に見直しを行ったわけでございまして、それ以前はいわば格付基準プラス数値基準と申しましょうか、格付に上乗せいたしまして純資産額の基準を設ける、こういった二本立ててその基準を設けてきたわけでございます。この点を平成三年四月に見直しまして格付基準に一本化した、こういう経緯がございます。
#202
○石田(祝)委員 社債は大体二年以上、CPは二週間から九カ月、こういう発行の期間があります。特に、ほかにお金の運用として、運用する側からすればそういう細かい差異は余りないと私は思いますが、そうしますと、先ほど申し上げたように、社債もCPも今は全部格付一本なんですね。CPの方もそういう純資産というのを平成三年までやっておったけれども、三年四月に新しい考え方でもう格付一本にしている、こういうことですから、CPの方だけ格付を信用してやるというのは矛盾する話でして、ぜひここのところは今後同じ運用の中で矛盾が生じないように、これをお考えいただきたいと思います。
 それで、特に今回この改正案で、この安全性、これだけ非常にどうかな、本当に間違いないか、こういう疑問もあるわけですけれども、メリットはとにかく別にして、そのあいていみお金を遊ばせることのないように短い期間を使って機動的に運用するということでしょうから、若干でも利率がつけばこれはメリットはあると思いますけれども、安全性だけなんですね、局長、安全性は問題ないですか。
#203
○江川政府委員 先ほど来私の言葉で言い足りないところがございまして、格付基準を一方では捨て、他方では使っているというふうに御理解させてしまったことは私申しわけありません。このCPを発行できる条件として格付をされなければいけないというふうになってございますので、これは使う使わないの問題ではなく、CP発行の条件でございますので、そういう意味で格付を申し上げた次第でございます。
 そこで、そういう意味で格付されましたCPの安全性につきましては、細かいことを申し上げても仕方がありませんが、現在CPを国内において発行できますのは、「上場企業または証券取引法上の継続開示を三年以上行っている非上場企業で、上位第二位のA−2格相当以上の格付けを取得している優良企業に限られている」。CPはそういう意味ではかなり安全性が高いのではないか。そこへ加えて、我々として資産十五億円というもう一つ枠も設けているということから、より一層安全ではないかと考えている次第で、安全に近づけているのではないかと考えている次第でございます。
#204
○石田(祝)委員 ちょっと局長の答弁、最後断定的になるかなと思ったら、安全に近づけているという、何か若干不安を抱かせるようなことになりましたけれども、これはもう一回確認をさせていただきましょうか。間違いないということでいいのですか。
#205
○江川政府委員 以上のような事情から、我々は安全だと考えて運用しているところでございます。
#206
○石田(祝)委員 局長の御答弁がいただけましたから、安全だ、こういう御答弁ですから、答弁を信用しなければ質問している意味がありませんから、これはそういうことでございますから、安全だ。
 それで、これはどういうことか私も余りわからないのでお聞きするという部分もあるんですが、四月一日から二、三週間、余裕金というんでしょうか、例えば四月一日から年度が変わるわけですけれども、前年度のお金が、いわゆる出納整理期間ということになると思うんですが、この期間のお金は利用できない。整理期間ということもあると思いますけれども、運用できないというふうなことになっているというふうに聞きました。今回このCPを運用に加えた場合、二週間から九カ月というものですから、極端に言えば二週間というのはぱっとはまるような気が私はするんですね。この間何か工夫をして、せっかくのそういうお金を眠らせないで、CPならCPに運用できる方にならないのかという、私はこの気持ちというか疑問点があるんです。
 これは四月の一日、二日からいわゆる出納整理期間と言われている二、三週間、この間そういうCPとかに、今回この法律が通れば運用できないのか。こういう点をどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせいただきます。
#207
○江川政府委員 今の仕組みで申し上げますと、先生御指摘のように出納整理期間中、資金運用部に預託する以外は日本銀行の国庫口座に預託するということになっておりまして、そういうところで整理されている余裕金につきましては、CPは運用できませんで、積立金に組み入れられてからCPでの運用ができる、そういう制度になってございます。
#208
○石田(祝)委員 それでは、続きまして株式の運用についてお伺いをします。
 現在の運用状況とか本年度の運用計画というのはどういうふうになっていますか。
#209
○江川政府委員 端的に株式の運用ということで申し上げますと、簡保は株式の運用を直接しているわけではございませんので、間接的な話として株式に当たっているということでございます。それはどういうことかと申しますと、簡保事業団へ貸し付けを行いまして、指定単という枠を通して信託銀行の方は株式を買う、そういう構造になってございます。そういうことで株式に公的資金を入りやすくするということも含めまして、昨年ちょっと制度を改めまして新指定単という枠をつくったわけでございますが、そういうもので動いております。本年、五年度における予算におきましても、二兆円の新指定単への運用を考えておりまして、既にそのうちの六割、一兆二千億が事業団の運用に回しているところでございます。
 それが株式の何にどのくらい入っているかということにつきましては、株式市場への波乱要因にもなりますし、いろいろな問題がございますからこれは公表をしないでいるところでございます。
#210
○石田(祝)委員 時間もなくなってまいりましたので、質問を幾つか省きますけれども、この新指定単、今回二兆円を新たに運用する。それで、今まで私の理解ですと、指定単というのは株式購入は三〇%の制限があった。新指定単というのはそれが一〇〇%まで認められているというふうに聞いております。それから、今まででしたら、これはちょっと郵貯と違うかなと思うんですけれども、指定単の運用は毎年利子を払わなくてはならなかった。例えば株式にしていても利益を実現させて払うということになっていたと思うんですが、これが利子を払うのが五年に一度でよくなった。これはいわゆる株価対策で株の方に資金を導入して五年間利子を払わなくていいということですから、これは持っていなさいということですね。長く持っていなさい、売り買いをしてはいけませんよと。株というのは市場に売りに出れば安くなるわけですから、そういうような含みでこういうことをやられているのかな、これは非常に人為的に株価の問題に手を突っ込んでいくということになりはしないのか、こういう思いもするわけですけれども、新指定単の二兆円、一〇〇%株式運用オーケー、こういうことをどうしてするのかな。これはPKOという、別のPKOですね、プライス・キーピング・オペレーション、こういうように言われているようでありますけれども、ここのところはどうなんですか。こっちの方が問題になりますよ、今度。
#211
○江川政府委員 新指定単につきましては、先生御指摘のように、その枠に入る金については株式への運用が一〇〇%でも結構ということが一つと、それから、毎年支払うべき利子が五年に一括払いでよろしい、これは先生がおっしゃいましたとおりでございます。
 そのことはどういうためにそれをやったのか。先生は今PKOのためかという趣旨かと思いますが、それはそうではございませんで、我々の簡保の資金の側から申し上げますと、より運用利益を高め、配当をたくさんして加入者に返すというのが我々の仕事でございますから、一方において、株式への運用というのは、長い目で見ますと過去の趨勢では、全部一応株式とか社債だとかをまぜまぜでうまいポートフォリオでやっていきますと必ず利益になっているというのが事実でございます。そういう意味で、株式への運用をよりしやすくする条件をつくってそして運用利益を高めよう、そう考えたわけです。
