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1993/02/17 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第2号
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1993/02/17 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第126回国会 農林水産委員会 第2号
 平成五年二月十七日(水曜日)
    午後零時二十分開議
 出席委員
   委員長 平沼 赳夫君
   理事 金子徳之介君 理事 萩山 教嚴君
   理事 御法川英文君 理事 簗瀬  進君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 佐々木秀典君
   理事 前島 秀行君 理事 宮地 正介君
      岩村卯一郎君    内海 英男君
      大原 一三君    久間 章生君
      高村 正彦君    鈴木 俊一君
      中谷  元君    鳩山由紀夫君
      保利 耕輔君    星野 行男君
      松岡 利勝君    有川 清次君
      石橋 大吉君    志賀 一夫君
      田中 恒利君    辻  一彦君
      野坂 浩賢君    鉢呂 吉雄君
      山口 鶴男君    倉田 栄喜君
      藤田 スミ君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田名部匡省君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産大臣官
        房総務審議官  日出 英輔君
        農林水産大臣官
        房予算課長   堤  英隆君
        農林水産省経済
        局長      眞鍋 武紀君
        農林水産省構造
        改善局長    入澤  肇君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    高橋 政行君
        農林水産省畜産
        局長      赤保谷明正君
        農林水産省食品
        流通局長    須田  洵君
        農林水産技術会
        議事務局長   貝沼 圭二君
        食糧庁長官   鶴岡 俊彦君
        林野庁長官   馬場久萬男君
        水産庁長官   川合 淳二君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
二月十五日
 米の輸入自由化反対等に関する請願(小沢和秋
 君紹介)(第一六三号)
 同(金子満広君紹介)(第一六四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一六五号)
 同(児玉健次君紹介)(第一六六号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一六七号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一六八号)
 同(辻第一君紹介)(第一六九号)
 同(寺前巖君紹介)(第一七〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第一七一号)
 同(不破哲三君紹介)(第一七二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一七三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一七四号)
 同(正森成二君紹介)(第一七五号)
 同(三浦久君紹介)(第一七六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一七七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一七八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(農林水産業の基
 本施策)
     ――――◇―――――
#2
○平沼委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、田名部農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。田名部農林水産大臣。
#3
○田名部国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。
 農林水産業及び食品産業などの関連産業は、国民生活に欠くことのできない食糧の安定供給という基本的な使命に加えて、地域経済・社会の維持発展、国土や自然環境の保全など、極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土の大宗を占める農山漁村は、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を国民全体に提供するといった機能を有しています。
