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1993/03/25 第126回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第6号
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1993/03/25 第126回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第126回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第126回国会 農林水産委員会 第6号
平成五年三月二十五日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 平沼 赳夫君
   理事 金子徳之介君 理事 萩山 教嚴君
   理事 御法川英文君 理事 柳沢 伯夫君
   理事 佐々木秀典君 理事 前島 秀行君
   理事 宮地 正介君
      岩村卯一郎君    上草 義輝君
      大原 一三君    加藤 紘一君
      久間 章生君    高村 正彦君
      鈴木 俊一君    谷  洋一君
      鳩山由紀夫君    保利 耕輔君
      星野 行男君    真鍋 光広君
      松岡 利勝君   三ッ林弥太郎君
      宮里 松正君    村岡 兼造君
      有川 清次君    石橋 大吉君
      遠藤  登君    沢藤礼次郎君
      志賀 一夫君    田中 恒利君
      辻  一彦君    野坂 浩賢君
      鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君
      山口 鶴男君    倉田 栄喜君
      藤原 房雄君    藤田 スミ君
      小平 忠正君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田名部匡省君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      上野 博史君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    高橋 政行君
        水産庁長官   川合 淳二君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課長    間宮  馨君
        外務省経済局漁
        業室長     関 興一郎君
        文部省初等中等
        教育局職業教育
        課長      寺脇  研君
        文部省高等教育
        局専門教育局長 本間 政雄君
        厚生省生活衛生
        局乳肉衛生課長 伊藤蓮太郎君
        運輸省海上技術
        安全局船員部船
        舶職員課長   平山 芳昭君
        農林水産委員会
        調査室長    黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十五日
 辞任        補欠選任
  中谷  元君    真鍋 光広君
  野坂 浩賢君    沢藤礼次郎君
同日
 辞任        補欠選任
  真鍋 光広君    中谷  元君
  沢藤礼次郎君    野坂 浩賢君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の
 変化に即応して行われる水産加工業の施設の改
 良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三九号)
 沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第四〇号)
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第四四号)
 漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第四五号)
     ――――◇―――――
#2
○平沼委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の四案を一括して議題とし、審査を進めます。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻一彦君。
#3
○辻(一)委員 きょうから水産四法の審議に入りますので、ちょうど水産四法は沿岸漁業資金法、水協法、漁協法、水産加工の施設にかかわる法案と四法が一緒になりますので、初めでありますので、全般的に少しお伺いいたしたいと思います。
 まず最初に、大臣の方から基本的な見解を一、二伺いたいと思っておりますが、第一は、漁業生産の現状についてであります。日本の水産は、戦後から、まあ戦前、戦中もそうでしたが、一貫して漁獲が世界一、こういうように言われてきましたし、世界最大の水産国であった、こういう経緯がありましたが、最近の数字を見ますと、昭和六十三年の千二百七十九万トンがピークであって、その後減少をして、平成三年では一千万トンを切って九百九十八万トン前後というように聞いております。それだけを見ると、中国あるいはロシアの方も我が国を追い越しておるのでないか、そういう点で随分大きな変化があったものだ、こういう感じを持ちます。
 漁業生産量の減少は、マイワシやスケソウダラの漁獲の減少によるところが大変大きいと思います。国際規制が随分と強化をされて、遠洋漁業が半減するとか、また沿岸漁業も漁獲量が減少する、こういう事態を招いておりまして、平成三年では海面漁業、内水面漁業、養殖、すべてにわたって前年に比べてマイナスという数字が並んでおりまして、非常に心配すべき状況ではないかと思います。
 こういう事態を踏まえて、一千万トンの漁獲を下回るという時代に入ったわけですが、どういうところに原因があるのか、こういうことを一応農水大臣からお伺いしたいと思います。
#4
○田名部国務大臣 お話しのように二十年ぶりに一千万トンを割り込んだわけであります。魚種別に見まして、今委員お話しのように、マイワシで七十万トンあるいはスケトウダラで三十万トン減少したのが主な内容でありますけれども、その主な原因でありますけれども、べーリング公海の漁業の一時操業停止、そうした国際漁業規制の強化によるものが大きいわけであります。また、我が国の周辺水域におきましても、底魚類やマイワシ等の一部浮き魚類を中心に資源の状態が悪化してきたということによるものでございます。
#5
○辻(一)委員 遠洋漁業の規制であるとか沿岸部の漁業規制、それから周辺の環境が非常に悪くなった、近辺の環境悪化、こういうことが原因に挙げられておりますが、もう一つ、漁民が漁業という産業に魅力を失って、漁業全体が活力を失ってきているというところに大きな原因があるのではないかと思いますが、それはどういう御見解でしょうか。
#6
○田名部国務大臣 漁獲量の減少は、それも若干はあるでしょうけれども、それだけで問題だというふうには考えておりませんが、何といっても、先ほどベーリング公海の話もいたしましたし、あ
るいはイカの流し網の禁止、海外二百海里のいろいろな規制によって撤退せざるを得なくなっておる、これがやはり一つ大きな問題だと思います。
 それからいま一つは、これは農山漁村ともそうでありますが、漁業就業者が減少しておる、若い人が減っておる、あるいは高齢化が進んでおる、これはもう同じような状況でありまして、漁村地域の活力の低下が実は懸念されておるわけであります。このため、従来から、資源管理型漁業とかつくり育てる漁業、これを施策の柱にして、非常にうまくいっている地域と、そうでないところがどうしてもあります。ですから、生産基盤の整備を図って、あるいは漁業経営の改善合理化あるいは流通、加工、消費対策の充実、漁村生活の環境の整備、各般の施策を積極的に推進して、やはり漁業が魅力あるものでなければならないと思うのです。
 そういうことで一生懸命努力いたしておりますし、何といっても、ここも同じで他産業並みの所得がなければ魅力を感じない。特に漁業の場合は海に出ていくものですから、どうも若い人たちは余り喜んで長期間船の中での生活というものは、まあもっと楽な方あるのに、こういうような状況もありまして、いずれにしても環境の整備と生産基盤というものを一体として魅力あるものにしていきたい、こう考えております。
#7
○辻(一)委員 私は、大体質問の最後に今の問題に若干触れたいと思うのですが、新農政が片方で展開される、それに対する新しい漁政というものが必要じゃないかということを締めくくりで二、三お尋ねしたいと思いますが、その前に、少し具体的な問題に入りたいと思います。
 遠洋漁業が昭和六十二年に二百三十四万トン、平成三年では百十四万トンと半分以下になっているという、縮小であります。政府の方は、これの対応として減船措置ということが中心であったのですが、いろいろ考えてみると、我が国は今でも世界最大の水産物の市場であるし、漁業生産では世界最高の技術を持っておると思われるし、また、経済大国としてこれから大いに発展途上国の援助をし、世界にいろいろ貢献する必要がある。こういう点から考えると、あれだけ広範な遠洋漁業の漁場を確保しておりながらここまで後退をせざるを得なかったというには、まあ二百海里という基本的な問題があるとは思いますが、国際漁業を確保し、維持をしていく上においてまずさがあったのではないか。例えば漁獲量を上げればいい、とれればいいということが中心になって、沿岸諸国のいろいろな気持ちや考え方、あるいは一緒に利益を共有するというような点にかなり欠けた点があったのじゃないか。そういう点はかなり反省をする必要があろうと思うのですが、そこらについてどういうふうに感じておられるか、お尋ねしたい。
#8
○川合政府委員 国際協力と申しますか、我が国の漁業活動との関連で、国際協力はかなり長い歴史を我が国としては持っております。昭和五十年代に二百海里の導入ということで、発展途上国を中心にナショナリズムの考え方が非常に強まったわけでございますが、その間にありまして、水産無償というような制度を中心にいたしまして国際協力を続けてきたわけでございます。
 しかしながら、ナショナリズムの動きが非常に強いということで、また、外から見ますと日本の市場というものは、先生お触れのように非常に魅力がある市場ということで、みずからそちらに輸出したいという意欲もありまして、いろいろな形で締め出しというような現象が起こってきたわけでございます。しかしながら、我が国の漁業は、先生今お触れのように実績あるいは経験が非常に豊富なものがございますし、それは同時に、相手国の漁業振興に役立てるという意味でも非常に重要な役割を果たし得るものだと思っております。
 現在、例えば今先生の御指摘のような御批判にこたえるためには、やはり相手国で漁業がどういうふうな位置づけにあり、かつ、例えば食生活などに含めまして魚食の普及というところまで考えていかないといけないというような形が出てきておりまして、そういう総合的な意味での協力というものが非常に大事ではないかと思っております。先ほど申しました水産無償の資金協力、あるいはJICAを通じた技術協力、それから民間ベースによる協力など、いろいろな形で多様なシステムを準備いたしまして、各国が受け入れられるような、そしてそれが同時に我が国とも利益を分かち合うような形での協力関係をさらに強めていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
#9
○辻(一)委員 今御答弁にもありましたけれども、魚をとる場所の沿岸諸国と利益やよい点を共有し合うというような環境をつくらないと、とればいいという従来の行き方ではやはり非常に行き詰まりが来る、この点をこれから、だんだん遠洋漁業の市場、漁場は狭くなっていくわけですが、特に留意をして政策上も取り組んでほしいと思います。
 そこで私は、それに関連して捕鯨の問題に若干触れたいと思います。
 フランスは、捕鯨の聖域化を考えているといいますが、どういう状態なのか。これは私は断固撤回させなくてはならないと思いますが、その状況についてまずお尋ねしたい。
#10
○川合政府委員 今御指摘のように、昨年のIWC、国際捕鯨委員会で、フランスが南緯四十度以南の南氷洋を鯨の禁漁区、いわゆるサンクチュアリーにするという提案を行ったわけでございます。この提案は、結果的には科学的な検討が十分でないということもございましたし、必要な賛成を得られないということをフランスが察知いたしまして、取り下げという形で昨年は経過したわけでございます。しかしながら、現在のところ、本年五月に、御承知のように京都で開かれますIWCの総会に再度提案するというふうに見込まれております。
 私どもは、この提案につきましては、鯨類の合理的利用と保存を目的にいたしましたIWC自体の条約の精神にも反しますし、科学的根拠の欠ける提案でございますので、当然のことながらこうした提案が採択されないように最大限の努力をいたしていかなければいけないと思っております。既にその努力をいたしているところでございます。
#11
○辻(一)委員 我が国は、今三百頭ほどの捕鯨調査をやったわけですが、いろいろ聞くと、ミンクの捕鯨調査をやっているその中で、ミンククジラがふえ過ぎてかえって困っているということがきのうかの一部新聞にも出ておりました。シロナガスクジラ、そういうものとミンクがえさの面であるいは空間の面で競合する関係があって、ミンクがどんどんふえていくと逆にシロナガスクジラ等はふやそうとしてもふえていかない、こういう関係があるという記事をちょっと見ましたが、何年間か捕鯨調査をやって科学的なデータをかなり水産庁は蓄積したと思うのですが、そのデータからくるところの内容と方向というものはどういうものか、ちょっとお伺いしたい。
#12
○川合政府委員 今お話がございましたように、我が国は、南氷洋におきますミンククジラの状況につきまして、本年を含めまして六年間捕獲調査を実施しているわけでございます。この調査の過程で、現在ミンククジラは少なく見積もっても南氷洋に七十六万頭というふうに推定いたしまして、今後百年間で資源を絶滅させることなく約二十万頭の捕獲が可能だということが証明され、これはIWCの科学委員会でも認められているわけでございます。
 今お話がございましたこうしたミンククジラの繁殖は、一方でミンククジラなどに比べますと繁殖力の弱いシロナガスなどの資源回復を圧迫しているというような状況、あるいはそういう考え方も出てまいっておりまして、先ほどお話がございましたフランスの提案などは、このアンバランスを助長するというような結果になりかねないものでもございます。私どもは、この科学的な捕獲調査に基づきます結果を踏まえまして、今次IWCの総会に臨んでいきたいと思っております。
#13
○辻(一)委員 せっかくやった科学的な調査資料があるわけですから、それをひとつ持ち込んで、一九八七年のいわゆる商業捕鯨禁止条項を解除するように努力をする、働きかける考えはあるかどうか、もう一度お伺いしたい。
#14
○川合政府委員 私どもの調査結果につきましては、科学委員会では評価も受けているところでございます。昨年のIWCではこうした経過から、改定管理方式というふうに言っておりますが、これについて若干手直しの要求なども出ております。したがいまして、こうしたことも完備いたしまして、日本で二十五年ぶりに開かれますIWC大会に何とか、私どもの今までのこうした科学的な調査の結果を踏まえまして、私どもの今まで意図してまいりました点が受け入れられるように最大限の努力を続けていかなければいけないと思っております。現在もその努力を続けているところでございます。
#15
○辻(一)委員 アイスランドは脱退したというし、ノルウェーもそういうような動きがあると聞くのですが、日本のそういう科学的な事実に基づいた調査、それに基づく要求が入れられない場合に、我が国のこの加盟、脱退の問題について何か考えているのかどうか、そこらはいかがですか。
#16
○川合政府委員 確かに、IWCの現在の動向というものについては、一方、非常にこの目的に沿って今まで対応してまいりました国からは批判があり、また有識者からの今先生がお触れになりましたような御意見があることも承知しております。しかしながら、私どもはこのIWCにとどまりまして、これまでもかなりの厳しい状況の中で科学的な捕獲調査などを続けてきているわけでございますので、しかも科学委員会などでは私どものそうした努力が認められているということもございますので、IWCの中で私どもの冷静な議論が受け入れられるように今後とも努力していかなければならないというふうに考えております。
#17
○辻(一)委員 せっかくの科学委員会においても評価を受けるだけの調査をやったわけですから、それをてこにして商業捕鯨禁止の条項を解除させる努力を強力に進めてほしいと思います。
 言うまでもないことですが、鯨が絶滅するというなら別でありますが、ミンクのようにふえてかえっていろいろ問題がある、そういうものをなぜ捕鯨を禁止するのか。これはもう一般的に考えてなかなかわからないことですが、同じ哺乳動物である牛や豚などは屠殺をし食肉にし、また野生のシカを撃って食肉にしている、そういう人たちが海の哺乳動物だからなぜ食にしてはいけないのか、こういう論理は我々にはなかなか理解できないと思うのですね。したがって、鯨についての食文化というものをもっと強力にキャンペーンして理解をさす努力をする必要があると思いますが、水産庁もいろいろと努力は今までしておってもらったと思いますが、その面の努力をぜひ期待したいということと、IWCの五月の京都の会議でどういう見通しが考えられるのか、なかなか難しいと思いますが、ちょっとお伺いしたい。
#18
○川合政府委員 この鯨をめぐる議論は、ある意味で文化あるいは宗教というようなところまでつながる議論であるような感じを持っておりますが、しかしながら、いずれにいたしましてもこういう海洋の生物資源につきましては、科学的な根拠に基づきまして持続的な利用を図るという原則が昨年開かれました国連の環境会議におきましても合意されているという事実がございます。したがいまして、何を食するか、あるいはどういうふうにそれを利用していくかということにつきまして、それはそれぞれの地域あるいは国ごとに培われてまいりました文化によるものでございますので、私どもはそういう意味でもう少し寛容にそれぞれの文化を認め合うということが非常に大事ではないかと思っております。この問題はそうした観点からも私どもの主張を十分正しいものとして進めていくことができるものだと思っております。
 国内におきます食文化のキャンペーンなどにつきましては、民間団体、例えば「海の幸に感謝する会」などというものがつくられておりまして、毎月九の日を鯨の日というように定めまして鯨食の普及に努めていただいているというような事実もございます。こうしたキャンペーンを今回IWCが日本で開催されるということを契機にかなり熱心におやりいただいておりますので、私どももこれに協力いたしまして、官民一体となってこうした食文化のキャンペーンというものを続けていきたいと思っております。
#19
○辻(一)委員 五月にもう国際会議は目前に控えておりますから、最大限の努力をぜひ続けてやっていただきたい、このことを強く期待をしておきたいと思います。
 次に、沿岸漁業の問題について二、三お尋ねをしたいと思いますが、沿岸漁業は、先ほどもお話がありましたが、昭和六十年の二百二十七万トンをピークにして現在二百万トンを残念ながら切るという状況にあります。いろいろな資源に比べて漁獲努力量が多いとか、あるいは高齢化や過疎によって資源が十分に利用できないとかいろいろあると思いますが、今までの栽培。漁業や漁場の整備、また資源管理型漁業の延長では沿岸漁業が衰退していくということを食いとめることはできないんじゃないかと思いますが、これに対するごく大筋ですね、どう考えていくか、お尋ねしたい。
#20
○川合政府委員 沿岸漁業の漁獲量、これは養殖業と区別いたしますとやはり若干ずつ減少しているという状況であろうかと思います。その資源水準につきましては、冒頭大臣からもお触れいただいたように、地域によって状況がかなり違っていると思っております。例えば瀬戸内などのヒラメなどは、いろいろな沿岸域の努力によりまして高水準を維持しているというようなものもございますが、全般的に申しますと、底魚などを中心にやはり低い水準で横ばいあるいは減少傾向にあるということは否めないと思っております。
 この原因は幾つかあろうかと思いますけれども、私ども、漁獲努力量などという言葉を使っておりますが、漁獲の能力と資源との関係がややバランスを欠いておる面もあるのではないかと思っております。そうした面で私どもが一番今後に期待しておりますのは資源管理型漁業というような仕組みでございまして、これを推進することによって今のような状況を脱したいというふうに考えているところでございます。
#21
○辻(一)委員 沿岸漁業の問題点についてはまだ同僚が別の角度から時間をかけてやると思いますから、私はその中で二、三の問題をちょっと指摘をしてお尋ねしたい。
 一つは、資源管理型漁業という言葉が大分定着をしておりますが、海洋水産資源開発促進法に基づいて資源管理協定というのがどれぐらい具体的な成果を上げておるのか。今回の水協法の改正で資源管理規程という新しい制度ができるわけですが、いろいろな制度をつくっても効果が余り出なければさして意味がないのですが、資源管理型漁業がどれぐらい定着しているのか、そういう効果がどの程度出ているのか、これからどう考えていくのか。この二つの管理協定と管理規程との関連ですね。どういう状況であるか、お尋ねしたい。
#22