 その場合の一つの障害になるのが、毎年利払いをしろということは、言ってみれば毎年株式を処理して利益を出さなければいけないということになりますから、株式を長期保有していた方が得だという最初の出発点と矛盾するわけです。そこで、毎年利払いをしなくてもよいという仕組みをつくることによって株式をより長く持てるようにしようという意図でやったわけでございます。それはPKOではありませんで、我々の簡保の運用の利回りの増大を求める一つの手法であったわけです。それが同時に、国の総合経済対策と申しましょうか、景気対策にもきいてくるというふうに働いているということでございます。これは売り買いをしてはいけない、そういう意味では決してございません。
#212
○石田(祝)委員 先ほどの育英年金付学資保険のところでお聞きするのを飛ばしたところがありますのでちょっと聞きたいんですが、これは大蔵省の方にも確認をいたしましたが、この育英年金付というのは、年金とついているけれども生命保険だ、こういうことであります。この保険料控除の枠、これは現在所得税の控除の対象で年間五万円まで、そして別枠で個人年金というのがありますけれども、十万円まで掛金を払えばこれは五万円の所得税控除の対象になる、これはもちろん配当金等を引いてだと思いますけれども。この枠の拡大、これは長くそのままになっているような気がするんです。
 私も教えていただきましたら、六十三年ぐらいまで枠の拡大という話が非常に出てきていた。極端にいいますと、一つの保険へ入りますと今は年間でいくともうほとんど十万円を超してしまいますね。そういう中で万一のことを考えて大きなのに入ったり、二つ三つ入ったりされている方もいると思うんですが、この保険料控除の枠の拡大、これについて今どういう形になっているのか。そういうことは現在できるようなことになっているか、やる予定があるのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#213
○渡辺説明員 お答えいたします。
 生命保険料控除の金額を引き上げるべきではないかという御指摘でございますが、生命保険料控除をめぐりましてはいろいろな議論がございます。
 一つの議論は、六十二年に利子課税の見直しが行われました際に盛んに行われた議論でございますけれども、利子課税は全面的に見直しが行われるのに、他のいろいろな金融商品とのバランスから見でなぜ生命保険料だけを優遇し続ける必要があるのかという議論でございます。
 二番目の議論といたしましては、生命保険料控除は長期貯蓄を奨励するための誘引的な措置ということで昭和二十六年に設けられたものでございますけれども、現在は加入率も相当の水準に達しておりますし、その加入率に変化も見られない。また、減収額も現在二千九百二十億円ということで非常に巨額に上っておるという事情がございます。いろいろな税制の制度というのはその状況に応じて見直していかなければならないわけでございますけれども、生命保険は、こういうような観点から見ますとまさに見直す必要が生じているのではないか、そういった議論があるわけでございます。
 他方の議論といたしまして、個人年金に関連しまして新しいニーズが起こっておりまして、そういう面において生命保険料控除というものの働きが今後とも大きな意味があるという論議があったわけでございます。
 こういういろいろな論議の結果といたしまして、個人年金保険に係ります部分につきまして特別に増枠するということが平成二年の見直しのときの結論でございました。
 こういった新しいニーズへの対応が是認されつつも、生命保険料控除の本体につきましては、外国の制度などと比べましても、果たして今のままでいいのか、そのあり方を見直すべきではないかという議論もあるわけでございます。私どもといたしましても、こういう議論を踏まえた上で、負担の公平確保あるいは税制の簡素化といった観点にも配慮しながら、今後とも生命保険料控除のあり方について見直しを行う必要があると考えている次第でございます。
#214
○石田(祝)委員 見直しは前進するのか後退するのか、私ちょっとわからなかったんですけれども、最近は前向きに検討するとかそういう言葉が今までとちょっと違ってきているみたいで、見直しされるのをどっち向きにされるか、どうも何か後ろ向きに歩いていかれる感じもするんですけれども、まあ時間がありませんので次の問題をお伺いします。
 簡保事業団法改正でちょっとお伺いしますが、簡易保険福祉事業団が直接簡保の保険加入者に交付金を交付できない、こういうことで間に公益法人を入れるということでありますけれども、この公益法人はどういう法人を予定されているんでしょうか。またその法人の概要について簡単にお願いします。
#215
○江川政府委員 予定しております法人は加入者の福祉の増進を目的とする公益法人でございまして、加入者協会というものを予定しているところでございます。これは組織的には全国的組織になってございまして、本部が東京にあり、それから郵政局が所在する管内と同じようなレベルで地方。にありまして、さらにその下に県ごとにある、それから郵便局に対応する支部みたいなものもあるというような、ネットワークがツリー状にきちんとでき上がっている組織でございまして、それを利用しようとしているところでございます。
#216
○石田(祝)委員 それでは最後に大臣がお帰りになりましたのでお伺いをしますが、この簡保法の持つ意義と今後の制度の改善についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、最後にお聞きして質問を終わりたいと思います。
#217
○小泉国務大臣 この簡易保険法の法律の目的であります、簡易に利用できる生命保険を「なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」これは一番の基本でありますから、この基本に沿い、なおかつ商品の面からもどういう点を国民が要望しているのか、同時に民間とのバランスをとりながら、高齢化社会に向けて自助努力としても今大きな一翼を担っておりますからいろいろ充実策を考えていきたい、そういうふうに考えております。
#218
○石田(祝)委員 終わります。
#219
○亀井委員長 次に、菅野悦子君。
#220
○菅野委員 私、まず簡易生命保険、この積立金のCPへの運用拡大についていろいろな角度からお尋ねをしたいというふうに思います。
 簡易生命保険の積立金ですけれども、あくまでこれは有償資金でありまして、加入者から預かった大事な公的資金なんですね。ですから、運用に当たっては危険を回避するのは当然のことですし、本来無制限な枠の拡大というのはやるべきでないというふうに思うんです。
 そこで、株式の問題で若干お伺いしたいと思うんですけれども、昨年夏の総合経済対策として新指定単一兆円、補正で二千七百億円投資していますね。そして平均一万七千円台で購入して含み益は一千億円を超すと言われているわけなんですが、さらに九三年度分新指定単二兆円も株式に重点投入する、そういう方針だと見られているわけです。新指定単ですから一〇〇%可能なわけですから多分そうだろうと思うんですが、いずれにしろこの株式の問題では、生保などでは変動リスクの多い株式の売買益から安定的な運用へスタンスを変えつつある、そう言われているんですね。そういう民間生保などと比較して、この簡保の積立金の場合はぐっとそこへ入っていっているわけですから、なぜかという疑問が出ているわけです。
 簡保事業団の指定単運用残高は九二年度末で新旧合わせて約七兆二千億、そのうち旧指定単から株式に充てているのは約二兆円、平均購入価格は日経平均で二万円台後半と言われておりますから、このため、先ほど言いました新指定単の含み益合わせても株式運用全体の含み損は数千億円というふうに見られているわけです。
 そこでお伺いしたいのは、現時点での含み損は幾らになっているのかということをまずお伺いしたいと思うのです。
#221
○江川政府委員 指定単運用につきましては、昭和六十二年からやっておりまして、長期継続的な観点から運用を実施しているところでございます。過去からつなぎますと、高いところで買ったのもありますが安いところで買ったのもあるということで、含み益、含み損それぞれ持っているところがあるんじゃないかと思います。