 こうした役割や機能を持つ我が国の農林水産業と農山漁村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化の進行、山村等における過疎化の進行など、近年大きく変貌しております。
 このような中で、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、長期的展望のもとに、魅力ある農林水産業と活力ある農山漁村を着実に実現するとともに、生活大国の基盤ともいうべき、農山漁村と都市との均衡のとれた社会や国民一人一人が身近に自然環境と触れ合うことができる懐の深い国土を形成していきたいと考えております。
 こうした観点に立って、農林水産省といたしましては、昨年六月に、二十一世紀を目指した農政の長期ビジョンとして「新しい食料・農業・農村政策の方向」を取りまとめたところであります。
 今後は、これを段階的かつ着実に具体化し、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う力強い農業構造を実現するとともに、条件の不利な中山間地域を初め、農山漁村が多様で活力のある地域社会として発展することができるよう努めてまいります。
 本年は、この新政策の方向に沿って具体策を展開していく初年度であります。したがいまして、新政策における多岐にわたる課題につき、地域の農業者の創意工夫や主体的取り組みを支援、助長していくことを基本として、法制度、予算及び税制の各般にわたる具体的施策を総合的、体系的に講じてまいりたいと考えております。特に、緊要の課題である農業構造・経営対策、中山間地域対策につきましては、先般農政審議会からいただいた報告を踏まえ、早急に具体策を展開してまいりたいと考えております。
 なお、これらの施策の展開に当たっては、関係省庁や地方公共団体との連携の強化に一層力を入れてまいります。
 以下、平成五年度における主要な農林水産施策について申し上げます。
 まず、農業の振興についてであります。
 第一は、経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う力強い農業構造の実現であります。
 すなわち、他産業並みの年間労働時間で他産業並みの生涯所得を得ることができる経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体の育成と、そうした担い手への農地利用の集積を基本に、農業経営の改善、農用地の利用の集積、農地保有の合理化、法人化の推進、経営体を担う人材の育成確保を初めとする各般の農業構造・経営対策を積極的に展開してまいります。
 また、これと連携しつつ、平成五年度から平成
十四年度までの十年間を計画期間とする第四次土地改良長期計画を策定し、長期的展望に立った農業農村整備の計画的、効率的な実施に努めてまいります。
 さらに、人材の育成確保の一環として、女性がその持てる能力を十分に発揮できるよう、新しい農山漁村女性対策の推進にも努めてまいります。
 第二は、中山間地域を初めとする農山漁村の活性化であります。
 特に、中山間地域の農業は、生産面のほか、国土・環境保全の面でも重要な役割を果たしており、従来から各般の施策を講じてきたところであります。
 本年は、さらに対策を拡充強化し、農林業を初めとする各種産業の振興、良好な生活環境の確保、道路アクセス条件の改善など定住条件の整備を図るとともに、農林地等の地域資源の適正な利用、管理など、諸施策を総合的に講じてまいります。
 第三は、活力ある農業生産の展開であります。
 米につきましては、本年から、生産者、生産者団体の一層の主体的取り組みを基礎に、水稲作と転作を適切に組み合わせた望ましい経営体の育成を図りつつ、生産性の高い水田営農を確立すること、また、他用途利用米を含む望ましい米づくりを目指して水田営農活性化対策に取り組むこととしており、行政と農業関係者が一体となって、その円滑な実施に努めてまいります。また、これとあわせて、米の多様な需要に的確に対応するため、生産面での対応を含めた米の制度別用途別需給の均衡化のための総合的な対策を講じてまいります。
 畜産につきましては、生産性の向上等経営体質の強化、畜産主産地の活性化等に重点を置いた対策を総合的に実施してまいります。
 野菜につきましては、供給力低下の懸念に対応して、生産対策を強化するとともに、価格安定対策の充実を図ってまいります。
 畑作につきましては、需要サイドとの連携を強化しつつ、生産、流通、加工体制の整備等を総合的に実施してまいります。
 第四は、食品産業、消費者対策の推進であります。
 近年、食品産業が、消費者ニーズの多様化・高度化、国際化の進展、物流コストの上昇等さまざまな問題に直面していることを踏まえ、食品産業の健全な育成、食品流通の一層の合理化、効率化を図ってまいります。また、国民に対する正確でわかりやすい食品情報の提供を促進し、消費者と供給者との相互の信頼を高めるための公的な規格・表示制度の充実を図るとともに、食品の安全性の確保、日本型食生活の定着に努めるなど、消費者対策の推進を図ってまいります。
 第五は、技術の開発とその普及であります。
 若者が夢を持って取り組める農業を創造するには、労働時間の大幅な短縮と労働負担の軽減が肝要であります。このため、高性能農業機械の開発、実用化と導入を促進するとともに、特に、野菜生産の機械化、酪農における集団的取り組みへの支援、新搾乳方式の導入等を進めてまいります。