○川合政府委員 今お話がございました資源管理協定は、平成二年に御審議をお願いいたしまして改正をいただきました海洋水産資源開発促進法に基づく制度でございまして、この資源管理に関しまして漁業者の団体間での協定を結ぶという仕組みでございます。これに対しまして、今回水協法の改正でお願いしております資源管理規程の制定、これは漁協の中での規程、漁協の組合員が自主的にといいますか、みずから結ぶ規程でございますが、これは漁協内部の規程であるという違いがございます。
 実績は、この協定でございますが、現在実際に協定という形になっておりますのは六件、それからほぼ協定と同じような形で動いておりますのが九件という状況でございます。必ずしも多いわけではございませんが、この協定に至るまでにやはり話し合いということがございますし、各段階を踏んでこの協定の実効を図るという面もございま
すので、現在の実績はそのようなことになっております。しかしながら、この協定制度ということが改正をいただいたことによりまして、資源管理というものにつきます考え方、そうした取り組みというものが各地で積極的に行われてきておりまして、今回お願いする管理規程は漁協の中の組合員同士の規程でございますので、それを超えた団体間の、端的に言いますと漁協間の協定よりも、さらに進みやすい面があると思っております。
 いずれにいたしましても、資源管理という考え方がこうした制度をおつくりいただくことによりまして一歩一歩進んでいくということは事実でございますので、私どもも、今回改正をいただければ、これを中心にこの制度を進めていきたいと思っているところでございます。
#23
○辻(一)委員 資源管理協定に基づくのは宮崎県の六件しか認定されていないと聞いておりますが、新しい制度ができても中身を吹き込まないと意味がないのですね。管理協定の方は団体間、規程の方は漁協内ということでありますが、新たな制度に効果が出るようにひとつ取り組んでもらいたいと思います。
 具体的な問題に入りたいと思いますが、沿岸漁業でもズワイガニの問題であります。
 私のところは越前海岸で、ズワイガニの一つの越前ガニの産地ですが、昭和二十年代には、私たちが漁村へ行くと、漁民の皆さんが二階に招いてくれて、一升瓶を転がしながら、とったカニをかまで蒸して、それをどんどん食べながら話し込んだような思い出があるのです。今になると隔世の感がする。カニはまことに貴重品になっておるのですね。資源の枯渇ということが非常に大きな問題であろうと思います。
 そこで、ズワイガニの資源枯渇に対して三つの点が考えられている。一つは移殖放流。大和堆から小さなカニをとってきて、魚礁に放流してそれを大きくする。あるいは、魚礁を相当広範囲に設けて自然の増殖を保護していく。もう一つは、国立の若狭の漁業栽培の方でも稚ガニの育成ということをやっておるのですね。これは小さいところまではできるのですが、なかなかそれ以上進まないという状況があります。
 そこでお尋ねしたいのでありますが、私は何年か前ですけれども、この問題をこの委員会で取り上げて、せっかく大和堆から小さなカニを持ってきて移殖放流、魚礁に放流しても、網で根こそぎきれいにさらわれてしまったのではとても育っていかない。そういう点で、魚礁をつくる場合には、配置をする場合には、いろいろな工夫を凝らして、配置に気をつけて、網が引けぬようにする、そういう方法があるのではないか、こういうことを国会で論議をしたことがあるのです。その後この問題についてはいろいろと改善策が工夫されておるように聞いておりますので、あの後、ズワイガニの魚礁の配置等についてどういうような取り組みが行われたか、まずこれをお尋ねしたい。
#24
○川合政府委員 ズワイガニ、地域によりましては越前ガニと言われておりますカニにつきまして、昭和五十七年から石川県、福井県が非常に熱心に増殖に取り組んでおられまして、大和堆で採捕しました成熟したカニを、それぞれの県の前浜に保護区をつくりまして移殖するという試験事業を継続しているわけでございます。
 当然のことながら、そうして移殖されたズワイガニが捕獲されてしまっては何にもならないわけでございまして、私ども、そうしたことを受けまして、現在、魚礁を保護区に設定いたしまして、これは先生御承知のとおりでございますけれども、水深二百四十メートルから三百メートルぐらいの海底に大型のコンクリートブロックを格子状に配置いたしまして、その間隔なども十分検討して、底びき網で操業したときに捕獲されないように、そうした設計をいたしまして魚礁を設置しているところでございます。この中に今のようなズワイガニを移殖いたしまして、そこで試験事業を実施しているという状況になっております。
#25
○辻(一)委員 カニがせっかく少し大きくなり出したのを根こそぎ持っていくというようなことのないように、魚礁の配置を考慮しながら具体的に飼育をやっているということでありまして、その点はかなり前進があったというように評価ができると思います。
 そこでお尋ねしたいのは、大和堆の、富山から島根の方にかけて五カ所に、三キロ平方とか、三キロ掛ける二キロとか、広範囲に魚礁を相当数埋めてこれに取り組んでおるわけですが、一つは、大和堆の稚ガニの資源というものの見通しは一体どれぐらいあるのか、これをちょっとお伺いした
#26
○川合政府委員 大和堆は海の中の、高原状態というとちょっと適当でないかもわかりませんが、三百メートル内外の深さのところに比較的平らな場所がございまして、そこがズワイガニの有効な増殖地になっているわけでございます。ただ、ここにおきます資源状況は必ずしも十分なものでございませんで、この原因等につきましてはなかなか詳細に把握する段階には至っておりませんが、必ずしも増殖、あるいは増加と申しますか、しているような状況ではないようでございまして、例えば海水の悪化というようなことなども若干原因にあろうかと思いますが、必ずしも十分な状況ではないと思っております。ただ、移殖の試験事業をしていることによってその現象が起こっているということではないのではないかというような知見を得ております。
#27
○辻(一)委員 大和堆等における資源もやはりある限界があるとすれば、せっかく魚礁を相当広範囲に配置をしておる、埋めておりますから、どうしても、稚ガニを育成して、これを育てていくということを考えなくてはならないと思います。
 そういう点で、カニは二百五十メーターから三百メーター、二百五十メーター前後のかなり深いところにいるので、その生態がなかなか今まで明らかでなかった。しかし、科学技術庁の「しんかい」等を活用して、日本海の沖合で、越前沖合を含めていろいろな調査をやっているのですが、「しんかい」等の調査によって二百五十メーターぐらいのところにすむカニの生態はどれくらい解明されておるのか。いかがでしょうか。
#28
○川合政府委員 ズワイガニの生態につきましては、かなりの期間をかけまして調査が実施されてきております。現在、その生活史と申しますか、ある程度わかってきているわけでございます。例えば成長と脱皮の関係とか、あるいは産卵時期、先ほどお触れになりました産卵の水深など、それから、どの程度の生息環境であれば生息が円滑に行われるかというようなことが、徐々にではございますが、わかってきております。
 ただ、今私どもが非常に問題点として考えておりますのは、カニの状況になって、底生生活と申しますか、底ではって生活するようになるまでの浮遊している生活期のえさ、適当なえさがどんなものかということについて十分な知見がまだ出ておりません。それからもう一つ、先ほどもちょっと触れました水質の悪化に弱いというような状況もありまして、その辺の生態についてまだ十分な知見を得ていないというような状況にございます。
#29
○辻(一)委員 端的に言って、そういう生態解明とかいろいろな技術をかなり積んできたわけですが、国立若狭栽培漁業センターも、昭和四十八年か九年ごろだと思いますが、二十年近い、十七、八年たっておるのですね。見に行くと、かなり小さなカニまではできたのですが、それから後が天敵との関係等々あってなかなか進んでいない、こういうことを聞いていますが、見てきましたが、稚ガニ育成の、放流に、せっかくの魚礁に放せるようになるまでに達するめどは端的に言ってどのくらいと考えているのか。いかがですか。
#30
○川合政府委員 今お触れいただきましたように、県とそれから今御指摘の国の関係のセンター、日栽協のセンターでのこうした試みは既に二十年間くらいたっているわけでございますが、先ほど申しましたように、浮遊期におきます適当なえさの解明がまだ十分でないというようなこともございまして、種苗の生産がかなり波があると申
しますか、それが現状でございます。鋭意努力を続けているわけでございますが、残念ながら、年限を限ってどのくらいの見通しというのは、まだそういう段階ではないようでございます。しかしながら、ここのセンターでの最大の課題でございまして、この大量生産の技術が早期に開発されるということが最大の目的でございますので、一層積極的な推進を私どもは図ってまいりたいと考えております。
#31
○辻(一)委員 私もあのセンターを現地に何回か見に行っておりますが、随分研究者の皆さんは熱心に努力していただいておりますが、めどがつくにはなかなか簡単ではないというふうにも聞いておりますし、今御答弁もありましたが、しかし、日本もこれだけの科学技術をいろいろな面で持っておるのですから、ぜひひとつその生態の解明をさらに詳しく図ると同時に、稚ガニ育成についての技術を、研究開発を強力にひとつ進めてもらって、今枯渇しつつある日本海一帯のカニの資源確保に、これからもぜひ努力をしていただきたいと思います。
 あと、かなり迫ってまいりましたが、二、三、法案に関係してお伺いしたいと思います。
 端的に言って、日本海沿岸周辺にある資源と沿岸漁業の就業者の数を見たときに、そうしでまたその漁村集落の維持という点を見たときに、今の漁業就業者の数は一体少ないのか多いのか、これをどう考えるか、ちょっとお尋ねしたい。
#32
○川合政府委員 率直に申しまして、これを一律に論じますことは難しいところでございます。漁業種類とか地域の状況によってさまざまでございますので、資源に対しまして漁獲能力の高いところでは率直に申しまして減船などの措置をとらなければいけない地域もございます。一方で、担い手確保が非常に難しいというような地域もあるわけでございまして、一方では、これは地域によってでございますが、生産構造の再編整備と申しますか、それを進めなければいけない、と同時に、やはり担い手対策を図らなければいけないというような地域が併存しているのではないかというふうに思っております。
#33
○辻(一)委員 これはなかなか難しい質問ですから無理がないと思いますが、そこで、それらに関連して、今回提出されている沿岸漁業改善資金助成法の改正案は、これから漁業外からの参入者も青年漁業者等養成確保資金の対象としていくという、そういう内容の改正、言うならば農業改善資金のいわゆる農業外からのUターン組を支援するというのとほぼ似た趣旨であろうと思います。
 そこで、農村と違って漁村はなかなか難しさが、漁業の外から直ちに入っていけるという条件が農業よりももっと難しさがあると思うのですが、そういう中で必ずしもそれが歓迎されているのかどうかということについてはちょっとまだわからないと思いますが、その漁業の外からの参入を奨励するということが地域に混乱を生ずるというようなことも聞くけれども、この改正法の運用に当たってどういう考え方で臨むのか、この漁業外からの参入を含めて、後継者不足の問題も含めてお尋ねをいたしたいと思います。
#34
○川合政府委員 私ども、漁業外から漁業への新規参入と申しますか、新しく入っていくということは積極的にやはり評価すべきだと思っております。これは単に就業者の確保という面だけではなくて、沿岸漁業に新たな経営感覚と申しますか、考え方あるいは試みというものが取り入れられるいい刺激を与えるわけでございまして、これは農業においても見られることでございますので、積極的に私どもは評価し、推進したいと思っております。
 ただ、先生今御指摘のように、漁村特有の問題もまたございますので、なかなか受け入れられないというようなこともございますが、余り多い例ではございませんけれども、既に、全く漁業あるいは漁家と言った方がよろしいかと思いますが、以外の出身者が沿岸の自営の漁業に就業している例も見えておりますし、それから、雇われてまいりましてだんだん定着していくというような姿の方もおられますので、こういう芽は少しでも育てていかなければいけないと思っております。今回の改善資金法の改正は、私どもはそうしたことを視点に置きまして改正したつもりでおります。
#35
○辻(一)委員 我が国の周辺の資源状況を考えると、そういう資源に合わせた漁業体制を考えていかなければいけないのではないか。このままいくと全部がつぶれるということにもなりかねないと思うのですが、なかなか難しい問題ではありますが、漁業体制の再編というようなことについてどういうお考えがあるのか、伺いたいと思います。
#36
○川合政府委員 実際に再編を図るということは、それぞれの当事者におかれましては非常に厳しい状況に置かれるわけでございますので、大変なわけでございますが、やはり資源状態が悪化しているような業種とか地域におきましては、みずからと申しますか、自主的に取り組んで、言うなれば減船対策などを進めていただかなければいけない、そういう地域もあろうかと思います。私どもは、そういう地域に対します事業といたしまして、資源管理型漁業構造再編対策事業というのを平成三年から実施しておりまして、本年度も内容を拡充したいと思っております。
 そういうことではございますが、やはりそうしたことを進めていく上でも、資源管理型漁業という考え方というものは非常に大きな一つのシステムではないかと思っておりますので、なかなか厳しい状況の中でこうしたことを行うわけでございますが、私どもは、将来の漁業のあり方を考えますと、これを推進していくことが必要であるというふうに思っております。
#37
○辻(一)委員 次に、水産物の輸入問題で一、二お尋ねしたいと思います。
 日本がエビだとかそういうもので非常に集中的な輸入をやる、そういう中で相手国の資源状態が悪くなるというようなことで、国際的な批判も一部には出ている。そういう点から、貿易の自由といっても、国内はもとよりですが、国際的にも批判を受けてまで自由貿易を進めるということが妥当なのかどうか こういう問題を属するおりてあります。相手の資源状態、やはり相手国の一般国民の意向とか、こういうことを配慮した秩序のある貿易、輸入が必要ではないか。そうでないと、国際的な、変わった面からの批判を浴びるおそれがあると思います。
 また、ガット・ウルグアイ・ラウンドで水産物の市場開放が今求められておりますが、これ以上の自由化や市場開放は日本の漁村を崩壊させる、また世界の資源をある意味においては悪化させる原因にもなりかねない。こういう点から、現在の国境措置は確保、維持されるべきであると思いますが、これについての御見解、いかがですか。
#38
○川合政府委員 水産物の輸入につきましては、農産物におきましてもそういう性格はあると私は思いますが、特に水産物におきましては、資源が持続するということが非常に大事なことでございますので、そういう意味では完全に自由な形での貿易にゆだねるということは非常に問題があるのではないかというふうに思っております。
 ガットの規定などでも、資源によりましてある程度貿易についての規制措置がとれるというふうに読める条文もないわけではございません。ただ、現実のガットの世界におきましては、私が今言いました条文などにつきましての具体的な判例などもございませんで、どうも消極的に取り扱われている面がございますけれども、どちらかといいますと、水産物については、今後そうした資源問題に根差す貿易のあり方ということの観点からやはり検討されるべきではないかと思っております。若干そういう芽がFAOの議論あるいはOECDの議論などにも出かかっていると思っておりますので、私どもはこの点は今後とも十分注意して対応していかなければいけないと思っております。そんなことから、相手国の資源を悪化させるような輸入が行われるということは非常に問題があると思っております。
 ただ、日本の市場に向けて相手国側がどうしても大量に輸出しようというふうに努力をする面が
ございますので、これを私どもの方から何らかの働きかけをしながらやるというのは非常に難しい面もございますけれども、やはり秩序ある輸入ということがそういう面でも大事だと思いますので、それから先ほど、冒頭先生がお触れになりました国際協力というような面からもこの面は対応できる面もあろうかと思いますので、そうした総合的な観点から、この問題について私ども今後対処していかなければいけないと思っております。
#39
○辻(一)委員 あと五、六分ですから、二点だけお尋ねします。
 一つは、漁港とかその他の公共事業について前倒しの問題ですが、景気が非常に不況である、そこで予算を私たちも年度内成立を大体認めたわけでありまして、そういう意味では、予算が成立されれば公共事業を前倒しをして景気の回復を図るというのが一つ。もう一つは、減税問題があります。これはきょうはちょっと言及は避けたいと思いますが、公共事業の、特に漁港等の前倒し問題、これは普通の年でも大体積雪地帯、雪のある地帯であるとか、あるいは日本海沿岸は冬、波が非常に高くて、予算がついても後半ではもう使えないという状況がありますので、そういう点で前倒しの必要があったわけでありますが、今回は特にこの非常な不況、こういう状況を考えれば漁港その他公共事業の前倒しは十分必要であると思いますが、どのくらいの前倒しをやるのか、その見通しについてお尋ねしたい。
#40
○川合政府委員 今回の景気状況、それから予算が景気に与える影響等からまいりまして、国会での御議論を受けまして、私ども、与党からも、公共事業の促進につきまして十分な準備をするようにというようなことも承っております。
 私どもといたしましても、せっかく予算をお認めいただけるということでございますれば、早期に発注できるような体制を既にとりつつございまして、昨年の例でございますと、今先生御指摘のような漁港などにつきましては四月に四五%程度発注するというような状況でございましたけれども、今いろいろと準備と申しますか、打診なども行っておりますけれども、これを超える形でできるだけ発注するということが可能ではないかと思っております。
 それから、お触れいただきました積雪の寒冷地につきましては、当然のことながらこうした中でもより一層の前倒しが必要でございますので、現在鋭意準備を進めておりまして、予算が成立いたしましたらすぐにこうした発注ができますように、一層の努力をしなければいけないと思っているところでございます。
#41
○辻(一)委員 今の公共事業の前倒しは非常に大事でありますから、積極的にひとつさらに取り組んでもらうように期待します。
 最後に、これは田名部農水大臣にお尋ねしたいのでありますが、漁協の問題であるとか後継ぎの問題であるとか、いろいろと問題を残しておりますが、これはまた後でいろいろ、何時間がありますから皆さんから御質問があると思いますので、冒頭に大臣がちょっと触れられた問題であります。
 農業の方は、十分ではありませんが、新しい食料・農業・農村政策ということで、将来像として生涯所得が二億円とか二億五千万円とか、そういう絵を一応がいて農民、農村に一つの目標を示した、こういうことが言えると思いますが、漁業の面で、国際漁業の規制とか資源の動向とかいろいろ難しさがありますが、やはり漁民に魅力のある将来像を示すということが非常に大事じゃないか。それで後継者ができるし、漁村が活性化すると思うのです。
 近藤前農水大臣のもとで作業が始まって、現大臣のもとで農業の将来展望が描かれたのであります。問題はいろいろございますが、描かれましたね。水産政策は大臣の専門の分野でもあろうと思いますので、このときに作業を進めて、漁村と漁業の展望、将来を描いてもらうということが必要な時期ではないかと思いますが、この点ひとつ大臣の考えと決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#42
○田名部国務大臣 農業政策と違うところがありまして、資源の動向に左右される、生産ができないというところに安定的に漁業を営むという難しさはあるのですね。種類も多いし、あるいは地域によって置かれている状況というのはまた全然違うということもありまして、漁業において農業のような固定的、画一的な将来像というものは現実問題としてなかなか難しい。
 私もこの一年有余にわたって水産庁長官に、どうもこの漁業に関する限りは何か展望が開ける道というのがないかと何回もやったのでありますが、どうしても国際的な制約はある、いろいろなことを受けまして、おっしゃられることはよくわかりますが、国際漁業の方にしたって流動的でありまして、いつどこでどういうふうになるか、向こうの資源の状態によってはこっちも影響を受けるということもあって、なかなか不透明でありますけれども、今後の推移をよく見きわめながら、どのような形で将来ビジョンというものを示すことができるか、それらも含めまして幅広い観点からいろいろな可能性について勉強を積み重ねていきたい。何とかしたいという気持ちはありますけれども、今申し上げたようなことで、明確にお答えできないことはまことに残念に思いますけれども、しかし、その中で可能な限りその道を見出していきたい、こう考えております。
#43
○辻(一)委員 困難ではあろうと思いますが、ぜひひとつ努力されることを心から期待したいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#44
○平沼委員長 沢藤礼次郎君。
#45
○沢藤委員 まず、法案審議の基盤、土台として、海面漁業の動向について基本認識をともにしたいと思います。
 そこで、最初に長官にお聞きしますが、海面漁業の生産量、生産額の推移、部門別ということになると思いますが、大ざっぱで結構ですから、その特徴あるいは今後の見通し、これについて一言お願いします。
#46