 いずれにいたしましても、株式の含み損益額につきましては、一層有利で確実な資金運用を図るためにこれを把握して運用に努めていきたいと考えておりますが、正規の把握といいますか、基準に基づいた算定でもありませんし、また、指定単運用そのものは長期的な観点から運用を行っているところでして、一時点をとらえまして損あるいは益が幾ら幾らであるというようなことをやりますのは、加入者とか株式市場の関係者の誤解や混乱を招く恐れがあるということから、公表は差し控えさせていただいているところでございます。
#222
○菅野委員 加入者一般への公表とかいうふうな意味じゃないんですよね。どの企業でも損益にらみながらこういうふうな、どれだけどういうふうに投入するか、引くか入れるかというふうなことをやっているわけなんですから、なぜそれが明らかにできないのかなということを、率直に言って疑問に思うわけです。それで、この指定単の問題では大蔵省銀行局あるいは銀行側から毎月銘柄別に含み損益を報告をしているというふうに聞いているものですから、ですからその辺でぜひ私はお聞きしたいというふうに思ったわけであります。
 あわせてもう一つお聞きしたいというふうに思いますのは、外貨建て資産、外国債券、この問題であります。
 今、外貨建てというのは九二年度末で三兆二千億円強、運用資産の五%を占めているということになっておりますが、この簡保資金で保有する外債の残高、これはユーロ円建ても含めてですけれども、三月末で約三兆八千五百億円と国内投資家の中では最大という状況ですよね。九三年度の運用計画でも、新規の運用資金九兆八千億、このうち内外の債券に二兆六千億近く振り向けている、うち四分の一前後を外債購入に充てることになっているというふうに言われているわけです。
 具体的な例としてちょっと御紹介したいのですけれども、二月半ば、円急騰局面でしばしば簡保という名が内外の市場を駆けめぐったということが言われています。というのは、市場参加者の多くがドル買いを手控えているのに簡保がこの外債購入に伴うドル買いを入れた、こういうことがあったわけですね。だから、先ほどちょっとやりとりがありましたが、公的資金の為替版PKOかという憶測が広まったということが言われているわけです。それもドルだけでなくて、マルクとか英ポンド、豪ドル、カナダ・ドルというように主要な通貨のほとんどに及んでいる。そしてこれも、暴落した豪ドルとか加ドルの、これについても圧縮するということで民間生保関係なんかは懸命になっている、そういう民間生保と簡保、ぐっとこういうのを買いに走っている簡保というのは非常に対照的だったというふうに言われているわけですね。総資産に占めるこの外貨比率は五・九%ですけれども、その全額を事実上為替リスクにさらしているのが簡保の特徴だ、ここまで書いている新聞もあるわけですね。
 ですから、為替リスクでの大幅な含み損、これは、この新聞によりますと三月末で四千五百億円というふうな報道もあるわけですけれども、その点が事実なのかどうなのか、この点でも含み損の金額をぜひお伺いしたいと思うのです。
#223
○江川政府委員 四千五百億何がしの新聞記事は私も承知いたしておりますが、それは私の方から出している数字でもございませんので、そのことについては何ともコメントのしようがございません。平成三年度末でこの為替円換算差額、それは決算で報告してございますのでちょっとひもときますと、平成四年三月三十一日で円換算差額は三千百七十八億円となっております。
 これはもう出ておりますが、じゃ今はどうなのかというと、これはまだ決算取りまとめ中でございますので、確定的な数字は出ておりませんので今申し上げられません。ただ昨今の事情でございますから、これが赤がふえている、差損の方が、損という言い方をすればそうなりますが、ふえているだろうとは予想されるところでございます。ただ、そうは申しましても、この数字というのはある一定時点における為替レートを基準にした算出値でございますので、これは実際に損失が発生しているというわけではございません。またそういうことで売っているわけでもございません。
 以上でございます。
#224
○菅野委員 相当リアルに、それこそ実情を紹介しながらお尋ねをしたのですけれども、やはりそれも公的資金の運用ですから、それはきちっと考えていかぬといかぬ。だから、運用状況がどうなのか、本当にうまくいっているのか、本当に民間生保なんかと比べてみても全く逆の、為替リスクを何だか背負うような形の姿勢があるというふうなことが心配で私は実はこれをお尋ねしているわけでありまして、だから、そこのところはっきりしなければ、さらにまた実情もわからない、にもかかわらずCPへの運用拡大、これがどうか、こう言われても、本当に私たちは困るわけなんですね。だからお尋ねをしているわけなんです。
 もっと引き続いてお尋ねしたいのは、市場に公的資金を注ぎ込む、そして保有株式の売り圧力を抑えたり、または円高誘導で外国人による買いを入れるなどの株式相場管理をやれば、当面の持ちこたえは確かにできるかもわからぬと思うんです。しかし、実経済を反映しない相場というのは本当に危険だと思うんですね。バブルが崩壊して五十六兆円とも言われる不良債権を抱え込んでいて、株価は暴落している。あるいはBIS規制の問題、これは今後アメリカの方は一〇%にしたいというふうな話も出ているわけなんですけれども、そういうことによって企業や金融の手元資金の流動性が著しく縮小しているという状況がある。
 こうした企業や金融の救済としてもしCP運用ということであれば、私本当に、公共の利益を図るとする公的資金の運用目的ということを考えると、これは全く逆なのではないかなというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。
#225
○江川政府委員 簡保による指定単運用は、先生がおっしゃいますようなPKOのためであったり、何とかの企業の救済であったりとかいうものではございませんで、あくまでも簡保加入者の利益の増大を図るということが目的でございまして、それのための有利な運用の一つとして考えているところでございます。その株式の運用も、運用のすべてではありませんで、一部分にすぎません。全体として、ポートフォリオと言っておりますが、いろいろなところに金を運用しつつ加入者の利益を最大にしていこうというのが我々の運用の基本方針でございます。
 そういう中で、今この部分がどのくらいうまくいっているとかいっていないとかいうことは、それぞれ我々も把握いたしますが、その一々を株式に幾ら行っているとかなんとかということを公表するのは差し控えさせていただきたい、こう申し上げているところでございます。
#226
○菅野委員 今、現状を見ていますと、全株約三千九百億株という保有状況ですが、その内訳は、金融機関が四二%、法人が二五%、個人はわずか二三%という程度ですね。金融と企業で約七割近い保有になっているわけです。株価の暴落が企業や金融を直撃したであろうということはだれしも容易に想像できることなんですが、含み益の減少、それから資金調達の困難、それから二十八兆円強に達しているワラントボンドの満期、こうした金融機関などの危機的状況を背景に、公的資金による救済をかねてから企業や金融が求めている、これは周知のことだったわけであります。
 新指定単にしろCPへの運用拡大にしろ、まさにこうした財界の要求にこたえる優遇策といいますか救済策といいますか、そういうものなのかなと思わざるを得ないわけですね。簡保資金は、将来の保険金などの支払いに備えた貴重な準備資金であるわけです。だからこそ加入者のために確実、有効な方法で運用されなければならないと思うんですけれども、まあCPへの運用拡大というようなことで本当に大丈夫なのかということも先ほどからやりとりされておりますが、確実と言い切れるのかどうか、この辺をぜひ私はお伺いしたいと思うのです。
#227
