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1993/04/16 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第13号
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1993/04/16 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 商工委員会 第13号

#1
第126回国会 商工委員会 第13号
平成五年四月十六日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
  委員長 井上 普方君
   理事 新井 将敬君 理事 井出 正一君
   理事 金子 一義君 理事 額賀福志郎君
   理事 山本  拓君 理事 竹村 幸雄君
   理事 安田  範君 理事 遠藤 乙彦君
      甘利  明君    岩村卯一郎君
      尾身 幸次君    古賀 正浩君
      田辺 広雄君    谷川 和穗君
      中島洋次郎君    増岡 博之君
      増田 敏男君    村田 吉隆君
      渡辺 秀央君    江田 五月君
      清水  勇君    鈴木  久君
      武藤 山治君    安田 修三君
      吉田 和子君    和田 貞夫君
      春田 重昭君    小沢 和秋君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  森  喜朗君
 出席政府委員
        経済企画庁調整 柳沢  勝君
        局審議官
        通商産業大臣官 江崎  格君
        房総務審議官
        資源エネルギー 黒田 直樹君
        庁長官
        資源エネルギー 荒井 寿光君
        庁公益事業部長
        中小企業庁長官 関   收君
        中小企業庁計画 桑原 茂樹君
        部長
        中小企業庁小規 井出 亜夫君
        模企業部長
 委員外の出席者
        大蔵省主計局調 田村 義雄君
        査課長
        通商産業省機械 中川 勝弘君
        情報産業局次長
        商工委員会調査 山下 弘文君
        室長
    ―――――――――――――
四月十六日
 大規模小売店舗法の規制強化に関する請願(小
 沢和秋君紹介)(第一六二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支
 援に関する法律案(内閣提出第二六号)
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四六号)
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案並びに中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井出正一君。
#3
○井出委員 井出正一でございます。我が党に与えられました一時間を中島君と半分ずつ、前半特に中小企業金融関係について私は御質問を申し上げたいと思います。
 この十三日に政府は総合経済対策を事業規模で十三兆二千億という史上最大という政策を打ち出したわけでございますが、本予算成立の直後であること、何で補正予算に組み込めなかったのだ、財政の硬直化といった点を問題とする向きも確かにあります。また野党の委員の皆さんから所得減税を盛り込んでいない点が遺憾だというような批判もあることも確かですが、これは、その効果とか赤字国債を出していいのかといったような大きな問題もございますから、今後の推移を見ながら与野党協議をすることでこのところはいいんじゃないかな、私はこう考えております。
 また、一部では景気の底入れの兆しが見えてきて、ここで対策を打つことでバブルの再現のおそれはないかといった危惧をする向きもございますけれども、私は総じてこの時期にこれだけのことをすることは必要だと思いまして評価するものでありますし、また大変期待も大きいことも事実じゃないかなと思います。
 そこで中小企業関係に入ります前に、ちょっと全体の関係でお聞きしておきたいのですが、いおゆる十三兆二千億円という大きな額になるわけですが、実際の需要となってGNPの増加につながる部分、要するに真水といったらいいんでしょうか、これはどのぐらいになるんでしょうか。二、三日前の日本経済新聞は五兆四百億といったような数字を出しておりましたが、政府の方はどんな見積もりを立てていらっしゃるのかということと、もう一つは、昨年の経済対策も早くに決めながら実際に補正予算が成立したのは暮れになって、効果が半減どころか大変なくなってしまったわけです。その轍を踏んではならぬという意味では補正予算の早期成立がぜひ必要だと考えるわけですが、その一般会計予算の歳出に当たる部分というのでしょうか、補正予算の規模あるいは額、それがどのぐらいになる見込みか。きっとこれから積み重ねていくのでしょうが、現在のところ把握している点につきまして、これは大蔵省にお聞きしようと思っているのですが、大蔵省いらっしゃいますか、お願いします。
#4
○田村説明員 御質問のまず最初の真水の点でございますが、五兆四百億円という数字、私どもも新聞で拝見したわけでございますが、真水という概念自体が実は論者によってまちまちでございまして、何をもって真水というかというはっきりした定義はございません。したがって、私どもといたしましても、無用の混乱を招くこともございますので、真水が幾らといった整理はいたしておりません。
 ただ、景気浮揚、景気対策に資するということでございますから、景気浮揚の観点から今回の事業規模、おっしゃられたような十三兆円を超える規模、この事業規模が全体として我が国経済の内需中心のインフレなき持続的成長の実現に資するというふうに考えておりますが、特に今回の対策が向こう一年間の実際のGNPにどの程度効果を与えるのだということにつきましては、今回の事業規模から例えば用地費に回る部分とか、あるいは中小企業金融の中でも運転資金に回る部分とか、こういった部分を除きまして、除いたものに企画庁の世界経済モデルの乗数を掛けますと、大体今後一年間のGNPを二・六%程度押し上げるというように試算をいたしております。
 それからもう一点、補正予算の規模ということでございますが、ただいま先生からもお話ございましたように、今回の総合経済対策をともかくできるだけ速やかに実施をするというためには、今般対策の中で予算措置が必要なものが多々ございますので、これらについては早急に補正予算の編成に着手いたしましてこの国会に提出いたしたいと考えておるわけでございます。
 補正予算の内容等については今具体的な検討を早急に進めているところでございますが、規模がどのくらいかという御質問につきましては、まだちょっと、対策内容が決定されたばかりでございます。国の一般会計、地方の単独あるいは財政投融資、いろいろ多岐にわたってございますので、現在の段階で具体的な規模あるいは内容、財源等についてはまだ何とも申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても、景気の足取りを確かなものにするというこの対策の趣旨にかんがみまして、できる限り早く今国会に提出すべく具体的な作業を行ってまいりたい、このように考えております。
#5
○井出委員 中小企業は、御案内のようにいわゆるバブル期に長期借り入れを中心に大変な借り入れの拡大がありまして、その結果、借り入れ依存度は上昇いたしました。それが平成元年以降の金融引き締め期になりますと、金利の負担率が大変上昇して経常利益を大変圧迫していることは御案内のとおりであります。
 そしてまた、調整局面に入ったのはどちらかというと大企業が先行しておりましたが、昨年になりますともう中小企業は売り上げの大幅な減少、あるいは人件費、金利の負担等によりまして営業、経常利益とも大幅に減少しまして、今や大企業以上の深刻な状況にあることは、例えば政府から発表されております景況判断指数なんかでもはっきり出ておるわけであります。
 そうしますと、政府系金融機関による貸し出し、特に運転資金を中心にこれが大幅にまた伸びてきておることからもはっきりするわけですが、いよいよ政府系金融機関の役割は大きくなると思いますし、同時に、まだ圧倒的に民間金融機関の役割があることは一方で事実なんですから、円滑な中小企業への金融対策がなされなくてはならぬということがいよいよ重要になってくる。そんなところでこの経済対策が打たれ、特に中小企業関係も随分いろいろな方策がなされておるようであります。
 先日、議員の質問に森大臣は、関長官の顔色を見てください、にこにこされているからしっかりしたものができたんですよ、こんな答弁があったわけでありますが、総合的な経済対策の中の中小企業関連につきましては、運転資金の調達の円滑化、信用保証の充実あるいはまた設備投資の促進が三本の柱と言われておりますが、私はこの場合、前の二本につきまして若干政府の出された対策について御説明をしていただきたいと思います。
 まず、中小企業運転資金の調達の円滑化につきましては中小公庫、国民公庫等の一般貸し付けの貸付限度額の倍額化及び貸付限度の拡大、二番目として中小企業運転資金特別貸付制度の創設、三番目として緊急経営支援貸付制度の拡充、これは中小企業体質強化資金助成制度に基づくものであります。もう一つ、四番目として返済資金緊急貸付制度の創設と、創設が二本、拡充が二本挙げられておりますが、それぞれについて、少し具体的に御説明いただきましょうか。
#6
○関政府委員 先生最初に御指摘ございましたとおり、現在中小企業の経営状況は極めて厳しい状態が続いておるわけでございます。そうした中で、資金繰りあるいは資金調達についての困難さも極めて深刻なものがあるわけでございます。しかも、その中で運転資金を中心とする資金調達の需要が強いということでございまして、今回の総合経済対策の柱の一つが運転資金調達の円滑化ということでございます。
 今先生お尋ねの四つの対策につきまして、概略御説明申し上げたいと思います。
 一つは中小公庫、国民公庫の一般貸し付けの貸付限度の倍額化という点でございます。これにつきましては、中小公庫、国民公庫については一企業当たりの貸付限度が一応決められておるわけでございまして、通常中小企業金融公庫ですと一企業当たり四億円、国民金融公庫ですと四千万円ということになっておるわけでございます。
 これにつきまして昨年八月の総合経済対策でそれぞれ五割アップいたしまして、中小公庫六億円、国民公庫六千万円までということで、しかもそれは本年九月までの措置ということにいたしたわけでございますけれども、今回御決定いただきましたのは、それをさらにふやしまして、中小公庫については八億円まで、国民公庫については八千万円までお貸しすることができるようにしよう、しかもその措置は五年度末、来年三月末まで適用を継続しようというのが内容の一つでございます。なお、これにつきましては特段の予算上の措置を必要といたしませんので、手続が済み次第、早急にこれを実施に移したいと考えておるところでございます。
