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1993/05/14 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 安全保障委員会 第6号
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1993/05/14 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 安全保障委員会 第6号

#1
第126回国会 安全保障委員会 第6号
平成五年五月十四日(金曜日)
    午後一時三分開議
出席委員
  委員長 志賀  節君
   理事 池田 行彦君 理事 魚住 汎英君
   理事 江口 一雄君 理事 佐藤謙一郎君
   理事 山崎  拓君 理事 山中 邦紀君
   理事 北側 一雄君
      麻生 太郎君    石原 伸晃君
      久間 章生君    鈴木 宗男君
      谷垣 禎一君    中尾 栄一君
      中谷  元君    浜田卓二郎君
      町村 信孝君    山下 元利君
      小澤 克介君    大出  俊君
      川崎 寛治君    佐藤 恒晴君
      斉藤 一雄君    松原 脩雄君
      吉田 正雄君    和田 静夫君
      山口那津男君    渡部 一郎君
      東中 光雄君    神田  厚君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 中山 利生君
 出席政府委員
        防衛庁長官官房
        長       村田 直昭君
        防衛庁防衛局長 畠山  蕃君
        防衛庁人事局長 秋山 昌廣君
        防衛施設庁施設
        部長      江間 清二君
        防衛施設庁労務
        部長      荻野 貴一君
        外務大臣官房長 林  貞行君
        外務大臣官房領
        事移住部長   荒  義尚君
 委員外の出席者
        国際平和協力本
        部事務局参事官 川口  雄君
        外務大臣官房審
        議官      小西 正樹君
        外務大臣官房外
        務参事官    河村 悦孝君
        安全保障委員会
        調査室長    下尾 晃正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  和田 静夫君     日野 市朗君
同日
 辞任         補欠選任
  日野 市朗君     和田 静夫君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     大内 啓伍君
同日
 辞任         補欠選任
  大内 啓伍君     神田  厚君
五月十三日
 辞任         補欠選任
  神田  厚君     塚本 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  塚本 三郎君     神田  厚君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 第百二十三回国会閣法第六一号)
     ――――◇―――――
#2
○志賀委員長 これより会議を開きます。
 第百二十三回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を求めます。中山防衛庁長官。
    ―――――――――――――
 自衛隊法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○中山国務大臣 ただいま議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 平成三年十月、政府専用機検討委員会において、政府専用機の防衛庁への所属がえ、使用目的等が決定されました。この使用目的に関し、緊急時における在外邦人救出のための輸送が現行法上自衛隊の一般的、恒常的な権限として規定されていませんので、この輸送を自衛隊が行うことができることとするため、自衛隊法の改正を行うことが必要となったところであります。
 この法律案は、外国における緊急事態に際して生命等の保護を要することとなった邦人について外務大臣から輸送の依頼があった場合に、防衛庁長官が政府専用機を含む自衛隊の保有する航空機により輸送することができることとすること等を内容とするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○志賀委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○志賀委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤恒晴君。
#6
○佐藤(恒)委員 このたびカンボジアの協力業務活動の中で犠牲となられました中田さん、そしてまた高田さんに心から弔意を表しますとともに、負傷されました皆様方にお見舞い申し上げながら、以下御質問を申し上げたいと存じます。
 自衛隊の海外派兵あるいは派遣と言っておりますが、これに関する憲法上の論議は別といたしまして、邦人の安全確保のためにこのたび自衛隊法の改正を行ってその輸送の業務ができるようにする、こういうことでございます。邦人の安全確保という問題については、我が国みずからが行わなければいけないことと、それから、それぞれの国あるいはまた地域におけるそれぞれの事情という問題と二つがあろうかと思います。いずれにしましても、基本的には我が国が非軍事的な安全保障措置というものを内外に鮮明にし、そのもとにおける具体的な国際貢献あるいはまた、いずれの場合も非友好国とはならないという国際的な立場を明らかにする、そういう基本的な外交政策がなければならないと思うわけであります。加えて、日常の外交機能をいかに充実をしていくのか、こういうことも邦人の安全確保の上からは極めて重要であろうか、こう思うわけであります。
 九一年二月の大蔵委員会におきまして、私は、外務省の体制強化ということについてどのような施策を予算措置上要求しているのか、こういうお尋ねをした経緯がございます。その際には、中東情勢あるいは旧ソ連・東欧情勢の激変、日米関係の再構築という立場から外務省の職員の充実というようなことを要求しているという答弁がございました。
 最近の国際貢献の議論の中で、物や金で済むものではない、日本としては汗を流すことが必要
だ、こういうことが言われまして、ついに血を流さざるを得ないような事態になっているわけでありますが、国連のボランティア活動などの状況を見ますと、言われるところの先進諸国の中では我が国は第三番目にボランティア活動参加者が多いという状況になっているようであります。加えて、いろいろ問題はあってもODAの支出もまた世界でトップにランクされるほどの協力をやっている。ボランティア活動などで比較的多くの人員を出している国などを見ますと、これはそれぞれの国の実情が反映しているのかどうかわかりませんけれども、発展途上国が非常に多いということでございまして、こうしたケースを見てまいりますと、我が国が、物と金を出せばいいのか、それで済むのかと言われるほど内にこもった対応をしているわけでは必ずしもないのではないか、こんなふうに実は思うところであります。
 ところで、我が国が承認をしている百六十九カ国の中の大使館の配置の数は九十四、五五%という状況になっております。しかも、今回モザンビークへの派遣という状況が発生しているわけでありますが、五十二カ国承認中わずか二十きり大使館を配置していない。あるいはまた、中南米にあっては三十三カ国中の約半分の数きり大使館を配置していない。オセアニア地方にあっては五〇%以下、旧ソ連にあってはまだ二六%という段階にある。こういうことを見てまいりますと、承認国すべてに大使館を配置するなどということがそう簡単にいかないということはよくわかりますけれども、それにいたしましても、我が国の、世界のさまざまな地域に人及び企業等が進出している現状においては、地域的に見た場合のアンバランスという点で余りにも問題があるのではないか、実はこう思うわけであります。
 そこで、お尋ねをいたしますが、今回の邦人の輸送確保という問題については、単に民生協力というようなこととして行うのか、あるいはまた、国の危機管理の重要な一環としてこういう法律改正を求めているのか。さらには、大使館等の機能充実についてどのようにお考えになっているか、お尋ねをしたいと思います。
#7
○畠山政府委員 前段のところについて私どもの方からお答えをさせていただきますが、今回のこの法律改正によりまして、在外邦人の輸送を行うということは、これは民間に対する協力という観点よりは、我が国として、政府としてあるべき姿として在外の困難に陥った民間人を輸送するということを、まさに国の責任として果たし得るための対策を万全ならしめるものという観点から措置をするものであります。
 後段につきましては外務省の方から、必要であればお答えいたします。
#8
○林(貞)政府委員 御指摘のとおり、国際社会の多様化が進む中、また我が国の国際的地位が非常に高まる中において、在外公館の役割というのは非常に増加しております。私ども、政府全体の厳しい財政事情の中におきまして、外交機能の強化の一環といたしまして在外公館の増加には努力しております。具体的には、過去十年間におきまして、大使館と総領事館とを合わせますと、合計十八公館の新設が認められております。今後ともそのような努力を進めていきたいと思います。
 先ほど大使館の数について先生の方から御指摘がありましたが、現在私どもの承認国は百八十四でございまして、それにおいて大使館として実館を置いている国は百十でございます。
#9
○佐藤(恒)委員 ぜひとも大使館、領事館等の増設あるいはまた機能の充実ということに御努力をいただきたいと思いますが、ただいま計数の修正がございました。これは私、つい最近外務省の方からいただいたばかりの数字で申し上げたのでありますが、どこでどうそういう数字が違うのかわかりませんが、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 ところで、航空機を輸送のために派遣するという場合に、政府専用機はその機種等について理解をいたしておりますけれども、先般の外務大臣の訪米の際に、要員がまだ十分に確保されておらないというようなことが報道されているわけであります。さらに一機増機をするという考えのようでありますけれども、輸送のために航空機を派遣することになりますと、通常のパイロットあるいは乗客サービス要員といったものの搭乗で済むのかどうなのかという問題が出てこようかと思います。派遣先国の状況に応じて使用機種あるいはまたパイロット以外の乗員の構成、さらには単なる輸送ではなくて救出というような状況を伴う輸送ということも当然考えられてくると思います。
 現在航空機というのは航空自衛隊だけではなくて三隊にあるわけで、一体どういう飛行機を使うのかということも定かではないようであります、これからお定めになるのかどうかわかりませんけれども。しかも派遣先は、大使館があったり領事館があったりしてきちっとしている国だけではなくて、飛行場などがない国あるいは地域という場合もあるだろうし、あるいは場合によっては例えばシージャックというようなことが、どこかの国あるいは地域における紛争に巻き込まれてそういう事態が発生し、飛行場等のない地域に勾留されるという事態だって予想されるということになれば、いわゆる輸送のための機種というものは一体どういうものが含まれてくるのか、こういうことが実はこの法文と資料だけでは明らかでないわけであります。
 お尋ねをしたいのは、輸送に当たる乗員の構成あるいは武器の装備、携行というものについての基本的な考え方をお尋ねしたいと思うのです。さらにまた、この検討委員会の中で、特別輸送機部隊というものを組織する、こういうふうになっているようでありますが、特別輸送機部隊とは一体どういう組織で、かつ特別輸送機とはどういう定義になるのか。あるいは艦載機、つまり護衛艦等に積載をする航空機も含められるのかどうかということについてお尋ねをしたいと思います。
#10
○畠山政府委員 三点ほどのお尋ねがございました。
 まず乗員構成でございますけれども、これは操縦士、航法士それから機上整備員等によって構成されることが予想されるわけでありますが、場合によりまして警務官あるいは医官といったものが含まれることもあり得ると考えております。なお、操縦士でございますけれども、これは相手方の、つまり輸送の地点いかんによりまして、一定の距離以上の場合には当然交代する必要がありますので、交代要員を含めて、通常の正パイロットとコーパイロットの二名のほかにさらに二名を同乗させることも当然考えられるということであります。
 次に、武器でございますけれども、基本的な今回の考え方は、相手国の政府によって安全が確保されておるということを前提として運航いたすわけでありますから、その意味で航空機外において武器を使用するような場合は想定されないということから、航空機外において武器を使用するために武器を持っていくことはいたさないという前提でございます。ただ、ハイジャック等の緊急の事態に対処する必要性もあることから、自衛隊法九十六条に基づきます航空機内における警護という意味合いを含めて、警務官が同乗する場合においてこれにけん銃等の武器を携行させることはあり得るということでございます。
 それから、特別機云々というお話がございましたが、実は私ども、正式の政府専用機の運航は六月一日を予定させていただいておりますので、現段階では臨時特別航空輸送隊という編成になっておるわけであります。そして、六月一日から正式の発足をいたしますと、恐らくこの臨時というのが取れて特別航空輸送隊、若干名称が変わる場合もあるとは思いますけれども、特別航空輸送隊という名称でございまして、特別航空機という概念は別に持っているわけではございません。
 なお、その一環として御指摘のございましたヘリというお話、艦載機というお話がございましたけれども、この場合におきましては、別途護衛艦なりそういう自衛艦を運用することを必要とする前提になるわけでございますが、そういうことは
この法律の段階では想定をいたしておりません。したがって、ヘリは、それ自体としては航続距離及び搭載能力の関係から想定していないということでございます。もっとも、距離とか必要性、状況に応じて、ごく近場とか非常に少ない人数ということであれば全く排除されるというわけではないとは思いますが、一般に遠いところにおいて護衛艦を伴った上でのヘリの運航ということは考えておりません。
#11
○佐藤(恒)委員 後ほど武器等の問題についてはまたお尋ねをしたいと思いますが、ただ、いわゆる艦載機のようなものは考えておらないということでありますが、飛行場があったり、そういうところだけではないだろうと私は思うのです、邦人にいろいろな危険が及ぶというのは。先ほど言ったように、シージャックのようなものがあって、どこかの小さい地域に、島というか、そういうところに勾留される、あるいはそういう小さな島というか、そういうところで問題が起きることもあるだろうと思ってまいりますと、今特別機に概念の規定はない、こういうお話がありましたけれども、そうなってまいりますと、状況に応じてさまざまな航空機が活用されるというふうに理解をせざるを得ないわけであります。
 今、パイロットのほかに警務官とか武官の搭乗ということにもお話がございました。先ほど申し上げましたように、安全なところに赴くんだというお話がありましたが、そうすると、救出を伴うような状況下には派遣をしないというふうに解釈してよろしいのでしょうか。救出を伴うような輸送、そういうところには派遣をしない、あくまでも安全な状態のところにのみ派遣をするんだ、こういうことでしょうか。
#12
○畠山政府委員 先ほども申し上げました、今お話にもございましたように、基本的に、これは相手国政府において安全が確保されている地点に、空港に派遣をして、輸送という業務のみを行うということでございますので、この航空機によって相手土地において救出行為といったようなものはこの法律の中には含まれておらないと考えておりますので、安全が確保されることを前提とした上での輸送のみを行うということでございます。
#13
○佐藤(恒)委員 それは現時点における答弁だろうと私は思います。なぜならば、国際協力業務にも使うということになってまいりますと、国際協力業務が行われているところ、あるいは行われた結果さまざまな問題の発生する、例えばボスニア地方に、旧ユーゴに派遣をすることにはなっておりませんけれども、あのボスニアにおいても、結局は航空機でさえも危険を伴っているわけですね。そういうことを考えてまいりますと、私は先ほど武器の使用について後で申し上げると申しましたが、武官等あるいは警務官等を乗せることになりますと、単なるパイロットだけではないということになれば、それはそれなりのいわゆる指揮官を配置をした航空機の派遣、その中でだれが指揮官であるのかということが当然含まれてくるであろう。武官が単なる搭乗員ということにはならないのではないか、そういう事態が来るのではないか。これは別に答弁を求めるわけではありませんが、私は想定をいたします。
 そこで、自衛隊のPKO参加というのはもう既に行われておるわけでありますが、それにかかわって航空機を派遣し、輸送するということになってまいりますと、今度の航空機は大体一万三千キロぐらい航続距離あるのでしょうか。三百五十人が乗れるということになりますと、大体モザンビークにも飛んでいけるのではないかと思いますと、いわゆる武装集団としての自衛隊というものが、必要ある場合にはもう相当遠距離、長距離の派遣が可能になる体制がこれで整うというふうに実は私は思うわけであります。
 そこで、航空機に限定をしてということではございませんけれども、自衛隊の海外における任務あるいは部隊の編成ということについては、どうも私といたしましてはすっきりとまだ理解ができない。海外における部隊の業務、作戦というものについては、防衛庁設置法上には任務規定がないわけであります。したがって、自衛隊法上の基本的な任務も、御案内のとおり、防衛出動、治安出動等に限定されて、その他はすべて雑則でその他の協力業務みたいなものになっているというのが現在の法の姿だろうと思います。
 こういうふうになっているのは、集団的自衛権の行使あるいはそれにつながるような業務はやらないというのは、憲法上の建前からいって当然そういう法体系になっているのだろう、こんなふうに実は私は思うわけでありますが、PKO法に言うところの、つまり六条の二項ですか、「自衛隊の部隊等」というのは自衛隊法の八条の規定だということに実はPKO法ではなっておるわけであります。ところが、八条を拝見いたしますと、これは指揮監督権ということについて規定をしている条項でございまして、八条に言うところの「部隊等」をそのままPKOの隊として派遣をすることはできないわけです。幕僚長の命によって長官が仕事をさせるという規定であります。そういうふうにこの法律を読んでまいりますと、PKO法によって派遣をされる部隊というのは、通常自衛隊法によって編成されている部隊ではなくて、特別の部隊でなければならないのではないか、また特別の部隊になっているのではないかというふうに思うわけです。
 そういう意味で、通常の自衛隊法の部隊の編成を超える部隊である。したがって、PKO法上に言うところの「八条」というのは、果たして現在モザンビークやカンボジアに派遣をしているような隊の編成の根拠になるであろうかというふうに思うのでありますが、PKO法に言うところの「部隊等」の説明と、それから、どこに依拠して部隊が編成されているのか、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
#14
○畠山政府委員 自衛隊の部隊が国際平和協力業務を行います場合に、自衛隊法及びこれに基づきます政令等によって編成されております既存の部隊が行う場合と、それから自衛隊法第二十二条二項という規定がございますが、これに基づきまして防衛庁長官が臨時に編成する特別の部隊によって行う場合とがあるわけでございます。第一次、第二次カンボジア派遣施設大隊あるいはモザンビーク派遣輸送調整中隊等は、この後段の自衛隊法第二十二条二項の規定に基づきまして特別の部隊を編成して行ったということでございます。
 ただ、カンボジアヘの派遣に当たりまして国際平和協力業務として航空輸送を行いました第一輸送航空隊の方は、既存の部隊、すなわち自衛隊法二十条第五項を根拠といたしまして既存の部隊がこれに当たったということでございます。
#15
○佐藤(恒)委員 二十二条の二項というお話でございますが、結局PKO法上は自衛隊法八条である。八条を読めば、単なる長官の指揮命令系統はそれぞれの幕僚長を通じて行うということだけでございます。そうすると、幕僚長を通じて特別の部隊を編成したことになるのか、こういうことに実はなるわけですね。
 ただ、二十二条の規定というのは限定的に書いてありますね。「その他」という条項もございます。つまり、防衛出動、治安出動の場合はこうしなさい、災害復旧等の出動の場合はこうしなさい、その他と、こういうふうになっているわけですね。この法のつくり方は、国際協力で血を流すかもしれないという危険な業務がPKO法上凍結されておっても、それも既に、それを解除すれば出動が可能であるというような、海外の業務にこの自衛隊法の二十二条を無理に押し込んでいるところに問題があるのではないか。私はもちろん、だから海外派遣はするなという立場でありますけれども。