○川合政府委員 海面漁業の生産量、今御指摘のように三年連続して減少しております。平成三年でございますと、九百七十七万トンということでございます。金額で申しますと、二兆五千五百億というような水準でございます。端的に申しまして、やはり遠洋から撤退し、沿岸に戻ってきたというような状況でございます。この間にありまして、沖合漁業につきましては、イワシ、マイワシでございますが、減少がございまして、これの落ち込みがあるというのが大略の状況でございます。
#47
○沢藤委員 私の岩手県は水産県とも言われておりまして、全国的な特徴と一致するのじゃないかという前提で、今お答え願った内容について若干敷衍したいのです。
 結論的に言えば、今長官言われたように、遠洋、沖合がどんどん後退している、生産量も生産額もですね。しかし、沿岸漁業と養殖漁業はやはり希望の持てる数字を示しているわけです。昭和六十三年、水産業基本計画における基準年ということですが、この六十三年と平成二年の数字を比べてみた場合、これは岩手ですけれども、生産量については、沿岸と養殖漁業の二つを合わせた場合に、昭和六十三年を一〇〇とした場合、沿岸漁業は一三九という伸びを示しているわけであります。これは生産量であります。それから、生産額の方を見ますと、同じく基準年に比べて平成二年の数字を対比してみますと、これは養殖業でありますけれども、六十三年を一〇〇とした場合に、平成二年は一四一と伸びているわけです。
 つまり、沿岸と養殖の両方合わせた漁業は、他の遠洋、沖合がどんどん縮小し後退している中で伸びているというのが岩手の実態なわけです。これは、これから審議する水産四法の背景と無縁ではないと思うわけです。そういう意味で、私は今後の海面漁業の重点は沿岸漁業、養殖へと重点が移っていくというふうに考えるのですが、いかがですか。
#48
○川合政府委員 二百海里体制の定着あるいは公海におきます規制の強化というような観点から申しますと、やはり我が国の周辺水域におきます高度利用ということが御指摘のように非常に大事になってくると思います。従来の沿岸漁業というような範疇で考えられるだけではないと思いますが、もう少し広がった形での沿岸漁業、それからこれもなおいろいろな形で多様化していく養殖業というものが御指摘のようにかなりのウエートを占めてくるというふうに私どもも考えているところでございます。
#49
○沢藤委員 さっきの数字に若干つけ加えますが、これは岩手の数字ですが、遠洋、沖合がこの三カ年で二〇ないし四〇%生産量が落ち込んでいる。同じく遠洋、沖合が、生産額の方を見ますと二五%落ち込んでいる。こういった中での沿岸・養殖漁業の伸びということでありますから、これはどうでしょうね、海面漁業の後退、縮小というふうにとらえてしまうか、あるいは一つの方向転換の時期を迎えて、マイナスだけではないぞ、沿岸漁業、養殖漁業に重点を移すことによって海の漁業の展望を開く可能性は出てきているというふうに、むしろ積極面で考えたらどうかという気持ちを持っているのです。例えば遠洋あるいは沖合の場合も、投資額、金を注ぎ込む、この場合は船を大きくするとか速くするとか設備を更新するとか、割合に投資が大きい。ところが、沿岸、養殖となりますと、その投資の額はずっと少なくなってきます。ですから、そういった面でのプラマイを考えた場合に、漁獲量、漁獲額だけの単純比較ではなくて、やはりこれは経済的に考えた場合に一つのプラス面であるというふうに考えたらどうか。
 もう一つは、後で触れますけれども、いわゆる担い手の問題。これは遠洋、沖合では今の若い人たちはなかなか行きたがらない。それが管理型漁業ということに移ってまいりますと、勤務条件、労働条件がかなり整備される可能性がぐっとふえてくるわけです。こういうプラス面があるんじゃないか。
 それから、遠洋、大規模な漁獲から地域経済という地域漁業に移ってくるわけですから、地域を潤す経済効果ということからすれば、大きな大手の船で遠洋で稼いでくるよりは、地域に落ちる金の方がむしろ多くなる可能性があるのではないかという、三つほどの面からいっても、遠洋、沖合が後退している、それは悲観材料ではあるけれども、しかし今申し上げたようなメリット、有利な面も考えることができると思うのですね。むしろ、それを生かしながら積極的に海面漁業、特に沿岸・養殖漁業に立ち向かっていくという気迫、気概を持っていただきたいと思うのですが、一言、長官どうですか。大臣ですね、やはりこれは大臣、お願いします。
#50
○田名部国務大臣 おっしゃるとおりだと私も考えておりまして、これからの重要な方針としてつくり育てる漁業あるいは資源管理型の漁業というものを積極的に進めていかなければならない。幸い日本は海に囲まれて立派な資源というものを持っているわけですから、これを最大限に活用するということは非常に大事なことであります。
 ただ一方、たんぱく資源の確保という面からいきますと四割、国民に必要な量があるわけでありまして、これを全部この養殖と沿岸で賄えるかというと、残念ながらまだ遠洋に依存する部分あるいは一部輸入に依存していかなければならぬ部分というものはあるわけですから、方向としてはそういう方向でありますが、やはり新しい漁場を開発するとかあるいは相手と共同でうまくやっていくとか、いろいろな方途というものを考えていかなければならぬというふうに考えております。
 したがいまして、今委員お話しのように岩手県も、青森県では若干違いますけれども、管理をうまくやっている組合、そういうところは成績が非常によくなっている。あるいは養殖にしてもそのとおりであります。めちゃくちゃに乱獲をするところはやはり資源が枯渇する。お隣の県でありますから実態はよくわかっておりますけれども、私の方は今までは遠洋に依存してきたという嫌いが大きいものですから、それがだめになりますと受ける影響というものは大きい。あるいは最近イワシとサバが不漁だというとその影響は大きいということからすると、委員お話しのような沿岸とか養殖をその地域に限って本当にしっかりやれば、これは将来とも地域の活性化のためには非常に有効な漁業として育っていけるというふうに私は考えております。
#51
○沢藤委員 今私たちが審議している水産四法、これの出してきた背景なりあるいはねらいというもの、制度とか金融、額とかは別として、これはやはり沿岸漁業、養殖漁業の充実、振興ということに重点が置かれている法案だと私は理解するのですよ、資源管理にしても。
 そういった意味で、今後の沿岸・養殖漁業を重点政策とする場合に重要な課題として浮かび上がってくるのは、これから順次触れますけれども、何といっても一つは資源管理だろうと思うのです。二つ目は担い手の養成だろうと思います、三つ目は教育研究機関との連携だと思います。特に養殖、沿岸となりますと、先取り競争みたいに早く行ってがばっととってくるというのと違いまして、資源管理、開発あるいはバイオテクノロジー、そういった要素が大きくなってきますから、どうしても教育研究の面との連係プレーが必要になってくる。そして四つ目が水産加工の問題というふうに理解しているわけです。これが今度の四法案を出された一つの背景なりねらいだというふうに理解して当然だと私は思いますね、この法案から見れば。長官、うなずいておられますからそういうふうに理解します。
 さてそこで、漁業政策の課題としてのまず第一に資源管理がますます重要になってくるということに焦点を当てて、幾つか質問を申し上げたいと思います。
 資源管理の方法には、漁期を設定する、あるいは漁区、操業ライン、漁法あるいは船の数、隻数あるいは捕獲量、漁獲量の制限等々あるわけですが、この資源管理がますます重要になってくるという状況の中で、水産行政は今後どのような取り組みを重点的にやろうとしているのか、そのことを総体的にお願いします。
#52
○川合政府委員 やはり漁業でございますので非常に資源の制約を受けるわけでございます。したがいまして、そうした制約の中で漁業を永続的に発展させていくためには、管理と申しますか、計画的な要素を少しでもふやしながら漁業経営を行っていただくということが必要ではないかと思っております。今御指摘の資源管理型漁業ということもそうした観点に基づきまして、私ども、政策の中心に置いて従来も進めてまいりましたし、これからもこれを中心に沿岸漁業の政策を進めたいと思っているものでございます。
 したがいまして、平成二年に海洋水産資源開発促進法に基づきまして資源管理協定制度というものをつくっていただきました。今回、水産業の協同組合法に基づきまして資源管理規程制度というものをつくっていただこうというふうにお願いしているわけでございまして、こうした制度を積極的に活用いたしまして、資源管理の一層の推進に努めていきたいと思っているわけでございます。また同時に、そうした制度を進めるための一番の基盤となりますのは、何と申しましても漁業協同組合でございますので、これにつきましても法律改正をお願いしてその基盤の強化を図りたいということでございます。
#53
○沢藤委員 そのとおりだと思うわけですが、いわゆる資源管理ということになりますと、海、海水には壁もないし境界線もないわけですから、移動性の魚、定着性の動物、いろいろあるわけですけれども、資源管理を進めるということになれば、いろいろな約束事、あるいは地域間、漁協間のいわゆる資源管理の内容の平準化というのでしょうか、片方は厳しくて片方は緩いというのでは資源管理の目的に合致しないわけですから、そういった意味でこれから幾つかの問題を提起します。つまり、私の申し上げたいことは、資源管理
の共通化というのでしょうか、あるいは広域化ということについてであります。
 一つは、まず最初に定着性の動物についてでありますけれども、アワビが例になると思いますが、こういったものにつきましての採捕期間が県あるいは海域によってかなりまちまちだという実態があります。それはそれなりの理由があるかもしれませんけれども、例えば東北地区の例を見ますと、採捕禁止期間の最も長く、一生懸命まじめにやっておるのは岩手県でございまして、八カ月設定しております。ところが隣接する地域、大臣の青森の場合は三カ月から二カ月、宮城の場合は三カ月というふうに採捕禁止期間というものの差がかなり大きい。動かないからいいんじゃないかといっても、それはやはり、同じ資源管理というものの基本理念を共通のものにするためには、できるだけ均質化、均等化するのが望ましいだろう。そして、採捕禁止期間がまちまちなことによって漁民の意識とかあるいは密漁団の跳梁ばっこを許すとか、そういった密漁の下地にもなりかねないという気がするのです。
 そこで、数年前からアワビ密漁防止のために水産庁、警察庁、あるいは海上保安庁一体となって取り組んでいただいた。警察庁から取締官も派遣していただいた。共通の防止網、監視網もできつつある。このことによってアワビの密漁が激減したということを漁業関係者も県当局もはっきり認めております。これは感謝申し上げたいと思います。そういった将来のことの展望も含めて今のような問題についてのお考え、いかがでしょうか。
#54
○川合政府委員 今、定着資源と申しますか、アワビのようなものについてのお話がございました。確かに先生のおっしゃるように、こうした問題につきましても隣接県で同じ期限をつくることは、それはそれで非常に望ましいことだと思います。ただ、地域によりまして、こういう定着性のいわゆるいそ物につきましては、それなりの長い慣行なり歴史を持っておりまして、その地域におきます一つの約束事から出てきておりますので、それを直ちに隣接地域と同じにするというのはなかなか難しい漁民意識と申しますか、それがあろうかと思います。若干、それがこうしたいそ物と申しますか、定着性の強い水産物の特徴ではないかと思っております。
 したがいまして、その資源管理型漁業の組み立て方、例えば、そのいそ物とほかの漁法をどういうふうに組み合わせてやっているかというようなことも影響してくる問題でございますので、いそ物につきまして隣接県すべて統一、あるいはもっと申しますと、これは同じ県内でも問題があろうかと思います、それを直ちに統一というのはなかなか難しいのではないか。まずそれ以前に、それぞれの単位で管理型漁業と申しますか、それを定着させることがまず今日求められている第一歩ではないかというふうに私ども思っております。
   〔委員長退席、金子(徳)委員長代理着席〕
#55
○沢藤委員 困難性もあるだろうし地域性もあるということは理解できます。管理型漁業を進めるということになりますと、しかも管理型漁業を進めて漁民の所得ががた落ちになったというのでは意味がないわけですから、そうしますと、管理型漁業への移行によって所得水準を維持し、上げるためには、やはり対象漁場に対する一定の専管体制といいますか、ここは我々として一生懸命頑張っているんだぞ、したがって、今申し上げたような定着性動物等には、特に他からの侵入といいますか、はっきり言えば密漁、これはいわゆる資源管理型漁業への移行のちょうど反対といいますか、敵対するものだと思うので、今後ともアワビの密漁対策を中心とする対策については、関係各機関と協力をして進めていただきたい、感謝を申し上げながら要望を申し上げておきたいと思います。
 さてその次は、栽培型魚種というのでしょうか、回遊するサケとかヒラメ、こういったものに対する漁期であるとかあるいは漁船の規模、大きさであるとか操業条件とか、そういったものが県によって異なるためにトラブルが発生している例がある。資源管理の困難の原因ともなっているわけですね。片っ方はこうだ、片っ方はまるっきり違うということになると、海における資源管理ということからすればやはり望ましくないわけです。これに対する対策はどうかというのが質問になるわけですが、若干例を挙げてみたいと思います。
 岩手、宮城、福島を比べてみた場合、固定式刺し網に関しては、岩手は知事許可、いわゆる規制されております。宮城は自由であります。福島は規制があります。底びき網については、岩手では許可しておりません。無資源というものを配慮してということになるのでしょうか。ところが宮城は自由、福島も認めている。流し網、岩手規制、宮城自由、福島規制。かご漁、岩手規制、宮城自由、福島規制というふうな、幾つか挙げたことで特徴的におわかりだと思いますが、隣接県で今申し上げたように差が出てきておる。これは資源管理型漁業への移行の障害になると私は思うのですが、どうでしょうか。
   〔金子(徳)委員長代理退席、委員長着席〕
#56
○川合政府委員 資源管理型漁業を進める上で幾つかの問題があるわけでございます。先生先ほど御指摘になりました密漁あるいは遊漁の取り扱い、そうしたものが約束事を強めれば強めるほど関連が深くなってくると思っております。と同時に、移動性の浮き魚類につきましての規制のあり方というものが問題になってまいりますし、それから先生がおっしゃる県境あるいはそれぞれの漁業種類、漁法ごとの線引きと申しますか、それのあり方というものが影響を持ってくると思っております。
 これは私から申すまでもないことでございますけれども、日本の近海と申しますか、周辺の海はある意味ではすき間が全くないほどいろいろな形で線引きがなされております。これは長い歴史があり、紛争の結果、両者の話し合いあるいは裁定などによりましてできてきたものでございます。これは今日でも各所で紛争あるいは調停ということが繰り返されているわけでございますが、そうした歴史的な背景の中でこの資源管理型漁業というのをどういうふうに進めていくかというのが非常に大事な今後の課題であると思っております。
 先生が今御指摘になりましたような問題、一つ一つ解決していかなければならない問題だと思っております。ただ、それは歴史的な背景のもとで当事者間が知恵を出し合って解決していくべき問題、これが第一歩だと思っておりますので、そういう問題が確かにありますが、地域地域でまずお話し合いの中からその解決策を見出していただくということが、この資源管理型漁業が皆さんの合意のもとで進められていくということからも非常に大事なことではないかというふうに思っております。
#57
○沢藤委員 先ほど辻委員からも指摘されましたように、海洋水産資源開発促進法における管理協定の締結、第十二条の二、それから同じく認定、十二条の三、こうしたものが広く隣接地域に拡大していって締結されるということが望ましいわけです。今回の提案になっております水産業協同組合法の一部改正の中には管理規程制度を導入するという方向が出されております。それは一つの区域内のこと、さっきお話がありましたね。一つの区域、それから他の区域を含めてというこの違いはあるにしても、精神は同じだと思うのです。ねらいは同じだと思うのですね。したがって、困難性があって進度があるいは若干ばらつきがあるにしても、単位漁協あるいは一つの海域の中における資源管理規程制度というものを整備し強化していくということと同時に、それを広域的に広げていかないと、繰り返すようですが、海の漁業ですから、これは効力、効果からすると問題がある。
 それから漁民の意識。資源管理型漁業に移行するのだ、資源を管理しあるいは大事にするのだという漁民なり漁協の価値観とか意識に影響すると思うのです、余りにもばらつきがありますと。
 この前も予算の分科会でも大臣、水産庁長官にも申し上げましたが、岩手、宮城の間に操業ライ
ンがすっかり食い違っておりまして、その間における海域では、同じ海域でありながら一方ではある漁法が禁止されている、一方の漁民は堂々と同じ海域で操業しているという状況がある中では、資源管理型の漁業に移行するのだ、重点的にやっていくのだということに水を差しかねない。そういう意味では、私は今長官が、当事者同士だというのは基本ですから、これは当然でしょう。しかし、少なくとも水産行政として資源管理型漁業の大切さということを打ち出しているわけですから、それを裏打ちする姿勢、取り組みということを私は要求されると思うのです。
 そういう意味で、前回の分科会におけるやりとりの続きということになるわけですけれども、あのときにも申し上げましたが、岩手と隣接県との間の操業区域あるいは漁法の問題等については、青森県との間には昭和二十六年三月三十日に円満に協定が結ばれている。ところが、昭和二十七年から宮城県との間の関係はぎくしゃくしておりまして、昭和四十六年に協議が再開されたのですけれども、いまだもって協定に達していない。したがって、協議再開の四十六年から二十年もたっている。さらにさかのぼって、昭和二十七年までさかのぼれば四十年、五十年という長い間両県は協議が成立していない、こういう異常な事態が続いているわけであります。
 そこで、この前質問申し上げたときに、最終的には長官は、「なかなか結果的に合意に至らないということもあり得るわけでございます。そうした場合には、当然のことながら、我々もその調整に乗り出すということが必要であろう」云々と答えておられます。これはまあそのとおりやっていただくわけですが、さて、あれ以降の一つの動きが出てきたわけです。
 これは、岩手あるいはあの地域の各新聞が取り上げたわけですけれども、ここに持ってまいりましたのは、地元の岩手日報紙でありますが、これは三月二十二日付であります。この記事の中に、その前の日の二十二日に工藤岩手県知事が記者会見の席上でこういう発言をしております。「「必要とあれば宮城県知事と相談することもあり得る」と述べ、ことしの秋サケ漁を前に、両県漁民のトラブルが起きないようトップ交渉する用意のあることを明らかにした。」というふうな公式の記者会見をしているわけです。つまり、動きが出てきたということであります。
 ですから宮城もという期待もあるわけですが、私も、事の性質上、岩手の一方的な立場ということだけじゃいけないだろうと思って、宮城のいろいろな方とも意見交換をしました。やはりこれは何とか早くしなければならない問題だ、しかし、もう二十年、四十年のこじれにこじれてきた問題を一挙にということはなかなか当事者同士では難しい、やはり第三者の調停あっせんということが必要であろうという点では両県の主なる人たちの意見は一致しているんですよ。
 ただ、当事者同士、第一線だけで今までかなり火花を散らしてきた歴史がありますから、なかなかほぐれない。そういった意味では、工藤知事がそういう意思表明をしたということは、私は大きな前進だと思います。本間知事もあのとおり大変人格円満な方でございますから、私は可能だと思う。しかし、知事同士まで持っていく前に何かないのかなという気もするのです。しかし、このことはこだわりません。トップ会談でもいいし、部長会談でも結構ですが、いずれにしてもこの問題を早期に解決してほしい。このことについて大臣、基本的なお考えを一言お願いしたい。
#58
○田名部国務大臣 かねてからその問題、承知いたしておりますが、基本的にはやはり両漁民同士といいますか、漁協同士の話し合いがつかない、そこでどうしてもいい知恵が浮かばず上に上げてくるということで、知事同士の話し合いで。これは一任してもらわぬと、どう決めても決めたことに従わないということでは事はおさまりませんので、その辺でもなおなかなか一致点を見出せない、ひとつ水産庁に一任するからきちっと両方の意見を聞いて決めてほしいという、何かそういう努力というものは必要なんだろうと思うのですね。
 やはりおっしゃるとおり、漁民同士で幾らやれと言ったって、やはり損することにはなかなか乗りたくないという気持ちがあるし、そういうことで、できれば私たちも何とか、知事さんも、私もよく存じておる方でありますから、何かいい解決方法というものを説得してもらうなり、そういう形で決めたことにみんな従おうということにするのか、ちょっといろいろやってみたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
#59
○沢藤委員 同じ東北人という甘えで申し上げるんじゃありませんが、やはり大きく言って、資源管理型漁業を目指しているという大きな流れの中で、先ほど指摘したようないろいろな格差がある。漁民感情にも影響しかねない。そして、平等なというのでしょうか、一生懸命やっている漁民同士が不公平感なく漁業にいそしめる、そういう状況、環境をつくってやるというのが、大臣含めた私たちの責務であろうと思いますので、ひとつ長官ともども、この問題については御理解と御配慮、御努力を賜りたいということをお願いしておきたいと思います。
