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1993/02/23 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第3号
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1993/02/23 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第3号

#1
第126回国会 運輸委員会 第3号
平成五年二月二十三日(火曜日)
    午前十時三十二分開議
出席委員
  委員長 森田  一君
   理事 今枝 敬雄君 理事 今津  寛君
   理事 亀井 善之君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 村田 吉隆君 理事 緒方 克陽君
   理事 常松 裕志君 理事 東  順治君
      衛藤 晟一君    小里 貞利君
      坂本 剛二君    関谷 勝嗣君
      二階 俊博君    橋本龍太郎君
      平泉  渉君    古屋 圭司君
      星野 行男君    増子 輝彦君
      宮崎 茂一君    阿部 昭吾君
      小林 恒人君    左近 正男君
      関山 信之君    細川 律夫君
      山中 末治君    浅井 美幸君
      西中  清君    佐藤 祐弘君
      高木 義明君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 越智 伊平君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 豊田  実君
        運輸大臣官房総
        務審議官    向山 秀昭君
        兼貨物流通本部
        長
        運輸省運輸政策 大塚 秀夫君
        局長
        運輸省鉄道局長 秦野  裕君
        運輸省自動車交 土坂 泰敏君
        通局長
        運輸省海上交通 浅見 喜紀君
        局長
        運輸省海上技術 戸田 邦司君
        安全局長
        運輸省海上技術 長尾 正和君
        安全局船員部長
        運輸省港湾局長 坂井 順行君
        運輸省航空局長 松尾 道彦君
 委員外の出席者
        労働省労働基準
        局賃金時間部労 上村 隆史君
        働時間課長
        運輸委員会調査 長岡日出雄君
        室長
    ―――――――――――――
二月十九日
 北海道新幹線の早期建設に関する陳情書(札幌
 市中央区北一条西二の一の甲のイの一札幌市議
 会内見延順章)(第七五号)
 北陸新幹線の整備促進に関する陳情書外一件
 (富山市新総曲輪一の七富山県議会内八倉巻忠
 夫外十名)(第七六号)
 九州新幹線網の建設促進に関する陳情書(長崎
 市江戸町二の一三長崎県議会内宮内雪夫)(第
 七七号)
 日豊本線の高速化・複線化及び活性化の促進に
 関する陳情書(長崎市江戸町二の一三長崎県議
 会内宮内雪夫)(第七八号)
 函館空港の国内線及び国際線に対応する運用並
 びに整備促進に関する陳情書(北海道函館市東
 雲町四の一二函館市議会内本間新)(第七九号
 )
 航空運賃の低減措置に関する陳情書(那覇市旭
 町一四又吉政一)(第八〇号)
 離島航路に対する財政援助の強化に関する陳情
 書(長崎市江戸町二の一三長崎県議会内宮内雪
 夫)(第八一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 船舶安全法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三〇号)
 陸運、海運及び航空に関する件等(運輸行政の
 基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○森田委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。増子輝彦君。
#3
○増子委員 自由民主党の増子輝彦でございます。
 限られた時間でございますので、質問をいろいろしたいわけでございますが、陸海空の運輸行政の中で幾つかの点について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、越智運輸大臣には大臣御就任まことにおめでとうございます。今後とも御活躍のほどを心から御期待、お祈りを申し上げるところでございます。
 御案内のとおり、今、日本経済は大変景気が悪いということで、厳しい状況に置かれているわけでございますが、この中にありまして、やはり運輸の果たすべき役割というのは、陸海空の中にあって国民生活に大変直結したものがございます。極めて重要なものと私も認識をいたしているところでございます。
 その中で、実は国民の生活の中で、特に足の部分で大変大きな役割を担っておりますJRについて若干の質問をさせていただきたいと思っております。
 JRは各社八七年に民営化になりまして、大変経営努力を果たしながら、現在各社とも黒字になっているということで、大変好ましいことだと、その経営努力を私も評価をいたしているわけでございます。
 こういう中にありまして、先般、実はあるマスコミの報道によりまして、一部値上げ等の発言等も聞こえてくるわけでございますが、この値上げ等の問題あるいは今の景気動向の中で、やはり景気に対して一つの大きなインパクトを与えるかもしれませんいわゆるJRの株等について若干の質問をまずさせていただきたいと思います。
 まず最初に、JR東日本の住田社長は、九四年度の運賃値上げの可能性について発言をいたしているようでございますが、JR各社の今後の運賃改定についての見通しをまずお伺いいたしたいと思います。
#4
○越智国務大臣 お説のように、運輸行政は国民に直接密着をしておる大変大事な行政だ、こういうふうに受けとめております。お説のようにしっかりひとつやらせていただこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、JRの運賃の問題でありますが、JR発足以来、消費税の転嫁の問題以外は五年間運賃の値上げをしていない、皆さん大変各社とも努力をしていただいておる、これに感謝をしておる次第であります。先般JRの住田社長が値上げのことを言及されたように報道されましたが、聞いてみますと必ずしもそうではないというような話でありました。私はやはり合理化努力をしていただいて、できるだけ運賃の値上げは今すぐにはやらない、このことの方が、不況の時代でありますし、国民の負担を多くするようなことはなるべくやらない、こういうふうに思っております。
 また、JR各社ともまだ運賃の値上げというような話は公式の場でいたしておりません。何かマスコミとの懇談の中でちょっと言ったことが誤解されたような話でありますので、ひとつこのままできればしばらく努力をいたしてもらいたい、合理化にさらに努力をしていただきたい、こういうふうに思う次第であります。
 それから、JR株の上場の問題でありますが、平成四年度につきましては先延ばし、こういうことでありますのでできるだけ早く上場したいという気持ちもございますが、今の株価の全体的な低迷等もございまして、よく連絡をとり、相談をし、また全般的な株価の動き等をにらみながら相談をしたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#5
○増子委員 大臣の今の答弁で私も同感でございますが、まあ仮に値上げとなれば、その値上げの基準というものは一体何だろう、また、赤字にならないと値上げは認めないのかというような点もございます。
 この点について簡単に、どういうふうにお考えかということをお聞きすることと、さらに今株式の件について大臣から御答弁をいただきましたが、この株、上場するとすればいつごろが適当というふうにお考えになっているか、この点についてお尋ねを申し上げたいと思います。
#6
○越智国務大臣 赤字にならないと値上げしないのかということでございますが、そういう気持ちでもございませんけれども、まだはっきりしないうちに論議をするのはどうであろうか、こういうふうに思っております。
 それから、上場の時期でありますけれども、これも景気問題と、また、先ほども申し上げましたが、全体的な株の値段、また、投資家の意思、今は投資家も非常に消極的でございますが、そういうものを含めて判断をしたい。でございますから、ちょっといつということをまだ決定しておるわけでもございませんし、今後論議を重ねていきたい、こういうふうに思っております。
#7
○増子委員 JRの本州三社は既に株式の上場基準を満たしているとお聞きいたしておりますので、景気が後退している中で、非常にこの期待も大きいかと思います。大臣の御判断も今お伺いいたしましたが、ひとつこの件については御相談をいただきながら、積極的にお願いできれば大変ありがたいと思うところでございます。
 次に、足の次には物流の件についてお聞きをいたしたいと思います。
 昨年のこの委員会でも、私実は車両総重量規制の緩和についてお尋ねをいたしました。御案内のとおり、今物流は、景気低迷の中で燃料の値上げ等も今後待ち受けているわけでございまして、なかなか価格に転嫁できないという厳しい状況にございます。加えて人手不足の問題あるいは道路の混雑が大変厳しいという中、さらに交通安全、公害関連の対策、そして環境問題等いろいろございます。
 こういう中で、やはり一日も早いこの規制緩和が求められているのではないかというふうに認識しているわけですが、そういう点におきまして、昨年の私の質問に対して、大臣も、関係省庁とも十分打ち合わせをして前向きにこの問題について対処していきたいという御答弁もいただきました。今後の、大量輸送ということ、あるいは物流の安定供給、そして何よりも物流はこれまた国民生活に大変密着いたしておりますので、この規制緩和、やはり一日も早くしていただくことがこの安定につながるのではないのかな、そういうふうに認識いたしているところでございます。
 この車両総重量規制の緩和につきまして、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#8
○越智国務大臣 御承知のように、昨年の税制の中で石油税の税率アップということでありますのでございますから、まず第一番に、でき得れば、でき得ればでなしに積極的に、これは運賃を荷主の御理解を得て上げていただくということが大事であります。また、そのとき議論になりました自動車の積載量の問題でございますが、これは建設省で一月に道路審議会に諮問をいただいておるようであります。二十五トン、これはぜひ建設省の御理解もいただいて、なるべく早く実施をさせていただいたら、こういうふうに思っております。
#9
○増子委員 これは、先ほど申し上げましたとおり、物流にとっては大変重要な問題だと思いますので、この件についても今後大臣によろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、空の件でございますが、おかげさまで福島空港、私の地元でございますが、ようやく三月二十日に開港をいたすことになりました。路線も、札幌、名古屋、さらに大阪、さらに今後福岡も開設される見通しでございますので、ようやく福島県にも空の時代がやってきたかな、高速交通体系の中で、高速道路、新幹線、さらにこの空港ということで、まさしく新しい三種の神器のそろった点については、私ども、大臣初め関係各位に改めて心から今日までの御尽力に感謝を申し上げるところでございます。
 こういう中にありまして、実は、第六次空港整備計画の中におきまして、地方空港整備のあり方ということが大変重要な今後の問題になってくると思います。そういう意味では、第六次空港整備五カ年計画に基づいて地方空港整備のあり方、そして福島空港の位置づけというものをひとつお伺いをしたいということ。
 さらに、実は、成田の機能を持ち合わせたその補完空港として今後福島空港が十分その位置づけにあるのではないのかな、そういうふうに私ども認識をいたしております。そういう意味で、成田の機能補完空港としての福島空港の位置づけ、さらに今後、福島空港が非常に首都圏からも近いということも含めまして、福島空港の国際化ということが今後十分期待されるところと認識をいたしております。
 この福島空港の成田の機能補完空港としての位置づけ、そして福島空港の国際化についてひとつお尋ねをしたいと思います。
#10
○松尾政府委員 地方空港につきましては、積極的に六次空港整備五カ年計画の中で進めていきたいと思っております。
 福島空港は、県の設置する第三種空港としてこの三月二十日にオープンいたします。また、六次空整の中で二千五百メートル化の閣議決定もいただいておりますので、開港後の状況も見ながらこれも進めさせていただきたいと思います。
 それから、国際化問題につきましては、非常に首都圏の立地条件として恵まれた空港でございますので、これについて将来の可能性として十分勉強に値すると思います。特に成田は国際の貨物が非常に不足しておりますので、その辺の可能性については私ども、県ともども勉強してまい。りたい、このように考えておるところでございます。
#11
○増子委員 大変今心強い御答弁をいただきました。いずれにしても、今後、陸海空の中におきまして私ども、この運輸行政というものに一緒になって努力をしてまいりたいと思います。
 三月二十日、福島空港開港でございます。大臣、大変お忙しいと思いますが、ぜひ御出席をいただき、花を添えていただければ大変ありがたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#12
○森田委員長 星野行男君。
#13
○星野委員 私は、鉄道整備の問題につきまして何点か御質問を申し上げてみたいと存じます。
 御案内のように、現代はまさに車社会でございまして、あらゆる分野において人間の活動が車によって成り立っている、こう申し上げて過言でないと思うのであります。しかし、この車社会は、私たち人類の将来に大変大きな問題を投げかけているわけでございます。
 第一は、人類共通の貴重な資源であるエネルギー消費が多いということであります。第二は、車から排出される二酸化炭素やあるいは窒素酸化物が、いわゆる大気汚染あるいは地球温暖化という環境について大きな問題を生じている、こういうことであります。さらに、自動車による交通事故で毎年一万人を超える死者、あるいは七十万人を超える負傷者が出ておるということでありまして、これはまさに国家的な損失でもあろうかと思います。さらに、交通渋滞の時間のロスを合計いたしますと百六十万人年、すなわち百六十万人の人が一年間車に閉じ込められている計算になるそうであります。
 このようなことから、自動車輸送に比べましてエネルギー消費が少なく地球環境にも優しい、しかも交通事故はまれであり、さらに交通渋滞もない鉄道が今見直されているのでございまして、我が国がこれから迎える超高齢化社会を考えますと、鉄道の果たす役割はますます重要になり、国民のニーズも高まってこようかと考えます。
 したがいまして、鉄道の整備は緊急の課題であると考えます。御案内の最近の運政審の答申におきましても、鉄道の復権ということが言われているわけでございますが、この点につきまして大臣はどのような御認識をお持ちか、まずお伺いをいたします。
#14
○越智国務大臣 今、お説のように車社会、大変な問題であります。燃料消費量の問題、環境の問題、交通事故あるいは道路の渋滞の問題。でございますから、でき得る限り鉄道に持っていきたい、こういうふうに思っておりますのでございますから、まず鉄道の建設問題、大いに努力をいたしたい、かように思います。
 それから、皆さんの御理解を得て時差通勤等、これも考えて、とにかく今の車社会から鉄道、もう一つ船もあるわけでございますけれども、こういうものにかわっていくようにいたしたい、こういうことで努力をいたしております。どうぞひとつ御協力のほど、お願いを申し上げたいと思います。
#15
○星野委員 ありがとうございました。
 さて、鉄道整備の課題は数多くあるわけでございますが、時間の関係上、ここでは新幹線直行特急、すなわちミニ新幹線と鉄道整備の財源問題について取り上げてみたいと思います。
 まず、新幹線直行特急について伺います。
 昨年七月、御案内のとおり奥羽線福島―山形間新幹線直通運転化事業、いわゆるミニ山形新幹線が開業したわけでございますが、これによりましてどの程度時間短縮ができたのでございましょうか。
 また、時間短縮とあわせまして乗りかえの不便が解消したわけでございまして、このことによりまして利用者がふえたもの、こう考える次第でございますが、利用者の増加は現在の時点でどの程度把握しておられますか、まずお尋ねをいたします。
#16
○秦野政府委員 御質問のいわゆる山形新幹線でございますが、この開業によりまして、それまでは東京―山形間で三時間十分かかっておりましたけれども、「つばさ」の開業によりまして、二時間二十七分ということで、四十三分間の短縮になっております。
 それから、輸送人員につきましては、開業日以降、本年の一月末までの平均輸送人員でございますが、一日当たり約九千人でございます。これまでの比較でございますが、二年度と三年度は軌道工事をやっておりました関係でちょっと比較の対象としては適切ではないと思われますので、その前の元年度と比較いたしますと、元年度は六千三百人でございますので、四三%の増加ということになっております。
#17
○星野委員 この新幹線効果でございますが、ここで私のささやかな体験を申し上げさせていただきますと、実は、上越新幹線が昭和五十七年十一月、大宮暫定開業をいたしました。私は当時、新潟県の小千谷というところで市長をやっておったわけでありますが、何としてもやはり若者の定住のためには企業誘致をやらなければならない、こういうことで奔走いたしました。
 実は五十九年、六十年と、新潟方面では豪雪が続いたわけでございますが、大手電機メーカーの半導体工場の誘致ということで取り組んでおったわけでございます。その大手電機メーカーの責任者が、こういう雪の中で本当にスムーズな営業活動ができるのか、こういうことを大変心配いたしましてこの新幹線に乗りました。御案内のようにスプリンクラーで雪は解けまして、まさに一分一秒もおくれなく実は新潟県長岡駅に滑り込んだ、こういうことで、大変意を強くされまして、この半導体工場進出に踏み切っていただきまして、現在約千五百人の若者が働いております。
 あるいはまた、新潟県では冬は大いにスキー観光が盛んでございますが、新幹線開業前、大体湯沢町の例をとりますと年間三百万人、一冬三百万人というのが、現在は七百万人ということで、新幹線効果によってスキー観光を初めいろんな面で観光客もふえておる、こういう状況でございまして、新幹線による例えば観光訪客、あるいは企業進出、地域開発、大変大きな効果があると私は確信をいたしております。
 そういう点から見まして、この山形新幹線の開業によって、今人員の増という話を聞きましたけれども、観光誘客もふえたのではないか、そう思うわけでございますし、恐らく企業進出あるいは地域開発等々も該当沿線地域で進んでいくのではないか、こんなふうに思うわけでございますが、今、その他に把握しているものがもしありましたら、お聞かせください。
#18
○秦野政府委員 特に数量的に把握しているものはございませんけれども、先ほどの輸送人員等から推測いたしまして、山形地方の活性化に非常に役に立っだということは確かだと思っております。
#19
○星野委員 さて、ミニ新幹線の建設コストでございますが、山形新幹線は延長八十七・一キロ、工事期間は五年間で仕上がったということでございますし、総事業費は、車両費を除いて二百七十三億円、したがってキロ当たり三・一億円、こういうことでございまして、いわゆるフル規格の新幹線に比較をいたしますと工事期間は極めて短い、また、いわゆるキロ当たりの工事費も、総事業費も恐らく十分の一から十五分の一くらいではないか、そんなふうに考えるわけであります。
 関連いたしまして、昨年着工した秋田新幹線の延長と、予定しております総事業費あるいは完成年次についてお聞かせをいただきたいと思います。
#20
○秦野政府委員 ただいま御質問の田沢湖線あるいは奥羽線との新幹線の直通運転化でございますが、延長キロが百二十七キロメートル、総事業費が五百九十八億円でございます。平成八年度の完成を目指して現在工事を進めておるところでございます。
#21
○星野委員 この事業費もキロ当たり五億円弱ということでございましょうか、いずれにしても大変コストが安く上がる、こういうことで、期間も短い、こう思うわけでございます。
 そこで、ミニ新幹線につきまして、私たちは今まで、狭軌の在来線に新幹線を乗り入れる関係から、在来線の軌道を三線軌道とか、あるいは四線軌道に改良する必要がある、こう認識をしておったのでありますが、最近では、新幹線の車両の車輪幅を調節することによって狭軌の在来線にそのまま新幹線乗り入れを可能にする研究が始まっている、こんなふうに伺いました。このことができればすばらしいと思うのでありますが、その研究の現況あるいは見通し等について、お聞かせできるものがあったら御説明を願いたいと思います。
#22
○秦野政府委員 先生今御指摘のとおり、新幹線と在来線との間を直通運転します場合に、車輪の幅を調整するということによってその直通運転を可能にするという考え方があるわけでございます。
 これは軌間の異なります鉄道線路同士をいわゆる大規模な投資なしで直通運転ができるということで大変メリットがあるわけでございまして、外国でも、御案内のとおりフランスとスペインの間の国際列車の一部で既に実用化されておるわけでございます。ただ、この場合はいわゆるモーターを持っておりません客車でそれをやっておるわけでございまして、新幹線の場合にはいわゆる電車でもございますし、高速運転をするということでもございますので、これが直ちに日本の方に採用できるかどうかということは大変難しい問題があろうかと思っております。
 現在、一部の鉄道事業者の方あるいはメーカーの方でそうした可変の台車の研究が始まった段階でございます。今後その信頼性その他について十分確認をした上で実用に移るということでございますので、実用化までにはまだ若干研究開発の期間が必要ではないかというふうに考えております。
#23
○星野委員 ぜひ積極的にお取り組みをいただきたいとお願いを申し上げておきます。
 いずれにいたしましても、ミニ新幹線はカーブの多い在来線の線形改良とか、あるいは踏切の立体化とか、いろいろなものが必要になってはまいりましょうけれども、基本的には在来線の軌道を活用するため、用地買収の時間とか、あるいは費用がほとんどかからない、そしてまた工事期間も短く、工事費もフル規格の新幹線に比べて非常に安く上がる、こういうことでございますので、いわゆるフル規格の新幹線の効果を面的に拡大をする、そういう効果、あるいは国土の有効利用ということを考えますと極めてその意義は大きいのではないか、こんなふうに考える次第であります。
 御案内のように、新幹線につきましては整備計画線が決定されているわけでありますが、現在着工され、あるいは着工予定しております三線五ルートだけでも今後完成までには十年間もかかろう、こういうふうなお話でございますから、この整備新幹線の全体の完成はまだ相当先になるのではないか、こんなふうに思われるわけであります。
 そういたしますと、昭和四十八年に既に決定されております基本計画線十二線三千五百十二キロメートルなどは、これはまたいつ手がつくか全く見当もつかない、こういうことでありまして、新幹線建設を待ち望んでおります沿線の住民にとりましてはまさに百年河清を待つようなものだ、こう思うわけであります。そのうちに、我が国は超高齢化社会に突入して社会保障に大きなお金がとられる、大型の公共投資はなかなかやりにくくなるというふうに思われます。
 したがいまして、この基本計画線の見直しを含めてミニ新幹線の全国的な整備計画を立て、これについて積極的に取り組んでいくことが財政の効率からいっても、あるいは地域のニーズにこたえる意味からいきましても非常に必要なことではないか、こんなふうに思うわけでございますが、この点につきましては大臣の御所見を賜りたいと存じます。
#24
○越智国務大臣 先生お説のように、ミニ新幹線は非常に大事だ、かように思います。鉄道は、やはり一番は安全でありますけれども、その次は快適である、かように思います。この快適ということには、スピードの問題、これが多々ございますのでございますから、こういうことを十分研究し、勉強して、お説のように努力をしてまいりたい、かように思っておる次第であります。
#25
○星野委員 よろしくお願いをいたします。
 時間でありますけれども、もう一点。
 新幹線を含めた、あるいはミニ新幹線あるいは都市鉄道等々を含めた鉄道整備のためには今後多大の投資が必要になってこようと思うわけであります。その財源問題でございますが、御案内の運政審の答申、平成四年六月十九日答申第十三号によりましても、鉄道事業者のリスクがますます大きくなるというようなことから、社会資本としての鉄道が社会の期待にこたえていくためには、今後国は鉄道整備の方向を示し、あるいはまたさらに公的な支援も行うことが必要である、こう書いてあるところであります。
 そういうことから見まして、こういう幹線鉄道については、国家的な見地から、道路と同じように、車両以外の鉄道施設は国または地方自治体が公共事業方式で整備を推進すべきである、私はこういう認識を持っているのでございます。御案内のように、さきに既設の新幹線の譲渡の収入あるいは国の補助金等を入れて鉄道整備基金、まあ特殊法人をつくったわけでございますが、平成五年度予算の中でこの鉄道整備の概略事業費はどのくらい予定しているのでありましょうか。
#26
○秦野政府委員 トータルで申しますと、整備新幹線の関係を申しますと、国のいわゆるNTT・Bの枠でやっておりますのが百七十七億円でございます。新幹線総事業費といたしましては約千六百億円を予定いたしております。そのほかに無利子貸付あるいは地下鉄工事等々ございますが、それもまた数字を申し上げますか。
#27
○星野委員 結構です。
 わかりましたが、いずれにしても、道路整備の十一次五計で七十六兆円という投資規模が決まったわけであります。これは五カ年ですから五で割ると十五兆円からになるわけですね。これに比べると鉄道整備というのはいかにも貧弱である、こう思わざるを得ないわけでありまして、御案内のようないわゆる旧国鉄債務を、これから旧国鉄用地の売却とかJR株式の売却とか、そういうことで埋めていくということでありますが、そういうことで旧国鉄債務を減らした分くらい、これは国の方で公共投資方式で一般会計から繰り入れるべきだ、私はそういう考えを持っておりますので御検討をお願い申し上げたいと同時に、明治政府があの財政の乏しい中、全国に鉄道を張りめぐらせた、これは大変な偉業であったと私は思うのであります。どうぞひとつ、車社会は頭打ちで限界であろうと思いますので、これから二十一世紀を展望した交通体系の中での鉄道の果たす役割は非常に大きくなる、そういう考え方から、発想を転換して、鉄道整備に積極的に取り組んでいただきたい、こう考えております。
 このことをよろしくお願い申し上げまして、残念でありますが、時間でございますのでこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#28
○森田委員長 山中末治君。
#29
○山中(末)委員 野党として一番最初に大臣の所信表明に対する質問をさせていただくわけであります。
 質問に先立ちまして、まず大臣の御就任を心からお祝いを申し上げます。顧みますと、私、今度の委員会、これで三年目でございますが、大臣が四人おかわりになったということで、大体任期は一年、こういうことになります。ですから、大臣が非常に立派なことをやろうと考えておられましても、そのような制約もあるのじゃないかと思いますので、大臣の御任期中に、越智大臣は本当に立派な仕事を残された、こういう実績をひとつおつくりいただきますことを最初に強く要望を申し上げるわけであります。
 それでは質問に入ります。
 交通運輸というのは、いつでもどこへでも、いわゆる安全に、そして正確に、快適に人や物を運ぶ、こういう大きな目標のために日夜関係の皆さん方が努力をされておる中でありますが、ややもしますと、昨今いわゆる利便性、経済性、こういうものが重んぜられて、一番大事な交通の根っこにある安全性というものがなおざりになりがちじゃないかなという感じが実はいたします。そういうことになると大変でございますので、大臣の御就任の最初の質問に、安全の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど話もありましたが、新幹線、営業を開始して以来大きな人身事故はなしに今日を迎えることができた。これはみんなの御尽力のおかげだというふうに思いますが、それじゃ本当に何もなかったのかということを振り返ってみますと、はだえにアワを生ずるような、一歩間違えば大事故につながるようなこともありました。
 これは三〇〇型の車両を使ったひかり号ですね。これが、モーターをつっている段付ボルト、これが緩んで外れて、あとの二本が緩んでいる、四本のうち。そしてピン二本部分が脱落してラバーホースを傷つけて急停車した、こういう事故があるわけです。私はその後ろの車に乗っておりましたので当時の状況をよく知っているわけですが、本当に一つ間違えば大事故につながるということでありますから、安全性ということについては、言葉の上だけの安全性じゃなしに、実質的に、現場でどのような安全教育とか安全マニュアルをつくるとか安全の指導をしているとかということをひとつお聞きをしていきたい。
 私自身、安全ということで鉄道とつき合いしてきたのは私の歴史で四十年あります。ですから、今全国各地に「今日も安全」という標語がまだ残っておりますが、あれは昭和二十年代に私がつくって提案したものなんです。あれはタオル一本賞品をもらいましたけれども、まさかあんな大きな反響があるとは思わなかったのですが、それ以来四十年たっておりますから、特に安全面については注意していかなければならぬと思いますので、まず最初に大臣の決意のほどをお聞きしたいと思います。
#30
○越智国務大臣 大臣に就任いたしましたお祝いの言葉、まことにありがとうございます。先生も影の内閣の運輸大臣に就任をされたようであります。心からお祝いを申し上げますとともに、特にこの四十年、こういう安全の問題をずっとやっておられた、そういう経験も踏まえていろいろ御議論を賜り、さらに安全確保のために努力をしていきたい、かように思っております。
 そこで、大臣は一年や一年足らずで交代いたしますが、ずっと継続性で申し送りをいたしまして、引き継ぎ事項をずっと守ってやっていきたい、こういうふうに思っております。また、私もさらに努力をして、皆さんの御理解をいただき、ひとつ努めていきたい、かように思う次第であります。
 そこで、安全というのは交通関係、運輸関係の基本でございます。何といいましてもまず第一番に安全、それから快適、スピードの問題等もございますけれども、スピードを速くすることは結構でございますが、安全で速くなるということで、まず安全を考えてやっていかなければならない、これが基本である、こういうふうに考えております。
 でございますから、教育を含めて、これは技術的な面もございますけれども、技術だけでなしに、やはり人が扱うわけでございますから、そういう安全に対する教育、これも徹底して進めてまいりたい、かように思いますので、どうぞよろしく御支援、御指導のほどをお願いいたします。
#31
○山中(末)委員 安全性の確保を車両、航空機、船舶等の運航の基本として施策を講じていくし、大臣がおかわりになってもそれは確実に重点施策として申し送っていく、こういうことでございますから、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 残念ながら、安全を重視した施策等をやっておりましても発生するのがやはり事故です。ただ、だから、事故が発生するんだから、安全はちょっとぐらいなおざりにしてもいいんじゃないかという考えは成り立たない。安全を徹底してやったからこそ、例えば数件の事故が一件の小さな事故で済んでしまうということになりますから、特に安全面の重要視ということをひとつ重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 それで、話題が変わりますが、安全というのと、もう一つは事故が起こって次は再発を防止するということですね、こういう作業がございます。それはやはり原因を追求して的確な結論を出して、それを教訓として次の事故発生というものを防いでいく、こういうことになってきますが、率直に申し上げますと、航空事故につきましては、これは事故調査委員会というのがございます。船舶の海難事故につきましては、いわゆる海難審判庁ですか、そういうところがある。陸上交通、特に鉄軌道等については、事故が発生してもそういう事故調査委員会のようなものがないのですね。
 これはやはり設けたらどうですか。外国にはあるようですね。それでやはり専門家が速やかに事故を調査して原因を探求して、そして早くそれの教訓を次に引き継いでいくということをすべきだと思いますが、信楽事故が起こって一年六カ月ぐらいかかって、そして発表が最近ございましたけれども、いかにも長いじゃないですか、究明期間が。難しいことであっただろうと思いますけれども、ですから、そういう面から考えてもやはり専門の方で事故調査委員会等を編成してもらって、ぞしてそれで動いていくというふうにしなきゃならないと思いますが、いかがでございますか。
#32
○越智国務大臣 この安全の問題は、先ほども申し上げましたように、基本でありますのでございますから、海運、航空、陸運、特に鉄道の問題、鉄道軌道の問題、お説のとおりである、かように思います。
 そこで、まず事故を起こさないようにすることが第一番でありますが、お説のように、事故が起こった場合には速やかにそれを究明して再発防止に努めなければならない、これも同感でございます。信楽高原の報告、一年六、七カ月かかりました。確かに長い、こう思いますが、今後努力をしていきたい、かように思います。
 事故調査委員会の問題につきましては、航空、海運はございますが、鉄道軌道についてはございませんので、これはよく検討をさせていただきたい、こういうふうに思います。
 一年六、七カ月かかった、ちょっと長いのですが、これは原因がいろいろ複雑に重なっておりまして、担当者は鋭意努力をいたしたのでございますけれども、こういう結果になりました。できるだけ速やかにやらなければならない。また、先ほど言いましたように、人間教育、人の教育ということも含めて事故が起こらないようにする、あと事故が起こった場合にはできるだけ速やかにこの検討をするということが大事である、こういうふうに思うのは同感でございます。
#33
○山中(末)委員 御検討なさるということでございます。ひとつよろしくお願いを申し上げたい、このように思います。        .