○江川政府委員 簡保の資金の運用で一番大事なのは安全だということは、先ほど大臣からも答弁ございましたが、全くそのとおりでございます。我々は、他に邪念を持ってあれのためにこれを回すみたいなことはやっていないつもりでございます。ただ、物事、これは安全かと言われて、この席でもって安全だ生言えと言われましても、私は、それは言いたいのですけれども、世の中の社会現象でございますから、安全だと考えてやっていますと申し上げることしかできないということでございます。
#228
○菅野委員 非常に不安な答弁だということを申し上げざるを得ないわけなんですね。
 このCPの運用拡大ということなんですけれども、九二年の資料で見てみますと、三菱商事、住友、三井物産、丸紅、伊藤忠、日商岩井など十社に満たない大企業でCP発行残高の約六割、七兆円強が占められているわけなんです。バブルの崩壊、金利の引き下げなどで様相は少し違ってきているというふうに思いますけれども、こうした総合商社の短期資金調達の目的が、この大口定期預金とのさや取りや格付の低いCPの買い取りによるさや抜けでありまして、いわゆる財テクという側面を持っているのではないかというふうに思うんです。ですから、不況にあえぎながら貸付枠の拡大を求める零細な企業が多くある中で、むしろ大企業の財テクに国民の零細な積立金を注ぎ込むという見方も一方ではできるわけなんですね。
 ということになると、これは大企業優遇ということで、国民としては納得できないのではないかというふうに思いますけれども、この点はいかがですか。
#229
○江川政府委員 私たちはそういう見方をしておりません。
#230
○菅野委員 見方はいろいろあるわけですから、そういうことも念頭に置きながらぜひ進めていただきたいというふうに思うわけです。
 不況経済と消費の落ち込み、生産面からの資金需要の減少、今後新たな機関投資家が出てくる可能性も薄くて、CP市場自体が飽和状態であるというふうな指摘もございます。また、TB市場の拡大によってCP市場の流通は抑制されるという見方もあるわけですね。あるいはまた、現在百社程度の発行体数が増加すれば、規模は大きくなっても、強力な発行体と弱体との競合によってこのCP市場自体が潜在的圧力になり、経済全体に大きな混乱をもたらす、こういう指摘もまた一方であるわけです。郵政省の言う公共の利益、こうなるとこれにも反するおそれが多分にあるのではないかというふうに思うわけなんですけれども、その点では、専門家の間でさえCP市場の見方は一定していないわけなんです。
 一部の強大な大企業の利益に資することが他の企業の攪乱にならず、経済の混乱に拍車をかけないという保証があるのかなというのが、今のCP市場のあり方などを見ていますとちょっと心配になるのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#231
○江川政府委員 我々は我々の資金の有効活用という視点からこのCPの運用へ入ろうとしているところでございまして、そのCPはいろいろな格付によって行われておりますから、そういうものに投資して、我々自身もそれは安全にいけるのではないかと考えております。そのことは同時に、今先生おっしゃいましたような大企業のために何とかするとかということでは、そういう意図を持ってやっているものでは一切ありません。
#232
○菅野委員 何だか先ほどから質問に対してきちっとお答えがいただけていないような感じがしているのですけれども、ぜひいろいろな意味で、あっちからこっちから、やはりこの運用枠拡大という点では見直していただきたいな、いろいろな実情をよく見ながら、ぜひ努力をしていただきたいということを重ねて申しておきたいと思うのです。
 九一、二年度で見ると、法人預金の減少に加えて、都銀では戦後初めて個人預金も減少という状況が出てきているわけなんです。合わせて約三十兆円のマイナスなんですね。このマイナス分が、金利の高いコール市場で主に調達されている。短期で調達して長期で貸すということですけれども、都銀自体が大変危険な状況に入っているという実態があるわけです。そういう点では、株式市場と金融というのは表裏一体だと私たちは思っております。
 また、日本の格付機関と在米格付機関の評価も大きく差が生じておりまして、企業の信用度も、不良債権さえ明らかにしないまま、非常に不明確だという実態がある。さらに、決算では明らかにされないけれども、特金やファントラ運用で含み損を抱えて現金化できない企業も多い。企業の長期資金のディスクロージャー等も不徹底で、市場の形成も非常に不確定、こうした不安定材料は事欠かないのですね。
 しかも、一応優良とはいえ、無担保での短期資金調達に公的資金を注ぎ込むということは極めて不適切であるのではないか、私たちはいろいろ考えてもやはりちょっと賛成できないわけです。その点で、最後に大臣の認識を伺っておきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
#233
○小泉国務大臣 今ずっとお聞きしておりまして、御指摘の点でもっともと思われる点もあると思います。より有利さを得るために安全、確実性をおろそかにしてはいけない、十分注意して、今後運用に対処していかなくてはならないと思っております。
#234
○菅野委員 続きまして、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部改正案についてお伺いしたいと思います。
 本法案で行おうとする健康保持増進事業、これ自体はとりたてて問題もありませんし、内容もどうなのか、いろいろな啓蒙事業などもやるということなので、内容的にはもっともっといろいろと工夫していただかなければならないのかなと見ているわけですけれども、重要なことは、具体的に加入者の要望を反映させるというシステムがあるかどうかということなんです。
 私どもも郵政省の説明でいろいろお聞きしましたけれども、加入者の会または郵便局の窓口で直接要望を聞くというふうな御説明なんですね。しかし、加入者の会がどのように存在しているのか、私たちが調べた限りではなかなか、郵政省の皆さんですら実態を余りよく御存じない。上はともかく、先ほど、ピラミッドでちゃんとなっていますみたいなお話がありましたが、それぞれの会の責任者にだれがなっているのか、地域ではそれではきちっと名簿などもあるのか、これは公表もされていないということでありまして、加入者協会も、理事クラスとかそんなのはありますけれども、何だかよくわからないということがあるわけです。だから、具体的な事業の内容や地方連合加入者協会の名簿を要求したのですけれども、なぜか出てこないんですね。
 こんなことで本当に一般加入者の要望が反映させられるのかなということが、率直に今疑問に思うわけでありまして、特にまた加入者の会の運営についても、だれが行っているのか、郵便局長なのかななんて思ったりするわけなんです。もし、郵便局長、郵便局などの窓口でもどんどん要望を聞くなんていうことも言っておりますけれども、そうなりますと、窓口業務の増大なども当然出てくるわけで、それぞれのそういう点では組合の合意なども要るのだろうと思うんですが、その辺の合意は得ていらっしやるのかどうか、その辺もお聞かせいただきたいと思います。
#235
○江川政府委員 簡保加入者の会とか加入者協会というのは前からございまして、それぞれに活動しておりますが、何分加入者の会でございますから、世間一般には余り知られてなかったかと思います。それは会の本性必然的なものだと思います。今度その組織を利用してこの仕事をやっていこうということで、いわばデビューする形になろうかと思いますので、そういう意味では、今後この会の名前なりなんなりがいっぱい世の中に出てくることになって、よく知られるようになるのではないかと期待しているところでございます。
 この会の名簿ももちろんございますし、規約もございます。しかし、名簿は個人名がざっと並んでいるわけですから、それはぱっと出していいものではありませんから外に出しているわけではありませんが、名簿も組織も地域もきちっとそろっているところでございます。
#236