 次は、沿岸・養殖漁業に重点を移しつつあるというこの海面漁業の今後の課題として、一つは管理型漁業ということに触れてまいりました。次に、いわゆる担い手養成という問題と密接に関係のある教育機関と地域の漁業との関係、あるいは大学等の研究機関と地域の漁業振興との関係、この問題に私は少し触れてみたいと思うわけであります。
 私は高等学校教師の経験のある者ですから、この問題について考える場合には、水産高校の先生方とか、あるいは生徒さんたちとの意見交換、いつかもこの委員会で御紹介申し上げたことがあるのですけれども、やはり担い手ということをはっきり意識しながら進めていきたいと思うので、若干の提言を込めて質問を申し上げたいと思います。
 文部省、おいでになっていますでしょうか。
 水産高校における教育目標、それに応じたカリキュラム、授業時数の配分あるいは教職員定数の配置、施設設備というものは、遠洋、沖合をイメージしてきた今までの水産教育と、これから沿岸、養殖に重点を置こうとする水産高校教育とでは当然違ってきていると思うのです。この点について、いわゆる産業教育、その中の水産教育という点で、今申し上げたようなことについての文部行政の対応ということをお願いします。
#60
○寺脇説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、水産高校というのは、未来の漁業の担い手を育てていくという気概を持って教育に当たり、また生徒たちも学習に励んでいるというところでございます。今おっしゃいましたように、近年、沿岸漁業といったような方向に漁業の仕組みがシフトしてきたことに伴いまして、水産高校の教育の内容、施設設備、その他のことにつきましても配慮してまいらなければならないというふうに考えておる次第でございます。
 ちなみに、すべての基本になりますのは学習指導要領であるわけでございますけれども、学習指導要領の水産科の教科の目標というのがございまして、「水産の各分野における生産に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、水産業の意義や役割を理解させるとともに、水産業の発展を図る能力と態度を育てる。」というのが高等学校における水産教育の基本であるわけでございますが、これの解説書というのがございまして、その目標はどういうことを意図していくのかというのを、文部省の方でつくっております学習指導要領解説というものの中に、今おっしゃいました部分につきましては、「今後の我が国の漁業は、世界的にみて最も高い生産力を有する周辺水域を見直して再開発を図り、培養殖の技術を駆使する栽培漁業の振興と国際協調を前提とした遠洋漁業の新たな展開等を推進していく必要がある。」という指導要領に従いまして現在教育を進め、それに沿って教職員定数、施設設備に対しても配慮いたして
おります。
 さらに、来年四月からは新しい指導要領が実施になるわけでございますが、そこではさらに一歩進めまして、同じくその解説の中で、「日本近海という限られた水域で漁業の有利性を高めるため、資源管理型漁業やつくり育てる漁業を推進する必要がある。」という文句を新たに入れまして、さらにそういったものへの努力を深めてまいりたいと考えておるところでございます。
#61
○沢藤委員 そのことに関して具体的に二つほど触れてみたいと思うのですが、産業教育の施設設備の問題もあるのですけれども、そうしますと、今おっしゃったようなことからすれば、遠洋、沖合主体だった教育内容に応じた産振施設と、今後、今お示しになったような方向に対応する産振施設とは当然変わってくるわけですね。そのことについて今どういう作業が進んでいるのか、簡単にお願いします。
#62
○寺脇説明員 先生御指摘のとおり、産業教育施設設備の整備というのは実態に合わせて整備をしてまいらなければならないわけでございます。そういったわけで、近年、私どものそういった実際の整備状況も近海型の沿岸漁業にやるようにいたしておりまして、実習船を遠洋用の大、中型実習船だけでなしに、小型実習船の充実に努めてまいっておりますし、その他栽培漁業実習室などの整備にも努めております。また、産振の整備基準を来年四月から改定をいたしますので、その際にもそういったことを念頭に置いて今改善作業を進めておるところでございます。
#63
○沢藤委員 最後の部分については、これは理科、産業に関する審議会が動いている、そして来年度からはそれに応じたものを打ち出したい、こういうことですね。そう理解してよろしいですね。
 その次に、いわゆる人材養成という面から水産高校教育を点検してみたいのです。これは水産高校の校長先生、教頭先生と話し合ってきた内容から申し上げるのですけれども、従来は遠洋従事者を育成するということに重点を置いてきた。例えば、航海士だとか船長だとか機関長だとか無線局長だとか、そういったものを目指しての教育だった。今後はやはり資源栽培ということに目標を定めて、今まで航海科だとか機関科と言っていたのが、海洋生産科学科とかあるいは増養殖関係学科というふうに衣がえをしまして、ハイテクの研究その他ということで変わってきておる。つまり養成、育成すべき青少年像というのが水産高校段階で変わってきているわけです。
 その中で指摘されたのは、沿岸、養殖用の技術をつけるあるいは実習をするという場合に、今おっしゃったように何百トンという大型の実習船の時代から百トン、百数十トンの中型というのでしょうか、そういった実習船が欲しいということとあわせて、いわゆる小型船舶操縦士の資格を水産高校段階で取得できないものかという要望が極めて強いわけです。
 さてここで、運輸省、お見えになっていますでしょうか。そこで、運輸省にお聞きしたいのは、小型船舶操縦士の資格を取得するのに、海員学校ではこれが行われておりますね。ところが、同じ年齢が勉強している水産高校では今小型船舶操縦士の資格が取れない。これからの漁業は小型船だ。沿岸、養殖、何とかこれの道を開いてほしいというのが水産教育の現場からの要望なんです。これにこたえていただけますか。どうですか。
#64
○平山説明員 先生今御指摘のとおり、海員学校で小型船舶操縦士の免許が取れるようになったということでございますが、実は正確に申し上げますとまだなっておりませんで、実はことしの二月一日に、小型船舶操縦士の資格を取るための養成施設というのがございまして、その指定を受ける必要があるわけでございますが、その指定を受ける基準というのを実は省令改正をいたしまして、従来ですと大型船の教育をやっております教育機関、今御指摘の海員学校とか商船大学とか、水産高校もそれに含まれるのですが、こういうところでは小型教育はできないことになっておったのですが、その道を開いたというのが二月の省令改正で、ことしの四月一日から養成施設の指定を受けられるようになるということが今回の改正の趣旨でございます。
 そういう意味から申し上げますと、水産高校におきましても一応道は開かれておりまして、ただ問題は、従来からの指定基準がございまして、必要なカリキュラム、例えばそれと設備でいきますと実習をやるための小型の船が実は要るわけでございます。二十トン以下の船が当然要るわけですが、そういう設備、それと、小型の教育をするわけで、大型と若干違うところもございますので、そういう小型教育をできる小型の資格を持っておられます先生、これがある程度の数が要る。そういうようなものがそろいますれば、施設の認定といいますか養成の認定はできるということでございまして、海員学校につきましても今所要の施設整備等をやっておるところでございまして、それが整い次第養成の認定を出すということになっておりますので、水産高校につきましても所要のそういう施設整備なりカリキュラム改正をしていただければできるというふうに理解をしております。
#65
○沢藤委員 これはいい方向だと思います。ぜひこれは実現したいものだとよろしくお願いしたいのです。
 さて、この問題について再度文部省にボールを投げ返さなければならないのですが、今お話があったものを私の方から再度紹介しますと、結局、小型船舶操縦士の資格を取るための必要な履修科目というのがあるわけですね、何科目何時間という。一つは一般常識、二つ目は船舶の概要に関する科目、三つ目は航海に関する科目、四つ目には運用に関する科目、そして五つ目には機関、エンジンに関する科目、法規に関する科目、六つの科目が必要なわけです。ところが、今までの水産高校は、航海関係は機関に関する科目は履修をしていない。機関科という科は航海に関する科目は履修をしていない。したがって、両方ともこの今お話があったあれからすると小型船舶の資格が取れないことになってしまう。
 そこで、今運輸省からいただいた資料をよく見ますと、高校段階あるいは漁協段階ではさしあたって四級でいいというのですよ。四級小型操縦士でいい。四級ということになれば、例えば航海に関する科目は二時間以上、二時間という低い数字なわけです。これが一級となれば十時間というふうになりますけれどもね。それから、機関に関する科目についても、四級ということになれば一・五時間以上ということになっていますから、今の総授業時間数なりカリキュラムの中でやりくりできるというのです。
 そうしますと、要綱を変えるとか指導方針を変えるとかでなくて、やっていいですよと、四級なら四級というのをひとつ想定しながら科目の時間配分、そして機関に関する科目もやるし航海に関する科目もやることによって、高等学校段階で小型船舶の操縦士の資格が取れるという道が見えてきたのです。これについて、ぜひ積極的に御検討を願って、運輸省との連絡もあると思いますけれども、早急にその指導なりの方針を出していただきたいと思うのですが、一言どうぞ。
#66
○寺脇説明員 ただいま運輸省からも御答弁がございましたように、高等学校でも資格が取れる道が開けたわけでございますので、これは実は水産高校長会からも強い要望が出ている事柄でございまして、水産高校の方もぜひやりたいという意気に燃えております。それにこたえて小型実習船をふやしてまいりまして、それからカリキュラムも最近は弾力化ができるようになっておりますので、先生の御趣旨を生かせるような水産教育の実施に努めてまいりたいと存じます。
#67
○沢藤委員 両省ともいろいろとありがとうございました。どうぞひとつ水産教育のために、日本の水産振興のために今後とも御協力、御努力をお願いしたいと思います。
 運輸省、退席いただいて結構です。
 次は、大学、研究機関と地域の産業振興との関
係について御配慮賜りたいという要望を含めた質問をしたいと思うのです。
 岩手の例を申し上げますと、岩手大学というのは内陸部、盛岡にあるわけで、しかも工学部と言えば水産と関係ないような感じできたのですけれども、今回、岩手大学の工学部の建設環境工学科では、漁業に与える構造物の影響という、魚礁とかその他ですね、これに関する調査に入ったわけです、漁協と共同して。これは私は大学、教育研究機関としては大変いいことだと思う。この方向を各大学にも進めていただきたいという要望があります。
 私立の大学にもあわせてお願いしたい。岩手の有名な三陸漁場のすぐそばに三陸町というところに、町としては珍しいのですが、北里大学の水産学部があります。ここでもロブスターの養殖とかいろいろ地域課題に取り組んでおりますけれども、こういった地域との関係、こういったことを密接にしていただきたいということをお願いしたいわけです。どうでしょうか。一言で結構です。
#68
○本間説明員 先生御案内のとおり、大学でございますけれども、学術研究の推進というのが一つの使命でございますし、あるいは高度の職業人、技術者、研究者の養成ということがもう一方の柱でございます。この二つの教育、研究という役割と並びまして、地域のいわば文化の中心といたしまして、地域社会に積極的に貢献をしていくということが大学に求められているわけでございます。
 文部省といたしましては、こうした大学の持っております三つの使命というような観点から、共同研究あるいは受託研究というような形を通しまして産官学の連携協力を図る、あるいは大学の教育、研究の成果を積極的に地域に提供していくというような観点から公開講座を行っていくというような施策を進めてきております。
 平成三年度で見てみますと、国立大学でございますけれども、最初に申し上げました共同研究でございますが、千百三十九件行われておりまして、これは前年度、平成二年度が八百六十九件ということでございますから、大変数がふえているわけでございますし、あるいは委託を受けまして大学の研究機能を使いまして研究を行います受託研究、これが平成三年度二千百二十一件、それから公開講座でございますが、七百五十一講座ということでございまして、いずれも近年急速にふえているわけでございます。
 先生今例を挙げられましたような漁業関係でございますけれども、共同研究で申し上げますと、東北大学の工学部が宮城県の志津川町というところと志津川湾養殖漁場における自家汚染とその改善ということをテーマにいたしました共同研究を行っておりますし、あるいは広島大学に生物生産学部というのがございますけれども、ここでは広島県と共同でカキ貝柱筋制御技術開発というような共同研究を行っております。受託研究で申し上げますと、北大の水産学部でございますが、青森県の西北地方漁港事務所から委託を受けまして、市浦地区増殖場でのヒラメ稚魚飼育場の水理環境条件に関する受託研究を行っております。
 文部省といたしましては、今後とも、大学が本来的に持っております教育、研究あるいは地域社会への貢献というような使命にかんがみまして、社会の各方面におきます多様な期待あるいはニーズというものにこたえられるよう積極的に大学の取り組みを促していきたい、かように考えております。
#69
○沢藤委員 時間が迫っておりますので、二つまとめて長官にお伺いしたいと思います。
 今お聞きのとおりでございます。漁協単位で実験室を持っているところとかいろいろな実習場を持っているところもありますけれども、その程度といいますか、内容はかなりまちまちでございます。したがって、漁業の盛んなところには今申し上げた水産高等学校なりあるいは大学なりという研究機関、教育機関があるわけですから、例えば水産高校の実験室を開放して漁協の方と一緒に実験をするというふうなことも可能なわけですね。そういった意味で、水産に関する研究等につきまして、文部省あるいは他の省庁との連携を深くして、そういった施設の共同利用、共同化というふうなことに努めていただきたいということが一つ。
 二つ目は、さっきちょっと言い忘れましたが、いわゆる担い手確保という面からいいますと労働条件を整備するということが極めて大切なわけです。私は、いつかも申し上げたかもしれませんが、水産高校の生徒たちと座談会というか話し合いをしてまいりました。結局、後継者たらんとしている子供たちの希望は、やはり陸のサラリーマンと同じような勤務条件に近づけてほしい。勤務時間が決まっている、休日もある、新婚家庭なのに遠洋で何カ月も会えないというようなことのないようなということになりますと、やはり養殖あるいは沿岸漁業というのがそれに非常にマッチした漁業ということになるわけです。したがって、沿岸漁業、養殖漁業を産業として振興するということのほかに、意識的に担い手の確保ということに留意されまして、そうした労働条件、勤務条件といったものを整備するということに大きな目標を掲げてやっていただきたい。陸の勤務者と同じような勤務条件に近づけるという努力をしていただきたい。このことを二つお願いします。
#70
○川合政府委員 地域の漁業者と大学、高校などの教育機関との連携と申しますか、の問題でございますけれども、私どもは非常に大事なことだと思っております。今の漁業、あるいは先ほどからお触れいただいています増殖関係をとらえましても、かなり高度な技術とかが必要になってきているわけでございまして、本来、水産学校あるいはその近隣にあります大学と漁業関係者というのは人的なつながりは結構あるのだろうと思っております。それを実質的なこういう形で結びつけるということが今後非常に大事だと思っておりますので、今いろいろ先生のお話をお聞きいたしまして、私どももそうした形で文部省との連携を強めまして、地域でのいろいろな、これはいろいろな接触の仕方があろうかと思いますが、進めていきたいと思っております。
 それから、労働条件の問題は、すべて資源管理型が万能というわけではございませんけれども、この中で一番大事なのは、やはりいろいろな約束事をしながらかえってそれを漁業経営のメリットにつなげていくということでございますので、当然のことながら、定期の休漁日を設定するというのは、この資源管理型の中での非常に大きな一つの条件といいますか、環境整備にもなることでございますので、非常にすぐれたグループあるいは資源管理型を取り入れているところではそういう形を既にとっておりますので、そういうことを普及していくということもこの問題への一つの糸口ではないかと思っております。
#71
○沢藤委員 最後に、水産加工について一言触れたいのですが、その前に文部省、一言お願いしておきますが、大学への推薦入学制度、この中で水産高校から大学の水産学部その他の学部に推薦入学制度の道を広げていただきたいということをお願いしたいと思います。どうぞ、今後の課題として取り組んでいただきたいということを強く要望申し上げておきたいと思います。
 水産加工については、もう時間がありませんので、全般的にお聞きしたいと思います。
 農業における農産加工と同じように、第一次産業と言われている産業が生産に重点を置いているけれども、それに対する付加価値を高める、そして農民なり漁民なりの収入を上げるということについては、必ずしも今の日本の農業、漁業は十分じゃないと思っているのです。したがって、大手の、大がかりな加工施設、加工工場ということも、あるいは雇用の場の確保という点では歓迎される面もあると思いますが、やはり地域に収益が還元される、あるいは地域の人たちの雇用の場を確保するという意味では、できるだけ地場の加工業というものを盛んにしていただきたい、このことを要望しておきたいと思うのです。そのためには、技術もあります、先ほど申し上げた研究のことも
あります。そしてまた、一つの芽生えとしては、加工研究グループが各地に出てきておりまして、岩手県の場合は協議会もつくろうという動きが出てきております。そうした動きを手助けしてほしいということがございます。
 それから、やはり加工ということは経営の面が非常に強いわけですから、異業種、異なった業種の方との交流、あるいは四法の中に含まれておりますけれども、そういった異業種の方の参加、加入ということも配慮してしかるべきだろうと思うので、水産加工業における今申し上げたようなことを含めて将来の展望なり、あるいは力点ということについて、一言お願いしたいと思います。
#72
○川合政府委員 私は、水産と水産加工業との関係というのは、農産物におきます関係よりも従来からもある意味では密接、地域的に密接なところがあったかと思います。ただ、原料供給という面で状況が非常に変わってきておりまして、一部は輸入に仰がなければいけないというような状況ができておりますので、それにどう対応していくかという意味で非常に難しい問題があろうと思います。
 それからもう一つは、消費の形態が変わってきておりますので、そうした消費の変化、消費者の変化に対しましてどういうふうに的確に対応していくかということが非常に大事なことだと思っております。
 それと、これは御承知の点でございますが、水産加工業自体は非常に零細でございますので、そうした時代の動きに十分ついていけないという面がございます。そういう意味では、私どもが一つの大きな政策目標としておりますのは組織化あるいは共同化ということでございまして、各種の施策というもの、これは私どもの施策だけではなくて、中小企業全体の施策もそうした方向に向いているわけでございますので、そうした形での展開ということが今後の政策方向ではないかと思っております。
#73
○沢藤委員 最後になるかと思いますが、今の問題に関して要望を申し上げておきたいのです。
 やはり農産加工についても同じですが、コンスタントに原材料が確保されて通年操業しないとこれはなかなか維持は難しいわけですね。したがって、規模の小さい、狭い地域での原材料の供給ということにはなかなかならないと思う。そういった意味では広域的な連携、今の輸入の問題も出てくると思いますけれども、できるだけ漁協なりあるいは複数の漁協なりというふうな広域的な体制をつくる、そしてできるだけ年間を通してコンスタントに原材料が供給できるという体制を目指していただきたい、このことが一つです。
 それから、創意工夫ということで、新聞に出ましたね、サケの甲骨の缶詰。あれは、余りうまみの少ないサケのさらに高度利用ということで、切り身をとった後の捨てておった甲骨を加圧して、恐らく一・五気圧くらいに加圧して百二十度でボイルして、そして大変評判のいい缶詰ができた。これは実は宮古水産高校の実習の先生が考え出した。それを漁協が取り入れて、今漁協の一つの何といいますか、管理者になってその方が出向いていってやっている。非常にモデルとしてはほほ笑ましいというかすばらしいことだと思うので、こういったこと等も各地域で工夫されながら進められるように御指導をお願いしたいということを申し上げて、一言御答弁をいただいて終わりたいと思います。
#74
○川合政府委員 やはり資源の問題は、安定的に供給されるということが非常に大事だと思っております。もう一つお願いしております水産業協同組合関係の法律につきまして、私ども、まさにある意味では広域化に向けて対応できる形を進めたいということでございます。
 それから、いろいろな形の試みが行われております。今回の延長をお願いしております加工資金法の世界でも、そうした試みに対して対応できるような資金を準備していると思っておりますので、こうしたことの御活用をぜひお願いしたいと思います。
#75
○沢藤委員 終わります。
#76
○平沼委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#77
○平沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。遠藤登君。
