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1993/04/27 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第5号
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1993/04/27 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 運輸委員会 第5号

#1
第126回国会 運輸委員会 第5号
平成五年四月二十七日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 森田  一君
   理事 今枝 敬雄君 理事 今津  寛君
   理事 亀井 善之君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 村田 吉隆君 理事 緒方 克陽君
   理事 常松 裕志君 理事 東  順治君
      小里 貞利君    坂本 剛二君
      関谷 勝嗣君    二階 俊博君
      橋本龍太郎君    平泉  渉君
      古屋 圭司君    星野 行男君
      増子 輝彦君    宮崎 茂一君
      阿部 昭吾君    左近 正男君
      山中 末治君    浅井 美幸君
      佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
       運 輸 大 臣  越智 伊平君
 出席政府委員
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸大臣官房会  楠木 行雄君
       計課長
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  秦野  裕君
       運輸省自動車交  土坂 泰敏君
       通局長
       運輸省自動車交
       通局技術安全部  堀込 徳年君
       長
       運輸省海上交通  浅見 喜紀君
       局長
       運輸省航空局技  松本 健治君
       術部長
       気象庁長官    二宮 洸三君
 委員外の出席者
       警察庁刑事局暴
       力団対策部暴力  石附  弘君
       団対策第一課長
       環境庁大気保全
       局企画課総量削  鈴木 安次君
       減対策室長
       運輸省航空局次  尾松 伸正君
       長
       運輸省航空事故
       調査委員会事務  玉置 佑介君
       局長
       労働省職業安定
       局建設・港湾対  井原 文孝君
       策室長
       建設省道路局有  佐藤 信彦君
       料道路課長
       自治省行政局行  中川 浩明君
       政課長
       参  考  人
       (日本鉄道建設  峯本  守君
       公団理事)
       参  考  人
       (日本国有鉄道  西村 康雄君
       生産事業団理
       事長)
       参  考  人
       (日本国有鉄道  杉田 昌久君
       生産事業団理
       事)
       参  考  人
       (日本国有鉄道  池田  本君
       生産事業団理
       事)
       運輸委員会調査  長岡日出雄君
       室長
    ―――――――――――――
四月二十一日
気象業務法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四七号)(参議院送付)
同月十三日
 トラック運輸の過積載一掃に関する請願(金子
 満広君紹介)(第一四四八号)
同月十六日
 東北地方における測候所の体制強化と気象庁予
 算の拡充に関する請願(関晴正君紹介)(第一
 七四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 北海道新幹線の早期建設に関する陳情書(札幌
 市中央区北二条西六北海道議会内若狭靖)(第
 一五四号)
 四国への新幹線鉄道の導入に関する陳情書(徳
 島市万代町一の一徳島県議会内小倉祐輔外三
 名)(第一五五号)
 九州新幹線鹿児島ルートの建設促進に関する陳
 情書(熊本市手取本町一の一熊本市議会内嶋田
 幾雄外四名)(第一五六号)
 地方空港の国際空港化促進に関する陳情書(岐
 阜市薮田南二の一の一岐阜県議会内今井田清外
 六名)(第一五七号)
 関西国際空港へのアクセスの整備に関する陳情
 書(徳島市万代町一の一徳島県議会内小倉祐輔
 外三名)(第一五八号)
 航空運賃の低減措置に関する陳情書(熊本市手
 取本町一の一熊本市議会内嶋田幾雄外三名)(
 第一五九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 気象業務法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四七号)(参議院送付)
 陸運に関する件
 海運に関する件
 航空に関する件
 港湾に関する件
 気象に関する件
     ――――◇―――――
#2
○森田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、気象業務法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。越智運輸大臣。
    ―――――――――――――
 気象業務法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○越智国務大臣 ただいま議題となりました気象業務法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年の我が国社会における高度情報化に伴い、気象情報に寄せられる国民の要望が多様化しておりますが、一方、情報処理技術の進展により気象の予測技術が高度化するとともに、情報ネットワークの構築等により情報提供手段も多様化・高度化しており、今後、時代の要請に適合した気象サービスの高度化を図る必要が生じております。
 このような状況に的確に対応するには、気象庁を初めとする関係者の連携・協力による適切な役割分担により、社会の高度情報化に適合した気象サービスを実現するため、気象庁以外の者が行う予報業務の一層の充実を図るための資格制度の創設、気象庁が保有する気象情報の提供体制の整備等の所要の施策を講じることが必要であり、そのため、この法律案を提案するものであります。
 次にこの法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、気象庁長官の許可を受けて予報業務を行おうとする者は、事業所ごとに気象予報士を置き、当該予報業務のうち現象の予想については、気象予報士に行わせなければならないこととしております。
 第二に、気象予報士になろうとする者は、気象庁長官の行う気象予報士試験に合格し、気象庁長官の行う登録を受けなければならないこととしております。
 第三に、気象庁長官は、指定試験機関に、気象予報士試験の実施に関する事務を行わせることができることとしております。
 第四に、気象庁長官は、気象業務の健全な発達を目的として設立された法人を、民間気象業務支援センターとして指定することができることとしております。
 第五に、民間気象業務支援センターは、民間における気象業務の健全な発達を支援し、及び社会活動における気象に関する情報の利用の促進を図るため、気象庁が保有する気象情報を提供する等の業務を行うことができることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、一部の規定を除き、周知に必要な期間等を考慮し、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#4
○森田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
#5
○森田委員長 次に、陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 陸運に関する件について、本日、参考人として日本鉄道建設公団理事峯本寺君、日本国有鉄道清算事業団理事長西村康雄君、同理事杉田昌久君及び池田本君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
#7
○森田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。星野行男君。
#8
○星野委員 まず、花巻空港における事故についてお伺いをいたします。
 近時における航空機の発達は目覚ましいものがあり、社会経済の発展や国際化の進展などによりまして国際、国内の航空機の利用者も急速に増加しており、現在、毎日五、六千台の航空機が我が国の上空を飛んでおります。このような状況のもとで、安全の確保が最重要課題であることは申すまでもございません。しかしながら、まことに残念なことに、去る四月十八日、岩手県花巻空港において日本エアシステムのDC9が着陸に際して重大な事故を引き起こしてしまいました。乗客の脱出が一瞬おくれましたら大惨事になったことを考えますと懐然とする思いであります。
 昨日、航空事故調査委員会の経過報告があったと聞いておりますが、その概要について、まず御説明を願います。
#9
○玉置説明員 お答えいたします。
 航空事故調査委員会は、四月十八日、事故発生後直ちに六名の事故調査官を現地に派遣いたしまして、運航乗務員、客室乗務員、空港関係者などからの事情聴取を行いますとともに、残骸、滑走路の痕跡、気象関係の資料などについて調査を実施いたしました。現在、既に、事故調査に重要な役割を果たします飛行記録装置、それから操縦室用音声記録装置の記録の読み取りを実施するなど、広い分野にわたって情報の収集に努めております。
 本事故に対する関心度の大きさにかんがみまして、現在までに知り得た事実、この中には飛行の経過でございますとか、操縦室用音声記録装置に関する情報などがあるわけでございますけれども、これらを取りまとめ、昨日、経過報告として運輸大臣に報告いたしますとともに、公表いたした次第でございます。
 今後とも調査検討を行いまして、鋭意事故原因究明に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#10
○星野委員 運輸行政の最も基本的かつ重要なことは安全の確保であると考えますが、この点について運輸省は今までどのようなことをやってこられたのか、また、航空会社に対して今後の安全対策につきましてどのような指導、措置を考えておられますか、お聞かせをいただきたいと存じます。
#11
○松本(健)政府委員 お答えいたします。
 今回の花巻事故におきましては、幸いに死亡者はなかったものの、一歩誤れば大惨事になった可能性があり、極めて遺憾な事態であると深刻に受けとめております。
 交通の安全確保は運輸行政の根幹であり、今後このような事故が繰り返されないように万全を尽くしてまいりたいと考えており、事故発生の翌日に直ちに日本エアシステムに対しまして口頭で厳重注意を行い、また本日から同社に対する立入検査を実施いたし、その結果により、再発の防止の観点から所要の業務改善勧告を行うこととしております。
 また、その他の航空会社に対しましても、事故後直ちに、規程の遵守の徹底を初め安全確保に万全を期するよう通達により指示をしておるところでございます。さらに、航空事故調査委員会の調査により事故原因が判明次第、必要に応じさらなる対策を講ずることとしております。
#12
○星野委員 ありがとうございました。
 さて、今回の事故は、操縦者におきまして重大な運航規程違反があったことや、あるいはさらにそのような運航規程違反が繰り返されていた旨の報道がなされておりますが、まずその運航規程というものがどのような性格のものか、単なる会社の内規であるのか、あるいは航空業界全般に適用される公的なものであるか、その性格を一点。
 第二点目は、そのような違反の事実があったのかどうか、その有無について。そしてまた、会社がそのような事実を知らなかったのかどうか。もしそうだとしたら管理体制に問題があったと言わざるを得ないのでありますけれども、運輸省におきましては今後どのような指導をしていかれる方針か。何点かについてお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○松本(健)政府委員 お答えいたします。
 まず規程の関係でございますけれども、定期航空運送事業者は、航空法百四条によりまして、航空機の運航及び整備に関する事項につきまして運航規程及び整備規程を定めまして、これを運輸大臣の認可を受けなければならない、こういうことになっております。
 ところで、今回のその規程違反でございますけれども、今回の事故におきましては着陸時に副操縦士が操縦を行っていましたが、副操縦士が操縦する場合には、運航規程の附属書に横風に関する制限、それから副操縦士としての経験に関する制限等が規定されております。したがって、この規程に違反があったものでございます。
 また、事故の前日におきましても四区間におきまして同じペアで飛行を行っておりますが、そのうち二区間におきまして離着陸を含む操縦を副操縦士が行っているということが事故調査委員会の経過報告から明らかになっておりまして、その前日も違反を犯していたということでございます。
 当省としましては、このような事態が発生したことは極めて遺憾であり、今後御指摘の点を含めまして立入検査等の場で十分に実態を把握しまして、会社を指導してまいりたいと考えております。
#14
○星野委員 伺いますと、この運航規程なるものは、まあ言うなれば準法規的な性格を持つもの、そんなふうに考えるわけでありますが、これに、今のお話によりますと、事故当日だけではなくてその前日も、あるいはまたさらに反復的にそのようなことが行われておったのではないかという推察ができるわけでありまして、会社の指導体制もたるんでいた、こう言わざるを得ないと思うわけであります。運輸省の方できちっと、当該会社だけでなくて航空会社全般につきまして御指導をいただきたいと思います。
 さて、今回の事故は、お話しのように死者もなく負傷者も比較的少なかったのはまさに不幸中の幸いでございましたが、お話しのように一歩間違えば大惨事になったわけであります。その点にかんがみまして、運輸省はこの事故を教訓として航空機事故の再発防止に全力を傾注していただきたいと考えますが、この点につきまして、大変恐縮でありますけれども、大臣の御決意のほどをお伺いをいたしたいと思います。
#15
○越智国務大臣 先般の花巻空港の航空事故、飛行機のああした事故はまことに遺憾であります。先ほど政府委員から答弁をいたしましたが、明らかに人為ミスといいますか運航規程の違反であります。しかもその違反が二重の違反であります。一つには、六カ月たたなければならないのに六カ月たっていない。また、風の場合には機長が操縦しなければならない、これを副操縦士に任せておった、こういうこと、しかも前日もそういうことが行われておったということであります。まことにこの点についても遺憾至極であります。
 きょうは立入検査を行っております。しかし検査とかなんとかいいましても、そのことよりもやっぱり遵法精神の徹底であり、人の命を預かっておることでございますからもう最大限の努力をしなければならない。我々の仕事はまず安全であり、快適である、そして乗客が安心して乗れるという姿でないといけない、こういうふうに思う次第であります。
 でございますから、今後こういうことのないように、一般的にこういうことのないようにという話ばかりではいけないので、実効の上がる方法をとっていきたい、こういうふうに思います。再びこういうことのないようにというようなことを何回繰り返しても私はだめだ、こう思うのであります。実効の上がるように徹底した処置を行いたい。そして乗客の皆さんに安全であり、快適であり、安心して乗っていただく、こういうことに努めていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#16
○星野委員 大臣の御決意のほどを伺わせていただきまして、大変安心をいたしました。今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に、新幹線「のぞみ」のトラブルについてお尋ねをさせていただきます。新幹線の「のぞみ」は、本年三月十八日のダイヤ改正によりまして博多まで延長いたしました。そしてまた、一時間一本の増発も実現をいたしまして、これにより博多までの所要時間が大幅に短縮し、国民の利便の向上に大いに貢献しておりますことはまことに結構なことでありまして、関係者の努力に敬意を表する次第であります。
 しかし、ダイヤ改正以降、連日のようにトラブルの報道がなされており、乗客や国民の不安や不信を募らせていることもまたまことにこれは残念なことであります。高速化に当たりどのような安全対策が講じられていたのか、まずこの点をお聞かせをいただきたいと思います。
#17
○秦野政府委員 のぞみ型の車両を運行するに当たりまして、当然のことでございますけれども、高速走行に対応しましたいろいろな安全対策を講じたわけでございます。具体的には、例えば台車を軽量化するあるいは高性能化を図るというようなこと、あるいは車両の重心を低くして走行時の安定性を図るというようなことでいろいろな工夫を凝らしておりまして、また営業運転を開始いたします前に、高速走行の安全性を確認するために十分な走行試験などを実施しておるという状況でございます。
 ただ、ただいま先生のお話にもございましたように、幾つかのトラブルが発生しておりますことは大変私どもとしても残念でございまして、安全性に対する信頼を確保するために、所要の対策を早急に講じるように強力に指導してまいりたいというふうに考えております。
#18
○星野委員 お話しのとおり、運輸行政の基本はまず安全の確保でございまして、鉄道事業者の基本もまた安全第一でなければならない、そう考えるところであります。幸い乗客の事故には至っておりませんけれども、この際、「のぞみ」のトラブルにつきまして、徹底した原因の究明と再発の防止対策を実施いたしまして、「のぞみ」に対する国民の期待にこたえていただきたいと存じます。
 そこで、現在まで発生いたしました「のぞみ」のトラブルについて御説明を賜りたい、そしてまた、再発防止についてどのような対応をしているのかお聞かせをいただきたいと思います。
#19
○秦野政府委員 まず、「のぞみ」の営業運転におきまして発生しました主なトラブルでございますけれども、例えば窓ガラスが破損した、あるいは電線が切れた、溶接部の亀裂が生じた、ビスが脱落した、いろいろな種類があるわけでございます。
 これらのトラブルは、いずれも列車の運行の安全に直接影響を及ぼすというものではない、あるいはいわゆる初期故障と言われるものに属するのではないかというふうに一応は考えておるわけでございますけれども、いずれにしましても、ただいま先生お話しのように、トラブルが発生するということは列車運行のおくれを招くということ、あるいは新幹線に対しますお客様の信頼の失墜ということにもつながるわけでございますので、私どもといたしましては、こういうことの根絶を目指して今努力しているわけでございます。
 具体的には、JR東海と西日本の両社に対しまして、原因の究明と再発の防止対策の実施に万全を期するように指導したわけでございますけれども、これを受けまして両社では、メーカーとも協力いたしまして車両各部にわたる総点検を実施するということで、現在総点検をほぼ終了いたしております。それに伴いまして所要の改善対策を実施するという段取りになっております。
 私どもとしましては、そうした最終的な総点検の結果の報告を受けまして、全体的な実態をさらに把握いたし、トラブルの根絶に向けて引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#20
○星野委員 新幹線は我が国の基幹的な輸送機関でありますので、高い安全性と信頼性を確立することに努め、国民の期待を裏切らないように全力を注いでいただきたいとお願い申し上げる次第であります。
 若干時間がございますので、あと一、二点お伺いをいたします。
 まず、空港の整備について伺います。先ほど日本の上空を毎日五、六千台の航空機が飛んでいると申し上げましたが、これは空港の需要がふえているということでもございます。東京、大阪の二大都市圏の空港は超過密の状況であります。また、多極分散型の国土形成を進めるためには地域レベルの国際化を推進することが重要でございます。そのためには地方空港の整備を促進することも必要であると考えます。二十一世紀に禍根を残さないためにも、空港整備は時間がかかるわけでありますから、これについて積極的に取り組んでいただくということで、六次五計の話も聞いておりますけれども、この点についての運輸省の取り組みにつきまして御説明を願いたいと思います。
#21
○尾松説明員 お答え申し上げます。
 我が国の空港整備につきましては、御承知のとおりでございますが、平成三年十一月に閣議決定されました第六次空港整備五カ年計画に基づきまして鋭意推進しておるところでございまして、三大空港プロジェクトを最優先課題として鋭意努力をいたしております。
 申し上げますと、東京国際空港の沖合展開につきましては、本年九月二十七日に西側旅客ターミナルの供用開始をしたい、これを目途といたしまして整備を進めておりますし、また、さらに沖合に新C滑走路を整備する第三期計画につきましても、早期完成を目指して努力しているところであります。それからまた、関西国際空港につきましても、来年夏ごろの開港を目途に努力中であります。また、新東京国際空港の二期施設のことにつきましては、現在話し合いによる早期解決に向けて一生懸命努力しているところでございます。
 それからまた、先生御指摘の地方空港の国際化などにつきましても相当進んでまいりまして、現在では十五の地方空港におきまして国際定期便が就航するに至っておりますけれども、今後も、滑走路の延長あるいは国際ターミナル地域の整備などの施設整備に努めまして、地方からの利用者の利便の一層の向上を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
 御指摘のとおり、空港整備には長い時間がかかります。したがいまして、将来を見通した国際、国内の航空ネットワークの充実を図るために、空港整備五カ年計画に基づきまして今後とも計画的、積極的に整備を進めてまいりたいもの、こういうふうに考えているところでございます。
#22
○星野委員 ありがとうございました。ぜひお願いいたしますが、とりわけ今お話しの成田については、話し合いムードが出てきているところでございまして、御苦心のほどに敬意を表しますけれども、今後一層の御努力でひとつ早期に話を取りまとめて、第二滑走路といいますか、仕事ができるようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、鉄道についてでございますが、新幹線直行特急、すなわちミニ新幹線は、山形新幹線あるいは秋田新幹線の例を見てもわかりますように、キロ当たりの工事費は三億円から五億円、フル規格の新幹線の十分の一から十五分の一の工事費で上がるわけであります。したがって、整備新幹線の建設を促進するとともに、このミニ新幹線の整備を計画的に進めまして新幹線の利用範囲を面的に拡大することは、これは投資効果の拡大の意味からも大変その意味は大きい、そう思うわけであります。この点について運輸省の考え方をお聞きしたいと思います。
 同時に、鉄道整備の財源の問題でございますが、この間の新聞報道によりますと、一兆円の追加出資も検討されているというようなことが出ておりました。鉄道整備基金への一般会計の繰り入れが現状では極めて少ないわけでありますが、やはりこれらを大幅にふやして鉄道・整備の財源を確保し、大いに頑張っていただきたい、そう思うわけでありますけれども、この財源確保についての運輸省の考え方、この二点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#23
○秦野政府委員 御指摘のとおり、国土の均衡ある発展あるいは多極分散型国土の形成という趣旨から見ましても、幹線鉄道網の高速化ということは極めて重大なことだというふうに私どもも認識をいたしております。
 先生御案内のとおり、在来幹線につきましては現在表定速度が大体時速六十キロから九十キロと非常に遅いわけでございまして、そういう点から見まして、当然、整備新幹線の整備ももちろんでございますけれども、在来幹線の分野につきましても、いわゆる高速交通機関としての鉄道の特性が発揮できるように極力改良を加えていく必要があるのじゃないか。今お話がございましたように、新幹線と在来幹線の直通運転、あるいは在来幹線のスピードアップのための軌道改良あるいは新型車両の投入といったいろいろな知恵を出していかなければならないだろうというふうに考えておるわけでございまして、整備新幹線とあわせて、在来の幹線につきましても鋭意その整備に努力をしてまいりたいというふうに考えております。その一環としまして、今先生のお話にございましたいわゆるミニ新幹線につきましても、投資の採算性あるいはその線区の状況、いろいろあると思いますけれども、一つの検討の課題とさせていただきたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、財源の問題でございますけれども、御案内のとおり、鉄道は基本的には鉄道事業者が整備をして、国がそれに対して支援を行っていくという形になっておるわけでございまして、従来もいろいろ工夫をして、何かと円滑に鉄道の整備が進むように努力をしてきておるところでございます。
 本年の予算につきましても、例えば整備新幹線の整備の促進のために補助金を増額する、あるいは財投の新規導入を図るというようなことを行っておりますし、あるいは鉄道整備基金の無利子貸付枠の大幅な拡大というようないろいろな措置も講じておるわけでございますけれども、国の財政事情は大変厳しいわけでございますが、今後とも必要な資金の確保に一層努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#24
○星野委員 今申し上げたように、新幹線直行特急、これによって高速鉄道のネットワークを国全体につくり上げるということは、これは二十一世紀はまさに超高齢化社会でありますからそういう超高齢化社会における社会のニーズに必ず沿う結果になる、私はそう考えておりますので、ぜひ積極的に御検討をお願いしたい、そう思っております。