○菅野委員 私たちの周囲にも加入者が本当にたくさんいるんですけれども、いろいろな意味で、余りいろいろなそういうものが届かないし、よくわからないし、何かの働きかけを受けたということがないものですから、そういう実体験も踏まえながら質問をさせていただいておりまして、だから、ぜひその点御配慮いただきたいというふうに思いますが、ただ、ちょっと答弁でいただけないのですが、御説明にあったように、郵便局の窓口でいろいろ聞く、要望も伺うというふうなことを言ってらっしやいますけれども、それぞれの組合の合意はどうなんですか。
#237
○江川政府委員 本件は、郵便局が本性必然的に絡むというものではございませんで、保険の系統の仕事でございますから情報が郵便局にも届くようにしておこうということで、相談に来ればどんどんいい知恵を出そうじゃないか、一緒に相談していこうじゃないかという仕組みでございます。そういう意味で、特に労働過重になるというようなものでもないと思いますが、こういうことをやるということは労働組合との間でも話をしているところでございます。
#238
○菅野委員 ところで、簡易保険福祉事業団及び加入者協会の理事というのを名簿をいただいたのですけれども、ずっと見てみますと、すべて郵政省御出身の皆さんで占められている。要望受け付けのシステムあるいはプロジェクト決定のシステムが明確にされていないと、結局、OBの皆さん方の権限付与や癒着の構造が拡大されるだけではないのかなというふうなことも心配いたしまして、加入者の要望や公平性までが損なわれては大変だなというふうに思うわけであります。
 予定される事業実施団体や加入者協会あるいは加入者の会の組織実態、運営の内容、また郵政省がどのように関与するのかしないのか、要望を受け付けるシステム、それから事業決定の仕組みや要件、それから全額補助の限度、金額とかいろいろ補助の限度、それから肝心な点がいろいろ御説明をいただいても明らかになっていないのです。それはちょっと問題ではなかろうかというふうに思うのですが、もう時間も参りましたので、後日でも結構ですけれども、今いろいろ並べました点につきまして、ぜひ明確にして御報告をいただきたいというふうに思いますが、それはよろしゅうございますか。
#239
○江川政府委員 まだ取りまとまってないところたくさんございまして、それらがまとまり次第、しかるべく御報告に伺いたいと思います。
#240
○菅野委員 時間になりましたので、終わります。
#241
○亀井委員長 次に、中井洽君。
#242
○中井委員 大臣に法案についてお尋ねする前に、一つだけお尋ねやら要望を含めて質問をしたいと思います。
 実は私、先々週アメリカヘ行っておりまして、日米環境サミットという会議でございました。自民党さん四人ほどと社会党、公明党、民社党、私とそれから官僚の皆さんあるいは財界の皆さん含めましてアメリカで二日間、向こうの議員や関係者と環境問題で議論をしてまいりました。この会議に郵政省が参加をされ、去年のブラジルの地球サミットにも郵政省から何人か御参加になりました。郵政省が積極的にこの地球環境という問題について取り組まれておることを大変評価をいたしております。お話を聞きますと、一つは電波研究所という大変優秀な研究所で電波を使った地球環境に対する貢献、こういったものを進めている。もう一つは、光ファイバー等を使って人間の社会生活の仕組みを長期的に大胆に変えていく、その中でエネルギーの消費を減らしていく、それがひいてはCO2を削減したり地球の温暖化防止に役立つんだ、こういう大変結構なことであります。これはこれで大いに進めていただけたら大変立派な行政だと私は考えております。
 しかし、私はその会議で実は低公害車、クリーン自動車ということについて報告をいたしました。アメリカは、過日クリントン大統領がアースデーのスピーチで実は低公害車を政府機関で数千台購入する、こういう発表をいたしました。日本でも通産省や環境庁では電気自動車、こういったことの採用をぼちぼちと始めております。郵政におかれましても、二台郵便配達の車を実験的にお使いをいただいているわけであります。しかし、隗より始めよということでありまして、私はかつてこの委員会で、郵便はがきに再生紙を使うということが熱帯雨林を守るのに一番いいんだ、こういうことを申し上げて、かなり再生紙利用を進めていただいておりますが、地球環境という面からいえば、郵政省がお使いになっている自動車あるいは郵便配達の方がお使いになっている二輪車、ああいったものを積極的に電気自動車、低公害車に変えていただく、このことが一番いいことであろうかと考えております。
 そういう意味で、来年度の予算に向かって公害問題を一番積極的に、環境問題に一番積極的に取り組もうとしている郵政省として大いに姿勢を示してほしい、このように考えておりますが、大臣のお考えをお聞かせをいただきます。
#243
○小泉国務大臣 環境対策というのは郵政省のみならず今後の政治課題として大変重要なものだと認識しております。
 今御指摘の低公害車の使用につきましても私はもっとふやしていきたい、再生紙の郵便はがきに対する利用とかというのも進めておりますし、これから光ファイバー等次世代通信網等ということを考えますと、今省力化あるいは移動の省略ということでテレビ会議等も、やはり郵政省も積極的に今導入を検討しなきゃいかぬ。既に民間会社ではテレビ会議を導入しているところもありますから、郵政省としても、各地方との一々出張、出先、人の交流をなくしてテレビ会議等というのも今後検討していこうじゃないかということで、今その検討を進めているところでありますし、私も、小さなことですけれども、サトウキビの搾りかすを使ってできている名刺を今早速使っております。
 できるだけ環境に配慮した、省資源という精神に倣って、郵政省もその対策の一助になればということで今後鋭意進めていきたいと思っております。
#244
○中井委員 大いに進めていただきますように、重ねて要望をいたしておきます。
 それから、大臣に引き続いてお尋ねをいたしますが、私自身は、この保険というのは、引揚者でありまして、かつて父親が入っておりました保険等が敗戦でパアになったということがありまして、余り利用していないところがあります。大臣はこの郵便局の簡保に御加入をされておりますか。
#245
○小泉国務大臣 よく調べていませんけれども、入ってないのじゃないでしょうか。はっきりしたところはわかりません。
#246
○中井委員 私も入ってなくて、入ってない者同士で質問をするわけでありますが、大臣は御就任以来いろいろと郵政事業のあり方について御議論を巻き起こされたところであります。その中で郵貯については委員会におかれましてもかなり私どもも質疑をさせていただいた。お考えも大体わかってきたと考えておりますが、この簡保について余り特定にお述べになったことはなかったと感じております。今回の質疑で私も資料等をいただいて少し勉強したのでありますが、この保険の分野で簡保、民保そして農協のシェア、こういうのを見てみますと、この契約件数あるいは保有保険金額等々、昭和四十年から今日に至るまで、いろいろ競争はあるのでしょうが、民保あるいは農協のシェア、簡保、ほぼ落ちついた数字だ、こんなふうに感じております。こういう数値で、これからも競争しながらよりよいサービスをお互いしてやっていけば、簡保については言われるような官業の民業圧迫ということはないのじゃないかと私は判断をいたしておりますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#247
○小泉国務大臣 簡保にしても郵貯にしても、民間でできる仕事と競合するような場合は、相補い合いながら、相協力して、お互い官として節度を保ってやっていく姿勢が大事だ、そう思っておりますし、その線に沿って今後簡保も全体のバランスを見ながらやっていく必要があるのじゃないか、そう思っております。
#248
○中井委員 この保有保険金額でいきますと、民保が千三百兆ぐらい、それから簡保が百五十五兆円ですか、農協が二百十七兆ということに平成四年度末でなっております。ところがこの総資産という分野で見ますと、民保が百四十一兆円、農協が二十一兆円ぐらいですか、それから簡保が五十九兆円近くある。保有保険金額に比べて総資産という分野で随分簡保が多い、こういうように感じますが、郵政省側から、この総資産が他の民保、農協に比べて、あるいはまた保有保険高に比べて異常に高い、こういう理由を御説明いただきたいと思います。