 それから、二番目の柱でございます中小企業運転資金特別貸付制度でございますが、先ほど来申し上げておりますように、中小公庫におきましては低利の運転資金の需要が極めて強いということでございますので、中小企業金融公庫、国民金融公庫、沖縄公庫、商工中金の四つの金融機関に運転資金を、一定の条件のもとではございますが、安い金利でお貸しする制度を新たに創設しようということでございます。なお、これにつきましては、当然予算上の措置を待って実行に移すものだと考えておるわけでございます。
 それから、三番目の緊急経営支援貸付制度でございますが、これも実は昨年八月の経済対策におきまして措置がなされておるわけでございます。簡単に御説明いたしますと、国、いわば信用保険公庫と都道府県とが保証協会にお金を預託いたしまして、そのお金を保証協会は金融機関に預託をし、それの何倍かについて融資をしていただく、それに対して信用保証協会は保証するというスキームで行われておるものでございます。
 昨年の総合経済対策では二千億円の規模ということで、補正予算の成立が昨年の十二月十日でございましたので、十二月十四日からスタートをいたしたわけでございます。この二千億につきまして、私どもの計画としては、平成四年度中約八百億円、平成五年度千二百億円ということで本年もこれを継続して実施いたしておるわけでございますが、これについて新たな枠を追加しようというのが今回の中身でございます。しかも、従来の一般的な景気対策に加えまして、二つの新たな貸付対象を加えようということにいたしております。
 一つは、経済的環境の変化に対応し大企業等が経営の合理化等を進めることにより、経営に不安定を生じている下請中小企業、いわばリストラ下にございます下請中小企業、あるいは最近におきます円高によりまして輸出減等の問題から経営に不安定を生じている中小企業の方々、こういった方々に対する融資も新たに加えようということにいたしておるわけでございます。これにつきましては、現在は三・八%プラス・マイナス一%の範囲内で都道府県がお決めになる金利でお貸しをするということになっております。これについても、追加分については予算措置が必要になるわけでございます。
#7
○井出委員 どのくらいの額を。
#8
○関政府委員 額についてまだ確定したわけではございませんが、私どもの心づもりといたしまして、新たに二千億円程度追加をさせたい。それから、先ほど申し上げました中小公庫等の運転資金特別貸付制度につきましては、七千億円程度を計画いたしているところでございます。
 最後に、返済資金緊急貸付制度についてお尋ねがございました。これは、政府系中小企業金融機関で既にお借りになっているケースにつきまして、非常に金利の高い時代にお借りになっておられてその金利負担が非常に重い、しかも経営上は赤字でなかなか元利金の返済に困難な状態にあるという方につきまして、四・九%でその返済のために必要な資金を新たにお貸しする制度をつくろうということでございます。これにつきましても、特段の予算上の措置を必要といたしませんので、政府部内の手続が済み次第、実行に移したいと考えておるところでございます。
#9
○井出委員 赤字企業の担保についてはどうですか。
#10
○関政府委員 そういった状態でございますので、四番目の柱でございます返済資金緊急貸付制度につきましては、担保の徴求につきまして極力弾力的にやろうと。一般的に申し上げれば、借りかえのための返済資金を融資いたします場合に、原則として新たな担保を徴求することはないというような運用でやってまいりたいと考えておるところでございます。
#11
○井出委員 もう一つ、中小企業信用保険法がこれからこの委員会で審議されるわけですが、これに関係する問題で、信用保証の充実等という対策が三本挙がっております。
 中小企業信用保険法の特定業種指定の弾力的実施、これは具体的にはどんな形で進むのかということと、政府関係中小企業金融機関からの融資に対する信用保証協会の保証の弾力的活用、政府系機関でこの保証協会の保証を使っているという例を私は余り聞いていなかったのですが、この点もうちょっと詳しく御説明いただきたいということと、保証つき融資の拡大、これは出資を行うわけですが、どのくらいの額を考えていらっしゃるか、これについてお聞きしたい。
#12
○関政府委員 今先生から信用補完の関係で三つの点のお尋ねがございました。
 まず第一の中小企業信用保険法の問題でございます。これにつきまして、御案内のとおり今信用保険法の改正案をお願いいたしておりますが、改正前の状況におきましては信用保険公庫が引き受けます保険につきましては、普通保険が一億二千万円、それから無担保保険が千五百万円、特別小口保険が四百五十万円ということでございました。これを普通保険については二億円に引き上げる、無担保保険については二千万円に引き上げる、特別小口保険について五百万円に引き上げるという改正を今お願いしているわけでございます。
 これらの運用に当たりまして、中小企業信用保険法第二条第三項第五号に該当する、簡単に御説明いたしますと非常に不況のために経営状況が厳しいというものについて業種を指定いたしますと、今申し上げました保険の引受限度額のそれぞれ同額を別枠として追加することができる、すなわち二倍にすることができるという制度がございます。
 今回、例えば改正前で申し上げれば無担保保険は千五百万円でございますから、この業種に指定されますと、担保は必要ない、保証人だけで保証いたしますというのが千五百万が三千万になるわけでございます。幸いにして今回法律の改正を承認いただければ、二千万になるだけでなく四千万まで保証人だけで借りられるということでございます。そこで、今のような状況にかんがみまして、この特定業種の指定を弾力的に実施し、この対象業種を広げていこうというのが一つの内容でございます。
 それから二番目には、政府関係中小企業金融機関からの融資に対する保証協会の保証の弾力的活用でございます。これについて政府系金融機関は、原則として保証協会の保証による融資というのは従来行ってきていなかったわけでございます。全く例がないわけではございませんが、非常にわずかの件数でございます。そこで、今のような状態では政府系金融機関から借りられる場合におきましても、担保の問題から融資がなかなか受けにくいというケースがございます。例えば一億円借りたいのだけれども担保の評価は八千万円しかないというような場合に、場合によってはその二千万円について保証協会の保証でもお貸しできるようにしようというのがこの制度の趣旨でございます。
 それから、三番目の保証つき融資でございますけれども、これにつきましては、信用保険公庫が保証協会に預託をいたしまして、その預託された金を信用保証協会が銀行に預ける、その数倍についてまた中小企業に運転資金等を貸し付けることができるという仕組みでございまして、その場合に保証協会が保証するという形になっているわけでございます。これについて信用保険公庫への出資をふやそうというのが今回の内容でございます。具体的な出資の額についてはまだ確定いたしておりませんが、おおむね数十億円の規模で出資を行うという予定になっているところでございます。
#13
○井出委員 信用保証状況につきましては、こういう景気でございますから、申し込み件数も保証承諾件数もこのところ大変ふえてきましたし、平成四年九月末には保証債務残高が二十二兆五千億、中小企業が全金融機関から借りている残高が約三百十数兆円ですから、七・数%にまで達しているというわけでございますが、この数字をどう見るかという問題であります。こういう時期ですから、上がるのは当たり前だというふうにはもちろん思うわけでございますが、代位弁済額もここへ来て大変ふえておるようであります。本年二月末では、もう二千八百億円くらいだそうでありまして、過去最高だった昭和六十年度の二千二百億をも一月残してオーバーしてしまっている。となりますと、例えば公庫あるいは協会の財政状況が危惧されるわけでございますが、その点どうでしょうか。
#14
○桑原政府委員 現在のような経済状況でございますので、御指摘のとおり中小企業が信用保証協会に行って保証を受けたいというケースが非常にふえております。三年度で百二十一万件でございまして、四年度においては百四十一万件になるというふうなことでございます。我々としては、こうした中小企業者のニーズに的確にこたえるような体制でやっていきたいと思っております。
 御質問の代位弁済でございます。代位弁済につきましては、やはりこのような経済状況でございますので、相当ふえておるのは御指摘のとおりでございます。ただ、代位弁済率ということで全体の信用保証の残額に占める代位弁済額の率でございますけれども、現在一・三%なり一・四%台くらいで動いております。過去一番高かったのが二・八%というようなことでございます。最近代位弁済がふえておりますので、信用保証協会の財務体質も少し厳しくはなっておりますけれども、過去のピークに比べますとまだ低い水準にあるのも事実でございまして、我々としては、何とか全体としてのシステムは乗り切っていけるのではないかというふうに考えております。
#15
○井出委員 そんな状態に対応すべく今回の限度額の引き上げの一部改正案が提出されたと思うのでありますが、大変な引き上げ額で中小企業者は喜んでおることを私は地元でも耳にします。特に弱い立場の人たち、特にその借りている種類が無担保とか特別小口の皆さん、この限度額が今度の改正案でいきますと、無担保の方が千五百万から二千万、特別小口の方が四百五十万から五百万となるわけです。これはもっと引き上げてやるべきだというような意見も一部にはありますが、この協会というのは、一方ではそういう経済的に弱い皆さんの信用力、担保力を補てんするという役割と、やはりこれをきちっと運営していくためには健全な財政状況を保持しなければならぬ、二つのバランスの上に立っているわけなんです。もしもっと上げるとしたら、収支バランスの上でどんな影響が出るか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#16
○関政府委員 最初に、現在のこの保険制度の利用状況についてちょっと御報告申し上げたいと思いますが、現在の信用保険制度の利用状況でございますけれども、一中小企業者当たりの平均の保証債務残高は約千三百万円でございます。また、その残高の分布を見てまいりますと、二千万円以下の保証債務残高を有する中小企業は大体全体の八九%、それから一億円以下では全体の九九%という状況にございます。今回このような状況の中で、法改正後につきましては二億円まで、ケースによりましては、普通保険と無担保保険合わせまして二億二千万円まで保証が可能になるわけでございますので、今の状況のもとではかなり配慮された水準ではないかと私どもは考えておるところでございます。
 次に、付保限度額につきまして、実は前回改正いたしましたのが五年前でございます。五年前に改正いたしましたけれども、五年しかたっていない状況下で、先生御案内のとおり、普通保険については一億二千万円から二億、無担保保険については千五百万円から二千万円、特別小口保険については四百五十万円から五百万円という引き上げを行おうとするものでございまして、この五年間のいろいろな指数等を見ましても、資金需要には十分こたえ得るものではないかと考えておるわけでございます。
 一方、さらにこれを引き上げるといたしますと、脆弱な中小企業の利用が多い特別小口保険、いわゆる無担保保険というのは、事故が起こりました後の回収率が非常に低くなっておりまして、この二つの保険については保証協会、保険公庫とも保険収支が赤字になっている状況でございます。したがいまして、もしそういう状態でこれをさらに引き上げるといたしますと、保証協会といたしましては、さらなる収支悪化への懸念から、本当に保証を必要とするようなニーズのあるような中小企業の方に対して行うべき保証にどうしても消極的にならざるを得ないのじゃないかということを私ども大変心配をしているわけでございます。