 そこで、ここで地元の話を申し上げるのは大変恐縮なのでありますけれども、今整備新幹線で北陸新幹線、鋭意工事が進捗しているわけでありまして、運輸省を初め関係者の御努力に敬意を表する次第でありますが、さきに運行をされておりますこの上越新幹線の長岡駅は、北陸新幹線の方から羽越新幹線ルートという基本計画ルートがあるわけですね、それを受け入れるというふうに既にホームはつくられているわけなんですよね。だからもう六、七年前から、北陸新幹線の上越の方から七十二、三キロしかないわけでありますが、それを受け入れるために、これは結局新幹線直行特急より仕方がないだろうということで、関係の市町村や県の知事等が主役になりまして期成同盟会をつくって運動をしているところでありますので、ここでお答えは要りませんけれども、このことだけ申し上げて、今後ひとつまた御検討を賜りたくお願いを申し上げておきます。
 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#25
○森田委員長 常松裕志君。
#26
○常松委員 労働基準法が一九八七年以来六年ぶりの改正が行われようといたしております。今国会にその改正案が提出されまして審議が行われました。私も実は、去る四月二十三日、労働委員会に出席をして審議に参加をしたところでございます。
 ところで、この運輸委員会が所管をいたします運輸交通業についてでありますけれども、御存じのとおり、六年前の労働基準法の改正の折に猶予事業ということに全体がされました。そして、この九三年三月三十一日まで全体として四十六時間制が実施をされてきたわけであります。しかし、当然この猶予期間が終わる四月一日からは四十四時間制が実施されるものと期待されていたわけですけれども、今回の改正で再び猶予事業に指定をされまして、百人未満の事業所については四十六時間とされ、多くの労働者や家族の期待を裏切る結果となっているわけであります。
 きょうは、その運輸交通事業を所管する大臣に、時間短縮に向けての業界労使に対する指導などについてお尋ねをし、遅くも一九九七年の四月一日からは運輸交通業において全労働者に四十時間制が実現をするよう、そして、それまでの間においてもできるだけ早くそれぞれの事業所における労使の努力によって四十時間制が実現されることを目指して、幾つか御質問させていただきます。
 まず最初に、大臣にお尋ねをいたします。四点ほどになります。
 第一ですが、今申し上げましたように、運輸交通業については百人以下の事業所が猶予事業とされたわけでございます。こうした事態について大臣はどのようにお考えであるのか。私は極めて残念なこと、遺憾なことだと思っておりますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
 また、運輸交通業は中小零細企業が非常に多うございまして、かつまた社会全体の動向の影響を強く受けるなどの事情から、労使の自主的な努力だけに任せるのでは、この四十時間実施という国民に対する約束あるいは千八百時間という対外的な公約についても、到底その実現を望むことはできないのじゃないかというふうに私は心配をいたしております。したがって、運輸交通業の実態を踏まえるならば、行政として、運輸省として、業界全体に対し環境整備を進めていくべきではないか、このような措置によって速やかに猶予を解除するように努めるべきだと考えているわけでございますが、この点についてもあわせて大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと存じます。
#27
○越智国務大臣 運輸産業の労働時間、これにつきましては先生からのお話のとおりであります。特にタクシーあるいはトラック、こうしたものの運転手、これは非常に拘束時間が長い。でございますから、これは本人の疲労ももちろんでありますが、安全上からいいましても労働時間を短くする必要がある、こういうふうに思っております。特に、タクシーあるいはトラック、これは中小企業者が非常に多い。でありますから、このことについては労働省や他省庁とも連携をとって指導をしていかなければならない、こういうふうに思っております。
 そこで、実際のハンドルを持つ労働時間と拘束時間との関係もありますし、ここらを十分話し合って、ひとつ労働過重にならないようにやっていかないといけない、この基本的なことをよく話し合わなければならない、こういうふうに思っておる次第であります。先ほど申し上げましたように、本人の疲労、それからこれに伴います交通事故の問題等々も考えてやはり今後指導に努めていきたい、各省庁ともよく連絡をとってやっていきたい、こういうふうに思っております。
#28
○常松委員 今大臣から、私が二番目に質問しようと思っておりましたことについても一部言及していただきましたが、ぜひ運輸省として、労働省あるいは中小企業庁などとも連携をとりながら、業界全体に対する的確な御指導をお願いしたいと存じます。
 今大臣からお話がありましたように、実は交通運輸の労働者及び家族の中に非常に大きな疑問がございまして、労働時間の短縮というけれども、短縮が実施されるたびごとにむしろ拘束時間が長くなってしまう。変な話なんですけれども、そういう事態が起こっておりまして、つまり出社時間がむしろ前より早くなって帰りの時間が遅くなる、労働時間の短縮なのに拘束時間が延びちゃう、こういうあってはならないことが起こっているわけなんです。端的に大臣にお答えいただきたいのですが、私は、こういう時短の時代に拘束時間がむしろ延びちゃうなんということは、これはあってはいけないことだいこのように考えるのですが、この点について端的に大臣の感想、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#29
○越智国務大臣 今の労働時間と拘束時間の問題でありますが、私は、やはり労働時間も拘束時間も含めて短くすべきだ、こういうふうに思っております。拘束時間も、実際は拘束しておるわけですから、自由からいいますと実際に自由時間ではないわけでありますから、これを含めて行うべきだ、こういうことで、ちょっと御質問にはないわけですけれども、例えばタクシーの運賃値上げ等についてもそういうことを加味してやっておりますし、今後もそういうことでやっていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#30
○常松委員 ありがとうございました。
 さらにもう一つ大臣にお尋ねしたいわけでございますが、今回の労働基準法の改正にしても、あるいは労働時間の短縮にしても、これは労働省のいろいろな文書あるいは政府の文書で、完全週休二日制を目指すとか、あるいはさしあたって言うと隔週土曜日を休みにする、四週六休制、一週間おきに土曜日を休みにする、こういうことがさしあたっての目標だ、つまり休日をふやすということが目標だというふうにされているわけであります。
 ところが、交通運輸産業の実態を見てみますると、実際にはなかなか休日がふえない。むしろ休日労働、別の言い方をしますと休日を買い上げてしまう、事業主が買い上げてしまうということで、実際には休めないというようなことがあちらこちらで非常に横行しているというふうに聞いているわけでございます。これも宮澤内閣として、休日を現実にふやして、そして、ゆとりや豊かさを国民の暮らしの中に実現をしていこう、こういう目的からいたしますると、事業主も、したがって、使用者側も、また労働者側も、つまり労使の努力によって休日をふやしていくということを目指さなければいけない。休日を買い上げてしまうなんてことは、これはやはりあってはいけないことだと思うんですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#31
○越智国務大臣 今お話しのように、結局タクシーとかあるいは長距離運転の貨物自動車、これは結局は労働時間短縮といいますと休日をふやすよりほか方法がないんじゃないか、かように私は思います。
 そこで、残業の方は、これは労使双方の協定によって行う場合がありますが、これは労使双方の協定によって行うといたしまして、今の休日の問題は有給休暇を含め買い上げということは違法だ、私はこういうふうに思っておりますのでございますから、休日を定めて、休日は買い上げというようなことのないように指導をしていきたい。でき得れば、できるだけ休日を多くするということをやらない限り、特にトラックの長距離というようなのはとてもとても労働時間短縮といっても実際できない、こういうふうに私は考えておる次第であります。
#32
○常松委員 非常に的確なお答え、ありがとうございました。
 次に、もう少し具体的に幾つかの点についてお尋ねをいたします。
 最初に、ハイヤー、タクシーの労働者の問題を取り上げてお尋ねをいたします。
 ハイヤー、タクシーの労働者の場合には、例えば所定労働時間が午前二時で終わるというようなことになっておるわけですけれども、お客さんから横浜までちょっと行ってほしいと言われたときに、ちょうど午前二時を多摩川の橋のところで迎えた。じゃ、ここでお客さん、おりてください、こういうことは言えない職場なわけでありますから、したがって、タクシーなどの労働時間の短縮が、今大臣から的確なお話がございましたように休日増、稼働日数の減ということでなければ実際には実行されない。これは業界の関係者でも自明なことであります。そこで、東京では、事業者団体である東京乗用旅客自動車協会と労働者側の全自交東京地連や私鉄総連のハイタク東京協議会など七団体との間で覚書協定を結びまして、「週四十四時間への労働時間短縮実現は、休日増により実施することとする」、こういうふうに定めているところです。
 そこで、お尋ねいたしますが、この覚書についてどう評価するか、そして、今後の運賃改定に当たり、このような協定が労使間で結ばれ、休日増が図られることについて促進していくのかあるいは抑制していくのか。大臣のお答えは既に休日をふやしていくんだ、こういうふうにはっきりした御答弁があったんですが、局長いかがでしょうか。
#33
○土坂政府委員 平成四年の五月に東京のタクシーの運賃改定をいたしました。そのときに、週四十四時間制に向けて必要な原資を確保するということで運賃改定をしたわけでございますので、具体的に四十四時間制をやらなければならない。どういうやり方がいいだろうか。今先生仰せになりましたように、労使間で協定を結んで、これは休日増によって実現をしようということでお互いに約束をされて申請をしてきた。運輸省はそれを前提に認可をいたしました。したがいまして、四十四時間制については休日増によってやっていただくということを指導してまいりまして、現実にその後のフォローをいたしましたら、現段階で九五%まで休日増によって四十四時間制が達成をされておりました。
 それで、これからのことをお尋ねでございます。時短をどういうやり方でやるか、これは基本的には労使間でお決めになることでありますが、例えばタクシーの場合にはやはりいろいろな特殊性がありまして、休日をふやすというやり方は非常に現実的なやり方であるというふうに思います。したがいまして、今後ともこういうやり方で具体的な時短が進むことを運輸省としては希望しておりまして、そういう申請が出てきました場合には、それを尊重することにいたしたいと思います。
#34
○常松委員 そうすると、こうした協定がむしろ労使間で結ばれていくことについて運輸省としては歓迎する、促進する立場であるというふうに理解してよろしいですね。
#35
○土坂政府委員 先ほど申し上げましたように、どういうやり方で時短を進めるかというのは、基本的には労使であくまでもお決めになることでございますが、こういうやり方は非常に現実的な、着実なやり方であるというふうに評価をしております。
#36
○常松委員 そうすると、言わずもがなだと思いますが、四十四時間を前提にして運賃改定が行われましたね。今度タクシー業界を初め運輸業については、百人以下の事業所については四十六時間という猶予措置がとられましたね。しかし、これは四十六時間にバックをするなんということは認めない、これはもう四十四時間で運賃改定をやったんだから、社会的公約なんだから、これはもう四十四時間制が実施されるんだ、このように、運賃改定が行われたところについては、タクシー業界についてはあの猶予措置は行われないというふうに理解しておりますが、それでよろしいですか。
#37
○土坂政府委員 四十四時間制について、一年間に限って四十六時間ということで認められたわけでございます。そして、それを採用するかどうかは本来労使で決めることでありますが、今仰せになりましたように、四十四時間にするから運賃改定をする必要があります、こう仰せになって、それを前提に認可したものにつきましては、やはり社会的にお約束になったことでありますから、これを尊重していただく必要があると考えます。
#38
○常松委員 次に、今後の対策なんですけれども、これはもう大臣初め運輸省よく御理解のとおり、ハイタク業界というのは非常に時間短縮が困難な職場の一つでございます。合理化が非常に難しいとかあるいは人件費の比率が八〇%を超えているというような事情から、労働時間の短縮を実現をする、賃下げのない労働時間の短縮を実現をするためには適正な運賃への改定が不可欠だったわけでございまして、四十八時間から四十六時間になるときにも、四十六時間から四十四時間にする場合にも、適正な運賃の改定が行われてきたわけであります。
 そこで、これからのことなんですれども、これから着実に四十時間制に持っていくためには、やはりそれに伴って適正な運賃の改定が必要だろうというふうに私は思っておりますが、その点についての運輸省のお考えはどうか、これが一つ。もう一つは、四十時間に持っていくのに、四十四時間から一挙に四十時間というよりも、四十四時間から四十二時間、四十二時間から四十時間、こういう段階的な措置がとられることがやはり現実的ではないかというふうに私は考えておりますが、そのような点についての運輸省のお考えはどうか。この二つについてお答えください。
#39
○土坂政府委員 今後とも時短をさらに進めていく必要があり、その時短を進めていくためにはどうしてもその原資が必要である。タクシーの場合には人件費が八割を超える産業でありますから、これを運賃改定に求めることはやむを得ない面があると思います。
 ただ、運賃は利用者に御負担をいただくものでありますから、利用者の理解を得る必要がある。そのためには、事業者としてやはり生産性を上げる努力はしなければいけないし、あるいは透明性の確保というようなことでよく皆さんの御理解を得る努力もしなければいけない。しかし、そういうような努力を重ねながらも、基本的にはやはり運賃改定に求めていくことはやむを得ない面がある、そういうふうに私どもでは考えておりますが、この点につきましては、現在、タクシーの今後のあり方ということで、運輸政策審議会で一つの重要な柱として御審議をいただいているところでございますので、今御指摘の点も踏まえて、その点について何がしかの指針をいただけるのではないかというふうに思います。
 それからもう一つ、段階的にという問題点でございますが、これは四十四から四十にするときに政令で定めるということになっておりまして、具体的にはその政令の定め方の問題になるのではないかと思います。実務上は先生の仰せになったようなことが一番現実的であると思いますけれども、今仰せになったことも踏まえまして、今後労働省とよく相談をしてまいりたいと思います。
#40
○常松委員 四十二時間という中間段階を置くことについては、御答弁になったとおり、ぜひ労働省と十分話し合っていただくようにお願いいたします。
 たまたま今局長から運政審の議論のお話にも言及されましたが、私は、その運政審の議論が、どうも規制緩和のことばかり議論をしているのじゃないかというふうな印象を持っているのです、あるいは誤解かもしれませんけれども。しかし、運政審で議論をしてもらうもう一つの柱として、今ここで議論しておりますような、労働力不足の解消あるいは労働条件の改善、こういうことが重要な柱の一つであったはずだと私は理解しています。
 昨年、当時の奥田運輸大臣に私が、運輸政策審議会でハイタク問題についてきちっと二十一世紀を展望して議論をすべきだという立場に立って御提言をしたときにもそのように申し上げましたし、大臣からもその趣旨の答弁があったように私は理解をしているのですけれども、どうなんですか、運輸政策審議会の審議の一つの柱として、そうした労働力不足あるいは労働条件の改善ということはきちっと議論されているのかどうか。心配ですので、予定していませんでしたけれども、御質問いたします。
#41
○土坂政府委員 タクシーの問題は、昨年の行革審の答申を受けて運政審で御議論いただいておるわけですが、行革審の答申は、規制の見直しについての答申でございました。
 しかし、運政審に諮問いたしましたのは、単に規制だけではない、タクシーの今後のあり方全体について諮問をしているわけです。したがいまして、大きな柱としましては規制の見直しと、もう一つはやはり労働力の確保、この二つが大きな柱になっていると私どもは理解をしております。したがいまして、御議論もその二つについて、どちらにまさるとも劣らぬ重点的な議論が行われているというふうに考えております。
#42
○常松委員 事務方としてぜひ運輸省、もう一つの柱であるこちらの方がきちっと議論をされて、どうも新聞などに報道されるのは規制緩和の方ばかり議論しているような印象を受けますから、ひとつその点はきちっと約束どおり頑張ってもらいたいと思います。
 次に、トラック事業で働いている労働者の皆さんからの立場で幾つかお尋ねをいたします。
 統計を見ても、また実態としても、貨物運送業は他のどの産業よりも長時間労働になっております。さまざまな背景があると思いますが、きょうは端的に三点だけに絞ってお尋ねをいたします。
 第一に、トラック業界も、これまた労使の企業内の努力だけでは休日増や労働時間の短縮を進めるのはなかなか困難じゃないか。特に小規模企業の場合は、荷主の動向に非常に強く左右されるわけであります。
 ここに、全日本トラック協会の資料なんですけれども、「トラック運送事業者の労働時間短縮に関する荷主動向調査報告書」で、恐らく局長もごらんになっていらっしゃると思いますが、これを見ますると、全体の六〇%の企業で週休日に出入荷の作業が発生している。特に大規模な製造業とか小売業においてこの発生が多い。大規模製造業の場合は七四・一%の事業主から週休日に出荷が出てくる。小売業については六六%ぐらいから出荷が出てくる。つまり、工場は休んでいても入出荷作業が行われて、そういう担当者が出勤しているわけですね。しかも、その出入荷を担当しているのは下請会社なんです。ですから、そういうことになりますと、なかなかトラック業者の方は週休になっても休むことができないということであるわけですね。
 そして、非常に心配なのは、この調査報告書の中に、では、今後どうなるだろうというふうにトラック協会からそれぞれのトラック業の方々に質問しているのですが、トラック運送業に従事している事業主の方々の回答は、その六割は週休日の出勤が今までどおり、ないしはむしろふえるだろう、こういうふうにお答えになっているわけなんです。
 したがって、私は、こういう事態だとしますると、労使の努力だけではなかなか休日増というわけにいかない、あるいは時間短縮というわけにいかないのであって、やはり運輸省の行政的な指導ということが必要じゃないか。特に、時短促進法などで一斉休業というようなことを今労使間で決めて、それを広げるような方向も広がっているのですけれども、私は、やはりそういう休日増のためには一斉休業というような措置が必要なんじゃないか、こんなふうに思っているのです。この点、運輸省のお考えはいかがでしょうか。
#43
○土坂政府委員 トラックについても時短を進めていかなければいけない、その場合に、トラックの実際の動き方から見て、休日をふやしていくというやり方が非常に現実的であるということは間違いがないところだと思います。それをトラック業がやっていこうと思うと、やはり荷主との関係がどうしても出てくる。今仰せになりましたように、トラックは中小企業が多い、競争も激しい世界ですから、やはり荷主の理解を得ないとなかなかそれがうまくいかない。
 そこで、具体的には週末、休日などに出てくる荷物について、荷主の御理解を得ることによってそれを別の日に振りかえてもらう、逆に言えば、その日はトラックは休ませてもらうということについて進めていくためには、やはりみんなで一斉に休ませていただくというやり方が非常に有効だ。この点は、実は運輸省では平成四年三月に、公取と調整をいたしまして、地域ごとに一斉休日をとるようにしなさい、そういうことを検討してほしいということをトラック協会に指導をいたしました。
 現実問題として、現在までに七つの道と県で一斉休日が行われておりますし、現在三つの県でさらに実施が予定されています。そういうことで、この問題については引き続き運輸省として推進をしていきたい、こう思っております。
#44
○常松委員 ぜひ、一斉休業の方向でさらに強力に指導してもらいたいのですが、問題は東京都なんですね。一番物流の多いのが東京都でありまして、全国的に与える影響も決定的だと思うのです。
 実は東京都のトラック協会なんですけれども、これは業界紙の報ずるところですから真偽のほどは定かではありませんが、東京都トラック協会は、四十四時間制への移行を取りやめることを決定したなんという報道がある業界紙で流れました。これに加えて、これは猶予事業になったからなんですけれども、もう四十四時間になるのをやめよう、既に四十四時間で三六協定を締結をしているような場合でも、これを四十六時間に戻した三六協定を再締結をして、既に届け出ていたものと差しかえて労基署に届け出ることについても、これは当然の権利だというような意見が大勢を占めたなどという報道がされたところであります。
 事実とすれば、まあ運輸省がこういう話を知っているかどうかということがまず第一なんですけれども、事実とするならば、運輸省はどういうふうに指導をしていくのか。この間、実は労働委員会で労働省に聞きました。労働省としては、これはあってはいけない、四十四時間で労使間で協定を結んだものを、猶予事業に指定されたからといって四十六時間にバックするなんてことは労働省としては認めないというふうにはっきり答弁をしておりましたけれども、この点、運輸省、いかがでしょうか。
#45
○土坂政府委員 東京トラック協会でそういうことが行われているというのは、私、事実を今初めてお伺いしたわけでございます。四十四時間制への移行が小規模の事業者について一年延びたことは事実でございますし、それを採用するかどうかは基本的には労使でお決めになるべきことであると思いますが、トラックに限ったことではありませんけれども、運送業というのは非常に労働条件の面で他産業よりもおくれている。本来ならばもっと早く四十四時間にしなければならない、そうでないと他産業並みにならない。他産業並みにならなければ、いい人が来ないし、産業は発展しないわけですから、一年延びたからというのでさらに他産業よりおくれるというのは、トラックの本来目指すべき方向ではないというふうに私どもでは考えます。
#46
○常松委員 東京トラック協会の情報について、これは業界紙の報ずるところでありまして、私も真偽について定かではありませんけれども、ぜひ運輸省といたしましてもお調べをいただいて、もし事実とすれば、そういうことのないように、局長の御答弁どおりひとつ御指導をお願いいたしたいとお願いを申し上げておきます。
 トラック労働者の労働時間の問題については、もう一つ、例の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」告示、これは労働省の告示でございますけれども、こういうものがあります。これについてもいろいろ意見がありまして、まず第一は、労働基準法よりも下回る内容になっているものだから、企業側がこれまでの労使協定を破棄をして、その告示の方に基づいた労働条件を提案をしてくる、そしてそちらを就業規則で決めて実行しちゃうというような事例が伝えられるとか、あるいは、罰則規定がないためにこの告示の水準でさえ守らない事業主が多いので、罰則規定を設けてほしいというような要望やら、あるいは、トラック労働者の立場なんかでは、もっと自宅で休める、休日、週末を行き先で過ごすのではなくて自宅で過ごすような、そういう基準をあの改善基準の中に盛り込んでほしいという要望を持っていらっしゃるようなんです。
 今度改善基準を労働省が改定をしていくというふうに聞いていますけれども、労基法の改正に伴ってこの告示の方も変えていくということを準備されているやに聞いているのですが、今申し上げましたような現実の運輸交通業の中で起こっている問題なり、あるいはそこで働いている人たちがあの改善基準について持っているいろいろな要望なりを、ぜひ運輸省、踏まえていただいて、そしていささかでもその告示によって逆に労働条件が悪くなるなんということにならないように、むしろトラック労働者、バス労働者、タクシー労働者などの自動車運転者の労働条件がこの告示によって一層改善されるように、本当の意味で改善されるように、ぜひ措置をしていただきたいと思います。その点、いかがでしょうか。
#47
○土坂政府委員 今仰せになりました改善基準は、やはり運送事業が人命や財産を預かっておる仕事でございますから、過労を防止する、安全を確保するという観点から、単に労働時間だけ決めるのではだめだということで、拘束時間なりハンドル時間などについて細かい基準を決めたものでございますが、これは私どもが承っておるのは、最低基準を決めたものである、最終的には労働条件の向上を図るということが目的になっておりまして、これを理由にして現に実施されている労働条件を低下させることはしてはいけないというふうに、この基準はそういう性格のものであるというふうに承っております。
 したがいまして、この基準によって労働条件がより改善される方向に指導をしていくべきである。私どもも、この二・九告示なるものは、道路運送法なり貨物事業法を施行するときに適正な運行管理をしているかどうかということの一つの目安にしておりまして、これを守っていない場合には処分の対象になります。そういう意味で、労働省とよく連絡をとりながら、この基準をきちんと守っていただくようにしておるわけですが、最終的には、それを通じて労働条件の向上が目指されるように、それがやはり最終的には運輸産業の発展につながると思いますので、そういう観点から、今の御指摘も踏まえて、労働省とよく相談をしながらやってまいります。
#48
○常松委員 次に、バスの労働者の問題について、これは一つだけお尋ねをいたします。
 今回の労働基準法の改正で、三カ月変形制から一年変形制までに拡大されることが提案されております。このことについて、バス、特に観光バスの労働者から心配の声が上げられておりまして、私の手元にいただいた手紙をざっと読み上げます。
 年間二千八十時間の枠内で一日の労働時間を伸び縮みさせるものである。厳しい要件を付さなければ、とんでもない生活と労働が強いられる。労働者の一日のライフサイクルを基礎とする「人たるに値する生活」のための最低基準を崩しかねない制度である。
 最大の問題は、使用者がこの一年単位の変形労働時間制を使えば、繁忙期には命令に定められた上限さえ守れば、労働者を目いっぱい働かせることができ、この範囲の労働はすべて所定労働時間だから、割り増し賃金を支払う必要がない。そのかわり、閑暇期に労働時間を短縮し、年平均週四十時間におさまるように調整すればよいので、労働者から見れば、一日十時間働いても時間外手当は一円もつかない。本来なら時間外労働になるはずが、時間外手当がつかなくなる。これは労働者にとって大幅な賃金引き下げにほかならない。