#249
○江川政府委員 御指摘の、総資産が簡保は三年度末で五十九兆、民保が百四十一兆、相対的にかなり高いように見えるという部分につきましては、これは最大の理由は二つあると考えます。一つは、絶対的に簡保は七千六百六十万件という件数の多さが一つございます。もう一つは、中身が保障性の高いものではなくて貯蓄性の高いものでございます。これはそれだけ貯蓄性の高い方が保険料が高くなるという構造になっております。この二つが一番効いているんだと考えております。
#250
○中井委員 件数が非常に多くて、金額的には法的に制限されて大変少額の保険になっておる。同時に、郵便局という立場上、保険というよりも貯金という面が非常に加味された制度になっておる、これが二つ大きな特徴であるという御説明をいただきましたが、こういう制限下でこれくらいの比率で民営と競争をしていけば、先ほど大臣のお話からいって、大体簡保というのは大臣のおっしゃるような問題点というのはないんじゃないか、私はこういう判断をいたしておりますが、大臣はいかがですか。
#251
○小泉国務大臣 官業としての節度を考えながらやっていけば、お互い相協調しながら、足らざるところを補い合いながらやっていけるんじゃないかと思っております。
#252
○中井委員 それでも大体シェアを持っているといいますが、実はわずかずつではありますがシェアのパーセンテージが簡保の場合には下がっているわけであります。年々、年度年度違いはあろうかと思いますけれども、大変多様化するまたは動きの激しい経済社会の中で、これから簡保はどういう商品開発等をして、こういうシェアを維持しながら、よりよいサービスをお互いにしていこうとしているのか、お尋ねをいたします。
 昨年の私の質疑でも、十種類、かみ合わせたら二百五十八の保険の種類があるんだ、こういうお話でありました。今回の法律改正で十一種類、かみ合わせたらもっとふえるんでありましょう。これ以外に新しいのをもっともっと商品開発をしていくのか、これくらいの商品開発の中で、余り加入者のないものについては新しい発想に変えてリフォームしてやっていこうとされているのか、郵政省の基本的なところをお尋ねいたします。
#253
○江川政府委員 おっしゃいますように、今度の商品ができ上がりますと十種類が十一種類になりまして、約款上二十四が二十五になります。そういう意味でふえる形になりますが、全体としては、ニーズのなくなってきたものに対する整理というのもやはり考えなければいけない。現実にそういう整理をしたのもあります。今回もこういうことで新しくつくりますが、あわせて、基本的な考え方として申し上げますと、今後国民のニーズがどういうところにあるのかというところを探りながら、それに立った、フィットした商品をつくっていくということに徹していきたいと考えております。
#254
○中井委員 そういう中で、例えば外国の方々が日本に働きに来られる、あるいは滞在される、こういう方が随分ふえておられます。外国の保険会社も随分日本へ入ってきておりますけれども、簡保の場合には五年ですか、期限がありますから、五年以上御滞在なさる外国人が簡保に加入しようと思ったら、現行法でできるのですか、それとも新しい商品開発をしないとできないのですか、そこのところをお聞かせください。
#255
○江川政府委員 現行法で加入できるようになってございます。
#256
○中井委員 加入されている方が何人がおられるわけですか。
#257
○江川政府委員 いると思いますが、その保険のそれで外国人という記入の仕方をしてございませんので、今把握してございません。
#258
○中井委員 それでは逆に、保険に加入をされておる、そして会社から言われて海外へ赴任をなさる、あるいは海外へ長期の出張をなさる、そういう方がこういう国際情勢の中で不慮の事故に巻き込まれたり、あるいは金持ち日本人ということでテロにねらわれたりすることが多い。こういう方々が、その赴任をする前に少し掛金をふやされて海外での事故で特別保険金がおりる、そういう制度というのは考えられますか。
#259
○江川政府委員 不慮の事故で亡くなったりいたしますと、外国でもこれは倍払うという仕組みが今もございます。
 それから二つ目の、先生御指摘の、外国へ行くのだから、危険地に行くのだから余計払って余計もらえるという仕掛けという、そういう保険は特に今ございませんが、それは特約か何かで処理していく仕掛けになろうと思います。
#260
○中井委員 過日、PKO問題で中田さんなんか、大変痛ましい事故に遣われて、本当に私どもも何と申し上げていいかわかりません。ボランティア活動を海外でなさる方、あるいは大企業なんかでは、一年間ボランティア活動をやればそのやるときには休暇をとれるんだ、こういう制度に取り組んでいる企業もふえてまいりました。あるいはまた、NGOといいまして、環境問題で海外で本当にボランティアで活動なさる方、おられます。これらの方々に国としてどういう制度があるかというと、なかなかないわけであります。そういう中で、この簡易保険を使って何か特別の政策というのは、私は、発想的に郵政省として取り組めると考えております。ぜひそういった意味でお考えをいただきますよう、もう一度御答弁をいただきます。
#261
○江川政府委員 先生御指摘の、ボランティア保険とでもいいましょうか、そういうものにつきましては、国民のニーズとか生命保険としての商品設計の可能性というようなこともいろいろ検討するべきことがたくさんございますので、それらの視点からも含めまして慎重に今後検討してまいりたいと思います。
#262
○中井委員 今金融関係では相互参入ということで、証券、銀行あるいは信託銀行の垣根を取り外してユニバーサル銀行をつくるんだということでスタートいたしました。引き続いて生保と損保、これの垣根を取り払う、こういう中で、大蔵省を中心に議論が行われているところであります。この中で郵政省の簡保、これらが議論の対象になってくるのかどうか、あるいは、もし議論の対象となるとしたら郵政省はどういう方針でこの相互参入というものについて臨もうとされておるのか、お考えをお聞かせいただきます。
#263
○江川政府委員 今大蔵省で議論しております損保、生保に関するいわゆる自由化の議論でございますが、その土俵の中に簡保が入っているかという御質問に対しては、これは入ってはおりません。ただ、我々は言ってみれば同業みたいなものでございますから、その自由化の中身がどうなるのかということは我が簡保にとっても非常に影響がございますから、それはどういうことなのか、どうしたらいいかということは、我々自身、審議会の進行を横目で見ながら内部で検討を進めているところでございまして、今にわかにこうする、ああするというところまでちょっと申し上げられないのが申しわけございませんが……。
#264
○中井委員 先ほど大臣から、官業のよさを生かしてというお話がございました。民間においては、自由化を迎えて、どこまで結論が出るかわかりませんが、銀行、証券等を見ますと、かなり思い切った枠撤廃も行われるであろうか。そういう中で、簡保についての注文も出てくると私は考えます。逆に、官営は官営で、先ほどのようなボランティア保険みたいなことを発想すれば幾つもやれる分野が出てくる、このように考えております。従来の法律で決まった中で、郵政省挙げて御努力をいただきますと同時に、そういう自由化の波に柔軟に御対応いただいて、官業、民業両方がよりよいサービス、よりよい競走ができるように御努力いただきますことを要請いたしておきます。
 もう二つお尋ねをいたします。
 先ほどから御議論がありました新指定単という問題であります。今回CPが運用の対象に法律で改正が出されてまいりました。これは基本的なことをお尋ねいたしますが、このCPの運用というのは新指定単で運用をするということなんですか、それとも政府が債券の中で運用するということなんですか、どちらです。