 今二十二条の二項というお話がございましたけれども、その二十二条の二項で編成をすることになれば、当然二つ以上の自衛隊が混成して隊を編成するわけでありますから、長官の指揮命令系統というのは幕僚長を通じて行うのだけれども、どの幕僚長が行うかということは法律には定めがないわけです。長官が別に定める、こうなっているわけですね。それじゃ、長官が別に定めるという
その定めは、いつどういうふうに定められたどういう規定なり定めになっておるのですか。PKO法じゃないですよ、この自衛隊法ですよ。
#16
○畠山政府委員 御質問の趣旨を正しく理解したかどうかわかりませんが、今回カンボジアなりモザンビークに派遣するに当たりまして、この二十二条二項に従って部隊を特別に編成するに当たりましては、防衛庁長官から編成命令というのを各関係の幕僚長に出しまして、これに基づいて編成をしたということでございます。
 なお、第一次、第二次施設部隊の場合には、これは陸上自衛隊のみによって構成されておりましたから、これは陸幕長に対してのみその意味では編成命令が出されましたし、それからモザンビークの場合には海空ともに入っておりましたけれども、これは陸上自衛隊上の組織として構成し、その中の構成要員として海空の隊員が入っておる。陸上自衛隊上の組織という形となっておりますので、編成責任者は陸上自衛隊の陸上幕僚長という形になっております。
 なお、先ほど自衛隊法八条との関係で、PKO法で引いてある八条でありますけれども、ここで八条に言う「部隊等」と言っておりますのは、その「部隊等」という定義を引いであるという意味でございます。八条に「陸上幕僚長、海上幕僚長又は航空幕僚長の監督を受ける部隊及び機関」というのを(以下「部隊等」)、こう書いてあります。その「部隊等」を今後定義として使いますよということをPKO法の方で引いてあるということでございまして、八条の全体を引いてあるということではございません。
#17
○佐藤(恒)委員 私が今お尋ねしたのは、二十二条の二項で編成をしたということであれば、この二十二条の四項には「幕僚長の行う職務に関しては、長官の定めるところによる」、こう書いてありますが、そういたしますと幕僚長の指揮命令権というのは、自衛隊法の九条にあるわけです。その幕僚長の指揮命令権を読めば、それは単純に自分の、陸上は陸上の、海上は海上の、こうなっているわけですよ。だから、臨時に編成される幕僚長の指揮命令系統とか、いわゆるその人事、懲罰のようなものまで含めた指揮命令系統はどうなるのかということについては長官が定める、こうなっていますが、PKO法ができたからたまたま今回は陸上にしたよというのじゃなくて、基本的にこの法律に、そういう混成部隊の場合の指揮命令系統はかくかくしかじかの手順によってかくかくしかじかのケースはこういう指揮命令系統にするのだというような規定があるのですか、こう聞いたわけです。
#18
○畠山政府委員 自衛隊法の二十二条の四項を引かれての御質問かと思いますが、ここには「自衛隊の部隊のいずれか二以上から成る場合における当該部隊に対する長官の指揮監督について幕僚長の行う職務に関しては、長官の定めるところによる。」という、いわゆる混成部隊を編成した場合について長官が別に定める、こう書いてございます。
 しかしながら、今回私どもの第一次及び第二次のカンボジアの場合も、それからモザンビークの場合も、いわゆる混成部隊という形ではございません。カンボジアの場合には陸上自衛隊のみ、それからモザンビークについては、先ほども申し上げましたように構成員として海空の者が入っておりますが、部隊そのものとしては陸上自衛隊の部隊として編成したということでございまして、いわゆる四項に言いますところの混成部隊とは異なるものであるという性格づけでございます。
#19
○佐藤(恒)委員 私はいろいろな項目を予定していますから、時間がありませんのでこれ以上やりませんが、先ほどカンボジアの実施計画では、海上自衛隊、航空自衛隊入っておるわけですよね。これは陸上に与えました、陸上幕僚に与えました、こう言いますが、少なくともカンボジアの協力隊のうち自衛隊として港を出発した以上は、あるいは空路を出発した以上は統一指揮官のもとで行動しなければいけない、あるいは作戦をしなければいけない、こういうことだろうと思うのですよ。だから、カンボジアの場合も、先ほど陸上ということでありましたけれども、そういうPKO本部から要請された姿に応じてたまたまいろいろなことが決められるというのではなくて、自衛隊そのものに臨時の部隊をつくった場合の指揮命令系統はかくかくしかじかであるという基準は、これはなければいけないと思うのです。そういう意味で、その定めがないからPKO部隊の編成に応じてたまたま臨時的な口実をつけた、こういうふうに私は理解せざるを得ないですね。実際にカンボジアに上陸をしてやっているのは陸上だけれども、輸送したのは海上であり航空でありますから、これは一体的な作戦でなければ、作戦という言葉が悪ければ行動でなければいかぬわけです。派遣国において業務を行うのだけれども、派遣先まで到達する間は勝手にやってよろしいということにはならないはずです。統一行動、統一作戦命令のもとで行動するはずですね。そういう意味で、この法律を適用するについては不十分なものだということだけを私は申し上げておきたいと思うのです。
 それで、カンボジア及びモザンビークに派遣されている、あるいは一部派遣された部隊についてでありますが、カンボジアについては、司令部参加についてはその実施計画の中にないのだろうと思うのです。過般報道されているところによりますと、幕僚任務に三名の方がついている、こういうことになっているわけであります。今度のモザンビークの場合には、実施計画にいわゆる司令部に入るということも書いてありますが、司令部に入るということはいわゆるPKF業務をも含めて作戦計画、行動計画をつくる本部に入るわけです。司令部に入るわけです。したがって、これはPKO法に違反をする実施計画ではないのかと私は思うわけです。とりわけ、これは直接的なものではございませんけれども、隊として参加をするのではなくて隊員が個人として参加をする場合も、いわゆるこの凍結されている業務、イからへの業務に重複するような、複合するようなものについてはこれもまた凍結するのが自公民の三党合意の中にあるのではないかということも考えてまいりますと、まずカンボジアについては、実際この報道は間違いなのか、司令本部にだれもいないのかいるのか、こういうところ。それからモザンビークについては、これはPKO法に反する参加ではないか、PKFに重複する、PKFそのものに参加をしていることになるのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、山崎委員長代理着席〕
#20
○畠山政府委員 カンボジアの場合には、司令部要員として派遣したということはございません。ただ、何分にも現地において作業を行いますためには、そういった中央におきます情報を入手することは隊員の安全をも含めて極めて重要な観点であるということから、連絡員という形で、六百人の施設大隊の内数として、それのいわば配置先の一環として常時司令部と連絡し情報交換するという要員を三名確保しているという実態でございます。
 それからモサンビークにつきましては、こういう形ではなしに、あらかじめその輸送調整中隊とは別に、個人として参加する者を司令部要員としてまさに司令部の中に配置したということでございます。これにつきましては、御指摘の点を含めまして十分検討をいたしました結果、配置先といたしましていわゆる作戦部、作戦課といったようなそういう直接に御指摘のようなことに携わるような部門を除きまして、一般的なそういう中長期的な計画立案をするような部門に配置するということを前提といたしまして、御指摘のような法律違反という、凍結業務に違反することのないよう配慮した上での決定であります。
#21
○佐藤(恒)委員 カンボジアについてはたまたま内員として、つまり施設大隊の内員として参加をしているんだ、単なる連絡員として参加をしているというお話ですけれども、この軍事部門の基本的な作戦計画をつくるところに、計画部というのですか、ここに事実上の実質的責任者として配置
されている、その他二人は移動統制部とか工兵部とかというところに派遣をされている、こういうふうになっているわけですね。こういう状態でもなお連絡員というふうに強弁をなさるのでしょうか。そうすると、この新聞報道は事実に反する、あくまでも本拠は施設大隊、施設部隊の駐屯地におって、毎日朝出かけていって、いろいろ事情を聞いて、帰ってきて仕事の調整をやる。私は、工兵、道路作業に毎日行かなきゃいけない、そこにデスクを持たなきゃならないという連絡調整事務というのは実際問題としてないと思うのですよ。だから、この報道は事実に反する、そういうのはありません、たまたま駐屯地から朝出かけていって、何か事情はございませんかと聞いて帰ってくるだけだ、こういうふうに理解をしてよろしいのですか。
 それからもう一つ、モザンビークについては、個人の隊員として参加する場合も凍結業務にかかわるところにはやらない、こうなっているわけですから、しかも司令部ということになれば、何も医薬品を運搬するとかそういうようなことではなくて、いわゆるPKF部隊の必要なものを輸送することにだって当然なるわけですね。ですから、司令部というのは、そんな適当に頭の中で区分けできるような状態ではないと私は思うのです。司令部についてはあくまでも、いわゆる言われるところのPKFも包括する指揮本部ですから、そこに参加する以上は凍結されているその業務に関与したことになるという計画ではないか、そういう実施計画ではないか、私はこう思いますので、もう一度御答弁をいただきたい。
#22
○畠山政府委員 カンボジアの場合のいわゆるLO、連絡幹部の方でありますけれども、これは、今お話がありましたように、四六時中本拠を施設大隊の方に置いていて、たまに司令部の方に出向くという形ではございませんで、司令部の方にいす、机がありまして、そちらの方で十分な情報交換ができるという状態に相なっていて、施設大隊との連絡頻度等について申し上げますと、不定期ではありますけれども大体週に一、二回、インマルサットその他の、あるいはタケオを訪問するといった要領でもって連絡をするということでございます。ただ、どうしてこれが施設大隊の内数がというと、司令部の要員として許されたわけではございませんで、まさに宿舎等も施設大隊の借り上げているところに当初から住まっておりましたし、それから給与等も当然全額こちらの日本側の負担という形で出されておるということで、身分上施設大隊の一員として、ただ情報連絡、意見交換といったようなことを密にするために、かなりの頻度で司令部の方に滞在することがあるということでございます。
 なお、モザンビークにつきましては、正式の見解につきましては平和協力隊本部の方から御答弁いただいた方がよろしかろうと思いますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、その辺を十分検討した上で、まず個人としての参加であるということから、凍結の対象となっている部隊としてイからヘまでに掲げる事業というものとは別なものであるということが第一点。それから、武器の使用に至るかどうか、関連するかどうかという点につきましては、先ほど申し上げたように、そういう作戦的なところには配置しないということから、そういうものはクリアされておるという基本的な立場と理解いたしているところであります。
#23
○佐藤(恒)委員 では、要請をした本部の見解をお尋ねします。
#24
○川口説明員 先ほど防衛局長から答弁ございましたように、カンボジアの場合につきましてはあくまでも連絡員という格好で置いてございます。
 それからモザンビークにつきましては、カンボジアの経験等にかんがみまして、なおかつ国連の方から要請がございまして、司令部要員に全体で五人置いたところでございます。そのうち、司令部の本部の方には二人、それから地方司令部に三人置いたところでございますけれども、本部の方の司令部要員の一人につきましては、輸送調整課という、今回派遣する輸送調整部隊と密接な関連を持つところでございます。もう一人につきましては、計画課というところでございまして、憲法とか国際平和協力法上そういった禁止されている活動に従事することはないということで計画課というところに配属したわけでございます。それから地方につきましても、輸送調整課というところでございまして、憲法上それから国際平和協力法に違反することはないというふうに考えております。
#25
○佐藤(恒)委員 それは、非常に法律をうまく使うというのか、ごまかすというのか、このモザンビークの実施計画ではいわゆる凍結している業務、イからタまでに掲げる業務のうち、これらの業務に関して中長期的な業務計画を立案するのですよ、立案するところに行くのですよ。PKFも含む立案をやるところに行くのですよ。それと、並びに輸送の業務の企画調整ですからね。輸送業務だけのところに行くのじゃないのですよ。「並びに」なんです。だから、こういうふうに個人として自衛官が参加をするのであれば司令部にも行けるということになれば、この三党合意にあるところの、個人として参加することについても、個人としても凍結をしている部分には参加できない、こういうことをなし崩し的にやっていくことになるのじゃないのですか。これは、PKOのカンボジアであれモザンビークであれ、どこであれ、そこの司令部というのは場合によったら軍事的な作戦行動もとらざるを得ない本部、そこに配置するということはPKFの凍結条項に違反すると思いますけれども、それは違反しない、こういうふうに言うのであれば、もう少し法律を解説してください。
#26
○川口説明員 現在凍結されている業務につきましては、部隊として行う場合については、先ほど先生おっしゃられました条項でございますけれども、そういったところは凍結されております。しかしながら、今回モザンビークに派遣いたします司令部要員につきましては、いわゆる個人派遣といいますか、そういった格好で派遣することになりまして、あくまでも防衛庁長官の系統ではなくて国際平和協力本部長の指揮命令を受けて活動することになりますので、法律上は問題なかろうかと思っております。
#27
○佐藤(恒)委員 PKO法十二条ですか、これには第三条三号のイからヘまでに掲げる業務については自衛隊員以外の者の派遣を要請することはできない、こういうふうになっているのですね。だから、一般の人はもちろん行けないことはそのとおりなんです。こういうことで、これはイからヘまでは凍結業務です。この凍結業務に、司令部であればいいんだということになりますと、この法律は欠陥法律、こういうことになりますか。つまり、PKFはできないが、PKFを指揮監督したり計画するとろには参加できる、個人であれ隊であれですよ、こういうふうになりますね。そういう使い分けができる法律だと解釈していいですか。
#28
○川口説明員 国際平和協力法におきましては、附則の第二条におきまして、先ほど先生がおっしゃられました第三条第三号イからヘまでに掲げるものあるいはこれらの業務に類するものとして政令で定めるものにつきましては、自衛隊の部隊が行う場合に限って、一種の集団でございますけれども、そういった場合に限って凍結されている、実施しないということにされておりまして、今回のように個人派遣につきましては可能でございます。
#29
○佐藤(恒)委員 では、我々は撤退を求めている立場でありますから法律の欠陥を今さらやっている必要はないわけでありますが、そうすると、司令部に参加するのは今回は五名でありますけれども、これは十名でも二十名でも三十名でも司令部に参加できるのですね、隊員個人であれば。つまり、八条に言う「部隊等」でなければ何名でも司令部に参加できる、こういうふうに解釈してよろしいわけですね。
#30
○川口説明員 法律上は可能でございます。ただ
し、司令部要員につきましては、国連からの要請ということが前提にございますので。先生のおっしゃられるのは、法律上可能かどうかということでございますけれども、その場合、可能でございます。
#31
○佐藤(恒)委員 先ほど防衛庁の畠山局長の方から、デスクを持ってやっているというお話ございましたが、これは内員であるということでございますが、デスクを引き揚げて、駐屯地から必要により司令部に赴く執務体制に切りかえる、つまり実施計画に戻るということはおやりになる考えはないのですか。
#32
○畠山政府委員 そういう考えは特にございません。
#33
○佐藤(恒)委員 恐らくそういう考えは、質問を続けても同じことでしょうから、ちょっと話を変えてお尋ねします。
 五月四日、日本時間でおおよそ十四時三十分、このころまでの間、前二日ぐらいはPKO本部はどういう執務体制になっておったのでしょうか。
#34
○川口説明員 先生がお尋ねの件につきましては、恐らくは危機管理という面であると思いますけれども、国際平和協力本部事務局といたしましては、週末とか夜間あるいは連休中、そういった場合におきましても、常にカンボジアの現地と連絡がとれるような体制をとっております。先生の御質問の五月四日には、現地から情報が入ってきた、直ちに複数の人間のところに情報が入ってきた、それで、その人間から関係のところに連絡いたしまして、それから担当者が登庁した、こんな格好になっております。
#35
○佐藤(恒)委員 そうすると、当日はどういう立場の方がどういう体制で勤務しておられたのですか。
#36
○川口説明員 五月四日の事件の発生の連絡を受けまして、その当日は、私とか国際平和協力本部の萩次長が直ちに登庁しております。
#37
○佐藤(恒)委員 どうも抽象的なんですが、二日ぐらい前からと私は申しました。十四時三十分以前でも結構でございますが、川口参事官がおられた、それで何時に受けて、そして、協力本部の責任者は総理でありますけれども、いわゆる副本部長なり総理に何時に御連絡をしたのか、あるいは外務省の責任者に、しかるべき窓口に何時に御連絡したのですか。
#38
○川口説明員 私どもの方は、外務省の方から連絡を受けました。それが夕方でございます。外務省の方から我々の職員の一人が連絡を受け取りまして、彼から私の方に電話があった。それで、私自身が出勤したのは七時過ぎくらいでございますけれども、萩次長はその前に出勤しております。萩次長が出勤したのは六時半ころだというふうに記憶しております。
#39
○佐藤(恒)委員 そうしますと、PKO部隊の活動状況の把握は外務省がおやりになるのですか。PKO部隊を派遣することについての合議なり決定の参加は、それは大臣もするでしょう。しかし、PKO部隊を一たん派遣することになれば、設置された本部においてさまざまな業務を行うことになるのではないですか。そうすると、派遣している現地、派遣先の部隊とのさまざまな連絡についてもPKOの実施本部は外務省を通じて行うというシステムになっておるのですか。
#40
○川口説明員 一次的には外務省の在カンボジア大使館、それから国際平和協力本部事務局の職員をカンボジアに長期出張という格好で派遣しておりまして、そこからの情報。まあ外務省の在外公館の情報、それから我々の平和協力本部事務局の職員がカンボジアの方に出張してそこから連絡してくる情報、この二つが主なものでございます。
#41
○佐藤(恒)委員 この問題でそれほど時間をとる気はございませんが、PKO部隊をつくって派遣している以上は、PKO本部が、一番とは言わないまでも、外務省と同時に、勤務している、海外で業務に携わっている人々の状況を把握してそれに対応するのが協力本部を設けている姿だし、また協力本部には、現地の情勢を調査し分析する云々とか、さまざまな任務規定があるわけですね。だから本部が、外務省より早くとはあえて言わないけれども、少なくとも同次元で状況を把握し、直ちに本部長へというシステムでなければならぬと私は思うのです。今の御答弁ですとそういうシステムになっていないので、ちょっと歯切れが悪い答弁というふうに受け取らざるを得ないということで、いずれまた機会を見て、これは別に自衛隊問題だけではなくて、我々が非軍事的な国際協力をやっていく場合にも必要な問題でありますから、改めてやらせていただきたいと思います。
 それで、本部の方にお尋ねいたしますが、カンボジアは非常に危険な情勢になっているものですから、安全についてUNTACの方に要請していると本会議その他の委員会等で再三述べられておるわけですね。現実には、オランダですかの歩兵部隊あるいはパキスタンの工兵部隊というような皆さんが攻撃を受けているということでございますから、極めて軍事的に緊張している状態だろうと思うのです。そういう中にあって、安全対策を要請していると再三にわたって繰り返されるのでありますけれども、そういう状況において具体的にはどういう安全策なんですか。例えば、文民警察官の要員を、危険なところでなくてタケオの周辺とかプノンペンとかに配置がえをするとかしないとか、あるいは警護をつけるとかつけないとかというお話がございますけれども、既に起こっている事件を想定した場合に、それは一体どういう安全策を具体的にお求めになっているのか、お尋ねしたいと思います。
#42
○川口説明員 まず、先生が御指摘のとおり、安全対策というものにつきましては国際平和協力本部としては最大の配慮を払っているところでございます。