 また、農林水産業や食品産業における生産性の飛躍的向上や農林水産物、食品の高付加価値化、さらには環境問題等に対処するため、イネ・ゲノム解析研究を初めとする基礎的、先導的研究等の研究開発を実施するとともに、民間等の研究開発に対する支援を推進してまいります。
 第六は、地球環境問題など環境問題への対応と、国際協力の推進であります。
 まず、足元の国内から環境保全型農業の積極的な推進を図るとともに、食品産業分野においても総合的な環境対策を進めてまいります。
 また、熱帯林の減少、砂漠化の進行等の地球環境問題に対処するため、調査研究の充実、昨年の地球サミットにおける国際的合意を踏まえた取り組みを初めとする国際協力の強化等を図るとともに、開発途上国等への農林水産業協力を多角的に推進し、積極的に国際貢献を図ってまいります。
 このほか、以上申し上げた各般の施策に即して各種制度資金の内容を充実させるとともに、農業災害補償制度の改善や農林中央金庫等の協同組織金融機関の経営基盤の強化を図ってまいります。
 次に、林業の振興についてであります。
 林業につきましては、森林に対する国民のニーズにこたえる多様で質の高い森林の整備と、国産材時代の実現に向けた条件整備が基本課題であります。
 このため、民有林、国有林を通じた森林の流域管理システムを確立することを基本として、森林整備事業及び治山事業の計画的な推進、林業の担い手の育成確保、林業機械化の促進、国産材の低コスト安定供給体制の整備、林業金融制度の拡充強化といった各般の施策を総合的に講ずるとともに、関係省庁と連携して、森林・山村対策の充実を図ってまいります。
 また、国有林野事業につきましては、改善計画に基づき、経営の健全性の確保に努めてまいります。
 次に、水産業の振興についてであります。
 水産業につきましては、資源保護や環境保全の観点から公海漁業に対する規制が強まっている一方で、我が国周辺水域の資源状況の悪化が見られる等厳しい状況に直面しております。このような中、国際化時代に対応した漁業を推進するため、マグロ等の資源の調査、管理、さらにはその増大対策を総合的に展開してまいります。また、本年五月に京都で開催されるIWC年次総会において、捕鯨問題に関する我が国の立場について理解が得られるよう努めてまいります。
 さらに、生産基盤、生活環境の整備等により、漁村地域の活性化を図るとともに、資源管理型漁業、つくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業振興を図ってまいります。また、合併の促進等による漁業協同組合の経営基盤の強化を初め、漁協、水産業の経営対策の充実強化に努めるほか、新技術の開発や試験研究の強化、水産物の需給安定、流通消費、加工対策等各般の施策を講じてまいります。
 以上のような農林水産施策を展開するため、平成五年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の基礎を築くものとして、十分に意を尽くしたところであります。
 また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきまして、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 最後に、農産物貿易問題について申し上げます。
 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいては、農業以外の分野についても、各国とも困難な問題を抱えており、我が国の農業に関する問題も各国に理解を求めているところであります。
 我が国としては、従来からの基本的方針に従い、我が国の立場が交渉結果に適切に反映されるよう努力しているところでありますが、特に、米につきましては、我が国における米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、また、国会における御決議等の趣旨を体し、国内産で自給するとの基本方針で対処してまいります。
 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、農林水産業に携わる方々を初め国民各界各層のコンセンサスを得ながら、二十一世紀を視野に置いた農林水産政策の総合的な展開に全力を尽くしてまいります。
 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#4
○平沼委員長 次に、平成五年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。上野農林水産大臣官房長。
#5
○上野(博)政府委員 平成五年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成五年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めて、三兆三千六百八十億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆八千二百二十六億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千三百四十一億円、食糧管理費が三千百十三億円であります。
 なお、このほかにNTT事業償還時補助分として百七十四億円が計上されており、これを含めた農林水産予算の総額は三兆三千八百五十五億円となります。