#265
○江川政府委員 簡保本体がじかに運用いたします。我々簡易保険自体が指定単を通さずにじかに運用いたします。
#266
○中井委員 もう一つは、新指定単と言われる運用でありますが、三兆三千億に近い巨額な金額が昨年の補正とそれから本年度予算で認められました。平成五年度の二兆円については六割、もう一兆二千億運用しておる、簡保事業団に運用がおりておる、こういう話でありましたが、この四年度補正の一兆二千億については、もう既に全額運用がなされているのか。
 同時に、郵貯のときも聞きましてお答えがなかったわけでありますが、同じことであろうかと思いますが、あえてお尋ねをいたします。新指定単の現在の運用の中で、株式運用比率というのは大体どのくらいになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#267
○江川政府委員 昨年の一兆二千七百の新指定単枠への投入及び今年度の二兆円の両方合わせまして、株式への運用がどの程度行っているのかという御質問につきましては、市場攪乱要素になったり信託銀行の投資行動に制約を与えたりといろいろな問題が発生しますので、こちらでは明快なそれのお答えを控えさせていただきたいというふうに申し上げさせていただきます。
#268
○中井委員 一兆二千億は全部運用しておるのですか。
#269
○江川政府委員 その一兆二千七百及び二兆円全部を含めて同じ答えをさせていただきたいと思います。
#270
○中井委員 六割も簡保事業団へやる。運用は。
#271
○江川政府委員 ことしは二兆円でございまして、その六割を事業団に出しました。その行った先で一兆二千億が何%株式に使われているかということについては御勘弁いただきたいと申し上げているわけでございます。それから、一兆二千七百も全部行っています。しかし、どこまでかということだけは御勘弁ください。
#272
○中井委員 昨年の四月に当委員会で私質問をいたしました。そのときに、前の荒瀬局長が、指定単五兆五千五百億、そのうち株式の運用比率はおおむね四割ないし五割、こういう御答弁をいただいております。これに合わせた答弁くらいできるでしょう。僕はこれを共産党さんみたいに反対と言っているわけではありません。僕はかつてこの委員会で株運用を十年単位でやったらいいじゃないかということを申し上げたことがあります。だから五年のこういう運用は賛成であります。景気対策でおやりになったことは結構だ。政府の景気対策で一番的を射ているというぐらいに逆に思っておりますから、別に何もありません、他意ありません。
#273
○江川政府委員 昨年の回ないし五割というお話は承知しておりますが、現在の二兆円の中の一兆二千億につきまして、どれくらいなのか今把握してございませんので申し上げることができません。
 それから、一兆二千七百についても、今何割くらいということを言っていいか、確たる数字を把握してございませんので、ここではご容赦いただきたいと思います。
#274
○中井委員 じゃ、また把握次第教えてください。
 最後に一つだけお聞きをいたします。
 二十五日の参議院の逓信委員会で、私ども民社党の前の委員長の塚本三郎議員がかつて予算委員会で、銀行のいわゆる眠り口座、これについて質疑をし、問題提起をしたことがございます。その後いろいろな議論の中で対応がなされて、いわゆる権利消滅金として銀行あるいは郵貯、信金、信組、労働金庫、こういったところで総額七百億円を超す権利消滅金がある、こういう調査結果が発表されたようであります。引き続いて新聞で見ますと、生命保険あるいは簡保等にも権利消滅金みたいな形の口座、金額、これがあると発表されております。簡保については九一年七億円ということでありますが、これは間違いないのかということが一つ。
 同時に、他の生命保険会社では三年、満期になってあるいは受け取りの権利があって三年以内に取りに来なければ消滅、こういうことであります。簡保の場合は五年、こうなっております。どうして簡保だけ五年にしてあるのか、銀行等は全部ルールをつくったと思うのであります。生命保険や簡保だけルールが別々でこういう眠り口座みたいなのがあるということはおかしい、統一したルールをつくるべきじゃないか、このように思います。大蔵省に聞くべきことかもしれませんが、郵政省のお考えを承りたい。
 同時に、この七億円、どういうふうに使ってしまうのか。何に使うのか。これからもこういう金額が出てくるのだったら、例えばボランティア基金とか、あるいは環境のNGOへ皆さん方はお金を出していらっしゃいますが、そういう方向へ出すとか、こういう使い道をもう少しお考えになった方がいいのじゃないか、この三つをお尋ねして質問を終わりたいと思います。
#275
○江川政府委員 第一点目の九一年に七億の権利消滅金のことでございますが、おっしゃるとおりの数字でございます。ここでちょっと補足します。権利消滅金と申しますのは、簡保法八十七条に、取りに来たら払うべき保険金を五年たって取りに来ないと消滅をすると消滅時効に書いてございます。そのことを意味させていただきます。
 二つ目に、その今申しました五年ですが、ほかは三年だが何で五年なのかというところは、加入者の利益の側に立って延ばしているということがあろうと思いますし、公法上の債券が五年だということに合わせるとか、いろいろあろうと思います。ちょっと立法の意思までは私も存じませんが、そういうことじゃないかと考えています。
 三つ目は御提案かと思いますが、使い道を考えてみたらどうか、大変いい御示唆をいただいたと私は思います。考えるに値する仕事だなと思います。
 以上でございます。
#276
○中井委員 時間ですので、終わります。
#277
○亀井委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#278
○亀井委員長 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会で協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する討論の申し出はありませんので、これより各案について、順次採決いたします。
 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#279
○亀井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#280
○亀井委員長 ただいま議決いたしました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対し、坂井隆憲君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。坂井隆憲君。
#281
○坂井(隆)委員 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、高齢化社会を迎える中、すべての国民が豊かさを実感できる長寿福祉社会の実現を図るため、次の各項について積極的に努めるべきである。
 一 簡易生命保険事業は、今後とも、簡易に利用できる生命保険を提供する国営の事業として、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進するよう努めるとともに、加入者の余暇活動及び健康増進に対するニーズに対応するため、加入者福祉サービスの充実についても配慮すること。
 一 国民の自助努力を支援するため、新商品の開発、加入限度額の引き上げ等の簡易生命保険制度の改善を図るとともに、保険・年金に係る税制上の支援措置の充実に努めること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑等を勘案して作成したものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#282
○亀井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#283