 こういうふうな手紙をいただいております。
 そして、観光バスの場合、月額五万三千円ぐらいの時間外手当がダウンになるというようなことが、これは前回、八七年の労基法の改正のときに指摘がされまして、当時で月に五万三千円ぐらい時間外手当がダウンになるということになりまして、そういうものを受けて、当時労働省では六十三年の一月一日、基発一号という通達を出しまして、貸し切り観光バスのように「業務の性質上一日八時間、週四十四時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については三カ月単位の変形労働時間制を適用する余地はないものであること」というふうな通達が発せられたところなんです。
 そこでお尋ねをするのですが、バスの労働者の方々が、特に観光バスの皆さんが今回の改定について大変この点心配をされています。このとおり、観光バスについて従来どおりになっていくのだろうかということで非常に心配されているのですけれども、運輸省、どうなのでしょうか。今までどおり対処されていくものだというふうに運輸省としては御理解しているのでしょうか、これは労働省の問題ですけれども。
#49
○土坂政府委員 変形労働時間制は、季節によって業務の繁閑がある、週単位、日単位ではなかなかきちんと労働時間を守れないという場合に、一定の幅の中で平均して労働時間を守れるようにするという趣旨で設けられたものでございます。基本的にはそれによって時間短縮を進めていくことが目的になっておるわけですが、これは同時にあらかじめ労使協定でどの日に、あるいはどの週に何時間働いていただくということを決めるということが要件になっていると思います。
 貸し切りバスにつきましては、確かに季節の繁閑はあるわけでございますが、あらかじめ毎日、毎週の労働時間を決めるということが非常に難しい、また決めても業務の都合でそのとおりできない場合が多いというふうに思います。したがいまして、あらかじめ労使で協定して決めておくという要件をクリアすることが貸し切りバスの場合には難しいのではなかろうか。現に三カ月の変形時間制の場合には、それが理由になって貸し切りバスについては適用されていないというふうに承知をしております。この話は、ここから後は労働省の問題でございますのでお許しいただきたいのですが、それが三カ月から一年になったからといって、基本的な性格において、本質において変わるところはないのではないか運輸省ではそういうふうに考えます。
#50
○常松委員 次に、JRで働く方々の問題についてお尋ねをいたします。
 JRのような大企業の場合には、私は猶予事業に甘んじていていいものだろうかという点について根本的な疑問を持っています。民鉄の多く、あるいはトラック業界の大手でも既に四十時間を達成しているところがある中で、JRの場合はこの四月一日から四十四時間制ですからね。ですからそういう意味では、JRは交通運輸業界のリーダーという自覚が本当にあるのだったら、むしろ率先してこの四十時間を達成していく、そういうことであってもらいたいというふうに思っているのですけれども、実はそういうJRの中で休日の買い上げが常態化しているということを聞いています。
 これは国労東日本本部とJR東会社との交渉記録の中なのですけれども、九二年十一月の記録なのです。会社側の回答の中で、年間社員一人当たり四・六日休日を買い上げているということを明らかにしています。これは会社側の答弁ですね。これはJR東全体の実情なのですが、東京駅の実情を調べた調査の実態報告があります。
 東京駅を調べましたら、これは九二年の三月から七月まで五カ月間なのですけれども、毎月買い上げているのですね。三月が九十七名から百九十九日、四月が百十二名から二百二十一日、五月が百十名から二百三日、六月が百十二名から二百十九日、七月が百十七名から二百二十六日、こういうことで毎月一人から平均二日ずつ買い上げているということになっておるわけです。
 この休日を買い上げるだけじゃなくて、今度は、JRなんかの場合は毎月一労働日に満たない労働時間というのがあるのです。この労働時間を買い上げちゃう。七時間十分に満たないものについては買い上げちゃうということで、これは八王子駅の調べですけれども、同じ九二年の調査で、十五名の労働者からそれぞれ、これは三カ月だけ挙げますと、四月が五十一時間三十分、五月が六十三時間三十分、六月が五十二時間三十分。これは常態化しているというふうにしか言えないのですね。これは先ほどの大臣のお答えと随分落差がある。JRのような日本を代表する企業がこれではいけないんじゃないかというふうに思うのですけれども、局長いかがでしょうか。
#51
○秦野政府委員 JRにつきましても、当然のことでございますけれども、労働時間をなるべく短縮していくということは基本的に進めていかなければならないと思っておりますし、先般の制度改正でも労働時間を一部短縮されているところでございます。
 ただ、今先生御指摘のような休日の買い上げにつきましては、ちょっと私実態をよく承知しておりませんので、いろいろな事情が多分あったのだろうと思いますけれども、なるべくそういう事態が恒常化しないようにJRの方によく話をしたいというふうに考えております。
#52
○常松委員 JRとそういう立場でぜひお話し合いをしていただきたいと思いますが、確かに局長がおっしゃるように労働時間の短縮が去年の三月のダイヤ改正からされました。ところが、普通労働時間の短縮がされたら要員がふえますが、JRはふえないのです。例えばこれはJRの東京の地域本社の場合ですけれども、本線関係の動力車の乗務員が予備を含めて三千五十五人だった。去年の三月から特別休日が五日ふえたわけなんですけれども、そうすると一万五千二百七十五日、その分ふえることになります。そうするとその分の労働者を雇わなければならないわけでありまして、普通で計算するとやはり六十四、五人は雇わなければならない。新たに雇用しなければならない。ところが、そうでなくて一人しかふえていないのですね。
 なぜそういうことになるかというと、待機時間とか準備時間とか整理時間とか折り返し時間というのがどんどん削られちゃう。それで、そういう結果として、例えば準備時間は三十分だったのが二十八分になるとか、整理時間二十五分から二十一分になるとか、あるいはこれまで折り返し地点では、三時間以上乗務した場合には六十分くらいの折り返し時間が認められていたのですが、今度は、今では必要な時間だけだということで、多くの事例でいうとせいぜい二十分間ぐらいしか認められない、こういう話なんですね。そういう時間をどんどん差っ引いちゃうから実際には、時短が実施されたというのですけれども、拘束時間がむしろ延びちゃう、あるいは変形労働時間制の導入などによって保線の職場なんかでは極端に深夜労働がふえたり、あるいは機械関係などでは月十日間も泊まり込み勤務になったり、二日分の仕事を一晩にやるために非常に疲労が蓄積される、こういう話が保線の職場の実態だそうです。それで駅や乗務員の職場では仮眠時間が減らされる。四時間程度しかとれない。結果として非常に睡眠不足が蔓延している、こういう実態も伝えられているわけなんです。
 最近非常に事故がふえています。この間も水戸駅の構内で事故がありましたね。特に下請関係の事故が非常に多くなっています。今JRは下請にどんどん仕事をおろしているのですが、その下請では、JRでさえ今言ったような状況ですから、下請になると三日も四日も連続して夜勤をするというような勤務がざらなんだそうですね。ですからさぞや疲労が蓄積しているだろう。そういうことが今JRの下請の職場で非常に人身事故がふえているということの原因の一つになっているんじゃないか。
 したがってJRに対して、それこそ日本を代表する職場なんですから、そしてそのJRの労働条件というのがその下請の労働者にずっと広がっていくような職場なんですから、そういう意味では運輸省として、JRが時間短縮の結果、時間短縮だといいながら拘束時間がふえる、時間短縮を実施したからといって変形労働時間制を導入することによって疲労が蓄積したり、御飯を食べる時間がない、寝る時間がない、トイレに行く時間がない。貨物列車なんかは大臣、運転席の中で大便をし小便をしているというのですよ。三時間ぐらいずっととまらないから、運転席の中でやっている、そんなのがまかり通っている、私はこれではいけないんじゃないかというふうに思うのです。
 ぜひそういう立場でJRに対して、日本を代表する企業としての指導をお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。これは局長からで結構です。
#53
○秦野政府委員 ただいまお話しの労働時間の問題あるいは拘束時間の問題、これは基本的には労使間でいろいろ御相談の上お決めいただくべき性格のものであろうというふうに考えておるわけでございます。労働条件の改善につきましては、今お話しのような拘束時間を短縮するあるいは休日を増加させる、いろいろなやり方があるわけでありまして、そういった点を含めて労使間で誠意を持ってお話をしていただきたいと考えるわけであります。
 ただ、今回の例えは乗務員の勤務制度の改正につきましては、先生御案内のとおり実際の乗務時間、労働時間あるいは拘束時間、それぞれ若干短縮をされておるということで、ある程度の改善は見られているというふうに私どもは考えておりますけれども、今後ともさらに労働条件が改善されるように、労使で誠意を持って話し合うことを強く期待しておる次第でございます。
 それから、今若干例に挙げられました保線の問題あるいは長距離の運転の問題、確かにそういう問題があることは承知をいたしております。ただ、やはり鉄道事業というのは、旅客あるいは荷主の要望にこたえて、安全かつ良質な鉄道サービスを提供するという重要な側面があるわけでございますので、ある程度のことは、その結果として深夜時間帯において保線をしなければならぬ、あるいは数時間にわたって運転席を離れられないというような状況にあることは確かにやむを得ないものだというふうに考えますけれども、やはりそういうような特殊な職場であるということを労使双方で十分認識をして、その上で話し合いをしていくということが必要であるというふうに考えておりますので、そういう趣旨で各事業者に対して指導していきたいと考えております。
#54
○常松委員 そういう局長のおっしゃりたいことがわからないわけじゃないのですが、私が申し上げたいのは、JRの労働条件というのは、その影響するところが非常に大きい。したがって、JRが本当に日本を代表する企業になるためには、やはりJRで働く人たちの労働条件が現実に日に日に改善されて、それが全体に及んでいかない限り全体のゆとり、豊かさになりません。ですから、そういうJRに対する自覚を促してもらいたいということなんですが、その点に絞って、局長、いかがでしょうか。
#55
○秦野政府委員 JRの労働条件自体がいろいろ影響するところが大きいということは私ども十分認識しておりますので、そういう点も含んで対処してまいりたいと思います。
#56
○常松委員 次に、NOxの規制のことについて御質問いたします。
 環境庁に来ていただいているはずでありますが、今回のNOxの規制について、当初はトラックとバスに関する規制というふうに報道されておりまして、現在でもほとんどの国民がそういうふうに考えているのじゃないでしょうか。ところが、ナンバーによる登録区分によって規制するという方式をとったために、多くの個人ユーザーのレクリエーショナルビークル、いわゆるRVや個人企業の配達用の自動車なども含まれることになっているわけであります。
 問題なのは、このNOx規制法が施行されることにより、個人ユーザーは数十万円にも上る巨額な負担をしなければならないことが明らかになっていることであります。この施行に伴う猶予期間は、法人ユーザーには償却が終了している期間であるために打撃は少ないかもしれませんけれども、個人ユーザーにとっては、中古車価格が下落するなどということで資産価値が非常に大きく減っているようであります。既に中古車価格は下落の一途をたどりつつありまして、しかも規制対象車種の車両の下取りを拒否されるような事態も生じているやに聞いています。
 個人ユーザーは、その強制代替時に、新車の車両価格以外にも下取り価格下落に伴う数十万円の負担をしなければならなくなるわけでありまして、規制対象地域に住む特定の車種の個人ユーザーに負わせる負担としては余りにも著し過ぎて、公平さを欠くことになるのじゃないかと私は思うのです。この施行に当たって、こうした個人ユーザーの使っている車については規制の対象から外していく、そういう特例措置について全く検討する余地がないのかどうか。私は、これはやはり検討すべきだろうと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#57
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、大都市における大気汚染の改善を図るために、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法、これを昨年御制定いただきまして、対策を進めているところでございますが、この法律におきまして、貨物車などの特定の自動車につきまして、車両総重量の区分ごとに特定自動車排出基準を定め、より低公害の車種への代替を求める、いわゆる車種規制を実施することとしております。御硝摘ございましたいわゆるRVにつきましては、ナンバーがいろいろございますが、一ナンバーあるいは四ナンバーのものにつきましては、道路運送車両法上一般の貨物車と同様の取り扱いがされておりまして、排出ガス規制の面でも貨物車の基準が適用されておる、こういう実情にかんがみまして、環境対策の観点から、これらの車も含めまして規制対象としているものでございます。
 なお、負担の点についての御指摘ございましたけれども、現に保有されている車につきましては、平均的な使用年数等を考慮しまして、規制の適用につきまして一定の猶予期間を設けておるところでございますが、いずれにしましても、大気汚染対策の見地から、ユーザーの方にもある程度の御負担をお願いしたいということで考えております。
#58
○常松委員 あなた、全然答弁になっていないです。個人ユーザーの方々のRVが公害発生源になっていると言いますけれども、あの車をレクリエーションなんかに使うのは本当に多くてせいぜい週一回ぐらい、月に一回とか二回というのが実情なんですよ。その車を営業用の車と同じように対象にしていくというのは措置として冷た過ぎるのです。私はそう思いますよ。
 今度は運輸省にお尋ねいたしますけれども、現在自動車パーツの市場では、排気ガスに含まれる有害物質を軽減する公害低減装置が販売されているわけですが、こういったパーツの中には、工場のボイラーなど固定発生源に装着され、実際に大気汚染防止法が定めている有害物質の排出基準値をクリアするなど、その効力が公的に認められているものがあるわけであります。このようなパーツを規制対象車に取りつけてNOxが基準値より下がった場合、運輸省は適合車として認める用意があるかどうかということなんです。
 また、これらのパーツを装着した後のNOxの計測は、現行制度ではいわゆるガス検を受けることになるわけですが、この検査をする運輸省の認定の公的機関は日本に三カ所、例えば私の選挙区の昭島の日本輸送技術協会などしかないわけでありまして、しかも非常に高価な検査料、一回の計測で三十万円ぐらいかかると言われていますが、そんな検査料が必要であります。このように、積極的に環境保護に努めながら、今持っている車を大切に使おうとするためには、ユーザーの方々は大変な経済的負担をしょい込むことになるわけであります。このような実態に対して運輸省は、ガス検にかわる安価で便利な新検査制度を導入したり、あるいは商用車登録から乗用車登録への用途変更を認めるなどして、何らかの救済システムづくりをしてもらえないか。
 そして、この個人ユーザーの方々から署名が多分運輸省に出ているはずですけれども、ああいう多くの方々が、今でも署名運動を十二月に向かって行われているようなのですが、運輸省が車検で一回認めて、そしてユーザーが車を買った、買ってその車を使っていたら、今度は政府の措置によってその車を使ってはいけない、使ってはいけないところか、実際には、普通の車でいえば下取りのときに一定程度の下取り価格がとれる、ところがそれが全くゼロになってしまう。これはちょっとひど過ぎる。この個人ユーザーの車が公害発生源になっているといったって、先ほど言ったようにそれは本当にわずかなことですよ。したがって、私はこれについてはやはり何らかの特例を講ずるべきではないかというふうに思うのですけれども、検討する余地が全くないのでしょうか。何か検討する余地はありませんか。
#59
○堀込政府委員 お答えいたします。
 適用除外については本来環境庁さんの方から答えてもらうのが適切かとも思いますけれども、ただいま先生御指摘のようないろいろな問題が出てきていることは私どもよく承知しております。
 それで最初の、装置をくっつけることにつきましてはいろいろな方が今考案をなされておりまして、私どももより適切な、そしてまた耐女性を持っ装置があれば、そういうものをつけたことによって基準値をクリアすれば当然適用除外といいますか、基準適合車として認めていくという方法を今検討しております。
 それから、先ほど御指摘のございました個人ユーザーに対する救済措置でございます。これも一例でございますけれども、取得税の中で、現在使っている車を廃車して一定の条件のもとで買いかえた場合には、取得税の軽減率というものを平成五年から十二年まで、一応税制当局にお願いしてそういう措置を講ずることとしております。
#60
○常松委員 きょうはもう時間がなくなりましたからこの程度でやめますけれども、この問題は、しかし私は、NOx規制は基本的にはやらなければいけない、もっと厳しくやらなければいけないとさえ思っているのですよ。思っているのですけれども、その結果として泣く人がいる、しかも非常に不公平な形で泣かされる人がいるということについては、やはり行政は何らかの救済措置を検討すべきだ、このように思いますので、ユーザーの方々の意見も聞いて、今後さらに十分な検討を進めていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
#61
○森田委員長 緒方克陽君。
#62
○緒方委員 一九八八年に港湾労働法が改正をされまして、そのときも十分議論があったわけであります。その改正後五年がたったわけでありますが、そのときの国会審議なりあるいは附帯決議なりいろいろされているわけでありますけれども、そのことが現実には非常に守られていない、非常に問題があるということが明らかになってまいりました。
 先日も私、横浜の寿町にも出かけまして、あるいは現地の職安の人々などともいろいろ話をしてきたわけでありますが、法律の仕組みはあるけれども、現実にはしり抜けになっているし、いろいろな問題が数多くあるということが明らかになってまいりましたので、その点について質問をしたいと思います。
 まず第一に、運輸省にお尋ねいたしますが、港湾労働法は、港湾運送作業の基本は企業常用労働者とセンター労働で賄うということが原則になっているわけであります。したがって、両方の労働者が確保されなければならないことになっておりますし、しかも港湾運送事業は免許制でありまして、その基準に常用労働者数以上の確保を要件としているわけであります。免許基準を各事業者は満たしているのかどうか、運輸省として必要労働者数の確保の状況の把握、並びに免許基準割れの企業の実態があるというふうに聞いておりますが、その状況についてまずお尋ねをいたします。
#63
○浅見政府委員 お答えをいたします。
 ただいま緒方先生御指摘のように、港湾運送事業法におきましては、免許基準として一定の労働者を確保することということが条件になっておりますが、その労働者数の充足の状況につきましては、従来から事業監査を通じてその把握に努めているところでございます。監査の結果、免許基準を割っている事業者が判明した場合には、警告を発しましてその改善措置を講ずるように指導してきております。
 ちなみに、平成二年度から四年度の最近三年間に、これは本省が実施した監査の結果によりますと、監査を行った事業者が八十社ございますが、このうち六社が労働者数に係る免許基準を割っておりました。このため、これらの事業者に対しましては警告を発して改善措置を指導いたしまして、このうち二社につきましては既に是正措置が講じられてきております。また、一社につきましては既に改善計画が提出されているところでございます。その他の事業者につきましても現在改善計画の提出を求めているところでございまして、今後一層適切な指導を行っていきたいというふうに考えております。
#64
○緒方委員 その三年間で本省の事業監査をされた事業所数と全体の数、事業所が幾らあるのか、そして監査をされた数が幾らあるのかということについてお尋ねいたします。
#65
○浅見政府委員 本省が直接所管をしておりますのは、いわゆる港湾運送事業のうちの一種無限定と言われているものでございまして、これは会社の数というより、港湾運送事業というのは港ごとに免許を出しているものですから、その港ごとの事業所といいましょうか、そういうものをカウントいたしますと約三百社ございます。そのうち、この三年間に監査に入ったものが八十社でございます。
#66
○緒方委員 そういたしますと、一年平均は三十社を切るわけですね。これでいきますと事業監査は全社回るのは十何年かかかるということになるわけでありますが、第百十二回の国会でこの港湾労働法が通るときに附帯決議がされておりまして、「本法の実効を確保するため、違法雇用の取締りの強化その他必要な定員の確保を含む行政体制の充実強化に努めること。」となっているわけでありますし、また、事業主が企業常用及びセンター常用以外の労働者を雇用しないように指導を行うということになっておりますが、たった十何年に一遍しか事業監査をやれないというのは一体何ですか。
#67
○浅見政府委員 先生おっしゃいましたように、もっと数多くの事業所に監査に入るということがもちろん望ましいわけでありますけれども、我々としてもそれなりに本省、地方を通じて努力をしているつもりでございまして、いろいろな制約もございまして、これを一挙にたくさんにふやすというわけにもなかなか事実としてできないということもございますが、なお一層努力をしてまいりたいと思っております。
#68
○緒方委員 いろいろな制約とは何ですか。
#69
○浅見政府委員 主として人的な問題でございます、定員と申しましょうか。
#70
○緒方委員 それで、人が足りないということで、実際には法律違反の状況がずっと続いているにもかかわらず一部しか発見ができないというのは、結局運輸省の人的要因、財政的な問題ということのようであります。そうなると、国会決議でちゃんとした体制もやるということになっているわけでありますが、それが実行されていないということは、国会の附帯決議が守られていないということになるわけでありまして、このことについては大変問題があるというふうに私は思いますし、さらに強化をする具体的な方法についてどうかしなければいけないと思うのです。その点についてはどうでしょうか。
#71
○浅見政府委員 今申し上げましたように、今後、なお監査が充実できるように努力をしていきたいと思っております。
#72
○緒方委員 一般的なことではだめですから。どうですか、これは大臣には質問通告はしておりませんでしたが、そういう答弁をいただいてもちっとも改善されませんから、具体的に監査の数をもっと、例えば今まで年三十件であったのを四十にするとか、五十とは言えないけれども、少なくとも何割かはふやすというような、こんな話もけちな話で、本当は全社やるべきと思うのですが、一歩でも前進するためにはということで、もう少し具体的な答弁を願いたいと思います。
#73
○浅見政府委員 現在の一般的な国家の財政状況のもとで、定員をたくさんふやすというのはなかなか難しいかなというふうに考えておりますが、もちろんその面の努力もしなければならないことはわかっておりますけれども、さらに監査のやり方等も工夫をいたしまして、限られた定員の範囲内で一層効率的な監査が実施できるような方法を考えてみたいと思っております。
#74
○緒方委員 この問題だけやっていても時間が足りなくなりますから、具体的な効率の上がる監査をして、そしてこの港湾労働法の趣旨が生かされるような、あるいは基準を満たすような仕事がされるように、それは後ほどまた詰めたいと思います。きょうはそのことでやっていても時間がありませんから、そういう工夫をするということについては彼ほどまた話し合いをさせていただきたいと思います、中身については工夫をされるということですから。
 二つ目に、センター雇用の労働者の確保の問題でありますが、東京など六大港では、港湾運送事業が本船のスケジュールによって作業の波動性が生じるということで、港湾労働安定協会を設立をして、センター常用労働者ということでプールをされているわけでありまして、労働者の派遣をするということになっております。いろいろな審議会の資料とか役所からもらった資料でも、労働省の資料でも、企業外労働者に対する求人数の二五%しか、それぞれのセンターによって多少の上下の差はありますけれども、充足をされていないということでありまして、センター常用の絶対数が不足しているということであります。このことは、港湾運送事業の発展等、荷主、ユーザーのニーズにこたえた安定的、効率的な港湾運送を妨げることになると思います。そこで、センター労働者の確保のためにどのような施策を講じようとしているのか、お尋ねをいたします。
#75
○井原説明員 本日は、本来ならば政府委員が答弁に対応すべきところでございますが、都合により、私の方から答弁させていただきます。
 港湾労働法における企業常用以外の労働力需要につきましては、まずはセンター常用労働者の派遣により対応することを原則としております港湾労働法の趣旨から、センターの機能の充実は重要な問題であると考えております。しかしながら、最近のセンターの運営の実情を見ますと、港湾荷役量の減少などに起因しまして、センターへの派遣申込数、センター労働者の就労日数とも大幅に減少している状況にございます。このため、センター労働者の就労日数の増加を図ることが当面の最大の課題でございまして、昨年の十一月以来、センターの活用の促進について行政としても事業主に要請するなど、あるいはセンターに対し派遣先の積極的な開拓などを求めているところでございます。
 御指摘のセンター常用労働者の確保につきましては、センター運営上の課題とは考えておりますが、当面は、各港の事情を考慮しながら、センター労働者の就労日数の増加に努めてまいりたいというふうに考えております。
#76
○緒方委員 今の答弁では、結局センター労働者の日数をふやすということでありますが、このようになっている原因は、企業の常用労働者とセンター労働者があって、そしてその他直接雇用ということでやられているわけですけれども、その他の直接雇用がふえているために、結局センターの雇用日数が減っている、そういうことになっているのじゃないですか。