 基本的にいいますと、UNTACの職員、日本人であってもUNTACの職員でございますから、一義的にはUNTACが責任をとることになっております。先般、村田大臣にカンボジアに行っていただきまして、UNTACに対していろいろな要請を行いましたが、それに対して国連側からは、UNTACとしても隊員の安全対策には万全を期したい、それから、選挙監視要員につきましては歩兵部隊による警備を計画している、それから、同じく選挙監視要員でございますけれども、各国から出てこられる選挙監視要員については自国の部隊が配置されている地域に配置する、こういった対応が示されております。それから、文民警察につきましては安全対策のためにプノンペンに集めさせてくれという申し入れをいたしましたけれども、もう選挙も間近であるし、一どきに日本の文民警察職員だけがプノンペンに集まると業務に支障を来すという回答がございまして、村田大臣との交渉の結果、現地に行っている文民警察の山崎隊長が各地域を巡回して安全対策についていろいろ指示を下す、そういった結論になっております。
 これは基本的にUNTACのとるべき措置でございますけれども、他方、日本政府といたしましても、派遣している要員の安全対策につきましていろいろなことをやっております。一つは、派遣前に研修でその辺の安全対策について十分周知せしめること。それから、派遣に当たりましては防弾チョッキを配付する。それから、短波放送が聞けるラジオを各人に配る。そのほかにも、遠いところでございまして国内の通信事情が非常に悪うございますので、インマルサットといいまして、日本にダイレクトに電話がかけられる一種の携帯電話でございますけれども、そういったものも二十数台配備して万全を期しているところでございます。
#43
○佐藤(恒)委員 本部と防衛庁の両方にお尋ねしますが、まず本部には、先ほど防衛庁の方では、三名が施設部隊の一員であるけれどもデスクを持ってやっております、それは引き揚げる考えはございません、これは本部の実施計画に反すると私は思っているのですが、現地の状況で自衛隊が判断してやることについて本部はそのまま黙認ということなのですか、それとも実施計画に反しな
いということで許可をされておられるのかどうか。それから、選挙要員の護衛的な行動及び投票箱等の輸送を行うようになるのではないか、こういうふうにも報道されているのであります。
 さらにはまた、監視要員が危険な場合には施設大隊の駐屯施設の中に安全を求めて退避するというようなことも報道されておるわけでありますが、これは防衛庁の方にお尋ねいたしますけれども、自衛隊の方にはそういう安全確保についての任務が付与されていないわけですね。ですから、付与されていないことについて責任を持つ立場におありになるのかどうかということは防衛庁。
 それから本部の方には、投票箱輸送をやるようなお話があるけれども、そういうことを本当にオーケーする考えなのかどうか。それから、三名の派遣については実施計画に反しないというふうに解釈しておられるのか、反すると解釈しておられるのか、こういうあたりについてお答えをいただきたいと思います。
#44
○畠山政府委員 選挙要員が保護を求められた場合に、武装してその救助に赴くといった形での安全確保策というのは現在の国際平和協力法のもとで我が施設大隊には認められていないということで、そういう事態は想定いたしておりません。実施することは困難であろうと思います。ただ、国際平和協力法実施計画等の枠組みのもとで、我が国の選挙要員を含むUNTAC選挙部門に対しまして、いろいろな面で情報提供その他可能な限り支援をしてまいりたいと思っておるところであります。
#45
○川口説明員 二点のお尋ねでございますけれども、まず第一点、カンボジアにおける施設部隊が司令部にLOとして行っていることでございます。この件につきましては事前に防衛庁とも話し合いまして、司令部要員の職員ではなくてあくまでも連絡員、LOということでございますので、実施計画上は許されております。この話は、防衛庁と派遣する前に本部の方で話し合いまして、それは実施計画上許されていることでございます。
 それから二点目の、投票箱の輸送がどうかという質問でございますけれども、UNTACの方から、選挙が近くなってきたので選挙関連の業務について施設部隊にいろいろと応援願いたいと一般的な要請がございます。しかしながら、投票箱を輸送してくれという具体的な指図がございませんので、現段階ではまだ検討しておりません。
#46
○佐藤(恒)委員 私は、選挙を妨害する意味ではなくて安全を確保するという立場から、投票箱の輸送は本来の業務でありませんのでこれは拒否をするべきであるということを、まだ考えていないということでありますからそういうことにならないように、実は、きょうは説明員じゃなくて本当は政府委員を求めたわけでありますが、責任ある答弁ができないのでしょうけれども、そのようにひとつきちんと御報告をいただきたいと思うのです。
 それから、この司令部の三名も調整済みだといいますが、後方支援といっても、例えば輸送などという分野に仮に自衛隊の部隊等が派遣されている場合は、危険な地域を通るか通らないかといったような意味で作戦本部と調整をしなければいけないということは私は大いにあると思います。しかし、同じ後方支援活動でも、道路を建設するというか修理をするというか、そういう業務の部隊が毎日デスクを持ってやらなければいけないということは実施計画上はどう考えたって出てこない結論だ、私はそう思うのです。これも説明員の方でありますから、ぜひそこのところはきつくお伝えをいただいて、また機会を見て質問したいと思っております。
 それから、パリ和平協定の問題がさまざまな角度で議論をされておるわけであります。お尋ねをしたいと思うのでありますけれども、パリ和平協定の枠組みは守られている、こういうふうに実は言われておるわけです。去年の六月のカンボジア東京宣言を見ますと、UNTACの任務を遂行する上で、あるいはまた民主的な選挙を行うという意味で停戦第二段階が予定どおり進行するよう、必要なすべての支援と協力を行うことを確認する、こうなっていますが、この段階で既にパリ和平協定の実施は、つまり特に軍事的な分野でのスケジュールは極めて達成不可能である、難しいという情勢分析がされておったことは明らかなのです。去年の段階で、例えばポル・ポト派は二万七千ぐらいいるのではないかということで宿営地入りが要請されているにもかかわらず、これはゼロ人である。プノンペン政権も十二万七千のうち四万四千の宿営入りということで、それぞれ四派のいわゆる軍事部門の解除という部分が去年の段階でも進んでおらない。そういうことがあれば当然今日の事態は予想されたわけでありますけれども、この軍事的な部分についてあるいはまた軍の移動について、宿営入りだけじゃなくて軍の移動について、パリ和平協定以来二年の間にどういうことになっているのか、これは外務省ですかあるいは本部でも結構ですが、概要をお答えいただきたいと思うのです。
#47
○小西説明員 お答えいたします。
 各派の武装解除の状況についてのお尋ねでございますけれども、この武装解除は先生御存じのとおりポル・ポト派の極めて強行な拒否によりポル・ポト派の武装解除は進展しなかったわけでございます。
 その状況について具体的に申し上げますれば、これはUNTAC側の資料に基づいておるわけでございますが、武装解除の対象になりました兵力、合計二十万三千八百二十一名でございますが、そのうち武装解除されました兵員は五万五千百十一名、武装解除の割合は約二七%でございました。より具体的に申し上げますと、まず政権軍の方でございますが、これは対象の兵力として考えられました者が十三万千百九名、武装解除されました者が四万四千二百五十二名、武装解除率は約三四%でございます。ポル・ポト派軍は二万七千四百二十二名でございましたが、先生御指摘のとおりゼロ、武装解除率もゼロでございました。シアヌーク派、ラナリット派とも呼ばれておりますが、この対象兵力は一万七千五百名でございまして、武装解除された兵員は四千五十五名、武装解除率は約三二%、ソン・サン派の対象兵力は二万七千七百九十名、武装解除されました兵員の数は六千八百四名、武装解除率は約二五%でございました。したがいまして、武装解除されました合計は対象になった兵力の約二七%でございまして、UNTAC側はこういったポル・ポト派の一方的な武装解除に対する拒否の状況にかんがみ、これ以上武装解除は実施し得ないということを、昨年既にそういう認識を表明しておりまして、その後武装解除はそれ以上進んでないわけでございます。
#48
○佐藤(恒)委員 それで、さらに求めたいと思いますが、総理はこの十二日の記者会見の中で、選挙後国づくりにUNTACが何を求められるか予想しがたい、こういうことを言っておるわけですね。それから、ガリ総長も三日付の国連に対する報告の中で極めて厳しい報告書を作成しておりますね。こういうのを見ていきますと、私は、この選挙を無理にやっても事態は大変なことになるのではないか、こういうふうに思うのです。今そのガリ総長の報告の案文が手元にありませんが、これを拝見しますと、とにかく選挙はやらなければいけないけれども、「不完全な条件下でも可能な限り最良の選挙を追求する」というのは、これは決定した以上はそういうことでしょう。しかし、「自由で公正な選挙の基本条件が存在しないと宣言する」これはどういうことなのですか。つまり、現在のスケジュール、パリ和平協定の枠組みにおけるカンボジアの平和回復のスケジュールは大幅に狂って、しかも危険な状態にあるということを実は宣言しておりまして、公正な選挙の基本条件が存在しないということはパリ和平協定の、少なくともどの段階といったらいいのでしょうか。つまり、第一次の軍事武装解除段階、ここにとどまっている、こういうふうに解釈せざるを得ないのじゃないでしょうか。こういう点についてどういうふうにお考えになっているのか、お尋ね
をしたいと思うのです。
 時間もありませんから、もう一つ続けて申し上げますが、ポル・ポト派はこの和平協定の枠を認めないとか破棄しているわけではない、こう言っておりますが、このポル・ポト派の七日の声明は、パリ和平協定の枠内にとどまるということをいろいろなところで発表してきたけれども、まさにこれに見切りをつけたかのごとき声明を発表しておりますね。これを拝見しますと、パリ和平協定はこの戦争に終止符を打つのに失敗した。SNC、これは合法組織としての権力の源泉という役割が否定された。UNTACはもはやこの状況をコントロールする力はない。それから、民族和解をもたらすような協定ではなくなった。こういうふうなことを声明しているわけですね。
 こういうふうに見てまいりますと、つまりパリ和平協定の具体的な協定内容が実施をされておらない。国連事務総長でさえも基本的条件はないと宣言している。そして、ポル・ポト派は今言ったように七日の段階でこういう声明を発表し、しかも我が国の自衛隊が派遣されている周辺にポル・ポト派の展開が行われているのである。この展開も和平協定違反ですね。これでもなお選挙を行うことが有効であるというふうにお考えなのでしょうか。私は、この際やはりその作業地域からの撤収及び我が国への撤収ということをやって、改めてパリ和平協定の完全な実施という外交的な対応をとるべき時期に来ているのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についてひとつ見解をお尋ねしたいと思います。
    〔山崎委員長代理退席、委員長着席〕
#49
○河村説明員 お答え申し上げます。
 まず、ポル・ポト派の声明のことでございますが、確かに七日の声明では、ベトナム軍の撤退の検証がなされてないとか、SNCに実権がないとか、それから既存行政機構の監督がなされないというような同派の従来の主張を繰り返しておりまして、パリ協定が実施されていないためにベトナムによる攻撃が継続され、カンボジアにおいて和平が実現されていないという、先生がおっしゃいましたような同派の認識を示しております。
 他方、五月八日にポル・ポト派の北京代表チャン・ユラン大使は、北京に出張いたしました池田アジア局長に対しまして、パリ協定を厳格に遵守する、こう申しております。したがいまして、五月七日の声明はポル・ポト派によるカンボジアの現状認識を示したものにすぎず、本声明はパリ協定の崩壊につながるものではないと考えております。
 さらに、先生の御質問でございますが、また選挙の見通し等でございますが、カンボジアでは既に全有権者の九割以上にわたる約四百七十万人が選挙人登録を終わっております。そして、カンボジア国民が選挙実施を熱望していることも明らかでございます。また、シアヌーク殿下も十日付の国民あてメッセージにおきまして選挙参加を呼びかけておりまして、選挙は予定どおり大多数の国民の参加を得て実施されるものと期待しております。現在暴力行為が増加していることは事実でございまして、一部に選挙の延期の主張もございますけれども、選挙運動も十九日には終了しますし、投票まであと一週間の現時点でこの選挙を急遽延期したといたしましたら、いつになれば完全な中立的政治環境の情勢が確保されるか、そういう見通しはございません。そして、このことにつきましては三日付の国連事務総長報告でも同様の認識が示されております。そして、シアヌーク殿下も十日付の国民あてメッセージにおきまして、選挙延期の主張には呼応しない旨明らかにしております。
 このような観点からいたしまして、我が国としてもこれまでの国連それからUNTACを初めとする国際社会の努力を結実させ、大多数のカンボジア人の希望を尊重し、選挙は予定どおり実施すべきだと考えております。
#50
○佐藤(恒)委員 スケジュールでいえば、選挙を実施するというのは当たり前なんですね。しかし、和平協定が具体的に守られていない、それは口で何と言おうと守られていない。そういう状況の中で、しかも総理も認めるように、選挙後に何を求められるかわからないという、そういう情勢判断。しかもガリ総長が、基本的条件は存在しないと宣言する。これほどそろいもそろって選挙情勢の厳しさ、選挙後の問題点を指摘しておきながら、選挙それ自体をスケジュールどおりやるということは、やはり問題を残す。したがって、選挙を延期して、そしてパリ和平協定の枠組みを再構築するというのが私は望ましい現段階における対応ではないのか、こういうふうに実は思うわけであります。
 ところで、防衛次官の談話といいますか、中にあるのですけれども、要員の訓練などPKOで日米協力というのがございます。私は、そのPKOというのは国連の決定に基づいて、国連の各機関の決定に基づいて事務総長から要請があって初めて行われ、我が国が派遣することを決め、しかもそれはUNTACであれ何であれ、それぞれの本部の指示に基づいて行動する。そして、派遣先国においてはそれぞれの国の派遣された部隊が共同の行動をとる場合もあるだろう、こういうふうに私は理解をいたしております。しかし、PKOについて、本部等にかかわりなしに二国間あるいはその他の多国間において作戦あるいは行動を展開するというのはちょっと問題があるのではないか。そういうことは域外の、つまり日本の領域外の行動も含むわけでありますから、当然アメリカ軍の場合は特に多国籍軍という、まず行動を起こしておいて、それを後から国連に追認させるというようなやり方を最近はとっているわけでありますから、極めて危険な集団的自衛権の行使という段階に踏み込んでいくことになるのだろうと私は思うのです。そういう意味で、このPKOについての訓練を日米間で協議をしてする、畠山局長は積極的に応ずる考えを示した、こう実は報道をされておるのでありますけれども、それは極めて問題がある。しかも、防衛庁長官はこのモザンビークの日米協力についても示唆をしたという報道になっております。こういうことになってまいりますと、明らかに国連というにしきの御旗のもとにいろいろな理屈を言ってきたけれども、日米という二国間においてPKO問題の展開を図るということは、これは明らかに我が国の域外における集団的自衛権の行使という段階に発展をする、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。特にアメリカの、御案内のとおり多国籍軍のようなやり方を見ればそれは明らかだ。こういうことをあなた方はおやりになるお考えなのかどうか、確認をしたいと思うのです。しかも、中山防衛庁長官とアスピン長官との三日の会談の席上では、日米協力問題について議論が、議論というか意見の交換がされまして、アメリカ軍の協力問題が出された、こういうことですね。つまり、足の長い航空機というか、大量輸送の手段を使ったらどうか、こういう話がされたということに報道はなっております。この一連の内容を拝見いたしますと、明らかにPKOを一つの足がかりとして日米共同の作戦展開に入っていく、私はこういうふうに言わざるを得ないのでありますが、それぞれ、きょうは次官は参っておりませんが、局長及び長官のこのことについての見解を求めたいと思います。
#51
○畠山政府委員 先般訪米をいたしまして、今御指摘になりましたようなことが話題になったことは事実でございます。ただ、話の中にございましたのは、特に確定的にテーマを決めているということではございませんで、PKOのそもそものあり方とか訓練面における検討であるとか、あるいは技術面における検討といったようなかなり広い範囲にわたって検討のための話し合いをしようということでございまして、直ちにこれに基づいて何かを具体的に物理的に実行しようというところまではまだまいっておりません。その話し合い自体もまだこれから、夏の終わりごろに何かそういう話をしようかという段取りでございまして、具体的に話が詰まっているという段階にはございません。
 それからまた、仮に共同訓練を行うこととなっ
た場合にそれは問題であるという御指摘がございましたが、実際に個々のPKOに参加する場合には、国連本部ないしその地域のPKOの活動の責任者から要請があった上でそれに基づいて行うという基本的枠組みは、これは当然変更がないわけでございます。それ以前の段階としての訓練ということにつきましては、考え方といたしましては、例えば現在でも北欧、スウェーデンにおいて訓練センターというのがございまして各国からの要員をここで集中的に訓練をしているということを見ても明らかなように、その訓練段階においてともに悩みを抱えている者がその解決を図るという訓練をすることは、決してそれほどの大問題とは私は思っておりません。
#52
○中山国務大臣 ただいま防衛局長からお話を申し上げたような状況でこのお話が出たわけでありますが、先生御指摘のように、現在アメリカと日本で、二国間でPKOの作業をする、できるというような状態にはなっておりません。したがいまして、そのときは即答を避けたわけであります。しかし、お断りをしなかったというのは、実は今度PKO要員を派遣いたしましたモザンビーク、我が方の部隊は自己完結型でない非常に脆弱な体制で送り出しているわけでありまして、もし万一のことがあったときにこの部隊の安全を期するためには、あるいはアメリカ軍の持っている能力に期待をしなくてはならないのかなという気持ちが多少おなかの中にありました。そういうこともありましてお断りはしなかったわけでありますが、そういうことができるかどうか、これからの国内の法的な整備等を含めながら、皆さんの御協力をいただきながら検討をしていきたいと思っているところでございます。
#53
○佐藤(恒)委員 一連の御質問を申し上げてまいりましたが、答弁はいずれも際どいところでございまして、そういう解釈で先へ先へというふうに思わざるを得ないと思います。先ほど防衛局長の答弁にも、内容は具体的ではない、こう言っておりますが、我が国で問題になっている五原則の問題とか、撤退が自主的にできるような国連への参加でなければどうなんだ、こういう撤退問題がいろいろ議論されておりますが、日米間でそういう撤退の基準もひとつ確立しようではないかなどという項目が報道されている。今モザンビークのお話がございましたけれども、今度の、仮に747がオーケーということになりますと、国際協力業務はもちろんこれはできるわけでありまして、かなり足の長いものができてくる。こういうことで、日米と言わず我が国の自衛隊が海外行動が自由に展開できる状況をつくってくるということについて極めて危険性を感ぜざるを得ない、こういうことを申し上げ、かつカンボジア、モザンビークの実施計画については問題でありますから撤退を速やかにして、新しい外交努力をすべきだということを申し上げて、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#54
○志賀委員長 吉田正雄君。
#55
○吉田(正)委員 私は、深刻な局面にあるカンボジア情勢及び緊急を要する派遣部隊の業務中断、撤退を含む政府の対応について御質問をいたしたいと思います。
 率直に言って、PKO法の国会審議における政府の答弁というものがその都度変わってきた、また、極めてあいまいな部分がありましたし、さらに今日の事態を迎えまして、想定できなかった、予想できなかったという趣旨の発言も見られるようであります。こういうことでは今後のこのPKO法の推進にとって私は極めて重大な結果を招くのではないかと思っておりまして、きょうはひとつしっかりした答弁をお聞きいたしたいと思っております。
 ところで、最初に国際ボランティアの中田厚仁さんの犠牲に続いて、政府派遣の文民警察官である高田晴行警部補が命を落とされたわけでありまして、党を代表いたしまして改めて心から御遺族の皆様方にお悔やみ申し上げますと同時に、負傷された皆様方の一日も早い全快を祈念申し上げる次第でございます。
 それで、これは後ほどまた詳しくお聞きをいたしますけれども、この文民警察官の与えられた任務というものが一体何であったのか。それから、現地に自治大臣がおいでになりまして、いろいろ現地で派遣要員の皆さんと接触をされたわけでありますけれども、そのときに、与えられた業務以外のものをやらされておるというふうなことも報道されておるわけです。ずばり言って、その発言の中に要人の警護というものがあるということが報道されておるわけですが、この要人の警護というものが当初与えられた任務の中に入っておったのかどうなのか。それはあくまでも要員の与えられた任務外のものであるということははっきりしているのかどうか、どのように受けとめておいでになるのか、まず最初にこれをお聞きいたしたいと思います。