 先ほど大臣の方から、あなたも影の内閣でというふうにおっしゃいましたけれども、私たちが運輸を担当するということになれば、これは調査委員会をすぐ設けます。これは今申し上げておきます。これはお返しの意味ではございませんけれども、ありがとうございました。
 それでは、その次の問題に移ります。
 自動車局長さんの通達で、都道府県のバス協会を通じてバスの活性化対策のための活性化委員会、これを常設化されて地域に密着したバス活性化のための方策について定期的に検討されることが望ましい、こういうことで奨励をされています。ほとんど全国でできているのじゃないかというふうに思います。
 まず質問の一つは、中央の段階でも運輸省、建設省、警察等で連絡会議を持たれていますね。課長さんクラスですかでつくられて、それは今完全に機能していますか。まずそれを一つお尋ねしたいと思います。
#34
○土坂政府委員 今仰せになりましたような趣旨で、地域に密着したバスの活性化対策を御検討いただくということで、各県単位で関係者が集まって検討していただく場をつくっていただきました。
 その前提としまして、どういった考え方でこの委員会を運営していくかという基本的な考え方あるいはその制度の、制度といいますかどういう方を構成員にしてどんなふうに開いていくかという、ある意味では制度面、こういったようなことを中央段階でやはりよく調整をした上で地方でやっていただく必要があるだろうということで、中央レベルでも委員会をつくったということでございます。
 この中央段階は、委員会は昨年三月に一回開いた状況でございまして、その後開いておりませんが、これは今申し上げましたような趣旨でございますので、基本的な物の考え方なり、あるいはその運営の制度面で調整をする必要が生じたときに逐次開いていくという考え方でやらせていただきたいと思っております。
#35
○山中(末)委員 中央の方はうまく機能しているということであります。
 それで、地方の問題ですけれども、特に地方の場合、先ほど申し上げたように、地域に密着したバス活性化の方策について定期的にいろいろ相談してやっていくということで、そのメンバーが地方運輸局、陸運支局、地方公共団体、道路管理者、府県警本部、それから県のバス協会、その他必要と認められる者、こういうことでメンバーが決まってございますね。調べてみますと長野県、高知県、愛媛県、香川県等がそのメンバーの中に、その他必要と認められる者の中に、地元のバスの運転とかをやっています。そういう労働組合の代表も入っているということでございます。これはいいことだなと私は考えたのですが、今のところは長野、高知、愛媛、香川各県、これは御存じのことだと思います。
 昔から言われていますけれども、川のことは川に聞け、道のことは道に聞け、これは名言だと思いますが、川に聞いて川が物を言うわけではありませんから、これはやはり現場に聞け、現場の意見を大事にしろ、こういうことだと行政上は私どもはとらえてきたわけです。
 そういうことから考えますと、その他必要と認められる者の中に、いつも問題になりますけれども、地元のバス等に従事している方の組合の代表を入れてはどうかな。これはバス脇の方で、県段階で協議されるのでということでありますけれども、局長さんの方から適切な指導を願って、そしてそこで現場の声も聞きながらバスの対策というものを練り上げていくということになれば一番いいと思いますが、御見解をお聞きいたしたい、このように思います。
#36
○土坂政府委員 バスの活性化のために関係の人たちの知恵と力を集めてやっていかなければいけないわけでございますが、その際に、今仰せになりましたように、現場で運転をするという格好で一番現場を毎日御存じの方に入っていただくというのは大変有効なことであると私は思っております。
 それで、今お話がありましたところは既にお入りいただいておるわけでございますが、私ども、運輸局に指導をいたしまして、労働組合の方からお申し出があった場合には、関係のほかの委員との間で適切な調整をして御参加いただけるような方向で努力をしてくださいということを申し上げて指導しているところでございまして、今既に、そのほかに十三の地元の労働組合の方から御参加の要望が来ております。これにつきましても、今先生が仰せになりましたような趣旨で実現するように運輸局を通じて努力をしてまいりたいと思っているところでございます。
#37
○山中(末)委員 どうもありがとうございました。
 大臣の地元でも既にそういうふうにしておられる、こういうことであります。今局長からお話がありましたように理解を願っているわけでございますから、よろしく御指導のほどをお願い申し上げたい、このように考えます。
 次は、労働力の問題であります。
 前運輸大臣の諮問に基づきまして、今後のタクシー事業のあり方について運政審のタクシー事業特別委員会が種々御検討なさっていると聞いていますけれども、諮問の基本的な視点は、二十一世紀に向けてのタクシー事業のあり方を問いかけ、その柱として事業規制と労働力の確保を総合的に検討を求めていく、内容につきましてはこういうふうに私は理解しております。これで間違いがないと思いますが、いかがでございますか。
#38
○土坂政府委員 タクシーの問題につきましては、行革審から規制緩和の指摘を受けて、運政審で現在御審議いただいておりますが、今まさに仰せになりましたように、単に規制緩和ということだけでなくて、将来のタクシーのあり方はどうすべきかということをまず御検討いただく、それを達成するための施策というものをまた総合的に御検討いただく、その一環として規制緩和の問題も考えるということで、仰せのように、規制緩和に限らずもっと幅広い見地から総合的な御検討をお願いしている、こういう段階でございます。
#39
○山中(末)委員 その点は意見が一致をしております。
 局長はそのようにおっしゃっていますが、漏れ承るところによりますと、論議が答申の趣旨を多少それで、規制緩和の方向に傾斜しているのではないかなという心配が私どものサイドには実は聞こえてきます。その審議の内容にまで立ち至ってどうのこうのではないのですけれども、そういう心配があるのです。
 それで、運輸大臣が当初に申されております初めに規制緩和ありきではないよということ、今まで委員会でも局長も言われておりますが、そういう立場を貫いていただきたい。これは規制緩和と労働力の確保と二つですからね、聞かれていますのは。だから、片一方の方ばかりでなく、労働力の確保のファクターも大いにふやしてもらう、そういう立場を貫いていただきたいと思いますが、大臣いかがでございましょうか。
#40
○越智国務大臣 規制緩和と労働力の確保、非常に大切なことであります。今後、その点よく検討をしながら進めてまいりたい、かように思います。
 特に、今若年者が非常に少ない。タクシー等は余り若年者はどうかと思いますけれども、といって高齢者ばかりでも後を継続してやってくれる人がなくなるという心配がございますのでございますから、やはりその点も考慮して、両々相まって進めてまいりたい、かように思う次第であります。
#41
○山中(末)委員 質問を大臣に先取りされたような感じがします。
 よく御存じですが、実はそのとおりですね。バスの運転手さんもそうなんですが、いわゆる大型二種免許等を持っている方が非常に少なくなった。特に今、大臣がおっしゃったように、若年、三十歳以下の方の免許所持者が非常に少ない。と同時に、言いたくないのですけれども、職場としてはいわゆる三Kだ、汚いとかきついとかいう職場で、なかなかやってこない、人がない。これは今業界も労働組合も通じての非常に大きな悩みなんですね。大臣もそのようにおっしゃってもらいましたので、あとは具体的に大型二種免等を持った人をどういう形で養成していくのか。これは方法はあると思いますね。
 もう一つは、今の職場環境、処遇、待遇の問題をどうしていくのか。これはもう気がつかれて、タクシーの運賃改定のときも、これはそこに勤めている人の処遇を改善するための、給与を改善するための値上げたよ、こういうことでやってもらったのですが、その効果がまだなかなか上がってきていない。依然として労働力が不足しているということでありますから、賢明な大臣ですからこれ以上言わなくてもいいと思いますけれども、どうして養成していくかということと、その職場に喜んで入ってきてもらえるような環境、労働条件を含めたものをつくり上げていくか、これはもうひとえに大臣の決意次第だ、このように思います。
 本当に若年の運転者が少ないという御認識はもう私の質問の前におっしゃったわけですから、深い御認識を持っていただいていますので、大臣の決意次第でこの労働力の確保ということが展望されますようにお願いしたいと思いますが、大臣、もう一回ひとつそれで頑張るということを、決意の表明をお聞きしたいと思います。
#42
○越智国務大臣 お説のように、二種免許で、最近タクシーの場合は女性の運転手さんも大分進出してまいりました。これは非常に感じがよくて、女性に入っていただくのはありがたい。さて、バス、特に大型のバス、これの運転手さん、これも高齢化しまして、お説のように若い方がいない。これは憂慮すべきことだ、かように思っております。余りうんと若い人ということもちょっと、最近交通事故の問題もございますが、おいおい三十歳前後というような方が進出してくれることを非常に望んでおるわけです。
 そこで、その教育につきましては、免許関係は警察の公安委員会の問題ですが、よく連絡をいたしまして努力をしてまいりたい。
 特に、余談でございますが、私四国です。四国には八十八カ所という、これをめぐるところがございます。これは皆山道でございますので、非常にカーブ等が多くて危険な状態でありますのでご保ざいますから、どうぞ事故が起こらなければいいがというふうに私自体も心配をいたしております。
 少なくとも、大型でも小型でも、非常に優秀な立派なバスの運転手さんをぜひとも養成したいものだ。また、時間短縮等もございまして、もう先生の方が専門でございますけれども、そういうことからいいましても、優秀な立派な運転手さんを養成する、そして就労をしてもらう。そして運賃値上げ等の場合にはそういう待遇改善、こういうことにも労使双方話し合ってぜひとも進めてもらいたい、私はこういうふうに考えております。
#43
○山中(末)委員 大臣は、みずから御諮問なさった諮問内容でございますところの労働力の確保についての明確な答申が得られる、このように自信を持っておられるように承りましたが、そのように理解をさせていただきます。
 また、なお具体的なことについても今一、二例を挙げて申されました。ひとつ、答申を得られて具体的にお進めいただくことを強く要望申し上げる次第であります。
 次に移ります。
 今度は補助金の問題であります。今度補助金を統一して二分の一にするとか三分の二にするとか、直営事業を措置するとかいう話がありますが、その話じゃなしに、まず最初は地下鉄の問題です。
 たしか昭和五十九年度だったと記憶していますが、私その当時建設委員でありましたけれども、補助金の削減の問題が財政上出てきまして、そして補助金等が軒並み削られたという時期がありました。たしか竹下大蔵大臣のときでした。その後、運輸当局の御尽力によってだんだん回復をしてきて、五十九年度時点まで回復してきた。これは御尽力を多としているものでありますが、地下鉄の場合は一時、供用を開始した時点で補助金を出す、こういうことにされたことがありますね。
 それは、制度としては今もとへ戻ったわけですけれども、その当時のいわゆる未支払い分といいますか、これが残っています。これも逐次減っていって支払いされていますが、この未支払い金の総額で結構です。
 それからもう一つは、未支出金の解消の時期をどのあたりに置いておられるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#44
○秦野政府委員 先生御指摘のとおり、地下鉄の補助金につきましては、これまで大変厳しい国の財政事情のもとで、やむを得ずいわゆる繰り延べという措置をとっておりまして、関係の事業者の方には大変御迷惑をおかけしておるわけでございますが、現在平成三年度末の残額が四百五十一億円でございます。
 当然のことでございますけれども、私どもとしてはこれを可能な限り早く解消いたしたいということで努力をいたしておりまして、平成四年度予算におきましては、補正予算を含めまして百二十八億円を回復をいたしました。また、五年度予算案では二十七億円をさらに回復をいたす予定でございます。したがいまして、五年度末の残額は二百九十五億円となる予定でございます。内訳としましては、公営事業関係が八十二億円、それから営団が二百十三億円でございます。
 もちろん今後とも、財政事情との関係がございますけれども、私どもといたしましてはできる限り速やかに繰り延べが解消できますように最大限努力をいたしたいと考えております。
#45
○山中(末)委員 よくわかりました。
 地下鉄、公営企業というのは、特別のところは別として、大体供用を開始してしばらくの間赤字が続く、こういう状況にあります。何か気分が暗くなるのですよね。だから、その未支払い金が残っていて、それの影響で余計職場の気分が暗くなる。局長が今おっしゃったように、一刻も早くこれを正常な形に戻していただいて、それで自分たちのお互いの努力によって顧客もふえていって、まあ、とんとんぐらいに持っていこうじゃないかという意欲が出てくるように、ひとつ一層の御尽力をお願い申し上げたい、御要望申し上げます。
 その次はバスの補助金関係なんですが、これは特定のことは申しません。例えば予算見積額がございます。要求額、要望額がございますね。それは、見積額に対して要望額、いわゆる積算基礎がうまくなくて、要望額よりも予算計上額の方が少なかったという場合が実は多少ありましたね。そういう場合は、行政としては予備費を流用するとか補正を組むとか、額にもよりますけれども、何か適当な方法で予算額に不足する分、要求額に不足する分は支出していくというようなことはできないわけでしょうか。一般論で結構ですから、ちょっとお伺いしたいと思います。
#46
○土坂政府委員 予算額は、見込みで実は予算要求をいたしまして、査定をされてっくわけでございますが、実際に申請というか要望額が、出していただくとそれを上回るということが過去にございました。大変御迷惑をおかけして申しわけなかったわけでございますが、それの一番基本的な対策は、やはり見込みを見積もりの段階でできるだけ適正に見積もって、そのために必要な予算を確保していくということが一番基本であろうと思います。
 そういう意味で、かつて、具体的には平成二年度に問題のあったときがございましたけれども、その後三年度、四年度、そういうことが問題のないようにやってきておりますし、これからも見積もりの段階で十分注意をして、そういうことが起きないようにというつもりでやっていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#47
○山中(末)委員 今局長の言われたとおりだと思うのです。ただ、その場合、いわゆる予算補助がございますね、それから法定補助がございますね。今まで運輸省の方はそういうことなしに、大体一〇〇%要望額に対して交付をしてこられたというふうに私は記憶しているんですがね。ほかの省庁の場合は、予算がないから削りますというようなことがあるんですよ。二分の一以下の補助金ということが書かれていて、二千万の工事費を要する事業について百万円しか補助金を出さぬとか、運輸省じゃないですよ、ほかの省ですよ、過去にあるんですよ。
 そんなまねしてほしくないというのと、やはり予算補助であろうと法律補助であろうと、決めた制度はひとつ実行してもらう、もしも今私が心配していますようなことが起これは、適当な方法でひとつそれは補てんをしてもらうという決意を言っていただけないか。もう二度とないとは思いますけれども、もしもあればということでひとつお願いします。
#48
○土坂政府委員 何よりも見積もりの段階で適正に見積もりをして、その御期待に外れるようなことがないようにということで、最大限の努力をいたします。その上で、それができない場合にどうするかということは、またその段階で最大限の努力をしていくということでやらせていただきたいと思います。
#49
○山中(末)委員 一件について積算違いがあったんですが、それは適切に処置をしていただいたというふうに考えております。
 それからその次は、これが大きな問題であります。大臣、欠損補助制度という制度が中小私鉄の中にございまして、これは中小私鉄が赤字になった場合、その赤字額を補てんする、こういう制度が昭和二十九年度から創設されて実行されてきたわけですが、最近、業界の新聞も含めていろいろな新聞で、これを打ち切りにする方針を運輸省は国かたということでずばっと何回も載りまして、そのたびにどきっとしておるんですけれども、局長さんとか担当の課長さんとか担当の方からよく聞いていますが、ここでちょっと確かめておかぬと、新聞の報道が間違いなしであるということになってくると、何かちょっと先走りしているのと違うかなという感じがするときもありますし、だから委員会でちょっと確認をしておきたいと思います。
 それからもう一つは、その新聞の記事等に対しまして、地元の地方公共団体からいろいろな意見が出てきていまして、運輸省の方へもこれは行っていると思います。そういうこともあわせましてお聞きしておきたいと思います。地域が一体となって乗客増を図るなどの努力を計画として出していただいて示してくれれば、打ち切りを先延ばしして十分検討することもあり得る、こういうふうに私は理解しているんですが、そういう解釈でよろしゅうございますか、一件ごとですけれども。
#50
○秦野政府委員 中小民鉄に対します欠損補助でございますが、これはもう先生御案内のとおり、バス輸送への転換が困難、あるいは鉄道によります輸送が継続されませんとその地域の通勤なり通学の足の確保ができないという場合に、一定の基準を設けましてその欠損に対する補助を行っておるものでございます。
 ただ、言葉は悪いのですが、いわゆる補助の垂れ流しというようなことになってはいけないということで、その鉄道の輸送量ですとかあるいは道路の整備状況等によって、バスに転換することが可能かどうかというようなことを毎年チェックさせていただいておるというのが実態でございます。
 その中で、バス転換が可能である、あるいは経営が好転して黒字になるというような要件になりました場合には、その補助の対象から外すということは当然あり得るわけでございますが、一部新聞等に出ておりますように、補助制度そのものをやめてしまうというような趣旨では全くございません。
 したがいまして、その場合には個々のケースにつきまして十分お話を伺った上で適切に対応していきたいというふうに考えておりますが、その増速計画なるものが本当にそのようになるかどうかということについては、十分な検証が必要だろうというふうに考えております。
#51
○山中(末)委員 私がお聞きしたような内容で、一件ごとにそういう努力したものを出してもらって検討していく、こういうことであります。これは国と地方公共団体がそれぞれ二分の一を負担されているわけでございますから、運輸省の方の御指導が大きいとは思いますけれども、ひとつ地方公共団体の声にも十分に耳を傾けていただき、そして計画書の御検討をお願いしておきたい、このように思います。
 それでは、次に移らせていただきます。
 これも大臣の得意な分野ではないかと思いますけれども、景気後退が始まって二年ぐらいたつわけですね。それで、景気浮揚のきっかけがなかなかつかみにくい、さらに落ち込んだらどうしようか、こういうことで悩んでおられる方々が非常に多い、こういうふうに新聞等にも書かれております。
 原因はいろいろ言われていますけれども、今その原因をどうしようというのじゃなしに、景気の問題は大蔵省と日銀と経済企画庁の担当なので、ほかの省庁はじかに関係ないなどというような考え方でいてはこれは大変だなというふうに思います。やはりほかの省庁もこの景気浮揚について、文部省は何をしたらいいのか、厚生省は何をしたらいいのかということをそれぞれの省で考えてもらって、これを施策に反映して景気の浮揚を図る、私は非常に大事じゃないかというふうに思うのです。
 そこで、ちょうど今いい時期じゃないかなというふうに考えまして御提案をしたいわけですが、その前に、現時点で電車の駅等の設備の整備の年次計画、こういうものが策定されていますか。策定されていましたら、その状況はどういう状況ですか。これが一つです。それから、今後新しい年次計画をつくって対策を拡充されるべきだと思いますが、その点についてはいかがなものですか。この二つ御質問をさせていただきます。
#52
○秦野政府委員 先生のお尋ねは、鉄道の駅におきますいわゆる障害者なり高齢者の方々に対する設備をどのように進めていくのかというお尋ねであろうかと思うわけでございますが、私どもでは、昭和五十八年でございますが、公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備のガイドラインというものを作成いたしまして、鉄道駅におきますエスカレーターあるいはエレベーターといったような設備の設置のための指針を設けまして、これに従って整備をするようにということで各事業者を指導しておりまして、現在まで各事業者におきまして努力を進めておるところでございます。
 若干具体的に申しますと、エスカレーターにつきましては、その整備を計画的に進めるということで平成三年に、鉄道駅におきますエスカレーターの整備指針というものをさらに定めまして、鉄道事業者を指導いたしております。これに基づきましてJRあるいは大手民鉄で整備計画をつくっておりまして、平成八年度までに、両方合わせまして約三百駅にこれの設置を計画しておるところでございます。
 また、エレベーターにつきましては、エスカレーターに引き続きまして、この整備指針のあり方について現在検討を進めておりまして、基礎調査を行っておるという段階でございますので、もうしばらくお時間をちょうだいいたしたいというふうに考えております。
#53
○山中(末)委員 ありがとうございました。
 今そういう計画がおありになるようですが、大臣、これは私、さっき表題を言うのを忘れましたけれども、障害者とか、あるいはまた高齢者、いわゆる交通弱者と言われている方々のための設備でございます。そういう計画がありますね。これは大臣を前に置いて言うのは失礼ですけれども、大臣のことを申し上げるわけじゃないのですけれども、このごろの大臣は覇気がなくなりましたね。この機会に、景気回復のためにひとつ覇気を出していただいて、覇気というのは他を圧する気性だそうです、他を圧する気性、これを出していただいて、そして今局長のおっしゃったようなそういう長年の計画、年次計画等をうちの運輸省はここ二年くらいでやり遂げるというくらいの予算要望をひとつしてもらえないか。これは景気回復に非常に大きな影響があると思うのです。
 運輸省、運輸大臣がそういうことでなさると、ほかもやはりなさると思うのですよ。私は、これは大事だと思うのです。そうしたら、みんな景気回復のための施策というものはどういうふうにしたらいいのかなということがわかってくる。だからひとつ大臣として、今局長からお話がございましたようなことをひとつやってみようと、大蔵省とけんかするわけじゃないのですよ、要望するということ、運輸省としてはこれをやるんだということでのろしを上げていただく御決意があるかどうか、お伺いを申し上げたい。.