#78
○遠藤(登)委員 水産関係、まず一つは、今回提起されている案件は、三度目の延長ということで、一期五カ年ということでありますが、漁業環境が非常に厳しい、あるいは漁業地域も大変な環境にあるという状況からして、もっと恒久的に、抜本的に法制度というものを検討すべきではないかというふうにいろいろな方の御意見も提起されている昨今であります。今回、向こう五カ年間の間で抜本的な、恒久的な法制度というものをやはり検討していく必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、当局はどのようなお考えに立っていらっしゃいますか、お聞かせをいただきたい。
#79
○田名部国務大臣 先ほど来お答えしておりますように、こちらの方の体制をきちっと決めておきましても、水産加工にしても漁業者にしても、どういう事態が発生するのかというのがなかなか的確につかむことができない。まあそう言いながらも、水産物の安定供給でありますとか、漁獲物に対する販路の提供あるいは地域における雇用の創出、多様な役割を果たしており、その振興を図るということは、これはもう大事なことだと思っておるのです。
 このため、本資金によって近海資源の有効活用あるいは水産加工の体質強化、こういうことに努めているほか、消費者ニーズに対応した水産加工品の開発でありますとか、総合的な流通加工施設の整備あるいは水産加工品の消費拡大というものを実は図っていかなきゃならぬ。
 特に、最近の国際漁業の情勢の急激な変化に対処するため、緊急措置として、特に企業に対しても農林漁業金融公庫から長期低利の資金を貸し付けることができるようにしたわけでありますけれども、お話しのように、これは一定の時限的な政策として機動的に対応する方がいいのではないか。固定しておいても、冒頭申し上げたように、恒久的制度というのは検討できないわけではありませんが、それが本当に実態にマッチしていくかどうかということになると私どももいささか自信がないわけでして、やはりその都度その都度、国際あるいは国内問題に対処しながら機動的にやってあげた方が、漁民の皆さんは安心するであろうというふうに実は考えておるわけであります。
#80
○遠藤(登)委員 非常に時代が厳しく変化するという状況の中で、大変な課題も存在するわけでありますけれども、やはり基本的に中長期的に、それは漁業振興法とも関連をすると思いますが、やはり抜本的な、恒久的な制度というものも追求をしていくということが大事じゃないか。十分な御検討を要請いたしたい。
 それから、先ほども話があったのですが、ことしから公海流し網漁業というのが停止されたわけです。そんなことで、原料の確保あるいは原料の転換などについて、これは十分な配慮を必要とする事態を迎えたということになるのではないかと思いますが、その辺の対応についてはどのようにお考えになりますか、お聞かせをいただきたい。
#81
○川合政府委員 お話ございましたように、昨年末で公海イカ流し網漁業が国連決議に基づきまして停止いたしました。そういう意味では、アカイカの供給がとまることになったわけでございます。
 この点につきましては、私どもは、今までやってまいりましたイカ流し網漁業のほかに、釣り漁業によってこのアカイカを捕獲することができないかということをさらに開発調査を進めていきたいと思っておりますが、現実には従来ほどの供給は無理なわけでございます。
 ただ、イカ類につきましては、現在在庫をかなり抱えておりまして、また昨年末におきましては、近海のスルメイカが非常にとれまして、実は地域によってはこの処理に苦慮しているというふうな状況もございます。そんなことで、当面イカの加工品に対する供給原料としては不足を来すという事態にはないと思っております。
 ただ、先行きのこともございますので、今回の法律改正に先立ちまして、予算措置ではございますけれども、一号資金の利用促進施設資金の中で、従来はドスイカという比較的使われていないイカだけを対象にしていたものをイカ全般に広げまして、この点についての対策といたしているわけでございます。
 また、実は、アメリカオオアカイカというイカがありますが、これは若干異臭といいますか、においがあるようなイカでございますが、これのそうしたにおいの除去技術の実用化というようなことも手がけておりまして、こうした面から原料対策に対応してまいりたいと思っております。
#82
○遠藤(登)委員 それから、二百海里水域の設定など、やはり漁場が大幅に狭まったわけです。漁獲の環境が変化したという状況もありますが、水産物の加工品あるいは原料魚というものの輸入が年々相当な伸びの状況にあるのでありますが、その辺の動向ですね。それから、海外にいわば相当企業が立地をされている、あるいは生産を委託されているというような状況などについてもお聞かせをいただきたい。
#83
○川合政府委員 水産物の輸入につきましては、年々増加傾向にございましたが、平成四年度は、増加はいたしましたがその増加率がやや鈍化してきているという傾向にあります。加工品につきましては、やはりこれも増加傾向にありますが、これはかなり物によってその伸び率が変わっております。しかしながら、かなり伸びていることは事実でございます。
 またもう一つ、今御指摘の海外への水産加工分野の立地の問題でございますが、これは、一つは水産加工分野が比較的零細ということがございまして、それが一つの理由かと思いますが、海外への立地というのは今のところ余り大きくはございません。私どもの調べた資料では〇・八%というような数字でございますが、今後こうした希望を持っているところが若干ございます。
 ただ、最近のいろいろな状況から、必ずしも進展はしていないと思いますが、やはりそういう面から考えましても、国内におきます水産加工業に対します原料の安定供給ということが非常に大事だと思っております。一部輸入の原料に依存せざるを得ない面も当然ございますけれども、国内産の低利用のもの、その他円滑に利用できるような形をやはり対応としてとっていかなければいけないというふうに思っております。
#84
○遠藤(登)委員 それから、それぞれの本法における制度資金ですね、この条件の緩和とかあるいは手続き上の簡素化というものが強く求められてきているのでありますが、今回の一部改正の分野を含めて、あるいは政令等における改善措置などについてどのような対応が図られているかということについてお聞かせをいただきたい。
#85
○川合政府委員 今回の改正と軌を一にいたしまして、先ほど来若干触れましたけれども、対象となる業種の拡大あるいは対象地域の拡大などを図ってまいります。それと同時に、お触れいただきました貸し付けの金利などに関しまして、特利の適用の分野を広げるというようなことを行おうといたしているところでございます。
 また手続につきましては、何分にもこうした制度金融ですので、一定の資料は添付していただくことが必要なわけでございますけれども、やはり何よりもこうした手続につきましては事前によく周知徹底を図ることが必要であると思いますので、改正、法律を延長していただいたことを契機に、こうした資金の内容その他につきまして、手続も含めましてPRを十分いたしたいと思っているところでございます。
#86
○遠藤(登)委員 いずれにしましても中小零細企業群が非常に多い、しかも環境が大変な状況にあるという状況に立って、規制の緩和とか簡素化などについては十分な対応を求めていきたいというふうに思う次第であります。
 次に、来る三十日にニュージー産のリンゴの解禁問題で公聴会が開かれるということに関連して質問をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、去る十六日官報に公示されて二週間足らずで公聴会が開かれる、あすまでに公述人を申し出なさいという官報の公示内容なわけであります。したがって、余りにも唐突な話ではないか、それからいわば問答無用的な公聴会の開催ではないか、植物防疫法に規定されている民主的な運営とは逆行する内容ではないかという指摘がされているのであります。
 これは大臣の出身地は大産地であります。生産農家は今大変な疑問を持ちながらこれらの事の行方を見守っているというような状況なのであります。特に心配をされるコドリンガ、あるいは大変な病菌であります火傷病、これらの完全な防除体制がなされたということのようでありますけれども、完全防除の体制が確認された、それは一体どのような調査を踏まえて、あるいはどのような検証とどのような確認がなされてきているのかということについてお聞かせをいただきたい。
#87
○高橋(政)政府委員 お答え申し上げます。
 まず第一点は、どうも公聴会の開き方が民主的ではないんじゃないかというお話だったと思います。
 この点に関しましては、御存じのように植物防疫法で、輸入解禁をする場合には公聴会を設けてやりなさい、これは今先生お話しのように、民主的な手続をとるということでそういう制度が設けられておるわけでございます。
 それで、その公聴会を開催しようとする場合には、現在植物防疫法施行規則によりまして、少なくともその十日前までに、場所あるいは意見を聞こうとする事項を公示して行わなければいけないということになっておるわけでございます。したがいまして、今回三月十六日に、ただいま先生がおっしゃいましたように公示をいたしまして、それで二週間後といいますか十四日後の三月三十日に開催をするということにしたわけでございます。
 それで、この点については今までも我々公聴会を何回か開かせていただいております。例えば、いろいろ問題のございました米国産サクランボの輸入解禁に当たりましては十二日間、あるいは豪州産のレモンの輸入解禁に当たりましては十四日、大体その程度の日数を今までも考えておりましたので、今回もそのような例に従わせていただいたわけでございます。
 しかしながら、やはり生産者の皆さん方にできるだけ早くそういった情報をお届けしておくことが本来であるというふうに考えておりまして、我々も早くから、早くからといいますのは去年から、県とかあるいは生産者団体に対しまして、説明の場を設けてそこで御説明を申し上げてきたというようなことでございます。
 それから二つ目には、コドリンガあるいは火傷病の完全な防除が完成されておるのかということでございますが、この点は当然禁止対象の病害虫の侵入が完全に防止されることが必要であるわけでございまして、そんなことがあってはならないわけでございますから、我々もそういった立場で厳正に今回も対応をしてきたところであると思っております。
 このニュージーランドのリンゴにつきましては、約六年間にわたりまして、ニュージーランド側もいろいろと技術開発を進め、我が方と検討をしてきまして、植物検疫措置といいますか、技術を完成したということなんでございますが、その内容は、コドリンガにつきましては臭化メチル薫蒸を行いまして、その後低温処理を二十五日以上行う。それから、ニュージーランドの植物検疫当局によりまして、輸出時の検査と、消毒した後でまた虫が入るというようなことがあってはいけな
いわけですから、汚染の防止措置をさらにとるというものでございます。
 それから火傷病につきましては、火傷病が発生しないということが認められる果樹園を指定いたしまして、さらに、そこでとれましたリンゴにつきましては表面殺菌をいたします。それからさらに、ニュージーランド植物検疫当局によりまして、コドリンガと同じように輸出時の検査、それから消毒後の汚染防止措置といったものをとるということから成っておるわけでございまして、それでこれらの措置につきまして、今までニュージーランド側から数次にわたりましていろいろな実験データを提出されまして、我々それを検討してまいりました。それからさらに、本当にそういうふうなのかどうかということを現地において調査もいたしまして、これは昨年二回行いまして、その結果、我々としては完全な検疫措置であるということを確認いたし、問題がないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 その過程でどんなふうな確認の仕方をしてきたかということでございますが、これは至って専門的な事柄でございますので、日本とニュージーランドの専門家の間で、先ほど言いました六年間技術的な検討をしてきたのでございますが、若干具体的に申し上げますと、まず基礎的な試験といたしまして、それぞれ虫でも殺虫のしにくい生育段階というのがあるわけでございますので、まずその殺虫のしにくい生育段階がいつであるかということの確定をしたわけであります。そうしますと、その段階が明らかになりますと、その段階の虫をどういうふうにしたらうまく殺虫ができるかということで、まずリンゴの種類で殺虫効果の差があるのかどうかという応用試験をやりまして、そのほか低温でやったらどんなふう、あるいは臭化メチルでやったらどんな状況であるかということを確認いたしまして、その後、大規模にコドリンガを実際にリンゴにつけてみまして、試験をやって、それで一つの技術が確立したわけでございます。
 それで、日本側といたしましては、こうしたニュージーランド側のデータあるいは文献を確認いたしますとともに、先ほども申し上げましたように、昨年二回現地に行きまして、そのとおりであるかどうかということを確認いたしまして、信頼性があるものというふうに判断をしたところでございます。
#88
○遠藤(登)委員 昨年二回行ったということでありますが、どなたが行ったのですか。
#89
○高橋(政)政府委員 やはりこういう方の専門家ということで、横浜植物防疫所がございまして、そこの検疫を担当している者が二名参っておるわけでございます。
#90
○遠藤(登)委員 そのいわば調査結果あるいは実験データあるいは文献などについて、昨年から関係機関に説明をしたという話があるのですが、特に関係都道府県あるいは主産県の生産者団体、それぞれの機関などについて、どのような説明が行われてきたのか。
#91
○高橋(政)政府委員 調査結果につきましては、これは非常に重要な問題であるということで、生産者の皆さん方に理解を得るという必要があるわけでございますから、主産県、それから生産者団体等に説明をしたわけでございます。
 若干具体的に申し上げますと、昨年のまず七月に、今申し上げました県の課長さん方、あるいは農業団体の中央会とか経済連とかいろいろございますが、そういうような団体の皆さん方にお話をし始めまして、それからさらに詳しくは本年一月に具体的な検疫の措置案について御説明を申し上げたわけでございます。
 それでその中で、現地でもいろいろ問題があるのでぜひ詳しくさらに説明をしてくれというようなところにつきましては、さらに現地に当省の担当官を派遣いたしまして、詳細な説明を行い、今先生が申されましたニュージーランドとの確認したいろいろなデータについても、それぞれ御要望があれば対応できるというふうにしたところでございます。
#92
○遠藤(登)委員 ここに私もいただいたのでありますが、この資料、横浜植物防疫所。ただ、話によりますと、大産地の青森と長野の試験場に、こういうデータの要請があったのでこれを送付したということのようであります。それで、口頭で主産県などにいろいろ説明をした、生産者団体などに説明をしたということでありますけれども、これはいわば病理学とか病虫学の権威者というか指導者というか、そういう科学的なデータになるわけだと思いますが、やはり生産者団体あるいは少なくとも主産県など、あるいはいわばそれぞれ関係の試験場もあるわけであります、そういうところにきちっとこういう調査結果、データを落として一定の科学的な説明もしながら、公聴会なら公聴会を開くというのであれば話がわかる、一定程度理解できる、こういうことになるのでありますが、話によりますと、先ほど申し上げましたように青森と長野の試験場から要請があったからそれだけにデータを配った、そして公聴会を開くというのについては、納得できないのです。
 あすまでに公述人を申し込んでくださいということでありますから、これはやはり植物防疫法上にある病虫害の問題が中心になるわけだと思いますが、国際法上はですね。問題の火傷病は入っていない。それはナシあるいは果樹全体に波及するという問題があるのであります。したがって、こういうろくに説明もしないで、資料も送らないで公聴会を開くなんというのはもってのほかだ、それは民主的な運営に反するのではないかというふうに思うのであります。
 したがって、三十日は官報告示されたわけでありますから、それはできれば中止をして改めて再開をするということか、継続して、その間十分こういう資料も提起をして、そして公聴会を開くというのが原則じゃないですか。ぜひそういう方向の中でお考えいただきたいというふうに思うのであります。
#93
○高橋(政)政府委員 我々といたしましては、まず公聴会の手続そのものについては、先ほども申し上げましたように、法令上の手続に従いましてしっかりやったつもりでございます。さらに、今先生方からいろいろお話がございましたように、それだけのことではなくて、やはり生産者の皆さん方にいち早くそういった状況、それから検疫内容がどうなっているかということを知らせておくべきであるということで会議も開きまして、その会議でもどういうような検疫措置をやることにしているかということを詳しく御説明もしてきたわけです。
 それからさらに、我々としてはやはり生産者方の信頼といいますか、そういうものをなくしてはいけないわけですから、生産者方がいろいろな御疑問の点があればいつでもお答えできる、さらにはデータも、こういうようなものはどうかと言われればそういうものも公開できるというような体制をとっていくべきだというふうに考えて対応したわけです。
 そういう中で、特に青森では、我々県あるいは団体の方では十分なる説明ができないので、ひとつ現地に来てお話をしてもらいたいという御要望もございましたので、ではそれなら参りましょう、それからさらに、データもやはりこれは専門的な事項に関しますので、試験場に置いておきますから何かあったらそこで御疑問の点を聞いていただくという体制をとったということです。それからまた、長野の方でもやはり同じようなお話がございましたので、我々はそれにいつでも対応できるということで、青森と同様な対応をしたということでございまして、我々別に強いて公開をしないとか、あるいはそういう体制をとっていなかったということはなかったというふうに思っております。
#94
○遠藤(登)委員 これはやはりぜひ関係主産県ぐらいには、リンゴの栽培はほとんど全国的にあるのですよ。全都道府県にその資料はきちっと出して、そして、それぞれの研究機関もあるし、指導機関もあるわけでありますから、疑問に思っているところについては十分検討していただいて、公
聴会は継続して開くということにしていただきたい。これは何といっても生産者を初め国民の理解が極めて不可欠な課題だと思うのであります。ぜひそういう方向の中で御検討いただきたい、こういうふうに思います。
 青森の生産農家では、現地に行って調査をした、それもそれぞれ大変な疑問を持って帰ってきた、こういうことで心配をされているのであります。ろくに説明もしないで公聴会を開いて、形式的に公聴会を開いて輸入を解禁するというようなことがあったとするならば、大変な禍根を残すのではないか、こういうふうに思うのでありますが、大産地の大臣としてどういうふうに考えますか。
#95
○田名部国務大臣 私の立場から言うと、五〇%のシェアを持っている青森県、リンゴ産地でありますから、大変ありがたい御心配をいただいておる、こう思うのでありますが、大変丁寧に役所の方も現地に赴いていろいろとやっていただいたことは私も承知いたしておりますし、先般も黒石のりんご試験場の専門家たちがニュージーランドに行って十分調査をして、その結果として問題ないということを言っております。
 ですから、ほかの県のことまではわかりませんので、局長のお話のとおりだろうと思うのでありますが、いずれにしても、かってもアメリカのサクランボあるいはチリのブドウ、キウイフルーツ、あるいは豪州産レモン、ニュージーランド産サクランボ、オランダのトマト、ピーマン、ずっとマンゴーに至るまでこの手続をとって、万全だ。委員のところのサクランボもそういう意味では大変であったろうと私は思うわけでありますけれども、その例に従って、完全になっているものまで六年間もこうすればいいああすればいいと、それにこたえて向こうも一生懸命やってきたわけですから、完璧になったというものまでまだだめだというのはいかがかな。前から申し上げておるのですが、それでも輸入直前、こっちに上がってくるときに問題あるものは、これはもう返すわけですから、そこのところはきちっとしているわけです。
 それから、そこまで来ても問題ないとなると、リンゴだけがやれるかということになると、自分の県のものが多いだけに、どうも私としても、よその県のものはどんどん入ったが青森県だけは守ったのではないかということもありますから、――まあまあそうおっしゃらずに、一応手続を経て問題ないということなんですから、それをもう認めざるを得ないというのが、今、現状の立場であります。
#96
○遠藤(登)委員 時間もありませんから、やはりその公聴会のあり方というのはまことに非民主的で、納得できないのであります。したがって、これは継続してきちっと結果報告をして、そして改めてやるというような方向の中で御検討いただきたいということを強く要請させていただきます。
 それから次は、アメリカとかカナダとか、いろいろ話がマスコミにも載っておりますが、生産農家は大変な心配をしているのであります。国内の生産対策も何らとられていない、そういうことも大きな課題なのであります。その点についてはどうですか。
#97
○高橋(政)政府委員 ニュージーランドのほかにアメリカなどがあるのではないかということでございますが、この点につきましては、御存じのように、植防法で輸入が禁止されております生果実等につきましては、相手国において対象病害虫の完全殺菌殺虫技術が開発されまして、我が国への侵入が完全に防止されるという場合にのみ輸入を解禁するということにしておるわけでございます。