#56
○川口説明員 カンボジアに派遣されております我が国の文民警察の任務でございますけれども、国際平和協力法の三条三号チに書いてございますとおり、「警察行政事務に関する助言若しくは指導又は警察行政事務の監視」こういった広範な仕事でございます。
 それから、先ほど自治大臣が行かれてそういった声があったのかということでございますけれども、自治大臣が行かれました際、各隊員はプノンペンにおきましての生活の苦労とかそういったことを自治大臣にお話しされたということを伺っておりますけれども、そういった発言が出たとは私ども聞いておりません。
 それから、要人の警護の問題でございますけれども、先ほど言いましたように、文民警察の任務というのは非常に広範な業務でございまして、こういった要人の警護が入るかどうかということでございます。
 単純に、ただ一人で要人の警護をやるといった場合につきましては、国際平和協力法上の業務から若干逸脱するおそれがあるのかなという感じはいたしておりますけれども、個々具体的な業務を見てみないと、例えばパトロールというような業務もあるわけでございます。そういった場合につきましては、例えばプノンペン政権の警察が中立性を侵すような仕事をしないことを監視するとかいった態様もございますので、単純に要人の警護といった場合、どういった態様かということにも関しますけれども、一般的に言いまして、要人の警護だけをするということになりますと、実施計画、実施要領土、それを若干逸脱するおそれがあるのかなというふうに考えます。
#57
○吉田(正)委員 とうとい一命を失うという事態も起きているわけなんです。したがって、今の答弁ですと、そういう発言というか話があったかもわからない、詳しくわからないということなんですけれども、これだけ重大な事態が起きておりながら、協力本部で明確なその事実関係なり状況が把握されていないということなんですね。これはもうはっきりそういう答弁なんですね。そんなことでいいのですか。
#58
○川口説明員 先ほど来の要人警護の問題でございますけれども、私どもとしては、以前からそういったお話がありまして、ちょっと日にちを忘れましたけれども、たしか四月二十一日ごろでございますけれども、一つはそういった国際平和協力法上の問題、それから安全性の問題もございますので、今川大使からUNTACの明石代表に、個々の文民警察要員に対してそういった任務を与えないでくれといった申し入れをしてございます。
#59
○吉田(正)委員 そういう任務を与えられないようにUNTACに要請してくれ、それはあったからそういう要請なのか、その事実が確認されないけれどもそういう要請をしたというのか。これは非常に大変な問題ですから、事実を確認しての話なんですか、事実はまだ把握されていないでの要請なんですか、どっちなんですか。
#60
○川口説明員 私自身が一月の末、カンボジアに現地支援チームの一員として行きまして、一部の隊員からそういったことを個人的に私は聞いたことがあります。ただ、それが公ベースで国際平和
協力本部に入っていったかどうかはちょっと定かでございませんけれども、UNTACの方としては、要人警護をやってくれ、そういった計画があったことは事実でございます。
 それから、個々の隊員について、そういった仕事をしたのかしないのかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、私自身一月にプノンペンに行ったときに、そういったことをやらされているという隊員の話は聞いたことがございます。
#61
○吉田(正)委員 いずれにしても、この要人の警護がどういう状況で行われたかにしろ、当初の与えられた任務の中には明確に入っていないことだけは事実だろうと思うのですね。そうでしょう。
#62
○川口説明員 要人の警護の問題につきましては、四月二十一日にUNTACの明石代表に申し入れをしたところでございますけれども、現在また再度UNTACの方に、そういった仕事は国際平和協力法の観点それから安全性の点から問題があるので日本人の文民警察要員にはさせないでくれという申し入れをしつつあるところでございます。
#63
○吉田(正)委員 今の答弁でもわかりますように、安全性はもちろんそうですけれども、業務以外なんですから、それが安全であるか否かにかかわらず、本務以外のものを与えるということは、逐次業務が拡大をしていくことになって、最終的にはまた紛争とか事故に巻き込まれることになるわけです。そういう点で、この問題についてはもう外務省も御存じのはずなんですね。本務外である、極めて危険な業務であったということはおわかりだと思いますから、今後再びかかることの起きないように、やはりきちっとした対応をぜひとっていただきたいということをまず冒頭に要望しておきます。
 ところで、日本の派遣要員を含むUNTAC要員の現在までの死傷者数はおおよそどれくらいになっておりますか。
#64
○小西説明員 お答えいたします。
 UNTAC関係の死傷者の数でございますが、死者の数につきましては全部で四十七名でございます。そのうち、いろいろな原因による死亡があったわけで、いわゆる敵対行為、この敵対行為というのは、各派によるいわゆる武力行使の結果に伴う死亡のほかに、夜盗と申しますか、そういったケースも含まれておりますが、敵対行為によるものとして十一名。内訳は、バングラデシュが二名、ブルガリアが四名、日本二名、カンボジア三名という数でございます。それから、事故、病気等でございますけれども、これが三十六名。具体的な数も持っておりますけれども、長くなりますので省略させていただきます。
#65
○吉田(正)委員 また、カンボジア人、ベトナム人等現地人の死傷者数はどれくらいになっておりますか。
#66
○小西説明員 死者につきまして、カンボジアが、敵対行為によるものが三名で、病気、事故等によるものが六名でございます。
#67
○吉田(正)委員 襲撃事件による死者とか負傷者の数は新聞に大きく取り上げられて報道されているのですけれども、そのほかに、派遣要員のその他の事故、あるいは疾病等にかかった人はどれぐらいの数になっていますか。
#68
○小西説明員 事故、病気等によるもので死亡したケースとしましては三十六名という数字を持っております。
#69
○吉田(正)委員 それから、これも報道されておるわけですが、派遣要員によって例の交通事故が起きて現地人二人が被害に遭ったということなんですが、この事後処理をどのように行われたのか。それから、普通ですと裁判権はその国にあるのかどうなのかということがあるのですが、この裁判権は、これは日本ではないかという感じもいたすのですけれども、その辺がまたどうなっているのか。
#70
○小西説明員 交通事故等の事故があったことは、先生おっしゃるとおり事実でございます。この日本人を巻き込んでの交通事故については、現在UNTACでまだ取り扱い中でございまして、結論が出ていないと承知しております。
#71
○吉田(正)委員 私は、こういう事故処理というのは、やはり現地人のいろいろな感情や今後の業務遂行から考えても早急に処理をすることが至当だと思うのです。だから、今事情聴取、事情聴取でうやむやになったのでは大変なことになりますし、これはどうされようとしているのですか。
#72
○小西説明員 任務遂行中のUNTAC要員の事故は、第一義的にはUNTAC、国連側が解決すべき問題でございます。他方、もとよりこのような要員は日本から派遣されておるわけでございますので、私ども政府といたしましてもUNTACがどのような解決を図るかということについて強い関心を持って十分フォローしていきたい、こういうことでございます。
#73
○吉田(正)委員 これは、外務省も防衛庁も大臣もよく聞いておいていただきたいと思うのですけれども、日本の経済援助あるいは今の業務に対するカンボジアの多くの国民の皆さんの期待も大きいと思うのです。しかし同時に、いまだにかつての第二次世界大戦中のことについても現地の皆さんはまだ忘れてはいないという状況だと思うのです。それだけに、これは第一義的にはUNTACの責任問題だということでなくて、UNTAC要員であっても日本から派遣された自衛隊員ですから、そういう点ではやはりUNTACと緊密に連絡をとって早急に解決する必要があると思っておるのですが、その辺はいかがですか。
#74
○畠山政府委員 ただいまの二件の事故を引き起こしたのは施設大隊に属します自衛隊員でございまして、まことに遺憾なことと存じている次第でございます。
 今外務省の方から答弁がございましたように、第一義的な処理をすべき責任者としてのUNTACの方で調査を進めているところでございますけれども、我が方としても、この懲戒処分という問題が将来その調査結果いかんによっては起こり得るわけでございますが、これにつきましても直ちに本人を事情聴取するなどしまして、そのUNTACの調査結果を踏まえて結論を得なければいけないと思っておるところでございます。
 なお、他方、今御指摘の中にございましたカンボジアの現地の住民の感情ということにも十分配慮をいたしまして、直ちに弔問を施設大隊長が行い、その後も家族に対して十数回にわたってお見舞いに伺ったということもございました。そういうことを経て、その事件は不幸な事件ではございましたけれども、それがゆえに日本に対する、日本の施設大隊に対する変な感情が生じたということは幸いにして今のところはないというふうに聞いておるところでございます。
#75
○吉田(正)委員 ところで、PKO法を審議の際に政府は安全性というものを非常に強調されておったわけです。
 例えば九二年五月八日の参議院のPKO特別委員会では、武力衝突が起きた場合どうするのかという質問に対しては当時の宮下創平防衛庁長官は、戦闘行為に巻き込まれるおそれのある場合は撤収する、あくまで平和協力業務である、過去延べ五十万人くらいが参加しているが死傷したのは七百人くらいで、全部が武器によるものではない、非常にレアケースとして考えられることはあるが、そもそも平和的な業務だというふうに答弁をいたしております。
 また文民警察官については、この論議が極めて不十分だった。これは野党も含めてなので、そういう点で野党側にも責任があるというふうに私は思っておりますけれども、同じ五月末の参議院の特別委員会で外務省の当時の丹波国連局長が、小火器を携行しているというふうなこと、また国連が三千六百人くらいの文民警察官が必要だと言っておるというふうなことを述べる程度で終わっておるわけなんですね。この辺の論議不十分というものが今回の高田警部補のああいう問題が出てきた一つの遠因ではないかというふうにも私は思っておるわけです。
 さらにまた、昨年六月十一日の衆議院のPKO
特別委員会で宮澤総理は、町に出ると我が子を再び戦場に送るなという声を聞くが、この法案は自衛隊を戦場に送るのではない、戦場を平和な土地にしたいための活動だというふうな答弁をされているわけです。しかし、現実には文民警察官はロケット弾の攻撃を受けて死亡をしているわけなんです。したがって、法案審議の当時の情勢分析なり見通しが非常に甘かったんではないかというふうに私は思っておるのですけれども、この点についてはどのように受けとめておいでになりますか。
#76
○畠山政府委員 率直に申しまして、私どもで受けとめておりますのは、まず法案の審議の段階で、二つの方向の極端な議論をそうではないということで否定したつもりでございます。
 第一は、戦場に自衛隊員を送る、戦場に平和協力隊員を送るという概念は、これは実態に即してない。そこは、停戦の合意を何らかの形で確保されたところにさらにそれを確たるものとするためにこの要員を送るという意味におきまして、そういう実態にはない。他方また、この国際平和協力業務というのは、長年の間紛争を継続してきたところであるから危険がないとは言えないということもまた申し上げてきたつもりでございます。そういう両方の、全く平和なところならばPKOの要員あるいはPKO活動そのものをする必要がないということでありますから、カンボジアは一〇〇%安全だという場所はないということをまさにサンダーソン司令官も私どもに申しましたし、私どももそういう趣旨で、自衛隊員がまさにそこでは活動するしかないのではないかという観点からも、そういう一〇〇%安全だとは言い切れないということもまた強調させていただいたつもりでございました。
 したがいまして、多少情勢の変化によってニュアンスの違いはあろうかと思いますけれども、私どもは、率直に申しましてその両方の極端な議論を排除するための議論を正直に申し上げたつもりでございます。
#77
○吉田(正)委員 一〇〇%安全ではない、危険な場合もあるという趣旨のことも申し上げておるというふうなことをおっしゃっているのですけれども、これはまた後ほど聞きますが、今回の事件で明らかになりましたように、文民警察官の装備がどのようなものであったのか、どういう装備で現地へ派遣をされたのか。それから、新聞報道では、他の国の場合には防弾チョッキをつけておった、ところが今回の場合には防弾チョッキをつけてなかったというふうなこともあるのですが、その後の報道等では、この安全性確保のためにUNTACとしては防弾チョッキ六千着とかヘルメット一万とかなんとかということが言われておるのですが、今日本の派遣の文民警察官の場合は、どういうふうな装備をこちらから行くときに持っていかれたのですか。
#78
○川口説明員 我が国から派遣しております文民警察官、当初七十五人でございますけれども、全員に対して防弾チョッキを支給しております。それから、四月でございますか、いろいろと地域によっては停戦違反事件が多発しているということがございましたので、日本の防弾チョッキだと若干性能がよくないというお話もお聞きしましたので、アメリカの方から性能のよい防弾チョッキをプノンペンの方に送付いたしまして、五月十日ごろと記憶しておりますけれども、新たにまた文民警察官に対して七十五着の高性能の防弾チョッキを配付したところでございます。
 それから、武器につきましては、けん銃を日本から持っていっておりますけれども、UNTACの方からは特に指示がなく、実際の勤務に当たってはけん銃は所持していないと聞いております。
#79
○吉田(正)委員 先ほどの亡くなられた高田さんの場合の情勢の把握も、必ずしも十分ではないと思うのですけれども、国際平和協力本部は、これまで全体会議を開いてカンボジア情勢をつぶさに検討したことがあるのかどうなのか。あるとすれば、その分析結果が一体どのようなものであったのかということが第一点。また、安全対策会議を文民警察官死亡後開いておるかどうか、その内容はどうか、そのときに宮澤総理は出席をされたかどうか。
#80
○川口説明員 カンボジア情勢それから我が国の国連平和維持活動についての情報交換等の会議でございますけれども、これは頻繁に総理に御報告いたしております。それから、その会議には外務省あるいは総理府平和協力本部等が参加いたしまして、これは頻繁に開いております。
 それから、国際平和協力本部に設けられました安全対策本部でございますけれども、五月四日に高田さんの事件がございまして直ちに安全対策本部というものを設けまして、五月五日に第一回会合を開いております。これにつきましては、高田さんの事件にかんがみまして、UNTACにどういう安全対策を申し入れようかとか、そんなことを議論いたしました。それから、五月十二日でございますけれども、自治大臣がカンボジアから帰国いたしまして、その報告を聞いて第二回の安全対策本部会議というのも開催しております。この安全対策本部につきましては、国際平和協力本部副本部長たる官房長官が本部長でございまして、この会議自体には総理は出席しておりません。しかしながら、この結果につきましては総理に逐一報告しております。
#81
○吉田(正)委員 この傷害事件発生後、新聞では、政府はUNTACに対して選挙監視、文民警察要員の安全確保について申し入れたということが何回も報道されているのですけれども、どうも具体的な内容がはっきりしないのですけれども、どのような内容だったのですか。
#82
○川口説明員 申し入れ事項につきましては、一般的に言えば、我が国の要員を含めたUNTACの職員についての安全対策ということを申し入れました。一点目につきましては、特に文民警察でございますけれども、地域によって治安情勢とか生活環境が非常に悪くなっている、本来の仕事ができない、そういった声もありますので、特に文民警察要員につきましての配置転換といったことを申し入れております。それから、同じく文民警察要員に対しまして、特に我が国の文民警察要員に安全対策を周知徹底させる、そういうことで全員をプノンペンに集めて会議をさせてほしいということを申し入れております。それから、選挙監視要員につきましては、警備の強化ということを申し入れております。
 自治大臣が行かれましていろいろと交渉をされたわけでございますけれども、その結果といたしまして、第一点目、特に文民警察の要員配置につきましては、今後ともUNTACの方で引き続き検討するということでございます。それから、プノンペンで会議を開くということにつきましては、UNTACの方から、選挙が間近であるし、それから全員ということになると一時的に仕事に穴があいてしまうことがございまして、山崎隊長が地域を巡回して安全対策についてのいろいろな話をする、そういったことで決定いたしました。それから三番目に、自治大臣が行かれたときに、我が国の選挙監視要員の配置場所でございますけれども、これにつきましてはUNTACの方から、原則として各国が部隊を出しているところの地域にその国の選挙監視要員を配置するという確認がなされました。先ほど防衛局長がおっしゃいましたとおり、カンボジアの中におきましてはどの地域が安全かとか比較の問題になってしまうわけでございますけれども、私どもとしては、我が国が展開している、タケオ州になるかと思いますけれども、そこに選挙監視要員が派遣されることでいろいろな面で側面的援助も受けられるのかなと思っております、
 以上でございます。
#83
○吉田(正)委員 これは防衛庁の方にお聞きするのですけれども、派適当初の装備の内容がどんなものであったのか。それから今の、事件発生後、日本人要員の装備強化、現地支援体制の充実強化に最善を尽くすと総理は言っているのですけれども、その場合、どのような装備で強化が行われたのか。また、防衛措置はどのようにとられたの
か。さらに、いろいろな場合を想定しての、かつて戦争中ですと操典というのがございますけれども、それに似たような具体的な指示とか特定の訓練をやるとか、そういうことも防衛庁として現地に指示されたのかどうなのか。それからもう一つは、現地支援体制の充実強化というのは具体的には一体何を指しているのか。これは総理が事件発生後言われたことなんですから、そういうことについてお聞かせください。
#84
○畠山政府委員 まず、装備でございますけれども、これは六百名の施設部隊に対しまして、幹部及び警務官につきましてはけん銃を、それ以外の一般の自衛官につきましては小銃を、一人一丁ずつでございますけれども、それぞれ位に従いまして携行したということでございます。
 そういった装備以外の、今回の事態の変化を受けて何か特別のことをしたかということでございますけれども、当初携行いたしましたそういった武器その他の装備品についての運用の改善というのが実態的には行われているはずでございます。といいますのは、これは、実際現地におきましてそのときどきによって情勢が変わりますので、施設大隊長がその判断によりまして、情勢により武器の携行を認めるという形になっております。それに基づきますと、最近の状況を踏まえての一般的傾向からいたしますと、大体車両移動時におきましてはけん銃ないしは小銃を携行する、それから防弾チョッキをつける、ヘルメットをつけるといったようなことが現に実行されていると思います。
 それから、装備について改善をしたかという点でありますけれども、防弾チョッキにつきまして、これは日本製のものについて、実は小銃弾でやられますと耐弾能力が必ずしも十分でないということから、現在二つのオプションがございます。アメリカからのものを導入するかあるいはまた既存のものを改善するかということで検討をいたしましたが、リードタイムとの関係もございまして、そのうちの一部につきましてとりあえず改善強化するという方向で、早急にこれに対処しようという動きにはございます。
 宿営地におきます防護上の措置についてお話し申し上げますと、これは何度か御答弁申し上げていると思いますけれども、防護壁をつくるとか土のう積みを行うことによりまして警戒の強化を図っているということがございます。
 それから、現地支援体制の強化というのは、御質問の趣旨は恐らく選挙監視要員が派遣された場合における自衛隊の協力体制ということだと思います。そういう意味だといたしますと、我々といたしましては、先ほども申し上げたように、いわゆる警護任務というのは与えられておりませんし、その能力もございませんので、特に武装してこれに赴いていって守るということはできませんけれども、その他情報交換をするなり、そういったいろいろな精神的なサポートをするという意味で全般的な支援体制をしくということでもございますし、またUNTACからの要請を受けまして、食事の供給、宿泊地の提供、作業場の提供といった意味において選挙監視要員を支援するという体制には現在なっているところでございます。
#85