 私も視察をさせていただきましたので、現場の形はよくわかっています。なかなかやりにくいところもございます。しかし、これはやるんだということで馬力を出していただけるかどうか、決意のほどをお伺いしたいと思います。
#54
○越智国務大臣 今先生のお説でございますが、景気回復というのは非常に大事なことであります。それから、今局長から御説明申し上げました身体障害者あるいは高齢者に優しい交通機関、これも大事でありますのでございますから、先生の仰せのとおり、その点大いに進めてまいりたいと思います。
 景気回復については、公共工事は今予算委員会で御審議をいただいておるのであります。さらにJRとかその他にいろいろやっていただく、この点も進めたい、こういうふうに思っております。そして、我が運輸省自体で、民間でやっていただく例えば船の二重構造、こういうもの、ただ、住宅は大事でございますけれども、住宅だけで景気浮揚というわけにもいきませんので、あらゆる努力をしないといけない、こういうことで指導をしていきたい、こういうふうに思います。先生のお説の今の身体障害者に優しいエレベーターとかエスカレーター、この点についてもできるだけ速やかにやるように指導をしていきたい、こういうふうに考えております。
#55
○山中(末)委員 ありがとうございました。越智大臣ならやってもらえるというふうに信頼していますから、ひとつよろしく御努力をお願い申し上げておきます。
 あと少しの時間になりました。
 私が夜遅く官庁街を通りますと、こうこうとランプがついています。外からですが、仕事をしておられる姿が目に浮かぶようなことです。これは昔から変わりませんね、今も。それで、皮肉な気持ちで言うわけじゃないのですけれども、原則として拘束時間以上、勤務時間以上の勤務というのは時間外超過勤務ですか、時間外勤務というのか、そういうことで法律で定められています。これはあれだけ、ほかの省庁も一緒ですけれども、きょうは運輸だけですから運輸のことを言いますと、あれだけこうこうとして遅くまで仕事をしてもらっていますが、まさか課長さん以上ばかりが仕事をしておられるわけじゃないと思いますね。そうすると、時間外勤務手当を支給される方が残業しておられる、こう私は見ているわけです。これは皮肉じゃないのです。見ています。
 そうすると、今の状況ではそれがどうなっているのか。私、市長をやっております時代は、予算を組む前に自治省から連絡がありまして、来年度の当初予算は時間外勤務手当は三%に抑えるとか六%までいいとかいう指示がありまして、金が足らぬのはわかっておるのだけれども、当初予算は三%にしようかということで三%だけ計上して、そして二、三カ月たてばなくなってしまってまた補正追加やらなければいかぬという目に何回も遭うてきました。多分本省の方もそういうことじゃないかなというふうに推察するわけです。
 しかし、これはお釈迦さんに説法のようですけれども、時間外労働をするというのは、生活費をもらうということではなしに、自分の疲れた体、労働力の再生産といいますか、そういうものに使うために時間外手当を支給する、こういうことだと私は理解しているのです、それが家計費に使われるかどうかわかりませんけれども。そういうことになると、本当に毎晩遅くまで頑張ってもらっている、また頑張らねばならないという状況があるということもよく承知していますから、頑張っていただいているその方々に対して本当に時間外手当が満配されているのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#56
○豊田政府委員 お答えいたします。
 国家公務員の残業問題というのは、御指摘のように運輸省だけではなく各省共通の問題でございまして、この時間外労働をなるべく少なくするということでこれまでもいろいろ工夫をしてきております。例えば昨年十二月には各省共通の認識としまして、ことしの一月から毎週水曜日を定時退庁にするということで実行に移しておりますし、運輸省としましては、そのほかに金曜日についても定時退庁ということで実効が上がるように努めております。
 今御指摘のように、実態として時間外労働というのは依然として多い状況でございまして、例えば平成三年度の本省での状況でございますが、これは全職員平均ということなんでございますけれども、月平均二十二・七時間という数字があります。ただ、これは全職員平均ということで、今先生御指摘のように、部門とか時期によってはかなりもっと時間を費やさざるを得ないという状況でございます。
 また予算面でございますが、これも私どもいろいろ財政当局と調整しながら増加に努めてきておるところでございます。この辺につきましては、私どもむしろ予算の増額という方向より、時間外労働時間そのものを減少させるように努力を重ねていきたいと考えております。
#57
○山中(末)委員 官房長にそれ以上説明さすのはやめます、よく御存じですから。
 これは本当に皮肉でも何でもないのですけれども、大臣、こういうことが各省にあるのですよ。そうしたら、これは地方へ伝わっていきますね。そうすると地方の、ちょっと名前は言いませんけれども、ある会社、僕が同じビルの中で勤めておりまして、朝七時半か八時ごろ出勤するのですよ。そうしたら、そこの別の会社の人がそれよりも早く行って仕事をしているのですよ。おたくさんの会社は勤務時間がえらい早うございますねと言ったら、いや八時半ですと言うのです。一時間前に行っているのですよ。何をしているのかねと言ったら、経済指標やそういう勉強をやっているのです。出勤八時半です、もっとゆっくり行ったらいいでしょうと言ったら、私が八時半に入っていきますと部屋の人が全部いすに座っていますので、何か遅刻して行ったような感じになります、こう言っていた。
 そういうことがずっと広がっていくのですよ。週休二日制がどうのこうの、労働時間をもっと少なくして、ゆとりと豊かさというのでかけ声はかけているけれども、実態はそういうことが行われているのです。いわゆるアウトサイダーで行われているのです。これは国の本省の中で、あるいは国の出先機関の中でそういうことが行われていますと民間に波及するのですよ。余りいい影響ではございません。
 だから官房長、おっしゃる気持ちはよくわかりながら質問していますけれども、大臣、そういうことがありますので、官房長は予算の増額要求をするよりも定時退庁をというふうにおっしゃいましたけれども、本当はそれが筋なのですよ。しかし、行政担当者は、昼は陳情がたくさん来るし、仕事できぬし。私も陳情に行きますが。それで時間外で仕事しようということで、奉仕的な気持ちでこらえてやっておられると思うけれども、一日や二日なら見て見ぬふりもありますが、これがずっと続きますと、あれは奉仕でやってくれているのだ、仕事熱心だということだけでは済まされない。
 だから、これはやはり時間外の予算をふやしていただくという方向で大臣にお願いしたいと思うのです。どうでございますか。
#58
○越智国務大臣 ただいま官房長からお答えいたしましたが、基本的にはなるべく残業のないようにやっていくということも大事でございますけれども、さて本当に残業をした場合にサービス残業というようなことのないように、予算の関係もございますが、努力をいたしまして、なるべく職員の皆さんに迷惑をかけないように努力をしていきたい、かように思っております。
#59
○山中(末)委員 運輸省だけがそれをやられたら、またほかの省との兼ね合いがございますから、大臣、十分根回しをしてもらって、すぐに満配ということにしたいけれども、なかなかいきにくい、やはりだんだん対応の率が上がっていくという努力をひとつお願い申し上げたい、このように思います。
 時間が二分ほど余りましたけれども、大臣を初め皆様方の御答弁、説明等が要を得ておりましたので、所要の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#60
○森田委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
#61
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。細川律夫君。
#62
○細川委員 まず、大臣に御質問をしたいと思います。
 せんだってのこの委員会におきまして運輸大臣の所信表明がございましたけれども、そのときには佐川急便問題については、わずかに行数でいいますと二行しか触れられなかったところでございます。この佐川急便問題につきましては、昨年からことしにかけまして、いまだかつてないような政治的スキャンダルとして、国民の皆さんからは政治に対する不信が大変強く高まりまして、私ども政治家もこの佐川急便問題についての深刻さを十分反省もさせられたところでございます。
 当委員会でも、佐川急便問題の違法な実態がそれぞれの委員から指摘もございました。特に私は、この佐川急便問題が佐川急便という運輸業者によって引き起こされた、そういう意味では、この運輸省の所管にかかわります佐川急便問題が起こったということで、国民の皆さんは特に許認可の多い運輸行政に対してもまた不信の目を強く向けられているのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、私は、この政治不信を早く解消し、政治の信頼を早く回復しなければならない、このように思っているわけでありますけれども、新しく今度越智大臣、この運輸行政を担当される責任者となられたわけでございます。いろいろなこの佐川急便の経過にかんがみながら、運輸大臣として、今後このような佐川急便問題に対してどのように取り組まれていくのか、まずお聞きをいたしたいと思います。
#63
○越智国務大臣 佐川急便事件、非常に世間をお騒がせし、政治上の問題、お説のとおりでありますのでございますから、私は、こういうことについて改めなければならない、こういうふうに考えております。
 従来やっておりましたのは、貨物自動車運送法に基づく許認可でありますのでございますから、例えばこの会社が債務保証をするとか、あるいは政治献金をするとか、あるいは法律といいますと都市計画法の違反であるとか、あるいは建築基準法の違反であるとか、あるいは労働者の問題であるとか、これは所管事項が違っておったというようなこともございます。
 しかし、私、以前の大臣の引き継ぎもございまして、やはり他の所管事項、法律であっても、この確認をきちっとしていかなければいけない、こういうことを事務当局にも指示をいたしております。
 例えば労働基準法違反ということ、直接運輸省の所管事項ではございませんけれども、よく労働省と連絡をとり合うて、正確に言いますと、陸運支局とそこの監督署と十分の連絡をとり合うてやっていかなければ、我が省のことだけだということではいけないのではないか、こういう欠陥がやはりあったのではないか。直接運輸行政の中ではございますけれども、横の連絡というものが十分とれていないのでないか、こういうことも言っております。
 そして、第三回目の特別監査も今実施をして結論をまとめておるところでございますが、今後厳重に監督をして、再びこういうことが起こらないように、また佐川急便だけでなしに、他の貨物運送業者についてもそういうふうに進めていきたい、こういうふうな覚悟ております。
#64
○細川委員 今大臣からお答えがございました。縦割り行政の欠陥なども指摘もされておりますし、やはり一番大事な行政の厳正な適用といいますか、それをこの事件を契機にひとつ今後一層進めていただきたい、心からお願いも申し上げる次第でございます。
 続きまして、交通関係の社会資本の整備等についてお伺いをいたします。
 大臣は、この間の所信表明の中でこのように述べられました。「国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感できる「生活大国」を実現していく上で、日常生活や経済活動の基盤となる運輸の果たす役割はまことに大きなものがあります。」このように述べておられます。そして交通関係社会資本の整備を通じて豊かさとゆとりを実感できる国民生活の実現をしていこう、このように所信で述べられたわけでございます。その中で、大都市圏におきます通勤通学の混雑及び長時間化に対する対応についても、輸送力の増強を引き続き進めるとともに、時差通勤の拡大促進に努めてまいります、このように先日所信を表明されました。
 特に通勤通学の混雑、これについては、私自身も電車でこちらの方に通ってきているというようなこともありまして、その混雑ぶりは実感をしているところでございます。その混雑ぶりを見ますと、とてもではないけれども豊かさとゆとりを感じるようなものではないわけでございます。
 せんだって大臣が、北千住の駅とそれから東武伊勢崎線の高架複々線の工事について視察をされたということを聞きました。私、大臣があそこに行かれて視察をされたということは大変うれしく思ったところであるのですけれども、大臣の考えておられる「一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感できる「生活大国」」というものは、大臣はどういうふうにお考えになっているのか。そして、この間、北千住と東武線の視察をされたそのときの御感想も含めてお答えを願いたいと思います。
#65
○越智国務大臣 先般所信表明を申し上げました。生活大国、ゆとりのある生活、これと北千住の視察、これを比較してみて、まあ率直に言ってあのラッシュ時の通勤状態が生活大国であり、またゆとりと潤いのある生活だ、こういうふうには思っておりません。
 そこで、まず第一番には交通機関の整備、特に大都市圏を重点にこの面はでき得る限り早くやらないといけない、こういうふうに思いますし、また時差出勤の面も各事業所等にお願いして進めていかないといけない、こう思うのであります。
 北千住につきましては、いろいろ説明も聞きましたが、駅を三階にする、そして乗り入れ、乗りかえ、これをうまくやる、こういう説明を受けまして、それは確かにいいことだからできるだけ計画どおり、あるいは計画より進めでやってもらいたい、こういうふうに要望をしておきました。今の乗りかえ状態を見て、私は駅の職員も非常によくやると思いますのと、利用者も非常によく手なれたものだ、こういうふうに感じました。あれだけ混雑するのにけが人が出ない、こういうことは本当になれといいますか、非常に乗りかえもお上手だ、こういうふうに感じました。しかし、それが私はやはり生活大国であり、ゆとりと潤いのある通勤状態あるいは通学状態であるとは考えておりません。まあ二百何十%というような乗客で本当に迷惑をかけておる、こういうふうに思います。
 でございますから、まず第一番に交通機関、特に鉄道関係は複々線化とかあるいは駅の構造、午前中もお話がございましたが、またエレベーターやエスカレーターの設置等々改良すべき点がたくさんある、こういうふうに思っております。こういうことについて全力を尽くして予算の獲得もするし、ひとつ前進してまいりたい。率直に言ってあの北千住の状態を見たら、すぐにはなかなかできませんけれども、できるだけ早く努力をしたい、こういうふうな感じでいっぱいであります。
 まあ鉄道だけではございませんけれども、その他の交通機関もやっぱりゆとりの奉る、少なくとも交通機関で新聞なりあるいは雑誌を読みながら通勤ができる、通学ができる、こういう状態にまでできるだけ早く持っていきたいものだ、こういうふうに感じておるのが実感であります。
#66
○細川委員 大臣が視察をされました北千住駅などの混雑、これはここだけがこのような状態というわけではなくて、首都圏のいわゆる私鉄、JR線、このようなところがたくさんあるわけでございまして、今大臣の言われましたように早急にこれの解決、ゆとりのある、潤いのある生活ができるような、通勤ができるような御努力をひとつこれからもよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、今大臣のお話にありました北千住、それから高架複々線の工事が行われている東武線、これらについて具体的にどのようになっていくのか、ひとつ説明をお願いしたいと思います。
#67
○秦野政府委員 先生御指摘のとおり大変首都圏の鉄道、混雑しておるわけでございまして、私ども輸送力の増強、具体的には複々線化あるいは車両の長大化等で対処しておるわけでございますが、それ以上に御利用の方々の数がふえてまいるものですから、なかなか思うようにいかないというのが実態でございます。
 そこで、お尋ねの東武の伊勢崎線の関係でございます。ここも従来からホームの延伸とかあるいは幅を広げるとかいろいろやってまいったわけでございますが、なかなか抜本的な解決になりませんので、このたび先ほど来申し上げておるような大改良工事を実施するということにいたしたわけでございます。
 具体的に申しますと、まず北千住駅でございますけれども、現在御案内のとおり東武の伊勢崎線とそれから営団の日比谷線のホームが地表になっておりますが、これを先ほど大臣も申しましたとおり三層にいたしまして、一階を東武の伊勢崎線、二階をコンコース、三階を営団の日比谷線というふうにいたしたいというふうに考えております。完成の目途は平成八年度でございまして、昨年末までの進捗率が約.一七%まで来ております。
 それから、竹ノ塚から北越谷までの複々線化の問題でございますが、これは昭和五十一年から工事の着手が行われておりますけれども、現在までのところ竹ノ塚と新田の駅までが高架と複々線化になっておるという状況でございます。残っております新田と北越谷間でございますけれども、平成九年度を目途に完成するように一生懸命やっておるところでございまして、進捗率で申しますと、昨年末で用地が約七〇%、工事が契約ベースで約三〇%ということになっておりますが、今後とも鋭意、なるべく早く工事を完成するように努力したいというふうに考えております。
#68
○細川委員 大臣が視察をされました北千住駅、ここを通過しております常磐線というのは大変な込みようなわけです。あるいはまたこの東武線も、これまた大変混雑をいたしております。
 そこで、常磐線あるいは東武線の通勤通学の混雑を解消しようということ、それからもう一つ、良質な住宅をつくる、こういうことで常磐新線の建設が進められているわけなのです。これは首都圏では今世紀最後の鉄道の建設だろうということを言われているわけなのですけれども、これの早期完成といいますか、確実な完成、このことが先ほどの大臣の言われた目的を達成することにもなろうかと思うのです。これの進みぐあいはどういうふうになっておるのか、お答え願いたいと思います。
#69
○秦野政府委員 いわゆる常磐新線でございますが、ただいま先生御指摘のとおり、首都圏におきます住宅の需要への対応あるいは通勤通学の混雑緩和ということを目的といたしまして、一応、西暦二〇〇〇年を目途に整備すべき路線ということで私どもの運輸政策審議会でも位置づけられているものでございます。
 その後、御案内のとおりいわゆる一体化法と申しておりますけれども、宅地の開発と鉄道整備を一体的に推進するための法律ができまして、東京都以下三県、一都三県から申請が出ておりました基本計画が平成三年に承認をされ、それに基づきまして、平成四年に事業主体であります首都圏新都市鉄道株式会社に対しまして免許がおりたというのが今までの経緯でございます。その後、東京都の秋葉原−−新浅草間、一番手前のところでございますが、そこの部分につきまして本年の一月に工事の施行認可が行われておりまして、今年度末までにはいよいよ用地買収が始まるというところまで参っております。
 それから、残ります埼玉県、千葉県、茨城県の三県でございますけれども、来年度から着手をしたいということで、現在各地方公共団体におきまして都市計画決定等の手続について準備を進めておる段階というのが現在の状況でございます。
#70
○細川委員 進捗状況につきましてはよくわかりました。
 ただ、心配がありますのは、これは昨年の十二月初めの新聞報道でございますが、常磐新線の予定をされておりますうちの埼玉のところでありますけれども、ここの区画整理事業の主体が決まらないということで、この事業が少しおくれるのではなかろうかということで心配をしているわけです。このことについて、地元の人たちも大変心配だし、これまた建設がおくれるようなことがあってはならないというふうにも思います。
 そこで、運輸省の方としては、おくれないようにするためにどういうような手だてをこれからされていくのか、運輸省の方の考えをお聞かせ願いたいと思います。
#71
○秦野政府委員 いわゆる常磐新線の計画と申しますのは、要するに宅地と鉄道とを一体的に整備していくということが目的でございますので、やはり目標年次で開業いたしました際には、宅地の開発、沿線の開発も当然のことながら円滑に、同時に並行的に進捗していくということがぜひ必要なわけでございます。
 先ほど申しましたとおり、五年度着手いたしまして、ただいま先生のお話にございました埼玉県を含めまして、千葉県あるいは茨城県について都市計画決定をすべく今準備中でございますけれども、先生御指摘のとおり、一部地域におきまして実施主体についてまだ調整中であるという段階でございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、関係省庁と十分連絡をとりまして、区画整理事業の実施主体の決定も含めまして沿線開発が円滑に進むように、工事のおくれ、開発のおくれがないように最善の努力をしてまいりたいと考えております。
#72
○細川委員 ひとつ適切な御指導をよろしくお願いいたします。
 それでは、別の質問に移りたいと思います。
 大臣は、いわゆる国際化の一層の促進と国際社会への貢献ということで、この点についても意欲的に取り組んでいかれる、こういうことを所信で表明されました。
 そこで、これについてお聞きをいたしますが、これは今月の四日の新聞でございますけれども、大変心配な報道がされております。それは、第三次の行革審が今審議をされておりまして、そこで特殊法人などについての統廃合が問題になりまして、運輸省の方もヒアリングを受けた、こういうような報道でございます。
 その中で具体的に話が出ておりますのが国際観光振興会、この名前が挙がって、これについていろいろ問題になっているという報道でありますけれども、まず大臣、こういうような運輸省の管轄する国際観光振興会が統廃合の対象になるというふうになった新聞報道をごらんになって、どういうふうにお考えでしょうか。
#73
○越智国務大臣 今お説のように、先般の新聞に国際観光振興会の問題が載っておりました。今、国際化時代でありますし、特に、風光明媚な我が国に外国の観光客を誘致する、こういう仕事をしております今の振興会が、不要といいますか、今そういう結論を出してもらっては困りますので、率直に申し上げまして、私どもの説明もまた十分でなかったのでなかろうか、こう思いますので、十分説明をして、ぜひとも御理解をいただきたい、かように思う次第であります。
 日本の観光客も御承知のとおり外国へ随分行っております。それに反して、外国からの観光客はまだ数も少ない。でございますから、我が国の観光客もどんどん行ってもらうし、また外国の観光客も来ていただくというような面で、その理解をしてもらう、こういうことについてこの国際観光振興会は非常に意義があるし、また仕事を大いにやっていただきたい、私はこういうふうに思っておりますので、十分説明をして御了解をいただき、引き続き活発な活動をしていただこう、こういうふうな考え方であります。
#74
○細川委員 海外から外国人が日本に旅行で来られる、このことは百聞は一見にしかずということで、日本を、あるいは日本人を大変理解をしてくれるためのこれは本当に重要なことだし、ぜひ多くの人に来てもらわなければいかぬと私は思うのです。ところが、今大臣いみじくもちょっと言われたように、外国から来る人は日本人が外国に行くよりも非常に少ないと今言われたのですけれども、この実態はどういうふうになっておるのでしょうか。
#75
○大塚政府委員 平成三年の日本人海外旅行者は約一千六十二万人、平成四年は、推計でございますが一千百八十万人ということで史上最高になっております。
 一方、日本を訪れます外国人数は、平成三年で約三百五十二万人、平成四年の推計で三百五十八万人となっております。
#76
○細川委員 日本人が外国に行くのと、それから外国人が日本に旅行に来る、その差は非常に多いといいますか、差が大き過ぎるような気がするのですけれども、三分の一にも満たないぐらいの外国人のいわゆる訪日者であります。どうしてこういうふうに少ないのか。特に、日本は先進国七カ国のうちでもこれは最低ですし、統計的には何か二十四位くらいの数字らしいのですけれども、一体なぜこういうように少ないのか、このことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#77
○大塚政府委員 日本人の海外旅行者数と外国から日本を訪れます旅行者数が先ほどの数字のように差が大きい理由といたしましては、外国人にとって日本の旅行というのは、他の国への旅行と比べてその経費が割高であるということに加えまして、外国人の日本に関する認識が一般に低く、認識の範囲内では旅行先として魅力を感じていないこと、それから、外国の旅行エージェントには日本のような大規模事業者がおりませんので、日本に関する情報を旅行者に提供する能力が低いために、日本への旅行という旅行商品を企画することができない、こういったことが理由として考えられます。
#78
○細川委員 そういう理由があるからこそ、積極的にいろいろこれから外国人に対して日本に旅行しやすいように、そういうふうにしていかなければいけないのじゃないかというふうに思いますけれども、先ほども申し上げました、やはり日本に旅行に来ていただく、そのことが日本を理解してもらうために一番よい方法だろうというふうに思います。
 それには一体どうしたらいいのか。今の原因を解消すればいいのだろうというふうに思いますけれども、一体どういうふうに考えているのか。日本に訪問客を多くすることにどういう手だてを考えておられるのか。そのときに、国際観光振興会の役割というのを含めて説明願いたいと思います。
#79
○大塚政府委員 今申し上げましたような理由を解消するためには、割高な日本旅行というイメージを払拭する必要がある。そのためには、日本の旅行をするに当たって、安い旅館、安いレストラン、こういったものを紹介するということも必要でございますし、そもそも外国人の日本に関する認識が低いということについては、日本に関する客観的な情報をいろいろな手段で外国の人たちに提供する必要がある。これは直接外国の方に提供することはもちろん、外国の旅行エージェントに対しても、旅行商品が開発できるように日本の情報を提供する必要があると考えられます。
 しかし、こういう情報提供というのは日本の旅行業者等には任せられませんで、日本から海外に行く場合には日本の旅行業者がほとんどその旅行業務を扱っておりますが、外国人が日本に来る場合は、どこの国でもそうですが、その国の旅行エージェントが扱う。したがいまして、そういった外国の旅行エージェントに対して情報を客観的に提供するためには、日本の旅行関係者、旅行業者ではなしに、国際観光振興会のような国にかわる機関が情報を提供するというのが一番適切で、そういう意味で国際観光振興会は外国の旅行業者に情報を提供し、また外国の旅行者で相談に来る者に海外の宣伝事務所のカウンターで情報を提供し、さらには旅行商品の開発等に協力するために安い旅館や安い旅行をいろいろ考えていく、情報を提供していく、こういう役割を果たしておるわけでございます。
 こういうような観光の宣伝というのは、先進国ではいずれも政府直轄あるいは政府にかわる公的な特殊法人が担当して行っているという状況でございます。
#80
○細川委員 はい、わかりました。
 そういう意味で、この国際観光振興会の存在意義というのは大変強いというふうに私は思います。特に国際観光を促進をするということは、我が国の国際的な地位を高めるためにも最も簡単で有効な国策であるというふうに考えるわけでもございます。したがって、今後とも、日本に旅行をされるそういう外国人を多くするということが大変大事であろうと思いますし、必要であろうと思います。
 そこで大臣に、ひとつこういう問題が起こっているときに、いわゆる国際観光として日本に観光客を誘致をするといいますか、来ていただく、そういうことについて大臣はどういうふうにお考えになっておるのか、その点ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#81
○越智国務大臣 今、政府委員の方から説明をいたしましたが、第一番に、外国での宣伝、PR、これをできるだけさらにさらに努力をしていただく、このためにもこの振興会はぜひとも必要だ、こういうふうに思っております。