 最後に、先ほどもちょっと御報告申し上げました今回の総合経済対策におきましては、指定業種、景気の状況が非常に悪い業種につきましては、付保限度額は二倍となるような措置を講ぜられることになっておりますので、これらも活用していただきまして、現下の資金需要にこたえていただきたいというのが私どもの考え方でございます。
#17
○井出委員 数日前、実は私の高等学校の後輩で長野県の商工会連合会でこの任務に当たっているTから手紙をもらいました。こんなふうに書いてあったものですから、ちょっと御披露させていただきます。
 本県の場合(他都道府県もほぼ同じかと推察さ
 れますが)、県下唯一の保証協会であります。
 で、過去には、長期的な中小企業育成策あるい
 は景気対策等に必ずしも沿わない各出先の判断
 基準により運用がなされていた、との批判も一部商工会議所、商工会からございました。
  そのため、制度融資がタイムリーに創設、増
 枠されても保証承諾が得られず、折角の制度融
 資が利用できないとの苦情も時にはありまし
 た。
  ただし、金融における信用状況等は個別案件
 毎に判断しないと一概にはどうとも言えない面
 もあり、更に、一つの出先で代位弁済が異常に
 増加し、監督機関からの指導による対応もあっ
 たようです。
  しかし、昨年末、県制度の中に創設された緊
 急経営支援資金などは、非常に円滑に保証承諾
 が得られ、苦況にある中小企業者に有効裏に活
 用されている、との声が高まっているなど、全
 般的には順調に運営されてきているかと思われ
 ます。
  ただ、状況判断は前期のとおり難しい点はあ
 りますが、原則、無担保あるいは無担保・無保
 証の枠の中でも、企業によっては、担保、保証
 人を徴求される場合もかなりあり、原則通りの
 運用を望む声もあります。
  いずれにいたしましても、私共、小規模事業
 者指導に携わる者といたしましては、この制度
 は、営業ベースに乗らず当然危険度の高い金融
 補完制度でありますので、中小企業育成のだ
 め、制度の趣旨に沿って、国におかれましても、
 予算面での格別のご配意をいただき、信用公庫
 の利用率が低い水準で厳しく運営されることな
 く、現場で有効に活用できるようお願いいたし
 たいと存じます。申し添えておきます。
 時間がそろそろ終わってしまいました。私は、実は大学を出て、二十年間ぐらい地方にありまして中小企業に従事しておりました。商工会の役員も経験をいたしました。商工会あるいは商工会議所が最近地域の経済で非常に重要な役割を果たすようになってきたこともよく承知しております。そのため、今回の商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案につきましても、大いに関心もありますし、地元の商工業者からも大いなる期待を寄せられております。
 質問をと考えたのでありますが、実は、これからやる中島洋次郎君は、御尊父が我が党の中小企業調査会の兄会長さんで、中小企業に大変御尽力くださった方でありまして、昨年補欠選挙で出てこられて、きょうは委員会で初めての質問をこの問題に絞ってやっていただくことになっておるものですから、この法律に関しましては中島君にバトンをタッチいたします。
 森大臣にお聞きできなくて残念でございますが、これで終わります。どうもありがとうございました。
#18
○井上委員長 中島洋次郎君。
#19
○中島(洋)委員 自由民主党の中島洋次郎でございます。私は、我が国産業界を取り巻く諸情勢とその対応策、さらには小規模事業者への支援を促進するための新たな法律案などについて質問をいたしたいと思っております。
 先ほど井出先生もおっしゃいましたように、近年、我が国の経済は、バブル経済崩壊後、大変に厳しい経営環境が続いているわけでございます。自由民主党といたしましても、このような経済状況を克服しようと、また産業経済界全体を活性化しようと、去る十三日に緊急の総合景気対策を策定いたしたところでございます。また、政府におかれましても、同じ日に一兆九千億円の中小企業対策を含みます合計十三兆円を上回る総合的な経済対策を閣議で決定されたところでございまして、通産省が森大臣を先頭にして景気対策に全力を挙げて取り組んでおられることに心から敬意を表する次第でございます。
 しかし、こうした中にありましても、産業界にありましては不景気に加えて円高が追い打ちをかけた格好の業界、輸出の関連業界が大変に苦しい、特に苦しい状況が引き続き悪化しているわけでございます。その代表が家電メーカーと自動車メーカーと言えるかと思うわけでございますが、自動車メーカーの中には、円が一円上がりますと年間で五十億円もの損が出るという計算も出ております。座間における自動車工場の閉鎖というショッキングな事件も記憶に新しいところでございます。
 自動車産業と申しますのは、そのすそ野の広いことにおきまして関連産業への波及効果、また協力会社など小規模事業者が大変多く関係があるという面におきましても、その影響力において我が国を代表する基幹産業の一つと思うわけでございますが、この業界に対しまして、政府は現在貿易面におきましては輸出の自主規制、この枠をさらに削減するよう要請しております。また、税制面におきましても大変に高い税金を課しております。
 詳しくは申しませんが、この取得、保有さらに使用という三段階において九種類にも及ぶ先進各国では例を見ない税金をかけておりまして、これが消費税につきましても、本来三%の税率が自動車においては四・五%、ほかの税率も暫定税率と称して本則より高い税金が課せられているわけでございますし、また、つい先日には、労働省の方から自動車メーカーは工場を閉鎖することがあっても雇用は守ってほしい、そういった要請もあったというふうに聞いております。政府がさまざまな負担をこの業界に課しているのが現状と思うわけでございます。こうした負担が基幹産業である自動車産業の立ち直りを阻害して、経済全体に与える影響を私は懸念するわけでございます。
 そういった観点から、通産省として何らかの緊急また特段の対応を講じてしかるべきではないかと感じるわけでございますが、この点に関しまして通産省としてどのようなお考えを持っているか、お聞かせを願いたいと思います。
#20
○中川説明員 先生御指摘のように、自動車産業は我が国の基幹産業でございまして、その健全な発展は我が国の経済のみならず世界経済の動向を左右する大変大事な産業だと考えております。御承知のように、自動車産業はこの八〇年代後半に大変需要が伸びまして、特にバブル期に高級車、大型車の需要が伸びた反動で、ここ二年ばかり戦後初めての前年割れという販売の状況になっておりまして、大変深刻な経営状況に直面しているところでございます。
 長い目で中長期を考えましても、日本の免許の保有者人口もそろそろ飽和点に達しつつあります。また、道路等のインフラ状況も考えますと、これまでのような右肩上がりの需要の増加は見込めない、そういう意味では大きな転換点に来ているのではないかという気がするわけでございます。こうした事態に対応するために、自動車メーカーはそれぞれ大変な自己構造改善努力を行っておりまして、車型の数を減らす、あるいは部品を減らす、また部品の共通化を行っていくということで大変な御努力をしているところであります。
 また、海外環境を見ましても、御指摘のように、最近の急激な円高でますます輸出環境は厳しくなっております。また、自動車関連の貿易インバランスを背景にしまして、欧米諸国から日本車の存在に対する大変厳しい要請があるわけでございます。言うまでもありませんけれども、自動車産業は各国にとってもそれぞれ基幹の産業でございまして、共存共栄を図っていくということが大事だと思っております。
 したがいまして、私ども、従来から対米乗用車の輸出自主規制あるいはEC向けについてはモニタリング措置等の実施を図ってまいりました。各メーカーも、欧米との貿易摩擦の回避ということで、外国製自動車部品の購入の拡大あるいは外国車の輸入機会の拡大等の最大限の努力を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、大変重要な産業でございますし、関係する産業のすそ野も広うございますし、また雇用の数も大変大きな雇用人口を抱えておるわけでございますから、この自動車産業が健全に発展をしていくことは大変大事なことだと私どもは思っております。先ほど申し上げました自動車業界の構造改善努力を側面から支援して、私どももこの健全な発展に万全を期したいと思っております。
#21
○中島(洋)委員 ありがとうございます。
 自動車は生産額では我が国製造業の一三%、また雇用で見ますと我が国全就業人口の一割に当たるわけでございまして、広範な中小関連企業が各分野においてかかわっておりますので、ぜひともこれは一業界としての問題ととらえずに、日本経済を立て直すという観点から政府の御努力をお願いしておきたいと思うわけでございます。
 さて、このような厳しい経済状況下におきまして、このたび小規模事業者への支援を促進するための新規の立法案が政府より提出されたことにつきましては、我が国の産業構造を強化するという面からもまことに時宜を得たものと評価する次第でございます。小規模事業者は我が国事業所全体の八割を占めまして、日本経済の発展に大きく貢献してきたわけでございますが、近年、この小規模事業者の開業率が低下してきているというふうに承知しております。
 その要因につきまして、通産省としてはどのように考え、どのような対策を考えていらっしやるのか。私としましては、日本経済の活力の源泉でございます小規模事業者の創業対策が講じられてしかるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
#22
○関政府委員 先生御指摘のように、ある国の経済の活力を考えます場合に、新規創業が行われ、マーケットに活力をもたらすということは非常に重要なことだと考えております。我が国におきましても、これまで中小企業、特に小規模企業がそういった役割を果たすと同時に、地域経済におきましても主役の役割を果たしてきたわけでございます。
 しかしながら、最近の状況を見てまいりますと、それぞれ開業と廃業とあるわけでございますけれども、開業率が長期的に緩やかな低下傾向を示す一方で、廃業率はほぼ横ばいという状態でございまして、近年におきましては特に、製造業の従業員四人から十九人の規模におきましては廃業率が開業率を上回るという状況になっておるわけでございまして、大変心配されるところでございます。
 なぜこのように開業率が下がってきているかということでございますが、私どもとしては、我が国のアントルプルヌールシップと申しましょうか、企業家精神は引き続き極めて旺盛だと確信をいたしておるわけでございますけれども、新たな開業をいたします場合には、最近におきます消費者ニーズの高度化でありますとか技術革新、情報化といった大きな環境変化の中で必要とされる経営資源というものが極めて高度化している。すなわち、必要な資金におきましても、必要な技術におきましても、必要な人材におきましても極めて高度なものが求められてきている、こういったことが原因ではないかなというふうに考えているわけでございます。