○吉田(正)委員 ところで、先ほどの安全性の問題と関連をして、国会でもそれなりの答弁はやった、これは一〇〇%安全とは言えないというふうなことをおっしゃったのです。ところが、防衛庁が発行した「国連平和維持活動と自衛隊Q&A」というパンフですか、これを私もちょっと見させていただいたのですけれども、これを読みますと、初めに自衛隊の派遣ありき、端的に言って安全性も、いかにも完全に安全だという、一〇〇%安全に近いという内容の記述ではないかというふうに私は受け取れるのです。そうだとすると、これは隊員はもちろんですけれども、もう国民を欺くためのキャンペーンではないかと疑われても仕方のない内容じゃないかと思うのですね。
 具体的に指摘をいたしますと、質問三、Q3のところで、「武力衝突に巻き込まれることはないのですか?」という質問に対して、その回答のところでは、「国際平和協力法では、わが国が協力するための条件として、次の五原則が定められておりますので、自衛隊の部隊などが武力衝突に巻き込まれることはありません。」と明確に断言をいたしておるわけです。現に巻き込まれている。これは文民警察官ですけれども、もう既に巻き込まれておるわけですよ。そういう点で、これはもうちょっと注意深いというか、書き方があっていいんじゃなかったのかなという感じがいたすわけです。それから質問の四のところでは、「自衛隊が派遣される場合どこで・どんな仕事をするのですか?」という質問に対して、「当面国連ガンボディア暫定機構(UNTAC)が考えられます。」「どのような仕事をするかは、今後の国連からの要請にもよりますが、輸送・建設・医療といった業務が予想されます。」そして下の方に(注)とありまして、この(注)には、「自衛隊の部隊による停戦監視、検問などの「平和維持隊本体業務」は、当面、別に法律で定める日までの間、これを実施しないこととされました。」こういうふうに書いてあるのですね。ところが、先ほども言ったように、本務以外のものがどうも付加されているのではないかということが出てきておるわけなんです。
 そこでお尋ねいたしますが、この十二日に民間選挙監視要員四十一名が出発をいたしたわけですけれども、この人たちに対しては事前に任務の内容が明確にされておるのかどうなのか、それが徹底しているかどうかということ、それから、現地でもしその任務と違った任務を与えられた場合拒否することができるのかどうなのか、また、それによってこんな不幸が再び起きてはならないのですけれども、そのような場面が生じた場合一体どうされるのか、非常に重要な問題だと思います。しかも、カンボジア情勢というのは二十三日からの選挙をめぐってもう時々刻々と言っていいほど情勢が緊迫をしておるわけですので、これがどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#86
○川口説明員 我が国から派遣されました選挙監視要員の任務の問題でございますけれども、任務につきましては法律に書いてございます。議会の選挙の投票の監視等でございますけれども、今回のカンボジアに派遣した選挙監視要員の具体的任務につきましては、国連にいろいろ問い合わせまして、具体的にこんなことをやるんだ、実際の投票事務に携わるわけではなくてカンボジアの方々が行う投票を外から監視、監督するということで、実際にマニュアルを取り寄せまして、各人に対して説明したところでございます。それから、投票の監視のほかに開票の監視もあり得るということで、任務につきましては十分説明してございます。
 それから、任務が違うから拒否できるかどうかということでございますけれども、私どもは、カンボジアのUNTACの選挙監視の仕事につきまして十分説明したつもりでございますので、仕事が違うということは出てこないと思います。
 それから、三点目のお尋ねでございますけれども、カンボジアは停戦違反事件が起こったりしています。その安全性というお尋ねかと思いますけれども、私どもとしましては、選挙要員につきまして募集なりするときから、一つは、生活面について非常に厳しい面がある、当初UNTACの方から言ってきたのは、テント生活するようなこともあり得る、そういった生活面が非常に厳しいということが一点。それから二点目として、カンボジアにつきましては、国連平和維持活動一般がそうでございますけれども、必ずしも完全な平和な状況じゃなくて和平の状態は非常に脆弱である、したがいまして、時たまそういった停戦違反事件が起こるといったことも十分御説明申し上げまして、また面接のときにもそういったことを二点、十分確認いたしまして派遣しております。それから研修の際につきましても、研修の中でいろいろと安全面について研修いたしました。
 また、装備品といたしましては防弾チョッキ、これはアメリカ製の高性能のものでございますけれども全員に支給。それから、日本の短波放送も
聞けるラジオを各人に一台ずつ支給しております。それから、先ほども申し上げましたけれども、通信事情がなかなか悪いということで、今回インマルにつきましても配備することといたしております。
#87
○吉田(正)委員 その監視要員が自衛隊の施設大隊の駐屯地であるタケオ周辺に大体配置をされるというふうになっておるようですけれども、施設大隊は監視要員についてどのような支援を行うのか。先ほど我が党の佐藤委員の方からも質問がなされておるわけですが、これも明確にしておかなくてはいけないんじゃないか。紛争に巻き込まれるようなことがあってはならないんじゃないかと私は思うのですね。
 それはなぜかといいますと、先ほどもちょっと答弁がありましたけれども、まだちょっと不明確な点があるのでもう一回お聞かせ願いたいと思うのです。報道では、実施計画、実施要領を検討した結果、宿舎や食糧、水の提供であるとか要員の輸送というのが出ておるのですね。それから、けさのテレビだったと思うのですけれども、したがって丸腰の監視要員の移動については施設大隊の自衛隊員が短銃を持って護衛をする――護衛という言葉がいいのかどうか知らぬけれども、同行する、精神的な安心感を与えるという説明にもなるかと思うのですけれども、いずれにしても、仮に輸送ということの業務の中で自衛隊員がピストルを持って同行するということになると、これは明確な警護の任務になるんじゃないかと思うのです。そういう点で、この件はどうも新聞報道やテレビだけでは極めて不明確で、これがまた後の紛争のもとになっては困るわけですから、そういう点でこの内容をもうちょっと明確にしていただきたいと思います。
#88
○畠山政府委員 昨日の内閣委員会におきまして、選挙監視要員の輸送という問題について、その場合に武器を携行するのかという御質問がございまして、車両移動時においては、これは大隊長の判断によるけれども、最近の一般的な原則として、仮にそういう事態があれば小火器、けん銃ないし小銃を携行するでありましょうということを申し上げました。その意味は、輸送する者が自己の危険を避けるために、自分を守るためにけん銃ないし小銃を携行するということでございます。自己の生命を守るために携行しますが、そこはまさに選挙監視要員を輸送する場合でなくて、ただ単に自分一人で車を運転していく場合でも、そういう車両移動時におきましてはけん銃または小銃を現在では携行するのが大隊長の判断として適当だという実態になっておるという状況でありますから、そこにたまたま選挙要員を輸送するという形で車両の移動をする場合でも、自己の生命を守るために小銃ないしけん銃を携行するという意味合いでございまして、特別に警護のための別途の人間がそこにけん銃ないしは小銃を持って付き添っていくという形ではございませんで、輸送者それ自身の生命を保護するものということでございます。
#89
○吉田(正)委員 今の説明は防衛庁の考え方なんですね。しかし、いろいろな事故とかそういう紛争というものは相手の判断も入ってくるわけですから、そういう点でこちら側の主観的な考え方だけでそれが通るかどうかということになると、非常にまた問題だと私は思うのです。
 そこで、同じさっきのパンフの中の質問第五のところで、「憲法に抵触するとの意見がありますが?」というその答えの中の(2)で、「自衛官には、自分の生命・身体又は自分と共に現場にいる他の協力隊員の生命・身体を防衛するために武器の使用が認められています。」これは二十四条を指していると思うのです。それでは、このPKO協力法に基づく実施要領では、武器の使用管理についてどのように定めているのかということですね。
 それともう一つは、今の説明、あえてまた反論ではないのですが、宿舎から選挙監視要員の任務地までの輸送は、身辺警護なしには行けない場合もあるわけでありますね、状況によっては。したがって、そういうことがないけれども安心のために携行するんだという説明は、それはこちら側の説明であって、紛争が生じた場合にはそういう説明は通用しない、警護になるということがはっきりいたしておるわけです。
 これは防衛庁から出た話ではないと思うのですけれども、一部の新聞等では、したがって業務からそれることになるから、フランス軍など他国のPKFに依頼する場合があるんだということです。そうすると皆さんは、いや、それは状況を判断してやるというふうな説明になるかもわかりませんけれども、ここからここまでが通常の業務だ、ここからここまでがPKFが分担すべきなんという明確な線引きというのは、こういう紛争地あるいは部分的な戦闘が生じた場合には区別できないですよ。
 そういう点で、先般の高田さんのとき以上に非常に危険な状況が想定されるんじゃないか。とりわけポル・ポト派が今度は南東部といいますかタケオ周辺に精鋭部隊を移動させているというふうな報道もなされておるわけですから、その辺を考えますと、この問題については慎重にも慎重を期さないと取り返しがつかない。日本の自衛隊、施設大隊とポル・ポト派の間の戦闘という、まさに戦闘状況が発生するおそれがあるわけですから、この辺をどういうふうにお考えになっているのかです。
#90
○畠山政府委員 ある意味では仮定の上に立っての御質問でございますので、非常にお答えをしにくい面があるわけでございますけれども、まず客観的に申し上げますと、先ほども触れられましたけれどもタケオの周辺、施設大隊のいる周辺におきましては、停戦違反事件が皆無とは言いませんけれども他の地域に比較して非常に安定した状況にあるということで、ただいままでのところは少なくともそういうような自衛隊とポル・ポト派の間で戦闘状況になるような事態は想定しにくい状況でおるということが一つございます。
 それから、今後の展開いかんによってはそういう事態も想定されるではないかというお話だと思いますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げました宿営地内におきますいろいろな安全対策を十分に講じた上で、なおかつポル・ポト派が、仮にの話として何らかの戦闘行為といいましょうか妨害行為をしてきたという場合におきましては、まず最大限これを回避する努力をするということでございます。そしてまた、それにもかかわらずどうしても、二十四条に定められた状況が満たされるならば武器の使用をすることもあり得るということでございますが、基本的に私どもは、六百人の施設大隊と一部勢力との間で全般的な戦闘状況が起こるということは、論理的な可能性としてはあるとしても、現段階でそういうことを想定することは困難といいましょうか、そういう状況にはないというふうに申し上げて差し支えないのではないかと思います。
#91
○吉田(正)委員 想定というふうなことになるかということについては後ほどまたもうちょっと論議をしたいと思うのですけれども、その前に、きのうの本会議、一昨日の新聞記者との会見で総理は、国連がUNTACの輸送力強化を柱とする支援を求めているので百万ドルの緊急支出をする、こういうことが出ておるのですけれども、国連からの要請のもうちょっと具体的な内容があるのかどうなのか。それから、百万ドルというのは現金でやろうというのか、それとも例えばヘリであるとか人員輸送車であるとか、そういうふうな具体的な、現物支給といったらいいのですか援助といったらいいのですか、それは具体的にはどんなになっておるのでしょうか。
#92
○小西説明員 ただいまお尋ねの件でございますが、UNTACがただいま現在いろいろな形で安全対策のためにとろうとしている措置について、私どももUNTACに要員を出している一派遣国として、できる協力は何かということで国連側といろいろ協議を続けておるわけでございます。その協議の過程におきまして国連側から、このような水、食糧等の輸送、これはもちろん要員の個人個人の生命、身体に関する安全ということでござ
いますけれども、それに加えて移動面での安全といった総合的な観点から輸送手段の強化ということが非常に大切である、したがってそうした輸送面での協力として何か加盟国からも協力していただけないかということで、その一つとして、主としてヘリコプターということで日本からの協力の可能性について打診があったわけでございます。
 我が国といたしましても、こういった面で国際的な協力を強化していくことが非常に重要だということを考えまして、この国連側の非公式な打診に対して、我が国として輸送能力の強化のために百万ドルをめどとして緊急拠出を行うという考え方を伝えたわけでございます。これは恐らく現金拠出ということになるかもしれませんが、この支払いの態様、それからどういった具体的な内訳になるかというような点につきましては、引き続き国連側と今協議中でございまして、最終的な形はまだ明確になっておりません。
#93
○吉田(正)委員 これからUNTACあるいは国連の側から日本に対するいろいろな協力、支援要請というものが出てくるのではないかと私は思うのです。したがって、湾岸戦争のときのように、額はそんなことにはならぬと思いますけれども、百三十億ドルという金がどうなったのか、どうも途中で不明確になってしまったというふうな話も聞いておりますから、そういうことのないようにきちっとした方針を出していかないと、またああいう批判を受けることになるのではないかと思いますから、これは今後の問題として要請をいたしておきます。
 ところで、時間が迫ってきて、まだお聞きしたいことがたくさんあるのですけれども、さっきの想定とか予想という仮定の問題ということでは国会答弁の中でもよく話が出るのです。だけれども、完全に仮定で終わる話というのは国会の中では余りないのですね。何らかの形でそういうものが出てくるということでありますので、私は、パリ和平協定が現実に機能しないというか、完全とは言わなくても部分的に崩壊をしておるのではないかというものを客観的に、具体的事実に基づいて判断をすべきだろう。よく五原則、五原則と言われるのですけれども、あとの二つの原則は撤退だとかなんとかの話でして、いわゆる三原則です。これは国連PKO協力法のまた原則であるわけですから、この内容については時間がありませんから一々ここでは申し上げませんけれども、この三原則に照らしてみますと、現実にはもう既にパリ和平協定なり停戦の実態というのは崩壊をしておると判断をされるわけです。この三条件の一つでも失われれば国連PKO活動の継続は不能になり、国連は政治折衝や調停努力によって再度条件を回復するか、それまで活動を一時中断するか、それらがいずれも不可能な場合はPKOとしての活動を停止し、撤収するという判断をしなければならないのではないか。これは文章上ですから仮定でいいのですが、今申し上げた内容については確認できるのではないですか。
 もう一回言いましょうか。この三条件の一つでも失われれば国連PKO活動の継続は不能になり、国連は政治折衝や調停努力によって再度条件を回復するか、それまで活動を一時中断するか、それらがいずれも不可能な場合はPKOとしての活動を停止し、撤収するという判断をしなければならないのではないか。これはPKO協力法制定に当たっての五原則の中の前の三つの原則なんですね。この点についてはどうなのですか、これは仮定でいいですが。
#94
○川口説明員 我が国の国際平和協力におきましては、我が国が国際平和協力活動を行う五つの原則というのを定めておりますけれども、現状ではカンボジアにおいては五原則が守られているというふうに私ども承知しております。その最初の三つは、停戦の合意それから受け入れ国の同意、中立性という、あとの二つは一種の国内的な関係でございますけれども、仮にその三つのうちのいずれかが崩れた場合につきましては、我が国としては五原則が崩れたということで撤収なり終了ということになります。
#95
○吉田(正)委員 具体的に事実でもっていろいろ論議もやりたかったのですが、時間がありませんから。
 私ども社会党といたしましては、五月六日にカンボジア問題についての申し入れもやっております。これは官房長官に山花委員長、嶋崎PKOプロジェクト主査が行って直接手渡しておりますから御存じだろうと思うのですが、これを十分検討して取り組んでいただきたいと思っているのです。
 実は、皆さんも十分御存じだろうと思うのですけれども、かつて国連の上級広報官をやられた埼玉大学教授の吉田康彦さん、この方が五月八日の朝日新聞の「論壇」に「カンボジア情勢悪化と国連信仰」というタイトルで投書をされております。時間があればこれを全部読みたいのですけれども、これはぜひ読んでいただきたいと思いますが、最後のところだけちょっと読ませていただきますと、
 第三次中東戦争を阻止できなかったスエズ派遣国連緊急軍、PKO要員に二百人以上の死者を出したコンゴ動乱、国連監視下の選挙実施後のアンゴラ内戦再発と、国連がしでかした間違いは数え切れないほどある。米軍を国連軍にした朝鮮戦争も国連史上最大の失敗例だ。こうした国連の失敗の歴史にカンボジアを加えないですむ可能性は何か、これこそ、国連好きの日本人が感情論を排して総力をあげて取り組むべき課題である。ということで、今の日本の、それから世論というか、国連国連、国際貢献と言えば何でもまかり通るという風潮に対する一つの警世の文ではないかというふうに私は思っておりますので、ぜひひとつごらんいただきたいと思います。
 時間が参りましたのでやめますけれども、まだ質問をしたいことがたくさんございますので、またいずれの機会がにぜひ御質問させていただきたいと思っております。ありがとうございました。
#96
○志賀委員長 次に、山口那津男君。
#97
○山口(那)委員 公明党・国民会議の山口那津男でございます。このたびの自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、順次御質問をしたいと思います。
 まず初めに、本法律は、危機が生じましたときに、外務大臣が邦人の生命身体を保護する必要がある場合にこの輸送を防衛庁長官に依頼する、こういう制度の立て方になっておるわけでありますけれども、その防衛庁長官に要請をする前提として、邦人を保護、救出する、こういう第一次的な役割は外務省にあるということになっておるだろうと思います。
 そこで、現在の在外公館の邦人保護並びに危機管理の体制というものが十分に整っているのかどうか、この辺はどうなっておるのか。まず現状を概括的に説明していただきたいと思います。
#98
○荒政府委員 御案内のとおり、緊急事態が発生するような状況におきましては、在外公館というものはそういう緊急時における邦人保護活動を含む危機管理体制の拠点となるということでございまして、その点は御案内のとおりでございますが、私どもとしましては、最近世界各地におきまして緊急事態であるとか情勢の不安定化、さらには邦人が巻き込まれるいろいろな事故が多発しているということで、外務省としても邦人保護、安全対策、危機管理体制の充実に鋭意努力しておるということでございます。
 より具体的に申しますと、平成五年度の予算におきまして、海外邦人安全対策及び危機管理体制の強化ということで、総額二十二億円強、これは対前年比三六%強のアップでございますけれども計上させていただきまして、種々の対策の拡充に努めているということでございます。特に邦人保護の関係で通信網の整備が重要でございますので、邦人のための無線網あるいはインマルサットの整備、パラボラアンテナの増強等いろいろ情報収集機能、連絡機能の強化を行っておる。もちろん人員面につきましても、いろいろ御理解を得まして、在外公館の定員の増強を鋭意図っておるの
が現状でございます。
#99
○山口(那)委員 実際の緊急事態が生じた場合に、邦人を救出して航空機による輸送に適する状態に持ってくる、実際には飛行場まで運んでくる、これも在外公館の役目であろうと思います。こういう体制が実際に緊急事態の起こる現場でとれるのかどうか、どのように考えていらっしゃるか。これも、例えば道路が寸断されるとか広い国土にわたっているときは、在外公館が独自に国内の航空路あるいは航空機を確保するとかということはなかなか考えにくいことだろうと思うのです。実際にこれをどういうふうに輸送に適する状態に持ってくるか、この辺の体制について伺いたいと思います。
#100
○荒政府委員 緊急事態の状況によりましていろいろ変わるかと思いますので、若干一般的な我々の段取りを御説明いたしますと、まず、緊急事態が発生した場合に、第一段階としまして、当然のことながら当該国・地域におられる在留邦人、それから問題は邦人の旅行者、これは大変難しいのですけれども、これの安否及び所在確認に全力を挙げて取り組むということでございます。それから第二段階としまして、これら邦人の方に対し、その時点において我々が把握しておる現地の情勢、情報を伝達するとともに、そのときにおいて適切な安全確保のためのアドバイスあるいは対策をとる、通信網の整備も当然そこに含まれるということでございます。それで、さらに状況が一層悪化するということになりますと、当然のことながら、本省とも協議の上退避勧告を出すことになるわけでございまして、そういう事態になりますれば、どういう方法で退避するか、その側面的な支援を行うということでございます。