 それから、安価で楽しい旅行ができるように国内でもエージェントを含めて指導をしてまいりたい。やはり一つには、日本に来て日本のよさを理解してもらい、喜んで観光客が帰っていただく、このことが大事でありますので、国内の体制もさらにさらに徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。
#82
○細川委員 ありがとうございました。
 続いて、環境の問題に移りたいと思います。
 大臣は、この間の所信表明の中で環境問題にも積極的に取り組んでいくということを表明されまして、いわゆる環境に優しい交通体系を進める、こういうことを言われたわけでございます。
 そこでお聞きをいたしますけれども、昨年、いわゆる自動車窒素酸化物総量削減法という法律が成立をいたしました。その法律に基づきまして、一月十三日であろうと思いますが、これは政令の内容に取り組んでいくことだろうと思いますけれども、使用車種の規制が発表されたところでございます。
 そこで、これは一体どういうような内容になっているのか、それによってどのような効果を生じさせようとするのか、そのあたりの説明をお願いします。
#83
○土坂政府委員 今仰せになりました法律、簡単にNOx法と言っておるのでございますが、使用車種規制といいますのはその中で定められている規制でございまして、特定の地域、具体的には東京、大阪とその周辺でございますが、そこに使用の本拠のありますトラックやバス、こういったものを対象にいたしまして、いわゆる排出ガス規制の中で一番厳しい基準を、重量区分に応じて内容が違うのですが、それぞれ適用する。新車についではこれを平成五年十二月から、使用過程車につきましても平成六年十二月から、これも使用過程車の年齢に応じまして逐次適用いたしまして、それによって基準に合わない車の使用は認めないということをする、そういうことによってNOxの削減を図り、環境基準の達成を目指していこう、こういうことを考えたものでございます。
#84
○細川委員 この車種規制によりまして、特定地域の登録車両のうち、これに適合しない、この基準に合わないというような車両はどれくらいになるんでしょうか。それと、そのうちトラックなどは大体どのくらいの非適合率になるのか、説明をしてください。
#85
○土坂政府委員 今申し上げた東京、大阪の特定地域を合わせまして、その地域の中にあるトラックの保有台数は約二百五十万台でございます。このうち、今仰せになりましたいわゆる排出基準の一番新しいものに適合しない車、これが約二百十六万台でございまして、したがいまして非適合率は約八六%ということになります。
#86
○細川委員 指針の問題も後で聞きたいと思いますけれども、昨日ですか、新聞などにも出ておりましたが、東京の方ではこういう規制だけではとても基準に達しない、したがってより強い規制をしなければいけないということで、東京都独自の走行量抑制提言などがなされるというふうに報道がされました。としますと、二〇〇〇年度に環境基準の〇・〇六ppm以下に達成させることが果たして実現するのかどうかということで、運輸省、環境庁の進めておられますこの点については疑問も生じてくるわけでありますけれども、きょうはこのことについて詳しくは質問しません。つくりましたこの基準については、環境保全のためからもぜひ確実に遂行がされるようこちらからも要望をいたします。
 そこで、引き続いてお聞きいたしますけれども、そういう規制が始まりますと、車両の代替をしなければならないのではなかろうかというふうに思います。猶予期間などもありますので、大手の運送業者などはさほど代替のためのコストは多くはかからないというふうに思いますけれども、特に零細企業などでは、猶予期間以上使用しているということですと、当然この出費がかかってくるわけでございます。
 したがって、そのNOx規制による負担がかかる、この負担について運輸省としては一体どういうようにこれを配慮して行政指導を進めていくのか、ここを説明してください。
#87
○土坂政府委員 今申し上げました排出規制は、使用過程車にもかかわるわけでございます。そうしますと、車齢によっても違いますが、やはり平均耐用年数よりも前に車を買いかえなければいけないという場合が出てまいります。それは、そういう能力のある企業もありますが、中小零細の場合には非常に負担になるということであろうかと思います。
 しかしながら一方で、やはり規制はきちんと環境基準のためにやっていかなければいけません。そこで、その負担増を軽減して円滑な買いかえが進むように、そういう見地から、ことしからいろいろお願いをいたしまして、税制上の特例措置、具体的には自動車取得税の軽減、あるいは国税、所得税、法人税の特別償却でございますとか、そういう税制上の特例措置、それから開発銀行であるとか中小公庫であるとかいったところからの低利の財投資金の投融資、こういったような措置が講じられるように手当てができておるところでございまして、こういうものを通じて円滑な転換ができるように指導していきたいというふうに思っております。
#88
○細川委員 よろしくお願いしたいと思います。それでは、二月九日付で、自動車のNOx抑制を図る指針というものがNO北法に基づいて運輸管の方で出されました。その内容を、時間がありませんから、簡単で結構です。
#89
○土坂政府委員 簡単に申し上げます。内容は柱が幾つかございますが、大きな柱としては、まず第一に単一台ごとの排出量をなるべく低いものにしていこうという対策でございまして、これは具体的には、先ほど仰せになっておりますような一番新しい規制の適合車にかえていくとか、あるいは低公害車を入れていく、そういう柱が一つございます。
 それからもう一つは、物流全体というか交通量全体を、自動車の動き全体を削減していこうということでございまして、このためには、例えば共同輸送、積み合わせ輸送とかあるいはモーダルシフト、こういったようなことをやっていく。そのほかにも、物流全体の効率化のために情報化とか物流拠点の設置、こういったようなことを推進していく、そういう内容でございます。
#90
○細川委員 その中には、鉄道、海運の積極的な利用によりますモーダルシフトの推進ということも含まれているわけですね。わかりました。
 そこで、今言われましたこの指針というものが効果的に実施をされるためには、いろいろな行政上あるいは財政上の措置が今必要だろうというふつに思うのですけれども、それはどういうふうにされていく予定なのでしょうか。
#91
○土坂政府委員 これは、指針の性格そのものがあれでございますが、基本的にはこれは運送事業者が自分で自動車の使用の合理化をやっていく、そのために必要な措置、その指針として決めたということでございますので、まず事業者が自分の責任で自主的に目標なり計画を決めてやっていただくということが必要でございます。
 それからまた、いわゆるトラック協会その他の関係団体がそういう個々のトラック事業者なりなんなりの活動をいろいろな面で支援をしていく、あるいは荷主との間の連携関係を築いていく、そういったような個々の企業あるいは業界団体の活動というのをまずやっていただくことが大事であろうと思いますが、仰せになりましたように、政府としましてもそれを支援するという意味で財投、いわゆる金融機関からの低利の融資、あるいは税制上の優遇措置あるいは中小企業関係のいろいろな構造改善などの対策、こういったものを使いまして、それが効果的に進むような支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#92
○細川委員 わかりました。
 先ほど、この指針を積極的に進めていくということの中で、鉄道、海運の積極的な利用によりますモーダルシフトの推進ということがあったわけであります。今鉄道におきましては国鉄が分割・民営されまして、貨物についてはJR貨物の会社があるわけなのですけれども、モーダルシフトの推進ということになれば、このJR貨物のより一層の活躍といいますか活動といいますか、これが必要だろうというふうに私は思います。
 そうしますと、JR貨物は他の東日本あるいは東海その他のJR各社から施設を借りて運行するわけでありますから、相互の協力が大変重要になってくるだろうと思います。このことは分割・民営ともいろいろ関係があろうかと思いますけれども、そのJR貨物と他のJR各会社との協力関係といいますか、それは今後どういうふうに進めていくのか、その点をお聞きしたいと思います。
 それからもう一つ。今JR貨物の方では、新幹線は利用できていないわけなのです。私の素人考えでいきますと、新幹線というのは日本列島ずっとありますから、ここをJR貨物、貨物列車がこれを利用して走らせば、これは物流にとっては非常にスムーズな物流になっていくのじゃないかというふうに思いますけれども、そういうためには新幹線をJR貨物に利用をさせていくということも必要ではないかというふうに思います。その点につきまして、運輸省の方ではどのように考えておられるのかお聞かせをいただきたいと思います。
#93
○秦野政府委員 まず最初の点でございますが、先生御指摘のとおりJR貨物はJR旅客会社のレールを借りて、その上を運行するという形をとっておりますので、ダイヤの調整を初めといたしまして、当然のことながら緊密な連絡が必要でございます。この点につきましては、貨物会社と旅客各社との間で定期的に会合を持ち、意思疎通を十分図るように平素から行っているところでございます。
 それからもう一つの、新幹線を使って貨物が運送できないかというお話でございますけれども、例えば東海道新幹線を初めとして既存の新幹線に貨物列車を走らせるといたしますと、まず第一に経済的に非常に莫大な投資がかかるんじゃないか。例えば貨物用の車両を新しくつくらなければならないとか、あるいはターミナルヘの引き込み線を引かなければならぬ、あるいは駅の荷扱い所をどうするのだとか、いろいろかなりの額の投資が必要ではないかという点が一つ。
 それから現に、現在の新幹線は旅客列車で相当過密な状態になっておりますので、そこに貨物を入れるとすればダイヤ上どういうふうに調整ができるか、あるいは夜間走るとすれば保守間合いとの関係をどうするか等々、解決すべき問題がかなりあるのではないかというふうに考えるところでございます。
#94
○細川委員 JR貨物の経営につきましてはなかなか厳しいとこうもあるようでありますし、また、そこで働いておられる方々の労働条件もなかなか厳しいということも伺っております。そういう意味でJR貨物がより仕事ができるようなそういう環境もつくっていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 次に、大臣は所信表明で、「陸・海・空にわたり「生活大国」にふさわしい交通体系の形成と運輸産業の経営基盤の確立を目指した運輸行政を積極的に展開して」いく、「運輸産業の経営基盤の確立を目指した運輸行政」を進めていく、こういうことを言われたわけでございます。
 そこで軽油引取税について、今回税が大幅にアップをされるということについてお伺いしたいと思います。
 これは一リットル七円八十銭の値上げでありまして、値上げ率は三二%のようであります。大変大幅な値上げ率でありまして、そうしますと、それをたくさん使いますトラック業界などでは大変な負担増になるのではないかというふうに思います。こういう増税がなされると、特に一部の業界がこういう税負担をしなければいかぬ、運輸省の管轄されるそういうところのトラック業界なりが非常に税負担をしなければいかぬ、これについて運輸省はどういうふうにお考えになっているのか、まずそれをちょっとお聞きしたいと思います。
#95
○土坂政府委員 軽油引取税が上がった場合にトラック業界の負担がふえるわけでございます。具体的な金額で申し上げますと、軽油引取税の納税額、今約三千億円でございますが、増税によりまして約千億円の負担増と見込まれております。トラック業界の営業収入全体は十兆円でございまして、経常利益が約三千億円でございますので、その三千億円に対して一千億円のインパクトが及ぶ、こういう状況でございます。したがいまして、これは非常に大きいインパクトであるというふうに思います。
 ただ、軽油引取税の問題、いろいろ経緯はございましたけれども、やはり決めたことでございますし、円滑な実現のために運輸省としても努力をしていかなければいけないと思っておりまして、そのためには、この増税分について荷主などの御理解をいただいて適切に転嫁を図っていくということがこれから何よりも大事だと思っておりまして、その方向で努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#96
○越智国務大臣 今局長からお答えをいたしましたが、お説のように軽油引取税、リッター当たり七円八十銭の増額、こういうことでございます。特にトラック業者、経営基盤の脆弱な業者がほとんどであります。また、今は労働時間の短縮とかいろいろな問題がございますのでございますから、これをどうしても荷主の御理解を得て負担をしていただく、こういうことで先般も私、閣議で各省庁にお願いをいたしました。そしてこの分はぜひとも荷主の方に御負担をいただく。
 それからもう一つは、御承知のこの積載量、今二十トンということでございますが二十五トン、これは運輸省だけでは決められませんので、むしろ建設省の方でございますして、お願いをして今審議中でございますけれども、こういうことによって、ぜひとも経営基盤が弱くならないように、またできるだけ荷主の方に御理解をいただいて負担をしていただく、こういうことで進めてまいりたい、かように思っておる次第であります。
#97
○細川委員 今大臣からも御答弁をいただきましたのでよくわかりました。
 特に業界の方では人手不足の問題、あるいはさっき言いました、大臣からも言われました時短の問題など、こういうことで業界は非常に努力もされておるところなのです。また、先ほども質問をいたしましたNOx規制の問題、いろいろな問題を業界は抱えておられると思うのですね。
 そこへきて、今度の軽油引取税の増税ということになってくれば、今大臣が言われたように荷主さんの方の理解を得まして、そこで転嫁できれば、それは業界の方としてはそれでいいと思いますけれども、しかし荷主さんの方としてみても、今非常に景気がよくない状況で、あるいは運賃の値引きといいますか値下げといいますか、そういうことも行われかねないような事態になっているのですね。そうしますと、この軽油引取税の増税によりまして事業者の方に負担がかかってくる。結局その負担がそこで働いている人たちにしわ寄せが行って労働条件がむしろ悪化するようなことがあったら、これは本当に大変なことでありますし、決してそうあってはいけないというふうにも私は思うわけなのです。
 そういう意味で、これは時間が来ましたから、最後にもう一度この点について大臣の心構えをぜひお聞かせ願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○越智国務大臣 先ほど御回答申し上げましたように、一つには積載量を多くして能率を上げていく。その上で荷主の御理解をいただいて運賃に転嫁をする。少なくとも、今のような交通事故の状態を見ましても、過重な労働を強いるようなことのないように、また時間短縮も考えまして、できるだけ運転手さん、そういう者に無理が行かないように、そして業者自体も適当な利潤を得て経営基盤が強化するように、また車もNOxの問題もございますが、余り古い車、よくない車を無理に使うことのないようにやっていきたい。
 これは理想でございますけれども、そういう指導を今後強力にしていきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#99
○細川委員 どうもありがとうございました。
#100
○森田委員長 阿部昭吾君。
#101
○阿部(昭)委員 最初に質問いたしますが、大臣の所信にも触れられておりますけれども、旧国鉄の長期債務の処理についてであります。清算事業団の用地の売却がなかなか思わしくいっていない。バブルの崩壊の影響などももろにかぶっている。
 そこで、私の方から一つ大臣に御提案申し上げてみたいと思うのでありますが、景気対策の一環としても、土地国債あるいは公債、これを二十兆円程度という構想を私ども昨年の参議院選挙の前に実は提案をいたしました。バブルの崩壊で不良債権がたくさん出まして、その不動産に対して、建設国債でもない、赤字国債でもない第三の国債というような性格で土地国債、公債というものを二十兆円程度発行して、現在動きのとれない、塩漬けになっておる土地を適正価格で買い取る、こういうことを私ども去年のあの参議院選挙の前に提唱したのであります。
 そして、それらの土地は公有地、公のものとして住宅開発とか公園とか道路とか、そういうものに充当していくという考え方、あるいはそれらの代替地として充当していくということでありますけれども、土地国債でありますから、償還財源というものの裏づけが必要になってくる。これについては、地価税や固定資産税の増収分を充てていく。この土地国債、公債を清算事業団の土地の買い上げに適合させてはどうか、こういう考え方であります。
 まことにこれは、きのう大臣の方の担当の方にレクチャーもせずに、今にわかにこれがあったなと思って持ってまいりまして、全く突然で大臣も直ちに御答弁はあれかもしれませんけれども、私はやはり一つの方法ではないかというふうに思っておるわけであります。したがって、今のような構想、考え方に関して大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。
#102
○越智国務大臣 土地国債、土地公債、お説のことはよくわかります。そして今、率直に申し上げて、なかなか努力をしておるけれども売れないというのが実態であります。辛うじて地方公共団体等にお願いをしてこの売却をしております。一般の分は価格の上限制限等をやっておりますけれども、こちらが思っているよりうんと安くて、入札の場合も成約できない、こういうのが実態であります。
 今の阿部先生のお説、清算事業団、運輸省としては非常にありがたい制度だ、こういうふうに率直に思います。しかし、政府全般でいいますと、今ここでそのことをすぐにということで私が申し上げる事項ではないと思いますので、今後よく論議をしていきたい、こういうふうに思います。
#103
○阿部(昭)委員 ぜひひとつ御検討を願いたいと思います。
 そこで私は、かつて国鉄改革、JR発足に大変深くかかわった。あの当時、今日のJRへ持ってこなければいけないというふうに考えていろいろかかわった立場であります。そういう意味で若干の御質問をいたしたいと思うのであります。角度は若干違いますけれども、行政改革という問題であります。
 今、政府の各省庁の中で許認可事項の最も多いのが運輸省であります。その次、たしか若干、五十件ぐらい少ないのが通産省ということで、運輸省というのは、業務の関係もあるのだろうと思うのですけれども、最も許認可事項の多い、たくさん持っておるところなのであります。
 そこで私は、今行政改革というのが一つの課題、同時に、できるだけこの許認可権限というものを分散しろ、権限を委譲しろというのも時代の大きな要請でもある。その前段として、今運輸省が持っておられる許認可事項というものを、一千九百数十件に及ぶものを、どんなものがあるのかちょっと教えてもらいたい、こう言ったら、いやそんなのは六法全書をよく見なさいという話になってくる。それは六法全書を見ればよくわかるのかもしれませんけれども、ほかの省庁は大体みんな、我が方で持っておる許認可事項というのはこういうものですというのを実は出してくださっておる。
 つい先刻、運輸省に次いで許認可事項の多い通産省も、一千九百何十件という膨大なものでありますが、これはちゃんと、我が方で持っておる許認可事項はこういう内容、項目のものでありますというのを出してくれることになったようであります。したがって、運輸省もぜひ、そんな画一的に許認可事項をただ委譲すればいいんだというわけにならぬ部分も相当あるのだろうと私ども思うのですよ、しかし、どういう問題を運輸省の許認可事項として持っておられるのか、この一千九百何十件、これは出せないはずはないのじゃないかと言ったら、いや、なかなか難しいのだというのが事務当局の御説明でございました。
 しかし、これはやはり同じくらいの件数を持っておる通産当局も、出しましょう、こう先刻別の委員会で御答弁なさったようであります。運輸省の業務は通産省などと比べてまだ特異の業務内容を持っておられることもよくわかるのでありますけれども、これは私どもも、暇さえあれば六法全書を繰り上げて全部見ることはできるのであります。しかし、ほかの省庁でこういうものを持っておるというものをちゃんと一覧表に出せるものならば、運輸省もぜひ出してもらいたい、こういう希望であります。いかがでしょうか。
#104
○豊田政府委員 私どもの抱えておりますといいますか担当しております許認可の数というのが、各省の中で非常に多いという御指摘はまさにそのとおりでございまして、運輸行政の非常に幅広い分野を担当しているということと、それから安全問題とか環境問題という、近年ますます規制の強化という要請が強い分野を抱えているというような経緯から、なかなかこの件数は減少しないというのが実態でございます。
 それで、今御指摘のように、中身について私ども担当者の説明が十分じゃなかったという御指摘でございます。関係の法律は多数ございますが、これは準備いたしまして、よく中身について御説明させていただきたいと思います。
#105
○阿部(昭)委員 ありがとうございました。
 そういたしますと、千何百件のものをそう簡単にはいかぬでしょうから、きょう、あすとは言いませんから、ぜひお示しをいただきたい。そして私どもも、運輸行政の中ではこういうことがやはりあるんだなということをよく体して、今後の運輸省の業務に関して私どももそれなりの役割をしたいものだ、こういうふうに思っておりますので、ただいまのようにぜひお示しを願いたい。ありがとうございました。
 そこで、JRが発足をいたしましてここまで参りまして、最近また非常に、一体この先どのようになるのか。そろそろ株の上場などもなどと言っておりましたら、証券市場の方がしっちゃかめっちゃかになっておる。したがって、なかなかそうも簡単にまいらない。それから同時に、収支関係も若干これから先は険しいのかなといったような議論もある。さっき申し上げました国鉄時代の長期債務を一体どのようにするのかにつきましても、なかなかそう一筋縄ではない。
 こういう全般状況を考えると、この数年間、率直に言ってやはりJRになってよかったな、国民の我が国鉄道に対する理解、認識も全くがらっと一変した、JRになってよかった、こういう思いを私は持っておる。それならば前途は洋々たるものかというと、必ずしもそうとは言えないという中で、前に行われた、全世界の鉄道関係の者が日本に集まって安全に関する国際的なシンポジウムを持たれたなんというのは、私は大変大きな注目、評価を持っております。
 一方、そういうものをやっておるやさきに、あそこの信楽鉄道の事故が起こったり、あるいは東海道の「ひかり」や「のぞみ」でああいう事故が起こったりということがあった。これらに関して運輸省は運輸省なりに相当の調査をやられたというふうに私どもマスコミ等々で承知をしておるのでありますが、この報告、できますれば私どもにもきちっと報告書か何かいただけるであろうかどうかということです。
#106
○秦野政府委員 先生ただいま御指摘のとおり、JR発足約六年経過いたしました。比較的景気の遣い風にも乗りまして非常に好調な成績をおさめておるということは、私どもも大変うれしく思っておるわけでございます。
 最近、若干景気の陰り等も見えますので、先行きについてはやや警戒感を持たなければならないと思いますけれども、何よりも利用者の方々がJRに対する信頼を持っていただいているということは何よりの力強い味方ではないかというふうに考えておりますが、今後とも心を引き締めてやってまいりたいと考えております。
 それから、ただいま先生御指摘の信楽あるいは「のぞみ」「ひかり」等々一部に事故が発生しておりまして、当然私どもといたしましても調査をいたしておりますし、また、場合によりましては事業者の方に対しまして調査を命じております。その結果は私ども当然把握しておりますし、特に信楽につきましては、昨年の暮れに私どもなりの調査報告書をまとめまして公表いたしておりますので、必要があればいつでも御説明をさせていただきたいと考えております。
#107
○阿部(昭)委員 信楽のことはわかりました。報告書をぜひ私どももいただきたいと思います。
 それから、ひかり二九一号、これは、東京から三島までブレーキをかけたまま二百キロぐらいで走っちゃったということのようでありますけれども、この事故に関して、原因は一体何であったのか、それからこの事故に対して今後どのような改善をしなきゃならぬというふうになったのか。ブレーキをかけたまま二百キロものスピードで東京から三島まで突っ走るというのはやはり異常なことであり、物すごい大事故にならずにというところが幸いだったわけであります。これがもし大事故になったらどえらいことだったろうと思うのであります。そういう意味で、現状この「ひかり」の問題については運輸省としてはどのような把握をなさっておられるのか。
#108
○秦野政府委員 御指摘の事故は、一昨年の九月三十日に発生をしたわけでございますが、その事故の原因でございますけれども、七月の時点で台車の検査をいたしておりました。その際に、検査をいたしますときに、モーターの方から動力を車輪に伝達する歯車の装置がございますが、そこに油が入っております。その油を一たん抜きまして検査をいたしまして、検査が終了いたしましたら、通常でございますとそこにもう一度油を入れまして、またふたをして走るというのが通常だったわけでありますけれども、そこに油を入れ忘れたままで走行したということでございまして、その後、二日後にそれは発見いたしまして、沖そのものは注入したわけでありますが、その二日間に袖なしで走りました関係で部品の一部が破損をいたしました。
 具体的には、歯車の保持器というものでございますが、これが壊れまして、それに伴いましてベアリングが脱落をいたしまして、歯車の間にかみ込むような状況になりました。その結果、車軸が回転をしなくなりまして、車輪がフラットの状態になって、ブレーキがかかったような状態で走行したということが事故の原因であったということが判明いたしております。
 そこで、要は油を入れ忘れたというところ、あるいは油を入れ忘れて、もう一回再び油を入れたときに故障に気がつかなかったというところが問題になるわけでございますので、そうした給油の際のチェックの方法、あるいは異常な事態において給油をしたという場合のマニュアル、あるいは応急復旧体制のマニュアル等々について総点検をいたしまして見直しをして、新しい制度を設けて現在に至っているということでございます。
 いずれにいたしましても、高速で走る「ひかり」でございますので、その安全性につきましては細心の注意をもって当たるように今後とも指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#109
○阿部(昭)委員 同じようなことでありますが、昨年の五月に新幹線「のぞみ」、これが名古屋で発電機のボルトが脱落して、空気ホースを切断した、五時間近くも立ち往生じてダイヤが大混乱をした、こういう事故であります。
 今こういう典型的な、信楽、それからひかり二九一、それから「のぞみ」、この三つの事故について、信楽の方は調査報告書をいただけるということになりましたが、「ひかり」及び「のぞみ」についても資料をいただけますでしょうか。
#110
○秦野政府委員 この点につきましては、私どもの方でJR東海に対しまして事故原因の調査とそれから再発防止対策についての警告書を渡しております。それに基づいて、JRの方で所要の対策を講じて報告をしておりますので、その内容につきまして御説明させていただきたいと思います。
#111
○阿部(昭)委員 そこで、JR発足の当時に労使の共同宣言というのがあった。ところが、昨年の十二月にJR西日本、ここで相当長期にわたるストライキが行われた。大変私どもびっくりいたしました。
 労使共同宣言というのは、国鉄改革をやってJRになる、そして我が国鉄道事業の将来に対して、労使がお互いに信頼し合って責任を分担し合おう、こういうことが大まかに言ってあの共同宣言の精神。これがあったからこそ、いろいろな経緯はあったけれども今日のJR発足になってここまで来たんだ、こう私は思っておったわけであります。