 そこで、中小企業施策といたしましても、特にそういった面で新たな開業をお手伝いするという制度をいろいろ考えているわけでございまして、例えば金融面で申し上げますと、地域中小企業活性化貸付でありますとか地域中小企業新事業開拓貸付でありますとか、あるいは従業員の方が独立をいたします場合の従業員独立開業貸付といったような貸付制度がございます。また、先ほどもちょっと御報告いたしました信用保険制度の中に新事業開拓保険というものもございまして、付保限度額が一億五千万円まで、てん補率も八〇%といったような保険面、特に担保の面での補完もいたしているわけでございます。
 それに加えまして、本年度におきまして、今御審議をいただいております商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律、この法律が幸いにして御承認いただけますならば、地域におきまして新たな創業、あるいは従来の事業をやっておられた方が新たな分野に進出するということにつきましてもいろいろな形でお手伝いができるということで、非常に有効な策ではないかなと思っております。
 また、これに関連いたしまして、平成五年度におきましては、中小企業設備近代化資金貸付制度というのがございますけれども、その中に創業枠というものを設けたいと思っておりますし、また新たな創業等々を商工会でありますとか商工会議所が行います場合に、その必要な事業につきまして、地域産業創造基盤整備事業の対象ということで、中小企業事業団から無利子の融資または出資を行うことを可能とするような措置を講ずることといたしておるわけでございます。
 こういったようなことによりまして、この旺盛な企業家精神がまたまた発揮されて、日本経済あるいは地域経済に活力が増すというような事態になることを期待し、また、そこを目指して私どもも努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#23
○中島(洋)委員 今回の法律案によります新しい事業におきましても創業者対策が講じられていくというふうに理解いたしましたが、この事業の実施者であります商工会等、特に規模が小さい商工会などにおきましては、国及び県からの補助金では事業に必要な経費が賄えない、自己負担分が大変に重いという声を聞いております。平成五年度予算においては一部補助金について単価の引き上げが図られておりますけれども、この問題について通産省のお考えをお聞きしておきたいと思います。
#24
○井出政府委員 お答えを申し上げます。
 商工会等の事業につきまして、その実施を確保するために国及び都道府県が補助を行っておるわけでございますけれども、私どもこれを小規模事業指導費補助金ということで、年々この額をアップさせていただいております。これに加えまして、さらに自己負担分という形で上乗せをして、経営改善普及事業というものを積極的に推進されること自身は、商工会の事業の活発化という観点から大変望ましいことであろうかというふうに考えておるわけでございます。
 ただし、やはりその負担能力と補助の内容ということについては常日ごろ見直しをしていかなければならないという考えのもとに、実情に即しまして引き上げを図っておりますけれども、平成五年度におきましても、経営指導員の補助対象職員の給与単価の引き上げというものにつきまして実施をいたしました。
 また、小規模な商工会が単独ではなかなか事業が遂行できないというものにつきましては、複数の周辺の商工会というのが共同いたしまして経営改善普及事業を実施できるような広域経営改善普及事業推進費というものを新たに創設したところでございます。
#25
○中島(洋)委員 通産省、中小企業庁の努力は理解いたしますし、評価もいたします。そういった中にありましても、会費など自主努力による財源の確保が難しい商工会などの自己負担の軽減というのは小規模企業対策の推進の上からも必要と考えますので、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、同様に事業実施者の負担の軽減という観点から、基盤施設事業についての手続面についてお伺いいたしたいと思います。
 この基盤施設事業というものを計画して実施に移すためには、少なくとも三つの手続が必要であるということになっております。計画認定の申請、高度化融資の申請、そして債務保証の申請、それぞれこれは制度も別個でありますし、手続自体が別々に行われることは当然理解できますが、これは一括して処理できる体制を整える必要があるのではないかという点が一点。
 また、商工会などがこの基盤施設事業を具体化するには、計画の立案から始まって地域の合意の形成、そして施設の具体的な設計、さらに資金の調達といった大変に多くの作業が必要なんですが、このそれぞれの単位商工会自体、これを処理していく能力的にかなり困難も伴う懸念がある、それを支援していく体制というのは大変に必要ではないかと思います。その準備、どれくらい考えておられるのか、この点についてもあわせてお聞きしたいと思います。
#26
○井出政府委員 まず、基盤施設事業の申請の問題でございますけれども、先生御指摘のように、この関連は三つございます。ただ、この計画の認定につきましては、各都道府県知事に委任事項としてお任せをしようということを予定しております。
 同時にまた、この高度化の融資の問題につきましては、都道府県が窓口になりまして案件の審査を行うことになっておるものですから、都道府県の担当部局の間で密接な連絡をとっていただくように私どもは指導をしながら、事業実施に当たっての負担軽減というものを図ってまいりたいと考えております。
 それから一方、信用保証の問題でございますけれども、これは全国団体の債務保証でございますので、申請先が異なるのはやむを得ないと思いますけれども、これは単会としての商工会、それから県の連合会、それから全国団体というルートを通じましてスムーズな実施というものができるように、負担をかけないような指導を図っていきたいと考えております。
 それから同時にまた、二つ目の御質問といたしまして、基盤施設事業についての計画づくりでございますけれども、計画づくりに当たりましては都道府県の県連の各商工会に対する指導というふうなものもできる体制になっておるものですから、その辺を十分に活用してやってまいりたいと思っております。
#27
○中島(洋)委員 できるだけ事業を実施する商工会などが事業の遂行に専念できるように、手続き面におきましても負担軽減となるよう対応をお願いしておきたいと思います。
 さて、地域産業の経済振興の核となります基盤施設につきましては、できた後もつくりっ放しというわけにはいかないわけでありまして、むしろつくった後、その維持、管理、運営が重要となってくると思うわけでございますが、これは事業としてやっています以上、赤字が生じるなど経営面で立ち行かなくなることも想定され得るわけでございます。
 万が一の経営責任が起きた場合に、直接施設とかかわりのない商工会等の会員にも責任が及ぶことにもなりかねないという危険がありますれば、商工会など内部合意をする上でも障害ともなりかねないという懸念が起きるわけでございます。どのような対応によりましてこの問題を解決しようとしていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#28
○井出政府委員 基盤施設事業でございますけれども、まず基盤施設事業を開始する前提といたしまして、各商工会におきましては経営改善の普及事業というものを適切に実施をしていただき、さらにより活力ある地域づくりという観点から、意欲のある商工会、商工会議所が基盤施設事業を行う場合にはこれを支援するということになっておるわけでございます。
 先生御指摘のように、事業を行う関係上一定のリスクを負うことは不可避であるということでございますけれども、私どももそういう点があることは重々予想をしておりますけれども、商工会、商工会議所みずからが基盤施設事業というものを行う場合には、全国商工会連合会あるいは日本商工会議所が債務保証を行えるような措置をとるとともに、あわせまして商工会、商工会議所がその施設事業につきまして中小企業事業団の極めて優遇された高度化融資が受けられるように手当てをするなど、この資金調達面につきましての円滑化というものを十分に図っていきたいと考えております。
 同時にまた、この計画の認定に当たりまして、事業リスクといいますか、事業の円滑な実施というものが確保される十分な体制があるかないかということについては十分なチェックをしていくつもりでございます。
 それからまた、場合によりましては商工会、商工会議所みずからが事業を行うのではなくて、商工会、商工会議所が事業計画を策定いたしまして、事業計画に基づいて会社や公益法人、他の法人が事業を実施した方がむしろ円滑にいくという場合も多々あると考えられますものですから、商工会、商工会議所以外でありましても会社、公益法人というふうな形で事業実施が図れるような手だてを考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、認定に当たりまして事業リスクを極力少なくするとともに、事業の安定性、確実性という観点について十分なチェックとその合意形成というものを図りながら進めていかなければならないと考えております。
#29
○中島(洋)委員 ありがとうございました。商工会並びに商工会議所本体の経営に支障が生じないように十分な配慮というものを重ねてお願いしておきたいと思います。
 こうした将来に向けての小規模企業のあり方、小規模企業対策のあり方、こういった全般に関しまして、最後に、森通商産業大臣にお越し願っておりますので、お聞かせ願いたいと思いますとともに、森大臣におかれましては党の政調会長また通産大臣であられまして、産業界全般の下部にも至りまして大変に詳しく現状を把握していらっしゃるかと思います。
 先ほど申しましたように、小規模企業者を協力関係において多く抱える家電また自動車メーカー、これが今、輸出関連産業として不景気に加え円高など大変に苦しい状況に置かれている業界がある。そういった苦しい業界を中心にどういった産業政策のかじ取りを行っていくのか。その下には今申しましたように多くの小規模関連事業者がいるわけでございます。そういったことも含めまして大所高所から、高い観点から産業政策のかじ取りなどについて御所見をお伺いできればと思うわけでございます。
#30
○森国務大臣 中島委員にお答えを申し上げます前に、先ほど同僚の井出委員からもお話がございましたように、委員の御尊父は当選以来ずっと商工委員会の重鎮でございました。たまたま、初めて当選をなさいましたとき私と同じ昭和四十四年の同期でございまして、またこういう場で申し上げていいかどうかわかりませんが、群馬県の偉大な指導者でありました福田赳夫先生の門下にも二人ともございまして、同期生として競い合ってきたわけでございます。その中島先生がまさかと思うような本当に早い他界をなさいまして、我々も愕然といたしたわけでございますが、その御子息がこうして見事にお父さんの遺志を継がれて国会に出られる。
 今お聞きしましたらきょうが初質問ということでございまして、それにまた私がお答えをする。通産行政、中小企業についてはまさに中島源太郎先生の領域でありました。どちらかというと私は素人なのかもしれませんが、もしここにお父さんが立っておられたらなと思うわけでありまして、感無量でございます。特にお父さんは自動車産業については我が党唯一の政策を持っておられましたし、それから、きょう御質問をいろいろいただいております中小企業につきましても、私の政調会長時代も中小企業調査会の会長としていろいろと御活躍いただいた、そういう御縁がございまして、お答え申し上げることが本当に私にとっても感無量なものがあるわけでございます。