 なお、空港まで移動するという状況になった場合でございますけれども、当然、我々在外公館としまして、空港までの輸送につきまして全面的にそれに当たるということでございまして、道路状況もいろいろございますけれども、可能な限り館員が同行して空港に何らかの方法で集結させるような段取りを考えておるわけでございます。
#101
○山口(那)委員 その場合に、在外公館の職員が直接その輸送の仕事に携わる、こういうことも当然仕事のうちに含まれるというふうにお考えでしょうか。新聞等の報道によりますと、例えばユーゴスラビアで当時の駐在の一等書記官が、日本国籍を持つ、現地の方と結婚した方、妊婦であったわけでありますが、その方を数百キロ自動車で送り迎えをした、こういうことが報道されております。そうした実際に館員が運ぶということも任務の一つに含まれるのかどうか、そしてその体制があるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
#102
○荒政府委員 私どもとしましては、在留邦人の方の空港あるいは安全な地域への移動に際してそれを全面的にバックアップするというのは、我々の重要な仕事だと思っております。先生御指摘のように、ユーゴの件でも大変危険があったわけでございますけれども、我々の判断としまして大丈夫だろうということでやったわけであります。ただし、具体的な状況それから在外公館の例えば車両の状況等々によりまして、必ずしもあらゆるケースにおいて全員を漏れなく集結できるかどうか、この辺はしかと確約はできかねますけれども、我々のスタンスとしましては、可能な手段を総動員して支援を行うというふうに考えておるわけでございます。
#103
○山口(那)委員 原則としては、連絡通信の体制を整える、そして自力で邦人の方々に集結してもらうということだろうと思いますが、例外的には館員みずからがその輸送に携わる、あるいは在外公館が特別に調達をした車両等によって輸送を行うこともあり得るということだろうと思います。したがいまして、その後者の例外的な部分も柔軟に対応できるように体制を強化していく、システムとしても予算措置としても確保していく、こういうことが今後大切ではないかと思いますので、ぜひ検討願いたいと思います。
 さてそこで、過去の実例といたしまして、航空機による邦人の輸送、緊急事態に際してこういう輸送を行ったことがあるかどうか、その件数と、どういう場合があったか、これはある程度類型化できると思うのですね。例えば、我が国政府が救援機を送ったというケースもあるでしょうし、そういうことができずに外国の航空機に頼ったこともあるでしょうし、結局それがいずれも達成できず邦人の個人の判断に任せざるを得なかった、あるいは輸送が結果的に行えなかった、いろんなことが想定されるだろうと思うのですが、一応整理して御説明いただきたいと思います。
#104
○荒政府委員 これは戦後ということに当然なるわけでございますけれども、過去の例としまして、外務省、政府が民間の航空機をチャーターして邦人救出のための輸送を行ったケースは全体で十四件ございます。昭和四十年のインド・パキスタン戦争のときが最初でございます。
 類型的というお尋ねでございますので、若干分けて申しますと、まず、日本航空のチャーター便を用意して邦人の救出のための輸送を行ったケースが、先ほど申しました昭和四十年のインド・パキスタン戦争を含めて八件ございます。そのほかに、インド・パキスタン、それから第四次中東戦争昭和四十二年、四十六年のパキスタン内戦、四十六年インド・パキスタン戦争、それから五十年のベトナム戦争、これはマニラまで行って待機していたのですけれども、結局情勢が急変しましてフライト自身は実現できませんでした。それから昭和五十一年、中国の北京の近くの唐山の大地震がありましたときにも日航機のチャーター便を出しております。
 それから、第二の類型としましては、いろいろな事情で我が国の航空会社のチャーター便が使えない、あるいは困難ということで外国航空会社のチャーター機を使ったケースが二件ございます。昭和六十三年のミャンマーにおける騒擾の際に、これは日米共同でタイの航空機をチャーターして邦人の救出をいたしました。それから一昨年、平成三年九月だったと思いますけれども、ザイールで暴動が起きましたときには、地理的その他いろいろ考えまして、スイスの航空機をチャーターして邦人の救出を行いました。
 それから、第三の例は、日本航空のチャーター便と外国航空会社のチャーター便を組み合わせて複合的に使ったケースは、いずれも平成二年のイラクによるクウェート侵攻のときでございまして、イラクの航空機と日本航空の航空機、イラクの航空機はバグダッドからアンマンまで、それ以遠、例えば東京まであるいはバンコクまでは日本航空のチャーター機を使った、こういう第三のケースが四件ございます。
#105
○山口(那)委員 今おっしゃられたケース十四件はいずれも政府救援機を派遣した、こういう例だろうと思うのですね。しかし、実際には政府救援機を派遣できずに、例えば外国の航空機、外国の軍用機に頼ったとか、あるいは結果的に試みたけれども輸送ができなかった、こういうケースもあるのではないでしょうか。それらも含めてお述べいただきたいと思うのですが、いかがですか。
#106
○荒政府委員 大変失礼いたしました。そういったやむを得ず外国の軍用機等に乗ったケース、いろいろケースとしまして十件以上ございます。
 全部申し上げませんけれども最近の例から申しますと、昨年の十一月、ルアンダ、アンゴラ情勢が悪くなった時点でそこに邦人の方が当時三名おられました。それで、我々いろいろ救出方法を考えまして、結局イギリスが軍用機を派遣して在留外国人を救出するという動きがあったものですから、我々はイギリス政府にアプローチをしましてその協力を得て、イギリス軍用機によって三名の邦人が救出されたということがございます。それから、同じ昨年の五月フリータウンで起こったときにもやはり米軍機に、これは一名でございましたけれども邦人の方を乗せていただいて救出しましたし、それから一昨年の平成三年、ハイチでクーデターがたしか十月ですか起こりました。そのときにはメキシコが軍用機を出してポルトープランスから外国人を救出するということで、私
どもはメキシコ政府に協力を依頼しまして、邦人が十名以内でございますけれども救出していただいたという例がいろいろございます。
#107
○山口(那)委員 先日の本会議で、仮にこの政府専用機を使用しておれば、あるいは自衛隊機を使用しておれば邦人の輸送が可能であったという例が何件か述べられました。今おっしゃられた政府救援機を派遣すれば派遣ができたという実例の場合も、今回の法律が仮に成立して運用可能となった場合に、もちろん民間機をチャーターしてやることも可能でしょうけれども、この政府の専用機を飛ばすということも可能なわけですね。いずれが適当かということはその都度の状況によって判断をするのだろうと思いますが、いずれにしても今伺っただけでも本法が成立した場合の運用可能な実例は少なくとも過去二十四、五件以上あるというふうに思えるわけです。今後この民族紛争あるいは地域紛争の多発する状況の中でますますそういう必要性は高まっていく可能性もあると思うわけであります。
 さてそこで、本法では外務大臣が防衛庁長官に要請をすることになっているわけでありますが、この邦人の輸送が必要となった場合、必ず防衛庁長官に要請するのかどうか。これが、いわば選択するべき場合にどのような基準を持ってこの要請をしていくのかというところが大事になるだろうと思うのです。例えば今言ったような民間のチャーターをした方が適切な場合かどうかという選択もあり得るでしょうし、あるいは輸送を必要とする人数、規模、地域の状況等にもいろいろよるでしょうし、その辺の選択基準について説明いただきたいと思います。
#108
○荒政府委員 私ども外務省としまして、外務大臣が防衛庁長官に救出のための輸送を依頼する場合の基準的考え方ということでございますけれども、その前提としまして、外国におきまして災害、争乱その他の緊急事態が発生して邦人の退避が緊急に必要とされるという状況が、これは当然のことでございますけれどもまずあるわけでございます。そういう場合におきまして、私どもとしては、まずそういう事態で定期便等の利用が引き続き可能である、依然として可能であるということでございますれば、在留邦人の方々にそういう定期便を早急に利用して退避するよう勧告をする、これが第一段階でございます。
 それで、次はそういう定期便等の利用が困難あるいは不可能な場合でございますけれども、そういう場合におきましては、先ほど御指摘のようにいろいろな要素、これは例示的に申しますと我が国からその当該地域までの地理的な距離であるとか当該国の地理的条件、それから対象になります空港の状況、施設の状況、それから現地の一般的な情勢、それから輸送対象となり得べき人の数であるとか、もちろん時間的な要素、どれほど緊急性があるか、それから自衛隊機及び民間機のうちどういうものが利用可能であってどういう種類があるか、その性能、それからそういった機体の手配に要する時間、そういったものをいろいろ総合的に勘案しまして、その結果、民間チャーター機及び政府専用機を含む自衛隊機のうち自衛隊機が最も適当であるということを私どもが判断した場合には、防衛庁長官に対して外務大臣名で依頼を行うということでございます。
#109
○山口(那)委員 今おっしゃられたような基準に基づいて外務大臣が要請をする、それを受けて防衛庁が今度は輸送の仕事をするわけでありますが、現在、政府専用機は防衛庁の管理になったわけであります。そこで、一般的にはこれが軍用機というふうに国際社会からみなされることになるのだろうと思うのですが、この点の認識と、それから法律上の根拠、条約上の根拠について説明していただきたいと思うのです。
#110
○荒政府委員 御案内のように、政府専用機、現在ボーイング二機ございますけれども、これは防衛庁に所属して防衛庁によって運航されるということでございますので、一般論として申し上げますと国際法上軍用機としての取り扱いを受けるということでございます。
#111
○山口(那)委員 今軍用機とおっしゃいましたけれども、それが軍用機と扱われることによって国際航空路の運航上、民間の航空機等と比べてどういう違いが起こってくるのか、ここら辺がよくわからないわけです。軍用機という概念は国際法上確立されているのでしょうか。例えば昔の条約でパリの国際航空条約というのがありました。ここには軍用航空機という明確な概念が規定されておりまして、そのほかの郵便ですとか警察用の国家の保有する航空機とは区別された概念で用いられたわけです。いずれも国の航空機というふうに見られるわけですが、それとは違った民間航空機という概念があるわけですね。これが現在国際民間航空条約に一新されまして、この中では特に軍用航空機というような概念は用いられておりません。ですから、民間航空機であるかそれとも国の航空機であるか、こういう二つの概念で分類されているのだろうと思うのですね。民間航空機であってもそれが軍や警察や税関の業務に用いられる場合にはこれは国の航空機とみなすというような規定もこの条約の三条(b)にあるようであります。そうした意味で、この政府専用機がどういうふうに条約上扱われて、それが民間航空機とどのような違いがあるのかというところを御説明いただきたいと思います。
#112
○荒政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、いわゆるシカゴ条約、国際民間航空条約を引用されましたけれども、そこに書いてありますとおり、民間航空機につきましては当該条約及び関連の国際的なルールに従ってやるわけでございます。ただし、軍用機であれ民間機であれ、外国の領域を飛行するあるいは着陸するという点につきましては扱いには相違はございませんで、国際法上、原則の問題として、当該外国の事前の同意が必要であるということになっておりまして、その面では特に違いは出てこないということでございます。
 なお、軍用機の国際法上の扱いについて若干お触れになりました。私ども承知しておる限り、一般国際法上、軍用機につきましては不可侵権といった特権が一応与えられておることになっておりますけれども、航空機の歴史自体が比較的新しいということでございまして、特権、免除のそれ以上の具体的な内容につきまして、現在何か一般国際法上のしっかりした詳細な規則があるという状況ではないというふうに認識しております。
#113
○山口(那)委員 国際法上そのような状況であるとしましても、実態としては、先ほど実例として輸送のいろいろな例を挙げられました。民間航空機が飛べない地域、軍用機あるいは国の保有する航空機しか飛べない地域が危機に際して設定されて、そしてそれによって輸送せざるを得ない、こういうことも出てくるわけですね。したがいまして、軍用機であるかどうかということは実態上重要な問題だろうと思うのです。さらに、これが危険地域であるからこそ軍用機しか飛べないんだ、こういう扱われ方をしているんだとすれば、政府専用機であれ、この自衛隊の使用する航空機がそういう地域に輸送のために飛んで行く場合には果たしてさまざまな危険が伴わないのかどうか、この点の実態的な認識を伺いたいと思います。
#114
○荒政府委員 先ほどの点で、まず続きの点を若干申し上げますけれども、一般国際法上軍用機たる自衛隊機が運航される場合、仮に紛争が起こっているようなところに行く場合どうかという点に触れておられましたけれども、一応国際法上の考え方としましては、紛争地域を飛ぶかどうかという意味で何か民間航空機と違いがあるかと言えば、そこはないということはまず一点ございます。
 それから、私ども、今後邦人の救出のために政府専用機等の航空機の運航を防衛庁にお願いする際には、これは当然関係の在留邦人を安全に輸送するという目的でございますので、その場合に、現地の飛行場に安全に着陸できるような状況であるか、あるいはその過程における飛行空路が当該国によってちゃんと安全に管理されているかということが大前提になってくるわけでございまして、仮にもそういう前提条件がないということに
なりますれば、したがって救出のための専用機は飛ばせないということになるわけでございます。
#115
○山口(那)委員 今抽象論として安全な状況云々という話がありました。しかし、実際問題が起きてきた場合に、限界的な実例というのが起きると思うのですね。先ほど例として挙げられたハイチのクーデターのときの例、これは民間機の運航が停止された中でメキシコの軍用機が運航された、そこに邦人の輸送を依頼した、こういう実例だったと思います。その場合に、今回の法律が成立したとすれば、それに基づいて我が国の自衛隊機を派遣できるのかどうか、その場合どんなことが考えられるのか、この点についてどうお考えでしょうか。
#116
○荒政府委員 若干仮定の問題、状況になるかと思いますけれども、万が一飛行経路あるいは当該飛行場の安全運航の条件が整わない、したがって政府専用機等が飛べないというような状況を想定しますと、結局取り残された邦人の問題ということになろうかと思います。その場合、私どもはそのときどきの状況に応じて適時適切な措置をとるということでございますが、具体的には、例えば大使館への一時退避であるとか、その他安全な場所への集結といったこと、それから、これも状況によりますけれども、他の友好国の協力を依頼できるような場合にはそれも探求するといったことを我々考えておる次第でございます。
#117
○山口(那)委員 なかなかお答えしにくい点かもしれませんけれども、もう一度論点をはっきりさせて伺いますけれども、商業便、民間航空機の運航が停止されて軍用機が飛ぶ状況というのは、やはり商業便では危険だから軍用機に限る、こういうことですね、だろうと思いますね。ですから、商業便よりは軍用機の方が危険地域は飛ぶ可能性が高いという、そういう場合だからこそ今回のような制度をつくって、それで自衛隊機が飛ぶことができるような制度をつくろう、こういうわけでしょう。
 そうすると、一般的に民間航空機が飛ぶに適さない、そういう状況において軍用機を出すかどうか。その場合、他国で危険を顧みず行くところがあるかもしれないけれども、我が国が飛ばすかどうか、そういう中での飛ばすかどうかという危機状況、安全性の判断の仕方というのはあるだろうと思うのです。この点の一般的な考え方というのは確立しておらないわけですか。
#118
○荒政府委員 御指摘の点につきましては、私どもは確立した考えを持っておるというつもりでございます。本法案による緊急事態における邦人の救出ということは、先ほども申しましたけれども、当該在留邦人等を安全に救出するということでございます。安全に救出するためには、そこに至る飛行経路あるいは空港の状況が安全でなければならないということで、そういう点が確認されれば自衛隊機の運航は可能になるだろうと考えておるわけでございます。
#119
○山口(那)委員 民間機が運航を停止した場合には、安全ではないから停止するわけでしょう。今言ったような安全な場合には飛ばす、こういうことだと、民間機が飛ばない場合にはこの飛行機は飛ばさないわけですか。
#120
○荒政府委員 これは過去の例を踏まえて御説明しますけれども、過去のいろいろな緊急事態におきまして民間航空機の運航が困難あるいは不可能になったケースがいろいろございます。ただ、それはケースによっていろいろ違いまして、例えば民間航空機がかろうじて不定期ながら飛んでいるけれども座席数に余裕がないとか、あるいはその政府の指導によって定期便は中断する、しかしチャーターは飛んでいいとか、いろいろなケースがあるということでございます。
#121
○山口(那)委員 全然お答えになってないように思えるわけです。安全という抽象的な言葉だけではわかりかねる。商業便が全面的に運航を停止するということは、かなり安全が保障されてない、完全には保障されてないという状況ですよ。その場合に、軍用機が飛んで輸送したケースが過去にあるわけです。ですから、今回の制度ができればそれは自衛隊機という、軍用機として扱われる飛行機の運用なんですから、軍用機が飛べる状態であればいつでも行かせるのか、それともそうでない場合があるのか、この辺、ただ安全が云々という抽象的な言葉じゃなくて、もう少し基準らしきものはつくれないのですか。
#122
○荒政府委員 その点につきましては、先ほども申しましたけれども、定期便等の利用が困難あるいは不可能になった場合が今回問題になるわけでございますけれども、その場合には、先ほど申しましたようにいろいろな要素を総合的に勘案しまして、民間チャーター機及び自衛隊機そのいずれが、そのうち自衛隊機が総合的な判断として最も適当であると判断した場合には、私どもとしては防衛庁に依頼を行うということでございます。
#123
○山口(那)委員 同じ答弁の繰り返しですので、それでは次に移りたいと思います。
 今は外務省側の判断を聞いたわけですが、その要請があった場合に、今度は防衛庁側として、その要請を受けて直ちにこの航空機を出すのかどうか、この点の基準はどうなっておるのか、これを御説明いただきたいと思います。
#124
○畠山政府委員 外務大臣からの要請を受けまして、防衛庁長官といたしましてもそこに判断を加えてから、派遣すべきであるという判断になれば派遣するということでありますが、その判断の基準といいましょうか要素といたしましては、一つは、自衛隊の任務遂行に支障を生ずるかどうかという問題がございます。それからもう一つは、輸送の運航責任を有する者としての専門家の立場から、運航の安全性が確保されるかどうかという点を確認するということがございまして、その二つの点からクリアされた場合に、これを適当として派遣を行うという形になろうかと思います。
#125
○山口(那)委員 そうすると、今、外務大臣としての安全性の判断を一応経てきた場合に、今度は防衛庁長官として、この地域へ飛ばす安全に疑問があるということで飛ばさないという判断もあり得る、こういうことですか。
#126
○畠山政府委員 物事の論理的な考え方としてはおっしゃるようなことがあり得ると思いますけれども、実際上の事務手続からいたしますと、外務省と防衛庁との間で事前に意見のすり合わせを行った上で形式的に外務大臣から要請があり、それを受けて防衛庁長官が飛ばす、こういう形になろうかと思います。
#127
○山口(那)委員 そうだとしますと、先ほども私が質問したように、商業便が一切運航停止になった、軍用機を飛ばす国もある、そういう状況下で軍用機を飛ばずに適するかどうかという判断をどのような基準で出されるのでしょうか。
#128
○畠山政府委員 先ほど来外務省の方からお答えいただいておりますとおり、まず、基本的に救出するといいましょうか、在留邦人を輸送する場合に、これは安全に輸送しないことには何の意味もないわけでありますから、その意味の安全性が確保されていないと、つまり空港におきます安全性と航空経路におきます安全性が確保されていないと何のために派遣したかわからないことになるわけでありますから、その意味の安全性は十分にチェックしなければいけないということであります。これは、派遣先の空港の責任者であります派遣国政府において着陸の許可をするわけでありますから、その判断がそこにおいてチェックされるといいましょうか正当化されることに相なるわけであります。それから、航空経路におきましても、そこの経路の国の政府においてこれを許可するということになると、そこは安全性が確認されたという形になるわけでございまして、その事前の段階で、私どもの方から、こういう場合には安全だ、こういう場合には飛ばすということを抽象的な分類として申し上げるのはいささか困難でございますけれども、形式といたしましては、実際上の運用といたしましては、相手国政府の許可、すなわちこれが安全の確認であるという形で判断がなされ得るというふうに私は思っております。
#129
○山口(那)委員 外務省も同様の判断ですか。