○亀井委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。(拍手)
 この際、小泉郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉郵政大臣。
#284
○小泉国務大臣 ただいま簡易生命保険法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#285
○亀井委員長 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#286
○亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、簡易保険福祉事業団法及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#287
○亀井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#288
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#289
○亀井委員長 電波法の一部を改正する法律案、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案、郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 順次、趣旨の説明を聴取いたします。小泉郵政大臣。
    ―――――――――――――
 電波法の一部を改正する法律案
 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する
  法律案
 郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正
  する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#290
○小泉国務大臣 最初に、電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、我が国内外の国際化の進展にかんがみ、アマチュア無線局及び陸上を移動する無線局等について外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととするほか、行政事務の簡素合理化を図るため、放送をする無線局以外の無線局の免許申請については財政的基礎に関する審査を行わないこととするとともに、不法な無線局の増加に対処するため、特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備の小売業者に対し無線局の免許に関する事項の告知義務を定め、及び技術基準適合証明の表示の除去に関する規定を設ける等のための所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、アマチュア無線局及び陸上を移動する無線局等について、外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととしております。
 第二に、放送をする無線局以外の無線局の免許申請については、無線設備の工事費及び無線局の運用費の支弁方法を添付書類に記載することを不要とするとともに、財政的基礎に関する審査を行わないこととしております。
 第三に、技術基準適合証明を受けた旨の表示が付されている特定無線設備の変更の工事をした者は、郵政省令で定める方法により、その表示を除去しなければならないこととしております。
 第四に、郵政大臣は、不法に開設される無線局のうち特定の範囲の周波数の電波を使用するもの(特定不法開設局)が著しく多数であると認められる場合において、その特定の範囲の周波数の電波を使用する無線設備のうち特定不法開設局に使用されるおそれが少ないもの等を除いたもの(特定周波数無線設備)が広く販売されているため、特定不法開設局の数を減少させることが容易でないと認めるときは、郵政省令で、その特定周波数無線設備を特定不法開設局に使用されることを防止すべき無線設備として指定することができることとしております。
 また、指定された無線設備(指定無線設備)の小売を業とする者(指定無線設備小売業者)が指定無線設備を販売するときは、販売契約を締結するまでの間に、その相手方に対して、無線局の免許を受けなければならない旨を告げ、または示すとともに、販売契約を締結したときは、無線局を不法に開設した場合の罰則等を記載した書面を購入者に交付しなければならないこととし、指定無線設備小売業者がこれに違反した場合において、特定不法開設局の開設を助長して無線通信の秩序の維持を妨げることとなると認めるときは、郵政大臣は、その指定無線設備小売業者に対し、必要な措置を講ずべきことを指示することができることとする等、所要の規定を設けることとしております。
 以上のほか、所要の規定を整備することとしております。
 なお、この法律は、平成六年四月一日から施行することとしておりますが、無線局免許申請者の欠格事由の緩和及び無線局の免許申請に係る審査事項の簡素化に関する改正規定は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
 次に、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国民生活や社会経済活動の電気通信への依存度が高まる中で、電気通信サービスに障害が生じた場合の影響が著しく増大しているという状況にかんがみ、電気通信基盤充実事業に信頼性向上施設整備事業を加えるための所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、電気通信基盤充実臨時措置法の目的として、信頼性向上施設の整備を促進する措置を講ずることを追加することといたしております。
 第二に、信頼性向上施設とは、電気通信業の用に供する施設であって、電気通信システムの信頼性を著しく高めるためのものをいうものといたしております。
 第三に、信頼性向上施設整備事業とは、信頼性向上施設の整備を行う事業をいうものといたしております。
 第四に、通信・放送機構の業務の特例として、通信・放送機構が、通信・放送機構法第二十八条第一項に規定する業務の特例として行う業務に、信頼性向上施設整備事業の実施に必要な資金を調達するために発行する社債及び当該資金の借り入れに係る債務の保証を行うことを追加することといたしております。
 その他所要の規定の整備を図ることといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 次に、郵便切手類販売所等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便切手等に対する海外における需要にこたえる等のため、郵政大臣が郵便切手等の海外における販売に関する業務をその委託する者に行わせることができることとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず、郵政大臣は、郵便切手等を海外において販売するのに必要な資力、知識、経験及び信用を有する者のうちから郵便切手等海外販売者を選定し、その業務を委託することができることとしております。
 また、郵便切手等海外販売者は、郵便切手等を郵政省から買い受け、定価に相当する価格で公平に販売しなければならないこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#291
○亀井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る六月二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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