 いろいろと今委員からお話がございましたように、我が国の事業所の約八割を占めております、日本経済のまさに底辺を支えております小規模事業者、この事業者の数が、先ほどの井出さんのときにもお話があったかと思いますが、平成元年五百九万から平成三年には四百九十万に減少しておるわけでございまして、小規模企業は多様化、個性化する需要への対応、新事業分野への参入、あるいは新技術の商品化等の面で機動的な対応が可能な側面をいろいろ有しておりまして、これまで日本の活力の源泉になってきておられましただけに、こうした現象というのは私どもにとっても、これからの日本の経済についてもかなり懸念をされるところだ、こう思っております。
 実は私は、次の安田委員の御質問の時間にちょっと御迷惑をかけるかもしれませんが、きのうロシアからお見えでございましたフョードロフ副総理と少しお話をさせていただきました。非常にロシアの自主的な経済改革について御関心を持っておられまして、特に通産省の施策に対して大変な関心を持っておられました。
 戦後の日本がこうした形で経済力をつけたというのは、やはり中小企業を育成したことだ、この中小企業は特に地域をつくり上げていったことだ。かつての日本は善光寺のようにお寺や神社を中心にして栄えていった、そういう城下町もあります。もちろんお城もございましょう。しかし、もう一つはやはり、そうした企業が中心になってその地域をつくり上げていった。例えば委員のおられます太田などは、まさに富士重工を中心にした自動車城下町、こう申し上げてもいいのかもしれません。そういう中に、関連の深い、すそ野のいろいろな部品産業や関連企業が栄えていって地域をつくり上げている。私はこういうことを副総理にも申し上げました。
 そして、これからのロシアの経済的な改革、自立は、中小企業を育成することだ、そのために今回宮澤総理が発表いたしました日ロの支援項目の中にも、中小企業の育成という項目を加えてあります、そうしたことを大いに参考にしていただきたい、またそのためにも通産省としてはできる限りのお手伝いも申し上げたい、こうきのうお話をしてきたばかりでございます。
 しかし、同時に、そういうことをロシアに対して申し上げている我が国でも、そうした小規模企業が減少していくという現実、これは日本の経済にとって重要な問題として我々は取り組んでいかなければならぬ、このように考えております。
 今後とも、このような小規模企業の先ほど申し上げたような利点を生かしながら、これら事業活動が継続するとともに、企業規模が小さいことによって起因する不利を克服し、みずからの努力次第でさらなる発展成長をなし得る環境を整備することが我が国国民経済の健全な発展に不可欠でございます。本法の運用等を通じまして、小規模企業の経営基盤の充実を、中小企業庁が中心になって環境あるいは税制面あるいはまた金融面において万般たる基盤をつくり上げていくということが私どもの大事な仕事であろう、このように認識いたしております。今後とも、今回の法律に基づきまして、基盤の充実のために最大限の努力を傾けていきたい、このように考えております。
 どうぞ中島委員も、お父さんの御遺志を受け継いで、中小企業あるいは通商行政に対してなお一層御研さんありますことを御期待申し上げて、お答えといたしておきます。
#31
○中島(洋)委員 ありがとうございました。
#32
○井上委員長 安田修三君。
#33
○安田(修)委員 それでは、私から質疑をさせていただきたいと思います。
 初めに、十四日の当委員会におきまして、去る三月二十七日から四月上旬にかけて読売、毎日、産経三紙に掲載されました資源エネルギー庁の原子力広報についてただしたところであります。当広報は、三紙で五千五百万円の広告料を支払われましたが、原子力機構を通じた資源エネルギー庁の委託事業であったことが明らかであったために、「新聞広告倫理綱領」による「新聞広告掲載基準」から、責任の所在が不明確で、編集記事と紛らわしく、広告であることが不明確なものは掲載できないとして、朝日、日経二紙には実は断られた経緯があったわけであります。
 そこで、当委員会で私は、日本新聞協会の「「新聞広告倫理綱領」制定の趣旨」にあります「広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。」ということを引用いたしまして、「新聞広告掲載基準」に「責任の所在が不明確なもの。」「誤認されるおそれがあるもの。」「編集記事とまぎらわしい体裁・表現で、広告であることが不明確なもの。」は広告として掲載しないという点を挙げまして、これは協会のガイドラインでありまして拘束性はないけれども、社会通念上からも合意が形成されているものでありますから、広告主のない今回の広告は誤りであって、今後は政府の広報であることを明確にして掲載するように求めたところであります。この点は、消費者行政を扱う通産省として、また原子力行政が不透明だと言われない点からも、特にそのことを明確にする必要があるということを実は指摘したわけであります。
 そこで本日、新聞の広告倫理の観点からも、また、消費者保護行政を担当する官庁がこのように行ったという観点からも問題があるということを、改めて私は申し上げたいと存じます。今後、原子力行政の広報をどのように進められるか、改めて大臣にお伺いするところであります。
#34
○森国務大臣 安田委員にお答えを申し上げます。
 通産省といたしましては、従来から、原子力政策につきましては広く国民の理解と協力を得るように、できる限りわかりやすい広報に努めてきたところでございます。今回の企画はそのような広報の一環として実施したものであることは、前回の委員会で委員からの御質問にお答えを申し上げたところでございますが、原子力広報を行うに当たりましては、先生から数々いただきました貴重な御指摘を十分に念頭に置きながら、適切な推進にこれから努めてまいる所存でございます。
#35
○安田(修)委員 ただいまの大臣答弁によりまして、私は、広告掲載主という点、また国民から払われた貴重な税金によって政府が広報で行うわけでありますから、堂々と、国民に誤解のないようにやっていただきたい、このことを要望申し上げましてこの件については終わりたい、こう思います。大臣もうなずいていらっしゃいますので、そのようだと思っております。
 それでは次に、改めて中小二法に入るわけでありますが、そのさきに、政府は十三日に不況回復の三回目の対策を発表されまして、公共投資十兆六千二百億円規模の新総合経済対策を明らかにしたところであります。この中で、社会資本の新たな展開として、景気浮揚効果が大きく、しかも社会資本の立ちおくれている分野への重点的投資をしたと言われているのであります。
 実は我が党も十二兆五千億円に及ぶ緊急経済対策を発表しております。そして、大規模減税、特に所得減税三兆八千億円を盛り込んでいる部分以外はいろいろな共通点も見られるところでございます。しかし政府の対策は、社会資本の新たな展開をどのように系統的に進めるのか、また、その計画はいかようになるのか、さらに、来年度への新たな展開が図られるのか、そういう点では不明確であります。したがいまして、実質経済成長率三・三%の達成を目指すという経済企画庁の当初の目標からしますと、なお不安を取り去ることはできません。そういう点で、経済企画庁の所見を問いたいと思います。
    〔委員長退席、安田(範)委員長代理着席〕
#36
○柳沢(勝)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、この十三日、政府は景気の足取りを確かなものとするために総合的な経済対策を決定したところでございます。
 本対策は、総規模におきまして十二兆を上回る史上最大規模のものとなっております。また、規模のみならず内容におきましても、社会資本整備において新たな展開を図るという方向を強く打ち出しているところが一つの大きな特徴でございます。
 すなわち、今回の景気対策を足がかりにいたしまして、二十一世紀を見据えた「生活大国五か年計画」の一層の推進につながるようにするため、情報化、高齢化等に対応した各分野の整備に意を用いることとしております。また、景気対策の観点からいたしましてもさまざまな分野に幅広く投資を行うことによりまして、その効果が広範にかつ直接的、即効的に及ぶよう、社会資本整備に当たりましては、例えば都市再開発事業の推進でございますとか、教育、研究の高度化、情報化に対応いたしました各種施設の整備などを推進することとしたところでございます
 先生今お尋ねの点でございますけれども、政府といたしましては、今後ともこうした社会資本整備の新たな方向ということが生活大国実現のために極めて重要なことであると認識しておりまして、情報化、高齢化等、社会経済情勢の変化を踏まえた、あるいは今まで日の当たらない立ちおくれている分野というものについての整備を推進することにつきまして、今後とも極めて重要な課題と受けとめておりますので、その方向で投資の的確な配分を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
 また、政府経済見通しとの関連についてもお尋ねがございましたが、最近の経済情勢は、例えば自動車の新規登録台数あるいは住宅着工戸数など多少明るい動きも見受けられるところでございますけれども、例えば百貨店販売の動向などにも見られますように、まだなお予断を許さない状況にあるわけでございます。こうした背景には、循環的要因のみならずバブル経済の崩壊の影響もあるということでございまして、日本経済は依然として低迷を続けております。
 こうした予断を許さない状況に対応いたしまして、政府は先ほど申し上げましたような史上最大規模の総合経済対策を決定、実施する運びとしたところでございます。こうしたことによりまして、公共投資が、既に回復の動きが見られます住宅投資と相まちまして、徐々に景気対策の効果が浸透することによりまして、年度後半におきまして民間設備投資あるいは個人消費支出なども緩やかながら回復の動きに向かうというふうに予想されまして、政府の経済見通しとしております三・三%は実現可能なものと考えている次第でございます。
 なお、減税についての言及がございましたけれども、減税の問題につきましては、今後与野党間で広く財源の確保を図りながら、今会期中引き続き前向きに協議を続けるというふうに承っておりますので、政府といたしましてはその協議の推移を見守りたいと考えている次第でございます。
    〔安田(範)委員長代理退席、委員長着席〕
#37
○安田(修)委員 そこで審議官、いろいろなことをおっしゃいましたが、具体的なのはまだこれからなおかつ詰められるのでありましょう。お金は大蔵省が握っておるのですが、経済企画庁としては日本の経済のかじ取りでありますので、そこで従来の一般的な公共事業ではこれからの景気対策ということにつきますと限界が見えてまいったことは明らかであります。
 そういう点で、与野党ともに新社会資本整備、あるいはまた今回のように、政府では新たな社会資本の展開という表現になっておりますが、来年度予算に経済企画庁としてはそういう点、やはり経済のリード役としてつないでいくのかどうか、この点どうでしょう。先ほど問うておりますが、その点が不明確でありますので。
#38
○柳沢(勝)政府委員 お答えを申し上げます。
 先ほども御説明いたしましたように、今次の総合経済対策につきましては、政府といたしましてはできるだけ速やかに補正予算の策定に取り組み、その速やかな執行に向かってまいりたいと考えているところでございます。その補正予算の策定の中で、先ほど申し述べましたような社会資本整備の新たな展開の方向というものが強く打ち出されてくるものと考えております。