#130
○荒政府委員 ただいまの防衛庁の答弁と同じよ
うに我々は考えております。
#131
○山口(那)委員 そうしますと、その相手国の着陸の許可が一つの要素であるということは確認できたと思います。
 さて次に、我が国の政府専用機、現在二機でありますが、これは他の先進国と比べると、機数、機種ともに不足しておるといいますか非常に少ない、こういう実情だろうと思います。近年、この政府専用機の用途が法律上ふえてきておりますので、この用途を円滑に遂行するために、今後、政府専用機をふやしていく、機種、機数ともに増強していく、こういうお考えをお持ちでしょうか。
#132
○畠山政府委員 御指摘のとおり、防衛庁といたしまして、政府専用機、現在ボーイング747を二機保有しているわけでありまして、この体制をもって本年六月から本格的な任務運用を開始すべく現在準備を進めているところであります。今後の運用体制につきまして、これからの任務運航の実績等を勘案しながら、政府専用機検討委員会というものがございまして、そこの検討を経て今後検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。御指摘のとおり、本来でありますと、この二機というのは本格運用のために必ずしも十分とは言い切れない面がございますけれども、いずれにいたしましても、その運航実績を踏まえ、かつ政府専用機検討委員会の検討を経た上で結論を出したいというふうに考えております。
#133
○山口(那)委員 この在外邦人を輸送する任務が与えられたとした場合に、政府専用機以外の自衛隊機を使用する場合も出てくるわけでありますが、現在、これに適する輸送機はC130ぐらいだろうと思います。しかし、これだけで果たしてあらゆる場合に対応できるのかということには疑問があります。C130は航続距離が限られておりますし、輸送の人数というのもおのずから限定があるわけですね。
 そこで、将来この邦人輸送の業務が仮にふえてくるというような場合に、これに対応するために輸送力をアップするのは、政府専用機の機種、機数を整えることの方がいいのか、それとも自衛隊のといいますか軍用の輸送機を増強するのがいいのか、どっちの道を選択すべきだと考えていますか。
#134
○畠山政府委員 これも、今の段階でどちらかという判断は非常に難しいわけでございますけれども、考え方といたしましては、今回の法律改正によって政府専用機によりまして在外邦人の輸送を行う任務が与えられた、そのための機種として政府専用機をメーンに据えているということからいたしますと、政府専用機という形で検討していくのが適当だろうと私個人的には思っておりますが、いずれにいたしましても、政府専用機が着陸できないような空港もありますので、一体そういう実態がどうなってこれから推移していくのかということ、あるいは運航実績等も十分勘案しながら、そのどちらによって対応していったらいいのかということもそれから先で結論を得たいというふうに思います。
#135
○山口(那)委員 今回の立法に当たっても、ボーイング747では大き過ぎて着陸ができない、それから、機数が限られていて運航できない、こういう場合を想定して、他の自衛隊機を補充的に使うという立て方になっているわけでありますから、ボーイング747以外の政府専用機を柔軟に取り入れるという考え方も十分検討していただきたい、このように思います。
 そこで、邦人の輸送に当たって戦闘機等の護衛をつける必要は考えられないという本会議の答弁でありますが、しかし、あらゆる場合を想定した場合、絶対にあり得ないと言い切れるのかどうか、状況によってはそういう場合も出てこないとは言えないのではないか、そういう主張もあるようでありますが、この点はどうお考えになっていますか。
#136
○畠山政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、本政府専用機ないしこういう形での軍用の輸送機を使用する場合に、つまり在外邦人の輸送を行うという場合に、基本的には安全が確保されてないとその目的自身が失われるということもございますので、まず安全が確認されていなければいけない。そういう状況の中でありますから、したがいまして戦闘機による護衛ということは私どもとしては想定し得ないというふうに考えておるところであります。
#137
○山口(那)委員 もしそういうお考えであれば、この法文上は航空機に何の限定もついていないわけでありますが、これを立法技術上、輸送に適する航空機とか、あるいはそういう規定のもとに具体的な機種を政令で特定するとか、そういう立法技術も可能であるのではないかと思うわけです。なぜそういう手段をとらなかったのですか。
#138
○畠山政府委員 自衛隊法上、戦闘機に限らず輸送機につきましても機種を限定した法文ないしその政令の書き方というのは、これまでの少なくとも一般的な事例としてはございません。といいますのは、これは目的によっておのずと限定されるという基本的な立て方になっておりまして、ちょっと話が外れますが、例えば武器の携行みたいなときの武器の種類を限定するということはございませんで、その任務、目的の範囲内においておのずと限定されるということから、特段法律あるいは政令の段階で明瞭な形で限定をしている、明記しているということはございません。
 例えば、今の輸送機の問題について申し上げますと、百条の五というところに国賓等の輸送という規定がございます。これについても間違いなく戦闘機を使うということはございませんけれども、輸送に適する航空機というようには限定がなされておりません。そういったことの規定ぶりとの権衡あるいは基本的な物の考え方ということからいたしまして、そういうお説のようなことはとらなかったということでございます。
#139
○山口(那)委員 確かに百条の五には航空機という規定がありまして、これに特別な機種を限定するようなものはないわけです。ただ、ちなみに言いますと、二項には、機種の限定ではありませんが用途を限定するということで「国賓等の輸送の用に主として供するための航空機」、こういう規定の仕方はあるようでございます。
 いずれにしても、この百条の五それからこの法律によっておのずからその用途に適した航空機に限定されていくであろう、つまり実質的には輸送の用に適する航空機に限られるであろう、こういう解釈が確立する、こう見ていいのではないかと思いますが、いかがですか。
#140
○畠山政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#141
○山口(那)委員 先ほどの御答弁にもありましたが、軽武装の警務官等を同乗させる、こういう場合があるというお話でしたが、武装した隊員を同乗させるとか、あるいは輸送機そのものに武装を施すとか、そういうことは全く考えていない、こう言ってよろしいのでしょうか。
#142
○畠山政府委員 警務官について、けん銃を持たせるケースがあり得るというケース以外はそういうことは全く考えておりません。
#143
○山口(那)委員 外務大臣から要請を受けて防衛庁長官がこの本法の業務を実施するかどうか、この場合に、例えば災害時に実施するというのは防衛庁長官が単独で判断することでよろしい場合が多いかと思いますが、しかしその他の紛争等に絡む場合は、これは実際防衛庁長官の単独の判断でいいのかどうか。むしろ、場合によっては安全保障会議とか閣議とかの議論を経た方がいいのではないか、こういうことも私は考えるわけでありますけれども、そういう場合があり得るのかどうか。それとも全く必要ない、単独の判断だけでいい、こう思っていらっしゃるのかどうか、この点いかがですか。
#144
○中山国務大臣 緊急時における在外邦人の救出というのは外務大臣の所管でございまして、外務大臣からの要請に基づいて防衛庁長官が出動していくという形に規則の上ではなるわけでありますけれども、いろいろなケースがあろうかと思います。そのケースによりましては、先生が御指摘になりましたような、外務大臣の方からか私の方か
らになるかはわかりませんが、安全保障会議とか閣議とかにお諮りする必要も出てくるのではないかと思っております。
#145
○山口(那)委員 今のような御判断ですと、防衛庁長官の実施の決意の段階でするか、それとも外務大臣が要請をする段階でやるか、これは理論的には二つの場面が考えられるわけですが、先ほどの御答弁で、実務的には両方の協議の上、調整を図った上で一括的な決定がなされる、こういうお話でしたから、外務大臣の要請の場面でも当然閣議等を経る必要があるかどうか検討がなされるだろうと思うのです。外務省としては、この点どうお考えになっていますか。
#146
○荒政府委員 私ども外務省としましても、ただいま防衛庁長官の御答弁がありましたように、全く同じように考えておる次第でございます。
#147
○山口(那)委員 いずれにしても、重要な場面におきまして、これが国内的にも国際的にも慎重な手続かつ明快な手続であるということがわかるようにぜひ運用をお願いしたいと思います。
 さて、ところで、外国人を同乗させる場合があり得る、こういう規定になっておるわけでありますが、この同乗させるべき外国人の選択は外務省の仕事になっております。選択をした上で同乗を依頼する、こういう形でありますから、その場合にどのような外国人が選ばれるのか、その選択の基準です。こういう今日的な状況では、例えば犯罪者ですとかテロリストですとか紛争当事者の指導的立場にある人とか、あるいはあらかじめ亡命を希望している人、これらの人はそういうことがわかる場合とわかりにくい場合といろいろあるわけでありますが、そういうチェックの体制、選択の基準、この辺をどのようにお考えですか。
#148
○荒政府委員 一般的に外国人の同乗を要請する場合の考え方でございますけれども、まず第一に人道的見地から邦人と同じような状況のもとで退避が必要とされる外国人であってほかに救出手段がないと認められるということと、それからこれは当然でございますけれども、私ども邦人の救出を優先するということで、対象となる航空機に座席的に余裕があるという前提があるわけでございます。それと、次に当該外国人の母国の政府から我が方に対して、当該外国人の輸送同乗につき要請があるということを原則として我々としてはやっていきたいと考えております。
 それで、犯罪者とかテロリストあるいは亡命のことを御指摘になりましたけれども、そういう我々の考え方からしますと、そういう者につきましては要請が行われることは到底想定できないことでありまして、要請がなければ我々としては同乗を考えることはしないということでございます。
 いずれにしましても、私どもとしては御指摘のようないろいろなものの扱いに関しまして、万が一にも政治問題であるとかあるいは外交的な問題が生じないよう、その点につきましては十分慎重に対処するという考えでございます。
#149
○山口(那)委員 その同乗させるべき外国人の本国から要請が来る、それを前提にするから余り想定できない、こういうお話でしたけれども、そう甘くはないのじゃないかと思うのです。いろいろな国があるわけでありますから、そこから要請が来たからといって漫然とその人たちを乗せるというのではいかにも甘過ぎるだろうと思います。ですから、その辺のチェック体制というのを独自に整えていく必要があるのではないかと思っております。ぜひこの点、御検討いただきたいと思うのです。
 時間も参りましたので最後ですが、その依頼を受けて機内の安全を確保する必要があると思います。民間機でもハイジャック等が起こる時代でありますから、こういうような場合まことにレアケースであるかもしれませんけれども、やはり機内の安全というものが保たれるかどうか、この点は防衛庁としてどのような体制を組むおつもりですか。
#150
○畠山政府委員 まず外務省の方で在外公館の情報等を踏まえ、あるいは要請元の国の判断を踏まえて十分チェックされた上での外国人の搭乗ということになるわけでございましょうから、そこには全く誤りはないと私どもは信じておりますけれども、しかし万々が一それでも危険物を持ち込むような外国人があるというケースも全く想定されないわけじゃございません。その意味で、そのチェックをさらにすり抜けた者が機内において不穏な動きをすることが論理的には考えられるところでございますので、私どもといたしましては、警務官を同乗させまして、これに必要な状況に応じましてけん銃を保有させ、これをもって機内の秩序維持を図るというふうに考えているところであります。
#151
○山口(那)委員 通告した質問、全部終わりませんでしたが、また次回に留保したいと思います。ありがとうございました。
#152
○志賀委員長 東中光雄君。
#153
○東中委員 きょうは、時間がありませんのでカンボジア関係のことに限定してお伺いをしたいと思います。
 カンボジア国際平和協力業務実施計画は九二年の九月八日に閣議決定されましたが、それ以後三回にわたって計画の変更決定が行われています。また、それに従って協力隊設置政令の一部改正やら実施要領の変更がいろいろ行われておるわけですが、現在の時点で自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務で今カンボジアヘ行っている施設部隊などの協力業務の種類、内容、実施計画によると九項目ぐらいあるように思うのですが、当初のものは何で、その後どういうふうに変わったか簡単に説明をしていただきたい、なぜ変わったかということを含めまして。
#154
○畠山政府委員 実施計画上の変更点について申し上げますと、当初建設の業務ということで掲げられておりましたが、平成四年の十二月に実施計画の変更がございまして、輸送、保管の業務というのが入りました。それから、水の浄化の業務というのが追加されております。それから、平成五年の二月になりまして、協力法第三条第三号のヌに掲げるというのが追加されておりまして、これは医療であろうというふうに思います。それから、平成五年の四月に閣議決定でまた変更いたしまして、飲食物の調製の業務あるいは宿泊作業施設の維持管理の業務ということが追加されております。
 実施計画上は以上のとおりでございます。
#155
○東中委員 それで、端的にお伺いしますが、道路、橋等の修理等の業務が当初の中心的な業務であったわけです。それで、国道二号線、三号線の道路及び橋の補修工事ということで作業が進められたと思うのです。ところが、最近では二号線、タケオからベトナム国境の方へいく道路の補修工事はもうやめている、あるいは危ないからやめようという方向が出てきておるというふうに伝えられておるわけであります。平和協力業務、二号線、三号線全部の工事をやるというのではなくて、補修もやめてしまうというふうな方向が出てきているというのですが、どういうふうになっているのですか。
#156
○畠山政府委員 道路の補修、建設を行うという一般的な指図を受け、オペレーションオーダーという中で二号線、三号線の建設、補修ということが一般的に書かれておりますが、それを受けた形で、個々の作業区域につきましてはそれぞれ工兵部長といいましょうか、その指図をすべき者との連絡調整によりまして作業順位を決めております。その順番として、まず三号線のアンターサムの近くから始めまして、そこを終わったところで二号線の北の部分を行うということで合意を見、そういう形の指図を受け、いわば作業の順番として二号線の北の部分を実行しているという状況でございます。
#157
○東中委員 長官に聞きたいのですけれども、これは四月十六日の読売ですけれども、「タケオ―ベトナム国境間の工事を当面、見送る方針を決めた。」というのは、ベトナムに近づくほどベトナムに協力をするということで、ポル・ポト派が攻撃をしてくる可能性が多いということで方向を決
めた。それで、さらに情勢によっては予定した二号線、三号線全線の工事は完了できないということ、これはもうやむを得ないというふうな方向が出てきておる。これは政府の判断で、今オペレーションオーダーはその二号線、三号線ということだったけれども、実際にやめるについては、そういうふうに方向が変わってきておるということが報道されているわけですね。だから、防衛庁としてはそういう方向をとっておるのかどうか、現実に行っている部隊の最初から与えられている主要な任務について、この点どうなのでしょう。
#158
○畠山政府委員 繰り返しになりますけれども、このオペレーションオーダーに書いております二号線、三号線といいますのは、例えばいつまでにどのくらいの延長距離を工事せよということまでは書いてございません。したがいまして、個々のどの部分から実行するかということについてはその都度工兵部長等と協議をいたしまして、優先順位を持って決めていくということでございます。その順位として、二号線について言えば北の方から順次作業を、これは二号線は非常に傷んでいる道路でございますので北の部分は非常な作業量があるわけでございます。そこのところを優先的に実行しているということでございまして、特段南の方を全くやらないということを政府の方針として決めたということはございません。
#159
○東中委員 それでは、先ほど言われたようにUNTACの構成部門に対する水や燃料の供給というのが新たにつけ加えられましたね。これは十二月の変更のときにつけ加えられたのですが、この水、燃料の供給、そして最近加えられました飲食物の調製、それから宿泊または作業のための施設の維持管理ということがこの施設部隊の業務の中に加えられた。それは極めて具体的なので、何に対するどこでの水、燃料の供給なのか、それからとりわけ宿泊または作業のための施設の維持管理を施設大隊が行うということになれば、どの宿泊作業のための施設の維持管理業務を平和協力業務として行うことになっておるのか、オペレーションオーダーあるいは実施要領で示されたのは一体どこの何についてかということを明らかにしてほしいと思います。
#160
○畠山政府委員 水の供給につきましては、フランス軍それからタケオ州ヘッドクォーターに対して供給をしたという実績でございます。それから、燃料につきましては、タケオ州の選挙監視支援チームに対して供給をしております。それから、最後の、食料の供給あるいは宿泊施設の提供ということにつきましては、これは今後の選挙監視要員に対する支援体制ということで実施計画を改定したものでございまして、いまだ具体的な実績にはなっておりません。
#161
○東中委員 わかりました。
 そうすると、タケオへ今後行く日本からの選挙監視要員ですかの宿泊それから作業のための施設の維持管理を、今行っている施設大隊が新たな任務としてやるということですね。
#162
○川口説明員 タケオの施設部隊の任務の追加でございますけれども、食料の調製とか宿泊所の、平たい言葉で言えば食事の提供それから宿泊所の提供でございますけれども、これはUNTACの要請に基づいてUNTAC職員に対するということでございますので、当然日本から行く選挙監視要員も含まれますけれども、そのほかの国の方々も可能性としてはございます。UNTAC職員一般でございます。
#163
○東中委員 日本の部隊も、部隊というか選挙監視要員もこの地域へ行く。私何も日本だけが行くと言ってないのです。日本が行くから、それも含めて、それの宿泊と関係施設の維持管理をやる。要するに、日本の施設大隊が施設をつくるのじゃなくて、維持管理の業務をやるということですねということを言っているわけです。ほかの、いるかいないか、いないとは一つも言ってないのですから。言っていること、間違いないでしょう、そうですね。
#164
○川口説明員 先生が今おっしゃったことでございますが、平たい言葉で言えば一種の宿泊と食事の提供を行う、当然日本人要員に対しても行うことができます、UNTAC要員でありさえすればですね。
#165
○東中委員 何を言っているんだ、あなた。食事の提供を行うか行わぬかというようなことは聞いてないよ。施設の維持管理と言っているじゃないか。そういうふうに書いてあるからそのとおり言っているのであって、それを何も食事を提供するとかそんな平たく言う必要はないのです。維持管理ということになれば、これに対する攻撃があった場合にその部隊はどうするんだということを聞くために言っているのだから。
 現に、宿泊所がポル・ポト派の攻撃を受けたことがあるでしょう。人が亡くなっているという事態が起こっているでしょう。タケオ地域については、今ポル・ポト派が部隊編成をして、南下してこの地域へ展開しているということも言われていますね。そういう状態で施設大隊が部隊として、UNTACの施設あるいは宿泊所が攻撃を受ける、それの維持管理に当たるということ、橋と道路の補修と言っていたのが、追加されてそれが入ってきているということについて聞いているのだから。
 これは防衛庁長官、それで施設の維持管理をやるということになって、日本の選挙監視要員が行きますね。今、もしそういう場合にその施設の維持管理、食事の提供なんて言ってないのです、それも入っておるかもしれぬけれども。その維持管理をやっておるところへ攻撃を受けた場合に、日本の施設大隊はどうするのですか。現にもう何回か起こっているわけですから。我が国がたまたまおらぬときに襲撃を受けたことありましたけれども。今度は情勢が非常に厳しい状態になってきているから、そういう場合に日本の自衛隊としては、現に行っている施設大隊としてはどうするのですか。維持管理の任務が新たに加わったのだから、そこへ攻撃があった場合にはどうするのですかということをお聞きしているのです、防衛庁長官。
#166
○畠山政府委員 まず、直接にお答えする前に前提として、若干イメージされていることが違うように思いますので、そこのところをちょっと御説明させていただきます。