 ところが、昨年の暮れにあのような、西日本においては四日間くらい続けたのか、相当長期のストライキであります。その中身を聞いて、私どもは驚きましたから調べてみました。そうしますと、率直に言って、労働時間の問題というのが労使間のいわば争点になったということであります。
 したがって、この労使間の争点になった労働時間の問題について、私は、少なくとも、ようやくここまでずっとやってきて国民の信頼を得たJRであります。それが、そろそろいろいろな意味で、収支状況もその他も若干難しい局面に来たのかなというやさきに、労使間にこれだけの紛争が起こったということは、これはゆゆしい問題。そこで、その内容は一体何なのかといって私どもなりに調べをしてみましたら、労働時間の問題であったということでありますが、運輸省はこの問題について把握をされておりましたら認識をお聞かせ願いたい。
#112
○秦野政府委員 今日までJRが非常に順調に経営を続けてこられましたのは、先ほど申しましたとおり、労使相協調して業務の推進を図ってまたということが大きな原因ではないかというふうに思っておりまして、私どもといたしましても、今後ぜひそのような関係を続けていってほしいものだというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど御指摘になりました昨年暮れのストライキでございますが、いわゆる乗務員の労働時間短縮とそれから勤務制度の改正につきまして、JR西日本から組合側に提案をいたしたわけでございます。しかし、一部組合と妥結に至らず、大変残念なことでございますけれども、九十六時間のストライキが行われたというふうに承知をしておりまして、私どもとしましては、今後ともJRの労使双方で、利用者の立場も十分に踏まえた上で、よく話し合いをしていただいてサービスの向上に努めていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#113
○阿部(昭)委員 運輸省は労使双方で話し合って決めなさい、円満にいきなさいということだけでいいのかどうかということが実は私の問題意識なのであります。
 あの場合に乗務員の、例えて言えば、こっちから乗って大阪まで行く、また帰ってくる、この待ち時間というものをどういうふうに見るかというのが大きな争点だったのであります。行き先地の先で待ち時間というのを御自由にしていいならいいんだけれども、そうはいかない、やはりこれは拘束されておる時間である。したがって、西日本の側は、三十分間というこの待ち時間を超過勤務として位置づけたわけです。
 したがって、西日本の勤務制度の中には、この三十分は超過勤務を前提としてダイヤを組んでおる。したがって、西日本の方は、東日本よりはうちの方がいいんだという説明をしておるところから、いや、東日本の方がいいじゃないかという意見もあって、大変もめの発端になったように私は見ておるのであります。ただ労使の間で話し合って決めなさいということだけでは、らちの明かぬ問題ではないかと私は思う。
 この問題について、きょう労働省もおいでになっておると思いますけれども、労働省の方で、この待ち時間という問題、超過勤務を前提としてのダイヤを組んでおる一―超過勤務というのは発生し得るわけであります。業務の予定どおりにいかない部分がちょいちょい出るわけである、これは超過勤務、当然である。しかし、頭から超過勤務前提で勤務態様というものを組むとすれば、これは今の時間短縮を推進しておる立場のあれからいうと、ちょっと考えさせられる問題はあるのではないか。したがって、この労使の間で話し合って決めるというのは大変重要なことである、ありますけれども、どういう方向に指導するのか、これがなければいかぬ問題だろうと私は思うのであります。
 したがって、今御答弁の労使の間でよく円満に話し合ってというのはわかりますよ。しかし、それだけでいいのかということになると、今の時勢の流れというのがあるわけであります。時間短縮。三十分間の超過勤務というのが前提でダイヤを組んでおるということは――超過勤務というのは起こり得ると思うのですよ、実際の職場の中では。しかし、頭から三十分の超過勤務は当然なのですというのは、これは一体どういうことですか、また違ってくるのだろうと思うのですよ。ちょっと労働省の見解をお聞きしたい。
#114
○上村説明員 ただいま御質問の件でございますけれども、所定労働時間を超えた、所定労働時間といいますのはその会社、事業の所定労働時間でございますが、それを超えた勤務時間を定めた際に、その時間全体が基準法で定めます法定労働時間の範囲内であれば、法律上は何ら問題はないというふうに認識しております。
#115
○阿部(昭)委員 今の場合はどうなのですか。
#116
○上村説明員 私どもが理解しているところでは、所定労働時間が七時間ということでございますか、それで先生今お話がありましたのは三十分ということでございましたが、基準法上、基準法は最低の労働条件を定めておりますけれども、一日につきましては法定労働時間八時間ということになっておりますので、その範囲内ということではないかというふうに理解をしております。
#117
○阿部(昭)委員 私が冒頭に事故とかいろいろなことを伺ったのは、特に大勢の人の人命を安全に運ぶ、これが鉄道事業の最も重要なことだろうと思うのであります。したがって、安全のためには乗務員の勤務態様というのは私は最も厳正に、健康、安定、いろいろな意味できちんとされていなければいかぬものなのではないか。したがって、基準法上の関係で、七時間が基準なら――私は超過勤務は一切あってはいけないなんて言わないのですよ、言わない。しかし七時間というのは、私はやはりある意味でいえば、八時間勤務といってもこういう安全とかいろいろなものを考えれば七時間だというのはわかるのですよ。しかし、三十分の時間延長、超勤というのが前提というのはいかがか。
 実際のところでは超勤というのは時々起こり得るものだろうと思うのですよ。しかし、超勤が頭から前提でダイヤに組むというのはいかがかという認識なのです。だから、基準法上問題ないという見解だけでいっていいものなのかどうか、大きい今の時の流れからいってですよ。
#118
○上村説明員 繰り返しになりますけれども、労働基準法では、法定労働時間の範囲内であれば基準法上問題はないということと、それから法定労働時間を超える労働時間につきましても労使が協定で、基準法三十六条に基づきますいわゆる三六協定、労使合意の上で協定を結んでいただいておれば、またそれに従って必要な割り増し賃金が払われておれば、法律上特に問題がないというふうに理解しております。
#119
○阿部(昭)委員 そんなことを言っているから方々で事故が起こるんだろうと僕は思うのですよ。やはり人の命を預かる職場というのはもっと厳重にしなければいかぬものだろうと思うのです。
 この問のストライキはなぜ起こったか。私は大変衝撃を受けました。私は、JR改革のときは、JR改革を推進するための役割を果たしたと思っていますから、あのときの労使共同宣言を締結された経緯から何から全部私はかかわってきた。それだけに、ようやくこのJRの関係もここまで来て、若干難しい局面に、ここまではこの数年間非常に順調に来たなと思っておったら、経営的にも収支の関係でも非常に難しい状況が再びまた出てきておるなと思っておるやさきのこの労使の紛争ですから、私は大変な衝撃を受けた。
 そこで内容が何だろうと思ってみましたら、さっき伺いましたように、乗務員の勤務制度の改正というものがテーマ。その内容というのは、今言ったとおりに行き先地における待ち時間というものを、この待ち時間は自由時間じゃないのですよ、全部拘束されておる、これを一体どのように見るかというので議論になった際に、今の超過勤務三十分というのを前提としてダイヤを組んでおる。超過勤務はあったっていいと思うのですよ。経営というのは現場の状況ではしょっちゅう超過勤務はあり得るわけです。しかし、ダイヤというのはこの鉄道事業の中でまさにスタンダードな土台なんですよ。この土台の中に頭から超勤前提という組み方は、もめるのは当然だろうと私は思っているわけです。
 そこで運輸省にお尋ねをいたします。
 東日本、これは西日本ですよね、今の三十分の超過勤務前提として勤務制度をつくっておるというのは。東日本よりも西の方が内容がいいんだ、こういう説明を運輸省がしておるというのです。この認識は運輸省、一体どういうことなんでしょうか。東日本の勤務制度よりも西日本の勤務制度の方がいい、こう運輸省は言っておるということです。
#120
○秦野政府委員 そのような評価をしたことはございませんし、今後ともするつもりはございません。
#121
○阿部(昭)委員 わかりました、そんな評価は一切したことがない。わかりました。
 それから、私の知る限りでは、さっき申し上げましたように七時間、東日本は七時間十分なんです、勤務時間が。十分東の方が多い。ところが、西の方は三十分の超過労働を前提としていますから実際には二十分長いことになる。そうすると、三十分は超過勤務手当になりますから、超過勤務手当というのは普通の時間内賃金よりも割り増し賃金をつけなければならぬわけでありますから、その意味で西の方が東よりも少し計算的にはいいんだ、こういう理屈があり得るんだろうと思うのですね。
 問題は、西日本の一日の総労働時間というのは七時間三十分、東の方は七時間十分ということになるわけでありますが、問題は、東よりも西の方がいいということを言った覚えがないと言われるので、それでいいのでありますけれども、超勤三十分、七時間半と、それからもう一方は七時間十分のスタンダードな勤務時間でありますから、その意味でいえば西の方が確かに賃金の方は、支給される金額の方はよくなる、これは当然のことである。しかし、内容的にいえば、時間が長いし、ダイヤに超勤労働を組み込んでおるわけですから、私は組み込むべきでないと思うのでありますが、それを組み込んでおるのでありますから、支払いの額としてはよくなるかもしれませんけれども、実際はそれは虚構ではないか、虚偽ではないかというふうにさえ私は思うわけであります。
 今、東よりも西の方がいいなどと言った事実はないという御説明でありますから、これ以上申し上げません。
 それから、問題は、解決を非常に困難にしているのは、組合が幾つかあって、多数組合の皆さんば七時間半という三十分超過労働というものを会社側と合意いたしました。したがって、少数組合の方が合意しないのでもめておるのです、こういう説明がある。ただ、私が非常に恐れるのは、この場合の勤務の内容というのは乗務員のことなのですね。今の西日本の提案しておる、多数組合とまとまりましたと言っておる内容に対して、乗務員という関係でいえば七〇%の皆さんが反対なのですよ。
 私がなぜ申し上げるかというと、乗務員の皆さんというのは安全なりなんなりで一番深くかかわる部分なのですね。そういう意味で、運輸省も鉄道の輸送の安全、それから労働省の方は端的に言えばトータルとしての今の時代の流れである時間短縮、こういう角度から一定の指導性を発揮して、再びこのような労使の紛争が起こらぬような努力というものをすべきではないか、私はこういう認識の上に物を申しておるわけですけれども、見解をぜひ承りたい。
#122
○秦野政府委員 御指摘のとおり、安全問題というのは鉄道事業の根本をなすものでございますから、これは労働側とかあるいは使用者側とかそういったものではなくて、全社を挙げて真剣に取り組むべき問題であるというふうに考えております。
 また、今お話しのいわゆる多数組合であるかあるいは少数組合であるかにかかわらず、使用者側としては誠意を持って十分な話し合いを行うということは当然のことだと思いますし、私どももその方向で指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#123
○阿部(昭)委員 今の勤務態様、勤務制度という問題は、ひとり日本のみならず、諸外国の中でも共通した議論があるところであります。したがって、諸外国はどのようになっているか。
 私がこんなことを言うのは、鉄道事業というのは、労使の間に本当の意味の信頼がちゃんとあって、ストライキが起こるような事態がないという状態になって、安全が本当に確保されておるというのが大変重要なことである。この数年間に、JR発足以来、ようやく国民との間に一定の信頼関係が築かれてきた。これがまた再び、しょっちゅうもめごとがあって、またごちゃごちゃになっていくというのは、これはかなわぬ、こういうのが私の思いの大前提にある。  
 そういう意味で、諸外国はこういう待ち時間という関係、行き先地における待機時間というもの等々も絡めて、一体どういうようなやり方をしておるかということをぜひ調べてほしい。それをぜひ後でお聞かせをいただきたい。いかがでしょうか。
#124
○上村説明員 労働省としては、先生の今のお話にありました諸外国の状況、現状では把握しておらないところでございます。
 今後、そういった点、どこまで把握できるのかよくわからないところはございますが、先生のお話も伺いながら、できる範囲内で考えてみたいと思っております。
#125
○阿部(昭)委員 運輸省はどうですか。
#126
○秦野政府委員 私どもといたしましては、外国がどうなっているかということは、例えば私どもから外国の運輸省に照会をいたしましても、恐らく運輸省自体でそのようなことを把握していないのではないかというふうに思われますので、ちょっと外国において調査をするということは事実上かなり困難ではないかという気がいたしております。
#127
○阿部(昭)委員 そうだろうか。私ども外国を回ると、在外公館に運輸省から行っているようなところもあちこち出くわしますよ。そんなところで、そう難しいことじゃない。在外公館に運輸省から行っている人も、私ども外国に行けばしょっちゅうぶつかる。ちょっとやってもらえばすぐわかるのじゃないですか。そんな難しいことですか。
 私は、労使の間に安定した、紛争やもめごとのない状況をどのようにするかという思いで物を申しておるわけです。そんなこと調べたってわからぬだろうという話は、ちょっと局長、それはないのじゃないですか。あなたの部下がよっぽど在外公館へ行っていますよ。行っても、そんなことも調べもできぬようならば、運輸省から在外公館に余り行く必要ないのじゃないですか。諸外国の例を、どの程度できるかわからぬが調べてみましょうと言うのならわかるけれども、調べたってわからぬだろうという答弁はちょっとないのじゃないですか。私は二十七年国会にいますが、そんな木で鼻をくくったような答弁したこと余りないですね。
#128
○秦野政府委員 申し上げました趣旨は、外国の運輸省で多分把握していないのではないかということで申し上げたのでございますが、どういう状態になっているか、別途照会いたしてみます。
#129
○阿部(昭)委員 調べてくださるということですね。努力してくださいよ、そのくらいのことは。
 それから、これは外国じゃないから極めて簡単だろうと思うのですが、地下鉄とか我が国の都市交通とかという関係のことも、私は鉄道よりもそっちの方をもっと心配しているのです。最近の都市交通とかああいうところは競争が物すごく激しい。したがって、事故などもしょっちゅう起こっているという意味で、鉄道と同様、鉄道は私はJR改革にかかわったという意味で思い込みがちょっと深いのですけれども、都市交通や何かも私は大変心配しています。そういう意味で、ぜひそっちの方もどういうようなことかお調べをいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#130
○秦野政府委員 労働省さんの方と連絡をとりながら対応させていただきたいと思います。
#131
○阿部(昭)委員 労働省、いいですね。どうも労働省も木で鼻をくくったような感じですからね。
#132
○上村説明員 お答え申し上げます。
 国内の個別の、先生おっしゃいました私鉄のいわゆる待ち合わせの時間等の扱いについて、現状ではこれも個別には把握しておらないところでございますが、私ども、運輸省と十分相談をしながら努力したいと思います。
#133
○阿部(昭)委員 わかりました。ぜひ調べてもらいたいと思います。
 特に、同じようなこと、航空、海運、最近海運などもしょっちゅう大事故が起こっております。したがって、その中で実際業務をやっておる、業に従事をしておられる皆さんがどういうような勤務態様になっておるかというのは大変重要なことだと思うのであります。そういう意味で、ぜひお調べをいただきたい。きょう、あすとは言いませんから、ぜひなるべく早い機会に、わかったところからお教えをいただければ大変ありがたい、お願いをしておきたいと存じます。
 それから、時間短縮というのは今や特に我が国においては大変重要な大きな問題になっておるわけです。私は、これは単にJRのみならず、率直に言ってトラック業界その他も全部含めて時間短縮問題というのは最大の問題になっておる。最近、トラック業界などはなかなか人が集まらぬ。大臣はその方の専門家ですからあれだろうと思いますけれども、私の知っておる限り、方々の業界では人が集まらぬというので物すごく苦しんでおるというのが現状であります。
 したがって、ぜひそのあたりの流れに対して逆行しない、JRはもちろんのこと、業界全体の新しいあり方を追求する必要があるのではないか。この業界が、JRを中心として、若い方々が将来に希望を持つことのできる職場になっていかなければいけないのではないか。そういう意味で、ちょっとあそこでストライキやもめごとがあったから私に言われた。したがって、しょうがないや、ちょっと調べをせぬわけにはいかぬだろうという程度のものじゃなくて、私は、全体としてJRを中心とする運輸業界、行政全体を含めて、やはり次の世の中をリードしていけるような、そういう展望を持った一つの考え方というのは必要な時代ではないかというふうに思われます。そういう意味での御尽力をぜひお願いをいたしたい。
 今のもめました、ストライキにまでなったような乗務員の勤務制度というのが三月十八日のダイヤ改正、ここから実施をするというふうに聞いておりますけれども、私はその先にまたごたごたが起こるのかなということを大変懸念しておるわけであります。この辺のところを一体どのように見ていらっしゃるのか、そういうストライキのような後ろ向きな事態が起こらぬような状況をやるために一体どういう指導、手だてというものが考えられるのか、これもぜひお聞かせを願いたい。
#134
○秦野政府委員 御指摘のとおり、会社側といたしましてはダイヤ改正の機会にこのような、今先生御指摘のような制度を導入したいという意向を持っておるようでございますけれども、先ほど来お話のございますように、一部組合とまだ妥結に至っておりませんので、なお誠意を持って話し合いを行うように指導してまいりたいというふうに考えております。
#135
○阿部(昭)委員 そうしますと、今の乗務員勤務制度の改正、これが実際乗務に従事をしておる皆さんの七〇%は賛成しないという中で、三月十八日のダイヤ改正では実行される。私は、これは水と油ほど違うというならまた問題は別だろうと思うのです。実際上は、どうも水と油ほど違うような問題のようには思えないのです。しかし、現場では実際上その三十分間のダイヤに組み込まれた超過勤務というものに対してノーだ、賛成できないと。超過勤務を全部拒否するわけじゃない。超過勤務というのは常時起こり得る。しかし、ダイヤというのは土台ですから、その土台の中に頭から三十分の超過勤務を組み込むなんというのは、それはだめ、こういう皆さんが乗務員の中に七〇%いる、組合構成でいえば。そうすると、三月十八日からやるとなると、またそこで一波乱起こるのじゃないかということを私は懸念する。
 そういう意味で、JRはここまで来て、去年あたりまでの流れから若干難しい収支関係、さっきから申し上げているように起こっておるというときになると、労使の関係に本当の意味の信頼関係を私はやはりつくる努力をすべきではないか。それは、労使お互いもう民間会社なんだからやりなさいというのもいいけれども、私はやはり、国鉄からJRに持ち込んだ、それも、私らも当時運輸省と随分協力し合って、私は今でも忘れませんが、国鉄改革法案の本会議の議論等もいたしましたけれども、それが、あの当時労使共同宣言とかいろいろな経過を経てここまで来ておって、また大きく紛争が広がっていくなんということは、大変に私は思いの中に何とかならぬかという思いがある。
 そうすると、私は、運輸省としてやはり一定の指導というのがあっていいんじゃないか。あれは民間会社がお互いでストライキをやろうと何やろうと、どうぞ御自由にやりなさいというわけではない。やはりしっかりした指導というのがあっていいのじゃないかと私は思うわけです。優秀な鉄道局長といえども、なかなかこういう場所で、公開の場ではっと物を言うのは難しいのかもしれません。しかし私は、一歩踏み込んだものがないと、現実にしょっちゅうもめられたのではいけない、私はそういう認識なのです。いかがでしょうか。
#136
○秦野政府委員 若干繰り返しの御答弁になりまして恐縮でございますけれども、やはり勤務制度をどうするか、勤務時間をどう見るか、これは基本的には労使間の話し合いによって決まるべき問題であるというふうに考えております。
 ただ、ただいま先生御指摘のように、労使間の信頼関係が薄れてくるということは、私どもとしても非常に困った問題でありますし、それがひいては安全の問題なり、あるいは経営問題全般に及んでくるということは非常に懸念されるところでありますので、先ほども御答弁申し上げましたように、労使間が本当に信頼関係を持って交渉に誠意を持って当たるということについて、私どもとしても強く期待をし、その実現に向けて努力をしたいというふうに考えております。
#137
○阿部(昭)委員 嫌みで言うわけじゃありません。この間、山形で知事選挙があった。そうしたら、どこどことは言いませんよ、業界に対するある省からの内々の電話が物すごいのですよ、こっちにこうせいと。ははあ、これが業界に対する指導というやつかなと思った。そのくらいのことが私ども選挙などを長年やっておるとあるのですよ、実際は。大変なものです、あの電話の数は。
 したがって、私は、恐らく局長も大臣も、特に大臣は大変な苦労人ですから、世の中の推移や流れに対して大臣ほど敏感な人はおらぬと私は思う。その意味で、ここまで来たJRが労使の間に信頼関係が損なわれるという事態は、建前としては今局長がおっしゃるとおり、秀才答弁のとおりなんですよ。労使の間でまず話し合っていく、それはそのとおりです。この間選挙なんかをやってみると、本省のしかるべきところから物すごい電話がかかってくるのだから。指導というのはああいうものかなと私は思った。
 そういう意味で私は、やはり今の一つの考え方を持ってもらわなきゃいかぬのは、三十分というものを、ダイヤは基本ですから、そこへ、土台へ織り込んでおるというのが考え方として是なのか。あるいは超過勤務というのが起こる状況はしょっちゅうあるわけですよ、起こったら起こったでいいわけです。頭からダイヤに組むという考え方は超過勤務という性質と違うんだろうと私は思うのですよ。
 そういう意味で私は、今度また、再び十八日、七〇%の乗務員は反対だ、こう言っている中でこれは実施しますね。またもめるかもしれません。これは私は起こらぬようにすべきではないかと思います。こんなごたごたやっておったら、信楽だの「ひかり」だの「のぞみ」のようなどえらい事故などがまだ起こったら、これはかなわぬというふうに私は思うのです。
 そういう意味で、ぜひ心してこの局面に対処していただきたいものだと私は思うのですが、大臣の御答弁は後でお伺いします。局長、もう一遍。
#138
○秦野政府委員 決して秀才答弁をするつもりはございませんけれども、内容にわたりまして役所の方からああだこうだというふうに申すのは非常に難しいというふうに考えます。ただ、先ほども申しましたとおり、信頼を持って、あるいは誠意を持って交渉するということは何よりの基本であると考えますので、その点につきましては、十分に会社側にもその趣旨を伝達いたしたいというふうに考えております。
#139
○阿部(昭)委員 最後に、大臣にお願いでありますけれども、さっきの許認可事項、これにつきましてお示しをしてくださるということをお聞きして、大変ありがとうございます。きょう、あすとは言いませんから、ぜひなるべく早く、きのうお聞きしましたら、まだ各省庁によって違うと思うんだけれども、非常に精査をして、項目の表題、中身、きちっとしておるところと、運輸省のように業務態様がいろいろ入り組んで複雑なところはなかなか粗削りに書かれておるところと、いろいろあるんだというお話も聞きました。
 そこのところは、こっちもそう物わかりの悪い方じゃありませんから、そんな少々の、手書きとワープロぐらいの違いのことに目くじら立てたりするほどこっちもあれじゃありませんので、ぜひひとつ、先ほどお出しくださるということを聞いて、大変ありがとうございました。ぜひお願いをいたしたい。それが一つ。
 第二の点は、ぜひひとつ運輸省、労働省で、今も最後に申し上げました、超過勤務というものは何であるか、基準法上一日八時間以内ならばよろしいということでいかないものが鉄道とか輸送業務の社会であるんだろうと私は思う。したがって、この超過勤務が頭からスタンダードなダイヤというものの中に組み込まれておるというのは是か否か、私は、それはやはり是ではない、こういう認識ですが、これもぜひ考え方をひとつまとめてほしい。諸外国の例も調べてもらいたい、あるいは都市交通とか私鉄とか、そういう関係もぜひ調べられるだけ調べてほしい、こうさっき申し上げましたが、これもお願いいたしたい。
 それから、信楽とかあれの関係の調査報告書もぜひお願いいたしたい。信楽はいいのかもしれませんが、ほかのところがまだ、十二分でなければ十二分でないもので結構でありますので、ぜひお願いいたしたい。
 これからも、JRはもちろんのこと、我が国運輸行政が国民の期待にこたえられるように、私どもも大いに国政の場にある者としての責めを果たす努力をしたいと思います。ぜひひとつ大臣の一層の御高配をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#140
○森田委員長 東順治君。
#141
○東(順)委員 東順治でございます。当委員会、私初めての配属でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 きょうは初めてでもございますし、若干多目に質問を準備させていただきましたので、どうか簡潔明瞭にお答えいただきたい、このように思います。
 この大臣の所信に沿いましてずっと質問を進めたいわけでございますが、一番最初に、空港の問題につきまして伺いたいと思います。
 新北九州空港というものが、構想以来実に二十年、ようやく自衛隊との空域調整等も何とかクリアをいたしまして、事実上着工の見通しがついたということで、地元としても大変に大きな喜びとしているところでございます。この空港の用地となります新門司沖土砂処分場、この整備の取り組み状況につきましてお伺いいたしたいと思います。
#142
○坂井政府委員 今先生のお尋ねの件でございますが、これにつきましては、六十年十二月に港湾計画に位置づけまして、私ども事業主体でございます第四港湾建設局が、六十三年に関係十七漁協に対して事業計画を説明し、平成元年一月から漁業交渉を進めている状況でございます。現在進行中でございます。早急に解決を図るべく調整を現在進めております。
 また、漁業交渉と並行いたしまして、流況調査、環境調査等を行いまして、閣議決定されました環境影響評価実施要綱に基づきまして、平成四年の九月から埋め立てに係る環境アセスメントの手続を現在実施中でございます。
#143
○東(順)委員 その漁業権の問題でございますけれども、めどとして大体いつごろまでに決着がつきますか、その見通しをお願いします。
#144
○坂井政府委員 先ほども十七漁協というふうに申し上げました。私、直接担当しているわけではございませんけれども、現地の建設局長の意向あるいは皆さんの意を体すれば、当初は年内というような話も聞いておりましたが、いろいろな仕事の段取り等々からすれば、年度内ぐらいに解決ができればなというふうに思っておるわけでございます。
 しかし、これは相手のあることでございますので、今ここで何とも、いつには大丈夫だというふうには申し上げられませんが、先ほども申し上げましたように六十三年から交渉を始めた、こういう経緯もございますので、何とかこのあたりがそろそろ潮どきかな、もう一頑張りというふうに思っておる次第でございます。
#145
○東(順)委員 ぜひ順調に事が進みますようにというふうに思います。