 また、来年度予算につきましてのお話がございましたけれども、来年度予算につきましても、景気対策の観点のみならず、生活大国実現という視点に立ちまして、このような新しい社会資本整備の方向をできるだけ強力に実現してまいるよう、経済企画庁といたしましても努力してまいりたいと考えております。
#39
○森国務大臣 この委員会でも、また予算委員会でも、私からも新しい社会資本の整備をということを御論議をさせていただきましたので、経企庁としては今のような御答弁になるかと思いますが、やはり新しい日本の社会資本をどういう形で整備していくか、今までのこのシェアのあり方が本当にいいのかどうか。何も建設省や運輸省や農林省が持っております。そうした公共事業がもういいとか悪いとかそういうことを言うのではなくて、これはこれで重要なことでありますし、まだまだ日本に足らざるところもある。
 しかし、やはり新しい時代が変化をしておりますし、先ほども経企庁からお話がございましたように、国際化にも対応しなければなりませんし、あるいは高齢化あるいは教育、福祉の面でもいろいろ考えてみると、やはりもう少し社会資本のあり方は一歩違った形で考えてみる必要があるのではないかというのが今回の予算措置であったわけです。そしてまた、そのことが波及効果を大きくしていくのではないか、こういう考え方であったのは御承知のとおりでございます。
 しかし、急に出た話でございましたし、新社会資本そのものの定義づけもできませんでしたし、もう一つは、この補正予算を前提とした追加的政策を組み立てるについては各省からもいろいろな要望がまた出ておりまして、どこまでが新しい社会資本なのかいろいろ論議もあるところでございましたので、我が党としては新社会資本という形で位置づけておりますけれども、政府としては、先ほど先生から御指摘のように、社会資本の新しい展開、こういうふうな形に項目としてきちんと立ててあるわけでありまして、問題はやはり今後だろう、こう思います。経済対策閣僚会議でも総理から御発言がございまして、これは大変いいことだ、これからもこのことは十分考えていかなければいけませんねという御発言がわざわざございました。
 そこで、けさも私は三塚政調会長と一緒になりましたので、党としても社会資本のあり方のようなことをこの際少し検討していただけませんでしょうか、こうお願いも申し上げて、政調会長も、そういう考え方をとらなければならぬなと申しておりました。
 いずれ補正予算を国会でお願いするということになれば、当然この論議が国会でも出てくることにもなるだろうと思いますし、平成六年度の予算編成に当たっての概算要求までには何らかの形の結論を出すべきではないだろうか、私はそんなふうに思っておりますので、今後とも委員初め皆さんのいろいろな御意見をちょうだいしながら、日本の新しい社会資本が本当に整備されていくように十分考えていかなければならぬ問題である、こういう認識をいたしておりますので、今後ともまた御指導をいただければ、このように思っておる次第でございます。
#40
○安田(修)委員 大臣、与党の政調会長もされまして、この関係には大変明るいわけでありますし、特に通産は情報産業等の制度面は全部所管するところでございますので、ぜひひとつ新たな観点で推進をしていただきたい、こう思います。
 さて、信用保険法の関係に入ります。
 この信用保証協会の保証つき債権の回収不能というのは不況になりましてから上昇しているわけでありますが、これの代位弁済額はいかほどになっているか、お伺いしたいと思います。
#41
○桑原政府委員 信用保証協会の代位弁済の額は、最近の不況を反映して増加しております。これを額で見ますと、昭和五十六年度から昭和六十二年度あたりまではおおむね年間二千億円前後で推移しておりました。景気がその後非常によくなりましてこの額も少なくなり、平成二年度には八百七十八億円と一千億円を切るまでに至ったわけでございますけれども、その後急増いたしまして、平成三年度に千七百億円、平成四年度には三千億円を超すところまで来ております。
#42
○安田(修)委員 そこで、不況を反映してこのように代位弁済額もだんだん、史上最高までいくのでしょうかね、ということになってまいっております。これについてもいろいろな議論がございますが、この席ではそれを抜きまして、不況を反映しまして中小企業の資金需要は、設備資金が減っている、これは当然でございます。そして運転資金が増加している。円高不況の前回のときにはたまたまいわゆる構造改善、企業の体質改善という点から省力化その他の関係で設備資金も増加に転じていくという傾向も見えたときもございます。今後の傾向として、ここら辺の資金需要についてはどのように見ていらっしゃるか、この点お伺いしたいと思います。
#43
○関政府委員 中小企業の設備投資でございますが、景気の状況でありますとか、時期によって多少出入りはございますが、おおむね我が国全体の設備投資の五割近くを占めているということでございますので、我が国経済全体にとりましても非常に大きな意味を持っているわけでございます。
 先生御指摘のように、最近の景気の冷え込みというようなこともございまして、設備投資は減少いたしております。大蔵省の法人企業統計によりますと、昨年の十−十二月の三カ月間について、資本金一千万円以上一億円未満の方の設備投資でございますけれども、全体で約四%の減、三期連続の減少となっているところでございます。その内訳を見てまいりますと、特に製造業におきましてはマイナス一七・五%、非製造業ではプラス一・九%、こういう状況にあるわけでございます。
 私どもの考え方では、今の段階で能力を大幅にふやすような設備投資、これはなかなか出てこないんじゃないかと思いますけれども、実は一方で、これから先若年労働者が減るというような傾向はほぼ確実でございますので、省力化投資でありますとか時短のための投資というものはこれから需要として出てくるでございましょうし、また、今世界的な問題になっております地球環境問題、こういう問題に対して中小企業は対応することも重要となってまいりますので、これからは、そういった労働環境の改善でありますとかあるいは環境問題への対応といったようなものが出てくるのだろうと思うわけでございます。
 現下におきましても、そういったものの潜在的なニーズはかなりあるものと思うわけでございますが、今の景気状況下でなかなかそれを具体化できないという状況ではないかと思っております。そこで、今後景気が回復をしてまいりますれば、今申し上げたようなものを中心とした設備投資というものがこれから出てくるんではないかと私どもも期待しているところでございます。
#44
○安田(修)委員 今後ともそういう設備投資等の資金が出ていくんではなかろうか。
 そこで、政府系中小企業金融機関の貸付限度額の別枠をそうしたいろいろな状況等に照らしながらさらに引き上げていくという考え、そういう準備というのはあっていいんじゃなかろうかと思いますし、また、適用期限を今年度末まで延長された方がいいんじゃなかろうか、こう思うわけでありますが、ここら辺の考え方を聞いておきたいと思います。
#45
○関政府委員 四月十三日に作成されました総合経済対策の中におきまして、この貸付限度の引き上げという内容も盛り込まれておりまして、結論だけ申し上げますと、中小公庫は一般は一企業当たり四億円ということでございますけれども、これを八億円まで引き上げる、国民金融公庫につきましては四千万円というのが原則でございますが、これを八千万円まで引き上げる、あわせてこの特例措置の期間を平成五年度末、先生御指摘のように来年の三月末まで延長するということが決められておるわけでございます。私どもとしては、この措置につきましては特段の予算上の措置を必要とするものではございませんので、部内の手続が終わり次第、早期に実行に移したいと考えておるところでございます。
 また、もう一点、昨年八月に策定されました総合経済対策におきましては、先ほど私が御答弁申し上げましたような時短でありますとか、環境問題あるいは商業構造の変化に対する対応といったものに必要な資金、もちろん設備資金も含むわけでございますが、これについて低利の資金をお貸しする制度もできておりますので、これは二年間の期間ということでやっておりますので、これもあわせて御活用いただいて、必要な設備投資の需要にこたえていただければと思っている次第でございます。
#46
○安田(修)委員 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、緊急経営支援貸付制度が昨年とられたわけでありますが、これを今年度末までやはり延長した方がいいではなかろうか、また、貸付規模の拡大という点についても弾力的に考えた方がいいんじゃなかろうかと思いますが、その点どうでしょう。
#47
○森国務大臣 お尋ねの緊急経営支援貸付制度は、四年度の補正予算に基づきまして、今御指摘ございましたように一年間の措置として昨年の十二月十四日、創設をさせていただきました制度でございます。その貸付規模も、一年間で二千億円という思い切った規模を確保いたしました。平成五年度は、約千二百億円強の貸付規模で今実施をいたしておるところでございます。予算委員会や、またこの商工委員会などでも、この貸付規模についてのいろいろなお尋ねや御意見も各党の皆さんからございました。
 そこで、去る十三日に決定をいたしました総合的な経済対策におきましては、緊急経営支援貸付制度に対する大変旺盛なニーズがございますので、これに対処するために、その貸付規模、さらに二千億円を追加をいたすことになりました。下請中小企業や円高等の影響をこうむっております中小企業に対する特別枠を設けるなどいたしまして、制度の大幅な拡充を行うことを考えております。また、適用期間につきましても、今委員からお話がございましたように、この制度が拡充いたしましてからさらに一年間実施したい、このように考えておるところでございます。
#48
○安田(修)委員 最近の地価の下落によりまして、不動産担保の余力というのは低下してまいっております。中小企業の場合に、そういう点で融資交渉の力というのは弱められた面が出てまいっているわけでございます。金融という観点からしますと、企業の財務分析が中心になって審査されていくというのが従来の手法でありまして、これは金の価値という面からしますとやむを得ないものがあります。
 しかし、そうした中小企業等の担保力の低下という観点からしますと、これからは技術力、そういうものを、技術力というのは実は無形のものでありますけれども、そういうものも評価に入れた中小企業の金融という面についての配慮というものもあっていいんじゃなかろうか。しかし、これは大変難しい問題でありますから、そうしたものの判断でき得る専門機関との連携はもちろん必要でありますが、中小企業庁の指導や、あるいはまた信用保証協会の保証に当たっての指導、評価という場合にこれらを留意してもらいたい、こう思いますが、その辺の考え方をお聞きしたいと思います。
#49
○桑原政府委員 中小企業の技術力というものが中小企業の発展にとって大変重要な要素であるということでございまして、そこは全く我々もそう考えております。したがいまして、金融機関が優良な中小企業を育てていくという観点から見た場合に、技術力ということをよく考慮に入れていろいろ対処していってもらいたいというふうに我々も大いに期待をしております。ただ、御指摘もありましたように、技術力というのは、担保にするというような具体的な評価をするという段階になりますとなかなか難しい点もございまして、その辺は限度があるわけでございます。