 作業のための施設の維持管理という、いわば持って回ったような書き方をしてございますけれども、イメージされておりますのは、他の食事や宿泊施設と同じように、タケオの宿営地の中に作業のための施設を貸してあげます、提供しますという意味合いでそういう表現で書いてあるわけでございます。したがいまして、イメージされるところは、タケオの宿営地の中に何らかの作業施設、作業場を提供してあげましょう、こういうことでございます。
 それから、それにもかかわらずそういうものが攻撃を受けたということになりますと、これは一般原則になるわけでございますけれども、極力危険を回避して退避するというようなことで対応する、どうしてもやむを得ず、法律の要件を満たせば、武器の使用の二十四条の規定を適用することもないとは言えない、そういう一般的な状況に返るということでございます。
#167
○東中委員 選挙にかかわるUNTAC等の物資の保管というのが九三年四月に追加されましたね、業務の中で。選挙に関するUNTAC等の物資といえば、単なる物の保管じゃなくて、選挙に関するというのが新たについたのですね。それで、PKO協力法のあの任務では、選挙に関するものと一般の物の保管とは明らかに違いますね。選挙に関していえば三条三号のトですね。選挙についていえば「選挙若しくは投票の公正な執行の監視又はこれらの管理」というようになっておる。そして物の保管ということは三条三号のタですから、これは選挙に関するものと違いますね。今度つけ加えられた任務は、タの装いをしながら、UNTACの、しかも選挙のということがわざわざついているのです。ここで任務の変更、施設部隊が選挙をやるかどうか、これはやらない。選挙については、やれるのは管理と監視だ、執行
じゃないんだというふうになっておるのです。こういうところで範囲を広げていっているわけであります。しかもこれが自衛隊の部隊の任務の中へ入ってくる。これは新たに広げられたのですね。こういうふうになってきた。それから、今の維持管理ということも含めまして、今度は巡回をやるのかどうかということが問題になってきております。
 そこでお伺いしたいのですが、この間、五月三日付で発表された「国連カンボジア暫定統治機構にかんする事務総長第四次経過報告」、これのパラグラフ六によりますと、UNTACの「軍事部門は、」したがって自衛隊施設大隊も入るわけですね。「軍事部門は、文民警察やその他のUNTACの部門との緊密な協力のもとに、もともとの実施計画と調和しない不安定な状況のもとにある選挙過程の安全と、カンボジア各政党ならびにUNTACスタッフの安全を保障することに努力を向け変えている。」そして「UNTACの軍事部門は、有権者登録チームの安全を確保するために再配備され、一方、文民警察部門は、危険にさらされているとみられている政党事務所の周辺の定点監視と移動パトロールを開始している。」だから、巡回をしているということでもありますし、それから、安全を保障するという活動に自衛隊の部隊が、軍事部門としての施設部隊が参加をしている、そういう方向に変えたということで今度のものが追加されてきているのです。
 そして、この同じ事務総長報告によりますと、三十七項で、後半ですが、「文民警察部門と共同で軍事部門は、投票期間中の安全確保について、和平プロセスにしたがっているSOC、ラナリット派、ソン・サン派の三派と協定を結んだ。この協定の中心点は、投票所とその近辺の安全はUNTACのみによって確保されることになるということである。」これは、軍事部門が投票所とその近辺の安全はUNTAC、彼ら自身ですね、だから施設部隊も含むわけです。によって確保されることになるということ、これは安全保障理事会に対する公式の報告で出ているのです。そういう背景で、今のUNTACのコマンドオーダー、いわゆる指図に従ってこの実施要領を変えたんだ、こういうふうに一番最初に言っているわけです。
 そうしますと、これは投票の安全を確保するというために、施設部隊はその選挙監視をやる人たちの宿舎も作業の施設も維持管理をする、それから、安全を確保するために巡回もするということになってくるのではないか。巡回がパトロールということになれば、これはPKO協力法の三条三号のロに当たることはもう明白です。だから附則の二条で凍結しているそこへ参加していくということになります。
 それから、UNTACが国連事務総長またはそれにかわる者としてのそのコマンドでは、もうそういう方向をやりますということが出てきているわけですから、それとちょっと違うみたいなことを書いてあるけれども、実際はそれをやってしまうということになります。施設大隊は、自衛隊の部隊としては安全確保のための巡回あるいは見回り、そういう選挙活動をやるための安全確保のための行動を任務としては持てないんだ。しかし、そういう方向がUNTACとしてはコマンド、出ているんだ。指図に従うように、適合するようにするものとすると条文には書いていますけれども、するものとしたらPKO法違反になります。向こうのUNTACから出てきているものを事実上受けながら、それに事実上従わないということをやれば、今警察官の問題で問題が起こりましたように、文民警察官の問題で起こっております問題が、今度は自衛隊の部隊自体として起こってくるわけです。特に、この地域がだんだん治安が悪くなってくる、迫ってくると一層攻撃を強めようというふうな状態になっているときでありますので、だから、私は防衛庁長官に、今度実施要領なんかが変えられたことが、その文言どおりに言えばレであったりヌであったりしていますけれども、実際は三条三号のロの方向に行くという危険を多分に持っている。UNTACの国連事務総長の報告ではそういう方向へ向かっているということを言っていますので、その矛盾をどうするか。これはもう局長の話ではなくて、ひとつ防衛庁長官としてはっきり言ってください。
#168
○中山国務大臣 選挙を目前に控えまして、UNTACがそういう方向に向かっているということは確かだろうと思いますが、我が国の自衛隊は、他の国の軍隊と違いまして、同じ軍事部門とはいいながら、いろいろな国内の自衛隊法あるいはPKO法の制約のもとに出ているということはUNTACにも十分理解をしていただいているわけでありまして、今回追加されました業務も、輸送、管理、建設といったこれまでの許されている範疇の中での業務でございます。我々としては、今自衛隊が許されている任務、それをしっかりと踏まえながら、これからの大きな変化にも対応していく、そういう決意をかたく持っているところでございます。
#169
○東中委員 時間ですから終わりますけれども、要するに、UNTAC等の選挙に係る物資の保管、選挙に係るということでわざわざ入れたというのは、もうUNTACあるいは国連として出している方向を、言葉では保管ということになっていますけれども、実際上は適合するようにして、適合してしまったら法違反になるんだというところに来ているのですね。だから、自衛隊法自身に違反している。だって、向こうに行った人はコマンドに従わなければいかぬのだから、SOPをもらっているのですから。そのSOPをいまだに示さないのですから。それで動いているのでしょう。
 そういうことですので、私は、この自衛隊の派遣自体、PKO法自身が問題だということは一応別にしまして、そのPKO法からいっても、現実のカンボジアではもうだめだ、撤収をするしかない。それだけは、言葉づらだけ合わせて実際は違うことをやる、これで宿泊所を攻撃された、それで問題が起こったということになったら、それからでは遅いのです、そういう点で、重大な警告として申し上げて、引き揚げるべきだということを申し上げて、終わりたいと思います。
#170
○志賀委員長 神田原君。
#171
○神田委員 自衛隊法の質疑でありますが、カンボジアのPKOの関係を最初に御質問をしていきたいと思います。
 まず、PKOの関係で、これはカンボジア情勢が選挙を前に非常に緊迫をしている状況だというように考えておりますが、停戦の合意が崩れるということは実態としてなかなか判断がしがたいところであります。何人亡くなったらとか何回攻撃されたらとかで停戦合意の判断をきちんとすることは合理的でないと考えておりますが、停戦の合意が崩れた状態とはどういう場合であると考えるのか、具体的にお答えをいただきたいと思うのであります。
#172
○川口説明員 停戦の合意が崩れたかどうかという判断につきましては、具体的な状況に照らしまして総合的に判断されるべきものでありまして、具体的にどういう状況かということをあらかじめ一般的に申し上げることは困難であると思っております。
 例えば、全面的な戦闘が再開されたといった場合には一つの重要な判断基準だと考えております。現在のカンボジアの状況に照らしますと、カンボジアにおいては一部の地域において武装集団による襲撃事件だとか停戦違反事件が発生しておりますけれども、全面的な戦闘が再開されているわけではございません。それから、ポル・ポト派につきましても、パリ和平協定そのものについて反対しているとかということではございませんで、むしろポル・ポト派の声明なんか見ますとパリ協定の誠実な実行をうたっておりますし、SNCから離脱しているわけでもございませんので、現在の段階におきましては、パリ和平協定に基づく和平プロセスの基本的枠組みは維持されており、停戦の合意の原則は満たされておると考えております。
#173
○神田委員 停戦合意が崩れて我が国の五原則が
満たされない状態というのは、一つはポル・ポト派がパリ和平協定を破棄することを明らかにした場合、二つにポル・ポト派が全土で組織的、継続的にUNTACに対して公然と武力攻撃をしてきた場合、三つ目には中立性の確保の象徴でありますSNCが機能停止に陥った場合などであろうと思いますが、政府としてはどういうふうに考えておりますか。
#174
○川口説明員 先生が今御指摘になりました三つの点、全面的な戦闘の再開でありますとかSNCからの脱退、それから停戦協定の破棄、そういったものは今非常に重要な判断基準であろうかと思っておりますけれども、そのときどきの具体的な事情というものも総合的に判断しなければなかなか決めがたいと思っております。先ほど先生が挙げられた三点というのは非常に重要な判断基準といいますか、判断材料であるだろうと思っております。
#175
○神田委員 情報によりますと、シアヌーク殿下がSNCの議長をやめたい、こういうことを日本の宮澤総理に書簡を送ったと言われておりますが、この点は外務省とか防衛庁では確認をしておりますか。
#176
○河村説明員 北京におきまして池田局長及び今川大使が総理よりのメッセージとして、今後の和平プロセスにおいてシアヌーク殿下が中心的な役割を果たしていくことが重要であり、かつカンボジア国民及び各政党に選挙に参加するよう呼びかけるよう希望する旨伝えておきました。これに対してシアヌーク殿下から総理へのメッセージを受け取ったわけでございますが、外交上のやりとりでございまして、これ以上の詳細なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府としては、シアヌーク殿下はカンボジア各派を権威をもってまとめ上げる唯一の人物と考えておりまして、パリ協定の定めるように暫定期間SNC議長にとどまり、選挙前後を通じまして和平プロセスの中で中心的役割を果たされることを期待している次第でございます。
#177
○畠山政府委員 そういう情報については接してはおりません。
#178
○神田委員 仮にシアヌーク氏がSNCの議長をやめる、あるいは報道によりますとポル・ポト派が司令部を南下させてかなり攻撃の範囲を広げるような状況が起こり得る可能性があるわけですが、そういう時点では撤退問題について具体的に考えるお気持ちはございますか。外務省と防衛庁。
#179
○畠山政府委員 具体的な状況を踏まえて、先ほど総理府本部の方から御説明ありましたように、総合的なそのときの状況を判断して撤退するかどうか決めるということになっておりまして、現段階ではそういう状況に至っておりませんので、そういうことは現在検討はいたしておりません。
#180
○神田委員 外務省の判断が多分難しいことで、この段階では判断ができないかと思っております。それはまた結構でございます。
 文民警官が殺された問題につきましても、PKOの審議の中で、我々は自衛隊を出せ、しかしほかの政党などは文民警察の方の文民を出すんだということでいろいろ話し合いが食い違ったのでありますけれども、結果的に文民警官の方に犠牲が出ているような状況でございます。ただこういう時期でも、シンガポールのゴー・チョクトン首相が五月十日の記者会見で、PKOに人材を派遣するに当たって危険を伴うことは皆が承知していたはずだ、別にピクニックに送り出したわけではないと述べました。結局、我が党が主張しておりますように、PKOは統一の指揮のもとに各国が協力をして動くことですべての国の要員の安全を確保することができるのでありまして、我が国だけが勝手に動いたり独自の行動はできないというふうに考えておりますが、自分がポル・ポト派だったらば日本を攻撃するのが一番有効だと防衛庁長官が言われたというふうなことが報道されておりますが、その辺はどういうふうに考えておりますか。
#181
○中山国務大臣 ちょうど御質問の趣旨がポル・ポト派というお話でございましたので思わずポト派と言ってしまいましたが、ポト派と限らず、今回のUNTACの行動に対し、また選挙に対して反対をしているグループが攻撃をかけてくる。その目的を達成するために、我が国の新聞のように過剰な反応をしていると、そういう新聞を読めば、恐らくそういうグループの人たちは日本の部隊を攻撃することが目的を達成するためには最も効果的なのではないかと思うであろうということを申し上げたわけでありまして、今回の選挙、カンボジアの平和というものを実現するためには、やはり我々は毅然とした態度で協力をしていくことを失ってはならないという意味で申し上げたわけでございます。
#182
○神田委員 安全確保の問題ですが、そういう意味では安全確保の面で我が国といたしましてできる限りの努力をすることが必要だ、こういうふうに考えております。オーストラリアは百人の要員と六機のヘリの派遣を新たに決めました。アメリカは防弾チョッキ六千着、ヘルメット一万個、その他医療器具や照明用具の提供を既に始めております。我が国も輸送手段の充実などについて百万ドルの支援を決めておりますが、さらに要員の安全のために何か考えていることはございますか。
#183
○小西説明員 今先生御指摘の点でございますが、私どもは、要員の安全確保という問題が現時点で非常に重要な問題であるという認識から、国連側が考えている安全面での措置に対する協力ということで国連側と鋭意この点について協議を進めてきております。その協議の一環として国連側から我が国に対して、輸送能力の強化において協力をしていただけないか、具体的にはヘリコプターなどによる輸送能力の強化、この経費に日本からの協力をいただけないかという非公式な打診がございました。我が国としては、こういった要請に対して積極的かつ素早くこたえることが日本自身の要員の安全の確保のみならずUNTACの全要員の安全確保のために非常に重要だということで、この考え方を国連側に伝えてございます。この経費に充当される百万ドルにつきましては、ヘリコプター等の輸送手段の強化ということで、その具体的な内容につきましては現在国連側と協議中でございまして、最終的な具体的な内容についてはまだ確定しておりません。
#184
○神田委員 そういうことで、PKOの今後の問題は非常に微妙でございまして、そういう意味では安全確保に全力を尽くして任務を遂行してもらいたいと思っております。
 続いて、自衛隊法関係で二、三質問いたします。
 この法律案の質疑を聞いておりますと、衆議院の本会議でもそうでありましたが、PKO法案審議のときと同じように、危険なところには派遣しない、こういうふうに言っているように聞こえます。緊急事態の邦人救出には多かれ少なかれリスクを伴う可能性があると考えるのが常識だと思っておりますが、もう少し丁寧に説明をしていただきたいと思います。外務省と防衛庁。
#185
○荒政府委員 確かに、緊急事態における邦人の救出というのは大変多くの困難を伴う任務でございます。しかし、今回の法案に言う邦人救出のための自衛隊機の派遣という点での我々の考え方でございますけれども、これは、当然のことでございますけれども、邦人を緊急事態から安全に救出するためにこういう輸送を行うものでございます。したがいまして、そのような輸送に当たりましては、派遣先国の空港及び航空機の飛行経路におきましては派遣先国政府等の措置によって航空機の安全が確保されている、そういうことが大前提になるわけでございます。また、その安全性の確認ということを踏まえまして派遣先国が輸送機に対する着陸許可を出す、こういう仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、そういう前提が万一確保されないという状況に至った場合には在外邦人の輸送を行うことは考えておらないということでございます。
#186
○畠山政府委員 ただいまの外務省からの答弁の
とおりだと思っております。
#187
○神田委員 これは直接関係ありませんが、今度モザンビークに派遣をしました。そのときにロシアの航空機を派遣要員を運ぶのに使ったと聞いておりますが、これはどういう理由なのですか。
#188
○畠山政府委員 モザンビークのPKOの物資の輸送、要員の方は別でございますけれども、これにつきまして、御指摘のようにロシアとウクライナの飛行機を使ったということでございます。
 これはなぜかといいますと、実際上私どもが機種の選定をしたわけではございません。契約の相手方、ある日本の運送会社でございますけれども、それと私どもとが請負契約という形で契約をいたしましたところ、その際に、私どもから荷物の所要の量を明示し、かつまたモザンビークの空港におきます支援設備といいましょうか支援状況を当然ながら明示いたしまして、そういう形で輸送を委託したということでございます。それを受けましてその運送会社が、イギリスの航空会社がそれに対して機材の提供をするということになりまして、その機材の提供の中で、結果としてロシアとウクライナの航空機になった。
 なぜそういうことになったかといいますと、モザンビークの空港の状況によりまして、荷物をおろしますときの支援機材、リフトローダーというのがないということでございます。そうしますと、型式として、斜めになってずっとおりてくるという形の飛行機、そういうモードの飛行機でないと役に立たないということでございます。そういう技術的な理由から、結果としてこの二機になったという事情でございます。
#189
○神田委員 防衛庁にお伺いします。
 政府専用機を防衛庁に所属がえしたことで防衛庁の装備にしたわけですが、大綱別表との関係はどういうふうになりますか。
#190
○畠山政府委員 委員御承知のとおり、防衛計画の大綱といいますのは我が国の防衛の目的のために我が国が保有すべき防衛力の機能及び体制について定めたものでございまして、その別表はそのための編成、主要装備品等の具体的規模を定めたものでございます。
 他方、政府専用機の使用目的につきましては、平成三年十月、政府専用機検討委員会によって定められておりまして、内閣総理大臣等の輸送のほかに今回のような輸送の事業も含めしめたということでございまして、いわば防衛の目的のために整備するものではないという状況でございます。したがいまして、政府専用機につきましては、大綱別表に定める主要装備品等の具体的規模には含まれないという整理をしているところであります。
#191
○神田委員 最後に、防衛庁長官にお尋ねをいたします。
 国際貢献という自衛隊の任務を考えた場合、政府専用機のような足の長い輸送機やPKOに必要な装備など、これまで自衛隊で想定していなかったような装備が必要となってきます。例えばギャラクシーのような大型で足の長い輸送機は、これまでの任務からすれば必要ないと考えられていましたけれども、これからはこのような装備も必要になってくると思われます。こうした任務は、今後の自衛隊の本来の任務に加え、自衛隊法三条またはそれに準ずる任務として防衛計画の大綱にもきちっと書き加えて、別表に装備も記載することが必要だと思いますが、長官の御見解をお伺いしたいと思います。
#192
○中山国務大臣 国際貢献の業務を自衛隊の本来の活動業務の中に入れたらいいのではないか、いわゆる三条の改正を行うべきではないかという御議論は前から承っているところでございます。しかし、我が国にとりましても自衛隊にとりましても、自衛隊の海外派遣による国際貢献は今回初めてでございまして、PKO法案につきましても、国会での非常に激しい議論の末に成立したものでございます。したがいまして、今回行っておりますカンボジアでの国際協力業務の成果、経験というものを十分に検討をしながら、また国民の皆さんの御理解もいただきながら、国際貢献のあり方等についてじっくりと考えていきたいと思っているわけでございます。
 これまで以上の自衛隊による国際貢献ということが可能ということになれば、またそういうことも考えてもいいのではないかと思っておりますが、もしそういう自衛隊の性格そのものを変えるような新たな法律の改正を行うとすれば、それに対応した装備の面あるいは訓練の面、その他いろいろな面で大幅な変更をしていかなければなりません。それにつきましても、今のところ十分な検討をしているわけではございませんで、これからの国会での御議論あるいは国民の皆さんの世論、そういうものを踏まえながら時間をかけて検討をしてまいりたいと思っているところでございます。
#193
○神田委員 終わります。
#194
○志賀委員長 次回は、来る二十日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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