 それから、先ほどございましたこの環境アセスの件でございますけれども、これから特に、何事によりましてもこういう建設関係というのはアセス問題というのがすごく重要な問題でございます。最初にボタンをかけ違いますと、これはもう最後まで尾を引くということで、そういう意味からすれば、今が一番最初でございますので、県の方も四建の方に環境アセス準備書についての意見書というものを出しておりますけれども、どうかこのアセスにつきましては、きちっとした形で最初からの対応をお願い申し上げたい、こう思うわけでございます。
 また、空港建設、始まりましたら始まりましたでまたこのアセスの問題というものが出てくるというふうに思いますので、。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、続きまして、港湾整備のことにつきまして伺いたいと思います。
 港湾整備ということで平成五年度の重点、どこに置かれておるのか、それを伺いたいと思います。
#146
○坂井政府委員 港湾整備につきましては、三年度からスタートいたしました第八次港湾整備五カ年計画に基づきまして計画的に実施しておるところでございますが、五カ年計画の主要な柱は、効率的な物流体系の形成、快適な旅客交通体系の形成、豊かで潤いに満ちた生活のための港湾の整備、それから資源の安定供給、地域産業の振興のための港湾の整備、海上交通の安定性の向上を目指した港湾の整備、新たな利用可能空間の創出をするための港湾の整備等ございます。
 その中で、今御指摘の平成五年度の港湾整備事業の重点といたしましては、特に外貿コンテナターミナル等の輸入インフラの整備、海運へのモーダルシフトを進めるための内貿ターミナルの整備、旅客ターミナル、マリーナ等々の整備、あるいは緑地等の生活大国を目指した豊かなウオーターフロントの整備等々に重点を置いて、計画的な実施をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#147
○東(順)委員 今お話が出ましたモーダルシフト、あるいはウオーターフロント等について伺いたいと思います。
 まず初めにモーダルシフト、これを進めるための受け皿となる港湾整備を先行的に進めていく必要がある、このように思うわけでございますけれども、将来のテクノスーパーライナーの就航に対する取り組みを含めまして、この整備状況について伺いたいと思います。
#148
○坂井政府委員 先生御指摘のモーダルシフトでございますが、御案内のように貨物輸送につきますと、トンキロベースで自動車が約五割を占めておる、海運が四十数%、こういうことでございます。
 労働力不足あるいは環境の悪化、交通混雑の問題等から、やはり私どもも貨物のモーダルシフトといいましょうか海上輸送への転換というようなことが重要ではないかなというふうに考えておりまして、もちろん運輸省の中でも貨物流通対策本部というものが設置されまして、モーダルシフトの推進が進められておるところでございます。
 特に、海へ貨物を流すということでございますので、これにつきましてはその受け皿となります港湾の整備をある程度先行的に進めざるを得ないというようなことでございます。しかも私ども、このモーダルシフトという言葉が出る前は貨物の定型化輸送、どちらかといいますと貨物輸送の合理化という観点から内航コンテナ船だとか、あるいはローロー船、フェリー等の内貿ユニットロードターミナルの整備を従来からやっておるわけでございますが、新しい五カ年計画の中ではこれをモーダルシフトの重要施策の一つとして位置づけ、鋭意推進しているところでございまして、平成五年度につきましては二十三港において整備推進を予定しておるところでございます。
 それから、今お尋ねのテクノスーパーライナーに関する調査につきましては、港湾局としましては六十二年より実施をいたしております。平成四年度よりTSL対策本部というようなものを私どもの局内につくりまして、特に二つの委員会、TSLに関する港湾開発検討委員会、それからTSLの港湾荷役システム開発委員会をつくりまして、TSLの需要予測だとか港湾の配置、あるいは高速荷役システム、特に従来のものに比べますと一けた効率よく扱わなければいけないという宿命になっておりますので、こんなことを中心に今勉強をしておるところでございます。
 テクノスーパーライナーの実用化が一九九〇年代の後半ということをにらみますと、今後とも海上技術安全局を初め各関係局とも密接な連携をとりながら検討を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#149
○東(順)委員 それから、ウオーターフロントの形成ということでありますけれども、このウオーターフロントにおける民活事業の導入、これの位置づけ及び状況、この辺をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(敬)委員長代理着席〕
#150
○坂井政府委員 民活事業につきましては、特に近年、我が国の経済社会における国際化だとか情報化、技術革新の進展に伴いまして港湾に対する要請も非常に高度化、多様化しております。これまで積極的に導入を図ってまいりました物流あるいは生産の機能の高度化を進めるとともに、生活に係る機能を特に充実して、潤いのある豊かなウオーターフロントを形成し、時代に即応した港湾の整備を行うことが重要な課題ではないかというふうに思っておるわけでございます。
 したがいまして、従来やっております岸壁、臨港道路、緑地等に係りますいわゆる公共事業、あるいは土地造成等々の起債事業にあわせまして、民間の資金、機能的あるいは効率的な経営能力等々を活用させていただきまして、国際会議場あるいは旅客ターミナルあるいは港湾業務用施設、港湾文化交流施設あるいは物流高度化基盤施設等々、多様な機能を有する施設の整備を図っていく必要があろうというふうに考えております。
 こんな観点から、港湾整備の手法といたしまして、民活事業を積極的に昭和六十二年から導入を図っておりまして、民活法で言います特定施設整備事業あるいは特定民間都市開発事業等の民活関係の諸制度の整備充実を図ってきておるところでございます。
 特にこの中で、民活法の特定施設につきましては、これまで三十一プロジェクト、四十五施設の事業に着手しておりますし、このうち東京の港湾業務用の施設だとか、あるいは大阪及び青森等の港湾文化交流施設等二十二施設がもう既に供用をしております。
 また、特定民間都市開発事業につきましては、これまでに三十九プロジェクトの整備事業に着手しております。このうち特に北九州の新門司地区のフェリーターミナルだとか、あるいは早岐港のハウステンボス等の旅客ターミナル等三十八施設が供用の運びになっております。
 しかし、まだまだ量的には少ないと思っておりまして、引き続きウオーターフロントの活性化という観点から積極的な整備を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#151
○東(順)委員 首都圏の建設残土等の廃棄物の処分につきまして、埋立処分の要請が大変増大している、このように聞いておりますけれども、港湾局としていかが対処されようとしておりますでしょうか。
#152
○坂井政府委員 いわゆる建設残土の処理の問題につきましては、首都圏のみならず、全国的にかなり厳しい状況にあるのではないかなというふうに思っております。
 この件につきましては、私どもでは相当古くからといいましょうか、昭和四十八年から、港湾法を一部改正いたしまして、港湾施設として廃棄物埋立護岸を位置づけ、自来積極的に廃棄物あるいは建設残土の受け入れを港湾の中でやっておる次第でございます。年間に直しますと、事業費で約三百億、大体三十港くらいのペースで全国的に事業を展開しておるわけでございます。
 特に、今首都圏という話がございましたが、五十六年には厚生省と共同いたしまして広域臨海環境整備センター法というものをつくらせていただきまして、東京湾とか大阪湾におきます自治体の廃棄物の広域処理を行う新たな制度を整備いたしました。
 大阪湾につきましては、五十七年三月にセンターができまして、尼崎と泉大津沖の処分場で受け入れをやっておるところでございます。東京湾につきましては、ややおくれておりましてまだセンターの設立には至っておりません。私どもといたしましては、厚生省と一緒になりまして、東京湾フェニックス計画の基本構想というものに基づきまして、東京湾を中心といたします七都県市首脳会議、いわゆるサミットと言われておりますけれども、そこで現在検討が進められておるところでございまして、まだ完全にフェニックスをつくろうという合意がなされておりませんが、その芽が出てきつつあるのではないかなというふうに感じ取っておるところでございます。
 しかし、これにばかり待っておれませんので、私どもは、特に首都圏におきましては長々期的には湾の中で処理すること自身がいずれ不可能になるというふうな認識をいたしておりまして、現に、現在でも東京湾の外に船で、しかも千トンとかいうかなり大型の船で建設の残土が出ていっておりますので、やはり全国的に首都圏の建設残土を受け入れてくれる港湾の埋立地に対しましては、広域資源活用護岸というような名前で新たに平成五年度の予算として計上をさせていただいておるところでございまして、これによりまして、埋立用材の引き取りといいましょうか活用といいましょうか、そんなことが少しでもうまくできる、全体として環境への影響がより緩和できるような対応が可能になってくるのではないか。
 いろいろな手だてがございますが、やはり首都圏につきましては、基本的にはまず東京湾のフェニックス計画を実現すること、それから長々期的には湾の外での処理というふうなことも真剣に考える必要があるのではないかなというふうに思っている次第でございます。
#153
○東(順)委員 ぜひそのフェニックス計画が見事に実現の運びとなりますように、飛ばないフェニックスにならないように、これは大変大事な問題でございますのでこれからも随特質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから第三点目でございますが、大臣の所信表明の中で「交通施設等の整備に当たっては、乗り継ぎの利便や高齢者・障害者等の利用にも配慮するなど、利用者の視点に立った施策の推進を心がけてまいります。」このようにございます。私は大変大事な視点だなと思うわけでございます。
 そこで、障害者の運賃の割引制度についてお伺いさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず最初に、障害者運賃を割り引いている理由につきまして、私は次のように理解をしておるのですが、この認識でいいのかどうなのか、まずお伺いしたいと思います。
 一つは、障害者の人たちは健常者と同じように働くことはなかなか難しい。したがって、一般的にその所得は低い。したがって、障害者の皆さんが単独で交通機関等を利用する場合の交通費の補助というものをしていかなければいけない、こういう考え方が一つあるのではなかろうか。もう一つは、障害者であることによって介護者が同伴する、そういった折などにその分だけ余分な費用がかかる。したがって、介護者が一緒に同伴して交通機関を利用する場合は運賃、料金を二人合わせて一人分にしていかなければいけない。こういう二つの考え方が障害者運賃を割り引いている根本的な理由である、私はこのように認識をしておりますが、この点はいかがでしょうか。
#154
○秦野政府委員 鉄道の例で申し上げますと、ただいま先生のお話しになったことと基本的には同じことだと思います。
 そもそも発足のとき、昭和二十四年でございますけれども、そのときは、先生が今言われました後の方の点、つまり非常に重度の障害者の方で、どなたか御一緒でないと移動できないという方が二人分の運賃を払うのはお気の毒であるということで、それぞれ五〇%、つまり一人分の運賃を払えば移動ができるということから制度が発足したものと考えております。
 その後範囲が拡大いたしまして、例えば運賃は、百キロメートルを超えるような場合で運賃の負担がかなり割高になるというような場合には、それを軽減するという目的で百一キロ以上についての割引制度ができたという経緯をたどって今日に至っているわけでありますが、いずれにいたしましても、今日では、会社の方の一つの営業政策と申しますか、営業割引的な感じの中で制度が行われているというふうに理解をいたしております。
#155
○東(順)委員 そうすると、私が最初に言った第一点目は、それはその判断でよろしいのでしょうか。
#156
○秦野政府委員 百一キロメートルについて、より高額になるという意味で割引制度を設けたという点では、そのとおりでございます。
#157
○東(順)委員 それで、障害者運賃の割引率の問題でございますけれども、JR、民鉄、バス、旅客船が大体五〇%、航空が二五%、タクシーが一〇%、こういうふうに割引率がばらばらな状況にありますね。
 飛行機の割引率をJRなどと同じく五〇%に引き上げることはできないのか、この辺の必要性があるのではないかというふうに思うわけでございます。先ほど申し上げました最初の第一点目の交通費の補助、さっきおっしゃいました百一キロを超えた場合の。そういうことから考えますと、JRは五〇%割り引かれて飛行機は何で二五%なのだろう、どうしてこれは五〇%にできないのだろうか、非常に素朴にこういう疑問を持つわけでございますが、これはいかがでしょうか。
 と申しますのも、今の世の中、身体障害を持っているから、それがそのまま社会的にハンディキャップになるということではなくて、社会的な環境によってハンディキャップになるかどうかというものが決定される要素が非常に大きいのじゃないか、僕はこういうふうに思うわけでございます。したがいまして、飛行機に乗っかって行けるところを、逆に割引がJRなどに比べて非常に低いのだからJRを使って遠くまで行く、しかし体に障害がある、距離が遠いだけにハンディキャップが大変大きい、だから今回はもう行くまいというようなことで社会的制約になっていくということがあるのではなかろうか。こういうことから考えますと、当然JRと飛行機というのは同じであってしかるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この点はいかがでしょうか。
#158
○松尾政府委員 身体障害者に対する運賃割引は、各交通機関とも大体同じでございますけれども、結局その減収分は一般の利用者によって負担する、こういう格好になろうかと思います。
 したがいまして、このような公共的政策遂行のための費用を他の一般利用者に負担させるということは、おのずからー定の限度があるわけでございます。現在、社会福祉政策上の観点からの対応を基本といたしまして、各交通機関とも身障者割引を行っているわけでございます。今先生御指摘のとおり、確かに航空は今二五%でございまして、これもエアラインのいわば自主的判断によってやっていただいておるわけでございます。
 実質的に比較させていただきますと、今JRの運賃負担の問題がございますが、特急料金を含めた実質的な割引率でいきますと、ほぼ均衡がとれております。若干具体的に申し上げますと、例えば遠い路線で東京−福岡路線でいきますと、グリーン料金で今二万八千百円というのが運賃でございますが、これは割引後の金額が二万一千五百円ぐらいになっております。実質的な割引率は約二四%弱でございます。それから航空の場合でいきますと、今二万五千三百五十円というのが負担になっています。これは二五%ずばり引きますので一万九千円という負担になっておりまして、制度上、形式上からいえば確かに五〇と二五という数字はございますが、実質と負担から見ると均衡はとれておるのではないかなということで、今後の検討課題にさせていただきたい、このように考えております。
#159
○東(順)委員 今の東京−福岡二万一千五百円ですか、これは一般の、新幹線じゃなくて在来の特急でしょうかね。何でしょうか。
#160
○松尾政府委員 新幹線のグリーン料金で航空運賃と比較させていただいています。それで、運賃そのものが五割の割引になっていまして、特急料金は対象になっていないという現状でございます。
#161
○東(順)委員 要するに普通乗車券と特急料金合わせれば、特急料金が対象になっていないから、それで二つ合わせればたまたま二四%になるということなんですね。しかし、それは考え方の問題でありまして、やはりJRの方、特急料金も合わせて、そして例えば東京から福岡までといったらこれは大変な距離なわけですから、実際こうやって移動するということになれば当然特急料金も含めての五〇%割引というふうに考えるのが普通じゃなかろうかというふうに僕は思うのですね。
 それでもって、ああ本当に長い時間乗る分だけ、これだけ割り引かれるとありがたいな、それにまた飛行機も五〇%であればさらにありがたいな、こういうふうになるのじゃなかろうかというふうに思いますが、そういう一つの何となく落とし穴的な矛盾というものがこの中にあるのじゃなかろうか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#162
○秦野政府委員 先ほど航空局長の方からお答えしましたとおり、この割引制度の導入と申しますのは、要するにその割引による減収というものをほかの一般の利用者の方々から結果的にはちょうだいしたもので充てているという形になっておるわけでございます。したがいまして、余り無制限と申しますと言葉は悪うございますけれども、おのずから一定の限度がと申しますか、限界があるのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、いずれにしましても経営者側の経営判断ということになるわけでございますが、そこにはおのずから一定の制約があるのじゃないかというふうには考えられるわけでございます。
 しからば国によってその部分を強制して補てんすべきじゃないかという御議論も一方ではあるわけでございますけれども、その点になりますと、これはいわゆる一般の社会福祉政策との兼ね合いという問題、また別の観点からの問題も出てまいりますので、その辺を含めて慎重に検討すべき問題じゃないかというふうに考えている次第でございます。
#163
○東(順)委員 その次に、ちょっとごちゃごちゃになってしまうのですけれども、身障者がおひとりでJRを利用する場合に、片道百キロを超えての利用に限り五〇%割引でという先ほどのお話ですね。それから、定期券、回数券の割引は行われていない。今度は、第一種の身体障害者、精神薄弱者の方が介護者と一緒に利用する場合は距離の制限はない。何キロ以上云々ということはない。そして、本人及び介護者双方が乗車券、定期券、回数券、急行券の五〇%割引が受けられる、こういうふうになっておるわけですね。
 しかし今度は、本人が通学定期の場合は介護者は通勤定期しか受けられない。したがって、先ほど一番最初に私が確認させていただきました二人、本人と介護者を合わせてお二人分で運賃を一人分にする、こういう考え方からすると、本人が通学定期で介護者が通勤定期、こうなってくると、これは二人合わせて一人分を超すことになるわけですから、この辺の疑問が出てくるわけであります。
 こういうことも含めて、この割引率の統一化とか、あるいは利用制限の見直し等が各交通機関にわたって必要であるというふうに思うわけでございますが、この辺はいかがでしょうか。
#164
○秦野政府委員 先ほども申しましたとおり、一般の利用者の方々との関係でどの程度の負担ができるかというところに来るわけでございまして、そのあたりは基本的には経営者の経営判断の問題ということになるわけでございますけれども、私どもといたしましても極力、身体障害者を初め交通弱者の方々が御利用しやすいように、そういう方向で指導してまいりたいと考えております。
#165
○東(順)委員 確かに経営判断ということになるわけでしょうけれども、そこにやはり今も局長おっしゃいました指導性というものが非常に大事になってくるわけで、特にこれからは、例えば六十五歳以上の高齢者の方なんかを見ると、二〇一〇年には四分の一、そうすると、もう交通弱者という言葉はなくなるわけで、交通弱者が特別の人というよりも普通の人になる時代が間もなく来るわけでございます。
 そういう一つの近未来の社会というものをとらまえたところの指導性、あるいは福祉のノーマライゼーションということをきちっと踏まえた上での指導性、ここに私は国の行政の大きな力が働かなければいけないところがあるのじゃなかろうかというふうに思うわけでございますので、どうかひとつ強い指導性を発揮されて、その辺のアンバランスというものをきちっと整えていく、こういう御努力をぜひお願いをしたい、こういうふうに思うわけでございます。よろしくお願い申し上げます。
 それから、今度はこれに関連をいたしまして、鉄道駅の身体障害者用の施設につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
 九一年度の鉄道駅における例えばエスカレーターの設置率というものが一〇・一%、こういうふうに数字に出ております。これはJRと大手民鉄と地下鉄を合わせた数でございまして、JRだけをとりますと三、七%、大手民鉄が一二・一%、地下鉄が七五・五%、これは地下ですから当然このエスカレーター設置率ということになるのでしょうけれども、まず素朴な疑問から、JRと大手民鉄だけを比較しましても三・七%と一二・一%という、九一年度はこういう大きな差があるわけで、この辺の差というのはどこから出てくるのでしょうか。
#166
○秦野政府委員 母数になります駅の範囲の問題が一つございます。と申しますのは、先生今御指摘になりましたJRの三・七%の分母の方でございますが、トータルで四千六百六十のJRの駅がございますが、これが分母になっています。したがいまして、もちろんこれは大都会の駅もございますけれども、いわば地方のローカル線の駅も全部含めた数字でございます。したがいまして、割り算をいたしますとJRの方がどうしても率が低くなるという状況がございます。
 そこで、私どもでは、エスカレーターにつきましてはいわゆる整備指針というものをつくりまして、一定の基準、一応段差は例えば五メートル、一日の乗降人員が五千人以上という駅をまず当面の整備の対象として今整備を進めておるわけでございます。これでカウントいたしますとJRは五百七十九駅、大手民鉄が七百四十三駅ということになりまして、先ほどの比率が三・七%から一四・一%ということに上がりますので、そういう意味で大都市の中で相互に比較いたしますと、JRと大手民鉄は基本的にはそれほど差がない。もちろん十分な数字とは申しませんけれども、それほど差異がないということでございます。
#167
○東(順)委員 九一年十月十一日の、これは物の本に書いてあったのですが、読売新聞の調査で、定期券発売について、身体に障害を持っていらっしゃる方、介護者がいない場合は発売しないとする会社が全体の四分の一を超えているというふうに書いてあった。さらに、発売はするが実質的対応は大変難しいと答える、あるいは売らない場合もある、こういうふうに答える会社は、全部合わせると半数以上がそういうネガティブな反応をしている。
 つまり、それはなぜかといいますと、駅員さんなどの手をかりなければホームまで結局行けないような駅舎、そういう構造になっているがゆえに、駅員さんがそこまで対応がきかないということでもって身体障害者に対する定期券発売に対して全体の四分の一が発売しない、こういうふうなことだったのですけれども、こういう状況でいつまでも進むわけにはいかないのじゃなかろうか。
 したがって、特に先ほども申し上げましたけれども、二十一世紀高齢化社会というものを迎える、あるいはこの社会的弱者が普通に生きられるノーマライゼーション社会を構築しなければいけない、そういうことから考えていったときに、国とか自治体、事業者、この負担による新しい助成システムというものを早急に確立する必要性があるのではなかろうか。特に、交通というのは社会を支える重要なシステムでございますし、そういうふうに思うわけでございます。アメリカなどでは九〇年七月に制定された米国障害者法、これによりますと、駅とか鉄道車両などを障害者が使いやすく改善していない場合は差別というふうにみなされて、法律で期限を決めて整備を義務づける、ここまできちっと法的力で規制している。つまり移動をすることそのものが一つの人権というふうに認められておるわけである。
 こういう観点からしますと、やはり先ほどの定期券の問題というのは異常な事態だというふうに私は思うわけでございます。そういうことで、この新しい助成システムというようなもの、国と自治体と事業者それぞれの負担によるシステムというものをつくる必要があるのではなかろうか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#168
○秦野政府委員 私、ただいまの定期券の発売の件は初耳でございましたので、早速調査をさせていただきたいと思いますが、一般的に、先生御指摘のとおり、身体障害者等の交通弱者の方々のための施設の整備ということは、私ども大変重要な課題であるというふうに考えております。
 鉄道の場合、これはほかの場合でも同じだと思いますけれども、エスカレーター、エレベーターなどは、もちろん交通弱者の方以外にも、一般の利用者の方々も当然お使いいただけるわけでございますので、基本的にはその一般利用者の方々の運賃負担ということで整備を進めておるわけでありますが、国といたしましてもその重要性ということを十分認識しておりまして、例えば、開銀でJRとか民鉄に対する融資の対象といたしまして、エレベーターとかエスカレーターの施設あるいは車両といったようなものを対象に含めております。また、地下鉄等を建設いたします際にも、そうした施設についての工事費を補助の対象としてやっておるというようなことで、事業者の整備しやすい環境をつくっておるつもりでございますけれども、ただいまの先生の御指摘のような点も含めまして、今後さらにどういうシステムが望ましいか検討をしていきたいと考えております。
#169
○東(順)委員 大臣、今の点につきまして重ねて大臣にも御所見というか決意というものをお伺いしたいんですが、例えば、自治省が地域福祉推進特別対策事業というものを改正して、九二年度から公営地下鉄の身障者用エレベーター等の整備や、車いすのまま乗り入れる公営バスの車両の購入に対して、条件のよい地方債の発行や、一部を地方交付税で補うことを認めたということがあるらしいんですが、このように新しいシステムをつくるときに、ある意味では、あるときは運輸省と自治省というものがお互いに手を伸ばし合って力を出し合う、そしてまた、自治省は自治省で地方自治体とがっちり、助成という形で助けるというようなことで、それぞれが力を出して総合的に新しいシステムというものをつくっていかなきゃいけない、このように思うんですが、その必要性ということについて、いかがお思いでしょうか。
#170
○越智国務大臣 身体障害者あるいは高齢者、いわゆる交通弱者に対する施設でございますが、今政府委員から御答弁申し上げたとおり、鋭意努力をいたしております。
 まず、JRにいたしましても、駅の改装、特に建てかえ等のときには必ずやってくれということで実施をいたしております。既存駅でやりますのはなかなか大変な問題がございます。特にエレベーターの場合は非常に難しい。エスカレーターにいたしましても、駅のスペースの問題等これあり、非常に難しいのでございますが、今先生のせっかくの御意見でございますので、自治省また地方団体等とも連絡をとって、でき得る限りの努力をしていきたい、かように考えておる次第であります。
    〔佐藤(敬)委員長代理退席、委員長着席〕
#171
○東(順)委員 こういう問題というのは、総論賛成、各論反対にどうしてもなるんですね。スペースがない、金がないというようなことで、結局は後送りになるというようなことで、今の大臣の御所見を伺いまして、ぜひその線で進めていただきたいというように思うわけでございます。
 それでは最後に、私は、この一月二十一日にスマトラ沖で起きましたタンカーの衝突事故につきましてお伺いしたいと思います。
 大臣の所信の方でも、「最近における相次ぐタンカー事故の発生にかんがみ、国際海事機関等の国際的な場での積極的な対応を含め、こうした取り組みをさらに充実強化してまいる所存であります。」このようにございます。
 衝突というものを防ぐ対策としまして、世界の主要海域に分離通航方式というものが設定されているわけでございますけれども、このマラッカ海峡、約一千二百キロある、ここではどのような状況になっておりますでしょうか。
#172
○向山政府委員 分離通航方式につきましては、国際海上衝突予防規則、正式には千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約と申しますが、これに基づきまして、国際海事機関におきまして定めております。