 アメリカ、カナダにつきましても、それぞれの国と個別に、提出された技術につきましてデータを評価し、個々に判断した上で行うというものでございまして、ニュージーランドのリンゴの解禁が直ちにこれらの国の解禁に結びついていくというわけではございません。
 それから、国内産対策というようなものを一体全体どんなことを考えているのかということでございますが、果樹全般といたしましては非常に国際化の進展が認められるわけでございますので、そういう中でやはり少量多品目化等が進みまして、あるいは高品質化、低コスト化が要求されておるわけでございますから、そういうものに応じた生産体制あるいは流通体制、果樹園の近代化を図っていく必要があるというふうに思っております。
 したがいまして、生産性あるいは品質の向上、経営体質強化のための生産対策を講じてきておりますし、あるいは流通、消費宣伝対策、それから加工、価格対策、輸出促進対策など、幅広い対策を講じておるところでございます。
 特に国産リンゴにつきましては、高品質であるというような有利性を生かした産地体制を整備することが重要であるというふうに思っておりますので、品質面での選果も可能な光センサーつきの選果施設であるとか、あるいは長期間鮮度保持が可能な貯蔵施設の整備、あるいは我が国のリンゴについても、輸出促進というようなことも今後は考えていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
#98
○遠藤(登)委員 ぜひ、公聴会の継続審議について強く要請をしたい。
 それから、きょうは酪農部会ということでありまして、乳価の諮問が今検討されて、夕方ごろ諮問案をつくるということのようでありますが、引き上げの措置が検討されているということを耳にするのでありますが、きのうから畜産、酪農の問題で大変危機的な状況が提起されている中で、引き下げなどという諮問にならないように、ぜひ大臣の方でも強く御留意をいただきたいということを要請して終わります。
#99
○平沼委員長 藤原房雄君。
#100
○藤原委員 きょうは水産四法についての質疑ということでございます。昨日は乳価のことについてもいろいろ申し上げました。先ほど遠藤先生からもお話ございましたが、次官にいろいろな角度から申し上げました。大臣も昨日の審議、真剣な審議の様子を参酌いたしまして、ぜひ適切な価格で決定をいただきたい、このことを冒頭に申し上げておきます。
 きょうは法案審議ということでございますから、水産加工法の一部改正を中心といたしまして、最近の漁業をめぐります諸情勢についての問題について御提起を申し上げたいと思う次第であります。
 この加工法につきましては、大臣の過日の提案理由の説明の中にも、「国際的な漁業規制の強化により水産加工品の原材料の供給事情は更に悪化しております。また、各国とも、自国水産資源を最大限に活用する観点から、水産加工品の形態で我が国に輸出する傾向を強めており、水産加工品の輸入が引き続き増加する傾向にあります。」このような状況の中で、水産加工施設の改良とか、新製品、新技術の開発、導入、こういうことに力を注いで、このたびのこの法律を五年間延長しよう、こういうことが過日趣旨説明でお話があったわけでございます。
 大臣がお話しなさった現状はそのとおりでございまして、国際的な規制の一層の強化、または漁業担い手の減少、高齢化、水産資源の減少、こういうことで、水産加工業全体としましても、今一つの大きな転機を迎えておるという現状は否めないと思うのであります。
 まず一点お伺いしておきたいのは、このたびの法案は、五年間この法律を延長して平成十年三月三十一日までとするということでありますが、単純延長ということではなくて、それに伴いまして何点か伺うわけでありますが、急激な今日の漁業を取り巻く諸情勢の変化の中にありまして、これだけでは対応できないのではないか、こういうことで、もっと積極的な取り組みが必要だろうと思うわけでありますが、この間のことについてはどのようにお考えでしょうか、まず伺っておきたいと思います。
#101
○川合政府委員 水産業と水産加工業は非常に密
接な関係がございますし、従来からもその立地なども非常に近い形で行われてきているわけでございます。
 何よりも、水産物の安定供給ということが不可欠であるわけでございます。最近の資源状況などを見ますと、国産の供給が必ずしも安定的でないということが一番の問題であるわけでございます。一部輸入がその代替をしているという面もあるわけでございますが、しかしながら、国内の水産の立場から考えましても、加工業に対しまして安定した供給を続けるということが水産業自体の発展にもつながることでございますので、一つはそうした面での対策を進めていかなければいけないということだろうと思っております。
 先ほど来御議論がございました資源管理型の中で一定の付加価値を向上するというような観点からも、やはりこうした加工業への安定した供給、例えばマイワシなどにつきましても、確かに資源は減っておりますけれども、従来はそのうちの大宗がえさとか肥料とかに向いているわけでございまして、食用には必ずしも十分向いていないという面もございます。したがいまして、そうした供給先をどういうふうに生産の段階で仕分けして持っていくかというようなことも必要だろうと思っております。
 それから、加工業の方から考えますと、零細であるということから、組織化あるいは共同化というようなことをどうやって促進していくかということが一つの政策的な方向として重要であると思っております。
 それと同時に、最近の需要の動向にかんがみまして、いかに消費者に受け入れられる製品をつくっていくか、こうした食品が、最近はどちらかというと少量多品種と申しますか、そういう傾向にもありますので、そうした傾向あるいは需要の方向にどうやって対応していくかということが大きな課題だろうと思っております。
 したがいまして、もちろんこの加工資金法の延長ということだけで対応すべきあるいはできる問題でもございませんので、私どもは、そうした各種の施策を総合いたしまして対応していかなければならないというふうに考えております。
#102
○藤原委員 確かに、漁業は農業と違いまして非常に難しい面がさらにあろうかと思います。最近、原点の安定確保ということが言われておりますけれども、多獲性魚の変動とか公海の撤退、これが非常に大きなファクターになっていると思うのであります。そういうことから、近海資源の利用増大ということも言われる一方で、この多獲性魚の変動や公海撤退というのは非常に大きな問題である、このことはよく御存じのことと思うのであります。
 過日、釧路へ参りましていろいろ現状をお聞きいたしましたところ、イワシを中心といたします多獲性魚の減少が非常に大きなウエートを占めておりまして、このイワシの減少が、およそ一〇%ほど水揚げが減りますと、全部で二十二工場あるミール工場の中で仕事ができるのはわずか十工場ぐらいかということで、イワシ資源の動向によってはスケソウダラの加工の残H、こういうもの等で事業転換が迫られているということや、またスケソウダラの加工場の全従業員は、釧路ではおよそ四千七百人ほど加工場で働いていると言われていますが、その半数ほどはスケソウダラの加工に携わっておるということが言われております。
 また、すり身工場等においての原点の減少、一方ではアメリカからの輸入の増大、製品市況の低迷、こういうことで経営が非常に逼迫しておる、こういう加工業をめぐります諸情勢について釧路の関係者の方々がおっしゃっておりましたが、確かに多獲性魚、イワシの減少が及ぼす影響というのは非常に大きい。それはまた漁業だけではなくして、水揚げが減になりますと、そういうことから漁船の経営が非常に逼迫をするということや、加工業、トラック運送業または雇用、こういうことで地域経済に及ぼす影響というのは非常に大きい。それに養殖等のえさ等にも大きな影響がある。そういうことからしますと、資源の動向によって加工原料、イワシからサンマヘの魚種転換とかまたは事業転換とか、こういうことが迫られる、こんなこと等も現地では大変心配をいたしておるわけであります。
 日本一の水揚げを誇っておりました釧路市が現在こういう現況にあるということは、水産庁も把握していらっしゃることだと思うのでありますが、この辺の現況、魚種転換とかまたは事業転換、これらのことに対しましての水産庁のお考え方や、または今後の対策等についての見解がありましたら、お聞きをしておきたいと思います。
#103
○川合政府委員 御指摘のように、マイワシ資源の減少がここ数年あらわれてきているわけでございます。特に昨年は、その減少が北海道あるいは八戸などの北の部分あるいは東の部分に集中的に出てきております。
 したがいまして、これによりまして、今お話しのようなミール関係あるいはその他の関係の業種が非常に厳しい操短などを余儀なくされていったわけでございます。こうした資源の変化でございますので、それ自体についてはなかなか打つ手がないわけでございますが、今御指摘のような魚種の転換による対応のほか、やはり事業転換あるいは兼業というようなことが当然考えられるわけでございます。
 また、緊急の対策といたしましては、特定の企業集積の活性化に関する臨時措置法、これは通産省の中小企業庁所管の法律でございますけれども、こうした法律の地域あるいは業種の指定を検討する、あるいは特定の不況業種の関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法がございます。
 これについては、一部既に政令で適用業種に指定するというようなことなどを当面やる必要があろうかと考えておりますけれども、何と申しましても安定供給ということが必要でございますので、水産の立場から、やはりこうした地域におきます加工業についての業種転換を含めた対応というものについて、積極的に現地の御要望あるいは状況等を把握しながら対応していかなければいけないということで、現地といろいろな形で、今状況について連絡をとっているところでございます。
#104
○藤原委員 象徴的な地域として釧路市のことを申し上げましたが、それぞれ長い歴史の中で加工業を営んでまいりました日本海沿岸また各地のそれぞれの地域で、技術を継承してまいりました地域等においても同じことが言えるわけでありまして、ぜひひとつ現地の現状等を踏まえて適切な対応をとっていただきたいものと思います。限られた時間でございますので、それはぜひひとつ強く要望しておきます。
 次に、農林水産省の方が「魚を食べると頭がよくなる」という本をお書きになって、大変に皆さん関心を呼ばれたわけであります。日本食というのは、魚食文化、魚食の普及、こういうことがだんだん変化しつつあるということに対しての一つの警鐘でもあったのかもしれません。
 北海道でのいろいろな調査を見ますと、水産加工品を初め魚を毎日食べるという方が五三・八%。一週間に三回は魚、水産加工品を食べるという人が二五・三%、地域によっていろいろな差があるのだろうと思いますけれども、そういうことが言われております。全国の実態を見ますと、昭和四十年には畜産物が四〇・二%、水産物が五九・八%だったのが、平成三年度になりまして畜産物五九・四%、水産物が四〇・六%と、逆転しているわけなんですね。
 日本食、これは若い人たちの食文化がだんだん変わってきたのか、いろいろなことが言われるわけでありますが、先ほど来、多獲性魚が最近変動しておるとか公海撤退とか、こういうことで大変だということを申し上げましたが、やはり日本人にとりまして、魚というのは、また水産物の加工品というのは非常に重要な食文化の中の位置づけでありますから、これの確保のためには大いに努力をしなければなりませんし、魚食普及に対するPRということにつきましても、これは大いに考えなければならぬことだろうと思うのです。逆転
になっておること等を考えますと、ただ世の中が変わったのだということじゃなくて、やはりこれは今まで相当農林水産省もお金をかけてPRをしてきたと思うのでありますけれども、そのPRの実効性が上がっていないというのは一体どういうことなのか、その辺のことについてはお考えになったことがあるのかどうか。
 こういうことからしますと、私は、冒頭申し上げました加工法というのは単純五年延長ということだけではなくして、やはり二十年来臨時措置法ということでやってきたわけでありますけれども、漁業との一体性を考えて、恒久法という形で今後は考えるべきものではないか、このように痛感をいたしているわけでございますが、これらのことについて見解をお伺いしておきます。
#105
○川合政府委員 魚食につきまして、今御指摘のように、平成三年度の統計によりますとやや減少してきているわけでございます。動物性たんぱく質の供給量に占める割合の数字でございます。これは供給ベースの計算方法をしておりますので、御承知のように、今御指摘まさにございました平成三年は、マイワシなどの減少が著しかったというようなこともございまして、その影響も出ていようかと思っております。と申しますのは、家計消費あるいはその他の統計で見てまいりますと、必ずしもそれほどの減少ではないというような数字もありますので、もう少し私どもこの辺の傾向を注意深く見守っていかなければいけないと思っております。
 ただ一つ、魚食について私どもが注意をしなければいけないと考えておりますのは、最近の若い人を中心として、魚の食べ方と申しますか、それに対しての傾向が変わってきている、よく言われる、家庭にまないたと包丁がなくなっているという現象だけではなくて、やはり利便性あるいは今までと変わった形での食べ方というようなものが好まれる傾向もございますので、そうした需要の動き、そういうものを的確にとらえていかなければいけないと思っております。
 ただ、その中で私どもが一つ心強く思っておりますのは、例えば外食産業などの傾向として、ファーストフードのような店をも含めまして魚を材料として使う傾向が最近ふえてきておりますので、こうしたところへの供給なども含めまして、私どもも対応について考えていかなければいけないと思っております。
 それから、法律自体の恒久化の問題でございますが、これは先ほども大臣からお答えいたしましたように、この法律のできた経緯から申しましても臨時緊急対策ということでございまして、その後、目まぐるしく状況の変わる中で私どもは対応してきたわけでございまして、やはりこれから五年経過する間の状況がどうなるかということは予測できない点もありますけれども、やはりこういう形での機動的な対応ができる法形式も、私どもはこうした加工の現状からいって適当であるのではないかというふうに、現在のところ考えている次第でございます。
#106
○藤原委員 臨時措置の方が臨機応変に対応できるということですか。そこらあたりちょっとあれですけれども、いずれにしても、漁業と一体化した中で水産加工というものも考えていくような形で進めていかねばならないということだけは主張しておきたいと思うのであります。
 釧路の方へ私行きましたので、過日、釧路の方からも要請があったわけでございますが、釧路沖地震、もう二カ月がたったわけでございます。港湾とか漁業施設の復旧、一月十五日に地震発生以来、大変な被害がございまして、釧路はもう御存じのとおり、背後には酪農地帯を抱え、また全国屈指の漁獲、水揚げ量を誇ります釧路港、ここの穀物荷役機械とか魚の荷揚げ場の施設に大きな被害をもたらした、これは今までも委員会等でも何度がお聞きしておりますが、これは各省庁にまたがる問題でもございますので、財政力のない釧路市、ないというとあれですが、非常に乏しい釧路市が港湾の管理責任者になっているだけに、どういう決着をするかということは非常に関心を持っているわけでございまして、そこら辺のことについてはよく事情は御存じのことだろうと思います。
 要するに、港湾整備事業会計の管理いたします港湾機能施設の復旧とか事業会計の管理する魚揚げ場施設、こういうことについて、地方公営企業等の災害復旧事業に対する財政措置が中心になるのだろうと思いますけれども、魚揚げ場等につきましては、流通拠点基地として、水産庁としましてもここに相当力を入れていただいた経緯もこれあり、全体の、自治省との起債の関係とかいろいろなこともございますけれども、できるだけ地元として復旧が早くできる、そしてまた財政的な負担が覆いかぶさらない、使用料とかそういうものにはね返らない形でできることを強く私どもも過日来お訴えしておるところでございますが、二カ月ほどたっておりますので、現在どういうふうにこれが進みつつあるのか、現状と今後のお取り組みについてお伺いしておきたいと思います。
#107
○川合政府委員 釧路沖地震によりまして、釧路港に甚大な被害が出ているわけでございます。特に第七魚揚げ場の被害が大きく、そこにおきましては魚揚げ場そのものの被害のほかに、建物外周舗装の沈下あるいは亀裂、それから給排水関係施設、駐車場なども被災がありまして、この辺の被害額が約十億というふうにお聞きしております。釧路市は、応急的な措置で機能を若干なりとも回復させて対応しているということを聞いております。
 そうしたことで、先日も釧路市の関係の方々、私どもの方にもおいでいただきまして、私どもといろいろと状況の変換をいたしましたけれども、今先生御指摘がありましたように、公営企業として運営されておりますので、起債の問題、それから私どもとすれば暫定法の適用の問題、あるいは全体として災害債に対する起債の問題というような幾つかの問題がございます。それらにつきまして、私どもも財政当局といろいろな形で意見交換を開始しております。
 市の方も最終的な、どの方法が一番望ましいかということについては、全体の被害の対応との関係で今なお検討していると聞いておりますし、私どもといたしましても、市当局あるいは道との関係を密接にいたしまして、どのような対応が可能かつ最も適当かということにつきまして、今後もよく相談してまいりたいと思っております。
#108
○藤原委員 次に、沿岸漁業改善資金助成法の一部改正、時間がございませんし、また同僚委員からも、つぶさにこれらの問題についてはお話があろうかと思います。
 私は一点、沿岸漁業につきまして、過日大臣の趣旨説明の中にも、「漁業就業者の減少、高齢化が一層進行する中で、特に次代の漁業を担うべき後継者が著しく減少し、漁業の担い手の脆弱化が危惧されており、すぐれた技術及び経営感覚を持った担い手を幅広く養成確保することが急務となって」おるというお話がございましたが、まことにこのとおりだと思います。
 だから何をどうするのか、ここのところが問題だろうと思うのでありますが、やはりそれは数字的に見ましても、後継者、新規の学卒者は農業には千八百人ですけれども、漁業は七百六十二名ですか、これは大手の漁業会社に入った方も含めてということでございますから、漁業に魅力が持てない。漁業に魅力を持つということはどういうことか。これは大臣も先ほどもいろいろ同僚委員にもお話ししておりましたが、やはり沿岸漁業そのものの所得が上がっていないということ、そのためには活性化が必要であるとか、輸入で魚価がなかなか上がらぬとか、それから漁村としての環境、公共下水道の普及率は漁村の場合は五・四%ということですから、農業のように、農村集落排水事業のような環境の改善ということに相当力を入れておりますけれども、漁業の場合そういう点ではちょっとおくれているのではないか。今後については生活に密着した漁港とか海岸事業、こういうものもあわせて沿岸漁業の活性化をやらなければならないのではないか、こう思うわけであり
ます。
 そういうことから、後継者に対してのいろいろな資金の手当て等についてはこの法案にも盛られておりますし、私も賛成でありますけれども、それとあわせて、漁業の場合には生活環境というものに対してもっと力を入れる必要があるのじゃないかということや、それから生活改善資金等、漁業についてはもう少し努力をしていかなければ、活性化とか振興という言葉を使いましてもなかなか伴わないのではないかということを痛感いたしておりますが、この辺について大臣の御所見をお伺いします。
#109
○田名部国務大臣 沿岸漁業におきまして、今委員お話しのように、確かに漁業就業者が減少しておるし、私のところでもそうでありますが、高齢化がどんどん進んでおる、こういう状況でありますので、私もいろいろと心配をいたしておりますが、何といっても漁業を魅力ある産業にするということが大事なことでありまして、そのために漁業生産基盤の整備をしたり、あるいは資源管理型の漁業、つくり育てる漁業の推進、それから漁業経営の改善、いろいろなことを総合的に推進しながら所得の向上を図るとともに、いま一つは、やはり若い人たちでありますから、休日を設定するとか就労の環境の改善をするとか、特に漁村は大体土地が狭隘なところに住宅がありまして、そういうことでこの若い人だちの住宅の確保を一体どうするかということ等もあると思うのです。それはやり方としては、何か高層といってもそんな高いものではなくてもアパートを建設して、若い人たちにそこへ住んでいただくとか、いろいろなことを総合附にやっていかなければならないと考えております。
 一昨日だったと思うのですが、テレビを見ていまして、静岡の伊豆の方の漁村のテレビをやっていまして、若い夫婦は漁業で、あそこは傾斜地でありますから、おじいさん、おばあさんといってもそうお年寄りではなかったようでありますが、親戚の人たちと一緒になってミカン畑をやっておる。ですから、暇なときといいますか、漁業をしないときはそっちへ行って働く。かつては私の地域も半農半漁であったわけなんですが、もう少し多様に就労の場というものを、所得の上がるものを創意と工夫をしてみたらどうか。
 あるいは美しい村づくりとか海づくりとかいって、マリノベーションだとかいろいろやっておりますけれども、そこは都会から交流を盛んにしようということでやっておりますが、そういうところでまた事業というものが若い人たちに展開することはできないのかとか、いろいろ知恵を出してやはりやっていかなきゃならぬ。しかし主体的には漁業後継者でありますから、今回も法律を改正して、後継者等の養成資金を青年漁業者等養成確保資金に再編拡充して、すぐれた技術及び経営感覚を持った次代を担う青年漁業者等を幅広く養成確保していきたいと考えております。
#110