#77
○井原説明員 御指摘のとおり、企業常用以外で旦履いを雇うときには、まずセンター、その後安定所、それでだめならば直接雇用という仕組みがあるわけでございますけれども、直接雇用の比率が非常に多うございまして、センターの部分が二五%程度という状況にあるわけでございます。
#78
○緒方委員 少し質問を進めていきたいと思うのですが、港労法の趣旨は、企業外の労働者を雇用する場合には、まずセンターに対して派遣申し込みを行い、センター常用の派遣でなお労働者の不足が生じた場合には、第二の手段として、職安の紹介による旦履い労働者を雇用し、それでもなお不足する場合には直接雇用が許される、そういう仕組みになっているわけでありますけれども、現実には、センターへの派遣申込数とは関係なく直接雇用が行われているということであります。私は先日も現地に行ったというふうに言ったのですけれども、横浜の県の労働部や職安が把握している数をはるかに上回っているということになっているわけでありまして、このことについての認識はどうでしょうか。
#79
○井原説明員 港湾労働法十条のただし書きにつきましては、日雇い労働者の雇い入れにつきまして、御指摘のとおり、まずセンターが派遣し、その後安定所が紹介し、それでできなければ直接雇用を行うという原則になってございまして、先ほども御答弁させていただきましたとおり、この直接雇用の部分が例外という措置であるにもかかわらず非常に多いということにつきましては、港湾労働法の趣旨に反するものとして問題があるというふうに考えております。
 その日雇い労働者の就労状況につきましては、事業主から定期的に報告を求めているところでございまして、私どもはそれを承知しているわけでございますが、いずれにいたしましても、直接雇用が非常に多いという状況は問題があるわけでございまして、今後とも事業主を初めとする関係者に対する指導などを強化いたしまして、直接雇用の日雇いの使用の抑制、港湾における雇用秩序の維持を図ってまいりたいと思っております。
#80
○緒方委員 そういう直接雇用が増大しているという背景には、港湾運送事業者が大手荷主やユーザーのダンピングの強要によって、事業者みずからが運送コストを抑制するために、人件費のコストの安い労働者を労働市場から集めてこようとすることがあるわけでありまして、結局これが港湾労働法第十条のただし書きの悪用ということで直接雇用に結びついているということになっているわけですね。私に言わせれば、このただし書きの悪用が横行している、そういうふうになっているのじゃないかという気がしてしょうがないわけでありまして、こういっただし書きを削除することによって港湾労働の秩序が維持できるのじゃないかと思うのですが、その辺どうでしょうか。
#81
○井原説明員 港湾労働法十条一項ただし書きの削除につきましては、雇い入れの自由に関する憲法上の問題が存在いたしますとともに、公共職業安定所に求人を申し込みして労働者がいない場合のぎりぎりの救済策として制度の中に設けざるを得なかったというものでございますので、この削除につきましては困難であるというふうに考えております。
#82
○緒方委員 雇い入れの自由ということでぎりぎりの救済策だというふうに言われたのですが、実際にはそのぎりぎりの救済策が横行して、そして港湾労働法の趣旨そのものが今実体がなくなっているということになれば、法律そのものが形骸化しているということになっているわけでありまして、そこが問題だというふうに言っているわけでありますから、ぎりぎりの救済策が横行している、これは非常に問題じゃないか。
 その意味で、今指導を強化するというような一般的な話でありますが、そういうことでは納得できないわけでありまして、一体どのような形でされるのかということが一つの大きな問題であるということと同時に、中央職業安定審議会の部会では既に労働組合と海運事業者との間で港労法十条のただし書きの削除については、これをしなければ実際に、さっきも言いましたようにただし書きの部分、最低ぎりぎりの救済措置の部分がどんどん拡大しているということについては問題だということで、労使が一致いたしましてこの点について早期に決着をつけるべきであるということを労使が言っているわけでありますから、その辺については、それは憲法上の問題とか言われるけれども、実際にそういう労使の一致ができているということになれば、政府としても当然考えなければいけないのではないかというふうに思うのですが、どうですか。
#83
○井原説明員 御指摘のとおり、現在中央職業安定審議会港湾労働部会におきまして、港湾労働法施行三年経過後の見直しのために、十条一項ただし書きの問題も含む諸問題につきまして検討をお願いしているところでございます。
 確かにこの部会におきましては、御指摘のとおり十条一項ただし書きの問題につきまして規定を削除すべきであるという意見が労使双方から出されているところではございますが、現在こういう意見も踏まえまして、さらに具体的な施策を部会の方で検討していただいているところでございまして、今後この検討内容を踏まえまして対処したいと考えております。
#84
○緒方委員 部会で具体的な対処も出るのでしょうけれども、法律の枠組みの問題として議論しているのです。港湾労働法というのは港湾における労働者の雇用安定と、それから円滑な港湾の荷役作業その他ができるということで仕組まれているわけでありますが、その十条ただし書きが結局横行して、体系が、何遍も言いますけれどもそういう状態になっているということでありますから、そこは指導だけということじゃなくて、具体的にどういう指導をするのか、そのことを明らかにしてもらいたいと思います。
#85
○井原説明員 そのあたりの具体的なやり方も含めまして、ただいま部会の方で御議論していただいておるところでございますので、私どもとしてはその検討内容を踏まえまして対処したいと思っております。
#86
○緒方委員 いや、私がお尋ねしたのは、それは部会は一定の検討をされていくでしょうね。でしょうけれども、労働省としても法律を提案し、そして今まで審議してきた経過の中で、港湾労働法という法律はちゃんとあるわけです。それがただし書きによってその本質的な部分が形骸化をされているという中で、労働省としてどういう具体的な手だてをされようとしているのかということについてお尋ねしているわけです。
#87
○井原説明員 再三御指摘いただいていますように、直接雇用が多いという状況が非常に問題であるわけでございまして、私どもといたしましてはその点について、先ほどぎりぎりと申しましたけれども、これが最後の手段であるという法の趣旨を事業主に徹底いたしまして、きちんと手続が踏まれ、直接雇用が抑制されるように、減っていくようにしていきたいと思っております。
#88
○緒方委員 どういう手段でそのことを実行されるのですか。
#89
○井原説明員 事業主が雇用する問題、それについて行政として指導していくということでございますので、事業主に対する指導を強化する、その方法によって行っていきたいと思います。
#90
○緒方委員 だから、私が聞いているのは、その業界団体の集まりでやるとか、あるいは業界に対して指導文書を出すとか、いろいろな方法があると思うのですが、今やりとりしてもわかりますように、最後のぎりぎりの手段であるただし書きが今そういう悪用をされていることになれば、もっと具体的な手だてを、具体的にどういう方法でやるのか、今までの一般的な指導ではできないということですから、そこをお尋ねしているわけです。
#91
○井原説明員 今御指摘がありましたように、昨年以来事業主団体の集まりを通じて法律の趣旨を徹底するなどの活動もしておりますし、また現場、第一線としましては事業所を訪問して事業主に趣旨を徹底するという行政を行っておりますし、こういった取り組みを強化してまいりたいと思います。
#92
○緒方委員 これまた時間がありませんのであれですが、具体的な中身をどういうふうにするかということについては後ほどお聞きしたいと思います。
 それで、運輸省にお尋ねいたしますが、この日雇いの直接雇用は、さっきやりとりしましたように港労法十条のただし書きによって抜け道があると同時に、直接雇用が多く認められるわけであります。関連職種の問題ですけれども、関連職種が港湾運送事業法で他職種とは異なりまして届け出制になっているわけでありますが、これにも原因があるのじゃないかというふうに思います。しかも、ここに暴力団が介在をしている要因があるわけでありまして、運輸省としてはこの問題についても事業法によって免許制ということにしなければ、我々は一般的には規制緩和と言っているのですが、実態的には暴力団が介在し、そしていろいろな問題がたくさん起きているという現状の中では、このことについては真剣に考えてみる面があるのじゃないかというふうに思います。運輸省のお答えをいただきたいと思います。
#93
○浅見政府委員 港湾運送関連事業といいますのは、先生御承知のように港湾運送事業に密接に結びついて営まれている事業ではございますけれども、これはあくまでも港湾運送事業を円滑に行うために必要とされるものということでございまして、港湾運送事業そのものとは違うということもございまして、この規制のあり方についても港湾運送事業と同等には論じられないというふうに考えておりまして、現行の届け出制を免許制に強化するということにつきましては慎重でなければならないというふうに考えております。
#94
○緒方委員 そういう御答弁ですが、実際にはさっき言ったように暴力団の介在とかあるいはいろいろな問題が起きているという現状の中で、それでは一体どういう対策をされようとしておりますか。
#95
○浅見政府委員 運輸省といたしまして、具体的な事例として暴力団がこの関連事業に参入しているというような事実は把握してはいないわけでございますが、この事業の届け出に当たりまして暴力団が参入してきているかどうかということを運輸省として判断するというのはなかなか困難な面があるわけでございます。したがいまして、必要があればまた関係機関とも協議をしていきたいというふうに考えております。
#96
○緒方委員 その問題については、これからほかの事例でもまた具体的に提起をしますので、その際、運輸省の方にもまたただしていきたいというふうに思います。
 そこで、職安の現場パトロールとかあるいは検査の問題についてお尋ねしたいのですが、どうも現在は直接雇用や手配師を介した違法な雇用とか、あるいは外国人労働者の港湾での就労も非常に多いというふうに思われるわけでありまして、先ほども言いましたように、私、横浜の寿町に行きまして、職安の人にもいろいろお話を聞きました。実際に職安の方が大変御苦労されておるということについては現場を見て思ったのでありますが、だからといって今日の法体系がしり抜けになっているということを認めるわけにはいかないという意味で、もっと法律の定めるところによっていろいろなことをやっていかなければいけないというふうに思うわけであります。
 その話によると、週三回パトロールを行い、一回のパトロールで四回程度調査をして、三年余の期間に違反件数は一件しかなかった、しかもこれは全港湾が問題を指摘されたということでありまして、現実はパトロールの効果が全く見られていないというのが現状ではないかと思います。また、横浜のセンターの労働者が就労先で職安に通報して係官に調査をしてもらったけれども、外国人かどうか判明できなかったということであります。
 私どもの先日の調査で職安に事情を聞いたのでありますが、立入検査証がないために、作業をとめて調査することはできない、外国人の就労が確認できないということで、要するに法改正で検査証が発行できなくなったから、自分たちは現場を見て回って、船の上でも、ハッチの上ですか、上から見るだけだというような答弁でありまして、そんなことじゃないんじゃないかというふうに話したのですけれども、この件についてお尋ねをいたします。
#97
○井原説明員 新しい港湾労働法が制定されましたときに、従来の港湾労働法の立入検査に関する規定が削除されたところではございますけれども、職業安定法その他に基づきます立入検査の権限は職安の職員は持っておるわけでございまして、これの実施により、港湾における雇用秩序の維持を図ることは十分可能であり、また、現にそれで実施しておるところでございます。
 先生の方から、現在一部の現場でこの点が徹底されていないという御指摘がございましたので、今後、そのようなことがないように一線機関の指導を徹底してまいりたいと思います。
#98
○緒方委員 今答えがあったのですけれども、現場では、いろいろ問い詰めると、いや六年前のこの新港労法でなくなりましたということでしたね。ところが、それは認識の違いでした、その枠組みは、枠組みというか、新港労法ではなくなったけれども、職安法の中ではあるんだということが結局徹底していないのですね、我々が行ったときにも。ですから、国会でそういう答弁をされたとしても、それが果たして下部まで行くかどうかはわからないわけでありまして、実際には横浜みたいな大きな港の、そして問題のあるところの職安のいろいろな人たちの責任者がそういう対応では、行政としてちょっと問題じゃないかというふうに思います。
 それで、この点については、そういうきちんとした法律の仕組みを理解していないところもあるということで、通達をきちっと出して、さらに、さっき出ましたようないわゆる十条ただし書きによる直接雇用が横行している問題も含めて、ちゃんとやりなさいというような明確な通達を出すべきだというふうに思うのですが、その辺はどうですか。
#99
○井原説明員 必要があれば立入検査を行うということにつきましては、新港湾労働法ができましたときに既に通達で流しております。したがいまして、それが徹底していない部分があるという御指摘でございますので、再度その点について会議その他使いまして注意を喚起する、さらに一線機関の指導を徹底していきたいというふうに考えております。
#100
○緒方委員 私が質問しましたのは、十条ただし書きなどで法の体系からはみ出る形がどんどん横行している、そういう問題も含めて、あなたがそういうことであれば横浜のその担当者がそういうことを言うはずはないわけでありまして、会議その他でということではこれは納得できませんので、ちゃんとした形でのものをやらないと私は保障できないというふうに思いますから、その込もう少し具体的に回答してください。
#101
○井原説明員 先生御指摘の点も踏まえまして、第一線機関に対する指導の徹底の方法を考えてまいりたいと思います。
#102
○緒方委員 それではそういう方向で、中身については、指導の方法は通達なども含めてしていただくということで、それを確認をしておきたいと思います。
 それから次の質問は、立入調査の問題などでありましたが、もうダブリましたのでちょっと省略いたしまして一もう一つあります、新港労法の国会審議では、当時の労働省は、今後一段と立入調査を強化して違反をなくするということで国会で答弁も行っておりますし、また必要な場合には警察など関係行政機関とも協議をして、合同立入調査を行うということも答弁をしております。そういうことでありまして、合同立入調査を具体的にやってきたかどうかということが一つと、これは労働省が要請したかどうかということが一つ。
 もう一つは、直接雇用を全面的に禁止することは、憲法上保障された雇い入れの自由ということでさっきもいろいろ答弁があったわけでありますけれども、実際には直接雇用が横行しているという中で、雇い入れの自由だ自由だということを言っておけば、結局そのことによって新港労法がかご抜けになるということでありますので、港労法が憲法の中で制定されるということになれば、その十条一項ただし書きを含めて法秩序とはこれは矛盾しないというふうになると思うのですが、その辺どうですか。二点です。
#103
○井原説明員 まず第一点の、関係行政機関との連携につきましては、職業安定機関といたしましては、労働基準監督機関あるいは地方運輸局とも合同してパトロールを実施してきております。
 それから第二点の憲法上の議論でございますが、これにつきましては、十条一項ただし書きというものが、先ほど申しましたようにセンターが派遣する労働者、その後を公共職業安定所が紹介する労働者、それが充足できないという場合に、認められるぎりぎりの救済策として直接雇用が認められておるという法体系でございますので、仮にこのような直接雇用を法律上一切認めない、排除するということになりますと、やはり憲法上の問題がないとは言えないというふうに考えております。
#104
○緒方委員 そんな言い方をしているけれども、実際には直接雇用が横行して、そして港労法が形骸化している、片っ方では雇い入れの自由があるからということで、実際にはそこに物すごい乖離と矛盾があるわけですね。そこをやはり何とかするということになれば、先ほど中央職業安定審議会の部会の話も出ましたけれども、そこを解決しなければ、法律があって中身がないということに、せっかくの法律の趣旨が生かされないということになるわけでありますから、その点については、先ほどの質問にまた戻るような感じになりますが、具体的な解決策に向けて労働省としても検討してもらうし、またその部会の検討も含めてより前進するようなことと、そして指導強化、それを強く期待をしておきたいと思います。
 そこで、警察庁お見えだと思いますので、警察庁にお尋ねいたしますけれども、このような問題で合同パトロールの要請というものが、あるいはその他の要請というものがあったでしょうか。
#105
○石附説明員 お答えいたします。
 労働省また職安からそのような要請があったとの報告は受けていないものと承知しております。
#106
○緒方委員 結局、労働省は、国会の答弁とか決議、特に答弁では、合同立入調査の強化もやる、そしてきちっとやるというふうに言っておきながら、実際には検査証もあるということもこの六年間、現場では知っていなかったという現状ですから、そのことについて労働省はまともにやっていないということが今明らかになったのじゃないかというふうに思いますね。国会の決議を本当にゃろう、付帯決議とか答弁をやろうということになれば、そのことについて具体的に実行する構えというのが必要だというふうに思いますが、その辺はどうですか。
#107
○井原説明員 御指摘の点も踏まえまして、港湾労働法の施行体制につきまして、なお一層第一線機関に指導を徹底するようにしたいと思います。
#108
○緒方委員 これでこの問題の質問を終わるわけでありますが、結局、通して言うと、一九八八年の国会での審議あるいはその経過の中で答弁されてきたこと、あるいは決議が実際にはなかなか実行されていなかったということが今のやりとりの中で明らかになってきたと思いますので、先ほどそれぞれ御答弁をいただいた通達なり指導なりということについてさらに具体的に強化すべきであるということを申し上げまして、この点についての質問を終わりたいと思います。労働省と警察庁はこれで結構です。
 続いて、十二月の当委員会で、私は、身体障害者の交通権、移動の権利の問題あるいはその他の権利の問題でいろいろ質問いたしました。行政課長、お見えになっていると思いますが、その後の現状についてお尋ねしたいと思います。
 まず第一は、地方自治法に基づく直接請求、これは条例の制定と解職がありますけれども、その制度の中で、身体に障害のある人が代理署名が認められていないということで問題があるということを政府自身も認められ、そしてまた十二月の私たちのシャドーキャビネットの予算要求のときにも、自治大臣に対して我が方の五十嵐委員長からこの問題も具体的に提起しておりますから、もう既に半年近くがたっているわけであります。この代理署名が、手足の不自由などでできない人の問題については早急に解決されなければ、実際に今まだリコールも全国各地で行われているわけでありまして、そういうものを解決するためにも早急に解決されなければいけないと思いますが、この点について自治省にお答えいただきたいと思います。
#109
○中川説明員 お答えいたします。
 現行の直接請求制度におきましては、御承知のように署名が重要な要素をなすものでございますし、また、代筆に名をかりました署名の偽造等、不正な行為の誘発を防ぐことなどの理由から、署名は自署に限られるものとされております。
 したがいまして、今御指摘のように、身体の故障等の理由によりまして自己の氏名を自署できない者は実際上有効に署名ができないということになっているわけでございます。ただ、直接請求は重要な直接参政制度として住民に認められました権利であるわけでございます。にもかかわらず、このように身体の故障等の理由によりましてその権利が行使できないということにつきましては、非常に問題があるものと我々としても心得ているところでございます。
 したがいまして、不正な行為によります署名をできる限り排除しながら、身体の故障等により自己の氏名を自署することができない者が、直接請求に対する賛成を有効に意思表示できる方途について制度的に解決を図らなければならないと考えているところでございます。
 具体的には、署名収集者が署名を収集するという現行直接請求制度の趣旨を損なうことがないよう配慮しながら、どのようなものにどのような手続で、また不正や違法行為をどのように防ぐかなどについて子細に検討する必要があることから、昨年十二月に御指摘がございましたが、現時点、まだ最終的な結論を出すに至っていないところでございますのでできる限り早急に結論を出したいと考えているところでございます。
#110
○緒方委員 さっきも言いましたように、現在もリコールが全国あちこちで行われているという状況の中で、基本的な権利である直接請求に参加できないという問題については、これは非常に法制度の欠陥というふうに思いますので、さらに検討を急いでもらうように強く要求しておきたいと思います。
 それから二つ目に、この直接請求の制度の改善の問題についてであります。
 私はここに資料を一つ持ってきているのですけれども、いわゆる偽造を防ぐためにということで、直接請求の用紙のそれぞれつなぎ目には割り印を押さなければならないということになっておりまして、私どもが実施いたしました四名の議員解職を求める決議案、人口十二万ですが、それでも三十二万個、三十二万回も判こを押したということでありまして、すべてが終わるのに五日間で、一日十二時間働いて三十人でこれだけかかったわけですね。
 そうすると、東京都のように、例えば知事の場合、運動期間は二カ月ありますけれども、八百万とか九百万近い有権者を対象にする場合には、とてもじゃないが、判こを押している間だけで運動期間が終わってしまうということになるわけでありまして、これは、直接請求という制度を法律で認めておきながら、片一方では事務作業で実際はできないということになります。我々のこの経験でも、四名分でトラック一台に積んで持っていったわけですね。それに一々ページごとに印鑑を押すなんというのは大変な問題でありますから、この問題については実態に即したように簡素化されるべきであるというふうに思いますが、どうでしょうか。
#111
○中川説明員 ただいま御指摘の直接請求の署名簿の様式でございますけれども、この様式は、選挙権を持っている者が直接請求に対して賛成する意思表示を明らかにできるものという要素のほかに、市町村の選挙管理委員会が署名簿におきます多くの意思表示が有効であるかどうかということを短期間に審査できるという観点から、必要最小限の事項を定めているところでございます。
 その中で、ただいま御指摘の割り印でございますが、直接請求書またはその写し及び代表者証明書を添付していないで集めた署名簿は無効という前提のもとに、それらをつけたままで署名が収集されたのであるということを明らかにするために署名簿に割り印を押すことが適当であるという指導をしているところでございますので、確かに御指摘のように非常に多くの事務量を伴うという点はうなずけないわけではございませんけれども、このように署名簿の有効性という観点から指導しているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#112
○緒方委員 そういたしますと、例えば東京都のような場合には物すごい量になるわけでありますが、これは運動期間というものにも当然配慮しなければいけない。今の答弁のように、収集人の署名用紙が後でつけ足しされたものではない、ちゃんとした様式であるということを確認しなければできないということであれば、運動期間に関連させなければ、実態として直接請求を認めておりながら事務作業でそれが困難となるということで、法律そのものの欠陥じゃないかと思うのですが、どうですか。延長するというようなことも考えるべきではないですか。
#113
○中川説明員 直接請求におきましては、選挙権を有する者の一定数以上の連署によって請求することになるわけですが、必要署名数につきましては、条例の制定改廃は五十分の一以上、長等の解職請求は三分の一以上、こう定めておりますし、同時に署名の収集期間につきましても、いずれの請求についても請求代表者証明書を交付した旨の告示の日から、都道府県にあっては御指摘のように二カ月以内、市町村にあっては一カ月以内とされているところでございます。
 この請求の期間あるいは署名収集の期間あるいは署名収集の数等につきましては、地方制度調査会におきまして今後検討すべきであるということについての答申もございますので、御指摘の点につきまして、必要署名数の要件の問題とあわせまして、直接請求制度全体の見直しの中で今後の検討課題としていきたいと考えているところでございます。
#114
○緒方委員 全体の見直しということでありますが、関連してもう一つこの署名を通じて問題意識を持ったのは、片一方の地方自治法の七十四条では五十分の一ということになっておりますし、それから七十六条の解散では三分の一ということになっております。ところで、地方自治法の施行令では、これが「条例の制定及び監査の請求」というもののところで取り扱われておりまして、県にあっては二カ月、そして市町村にあっては一カ月ということになっておりまして、直接請求についてはこれを準用するというような地方自治法の施行令になっているわけでありますが、片一方では五十分の一、片一方では三分の一ということで、例えば同じ市でありましても、五十分の一の署名をいただく努力と三分の一をとらなければいけないというのはもう大変な運動量の差があるわけであります。
 これはお聞きをしますと、何かアメリカあたりの例がそうだったからみたいな話もあるようでありまして、一体何が根拠かということについては定かではないようでありますが、条例制定などは五十分の一、解職などは、リコールについては三分の一というのは、運動期間が同じというのはいかにもこれは問題があるというふうに思います。その辺どうでしょうか。
#115
○中川説明員 お答えをいたします。
 確かに署名収集期間につきましては、署名収集の数との関連が当然あるわけでございまして、現在の制度では、リコールについては三分の一、イニシアチブについては五十分の一、こう定めているわけでございまして、これら全体的にこの数なりあるいは期間につきましては、地方制度調査会の答申もございますので、今後総合的、全体的に研究、検討をしてまいりたいと考えております。
#116