 マラッカ・シンガポール海峡におきましては、同海峡の中で三カ所、一つは、マレーシアのクアラルンプール沖、それからもう一つはシンガポール海峡の東口の付近、それからその中間にございます、シンガポール海峡とマラッカ海峡の接続部分であります、曲がった部分があるわけですが、その屈曲部の三カ所に設定をされまして、現在通航分離方式、通航の分離が行われております。実施になりましたのは一九八一年でございます。
#173
○東(順)委員 三カ所で実施されているということでございますけれども、今回の事故発生場所というのは本当に船舶が集中するところで、この場所を含むマラッカ海峡全体の分離通航方式、こういったものが必要ではなかろうかというような報道もたくさんあるようでございます。
 このマラッカ海峡でございますけれども、タンカー銀座というふうに言われて、十年前ですが、一日三百隻が往来している、今では千隻単位というふうにも書かれております。それから、日本としましては、原油輸入量の七五%を占めている中東からの原油のほとんどがここを通る、また大型船の通航が、喫水が深くなる満潮時に集中する、そこでまた事故が起こりやすい、こういうふうな状況でございますので、例えばIMO等に、この三カ所ではなくて海峡全体の分離通航方式、こういったものを、そういう原案というようなものを日本が積極的に提案をしていく、こういったことができないのでしょうか。いかがでしょうか。
#174
○向山政府委員 ただいまの問題を含めまして、全体の安全対策として検討されるべき問題ではないかと思いますけれども、もちろん、我が国としましてもこの問題は大変重要な問題だと考えております。ただし、これは、関係する国が非常に多うございまして、我が国だけで判断できる問題でもございませんし、第一に沿岸国の意向をまず踏まえて対処すべき問題であるというふうに考えております。
 したがいまして、検討の場といたしましてはIMO、国際海事機関において検討されることが適当ではないかというふうに思われます。そういう観点から、このタンカーの事故の後、我が国からもIMOに対しまして同海峡の安全対策の検討を促進するよう働きかけ、申し入れをいたしたところでございます。今後のIMOにおける検討におきましては、我が国としても積極的に参加していきたいと考えております。
#175
○東(順)委員 そうすると、例えば具体的に今のようなこの分離通航方式、全域にわたる分離通航方式というような具体的提案というものは日本からIMOにできないのですか。これはいかがですか。
#176
○向山政府委員 沿岸国からの意見といたしましていろいろな案が提示されておるわけでございますけれども、この一つとして提案するとか、この一つを検討するということではなくて、いろいろな問題点があるわけでございますので、総合的な検討が必要ではないかというふうに思っております。
 それで、実は現在既に検討がIMOにおきまして始められておりまして、IMOの中に専門家から成りますワーキンググループが設置されて、近々現地の調査も行うということになっておりまして、我が国もこれに参加しております。そういう中で、全体の検討の中でただいまの考え方も含めて対応を考えていきたいというふうに思っております。
#177
○東(順)委員 それから、この沿岸国から、特にインドネシアとかマレーシアから通航税、あるいは重量制限による規制措置等の声が上がっておりますね。これに対して運輸省としてどのように考えておられるのか、これをお伺いしたいと思います。
#178
○向山政府委員 最近におきまして、特にマレーシア等の沿岸国からさまざまな形での航行安全対策の必要性につきまして、ただいまの点も含めましての問題提起がなされていることは承知しておりますけれども、いずれにしましても国際的な通航制度にかかわる問題でございますので、IMOの場におきまして広く国際的な合意と協力の中で検討していかなければならないと考えております。
#179
○東(順)委員 あくまでもIMOを通してということの認識なわけですね。わかりました。
 このマラッカ海峡周辺というのは、先ほどのような厳しいタンカーラッシュ、タンカー銀座に加えて、激しいスコールによってレーダーの映像も不鮮明になって身動きがとれなくなるということもしばしばあるというふうにも聞いております。
 そこで、例えば今東京湾で行われている東京湾海上交通センターというものがあるということで、これは東京湾全域をレーダー情報網でしっかりカバーする、それで観音崎レーダー局のほかに複数のレーダー局を設けておって、その映像をそれぞれ使用して横でつなぎ合って東京湾全域の船舶の動静というものを総合的に監視する、こういう大変すばらしいシステムだということをお聞きいたしました。一日約八百から八百五十隻の交通量、その二〇%がタンカーというような東京湾でもってこういう非常に充実した監視システムというものがとられている。
 これを、例えばこのマラッカ海峡に応用するような形で日本がIMOに提言できないのか。こういう提言とともに、もしそれが可能ならば資金供与も含めて、技術供与も含めて日本が貢献できないのか。どういうのでしょうか、マラッカ海峡の安全というものは実は事実上日本の技術とお金でもってきちんと担保されているというようなとこ、ろまで持っていければ、それがまた大きな大きな日本の国際貢献としての役割にもなるのではなかろうか、このように思うわけです。
 したがって、この東京湾海上交通センターシステムというようなものをマラッカ海峡にぜひ応用してもらいたい、できるというような提言というものができないものかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
#180
○向山政府委員 御指摘の点でございますけれども、まずマラッカ・シンガポール海峡というのは、先ほどもお話がありましたように千二百キロにも及ぶ非常に広大な海域でございまして、日本の例と直ちに比較するわけにはいかないのではないか。それからもう一点でございますが、日本の場合は国内の問題でございますけれども、このマラッカ・シンガポール海峡の問題は直接の当事者としても三国があるわけでございまして、まず三国がどういう考え方を持っているかということを基本にして対処していかなければいけないのではないかというふうに思っております。
 ただ、全体の航行安全対策をこれから国際的な場で検討していく場合には、当然幅広くいろいろな観点からの検討を行わなければいけないわけでございまして、そういう検討の中で我が国としても積極的に参加して協力してまいりたいというふうに考えております。
#181
○東(順)委員 三国とも、事故がないということはこれは大歓迎なわけでありますから、インドネシア、マレーシア、シンガポールとそれぞれ立場も違う、状況も違うこともあると思うのです。例えばシンガポール等は、船の行き来にいろいろな規制を加えることそのものが自国にとってマイナスなのではなかろうかというようなポジションがある。いろいろあると思います。
 いずれにしても、事故が防げて、かつ船舶の航行はどんどん行われるということであればこれはいいに決まっているわけでありますから、三国の思惑があるというのだったら、その三国の思惑をよく確認をして、確かにおっしゃるように規模はマラッカと東京湾とは全然違うわけですから、ただし原理的な応用というのはこうやったらできるのではなかろうかということで、もう一歩足を深く踏み込んだ形での積極的な国際貢献、こういったことが必要ではなかろうか、私はこういうふうに思うわけです。
 そこで、大臣にお伺いしたいわけです。実際にこのマラッカ海峡の恩恵というものを一番受けている国はどこなのか、こうなるとやはり我が国になるわけでございます。しかも日本の国際貢献というものが声高に叫ばれ始めているそういう状況でもございますし、日本がここはひとつしっかりイニシアチブをとってIMOに積極的に働きかけて、そしてマラッカ海峡の航行の安全については、日本という国がしっかり控えていて担保しているというぐらいの存在感をここはひとつ示すべきではなかろうか、一番恩恵をこうむっているわけですから。そのように思うのですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#182
○越智国務大臣 マラッカ海峡が我が国の特に油輸送に非常な貢献をしておる、こういう認識は先生のおっしゃるとおりであります。
 そこで、今タンカーが非常に大型化しますし、新造いたしますとどうしても速度も速くなる、こういうことでございますから、我が国の単独のことでできますことは、船自体の構造、二重構造とかあるいはまた精度の非常に高いレーダーをつけるとか、こういうことであろう、こう思います。
 さて、今のマラッカ海峡につきましては、第三風でございますから、今政府委員が答弁いたしましたように、私の方、日本はこういうふうにやっておりますよというようなことを提言いたしまして、安全航行に万遺漏のないようにIMOを通じまして努力をしていく、積極的に提言をしていく、そういうことによってより安全な海峡としてやっていくように進めたい、かように思う次第であります。
 東京湾の海上交通安全センターも、日本では東京湾でこういうふうにやっておりますよというような説明をいたしまして理解を求めて、その上で資金の問題とかいろいろ相談がありましたら、資金、技術ともに協力をする。しかし、こうしなさいということは第三国ですからなかなか言いにくいという点もございますので、IMOを通じて積極的に提言し、実施をしていく、こういう手法で進めたい、かように思っている次第であります。
#183
○東(順)委員 大変前向きな、積極的な御発言でうれしゅうございます。ぜひお願いしたいと思います。
 先ほどもおっしゃっていましたように、三月にはIMOの調査団もマラッカに行く、その中に日本からも参加している、こういうことでございますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それで、ヒューマンエラーの問題なのですけれども、こういう船の衝突というような事故の八割がヒューマンエラーだというような報道もございます。日本に原油を運ぶタンカーのうち、日本船と外国船の比率が一九八五年には六対四だったのが、九一年にはそれが四対六に逆転しておる。要するに、外国人の船員が大変多くなっている。今回衝突事故を起こしましたナビゲーターとサンコー・オナー、ともに船員はすべて外国人であった。コストを抑えるために日本の海運会社は海外に子会社をつくって、便宜置籍船というシステムでやっているということで、外国人の船員の教育訓練という問題が今クローズアップされておるわけでございます。
 便宜置籍船に限らず、広くODA等も含めて、これまで外国人船員の教育訓練ということに対してどういう形で我が国としてやってこられたのか、そしてまた、これからの展望はどうなっているのか、この辺をお伺いしたいと思います。
#184
○長尾政府委員 船員の訓練とか資格などにつきましては千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約、いわゆるSTCW条約が取り決められているところでございますが、この条約では、船員の資格の国際的なレベルの統一とともに、先進海運国が開発途上国に対しまして技術協力を促進すべきであるとされております。
 こういったところから、我が国は、これらの国からの要請に基づきまして、船員教育に係る国際協力につきまして、これまで二国間協力を中心にいたしまして技術プロジェクトの実施であるとか、あるいは専門家の派遣、それから研修員の受け入れ、機材の供与、さらに御指摘のございましたODAの一環といたしまして、開発途上国の船員の乗船研修などを実施してきているところでございます。
 今後ともタンカー研修の拡充など、内容の充実を図りまして、外国人船員教育に関する国際技術協力を積極的に推進していくことといたしたいと考えております。
 なお、このたび運輸省内に設けられましたタンカー輸送の安全対策に関する懇談会におきましても、船員の安全教育の一層の徹底について検討されることとなっておりますので、この懇談会の結果なども踏まえまして適切な施策を進めてまいりたいと考えております。
#185
○東(順)委員 では、時間が参りましたので、以上で終わります。
 ありがとうございました。
#186
○森田委員長 佐藤祐弘君。
#187
○佐藤(祐)委員 きょうは、二つの問題でお聞きをしていきます。
 最初に佐川関連でありますが、大臣は、運輸行政が非常に注目されているこの時期に運輸大臣に就任をされたわけであります。戦後の歴史を見てみますと、政治家が絡む疑獄事件などは運輸行政と絡んでいるものが非常に多いのですね。指揮権発動で有名な一九五四年の造船疑獄に始まりまして、陸運局とか武鉄汚職。武鉄汚職のときには現職の運輸大臣に有罪の判決が東京高裁で出ていますし、その後もタクシー汚職とか、何といっても一九七六年、運輸大臣、運輸政務次官だけでなくて総理までがかかわってというロッキード事件もありました。それからまた、その三年後にダグラス・グラマン事件があるのですね。
 こうして見できますと、本当に運輸行政にかかわるものが多い。しかも、最初の造船疑獄のときには運輸省の官房長も逮捕される、あるいは参考人だったと思いますが調べられた課長補佐の方が自殺をされるというようなこともありました。
 今度は佐川事件ということであるわけですが、大臣は、こういう多くの疑獄事件がなぜ運輸行政絡みで起きるのか、また、なぜ繰り返されるのか、こういった点についてどう考えておられるか。一部には、許認可とも絡んだ構造的なものではないかという指摘もあるのですね。そういう点と、こういう問題についてどう対処しようとしておられるか、その点、まずお聞きをしたいと思います。
#188
○越智国務大臣 先生いろいろお話がございましたが、例えば佐川事件にいたしましても、政治献金の問題あるいはまた暴力団との関連の問題等々を考えましても、これは直接許認可の問題と関係をしておるということではございません。
 むしろ他省庁の問題等もこれありまして、今まではそういう点について、ただ運輸行政上の許認可ということで、もちろん他省庁の意見も聞いておりましたけれども、これをさらに強めてやっていきたい、こういうふうに思います。例えば労働基準法違反にいたしましても、これは労働省の問題でありますし、現地では監督署の問題であろう、かように思います。しかし、安全の問題等も絡んで、そこをよく連絡をとりながら進めていきたい、かように思う次第であります。
 他の許認可につきましては、公平に、妥当にやっておった、こういうふうに考えておる次第であります。
#189
○佐藤(祐)委員 大臣は今のようにおっしゃったのですが、必ずしもそうとは言い切れないと私たちは考えております。
 確かにスピード違反とか超長時間労働といいますか、直接的には労働省、建設省などがかかわる問題も大変あります。ありますが、私も本委員会で昨年来質問もしてきたのですけれども、運輸行政との絡みでいいましては二つ大きなポイントがあると私は思っています。
 一つは増車ですね。これはもう他の業者と比べますとすごいスピードで車がふえてきている。もう一点は積み合わせの許可という問題です。もう大臣はよく御承知だと思いますが、本来区域業者にすぎない佐川が全国ネットの営業展開を可能にしたのはこの積み合わせの許可なんです。この二つ、増車と積み合わせ許可、これは重要なポイントだということで、運輸委員会だけではなくて予算委員会その他でも問題になり、前任の奥田運輸大臣は、去年の十二月でしたかね、全国的によく調査をしてみたいという答弁もされているわけです。ですから、許認可が直接絡んでいないというふうには言い切れないといいますか、むしろそこをめぐって疑惑、疑問もあるわけですね。それで、そういう点を運輸委員会としてもすべて解明をする責任もある、そう私は考えておるわけです。
 それで、そういう立場といいますかそういう観点で、例えば増車の問題でいいますと、去年事件が発生してすぐに私たちは佐川のグループの車両の推移、変遷、これを出していただきたいという要求を運輸省にしたのです。そうしましたら、当時はちょっと全体は難しい、主管店だけにしてもらいたいというので、主管店の増車の推移、これをいただきました。最初私がいただいたときのが不正確だというので、その後訂正されたものもいただいたのですが、これでも一年に五百台とか千台とか、東京佐川だけとってみましても相当な勢いで、異常と言っていいと思うのですね、一般の他の業界との比較をいたしますと。
 総合的に言うと、一九八〇年から九〇年、約十年間とりまして、全体の地域トラック業者の車両の増加率、十年間で大体一・五倍なんですよ、五割増し。ところが、佐川に関しましてはふえ方が何と四〇〇%ですね。だから、当然これは何か行政もかかわったのか、あるいは政治家の口ききがあったのかと、さまざまなそういう批判を呼んだ。疑惑を呼んだ。それはまだ完全に解明されているとは言えないというふうに私は思っています。
 そこで、この主管店だけではなくて全佐川ですね、佐川急便の社は今たしか八十幾つだったと思いますが、その社の車両の推移、これを出していただきたい、あるいは積み合わせ許可の実数ということを去年十二月にお願いしたのですが、非常に部分的なものしか出してこなかった、出されなかったのですよ。これはやはり全容を解明していくという上で非常に不十分だというふうに私は思っているのです。
 それで、きょうも改めて佐川関連の各社の車両の推移、出していただいたものはここに持ってきましたけれども、一県一社ということで四十五社しか出ていない、全体には八十幾社あるわけですが。しかも六十年度以降のものしか出してもらっていないのですね。やはりこれでは全容解明の役に立たないというものなので、まずその点、資料を出していただきたい。十分な資料ということをお願いしたいが、どうですか。
#190
○土坂政府委員 佐川の増車等につきまして資料要求が昨年ございました。私どもで作業をさせていただいたわけでございますが、全社にわたりまして過去ずっとさかのぼって調べるというのは、実は先生、陸運支局の職員に現実に作業をやらせるわけでございますが、なかなか膨大な作業でございます。通常の業務をやりながら、しかし国政調査に協力するために残業もしてもらって作業をしていただいたわけですが、全社を全部過去にというのはやはり少し無理であろうということでもございましたので、とりあえず調べられる範囲でということで、六十年度以降各県一つずっということで資料の提出をさせていただいたということでございます。
 今、さらに調べよという御指摘でございます。私どもとしては、御指摘があればできる限りのことはしなければならないと思います。ただ、今申し上げましたように、一つは過去にさかのぼっていきますと、やはり資料の保存その他で限界が出てまいります。資料というのは保存期間というのを過ぎて必ずしも残っているとは限りません。それから、今申し上げましたように、通常の業務以外にこういう業務をやらせることについての負担ということもございます。
 したがいまして、そういう限界なり、それからやはり多少お時間をいただきたいと思いますが、そういうことをお願い申し上げた上で、運輸省としてできる限りのことをさせていただきたいというふうに思います。
#191
○佐藤(祐)委員 このことで私は二つ申し上げたいのです。
 実は、運輸省自身がこれだけ国民的に問題になっている事件、この増車問題というのは去年から私自身もやりましたし、いろいろ指摘もあるわけですよ。そういう状況があるならば、運輸省みずからがもう既にこれまでに調べておってしかるべきだと私は思うのですよ。ところが、私たちが要求して改めて各陸運支局に指示を出しているというのがどうも私は解せないというのかな、当然みずから解明する責任はあるわけですから、それは増車がどうなっているか、暦年、これは簡単だと思うのですよ。
 今、大変困難だというようなことをおっしゃったけれども、例えば積み合わせについて、私たちは各陸運支局をじかに調べたのですよ。そうしましたら、数字は出てくるのです。我々のこのわずかな体制だけでも短期間でそれが掌握できるのですね。運輸省という機構で持っていて、これは調べがつかないなんて、そう大げさなことじゃないと思うのです。だから、これはぜひ要求にこたえて資料提出をしていただきたい。改めて言っておきます。
 それから、時間の関係で、そういうことを私たちが言いましたのも根拠はあるのですよ。本当に全容をよく知りたいということですね。
 こういう問題が最近ありました。今月五日、東京地裁で佐川疑惑をめぐる記事についての裁判があって、口頭弁論が行われた。これは、三塚政調会長が東北佐川と密接な関係にあり、いろいろ便宜を図ったという記事に対して、三塚さん側が名誉を傷つけられたということで訴えられたものです。これは、菊池久という人が書かれた記事をめぐってなんですが、その公判の中で、三塚氏の秘書だった鈴木という方が被告側の証人として出廷されて、こういう証言をしておられる。これは公の場で公に言われたものですから、名前を隠す必要はないと思うので申し上げます。
 それによりますと、八四年の初めに中尾宏元代議士、これは佐川氏と関係が深いということでもう有名な方です。これが三塚氏の事務所にやってこられて、三塚氏のパーティー券を佐川が七百枚分買ったし、あと三百枚追加して買うことになっている。しかし、その見返りの増車許可がおりていない。三塚さんと話がついているから、おまえ、すぐ運輸省にかけ合ってこいというふうにこの秘書の方に言われた。秘書の方は運輸省へ行かれたわけですね。やりとりもありまして、その記録も持っておりますけれども、その後うまく話がつかないというので、帰ってきて三塚さんにこの秘書の方が報告された。そうしましたら、これは公判廷での重言ですよ、三塚さんが、おれが上で話をしているから、おまえたちはさわらないでいいと言われたというのですね。こういうことが公判廷で公然と証言もされているわけですよ。
 そうしましたら、当然これは解明しなきゃならぬ。私たちが昨年十二月にそういう車両の推移、積み合わせの推移、そういう資料をお願いしたのも、全容解明したい、その中には当然この問題の問題意識、いわゆる二千台増車問題ですよ、これもあったわけです。だから、そういう不可欠な資料として提出をしていただきたいということを重ねて申し上げたいし、この問題ではたしか運輸大臣が二月十六日の予算委員会で、二千台云々の話が出た後で、一番ふえた年は千六百五十一両だという答弁もなさっていますね。当然そういう資料は運輸省としてはお持ちなわけでしょう。その千六百五十一両が何年のことだったかというのも大臣からもお聞きもしたいし、運輸省にはわかる資料をぜひ出すべきだということを申し上げたいのです。
#192
○越智国務大臣 許認可の問題でいろいろ御質疑がございますが、この貨物自動車につきましては、一万行革審の方では、できるだけ許可をしろ、こういう指示であります。そして、いろいろありましょうが、佐川が急激に伸びたといいますのは、やはりトラックで戸口から戸口、あるいは事業場から事業場、こういうことで非常に便利な運送をやった、こういうことであろうというふうに思います。そうしてその間に、いろいろ労働基準法の違反とか車庫の違反とか建築基準法の違反とか都市計画法の違反とか、こういうことにつきましては、それぞれ私の方、運輸省としましては、相手の調査とか証明とかとってやっておったのですが、それが必ずしも正確でもなかったというようなことがございます。
 でございますから、私は、そういう面について今後よりよく相談をしていく、連絡をとっていく、そしてその上でひとつ許認可をする、その事業場なり配送センターなりあるいは事務所、そういうものが、それをつくる前にやはりそういう農地法であるとか都市計画法であるとか建築基準法であるとか、そういうものを正確に見る、確認をする、これはもう行政が違っておりますけれども、そういうふうに確認をする、こういうことでやっていこうということであります。
 でございますから、今の増車につきましては需要があったからそういうことになった、運輸省はむしろ、貨物自動車については申し出があって全部許可条件がそろっておれば許可をしないとならない、こういうことにございますから、抑えるということはなかなかできにくいのが今の貨物自動車であります。
 それから先ほどの、前の運輸大臣が御答弁しておったそうでございますが、今までも佐川急便については過去二回特別監査をいたしまして、それの報告は求めております。第三回のこの調査、特別監査をいたしまして、それを今取りまとめておる、これが実態であります。
 以上、答弁をいたしておきます。
#193
○佐藤(祐)委員 いろいろ反論もたくさんありますが、当時は佐川の増車というのはそう単純じゃなかったんですよ。同業他社がどれだけそれに対しておかしいという意見を寄せたか。座り込みまであったんですからね。その戸口から戸口というのを可能にしたのが、私さっき申し上げた積み合わせ許可なんですよ。これについてもいろいろな意見があって、トラック協会内で大トラブルが起きたほどの事件、すんなり規定どおりに済んだというものではないのです。だから問題になっているわけですね。
 今おっしゃられなかったけれども、千六百五十一両の増車をした、それはまあいいです。とにかく二千両増車が問題になった後、本当に急激に、主管店だけでも千台、千五百台とふえているんです。これは一年間で二千両ふえなきゃいかぬということではありませんから、これはそれだけの大変な数字ですよ、ほかと比べますと。東京佐川だけを見ましても、主管店だけの比較で見ましても異常なふえ方をしているという問題、これがどうして可能になったか。さっき読み上げました公判では、三塚氏が関与しているんじゃないか、ということが公に議論もされているわけですが、こういう問題を含めて解明の必要があるんだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 それで、時間の関係もありますので次の問題に行きますが、トラック業界の問題なんです。佐川もトラックですが、ちょっと違う問題ですね。
 といいますのは、けさほどからの議論もありましたが、景気の低迷、不況が続く中で深刻な事態が今起きている。いろいろな形で大手が運賃のダンピングをやるとか、それから下請、トラック業界というのも下請が多重構造になっているんですよ、二次、三次、四次と。一番下は一人親方といいますか、一車持って持ち込み。それで、五両、十両一二十両あたりでもう六割ぐらいですかね、会社の数でいいますと、二十両までしか持っていないというのが六割ぐらい。
 そういう多重構造ですから、その下請の運賃を一方的に切り下げるとかいうようなことが起きているわけですね。突然、おまえのところはもういいよというふうに下請を切るとか。我々、いろいろ聞いているのですが、運輸省はそういう実情をどう把握しておられるか、まずお聞きしたい。
#194
○土坂政府委員 運輸省でトラックの取引のすべてを把握しているわけではございませんけれども、トラック事業というのは、荷主との力関係ではやはり弱い立場にございます。したがいまして、景気の後退局面に入ってまいりますと、遺憾ながら、やはり運賃のダンピングが行われていることはあろうかというふうに考えております。
#195
○佐藤(祐)委員 あろうかと考えているじゃまずいんじゃないですか。ダンピングというのは認めない立場でしょう、運輸省は。
#196
○土坂政府委員 もちろん、これは認めないわけでございまして、私どもとしては、定期的な監査なり、あるいは適正化事業実施機関の活動を通じまして、違法が確認された場合にはそれに対応した措置をとるようにしております。
#197
○佐藤(祐)委員 調査はされているでしょうか。こういうのは当然ごらんになっていると思いますが、業界新聞がいろいろありますね。一、二持ってまいりましたけれども、そこで、例えばこれは今月の二月十五日号の「とらっくウィークリー」という新聞です。
 ここでは「運賃激安セール展開 一部大手」という記事が載っています。それで、「店じまいセール」とか「ついに、「節分ディスカウントセール」」というのまで出たというんですね。三日から十日までの八日間、期限を限定ではあるが、全国どこへ持っていっても三百円均一と、べらぼうな安さですよ。大体千円以下というのは少ないんだから、それを全国三百円均一とか、こういうのが出ているわけですよ。
 当然こういうのは運輸省は知っているわけだから、こういうのは報道があったら、一体これはどこがそういうことをやっているんだと早速調査に入ってしかるべきじゃないですか。
#198
○土坂政府委員 今先生の仰せになりました「とらっくウィークリー」の問題につきましては、中国運輸局を通じて現在調査をしているところでございます。