 一方、中小企業の最近の状況でございますけれども、資産価値の下落等によりまして担保力が大変少なくなっているということも事実でございますので、我々としては、今回の総合的な経済対策におきましても、中小企業に対する信用保証の充実というのを一つの大きな柱といたしまして、いろいろな制度面の改善なり工夫をいたしておりますので、こうした形で具体的に中小企業のニーズにこたえていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#50
○安田(修)委員 次に、小規模事業者支援法の方で少しお伺いしたいと思います。
 条文の方をさらさらっと少し先にお尋ねいたしますが、第三条で基本方針の策定について定めておるわけでありますけれども、この基本方針に定める事項のうち、オに「商工会又は商工会議所がその地区内における商工業の総合的な改善発達のために行う他の事業との関係に関する事項」ということがございます。これは大体どのようなことを具体的に指しているのかお聞かせいただきたい。
#51
○井出政府委員 お答えを申し上げます。
 商工会及び商工会議所でございますけれども、本来、商工会あるいは商工会議所の地区内におきます商工業の総合的な改善発達を図ることというものを目的とした団体でございます。したがいまして、両団体とも、言ってみますと地域振興の担い手といいますか、そういう業務を本来的に持っておると考えておるわけであります。
 そういう商工会、商工会議所が、小規模事業者の経営改善発達についての支援事業を行うに当たりましては、商工会、商工会議所の本来の一般的な事業として行います商工業についての総合的な改善発達のためのもろもろの事業というものをやっておるわけでございますから、その事業と小規模事業者の経営改善発達支援事業というものの間に有機的な連携を図りまして、事業それぞれの効果をより高める必要があるのではないか。それぞれ全く無関係に行うわけではなくて、両事業を有機的に関連させて行っていただきたいという意味で、この事項をひとつ基本指針の中に書くべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
#52
○安田(修)委員 さらに、第三条に、アの方では「小規模事業者の経営の改善発達の基本的な方向」ということを実は出しておりますが、また一方、キの項の方ですね、ここでは「小規模事業者の経営の改善発達に関する重要事項」、こういうことを言っております。そこで、いわゆる「基本的な方向」と、さらに「経営の改善発達に関する重要事項」、この「重要事項」というのはどういうことを指しているのか、また基本方向との関係はどのようなことを言っているのか、この点をお伺いしたいと思います。
#53
○井出政府委員 御指摘の「小規模事業者の経営の改善発達の基本的な方向」でございますけれども、これにつきましては、小規模事業者がいろいろな問題を持っておるということで、その事業者が改善をすべき経営上の問題点というものは一体どういうところにあるであろうか、あるいはそのための改善の方法でございますとか、さらには今後の経営のあり方というふうなものについて考えております。
 それからさらに、「重要事項」ということでございますけれども、これにつきましては、小規模事業者の経営改善発達を支援する事業を実施するに当たりまして、経営指導員のあり方あるいは事業の実施体制というふうなものを念頭に置いておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、両事項とも、基本指針の策定に当たりましては中小企業近代化審議会の御意見というものを承りまして、各界の皆様の貴重な御意見を集約した形でこの基本指針というものを策定をしていきたいと考えております。
#54
○安田(修)委員 第四条に「経営改善普及事業に係る補助」という点が出ておりますが、そこで、経営改善普及事業は、現行のこの商工会の組織等に関する法律第五十六条に定める事業が、今度は本案に新しく事業を拡大して規定されたということになるかと思います。そこで、今度は地域振興支援事業あるいは地域中小企業振興ビジョン等を作成する事業も入ってくるわけでありますけれども、特に要望の高い地域活性化のビジョンづくりに商工会みずからがかかわっていくということは、私は大変いいことだと思います。
 そこで、私が今言いましたように、地域活性化のビジョンづくり等に商工会が実際そのように関与できるようになっていくのか、この点をお伺いしたいということ。また実際問題といたしまして、そうした場合に、商工会も千差万別でございますから、大規模な、そしてまた傘下にかなり体質のきつい事業あるいはまた商業等を抱えている商工会、あるいはまた余り商業あるいは工業等の活発でない地域の、しかも人口の小さいところの商工会、商工会自身の力にもいろいろな差がございます。そこで、それだけに商工会自身がそうしたことにかかわるということになりますと、かなり無理のかかるところもあります。
 いずれにしましても、一定のそうした地域振興、活性化のビジョンというものを商工会がやる場合に、そのフレームというものはみずからの創造によってつくらなければならぬわけでありますけれども、しかし、実際手をかける、そういうビジョンづくりということになりますと、具体的にはやはり余り力のないところは他に委託でもしなければできないということになってまいるわけであります。そういう点で、この商工会等が他に委託しながらもそういうビジョンづくりということにもかかわっていくのかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#55
○井出政府委員 ビジョンづくりでございますけれども、これにつきましては、予算上本年度はかなりたくさんの措置をとらせていただいております。各都道府県を通じまして、商工会、商工会議所の御要望に沿いましてその予算をお使いいただくわけでございますけれども、その際に、商工会自身にそれを消化する能力があるかどうかという問題でございます。
 大変たくさんの数の商工会議所、商工会がございますものですから、その能力は恐らく千差万別だと思います。その際に私どもは、単に商工会の職員でございますとか経営指導員だけがやるわけではなくて、できるだけ適切な人、たくさんの方に、例えば委員会でございますとかというふうな中に入っていただく、ある場合には町の行政当局というふうな方がお入りになる場合も非常に有効だと思いますが、それからまた、さまざまなエキスパートといいますか、コンサルタント的な方々がお入りいただくというのもよろしいのではないかと思います。
 それから、小さな商工会自身ではなかなか単独ではできないというふうなところにつきましては、広域経営改善普及事業ということで、二つの商工会議所あるいは三つの商工会議所というふうなものが共同してやっていくやり方というふうなものも考えられるかと考えております。
 いずれにいたしましても、単にこのビジョンづくりというのが商工会から離れてどこかの会社なりコンサルタントにつくられて、つくられた結果がうずたかくビジョンだけ積まれるというふうなことのないように、実施に当たっての実施体制というものはさまざまな方々、地域の方々の関与のもとにやっていただきたいと思っております。
 それからさらに、都道府県に商工会連合会というものがございますものですから、この連合会には、各商工会の商工会指導員というものもまた配置をしておりますものですから、そういう方々の御指導もいただきながらやるのが適当かというふうに考えております。
#56
○安田(修)委員 実は、十九日に政府の第二十三次地方制度調査会の総会が行われるわけでありますが、そこでは自治体の広域行政とそれから中核市構想が答申されることになりまして、私もその委員としてそれに携わっておるわけでございますが、従来の広域行政の場合に、事務組合とは違った、言うなれば住民を傘下に持つ概念の新しい自治体として実は答申される。そうなりますと、来年地方自治法の改正を行って、今の市町村と都道府県の間にそのようなものをつくってもいいということになってまいります、住民に直接請求権もございますし、自治省の財政措置も交付税その他で行えることになります。
 そこで、これのねらいは、もちろん従来のごみ燃却とかそういう広域行政等、一部事務組合でやってきたものとは違った新たな展開を図ろうというわけでありますので、今おっしゃった商工関係の広域的なという面の場合に、活性化ビジョンをやる場合に、隣の町もこっちの町もどっちも細々とそこだけでやっているから見ばえがない、それではちょっと大きい町の方へ行こうかということよりも、隣の町はこういう特色のあるもの、こちらの商工会のビジョンはこういう特色のあるもの、お互いに連携して、そこへ自治体が広域行政で取り込んでいくということになりますと、非常にその地域で壮大な計画ができる可能性ができると私は思うのです。
 そういう点で、今おっしゃいました広域的な活性化ビジョンという場合に、そういう自治体は、いつの場合にも必ず商工会は携わっておりますが、特にそういう広域行政で新たな展開を図るように今度答申がなりますし、ぜひそういう点の、他との広域的な連携ということについての指導という点、特にお願いしていきたいと思いますが、どうでしょう。
#57
○井出政府委員 御指摘の点を踏まえまして、有効なビジョンづくりなり予算の活用ということを考えてまいりたいと思います。
#58
○安田(修)委員 そこで、第五条、第六条、「基盤施設計画の認定」など、「商工会等以外の者」が基盤施設事業の全部を行う場合、一部を行う場合、こういうことが規定されております。「商工会等以外の者」ということは、当然民間の会社、事業者が該当するということになると私は思っておるわけでありますが、そこでその場合に、助成策等については何らかの区切りといいましょうか、例えば大企業であっても助成を受けるのかという点も出てまいります。もちろん、事業内客によっては大企業だから悪いというわけにはまいらず、とかく田舎の方では、やはり力のある者が来て、柱だけは少しぴしっと軸になってもらいたいという希望等も結構あるわけでございます。そこら辺は、ただ利用されっ放しになってもまだ困る、いろいろな難しい面がございますので、そこら辺の見解を聞いておきたいと思います。
#59
○井出政府委員 お答えを申し上げます。
 基盤施設事業を効率的かつ適切に実施し得るということでございますれば、一応どういう形態の者であれ実施を妨げるものではないということでございますけれども、ただし、本法の法律案に基づく助成の対象として、例えば法の二十条でございます「中小企業信用保険法の特例」でございますとか、あるいは二十一条の「中小企業近代化資金等助成法の特例」というところにつきましては、法律上明確に、中小企業者、または中小企業者による出捐が過半数を占める公益法人ということになってございます。そういう観点から、原則としてはいわゆる大企業というふうなものは助成の対象とはなり得ない。
 ただ、おっしゃいましたように、中身をよく見て、形式的には大企業であるけれども中身は中小企業者の出捐でできているとかというふうな、理論的にいろいろな形態も考えられるものですから、そういうものもよく見きわめて、地域の中小企業及びそれに根差したそういう会社なりあるいは公益法人というふうなところでやっていただくのが最も適切と考えております。
#60
○安田(修)委員 そこで、基盤施設事業の必要資金は高度化資金などの利用ということになってまいりますが、全国商工会連合会が行う債務保証は、商工会または都道府県商工会連合会が行う基盤施設事業に限られるわけでありましょうか。
#61