○緒方委員 それでは、今の運動期間の日数の問題と、それから実際にやはり制度があって、さっき言いました署名用紙の大変な捺印をしなければいけないというような問題は、これは苦労してみんながせっかくの制度だということでやっているわけでありますが、やはり苦労しているわけです。せっかく制度があるとすれば、それが生かされていくようにするのがまた法律の目的じゃないかという意味で、前段の簡素化も含めてぜひ前向きに早急に検討されるように要望しておきたいというふうに思います。
 建設省いらっしゃいますね。自治省は結構です。それで、建設省に一点お尋ねをいたします。
 これも私、昨年の十二月八日に当委員会で質問をいたしました。その趣旨は、身体障害者の人が高速道路を利用する場合に、今一定の条件の人については割引制度が設けられているわけでありますが、これをさらに拡大すべきだということで、内部障害者など肢体不自由者以外の身体障害者がみずから運転する場合とか、単独で移動が困難であること、自動車に頼らなければ移動が困難であること及び長時間乗車等による苦痛や疲労が著しいことなどで、介護者の運転で有料道路を通行することが特に必要というふうに認められた場合については、重度の身体障害者または重度の精神薄弱者などについて、その介護者が運転することについて但範囲を広げてもらいたいということで質問をしておりました。
 これはさきの答弁でも、昨年の六月の道路審議会の中間答申で出ているということでありますが、もう十カ月たっております。ということでありますので、これまた障害者の人たちにとっては待望久しいものでありますので、検討状況についてお尋ねをいたします。
#117
○佐藤説明員 お答えいたします。
 ただいま先生おっしゃられたように、現行の有料道路の身体障害者割引制度といいますのは、肢体不自由者の方々がみずから運転するといった場合について昭和五十四年度から実施されておるところでございます。
 この割引措置の適用範囲を、内部障害者等みずから運転する場合と、それから重度の身障者、精神薄弱者等につきましても障害者施策の全般の中で検討すべき問題であると考えられますが、今お話しのように、道路審議会から具体的な適用要件も含め検討する必要があるという旨答申をいただいております。また、百二十三国会におきましても、その趣旨の請願を採択されておりまして、これらを踏まえて対応する必要があるということで考えまして、検討しているところでございます。
 その場合に、有料道路の場合には、前回のときにも申し上げたわけでございますが、料金収入によりまして道路建設等に要する費用を償っていくというものであるので、料金の割引というものが他の利用者の負担になるといったこと、それから鉄道等と異なりまして、一人一人の個人に対する割引ではなくて、一台一台の車を対象とするといったことという特殊性がございまして、これを踏まえまして、他の料金を払います利用者の御理解を得られるような障害者割引制度の対象範囲を設定する必要がありまして、先般の道路審議会の答申を踏まえましていろいろなことを検討しております。
 拡大対象とすべき障害者の具体的な範囲とかそれから介護者運転の場合におきます介護者と自動車の要件などの割引対象範囲の限定方法、それから対象自動車の範囲、これは車の種類とか所有者の要件とかいった問題でございますが、そういったものとか、それから障害者本人の確認、特に福祉事務所とか、それから料金所におきます。そういった確認とか、対象自動車の確認といったものの利用手続の問題等がございまして、これらを検討しているところでございます。
 このうち、特に障害者の範囲でございますが、視覚障害者とか聴覚障害者、それから内部障害者などの身体障害者及び精神薄弱者を対象としまして、拡大対象とすべき障害の種別及び程度につきまして、JRなどの例を勘案しながら検討しております。特に、介護者の運転につきましてでございますが、有料道路を通行する場合に、特にそれが必要と認められる重度の障害者の範囲、これにつきまして関係の機関と協議しているところでございます。
 それから、介護者運転につきましては、車一台一台を対象として料金徴収を行うものでございますので、対象となる障害者が一人いればどのような同乗者があっても、また何人の同乗者がおりましても割引対象となるおそれがございます。そういったことで介護者や自動車の要件など、割引対象の範囲の限定方法につきまして、先ほどの利用手続とあわせて関係機関と協議しつつ検討しているところでございます。そういったことで、これらの検討がまとまり次第、所要の措置を講じて進めていくといった考え方でございます。
#118
○緒方委員 いろいろ検討をされなければならぬ事項があると思うのですが、それぞれ期待も高いわけでありまして、検討を早急に進められて、この実現が図られるように強く希望いたしまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
#119
○森田委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十六分開議
#120
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山中末治君。
#121
○山中(末)委員 私は、最近の交通機関のトラブル、事故等についてまず質問を申し上げたいと思います。
 在来線や新幹線特急の「こだま」、「ひかり」もさることながら、時速二百七十キロメーターの高速運転の「のぞみ」がもしも脱線、転覆等の事故を起こした場合、その状態を考えると、航空機事故にも匹敵するような大きなことになると思います。「こだま」、「ひかり」を初め、のぞみでもそのような事故を起こしていないので、日本の鉄道技術は高く評価されているところでありますが、それはそれとしまして、最近ののぞみ号のトラブルは余りにも多過ぎるのじゃないかなというふうに心配をいたしております。
 運輸省の技術陣におかれましても、鉄道各社におかれましても、安全目標の最重点に新幹線事故を絶対起こしてはならないという強い決意があるのかどうかこれもあわせて、これらのトラブル、事故等から運輸省が得られた教訓とでも申しますか、これをまず大臣の方からお聞かせいただきたい、このように思います。
#122
○越智国務大臣 「のぞみ」のトラブルがいろいろ起きております。運輸省のすべての者には、第一に安全、安心、それから快適、こういうことが望まれるわけであります。
 「のぞみ」につきましては、新しい技術、そうしていろいろ検討をいたしまして大丈夫ということでありましたが、少しトラブルが多い、率直にそういうふうに思います。このことにつきましては、総点検をいたしまして、ねじの緩みとか、あるいはガラスのひび割れとか、あるいは砂利が飛んだとか、いろいろございますが、こういうことについてすべての総点検をいたしました。その結果については政府委員から答弁いたしますが、いずれにしても、事故の絶対ないように、安全であり、乗客に安心してもらう、しかも快適である、こういうことで今進めておる次第であります。
#123
○山中(末)委員 わかりました。
 私は、最近起こっています故障、事故等の中で、これは困ったことやなと思うことを一、二申し上げたいと思います。
 これは朝日新聞の昨年二月二日付記事に掲載された事故なのですけれども、JRの神戸駅の構内で快速電車が脱線事故を起こした。これは新聞記事で読んだだけなのですが、警察の方はローリング現象じゃないかという見方をしているというのが新聞に書かれておりました。それからもう一年以上経過したわけですが、これはローリング現象を調査されて結論が出ているのかどうか、これがまず一つです。
 それからもう一つは、ごく最近、これも新聞で拝見したのですが、「のぞみ」同士がトンネル内でのすれ違いで瞬間的に車両、これは動輪だと思いますけれども、これが空転をするというような記事が新聞に載っておりました。JR西日本の方は、異常な走行ではなく、空転自体は安全性に問題はないが、今後調査をする、こういう談話が載っていました。
 新聞記事からだけですけれども、この二つの問題につきましては、ただ単にローリング現象が起こって前の台車が左の方へ、正規の方へ行って、次の台車、トラックの四輪が今度は右の方のレールヘ入っていった。いわゆる私どもが言っている異線進入ですね。これがローリング現象として起こるような状態なら早く手を打たなきゃならぬのじゃないかなと心配しています。後の問題は、これは動輪の空転というのが大した問題じゃないというような状況ですけれども、本当にこれは大したことがないのか。ひとつあわせて説明をしていただきたいなと思います。
#124
○秦野政府委員 まず第一点のJR西日本の神戸駅で発生しました事故でございますが、これはことしの一月三十日にJR西日本の神戸駅構内で快速電車が約四十キロでポイントを走行中に前から三両目が脱線をしたというものでございます。現在、JR西日本の方で原因が究明されるまで当該ポイントの使用を停止しておりますが、それとあわせまして事故の原因につきまして、鉄道総合技術研究所の方に委託をいたしまして現在調査を進めているという段階でございます。
 その原因が明らかになり次第、当然のことでございますけれども、再発防止対策に万全を期するように努めてまいりたいと思っておりますが、ただいま先生御指摘のローリング現象というものによるものと推定されるという一部報道はございましたけれども、私どもとしましては、今回の脱線の原因としてそのような現象が関係しているということは、少なくとも現時点では承知をいたしておりません。そういう段階でございます。いずれにしましても、速やかに原因を究明いたしまして対策を構じたいというふうに考えております。
 それから二点目の「のぞみ」の車輪の空転でございますけれども、これも「のぞみ」同士のすれ違いで車輪の空転が発生したという報道があったことは私どもももちろん承知いたしております。西日本に対しまして、その事実の確認と、もし発生したとすればその原因、これをあわせて調査するように指示をしておるところでございます。現在のところ運転士さんの方から会社の方への申告はございません。また、過去の走行試験におきましてもこのような現象が発生しておりません。詳細につきまして現在さらに調査を進めておる段階でございます。
 ただ、例えばスリップなどによって空転が発生するということは当然あり得るわけでございます。その場合は自動的にその空転状態が回避されるように制御されるわけでございまして、もし仮にその制限速度を超えて回転するということが起こりますれば、いわゆるATCが働きましてブレーキが作用いたしますので、そういう意味で安全上の問題はないというふうに考えておりますけれども、至急調査を進めまして必要な対策がとれるように指導してまいりたいというふうに考えております。
#125
○山中(末)委員 私も調べてみますと、いろいろ装置ができていまして、空転したらもうすぐに電流が下がってというのがあるようですけれども、しかしそれはやはり異常ですね、空転するというのは。だから、新聞で見ただけですけれども、今後もひとつ注意して見ていただきたい、このように思います。要望いたしておきます。
 それと、実は飛行機の問題もきょう申し上げたいのですが、朝から同僚議員の質問を聞いていますと、大臣を初め皆さんからまだ今調査中だ、こういうことでありましたので差し控えますけれども、こういう事故が起こりますと、その担当者の方々にぜひとも参考人として来ていただいて、その方にも質問をしたり、説明をしてもらったりしたいなというのが私の気持ちです。
 ちょっと委員長にお願いしますが、参考資料の配付をお許し願いたいと思います。
#126
○森田委員長 はい、結構です。
#127
○山中(末)委員 私ども社会党としましては、いつも申し上げていますけれども、車両の安全運行という問題に非常に神経を使っているわけです。今お配り申し上げたのは、御承知のようにのぞみ型三〇〇型が運行を始めて間なしに起こった事故であります。私はこの委員会でも申し上げましたけれども、平成四年の五月六日、十三時十六分に名古屋−三河安城間で起こった事故ですね、ラバーホースが破れてとまったという。そのときにたまたま私はその後続の車両に乗っていまして、余りにも長過ぎるので車掌さんに、途中の駅で停車していましたから、それで一車両の中で電話回線が八回線だそうですね、ですから何回電話をかけても話し中でして、聞いたら、これはこういうときには八回線ですから電話が話し中ばかりなんですという話でしたから、それは運転指令の方へ連絡をとっていただいて、そして運転指令の許可を得て岐阜羽島の駅まで車両を持っていかれたらどうですかなという提言をしたのです。そしたら、ああそれはそうですなということで運転指令、東京と電話されて、間もなく岐阜羽島駅まで徐行していって、そこで乗っている人はみんな電話をかけたりすることができた、駅の施設で。こういうことで、そういう状況のときでもできるだけ協力していこうということできたんです。
 そのときの故障で、このモーターの取りつけボルト四本が外れたり、また緩んだりということですね、これもその直後、できるだけ早く状況を教えてほしいと言いましたら、状況の図面を持ってきてもらいました。これは立て込みのボルトでして、段付の。ですから、ナットがついていないから、立て込んでおいても中にペンキとかそういうものを塗って立て込めばなかなか戻りにくいですけれども、普通の場合あれはモーターがいつでもレアーショートしたり、コイルが焼けたりしますから、そういうときに積みおろしをやらにゃいかぬから締め切っておくわけにはいかない。その状態の中でボルトが抜け落ちた、緩んだという故障でしたので、いろいろ私の部屋へ来てもらって説明を受けたのですが、何とか緩まぬ方法を考えましょうやということで二、三提案をしたのです。
 そしたらきのう、その後どうなりましたかという質問をしましたら、運輸省の方からこの図面を実はいただきました。下の方の黄色いマークですか、この黄色いマークをつけてもらっているところが、簡単なものですけれども私が提案しまして、きのうもらったらこれが採用されているから、わあよかったなというふうに思っています。
 それで我々社会党としては、こういうことについては十分当事者とも話をして、そして二度と安全を阻害するような故障が起こらないようにしていこうという気持ちでいっぱいなんですが、そういう気持ちで、参考人さんに来てほしい、そして、こういう委員会の形式ではなしに、委員会は委員会でも丸いテーブルにでもして自由に発言できるような形にして、問題点を的確に掌握した上でみんなが知恵と力を出し合っていかなければならない、こういうふうに実は社会党は思っているわけです。ほかの党もそうだと思います。
 ですから、同僚議員が理事会等で参考人を呼んでほしいと言った場合でも、なかなか呼んでくれない。自民党の先生方ともお話ししたけれども、ここの委員会ではなしに、いろいろ上の方の首脳筋の方の意向もあるらしいですから、運輸委員会に関しては、そういう安全を守るという意味から、ぜひともこれからは参考人の招致の要請があれば要請してもらう。そして、たたきつけるとかそういうことではなしに、その人も含めて、現場も含めて、皆さん方も含めてそれに対する対応策というものを考えていった方がいいんじゃないかなというふうに考えまして、きょう実は、こういうものをちょっときのうもらいましたから見ていただいたわけでございますが、委員長、よろしくお願いを申し上げたいと思います。何かおっしゃっていただくことはありますか。
#128
○森田委員長 それでは、ただいまの件につきましては理事会でよく協議したいと思いますので、よろしくお願いします。
#129
○山中(末)委員 どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、その次でありますが、予算編成の時期が参っております。また御苦労なことでありますけれども、中小民鉄に対する鉄軌道欠損補助金の交付について御質問を申し上げたいと思います。
 これは二月二十三日の運輸委員会で私が質問を申し上げました。そのとき鉄道局長の方から御答弁がありました。一部新聞に出ておりますように、補助制度そのものをやめてしまうというような趣旨ではありません、したがいまして、その場合には個々のケースにつきまして十分お話を伺った上で適切に対応していきたいというふうに考えておりますが、その輸送計画とか増速計画ですか、本当にそのようになるのかどうかということについては十分に検討していきたい、こういう答弁をいただきました。今でもこのお考えには間違いございませんか。
#130
○秦野政府委員 特に変わっておりません。
#131
○山中(末)委員 はい。それでは具体的なことは申し上げません。また時期が時期ですから、ひとつよろしく御検討をお願い申し上げたいというふうにとどめておきます。
 次は、経営困難なバス事業に対する対策の基本的な考え方についてお伺いいたしたいというふうに考えております。
 これは経営困難なバス事業がありまして、二種路線とか三種路線とか、またはバスの活性化事業とかということで、政府の方の指導とそれから援助をもらっているところが多くあるわけでございますけれども、この予算編成の前に、この状態についてどのようにお考えなのか、確認をしておきたいと思います。
#132
○土坂政府委員 バス事業が大変厳しい経営状況にあるわけですが、都市バスと地方バスで若干様子が違っておりますので別々に申し上げた方がいいと思うのです。
 地方バスの方は、御承知のように自家用車の影響で採算をとることが大変難しい。しかしながら、地域の住民がそれを頼りにして生活をしておられますのでやめるわけにもいかない。そうすると、どうしても必要な路線を地方公共団体と協力をして補助をしながらでも維持していく、これが基本的な考え方でございます。
 それから、都市バスの方は、これは通勤とか通学とかバスが本来その役割を果たさなければいかぬ分野というのがちゃんとあるわけでございますし、また、それをやってもらわないと道路の混雑であるとか環境問題というようなことからも困るわけでございますが、残念ながら、これも自家用車の影響などでバスがうまく走れない。その結果、お客様の信頼を失ってバス離れが起きるということを繰り返しているわけですが、今申し上げたようにバスが果たさなければいかぬ役割がございますので、運輸省では、走行環境というものを改善してバスの信頼性を取り戻していく、これが都市バスの基本的な考え方でございます。そのために、まず、バスの活性化補助ということを通じて、バス事業者自身がバスを利用しやすくしてもらう、それと同時に、警察や道路管理者の御協力を得て走行環境の改善を図る、こういうことで都市バスについてはやっていきたいと思います。
 都市と地方とで少しずつ違いますが、いずれも地方公共団体と協力をしまして、地域に一番密着した姿でバスの活性化を図るように努力をしてまいりたいと思います。
#133
○山中(末)委員 わかりました。従来どおりの方法で予算が上がってき次第、こういうことですね。
 それから、局長さん今答弁していただきましたので、これは通告しなかったのですけれども、簡単なことですから御質問いたします。
 観光バスのガイドさんが、昔から立ったまま後ろを向いてガイドをやっているのですね。片一方では、乗用車などシートベルトをつけて走らぬといかぬという状態なんですね。私は、これはちょっと時代おくれだなというふうに考えているのです。バスのガイドさんが立ったまま後ろを向いて案内をしなければならぬというのはもう古いのじゃないか。安全の面から考えましても、昔より大分スピードアップしていますから、そういう面で、いすに座ってガイドするというふうに決めたらどうかと思うのです。これは、話をしましたら、バス協会とかそういうところへ話をしてみますというお話もありましたけれども、またそれが実現していませんので、もう少し強くバス協会あたりに指導なさったらどうかなと思います。どのようにお考えですか。
#134
○土坂政府委員 道の悪いところだとか高速道路の場合にはいすに座って案内をしていただくようにということをバス協会を通じて指導しているわけでございますが、今の先生の御指摘も踏まえまして、一層趣旨の徹底を図るように努力をしたいと思います。
#135
○山中(末)委員 余り追い打ちをかけぬようにしますけれども、バス協会と運輸省の陸運事務所ですか、何かそういう名前ででもステッカーを書いて、バスガイド座ってガイドしましょうとか、そういうのはできませんか。
#136
○土坂政府委員 どういうやり方がいいのか、私もすぐにお答えできませんけれども、今先生が御提案いただきましたことも踏まえましてバス協会とよく相談をしたいと思います。
#137
○山中(末)委員 ありがとうございました。
 次に、タクシーの問題に移らせていただきます。
 最近でございますが、関東運輸局の方のお話としてある業界の本に出ておったわけですが、まず労働時間の短縮の問題でございますね、これは昨年の運賃改定のときの大きな柱であった、こういうことを中心にして発表されておられるわけです。実態調査された結果も持っていますけれども、これは同僚議員から質問がありましたから省略します。
 時間短縮は運賃改定時における事業者との約束であり、政令はともかくとしても業界の労働力不足の解消のためにも早期達成を望んでいます。
 それからもう一つは、業界が真剣に取り組んでもらう以外にないが、個別企業については、まじめに取り組んだ企業とそうでない企業の格差をつけるような考え方もあり得る、正直者がばかを見ないような行政をしていきたい、こういう発表が業界誌に載っているのです。こういう考え方で間違いございませんか。
#138
○土坂政府委員 昨年東京で運賃を改定いたしましたのは、労働時間を週四十六時間から四十四時間にしていく、そのための原資を確保するために改定をするということでございました。具体的に労使の間でそれを休日増によって実現していくということを約束した上で認可をしたものでございます。
 したがいまして、これは労使間の約束であると同時に利用者に対するお約束にもなっておりますし、四十六時間を四十四時間にするというのは、これは労働基準法の定めに従ってやっていくべき義務でもございます。また、タクシーの労働条件をよくするということはタクシー産業の発展の基本でもあります。いろいろな条件から考えまして、お約束した事項についてはきちんとやっていかなければいけないし、追跡調査をいたしますと、既に九五%まで四十四時間になって就業規則などが届け出られておりますけれども、残った方についても全部四十四時間に移行していただくように引き続き指導したいと思います。
#139
○山中(末)委員 もう一つは、タクシーの同一地域同一運賃制など基本的な枠組み、これは堅持していくということ、この前の委員会でも大臣の方からお話がございました。そのように承っております。
 それで、この間十三日に総規模で十三兆円を上回る総合経済対策というものを閣議でお決めになりまして発表されました。これを受けて運輸省の関係事業も促進されるだろうというふうに思うわけです。この前の委員会のときには、大臣、運輸省だけでもひとつ景気回復の大きな目玉みたいなものをおやりになったらどうですかということを私は申し上げましたが、混雑緩和の関係、都市鉄道の整備やモーダルシフトの推進などの公共事業の施行というもの、これもお考えになっていると思います。
 いよいよ手をつけられるなというふうに考えているわけですけれども、現在運政審で検討しておられる今後のタクシー事業のあり方についても、先ほど同僚議員の質問に対する局長さんの答弁がありましたが、許認可の見直しや規制の弾力的運用といった面で大きく影響してくる問題が出てくるのじゃないかなというふうにこの業界誌は推測しているわけです。
 ハイヤー、タクシーにつきましては、民間活力を引き出すことが主目的と言われていますが、各事業者みずからの創意工夫を凝らしたハイヤー、タクシー事業の振興が期待されるとして、運輸省は今度の経済対策の方針に沿って公的規制の目的、内容を緊急に見直そうとしているようだ、実はこういうふうに書かれています。タクシーの同一地域同一運賃制などは堅持されるものの、いろいろな利用者のニーズに対応した多様な運賃制度の設定等やハイヤーの大幅な規制緩和とかいろいろなことが考えられるのじゃないかというふうに書かれていますが、具体的にはどのようにお考えになっていますか、お伺いしたいと思います。
#140
○土坂政府委員 総合経済対策のことをお引きになっておっしゃったわけですが、総合経済対策の前から、行革審の答申を受けましてタクシーの問題について運政審で御議論をいただいておるわけでございます。行革審の答申、きっかけになりましたことは、一つは需給調整の運用を弾力化するということ、もう一つは運賃、料金の多様化を図るということ、この二点について規制の見直しをするようにということでございまして、これについては大事な問題点の指摘として受けとめて真剣に対応をしていかなければならないと思っております。
 ただ、それと同時にタクシーの全体のあり方ということも御議論いただいておりまして、具体的には、やはりタクシーの今後の労働力の確保、そのための労働条件の改善、こういったことをどういうふうに進めていくか、こういうことももう一つの大事な柱として、二つ合わせて総合的にタクシーの問題について御審議をいただいているところでございます。
#141
○山中(末)委員 それでは次に移ります。障害者の社会参加と移動の自由を保障する、確保する、こういうことを目指して、大阪方面では「福祉タクシー都市」というようなことをスローガンにして、各社協力して、車いすを載せるとか、そういうことをやっておられます。京都の方でも障害者の割引の問題、これは、せっかく割引の制度はできましたけれども、割引の申込書を書いて出さなければならぬので非常に手間がかかるというふうに言われて、今度障害者手帳の提示だけでいいようにしていこうじゃないかという話も出てきています。
 この間の委員会の大臣の方針あるいはまた御説明でも、人にやさしい交通機関、これはやはり何とかやっていかなければならぬという趣旨の発言もございまして、大いに期待をしているわけですけれども、こういう福祉、障害者に対する移動の自由の確保、保障、それから障害者の割引の割引申込書を廃止して障害者手帳の提示でいいようにしよう、まだほかにもあると思うのですが、こういう施策に対して、運輸省としては今後もひとつ大いに力を入れて応援していただけますか、お伺いします。
#142
○土坂政府委員 身体障害者も含めて高齢者その他に対して開かれた交通体系をつくっていくというのは運輸省の大事な施策であろうと思っております。
 具体的にタクシーの問題については、身体障害者に対する割引制度は既に導入をされております。最初は具体的に割引申込書を書いていただく、それを手帳を提示していただいてチェックするというようなことをしておったわけですが、これはやはり御負担でございますしトラブルも起きますので、最近の運賃改定の際にこの点を改めまして、手帳さえ御提示いただければ、そのまま書類は一切書かないで割引の適用を受けられるというふうに改めているところでございまして、そのほかにもどういうことができるかというのを、今すぐあれでございますが、申し上げました精神に沿いまして逐次できることをやってまいりたいと思います。
#143
○山中(末)委員 大臣、今お聞きのようなことで、大臣が言われた方針をうまくバックアップしながらやっていこう、我々もそう思っています。それで、予算編成期でもありますので、ひとつ一肌脱いでいただいて、このような状況をなるべく早くうまく推進できるように、これはちょっと通告していませんけれども、大臣のお考えを御披瀝賜りたいと思います。