○藤原委員 具体的なお話になりますけれども、北海道におきましても、日本海というのは最近は漁業を初めとしまして低生産、高齢化が非常に進んでおるということで、日本海の地域の漁業振興を初めとします振興特別対策事業を行おうということにつきましては、過去の経験と技術をつないでいくとか、新しい技術や発想を実践するとか、いろいろなことを打ち出してスタートしようということであります。
 確かに、日本海というのはかっては大変大きな水揚げを誇ったところでありますが、それが非常に一変したわけであります。過去の栄光にただしがみつくわけじゃございませんけれども、やはりそこに新しい技術を入れるとかいろいろな対策を講ずることによって活性化することはできるのではないかというのは、私も同じ気持ちでおるわけであります。
 当然、水産庁としてもこのことはよく御理解をいただいておることと思うのでありますが、やはり人づくりというのは大事であるということも当然のことでございますし、そういうことからいいますと、栽培漁業技術開発、こういうものに対する培養殖の技術を習得する、または研修するそういう担い手をつくっていくということ、就業体制を整備するとかそういういろいろな手だてが必要なんだろうと思います。
 そういう中で、最近私いつも申し上げているわけでありますが、いそ焼けとかトドの被害とかこういう害敵駆除、それから漁場の管理とか漁場の環境調査、資源保護、資源管理の充実、こういうことをしっかりやらなきゃいかぬということや、種苗生産や中間育成施設などの整備を進めるほかに、荒廃漁場の機能回復、漁場の高度利用、こういうことも言われているわけであります。
 過去の好漁場であったところが荒廃しておる、こういうことから、日本海に限らないのですけれども、やはり日本の二百海里内の漁場の実態といいますか、こういうものについての調査またはそれに対する対応、また漁場の高度利用、こういうことに、先ほど同僚委員からもお話がありましたが、「しんかい」なんというのは海の底をよく見れる、そういう新しいものもあるわけでございますから、もっと科学的に資源調査、また漁場の実態、それに対する対応、こういうものがもっと機能的にできないものかということを痛感するわけであります。
 それはただ漁場だけでなくて、陸地の山林等も大きな影響があるということも言われておりますし、そういう総合的な諸施策というものが大事じゃないか、こう思うのです。あす、あさってできることじゃない重要な大きな課題ではございますけれども、着実にいろいろな施策が生きて、変わってきたという芽を、そういうほのぼのとした希望が持てるようなものが一つ生まれ出るような対策が必要だと私は痛感をするのです。
 これはもう毎回言っていることですから、よく御存じのことと思いますけれども、ぜひひとつこれらのことについて御答弁をいただきたいと思いますが、どうですか。
#111
○田名部国務大臣 日本海における漁業は、イワシあるいはスルメイカを中心に、年間百二十万トン程度を漁獲いたしております。また、それぞれの水域においてカニあるいはハタハタ等特別な魚種も存在しておりますが、資源的な問題が存在しておることはそのとおりであります。今後、日本海における漁業というものは、その特色を生かして積極的に振興していくことが必要だと考えておるわけであります。
 これも先ほども申し上げたように、そのためには生産基盤あるいはつくり育てる漁業そして資源管理型の漁業、そういうものを柱に据えて、生産基盤と生活基盤、特に漁村の生活環境というのは本当に劣悪でありまして、そういうものの整備を図る。それから、地域の実情に応じて多様にやり方があろうと思うのです。幸い農業も水産もこの農林水産省で扱っているわけでありますから、いま少し構造改善局や水産庁で相談しながら、そうしてうまくやれる地域についてはやはり一緒になって計画を立てるとか、いろいろ総合的にやっていかなきゃいかぬというふうに考えております。
 おっしゃるとおり、確かに今すぐできる問題ではないものもありますが、しかし、やれるものは積極的に取り組んでいきたい、こう考えております。
#112
○藤原委員 農林水産大臣経験の豊富な、歴任をなさった大臣でありますから、何か一つ日本海に活路を、これは青森もつながるわけでありますけれども、ぜひ着実な施策をお願いしておきたい。
 それから、いつも申し上げていることですが、日本海といいましても、宇宙から見ますと一つの沼か湖みたいなものです。そういうことからいいますと、日本の漁場というだけじゃなくて、これはロシア、韓国、北朝鮮それから中国、これらの国々とのお話し合いの中で資源調整といいますか、こういうこともなければならないんじゃないか。まあこれも他国とのことですからそう短兵急にできることではないのかもしれませんけれども、ぜひひとつそういう時代をつくって、そして資源というものを大事にする、こういうこともお進めいただきたいと思うわけであります。
 資源のことをお話し申し上げましたので、私もいつも申し上げておることでございますが、資源管理ということからいいますと、沿岸漁業と底びき漁業の資源確保の協調ということが非常に大事なことだろうと思います。今日までは韓国漁船の問題でいつも大臣にいろいろ申し上げてまいりましたが、それはそれとして、国内的に言いますと沿岸漁業と底びき漁業との資源確保の協調、こういうことで最近、昨年ですか、免許の改定に当たりましていろいろ御努力をいただいて、ようやく話し合いの場が持たれたようでございます。ぜひこれらのことにつきましても、資源管理というからには一方だけでできることではございません。全体として日本の二百海里内をどう資源をふやすか、増大させるかということで御努力いただかなければならないわけでございますので、これにつきましてもぜひひとつしっかりした施策を進めていただきたいと思うのであります。これはちょっと御報告だけいただければ結構です。
#113
○川合政府委員 先生御承知のとおりでございますが、日本近海周辺水域につきましては、沿岸から沖合にかけまして、長い歴史的な経過のもとに一つのライン、すみ分けと申しますか、ができております。漁獲能力が高まるに従いまして、その従来のラインがいろいろな形で紛争の種になる、調整を要する状況になるということがあるわけでございます。そうしたことから、先生御指摘のような沖合底ひきと沿岸との問題が、地域によりましてはかなり出てきているわけでございます。
 基本は、やはりお互いに大事な資源でありますから、その資源をどういうふうに守っていくかということに尽きるわけでございますが、私どもの一応の対応といたしましては、まず両者がテーブルに着いていただいて、それでお話し合いをする、そこでお話し合いがなかなか進行しないときに、私ども国の段階が調整ができるというような状況であれば調整するという基本的な方針で臨んでいるわけでございます。
 今後、いろいろな形で資源をめぐってそういう状況が生ずることもあろうかと思いますが、基本的には今申しましたような態度で、私ども臨んでまいりたいと思っております。
#114
○藤原委員 きょうは時間がございませんので、次に、サケ・マス交渉のことについては大変御努力をいただきまして、過日来、三月一日からモスクワで開催されました日ロ漁業合同委員会の第九回会議で妥結を見たわけでございます。このことにつきましては努力を評価するとともに、ロシアの国内情勢もございますけれども、長期的な安定的な方策というものを、ぜひひとつ道筋といいますか、これらのことについて御努力をいただきたい、このことだけ申し上げておきたいと思うのであります。
 次は捕鯨の問題でございますが、本年の五月に二十五年ぶりで国際捕鯨委員会、IWC総会が京都で開かれるわけであります。この会議は非常に大きな意義を持っておると思うのであります。一つは捕鯨に関する国際的世論の流れを変えさせる大きなチャンスではないかと思いますし、二つ目には海の資源をいかに持続的に利用するか、こういうことで日本の主張を強く訴えるには非常に大事な会議であると思うのであります。
 このたびのこの京都におきますIWC総会につきましては、国内的にも、捕鯨関係者だけではなくてマグロ漁業、沿岸漁業等の漁業関係者すべてが「海の幸に感謝する会」というものをつくりまして、この会を成功させるために国内PRなど努力しております。また、漁業界だけでなくて文化人とか経済界、NGO等が創設されたと聞き及んでおります。
 このような民間での運動だけではなくて、政府においても、水産庁初め総理府も協力して国内のPRに努めていることは承知をいたしておりますが、国際会議であるので最も重要なのは、諸外国に事の重要性をいかに理解させるかということではないかと思うのであります。聞くところによりますと、十分に説明すれば理解してくれる国もあるようでありますけれども、これからでも遅くない、対外的にPR、外国政府に対する説得ということに御努力いただきたい。
 食文化の相違、海産哺乳動物に対します私どもからしますと偏見としか思えないこういうことを説得する大事なときが、この五月の総会をめぐりまして今訪れておるという気持ちでおるわけでございますが、水産庁それから外務省、このことにつきまして、特に外務省については漁業外交という立場から大いに諸外国に対して日本の主張というものを訴えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#115
○田名部国務大臣 捕鯨問題につきましては、もう私も、各国の水産大臣ばかりでなくいろいろな大臣がお見えになります都度必ず申し上げるのは、捕鯨問題をぜひお国に帰ったら担当大臣にお伝えいただきたいということをお願いいたしております。
 何といっても、この条約の精神と科学的根拠に基づいた我が国の主張が受け入れられるべく最大の努力を払っておるところでありまして、今お話しのように、二十五年ぶりに我が国で開催されることもありまして、この機会に我が国の捕鯨の立場について、国内はもちろんでありますが、国外への一層の理解と協力を得るべく、関係各国に対する事前申し入れや官民一体となった各種の広報活動等に最大の努力をいたしております。
 どうも私どもは古くから肉食民族ではないものですから、そういう方々との話し合いというのはなかなか我々を理解してくれないところもあります。ただ、いずれにしても過度に保護をいたしておりますと生態系というものは変わってきますから、科学的知見に基づいてきちっと出ているものは、やはり適切に捕鯨の問題についても捕獲をしていくということが認められていいのではないだろうかという気がいたしまして、そういうこともあわせて申し上げて理解を得る努力をいたしております。
#116
○関説明員 外務省といたしましても、鯨等の海産哺乳動物も海洋生物資源という認識に立ちまして、その保存と合理的利用が図られるべきとの我が国の立場を、これまでの種々の漁業に関する国際会議の場、それから在外公館の活動等を通じまして諸外国に説明してまいっておるわけでございます。
 捕鯨の問題につきましては、鯨の保存と合理的利用を目的とする国際捕鯨取締条約があるわけでございますので、そのもとで合理的解決が図られることが重要であるということを主張しておりまして、本年はIWCの京都の会議を控え、関係各国に対して積極的にいろいろなルートを使って、我が国の立場を外務省も説明しております。
 また、各国の報道関係者に対しても、我が国の立場を的確に理解を得るよう説明し、我が国の主張の正当性に理解が得られるよう努力しているところでございます。この関連で、英国等の報道関係者を我が国に招待いたしまして国内の状況をつぶさに見てもらい、理解を深めるといったようなこともやることを予定しております。
#117
○藤原委員 時間がありませんから最後になりますが、京都会議のテーマもいろいろあろうと思いますが、今日までいろいろ議論となってまいりましたこと等、また、この姿勢を貫き通していただきたいということを強く要望をいたしておきます。
 海洋資源の秩序ある利用ということでございますが、北海道の羅臼で最近トドがふえ過ぎて魚を食い荒らし、沿岸漁民が困っているために、これを駆除しようとしたところ、これをオーストラリアの新聞が、海産哺乳動物をむやみに殺している、こういうことで報道しておるということでありますが、北海道の漁民がやむにやまれず行ったことであって、生活のために仕方のないことだ、それが批判の的になっているということであります。
 このような批判というのは、海産哺乳動物も海の資源の一つである、ただ一つの資源だけを守るということが全体の生態系を乱すということを世界の人々に知らせる必要があるのではないか、我
が国がこのようなことを世界に説明する役割を果たさなければ、世界の漁業国全体も今後間違った世論のために大きな影響を受けることになる、こういうことを痛感するわけであります。
 過日の報道の中にも、三十年にわたって禁止してまいりましたシロナガスクジラの資源が少しもふえていないということでありますが、ただ捕獲しないことが資源の保護につながるということではないということだろうと思います。どのようにすれば資源量が最大になり、有効に全人類のために利用できるのか。適切な管理方法の確立、こういうことがさらに検討されなければならぬだろうと思うわけであります。
 こういうことで、この食文化の違いといいますか、文化の違いがいろんな形で日本の攻撃に今使われておるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、それぞれの立場でひとつ大いに日本の立場をPRしていただきたい。日本は、味方といいますか日本に同調する国は少ないわけでありますから、三倍、五倍の声を出して主張いたしませんと、なかなか説得ができないのではないか。最近は大分数字の上のデータ等も蓄積されましで、いろんな面で説得力あるお話もお聞きいたしておりますが、諸外国に対して積極的なお取り組みをいただきたい。最後にお聞きしまして、終わりたいと思います。
#118
○川合政府委員 海産哺乳動物に関します考え方は、やはりかなり違うことがございます。捕鯨問題がその典型でございますが、このトドなどに対します問題も、そうした一環であろうかと思います。
 やはりこうした問題に対処するには、科学的な調査ということが不可欠だろうと思っております。それに基づいて永続的、保続的な利用を行うということが、やはり水産資源についての一番の基本であろうかと思います。
 そういう観点で、私どもはこうした問題について対処してまいりたいと思っております。
#119
○藤原委員 以上で終わります。
#120
○平沼委員長 藤田スミ君。
#121
○藤田(ス)委員 水産業法案について質問をいたします。
 法案の中身に入ります前に、これは水産物に直接かかわる問題でありますので、まずお伺いをしていきたいと思いますが、きのうのNHKニュースでも、旧ソ連海軍が昨年の十二月まで三十年間近くにわたって、ウラジオストク南二百キロの日本海に二次冷却水などの放射性廃棄物を大量に投棄していたことが報道され、さらにイギリスのフィナンシャル・タイムズの報道によりましても、一九五九年以降旧ソ連海軍が十八基の老朽原子炉などを日本海や極東地域、北極海域で海洋投棄をし、その放射能総量はチェルノブイリの十分の一にも相当するというふうにされているわけであります。
 日本の目と鼻の先に海洋投棄されているわけでありまして、事態は深刻であります。政府全体として対策に取り組むべきであります。この点、科学技術庁それから厚生省、対応をどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#122
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 ロシア海軍が、日本海などで原子力潜水艦の使用済み原子炉を含む核廃棄物を秘密裏に投棄したという報道がなされていることは承知しております。
 科学技術庁といたしましては、これらの報道の事実関係を確認すべく、外交ルートを通じまして情報提供方督促しているところでございます。現段階におきましては、詳細な情報が得られていないという状況でございます。
 なお、我が国におきましては、現在科学技術庁を中心に、関係省庁等の協力を得まして放射能調査を実施しているところでございますが、近年特段の異常が検出されたということはございません。
 本件につきましては今後とも情報収集に努めますとともに、必要に応じ関係省庁と連携いたしまして、適切に対処してまいる所存でございます。
#123
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 六十一年にチェルノブイリ原子力発電所の事故以来、輸入食品につきまして放射能検査をしておるのは御承知のとおりかと思われます。
 先生御指摘のロシア海軍が投棄したと伝えられております放射能物質の水産物に係る汚染問題につきましては、関係省庁とともに、まず事実関係の確認を行いまして、投棄海域でありますとか漁獲状況でありますとか魚介類の輸入状況というようなことを踏まえて、対応について検討してまいりたいと考えております。
#124
○藤田(ス)委員 水産庁、先ほど大臣のお話の中にも、日本海の漁獲量は百二十万トンというふうな数字も示されましたが、事は日本海にかかわる問題でありまして、漁民の皆さんの不安も広がってくるのではないかと心配をしているわけです。水産庁としての今後の対応をお示しください。
#125
○川合政府委員 今関係省庁からお話がございました、事実関係をそちらで把握すべく努力をしているようでございます。
 私どもは、何と申しましても良好な環境のもとで水産業が振興できるという基本的な考え方を持っておりますので、この問題につきましては重大な関心を持って今後も見守ってまいり、適切に対応をしていかなければいけないと思っております。
#126
○藤田(ス)委員 重要な問題ですし、いたずらに国民の中に不安が広がったのでは逆に大変困ったことにもなってまいりますから、ぜひとも的確迅速な対応をお願いをしておきたいと思います。科学技術庁、ありがとうございました。
 私は、輸入水産物の安全性の問題につきましては、当委員会でしばしば取り上げてまいりました。そして、ウナギ、エビなどの養殖魚につきまして初めて抗生物質や合成抗菌剤の残留検査が行われるようになり、その後サケ・マスそれから国内の養殖魚でありますブリ、コダイ、コイ、アユ、アジというようなものにまでその検査が広がっているというふうに聞いておりますけれども、他の輸入魚はやはりノンチェックで輸入されているわけであります。
 しかし、現在の世界的なPCBなどの化学物質による海洋汚染、さらには一部の国で金採掘による深刻な水銀汚染というふうに、輸入魚が必ずしも安全と言えない、依然としてそういう状態があるわけであります。養殖魚もその後種類がふえておりますので、抗生物質の残留チェックについても対象魚をふやすべきであると考えますが、厚生省、いかがお考えでしょうか。
#127
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 今先生も御紹介されましたが、輸入水産物の抗菌性物質、抗生物質などの有害物質の対策につきましては、昭和六十三年から輸入時のモニタリング検査を実施してきておりまして、順次その充実を図ってきておるわけであります。
 それで、水銀につきましては、平成四年から輸入魚介類を対象としてモニタリングを進めるようにしております。対象魚を広げることにつきましても、輸出国の使用状況などをよく調べまして、検討してまいりたいと思っております。
#128
○藤田(ス)委員 水銀の汚染の問題は平成四年ということでありますけれども、これは引き続き、来年度、平成五年も行っていただきたいと思いますが、お考えはありますか。
#129
○伊藤説明員 お答え申し上げます。
 まだ平成四年度の集計が終わっておりませんが、その状況を踏まえまして、引き続き五年度も対象物質としていく方がよろしいかというふうに考えております。
#130
○藤田(ス)委員 安全性の問題が、実は魚の消費を減退させるというようなことにもなっているわけです。だから、輸入魚の問題については本当に検査を進めていただきますように、特にPCBの問題についても、国が本当に積極的に乗り出していただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。厚生省、どうもありがとうございました。
 それでは本来の問題に入ってまいりますけれど
も、大臣、きのうもこの委員会で、我が国の畜産業が牛肉の輸入自由化でどんなにひどい状態になっているかということがリアルに浮き彫りにされたというふうに思っております。水産加工の問題について考えましても、やはり水産物の輸入問題にぶつかるわけであります。現在の急速な円高がもとで、その輸入水産物対策の緊急性は極めて高いわけであります。
 先日、フランスでも漁民が輸入水産物の急増に抗議をしたことが報道されておりましたけれども、我が国においても、輸入水産物の急増が魚価の低迷を招き、漁民の収入を引き下げ、時には失業まで引き起こす、こういうようなことでありますし、水産加工業界にも深刻な打撃を与え、その存立を揺るがしているわけであります。
 また、資源管理型漁業ということで、各地の漁協や漁民の皆さんがまじめに取り組んでいるわけでありますが、輸入水産物がさらに拡大するなら、それらの取り組みも水泡に帰してしまうおそれさえあります。
 水産庁として、輸入水産物の規制に真剣に取り組むべきではないか、こういうふうに考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#131
○川合政府委員 水産物の輸入につきましては、平成四年度は三年度に比べまして増加はしておりますが、ここ数年の動きに比べますと若干鈍化の傾向にあります。
 また、今御指摘がございました水産加工品の輸入の動向につきまして、やはり増大の傾向にはございますが、これにつきましては、その中身はいろいろそのときの状況によって変化しております。
 確かに、水産物につきまして輸入が今のような状況ではございますが、これは一つには、やはり国内周辺水域の資源の問題などがありまして、必ずしも需要に的確に対応し切れないという面がございます。そういう面では、先ほど来申しております。辺水域におきます漁業の振興ということが非常に大事だと思っております。