#199
○佐藤(祐)委員 そのほかにもどの程度調査されているのか。だから第一問でお聞きしたんですよ。これは、そういうトラックの現場で働いておられる労働者を組織している運輸一般という組合がありますが、そこがいろいろ調査しています。かなり膨大なこういうアンケート用紙をつくって調査しているんですね。この中で現場の方から、経営者もありますし労働者もいる、とことこがダンピングやっているというのが出てきているんです。
 そうしますと、もう大変なことですよ。大手はほとんどやっていますね。これは調査のあれですから名前を言いますと、佐川はもちろんありますし、それから福山とか西濃とか、いろいろな形で各地で出てきているんですね。だから私は、全面的な調査を運輸省はやるべきだということをきょうは申し上げたい。
 非常に公然としたものが起きて、それで、運輸省としても警告された事例も持ってきました。これはペリカン便ですね、日通です。千歳の支店からこういうものを出したんですよ。日通の千歳支店から新千歳空港の中のテナント店殿あてで、それで、通常は千三百円とか千六百円とか行き先によって違うのですが、これを千円まで値引きしてよろしいというのをことしの一月に出したんですね。これが問題になって、まずかったというので追っかけて二月三日付でおわび、訂正の通知を出しているのです。それで、いわゆる定価でやってもらいたいというものを出している。こういうことも起きているのですね。
 さすがに運輸省陸運支局もこれに対して警告の文書を出されたということも我々は承知しておりますが、これは非常に拙劣なやり方というか、文書で連絡するというのは。これは表面化したのにすぎないのであって、ダンピングは相当深く起きている。だから、ぜひ全面的な調査をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#200
○土坂政府委員 トラック事業が健全に発展するためには、コストに見合う運賃を取っていくということがどうしても必要なことでございます。ただ、それはまず第一義的に事業者の自覚にかかってくるわけでございまして、ここのところがしっかりしておりませんと、だれかがダンピングをすれば対抗上はかの人もやるということで崩れていくわけでございます。
 したがって、その点をきちんとしてもらうということが一番大事だろうと思っておりまして、それを私どもは定期的な監査あるいは適正化事業実施機関の活用、こういったことを通じて常に把握をいたしまして自覚を促し、違法なものについては是正を求めるという格好で対処をしてまいりました。これからもそういうことできちんとやってまいりたいと思います。
#201
○佐藤(祐)委員 運輸省の答弁というのは一応筋が通っているように聞こえるのだけれども、僕は違うと思うんだな。去年からの不況というのは、もう大問題になっているわけでしょう。そうすると、これまで決めていた定期監査でどうのこうのというのではないのだと思うんだ。そういうときにはそういう時期にふさわしい行動をしないとうそだと思うのですよ。業者は泣いているんだから、本当に、ダンピングをされて。中小業者は泣いているし、そこで働いている労働者にしわ寄せが行くのです。現に行っているわけです。だからこういう問題提起をしているのですよ。
 従来型の定期的な何とかじゃなくて、私もきょう事実を若干申し上げましたが、もっと必要なら来てくださいよ、幾らでもダンピングの資料を提供しますから。一週間だけ無料セールとか、そういうのもあるのです。いろいろな形でやっているのです。だから、やはり運輸省がそこを正さなければいかぬ。こういう問題です。
 それで、もう一点申し上げたいことがあるのですが、最後に運輸大臣にも御意見をお聞きしたいと思っております。
 今のダンピング以前に、今トラックは九〇年運賃というのでやっているのですよ。物流二法、以前は大臣認可だったけれども今は届け出運賃ということで、そのときの認可運賃が届け出運賃ということになってやってきているわけです。これも実態を調べますと、九〇年運賃が維持されているかというと、維持されていない状況なのです。これもアンケート調査、聞き取り調査を私たちもいたしましたが、九〇年運賃の大体八割ぐらいしか実際には収受できていない。七割というところもありました。これは結局競争の関係があるのですよね。だから、これ自体が是正されなければならぬ問題だというふうに私は思うのです。
 それで、まとめて申し上げますが、こういう状況の中でより深刻な問題は、トラック労働者の労働条件です。賃金とか労働時間、これは大変劣悪なのです。二千五百時間とか、政府方針とも反する事態ですよ、二千五百時間。しかも、年収は全産業平均と比べると相当低い。百万円も低いとかいろいろな数字がありますが、非常に低いのですね。
 そこで、運輸省に要請をしておきたいのですが、今たしか受理基準というものを作成中、作業中だと聞いています。運賃の改定の場合の受理基準ですね。その中に労働者の労働条件、およそ年収はどのくらいで、総労働時間はどのくらいだというものを原価計算の中にきちっと織り込んでやる必要がある。これまでも実態的にはやられてはおりますが、非常に低いのですよね。だから、この点では関係の労働組合などから年収七百万ということでやってもらいたいという要望も出ていると思うのですが、その要望を申し上げて、お答えをいただきたい。
#202
○土坂政府委員 労働者の賃金水準あるいは年収をどういう額にするかということは、これは労使の間で決めていただくべきものであろうと思います。運賃受理基準という格好で役所がその額を示すということはやはり適切ではないというふうに考えております。労使間で決めていただいたものに基づいて適正な審査をしたいというふうに思います。
#203
○佐藤(祐)委員 最後に大臣にお聞きしたいのです。
 今のやりとりを聞いておられて、ちょっと早口でやりましたから聞きづらかったかもわかりませんが、非常に深刻な状態が起きている。通常でも、決められた、運輸省が認めている運賃が払われていない、八〇%、七〇%になっている。加えてダンピングが起きていて、これはもう相当中小業者とか労働者にこれからますます深刻な影響を与えていくという状況にあるのです。これに対して、この是正の指導をぜひやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#204
○越智国務大臣 いろいろ御質問、また政府委員からの答弁等間いておりまして、確かにダンピングがあるのではなかろうか、こういうふうに受けとめます。しかし、うわさの域ではなかなか……(佐藤(祐)委員「事実はあるのです」と呼ぶ)でございますから、事実がある分をお示しいただいて、これが事実でございますということを責任持ってお示しいただかないと、うわさの域で論議いたしましても、実際に私の方もできるだけ調査もいたしますが、どうぞ事実があったらお示しいただきたい、かように思います。それに基づいて、事実であればそれぞれの処分をいたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
#205
○佐藤(祐)委員 我々が提供するというのがもちろんあっていいのですが、中心は、基本は運輸省自身が調べるべきだということを申し上げて、終わります。
#206
○越智国務大臣 運輸省が調べないと言っているわけではございません、運輸省も調べます。調べますけれども、新聞とかあるいはその他でいろいろ言われましても、それが事実かどうかということにつきましては……(佐藤(祐)委員「それは行ってみなければわからないのですよ、調べてみなければ」と呼ぶ)いや、だからそれを調べますから、お示しいただきたい、こういうふうにお願いしておる次第でございます。
#207
○佐藤(祐)委員 はい、調べてくださるなら結構です。
#208
○森田委員長 高木義明君。
#209
○高木委員 大臣に質問をいたします。
 まず、お尋ねの前に、去る二月二十一日の未明に、長崎県五島沖で漁船の海難事故がございました。今懸命な捜索活動がなされておるわけでございます。私たちにとりましては大変衝撃的なニュースでございました。」一日も早い救助を望むところでございます。
 これに当たられております海上保安庁におかれましては、大変気象状態の悪い中で、しかも荒波の中で懸命の捜索活動を行っておられますことに敬意を表します。どうか今後とも全員救助目がけてさらに奮闘されますようにお願いしておきます。
 さて、具体的な質問に入ります。
 私どもは、昭和六十三年、まだバブルがはじける前でございますけれども、いわゆる国民が経済力に見合った真のゆとり、豊かさを実感する生活先進国づくり、これは政府の生活大国づくりに先駆けて提言をし、微力でありますが、今日まで努力をしておるのであります。
 そういう意味で、運輸行政においても豊かな国づくりは大きな関係がございます。とりわけ、自立した活力ある経済活動、そしてまた、ゆとりと心豊かな国民生活を支える上で、運輸行政の役割は極めて大きなものがあると私は認識をいたします。
 そういう中で、きょうは、大都市圏の通勤地獄の解消あるいは多極分散型国土の形成、そういう大きな問題がございますが、その前にまず運輸大臣に、運輸行政そのものの見直し、すなわち各種の規制緩和の必要性がこれまでも多く叫ばれてまいりました。これは先ほどのお話もありましたように、佐川急便事件においても多く指摘されたところでありまして、運輸省は平成四年三月末現在で千九百六十六の許認可事項を持っております。これは全省庁のトップでありまして、その許認可総数の約一八%ぐらいの数字でありますが、こうした各種の規制がさまざまなゆがみや誤解を生んでおるのではないか、こういうふうに思う節もないではありません。そういう意味で、運輸省のみならず、とりわけ今規制緩和という方向へ動いておると思います。
 ここに新聞記事がございますが、これは先週十八日の産経新聞でありますけれども、この報道記事の中に住田JR東日本社長と岡野日本交通学会会長の対談記事がございます。この中で運輸省の事務次官を務められました住田社長が次のように発言をいたしております。今の規制は終戦直後のままで現実に合っていない、早急に見直しの必要がある。あるいはまた、私も長い間役人をした経験から、規制はえてして規制のための規制という運用になる嫌いがある。
 もちろん、運輸交通事業というのは国民生活の基盤の事業でありまして、公共性は極めて高いわけであります。したがって、安全が優先されますので、私は何が何でも規制を撤廃しろとかそういうむちゃなことを言うものでは全くございません。やはりこういうことを踏まえながらも規制は簡素化すべきものであろう。地方自治体に譲るべきものは譲る、あるいは民間の自主性に任せるものは最大限任せる、こういうことであるべきだと思っております。
 大臣、この機会にひとつ徹底的に精査をされまして、許認可官庁と呼ばれております運輸省でありますが、本来的な政策官庁に発展をしていただくためにも、そういう精査の活動をすべきではないかと思いますけれども、大臣の御所見を賜っておきたいと思います。
#210
○越智国務大臣 まず、海難事故の調査につきまして、海上保安庁、大変努力をいたしております。お褒めをいただいて感激いっぱいでありますのでできるだけ早く調査ができるように努力をいたしたい、かように思います。
 それから、豊かな日本、生活大国、こういうお話がございましたが、確かに今の大都市の交通事情等を見まして、まだほど遠い、できるだけ早く少しでもよくなるようにしないといけない、こういう実感であります。努力をいたしたいと思います。
 さて、許認可事項でございますが、十分精査して進めてまいりたい、かように思います。
 しかし、東日本の住田社長が対談でいろいろお話があった、このことは私も新聞を見ましたけれども。これは御本人も事務次官をされたことであります。そういうことがありましたら、対談の場でそういうことをお話しするよりは、やはり先輩として運輸省にこれはどうかという具体的なことを、評論家ではいかないので、一つ一つを着実にやっていくということが大事だ、私はこういうふうに思います。言論の自由のときでございますけれども、事務次官をされておる、ただいまJR東日本の社長をされておる立場でございますから、こういう問題については、率直にこういうことはどうであろうかというようなことを運輸省の方へ御提言いただく方がありがたいと思います。
 許認可事項につきましては、今もやっておりますけれども、十分今後も努力をして、見直すべきものは見直す、こういう姿勢で進めたい、かように思っておる次第であります。
#211
○高木委員 まずは見直すべきは見直していただいて、できるだけ簡素にしていただきたいと思います。
 次に、具体的な生活のための政治といいますか、私は今回、通勤地獄の解消ということで申し上げさせていただきます。
 ことしの運輸白書にも掲載されておりますように、東京都内に通勤するサラリーマン等への調査では、今通勤通学の不満が、住宅とか労働時間、これも大変な問題でありますが、そういった問題の不満を押さえて主要生活分野における最大の不満となっております。
 白書では、快適な通勤通学の実現が大きな課題となっているとして、「長期的にはラッシュ時の主要区間の平均混雑率を全体として一五〇%程度にまで緩和すること」といたしております。「特に混雑率の高い東京圏ではおおむね十年程度で一八〇%程度」、これはよく言われますが、体が触れ合うが新聞が何とか読める状態までに緩和することを目標にしております。そういうことで輸送力の増強等も進めていくとされております。
 この目標でさえ現状では達成困難ではないかと思われますが、しかし通勤通学がもたらす肉体的、精神的な負担を考えますと、もはや十年といった悠長なことではなくて、早急に何かの手を打つべきだと思っております。
 平成元年時点におきましては、首都圏のピーク時の平均混雑率は二〇八%となっておりまして、一部の路線では二七〇%を超えるものもあると言われております。混雑率二五〇%が身動きできず苦しいという状態であるから、二七〇%というのは大変な込みようだと思っておりますが、こういう実態を改めでどのように認識をされておられるのか。
 また、先日の新聞にも出ておりましたが、妊婦の方の投書に、産前休暇に入り、もう痛勤、いわゆる苦痛の痛でありますが、痛勤しなくてもいいんだと本当にほっとした、そういう投書も書かれておりました。こういった妊婦を初め、高齢者あるいは障害者に至りましては、こういった状態の中で一体どのように車に乗れというのか。こういう苦しい側面もあるわけでございまして、こういった実態の中で、通勤地獄解消という課題に対してどのように取り組んでいこうとされておるのか、あわせてお尋ねをしておきたいと思います。
#212
○越智国務大臣 先般、私、北千住をラッシュ時に視察をいたしました。仰せのとおり大変なものであります。その中で乗りかえ、北千住でございますから、これを駅の職員の皆さんも非常によくやられておる、また利用者も非常によく手なれておると感心をいたしました。あれでけが人が出ないのは不思議だ、かように私は感じました。まあ、ああいう状態で本当に生活大国と言えるのであろうか、こういうのが率直な実感であります。
 でございますから、まず輸送力の強化、これを何としてでも早くやりたい、こういうふうに思っております。しかし、これにはやはり期間もかかりますし、それのみではいけない。でございますから、事業所等に呼びかけて時差出勤等もお願いをいたしたい、こういうふうに感じました。
 さて、妊婦とかあるいは身体障害者、高齢者の方々があの時間帯に、一番ピークは八時前後の三十分ぐらいでありますが、これは、そういう妊婦や身体障害者、高齢者の方々が乗りかえをしたり、その電車に乗るということはとてもとても不可能な状態だ、こういうふうに感じました。
 でございますから、まず複々線化とかあるいは駅の改造とかそういうことをやりまして、要は輸送力の増強、これに全力を尽くしたいと思います。また、時差出勤、これによっていささかでも緩和ができるように努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
#213
○高木委員 通勤地獄の解消策としては、ただいまも申されましたように輸送人員の分散というのが現実的で、しかも当面の対策と考えられます。
 政府は、いわゆる時差通勤、ソフト面での人員分散対策を進める必要があるとして、昨年の四月から経済団体、労働団体、労働省などを含めた時差通勤問題懇談会を設けて検討をしておられますが、この懇談会は今まで三回開催されておりまして、しかもこれは一年間という期間を区切っておりまして、もうこの四月にはこの懇談会は解消されるのではないかということも考えられます。時差通勤対策は今が、今からが本当の正念場でございまして、この問題を真剣にとらえればとらえるほど、今後その懇談会をさらに充実をする、例えば労働省に加えて通産省あたりもこれに加えて、そしてこの問題の具体的な展開を図るべきではないかと思っておりますが、現状の活動と今後の対応について、あわせてお尋ねをしておきます。
#214
○大塚政府委員 時差通勤問題懇談会は今まで三回会合をやりまして、各方面の問題を検討しているところでございますが、その検討の中では、やはり企業や社会全体に対して時差通勤に理解と協力を求めていくことが必要であるという意見が各委員から提出されております。
 このために現在、利用者において時差通勤について理解を求めていくキャンペーン活動としまして、「オフピーク通勤のすすめ」をキャッチフレーズに展開しているところでございまして、新聞、テレビ、週刊誌を通しての広報活動、それから、もうそろそろ駅にもポスターが張ってございますが、二月下旬から主要な駅あるいは車内づりにおいて「時差通勤 オフピーク通勤のすすめ」の掲示、宣伝を予定しております。
 それから、先生今、懇談会をもっと継続すべきだと言われましたが、今後の検討結果としてさらにいろいろ問題が出てまいりましたら、私ども、これは別にそう制度的なものでもございませんので、やわらかい形の懇談会でございますから、引き続き続けることも考えておりますし、また、今後この運動の展開の中で、必要に応じまして事業を所管する他省庁の協力も得ていかなければならないと考えております。
#215
○高木委員 今後、特にこれは企業あたりの協力をいただかなければならないことだと思っておりますので、ひとつ鋭意足を運ばれてそういう協力を取りつける、こういうことをしていただきたいと思います。
 同時に、改めて申し上げますけれども、それは当面の活動でございますが、やはり輸送力の増強、交通アクセスの整備というのがこれはもう大切な仕事でございますので、そちらの方も通勤通学の地獄を解消するという意味でぜひ積極的に今後とも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、タンカーの安全対策についてお伺いをいたします。
 御承知のとおり、ことしに入りまして巨大タンカーの事故が相次いております。まず一月五日には、イギリスのシェトランド諸島沖のブレア号の座礁、一月二十一日にはスマトラ島北方でマースク・ナビゲーター号とサンコー・オナー号が衝突、両事故とも多量の原油が流出しておりまして、まれに見る海洋汚染事故として各地に被害が及んでおり保ます。
 特にスマトラの事故につきましては、我が国と非常に関係が深い事故だけに、世界の目が我が国の対応に集まったわけでございます。残念ながら日本の政府の対応はなぜか鋭さが目立った。そういうことからか、マラッカ海峡周辺諸国では同海峡の航行料徴収などの動きも再燃するということも報道されております。この際、運輸省としてこれらの事故をどう認識され、どのような対応をとっておったのか、今後、事故防止に向けてどのように取り組んでいくのか、この点について御所見を伺っておきたいと思います。
#216
○越智国務大臣 タンカー事故につきましては、大変御心配をいただきましてまことにありがとうございます。
 今タンカーの問題、いろいろ以前から検討もされておりますが、まずタンカーの二重構造とかあるいは船に積みますレーダー、これをより正確なものにする、また、船員の資質の向上、こういうことに努めてまいりたい、かように思います。
 我が国のものにつきましては早速そのことを実施いたしますし、世界的な問題につきましてはIMOを通じてひとつ提言をしていき、また、その中にあって資金とか技術とか援助をしなければならないものにつきましては、そういうことを進めまして前進させたい、かように思っておる次第であります。
#217
○高木委員 私は、この事故を通じましていろいろな対応が必要と思われましたけれども、何といってもやはり、船員の教育訓練、これが一番大切でないかと思っております。とりわけ、今混乗といいますか、外国人船員が乗り組む機会が多いわけでありまして、事故の多くはヒューマンエラーだと言われております。したがって、こういう船員教育についていかに今後お取り組みになるのか、この点についてこの際お伺いしておきたいと思います。
#218
○長尾政府委員 乗組員に対しての教育の問題でございますけれども、日本人船員と外国人船員、二つに分けられようかと思います。
 まず、日本人船員に対する教育につきましては、各船員の教育機関のカリキュラムの中におきまして、例えば貨物の取り扱いとか積みつけについての授業、あるいは海洋汚染防止法等の授業がございまして、こういった中で必要なタンカーなどの危険物積載船に関する基本的な教育をまず行っております。
 それから、採用時におきましては、各船会社が所有する研修施設、あるいは一定期間見習いとして乗船するなどによりまして新人船員に必要な実務的な教育を行っております。
 それから就職後でございますけれども、日本の会社は一般的に終身雇用でございますので、同一の船会社の中で乗船経験を積み重ねていくことができる日本人船員にございましては、継続的にいわゆるOJT教育を行うことによりまして船員の技術の向上を図り、タンカーの安全運航を確保しておるというところでございます。
 それから外国人船員でございますけれども、主要な船会社が運航するタンカーなどに配乗される外国人船員に対しましても、それぞれの船会社におきまして、自社あるいは委託による研修所での研修あるいは乗船前の訓練などを乗船の都度実施している、こういったことを今後とも充実していくということでございます。
 なお、このたび運輸省内に設けられましたタンカー輸送の安全対策に関する懇談会におきましては、船員の安全教育の一層の徹底について検討されるということになっておりますので、この懇談会の結果等も踏まえまして、さらに適切な指導、施策等を行ってまいりたいと考えております。
#219
○高木委員 あと時間が限られてまいりました。通告をしておりましたが、テクノスーパーライナー、きょうは戸田海上技術安全局長さんもお見えでございますし、坂井港湾局長さんもお見えでございますが、時間がございませんので、また別の機会にさせていただきたいと思います。お許しをいただきます。
 最後に、新幹線の整備についてちょっとばかりお伺いします。
 整備新幹線につきましては、平成元年八月に北陸の高崎−軽井沢間に加えて、同じ平成三年九月に東北の盛岡−青森間、北陸の軽井沢−長野間、九州の八代−西鹿児島間、さらには昨年の八月には北陸の石動−金沢間について既に着工をいたしております。
 この中で、特に北陸につきましては、平成十年の冬季オリンピックに合わせまして長野乗り入れという、これはもう国家的命題がありますので、その多くの予算がそれに傾斜配分されるということは十分理解できますが、同時に、予定どおりにそのほかの整備新幹線についてもできるだけ早い開業を私は期待をしておるわけであります。
 そこで、一番忘れてほしくないのは九州、東北、北海道、いわゆる今取り残されております未着工の整備新幹線の明確な位置づけですね。これはいわゆることしの見直しといいますか、夏ごろの見直しと初め言っておられますけれども、大臣は先日の会見において、予算成立後直ちにというふうなことも言われておるように聞いておりますし、自民党の幹部の方もそういう発言をされております。
 したがって、そういう見直しがいつから始まっていくのか。そしてその中で、例えば長崎ルートなどこういったものがきちっとした整備をしていく、今後そういうことに向かって進むのだという位置づけを明確にできるのかどうか、この点についてお伺いをしておきます。
#220
○越智国務大臣 整備新幹線の問題は、現在の計画しておりますとおりこれは進めてまいりたい、かように思います。この五年前の決定以降、五年後に見直しということがうたわれております。ちょうど五年後になりますとことしの八月でございますけれども、もう既に各地それぞれ陳情あるいは会合等が盛んに行われております。
 しかし、私は、まあ五年後、ことしの八月ですが、事前にいろいろ御論議いただくことは結構だと思うのでありますけれども、運輸省としては今、五年前の計画に基づいて予算要求をいたしております。その予算を御審議いただいておるわけでございますから、今運輸省がこれをどうするとか、ここをどうやったらいいとかいう意見は、皆さんの御議論は結構でありますけれども、運輸省としては、予算成立後にしていただきたい、このことを申し上げておる次第であります。
 もういろいろ地元に、ミニ規格をフル規格にせよとか、ここをこうしろとか、今のようなお説の、予定を整備の方向に進めよとか、いろいろ御意見がございますのでございますから、私は、陳情等もございましても、陳情は受けておりますが、受けますが、この運輸省の中の論議は、予算成立後にしていただきたい、こういうふうに言っておるのが実情であります。
 どういうことになりますか、今のままでは整備新幹線の問題は随分大論議になるのでなかろうか。また、その地区地区で非常に強い要望があるのでなかろうか、こういうふうに想像をいたしておりますが、この論議はひとつ予算が成立後にしていただきたい、これが私の考え方であります。
#221
○高木委員 次回に回します。どうもありがとうございました。
     ――――◇―――――
#222
○森田委員長 次に、内閣提出、船舶安全法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。越智運輸大臣。
    ―――――――――――――
 船舶安全法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#223
○越智国務大臣 ただいま議題となりました船舶安全法の一部を改正する法律案の提案理由につきましで御説明申し上げます。
 船舶安全法においては、船舶の堪航性及び人命の安全を保持するために、船舶の構造・設備についての安全基準を定みるとともに、船舶がその安全基準に適合することについて検査を受けなければその船舶を航行の用に供することができないこととされております。
 このうち長さ十二メートル未満の船舶は、その構造・設備が定型的かつ簡易であったことから、昭和四十九年以来、小型船舶として比較的簡易な安全基準を用いて、国の代行機関である小型船舶検査機構においてその検査を行っております。
 この制度が発足して二十年近くが経過いたしましたが、この間に海洋性レクリエーションの普及・活発化に伴い、プレジャーボート等が増加するとともに、生産技術の発達により量産化が進行し、その結果、小型の船舶の形状が変化して、長さ十二メートル以上でかつ総トン数二十トン程度までの船舶についても構造・設備の比較的簡易なものが多く見られるようになっております。
 このような状況にかんがみ、総トン数二十トン未満の船舶に関する安全基準を見直すこととしており、これに伴いその検査を小型船舶検査機構に行わせるためこの法律案を提案する次第でございます。
 なお、小型船舶検査機構の検査対象船舶の範囲の見直しにつきましては、昭和五十八年三月の臨時行政調査会最終答申、平成四年八月の総務庁の行政監察等においても指摘されているところであります。
 次にこの法律案の概要について御説明申し上げますと、小型船舶の定義を長さ十二メートル未満の船舶から総トン数二十トン未満の船舶に変更し、小型船舶検査機構に検査業務を行わせる船舶の範囲を総トン数二十トン未満の船舶とする等の改正を行うものであります。
 なお、この法律案の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮して法律の公布の日から一年を超えない範囲内で政令で定める日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#224
○森田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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