#144
○越智国務大臣 今自動車局長から御答弁申し上げましたように、身体障害者に申込書を書けといっても、実態としてはタクシーがずっと並んでいる、ここで申込書を書いて手渡すというようなことは大変なことだ。時間がかかりますし、後ろにも車がいる、こういう状態でありますから、手帳で何とかできないか、こういうことで進めておりますし、その他の身体障害者にやさしく扱うというようなことも研究、検討をいたしておりますが、できるだけ早く何ができるか、こういうことを進めてまいりたい、かように思います。
#145
○山中(末)委員 どうもありがとうございました。予算編成期を前にしていますから、予算の面でもひとつ十分頑張っていただきたい、このように御要望を申し上げておきます。
 次に、岡山電気軌道の問題でありますが、これはもう質問の要旨を言わなくても御存じだと思いますので、その後の進捗状態等について掌握されているものをひとつ御発表賜りたい、このように思います。
#146
○土坂政府委員 岡山電気軌道については昭和六十二年以来紛争が続いておりまして、地元の地方労働委員会を初め皆様方がさまざまな御努力をされておるわけですが、依然として厳しい状況にあるというふうに聞いております。運輸省では、個別の紛争そのものに介入するということは、これはできないわけでございますが、バスあるいは軌道、これが市民生活の基本になっておりますので、一日も早い解決を望んでいるところでございます。
 ただ、この問題は、先生御案内のように、既に地方労働委員会に不当労働行為の救済申し立てが行われております。また、裁判所においても係争中でございます。したがいまして、基本的には、この問題はやはりこれらの場で解決をしていただくべきものであろうというふうに思っておりまして、運輸省では関心を持ってこれを見守っておるという状況でございます。
 ただ、いわゆるこういう労使紛争の結果、運行管理面で問題が生じるということになりますと、これはやはりほっておくわけにはいきませんし、この点につきましては、昨年、先生から具体的な例を挙げて御指摘がありました。体調の悪い者を強制的に乗務させているのではないか、あるいは点呼が不十分だったのではないかというような御指摘であったと思います。この点については、先生の御指摘を踏まえまして必要な調査をし、運輸省として改めるべき点についての指導はいたしております。
 それからもう一つは、地元で県、市、あるいは労働委員会、それから労働基準局、こういったところで連絡会議が開かれておりまして、陸運支局も参加させていただいておりますので、そういう場を通じまして、関係機関と連絡をとりながら、運輸省の立場でできることについてはこれからもやってまいりたい、こういうようなことでございます。
#147
○山中(末)委員 御存じだと思いましたので、重複して言うのは避けます。
 あれから後で状況が変わりましたのは、会社が従業員の控室に盗聴器を置いた事件ですね、これは一審も会社側が負けました。二審の広島高裁、これも会社が負けています。今度また上告しているんですね。これは普通考えれば、従業員の控室に盗聴器を置いて何を話しておるか聞くというのは前近代的な感覚でしょう。そう思うんです。そのときも、その当時の自動車局長さんの方からも非常に微に入り細にわたったお話がありましたし、当時の運輸大臣からも非常に理にかのうたお話が実はありました。これ、ここまで来て、私が質問したのは四月十五日でしたから、もう一年たつわけですね。その間に一向に改善されないということですから、これは一回この社長さんをここへ参考人として来てもらって質問をさせてもらいたい、このように実は思います。
 私も社会党の議員団で現地に行きまして、お会いしたいということを申し入れましたけれども、お会いできなかったんです。常務さんとか代理の方二名さんにはお会いできましたけれども、会いに行っても会ってくれないし、そしてこういうことを労使関係で、差別ですかね、いや、私のところは差別と違います、区別や、こうおっしゃっているんですけれども。これはやはりここへ来てもらって、参考人としてどうしても来てもらって、けんかしませんから、どういうお考えでやっておられるのか、これよりもう方法がないのと違うかな。運輸省も相当な苦労をされておるし、労働省の方も苦労をされているし、現地の方では連絡会議をやられて、地方労働委員会も何回も勧告されているけれども席に着かない。経営者は経営者で、それはまあ自分の信念を持ってやってはるのはいいけれども、自分だけならよろしいけれども、従業員がみんな着いていますから。
 だから、どうしても私は参考人を次の委員会にでもここへお招きして、本当にその卓見を聞かせてもらいたいというふうに思いますが、委員長、いかがなものでしょうね。
#148
○森田委員長 この件につきましても、理事会で協議したいと思います。
#149
○山中(末)委員 よろしくお願いいたします。
 この岡山電気軌道の問題については、労働委員会でも問題としてお取り上げ願うということになっているようです。ですから、これは当局に対して文句を言うということじゃなしに、この状況を何とか労使の正常化を招来する方法はないものかということでございますけれども、今委員長の方から参考人として呼ぶということについては、その要望については理事会で相談をするということでございますから、実現するようによろしくお願いを申し上げたい、このように存じます。
 それから、その次でありますが、海運関係でドル建ての事業を海運界がしておられるわけですが、新聞によりますと、一ドル百十円の円相場のもとで非常に苦しい状況が続いているということを聞かせてもらっています。一ドル十円の円高で定期航路全体で年間四十億から五十億円ぐらいの差損といいますか、そういうのが生まれているということも新聞で読みました。海運界を直撃している円高の問題について、今後の見通し等を聞きたいというふうに思って質問に立ったんです。
 海運企業を調べてみますと、平成四年度は一ドル百二十円から百二十五円くらいの為替レートで事業計画を組んでこられたということらしゅうございますね。企業の多くが急激な円高で深刻な影響を受けている、こういうことらしゅうございます。今後は荷主さんの理解を得て円収入を少しでも多くしていく努力と、発想を転換して長期対策を多面的に検討し、日本船としての付加価値を高めていくように頑張っていかなきゃならぬ、こういう業界の人の御発言も新聞に載っておりましたが、海運業界を直撃している円高の問題について運輸省としてはどういう見通しを持っておられるか、それから、この問題についての今後の御指導をどういうふうにされようとしているか。非常に大まかな質問で、きちっとした答弁をいただきたいと言うのはまことに失礼な話ですが、見通しと御指導等を聞かせてもらえば幸いだというふうに存じます。
#150
○浅見政府委員 お答えをいたします。
 ただいま御指摘いただきましたように、外航海運業というのが最近の急激な円高によりまして大変大きな影響を受けているわけでございます。ただ、外航海運業というのは運輸省所管の業種の中では比較的自由にできる業界でございますので、今先生がおっしゃったような外航海運全体でどの程度の影響があるかということについて計量的な把握はなかなか困難なわけでございます。
 そこで、いわゆる大手外航海運の五社を例にとりまして申し上げますと、今先生が御指摘ありましたように、その運賃収入等がドル建てで収受している場合が多いわけですので、為替が変動して円高になりますと実質的な円収入は減少するということになります。今申し上げましたように、大手外航海運五社を例にとってお話をいたしますと、平成三年度の決算をベースに試算をいたしますと、ドルが一円円高になりますと営業収入が七十億円余り減収になるというふうに試算されます。ただ、一方で、コストの中にもドル建てのものもございますので、これが丸々減益になるということではないわけですが、営業利益について見ますと、一円の円高で八億円程度の減少が見込まれるということでございます。
 こういった為替変動による影響を可能な限り回避するためには、一方では費用のドル建て化の推進、それから荷主に対する為替変動補償の要求、あるいは収入の円建て化の推進ということに努めていく必要があるわけでございまして、そういったことを一層推進していかなければいけないというふうに考えております。ちなみに、大手五社で申し上げますと、現在、収入の方は五九%ほどがドル建てになっておりまして、費用の方は五六%ほどがドル建てになっている、こういう現状でございます。
 もともと外航海運企業というのは国際的な自由競争の場でございますので、運輸省としては、こういった円高対策も含めまして、国際競争力を強化していかなければいけないということで、外国人船員との混乗化を進めるとか、あるいはトータルとしての船員が少ない数の船員で運航できるような船をいろいろ開発するとか、あるいは税制上の措置、あるいは金融上の措置等によりまして、さらに、国際競争力という面で、外航海運企業が少しでもそういう国際競争力を強化できるように努力をしていきたいと思っております。
#151
○山中(末)委員 運輸省サイドだけでは非常に難しいと思いますけれども、私が心配するのは、電機とか自動車とか機械とかなど、輸出産業の輸出が、輸入はふえますけれども輸出が減ってきて、荷動きがちょっと減っていくんじゃないか、私は一つはそれを心配しているのです。それで、通商産業省等々、大臣、連絡をとっていただきまして、そういう荷動きが減ってくるようなことのないように、ひとつ何らかの手を打っていただきたいなというふうに思います。
 それでは、後になりましたが、問題の公共事業の入札についてであります。
 これは運輸委員会で、同僚の常松裕志議員の質問に対しまして、前回、大臣の方から、悪質な業者の指名停止等もあり得る、こういう意味の強い決意の表明がありました。私どもは、当然のことといえば当然ですけれども、評価をいたしております。大臣が御答弁なさった後、今日まで、運輸省内の公共事業の発注においてどのように変化が起こってきましたか。具体的な例がありましたら、ひとつ説明をいただきたいと思います。
#152
○豊田政府委員 お答えいたします。
 私ども抱えております公共工事の推進につきましては、基本的には昨年十一月に提出されております中央建設業審議会の建議というものを前提にいたしまして、透明かっ適切な入札及び契約を実施するということを目標に省内で検討委員会をつくりまして、現在、具体的な対策について取り組んでいる段階でございます。
 実は、この公共入札の問題につきましては、運輸省一省だけの問題というよりは、政府、関係省庁共通の課題でございまして、私ども他省庁の検討状況等と連携しながら、運輸部門についてもより適切な方法を現在検討しておりまして、具体的な対策につきましてはいま少し時間をいただきたいと思っております。
 今お話のございました悪質な建設業者の排除という点につきましては、実は従来からもそういうケースの場合に指名停止等の措置を個別には行ってきておりまして、そういう基本的な考え方については、今回のいろいろな具体的な検討の課題でも、これまでの事例を参考に、より適切な措置がとれるように工夫してまいりたいと思っております。
 ただ、さきの御質問があった後、具体的に指名停止等の措置をとったというケースはございませんで、これも一般論として、より適切な方法を考えていきたいと考えております。
#153
○山中(末)委員 私も、少しばかりの期間で、発注があれば別ですけれども、そういう大きな発注もまだないと思いますし、今の御答弁は予測しておりましたが、悪質な業者というのは、やみ献金をした業者、これは悪質であると思いますか、いかがでしょう。
#154
○豊田政府委員 私どもの具体的なケースにおいては、談合等いろいろなケースを前提にして指名の段階での排除ということを考えておりまして、また、これまでも具体的なケースとして対応してきたというところでございますが、今の献金問題そのものについて、私の方で評価をするということは遠慮させていただきたいと思います。
#155
○山中(末)委員 これはやはり、公共事業というのは税金で賄われているということですからね。だから、それは厳密に今後も考えていかなければならないと思うのです。今御答弁の中で、談合というのはよくないという意味の発言はありました。これは私もそう思います。しかし、やみ献金というのはそれよりも悪いというふうに思いますので、これ以上追及しませんけれども、これから指名停止等をされる場合は、まずそういうやみ献金をやったゼネコンとかそういうものについては指名停止をすべきだ、こういうことを提言をいたします。
 それからもう一つは、ちょっと細かい問題でございますけれども、官房長、今おっしゃった指名競争入札制度の法的根拠というもの、これはよくわかりました。ただ、公共工事については、物品の購入と異なり、現地組み立て作業、単品受注等の特殊性があることなどから、施工能力が劣る建設業者あるいは不誠実な建設業者を排除する、これはよくわかるのです、後段の方は、物品の購入と異なりとなると、物品の購入は、じゃ、こういうことじゃなくていいのですかという、そういう理解を私はしたのです。
 港湾の事業もそうだと思いますが、一般的に建設省等が行われます事業とかいろいろな大きな事業、それはどこかの地元で行われます。そうすると、その発注に関してはいろいろやられますけれども、それはここに書いてありますからわかりますが、せめて物品の購入ぐらいは地元で、現場で、現場を持っているところですね、そこで飯場で働く人がお酒が要りますね、お酒もビールも、それを買ったり、それからそこで使う文房具類とかいろいろなものが要りますね、ストーブの石油類とかそういうものだけは地元で買うべきじゃないかと私は思っているのです。工事するときに、迷惑のかからぬ工事もあると思いますけれども、多少は付近の人に大概迷惑がかりますわね。しかし、付近の人は、この工事が済めば埠頭もよくなるし、海岸線もよくなるしというようなことで辛抱している、こういう向きがあると思うのです。そこへやはり、入札と異なりますけれども、いわゆる需要品の買い上げ等については私は地元で買い上げをすべきじゃないかというふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。
#156
○豊田政府委員 お答えいたします。
 私ども、いろいろな工事をやる際に地域の御理解を得ながら進めていくというのが基本的な姿勢でありまして、お話のような趣旨は十分現場の管理者も頭に置いて対応してまいると思います。
#157
○山中(末)委員 現場で対応していくというお考えでありますが、それはよくわかりました。発注された業者、受注された業者にもそういう指導をぜひともしていただきたい、このように強く要望したいと思うのです。
 それからもう一つは、これはもう問題は別になりますが、もう一つの問題は、中小企業を守るために官公需を発注するという法律がありましたね。昭和四十六年ごろにできていると思うのですが、通産省、通産大臣は毎年それを予算編成の分科会のときには、ことしは何%上がりました、大企業の方は何%です、中小零細企業の方は合わせて何%です、目標は五〇%、五〇%まで発注を持っていきたいけれどもなかなかそこまでいっていませんが、ことしは一・五%上がりましたとかいう報告をされています。
 非常に神経を使っておられるのですが、この入札というのは、元請に入った業者ですね、これが請負人で、元請から下請、孫請によく仕事が回っていきますね。これは請負人じゃないと私は思っているのです。請負人というのは入札して落札した業者が請負人。ですから、大きな仕事は大きなゼネコンあたりにも発注される場合もあると思います。小さな仕事については中小の業者に発注をする、入札させる、これが私は原則だと思うのです。
 前に、今おられませんから言ってもいいと思いますが、ある建設大臣が、そういう質問をしたら、いや、大企業から中小企業、全部にまんべんなく仕事を渡していますという話がありまして、そこまでおっしゃるならその表をくださいよと言ったら、上げますということで後から請求しに行ったら、局長さんが、そんなむちゃなことを言われたらかなわぬということで、結局はいわゆる十社程度の元請、これは一兆円ぐらいの工事でしたけれども、十社ぐらいの元請、十年ぐらいの計画ですよ、だけが請負をしておって、下請、孫請というのは全然請負をしておらぬ、それを大臣が勘違いをされて、大も中も小もみんな仕事を出していますという話をされたので、それは思い違いでございますよということを申し上げたことがあります。
 それで、これは技術職の方には非常にしんどい仕事なんですけれども、できればやはり大企業向きの仕事と中小零細企業向きの仕事と分離発注をして、そしてみんなが元請になった形で仕事が進められるようにひとつ御配慮願いたいと思いますが、いかがなものでございますか。
#158
○豊田政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、法律としては昭和四十一年に成立しております官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律というのがございまして、制定以来二十六年を経過しておるわけですが、この法律の趣旨を踏まえて、私どもも公共事業の中小企業に対する発注について努力をしてまいっております。
 本年度に入りましても、先ほど御指摘のありました総合経済対策の中でも、中小建設業者に対する受注機会の確保ということが盛り込まれておりまして、今お話しのように、分割して発注するという工夫とか、それから共同企業体に中小企業も参加していただいて受注していただくとかいうようなことで、いろいろ工夫しながら中小企業への発注率というものを向上させていきたいと考えております。
#159
○山中(末)委員 答弁も準備していただきました。
 最後に、重ねて委員長に要望しておきますが、参考人の要請とかあるいはまた先ほど私が申し上げた岡山電気軌道の社長さんに参考人として委員会へ出てもらうという要請につきましては、十分ひとつ御検討を賜りまして、実現いたしますように御尽力をお願い申し上げまして、質問を終わります。
#160
○森田委員長 浅井美幸君。
#161
○浅井委員 越智運輸大臣、大変長時間御苦労さまでございます。
 私は、限られた時間でございますけれども、きょう同僚委員からも指摘があったと思いますが、JASの事故に関する問題、それからJRの「のぞみ」の事故の問題、そして清算事業団のいわゆる清算の今の現状についてただしたいと思います。最後に、整備新幹線のこれからの建設のあり方、この四点についてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最初に、日本エアシステムのニアミスということが報道されておりまして、航空局の安全監察官から接近報告についてということで四月二十二日に報告がございました。いわゆる事故といいますか、ニアミスでございましたので事故は避けられておるわけでございますが、これの経過を、その後の状況をまず知らせてもらいたいと思うのです。
 これは、報告によりますと、四月の二十二日十四時三十一分に東京国際空港を離陸した日本エアシステム三二五便が相良トランジションにて指定高度二万六千フィートヘ上昇中、十四時四十二分ごろ、館山VOR・DMEから西方へ約三十マイルの地点、高度約一万八千フィートにおいて、当該機搭載の航空機衝突防止装置の表示上に右前方の水平距離約六マイル、高度差約五百フィート上方の位置に接近する相手機があることが表示された。その後、いわゆる同装置の回避指示によって左旋回降下を行い回避したと報告があった。
 これはどういう状況の中でこういう事故に近かったというかニアミスというのが起こったのか。相手機というのは、報道によれば米軍機だということもございますが、四月の二十二日でありまして、きょうは二十七日ですが大分時間がたっておりますけれども、その後の調査はどういうふうになっておるのか、あるいはなぜこういうふうな事故になったのか、まずお答えいただきたいと思います。
#162
○尾松説明員 お答えをいたします。
 四月二十二日夕刻、日本エアシステム機長から出されました異常接近報告書の内容につきましては、先生が今おっしゃったとおりでございます。この段階では相手機の飛行機が不明であるということでございましたが、その後、相手機については厚木飛行場を出発し、洋上訓練空域に向かっていた米海軍機EA6と判明をいたしました。そして、米軍側のとりあえずの調査としては、米軍機のパイロットは高度差が約一千フィート、約三百メートル、それから水平距離が約○・五マイルから一マイル、メートルにしまして約九百三十メートルから約千八百五十メートルになりますが、そういう間隔があった。かつ双方の航空機にとって危険な状況はなかったと言っている旨の連絡を私ども受けました。最初の報告書と今御説明したのとでは大分乖離がございます。
 いずれにいたしましても、この件につきましては、日米双方においてさらに詳しい事実関係の調査に入りつつあるというのが現状でございます。
#163
○浅井委員 今の御報告ではそのようなことでございますけれども、航空機事故というのは思わぬところで一瞬のことで重大事故につながるわけでございますので、外務省あるいは防衛庁等ともよく打ち合わせを運輸省としてもしていただいて、今後こういうことが起こらないように、訓練空域に向かう米軍機のいわゆる通路になっているのかどうか等も安全確保の上からもよくお調べをいただきたい、このことを要請しておきたいと思います。
 そこで、先般のこのJASの問題でございますけれども、昨日、エアシステムDC9の運輸省航空事故調査委員会が現場から回収した音声記録装置、ボイスレコーダーの解析結果の中間報告も発表されました。
 この事故は、大臣も御承知のように、一人も死者が出なかったというのはまことに不幸中の幸いではございますけれども、まさにこういう事故で一人も死亡者が出なかったというのは奇跡だ、ああいう大きな機体のいわゆる炎上状況の写真を見ましても、非常に厳しい事故だったと私は思うわけでございます。このことについて、このJASの対応といいますか、やってきた乗務員に対する訓練というか指導というか、そういうものがいわゆるずさんであったという一言で片づけられる問題なのかどうなのか。こういう点についてこの事故は航空行政に多くの課題を残していると思うわけでございますけれども、朝から大臣もお答えになっていると思いますので、まず大臣から、安全性という観点からこの問題についてどうお考えになっておるか、見解を示していただきたいと思います。
#164
○越智国務大臣 JASの花巻空港における事故につきましては、私が今受けとめておりますのは全く人為ミス、こういうふうに思います。
 第一番に、二重に規程の違反をいたしております。その一つは、機長が当然操縦すべきものであります。それは、一つには、副操縦士が六カ月をたたない場合に離陸、着陸をしてはいけない、こういう規程になっております。また風速が非常に速い場合、こういう場合も機長が操縦をすべきだ、こういうことになっております。この二重の規程違反をしておるわけであります。しかも、その後の調べで、前日にも同じようなことをやっておる、こういうことでありますから、これは全く言語道断、こういうふうに受け取らざるを得ない、こういうふうに思います。
 さて、昨日、航空事故調査委員会の委員長がおいでになりましていろいろ報告を聞きました。事実関係の報告を聞いたわけでありますけれども、なお調査する必要もある、こう言っておられましたので、できるだけ詳細に調査をしてもらいたい、こういうふうに思います。何か不可抗力の点でございましたらある程度納得はいたしますけれども、人為ミス、それも前日もやっておった、当日も風速等について十分通報も受けておった、そういう中でこういうことが行われると、やはり人為ミスであり、管理的な問題、運航規程とかあるいはこうした管理の問題、こういうことに欠陥がある、こういうふうに私は思いまして、今後なお調査を続け、厳重に処分をしていきたい、こういうふうに思っております。
 こういう事故について、二度とこういうことのないようにということを常に言っておりますけれども、口で言っただけではなかなかいかない。やはりもうこういう場合にはこうだということをやっておかないといけない、こういうふうに思います。他の航空会社等にも皆注意を喚起しておりますけれども、少なくても人の命を預かっておる飛行機で」ういうことが起きたということはまことに遺憾でございます。こういうことを踏まえてひとつ指導監督を進めていきたい、かように思っておる次第であります。
#165
○浅井委員 今大臣、総括的に話されたわけですけれども、この航空機事故は離着陸が一番危ないというふうに言われているわけですね。まず事故の大半が離陸か着陸のときに起こっておる。ですから離陸後の三分間と着陸前の八分間、これがクリティカルイレブンという、すなわち魔の十一分間、こういうことで事故が集中する時間帯だそうなんです。そういうことが言われ、常識となっていながら、このJASが機長の指示であっなかなかったかはまだ不明でありますけれども、かわって副操縦士が操縦桿を握ったということについてのいわゆる社内の規程違反といいますかそういうものではなくて、やはりどこかたるんでおる。人命を預かっていながらのいわゆる重要な企業であるにもかかわらず、操縦室という密室の中におるもので、そういうことが乗客の目の前にさらされていないということでこういうことが行われたということは非常に問題だろうと私は思うわけです。
 昭和六十三年に鳥取県の米子空港でもエアシステムは同じような事件で、これは離陸のときに事故を起こしているわけです。そういう社内規程違反事故を同じく繰り返しておる。こういうのは密室においてのピットの中でいわゆる違反が恒常的に行われているのじゃないかという疑いがある。では、それを運輸省の航空局なら航空局がどういうふうに監督できるのか、どういうふうに未然に事故を防ぐためにできるのかということは、これから大きな課題になると私は思うのです。この起きた事件をもとに、この点について運輸省やあるいは航空局はどういうふうに考えているのか、お聞かせいただきたいわけです。
#166
○松本(健)政府委員 私ども航空行政に携わる者にとりまして、安全の確保というものは行政の根幹でございます。そういうことで、航空会社の安全に対する指導につきましては日ごろ努力しているところでございます。
 特に航空会社におきます規程等の遵守状況、こういったものにつきましても、私ども航空法に基づきます安全性確認検査、これは本社を初め各基地について毎年実施しておりますけれども、そういった検査を通じまして、航空会社に対しまして所要の指導、あるいはそのとおりに実施できているかどうかという確認をしてきているところでございますが、今回またこういうようなことで起きたということで、このことにつきましては甚だ遺憾に思っている次第でございます。
 今後このような事故が繰り返されないよう万全を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#167