 ただ、一方で、例えば今日御議論いただいております加工業につきましては、その存立を維持していくためには一定の輸入原料というものも必要でございますので、私どもは何よりも秩序のある輸入というものが行われることに意を用いてまいりたいと思っておるところでございます。
#132
○藤田(ス)委員 時間がないので大変残念ですが、原材料の輸入というよりも、その加工物そのものが逆に入ってくるというような、しかも日本の業者が行ってそして逆に入ってくるというような状態の中で打撃を受けているわけでありまして、私はこれからもそういう立場で主張を続けていきたいと思います。
 今、水産加工業にとって大変に期待されておりますのがドコサヘキサエン酸、つまりDHAの問題であります。現在水産庁は、DHA高度精製抽国技術開発事業を大洋漁業や明治乳業、三共などの大企業が参加しているDHA高度精製抽国技術研究組合に補助金を出してやらせておるわけでありますが、心配をしておりますのは、これらの開発技術が技術研究組合に参加している一部の大企業にとどまり、一般の水産加工業者が使えないというようなことになっては困るな、そういうふうに考えておりますので、この点についてどういうふうにお考えなのか。
 また、現在はDHA濃度の高いカツオ・マグロを主な対象にしておりますけれども、DHA濃度は低いが漁獲量はカツオ・マグロよりもずっと多いイワシからもDHAが回収できるわけでありまして、これらに対する精製技術開発も、技術組合ができないなら国が責任を持って取り組むべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#133
○川合政府委員 DHAの抽国技術につきまして、現在研究組合をつくりまして実施しているところでございます。
 DHAにつきましては、改めて申し上げるまでもなく、生理的に非常に有効な成分であるというふうに言われておりまして、その抽出がいかに円滑にできるかあるいはコストが低い形でできるかということが、非常に重要な課題になってきているわけでございます。
 今の御指摘の、この研究組合が実施している成果についてのお尋ねでございますが、当然のことながら、研究組合で開発努力をしているそうした関係者にとりましては、この成果というものは、ある意味ではそれの研究努力に基づきます成果でございますので、それ相応の評価の形で使われたいという希望があるわけでございます。
 それと、今申しましたように、こうした形で国からも助成を出しながら行っているということから、こうした成果をどういうふうに広く普及していくかということの調整の問題かと思っております。私どもは、これはDHAだけではございませんで、一つの仕組みをつくっておりまして、その基準に基づきまして、こうした調整の問題に対処してまいりたいと思っております。
 原則的には、報告会あるいは出版物などで、得られました成果の知見については広く公表していくということが原則であろうと思っております。
#134
○藤田(ス)委員 このDHAの開発というのは、これらの加工業者に一つの光になっておりますので、できるだけ一般の加工業者も取り込んで、そして参加できるように、特段の御配慮を重ねてお願いをしておきたいと思います。
 ところで、ナシフグの問題でありますが、厚生省はことしの二月三日に「フグの衛生確保について」という通知を出しまして、従来取り扱いを認めていたナシフグを、筋肉部に毒性を有するものが存在したということで販売を認めないという措置を打ち出しました。
 もちろん、安全でない食品が出回ることはもとより認められないわけでありますので、それに対する対応は厳格であらねばならないということは言うまでもありません。当然仲買業者、加工業者、販売業者、そういうところに対して販売禁止措置の指導徹底を図っていかなければならない、こういうふうに思っております。しかし同時に、この禁止措置による漁業者に対する対策もとっていただかなければならないと思うわけです。
 漁業者からは、ナシフグの水揚げ禁止により異常繁殖が予想され、これが魚卵、稚魚あるいは放流魚を捕食するなど生態系への悪影響が懸念されることから、影響調査を実施してほしいというような要望が私のところにも来ております。また、ナシフグが毒性を有しているかどうかの毒性調査も継続的に行ってほしい、混獲したナシフグの処理費用についても何らかの助成をしてほしいという希望が出ておりますが、ぜひとも、こういう問題で大きな打撃を受けております地域の皆さんに対して、水産庁、前向きに対応していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#135
○川合政府委員 失礼いたしました。先ほど一つお答えを外しました。
 DHAにつきまして、カツオ・マグロ以外にイワシにもというお話がございました。御承知のように、イワシの中にこの成分は、カツオ・マグロに比べると少ないわけでございますが、当然存在するわけでございます。私どもといたしましては、まずカツオ・マグロから手がけておりますが、その成果を得られた段階で、また次の段階について考えていきたいと思っております。
 それから、ナシフグでございますが、これは厚生省の方のいろいろな調査の結果、毒があるということで、今御指摘のような措置がとられたわけでございます。
 私どもといたしましては、まずナシフグが市場に出ないことが一番大事でございますので、その指導、徹底を今まさに図っているところでございます。厚生省で作成いたしましたパンフレットなどを私どものルートからも出しまして、まずその指導、徹底を図っているところでございます。
 今お話が幾つかございましたけれども、フグにつきましてはナシフグ以外にもドクサバフグとかコモンダマシなどにつきまして毒性があるということで、これまでにも禁止の措置がとられている。わけでございまして、こうした禁止の措置がとられているものと一体的に、今後取り扱っていかな
ければいけないわけでございます。ナシフグだけについて調査をする、あるいはその生態について調査をするということは実際問題として非常に難しいことでございまして、私どもこれはなかなかできないのではないかと思っております。
 ただ、いろいろな形で漁獲につきまして調査をしておりますので、そうした一環として、ナシフグだけ取り出すことはなかなか難しいと思いますが、いろいろな調査の中で、ナシフグについての視点を持ちながら実施していきたいと思っております。
#136
○藤田(ス)委員 処理の問題は。
#137
○川合政府委員 もう一つ、これにつきます救済の問題でございましょうか、これにつきましても、今申しましたように、ほかの幾つかの種類のフグにつきましては既に禁止の措置をとられておりますので、やはりそれと別の扱いをするということはなかなか困難ではないかと思っております。
#138
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので終わらなければなりませんけれども、ナシフグの問題について、この間禁止されたばかりで皆さんも実態はご存じないのではないかなと思いますが、一度長崎のナシフグの実態について調査をし、そしてどういうことになっているかということを水産庁としてぜひ見ていただきたい、これだけはお答えいただけませんか。
#139
○川合政府委員 まずこれにつきましては、私どもナシフグが市場に出ないことにつきまして最大限の努力をしているところでございます。ナシフグだけをとらえましていろいろな調査をすることはなかなか難しいということだけは御理解をいただきたいと思います。
#140
○藤田(ス)委員 もうやめようと思っているのに、やめられないようなこと言わないでくださ
 水産庁というのは漁民の味方でしょう。漁民の方は、毒フグだということで急にとまってしまったので、加工業者も含めて困っているのです。こんなときこそ水産庁としてそこへ行って実態を見て、何か手助けする方法はないか、それぐらいの思いやりがあって当然じゃないですか。どうしてそんな突き放したような物の言い方をするのですか。
#141
○川合政府委員 私どもも、この点については今いろいろな形で実態の把握には努めております。しかしながら、ナシフグだけをとらえて先生のおっしゃるようなことをすることはなかなか難しいということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#142
○藤田(ス)委員 もう時間が来たので終わりますが、どうぞ長崎にぜひ一回足を運んでください。そして、実態に合わせて、水産庁としてもっと漁民の立場に立った仕事をしていただきたい、そのことを申し上げて、終わります。
#143
○平沼委員長 小平忠正君。
#144
○小平委員 最後になりましたが、私から数点質問いたします。
 当法律は、御案内のように昭和五十二年にいわゆる二百海里ショックに対応してつくられたものでありまして、まさしく臨時措置であります。
 その後、内容の改正も含めて今回で三度目の延長となりますと、この五年間も含めると、これができましてから二十年間という長きにわたって加工資金を貸し付けるということになると思うのであります。
 ところで、水産加工の実情を見ますと、一時期のように大量に処理加工するという時代は終わり、いかに国民の嗜好に合った加工品を開発し提供していくか、きめの細かい、少量高品質、そして多品種生産の時代に入ってきており、水産資源を消費者に結びつけるという極めて大切な役割を果たしていると思われます。
 漁業者の側から見ましても、これまでは単に生産にだけ目が向いていたようでありますが、所得を上げるためには、これからは生産だけではなくて流通、加工等にまで手を伸ばしていかなければならない、既にそういう時代に入っておるわけでございます。こういう観点からも、水産加工はますます重要になってきている、こう思われるのであります。
 そういうところで、水産加工業に対する行政は、水産庁と中小企業庁の両面からいろいろな施策が行われておりますが、私どもの承知しているところでは、特に金融面においては、どちらかというと中小企業庁の方が手厚い施策がある、こんなふうにも承っております。こういうところで、水産庁としても加工対策にもっと手を入れていくべきじゃないか、こんなことが漁業や漁村の活性化にもつながっていく、こんなふうに思うわけであります。そこのところをどうお考えになっておられるか。
 また、前段に申し上げましたように、この法律は、今後五年間を含めますと二十年続いていくのですが、これを恒久的にしていくということについてどうお考えになっているのか、こんなことも含めまして、特に大臣は青森県御出身で水産については精通されておられると伺っておりますが、この基本的な問題について、まず大臣の基本的な見解をお伺いいたします。
#145
○田名部国務大臣 水産加工業界ですが、私の八戸市は非常に加工業の盛んなところでありますが、近年、倒産する企業が若干ふえておりまして、あるいは倒産までいかなくても非常に経営が苦しい。それは資源がどうしても不足になりまして、特にサバの加工業界というのは一挙にとれなくなるということがありまして、今非常に困っておるわけであります。これは見通しが立たぬものですから、本当に水産加工というのは大変な業界だなということを感じております。しかし、安定的に供給しなきゃならぬし、地域の雇用の創出など多様な役割を果たしておりますので、これは本当に振興していかなきゃならぬ、こう考えております。
 御承知のとおり、この法律で恒久法にというお話でありますが、なかなか国際的にも資源が安定してない。また、どういう規制がかかってくるかということは、これは先は全然わからぬ。それから国内も、今申し上げたように、特に去年はイワシ、サバが不漁だ、一方、イカがもう冷蔵庫いっぱいになるほどあるということでありますから、あらかじめ恒久的にしておいても、なかなかそれで対応していけるかどうかという問題もあります。ですから、その年々によって、二、三年続いてくれればまたそれは別ですけれども、いずれにしても臨機応変に漁業には対応するということにしておかないと、農業と若干違いますのでそういうことの方がいいのではないかと私どもは考えて、それでも対応はしっかりしていくということにはしていきたい、こう考えております。
#146
○小平委員 確かに、この法律、非常に長い名前ですけれども、まさしく貿易事情の変化に即応して、こういうことですから、今大臣おっしゃられましたように、余り恒久化、固定化しちゃうとまた問題だ、そういうことは私もわかりますが、ただ、ことし五年延長で中身が全然変わってない、こういうこともありましたので、大臣の御見解をお尋ねしたのです。いずれにしても、基本には、水産事情が非常に厳しい中にあって水産関係の皆さんがこれによって得るところがあるように、そういう方向にいけばいいことですから、そんな観点でひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、労働力の問題についてお伺いしたいのですが、特に漁業というのは、また水産加工業をとりましても、いわゆる三K職場でございます。非常に労働条件は厳しく、また仕事柄も、立ちっ放しだとか、しかも賃金もそう高くない、そんなことも、この職場に人が集まらないということで言われておると思います。そういうところで、外国人労働者の雇用問題がどういうふうになっているのか。これは統計的には余り実情が把握されてないような感もありますが、今後のことも見越した上で、まずその労働状況、外国人労働者の問題がどんなふうになっているのか、そこのところをお伺いしたいと思います。
#147
○川合政府委員 漁業者のと申しますか漁業の労
働力問題につきましては、地域によりまして、また漁業種類によりまして、いろいろな状況があろうかと思います。一部では資源の状況からいいまして漁獲能力が上回っておりまして、言うなれば減船のような措置を講ずる必要がある漁業もございますし、今御指摘のように、担い手がだんだんいなくなっているような地域もございます。
 したがいまして、これに対してなかなか一口に言えないわけでございますが、一つは、特に担い手問題について難しい問題を抱えているところにつきましては、先ほど来申しました資源管理型漁業というようなことを若い担い手を中心に行っている地域におきましては、かなり活性化し、また担い手も育っているというような状況もございますので、こうした取り組みをさらに進めていかなければいけないと思っております。
 それからもう一つ、やはり労働力の過不足についての情報交換といいますか、これにつきまして、これは例えば他の林業などにつきましても同様なことが言えるかと思いますが、私ども平成五年から、中央それから都道府県にセンターをつくりまして、そうした情報交換を十分に行ってまいりたいと思っております。
 それから外国人労働につきましては、これは原則として私どもは、国内ではそういう形で外国人労働を採用するという形にはなっておりません。ただ、海外におきまして、海外漁業で漁労活動をしている者につきまして、海外で船に乗せ、海外で船をおりる者につきまして、一定の限度でそういう形が認められております。
#148
○小平委員 かつては無資源というのは、我が日本においては米と魚というのはいわゆる基本的な基幹の食品でございました。しかし、こういういろいろな、二百海里あるいは資源が制約される、漁場が制約される、そんなこと等もありまして、今我が国の水産物の輸入状況は大変量もふえてきている。
 今、農水省所管のこの中では、農産物の輸入が三百億ですか、それから水産関係が百二十五億ドル、それで木材、林業関係が百億ドル、よく五百二十五億ドルと言われますね。そういう中で、水産関係も十年ぐらい前から見ますと倍ぐらいにふえて、今では約一兆六千九百億円、百二十五億ドルですか、そこまで、十年前から見ても大体倍増している。農水省で出しております水産物流通統計年報によってもこういうことが指摘されております。こういう中で、国内の漁業や水産加工業にもやはり大きな影響を有形、無形に及ぼしているのが実態でなかろうかと思います。
 そういうことを思いますと、今申し上げた労働力のいろいろな労働状況の問題等々を含めても、これからの見通しというか、経営的にも非常に圧迫がかかってくるのではないかと思います。そしてそこに、今懸案のウルグアイ・ラウンドの動向、そういう中で、政府としてはこれらの問題を今後どうとらえていくのか、そこのところをお伺いしておきたいと思います。
#149
○田名部国務大臣 水産物の安定供給を確保するというためには、ある程度の輸入に依存しなきゃならぬことはもう御案内のとおりでありまして、しかし、今後とも需給動向に即した秩序ある輸入ということをしていかなきゃならぬと思っております。
 ウルグアイ・ラウンドにつきましては、交渉の行方は予断を許さない状況でありますけれども、今後とも国内漁業及び水産加工業の経営に不測の悪影響を及ぼさないように適切に対処していきたい、こう考えております。
#150
○小平委員 終わります。
#151
○平沼委員長 ただいま議題となっております四案中、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 これより本案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#152
○平沼委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
#153
○平沼委員長 この際、本案に対し、金子徳之介君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。鉢呂吉雄君。
#154
○鉢呂委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表して、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  水産加工業は、漁獲物の最大の販路として漁業生産活動を支え、消費者の嗜好にあった食品を安定供給し、さらには、雇用機会の提供等を通じて漁村地域の活性化に資するなど多様な役割を果たしている。
  しかしながら最近、水産加工業を取り巻く状況をみると、国際的な漁業規制の強化等により水産加工品の現材料の供給事情はさらに悪化し、また、水産加工品の輸入は引き続き増加する傾向にあり、一段と厳しいものがある。
  よって政府は、本法の施行に当たり左記事項に十分配意し、遺憾なきを期すべきである。
     記
 一 水産加工施設資金については、今後とも、漁業生産及び加工利用の実情等に即し、適宜、貸付対象魚種及び貸付対象地域を見直す等制度運用の改善に努めるとともに、本資金と水産加工経営改善促進資金との有機的な活用を図ること。
   また、漁業との関連性に配慮した水産加工業者の体質強化等のための金融制度の確立について検討すること。
 二 加工原料魚の安定確保を図るため、強力な漁業外交を展開するとともに、近海資源の一層の有効利用を図る等さらに努力を重ねること。特に、マイワシ及びアカイカの漁獲量の急激な減少に対処し、関係水産加工業者等が安定的に経営を推進できるよう努めること。
   また、水産加工業における労働力不足に対処するため、協業化や加工施設の共同利用を促進するとともに、省力化システム等の研究・普及等に努めること。
 三 水産加工品をはじめ、水産物の秩序ある輸入に努めるとともに、輸入水産物の安定供給、安全性の確保に万全を期すること。特に、ウルグアイ・ラウンドにおける水産物交渉に当たっては、現行の国境措置の枠組みを維持し、我が国漁業経営に影響が生ずることのないよう遺憾なきを期すること。
 四 水産加工業経営の零細性にかんがみ、その特性を活かしつつ、経営構造の改善、組織化・共同化を促進し、経営基盤の強化を図ること。併せて、水産加工業協同組合系統組織の育成・強化に努めること。
 五 水産物消費の現状にかんがみ、消費者のニーズに即応した新製品の研究・開発を促進する等水産物の一層の消費拡大に努めること。
  右決議する。
 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#155
○平沼委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 金子徳之介君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#156
○平沼委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田名部農林水産大臣。
#157
○田名部国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#158
○平沼委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○平沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#160
○平沼委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま審査中の沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案の三案につきまして、来る四月六日午前十時、参考人として、東京水産大学教授大海原宏君、全国漁業協同組合連合会専務理事菅原昭君及び鹿児島県西之表市漁業協同組合組合長理事深田忠則君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○平沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 次回は、来る四月六日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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