 以下、予算の重点事項について御説明します。
 第一は、経営体の育成と農地の効率的利用であります。
 経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、地域における農業経営及び農業構造改善目標を明確化するとともに、法人化の推進、経営指導の強化等により農業経営体の体質強化を図ります。また、各機関、団体のそれぞれの役割に応じた農地の利用集積活動を促進します。
 さらに、意欲と経営能力にすぐれた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性の活動促進のための対策を実施します。
 また、農業生産基盤の整備については、第四次土地改良長期計画を策定し、その計画的、効率的な実施を図ります。
 第二は、中山間地域等の活性化と国土保全機能の維持であります。
 中山間地域において、営農の継続と農用地の効率的利用を図るための融資制度を創設するとともに、集落機能の再編強化、農林地の管理活用を図ります。また、土地改良施設の公益的機能等を適正に発揮させるための集落による共同活動の支援や農山漁村における滞在型余暇活動の促進を図ります。
 さらに、都市と比較して立ちおくれている農山漁村の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を推進します。また、豊かで美しい農山漁村の創出を図ります。
 第三は、技術の開発、普及による農業生産の効率化であります。
 緊急性の高い高性能農業機械の開発及び開発された農業機械の実用化等を促進するとともに、野菜生産の機械化、酪農の新搾乳システムの普及、定着化等を図るための対策を実施します。
 また、イネ・ゲノム解析研究を初めとする基礎的、先導的研究等研究開発を実施するとともに、民間等の研究開発に対する支援を推進します。
 第四は、消費者ニーズを重視した農林水産行政の展開であります。
 消費者の食品に対するニーズの多様化を踏まえ、消費者の適切な選択等に資するため、特別表示食品について表示の適正化等を図るとともに、食品の規格、包装の適正化、安全性の確保等施策の充実強化を図ります。
 第五は、活力ある農業生産の展開であります。
 生産者、生産者団体の一層の主体的取り組みを基礎に、水稲作、転作を適切に組み合わせた望ましい経営の育成や生産性の高い水田営農の確立に重点を置いて水田営農活性化対策を実施します。また、米の多様な需要に応じた生産誘導、集荷、流通の促進を図るため、米の制度別用途別需給均衡化のための特別対策を実施します。さらに、畜産、畑作農業、野菜生産の振興のための各種施策を展開します。
 第六は、地球的規模の環境問題等への対応と国際協力の推進であります。
 技術の開発や家畜ふん尿等のリサイクル利用等を総合的に進め、環境保全型農業の確立を図るとともに、食品産業分野においても、食品廃棄物の減量化、食品容器のリサイクル等の総合的な環境対策を実施します。また、地球環境サミットにおける国際的合意を踏まえ、地球環境問題に対する取り組みを強化するとともに、開発途土地域等に対する農林水産業開発協力を推進します。
 第七は、食品関連産業の振興であります。
 消費者ニーズの多様化、流通コストの上昇等に対処するため、卸売市場の整備を初めとする食品流通の構造改善や経営基盤の強化、技術の開発等食品産業対策を推進します。
 第八は、多様な森林整備の推進と国産材時代への条件整備であります。
 多様で質の高い森林を整備するため、森林整備事業計画及び第八次治山事業五カ年計画に基づき、造林・林道事業及び治山事業を計画的に実施するとともに、林業の担い手の育成強化を図るため、林業事業体の体質強化、機械化の促進、林業労働力の確保等を総合的に展開します。また、木材の生産、加工、流通の各部門間の縦の連携を強化することにより、木材産業の構造改善を進めるための資金の創設等林業金融制度の充実強化を図ります。さらに、国有林野事業については改善計画に則して経営改善を着実に推進します。
 第九は、二百海里体制の定着等に即応した水産業の振興であります。
 資源保護や環境保全の観点から、公海漁業に対する規制が強まっている情勢のもと、国際化時代に対応した漁業を推進するため、マグロ等の資源調査、管理・増大対策を総合的に展開します。また、漁業生産基盤、漁村生活環境の整備、沿岸漁業の構造改善等により漁村地域の活性化を図るとともに、資源管理型漁業及びつくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業の振興を図ります。さらに、水産新技術の開発、試験研究の強化、漁協、水産業の経営対策の充実強化、水産物の需給安定、流通消費、加工対策等の各般の施策を展開します。
 次に、特別会計予算について御説明いたします。
 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額八千六百五十億円を予定しております。
 これをもちまして、平成五年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#6
○平沼委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、明十八日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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