○浅井委員 要するに甚だ遺憾であるというだけではなく、運輸省として、航空局として指導監督の責任はあるわけなんです。JASあるいはJALあるいはANA、今事故が起きていないから指導監督どおりやっているのだということにはならないわけです。花巻の事件はそういう重要なことを示唆しているのだと私は言いたいわけなんです。こういうことが起こった原因は運輸省にもあるということを私は指摘しているわけなんですよ。その点についてどう考えるかと聞いているのです。
#168
○松本(健)政府委員 先生今、米子の事故の件もお話しになりましたけれども、米子の事故につきましても、私ども事故後直ちに安全対策について指示をし、またその後事故調査委員会の結果をまって追加の措置をする、この件につきましては、着氷の可能性があったということで、その関係の改善を具体的に指示しているところでございます。
 また、このときにもやはり操縦士の問題がございまして、その件につきましても、この当時は東亜国内航空でございましたけれども、六カ月未満の副操縦士、機長はワッペンをつけさせる、こういうような措置も実施してきたところでございますが、このようなことがまた風化して同じ事故が繰り返されたということで、私どもも監督が十分行き届かなかったところがあろうかと思いますけれども、この点につきましては、今後とも十分反省いたしまして指導監督に努めてまいりたいと思っております。
#169
○浅井委員 きょうは航空局長が成田で会合があってどうしても出てこられないので、あなたは技術部長だから、総論的な、技術の問題ではないわけなんですよね。
 これは大臣、運輸省としての責任もあると思うのです。JASの責任は第一義的にあるけれども、それを指導監督し、そういう事故が起こらないように、人命尊重という立場に立って、日ごろからそれを日常恒常的に安全対策が常に守られるようにしておかなければならない、その指導監督の責任は運輸省にあると私は思うのです。甚だ遺憾である、こんな簡単なものではないと私は思うのです。その点大臣どうでしょうか。
#170
○越智国務大臣 実情を申し上げますと、皆さんも乗って御存じでしょうが、ハイジャックの問題もございまして入り口にはかぎをかける、また乗客が操縦室へ入るというようなことはできないようになっております。そうして、副操縦士が操縦桿を握ってもならないときに握っておる、それの報告には機長が操縦したように書いてある、そういうおそれもある、こういうふうに聞いております。そういたしますと、そういうことが行われるということは監督官庁として運輸省にも責任があると私は率直に思います。
 要は、技術の問題もさることながら、やはり規則を守る、法律を守る、こういうことでないとなかなか前進しない。でございますから、きょうも立入検査をやっておりますけれども、立入検査をやりましても、後のきれいな書類だけを見てもなかなかこれはいかないのだ、根本的な問題がある。書類を見て判断するといいましても、先ほど言いましたように、機長が操縦桿を握るべきものが副操縦士が握っておった、それを書くのは機長が握っておったと報告書に書いておる、こういうことでは、そういうことが行われるということに私は問題がある、こういうふうに思います。
 でございますから、この際、率直に申し上げまして一罰百戒ということで今後そういうことが行われないように指導監督をしていかないとこういう事件は直らない、私はこういうふうに思いますのでございますから、そういう意味においてやはり運輸省に責任がある、こういうふうに私は受けとめております。
#171
○浅井委員 大臣、率直に運輸省の責任をお認めになったわけですけれども、どうかその点の今の御決意を具現するというか、きちんとやってもらいたい、こう思います。
 そこで、JALもANAも運航記録というのを出していると思うのですが、ここも全然ないとは言えないというのです。私は週刊誌で質問するのは嫌なんですけれども、ある週刊誌によったならば、機長というのは職人かたぎで技術屋さんなので、そういう世界だから、後進の育成もいろいろなことがあるから、副操縦士に、やってみるかという形で、規約違反だということがわかっておってもやらせている実情もあるというふうなことが載っております。万々そういうことはないと思いますが、この際、JASの事故に際して、いわゆる一罰百戒とおっしゃいましたけれども、JASだけではなくてJALもANAも、こういう乗員教育といいますか社内規程の遵守というか、そういうものについて総点検をおやりになる決意はありますかどうかお伺いしたいのですけれども。
#172
○松本(健)政府委員 ただいま先生御指摘の規程違反の件につきましては、私どもも本当に厳しく受けとめているところでございます。したがいまして、なぜこういうような規程違反を犯したのかという理由は明らかになっておりませんけれども、残念ながらこのようなことが起こったということにかんがみまして、先生御指摘のように、日本エアシステム以外の他の航空会社に対しましても副操縦士についての規程違反があるかないか、可能な限り調査を指示したところでございまして、報告を受けるところとなっております。
 もちろん当然のことながら、日本エアシステムにつきましてもそのような指示をしておりまして、またきょうから立入検査を実施しているところでございまして、その点につきましてもしつかり調査をする所存でございます。
#173
○浅井委員 まだ数多くの問題が残っていますので、簡単にこの問題について結論を申し上げておきますけれども、いわゆる今後またパイロット不足の問題が出てきておりますので、副操縦士がまだ十年たたなければ機長になれないという、そういう状況の中でのこのパイロットの不足の問題、需要増加対策、将来的在安全性の確保、こういうものの施策が私は必要だろうと思います。これをしっかりとやってもらいたいということと、それから大臣、空港の消火体制、今回のあの花巻の場合は、二分以内に消防車が行って、二分間一遍にびゅっと出せば、あの泡の消火液は二分間しかもたないような容量しかないそうですけれども、それを絞って、もう少し長く絞って使用したということが報道されております。
 こういう消防車がある空港はまだ結構なのですけれども、羽田でもございますが、場所的には一番北側ですか、何か一番遠いところの滑走路にはちょっと間に合わない。時間的に二分以内にはちょっと到着てきないような距離のところに消防車がいるというふうにも言われております。また、日本全国の空港を見ますると、このいわゆる消防車が備えづけられていない、そういう空港もあるそうでありますけれども、この辺について、いわゆる人命尊重の上から、安全管理の上でどういうふうに航空行政に取り組むか、最後にもう一言だけ大臣にお聞きしたいと思います。
#174
○尾松説明員 お答えいたします。
 空港における消防体制の整備、先生御指摘のように、一たん発生した航空事故の被害を最小限にとどめるために非常に重要だと考えております。このため、従来からICAO、国際民間航空機関が定めた基準に沿いまして整備を進めてきておりますが、国が管理する空港におきましてはおおむねすべてこの基準を充足するように整備をしてまいりました。しかしながら、地方公共団体の管理する空港にありましては、まだ基準を満たしていないところもございます。
 したがいまして、そういったところにつきましても所要の整備が図られるように、引き続き空港管理者の方をよく指導して整備を推進するように努力をいたしたい、こういうふうに考えているところでございます。
#175
○越智国務大臣 今の安全施設等につきましては、できる限り早急に実施してまいりたい、こう思います。
 しかし、一番私は、問題はやはり心の問題だ、人間の問題だ、こういうふうに思う次第であります。安全、安心、やはりお客さんが安心して、不安を持たないで乗ってもらう、こういうことでないといけない、こういうふうに思いますのでございますから、従来のように、再びこのような事故の起こらないようなというようなことは申し上げないで、もう直ちにこのことの精神的な訓練、教育、このことが私は大事だ、こういうふうに思いますので、その点に重点を置いて進めてまいりたい、かように思う次第であります。
#176
○浅井委員 それでは次に、「のぞみ」の問題について触れたいと思います。
 この「のぞみ」につきましては、時代的要請ともいうべき次の時代の車両として期待の大きかったのぞみ型の新幹線が昨年三月、デビューしました、そして、ことしの三月のダイヤ改正で「のぞみ」は東京−博多間を一時間に一本、約五時間で結んで、まさに新幹線高速時代の新しい幕あけを告げた感じがございます。
 しかし、デビュー以来この系統の車両にさまざまな故障が相次いております。通過列車が線路のバラストを飛ばしたもの、車軸温度検知装置用の電線の断線によるもの、パンタグラフの底板取りつけのビスの緩み、脱落、空調機吸い込み口の整風板の脱落、また窓ガラスの割れたものは現在でこの一カ月もたたない間に約九十四件、この原因等も不明なものはたくさんあります。
 昨日、この三〇〇系新幹線電車の確認ということで、その点検結果が公表されて、余り心配じゃない、ねじが一個か二個外れておったぐらいですという報告が西日本や東海からなされたわけですけれども、私はこのことについて、大臣、これもやはり人命尊重の立場から、安全性の確保というのは非常に重要な問題だろうと思うのです。鉄道の使命というのは、スピードと安全性と列車の本数、ダイヤの正確さ、駅や車内の快適さなど多様なサービスというものを利用者に提供しなければならない。このようないわゆる「のぞみ」のような列車によって、高速化ということにはなりますけれども、やはり安全性というものが重視されなければならないことはもちろんであろうと思うのです。
 ところが、幾つかの事故が起こりました。東海道新幹線が走り出したのは昭和三十九年ですか、約三十年前。そのときに果たして今のようないわゆるスピード三百キロ近くで、いや、今は二百七十キロでございますけれども、走ってもいいような路盤、そのスピードを想定してあの東海道新幹線の路盤がつくられたのかということは、私は甚だ疑問に思うわけであります。あるいは西日本に至りましても、スラブでつくられておりますけれども、あれだけの数多くのトンネルがあります。そのトンネルによっていろいろなトンネル音ということで近隣の人たちを悩ましておる。
 そして、今度「のぞみ」が去年、初期運転ということでいろいろな事故があって、五時間とまった事故もございましたけれども、初期故障で、いわゆる三〇〇系の車両の形態には問題はない、こういうふうに言って新幹線の開業にこぎつけたわけですけれども、このような状況の中で果たして今のスピードに耐え得るような新幹線の路盤であろうか。あるいはトンネル構造がそういう異常音を発するような中で営業を開始してよかったのかということが、私は今つくづく考えてみたときに問題ではないかと思うわけでございます。
 人命尊重という立場からいうならば、いわゆる営業本位のスピードを競争する、空の航空機に対抗するんだということでスピードアップを図った、そこにさまざまな、いろいろな問題が起こった。窓ガラスがなぜ割れるのかが原因がまだわからない。そういう中で、これは毎日毎日今走っておるわけです。これを不測の事態が絶対起こらないと本当に言い切れるのかどうか、この点についても私は非常に心配をいたしております。
 大臣、航空機も落ちないということはないように、新幹線も事故を起こさないことはないということを、運輸省も我々も常に思っておかなければならぬのじゃないか。この「のぞみ」のいろいろなトラブルからそういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#177
○越智国務大臣 「のぞみ」につきましては、私も、試験運転を十分して間違いないということでございましたから、決裁をいたしました。しかし、トラブルが非常に多い、これは事実であります。私は、やはり一番は安全、それから快適、それからスピード、こういうものであろう。スピードが優先するのでなくして安全が優先し、快適が優先する、これは乗客はもちろんですけれども、周囲も含めてそういうことであろう、こういうふうに考えておりますのでございますから、指示をいたしまして総点検をして、総点検の報告があったような次第であります。非常にスピードが速い、でございますからねじの緩みも多かったのであろう。また、製造中にもうちょっと入念にゃればいいというような問題もなきにしもあらずであります。
 いずれにしても、総点検をして間違いないということでございますので、今続けて運転をいたしております。今後こういうものを十分見て進めてまいりたい。今まで聞いておりますのは、この前も申し上げましたが、例えば窓ガラスにいたしましても、取りつけようが悪いのでひびが入ったというような報告を受けております。確かにたくさんの窓ガラスでございますからそういうものもあったのであろう、こういうふうに思っておりますが、これが再びたくさんひびが入るというようなことでございますれば、取りかえできないものかどうか、もっと強度なものができないのかどうか、こういうことも検討させたい、かように思う次第であります。
 いずれにしても、安全、快適、このことの徹底を図ってまいる所存であります。
#178
○浅井委員 スピードアップを図る努力は不必要だとは私は思っていません。必要だろうと思いますし、また、十分な安全やダイヤの安定性や他のサービス向上などが前提にあってやっているんだと思いますけれども、スピードアップには安全性を確認しながら一歩一歩進めていく慎重さが求められるということであります。たかがいわゆるガラスの割れだということではないと私は思います。構造上の欠陥がどこかにあるのじゃないか。いわゆるスピード工学の中で、まだこれだけのスピードに耐え得るような構造であったかどうかということも問題だろうと思います。
 成城大学の岡田清教授は「ガラスを張り替えたり、ビスを付け足したりの対症療法的な修理では、根本的解決とは言えない。新幹線はJRだけのものでなく、国民的財産。しかも、無事故という看板がある。事態を甘く見ないで、のぞみが営業運転に耐え得るものかどうかいま一度再確認して万全を尽くす必要がある。」総点検したからいいというふうに安易な考え方ではどうか臨まないでいただいて、先ほど大臣が言うように、慎重に、慎重に、この問題については指導監督、そして監視といいますか、常に、常時監視してもらいたい、このように思います。
 次に、清算事業団について、時間が余りなくなってまいりましたので簡単に申し上げたいと思います。
 清算事業団の理事長、きょうお見えになっておられますけれども、最近おかわりになりました。清算事業団の西村理事長にお伺いしたいんですけれども、事業団の役割といいますか事業団の使命というのは、最終的に残ってまいります国民負担、こういうものを極力少なくし、そして有意義な清算をしていくことにあると私は思うのです。着任早々なんですけれども、まず、抱負をお聞かせいただきたいと思います。
#179
○西村参考人 このたび事業団の理事長となりまして、ただいま先生からその抱負はどうだということでございますが、今御指摘のように、清算事業団の仕事と申しますのは、国鉄の改革というものを、片やJR等民営の承継法人に完全な民営化をさせていくということに対しまして、私どもがその多くの債務を引き受け、そして旧国鉄の資産の処分等を通じまして最終的にはこの長期債務をできる限り返済し、そして御指摘のような国民の負担というのが極力少なくなるように私どもが努力をしていくということにあると信じております。
#180
○浅井委員 清算事業団の予算についてちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、平成五年度の収入と支出、大きな項目だけで結構なんですが、これを言っていただけますか。
#181
○杉田参考人 四年度でございますか。(浅井委員「平成五年度」と呼ぶ)五年度ですか。はい、わかりました。
 まず、収入面でございますが、土地等の売却収入一兆二千九百億円、それからJR株式売却収入千五百四億、鉄道整備基金収入一千百億、その他の収入として四百十九億、そして補助金が八百五十億、借入金等ということで全体として一兆八千四百億、合計しまして三兆五千百七十三億になっております。
 これに対しまして支出面でございますが、債務償還諸費といたしまして二兆八千五百九十億、用地対策費として千三百二十一億、共済年金等の負担金といたしまして四千六百十億、管理費等で三百五十二億、ほかに予備費が三百億ございまして、収入の合計と同じく支出面におきましても三兆五千百七十三億になっております。
#182
○浅井委員 収入の財政投融資の一兆八千四百億というのは、これは借金ですね。それから、債務償還諸費の二兆八千五百九十億の中身で利子として支払っているのは約一兆五千億ですか。この二点について。
#183
○杉田参考人 先ほど申しました借入金等一兆八千四百億の内訳といたしまして、これは全額財政投融資にお借りしておりますが、内訳といたしまして、政府引受債一兆六千四百億、それから政府保証債二千億となっております。それから、債務償還諸費でございますが、償還諸費全体の二兆八千五百九十億のうち、利子及び債券取り扱い諸費というもので一兆四百二十億となっております。
#184
○浅井委員 もう一度、一兆幾らですか、利子は。
#185
○杉田参考人 一兆四百二十億でございます。
#186
○浅井委員 理事長、収入が三兆五千億の中で一兆八千四百億がまた借金しているんです川土地の売却費が一兆二千九百億を予想しておるわけです。そして、銀行利子を初めいわゆる財政投融資から、いろいろな借金を返すのが二兆八千五百九十億のうち一兆円をまた上回る利子を払っていかなければならない。九二年度当初に二十六兆四千億の事業団の抱える債務残高は、これはまた九二年度末には二千億拡大して二十六兆六千億となった。債務残高がずっと二年間連続して増加しているのです。今まで旧国鉄長期債務が、年間一兆五千億にも及ぶ支払い利子が発生して、利子が利子を生んで雪だるま式になっておるわけです。
 これで、理事長が最初に申された国民負担を減らすということになるのですか。だんだんふえてきているじゃないですか。そして、おっしゃることは、いわゆる国民負担を減らすため一生懸命頑張っておりますと言いながら、この五年間の中で債務はどんどんふえてきておる、この実情に対してどう考えられますか。
#187
○西村参考人 今御指摘のように、当清算事業団の長期債務の残高というのは年々増加の傾向を、一般的な傾向を示しております。この状況で推移いたしますと、今言われましたように年々の利払いの方がふえてくるということで、全体といたしますと、債務の償還、債務の額を減らすというよりは利払いに追われてしまうという結果になりかねないわけでございます。
 ただ、これまでの事情を申しますと、清算事業団発足の当初は、いろいろな基盤整備等で直ちに資産処分による収入を得ることができなかったわけでございますし、また、昭和六十二年以降は異常な土地の価格の上昇ということもございまして、事実上一般競争入札等いろいろな手法が凍結されてきたということによりまして、当事業団の資産処分の収入が少なかったということも御承知のとおりでございます。そしてまた、地価を顕在化させないためのいろいろな手法を開発いたしましたが、これにつきましても、その後の冷え込みによりまして、これはまた実際になかなかプロジェクトが進まないという事情もございます。
 ただ、私どもはこれからの市場の変化等を見まして、適時適切な、その場その場で一番ふさわしい対策をとっていくということで、先ほどの期待にでさるだけこたえていくことに努めてまいりたいというふうに思っておりますし、また、ようやくJR株式の売却ということもそろそろスケジュールに入ってくるという段階にもなりましたので、このようなことをあわせまして、全体として債務の償還という目標に向かって努力をしていきたいと考えている次第でございます。
#188
○浅井委員 この経過は、私もずっとかんできておりますのでよくわかっております。
 ここで一点だけ、汐留の貨物ヤードの跡地の問題についてです。このいわゆる汐留の貨物ヤードの跡地の処分については、私はいろいろな議論をここで申し上げたことがありますけれども、この処分スケジュールの進捗状況などというのはもう非常におくれておる。これは大臣、非常に重要な問題なんです。ただバブルが崩壊をした、株が売れませんでした、非常な社会情勢の変化の中で清算事業団は一生懸命やっております、だけれども、だんだん借金がふえております、こういう状況では、いわゆる清算業務というものを本格的にやっておるとは言えないと私は思うのです。
 清算事業団の職員というのは二千五百人もおるのです。それなのに株式会社をつくり、いろいろな会社をつくり、そしてまた汐留をつくって、そして、土地を処分して清算をするという本来のあり方からどんどん中身が変質してきて、そして十二分ないわゆる清算事業が、国民の期待するようなものが行われていない。社会情勢の変化という二言で片づけられたのでは、能力があるのかどうかと疑わしくなってくるわけです。
 この点については、同僚議員もこの問題については非常に強い関心を寄せておりますので、委員長、一遍、清算事業団だけで一般質問の時間を十二分にとってもらって、国民の財産処分という観点から、あるいは旧国鉄の財産処理、そして今後、国民負担の軽減という観点からこの問題を取り上げる機会をぜひともおつくりいただきたいと思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。
#189
○森田委員長 よく相談してみます。
#190
○浅井委員 ぜひ前向きに実現してもらいたいと思います。
 大臣、清算事業団のことについては強い関心を持っていただきたいことを要請して、答弁は求めないことにいたします。
 最後に、時間がなくなってまいりましたけれども、整備新幹線につきましてお伺いしたいと思うのです。
 最近、政府・自民党の中で、今月中旬から、北海道、東北新幹線など整備新幹線計画の本格的な見直し論議を開始する。先送りされておる北海道新幹線の早期着工、あるいはまた現行の計画を変更しようというものである。政府は、旧国鉄の二十六兆円にも上る長期債務を抱えて、財源難を理由に最小限の見直しにとどめたいところだ。ところが、年内に予想される総選挙を控えて、自民党内にはいわゆる計画の根本的な見直しを求める声も強く、結論を出すめどとされる今国会会期末の六月下旬に向け激しい攻防が展開をされておる。この党側の積極的な動きに対して越智運輸大臣も、今月二日に、政府として見直しに着手する方針を表明されたそうですけれども、これに間違いございませんか。
#191
○越智国務大臣 整備新幹線につきましてはいろいろ議論があります。五年前に決定をいたしました当時、五年後に見直すということが今年度になっておるのであります。この見直しにつきましては、東北、北陸、九州、この新幹線の基本スキームに従っての見直し、こういうことでございます。しかし、各地から先生方あるいは地元の公共団体、財界等、いろいろ意見、陳情等がございますのでございますから、そのことの議論をせざるを得ない、こういうふうに思うのであります。
 しかし、政府として今決まっておりますのは、東北、北陸、九州、これの基本スキームに従っての見直し、こういうことであります。しかしこの整備新幹線の問題、高速鉄道、これのネットワークということも、将来の関係ではやはり基本計画も決めておるわけですから、これも一回見直しといいますか、検討することは必要でないか、かように思っております。
 また、整備新幹線とは別でございますけれども、今の既設の在来線でございますが、在来線もやはり見直してやらないと、今のような状態では通勤通学を含めて本当に生活大国であろうか、こういうふうに率直に私は思っております。
 でございますから、やはり鉄道に投資をするということはぜひとも必要なのではないか、こういうことに考えておりまして、今の整備新幹線並びに在来線含めまして、鉄道ということについて再検討をしていかないとならないのであろう、こういうふうに認識をしておる次第であります。
#192
○浅井委員 見直しというのは、いわゆるミニ新幹線だとかスーパー特急だとかというのをフル規格に見直そうということですか。
#193
○越智国務大臣 別に具体的にどこをどうするということではございません。今の基本スキームに従って早くやるというようなこと、それから今のミニ、フルの問題、それから基本計画をどうするのかという問題、整備新幹線につきましてはそういうことの議論が行われるであろう、こう思うのであります。
 しかし、政府としては、ただいま決まっておりますのは基本スキームに従ってこれをできるだけ早くやる、こういうことが決まっておるのであります。その後、後のことは、いろいろ今後議論されるであろうと想像をしておる次第であります。
#194
○浅井委員 昨年宮澤内閣が打ち出した「生活大国五か年計画」の中に、東京一極集中是正への対応について、東京圏からの多様な機能の分散が盛り込まれておる。東京一極集中の進展の中で、地方分権化をどう具体的に進められるか、均衡ある国土の形成をどう実現できるか、大きな社会の潮流であろうと思う。
 そこで、今回の新総合経済政策の中に、太平洋ベルト地帯に続き、列島をネットワーク化する新しい国土軸の調査検討を進めることが含まれておりますけれども、新聞ではこの点について、日本列島縦断の新高速交通通信網を整備する第二国土軸整備計画をということで載せられております。この第二国土軸整備計画なるものは一体どういうものなのか、また、どのような未来的構想のもとに整備計画を立てようというのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#195
○秦野政府委員 新たな国土軸の形成につきましては、いわゆる西日本の第二国土軸構想を初めとしまして各種の構想が援言されておるところでございますけれども、政府といたしましては、先ほど先生も御指摘になりました「生活大国五か年計画」におきまして、二十一世紀の国土構造の姿について、「新たな国土の軸の在り方も含め、総合的な検討を進める。」とされておるところでございました。現在国土審議会の調査部会におきまして行われております四全総の総合的点検作業の中で、地域内、地域間の交通情報通信ネットワークの整備等についての調査審議を行って、その中で国土の軸のあり方につきましても検討するということになっております。
 したがいまして、運輸省といたしましては、多極分散型国土の形成を図るという観点に立ちまして長期的に検討を進めるべきものと考えておりますが、まず、その国土軸の構想そのものについて検討を深めていくことが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#196
○浅井委員 我が国の総合交通体系の整備という点から、非常に重要な今の問題だろうと思うのです。私は、ミニだとかフルだとかという、ミニ新幹線あるいはスーパー特急を走らせるというその計画については、私は反対だ、全部、日本全体にフル、いわゆる従来型のフル規格でやるべきだというのが私の持論なんです。
 今回、現行計画による着工三線の総建設費が約一兆七千六百億円ですけれども、これから北海道、鹿児島を全部含めて仮に五線すべてフル規格で建設するとなると、建設費は約七兆円。この七兆円という金額なんですけれども、建設費の負担割合を今までのような国が三五%、JRが五〇%、地方が一五%、こういう負担割合のままでこれを強行すると、JRの負担はますますふえるし、地方の負担は大きく膨らんでくる。この七兆円の財源を運輸省として本気になって大蔵省とかけ合って取るべきであろう。いわゆる日米構造協議の四百三十兆円の公共事業費、その中からでもかじってきてでもいい、日本の総合交通体系、通信、交通というのは日本の経済活動の大きな動脈である。