○井出政府委員 基盤施設事業の実施主体というものにつきましては、通常の場合には単会としての商工会、それからさらには都道府県の商工会連合会が傘下の商工会をまとめてとり行うというふうな場合に、都道府県商工会連合会が行うというふうな場合が考えられるのではないかと考えております。また、事によりますれば、全国商工会連合会というふうなものが、全国の商工会のためになる事業というふうなものが出てくる可能性もまたなきにしもあらずというふうに考えております。
#62
○安田(修)委員 さて、全国団体が信用保証事業を行うためにこの信用基金を設けることになってまいりますが、信用基金の額としては、これは当面との程度を目標とされているのか。
 それから、国以外の方から求める出捐金、これはどの種の団体を予定しておられるかお聞きしたいと思います。
#63
○井出政府委員 信用基金でございますけれども、全国商工会連合会及び日本商工会議所それぞれに国からの信用保証の基金といたしまして五億円程度というものを予定をしております。
 それから、国以外の出捐者といたしまして、傘下の商工会あるいは都道府県商工会連合会、商工会議所にありましては傘下の商工会議所というものを想定をしておりまして、全国商工会連合会、日本商工会議所それぞれにつきまして、傘下のそういう団体からそれぞれ二千万円程度の出捐というものを予定をしております。
#64
○安田(修)委員 国から五億円ずつ、それから傘下のそういう商工会なりあるいは商工会議所から二千万円。傘下の方は余り余計出さないので……。
 そこで、その他の方は、別に自治体その他からは今のところ求める考えはないように伺っておるわけでありますが、そうしますと、大方国の出捐金でこの信用保証事業というのは進んでいく、こうなるわけであります。皆さんの方では、これで当面この保証事業というのは大丈夫、こういうお考えになっておるわけでしょうか。
#65
○井出政府委員 基盤施設事業につきまして各地でどういうことをお考えかというふうなことを私どもいろいろ調査をいたしまして、それを集計いたしますと、現在のところは、これだけの額をもってすれば当面の需要には十分にこたえられるのではないかというふうに考えております。
#66
○安田(修)委員 さて、地域の活性化ということは非常になかなか難しい課題であります。単発的ないろいろな施設づくりということだけでは最近は人も寄りませず、魅力もございません。そういう点で、今度の事業者支援により商工会等が地域でいろいろな施設をつくったり、あるいはまた複合的な施設もつくることに手を出すということにもなるわけでありますが、何としましてもそれは全体の組み合わせの中で初めて効果が出てくるということになってまいるかと思います。
 そこで、今日までの商店街整備等支援事業、今回、この商工会、商工会議所の事業の中にもこれらが生かされてくるわけでありますが、さらに、広く建設省が所管している都市計画事業でありますとかあるいは区画整理事業、また、昨年当委員会と運輸省と共管で質疑を交わしましたお祭り法に基づく事業、その他いろいろなもろもろのことがございますが、そうしたものの組み合わせによってのいろいろな発展策ということが必要だろうと思いますし、そのために地域のニーズに合った工夫も出てこなければ成功しないと思います。
 最近は、地域文化という中に創造性あるいは土地の工夫というものがいろいろな点で出てまいるわけでありますが、どちらかといいますと、都市も田舎の中心部も、見るとみんなカラー舗装で、そしてお決まりの昔風の街灯があってというようなことが最近あちこちに見られるところでございます。初めは、一つ二つは珍しいのですけれども、どこの町へ行っても大体同じようなもの。私たちも地方行政に携わっであちこち見まして、そういう点では、いや、これはみんな業者が一緒だ、そしてプランあるいはまたプロジェクトを持ち込むからこうなるのかなという感じもしてまいります。
 そういう点で、こういう計画ということについてはかなり大胆な発想があっていいが、またその土地の特色を生かすということが工夫されなければならぬと思うわけです。こういう点で、計画認定をされる場合でも、そこらあたりなるべく土地の工夫あるいは創造性、地域の文化が生かされるように留意してもらいたい。
 商工会とかあるいは自治体からこの種のプランがあっていろいろな認定を受ける場合に、行政官庁なりあるいはその他の計画と認定するところが、一定の基準といいましょうか、そういうものに照らして、そしてまた持ってくる方が、照らされるという立場から、やはりあらかじめそういうものに合わせたようなものをつくるという従来の弊害もあるように私は感じます。そういう点で、地域の魅力ある活性化という点について皆さんの方の御留意をお願いしておきたいと思いますが、その点お伺いしたいと思います。
#67
○関政府委員 先生御指摘のとおり、各地を訪問させていただきますと、それぞれの地域にすばらしい文化あるいは伝統、さらには技術的な集積を持っておられるところが非常に多いわけでございます。今回の法律の趣旨も、そういった地域の特色を生かしまして地域の振興、そして小規模企業の振興ということを実現しようということがねらいなわけでございまして、私どもこの法律に基づきます事業を実施いたします場合にも、ぜひそういった視点で、地域の特色を生かし、またそれぞれの地域の自主性を尊重してそれぞれ特色のある事業、こういうものを展開していただこうというのが基本的なねらいでございます。
 したがいまして、今先生御指摘のような基盤施設計画などをつくります場合も、地方公共団体あるいは商工会、商工会議所等が策定いたしました地域全体の計画との関連、これも極めて重要なわけでございます。当然先生御指摘のようなそういった事業と十分円滑な連携を図られることがこの計画認定の際の一つの重要な基準になると私どもも考えているわけでございます。
 そういった意味で地域の持つさまざまな特色、伝統、こういったものを生かして新しい時代、新しいニーズに対応する地域の経済づくりをどうしていくかということが主眼でございますので、当然それ以外のその他の計画とも十分連携をとって実施するということが重要ではないかと考えているところでございます。
#68
○安田(修)委員 そこで、商工会の体質、それから体制でございますが、これは先ほどの答弁にもありますように、なかなか千差万別であります。そこで、今回は専任事務局長をふやすためにさらに国の措置も新たに盛られておりますが、何としても地域の商工業者自身がみずからの手によって体質なり体制を強化するということも必要でございますし、また国の支援強化策も必要であります。そういう点で、今後この点をどのようにしていくかという問題。
 さらに、それにかかわって人の問題では経営指導員の果たしている役割というのは非常に大きいものがございます。今度は自治体の方にそれらの措置するお金等が移管されましたが、いろいろ私どもも経営指導員の立場、またそれを運用しておられる商工会、商工会議所の御意見を聞きましても、今日これだけたくさん高等教育を受けた方がいらっしゃって、そしてまた、商工会の経営なり技術なりいろいろなものからしますと、以前からしますと、高度の相談や指導をしなければならぬという場面があるわけであります。それだけにそれにふさわしい優秀な人材を求めようとするけれども、今回もお金は一万円ばかりまた改定されて上がるということに措置されましたが、今の給与では今の若い人は、そして将来有為の人材として育てようという人は来ないというのです。
 もちろんこれはほかのこういう官庁や大会社に勤めておるようなわけにはいきませんで、将来これこれの立場やこうなってというような理想やということになりますと、地域に生涯をかけて振興のために、また商工業発展のためにやろうという気概の有為な人材ということになりますので、そういう点からしますと、せめて給与等についてはそういう有為の人材あるいはその地域の役場なりあるいは市役所なりあるいはまたその近くの優秀企業等に行くよりも、ここへかけようか、多少は安くてもかけようかというような人材が集まるような給与措置は望ましい、私たちもそう思います。望ましいという声がありますので、そういう点でそれらの配慮についての格段の予算措置なり今後の処遇についてプランを練っていただきたい、私はこう思うわけであります。
 そこで、この件についてはそれぞれ担当者、それから商工会全体の体質強化という点につきましては、大臣からお答えをいただきたいと思います。
#69
○森国務大臣 いろいろと委員から御指摘ございましたように、近年の小規模事業者をめぐります厳しい経営環境を背景といたしまして、小規模事業者の商工会等に対します指導ニーズが大変高度化し、また多様化をいたしております。今回の新法制定はこうしたニーズにおこたえをするという意味で、意欲ある商工会が積極的にその事業の拡充や強化を図ることを可能にするものでございます。他方、商工会等がこれらの事業を円滑に進めていくためにも、実施していくためにもその指導体制を整備することあるいはまた強化することが必要でございまして、平成五年度予算におきましては、商工会等の専門指導体制の一層の強化、事務局長設置箇所の拡充を大幅にいたしておるところでございます。
 しかしながら、これらの事業は本来商工会の事業として自発的に行われるべきものでございますので、小規模事業者自身の経営改善意欲を喚起するためにも、国及び県の補助金のみを財源とするのではなくて、自己負担金の確保も図るように今後とも指導してまいりたいと考えております。
 また、御指摘のように経営資源の高度化あるいは労働力不足問題の深刻化等によって、この小規模事業者をめぐる厳しい経営環境を背景といたしますと、どうしてもこの小規模事業者が経営指導員等に求める相談や指導の内容が大変多様化いたしておりますし、また、高度化いたしておるのは事実でございまして、このためにも、制度発足以来、経営指導員等の資質の向上を図るとともに、求められた資質に見合った人材の確保を図っていきたい、そのために人勧のベースアップに準拠しまして経営指導員等の給与の改善も行ってきたところでございます。平成五年度におきましては、さらに経営指導員に対します実支給額と補助単価との乖離を是正しなければなりませんので、そのための措置も講じておるわけでございます。
 時間がございませんので、もし具体的な数字が必要でございましたら、事務当局に答えさせます。
#70
○井出政府委員 御指摘の経営指導員の資質の向上のために、給与面を含めましてさまざまな待遇の改善というものを図るべきであるということにつきましては、まったく御指摘のとおりだと思いまして、私どもも今日までもそういう努力をしてまいりましたし、今後ともその努力を続けてまいりたいと思いますし、それによりましてこの経営指導員というものの評価が一層高まることを期待をしておるわけでございます。
 それから、ちなみに若干予算上の点を申し上げますと、経営指導のための専門指導体制というものを拡充するためにいわゆる専門家をエキスパート・バンクとして登録をしておく、その拡充の予算を三十六カ所から九十六カ所、各都道府県及び大きな商工会議所につけさせていただきました。予算の規模としましては、約三倍ぐらいの規模になります。それから、嘱託専門指導員の増員及び単価アップということとともに、事務局長の設置費の拡充というふうなことも図っております。今後ともそういう努力を続けてまいりたいと考えております。
#71
○安田(修)委員 それでは、以上をもって終わりたいと思います。
#72
○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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