 その意味から、運輸省は今までのいわゆる許認可官庁ではなくて政策官庁として、日本の将来から考えて交通体系はこうあるべきだというものを、確固たる信念を持って越智大臣が来年度の予算の中で図っていってもらいたい、このように私は要望を強くしたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#197
○越智国務大臣 先ほど政府委員がお答えいたしましたが、第二国土軸は関西のみではございません。これは我が省の所管ではございません、共管であります。国土庁でございますけれども、これは日本海側にも計画があるようでございますのでございますから、国全般で新しい国土軸というようなことであります。
 それから、今の交通ネットワークの問題でありますけれども、日米構造協議の中の四百三十兆でありますが、今の我が運輸省、特に鉄道関係では大体○・二%、こういうことでございますから、私が言っておりますのは、道路も非常に大事であるから道路もしっかりゃってください、一極集中を排除するためには道路も結構であります、しかし、鉄道が○・二というようなことでは、とてもとても手のつけようがない。今のだけやるのでもおおむね十カ年といいますけれども、それまでに済まない、こういうふうに私は思っております。
 でございますから、少なくともけたを一けた上げてもらって、しかも三%なり四%の計画でないと、鉄道にモーダルシフトあるいは一極集中の排除、こういうことができない。でございますから、ぜひともそうしてもらわないと計画が進まない、こういうことを私は言っておるような次第であります。これがどれまで実現できますか、これはわからないけれども、○・二ではいけない、少なくとも四百三十兆の中の三、四%を鉄道に入れてもらわないと生活大国にはならないよ、また一極集中の排除はできないよ、こういうことを唱えておる、これが実情であります。
#198
○浅井委員 運輸大臣の御答弁に心から激励を送りたいと思います。頑張ってください。どうもありがとうございました。
#199
○森田委員長 佐藤祐弘君。
#200
○佐藤(祐)委員 私は、JAS機の花巻事故、それからニアミスの問題、もう一つ、山梨のリニア実験線の問題についてお尋ねしていきたいと思います。三十分なので、答弁は簡潔、的確にお願いしたいと思います。
 最初に、花巻事故に関連してでありますけれども、けさ以来の議論で、副操縦士の規程違反ですね、大臣は二重の規程違反とおっしゃった。それが一つの問題になっております。私も、これはあってはならないこと、絶対に許されないことだというふうに思います。そういう点では会社の責任、あるいは運輸省の指導監督責任といいますか、そういうものがきちっとされていかなきゃならぬというふうに思います。
 同時に、今もう一つ思っておりますのは、副操縦士が操縦しておったという重大な規程違反、これはあるわけでありますけれども、そのことが今回の事故の直接の大きな原因であったかのように考えられているといいますか、新聞報道などは特にそうだという気もするのです。まあ新聞によっても若干違いますが、果たしてそういうふうに決めっけていいのかどうかという問題です。つまり、逆に言いますと機長が操縦桿を握っておればあの事故は防げたのかどうか。私は、現時点では断定はできないのだろうと思うのです。
 ですから事故調査委員会にも要望しておきたいわけでありますが、運航規程などの違反問題、これと短絡するのではなくて、事故原因の科学的な究明といいますか、それが非常に重要だと思います。つまり、機長であったとしても防ぎ得なかったとなった場合でも、我々それでは困るわけですよ。幸い死者が出なかったという、不幸中の幸いと私も思っておりますが、一歩間違えば大惨事になったかもしれないわけですから、どうしてもああいう事故が起きないようにしなければならぬ。そういう意味でも徹底的な原因の解明が必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#201
○越智国務大臣 あるいは機長が操縦していてもああいう事故は起きたかもわからないというお説でございますけれども、機長が操縦をしておって危険であると思えば、絶対着陸しないといけないという問題でもございません。危険であれば着陸を見合わすという手もあるわけでございます。そういう意味において、少なくとも規則違反をしておる副操縦士、またそれを指示しておる機長、これはやはり責任はある。これは管理体制にも問題もありますけれども、ほかに原因があってということでない、強風であったことには間違いございませんから、機長が判断して自分が操縦桿を握って、これなら安全に着陸ができると判断してやったということではない、副操縦士にやらせておった、こういうことでありますから、やはり機長も副操縦士も責任はある。管理体制にも問題はありますけれども、私はそういうふうに判断をいたしております。
#202
○佐藤(祐)委員 私も責任がないということは一切言っておりません。二重違反の事実はありますし、それを認めたのは機長ですから。
 しかし、その事故原因の究明というのはまた少し違うと思うのです。これまでの事故調のいろいろな活動がありました、航空機事故がいろいろありましたから。私は、類似のものとしてはキャセイ・パシフィックの場合などが若干条件が類似しておるかなと思って、その報告なども読み返したりもしておりますが、私が申し上げたいことは、本当に事故原因はどこにあったかです。これを科学的に正確に出していくことが、その教訓を本当に生かしていくという意味で大切なのではないかということを申し上げているわけです。事故調、いかがですか。
#203
○玉置説明員 お答えをいたします。
 事故調査の状況について簡単に御説明をさせていただきます。
 航空事故調査委員会は、四月十八日に事故が発生しました後、直ちに六名の事故調査官を現地に派遣いたしまして、いろいろと広い分野にわたって情報の収集に努めております。そして昨日、現在までに知り得た事実を取りまとめて経過報告として運輸大臣に報告いたしますとともに、公表をしたところでございます。したがいまして、今後とも調査検討を引き続き行いまして、事故原因の究明に努めてまいりたいというところでございます。
 以上でございます。
#204
○佐藤(祐)委員 この中間報告も詳細に繰り返して読ませていただきました。交代の事実とかそういう事実関係の記載はありますけれども、事故原因について断定的な記述が一切ありません。それを前提に私はお聞きしているわけであります。
 今度の事故で大きなポイントは着陸の際の問題点ですね。詳しく言う暇はありませんが、いわゆる着陸帯よりも手前で落ちでいるとか、前輪と主輪が異様に近接しているとか、ゆがみがあるとか、いろいろな問題があるようです。そこは専門的な方の調査の結果にまちたいわけでありますが、そういう着地点の問題の一つとして気象情報の問題があると思います。
 気象庁に来ていただいていると思いますが、花巻の空港出張所では風向風速計はどの位置につけられておったか、お聞かせいただきたい。
#205
○二宮政府委員 気象庁におきましては花巻空港におきまして、世界気象機関、国際民間航空機関の基準に従いまして、滑走路のほぼ両端に適切に、つまり二カ所でございます、風向風速計を設置いたしまして運用いたしておりました。
#206
○佐藤(祐)委員 今回の場合はかなり横風が強かったとか追い風が最後あったんじゃないかとか、いろいろなことが言われておりますが、いずれにしましても、着陸時の気象というのは日本だけではなくて欧米などでも非常に問題になっているんだと思います。例えばウインドシアということで議論になりましたり、またマイクロバーストですか、アメリカの場合には、このマイクロバーストというのはお聞きしますと竜巻の逆と考えていい、強力な風が地上にたたきつけるというようなことで何度か事故も起きているということから、そういう着陸点での気象についての研究あるいは警報装置の開発、こういったことがある程度やられておるというふうに聞いておりますが、その状況と、日本の場合にはそういう研究が行われているのかどうかといった点についてお答えいただきたい。
#207
○二宮政府委員 お答え申し上げます。
 ウインドシア及びマイクロバーストと申しますのは、先生御指摘のとおり航空機の着陸に大きな影響をもたらすものでございます。ウインドシアと申しますのは、水平または鉛直方向に風が急激に変化いたしまして、それが着陸時の飛行機の揚力等に力を及ぼしまして不測の降下をもたらすというふうなものでございます。それからマイクロバーストあるいはダウンバーストと申しますのは、積乱雲からの下降流でございまして、非常に狭い範囲で急激な下降流をもたらすものでございます。
 過去の例で申しますと、ケネディ空港で一九七五年六月二十四日、これは雷雲中のダウンバーストでございまして、墜落事故が起きておるわけでございます。それから日本の例でございますと、那覇空港で一九八四年四月十九日に起きておりまして、これは非常に強い驟雨の中で、及びさらに悪視程という条件の中で起きておるようでございます。それからさらに成田でございますが、平成二年三月二十四日に起きておりまして、これは雷雨とともに強風がございまして、風の急変がございました。変動した横風であるようでございます。
 以上が最近のウインドシアあるいはマイクロバーストにかかわるものでございますが、これらのものはドップラー・レーダー等によって検出されることも可能でございます。
 それから、今申しましたウインドシアとかダウンバーストとはまた若干違いまして、非常に強い強風の中では風が非常に大きく変動いたすことが多いわけでございまして、これは今申しましたウインドシアとかマイクロバーストとはまたちょっと違った話でございまして、一般に平均風速の二倍程度の非常に強いガストがございまして、これは短時間に、例えば二分とか数分の間ほぼ周期的に非常に風が、風向の変動もございますし、また、風速の変動もございます。こういうふうな大きな変動がございましたときに、着陸態勢にあります飛行機にはいろいろな影響があろうかというふうに言われているところでございます。
#208
○佐藤(祐)委員 つまり、今回の場合は低層乱気流による異常な風が出ていた記録はないというようなことが、きのうの事故調の中間報告に基づいた報道の中に書かれておりますし、それは確認されたのかどうかという問題もありますし、私が今強調したいのは、我々がまだ知らない現象というのはあるわけですよね。だから、従来の規程の遵守ということだけで問題が解決するのかどうか。やはり、より気象条件を的確につかむような研究開発も必要だし、この点は大臣の考えと私は賛成ですが、いろいろな危険があり得るという場合には、安全第一で着陸を回避するといいますか、それは本当に大事なことだろうというふうに思っておるのです。
 そういう点で、短絡するのではなくて、事故原因の正確な究明と新たな対策、そういうものも含めて運輸省として取り組んでいただきたい、そう思いますが、いかがですか。
#209
○松本(健)政府委員 お答えを申し上げます。
 ただいま先生、ウインドシアの件についてお話がございまして、気象庁長官の方から地上の方の観測体制のお話がございましたけれども、機上の方についての状況等について御説明をさせていただきたいと思います。
 このウインドシアにつきましては、我が国ではこれまで死亡事故というのは発生しておりませんけれども、米国においては死亡事故が多発しているということで、米国では、ただいまのように早くからいろいろ装置の研究開発が進んだわけでございます。我が国におきましても、地上ドップラー・レーダーにつきましては、先ほど気象庁長官の御発言のとおり研究開発が進んでおりまして、一方、航空機搭載型のウインドシアの検知装置、これは飛行機でウインドシアを検知する装置でございますけれども、これにつきましても我が国の航空機、ボーイング747−400型機等の新鋭機につきましては全機搭載されておりまして、その他の航空機につきましても、航空会社におきまして搭載の促進を図っているところでございます。
#210
○佐藤(祐)委員 続けてニアミス問題でお伺いしたいのですが、あの事故も、きょうの御答弁では、米軍機の方は高度差が三百メートルというふうに判断しておったということですけれども、日本のパイロットの報告では三十メートルの高度差だったと言われている。これも懐然とするような事態だと思うのですね。乗客は百二十人以上、乗員含めて百二十七人になりますか、それがそういうニアミスだったというのは本当に懐然とする事態だと思います。
 そこでお伺いしたいのは、こういう米軍機、日本の航空法に基づく飛行計画書、フライトプランを提出していると思うのですが、確かに提出されていたかどうかということと、それは管制には伝わるようになっているのかどうか、この二点。
#211
○尾松説明員 お答えを申し上げます。
 米軍でありましても、フライトプランの提出はございます。管制機関の方にフライトプランの提出はございます。
#212
○佐藤(祐)委員 それは、必要な場合にはパイロットに伝えられるのでしょうか。
#213
○尾松説明員 提出されましたフライトプランが飛行中のパイロットに一々連絡される、他の飛行中の飛行機のパイロットに連絡されるということはございません。
#214
○佐藤(祐)委員 問題は、今回の場合ニアミス、異常接近が起きたわけですね。この場合には、これまでに御報告をいただいたものでは、航空機衝突防止装置、ACASの表示でキャッチできて、ACASの指示で左旋回でしたか、降下することによって衝突が回避できたというふうに説明を受けました。これは運輸省から受けたわけですが、私はこれが非常に幸いだったというふうに思うのですね。しかし、それにしても、管制のレーダーには米軍機の機影米軍機とはわかりませんが、機影が映っておったわけですよね。そういう場合に素早く連絡する方法がないのかどうかという点と、今回の事故で、防止の上で非常に力を発揮したACAS、これをぜひ、今は試行中だそうですが、広く普及するようにすべきではないかと思うのです。いかがでしょう。
#215
○尾松説明員 管制機関の方から他の航空機が接近しているというようなことを当該飛行機のパイロットに知らせてはやらないのか、こういう御指摘でございますけれども、近くを飛んでいる飛行機の情報、これが当該機と近寄って危ないというような事態が管制官の方で心配になるときは、その当該飛行機のパイロットに注意情報を流すということはいたしております。
 今回の場合、どういう措置をとったかについては、さらに詳細に調査いたしたいというふうに思っております。
#216
○松本(健)政府委員 恐れ入ります。ACASの件につきまして答弁させていただきます。
 衝突防止装置につきましては、現在、国際民間航空機関におきまして技術的な国際標準を定めるために、実機に当該装置を搭載しまして国際的な運用評価が行われている状況でございます。我が国もこの運用評価に積極的に参加をしているということでございます。そして、お尋ねの当該装置の義務化につきましては、技術的国際標準を定めた後に検討されることになるものと考えられます。
 当局といたしましては、国際民間航空機関におきまして国際的標準が定められ、搭載義務化が図られた場合には、我が国の航空機への搭載義務化を検討してまいりたいというふうに考えております。
#217
○佐藤(祐)委員 この問題の最後にしたいと思いますが、ニアミスの場合は、やはり日本の事情として米軍の空域がある、自衛隊の空域もある、佐藤内閣の時代に水平分離というような緊急対策が出た歴史もありますけれども、そこまでは詳しく触れませんが、米軍機が訓練などでどんどん飛んでいるということが大きな背景の問題としてあると私は思うのですね。
 それで、今回の場合にこういう非常に憂慮される事態が起きたわけでありますから、当然、米軍に対する問い合わせはしておられるようですね、さっきの答弁にありましたから。同時に、そういう場合に何らかの申し入れをする。あのEA6でしたか、あれは電子戦機と言われている戦闘機でしょう。非常に電子的な高性能の戦闘機だというように我々は承知しているのですが、それにしてはさっきの回答は大変疑問ですね。そこは真相の究明が必要だろうと思いますが、いずれにしても、米軍への何らかの申し入れ、こういうものをされる用意があるかどうか、最後にそれをお聞きしたい。
#218
○尾松説明員 日本の機長からの報告書と米軍側からの連絡の内容にはかなりの乖離がございます。この件につきましては、日米双方でさらに詳細に事実関係の調査を行います。その結果によりまして必要な改善措置を関係者に周知するということになるわけでございます。そういう考えでございます。
#219
○佐藤(祐)委員 やはり日本の飛行機が安全に飛べないのでは困るので、そういう点は毅然とした態度で対応してもらいたいということで申し上げてお。きたいと思います。
 次に、山梨のリニア実験線に関してお聞きをします。
 金丸元自民党副総裁の巨額脱税事件に絡みまして、大手の総合建設業者、いわゆるゼネコンが検察庁、地検特捜部の捜査対象になっている。約二十社のうち十六社が山梨実験線のトンネル工事などを受注しているという実情があります。これはやみ献金などが大変大きな問題になっておりますし、そういう莫大な献金はリニア工事受注と深い関連があるのではないかということも指摘をされておるという状況ですが、運輸省が進めている重要プロジェクトですね、これに絡んでこういう疑惑が出されているという点、どういうふうにお考えかまずお聞きしたい。
#220
○秦野政府委員 リニア実験線は、改めて申し上げるまでもございませんけれども、いろいろな新しい技術開発を伴うものとして大変重要なものだと認識をしております。
 そこで、今の先生のお尋ねでございますが、私どもといたしましては、いわゆる公的な機関によります、あるいは公的な資金が導入されておりますような工事発注につきましては、当然のことでございますけれども、常に厳正かっ公正に行うように関係の鉄道建設公団等を指導しているところでございます。ただ、御指摘のような事柄につきましては私どもとしてちょっと知り得る立場にございませんので、答弁は差し控えさせていただきたいというように思います。
#221
○佐藤(祐)委員 知り得る立場にないというような消極的な姿勢ではなくて、建設省は先日やったわけですね。それはいわゆる建設業界を指導監督している省庁としてそういう範囲でやられたというふうに聞いております。今月中には六団体ですか、土木、建設すべてやるというふうに聞いておりますけれども、私は、行政の縦割りは別にして、国民の関心からいいますと、とにかくあれをやっているのは運輸省ですから、運輸省として国民の関心とか疑問にこたえる、こういうための調査といいますかそういうことは当然やるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#222
○秦野政府委員 鉄道建設公団自体のいわゆる指名競争入札、これは適切に行われていると思っております。
 今先生お尋ねのいわゆる談合のようなたぐいのお話は工事受注業者相互間の問題でございますので、私どもとしてそれを調査するとか、あるいは問題にして検討するという立場にないことは御理解をいただきたいと思うのでございます。
#223
○佐藤(祐)委員 もう少し大きな声でよくわかるように答弁していただきたいと思います。
 もう時間がなくなってまいりましたから余り詳しく申し上げられませんが、この山梨リニア実験線決定には金丸氏が深くかかわっていたということは、ある意味では周知の事実であります。最終決定はたしか八九年八月だったと思いますが、そのほぼ一年前の国会でのやりとりで、これは参議院の予算委員会で当時の運輸大臣が、「中央新幹線、でき得ればそれを高速で結ぶリニアといったものの構想がこれからますます現実性を帯びてくると思いますし、私たちも真剣にその可能性をこれから検討しなくてはならない、そういう次第だと思っております。」こういう答弁がありましたし、いろいろなことがあるのですが、そういうことも含めながら最終決定まで行くという経過です。そこのところはもう質問はいたしません。
 そこで、ここに「リニア実験線の工事発注について」という文書を私は持ってきております。これは公的なものです。どの部分をどのジョイントベンチャーが担当しているか。区間は十二区間ですね。これはもちろん鉄建公団の分とJR東海の分がありますが、それぞれ詳細に企業名も書いてあるというものなんです。
 そこで、鉄建公団に来ていただいていると思いますが、この入札はどういうふうに行われたがその点についてお聞きしたい。
#224
○峯本参考人 お答えいたします。
 競争入札に参加する者をあらかじめ指名いたしまして、その指名業者間で競争入札をさせる、いわゆる指名競争契約を採用いたしております。
#225
○佐藤(祐)委員 今度の実験線の工事分担については実にうまく分配されている。有力ゼネコンが重ならずに担当していっているわけですね。これがどうしてこんなにうまくいくんだろう、背後に談合でもあったのではないかというような疑問も提起されているわけですが、指名入札の指名に当たっての選別はどういう基準でやられたのですか。
#226
○峯本参考人 お答えいたします。
 山梨実験線の工事は指名競争入札で行われておりますが、指名に当たっては会社の技術力や実績に基づいて業者を選定しております。したがいまして、入札も適当に行われている、公団として意図して割り振ったとかそういうことはございません。
#227
○佐藤(祐)委員 見事にうまく分担が行われているわけですよ。今の私の提起した疑問に対する答弁にはなっていないと思いますが、次に進めます。
 それで、リニア実験線の受注というのは全く新しい技術開発といいますか、つながっていくわけですね。これは運輸省への質問ですが、鉄道局からいただいた資料ですね、暫定技術基準というのを定めていろいろ事業をやっている、建設を進めているということですが、この実験線の工事に参加すればそういう技術水準を身につける上でも非常に役に立つといいますか、そういうことになるわけですね。どうですか。
#228
○秦野政府委員 ただいま先生のお尋ねは、暫定技術基準と申しますのは、軌道中心間隔、最小曲線半径あるいは最急勾配、そういったようなものでございますので、いわゆる技術開発というのとは直接は関係ないというふうに認識しております。
#229
○佐藤(祐)委員 私が聞いているのは、リニアの実験線というのは日本では初めてですね。ああいうトンネルとか勾配とか、宮崎とは違うわけですね。そういう条件の中で工事を進めていく上にはいろいろな実験事項というのがあるわけでしょう、私もここに持ってきていますが。そういうのをやれば、それはそれで非常にそれぞれの会社の技術力が試されるというのか、技術を磨く上でよい結果を生むということじゃないかというのを聞いているのです。
#230
○秦野政府委員 あるいはちょっとお答えにならないかもしれませんが、実験そのものは鉄道総合技術研究所が行うわけでございますので、そういった意味でのノウハウは鉄道総合技術研究所が保持するということになるわけでございます。
#231
○佐藤(祐)委員 私は、路線、トンネルとか路盤とかカーブとか、リニアを通すわけですから、いろいろこれまでの鉄道とは違った技術水準も要求されるということだと思うのですよ。そうでしょう。そのことを聞いているのです。
#232
○秦野政府委員 リニアに伴います新しい技術というのは当然あるわけでございます。
#233
○佐藤(祐)委員 ここに十一も新たな実験項目というのがあるのですよ。これは正式の文書ですよ。
 もう時間になりましたから、最後にこれは大臣にやっぱりお聞きしないといかぬと思いますが、つまり建設に当たってこれだけの新技術、新実験もやるわけです。そこにゼネコンが参加しておられる。同時にこの実験線というのは、まあこれは決まっていませんよ、将来中央リニアが決定した段階ではその一部になるということが前提条件になっているということですね。だからこの実験線に参加しておくことは、企業にとっては今後あり得る全体の新幹線、中央リニア新幹線、こういうものの工事も担当していく上でも有利な技術なり実績を得ることになると思うんです。これは別に普通の意味でそうだと思うんですね。
 それで問題は、だから今度の実験線をめぐって金丸氏への献金が、巨額の献金が行われたのではないか、明らかにそういうことを言うような文書、文書といいますか報道とかある場所での発言とか私は幾つも持ってきておりますが、それを一々紹介する余裕はありませんけれども、リニア参入の見返りとか情報欲しさにやみ献金とかいろんな見方もされているわけですね。
 私は最後に運輸大臣に強調したいのは、やはり大事なプロジェクトですから国民から疑惑を持たれないような工事、こういうことをやる必要があるし、問題があるならば運輸省みずからが明らかにしていく、そういうことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#234
○越智国務大臣 いろいろお話がございましたが、このリニアの建設につきまして、談合があったとかあるいは贈収賄があったとか具体的にこの工事で献金があったとかいう、具体的な問題がありましたら別でありますけれども、それ以外は、いろいろ週刊誌等で書かれたこともあるであろうと思いますが、それは想像の域を脱しない。でございますから、事実関係に基づいてやらなければいけない、かように思います。
 それからもう一点は、新しい工事だからそのことが非常に経験になるということは事実でしょう。経験になるでしょう。なると思いますけれども、これは鉄建公団なりJR東海なりが発注したものでありますのでありますが、やはり日本のゼネコンの中で優秀な人を指名してやったわけですから、特別に特別な人を指名したということではない、私はこういうふうに信じております。どういう仕事にしても、やりましたらそれは確かに経験になるでしょう。なるでしょうが、それによって、まだわかりませんけれども、中央新幹線を今後やるといたしましても、確かに経験にはなるが、それではその人だけでやるかといったらそういうことでもない。私はこれは不適当な言葉であって、ちょうどそれがそれにつながっていくということではない、こういうふうに私は確信をいたしております。
 とにかく優秀な業者を指名して、その人が落札をして、それから分け合った、こう言いますが、みんなが一つずつといていたら、まあ新しいものですから二つ三つを一社がとるというようなことにも私は自然的にならないんじゃないか、こういうふうに思いますのでございますから、このことはまことに公平に適当に行われた、こういうふうに信じております。
#235
○佐藤(祐)委員 それは運輸省がそうだと私は言っているんじゃなくて、そういう思い込みもあって献金もやられているんじゃないか。事実に基づいてやらなきゃいけませんから、その意味でやっぱり調査が必要じゃないかということを申し上げた。
 終わります。
#236
○森田委員長 次回は、来る五月十一日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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